一番 | 古城まさお君 |
二番 | けいの信一君 |
三番 | 成清梨沙子君 |
四番 | 平 慶翔君 |
五番 | 後藤 なみ君 |
六番 | 藤井あきら君 |
七番 | 内山 真吾君 |
八番 | 森澤 恭子君 |
九番 | 上田 令子君 |
十番 | 山内れい子君 |
十一番 | やまだ加奈子君 |
十二番 | 西野 正人君 |
十三番 | 林あきひろ君 |
十四番 | 藤井とものり君 |
十五番 | 原田あきら君 |
十六番 | 細田いさむ君 |
十七番 | うすい浩一君 |
十八番 | 小林 健二君 |
十九番 | 加藤 雅之君 |
二十一番 | あかねがくぼかよ子君 |
二十二番 | 保坂まさひろ君 |
二十三番 | 鳥居こうすけ君 |
二十四番 | 菅原 直志君 |
二十五番 | 清水やすこ君 |
二十六番 | 斉藤れいな君 |
二十七番 | 伊藤しょうこう君 |
二十八番 | 田村 利光君 |
二十九番 | 菅野 弘一君 |
三十番 | 川松真一朗君 |
三十一番 | 小松 大祐君 |
三十二番 | 宮瀬 英治君 |
三十三番 | 米倉 春奈君 |
三十四番 | 斉藤まりこ君 |
三十五番 | 藤田りょうこ君 |
三十六番 | 斉藤やすひろ君 |
三十七番 | 栗林のり子君 |
三十八番 | 伊藤こういち君 |
三十九番 | 大松あきら君 |
四十番 | 白戸 太朗君 |
四十一番 | 本橋ひろたか君 |
四十二番 | 馬場 信男君 |
四十三番 | 佐野いくお君 |
四十四番 | 細谷しょうこ君 |
四十五番 | 栗下 善行君 |
四十六番 | 中山ひろゆき君 |
四十七番 | たきぐち学君 |
四十八番 | 奥澤 高広君 |
四十九番 | 舟坂ちかお君 |
五十番 | 三宅 正彦君 |
五十一番 | 山崎 一輝君 |
五十二番 | 神林 茂君 |
五十三番 | 早坂 義弘君 |
五十四番 | 西沢けいた君 |
五十五番 | 河野ゆりえ君 |
五十六番 | 原 のり子君 |
五十七番 | 星見てい子君 |
五十八番 | とくとめ道信君 |
五十九番 | 遠藤 守君 |
六十番 | 上野 和彦君 |
六十一番 | のがみ純子君 |
六十二番 | まつば多美子君 |
六十三番 | 田の上いくこ君 |
六十四番 | 両角みのる君 |
六十五番 | 西郷あゆ美君 |
六十六番 | もり 愛君 |
六十七番 | 岡本こうき君 |
六十八番 | 米川大二郎君 |
六十九番 | 森口つかさ君 |
七十番 | つじの栄作君 |
七十一番 | 関野たかなり君 |
七十二番 | 桐山ひとみ君 |
七十三番 | 石川 良一君 |
七十四番 | 高橋 信博君 |
七十五番 | 中屋 文孝君 |
七十六番 | 鈴木あきまさ君 |
七十七番 | 秋田 一郎君 |
七十八番 | 山口 拓君 |
七十九番 | 曽根はじめ君 |
八十番 | 清水ひで子君 |
八十一番 | とや英津子君 |
八十二番 | 池川 友一君 |
八十三番 | 中山 信行君 |
八十四番 | 谷村 孝彦君 |
八十五番 | 長橋 桂一君 |
八十六番 | 小磯 善彦君 |
八十七番 | 藤井 一君 |
八十八番 | 増田 一郎君 |
八十九番 | 滝田やすひこ君 |
九十番 | おじま紘平君 |
九十一番 | 木下ふみこ君 |
九十二番 | 村松 一希君 |
九十三番 | 福島りえこ君 |
九十四番 | ひぐちたかあき君 |
九十六番 | 森村 隆行君 |
九十七番 | 入江のぶこ君 |
九十八番 | 柴崎 幹男君 |
九十九番 | 清水 孝治君 |
百番 | 大場やすのぶ君 |
百一番 | 吉原 修君 |
百二番 | 中村ひろし君 |
百三番 | 里吉 ゆみ君 |
百四番 | 尾崎あや子君 |
百五番 | あぜ上三和子君 |
百六番 | 橘 正剛君 |
百七番 | 高倉 良生君 |
百八番 | 東村 邦浩君 |
百九番 | 中嶋 義雄君 |
百十番 | 山内 晃君 |
百十一番 | 山田ひろし君 |
百十二番 | 伊藤 ゆう君 |
百十三番 | 木村 基成君 |
百十四番 | 荒木ちはる君 |
百十五番 | 小山くにひこ君 |
百十六番 | 増子ひろき君 |
百十七番 | 石毛しげる君 |
百十八番 | 大津ひろ子君 |
百十九番 | 尾崎 大介君 |
百二十番 | 宇田川聡史君 |
百二十一番 | 小宮あんり君 |
百二十二番 | 鈴木 章浩君 |
百二十三番 | 三宅しげき君 |
百二十四番 | 高島なおき君 |
百二十五番 | 白石たみお君 |
百二十六番 | 大山とも子君 |
百二十七番 | 和泉なおみ君 |
欠席議員 二名
二十番 龍円あいり君
九十五番 鈴木 邦和君
知事 | 小池百合子君 |
副知事 | 多羅尾光睦君 |
副知事 | 梶原 洋君 |
副知事 | 武市 敬君 |
副知事 | 宮坂 学君 |
教育長 | 藤田 裕司君 |
政策企画局長 | 中嶋 正宏君 |
総務局長 | 山手 斉君 |
財務局長 | 潮田 勉君 |
主税局長 | 砥出 欣典君 |
警視総監 | 斉藤 実君 |
生活文化局長 | 野間 達也君 |
オリンピック・パラリンピック準備局長 | 中村 倫治君 |
都市整備局長 | 上野 雄一君 |
環境局長 | 栗岡 祥一君 |
福祉保健局長 | 吉村 憲彦君 |
福祉保健局健康危機管理担当局長 | 岩瀬 和春君 |
産業労働局長 | 村松 明典君 |
建設局長 | 中島 高志君 |
港湾局長 | 古谷ひろみ君 |
消防総監 | 安藤 俊雄君 |
会計管理局長 | 佐藤 敦君 |
交通局長 | 内藤 淳君 |
水道局長 | 浜 佳葉子君 |
下水道局長 | 和賀井克夫君 |
都民安全推進本部長 | 國枝 治男君 |
戦略政策情報推進本部長 | 寺崎 久明君 |
住宅政策本部長 | 榎本 雅人君 |
病院経営本部長 | 堤 雅史君 |
中央卸売市場長 | 黒沼 靖君 |
選挙管理委員会事務局長 | 桃原慎一郎君 |
人事委員会事務局長 | 武市 玲子君 |
監査事務局長 | 河内 豊君 |
労働委員会事務局長 | 松山 英幸君 |
収用委員会事務局長 | 斎藤 真人君 |
七月十七日議事日程第一号
第一 第百六十号議案
令和二年度東京都一般会計補正予算(第七号)
第二 第百六十一号議案
令和二年度東京都病院会計補正予算(第四号)
第三 第百六十二号議案
東京都知事の給料等の特例に関する条例の一部を改正する条例
議事日程第一号追加の一
第一 議員提出議案第十四号
東京都議会議員の定数並びに選挙区及び各選挙区における議員の数に関する条例の一部を改正する条例
第二 議員提出議案第十五号
東京都議会議員の定数並びに選挙区及び各選挙区における議員の数に関する条例の一部を改正する条例
午後一時一分開会・開議
○議長(石川良一君) ただいまから令和二年第二回都議会臨時会を開会いたします。
これより本日の会議を開きます。
○議長(石川良一君) まず、議席の変更を行います。
議席変更の申し出がありますので、会議規則第二条第三項の規定により、お手元配布の議席変更表のとおり、議席の一部を変更いたします。
(別冊参照)
○議長(石川良一君) 次に、去る七月五日執行されました東京都議会議員の補欠選挙において当選されました議員の議席を、会議規則第二条第二項の規定により、やまだ加奈子さんを十一番に、西野正人君を十二番に、林あきひろ君を十三番に、鈴木あきまさ君を七十六番にそれぞれ指定いたします。
○議長(石川良一君) 次に、会議録署名議員の指名を行います。
会議録署名議員は、会議規則第百二十四条の規定により、議長において
十四番 藤井とものり君 及び
七十一番 関野たかなり君
を指名いたします。
○議長(石川良一君) 次に、議会局の局長に異動がありましたので、紹介をいたします。
議会局長岡崎義隆君。
〔局長挨拶〕
○議長(石川良一君) 以上で紹介は終わります。
○議長(石川良一君) 謹んでご報告申し上げます。
名誉都民川崎富作氏は、去る六月五日、逝去されました。まことに哀悼痛惜の念にたえません。
ここに生前のご功績をたたえるとともに、故人のご冥福をお祈りし、議会として深甚なる弔意を表します。
○議長(石川良一君) 次に、議事部長をして諸般の報告をいたさせます。
○議事部長(広瀬健二君) 令和二年七月十日付東京都告示第九百五十号をもって、知事より、本臨時会を招集したとの通知がありました。
また、本臨時会に提出するため、議案三件の送付がありました。
次に、令和二年第二回定例会の会議において同意を得た副知事の任命について、発令したとの通知がありました。
次に、知事及び人事委員会委員長より、先般の人事異動に伴う東京都議会説明員の変更及び説明員の委任の変更について、地方自治法第百二十一条及び会議規則第四十二条の規定に基づき、それぞれ通知がありました。
次に、監査委員より、住民監査請求について、地方自治法第二百四十二条第三項の規定により通知がありました。
(別冊参照)
○議長(石川良一君) この際、報告いたします。
このたびの令和二年七月豪雨により被災された方々に、衷心よりお見舞いを申し上げます。
本議会は、熊本県議会議長及び熊本県知事に対し、見舞状を添えて、全議員の拠出による見舞金を贈呈いたしました。
○議長(石川良一君) 次に、新たに当選をされました諸君を順次ご紹介申し上げます。
十一番やまだ加奈子さん。
〔十一番やまだ加奈子君登壇〕
○十一番(やまだ加奈子君) 先般の補欠選挙におきまして、北区選挙区より選出いただきました自由民主党のやまだ加奈子でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。(拍手)
○議長(石川良一君) 十二番西野正人君。
〔十二番西野正人君登壇〕
○十二番(西野正人君) 西野正人でございます。古賀俊昭都議会議員ご逝去の後、補欠選挙で日野市選出で選出されました。どうかよろしくお願い申し上げます。(拍手)
○議長(石川良一君) 十三番林あきひろ君。
〔十三番林あきひろ君登壇〕
○十三番(林あきひろ君) このたびの補欠選挙におきまして、調布市、狛江市で構成されます北多摩第三選挙区から選出されました林あきひろでございます。自由民主党でございます。どうぞよろしくお願いいたします。(拍手)
○議長(石川良一君) 七十六番鈴木あきまさ君。
〔七十六番鈴木あきまさ君登壇〕
○七十六番(鈴木あきまさ君) このたびの東京都議会大田区選挙区におきまして、当選をさせていただきました自由民主党の鈴木あきまさでございます。どうぞ皆様よろしくお願いいたします。(拍手)
○議長(石川良一君) 以上をもって紹介は終わりました。
○議長(石川良一君) 次に、先般、副知事に就任されました武市敬君をご紹介いたします。
副知事武市敬君。
〔副知事武市敬君登壇〕
○副知事(武市敬君) 先般の第二回都議会定例会におきまして、選任のご同意をいただき、副知事を拝命いたしました武市敬でございます。
喫緊の課題である新型コロナウイルス感染症への対応に万全を期すとともに、ポストコロナの新たな時代を見据え、構造改革を強力に推し進めることで、小池知事のもと、東京の持続的成長、都民サービスのさらなる向上に全力で取り組む所存でございます。
都議会の皆様のご指導、ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。
○議長(石川良一君) 以上をもって副知事の紹介は終わりました。
○議長(石川良一君) 次に、先般の人事異動に伴い異動のありました説明員の方々をご紹介いたします。
政策企画局長中嶋正宏君、総務局長山手斉君、財務局長潮田勉君、主税局長砥出欣典君、生活文化局長野間達也君、オリンピック・パラリンピック準備局長中村倫治君、都市整備局長上野雄一君、環境局長栗岡祥一君、福祉保健局長吉村憲彦君、福祉保健局健康危機管理担当局長岩瀨和春君、建設局長中島高志君、交通局長内藤淳君、水道局長浜佳葉子さん、人事委員会事務局長武市玲子さん。
〔理事者挨拶〕
○議長(石川良一君) 以上をもって説明員の紹介は終わりました。
○議長(石川良一君) 次に、閉会中の常任委員の所属変更について申し上げます。
去る七月十日付をもって、宇田川聡史君より、財政委員から警察・消防委員へ、伊藤ゆう君より、文教委員から経済・港湾委員へ、小山くにひこ君より、経済・港湾委員から財政委員へ、それぞれ常任委員の所属変更の申し出がありましたので、委員会条例第五条第三項ただし書きの規定により、議長において、それぞれ同日付をもってこれを許可いたしました。
○議長(石川良一君) 次に、閉会中の常任委員の選任について申し上げます。
委員会条例第五条第四項の規定により、去る七月十日付をもって、議長において、新たに当選されました、やまだ加奈子さんを厚生委員に、西野正人君を環境・建設委員に、林あきひろ君を文教委員に、鈴木あきまさ君を財政委員に、それぞれ指名いたしました。
○議長(石川良一君) 次に、閉会中の議会運営委員の辞任及び選任について申し上げます。
去る七月十日付をもって、里吉ゆみさんより辞任願が提出されましたので、委員会条例第十一条第一項ただし書きの規定により、議長において、同日付をもってこれを許可いたしました。
なお、委員の欠員を補充するため、委員会条例第五条第四項の規定により、議長において、同日付をもって清水孝治君を指名いたしました。
○議長(石川良一君) 次に、閉会中のオリンピック・パラリンピック推進対策特別委員の辞任及び選任について申し上げます。
去る七月十日付をもって、里吉ゆみさんより辞任願が提出されましたので、委員会条例第十一条第一項ただし書きの規定により、議長において、同日付をもってこれを許可いたしました。
なお、委員の欠員を補充するため、委員会条例第五条第四項の規定により、議長において、同日付をもって秋田一郎君を指名いたしました。
○議長(石川良一君) 次に、日程の追加について申し上げます。
議員より、議員提出議案第十四号、東京都議会議員の定数並びに選挙区及び各選挙区における議員の数に関する条例の一部を改正する条例外条例一件が提出されました。
これを本日の日程に追加いたします。
○議長(石川良一君) 会期についてお諮りいたします。
今回の臨時会の会期は、本日から七月二十七日までの十一日間といたしたいと思います。
これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(石川良一君) ご異議なしと認めます。よって、会期は十一日間と決定いたしました。
○議長(石川良一君) この際、知事より発言の申し出がありますので、これを許します。
小池百合子さん。
〔知事小池百合子君登壇〕
○知事(小池百合子君) 令和二年第二回都議会臨時会の開会に当たりまして、新型コロナウイルス感染症への対策等について申し述べます。
六月五日、名誉都民である川崎富作さんがご逝去されました。ここに謹んで哀悼の意を表し、心よりご冥福をお祈りいたします。
九州地方及び中部地方を初め、日本各地において豪雨による甚大な被害が発生をいたしております。改めまして、亡くなられた方々に深く哀悼の意を表するとともに、被災されました皆様に心よりお見舞いを申し上げます。
都は、熊本県人吉市に乳児用液体ミルクをお送りしたほか、長野県に職員を派遣いたしました。今後とも、現地からの要請に基づきまして、必要な支援を行ってまいります。梅雨や台風の季節を迎えまして、ここ東京におきましても、いつ風水害に見舞われるかわかりません。コロナ禍の中での複合災害を防ぐ観点からも、区市町村と連携しながら、着実に備えを固めてまいります。
新型コロナウイルス感染症につきましては、新たに設置したモニタリング会議におけます専門家の方々の分析に基づき、感染の広がりに対応して多面的な対策を的確に講じてまいります。こうした中、一昨日には感染拡大警報を発出いたしました。感染状況と医療提供体制の二つの区分から成る新たなモニタリングにおきまして、専門家の方々からは、感染が拡大していると思われる、医療提供の体制強化が必要であると思われるとのコメントがあったところでございます。
新規陽性者数は、この間二百名を超える日が見られるなど、高い水準で推移をいたしております。感染拡大を抑え込むべく検査件数を大幅にふやしていることなどを踏まえますと、この数はさらに膨らむことも想定されまして、動向には一層の警戒が必要であります。
陽性者の多くは若い方々でございますが、六十代以上の方々も全体の約一割を占めるなど年齢層は広がっており、高齢者や基礎疾患を有する方々へ感染がさらに拡大いたしますと、医療需給は一気に逼迫しかねません。強い危機感を持って、専門家のご意見も踏まえながら、都は今後、次の三つの方向に基づきまして、先手先手で対策を講じてまいります。
一つ目、積極的な検査の拡大による感染拡大の抑制であります。
検査体制につきましては、現在、一日当たり約六千五百件まで対応が可能でありますが、最新機器の導入支援や大学病院との連携などによりまして、これをさらに一万件まで広げてまいります。特に、接待を伴う飲食店の従業員等の方々に対しましては、積極的な受診を勧奨するとともに、これに伴いまして業務負担が増加する保健所を都として支援することで、陽性者の早期発見によります感染拡大の防止を図ってまいります。
そして、そのかなめとなる医療提供体制につきましては、重症者数が低い水準にとどまる一方で、入院患者の増加が見込まれることから、中等症患者用の病床を二千七百床まで拡大する準備を進めております。無症状や軽症の方々を受け入れる宿泊療養施設につきましても、新たに二つの施設を開設するなど、引き続き、都民の皆様の安心につながる体制の整備に万全を期してまいります。
二つ目、都内の共通の対策に加えまして、地域の実情を踏まえた重点的、ピンポイント対策であります。
都内各地における感染拡大を食いとめるためには、地域の実情に即した取り組みの強化が欠かせません。保健所や区市町村と連携をし、情報や課題を共有しながら効果的な対策を練り上げ、推進してまいります。
三つ目は、年齢層や業態に応じたきめ細かい対応であります。
重症化リスクの高い高齢者につきまして、社会福祉施設等における感染防止策を改めて徹底するほか、感染リスクの高い業態等に対する区市町村と連携した取り組みなど、きめ細かな対策を講じてまいります。
そして、感染症への備えをさらに強固なものとすべく、公約にも掲げました東京版CDC、疾病対策予防センターの創設につきまして準備を進めてまいります。これは、都、保健所、病院、研究機関が持つそれぞれの情報を分析、評価し、危機管理におけます適切な判断を行うとともに、都民の皆様方に正確な情報発信を行う拠点となるものであります。
既存の健康安全研究センター等の機能を集約するとともに、国の機関や大学等とも有機的に連携することで、危機に対する備えを一段と高めてまいります。その一環といたしまして、今般、福祉保健局に健康危機管理担当局長を配置して、新たに感染症対策部を設置するなど、都としての対策強化を図っております。引き続き、CDCの早期の実現に向けまして、精力的に取り組みを進めてまいります。
こうした取り組みを具体的に加速していくため、本臨時会には、主に国費を財源とする総額三千百三十二億円の補正予算案を提案いたしました。
その柱は、新型コロナウイルスの感染拡大を阻止する対策、経済活動と都民生活を支えるセーフティーネットの強化充実、感染症防止と経済社会活動との両立を図る取り組み、そして、社会構造の変革を促し、直面する危機を乗り越える取り組み、この四点でございます。
まず、感染拡大を阻止する対策におきましては、医療従事者や医療機関を初め、日々奮闘いただいている感染症対策の最前線に対する支援をさらに充実させることが何より重要であります。医療、介護、福祉の現場で働く方々に対する慰労金や、患者を受け入れていただいた医療機関の経営基盤を支える支援金の支給によりまして、現場の皆様を力強く支えてまいります。また、医療機関や薬局、福祉施設などにおきまして、感染を防ぎながら医療やサービスを継続的に提供するための対策を後押しするほか、患者専用の空床を確保する医療機関等への補助を拡充してまいります。さらに、区市町村と連携した実効性ある対策の推進に向けまして、新たな協議会を立ち上げ、各自治体の取り組みをしっかりと支援をしてまいります。
次に、セーフティーネットの強化充実に向けては、売り上げが減少した中小企業等にとって切実な問題であります家賃について、今般拡充された国からの交付金を活用して、国の支援に上乗せをする都独自の給付を実施いたします。また、低所得のひとり親世帯に対しまして、臨時の給付金を支給するとともに、長期の外出自粛等に伴います児童虐待、DVや失業などによる自殺を防ぐための相談体制の強化を図るなど、都民生活をきめ細かく支えてまいります。
さらに、感染症防止と経済社会活動との両立につきましては、接触や混雑を回避する技術など、新たな需要に応じました中小企業のイノベーション創出を支援するとともに、オンラインによります販路開拓やウエブ上での東京観光ツアーの実施を後押ししてまいります。
加えまして、コロナ禍を乗り越え、明るい未来を築くための社会構造の変革に向けて、東京の成長を支えるIT人材の効果的な育成を図る新たな雇用対策を実施するなど、東京を新しい成長へと導く取り組みにも力を入れてまいります。
この間、都民、事業者の皆様には、ウイズコロナの時代における新しい日常の定着に向け、多大なるご協力をいただいております。手洗いの励行、人と人との距離の確保、時差出勤及びテレワークの推進、そして、感染拡大防止ガイドラインの徹底的な遵守。この感染症に打ちかつための土台となる新たな習慣をさらに多くの皆様に実践していただくため、都は今後とも、多様なツールを活用しまして、的確な情報を戦略的に発信をしてまいります。
特に、感染拡大を防止しながら経済社会活動を営んでいく上で、改めて事業者の皆様にはガイドラインに基づく感染防止対策を徹底していただき、都民の皆様には感染防止徹底宣言ステッカーを目印として、対策が不十分な店舗等の利用を避けていただくなど、基本的な取り組みへのご協力を強くお願いをいたします。
都と、都民、事業者の皆様とが力を合わせ、新しい日常を根づかせなければ、感染拡大を食いとめることはかないません。そのような意識を広く共有し、東京が一丸となってこの難局を乗り越えていきたいと思います。引き続きのご協力を切にお願いを申し上げます。
なお、これらの呼びかけでございますが、新型インフルエンザ等対策特別措置法の第二十四条第九項に基づく協力の要請となりますが、こうした取り組みの実効性を高めるべく、国に対しましてはこの法律の改正を強く求めてまいります。
さて、さきの東京都知事選挙におきましては、多くの都民の皆様のご支持をいただき、再び都政を担うこととなりました。この四年間、常に都民ファーストの姿勢で、都議会の皆様と建設的な議論を交わしながら進めてまいりました東京大改革が、都民の皆様に評価された結果であると受けとめまして、身の引き締まる思いを新たにいたしております。
まちは生き物であります。経済社会情勢が激変する中、さまざまな個性を持つ一人一人が輝く、活力みなぎるまち東京を実現するためには、改革の手を緩めてはなりません。これまで、都民の健康を第一に考えた受動喫煙防止条例、いわゆる人権尊重条例、障害者差別解消条例、ソーシャルファーム条例など、人に焦点を当てた数々の新たな条例を制定してまいりました。これらはまさに都議会の皆様と一緒に進めてきた、人が輝く都政の象徴でございます。
引き続き、ともに都民の代表である皆様と、都民のためとの目的を共有しながら、誰もが生き生きと輝き、活気あふれる東京をつくり上げていく決意でございます。
そのためにも、喫緊の課題である新型コロナウイルス感染症につきましては、ウイズコロナの時代にふさわしい対策を加速し、都民一人一人の命と健康をしっかりと守らなければなりません。都民の皆様の負託にお応えすべく、見えざる敵に打ちかつための取り組みに邁進してまいります。
そして、その先のポストコロナの時代を見据えました社会構造改革及び都庁の構造改革を推し進めまして、今後策定する長期戦略を羅針盤として、都民の皆様とともに希望に満ちた未来を切り開いていく。これこそが、これまでの改革をさらに進化させた、私が目指す東京大改革二・〇でございます。新たな改革の旗のもとで、都議会の皆様、都民の皆様とともに、目指すべき未来への確かな歩みを進めてまいります。東京の未来は都民と決める。ぜひとも皆様のご理解、ご協力をお願い申し上げます。
なお、本臨時会におきましては、これまで申し上げたものを含めまして、予算案二件、条例案一件、合わせて三件の議案を提案いたしております。ご審議のほどよろしくお願いを申し上げます。
以上をもちまして私の発言を終わります。
ご清聴まことにありがとうございました。(拍手)
○議長(石川良一君) 以上をもって知事の発言は終わりました。
○議長(石川良一君) これより日程に入ります。
日程第一から第三まで、第百六十号議案、令和二年度東京都一般会計補正予算(第七号)外議案二件を一括議題といたします。
本案に関し、提案理由の説明を求めます。
副知事武市敬君。
〔副知事武市敬君登壇〕
○副知事(武市敬君) ただいま上程になりました三議案についてご説明申し上げます。
第百六十号議案及び第百六十一号議案の二議案は、予算案でございます。
六月に成立した国の第二次補正予算の対応や都独自の取り組みを迅速に実施するため、予算上の措置を講じるものでございます。
新型コロナウイルスの感染拡大を阻止する対策、経済活動と都民生活を支えるセーフティーネットの強化充実、感染症防止と経済社会活動との両立を図る取り組み、社会構造の変革を促し、直面する危機を乗り越える取り組みを補正予算の柱として、一般会計で三千百一億円、病院会計で三十一億円、合わせまして三千百三十二億円を増額する補正を行うものでございます。
第百六十二号議案は条例案でございます。
東京都知事の給料等の特例に関する条例の一部を改正する条例は、知事の給料等について特例措置を延長するものでございます。
以上で説明を終わります。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
(議案の部参照)
○議長(石川良一君) 以上をもって提案理由の説明は終わりました。
○十五番(原田あきら君) この際、議事進行の動議を提出いたします。
ただいま議題となっております議案のうち、第百六十号議案及び第百六十一号議案については、二十人の委員をもって構成する令和二年度七月補正予算審査特別委員会を設置し、これに付託されることを望みます。
○議長(石川良一君) ただいま原田あきら君より、第百六十号議案及び第百六十一号議案については、二十人の委員をもって構成する令和二年度七月補正予算審査特別委員会を設置し、これに付託されたい旨の動議が提出されました。
本動議は、起立により採決いたします。
本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○議長(石川良一君) 起立少数と認めます。よって、本動議は否決されました。
○議長(石川良一君) 日程第一及び第二の付託について起立により採決いたします。
ただいま議題となっております日程第一及び第二は、お手元配布の議案付託事項表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたしたいと思います。これに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○議長(石川良一君) 起立多数と認めます。よって、日程第一及び第二は、議案付託事項表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託することに決定いたしました。
(別冊参照)
○議長(石川良一君) お諮りいたします。
ただいま議題となっております日程第三は、総務委員会に付託いたしたいと思います。これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(石川良一君) ご異議なしと認めます。よって、日程第三は、総務委員会に付託することに決定いたしました。
○議長(石川良一君) これより追加日程に入ります。
追加日程第一及び第二、議員提出議案第十四号、東京都議会議員の定数並びに選挙区及び各選挙区における議員の数に関する条例の一部を改正する条例外条例一件を一括議題といたします。
案文は、お手元に配布いたしてあります。
(議案の部参照)
本案に関し、それぞれ趣旨説明のため発言を求められておりますので、順次これを許します。
六十七番岡本こうき君。
〔六十七番岡本こうき君登壇〕
○六十七番(岡本こうき君) 議員提出議案第十五号、東京都議会議員の定数並びに選挙区及び各選挙区における議員の数に関する条例の一部を改正する条例案について趣旨説明を行います。
定数配分については、公職選挙法において人口比例が原則とされている一方で、特別の事情がある場合にこれを緩和することも認められており、市区町村単位の選挙区割りの原則、自然環境や社会経済状況、行政需要、地理的状況などを総合的に考慮する必要があります。
平成二十七年の国勢調査をもとに改正された現行の条例定数配分は、直近の最高裁判決により合憲である旨の判断がなされていますが、人口比例配分定数との不一致が八選挙区において残されています。
人口が多い選挙区よりも少ない選挙区の方が定数配分の多い、いわゆる逆転現象が残っており、とりわけ練馬区と大田区の逆転現象は、定数差二人と乖離が特に大きく、都民から見ても理解が得がたい状況となっています。
また、最高裁判決において、この定数差二人の逆転現象の継続は許容できない旨の補足意見が付されていることもあり、早期の是正が必要です。
一方、その他の不一致である区においては、昼間人口による行政需要が大きい区や、直近の人口が大きく増加している区があるなどの地域の実情、また、仮に全面的に人口比定数によったとしても、一定の格差を生ずることは数学的に避けられないことなどを勘案すると、次の国勢調査が本年十月に実施される予定である現段階で、その全てについて是正すべきであるかについては引き続き検討の上、判断する必要があります。
また、議員定数総数及び定数配分の決定については、とりわけ多数決のみならず、多くの議員の賛成を得るための努力として、五回にわたる都議会議員定数等検討会を積み重ね、座長報告が取りまとめられたという手続及び経緯についても、重視した上で決せられるべきです。
以上のことから、各選挙区における生活実態や近年の人口移動にも配慮しつつ、これまでの議論の経緯や手続も踏まえた上で、投票価値の平等を一層尊重し、また、都民の声がより適切に都議会に届くよう、必要な定数配分の是正を行う案として本案を提案いたします。
以上です。
○議長(石川良一君) 五十五番河野ゆりえさん。
〔五十五番河野ゆりえ君登壇〕
○五十五番(河野ゆりえ君) 日本共産党都議団提出の東京都議会議員の定数並びに選挙区及び各選挙区における議員の数に関する条例の一部を改正する条例について説明を行います。
議会の議員定数は、憲法と地方自治法の精神を厳格に貫く立場から、法のもとの平等を踏まえ、可能な限り民意を正確に議会に反映できるようにすべきです。こうした基本的な立場を踏まえ、我が党の提案について説明します。
まず第一に、都議会の総定数については百二十七人のまま据え置きます。前回の定数是正の時点でも、東京の議員一人当たり住民数は、全国平均の二倍を超えていました。その後、東京の人口はさらに増加しています。
したがって、今回の総定数は民意の反映という点からも、これ以上の定数の削減は適切でなく、これまでどおり百二十七人を維持すべきだと考えます。
第二に、各選挙区の定数については、国勢調査を踏まえて、各選挙区の格差を最小限に抑えることが必要ですが、前回の定数是正では、都議会議員の条例定数と人口比例配分の議員定数が逆転となっている十二の選挙区のうち、四選挙区のみの是正にとどまりました。
我が党の提案は、一票の格差是正を最優先にしつつ、人口比例配分どおりに、前回残された八選挙区の議員定数を四増四減に是正するというものです。
具体的には、直近の国勢調査である平成二十七年の国勢調査による人口に基づいて、各選挙区の定数は、人口比例配分の定数どおりにするというものです。各選挙区の具体的な定数は、江東区、世田谷区、練馬区、江戸川区の四選挙区の定数をそれぞれ一増とし、新宿区、墨田区、大田区、杉並区の四選挙区の定数をそれぞれ一減とします。
こうした各選挙区の定数是正により、条例定数が人口比例配分定数を上回る選挙区と、人口比例配分定数を下回る選挙区となっている、いわゆる逆転区を解消することができます。
第三に、一人区の千代田区と中央区は、民意を最大限に反映させるために、合区として二人区とします。定数問題をめぐる国会審議においても、一人区の小選挙区制度の弊害など、民意が反映されていない現状について問題点が指摘されている中で、一人区は極力なくすべきです。
こうしたことから、公職選挙法第十五条三項に基づいて、千代田区と中央区を合区として二人区とします。他の一人区の選挙区については、今回は現在の定数どおりを提案いたします。
その上で、可能な限り多数の有権者の民意が議会と行政に正確に反映できるようにするためには、公職選挙法を抜本的に改正し、各選挙区定数は三人以上にして、一票の格差を最小限にすべきであることを強調しておきます。
一票の平等性をでき得る限り担保するために、各会派のご賛同を心から呼びかけ、日本共産党都議団の都議会議員の定数是正に関する条例改正の提案説明を終わります。(拍手)
○議長(石川良一君) 以上をもって趣旨説明は終わりました。
○六十七番(岡本こうき君) この際、議事進行の動議を提出いたします。
ただいま議題となっております議員提出議案第十四号及び第十五号については、委員会付託を省略されることを望みます。
○議長(石川良一君) ただいまの動議は、起立により採決いたします。
ただいまの動議のとおり決定することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○議長(石川良一君) 起立多数と認めます。よって、議員提出議案第十四号及び十五号は、委員会付託を省略することに決定いたしました。
○議長(石川良一君) これより討論に入ります。
討論の通告がありますので、順次発言を許します。
五十八番とくとめ道信君。
〔五十八番とくとめ道信君登壇〕
○五十八番(とくとめ道信君) 都民ファーストの会、都議会自民党、都議会公明党提案の都議会定数条例改正案に反対、日本共産党都議団提出の都議会定数条例改正案に賛成の立場から討論を行います。
都議会定数等検討会は、四月十七日に第一回が開催されて以降、五回にわたって開催をされました。第一回、第二回の検討会を通じて各会派から述べられた意見は、二増二減、三増三減、四増四減、四増四減の範囲で議論、総定数の削減などでした。六月九日開催の第四回検討会において提案された座長案が示す一増一減を主張した会派は、ただの一つもありませんでした。座長報告でも、各会派からさまざまな考え方が示された中に一増一減案は入っていません。
平成二十九年の都議会議員選挙における二つの選挙区の無効が争われた裁判の最高裁判決で、裁判官の一人が、人口比例原則の緩和については、緩和の程度が十分かつ合理的な理由があり、それが明確に説明可能であるのか、常に意識して検証が続けられるべきと述べています。さらに、前回の六通りの逆転現象について、合理的理由が説明できない限り、早急に是正が検討されるべきとの意見を付しています。
しかし、検討会の中でも、人口比例原則の緩和について十分かつ合理的な理由は議論されていません。座長報告が提案された際にも、四通りの逆転現象のうち、大田、練馬選挙区以外の選挙区をなぜ是正対象から除外するのか、合理的説明は行われていません。
座長報告に基づく都民ファーストの会、都議会自民党、都議会公明党の条例改正案は、最高裁判決における裁判官の意見を正面から受けとめ、民意を反映するために議会が真摯に検討した結果とは到底いえません。
検討会が非公開とされ、検討経過がブラックボックスになっていることにも重大な問題があります。
我が党は、検討会でも一貫して四増四減案を提案してきました。我が党の改正案では、条例定数が人口比例配分定数を上回る選挙区と、人口比例配分定数を下回る選挙区となっている、いわゆる逆転区を解消することができます。
また、千代田区と中央区の合区は、公職選挙法のもとでも、一人区の小選挙区制度の弊害をできる限り排除するものです。
議会が都政をチェックし、民意を反映することを最も重要な役割とすることに異論のある方はいないと思います。私たちは、都民の代表として、一票の価値に不平等が起きている現状をみずから是正することをもって都民の負託に応えることは、議会人としての矜持であると考えます。
この立場で、一票の格差をなくすために、議会が力を尽くすことを呼びかけるとともに、我が党の改正案への賛同を心から呼びかけ、討論を終わります。(拍手)
○議長(石川良一君) 三十二番宮瀬英治君。
〔三十二番宮瀬英治君登壇〕
○三十二番(宮瀬英治君) 都議会立憲民主党・民主クラブを代表し、議員提出第十四、十五号議案に反対の立場から討論いたします。
我々の会派に所属する都議会議員五名は、二〇一七年の都議会議員選挙において、身を切る改革を共通選挙公約に掲げ、議員報酬、議員定数の大幅削減など、一貫して訴え続けています。
前期には、我々は、議員定数二増二減ではなく、議員定数ゼロ増六減の定数百二十一案を提案してきたように、今回の百二十七の総議員定数を減らさずに、現状を維持したままの改正案にも賛成することはできません。
平成二十三年の地方自治法の改正によって、地方議会の議員定数の上限数が撤廃され、いかなる定数が妥当であるかについては、各地方議会において自主的に決定することができるようになりました。しかし、その際においても住民に対する説明責任を果たすことが求められており、法改正に先立つ第二十九次地方制度調査会の答申においても、住民に理解を得られるよう十分配慮すべきであるとされています。
そこで、私が外部委託した約千名規模の都民ニーズ調査において、都議会議員にご意見や望むことは何ですかと質問し、自由記述形式で回答を集計したところ、一位が一二・四%で議員定数の削減を都民が最も望んでいます。
さらには、来年度以降、コロナの影響により都税収入の大幅な減収が見込まれます。多くの都事業が見直し、縮小、削減が行われ、今、コロナに苦しむ都民にさらなる痛みをお願いする状況下において、我々都議会議員も一層都民の理解を得る努力が必要です。
以上、選挙公約、都民のニーズ、コロナの影響を理由に、私たちは、総定数を減らさずに現状を維持するというやり方については、都民の理解を得るには必ずしも十分でないと考え、両議案に反対し、討論を終わります。(拍手)
○議長(石川良一君) 四十八番奥澤高広君。
〔四十八番奥澤高広君登壇〕
○四十八番(奥澤高広君) 古い都議会を新しく、三年前、都民の皆様にそうお約束して、私たちは、第二十期東京都議会に送り出していただきました。その期待とは、社会の常識とはかけ離れた論理で物事が決まっていく古い政治から脱却し、時にはみずからの立場を犠牲にしても、ひたすらに都民の利益のために最善の判断をしていく政治へと、その仕組みや機能を新しくしてほしいというものであると捉えています。それは、都議会の勢力がどのような状況になっても、将来にわたって担保されていくべきものであり、そのための改革を託されたのが、私たちの役割であると考えてきました。
そのような意味から、議員定数、とりわけ各選挙区の定数は、より多様な民意を適切に反映させるために重要な仕組みの一つです。私たちは、以下の二点に着目して議論を重ね、今回提出された議員提出条例第十四号と第十五号のいずれにおいても反対の立場をとるものです。
第一に、総定数についてです。
都議会定数百二十七人は全国一位ですが、人口を定数で割る、つまり議員一人が声を伺うべき相手がどれだけいるかということですが、これは十万人を超えており、全国で一位です。さらに人口がふえ続け、かつ仕事や観光などの理由で行き交う人も多い東京都においては、少なくとも減らす要素はないと考えるものです。
第二に、選挙区定数についてです。
選挙区定数については、座長報告には、平成三十一年二月五日の最高裁判決において合憲、適法と判断されたとありますが、私たちは、その判決に記載されている見解や付されている意見について重く受けとめています。
文中には、都道府県議会の議員の定数の各選挙区に対する配分につき、人口比例を最も重要かつ基本的な基準とする旨が記載されています。さらに、裁判官の一人からは意見が付されており、地方議会議員については、その選挙区、コミュニティの代表としての色合いが濃くてしかるべきことや、合区とする必要がある場合には、単に便宜というよりも、地理的、経済的基盤等をなるべく共有するとの観点の重要性が示されています。人口比例の原則の緩和の程度については、十分かつ合理的な理由があり、それが明確に説明可能であるかといった観点からの検証が必要であり、人口比例定数と条例定数の不一致が見られる選挙区については、合理的理由が説明できない限り、早急に是正が検討されるべきと締めくくられています。
このような観点から、人口比例定数と条例定数の不一致の大きい練馬区と大田区の一増一減のみを行うことは適切ではなく、不一致が見られる八選挙区全てについて是正すべき、つまり四増四減を行うべきであると考え、第十五号には反対するものです。
また、千代田区と中央区の合区については、地理的、経済的基盤等を共有するか否かという観点での議論が不十分であり、時期尚早と考えることから、第十四号に反対するものです。
最後に、定数検討会のあり方について一言申し上げます。
その設置要綱には、検討会は原則として非公開であり、座長が必要と認める場合に公開することができるとされています。定数は議員の立場にかかわることであり、議員みずから是正を進めることは大変難しいことであると今回改めて実感をいたしました。だからこそ、議論の過程を公開することが都民の皆様の十分な理解や、公正で信頼の置ける都政運営につながるものと考えます。
そのような観点から、私も含め、公開での議論を求める声があったことをここに残し、次期の定数検討会に生かされることを切に願うものです。
引き続き、私たちがお約束をした古い都議会を新しくすることを最後まで諦めず取り組んでいくことをお誓いし、討論を終わります。(拍手)
○議長(石川良一君) 以上をもって討論を終了いたします。
○議長(石川良一君) これより採決に入ります。
まず、追加日程第一を採決いたします。
本案は、起立により採決いたします。
本案は、原案のとおり決定することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○議長(石川良一君) 起立少数と認めます。よって、議員提出議案第十四号は否決されました。
○議長(石川良一君) 次に、追加日程第二を採決いたします。
本案は、起立により採決いたします。
本案は、原案のとおり決定することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○議長(石川良一君) 起立多数と認めます。よって、議員提出議案第十五号は可決されました。
○議長(石川良一君) お諮りいたします。
明十八日から二十六日まで九日間、委員会審査のため休会いたしたいと思います。これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(石川良一君) ご異議なしと認めます。よって、明十八日から二十六日まで九日間、委員会審査のため休会することに決定いたしました。
なお、次回の会議は、七月二十七日午後一時に開きます。
以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
本日はこれをもって散会いたします。
午後一時五十九分散会
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