委員長 | 遠藤 衛君 |
副委員長 | 松原 忠義君 |
副委員長 | 大木田 守君 |
理事 | 西条 庄治君 |
理事 | 古館 和憲君 |
理事 | 大西 英男君 |
鈴木貫太郎君 | |
野田 和男君 | |
星野 篤功君 | |
山本賢太郎君 | |
松村 友昭君 | |
桜井良之助君 | |
渡辺 康信君 |
欠席委員 なし
出席説明員財務局 | 局長 | 木内 征司君 |
技監 | 畑野 喜邦君 | |
経理部長 | 碇山 幸夫君 | |
契約調整担当部長 | 中村 忠夫君 | |
主計部長 | 成田 浩君 | |
財産運用部長 | 橋本 剛君 | |
地域整備担当部長 | 菊地 睦郎君 | |
庁舎管理部長 | 川島 英男君 | |
営繕部長 | 野本 孝三君 | |
参事 | 岸野 勇君 | |
出納長室 | 出納長 | 佐々木克己君 |
副出納長 | 三宅 亨君 | |
副出納長 | 道本 佳治君 |
本日の会議に付した事件
出納長室関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 平成十三年度東京都一般会計予算中、歳出 出納長室所管分
付託議案の審査(質疑)
・第五十二号議案 東京都収入証紙条例の一部を改正する条例
財務局関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 平成十三年度東京都一般会計予算中、予算総則、歳入、歳出 議会局・財務局所管分、都債
・第十四号議案 平成十三年度東京都用地会計予算
・第十五号議案 平成十三年度東京都公債費会計予算
付託議案の審査(質疑)
・第四十七号議案 東京都政務調査費の交付に関する条例
・第四十八号議案 東京都多摩ニュータウン事業会計条例
・第四十九号議案 東京都地方公営企業の設置等に関する条例の一部を改正する条例
○遠藤委員長 ただいまから財政委員会を開会いたします。
本日は、お手元配布の会議日程に従いまして、出納長室、財務局の順に予算調査及び付託議案審査を行いますので、ご了承願います。
予算の調査について申し上げます。
平成十三年度予算につきましては、予算特別委員会に付託されておりますが、本委員会所管分につきまして、議長から調査依頼がありました。
公文の写しはお手元に配布してございます。
朗読は省略いたします。
平成十三年三月十六日
東京都議会議長 渋谷 守生
財政委員長 遠藤 衛殿
予算特別委員会付託議案の調査について(依頼)
このことについて、三月十六日付で予算特別委員長から調査依頼があったので、左記により貴委員会所管分について調査のうえ報告願います。
記
1 調査範囲 別紙1のとおり
2 報告様式 別紙2のとおり
3 提出期限 三月二十三日(金)午後五時
(別紙1)
財政委員会
第一号議案 平成十三年度東京都一般会計予算中
予算総則
歳入
歳出
都債 財政委員会所管分
第三号議案 平成十三年度東京都地方消費税清算会計予算
第十四号議案 平成十三年度東京都用地会計予算
第十五号議案 平成十三年度東京都公債費会計予算
(別紙2省略)
○遠藤委員長 これより出納長室関係に入ります。
予算調査及び付託議案審査を行います。
第一号議案、平成十三年度東京都一般会計予算中、歳出、出納長室所管分及び第五十二号議案を一括して議題といたします。
本案につきましては、既に説明を聴取しております。
その際要求しました資料は、お手元に配布してございます。
資料について理事者の説明を求めます。
○三宅副出納長 先般の委員会におきまして要求のございました資料につきまして、ご説明申し上げます。
お手元の資料をごらんいただきたいと存じます。
一ページ目が要求資料第1号、主な金融機関の再編、以下、二ページ目が銀行の株式保有制限、三ページ目がペイオフ解禁に向けての対応状況、四ページ目が口座振込手数料の一覧でございます。
まず、一ページ目をごらんいただきたいと存じます。みずほフィナンシャルグループを初めとする、いわゆる四大グループと呼ばれる金融機関の再編状況を図示してございます。
最上段のみずほフィナンシャルグループの図をごらんください。左側にございますように、現在、富士銀行以下三行が持ち株会社みずほホールディングスの傘下に入っております。今後は、右側にございますように、二〇〇二年四月に三行が吸収分割され、新たに、みずほ銀行及びみずほコーポレート銀行が設立される予定でございます。
以下、同様に他の三グループにつきまして、その再編予定をお示ししてございます。
次に、二ページ目をごらんいただきたいと存じます。銀行の株式保有制限につきまして、独占禁止法及び銀行法の規定の要旨とその概略を図示してございます。
独占禁止法には、銀行など金融業を営む会社は他社の株式総数の五%を超えて所有できないとされる、いわゆる単体の五%ルールの規定がございます。また、銀行法には、銀行またはその子会社の合算五%ルールと、銀行持ち株会社またはその子会社の合算一五%ルールの規定がございます。
次に、三ページ目をごらんいただきたいと存じます。ペイオフ解禁に向けての対応状況でございます。
現在は預金の全額が保護されておりますが、来年四月にペイオフが解禁されますと、金融機関が破綻した場合、公金預金につきましても、元本一千万円とその利息しか保証されなくなります。
都は、昨年六月に研究会を設置し、自己責任に基づく対応策の検討を行ってきておりますが、その主な検討内容を記載してございます。また、本年一月には国の研究会の中間整理が公表されており、その骨子を記載してございます。
最後に、四ページ目をごらんいただきたいと存じます。富士銀行外二行におきます一般の利用者に対する口座振込手数料の一覧でございます。
都民の方などが各銀行におきまして、ATMを利用して振り込みを行う場合と、窓口で振り込みを行う場合、それぞれの手数料についてお示ししてございます。
以上、簡単でございますが、資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○遠藤委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料とあわせて、本案に対する質疑を行います。
発言を願います。
○松原委員 東京都には用品制度という独自の制度がありまして、環境問題にも積極的に取り組んでいると聞いていますけれども、本日は用品制度と環境問題との関連などについてお尋ねいたしたいと思います。
知事は、今回の都議会の冒頭での所信表明で、新世紀の展望と東京の役割について述べていました。その中で、人類が目指すべき新しい社会は、地球と共存しながら合理的成長を持続する自律型文明社会である、それは環境革命を通じて成立すると、非常に作家的な感性を持っていっていたのが大変印象的でありました。
東京都は、都内における最大の事業者でもあります。特に、十九万人という都庁職員がいるわけであります。また、同時に消費者であるという両方の立場があります。六兆二千億という一般会計だけでも大きな、一年一年使っていく、そういう立場にあるわけでございます。そのために、環境に配慮したものを利用して、環境対応製品を購買するなど、普及を促進していくことが大変大事であるというふうにとらえております。
ところで、用品制度というのは一般的にはなじみのない制度なんですけれども、まず、その概要についてお尋ねいたしたいと思います。
○三宅副出納長 用品制度の概要でございますけれども、用品制度は、都庁の各職場、本庁だけではなく、約一千の事業所まで広く共通的に使用する事務用品などを大量に一括して購入し、各職場で必要なときに必要な量を安定的、安価に供給をする制度でございます。この制度におきましては、文房具、複写機用紙、トイレットペーパー、蛍光ランプ、燃料油、什器など、百十品目を用品として指定し、各職場へ供給をしております。
現在、用品制度では、東京都用品調達基金を設置して運営しておりまして、これによりまして、予算の枠にとらわれず、臨時的、突発的に生じた需要にも迅速に対処することができるとともに、用品に関する会計事務処理をも大幅に軽減することができるものでございます。
○松原委員 都に用品として納入されるものは実にさまざまなものがありまして、また、その額も大変な額になると思いますけれども、用品制度の効果といいましょうか、今日的メリットについて具体的に説明してほしいと思います。
○三宅副出納長 用品制度のメリットといたしましては、第一に、大量一括購入のため、事務用品などが安定的、安価に購入できますことから、物品購入経費の節減が図れることでございます。具体的には、市価と比べますと半値に近い価格で購入しておりまして、人件費などの運営経費を加えましても、相当程度安くなっております。
第二に、各局事業所にとりましては、通常の物品購入に必要な契約事務を要しないことから、事務負担が大幅に軽減されることでございます。さらに、文房具等につきましては、本庁では翌日、事業所でも翌々日までには届くシステムをとっておりまして、各局事業所にとりまして利便性が高いものとなっております。
第三に、大量一括購入を行う用品制度を利用して、グリーン購入を推進することによりまして、環境に配慮した社会を実現するための都庁からの率先行動を起こすことができる、こういったメリットもございます。
○松原委員 都庁においては、地球をまもる都庁プランの策定についてというんでしょうか、都庁のすべての職員が環境配慮の視点を持ちながら事務事業を推進していくための実行計画として、地球をまもる都庁プランというものを策定されておりますけれども、この用品制度では環境問題にどのように取り組もうとしているのか、お尋ねいたします。
○三宅副出納長 いわゆるグリーン購入法が、この四月から施行されます。東京都におきましては、平成元年に地球環境問題の取り組み方針の策定と軌を一にしまして、省資源・リサイクルの立場で用品をしてきておりまして、法に先駆けて、用品制度によりグリーン購入を積極的に推進してきたところでございます。とりわけ古紙配合率の高いトイレットペーパーや複写機用紙、また、再生材を使用したボールペンの採用につきましては、早くから取り組んできたところでございます。平成十一年には、東京都の用品におけるグリーン購入推進指針を策定しますとともに、平成十四年三月までにグリーン購入率を七〇%とする目標を設定したところでございます。
グリーン購入率の実績は、十年度末では三五%でございましたが、本年二月末には六四%となっております。今後とも、目標の達成に向けて努力をしていくつもりでございます。
○松原委員 今の副出納長さんのお話によりますと、十年度末では三五%だったのが、十三年二月には六四%ということで、約倍になっております。これは本当に都庁としても一生懸命努力しているんだなというふうに思います。
環境への配慮の視点は、物を買うときだけではないと思います。やはりむだにしない、大切に使うことが大事だろうと思います。その意味で、既存物品の有効活用の視点からどのような取り組みをしているのかお尋ねいたしたいと思います。
○三宅副出納長 既存物品の有効活用でございますけれども、都庁内の各職場で使用しなくなった物品につきましては、有効活用を図るために、まず、別な職場で引き続き使用をするようにしております。引き続き都庁内での活用が見込めない場合には、希望する公益的団体等に無償で譲渡することとしており、有効活用にも取り組んでいるところでございます。
○松原委員 そこで、さらにグリーン購入を推進していくと思いますけれども、今後の課題として考えられるものとしては、どういうことがあるんでしょうか。
○三宅副出納長 用品制度では、指名競争入札によりまして大量かつ低廉な価格で契約をしておりますところから、環境に配慮した製品であっても、価格が著しく高かったり、製品開発が独占的で競争性に乏しい場合には、用品制度になじまないものでございます。グリーン購入をさらに推進するためには、購入しやすい価格になることが不可欠でございます。また、環境に配慮した製品を購入しようとしましても、量の確保がなされなければ、用品制度にはなじまないところでございます。したがいまして、グリーン購入をさらに推進するためには安定的な供給が不可欠でございます。さらに、グリーン購入を今後一層推進していくには、リサイクルの仕組みが整備されることも必要でございます。
ただいま申し上げましたように、グリーン購入をさらに推進する上で、一つは購入しやすい価格になること、二つ目は安定的な供給がなされること、さらにはリサイクルの仕組みが整備されることなどの課題がございます。
○松原委員 先ほども述べましたけれども、東京都は都内における最大の事業者であり、消費者であるという立場から、今後さらに一層環境に配慮したものを使用して、都民や事業者に環境対応製品の普及を促進していくことが必要であると思いますけれども、出納長のお考えをお尋ねしたいと思います。
○佐々木出納長 まずもって、用品制度という都庁でも余り理解のいっていない制度についてご質問いただきまして、ありがとうございます。
この用品制度というのは、実は昭和十四年、東京市の時代から始まっておりまして、物資の安定的な調達ということを目的としてつくられたもので、実は大変伝統のある制度なんでございますが、なかなか都庁でもよく知られていないということでございます。
この制度につきましては、その後、社会経済が変化するに応じて逐次改善を加えておりまして、今日では、先ほど三宅副出納長が申しましたとおり、民間の同じような製品の販売会社に比べましても、大変安く、しかも手続が簡易である、こういうことで利用できる制度でございます。
さて、ご質問の用品制度と環境対応製品との関係、問題でございますけれども、私は、環境問題というのは、我々消費者一人一人、あるいは地域地域、または各事業所事業所、それぞれがおのおのの立場で、たとえ小さくても環境に配慮したことをできるだけ積み重ねていく、そういう小さな実践を重ねていくということが大変大事だろうと常々思っております。まして東京都の場合には、都内最大の大口需要者でございます。そういう立場で、いわゆる消費者という経済循環の、どちらかというと川下の立場で環境負荷の少ない製品を率先して購入する。同時に、より負荷の少ない製品の開発あるいは供給を、川上である製造業であるとか、あるいは販売業者に働きかけていく、そういうことができる立場にあるんだろうと思っております。
したがいまして、そういう立場で、幸いにして都庁では今、委員ご指摘のとおり、地球をまもる都庁プランというのを全庁挙げてやっておりますので、そういう中でも、極めて重要な一翼を担う仕事であるというふうに受けとめまして、今後とも環境に配慮した用品制度を積極的に進めていきたい、このように思っております。どうかよろしくお願いいたします。
○松原委員 今、出納長さんからお話が出ましたとおり、環境局から地球をまもる都庁プランが発表されました。その中には具体的な取り組みとして、用品における環境対応製品を拡大することが挙げられています。折しもこの四月から、国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律、いわゆるグリーン購入法が施行されます。
これまでいろいろと伺ってきましたけれども、用品制度といいますと、内部管理でありますが、非常に広く環境問題にも配慮しながら運営しているということが、よく私にも理解できました。環境配慮型製品が普及することは、都民や事業者に対しても意義が深いものであります。特に東京都においては、環境問題は力を入れてやっている施策でもありますので、これからも積極的にやってほしいことを要望いたしまして、私の質問を終わります。
○大木田委員 資料要求をいたしましたので、それに関連して具体的に伺いたいと思いますが、まず、主な金融機関の再編ということで一覧表をつくっていただきました。
これを見ますと、みずほフィナンシャルグループが二〇〇二年四月に吸収をして分割する。三井住友銀行の場合は二〇〇一年四月ですからいいわけですけれども、三菱東京フィナンシャル・グループが二〇〇一年十月、それからUFJグループ、いわゆる三和を中心にしたこれが二〇〇二年の四月ということで、こういう再編になるんですけれども、ペイオフを一年ずらしたことが、銀行の再編をまた一年ずらしてこうなっているということでありまして、私は、やはりペイオフは予定どおりすべきだ、そういう日本の姿勢が今、国際社会の中で構造改革ができない日本ということでとられて、株価の低迷につながっているというふうに思うんですね。
ことしの一月、ある新聞に、七人の経済関係者が、ことしの株はどう推移するかということで、一番下に書いた人が一万二千円が二人、一番上に二万二千円が何人かいました。しかし、現状は既に一万二千円を割れて、きょうは回復をしているようでありますけれども、相当厳しい状況になっている。三月の決算の時期をどうするか。五月、六月ごろ日本の株がどうなっているか、それを主な関係者に聞いてみますと、一番低く見ている人は八千円、一番高く見ている人でも一万一千五百円と、完全に一万二千円は割れて、銀行の含み益は一切なしというような状況に今差し迫っている。
その最大の原因は、何をいおう銀行の不良債権であります。現在、銀行が発表している不良債権は六十兆あるいは八十兆、しかし、海外の経済関係者が日本の不良債権、銀行の不良債権を見ているのは百兆、百二十兆と、倍ぐらいの段階で日本の不良債権を見ているわけです。不良債権を処理しない限り日本の経済の再生はない、こう思っております。
現在、まだその段階が、銀行の不良債権直接処理、直接償却という、検討されながら、それが進んでいないというところで、今三つの過剰ということがいわれているわけですね。借金の過剰、設備の過剰、あるいは雇用の過剰ということでありますけれども、私はいろいろと研究してみましたけれども、銀行の不良債権処理が進んでいない。ちょうど都の隠れ借金のように、八千億というのが一兆円になって、一兆円がまたどこまで膨らむかということはちょっと読めないんですけれども、みんなそういうような形で二十世紀の負の遺産を引き継いで今日まで来ているところに、それが全部もう見抜かれているわけです。だから、小手先の対応を幾らやったって、どうにもならない段階に来て、抜本的な構造改革というのをきちっとしない限り、経済の再生はもうないんだというような認識を私は持っているわけです。
そういう意味では、金融機関ではいまだに、もう一年ペイオフを延ばすかのごとき議論をする人がいますけれども、そうなったら大変な事態になってしまう。構造改革の最大のチャンスをこの節目で一年おくらせたことが今日の事態を、ペイオフをおくらせたこと自体が招いている。一九九八年ですから、今から三年前、とにかく緊急避難的に、どしゃぶり的な現象の中で金融機関に公的資金の投入をして、体質改善をして、不良債権を償却するということを各行にあれしたわけですけれども、それが何となくあいまいで、その後不良債権は実態でも減らないし、逆にふえているというような形になっておりまして、ことしは二〇〇一年、十三年ですけれども、このことが順調にいかない限り、不良債権にきちっとしたメスが入らない限り、日本経済の再生はないというふうに私は思っておりまして、これは銀行の問題でありまして、国の問題でありますから、出納長、もし所感があれば--なければ次に行きますけれども。
○佐々木出納長 大変難しいご質問でございますけれども、私も素人なので、的確なお答えかどうかわかりませんけれども、株式市場というのは六カ月先の経済の先行指標である、こんなふうにいわれております。そういう中で今、急速に株価が下落している、のみならず、世界同時株安ではないかというようなことも懸念されておりますし、ついせんだっての政府の月例経済報告の中では、デフレ傾向に傾いているような話がございました。そういう意味で、大変私どもとしても心配をしております。とりわけこの先、三月は多分大丈夫だと思いますが、その後の税収なんかにつきましても、大変落ち込みを懸念しているということがございます。
そういうことの中で、私どもとしては、特に公金を管理する立場からいいますと、確かにおっしゃる不良債権処理、これに悩んでいる銀行が、この事態からどう立ち直れるんだろうかと。特に銀行の場合には、株式が持つ含み資産の益出しでもって不良債権を処理してきたというような経過がございますが、それがこの時点ではできなくなってくるだろう。そういうことになりますと、銀行の経営自体もまだまだ不安定な状態が続くだろう。こんなふうなことも考えられておりまして、私ども、おっしゃるとおり来年ペイオフを迎えるわけでございますので、その前には、ぜひとも銀行の経営がある程度立ち直って、金融システムがある程度安定感を取り戻すような、そういう状況になってほしいと、ひたすら願っている次第でございます。
○大木田委員 よくわかりました。
次は、銀行の株式保有制限についての資料も要求しましたが、これについてもまた感想を若干申し述べたいと思いますが、東京都は第三セクターが今二十三あります。平成十年度ベースで見ましたところ、十三が赤字でありまして、その幾つかはもう大変な事態に至っていることは事実であります。銀行法では五%ルール、五%シェアがありますし、独禁法でも五%ルールがあるわけでありまして、第三セクターに一行が五%以上出してはだめなんですけれども、例えば三つの銀行が合体をして、第三セクターに一五%--一五%ルールもあるんですけれども、独禁法との関係がこれは合わないんですね。要するに社会の進む現象に、国の法や条例の整備がおくれている。よく大賀さんが、ことしの常識は来年通用しませんよと。それほど社会が激しく変化しているのにもかかわらず、この五%ルールの独禁法の見直し、あるいは銀行法の見直しも今視野に入っておりますけれども、国の法体系がこれは間に合わない、こういう現実があるわけですね。
したがって、都の場合は、今第三セクターがいろいろとありますけれども、大変厳しい状況で、私も実態をよく知っているだけに懸念をしていますけれども、これについては国の方の法的整備をするということで、閣議でも何回か確認をしておりますので、感想だけを申し上げて、次にペイオフに移りたいと思います。
ペイオフの資料もいただきました。今、佐々木出納長からも話がありましたけれども、今のところ、銀行ではあと数行、信託であと一行程度がアウトになると。私が都議会議員になったときに、信用組合は六十二ありましたけれども、現在は三十四ですから、半分に減っているわけですね。これが、またさらに三十を切る段階に私はなると思いますけれども、いわゆるペイオフが来年四月からということで、東京都の場合は、四つのグループ、比較的大きいところとつき合っておりますが、区市町村は地元の地銀、第二地銀、信用金庫、信用組合とのおつき合いがありますので、ペイオフをもろに受けるところが、現実問題として来年の四月以降は出てくる。
これに対して、公金の借入金については、政府は地方債でこれを償却するということで、さまざま公的機関、都とか区が基金を積んでおりますけれども、それでも、その銀行がアウトになれば一千万しか戻ってこないわけです。これは、地方債の償却でとりあえず見るといっておりますけれども、これも最終的な見解ではなくて、そういう方向で検討しているというようなことでありますので、このペイオフ解禁に向けての地方自治体のいろいろな対応、特に銀行の動向等をよく注意をしていただいて、とうとい都民の血税が、ペイオフになって銀行が倒れたために失われるということのないように要望をしておきます。
次に、口座の手数料について資料要求をいたしましたので、手数料関係について具体的に伺いたいと思います。
私は予特でも、マルチペイメントネットワーク、いつでも、どこでも税金や使用料を支払うことができるというような、IT革命が今進んでおりますので、都民の多様な変化に応じて税金や使用料、手数料の支払いができるようにということで、マルチペイメントネットワークということが今検討されて、先日も、都もこの研究会に入ってその対応をしているということでございますが、このシステムが具体的に導入された場合、その使用料はどうなるのか、また、その使用料はだれが負担するのか、このことを伺っておきたいと思います。
○三宅副出納長 このネットワークそのものの利用料は、税金、使用料等を支払う都民の方が負担するものではございませんで、各自治体が負担することになります。しかしながら、その利用料につきましては、現在、システムの詳細がまだ決まっておりませんので未定でございますが、いずれにいたしましても、利用料の設定に当たりましては、多数の自治体が参加しやすい、適切な利用料となるように努めてまいりたいというふうに考えております。
○大木田委員 今、マルチペイメントネットワークの利用料についてはまだ未定だということでありますが、現在、都が負担している公金の収納及び支払いの一件当たりの取扱手数料はどうなっていますでしょうか。
○三宅副出納長 都の公金の収納手数料は、契約によりまして、指定金融機関である富士銀行に対しましては無料、他の金融機関に対しては一件二円となっております。また、公金の支払いでございますけれども、支払いは指定金融機関を通じて行うこととなっておりまして、その手数料は、契約によりまして原則として無料となっております。
○大木田委員 今、富士銀行の場合は無料、そのほかのところは一件当たり二円ということで、原則としては無料、全体的には極めて低い手数料は理解できますが、昨年の六月に全国地方銀行協会から「今後の地方公共団体との取引のあり方」というところで、この提言を私も読みましたけれども、地方銀行各行が自治体の公金取り扱いの手数料を契約として無料としているが、今後は適切な手数料を求めていく必要がある、簡単にいえば、そういう内容がそこに書かれてあります。このような働きかけは、現在、他の団体においてどのような状況になっているのか、あるいは都はどうこれに対して対応しているのか。
一時、昨年ですか、「静岡新聞」が、東京都が手数料について見直しをするというような記事が、誤報ということでありますけれども、そういう記事も出ておりまして、この手数料問題というのが今後いろいろと出てくると思いますので、この点を確認しておきたいと思います。
○三宅副出納長 他団体の状況を調査しているわけではございませんけれども、一部の自治体では既に手数料支払いの要請を受けており、また、その対応を検討しているという実態もあるというふうに聞いております。
東京都は、現在そうした要請は受けておりません。しかしながら、マルチペイメントネットワークシステムの導入に当たりましては、手数料問題をも検討する必要がある、こういうふうに考えているところでございます。
○大木田委員 緩やかなデフレという状況を政府も認めたわけですけれども、国の発表というのは、現実でどうにもならないところに来てからそういう発表をするのでありまして、現実はもっと進んでいる。この三年間で値上がりをしたのは、ミニチョコの三十円が六十円になったのと銀行の手数料だけと、こういわれるぐらい、あとは全部下がっているわけです。
ですから、完全にもうデフレスパイラルに入っているわけですけれども、そういう意味で、私はつい先日、三万円を銀行から銀行に振り込みました。そうしましたら、手数料が八百四十円。きょう、日銀もさらに金融緩和措置として、限りなくゼロに、預金の利率をゼロにするんだろうと思うんですけれども、それで手数料だけは銀行の都合でどんどん上げているということで、この一覧表を見ても、皆さん窓口利用で、三万円未満が同一銀行では二百十円、四百二十円、本支店あてで二百十円、四百二十円、他行あての三万円未満が六百三十円、三万円以上が八百四十円。これほど低金利というか、ゼロ金利時代に対して、他行も大体これはみんな同じなんですけれども、手数料を一方的に銀行が上げている。
便利さが通用して、皆さん手数料で振り込んでおりますけれども、最近、私もいろいろと地元の人に聞いてみますと、もう日本の信頼性が失われて、要するに銀行等を通して振り込まないで、お金で直接現金をやりとりする時代に入ったということが今いわれているわけです。それはもっと別の角度でいいますと、大手の仕事をやっても、三分の一は現金で、三分の二は手形でいただく。銀行へ持っていっても手形が割れない。そういう中で、今、私の周辺の業者なんかは、現金でもらえる限りの仕事しかできない、手形でもらってもだめになっちゃうと。金融機関がこれだけ全国にネットワークされて、いろいろと便利さの中で役立ってきましたけれども、今や、そういう信頼、金融機関に対する信頼も失われているというような状況があります。
これは銀行の問題ですから、こういう問題が今までもっと議論されなければならないのに、一度も国の方でも議論をしておりませんし、私も、多くの皆さんから、手数料が高過ぎるんじゃないか、こういうことをぜひ都議会においても発言をしていただきたいということで発言をしたわけですけれども、こういう手数料の高さについて、これは感想がもしあれば伺っておきます。
○三宅副出納長 今、先生いろいろ例を挙げながらお話がございました。先ほどお話にございましたように、例えば、三万円を一年定期で預金した場合の受け取り利息は、わずか四十二円でございまして、これに対しまして八百四十円の手数料というのは、確かに高いというふうに感じております。
○大木田委員 きょうはいろいろと質疑がありますので、これで最後にしたいと思いますが、今まで公金の手数料、これは比較的、無料あるいは極めて低い。しかし、今後この問題がいろいろと議論の対象になってきますけれども、一般都民が負担する手数料問題については、手数料を銀行がどういう形で設定をしているのか、設定の基準が明らかでない。一方的にこれが決められて、これだけの手数料がかかりますというようなことになっておりますけれども、この四月から情報開示法も制定されていますけれども、私は、こういうことを、もっと金融機関は利用者の皆さんに明らかにすべきだということを思っております。
最近では、一定のサービスの見返りとして口座管理料を取るという銀行の話が出てきておりますし、今後、銀行はさまざまなサービスについて有料化を図っていくということで、今までは銀行はお金を貸して利ざやで稼いでいたということなんですけれども、証券会社のように、手数料で稼ぐ時代に入ったというようなことがいわれておりますが、こうした点を踏まえて、都としては、新たな時代の金融機関との関係はどうあるべきと考えているか。要するに社会状況がどんどん変わってきて、今までの十年一日だったものが、日進月歩、秒進秒歩、どんどん変化している、こういう中での新たなる金融機関との関係、これについて最後に出納長の見解を伺って質問を終わりにしたいと思います。
○佐々木出納長 おっしゃるとおり、金融の自由化がもたらす自由競争の中で、金融機関があらゆる面で、まさに利ざやから、手数料を稼ぐ、そういう仕事に移行しているのかなと我々も思っております。それだけに、なお従来以上に採算性を厳しく求める、そんなような状況になっておりまして、これは、私どもは時代の一つの流れなのかなというふうにも受けとめております。
おっしゃるとおり、公金を扱う自治体においても、そういうような要請はかなり強くなってきておりまして、東京都の場合にはまだございませんけれども、特に小さい市町村レベルの指定金融機関からは、かなり手数料の引き上げについてアクションがあるようでございまして、大きい出納長の会議、収入役の会議の中でも、よく話題に上るようになっております。
しかし、私どもは金融機関というのは、いつぞやも申し上げたと思うんですけれども、国の社会経済の一つの血液ではなかろうか、一種の社会的なインフラの役割もやっているんじゃないか、こんなふうにも思っております。そういうことから、金融機関というのは、ほかのいわゆる一般の企業に比べまして、社会公共のために貢献するという側面をやや強く持たざるを得ない、持ってもらわなくちゃいけない、こんなふうに思っております。そういう意味からも、お話しの手数料といいますか、料金設定においても利用者が納得のできる、そういう適正な水準であるべきだろうというふうに思っております。
都としては、公金を取り扱う立場でいえば、今後の金融機関との関係についても、そうした点を含めて、都民の目から見ても透明性の高い、そしてまた時代状況に即した関係、さらには銀行それ自体も、金融機関それ自体も信頼のある存在であってほしい。こんなふうなことで、我々としても透明性をより高める方向で金融機関とおつき合いしていきたい、こんなふうに思っております。
○大木田委員 感想だけ、ちょっと一言。これは答弁要りませんけれども、さっき出納長が、金融機関は人間でいえば血液である、社会のインフラに値すると。それだけ公的な立場であるということで、公的資金の投入もやったわけですね。それで体質を改善して日本経済を伸ばしていくということになったんですけれども、周りの環境はそういうことで、日本経済をどうしようということでやっていますけれども、銀行側は、そういうことに対してもう少しきちっと襟を正して対応しなければならないということで、何となく金融庁のいろいろな対応等のやりとりを見ていても、ここ三年間の緊急避難的に対応したことで、それがきちっと行われてこないために、さらにもう一回緊急避難だということで、もう一回--銀行は血液であるとか社会のインフラであるとか、確かにそうなんですけれども、それをてこにして、それを口実にして、そして自分たちの抱えている不良債権の処理はしない。できないのか、しないのかわかりませんけれども、こういう銀行の社会的責任ということを明確に私はしなければならないと思う。
都議会で一致して、東京都ができる、その法定外税のいわゆる銀行税ですけれども、導入しても、これを提訴するというようなことで、石原知事のところに、この導入に当たって銀行協会の会長がもし要望等を伝えて、それでいろいろ話し合いがあって後の提訴であれば、私も株主代表訴訟等があるからということを理解しないわけではありませんけれども、そういうトップ会談は一切しないで、銀行のご都合だけで提訴をするというような形で見ると、銀行はこれだけいろいろなことで、護送船団のときの過保護状態のまま、その域をまだ脱し切れてないということで、そんな状態の中で日本経済の再生はどうなんだと、今、もうぎりぎりのところに私は来ているのではないかということで、銀行に対して大変厳しい見解を申し述べましたけれども、日本経済再生には今メスが必要である、こういう見解だけを申し上げておきます。
以上です。
○遠藤委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本案に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○遠藤委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
以上で出納長室関係を終わります。
○遠藤委員長 これより財務局関係に入ります。
予算調査及び付託議案審査を行います。
第一号議案、平成十三年度東京都一般会計予算中、予算総則、歳入、歳出、議会局・財務局所管分、都債、第十四号議案、第十五号議案及び第四十七号議案から第四十九号議案までを一括して議題といたします。
本案につきましては、既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してございます。
資料について理事者の説明を求めます。
○成田主計部長 それでは、当委員会からご要求のございました資料についてご説明させていただきたいと思います。
お手元に配布しております資料でございますが、目次をおめくりいただきたいと思います。要求資料第1号でございます。隠れ借金の内訳ということで、そこにその内訳を示してございます。
まず、十一年度決算の実質収支赤字額、これは公営企業会計に対する支払い金などでございますが、それが八百八十一億円。また、減債基金の積立金の不足額、十二年度の最終補正、十三当初と、一応四分の三まで復元したものの、これまでの積み立ての不足額が四千五十二億円でございます。後ほど資料3号でもお示ししてございます。三番目が他会計からの借入金ということで、羽田沖埋立事業会計からの三百億円、中央卸売市場会計からの借り入れ二千四百億円、計二千七百億円でございます。また、基金からの運用金でございますが、これは地域福祉振興基金からの三百億円を初め、五つの基金からの運用金でございまして、全体で八百億円でございます。そして最後は、都施行の市街地再開発事業と多摩ニュータウン事業の欠損金でございまして、約一千六百億円でございます。
以上、合計が約一兆円となっているわけでございます。
続きまして、次に移らせていただきます。要求資料第2号でございます。
この第2号は、一昨年の七月に発表いたしました財政再建推進プランで、十一年度予算におきまして一般財源の充当額が五億円以上の事業といたしまして百三十八事業を列記しておりますが、その予算化の状況でございます。表に示してございますように、十二年度予算額一兆八千四十三億円、十三年度は四百七十五億円、二・六%減の一兆七千五百六十八億円の予算化状況でございます。
続きまして、資料第3号に移らせていただきます。
減債基金の推移、一般会計に係る減債基金の推移でございまして、表側の方では十一年度から十八年度まで、十一年度は決算の数値、十二、十三はそれぞれ最終補正予算後、当初予算の数字でございます。十四年度以降十八年までは推計値となってございます。そしてそれぞれの毎年の積立額、それと取り崩し額、それから残高--残高は、前年度の残高に積立額を加え、それから取り崩し額を減じたものが当該年度の残高になりますが、その残高の十一年度から十八年度までの推移をお示ししてございます。また、そのお隣には積立不足額の累計をお示ししてございます。
そこの平成十三年度欄にございますように、四千五十二億円、十四年度以降は所要額全額の積み立てという前提で試算してございますので、四千五十二億円で推移する、そういう表でございます。
資料の説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。
○遠藤委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料とあわせて、本案に対する質疑を行います。
発言を願います。
○山本委員 大変のどが参っております。風邪を引いて、さなきだに声が悪いところを大変聞き苦しくてお許しをいただきたいと思いますが、土地収用制度についてちょっとお聞きいたします。土地収用制度に関して、公共事業の促進と予算の有効な使い方に着目をしまして質問いたします。
私は、昨年の第一回定例会の本会議や財政委員会において、公共の福祉と私有財産権との関係について繰り返し意見を述べてまいりました。先ほど大木田委員のお話がありましたように、社会の情勢に法制度が整合しない場合があります。憲法第二十九条に規定されている、私有財産は正当な補償のもとに公共のために用いることができると明記されております。
しかし、一部の人々の反対によって公共事業が大幅におくれ、投入された都民の貴重な、しかも膨大な税金が生かされていない状況もあります。これは、多くの都民が待ち望んでいる公共性の高い事業を、一部の人たちが、ただ妨害するだけのためにとった行動の結果でもあります。特に、もともと地権者でもない人々が、反対のための運動手段としてわずかな土地を取得し、土地の所有権を主張するなどは、本来あるべき姿の所有権ではなく、その存在を認めるなどということは法的に問題があるのではないかと、私は繰り返し主張してまいっております。
昨年十月に行政代執行が実施された日の出町二ツ塚廃棄物処分場の事件は、繰り返し申し上げておりますが、事業に直接関係のない約二千八百人の方が、わずかな、はがき一枚程度の土地の所有権を主張し、公共事業に反対するという常軌を逸した運動でありました。そのために膨大な時間のロスと、膨大な費用をかけております。そのことは皆様ご案内のとおりであります。
現行の土地収用法は、公共事業に反対するための手段として、わずかな土地をもともと権利者でなかった人が取得し、多数当事者になるなどということを想定したものではありません。各条項にありますように、そういうものではありません。そのため、私はこれらを改める必要があると常々考え、土地収用法の改正を国に働きかけるべきであると、再三申し上げてまいりました。
そこでまず、東京都は、土地収用法の改正についてこれまでどんな取り組みをしてきておりますか、お尋ねいたします。
○橋本財産運用部長 東京都におきましては、速やかに社会資本整備が進むよう、土地収用の新たなルールづくりを促進するために、昨年夏冬の国の提案要求書に取り上げますとともに、総理大臣も出席いたしました都市再生推進懇談会におきまして、知事からも、土地収用制度の見直しと手続の迅速化、簡素化について提言をし、多くの委員の賛同を得たところでございます。
具体的には、都は国に対する提案要求の中で、公共事業の早期実現を図るため、土地収用において、多数当事者に対して適切な対応ができるよう、一つ目といたしましては、土地調書、物件調書の作成手続を、立ち会い署名押印方式にかえて、告示縦覧、意見書の提出方式へ改正すること、二つ目といたしましては、収用委員会審理における代表者による意見陳述制度を導入すること、三つ目といたしまして、補償金の持参払い方式にかえ、簡易な支払い制度の導入について要求をしてきたところでございます。
○山本委員 ただいまのお答えは大体問題点を突いたことでありますが、東京都は国に対し、土地収用法の改正を提案要求された、建設局がそういっておりましたですね。先日、国は改正法案を閣議決定し、国会に提出したというようなことが新聞報道にありました。この改正法案の成立及び施行時期の見通しについては、どうなっておりますか。
○橋本財産運用部長 お話しのとおり、国におきましては、土地収用法の一部改正法案を三月二日に閣議決定いたしまして、同日に国会へ提出しております。法案成立は、順調に国会審議が進めば本年の六月ごろになる見通しであると聞いております。また、法律の施行につきましては、公付の日から一年以内で政令で定めることとなる模様でございます。
○山本委員 大体土地収用法で見られたことは、まず、事業認定を知事あるいは大臣がやるけれども、その事業認定の仕方に時間がかかる。その事業認定の仕方に疑義があるから、その点について公共性との整合性はどうかという、そのことが収用手続の中に混然と入り込んでくるから今まで時間がかかった、私はそういうふうに見ているんです。
さて、土地収用法に定める土地収用手続は、国や都道府県の行う事業認定、さっきいいました事業認定に関する手続と、裁判所に準ずる収用委員会が行う収用裁決に関する手続と、大別されると思うんですね。このたびの改正法案では、それぞれどのような考え方に基づいて、どんな改正がされておりますか。まず、事業認定の方についてお答えをいただきたい。
○橋本財産運用部長 事業認定手続につきましては、事業の公益性に関しまして、昨今では環境問題でありますとか事業効果の観点も加わりまして、高度かつ複雑な判断が求められるようになってきておりますこと、また、公共事業の実施に当たりまして、地域住民の理解を得るため、土地収用手続においても、住民参加、情報公開の促進、説明責任の遂行などが要請されていることなどから、四点の新たな手続が義務づけられることとなっております。
まず、一点目ですけれども、起業者、これは事業主体ですけれども、起業者は事前説明会を開催すること、二点目は、事業認定庁、東京都などですが、事業認定庁は公聴会を開催すること、三点目といたしましては、事業認定庁は第三者機関からの意見聴取をしなければならないこと、そして四点目といたしましては、事業認定を公表することとなっております。これによりまして、公共事業の公益性の判断における透明性、公正性、合理性を確保するものであるというふうにされております。
○山本委員 事業認定について新たに四点ほど改正されたということでありますが、そういうことは、手続面では、厳しい財政需要の中で公共事業の一層の効率化、迅速化の要請が強まっている一方で、行政手続法の制定などを踏まえて、事業認定庁が行う判断の適正性を確保するために、利害関係人から幅広く意見を聞く--この幅広く聞かないようなことがあったじゃないかというようなことで、いろいろ問題があって、不服申し立てがあったわけですから、今度は中立的な第三者機関の意見を求める、こういう手順をすると。そういうふうに法的にきちんと整備をされたということは、大変な前進であると私は思います。
そこで、今度は収用裁決に関する手続についてはどうですか。
○橋本財産運用部長 収用裁決手続につきましては、収用裁決の主たる目的であります正当な補償の実現のために必要な手続が、合理的かつ円滑に進むように改正されます。
まず、一点目ですけれども、権利者が多数の場合は、土地・物件調書の作成手続における権利者全員の署名押印方式にかえまして、特例として公告縦覧方式が創設されること、二点目といたしましては、収用委員会の審理においても、権利者が多数の場合、各人による意見陳述にかえまして、代表者による意見陳述制度が創設されること、三点目といたしましては、補償金の持参払い方式に加えまして、書留郵便による払い渡し方式が導入されることとなっております。
また、四点目といたしましては、収用裁決の段階におきまして、重ねて事業の公益性の議論に時間や労力を費やすことは、事業が適切な時期に実現されず、社会的損失をこうむるということになるため、収用委員会の審理において事業認定の要請の主張を制限できることが、条文上明確にされることとなっております。
○山本委員 これまで事業認定に三カ月もかかり、そして今度は収用裁決に、これまた三十四カ月も、三年近くもかかるといった、こんないわば時間のロスといいますか、そんなことは改めていかなければならないといっていたことが、今度の改正によって合理的に円滑に進んでいくということであれば、公共事業のおくれも、あるいはそのことによる社会的損失も回避することができるだろうと思い、大変いいことだと私は思います。
さて、この改正法案は、基本的には東京都の提案要求に沿っているようですが、これについて、東京都ではこのことができたことによってどんな評価をしておりますか。
○橋本財産運用部長 収用裁決手続につきましては、多数当事者に対する現行収用法の不合理性を解消し、収用裁決制度の再構築を図るものとなっていることなど、都の提案要求に沿ったものであります。
また、事業認定手続についても、社会経済状況の変化に対応し、事業の公益性の判断をより慎重に行うことなどにより、事業認定の透明性、公正性、合理性が確保されるということになることなどから、今回の改正法案につきましては、都としても評価できるものと考えております。
なお、事業認定に関して新設される手続が、公共事業の迅速な推進を妨げる新たな要因となることがないよう、法案成立後省令で定められることになります手続の詳細の中身について、注意深く今後見守っていきたいと考えます。
○山本委員 かつて、どの新聞だったか、青山副知事が「土地はだれのものか」という表題で、土地の収用について、代表制をとらなければ、とてもじゃないけれども間に合わないじゃないだろうかとか、それから六千万弱の補償金を払うのに、七億もの手数料と費用をかけるなんて、こんなばかなこともおかしいじゃないだろうかというようなことを書いたことを目にしたような気がしますが、こういうふうに改正されていくということは大変よかったと私は思います。その改正後、では東京都はどんな対応をしていくかお聞かせいただきます。
○橋本財産運用部長 事業認定手続におきましては、中立的な第三者機関の意見聴取が義務づけられることになりますことから、改正法案が成立した後、事業認定に関する事項を調査、審議するための第三者機関を条例設置することとなります。また、公聴会の開催や第三者機関からの意見聴取が適正かつ円滑に行えるよう、運営体制の整備について今後検討していく所存でございます。
○山本委員 意見を述べて終わりますが、きょうは風邪ぎみでぐあいが悪いから、こんな濁声をお聞かせするつもりなかったんですけれども、大事な質問をするために、ぐあいが悪いのを出てきたものですから、皆様にお聞き苦しくて大変申しわけないと思いますが、結論までいわしていただきますと、この法の改正によって、公共事業の円滑化、迅速な推進を図る上で大きな障害となっていたものが解消されるということは、住民にとっても、あるいは行政庁にとっても、収用委員会にとっても、非常に公益が重視される適切な時期に実現されるということは、大変有意義であると私は思います。
個々の人間の個別的な利益を超えて、時にはこれを制約する機能を持つ公共的利益、つまり、私のいう二十一世紀的公共の福祉の実現に少しでも近づくことになると思い、ぜひそうなりますことを願いながら私の質問を終わります。
以上です。
○古館委員 それでは、幾つか質問します。
ご存じのように、今、予算の審議の真っ最中なんですが、今年度末の税収増が三千六百億円で、二〇〇一年度当初では、銀行課税の千四百億円を含めますと四千八百億円、合わせて税収増が八千四百億円ということになります。私どももこの間、たびたび指摘をしておりますが、この八千四百億円という税収増は、財政再建推進プランでの財源獲得目標である六千三百億円、これをはるかに超過達成している額であることはいうまでもありません。
知事は、施政方針表明で、構造的な赤字体質の転換を引き続き図っていくことを強調されて、その中で、累計で一兆円に上る巨額の隠れ借金をどのように解消していくのかのめどが立っていないということで、一兆円に上る隠れ借金ということが強調されました。
そこで最初に、この隠れ借金といわれている、知事は約一兆円というふうに述べているんですが、隠れ借金の内訳がどうかというのは先ほどの資料でもいただいたわけですが、他会計の借入金二千七百億円というのが隠れ借金の中に含まれていますが、この内訳をまず示してほしいと思います。
○成田主計部長 他会計借入金二千七百億円の内訳でございますが、羽田沖埋立事業会計から三百億円、中央卸売市場会計から二千四百億円の合計二千七百億円でございます。
○古館委員 今、二千七百億円が他会計から借り入れてきたお金である、借金だということなんですが、これらの償還予定についてどうなっているか、これをご答弁いただきたいと思います。
○成田主計部長 まず、羽田沖埋立事業会計からの借入金三百億円は、平成十四年度に一括して返済する予定でございます。次に、中央卸売市場会計からの借入金のうち、四百億円につきましては平成十五年度に一括して返済する予定であり、また、二千億円につきましては、平成十七年度から二十一年度にかけて毎年度四百億円ずつ返済する予定でございます。
○古館委員 今ご答弁がありましたけれども、ほとんどが、これから以降にもちろん償還をする予定になっていまして、この間補正予算でも議論したんですが、羽田沖については一部、二〇〇一年度で返せばいいものが、二〇〇〇年度の最終補正で一年前倒しで返済をしました。この羽田沖が、先ほどいいましたが、三百億円、この残りのものについては二〇〇二年度の償還、満期一括償還ということになっているわけですが、この問題についてはやはり返済の前倒しをするつもりなんでしょうか。
○成田主計部長 羽田沖埋立事業会計からの借入金のうち、二百億円につきましては、さきの財政委員会でも答弁申し上げましたが、他会計借入金の中で最も古く、利率も三・四%と最も高いことに加えまして、平成十三年度の臨海三会計統合を控えまして、その前に、できる限り一般会計との貸借を整理しておく必要があると判断し、十二年度最終補正予算で返済することとしたものでございます。
羽田沖埋立事業会計からの借入金の残りの三百億円を含む隠れ借金の解消につきましては、今後、財政構造改革を着実に推進する中で計画的に進めていく必要がある、かように考えております。
○古館委員 今、はっきり答弁がなかったんですが、結局、構造改革を進める中で考えていくということは、これはどういう意味なんでしょうか。つまり前倒しをするんですかという質問なんですが、その問題についてはどういうふうにお考えですか。
○成田主計部長 これにつきましては、現下の財政状況、非常に厳しいものがございます。また、私どもは、この財政構造改革を着実に進めていく中で財源を確保していく必要がある、こうした中で適切に対応してまいりたい、かようにご答弁申し上げたところでございます。
○古館委員 三・四%を高利というふうに先ほどいわれました。現在、大体一・四%の利率ですから、三・四というと高利ですが--平均的な利息、利率状態になっているのかなとは思うんですが、それで素朴な疑問なんですけれども、他会計の借り入れの場合、返済期間とか返済方法、これらはどうなっているんでしょうか。つまり素朴な疑問というのは、先ほど前倒しをしたと。あるいは、どうしても財政状況がおかしくなったら、五年満期一括償還とかといろいろあるわけですけれども、それがコンクリートされて、義務的なものというふうに解せるのかどうか。つまり義務的なものではなくて、その財政状況の中でいろいろ判断できるものだ、こんなふうに解釈していいんでしょうか。
○成田主計部長 借り入れに関します返済期間や返済方法、これらにつきましては、その時々の経済状況や一般会計及び他会計の状況等財政状況に応じて、借り入れのときに協議の上定めているところでございます。したがいまして、借り入れ時点での返済期間、方法は定められておりまして、これにつきましては、お話しのように自由とかそういう形ではなくて、ルールとして取り決められているというものであるとご理解いただきたいと思います。
○古館委員 つまり、相手方との協議の上どうするかと。したがって、その協議が、もうちょっと待ってくれやというような話でも、それは協議ですから、そういう場合もあり得るということを含めて今ご答弁があったのではないかと思います。ですから、義務的というか、そこでコンクリートされたものではない。その証拠に、前倒しして払ったり何かしているわけですよね。ですから、ここのところは、そういう意味でいうとコンクリートされたものではないというふうに思います。
次に、今回、市街地再開発事業の欠損金等の千六百億円も、やはり隠れ借金という中に追加されているんですが、なぜこれを隠れ借金として加えてきたんでしょうか。
○成田主計部長 市街地再開発事業等につきましては、本来収支均衡すべき事業であるにもかかわらず、近年の地価の下落など経済情勢の大きな変化の中、巨額の欠損が生ずる見込みでございます。今後、収入の確保等の努力を行ってもなお発生する欠損分につきましては、最終的には一般会計により補てんせざるを得ず、将来の都財政に大きな圧迫要因となることは確実であるため、隠れ借金の一つととらえたものでございます。
○古館委員 それで、市街地再開発事業の欠損金、千六百億というかなり多額のものです。これについては、どういう協議の中で、返済はどのような約束事になっているんですか。
○成田主計部長 ただいまの市街地再開発事業会計の欠損金の補てんでございますが、先ほど来お話しの他会計の借り入れ、これは他会計との間の約定で、いつまでに返す、利率をどうするかと、そういうものでございますが、いわばそういう約束に対しまして、こちらの場合は、事業が終了したときに、本来収支均衡してその事業が終了しなければいけないにもかかわらず赤字が出る、そうした赤字は、これは最終的には一般会計で補てんせざるを得ない、そういう意味でございまして、先ほどの他会計の借り入れの期間とか約束とか、そういうものとは異質のものでございます。
○古館委員 つまり事業が終了した場合というふうに、返済のことを今答弁されたわけですが、事業が終了するという予定年度は、この再開発事業は何年度ということになりますか。
○成田主計部長 事業の終了予定年次でございますが、亀戸・大島・小松川地区は平成十三年度、あと白鬚西地区は平成十七年度、また、赤羽北地区におきましては平成十四年度となっているところでございます。
○古館委員 ですから、そういう返済の問題がかなりばらついているわけなんですよね。それで、そういう中で約一兆円の隠れ借金というふうにいうんですが、欠損金が、最終的に一般会計が補てんしなければならない--これも、私はすぐ穴埋めする必要はないものだというふうに先ほどからの説明でも考えるんですが、その点はどういうご見解をお持ちですか。
○成田主計部長 ただいまのご質問の、直ちに補てんを求めるべきものではないということと、究極、東京都として補てんする必要がないという二つのご主張があったと思いますが、もちろん直ちに補てんを求められるものではございませんが、これにつきましては、東京都の事業として実施している以上、この収支の不足についてはきちっと東京都として責任を持って対応しなければいけない。
そういう意味では、これにつきましては、時期の問題、直ちにというあれはあるにせよ、究極的に都としてきちっと責任を持って対応していかなければいけないということは、はっきり申し上げたいと存じます。
○古館委員 つまり、市街地の再開発事業で欠損金が出る、そうすると、これは東京都もかかわっていることだから、東京都もいわゆるその欠損金について補てんをしなければならないと。これも千六百億円という、かなり大きなものになるわけですね。ですから、私どもはこういう問題についても、都民が隠れ借金一兆円と聞くと、何か一兆円あるんだということが、すぐにでも一兆円払わなきゃならないというふうな形で受けとめる部分というのは、マスコミなんかが一兆円と書きますと--だけれども、内訳をそれぞれ見ると、これからまだ何年後か、あるいは協議によってもっとずらすこともできる、財政状況においても、それがすぐに返済しなければならないということでもない。だから、そういう状況についても適宜きちっと、都民の方に情報といいますか、そういう提供を私は都としてもしてほしいと思います。
そこで、この問題は要望にとどめますけれども、今回の場合は、一般会計としてどこかから借りてきたという借入金が、いわゆる隠れ借金ということで約一兆円あると。では逆にいうと、一般会計から、他会計だとか公団とか公社、こういうところに貸しているお金もあるんじゃないでしょうか。首都高だとか交通事業だとか、そういう部分について、例えば都市計画局なんかについて、一般会計からどれくらいお金を支出して貸しているんでしょうか。
○成田主計部長 ご指摘のとおり、一般会計から他会計等に貸し付けている部分がございます。都市計画局の関係では、地下鉄建設株式会社に対する貸付金二千九百四億円、首都高速道路公団貸付金千七百九十三億円、それから高速電車事業会計貸付金千五百五十億円、帝都高速度交通営団貸付金千八億円、また、そのほかに東京信用保証協会貸付金五千二百八十八億円、また、東京都住宅供給公社貸付金三千六百七十億円となってございます。そして、これらは今申し上げましたように、中小企業の制度融資や住宅供給公社住宅の建設、並びに地下鉄や首都高速道路などの整備のために貸し付けているものでございます。
○木内財務局長 ちょっと補足をさせていただきたいと思います。
ご主張は二つあったかなと思うんですけれども、一つは、今穴埋めしなくても、その借金は時間が三年先、五年先であるから、今考えなくてもいいじゃないかということが一点、それから、貸しているやつもあるから、それと相殺というか、資産と負債とがある意味ではバランスしているじゃないかというのが二つであったかなというふうに思います。
前者の方の、なるほど十四年あるいは十五年であるわけですけれども、今すぐ考えないとすれば、十四年、十五年、あるいは後になって考えることはないんだろう、今からそのことを頭にとめて財政運営をしていかなければいけないんだろうと。その考え方の問題が大切なのかなと思っております。
それから二つ目の方の、貸しているやつもあるよという、今一番大きいのは信用保証協会でありまして、中小企業融資のこれは原資というか、この金を引き揚げちゃったら中小企業の制度融資が成り立たないわけでありまして、したがって、貸し付けているといっても、そういう意味での他会計から一般会計が借りているのと性格を非常に異にする、文字どおり事業そのものであるわけでして、それがあるから、借りているやつはバランスとれているということの論理だとすれば、必ずしも成り立たないというふうに思います。
それからもう一つ、これはあえて申し上げると、古館委員、冒頭に八千四百という税収の増と、六千三百の財源不足を比較されました。八千四百は二カ年でというふうに正確にいっていただいたわけですけれども、六千三百は一年の話ですから、比較できる数字ではないというふうに思っております。
それから、さらに八千四百の中でも、これは税の増に伴う義務的な経費が約二千五、六百ありますので、それを引かなくちゃいけない。さらにはまた、都民税の利子割がこの中には、郵便貯金の高利のときの満期のやつが、十二、十三が約千六百ぐらいあると思うので、それも含まれていますということをご理解いただきたい。
さらに、十三年度の銀行税、初年度でありますので数字は大きゅうございますけれども、平年度になるとそれが一千億程度に落ちるということもありますので、それらこれら足すと、八千四百で五千億ぐらいの数字が落ちてくるかなというふうに思うので、二倍ということの、二カ年を足した数字と単年度を比較すると同時に、八千四百の内訳も見ていただきたいと思っております。
冒頭申されたことに反論させていただきます。
○古館委員 さっきの税収増は、たしか私もちゃんと二〇〇〇年度末と当初、こういうふうにいったんですね。六千三百億円の財源獲得目標というのは、単に税収増だけの話をしているわけじゃないでしょう、財政再建推進プランは。例えば内部努力も含めて、いろいろな形で六千三百億円の財源不足を何とか解消しましょうと。私がいった八千四百億円というのは、税収増だけで二〇〇〇年度末と二〇〇一年度の当初で八千四百億円ありますというふうにいったわけですよね。ですから、そこのところは財務局長とはまた意見がちょっと分かれるかもしれませんが、私はそういうつもりで六千三百億円というのを理解しているということです。
そして先ほど私は、何も中小企業についてのお金をどれだけ貸していますかなんて質問していないですね。さっき私が聞いたのは、都市計画局に対しては六つの貸付金をしておりますね。首都高速、先ほどいったものだとか、地下鉄建設などへの貸し付けだとか、合わせまして、私のところにある資料でいいますと、貸付現在高が六千三百億円、これは、借金も返済しつつも幾ら貸しているかという残高は六千三百億円ぐらいあると。このほかに、一般会計からまだ高速電車事業会計に貸していると思いますが、これは幾らあるでしょうか。
○成田主計部長 高速電車事業会計に対する貸付金でございますが、千五百五十億円でございます。
○古館委員 そうすると、八千三百億円前後の貸し付けになるわけですよね。ですから、こういう問題についても、最近バランスシートとよくいうんですけれども、そういうものもありますねということを指摘をしておいて、次に行きたいと思います。
次のは減債基金についてなんですが、隠れ借金があるといって、財政危機、財政難ということをいうんですが、実際に借金といえるかどうかという問題の一番大きなものが、私は減債基金だと思っております。隠れ借金といっているものの中に、減債基金も積算の中に含んで約一兆円といっているわけですが、この減債基金の積立不足額、これはいわゆる隠れ借金といっているわけですが、この減債基金の積立不足額は幾らになるでしょうか。
○成田主計部長 減債基金の積立不足額は、平成十三年度末では四千五十二億円になっているところでございます。
それと、先ほどの一般会計からの他会計への貸付金等の議論でございましたけれども、もう一言付言させていただければ、先ほど申し上げましたように、一般会計から他会計、あるいはそれぞれ公社、協会に対する貸付金がございますが、これは何も一般会計にお金が余ったから、それをそういったところに貸し付けている、そういう意味ではございません。あくまでも、先ほど申し上げました現下の経済情勢の中で、最も大切な中小企業に対する制度融資であるとか、住宅供給公社の住宅の供給であるとか、そういう最も都民ニーズの高い部分に対しての事業を促進するためのお金の貸し付け等でございまして、八千五百とか、そういう数字の一般会計は何か余裕があって、あたかもそういったところに貸し付けてお金をためている、だから一兆円の隠れた借金と相殺して、実際それはチャラなんだ、仮にそういう前提の議論だとすれば、ぜひその点についてはご認識を改めていただければと思います。
○古館委員 私はチャラとかということは一つもいってないし、つまり隠れ借金がこれだけだという部分でいうと、東京都の一般会計から、例えば都市計画局なんかにこれだけの貸しているお金もありますということで指摘をしたわけなんですね。
そのことについて、例えば首都高速道路公団の貸付金なんというのは、この間我が党の木村幹事長が、全国でも首都高速道路公団なんかに貸付金として貸しているところなんというのは東京しかないと。しかも、無利子貸し付けですよね。金利だけでも、木村幹事長がこの間代表質問でいいましたように、六十億円ぐらいになるじゃないかと。そういうお金がもっと福祉や、そういうところに回ってもいいんじゃないのという話もしたわけであります。今、私が質問したのは、減債基金も隠れ借金の中に含まれているというふうに積算をしていますので--先ほどの答弁ですと、四千五十二億円の減債基金、本来積まなきゃならないのが、積んでいないのが四千五十二億円ありますと。そうすると、隠れ借金一兆円の中の大半というか、四割強が、この減債基金の積み立てをしていない金額になります。これは三年据え置き後、各年度発行額の六%というのがいわゆるルールというふうにされているもので、その六%分を積みますというところから見ると、四千五十二億円の積立不足額が出るということなんですよね。この六%分を積み立てなかったら借金としてカウントするというのは、私は当たらないんじゃないかと思うんですが、この点についてはいかがですか。
○成田主計部長 ご案内のように、減債基金の積み立てといいますのは、満期一括償還方式に振りかえたために、その満期一括に向けて、元金部分、従前では三年据え置き七年償還、毎年六%ずつ積み立ててきた部分を、満期に当たって円滑に支払いするために積み立てているわけでございます。この根っこの部分は、あくまでも都債という借金の返済ですから、それに向けてきちっとルールどおり積み立てておくと。これを当然借金と認識する方が普通じゃないんでしょうか。
○古館委員 私どもは、この六%分積み立てるというのが、ちょっと過大な見積もりではないかということを、常に今まで財政委員会などでもいってまいりました。減債基金が不必要だなんということはいっておりません。ただ、その積み立てる場合において、本当に過大にもしも積み立てているとしたら、それをちゃんと有効に、一般財源なんですから使うべきだということを主張してきたんですね。
ここに「都財政用語事典」というのがありまして、ここに東京都の減債基金条例というのが紹介されております。この東京都の持っている減債基金条例の第二条では、「基金として積み立てる額は、毎年度予算で定める。」これしかないんですよ、後にも先にも。つまり、減債基金、基金として積み立てる額というのは毎年度予算で定める。だから、例えば今議論をしている金額、そういうことで定めるというしかないですから、六%ルールというのは条例の中にはないわけですよね。ですから、私は、これは借金として解釈するというのはちょっと無理がある、そのように考えますが、いかがですか。
○成田主計部長 先ほど来申し上げておりますように、満期一括償還に備えまして、元金相当額の四二%相当分を十四年度に一括して償還しなければいけない、そのためのお金の積み立てでございます。
減債基金条例では、予算で定めると。したがいまして、先生は予算で定めがない以上、義務的積み立てとみなすことができないから、これは借金ではないと。そういう論理の連結の中で、その借金性を否定されようとしているのかもしれませんけれども、先ほど来申し上げていますように、そもそも何で減債基金がつくられたのか、減債基金としてどれだけを満期一括償還に積み立てていかなければいけないのか、そういう財政運営の当然のルールがあるわけですから、それに則して考えるべきであって、条例の文言が定めるということだから義務性がないということは、当たらないと思います。
○古館委員 ですから、六%で積み立てなきゃならないというルールそのものは、実際には六%じゃなくて、どうしても財政が逼迫していた、半分の減債基金で半分を取り崩して--取り崩すというか、違うところに回すと。今回は四分の三という形で、補正予算で四分の三にしましたよね。だから、六%というのが十分の十だとすると、そうじゃないやり方も、今まで実際にはやってきたわけですね。
私は、その減債基金の成り立ちというのもこの中で理解しているんですが、昭和六十年度に減債基金条例が制定された。その前は財政調整基金から分離独立していたわけですよね。財政調整基金というのは、ご存じのとおり何でも使えるよと。ところが、十年一括償還というふうになってきたから、減債基金という基金をつくりましょうと。だから、性格はどこから分離していったかというと、何でも自由に使えるという財調基金から分離していったわけですよね。
そういう中で、私は積み立てをやらなくていいということをいっているわけじゃないですから、それは誤解しないでいただきたいんですが、それでは聞きますけれども、二〇〇二年度以降、ルールどおり所要額の全額を積み上げた場合、十三年度同様四分の三の積み立てを行った場合の二〇〇六年度の減債基金の残高は、それぞれ幾らでしょうか。
○成田主計部長 ご質問の、平成十四年度以降減債基金の積み立てをルールどおり行った場合の十八年度末の基金残高は、五千百六十七億円でございます。また、十三年度と同じように四分の三積み立てを続けた場合の残高は、千五百二十六億円でございます。
それと、この前提として、なるほどこの間、都としては非常に財政が厳しい中で、さまざまな施策の見直しを行ってもまだ財源が確保されないために、いわばやむを得ない措置、緊急避難措置として、基金の積み立てを必要額の二分の一、四分の三に抑制せざるを得なかったわけでございますが、あくまでも本来は満期に四二%分の償還が必要である、そのためのお金をきちっとためておかなきゃいけない。それと、これはこの財政委員会でるる申し上げましたが、そうでないとした場合には、その時点で、その不足部分をそのときにおける一般財源から振り向けなければいけない。それが年度によっては、数年先は三千億とか、そういう金額になって、この都債についてはちゃんと償還しませんと、これは今後市場等々から都債、借りられませんから、これはもう超義務的な経費でやらなければいけない。
将来のそういった財政需要をにらんだときに、できるだけ事前に積み立てて、その時点におきます都民サービスをカットしてまでも借金を払わなきゃいけない、いわばそういう事態に陥らないように、私どもるるご説明申し上げておりますし、また、財源をできるだけ確保しながら、そういった事情の中で最大限積み立てるべき額を積み立てていきたい、そのように考え、これまでやってきたところでございますので、ぜひその点につきましてもご理解を賜りたいと思います。
○古館委員 ですから、今いったようにルールどおり六%でいくと、二〇〇六年度の減債基金の残高は五千百六十七億、四分の三の場合は千五百二十六億円という残高で--だから、そのときそのときのかなりきちっとしたカウントといいますか、どういう形で積み立てていくかということについては私は否定しません。
ところが、現実には減債基金の積立金というのは、四分の三でも、今いったように千五百億円の残高があるわけですから、この減債基金積み立てというのは、まさに財源不足の調整弁だと私はこの間もいいましたけれども、そういう役割を担っているんじゃないでしょうか。だから、そういう意味でいうと、ある意味ではそういう役割というか、そういう機能的なものも現実にはあったわけですよ、今までも。だから、そこの部分についてはきちっと将来予測も厳密にしつつ、この問題については否定はしませんけれども、六%ということにこだわらないで、一つ一つ確実にそのことが有効に都民の財源として使われていく、そういう方向性を私は今後とも追求していくべきだと思いますが、その点についてはいかがですか。
○成田主計部長 ただいま古館理事の方から、減債基金が財源不足の調整弁、そういう役割というようなお話がございました。これは、非常に私どもとしては看過できないご発言だと思います。
たまたまこの間は、財源不足の中で所要額の積み立てができなかったわけでございますが、きょうお手元にお示ししてございますように、減債基金の取り崩し額、これがこれまでは満期一括償還に切りかわりまして、まだその時間が来ていなかったがために少なかった、だから、そういう窮余の一策という形での対応がある時期可能だったわけでございますが、そこの資料に示してございますように、今後、満期一括償還が本格化しまして取り崩し額がふえてきますと、もはやそういったことはいっていられないという意味では、たまたまこの間の一時期における減債基金が、そういった役割を、さまざまな厳しい状況の中で担わされていたといいますか、そういう機能の部分は一部あったというのは否定はいたしませんが、ただ、それは本来の姿ではない。
そうだったから、今後もそうやっていいということになりますと、近い将来の公債償還の本格化したときの大幅な一般財源の増と、それに伴う都民サービスのドラスチックな削減という不測の事態を招きますので、私どもとしては、こうしたこれまでの経緯、それとこういう形で将来の推計もできるわけですから、それをにらんで見たときには、それに備えて、本来の減債基金設立の趣旨に沿って、あとう限り本来の趣旨に向けて努力していく、これこそが私どもが財政当局としてなさなければいけないことなのかなと考えております。
○古館委員 それでは、公債費のピークは何年度ですか。
○成田主計部長 公債費の償還期等でございますが、平成十五年度の八千億円をピークに、その後、高原状態が続くものでございます。
○古館委員 ですから、ピークは乗り越えても、なおかつ残高はあるわけですね。そういう意味でいうと、ルールどおりということではなくて、きちっと積み立てをすることに対して私は否定はしていないわけですから、そういうことをきちんとカウントしながら、有効に財源として都民のために活用していくということを改めて強く求めて、私の質問を終わります。
以上です。
○桜井委員 まず、財務局の皆さん方に、この十三年度の予算案編成等につきまして、局を挙げて一生懸命取り組んでいる姿に敬意を表したいと思います。ご苦労さんでございます。
私は、皆さん方が苦労してつくりました十三年度の予算案は、財政再建プランに基づいて、引き続き厳しい内部努力を実施すると同時に、すべての施策について聖域を設けることなく見直しを行うということを基本に編成されていると思います。そして聖域を設けることなく見直しを行うために用いられている手法が、いわゆるシーリングということだと思いますが、バブルの崩壊後税収が落ち込んで、厳しい財政状況の中でマイナスのシーリングがここのところ数年ずっと続いております。それは非常に厳しいシーリングだというふうに思わざるを得ない。現実に、これ以上のシーリングが行われたのじゃ、もうアウトだという事業局もございまして、そういう意味では、財政状況は極度の瀬戸際に来ていると判断せざるを得ないわけなんですが、そこで、予算編成におけるシーリングというものの基本的な考え方をまず伺っておきたいと思います。
○成田主計部長 ただいまお話のございましたシーリング制度でございますが、これは予算編成の効率化、経費の節減を図るために、予算の要求段階からあらかじめ各局の要求総額の限度を設けるものでございまして、これは単なる経費節減にとどまることなく、施策や事業そのものの見直しを進める上での有効な手段の一つと考えております。
○桜井委員 都は、たしか五十一年ごろからシーリングを用いてきたわけでありまして、そしてそれぞれの年度においてシーリングの内容も違っていますけれども、とにかくシーリングという方法をここずっと採用しながら来ているわけですね。ところが、ここに来て財政状況も大変厳しいものですから、単なるむだをなくすだけのシーリングじゃなくて、シーリングそのもの自体がかなり厳しいものになっていると思います。
十三年度につきましてもシーリングの方針を出されましたけれども、改めて、十三年度におけるシーリングの特徴をお伺いしたいと思います。
○成田主計部長 十三年度の予算見積もりに当たりましてのシーリングの特徴でございますが、これは十一年度予算額に対しまして、総額で、管理事務費等につきましては二五%減、経常経費は一五%減、また、投資的経費は二五%減の範囲内で所要額を見積もることにしたものでございます。
○桜井委員 主計部長、ちょっとお伺いしますけれども、シーリングというのは前の年度と比べて行うのじゃないかと思うんですが、十三年度を十一年度と対比してという、これは何か理由があるんでしょうか。
○成田主計部長 ご案内のように、一般的には対前年対比でシーリングを設けますが、私どもの場合、財政再建推進プランで、平成十一年度に比べまして、財政再建期間中に投資的経費については三〇%、経常経費については二〇%、そういう目標を設定しております。したがいまして、十三年度予算の要求に当たりましても、そうした財政再建プランの目標に向けてということで、それぞれ二五%、一五%の率を設定したものでございます。
あわせまして、これを十一年度としたもう一つの理由としましては、例えば十二年度に一生懸命シーリングをやったところと、そうでないところとあります。それを十二年度対比でやりますと、一生懸命やったところは、そこからまたさらにということになります。そういう面では、十二年度一生懸命やったところにはそれなりの前年度の努力が反映されるように、また、十二年度についてそこそこのところはまたさらにと、そういう意味での十二年度予算における取り組みを踏まえた、めり張りをつけたいという見地から、十一年度対比でのシーリング設定とさせていただいたところでございます。
○桜井委員 シーリングといいますと、一律カットというイメージが強くて、余りいい印象を受けないわけですね。ですから、首都東京の再生を目指すということを前提で財政再建をしていかなきゃならないと思うんですが、そういうことから考えると、シーリングというやり方がどうなのかなという素朴な疑問が起きてくるわけでありまして、各局も予算を要求するわけですけれども、恐らくもう少し自由に、自分たちの考えで経費節減をしながら要求していきたいという考えが多かれ少なかれあるんじゃないかなと、こう思います。一方では、先ほど来話が出ていますが、増収がありまして、シーリングというものに対する抵抗感も総論として出てくるのじゃないかと思います。
そういう中で、このシーリングに対して財務局は今後どのように活用していくのか、また、今後どうしていくのか、このことをお伺いしたいと思います。
○成田主計部長 シーリング方式で、例えば投資的経費を二五%といいますと、例えばAという局で十の事業がありますと、全部それを二五%一律に切らなきゃいけない、そういうような理解というか誤解があるようでございます。そうした場合には、結局その局の自主性は生かされません。私どもがお願いしていますのは、Aという局の投資的経費を総額として二五%減にしてほしいということは、その局として、例えばAという事業はぜひやりたいということであれば、それは別にシーリングをマイナスにしなくてもいいわけです。Bという事業、これはもう大分古くなってきている、この際だからもうやめておこう、そういう場合は要求の段階から二五%といわず、四〇%でも五〇%でも下げてくればいいわけです。
ですから、そういう意味では、シーリングといいますと、個々の事業まで全部同じ一律に横でスライスしなきゃいけないという理解があると、これはちょっと誤解でございまして、あくまでも事業総枠、その中身でどれをとるか、めり張りをつけるかというのは、それぞれの局で判断していただきたいという内容でございます。
そういう意味では、今後、都の財政再建を進め、東京の再生、日本の再生、そういうのを目指す施策を展開していく上で、税収増等につきましても、今の経済状況等の中では非常に厳しい。やはり施策の見直し、再構築を通じて、それで財源を捻出して、新しく施策を展開していく必要がある。そういう観点に立ったときは、私どもはシーリングを--シーリングというのは、そういう意味合いのものであるということを各局によく理解していただきまして、そうした中でこのシーリングを適切に活用して、施策の見直し、そして再構築、それを進めていきたいと考えております。
○桜井委員 私がシーリングのことを質問したのは、ちょっと後で細かいことをお聞きしたいことがあったものですから。シーリングをやっていくためには、確実な事業の実行を図ることが大事である、その前提として、各局がみずからの判断で、どれをどうするかということを取捨選択することが不可欠であるというお話だったと思います。
しかし、主計部長がおっしゃるように、シーリングが安易に解釈されて、全体に広く薄く削減するというような感じになっている部分があるんじゃないか。そうなりますと、既定事業というものが温存されて、弱いところにシーリングのしわ寄せがいくという弊害もあるのではないかなと。私のお願いは、そうした部分についても、お金を扱う財務当局としてしっかりチェックしていただいて、もしそういう部分があるならば、都全体の立場でチェックをしていくことが大事ではないかなと思うのですね。
シーリング方式を徹底して、財政運営に努力していることは高く評価するわけなんですが、長い間の継続事業について、果たしてその有効性が検証されているかどうか、こういうこともチェックしていく必要がある。その上で財務当局の指導性を発揮してもらいたいな、こういうふうに思うんですよ。この辺の考えは、まず基本的にどうですか。
○成田主計部長 ただいま申し上げましたように、シーリングにつきましては、予算編成を行っていく上での一つの手法ということで、これは各局の自主性を尊重する、そういう内容でございます。ですから、基本的にどういう事業を見直していくかということは、基本的には各局の自主的判断に待ちたいと思いますし、また、私どもも事業見直しの視点とか、そういった形では各局にお願いしているところでございます。
ただ、そういった中でも、例えば印刷物の見直しとか、もろもろそういった個別課題等につきましては、そういった各局のシーリングで見直し等を行う中にあっても、これについては私どもとして見直しの視点等を示して、きちっとした見直しをしていただく、そういう要請は行っているところでございます。
○桜井委員 ですから、私は、シーリングのことをお聞きしましたけれども、もっと広い立場で、先ほど主計部長がおっしゃっていた事業の効率化、経費の節減あるいは事業の見直し、こういうことについてもっと目配りをしていく必要がありますよというお話をしたわけですね。実際に今、印刷物の話がありましたし、電話代の問題とか、細かいところまで財務局は取り組んでいるわけですから、事業については各局の取捨選択だというのではなくて、その垣根を越えて、同じような事業がたくさん都政の中にあるならば、その見直しを迫っていくくらいの姿勢も必要だろう、こう思っているわけであります。
そこで、私は具体的なことで質問したいと思うんですが、実は世田谷区の中に、祖師谷の公園計画というのがあるわけなんですね。これはいまだに用地買収をやっているわけなんですが、聞くところによりますと、昭和十八年に防空林緑地、祖師ケ谷緑地という計画ができまして、ほぼそのときの計画と同じものが昭和三十二年に都市計画決定をされて、今日まで用地買収をしているわけなんですね。
まず、財務局として、この祖師谷の公園計画の現状について掌握しているかどうかお聞きしたいと思うんです。掌握していなければ質問になりませんので、どうぞよろしく。
○橋本財産運用部長 祖師谷公園でございますけれども、お話のように、昭和三十二年十二月に、約五十三ヘクタールの区域につきまして都市計画決定をされまして、その後、平成十一年十一月までに約八ヘクタールの区域につきまして事業認可を受けて、その部分も含めて用地買収を進めてきたところでございまして、平成十二年六月現在で七・三八ヘクタール、五十三ヘクタールの区域に対しまして、一三・八%の区域について開園しているという状況でございます。
○桜井委員 部長が若干掌握しているようなので質問したいと思いますが、今いったように、五十三ヘクタールのうち、用地買収済みが八・四八ヘクタールなんですね。しかし、このうち、下水道局の用地が一・二ヘクタールで、教育大跡地としていただいたやつが四ヘクタールですから、これで六・二ヘクタールなんですね。だから、買収済み八・四八のうち、民有地を買収したのは二・二ヘクタールしかないわけでありまして、そしてそのうち七・三八ヘクタールが一応開園をしております。この開園した部分は、地域の人たちに大変喜ばれていることは評価したいと思います。
それで、ちょっとお聞きしますが、平成十一年度に買収した面積と金額、知っていますか。
○橋本財産運用部長 平成十一年度に買収した面積と金額ですが、二千九百二十一平方メートル、金額は十六億二千七百万円でございます。
○桜井委員 これが、一応計画なんですね。局長、この赤い線の中が公園計画なんですよ。買収した部分はこの部分なんですね、公園が開園しているのは。後で回しますから。それで、去年買った、十一年度に買収した土地を見ますと、この緑の部分なんですよ、緑の部分。こんな遠くの方にあるんですね。この遠くの土地は、公園のこの一番端から数えても約四百メートル、道路で行くと五百メートル以上あると思います。公園の中心から見ると、六百メートルぐらい離れているところを、ぽつんと買ってあるわけですよ。
そして、この公園の計画の中には、これから進めようという中にも千五百世帯以上の人が住んでいるわけですよ。住んで、もう長い人では四十年以上、三十年以上の人たちが千五百世帯住んでいるわけですよ。特に阪神・淡路の地震以来、防災意識も町会で強くなりまして、田んぼの上を埋め立ててつくった造成地ですから、その辺が心配になって、鉄筋に建てかえたいといっても、これはだめなんですね。あるいは、救急車が入ってこれない道路がいまだにあって年寄りが不安に思っているとか、たくさん日常生活の中で弊害を負っているわけです、今の時代性に合わない。それで、地元としては何回も公園計画を見直してくれと--公園そのものは否定しないんです、公園計画を見直してくれと。私、ここで公園計画どうするとは聞いているわけじゃないんですよ。要望が何回も出ているわけですよね。
ちなみに、例の一家四人殺しが年末にありましたけれども、あの宮沢さんのおうちもその中に入っていまして、テレビで見ますと両わきがあいていますよね、土地が。あれは平成九年と十年に都が買収した土地で、そのままになっているわけです。ですから、このぽつぽつ買っていった土地が、三十坪や四十坪の土地がみんな買いっ放しであいているわけですよ。まさに虫食い状態です。それで、さっきの進ちょく状況から見ても、全部この買収を今の方法でやっていたのでは百年以上かかるんじゃないか、こういわれている公園計画なわけですよ。私は、こういう用地買収のやり方についてどうかなと疑問に思うんですよね。
一方では、これはちょうど成城に近いところですから、国分寺崖線もあります。そちらは開発でどんどん緑がなくなっている。そちらは野放し的に緑がなくなっちゃっている。片方は緑がないところを緑にするんだといって、ぼちぼちぼちぼち虫食いにして買っている。だから、地元の人の素朴な感情、都の縦割り行政とか、どこの局の担当とかということはわかりませんから、地元の人の感情からすると、東京都は何をやっているんだよ、片一方で緑をつぶしておいて、片一方でぽつぽつ土地を買っているのはどういうことかと、行くと必ず聞かれるわけですよ。こういう用地買収についてどう思いますか。
○橋本財産運用部長 祖師谷公園につきましては、東京の緑の骨格を形成する重要な公園の一つとして、都市計画上の総合公園として位置づけられておりまして、長期的視点から整備を進めていかなければならない公園であるというふうに認識しております。
ただ、先生おっしゃいますように、種々の事情によりまして用地の買収が進まず、事業の進ちょくがおくれていることも事実でございまして、そのことがあって、区域の住民の方々にお話しのような状況があることも承知をいたしております。確かに結果として、買収している土地が飛び飛びとなっていることはそのとおりでございますけれども、都市計画事業区域におきましては、建築制限等を課す見返りといたしまして、土地所有者から申し出があれば、法的には都に買収義務が生じるといったようなこともございまして、個々の買収案件につきましては、財務局としては所管局の事業判断を最大限尊重してきたのは事実でございます。
これまで、都市計画公園に係る用地買収につきましては、原則として地権者の同意を得ながら行っていると聞いておりまして、ここの買収箇所が、結果として指摘のような既存開発区域から離れた場所になっているということは、非常に残念であると思っております。
○桜井委員 これは、残念だでは済まされない状況でありまして、あそこの周辺の町会の人たちも、一つは、一家四人殺しがありましたから、防犯事業や何かを進めてほしい、もう一つは、今まで買収した公園については早く整備してほしいと、公園をつくることを否定はしていないんですよ。しかし、これからの公園計画については、もう生殺しにされちゃう、何もできないと。皆さん方は、手を挙げて売りたいという人は余りいないんですよ。いないから買収がかかっているわけですよ。
それで、どの町会の役員や町の人に会っても、祖師谷というところは非常にいいところなので、ひっそりと平和に暮らしていきたいんだ、だから公園なんかにしないでくれというのが大半なんですよ。それでも東京都に行くと、これはもう決まっちゃっていて断じてつくるんだということで、いつできるんだと聞きますと、わからないわけですよ。ある専門家は百五十年ぐらいかかるんじゃないかと、この計画を全部つくるには。こういうことは、私はむだな公共事業だと思うんですよ。その辺の考えはどうでしょうか。(「篠崎にもあるよ、江戸川区の」と呼ぶ者あり)
○橋本財産運用部長 むだな公共事業であるのではないかということでございますけれども、先ほどもご答弁申し上げましたように、この公園は、区域における骨格的な公園というふうに都市計画上総合的に位置づけられておりますので、やはりこれは長期的な視点に立って、余り時間がかかってはもちろんいけないんですけれども、進めていくべきものであると考えております。
ただ、ご指摘のような買収の実態につきましては、公園としての整備を少しでも早く進める、あるいは開園区域に近いところに、開園区域を拡大していくというようなところに買収の箇所を集中するといったようなことの工夫は必要であろうかと思いまして、現在のようなかなり離れたところの買収をするというのは、問題なしとはしないというふうに考えます。
○桜井委員 今、進めていくべきだと思うといったんですが、それは当局がどうするか、さっきいった当局の取捨選択のうちですからね、そこは私聞いてないんですよ。買収の仕方はどう思いますかということを聞いているわけですから、問題ありと思うならば、今後問題にしてもらいたいなと思うわけですね。むだな公共事業じゃないかというのは、余りにも地元の人が困っているものですから、私の感情がちょっと入ったかもしれませんけれども、ただ、実態に即して理解してもらいたいと思うんです。
たしか十二月の定例会で、知事は、形骸化した都市計画は廃止するものは廃止した方が都民の理解を得られる、こうおっしゃっているわけです。だから、公園を否定しているわけじゃないんですよ、どこで、どういうふうに見直しをするかということを早くしないと。先行取得は今はないですよね、十二年度からなくなっていますから。公園につきましては先行取得は十二年からはやっていないんですが、しかし、四百メートルも離れたようなところをぽつっと買うような手法をこれからもやっていくならば、これはいつ公園ができるかわからないわけですね。
先ほどおっしゃったように、やはり財務当局は、お金をしっかりと、むだなく、効率的にしていくという立場ですよ。全局にそういうものを普及させていく立場だと思うんです。非常にそういう意味では大事な立場にあるわけですよ。だから、こういう事業についても、当局だけに任せるんじゃなくて、特に公園は、先ほど大西さんからも話が出ましたように、虫食い的な買収のやり方は、祖師谷だけじゃないわけですね。都内に幾つかそういうところがあるわけですよ。
今のように、小さい土地を買って何年も遊ばせておくというような土地の買い方は、これは改めるべきだ。むしろそういうことを財務局の方から問題提起をして、やっぱり公園計画そのものの見直しをやっていかなければ、都民は納得しないと思うんですよ。その辺の見解について局長にお伺いして、質問を終わります。局長、お願いします。
○木内財務局長 なかなか難しい、三つ、大きく問題があるのかなというふうに思っております。公園も含めまして都市計画のあり方といいますか、そういう根本的な問題提起にかかわる部分が一点あって、それについて私の立場で、何といいますか、(「都市計画のことはいわなくていいですよ」と呼ぶ者あり)お答えすることは、なかなか難しいかなというふうに思っております。
二点目として、予算の財源の配分の問題というんですか、トータルの問題として、ある種の重点化を図るという行為が必要だろうというご主張であろうかと思います。この公園といいますか、一つの公園のみならず、先ほどシーリングのお話が前段にありましたけれども、当局としては、予算編成に当たっては、シーリングという手法での総枠の問題と同時に、あわせて、例えばで申し上げれば、百三十八事業ということでプランで申し上げたような、個別事業に着目した見直しあるいは廃止ということで進める方法、二つの方法をもって事業の重点化、何が必要な事業であって、何が、不要ということはないでしょうけれども、不急な事業であろうということの判断を、よりしろという叱正というふうに受けとめさせていただきたいと思います。
それから、三つ目にいわれたことは、今度は予算の具体的な執行の問題で、虫食い的なというお言葉に象徴されるような、予算の執行については適切ではないというお話であったというふうに思っております。事業局ともども我々としても、さらに予算の適切な執行に努めてまいる所存でございます。
○桜井委員 要望なんですが、私のお願いは、ここで公園をどうするとか、そういうことをいっているわけじゃありません。財務当局として、やはり財政運営を預かる、都の最も中心的な局でありますし、また、公有財産の取得や管理、処分を総合調整する立場も財務当局じゃないかと思うんです。
したがって、今私が問題提起したことを含めまして、事業の見直しを含めまして、効果的な事業のあり方、こういうことをぜひ問題提起をして、関係局に強く働きかけていただきたい、このことを強く要望をいたします。
以上で終わります。
○遠藤委員長 それでは、議事の都合によりまして、おおむね十五分間休憩いたします。
午後三時十六分休憩
午後三時三十四分開議
○遠藤委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
発言を願います。
○西条委員 それでは、ちょうど予算委員会が今進行中のところで、いろんな議論が、まさに同じような議論がされております。それを聞いた感じ、それから、きょうのいろんな議論を聞いた感じ、それから、本会議の最初の日の質問や何かから、それぞれのいろいろな会派の、今のこの状況に対する、予算に対するスタンスというのも大体わかってきたような気がいたします。私からは、それらを踏まえて質問をして確認をしたい、こんなような気がいたしております。
とにかく、このところ、先ほど大木田先生からも株の話があったけど、ご案内のとおり、こういう状況下に、まさに経済状況がなってしまっていて、こんな状況を踏まえて、皆さんが予算編成を去年の夏ごろ以降しているときでは、当然こんなことは想定できなかった。そういうことですが、今、我々の議論は、やはり今のこの状況を見ながら、先行きどうするかという議論でしょうから、そんなところで伺っていきたい。
例の、少なくとも財政の権威であります宮澤財務大臣も、とにかく破局だといっているぐらいのこんな状況ですよね、ご案内のとおり。それから、先ほどもちょっと話がありましたが、麻生経済担当相というのか、前の経済企画庁長官だよね、この方も、いよいよデフレ宣言をされました。そういう意味では、昨年の皆さんが予算編成をしているころとは、状況が大分変わっているんじゃないか。大分どころじゃないと私は思っているんですよ。そんな中で、私は議論をしますので、そういう意味での答弁をしていただきたいな、こんな気がいたしております。
実は、先ほど古館委員との議論の応酬の中で、たまたま木内局長がちょっと触れられた都民税利子割のことは、実は私は正確に聞きたかったところであります。ですから、実際、さらっと先ほど局長が答えられているけど、このことは大事なことだから、もう一回改めて、きちんと確認をする意味で僕は質問をさせていただきたい、このように思うわけであります。
実は、都民税利子割、平成十三年度、千四百二十六億、十二年度が一千八百五十三億、この数字ですよね、皆さんからいただいた資料。ところが、先ほどもちらっと出た、十年度は六百七十億です。そうでしょう。ことしの十三年度との差がいかに大きいかというのは、これで皆さんおわかりいただけると思います。十一年度が千四十七億、十三、十二年度と、それ以前の二年と比べると、倍ぐらい違うわけですよね。この差は、僕は大変なことだろうと思っております。
それで、これは先ほど局長もいわれたとおり、十三年度と十二年度は、まさに郵貯の満期のピークを控えているから、当然これは数字が大きくなった。このこと自体は、税収が多かったんだから喜ばしい話だけど、これを今後の、いわゆる平年度というか、そこに戻していったときに、今のこの千四百二十六億とか、こういう数字で当然皆さんは追っかけてはいないんだけど、今の予算でこういう数字で出てしまうと、これぐらいの規模がずっと保てるように一般の人は思う。実際はそうじゃないんだということを、先ほど局長がいわれたんだろうと私は思っております。
それで、少なくともこれが普通の年に戻れば、平成十四年度、十三年度以降ということですが、今後は一千億程度ぐらいしか見込めないんだろうと私は思うんです。ただ、これはあくまで推測の話ですから、成田さんが、そうですとか、今答えられないだろうと思うけれども、ただ、私はそう思いますと。
それから、先ほど局長もちらっといった、郵貯のピークだからこういう数字ですよといったのは、そういう意味なんだろうと思って、それは正式の答弁として数字に残せとか、そういう話ではないけれど、まずそういうことが大前提ですよね。それから、外形標準課税の分も、平年度に戻せば一千億程度だ、こういうことですよね。これも先ほど局長がいっておられました。
そうすると、どうでしょうか、十四年度は、両方の今のをやると、少なくとも八百億程度の減収になっていくんじゃないかな、実際は。平成十三年度の皆さんが予算編成をしたような数字からいくと、その程度ではないのかなと、このように私は思うんです。
そこで、先ほどのいろんな、隠れ借金や何かの話もさんざん議論したから、もうそれは繰り返しませんが、そういう意味では、私も今いった、少なくともこの予算編成は、皆さん大体昨年の七月ごろから--実際はもっと前からだけどね、具体的な作業が始まるのは。その中と、今のこの状況から見ると、少なくともこの平成十三年度の税収も、予想は立ててみたものの、今の経済状況、これで本当に先ほどいった四千八百億、来年の末へ行ったときに確保できるのかなという不安も、私は思っております。
そんなこんなも含めて、少なくとも来年度以降は、もっと厳しい税収の見積もりをしていかないと、とてもとても、先ほどの隠れ借金をどうするだの何だのという以前に、通常の予算編成だってできなくなるんじゃないかというような気が私はしております。
まず、そこら辺の、経済評論家じゃないから、部長もそれはそうですとは答えられないけど、今、部長の立場で、どのように思っておられますかということをお聞きしたいと思います。
○成田主計部長 昨年からの予算編成をめぐる経済環境、それがことし以降どうなったのか、その基本的な認識についてのご質問でございますけれども、昨年末の時点で大幅な税収増があると。しかしながら、当時いわれておりましたのは、アメリカの景気が減速ぎみである。あるいは、日本の景気も、回復基調にあるとはいったものの、さまざまな指標を見ていると、ダイダイ信号がともったのではないか、そういうお話があったかと思います。それがやはりこの一カ月を見ますと、ダイダイ信号というようなものではなくて、むしろ赤信号に近いのかなと。アメリカの方は、ナスダックも二〇〇〇を割っていますし、ニューヨークのダウも一万ドルを割っているということで、アメリカの景気について、減速ぎみどころか、それが顕著になってきている。
そうした結果、国内にあっては、そういった対米輸出等に依存している産業等を含めて、いわば日本の国内設備投資等が、これも非常に鈍ってきているということになってきますと、今後の十四年度の日本の経済状況等を見ると、これはやっぱり非常に厳しいものがあるのかなと。政府が初めてデフレを認めましたし、それと不況のデフレスパイラルという形になりますと、政府の発表では景気回復過程が足踏みをしている、そういう非常に文学的な表現ですけれども、私どもとしては、そこからはさらに今後の経済の先行き等厳しいものがあるということを、やっぱり改めてそこでかみしめなければいけない、かように認識しております。
○西条委員 はい、ありがとうございます。
それで、都に限らず、私は元区議会議員をさせていただいて、文京区の地元財政状況なんかを見てくると、地方は僕は知らないけど、少なくとも東京のそれぞれの自治体は、一時バブルのいい時期に、それぞれ基金をどんどん積み立てて、ある政党はため込みだといって怒っていましたけど、しかし、そうはいいながら、それが功を奏して--バブルの時期に、それぞれの自治体はかなりの基金を積み立てたんだよね。そしたらバブルがはじけて、財政状況が苦しくなって、それを取り崩しながら今日まで来たから、バブルがはじけてからこれまでの間、まだ僕はもったんだろうと思っている。少なくともうちの区なんかは、その典型です。それから、うちの周辺区で、その基金がゼロに近くなっちゃって、全く新規事業も何も成り立たない区だって、どことは私、今いいませんけど、都だって、そうだったんですよね。
そういう実情の中から、たまたまちょっと一時期は、昨年度は景気の回復がありそうだといっていたから、多少の税収の見込みはあるけれど、年が明けたら、今部長がいったような、現在はこういう状況。
それから、これは我々も多くは反省しなきゃいけないけれども、今の政治状況がこの状況でしょう。そうすると、少なくとも我々の都議選や参議院選が終わらなければ、日本の政治状況の混乱はもとへ戻らないよね、どうなるにせよ。そうすると、いわゆる政府が今何とか取り組もうとしている緊急経済対策といっても、少なくともそれの効果が出てくるのは、ことしの後半以降でしかあり得ない話ですよ。そうすると、少なくとも今のどん底のような状況、破綻だとか、デフレの状態だとか、まさに閣僚がいうような状況が、少なくともことしの前半はずっと続く状態の中で行くんですから、どう考えても、私は十三年度の税収が、来年度の終わりに行ったとき、皆さんが予算編成したときのような予測どおりにはほぼいかないだろう、残念だけど。私は、そう思っているんですよ。
たまたま皆さんがこの予算の概要の中に、財政構造改革のさらなる推進という項目までちょうど示していただいておりますから、それを見ますと、十二年度最終補正で一千二百四億円、そして十三年度当初で四百七十億円、合計一千六百七十五億円、社会資本整備基金に五百八十七億円、こういう計画を立てられておりますよね。しかし、この法人二税が先ほどいったように落ち込んだら、例えば、社会資本整備基金なんかは積み立てられなくなっちゃうんじゃないですかという不安を私も感じているんですよ。その点はいかがでしょうか。
○成田主計部長 現在の都財政をめぐる経済環境、非常に厳しいものがありまして、十三年度の税収がどうなるのか、これもなかなか難しいといいますか、今後注視していかなければいけないと思います。そうした中で、仮に年度途中に都税の減収があった場合、どう対応するかというご質問だろうと思いますが、この場合は、今、西条理事のお話がありました社会資本等整備基金の積み立てに限らず、それだけではなくて、やはり都の行うすべての事業、施策について、その優先度を踏まえて判断を行って、必要な対応をとっていくことが必要かと、かように考えております。
○西条委員 まさに部長がおっしゃったとおりです。だから、ここで今回、財政改革のさらなる推進というのまでせっかく打ち立てたけど、それだって様子を見ながら行くんで、せっかくこの予算の概要の中に示したこういう方針だって、これは崩れちゃうかもしれない、少なくともこういう話ですよね。そういう話だろうと思うんだ、そうならないことを望みたいんだけどね。これは何も部長が悪いわけじゃないんだ、世の中の景気がこういう状況になっちゃえば、そういうことですから。そういう上に、この十三年度の予算が成立して初めて、その翌年が成り立つんだけど、その前が崩れてしまえば、その次だって、また一から全部組み立てし直しという話になりますよね。
ですから、そんな甘いものではないなということを、改めて私はこの委員会の席で申し上げておきたい。今、部長も、まさにそういうことですと。今は、断言して、そうだと宣言するわけにいかないんでしょうけどね。
そうはいいながら、先ほど申し上げましたとおり、一応政府も、中身がどうあるかわかりませんけど、緊急経済対策をやるやるといっているわけです。それで、そうはいいながら、きのうの午前中の日曜討論なんかを見ていると、大方の経済評論家は、あれじゃだめだねといっているんで、そのことからも、私なんかは非常に後半の不安を感じるんでありますが、そうはいいながら、今これで国も地方も全部が、いわゆる財布の口を全部締めちゃったら、まさに行き詰まっちゃうわけですからね。
そういう意味で、少なくとも財政構造改革を進めながら、その一方で、まさに企業活動の活性化を図ることを進めなきゃならない。それをどう図っていくかですよね。これもちょっと生々しい話ですが、少なくとも今まで景気が悪かったから、国の政府は、どんどんどんどん財布の口を緩めちゃった。その一方で、財政構造改革を進めなきゃいけない。それへの外圧も食らってしまった。二律背反のことを追っかけてきちゃったわけだよね。それで、俗にいう六百六十六兆、そこまで借金だけ膨らんじゃった、だけど、片っ方の景気の回復はできなかったと。これは結果論だから、だれが悪いといってもしようがないけれども。
それで、今になって、次の総理は、まさにこの外圧もあって、構造改革にいかに取り組むかといって、一気にこっちへ走り始めているところが多少ある。それをやれるやつかやれないやつかで総理を選ぶんだみたいな、こんな議論も出ているけれども、それも僕は危険な議論だなと思っております。ただ、基本は、財政構造を直す方が、まず先だろうと僕は思いますけどね。その一方で、まさに今いった、政府が始めた緊急経済対策は、一定の景気浮揚のための経済界の企業活動をいかに短期のうちに上げようかという話で、それがいずれ政府からおりてくるんでしょうから、その部分はどのように財政当局は今とろうとしておられますか。
というのは、実は、ちょっといえば、知事も予算委員会でもちらちらいっているとおり、亀井さんからいわれて、自分もこれだけいったというんだよね。十兆だっけ、十兆だよね。その部分のところは、すぐこの予算に反映させろという話じゃないけど、おりてきたらどうするんだろうか、あの上げたものを。まだ、そこまではとても頭回っていないですか。
○成田主計部長 この間の議会の中でも、知事の方から、総額十兆円のプランを与党三党の政調会の方に提案したというお話でございます。そして、今はっきりしておりますのは、その中の、例えばIT関連であるとか、三つの柱になっておりますが、具体的な事業まではまだはっきりしておりません。そしてまた、知事も答弁で申し上げたように、じゃ当面それでできるのは、基金等を積み立てることかなという状況でございます。
ご案内のように、現在、国会の方で審議しておりますのは十三年度予算ということで、そういった計画は、その先の中期的なものになろうかなと、そのように考えております。これにつきましては、詳細な内容、それと事業主体等々、まだわかっておりませんので、ちょっとこの場では答弁できないことをご了承いただきたいと思います。
なお、そういう意味では、西条理事おっしゃいました景気への都の取り組みということでございますが、これは十三年度予算の中でも、事業の効率性等にかんがみまして、重点的な対応を図っておるところでございますし、先般の財政委員会の中でも、最終補正の中で、たしか予算規模で千五、六百ですか、最終的な事業規模四千四百の十二年度の最終補正を組んだわけでございますが、これは、公共事業とともに融資の枠の確保等、そういうことで最終的な事業規模は四千四百ということで、これも景気の回復、下支えに寄与する内容であろうか、そのように考えております。
○西条委員 はい、ありがとうございます。
私は、この予算編成のやり方といいますか、私も都議会議員をさせてもらって、都というのは大変巨大な組織ですよね。日本の十分の一ぐらいのところで、金も、人口も、予算規模もというようなところで、改めて区の予算編成なんかを見ると、とにかくこんな巨大なところでしていくんだから、なかなか部長すごいですよね。
実は、なぜこんなことをいいますかというと、皆さんは、先ほどいっていた、昨年、一年がかりで次の予算をつくったわけだよね。膨大なエネルギーと費用が、やっぱりこれはかかると思うんですよ。これを下げていく努力、これも私は大事だろうと思っております。これは手を抜けという話じゃないんですよ。
それで、まさに都庁改革アクションプランの中でも、自己検証システムの構築、実施、各局責任による予算見積もり範囲の拡大、こういうのが盛り込まれていますよね。それで、私は、少なくとも毎年毎年予算編成しているわけですから、各局の責任をより大きくし、責任をかぶせてというか負わせて、さらにその成果も、まさにいろんなことで--ここで、例えば行政評価制度なんかも入れていますからね。
わかりよくいえば、結果責任はそれぞれの局に問う、そのかわり、予算編成はその局の中でまさに拡大するというんだから、そうやって皆さんの権限は多少少なくなっても、そのかかる費用は縮めていくという努力が、これからはやはり大事だろうと僕は思っているんですよね。それについては、少なくとも都庁改革アクションプランの中で宣言したわけですから、具体的にはどんなふうに……。
○成田主計部長 私ども財政に携わる者といたしまして、よりよい予算を編成するためにも、今言及のございました予算過程の改善に向けての工夫、努力、これは継続的に不断になされるべきものと考えております。予算の編成、執行、そのすべての過程を通じて、各局がそれぞれみずからの責任と努力で、都民が本当に必要としているサービスをどう提供するか、こういうことを改善していく、こういった仕組みを構築することが必要なことは、理事のおっしゃるとおりでございます。
私ども財務局としては、こうした各局、各セクションのセルフチェック機能の充実を期待しつつ、また、それを前提に、現下ですと財政再建推進プランの達成状況、こういうのももう一方では見詰めながら、順次、予算の編成過程において、各局の責任で見積もることのできる経費の範囲を拡大しまして、こうした各局の自主性を高めることにより、より効率的で合理的な予算編成目指して取り組んでいきたい、かように考えております。
○西条委員 ありがとうございます。
もう一点は、このアクションプランの中で、予算・財政広報の改善、これも掲げておられますよね。これは、まさに都民にわかりやすいようにということの改善なんで、これは具体的にはどのようになさるんでしょうか。
○成田主計部長 ただいまご指摘のございました、わかりやすい予算、それから財政広報、この提供は、都政といいますか、さらに都財政を都民の一人一人にとって身近なものにしていく上で、非常に大切なことだろうと思っております。そういう意味で、予算におきましては、最近、「広報東京都」を通じまして、詳しく、かつわかりやすい形で十三年度予算の内容をお知らせしてございます。また、一昨年の十一月は、東京都が財政再建団体に陥ったらといったテーマで、財政再建団体への転落の危険と、それに対して財政再建推進プランを通じて、やはり都として自力で再建していくんだということをお示しするなど、定期的なPR、広報と同時に、必要なときには、そういう随時のPRも行っているところでございます。
また、この平成十三年度の予算の発表に当たりましても、これは予算概要等でございますけれども、三宅島の噴火活動に伴う対応につきまして、従前の各局縦割りではなくて、それを総合的に示す、そういう広報にも取り組んでおります。そういう目的別といいますか、組織を超えたマトリックス的表を掲載するなど、やっているところでございます。
また、そうした取り組みのほかに、先日のこの財政委員会でお示ししました予算の概要という資料でございますが、これにつきましては、あわせまして東京都のホームページにも掲載してございます。そういう意味では、都民の方がインターネットを使って、今、理事がごらんになりました、それにアクセスすることができます。また、必要であればプリントアウトということで、そういう意味ではインターネットも活用しまして、それぞれご自宅等で、都の財政状況がわかりやすい形で情報を受け取っていただける、そういう形での準備は、この間、そういうことで進めさせていただいているところでございます。
○西条委員 ありがとうございます。
それで、私は、一つ提案といいますか、実はうちらの民主党の予算要望は--皆さんは行政上、まさに局ごとにやっているから、俗にいう、言葉でいえば大変失礼ないい方になるけど、縦割りの予算編成ですよね。それから、予算書もそういう予算書なんですよ。ところが、うちの会派の予算要望は、やっぱり都民にわかるように、いわゆる行政分野別みたいにして、わざと予算要求しているんですね。
もちろん、これは成田部長の方では従来のやり方でいかなきゃいけないんでしょうけれども、都民にわかりやすいという意味では、例えば災害対策といったって、総務局から何から全部ばらばらになっているわけだから、災害対策で東京都はどれくらい、どういうようにお金を使っているかなんというのは、都民にわからないんだよね。我々は一応内部というか、こういう立場にいるから、総務局の予算をある程度見て、例えば都市計画局のを見て、それから建設局のを見てと、こうやりながらやっていくけど、一般の人はそれは無理ですよね。
ですから、まさに都民サービスの意味で、金の使われ方というか、財政というものを、これだけマスコミや何かも通じてどんどん発表する時代ですから、これは本来の局としての義務はないのかもしれないけど、やはりサービスとしてそういう発表の仕方、今、インターネットに入れるとおっしゃるなら、そういうところこそ、わかりいいように、そういうような方法で入れていくなんということを、構築をするために多少お金がかかりますけど、ぜひ--これは私が今初めていった話じゃない、過去にも出ているでしょうけど、そんなことは考えられませんかね。
○成田主計部長 予算といいますと、普通は議案あるいは予算の説明書ということになりまして、数字の羅列だけで、なかなか実態がわかりづらい。そういうことで、私ども、東京都予算の概要ということで、予算をわかりやすい形で理解していただけるこういう資料を用意しまして、先ほどお話しのように、三宅島等の災害への対応ということは、この五百八億円を分野別にやっております。
また、その前の方の表では、局別の予算というよりも、ジャンル別で福祉、教育をどうやっているのかということでお示ししてございますし、例えばバリアフリーの、そういう福祉のまちづくりでは、いわば漫画といいますか、わかりやすい図も入れて、都民の方がイメージを、わかるようになってございます。そして、これにつきましては、先ほど準備といいましたが、もう既にインターネットの中に入っておりますので、例えば、それぞれの方が東京都のホームページにアクセスしていただければ、実際の都の施策がこういった形で図表入りでご理解できるようになっております。
そういう意味では、これは予算の場合の資料でございますけれども、先ほども申し上げました、財政再建団体に転落したらという場合の、そういうものも出しましたし、あと、これからはやはり都民の一人一人が、受益と負担がどうなるのかということを考えていただく必要があろうかと思います。そういった問題につきましては、この予算の概要の中で一部触れておりますし、そういった形で都民一人一人に財政問題を考えていくための工夫を、これまでもやってまいりましたが、今後さらにインターネットとか、そういう新しい媒体も活用して進めていきたいと思っております。
○西条委員 はい、ありがとうございます。
ちなみに、もし今数字わからなかったら、後でいっていただいてもいいんですが、そうやって、もうやっているとおっしゃるなら、アクセスはどれぐらいあるんでしょうかね。
○成田主計部長 私も、きょうここに持ってきますときに、言葉だけではあれですから、実際にアウトプットして、東京都はこういうページがあります、それで、具体的にどういう情報があるか、それと、実際にこの予算の概要と同じものだということを確認しましたが、ただ、担当者に、じゃアクセス件数が何件かといったら、それはわからないということでございましたので、それこそ何人の都民から財政問題についてアクセスがあったかということがお答えできればよかったんですが、ちょっとその点につきましては、申しわけございません。
○西条委員 今すぐそれを知らなきゃどうこうという話じゃないから、また財政委員会の何かの機会でもあったら、ご報告いただければと思います。
これで最後にしますが、ちょっと一つだけ、先ほどからいろいろな議論もしながら、実は今、予算委員会の委員もしていますから、私は予算委員会の中ででもいおうかなと思っていたんですけど、せっかくだから、ここでいおうと思う。もう一回予算委員会で、二度やるかもしれませんけどね。
先ほどからいろいろな議論はありましたが、要は、今の現状をどう認識して、今後どうするか。先ほどした議論ですよね。それで、四千八百億ぐらいの、この一年で、この状況に来るまでに、たまたまこういう増収があったから、いろんな議論が出てきてしまった。それで、これだけあって、現状がこれだけ厳しくなった、先ももっと厳しい。そんな中から、これだけあるんだから、過去のいろんな見直しの中でとめた仕事を、少しはそっちに回したり、その厳しさを緩めたらどうかというような議論が、片っ方にはあるわけですよ。それも一つの考え方だけど、私なんかは、先ほど冒頭からいったように、先がもっともっと厳しくなるんだから、四千八百億さえ、来年はそんなものは上がってこないよという議論なんですから、ますます厳しく、それから、もっと財政当局は必死に対応しなきゃいけないんですよと、こういう議論だろうと思うんですよ。
ですから、やはりここら辺を都民にどうアピールするかですよね。立場が違う方は、そうじゃないんだというんだけど、少なくとも私はそうじゃない。その正反対の立場をとっています。もちろん、今の部長の話を聞けば、厳しいという方が正しいんですから--正しいというか、どうもそうらしいと。それから、だれが考えたって、今の状況から、厳しいことは違いないんだから、どっちをとるかみたいな話なんですね。
それで、私は最後にちょっと「イソップ物語」のことを思い出したんですよ。アリとキリギリス、まさにその議論なんだろうと今思うんですよ。そこで、最後に局長、局長はアリをとりますか、キリギリスをとりますか、それをお答えいただいて、終わりたいと思います。
○木内財務局長 二者択一はなかなかとりがたいというふうに思っておりますけれども、時と場合によってということかなというふうに思っております。ただ、東京都、先生お話しのように、ずうたいがでかい、かじをとっていくのもなかなか大変というのも--かじというか、一たん一定の方向に行くと、なかなかそれを変えることに時間を要する、この辺もご理解をいただけることだろうと思うんです。
そんな意味では、緩めるという言葉がありましたけれども、この厳しい、これから先も含めて考えたときの厳しい中にあっては、決して緩めてはいけないんだろうというふうに思っております。そういういい方だとすると、キリギリスの方になるのかなと思っております。
○西条委員 ありがとうございました。
○大西委員 今、東京都の場合には、「坂の上の雲」ということでなくて、坂の上には雷雲がもくもくと起こり、雷鳴が鳴り響き、ひょっとすると、そこから土砂崩れが起こるんじゃないかなんという観点で見れば、そういう見方もあるかもしれませんけれども、いや東京の二十一世紀の未来には、坂の上の雲、希望と夢があるんだ、そういう立場から見れば、またそれなりに見ていけるんじゃないかと思うんですね。
そこで、私は東京の、ある意味では未来志向の施策の中で、今回、臨海三会計の統合をしたということについては、こうした厳しいさまざまな財政状況の中で、あくまでも坂の上の雲を求めて、夢と希望を求めていこうという積極的な東京都の姿勢がうかがえて、大変心強く思うんですね。
この臨海副都心の問題は、今日まで多くの論議がされてきました。しかし、今、私たち冷静に臨海のあの副都心を見詰めてみると、この事業が始まって、わずか十年余ですよ、十年余。私どもが都議会に出てくる直前から事業が始まりまして、あのときはバブルの最盛期でしたけれども、その事業の途中でバブルが崩壊した。財政的に、日本のあらゆるところで厳しい状況が現出していた。
しかし、その中で、開発予定面積が四百四十二ヘクタールですね、そのうち三百六十五ヘクタールが、既に基幹整備事業も終わり、土地の処分も終わり、町として営みを始めているんですね。今、約二万九千人が臨海副都心で働いています。そして、三千九百人、約四千人近くが現在も住んでいるわけですね。世界の歴史の中で、一つの近代的な都市が、わずか十年間でこれだけの発展を遂げたというのは、例を見ないと思うんですよ。しかも、平成十二年現在で、三千六百万人の人々が全国や世界からこの町を訪れて、さまざまな目的を持ちながら、この町のにぎわいというのが進められてきている。
それを今、一部の会派の論議によると、この計画が財政的に破綻した、そういうようなことも指摘されているわけですけれども、私たちはそうは思わないわけでございますが、こうした中で、今回、臨海三会計を統合する基本的な考え方について、この際改めてお伺いをしておきたいと思うんです。
○成田主計部長 今回、臨海三会計を統合する理由でございますけれども、これまで臨海部の開発につきましては、埋立事業会計、羽田沖埋立事業会計、そして臨海副都心開発事業会計の三特別会計を設置して進めてきたわけですが、東京臨海地域は、さまざまな拠点開発とネットワークの整備が進んでおりまして、三会計を設置した所期の目的は達成しつつございます。また、臨海副都心開発事業会計は、現下の経済環境のもと、事業採算性において極めて厳しい状況になっております。また、今後の土地処分について、一層強力な取り組みが必要であるとともに、羽田沖埋立事業会計、埋立事業会計との会計間の貸借による利子負担も大きくなっております。
そのため、臨海副都心開発事業会計の資金ショートを回避するとともに、より広域的かつ大局的な観点から効果的な投資を行うために、今回三つの会計を統合し、新たに臨海地域開発事業会計を設置することとしたものでございます。
○大西委員 これは、恐らく松村さんがこの後、とうとうとやるんだと思うんですけれども、この臨海開発は破綻したと、本会議でも予算委員会でも共産党は決めつけているようですね。そして、それを救済するための三会計の統合には反対だという主張を繰り返しているわけです。だけど、私たちは、先ほどいったような形で、臨海開発がさまざまな困難を乗り越えて一歩一歩前進をしてきている、こうした中で、共産党の論議は、全く無責任な論議といわなければならないと思うんですね。
そして、こうしたことを都民に一方的な情報として伝えるということが、事実に反した情報を伝えるということが、これは都民にいたずらな不安を与えて、しかも、こうした経済状況の中で、それでなくても暗い暗い、未来に希望を持てない都民たちに対して、これはやっぱり政治に携わっている者として、しっかりと責任を持って対応していかなきゃいけないんじゃないかなということを率直に感じるんです。
そこで、確認の意味で質問するわけですけれども、臨海副都心開発事業が約五千億円の累積赤字を抱えている、これはもう破綻したということだ、こういう主張がなされていますね。果たしてそうなのかどうか、お聞かせをいただきたいのが一点と、もう一つは、この開発事業の破綻によって、共産党さん、特に後でいうんじゃないかと思うんだけれども、一日一億円の利払いをしていると非難をしているわけです。しかし、その利払いというのはどこに対してしているのか、それは、都民の税金をただ湯水のごとくたれ流しているような利払いではないというふうに私どもは認識しているんですけれども、この二点についてご説明をいただきたいと思います。
○成田主計部長 まず、臨海副都心開発事業会計が約五千億の累積赤字を生じておりますが、この累積赤字が生じておりますのは、ここの臨海の開発の事業手法の特性によるものでございます。先行投資した道路、公園等の公共都市基盤整備に係る起債等の元利償還と土地処分とのタイムラグがございます。したがいまして、これはあくまでもそういう意味でのタイムラグですから、最終的には土地処分によって収支均衡するものと考えております。
したがって、累積の赤字を抱えていることをもって財政が破綻しているということは、いえないと思います。それが第一点でございます。
それから、第二点といたしまして、臨海副都心開発事業会計が一日一億近い利払いをしているというようなお話ございましたが、十一年度決算で見ますと、臨海副都心開発における都債の利子、都債は約二千五百億円ございますが、この利子が約二百九億円、一日当たりに直しますと五千七百万円でございます。また、埋立事業会計及び羽田沖埋立事業会計からの借入金の利子、これがそれぞれ二千九百二十億円、六百六十億円、合わせて三千六百億円近くになりますが、この利子が約九十六億円で、一日当たり二千六百万にになります。
こういうことで、両者合わせて一日当たりでは八千三百万近い利子になりますが、この三会計統合によりまして、この埋立事業会計及び羽田沖埋立事業会計からの借入金につきましては、利息を払わなくてよくなるわけでございます。
○大西委員 東京都の会計間のやりとりの中で、少なくともこの利払いというのは、統合によって必要なくなるわけですね。ですから、今のお話のように、年間九十六億円に達する利払いをとめるということだけでも、これは意義があることだと思うんです。ましてや、この事業というのは、いわゆる先行投資型ですよね。あの埋立地を、ある意味では鉄くずをダイヤモンドに生まれ変わらそうという壮大な構想です。そういう中で、今まで一兆四千億円近い開発投資を行ってきたわけですね。そして、今度は土地を処分することによって--今は借り入れですよ、どんどん処分をしているけれども。その土地を処分することによって、財源を生み出していこうと。だから、都民の負担も最低限に抑えていこう、こういう構想ですから、今まさに開発途上にある、事業進行途上にある、そして、その中で今、厳しい経済環境の中で、これをどう都民の負担を最小限にとどめて進めていくかということで、この三会計の統合があると私たちは認識をしているわけでございます。
また、共産党は、この埋立会計や羽田沖会計ですか、三千六百三十億円の借入金や現物出資を返済する必要がなくなる、いってみれば借金の踏み倒しではないか、こういうような主張をしているんですね。だけど、私どもも大きな怒りを持ってとらえているのは、銀行が大手ゼネコンの債務を放棄した。これは、まさしくそれだけの価値が世の中から消えてしまうわけです。それじゃ、おれたちの借金だって債権放棄してくれ、こういいたくなる都民の怨嗟の声が広がっていますよね。だけど、こういうものとは全く違うことだと思うんですが、これについてご説明をいただきたいと思うんですけ。
○成田主計部長 先ほど、都債が約五千二百億円、で、その利子についてご説明申し上げましたが、そういった都債の発行で臨海のさまざまな都市基盤整備を進めてきたわけです。そうした都市基盤、都市施設は、この三会計の統合によりまして新たに設立されました臨海地域開発事業会計、そこの財産になるわけでございまして、決してそれがどこかに消えてしまう、そういうものではございません。
また、先ほど、三つの会計が一体となることによりまして、その会計間の貸借関係が消滅するということでございまして、これは大西理事がおっしゃったような、債権の放棄であるとか、あるいは借金の踏み倒しであるとか、そういった表現は適切さを欠くものであるということを改めて申し上げたいと存じます。
○大西委員 そこで、質問は最後にしますけれども、仮に、今の段階で、この三会計の統合を行わないとしたら、都財政に対してどのような影響が出てくるのかをお聞かせいただきたいと思うんですけど、これは大変なことになりかねないと思うんですね。
そして、私たちは常々、我々政治に携わる者の論議として、あれがいけない、これがいけない、あいつが悪い、こいつが悪いという論議は庶民受けするんですよ。マスコミも総評論家の時代ですよ。しかし、それじゃ、このいけないものをどう立て直して、どう再構築して、どうやって例えば景気を浮揚させるかとか、あるいは、仮に反対だというんだったら、この臨海事業をどのような形で軟着陸をさせるかというような具体的な提案を伴わない、反対のための反対や、いたずらに都民の不安をあおり立てるような論議というのは、私どもは政治家の理性と見識において慎んでいくべきものだと思うんですね。
そういったことを含めて、この統合が行われない場合にどうなるのかということについて、率直にご意見をお聞かせいただきたいと思います。
○成田主計部長 仮に統合を行わない場合、財政状況が最も厳しい臨海副都心開発事業会計が、十三年度に資金ショートに陥ることが見込まれるわけでございます。そして、そうなれば、資金ショート防止のための緊急対策をとらざるを得ないばかりか、その結果として、広域幹線道路等の整備がおくれまして、それがひいてはまた土地処分がますます少なくなる、そういった今お話しの悪循環に陥っていくと。そういったことでは困るわけで、私どもは、そういった悪循環ではなくて、やっぱり臨海の着実な発展のために、今回、三会計の統合は、そういう意味では財政基盤を強化する上で必要な措置であるということを改めて申し上げたいと思います。
○大西委員 あと、今後処分できる土地というのが約七十七ヘクタール残っているわけですね。だから、共産党さんとか反対派の論議によると、これはもう鉄くずだ、二束三文だと。しかし、これから経済動向なんかどうなっていくかわからない。我々も、この景気を回復して、そして、たくましい経済をつくり上げようというんで、あらゆる角度から努力しているわけで、しかも、今後、こうした三会計の統合によって財政基盤を確立したこの事業は、平成十三年の三月にはりんかい線が延伸される、平成十四年の十二月には大崎まで延伸される、さらには、「ゆりかもめ」も平成十七年度には豊洲まで延伸される、あるいは臨海道路が整備される、放射三四号線や環状二号線、これらも整備されていく。これによると、これは大変な宝の島に、この臨海が生まれ変わると思うんですね。
そして今、羽田の国際化も東京都を挙げて取り組んでいる。すると、羽田まで十分のアクセス、都心からも十分。そうすると、これは、これから逆に、三会計を統合したことによって、この七十七ヘクタールの土地が金になりダイヤモンドになったときには、三会計をさらにたくましく成長させて、ほかの臨海部の開発も、その開発利益によって大いに進めていくこともできるようになるわけでして、ぜひこの問題については、今後とも積極的なご努力をお願いをしたいと思います。
そして、時間も限られていますから、一言申し上げますけれども、私どもも都議会に当選してから二期八年たちました。そのときに、青島さんも一緒に登場してきて、この臨海開発をどうするかということについて、オール都庁でさまざまな角度から論議が行われてきた。あるいは、都民の有識者の懇談会等で、この見直しも何度か行われてきた。そういう中で臨海副都心が進められてきているわけですね。そして、私も一人の政治家として、やっぱり東京の将来に義務と責任を有する政治家として、自分の信念に従って、こういう問題についてはあらゆる場で主張を繰り広げてきているわけです。
しかし、それが先週の「赤旗」か何かに、私の後援会の一部の企業の利益を図るためにこういった発言が行われているがごとくの独善と欺瞞に満ちた告発を、そのまま記事に掲載をしている。ほかの新聞社は、どこもまともに取り上げていませんよ。だって、こんなのは玄関払いですから、告発したって。明らかにこれは政治的目的、あるいは選挙妨害、これにほかならないものでして、私どもも、これは政治生命をかけて、今、名誉棄損の告発をするべく準備を進めていますけれども、これはぜひ私たち議員としてしっかり見識を持たなければいけないのは、こんなことをやっていたら自由な論議ができなくなる。そして、自由な建設的な論議ができなくなるということについて、私は、これは民主主義の危機だと思うんですね。
ですから、この点につきましても、今後とも、それぞれ委員各位の良識に訴えて、私の質問を終わりたいと思います。
○松村委員 まず、二〇〇一年度、平成十三年度の予算について質問していきたいと思います。
二〇〇〇年度の予算審議に際しても、私は当委員会で、今日の都財政の危機の中心的な原因が、この間の投資的経費にあったとただしました。それに対していろいろやりとりがありましたけれども、そのことを真に認めようとしないばかりか、景気対策だと。バブルの破綻前は、いわゆる社会資本整備だったけれども、バブル後は、税収が落ちても、なぜそういう投資的経費が落ちなかったのかという点においては、国と一体となった景気対策だ、また、社会資本整備がおくれているからだと、投資的経費のあり方について、今後ともそれを続けるような強弁があったというふうに思います。ここからの転換を結局図るのではなく、福祉の切り捨てを強行してきた。二〇〇一年度、今審議されております平成十三年度予算案においても、最大の特徴が、私は、この福祉切り捨てを引き続き実行する予算をやっているというふうに思います。
そこで伺いますが、一年前の当委員会において成田主計部長は、これまでのさまざまな対策、つまり、公共投資の対策が総体として景気回復に寄与しまして、景気の回復基調は崩れていない、かように認識しているというふうに答弁されましたよね。現在もこの認識に変わりがないのか、お尋ねしたいと思います。
○成田主計部長 昨年三月の当財政委員会で、今お話しの公共事業を初めとするさまざまな取り組みが景気回復に寄与し、景気回復の基調は崩れていないという趣旨の答弁を申し上げましたが、公共事業については、ご案内のようにさまざまな議論がございます。また、国においても見直しが行われていることは承知しておりますが、公共事業が景気の下支え効果を有すること自体は否定できないものと、かように考えております。
○松村委員 この間においても、今のこの不況が消費不況にあるということは各専門家が指摘されているし、我々も繰り返し、そういう今までのような公共事業、公共投資、しかも、それが生活密着型、中小企業などに多く仕事が発注されるのではなくて、重点化などといいながらも、一部の大手ゼネコンを中心とした、そういう税の予算の組み方においては、これは景気対策に逆になっていない。雇用の面においても、既にこの間の建設業界の雇用は、機械化されて逆に雇用が減っているという国会の参考人質疑なども明らかにしながら、そうではないんじゃないかと。
それはもう何よりも、現実、例えばこの一年というスパンをとってみても、先ほども、今の日本の経済状況の認識が話されておりましたけれども、景気回復基調どころか、さらに大変な事態に向かっている。一体何のために今まで、下支えがあった、あるんだ、あるんだといいながら、この間のこういう現実を、どう分析されるのか。やはり財務当局としても、そういう認識というか、分析をしっかりしてみるべきではないかというふうに思いますけれども、その点についてはいかがですか。
○成田主計部長 昨今の状況は、景気回復過程が足踏み状態になっているということで、従前より厳しい状況にあることは事実でございますが、これは、先ほど来申し上げておりますような、公共事業が景気回復の下支え機能を果たしたということを否定するものではございません。やはり景気の対策は、公共事業ばかりではなく、さまざまなソフトも含めて、また、金融政策も含めて総合的に講ぜられる必要があるわけでございまして、現在の景気回復が足踏みをしているということをもって、公共事業が景気を下支えしてきた、そういうことはないんだということにはならないと思います。
それと、先ほどの都の公共事業でございますが、予算特別委員会の資料等でもお示ししてございますように、その事業が中小企業等にあまねくといいますか、広く受注されているという実態もございまして、都の公共事業はひとり大企業だけに受注されて、そこのみ潤しているというようなご指摘は当たらないと思います。
○松村委員 今のこの不況が消費不況にあるということは、私は、政府も含めて各専門家がひとしく指摘しているところ、これはやはり否定できない事実だというふうに思うんですよね。ですから、それをどう上向きにさせるかという点においては、今の景気対策という中心が、やはり公共投資といいますか、相も変わらない。
しかも、重点化といいながらも、肝心な都営住宅がなくなるとか、生活密着型の福祉も後退するとか、そういう点においては、肝心な国民の消費が上向きになる先行きの不安、例えば、いろいろな調査を行っても、今、都民や国民は、医療や福祉、暮らしの不安がやはり大きいわけですよね。
そこで、なかなか購買力、消費が上向かない、ここをやはりきちっとさせるというか、先行きの不安を取り除くこと、じゃ、このことをやっているかといったら、国もことしからは医療費の、特に高齢者の今までの五百三十円、これが一割負担とか、そしてまた、ことしの予算でも、私たちが指摘しているように、さまざまな福祉面での負担増を都民に押しつける、これは、まさに逆立ちじゃないか。とりわけ、障害者や高齢者が深刻な経済困難に直面している、この解決は、やはり都政として避けて通ることができない緊急課題だということも、今、予算論議などを通じて我々が指摘しているところであります。
このことを私は繰り返していきたいと思いますし、もう一つ、社会資本の整備についても、その一環として重要なんだと。我が党は、今回の本会議の代表質問でも、首都高などの幹線道路の整備は--皆さん方は、おくれている、おくれている、だから、今はやはり社会資本整備なんだということですけれども、東京も、ニューヨークやロンドンもパリも、この整備率、大体二〇%前後で差がないことを、我々具体的にというか、数字を示して明らかにしましたけれども、財務当局としては、この点についてはどういう認識に立っていますか。
○成田主計部長 我が国と諸外国との間の社会資本整備状況を比較する場合には、社会経済の状況や都市活動の形態など、さまざまな観点から検証すべきであると考えておるところでございます。東京におきます社会資本整備は、都心に流入する通過交通が引き起こす慢性的な交通渋滞、あるいは公共交通による混雑などの例を挙げるまでもなく、まだまだ不十分な点があり、今後とも環状道路を初め、その着実な整備を進めていく必要がある、かように考えております。
ちなみに、二つほど数字を挙げさせていただきますと、例えば道路率というのがございます。これは、その面積に占める道路の割合ですが、これについては、東京の二十三区が一五・五%に対しニューヨークは二三・二%でございます。また、環状道路の整備状況を比較いたしますと、東京都の環状道路は約二〇%ですが、これに対しましてロンドンとかベルリンとかは、もうほぼ一〇〇%近い。そういう数字もございますので、私ども、東京都における社会資本の整備については、やはりその着実な整備を進めていく必要がある、こういう認識に立ってございます。
○松村委員 所管局じゃないから詳しくやりませんけれども、しかし、財務局当局としても、そういう全体的な社会資本の整備が、先進諸都市ですか、今挙げた都市に比べておくれているから、当然の財政支出だということの認識ですから、私も、この場でこの問題については言及するわけですけれども、今もいろんな数字のとらえ方があるというふうにいいました。
道路率の場合、私も建設局ともやりとりしたことがあるんですけれども、いろんな指標があります。例えば、東京といっても、平たんじゃありません。島部もありますし、多摩もありますし、山間が多い。そういう東京全体の面積の中と、例えばパリやロンドン、ほとんど平地であるというところを比べて、全体の面積で道路率が幾つかという今の数字ですね、必ずしもこれは比較できない。また、場合によっては、区道といいますか、同じ道路でも入れているところが違うんですよね。例えば公園みたいな歩道だとか、そういうとらえ方も違う中で、そういうものを大体一般的な基準に当てはめれば、決して今いったような道路率にはならない。また、同じことがこういう幹線道路などについてもいえるわけなんです。
ですから、いろいろな数字があるというならば、今、本当に何が東京にとって必要な課題かということを考える場合にも、私、財務当局としても、一方的なというか、そういう数字ではない、そういう点をよく吟味しながら財政支出の判断をすべきだということも、これは意見として申し上げたいというふうに思います。
総じて、公共投資といいますか、従来型の東京都の今日の財政危機の中心的な原因であったというところに、大体メスが入らない。先ほどの古館委員との議論でも、結局、減債基金など膨大なこれからの借金返しがあるんだと。積み立てだといいますけれども、今一番大事な点は、なぜこういう多額な都債というか、いわば借金が生まれて、今の予算の中で三千億も四千億円も、これからの借金返しのために積み立てなければならなかったのかという点においては、これまでの財政運営のあり方というか、ここにやはりしっかりと分析が立てられるべきだということを、私はこの点においては強調したいと思うんですよ。
もう今までのことは今までのこと、事実こういう都債だとか借金があるんだから、これは少々の財政増があっても、そのことはもう当然だというような議論については、これはいかがなものか。そうではないということを、私からもこの機会に述べておきたいというふうに思います。
そして、先ほども答弁がありましたけれども、「とうきょう広報」の財政問題の特集、これは昨年の十二月一日号ですけれども、どういうことを都民に訴えていたのか、一目瞭然ですよね。ただ財政について都民にお知らせするというんじゃなくて、もう財政再建、赤字団体に転落してしまう寸前だと。大体この十二年の予算も、毎年六千億から七千億円に上る巨額な財源不足が生まれている、その結果、東京都が切らなくても国にこういう施策は全部切られてしまうんだ、だから都民に我慢を、こういうことでしたよね。今、現実にことしの予算で、そのぐらいの財源不足が生まれるんだ、赤字団体になったらこういう事態になるんだから、ことしの予算でシルバーパスの有料化やマル福や老福、こういうものをやった、こういう説明を都民にした広報だというふうに私は思いますよ。
しかし、赤字が三千五百億の巨額になるということが、実際には今年度と来年度で八千四百億円の税収増、現実にはこういうことになってきたわけであります。私は、こういう都民をおどかすようなことを大々的にやったのですから、財政当局としても、六千億円の税収不足になるというふうに見ていましたけれども、これはことしは見込み違いで、実は来年度と合わせると八千四百億円ふえることになりました、こういうふうに都民に正確にお知らせする必要が、これは財務局財政課が責任を持って出した広報ですから、やる必要があるのではないかと私は思いますけど、いかがでしょうか。
○成田主計部長 ただいま広報を例に挙げまして、この二年間で八千四百億円の税収増がある、したがって、財源不足額をクリアしているから、もういいんだというようなお話がありましたが、これは先ほど局長が申し上げましたように、この財政再建推進プランそのものが意味しますのは、今後予想される毎年六千億円あるいは七千億円の財源不足に対しまして、内部努力から始まりまして、施策の見直し、歳入の確保、さらには、国からの税財源の移譲等々のそういった構造改革を進める中で、初めてこの財政危機は突破できる、そういうのが財政再建推進プランでございまして、結果としてこの十二、十三の二年で八千四百億円ふえるから、だからそれで問題解決したというのは、やはり一昨年発表しました財政再建推進プランをもう一度よく読んで、財政再建推進プランが何を訴えようとしているかということを改めてご理解いただきたい、かように考えております。
○松村委員 皆さん方が責任を持ってつくったんだったら、よく読んでいただきたいんですよ。しかも、都民がどう受けとめたか。これは明らかに、三年、四年のスパンで考えてこうなっておりますよなんという説明じゃないんですよ。きょうにも赤字団体となって、こういうふうに国に切られますよ、こうなるんですよ都民の皆さんというのが、あなた方のこの都民へのお知らせの最大のねらいということじゃないですか。
ですから、私も財政委員会で、赤字団体というのはどうなのか、それを回避するためにはこういうこともあるんじゃないか、例えばボーダーラインが、余りにも過去の、古いといいますか、戦後直後の自治体の財政支出などに基づいてやっている、大都市の実態に合わないということで、そういう論議をした覚えもあります。あのときも、私たちは非常にせっぱ詰まっていましたよ。どう責任を持って赤字団体にならないようにするのかという必死の思いで、私はやった覚えがあります。
だからこそ、今、財政が見込み違いといいますか、これはリストラをやり過ぎた中での法人税の増収、こんな面もありますから、必ずしも私は手放しで喜んでいいという税収増ではないと思いますけれども、しかし、少なくともそういう都民のために使える財源がふえたわけですから、そのことは私はきちっとやはり--この広報の趣旨からいったら、都民は今そういうのを知りませんよ。私たちがいうと、えっ、そんなことだったんですかと。いや、まだ安心していられない、これからさらにこうなんだという説明は、もし皆さん方がそういうこともいわなきゃいけないというんだったら、その次にやるべき手順だというふうに私は思うんです。
とりあえず私は、これを知らせたときのねらいと実態では、現時点においては違うわけですから、このことについては、都民がこれを受けとめたことと、そういう不安を持っている、認識を持っている、そういう中で本当に生活を切り縮めたり、大変な思いがあるわけでありますから、もっと都民要求というものをきちっと都政に反映させるためにも、今の財政状況の現時点を知らせるべきだということも、この際つけ加えるように訴えたいと思います。
大体、これからのことがあるということを皆さん方盛んにいいますけど、やはり財政運営の問題点では、私は一つだけ指摘したいわけですけれども、先ほども古館理事の方からありました首都高速道路の貸付金ですよね。これも、できる規定だという認識で我々はいるわけですけれども、財政が東京都が豊かというか、そういう場合には、皆さん方、東京にとって必要な道路だからということでの考え方も、百歩譲ってあるでしょう。しかし、これだけ今の東京の財政状況が厳しい中で、やはりこの貸付金というものは、本当にひどいものだと思います。ましてや、無利子貸付というのは、既に予算特で木村幹事長が指摘したように、年間の利払いが六十一億円でしょう。結局、この六十一億円というのは、都債を起こして、東京都がこの利子を払うわけですから、六十一億円は事実上補助金ですよね、こういうふうになっていると思います。
そして、今年度の補正予算で二百十億円、補正を組みました。うち、繰越明許が百二十五億円というわけですよね。今まで、こんな繰越明許などということをやっているんですか、この点についてお答えいただきたいと思います。
○成田主計部長 この中身につきましては、本来、建設の方の話だろうと思いますので、繰越明許をかけたのは、今回が初めてだと聞いております。それは、事業といたしまして、従来の高架の工事から、今後、地中の工事等々、中央環状線の工事に着手する、そういった事態の中で繰越明許をかけたというように聞いております。
それと、先ほどのお話の中で……(「さっきのはもういいよ、見解の相違なんだから」「先に進んで」と呼ぶ者あり)そういう意味で、今、星野委員からございましたけれども、やはり考え方が違うのかと。
ただ、一言だけいわせていただければ、あの時点で、やはり東京都は財政再建団体転落のがけっ縁に立っていたという状況認識は変わりません。あのときの財政委員会の議論では、松村委員は、赤字限度額を上げて、いわばハードルを下げればいいではないか、たしかそういうようなご提案を、地方財政再建特別措置法を引きながらおっしゃったと記憶しております。ただ、その時点で私ども申し上げたのは、そういうことではなくて、やはり都の財政状況が厳しいということを考えれば、ハードルを下げることではなくて、むしろみずから財政構造改革、見直しをきちっとやる中で財政体質を健全なものにしていく、そういう形をしないと、今後の都政運営の都民ニーズに対応した適切な対応はできないということを申し上げたと記憶しております。
○遠藤委員長 質問並びに答弁の方も、簡潔にひとつお願いします。
○松村委員 そういう答弁があると、また、それに対していわなきゃいけなくなっちゃうんだけど、我々はそういう厳しいことを一方においては認識していて、やはり都民の福祉を切り下げないためにはどうしたらいいのかという点で、今の公共事業のあり方についても転換すべきだということが主張してきた点だということは、きちっといっておきたいというふうに思います。
ところで、今の首都高に対する繰越明許百二十五億入れて補正予算は二百十億ですよね。大体ことしの当初予算は、首都高への貸付金が百三十八億円なんですよ。ほぼその同額が、結局事業執行ができない。今いったみたく、高架がこうなったとか、それでできなかったからということで、今まで、本来実はそれは不用額となって、一たん一般財源になる。それをやるんだったら、当初予算でやるべきではありませんか。補正予算が決まるのが三月八日という、年度末に一カ月もないことは、だれにもわかっている話でありながら、あえて新年度で計上するやり方をやらなかったのはなぜですか。
○成田主計部長 予算の繰越制度は、予算の単年度主義を、例外といいますか、そういう形で設けられておりまして、継続して仕事を進めていくための一つの財政上の方法でございます。そういう意味では、最終補正に計上することにより、引き続き翌年の年度当初からも含めて事業の促進を図っていく、そういう観点から繰り越しをとったものだと、そのように認識しております。
○松村委員 ですから、今いった百二十五億を不用額にすることもできるし、今までやってきた。同時に、それを予算にするんだったら、当初予算で出せばいいわけですよ。ということは、その百二十五億があれば、どれだけのことが、福祉を復活したり、都民のために役立つことができるか。同じ厳しいんだ、大変だといいながらも、そういう認識が私は本当に感じられないということを、厳しく指摘しておきたいと思うんですよ。
大体、今、本当に日本の経済全体を考えて、公共事業だとか、民間も、とにかく公共事業などに多く期待をかけるのはいいですよ。しかし、それが異常な形で税金投入がなされている。こんなことでは、本当に民間企業というか、今、厳しい世界経済の環境の中で自立できない、ここに日本の経済全体が大きく地盤沈下している原因があるというふうに私は思うんです。
全然考え方が違う方ではありますけれども、例えば財界のトップとか、もう亡くなられたソニーの盛田さんなんかも、企業というのは企業リスクをしょって、それがだめだったら、経営者がみずから責任をとるべきだ、そういう厳しさがなければ、これからの世界では日本はやっていけないだろうということを九〇年当初から指摘していたということも、私は書物やいろいろなもので読ませていただいております。
ですから、そういう厳しさを本当に求める。何が一番甘やしといったらおかしいんですけど、都民がいわゆる東京都や自治体に福祉を求める、それが甘やかしで、これからはそんなふうにはいかないんだということで切り捨てることじゃないというふうに私は認識しています。これは私の考えです。もっと今のような、企業といいますか、民間同士の競争や、切磋琢磨してやるのが--日本の場合には、護送船団なんという言葉も昔ありましたけど、そうじゃなくて、自治体も含めて、いろんな公共事業だとか、そういう中での持ちつもたれ合いなどということが、今日の財政危機を国も地方も招いているし、ましてや今の民間企業のそういう競争力が、世界からも見放されているというか、相手にされない大きな原因だということだと私は思います。厳しさを求めるのはどこなのかということを私はこの際指摘して、もう時間がなくなってまいりましたので、ちょっと個別問題に入りたいと思うんです。
先ほどもシーリングの話がありました。財政再建推進プラン、二カ年で七割の達成というふうにされておりますけれども、私は、これが都民の命まで脅かしかねない問題になっていることに限って、きょうは質問したいと思うんです。
昨年、「財政構造改革の推進に向けて-危機的状況下における都財政の今日的課題」、この小冊子を論議いたしました。ここで、私は都立病院への補助を取り上げました。このとき、都立病院への補助金が道府県に比べて一・五倍の補助で、この見直しを求めていることに対して、その積算根拠を伺ったわけです。そのとき答弁がありました。その後、私も調べてみましたが、この小冊子で財務当局が使った数字は、比較する補助対象の前提が違うということがわかったんです。
ということは、どういうことかというと、他の道府県では出資金や貸付金、つまり病院会計にこれを入れているわけです。東京都の場合には、それは算入されていないというか、仕組み上、そういう出資金や貸付金じゃない、一部の建設補助だとか、総体として都立病院への補助金、しかし、他の道府県においては、同じ病院事業の、建設補助も含めた出資金や貸付金など、こういうのがあるわけですよね。ですから、それを合計すれば、都と他の道府県は、ほぼ同程度になるわけです。それを一床当たり道府県平均の一・五倍などというのは、明らかに私は都民にも重大な誤解を与えるものだというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
○成田主計部長 ちょっと議論の前提が整理されていないのかなと思いまして、私ども都の場合は、病院の方へ補助金という形で支出しておりますので、それのベースで比較したものでございます。
○松村委員 衛生局も、本来、都立病院、都の病院事業への東京都の繰出金、こういうものが幾らかというふうに見る場合、他の道府県と比較するには、当然総体として見なければ比較はできない。ですから、それを入れれば同額程度になるということを、財務局にも、そういう点では数値をきちっといってあるということを私は初めて知って、本当にびっくりしたわけなんです。
だから、あのときにも木内局長は、いや、議論は議論、ただ、これは一つのこういうこともあるということでの論議の資料だという話でしたから、そういう点も違うんだということを、私、この場でぜひいっておきたいと思います。
そして、局長はさらに、一床当たり五百八十七万一千円の投入経費である、都立病院は、ベッドの数の割合からいえば、都民の利用は五ないし六%の利用である、あとの九五%には一円の税金も出されていない、ですから、これはいかがかという答弁をなされました。そして、こういう数字を財政委員会の場、都民の間で議論していただきたいということもおっしゃいましたので、大いに私もいろんな場で論議したいというふうに思っているんですけれども、その点で一つ、私の住む練馬区の医師会長が、都立病院の補助金の削減について次のように発言しているのを、ちょっと紹介したいと思うんです。
この医師会長は、都立の大塚病院に、こういったそうです。超未熟児の新生児室、これはNICUといいますが、三十二ベッドあります。満床の状態でしたが、看護婦さん八名、三交代で、この未熟児の生育を見守っておりました。石原知事は、東京都の都立病院の五百億円に達する補助金の削減を至上命令といたしまして、四百億円にするんだということで取り組んでいらっしゃいます。我々が都立病院を見ますと、こういった医療にはべらぼうな不採算の医療費がかかります。よくわかります。そういった実態を見てまいりますと、本当に命を大事にしている、医療現場が頑張って、四百グラムとか五百グラムで生まれる赤ちゃんを本当に大事に、生を助けてやっている姿がわかるというんですよね。それで、石原知事なども、国会議員の先生方も、どうぞ夜中に大塚病院のあの新生児室を見ていただいて、いかに医療が努力しているか、実際にこういう現場を見ていただきましてから、東京都の補助金の問題についてもお考え願いたいと考えましたと。
今紹介しましたけれども、これは、いわば局長がいう、一円も補助を受けていない民間医療機関などの代表者である医師会長の発言で、私は非常に貴重だというふうに思っているんです。
さらに、都民はどう見ているかという点においては、最近行った都政モニターのアンケートにも、税金投入による運営について、もっと積極的にということと、現状程度はやむを得ない、必要だということを含めると、六割近い数字になっているんですよね。
そこで伺いますけれども、来年度予算では、都立病院への繰出金は幾らでしょうか、九九年、平成十一年度の予算に比べてどうなっているのか、伺いたいと思います。
○成田主計部長 平成十三年度予算での病院事業に対する一般会計からの補助金でございますが、四百三十五億六千二百万となってございます。
○松村委員 平成十一年度が五百八億円、そして、財政再建推進プランで平成十五年度までに二割削減ということで、結局、今おっしゃいました四百三十五億円というこの数字は、まさにこの財政再建推進プランのシーリングがかけられて、それを忠実にといいますか、やっているんですね。大体、都立病院への補助金というのは、これは法的根拠を持って出されているわけです。その削減は、おのずから不採算医療や行政目的でやっている、民間ではやれない医療分野からの撤退につながる。だから、補助金を減らせばどういうことになるかといったら、それは不採算医療を切ることになるんですよ。
一方においては経営努力などといって、今までもいろいろやりましたよ、病院の駐車場を有料にするとか、民間委託だとか。我々も、そういう点においてはいろいろな批判をしてまいりましたけれども、しかし、もう限度があるというふうに私は思うんですよ。法的根拠で出されているこの予算、補助金ですね、繰出金が百億円も削減されたら一体どうなるのかというと、結局、今のそういう不採算部門からの撤退だとか、そういうことにつながるわけですよ。
そんなことは、先ほどの医師会長なども望んでいない、都民も望んでいないわけですよ。町のお医者さんたちがやっているのも、例えば小児の場合なども含めて、本当に都立病院にそういう分野を受け持ってもらっているから、我々現場の医療ができるんだと。そういう悲痛な声を上げているから、先ほどの意見にもなるというふうに思います。
しかも、都立病院改革会議で、今いろいろな議論をしている。局長も、大いにこの財政委員会でも都民的にも議論しようといっているさなか、もうこの財政再建推進プランに基づいて、平成十五年度までに百億削減しなければならないと、衛生局というか事業会計で頭がいっぱいで、下げているんです。こういう現状というものは決して看過できないと私は思います。
事実、この都立病院改革会議で病院長の発言を読んで、私もびっくりいたしました。例えば清瀬小児病院では、雨漏りがするとか、しょっちゅう停電になる、エレベーターが故障する、あわや患者さんの命にかかわることもあったんだということを病院長がいっております。その後、委員会で、これは衛生局の方で我が党が取り上げて、九月時点でエレベーターは改修になったということも確認しておりますけれども、結局、こういうしわ寄せが現場に起きているのが、今のシーリングなどをかけた補助金削減につながっていると思います。まさにこれは許されないというふうに思いますし、改めて都民の福祉や医療などを優先した予算にするように求めるものであります。
次に、臨海会計について、臨海関連三会計の統合問題について質問いたします。
まず、羽田沖会計、埋立会計、臨海開発会計の三会計のそれぞれの設置目的、また、現在の会計の財政状況について伺います。
○成田主計部長 臨海三会計の目的、現状についてのご質問でございます。
まず、埋立事業会計でございますが、これは、東京港港湾区域及びこれに隣接する地域における埋立地の造成、整備、開発を行うために昭和三十九年度に設置した会計でございまして、埋立地造成については、全体の約八割の進ちょく率でございます。平成十一年度における利益剰余金は三十五億。
また、羽田沖埋立事業会計は、昭和五十七年度に設置した会計でございまして、既に土地の処分については完了しております。十一年度決算における累積利益剰余金は二十五億円でございます。
そして、臨海副都心開発事業会計でございますが、臨海副都心の整備、開発を行うために平成元年に設置した会計でございまして、道路等の地域内都市基盤の約八割が完成しておりますが、十一年度決算では約四百九十一億円の累積欠損金を生じておるところでございます。
○松村委員 最初に、羽田沖埋立事業会計、私の手元に、主計部長からも今答弁がありましたけれども、平成十一年度公営企業決算委員会に出されたこの資料によりますと、大体合計一千六百三十四億円の資産があるんですね。例えば剰余金一千二百二十億、それから長期貸付金等々合わせると、一千六百三十四億の資産という相当優良なというか、会計だというふうに私は思いました。
それから、埋立事業会計、これも出資土地、この時点での資産の評価が、臨海に貸した現物出資ですけれども、六千七百二十五億円、あわせて長期貸付金二千九百二十億円。これは臨海に現物出資されたりして、いつ戻るかわかりませんけれども、しかし、埋立事業会計全体の会計状況はどうかといえば、一兆一千七百二十六億円の資産がある、こういう状況はいえるというふうに思うんです。
一方、臨海副都心開発事業会計はどうかというと、この九九年、平成十一年度決算では、今もご答弁がありましたとおり、累積欠損金が四千九百九十一億円、それから長期借入金が七千七百八十億円もあります。この会計は、この十一年度でも資金不足は補てんできないで、既に運転資金長期借入金を二百三十億円も借り入れているんですよね。先ほど、破綻しているか、していないかというような議論もありましたけれども、私は、明らかに、もうこの時点で会計そのものが破綻しているというふうに思いますけれども、いかがですか。
○成田主計部長 臨海副都心開発事業会計の仕組みということで、先ほど大西理事の答弁の中で申し上げたわけですけれども、事業を先行的に都市基盤整備を行いまして、それをタイムラグがある中で土地処分で回収していく、そういう会計でございますので、それが破綻したというご批判は当たらないと思います。
○遠藤委員長 質問を簡潔にひとつお願いいたします。
○松村委員 例えば、先ほども議論がありましたけれども、この赤字、欠損金が五千億円、それから長期借入金が七千七百八十億というのに対して、じゃ、これをどうやって運用して返していくのか、これは土地だけですよね。先ほどもありましたけれども、四百三十九ヘクタールの処分可能用地のうち、処分済みは三百六十二ヘクタール、残りは七十七ヘクタールですよね。これは、例えば全部処理したとしても、平均時価でどういう資産になるかというこの臨海会計の決算によっても、四千五百三十五億円にしかならないんですよね。大体、今いいました借入金が、現在でも七千七百八十億円、赤字が五千億円、結局、これは土地を処分するなり運用して、これから収支を均衡させるんだと盛んにいっておりますけれども、この状況でそれが本当にできるんですか。今の残されている未処分地は七十七ヘクタールですよ。これの運用によってそういうことが可能だというふうに考えられますか。財務局の立場から見て、どう思いますか。
○成田主計部長 港湾局におきましては、現在、未処分となっている土地の売却の促進に努め、それによる収入を確保することによって現在の累積欠損金等を返していく、そういう計画でございますので、私どもそのように認識しております。
○松村委員 この事業は何回か見直しておりますけれども、平成四年九月の試算で、大体五兆七千三百億円、結局、この支出を土地の売却、運用によって返していくんだと。それは余りにも返せないということで、いろいろ見直して、例えば、本来開発負担でやるのを外して一般会計に回すとか、例えば東京港臨海道路ですか、二期工事を後に年度をずらしたとか、いろんなことをやって、平成九年二月に見直したときにどういう収支を立てたかというと、平成四十八年までかかって二兆五千億円、この今の土地の資産の運用によって、活用によって収支を合わせていくんだということの考えでした。
しかし、皆さん、二兆五千億円、これが今現在どうなっているかというと、先ほどの累積欠損金だとか長期借入金を含めて、大体残っている活用できる土地が七十七ヘクタール、今の時価に直しても四千五百三十五億円しか、今うまく売却をやったとしても、それくらいしかできない。じゃ、今までの既に運用した長期貸付土地賃料はどうかといったら、暫定利用だとか雑収入を入れても、百数十億しか実際に入ってないんですよ。どう考えても、先ほど、金の卵を産むというような議論もありましたけれども、そういう当てにならないというか、先行きの見通しがないことを都民にいってこの事業を続ける、本当に無責任というか、石原知事にいわせれば、民間企業などでは信じられないことになるのではないでしょうか。
結局、私が主張したい点は、先ほどの埋立事業会計、羽田沖埋立事業会計、そういう優良なというか、資産がある会計を統合して、言葉は悪いんですけれども、つじつまというか、何とか当座を乗り切っていこうということ以外の何物でもないというふうに思うんですよ。しかし、それをやったとしても、ほんの一時的なことにしかならないと。
先ほど、大西委員、一億円と日本共産党がいっているという点では、長期の他会計からの借入金などが重くなっている、確かにそれもあるでしょう。しかし、実際には、この支出と収入を見ると、今いいましたように、長期貸付土地賃料や暫定利用雑収入で百数十億円、ところが、支払わなければならない企業債利息とか、もろもろが五百億円以上、年間あるんですよ。この中には、さっきいいました他会計の借入金はどうかというと、百九億円なんです。日本共産党が一日一億円といっているのは、払わなければならない支出が年間五百億円前後以上あるにもかかわらず、今入る収入は、実際に百数十億しかない、だから三百五、六十億、資金不足しているんですよ。これを一日に割り返せば一億円、こういうことが都民的立場ではいえるわけです。だから、先ほどいった他会計からの借入金の利息だとかいうことが、言葉を変えていえば、チャラといいますか、そういうことになって、いや、バラ色に今度はなるんだ、収支はよくなるんだということは、私は絶対にいえないというふうに思います。
ましてや、この羽田沖だとか埋立事業というのは、羽田沖も事業が間もなく終了しますよね、これは一年延ばされておりますけれども。そしたら、この資産というか、これは都民に文字どおり還元されるべき一般財源ですよ。それから、埋立事業会計についても、私はしかりだというふうに思うんです。それが、今いいました、もう一方の臨海副都心事業会計の、見込みを間違えたというか、こういう事業につぎ込まれていく。しかも、それでも現在の破綻状況というのはとどまらず、ますます今後、都財政の投入などということになりかねない事業だということを、改めて三会計統合問題について主張したいと思います。
我が党は、財政的にも今後とも泥沼状況に陥ることが明白な臨海副都心開発事業は直ちに凍結し、都民参加で抜本的な見直しを求めることを強く求めて、質問を終わりたいと思います。
○鈴木委員 私の方からは、先ほどの大西理事の、二十一世紀に輝く臨海、新しい社会資本の整備の場所、そのとおりだと思います。私は、それより前の段階で、東京の社会資本ストック、これは全国に比較しても、古くからのものが大変多うございます。順次それが更新の時期に入っていく。それは常に良好な状態でなければ、都市における私たちの生活も成り立たないわけでありますから、そのために、いろんな都に所属する建物、道路、橋梁、下水道などなど、これは多額の維持管理費、いわゆるランニングコストが、これから莫大なものになってくると思います。それをやはりきちっとしておかないと、都財政に大きな圧迫を加えることは当然のことでありますから、その観点で、きょうは特に都立建築物の問題を通して、財務局のご意見を伺いたいと思います。
例えれば、ニューヨーク市なんかは東京よりもはるかに早く社会資本を整備したんですけれども、その後の対策が、対応が不十分であったために、道路、橋梁なんかは非常に老朽化が進んだという参考の事例があるから、そういうことを踏まえて、この際質問をしておきたい、そういう立場からでございます。時間の関係で、言葉のやりとりは若干短めにしておきたいと思います。
そういうことを私は前段階で申し上げて、東京構想二〇〇〇でも、この問題について的確に触れられてもおります。社会資本の長寿命化を図る云々等々ですね。ですから、これから、都民生活の場であります都営住宅、それから都に所属する学校、これなども同時期にこれまでたくさん建設をされてきましたし、そのための建てかえ、それから維持管理が重要であることは論を待ちません。
そのことを踏まえて、まず私が聞きたいのは、基本的な数字のデータを教えていただきたいんですけれども、この東京都に管轄されている建築物、建物、これは何平米、何棟、そして、それは都庁舎に例えて換算をすれば何棟分に相当するのか、わかりやすく、具体的にお答えをいただきたいと思います。
○野本営繕部長 都営住宅、学校、庁舎などといった既存都立建築物は、都営住宅で約千六百万平方メートル、学校で約四百万平方メートルなど、合計で延べ面積といたしまして約三千万平方メートル、棟の数としましては三万棟ございます。都庁の面積と比較しますと、第一本庁舎の百五十五棟分に相当いたします。
○鈴木委員 やはり具体的に何々に換算するというと、我々庶民もよくわかるんですね。ただ三千万平米といったって、これは全然雲をつかむような数字でありますから。第一庁舎相当にして百五十五棟分、すごいですよね。それがこれから私が問題にするものであります。
次に移りますけれども、そうすると、この東京都に管轄されている建築物、大体三十年を経過して一般的には建てかえの時期を迎える、こういわれておりますね。東京都では昭和三十九年の東京オリンピック、あの時期、建物をたくさんつくりました。世界に冠たる東京オリンピックを開くということで、相当頑張って建てましたね。したがって、今後、既存の建物、建てかえ費用が、そうなると大きくふえていくことは当然だと私は思います。
そこで、今現在建築後三十年を経過している建物、そして、今後十年間で建築後三十年に到達する建物、この一と二を合わせて、それでは東京都全体の中でどのくらいあるんですか、これは。
○野本営繕部長 東京都におきまして、現在、建築後三十年を超える建築物は、延べ面積にしまして約五百八十万平方メートルございます。今後十年間で建築後三十年に達する建築物は、延べ面積で約七百二十万平方メートルで、合計いたしますと延べ面積千三百万平方メートル、これは先ほどいいました全体三千万平方メートルの約四割を占めます。
○鈴木委員 相当なシェアを占めるわけでございますね。となると、その都立の建築物が一斉に建てかえ時期を仮に迎えるといたしますと、東京都の財政負担は、これははかり知れないものがあります。だから、あの東京構想二〇〇〇でも指摘をしているとおり、この建物のストックを長寿命化、これは難しい言葉ですね、長寿命化させる取り組みが必要である、その言葉を使うならば、私はこう思いますけれども、都として具体的にどのような対応策をとっているのか、これをわかりやすく説明をしていただきたいと思います。
○野本営繕部長 建築物の長寿命化のためには、計画的な改修や維持管理が重要と考えております。そのために、長期保全計画というものを策定しまして、外壁であるとか、屋上設備機器等、建築物の各部位ごとに、修繕の時期、内容及び更新の時期などを定めることといたしております。これによりまして、建築物の長期にわたる機能の維持向上や、保全にかかる経費のコスト管理を図るものでございます。
また、東京都のすべての建築物について、各施設ごとに建物カルテともいうべき保全管理台帳の整備を進めております。これは、各施設の建築物の内外や、空調、給排水設備の全貌を把握し、かつ定期的に点検整備することによりまして、常日ごろ適切に維持管理していこうとするものです。長期保全計画や保全管理台帳の活用により、コスト縮減や省エネ化ができるだけでなく、他の用途への転用も視野に入れた施設の長寿命化によりまして、都財政への負担の軽減が図れると考えております。
○鈴木委員 今、大変大事なお答えをいただきました。易しい言葉でいいますと建物のカルテ、そういう基本的な台帳をきちっとつくって、これからやっていこうということですから、大いに頑張って、きちっとやっていただきたいと思います。納税者の側からするならば、一体どうなんだと。タックスペイヤー--タックスイーターの方は、税金が、余るほどお金が来るから何でもやる、そういう時代ではもうないと思いますので、その辺をしっかりと管理していただきたいということをつけ加えさせていただきたいと思います。そして、都財政への負担の軽減が図れるように頑張っていただきたい。
そこで、今お答えをいただいたものを敷衍していいますと、この長寿命化には適正な保守管理、補修、こういう維持管理が最も大事だということはよくわかります。この維持管理費、これからかなりの財政負担になってくる、当然そうなりますね。東京都全体の庁舎、そして学校、いわゆる都の管轄するすべての建物、そこにおける保守管理にかかわるお金、そして維持補修費は、この平成十三での、新年度の予算で総額どのくらいのウエートを占めているのか。また、同様に光熱水費、電気、水、これも相当な金額が当然かかってくると思いますが、どのようなデータになっていますか。
○野本営繕部長 都営住宅を除く庁舎、学校等の平成十三年度建物維持管理費予算は、総額で五百五十億円になります。このうち、ご指摘のあった空調等の保守や建物補修費は約百四十億円、光熱水費が約百九十億円となっております。
○鈴木委員 すごい金額ですよね、総額で五百五十億円。それで補修費で百四十億、光熱水費で百九十億。こういうデータを都民が知った場合に、すごいなという感嘆の声を上げるのみでありますね、これは。
そこで、延べ床面積で一万平米以上の大規模施設、国際フォーラムだとか芸術劇場だとか、江戸博、そういうところへ我々はすぐ焦点が行くわけですよ。問題は、ああいうところはどうなるんだろう、どうやって維持管理をしているんだろうか、むだはないのか、こういうことに及びますね。こういうところは、一体都としてどのような対応策をとっておられのか、わかりやすくご説明をいただきたいと思います。
○野本営繕部長 ご指摘の江戸東京博物館、東京国際フォーラム、東京芸術劇場の大規模施設三施設については、実態調査を行いました。その結果、空調においては、インバーターにより温度であるとか風量を調整すること、それから、再利用できるフィルターへ変更すること、また照明関係では、白熱電球を節電型の蛍光灯型に変更するなどしまして、光熱水費や設備保守等の維持管理費、年間約二十六億円現在かかっているんですけれども、その一億円の削減提案を行ったところでございます。
○鈴木委員 今お答えで、国際フォーラム、芸術劇場などで、インバーターというのはコマーシャルでよく聞きますけど、初めて聞いた言葉です、応用しているわけですね。二十六億円かかるうち、一億円しか節減できない。削減提案ですか、行ったというけれども、もっとしてほしいですね。ずばりと切り込んで考えれば、もっと出てくると私は思います。民間では、あらゆるノウハウを使うと私は思っています。それぞれのご家庭にこれを換算すれば、ありとあらゆる方策を使うと思いますね。お役所だからできないということには、私はならないと思います。その辺のご努力をひとつ期待をさせていただきたい、こう思います。きょうは余り強くいいませんから。
今、私、ウン、と思った。このインバーターという言葉で、これは民間にも応用できるのかなと思いながらこういう質問をするんですけれども、温度、風量調整をするとおっしゃいましたけれども、これは本当にコスト削減できるんですか。具体的に。
○野本営繕部長 例えば、東京芸術劇場では技術的検討を行いまして、今ご指摘のインバーターで、地下の駐車場で使われていない場所、これの風量を制御したり、冷却水量を少なくする、こんなことをしまして、電気料金を、今回の提案では、このインバーター関係だけで年間約四百七十万円節減できる、こんなふうな指摘をしております。
また、同様に東京国際フォーラムで、フィルターを使い捨てから何度もリサイクルするフィルターにしまして、年間五百万円、それから、先ほどの照明器具では三百六十万円、それから江戸博の関係では、空調の運転時間短縮等で二千万円の節減、こんな内容となっております。
○鈴木委員 本当にこれは生活実感、身につまされるような軽減の仕方ですよね。さっきは減債基金の問題だったから、何億だとか何兆円という話だったけれども、今度は何百万円の段階ですから。いいんですよ、これで。こういうところに目配り、気配りをする、やはり機動的に動ける都のシステムがあるんだということを、私は今のやりとりの中で、一生懸命やっているなということを評価したい。努力をしているということを都民にきちっと見せてあげる、これがやはり大事だ、そういう視点で私はこのやりとりをしているわけですから、何百万単位、結構じゃないですか。電気料金を四百七十万円節減できる、結構なことだと思いますよ。大いにやってもらいたいし、使い捨てから何度もリサイクルできるフィルターにするとか、結構じゃないですか、大いにやってほしい。
タックスイーターの側として、ここまでやっているんだということを、もう一度申し上げますけれども、都民に示してあげる、これもやはり私は大事なことだと思う。財務当局として、御局として、私は結構なことだと思う。また、芸術劇場だとか東京国際フォーラムにしても、そういうことを現実にやっているんだということを、都民にあまねく広く知らしめていく必要が私はあると思います。これはきちっといっていただきたいと思いますね、担当部局として。
そのことを私は要望しておきたいと思いますし、そして、この調査を、今具体的にいろんなことを、国際フォーラムだとか芸術劇場でこういうことをやっている、こうおっしゃっていましたけれども、十三年度以降、それではこういうことを繰り返し繰り返しおやりになるんでしょうね。
○野本営繕部長 今年度は、大きなものとしては、現在、東京武道館の調査をしております。十三年度以降は、延べ面積一万平方メトール以上の施設、これはあと百九十四施設ありますけれども、このようなものに調査に入る予定です。この調査で得られた効果的な削減策については、ほかの施設についても順次反映させていく予定でございます。
○鈴木委員 あと何項目か、ちょっとまとめて聞いておきたいと思いますけれども、あと問題は、私が興味あるのは、いわゆる東電との絡みの中で、電気料金ですね。意外と東電もしぶといから。電気料金も、いわゆる契約の仕方、使い方で相当な差が出てくると思いますよ。むだが排除できる唯一の場所なんですよ。そういう面で、どのような指導、また助言をやっていこうとしているのか。この具体的な成果が上がっているのであれば、ご紹介をしていただきたいと思います。
○野本営繕部長 光熱水費の縮減についてのお尋ねでございますけれども、建物保全管理台帳や実態調査で明らかになった削減策を東京都のすべての施設で実施するよう指導し、反映させているところです。
例えば、一日の中で使われる電力の変動が少ない施設では、東京電力の契約メニューに対し、営繕部で開発したコスト縮減計算シート、これを利用しまして、より低廉な契約を結ぶことができるような、こんなことを工夫しております。その結果、高圧電力を使っている百八十施設について、年間約七千六百万円の大幅な節減が見込まれる状況となっております。
○鈴木委員 また数字が、百八十施設で年間七千六百万円、こういう節約をすればできるんだという一つの--契約の仕方でできている。私も、たしか区政に参画をしているときに、東電との契約の方法、おかしいじゃないかという論議を、全国じゅうで巻き上げた当事者の私は一人でありましたから、これなんかはよくわかっています。別に東電云々じゃなくて、こっちからいわなきゃ東電もその辺はやらないんだよね、それ以上はいいませんけれども。そういうことで、ぜひこちらからどんどんやっていただきたい、こう私は思っております。
時間の関係で、最後、こういう営繕行政を担当している、余り答弁の機会がない技監に、私は最後にお出ましをいただきたいのでありますけれども、くどいようですが、もう一度いいますけれども、タックスイーター、使う側の方は、意外と庶民の感覚というものを余り考慮しないでいたというこれまでの経緯、そのことを今、私は再三申し上げました。そういうことを踏まえて、やはりこのコスト縮減、長寿命化のあるべき一つの姿論というものは、今回このやりとりの中で私は若干でもさせていただいた、こう思っていますので、こういう都財政の負担を減らしていくために、今後、御局としてどう具体的に取り組もうとしているのか、そういうことを総論的に頭の中に加味しつつ、お答えをいただきたい、こう思います。
○畑野技監 公共建築物の整備につきまして、財政負担との関連で大変貴重なご指摘をいただきました。もとより多様な行政サービスを都民に提供するという公共建築物の整備は、限りある財源を効率的に執行することにより適正に行うこと、これが基本であると認識しております。そのため、整備に当たりましては、計画の企画構想段階から、整備の必要性、あるいは建物の規模の妥当性、こういうものにつきまして計画チェック機能を強化していく、それとともに、建設コストの縮減に努めてまいりたいと思います。また、建築物の長寿命化を実現するために、計画的な保全、改修を徹底するとともに、維持管理に要する経費につきましても技術的検討を行い、可能な限り縮減してまいります。
今後とも、こうした方策について、関係各局と連携しながら、財務局が先導的役割を積極的に果たしていく、このことによって公共建築物の整備に伴う財政負担の軽減を図ってまいりたいと思っております。
○鈴木委員 私の試算では、年間大体三億円程度の削減、節約になると、そろばんをはじいてみたんです、今までの答弁をいただきながらね。じゃ、それは多いか少ないかという、そういう次元ではなくて、やっている努力、これは多としたいと思います。で、関係部局に対してぴしっとそういうものをいっていただきたいし、そのことをきょうは申し上げて、皆さんのこれからのご努力、また、いろんな巨大施設が存在しますから、その辺のことをきちっと踏まえて、とらまえて、それからまた、電力需要の試算チャートなんという資料もいただいていますけれども、こういうソフトをちゃんとつくってあるわけですから、東京都からその情報を発信しながら、これが全国にあまねく普及されますことをこいねがいまして、私の質問を終わります。
以上であります。
○大木田委員 私、質問通告をしておりましたけれども、時間が経過しましたので、次回に回しますので、よろしくお願いします。
○遠藤委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本案に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○遠藤委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
以上で財務局関係を終わります。
これをもちまして財政委員会を閉会いたします。
午後五時四十分散会
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