財政委員会速記録第十号

平成十四年六月二十日(木曜日)
第二委員会室
   午後一時三分開議
 出席委員 十四名
委員長大西 英男君
副委員長近藤やよい君
副委員長鈴木貫太郎君
理事酒井 大史君
理事倉林 辰雄君
理事渡辺 康信君
矢島 千秋君
長橋 桂一君
真木  茂君
北城 貞治君
桜井良之助君
林  知二君
桜井  武君
藤田 愛子君

 欠席委員 なし

 出席説明員
財務局局長安樂  進君
技監畑野 喜邦君
経理部長佐藤 兼信君
契約調整担当部長中村 忠夫君
主計部長松澤 敏夫君
財産運用部長小野田 有君
調整担当部長矢口 幸一君
庁舎管理部長岡本 宏之君
営繕部長野本 孝三君
参事岸野  勇君
出納長室出納長大塚 俊郎君
副出納長小泉 克己君
副出納長宮原 恒男君
会計制度担当部長中路 有一君

本日の会議に付した事件
 意見書について
 出納長室関係
  報告事項(質疑)
  ・指定金融機関への臨時検査について
 財務局関係
  付託議案の審査(質疑)
  ・第百六十四号議案 東京都政務調査費の交付に関する条例の一部を改正する条例
  ・第百六十五号議案 土地収用法関係手数料等に関する条例の一部を改正する条例
  ・第百六十六号議案 審理、喚問、聴聞等に出頭した者及び公聴会に参加した者の費用弁償に関する条例の一部を改正する条例
  ・第百八十二号議案 都立江東地区チャレンジスクール(十四)建設工事請負契約
  ・第百八十三号議案 戸吹トンネル(開削部)整備工事請負契約
  ・第百八十四号議案 綾部原トンネル(仮称)整備工事請負契約
  ・第百八十五号議案 南田中トンネル(仮称)築造工事(その一)(十四・四-一)(環八南田中)請負契約
  ・第百八十六号議案 南田中トンネル(仮称)築造工事(その二)(十四・四-二)(環八南田中)請負契約
  ・第百八十七号議案 南田中トンネル(仮称)築造工事(その三)(十四・四-三)(環八南田中)請負契約
  ・第百八十八号議案 北町・若木トンネル(仮称)築造工事(その二)(十四・四-四)(環八若木)請負契約
  ・第百八十九号議案 旧江戸川(東葛西)防潮堤耐震補強工事(その九)請負契約
  ・第百九十号議案  区部ユース・プラザ(仮称)整備等事業契約の締結について

○大西委員長 ただいまから財政委員会を開会いたします。
 初めに、意見書について申し上げます。
 委員から、お手元配布のとおり、意見書四件を提出したい旨の申し出がありました。
 本件の取り扱いにつきましては、理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○大西委員長 ご異議なしと認め、そのように決定いたします。

○大西委員長 本日は、お手元配布の会議日程に従いまして、出納長室関係の報告事項の質疑及び財務局関係の付託議案の審査を行います。
 なお、付託議案のうち、契約議案とPFI法に基づく議案につきましては、議長から所管の常任委員会に調査依頼を行ってあるとのことでございます。ご了承願います。
 これより出納長室関係に入ります。
 報告事項、指定金融機関への臨時検査についての質疑を行います。
 本件については既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○倉林委員 指定金融機関への臨時検査について、何点か簡単に質問をさせていただきたいと思います。
 申し上げるまでもなく、みずほ銀行のシステム障害は、お客様のみならず世間に対してもはかり知れない不信を与えた、こう申し上げても過言でないと思いますし、みずほ銀行そのものの信用の失墜があっただろう。また、統合によりますメリットよりもむしろデメリットの方が現時点では多かったのかな、そんな感じすらいたしているわけでありますけれども、一日も早く統合の原点に立ち返ってほしい、これはだれも思っているところだと思います。
 そこで、お聞きしたいと思いますけれども、そのような中で、みずほ銀行のシステム障害に対して、都は、たしか五月二十一日からだったでしょうか、臨時検査を実施しているわけです。国においても、金融庁の検査が終了して、昨日、業務改善命令が出されまして、私どもも新聞等で伺っておりますけれども、それと同時に、都の検査の状況については、現時点では何ら報告がないわけですけれども、その後の状況は一体どうなっているのだろうか、そこからちょっとお伺いしておきたいと思います。

○小泉副出納長 東京都の検査についてでございますが、現在、最終的なまとめを行っている段階でございまして、取りまとめが終了次第、検査結果を近々公表したいと考えております。

○倉林委員 検査の状況については、取りまとめ次第、近々公表する、こういうことであるとすれば、やむを得ないと思いますけれども、より早く公表した方がよろしいのではないか、こう思うわけです。
 そこで、みずほ銀行に対して、昨日、金融庁が行政処分として業務改善命令を発したわけでありますけれども、その発表された資料の中にはいわゆる検査結果も含まれているわけでありまして、同じ銀行に検査を行っている都としては、その内容をきちんと把握していたんだろうか、また、現在行っている都の検査の結果はどのような内容になる見込みなのか、また、金融庁の方との関係でどういう違いがあるのか、そこのところを教えてください。

○小泉副出納長 ご指摘のように、昨日、金融庁は行政処分を行いました。金融庁の検査結果は、東京都といたしましても、昨日初めて内容を把握したところでございます。
 また、東京都の検査につきましては、指定金融機関に対して独自に行っているものでございまして、金融庁と同じ結果ということにはならないものというふうに考えております。

○倉林委員 都の検査も、先ほど申し上げましたように、五月二十一日から開始して約一カ月になるわけでありますけれども、今回のシステム障害の原因や指定金融機関の安全性についてどのようなやりとりを行ってきていたのか、また、その状況などを少し明らかにしていただければと思います。

○小泉副出納長 東京都の公金の収納、支払いに当たりましては、今回みずほ銀行におきまして障害の発生したシステムを使用して事務処理を行ってきたところでございます。今回、そのシステムに大規模な障害が発生したものでございまして、東京都といたしましては、強い危機感を持って、その原因等について広範囲に検査を行っているところでございます。
 また、みずほ銀行の既定のシステム統合計画での課題などについても、突っ込んだやりとりをしているところでございます。

○倉林委員 今の答弁を聞いていますと、もう少し具体的な面で明らかにしてほしいなという思いが出てくるわけですけれども、金融庁の業務改善命令では、みずほ銀行が提出をした報告に記載されている改善、対応策及び責任の明確化のための措置を確実に実行する、こういうことなどを求めたとのことでありますけれども、都は、まさに世界有数の金融機関であります。都の公金を取り扱う指定金融機関でありますみずほ銀行に対して、その役割を自覚して改善努力を促すような措置を求めていくべきである、こう思うわけでありますけれども、この点についてはどのように考えていらっしゃいますか。

○小泉副出納長 東京都がみずほ銀行に求めていく措置につきましては、現在検討中でございますが、検査結果を踏まえ、システムの改善策を初めとして、今後このような障害を再び起こすことがないよう求めるとともに、さらに、都の指定金融機関としてふさわしい水準を維持するよう、具体的な措置を求めてまいる所存でございます。

○倉林委員 三月の財政委員会のときに、我が党の近藤副委員長も申し上げておりましたけれども、みずほ銀行を指定金融機関に指定することについては、まさに初めにみずほ銀行ありきという印象が、率直にいって最後までぬぐえなかったという思いがあります。
 今回の検査結果を踏まえて、都が求める措置を検討する際には、決してみずほ銀行ありきという前提ではなくして、検査結果によっては指定金融機関の指定解除も辞さない、このぐらいのスタンスで対応していくべきだ、私どもはこう思うのでありますが、お考えをお聞かせください。

○小泉副出納長 東京都の指定金融機関であるみずほ銀行が、今回の大規模なシステム障害を発生させたことは極めて遺憾であると考えております。このような視点から、検査結果を踏まえ、東京都としてとるべき対応について、あらゆる選択肢を視野に入れて現在検討しているところでございます。

○倉林委員 今、あらゆる選択肢を視野に入れて東京都は検討している、こういうことでありますけれども、先ほども申し上げましたように、ちょっと確認をする意味でもう一度質問しますが、指定金融機関の指定解除も、そのあらゆる視野という中に当然入っているだろう、こう思うのでありますが、そこをもう一度確認させてください。

○小泉副出納長 ご指摘のとおりでございます。

○真木委員 指定金融機関への臨時検査について、幾つかお尋ねさせていただきたいと存じます。
 まずもって、本六月議会の石原都知事の所信表明の中で、今度の検査について、国を上回る規模でと胸を張っていらっしゃいました。うわっ、すごいなと思ってびっくりしたのですけれども、どのように国を上回っているのか、まずお尋ねしたいと思います。

○小泉副出納長 みずほ銀行に対する東京都の臨時検査につきましては、十四名の職員で行っているところでございます。また、検査員は、過去に銀行勤務の経験のある職員や、システム開発に従事している職員の中から人選しているところでございます。
 ちなみに、報道機関の情報によれば、金融庁の検査は四名ないし五名で行われていると聞いております。

○真木委員 ぜひ、人数だけでなく、その内容においても国を上回る内容としていただきますことを、心よりお願い申し上げる次第でございます。
 その上で、金融庁の調査がきのう終了し、そして改善命令が出たということでございますが、国と都の関係において、きのう出納長室の方からホームページの改善命令の内容をいただきましたが、国と都の関係というのはやっぱりこういったものなんでしょうか。指定金融機関の東京都さんということで直接連絡があるわけじゃなくて、東京都の出納長室であってもホームページを見て改善命令を知る、そういう関係なのかどうかお尋ねしたいと思います。

○小泉副出納長 当然、国といたしましては、金融庁の所管という事業でございますので、その範囲の中で、ホームページで掲載された内容について東京都が情報を収集する、特に行政機関同士で情報の交換があるというわけではございません。

○真木委員 ちょっと予告しておりませんが、それと逆をお尋ねさせていただきたい。そうしますと、国を上回る規模で検査をしている東京都の情報というものは、これは逆に金融監督庁にも行かないということなんですね。

○小泉副出納長 東京都は、あくまでも東京都独自の立場で、今回、指定金融機関のみずほ銀行に検査に入っているところでございます。したがいまして、特に国の金融庁等に連絡等をすることはございません。

○真木委員 これも予告しておりませんが、東京都の臨時検査の日程状況というか、今何合目ぐらいまで登って、いつごろまでに検査が終わるのか、その辺を教えていただきたいと思います。

○小泉副出納長 東京都の検査につきましては、五月二十一日から本店、支店を含めまして立入検査に入りました。また、多くの質問事項等について回答を求めているところでございます。
 先ほども申しましたが、現在、その最終的な取りまとめをしているところでございまして、近々、検査結果については発表したいと考えております。

○真木委員 もう最終的な取りまとめだということで、タイムラグというか、調査の期間においては国とさほど変わらないという理解でよろしいかと思うのですが、そういうことでよろしいでしょうね。

○小泉副出納長 国は、五月八日から入りまして、今回検査結果の発表ということでございます。
 東京都といたしましては、先ほど申しましたように五月二十一日というところでございまして、今回の取りまとめについては一応の仮締めというふうに考えております。

○真木委員 あえて時間的なことをお尋ねしたのですが、都のこの調査の目的というか、発表する内容というものはどのようになるのかというのを、今倉林理事からもご質問がございましたが、改めてお尋ねをさせていただきたいと存じます。
 と申しますのも、金融監督庁の業務改善命令というのは、もうちょっとごっついものなのかと思っておりましたら、命令自体は、これは何行ですか、ホームページにしたら二十行ぐらいですね。しかも、そのうちの半分は事実関係が記されていて、改善の部分というのは五、六行だけであります。三枚ありますが、残りの一枚半は、みずほ銀行側の示した改善ということでありまして、金融監督庁が改善をしなさいと命令した部分というのは、〔1〕、〔2〕、〔3〕の原因分析があって、その上で、その原因のところを直しなさいというだけの、本当に極めて簡単なものでございました。防衛庁の機密報告書の隠ぺい事件がありましたけれども、全文はどこかにあるんじゃないのというぐあいに思った次第なんですけれども、本当に極めて簡単なものでありました。
 東京都の内容というのも、やっぱりこういったA4一枚以内のようなものになるのかどうか、そして、その書かれる内容の目的というのはどういったものなのか、お尋ねしたいと思います。

○小泉副出納長 先ほども申しましたとおり、現在、検査の最終取りまとめでございますので、具体的な規模、分量等についてはまだ決めているわけではございませんが、委員ご質問の金融庁等との比較のお話に関して申し上げれば、その内容、それから深さにおいては、それとは相当異なる、より具体的な内容に入り込んだ形で私どもとしては検査結果を発表したいと考えております。

○真木委員 今、質問の中でも、この調査の目的であり、そして報告書という形になるんでしょうか、結果の内容の結論というものを聞いたつもりなんですけれども、要は、出納長室が出されております「指定金融機関への臨時検査について」というペーパー、きょうの議会でも配られているのでしょうか、先日の議会で配られたものですね。これでは、「東京都は、今後の公金の収納・支払事務等に、影響が生じないことを確認する必要がある。」というぐあいに目的に書かれております。「このため、みずほ銀行に対して臨時検査を実施し、公金収納・支払事務及びシステム障害の原因と対応策などを調査して、指定金融機関としての安全性を確認する。」というものになっています。
 ですから、国のものは、システムにどこに問題があるかとか、そういういろいろ原因分析だとかなんとかあるのかもしれませんが、先ほどの倉林理事との受け答えの中にもありましたように、要は東京都の視点としては、指定金融機関として任せていいのかどうか、安全かどうかの確認だけであります。ですから、それは、みずほ銀行のシステムが六十五点だとか七十点だよとかいう、そんな採点をするとかいうんじゃなくて、先ほど世界有数の金融機関とありましたが、東京都は世界有数の預金者ですよね、日本では一番じゃないかなと思うのですけれども、世界有数の預金者である東京都の指定金融機関として任せるに足るほどの安全性を確認するという結果報告書でなければ、意味がないと思うのです。
 しかしながら、国の方の業務改善命令、先日までの新聞では、システム稼働状況が依然として不安定という表記が盛り込まれるというぐあいになっておりましたが、きのうの業務改善命令の中ではそこは抜けておって、きょうの新聞報道によれば、その点については逐次報告を求めるということで、あえて国は書かなかったようですが、新聞報道からリークされているところによれば、システムの稼働状況は依然として不安定というぐあいに国は判断しているようでございます。
 とするならば、その新聞報道が正しいとするならばという仮定がついてしまうわけでありますが、当然、出納長室さんとの打ち合わせの中でも、国の業務改善命令の中では不安定という表現が載るという前提で質問させていただく予定になっておりましたが、どうもその言葉は残ってなかったようなんですけれども、それが本当であるならば、先ほど確認しましたタイムラグがある、国は五月八日からで、東京都は五月二十一日からであるというタイムラグがあるわけですけれども、そんなに大きな時間差のない中で、国と東京都の結論が違うということにはならないんじゃないかなというぐあいに思うんですが、その点についてお伺いします。

○小泉副出納長 先ほど申しましたとおり、五月八日それから五月二十一日という、このタイムラグの中で、私ども、十四名の、量だけではなくて質的にも庁内の最精鋭の人材を投入して現在やっているところでございます。その内容等については、もうしばらくお時間をいただきたいと思います。

○真木委員 新聞報道等によれば、たしか、みずほ内部での何か収支が合わないというか、数字が合わないようなことがいまだに起きているということでございます。そういった中では、今の段階で東京都が、世界有数の預金者である東京都の指定金融機関として任せるに足るということには決してなり得ないんじゃないかなというぐあいに思いますので、今度の報告書は、要は今度の検査の結果というものは、おおむねどうのこうのとかいうことにはならないと思うんですね。
 東京都として、指定金融機関として安全性を確認するかしないか、このデジタルの答えしかないわけですから、今の段階で直らない、まだ不安定であるということであれば、もう一度入らなければならない状況になるのかな、今のところの国の判断はそういうことですから、その辺も踏まえてぜひ調査を重ねていただき、もし東京都が安全であるということを確認するのであるならば、五月の国の検査が終わった後、みずほ銀行においてどのような前進が見られたかということを論証していただく必要があるのかなと思いますが、いかがでしょうか。

○小泉副出納長 真木委員のご意見、ご主張につきましては、十分承り、今後、検査を継続したいと考えております。

○真木委員 続きまして、ちょっと視点を変えさせていただきますが、三月そして五月と、富士銀行、みずほ銀行についての議論をさせていただきました。五月の段階では三月末決算の状況というのは出ていなかったわけでありますけれども、三月末決算が出ているかと存じます。当時は、まだ富士銀行や第一勧業銀行ということだと思いますが、その自己資本比率や預金量などについて教えていただきたいと思います。

○小泉副出納長 みずほ銀行はことしの四月に発足しており、十四年三月決算では、再編前の各行の決算しか公表されてございません。それによりますと、旧富士銀行は、自己資本比率では一〇・八二%で、前期の十三年九月の九・二五%に対して増加し、預金量は約三十二兆七千億円で、前期の三十兆二千億円に比べ八%程度の増加となっております。
 一方、旧第一勧業銀行では、自己資本比率は前期一〇・九九%から一〇・三四%と下落しておりますが、預金量につきましては六%程度増加しております。

○真木委員 東京都のペイオフ解禁後の新たな公金管理に向けてとする、公金管理に関する検討委員会報告がございます。この中で、指定金融機関のあり方が特記されておりまして、なお、指定金融機関は云々ということで書いてあります。「預金先であるとともに、収納・支払事務の取りまとめも行っており、預金規模や公金の安全性確保に対する責任は他行に比べて著しく大きい。このため、その経営状況は本基準において、預金の制限を受けないレベル」、これは東京都が決めました一番安全だよというレベルでありますけれども、それを維持するのは当然だ、断トツに安全でなければならないということでありましたけれども、その基準を満たしているということでよろしいでしょうか。

○小泉副出納長 今回の決算に基づく金融機関の経営状況につきましては、公金管理委員会でも検討を行うということになりますが、現在のみずほ銀行の格付がおおむねAランクにあることから、都の基準の上では、預金の制限を要する状況にはなっていないというふうに考えております。

○真木委員 あえて三月三十一日の状況についてお尋ねしましたが、今問題となっておりますのは四月一日以降の新みずほ銀行、システム障害を起こし、いろんな風説が流れた新みずほ銀行が、本当に東京都の指定金融機関として安全かどうか、他行に比べて極めて著しく大きい責任を持っているそのみずほ銀行が、本基準において本当に預金の制限を受けないレベルを維持しているのかどうか、いうならば、六月一日現在あたりでその基準を満たしているのかということだと思います。
 今のお話、三月三十一日現在での旧行での話でありますが、どうぞ今後とも、現段階においてディスクロージャーされている--自己資本比率とかそういうものはなかなかわからないわけですし、ディスクロージャーはされないわけでありますが、東京都は特別に聞くということをいっておりますので、金融機関から情報を取り寄せ、ヒヤリングを行う。預金量の推移については、前回、副頭取に来ていただいている中で、東京都は独自に聞いていいよということでございますので、ぜひその言葉を信じ、みずほ銀行の健全性について十分な確認をしていただきたいというぐあいに思っております。
 と申しますのも、やっぱり東京都、みずほ銀行との関係が抜き差しならぬところまで来たというか、ただでさえ富士銀行とは深い関係であり、当然、癒着しているとかいうんじゃなくて、指定金融機関としての重大な深い深い大きなつながりがあったわけでありますが、続いて、宝くじをお願いしていたり、交通局だったか水道局とかお願いしておりました第一勧業、その二番目に深いところと一番目に最も深いところとが一緒になってみずほ銀行となったということで、今、東京都の金融機関関係は、みずほ銀行オンリーというような状況になっております。
 前回にもご指摘をさせていただきましたが、東京都のみずほ銀行偏重というのは、ちょっと考えなきゃいけなくなってきているんじゃないかなというぐあいに思っているんです。記憶が薄れましたが、とりわけ現金の七割、基金の四割でしたでしょうか、東京都の公金の大半を富士銀行に預けて、それはそのままであるというようなことを五月の段階ではお聞きしております。今現在、そういった預金量の偏りについては是正されているのかどうか、答えられる範囲で教えてください。

○小泉副出納長 金融秩序の総体的な安定を願う立場から申しますと、いえること、いえないこと、いろいろございますが、預金先の変更など、都として必要なことはこれまでもやってきているところでございますし、これからもやってまいります。

○真木委員 三月三十一日、ペイオフが解禁されるまではどこに預けていたって安全だったわけですから、一〇〇%富士さんでもよかったんだと思います。しかしながら、今は、預けている銀行に何かあれば、そのお金は戻ってこないというペイオフが解禁されたわけですので、三月三十一日前、また、この公金管理方針ができる前まではしようがなかったんだと思いますが、今は公金管理方針ができたわけですから、指針ができたわけですから、あるべき公金管理のあり方、東京都の財産の預け方について移行していっていただかなきゃいけないと思うんです。
 その移行については、今ご答弁になったように、いえること、いえないこと、あるんだと存じますが、二年後か三年後かわかりませんが、やはり中長期的な東京都の公金の管理のあり方、預け方というビジョンがあって、それに向けて移行するということだと思います。そのあるべきモデル像というものについて、今のところのお考えをお聞かせいただきたいと思います。

○小泉副出納長 東京都の公金の預金につきましては、安全な金融機関に預金することが基本でございまして、各銀行の経営状況につきまして公金管理委員会において分析を行った上で、公金の損失をもたらすことがないよう対応してまいりたいと考えております。
 公金のうち、歳計現金はその性質上別といたしまして、基金につきましては、この七月に開催する公金管理委員会において、運用全体のポートフォリオを含めた議論をお願いする予定でございます。安全性と効率性を重視して、あらゆる角度から精査の上、的確な運用を行ってまいります。

○真木委員 やはり出納長室の責任で、公金管理委員会の責任ではないですね。確認はどこまでも出納長自身にあるというぐあいに出納長はお答えになっております。出納長の責任で、やはりあるべき像、健全な金融機関を選び、その金融機関に広く薄くお預けしていくというのが常識的な線なのかなと。その中でも、その経営状況を見ながらスライドするんだと思いますけれども、そういった像をつくっていただき、そこを目がけてやっていただきたいということ。そして、今のみずほさんの、これはちょっと偏り過ぎているというんですか、意図的であるというわけじゃありません、向こうが勝手に合併されたわけですから、東京都が悪いというわけじゃないんです。しかしながら、そういった現状になったわけですから、その辺、みずほ偏重といわれるような、後ろ指を指されるようなことがないように、ぜひ運営をしていっていただきたいというぐあいに思います。
 そして最後に、感想を含めてでございますが、今回のこのみずほさんをめぐる議論、三回目だと思います。指定金融機関をめぐって、まだ何も問題を起こしていなかった富士さんを、大西委員長の大英断で、七年ぶりに民間人を委員会に招致をし、参考人質疑を行った。ここから、五月のまた参考人、そして現在の調査--五月の委員会でも、これだけの問題を起こしたみずほ銀行と引き続き関係を続けるのであれば、都民に説明できるものを示さなければならないということをお願いしておきました。そうしましたところ、すぐに調査して、臨時検査をするというのが、一週間も置かずに発表されたような記憶がございます。これは、議論の成果なんじゃないかなというぐあいに私は勝手に理解しておりました。
 こうした形で、委員長初め理事会の皆さんの、民間人を参考人招致するというところから始まったこの議論が、きょうの議論、先ほどの倉林理事からの質疑を含め、深まっているんじゃないかなという気がいたしておりますので、どうぞ前例にこだわることなく、議会の活性化に向けて、大西委員長にご活躍いただきますことをお願い申し上げ、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

○桜井(良)委員 みずほ銀行に対する臨時検査について、私も質問させていただきます。できれば、前の人は後の人にも少し質問を残してもらいたいなという気持ちを持ちながら、重複を避けて質問させていただきたいと思います。
 お聞きしていますと、東京都は東京都、金融庁は金融庁でやっているんだと、都の独自の立場を盛んに強調しながら、近く臨時検査の結果も公表するということでありますが、正直いって、みずほ銀行が指定金融機関としてどうなのかということが、つまるところ一番の関心なわけでありまして、そういう中で、独自の立場でやっているといいながらも、金融庁から今回業務改善命令が出たわけでありますが、これをどう評価しているかということをまだお聞きしていないような気がするので、金融庁の業務改善命令に対して都はどのような評価を持っているか、まずお示しをいただきたい。

○小泉副出納長 今回の一連のシステム障害による金融庁の業務改善命令については、当然とはいえ、厳しい内容になっているところでございます。しかし、改善命令が、みずほ銀行にとって必要なことのすべてを網羅しているわけではないと考えております。みずほ銀行が失われた信頼を回復するためには、東京都といたしましては、みずほ銀行が業務改善命令を確実に実行することはもちろん、これにとどまらず、みずほ銀行自身必要なことはすべて行うという姿勢と、そうした決意で一つ一つ確実に実行していくことが不可欠であると考えております。

○桜井(良)委員 大変厳しい内容だ、こういう評価でありますし、しかし一方では、必要なことすべてを網羅してはいない、こういう表現なんですが、ではどこを網羅して、どこを網羅していないんだと聞いても、前の人の質問からするとお答えが出ないような気がしますので、これは質問しないでおきたいと思います。
 いろいろ議論を聞いていますと、最終的に、臨時検査をやっても、みずほ銀行が指定金融機関から外れるということは恐らくないんじゃないかなという気がしてしようがないわけでありまして、これは答弁から私が推測するものでありますが、そうしますと、都が出す、近々公表するといっておりますが、臨時検査の結果を踏まえて、みずほ銀行に何を求めていくかということなんですが、結局は、指定金融機関として公金の収納、支払いを安全かつ確実に行ってもらう、いわば本来の責務をしっかりと遂行してもらいたいということが基本になるのではないかな、こう思うわけであります。
 しかし、このシステム障害の及ぼした影響は大変大きいものがありまして、ここからみずほ銀行がどのようにして立ち直っていくかということが、またこれは大事な視点だと思うんです。そういう意味においては、先ほどお話がありました、初めにみずほ銀行ありきというようなことがいわれておりますが、やはり都としても、厳しくみずほ銀行に対して多面的にこの経過を監視していく必要があるのではないかなと思うんですが、いかがでしょうか。

○小泉副出納長 東京都は、実施いたしました臨時検査の結果を踏まえ、都としてとるべき対応について、あらゆる選択肢を入れて検討しております。指定金問題は別にして、いずれにいたしましても、みずほ銀行に対し、指定金融機関としてふさわしい水準を維持するよう具体的な措置を求めていくことになりますが、その後も、当然のことでございますが、厳しく監視を続けたいと考えております。
 東京都の検査は、指定金融機関としてのみずほ銀行に対して独自に行っているものであり、金融庁と同じとはなりませんが、都の措置の監視状況とあわせ、金融庁の業務改善命令の実施状況についても注意を払っていきたいと考えております。

○桜井(良)委員 ご承知のように、都議会は、指定金融機関を決めるときに、みずほ銀行に対しまして付帯決議を付したわけです。「都の行う施策や事業、並びに地域を構成する中小企業経営支援等、地域経済社会への積極的な貢献に努める」という付帯決議をつけてこれを認めたわけでありますが、その後、一連のシステム障害について、みずほ銀行の姿勢は、いろんな面がありますけれども、非常にこの付帯決議の姿勢に対して疑いたくなるような対応があったし、また現実に、細かい問題でもそういう対応が伝えられてきているわけです。東京都が指定した金融機関として、そのような報道なり、あるいはいろんな都民からの訴えを聞くたびに、非常に遺憾だし、残念なんです。
 みずほ銀行も、一方で、百人を超す役員、行員を処分する、こういう方針を出して、具体的なことはきのうもニュースで報道されて、体制立て直しに懸命であるということはわかりますが、ぜひ、都議会が指定金融機関として決めた際に求めた趣旨を絶対に忘れることなく、都民や地域に対する貢献、そういうものを果たしながら信頼を回復していただきたいなと思うわけなんです。
 単にシステムが回復したから、安全になったからいいというものじゃなくて、みずほ銀行がこの付帯決議に盛られた趣旨をしっかり受けとめて、行動といいますか、そういうことをしっかりと実行して初めて、私は指定金融機関としての信頼性の回復につながっていくのではないかと思うんですが、それをぜひこれからも求めていきたいと思います。その所信を伺って、質問を終わります。

○小泉副出納長 金融機関に対しまして、中小企業を積極的に支援し、地域経済の発展に貢献してほしいという都民の期待が大きいことは十分承知しております。みずほ銀行に対しまして、東京都といたしましても、付帯決議でいただいた趣旨を十分踏まえ、都政への支援と都民生活への貢献を引き続き強く求めてまいります。
 なお、今回の検査結果を踏まえ、都といたしましては、措置要求をまとめる中で、都の指定金融機関としてふさわしい顧客サービスを提供する視点も取り入れることが必要と認識しております。

○桜井(良)委員 最後に、措置要求をまとめる中で、顧客のサービスを提供する視点も入れたいというお話がありましたが、ぜひ、都議会の付帯決議ということをしっかり踏まえて要求していただきたいと思います。よろしくお願いします。

○矢島委員 今の質疑をずっと聞いておりまして、まず改善が先にある中で検査の結果が出てくるような、そういう印象を大変受けました。しかし、一方においては、もっと大きい決断をしなければいけない状況があるわけですから、先入観なく取り組んでいただいて、東京都らしい検査の判断が出るように、大きい観点をぜひ持っていただきたいと思います。
 まず、今回検査に入ったわけですけれども、東京都の指定金融機関決議の提案が、事前の調査が不十分だったということを示すことになるんでしょうか。

○小泉副出納長 みずほ銀行のシステム障害に対しまして、金融庁は東京都に先立って検査を行ったところでございますが、東京都の今回の臨時検査は、それとは違った視点で、指定金融機関としてのみずほ銀行の具体的な安全性について都が確認する必要があるという判断の上で、地方公共団体としては異例の審査に踏み切ったものでございます。
 委員ご指摘の点は、現時点における評価としては当然のことかもしれませんが、本年三月の時点で予測し得たかというと、困難であったといわざるを得ないと考えております。

○矢島委員 今回の事故の中で問題視されている金融機関のシステムは、金融機関のシステム自身の開発というのは数年を要するといわれていますし、一方では、現行のシステムを利用した方がミスが少ないという考え方もあるようです。しかし、今回のシステム障害というのは、現象としてあらわれた一断面にしかすぎない、大もとの問題があるんじゃないかと私は思っております。
 問題は、その金融機関が東京都の指定金融機関として十分な役割を果たすか、信頼にこたえるかどうかという、当然ながらそういうことになるんですが、今の答弁ですと、現時点の評価としては当然だけれども、予測は困難であるというお話でした。今回の一連の経過を見て、合併し、銀行名が変わるだけとの認識で、事前の検討、そういう金融機関がどういうふうに存在するのか、そして、合併がどういう内容を持って、どういう問題点があるのか、そういう意味での危機感に欠けるものがあったんではないかと私は思えてなりません。
 確かに、ペイオフに向けて、金融機関の健全性の評価など一連の取り組みが出納長室でなされてきましたが、これは一瞬をとらえた一断面、ダイナミックに動く経済の中で東京都が存在することをいわば忘れていって、出納長室自身が社会との関係の中で、一種の縦割りの中におさまり過ぎていたんじゃないか、こういうふうに私は見えます。
 今回の提案に至る中で、メガバンクを生み出そうとする金融機関の合併をする場合の多様な可能性、今回生じるような問題も含めて、これを十分に検討したのか、もう一度お伺いをいたします。

○小泉副出納長 ことし三月の指定金融機関の議案を提案するに当たりましては、みずほ銀行発足後の経営面での健全性はもちろんのこと、その経営規模や、例えば都内の店舗数に見る都民の利便性の観点、また公金処理の実績面での、これまで都の公金の取り扱いを長年にわたり事故なく円滑に推進してきたこと、必要なノウハウや事務処理システムを備え、基本的にこれが引き継がれることなどから、指定金融機関として適切に判断したものでございます。
 しかしながら、公金の支払いや収納の運用リスクについての検討は十分でなかったと認識しております。

○矢島委員 私の質問とちょっとお答えが違うようでありますけれども、まあそれはそれといたしまして、銀行が合併するというのは一種の経済行為ですから、その企業の判断で当然ながら行うわけですけれども、今ご答弁にあったように、長年の富士銀行に対する信頼が予断を生んだ、そういうふうにとらえることができると思います。
 ですから、私はそこで、先ほど申し上げたように、金融機関が合併をしメガバンクを生む、いろんな金融機関の合併の中でこれまで問題点というのは生まれてきたわけですから、そういう観点からしっかり基本のところを--組織の合併、人の合併、それから機能の合併、そういうものを大もとの方から、三つの性格の違うところが一緒になるというところの判断に少し欠けたな、こういうふうに、今お聞きしていても思えてなりません。
 やはりこれをどういうふうに学んでいくかということが、東京都自身が独立の自治体ですから、自己で完結をし、十分機能しなければいけないのは当然でありますから、今回の経験をぜひ生かしていただいて、都の経済的台所としてその中でおさまるだけではなくて、社会にいかに直接--社会の大きな経済のダイナミックな中でどんなにつながっていくかということがはっきりしてきたわけですので、その点で、出納長にぜひ、どういうふうな感想を持ち、今後どのような取り組みと考え方で運営をしていくか、そこをお聞かせ願いたいと思います。

○大塚出納長 銀行には三つのリスク、ご案内のとおりでありますけれども、このうち、とりわけ運用リスクについては、組織として事前に十分のカウントができなかったということは、まさにご指摘のとおりであります。制度的には、監督権限を含めまして国の守備範囲にあるわけであります。その保障のもと、地方団体として金融機関とのかかわり合いをこれまで持ってまいりました。しかし、今回のシステム障害を契機に、そうしたスタンスでは十分ではないという認識のもと、いろいろ委員会のご議論もいただきましたけれども、地方団体として異例ともいえる都独時の臨時検査に踏み切ったものであります。
 出納長室は、これまで、公金が毀損されることはないという守られた世界の中で、静態的、定型的な組織として機能してまいりました。ペイオフ解禁を初め、組織を取り巻く環境がさま変わりすることを想定し、昨年の夏以降、出納長室の根本的な、抜本的な構造改革に着手をいたしました。その後、以前とさま変わりの職場が現在形成されつつありますが、しかし、いまだ道半ばであります。
 今回の経験を機に、矢島委員ご指摘の、社会とのつながりの中で外部環境の変化を的確にとらえ、課題に対応することができるかどうかが組織の正否を握るものであり、組織運営の要諦であることを再認識いたしました。
 今後は、そうした認識のもと、覚悟を新たに、都民への責務を果たし、独立自治体としてのその使命を果たすため、さらに一層精進をしてまいります。よろしくご指導のほどお願いいたします。

○矢島委員 大変真摯なお気持ちと姿勢が伝わってくるような気がいたしました。ぜひ健闘を期待いたします。

○大西委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑は、これをもって終了したいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○大西委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑を終了いたしました。
 以上で出納長室関係を終わります。

○大西委員長 これより財務局関係に入ります。
 付託議案の審査を行います。
 第百六十四号議案から第百六十六号議案及び第百八十二号議案から第百九十号議案を一括して議題といたします。
 本案については、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してございます。
 資料について理事者の説明を求めます。

○佐藤経理部長 さきの委員会でご要求をいただきました資料につきまして、資料第1号から第3号につきまして説明をさせていただきます。
 資料第1号をごらんいただきたいと思います。ピーエフアイ区部ユース・プラザ株式会社の概要でございます。
 この会社は、区部ユース・プラザ(仮称)整備等事業契約を締結するに当たりまして設立された特定目的会社でございます。
 出資者は、株式会社大林組で、資本金額は一千万円でございます。
 続きまして、資料第2号をごらんいただきたいと思います。区部ユース・プラザの概要でございます。
 事業所管局は教育庁でございまして、財務局は、本件に係る契約事務を所管しております。
 事業内容は、PFI手法によりまして、民間事業者が都立夢の島総合体育館の一部改修及び新棟の建設を行うとともに、その運営及び維持管理を一体として行うものでございます。
 事業期間は、設計、建設期間及び運営開始後二十年間でございます。
 施設の内容でございますが、定員二百五十人の宿泊施設を初め、文化学習施設、スポーツ施設等となっております。
 続きまして、資料第3号をごらんいただきたいと思います。都が事業者に対して支払うサービス購入料金の内訳をお示ししたものでございます。
 表の左上、区分の欄をごらんいただきますと、サービス購入料が、AからEまでの五つに区分してございます。初年度の支払い予定額は八億一千四百万余円でございまして、表の右下の金額、二十年間の支払い予定額の合計では百六十二億八千八百万余円となります。
 資料の説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○大西委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、本案に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○矢島委員 議題になっておりますうちの百九十号議案関連で若干お伺いをいたします。
 財務局は、平成十一年のいわゆるPFI法成立の以前から手法の取り組みをなされてきたと伺っております。既に稼働しているところもありますし、実際、今回、教育委員会が実質審議をするユース・プラザ事業のように各局所管事業でありますので、これまで財務局が基本的取り組みを行ってきた部分についてお伺いいたしますけれども、PFI事業を行うに当たって、各事業局と財務局との関係はどうなるのか、この中で財務局はどのような役割を果たすのか、お伺いいたします。

○佐藤経理部長 PFI事業を実施しようとする場合に、まず、事業所管局が公共サービスとしての必要性、優先度等を勘案いたしまして、事業実施の適否の検討を行い、事業手法としてPFIが適しているかどうかを検討いたします。
 財務局といたしましては、所管局からの発案を受けまして、PFI手法の適否について、財務面、契約面、技術的な側面から支援を行うという関係になります。このため、財務局内に民活手法検討委員会を設置しまして、PFI手法による事業実施の適否についてのチェックと支援を行っているところでございます。
 PFI手法につきましては、財務局として、導入時はもちろんのこと、事業期間中におきましても、同手法による事業の継続的実施が適当であるかどうかについてもチェックをするなどして、事業実施部局の支援を行っていくものでございます。

○矢島委員 ある雑誌の記事によりますと、割高発注と報道されている他自治体のPFI選定についての内容で、直接事業の場合二百九十七億かかる、それに比べてPFIでは八十三億の削減であると、受注者側がどこかの講演で述べているそうであります。ここまででないとしても、いわば今までの公共事業の発注方法の甘さ、あるいは管理の問題というのがうかがわれるように思えないこともありません。
 行政サービスとコスト計算というものの手法自身は確かに手法として限界があることだと思いますけれども、PFIの事業の意義は、民間ファイナンスを中心にして、事業のリスク管理、コスト管理を活用ということになろうかと思いますが、この点についてどのようにPFIの手法自身を評価しているか、お伺いいたします。

○佐藤経理部長 危機意識、コスト意識を持って仕事に取り組むことは、都政においても極めて重要な課題でございまして、現在、全庁を挙げて取り組んでいるところでございます。
 リスク管理、コスト管理につきましては、民間にすぐれたノウハウが蓄積されておりまして、これまで財務局で行ってきたPFI導入に関する具体的な検討を通じて、一定のリスクマネジメント手法などを得ることができたと思います。
 ご指摘のとおり、既に蓄積をした知識、ノウハウを広く都政全般に活用していくことが肝要でございまして、事業の内容や特性に応じましたノウハウ等を事業実施部局等に適時適切に提供してまいりたいと思っております。

○矢島委員 財務局が作成いたしました東京都におけるPFIの取り組みと課題によりますと、財政の健全性確保の点では、PFI事業は、長期にわたり歳出予算を拘束するところから、網羅的な同手法の導入は将来的な予算の硬直化を招く懸念があるとしておりますけれども、私、これは一面の表現にすぎないように思います。
 事業は都直接であろうとも、PFIであろうとも、その要素は全く同じであるからだと思います。PFIの手法を、直接事業と同じくコスト削減の一括発注の手法に終わらすべきではありませんし、代理ルールといかないまでも、コスト管理、ファイナンスリスク管理など、民間のノウハウを学ぶところは当然ながらたくさんあると思います。現在大宗を占める直接発注の公共事業の手法の中に生かさなくては、その意味が全くないと思います。
 単にPFI手法の情報提供、取りまとめに終わることなく、また、各事業局が個別に学んだノウハウも分散させたままで終わることなく、財務局、担当部署としてノウハウをぜひ蓄積していただいて、民間事業の提案書の評価の実力を高めることがまず第一でありますし、直接事業についても、その中で培った実力を生かして、この観点から、事業の事前の評価、協議手続をルーチン化することが必要だと思いますが、お考えを伺います。

○佐藤経理部長 ご指摘のとおり、例えば民間のシンクタンク等によります事業提案書の内容が妥当であるかどうかを判断する場合などには、高度な専門知識や能力が必要であると思います。そのため、必要に応じて金融機関等と情報交換、意見交換の場を持ち、ノウハウの蓄積に努めているところでございます。
 また、PFI導入につきまして、具体的な検証を通じて得たさまざまなノウハウを都の直接事業にも生かし、行政サービス全体の質の向上を図っていくことについては、財務局としても極めて重要であると認識しております。
 各種民活手法によります情報の収集、検討によりまして蓄積をしたノウハウをもとに、PFIを含む民活手法の導入から事業終了に至るまでの一貫した評価システムを構築しまして、それをルーチン化することも視野に入れながら、コスト管理手法を広く事業全般にも反映するよう検討してまいります。

○矢島委員 ノウハウの蓄積は、机上の知識の延長では、本当のところが実際上生きてこないと私は思います。現場をつぶさに見ると同時に、その後、当然ながら、プラン・ドゥー・チェックではありませんが、検証する、そしてファイナンスコスト管理、リスク管理、サービスの維持など、民間のノウハウを学び取るためにも、現在も、研修に職員は派遣していると聞いておりますが、ボリュームの大きい内容であるだけに、また非常に影響の大きい問題であるだけに、この強化が必要だと思いますが、この点について伺います。

○佐藤経理部長 ご指摘のように、民間のノウハウを学び取ることは大変重要なことだというふうに認識しております。既に、管理職候補者などにつきまして、民間企業や金融機関等へ派遣して、ノウハウの蓄積に努めているところでございます。今後とも、さまざまな手段を講じまして情報の収集に努めてまいりたいと思います。

○矢島委員 今取り組まれている担当課の佐藤経理部長さんのお話を含めまして、取り組みというのは、都の事業を超えて、都政組織の分化に大きな影響を与える重要な力になると私は思っております。この辺、どういうふうに局長はお考えになっているか、ここをお聞きいたします。

○安樂財務局長 役所といいますか公的団体は、民間と違いまして、どうしても基本的な原理が公平性とか公共性とか、そういうところに重点が置かれる嫌いがありまして、近年では、効率性についての意識改革も随分進んできたと思いますが、やっぱり民間なんかに比べますと、民間の場合には、もちろん社会性、公共性ということは問われておりますけれども、効率性ということを一つの大きな原則にしているというふうに思います。そういう点での努力の内容というのは、我々、非常に学ぶべきものがたくさんあると思います。勤務態様なんかも、やはり法律とか条例に定められておりますので、どうしてもそういう柔軟性を欠くような点もあります。
 そうした点もありましたので、これまでも、住民サービスを第一義とするような事業においては、なるべく民間委託を活用しようということを進めてきましたし、場合によっては事業そのものをもう民間に任せてしまうという、こういうことも大分努力してきたわけです。
 今回のPFIというのも、やはり民間活力を利用する、その延長線上にあるというふうに思っております。ただ、PFIの非常に特徴的なのは、施設の建設とその後の施設の運営ということが一体としてできるようになった、これは法律が制定されたことによってそれができるようになったわけで、そういう意味でこの辺の利点をこれから大いに活用すべきだというふうに思っております。
 こういうPFI、それからさまざまな民活手法、そういうすぐれた点を行政に入れるということは、もちろん住民サービスということもありますが、同時に、今の厳しい財政状況のもとでは財政負担を軽減するということにも大変大きな意義があると思いますので、これからもそういう形での積極的な取り入れというものを十分研究しながらやっていきたいと思っております。

○真木委員 土地収用法関係手数料等に関する条例につきましてお尋ねをしたいと存じます。
 今度の条例につきましては、平成十三年度に国の方で土地収用法が改正をされて、そして、この三月議会においても東京都土地収用事業認定審議会条例が制定をされて、新たな土地収用のシステムがこの条例でほぼ完成する、動き出し始めるということだと存じます。
 その新しい土地収用法のシステムの新しさの根幹であります、東京都土地収用事業認定審議会の状況につきましてお尋ねしたいと思うのですが、東京都土地収用事業認定審議会の委員の人選ということにつきまして、現在の人選状況を確認したいと存じます。

○小野田財産運用部長 東京都土地収用事業認定審議会の委員の人選については、国の衆議院及び参議院両院の国土交通委員会の附帯決議を尊重いたしまして、法曹界、法学界、都市計画、環境、マスコミ及び経済界の各分野から幅広く選任するように、ただいま慎重に作業を進めているところでございます。

○真木委員 そうした有為な有識者の方々をお集めするということでやっていらっしゃるかと存じますが、そうした方々、委員の皆さんに対する報酬はどのようになっていますでしょうか。

○小野田財産運用部長 委員の報酬額につきましては、東京都附属機関の構成員の報酬及び費用弁償に関する条例に基づきまして、勤務一日につき三万七千三百円を超えない範囲で支給することになります。

○真木委員 そういたしますと、勤務一日につき、多分審議会一日につきということだと思います、日当制で支払われていると。今、三万七千三百円を超えない範囲でということでございました。その具体的な額については明らかにされていないようでございますけれども、おおよそのところでは五割ちょっと程度でしかない。普通三万七千三百円を超えない範囲でというぐあいにあると、三万七千円かなとか、三万二千九百円かなというぐあいに私どもは推察するわけでありますけれども、とてもそんな天井にくっついたものではなくて、本当にやっと半分を超えた程度の額しか支払われていないようでございます。
 そして、それが日当制で支払われているということでございますが、その日当の考え方ですが、審議会に呼ばれたときだけなのか。例えば、審議会の始まる前には事務局、東京都の職員の方が、大変お忙しいんだと存じます法曹界、法学界、都市計画、環境、マスコミ、経済界、各分野から選ばれた、そうした有識者の方々のところに出向いていくことがあるんじゃないかと思うんですけれども、そういったことがあるのかないのか、そしてその際には、そうした日当は払われるのかどうか、お教えください。

○小野田財産運用部長 審議案件につきましては、審議会で活発な意見交換を行っていただくように、あらかじめ事務局から、ただいまお話しのように、各委員の方々に事業計画の内容や公聴会の開催状況などについて説明をいたしまして、十分に理解をしていただくことが必要と考えております。
 なお、委員の方々への報酬でございますけれども、これは審議会の出席に対するものであるため、事前説明にこちら側から伺ったときには、委員に対しては報酬は支払われないこととなります。

○真木委員 大変なお仕事だなと。私ども議員も、皆さんにたくさん事前のレクをいただくわけですけれども、都庁に来る途端に追いかけられたりして、まあ--私どもは当然議員でありますので、それでお金をいただいて食べさせていただいている、当然でありますが、こうした一日につき三万七千三百円を超えない範囲でしか支給されないお忙しい有識者の方々が、電話で追いかけ回されて、自宅に伺いますのでお時間をつくってくださいといって、行けば必ず一時間ぐらいはとられる、それでもそれには全然出ないということなんだと存じます。
 そしてさらに、これは土地収用の正当性というか公共性を確認するというか、審議する審議会でございますので、当然、現地を見ないで、都庁で議論するだけでそれを判断するということは一〇〇%あってはならないことだと思います。現地に行って、そうした有識者の方々に見ていただかなきゃいけないと思うのですが、その場合、手当は出るような形になっているのかどうか、教えてください。

○小野田財産運用部長 ただいまお話しのように、この審議会といたしまして現地の視察を行った場合には、報酬は支給対象となります。
 なお、そのときの旅費等も実費弁償として支給されるところでございます。

○真木委員 土地の収用をめぐって委員会を開くときには、必ず委員会として一回は現地を見たいということだというようなことで聞いておりましたが、それは委員会として正式に行く。多分十時ぐらいに都庁に集合していただいて、それからバスで行くとか、そんな形になるんでしょう。道路をめぐる収用とかが多いわけでございまして、道路の込む時間帯といったら朝早く七時前後、もしくは夕方六時ごろというようなことになるわけですから、本当にまじめにこの仕事をやっていただくのであれば、そういった時間帯に個人で見に行くとか、そういうことになってしまうのかなと。まじめな人ならば、なおさらそういうことになるのかなというぐあいに思います。本当にこれは、人の一生、人の財産、先祖代々の土地を奪おうかというような話になるわけですから、恨みを買うこともある、そうした非常に大きな仕事になるんじゃないかなと思うんです。
 その上でまた、そうした審議会の開催は年に何回、この三万七千三百円を超えない範囲で支払われる日当の機会、要は審議会の回数、一年間に何回ぐらいあるのでしょうか。

○小野田財産運用部長 これまで都知事が行いました事業認定の実績を見ますと、平成九年度から十三年度までの過去五年間で四件でございます。この実績に基づき、単純に想定をいたしますと、事業認定の申請件数は年に一件あるかないか、多くても一、二件というような数が想定されます。
 審議会の開催状況でございますけれども、審議案件によって異なるわけでございますが、幅広い観点から慎重な審議を行うために、一つの案件につきまして複数回開催することとなると思われます。

○真木委員 一つの案件があれば複数回行われるということでありますが、しかしながら、過去五年間においては四件ということでありますから、ゼロ、ゼロ、二、ゼロ、ゼロとか、そんなあんばいなんでしょうね。そういうぐあいに考えられます。ですので、やはりこれからの新しい収用審議会ですかにおいても、一年間全く開かれない、要は日当が一回も払われない、頼まれて、頼まれて、頼まれて委員になったはいいけれども、そんな仕事もあるんだなと心得ておきながら、結果として一円も東京都からは払われないということも多分にあり得るということでよろしいんでしょうか。

○小野田財産運用部長 事業を行います起業者から都知事に対する事業認定の申請がない場合など、ご指摘のとおり、開催しないということもあり得ます。

○真木委員 今議論させていただいております東京都土地収用事業認定審議会というのは、非常に大きな責任を持つ審議会ではないのかなというぐあいに思います。先ほども申し上げましたが、先祖代々の土地を、また生活が変わって、たとえ補償するといっても、私もこの仕事を始めさせていただいて一年でございますが、この間、土地収用、数件立ち会ってまいりました。
 そうすると、東京都はちゃんと補償するんだと、当然補償しているわけでありますが、それにかわる新しい家を建てよう、事業のあれをしようといったときに、結果として、新たな借り入れとか持ち出しが四千万程度になると。それをめぐって一家が離散というような、多少大げさな表現ですけれども、本当に家族がけんかして、もう夫婦は離婚寸前、子どもは家を飛び出すとか、そんなような大変なこともございました。
 そうした個人、都民お一人お一人にとって大変な責任を有する収用委員会、土地収用を審議する委員の先生方、憲法二十九条においては、「私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用ひることができる。」とあり、そして、この土地収用のもとであります土地収用法においては、第二条の中で、「土地の利用上適正且つ合理的であるとき」はこれを収用し、使用することができると。この土地の利用上適正かつ合理的かどうかを判断するのが、今度の審議会委員であります。
 ましてや、今回変わった、新しい土地収用法の枠組みとなったのは、第三者委員会といわれる土地収用事業認定審議会が、これは公共のために用いるものだと認定したならば--今までは収用委員会の中で、そのとられる側の方々が公共性をめぐって議論できた。これからは、この新しい枠組みのもとでは、その先生方が、これは公共のためにといって認定したならば、収用委員会の中でその正当性について争うことができないというか、著しく制限するというのが、今回の改正の目的であります。そのことによって土地収用の短縮化を図るというのが目的であるわけでありますので、その先生方が一回現地に行って、そして、ああ、そうだね、公共上必要だねといったら、もうその人たちは土地を奪われるということになるわけでありますので、非常に重たい責任があって、かつ先生方本人の負担も大きいですよね。恨みを買うこともあるんじゃないか。
 その観点からすると、一年間緊張しておきながらも、三万七千三百円どころか、その半分程度のお金掛ける一か二かがもらえる程度、もしくは、もらえない年の方が多いということになりますと、そういった中で委員に就任していただける方というのは、東京都によっぽど借りのある方か、深い関係のある方しか就任していただけない。それであれば、逆に、正当な都民の権利保障はできるのかどうかというぐあいに思います。
 今回、この土地収用という、都民の生活、人生にとって本当に大きな、決定的な影響を及ぼす大切な委員会が、収用委員会を合理化する、効率化することによって、こうした新しいものができたことによって、都民の権利が保障され得るのか、今までよりかは権利の保障が弱くなるんじゃないかという懸念を、不安として持っております。そうしたことのないように、どうぞ立派な先生方に就任していただかなければならない。そのためには、やっぱりちゃんとした保障が必要なんじゃないかなというぐあいに思います。
 そこで、財務局長にお伺いしたいと思いますが、審議会委員の報酬につきましては、役職の責任を保障するものとして、一定程度、最低限の月額を保障するだとか、審議会への出席状況に応じて、余り不公正なことをやっちゃいけませんけれども、審議会の開催について何か臨機応変にするなどのいろんな工夫をして、ちゃんとこの重たい責任を果たしていただく、責任を自覚してもらう意味でも、しかるべき報酬を支払う必要があるんだと思いますけれども、その点につきましてお伺いしたいと思います。

○安樂財務局長 委員のご指摘されている問題は二つあるように思うんですが、一つは、審議会の委員が担う非常に重い責任、それに対して現在、報酬の上限が一日三万七千三百円と定められておりますけれども、なるべく見合った報酬にすべきではないかということだと思うんです。
 確かに、土地収用でその対立が非常に厳しく、激しくなったような場合に、例えばこれは千葉の土地収用委員会の例ですが、自宅に火炎瓶が投げ込まれるとか、現在もまだ解散状態になっているわけで、これからの様子を見ないとちょっと確定的にはわからないんですが、恐らく、その職責の重さとか、あるいは精神的な負担というものがいろいろ考えられるわけで、そういうものに見合ったような報酬を保障するということは、私たちも努力したいというふうに思っております。
 それともう一点は、月額の報酬にすべきかどうかという点なんですが、今これから委員の先生方を頼むことになるんですが、一般的に、大体は本職を持っていて、それと同時にこういうのを兼ねてもらうというような形になっておりますので、我々が一般的にいう給与みたいな形で払うことはちょっとできないんですが、勤務の実態が常勤に近い場合には、今の条例でも月額で払うということは可能だというふうになっております。
 ただ、その場合には、現在、収用委員会とか人事委員会が、非常に扱う件数が多いので月額支給になっておりますけれども、ここの場合を考えますと、先ほども答弁がありましたけれども、やはり年に数回、多くても数回だという形の中で、ちょっとそういう常勤的な支払いというのは無理ではないか、難しいのではないかというふうに思っております。

○真木委員 特に答弁は求めませんが、確かに年に一、二回であります。私も、議員にさせていただいて、審議会の委員とかも務めさせていただいております。やはり、何もいわなくても責任を有しない、何も判断しなくても出席しているだけでいいというような審議会もありますし、また、自分の経験に基づいて自分の見識をちょっと述べればいいだけの委員会というのが、多いといっては語弊がありますけれども、そういったものもあろうかと存じます。
 しかしながら、これは、必ず全委員が判断を下さなければならないもので、しかもその判断というものは、人の土地を奪いますよという判断であります。その責任はやはり重いし、そういった自覚を持っていただかなければ、せっかく新しくつくった土地収用法の新土地収用システムは機能し得ない、都民のためにならないものになってしまうんじゃないかなというぐあいに思います。
 ですから、収用委員会の方は、普通の委員であれば月額四十五万円支払われるということですね。収用委員会条例、収用委員会の報酬及び云々かんぬん条例というのがございます。選挙管理委員会も、普通の委員で四十五万円、人事委員会も四十五万円、監査委員も四十五万円、地方労働委員会も四十五万円。今名前を挙げた、どれとはいいませんけれども、常勤とは思えないものもたくさんあると私は理解しております。
 そうした中で、非常に重たい責任を持つ土地収用事業認定審議会の委員には、その責任を自覚してもらうような工夫を、月額は無理であっても、何らかの形で、そういったモチベーション、そして責任感を共有してもらえるようなシステムづくりにぜひご配慮いただきたい。
 今度のこれは、特別な条例ではなくて、東京都附属機関の構成員の報酬及び費用弁償に関する条例ということになりますので、財務局長の権限が及ばないというか、総務局マターということになるようでございますので、なかなか難しいのかもしれませんが、ぜひ財務局としても、非常に重要な委員会であるということを総務局の方と交渉し、いろんな工夫をしていただきたいということをお願い申し上げておきます。
 以上です。

○大西委員長 この際、議事の都合により、十分間休憩いたします。
   午後二時二十三分休憩

   午後二時三十五分開議

○大西委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○長橋委員 それでは、私の方からも、百九十号議案であります区部ユース・プラザ整備事業についてお伺いをしたいと思います。
 日本PFI協会によりますと、PFI法が施行されて、平成十二年以降、全国地方自治体でも既に五十を超えるPFI事業が展開されていると。そして、国においても、やっと本年四月には衆議院の赤坂議員宿舎、六月には中央合同庁舎七号館、こういう整備事業がPFIで導入されてきております。ここに来て、PFIの導入、また議論が盛んになってきているわけであります。
 いわゆるPFIとは、今までの公共サービスの新しい提供方法、簡単にいえばそうなるわけでございまして、今後のPFIの展開を考えると、その導入の仕方、また導入についての基本的な考え方をお伺いしていきたいと思います。
 まず初めに、東京都としてPFI法に基づいての事業計画を締結するにおいて、この区部ユース・プラザが一般会計においては初めてである。これは教育庁の事業でありますけれども、この区部ユース・プラザ事業をPFIにより推進することについて、まず契約を所管する財務局の認識をお伺いいたします。

○佐藤経理部長 PFIを導入することによりまして、民間の資金、経営能力及び技術的能力を活用することから、財政コストの縮減と財政システムの平準化を図ることができることや、民間ノウハウの活用によりまして、利用者ニーズに応じた質の高いサービスを提供することができることが認められたために、財務局としては、本手法の導入を適当と判断したものでございます。

○長橋委員 一般会計では第一号でありますけれども、既に公営企業局としては、水道局ではPFI法施行以前に、モデル事業として金町浄水場の発電設備事業をやりましたし、施行後においても、朝霞及び三園浄水場発電設備事業が締結されている。
 聞くところによりますと、全国でもう既に三百以上の、公表されていないものも含めてプロジェクトがある、こういうふうに聞いております。そしてまた事業内容も、学校、ごみ処理施設とか病院とか駐車場とか、さまざま多岐にわたっておるわけでありますし、また、公表されていないものを含めますと、さらに広範囲な事業が対象になる、こういうふうに思います。
 国においては、平成十三年度の補正予算でPFI事業の調査費の補助、これができましたし、昨年の国会におきましては、促進を図るために、公共施設等の管理者の拡大、これを図るPFI法の改正があったわけであります。
 PFI促進の機運が国及び地方でさらに高まってきている、このように考えますので、まずは、その高まっている機運についてどのように認識をしているか、そしてまた、東京都として、第一号ですけれども、今後どのくらいPFI事業が予定をされているか、また、財務局が相談を受けているのはどれぐらいあるのか、お伺いをいたします。

○佐藤経理部長 PFIなどの民間活力の活用は、都民要望に的確にこたえつつ、効率的な財政運営を図っていくための有効な一手段でございまして、一層推進していくべきものと認識をしてございます。
 このような考えから、平成十二年十二月に策定をされました都庁改革アクションプランにおきまして、PFIなどの民間活力を活用して具体的に事業展開を図っていくものとして、金町浄水場常用発電設備整備事業、区部ユース・プラザ整備事業を含む十事業が掲げられたところでございます。
 事業実施局がPFIを含む民活手法を採用する際には、あらかじめ財務局に設置した民活手法検討委員会の審議を経ることになってございまして、財務局で財務的、法務的あるいは技術的な支援を行っているところでございます。
 なお、財務局では、現在、アクションプランに掲げられた諸事業に加えまして、複数の事業についても相談を受けてございます。

○長橋委員 アクションプランでは、もう十事業が掲げられている。その後も、相談を受けているのは複数ある。今後受けることを考えれば、相当なPFIの導入というのが考えられるのではないかと思いますけれども、財政資金の効率化というのがPFIによってされていくというのはわかりますけれども、その事業規模や内容、そしてまた都民ニーズにこたえていくということを考えると、PFIが必ずしも有効な手段であるとは限らない場合もあると思うわけです。
 公共サービスの分野に民間活力を利用して質と効率を図るという点では、第三セクターでの苦い経験もあるわけであります。PFIにこだわらず、さまざまな民活手法を柔軟に活用していくことが大事ではないかと思いますが、いかがでしょうか。

○佐藤経理部長 ご指摘のとおり、PFIは、民間活力活用の有効な一手法でございます。事業の特性等に応じまして柔軟に活用していくべきものと考えてございますが、例えば、都民ニーズへのスピーディーな対応が求められるような場合や、あるいは当初から事業期間が短く設定された時限的な施策については、必ずしもPFIが有効であるとは限らないと思います。このような場合には、PFIに固執するものではなく、さまざまな民活手法を比較考量いたしまして、最も適切な手法を採用したり、あるいは民活手法を複合的に用いることが必要であると考えております。
 その際、都民ニーズを踏まえた上で、財政資金の効率的な運用という観点から検討を行うことが不可欠というふうに考えてございます。

○長橋委員 さまざまな民活手法というのがあるわけですけれども、同じような質問になるかもしれませんが、日本のPFIというのは、いわゆる財政難、経済不況の打開策として導入されてきた、こういう経緯でありますけれども、PFI誕生の国イギリスでは、財政再建だけではなくて、行政改革の一環として大蔵省が中心となって大きな成果を上げてきた、こういうふうに聞いております。公共と民間の役割分担の明確化、そして公共サービスの質的向上の実現という実績を積み重ねて、その流れの中でPFIが導入されてきた、こういう経緯があります。
 現在では、イギリスにおいては公共事業予算の一二%、これがPFIで占めると聞いておりますし、さまざまな事例で成功していると聞いております。いわゆる福祉や病院施設、また学校関係だけではなくて、警察や裁判所、刑務所、ひいては防衛施設までPFIを活用している、こういうふうに聞いております。
 日本も、将来このようになっていく可能性もあると思うわけですけれども、ただ、日本とイギリスの導入の経緯も違いますし、また、社会経済制度の違いや地方の経済状況の違いもあるわけで、そういうわけで、行政サービス全体を見た場合に、PFIになじまない事業というのはどういうものがあるのか、お知らせいただきたいと思います。

○佐藤経理部長 PFIは、公共施設等の設計あるいは建設、維持管理に加えまして、二十年から三十年という長期にわたっての運営を一括して民間事業者にゆだねまして、より良質な公共サービスを都民に提供していこうという手法でございます。一般的には、民間事業者が新規事業に参入する場合、その収益性に注目をし、利潤確保を目的とするものでございますところから、PFI事業につきましても、二十年から三十年という長期にわたって安定的に収益を上げることが求められてございます。
 このような観点から見ますと、事業期間の短いもの、事業規模の小さいもの、都民ニーズの変化が著しいもの、事業収益性の乏しいもの、こういったものは事業を一体的に民間にゆだねることが難しく、PFIにはなじまないというふうに考えてございます。
 ただし、このようにPFIになじまない事業でございましても、建設、維持管理のみを民間委託したり、公設民営方式により運営だけを民間にゆだねる、こういったことによりまして民間活力をできる限り活用いたしまして、財政負担を軽減すべきものと考えてございます。

○長橋委員 なじまないということで、さまざまなお話があったわけです。それはイコールPFIの課題でもあるかと思いますし、いわゆるPFIを導入することによって、コストの縮減、そして財政負担の平均化といいますか、という効果があるわけですけれども、これに対して、PFIを進める上で課題はどのようなものがあるのか、そして、その課題に対してどのように対応していくべきと考えるか、お知らせいただきたいと思います。

○佐藤経理部長 課題でございますが、事前にPFI手法を採用することの有効性を厳密に検証する必要があること、あるいは事業者の選定過程におきまして、透明性と公平性を確保するためにさまざまな手続が定められていること、あるいは契約条件の設定が難しいことなどから、PFI事業の導入には多くの時間を要します。
 このため、時として、迅速な施策の遂行が妨げられることがございます。また、事業期間が長期にわたるため、民間事業者の経営破綻による事業とんざの可能性が皆無とはいい切れないなどの課題もございます。
 ただ、新たな手法であるPFIの導入に当たりましては、手続等を詳細に検討することは不可欠でございまして、その結果として時間がかかることはやむを得ない面もあると考えております。
 また、事業そのものがPFIになじむものであるかどうかを事前に検討することも重要でありまして、事業の規模や特性等に応じて判断できるような基準づくりが必要であると考えております。
 また、民間事業者の経営破綻の可能性につきましては、事前に事業収益性の検証を厳密に行いまして、PFI導入の適否を精査するとともに、万一民間事業者が経営破綻した場合でも、公共サービスの提供が中断しないような事業の仕組みとなるよう検討を重ねているところでございます。

○長橋委員 次に、厳しい財政状況の中でも都民のニーズにこたえていく、より一層の行政改革を進めるとともに、より効果的な財政をしていかなければならないわけで、そうしますと、PFIも含めて、さっき局長もいっていましたけれども、より一層民間にゆだねる方向でというような手法というものを考えていかなければいけないのではないかなと、こういうふうに思うわけでございます。
 そこで、この点について国の動向はどのようになっているのか、お伺いします。そしてまた、東京都ではどのように取り組んでいるのか、お伺いをいたします。

○佐藤経理部長 国におきましては、PFIになじまない事業があることや、あるいはPFIそのものにさまざまな課題があることを認識してございまして、ご指摘のとおり、PFIに限らず、広く民間活力を導入する手法として、行政と民間とのパートナーシップ手法、いわゆるPPPについて検討を進めていると聞いておりまして、本年五月には経済産業省の中間報告書が公表されたところでございます。
 東京都におきましても、同時期に財務局内にPPP検討委員会を設置いたしまして検討を始めたところでございます。

○長橋委員 今、PPPという、お伺いしますと、パブリック・プライベート・パートナーシップ、こういうことであるそうですけれども、このPPPについて詳しくご説明を願いたいと思います。

○佐藤経理部長 いわゆるPPP、すなわちパブリック・プライベート・パートナーシップとは、イギリスにおいて生まれました、幅広く民間の経営ノウハウを活用した公共サービスの提供方法をいうものでございまして、官民のパートナーシップによります公共サービスの提供方法として注目されているものでございます。
 具体的には、公共サービスに市場メカニズムを導入するに当たりまして、サービス内容の特性に応じて、公設民営などを含む民間委託、PFI、独立行政法人あるいは民営化等のさまざまな方策を通じまして公共サービスの効率化を図る手法でございます。

○長橋委員 PFIにこだわらず、さまざまな民間手法をその事業に合わせて考えていく。今、答弁のありました、東京都においてPPPの検討会が設置をされたということで、PFIにこだわらず検討していくというのは大変評価するわけですけれども、いかんせん、財務局の課長クラスの職員で構成をしている、こういうことでございますので、行政と民間のパートナーシップ手法、これはPPPですけれども、その検討であるならば、民間の人たちも入れた委員会へと発展していくべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。

○佐藤経理部長 ご指摘のとおり、将来的には全庁横断的な検討機関へと発展をさせまして、例えば民間有識者の意見を聞くなどして、幅広い都民要望に的確にこたえることのできる、よりよいサービス提供手法を見出す場としても活用すべきであるというふうに考えてございます。

○長橋委員 最後になりますけれども、PPPの検討会をさらに発展させていく、将来、広く民間の活力を利用していくというのは時代の流れでありますし、そのためには、まずは法整備が必要になってくるのではないかと思います。しかしながら、日本においては、PFIというのは地方が先行して、いわゆる地方が財政の中で国に先駆けて取り組んできた経緯があるわけです。その後、国が後追いでPFIとかガイドラインをまとめたわけですけれども、局に聞きますと、国のPFI法やガイドラインというのはまだまだ明確な基準がなかったり、またわかりにくい、こういうふうにも聞いているわけでございます。
 特に東京は、PFI法ができる前からこの導入に取り組んできたわけでありますから、今後のPFIの導入が多く検討されていく中で、全国に先駆けて、条例を視野に入れた東京都独自のガイドラインを早急に定めていく、これが大事ではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。

○佐藤経理部長 ご指摘のとおり、今後PFI事業の増加が見込まれることは、多分これから先ふえると思いますけれども、東京都におきましても、適正なPFI手法の導入が担保されるような、こんな方策を講じる必要があるのかなというふうに認識をしてございます。このためには、PFIを初めとするさまざまな民活手法のノウハウを蓄積するのみならず、将来に向けて、より幅広く民活事業を展開するための東京都独自の指針を早期に作成するなどの対応が必要というふうに考えてございます。

○渡辺委員 私も、PFIについて少し伺いたいと思います。
 今回、事業局である教育庁の関係で、文教委員会で具体的には審議されております。したがいまして、私は、今回のPFIの契約について、若干はみ出るかもしれませんが、問題点というところを確認する立場から質問をさせていただきたいと思います。
 まず、建設あるいはまた維持管理費ということになりますか、全体で百六十二億円というふうになっておりますが、このうち、建設費ということについては幾らぐらいになるんでしょうか。

○佐藤経理部長 事業所管局でございます教育庁に聞いたところでございますが、東京都が事業者に対して支払うサービス購入料のうち、新棟の建設費及び既存棟の改修工事費に対する対価は、開業時に整備する備品購入費も含めまして約三十三億円とのことでございます。

○渡辺委員 この問題については、私も教育庁からいろいろとお聞きはしているんですが、教育庁から聞いたところによりますと、新棟建設費とそれから開業時の備品購入費、これでいいますと約二十五億円というふうに聞いております。したがいまして、今、三十三億円というのは、既存棟の改修工事、こういうものも入っている額だと思いますが、そういうふうに聞いております。
 そこで、お聞きしますが、大林組の一〇〇%出資により設立されたピーエフアイ区部ユース・プラザ株式会社、この株式会社の資本金というのは幾らなんでしょうか。

○佐藤経理部長 ピーエフアイ区部ユース・プラザ株式会社の資本金は、一千万円でございます。

○渡辺委員 この企業は、建設費と当面の維持管理費をみずから資金調達をするということになるわけですが、二十年間の利率ですね、これは何%で、しかもこの利息というのは総額で幾らになるか、お聞かせください。

○佐藤経理部長 これも教育庁から伺ったところでございますけれども、ピーエフアイ区部ユース・プラザ株式会社が金融機関から資金調達する際の利率は五・二%で、利息の総額は約二十二億円とのことでございます。

○渡辺委員 私は、この利率五・二%というのは、非常に高いというふうにいわざるを得ないと思う。一般的に行政とのかかわりで見るということであれば、二%前後高いのではないかというふうに思うんです。こんな高い利率を東京都が認めてきたということだと思いますけれども、そういう点では疑問を抱かざるを得ないと思います。
 企業が支払う固定資産税というのは幾らになるのか、これも教えていただきたい。その税額というのは、建設や維持費に繰り入れられていると。既に契約の方の百六十二億円、これに、いわゆる固定資産税というものがさらに上積みされて本来の契約金額になるというふうにいわれているんですけれども、その辺はどういうことなんですか。

○佐藤経理部長 教育庁の試算によりますと、ピーエフアイ区部ユース・プラザ株式会社が取得した資産に対し課税される固定資産税は、約三億六千万円というふうに見込んでございます。
 なお、東京都が直接執行した場合とPFIの場合とを比較してバリュー・フォー・マネーを算出、計上する際には、PFI事業者の納税分も含めてトータルコスト比較を行うことが通例とされてございます。

○渡辺委員 確認ですから、いろいろと私の方からもいって、はっきりさせるということで、申しわけないと思いますが、教育庁から固定資産税ということで聞いたら、その中には法人事業税も入るということで、七億円だという話なわけです。この七億円というのは、先ほどもいいましたけれども、今回の建設費の絡みで除外されて、だから逆にいえば、この七億円というのが、本来ならば百六十二億円にプラスされたものが契約額だと、こういうふうにいわざるを得ないわけですね。
 その次に、施設の運営と維持管理費について、企業が全部責任を持つということになると思いますけれども、議会に対する報告やチェック、これが及ばなくなるというふうに思うんですけれども、この点はどうなるんでしょうか。

○佐藤経理部長 PFIは、民間の経営能力及び技術的能力を活用しまして、民間の自主性と創意工夫を最大限尊重することにより行う公共サービスの新たな実施手法でございます。
 また、PFIの特徴としましては、あらかじめ都と民間とのリスク分担を契約で明確化することになってございます。議会に対しましても、必要に応じまして、所管局から事業内容等の報告を行うというふうに聞いてございます。

○渡辺委員 今答弁がありましたけれども、事業内容の報告、こういうのはあると聞いているということですが、一般的に公共施設ということであれば、私たちが直接出向いていろいろと調査をすることができるということですが、今度のPFIによる施設につきましては、私たちが直接入っていって調査するというのはなかなか困難だというふうに思うんですね。それとあわせて、いろいろお聞きしても、それに果たして答えてくれるかどうかということも、なかなか疑問に思うんです。
 そういうことを考えると、企業にすべて任せるということになるのではないか。例えば宿泊料だとか、あるいは施設利用料が引き上げられるとしたら、これは都として何もいえないのかどうなのか。これはまた、議会にそういう点ではチェックできるような、そういう状況ということを考えた場合どうなるのか、その辺ちょっと聞かせていただきたいと思います。

○佐藤経理部長 ご指摘の利用料金の改定等でございますが、東京都と民間事業者の双方で構成いたします協議会におきまして、東京都の承認を得ることが条件となってございまして、民間事業者が任意に改定することはできないということでございます。

○渡辺委員 そうすると、協議会において都の承認を得るということが前提と。それで、その場合、議会にこれはかけられる、報告されるということになるんでしょうか、これをちょっとお聞きします。

○佐藤経理部長 先ほどもお答え申し上げましたけれども、所管局から、そういった事業内容の大きな変更があった場合等につきましては、報告があるというふうに聞いてございます。

○渡辺委員 その点は、はっきりさせておいていただきたいと思うんですね。一般的には、民間ということになりますと、なかなかその辺は報告書を求めても出してこない、こういうこともたくさんあるわけで、そういう意味ではきちっとしておく必要があるというふうに思うので、お聞きしたわけです。
 それから、経費を平準化して、二十年間支払っていくと、東京都は毎年八億円ということになりますよね。新棟の所有権というのは企業が持っておるわけですから、東京都がそこにいろいろと関与していくというのはなかなか難しい。今、協議会をつくって云々という話がありましたけれども、なかなか難しいというふうに思うんです。
 これは具体的に聞きたいんですけれども、例えばですけれども、十五年たって改修しなければならないというようなときは、企業がすべて責任を持って改修するのかどうなのかということも、ちょっとお聞きしておきます。

○佐藤経理部長 東京都は、PFI事業者に対しまして定期的な報告書等の提出を求めるとともに、事業の運営状況につきましても、確実に進行管理を行っていくということでございます。また、東京都と事業者双方で構成する協議会を設置し、その場を通して運営上の課題や重要事項についても関与をしてまいります。
 なお、計画的な修繕に要する経費につきましては、あらかじめ見込んでおりまして、その場合には、PFI事業者の責任で行うことになろうかというふうに思います。

○渡辺委員 それから、ユース・プラザ内でいろんな事故が起きると思いますけれども、軽微な事故というのは別ですけれども、大きな事故ということになった場合に、その責任というのは、これは企業が責任を持つのか、東京都がそれにどれくらい関与させられるのか、その辺の問題もはっきりさせておきたいというふうに思うので、お聞きします。

○佐藤経理部長 日常の運営は事業者の責任においてなされるために、運営上の事故につきましては、事業者が責任を負うことになります。東京都は常にモニタリングを行いまして、適切な運営が図られるように監視をし、事故やトラブルが起きないよう適切に指導してまいりたいと思います。

○渡辺委員 申しわけないんですが、今のことでもう一つお聞きしますけれども、例えば、企業ということになっているということですが、これは行政との絡みで契約しているわけで、裁判が起こされた場合にどうなるかという問題もあるわけですね。この辺については、やはり私は慎重にしておく必要があると思うんですけれども、そういう点で、訴えられた場合、勝てるのかという問題、それからもう一つ、そういう意味では、きちっとした文書で取り交わすということはあるんですか、ちょっとお聞きします。

○佐藤経理部長 ただいまのご質問で、裁判が起こされたような場合ということでございますけれども、勝てるのかということでございますが、いろんな状況がございまして、それにつきましては、基本的には文書で取り交わしをしながら、きちんと責任を明確にしてまいりたいというふうに考えてございます。

○渡辺委員 次から次へと確認ということですが、もう一つお聞きします。天災地変の場合ですね、まあ、そういうことは余りないと思うんですけれども、建物が崩壊したり、あるいは大きな破損をした場合、こういうときにはどこが責任をとるのか、これも責任は企業ということになるんですか。

○佐藤経理部長 暴風雨だとか、あるいは豪雨、地震など、公的部門あるいは民間事業者のいずれの責めにも帰すことのできない、こういった自然災害に対するリスクにつきましては、一般的には公的部門が分担をするというふうに考えられてございます。

○渡辺委員 それでは、次に行きますけれども、先ほどもお話がありましたけれども、これからPFI手法というのがふえていくというふうに思うんですよね。私どもは、PFIについては全面否定という立場はとりませんけれども、しかし、これがどこまでふえていくのかという点では、歯どめがかからないというか、わからないと思うんですね。その辺はどのように考えておられるのか、これをお聞きしたいと思います。

○佐藤経理部長 民間の創意工夫を活用いたしまして、低廉で良質な公共サービスを提供していく観点から、PFIを初めとする民間活力を活用した事業手法は、確かに今後ともふえていくというふうに考えられます。
 ただし、実際にPFIの導入を検討する場合には、個別にPFI手法がなじむのかどうか、効率性、公平性などの観点から十分に検討しまして、PFIを含む多様な手法の中から最も適切な事業手法を選定していく必要があるというふうに考えてございます。

○渡辺委員 PFIは、これから民間活力ということを導入することにしても、やはりいろいろ限度があると思うんですね。ですから、どこまでということはなかなか一口ではいえないということはよくわかるんですが、大型開発、こういうものもPFIでやるということになったら、例えば平準化させるということで、財政的な面からいえば、十年とか二十年とかで割れば、これは支出が少なくなるわけですから、その点だけ見れば、いいような感じもしますけれども、しかし、こういうものが大型開発に適応するかどうかというのは別として、PFIそのものをどんどん導入していくということになれば、これはまた財政面から考えた場合に、非常に大変になるんじゃないかという感じもしないわけじゃないんです。その点はどのように考えておられるのか、お聞きしたいと思います。

○松澤主計部長 今、大型開発も含めてお話がございましたけれども、道路とか公共交通網の整備とか、そういう大型開発を含めまして、それぞれの投資的事業を行うに当たりましては、先生からお話がありましたけれども、PFIなどの事業手法を考える前に、まずその事業の必要性であるとか、それから緊急性、あるいは財政状況などを、予算編成などを通じまして、また議会の議決をいただいて、そして十分勘案して行うということが前提でございますから、まずそのことから始まるということでございます。
 そういう中で、もしその事業を、投資的経費に対するPFIの活用という場合には、ただいま経理部長がお答えしましたように、事業ごとの、PFIになじむかどうかを十分検討した上で、コスト削減などのメリットを最大限活用して行うということになるわけでございますので、仮にPFIを採用した場合には、そういう面で財政的に困難になるというようなご懸念はないものと、このように考えております。

○渡辺委員 さらに、第三セクターの経営破綻を見ると、いわゆる第三セクターの場合、経営破綻になると行政が直接支援をせざるを得なくなるという問題が出てきますけれども、PFI事業者といっても、経営そのものがうまくいくかどうかというのはわからないですよね。いつどうなるかわからない。仮にPFI事業者の経営が傾いたり破綻した場合、東京都が財政支出を余儀なくされるということがあるのかどうか、その場合どうするのか、そして、事業が破綻した場合のルールづくり、これはできているのかどうかということをお聞きしたいと思います。

○佐藤経理部長 PFI事業は、第三セクターと違いまして、行政と民間がきちんとリスクを分担し、責任の所在を明確化していくのが特徴でございます。
 一般に、民間事業者の責めによりまして事業が破綻した場合には、例えば金融機関との協議などを経て、行政サービスの安定的な提供を継続するために事業の休止を回避する努力をすることになります。こういったことも含めて、より万全を期すために、今後、詳細なルールづくりを検討する必要があるということは認識しております。

○渡辺委員 最後になりますが、幾つかいろいろお聞きしました。今、問題点をお聞きしたということですが、今回のPFIというのは、先ほども答弁がありましたけれども、民間に活力を与えるということだけだというふうに私は思うんです。全体的に見るということになれば、当初の支出額といいますか、それは軽くなるということはいえるわけですけれども、将来的、あるいはまた財政的な立場から見れば、利息も含めて考えると、やはり建設費は割高になっているんじゃないかと思います。同時にまた、チェック機能、これも思うような方向で働かない。そして、ユース・プラザという青少年に対する社会教育そのものも、私は大幅な後退になるというふうに思っています。
 したがって、全体として、今回のユース・プラザ、PFIについていえば、税金のむだ遣いということにならざるを得ない、こういうふうに私は思っておるんです。これからもいろいろともう少し研究しながら、この問題をはっきりさせていきたいなと思っているところです。
 以上です。

○藤田委員 何点か重なっている部分がありますので、PFIについて少し、これまでにお話ししてきたことと多少ずれるかもしれませんけれども、お聞かせいただきたいと思います。
 まず、お話の中にありました民活手法とPFI法との違いといいますか、こういうふうにPFI法のメリットがあるぞというのが何であるかを、まずお示しいただきたいと思います。

○佐藤経理部長 PFI事業の違いといいますか、PFI事業を行う効果といいますか、こういった面から答えさせていただきたいと思いますが、まず、PFIというのは、低廉かつ良質な公共サービスを都民に提供できるということ、あるいは公共サービスの提供におきます行政のかかわり方が改革されるということ、それから、民間の事業機会を創出することを通じまして経済が活性化される、こういった効果を期待してございます。

○藤田委員 そのほかにも、ある意味では規制緩和をしていく部分ですとか、しなければいけないようになると思いますし、それから、先ほどからも質問の中に出ていますけれども、契約の構造を変えていくというような、そういう意味で、非常に今までの民活手法とは違った点が見えてきていることだと思うわけです。
 先ほどからお話を伺っていると、どういう対象の事業があるかといったら、道路、公園、庁舎、宿舎、教育・文化施設だとか病院や、それから刑務所も始まっているというように、かなりいろいろな方面に対象の事業があるようでございます。
 それと、区部ユース・プラザの事業局の方に伺ったところ、PFIで行った場合とそれから行政が直接行った場合には、現在では赤字ベースで約七億三千万円、率にして六%の財政負担の軽減が図られるというふうにいわれているんですけれども、そうすると、行政がみずから事業を行った場合とで、どうしてこんなに差が生まれるのかなというのが非常に疑問に思うんですけれども、これについてはどんなふうにお考えになりますでしょうか。

○佐藤経理部長 その差が生まれるということでございますが、民間の活力を活用して行うということで差が生まれるというふうに考えてございます。

○安樂財務局長 先ほどの、民活との違いは何なのかというお話にもちょっと関連するんですが、これまでも、例えば建設というのは、東京都がやる場合よりも、むしろこれはだれかに、建設業者に委託して建ててもらうわけですね。これは可能であったわけですね。それも一つの民活ではあるわけです。それから、運営を民間にゆだねるというのは、近年、東京都も、この方が非常に効率がいいじゃないかということでやり始めているわけですね。これも民活だと思うんですね。そういう意味では、これまでも民活はやってきたわけです。
 このPFIというのは、これを同時にできるということなんですね。建設と運営を同じ主体、同じ事業者に、最初から建設の段階で、自分はどういうふうに運営をしていくかということも含めて建設や設計ができるということなんですね。そういうことをやることによって、非常に経済的なメリットが大きいということで、これが法律上可能になることが--今回法律がつくられて、その場合の条件として、議会の議決はとりなさいという形になっているわけです。
 ですから、これを一体的にやることによって、いろんなメリットが生じているということで、逆に、生じない場合もあるんだというふうに思うんですが、今回の場合は、教育庁の方でいろいろ試算をした結果、トータルとしては七億何がしのメリットが生じている、そういうことでございます。

○藤田委員 先ほどの質疑の中にもありましたけれども、ある意味ではリスクの移転と。そうしますと、よく例に出されるんですけれども、廃棄物処理施設をつくった、そうすると、そこで、行政がやりますと非常に硬直化していって、一生懸命住民がリサイクルを進めてごみが減量した、しかし、なかなかそこのところで行政負担は変わらずにそのままやってしまうという、それをどういうふうに--例えば、近隣からのごみを自分のところへ引き入れて、そしてそれは同じように動かすことによって、その自治体としては安くなる、そういう負担の軽減をすることができるというような、一つの単なる例でございますけれども、そうすると、今回の例えばユース・プラザの問題でいえば、こういうリスクの転移といいますか、移転といいますか、そういうようなことというのは、何か具体的にこういうことができるよみたいなものがありますでしょうか。

○佐藤経理部長 リスクの分担ということでございます。
 PFIでは、リスクを最も効率的に管理をし得る主体が当該リスク管理費を負担して、それに応じた報酬を得る、こういった原則がございます。ですから、リスクの明確化あるいは配分というものを適切に行うことで、その分担したリスクの管理の費用の最少化を図っていく、こういったことでやっていきたいと思っております。
 個別につきましては、公的部門と民間事業者がございまして、発生率といいますか、どちらがリスクの負担をとるのかとか、そういったことを最も効率よくできるような考えを、取り決めといいますか、していくことで事業を行っていくことが可能になるのかなというふうに考えてございます。

○藤田委員 ごめんなさいね。リスクの分担ではなくて、リスクの移転という意味なんです。
 それはどういうことかというと、例えば今回の利用料、ちょっと私、教育庁の方からも聞くのを忘れちゃったんですけれども、今までのユース・プラザなんかで行っている宿泊費とかなんとかの利用料と今回の利用料がどういうふうになっているか、金額的にはわからないんですけれども、審査会の中で出ている評点としてはプラス三点ということですので、かなり利用料金の設定も随分よくというか、利用者にとっていいようになっているんだと思うんですね。
 お尋ねしたいのは、PFIで行うことが、さっきお話ししたような、民活にいいのか、それから行政にとってもリスクが減っていいのか、もう一つは、やっぱり利用者にとっていいのかどうかということが問われると思うわけですね。そうしたら、今いったようなごみの処理施設では、そうやって一生懸命リサイクルすれば、行政もいいし、それから請け負った民間業者もいいわけなんで、そういうようなことで今回の利用料が、ある意味では一定かもしれませんけれども、利用者にとって何かいいものといいますか、そういうことが生まれてくるようなことが、このPFIを使うことによって何かありますかという意味でのリスク移転というふうにお伺いしたんですが、何かありますか。

○佐藤経理部長 利用者にとってメリットといいますか、そういったものがあるかということでございますが、私ども、今回の、直接所管をしているわけではございませんので、細かいことについては教育庁にお伺いいただきたいと思いますが、少なくともPFI事業でやった方が直営事業よりもいいということは、トータル計算も含めて、あるいは民間のそういった利用者にとってのサービスも含めて向上できるのかなということで、PFI事業を選択しているというふうに考えてございます。また、細かいことにつきましては、大変申しわけないんですが、事業局である教育庁にお伺いいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○藤田委員 それでは、国は、PFIについて基本方針というものをつくりました。そして、東京都の場合には、昨年の十二月に東京都における基本方針をつくったわけなんですけれども、この違いといいますか、関係性といいますか、それから、私は、端から端まで国が関与して、法律ですからその部分はありますけれども、分権に反するのかなというような思いもありましたので、その辺を聞かせてください。

○佐藤経理部長 国の基本方針は、公共施設等の管理者が、共通の方針に基づきましてPFI事業を実施することを通じて、効率的かつ効果的な社会資本の整備が促進されることを期して、主として国が行うPFI事業について定めたものでございます。同時に、地方公共団体におきましても、PFI法の趣旨にのっとって、国の基本方針に定めるところを参考として、PFI事業の円滑な実施の促進に努めるものとなってございます。
 こうした経緯を踏まえ、東京都では、PFIを導入していく上での基本的な考え方、手順などを明らかにするために、平成十二年の十二月に東京都におけるPFI基本方針を策定したところでございます。

○藤田委員 このPFI法には財政支援というようなことがあると聞いていますけれども、国の財政支援措置はどんなふうになっていますでしょうか、そして、今回のユース・プラザについてはどういう支援措置があるのかをお尋ねいたします。

○佐藤経理部長 国の財政支援措置でございますけれども、国の基本方針におきまして、財政上の支援については、本来公共施設等の管理者が受けることのできる支援の範囲の中で、民間の選定事業者が受けられるよう配慮することとされてございます。
 国のPFI関連支援措置としては、民間資金等活用事業調査費補助金がございますが、ほかにケアハウスあるいは保育所、都市公園など、地方公共団体が実施をいたしますPFI事業の事業費に対する、直営事業と同等の補助制度の適用もございます。
 また、地方公共団体がPFI事業者に対しまして施設整備費相当分を支出する場合に、直営事業の場合と同等の地方交付税措置などを講じることとされております。
 なお、今回の東京都のPFI事業に対しましては、国の補助金は入ってございません。

○藤田委員 少し細かくなりますけれども、今、計画アセスの話もありますけれども、住民への説明とか、それからアセスの方法、またもう一つ、いわゆる財務局にも指針がありますけれども、都の施設を建てるときの基準、指針というようなもの、バリアフリーの指針もありますけれども、そういうものは、こういうPFIで行われる事業にはどんなふうに取り入れることができるのか。

○佐藤経理部長 事業の実施段階におきましては、PFI事業者が所管部局との連携を図りながら、住民への事業説明も当然行うことが通例でございまして、環境アセスメント等につきましても、法令の規定にのっとって行うことになります。

○藤田委員 指針の方、バリアフリーなどの指針。

○佐藤経理部長 PFI事業者につきましては、事業を実施するに当たりまして、いわゆるバリアフリー法や福祉のまちづくり条例などの法令等を遵守すべきものと認識をしておりまして、また、都の基準や指針などにつきましても、最大限取り入れるように要請をしてまいります。

○藤田委員 要請の段階だと思いますので、しっかりと要請をしていただきたいというふうに思います。
 それから、先ほど来、契約ということが非常に大事だということがいわれているわけですけれども、それと同時に、入札に関して、第三者機関による公正な審査が必要だと思っておりました。それで、この審査委員会が今回もつくられているようですけれども、これはどんなふうに、常設なのか、あるいはそのほかの方法があるのか、それをお尋ねいたします。

○佐藤経理部長 事業者の選定に当たりましては、公平性あるいは透明性を確保するために、総合評価一般競争入札方式が原則とされておりまして、事業実施部局において、外部の学識経験者二名以上を加えました審査委員会を設置することというふうにされてございます。
 なお、当該審査委員会は、個々の事業の特性に応じまして、専門分野の有識者によって構成される必要があることから、事業ごとに設置をされるものでございます。

○藤田委員 今回、実は入札において落札者が一者だけだったというようなことだったんですけれども、まず、これの入札経過、どんなふうであったか、お尋ねしたいと思います。

○佐藤経理部長 今回の入札は、総合評価一般競争入札方式により行われまして、事業提案と入札価格等総合的に評価をいたしまして、東京都にとって最も有利な条件を提示した者を落札者と決定するものでございます。
 応札者が一者だけでございましたけれども、要求される審査基準をクリアし、入札額も予定価格を下回ったということから、落札者として決定をいたしました。
 応募者が少なかった背景といたしまして、民間事業者の関心が、本件と比較して取り組みやすいと思われる他の案件に流れ、結果的に一者にとどまったものではないかというふうに教育庁から聞いているところでございます。

○藤田委員 先ほどお話しいたしました区部ユース・プラザ整備等事業審査委員会の審査講評の中に、このことが総評の中に書いてありまして、今後のPFI事業の入札において、入札参加者が一者のみである、そして今回は落札者も一者だった--もちろんのことですが、だったわけですが、こういうことも想定して、評価得点の最低水準など総合評価のルールづくりを都として検討することが望ましいというふうに書かれているわけですけれども、これについてはどのようなお考えをお持ちでしょうか。

○佐藤経理部長 今回の件も踏まえまして、今後そういったルールづくりをしていくことが大変重要だというふうに、私どもも認識をしてございます。

○藤田委員 それで、先ほども質問の中に出ていましたけれども、これからPFIのメリットを利用して、民活であるとか、あるいは行政の、地方自治体の非常に財政難の中の部分、それから、民間のノウハウを利用したときには、利用者にとってもよい施設運営ができるというようなことも含めて、PFI事業がいろいろ行われる可能性があるかと思います。その資料の蓄積について、どんなふうにしていくかはこれからの問題だと思いますけれども、これまで研究なさってきたようなことをきちっと何か冊子にするとか、そんなことをしていっていただきたいと思っていますし、それから、いろいろな局で行われたものをそのままにしないで、財務の方で一つにまとめていくというようなことが必要かと思いますけれども、いかがでしょうか。

○佐藤経理部長 PFIに関する情報の蓄積でございますけれども、平成十三年の四月に財務局にPFI担当を設置いたしまして、PFI手法を検討している部局ですとか、あるいは金融機関、シンクタンクなどから情報の収集、蓄積を図っているところでございます。今後とも、財務局としては蓄積した情報を活用すべく、民活手法を推進するためのPFI推進マニュアルなどを作成していくつもりでございます。

○藤田委員 先ほどお話ししたように、これまでのほとんどのことが対象事業になっているような状況でありますので、常に、この事業をやるための最初の評価、そしてそれが財政的にどうなのか、運営的にどうなのかというようなことは、すべて今までもおやりになっているかと思いますけれども、ぜひこれから積極的に、私は、利用者にとってもよりよいというところを中心に据えていただいて、積極的な活用方法を進めていただきたいというふうに思います。
 以上です。

○大西委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○大西委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で財務局関係を終わります。
 これをもちまして財政委員会を閉会いたします。
   午後三時三十八分散会

ページ先頭に戻る

ページ先頭に戻る