財政委員会速記録第六号

平成十二年三月二十一日(火曜日)
   午後一時六分開議
 出席委員 十四名
委員長白井  威君
副委員長鈴木貫太郎君
副委員長倉林 辰雄君
理事中西 一善君
理事古館 和憲君
理事坂口こうじ君
遠藤  衛君
白井 常信君
松村 友昭君
桜井良之助君
大西 英男君
山崎  泰君
矢部  一君
渡辺 康信君

 欠席委員 なし

 出席説明員
財務局局長木内 征司君
技監佐藤 淳一君
経理部長管財部長兼務立花 壯介君
契約調整担当部長福永 富夫君
主計部長成田  浩君
地域整備担当部長永坂 達夫君
用地部長橋本  剛君
庁舎管理部長中島  守君
営繕部長畑野 喜邦君
参事青木 治道君
収用委員会事務局局長斉藤 好平君
次長長沼 友兄君

本日の会議に付した事件
 収用委員会事務局関係
  予算の調査(質疑)
  ・第一号議案 平成十二年度東京都一般会計予算中、歳出 収用委員会事務局所管分
  付託議案の審査(質疑)
  ・第六十号議案 土地収用法関係手数料等に関する条例
 財務局関係
  予算の調査(質疑)
  ・第一号議案  平成十二年度東京都一般会計予算中、予算総則、歳入、歳出 議会局・財務局所管分、都債
  ・第十四号議案 平成十二年度東京都用地会計予算
  ・第十五号議案 平成十二年度東京都公債費会計予算
  付託議案の審査(質疑)
  ・第五十二号議案 東京都事務手数料条例の一部を改正する条例
  ・第五十三号議案 東京都地方公営企業の設置等に関する条例の一部を改正する条例
  ・第五十四号議案 租税特別措置法施行令に基づく譲渡予定価額審査に係る手数料に関する条例
  ・第五十五号議案 東京都土地開発基金条例を廃止する条例

○白井委員長 ただいまから財政委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程に従いまして、収用委員会事務局、財務局の順に、予算調査及び付託議案審査を行いたいと思います。ご了承願います。
 これより収用委員会事務局関係に入ります。
 予算の調査及び付託議案の審査を行います。
 第一号議案、平成十二年度東京都一般会計予算中、歳出、収用委員会事務局所管分及び第六十号議案を一括して議題といたします。
 本案については、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○白井(常)委員 大した質問ではございませんけれども、一言、二言伺います。
 収用委員会について、予算委員会、本会議等でも、自民党の議員さんの方から話がありました。収用委員会をめぐるいろいろな問題があるわけでございますけれども、収用委員会というのは、本来の性質といいますか、位置づけというのはどんなものか、一応後学のために。

○長沼次長 収用委員会は、土地収用法に基づき、公共事業の遂行に当たりまして、公共の利益の増進と私有財産の調整を図るため、双方の間に立って、公正、中立な立場で両者の利害を調整し、裁決、あるいは和解などを行う準司法的な組織でございます。どうぞよろしくお願いします。

○白井(常)委員 今、審議しておりますのが十二年度の予算でございますので、その関連で伺います。
 せんだって本会議等でも話がございましたけれども、大型権利者といいますか、二ツ塚等の場合には、予測しなかった経費というのが、当事者である起業者の場合は何十倍、何百倍というものが出ておりましたけれども、収用委員会として、ああいったものにかかる経費といいますか、今までのいわゆる一般の収用委員会の事例と、例えば二ツ塚なら二ツ塚を一例に挙げますと、どのぐらいの倍数といいますか、かかっていらっしゃるのか、ちょっと伺います。

○長沼次長 お尋ねの収用委員会事務に関します経費で申し上げますと、一般的に、お一方の権利者で、最少の審査等で終わった場合に、約六万円弱かかっております。それに対しまして、ただいまお尋ねの大型案件、二ツ塚処分場事件につきましては、三千七百万ほどで、約六百倍ぐらいの差になっております。

○白井(常)委員 二ツ塚につきましては、本会議、予算委員会等で、知事及び起業者であるーー準起業者といいますか、建設局長から話がありましたので、この場は違いますので、それについては後追いいたしませんけれども、いわゆる賛成、反対、あるいは権利者の個人財産を守るということがあるわけです。今のような二ツ塚を見てもそうですし、また、今後予想されます、例えば圏央道の建設に当たって、八王子の裏高尾であるとか、あるいは秋留野であるとか、同じような大型権利者、大型権利者というか、無理やりに権利者になったわけですけれども、そういったケースが考えられるわけですね。
 余計なことを申し上げて恐縮なんですけれども、二ツ塚の場合も、ああいったことで、はがき一枚でもって土地を確保するというような例がある。八王子の裏高尾の圏央道の反対の場合には、二千本ある木に一人一人権利者をつくっていっているんですね。権利を擁してきている。そうすると、例えば木一本なんというのは、雑木ですから、せいぜい千円もすればいい木なんですけれども、土地も、二千平米ですから、あの辺はせいぜい坪何千円というところですから、大したことはない。ところが、木の一本一本にトラストをかけた場合には、それこそ実際の訴訟額というのは一億に満たない、二千万ぐらいで終わっちゃう仕事が、一本一本の木に権利者を擁した場合には、それこそ何億とかかる仕事になるわけですね。そういったことが、高尾だとか、あるいは秋留野の地域で、次を予測した場合には推測できる部分があるわけでございますけれども、そういったことになってきているわけですね。
 そういった場合に、国の方でも法改正ということがいわれていますし、東京都でも、知事を初め建設局長も法改正を申請すると。早く法改正をしていただけばいいんですけれども、現在の形態でいったような場合には、皆さん方の立場というのは、いわゆる公正、厳正な審議機関ですから、よくわかるのですけれども、こういった対応をする場合には、例えば、具体的に今までと違った形で余計お金がかかり、人がかかるわけですけれども、人的な部分は、今どういうふうにしておられますか。

○長沼次長 将来、どういった案件が上程されるか、なかなか想定はつかないのですけれども、私どもわかる限りにおいては、人員数を事務局定数としてふやしていただいたり、あるいは、それに要すると想定される経費を予算要求の中でも盛り込んで、それによって査定を受けているという状況でございます。

○白井(常)委員 現在までの過去の二ツ塚にしてもそうですし、今後予想される圏央道建設に絡むそういった土地収用についても、全く今までは考えつかないような多人数の、あるいは、突然、地主になったり、木を自分の権利だというふうに主張したり、土地収用委員会を舞台にして、いわゆる戦術的な場として完全に変わってきているわけですね。そういったいわゆる戦術論といいますか、変化について、感想としてどう感じますかね。

○斉藤収用委員会事務局長 実は二ツ塚事件では、東京都の収用委員会は、現在被告になっております。平成十二年の一月六日に東京地裁に訴えを起こされていまして、それは、まさに収用委員会の性格を非常に浮き彫りにするのですが、要するに、行政でありながら行政委員会方式をとったということは、結局、知事の権限とは違うので、準司法的なので行政委員会として知事の政治的権限から外したと。
 そうなると、そこで我々が考えることは、二ツ塚事件で土地収用法を、先生がおっしゃるように、中立、公正に適用すると。それを外しますと、地裁段階で今度は被告になりますので、そこで法の適用が適正でなかったということになりますので、非常に問題が出てしまう。もし、地裁で私たちが中立、公正でないということになりますと、処分は全部取り消しになりますので、収用裁決が取り消しになります。これは大変大きな事件であろうかなと思います。私たちは中立、公正にやっておりますので、東京地裁で、その被告人として対応していくと。これは知事ではありませんで、東京都収用委員会が被告でございます。
 先生がおっしゃるように、知事が予算特別委員会の中で、現行法は多数当事者のそういうことを想定していないということをおっしゃっていましたが、現行法は確かにその辺がございまして、たとえ小さな土地であろうと、先祖伝来の大きな土地であろうと、収用法上は一つの私的所有権として扱うということが大原則になっておりまして、先生がおっしゃるご質問の趣旨はよく理解はしておりますけれども、収用委員会としては、その辺の問題に対して、立法論的、政策論的に、自分が使っている手続法ですので、触れることができないというのが実情でございます。

○白井(常)委員 よくわかっておりまして、裁判に負けちゃ困ると思うのだけれども、金がかかっても、あれだと思っております。今、これをどうのこうの、あなた方に何とかしていい答弁をもらおうなんて思っていませんから、いいんですけれども、別に嫌みでいっているわけじゃないんです。いわゆる戦術とか、イデオロギーがあるのか何だか、私もよくわかりませんけれども、イデオロギーであるとか、そういったことが土地収用をめぐる動きになって、いわゆる人的な問題、また、東京都としても収用委員会の経費は増大しておると。こういった問題は、法改正があれば、もちろんこれは問題ないわけですけれども、一年も二年も三年もおくれていくというような、単なる嫌がらせというか、やっている当事者の方は何と考えているかわかりませんけれども、そういった方向にあるわけでございまして、こういったことについて、ゆゆしき大事であると思っておりますし、また、これは立場を変えて、東京都なり、また、国の方で法改正を一日も早いことを願っているわけでございます。
 そういう面で、特にあなた方にどうということではありませんけれども、今後そういった時代の変遷といいますか、戦術論として、法改正がない場合に、こういった大型案件に対して、収用委員会としての対応といいますか、そういうものはなるべく経費がかからないで、要するに財政的な負担にならないような方向で、皆さん方も対応できるようなことを、私どもは応援していきたいと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。

○斉藤収用委員会事務局長 私、今、制度的な、法的なことを申しました。ただ、予算委員会でもご答弁いたしましたけれども、効率であるとか、早さであるとか、そういう我々が可能な範囲の問題については、精いっぱい頑張っていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

○白井委員長 ほかに。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○白井委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、これをもって終了したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○白井委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で収用委員会事務局関係を終わります。

○白井委員長 これより財務局関係に入ります。
 初めに、幹部職員に変更がありましたので、申し上げます。
 三月十六日付で管財部長が退職し、経理部長が管財部長を兼務する旨の報告がございました。ご了承願います。
 それでは、予算の調査及び付託議案の審査を行います。
 第一号議案、平成十二年度東京都一般会計予算中、予算総則、歳入、歳出、議会局・財務局所管分、都債、第十四号議案、第十五号議案、第五十二号議案、第五十三号議案、第五十四号議案及び第五十五号議案を一括して議題といたします。
 本案につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求しました資料は、お手元に配布してございます。
 資料について理事者の説明を求めます。

○成田主計部長 去る二月十八日の当財政委員会におきましてご要求のございました資料について、ご説明申し上げます。
 要求資料、お手元にあるかと思いますが、それの表紙と目次を二枚おめくりいただきたいと思います。
 まず、資料第1号でございますが、この四月一日から施行されます地方分権一括法の概要と今後の課題についてでございます。
 (1)では、地方分権一括法の概要ということで、事項といたしまして、機関委任事務制度の廃止から必置規制の見直しまで四事項につきまして、それぞれ内容、具体例をお示ししてございます。
 まず、機関委任事務制度の廃止でございますが、内容といたしましては、都道府県知事等を国の機関として国の事務を処理させる機関委任事務制度を廃止する。廃止後も地方公共団体が処理するものについては、自治事務と法定受託事務とに再構成する。さらに、機関委任事務制度を前提として成立してきました地方事務官制度についても廃止という内容でございまして、具体例といたしまして、自治事務、法定受託事務、それぞれ右の欄のような例示を挙げさせていただいております。
 二番目は、国の関与等の見直しでございまして、法定主義の原則、一般法主義の原則、公正・透明の原則に基づき、地方公共団体に対する国または都道府県の関与を廃止、縮減するものでございます。また、国と地方公共団体間の係争処理手続を規定してございます。右の欄に、関与の廃止ということでの事例、また、関与の縮減ということで、地方債の発行に係る自治大臣の許可、これが、今後協議制に移行するということで縮減になるものでございます。
 三番目の権限移譲の推進でございますが、これにつきましては、国の権限を都道府県に、都道府県の権限を市町村に移譲を推進するものでございます。また、人口二十万以上の市を、当該市からの申し出に基づきまして特例市に指定、一応対象は全国で五十九市ございますが、権限をまとめて移譲するものでございます。国から都道府県への権限移譲、また、都道府県から市町村への権限移譲の例を、そこに具体例としてお示しさせていただいております。
 最後に、必置規制の見直しでございますが、地方公共団体の自主組織権を尊重し、附属機関や職員に係る必置規制を廃止、緩和するものでございます。右の欄に、附属機関に係る必置規制の例、また、職員に関する必置規制の例をお示ししているところでございます。
 二番目といたしまして、今後の課題でございます。
 分権型社会を確立いたしまして、自主財源による財政運営を実現するためには、地方税財政制度の抜本的改革により、国と地方との税源配分を見直し、消費税や所得税等の税源を地方に移譲することが不可欠でございます。しかしながら、今回の地方分権一括法におきましては、その下の参考で附則第二百五十一条をお示ししてございますが、そこでは、地方分権の車の両輪の一つである地方税財源の充実は、中長期的な課題として先送りされているところでございます。速やかな実現に向けての取り組みの強化が、今後の課題であろうかと考えているところでございます。
 続きまして、資料第2号に移らせていただきたいと存じます。
 これは、財政再建推進プランの全体像と外形標準課税の位置づけ、今後の税財源の改善の方向というご要求に対する資料でございまして、そこに書いてございますように、一般財源ベースでの財政再建の達成状況ということで、財政再建推進プランの四つの柱、内部努力、施策の見直し、歳入の確保、税財政制度の改善、それぞれにつきましての平成十五年度の目標額並びに十二年度の財源確保額、ちなみに、右下をごらんになっていただきたいと思いますが、千九百四十億円、達成率三〇・八%をお示ししてございます。
 なお、外形標準課税につきましては、従前、税収の安定的確保の観点から行われることを想定しておりまして、増収額を意味いたします目標額は、そこにも書いてございますようにゼロでございますので、財源確保の目標一覧には掲載してございませんでしたが、この位置づけを明確にするために、財政再建推進プランの本文と同じく、税財政制度改善の三番目の柱ということを明示させていただいたところでございます。
 以上で、資料第2号の説明を終わります。よろしくご審議のほどお願い申します。

○白井委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料とあわせて、本案に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○倉林委員 土地開発基金条例を廃止するという内容につきまして、何点か質問させていただきたいと思います。
 提案理由によりますと、社会経済情勢の変化に伴い、土地開発基金を廃止する必要がある、こういうことでありますけれども、十二年度予算におきましては、三千二百億円の財源不足を解消をするために、職員の給与の削減とか、あるいはまた、二千五百億円余りの臨時的な財源対策を実施して、財政再建団体への転落はひとまず回避した、こういうことであります。
 また、臨時的な財源対策の中身として、後ほど遠藤委員さんからも質問があろうかと思いますが、減債基金積み立ての一部計上見送りによります一千三百四十四億円、退職手当債の計上による二百億円、土地開発基金の廃止による一千億円等があるわけでありますけれども、これらのうち、土地開発基金については、ややもすると財源対策の観点からのみ取り上げられがちのようでありますけれども、その廃止に当たっては、どのような問題点があるのか、また、廃止後の公共用地の先行取得はどのようにあるべきかなど、これまで土地開発基金が果たしてきた役割を認識しながら、十分に検証しておく必要があるだろう、こういう思いで質問させていただきたいと思います。
 そこで、土地開発基金の廃止に関連いたしまして、まず、土地開発基金を設置したのはいつごろか、そして、どのような目的で設置したのかを、先にお聞かせいただきたいと思います。

○橋本用地部長 土地開発基金を設置いたしましたのは平成元年度でございまして、昭和六十年代の異常な地価高騰による事業用地取得難の解消を図り、また、当時、相当数見込まれました政府関係機関の移転跡地等の売却等に対しまして、より弾力的、機動的に対応するための仕組みといたしまして、公用もしくは公共用に供する土地、または公共の利益のために取得する必要のある土地を、あらかじめ取得することを目的としたものでございます。

○倉林委員 そうしますと、これまで土地開発基金で取得した土地はどのくらいあるのか、また、そのうち、実際に事業用地として利用されている土地はどのくらいあるのかをお聞かせいただきます。

○橋本用地部長 平成元年度から平成十一年十一月末までに土地開発基金で取得いたしました土地は、四百三・九ヘクタールでございまして、このうち、これまでに事業用地として一般会計等に引き継がれた土地は二百二十八・五ヘクタールで、残りの土地につきましては、当初の利用計画はありますけれども、まだ事業化されないものでございます。

○倉林委員 土地開発基金の現在の財産の保有状況はどうなっているのか、土地と現金それぞれについて明らかにしていただきたいと思います。

○橋本用地部長 平成十一年十一月末現在で、土地が百七十五・四ヘクタール、金額にして千九十二億七千万円でございます。なお、現金につきましては、千三百七億三千万円でございます。

○倉林委員 これまで、土地開発基金が公共用地の先行取得ということに大変大きな役割を果たされてきたわけであります。ところで、この土地開発基金と同様に、公共用地の先行取得の制度として用地会計があると思いますけれども、土地開発基金と用地会計との違いについて説明をいただきたいと思います。

○橋本用地部長 お話のように、土地開発基金と用地会計は、ともに公共用地の先行取得のための制度でございますけれども、用地会計は、公共用地先行取得債を財源といたしまして、そのため、起債の条件に該当する事業で、おおむね十年以内に事業化される見込みのある土地を対象としております。
 これに対しまして土地開発基金は、定額の資金を運用して土地の取得を行っておりますけれども、その枠内で起債対象外事業の用地もその対象としておりまして、また、年度を超えて取得交渉をしなければならない場合でありますとか、緊急に取得しなければならない場合にも、弾力的、機動的に対応できるものでございます。

○倉林委員 この十二年度の予算では、公共用地の先行取得制度の二本柱のうちの土地開発基金を廃止することとなっているわけですけれども、今回、土地開発基金を廃止するということにした理由ですね、先ほど申し上げましたように、社会的、経済的という提案もありますけれども、それについてもう少し説明いただきたいと思います。

○橋本用地部長 土地開発基金は、異常な地価の上昇や用地取得規模の大型化に弾力的、機動的に対応するために設置したものでございますけれども、都内の地価が平成三年度以降下落が続いているといったような、土地を取り巻く社会経済状況が大きく変化をしておりまして、今日の都財政のもと、土地需要も減少しているといったこともあって、土地開発基金は、その役割を基本的には終えたという判断から廃止するものでございます。

○倉林委員 土地開発基金を廃止すること自体は、財政再建を進めていく上ではやむを得ないのかな、こういう思いはありますけれども、しかしながら、用地の先行取得は、公共事業を円滑に進めていく上では、非常に重要な役割を担っているわけでありまして、土地開発基金の廃止後も、土地を流動的、弾力的に取得する手段を確保していく必要があるだろう、こう思うわけであります。
 もちろん、現在の財政の厳しい状況を考えれば、不要不急の土地を取得しないのは当然でありますけれども、今後とも、道路あるいは街路の整備を初めとして、社会資本の整備充実を図ることによって、東京の活力を維持し、向上させていく必要があるわけでありますから、そのためにも、必要となる土地については、きちっと計画的に確保をしていくということが大変重要であり、大切だ、こう思うわけであります。
 そのために、土地開発基金を廃止した後になっても、用地会計において公共用地の先行取得の役割を十分果たすことができるように、適切な運用を図っていかなければならない、こう考えますけれども、それについてご見解をいただきたいと思います。

○橋本用地部長 土地開発基金の廃止後におきましても、起債対象以外の事業に供する土地の先行取得が、将来にわたって全く不要とはいえないことから、そうした土地需要にこたえるために、用地会計の機能を拡充いたしまして、新たな取得の枠として百億円を設定したところでございます。今後、用地会計におきましても、これまでの土地開発基金が有していた機能を生かすような運用を行ってまいりたいと考えております。

○倉林委員 また、現在、土地開発基金が保有している土地の今後の取り扱いについても、ちょっと確認しておきたいと思います。
 先ほどの答弁では、土地開発基金が保有している土地は約百七十五ヘクタール、約一千億円を超えるということでありますけれども、そうしますと、基金が廃止された後、これらの土地はどうなっていくんでしょうかということになるのですが、それについてご見解をいただきたいと思います。

○立花経理部長管財部長兼務 基金に属する土地でございますが、財産区分上の整理といたしましては、本年五月末に、一たん普通財産に分類がえすることとしております。この分類がえに当たりましては、その土地の現況や、利用、活用のあり方につきまして、改めて精査を行います。その上で、各種事業等、当初の取得目的に沿いました利用に供するため、事業着手まで引き続き保有していく、いわば事業予定のある土地につきましては、用地会計に引き継ぐこととなります。また、それ以外の事業予定のない土地、これにつきましては、状況の変化により当初の取得目的どおりの利用が見込めなくなったということで、事業予定がなくなった土地でございますので、一般会計に引き継ぎまして売却等を検討することとなります。

○倉林委員 そうしますと、事業予定のある土地、また、事業予定のない土地、それはどのぐらいになるのか、お教えいただきます。

○立花経理部長管財部長兼務 現在、土地の現況あるいは利活用のあり方につきまして、改めて精査を行っているところでございます。現時点では、正確な数字を申し上げることはできませんが、平成十一年十一月末現在で保有する土地につきまして、事業予定のある土地に分類されると思われますものは、保健保安林、これが百三十七ヘクタールございますが、これを含めまして、おおむね百七十四ヘクタール程度でございます。また、それ以外の事業予定のない土地に分類されますものは、利用が見込めなくなったために売却等を検討いたしますが、約一ヘクタールが見込まれます。

○倉林委員 事業予定のある土地については、今後、円滑に事業に供されるよう、各局への引き渡しを計画的に進めていただきたい、こう申し上げるわけですけれども、今さら申し上げるまでもないわけですが、ここで問題となるのは、先ほど説明のあった事業予定のない土地ですね。事業予定のない土地については、十二年度においては、とりあえず一般会計に引き継いでいくということでありますけれども、こうした土地を目的もないまま、いつまでも保有し続けているということは、維持管理コストがかかるばかりでなく、財産のいわゆる有効活用という部分から、非常に問題があるんだろうと思うわけであります。
 そのために、こうした事業予定のない土地について、売却とか、暫定利用も含めて、早急に具体的な方法を明らかにして実行に移していくべきだ、こう思いますけれども、ぜひこの辺のご見解をいただきたいと思います。

○木内財務局長 今、副委員長ご指摘のとおり、土地開発基金、この間いろいろ役割を果たしてきたわけでございますけれども、都政としての土地需要が減退する中、いわば社会的役割というのは非常に薄れてきたというふうに思っております。そんな中で廃止するわけでございますけれども、キャッシュの部分については、財源対策にも活用しつつ、副委員長お話がありましたように、用地会計の中で一定の枠を設けて、土地開発基金が有していた機能を継承していこうという考え方、もう一つ重要なのは、残った土地はどうするんだということのご指摘であるわけでございます。
 その残った土地、いわく因縁、故事来歴といいますか、そうした土地もございますけれども、活用できるものについては活用していこうと。当初の段階では利用目的があったわけですけれども、今日の財政状況の中では利用がなかなかしにくい、し得ない状況の中では、それらのものについてはどうしていこうかというのが課題でありまして、いずれにしても、残った土地について、きちっと改めて利活用の計画といいますか、調査をした上で分類し、不要なものについては売却するということで進めていきたいというふうに思っております。
 そんな考え方を大きく、本年秋に、土地、建物も含めた資産の利活用計画をつくることをお約束しておりますので、そんな中でもそうしたことについても触れながら、残された土地についても有効な活用、そして、資産としての売却を通じての有効なキャッシュとして活用していくといいますか、そんなことを考えていきたいというように思っております。

○倉林委員 局長さんからご答弁いただきましたから、多く語ることはないと思いますけれども、土地開発基金の廃止後も、ぜひ社会資本整備に支障を来さないようにご努力いただきますことを要望して、終わらせていただきます。

○松村委員 質問させていただきます。
 公共事業の異常な膨張が、今の都財政破綻をつくり出してきた最大の原因ではないかと、我が党はこれまでにも再三ただしてまいりましたが、昨年の第四回定例会でも、また、今年に入った予算議会、第一回定例議会でも、要因のすべてを公共事業にのみ求めるのは適切でないとか、正確な認識とはいいがたいというような答弁を繰り返しております。
 質問は、中心的な原因と認めるのか、認めないのか、そういうことをただしているのであります。きちっとお答えいただきたいと思います。

○成田主計部長 本会議におきまして、これまで知事が答弁申し上げているとおりでございまして、財政危機の要因のすべてを公共事業のみに求めるのは、適切ではないと考えているところでございます。

○松村委員 バブルに入っての八六年、昭和六十一年から次の年の八七年、昭和六十二年には、都税収入が四兆円近く上がっております。それで、そのときに投資的な経費も補正予算で一千億円も伸ばして、一兆円に上がる。以降、たしか都税収入も伸びておりますけれども、投資的経費といわれるものは、八八年、六十三年からどんどん伸びていっているんですね。皆さん方がいろいろ発表している表やグラフでも、そのことが明らかなわけであります。
 それで、本年度、九九年度までの十二年間で、合計しますと十八兆二千二百二十八億円に、私の計算ではなります。年平均でいきますと、投資的経費は一兆五千百八十五億円です。これは最終補正を入れた数字であります。それに経常経費の中にも、バブルに入ってから、いろんな出資金、例えば首都高速道路公団への出資とか貸し付けというものが急激に膨らんで、大体四千億円ぐらい含まれている。だから、それを加えれば、さらに巨額な投資的経費が、この間使われてきたことは明らかであります。
 本委員会でも、この間の、バブルの直前からの十四年間の数字をお答えいただきましたけれども、十四年間で三十兆円の歳出増があった、じゃ、それが一体何に使われてきたのかということの我が党の古館委員の質疑の中で、土木費は約十一兆円、民生費は二兆六千六百四億円、教育費は三兆八百三十五億円という数字を、財務局は答えております。
 今、ちょっと時期はずれていますが、さらに、全体の投資的な経費といわれるものが十二年間で十八兆円あったという数字を挙げてみても、ふえた歳出増の中で、一体何に使われてきたかといえば、明らかに土木、開発といいますか、投資的経費がふえてきた。(「いいことじゃないの」と呼ぶ者あり)そういう評価もありますから、そういうことを率直に見せればいい。
 だから、当時あった基金も取り崩し、また、当時の借金、都債というものが、二兆円が七兆円以上に膨れ上がってきた。こういう厳然たる事実というか、客観的にいえば、これが、今日の異常な財政状況、その中で借金がふえ、これからその借金返しをしなきゃいけないという、いわば財政危機、財政破綻の主たる原因だということは、もうはっきりしているじゃありませんか。いかがですか。

○成田主計部長 ただいまの松村委員のお話は、たしかこの財政委員会で、かつて資料要求がございまして、対前年度増減額の累積という、普通使わない財政分析手法での数字の要求だったと思います。それに対しまして、私どもの方では、これは昭和五十九年度と平成十年度を見たときの財政規模の増加、それの寄与率という形で、そのときにたしかご説明した数字としては、土木費は二六・一%ありますが、同時に、民生費も寄与率一四・三%、教育費も一〇・八%と、そういった形での数字を示させていただいたところでございまして、ただいま松村委員のおっしゃった、この十何年間の累積総額が、土木費が過半を占めるということにつきましては、私ども数字をもって十分ご説明させていただいたところでございます。

○松村委員 もっと都民にわかりやすく説明していただきたいと思うんですよ。この十四年間の歳出のふえた部分三十兆円、その中には、都税収入もふえました、今私が前段指摘したように、確かにバブル前後を挟んで伸びてきた。それに加えて、例えば他の会計、埋立会計などからも二千億ぐらいのお金を持ってきた。基金も、貯金ですね、取り崩した。なおかつ、バブルが崩壊した以降も一兆円も都債を発行して収入に入れて、そういう総額三十兆円を一体何に使ったのかというのが、私は都民の素朴な疑問だというふうに思います。それが明らかに、今いった十二年間だけでも投資的経費が十八兆二千二百二十八億円、年平均しても一兆五千百八十五億円にも上っているんだ、これは紛れもない事実じゃありませんか。
 さらに、経常経費の中にも、いろんな出資金とか、貸付金だとか、いわゆる投資型のものに使われてきたという指摘が、これは財政手法の問題ではなく、私は、これは都民の感覚というか立場から見て、今、財政危機だ、財政破綻というのは、そこに問題があったのではないかという当然の指摘になるというふうに思います。
 そこで、もう少し整理して伺いたいわけですけれども、バブル期まで、都税収入が膨らんできた、そういう時期もあります。最盛期の都税収入が一番あったのが九一年、平成三年の時期で、四兆八千四百九十四億円という、これが都税収入のピークでありました。九二年、九三年と若干落ち込みましたけれども、このときの都税収入の割合をもう少し見ますと、九一年の四兆八千四百九十四億円をピークに、九二年が四兆三千七百六十八億円、九三年が四兆五百七十二億円と。
 それに対して投資的な経費はどうかということで、よく皆さん方が使われているグラフや表を見ますと、九二年度は二兆八百八十億円、九三年が二兆五百九十三億円、それに、さっきいいました経常経費の中の四千億円をはるかに上回っている出資や貸付金というものを加えると、都税収入の割合の中で、実に半数以上に上っているわけですね。こういうバブル期の財政運営は正しかったのかどうかということを、まず伺いたいと思います。

○成田主計部長 バブル期前後の財政運営についてでございますが、ご案内のように、景気が後退しまして都税収入が大幅に減少する、そういった厳しい状況であったわけですけれども、当時は、都民の要望にこたえ、公共投資を中心に喫緊の課題である景気対策等を行ってきた、また、同時に経常経費についても、都民サービスの水準を確保するために、基金等の財政の対応力を活用しつつ歳出水準の維持に努めてきたというのが、当時の財政運営の状況だったと理解しております。

○松村委員 違うんですよ。私は、バブルが崩壊した後のはこれから聞きますけれども、バブル期にかけて、たしか都税収入が伸びた、それに伴って投資的経費もふやしてきているんですよね。それが九一年がピークで、さらにその二年間ぐらいは、今いった都税収入の伸びに比べて、半数以上ぐらいを占めていた。都税収入が伸びたけれども、それに伴って膨大な投資的経費をふやしてきたんですね。そのことについて、まず最初にただしたいのです。そういう財政運営は正しかったのかどうか。だって、減らさないで伸ばしてきたわけでしょう。

○成田主計部長 ただいまお話がありましたのは、バブルの崩壊後はそういう形でございますが、それ以前につきましては、やはり東京の社会基盤の整備がおくれている、そういった現実に着手しつつ、財政の対応力をもって社会資本等の整備を着実に進めていくということは、当然の財政運営であったかと理解しております。

○松村委員 当然の財政運営だったと、そういう認識ですか。石原知事なども、今いろいろな新聞、また、記者会見などの発言でも、この都庁舎を初め、いろんなビッグプロジェクトについて、当時の知事が大局を見る目がなかったんじゃないのと。本当にこんな採算の合わないプロジェクトを次から次へとつくった、例えば東京スタジアムなんか全くナンセンスじゃないかとか、現に今の知事ですら、このバブル期にかけての、確かに都税収入はふえたかもしれませんけれども、それ以上にどんどんどんどんやって、投資的経費を二兆円以上に引き上げてきたやり方については、問題だという認識があると私は思いますよ。それについて財務当局が、今いったみたいに、間違っていなかったと、こういう場の中でいい切ること自体が、私は問題だというふうに思います。
 その時期にかけての財政運営が果たしてどうだったのか、私は、そういうしっかりした分析というか、きちっと評価をしなければ、今日の都財政が大変だから、都民に痛みをとか、そして、物すごい福祉の切り捨てなど、絶対都民は容認できないというふうに思うから、その点をもう一度ただしておきたいと思います。

○成田主計部長 先ほどの先生のご質問が、バブルの崩壊前の都の税収増等を踏まえた投資的経費等への財政投入がどうだったのかというご質問でしたので、そのようにお答えいたしました。先生が今度お聞きになっているのは、バブルの崩壊後の都の財政運営がどうなのかということ……(松村委員「崩壊後は、これから聞きます」と呼ぶ)
 ですから、バブル崩壊前までにつきましては、先ほども申し上げました、都の持てる財政力を活用しまして、おくれている社会基盤の整備を着実に進めてきたということでございます。

○松村委員 要するに、バブル期にかけての財政運営は正しかったという認識の繰り返しだというふうに思います。主計部長がおっしゃるように、さすがにバブルが崩壊して、見る見る都税収入が落ちてきたということなんですけれども、今いいました九一年、都税収入が最高になって四兆八千四百九十四億円、それから、明らかにバブルの崩壊が影響して都税収入が落ちてきたという九五年度は、大体一兆円近く都税収入が落ちてきております。
 しかし、そのときに投資的経費はどうなっているのかという点では、ほとんど減ってないんですね。最終補正を合わせますと、ほとんど減ってないという数字。さらに、さっきいいました、いろいろな出資金とか貸付金だとか、投資型のものも含めてーーですから、私は正確を期するために、普通会計決算の資料を見させていただきましたけれども、この九一年には、投資的経費、普通会計決算ベースで一兆七千七百五億円なんですね。九五年度はどうかというと、一兆八千五百九十一億円なんですよ。だから、予算の使い方というか、トータルを決算ベースで見た場合、減っているどころか、普通会計決算ベースでは一千億円も投資的経費がふえているというのが実態じゃありませんか。
 盛んに、いや、それはバブル前はいろいろ必要があったからやってきたけど、さすがにバブルの影響が出てきて、都税収入が落ちてきて云々というお話がありましたけれども、じゃ、今のこの点の指摘については、どのように認識されているのでしょうか。

○成田主計部長 ただいま松村委員ご指摘のように、普通会計ベースの平成三年と七年を見た場合には、投資的経費は平成七年の方が微増しております。ただ、これは社会資本整備の観点と同時に、当時、国民的な、国家的な課題でございました景気対策、これに対して国、地方を通じた必死の取り組みが必要である、そういった観点から都としても取り組んだ結果でございます。

○松村委員 今の答弁について一言いえば、全く反省というよりも、そういうことじゃなくて景気対策だ、国がいうから国に責任があるのかーー私たちは、やりたくなかったからやらなかったというように受け取るので、私たちの言葉でいわせれば、全くそういう点では反省がないということをいわざるを得ません。
 しかし、もう一回聞きたいのですけれども、都税収入が大幅に落ち込んできたということは、今も指摘して、もちろん認めますよね。にもかかわらず、投資的な経費を減らさないで逆に上回ったことも認めました。収入が減っているのに、一方は必要だからといって減らさない、いや、わずかながら伸びましたということで、じゃ、どこでつじつまを合わせるというか、どういうことになるんですか。結局は、だから基金を取り崩した、また、当時は二兆円だった借金も、借金して景気対策だということなわけですよね。
 ですから、景気対策といえども、当然投資的経費を反省することなく維持し、または、時によってはこういうふうに若干ふやしてきた。それが今日の膨大な、今後返さなければならない借金財政、財政負担額になってきたと。もう明確じゃありませんか。最初の質問の、今日の都財政の危機の中心的な原因が、こういう投資的経費にあったということを、それでもまだ認められないのでしょうか。

○成田主計部長 松村先生のご主張は、一応私どもも理解といいますか、いっていることはわかるのでございますが、先ほど来申し上げておりますように(「わかっちゃいけないんだよ」と呼ぶ者あり)わかるというのは、いっている言葉の意味がです。(笑声)
 ただ、私どもとしては、そういう意味では見解の違いでございまして、先ほど申し上げましたように、景気対策という観点から、都の持っております基金であるとか、あるいは起債であるとか、そういう財政対応力を活用して、ぎりぎりのところで対応してきたという点をご理解いただきたいのが第一点。
 また、第二点といたしましては、この平成三年から七年の間に、投資的経費の絶対額は同じなわけでございますが、私ども財政再建推進プラン等でお示ししてございますように、その財源構成が大きく変わってきております。投資的経費に充てております起債が、一四%から五割近く大きくふえまして、その分、一般財源が大幅に圧縮されております。
 こうしたことを通じまして、当時、私ども景気対策と同時に、経常経費の行政サービス水準に対する都民ニーズにも、そういった面でぎりぎり対応してきた、そういうことでございます。ぜひその点につきましては、先生とちょっと見解を異にいたしますけれども、私どもの主張も十分にご理解賜りたいと思います。

○松村委員 その点が私はおかしいというか、盛んに都の方の説明でも、経常経費が引き続き維持されてきた、投資的経費は、今いったみたいに一般財源という点では落ちたけれども、その分を起債とかに充てたというふうに盛んに説明されますが、じゃ、逆に、今の言葉を裏を返せば、経常経費を、もっとこの時期から削るべきだった、そういう認識に立っていらっしゃるのですか。

○成田主計部長 端的に申し上げますと、そのとおりでございます。

○松村委員 それはひどい話で、だから、それが切れなくて今日を迎えて、いよいよそこの大幅な切り捨てというのが、福祉の切り捨てということになってきた。私は、これは都民の立場から見れば、とんでもない話だと思うんですよ。一方、都民の安全、健康、福祉を保持するという、本来の自治体としての最も中心的な役割を、いわば放棄するような考え方は、絶対許されないというふうに思います。
 それで、今も、私たち日本共産党以外の方々がいろいろ声を上げていますけれども、その中では、景気対策だと。今、主計部長も景気対策といいますけれどもーーその前に、もう一つ質問します。
 私は、いかに今の公共事業の膨張が異常かという、井の中のカワズじゃないけれども、なかなか皆さん方は見えないのかなという点で、私が指摘したいのは、先日の参議院予算委員会の公聴会で、中山徹奈良女子大助教授が、先ほども私ちょっと聞きました九五年度の例をとって、東京都内でこの年に行った公共事業はイギリス全体ぐらいに当たると、その異常ぶりを公述しているんですね。
 中山氏の調べによると、都道府県の公共事業は東京都が一番大きく、二千二百億ドルということを指摘しています。二番目が北海道で二百十五億ドル、三番目が神奈川県で百三十八億ドル、これに対し、イギリスは全土で百九十九億ドル、カナダは百二十九億ドル、一つの都道府県としての公共事業が、他国の国土全体での公共事業に匹敵すると。
 それで、その国会の公聴会での公述としては、公共事業費の異常な膨張が、財政破綻をつくり出した最大の原因だというふうに指摘しています。そういう異常だという認識はないのかどうか、この点についてもお伺いしたいと思います。

○成田主計部長 公共事業に関しまして、我が国と諸外国の間では、社会資本整備の状況、あるいは土地の価格などの社会状況、さらに、財政制度などが異なるために、単純に公共事業費の総額だけで比較することは適切ではないと考えております。

○松村委員 他国と比較はできないというわけですけれども、例えば今、日本の場合には、むだや浪費、国民からも批判されていることが次々起きていることは明らかでありますし、また例えば、石原知事をまた出すわけじゃありませんが、最近の著作を私も読ませていただきましたけれども、もうそういう時代じゃない、ダムだとか、いろんな浪費、アメリカなどでは結局認められないと。そういう公共事業の見直しが世界的に行われている中で、異常な日本の事態を描いているのです。
 例えば、少なくともアメリカ本土の四%ぐらいしかない日本全体の国土の中で、アメリカ一国が年間に使っているセメントの量と日本のセメントの量が同じだとか、さっきの中山氏の具体的な公述の中でも、OECDの資料からも、イギリス、イタリア、フランス、西ドイツ、アメリカ、カナダという六カ国の年間の公共事業費を合わせたものより、先ほどの九五年度では、日本の方が多いんですよね。そういう事実を、おくれているとか、そういうことでは決して済まされる問題じゃない。まさにそこは、国民の立場からきちっと物を見ていない政治家などが、そういう方向へ大きく進めさせているということを、私は断じて指摘せざるを得ないというふうに思います。
 そこで、今、部長さんも、やむを得ないというか、景気対策のためには当然だというような発言をされておりますので、この点もただしておきたいと思うのです。
 一つには、公共事業中心の経済対策では、景気浮揚に限界のあることは、政府自身も認めざるを得なくなっているんですね。これは九八年七月の経済白書で、そのことが端的に指摘されておりますし、また、この三月十三日の経済企画庁が発表した九九年十月から十二月期の国内総生産、GDPは、実質では前期比一・四%の減少となった、さらに、その前の前期の一%マイナスに続く二期連続マイナスだと。アメリカでは、実質GDPが二期連続減少すると、景気後退と判断されるという重大な事態だと。これが、国、それから東京都を先頭に地方を挙げて取り組んだ、そして、財政状況も顧みず行った景気対策の実態というか、現状じゃないんですか。景気対策にとって必要だということだけれども、この具体的な事実を、どう認識されておりますか。

○成田主計部長 ただいま松村委員がご紹介ございましたように、去る三月十三日に経済企画庁が発表しました四半期別国民所得統計速報によりますと、昨年の十月から十二月までの国内総生産は、前期に比べ一・四%の減、また、個人消費も前期比一・六%のマイナスになっているという事実はございます。また、去る二月二十九日に総務庁が発表した完全失業率が四・七%と、前月と同水準になっているところも事実でございます。
 しかしながら、個人消費につきましては、ボーナスの減少に加えまして、二〇〇〇年問題による買い控えといった特殊事情が重なり、なるほど個人消費は減少したわけですが、肝心のところを松村委員省略されたわけですが、民間設備投資が三期ぶりに増加に転じたこと、また、失業率については、有効求人倍率が三カ月連続で上昇していることなどから、政府は、二期連続のマイナス成長だが、景気後退とは考えていない、景気は明るい方向に向かっていると述べているところでございます。
 都といたしましては、これまでのさまざまな対策が総体として景気回復に寄与しまして、景気の回復基調は崩れていない、かように認識しているところでございます。

○松村委員 この間、政府、自治体挙げて何年間、切れ目のない景気対策といって、公共事業だとかいって、財政状況も顧みずにやってきたかということ、そここそ見るべきなんです。確かに一時的な下支えだとかあっても、それが、先ほどいった経済白書でも、決して続かない、民間需要まで呼び起こさないというんですよ。確かに、今いった指数はあるかもしれませんけれども、しかし、トータル的に見て、この間の公共事業というものが決して景気対策の決め手にならない、これは、国会がOECDなどにいろいろ調査に行ったときにも、はっきりそういう報告書も出しているんですよ。今や欧米諸国では、不況対策というか、景気対策に公共事業なんて考えている国は、どこもないということまでいわれているんです。
 だから、先ほどの日本の異常な公共事業の膨張ぶりが、世界でも問題となっているにもかかわらず、しかも、政府の分析でも一たんそういうことを出しながら、またまたそれがいつの間にか、小渕内閣になれば、世界一の借金王なんていうふうにみずからいうような、とんでもない事態まで招き、しかも、それを国だけじゃなくて、地方も巻き込んで率先してやらす。そういう意味では、まさに今は、地方自治体の姿勢が問われているというような、多くの識者からの指摘もあるということを、はっきり私は指摘したいのです。
 もう一つ、公共事業は雇用をふやしたというような数字も挙げられましたけれども、最近発表された経済企画庁のまとめ統計では、公共事業のばらまき政策では雇用の効果は見られない、個人消費の落ち込みが引き続いていることを明らかにしています。この四半期のまとめでは、新規求人数、雇用者数の増減に対する産業別の寄与度調査では、新規求人数での建設業の寄与度は、九八年から九九年まで、すべての四半期でマイナスを記録しているというふうに、はっきり出ているじゃありませんか。また、最近の九九年第四・四半期、これは十月から十二月ですが、マイナス〇・二%、また、雇用者数での建設業寄与度も、九九年の第三・四半期、七月から九月のプラス〇・〇六を除くすべての四半期でマイナス、九八年の第三・四半期には、この二年間で最悪のマイナス〇・六二%を記録しているというのが実態じゃありませんか。具体的な数字じゃありませんか。違いますか。

○成田主計部長 恐れ入りますが、私どもその数字の手持ちがちょっとございませんので、答弁を差し控えさせていただきたいと思います。

○松村委員 手元にある資料を読み上げておりますので、間違いありません。そして、さきの国会の参議院の予算委員会での公聴会で、公聴人の中山氏は、建設省資料を使って、次のような衝撃的な事実を指摘しているのです。
 それは、一定の公共事業工事費で雇用される労働者数は、八〇年代半ばに比べて半減しているというんですよ。こういうグラフまで示されております。つまり、公共事業をやればやるほど、雇用される労働者数が減るという、しかも半減しているという事実すら出されているのです。
 なぜ雇用効果が低下するのかという原因として、建設会社がリストラを進め、少ない人数で事業を実施している、二つ目には、ゼネコンは公共事業費を不良債権処理に振り向けている、これが原因だということまで明らかにしているのです。現在の時点で、景気対策だということで公共事業をやればやるほど、逆に雇用効果がないなんということのために、なぜ貴重な都民、国民の税金をそこに使わなきゃいけないのか。
 しかも、これからの後年度負担を考えれば、もう借金でにっちもさっちもいかないということで、先ほどもあったような、経常経費が切ってなかったからだというようなことをいって、福祉の削減などをやるということは、私は断じて許されないというふうに思います。
 こういう点では、確かに一般財源を少なくするとか、重点化だということが盛んにいわれて、投資的経費は抑制したなどとしていますけれども、しかし、石原知事が組んだ予算、補正予算、それから二〇〇〇年度予算を見ましても、引き続きこの投資的経費が一兆円台を維持しているわけであります。
 また、重点化などということも、投資的経費の中には、都営住宅の建設とか、都民が必要な生活密着型の分野も多くありますが、どちらかというと、そういうところに大なたを振るっていく。重点化ということは、まさに都民にとっては本当に二重三重の、私は許しがたい方向だというふうに思います。こういう点では、重点化の方向が間違っているんじゃないか、もっと生活密着型の事業に切りかえる、改めるべきではないかと思いますけれども、この点についても伺っておきます。

○成田主計部長 事業の重点化につきまして、ご批判がございましたけれども、私ども、事業の重点化を進めるということは、都市基盤整備については、限られた財源を重点的に配分する観点から、交通渋滞の緩和等投資的効果の高い事業を進めるとともに、TDMの視点を活用しまして、より事業効果の高い都市づくりを行うこととしたわけでございます。
 そうした観点から、区部環状、多摩南北方向の道路整備の重点化、あるいは鉄道立体交差の推進など、そういったところに重点として財源を投入しましたし、また介護保険のための基盤整備であるとか、そういった福祉の分野、地域のコミュニティの分野、そういった点まできめ細かくトータルに対応したつもりでございまして、今、松村先生がおっしゃったような、何か重点化をもってして、ある一つの側面しかないような、そういったご指摘には同意できないところでございます。

○松村委員 多くの論をいいませんけれども、実は、政府も盛んに公共事業の重点化といっているんですね。そこには、はっきりと生活型と開発型の公共事業の分野を挙げて、そういう生活型は全部地方自治体の財源まで導入して、本来国がやるべきものも切り捨てていくという方向が明らかなんですよ。そういう中での都の姿勢で、やはり同じように都民の生活、暮らしに本当に直接のかかわりのない、しかも、むだだとか開発をやっているということを、私は問題にしたいというふうに思います。このやり方は改めるべきだということを強く主張しますが、最後に、私は局長にずばり聞きます。
 財政面からいっても、今後本当に泥沼になるような臨海開発をなぜやめないのですか、有明北の埋め立てはやめるべきだというふうに私は思います。局長の見解を伺って、質問を終わります。

○木内財務局長 再三にわたりまして公共事業についてのご質問をいただきました。残念ながら、主計部長としての答えは、そうした同種の質問に対しては、常々同じ答えを申し上げることが私どもの趣旨であろうというふうに思って、同じことを答えさせていただいたものでございます。
 何か公共投資についてはむだなものという、開発型ということでくくられているのかもしれませんけれども、そうしたご主張が根底にあるのかなと思っておりますが、本都が行っているものについて、そうしたものはないというと、うそになるかもしれません、全くないわけではないかもしれませんけれども、ないと申し上げさせていただきたいと思います。
 例えば、よく世にいわれるところの、飛行機が離発着をほとんどしないような農道空港であったり、あるいは、自動車よりも動物が多いといわれているような、ある地域の道路の整備に比すれば、本都における道路の整備、あるいは、もろもろの鉄道であるとか、そうしたものは、開発とか云々ということではなくて、生活にも密着し、地域の発展にも寄与し、かつまた、我が国全体の経済の発展にも寄与するというふうに私どもが思っているものでございまして、こうした公共投資に関する認識の相違は超えがたいなという感じを持っているものでございます。
 いずれにしても、私どもの財政運営、全くの瑕疵がなかったというふうには申しているわけではございませんで、それはそれなりにいろいろな問題点もあっただろうし、そうした反省をも踏まえながら、今日、再建プランに基づいて、施策の見直しあるいは財政の構造改革に取り組んでいるところでございまして、当委員会としても、そうした方向にご理解をいただいていることについて、改めて感謝を申し上げたいと思います。臨海開発も、そうした中での一つだろうというふうに思っております。総論としてお答えをさせていただきました。

○松村委員 国にはむだがあるけど東京都政にはないというようないい方は、まさに私は、よく見てないというか、それでは本当にこれからのきちっとした財政運営というものは、都民の立場に立って行われないと思います。だって、事実、今までの開発計画の中でも、やめたところがあるじゃありませんか、ストップしたところが。それから、例えばこれまでも委員会で指摘してきた、有明の丘の都有地に対する買い取りなどということは、まさに二千二百億円もこれからむだになる。そういうことも反省がない。
 そういう点では、私は、臨海開発をなぜやめないのか、また、有明北の埋め立てをやめるべきだということについては、全く何ら答えないというか、逆に開き直るような答弁ということは、今後も、そういう点をやめることなく進めるというような答えにならざるを得ないと思いますけれども、これでは、本当に逆立ちしたーー今、税金の使い方が厳しく問われているわけです。開発第一主義といわれるこういうものに対しては、やはりこれからも都民の厳しい批判が来るというふうに思いますし、私たちも、引き続きこの点をただしていきたいと思っております。
 以上です。

○鈴木委員 私の方からは、三点伺いたいと思います。
 最初に、銀行業への外形標準課税の導入と財政構造改革への取り組みの関連について、財務局の立場からの質問にさせていただきたいと思います。一般的な問題は、明日の知事を招いての主税局の方の議論になりますから、財務局に関するこのかかわりの、括弧でくくれる中での論議を進めていきたい、こう思っております。
 今回、知事が銀行業を対象としたこの種の条例を提案したこと、これを私たちも厳粛に受けとめておりますし、自治体としての課税自主権の行使という意味から、私たちは高く評価をしております。もちろん石原知事の真意は、国に一矢を報いたいという根底的な問題はさておいて、財源の確保という分野から、大変大事な一つの指摘だったと私は思っております。評価いたします。そういうことから、私たちも税財政制度の改善、これは待ったなしの分野の一つでありますので、過日の代表質問等々でも再三取り上げておりました。
 それで、私、地方分権という立場からこれを考えますと、地方分権、これは権限を地方自治体に移譲をするという分権、それから問題は、財源を伴わない、ここにもどかしさというものを私どもは感ずるわけですよね。分権ですから、分財、それから、人を分けてくる分人という三つの方程式を、いつも私はいうのですけれども、東京都にとって、人は国から要らないのでありまして、分財、これをどうするかというコアの部分、これがやはり一番大事な視点だと私は思っております。
 そういう立場から考えてみますと、今回、財政再建推進プランで掲げる外形標準課税の導入、この小冊子ですね、昨年の七月に策定されたこのプランの中での問題と、今回の知事が提案をした銀行業等への外形標準課税の導入の問題とは、似て非なるものなのかどうか、その辺の基本的な考え方、まずこれについて承っておきたいと思います。

○成田主計部長 財政構造改革を進める上では、景気変動等に左右されない安定的な税収の確保を図ることが重要でございます。そうした観点から、先ほど副委員長お話がございました財政再建推進プランにおいては、法人事業税への外形標準課税の導入を、財政構造改革の一方策として位置づけていたところでございます。先ほど資料の中でもちょっとご説明しました。
 ただ、昨年七月の財政再建推進プランを策定した段階におきましては、外形標準課税の課税対象などについて、具体的な案を有していたわけではございません。ただ、安定的な行政サービスを行うために税収の安定化を図る、そういう目的においては、財政再建推進プランと今回の課税案とは基本的に同じである、かように考えておるところでございます。

○鈴木委員 今、基本的には同じというご答弁なんですけれども、過日の一般質問で、たしか藤田委員の答弁の中で、知事はこのようにいっていますよね。前段の方は省略して、切り物で大変申しわけないのですけれども、「世間一般では、国が従来考えていると称していた外形標準課税と、今回の都がとりました、同じ呼び名ではありますけれども、都が今度施行いたします外形標準課税は全然内容が違います。かなり違います。これをまず混同していただきたくない。」こういう表現をしているわけなんですけれども、この表現と今のご答弁を、もう一度結びつけて、具体的にお答えいただきたいと思います。

○成田主計部長 ただいまご指摘のございました、今回の銀行業を対象とする外形標準課税、これは銀行業のみを対象とするもの、あるいは五年に限るもの等々において、ある一定の範囲の特定の外形標準課税でございますが、ただ、そこの究極の目指すところ、外形標準課税は、知事も申し上げておりますように、安定したサービスを安定的に供給するための安定的な収入の確保、そういった問題意識といいますか、その目的意識、そこにおいて共通であるということを申し上げたところでございます。ご理解いただきたいと思います。

○鈴木委員 その辺では認識は一致しております。よくわかりました。
 それで、もう一つ、玉の落としどころがわからないのですけれども、この推進プランには、今回の条例の数字では、確かに平成十三年度から云々ということですけれども、この財政再建推進プランの中では、外形標準課税に目標額が計上されていませんね。これは空欄になっております。この辺について、もう一度お答えいただきたいのです。

○成田主計部長 本来、外形標準課税の導入は、税の増収というよりも、むしろ税収の安定的確保の観点、そういったことから行われることを想定しております。したがいまして、私ども財政再建推進プランでも、今申し上げました増収よりもむしろ安定的な確保、いわば税制中立という意味で、目標額といいますのは、今回は経費の節減額あるいは収入の増収額でございます。そういう意味で、増収額を意味する目標額を計上しなかったところでございます。

○鈴木委員 それでは、もう一つ聞いておきたいのですけれども、今回の銀行業に対する課税によりますと、先ほどいったとおり一千百億円の増収額、これは平成十三年度から確保されるわけですね。じゃ、これと財政再建推進プランは、どのように位置づけて考えればよろしいのですか。

○成田主計部長 今回の外形標準課税の導入でございますが、なるほど時限的といわれておりますが、これが一過性の取り組みに終わるものではなくて、今後広く外形標準課税の導入等に向けた、そういった税制改革に向けた着実なステップになるものである、そのように理解しております。したがいまして、今回の取り組みは、この財政再建推進プランにおける税財政制度の改善の方策として位置づけられるものである、かように考えております。

○鈴木委員 そうすると、主計部長、これの推進プランの改定版というものを直ちにつくらなきゃなりませんね、位置づけているわけですから。いつごろを目標にして、この推進プランの改定プランをおつくりになりますか。

○成田主計部長 外形標準課税の導入、具体的には、これは歳入といたしましては十三年度の歳入等になってくるわけでございます。また、現在、さまざまな形で施策の見直し等々も行っております。そういうのを踏まえまして、いずれ現在の財政再建推進プランにつきましては、昨年七月の策定時以降の状況の変化を踏まえた改定、これは検討しなければならないと考えております。

○鈴木委員 確かにきょうもらった資料第2号にも、法人事業税への外形標準課税の導入、これはまだ十二年は関係ありませんから、当然、そういうふうにして財政再建プランの中にこれは組み込まれるべきだと私は思うのでありまして、その辺のことを今聞いたわけであります。
 そうすると、ちょっと話は飛ぶんですけれども、一千百億円の増収がもう予定されているんだと、この庁内の中に、一種安堵感的なものが出ているのではないのかなとも私は思うんですね。微に入り細に歳出カットだとかいろんなものを、どうせもう一千百億入ってくるんだから、余り厳しいことをいわぬでもいいじゃないのかという、そういうたがが緩んでくることが、また一面では心配の種になるのかなとも私は思いますけれども、その辺の空気等について、お考えがあれば教えてください。

○成田主計部長 現在の大変厳しい財政状況の中にありまして、この一千億円の財源、これは正直に申し上げまして、財政再建にとっては大きな助けになるのも事実でございます。しかしながら、景気が安定した回復軌道に乗りまして都税の増収が図られるまで、やはりまだかなり時間がかかる上に、歳出の中には、構造的要因によりまして今後確実にふえていく経費、あるいは、公債費のように急増が見込まれる経費がございまして、今後厳しい状況が続くという状況には変わりございません。
 今回、平成十二年度予算、財政再建に向けて確実な第一歩を踏み出す予算ということで、まだまだ第一歩でございまして、これからまた第二歩、第三歩、進んでいかなきゃいけないわけでございます。そういう意味で、こうした現下の厳しい状況の中で、今回の外形課税の導入に伴い、一千百億円の税の増収が図られたとしても、十三年度以降、引き続き巨額の財源不足が見込まれるところでございますので、今後とも財源再建推進プランの目標の達成、先ほどご紹介させていただきました六千三百億円に比べまして、まだまだ三割程度ということでございますので、その目標の達成に向けて、引き続きまして財政の構造改革を着実に進めてまいりたい、かように認識しているところでございます。

○鈴木委員 そのとおり頑張っていただきたいと思うのです。いわゆる収入の問題をとらえて、たがが緩んだのではしようがないのでありまして、これは五年間の時限的な問題でもありますし、後半の問題は、明日のテーマになりますから聞きませんけれども、その辺をがっちりとたがをはめ込んで腹をくくっていかないと、私はいけないのではないか、そういう思いで、精神的な問題も含めて今聞いてみたわけであります。
 それで、もう一つ、これは本会議、予算特別委員会でもたびたび指摘をされていた問題であります。私もちょっと確認をしておきたいのですけれども、今回の問題で、都債の発行の関係でのバンクとのおつき合いも、これは大変深い問題でもありますし、銀行との関係について、何かこれまでリアクションがあったのか。また、今後予想される、想定されるリアクションは何なのか。国との絡みの問題等は後で聞きますが、当面、銀行との絡みの中で承っておきたいのです。
 過日の予算特別委員会で我が党の森田委員から、三セク、それから多摩モノ等々の中で、大変懸念のある、よもやそういうことはないでしょうがという括弧でくくって確認をしておりますものですから、いま一度確認をしておきたいと思います。

○成田主計部長 これまで銀行側から、今回の外形標準課税の内容や考え方につきましての問い合わせがございましたけれども、今、副委員長お話がございました都債の引き受けなど、銀行との取引関係において具体的な動きがあったとは聞いておりません。
 先般の本会議、あるいは予特等でも答弁申し上げているとおりでございますが、今回の外形標準課税は、あくまでも地方税法に基づく課税自主権の行使として行うものでございまして、そのことのゆえをもって、金融機関との関係に不都合やあつれきが生ずることはないはずである、そういういい方で恐縮でございますが、ないはずでございます。今後とも、私どもといたしましては、銀行を初め関係各方面に理解を得るように、全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。

○鈴木委員 これは、きちっとしておきたいテーマでもあったものですから、承ったわけであります。
 それから、局長の方にも聞いておきたいのですけれども、地方特例交付金の問題ですね。この問題で、局長など、こういう答弁をなさっておりますね。これは一般質問、予特の答弁、一字一句変わっていない答弁でありますから、引用できると思いますけれども、「地方特例交付金は、平成十一年度の税制改正によりまして、恒久的な減税によりまして減収となる地方税を補てんするために設けられたもの」、したがって、「その特例交付金は、制度の趣旨に基づきまして、ルールどおり交付されるべきもの、そういうふうに考えている」と。あと、後段の方で、「国の動向を注視しつつ、必要に応じて東京都の考え方を国に対して主張してまいりたいと思います。」と。この後段の部分ですね、「国の動向を注視しつつ、必要に応じて」という、この言葉の背景にある、これは東京都が国から何かいわれかねないことを思って、布石の答弁にしていると私は思うのですけれども、局長、この裏の見解をちょっと述べていただきたいと思います。

○木内財務局長 答弁は、そのとおり申し上げまして、特段の何かがあったということではなくて、新聞的にいろいろ書かれていることもありますので、私ども、国の方から特にいろんな公式的な見解を求められているわけでもないし、特例交付金に関して何だかんだいってきているわけではないですけれども、きょうは多分いってこないだろうと、そのうちいってくるんじゃないかなということを思いながら答えているものでございまして、何らかの含みを持った答弁では特になく、本都としての答えは、先生お読みいただいた前段の方の「ルールどおり交付されるべき」というのは、終始一貫変わらない考え方でございます。

○鈴木委員 局長、さはいっても、この問題のポイントは、自治省が省令を改正して東京都に不利な内容にしたいんだ、こういう思いがあれば、省令ですから、いかようにでもできるわけですよね、東京バッシングは。そういうことを恐らく想定して後段はいっているんじゃないですか、それをもう一度。

○木内財務局長 お話のとおり、特例交付金の算定方法は、交付税の制度の枠組みの中で動いておりまして、算定式といいますか、計算式は、自治省令によって定められているものでございます。申しました意味が、繰り返しになって申しわけないのですけれども、それとこれとは別よというのが私の考え方、変わらないところでございます。

○鈴木委員 そのぐらいの決意でやっていただかないと困るのでありまして、確かに特例交付金、平成十一年度の減税分補てんをする場合、これは赤字国債ということでありますから、大蔵省としては、これは東京さん、ちょっと違うんじゃないですかという、そういう発想は恐らくおありではないのか。そのために、宮沢蔵相もああだこうだいったことは新聞で報道されていますし、新聞の中にも、これは日経新聞だと思うのですけれども、地方特例交付金の額は、法人事業税と住民税の減税に伴う減収額の四分の三から一部税金の増収分を差し引くなどして算定をしていく制度のものである、こう記述をしておりますけれども、この中で銀行分、この数字をちょっと確認したいのですけれども、これが大体五億円程度減税の恩恵にあずかっている、こういう記述がありますけれども、これは正しいのでしょうか。

○木内財務局長 十一年度の税制改正に伴って、平年度分の影響額として二千七十六億円の影響があって、その中の法人事業税分として約一千億あるというのは、ある種の計算として数字が出てくるものでございまして、その一千億のうちがどうだとかなんとかではなくて、二千七十六億全体を地方財政の仕組みの中で、どう全体として補てんしていくかということでございまして、それが、たばこ税が七十億程度あり、そして特例交付金が一千三百十九億、残りの六百八十七億ぐらいでしたか、七百弱ぐらいを減税補てん債で補てんしていくというのが枠組みでございます。それが、十二年度の地方財政の減税に対する枠組みとして、全国的にもそうでしょうし、都分としてそういうふうになるということでございまして、この減税に対する枠組みは何ら変わるものではなく、日経新聞のご説がありましたけれども、それは部分部分を抜き出して推計の推計をすれば、どんな数字になるかわかりませんでしょうけれども、出るのかもしれませんが、枠組みとしては、そうした計算、銀行分がどうだ、何とか分がどうだというようなことでは全くございませんで、数字は二千七十六億をベースにして、マクロの数字として押さえるべきものというふうに考えております。

○鈴木委員 そういう取り組みで頑張っていただきたいと思います。私は、この質問で一番懸念したのは、要するに、自治省が法律でなくて省令でばさっとやってくる、こういうことに対して、東京都はぴしっとそれなりの反論をし、この答弁のとおり、きちっとルールに基づいて、やるべきものはルールどおりやるべきだと。我々もそれはきちっといいますし、また、局として、局長を先頭に、これは頑張っていただきたい問題だと私は思います。アリの一穴で崩れてくると、これは大変なことになります。それこそ東京バッシングどころではなくなってしまう、腰砕けになってしまうケースが出てくるのではないかなと、そういう思いで承ったわけであります。よろしくお願いをしたいと思います。
 次のテーマに簡単に入りたいと思いますが、財調の積み立ての問題で、郵便貯金、これが今年度から来年度二年間で、相当な金額が東京都へ入るわけですね。これは説明の資料の中にも、一千億ですか、ありますけれども、その中で、財政調整基金の積立状況、それからそのルール等はどういう感じで行われているのか、まず、その辺の基本的なことをご説明いただきたいと思います。

○成田主計部長 それでは、財政調整基金の積み立てのルール並びに積立状況につきましてご説明申し上げたいと思います。
 まず、ルールでございますが、財政調整基金への積み立ては、大きく分けまして三つのルールがございます。
 その第一は、地方財政法の規定に基づくものでございまして、同法第四条の三第一項によりまして、義務的経費の伸びを著しく上回る一般財源の伸びがあるときには、その著しく上回る額を積み立てることとされているほか、同七条第一項によりまして、決算上剰余金を生じたときには、その二分の一以上を積み立てることとされております。
 それで、第二でございますが、これは東京都の財政調整基金条例第二条第一項の規定に基づくものでございまして、都税の増収が見込まれる場合において、その増減率の区分に応じて、所定の乗率により積み立てを行うこととされております。
 以上の二つが、いわば義務的な積み立てでございます。
 それに対しまして、三番目でございますが、これは、条例の第二条第二項の規定に基づくものでございまして、年度間の財源の調整を図り、財政の健全な運営に資するため必要がある場合に、任意に積み立てを行うことができるとされております。これは任意積み立て。
 以上、三つのルールに基づいて積み立てが行われるところでございます。
 また、近年の積み立ての状況でございますが、近年の臨時的な増収等に伴う積み立ての実績といたしましては、平成八年度には、住専処理関係の有税償却分千九百億円などで二千百九十三億円、また、平成十年度には日銀納付金の四百七十億円がございますが、いずれも、翌年度に所期の目的のために取り崩したところでございます。
 いずれにいたしましても、財政調整基金は、ピーク時の元年度末には三千五百二十二億円の残高がございましたが、バブル経済崩壊後の財政運営におきまして、税収が大きく落ち込む中にありまして、先ほど若干議論がございましたが、そういった運営の中で、財政調整基金を財源として活用する観点から取り崩しが続きまして、平成十一年度末の現在高見込みは、わずかに十五億円となっているところでございます。

○鈴木委員 今、主計部長お述べになったとおり、確かに激減していますよね。六十三年度と平成元年度で三千億台のピークに達して、十一年度はたったの十五億何がしか。ふと疑問に思うのは、ことしは、こういう厳しい財政状況の中で、普通の予算にばらまかないで、組み込まないで、なぜあえてこの郵貯の二百億円を積み立てをするのかというのは、これはだれが見ても、そういう論議になると思うんですね。そういう財政論との絡みの中で、この問題をどう理解すべきなのか、これを局の見解としてお述べいただきたいと思います。

○成田主計部長 郵便貯金の集中満期によります都民税利子割の増収、おおむね一千億でございますが、これは、平成十二年度及び十三年度、この二年間のみに限って見込まれる臨時的な収入でございます。
 したがいまして、この臨時的な増収額につきまして、全部を使うーー全部といいましても、このうち、おおむね五分の三は区市町村に交付しますので、実際手元に残るのは約四百億円でございますが、これを使い切ることなく、財政調整基金に積み立てて将来の財源といたしましたのは、現在財政再建に当たりまして、当面の課題でございます財源不足の解消により財政再建団体への転落を回避する、なるほどこれも重要でございますが、同時に、強固で弾力的な財政体質の確立を目指しまして、中長期的な視点に立ってそういった財政運営を行っていくこと、これもあわせて必要不可欠でございます。
 そうした認識に立ちまして、この二年間に限っての財源については、これを使い切ることなく、半分については、今はもう本当に毎日毎日のお米一升も欲しい時代ではございますが、あした、あさってに向けてそれを全部食べないで残しておこうという、適切な例かはわかりませんが、そういった気持ちでの財政運営でございますので、ご理解賜りたいと思います。

○鈴木委員 もう、つめに火をともすようなご答弁だったと思いますよ。同感であります。これ以上突っ込むことはいたしませんけれども、こういう財源の使い方というものもやはり一つの視点だったと思います。評価をしたいがゆえに質問させていただいたわけであります。そのことを踏まえまして、この項の論議は終わりたいと思います。
 三つ目でありますけれども、私も質問して、この間の予特でも大木田委員から宝くじの質問もいたしたと思いますけれども、知事も、宝くじがこんなに収入があるのかということをびっくりしていたという報道を私は聞きまして、これも大事な歳入の項目として、これはがっちりと御局としても受けとめていただければと、こう思います。
 それで、一点だけなんですけれども、宝くじの売りさばきの場所を、この業界の方から、関係の団体の方から、公有地のあっせんなんかについて前向きにとらえていただきたいのだがと、こういう要望が私どもの方にかなり届いているわけであります。歳入の面からすれば、こういう要望については、大変大事な一つの視点だと私は思います。その辺について、最後でありますけれども、都の見解をひとつ明らかにしていただければと思います。

○成田主計部長 宝くじの売りさばき業者からのいろいろご要請がございますが、これにつきましては、去る平成八年に受託金融機関を通じまして、公有地等についての情報提供を行ったところでございますが、その傾向を見ますと、残念ながら希望が少なく、路外への移転実績は少数にとどまっているところでございます。これは、要するに事が売り場の位置にかかわるものであることから、個々具体的な場所について、事業者の方の判断がそれぞれ異なってくるためと認識しております。
 いずれにいたしましても、今後、事業者の方からのご提案があるのであれば、まずはそのご提案をお聞きしてまいりたいと、かように考えております。

○鈴木委員 最後、要望等を含めて概括的に申し上げておきたいんですけれども、最初に申し上げた外形課税との絡みの中で、都は本当に懸念はないのかという問題で、もう一つ私が指摘をしておきたいのは、公共事業にかかわる中で、箇所づけの問題などで、何か国からああだこうだいわれないのかと、そういう一つの視点もまだ残っていると私は思います。その辺を、これはきちっとバトルをやっていただきたいし、また、我々はやるつもりでもあります。
 それから、宝くじの方の問題でありますけれども、かつてご答弁いただいた中で、一年限り云々とかいうご答弁が出たやに私も聞いております。きょうは、こちらから提案があれば話を聞くと、そういう前向きな答弁でありますので、ぜひ要望について聞いていただきたい。歳入増にこれがかかわれば、これにすぐる喜びはないわけでありまして、七百億云々じゃなく、あのときの質疑では一千億近い増収はあるだろうと、こう出ているわけですから、ぜひ前向きに取り組んでいただきたいことをお願いして、質問を終わります。

○白井委員長 この際、議事の都合により、おおむね十分間休憩いたします。
   午後二時五十九分休憩

   午後三時十分開議

○白井委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○坂口委員 それでは、いただきました資料などに基づきまして、質問させていただきます。
 知事は、施政方針の中で、平成十二年度都政運営の基本方針といたしまして、三つほどの事柄を挙げているのです。その第一が、制度変革に向けた首都東京からの挑戦であります。改革に向けたメッセージを東京都をして発信していくということの重要性を訴えているわけでございますが、それに関連をいたしまして、この本年度の予算、さらには財政再建プランについてお聞きしたいと思います。
 つけ加えていうならば、平成十二年度の予算案、予算編成の基本的な考えの中で二つ挙げておりまして、一つは、財政再建プランに基づき、みずから厳しい内部努力を実施するとともに、すべての施策について聖域なく見直すこと、それから第二は、社会経済状況の変化を踏まえて、施策の再構築を図りながら、新たな行政需要にも的確に対応していくという方向が述べられているところでございます。
 そこでお聞きするわけでございますけれども、この提出していただきました資料によりますと、財政再建プランの目標というのが、当初、平成十二年度六千二百億円と書かれていたわけでございますが、このペーパーですと六千三百億円、平成十五年度の目標値を書いてあるのだと思いますけれども。これに対しまして、確保された財源というのは千九百四十億円、パーセンテージでいきますと、そこにありますように三〇・八%、このような数字が書かれております。大変努力をしてきたということは一定程度認めるわけでございますが、学校の成績でも、三十点では、これは不合格でございますよね。やはり六十点以上とりませんと合格ということにはならないわけでございまして、内部努力や施策の見直しなど、歳入歳出の両面にわたって見直しをして、この一千九百四十億円を確保したわけでございますけれども、そのことは評価しつつも、なお三千数百億円もの財源不足が生じまして、先ほどもいろいろな議論があったわけでございますが、減債基金の積み立てを見送るとか、または土地開発基金を廃止するとか、退職手当債を発行するとか、そのような形で窮余の策がとられた。これをさらにこれからも続けることができるのかどうかということを考えた場合に、大変大きな問題を残していると、そのように考えざるを得ないのでございます。
 平成十三年度の財源不足というようなものを予測いたしますと、十二年度から持ち越されました財源不足三千数百億円に加えて、確実に見込まれる公債費七百億円余りがあり、大まかではありますけれども、十三年度の財源不足というのは、およそ四千億円近くになるのではないか、そのように推測されるところでございます。
 これに対してどのような財源対策が必要かと、先ほど鈴木副委員長の方からもいろいろなやりとりがございましたけれども、土地開発基金といいますのは、ご承知のとおり十二年度限りでございますし、退職手当債もごくわずかと。唯一見込めるのは、減債基金の積み立て見送りだけであるわけでございますけれども、これをもって平成十三年度の財源不足を賄うことができないということは、明らかであろうかと思います。
 このことから、先ほどもやりとりがあったところは、聞いておりまして大変重要だなとも思ったわけでございますけれども、財政再建を達成するためには、内なる努力と外に向けての努力が必要であるということは、今までも申し上げてきたわけでございますが、十三年度以降も引き続き財政構造改革を強力に推進していく必要がある、そのように考えるわけでございますが、お考えをお聞きしたいと思います。

○成田主計部長 財政再建に向けての、十三年度以降に向けての取り組みについて坂口理事からのご発言でございますが、私ども全く同感でございまして、この財政構造改革、なるほど十二年度には千九百四十億円の財源を確保したところでございますけれども、今後の十三年度以降の巨額の財源不足に思いをいたしたときに、私ども、この第一歩を踏み出しました財政構造改革を、十三年度以降も引き続き、また本腰を入れて、さらに進めていかなければならない、かように考えているところでございます。
 あと、ちなみに、先ほど先生のお話の中で、この十二年度の確保額が達成率三〇%、低いというようなご指摘があったかと思いますが、若干ご説明させていただければ、これは、十二、十三、十四、十五の四年間で達成すべき目標でございます。単純に割りますと、二五%でいいということになるわけですけれども、それは、やはり単純な四分の一ということではなくて、三〇%という成果でございます。ただ、私ども、これで四分の一以上できた、だからいいというものではなくて、さらに今後、この構造改革に向けて突き進んでいかなければいけない、かように認識しているところでございます。

○坂口委員 国が、地方、そして国家財政含めてでございますが、六百四十五兆円の借金を抱えている。景気対策優先という中で、財政再建については凍結されたまま、手つかずの状態にある。この委員会でも再三出されますが、赤ちゃんからお年寄りまで五百万円の借金を抱えていると。これに手つかずの状態である中にありまして、自治体でありますところの東京都が、財政再建、そして、さらには産業振興といいますか、先ほど雇用問題も出されたわけでございますが、その両方に積極的に取り組んでいるということは、私は大変大切なことであると考えているところでございます。それだけに、やはり成果を出していくということが大変重要でもあろうかと思います。
 そんな認識に立ちながら、今回の外形標準課税との絡みについてお聞きしてまいりますけれども、この外形標準課税が導入されますと、約一千百億円の税収が確保されるということであるわけでございます。資料要求のときにもお聞きしましたし、また、先ほど副委員長とのやりとりの中でもあったわけでございますけれども、これがなされたという場合に、財政再建推進プランとのかかわりでございますけれども、この表にもありますように、歳入の確保というところでは五百五十億円、そして、税財政制度の改善ということで一千七百五十億円、税源の移譲について見るならば一千五百億円という目標値が掲げられているわけでございますが、この外形標準課税の導入、またはそれによる歳入というものは、繰り返しになって恐縮でございますけれども、財政再建プランの中で、今後どのように位置づけていくのか。先ほど見直しの問題も出たわけでございますが、あわせましてお聞きをしておきたいと思います。

○成田主計部長 外形標準課税導入の位置づけでございますが、先ほどご答弁申し上げましたように、この財政再建推進プランの策定の段階では、まだそういった具体的な課税対象等を考えておりませんで、あくまでも安定的な税収の確保といったことで、税財政制度改善の三番目の柱で位置づけてきたところでございます。
 そういう意味におきまして、今回の銀行業等に対します外形標準課税、これも、究極は安定的なサービス供給のための安定的な税収の確保といった目標を持っております。しかも、これを一過性の取り組みに終わらせるものではなくて、今後の本格的な外形標準課税導入につながる、そういった期待もございます。そういう意味で、私どもといたしましては、今回の取り組みは、財政再建推進プランの税財政制度の改善の第三番目の柱ということで位置づけることができると、そういうふうに考えております。

○坂口委員 いずれにいたしましても、課税自主権を行使することによって歳入を確保しようと、そしてこの大きな一石を投じたということは、間違いない事実であろうかと思います。
 しかしながら、この表を見て明らかなように、この四本の柱、内部努力、施策の見直し、歳入の確保、さらには税財政制度の改善とあるわけでございますが、それぞれの項目が二分の一から五分の一ぐらいの目標をほぼ達成しているというのに対しまして、税財政制度の改善につきましては、目標が一千七百五十億円とあるわけでございますけれども、それで見られますように六十五億円ということでございまして、これは、正確に計算をしてありませんけれども、二十五分の一ぐらいではないか、そんなふうに考えられます。これは、行政が国に対してせめぎ合いをするという点においても、大変重要であるわけでございますけれども、半分ぐらいは政治的な課題だと私は考えております。
 そのようなことを含めまして、税源の移譲ということ、これが大変重要な課題になっているのではないか、そのように私は考えております。
 この資料でも出していただきましたように、国は地方分権一括法というものを成立させまして、地方分権に取りかかってはいるわけでございますけれども、今後の課題のところにございますように、分権型社会を確立し、自主財源による財政運営を実現するためには、地方税財政制度の抜本的改革が重要である、特に税源配分を見直すと。私は、次の言葉に内容が凝縮されているのではないかと思うんです。消費税が先にいっているのはちょっと気になるところであるわけでございますけれども、「消費税や所得税の税源を地方に移譲することが不可欠である。」となっているわけですね。
 しかしながら、地方分権一括法において、税財源の充実確保は中長期的な課題として先送りされている。閣僚経験二度もある石原知事をして、中長期的というのは六、七年先だ、長期的というのは十年以上先、これは今の内閣ではもうやらないに等しいということをいい切っておられるわけですね。これをどう突破していくかというのが行政の大変大きな課題であり、また政治的な課題でもあるのではないか、そのように私は考えております。
 さらに、つけ加えていうならば、東京都から出されておりますこのレポートのところに、さらに重要なことが書かれていると私は思うんですね。それはどこかといいますと、改めて確認をいたしますけれども、財政再建推進プラン及び予算書の説明書きのところでございますが、これが重要だと私は思うんです。キーワードだと思うんですね。「消費税や所得税の移譲を、他の道府県や区市町村とも連携しながら、国に対し強く働きかける。」と。ここのところが、私は一の矢、二の矢といっているわけでございますが、鈴木副委員長が先ほどいわれましたような懸念もあるわけでございますが、むしろ私は、言葉は古いんですが、にしきの御旗を立てるときが近づいているのではないかと、そのような認識を持っております。それは、東京がひとり勝ちではなく、他の道府県及び、三千三百余ありますけれども区市町村、基礎自治体ですね、基礎自治体をも巻き込んでという表現は余り好きではないんですけれども、一緒になって国に迫れる、そのような旗をやはり立てることだと思うんですね。
 具体的にいいますと、東京都は、そのための準備作業を今までしてきているわけですね。それは、平成九年度に出されました、繰り返しになりますけれども、税源移譲のシミュレーションに関する調査研究という中で、所得税の住民税への振りかえによる税源配分ですね、これは、三%、一〇%というシミュレーションを行っています。また、消費税の一部を地方消費税に振りかえることによった税源配分というようなものを、このシミュレーションでやっているんですね。
 この数字を事前に見ていただきましたら、先生、これは大分数字が変わっておりますのでということで、主税局が、平成十一年度版の一番新しいシミュレーション結果を持ってきたわけでございますが、私は、これはかなり控え目ではあるものの、急激な変化をさせるのではなくて、モデレートなといいますか、緩やかな変革を国に迫る案として大変すぐれた案ではないかと。いろいろな書評ですとか、財政学の権威の本を見せていただきましても、東京都のこのシミュレーションを大変高く評価しているんですね。その考え方を大変高く評価している。
 どこにそのポイントがあるかといいますと、一言でいいますと、それぞれの都道府県が潤うだけでなくて、むしろ、移譲率を高くすればするほど、特に所得税の場合には、基礎自治体に対して厚く税源が配分されるというところにポイントがあるんですね。それだけ自主権が確立されるというところにポイントがあります。
 ちなみに、若干数字を申し上げますとーーあした知事とのクエスチョンタイムがありますので、確認をしておきませんと、的外れになってしまいますとまずいので確認をしますが、例えば今、所得税、平成十一年度、国と地方の割合は六四対三六ですね、これを五対五にする。これはパーセンテージにしますと、所得税の大体三%ぐらいでしょうか。それから、この案はミックスド・ポリシーです。混合戦略ですね。消費税の四対一を三対二にする。法人課税については、六一対三九ですが、これはそのままにしておく。そして、総額として、国と地方との割合を五〇対五〇にする。将来的には四〇対六〇ぐらいですね。仕事に見合っただけの税財源をということになるわけでございますけれども、当面、中間的な値で五〇対五〇にするというシミュレーションであるわけでございますが、これによりますと、国から地方に回ります税源が五兆八千六百億円、その内訳は、個人住民税で三兆四千億円、そして、消費税で二兆四千六百億円というような値になってまいります。
 さらに申し上げるならば、東京都の中でいいますと、東京都には総額で四千四百億円、これが、実は東京都が出しております予算書の中にありますこの数字になってくるんだと思いますが、所得税、住民税の割合を六四対三六から五〇対五〇に変更した場合のケースということになってくるわけでございますけれども、東京都のレベルではどれくらいになるかといいますと、これは総額で、個人住民税が一千四百億円、そして地方消費税が約三千億円、ただし、これは区市町村に回る分がありますから、そのままということにはならないはずでございます。
 いずれにいたしましても、総額で四千四百億円、東京都に税財源が移譲される、それから、区市町村に対しましては三千九百億円ですね、東京都の地域合計では八千三百億円ほどの税源が移譲されるという結果が出されているわけでございますが、これがこのとおりなのかどうか、また、これに対する所見をお伺いしたいと思います。

○成田主計部長 先生がおっしゃったのは、十二年度の数値でございますか。

○坂口委員 十一年度の……。

○成田主計部長 十一年度の数値につきましては、昨年のこの財政再建推進プランを策定する段階で、税収を、今先生お話がございましたように、消費税につきましては国と地方の割合を四対一から三対二に変更する、また、所得税と住民税の割合を六四対三六から五〇対五〇に変更する、それぞれの場合につきましての数値をとらせていただいています。
 その数値は、先ほど先生お話がございましたように、一つは、この財政再建プランの一六ページの中に書いているわけでございますが、消費税では、全国ベースで約二兆五千億円、それから都のベースでは三千億円で、これは都と区市町村半分ずつ、それから、所得税と.住民税の部分につきましては、全国ベースで約三兆四千億円で、これは、都民税と区市町村民税は区市町村民税の方の比率が高いものですから、都が千四百億円の、区市町村三千九百億円ということで、先ほど理事がおっしゃった数字とおおむね同じ数字を、私どももこの再建プラン策定のときに把握しております。
 それと、先ほど来理事がおっしゃっていますように、この税財源の移譲、消費税と、所得税、住民税の移管の二つの例示を挙げさせていただきましたが、これは、その普遍性と同時に、都道府県だけではなくて、これで区市町村も潤うんだという意味で、全国約三千三百団体、自治体全体が共通の目標に向かって取り組んでいけるという意味で、税源移譲の対象としてこの二つの税目を挙げさせていただきましたし、また、この税源の移譲があって初めて、先ほどの、地方分権と並ぶ地方分財ですか、ということで、名実ともに分権社会が確立されるというように認識しているところでございます。

○坂口委員 そこでお聞きしますが、それをにしきの御旗というと古くなっちゃうんですが、やはり統一目標としての旗として掲げるに当たりましては、まず、知事がきちんとした認識をお持ちになるということが大変重要ですね。なぜそういうかといいますと、先ほども、まくら言葉でちょっと申し上げましたけれども、別のところで知事は、東京発の新たな税制の発信が、停滞する国政の本質を変える上で極めて大きな意味を持つメッセージであるということをいい切っておられます。また、首都東京から新しい改革の歴史をつくり出すためのーー歴史をつくるという点では、参考人で出席をされました神野先生も、新しい歴史の転換期といいますか、分岐点であるということを強調しておられましたけれども、制度改革のうねりを巻き起こすということも述べているわけでございまして、まず財務当局が、そして知事が、主税局ももちろんでございますが、そして我々が認識を持つということとともに、先ほどの二行の中に凝縮されております、他の道府県や区市町村とも連携をしながら、つまり、同じような認識を持ってもらいませんと、これは実現不可能ということになる。
 別の言葉でいいますと、僕は、ある意味では霞が関というのはバーチャルなところがあると思うんですね。五百人の衆議院議員と二百人の参議院議員、これは大変な数でございます、もちろん官僚機構がその背後にあるわけでございますが。しかし、これは、ある意味では強固な権限、権能を与えられておりますけれども、全国が一斉に立ち上がるならば、意外と虚像ではないかと私は考えております。そういう認識を一人一人が持てるかどうか。または、この三千三百の自治体、地方議員は恐らく六万人を超えるでしょう。それだけの議員がいる。それの共通の目標となり得るならば、地方をして国政を改革するということは夢ではない、まさにその時期に来ているのではないか、そのように私は考えます。
 知事の方からも、折しも予算特別委員会の中で、東京版税調ということが提案されたわけでございますが、我々も、もしそのようなものがつくられるならば、ぜひそこで東京都からの改革のメッセージ、ちょっと付言いたしますと、一の矢は、課税自主権に基づく外形標準課税ですね、これは東京でないとなかなか難しい、ある意味では、他の自治体でやりたくてもできない側面があるわけですね、現在の経済情勢を含めて。一の矢だけでは隊列をつくることはできない。しかし、二の矢をうまく用意してタイムリーに放つならば、必ずやこの地方分権のうねりは燎原の火のごとく広がっていくのではないか、私はそのように考えるわけでございまして、この東京都からのメッセージの発信ということが、極めて重要な局面に今立っているのではないか、そのように考えるわけでございます。
 あした、訴え方につきましては知事にも聞いてみたい、提言を含めて聞いてみたいと思いますので、ここでは、そのような方向を踏まえながら、今後、この税財源の移譲に向けて、東京都として、国に対してだけでなくて、三千三百の他の自治体に対しましても、どのようなメッセージを出していこうとしておられるのか、局長に聞きまして、私の質問を終わらせていただきます。
 以上です。

○木内財務局長 税財源の移譲、地方税財政制度の抜本的改革、大きな問題でございます。現行の地方税財政の仕組みというのは、議会の議論もございましたけれども、交付税の枠組み、そして国庫支出金の枠組み、さらには起債の枠組みということで、三位一体の枠組みが大きい仕組みとしてあるわけでございます。
 東京都が条例提案しております銀行業に対する外形標準課税のことについても、他府県がなかなか乗らないというのは、交付税の枠組みの中で、税が増となったとしても減となってしまう、実質取り分、府県にとっては二割しかないという、そういう現実の中で、他府県がなかなか乗らないという状況もあるんだろうというふうに思っております。
 そうした意味で、現行の枠組みというのは、東京都が不交付団体であるがゆえにという要素もございまして、他府県あるいは全国の多くの自治体にとっては、そうした国庫支出金、交付税、そして起債を通してのしがらみ、枠組みということを抜本的に打破していくような、社会的な動きといいますか、そういうのがないとでき得ないんだろうというふうに思っております。
 先生のご指摘のとおり、他道府県、市町村と連携し、連帯してというのは、大きなスローガンとしては正であり、我々もそれを追求していくわけでございますけれども、そうした他府県、市町村の置かれた状況もございますということも、また厳然たる事実でございます。
 それぞれのことを踏まえながら、いずれにいたしましても、地方税財政制度の抜本的改革に向けて、都議会の中の議員連盟との連携も含めまして、新たな取り組みをこれから行っていかなければならないというふうに考えております。励ましを受けて、取り組むことができればというふうに思っております。

○遠藤委員 私は、減債基金について何点かお伺いいたします。
 先日の予算特別委員会で、我が党の大西議員が、平成十二年度の予算における財源対策について質問を行いましたけれども、時間が制約があったというようなことから、きょうは減債基金について、もう少し詳しくお伺いしたいと思います。
 減債基金というのは、いうまでもなく、将来の借金返済に備えて最も大切な基金であるというふうに私は認識をしております。したがいまして、計画的に積み立てを行うというようなことが大変必要であると考えます。
 財源対策による積み立ての減額を続けた場合、平成十七年度に残高がゼロになるということでありました。平成四年度以降、税収の減収に伴う大量発行を行った都債が間もなく償還を迎える時期に、これは大変な問題である。最近といいますか、今日といいますか、民間あるいは行政を含めて、キャッシュフロー経営の時代だというふうにいわれております。
 そこでお伺いいたしますが、今後、都債の償還額はどのようにふえていくのか、まずお伺いいたします。

○成田主計部長 都債の償還額の今後の推移でございますが、都債の実償還額は、平成十二年度予算では三千二百十四億円でございましたが、大量発行を行った都債が償還を迎えます十四年度には五千九百十二億円に急増し、翌十五年度には八千三百二十九億円と、十二年度の二・六倍に達する見込みでございます。また、その後も毎年度七千億円前後と、高い水準で推移すると考えられます。

○遠藤委員 大変な金額でありますが、税収が望めない中で、これだけの負担を都税収入で賄うとすれば、当然、住民サービスにも影響を及ぼすであろうというふうに考えるわけであります。減債基金を取り崩せば負担の急増は平準化していくのか、お伺いいたします。

○成田主計部長 これまでに積み立ててまいりました減債基金を、ルールに基づきまして、例えば十四年度であれば二千二百三十二億円、十五年度には四千七百三十六億円というふうに取り崩すことによりまして、都債の償還に充てなければならない都税等の額は、実償還額が急増いたします十四年度以降も、十二年度とほぼ同水準の三千五百億円前後で推移すると考えられるところでございます。

○遠藤委員 それは、あくまでも減債基金の残高があった場合の話だというふうに思いますけれども、予算特別委員会の答弁のように、平成十七年度に基金が底をつけば、都民に負担をかけることは避けられなくなる。一方、平成十五年度から基金積み立てをルールどおりに戻した場合には、残高が辛うじて維持されるところでありますけれども、それでは、残高が維持されるこの場合、各年度の基金残高は幾らになるのか、お教えください。

○成田主計部長 平成十五年度から減債基金への積み立てをルールどおりに戻した場合には、基金の残高は何とか底をつくことを免れるところでございます。
 この場合、減債基金の残高でございますが、各年度末の時点で、平成十六年度が三千八百十四億円、十七年度が二千七百九十六億円、また、十八年度が三千四十八億円となる見込みでございます。

○遠藤委員 残高はわかりました。少ない額とは思えないというふうに私は感じております。しかし、この場合でも減債基金が大変厳しい状況だということですけれども、さきに答弁がありましたように、今後、起債の実償還額が七千億から八千億にも達するということであります。これでは、減債基金の役割が十分果たせないのではないかと思うんですけれども、いかがですか。

○成田主計部長 先日の予算特別委員会でも局長がご説明申し上げましたが、減債基金には、本来、年度間の公債費負担の平準化を図るための機能、それと、経済情勢の著しい変動による財源不足時に都債の償還財源を確保する、いわば財政運営の安定化に資する機能、こういった二つの機能がございます。
 仮に、このまま平成十四年度まで積立額の二分の一の減額を続けた場合には、基金残高の減少により、十七年度及び十八年度には、前年度末の残高を一たん全額取り崩した上、改めて当年度積立額を基金に積み立てるという状況が続きます。つまり、当年度積み立てをルールどおり行うことにより、辛うじて取り崩し必要額を確保する形となるわけでございます。
 このように、毎年度の取り崩しには対応できるために、先ほど申し上げました公債費負担の平準化機能、これは果たすことができるわけでございますが、残高すべてをその年度の償還財源に充ててしまうことから、急激な税収の変動による財源不足のときに都債の償還財源を確保するという、いま一つの減債基金が持つ財政安定化機能、財政運営の安定化機能が損なわれることになるわけでございます。その意味で減債基金の役割が十分には果たせないと、そのように認識しております。

○遠藤委員 財政再建推進プランの実施中に、財政運営の幅にこのような形で制約が生じるということは、深刻な問題であると思います。地方債の元利償還については、都だけではなく、財政再建に取り組む他の団体にとっても同じような問題であるというふうに思っています。
 ちなみに、神奈川県の減債基金残高が、十一年度末の見込みで六百四十五億円と聞いております。都の残高はこれに比べて多額のようにも思いますが、いかがですか。財政規模あるいは起債残高の違いがあると思いますので、一様にはいえないと思いますが、ご見解をお聞きしておきます。

○成田主計部長 東京都の減債基金残高は、平成十一年度末で三千七百五十億円となる見込みでございます。都は、先ほど委員もご指摘ございましたが、他団体に比べまして財政規模も大きく、また都債残高も多いために、積立金の絶対額が大きくなるのは当然であると思っております。加えまして、都以外の多くの団体は地方交付税の交付団体でありまして、現在、元利償還金の一部または全部が、交付税算定に当たりましての基準財政需要額に算入されるという、国による財政負担の軽減措置を受けているところでございます。
 したがいまして、その意味でも、不交付団体として税収のみに依拠する東京都におきましては、他の団体以上に、減債基金の果たす役割は重要であると認識しております。この減債基金の役割である公債費負担の平準化、また財政運営の安定化を図るために、今後とも計画的な積み立てを行っていくべきものと考えているところでございます。

○遠藤委員 減債基金については、都自身やむにやまれぬ事情から、積み立ての二分の一減額を余儀なくされてきている状況だというふうに思います。また一方で、実態を十分踏まえることなく、過大だとの議論もあることなどから、十分な理解がされているとはいいがたいと私は思うのであります。しかし、議論を詰めてみれば、今後の財政運営を円滑に行うために、極めて重大な存在であるということは明らかでありますので、答弁の最後にもあったように、これからの公債費負担に備えて、必要な額を計画的に積み立てていくということを強く要望しておきます。
 あわせて、あえていえば、当然のことかもしれませんけれども、先ほども鈴木副委員長も触れられておりましたが、外形標準課税による約一千百億の増収が見込まれておりますけれども、それでもまだ、財源不足を解消するにはほど遠い額の差があるわけでありますので、したがって、そういうことで気を緩めることなく、財政再建に引き続きしっかりと取り組んでいただきたいということを特に要望して、質問を終わります。

○大西委員 私は、財政健全化のための自治体の取り組みについて、過去をひもときながらご質問をさせていただきたいと思うんです。
 歴史は繰り返すと昔からいわれていますけれども、ちょうど昭和四十年代の後半から五十年代の初めにかけて、今日の都財政と同じような状況にあったわけですね。それにさかのぼる昭和四十年代というのは、高度経済成長で未曾有の繁栄に酔いしれていたわけですけれども、昭和四十八年の十月のあの第一次オイルショックによって、それが無残にも打ち砕かれたわけですね。
 私、思い返してみると、ちょうど昭和五十年なんですね、このころが一番都財政の先行きが厳しいときだったわけですけれども、区長公選や何かに伴う区議会議員選挙で、私も二十八歳、紅顔可憐な美青年として初当選をしたんです。そのときの五十年の九月議会で、私、区議会の議事録を取り寄せたら、都財政の危機的状況下における区財政の見通しについてというので、延々と質問をやっているんですけれども、さすが先見の明があったなと私も、(笑声)信じられない方はこれをお貸ししますから、後でお読みいただきたいと思うんですけれども、(「信じるよ」と呼ぶ者あり)ありがとうございます。
 この問題について、区政から東京都を見て、さまざまな質問をしてきたわけですけれども、そういった中で、私、いろいろ調べて振り返ってみると、この時代というのは、昭和五十三年度決算を例にとると、一千十一億円の赤字を記録しているんですね。財政再建団体に転落する赤字限度額というのは一千九十一億円、ですから、もう本当に皮一枚で残ったといってもいい状況にあるわけですね。こうした状況の中で、財政再建団体に転落しないために、東京都は必死の、悪あがきというと語弊がありますけれども、努力をしたかには思うんですけれども、その中で、財政健全化計画というのを、これは自治省にいわれて出したんですよね。今回の財政再建計画というのは、東京都が自主的に、こういった厳しい財政状況をどう克服して力強い財政を確立するかという方向から、あらゆる角度から検討して、今出しているわけですけれども、このときは、自治省から、何いっているんだ、もう、あんた、赤字じゃないか、にっちもさっちもいかないじゃないか、しっかりしなさいと、財政を健全化するためにはどういうふうにするんだ、そのプランニングをきちっと示さなければ起債は認めませんよと、こういわれてーー本当に恥ずかしい話です。自治体が、国の自治省の関与によって、そしてその指導によって財政健全化計画を立てたという、東京都政史上最も不名誉な事態に陥ったわけですね。
 まず最初に、この昭和五十三年に策定した財政健全化計画の内容はどういうものであったかをお聞かせいただきたいと思います。

○成田主計部長 昭和五十三年当時、今お話ございましたように、財政再建団体への転落が必至であると、そういう非常に危機的な状況の中で、特別な起債であります財政健全化債を得るために策定したものが財政健全化計画、正式には財政健全化のための緊急措置といいますが、その内容は、歳入歳出それぞれ分けまして、歳入の面では、使用料、手数料の改定、それから特別区の国民健康保険料の改定など、また、歳出にありましては、定員管理の適正化、要するに職員定数の削減、それから、第二の柱が昇級延伸などの給与対策、また事務事業整理、さらには補助金等の整理など、これらによりまして、歳入の確保、そしてまた歳出の削減を図ることをその内容としている計画でございます。

○大西委員 今、共産党さんが盛んに、財政再建のための起債はいけない、あるいは投資的経費は悪だ、こういう論理をあらゆる委員会や本会議等で展開しているわけですけれども、たしか、この美濃部都政のときの最後に残った与党というのが共産党なんですね。あの時代には、起債はしろ、財政再建団体に転落しないためには起債をしろ、こうやって一方的に主張しながら、今、野党になったからといって、いけないというのは、政党としての一貫性に欠けているんじゃないかとつくづく思うわけでございます。
 きょうは、そういう論議じゃありませんから、次に移らせていただきますけれども、使用料、手数料の改定という項目があったんですね。計画においては、幾らの税収額を見込んでいたのか、また、実際に、昭和五十三年の第一回定例会において使用料、手数料の改定が行われたと伺っているわけでございますけれども、それはどのようなものであったかについてお聞かせいただきたいと思います。

○成田主計部長 財政健全化計画、これは五十二年度の措置と五十三年度の措置、両方が計画の内容となっておりまして、使用料、手数料の改定に関しましては、その五十二年度分、五十三年度分合わせまして、七十七億円の増収を見込んでいたところでございます。
 また、五十三年の第一回定例会におきます主な使用料、手数料の改定でございますが、都立高校の授業料が月額千八百円から四千円に、都立大学の授業料が月額三千円から一万円に、また、都立病院におきます分娩料が一万四千円から二万五千円になどでございます。

○大西委員 この間の予特の論議を聞いていて、住宅使用料の減免なんというどころじゃないですよ。例えば今の数字、高校授業料は二・二倍ですよ。大学授業料は何と三・三倍、また、分娩料も一・五倍、極めて大幅な値上げですよね。そして、それを与党として共産党が推進しているんですから。だから、私は、こういった意味では、この五十三年の改定というのは、財源確保のための改定でなくて何だろうと思うんです。本当に、受益者負担の適正化という理念のかけらも見えないわけですね。
 ですから、私は、もっとこうした論議を、責任政党として、きちっと財政委員会の場でもやっていくべきだと思うんです。今、議会の改革というのが求められていますけれども、今の論議というのは、議員が理事者に対して質問をする、そして、論議というのがーー本当に成田主計部長お人柄がいいから、共産党から聞くにたえないようなことをいわれても、遠慮しいしいお話しになっているけれども、我々だって、不規則発言がどうだこうだというけれども、我々議員同士でも政策的な論議をしていくべきだと思うんですね。果たして、あの二十四年前の美濃部都政の時代に共産党がどういう姿勢をとったのか、そして、今日どうなんだということについても、都民の前に明らかにしていかなければいけないわけでございますけれども、これは、議会のあり方検討委員会がこれから開かれますので、その場において(「一緒にやろう」と呼ぶ者あり)よろしくお願いいたします、こういう問題についても論議をしていきたいと思うわけでございます。
 また、使用料、手数料だけの問題だけでなくて、補助金の整理も五十三年に行ったと思うんですけれども、これは全部で何十項目とやっているんでしょう。ですから、その中で、わかりやすい例でひとつお聞かせをいただきたいと思います。

○成田主計部長 五十三年度予算において行いました補助金の整理でございますが、全体で四十二件、金額三十二億でございます。その中で主な例でございますが、例えば学校給食用牛乳補助、それまで一本当たり三円の補助を行っておりましたが、それの廃止によりまして約七億二千六百万、また、予防接種につきましては、補助率十分の十だったわけですけれども、それを三分の二に適正化を図りまして、それによって約二億九千百万と、そういうようなことで、全体で四十二件の補助率の適正化を図ったところでございます。

○大西委員 本当に歴史は繰り返すということなんですけれども、こうしたオイルショックがひしひしと押し寄せてきて、しかも、日本経済が危機的な状況に追い込まれかねない直前に東京都が何をやったかというと、昭和四十八年、一九七三年の冒頭に、六十五歳以上の老人医療費の無料化というのをやりましたね。これが、その後の財政危機の中では大変な財政負担になってきているんですね。さらに、東京都ギャンブル廃止、これも可決をしているんですね。これが、入りをはかる意味で、その後大きく東京都の財政に厳しい状況を引きずってきているわけですけれども、財政再建というのは、短期的にその都度都度の施策について云々ということも、もちろんあるかもしれませんけれども、やはり歴史的な、あるいは日本経済や東京経済や、地域のさまざまな経済活動というのは世界経済の中にあるんですから、そういう視野の中において論議をされなければいけないので、それこそミクロ的に、近視眼的に、ただ一点だけをとらえて、それがあたかも東京都財政のすべてであるかのような共産党の論法というのは、我々はくみし得ないと思うんですね。
 そして、先ほどの社会資本整備の問題や何かについても、日本がそれをたくさんしていることが、あたかも悪であるかのごとくいっているわけですけれども、とんでもない話で、私たちは都議会の行政視察としても、ロンドンを見、パリを見、世界の主要先進国を見たら、都市計画というのは、もう千年、五百年の歴史なんですよ。そういう中で、パリの下水道が完備されたのは三百年ぐらい前でしょう。ジャン・バルジャンじゃないけれども、ジャン・バルジャンのあの時代から、パリの町には地下道がだあっと、下水道が完備していたんですよ。そして、道路や何かにしたってそうですよ。そういった社会資本投資が今日までずっと行われてきたから、日本と欧米の差は、何百年という差があるわけですね。
 それを、今私たちは、下水道や何かを必死の思いをしてーー江戸川区だって、この昭和五十年、財政危機のころは、下水道普及率はわずか六%ですよ。しかし、その後、美濃部都政よさようなら、鈴木都政よこんにちはというので、財政再建を見事になし遂げたおかげで、江戸川区だって、今、一〇〇%の下水道普及率。多摩だってそうですね。そういったような社会資本投資が行われたからこそ、我々は、快適な都市の中で多くの利便性を享受しているわけでございまして、そういった意味で、今まさに財政は厳しい時代にあるかと思います。
 しかし、この時代を考えてみたら、昭和四十年代の後半というのは、オイルショックで、我が日本のエネルギーは枯渇してしまう、石油はあと二十年使ったら地球上から枯渇してしまう、あたかもアラブが世界のエネルギーのすべてを支配して、アラブ至上主義になるような論調というのがずっと行われていた。しかし、その後、どうですか、オイルショックなんかはるかに、日本の技術開発によって高性能、高エネルギー、いわゆる効率的なさまざまな技術の進歩やーー今、アラブは石油が売れなくて困っている、そのぐらいの状況になってきている。
 やっぱり私たちは近視眼的に世の中を見るのではなくて、もっと巨視的に、マクロ的に見ることによって、あしたに備えて、するべき社会資本投資はしていく、そして投資も行っていく、そういうことがこれからの都民に対する我々の責任だと、こう思うわけでございます。
 いずれにいたしましても、財政構造改革、まだ緒についたばかりですから、これからが本番だと思いますけれども、木内局長の決意のほどを伺って、私も質問を終わりたいと思います。よろしくお願いします。

○木内財務局長 昭和五十三年をひもときながらのお話をいただきました。当時、私も末端の方の財政に携わっていたわけでございますけれども、その当時を振り返れば、それ以降も含めていろいろ課題はあったわけですけれども、我が国それ自体には、まだまだ成長性といいますか、伸長性に富んでいた状況の中であったわけでございます。しかしながら、今日は必ずしもそうした、たそがれであることはないでしょうけれども、成長に陰りが見えたのみならず、我が国のあるべき方向のようなものについても疑問が呈せられるというのが、きょうの状況であるわけでございます。
 しかしながら、一方では、この福祉を初めとしたさまざまな見直しについて、再構築について、議会を初めとして大方の理解を得られるという、私どもとしては非常にありがたいことが、社会的な理解といいますか、議会を中心としたそういう社会的な理解が進んでいるということも、また一方ではあるわけでございまして、るる叱咤激励をいただいたことを糧としながら、議会の理解を得ながら、これからも、緒についたばかりの財政再建、構造改革に向けて、本番に向けて力を尽くしていきたいというふうに思っております。ご指導を賜りたいと思います。

○渡辺委員 たまたまいろいろと出されましたから、やはり一言申し上げておきたいというふうに思います。
 一つは、五十年当時の美濃部都政のときのいわゆる財政再建計画そのものについて、結果は、確かに財政健全化計画というものが出されて、そして、公共料金を初めとした、まあ大幅でしょうね、そういう値上げが余儀なくされたということは、これは事実だと思いますね。そこで、今出された話でいえば、共産党は首尾一貫性がないじゃないかと。その当時は推進していた、今では違うということだけれども、そうではない。あの美濃部都政のときも、我が党は、地方自治法に基づいて、都民の暮らしと都民の福祉というものを都政運営の中心に据えて、そして運営するという立場を基本的には貫いてきたのです。都民の暮らしを守るということが大前提で、私たちは取り組んできたわけですよ。
 しかし、余儀なくされて、それは、例えば健全化計画というものが一応出される、そして、その中には確かに大幅に値上げになるということで、私たちは、これを抑えるということで修正案まで出すと。極力都民への影響力を少なくするということで、そういうこともやった。それは、この前もお話ししたけれども、公明党さんと共同して提案したという経過もあるわけです。そういうふうに、できるだけ都民の暮らしを守るという立場というのは、あのときも、現在においてもやはり一貫しているんだということを、改めてここで明確に述べておきたいというふうに思います。
 それから、起債をやめろという話も出されましたけれども、実際問題として、私たちは、起債をやめろということで、何でもかんでも起債はだめということをいっているわけじゃないんです。問題は、起債がこれ以上多く発行されるということになると、いわゆる財政再建団体に転落するその前の危険ラインというものがあって、それをはるかに超しますよ、それはもう黄色信号じゃなくて、赤信号に行っちゃうんですと。そのままで突っ走れば、いずれにしたって財政再建団体に転落するんですよということで、財務当局からいろいろと、それは皆さんもご存じのように、資料も配られて、そして我々にも説明があった。これは、皆さんご存じだと思うんです。
 そういう状況の中で、起債というものを乱発する、こういうことをやっぱり戒めなきゃならないということで、私たちは警告してきているわけですよ。ですから、私たちは財政再建というここの立場に立って、この起債の問題を云々しているわけですよ。それを抜きにして、ただ起債をやめろなんということは、私たちは、間違ったってそんなことをいう政党ではありません。そういうことをはっきりさせておきたい。
 それからもう一つは、公共工事悪だという問題が出されました。共産党は公共工事悪だと、だれがいったんですか。(「いっているじゃない」と呼び、その他発言する者あり)悪だというふうに理解されているだけの話です。共産党は、公共工事そのものを悪だとはいってないんですよ。例えば、今の国の問題をいえば、大きくいえば、いわゆる開発至上主義というふうにいわれていますけれども、この開発第一主義ということで、開発に今の国や地方の財源合わせて五十兆だ、それでもって社会保障に二十兆だと。こういうものは世界的にも例がないんですよ、逆さまなんですよと。だから、そういうことで日本の問題を批判している。
 それは、この東京都だって同じですよ。私たちは、臨海開発を初めとして自動車の幹線道路、こういう問題を、極端な話ですけれども、出して、これまでもやってきました。これは今でも変わっていません。というのは、そういう大型公共工事というか、これを第一義的に財政運営に位置づけて、そして都民の福祉というものをそれに追随させる、そういうような財政運営というのは違うよと、東京都の都民の立場からいったら。そういう意味で、今の財政運営、いわゆる開発第一主義というものを改めるべきだ、こういうふうに私たちはいっていることであって、公共工事そのものを悪だなんて一言もいっていないですよ。それははっきりと理解してほしい、そういうことであります。
 それで、いずれにしても、(「本題に入りなよ」と呼ぶ者あり)反論しておかなくちゃいけないからね。これで終わりますけれども、美濃部都政のときに、先ほどいったように、あくまでも都民の暮らし、福祉を守る、こういうことで、地方自治法の精神にのっとってそれを貫いてきた、これが革新都政の時代。今の時代はそうじゃない、先ほどもいったように。これは、もう開発至上主義。それでもって、今、どちらかというと大型の公共工事を優先する、こういうところには金がある。しかし、金がないといって、福祉そのものは切り捨てや切り下げをする。こういう点でいえば、実際問題として、美濃部都政と現在の都政の財政運営の方法というのは、全く百八十度違うということで我々としては考えていますから、前と今と全然違うなんということにはならないということだけは、はっきり述べておきたいというふうに思います。
 それで、質問に入ります。私の質問というのは、簡単なことですけれども、しかし大事な問題をお聞きしたいということで述べますので、ひとつ誠意を持ってお答えいただきたいなと思います。
 財政問題で若干お聞きしますが、深刻な都財政立て直しの問題です。私は、何といっても大型公共事業、これを全面的に見直しをして、そして、税金の使い方を根本から変える、都民の身近な施策である福祉、教育などを中心に据えた、地方自治法の精神に立った財政運営というものをやるべきだということが第一点です。それからもう一つは、借金をこれ以上ふやさないで、借金財政から脱却すること、これが二つ目です。私は、そういう立場からお聞きしたいと思います。
 東京都はこれまで、財政危機だといって、このまま推移すれば財政再建団体に転落するという宣伝を強めながら、財政再建推進プラン、こういうものをつくって発表してきたわけですね。この中で、投資的経費は削減してきた、しかし経常経費の見直しはいまだ不十分ということで、今回の見直し提案がされたということになっているわけですね。
 この中で、あたかも経常経費の中の福祉や教育、こういうものが都財政を大きく圧迫しているかのような印象を都民に与えているんです。シルバーパスあるいは老人医療費助成、老人福祉手当、障害者医療費等々のこれら経済給付的事業と、こういうふうにいっておるわけですが、こういうものは時代おくれだとか、あるいはばらまき福祉だとか、こういうことで見直しがどうしても必要だといって、今日、見直しの矛先をこの福祉分野に当ててきているというのが特徴だといえると思うんです。私は、これは全く筋違いだというふうにいわざるを得ません。
 都独自の経済給付的事業、よく聞いてくださいよ、九八年度決算で、一般歳出総額の中にこの経済給付的事業というのはどれくらいの割合で占めているかということをいいますと、一・八%弱ですよ。しかも、七九年度は、これは今から二十年前ですけれども、このときは一・二%です。だから、この二十年間で、この経済給付的事業というのがふえたといっても、わずか〇・六%弱にしかすぎない。〇・六%弱がふえたということにしかならないということですね。(「二十年で財政規模は何倍になっているか」と呼ぶ者あり)それは今日だって同じなんですからね。よく聞いていてください、そういうことなんですよね。
 さらに、今回廃止の提案をされている老人医療費助成、これに至っても、十年後でどれぐらいになるのか、三十四億円ふえるだけと。六兆円もの規模を持つ都財政が、それを維持できないということはあり得ない。これはだれだって同じ考えだと思うんですよ。都財政を圧迫しているのは、これら経済的給付ではないということは明確です。
 先ほど松村議員も幾つかいろいろ述べておりましたけれども、東京都はこれまで、バブル期から今日まで投資的経費ということで、過去十二年間に十八兆円を上回る、年平均一兆五千億円を超える投資的経費ということでつぎ込んできたんです。では、バブルが崩壊した後どうなっているかということでいえば、この膨れ上がった投資的経費を支えて、しかも推進するということで、借金に借金を重ねて、そして今日まで来たというのが経過でしょう。
 そこで、伺いますけれども、その借金でありますが、バブルがはじけた九二年、平成四年度から九九年、平成十一年ですけれども、これまでの八年間に借金をした額というのは、決算で合計幾らになるのでしょうか。

○成田主計部長 平成四年度から平成十一年度までの起債額の累計でございますが、十一年度最終補正による発行見込み額も含めて、六兆一千八百九十三億円になる見込みでございます。

○渡辺委員 そういうことですね。それで、これを年に直しますと、平均七千七百三十六億円なんですね。これは本当に莫大な借金ですよ。
 そこで、もう一つお伺いしますけれども、元利償還費ですけれども、同じくこの九二年度から九九年度までの八年間に支払った実償還額というのは幾らになるのでしょうか。

○成田主計部長 平成四年度から平成十一年までの都債実償還額の累計額でございますが、十一年度見込みを含めて二兆二千四百六億円でございます。

○渡辺委員 いずれにしても、このように、借りたお金よりも返すお金ということで比較すれば、現時点では三倍以上の借金ということになるわけですね。三倍以上といったらおかしいんですけれども、六兆対二兆ですから、そういう関係になりますね。これでは、やっぱり借金はふえるばかりで、借金が全く減らないというような状況にあります。
 そこで、もう一つお聞きいたしますが、九九年度末の見込みでいいですけれども、借金の残高、これは幾らになるか。また、これまでの七千億円台のベースで借金を続けていくということになったら、すぐにも十兆円になっちゃうということなんですけれども、このまま行ったら、平成何年ごろにこの十兆円になるのでしょうか。

○成田主計部長 まず、平成十一年度末の都債残高でございますが、最終補正も含めまして七兆二千八百八十二億円となる見込みでございます。
 今後の都債の発行額を、仮に十三年度以降、ご指示のとおり毎年度七千億円として試算いたしますと、現在私どもの推計を行っている範囲の最終年度、これは十八年度末でございますが、その時点では、都債残高は約九兆七千億円と見込まれるところでございます。そういうことで、推計は十八年度までしか行っておりませんが、単純に七千億円の発行とすれば、翌十九年度末には、都債の残高は十兆円を超えるものと思われるところでございます。

○渡辺委員 現在の借金残高が七兆二千億を超えている。これは、都民一人当たりにいたしますと約五十六万円、四人家族で見ると二百二十四万円と、こういうことになっているわけですね。
 このように大型公共事業優先の財政運営ということで続けていけば、しかも、バブルがはじけても借金までして事業を確保するということで、その莫大な借金が公債費として都財政に今重くのしかかってきている。これが、今、都財政を最も危機的状態に陥れている最大の原因ではないかというふうに私は思うんですけれども、これについてはどうでしょうか。

○成田主計部長 現在の起債の発行等についてのご指摘でございますが、私どもは、あくまでも都債につきましては、財政運営の弾力性に配慮しながらーー先ほど来、大型事業優先ということでいろいろおっしゃっていますが、やはり先ほど来申し上げておりますように、重点的に事業を選択しながら、かつまた、福祉、そういった面にも配慮しながら、バランスをとりながらやっているつもりでございまして、そういった投資的経費の財源としても、また、景気対策や都税の減収、こういった不測の事態に対する対応としても、適切にその活用を図っているところでございまして、ご指摘のような批判というのは、私どもとしては納得できないところでございます。

○渡辺委員 納得できないといったって、現実的に数字的に示されているということから見て、都財政を圧迫して危機的状況に追い込んでいるというか、それの主要な要因というのが今の借金であり、そしてまた公債費だと思うんですよね。これは、私は否定はできないというふうに思うんですよ。
 今、重点化のお話がありましたけれども、今度の来年度の予算でもそうですし、それから推進プランの中でもそうですし、あるいはまた戦略プランの中でもそうだけれども、重点化というものを打ち出されているんですよね。どういうことかというと、重点化というのは、やはり大型公共事業ですよ、ここにシフトする。そして、どちらかというと、生活密着型の公共事業というものが大幅に打ち切られているというのが実態ではないかと私は思うんです。そういう意味で、重点化ということについては、現在の大型公共事業そのものが優先される、そういう仕組みづくりではないかというふうに思います。
 あと、今、主計部長はいわなかったけれども、これまで知事なんかは、そのほかにも、例えば景気対策というようなことでいろいろいわれるわけですよね。私は、景気対策の問題についても、大型公共事業というものを本当に見直しをして、生活密着型を切るんじゃなくて、生活密着型にシフトする、要するに生活密着型に徹底して切りかえていくということが、今の景気を回復させていくというか、あるいはまた今の沈滞している状況に対して活力を与えていくということでいえば、どうしてもそういうことになるというふうに思うんですね。
 そこで、もう一つ聞きたいんですけれども、これは中小企業に対してどれだけの仕事が行っているかということですけれども、例えば自動車の幹線道路、これは府中保谷線、もう一つは中央環状新宿線があるでしょう、こういうところでの中小企業の受注率というのはわかるのでしょうか。それからもう一つは、都営住宅を建設したとき、あるいは福祉施設を建設したときの中小企業の受注率、こういうものはどれぐらいになるのでしょうか、ちょっとお聞かせいただきたいと思います。

○立花経理部長管財部長兼務 お尋ねの幹線道路、あるいは都営住宅、福祉施設の中小企業受注率についてでございますが、特にそれらに焦点を合わせて調べたものはございません。
 平成十年度における中小企業の工事受注実績でございますが、全契約の八七・一%、これが中小企業でございます。件数でございます。あと、契約金額につきましては、四七・四%でございます。
 これらにつきましては、都は従来から、公共工事におきます中小企業者の受注機会増大のための方策といたしまして、すべての工事につきまして適切な分離分割発注を行うとともに、一定規模以上の工事につきましては共同企業体方式を採用する、あるいは事業協同組合の活用などを積極的に進めてきたところでございます。今後とも、こうした公共事業における中小企業者の受注機会の拡大のために、今申し上げましたような施策を適切に進めていく考えでございます。

○渡辺委員 今ご答弁あったように、住宅とか福祉施設とか、そういうものについては中小企業が圧倒的に受注をするんですよね。これは、私たちの調べでも、今の答弁にあったように、八〇%前後の、あるいはそれを超えるものが中小企業に発注できている。ところが、逆に、先ほどいった自動車幹線道路だとか臨海なんといったら、もうほとんど中小企業の発注というのはなきに等しいという状況ですから。そういうことで、ひとつ思い切って生活密着型の公共事業に切りかえてもらうということを強く要望しておきたいというふうに思うんです。
 もとに戻しますけれども、都財政を立て直すために借金財政から抜け出すこと、これは待ったなしで、至上命題だと私たちは思っています。そういう点からいって、財務当局として、都債の発行をどのくらいに抑えたら、いわゆる財政立て直しというか、借金残高を減らしていくという方向につながるのでしょうか。その辺をお聞かせいただきたいと思います。

○成田主計部長 今後の健全な財政運営を考えるに当たりまして、都債の償還が今度ふえてまいります。したがいまして、起債につきましては、これは抑制しつつというベースはございますが、同時に、その有効な活用を図りまして、社会基盤の整備、あるいは景気対策への対応等に適切に対応していく必要があると考えております。したがいまして、幾らの額がこうした起債に当たっての額かということは、一概にはいえないと思います。

○渡辺委員 借金財政から抜け出すという、そういう目標というか、目安も持てないということでは、これまで都財政の立て直しということを本当に力を入れて財務当局がやってきたという立場から見たら、私は、果たしてそういうことでいいのかなという感じがするんですよね。要するに、今の借金財政、これから抜け出さなかったら、幾ら都財政を立て直そうと思ったって、それは立て直しはできないと思いますよ。私は小渕総理のあの大借金の話はしませんけれども、それに等しいんじゃないですか、そういう目標を持たないというのは。
 いずれにしたって、東京のこの借金財政というのが、年々ふえていく、そして十兆円にも及ぶ、さらに、もっとふえるかもしらぬというようなことを考えたときに、それでいいのかということになりますよ。やっぱり目標はきちっと持って取り組むべきじゃないんでしょうか。もう一度お聞きしたいんですが……。

○成田主計部長 そういう意味では、私どもは、今回の平成十二年度予算の中では、歳入につきましては、都債を対前年に比べまして三〇・四%減らして、六・七%という形の起債依存度にしております。これは、私ども、起債の適切な活用と同時に、起債につきましては将来の財政負担があるという、その両面を認識した上で、十二年度予算の中で起債については依存度を六・七%にするという形で、将来の財政運営に向けての、とりあえず現時点での第一歩としては、そういう認識のもとにこの予算を編成したということでございます。何千億円であればいいとか悪いとかというのは、やはりその時点時点での景気対策の必要性等もあるでしょうし、また、その時点での他の財源の状況もあるでしょうし、そうした中で総合的に考えて対応していくべきだということで、そういう数値を挙げての議論をしないだけで、都の財政の健全性を維持しなければいけない、回復しなければいけないと、そういった点においては、私ども渡辺委員以上に、財政当局でございますから、体を張ってやらせていただいているところでございます。

○渡辺委員 依存度六・七%ということでいいんだというような話に、ちょっと私聞こえるんですけれども、この六・七%というのは、額にしたら幾らですか。

○成田主計部長 あくまでも数字を示せということでございますので、申し上げますと、三千九百八十六億円でございます。

○渡辺委員 そうすると、大体それが目安でということで理解していいのかしらね、よくわかりませんけれども。例えば、三千九百何ぼということで、約四千億円という起債をこれから引き続きずうっと続けていったら、これは、何年たっても借金財政から脱却できないんですよ。もう一回計算し直してくださいよ。
 私は、いろいろ調べてみましたけれども、三千五百億円ということで、ようやく横ばいか、少し下がるかなという感じですよ。これはちょっとした何かがあれば、でこぼこが出てきますから、そういう点では、借金財政から抜け出すということはまずできない。そうすると、三千億円なんですよ。毎年の発行額が三千億円でないと、借金財政から、いわゆる借金残高を減らすということには結びつかないんですよ。だから、そういう点で三千億円というのは、やはりどうしても守っていく、これが財務当局がいう財政の立て直しのイロハのイだと私は思いますよ。
 そういうことで、改めて答弁は求めませんけれども、いずれにしても、努力だけではだめですよ。(「答弁させてやればいいじゃないか」と呼び、その他発言する者あり)では、答弁しますか。

○木内財務局長 冒頭に、起債は必ずしも悪ではない、そして、かつまた公共事業は必ずしも悪ではないと、言葉は違ったかと思いますけれども、それらについて、いい公共工事と悪いーー言葉をいい直すと、そういういい方であったかと思います。そういうことを峻別しながら、いい公共工事といいますか、やっていくべきである、そして、そのための必要な、いい公共事業のための、いい起債というふうになるのだろうと思うんですけれども、やるべきだということのご主張が前提にあったかと思います。しかしながら、最終の後段においては、起債の絶対量について、三千億が望ましい、あるいは三千五百億が望ましいというのは、申しわけないですけれども、論理的には展開していないというふうに私は思います。
 しかしながら、私どもとしては、二点目ですけれども、そうした議論ではなくて、公共投資についても、幹線道路は悪だという議論には必ずしも立っていない。東京にあっては、幹線道路の整備をすることが、いわゆる生活道路の中に入り込んでいるトラックだとか、そういったものを排除することにも資する、環境にも資するじゃないかということもあるんだろうと私どもは思っております。そうした意味で、幹線道路は悪、かつまた、生活密着道路は善であってという行き方は、必ずしも納得をしないということが一つあります。
 それからまた、起債のお話がありまして、残高を維持していくということ、十二年度末で一般会計ベースで七兆六千億、推計としてはあるわけですけれども、その絶対値を維持していくことが正当、正しいという議論がございましたけれども、それも必ずしも納得しなくて、それは税収の動向、都民負担の動向、あるいは大きくいえばGDPの流れ、あるいは都民所得の流れの中で、起債の残高、公経済、公財政としての姿といいますか、あるのだろうというふうに思っております。そんな意味で、絶対値を抑制するためには、いわばゼロにしなければいけないというか、三千億にすれば三十年後には云々ということの推計をすることには、必ずしも意味づけを持たないわけでございます。
 しかしながら、そうはいっても、現下の財政状況下において、いわば起債の償還が今後当分の間、高原状態に行く中にあって、本都としては、その起債を抑制していくことが今の段階では必要であろうということの観点に立って、できる限りの起債の抑制を図っていこう、起債の役割を認知した上で、かつまた財政運営の姿勢として、起債の抑制を図っていこうというのが私どもの考え方でございます。そういう考え方で財政運営に当たりたいと思っております。

○渡辺委員 いろいろといってくれましたけれども、一つは、私どもは、先ほどもいったような、公共工事そのものが悪だとはいっていないということを、さっきはっきりさせました。それからもう一つ、先ほどいわれた幹線道路そのものについて、やっぱりいろいろと誤解があると思うんですよ。環境を破壊する、住民がもう大反対している、こういう幹線道路というのはたくさんあるでしょう、そういう問題。それから、臨海でも、あるいは市街地再開発でも、いろいろありますよ。実際問題として、そういうものに都財政をシフトして、それを第一主義的な考え方で、そこに本当にしがみついて、都民の生活を二の次にしていくという、こういう問題を私たちは指摘をしているわけです。私たちは、そういう幹線道路が生活道路なんということに考えていませんよ。
 例えば、幹線道路といったって、皆さんたちがいっている幹線道路と、私たちのいっている幹線道路はどう違うかわからないけれども、一応幹線道路そのものに対して、私たちは、即この幹線道路がーー先ほどいったような大型自動車の幹線道路ですよ、そういうものが生活道路ということについては、(「そんなこといってないよ」と呼び、その他発言する者あり)先ほどいったのは、そういう内容に受けとめられるから、誤解されるから、そういうことをはっきりしておきますけれども、そういうこと。
 いずれにしても、先ほどからいっているように、大型公共事業というものを都の財政運営の中心に据えてやるという考え方、これは違うと。あくまでも地方自治法にのっとって、そして庶民の暮らしや福祉というものを中心に据えて、それを推し進める、それが本当の地方自治法に基づく財政運営だというふうに私たちは思っているんです。
 先ほども、ちょっと局長がいっていましたけれども、いわゆる起債ですね、この借金を何か悪であるかのように、一切これを認めないという立場も私たちはとっておりませんから、それもひとつ誤解しないでください。そういう点でも出されましたので……。
 ですから、そういう点では、三千億、そういうものにきちっと目標を持って、その中で、先ほどいったような都民の暮らしを最優先しながら、そして生活密着型の公共工事、そういうものをいかにしてうまく進めていくかということだと私は思うんですよ。そういうことで、これは、ぜひひとつそういう点でこれまでの財政運営というものを根本から改めていただきたい、そして、借金については、目標をしっかり持って取り組んでほしいということです。
 三千九百といわれましたけれども、三千九百ではどうにもならぬということだけははっきりしておるわけですから、そういう意味では三千億、当面ここで抑えて、そして、この借金残高というものを減らすということで、これはもう口だけではだめなんですから、実際に実行に移すということがやっぱり必要だと私は思うんです。そういう意味で、ぜひひとつその意気込みをもって都財政の立て直しに当たっていただきたいと、こういうふうに思います。
 以上です。

○白井委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○白井委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で財務局関係を終わります。
 これをもちまして財政委員会を閉会いたします。
   午後四時四十三分散会

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