財政委員会速記録第一号

平成十四年二月十四日(木曜日)
第五委員会室
   午後一時六分開議
 出席委員 十四名
委員長大西 英男君
副委員長近藤やよい君
副委員長鈴木貫太郎君
理事酒井 大史君
理事倉林 辰雄君
理事渡辺 康信君
矢島 千秋君
長橋 桂一君
真木  茂君
北城 貞治君
桜井良之助君
林  知二君
桜井  武君
藤田 愛子君

 欠席委員 なし

 出席説明員
財務局局長安樂  進君
技監畑野 喜邦君
経理部長佐藤 兼信君
契約調整担当部長中村 忠夫君
主計部長松澤 敏夫君
財産運用部長小野田 有君
参事矢口 幸一君
庁舎管理部長岡本 宏之君
営繕部長野本 孝三君
参事岸野  勇君
収用委員会事務局局長有手  勉君
次長宇口 昌義君

本日の会議に付した事件
 収用委員会事務局関係
  第一回定例会提出予定案件について(説明)
  ・平成十四年度東京都一般会計予算中、歳出収用委員会事務局所管分
 財務局関係
  第一回定例会提出予定案件について(説明)
  ・平成十四年度東京都一般会計予算中、予算総則、歳入、歳出 議会局・財務局所管分、都債
  ・平成十四年度東京都用地会計予算
  ・平成十四年度東京都公債費会計予算
  ・平成十三年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、予算総則、歳入、歳出 財務局所管分、都債
  ・東京都地方公営企業の設置等に関する条例の一部を改正する条例
  ・東京都都営住宅等事業会計条例
  ・東京都土地収用事業認定審議会条例
  ・都立立川養護学校(十三)改築工事請負契約
  ・都営住宅十三H-一〇三東(新宿六丁目)工事請負契約
  ・都営住宅十三H-一〇四東(千住桜木一丁目)工事請負契約
  ・平成十三年度新海面処分場Gブロック西側護岸建設工事請負契約
  ・東雲二号橋(仮称)鋼けた及び鋼支柱製作・架設工事請負契約
  報告事項
  ・入札・契約制度の改善について(説明・質疑)
  ・都財政の収支見通し(平成十五~十八年度)について(説明)
  請願の審査
  (1)一三第一七五号 原宿大規模留置場建設構想に関する請願
  (2)一三第一七六号 原宿地区大規模留置場建設構想の白紙撤回に関する請願
  (3)一三第二四三号 警視庁中央警察署跡地の利用に関する請願
  (4)一三第二五四号 旧江東清掃工場跡地へのサッカー場等建設のための土地利用に関する請願

○大西委員長 ただいまから財政委員会を開会いたします。
 初めに、傍聴者の数についてお諮りいたします。
 本委員会室の定員は三十二名でありますが、傍聴希望者が定員以上でありますので、さらに十八名を追加したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○大西委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○大西委員長 会期中の委員会日程について申し上げます。
 先ほどの理事会で、お手元配布の日程のとおり申し合わせましたので、よろしくお願いいたします。
 本日は、お手元配布の会議日程に従いまして、収用委員会事務局関係の第一回定例会提出予定案件の説明聴取並びに財務局関係の第一回定例会提出予定案件の説明聴取、報告事項の説明聴取及び請願審査を行います。
 なお、提出予定案件及び報告事項の都財政の収支見通しにつきましては、本日は説明を聴取し、資料の要求をすることにとどめ、質疑は会期中の委員会で行いたいと思います。ご了承願います。
 これより収用委員会事務局関係に入ります。
 初めに、第一回定例会に提出を予定しております案件について、理事者の説明を求めます。

○有手収用委員会事務局長 平成十四年第一回都議会定例会に提出を予定しております収用委員会事務局関係の案件についてご説明申し上げます。
 案件は、予算案一件でございます。
 それでは、平成十四年度一般会計について説明させていただきます。
 お手元にお配りしてございます資料第一号、平成十四年度一般会計予算説明書の一ページの平成十四年度当初予算総括表をごらんいただきたいと存じます。
 当初予算の歳出といたしましては、諸支出金として五億三千九百万円を計上してございます。これは収用委員会の運営に要する経費及び事務局経費でございます。
 十三年度予算額に対しまして六千二百万円の増、率にして一三%の増となっております。これは、都政の重要課題でございます首都圏再生への取り組みの一環として、幹線道路の整備等を積極的に行うことに伴いまして、収用事件の件数が増加することが見込まれます。これらの収用案件を適切かつ迅速に処理していくために必要な経費を計上したことによるものでございます。
 歳入といたしましては、使用料及び手数料と諸収入で、合計三千七百五万二千円を計上しております。
 差引一般財源充当額は、五億百九十四万八千円となっております。
 以上、まことに簡単でございますが、提出予算案件の概要の説明を終わらせていただきます。
 詳細につきましては、引き続き次長より説明を申し上げますので、よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○宇口次長 それでは引き続きまして、お手元にお配りしてございます資料第一号の平成十四年度一般会計予算説明書により説明させていただきます。
 一ページ目は、ただいま局長からご説明申し上げましたので、省略させていただきます。
 二ページは、平成十四年度事業別総括説明で、委員会の運営と事務局経費についてまとめたものでございます。詳しくは、三ページ以降の平成十四年度当初予算事業別説明により説明させていただきたいと存じます。
 恐れ入りますが、三ページをお開き願います。三ページは収用委員会の運営に要する経費でございます。
 本年度予算額は四千百三十万八千円で、前年度予算額と比較して五十三万五千円の減となってございます。
 計上内訳を申し上げますと、委員の報酬が三千九百万円、委員会の運営費が二百三十万八千円でございます。
 次に、四ページをごらんいただきたいと存じます。四ページは事務局の経費でございます。
 本年度予算額は、歳出が職員費と事業費の合計で四億九千七百六十九万二千円でございまして、前年度と比較して六千二百五十三万五千円の増となっております。これは、主として収用事件取扱件数の増加に伴う鑑定料、郵便料の経費の増を見込んだものでございます。
 財源といたしましては、特定財源といたしまして三千七百五万二千円を見込んでおりますので、差引一般財源充当額は四億六千六十四万円となっております。
 経費の計上内訳でございますが、事務局職員の給料、諸手当等の職員費が三億二千八百六十八万六千円、収用裁決手続等の管理事務に要する経費が一億六千九百万六千円でございます。
 特定財源の計上内訳でございますが、起業者が裁決を申請する際に納入する手数料等が百七十八万円、土地収用法の規定に基づき起業者が負担する鑑定評価料等が三千五百二十七万二千円、合計で三千七百五万二千円でございます。
 五ページは収用委員会事務局予算の合計でございまして、ただいま申し上げた説明と重複いたしますので、省略させていただきます。
 甚だ簡単ではございますが、以上で説明を終わらせていただきます。
 よろしくご審議のほどお願いいたします。

○大西委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○大西委員長 発言がありませんので、資料要求はなしと確認させていただきます。
 以上で収用委員会事務局関係を終わります。

○大西委員長 これより財務局関係に入ります。
 初めに、第一回定例会に提出を予定しております案件について、理事者の説明を求めます。

○安樂財務局長 第一回定例会に提出を予定しております財務局所管の案件は、予算案四件、条例案三件、契約案五件の、合わせて十二件でございます。
 後ほど、各部長から資料に基づき詳細な説明をさせますが、それに先立ちまして、私から全体的な概略の説明をさせていただきますので、お聞き取りいただきたいと存じます。
 初めに、予算案についてご説明申し上げます。
 平成十四年度予算案につきましては、東京が直面する危機に積極的に対応する予算と位置づけまして、第一には、徹底した内部努力や施策の見直しなど、これまで以上に厳しく歳出額の抑制を図り、財政再建の取り組みをより一層進めること、第二には、首都圏の再生と都民生活の不安を解消するための優先課題に財源を重点的に振り向け、積極的に取り組むこと、以上の二点を基本に編成いたしました。
 平成十四年度一般会計の予算規模は五兆九千七十八億円でございます。都税収入が大幅に落ち込む中、歳出の抑制を図った結果、前年度と比べ四・八%の減となっております。
 また、一般会計に特別会計と公営企業会計を合わせました全体の予算規模は十一兆九千七百三十七億円となっております。
 次に、平成十三年度最終補正予算案についてでございます。
 今回の補正予算は、国の二次にわたる補正予算に合わせまして、雇用対策や景気対策に積極的に取り組むとともに、三宅島などの災害復旧に必要な措置を講じることなどを基本に編成いたしました。一般会計で千二百九十九億円の増額補正、特別会計で五百六十七億円の減額補正を行っております。
 次に、平成十四年度予算案のうち、議会局及び財務局分についてご説明を申し上げます。
 まず議会局予算でございますが、議会の運営費と事務局経費を合わせまして、一般会計で六十億九千六百万円を計上いたしました。
 次に財務局予算でございますが、一般会計には八千八百二十九億三千八百万円を計上しております。
 続きまして、財務局所管の条例案についてご説明を申し上げます。
 新設の条例案が三件ございます。
 まず初めに、東京都地方公営企業の設置等に関する条例の一部を改正する条例でありますが、これは、北新宿地区及び環状第二号線新橋・虎ノ門地区で行っている都施行の市街地再開発事業につきまして、収支の一層の明確化を図るために、都市再開発事業会計を設置するものでございます。
 次に、東京都都営住宅等事業会計条例ですが、これは、都営住宅などの建設及び管理に関する経理を明確にするために特別会計を設置するものでございます。
 さらに、東京都土地収用事業認定審議会条例でございますが、これは、土地収用法の改正に伴いまして、東京都土地収用事業認定審議会を設置するものでございます。
 最後に、契約案についてご説明申し上げます。
 契約案は、建築工事が三件、土木工事及び設備工事がそれぞれ一件の、合わせて五件でございます。これらの契約金額は、合計で約百三十二億円でございます。
 以上で概略の説明を終わらせていただきますが、この後、それぞれ所管の部長から説明いたしますので、よろしくお願い申し上げます。

○松澤主計部長 それでは、お手元の資料第1号、平成十四年度東京都予算案の概要につきましてご説明をさせていただきます。
 まず、表紙をおめくりいただきたいと思います。
 目次でございますが、この中の一番上の1、編成方針につきましては、ただいま局長の方からご説明申し上げましたので、私の方からは、2の財政規模からご説明をさせていただきたいと思います。
 恐縮ですが、二ページをお開きいただきたいと存じます。
 2の財政規模でございますが、十四年度の一般会計規模は、都税収入が三千五百六十二億円と大幅に落ち込む中、これまで以上に歳出の抑制を図りまして、五兆九千七十八億円となりまして、十三年度予算と比べて四・八%減の緊縮型の予算となっております。
 三ページの右の上に都税収入の推移を記載してございますが、この棒グラフにございますように、十四年度の都税収入は、十一年度の水準まで低下している状況でございます。また、三ページの右下にございますように、都民サービスを維持し、必要な施策の着実な実施を図るため、減債基金積み立ての一部計上見送り、また財政調整基金等の取り崩しなど、二千五百七十七億円の財源対策を講じているところでございます。
 四ページをお開き願います。
 (2)の全会計の財政規模は、ただいま財務局長が申し上げましたように、十一兆九千七百三十七億円でございまして、〇・八%の増となっておりますが、下の方にございますように、このうち特別会計では、都営住宅等の建設及び管理に関する経理を明確にするため、一般会計から分離しまして、新たに都営住宅等事業会計を設置しております。それからまた、公営企業会計でも新たに都市再開発事業会計を設置したところでございます。
 それから、右の五ページをごらんいただきたいと思いますが、3の歳出の状況でございます。
 上の方の囲みにございますように、一般歳出は四兆三千七百六十三億円で、二・四%の減でございますが、下の方の棒グラフにございますように、これでピーク時の平成四年度に比べまして、一兆七千七百十一億円圧縮されたことになるわけでございます。
 それから、恐縮ですが、次の六ページでございます。
 上の方の経常経費、投資的経費につきましては、すべての施策について聖域なく見直しを行いまして、重要施策を除きまして七・六%の減となっております。
 また、重要施策につきましては、厳しい財政状況の中にあっても財源を重点的に振り向けまして、三千二百四億円を投入し、前年度に対しまして七百一億円、二八%の大幅な増となっております。
 中段の囲みの公債費でございますが、減債基金の積み立てにつきましては、十三年度に引き続き、財源対策として、本来所要額の四分の一の計上を見送っております。この結果、減債基金の積立不足額は四千六百七十四億円となりまして、今後、可能な限り早い時期に復元していく必要がございます。
 次に、隣の七ページでございますが、目的別予算の状況でございます。
 マイナス予算の中、生活環境などは前年度に比べ増加するとともに、福祉と保健の分野での構成比は、過去最大の一二%となっております。
 続きまして、八ページに移らせていただきます。歳入の状況でございます。
 上の四角い囲みにございますように、都税は四兆三百四十二億円で、これは、国内の景気が悪化する中で、法人二税が一六・九%減と大きく落ち込み、このため、全体で八・一%の大幅な減となっております。
 隣の九ページでございますが、都債につきましては、引き続き発行を抑制した結果、起債依存度は六・三%にとどまっております。また、退職者数の増加に対処するため、退職手当債二百億円を計上してございます。
 下の方の囲みの基金では、財源対策として、財政調整基金及び社会資本等整備基金から、合わせて千三百五十四億円を取り崩しいたしますが、この結果、基金の残高は、十四年度末で二千億円に減少する見込みでございます。
 一〇ページをお開き願います。ここからは、東京が直面する危機に対応する予算という位置づけのもとに、予算のポイントを大きく二つの柱として挙げてございます。
 まず、ポイント1として、首都圏の再生と都民生活の不安解消のための取り組みでございます。
 十四年度予算では、厳しい財政状況の中にあっても、緊急課題への対応では、首都圏再生への取り組みや不安解消などの優先課題に財源を重点的に振り向けまして、積極的に行うこととしております。
 首都圏再生への取り組みでは、この一〇ページの真ん中から一一ページにかけまして記載しておりますように、幹線道路、公共交通網の整備、交通渋滞の解消、廃棄物対策の推進などについて、国の都市再生関連施策との連携を強化しつつ、国庫支出金の確保を図りながら、積極的に推進していくこととしております。
 次の一二ページでございますが、長引く不況とともに失業率が過去最悪となるなど、都民生活の危機に対処するため、記載しておりますように、雇用対策、中小企業対策、新たな産業の育成に取り組むこととしております。
 また、右の方の一三ページでございますが、重要施策への対応ということで、四角い囲みにございますように、課題1の「環境を改善し、都民の生命の危機を回避する」から、右下の課題6の「首都圏を再生し、国際競争力を回復する」に沿って、新規推進プロジェクト三十四項目や、三カ年の推進プランなどを進めていく予定でございます。
 一四ページをお開き願います。ポイント2としまして、財政再建への積極的な取り組みについてでございます。
 十三年度予算では、財政再建推進プランの三年目の予算として、引き続き徹底した内部努力や施策の見直し、再構築などに取り組んでおります。
 内部努力では、隣の一五ページからございますように、給与関係費の削減では、十四年度で千四百十七人の定数削減を行いまして、プランで掲げました削減目標五千人に対しましては、四千八百三十四人の削減となりまして、九七%を達成する状況となっております。
 また、管理事務費等の削減や、次の一六ページにございますような監理団体に対する財政支出の見直しを行うこととしております。
 それから、右隣の一七ページ、施策の見直し、再構築では、すべての施策について、あらゆる角度から精査、点検を行いまして、この四角い囲みにございますように、近代文学博物館など八十八事業を廃止、休止する予定でございます。
 また、一八ページでございますが、上の方、建築・土木コストのさらなる縮減を行うとともに、公的施設の建設に当たりましては、PFIなどの民間活力の活用を図ってまいります。
 それから次に、真ん中の歳入の確保では、首都圏再生のための都市基盤整備を着実に推進するため、国庫支出金の確保に努める一方、右の一九ページの方でございますが、受益者負担の適正化ということで、使用料、手数料について、都立高校授業料や道路占用料など三十四条例等の新設及び改定をお願いしております。
 また、今回、江戸東京博物館などの都民利用施設の入場料について、高齢者を取り巻く環境の変化や他団体等の動向などを踏まえまして、これまでの六十五歳以上の無料規定を変更しまして、一般料金の半額とすることとしております。
 二〇ページをお願いしたいと思います。
 この二〇ページから三三ページまでは、東京の危機に対応するための施策展開ということで、重要施策の六つの課題に沿いまして、新規推進プロジェクトや推進プランなどの重点的な事業をそれぞれお示ししてございます。丸がついてございますが、丸の施策ごとに事業内容等を簡単に記載しておりますが、金額の欄、括弧は十三年度予算額でございます。この説明については、時間の関係もございますので省略させていただきまして、後ほどごらんいただきたいと存じます。
 次に、少し飛びますが、三四ページをごらんいただきたいと思います。
 参考といたしまして、多摩・島しょの振興として、主要な事業を、市町村への交付金から小笠原の振興まで、分野別に掲げてございます。多摩・島しょの振興につきましても、厳しい財政状況のもとにあっても、引き続き着実に取り組んでいるところでございます。
 それからまた、三六ページの方でございますが、三宅島等の災害への対応として、十二年度十二月補正以降から、災害対応経費内訳として記載してございます。災害対応経費につきましては、この表の一番下、計の欄でございますが、十四年度予算の二百十三億九千六百万円を合わせまして、これまで全体で合計八百三億四千四百万円となっております。
 それから、続きまして三七ページの方に移らせていただきます。平成十三年度の最終補正予算についてでございます。
 補正予算編成の基本的な考え方、補正予算の規模につきましては、先ほど財務局長の方から申し上げましたので、私の方からは、次の三八ページ、三九ページにわたっての最終補正予算の概要についてご説明をさせていただきます。
 三八ページの上の方にございますように、まず第一としまして、国の第一次補正予算に対応しまして、雇用対策への取り組みでございます。今回、三百六十二億円を計上し、緊急地域雇用創出特別基金を造成し、十三年度から十六年度にわたる雇用創出事業を展開するとともに、離職者支援資金貸付事業を創設いたします。
 また二つ目に、国の第二次補正予算に対応しまして、道路・街路の整備や公営住宅の改修など、公共投資を七百八十八億円追加しまして、景気対策に取り組むこととしております。また、その財源としましては、国からNTTの無利子貸付金を受け入れる予定でございます。
 また、三九ページにございますように、当初予算に追加しまして、三宅島等災害対策に八十一億円、税収減への対応や宿泊施設のIT化支援事業など、その他補正に六十七億円を当初予算に追加して計上しているところでございます。
 こうしたことから、今回の最終補正では、全体としまして、一般会計の最終補正は千二百九十九億円で、国庫支出金、NTT債を含め、都債と繰越金などの財源で対応することとしております。
 また、特別会計は、地方消費税清算会計など五百六十七億円の減額補正となっております。
 続きまして、四一ページ以降でございますが、附属資料ということで、四三ページには予算編成方針、さらに、四六ページからは使用料、手数料の改定等の内容をお示ししてございます。それから、五一ページからは計数表でございます。これにつきましては、後ほどお目通しをいただきたいと存じます。
 なお、少しまた飛びまして、六五ページからでございますが、参考資料ということで、租税負担と行政サービスというタイトルのもとに、ただいま申し上げました予算あるいは施策の内容をより具体的にご理解いただくために、個人あるいは世帯、行政サービスの単位ごとに、租税負担やサービスに要する経費をお示ししたものでございます。
 六七ページでは都民の租税負担の状況につきまして、また六八ページから七一ページにわたりまして、施策分野別の還元額、主な施策による還元額をお示ししてございます。
 例えば六九ページでございますが、最初の医療費助成では、主な施策それぞれの還元額、さらに本人負担等について具体的な数字でお示ししたところでございます。
 また、最後の七三ページでは、道路特定財源の制度やガソリン税の使途などを記載してございますので、ご参考になればと思っております。
 さらに、この冊子と別に、参考資料といたしまして、お手元に平成十四年度主要事業をお配りさせていただいているところでございます。後ほどお目通しいただければと存じます。
 説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○佐藤経理部長 引き続きまして、私からは、資料第2号、第3号及び第7号につきましてご説明を申し上げます。
 まず、平成十四年度当初予算のうち、議会局及び財務局所管の予算案につきましてご説明を申し上げます。
 資料第2号、平成十四年度予算説明書をごらんいただきたいと思います。
 まず一般会計でございますが、三ページをお開き願います。議会局及び財務局合算の平成十四年度当初予算総括表でございます。
 歳出額は八千八百九十億三千四百万円で、前年度と比較いたしまして九百八十億七千八百万円の減でございます。また、特定財源は三千八百十八億七千三百万余円、差引一般財源充当額は五千七十一億六千万余円でございます。
 恐れ入りますが、八ページをお開き願います。各事業別の予算案の内容のうち、議会局所管の予算でございます。
 1の議会の運営でございます。本年度の予算額は三十六億一千四百万余円でございまして、議員の報酬、費用弁償、その他議会運営に要します経費でございます。
 次に、九ページをごらんください。2の事務局経費でございます。
 予算額は二十四億八千百万余円でございまして、議会局職員の人件費を初め、都議会の広報関係費、議事録の作成などの経費でございます。
 次は一〇ページをお開き願います。議会局の合計でございます。
 予算額は、歳出で六十億九千六百万円、特定財源で五十五万余円でございます。差引一般財源充当額は六十億九千五百万余円でございます。
 引き続き、財務局所管の予算につきましてご説明申し上げます。
 一一ページをお開き願いたいと存じます。1の管理事務及び庁有車維持運営等の経費でございます。
 人件費を初め、工事、物品等の契約・検査、予算編成事務、宝くじの発行事務及び庁有車の維持運営などに要する経費を計上したものでございます。予算額は三十三億五千八百万円でございます。
 次に、一二ページをお開き願います。2の庁舎の管理及び維持補修事務等でございます。
 これは、本庁舎等の維持管理などに要する経費を計上したものでございまして、予算額は、人件費を含めまして六十一億三千三百万余円でございます。
 一三ページをごらんください。3の営繕工事事務でございます。
 これは、各局からの依頼に基づき施行する都立高校など諸施設の設計及び工事監督などに要する経費を計上したものでございまして、予算額は、人件費を含めまして十五億四千四百万余円でございます。
 一四ページをごらんください。4の公債費でございます。
 これは、一般会計の財源として起債をいたしました都債の元金及び利子の償還などに要する経費でございまして、公債費会計に繰り出すものでございます。予算額は五千百七十七億一千四百万円でございます。
 一五ページをごらんください。5の財産運用事務でございます。
 これは、公有財産を資産として効率的な運用を図るとともに、これらを適正に管理するための経費等を計上したものでございまして、予算額は、人件費を含めまして四十億七千三百万余円でございます。
 一六ページをごらんください。下の段、7の社会資本等整備基金積立金でございます。
 これは、新宿モノリス等の土地信託事業の配当金収入を基金に積み立てるものでございます。積立額は十二億四千万余円でございます。
 一七ページをお開き願います。8の基金運用金償還金でございます。
 これは、運用金の償還に要する経費でございまして、予算額は八億円でございます。
 下の段の9の公営企業会計借入金償還金でございます。
 これは、公営企業会計からの借入金の償還に要する経費でございまして、予算額は四十五億七千三百万円でございます。
 一八ページをごらんください。10の他会計支出金でございます。
 これは、特別会計及び公営企業会計に対する支出金でございまして、予算額は三千三百八十四億九千八百万円でございます。このうち特別会計に対する繰出金は、中ほどの計上説明欄の経費内訳にございますように三百八十九億六千九百万円、また、公営企業会計に対する支出金は二千九百九十五億二千九百万円でございます。
 一九ページをごらんください。11の過誤納還付金につきましては三百万円、下の段の12の予備費につきましては五十億円を、前年度と同額予算計上いたしております。
 二〇ページをごらんください。13の特定財源充当歳入でございます。
 これは、財務局の歳入のうち、他局の特定事業に充当する歳入でございまして、千五百三十一億九千八百万余円を計上いたしております。
 二一ページをごらんください。14の一般歳入でございます。
 これは、財務局の歳入の中で、いずれの特定事業にも充当しない歳入として、千四百八億三千二百万円を計上したものでございます。
 下の段、15の税等でございますが、これは、地方特例交付金として千五百二十五億六千二百万余円を計上したものでございます。
 二二ページをごらんください。財務局の本年度予算額の合計でございます。
 これまで申し上げました各事項の合計といたしまして、歳出で八千八百二十九億三千八百万円、特定財源で三千八百十八億七千二百万余円、差引一般財源充当額は五千十億六千五百万余円でございます。
 財務局予算に係る都債の起債内容につきましては、二三ページをごらんいただきたいと思います。
 以上で議会局、財務局所管の一般会計事業別予算案についての説明を終わらせていただきます。
 続きまして、財務局所管の二つの特別会計でございます。用地会計及び公債費会計についてご説明を申し上げます。
 恐れ入りますが、三三ページをお開き願います。まず、用地会計でございます。
 この会計は、公共用地の先行取得に要する経費を経理する会計でございます。今年度予算額は千三百三十二億一千二百万円でございまして、その内訳の主なものは、計上説明欄の経費内訳に記載してございますように、用地買収費四百六十五億四千二百万円、一般会計繰出金二十二億八千六百万余円、用地買収費の財源として起債いたしました都債の償還費を公債費会計へ繰り出す経費八百三十九億八千七百万余円でございます。
 以上の経費に係る財源としまして、財産収入、繰入金、都債などの歳入を計上しております。
 このほか、次の三四ページに記載してございますが、繰越明許費八億五千七百八十万円をお願いしてございます。
 以上で用地会計の説明を終わらせていただきます。
 続きまして、三七ページをお開き願います。公債費会計でございます。
 この会計は、一般会計外二十会計の都債の発行及び償還費などの経費を一括経理する会計でございまして、本年度予算額は一兆八千三百九十億三千百万円でございます。その内訳は、計上説明欄の経費内訳に記載してございますように、元金償還金一兆五百七十九億八千四百万余円、利子償還金四千八百八億七千九百万余円、減債基金積立金として二千九百二億五千四百万余円などを計上してございます。
 以上の経費にかかわる財源といたしまして、各会計からの繰入金、都債などの歳入を計上しております。
 なお、次の三八、三九ページに各会計ごとの詳細を一覧表で記載してございますので、ごらんいただきたいと存じます。
 このほか、四〇ページに債務負担行為をお願いしてございます。
 以上で平成十四年度の議会局及び財務局所管当初予算案についての説明を終わらせていただきます。
 引き続きまして、補正予算案についてご説明を申し上げます。
 資料第3号、平成十三年度補正予算説明書をごらんいただきたいと存じます。
 三ページをお開き願います。一般会計の議会局及び財務局合算の総括表でございます。
 補正は財務局の歳入のみでございまして、補正額は、特定財源二百九十二億四千五百万余円の増額でございます。既定予算額と合わせますと、特定財源で二千五百八十一億九千五百万余円となります。また地方特例交付金は、四十四億七千八百万余円を減額し、既定予算額と合わせますと千五百二十五億六千二百万余円となります。
 五ページをお開き願います。1の特定財源充当歳入でございます。
 これは他局の特定事業に充当する歳入でございますが、社会資本等整備基金からの繰入金を五十億円計上するものでございます。
 次に、六ページをお開き願います。2の一般歳入でございます。
 これは、財務局の歳入の中で、いずれの特定事業にも充当しない歳入として、減税補てん債及び前年度からの繰越金を合わせまして、二百四十二億四千五百万余円を計上するものでございます。
 七ページをごらんください。3の税等でございます。
 これは、地方特例交付金、四十四億七千八百万余円を減額補正するものでございます。
 また、起債の内容につきましては八ページに記載してございます。
 以上で平成十三年度補正予算案の説明を終わらせていただきます。
 引き続きまして、工事請負契約議案の概要についてご説明申し上げます。
 大変恐縮でございますが、資料番号が飛びますけれども、資料第7号をごらんいただきたいと存じます。
 表紙を一枚おめくりいただきまして、工事請負契約議案一覧をお開き願いたいと存じます。
 初めに、1の総括の表をごらんください。
 今回ご審議をいただきます契約議案は、右端の計の欄にございますとおり、合計五件、契約金額の総額は百三十一億九千百十五万円でございます。契約の方法は、提案予定の五件すべてにつきまして、競争入札により契約を締結しようとするものでございます。
 次に、2の案件別の表によりまして、概要についてご説明を申し上げます。
 番号1は、府中市武蔵台二丁目地内に都立立川養護学校を建設するものでございます。
 番号2及び番号3は、都営住宅の建設工事でございます。番号2は葛飾区新宿六丁目地内に、番号3は足立区千住桜木一丁目地内に、それぞれ都営住宅を建設するものでございます。
 番号4は、江東区青海二丁目地先の新海面処分場のGブロック西側に護岸を建設するものでございます。なお、本件は、さきの定例会で取り下げいたしましたものを、今定例会で再提案させていただくものでございます。
 番号5は、江東区有明一丁目地先から同区豊洲六丁目地先における、これは仮称でございますが、東雲二号橋の鋼けた及び鋼支柱を製作・架設するものでございます。
 契約の相手方といたしましては、表の右端の欄にございますとおり、二者または三者で構成される建設共同企業体とそれぞれ契約を締結しようとするものでございます。
 一枚おめくりをいただきまして、二ページには、案件ごとに、件名、工事場所、契約の相手方、契約金額、工期、契約の方法及び工事概要等を記載してございますので、ご参照いただきますようお願いを申し上げます。
 また、各案件の入札の経過等につきましても、五ページ以降に記載してございますので、あわせてごらんいただければと存じます。
 以上が今回提出を予定しております契約案件の概要でございます。
 なお、ただいまご説明を申し上げました五件のほかに、これは仮称でございますが、都立大田地区単位制工業高等学校の建設工事を、二月二十八日に仮契約をさせていただきまして、追加提案をさせていただく予定でございますので、よろしくお願い申し上げます。
 以上、よろしくご審議のほどをお願いします。

○松澤主計部長 それでは引き続きまして、資料第4号及び第5号の条例案につきましてご説明をさせていただきます。
 まず、資料の第4号に基づきまして、東京都地方公営企業の設置等に関する条例の一部を改正する条例につきましてご説明をさせていただきたいと思います。
 この資料の二枚目の新旧対照表をごらんいただきたいと存じますが、下段の方の現行第十一号の市場事業の次に加えまして、上段の方の改正案第十二号の都市再開発事業につきまして、今回新たに会計を設置するものでございます。この事業は、北新宿地区及び環状第二号線新橋・虎ノ門地区において市街地の再開発を行うものでございますが、一枚目の提案理由にございますように、地方公営企業法の規定の一部を適用する必要があるため、条例の一部を改正しようとするものでございます。
 なお、この条例につきましては、附則にございますように、平成十四年四月一日から施行するというものでございます。
 また同時に、この北新宿地区及び環状第二号線新橋・虎ノ門地区は、これまで東京都市街地再開発事業会計条例の適用を受けていたことから、これから除くということで、この資料の三枚目にその新旧対照表がございますので、ご参照いただければと存じます。
 続きまして、資料の第5号に基づきまして、東京都都営住宅等事業会計条例についてご説明をさせていただきたいと思います。
 この条例の第一条にございますように、これまで一般会計の扱いだったものを、今回、都営住宅、福祉住宅、引揚者住宅、小笠原住宅、地域特別賃貸住宅及び特定公共賃貸住宅に係る事業に関する経理を明確にするために、地方自治法第二百九条第二項の規定によりまして、特別会計を設置するものでございます。
 次に、第二条の歳入及び歳出につきましては、住宅等使用料、国庫支出金、一般会計繰入金、特別会計繰入金、都債その他の諸収入をもってその歳入とし、また、住宅管理費、住宅建設費、都営住宅等所在市町村交付金、特別会計繰出金その他の諸支出をもってその歳出とするものでございます。
 なお、この条例につきましては、附則にございますように、平成十四年四月一日から施行するとともに、施行に際しまして経過措置を定めているところでございます。
 また、あわせまして、東京都都営住宅等保証金会計条例の一部改正を行うものでございまして、この資料の二枚目にその新旧対照表をお示ししてございますので、ご参照いただきたいと存じます。
 資料第4号及び第5号の説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願いいたします。

○小野田財産運用部長 私からは、資料第6号によりまして、東京都土地収用事業認定審議会条例につきましてご説明を申し上げます。
 提案理由にもございますように、土地収用法が改正され、知事が事業の認定を行うときは、第三者機関の意見を聴取し、その意見を尊重しなければならないとされたことに伴い、審議会を条例で設置いたしまして、その組織及び運営に関して定めるものでございます。
 この条例によりまして設置する審議会は知事の附属機関でございまして、審議会の委員は学識経験者のうちから七人以内で知事が任命し、会議は公開しないこととしております。
 なお、この条例の施行日は、土地収用法の一部を改正する法律の施行の日を予定しております。
 条例案の説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○大西委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○大西委員長 発言がありませんので、資料要求はなしと確認させていただきます。

○大西委員長 次に、理事者から報告事項の申し出がありますので、順次これを聴取します。
 初めに、入札・契約制度の改善についての報告を求めます。

○佐藤経理部長 お手元に配布させていただきました資料第8号によりまして、入札・契約制度の改善についてご説明を申し上げます。
 今回の改正は、昨年発生いたしました三宅島復興関連の汚職事件の教訓から、入札・契約制度をより透明性、公正性、競争性の高いものに改善をしていく一環として実施をするものでございます。
 具体的には、まず第一の予定価格の事前公表でございます。
 予定価格の事前公表は、現在、七億円以上の大型工事契約について実施をしております。今回の改善策では、競争入札対象案件(二百五十万円を超えるもの)のすべての工事につきまして予定価格の事前公表を実施いたします。また、これに伴い、低入札価格調査制度につきましても適用範囲を段階的に拡大することとし、建築工事で五億円以上、土木工事で四億円以上、設備工事で一億二千万円以上の工事を対象といたします。
 なお、最低制限価格制度は、低入札価格調査制度の適用案件に満たない工事に適用することといたします。
 第二に、一般競争入札の実施範囲を拡大いたします。
 現在、予定価格が二十五億円以上の工事契約につき一般競争入札を実施しておりますが、入札及び契約手続の透明性、競争性を一層高めるために、一般競争入札の実施範囲を、予定価格九億円以上の工事案件に拡大をいたします。
 第三に、積算内訳書を入札後に公表をいたします。
 現在、積算内訳書の公表は行っておりませんが、五千万円以上の建築工事及び二千五百万円以上のその他工事につきまして、積算内容の透明性の向上を図るため、積算内訳書の事後公表の試行を行います。
 以上三点につきましては、いずれも十四年四月から実施及び試行をいたします。
 第四に、工法等審査委員会の設置でございます。
 学識経験者等の外部委員及びスタッフ管理職を交えた工法等審査委員会を新たに設置し、工事に使用する工法、材料などを特定する必要がある場合、その有効性、公正性を客観的に検証するとともに、新規工法等につきまして調査研究を行います。
 第五に、入札監視委員会を設置いたします。
 公共工事に係る入札及び契約手続の過程並びに契約内容の透明性を確保するため、学識経験者等で構成する第三者機関として、入札監視委員会を設置いたします。この委員会は、入札・契約手続の適否についての審査及び利害関係人からの苦情処理を行います。
 最後に、電子調達の導入でございます。
 企業や都民の負担軽減などと入札プロセスの透明性確保を図ることを目的としまして、工事及び物品調達等を対象に、インターネットを利用した電子調達システムを導入いたします。
 電子調達システムは、発注情報等を一元的に提供する入札情報システム、次に、入札参加資格の申請受け付けをインターネットにより行う入札参加資格申請受付システム、さらに、入札参加申し込みから落札通知までの一連の入札関係事務をインターネットで行う電子入札システムで構成されます。
 稼働時期につきましては、入札情報システムは平成十四年四月から開始し、平成十四年度中には入札参加資格申請受付システムを稼働させ、平成十五年度には大規模工事案件を対象に電子入札システムを稼働させ、順次拡大をしていく予定でございます。
 以上で説明を終わります。よろしくご審議のほどをお願いします。

○大西委員長 報告は終わりました。
 ただいまの報告に対してご質問等がありましたら、発言を願います。

○藤田委員 何点か質問をさせていただきます。
 ただいまのご報告の中で、今回、入札・契約制度を、汚職などを除き、そして公平公正に保つためというふうにおっしゃいましたけれども、改めてこの制度の改善の目的をお伺いをさせていただきたいと思います。

○中村契約調整担当部長 入札制度の改善ですが、都はこれまでも、公正性、経済性、それから履行の確保という観点から、公共団体に求められる要請にこたえてまいりました。一般競争の適用範囲の拡大あるいは予定価格の七億円以上の事前公表というさまざまな改革を進めてまいりました。
 今回、契約制度全般にわたりまして改善する要点といたしましては二点ございまして、一つは、昨年制定されました公共工事の適正化法によりまして、契約制度のより一層の改善を図ることが公共団体に求められたということ、それから二つ目は、事業者や都民の利便性の向上あるいは事務の効率化などを目的として、電子調達システムの開発に着手しております。この開発に当たりまして、電子化のメリットを最大限に活用するため、さまざまな角度で事務改善を検討しております。
 このようなことによりまして、より一層、契約制度の透明性、公正性、競争性の向上を図るという目的を持って、今回、契約制度の改善を行うものでございます。

○藤田委員 この改善の目的の中で、もちろん汚職を防止するということがありますけれども、もう一点は、やはり談合防止策といいますか、談合をさせないという、そういうことがあろうかと思います。電子調達に向けて制度の改善を進める中で、談合防止策というような問題はどんなことを考えているのかをお伺いしたいと思います。

○中村契約調整担当部長 談合については、いわゆる入札に参加する事業者が一堂に会するということで発生するというふうにいわれております。そのため、談合を防止するためには、そういう機会を、あるいはそういう要因を取り除く必要があるというふうに考えております。
 一般的には、談合を誘発する機会あるいは要因といたしましては三点ございまして、指名通知書の一カ所での交付、あるいは指名業者の入札前の公表、そして現場説明会への指名業者の参加という三点が考えられますが、都では、談合防止の観点から、平成十四年度から、これら談合を誘発する要因につきまして、事務手続の廃止あるいは改善を図っていくこととしております。

○藤田委員 もちろん、今おっしゃった中で、一堂に会することによって発生するといいますか、それもあろうかと思いますけれども、ただ、今の時代でございますから、それこそ、別に会って話さなくたっていろいろなことはできるわけなんですけれども、今回の汚職防止策の、防止委員会から出された中で、現場説明会の廃止などというようなことも出ております。
 しかし、この現場説明会の廃止ということを、段階的にという話はありますけれども、ある意味では、そこではもうそうすると設計図というようなものがきちっと整備をされている、それから、必要な情報がすべて設計図書に書かれているということが原則だというふうに思っています。
 ですから、質問に対しても入札参加者の全者に連絡するなど、情報がきちっと行き渡るということが原則になろうかと思いますので、一堂に会わないだけではなくて、その対応策としての必要なところをぜひきちっとカバーができるようにしていただきたいというふうに思っています。
 ところで、昨年の秋の公営企業決算特別委員会の中で、私どもの執印が質問をいたしましたときに、落札率、要するに予定価格と落札をしたものの差になるわけです--差といいますか、率に直したものなんですけれども、これを公表していくということ、公表の検討をするとの回答をいただいておりますけれども、その後の状況についてお知らせいただきたいと思います。

○中村契約調整担当部長 先ほど説明したとおり、入札・契約事務の透明性を確保するという観点から、現在、さまざまな角度で見直しを図っております。それらの中で、都はこれまでも、入札・契約にかかわる情報につきましては公表してきたところでございます。
 お尋ねの落札率についてでございますが、電子調達システム、現在開発しておりまして、その中で、事務改善という視点でさまざまな角度で検討しております。その検討の一つに、お尋ねの落札率の公表ということも、現在検討しているところでございます。

○藤田委員 先ほどいただいた資料の第7号の、これは提出予定の案件でございますけれども、ここにも全部入札金額が出ていて、そしてどこが落札しましたということが書いてありますし、今回は予定の価格も出すということでありますから、これからすれば、落札率というのは、計算すればわかるんです。
 ただ、これが出ていますと、例えば財務局で工事をしたものを全部洗い出すと、市民にとって、都民にとってみれば、その数をどういうふうに組み合わせるか、皆さんいろいろなことをやっていらっしゃるようでございますけれども、その中で非常に似通ったパーセンテージが出てくるということになると、ある意味では、入札金額の高値維持とか安定を意図しているようなことが出てくるんじゃないかというような、そんなこともこの落札率で私は出てくるのではないかというふうに思っていますので、数は勝手に計算すればというのではなくて、ぜひともこの中で、先ほどおっしゃったような電子調達の中でやるというお話ですので、ここをきちっと入れていっていただきたいというふうに思っています。
 それから、工事案件について、一般競争入札、希望制の指名競争入札などがあるわけですけれども、例えば、ここにもありますように、一般競争入札の実施範囲の拡大というふうになっているんですけれども、九億円未満の希望制の指名競争入札については、指名数を限定して十名ほどというふうに聞いています。
 指名の場合には七者とか八者とかでやっている例もあるというふうに聞いておりまして、数が少なくては、ある意味では談合がふえると考えられるのが普通でありますけれども、数の拡大の改善というのはどんなふうになっているでしょうか。
 今非常に有名になっております横須賀の例では、五十者ほどにふやすというようなことも考えられているようでございますけれども、その辺について伺わせていただきます。

○中村契約調整担当部長 指名競争入札の指名者数につきましては、現在、原則十者指名としております。例外といたしましては、発注機会が極めて少ない工事あるいは塗装工事等がそれに該当するんですが、これらの工事につきましては、十者を超えて指名しております。それから、逆に高度の技術を要する工事等につきましては、十者未満であっても指名をしているというのが現状でございます。
 お尋ねの指名者数の拡大についてでございますが、これも先ほど説明したとおり、現在見直しをしている契約制度の中で、どの程度ふやすかという視点に立って検討しているところでございます。

○藤田委員 あとは、5にあります入札監視委員会でございます。この設置についてはもちろん評価をいたしていきたいと思いますけれども、内容を見てみますと、利害関係者の苦情や意見というふうにあるわけなんですけれども、一般市民などからの談合情報や内部告発なども含めて対応すべきだというふうに思っていますけれども、これについてはいかがでしょうか。

○中村契約調整担当部長 入札監視委員会は、いわゆる入札契約適正化法の施行を受けまして設置するものでございます。
 監視委員会の主な審議事項といたしましては、指名の経緯など、入札・契約の過程及び契約の内容、また利害関係者からの苦情申し立ての処理の方策などでございます。
 これらの委員会は、第三者の立場に立ちまして、都の入札・契約事務全般にわたりまして、公平な立場でチェックする機関として設置されるものでございます。
 なお、都民などからの談合に関する情報や告発などにつきましては、談合情報取扱要綱を定めまして、談合情報検討委員会において調査の必要性を審議した上で、入札参加者への事情聴取あるいは公正取引委員会への通知等、適切な処理を図っているところでございます。

○藤田委員 ある意味では、都民からの訴えといいますのは、入札監視委員会に、問題があったときに、そこに行くのか、あるいは談合情報検討委員会に行くのかというのは全然、本人にとってみれば、相手方は全部都庁という感じですから、そこのところで窓口があっちだよ、こっちだよ、そしてなおかつ、財務局の契約案件じゃないものもいろいろあろうかと思いますから、どこか一つ窓口で、そこでまずとりあえずちゃんと受け取ってくれるというようなところをつくっていただきたいと思います。いったはいいけれども、全部どこかへ流れてしまう、あるいは別なところへかけてくださいというようなことがないような状況をぜひお願いしておきたいと思います。
 それから、私が最初にこれを見たときに、予定価格の事前公表というようなことがあったわけなんですけれども、この予定価格というのはだれが決めるのかというのが非常に気になったんですね。それこそピンからキリまで、例えば自分の自宅を建てるのにもあります。その時代時代によってもあると思いますし、そうすると、設計をしたときと、それからつくる、設計の前ですね、例えば基本計画ができたときに、大体こういうものだというふうにしたときと、それから実際に施工するときには、もう随分世の中の状況が変わっているというようなこともあるんですけれども、予定価格というのが、非常にこれがある意味では高どまりといいますか、そういう高値になってしまうんじゃないかなというのが気になっていたんですね。
 五、六年前の一般質問の中だったかと思いますけれども、そのときも、日本の、例えば清掃工場の価格は非常に高いというようなのがヨーロッパとの比較で出されていた記憶がありますけれども、そういうふうに、予定価格をだれがつくるか、いつつくるか、どういう過程でつくるかというのが、非常に私はここが気になるところなんですね。
 ある意味では、予定価格も出さないで、それこそ、こういうものをつくってほしいという基本計画だけをつくって、あとはコンペでするというようなことも一つの考え方としてはあるというふうにも思います。
 こういう入札・契約というのが一番大きなお金の、事業者と、それから行政と接触のあるところで、なかなか難しいところでございますので、これから、今回の改善で終わらせることなく、十四年から十五年までに電子入札も入る予定というふうに聞いておりますので、先ほどから何回か、そこまでにはというふうなお話がありましたので、一層の改善に取り組むべきというふうに思っておりますけれども、いかがでございましょうか。

○中村契約調整担当部長 入札・契約制度全般にわたる見直しにつきましては、引き続き積極的に進めてまいります。
 その取り組みの中での改革の視点といたしましては、一つは、透明性の向上に向けて情報公開をより一層推進していく、それから履行確保のための施工管理を強化していく、それから、さらに三つ目といたしまして、受注者の責任を明確にするということと同時に、ペナルティーを強化していきたい、これら三つの改革の視点に立ちまして、入札・契約制度を改善していくというふうに考えております。
 これらの改善をした一つの目的といたしましては、不良不適格業者を排除して適正な施工管理を図っていく、あるいはその逆で、優良な業者についてのインセンティブを与えて、積極的に入札参加の機会の促進を図るような制度を導入するというふうな、さまざまな角度でより透明性、公正性を高めていって、都民の信頼の確保に努めてまいりたい、このように思っております。

○大西委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、ご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○大西委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。

○大西委員長 次に、都財政の収支見通しについての報告を求めます。

○松澤主計部長 それでは、お手元の資料第9号の都財政の収支見通しについてご説明をさせていただきたいと思います。
 この小冊子は、平成十四年度東京都予算案が出された後、先月三十日に発表したものでございますが、表紙にございますように、「はじめに」以下、「都を取り巻く経済環境の急激な変化」、「今後の収支見込み」、「『財政再建推進プラン』の取組と今後の方向」といった構成になっております。
 おめくりいただきまして、一ページの「はじめに」をごらんいただきたいと思います。
 ここには全体的に策定の趣旨が書いてございますが、昨年七月に、都税収入がある程度伸びた十三年度予算をベースとしました十八年度までの収支見込みを、「『財政再建推進プラン』今後の取組の方向」という形で明らかにさせていただきました。
 しかしながら、中段にございますように、昨年の夏以降、国内の経済はご案内のとおり急速に悪化しまして、十四年度予算では、都税収入は、一転して、前年度に比べ三千六百億円もの大幅な減収となる深刻な状況となったところでございます。
 都財政を取り巻く状況は、このように短期間に大きく変化しまして、また、中期的に見てもこうした状況が続くことが見込まれることから、現下の状況を踏まえた今後の見通しのもとに、十四年度予算案をベースとしました新たな財政収支の見通しを、期間は同じく十五年度から十八年度の四カ年でございますが、今回策定したものでございます。
 二ページをお開き願いまして、まず、Ⅰの都を取り巻く経済環境の急激な変化ということで、急速に悪化する日本経済の状況を記載するとともに、右の三ページの方では、今後の経済見通しとしまして、四角い囲みにございますように、景気の速やかな改善は見込めず、またこうした趨勢は今後長引くおそれがあり、都税収入についてもさらなる減少を覚悟していく必要があると考えております。
 十四年度の政府の経済見通しでは、実質GDPの伸びはゼロ%であり、また、先月閣議決定された中期展望では、十五年度もゼロ成長、十六年度から一・五%程度の成長といった厳しい見通しとなっております。
 次に、四ページでございますが、こうした都を取り巻く厳しい経済環境、またその見通しを踏まえまして、十八年度までの都財政の収支見通しを今回試算してお示ししたものでございます。
 表の方をごらんいただきたいと思いますが、上から、歳入(A)の下の都税でございますが、十四年度予算案四兆三百四十二億円から、国税の動向の影響を受ける法人二税などの見通しを考えますと、十五年度以降、残念ながら、三兆九千五百億円、十六年度は三兆九千八百億円とさらに減少が見込まれるところでございます。
 こうしたことから、十五年度以降、歳出では借入金の返済などが出てくることを含めまして、このまま手をこまねいていますと、一番下の収支差額の欄でございますが、毎年度三千億から四千億円を超える財源不足が発生するおそれがある、こうした事態となっております。
 隣の五ページからは、こうした収支の試算に当たりまして、各歳入歳出項目について、前提条件や留意すべき点などについて具体的に明記してございます。
 特に、都財政の再建に当たりましては、歳入の大宗を占める都税収入の動向が、下の四角い囲みにございますように、景気の影響を受けて大きく左右されるという構造的な課題を抱えているところでございます。
 次の六ページをごらんいただきたいと思いますが、上の方の囲みの表に記載してございますように、現在進めております財政再建推進プランと今回の見込みとで比較いたしますと、都税収入は、財源確保分を除いた既存のレベルでは、十五年度ベースで約二千九百億円ほど低いという厳しい状況が見込まれるところでございます。
 それから、その下の地方特例交付金や都債、その他の歳入につきましては、基本的には十四年度と同水準として試算してございます。
 次に、右の七ページの歳出の方についてでございます。
 上の給与関係費は、十四年度予算案をベースに、退職手当の増加などを見込んでございます。職員の年齢構成から見て、平成十九年ごろから退職手当が大きく増加することになるわけでございます。
 下のその他の経常経費では、これは物件費、扶助費、補助費等などの経費でございますが、急速に進む高齢化などによりまして、介護保険給付費負担金のように、サービス対象の規模増が見込まれるものについては、その増加を加えてございます。
 八ページをお開き願います。
 他会計からの借入金等の総額は、この表の下にございますように、現在三千五百億円でございますが、平成十五年度以降、それぞれの約定に基づきまして償還しなければならないことになっており、かなりの財政負担が生じてまいります。
 その下の投資的経費は、総額ではほぼ横ばいで見込んでいるところでございます。
 右の方に移りまして、九ページの公債費でございますが、減債基金の積み立てについて、十四年度と同様に四分の一見送りを継続した場合、十七年度から基金残高の不足が生じる見込みでございますが、試算では、所要額全額を積み立てることとしております。
 また、下の表にございますように、都債の実償還額の大幅な増加に対しまして、減債基金の取り崩し予定額も、当然のことながら、十五年度以降、大きな金額となってまいります。
 それから、次の一〇ページから一三ページまでは、「『財政再建推進プラン』の取組と今後の方向」ということで、内部努力、施策の見直し、歳入の確保、税財政制度の改善の四本の柱に沿いまして、これまでの取り組みの状況と今後の方向をお示ししてございます。
 一〇ページの四角い囲みにございますように、都はこれまで、財政再建推進プランに基づき財政の構造改革に取り組み、着実に成果を上げてまいりました。しかし、今回の収支試算でお示ししたとおり、今後も引き続き巨額の財源不足が見込まれるなど、依然として極めて厳しい状況にありまして、より一層の財政構造改革を推進していく必要がある、このように考えてございます。
 そうした中で、社会福祉関係費の増大など、やはり構造的な歳出増要因が歳出削減を妨げていることや、国から地方への税源移譲が一向に進んでいないこと等が、財政再建を進めていく上での大きな壁となっているわけでございます。
 最後に、一四ページをごらんいただきたいと思いますが、「おわりに」の中で、中段でございます。都財政は、今回収支見込みをお示しした十八年度以降においても、隠れ借金の負担や退職手当の増大、あるいは社会資本の更新などの課題が控えておりまして、このままではイバラの道が続くと見込まれるわけでございます。
 そのためにも、今こそ新しい時代に適応しました抜本的な財政体質の改革を進めるとともに、国、地方を通じた税財政制度の改革の実現が不可欠であると考えております。
 簡単でございますが、説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願いいたします。

○大西委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方はご発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○大西委員長 発言がありませんので、資料要求はなしと確認させていただきます。
 この際、議事の都合により、十分間休憩したいと思います。
   午後二時二十二分休憩

   午後二時三十四分開議

○大西委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 これより請願の審査を行います。
 初めに、一三第一七五号、原宿大規模留置場建設構想に関する請願及び一三第一七六号、原宿地区大規模留置場建設構想の白紙撤回に関する請願は、いずれも同趣旨でありますので、一括して議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○小野田財産運用部長 ただいま議題に供されました、請願一三第一七五号、原宿大規模留置場建設構想に関する請願及び請願一三第一七六号、原宿地区大規模留置場建設構想の白紙撤回に関する請願につきましてご説明申し上げます。
 請願一三第一七五号は、原宿大規模留置所建設構想反対区民の会代表大角隆子氏外四万九千五百九名の方から、請願一三第一七六号は、渋谷区立小中学校PTA会長一同代表久保田正尚氏外二十七名から提出されたものでございます。
 請願の趣旨は、日本社会事業大学跡地利用計画のうち、大規模留置場建設構想を直ちに白紙撤回あるいは大規模留置場建設を白紙撤回していただきたいというものでございます。
 近年の犯罪の増加、とりわけ来日外国人犯罪の増加に伴いまして東京の治安は悪化しており、防犯対策の強化を求める都民要望は急増しております。絶対数が不足しております留置場の拡充は治安維持の基礎となるものでありまして、早急な対応が求められているところでございます。
 平成十四年度の重要施策では、日本社会事業大学跡地につきまして、都心の一等地を有効活用するため、民間企業の力を積極的に活用し、原宿警察署と民間オフィスビルを一括して建設するなど、新たな公共施設の整備手法を検討する、その際、近年の犯罪の増加に伴い、深刻化している都内の留置場不足を解消するため、原宿警察署に付設する留置場は、周辺環境に配慮しつつ整備することとしております。
 平成八年の用地取得後の状況変化に対応するために、現在、当該用地利用のあり方に関しまして基礎調査を行っているところでございます。その調査を進めてまいります中で、これまでの地元住民の方々などとの協議も踏まえまして、地元に対し都の考え方を十分説明し、理解と協力を得られるよう努めてまいりたいと存じます。
 説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○大西委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○北城委員 実は、我が党の矢部一議員から、このような厚い資料をいただいておりますので、確認の意味でまず最初にお伺いをさせてもらいたい、こんなふうに思っております。
 まず、この日本社会事業大学跡地を東京都が取得をするに至った経緯でございますけれども、取得をするに当たりましては、それなりの理由と、それなりの計画と構想をお持ちになった上で私は取得をされたであろう、こんなふうに思いますけれども、これらにつきましてまずご説明をお願いしたいと思います。

○小野田財産運用部長 都におきましては、平成七年一月の阪神・淡路大震災を契機といたしました防災施設の整備の必要性や、老朽化した原宿警察署の建てかえ用地を求めておりました。
 同年の夏ごろ、都に対しまして、国から本件土地の購入依頼の要請がございまして、都が検討しておりました用地として適地である、こう判断いたしたために、平成八年三月に、国よりこの土地を取得したものでございます。
 取得当時の利用計画といたしましては三つほどございまして、都市災害救助隊、これは仮称でございます。二番目に災害対策後方支援センター、これも仮称でございます。それと、三番目に原宿警察署を建設整備する予定としておりましたところでございます。

○北城委員 二つ目の確認をさせてもらいたいと思います。
 まず、今のご答弁にありましたように、平成八年に東京都が取得をされた。しかしながら、それに先立ちまして、地元区、関係住民団体と文書を交わされていると思いますが、その経緯と文書の趣旨につきましてお伺いをしたい、こんなふうに思います。

○小野田財産運用部長 同跡地につきましては、昭和六十年に社会事業大学の移転が決定されて以来、地元の渋谷区が、公園あるいは災害時の一時避難場所を確保するために、国に対しまして跡地取得の要望を出して、さらに地域住民も区が取得することを要望されておりました。区の財政事情もありまして、最終的には区による取得がかないませんでした。
 こういう経緯があったことから、平成七年に国の要請を受けまして、都が防災施設整備用地として買い受けるに際しまして、区及び住民団体と協議を行ったものでございます。
 この結果、平成八年一月には、地元町会及び商店会の代表に、今後利用計画策定に当たり、渋谷区及び区が集約した地元住民等の意見、要望について可能な限り取り入れるよう、誠意を持って対応してまいりますとの文書を財務局長名で提出いたしました。
 また、平成八年二月には、渋谷区長から都財務局長に対し、跡地利用に関する六項目にかかわる要請文書が提出され、これに対して、財務局長から区長に対して、本件土地については、今後利用計画の策定に当たり、渋谷区及び区が集約した地元住民等の意見、要望について取り入れるよう関係局に伝えるとともに、誠意を持って対応していく旨の文書回答を行ったものでございます。

○北城委員 そうなんですよね。ここにその交わされた文書がありますけれども、すべて最後の文言は、誠意を持って対応してまいります、これで締めくくられているわけなんです。
 そして、ここに平成八年三月十四日の予算特別委員会の当時の財務局長の答弁がございます。ちょっと朗読をさせてもらいたい、こんなふうに思っております。
 「日本社会事業大学跡地の現段階での利用構想は、一つ、災害対策用職員宿舎、一つ、警視庁の都市災害救助隊庁舎、一つ、原宿警察署の移転改築用地として、災害発生時に東京都災害対策本部を十分に機能させるための支援体制の拠点を整備しようとするものでございます。」、このような文言なんです。そして、もう一つ大切なことは、「今後、具体的な利用計画を策定するに当たっては、当然のことながら、地元とは十分に協議を重ねていくべきもの、このように考えてございます。渋谷区を窓口としまして、各種の要望に対し、誠意を持って対処してまいります。」と当時の財務局長の答弁があるわけでございます。
 しかしながら、この間、恐らく財政事情でありましょう、財政事情というような一方的な東京都の理由によりまして何ら対応されてこなかった。そしてまた、利用計画が変更されてきた。どのような理由で計画が変更され、その内容はどういうものなのか、ご答弁をお願いいたします。

○小野田財産運用部長 同跡地は、平成八年三月に防災施設整備用地として国から買い受けましたものでございますが、都の財政事情から、事業着手には至らなかったわけでございます。その後、平成十一年七月に策定いたしました財政再建推進プラン及び平成十二年十一月に策定いたしました財産利活用総合計画、これに示された民間活力の導入を、日本社会事業大学の跡地の利用においても検討を行ったものでございます。
 こうした中で、当初国が指定しておりました十三年度末までの工事完了の見込みがなくなりましたこと、また、民間主導の開発に当初の計画を変更する必要が生じたことから、平成十三年六月、国に対しまして、用地取得時に国から指定された用途の解除申請を行い、承認を得ました。
 一方、近年の犯罪の増加に伴い、留置場不足が深刻化し、留置場の増設が喫緊の課題となってまいりましたことから、当該跡地に予定しております原宿警察署の建てかえにあわせて、相当規模の留置場を整備することについて検討を進めているところでございます。

○北城委員 それは東京都の一方的な理由であって、この問題の本質というのは、東京都が各自治体との約束事を交わす重みをどのように感じておられるのか、これが一つ大きな重要なポイントであろう、こんなふうに私は思っております。
 第四回定例本会議で、石原知事はこのような答弁をなさっております。東京の限られた空き地の有効な利用というものは、ある時点で、いかなる自治体と自治体が契約を交わそうと、その後の時間の経過で、それに対する本質的なニーズも変わってくるわけであって、そういった時間の計数の中で変化をしていく都民の必要性を勘案しなければ、行政は行政として成り立たない、こんな趣旨の答弁であります。
 もちろん、時代に即応した政策の変更というのは、私は否定をするものではありません。しかしながら、東京都が自治体と約束を交わした以上は、事前、それは直前ではなくて、十二分なる協議を積み重ねる常識的な事前の経過の中で説明をし、協議をされることが私は東京都の責任であろうと思いますが、この点につきましてのご見解をお伺いしたい、こんなふうに思います。

○小野田財産運用部長 都有地の活用に関しまして、都が地元区と合意した計画や構想につきましては、都として合意を尊重いたしまして、計画の実現に努めることは当然のことでございます。
 しかしながら、一定期間経過した段階で、その状況の変化や、あるいはやむを得ざる外的要因等によりまして変更せざるを得なくなることも、現実のケースとしてはあり得ることでございます。それが直ちに合意を無視あるいは軽視したものか否かにつきましては、その合理性、妥当性の有無にかかってくるものでないかなというふうに思います。
 この跡地の利用につきましては、近年の留置場不足の深刻化という社会状況の変化を踏まえまして、当初から予定されておりました原宿警察署の建てかえにあわせて、相当規模の留置場の整備について検討を行って、案としてある程度まとまった段階で、平成八年の文書にのっとりまして、地元区に公式に協議する予定としていたところでございます。
 しかしながら、内部検討している過程で一部の新聞報道がございまして、あたかも事前の説明、協議を行わずに、都が一方的に決めつけて発表したかのような結果になったものでございまして、このことについては都の本意ではございません。その結果、地元区等、関係者の方々に大変心配をかけることとなったものでございます。そのように認識をしております。

○北城委員 さまざまな説明がありました。新聞報道が先行したというような文言もありました。しかしながら、事実、六百人の留置場計画は唐突に出されたのであります、唐突に。これは、地元の方々はもちろん、我々議会も衝撃を受けたところでございます。
 この点に関しましては、当時、平成八年、文書では誠意を持って対応するというような文言を交わされているわけでありますけれども、これに対しての、反する行動ではなかったのでありましょうか。ご見解をお伺いしたい、こんなふうに思います。

○小野田財産運用部長 都といたしましては、本件跡地の利用につきまして、社会状況の変化に応じまして、相当規模の留置場を整備する検討を行って、平成八年に取り交わしました文書の趣旨にのっとり、ある程度案がまとまったしかるべき段階で関係者に説明させていただく予定でございました。
 しかしながら、この意図に反しまして、いまだ内部検討の段階の案が報道されたこともありまして、都の本意が地元の方々に十分伝わらなかったことについては大変遺憾に思っております。地域住民の方々がいろいろとご心配する事態となったことにつきましても、真摯に受けとめているところでございます。
 そこで、こうした事態を打開すべく、先般、一月二十四日には、区、区議会及び地元住民の代表の方々に、今後改めて、これまでの経緯や都の基本的考え方につきまして地元関係者に説明をいたしまして、理解を得たいこと、また、平成八年に取り交わしました文書の趣旨にのっとり話し合いをしていきたいとの東京都の意をお伝えして、話し合いに向けた協力要請を現在行っておるところでございます。

○北城委員 所管が違いますので、参考までにお聞かせ願いたい、こんなふうに思いますけれども、東京都全体の留置状況の見通しや、今後の留置場計画についてどうなっておられるのか、この際、参考までにお聞かせを願いたいと思います。

○小野田財産運用部長 これは警視庁の調べによるところでございますが、平成十三年の十二月末現在における都内留置場の一日当たりの平均留置人員は二千四百九十人でございます。十年前の平成三年における平均留置人員である九百四十一人と比較すると、約二・六倍に増加しております。
 一方、留置定員につきましては、同じく昨年十二月末現在で二千七百四十一人でございまして、収容率は約九〇%と、ほぼ満杯状態となっております。
 同じく警視庁によりますと、被疑者の処遇上の問題から、適正な収容人員を留置定員の八〇%としております。警視庁といたしましては、順次、各警察署の改修にあわせて留置場を増設して、平成十七年末までに留置定員を三千百人程度までふやすことを目標に整備を進めたいとしております。
 しかしながら、留置人員の見通しとしては、過去三年間の平均伸び率でございます年当たり八・五%で増加した場合には、今申し上げた整備目標で達成できたとしても、適正な収容率でございます定員の八〇%を維持するためには、平成十八年においては五百人、平成二十年には千人を超える収容能力の不足が想定されております。このため、早期に大規模な留置場を建設することが喫緊の課題となっているところでございます。

○北城委員 所管が違いますので、これ以上の質疑は避けさせてもらいますけれども、もう一つ大切な視点というのは、あれだけの大規模な跡地でございますから、現段階でどのような全体計画をお持ちなのか、この際明らかにしてもらいたい、こんなふうに思っております。

○小野田財産運用部長 現段階においては、計画としてはまだまとまっておりませんが、本件跡地を有効に活用するために、民間活力を積極的に活用いたしまして、原宿署と民間オフィスビルを一括して建設すること、それから、深刻化している都内留置場の不足を解消するため、原宿警察署に付設する留置場は、周辺環境に配慮しつつ、相当規模のものを整備することを基本的な考え方としております。
 現在、跡地利用に関する基礎調査を行っている段階でございますが、この跡地を活用するに当たっては、地域の活性化などの観点も十分踏まえたものとなるよう配慮をしていくつもりでございます。

○北城委員 いろいろな今ご説明があったわけであります。そうした計画が具体的になるのはいつごろなのでありましょうか。やはり明らかにする必要があるのかな、こんなふうに思います。
 そしてもう一つ、平成十四年一月二十四日、財務局長とそれぞれの関係団体、区、議会で文書が交わされております。本件土地の利用計画策定に当たっては、今後とも区、区議会並びに区が集約した地元住民等の意見、要望について可能な限り取り入れるよう、誠意を持って対応してまいります、このような文書であります。本当に誠意を持って対応してくださるのでありましょうか。この際はっきりとさせてもらいたい、こんなふうに思います。

○小野田財産運用部長 この跡地の利用計画につきましては、現在、先ほど申し上げたとおり、基本構想の策定に向けて、事業コンセプトあるいは施設配置のあり方、それから事業手法などに関する基礎調査を行っておりまして、これらをもとにして、本年の夏ごろには基本構想としてまとめていきたいと考えております。
 この基本構想に向けた検討を行っていきます過程において、今回提出いたしました文書の趣旨にのっとりまして、都としての考え方を地元の関係者の方々に十分説明するとともに、地元の意見、要望についても可能な限り取り入れていくように努めてまいります所存でございます。

○北城委員 ぜひこの文書の趣旨に従った行動をしてもらいたい、強く要請をしておきます。
 そして、最後に財務局長にお尋ねをさせてもらいたい、こんなふうに思っております。
 今後、地元に対してどのように対応し、地元の理解を得られるご努力をなさるのか、財務局長としましてのご決意のほどをお伺いいたし、私の質疑を終了いたします。

○安樂財務局長 ただいま部長からもるるご説明申し上げましたけれども、これはちょっと弁解のように聞こえるかもしれませんけれども、この原宿の社事大の跡地の利用につきましては、行政内部の検討段階の内容が、あたかも都が一方的に決定したかのように新聞報道された、これが混乱の発端だというふうに思っております。
 都は、これは何回も申しておりますけれども、重要な決定については知事から記者会見で発表しておりますので、そういう正式発表もされていないわけです、現段階で。それはなぜかというと、まだ検討の段階が済んでないということ、これに尽きるわけですけれども、いろいろな考え方、基本的な考え方はまとめておりますが、まだそれに沿った計画ができ上がっていない段階でこういう形で外に出てしまったということであります。
 地元から今問題にされている点は、二つほどございます。
 一つは、こういう大規模な留置場の必要性の問題なんですが、なぜそんな大規模なものが必要なのかということ、また、なぜ原宿なのか、それから、こういう施設が地元に悪い影響はないのか、大まかにいってこういうようなことが、これは大規模留置場についての実質的な内容といいますか、こういう問題点を提起されております。
 これにつきましては、今後、東京都もよく説明をしたいと思いますし、また地元の意見も聞いて、いろいろな調整をしていきたい、これから議論すべき問題ではないかというふうに思っております。
 それから二つ目は、手続違反という、ただいま委員のご指摘の中にもありましたけれども、この手続違反といった問題で、東京都が計画を一方的に決めて発表したのは約束違反だ、その根拠として、平成八年に、計画の策定に当たっては地元の意見、要望を可能な限り取り入れる、誠意を持って対応するという、そういう約束しているじゃないかという、こういうことが指摘されているわけです。
 この点については、ただいまちょっと部長からも話はいたしましたけれども、東京都にも若干いい分があるわけであります。東京都としては、計画がある程度固まった、非常に微妙だとは思いますが、しかるべき時期に至ったときに、地元を初めとして、関係するところには説明するということをこれまでもやっているわけですし、今回の原宿の跡地利用についても同じ手順はとるつもりで--今そういっても、とってないじゃないかといわれそうですけれども、そういう手順をこれまでもとっているわけです。
 ただ、今回の場合は、そういう外部に説明する段階になっていない、行政内部の検討段階で、我々も、容積率だとか都市計画法上の諸規定の中で、大規模な留置場といっても、どこまでのものがつくれるかといういろいろなシミュレーションをやっていたんですが、そういう内容が報道されてしまって、これは東京都の本意ではございませんので、私たちもこれは大変遺憾なことだというふうに思っているわけです。実際に知事からも、もう少し資料管理といいますか、だらしないんじゃないかというおしかりも受けているわけです。
 ただ、こういう手続違反については、双方にいろいろないい分があるとは思いますけれども、その問題にこだわっていたのでは話し合いができないであろうということで、先日、東京都の方から地元の方にあてて、地元の方々が大変心配する事態になっていることについては、東京都としても真剣に受けとめ、今後そういうことのないように努める、その一点と、もう一つは、地元の意見、要望については可能な限り取り入れるように誠意を持って対応するという、この二点を再度表明いたしまして、事態の打開に向けた話し合いをお願いしているわけであります。
 昨今見られるような治安状況の悪化の中で、都知事としては、都民に対する責任としても、これにどう対応するかという方針を持たざるを得ない、それを公にすることというのは、これは知事としての責任、東京都の責任だというふうに思います。こういうことについては、これからも地元の理解が得られるように、私たち、意を尽くして努力したいというふうに思っております。
 また、この一方で、私もしばらく渋谷区にいたこともありまして、地元にさまざまな思いがあるということは私どもよくわかっておりますし、実際にそういう経緯がずっとあるわけです。そういう思いを最大限尊重して、今後基本構想をつくることになりますけれども、その中に取り入れていく、それと東京都が考える方向とを両立させるということは、私は話し合いの中で必ず可能じゃないかというふうに思っております。
 既に話し合いの方向で事態は動き始めておりますので、都民のため、渋谷区民のために最善な解決策になるように、私はそういうことで努力をしたいというふうに思っております。

○北城委員 今財務局長としてのご見解があったわけでございます。ただ、一言だけいわせてもらいますると、やはり一方的な押しつけではなくて、十二分なる協議の上対応なさる、これが私は誠意を持った対応であろうと思っておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げたい、こんなふうに思います。また、先輩でありまする矢部一議員ともども相談をさせてもらいながら、この問題に関しまして対応させてもらいたい、こんなふうに思っております。
 以上で質疑を終了させてもらいます。

○酒井委員 それでは、何点かにわたって質問をさせていただきたいと思います。
 本請願については、我が会派の福島寿一議員を初めとして、近隣の地域の多くの仲間が紹介議員になっておりますので、そういった仲間の意見も加えながら、何点かの質問をさせていただきます。
 一番初めに、請願についての都側からの説明にもあったように、現在、東京都において犯罪が多発をしているという中で、治安維持のために、ある一定程度の留置場といったものをふやすことには反対ではないわけですけれども、今回の都の計画については幾つかの問題点があると思われます。
 そういった点から質問をさせていただくわけですけれども、まず初めに、この今回の計画では、原宿に六百人ともいわれる大規模の留置場を建設するという報道等がなされていて、今、北城議員の方からも、都内においてどの程度の留置場が不足をしているのかという質問があり、それに対する答弁がありましたので、これについては割愛をさせていただきたいと思いますけれども、現在のこの留置場不足については、留置場を代用監獄として使用していることも一因であると考えられるわけです。
 法務省の計画では、東京拘置所を整備して、収容人数を当面約八百人ふやすということですけれども、この計画を踏まえて、東京拘置所の収容人数の増加、ふやすということを踏まえて、東京都の、今ご説明にあったような留置場の不足の計画といったものが立てられているのか、六百人ともいわれている大規模な留置場を必要とする根拠をお示しいただきたいと思います。
 また、この代用監獄等の問題では、起訴後の被疑者等については拘置所に移送するのが本来のあるべき姿で、これを東京都の予算の中である程度運用されている留置場にとめ置くということについては、本来であれば、あるべき姿ではないと思うわけですけれども、国に対して、こういった問題についてどのように調整をしているか、まず初めに確認の意味でお聞かせいただきたいと思います。

○小野田財産運用部長 ただいまお話がございました、東京拘置所の改修工事が計画されておりまして、今後新たに八百人程度の収容が可能となり、その約七割に当たる人員が都内の留置場から拘置所へ移監が可能になると見込まれる、このように聞いております。これは警視庁からの情報でございます。
 同様に、警視庁といたしましては、東京拘置所の建てかえ計画も視野に入れまして、順次、各警察署の改修にあわせて留置場を増設し、平成十七年末までに留置定員を三千百人程度までふやすことを目標に整備を進めたいとしているところでございます。
 しかしながら、留置人員の見通しとしては、過去三年間の平均伸び率でございます年八・五%で増加した場合、適正な収容人員を維持していくためには、平成十八年においては五百名、平成二十年には千名を超える収容能力の不足が想定されます。
 こうしたことから、東京拘置所の建てかえが完了したとしてもなお、平成十八年度以降相当数の留置場不足が予想されまして、原宿警察署の建てかえも含めて、留置場を計画的に拡充整備していく必要があるとされております。
 なお、原宿警察署の建てかえに伴う留置場の規模につきましては、留置場不足の深刻な状況や立地条件などを踏まえまして、相当な規模の留置場を整備する必要があると考えておりますが、具体的な規模や対応につきましては、さまざまな観点から検討を行いまして、今後詰めてまいります。
 また、警視庁は、法務省など関係省庁に対しまして、機会あるごとに拘置所の整備につきまして要望している、このように聞いております。

○酒井委員 ただいまご答弁がありましたので、そういった拘置所の増員等も計画に含まれているものと理解をさせていただきたいと思いますけれども、ぜひとも、今後とも、この拘置所の問題については国に働きかけていただきたいということは要望しておきたいと思います。
 続けて、先ほどの北城委員の方の質問と一部重複をしてしまうかもしれませんけれども、本件予定地については、地元の区といろいろと約束があったようですけれども、この計画の決定のプロセスといったものはどういったものだったのか。先ほどもありましたように、いきなりマスコミで発表されたというような感がぬぐえないわけですけれども、マスコミに一部漏れてしまったといういい方がいいのかどうかわかりませんけれども、そういったような趣旨の答弁があったわけです。だとすれば、その責任の所在、なぜそういった情報が漏れてしまったのかというあたりについても、ご答弁いただければと思います。

○小野田財産運用部長 都は、本件土地を平成八年三月に、老朽化した原宿警察署の建てかえを含む防災施設整備用地として国から買い受けたものでございますが、都の財政事情から、先ほど申し上げたとおり、事業着手には至らなかったわけでございます。
 その後十一年七月に策定いたしました財政再建推進プラン並びに平成十二年十一月に策定した財産利活用総合計画に示された民間活力の導入について、本件跡地についても、その有効利用について検討を行ってまいりました。
 一方で、近年の犯罪の増加に伴いまして留置場不足が深刻化いたしまして、留置場の増設が喫緊の課題となってきたことから、本件跡地についても、予定している原宿警察署の建てかえにあわせて留置場を整備することについて、内部検討を進めてきたところでございます。
 この間でございますが、地元に説明する前に検討段階の案が報道されたことなどによりまして、具体的な利用計画が正式に決定したかのように受けとめられたこともございましたが、都といたしましては、昨年十一月に発表した平成十四年度の重要施策の中で、民間企業の力を積極的に活用して、原宿警察署と民間オフィスビルを一括して建設するなど、新たな公共施設の整備手法を検討する、その際、深刻化している都内留置場の不安を解消するために、原宿警察署に付設する留置場は、周辺環境に配慮しつつ整備をする、このようにしたところでございます。
 マスコミで報道されたという経緯については、私どもつまびらかではございません。特に取材等もなかったところでございます。

○酒井委員 今ご答弁があったわけですけれども、そのプロセスについては理解ができるわけですけれども、本日もマスコミの方が入っている前で何ですが、マスコミに一部計画段階の案が発表されてしまったと。そのことについては、つまびらかにならないという話だったわけですけれども、この点については、東京都の情報といったものはなるべく都民の方にお知らせをしていくということが、これはいいにこしたことはないわけですよ。
 しかし、今回のような微妙な問題、また、地元区とそれ以前に約束をしているような問題について、この情報が流れてしまったために、これだけ大きくさらに報道されるような事態にもなっているわけですから、ここら辺の情報管理等の問題については、今後--この問題については明らかにならないのかもしれない、できれば明らかにしてほしいと思うわけですけれども、今後どうするおつもりなのか、お考えをお聞かせいただきたいと思います。

○安樂財務局長 なぜ情報が漏れたというようなことについては、我々もはっきりよくわからないんですが、ルールというものがあると思うんですね。少なくとも報道機関としても、そういうものを何らかの形で手に入れた場合には、責任のあるところにやはり確認するということが大事じゃないかというふうに思うんですよ。そういう手続がされていない。私のところにもそういう確認が全然ない。突然記事になってしまう。
 今いわれたように、そういうことが、東京都の、ちょっと変ないい分ですけれども、行政を行っていくときに非常に致命的なといいますか、迂回した、遠回りした、時間ばかりかかるような結果になることもある、混乱を呼ぶことになるわけで、少なくとも、やはり正式な取材があって、その中で報道されるべきではないか、我々はそう思いますけれども、報道機関の方には、やはりそれなりの自分たちの一つのあれがあって、なるべくそういう報道を広く、これも都民のため、区民のためだという観点で恐らくやっていると思うので、その点については、これから情報管理について、きちんとした管理をするということは当然のことですけれども、これまでもそれはやっているわけですけれども、なかなか、そういうせめぎ合いの中では、何が有効かというのは非常に難しいんじゃないかと思うんですね。
 結果的に、報道機関がそういう情報を国民に伝えるということが、場合によっては正義ということもあるかもしれないわけでありまして、私として、基本的に問題があるというのは、やはり何らかの形の正式な機関に対する確認というのが、こういう場合必要ではないかと思っております。

○酒井委員 今局長の方から、報道機関に対する要望的なお話もあったわけですけれども、これ以上聞きませんけれども、ぜひ、都の側としても情報管理といったものを、今回のこういった問題等を踏まえて、こういった大きな問題にならないように注意をしていただきたいなと思います。
 いずれにしても、今回結果として、先ほども質問の中にもありましたように、地元区との約束を破るような結果になっている。これについては、知事が唱えている心の東京革命という言葉の中の最低限の原則である約束を守ることが、今回、いろんな原因はあるんでしょうけれども、果たし得なかったということで、今後区とどのような調整を図っていくのか。先ほどご答弁がありましたけれども、もう一度確認のためにお伺いをしたいのと、また、地元の区議会では反対の意見書等も可決をされているようでございますけれども、そういった地元の議会という場での意見書といったものを東京都としてはどのように受けとめているのか、お伺いしたいと思います。

○小野田財産運用部長 まず、渋谷区議会のお話から申し上げますと、同区議会からは、大規模留置場建設構想を白紙撤回するとともに、渋谷区との約束を遵守されるよう強く要請する、こういった趣旨の意見書が都の方に提出されたわけでございますが、都といたしましては、治安問題は都民の大きな関心事でございまして、治安維持の基礎となる留置場の整備は進めていく必要があり、白紙撤回については考えておりません。
 都としては、先般一月二十四日に、区及び区議会並びに地元住民団体のそれぞれの代表の方々に、今後、改めてこれまでの経緯や都の基本的な考え方について地元関係者に説明をいたしまして、理解を得たいと考えておりますこと、また、平成八年に取り交わした趣旨にのっとりまして話し合いをしていきたいとの東京都の意向をお伝えし、話し合いに向けた協力要請を行ったところでございます。

○酒井委員 今ご答弁があったわけですけれども、もう一遍、ちょっと角度を変えてお伺いをしたいわけです。今後の手続を進めていくための手順にもかかわることであると思いますが、平成十四年度、これは二十日から始まる一定で議案を出されるわけですけれども、この予算の原案の中に、先ほどもご答弁、説明の中にもあったかと思いますが、この原宿警察署の建設に伴い、PFIを活用するための調査費一億五千万円が計上されているようですけれども、これについては、いつの段階で執行していくのか。これは予算が通った上の話ですけれども、この調査費についてはどのような形で執行していくのか、お伺いをしたいと思います。
 それとあわせて、本件土地については、その周りに学校等もあるという、そういった請願の内容もあったわけですけれども、この土地の容積率であるとか建ぺい率といったものはどのようなものなのか。それを前提として、用途地域の関係から、本件土地については、どういった建物であるとか施設といったものをつくることができる土地なのか、今後の構想をつくる上での土台になると思いますので、お答えをいただきたいと思います。

○矢口参事 平成十四年度予算原案には、日本社会事業大学跡地を有効に活用するために、民間企業を積極的に活用し、警察署等の施設と民間オフィスビルとを一体的に整備するという新たな公共施設整備手法を検討するための調査経費として、ご指摘のように一億五千万円を計上しておるところでございます。
 この調査は、もちろん予算の通過後でございますけれども、本年夏ごろに策定を予定してございます基本構想を踏まえまして、より詳細な検討を行うためのものでございます。構想策定後に実施を予定しておるところでございます。
 なお、この基本構想の策定に当たりましては、地元関係者の方々との話し合いを十分に行い、地元の意見、要望をできる限り反映させていきたいというふうに考えてございます。
 次に、本件地に指定されております容積率、建ぺい率でございます。
 本件地には、明治通りに面して約三十メートルの幅の部分が商業地域、その他が第二種中高層住居専用地域として指定されてございます。商業地域の容積率は五〇〇%、建ぺい率は八〇%、第二種中高層住居専用地域の部分につきましては、容積率が三〇〇%、建ぺい率は六〇%となってございます。また、あわせまして、商業地域の部分に第二種文教地区、第二種中高層住居専用地域には第一種文教地区が指定されてございます。
 これらのことから、本件地には、主に業務・商業系あるいは住居系の用途の施設が建築できるわけでございますけれども、文教地区の指定がございますので、いわゆる風俗営業法の適用を受けますキャバレーやナイトクラブのたぐい、ホテル、旅館、劇場、その他いわゆる場外馬券場等の建築はできないこととなってございます。

○酒井委員 今ご答弁いただきましたが、確認をさせていただきたいと思いますけれども、今の答弁の中にあった、警察署等の施設と民間オフィスビルを一体的に整備をするというのはどういうイメージなのかについて、お答えをいただきたいと思います。
 それと、実際に、今用途制限等、用途地域の問題についてご答弁をいただきましたけれども、建造物のイメージといったものはどういう形になるのか、これももし青写真があるのであれば、お示しをいただきたい。
 それと、この用途地域の環境の中で規制される建築物について今お答えをいただいたわけですけれども、ここについて、警察署は大丈夫なのか、確認のために。普通の警察署は大丈夫だけれども、大規模な留置場を備えたものはどうなのか。通常、多いところでも、約百名規模の留置場を備えているのが一番大きいところというような話もあるわけですけれども、これが例えば三百、四百、五百となった場合においても、この用途制限、文教地区ということにおいては問題がないのかどうか、お聞かせをいただきたいと思います。
 それと、調査費の執行についてですけれども、これについては、ご答弁をもう一度確認をしたいのですけれども、地元との話し合いができた後と考えていいのか、確認をさせていただきたいと思います。

○矢口参事 まず、一点目の民間ビルと一体的に整備するというのはどういうイメージかというご質問でございますけれども、本件跡地につきましては、現在、基本構想の策定に向けた基礎調査をやっている段階でございます。その中で、民間ビルと一体的ということにつきましては、基本的には、同一の民間の事業者が警察施設及び民間ビルの設計、施工等を一体的に行うということを想定してございます。必ずしも建物が一つになるということには限らないというふうにご理解いただきたいと思います。
 また、建造物のイメージはどのようなものになるかということでございますけれども、ただいま申し上げましたように、現在、基本構想の策定に向けた基礎調査をやっている段階でございますので、現時点では明らかではございません。基本構想の中で明らかにしていくよう予定しているところでございます。
 それから、三点目の用途地域の関係で、大規模な留置場の建設が可能なのかということでございます。先ほど答弁申し上げましたように、文教地区の関係におきましては、第一種、第二種、いずれの文教地区におきましても、留置場を含みます警察署の建築規制はございません。用途地域の関係につきましては、商業地域におきましては制限はございませんけれども、第二種の中高層住居専用地域におきましては、公益上必要な建築物として警察署は掲げられております。四階以下であれば建築できるというふうに定められておるところでございます。
 それから、地元との話し合いを踏まえた上での、十四年度調査の執行を行うのかというご質問でございますけれども、先ほどお答えいたしましたように、十四年度調査につきましては、本年夏ごろに予定してございます基本構想の策定を踏まえた上ででございます。それで、基本構想策定に当たりましては、地元関係者に都の考え方等を十分説明した上で、ご意見等を反映させていきたいというふうにお答えいたしましたけれども、十分話し合いをした上で、調査の執行に入りたいというふうに考えてございます。

○酒井委員 今ご答弁をいただいた中で、建造物のイメージということについてお聞きをして、基本構想で明らかにするということで、この場でお答えをいただかなくてよかったなと。この場でお答えをいただいたら、また地元の区と、もう建物のイメージまでできているのかという話になってしまいますので、ぜひその点については、まだ計画段階でしょうから、地元の区ともしっかりと話をしていっていただきたいわけです。
 今いろいろとご答弁があったわけですが、先ほど北城委員の方からもご提示があった局長の一月二十四日の文書については、先ほどご答弁があったわけですけれども、これについて、地元の方では、これが白紙撤回を意味するものではないかという形で理解をされているということをお見受けするわけですけれども、この計画を白紙撤回することになるのかどうか、お聞かせいただきたいと思います。

○安樂財務局長 ご指摘の文書は、昨年からの経過の中で、結果的には地元の地域の方々に大変心配する事態を与えてしまったということで、そういうことも踏まえまして、東京都としてその状態を真摯に受けとめて、今後、都の考え方を正確に伝えて十分な話し合いをしたいという、そういう趣旨もありまして、区長さん、渋谷区議会の議長さん、それから住民の代表の方々に、東京都の方から理解と協力を要請する形で出した文書であります。
 この問題においては、発端からお互いにいい分があるわけですけれども、それに拘泥していてはやはり先に進めないのではないかという、東京都側もそう考えておりますし、ここに住民の方々来ておられますけれども、そういうことも踏まえまして、我々この文書を出したわけで、では、その文書の真意は何なのか、白紙撤回なのかというふうにまた追及されますと、お互いにいい分にまだそごがある段階で、話し合いに入りたいということでこういうことをやっておりますので、またもとに戻ってしまうことになりますので、そういうことで、ちょっとしんしゃくしていただきたいとは思うんです。
 東京都としては、これは知事も議会の本会議の中で答弁を申し上げておりますけれども、非常に最近は凶悪な犯罪も増加している、また検挙率も二割前後まで落ちてしまっている、こういう状況の中で、非常に都民が治安に不安を持っておりますので、こういう対策について東京都の責任を明らかにするということで、一つの機会でありますので、この原宿の大きな土地を利用する形で留置場の増設ということを考えているわけで、このことについて撤回するというようなことには、私たち、ならないというふうに思うんです。
 ただ、そのことは、都のつくった計画を一方的に押しつけるということは全然意味しないわけでありまして、地元とこれからいろんな調整を行う中で、双方のいい分の最大公約数というんですか、お互いに、一部は不満があるかもしれないけれども、納得できるところまで、そういう調整をするということを、これからまさに始めたいというふうに思うんです。そういう意味で、今回、話し合いに何とかこぎつけることができるのではないかということで、我々今努力しております。
 先ほど部長からもお話ししましたけれども、現在進めているのは基本調査なんですね。これは、東京都の行政の内部でも予備的にはいろんな調査をしたり、さっきもちょっと申し上げましたけれども、建ぺい率とか容積率からどのくらいの施設が可能なのかという、行政の内部でのいろんな検討はするんですが、これをより専門的な機関にもう一度、遺漏がないかどうかをチェックしてもらう、こういう基礎調査を今やっているわけです。
 これが今年度内に、おおよそ委託調査が終わります。その後に、東京都が夏ごろまでかかって、それをどう受けるかということで基本的な構想をつくる予定です。それからその後に、先ほど、来年度の予算にのっておりますけれども、一億ほどの、PFIという手法が可能かどうかという、こういう調査をまた民間にお願いするわけです。そういうのを踏まえた上で、初めて基本計画ができるわけです。
 そういう一連の流れがありますけれども、このどの段階においても、東京都のある程度の案が固まった段階で、当然これをお示しして意見をお伺いしたいと思いますし、そのどの段階においても、むしろ私たちとしてもいろんな意見をもらいながら計画をつくりたい、そういうふうに思っております。

○酒井委員 今局長からご答弁をいただいて、先ほど来、北城委員の質問に対しても、また私の今の質問の前の質問の中でも、白紙撤回はしないというご答弁をいただいていて、わかっていて聞いたわけですけれども、白紙撤回をしない、留置場の必要性といったものを訴えていくということで--この留置場建設の必要性自体はわからないでもないわけですよ。
 ただし、地元と話をする中で、一点確認をさせていただきたいのですけれども、その数の真偽も含めて、先ほど来ずっと答弁の中で、この数の問題については相当数という言葉をお使いになられております。新聞報道、この問題が大きく報道されたときには、六百人という規模の留置場計画ということで出されました。この六百人という規模の具体的な数字ができてきている。六百人というのはかなり大規模です。こういった六百人という規模の数字だけでも白紙にしなければ、話し合いができないのではないかと思いますけれども、その点について確認をさせてください。

○安樂財務局長 留置場の規模の問題については、これからのいろんな話し合いの中で一つの非常に中核的な問題になるかというふうには思いますが、現在の留置場不足の深刻さというんですか、そういうことから考えますと、先ほどもちょっと警視庁からの資料を披瀝いたしましたけれども、やはり近い段階で五百人から、もう少し後ろの段階では七百人ぐらいの不足という数字が今出ているわけです。
 もちろん犯罪の発生件数とか留置人員の推定そのものは幅があるものとは思いますけれども、今の段階では、どんな事態になってもできるだけ対応できるように、大きな規模のものを東京都がつくりたいというのは、これは行政として、我々当然じゃないかと思うんですね。
 ただ、それがどこまで必要なものかというのは、もう少しいろんな資料によって精査していかないとという問題は残っていると思いますので、こういう点ではいろんな議論も必要かというふうに思います。ただ、どういう事態になっても対応できるような、やはりそういう容量の大きいものを望みたいというのは、これは行政の示しているところであります。

○酒井委員 では、これで最後にしたいと思いますけれども、今ご答弁があった中でちょっとお答えをいただけなかったわけですけれども、新聞報道等で具体的に六百人規模という、そういった大規模なものをつくるという報道があったわけですよ。
 数については今後検討されていくようですけれども、こういった六百人という大規模な報道自体は間違いなのかどうかということ、六百人規模という大規模なものは考えていないのか、考えていないということを確認させていただきたいわけですが、お答えいただきたいと思います。
 それとあともう一点、資料についての確認なわけですけれども、昨日付で、渋谷区の区議会議長から、渋谷区議会としての見解といったものがまた出されたようですけれども、これについて都としてどのように受けとめているかということを、しつこいようですけれどもお伺いをして、本請願については、我が会派の福島寿一議員を初めとして、幹事長、政調会長も紹介議員になっていることもあり、我が会派はぜひとも採択をすべきであると考えているということを申し添えて、質問を終わりにさせていただきたいと思います。

○安樂財務局長 その六百人を全く考えてないかという、そういうことは別にないわけで、先ほども申し上げましたとおり、現在の深刻な事態に対処できるようなもの、その可能性を考えて、あらゆる数字を考えている。ただ、いろんなシミュレーションをやっても、では一千人も二千人もつくれるのかといったら、それはもうはっきりいって無理だと思いますし、この数字がどの辺までなのかというのは、東京都としても完全に確定したわけではありません。ただ、希望からいえば、なるべく大規模なものをつくって対応したいという、これが真意といいますか、目指しているところであります。
 それから、区議会からの文書、きのう受け取っておりますけれども、若干玉虫色の、こういう交渉事でありますので、お互いに話し合いの席に着こうということを前提として、お互いの内部を整理して文書を交わしておりますので、そういう点では、話し合いの基礎がこれによってできたと、私見ではありますけれども、そういうふうに考えております。

○鈴木委員 それでは私の方から、今お二方からるるいろんな角度で質問がありましたので、私とそれから関連で桜井委員から、壮大なまちづくりとのかかわり合いについてのそれぞれのアプローチをしておきたい、こう思います。
 初めに、安樂局長にちょっと唐突にご質問したいんですけれども、石原知事と佐々淳行さんの対談であった、たしか「諸君!」の去年の十一月号、あれはお読みになりましたか。

○安樂財務局長 読んでおります。

○鈴木委員 あの中で、これは知事がちょうどワシントンで、例の九月十一日、その場に遭遇した後の生々しい、帰ってきてのインタビュー、佐々さんとの危機管理の問題を熱っぽく対談をしている記事なんですよね。
 その中で、知事はこんなふうにいっているんですね。今お二方から、留置人数六百人という数、どこから出たんだ、那辺にその根拠があるんだ、こういうやりとりがありました。こういう表現をしているんです。傍聴の方、聞いてください。「警視庁は『五百人で十分です』なんて言うんだよ。だから『俺が責任持つから七百人にしろ。国が何か言ってきたらおれが出ていって、今の日本の治安の悪さをいろいろ言ってやる。』」と、このように知事はいって、「『恥をかくのは国なんだから』と言ったところなんです。」と。
 そうすると、先ほど局長は五百から七百という数字もこの中に、いみじくも答弁していましたよね。取材記者も、だから恐らくこれが頭にあって、五百から七百だったらこの中間の六百でもとってやろうというような取材、ニュースソースの出方も、一つは私は考えられなくはないのかなと、げすの勘ぐりですけれども、そんな思惑も考えないでもないんですけれども、こういう知事の発言についてどう思われますか。

○安樂財務局長 上司が雑誌の中で書いていることに私が論評する立場ではないんですが、知事にこういういろんな状況を財務局から話を上げたときには、いろんな議論があったんですね。二、三回やっていたと思いますけれども、いろんな議論がありまして、その中で、警視庁もいろんな数字をいいました。知事もいろんな数字をいった中で、そのときの一部の会話が、知事自身、あの雑誌の中に書いているんですが、私は恐らく、なぜああいうことを雑誌に書いたのかというのは、国の認識が、危機に対して少し問題ではないか、そういう趣旨だというふうに思うんですね、全体から見ても。
 それは、例えば小泉総理に対して、これは知事はっきりいわれたんですが、新宿を一度歩けと。おれが案内するから歩けというふうなこともいっておられるんですね。それで、非常に今の治安は悪いぞということをいわれておりますので、そういうことを強調する意味で、知事は恐らくそれをわざわざ雑誌に書いたのではないかと思っております。

○鈴木委員 確かに日本の治安状況は、昨今、東京は極端に外国人の流入に応じて大変悪化をしている。検挙率も二〇%という最悪の事態になっていることはよくわかります。
 先ほどは上からの認識論でいきましたけれども、私の方は、実際に最近の東京都の治安、防犯に対する都民の率直な要望、意見というものは、東京都として吸い上げておられるのかな、これは。あればお示しをいただきたいと思います。

○小野田財産運用部長 都民のご意見ということでございますが、東京都と都政に関する関心というテーマで、毎年都政モニターアンケートを実施しております。モニター数五百人でございます。東京都が最も力を入れて取り組むべき分野は何かとする設問におきまして、防犯対策が一昨年度は上位十位にも入っておりませんでしたが、昨年度、十二年度には七位、十三年度、今年度は三位となっており、都民の治安悪化に対する不安が急速に高まっていることがうかがわれるわけでございます。
 また、都政モニターアンケート以外でも、五千人の都民の方々を対象といたしました都民要望に関する世論調査を毎年実施していますが、特に都に力を入れて取り組んでもらいたいものとして、防犯対策は、平成十一年度が十一位、平成十二年度は八位、平成十三年度は四位と、都民要望がそれぞれ高まっております。
 また、本年度、都政モニターに対して防犯対策についての緊急アンケートを実施いたしましたが、最近の東京の防犯や治安に対して、九六%の方が不安を感じているとの回答がございました。
 このように、都民の要望が急速に高まっていることがうかがえるわけでございます。

○鈴木委員 今部長のご答弁のあった、確かに都民要望としてこれは厳粛に我々も承らなければならないと思います。だんだんだんだん治安、防犯に対する要望、懸念材料というものがふえてきている。確かに右肩上がりなことは率直に我々も認めざるを得ませんが、だからといって、それがイコール留置場の増設にストレートに結びついちゃっていいんだろうか、不可欠なのかという、こういうストレートな質問に私は結びつくのかなと、こう思いますが、その辺のご見解はいかがですか。

○小野田財産運用部長 確かにご指摘のようなご疑問はございますけれども、現実として、先ほど来申し上げているとおり、収容率が平均して九〇%と、ほぼ満員状態となっておりまして、いろいろな問題が生じておるわけでございます。例えば処遇上の問題、このようなことを警視庁は主張しております。そのような目前の事態を迎えまして、やはり留置場の増設というものは喫緊の課題になっているというふうに考えております。

○鈴木委員 確かにそうなのかな。お昼のワイドショーで問題になったことを今頭に描いたんですけど、カルーセル麻紀、あれは男か女かなんて、最終的に男だといって、一人しかあそこの部屋に入れなかったという。すると、留置場は足りなくなるわけですよ。
 たしかそういう極めて--我々も見ていて、ああなるほどなというのはあるんだけれども、しかし、先ほど酒井委員の方から、当地区は用途地域の中で文教地区と指定されておりますけれどもというアプローチもありました。この請願の中でも、日本社会事業大学跡地は公立中学校の隣接地であり、また、近隣に小学校、幼稚園、学童館及び図書館などもある文教地区であると、文教地区という言葉を使われております。
 この文教地区というものは、具体的にお伺いしたいんですけれども、どんな目的で指定をしているのか、都内全域でどのようなところが地域に指定されているのか、具体的にお答えをいただければと思います。

○矢口参事 文教地区は、学校などの教育・文化施設に係る良好な環境の保護を図ることを目的といたしまして、法令に基づき指定されているものでございます。都内におきましては、現在十一区二市において指定されておりまして、総面積にいたしまして、約二千四百四十ヘクタールとなってございます。
 主な文教地区といたしましては、文京区の本郷地区、千代田区の神田駿河台地区、新宿区の早稲田地区、港区の三田地区等、大学その他の教育・文化施設がある程度まとまった地区が指定されているところでございます。

○鈴木委員 私の住んでいる荒川区は、文教地区に残念ながら指定されてないんですよね。実はこれが本当に悔しくてならないんです。北城委員、そうですよね。荒川区もできれば、我々はこんな運動を、全面的にむしろ旗を立ててやっていますよ。と思うんですけれども、この渋谷区全域で文教地区の指定状況は、具体的にどのくらい指定をされている面積等あるんでしょうか。

○矢口参事 渋谷区内では、青山学院大学等を含みます渋谷から広尾にかけての地域約百二十ヘクタールと、本件跡地を含みます千駄ヶ谷から神宮前にかけての地域約三百二十ヘクタールの二カ所が指定されてございます。合計面積といたしましては、約四百四十ヘクタールとなってございまして、この面積は、渋谷区全体の面積のおよそ三割に及んでございます。

○鈴木委員 それならやはり渋谷区の方々も、過去の約束事、それから今出てきた十月十日の日経新聞ですか、あの記事を見て、それは驚かざるを得ませんよね。それはよくわかります。
 先ほどのご答弁の中で、文教地区の中にはつくってはいけないいろんなものと、しかし警察とか留置場は別問題なんだ、それはいいんだと、こうご答弁になっていますよね。そういうことを考えたとして、百歩譲ったとしても、あえて那辺に、原宿に留置場を建設することに拘泥をしているのはなぜなんだろうなと。また、地元の方々が、教育上、また環境の問題等々不安を抱いていることに対して、都はどのように現状認識をとらえているのか、その辺をいま一度きちっとお答えをいただきたい、こう思うのであります。

○小野田財産運用部長 なぜこの土地が候補地になるのかということでございます。これにつきましては、この土地取得以降の都の計画といたしましても、原宿警察署の建てかえにあわせて、老朽化、狭隘化した留置場をつくりたいという経過がございましたことが一つでございます。それから、本件の土地が大変広大な土地でございまして、このような土地はなかなか周辺部では得ることができないという事情がございます。それからもう一つ、当然、この土地が大変、都心部の立地条件、交通利便等のいい土地にある、こういったことから候補地として考えておるところでございます。
 それから、そういったいろいろなご心配をいただいていることはご指摘のとおりでございまして、このことにつきまして、これからどういうふうに考えていくかということが実は大きな問題になるわけでございますが、このことにつきましては、先ほど来ご答弁申し上げていますとおり、これから改めて住民の方々とお話し合いをさせていただくことによって、これまでの私どもの経緯と申しますか、都の本意といいますか、そうしたものを十分お伝えして、と同時に、住民の方々のご意見、ご要望等を拝聴いたしまして、今後の東京都の基本的な構想をつくるに当たって、できる限りそれが反映できるように努めてまいりたい、こんなふうに考えております。

○鈴木委員 では、最後、私からの要望等を含めて申し上げたいんですけれども、先ほど局長初め関係部長、参事からご答弁がありました。要は、結論申し上げたいことは、渋谷区の責任ある方と東京都の責任ある、区長、知事ががっちりと土俵をつくって話し合いをしなさいと、これが一番の原理原則だと思います。きちっと話し合いのテーブルをつくってやること、これが私は大事だと思いますね。
 それで、過去ああだ、こうだ、過去にこんな念書があった。あれは青島知事のときでしょう、西念さんのときの。それは、時代の経過の中で社会経済状況が変化をしてくれば、若干の手直し等あるかもしれません。それからまた、大規模施設は平成十一年七月の財政再建推進プラン以降、私たちの荒川区だって、いろんな大規模施設はみんな冷凍庫に入っちゃって解凍もできない状況でいるわけです。それはよくわかります。
 しかし、渋谷区の場合は、こういう地域の中でこういう問題があって、地域の大きなまちのグランドデザインまで考えられる前向きな動きが出てきたことは、逆にいうと、私はうらやましいなと思うんですけれども、しかしそれはさておいて、この話し合いのテーブルをきちっとつくること、これが喫緊の一番の課題だと思います。そのことを私から申し上げて、私からの質問を終わらせ、桜井委員の関連質問に移っておきたい、こう思います。
 以上であります。

○桜井(良)委員 関連なんですが、大分前の質問でしゃべられてしまいましたので、若干確認も含めて、二問ばかり質問したいと思うんです。
 質疑の今の経過を聞いていますと、大事なことは、これから話し合いをしていく、その話し合いがどうなるかということが一つ、それからもう一つは、どういう計画を描いていくかということであると思います。
 したがって、私は、大事なことは、グランドデザインをどのように描くかということではないかと思います。本件土地全体のグランドデザイン、作成するという話がありましたけれども、これはどこが責任持ってつくるのかということを、確認も含めて、まずお伺いしたいと思います。

○矢口参事 委員ご指摘の本件土地の利用計画の策定に関してでございますけれども、都政が直面しております留置場の増設という喫緊の課題に対応することとあわせまして、本件地が原宿駅に近く、また、明治通り沿いという都心の一等地に立地しておりますことから、その特性を生かしたものにしていくことが極めて重要であると考えております。
 このためには、敷地全体の各施設の配置や整備手法等を総合的に検討いたしますとともに、周辺地域との調和や地域活性化の促進など、まちづくりの視点をも含めた幅広い見地に立った検討を行うことが必要でございます。
 本件地全体の計画につきましては、都有財産の有効活用という観点から、財務局が中心となって検討作業を進めてまいりますけれども、予定されております施設を所管する警視庁を初め、地元区や関係行政機関とも密接な連携を図ってまいります。
 さらに、民間事業者の持つノウハウも十分に活用いたしますとともに、地元住民の方々等関係者の意見や提案にも十分耳を傾け、大方の納得のいくものにしたいというふうに考えてございます。

○桜井(良)委員 財務局が描いていくということなんですが、これまでの議論を申しますと、まさに今の答えの中に、留置場の設置が喫緊の課題だと、まずそこから入ってまち全体ということがあるので、どこが中心に認識されているかなということは別にして、この本件の跡地の問題について、この地域に対して東京都は、住機能と商業・業務機能が適度に混在した魅力ある市街地にしたい、こういうふうに計画されているんですね、この地域の将来像について。渋谷区の計画、マスタープラン、平成十二年につくったものを調べてみましたら、便利で快適な都市型住宅地とファッショナブルな生活文化のまちというふうに将来像が示されているわけなんですね。
 私は世田谷なんですが、あの辺は、表参道、原宿というのは非常に関心のあるまちで、二十世紀を象徴する竹下通りもあります、将来どうなるかは別にして。そこの中で、恐らくいろいろ将来についてまちの人たちも話し合いをし、いろんなことを議論をしながら、このまちをどうしようかということを検討しているんじゃないかなと、こういうふうに思うんですね。
 ですから、東京都の全体の中でのこの地域のまちづくり、渋谷区が考えているまちづくり、そして原宿の人たちが考えているまちづくりと十分に整合性を踏まえていくことが、これから大事じゃないかなと思うわけなんですね。これから話し合いをする、また都がプランをつくるという中で、こうしたことを含めて東京都の基本的な姿勢を伺って、質問にかえます。

○矢口参事 今委員のご指摘のように、東京都及び渋谷区の計画がございまして、この地域の将来像が示されているところでございます。本件跡地の利用につきましては、現在検討中でございますけれども、原宿警察署の建てかえ以外に、地域のにぎわいや活性化につながります民間オフィスビル等の建設を予定しているところでございます。
 今後、具体的な検討に当たりましては、周辺環境との調和や地域の活性化に寄与できるよう、施設の配置、建物のデザイン、管理運営のあり方等について十分工夫していきたいというふうに考えてございます。地域住民等関係者にも東京都の考えをお示しするとともに、それらの方々の意見、要望、提案等についても可能な限り取り入れていくよう努めまして、地域のまちづくりと整合するよう、最大限努力してまいります。

○桜井(良)委員 最後ですが、局長、今の答弁でよろしいかどうか。

○安樂財務局長 桜井委員、先ほどの質問の中で、何というんですか、恐らくこういうことを気にされていたんだと思うんですね。区がいっているファッショナブルな生活文化のまちという、そういう計画があると。ここに留置場をつくるといったときに、まちの人たちがまず違和感を持ったのは、こういうものと本当に調和するのかという、そういうこともあって、委員恐らくいわれたんだと思うんですね。
 これはこれから議論する内容だというふうには思うんですけれども、例えば新宿警察も百人規模の留置場があるわけですね。これは外から見たってほとんどそういうことはだれも気がつかないというふうに思うんですが、地域の方といろいろ話している中で、例えばきょうの請願の中にもありますけれども、こういうものをつくることは、教育上問題があるじゃないか、そういうことも請願の中にちょっと述べられているんですね。
 ただ、十二月の定例会のときにも警視総監はこういう答弁をしておられるんですけれども、仮に六百人規模の留置場をつくったときに、例えば護送車とかそういうものの出入りがどうなるのかということを聞かれて、これは朝夕一回ずつ、護送車が大型のものが二台通過するだけだというふうに答弁されているんですけれども、地域の方も、手錠につながれた被疑者がぞろぞろ留置場で、何というんですか、目撃されるような形で、そういうことは教育上もよくないんじゃないか、そういう心配のことも結構いわれたんですね。私たちもいわれているわけで、そうなりますと、もう少し大きくいうと、先ほどのファッショナブルというんですか、一つの文化的なまちだという概念との調和ということがやっぱり問題になっていると思います。
 そういう点については、いろいろ都市計画上の問題もありますけれども、もっと素朴に、建物をどういうふうにデザインするか、それから通路というんですか、そういうものをどういうふうに計画するかということで、ある程度解決の範囲内にある問題じゃないかと思うんですね。ただ、とはいっても、この辺からやっぱり議論を始めるべきだというふうに思っておりますので、そういうことでは、十分な話し合いをこれからもしたいというふうに思っております。

○桜井(良)委員 局長、私の考え方こうじゃないかと。ちょっと違うんですね。私はちょっと違うんです。私は、この問題は、留置場だけに集約して考えていくことも大事かもしれませんけれども、もっと大きな立場で、全体のまちづくりの中で、この土地をどういうふうに利用していくのか、その中でこの問題をどう処理するかということについてしっかり考えてもらいたい。
 そのためにはやはり、鈴木副委員長がおっしゃったように、今後話し合いをし、グランドデザインを東京都はつくるというんですから、しっかりと話し合いを基調にして、納得のいくものをつくり上げていくことが大事だといったのであって、ちょっととらえ方が違うということを最後に申し上げて、私の発言を終わります。

○渡辺委員 この問題については、定例会もございますから、その定例会の中でも、この問題については引き続き取り上げていくということを前提にして、きょうもちょっと質問させていただきたい、こういうふうに思います。
 渋谷区原宿といえば、若者に人気のあるまち、ブティックやファッショングッズ店などが多く並ぶまちでもある。ここに六百人ともいう大規模な留置場を自治体が建設する。前代未聞の話ですよ。こういう計画が発表されたんですが、しかも約束してきた相手方、これは渋谷区ですけれども、何の話もなく、一方的なやり方で発表される。こんなものができたら、原宿駅からの人の流れが変わってしまう、まちのイメージも変わってしまって、イメージダウンにもなる、こういういろいろな意見が出ているんです。
 先ほども出ておりますけれども、この地区は文教地区でもある。近所に小中学校初め幼稚園等々もある。こういうところに何でこういうものを建てなきゃならないのか、何を考えているんだ、こういうような意見が出されておるんですね。これは住民が怒るのも私は当然だと思っています。
 このような区民の東京都に対する怒りが高まる中で、区議会が決議をする、意見書を提出する、こういうことになりましたけれども、この区議会の決議ということに対する重み、これはどのように受けとめておるんでしょうか。

○小野田財産運用部長 渋谷区議会からは、それまでの都と区の話し合い、あるいは平成八年の協議に反するものとして、手続上問題があって、大規模留置場建設構想を白紙撤回するとともに、渋谷区との約束を遵守されるよう強く要請する、このような意見書が提出されたものでございます。
 こうしたことから、都といたしましては、本年一月二十四日に、副知事、財務局長及び私も伺いましたけれども、渋谷区を訪問いたしまして、渋谷区議会議長及び副議長に対して、今後の地元との話し合いに向けた協力要請を行ったものでございます。

○渡辺委員 それは答弁じゃないですよ。私は、出かけていって、それで区長や議長に説明をしたということを聞いているんじゃないんです。その決議の重みはどうなんだ、東京都は重みをどう受けとめているんだ、そのことをお聞きしているんですけれども、もう一度お願いします。

○小野田財産運用部長 そのこと自体を重く受けとめ、したがって、東京都の担当副知事及び財務局長及び担当部長が伺ったというふうに認識しております。

○渡辺委員 これは後でもう一回質問しますけれども、この契約というか約束ですよね、自治体間の約束、この約束を、それはいかなる理由があろうとも、一方的ということについては、これは絶対に受け入れられるわけがないんですよ。だから、それは、事前にこういうふうにしたいんだけれどもどうだろうかという話し合いがあれば、また話は別ですよ。そういうものがない中でのこういう出来事ですから、私は今その問題についてお伺いしたんです。
 しかも、この反対する住民の方々に対して、知事は、地域エゴだと、こういう決めつけをしております。住民の怒りはますます大きくなるばかりじゃないですか。財務当局は、知事と同じように、この地域住民の、渋谷区民の取り組み運動についてエゴだというふうに今でも考えておられるんですか。

○安樂財務局長 知事は、記者会見の席だったと思いますけれども、非常に鋭角的ないい方はしたと思いますが、正式には、この問題について、去年の十二月の定例会で、こういうふうに答えております。留置場の整備については、広く都民全体の安全にかかわる問題であり、今後話し合いの中で、地元には大局的な見地からの判断を求め、理解と協力を得たいと思っていると。
 確かにちょっと刺激的ないい方をしているとは思いますけれども、真意はこういうことでありまして、私も地元の方とお話をした中で、やはりこういうことについてはお互いに話し合っていける--認識的にはですね--と思います。確かに腹が立つような受けとめ方になるかもしれませんけれども、エゴというようないわれ方は。ただ、真意はそういうことです。言葉の使い方でいろいろあると思いますが、都議会できちんと正式にいった立場が知事のいい方であります。

○渡辺委員 先ほどからも誠意を持って渋谷区に話し合いに伺うという話が繰り返し出されています。私、本当に誠意を持って取り組むということであるならば、ことしの一月二十四日、青山副知事と安樂財務局長が渋谷区の区長、議長、住民代表に会いに行ったとき、そのときに持っていった文書、それがここにあるわけですが、この中で、本件土地利用計画に関して、その具現化に向けての検討を行っているところですが、一部報道が先行したこともあり、都の本意が地元に十分伝わらず遺憾に思っていますと。
 一部報道が先行したといわれる日は、昨年の十月二日です。都の本意が十分伝わらずといっているけれども、知事が記者会見で明らかにしたのは、昨年の十一月二日です。この間一カ月ありました。渋谷区に、この一カ月の間に何回足を運んで話し合いをやりましたか。

○小野田財産運用部長 私の記憶するところによりますと、新聞報道は十月十日であったというふうに記憶をしております。その日の午後、住民の方々の会合に私がまず伺って、そこでお話をいたしましたが、そのときに、区の担当の窓口の方が同席をするというような形でおいでになった。そこのところから、今回のところは始まっております。

○渡辺委員 何回行ったか。

○小野田財産運用部長 それ以降、いろいろ区の方とは連絡調整を図っておりますが、正確な回数につきましては、ただいまちょっと手元に記録がございません。

○渡辺委員 その一番最初に行ったというのは、住民の方から呼ばれたんですか、それとも東京都から、それは集まってもらうということでやったんですか。

○小野田財産運用部長 そのとき区の集会施設でたまたま住民の方々の会合が開かれておりました。そこのところに、私どもからご無理をいって出席をさせてくださいという経過で伺って、お話をいたしました。

○渡辺委員 私は、そういうことは一つはあるかもしれませんけれども、引き続いて、新聞報道があって記者会見がある、大体一カ月の間ですけれども、その間に積極的に、渋谷区にお伺いして、そしてその事情というか状況を説明して話し合いを進めていくという、そういうことで誠意が見られるんだったら、私はまだまだ、百歩譲っていいと思います。
 しかし、実際問題としては、それをきっかけにというけれども、その後東京都から積極的に渋谷区に出かけていって話し合うということは、そんなにあるわけじゃない。私からいえば、ほとんどないということですよ。
 ですから、報道が先行したとか都の本意が地元に十分に伝わらずという前に、自分たちが、この土地利用の検討の際、渋谷区と協議しようという、そういう発想というか、手続をとるというか、そういうものをなぜやらなかったのか。これが最大の問題でしょう。ここにやはり私は重大な問題があると思うんです。
 知事は、第四回都議会定例会所信表明で、原案がまとまった時点で、関係者には十分説明したいといいました。これは協議などという発想のかけらもない。この発想というのは、渋谷区や関係住民に計画を押しつけるだけのトップダウン方式以外の何物でもない、こういうふうにいわれたって仕方ないでしょう。その辺についてはどうでしょうか。違いますか。

○安樂財務局長 区へ何回協議に行ったのかということは、回数は問題ではないというふうに思うんですね。水面下ではいろいろな接触をやっておりまして、それを数える数えないの話ではないわけで、我々、この問題が起こってから、東京都としては、地元に一度はきちんと説明させてもらいたいということで申し入れを行っているわけですけれども、いろんな事情がありまして、謝罪が前提であるとか白紙撤回した後でなければ会えないとか、いろんなことがあって今日来ているわけで、東京都が接触を自分から断っているなんということは、これはあり得ない話であります。
 それから、知事が所信表明の中で、計画が決まってからという表現をしておりますけれども、それは、確定したものをという意味ではないんですよね。東京都が何か外部にいう場合に、自分の内部決定をしないで白紙の段階で、跡地の利用についてはいかがいたしますかということは、これはないわけでありまして、行政として一定の方針を決めた上で、それから協議に入るというのは、通常どういう組織でもそういうやり方をしていて、それが、事前に相談がなかったからとか一方的に決めたからということではないと思うんですね。
 お互いに一つの人格を持った組織、団体であるわけですから、まずみずからの内部を決めてからそれを持っていく、その協議の中で、それは結果的にはいろいろ変わることもあるというふうに思います。そういう手続は、何ら私はおかしくないというふうに思っております。

○渡辺委員 局長はおかしくないというけれども、さっきからもいっているように、これは歴史的な経過があるわけなんです。
 これはもう一回質問するということにしておりますが、いわゆる渋谷区と東京都の財務局ですよ、西念財務局長との間でいろいろ話し合いがあった。そして、東京都が渋谷区に対して誓約書、念書を入れているでしょう、具体的に。そういうものについて、白紙に戻すみたいな形で一方的にそれを、何というか、破棄して、そしてこういうものをつくるんだということで内々的に検討して、その方向が大体固まってから渋谷区と協議をする、今の話というのはこういう考え方でしょう。私はそれは違うというんですよ。
 やはり契約があるんだ、誓約書を入れてあるんだ、これが違うんですよ。そういうものがあるんだから、行政間同士の取り決めというか約束事というのはあるわけだから、きちっと文書でもって。だから、それを破るというときには、どんなことがあろうとも、今度はこういうふうなものをつくっていきたいというふうに思っているんだけれどもどうだろうかという、こういう話し合いをやることがやはり一番肝心なことじゃないか。それを抜きにしたら、信頼関係なんかまるっきりなくなってしまいますよ。だから、私はそれをいっているんですよ。
 このようなことは、この問題だけじゃない。限らないんです。嫌なものを押しつけて、ご理解とご協力くださいといわれたって、対等平等の立場に立って話し合いしましょうなんていう話にはならないでしょう、これは。そういう体質というものを私は改善をしてもらいたい。これは強く要求しておきたいというふうに思います。
 先に行きますけれども、東京都はことし一月二十四日、先ほどもいいましたけれども、青山副知事と財務局長が渋谷区に出かけていって、そして区長や議長、住民代表とお会いしたということですが、これは何のために行かれたんでしょうか。

○小野田財産運用部長 訪問の趣旨でございますが、この跡地の利用計画について、現在基本構想の策定に向けての検討を行っているというふうに、先ほど来、るる申し上げているわけでございます。
 ただ、その後のいろいろな経過から、具体的な利用計画が都として決定しているかのような受けとめがありまして、大変地元の方々が心配する事態を招いてしまったわけでございます。
 これまで地元住民団体の窓口に当たる方々と種々お話し合いを行ってきたところでございますが、このたび、今後、都の考え方を正確に伝えまして十分話し合うことができるよう、改めて区長あるいは区議会議長、住民代表等地元に対しまして、円滑な話し合い、公式な話し合いに向けて理解と協力を要請したものでございます。

○渡辺委員 ここに、その文書ですが、日本社会事業大学跡地の利用計画にかかわる地元等との確認、こういうことになっているんですけれども、中身を見ると、地元の皆さんが大変心配する事態となっていることについては、都としても真摯に受けとめ、今後の対応に遺漏なきを期してまいりますということを前半でうたっているわけですけれども、これは渋谷区民に対する謝罪、こういうふうにも受け取れる内容ですけれども、その辺はどうでしょうか。

○小野田財産運用部長 これは都が謝罪するといったものではございません。ただ、この間、都の本意が地元に十分伝わらず大変遺憾であること、住民の方々が心配していることについては真摯に受けとめておりまして、今後の対応に遺漏なきを期していくこと、あるいは地元の意見、要望について可能な限り取り入れるよう誠意を持って対応していく旨の表明を行ったものでございます。

○渡辺委員 そもそもこの問題は、十三年の十一月九日の渋谷区議会の意見書でも明らかにされているように、この社会事業大学跡地に関しては、先ほどもいろいろありましたけれども、渋谷区が国から取得するための協議をしているさなか、平成八年、東京都が阪神・淡路大震災を教訓として、そして東京都独自で都市災害救助隊あるいは原宿警察署等を建設するとの跡地取得後の利用計画が示されたために、渋谷区は跡地取得を断念した、こういういきさつがある。これは意見書にも書かれておりますけれども、そのとおりですよね、これは。
 その際、平成八年の一月二十四日に、神宮前町会連合会会長、同じく原宿地区商店連合会会長あてに、日本社会事業大学跡地の取得にかかわる地元等への調整についてという誓約書を差し入れておるわけです。中身は、利用計画策定に当たり、渋谷区及び区が集約した地元住民等の意見、要望について可能な限り取り入れるよう誠意を持って対応してまいります、こういう内容です。
 同年二月六日、すぐ後ですけれども、今度は小倉渋谷区長から西念財務局長あてに、日本社会事業大学跡地の利用計画についてという六項目の要請書が提出された。これは先ほど来論議されている中身です。
 これを受けて、同日付で西念財務局長から小倉区長あてに、同利用計画についての回答がなされました。この回答は、今後、利用計画策定に当たり、渋谷区及び区が集約した地元住民等の意見、要望について取り入れるよう関係局に伝えるとともに、誠意を持って対応してまいりますという内容のものでございました。
 このような誓約書や回答を出しておきながら、渋谷区に、先ほどもいっているように、何ら相談もなく一方的に計画を変更する、この約束を守らず、どうして一方的にこういうことをやるんですかと、これがさっきから私がいっている内容なんです。
 続けていいますけれども、私は、第四回定例会の代表質問で知事に質問しました。それは何かというと、いわゆる行政の継続性という問題について質問したんです。その中には、先ほども自民党さんの北城さんが出されましたけれども、知事の答弁ですけれども、自治体間で約束を取り交わしていても、時間の経過の中ではそういう約束も変わるんだと、その後についておりますけれども、そういう文言があります。これは私は全然否定するというものじゃないですよ、先ほど皆さんがいっているように。
 しかし、私は先ほどからいっているように、こういう行政間同士の約束事、あるいはまた企業、いろんな団体、そういうところの文書での約束事、こういうものを全く相手方に知らせることなく、しかも相談もすることもなく、事前の話をすることもなく、一方的にそれを破棄してこうしたいんだよという、こういうやり方というのはないんじゃないですかというんです。そのことについて、もう一度お聞かせください。

○安樂財務局長 先ほどから、文書で約束したことを破っているというお話なんですが、これについては、先ほどからも何回もご説明しているとおり、東京都は一定の段階で--その一定の段階というのはなかなか難しいと思いますけれども、少なくとも公にする前に、こういう問題については地元と協議するという、この手順はとるつもりでいたわけです。たまたま今こういう結果になっておりますけれども、それは先ほどからるるご説明しているとおりであります。
 実際に、地元の方々に対して約束している文書というのは、利用計画策定に当たっては地元の要望に誠意を持って対応するという、こういう趣旨の内容なわけですね。別にこれについて、たまたま事前協議がこういう形でできてないという形にはなっておりますけれども、少なくとも東京都はまだ正式に計画も発表していないわけですし、しかるべき段階での事前の協議をするということについては、我々は約束を破ったというふうには思っていないんですね。
 それともう一つの、渋谷区からの六項目の約束に反しているということなんですが、この六項目というのは非常に具体的に書かれているわけですね。
 例えば周りの緑は保存してくれとか、それから周辺の道路については、これを確保してくれというような内容のものであります。これは、この利用計画を実際に事業化するときに、こういう要望を入れてくれという話であります。
 これについても、少なくとも我々、シミュレーションの中ではほとんどが可能であるという結論を出しているわけです。ただ、これをまだ東京都の計画として正式に発表してないために事前協議という形になっていないだけの話でありまして、決して約束を破っているということでは私はないというふうに思っております。

○渡辺委員 約束を破っていないというそういうとらえ方、これは、局長は重大な問題を、そういう約束を破ってないということでごまかしている。
 例えば、この文書を取り交わしたときに、今度計画されている大規模な留置場計画なんて入っていましたか。全く入ってないでしょう。こういうものは一切白紙、何もないんです。ただあそこにある六項目、この六項目を、先ほどいった災害時、東京都が取得に当たっての、いわゆる何というんですか、目的にする内容ですね、こういうもの以外、そういうものをつくる、それに対して地元住民から、あの六項目のものを取り入れてくださいよと、こういう内容でしょう。積極的にそれは取り入れましょうという、こういう話ですよね。これが文書で取り交わされて、それでもって、今回の内容というのは、その六項目は取り入れられるかもしれないけれども、しかし大型留置場という、そういう新しく出たものもその中に今度は入れさせてもらいますよと。全然違うじゃないですか、中身が。全然違う、それは。
 例えば、私と局長が文書でもって約束事を取り交わした。約束事を取り交わしたのに、相手に何の連絡もしないでそれを破棄して、ほかのものと変えてしまうということになったら、私だって怒るけれども、局長だって怒るんじゃないの、そういうのは。それは個人と個人との約束だって同じですよ。
 東京都と渋谷区が文書でもって取り交わした合意というか約束、こういうものが、先ほどいったように、結んだ時点と今日の時点では全然違う、中身が。それを約束破ってないなんていうのは、東京都の計画に従いなさい、こういうものでしかないじゃないですか。そんなこと許されるものじゃないですよ。もう一遍答えてください。

○安樂財務局長 大規模な留置場の建設については新しい要素なので、ですから、計画が定まった一定の段階で、これは事前の協議をしますと、新しいことですから、そういうふうに申し上げている。それがたまたま途中過程でこういう形で報道されているので、今の混乱になっている。そういうことについては、我々も遺憾の意を表明する文書を、この間持っていったわけです。ただ、こういう新しい要素については、これから十分話し合い、協議をさせてくださいということを同時に申し込んでいるわけで、別にそんなに約束違反の問題ではないと思うんですね。
 それから、渋谷区の六項目というのは、緑の問題とか、非常に具体的な内容ですので、ですから、これについては、これから計画の中で十分話し合ってやっていく問題で、これについて何か約束に反しているということは私はないというふうに思っております。

○渡辺委員 くどいくどいということになるから、これでこれは終わりにしますけれども、いずれにしても、先ほどからいっているように、確かに渋谷区の六項目というのは具体的な問題。これは、仮に大規模な留置場を建設するということが決まったとしても、そういうものは取り入れるということはできるかもしれない。それは規模の強弱はあるかもしれないけれども。
 しかし、問題はそこのところをいっているんじゃないですよ。平成八年のときに約束したいわゆる文書、この内容というのは、大型留置場の建設などというのは、ゆめゆめだれだって思っていないんだから。そういうものは全くない、それが前提の合意文書なんですよ。
 それをここへ来て、今度は大規模留置場をつくりたいと。それを最初から当事者に話をするんじゃなくて、ある程度議論をして煮詰まった段階で、大体固まった時点で相談をして変更してもらう。これは違うといっているんです、私は。そういう重要な文書、取り交わした合意文書があるんだから、それに基づいてやるということだったら、最初から具体的な相談というか協議というか、そういうものがあってしかるべきだ。それを私は、くどいようですけれども、申し上げているところなんです。
 ちょっと次へ、時間もありますから。
 それで、いずれにしてもそういう状況の中で、住民の皆さんが、そしてまた区や区議会の皆さんが意見書を出す、あるいは要望書を出す、何回も東京都に足を運んでくる、そういう状況になってきたら、先ほど来の話ですけれども、副知事と財務局長が八年に約束した文書と全く同じものを持っていく。これは、私ちょっとここを読んで本当に驚いたんですが、今後の問題で、本件土地の利用計画策定に当たっては、今後とも区、区議会並びに区が集約した地元住民等の意見、要望について可能な限り取り入れるよう誠意を持って対応してまいります--どこが変わっているのか、平成八年のときの文書と。
 変わっているといったら、区議会が入っているだけです。区議会が意見書を上げたからね。前回は区が対応していたから。だから、区議会を入れただけの話ですよ。これを持っていって、そして、先ほどの話じゃないけれども、説明をさせてもらう、今後の協議をさせてもらうということで行ったというんでしょう。ということは、八年前の文書と同じものを持って行ったということは、八年前の立場に立っているということじゃないですか。違いますか。

○安樂財務局長 それはまさに、平成八年のときの約束に違反しているんじゃないかということが問題になっていたので、それについては約束をお守りしますと。それは東京都としては再確認の意味ですけれども、もともと約束を破るつもりはありませんので、再確認の意味で文書を持って行っているわけで、それは変わりようがないというふうに思いますが。

○渡辺委員 何をいっても、それは受け入れるという状況じゃないとは思いますが、留置場計画の全くなかった八年当時の誓約書の回答そのままの文書で渋谷区に出かけて話し合いをしたことは、私は平成八年当時に立ち戻ったということでしかないということで理解をしておきたい。
 いずれにしても、その立場から、渋谷区、区議会挙げて都に対して繰り返し強く要望されていることを強く重んじて、そして東京都は行政の継続性という問題を尊重して、渋谷区民を初めとした都民の負託に積極的にこたえるべきだということを、これは強く要望しておきたいというふうに思います。
 それからもう一つ違った角度で申し上げたいと思いますけれども、今なぜ大規模留置場か、なぜ必要なのか、これが問われておるわけですね。知事は、大規模留置場建設の理由に犯罪者の急増を挙げています。私は、大規模留置場など全く必要のない立場から、若干質問したいと思っています。
 現在、東京都内の留置場の数と留置人の数、これを教えていただけますか。

○小野田財産運用部長 現在、都内におきます留置場の数は百一でございます。留置人の数でございますが、平成十三年十二月末現在におけます都内留置場の一日当たりの平均留置人員は、二千四百九十人でございます。

○渡辺委員 留置場の数をいうと、分室というのもあるそうですから--百十カ所らしいですけれども。留置場の実人員だけを見てみますと、今ご答弁ありましたけれども、留置人が二千四百九十人。それで、留置場の適正定員というのがあるんだそうですけれども、これは留置場の留置定員の約八割ということで押さえているそうですが、二千百九十三人だそうです、適正定員というのが。そうすると、東京全体の留置人、そして留置適正定員、この間の差というのが二百九十七人出てきます。この二百九十七人というのは、いわゆる留置場不足で、この二百九十七人はどこへ留置させるかという話になる。浮いているわけじゃないですけれども、そういう計算になるということがいわれています。
 今そういうことでご答弁ありましたけれども、この中で、本来拘置所に留置、何というんですか、とめ置かなければならない人というんですか、こういう人は何人入っているかということはわかりますか。

○小野田財産運用部長 警視庁の調べによりますれば、平成十二年度の実績で、勾留請求するまでの三日間の留置者の割合は、全体の留置人員の約七%でございます。また、勾留状が発布され、延長期間も含めて最長二十日間勾留されている者の割合は、全体の約三三%でございます。さらに、公訴を提起され、被疑者から被告人となった者の割合は、全体の約六〇%になっております。

○渡辺委員 私は私で独自にちょっと調べました。私たちが調べた内容を、その数をちょっとこちらから申し上げたいと思うんですけれども、これは警視庁から調べました。
 先ほどいった二千百九十三人が適正人員、そして留置人は二千四百九十人、こういうふうになっています。現在、この二千四百九十人の中から拘置所にとめ置いておかなければならない人というのは四百七十人いると。先ほど、二百九十七人がいわゆる留置場不足だ、こういうふうにいいました。しかし、二百九十七人、留置場が不足しているんですけれども、拘置所に移送するというか、こういう人が四百七十人いると。拘置所があればそっちへ行くわけですから、そうすると、この二百九十七人というのは、マイナスにはならないということになるわけですね。
 それで、先ほどいわれましたけれども、もう一つ私申し上げておきたいと思うんです。これも警察庁の資料ですけれども、先ほどもちょっとお話、パーセントで出ましたけれども、留置場使用状況という資料があるんです。そこを見ますと、これは東京の警視庁関係ですが、この数字というのは、留置場だけでなく拘置所も刑務所も入っています。そして、これからいう数字というのは延べ人員で数えられています。ですから、一人が十日間留置されると十人という、そういう勘定になります。
 その数字がこの資料に載っかっているわけですけれども、数字を申し上げますと、これは十二年の資料ですが、東京全体で八十六万二千三百五十一人。このうち被告人、受刑者、こういう人など留置場以外で勾留されなければならない人、これが五十一万八千九百二十五人いる。実に全体の六割が、拘置所あるいは刑務所、そういうところに入っていなければならない人たちだと。ですから、何といいますか、拘置所というものがもっとふやされるということであれば、留置場そのものをふやす必要は全くないということがいえるんじゃないかというふうに思います。
 それからもう一つ、これは私が第四回定例会でもいいましたけれども、東京拘置所、これが現在建てかえ中でありますけれども、二〇〇四年の三月には完成します。ここで八百人以上の収容人数がふやされる。そういうことになれば、大規模ないわゆる留置場建設というのは必要なくなってくるのではないかというふうに思います。
 そこでお聞きしますけれども、留置場と拘置所の違い、これをちょっと聞かせてください。

○小野田財産運用部長 基本的な位置づけといたしまして、留置場は逮捕した被疑者を留置する場所でありまして、警視庁等、都道府県警察が所管いたします。拘置所は、主として刑事裁判が確定していない未決拘禁者を収容する施設でございます。刑務所は刑が確定した受刑者を収容する施設でありまして、いずれも法務省が所管するものでございます。

○渡辺委員 そのとおりで、刑事訴訟法あるいは監獄法の原則というのは、留置場は三日間、七十二時間の勾留となっている。これはいうまでもありません。ところが、裁判所での勾留決定後は、被疑者の身柄拘束場所は本来拘置所でなければならない。それが、拘置所でなく警察の留置場を勾留場所としているから大問題なんですよ。そういう留置場というものを私たちは代用監獄と、こういうふうに呼んでおりますけれども、警察の留置場での留置人の一人当たりの平均留置日数、これもまた留置場不足をつくり出している一つの要因でもある。
 この留置日数というものは、警察のデータから見ると、東京の場合は一人平均三十六日間、こういうことになっている。全国平均は二十五日間ですから、全国平均よりも大きく上回っている。ですから、このように留置場の留置人は、その多くが拘置所送りの人たちだということははっきりしていると思うんです。留置場というのは代用監獄ではないんですから、留置場がいっぱいだから留置場をつくればいいんだ、あるいはふやせばいいんだということにはならないというふうに思うんですね。
 今必要なことは、大規模な、今回計画されているようなああいう留置場、早くいえば、留置場というよりも代用監獄といった方がいいかもしれません。そういうような留置場をつくるなどというよりも、むしろ拘置所をつくる、あるいはそういうものを拡充する、こういうことで国に積極的に東京都は働きかけるべきだというふうに私は思うんですけれども、そういう国の責任というものを全うするように、東京都が本当に強く要求するというのが本来の筋じゃないかというふうに思うんですけれども、その点はどうでしょうか。

○小野田財産運用部長 警視庁によりますと、機会あるごとに、国に対しまして、拘置所の増設というようなものを要請しているというふうに聞いております。現に東京拘置所、先ほどお話にもございましたけれども、新たな改修工事が計画されておりまして、新規に八百人程度の収容が可能となるというふうに聞いております。そのうちのかなりの分が東京都分として、留置場から新たに移監になる可能性が高いと聞いております。

○渡辺委員 最後にしますけれども、今警視庁が国に要求しているということでありますけれども、これは要求しているということだけではなくて、都知事みずから要求するということにしていかなければいけないというふうに思いますね。
 だから、大規模な留置場をつくるということでなくして、本来、国が責任を持って拘置所というのはつくるべきなんだから、そういう点では、国の何かお先棒を担ぐみたいな形で大規模な留置場をつくるということは本末転倒だ、ましてや地方自治体がやるべき内容じゃないというふうに、私ははっきり申し上げておきたいというふうに思います。
 今、留置場の問題、話しましたけれども、少し前の話になりますけれども、留置場が代用監獄となっていることから、法務省と警察庁は、拘置所をふやすということでなくして、安易に警察の留置場を正規の拘置所に格上げしたい、こういうことで法的にも承認をさせようとして、警察拘禁二法案の国会成立というものをねらった時期がありました。
 これは、日本弁護士会初め多くの団体や国民の強い批判の中で、国は取り下げざるを得なかったのでありますけれども、この代用監獄問題については、これは国の方ですけれども、昨年の三月に司法制度改革審議会の第五十三回審議会が開かれました。この審議の中でも、どういうものが今論議になっているかというと、例えば審議委員から、代用監獄は国際的にも多くの批判を受けている、警察としてはこれを廃止する考えはないか、こういうふうな質問が出されました。これに対して警察庁はどう答えているか。警察庁も、代用監獄をなくしてすべて拘置所に留置するということも制度論としては考えられる、こういうことで認めている。さらに、警察の対象となっていない収容者が二割近くもいるため、業務負担もあり、何とか拘置所を拡充してほしい、審議会でこういうふうに述べている。そういう状況が今あるんです。
 だからこそ、警察庁もこのような立場にあるんですから、留置場をふやす、そういうことではなくて、しかも大規模留置場をふやす、こういうことではなくして、拘置所をまずふやす、ふやさせるために知事や財務当局もその先頭に立って努力するということが筋だというふうに私は思います。
 まして、財政的に厳しい厳しいといって、福祉や医療など身近な都民施策をばっさり打ち切っておきながら、その一方で、大かがりな金をかけて、しかも国のかわりになってといってもいいと思いますが、大規模な留置場を都がみずから買って出るなどというのは許されるものではない。大規模留置場建設計画は白紙に戻して、渋谷区民の要望にこたえ、そしてまた東京都民の負託にこたえる、その先頭に立つべきだということを強く要望して、私の質問を終わります。
 以上です。

○藤田委員 もうほとんど出尽くしてしまいましたんですが、先ほどまさに局長がおっしゃったように、なぜ大規模なのか、なぜ原宿なのか、そして留置場の影響はどうなっているのか、このことが問題だというふうに私も思います。
 それから、もう一点は、私たちはいつもいっているんですが、要するに政策決定過程をもう少し公開しなさいよと。まして、都市計画のところでは、都市計画法の改正で、マスタープランづくりは市民が参加をしなさい、そういうふうにいっている。住民参加でまちづくりをしなさいといっているわけですから、渋谷のこの土地も、もちろん東京都の土地ではありましょうし、東京都が必要なものを行政の中で全体で考えていくということはあったにしても、やはりここのところは、まちづくりの観点から考えれば、今都市計画の中でいろいろいわれている総合環境アセスのように、A、B、C、そしてノーアクション代替案を出していくという中で、このまちづくりのことをきちっと提案をしていくというこのプロセスがないから、いつもいつも、何か出されると住民は反対という立場になってしまう。だから、請願もいつもそういう状況になっているかと思いますけれども、それではやはり解決が、これからはついていかないというふうに私は思うんですね。
 先ほども局長は、ある程度の案を出さなければというんですけれども、すごく極端ないい方をして申しわけないんですけれども、今はもう地域住民も非常にまちづくりに関してはいろいろなことを実践もしておりますし、公だけが物を考える時代ではなくなっているはずだと思うんです。皆さんから徴収した税金を自分たちだけが使うというこの考え方は、やはり改めていただかなければいけない時代に入っていると思います。
 ですから、この土地をどうしようかといったときに、国との契約の中でも、こういう条件で売りますよというふうになったときに、この三つのものが入ってきたと思います。そうしたときに、原宿署の移転のことに関しては、住民の方々もそれは納得をしているというようなことでありましたから、そのときに、さっきお話ししたような、なぜ大規模なのか、なぜ原宿なのかという、そういうことだと思いますので、ぜひ原点に立ち戻っていただいて、住民参加をして都市計画をやっていくということを、まず要望をしておきたいと思います。
 それで、大規模あるいは相当規模のというふうにあるんですが、実は十四年度の重要施策にも、それから先ほどの予算の概要の中にも、原宿警察署、それから増員を図りますとあるんですが、相当規模のというふうに出てきたのは、どういうところからそれが出てきたんでしょうか。

○小野田財産運用部長 先ほど来お話し申し上げておりますとおり、喫緊の留置場不足状況、それから原宿警察署の建てかえ、それから同地の面積、立地条件、このようなことから、できるだけ早い時期に問題の解決を図っていきたい、こうしたことから、ここの相当規模という問題を意識しているわけでございます。

○藤田委員 今、代用監獄の話がありましたけれども、警視庁の方に聞いても、やはり玉突き状態で、刑務所が足りない、拘置所が足りない、だから留置場の中にとめ置くというような、この流れの中である問題でありますので、先ほど来いろいろお話がありましたから、それは省きますけれども、実際には、本来、ここに原宿署を移転して留置場をつくるというのと、大規模にしなければいけないというのは、ある意味ではもうちょっときちんと別に考えて、本当に留置場が必要なのかどうかを、もう一遍その辺はきっちりと議論をしていただきたい部分だというふうに思います。
 それで、なぜ原宿なのかという話なんですけれども、これは質問をしないというような話をしてありましたので、私が勝手にいっちゃいますけれども、何で原宿でなくちゃいけないのかな。
 例えば新宿は、百、留置場があるというふうにいっていらっしゃいましたけれども、どこか都内の遠くの、名前をいってしまえば、例えば青梅の方とか、こんなことをいったらいけないんですけれども、向こうの方にあったとしたらどうなのかというふうに、土地の大きなものがあるというふうに仮定してですけれども、そうすると、調べるために往復非常に時間がかかって、そういうロスはしたくないというようなお話でした。
 ですから、ある意味では都内の便のいいところにというようなお話だったんですが、実は、今、第一庁舎と第二庁舎の空きスペースの状況をちょっと聞いてみました、庁舎管理の中で。そうしましたら、第一本庁舎の方は三百五十平米ぐらいで、第二本庁舎の方は、四月一日の予定ですけれども、千二百三十平米だということで、余りにも突拍子もないことを私がいったものだから、ちょっと局の方はびっくりしちゃったようですけれども、今ちょっと表にそれぞれ出先がありますから、賃料を払っているところが入ってくるというのが原則だと思います。
 そういう意味でいえば、今一人当たり非常に劣悪な状況の中で代用監獄になっているみたいで、二・五平米となると、この中で四百九十二人が可能になってしまうというような、そういう状況もありまして、だから、なぜ原宿なのかというようなことを考えると、もう少しその辺は、本当にその量が必要なのかどうかも含めて、これも何もかもこれからの話だというふうに思いますので、ぜひテーブルに着いていただいて、そしてそこの数も含めて、これから何も、それこそ原宿に置くのが、住民のエゴだといったら、都庁に置きたくないといったら、そんなこというんじゃないというふうにいえると思いますし、そういうことから考えると、それもこれも含めて、ぜひ住民参加の中で渋谷区と窓口をきちっとつくって、そして誠意を持って、初めから、必要なものはこういうものだと思っていますという中で話し合いを進めていただきたいと思っています。
 ですから、まちづくりの中で考えれば、予算がこのくらい、こういうものは入れたい、そして渋谷区の要望がこうだというふうになれば、端と端の人は大体切られるので、だんだんだんだん集約して、そんなに突拍子もないことは出てこないわけでありますから、ぜひそういう意味では、丁寧な、住民参加の中で議論をしていっていただきたいと思います。まず最初だと思っていますので、これからの議論をきちっとまちたいというふうに思っています。要望して終わります。

○大西委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。

○渡辺委員 動議を提出したいと思います。
 ただいま議題となっております請願につきましては、各会派の皆さんがそれぞれ紹介議員になっていただいているということもありますから、ぜひひとつ採択ということで賛同をいただきたくお願い申し上げたい。ぜひ採決をしていただきたいとお願いいたします。

○倉林委員 ただいま動議が出ましたので、私の方からも動議を出させていただきます。
 ただいま議題となっております請願については、先ほどから質疑を通しておわかりのとおり、まだまだ十分質疑する内容があるだろうと思いますので、さらに調査をしていくべきだ、こう思いますので、本日のところは保留とされますように望んでおきます。

○大西委員長 ただいま渡辺理事から採択を求める動議が、また、倉林理事から保留を求める動議が提出されました。
 まず、倉林理事の動議から、起立により採決いたします。
 倉林理事の動議に賛成の方は、ご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○大西委員長 起立多数と認めます。よって、請願一三第一七五号及び一三第一七六号は、いずれも本日のところは保留といたします。

○大西委員長 次に、一三第二四三号、警視庁中央警察署跡地の利用に関する請願を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○小野田財産運用部長 ただいま議題に供されました請願一三第二四三号、警視庁中央警察署跡地の利用に関する請願につきましてご説明申し上げます。
 この請願は、日本橋六の部連合町会会長成川孝行氏から提出されたものでございます。
 請願の趣旨は、警視庁中央警察署跡地の利用計画に関し、一、地元振興のための施設を計画に入れること、二、地元コミュニティの育成のための施設を計画に入れること、三、防災材料倉庫の整備を計画に入れることを実現していただきたいというものでございます。
 中央警察署跡地は、平成十二年十二月に財務局へ引き継がれた後、地元の中央区に対して、地域施設需要などを踏まえた土地の取得意思を照会いたしましたが、昨年十一月に、その意向がない旨の回答を得たところでございます。
 今後、本件地につきましては、売却も含め、都として適切な財産の利活用策を検討してまいります。
 説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○大西委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○渡辺委員 一言だけ申し上げたいと思います。
 利活用について中央区に問い合わせたところ、中央区としてはその計画はない、こういう話ですけれども、確かにそういうことだと思うんです。中央区としてみれば、財政的には大変だと思いますよ、これだけの用地を買収するというのは。ですから、そういう点で理解できます。
 しかし、ここに書かれておりますように、地元の振興のための施設あるいは地元コミュニティ育成のための施設、それから防災材料倉庫の整備、こういうものを東京都がこれからどうするかということはひとつ、これからだと思いますけれども、東京都が仮に利活用するということでみずから何か計画するということであれば、できるだけそれの中にこういうものを取り入れていくというか、支援していくとか、そういうことを十分考えていただきたい、こういうようなことをお願いしたいというふうに思うんです。
 そういう点で、私は、趣旨採択ということでも結構ですけれども、採択をお願いしたい、こういうことです。

○大西委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 今の、動議でいいですか。

○渡辺委員 動議にしてください。(「動議なら動議といってもらわないと」と呼ぶ者あり)今の、採択の内容で動議とさせていただきます。

○倉林委員 ただいま動議が提出されましたので、私の方からも動議を提出させていただきます。
 ただいま議題となっております請願につきましては、さらに調査を必要といたしますので、本日のところは保留とされるよう望みます。

○大西委員長 ただいま渡辺理事から採択を求める動議が、また、倉林理事から保留を求める動議が提出されました。
 まず、倉林理事の動議から、起立により採決いたします。
 倉林理事の動議に賛成の方は、ご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○大西委員長 起立多数と認めます。よって、請願一三第二四三号は、本日のところは保留といたします。

○大西委員長 次に、一三第二五四号、旧江東清掃工場跡地へのサッカー場等建設のための土地利用に関する請願を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○小野田財産運用部長 ただいま議題に供されました請願一三第二五四号、旧江東清掃工場跡地へのサッカー場等建設のための土地利用に関する請願につきましてご説明申し上げます。
 この請願は、江東区サッカー連盟理事長上田崇雄氏外千七百四十七名から提出されたものでございます。
 請願の要旨は、江東区内の小学生、中学生を初めとしたサッカー愛好者が利用できるサッカー場及び幅広いスポーツ愛好者の利用に資するスポーツ・ケア・センターを建設するため、旧江東清掃工場跡地を江東区へ移管または民間へ提供していただきたいというものでございます。
 旧江東清掃工場跡地は、平成十五年度を目途に、警視庁及び消防庁の訓練場として活用を予定しております。これは、現在江東区豊洲に所在いたします警視庁及び消防庁の訓練場が、土地区画整理事業の進捗によりまして、当該地への移転が必要となるためでございます。
 なお、訓練場として利用されるまでの間、敷地の約半分を三宅村住民の安定雇用の創出及び帰島時の円滑な農園芸の復興のために、昨年十一月から、三宅村に対しまして、苗木等の仮圃場用地として一時貸し付け中でございます。
 説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○大西委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○渡辺委員 採択の意見を述べて、動議とさせてもらいます。
 今いろいろ話がありましたけれども、スポーツ・ケア・センターを建設したい、こういうことですけれども、これに限らず、どこの区市町村でもそうだと思いますが、スポーツ団体というのはたくさんあるわけですよね。しかし、公共的な、しかも多くの人たちが利用できる空き地というのはなかなかないということで、非常に苦労しているというのが実態ですよね。
 そういう中で、この清掃工場の跡地、こういうところをぜひ利用したいという気持ちは十分にわかるわけです。その半分、三宅島の農園に貸しているということでありますけれども、三宅でもいつ帰れるかわからないということは今のところありますけれども、仮に帰島が早まって帰るということができれば、その後はあくということもありますね。
 そういうようなことで、これは江東区へ移管ということについては、これは有償なのか無償なのかわかりませんが、いずれにしても移管してほしいと。それから、民間に提供してほしいというようなことで、いろいろあります。内容については、十分これからもそういう点で検討をしていただければありがたい、こういうふうに思っているところです。
 よって、この請願についても採択を主張して、動議にかえたいというふうに思います。

○倉林委員 今動議が出ましたので、私の方も動議を出させていただきますけれども、余りこういうので動議を提出し合うというのはどんなものかなという、私は個人的に思いがありますけれども、出てまいりましたので、議題とさせていただきますが、請願につきましては、本日のところは保留とされますよう望みます。

○大西委員長 ただいま渡辺理事から採択を求める動議が、また、倉林理事から保留を求める動議が提出されました。
 まず、倉林理事の動議から、起立により採決いたします。
 倉林理事の動議に賛成の方は、ご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○大西委員長 起立多数と認めます。よって、請願一三第二五四号は、本日のところは保留といたします。
 以上で請願の審査を終わります。
 以上で財務局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後五時九分散会

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