平成二十九年第二回臨時会会議録第十三号

平成二十九年九月五日(火曜日)
 出席議員 百二十七名
一番古城まさお君
二番けいの信一君
三番成清梨沙子君
四番鈴木 邦和君
五番おじま紘平君
六番平  慶翔君
七番後藤 なみ君
八番西郷あゆ美君
九番やながせ裕文君
十番大場やすのぶ君
十一番山内れい子君
十二番伊藤しょうこう君
十三番田村 利光君
十四番藤井とものり君
十五番池川 友一君
十六番細田いさむ君
十七番うすい浩一君
十八番小林 健二君
十九番加藤 雅之君
二十番滝田やすひこ君
二十一番藤井あきら君
二十二番奥澤 高広君
二十三番森口つかさ君
二十四番村松 一希君
二十五番内山 真吾君
二十六番森澤 恭子君
二十七番もり  愛君
二十八番菅野 弘一君
二十九番川松真一朗君
三十番小松 大祐君
三十一番柴崎 幹男君
三十二番宮瀬 英治君
三十三番原田あきら君
三十四番斉藤まりこ君
三十五番藤田りょうこ君
三十六番斉藤やすひろ君
三十七番栗林のり子君
三十八番遠藤  守君
三十九番伊藤こういち君
四十番龍円あいり君
四十一番あかねがくぼかよ子君
四十二番保坂まさひろ君
四十三番関野たかなり君
四十四番森村 隆行君
四十五番福島りえこ君
四十六番鳥居こうすけ君
四十七番つじの栄作君
四十八番菅原 直志君
四十九番清水やすこ君
五十番舟坂ちかお君
五十一番清水 孝治君
五十二番三宅 正彦君
五十三番神林  茂君
五十四番西沢けいた君
五十五番いび 匡利君
五十六番原 のり子君
五十七番星見てい子君
五十八番とや英津子君
五十九番大松あきら君
六十番まつば多美子君
六十一番高倉 良生君
六十二番上野 和彦君
六十三番白戸 太朗君
六十四番木下ふみこ君
六十五番増田 一郎君
六十六番入江のぶこ君
六十七番斉藤れいな君
六十八番佐野いくお君
六十九番細谷しょうこ君
七十番おときた駿君
七十一番上田 令子君
七十二番両角みのる君
七十三番ひぐちたかあき君
七十四番高橋 信博君
七十五番中屋 文孝君
七十六番古賀 俊昭君
七十七番宇田川聡史君
七十八番山口  拓君
七十九番河野ゆりえ君
八十番米倉 春奈君
八十一番白石たみお君
八十二番里吉 ゆみ君
八十三番のがみ純子君
八十四番中山 信行君
八十五番谷村 孝彦君
八十六番小磯 善彦君
八十七番藤井  一君
八十八番馬場 信男君
八十九番本橋ひろたか君
九十番田の上いくこ君
九十一番桐山ひとみ君
九十二番たきぐち学君
九十三番米川大二郎君
九十四番石川 良一君
九十五番中山ひろゆき君
九十六番山田ひろし君
九十七番岡本こうき君
九十八番小宮あんり君
九十九番山崎 一輝君
百番吉原  修君
百一番三宅 茂樹君
百二番中村ひろし君
百三番とくとめ道信君
百四番尾崎あや子君
百五番和泉なおみ君
百六番長橋 桂一君
百七番橘  正剛君
百八番東村 邦浩君
百九番中嶋 義雄君
百十番大津ひろ子君
百十一番栗下 善行君
百十二番木村 基成君
百十三番伊藤 ゆう君
百十四番小山くにひこ君
百十五番荒木ちはる君
百十六番山内  晃君
百十七番増子ひろき君
百十八番石毛しげる君
百十九番尾崎 大介君
百二十番早坂 義弘君
百二十一番鈴木 章浩君
百二十二番秋田 一郎君
百二十三番高島なおき君
百二十四番あぜ上三和子君
百二十五番清水ひで子君
百二十六番大山とも子君
百二十七番曽根はじめ君
 欠席議員 なし
 出席説明員
知事小池百合子君
副知事安藤 立美君
副知事川澄 俊文君
副知事中西  充君
副知事山本  隆君
教育長中井 敬三君
東京都技監都市整備局長兼務邊見 隆士君
政策企画局長長谷川 明君
総務局長多羅尾光睦君
財務局長武市  敬君
警視総監沖田 芳樹君
主税局長目黒 克昭君
生活文化局長塩見 清仁君
オリンピック・パラリンピック準備局長潮田  勉君
環境局長遠藤 雅彦君
福祉保健局長梶原  洋君
産業労働局長藤田 裕司君
建設局長西倉 鉄也君
港湾局長斎藤 真人君
会計管理局長猪熊 純子君
消防総監村上 研一君
交通局長山手  斉君
水道局長中嶋 正宏君
下水道局長渡辺志津男君
青少年・治安対策本部長大澤 裕之君
病院経営本部長内藤  淳君
中央卸売市場長村松 明典君
選挙管理委員会事務局長浜 佳葉子君
人事委員会事務局長松山 英幸君
労働委員会事務局長土渕  裕君
監査事務局長岡崎 義隆君
収用委員会事務局長砥出 欣典君

九月五日議事日程第三号
第一 第百三十一号議案
平成二十九年度東京都中央卸売市場会計補正予算(第二号)
議事日程第三号追加の一
第一 議員提出議案第十四号
北朝鮮による核実験に対する抗議決議

   午後一時開議

○議長(尾崎大介君) これより本日の会議を開きます。

○議長(尾崎大介君) まず、日程の追加について申し上げます。
 議員より、議員提出議案第十四号、北朝鮮による核実験に対する抗議決議が提出をされました。
 これを本日の日程に追加いたします。

○六十七番(斉藤れいな君) この際、議事進行の動議を提出いたします。
 日程の順序を変更し、追加日程第一を先議されることを望みます。

○議長(尾崎大介君) お諮りいたします。
 ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(尾崎大介君) ご異議なしと認めます。よって、日程の順序を変更し、追加日程第一を先議することに決定をいたしました。

○議長(尾崎大介君) 追加日程第一、議員提出議案第十四号、北朝鮮による核実験に対する抗議決議を議題といたします。
 案文は、お手元に配布いたしてあります。
 朗読は省略いたします。

議員提出議案第十四号
北朝鮮による核実験に対する抗議決議
 右の議案を別紙のとおり東京都議会会議規則第十二条第一項の規定により提出します。
  平成二十九年九月五日
(提出者)
古城まさお  けいの信一  成清梨沙子
鈴木 邦和  おじま紘平  平  慶翔
後藤 なみ  西郷あゆ美  やながせ裕文
大場やすのぶ 山内れい子  伊藤しょうこう
田村 利光  藤井とものり 池川 友一
細田いさむ  うすい浩一  小林 健二
加藤 雅之  滝田やすひこ 藤井あきら
奥澤 高広  森口つかさ  村松 一希
内山 真吾  森澤 恭子  もり  愛
菅野 弘一  川松真一朗  小松 大祐
柴崎 幹男  宮瀬 英治  原田あきら
斉藤まりこ  藤田りょうこ 斉藤やすひろ
栗林のり子  遠藤  守  伊藤こういち
龍円あいり  あかねがくぼかよ子 保坂まさひろ
関野たかなり 森村 隆行  福島りえこ
鳥居こうすけ つじの栄作  菅原 直志
清水やすこ  舟坂ちかお  清水 孝治
三宅 正彦  神林  茂  西沢けいた
いび 匡利  原 のり子  星見てい子
とや英津子  大松あきら  まつば多美子
高倉 良生  上野 和彦  白戸 太朗
木下ふみこ  増田 一郎  入江のぶこ
斉藤れいな  佐野いくお  細谷しょうこ
おときた駿  上田 令子  両角みのる
ひぐちたかあき 高橋 信博 中屋 文孝
古賀 俊昭  宇田川聡史  山口  拓
河野ゆりえ  米倉 春奈  白石たみお
里吉 ゆみ  のがみ純子  中山 信行
谷村 孝彦  小磯 善彦  藤井  一
馬場 信男  本橋ひろたか 田の上いくこ
桐山ひとみ  たきぐち学  米川大二郎
石川 良一  中山ひろゆき 山田ひろし
岡本こうき  小宮あんり  山崎 一輝
吉原  修  三宅 茂樹  中村ひろし
とくとめ道信 尾崎あや子  和泉なおみ
長橋 桂一  橘  正剛  東村 邦浩
中嶋 義雄  大津ひろ子  栗下 善行
木村 基成  伊藤 ゆう  小山くにひこ
荒木ちはる  山内  晃  増子ひろき
石毛しげる  尾崎 大介  早坂 義弘
鈴木 章浩  秋田 一郎  高島なおき
あぜ上三和子 清水ひで子  大山とも子
曽根はじめ
東京都議会議長 尾崎 大介殿

北朝鮮による核実験に対する抗議決議
 北朝鮮は、我が国を含む国際社会が強く自制を求める中、九月三日、核実験を実施した。
 核実験は、一連の国連安保理決議や六者会合共同声明、日朝平壌宣言に明らかに違反するものである。本年八月二十九日の弾道ミサイルの発射に引き続き、今回六回目となる核実験を強行したことは、極めて許し難い暴挙である。
 今回の核実験は、国際的な核不拡散体制に対する重大な挑戦であるとともに、我が国の安全に対する、より重大かつ差し迫った、新たな段階の脅威であり、北東アジア及び国際社会の平和と安全を著しく脅かすものとして断じて容認することはできない。
 よって、東京都議会は、北朝鮮の核実験に対し重ねて厳重に抗議し、いかなる核実験やミサイル発射もこれ以上実施しないよう強く求める。
 都においては、今回の核実験に係る影響について、放射線の測定と正確な情報の提供に万全を期し、都民の不安解消に努めるよう求める。
 また、政府においては、国際社会との連携を強化し、北朝鮮に対してこれまでになく強い圧力をかけ、核、ミサイル、拉致問題の早急な解決に向けて、強力な外交を展開するとともに、国民の安全・安心の確保に万全を期すよう求めるものである。
 以上、決議する。
  平成二十九年九月五日
東京都議会

○六十七番(斉藤れいな君) この際、議事進行の動議を提出いたします。
 ただいま議題となっております議員提出議案第十四号については、原案のとおり決定されることを望みます。

○議長(尾崎大介君) お諮りいたします。
 ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(尾崎大介君) ご異議なしと認めます。よって、議員提出議案第十四号は、原案のとおり可決されました。

○議長(尾崎大介君) これより日程に入ります。
 日程第一、第百三十一号議案、平成二十九年度東京都中央卸売市場会計補正予算(第二号)を議題といたします。
 本案に関する委員会審査報告書は、お手元に配布いたしてあります。
 朗読は省略いたします。

経済・港湾委員会議案審査報告書
 第百三十一号議案
平成二十九年度東京都中央卸売市場会計補正予算(第二号)
 本委員会は、八月三十日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成二十九年九月四日
経済・港湾委員長 伊藤 ゆう
 東京都議会議長 尾崎 大介殿

○議長(尾崎大介君) これより討論に入ります。
 討論の通告がありますので、順次発言を許します。
 五十八番とや英津子さん。
〔五十八番とや英津子君登壇〕

○五十八番(とや英津子君) 日本共産党都議団を代表して、第百三十一号議案、平成二十九年度中央卸売市場会計補正予算に反対の立場から討論を行います。
 今臨時会に上程された補正予算案は、豊洲新市場の土壌も地下水も環境基準以下にして開場するという約束を撤回して、新市場への早期移転を進めるための予算です。
 この約束は、都議会の付帯決議であるだけでなく、東京都自身の方針として、都民と市場業者、消費者に対し、豊洲移転の前提条件として約束してきたものです。ところが都知事は、この約束が果たされていないことを認めながら、現実的な新たな方針を進めるとして、大事な約束をほごにしてしまいました。許されることではありません。
 一方で、知事は、我が党の質問に、生鮮食料品を扱う場である卸売市場において、食の安全・安心の確保が最優先されるべきであるとの考えは変わっていないと答弁されました。しかし、豊洲新市場は土壌も地下水も環境基準以下にするという約束を守ることなしに、食の安全・安心は確保できるのかとの我が党の質問に対し、知事はまともに答えることができませんでした。相矛盾した知事の答弁には、都民の理解も納得も得られません。
 知事が現実的な新たな方針だとして補正予算案に盛り込んだ追加対策の柱は、地下水管理システムの機能強化と盛り土にかわる地下空間対策です。いずれも多くの問題点が浮き彫りになり、安心・安全を保障できないことが明らかになりました。
 地下水管理システムは、有害物質を含む地下水で盛り土が汚染されないよう、ポンプで地下水を常時くみ上げるという土壌汚染対策の柱の一つです。ところが、我が党が指摘してきたように、この地下水管理システムはまともに機能せず、盛り土はベンゼンなどの汚染が広範囲に検出された地下水につかっている状態です。
 都は、追加対策で機能強化するといいますが、質疑を通じて、本格稼働してから十カ月たっても地下水の水位が下がらない原因も解明できていないことが明らかになりました。追加対策により目標水位を達成できるという見通しについても、都は明言できませんでした。いつまでも目標達成できない、見通しのない対策といわなければなりません。
 地下空間対策は、コンクリートを地下空間の床に新たに敷き、換気で有害物質の濃度を下げる対策ですが、日本建築学会の指針どおり、コンクリートを打設しても一〇〇%ひび割れが抑制できないこと、揮発性ガスの地下ピット内への侵入も少なくするだけであり、完全に侵入を防げるものでないことがはっきりしました。都は、科学的な対策だといい張っていますが、実証実験もされていないのです。
 知事は、追加対策について、専門家会議の提言を踏まえた専門的、科学的な対策だと繰り返すばかりでした。しかし、専門家会議は石原元知事が設置したもので、豊洲新市場用地で二〇〇八年に環境基準の四万三千倍ものベンゼンなどが検出されたとき、対策は十分可能との提言を出すなど、豊洲市場移転推進にお墨つきを与える役割を一貫して果たし続けてきたのです。そして、専門家会議の提言に基づき、八百六十億円もかけて行った土壌汚染対策は失敗に終わり、汚染が除去できなかったことは既に明白です。その専門家会議の提言だから大丈夫だといわれても、到底信用できません。
 しかも、メンバーはわずか三人です。この分野の多くの専門家から、都の追加対策に対して厳しい批判の声が上がっています。ところが知事は、こうした多くの科学者、専門家の批判に耳を傾ける姿勢を示しませんでした。このまま追加対策を進めるなら、豊洲新市場をめぐり、今まで何度も繰り返してきた失敗をまた繰り返す結果になることを厳しく指摘しておくものです。
 加えて、今回、豊洲新市場の店舗内でカビが大量に発生するという重大な問題が起こり、我が党は原因の究明と調査を求めました。しかし、都は、衛生上問題があることを認めざるを得なかったにもかかわらず、調査の必要はないという答弁を繰り返しました。中央卸売市場の命である食の安全・安心が脅かされる極めて深刻な問題を余りにも軽視しているといわざるを得ません。
 専門家からは、地下水位が高く、そのすぐ上に建物が建っているため、湿度が上がりやすいのではないかなどの問題も指摘されています。再発防止のためには原因の解明が必要です。掃除をしてカビを拭き取って終わりというわけにはいきません。カビ大量発生の原因究明と調査を改めて厳しく求めるものです。
 築地市場は、八十年以上の歴史を持つ世界に誇るべき市場です。知事は、そうした築地市場の価値を認め、基本方針発表の際には、築地を守る、市場としての機能を確保すると明言しました。
 しかし、実際はどうでしょうか。開会日の知事発言では、知事は、築地は守るとの立場は表明されませんでした。市場機能の大幅後退への懸念についての質問でも、検討会議を設置して検討するということのみで、曖昧な答弁を繰り返しました。はっきりしたのは、オリンピックの輸送拠点、駐車場にするために築地を更地にする、その後、民間主導で再開発するということです。
 仲卸の目ききを生かした競り、市場内取引を確保、発展させることと中央卸売市場の豊洲移転は両立し得ません。ましてや民間主導の再開発でどのように築地の市場機能を守るのか、具体性に欠ける知事の提案に市場業者の不安は広がっています。
 同時に、オリンピック・パラリンピックは都民生活との調和を前提にして進めるのが本来のあり方です。オリンピック・パラリンピックのために築地市場を壊して更地にすることなど許されません。環状二号線の完成をオリンピックに間に合わせるために、移転を急がせるようなこともあってはならないことです。
 築地ブランドや築地市場の建物も、多くの方々から、価値ある歴史建造物を守ってほしいとの声が上がっています。営業しながら再整備も可能だという建築家の方々から出されているのですから、そうした人たちの意見をよく聞いて、築地市場の現在地再整備に踏み出すべきです。
 知事の基本方針に対し、多くの市場業者から怒りの声が上がっています。質疑を通じ、市場業者の合意がとれていないことがはっきりしました。市場を開設するのは東京都ですが、運営するのは市場業者であり、合意は不可欠です。知事は、市場業者の合意が豊洲新市場移転の前提だとの立場を表明せず、理解を求めていく、丁寧に説明するというだけでした。市場業者の合意なしに、基本方針による豊洲移転を進めることは許されません。
 以上述べてきた理由により、補正予算案には反対であり、豊洲新市場への移転は中止をすべきです。
 今回の臨時会は、知事が招集した三十九年ぶりの異例のものであり、しかも、都政の重大問題である市場移転問題が、知事の政策判断で提出した補正予算案を審議する議会でした。当然、知事と関係局長の出席のもとで徹底した審議が求められていました。
 我が党は、予算委員会の設置を初め、知事と一問一答による審議、全ての関係局長の委員会への出席、参考人の招致など、都民の負託に応える徹底した審議を提案しましたが、実現しませんでした。
 行政のチェック機能である議会の役割をどう果たすのか、各党、各会派に厳しく問われていることを申し上げて、討論を終わります。(拍手)

○議長(尾崎大介君) 百十五番荒木ちはるさん。
〔百十五番荒木ちはる君登壇〕

○百十五番(荒木ちはる君) 都民ファーストの会東京都議団を代表し、本臨時会に付託されました補正予算案に対し、賛成の立場からの討論を行います。
 一九九九年に始まった豊洲市場予定地をめぐる東京ガスとの協議開始から十八年が経過をいたしました。その間には、さまざまな事件がございました。二〇〇七年四月、東京ガスによる土壌汚染対策終了後、その年の四月に発足をした専門家会議主導により行われた調査では、環境基準値の四万三千倍のベンゼンや、九百三十倍のシアン化合物が検出されるなど、高濃度の土壌汚染が発覚をいたしました。
 この土壌汚染対策として、無害化を目標として八百六十億もの巨費が投入されながら、その後のモニタリング調査で環境基準を超える有害物質が検出され、その目標が達成されないことが判明をいたしました。
 また、不透明な初期投資費用の増大が市場会計を破綻へと導いていること、六千億円をかけた豊洲市場は、開場して利益を上げるどころか、運営経費も賄うことができず、多額の赤字を毎年度計上し、赤字が累積していくことも判明をいたしました。
 もとをただせば、当初から深刻な土壌汚染が懸念されてきた東京ガスの跡地を新市場予定地として決定して以来、豊洲ありきで硬直的な議論になってきたこと、土壌汚染無害化に向けての対策工事の効果検証が不足してきたことなどが豊洲市場に巨費を投じることにつながったことは紛れもない事実です。このことを行政も、そして都議会も忘れてはなりません。
 一年前の八月二日、小池知事が誕生し、安全性、市場の持続可能性、情報公開の三つの懸念を挙げ、八月三十一日、豊洲市場開場の延期を決断いたしました。知事の移転延期に対しては批判もありました。しかし、もしあのときに開場延期をしておらず、市場開場後に環境基準オーバーのベンゼンが発覚していたら、東京都の土壌汚染対策への信頼は失墜し、風評被害はまさに実害として発生し、豊洲市場は大混乱に陥っていたことでしょう。
 また、市場開場後に、あるはずの盛り土がなかったことが発覚していたら、営業開始後では今回の補正予算で計上された追加工事もままならない、取り返しのつかない状況に陥っていたことは明らかです。
 私たち都民ファーストの会は、昨年十一月七日、移転をしなかったことは真に市場関係者や都民の安全・安心を守ることにつながったと考えています。そして、今回の補正予算は、この間明らかとなった盛り土や地下ピットの地下水などの問題を解決するものであると認識をしております。
 知事は、ことしの六月二十日、築地は守る、豊洲を生かすといった大方針を示しました。
 これまで都議会は、さまざまな議論がありながらも、豊洲移転ありきの方針で臨み、このことが経済合理性を顧みることなく、多額の予算を逐次投入してきた硬直的な対応を生み出してきました。
 私たち都民ファーストの会は、市場問題を多角的な面から豊洲、築地市場のあり方を見直すべきだと考えています。
 現在、市場を取り巻く状況は大変厳しいものがあります。卸売市場は、スーパーマーケットの自前の流通ルートの拡大や産地直送、ネット販売などの中で、生鮮食料品の流通における役割が変化をしてきています。さらに、卸売市場を保護してきた卸売市場法については見直しが行われ、合理的な理由がなくなっている規制を廃止するための作業が行われています。
 このような厳しい状況を打開すべく、豊洲市場への早期移転を望んでいる市場業者も少なくはありません。補正予算で示された工事を実施し、安全・安心を確保することは急務です。そして、将来、豊洲の立地を生かした物流機能を発展させていくことも追求していくべきだと考えています。
 他方、築地市場用地をどうするか。これまで民間に売却をするという話だけで、具体的な方向性も示されてきませんでした。その中にあって、築地に戻ってくることを希望する仲卸業者などの方々の声に耳を傾け、都心にある築地の立地を生かし、場外市場と一体となって食のブランドを育む、築地は守るという方向を示されたことは、大変意義のあるものと考えます。
 今回提案された補正予算には、三つの特徴が挙げられます。
 一つは、市場関係者の皆さんの不安払拭のために、盛り土にかわる追加対策などの工事費三十億が盛り込まれました。盛り土がなかったことに対する不安払拭を図るための予算措置であり、この事業を完成させることによって、安全・安心につながるものと確信いたします。同時に、地下水管理システムについては、委員会の質疑で我が会派より指摘をいたしましたとおり、機能強化策として実効性の高い対策が市場関係者からも求められております。
 次に、開場に向けた移転準備のための予算として、二十五億円が計上されております。この予算は、大規模な引っ越し事業を円滑に行うための予算であり、冷蔵庫など大型設備を有する市場の移転にとっては不可欠です。移転準備に不安を覚える市場業者と都の緊密な連携の上での予算執行を求めます。
 さらには、水辺空間、隣接した浜離宮恩賜庭園といった好立地に加え、日本の食文化を代表するブランドとなった築地のポテンシャルを最大限に引き出し、東京のまちづくりを牽引する築地再開発の検討予算として二千万円が計上されています。銀座からほど近いこの築地の土地は、都心の最大にして最後の、そして最高の土地といっても過言ではありません。
 豊洲市場は、既に市場会計から六千億円の予算が投下をされています。築地の再開発に当たっては、民間資金を大胆に導入し、民間の力を最大限に活用しながら、築地ブランドを守る視点で開発が進められることを期待しております。豊洲には豊洲のにぎわい、築地には築地のにぎわい、それぞれの特徴を生かしながら、ともに首都東京の新しいランドマークになることを期待するところです。
 最後に、豊洲が新市場予定地に決まってから、市場関係者は幾度となく翻弄され、期待と失望と不安を繰り返してきました。それは、常に問題視をされたことに対して、東京都、そして都議会も立ちどまることがなかったからだといわざるを得ません。このことを、この事実をしっかりと胸に刻み、これまでの反省に鑑み、我々は市場行政に対し、常に検証と提言を行ってまいります。
 加えまして、予算成立後の執行に当たっては、東京都は特に市場関係者の皆さんに寄り添い、丁寧な上にも丁寧な対応を行うよう要望をいたします。
 私たち都民ファーストの会東京都議団は、市場関係者を初め、都民の皆様の安全と安心を守り、速やかな市場開場に向けて全力を尽くすことをお誓い申し上げ、本補正予算案に対する賛成の討論とさせていただきます。
 ありがとうございました。(拍手)

○議長(尾崎大介君) 十六番細田いさむ君。
〔十六番細田いさむ君登壇〕

○十六番(細田いさむ君) 都議会公明党を代表し、平成二十九年度東京都中央卸売市場会計補正予算に賛成の立場から討論を行います。
 このたびの補正予算は、豊洲市場の安全性にめどをつけ、開場という次のステップに踏み出す方針を具体化したものであり、我が党は高く評価するものであります。速やかに予算を執行し、万全の体制で安全対策や移転準備等を進めるよう強く求めておきます。
 今臨時会の経済・港湾委員会において、自民党や共産党の委員からは、なぜ第三回定例会を待たず、臨時会を開いて補正予算を提出したのかとの質問が出されました。
 しかし、定例会を待てば、補正予算の可決が一カ月もおくれてしまうことになり、そのおくれは、事業者や関係者への影響をさらに広げかねません。また、豊洲市場が円滑に開場されるためには、事業者が新しい環境になれるための習熟訓練にも時間を割く必要があり、スピード感を持ってそうした準備に取り組むことが不可欠であります。
 次に、補正予算に盛り込まれている追加工事について申し上げます。
 我が党は、本会議や経済・港湾委員会の質疑を通し、追加工事の内容を詳細にただして、盛り土と同等の安全性を確保するための工事であることを明確にいたしました。
 特に、地下ピット内に滞留する可能性のあるガスの換気対策と地下ピット内へのガス侵入を抑制する床面対策は、専門家会議が盛り土と同等の効果を有すると見解を示している重要な追加工事であり、豊洲市場への安全度を高め、都民の安心につながるよう迅速に進めるべきであります。
 さらに、追加工事として盛り込まれている地下水管理システムの強化も重要な対策であります。揚水機能が低下した既存ポンプの交換や、新たな場所への揚水ポンプの新設、吸引管と真空ポンプを用いた新たな揚水方法の採用などにより、専門家会議の提言を忠実に実行して、より安全性を高める取り組みは評価できるものであります。
 一方、豊洲全体が汚染されているかのような風評被害を払拭するため、我が党は、本会議や経済・港湾委員会において、知事がみずから現地に赴くなど、先頭に立ってその解消に取り組むべきであると訴えました。
 さらに、豊洲市場の見える化によって都民の安心度を高めるため、見学会の継続的な実施や児童生徒、関係事業者などへの対象の拡大、そして大気や地下水の正確な分析数値をわかりやすく都民に発信していく工夫を講じるように提案をいたしました。
 これに対し、東京都側からは、幅広い年齢層や関係者への見学会の拡充や、大気や地下水の正確な情報を発信していくとの方針が示されました。また、風評被害については、知事が先頭に立って間違った情報を払拭するために、今臨時会閉会後に豊洲市場へ足を運ぶ意向が表明されました。知事、ぜひとも速やかに実現をしていただきたい。
 一方、豊洲市場内に発生したカビについては、例年にない長雨が続き、通常の換気だけでは湿度を抑えられなかったことが原因であるとの説明が市場当局からありました。今後、きめ細かく空調運転を実施して除湿を進めるとともに、カビが発生した店舗の清掃、滅菌等の作業を進めること、そして必要に応じて被害設備の交換にも応じるなどの方針も示されたところであります。
 次に、築地再開発について申し上げます。
 まず、築地市場跡地の一般会計への有償所管がえを選択肢の一つに残すべきとの我が党の主張に対し、知事が真摯に受けとめて、選択肢の一つとの認識を表明したことは高く評価いたします。市場会計の持続可能性を担保していく極めて重要な決断であると考えます。
 築地の再開発において、我が党が経済・港湾委員会の質疑で、都が再開発の五年以内の着工を目指すとした真意を問いただしたのも、土壌汚染対策や埋蔵文化財調査の期間が長期化する懸念があったからであります。
 また、築地再開発に向けては、現実的な課題を精査して、具体的に明確に進めるよう求めるものであります。
 さて、四日の経済・港湾委員会に、都議会自民党から補正予算に対する四項目にわたる付帯決議案が提案されました。しかし、賛同する会派、委員はほかになく、採決の結果、否決されました。
 否決された付帯決議案について、我が党の見解を申し述べておきます。
 まず第一に、築地再開発に向けた検討に当たっては、事業の進め方などの具体的な内容についてしっかりと検討を行うとともに、検討内容については個別の段階ごとに、知事は議会に報告を行うこととありました。
 この築地再開発検討会議については、我が党の本会議質問に対し、都技監から、会議や会議資料、議事録を公開しながら検討を進める予定であり、検討状況を節目節目に議会に報告していくとの明快な答弁がありました。したがって、議会の監視機能を担保する都の対応は既に示されているところであります。
 二点目に、自民党の付帯決議案は、築地市場用地の取り扱いについて、一般会計に有償所管がえを行った場合と、中央卸売市場会計において用地を保有して、長期貸付を行った場合の両面からしっかりとした検討を行うことを求めていました。
 この点についても、既に我が党の本会議質問に対し、知事は、今後の検討に当たっては、長期貸付だけではなく、ご提案の内容も含めて多角的に検討をして、経済合理性の確保に努めていくと明快に答弁しています。ご提案の内容とは、我が党が示した、築地の土地を有償所管がえすることを選択肢の一つとして残しておくべきという提案にほかなりません。この点は既に決着がついております。
 三点目に、自民党の付帯決議案は、事業者の意見を踏まえた上で、円滑な移転に向けた支援を十分に行うこととしています。
 しかし、この点についても、既に我が党は本会議の質問で、豊洲の市場の開場準備が本格化するこれからこそ、都は一つ一つの事業者に対して、それぞれが抱える課題や状況の違いに寄り添い、丁寧に移転に伴う問題の解決に取り組むべきと主張をいたしました。
 これに対し市場長は、引っ越しや造作工事に関する相談体制の充実、資金繰りも含めた金融面での支援などを挙げて、さまざまな状況を抱える個々の事業者に丁寧に寄り添い、移転に向けた準備作業を支えていくと表明いたしました。
 これら三点は答弁で明らかになっていることであり、屋上屋を重ねるような付帯決議は全く必要ないと考えます。
 さらに四点目に、自民党の付帯決議案が求めた豊洲の安全宣言については、まさに今回の補正予算によって、理解と納得を伴った都民の安心を得るための追加工事が行われようとしています。にもかかわらず、追加工事の前に安全宣言云々を議論する意味はないと考えます。
 以上、この付帯決議案は、委員会における否決という結果が示すとおり、必要のないものであります。
 都議会公明党は、都民の理解を得ながら、豊洲市場への移転ができるだけ早く進むこと、今後も取り組んでいくことを表明して、討論を終わります。(拍手)

○議長(尾崎大介君) 三十番小松大祐君。
〔三十番小松大祐君登壇〕

○三十番(小松大祐君) 東京都議会自由民主党を代表して、知事提案の百三十一号議案に関する討論を行います。
 今回の補正予算案は、非常に大きな問題をはらんでおりますが、移転を待ち望んでいる築地市場の関係者の方々の思い、そして、オリンピック・パラリンピック大会準備への影響などを勘案し、まさに苦渋の判断をせざるを得ません。まず、このことを冒頭に申し上げておきます。
 小池知事は、昨年八月三十一日、突然、市場移転の延期を表明し、本年六月二十日、都議選告示日の三日前に、突如、築地は守る、豊洲を生かすという方針を発表されました。
 私たち都議会自民党は、法的にも科学的にも安全な豊洲への一日も早い移転を一貫して求めてきた立場でございますので、我が党の主張を受け入れた知事の移転決断そのものには賛意を表明したいと思います。
 しかしながら、そこで示された三つの基本方針の内容や、そこに至る意思決定プロセスなどについて、都議会も市場関係者も、そして関係各局の職員までもが経緯を把握していなかったということが、さきの経済・港湾委員会での審議で明らかとなりました。
 予算審議とは、予算化を提案している事業について、その妥当性、必要性などについて、都の組織によって事前に十分に検証されていることを前提にして行うものであります。
 ところが、今回の補正予算案について付託を受けた委員会では、そうした基本的な事柄について審議を行っても、この間の事情を各局が承知していないため、質疑の多くが不透明なままでありました。
 特に、これまで第三の道はないと明言をされてきた知事が、どのような理由で築地再開発を含む大きな新たな方針転換の決定をされたのか、肝心なところがわからないままであります。
 さらに、この予算案がこの臨時会に提案され、なぜこの短期間で結論を出さなければならないのか、最後まで納得のいく回答を得ることができませんでした。
 また、この間の経過をお尋ねしても、さまざまな方のご意見を伺って決めたとしか説明をされない知事にも大きな責任があると考えております。
 また、戦略本部、市場PTなどをマスコミ等にオープンにしておきながら、肝心の決定については顧問が決めてしまうという、およそ情報公開とはほど遠いやり方にも原因があるといわざるを得ません。
 こうしたことから、補正予算の内容については大きく三つの問題が含まれております。
 まず、知事による安全宣言についてであります。
 これまでも再三訴えてまいりましたが、豊洲市場の開場に当たっては、知事は都民や事業者に対して、法律的、科学的根拠に基づく豊洲市場の安全宣言を行うべきであります。法的にも、そして科学的にも安全性は既に証明済みであります。これまで安全と安心とは異なるとの発言をされてきた知事が、今回、豊洲への移転を決断されました。今、市場関係者の方々や都民が待ち望んでいるのは、小池知事による安全宣言であります。市場移転を決断した知事の決意を安全宣言という形で明確にすべきと改めて強くお訴えするものであります。
 次に、豊洲と築地、両者の整備にかかる膨大な、膨大な財源をどのように確保するのかという問題であります。
 両方を生かすというのであれば、築地の用地をそのまま市場会計で持ち続けるのか、それとも一般会計に有償所管がえをするのかという点をまず明確に示さなければ、築地の再開発が将来に禍根を残すこととなり、そのことを強く危惧するものであります。
 さらに、移転延期による市場会計への影響を考慮して、その対策にも万全を期す必要があります。
 今後、築地の再開発に向けた検討をするに当たっては、現状把握及び課題の整理や開発コンセプト、事業の進め方など、具体的かつ詳細な内容についてしっかりと検討を行うとともに、その検討内容については、個別の段階ごとに知事は議会に報告を行うべきであります。
 また、築地市場用地の今後の取り扱いについては、中央卸売市場会計の持続可能性を確保していくとの観点から、一般会計に有償所管がえを行った場合と、市場会計において用地を保有し長期貸付を行った場合の両面から、しっかりとした検討を行うことが必要と考えます。
 さらに、小島顧問による顧問行政も看過できない問題であります。
 私たち都議会自民党は、前十九期の豊洲市場移転問題特別委員会に、市場問題プロジェクトチームの小島座長の出席を強く求めてまいりました。その後、六月二十日に知事が唐突に公表した基本方針の内容、作成経緯、決定のプロセスについても、ご本人に確認する必要から、知事とともに小島顧問の出席を求めてまいりました。しかしながら、いまだ、いまだに実現をされておりません。
 先日の経済・港湾委員会の質疑においては、小島顧問の市場関係者に対する勉強会での問題発言も明らかになりましたが、築地で働く事業者をいたずらに混乱に陥れ、事業者の皆様と市場当局が長年にわたって築き上げてきた信頼関係にくさびを打ち込んだ小島顧問の道義的責任は重大であると考えます。
 私たち都議会自民党は、責任の所在が不明確な顧問行政について、今後も粘り強く追及していくものであります。
 こうした中で、改めて市場移転準備を進めるに当たっては、事業者の意見を踏まえた上で、円滑な移転に向けた支援を十二分に行うべきと考えます。今回の臨時会で問われているのは、知事及び都庁の、都民、市場関係者に対する責任のあり方であります。
 私たち都議会自民党は、今回の補正予算案にはさまざまな問題があることをこれまでの質疑を通じて明らかにしてまいりました。そして、この予算案を認めるに当たっては、こうした手続をしっかりと進めるべきであるとする付帯決議を経済・港湾委員会に提案をしたものでありますが、残念ながら、委員会ではこの決議は否決されてしまいました。
 しかしながら、冒頭に述べたように、豊洲市場の移転は一刻の猶予も許されません。したがって、豊洲移転を前に進めることの重要性に鑑み、まさに苦渋の選択、断腸の思いで知事提案の第百三十一号議案に賛成をするものであります。
 今後、この予算を執行していくに当たっては、付帯決議として指摘した多くの問題、課題を一つ一つ解決すべく真摯に取り組み、都民、市場関係者への説明責任をしっかりと果たしていただくことを強く要望し、討論を終わります。(拍手)

○議長(尾崎大介君) 七十八番山口拓君。
〔七十八番山口拓君登壇〕

○七十八番(山口拓君) 私は、都議会民進党を代表して、知事提案の平成二十九年度東京都中央卸売市場会計補正予算(第二号)について、賛成の立場から討論を行います。
 私たち都議会民進党は、さきの都議会議員選挙において、豊洲移転は安全・安心が最優先と掲げ、追加対策の実施や情報公開の徹底、都民の理解と納得なくして豊洲市場への移転はあり得ませんと訴えてきました。
 私たちは本会議の質問で、土壌はもちろん、地下水中の汚染も環境基準以下になるなどとした、いわゆる無害化三条件の答えが、当時、本当に実現可能であったのかということをただしてきました。
 この無害化三条件について、小島顧問がプロジェクトチームの一次報告書で、専門的見地からは、当初から実現困難な条件であると示していますが、小島顧問に限らず、専門家会議や技術会議に所属していない専門家からは、当時から、調査が不十分で汚染が残っているのではないかとか、不透水層に穴があいているのではないかとか、液状化で汚染物質が移動したのではないかなど、さまざまな指摘がなされていました。
 中央卸売市場からは、専門家会議や技術会議の議論を踏まえた、あるいは実証実験で土壌、地下水とも環境基準以下への浄化が確認されたなど、無害化三条件実現の見通しがあった旨、改めて答弁いただきましたが、では、なぜ現実に環境基準を超える汚染が検出をされたのでしょうか。
 私たちは、当時の答弁と現実との乖離を踏まえた上で、追加対策を着実に実施するとともに、情報公開の徹底、すなわち追加対策の効果が確実に上がっていることなどを都民と継続的に共有しながら、理解と納得を積み重ねていくことが必要であると考えます。
 その上で、私たちは、小池知事の安全宣言こそが都民の理解と納得を得るためにも重要であると考えています。
 私たちの質問に対して、知事は、今後、専門家会議が提言した追加対策を着実に実行することにより、安全・安心を確保していくと答弁されています。であるならば、追加対策が着実に実施され、その効果が確認された段階で、知事の責任において安全宣言がなされることを強く求めておきます。
 また、私たちは、モニタリングを継続する中で、万が一、理解しがたい汚染が検出をされた場合には、専門家の意見を聞きながら、さらなる追加対策の実施も含め、豊洲の安全・安心に万全を期すべきだと主張してきました。
 これに対して、小池知事は、必要があれば専門家に相談し適切に対応していくと答弁しており、私たちはこうした答弁を前向きに受けとめ、改めて安全・安心に向けた万全の取り組みを求めるものであります。
 私たち都議会民進党は、平成二十四年度の市場会計予算に対して、築地での食文化の拠点が継承されるよう最大限協力することなどとした付帯決議を提案し、自民党などの賛同を得て、予算案に付帯決議が付されました。したがって、小池知事が築地での食文化の拠点継承に向けて取り組んでいくことに対して、都議会から声高に批判されるいわれはないはずです。千客万来施設の進出事業者に対しても、このことを丁寧に説明をしていくことが重要です。
 市場移転後の築地において、市場法の枠外でどのように機能を持たせていくかは、極めて困難を伴う課題だとは思いますが、私たちも、仲卸を中心とした目ききのわざ、目ききの技術を後世に伝え、生かしていくために、実現に向けて取り組んでいきたいと考えています。
 一方で、市場問題に関して、小池知事の政策決定過程は極めて不透明であったことは指摘せざるを得ません。知事は、私たちの質問に対して、るる述べた上で、政策決定過程の透明性は確保されていると答弁していますが、そこは知事も認識しているはずです。
 今後は、都庁職員との信頼関係を構築し、コミュニケーションを深めながら、そのノウハウ、経験をも生かしながら、大胆に東京改革を進めるとともに、あわせて都民への説明責任を十分に果たされるよう小池知事に強く要望し、都議会民進党を代表しての討論を終わります。
 ご清聴ありがとうございました。(拍手)

○議長(尾崎大介君) 以上をもって討論を終了いたします。

○議長(尾崎大介君) これより採決に入ります。
 日程第一、第百三十一号議案、平成二十九年度東京都中央卸売市場会計補正予算(第二号)を採決いたします。
 本案に関する委員会の報告は、可決であります。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、委員会の報告のとおり決定することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕

○議長(尾崎大介君) 起立多数と認めます。よって、本案は、委員会の報告のとおり決定をいたしました。

○議長(尾崎大介君) 陳情の付託について申し上げます。
 本日までに受理いたしました陳情八件は、お手元に配布の陳情付託事項表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。
(別冊参照)

○議長(尾崎大介君) お諮りいたします。
 ただいま常任委員会に付託いたしました陳情は、閉会中の継続審査に付したいと思います。これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(尾崎大介君) ご異議なしと認めます。よって、本件陳情は、いずれも閉会中の継続審査に付することに決定をいたしました。

○議長(尾崎大介君) 次に、議会運営委員会の所管事務について、閉会中の継続調査の申し出があります。
 本件は、お手元に配布の特定事件継続調査事項表のとおり、閉会中の継続調査に付したいと思います。これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(尾崎大介君) ご異議なしと認めます。よって、本件は、閉会中の継続調査に付することに決定をいたしました。
(別冊参照)

○議長(尾崎大介君) 以上をもって本日の日程は全部議了いたしました。
 会議を閉じます。
 これをもって平成二十九年第二回東京都議会臨時会を閉会いたします。
   午後一時五十三分閉議・閉会

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