財政委員会速記録第八号

平成十四年五月九日(木曜日)
第五委員会室
   午後一時五分開議
 出席委員 十三名
委員長大西 英男君
副委員長近藤やよい君
理事酒井 大史君
理事倉林 辰雄君
理事渡辺 康信君
矢島 千秋君
長橋 桂一君
真木  茂君
北城 貞治君
桜井良之助君
林  知二君
桜井  武君
藤田 愛子君

 欠席委員 一名

 出席説明員
出納長室出納長大塚 俊郎君
副出納長小泉 克巳君
副出納長宮原 恒男君
会計制度担当部長中路 有一君

 委員外の出席者
   参考人
(みずほ銀行取締役副頭取)佐藤 正昭君
(みずほ銀行常務執行役員)吉本 和彦君

本日の会議に付した事件
 出納長室関係
  報告事項(参考人に対する意見聴取・質疑)
  ・みずほ銀行におけるシステム障害について

○大西委員長 ただいまから財政委員会を開会いたします。
 初めに、傍聴人の数についてお諮りします。
 本委員会室の定員は三十二名でありますが、傍聴希望者が定員以上でありますので、さらに十八名を追加したいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○大西委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○大西委員長 本委員会担当書記に交代がありましたので、ご紹介いたします。
 議案調査課の宗像紀子さんです。よろしくお願いいたします。
   〔書記あいさつ〕

○大西委員長 次に、今後の日程について申し上げます。
 先ほどの理事会で、お手元配布のとおり申し合わせました。ご了承願います。
 本日は、お手元配布の会議日程に従いまして、出納長室関係の報告の聴取を行います。
 報告事項、みずほ銀行におけるシステム障害については、出納長室より報告を聴取した後、お手元配布の実施要領に従い、参考人から意見聴取を行いたいと思います。ご了承願います。
 これより出納長室関係に入ります。
 初めに、みずほ銀行におけるシステム障害についての報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○小泉副出納長 本年四月一日以降におけるみずほ銀行のシステム障害について、ご報告いたします。
 お手元の資料第1号をごらんいただきたいと存じます。
 最初に1、システム障害の概要でございますが、四月一日の新銀行発足後、オンライン障害が発生するとともに、口座振替処理における引き落とし処理などに障害が発生いたしました。
 次に、2の東京都に対するシステム障害の影響でございますが、(1)、出納長が管理する公金に対するものといたしまして、四月一日の住宅使用料などの口座振替処理において、口座振替結果データの返却や特定店舗の口座引き落とし処理におくれが生じましたが、四月三十日の口座引き落としは予定どおり処理されました。
 次に、そのほかの影響といたしまして、四月二日以降の水道、下水道料金の口座振替において、口座引き落とし処理や口座振替結果データの報告におくれが発生いたしました。
 以上が、今回のみずほ銀行のシステム障害の概要でございます。

○大西委員長 報告は終わりました。
 次に、参考人からの意見聴取を行います。
 本日は、みずほ銀行の佐藤副頭取、吉本常務執行役員のお二人を参考人としてお呼びいたしました。
 初めにご意見をお聞きし、引き続き質疑を行います。ご了承願います。
 なお、銀行よりお預かりしました資料を、お手元に配布してございます。
 ご紹介いたします。みずほ銀行副頭取佐藤正昭さんです。同じく、みずほ銀行常務執行役員吉本和彦さんです。
   〔参考人あいさつ〕

○大西委員長 本日は、大変お忙しいところをありがとうございました。どうぞご着席ください。
 それでは、初めに、みずほ銀行におけるシステム障害についての状況を、参考人よりお伺いいたします。

○佐藤参考人 みずほ銀行副頭取の佐藤でございます。東京都様とのお取引を初め、公共部門を担当させていただいております。
 このたびのシステム障害により、東京都様、都民の皆様を初めとした個人のお客様、中小企業を含む法人のお客様など皆様に多大なご迷惑、ご心配をおかけし、まことに申しわけなく思っております。質疑をちょうだいする前に、現在までの状況をご説明させていただきますとともに、この場をおかりいたしまして深くおわび申し上げる次第でございます。
 まず、今般のシステム障害につきましては、皆様も既にご承知のことと存じますが、大きく分けて二つの問題が発生いたしました。一つ目は、ATMオンライン障害でございます。
 四月一日、ATM取引等において、預金、デビットカード、コンビニATM等の一部の取引が不能となりました。四月八日夕刻にも約一時間、ほぼ同様の障害が発生いたしました。また、四月一日には、現金が未払いにもかかわらず通帳には引き落としが記帳されるというトラブルが発生いたしました。ATMはプログラムの修正により復旧し、その後は正常に稼働いたしております。また、現金未払いのお客様に対しましては、四月三日までに現金と手数料をお客様の口座にご返却させていただきました。
 二つ目は、口座振替処理の遅延でございます。
 四月一日の処理遅延の直接的な原因は、口座振替の大量処理を行うためのシステム面、事務面の対応が十分でなかったことであります。また、四月二日以降、処理が遅延する中でデータ処理作業等が混乱し、ミスや不手際が重なったことから、障害が拡大、長期化いたしました。遅延解消のため、システムエンジニア約五十名を含む応援者約百五十名を事務センターに派遣するとともに、副頭取を委員長とする口座振替対策プロジェクトチームを設置いたしました。
 現在までの復旧状況を申し上げますと、口座からの引き落としは、四月十五日以降ほぼ正常に行っており、引き落としかわり金につきましても、ほぼ従来どおりの期日にご入金する状態に復旧いたしております。
 また、引き落とし結果データにつきましては、早期返却の観点から、委託者様のご意向をお伺いした上で、独自フォーマットによりエクセルで作成してご返却しておりましたが、五月一日以降の引き落とし分は、委託者様所定のフォーマットのMT、FDでご返却させていただきます。
 私どもは、一九九九年八月に三行統合を発表いたしました後、新銀行のシステムについて検討を重ねてまいりました。最終的には二〇〇〇年十一月に、システム面、事務面での移行リスクを極小化するため、旧三行の勘定系システムをリレーコンピューターで接続し、二〇〇三年四月をめどに統合する方式とすることに決定いたしました。その後、二〇〇一年六月までにシステムの設計、開発を終え、それ以降、システム領域ごとの開発責任銀行のもとで、相当な準備期間をとってさまざまなテストを行ってまいりました。
 具体的には、まず、二〇〇一年の七月から八月にかけて預金貸し出しなどの個別機能の稼働テスト、次に、二〇〇一年の九月から十一月にかけてリレーコンピューター機能のテスト、さらに、二〇〇一年十二月から二〇〇二年三月にかけて運用テスト及び移行リハーサルを実施いたしました。
 しかしながら、今般このような障害を引き起し、皆様に多大なご迷惑、ご心配をおかけしたわけでございまして、テストに不十分なところがあったと考えております。重ねて深くおわび申し上げる次第でございます。この間、都庁関係局、室の皆様にもいろいろとご迷惑をおかけし、また、さまざまな対応についてご指導、ご協力をいただきました。心よりおわびいたしますとともに、厚く御礼を申し上げます。
 また、今般の事態は、去る三月に当財政委員会におけるご審議を経て本会議で議決を賜り、改めて当行を指定金融機関としてご指定いただいた直後のことでございます。さらに、議決の付帯決議において、本来の金融機能を十分発揮するようにとご指導をいただいているところであり、このたびの事態を衷心より反省いたしております。
 今後は、この反省の上に立ちまして、東京都様を初め、お客様にご迷惑、ご負担をおかけすることのないよう、システムの安定稼働と再発防止に万全を期すとともに、一つ一つの業務を堅実に遂行することを通じて、皆様の信頼を一刻も早く回復できますよう最善を尽くす所存でございます。何とぞ引き続きご指導、ご鞭撻を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
 以上でございます。

○大西委員長 参考人の発言は終わりました。
 それでは、次に、参考人への質疑を行います。
 なお、参考人に対します質疑は、お手元に配布いたしました実施要領のとおり、大会派順とし、各会派所定の時間内で行うことを理事会で申し合わせました。ご了承願います。
 それでは、発言を願います。

○近藤委員 自民党の近藤でございます。
 今、参考人のお話の中で、リスクを極小化するためにリレーコンピューターを選択したというお話でございました。リスクが極小でこの程度かということを考えますと、国会の答弁等で参考人がさまざまに回答なさっておりますけれども、みずほ銀行の危機意識の欠如と申しますか、企業の体質そのものについて改めて考えさせられた今のお言葉でございました。
 特に前回の参考人の質疑の中で、私は、UFJの先例もあるので、四月一日のみずほ銀行の業務について、システム的に支障が出ることはないのか、準備は万全かというふうにお尋ねしたところ、混乱がなるべくないようにスムーズにいくような方法をとっているというふうに参考人がお話しになりました。私はその後、なるべくでは困ります、全くないようにしてくださいということをお話ししたんですけれども、うがった見方をすれば、なるべくというふうにおっしゃったのは、本日、今回のたびの混乱をもしかしたら予見していらしたのかなというような気さえするわけでございます。
 先ほど小泉副出納長、そして参考人の方から、今回の一連のトラブルで発生した被害状況についてはご報告がございましたけれども、改めて東京都全体、東京都に限って、損害についてご報告をお願いいたします。

○佐藤参考人 ただいまのご質問にお答え申し上げます。
 東京都様のお取引に関しましては、水道料金、都営住宅使用料等で口座振替の遅延が発生をいたしました。口座振替に係る口座引き落としが遅延したものは、合計十四万四百六十二件、金額にいたしまして十七億八千六百万でございます。
 また、四月五日、八日の振替日指定分に処理遅延が発生いたしまして、その中に、一部の外郭第三セクター様の口座振替が含まれておりました。処理遅延分につきましては、委託者様である外郭第三セクター様にご説明、ご確認の上、個別に対応させていただいており、全件の処理を終えております。
 なお、それ以降のご依頼分は、遅滞なく予定日に処理をさせていただいております。
 都民の皆様、東京都様並びに外郭団体様を初めといたしまして、多くのお客様に多大なご迷惑をおかけしたということを、深くおわび申し上げたいというふうに思います。

○近藤委員 水道料金、下水道料金については、請求した先から全部振り込みがあったというふうに仮定した処理をしているというふうに伺っておりますが、仮定しているわけですから、その中では当然、実際には振り込まれなかった方に振り込みの処理をしているということで、おわびやら再度の振り込みをお願いする手続が必要かと思いますけれども、この水道料金、下水道料金については、担当の局とどのような今折衝をしていらっしゃって、実際にはどのような対応を今後とっていらっしゃるおつもりでしょうか、具体的にお願いします。

○佐藤参考人 ただいまのご質問にお答えを申し上げます。
 東京都様並びに都民の皆様に多大なご迷惑をおかけしている事態を深く受けとめております。水道局様で発生した実費等ご負担につきましては、水道局様とよくご相談の上、ご負担をおかけしない方向で誠心誠意対応させていただきたいというふうに考えております。
 一方、先ほど先生からご指摘がございましたように、一部私どもが立てかえをする形になっている部分がございます。そのほとんどが、口座の残高が足りずに引き落としができなかった方々に対応するものでございますが、それをご返却いただく問題につきましては、水道局様とよくご相談をさせていただき、対応させていただきたいというふうに考えております。

○近藤委員 中には、勝手にそちらでミスをしたんですから、この金額については払わないというような個別な問題がこれから発生しないとも限りませんけれども、そういった問題も含めて早急に対応を決定していただきたいというふうに思います。
 今回のトラブルにおいて、二つの大きな問題が生じたというふうに理解をしています。一つはATMのトラブル、もう一つは口座振替のトラブルということで、ATMのトラブルについては、リレーコンピューターの誤作動が原因であるというふうにいわれていると同時に、口座振替については、みずほ銀行のホストコンピューター、このホストコンピューターの振替がうまくいかなかったというお話が出ているわけです。
 国会答弁の中で、今回のシステムの統合に当たっては、総合的に対応する場合と、開発責任行というものを決めて、それぞれの旧の銀行で責任を持って開発する部分に分けられるという答弁がありましたけれども、今回問題が発生したリレーコンピューターとみずほ銀行のホストコンピューター、これの開発に当たった責任行は、旧銀行はどちらだったのでしょうか。

○佐藤参考人 お答え申し上げます。
 ただいまご質問にございましたATMの障害でございますけれども、この障害は、今お手元に資料をお配りしていると思いますけれども、恐縮でございます、お手元の資料の(近藤委員「銀行名をお聞きしているので、端的に銀行名だけ」と呼ぶ)よろしゅうございますか、恐縮でございます。旧第一勧業銀行でございます。

○近藤委員 企業のホストコンピューターというのは、その企業の根幹ですから、そのホストコンピューターでトラブルで起きたということは、非常に問題が深刻だというふうに思います。富士銀行さんは、以前はIBMのシステムを使っていらっしゃり、今回は企業のホストコンピューターとして、みずほ銀行のホストコンピューターとして、旧第一勧業銀行のシステムを導入なさったということです。第一勧業銀行のシステムは富士通さんが担当していらっしゃったということで、全く違ったタイプのシステムを統合するということで、しかも、今回は第一勧業銀行さんが、いわゆるホストコンピューター、そしてリレーコンピューターという今回のシステムの一番根幹にかかわるところを担当なさっていたということですけれども、実際に国会でも何度となく質問が出ておりましたけれども、この今回の統合のシステムの一番根幹になったリレーコンピューターの部分とホストコンピューターの部分、事前のテストは本当に万全だったのかということを再度伺いたいというふうに思います。

○佐藤参考人 お答え申し上げます。
 やや技術的なお話になって恐縮でございますけれども、正確を期するために、今般のATMオンライン障害の原因につきましてご説明を申し上げたいというふうに思います。
 お手元の資料の二ページの左側にATM等オンライン接続図という図がございますので、ちょっとごらんいただきたいんですが、近藤先生ご指摘のリレーコンピューターは、ATMなどオンライン取引を担っておりまして、四月以降、この図の上の方にございますけれども、BANCS、これは都銀のキャッシュカードサービスを提供するセンターでございますが、そういったBANCSだとかCAFISという外部センターの接続につきましては、旧第一勧業銀行のホストコンピューターの中の対外接続システム、そこにGPと書いてございますけれども、GPに一本化いたしまして、旧富士銀行のホストコンピューターは、リレーコンピューター経由でGPから外部センターに接続する構成といたしました。
 システム移行に向けまして、このGPのプログラムの新規の開発及び修正を行いましたが、GPとBANCS間の取引及びGPと旧富士銀行コンピューター間の取引についてのプログラム対応内容に不良があったために、今回のトラブルが発生したものでございます。
 GPのプログラムの新規開発、修正は、今般のシステム統合における重要な部分の一つでございまして、そうした観点から、GPのプログラムに関するテストにつきましては、想定される取引パターンを分けて実施いたしました。しかしながら、今回障害が発生した取引パターンにつきましては、テストを実施したものの、負荷のかけ方が不十分であったことから、障害のもととなるふぐあいを発見するには至りませんでした。
 次に、口座振替に関する障害でございますけれども、お手元の資料の四ページの右側にフロー図がございますけれども、口座振替に関する障害につきましては、リレーコンピューターとは別の問題でございます。バッチ処理用のコンピューターにより、お客様よりいただいた口座振替データを旧三行システムに振り分ける過程で、システム障害、事務処理ミス等が重なったものでございます。昨年の十二月から本年三月まで実施をした運用テストに不十分なところがあったというふうに考えております。現在、さらに徹底した究明調査を行っているところでございます。
 多くのお客様に多大なご迷惑をおかけすることとなってしまい、深くおわびを申し上げる次第でございます。

○近藤委員 今、リレーコンピューターのテストについては負荷が不十分であった、つまり容量を多くしたテストを行っていなかったということだと思いますけれども、このリレーコンピューターのテストに係る責任者、責任は、どちらに当時あったのでしょうか。

○佐藤参考人 今ほどご回答申し上げましたように、問題があったのはリレーコンピューターではございませんで、第一勧業銀行の勘定系のコンピューターシステムでありますSTEPSの中にある対外接続系のシステム、GPと称しておりますけれども、このグローバルプロセッサーに障害があったということでございます。そういう意味では、開発の責任行は第一勧業銀行でございました。

○近藤委員 それぞれの責任の分担は分かれていたとしても、それを統括していらっしゃった責任は、当時の富士銀行の方が担っていらしたというふうに伺っておりますけれども、それで間違いないですか。

○佐藤参考人 システム統合につきましては、極めて難度の高いシステム開発と認識をいたしまして、システム領域ごとに各種問題の調整を解決していく組織、これはタスクフォースというふうに称しましたけれども、それを設置すると同時に、先ほど申し上げましたように、主管行である開発銀行を定めてプロジェクトの推進、管理を行ってまいりました。
 また、全体の整合性を当然確保してまいらなきゃいけないわけでございますから、そういう意味では、その整合性を確保するために、持ち株会社においてシステム統合全体の進捗管理を行ってきたということでございます。このシステム統合全体の進捗管理を行っております持ち株会社のCIOが富士銀行出身者であったと、こういうことでございます。

○近藤委員 そうしますと、第一勧銀さんの責任の中で行われていることだからということで、あえてほかの銀行出身の方から、システムの問題等について当時、提起できない、あなた任せの無責任なところがあったのではないかというふうに感じられるんですけれども、その辺のところはどうでしょうか。

○佐藤参考人 今回のシステム開発に当たりましては、責任があいまいにならないように、また効率性の観点から、システム開発、管理に実績がある三行が、三行とも実績があるわけでございますから、その三行がそれぞれ分担をしたということでございます。もちろん、そういった開発主管行となった銀行のほかの二行が協力行ということで、お互いが協力をし合って開発をしてきたと、こういうことでございます。

○近藤委員 東京都の方に伺いたいと思いますが、東京ガスや東京電力のような大企業が今回の四月一日以前に、実際のテストを行ってほしいという要請をしているというふうに伺っております。現実的には、拒否をされてテストは行われなかったんですけれども、東京都は、出納を初め各局、実はみずほ銀行さんに対してそのようなテストの申し出をしていたという事実はないと伺っております。一般の企業が四月一日に向けてこれだけ準備をしているというのに比べまして、余りにも認識が低いのではないかと思いますが、テストが必要ないというふうに判断された理由は何でしょうか。

○小泉副出納長 東京都の指定金融機関として、公金の収納及び支払いの事務を実際に行いますのは旧富士銀行の公務事務センターでございまして、みずほ銀行設立後も、引き続き公務事務センターが都の指定金業務を行うというふうに報告を受けていたところでございます。
 また、都の口座振替処理は、この公務事務センターにおいて、指定金融機関業務の一環として事務処理をしているものでございますが、これに対しまして、副委員長ご指摘の東京電力及び東京ガスは、みずから事務処理を行い、マスターテープを各銀行に搬入しているところでございます。この公務事務センターは、受託者としての責任において、都との委託関係の中で必要な業務、すなわち公金の収納や支払い事務をこれまで確実かつ円滑に行っており、過去に事故がなかったというところでございます。
 さらに、個別の銀行に送付されます口座振替マスターテープにつきましては、都が委託している公務事務センターのフォーマットは標準型でございまして、東京電力、東京ガスなどは、それぞれ法人ごとに個別のフォーマットで行われていると聞いており、両者の処理にはシステム上大きな違いがあると思っております。
 なお、今回のみずほ銀行の口座振替に係る障害の発生は、公務事務センターの外で起こったもので、みずほ銀行の一般的な事務処理の中で発生したものでございます。東京都といたしましては、正直なところ、これほどまでになるとは予想し得なかったところでございます。

○近藤委員 予想し得なかったとおっしゃいましたけれども、予想するに足りる十分な情報が東京都にもたらされていたんだろうかというふうに思いますけれども、事前の、みずほ銀行さんから今回のシステム統合について十分な情報がもたらされたというふうに考えていらっしゃいますか。

○小泉副出納長 再編に伴うシステム統合の流れなどにつきましては報告を受けていたところでございますが、東京都といたしましては、この規模の障害の発生を予見できるような詳細な説明は受けておりませんでした。

○近藤委員 これは、五月四日土曜日の朝日新聞の富士通の社長に対してのインタビュー記事で、先ほどから申し上げているように、富士通というのは第一勧銀のシステムを担当なさっている会社なわけですけれども、その会社の社長さんが、「担当者はトラブルに備え、三つのシステムにまたがるテストを提案しました。でも、プロジェクト全体の管理はみずほが行っていましたから、銀行が指示しなければ動けない。」と、これも大変無責任ないい方だというふうに思いますけれども、実際にシステムを担当している会社の社長さんが、三つのシステムにまたがるようなテストが必要だったと思っていらっしゃったにもかかわらず行われなかったということについては、みずほ銀行さんと申しますか、そのプロジェクトを統括していらっしゃった方に、そういった情報が本当に伝わっていたんだろうかと。実際にテストを実施していた現場のいろいろな課題というものが、必要な情報が上層部に伝わるような組織ではなかったのではないかというふうに、一つ非常に危惧をしております。
 そしてもう一つ、今回は多摩センターの店番号のつけかえミスということで、これも大きな被害を東京都はこうむっているわけです。店番号のつけかえミスというのは、非常に人的なミス、ケアレスミスですから、それを事前にチェック、総合チェックができないのかということを考えますと、今までの指定行としての信用はどこへ行ってしまったんだろうかというふうに思います。
 もう一つ、私は今回、システムのトラブルが機械のトラブルだけにとどまらず、みずほ銀行全体の、企業としての体質を象徴しているような気がしてならないわけです。開発責任行という形できちんと責任管理をしていましたというような形でおっしゃいますけれども、今もって--実際の責任は、これからいろいろ金融庁の調査を経た後にさまざまにとられると思いますけれども、判然としない。そして、今申し上げたような現場の声というものが、本当に上層部にもたらされているのかどうか非常にあいまいである。ましてや指定行になったばかりの東京都に対しても、事前に十分な情報がもたらされたとは東京都として考えられないという答弁が、今、局の方から出ているということを考えますと、私たちが公金をゆだねるに値するだけの信用できる企業なのか、そこに一番問題が集約してくるというふうに思います。
 冒頭の参考人のお話の中で、今後このようなミスが起きないようにということは、ごくごく当たり前のことであって、その前に、私たちは公金をお預けしているわけですから、きちんとした情報が開示されない、企業の中での情報伝達経路がはっきりしていないといったようなあいまいな会社に、私たち都民は莫大なお金を今後とも預けていいのかということを、私は非常に疑問に思っているわけです。
 最後に、東京都に伺いますけれども、金融庁の検査を見ないと、結果を見ないとはっきりとしたことはお答えできないと思いますけれども、指定行の変更も含めた厳しい措置を、今回は、みずほ銀行に対して都としてはっきりと示すべきだというふうに思いますけれども、見解はいかがでしょうか。

○小泉副出納長 今回のみずほ銀行のシステム障害は、指定金融機関以前の、極めて金融の根幹にかかわる障害であるというふうに認識しております。私どもとしては、一刻も早くみずほ銀行が安心して決済機能を発揮できるような銀行になるよう、早急に原因の究明及びその対策をするように指導、指示をしているところでございます。
 今後、仮に再びこのようなことがあれば、東京都の決めた一定の基準の中に抵触するということであれば、当然指定金の変更も含めて検討の俎上に上るものというふうに考えております。

○近藤委員 最後にいたしますけれども、原因の究明と対策ということは厳密にしていただかなければなりませんが、どうもみずほ銀行さんというのは、形だけは一つになっても、中身は当時の三行のばらばらのままじゃないかというような印象が、今回のシステムのトラブルを通じて非常に私は感じたところでございますので、対策はともかくといたしまして、企業の体質の改善ということを、私たちにも目に見える形で示していただきたいというふうなことで、最終的に決意を伺って私の質問を終わります。

○佐藤参考人 私どもみずほ銀行といたしましては、今回の事態を深く反省し、一刻も早く皆様からのご信頼の回復をいただけるように努力をしてまいりたいというふうに考えております。お客様に満足いただける商品サービスを提供させていただくということ、また、一つ一つの事務を的確にやり遂げるということ、そういった当たり前のことをきちっと全行員が一丸となってやり続けるということで、皆様からの今回のご批判に対する答えをきちっと出すように、全行を挙げて取り組んでいきたい、また、私ども経営陣もその先頭に立ってやってまいらなければいけないというふうに考えておるところでございます。

○桜井(武)委員 私は、近藤やよい先生の質問との重複を避けますので、今後、みずほ銀行がどのように責任を持ってやっていくかということについて質問させていただきます。
 しかしながら、一言前もって申し上げますが、経営責任というのはすべて結果責任でありまして、どんないいわけをしても、どんな説明をしても通らないんですよね。すべて結果で責任をとるという自覚をぜひ持っていただきたい。
 それからまた、三行の統合が行われたわけでございますので、当然ながら基本的な意思の疎通、指揮命令系統、そういったものを、若干時間はかかるかもしれませんけれども、本当に先ほど申しましたような責任の自覚を持った、そういう指揮命令系統というものをきっちりと確立させてもらいたい、しなきゃならないというふうに思います。
 三番目は、みずほは、いい名前ですよね。いい名前ですが、名前にふさわしい内容になっていかなきゃならないわけでございますし、承りますと、世界一の金融機関になるということでありますが、そうだとするならば、みずほの果たす銀行決済システムというものは、ただ単に東京都あるいはまた日本に対してだけでなく、全世界的にも重い責任を負っている、このようにいっても過言ではないのではないかと思うんですよ。
 したがって、また、きょうは東京都議会の財政委員会という極めて公の席の質疑でございますので、質問に対しましては、ご答弁をいただくに際しまして、俗にいう、武士に二言はない、そういう覚悟をお持ちになってご答弁をいただきたいということを前置きしておきます。
 まず一つは、組織、体制、人員、コンピューターシステム等の観点から、みずほ銀行の業務遂行能力、それは今どのようになっているのかを質問します。

○佐藤参考人 お答え申し上げます。
 みずほフィナンシャルグループの事業構造は、持ち株会社がグループ全体の方向性を決めまして、その経営方針に基づいて、みずほ銀行、みずほコーポレート銀行、みずほ証券、みずほ信託の中核の四者が、銀行、証券、信託といった主力事業の業務戦略を策定いたしまして、高付加価値の総合金融サービスを提供することによりまして、お客様の高い満足を得て収益増強を図る、こういったものでございます。
 銀行部門は、百四十兆円の総資産を、極めて多くのお客様とのお取引を二つに分けまして、おのおのの事業範囲と規模を最適なものといたしました。これによりまして二つの銀行は、高度な金融技術、質、量ともに豊富な情報、幅広い業務知識等の専門性を、それぞれのお客様や業務に応じてフルに発揮できるようになっております。
 私どもみずほ銀行には、グループ全体の八割に当たる二万三千人余りの行員が在籍をしておりまして、主として中堅中小企業、個人、地方公共団体等のお客様に対しまして、その夢やビジョンを実現する最高のサービスを提供できる組織、体制を整えたつもりでございます。
 今般のシステム障害によりまして、スタート段階から多くのお客様に多大なご迷惑をおかけいたしましたが、システム面につきましても、万全の再発防止策を策定、実施することによりまして、一刻も早く皆様の信頼を回復して、ご期待におこたえしていけるように全力を尽くしてまいりたいというふうに思います。

○桜井(武)委員 重ねて念を押しておきますけれども、きょうこの席でご答弁されているわけでございますので、間違いなくご答弁されたとおりに今後実行されるものと、こういうことを念を押しまして、二番目の質問をいたします。
 議決の付帯決議にも盛り込まれておりました、いわゆる中小企業貸し出し等での地域経済社会への積極的な貢献に努めるということはどのようになっておりますか、それについて質問します。

○佐藤参考人 みずほ銀行は、先ほど申し上げましたように、中堅中小企業、個人、地方公共団体というマーケットのお客様に特化した銀行でございます。そういう意味では、最もお客様に近い銀行になることを目指しておりますし、また、なれるというふうに自負しております。そういった意味で、地域経済社会への貢献という点では、最もお役に立てる銀行の一つであると認識をしております。
 特に中小企業に対する貸し出しにつきましては、健全なお取引先への信用供与拡大は銀行としての社会的使命であるというふうに認識をいたしまして、積極的に取り組んでおるところでございます。現在、中小企業のお取引先に対して、みずほ全体で約三十四兆円の貸し出しを行っておりますけれども、引き続き、健全なお取引に対する貸し出しの増強に努めてまいりたいと考えております。
 一刻も早くお客様の信頼を回復しまして、地域の皆様のご期待にこたえていけるように全力を尽くしたいというふうに考えております。

○桜井(武)委員 三番目でありますけれども、今後どうやってみずほ銀行のかじ取りをしていくのか、佐藤さんも今後のみずほのトップを担っていく方でありますので、ぜひお聞かせ願いたいところでございます。

○佐藤参考人 お答え申し上げます。
 今般のシステム障害に関しまして多くのご批判、ご叱責をちょうだいしておりまして、まことに申しわけなく思っております。信頼の回復は、今後、私どもが社会やお客様のご期待に的確におこたえし続けることによりまして、初めて可能になるというふうに覚悟をしております。
 大変口幅ったい申し上げようで恐縮でございますけれども、私どもみずほ銀行の強みは、先ほども申し上げましたけれども、お客様との距離が近い銀行であるということ、また、高い専門性を発揮するプロ集団であるというふうに考えているということ、また、国内最大級の全国ネットワークを有しまして、伝統的な総合銀行業務から海外進出支援等の国際業務、最先端の証券インベストメントバンク業務まで、最高水準のサービスを提供する銀行であることであります。
 今後、これらの強みを最大限伸ばしていくことで、最高のお客様満足を実現して、地域社会からのご期待におこたえをしたいというふうに考えております。

○桜井(武)委員 それでは、最後になりますが、非常にくどい質問でありますけれども、先ほど申しましたとおり、みずほ銀行の置かれている立場というのは大変重いものであるというふうに思うものでございますので、改めて、先ほど近藤先生からも質問がありましたが、決意を表明していただきたいと思います。

○佐藤参考人 私どものビジョン、みずほフィナンシャルグループのビジョンは、最先端の総合金融サービスで新時代をリードする革新的フィナンシャルグループになるということを掲げて出発したわけでございます。我が国を代表して、グローバルトップファイブに入る強力な金融グループになるということを目指して出発したわけでございます。
 今般のシステム障害によりまして、社会的、公共的インフラである決済システムに支障を来しまして、スタート段階から多くのお客様に多大なご迷惑をおかけいたしました。今後は、我が国を代表する金融機関としての強い自覚を持ちまして、私ども経営陣が先頭に立って精進いたしまして、こうした事態を二度と招くことのないように全力を尽くしてまいりたいというふうに思います。
 何とぞ引き続きご指導、ご鞭撻を賜りたく、よろしくお願いを申し上げる次第でございます。

○真木委員 都議会民主党の真木茂でございます。本来ならば、普通、参考人に来ていただきますと、冒頭に御礼を申し上げるべきところでございますが、今回、あえて割愛をさせていただきたいというぐあいに思います。
 と申しますのも、指定金融機関がこうした失態を犯した、東京都にとって、そして都民の生活にとって、指定金融機関の存在というのは非常に大きい、そういった意味からも、今回は来ていただいたというよりも、来ていただかざるを得なかった。こういった中で、金融監督庁が検査に入り、そして、もし出納長が指定金融機関を引き揚げますなどというふうなことをいったらば、新生みずほ銀行は吹っ飛ぶかもしれない、そういった中であえて来ていただかざるを得なかったということについて、ぜひご理解をいただきたいと存じます。
 そこで、まず、みずほ銀行と東京都の関係について改めて確認をしたいと存じます。富士銀行時代は大変東京都の存在は大きかったけれども、倍以上になったんだ、新生みずほ銀行にとっては東京都の存在は大したことないんだよということなのかどうか、確認をしたいと存じます。
 前回の参考人質疑で、東京都の預金の現金約五千億円のうち七割を富士銀行に預けている、基金の一兆一千億円の四割を富士銀行に預けているということでございましたけれども、この実態は新生みずほ銀行にとっても変わらないのか、そして、新生みずほ銀行にとっても最大の預金者が東京都であるということに変わりはないのか、その辺についてお尋ねしたいと存じます。

○佐藤参考人 お答え申し上げます。
 東京都様が、みずほ銀行にとって最大の預金者であるお客様のお一人であるということは、間違いのない事実でございます。

○真木委員 最大の預金者の一人であると。よくわかりませんが、そういうことだと存じます。
 そして、東京都に事実関係だけ確認したいと存じます。昨年度末に、東京都は公金管理委員会というものを設置をいたしました。ペイオフに備えて、東京都独自の取り組みとして高く評価をしたいと存じますけれども、これが最も直近に開かれたのはいつなのか、この事実関係だけ教えていただきたいと存じます。

○小泉副出納長 去る三月二十日に、第一回の公金管理委員会を開催いたしました。
 なお、みずほ銀行のシステム障害が発生した四月一日以降、公金管理委員会の各委員に対しては、その詳細について随時報告を行い、意見をいただくなど、緊密な連携態勢をとっているところでございます。

○真木委員 東京都は、その三月二十日に東京都資金管理方針を議論し、三月二十八日付で資金管理方針を正式に発表されております。その中で、預金のあり方については、格付や自己資本比率や預金量の推移を十分見ていくんだと。さらには、経営状況の監視という項目を新たに設けておりまして、注意シグナル指標という項目まで設けられております。その中では、株価や社債の利回り等を日常的に監視をするんだと。必要な場合には預金先金融機関からヒアリングを行い、預金量の推移等情報開示を求めるとともに、専門家の助言を求めるということになっております。また、委員会の意見を聞きということになっております。
 そうしたことからしましても、この預金についての対応の中にあります格付、預金量の推移、また株価、こうしたことにつきまして現在どうなっているのか。預金量の推移は、四月一日と例えば五月一日とかを比較してどうなっているのか、みずほ銀行にお尋ねしたいと存じます。

○佐藤参考人 みずほフィナンシャルグループにおきましては、昨年の四月に比べまして、この四月時点で国内預金が大幅に増加する等、安定的な調達構造を維持しております。四月における預金動向につきましては、経常的な範囲で変動しておるという状況でございます。具体的な預金の計数についてはご容赦をいただければというふうに思います。

○真木委員 ディスクローズをしてはいないけれども、当然みずほ銀行としては、その預金量の状況というのは把握しているんですね。把握しているということでよろしいですか。

○佐藤参考人 はい。

○真木委員 はい、かしこまりました。
 そういたしますと、東京都の方にお尋ねしたいと存じますが、この事態に対して、公金管理委員会を開催する必要性はなかったのかなというぐあいに疑問を感じる次第であります。四月二十五日危機説、三十日危機説が流れておりましたが、本当に何もなくてよかったなと、私も生意気ながらほっとするところでございますけれども、わざわざ十日前につくったばかりのこの公金管理委員会の公金管理方針の中で、必要な場合には預金先金融機関からヒアリングを行い、預金量の推移等の情報開示を求めるということが挙がっているわけであります。そのようなことを行ってきたのかどうか。
 そして、公金管理委員会の必要性はないと判断した理由は何か。また、公金管理委員会としては、本当に三十日に何かあったら、もう遅かったんだと思うんですね。先取り的に動くことは公金管理委員会というのはないのかどうか、その辺につきまして、次回の議論につなげたいと存じますので、お願いします。

○小泉副出納長 東京都におきましては、日常的に各金融機関の株価等の経営状況を監視しているところでございますが、みずほ銀行につきましては、今回のシステム障害発生以降四人の専担チームをつくり、株価等の各種データの監視を強化しているところでございます。
 また、公金管理委員会につきましては、各金融機関の経営状況を監視する中で経営悪化の徴候が見られた場合には、専門家である各委員の意見を聞き、的確に委員会を開催して、必要に応じて都の基準以上に制限を強化することとしております。これまでも三月二十日の公金委員会開催時には、各金融機関の経営状況について議論し、ペイオフ解禁に先立って迅速に対応したところでございます。
 今回の件に関しましても、東京都といたしましては、近く公金管理委員会を開催し、今後の対応について検討していくことと考えており、既に具体的打ち合わせを行っているところでございます。

○真木委員 今回は、みずほ銀行さんにお尋ねする場でございますので、東京都に関する質疑は次回があるということを聞いております。ぜひ東京都は、この件につきまして相当突っ込んで議論しなきゃいけないのかなというぐあいに思っておりますが、一点だけ確認させてください。預金量の推移について情報開示を求めたのかどうか、そこだけお願いします。

○小泉副出納長 東京都といたしましては、みずほ銀行に対して、大きな経営状況のデータである預金量の推移については要求をしておりまして、東京都としては一定の報告を受けているところでございます。

○真木委員 預金量の推移についてはやったということで--ちなみに、みずほさん教えてください、預金量の推移につきまして要求されたかどうか確認をしたいと思います。

○佐藤参考人 お話をいただきました点につきましては、ご報告を申し上げております。

○真木委員 いずれにいたしましても、四月二十五日、四月三十日等において何かあってからでは遅いわけですね。指定金融機関につきましては、公金管理方針でも特に項を設けて、指定金融機関のあり方については高いハードルを設けられています。これは一般の預け入れ先ではなくて、現金の七割、そして基金の四割ものお金を預かっていただいているみずほさんであるからこそ、相当な注意が必要だったんじゃないかなというぐあいに思うわけであります。そこの点につきまして、ぜひ場を改めて東京都と公金管理のあり方について議論をしていきたいと思います。
 もう一つ、別の観点からお尋ねしたいと存じます。今回のみずほトラブルにおきまして、実際に金銭的被害をこうむった企業がたくさんあるかと存じます。実際に、東京電力では損害賠償請求をするというような新聞報道もございます。公共料金ということに関しては、NTTなども大変な被害をこうむっていることでしょう。
 そこでお尋ねいたしますが、今回のトラブルで生じた企業などへの損害について、損害賠償についての基本的な考え方を教えていただきたいと存じます。

○佐藤参考人 お答え申し上げます。
 多くのお客様に多大なご迷惑をおかけしている事態を重く受けとめております。費用のご負担をおかけしたお客様につきましては、個別に十分にご相談をさせていただきながら、誠心誠意対応させていただく所存でございます。

○真木委員 東京都に関しては、先ほど近藤議員の方から質問がありました。そして、ご負担をおかけしないよう誠心誠意ということでございました。東京都にかかわらず、官民を問わず、また、規模を問わずやっていくのかどうか、確認をしたいと存じます。

○佐藤参考人 費用のご負担をおかけしたお客様につきましては、官民を問わず、また、規模の大小にかかわりなく、個別に十分ご相談をさせていただきながら誠心誠意対応をさせていただく、そういった考え方でございます。

○真木委員 個別にご相談をし、ご負担をおかけしないよう誠心誠意と、よくわかるような言葉でありまして、よくわかりません。少し確認をしたいと存じます。
 東京電力さんやNTTを初めとして、これはレベルを問わずいろいろなところが被害をこうむっているんだと思います。東京都は税金であります。そして、NTTや東京電力さんは公共料金と。そして、民民の商業行為においても被害をこうむっているところはある。零細であればあるほどこのトラブルの被害実態は、痛手は大きいのかもしれません。
 そうした中で、個別に相談をしというのは、まず申し出があって、そして、再郵送料とかの郵送料、またコンピューターソフトを組みかえてもらった、そうした業者に払ったお金とかは当然のこと、人件費、残業代であるとか、自分のところでコンピューターを組みかえた場合、それは請求書が来るものではないわけでありますけれども、そういったことについても被害実態相当。
 そして、その被害実態の確定についての議論があるんだと思うんですが、両者で話し合わなければならないんだと思うんですが、両者で話し合った額については、確定した額については一〇〇%補償するのかどうか。それとも、交通事故じゃないけれども、必ずおたくにも落ち度があるんだから七割だよというような考え方なのか。確定した金額については一〇〇%補償するのかどうかを確認したいと存じます。

○佐藤参考人 先生ご指摘のとおり、お客様ごとにいろいろなご事情が当然おありでございます。私ども、先ほど申し上げましたように、そういった意味で、個別に十分ご相談をさせていただきながら誠心誠意対応させていただきたい、こういうことでございます。

○真木委員 言葉とは裏腹に不誠実なお言葉じゃないかなという気がいたすわけでありますが、要は、確定した金額については一〇〇%補償すると。私ども、皆様を、金融機関を管理する権限もない東京都議会という場でこれを議論させていただいているというのは、指定金融機関であるということとともに、この問題が東京都民、都民生活に大きな影響を及ぼしているということからだと存じます。民間企業も含めて、やはりみずからまいた種はしっかりと刈り取っていただくということでなければ、今後、東京都のつき合い方についても相当な制限というか、東京都がみずほさんとおつき合いをすることに都民の理解を得られないんだと存じます。言葉どおり誠心誠意賠償をしていただくこと、実費は当然のことながら、考えられる残業代とか含めてしていただきたいと存じます。
 とりわけ、例えば東京電力さんなどは非常に大きなところですから、みずほさんに文句をいえるのかもしれません。多くのところは、請求自体ができないんじゃないかなと。みずほさんに請求などをしたら、それ自体でみずほさんから今後取引を停止されてしまうんじゃないか、そういうことを懸念するところが、とりわけ零細になればなるほど多いわけであります。公正取引委員会でいうところの優越的地位という言葉が当たるわけではありませんけれども、いうなれば優越的地位を乱用することなく、交渉を打ち切るというようなことをしないように、くれぐれもお願いをしたいと存じます。
 その上で、東京都政とみずほさんということに関しまして、話題を変えてお伺いしたいと存じます。今回、賠償とか、相当するんだと思います。そして統一をするということ、看板の書きかえを初め、相当なコストがかかります、コンピューター等。そうした経営自体が非常に大変な中で、今回の賠償があった。再建策を考えていかなければならないんだと思いますが、その経営悪化が予想される中で、その一環として東京都の手数料料金、前回の私の質問の中で、事務手数料など経費負担のあり方については、出納長室と一昨年秋から話し合いを始めさせてもらっているというぐあいに答弁がありました。東京都の手数料、大分サービスしてもらっていますが、これを引き上げるというようなことはないかどうか、確認したいと存じます。

○佐藤参考人 今回の事態で大変お客様にご迷惑をおかけし、また、ご不安な思いを強いることになってしまいました。まことに申しわけなく存じております。ご迷惑をおかけしたことへの反省の上に立って、システムの安定稼働の定着と再発の防止の徹底に全力を尽くしてまいり、お客様の不安感の払拭と信頼の回復にひたすら取り組んでまいる所存でございます。その結果として、業績への影響を最小限にとどめることができればというふうに考えております。
 したがいまして、ただいま現在、先生ご指摘の点につきまして考える状況にはないものというふうに存じております。

○真木委員 東京都にお伺いしたいと思いますが、現在のみずほさんとの契約という上で、手数料の変更は今は考えていないということでありますけれども、だけど一昨年から議論をしていると。手数料の変更などというものは、やはりこれは契約の変更に当たるんじゃないか、議会の承認を諮るべきものではないかなというぐあいに思いますが、東京都の考えをお尋ねしたいと存じます。

○小泉副出納長 地方自治法施行令上、指定金融機関の指定を行う場合には、公金取り扱いの重要性にかんがみ、議会の議決が必要になるところでございますが、指定金融機関との契約の変更につきましては、執行機関の責任において実施すべきものとされております。
 なお、手数料を変更する場合については、当該年度の予算審議の中で、都議会においてご審議いただくことになっております。

○真木委員 持ち時間が迫ってまいりました。みずほさんにもお伺いしたかったんですが、みずほさん、指定金融機関に、今回三月二十八日でしたか、東京都の方で、議会の方で決定をいたしました。それ以降は一年ごとの更新ということになります。何も手続を経ないでということでなくて、一年ごとの更新ということがあるわけですけれども、みずほさんとして、本来ならば、これを自粛していただいたらいいのかなというぐあいに思うんですが、そのお考えはないかと存じます。
 その上で、改めて東京都にお尋ねいたします。今回の失態にもかかわらず、契約を更新する、指定金融機関の契約を更新するとしたならば、都民に対する経過の説明とその理由が相当明確に示されていなければならない。もう一度やはり議会に諮るべきことではないのかなというぐあいに考えるわけでありますが、来年度は、例えばその指定金融機関を公募するとか、一種の入札にかけるだとか、そういったことをすることが都民に対する説明。そうでなければ、東京都と富士銀さん、みずほさんは癒着をしているんじゃないかというぐあいの指摘を受けざるを得ないと思うんですが、その点につきまして東京都の考えを確認したいと存じます。

○小泉副出納長 地方自治法施行令上、指定金融機関の指定の議決を一度受けた後の各年度の契約更新につきましては、議決を経ることは要求されてございません。しかしながら、今回のみずほ銀行のシステム障害はあってはならないことであり、内容について十分精査を行い、結果について公金管理委員会に審議していただいた上で対応を決定し、議会にもご報告したいと考えております。
 今後、みずほ銀行において、指定金融機関としての業務遂行に支障が生じた場合や、経営指標の悪化により、都の定める基準に照らして健全で安全な金融機関といえなくなった場合には、指定金融機関の見直しを行うことは当然でございます。
 都の指定金融機関には、公金収納と支払いの事務を事故なく円滑に執行できること、安全で健全な金融機関であることの二つの要件を満たすことはいうまでもございません。具体的対応に当たっては、公金管理委員会に諮るなど、適切に行ってまいりたいと考えております。

○真木委員 最後、もう時間が来ました。みずほさんと東京都に一問ずつお伺いさせていただくことをお許しいただきまして、以上にしたいと思います。
 今、指定金融機関の見直しも当然考えるべきだというような出納長室からのお考えもありました。先ほど勝手に推察をいたしましたが、来年度の指定金融機関の継続を自粛する考えはないかどうか。そして、今回第一勧銀さんと富士銀が一緒になったことによって、東京都とみずほさんの関係というのは事実上の、べったりというか、独占状態ですね、交通局、水道局、宝くじ。その辺の関係につきましてご説明をいただき、そしてその上でも、そこまで独占状態であるにもかかわらず、出納長室関係の指定金融機関を引き続き希望するのかどうかを確認したいと存じます。

○佐藤参考人 三月のこの場でも佐久間から申し上げたというふうに承っておりますけれども、東京都様、二十三区様の指定金融機関の仕事は、私どもにとりまして、公金の富士から引き継がれた、かけがえのない大切な仕事でございます。改めてご指定をいただいた直後に今回のような事態を引き起こしまして、おわびのしようもございません。ぜひとも引き続き継続をさせていただきたいというふうに考えております。
 また、水道局様の出納取扱金融機関の仕事も、今申し述べました東京都様の指定金融機関の仕事と同様、私どもみずほにとって大変大切な仕事でございます。
 出納長室様、水道局様を初め、関係局の皆様から厳しいご指導を賜りつつ、都民の皆様のために、よりよき仕事をという強い緊張感を常に維持しながら取り組んでまいらねばならないというふうに考えております。都議会の先生方におかれましても、引き続きご指導のほどよろしくお願い申し上げます。

○真木委員 今、明確なお話はありませんでしたが、出納長室関係の指定金融機関、そして交通局の統轄出納取扱金融機関、水道局、下水道局の出納取扱金融機関、東京都債の引受団体幹事及び代表受託副幹事及び副受託、宝くじの販売事務の受託というような形で、第一勧銀と富士銀行が一緒になって、東京都の何とか金融機関というものは、事実上みずほが完全に独占しているというような状況になったんだと存じます。これは結果論ですから、東京都がけしからぬというわけじゃありませんが、でも、そういう結果になったということを踏まえて、今の東京都の金融機関関係というんですか、出納取扱関係がみずほに偏重--偏重というか、偏重どころじゃない騒ぎになっているわけであります。そして、結果的にお金も、基金の四割、現金の七割という大変な比重を占めてみずほさんに行ったままになっている。なぜ四月一日をもって変わらなかったのかなというのが不思議なんです。
 私、三月の議会の質問の中でも、四月一日、ペイオフ後は当然スライドしていくんだよねということでお尋ねしたわけでありますけれども、東京都の対応を見ていると、公金管理委員会というものはつくったけれども、仏つくって魂入れずというんでしょうか、本当にペイオフ、三月三十一日と四月一日というのは単なる翌日というだけでしかない。これは、決定的なそこには大きな壁があったはずなんですね。でも、東京都においてはその対応が全く見られておりません。結果として、みずほ偏重、事務的なもの等も、そして実態のお金のものも含めて、偏重になっていることに関する所見をお伺いいたしまして、次回の出納長室に対する質問につなげていきたいと思います。

○大塚出納長 近藤副委員長のご質問のときにお答えしましたけれども、公金管理委員会は正式には三月二十日に第一回を開きましたけれども、実際には、公金管理委員会を開かなくても、随時、分野別の先生方をグルーピングしまして、適宜その分野別の専門家チームとやり取りをして、四月一日以降、それで適宜必要な、適切な措置をとっているということをまず補足しておきたいと思います。
 真木委員からお話がございましたように、ご評価をいただいてありがたいんですけれども、東京都は、四月のいわゆるペイオフ解禁を契機として環境がさま変わりをするということを前提に、さまざまなリスク、これにどう対応するかということで昨年来検討を積み重ねてまいりました。その結果、ご案内のとおり、金融機関の選別基準の策定、それから外部専門家から成る、お話が出ております公金管理委員会の常設、それからセンターセクションとしての公金管理課の設置等、ソフト、ハードの両面にわたって組織的なスタンバイを行ってまいりました。全国見渡しますと、各団体が抱えるそれぞれ固有の事情がいろいろとあるわけでございますけれども、リスクヘッジといいますか、それに対する東京都の基本的な考え方は、今では全国自治体の出納事務運営のメルクマールの一つになっているということであります。
 佐藤副頭取を初め、みずほ関係者のおられる前で恐縮でありますけれども、知事は、みずほが沈むか沈まないかわからないけれども、仮に沈むとしたら、一緒に沈むつもりはないというふうに過日の記者会見でも申し上げておりました。みずほに沈んでほしくないという気持ちを持ちながら、私の考えは知事と全く同じであります。
 一日も早い我が国金融秩序の総体的な安定を願う立場から、いえること、そしてこの場でいえないこと、いろいろとあるわけでございますけれども、必要なことはこれまでもやってきておりますし、これからもやってまいります。とりわけ知事も申し上げているとおり、四月一日前と四月一日以降の都の対応はさま変わりをしているということであります。信用リスク、それから市場リスク、そしてどちらかといえばちょっとないがしろにされてきた、今回のシステムと仕事を含めた運用リスク、この三つのリスク、そのリスクのヘッジを常に念頭に置きまして、適切な出納事務の運営に万全を期し、精進をしてまいります。

○長橋委員 都議会公明党の長橋でございます。ご苦労さまでございます。
 私の方からは、今回のシステム障害、いわゆる指定金融機関、大きく信頼を失墜したわけで、どう回復に向けていくのか、信頼について質問をさせていただきたいと思います。
 まず、先般の三月、財政委員会におきまして、指定金融機関として指定することに対して、当時の富士銀行佐久間常務と質疑を行ったわけでございます。参考人からは、まず、四月一日の業務開始に当たっては混乱のないように、スムーズにいくようにといっておられたわけでございますけれども、四月一日の新銀行発足直後から、午前中からATMの障害が発生し、口座振替で大量の引き落とし未処理、さらには、あり得ない話ですけれども、二重引き落としなどが発生したわけでございます。新年度四月一日スタートは区切りがよさそうであるわけですけれども、月末、年度末処理が重なる、この日にシステム統合を考えること自体が無謀だったというご意見もあるわけであります。
 銀行というのは、経済の中においては血液に当たると佐久間常務もおっしゃっておられましたし、社会的にも非常に公的使命がある。そういう中で、こうした経過を踏まえて、まずは指定金融機関としての信頼性の確保についてどのように認識をお持ちだったのか、お伺いをいたします。

○佐藤参考人 当行は、東京都の指定金融機関業務のために公金事務システムを構築しております。今回の障害は、公金事務システムの前提になります一般のシステムでふぐあいが生じたものでございます。まさに、当行指定を議決していただいた際の付帯決議の中でもご指導いただいている、本来の金融機能に係る部分の障害でございまして、深刻に受けとめなければならないと、このように考えております。
 指定金融機関は、一般の金融機関以上に社会的使命や責務を重んじなければならない立場でありながら、このような事態を引き起こしまして、都民の皆様の信頼を損ねたことの責任を痛感しております。

○長橋委員 そういう中で、本当に信頼をして指定金融機関としてみずほ銀行を指定したわけであります。ですが、今回の一連のシステム障害におきまして、本当に大きな信頼を失墜したわけであります。その信頼の回復、これが何よりも最重要であるかと私は思うわけでございますが、その回復ができるのか、それを決意も含めてお伺いをいたします。

○佐藤参考人 信頼を回復できるのかという観点からのご質問をちょうだいしました。お答えを申し上げます。
 東京都の指定金融機関といたしまして、今回のシステム障害により、多くのお客様や皆様に大変ご迷惑をおかけしましたことを重ねて深くおわびを申し上げます。
 今後は、指定金融機関としての一日も早い信頼の回復に向けまして、さらに徹底した原因究明を行うとともに、システムの安定稼働と再発防止に向けてグループ一体となって全力で取り組み、一刻も早くお客様からの信頼を回復してまいりたいというふうに考えております。
 一つ一つの仕事を堅実に遂行することによりまして、何としても都民の皆様の信頼の回復に努めてまいらなければならないというふうに考えております。従来以上に、都民の皆様の大切な税金、公金の取り扱いに間違いがあってはならないという強い責任感と緊張感を持って工夫、努力をしてまいりたい、かように考えております。

○長橋委員 今まで、きょう各委員もおっしゃっておられましたけれども、要するに、みずほ銀行に決めて大変だ、こういう声が上がってきているわけでございます。東京都を初め、都民の皆様も有形無形の損害をこうむったわけでございます。先ほど誠心誠意という言葉がありましたけれども、その損害に対してどのように対応していくのか、具体的にお聞かせいただきたいと思います。

○佐藤参考人 お答えを申し上げます。
 繰り返しで恐縮でございますけれども、費用のご負担をおかけしたお客様につきましては、個別に十分相談をさせていただきながら、誠心誠意対応させていただくという所存でございます。きっちりとした対応をしてまいりたいというふうに考えております。
 また、お客様に安心と満足を感じていただける金融機関に一刻も早く立ち戻れるように、全力を傾注してまいりたいというふうに考えております。

○長橋委員 先ほど近藤副委員長からも話がありましたけれども、東京都でいえば水道局、今回のシステム障害によって一万件、一億二千六百万円にも及ぶ口座引き落としができなかった、こういうトラブルが発生しました。みずほ銀行では全件振り替えたものとして水道局に報告してしまい、その結果、振替済みのお知らせを郵送してしまったと。お客様に対しては、再請求の書類とともにおわび文書を水道局が発送する、こういうふうに聞いております。みずほ銀行が直接口座の利用者に対しておわびをする必要があるんではないでしょうか。
 また、ほかにも私も都民から、今回の障害の影響で口座引き落としがおくれたカード会社からは、加算金、延滞金は取りません、こういう通知とともに、やはりおわびの手紙が届けられている、みずほ銀行からは何もないという話を聞いているわけであります。中には、口座引き落としができずに大変に困った人、そして数多くの企業があるわけであります。都民に迷惑をかけたという認識が欠如している一つの実態ではないかと思います。
 こういったことに対して、都民に何らかのメッセージ、おわびをする必要があるんではないでしょうか。どうとらえているんでしょうか、お答え願います。

○佐藤参考人 お答え申し上げます。
 お客様へのおわびという点に関しましては、障害発生直後より、システム障害に関するおわびのポスターをATMコーナー及び店舗外ATMに掲示をいたしましたほか、四月八日朝刊、十八日朝刊の全国紙等におわびの広告を掲載させていただいております。
 また、お客様からのお問い合わせに対しましては、各営業店窓口や統合照会センターでの電話受け付けを通じまして、心よりおわびを申し上げますとともに、状況のご説明に努めてまいったところでございます。
 口座振替の対象口座をお持ちのお客様へのおわび状のご送付につきましては、委託者様と個別にご相談をさせていただきながら、状況に応じてお送りさせていただいておりますが、いまだ不十分な点もあろうかと存じます。水道局関係のお客様を含めまして、今後とも各委託者様と個別によくご相談させていただきながら対応してまいる所存でございます。
 なお、水道局様の関係で、お口座からの引き落としが遅延いたしました四月二日、四日、八日、十日振替指定日のお客様で、預金残高が不足していることなどにより引き落としができなかった約一万件のお客様につきましては、料金の再引き落としの方法を初め、水道局様のご指示に従って今後対応させていただきたいというふうに考えております。ご迷惑をおかけしてまことに申しわけありません。よろしくご了承のほどお願いを申し上げます。

○長橋委員 私の方から、最後、ぜひ都民に対して、また、一口座を持っている方々に対して、また、中小企業に対してもしっかりとそういったフォローをしていただきたい、また、相談に乗っていただきたいと思います。
 このように多くの都民が、また、多くの企業が被害をこうむったわけで、実際どれぐらいの被害があったのか、それを把握しているのかどうか、また、どのように対応していくのかお伺いしたいと思います。仮に、もししていなければ、金融機関としてはまさに信頼を欠くことになるわけで、その資格を喪失することにもつながるわけでございます。どうお考えなのかお伺いして、後の質問を桜井委員に譲りたいと思います。

○佐藤参考人 お答え申し上げます。
 お客様からの各種のご要請にお答えすべく、四月六日からお客様対応プロジェクトチームを設置いたしまして、処理遅延となった口座振替のデータ返却、遅延に伴う費用負担等について、関係部署が連携をして対応を行ってまいりました。冒頭も申し上げましたけれども、口座振替につきましては、四月五日のピーク時には約二百五十万件の処理が遅延した状態にありまして、まことに多くのお客様にご迷惑とご心配をおかけいたしました。お客様からのお問い合わせに対しましては、各営業店窓口や統合照会センターで電話受け付けを通じて正確な状況のご説明に努めてまいったところでございます。五月六日までの統合照会センターの受電件数の累計は約三万七千件でございます。
 また、引き落としかわり金及び引き落とし結果データの返却が遅延し、収納企業の皆様に多大なご迷惑とご心配をおかけしました。各営業店より逐次状況をご報告させていただきましたが、復旧がおくれました点、重ねておわびを申し上げる次第でございます。
 加えて、二重引き落としが発生をいたしまして、該当のお客様には大変なご迷惑をおかけしたわけでございますが、これにつきましては全件解消処理済みでございます。
 また、ATMのオンライン障害につきましては、預金デビッドカード、コンビニATM等の一部の取引が不能となりましたために、全国のみずほ銀行にご来店をいただいたり、みずほ銀行のカードをご利用になるお客様に別の銀行や支店にご足労いただく結果となりました。この点も改めておわびを申し上げます。
 また、これに起因いたしまして、現金が未払いにもかかわらず、通帳には引き落としが記帳されるというトラブルが発生いたしました。現金と手数料をお客様のお口座にご返却させていただきましたけれども、大変なご迷惑をおかけいたしました。お客様に費用のご負担をおかけしましたような場合につきましては、費用のご負担をおかけしたお客様には個別に十分ご相談をさせていただきながら、誠心誠意対応させていただく所存でございます。

○桜井(良)委員 私の方からは、東京都とみずほ銀行の関係やいろいろなシステムの関係はいろいろな人から質問が出ましたんですが、私は率直に、まちの人からいろいろこの問題について聞かれることを中心にして、せっかくきょうは副頭取が来ているものですから、都会議員に答えるというのじゃなくて、聞いた人がまちのおばさんなら、その人に答えるように簡単に、しかも正直にお答えしていただきたいなと思うんです。
 今回のシステムの障害につきましては、先ほど来何回も、信頼が失墜した、信頼を失ったというご認識のもとにご答弁をしているような印象を受けるわけでありますが、この後、これに引き続き補償の問題がいろいろ出ました。そういう意味で、経営状況に対して今回のこの支障がどんな影響を及ぼすのかなと、このことを正直にお答えいただきたい。というのは、まちへ行きますと、おばさんたちが、みずほさんと取引している人たちが通帳を持ちながら、みずほ、大丈夫なんですかね、簡単にこういうふうに聞いてくるわけなんですよ。大丈夫なんですかねという人に対して答えるつもりで、正直なお答えをひとつ聞かせていただきたい。

○佐藤参考人 お答え申し上げます。
 経営への影響という観点からのご質問をちょうだいいたしました。現段階では正確なことは申し上げられないということが、まさに正直なところでございます。多くのお客様に多大なご迷惑をおかけしておるわけでございますから、そういう意味で影響があることは否めないというふうに考えておりますけれども、現段階で定量的なことを正確に申し上げることができないという状況であるということをご理解いただければというふうに存じます。

○桜井(良)委員 大丈夫なんですか。

○佐藤参考人 大丈夫でございます。ぜひみずほを引き続きご利用いただきたいというふうに考えております。私ども、本当に今回のこの事態を重く受けとめ、反省し、そして出直さなければならない。そのためには、先ほど来申し上げましたけれども、やはりお客様に選んでいただける銀行になること、選ばれる立場として精進をすること、満足をしていただける商品、サービスを提供させていただく、そういったことを毎日毎日し続けることだというふうに覚悟をしておるところでございます。

○桜井(良)委員 ちょっとさっき、通帳を持ったおばさんなんて、つい庶民的な発言をしたんですが、女性の方々のご意見というふうにしていただきたいと思います。藤田さん、よろしくお願いします。
 今、大丈夫ですと、こう宣言をしたわけなんですけれども、実際は皆さん方、いつになったら大丈夫なんだというふうに思っていますか。安全宣言はまだ出ていないと私は認識しているんですが、いつごろ安全宣言は出るんでしょうか。

○佐藤参考人 ただいまちょうだいをいたしましたご質問にお答え申し上げます。
 ATMの障害と口座振替の障害と二つございましたけれども、ATMのオンラインにつきましては、四月一日の障害は二日朝までに復旧いたしました。また、四月八日夕刻の障害は約一時間後にそれぞれ復旧いたしまして、現在、正常に稼働しているところでございます。
 口座振替の処理遅延につきましては、四月一日の発生以降、データ処理作業等の混乱にミスや不手際が重なりまして、障害が長期化いたしましたけれども、現時点では、お客様に確認をしていただく必要のある一部のいわゆるエラー分を除いて、通常に業務処理ができる状態に復旧しております。
 しかしながら、いわゆる安全宣言につきましては、現在行っております原因の徹底究明を終えまして、万全な再発防止策を講じましてからということになろうかと考えております。いましばらくお時間をいただければというふうに考えております。

○桜井(良)委員 我が党の質問時間は大分過ぎちゃったので、もう一問だけにしますが、金融機関の生命線は決済機能、これが全うしないということの社会的責任は非常に大きいと思います。そういうことで、実は指定金融機関を決めるときもいろいろ議論があって、そういうことも含めて、全体の信頼性というものがどうなんだということが議論になった上で、その信頼性は大丈夫だという出納長側のご意見もありましたし、それから、そうであるならば、東京都の政策にのっとって、中小企業に対する貸し付けを初めとする東京都の取り組み方に、他の銀行より以上際立った成果を出してもらいたい、こういう願いを込めて指定金融機関を承認したという経過でありますが、しかし、それが即座に四月一日からこういう事態を起こした責任は非常に大きいと思うんですね。
 今、金融庁の検査が入っていろいろ議論されておりますが、まちの声の中に、経営者の経営責任はどうなんだという声も非常に強いわけでありまして、その辺の議論が行内でどう行われているのか、経営責任はどうとるべきだと副頭取としてお考えになっているのか、この経営責任問題についてお答えをいただきたいと思います。
 以上で終わります。

○佐藤参考人 経営責任について、責任のとり方をどのように考えているのかという観点からのご質問でございます。
 私を含めました経営陣の責任の所在につきましては、さらに徹底的な原因の究明を行い、システムの安定稼働と再発防止に向けて全力を投入した後に明確にしてまいりたいというふうに考えております。

○桜井(良)委員 委員長、最後に。質問じゃありません。
 先ほどからいっていることは、社会的な責任の問題なんですね、一番大きなことは信頼性ということですから。ですから、機械的な原因の究明の結果を待つというのじゃなくて、現に与えた社会的責任をどうとるかということも重要な論議の一つだと思うんですよ。先ほど、おわびの件についても、広告を出しました、ポスター出しましたという話でありますが、ずっと金融機関に対する都民の声は、金融機関が上で、庶民や借りる人は下だという、こういう意識が私は行員の中にあるんじゃないかと思います。
 大事なことは、みずほ銀行はだれのためにあるんだということをもう一回しっかりと意識していただいて、信頼の回復に努めていただきたいことを申し上げまして終わります。

○渡辺委員 共産党の渡辺です。各会派から具体的ないろいろな問題が出されましたので、私は、角度をちょっと変えまして質問をさせていただきます。
 このシステム障害発生ということについて、私たち、報告書をもらいましたけれども、この経過を見ますと、みずほ銀行は三月三十日までテストも繰り返し行ってきた結果、四月一日処理には問題なしと判断した、こういうふうに書かれているんです。しかし、結果は、四月一日には二百五十万件にも上るシステム障害が発生した。その内容も深刻なばかりで、極めて重大な問題といわざるを得ないと思うんです。
 このことについて、みずほの経営陣は、そろって申しわけないという謝罪を繰り返しておるわけですけれども、私は改めて、今、社会的な責任という問題でありましたけれども、このシステムトラブルについての社会的な責任、これをどのように受けとめているのか、考えているのかということをまずお聞きしたいと思います。

○佐藤参考人 お答え申し上げます。
 ATMの障害では、銀行間のオンラインネットワークに支障を来し、また、口座振替については、公共料金の収納を含めた社会的インフラともいえる業務が大幅に遅延したものでございまして、まさに金融機関の生命線である決済機能を全うせず、混乱を引き起こしたというご指摘というふうに承りますけれども、まさにご指摘のとおりと認識するところでございます。金融機関の社会的責任の重さを改めて痛感しているところでございます。

○渡辺委員 時間がありませんから、手短にしたいと思います。
 システム障害発生の、このいただいた書類ですけれども、この中では、先ほどもちょっといいましたけれども、繰り返しテストを行い、各種プログラムが正しく結合していることを確認したとか、リレーコンピューターの仕組みが適切に機能しているか確認しながら問題なしと判断した、こういうことが書いてありますね。それなのに、なぜ膨大なシステムトラブルが発生したのか。本当に繰り返しテストを実施してきたのかという問題だと思うんです。
 東京電力の社長が記者会見で明らかにしましたけれども、ことし二月、大口顧客である東京電力からみずほ銀行にテスト依頼をしたが、必要ないと断られたという。また、東京ガスからも、口座振替共同テストを銀行側に依頼したのはことし一月、これをみずほ銀行は統合作業に追われているとして断った。東京ガスは、改めて三月十五日にもシステム用のテスト顧客データを提出しましたけれども、これもテストしてもらえなかった。しかも、みずほ銀行は東京ガスに、ふぐあいがあったと、あたかもテストしたかのような報告までしておりましたけれども、実際にはテストしていなかったと。これは銀行側から四月二十三日に説明があったという。これが事実だとしたら、とんでもないことだと思うんですね。テストを繰り返したというけれども、最も大口である東京電力とか、あるいは東京ガスのテスト依頼、これをなぜ断ったんですか、お聞きをしたい。
 そして現在でも、振替などは旧銀行のデータで処理しているとか、みずほ銀行の共通の伝票は一年先になるなどという事実、こういうものをなぜこの報告書に書かなかったのかという問題。このもらった書類だけでは、その現状というか実態は全くわからないということだと思います。本当の謝罪あるいは原因究明、再発防止、こういうことを、いうならばトラブルの処理経過もさることながら、実態はどのようになっているか、包み隠さず洗いざらい明らかにしていくということが、私は本来の姿勢ではないかというふうに思うんですけれども、その点はいかがでしょうか。

○吉本参考人 お答え申し上げます。
 東京電力さん、それから東京ガスさんからテストの要請を受けましたのは事実でございます。そこにつきましては、東京電力さん、東京ガスさんとご相談をしながら、全く東京電力さんのご要望どおりのテストとはなっておりませんけれども、既に東京電力さんからいただいておりましたデータでテストを代替させていただいています。この辺につきましては、今回の口座振替業務の混乱、それから全体処理のおくれの中で東京電力様の処理もおくれたわけでございまして、その点、深くおわびを申し上げたいと思います。

○渡辺委員 それから、後の、包み隠さず報告をすべきではないかという問題についてはどうですか。

○佐藤参考人 私ども、ディスクロージャーという観点からは、今回の事態に当たってもいろいろご批判を賜ったところでございますけれども、まず第一に復旧を優先させたこと、及び不正確な情報で混乱を生じることを回避しようとした結果、記者会見等の公表やおわびが後手に回ったというふうに考えておりまして、この点については深く反省をしているところでございます。そして、私どもも、現在懸命に原因の究明、調査をやってございます。
 そういう意味で、現時点で判明していることについてはお答えを申し上げることができるわけでございますけれども、まだ調査で正確なことが申し上げられない点につきましては、ご容赦をいただければというふうに考えているところでございます。

○渡辺委員 多くの都民は、みずほ銀行の経営陣の謝罪、このことについて、率直に申し上げますけれども、心から本当に謝罪をされているかどうかという点では疑問に思う、こういうふうにおっしゃる方が多いんですよ。トラブル発生後一カ月たってようやく都議会に提出された報告書そのものも、今申し上げたような、中身がわからない、正直いってそういう状況。
 そもそも銀行にとって正確な決済とそれに伴う預金の確実な管理、これは金融システムの根幹ですね。みずほのシステムトラブルは、銀行が担う決済機能への信頼を根幹から傷つけた重大問題だというふうに私は思います。それにもかかわらず、経営陣にその重大な責任という問題が、私から見れば余りにも自覚が少な過ぎるのではないかと、そういう点では感ずるんです。
 例えばですけれども、謝罪したといわれますけれども、都民の不安をよそに、みずほホールディングス社の社長前田さんは、利用者に実害はない、こういうふうにいいました。これは、その象徴だというふうに私は思っています。その象徴ということについて、私はこういう言葉というのは軽々しく発言すべきじゃないというふうには思いますけれども、この発言に対して、みずほ銀行としてどのように感じておられますか。

○佐藤参考人 ただいまのご質問にお答え申し上げます。
 先生のご指摘の点につきましては、当人も直ちに国会の場でも訂正をさせていただいたわけでございますけれども、お客様に大変ご迷惑をおかけしている状況の中で、前後いろいろな前提はあったのかもしれませんけれども、お答えをすべき表現ではなかったというふうに私自身は思っております。

○渡辺委員 一つ一つ反論はいたしませんが……。
 次に、今回のシステムトラブルでのさまざまな対応策というのは、いろいろお話があったように、とられたと思います。しかし、今でも振替などでは旧銀行のデータで処理しているという状況もある。それから、一カ月以上たってもこのトラブルが解消されないでいるという問題。あるいは、みずほ銀行共通の伝票、これについても半年先とかあるいは一年先だというようなことを考えてみますと、いかに準備不足だったのか、そしてまた、見切り発車したか、このことを通じて、如実にこのことは証明されていると思うんです。
 今回のトラブルは、そういう点で起こるべくして起こったというふうに思いますし、単純にシステムの故障ということで片づけられることではない、こういうふうに私は思いますけれども、この点についてはどのように受けとめておられるんでしょうか。

○佐藤参考人 ただいまのご質問にお答え申し上げます。
 本日の冒頭のごあいさつの中、それからその後のお答えの中でも申し上げてまいりましたけれども、私ども、この統合に向けて、例えばシステムの統合で申し上げれば、極めて難度の高いシステム開発だということを認識した上で、責任体制を明確にしながらプロジェクトの推進管理をしてまいりましたし、さまざまなテストも重ねてまいったわけでありますけれども、現時点でこのような障害が発生して、お客様にご迷惑をおかけしたという点を踏まえますと、入念な準備がもっと必要であったというご指摘について、そうではございませんというふうにお答えできる状況ではないだろうと思っております。
 いずれにいたしましても、きちっとした原因の究明、再発防止策、そういったものを講じまして、お客様からの信頼回復に全力を挙げてまいりたいというふうに思っております。

○渡辺委員 銀行にとってトラブルというのは致命傷だというふうに思いますし、どんな小さなトラブルでも絶対に許されるものではないということを強く申し上げておきたいと思います。
 国民がこのトラブルで大変な迷惑を受けているのはご承知のとおりですが、次の事例もみずほ銀行が実態を明らかに公表していなかったために混乱している事例です。この事例は、四月の下旬、私たちに寄せられた一都民からの訴えで調査をしたものであります。
 中身は、会社の仕事で旧富士銀行支店にあるみずほの入出金伝票に金額を書いて、口座のある第一勧銀の支店に行くと、用紙が違う、使えないから書き直してといわれた。実害がないなどといっているが、とんでもないということを前提にしまして、怒りの訴えが届いたわけです。
 このことについて、我が党の赤旗記者が具体的な実態調査をいたしました。調べてみますと、まず、旧第一勧銀のみずほ銀行代々木支店の窓口、預け入れ用紙を探すと、第一勧銀の名前のものしか見つからず、案内の女性に尋ねたら、みずほ銀行の用紙が切れてしまって、本社から届くのを待っている状態です、今は第一勧銀の用紙で対応させていただいております、申しわけございませんと。富士銀行が作成したみずほの用紙を使う場合はどのようになるのかということを尋ねると、処理ができないわけではないんですけれども、非常に時間がかかります、富士銀行へ行かれた方がお待たせしなくて済みますよ、こういうふうにいわれた。
 もう一つは、富士銀行の新宿西口支店。二つの銀行の共通の様式の用紙はまだないんです、一年後には統合する予定で、お客様にご迷惑をおかけします、勧銀が作成した用紙は窓口で戸惑ってしまうかもしれません、処理はできますが、多少時間がかかりますので、勧銀の用紙をお持ちなら、向かい側にある勧銀に行かれた方がよろしいのではないでしょうかと。
 みずほ銀行の広報室に問い合わせてみると、今は勘定系コンピューターシステムが富士銀と勧銀で違っているので用紙も異なる、来年度の上半期には共通の用紙に統合されます、コンピューターシステムも勧銀方式に一本化します、各銀行に置いてある用紙でないと使えないので、お客様に書き直していただくよう窓口で説明しています、金額の正確を期するため、行員が書き直すことはしません、混乱はないのかという問いに、今のところこちらでは聞いておりませんという回答でしたと。
 こういうふうに、あちこち回らなければならないような状況、振り回されている、このような実態にあることを、こういう状況にありますよということを、なぜ対外的に親切丁寧に知らせることをしないのかという問題なんです。利用者へのサービスは二の次ということで、銀行の思惑のみが先行しているという、はっきりとしたこれは事例だと私は思うんですけれども、この対応についてどうするかお聞きしたいと思います。

○佐藤参考人 お答え申し上げます。
 私ども、現在、みずほ銀行の中で、旧第一勧業銀行系の勘定システムであるSTEPSと旧富士銀行系の勘定システムであるTOPをリレーコンピューターで結んで運用しているという状況でございます。そういう意味では、旧富士銀行店と旧第一勧業銀行店で全く同一のサービスが提供させていただけているという状況にはまだなっておりません。全く同一のサービスをさせていただくためには、リレーコンピューターを外してシステムを統合するという、次の段階が必要であるということでございます。もちろん、この四月を目指しまして、統一できるものはできるだけ統一するということでやってまいりましたけれども、そういう点が残っているということも事実でございます。
 この四月を迎える前に、お客様にはそういったことのご理解をいただけるように、DMをお送りしたり、それから新聞広告を出したり、ATMコーナーだとか各支店の店頭にいろいろなご案内を出させていただいているわけでございますけれども、やはりお一人お一人のお客様にご理解をいただくには、一定の時間と我々のさらなる努力が必要だなというふうに考えているところでございます。大いに努力をいたしまして、お客様にご不便をおかけしないように注力をしてまいりたいというふうに思っております。

○渡辺委員 時間の関係で最後にいたしますが、いずれにしても、都民に対して、何と申しましてもサービスの大きなものの一つとして、どういう手続をしたらいいのかという問題があるわけですよね。それが全然わからないということになったら、本当に困ってしまうので、何とか速やかに解決できるような、また、徹底できるような、そういう方向でひとつ対応していただきたい、こういうふうに思います。
 最後になりますけれども、先ほどもいいましたが、みずほ銀行の共通の伝票での処理あるいは振替など新しいシステムで処理する問題など、解決しなければならない問題というのはまだたくさんあると思うんです。一つ間違えれば、再び今回のようなトラブルが起こり得る可能性だって否定できない、こういうふうに思います。これを本当に解決していくための過程で、再び今回のようなトラブルを生じさせてはならない。しかも、銀行の持つ社会的責任あるいは公的使命、こういう点からいっても、これは当然のことだと思いますが、都のメーンバンクとしての責任において、再びトラブルを生じさせない自信と確信というものが持てますか、それについてちょっとお聞きをしたい。
 そしてあわせて、時間が過ぎましたので、出納長にひとつお伺いをさせていただきたいと思いますが、先ほどもいろいろ質問がありました。このようなトラブルが再度生じた場合、先ほどは今回の問題ということで、いろいろその取り扱い、メーンバンクとしての取り扱いの問題で質問がありましたけれども、私は、これから再度生じた場合、このまま都のメーンバンクであり続けるということについては都民は納得しないというふうに思うんですよ。都のメーンバンクは一年ごとの更新、こういうことになっておりますけれども、都民への多大な迷惑と混乱を生じさせれば、重大な決意で私たちは臨まなければならないと思うんです。
 今回について、先ほどいろいろ質問されましたけれども、私は今回のことではなくして、新たに今回のような事態が生じた場合、東京都としてはどのように対応するのかということを、これは出納長からお聞きしたいというふうに思います。

○佐藤参考人 銀行にとりまして大事な、いわば社会にとって大事なインフラの部分で二度と障害を起こさないようにすることは、我々が当然やっていかなければならないことだというふうに考えております。そういう意味で、現在、原因の究明調査、そしてそれに基づいた再発防止策の策定に鋭意取り組んでいるところでございます。

○大塚出納長 仮定の話だというふうに思いますけれども、今回のようなこういう大きなシステム障害が現実に起きた、その場合にどうするかというお話でございますけれども、みずほ銀行がそのときに残っているということを前提の話になりますけれども、そのときはやるべきことはやるというふうに思っております。

○藤田委員 生活者ネットワークの藤田でございます。
 それでは、最後でございますが、四月二十四日の衆議院の財務金融委員会で、障害の全容を把握しているのかということについて聞かれたときに、まだ把握ができていないというような状況でございました。それから約二週間たっておりますけれども、障害の全容は把握されたのでしょうか。

○佐藤参考人 お手元の資料でもお届けをしております。それから、これまでのお答えの中で重なるところがあるかもしれませんけれども、恐縮でございますが、お答えをさせていただきます。
 口座振替につきましては、四月五日のピーク時に、約二百五十万件の処理が遅延した状態になりました。多くのお客様にご迷惑とご心配をおかけしたわけでございます。また、引き落としかわり金及び引き落とし結果データの返却が遅延をいたしまして、収納企業の皆様に大変なご迷惑とご心配をおかけしたわけでございます。二重引き落としというようなことも発生いたしました。該当のお客様には、大変なご迷惑をおかけしたわけでございます。現時点では、ほぼ通常の状況に戻っておりますけれども、こういったご迷惑をおかけしたわけでございます。また、ATMのオンライン障害につきましても……

○藤田委員 ごめんなさい。把握しているかどうかだけで結構です。

○佐藤参考人 はい。そういったことで、全体、私どもがどういった状況にあったかということについては、現時点では、ほぼ把握をしているわけでございます。そして、それがなぜ起こったのかということを現在一生懸命調査している、こういう状況でございます。

○藤田委員 先ほど来の質問の中にも出ておりましたけれども、まず信用回復のためには原因究明を行いというふうにいわれましたので、今もおっしゃったように、原因究明がまだだということで、安全宣言はいましばらくというお話でありましたけれども、例えば、五月一日に、ああ、よかった、何もなかった、次のまた五月三十日の最終のときに、ああ、よかった、何もなかったというのでは、これはもう全く信頼の回復というふうにはならないと思います。
 そういうことで、いましばらくというのは、どのくらいの時間をおっしゃっているのかをお尋ねしたいと思います。

○佐藤参考人 現在、私どもも懸命に原因の究明調査をしております。それから、昨日から金融庁の検査を受検しておりますし、また、日銀の考査もちょうだいしているというような状況でございます。金融庁、日銀それぞれ、もちろん私どもも一生懸命やりますけれども、いろいろ今回の事態についてのご調査が進むのではないかというふうに思っております。その辺を踏まえまして、打つべき手を打ってというところで安全宣言ということになろうかと思いますので、そういう意味では今申し上げたような、いましばらくというような表現でお許しをいただければというふうに思うところでございます。

○藤田委員 実際には統合までの経緯の中で、システム設計、開発を終了というのが二〇〇一年六月というふうになっています。報道の中ではございますけれども、この統合によって、全体的にいえば二年半の間に二千億円をかけた、そして九万人の人が一カ月かかってシステムを開発したというふうになっていて、約一年前に開発を終了ということで、ある意味では、もとに戻すのにといいますか、そこのところまでしっかりなるのに一年もかかってしまっては、もうとてもこれは信用回復にはならない状況にあると思いますので、ぜひ早急にというところに、しっかり頑張っていただきたいと思っています。
 それから、今回は、実はなかなかシステムのところで最終のところまでまだ行っていないというような声もあるというようなことをいろいろ書かれておりましたけれども、UFJで一月に混乱が生じたわけですけれども、これを教訓として--今回は教訓とならなかったようでありますけれども、システムの銀行の内部のことで、いわゆる営業畑の方々は、システムの人がOKといったら大丈夫だと、それ以上突っ込めない、ある意味では、機械関係のシステムのところについてはなかなか、それこそチェックシステムが入らないというような話を聞いております。
 例えば、今回はいろいろなチェックをしたというふうに、そして先ほどは負荷のかけ方が足りなかったんじゃないかというような話もありましたけれども、自行の中だけでチェックをするという以外に、第三者的なチェックの仕組みというようなのはあるんでしょうか。

○佐藤参考人 今先生からお話のございましたように、ATMの障害につきましては、私ども現時点で把握しておりますのは、必要なテストパターンはすべてやったわけでありますけれども、そのうちの一部のテストに、負荷のかけ方が足りなかったのかなというふうに考えている部分がございます。そういう意味では、ATM障害のところにつきましては、ほぼ原因となったことはわかって対応して、プログラムの修正を加えるところは修正をしたと。
 テストのどの部分が不足をしていたのかということは、かなりはっきり解明できているわけでございますけれども、口座振替のところにつきましては、実は今ご指摘のありました四月三十日、それからこの連休明けというのは、四月三十日は口座振替の処理量で約九百万件、四月一日が三百万でございましたから、その三倍ぐらい、それからこの五月七日も四百万を超える処理をしてございます。口座振替のところにつきましては、まずこの大きな山場を乗り切ることに、お客様に再びご迷惑をかけないようにここを乗り切ることを優先したということでございまして、そういう意味ではATM、オンラインのところの障害の原因究明に比べまして、ご指摘のように少し時間を要しているというところでございます。
 この口座振替テストにつきましても、UFJ銀行さんの実例を踏まえて計画したのが三月の口座振替強化テストでございまして、それで多くのお客様に多大なご迷惑をおかけするような状況になったわけでございますので、いずれにしても、ここのところのテストに不十分なところがあったんだなというふうに今考えておりますけれども、申し上げましたように、この山場を乗り切るところに現場も注力をしておりますので、いましばらく解明に時間を要する、こういう状況でございます。
 それで、そのシステムのつくりについて、外部の目を入れる必要があるのではないかという点につきましては、今も外部の監査を行っておりますけれども、これをもっともっと充実したものにしなければいけないなというふうに考えているところでございます。

○藤田委員 それでは、先ほど来も出ていますが、顧客への実害ということでございますけれども、ここには口座振替の処理遅延、二重引き落としというようなことで書かれているんですけれども、ここに書かれているもの以外でどんなことがありましたでしょうか。

○佐藤参考人 お答え申し上げます。
 四月スタート当初、口座振替業務が遅延した関係で、バッチ処理自体が、全体のスケジュールが混乱をした部分がございまして、お客様からお預かりした送金の手配りに時間を要しまして、ご指定どおりの時間にお届けできなかったとか、そういった事例、それから、代金取り立て手形のご入金が一部遅延したというようなご迷惑をおかけをしております。重ねておわび申し上げる次第でございます。

○藤田委員 まさにそういうことだと思うんですね。それで、決済の期限に振り込まれなかったために資金繰りが悪くなってしまうとか、あるいはまた個人であっても、そういうことになりますとブラックリストに載ってしまう、極端な例ですけれども、そういうこともあろうかと思います。それから、私が聞きました例では、試験を受けるのにお金を送金して、そっちへちゃんと届いたかどうかがわからなかったというような例があったようでございます。そういうことになりますと、本当に一企業、あるいは一個人、一生の問題になるような状況にもなりかねません。
 そういうときに、例えば二重引き落としだのなんだのですと、その場で見て、その銀行にきっと行くんでしょうけれども、何かそういう対応の窓口というようなのは、きちっとしたところへ一本化したものをつくっていらっしゃいますでしょうか。

○佐藤参考人 今回の事態に際しましては、お客様からご照会をいただく照会センターを立ち上げて対応させていただきました。それから、通常の状況でも、お客様サービス部といったようなセクションがございまして、いろいろとお客様からのお話を承るセクションもございます。

○藤田委員 先ほどもちょっとお話があったやにも聞きますけれども、信用がなくなるということは、ある意味では預金者や取引企業が口座を他行へ移すという、このみずほ離れが、例えば給与振込業務からみずほを除外するというようなことも広がっているというふうにいわれていますけれども、規模的にどのくらいなのか把握をしていらっしゃいますでしょうか。

○佐藤参考人 今先生からご指摘のありました、例えば四月二十五日だとか、その辺の時点で、一部お取引先が給振の取り扱いについてご心配をされまして、今月はほかの取引銀行でやろうというようなことで対応されたお取引先もございます。安定したらすぐ戻すからねというようなことで、温かいお言葉をいただいたお取引先もございますけれども、いずれにしても、ほかの銀行の皆様、ご同業の皆様にもそういう意味では大変ご迷惑をおかけして申しわけない事態であったというふうに考えております。

○藤田委員 小さくて弱い銀行から、三つ統合されて、大きくて弱い銀行になったなんて、ひどいこともいわれているようでございますけれども、そういうことになりますと、本当に信用は失墜ということで、これはとりもなおさず私たちが三月末に決定をいたしました指定銀行のことについても、本当に安心していられるのかどうかということが、まさに問われていることになるわけでございます。
 先ほど、再びこのようなミスがあったら指定銀行の基準から外れて、そして解除することもあるというようなことが出納長の方からお話がありましたけれども、私も、一年ごとの再審のときに、大阪方式のように二行の交代というようなこともあるんじゃないかということを、先般の指定銀行決定の委員会のときにもお話をさせていただいたんですけれども、もう少し、ある意味で競争をきちっとしていくというような状況が、こういうことを招かないことにも片一方ではなるのではないかと思うんですけれども、出納長のお考えはいかがでございましょうか。

○大塚出納長 三月の委員会で、藤田議員からそういうご指摘をいただいたことをよく覚えております。大阪方式のお話がございました。これは人のところで、しかし、実態ですから申し上げざるを得ないんですけれども、東京ほどは大きくないけれども、大阪のような大規模の指定金業務を取り扱うということになりますと、やはりどうしても事務センターが要る。大阪の場合には、その事務センターというのは固定的というか、共同でというか、そういう事務センターを構えまして、シャッポが要するにかわっていくというスタイルなんですね。ですから、先生がおっしゃっているような意味で、競争原理を働かせるような輪番制には実態としては残念ながらなっていない。これは現実問題としては無理なんですけれども、一年ごとに事務センター要員、それからハードもソフトも含めてつくって、はい、それをチャラにして、またシャッポがかわったらまた別の事務センターをつくっていく、そういう業務運営は大規模の指定金業務についてはなじまないのではないかというふうに考えております。
 しかし、ご指摘の緊張関係といいますか、ましてやペイオフ以降のこういう状況の中で、先ほども申し上げましたけれども、信用リスク、マーケットリスク、それからオペレーショナルリスク、このリスクを東京都としても本当にしっかりと、そういうリスクがあるんだということを前提に、この後も継続的に監視を強め、ラーニングをし、ウオッチングをし、同時に専門家の意見もいただきながら、しっかりと仕事をしていきたいというふうに考えております。

○藤田委員 今おっしゃったように、そして先般の委員会の中では、システムをつくるのには最低でも二十億はかかっていくのだというようなお話があって、引き続きということで私たちも賛成をいたしたわけでありますから、ぜひそこのところも含みおきいただきまして、しっかりと信用の回復に努めていただきたいと思います。
 ある意味では、私企業のことだからシステムが悪くてごめんなさい、そういうような考え方もあるかもしれないんですけれども、先ほどからおっしゃっているように、銀行というのは、そのときも申し上げたんですけれども、もうかっているときには、私のうちは私企業ですからというような状況で、公的資金を受けるときになると、公的な部分で社会的な責任があるのでというようなことで、何か両方使い分けてしまっているようなんですけれども、今回の状況を見ますと、ある意味では公的な部分、社会的責任が非常に大きいというのが痛感をされたことだというふうに思います。
 いろいろ社内的なことなど、いろいろなところに書かれておりますけれども、なお一層の信用回復のために努力をいただきたいと思いますので、最後に、もう一度決意を伺って終わりにさせていただきたいと思います。

○佐藤参考人 今回の事態で、東京都様を初め多くのお客様に多大なご迷惑、そしてご心配をおかけいたしましたことを重ねておわび申し上げる次第でございます。
 みずほ銀行といたしましては、お客様第一、お客様の視点に立って物を考える、お客様の側から物を考えるということを毎日毎日し続けることによりまして、一刻も早く信頼を回復いたしまして、皆様のお役に立てる銀行に戻りたい、このように考えているところでございます。先生方の引き続きのご指導、ご鞭撻をよろしくお願い申し上げる次第でございます。

○大西委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 参考人に対する意見聴取及び質疑は、これをもって終了したいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○大西委員長 異議なしと認め、参考人に対する意見聴取及び質疑は終了いたしました。
 佐藤副頭取さん、吉本常務さん、本日はありがとうございました。ご苦労さまでした。
 以上で出納長室関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後三時三十二分散会

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