環境・建設委員会速記録第四号

令和七年三月十九日(水曜日)
第九委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長曽根はじめ君
副委員長原  純子君
副委員長須山たかし君
理事かまた悦子君
理事田村 利光君
理事保坂まさひろ君
漢人あきこ君
桐山ひとみ君
伊藤 大輔君
アオヤギ有希子君
小磯 善彦君
小宮あんり君
本橋ひろたか君
こいそ 明君

欠席委員 なし

出席説明員
環境局局長須藤  栄君
次長宮澤 浩司君
理事高崎 秀之君
総務部長緑川 武博君
環境政策担当部長生物多様性担当部長DX推進担当部長兼務中島 隆行君
企画担当部長三浦亜希子君
政策調整担当部長長谷川徳慶君
気候変動対策部長荒田 有紀君
再生可能エネルギー実装推進担当部長小林 洋行君
率先行動担当部長中村 圭一君
建築物担当部長関   威君
環境改善部長戸井崎正巳君
環境改善技術担当部長丹野 紀子君
自然環境部長生物多様性担当部長兼務宮武 和弘君
資源循環推進部長宗野 喜志君
資源循環技術担当部長横山 英範君
資源循環計画担当部長木村 真弘君

本日の会議に付した事件
環境局関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 令和七年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為 環境局所管分
付託議案の審査(質疑)
・第百八号議案 東京都公害紛争処理条例の一部を改正する条例
・第百九号議案 東京都自然公園条例の一部を改正する条例
付託議案の審査(説明・質疑)
・議員提出議案第四号 東京都環境影響評価条例の一部を改正する条例
報告事項(質疑)
・東京都の保護上重要な野生生物の戦略的保全方針(案)について

○曽根委員長 ただいまから環境・建設委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、環境局関係の予算の調査、付託議案の審査及び報告事項に対する質疑を行います。
 これより環境局関係に入ります。
 予算の調査、付託議案の審査及び報告事項に対する質疑を行います。
 初めに、第一号議案、令和七年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為、環境局所管分、第百八号議案、第百九号議案及び報告事項、東京都の保護上重要な野生生物の戦略的保全方針(案)についてを一括して議題といたします。
 本案及び本件につきましては、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○緑川総務部長 去る二月十三日の当委員会で要求いただきました資料につきましてご説明申し上げます。
 お手元の環境・建設委員会資料をご覧ください。
 表紙をおめくり願います。目次にありますとおり、十六項目ございます。
 まず、一ページをお開き願います。1、東京の温室効果ガスの年間排出量の推移でございます。
 平成二十五年度から令和四年度までの各年度における東京の温室効果ガスの年間排出量を記載しております。
 令和四年度は速報値となっており、二ページ及び三ページについても同様となっております。
 なお、表の上段には、京都議定書の基準年である平成二年度の数値及び都の温室効果ガス削減目標の基準年である平成十二年度の数値を記載しており、こちらも二ページ及び三ページについて、同様に記載しております。
 二ページをお開き願います。2、都内の二酸化炭素排出量の部門別推移でございます。
 平成二十五年度から令和四年度までの各年度における産業、家庭、業務、運輸及びその他の各部門の二酸化炭素排出量を記載しております。
 三ページをお開き願います。3、都内のエネルギー消費量の部門別推移でございます。
 平成二十五年度から令和四年度までの各年度における産業、家庭、業務及び運輸の各部門のエネルギー消費量を記載しております。
 四ページをお開き願います。4、各再生可能エネルギーに関わる設置補助制度と実績額の推移(過去五年分)でございます。
 各再生可能エネルギーに関わる設置補助事業につきまして、その概要及び令和元年度から令和五年度までの各年度における実績額を七ページにかけて記載をしております。
 八ページをお開き願います。5、令和五年度微小粒子状物質(PM二・五)濃度の測定結果でございます。
 微小粒子状物質(PM二・五)の濃度につきまして、(1)、一般環境大気測定局における測定局ごとの年平均値を記載しております。
 九ページをお開き願います。(2)、自動車排出ガス測定局につきまして、同様に記載しております。
 一〇ページをお開き願います。6、保全地域に係る指定面積、公有化面積、公有化予算額及び公有化決算額(過去十年分)でございます。
 平成二十八年度から令和七年度までの各年度における保全地域に係る指定面積、公有化面積、公有化予算額及び公有化決算額を記載しております。
 一一ページをお開き願います。7、保全地域における希少種の状況でございます。
 調査対象の保全地域において確認された植物、鳥類等の希少種の数及び主な希少種名を一五ページにかけて記載しております。
 一六ページをお開き願います。8、緑被率、みどり率の推移でございます。
 区部及び多摩地域それぞれにつきまして、(1)では平成三年及び平成七年の緑被率を、(2)では平成十年から令和五年までの五年ごとのみどり率を記載しております。
 なお、次の一七ページに、みどり率の用途別の内訳等を記載しております。
 一八ページをお開き願います。9、都内自動車走行量の推移(過去十年分)でございます。
 平成二十五年度から令和四年度までの各年度における旅客及び貨物の自動車走行量を記載しております。
 一九ページをお開き願います。10、建設汚泥の発生量(過去五年分)でございます。
 平成三十年度から令和四年度までの各年度における建設汚泥の発生量を記載しております。
 二〇ページをお開き願います。11、日本からの廃プラスチック輸出量の推移と主な国・地域別の内訳でございます。
 令和二年から令和六年までの各年における輸出量の推移の合計及び主な国、地域別の内訳を記載しております。
 二一ページをお開き願います。12、区市町村で回収している容器包装プラスチック量及びリサイクル量並びにその合計(令和五年度、区市町村別)でございます。
 令和五年度における区市町村別のペットボトルと容器包装プラスチックの発生実績とリサイクル量を二二ページにかけて記載しております。
 二三ページをお開き願います。13、東京ゼロエミ住宅導入促進事業の実績でございます。
 令和元年度から令和五年度までの各年度における戸建住宅、集合住宅それぞれについて、補助件数及び金額を記載しております。
 二四ページをお開き願います。14、既存住宅の断熱補助の補助実績でございます。
 令和元年度から令和五年度までの各年度における高断熱窓及び高断熱ドア、外壁、床等の断熱それぞれについて、補助件数及び金額を記載しております。
 二五ページをお開き願います。15、都内区市町村との連携による地域環境力活性化事業における再エネ導入拡大に係る事業の補助実績でございます。
 令和元年度から令和五年度までの各年度における各事業ごとの自治体数及び金額を記載しております。
 二六ページをお開き願います。16、キャップ & トレード制度の対象となる事業所(情報通信)の年間CO2排出量、所在区市町村でございます。
 令和四年度における各事業所ごとの年間CO2排出量及び所在区市町村を記載しております。
 以上、簡単ではございますが、説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○曽根委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本案及び本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○こいそ(明)委員 それでは、質問をさせていただきたいと思います。
 まず初めに、自然環境関係ですね。この中で、自然は人の手が加わることで良好な状況を保てると、こういわれております。また、いわゆる里地、里山を含めた自然、森含めた、豊かになっていくんではないかともいわれています。
 保全地域でも同様で、長年にわたってボランティア団体が日頃から間伐や下草刈り等々実施するなど、行政が実際的に手が届きにくいこの部分を実際支え、対応してもらっているのも、現状、現実ではないかと思うんですね。
 こうした団体が、私もいろんな交流、お付き合いがあるわけでありますけれども、私が知っている限りでありますので、全体ではちょっと対象となるかどうか分かりませんが、会員数の減少による担い手、ここでも担い手不足と、大きなやはり課題なんだと。それとともに、メンバーの、活動中心メンバーの方々が高齢化していってしまっている。会員がまた固定的になってしまう。いろんなお話を聞くわけであります。
 そういう中で、新しい参加者がどうも入りにくい状況にある団体もあるのではないのかということもいわれる中で、都では、とりわけボランティア団体の育成も極めて大切にしてやっていただきたいんですけれども、それとともにもう一点、企業と、このボランティア団体というんですか、ボランティアとが連携して、社員やその家族の皆さんなど、幅広い世代で参加できる、これはもう平成十五年から行われておりますグリーンシップ・アクション、これは一定の期間が、成果が上がっているというふうに私ども受け止めているんですけれども、この活動は企業の社会的貢献活動の一環として、今申し上げましたように、広がりが非常にあると。この動きはさらに拡大していく方向性をやっぱり後押しすべきじゃないかな。
 また、多くの企業と都民の皆さんが気軽にというか、いわゆるその中で活動に関わり、そして、さらに新たな環境の担い手の幅を広げる流れをつくることは重要ではないかと考えるところであります。
 そこで、グリーンシップ・アクション、後ほどはグリーン・キャンパス・プログラムをお尋ねしたいと思いますけれども、このグリーンシップ・アクションの現状と今後のその取組について、まず伺いたいと思います。

○宮武自然環境部長生物多様性担当部長兼務 昨年度のグリーンシップ・アクションには、過去最多となる三十三社、延べ約一千三百人が参加し、今年度も同様の規模の参加が見込まれております。
 来年度は、より多くの企業の参加を促すため、企業ニーズを踏まえた活動メニューの充実や受入れ環境の整備を進めてまいります。
 具体的には、従来の一日単位の活動に加え、年間を通じて植生管理や希少種の保護などを実感できるメニューを新設するとともに、トイレや休憩所の整備を進め、参加者が安心して活動できる環境を整えてまいります。
 また、長年活動に参画してきた企業等を表彰することにより、継続的な活動参加への意欲を高めるとともに、活動の様子を都のホームページ等で積極的に発信していくことで、新たに参画する企業等の掘り起こしにつなげてまいります。

○こいそ(明)委員 平成十五年からこれは開始されたわけでありますけれども、ある企業といっていいんでしょうか、固有名詞を挙げてもいいんですけれども、その企業は平成十六年から現在まで継続してこれに参加して活動しているという実績を上げておられる企業もありますし、ほかにもかなり積極的に参加されている企業もよくお聞きしております。
 そういう中で、今お話あったように、私もこれはぜひ表彰を、表彰は結構だと思うんですが、何らかの形でやっぱりその貢献活動に対して、やっぱり一定長い時間、継続的にこのいわゆる自然保全活動に関わっていただいていることは全く事実でありますんで、そういう意味で、やっぱりそれに対する都側の、環境局の方からのやっぱり評価というか、表し方、これをぜひやっていただきたいなと、いわゆるお願いするところであります。
 それとともに、今申し上げたグリーン・キャンパス・プログラムですね。これは平成二十年度から十四年余り、このグリーン・キャンパス・プログラムというのが続いてきている。
 これは私も実際その約十年余、このいわゆる活動に参加を学生と一緒にやってまいりました。約延べ千六百か七百ぐらいの、延べですけれども、ということで、一緒に学生たちと、特に保全区域、七国山中心に、それから、あきる野の、いわゆる環境局管理の里山における活動をしてまいりましたけれども、最初はその中で学生たちはあまり興味がない学生が現実多かったんですね。
 しかし、実際的な間伐作業でありますとか、この自然体験を重ねるうちに、やっぱりいい面の変化が、例えば目の輝きが増したとか、さらには自らが積極的に協働して動くようになったとか、最初と終わり頃と、これ何回か重ねてやっていましたけれども、やっぱり随分これ違ってきたなと。私から見たらいい成長成果が出たなという感じもしたんですけれども。
 また、自然はただ単に優しいだけではないというふうに思うんですね。危険もやはり常にその周りには存在しているんですね。これはもう何ていうんですか、自然ですから、マムシもいれば、毒虫もいれば、あと昆虫類、様々な生態系の中に入るわけでありますから、こういうことを察知して対処する能力は、本来私たち人間には備わっているというふうにもいわれているところなんですけれども、自然からやはりあまり離れ過ぎてしまうと、またそのような暮らしを続ける中で、人間の持つ力が損なわれてきているんではないのかなというような指摘をする人もおられます。
 また、その点、子供さん、子供はいうまでもないですが、感受性が強くて、よくこれが適切かどうかというのは分かりませんが、一つの言葉として、三つ子の魂百までもという言葉がありますけれども、小さい頃からの実体験、体験、体感、こういうことの中で、やっぱり自らがそこに、何というんですか、受けるものがやっぱりこれは違ってくる。
 私は今後、この大学生だけではなくて、より若い若い世代にも対象を広げて、例えば幼児期というか、あまりこう低年でもいけませんけれども、小学生かな、中学生か、いろんなメニュー、その年代に合ったメニューというのは当然組めるわけでありまして、五感や、それから感性を養うという意味合いから、ぜひ場の提供を行うべきではないのかな。
 このような中で野口健さんはいっていますね。体験格差ということをいわれておられます。直接も聞かれた方も少なくないかもしれませんけれども、いわゆる行動すること。行政はこのような、いわゆる自然に触れる機会をもっと与えていくべきじゃないのかな。特に東京という、こういうその都市の中における、やはり子供たちがいかにして自然に接するか、こういうことのプログラムといいますか、そういうこの体験的な場というものをやっぱり用意すべきだなと。これ、野口さんもそういうふうにしっかりといわれております。全く同感なんですけれども。
 そこで、子供たちに向けての自然体験活動の充実に向けて、今後どのように取り組んでいくか、お願いします。

○宮武自然環境部長生物多様性担当部長兼務 都は昨年度より、小学生親子を対象とした自然体験プログラムを開始し、参加者からは、生物多様性への理解が深まったなどの意見が寄せられております。
 こうした取組に加え、来年度からは、これまで大学生を対象としてきたグリーン・キャンパス・プログラムを発展させ、小中高校生にも対象を拡大いたします。
 具体的には、小学生を対象に体験活動から生物多様性の大切さを学ぶ事業を実施するほか、中高生向けには専門家による講義を踏まえ、一年を通じて保全活動を体験できるプログラムを設けてまいります。
 こうした取組を通じて、子供たちが自然と触れ合いながら、学び、成長し、将来の保全活動を担う人材育成を一層強化してまいります。

○こいそ(明)委員 まさに森を愛する、里地、里山の視点ですね。その森をやはり豊かにする中では、やっぱり萌芽更新、いわゆる間伐をする、下草を刈る。また、田畑を耕し、特に田んぼの場合は当然でありますけれども、収穫した米をやはり食するという。そして、こうした経験を実際的に体験していくことによって、自然への関心と対応力がやはり養われてくると思うんですね。
 また、自然の中を歩けば、まさにこれ、すがすがしい。季節にもよりますし、いろいろ天候にもよりますが、すがすがしい。耳を澄ませば鳥の鳴き声がいろいろと聞こえてくるというね。耳を澄ませばじゃないですけれども、聞こえてくる。まさに五感、そして感性を、私は自然の中で受け入れられる、磨ける場でもあるのではないか。
 次世代の子供たちが未来の自然環境をまたまた保全、守っていくというか、大切にしていく人材へと成長するためにも、今後の都の取組を期待するとともに、しっかりと対応していただきたいと要望をさせていただきたいと思います。
 それでは、続きまして、多摩地域の、とりわけ三多摩清掃事業協同組合をはじめとする関係者から、長年の切実な願いである、これは前に公明党の谷村さんも取り上げておられました。市町村が委託する一般廃棄物収集運搬契約の契約適正化に向けた取組について伺いたいと思います。
 近年、物価高騰や人件費の上昇、人手不足など、これはもう中小企業にとって厳しい経営環境が続いております。本来、本事業は、これ、清掃事業でありますけれども、市町村の極めて重い責任の下で行われる業務だというふうには聞いております。
 人件費等々の適切な価格転嫁が行われる業務ですが、人件費等の適切な価格転嫁や、働き方改革に向けた十分な対応が取られていない現状に鑑み、国は昨年九月、都道府県知事に対して契約適正化等を求める通知を発出しております。
 同様の通知は平成二十年、そして二十六年にも発出されております。とりわけ二十六年の通知では、最高裁判決において一般廃棄物処理業を自由競争に委ねるべき性格のものではないと明確に示されています。
 それにもかかわらず、多摩地域の三十市町村でありますけれども、長年、最高裁判決から十年以上もたっているにもかかわらず、いまだ価格競争のみで受託者がいわゆる選定されるという、このいわゆる指名競争入札を行う、価格のみで行う自治体がまだまだ八団体あるというふうに聞いております。
 事業者は、従業員のいわゆる賃金値上げを続ける、さらに物価上昇の中で、様々な資機材を購入する、車両もそうでありますけれども、車両の確保も、これも当然必要であります。
 一方で、価格、安く安くといいましょうか、この入札はその観点から行われているようでありますけれども、ですから、安くないと、当然ですよね。これは当然といえば当然なんだけれども、でも、最低限これは必要ですよということをさらに下回るというふうに聞いているんですね。これが継続的にいわゆるそのように行われていることが問題であるわけでありまして、そうなると経営体力がすり減っており、全国的に見ると、廃業する事業者も、これは少なくないようであります。
 都は、さきの委員会質疑で、市町村と連携して、各自治体を対象に実態調査を行って、適切な価格転嫁に向けた働きかけを強めていくんだと、このように答弁をされております。とりわけ指名競争入札を、価格のみということですね、価格を重視するというか、いまだ採用する八自治体に対して、都はどのような働きかけを行ってこられたか。
 また、そのいわゆる対象とする最高裁判決、三回もいわゆる発出されているわけですね、通達が。これに対して、各市の受け止め方、特にその対象とする市の受け止め方はどうなのか伺いたいと思います。

○宗野資源循環推進部長 都は、昨年六月以降、各市町村の首長を直接訪問いたしまして、一般廃棄物の収集運搬に係る委託業務の見直しや働き方改革の促進を要請してまいりました。
 加えて、総務局や産業労働局と連携し、清掃部門及び企画財政部門の部課長級職員を対象に、重ねて周知を図ってまいりました。
 さらに、国の通知を踏まえ、十月には各区市町村長宛てに知事名での通知を発出するとともに、各自治体の契約状況等に係る実態調査を実施いたしました。
 本年一月、都は、本調査の結果を踏まえまして、指名競争入札で受託者を選定する八自治体の首長を改めて訪問いたしまして、国通知の趣旨を重ねて説明してまいりました。
 その結果、当該八市からは、特命随意契約などの価格競争のみによらない契約への見直しをするという意向が示されておりまして、その旨を本年二月の市長会等で報告し、各自治体の適切な対応を促進してまいりました。

○こいそ(明)委員 人件費の上昇、そして、先ほどからいっておりますけれども、物価高騰が急激に進んでいます。例えば長期継続契約に基づく契約期間が一定、何年、何年、何年とある。そういうことでありますけれども、この中で来年度以降もいわゆる契約がまだ残っている、自治体との契約ですかね。この自治体の中には契約変更等の、その期間内は、これだけ、例えば五年でも、六年でも、ちょっと分かりませんけれども、一回契約がなされた場合は、やっぱり二年でも、三年でも、五年でも、それ以上でも、例えば、期間の中でやっぱり物騰していますよね。燃料費だって、いわゆる人件費も当然対応していかなきゃならないといわれています。様々に、このような物騰の中でも、一切顧みない、一切対応しない。こういうこともいわれているんですね。
 そういう中で、これは八市に限らないと思いますけれども、そういう中で、この深刻な人手不足の状況が続く中、働き方改革の一層の推進を図るためにも、その源泉となる委託料が、これらの状況であるのであるならば、これはやっぱり改善する必要性があるのではないかと。
 都は、こうした自治体を含めて、三多摩の、多摩地域の市町村において、これらの人件費等との適切な価格転嫁等が促進されるように、これらの広域行政体として、これは積極的に支援をすべきと考えるわけでありますけれども、これらにつきまして、取組を伺いたいと思います。

○宗野資源循環推進部長 都は、各市町村の契約が国通知に対応したものとなるよう、技術的支援として、適切な予備車や予備人員の確保など、取り組むべき対策や、経費の算定方法等を具体的に解説する契約仕様書及び原価計算書の作成マニュアルを年度内に公表してまいります。
 また、事業者から価格転嫁等の相談を受け付け、都として事業者や自治体へ助言を行う相談窓口を速やかに開設し、当事者間の解決を促進してまいります。
 加えて、来年度からは、国通知にのっとった取組を行う市区町村に対しまして、適切な見直しに必要な経費等を財政面から集中的に支援をしてまいります。
 なお、こうした財政支援に当たっては、価格競争のみによらない契約方法への見直し等に関する実施計画書の提出等を補助要件とすることで、各自治体の確実な履行を働きかけてまいります。

○こいそ(明)委員 都として事業者や自治体が置かれている実情に対して、丁重に継続的に、これはやっぱり対応していただいていることは今ご答弁で分かりましたけれども、把握して、これからもいっていただきたい。
 昨今の急激な物価高騰や深刻な人手不足、また記録的な、今日は、本日は朝から雪で、本当に寒い、朝からね。今日は一日、今雪は上がりましたけれども、まだ寒い一日でありまして、こういう中でもやっぱり、日々日々作業に従事しておられるんですよね。これはもう三多摩だけじゃない。区部もそうですけれども。
 こういうような中で、昨年も記録的な猛暑が続きましたけれども、いろんな環境状況の中で、極めて厳しい今日的な環境の中で、そして社会環境が急激に変化する中、各自治体の予算の算定や契約変更などについて、迅速な対応がやっぱり求められる。弾力的といいますかね。ですから、価格だけというのは、やっぱり総合的評価というのが必要じゃないかということをいっているわけであって、迅速な対応が求められると思うんですよね。
 特に長期継続契約等で既に契約している案件について、先ほどもちょっと触れましたけれども、物価高騰分を、これもやはりしっかり直視して反映するということですかね、対応すると。そして、事業継続に大きな、これはもう、やっぱりそれがなければ、なかなか厳しい状況がさらに続くわけでありますから、こういうところもしっかり対応していただきたいな。
 そして何よりも、これまた何回も何回もいって申し訳ありませんけれども、昨年のこの対応として、東京都は、要するにファンつきのジャケットですか、これをいわゆる対応してもらったんですよね。これは非常にやっぱり受入れがとか様々ですね、これ、本当に感謝していることなんですね。こういうことは非常によかったなということであります。
 特にやはり四十度か、夏ですね。今、寒い時期ですから、あんまりその説得性、いま一つなんですけれども、四十度以上のあの猛暑の中で、例えば、作業の中止も許されないんですよ、これ、何回もいうけれども。
 建設や土木、建設事業者は三十五度、ほかの業種、業態。それから外で遊ぶなって三十五度でしょう、一つのアラートが出るのは。アラートが出ようが何しようが、一向に中止が出ないのが現状なんですね。これもやはりおかしいんじゃないのかなという事例で取り上げさせていただいているんですけれども、エッセンシャルワーカーといわゆるいわれておられる方々、やっぱり労働環境は厳しいですね。
 そして、基礎自治体の職員がどこかこういう現状に対して寄り添って、そういうことに対する理解、その姿勢が私は極めて求められるんではないのかなと、大切ではないのかなというふうに思うんですね。
 都は引き続き、広域自治体として、市町村行政を所管する総務局、そして、働き方改革という旗振りをしているであると思うんですけれども、産業労働局、実際いろんな話を、いろんなところから、観点からもいっても、一向にこれ、改善されないというのは、現状よく分からないこともあるのかなと。現状を見ようともしないという、実態を把握する努力がいま一つなのかなという、いろんなことも感ずるわけでありますけれども。
 働き方改革――働き方改革といっても、土曜日も休みない。年末年始は三十一日まで働かせる。そして、休みは何と、今年はだって六日からでしょう、役所も。三日間だけとか、中にはもっと少ないところもあるという。これ、どういうことなのかなと思いますよ。これ、多摩地域における現状なんですよ、これはっきりいって。
 二十三区でそんなことありますか。同じ多摩だ、同じ人間ですよ、これはっきりいって。何でこういう差ができる。法律でもうたわれている働き方改革の、これが何でひとしく対応されないんだ、これはっきりいって。そんなばかなことないでしょう。私はそう思いますよ、本当に。
 それはそれとして、このいわゆるやっぱり適正な働き方改革が実施できるように、そして、契約の適正化に向けた取組が迅速かつ確実に履行されるように、これ、各局との連携をさらに取ってくださいよ。これぜひお願いします。
 これは度々申し上げておりますけれども、都としても、基礎自治体を尊重しなきゃいけない、それはよく分かります。また、あまり自治体の一定のその職務の中にあまり介入するなとかいうこともあるでしょうけれども、少なくとも三十自治体が、一市や二市じゃないんですよ、これ、対象とするところが。これ、全体的なことだからいっているんですよ。ぜひそういうことの現実的な意味合いをさらに捉えていただいて、かかる課題、契約実務等も含めた必要な取組を、後押しをやっぱりしていただきたい。
 都が先般行った市町村への実態調査の中で、今私が申し上げたから再びいいませんけれども、そのような、やはり家族を持っていて、やっぱり三十一日の大みそかまで働かせる。それも昔半ドンということはあったけれども、ない。それと、土曜日もフル。そして、連休、大型連休といわれるあの四月、五月、一切もう出していませんよ。いや、聞くといろいろ。これ、当たり前なんですか、皆さん。全然当たり前じゃないと思うな、こんなこと。これが当たり前と捉えられて実施をされているんですよ。おかしいでしょう。おかしいことはおかしいんだよ。
 それを、だから、広域的観点で、やっぱりこれはおかしいんじゃないですかと。是正的な意味合いの、勧告までいかないかもしれないけれども、要するに最高裁判決が出て、発出されて、したんでしょう、だって。それが三回、十年前ですよ。一切見ざる、聞かざる、いわざるのところが現実あるんだ、まだ。あるんですよ。そうした今私がるる申し上げたような状況があるんだよ。
 これはやっぱり、東京の全体のというか、多摩地域の問題なんだけれども、やっぱり東京の課題として、問題として捉えていただいて、ぜひやっぱりかかる、当然にして当然の、当たり前の環境状況、労働状況にやはりこれは置いていかなきゃいけないと思うんですよ、これはっきりいって。それ、ぜひまた重ねて要望させていただきます。
 そして、今申し上げたんで、ファン付ウエア、このウエアですか、ジャケットですか、これは本当に先ほど申し上げたとおりでありまして、どうか三十市町村、度々いいますけれども、ほかにもいろんな課題があるわけなんだけれども、やっぱりぜひ環境局が主導的な立場に立っていただいて、さっきいいましたように各所管もありますよね。総務局だって行政部、市町村課もある。こういうやっぱり実態的なものというのは、分かっているようで分かっていないんだよな。ぜひ連携を取ってくださいよ。
 重ねて、持続的な、いわゆるその三十市町村のこれら処理業の持続的事業運営を支えて、ある意味、後押しをしていっていただきたいと思うとともに、かかる対応をしていただくことを要望いたします。
 そして、引き続いて、太陽光のリサイクルについて、移らせていただきたいと思います。
 これはもう何回かお尋ねもしているんですけれども、二〇三〇年代の半ばに本格的な廃棄を迎えるというこの太陽光パネルですね。これはもういうまでもない。リサイクル問題というのはもう、まだ先だよと、まだ先なんだというお話もあるけれども、そうではないと思うんですね。
 これはどういうことかというと、これもお尋ねもしていますけれども、リサイクル施設が、東京の場合一か所しかないですよね。ほとんど他県に依存していますよ、これ。東京が条例を施行したんですよね。条例をつくったわけだ。そういう中で、当然にして、普及させていくことは、それはそれで方向性としてはそういうことでしょう。
 だけれども、いずれのいずれで、このリサイクル問題というのは今からも取組は始めていかなきゃいけないけれども、やっぱり他県依存なんだよね、率直にいって。自分のところ、条例までつくっておいて、相当の大量の廃棄が予想されるにもかかわらず、ほとんど他県じゃないですか、これ。
 多摩地域、多摩のことばっかりいって申し訳ないんだけれども、臨海のところまでどうやって運ぶかといったら、それは当然、様々なルートで運ぶんだけれども、ちょっと遠いんだよね、これ。遠いですよ。少なくたって人口四百二十万だ。面積約、区部と対比して約三分の二の面積があると。そして、どうするのという感じなんですよ、多摩地域。東京にも一か所しかない。このリサイクル処理というのはどうやって円滑に適正処理ができるのかなということですね。これらのことを踏まえて、お願いします。

○木村資源循環計画担当部長 都は、パネルのリサイクルを促進するため、現在実施しております住宅用パネルのリサイクル費用への補助を来年度も継続いたします。
 また、来年度からは、都内でパネルのリサイクル事業に意欲を持つ事業者を後押しするため、リサイクル設備の導入に対する補助を新たに開始いたします。
 加えまして、廃棄場所からリサイクル施設への運搬効率の向上を支援するため、積替え保管場所の整備費用への補助も開始いたします。
 こうした取組によりまして、パネルの本格廃棄時にも対応できる効率的なリサイクル体制の構築を推進してまいります。

○こいそ(明)委員 いろいろご努力されているということも分かるわけなんですけれども、ぜひ、申し訳ないですけれども、やっぱり自区内処理というか、原則論もありますよね。やっぱりできるだけ効率的に、遅滞なく、出しやすいというか、いろいろと処理形態が円滑にいくように、やっぱり基本はより身近なところということじゃないかと思うんですよね。そういうことを踏まえて、今ご答弁もありましたので、そういう方向で進められるのかなということで、今日は受け止めさせていただきます。
 そして、その次世代のソーラーセル、新しいまた機種ができたのかなという感じもするんですけど、ペロブスカイトですよね、これ。国でもどこでもみんないっているペロブスカイト。東京都だけが次世代ソーラーセルというんですね。何かちょっと舌かんじゃうような感じなんだけれども、まあいいです。
 いずれにしても、このペロブスカイトかソーラーセルか、これがまた、はっきりいって、これ、前後しちゃいますけれども、ポリシリコンをあまり輸入しなくても、国内のいわゆる様々な原材料でこれができ得るということですから、これはもう人権関係からおいても、いろいろやり取りさせていただきましたよ。だけど、この次世代ソーラーセル、ペロブスカイトのやっぱり普及発展というのは、これも必要だなと思いますけれども、そうすると、今申し上げたこのリサイクル方法はやっぱり違ってくるんじゃないかと思うんですね。
 この辺りを踏まえて、今後の処理、まずは設備を整えていかなきゃいけないんでしょうけれども、これら、やはり将来に向けたリサイクル体制の構築、そして新たにこのペロブスカイト、次世代ソーラーセルの普及状況をやっぱりしっかり把握していただくことを要望させていただきたいと思います。
 それで、次に、ちょっと前後しちゃうんですけど、このいわゆるペロブスカイト太陽電池、次世代ソーラーセル、これは私たちの会派も求めてきたところでありますけれども、都はこれまで、実証実験や開発支援を行ってきましたけれども、これ、開発メーカーに対して支援を、さらに具体的な支援を送っていただきたい。こういうことを私どもの我が会派からいわせていただいて、それを実行していただいて、さらにこの普及発展促進につながっているようでありますけれども、いよいよ本年度、今年、国内メーカーから製品化がいよいよなされて、まさに実装化の元年と位置づけられる年になったということであります。
 今後の普及拡大に向けた大きな一歩となる重要な年度を迎えたわけでありますけれども、これまで様々に、建物の壁や窓、そして様々、軽量ですしね。これ、用途というのは非常に多様的に使えるという用途もある。先ほど申し上げた人権関係においても、これは非常に憂慮しなくて済むようなことも聞いておるわけであって、産業振興の観点からも、これを大いにやはりさらなる開発、普及を求めるところであります。
 都は来年度から、都有施設への先行導入を具体的に進めていくと表明しました。導入に当たっては、今後の普及拡大につながる創意工夫すべき点があろうかと思いますけれども、都の見解を伺いたいと思います。

○小林再生可能エネルギー実装推進担当部長 都は来年度、複数の都有施設に、国内最大規模となる約百キロワットの導入を目指しております。都有施設への導入に当たりましては、都民や事業者等の認知度向上を図るため、スポーツ施設や公園など、都民の目に触れやすく、PR効果の高い施設等へ優先的に設置することを検討してまいります。
 今後、施工事例を蓄積し、都有施設への本格的な導入につなげていくとともに、民間事業者等と連携した広報キャンペーンを行い、早期の普及拡大に取り組んでまいります。

○こいそ(明)委員 この非常に期待をするところであるわけでありますけれども、大変優れた製品が出ると、期待でありますけれども、しかし、さりとてコストが高ければ、導入はなかなか進まない。これ、現実だと思うんです。
 コストを下げるには、これはもういうまでもない、量産化を進めることが不可欠であろうかと思います。開発事業者による投資をさらに促すためにも、多くの需要を創出することは重要です。
 東京はオフィスビルなどの建物が多く、導入ポテンシャルは非常に大きいと考えます。先ほどのご答弁で都有施設に率先して導入するとのことでありましたが、普及に向けた需要の拡大とコスト低減との好循環の実現を図ることは大切であろうかと思います。
 そのためには、将来需要の大部分を占める民間施設へのこの設置、そして、それに対する都は、強力なやはりこれに対する後押しをすべきと考えますけれども、都の見解を伺います。

○小林再生可能エネルギー実装推進担当部長 都は、今月末にロードマップを策定し、次世代型ソーラーセルの普及拡大を戦略的に推進してまいります。
 まず、当面の取組として、来年度は、民間事業者に対し設置経費の十分の十を補助するなど、集中支援を行い、初期需要を創出することによりまして、量産体制の構築を後押しいたします。その後、住宅やモビリティーなど幅広い用途への拡大を目指してまいります。
 国や企業など多様な主体と連携いたしまして、こうした取組を着実に進めてまいります。

○こいそ(明)委員 ぜひ、様々ないわゆる用途、需要を喚起するということは大切かもしれません。その中で当然、住宅もということになるわけでありますけれども、約一千四百万人の都民の皆さんが生活する東京。実際にいろんな建物あるわけでありますけれども、その需要をさらに拡大させるためにも、メディアを使ったPR及び住宅関係も対象とする具体的な用途対応というんですか、具体的にどうやって進めていくかということをさらに検討していただきたい。
 都が引き続き、次世代ソーラーセル、あえていわせていただければペロブスカイトの普及拡大に向けた取組をしっかりと進めることを強く要望して、次の質問に移ります。
 SAFですね。これはもう今すごいですね。いろんなところでいわれています。ジェット機を飛ばす。その燃料は何だと。えっ、あの廃食用油、これで何でジェット機の燃料になるんだ。こういう単純素朴な声も聞くわけでありますけれども、実際そうなんですね。
 このような中で、この廃食用油はいまだに捨てられる。家庭系からの話でありますけれども、そういうようなことがあるようであります。業界団体のデータによれば、事業用のものはほとんど回収されて再利用されているのに対して、家庭系のものは僅か四%程度回収されているという現状ですね。
 こうした状況の背景には、廃食用油が貴重な資源であることがまだまだよくよく浸透、知られていないことに加え、行政回収が行われていない自治体が存在する、地域に身近な回収場所がない、少ない。これらが挙げられるわけであると思います。
 そうした中で、この西東京ですね。西東京市は非常に回収率が高い。これは顕著な例だと思うんですよ。これはしっかりと、やっぱり今申し上げたようなことの対応がなされていることの一つの表れではないかと思うんですね。
 そうした中で、先日、都のプレスでは、世界陸上を契機として、SAF、廃食用油の回収キャンペーンを展開する。また、それに当たり、世界陸上財団ですかね、との協定を締結したとのことを聞きました。
 多くの都民に廃食用油の有用性、これをさらにさらに認識してもらう、その機会ではあろうかと思いますけれども、これだけではないんじゃないですか、もっともっとやるべきこと。一つの大きなイベントでありますし、それはもう好機だと思いますけれども、今後どのように取り組んでいくのか伺います。

○宗野資源循環推進部長 都はこれまでも、家庭からの廃食用油の回収の拡大に向けて、企業や市区町村と連携した取組を実施してまいりました。
 さらなる回収拡大に向け、今月七日には、都と世界陸上財団が協定を締結いたしまして、廃食用油の回収の取組を加速させるため、連携して情報発信を行うことといたしました。
 具体的には、廃食用油回収キャンペーンとして、世界陸上のPR媒体による情報発信を行うほか、世界陸上の名称やロゴを用いたのぼり等の広報物を作成するなど、世界陸上の発信力を活用いたしまして、都民のSAFの認知度向上を図ってまいります。
 また、多くの都民が参加しやすいよう、市区町村と連携いたしまして、回収拠点の拡充を図り、オール東京での廃食用油回収ムーブメントを醸成してまいります。

○こいそ(明)委員 このキャンペーンで集められた廃食用油は、間もなく大阪で稼働する国内初の製造プラントに送られて、これでSAFとなる、SAFにするということのようであります。
 実際、羽田空港でも航空機に供給されるということのようでありますけれども、こうした点も分からないですね。我々が出したというか、回収されたこの廃食用油が実際上、このようなプラントで航空燃料になっていくと。それが実際、羽田空港でも、いわゆる給油されて、そしてジェット機が飛ぶんだと、実際飛んでいくんだと。こういうことのストーリーもやっぱりもっと伝える必要性あるんじゃないかと思うんですね。
 また、回収量の拡大を図る。これはもう当然ですけれども、市区町村と、これはしっかりと連携を取っていただきたいなと。この回収率を上げたり、いわゆる意識啓発といいますか、周知を広げる意味合いで、これはお願いであります。
 廃食用油の回収が根づいていけば、脱炭素に貢献するだけではなくて、下水道への油の流入によって起こる、いろいろ我々も心配することありますけれども、下水道管、これの腐食、それからまた、それを阻害する要因、要素。だからクリンカとか、何かこうできますよね。らしいです。いろいろね。防止することにも寄与します。こうした点も併せて、訴求力を高めていくようにお願いします。
 今回のオール東京でのキャンペーンは大変有意義なものだと思いますけれども、この取組を一過性、当然一過性にならないと思うけれども、一過性にしないでいただきたい。市区町村の回収をやはり、ここをさらなる意識というか、理解してもらうというか、そういうところにもより力点を置いていただきたいなと思います。要望いたしまして、次の質問に移ります。
 最後、もう一点だけ、これは家庭から出る、いわゆる粗大ごみ、家電、そういうのありますけれども、これは県外ナンバーだというふうにいわれているんですけれども、俗にいう不用品回収業者がチラシを配ったりなんかして、高齢者の方々が非常に特にターゲットになっているようなんですよ。最初の請求額と違って、積み込んだりなんかすると、これが何と三万円が三十万になるとか、いろんな事案がまだまだあるようなんですが、悪質事例がまだまだ後を絶たない。
 または、その買取りと見せかけて、別途、処理費、運送費などを請求してくる。初めは有価で買いますよと。有価だからいいじゃない。割とグレーなんだけれども、有価で買わなきゃいけない。でも、廃棄物処理法からすると、これ、適法ではないんですね。厳密にいうと。そういういろんな巧妙なというか、手口によって、いわゆる被害者が増えているんですね。
 ですから、そういうことの中で、何ていうのか、いたちごっこではないけれども、相当巧妙かつ法的にもかなり熟知に近いぐらい調べているようでありまして、例えば、地元の役所にこういう事案で困っているとか何か、どうにかしてくれといったとしても、何か駄目なんです。ほとんどが駄目なようなんですよ。そんなことはないんだけれども、本来は。所轄警察の方もなかなかという話も聞くんですね。中には。
 ですから、そういうことはやはりいろんなところで、東京全体の話なんですよ、これは。多摩地域だけじゃない。区部でも起きているんですよ、現実、日々。そういう中で、ぜひこれは許可業者が本来持っていなきゃいけない許可がないということも一点なんですけれども、よくよく産業廃棄物許可を持っているから。これ、違うんですよ、全然。根本的にいうまでもないですけれども。そういうようなことで、一般の方々って分からない。ということの意味合いの中で、こういう一種の詐欺まがい行為が横行しているということですね。
 ですから、ぜひ処理責任者は市区町村にあるとはいえ、広域的に営業というのかな、いろいろと展開をしているこの業者の指導を自治体に任せるのは、もうかなり限界があるんじゃないかなという声もあります。都として市区町村と連携して、不用品、これらの今申し上げたようなことに対して対応していただきたいなということを求めたいと思います。

○宗野資源循環推進部長 不用品回収業者につきましては、不当に高額な料金を都民に対して要求するケースもあることから、都は、消費生活総合センター等との連携により、悪質な事業者を把握いたしまして、事業の廃止や不適切な広告の是正の指導を行っております。
 都は今年度、行政書士会に対して、遺品整理から発生する不用品の整理に関する留意点等を解説する説明会等を開催するとともに、自治体職員向けの不用品回収業者対策の講習会ですとか、SNS等を通じた幅広い都民、事業者に対する注意喚起を実施しております。
 加えて、都内外の不用品回収業者に対して、四十三回の立入調査も実施しております。
 引き続き、違法な不用品回収業者に対して、市区町村とも連携しつつ、厳正に対処をしてまいります。

○こいそ(明)委員 今までも多摩の緑、いわゆるその緑の保全、人材育成を含めた様々な観点から、いろいろ質問、お尋ねしてまいりました。質疑をしてまいりましたけれども、ここで、局長にぜひ、今やり取りを含めたことに対しての、局長からのやはり思いというか、局長のやっぱりお気持ちというか、局長を先頭とする局の、これからのやっぱり対応していくその思いですね。決意というか思いをちょっと聞かせていただきたいと思います。

○須藤環境局長 二〇三〇年のカーボンハーフの実現まで、残すところ六年となった今、これまで以上に再エネの利用拡大と省エネの徹底を図るほか、持続可能な資源利用や緑の保全などに向けて、都内の自治体が一体となって施策を進めていく必要があると考えております。
 このため、都は、国内企業による実用化を見据えて、次世代型ソーラーセルの導入を積極的に進めるほか、太陽光パネルの設置だけではなくて、そのリサイクルを円滑に行う仕組みの構築についても取り組んでまいります。また、自然環境の保全にも精力的に取り組んでまいります。
 こうした取組の一翼を担っていただく市区町村に対しては、環境局だけでなくて、行財政部門をはじめ、施策を展開する上で密接に関わる庁内各部署と一緒にサポートを行うことで組織としての連携を強化し、取組の実現力を高めてまいります。
 あわせて、先ほど、我々の生活を支えていただくエッセンシャルワーカーの方々の厳しい現実を踏まえたご質問がございましたが、施策をいかに効果的に実現していくかは、まさに人にかかっていると思っております。そのため、市区町村の職員に対して、実務に生かせる知識やスキルを習得できる職層ごとの育成プログラムを展開し、事業を牽引する職員を育て、継続して能力を発揮していただけるよう支援をしてまいります。
 こうした取組を通じて、都内の市区町村と共に二〇三〇年のカーボンハーフ、そしてその先のゼロエミッションの実現を目指してまいりたいと考えております。

○こいそ(明)委員 ありがとうございました。市区町村の組織力の結集と担い手である人材の育成ですね。地域の持続的な環境行政の発展に、それはもうまさに寄与するものだと思います。
 とりわけ二〇三〇年カーボンハーフの実現、二〇五〇年にはゼロエミッション東京。これはもうまさに欠くことのできない、新しい時代を担う若手職員の育成や、組織や自治体を超えたつながりの強化、こうしたことを東京都が積極的に推進する。このことを強く要望いたしまして、質問を終わります。

○保坂委員 それでは、よろしくお願いします。まず最初に、来年度の予算にいよいよ入りましたゼロエミッション地区創出プロジェクトについてから伺ってまいります。
 都は、来年度新たに、都独自のゼロエミッション地区の創出に向けて、区市町村の面的な脱炭素化を支援していく事業を開始するということでございます。これまでの住宅や事業所などへの各種補助事業を通じた点での取組に加えて、各自治体の地域特性に応じた実効性の高い取組を面的に推進する新たなアプローチは、地域の脱炭素化を目指す取組としては大変重要な視点であります。
 そこでまず、このゼロエミッション地区の選定方法について伺います。
 都内の区市町村にはこうした面的な取組を進める意欲ある自治体が複数あることが想定ができます。本事業では四地区を支援の対象にするとのことですが、具体的にどのように選定を進めていくのか伺います。

○中島環境政策担当部長生物多様性担当部長DX推進担当部長兼務 本事業では、公募形式により、意欲ある自治体からの申請を広く受け付けてまいります。
 募集に当たっては、都としてのゼロエミッション地区の在り方を示すとともに、市街地、オフィス街など、複数のエリア別のモデルケース等を設定した上で、自治体の創意工夫あるアイデアを募ってまいります。
 また、次世代型ソーラーセルの設置や集合住宅の断熱改修等、都の重点施策を採択要件としながら、提案内容の先進性や実効性等を、外部有識者を含めた選定委員会において評価、選定してまいります。
 なお、自治体の検討状況に応じて申請がしやすくなるよう、募集時期を二か年に分けて実施いたします。

○保坂委員 二か年に分けて実施ということで、募集に際しては、都の重点施策と軌を一にした取組となるよう、要件などを設けているということが分かりました。また、四地区を複数年で募集するということで、申請自治体へも配慮がなされているとのことです。
 面的な脱炭素化には、自治体を中心とした企業、住民など多様な主体が関わることになりまして、その取組は一定程度の期間を要することが想像できます。区市町村だけでは人材、ノウハウなどでの課題などもありまして、選定をされても調整がなかなか思うように進まないということも想定ができます。そのため、選定してから自治体への継続的なフォローアップが重要になってくると考えますが、見解を伺います。

○中島環境政策担当部長生物多様性担当部長DX推進担当部長兼務 本事業では、自治体とエネルギー事業者、地域の企業や住民等の多様な主体による合意形成が図られるよう、協議会の設置、運営や実施計画の策定、その後の進捗状況に応じたサポートまでを伴走型で支援してまいります。
 また、一定のエリアで再エネ設備基盤インフラ等を整備する際に必要な経費の三分の二を上限十億円で最長五年間支援してまいります。
 こうしたソフト、ハード両面から、複数年にわたり継続的に支援していくことで、区市町村の地域特性に応じた実効性ある面的取組を促進してまいります。

○保坂委員 必要な経費の三分の二、上限十億、最長五年間の支援ということで、かなりロングスパンのプロジェクトでございますけれども、このプロジェクトはその息の長い取組として、選定地区を複数年にわたり支援していくということでありますが、こうした地域の脱炭素化の取組には、脱炭素、エネルギーの視点だけではなくて、まちづくりなどの視点を組み込んでいくことは重要です。
 また、先進技術の実装に向けては、都内に集積する大学や研究機関、スタートアップの知見など、活用も期待ができます。環境局だけでなく、関連する各局と連携をしていただきながら、庁内横断で取り組んでいただくよう求めて、次の質問に移ります。
 続いて、環境性能の高い新築住宅の普及についてを伺ってまいります。
 住宅の高断熱化や省エネ化は、CO2排出量の削減だけでなくて、冬の寒さや夏の猛暑への対策としても大変重要です。都は、断熱、省エネ性能の高い住宅の普及を図るために、東京ゼロエミ住宅事業を実施しておりまして、今年度十月からは基準の見直しが行われております。
 そこでまず、今年度の実績について伺います。

○関建築物担当部長 東京ゼロエミ住宅について、今年度は、令和七年一月末時点で約七千五百件の申請があり、昨年度同時期の約六千四百件を上回っております。
 このうち、令和六年十月から開始した新基準による申請が約一千件となっておりまして、その内訳を見ますと、新たに設けた最高水準である水準Aが全戸数の約四五%となっているほか、水準Bが約四一%、水準Cが約一四%となっております。
 なお、水準Aは基準見直し前に上位一〇%程度が達成していた性能でございます。

○保坂委員 水準A、B、いわゆる厳しい水準のところがもう九割近くを占めるようになってきたということで、この基準の見直し以降、新築住宅の環境性能が大きく引き上げられていることが分かりました。
 都は、十月の新基準開始に合わせて手引を公表するなど、東京ゼロエミ住宅の普及に努めておりますが、さらなる活用を促していくために、高断熱化や省エネ化によるメリットをより分かりやすく発信していくことが重要だと考えますが、都の見解を伺います。

○関建築物担当部長 都は、今年度の夏季と冬季に実物件の電気使用量や室内温度等を測定し、一般的な住宅との比較によりメリットを検証いたしました。その結果、太陽光発電設備及び蓄電池を設置し、EVを使用している事例では、光熱費等を年間約三十万円削減できておりました。
 また、就寝時にエアコンを停止しても、翌朝まで快適な室温を維持できるなど、高い断熱性能の効果が発揮されており、これらを実測事例集として取りまとめ、先週公表いたしました。
 今後、手引や実測事例集を地域工務店等に配布し、都民への説明等での活用を促すとともに、令和七年度には新たに動画も作成し、発信を強化してまいります。

○保坂委員 実測事例集、非常に分かりやすいと思いますので、ぜひ積極的に進めていただきたいと思います。また、動画も配信するという答弁もいただきました。
 これから住宅を建てようとする都民の方々にとって、実際の住宅におけるデータを知ることができるのは大変分かりやすく、安心感にもつながります。ゼロエミ住宅を建ててみようという動機づけになるのではないかと考えます。
 また、顧客への説明資料を独自に作成することが難しいんだという地域工務店などにとっては、このようなツールは大変便利であるので、事業者に対する支援としても効果的と考えます。
 ゼロエミ住宅の普及には、高断熱で高い省エネ性能を有する住宅の建設に対応可能な地域工務店をしっかり育てていくことが重要です。また、普及に伴って太陽光パネルの設置が増えてくると、施工の人手不足というものが課題となってくることも考えられます。
 そこで、事業者の声も踏まえた上で来年度取り組んでいくべきと考えますが、現在の地域工務店向け支援の状況と併せて、都の見解を伺います。

○関建築物担当部長 都は令和五年二月から、地域工務店等における環境性能の高い住宅の設計、施工など、技術向上に向けた取組に対して、必要な経費の三分の二、年間百万円を上限として助成しておりまして、これまで二十三件の取組が申請されております。
 業界団体等からは、より環境性能の高い住宅の建設に当たっては、自前での技術習得が難しく、先行する技術力に秀でた事業者が開催する勉強会への参加等が不可欠であると聞いております。
 そこで来年度は、東京ゼロエミ住宅を新たに建設する事業者に対して、上限額を年間二百万円に増額し、より専門性の高いセミナーの受講等を支援することで、東京ゼロエミ住宅のさらなる普及を目指してまいります。
 さらに、業界団体等とも連携し、住宅用太陽光パネルの施工事業者を支援対象に加え、パネル設置に必要な資格の取得を支援すること等により、施工の担い手を増やしてまいります。

○保坂委員 かなり来年度から手厚く支援をしていくということで、ぜひ結果に結びつけていただきたいと思います。今の答弁で、地域工務店向けの支援制度の拡充について確認をさせていただきました。環境性能の高い住宅の担い手を広げていくためにも大変重要な取組だと考えます。
 引き続き、事業者や業界団体の声も耳を傾けながら進めていかれることを求めます。今後の都の施策に期待をして、次の質問に移ります。
 続いて、東京ゼロエミポイント事業について質問をしてまいります。これも毎回聞かせていただいております。
 都内エネルギー消費量の約三割を占める家庭部門において、省エネ家電への買換え、都民が日頃、暮らしの中で取り組める効果的なこうした取組であります。昨年十月には事業がリニューアルされて、販売時の値引き方式への申請方法の変更による手続の簡素化、長期使用家電へのポイントが上乗せ、新規購入時も対象にされるなど、支援が拡充されたことは評価をいたします。
 そこで、事業開始以降、年末年始なども含めて大変好調であったと聞いておりますが、事業を実際に利用した方からどのような声が寄せられたのか伺います。

○荒田気候変動対策部長 新たな事業におきましては、購入時に店舗で直接値引きを行う方式へと変更したことで、申請が手軽に負担感なくできたとの声が寄せられております。
 また、製造から長期間経過したエアコンや冷蔵庫の買換えにつきましては、付与ポイントが最大八万円と大幅に拡充されたため、この機会に買換えをする決断をしたといった声や、新規に家電を購入する際にもゼロエミポイントを利用できるようになったことで、より省エネ性能の高い機種が購入できたという声が届いております。

○保坂委員 今答弁いただきましたように、ポイントの引上げがまさに都民の省エネ行動を後押ししているという結果につながっていると考えられます。今後も身近な場所でこの事業のPRを見聞きする機会が増えると、さらに多くの都民に事業を知っていただき、件数もさらに伸びていくと考えます。
 そのためには、店頭でのPRだけでなく、都民に身近な存在である区市町村ともしっかりと連携を進めていくべきと考えますが、今後どのように周知に取り組んでいくのか伺います。

○荒田気候変動対策部長 都はこれまで、店舗と連携したPRのほか、区市町村に対し、本事業の広報協力を呼びかけておりまして、区市町村の広報紙やホームページ等への掲載や、区市町村施設でのチラシの配布などにご協力いただいております。
 今後、事業のポイントを分かりやすくまとめたPR動画を作成し、区市町村のイベントや施設等において幅広く発信するなど、区市町村と連携しながら、都民が身近な生活圏の中で事業の情報を見聞きする機会を増やしてまいります。

○保坂委員 今答弁いただきましたように、PR動画を発信されるとのことで、期待をしております。今後もこうしたツールを使って、より多くの都民に省エネ効果や支援の内容が伝わるよう、都民に身近な存在である自治体、区市町村などともしっかりと連携をしていただくことを求めておきます。
 また、この事業をPRする時期、タイミングについても、例えば夏前のクーラー需要が高まる時期を狙うなど、より効果的なPRをお願いいたします。
 続いて、区市町村のZEV導入について質問してまいります。ゼロエミッションビークルですね。
 東京都は二〇三〇年までに、乗用車の新車販売数において、ZEVをはじめとした非ガソリン車の割合を一〇〇%とする目標を掲げておりまして、二〇二三年度にはその割合が六割を超えたと聞いております。その目標達成に向けて、地震や近年増加する集中豪雨などの自然災害を踏まえて、災害時の非常時の電源としても活用可能な電気自動車という視点を持って、ZEVの普及をさらに進めていくことが重要と考えます。
 これまでも都は、区市町村施設へ再エネ設備や蓄電池の導入を支援しており、レジリエンス強化に取り組んできましたが、区市町村の庁有車へのZEV導入について、一層の支援を実施すべきと考えますが、見解を伺います。

○荒田気候変動対策部長 都は、区市町村等が所有する庁有車のZEV導入につきまして、平成二十六年度から燃料電池自動車への補助を実施し、普及拡大に取り組んでまいりました。
 来年度は、災害時にZEV庁有車を活用して給電活動を行うなど、災害対応力強化に取り組む区市町村等に対し、電気自動車やプラグインハイブリッド自動車、外部給電器の購入に要する経費の一部を補助いたします。

○保坂委員 来年度からは、燃料電池自動車だけでなくて、電気自動車やプラグインハイブリッド自動車にも補助が拡充するという答弁をいただきました。環境対策として導入するだけではなくて、それが災害対策としても一層活用されることを望みます。
 続いて、電動バイクの普及啓発の取組についても伺います。
 最近では、都内で電動バイクに乗った郵便配達員をよく見かけるなど、電動バイクの普及が着実に進んでいるものと実感をしております。一方で、令和七年、今年の十一月の排ガス規制に対応するため、原付種、いわゆる五十ccバイクの生産を終了するメーカーもあると話を聞いております。
 そこで、このような改正などを契機として、都民が日常生活で気軽に利用ができる電動バイクのさらなる拡大に向けて、一層の支援や普及啓発に取り組むべきと考えますが、見解を伺います。

○荒田気候変動対策部長 電動バイクの普及促進に当たりましては、購入時の負担軽減を図るため、令和元年度から個人への補助を実施するとともに、主要な販売店を通じて、来店者に補助制度の周知を図ってまいりました。
 来年度は、新たに専用充電器の購入やバッテリーシェアリングサービス料の補助を実施するとともに、都民に身近なイベント等を活用して、メーカーと連携した電動バイク等の展示を行い、環境性や静穏性など、優れた点のPRに努めてまいります。
 これらにより、都民に電動バイクの魅力を直接体感していただく機会を提供いたしまして、普及拡大を後押ししてまいります。

○保坂委員 都民が電動バイクを実際に見て、環境性能なども踏まえ、購入の判断ができる機会が増えることは大変意義深いことだと思います。引き続き、ZEVや電動バイクを取り巻く状況も踏まえて、補助制度や普及啓発の在り方を見直して、脱炭素化の取組を加速していくよう求めておきます。
 また、つけ加えておきますが、電動バイクといっても、自転車か電動バイクか分からないものが今かなり都内でも走っておりますので、警視庁とも連携をして、ここら辺の補助、間違っても行かないように、業界団体とも連携してやっていただきたいと思います。
 次に、フロン対策について伺ってまいります。
 フロンは、都内の温室効果ガス総出量の約一割に及んでいることから、我が会派は、先日の予算特別委員会において、AIなどの先進技術を積極的に活用し、対策を強化していくべきだと主張してまいりました。
 都からは、AIなどを活用した遠隔監視技術の実装や漏えいリスクを判定するシステムの構築など、取組を加速していくという前向きな答弁がありました。今回、こうした取組の具体的な内容について質問をしてまいります。
 まず、都は令和四年度から、AIなどを活用して漏えいを早期に検知する技術を実証する事業を事業者との協働で行っておりますが、実証により得られた結果とその効果をどのように発信したのか伺います。

○戸井崎環境改善部長 これまで六事業者と連携をいたしまして、AIを活用し、運転データ等から漏えいによる異常を判定する技術検証を行っておりました。漏えいの早期検知に加えまして、法定点検費用など、管理コストの軽減につながるということが分かりました。
 また、三〇%の漏えいがあった場合、消費電力が最大で五〇%以上増加するなどの結果が得られまして、早期漏えいの対応が消費電力の増加の抑制につながるということが確認できております。
 こうしたメリットを広く発信するため、危機管理者等に向け、セミナーを合計三回開催いたしまして、導入効果を紹介したほか、その場で個別に商談ができるブースを設置するなど、導入検討の後押しを行ってまいりました。

○保坂委員 まさにフロンを削減するということは消費電力も抑制できるという、こういったメリットがあるということをしっかりと都民に発信をしていただきたいと思います。
 使用時漏えい対策にAIなどの先進技術の導入は大変効果的であり、都はその実証や普及を積極的に進めているんだということが確認できました。
 しかし、物価や人件費の高騰に悩む事業者にとっては、技術導入に関わる経済的な負担などが課題となっておりまして、メリットの周知だけでは導入にはつながりにくいため、一層の踏み込んだ支援をこれまでも求めてきました。
 それを受けて都は、新たに技術を導入する事業者に対し、経費の一部を支援していくという事業を開始をするとのことですが、その詳細について伺います。

○戸井崎環境改善部長 都は、今回の技術実証を受けまして、AI等を活用した漏えい監視技術の導入支援を令和七年度から新たに開始をいたします。
 支援の対象となる機器は、主にノンフロン機器への代替が困難な空調機器でございまして、経費につきましては、都が指定する要件を満たした遠隔監視技術の機器購入費や設置工事費に加えまして、さらに一年間の通信に関わる経費やサービス利用料等を含めた支援というふうにいたします。
 中小企業等に対しましては、経費の三分の二、最大六十七万円の支援を行うほか、機器を多く保有する大企業に対しましても、フロン削減計画等の公表を要件といたしまして、経費の二分の一、最大五十万円の支援を行ってまいります。

○保坂委員 大きい企業にも支援をしていくんだということは、すなわち、大きい企業はたくさんのフロンを出すということでもありますので、そういった点も含めて、こういった、より一層踏み込んだやり方というのは評価ができると思っております。
 新技術の導入当初は機器に関わる情報も少なくて、価格も高価であるため、導入を検討する事業者は少ないと考えられます。都による普及啓発、支援を行うことで活用が進んで、フロン排出削減につながっていきます。ぜひこうした取組を継続していただくことを求めておきます。
 都内には、フロン冷媒を使用した空調設備や冷凍冷蔵設備が多く設置されており、こうした機器が適切に管理されているかなどを確認するため、都は、フロン排出抑制法に基づく立入検査を実施しております。
 そこで、立入検査を効率的に行っていくため、このAIなどを活用したシステムを構築していくべきだと考えますが、見解を伺います。

○戸井崎環境改善部長 これまでの立入検査では、機器管理者が提出した保有機器リストを職員が分析をいたしまして、機器の設置年数や漏えい実績などを比較して、重点的に検査をする機器を選定してまいりました。
 来年度は、こうした機器選定の効率化を図るため、データから学習して自動的に精度を高めるAIの機械学習を活用してまいります。AIなどの活用に当たりましては、これまでの都による立入検査の結果と、民間機関が保有しております機器管理状況のデータを活用いたしまして、大量のデータから学習させることでシステムの実効性を高めてまいります。

○保坂委員 フロン対策は、二〇五〇年ゼロエミッション東京の実現に向けても、もはや避けられない分野です。効率的かつ着実に成果を上げていくためには、AIなどの先進技術の活用は欠かすことはできませんので、今後もこうした先進技術を積極的に活用され、目標達成に向けた歩みをさらに加速していただくことを求めておきます。
 続いて、熱中症対策について伺ってまいります。
 昨年四月の改正気候変動適応法の施行により、暑さからの避難施設として、区市町村が指定するクーリングシェルターの制度が創設されました。
 そこで、昨年六月の定例会において我が会派は、クーリングシェルターの設置を進めるに当たって、誰もが利用できるよう取り組むべきと指摘をしました。そして、昨年夏における都内の指定数は千五百二十五施設と進んでおり、一定の取組が確認できます。しかし、その大半が公共施設の指定にとどまっているとのことであります。
 そこで、これからは公共施設だけでなく、民間施設についても促進していくべきと考えますが、都の見解を伺います。

○関建築物担当部長 都は、自宅から近く、誰もが利用しやすい公民館等の公共施設を、地域の実情に応じ、原則クーリングシェルターとして指定するよう区市町村に促しております。
 また、区市町村に対し、公共施設や民間施設のクーリングシェルターにおける熱中症対策に資する備品の調達を支援するとともに、施設の設置、運営に関する好事例等を周知いたしました。
 二〇五〇東京戦略(案)では、クーリングシェルターの政策目標として、二〇三五年に三千施設としております。今後は、目標達成に向け、民間施設の指定についても拡大していくため、業界団体等に協力を呼びかけていくなど、取組を強化してまいります。

○保坂委員 スーパーマーケットといったところなど、区市町村をまたぐチェーンストアなどについては、都による業界団体への働きかけが効果的です。都の取組に期待をいたします。
 次に、子供のクーリングシェルター利用についても伺います。
 子供は体が小さいため、熱中症の影響を受けやすいといわれております。そこで、子供にもクーリングシェルターの存在をしっかりと教えて、放課後などに利用してもらうことが重要です。
 子供の利用も含めたクーリングシェルターの利用促進の取組についても伺います。

○関建築物担当部長 クーリングシェルターの利用を促進するため、都は、ポスター、チラシ、SNS等を活用した周知を行うとともに、東京都防災マップ等に掲載することで、施設の位置を分かりやすく案内しております。
 また、子供は外気温の影響を受けやすいなど、熱中症のリスクが高いことから、子供向け環境情報紙での周知や、子供政策連携室など、関係局と連携した周知などによりまして、子供のクーリングシェルター利用につなげてまいります。

○保坂委員 今、関係局と連携をして周知をしていくんだという答弁をいただきました。学校の登下校時での暑さからの安全確保に向けて、しっかりと取り組んでいただくことを求めておきます。
 続いて、世界陸上におけます暑さ対策の取組についても伺います。
 今年東京で行われます世界陸上は九月に実施されますが、まだまだ暑い時期です。観客の熱中症対策が大変重要です。
 そこで、競技場における暑さ対策は、運営組織である東京二〇二五世界陸上財団が行うとのことですが、環境局が行っていく世界陸上における暑さ対策についても伺います。

○関建築物担当部長 環境局では、世界陸上のマラソン競技における暑さ対策として、様々な媒体を活用した熱中症対策の普及啓発を行うとともに、沿道の観客向けにテント十か所、クーリングシェルター三か所を休憩スポットとして設置いたします。
 休憩スポットでは、暑さ指数の測定表示、冷風機の設置、給水等を行うことで、観客の熱中症を予防いたします。
 なお、給水に当たっては、マイボトルの持参を推奨するとともに、リユースカップを活用することで環境への配慮を行ってまいります。
 これらの取組を通じ、世界陸上が多くの来場者にとって、安心・安全なものとしてまいります。

○保坂委員 暑さ対策だけでなくて環境にも貢献していくという、そういったことですので、よい取組であると考えます。
 また、海外からの観戦者にも東京の暑さ対策がしっかりと認識していただけるよう、特に外国語の言語、こういったものを使ってしっかりと紹介していくことが必要です。ぜひこうした点も踏まえて、九月の大会本番に向けて、準備をしっかりと行っていただくことを求めて、次の質問に行きます。
 続いて、リチウム電池について伺ってまいります。
 私たちの身の回りにありますスマホ、モバイルバッテリー、携帯型の例えば扇風機などの製品に使われているのがリチウムイオン電池です。繰り返し充電ができて使うことができると。小型で高性能。私たちの生活を支えています。
 ただ、リチウムイオン電池による火災や事故は増加の一途です。先日、テレビで、都内の清掃工場でごみに混入したリチウムイオン電池を選別しているという様子を見ましたが、これまた大変で、多くの人の手で選別作業を行っております。なかなか取り切ることは簡単ではないことが一目で分かりました。やはり都民への注意喚起が何より重要になると考えます。
 そこで伺いますが、こうした中で、都は、「リチウムイオン電池 混ぜて捨てちゃダメ!」プロジェクトというものを今実施しております。普及啓発に取り組んでいるということですが、まずその取組実績について伺います。

○宗野資源循環推進部長 都は、昨年八月から、急増するリチウムイオン電池の火災事故防止のため、家庭や職場における捨てる際の注意点をしっかり認識してもらうことを目的といたしまして、プロジェクトを開始いたしました。
 具体的には、都内自治体のほか、ビルオーナーや商工団体、建設関係団体等と共に、共通デザインの注意喚起ポスターを作成いたしまして、連携して広報活動を推進してまいりました。
 また、十二月からは、分別の重要性や捨て方のポイントをコンパクトに分かりやすく伝える動画を作成し、トレインチャンネルで発信するほか、SNS広告を行い、これまでの再生回数は累計約六百六十万回となっております。
 さらに、リチウムイオン電池については問合せが多いため、ホームページも一新いたしまして、自治体ごとの捨て方の情報をはじめ、事故が多発している状況など、広く都民に分かりやすく普及啓発を行っております。

○保坂委員 動画再生が六百六十万回、半ばもうバズったということでありますが、リチウムイオン電池による事故をなくすために、こうしたプロジェクトを始めたことは大きな意義があり、評価をいたします。ただ、都民に分別行動が定着するには、ある程度時間がかかると思いますので、継続性を持って取り組んでいただきたいと思います。
 作成されたポスターは、私も拝見しましたが、リチウムイオン電池を使用した製品を具体的に例示しており、ほかのごみに混ぜて捨てると火災になるよということを視覚的に訴えるものであります。ごみを捨てる様々な場所に掲示をしていくことで効果が期待ができます。
 私自身も町内会の掲示板などに掲示をさせていただいておりますが、やはりごみを捨てる場所へのポスター掲示が効果があると考えます。オフィスビルや建設現場では、関係団体と連携をされてポスターの掲示が進んでいるということですが、都内には集合住宅も多くありますので、建物内のごみ置場にポスターを掲示して周知するのは有効的だと考えます。
 そこで、リチウム電池の混入をなくしていけるよう、集合住宅などを含めて、各家庭に対してきめ細やかな普及啓発が必要と考えますが、都の見解を伺います。

○宗野資源循環推進部長 都はこれまで、区市町村との共同検討会でポスターの広報素材の活用方法について検討を行いまして、各自治体の広報紙やごみカレンダー、ホームページ等、住民向けの様々な媒体への活用方法を周知するなど、自治体による普及啓発を促進してまいりました。
 今後は、自治体や関係団体とも連携をしながら、マンション等の集合住宅へのポスター掲示等の働きかけを行いまして、適切な分別を促進してまいります。

○保坂委員 ぜひお願いします。集合住宅のごみ捨場にポスターが掲示できれば、多くの方に注意喚起できますので、こうしたきめ細やかな、効果的な取組をぜひお願いいたします。
 リチウムイオン電池は、混ぜて捨てられると事故となり、厄介者ですが、しっかり分別して集められたリチウムイオン電池については資源化ができます。大変重要です。こうした中、都は、プロジェクトの第二弾として、広域的に回収をして資源化するモデル事業を今試行しております。
 そこで、これまでの取組状況と今後の展開について伺います。

○宗野資源循環推進部長 都は昨年十月から、各自治体により集められたリチウムイオン電池等について、広域的に回収して取りまとめ、資源化するモデル事業を試行的に実施いたしました。
 具体的には、七区六市、二つの一部事務組合の参加の下、効率的かつ安全に積込みですとか運搬ができるよう、人の手でも運べるペール缶を用いまして、衝撃を与えずに、また平積みができる車両で回収するということで、約十三トンの資源化事業者への売却ができました。
 今回の取組では、各自治体では回収量が少なくて買取りに至らないといったリチウムイオン電池等を広域的に回収することで、売却、資源化をすることができました。こうした成果を踏まえまして、区市町村と連携をいたしまして、身近にあふれておりますリチウムイオン電池を確実にリサイクルにつなげてまいります。

○保坂委員 厄介者のリチウムイオン電池ですが、分別がしっかりできれば資源となる。引き続き、私も応援してまいります。まだこの取組に参加する自治体は限られているということですので、今後着実に広げていくことを求めて、最後の質問に行きます。
 これまでの質疑で、ゼロエミッション東京の実現に向けて、都が様々な施策強化を図っていくことを確認させていただきました。世界のエネルギー脱炭素化の動向は、生成AIの爆発的進化、米国のパリ協定離脱、そうした不確実性を増しておる状況です。このような中でも、日常が危険にさらされるほどの暑さや、世界で頻発する大規模な山火事、気候危機がもたらす災害の脅威は深刻化しており、脱炭素化への歩みを進めることは都市の使命であります。
 二〇五〇年まであと二十五年です。取組は待ったなしの状況です。都は今般、二〇三五年までに、二〇〇〇年比で六〇%以上の温室効果ガスの削減を目指す新たな目標を掲げております。
 脱炭素社会を確かなものとするため、都は総力を挙げて取組を加速していくべきと考えますが、須藤局長の決意をお伺いして、質問を終わります。

○須藤環境局長 ただいま、委員のご指摘のとおり、脱炭素の取組はまさに待ったなしでございます。こうした状況において、都は今年度、都民の命と暮らしを守り、また持続可能な都市として成長していくため、専門家だけではなく、将来を担う若者との意見聴取などを重ね、二〇三〇年カーボンハーフと、その先も見据えた施策の強化を図ってまいりました。
 本日のご質問でも取り上げていただきましたが、今後、建物の断熱、省エネなどによるエネルギー効率の最大化を進めるほか、再エネの実装を加速するとともに、ゼロエミッションビークルの導入拡大やフロン対策の徹底などの取組を強化してまいります。
 さらに、区市町村とも連携した面的な脱炭素化を進めるなど、実効性が高い施策をスピードアップいたします。
 こうした取組を都民と事業者の皆様の共感と協働を得ながら推進するため、脱炭素に向けたビジョンと明確な道筋を示す新たな戦略を今月末までに策定いたします。あらゆる施策を総動員し、二〇五〇年ゼロエミッション東京を実現してまいります。

○小磯(善)委員 まず初めに、熱中症対策についてお伺いいたします。
 昨年十月のこの委員会で、区部の熱中症死亡者数、これは令和六年度の数値であると。ところが、多摩・島しょ地域は令和五年度の数値について答弁がありました。私、多摩・島しょにおいても令和六年度の数値を年内に発表できるように取り組んでもらいたいと(「何で出ないの」と呼ぶ者あり)この後。私は、多摩・島しょにおいても令和六年度の数値を年内に発表できるようにということを要望したわけでございます。
 そこでまず、昨年夏の都内における熱中症死亡者数について改めて伺います。

○関建築物担当部長 東京都監察医務院の速報値によりますと、昨年六月から九月までの二十三区における熱中症による死亡者数は二百六十二名でございます。
 また、多摩・島しょ地域の状況につきましては、昨年十二月に前倒しで速報値が公表されておりまして、同期間の熱中症による死亡者数は七十八名でございます。

○小磯(善)委員 これ、前倒しで速報値が公表されておりとありますけれども、ここでの質疑があって、それで、監察医務院を所管している保健医療局と調整をして、発表時期を早めていただいたということでございます。今後もこれは続くという認識でよろしいですよね。

○関建築物担当部長 引き続き、保健医療局と連携いたしまして、そういった時期に公表できるように対応してまいります。

○小磯(善)委員 そういうことでよろしくお願いいたします。
 次に、この夏における熱中症対策の呼びかけについてお伺いいたします。
 都民の熱中症予防は、夏になってから慌てて行うのでは遅く、早いうちから徐々に準備していくことが重要であります。
 そこで、夏に向けた早期の熱中症対策が必要と考えますが、都の取組を伺います。

○関建築物担当部長 都民の皆様に夏の暑さに備えていただくため、熱中症対策に関する講習会を四月から新たに十回程度開催いたします。
 講習会では、体を暑さに慣れさせるための暑熱順化について、気象予報士による講演を行うとともに、軽く汗をかくことが暑熱順化に役立つため、体操指導者による日常的に行える体操を受講者に紹介してまいります。
 また、エアコンの冷房効果を高めるための定期的なエアコン清掃や、室温上昇を抑えるためのグリーンカーテンのつくり方についても併せて啓発してまいります。
 これらの啓発内容については、熱中症対策ポータルサイトに掲載いたしまして、幅広く都民に伝えてまいります。

○小磯(善)委員 この暑熱順化というのは新しい言葉のように思いますけれども、これ、新しい言葉というか、あまり聞き慣れない言葉でありますが、体が暑さに慣れることということで、夏に向けて体が暑さに慣れるように訓練していくということであります。
 グリーンカーテンというのは、ゴーヤとか、アサガオとか、ヘチマとか、そういったもので熱を抑えるということでありますけれども、とにかく積極的な取組を要望したいというふうに思います。
 次に、夏本番になったときの暑さの状況に関する情報提供でございます。
 暑さ情報は、環境省がWBGT、暑さ指数の情報を提供しており、都内では十一地点におけるWBGTの実況と予測を行っています。
 また、環境省の熱中症特別警戒アラートは、十一地点全てにおいてWBGT三十五以上となった場合のみ発令されることになっており、全国で一度も発令されていないのが実情であります。
 しかし、区市町村や都民が自ら熱中症対策を行うに当たっては、よりきめ細かな暑さに関する情報を提供していくべきと考えます。都の取組を伺います。

○関建築物担当部長 都は来年度、新たに都内の暑さマップを公開することで、よりきめ細かな暑さ情報を発信してまいります。このマップでは、暑さ情報の実況値と予測値について、一平方キロメートルメッシュで一時間ごとに表示することにより、区市町村やその住民に対するリアルタイムな情報提供を可能といたします。
 また、都内一部地域において、過去に例がない暑さとなることが予測される場合については、都から区市町村に当該情報を迅速に伝達してまいります。

○小磯(善)委員 国よりも格段にきめ細かい情報を行っていくということで、予測値が一地点でもWBGTが三十五なら情報提供していくということで、大変よい取組だと思います。ぜひこの暑さマップを都民によく周知をしていただきたいというふうに思います。
 昨年十月の環境・建設委員会では、ここの施設がクーリングシェルターであるというのが高齢者の方にも分かるように、そういう紙というかポスターというか、貼っていただきたいと要望したところでございます。
 都は、せっかくクーリングシェルターの指定を増やしていく取組を行っているのですから、それを都民の皆様に利用していただくことが重要であります。クーリングシェルターの利用促進に向けた都の取組についてお伺いいたします。

○関建築物担当部長 都は、クーリングシェルターの利用を促進するため、ポスター、チラシ等を活用した周知を行うとともに、のぼりの設置など、クーリングシェルターの定着に向けた区市町村独自の取組を支援しております。
 また、施設がクーリングシェルターであることや、クーリングシェルターが暑さから避難する施設であることを表示するため、都が新たにステッカーを作成し、三月中に希望する区市町村に配布してまいります。

○小磯(善)委員 次に、洋上風力についてお伺いいたします。
 先般、都は、二〇五〇東京戦略(案)において、伊豆諸島海域に浮体式洋上風力のギガワット級ファームの導入を目指す旨公表いたしました。国において、洋上風力は再生可能エネルギーの主力電源化に向けた切り札とされており、エネルギーの大消費地である東京で大規模な脱炭素電源を確保できることは極めて重要な取組だと思います。実現に向けて頑張っていただきたいと思います。
 そこでまず、洋上風力が建設されるまでの基本的な流れについてお伺いいたします。

○小林再生可能エネルギー実装推進担当部長 いわゆる再エネ海域利用法におきましては、まず、洋上風力を実施する海域を選定し、都道府県がその情報を国に対し提供することとされております。提供した情報について、関係省庁との協議を経て、国、都道府県、関係市町村、漁業関係団体の利害関係者等で構成する協議会において、洋上風力導入の検討を行い、国が発電事業者の公募を実施いたします。
 選定された発電事業者は、国から三十年間の海域の占用許可を受けまして、環境影響評価等を行った上で、洋上風力を建設することとなります。

○小磯(善)委員 洋上風力が運転開始されるまで、その地域であったり、自治体であったり、都であったり、国であったり、様々な検討が行われることが分かりました。
 この事業を開始する上での都の関わり、これまで都が実施してきたこと、そして、来年度実施予定の内容についてお伺いします。

○小林再生可能エネルギー実装推進担当部長 洋上風力の導入に当たりましては、地域の方々のご理解、ご協力が必要であることから、昨年九月、各町村における検討会を設置し、意見聴取、検討を行っております。
 来年度は、伊豆諸島近海での漁業操業の実態調査を行うとともに、鳥類、コウモリ類、海生哺乳類の生息状況等の調査を実施いたします。
 あわせまして、洋上風力について、住民の方々へ分かりやすく情報提供を行うための広報物及び映像等を作成し、住民説明会で活用するとともに、将来を担う地元の子供たち向けの環境学習イベントを開催いたします。
 こうした取組により、地元の方々の理解促進を図ってまいります。

○小磯(善)委員 都が洋上風力の導入を目指し、様々な取組を行っていることが分かりました。地域の方々のご理解、ご協力が得られるよう、丁寧にしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 先日、物価高の影響により、洋上風力にまさに逆風が吹いている旨の報道がありました。現在検討を行っている伊豆諸島での洋上風力の導入に関して、その影響はないのか、見解を伺います。

○小林再生可能エネルギー実装推進担当部長 国は、近年の世界的な物価高騰に起因し、海外で事業の中断、撤退が生じていることから、国内において事業撤退等が生じないよう、公募に関する指針を改定する方向性を示しております。
 具体的には、落札した後の物価変動を反映できるよう、発電事業者が公募時に提示した電力の売電価格について、四〇%を上限に変更できることとしております。
 この仕組みは来年度の公募から適用される見込みであり、都といたしましても、こうした国の動向を注視しながら、洋上風力導入を目指した取組を進めてまいります。

○小磯(善)委員 物価高騰について対策が検討されているということでございます。この委員会でも長崎県の五島列島の洋上風力、浮体式の洋上風力を視察したところであります。都は、住民の皆さんが安心できるよう、正確な情報を伝えながら、洋上風力の導入に向けて着実に事業を進めていただきたいと思います。
 続きまして、東京ゼロエミポイントについてお伺いをいたします。
 CO2の都内排出量の三割を占める家庭部門において、省エネ家電への買換えを促進する東京ゼロエミポイント事業は、取り組みやすく、省エネ効果を実感しやすい有効な取組であります。
 都議会公明党はこれまで、この事業での支援の拡充を繰り返し要望し、都は、LED照明器具など、対象機器拡大やポイント引上げを進め、取組を強化してきました。
 さらに、昨年十月には、ポイント付与の仕組みを購入時に直接値引きを行う方式に変更するとともに、製造年から十五年以上経過した長期使用家電のポイントを大幅に引き上げるとともに、高効率な家電の新規購入も対象とするなど拡充を図りました。
 そこで、この拡充後の申請状況についてお伺いいたします。

○荒田気候変動対策部長 東京ゼロエミポイント事業につきまして、昨年十月の事業拡充以降、本年一月末までの申請実績は、エアコンが約五万四千台、冷蔵庫が約七万六千台、給湯器が約一万六千台、LED照明器具が約七万一千台となってございまして、全体で約二十一万七千台と、前年同期比約一・九倍と増加してございます。
 このうち長期使用家電の購入分につきましては、エアコン約三万二千台、冷蔵庫約三万八千台、新規購入分は、エアコン約三千台、冷蔵庫約七千台と、新たに拡充したメニューにつきましても、多くの都民の方々に活用いただいてございます。

○小磯(善)委員 以前は、LEDなんかを買おうとしたら、自分で手続が結構煩雑でありましたし、また、申し込んでからそれが来るまで結構な時間もかかりましたし、いただいたのが商品券という、そういうシステムでございましたけれども、今回この申請方法の見直しや支援の拡充が都民の省エネ家電の買換えに着実につながっていることがよく分かりました。
 一方で、私の周りでは、直接値引き方式になって簡単に手続ができるようになったことを知らないという方もおられます。本事業は都民にとっても、環境改善にとって有益な情報でありますので、事業の裾野をより広げるために、都民への分かりやすい周知が必要であると考えますが、見解をお伺いいたします。

○荒田気候変動対策部長 昨年十月の事業のリニューアル後に、新聞広告やインターネット広告など様々な媒体で周知を行うとともに、店舗でも積極的なPRが行われております。
 今後、店舗等と連携した事業PRをさらに強化するとともに、様々な都民向けイベントや、専用ホームページ、SNS等におきまして、手軽にゼロエミポイントが利用できることを分かりやすく周知してまいります。

○小磯(善)委員 新たなゼロエミポイント事業では、店舗を通じて申請をいただく形となるため、店舗に来てくださいというメッセージが伝わるとよいと思います。ご答弁いただいた周知の取組をしっかりと進め、より多くの都民の省エネ行動を促してほしいと思います。
 次に、地下水中の有機フッ素化合物、PFASについて伺います。
 来年度の予算が引き続いて、我が党の要望に沿って、都内全体の実態把握を進めるべく、追加的な調査実施分も含めて拡充されていることについて高く評価をしております。
 一方、国においては、水道水の水質基準への格上げに向けた検討をしているなど、PFASをめぐる状況が大きく変わってきておりますが、私がかねがね訴えてきた飲用による暴露防止の徹底の方針については変わっていません。
 都は、これまでも国が検討している以上の対応をしっかりとしていただいているものと考えておりますが、今年度と来年度の取組について見解を求めます。

○丹野環境改善技術担当部長 都は今年度、都内全域二百六十地点の地下水の調査を計画どおりに終了いたしました。また、都が行います追加調査を補完する八自治体に対しまして、計六十九地点の調査の費用及び三名の有識者の招聘費用を支援いたしました。
 都内全域二百六十地点の地下水の調査並びに都及び八自治体による追加調査の結果につきましては、本年度末に公表する予定でございます。
 さらに、環境中への新たな排出を防止するため、今年度から、民間施設のPFOS含有泡消火薬剤の交換費用を支援いたします新たな取組を開始しております。
 来年度も引き続き、これらの取組を、風評被害の防止にも配慮しながら、市区町村や関係団体とも連携いたしまして、着実に進めることで、都民の不安解消を図ってまいります。

○小磯(善)委員 我が党の要望に沿って暴露防止の取組と都民への情報発信が進められていることが分かりました。引き続いて、着実な対応をよろしくお願い申し上げます。
 最後に、フロン対策についてお伺いします。
 都は、都内フロン排出量の新たな目標として、二〇三五年までに二〇一四年度比七〇%削減することを提示していますが、これを実現するための重要な要素の一つが、廃棄時におけるフロン回収の徹底であります。
 昨年のこの委員会におきまして、私は廃棄時のフロン回収について質問したところ、都からは、質の高い回収技術を持つ事業者の認定制度を創設することで、業界全体のフロン回収技術の向上を図っていく旨の答弁がありました。
 制度創設に向けた取組は今年度から開始するとのことでありましたが、現在の進捗状況等について説明を求めます。あわせて、来年度はどのような取組を行う予定なのかについて見解を求めます。

○戸井崎環境改善部長 今年度は、フロン回収率の向上に積極的な事業者へのヒアリングを実施いたしまして、回収機器の保有状況や回収時の作業内容などの実態把握を進めてございます。
 また、民間機関が保有しておりますデータを活用して、業務用機器別のフロン回収率等を分析するなど、認定制度の創設に向けた基礎調査を実施しております。
 来年度は、こうした基礎調査の結果を参考に、本制度の評価項目などを具体化し、試験運用を開始いたします。あわせて、制度の試験運用を通じて、評価項目などの実効性を検証いたしまして、ブラッシュアップすることで、今後の本格運用につなげてまいります。

○小磯(善)委員 この回収業者の技術力認定制度の創設に向けて取組を着実に進めていることが分かりました。こうした制度は実績が豊富な事業者だけが評価されるのではなく、新たに登録する事業者であっても、フロン回収率の向上に取り組めば評価されるような仕組みにすることが大切です。
 都は、来年度から制度の試験運用を開始するようでありますが、業界団体との連携を密にして、事業者の声も聞きながら、評価項目等の検証に取り組んでいただくことを要望して、私の質問を終わります。

○曽根委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後三時五分休憩

   午後三時二十分開議

○曽根委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○原委員 日本共産党の原純子です。よろしくお願いします。
 まず最初に、羽田新飛行ルートの騒音問題について伺います。
 羽田新ルートが強行されてから五年、航空機が毎日毎日住宅の上空を飛び、住民に騒音被害などの負担を強いています。
 江戸川区上空は、北風時、荒川沿い離陸便ルートの開始以前から、南風悪天候時離陸便が飛行しており、両方の飛行ルートが重なる地域では、早朝六時台から午前中いっぱいと、午後三時以降、夜十時過ぎまで断続的に飛行が続いています。
 特に朝七時台が一番多く、轟音が通り過ぎたと思ったら、間もなく再び航空機が近づいてくる。二、三分に一回の頻度で、一時間に二十便前後が通過をするという実態です。
 昨年、荒川上空を航空機がしばらく飛ばなかった時期があったのをご存じでしょうか。一年前の一月二日、羽田空港で日航機と海保機の衝突事故が起こりました。C滑走路が閉鎖され、C滑走路から離陸する荒川ルートはしばらく飛びませんでした。
 荒川に隣接する住宅地、清新町に住む友人は、新ルート運用以前は毎日こんなに静かな環境だったのですね。欠航便が続き、不便で困っている方は少なくないはず。早く通常運航にという気持ちもあるけれども、同時に、この静かな環境をずっとの思いも混在していると語ってくれました。
 そして、静かな時間を取り戻したいとの思いとともに、今回、羽田空港の増便、過密化が重大事故の背景にあることが明らかになったわけです。これは、新ルート下に住む住民にとっては恐怖でしかないです。絶対に起きてはならない事故であり、被害者のご冥福をお祈りするとともに、羽田機能強化の根本的な検討の必要性が浮き彫りになったといえると思います。
 国の動きを見ますと、固定化回避に係る技術的方策検討会は、昨年十二月に二年四か月ぶりに開かれましたが、北風荒川沿い新ルートについては何らの提案もありませんでした。
 都は、令和二年、二〇二〇年から羽田新飛行ルートに伴う航空機騒音測定を行っていますが、江戸川区上空を通過する航空機の令和二年度、二〇二〇年度と令和五年、二〇二三年度の騒音発生回数と測定値はどうなっていますでしょうか。

○戸井崎環境改善部長 江戸川区内の航空機騒音の測定結果についてでございますが、年間騒音発生回数は、令和二年度は四千百二十七回、令和五年度は二万五千三百八十二回となっております。
 また、航空機騒音の環境基準であります時間帯補正等価騒音レベル、いわゆるLdenの年間測定値でございますが、令和二年度は四十デシベル、令和五年度は四十六デシベルでございます。
 なお、環境基準が適用される指定地域における住居系地域の環境基準値は、年間のLdenで五十七デシベルでございます。

○原委員 東京都は、北風運用について、新ルート運用の最初の年から小松川第二中学校、その後、江戸川区小松川図書館に移して計測を続けていますが、最初の年はコロナ禍でしたので、国際便など便数が少なくて、令和二年度は騒音発生回数が四千百二十七回でしたが、これに対して令和五年度は便数も回復し、二万五千三百八十二回と六倍になっております。
 江戸川区では、南風悪天候時着陸ルートも通過する清新町コミュニティ会館で測定をしています。高度も異なる小松川と騒音回数は一致しませんが、令和五年、二〇二三年度の騒音発生回数は三万六千五百十五回になっていまして、新ルート運用前の四・三倍になっています。
 昨年、航空機の都心低空飛行問題に取り組む江戸川区の市民団体が、新ルートの区内の影響地域にアンケートを配布したところ、百通を超える回答があり、うるさくて騒音が気になるが六四・六%あったそうです。
 声を紹介します。休日の早朝にうるさくて目が覚める。夏など、テレビの音が全く聞こえなくなる。在宅ワークでオンライン会議の雑音となっている。早朝から夜中も、特に午前中はひっきりなしの騒音に大変苦しんでいる。音だけではなく、体に響き、耳鳴りを患うようになった。うちは最上階なのでとんでもなくうるさいです。前と同じ滑走路を使っているのだから、ルートも前のまま海上ルートでよいではないかなどの声が寄せられたそうです。あまりにもうるさくて転居せざるを得ないと考えているという声もありました。
 地元の住民団体は、対面での教室型の説明会の要請を国に対し求めるよう区議会に陳情を出しています。都としても、国に対し、ルート下自治体での説明会の開催を求めてほしいと思います。
 騒音測定を区と都と国がおのおので実施するだけではなく、それが都民の生活に与える影響を分析、評価し、新ルートの是非について議論することを求めるものです。悪化した住民生活環境の改善に取り組む責任は都にもあります。地元住民の声を受け止め、取り組んでいただくよう求めるものです。
 次に、神宮外苑の樹木について伺います。
 神宮外苑再開発により、神宮第二球場跡地の樹木と建国記念文庫の森の二分の一に当たる、百年かけて根づいた樹木の伐採と移植が昨年十月二十八日から突如強行をされました。現在に至るまで、連日、市民が監視行動を行っていますが、伐採はほぼ予定に沿って実施され、移植も行われている最中です。ご存じのとおりと思います。
 環境破壊の再開発に対し、強い抗議が全国から発信をされ、国際団体であるNGO国際記念物遺跡会議、イコモスからもヘリテージアラートが出され、専門家の本再開発への批判が多くある中、その全てを無視して、樹木伐採と移植の環境破壊を事業者が公然と行ったことは断じて許されないことです。
 昨年十月三十一日、私は事務事業質疑で、この工事による伐採、移植本数を確認しました。新ラグビー場敷地における既存樹木、高木は二百五十六本、うち伐採七十一本、移植九十三本で、六四%が現地から撤去される計画であり、うち、建国記念文庫の森にある既存樹木は百四十二本、伐採は二十三本、移植は四十四本で、四七%、約半数が撤去との事業者報告を引用しての局の回答でした。
 樹木撤去工事はほぼ収束に向かっているとのことなので、神宮第二球場跡地と建国記念文庫の森の既存樹木二百五十六本のうち百六十四本、六四%の樹木がこの地から撤去されたということです。
 樹木の移植先での状態についてお聞きします。移植先の一つ、御観兵榎の森は環境影響評価の範囲に入っていないのですが、移植先での健全な樹木の安全はどのように保障されるのでしょうか。お願いします。

○長谷川政策調整担当部長 事業者は、樹木医とも相談の上、事前に移植先の状況を確認し、十分に樹木同士の離隔が確保でき、日照条件も問題のない場所を選定しているほか、移植後は、かん水と併せて除草を行った上で、樹木医による毎年度のモニタリングを行うなどとしています。こうした移植計画は環境影響評価審議会へ報告され、委員による専門的立場からの助言などをいただいています。

○原委員 今、事前に移植先の状況を確認、十分に樹木同士の離隔が確保、日照条件に問題のない場所を選定したと答弁をされました。ですが、残念ですが、実際はそうはなっていないという樹木の専門家から厳しい指摘がされているのもご存じだと思います。無視することは許されません。
 環境植栽学が専門の藤井英二郎千葉大学名誉教授が、樹木の移植先である御観兵榎エリアを視察しました。昨年のことですが、本移植先の一つで、太く成長した木々が数メートルから十メートルほどの間隔で生い茂る樹林の間に、支柱で支えられたヒトツバタゴ、スダジイなどが移植された現地を見た藤井氏は、既に樹木が込み合っていた地点に移植している、木々が競合し、移植木にも既存の木にもダメージになると述べました。地中は木々の根っこだらけのはず、こういうところに移植したのだから、既存の木の太い根を切断せざるを得なかっただろう、競合した木々は年月をかけて衰弱していくと指摘をされています。
 私も現地を見てきましたが、御観兵榎の森には本当に立派な大木が大地にどっしどしと根づいているすばらしい森です。移植木が入ってきて、既存の木がダメージを受けるようなことがあってはならないと危機感を持ちました。
 市民からは、事業者が途中で伐採本数を減らして移植本数を増やしたり、仮移植を変更し、本移植を増やしたことについて、土壌の状況などの十分な分析のないまま本移植してしまう問題があるとの指摘がされました。
 もう一つの移植先、テニスコート予定地の東側については、樹木配置図が公表されていないということも問題だと指摘をしていました。
 この間、事業者が強行した樹木の伐採工事は都民の強い怒りを引き起していますが、外苑再開発計画による樹木の伐採本数は六百十九本、移植二百四十二本、これが事業者から出された計画ですから、高木の伐採は計画全体から見たら、今、一一%くらいで、これからまだまだ、あの痛々しい樹木伐採工事が行われる計画になっています。本当にこのまま樹木の撤去を進めてよいのかどうか。一旦立ち止まり、検証が必要だと考えます。
 建国記念の森と明治神宮第二球場跡地にあった樹木の伐採、移植による損失について、専門的な調査と評価をすべきではないでしょうか。伺います。

○長谷川政策調整担当部長 事業者は事後調査報告書において、文化交流施設棟周辺及び中央広場周りに建国記念文庫の樹木の移植や、同様の樹種の新植を行うことにより、建国記念文庫の樹林及び生態系を復元する計画であるとしています。

○原委員 今答弁にありました、同様樹種の新植により、建国記念文庫の森の樹林及び生態系を復元する予定という言葉、本当に驚きです。これだけ文庫の森の樹木をばらばらに散らしておいて、本当によくそういう言葉が出てくるなと思ってしまいます。伐採したけれども、また新たに植えればいいではないかという考え方がこれまでも事業者の樹木に対する物扱いの捉え方で、本当に深刻です。
 木には尊厳があるとは、さきに紹介した藤井英二郎先生の言葉です。建国記念文庫の森の歴史は神宮内苑と共にありまして、百年かけて自然林への変遷、遷移をしてきました。今の生態系を形づくってきたわけです。
 長い年月を経てつくられた生態系をそんなに簡単に復元できると思っている事業者に、都はお任せをしていいんでしょうか。都民に対してこんな取り返しのつかないことを強行してしまったことの損失についての専門的な調査と評価を都として行うことを求めるものです。
 切ってしまった木は戻りません。都には工事を認可した責任があります。地域住民、都民に対してやってしまったことの評価ぐらいは都が取り組み、公表すべきではありませんか。
 答弁は、事後調査報告書で後追いするとのお答えでしたけれども、行われた工事による損失について、調査と評価を専門家に依頼すべきとの趣旨です。ぜひご検討ください。
 港区道等のいちょうの移植検討のための調査についてという文書が本年一月二十七日付で事業者から公表されました。十九本の移植を検討するに当たり、まず、イチョウ二本の根や土壌の現況を確認した上で、樹木周辺の一部の根回しと樹勢助長措置を試験的に実施する。その後、数年にわたり維持管理と継続調査により、根回しや樹勢助長措置の効果を検証した上で、残りの十七本を含む十九本に対して最適な樹勢助長措置を実施し、さらに、全十九本を対象に維持管理と継続調査を行い、その結果を踏まえて移植を検討しますというふうにあります。
 現地を見てきましたが、十五番と二十二番の二本のイチョウに囲いがされ、調査の跡が見られました。調査は、現況確認と樹木周囲の一部の根回しの調査、二月に既に終えていると聞いておりますが、本調査の事後調査報告書はいつ提出されるのでしょうか。
 移植は不可となった場合、この十九本のイチョウは必ず現地保全が保証されるべきですが、確認はしていますでしょうか。

○長谷川政策調整担当部長 事業者は、自ら作成した環境影響評価書の中で、詳細な調査を行い、移植を検討することとしており、先般、事業者において樹木医等専門家の立会いの下、移植検討のための調査を実施することを公表し、着手したところでございます。
 事業者は、調査結果の概要等については環境影響評価審議会に報告を行うこととしており、事業者から環境影響評価図書が提出され次第、条例に基づき、環境影響評価手続を適切に進めることになります。

○原委員 事後調査報告書が出るということです。早急に提出、審議されるべきものであり、移植検討の方法についても、審議会委員のほかにも専門の研究者に意見を聞くべきだと思います。
 私たちは、本定例会に環境影響評価条例の改正条例を提案していますが、イチョウ並木が枯れることはあってはならないのですから、移植先の土壌環境も含め、無事に育つ保証について、専門家の出席要請をして議論することを求めます。
 結局、伐採などという結論は許されないことを、都からも事業者に厳しくいっていただきたいです。都民への責任を果たし、やるべきことを都が行い、全ての過程の情報を公表し、都民の意見や疑問にきちんと応えるよう、事業者への指導を求めて、この神宮外苑の質疑を終わります。
 最後に、省エネ、再エネの取組を聞いていきます。
 脱炭素社会に向けた本気の取組を進める上で重要な省エネ、再エネの取組の現状と課題について伺います。
 まず、カーボンハーフ目標に対する達成状況について確認します。
 要求資料の一ページ目にあるように、東京の温室効果ガスの年間排出量の二〇二一年度の確定値が公表されました。速報値が基準年である二〇〇〇年比で削減率二・三%とされてきたのが、確定値は一・九%となりました。同時に、二〇二二年の速報値が公表されています。
 都内温室効果ガスの年間排出量は、二〇三〇年までに半減させるカーボン目標に対して、二〇二二年には速報値で削減率四・四%という現状ですが、この現状をどう受け止めていますでしょうか。

○荒田気候変動対策部長 都は、二〇三〇年カーボンハーフの実現に向け、来年度から施行する新たな条例制度をはじめ、各種施策の拡充を図ってございます。
 加えて先般、温室効果ガスの新たな削減目標案を提示するとともに、その達成に向け、再エネや省エネ対策につきまして、個別の政策目標も新たに掲げるなど、拡充を図ってございます。

○原委員 おっしゃるように、温室効果ガス排出量を二〇三五年までに六〇%以上削減するという目標を新たに掲げた東京都ですが、私どもは、気温上昇を一・五度以下に抑えるというパリ協定から見たら、この六〇%では不十分だと申しておりますが、そうした意味でも、二〇三〇年までに五割削減は都として必ず達成しなければならない責任があります。
 二〇五〇東京戦略に掲げられているとおり、再エネ促進とともに、家庭部門、業務部門などの建築物における省エネ化、断熱化を加速させることや、フロン対策、廃棄物対策なども重要です。何より大量にCO2を排出する石炭火力の廃止期限を決め、また、キャップ・アンド・トレードの対象拡大など、排出規制を強める政策に乗り出すべきです。
 今ある水素は、再エネ由来ではないグレー水素がほとんどですから、その予算を省エネ、再エネに向けて使い、実効性ある排出削減に振り向けるべきです。全庁を挙げてカーボンハーフの達成へ本気で取り組むことをまず求めます。
 建築物環境報告書制度について伺います。
 いよいよ四月から太陽光発電設備設置義務化をはじめ、一定基準の省エネ、再エネが大手ハウスメーカーに課される制度がスタートいたします。同時に、環境性能の高い住宅を増やすために、建築物環境報告書制度の義務対象外である中小ハウスメーカーなどへの支援を強化するという方針も出されました。これは大変重要です。
 実際に行ってきた中小ハウスメーカー支援事業のこれまでの実績はどうなっていますでしょうか。また、新年度に拡充する事業の内容を伺います。

○関建築物担当部長 先ほどご答弁申し上げましたとおり、地域工務店等に対する支援については、これまで二十三件の取組が申請されております。
 来年度は、東京ゼロエミ住宅を新たに建設する事業者を対象に、助成の上限額を増額するとともに、住宅用太陽光パネルの施工事業者を支援対象に加え、パネル設置に必要な資格の取得等を支援いたします。

○原委員 東京ゼロエミの助成金の増額や資格取得支援等を行うとのことですが、建設関係団体などからの聞き取りは行ってきましたでしょうか。

○関建築物担当部長 業界団体等からは、より環境性能の高い住宅の建設に当たっては、自前での技術習得が難しく、勉強会への参加等が不可欠であると聞いております。

○原委員 ありがとうございます。環境性能の技術は日々進化していると聞くので、新たな資材などの情報取得や設計技術、構造計算などの技術取得は本当に重要です。小さい規模の事業者ほど、技術を学ぶ場にアクセスするのは本当に大変ですから、ぜひ支援を広めていただきたいと思います。
 学ぶ機会を保障するためにも、その間、社員を派遣する分の穴埋めというか人的保障分、つまり賃金に当たる支援なども検討していただくことを求めるものです。
 賃貸住宅の断熱・再エネ集中促進事業について伺っていきます。
 省エネ性能の無料診断と賃貸オーナー向けの伴走型支援、断熱改修補助により、賃貸住宅の省エネ、再エネ化を加速させる事業を、都は新規で百九十九億円予算化しました。賃貸のオーナーが断熱改修などをやる気になることは重要です。
 例えば、断熱改修により、どの程度光熱費の負担が抑えられるのか示している指標はありますか。

○荒田気候変動対策部長 国の試算によれば、無断熱、断熱をしていないから、四月から新築建築物に義務づけられる断熱性能等級四への改修で、年間の冷暖房費が八万一千円の削減効果があるとされております。

○原委員 ありがとうございます。年間の冷暖房費が八万一千円の削減効果ということです。これは入居者にとって大きなメリットですが、改修費用について少し気になります。
 改修費の三分の二の補助率だと、三分の一をオーナーが負担することになります。これが家賃に転嫁されることになるのではないでしょうか。お願いします。

○荒田気候変動対策部長 賃貸住宅の家賃は、市場の家賃相場や空室リスクの回避、ターゲット層の予算に合わせるなど、様々な要素を勘案して決定されるものでございます。

○原委員 家賃の価格の決まり方というのは、いろんな要素を勘案して決定されるということなので、単純にそのまま家賃にそうした負担が、改修費用が転嫁されるとはいえないということは分かるんですけれども、家賃設定が高ければ、幾ら快適性を説明されたとしても敬遠されるのではないだろうかという心配があります。
 とにかく今、一般住宅の家賃高騰が大変問題になっている状況です。それ以上、性能がいいということであっても、高い物件になると、やはり高額所得者しか入居できなくなって、結果、エネルギー貧困の問題が起きて、格差が広がってしまうのではないかという心配です。
 入居しやすい価格、平均収入世帯が払い続けられる家賃、こうしたことを追求していくことが必要かと思います。補助などをするなり、支援、本当に研究をしていただけたらというふうに思います。
 再エネについてもお聞きします。
 太陽光パネルを設置した場合に、その再エネで発電した電力はどこで消費することを想定しているんでしょうか。入居者が使えますか。

○荒田気候変動対策部長 当該補助金の活用によります再エネ電気は、集合住宅の共用部だけではなく、入居者の利用を要件としてございます。

○原委員 入居者の利用を要件としているということです。入居者、オーナーとものメリットなど、分かりやすい説明と丁寧な伴走支援をお願いしたいというふうに思います。
 賃貸住宅への環境性能の表示義務制度を国が始めました。都もそれを後押ししようとしていると思います。
 住宅の省エネ性能表示を住宅選びの情報として位置づけていくための広報はとても大事ですが、どのように取り組むのか伺います。

○荒田気候変動対策部長 都はこれまでも、入居者、賃貸オーナー双方を対象に、省エネ性能ラベルの記載内容や見方などを広報しております。今後とも入居者への発信に当たりましては、若者、ファミリー層などのターゲットに合わせて実施してまいります。

○原委員 若者、ファミリー層などターゲットに合わせて実施していくということで、大事だというふうに思います。やはり断熱効果で快適性が増し、光熱費が削減できるわけですから、そこを分かりやすい解説などをつくって、環境性能の高い住宅がスタンダードになるようにしていきたいと思います。
 そして、おっしゃられたように、特に一人世帯、若者や高齢者などの一人世帯、また子育て世帯などに広く使ってもらえるように期待をしていきます。引き続き、この取組、広げていただけるようお願いをいたします。
 次に、先ほども質疑ありましたけれども、ちょっと重なりますが、省エネ家電の購入における東京ゼロエミポイントについて伺います。
 ゼロエミポイントを申請後にポイント還元される方式から、お店での値引き方式になってからの機器別の申請台数のほか、合計台数の変化、伺います。また、新規購入の新規台数、お願いいたします。

○荒田気候変動対策部長 先ほども答弁いたしましたが、東京ゼロエミポイント事業につきまして、昨年十月の事業拡充以降、本年一月末までの申請実績は、エアコンが約五万四千台、冷蔵庫が約七万六千台、給湯器が約一万六千台、LED照明器具が約七万一千台となっており、全体では約二十一万七千台と、前年同期比約一・九倍と増加しております。このうち新規購入分は、エアコン約三千台、冷蔵庫約七千台となってございます。

○原委員 一昨年の同時期と比べて、制度変更後の昨年十月から今年の一月は一・九倍の申請数になったということです。
 実は私も十一月に冷蔵庫を買い換えまして、このゼロエミポイントの分、値引きをしていただきました。お店の方が省エネへの貢献になることなど、とても丁寧に説明をしてくださって、いい制度だなと実感をしました。
 購入後の申請だと、面倒でやらない人もいると思いますが、この直接値引き方式は、購入者全員が恩恵を受けるもので、とてもいい制度だと思います。個人情報なども、一回免許証とか出さなきゃいけないんですが、その写真を撮って、きちんと手続が終わった後に、その撮った写真のデータを消すところまで目の前でやってくれて、大変いろいろな手続のところで苦労されたと思うんですけれども、そうしたこともちゃんとやってくれたので、ほっとしました。ご苦労だったと思います。ここの制度をつくるまで。
 そして、この制度は、買換えの方へは二〇二六年度までと聞いています。そして、新規購入者へは二〇二五年度、来年度で一応一旦終了とされておりました。
 新規購入者は、買い換えるわけでないので、省エネにつながるという実益を生み出さないということだとは思うんですけれども、今、エアコンは熱中症対策として必需品となっています。新規購入も来年度で終わらせずに、買換えと同様に値引き対象として継続することをここで求めておきます。
 次に、学校の断熱改修についてです。
 何度か取り上げてきましたが、既存の学校の普通教室への断熱改修の取組は、葛飾区に続いて、今、杉並区でも実施が始まっています。今後は、全都的にエアコンの更新時期にもなってくるので、併せて窓改修、天井断熱などを行う大変いい機会だと思います。
 断熱改修の国の補助は三分の一となっているんですが、まず、区市町村で試験的に行う学校に対して、全額補助、都が三分の二の上乗せをする補助を提案しますが、いかがでしょうか。

○荒田気候変動対策部長 公立小学校における教室等の環境衛生の維持や施設整備につきましては、原則として設置者である区市町村の責任において行われるものでございます。
 都では、区市町村の職員向けに省エネ、再エネ研修会を実施するなど、区市町村による断熱の取組を支援してございます。

○原委員 設置者の責任で学校、設置されるということはもちろん承知しているんですけれども、国もこうした学校断熱の補助の制度をつくっているわけですから、東京都が上乗せをすることはできないことではないんではないでしょうか。
 学校の断熱改修というのは省エネのみならず、熱中症対策としても大変重要です。ここ数年、夏ごとに暑さが増していて、教室の気温上昇で子供たちの熱中症の危険がある。こうしたことへの対策としての位置づけがあります。
 体育館や教室のエアコンが普及をしてきた今、次なる課題は断熱だというふうに思います。子供たちの適切な教育環境を保障するための取組として、ぜひ検討をいただきたいと思います。
 そして、三分の一のその国の補助では、補助があるけれども、それではとてもできないという自治体もあると思いますので、そうした自治体への支援、都が特に積極的に行っていただきたいと思います。
 区市町村の職員に向けた省エネ、再エネ研修会を都が実施し、断熱の取組を支援しているということは、今回お聞きしまして、本当に大事な取組だというふうに感じました。小中学校の改築や大規模改修時のZEB化はだんだん広がっていますが、大規模改修時じゃなくても、既存の学校で断熱改修に取り組んだ経験もありますので、それを共有して、その中で、都の積極的な支援を考えてほしいと思います。都の教育庁とも連携をして検討することを求めておきます。
 最後に、様々な目的で行われる住宅改修支援の局間の連携について伺います。
 現状では、住宅の断熱改修と耐震化改修、バリアフリー改修がそれぞれで行われております。補助金もそれぞれとなっています。
 連携した住宅改修ができるようなメニュー、これを局間の連携で検討する必要があるのではないかとかねがね思ってきたところですが、こうした取組はあるんでしょうか。いかがですか。

○荒田気候変動対策部長 これまでも耐震改修の住宅改修事業を行う関係局とも連携し、住宅改修に係る支援制度の相互広報を行ってございます。来年度から実施する省エネ点検改修キャンペーンにおきましても、関係局と連携し、住宅の省エネ性能等の無料点検、改修案の提案、施工事業者の情報提供などを行っていくこととしてございます。

○原委員 省エネ点検改修キャンペーンというのを来年度から実施するということで、局連携も強まっていく、情報提供など、情報共有などを実施されるということです。
 住宅の改修案を提案するときに、本当に総合的な提案ができる、そういう事業者が増えていくとよいなと思います。環境局と、あと耐震改修などに関わる都市整備局、マンションの改修などでは住宅政策本部などだと思います。そうした局間の連携の取組があることを広く広報していただき、いろんな情報を総合的に広めていくような取組を求めるものです。これもぜひ今後の推移、見守っていきたいというふうに思います。
 いろいろ質問をしてきましたけれども、本当に今、気候危機対策としてのカーボンハーフ目標、本当に都が責任を持ってやり切らなきゃならない、もう限られた年数になってきています。そうした中で、全庁を挙げて取組を進め、必ず目標達成するためには、省エネ、再エネの取組を大きく今こそ加速させていくべきだというふうに思います。
 全ての施策を通じて、都民の命と住まい、そして緑環境を守る立場が貫かれる、そうした取組になることを強く求め、私の質問を終わります。ありがとうございました。

○須山委員 まず、気候変動対策について伺います。
 二〇二三年には、実に十二万年ぶりの暑さを記録したということで、地球沸騰化とまでいわれたのもつかの間、昨年、二〇二四年はさらに暑かったといわれております。近年、そうした猛暑や大雨など、地球温暖化は深刻さを増しております。
 そんな中で、東京都が二〇五〇年ゼロエミッションを目指して、二〇三〇年のカーボンハーフを目標と掲げて、その実現に取り組んでいることを評価しますし、この四月からは太陽光パネルの設置義務化などの新制度といった取組をさらに進めていっていただきたいなと思っております。
 そこで、改めて現在の進捗について伺います。

○荒田気候変動対策部長 二〇二二年度実績の速報値といたしまして、二〇〇〇年度比で温室効果ガス排出量につきましては四・四%削減、エネルギー消費量は二八・六%削減と昨年公表してございます。

○須山委員 ありがとうございます。これはもう皆さんご承知のとおりだと思いますんで、あえて聞かせていただいたんですけれども、エネルギーの削減量は三割程度進んでいるものの、温室効果ガスの削減幅は残念ながら小さくなっております。この要因は、例えば、電源構成で火力が増えているなどといった、そういった様々な要因によっているとも伺っております。
 東京都がこれまでもカーボンハーフの実現に向けて、来年度から施行する新たな条例制度をはじめとして、各種施策の拡充を図ってきたことももちろん承知しておりますが、引き続き、都としてできること、そしてやるべきことにさらに取り組んでいっていただきたいと思っております。
 さて、東京都のこれまでの取組状況について確認をしましたけれども、今年一月にトランプ政権がアメリカで発足しました。そのアメリカはパリ協定からの離脱を表明して、日本国内の金融機関も、まさに今日、国内金融機関としては三社目が脱炭素を推進する国際的な枠組み、ネットゼロ・バンキング・アライアンスから離脱したといった報道があるなど、新たな動きが出始めてしまっております。
 そうした中で、東京都は二〇三五年までに温室効果ガス排出削減量を六〇%以上削減するという新たな目標案を提示しました。東京都は、国際情勢にかかわらず気候変動対策をさらに強化していくべきだと考えますけれども、温室効果ガス削減の新たな目標の達成に向けて、どのように取り組んでいくのか伺います。

○荒田気候変動対策部長 都は、温室効果ガスの新たな削減目標案を提示するとともに、その達成に向け、再エネや省エネ対策につきまして、個別の政策目標も新たに掲げるなど、拡充を図ってございます。
 今後もゼロエミッション東京を目指し、世界の動向も踏まえながら、的確に対策を講じてまいります。

○須山委員 本当、世界の動向を踏まえながら、しかし、ちゃんと、今掲げているカーボンハーフ、またゼロエミッション東京に向けて、しっかりと着実に取り組んでいっていただきたいと思います。
 しかし、その二〇三五年の六〇%削減ということを打ち出したときに、私のところにも二〇三〇年のカーボンハーフはどうなったのみたいなこともいわれました。正直そうした、何かまた新たな目標をつくっているんじゃないのみたいなことを、まだ達成も道半ばなのにというようなことも正直いわれることもあります。
 ただ、そうした中で、今日のこの委員会での質疑、答弁なんかも聞いていますと、やはりしっかりと二〇三〇年のカーボンハーフに向けて、東京都として、また環境局として動いているということは非常に理解もさせていただきました。
 そうした中で、しっかりと都民の納得も得られるような、きちんとした短期的な目標もしっかりと見定めていただいて、そしてPDCAのサイクル、これもしっかりと行っていただいて、そして二〇三〇年のカーボンハーフ、そして二〇三五年の六〇%削減に向けてしっかりと取り組んでいっていただきたいということは強く要望させていただきます。
 続きまして、ユニバーサルデザインタクシー、UDタクシーに関して伺いますけれども、UDタクシーの拡大普及、これは、UDタクシー、非常に、高齢者の方、また車椅子の方、もちろんお子様連れの人とか、もう本当に誰にでも使いやすい移動手段として定着をしつつあります。
 さらに、高齢化率が高くて、公共交通が不便な地域が存在する多摩地域でこそ、これはしっかりと増やしていっていただきたいなということを多摩の出身の議員としても要望させていただきます。
 このUDタクシーの普及が非常に重要であると思いますけれども、この普及に向けて東京都は補助を行っております。
 そこで、これまでにどの程度普及が進んだのか、区部、そして多摩、それぞれの割合について伺います。

○戸井崎環境改善部長 UDタクシーは、誰もが移動しやすく、環境性能が高いことから、都は、平成二十八年度に補助を開始いたしました。
 東京ハイヤー・タクシー協会によりますと、令和六年三月時点で、法人タクシーにおけるUDタクシーの割合は、区部で約六割、多摩で約五割でございます。

○須山委員 この件も私、もう一年目からずっと聞かせていただいていて、だんだんだんだん多摩地域でもUDタクシーが普及し始めて、増えているなということは感じておりますし、実際、車でこっちに来るときも、多摩から、八王子から来るときにも、大分UDタクシーが増えているなというふうにも感じております。
 とはいえやっぱり、六割、五割というその差があるということもありますし、また、このUDタクシー、ジャパンタクシーというのは非常にこのセダンタイプのタクシーと比べてやっぱり高価であるということもあります。多摩地域では、区部と比較して経営規模が小さい会社が多くて、都の補助金なしにはUDタクシーの導入はなかなか難しいという事業者の方からの声も伺います。
 そこで、今後どのようにこのUDタクシーの普及拡大を進めていくか、改めて伺いたいと思います。

○戸井崎環境改善部長 令和四年一月より、厳しい経営環境にあるタクシー事業者の現状を踏まえまして、中小規模事業者に対しましては、都単独補助の場合、UDタクシーへの補助額を最大六十万円から百万円に引上げを行いました。
 令和七年度の予算案では、中小規模事業者への補助額の増額をこのまま継続するとともに、補助期間を令和八年三月まで延長をいたしました。
 引き続き、業界団体等と連携をいたしまして、タクシー事業者に補助制度についてきめ細やかに周知を行いまして、補助金の一層の活用を促してまいります。

○須山委員 補助期間の延長もしていただくということで、本当にありがたいなと思います。多摩地域では今後も高齢化が進展しまして、二〇四〇年には三人に一人が高齢者になるということも予想をされております。
 こうした中で、UDタクシーは高齢者の外出機会を支える交通手段でありまして、本当に公共交通を担う大切なものの一つになるなと、一助になるなというふうに思っております。だからこそ一層の普及拡大が重要となってくると考えます。
 関係団体と連携をして、区部だけでなく多摩地域のタクシー全てがUDタクシーになっていけるような、そういった取組も進めていただくようよろしくお願い申し上げます。
 続きまして、PFASに関して、地下水中の有機フッ素化合物、PFASについて伺いますけれども、昨年、国による米軍横田基地への立入りが行われまして、そこに東京都も同行したと伺っております。
 そこで、改めて幾つか伺いたいと思いますけれども、令和七年度でのPFAS関連の事業に関して、特徴的な取組があれば、お聞かせいただきたいと思います。

○丹野環境改善技術担当部長 都は、PFOS等につきまして、都内全域二百六十地点の地下水調査を行っておりまして、令和七年度は、今年度に引き続き、これまで複数年かけて実施してまいりました調査を一年間で行う予定でございます。
 また、都の追加調査を補完する調査を行う市区町村に対しまして、その費用の一部を支援してまいります。

○須山委員 複数年かけて実施してきた調査を一年で行うということ、また、市区町村への支援ということで、自治体との連携もしっかりと深めていっていただきまして、そして調査を進めてきていただいているということは非常に評価をさせていただきたいと思います。
 そうした調査を進めていく中で、数値が悪化した地点などでの対応、またさらには、その地点の周辺への対応があれば、お聞かせいただきたいと思います。

○丹野環境改善技術担当部長 暫定指針値を超過した地点につきましては、関係局と連携いたしまして、飲用しない取組の徹底を図りますとともに、継続的なモニタリングを実施してまいります。
 さらに、暫定指針値を超過した地点の存する地域の状況を丁寧に把握するための追加調査を地元市区町村とも連携いたしまして実施してまいります。

○須山委員 飲用しないこと、つまり飲まないということの周知徹底というのがやっぱり一番大切なんだなということは改めて感じております。そうした意味においても、さらなる徹底をお願いしたいと思います。
 また、指針値の超過をした地点での追加調査等も行っていただいているということで、しっかりとその地元の行政とも連携をしていくことを改めてお願いさせていただきます。
 そこで、自治体との連携や国への働きかけなど、今行っていること、また行おうとしていることなど、どんなことがあるのか伺いたいと思います。

○丹野環境改善技術担当部長 都は、市区町村との定例的な会議等を通じまして、都の取組の周知を図り、計画的に地下水の調査を進めております。
 国に対しましては、これまでも、健康、環境への影響に関しまして、科学的根拠に基づいた知見を示すよう要望しております。

○須山委員 まずは住民の皆さんの安心のために取組を進めていっていただきたいなということを改めて申し上げさせていただきます。
 正直、国の動きというのがなかなか遅いなということは私も感じております。我が国のPFAS規制、これは世界の動向に比べてみても非常に緩いということもいわれております。
 だからこそ、環境局としても他局とも連携をして、しっかりと国への働きかけをさらにお願いしていっていただきたいということも申し上げさせていただきますし、また東京都として独自に自治体への支援等も含めて、率先した対応をお願いさせていただきます。
 続きまして、廃棄物の再資源化に関して伺います。
 国では、昨年五月に再資源化事業等高度化法を制定しまして、廃棄物を循環資源として最大限活用することによって、循環経済への移行を推進するとしております。
 そこで、来年度の新規事業であります高度再資源化設備導入促進事業の内容について伺います。

○木村資源循環計画担当部長 都は、プラスチックや金属等につきまして、製造業と連携した再資源化プロセスの高度化を推進するため、先端技術を用いたリサイクル設備の導入への補助を来年度から開始いたします。
 これによりまして、製造側が求める質と量を確保した再生材の供給拡大を図りまして、持続可能な資源利用を促進してまいります。

○須山委員 廃棄物の再資源化にはリサイクル設備の高度化などのインフラの整備は欠かせません。今までの大量生産、大量消費の社会から抜け出していくためにも、これは非常に重要な事業だなというふうに考えます。
 こういった補助、これはせっかくの補助ですので、しっかりと利活用していただきまして、このサーキュラーエコノミーをより一層進めていただきまして、環境配慮型の技術、材料開発を進めていっていただきたいと、そうした東京都になっていくように、ぜひよろしくお願いします。
 続きまして、食品ロスに関して伺います。
 令和四年度の都内食品ロス推計量が三十一・七万トンで、二〇三〇年度半減目標を達成していますが、新型コロナウイルス感染症が五類に移行した令和五年度から外食の機会が増え、インバウンドがコロナ禍前を上回っており、外食における食品ロスの増加が懸念をされております。
 そうした中で、東京都における外食産業の食品ロス対策について、今年度と来年度の取組を伺います。

○木村資源循環計画担当部長 都は今年度、業態の異なる飲食店におきまして、食品廃棄物を発生段階ごとに分別、計量し、ロスの削減に有効な対策の実証を行いました。
 これを踏まえまして、来年度からは、食べ残しの削減や、インバウンド対策を含むコンテンツを作成し、業界団体等と連携してセミナーを開催いたします。
 また、持ち帰り容器の利用キャンペーンを実施し、消費者の行動変容を促してまいります。

○須山委員 業界団体ともしっかりと連携をしていくということを予定しているということで、非常にいい取組をしていただくんだなということを思っております。外食産業からの食品ロス発生増加を食い止めるために、食べ残しの持ち帰りに向けた行動変容の促進なども進めていくということでありました。
 うちの姉がフランスに住んでいまして、この間、姉とちょっと話していたんですけど、フランスではもう二〇一六年から法律をつくって、年間十トンの生ごみを出す飲食店に対してドギーバッグを推奨すると、持ち帰りを推奨するということをやっていたそうなんですけれども、二〇一八年に全ての飲食店に対して、そのドギーバッグがもう義務化されたということでありました。
 インバウンド対策を進めるのであれば、ぜひこうした、非常に強い対応になるとは思うんですけれども、ぜひ義務化も含めたことも今後考えていっていただきたいなと思います。
 うちの親とご飯を食べに行ったときに、ちょっといいところに行ったら、やっぱり、ちょっと親が残したので、持ち帰りできないんですかと聞いたら、今はできないんですということもいわれました。様々な、お店の考え方とかもあるとは思うんですけれども、食品ロスということ、これが結局、気候変動にも関わってくる大切な一つにもなると思うので、ぜひそうしたことも考えていっていただいて、食品ロス、これに関しても削減、減らしていって、そしてなくしていくような、そうした取組を強く要望させていただきます。
 続きまして、「リチウムイオン電池 混ぜて捨てちゃダメ!」プロジェクトに関して伺いたいと思います。
 先ほどもちょっとほかの、保坂理事からもありましたけれども、リチウムイオン電池が使われている充電式製品が増えていく中で、リチウムイオン電池が原因と見られる火災事故が全国の清掃工場などで増加していると伺います。
 そこで、来年度の新規事業であります「リチウムイオン電池 混ぜて捨てちゃダメ!」プロジェクトの内容を教えていただきたいと思います。

○宗野資源循環推進部長 都は昨年八月から、「リチウムイオン電池 混ぜて捨てちゃダメ!」プロジェクトを始動しております。ポスターや動画、SNS等を活用し、危険性の周知、それと適切な分別などを普及啓発してまいりました。
 来年度は引き続き、様々な媒体を用いた注意喚起を強化するとともに、自治体による分別回収を促進するため、今年度試行した、広域的にまとまった量を回収してリサイクル事業者へ売却する取組を実施してまいります。

○須山委員 啓発だけでなくて、分別回収の促進のための広域の回収、これを進めるということで、非常にいい取組をするなというふうに思っております。
 私も市議会議員時代に、リチウムイオン電池の回収によって、清掃工場だけでなくて、その収集時でもその火災が起こったとかいうことも結構耳にしました。そうしたことを止めていくためには、やっぱり啓発活動、これはもちろん大きいことですし、やっぱりその集団回収も含めたものも非常に有効だと考えますので、引き続き、これはぜひ進めていっていただきたいと思いますんで、よろしくお願いいたします。
 最後に、熊に関してお聞かせいただきたいと思います。
 昨今、熊の出没が問題になっておりますけれども、私の地元の八王子でも市街地に熊が出たということが、(発言する者あり)出ましたよ、もう。先生のところもどうですか。そういったニュースにもなっておりましたけれども、令和七年度の具体的な対策を伺いたいと思います。

○宮武自然環境部長生物多様性担当部長兼務 熊との予期せぬ遭遇を減らすため、都は来年度、関係する市町村と共に、草刈りや樹木の伐採によるバッファーゾーンの創出、電気柵の設置などの防除対策を推進してまいります。
 また、アプリによる目撃情報の可視化や、チラシ等による正しい知識の普及啓発により、人身被害の防止を図ってまいります。

○須山委員 バッファーゾーンを創出するなどの具体的な対策を取り組んでいただくということもありますし、また、さらには啓発に関しても取り組んでいただくということは非常に評価をさせていただきたいと思います。
 さらには、生ごみなどの誘因物、これは生ごみだけじゃなくて、果実とかそういったこともいろいろあるとは伺っておりますけれども、こうしたものの誘因物への対策ということも今後考えていっていただきたいなというふうに思います。
 さて、熊は、当たり前のことなんですけれども、人間の境界とは関係なくて動き回ります。現に、近隣県の友人の議員から、対策とか、東京都との連携もできないかというような話も私のところに来ております。そうした対策における各自治体や他県との連携について伺いたいと思います。

○宮武自然環境部長生物多様性担当部長兼務 都は、熊の生息域となる森林等を所有する市町村と情報連絡会を開催し、対応マニュアルの周知や防除対策に関する意見交換を実施しております。また、これまでも他県との意見交換を随時実施しております。

○須山委員 情報連絡会、また他県との意見交換を随時実施しているということでありました。本当にこれは境界は一切関係なく動き回りますし、その季節であったりとか、環境でいろいろなところにまた出没をしてくると思います。だからこそしっかりと、その他県、エリアとして考えていくべきことだと思いますんで、ぜひさらなる連携をお願いしたいと思います。
 熊に出会わないにこしたことはありませんけれども、また出会ってしまうということはあります。そうした場合にどうしていくのか、そういった啓発が非常に重要だと考えております。
 例えば、啓発ポスターをビジターセンターだけでなくて、今年度つくっていくそのバッファーゾーンであったりとか、あとは登山道であったりとか、そうした熊に直接出会う可能性の高い場所、ここに設置をしていくということは非常に対策として有効だと考えますけれども、これに関しての見解を伺いたいと思います。

○宮武自然環境部長生物多様性担当部長兼務 都が作成したチラシには、熊に出会わないための対策に加え、熊と出会ってしまった場合や、熊が急接近し、襲われそうになった場合の対策についても情報を掲載しております。
 また、ポスター、チラシについては、都施設や鉄道駅、市町村の施設への掲示、地元住民への配布などを通じ、対策の啓発を行っております。

○須山委員 今の答弁ありましたチラシというのは、非常に分かりやすくていいチラシだなというふうにも思っております。ただ、そうした都の施設であったりとか、駅であったりとかというところに掲示していただくということも大事なんですけれども、こういったところってやっぱりいろんなビラが置いてあったりとか、必ずしもそこに目が行かなかったりもするというふうに思います。
 そうした意味で、やはり熊に出会うというリアリティーがあるのは、そうした、先ほど申し上げたような登山道であったりとかバッファーゾーン、ここで本当に目の前に熊が出る可能性があるというところに置いていただくということが、やっぱり効果的なんじゃないかなというふうに思いますんで、ぜひ、これ、そういったところにも置くように検討していただきまして、そして、都民の命を守り、さらには、そうした熊だけでなくて、そうした自然との共生をしっかりと進めていけるような、そんな東京都を目指していっていただきたいと思いますんで、ぜひよろしくお願いいたします。
 私の質問は以上です。

○桐山委員 ミライ会議、桐山ひとみです。よろしくお願いします。
 都内における住戸の約七割が賃貸及び分譲集合住宅であります。既存マンションにおける省エネ、再エネの推進は不可欠であり、二〇三〇年のカーボンハーフ実現に向けた施策の一つに、既存マンションにおける省エネ、再エネの推進に取り組んでいるところです。
 新年度予算に賃貸住宅の断熱・再エネ集中促進事業が盛り込まれました。都内の賃貸住宅のオーナーへの周知はどのように行っていくのか、また、省エネ性能診断について、何を基準にどのように判断されていくのか伺います。

○荒田気候変動対策部長 賃貸住宅の家主に対する周知は、省エネ性能診断等を呼びかけるキャンペーンやオーナー向け広報等により実施いたします。
 省エネ性能診断につきましては、国で定められた方法による評価及び基準により、住宅性能を判断いたします。

○桐山委員 賃貸向けの集合住宅に関しては、窓の断熱改修の判断を行うオーナーが断熱改修によるメリットを認識しにくいことや、窓の断熱改修に当たって、各居住者の合意を取り付ける必要があることなどから、断熱改修が進んでいない現状があるかと思います。
 今ご答弁いただいたように、オーナーへの周知はキャンペーン等やオーナー向けに広報していくということです。これらは、その後、申請があれば、まず省エネ診断をして、そしてコンシェルジュを派遣して、それから、改修する場合は、一戸上限三十万ですけれども、高い補助率を誇る三分の二の補助があるということは理解しているところです。
 先ほども出ていましたけれども、やはりなかなかこのオーナーさん、賃貸住宅についてはオーナーが改修をしていただかない限り、なかなか居住者へのメリットを感じることというのはまずできないと思うので、キャンペーンにとどまらず、様々な媒体を活用して、ぜひ周知の徹底を図っていただきたいなというふうに思っております。
 今申し上げたように、この賃貸住宅のオーナーへのメリットというのは、三分の二の補助あって、持ち出しもありますけれども、入居者のメリットとしては、部屋が暖かくなってすごく快適になった。光熱費の削減ということもあるかと思いますが、なかなかこの辺りの経済的メリットを感じるまでというのは、なかなかいかないのではないかというふうな懸念もあるかと思いますが、見解を伺います。

○荒田気候変動対策部長 入居者のメリットにつきまして、断熱性能等級の違いにより、医療費が三十年間で約二百七十万円の差があるとのデータですとか、起床時の最高血圧低下によるヒートショックリスクの低下、要介護年齢が約三年先送りされるなどの健康効果が示されております。
 さらに、無断熱と、四月から新築建物に義務づけられる断熱性能等級四では、年間冷暖房費が八万一千円異なる等のデータもあり、入居者メリットは大きいものと考えております。

○桐山委員 ありがとうございます。入居者のメリットとしては、大変健康に効果があるということは大変すばらしいことでありますので、居住の環境の整備というのは一刻も早くしていただきたいな。賃貸については原状回復をしなきゃいけないとか、なかなか難しい面はあると思うんですけれども、そこが個人でできないところというところで、今回オーナーへの支援ということは理解しています。
 省エネのこの賃貸住宅への投資というのが一方であるわけでありますけれども、入居者の、先ほども答弁いただいた光熱費の削減によって満足度が向上していって、さらに長期の居住というところにつながるということも、オーナーにとっては大変メリットがあると思います。
 また、省エネ賃貸住宅というのは、エネルギー効率の高さから光熱費の削減効果が大きくて、またその経済的メリットが賃料に反映させることができるなど、オーナーにとっては利益につながるということもいわれているので、先ほども懸念のところで質疑があったところでありますけれども、やはり賃貸というのは、もちろん二年契約とかしながら更新、更新というのもあるとは思うんですけれども、やはり今申し上げたように、非常に、この省エネ賃貸住宅であるということでの売りにはすごくなるとは思いますけれども、一方で、三十年とか四十年とか築たっているところで、非常に隙間風が入ってすごく寒いという状況というのはよくある話なんですけれども、じゃあ、何がといったら、やはり駅に近くても、築数が古ければ、やっぱり家賃が抑えられたりというところもあるので、そういうところの面で、その寒さとか健康の面で改善をするということは大変いいんですけれども、やはりそこに家賃として大幅に反映をされてしまうと、居住者にとっての大きな経済的なメリットというのがどうかなというところがあるので、ぜひそういう点は見極めていかないといけない部分かなということについては、意見として申し上げておきたいと思います。
 次の質問です。
 環境省では、住宅における熱損失が大きい窓等の開口部を断熱改修工事に対して補助を行う、国の方では先進的窓リノベ事業を実施していると聞いています。この住宅の省エネ化を支援しているわけですが、これは二〇二三年から二〇二五年で、来年度、新年度が最終年度となっているということであります。
 これにおいては、かなりちょっと補助率に変更があったり、いろんな面があるということも聞いておりますが、併せて、都は、既存住宅における断熱改修促進事業として、補助金を同じような、窓とかドアの断熱性能に改修する補助があるわけでありまして、国といわゆる東京都の補助ということで、これ、併用できるということで非常に申請数が増加しているというふうに聞いておりまして、大変喜ばれている事業だなというふうに感じております。
 次に、この集合住宅分譲なんですけれども、マンション、この管理組合への断熱改修の補助という視点で伺っていきます。
 まず、マンションで、断熱改修を進めていく上で課題は何があるのか、またそれに対する取組というのをまずお伺いをしておきます。

○荒田気候変動対策部長 分譲の集合住宅全体で断熱改修を行う際は、入居者の合意形成が必要となります。
 このため、都は、改修効果や補助の情報を関係局と連携し、広報媒体等で分かりやすく発信してございます。

○桐山委員 合意形成を後押しするために、先ほど併用できる補助金ということでもそうなんですけれども、やはりこの補助金の存在が非常に大きいというふうに伺っています。管理組合で断熱改修を行う場合は、古い窓枠を残したままで、上から新しい窓枠をかぶせるカバー工法によることというものが一般的だといわれています。
 特に分譲ですね、分譲のマンションについては、マンションの窓を断熱するには三つの方法があるといわれています。その一つ目が、内窓のサッシをつける。内窓ですね。これは内窓なので、個人で、居住者の個人が申請をすることができます。二つ目が、カバー工法。先ほど申し上げたように、窓の外側、枠を変えるというカバー工法。それから、窓そのものを変えるという、この三つの改修方法があるというふうに伺っておりまして、先ほど申し上げたような、内窓に関しては専有部分なので、自分で補助金を活用してできます。
 しかし、カバー工法と窓そのものについては、マンションの共有部分なので、個人が管理組合の承認を得て工事をするか、また、管理組合で工事をすることになります。このカバー工法の場合、前段で申し上げた国の先進的窓リノベという断熱改修補助がありますが、来年度は、この集合住宅での補助対象とされていた、その窓枠にはランクがあるんですよ。断熱性能が高いというので、Bグレード、Aグレード、Sグレード、SSグレードというふうに、そういうグレードという窓の種類があるんですけれども、その一番下なんですけれども、このBグレードという水準の窓が対象外とされたということだそうです。
 対象外とされたんですけれども、今回、これまで実施しております東京都の補助の部分については、同様にこの種類あるんですけれども、このBグレードが対象外となるのかということについてはお伺いしておきたいと思います。

○荒田気候変動対策部長 都の補助事業、災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業におきましては、来年度もBグレードを対象としております。

○桐山委員 ありがとうございます。国の方は廃止をされておりますが、東京都の方ではこの窓の種類のBグレードは対象として補助申請ができるということは理解をさせていただきました。
 これからそのBグレード、断熱性能の低いBグレードを国は廃止をして、Aグレードなんですけれども、Aグレードというところをこれからは活用してくださいということだと思うんですが、これまではそのAグレードというのは、基本的には性能が高ければ高いほど金額も高くなってくるし、国の方でも補助率も上がってきてはいるんですけれども、やはり中高層といわれている四階以上の集合住宅においては、建築基準法により、防火窓の設置が義務づけられているということで、やはりこのAグレードというのが、実はまだ種類が追いついていなくて、各メーカーさんが今必死でその防火対応の窓をつくっているという段階だと、開発をしているということを伺っていて、間もなくもう出来上がるんじゃないかということもいわれています。
 出来上がるというよりも、その防火認定を受けるということだと思うんですけれども、そうすると、今後、Aグレードしか残らない場合は、マンションの場合、そういうカバー工法をしていく場合に金額も跳ね上がるということで、やはりそもそも、例えば、一つのお部屋で百万ぐらい工事費がかかって、それが全部で百戸あったら一億円かかるものが、金額が跳ね上がると一億三千万ぐらいかかって、それは最初に、基本的には管理組合がお支払いをして工事発注をして、基本的に補助申請をした後は後から返ってくるということなので、やはりその部分の、なかなか、その三千万円、グレードが上がることによって持ち出しが増えるというのは大変厳しいんだという話と、あとは管理組合においての合意形成が、これまで例えばBグレードで申請をするということで合意形成が図られて、じゃあ、窓枠変えましょうかみたいな話で進んできたものが、今回、来年度から国の補助の方はそうやってBグレードが外されて、今申し上げたAグレードを選定すると、それだけ金額が跳ね上がっていくということの懸念もあって、東京都の補助の動きというのは大変注目をされていたわけであります。
 来年度もBグレードを対象としているということですので、今後、種類も含めて、各それぞれのメーカーさんが防火対応の窓の性能の高いものをつくり上げていらっしゃると思うんですが、それが選んでいけるような対応が取れていけるといいなと思いますが、ひとまず安心をしたということで、この質問は終わりたいと思います。
 次は、太陽光パネルの促進について、質問に移ります。
 二〇二二年十二月、東京都環境確保条例の改正条例が成立し、二〇二五年四月から、東京都で新築建築物へ太陽光発電設備の義務化が実施をされます。その際、私たちは、各エネルギーに温室効果ガスの原単位を乗じて、温室効果ガス排出量を計算し、都民に対する見える化をすることを主張してまいりました。その趣旨は、国の算定・報告・公表制度における算定方法の排出係数を用いて、より正確に温室効果ガスの排出を把握し、都民に公表することにあります。
 東京都では、温室効果ガス排出総量削減義務と排出量取引制度、いわゆるキャップ・アンド・トレード制度において、第三計画期間までは、大規模事業所で使用した燃料等の使用量に制度内で規定した排出係数を乗じてCO2の排出量を計算していました。しかし、令和七年度、第四計画期間から、大規模事業所が実際に契約をしている電気、熱、都市ガスの供給事業者の排出係数により算定するよう改善をしており、排出量の計算に正確さが増すものと、これは評価をしているところです。
 また、東京都は、二〇三〇年までに温室効果ガス排出量を二〇〇〇年比五〇%削減するカーボンハーフを表明するとともに、都庁における二〇三〇年のカーボンハーフ実現を約束しています。
 その実現には、まず排出量の計算が正確になされ、国際的に通用するものでなければならないと考えています。それは、国が定めている算定・報告・公表制度における算定方法、排出係数を用いた計算のことです。
 改めて確認をします。太陽光パネルについて、資材の調達から建設、製造、メンテナンス、廃棄までのエネルギー消費量等のライフサイクル全体を見通し、見える化することについての見解を伺います。

○関建築物担当部長 太陽光パネルは、発電開始後一年から三年でライフサイクルで消費するエネルギーを上回る再エネを生み出すことなどについて、既に太陽光Q&Aで発信しております。

○桐山委員 今そのような答弁をされたんですけれども、私たちは、資材調達、建設、製造、メンテナンス、廃棄までのライフサイクル全体を見通して、温室効果ガスの削減への貢献を都民に見える化をすることも改めて主張しているんです。
 東京都は、新築・中小規模制度太陽光パネル設置に関するQ&A、今、Q&Aにも既に出しているよということだと思うんですが、二〇二二年八月一日のQ&AではQ11のAで、また二〇二五年の十二月十八日のこの設置に関するQ&A、改正されたんだと思うんですが、こちらの方ではQ19で、今お答えになった、太陽光発電システムにおいてこの投入したエネルギー量を、設置によって生産されるエネルギー(電力)で回収できる期間は一年から三年程度と述べております。これは見たら分かるんですけれども。
 これはエネルギーペイバックについて説明したものですが、温室効果ガス排出量で見て元が取れるまでの期間、すなわちCO2ペイバックタイムについても、一年から二年ほどの発電でライフサイクル中の排出量を相殺できます。CO2ペイバックタイムを差し引いた残りの年数は全く温室効果ガスの排出を伴わない電力を供給していると見られるわけであります。
 ということで、こちらはちょっと意見も絡んでいるんですけれども、本当にこのQ&Aで示しているというところが見える化につながっているのかなということについては、もう少し温室効果ガスの削減の貢献というところでの見える化というところで、CO2のペイバックタイムを差し引いた残りの年数というものも考慮した方がいいのではないかと申し上げておきます。
 次に、海外メーカーの太陽光装置については、継続的な部品提供、メンテナンスの保証が不可欠であります。企業が人権を含めたデューデリジェンスを行い、製造責任を果たす仕組みをつくることについて改めて見解も求めます。

○関建築物担当部長 一般に太陽光パネルメーカーは、機器保証や出力保証を実施しております。また、都は、太陽光発電協会と連携協定を締結し、国際標準にのっとった企業の適正な取組と定期的な情報公開を業界に対して促しており、同協会は業界独自の取組ガイダンスを策定し、人権デューデリジェンスの実施等を推進しております。

○桐山委員 ありがとうございました。
 次は、太陽光パネルのリサイクルについて質疑をします。
 私たちは、東京都のこの条例による太陽光発電のパネル設置義務化に当たって、リサイクルの義務化と、それから、今ありました人権配慮の義務化を要求しております。
 現在開会中の国会では、提出検討法案、太陽光発電設備用の太陽電池の再資源化に関する法律案が報告をされているということでありますが、そのことを受けまして質疑をします。
 国の制度化を待つ政策と、国に先駆けて都が条例化をする政策の判断基準について伺います。
 東京都は、条例により太陽光パネルの設置義務化を行う一方で、国が行おうとする太陽光パネルのリサイクル義務化を行わないとしてきましたが、東京都の役割と国の役割について、基本的考え方について伺います。

○木村資源循環計画担当部長 太陽光パネルにつきましては、廃棄物処理法等により、リサイクルも含む適正処理を行うことが義務づけられておりまして、国は昨年十二月に、住宅用を含むパネルのリサイクル義務化の方針を示しております。
 都は、着実なリサイクルの推進に向けまして、国に先駆けて、リサイクルルートの構築とリサイクルに対する補助を実施しており、来年度からは、リサイクル設備の導入や、積替え保管場所の整備への補助も開始いたします。

○桐山委員 太陽光パネルの設置の補助を実施し、リサイクルも補助を実施していくということですと、都民に選択の自由があるので、大変理解はできます。
 私が質問をさせていただいているのは、太陽光パネルは条例で、国がやっていない設置を義務化して、他方で、後始末、リサイクルの部分なんですけれども、リサイクルについては条例で義務化をしなかった理由、判断基準を聞いています。そこには、東京都が条例を制定してでも、国に先行して独自になすべきことと、全国的に適用される国の法律で行うべきことの判断基準、基本的な考え方があるはずです。
 もう一回、ちょっとそこは伺っておきたいんですが、国の制度化を待つ政策と、国に先駆けて都が条例化をする政策の判断基準、今も申し上げたんです。言葉を変えると、東京都の役割と国の役割についての基本的な考え方を伺いたいんです。もう一回、もし分かれば教えてください。

○木村資源循環計画担当部長 先ほどもご答弁させていただきましたが、太陽光パネルにつきましては、国が既に昨年十二月に住宅用パネルを含むリサイクル義務化の方針を示してございます。
 都は、着実なリサイクルの推進に向けて、リサイクルに対する補助ですとか、また来年度からは、リサイクル設備の導入補助、さらには積替え保管場所の整備を開始いたします。

○桐山委員 政策を実現する手段としては、条例化をする、義務化をする、強制をして進めていくということと、条例化をして義務化をするということと、ある意味、補助金を通して任意に誘導していく方式があると思うんですね。どちらを使うのか、併用するか。通常、義務をかけたら、補助金も、誘導方式も、円滑な法律施行のために使うという判断基準があるというふうに思っているので、お伺いをしました。
 なので、設置の義務をしたので、しっかりと今後、リサイクルを含めた補助もしっかりと誘導しながら取り組んでいくということで理解をさせていただきます。
 次に、有害物質処理、希少物質回収について伺います。
 太陽光パネルには、希少金属で有害物質である鉛、カドミウム、ヒ素、セレンなどが含まれる可能性があります。都の制度では、太陽光パネルに含まれる有害物質の処理はどうなっているのか伺います。

○木村資源循環計画担当部長 太陽光パネルに有害物質が使用されている場合におきましても、通常の処理と同様に素材ごとに分離し、リサイクルされるほか、管理型最終処分場で埋立処分されるなど、専門事業者を通じて適切に処理されております。

○桐山委員 太陽光パネルに有害物質が使用されている場合の廃棄ということでお答えだったと思います。条例で設置を義務づけている太陽光パネルで、有害物質が使用されていない太陽光パネルというのはあるんでしょうか。現在使われている太陽光パネルには有害物質が使われていますが、漏れなければ安全だといわれています。
 お答えでは、有害物質についてはリサイクルではなくて、埋立処分をするということは今の答弁を聞いて分かったんですけれども、この、最後に管理型最終処分場に埋め立てた後、専門事業者を通して適切に処理をしますということだったと思うんですが、この専門事業者が適正に処理をしているかどうかを都はどのように確認をしているのかということなんですが、その点分かったら教えてください。

○木村資源循環計画担当部長 管理型処分場につきましては、廃棄物処理法に基づきまして適切に処理されることになってございます。

○桐山委員 埋め立てる処分場というのは今、管理型最終処分場というのがありますけれども、さらに基準を超えるものというのは遮断型最終処分場で処分するということだと思うんですね。それがどの程度の有害な物質の処理がなされているのかというところの、やっぱり確認はした方がいいと思うんですよね。そのことについてはもう再質問しませんけれども、ぜひ確認できるように、次回聞きたいと思いますので、よろしくお願いします。
 次に、太陽光パネルから有害物質を取り除くコストは高いとされていますが、東京都の仕組みでは、発電出力キロワット当たり、または国の制度では重量当たりという基準も検討されているようですが、重量当たりでも結構ですので、そのコストは幾らと計算しているのか伺います。

○木村資源循環計画担当部長 先ほどの答弁と重なりますけれども、太陽光パネルに有害物質が使用されている場合におきましても、通常の処理と同様に、素材ごとに分離してリサイクルされており、また管理型最終処分場で埋立処分されるなど、専門業者を通じて適切に処理されております。

○桐山委員 これもぜひ、有害物質が使用される場合においても、やはりこの重量当たり、国の方は重量当たりという基準が検討されているので、東京都はキロワットですが、重量当たりというところでも、しっかりそのコストの計算くらいしておくことを求めておきます。
 次に、都の制度では、太陽光パネルに含まれる希少金属のリサイクルの確認はどのように行っているのか伺います。

○木村資源循環計画担当部長 都の補助制度では、太陽光パネルの総重量の八割以上を再生利用等できる施設を指定しております。
 なお、希少金属は通常、精錬会社等に有価で売却されるものでございます。

○桐山委員 今の答弁だと、つまりリサイクル施設を指定しているから再利用をしているということであって、実際にそれがリサイクルをされているのかどうかの確認は行っていないということでよろしいんでしょうか。

○木村資源循環計画担当部長 都の補助制度では、太陽光パネルの総重量の八割以上を再生利用できる施設を指定しているということでございますので、その際に確認してございます。

○桐山委員 次行きます。再生利用率の標準基準の考え方についてです。
 再生利用率の評価基準の設定に当たって、再生利用の重量と熱回収の重量を全く同列に扱い、その合計重量が太陽光パネルの八〇%以上になることという判断基準が適正である根拠について伺います。

○木村資源循環計画担当部長 太陽光パネルのリサイクルにおきましては、アルミフレームやガラスなど、通常総重量の八割程度がマテリアルリサイクルされております。
 マテリアルリサイクルやケミカルリサイクルなどが技術的、経済的に難しい残りの部分につきましては、国が検討している制度におきましても、熱回収を認めることが適当とされております。

○桐山委員 国が検討して熱回収を認めることが適当とされていることは、国の検討している内容を読みましたので、そこは理解しているんですけど、今、リサイクルが容易なアルミフレームやガラスのマテリアルリサイクルで八〇%いくから、この八〇%をしているということでよろしいんですよね。
 残りのこの二〇%というのは、やはりそのリサイクルにお金がかかるということで、これは求めなかったという判断基準でよろしいのでしょうか。

○木村資源循環計画担当部長 繰り返しになりますけれども、都のパネルのリサイクルにおきましては、アルミ、ガラスなどが通常総重量の八割程度がマテリアルリサイクルされてございます。それに満たないものとしても、技術的に、経済的に困難な残りの部分につきましては、熱回収等において認めるということは国においても適当とされてございます。

○桐山委員 今まだ、その最終的にはまだリサイクルルートも確立できていないし、今後、国の方でも研究、検討されていくことだとは思うんですけれども、今の段階では熱回収を認めることが適当だということでの判断基準で、そのことは求めなかったということで理解をします。
 次に、東京都の太陽光発電設備の3Rの推進の仕組みでは、太陽光パネルは廃棄物として処理をされている割合とリサイクルされている割合はどのくらいになると計算しているのか伺います。

○木村資源循環計画担当部長 都は、国による太陽光パネルリサイクル義務化に先駆けまして、補助制度等によりまして住宅用太陽光パネルをリサイクルに誘導しております。

○桐山委員 計算をしているのかというふうに伺っているんですが、難しい質問ではないとは思います。
 都は、リサイクルの施設の現地調査や処理コストに関する実態把握をして、キロワット当たり二万五千円の補助を算出していると聞いています。ですと、この八〇%以上というのが、施設への補助基準を決めるときにも、実際には八五%とか九〇%とか、実態調査をしているんだと思うんです。
 調査をしていない、あるいは計算をしていないで分からないということなんでしょうか。もしそれで、計算していないならしていないでいいので、そのようにお答えをぜひいただきたいと思います。

○木村資源循環計画担当部長 都は、リサイクルの補助制度をするに当たりまして、施設の方を調査した上で、適切なリサイクルができる施設を指定してございます。

○桐山委員 調査をしたということは今お答えになって分かったんですけれども、リサイクルされている割合はどのぐらいになると計算しているのかということなので、またこちらの方も改めて伺っていきたいというふうに思います。
 東京都のリサイクル費用について伺います。
 東京都の仕組みでは、条例に基づいて太陽光パネルを設置した都民は太陽光パネルのリサイクルのために、単純に破砕され全くリサイクルされず廃棄物処分される場合に比べ、発電出力キロワット当たり、金額として幾ら負担することになるのか伺います。

○木村資源循環計画担当部長 都が実施しましたリサイクル施設の現地調査や処理コストに関する実態把握などの結果を踏まえまして、埋立処分と比べ、リサイクルすることにより割高になる費用、キロワット当たり二万五千円を補助しております。

○桐山委員 太陽光パネルの処理費用は、私たちが主張してきたように、製造業者、輸入業者が負担することを基本とするようですが、法律ができた後も、都としては条例で設置を義務づけた責任を果たすために、補助制度を維持することもあり得ると考えているのか伺います。

○木村資源循環計画担当部長 国の太陽光パネルリサイクル義務化の動向を注視してまいります。

○桐山委員 これ、まさに先ほど、前段、一番最初のことで、役割分担の話で申し上げたことだと思うんですよ。
 やはり国の太陽光パネルのリサイクル義務化の動向を注視するのは当然のことだと思っているんですけれども、やはりこの補助、義務をつけたのですから、責任を果たすためのリサイクルに関する部分での費用負担、その部分の補助制度というのはしっかり維持していく必要性はあると思いますので、この件については強く要望しておきます。
 次に、災害廃棄物として太陽光発電パネルの処理について伺います。
 国の太陽光パネルリサイクル法では、災害廃棄物として太陽光パネルは対象とならないようですが、災害廃棄物としての太陽光パネルの処理について、都はどのような方針で臨んでいくのか伺います。

○木村資源循環計画担当部長 災害廃棄物につきましては、都の災害廃棄物処理計画におきまして、徹底した分別と選別により、可能な限りリサイクルを推進することとしております。

○桐山委員 国の方は、検討の中のものもですけれども、ずっと読ませていただく中では、災害廃棄物としての太陽光パネルの処理というのは対象としないと、災害廃棄物としては太陽光パネルは対象としないというリサイクル法の考え方があるようでありますが、東京都としては、災害廃棄物処理計画においては徹底した分別と選別をして、可能な限りリサイクルを推進していくということですので、ぜひ進めていただきたいと申し上げておきます。
 最後に、空き家の太陽光発電パネル処理について伺います。
 国の太陽光パネルリサイクル法では空き家の太陽光パネルは対象とならないようですが、空き家の太陽光パネルの処理について、都はどのような方針で臨んでいくのか伺います。

○木村資源循環計画担当部長 空き家となっている建物と同様に、設置された太陽光パネルの適切な維持管理は所有者の責務となります。

○桐山委員 空き家となっている建物と同様に、設置された太陽光パネルの適切な維持管理は所有者の責務だということだということは分かるわけであります。この空き家問題は全体で、例えばこの太陽光パネルだからといって環境局だけに何かを求めていくということはありませんが、やはりこの空き家問題というのは全体で、全庁的に解決していかないといけないとは思います。
 ただ、使える太陽光パネルは、家に設置されている設備だからといって、防犯上の配慮というものはやはり今後必要なのかもしれないので、ぜひその辺りも今後検討していただきたいなというふうに思っておりますので、太陽光パネル、多岐にわたってリサイクルに関しましたけれども、ぜひ、国の動向も注意しつつ、東京都が先行して設置の義務化を進めていった経緯があるので、やはりそういったところを十分今後とも私自身も注視をしながら、また指摘をしながら、改善を求め、取り組んでまいりたいと思います。
 以上です。ありがとうございました。

○漢人委員 それでは、質問いたします。
 まず、気候変動対策、家庭における省エネについてです。
 来年度の気候変動対策予算は、今年度から二六・七%増の一千七百二十八億円が提案されています。このうち金額の大きい四事業について質問します。
 まず、高効率家電への買換え等を支援する東京ゼロエミポイント事業が拡充され、予算額は今年の二倍近くの二百二十億円が提案されています。
 規模として、エアコン、冷蔵庫など八十三万台が想定されていますが、このうち、適応策としての熱中症対策に必須のエアコンはどのくらいと想定されるのでしょうか。参考として、今年度の実績として、エアコンの割合を伺います。

○荒田気候変動対策部長 東京ゼロエミポイント事業における今年度の一月末までの申請実績のうち、エアコンの割合は四〇%となってございます。

○漢人委員 想定でしかありませんけれども、新年度の八十三万台の四〇%とすると、エアコンは三十三万台くらいになるのかなと。金額にすると八十八億円という計算になります。
 昨年夏の熱中症での都内二十三区の屋内死亡者二百五十四人のうち、エアコンがなかった方が六十一名で、二三・六%です。ここ数年は二五%前後で推移しています。この皆さんは、恐らくは様々な事情でゼロエミポイント活用の環境にはない方々だと思われます。
 現物支給したとしても、一台二十万円程度でエアコン設置できますよね。そうすると一千二百万円です。八十八億円からすればほんの少額なんですが、この八十八億円では救えない命なんだということを確認したいと思います。
 政府は、二〇三〇年までに熱中症死亡者数を半減する目標を掲げています。もう繰り返し、何度も繰り返していいますけれども、エアコンのない貧困世帯の調査と給付など、福祉との連携、エネルギー貧困対策をしっかり取り組んでいただきたいということを重ねてお願いをしておきたいと思います。このゼロエミでの八十八億円と一千二百万円の違いですよね。それだけあれば、工夫すれば救える命だなというふうに思うわけです。理屈の問題ではないと思います。
 次の質問ですが、東京ゼロエミ住宅普及促進事業として二百九十七億円、一万六千戸を対象に補助をするとのことですけれども、昨年度の実績では年間の新築住宅の何割に当たるのか伺います。

○関建築物担当部長 令和五年度の交付申請実績では、都内の新築住宅棟数の約二割でございます。

○漢人委員 約三百億円近くかけても、新築住宅数の二割程度にしかならないということです。全ての新築住宅をゼロエミにするには、ざっと一千八百億円も必要となるわけで、財政問題になると考えられます。
 また、毎年八割もの新築住宅が今後何十年にもわたってゼロエミではないままに使用されることになるわけです。義務化の拡大など、住宅の省エネ対策の抜本的再構築が必要だと考えます。
 次ですが、新年度予算では既存住宅の断熱などの支援を強化されていることは評価したいと思います。大いに評価したいと思います。災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業で七百二億円、七万戸、そして、賃貸住宅の断熱・再エネ集中促進事業で百九十九億円、三万戸が提案されています。
 来年度は、この二つの事業で十万戸となるわけですが、都内の住宅戸数は約七百万戸ですが、これに対して、今後どのように拡大していくのか、また何年に何%の断熱化を目標としているのかお伺いします。

○荒田気候変動対策部長 既存住宅の断熱改修につきましては、来年度は、改修補助に加えまして、改修効果を住まい手に合わせた広報媒体で発信するとともに、関係局と連携し、住宅の省エネ性能の無料点検等を行い、住宅所有者に対し、改修案の提案やニーズに応じた施工事業者の情報提供などを行います。
 こうした取組を通じて、二〇三五年までに三百八十五万戸の断熱改修を目指すこととしております。

○漢人委員 二〇三五年までに七百万戸のうち半分強の三百八十五万戸ということになりますね。
 次ですが、二つの既存住宅断熱支援事業のうち、賃貸住宅の断熱・再エネ集中促進事業は、新年度の三万戸に加え、三か年で、つまり二〇二七年までに十五万戸を集中的に支援し、二〇三〇年までに約百万戸を目指すとされています。
 ということは、二〇二八年からの三年で八十五万戸、残り八十五万戸の断熱化をするということになるわけですが、これを実現するための方策をお伺いしたいと思います。

○荒田気候変動対策部長 賃貸住宅の断熱改修につきまして、来年度から、家主の支援強化を通じて、省エネ性能の広告表示物件を増やしてまいります。また、環境性能の高い住宅の魅力を、入居者層に合わせて精力的に発信してまいります。
 こうした取組を通じて、環境性能の高い住宅が選択される社会環境を整備し、断熱改修につなげてまいります。

○漢人委員 東京都が気候変動対策予算を増やし、大胆なこういった断熱支援を行えるのは好調な税収増を背景にしたものですが、これは無尽蔵ではありませんし、今、トランプ政権の誕生で不確実性が拡大しているといえると思います。補助金や助成金を出し続ける対策だけでは好ましくないだけでなく、財政的にも困難です。
 また、税収増は一人当たり一・六倍にもなる東京都への過度な一極集中によるものですから、全国的な波及効果のある施策とする責任があると思います。東京都にはそういった責任があると思います。まさに今答弁された環境性能の高い住宅が選択される社会環境を整備するということが非常に重要だというふうに思いますし、大賛成です。
 しかし、そのためにも、三年で八十五万戸の断熱化を達成するためには、これは義務化などの規制も絶対に必要だと申し上げておきたいと思います。
 次の質問に行きます。有機フッ素化合物、PFAS汚染対策です。
 PFASについては、PFOSとPFOAの二つの物質の合計値を水道水一リットル当たり五十ナノグラムとする暫定目標値が設定されてきましたが、検査などの法的な義務づけはありませんでした。やっと二〇二六年度から水道法上の水質基準に引き上げることになりました。残念ながら数値は変わりませんけれども、定期検査が義務づけられることになります。そのような中で、PFASをめぐる報道も増え、関心も高まっているのではないでしょうか。
 まず質問ですが、今年度は環境局では、区市町村と連携したPFOS等地下水調査促進事業を行っていますが、その実績をお伺いします。

○丹野環境改善技術担当部長 八自治体、計六十九地点分の調査費用及び三名の有識者の招聘費用を支援いたしました。

○漢人委員 今年度予算では九十地点分が見込まれていましたが、六十九地点にとどまったわけですよね。もっと多くの自治体が希望すると思っていたのですが、八自治体ということで、これも少ないです。大変残念です。
 有識者の招聘費用もたった三人ということですね。これも残念です。残念というのは、東京都が悪いわけではないんですけれども、なかなかまだ自治体の方で応じる体制がなかったかなということだと思います。
 次に、来年度の環境局のPFAS対策に関する事業についてお伺いいたします。

○丹野環境改善技術担当部長 都は、来年度も都内全域二百六十地点の地下水の調査を実施いたします。
 また、今年度に引き続き、都の追加調査を補完する独自調査を行う市区町村に対しまして、その調査費用を支援いたします。
 ほかにも、民間施設のPFOS含有泡消火薬剤の交換経費を支援する取組につきまして、来年度も継続してまいります。

○漢人委員 事業としては今年度と同様で、予算額は、泡消火剤の交換経費が大幅に増えていますね。最初に申し上げたように、二〇二六年度からの水質基準への引上げが決まりましたので、都民の関心も相当高まるということを背景に支援を求める自治体が増える可能性があると思うんです。今年よりも増えると思います。そういった場合には、ぜひ柔軟に対応していただいて、上限に達したからもう駄目ではなくて、ぜひしっかり対応していただくことを求めたいと思います。
 最後に、最後というのはPFASについて最後に、昨年八月に、横田基地からPFOS等を含んだ水が流出した蓋然性が高いとの連絡を受けた後の対応と、横田基地への立入調査への環境局としての関与と今後の見通しについてお伺いします。

○丹野環境改善技術担当部長 都は、国からの情報を受けまして、都民の不安を払拭するため、速やかに基地周辺の河川で水質調査を行いまして、PFOS及びPFOAの合計値が暫定指針値を下回っていることを確認いたしました。
 都市整備局からは、国に対しまして環境補足協定に基づく立入り及びサンプリングの実施につきましても、速やかに米側と調整を進めることなどを要請したと聞いております。

○漢人委員 十二月二十日の朝に立入りが行われたわけですが、報道等によると、自治体職員からは質問が相次いだが、米軍側から明確な回答はなく、滞在時間は一時間ほどにとどまったとのことです。また、その後、米軍からの対応が大変鈍いようです。
 米軍横田基地との調整の担当は都市整備局かとは思いますけれども、PFAS汚染の専門は環境局ですから、環境局としてもしっかりとコミットして、東京都として連携した取組の強化を求めたいと思います。
 最後に、生物多様性地域戦略について伺います。
 生物多様性地域戦略に基づくアクションプランが今年度初めて更新されたことを受けて、事務事業質疑で問題点を指摘しました。今、二回目の更新を進めているわけですが、それに関して質問します。
 更新作業の現状、今後のスケジュール、予定をお伺いします。

○宮武自然環境部長生物多様性担当部長兼務 アクションプランは、本年二月に庁内推進会議を開催し、現在、更新に向けて各局事業の取りまとめを進めております。

○漢人委員 最初のアクションプランは地域戦略の策定と同時に二〇二三年四月に発表されましたが、今年度のアクションプラン二〇二四は七月でした。毎年更新されるものですから、四月には更新、発表されることが望ましいと思います。
 本日、既に三月十九日という時点で、今のご答弁ですと、現在、更新に向けて各局事業の取りまとめ中というのは、これはどういうことでしょうか。今年度は初めての更新でしたから、いろいろ初めてということで七月になってしまったのは仕方がないとも思うんですが、今回はもう二回目の更新となるわけですから、このアクションプラン二〇二五は四月には速やかに発表されるべきだと思います。
 本日の段階ではその方針が示されるべきだと思いますが、いかがでしょうか。

○宮武自然環境部長生物多様性担当部長兼務 現在、更新に向けて各局事業の取りまとめを進めているところでございます。

○漢人委員 何回聞いても、きっとこれ、同じことしか答えていただけないというパターンに入ると思いますけれども、もう今三月で、普通だったら四月に更新、発表するべきなんですよ。もしかしたら五月に入っちゃうかもしれないけど、それを何で今の段階でいえないのか。毎年こう繰り返していく更新作業なんですから、基本的に年間計画なんだから、四月に発表するというのは当然じゃないですか。
 何かハプニングがあったら、それがずれ込むことはあるかもしれないけど、それがいえないというのは、私、とてもおかしいと思いますね。これ、環境局の方針なのか、東京都の方針なのか、何か曖昧なことはいえないみたいなんですけど、方針としてはいうべきなんですよ。
 その上で、遅れれば遅れた事情があったということで説明すればいいんですから、基本的に一年計画のものをこの三月の段階で、三月の段階ですよもっと早い時期なら分かる、三月のこの時期になっても四月に更新するといえないというのはおかしいということを強く指摘しておきたいと思います。
 次ですが、アクションプランには、前年度の実績と当年と翌年の計画が掲載されていますが、この記載のない事業が多くあります。地域戦略はPDCAサイクルで進めるとうたっていますが、実績、計画の記載のない状態でC、チェックはどのように行うのか。
 事務事業質疑の際に、来年度の更新に向けて、実績、計画を記載することを基本とするように求めましたが、この点どうなっておりますか、伺います。

○宮武自然環境部長生物多様性担当部長兼務 アクションプランにはそれぞれの事業の性質に応じて実績と計画を記載しており、それを自然環境保全審議会計画部会に報告し、意見をいただいております。

○漢人委員 これも何かやっぱりよく分からない答弁ですよね。それぞれの事業の性質に応じて記載しているということですが、アクションプラン二〇二五ではその実績、計画の記載を増やすということでよろしいですか。

○宮武自然環境部長生物多様性担当部長兼務 それぞれの事業の性質に応じて実績と計画を記載してまいります。

○漢人委員 これ、絶対おかしいんですよ。実績や計画がそりゃうまくというか、記載できない内容もありますけれども、多くの事業はちゃんとどんな実績か、そしてどんな計画で取り組むのかというのがなければアクションプランにならないんですから。
 それを今の段階、秋の事務事業で指摘をしましたけれども、今の段階になっても、それを増やす、別に全部載せろといっているわけじゃないんですよ。載せられるものについては載せるべきだといっているんですけれども、それについても今のような曖昧な答弁しかできないということがとても残念です。地域戦略についての都の姿勢がそういうことなのかなとも疑ってしまうところでもあります。
 NGOの発表によりますと、世界の生物多様性の豊かさが過去半世紀の間に七三%も失われています。また、ICUN、国際自然保護連合が昨年十一月に、十月かな、更新したレッドリストによりますと、世界の野生生物の四万六千三百三十七種が深刻な絶滅の危機にあり、特に樹種、木の種類、樹種については、四万七千あまりのうち三分の一以上の約一万六千種が高い絶滅の危機にさらされていると指摘をされております。
 生物多様性の保全に向けて東京都からも着実に取り組んでいくことは、今、世界的に求められている責任です。大変重要です。そのためにも、その基本となる、毎年着実に取り組んでいくためのアクションプランの早い時期での策定、発表を求めて、質問を終わります。

○曽根委員長 この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。
   午後五時二十六分休憩

   午後五時四十九分開議

○曽根委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○田村委員 まず、自然環境の保全に関し、幾つか伺います。
 野生生物の戦略的保全方針について伺います。
 自然界には、ふだん目にする動物や植物だけでなく、土の中に多様な微生物も生息しており、動物の死骸や落ち葉などを分解し、物質を循環させています。
 私は、以前からこうした土中環境も含めた生き物のつながりの重要性を訴えてきました。
 そこでまず、今回の保全方針において、都は、生態系に着目した保全の重要性をどのように捉えているのか伺います。

○宮武自然環境部長生物多様性担当部長兼務 野生生物は、普通種や絶滅危惧種を問わず、互いに関係し、つながり合いながら生態系を構成しております。
 人間活動の影響による野生生物の絶滅をこれ以上増やさないためには、絶滅危惧種の保全はもとより、普通種を含む生息、生育環境を適切に保全し、生態系を回復させていく必要がございます。
 こうした考えの下、今回の方針では、特定の種ごとに対策を講じる保全の取組に加え、それらを取り巻く生物種間のつながりも含めた生態系に着目した保全を多様な関係者と連携して進めていくこととしております。

○田村委員 生態系ピラミッドは、その三角形の底辺が、最も幅が広くなければ成り立ちません。その底辺は地中に存在をします。ぜひとも微生物などが生息する土中環境も含めて、様々なつながりを意識しながら、生態系の保全に向けた取組を展開していっていただきたいと思います。
 さて、希少種をはじめとした野生生物の減少要因としては、開発等による生息環境の喪失のほかに、外来種による影響が挙げられます。
 人口が多く経済活動が活発な東京には、様々な外来種が持ち込まれて、在来の野生生物に大きな影響を及ぼしており、今回の都の方針では、外来種対策に一層力を入れていくという方向性が示されています。
 そこで、今後どのように外来種対策を展開していくのか伺います。

○宮武自然環境部長生物多様性担当部長兼務 外来種対策については、これまでの入れない、捨てない、広げないという普及啓発に軸足を置いた取組を一段進め、いち早く見つけ、被害を減らすという防除を実践するステージへ転換していくこととしております。
 このため、専門家による検討を踏まえ、本年夏頃を目途に、都内における外来種の侵略性や定着状況等に応じ、対策すべき種の優先度を示した東京都版外来種対策リストを公表する予定でございます。
 あわせて、外来種対策の基礎知識や防除の実践における留意点をまとめた外来種対策解説ブックを作成、公表することで、多様な主体と連携した実効性の高い外来種対策を展開してまいります。

○田村委員 今回、都が取りまとめた方針は、野生生物の保全に向けた取組を実践する上で、よりどころとなります。そして、充実した内容であると思います。引き続き、多様な主体と連携して、生物多様性の保全、回復に向けた実効性のある対策を進めていただくことを求めておきます。
 次に、ツキノワグマ対策と、その担い手確保について伺います。
 現在、国会においては、熊の市街地への出没が増加していることなどを踏まえた鳥獣保護管理法の改正案が審議されています。
 今回の改正案では、一定の条件の下、市町村長の判断で市街地での銃の使用が認められることとなります。
 また、その際には、地域住民の安全確保のため、市町村長が通行制限と避難指示を実施することとし、市町村長は、必要に応じて都道府県知事に応援を要請することができるという役割分担も規定されています。
 熊の市街地出没時には、都と市町村が緊密に連携して対応していく必要があります。法改正の動きも見据えつつ、市町村とどのように連携を進めていくのか伺います。

○宮武自然環境部長生物多様性担当部長兼務 熊の出没への対策として、都は、昨年四月に対応マニュアルの改定を行い、緊急度合いに応じた危機レベルの設定と、そのレベルごとに市町村や警察、都が取るべき対応を明確化しております。
 今年度は、関係市町村等との連絡会議を二回開催し、マニュアルの改定内容や熊の目撃情報アプリ、TOKYOくまっぷの周知を図るとともに、出没時の連携した対策推進に向けて意見交換を実施しております。
 熊の市街地出没に対しては、法改正の動向や市町村の現場実態などを踏まえつつ、今後もマニュアルを適時見直し、関係者と連携して訓練を実施することなどにより、対策の実効性を高めてまいります。

○田村委員 市町村が銃の使用を許可する際、適切に判断できる環境づくりを市町村と共に進めていただきたいと思います。
 さて、熊出没など、人身被害が懸念される緊急時には、猟友会などの協力を得て対応しているケースが多いと承知していますが、技術の継承等で課題に直面しているという声も聞いています。
 野生生物の市街地出没の増加や、農作物、生態系への被害が深刻化する中にあっては、狩猟の担い手を育成していくことが重要になると考えます。
 狩猟の担い手育成に向けて、都としてどのように取り組んでいくのか伺います。

○宮武自然環境部長生物多様性担当部長兼務 狩猟の担い手の裾野拡大に向け、都は、今年度から狩猟免許試験の実施回数を一回増やして年六回とし、その結果、受験者数は一千四十八名と昨年度の八百四十五名から二百三名増加してございます。
 また、来年度は、東京都猟友会と連携し、免許は保有しているものの実際に狩猟を体験したことが少ない方を主な対象として、都内の狩猟現場への同行や捕獲個体の解体など、実践的な内容の講習会を開催し、専門知識や技術の習得につなげてまいります。
 こうした取組を通じて、狩猟の担い手の育成を進めてまいります。

○田村委員 実は、都内にも猟場があるということがあまり知られていません。こうした取組を通じて、都内でも狩猟ができることについて認知が広まり、新たな狩猟の担い手の増加につながっていくことを期待しています。
 また、狩猟の技術の習得や向上、それにとどまらず、解体や処理、さらには持続可能な生態系の循環を学ぶことができるような場を都内に創設することも提案をしておきます。
 ここまで質疑したように、生態系に着目した保全や外来種対策、鳥獣対策や、その担い手の確保など、二〇三〇年ネーチャーポジティブの実現に向けて、都は、適切な対策を講じていくことが確認できました。引き続き、様々な関係者と連携して取組を推進されることを求めて、次の質問に移ります。
 次に、地下水の中の有機フッ素化合物、PFASについて伺います。
 私の地元、西多摩地域の状況についても心配になりましたが、都の地下水の調査によれば、これまで高濃度の検出はされていません。しかし、国は、健康への影響について、確定的な知見はないとして明らかにはしていないようです。
 このような中、都民の不安の払拭に向けた都の取組がますます重要と考えますが、改めてその内容について伺います。

○丹野環境改善技術担当部長 都は、国に先んじて、水道水の安全性を確保するとともに、都内全域での検出状況を把握するため、都内二百六十地点で、地下水中のPFOS及びPFOAを調査いたしまして、暫定指針値の超過が判明しました地下水につきましては、飲用しない取組を徹底してまいりました。
 今年度に引き続き、来年度も、市区町村とも連携いたしまして、都内全域の調査を一年間で行いますとともに、都が行う追加調査を補完する市区町村に対しまして、その費用の三分の二を支援してまいります。
 さらに、環境局をはじめとする関係各局のホームページにおきまして、PFOS等に関する最新の動向や、都の取組等の情報を分かりやすく発信しております。
 今後とも、都民の不安払拭を図るため、これらの取組を着実に実施してまいります。

○田村委員 このような状況の中で大切なのは、何が正しくて、何が間違っていて、何が不確定なのか、そうした情報をしっかりと発信をしていくことだと思います。今後も、しっかりと取組をお願いいたします。
 次に、建設再生材の利用促進について伺います。
 首都東京では、大量の建設廃棄物が発生しており、再生骨材コンクリートなどの建設再生材の活用促進が課題であると認識をしています。
 そのような中、昨年八月に、国においては、第五次循環型社会形成推進基本計画が閣議決定されました。
 こうした国の動きも踏まえ、都が建設業界に対して、循環経済への移行を見据えた建設再生材の活用を普及啓発していくことが必要ですが、都の見解を伺います。

○宗野資源循環推進部長 都はこれまで、関係局と連携して、東京都建設リサイクルガイドラインや、再生骨材コンクリート利用の工事事例集等により、建設再生材の利用を推進してまいりました。
 今年度は、建設技術者に向けて、世界的な循環経済への移行の潮流ですとか、建設分野における対応の必要性、建設再生材の適切な用途での利用方法や品質管理、また、費用面でのメリット、活用事例等につきまして、有識者等が解説する研修動画を作成し、近日中に公開予定としております。
 今後は、本研修動画を用いまして、庁内の建設リサイクル推進協議会や、関係業界団体を通じての啓発を行いまして、建設再生材の活用を促進してまいります。

○田村委員 研修動画による啓発により、建設技術者が環境経済への対応の意義と、そうした世の中の流れを受けて、建設再生材を利用していかなければならないということの理解が進むことを期待しております。
 次に、循環経済への移行では、動静脈連携により、廃棄物を再生して、製造業が材料として利用していく重要性が示されていますが、産業廃棄物処理業者が処理、再生した建設再生材を建設会社が構造物新設の際などに利用していくことは、まさに循環経済の流れです。
 この機会を捉えて、建設再生材の適切な用途での利用拡大を図っていくため、動静脈の連携を促しながら、活用事例を積み上げていくことが必要と考えますが、都の見解を伺います。

○宗野資源循環推進部長 都は、昨年十月から、産業廃棄物処理業者に対して、コーディネーターを派遣し、建設再生材を活用する建設会社等とのマッチングや利用促進に向けた技術支援を行う制度を新たに立ち上げております。
 これまでにコーディネーターを三社に派遣いたしまして、建設再生材の排出から再生処理、利用先までの流通過程を可視化するためのトレーサビリティーを確保する方法等について、技術支援を行っております。
 また、解体した建物の廃棄ガラスをカレットに再生し、板ガラスの原料として再利用していくことを見据え、静脈事業者と動脈事業者間の連携に向けたコーディネートを実施いたしました。
 今後とも、コーディネーターによる技術支援やマッチングを促進することで、活用事例を積み上げるとともに、優良事例の公表等を行うことで水平展開し、利用拡大を図ってまいります。

○田村委員 コーディネーターによる動静脈連携の支援により、建設再生材の活用事例が増えていくことを期待いたします。
 特に再生骨材コンクリートは、解体工事で発生したコンクリート塊を再生して、再び新築工事のコンクリートで活用するもので、循環経済には欠かせません。技術的にも確立してきている分野であり、利用拡大に向けて、庁内で連携した取組を強化し、ぜひコンクリートの地産地消を実現していただくことを要望して、質問を終わります。

○伊藤委員 よろしくお願いいたします。まず、断熱改修について伺います。
 先日の我が会派の村松議員の代表質問におきまして、新たな政策目標に向け、既存住宅の断熱改修を強力に推し進めるべきとの指摘をしましたところ、都からは、都民の行動変容を促すための効果的なPRやサポートの必要性のほか、改修補助の規模を十万戸に倍増し、取組を加速していく旨、力強い答弁がございました。
 一方で、これだけ大きな規模の改修を進めるには、多くの都民の意欲を高めるとともに、そもそもどのような制度があるのか、自分にはどういった製品がよいのか、どのようなメリットがあって、自己負担はどの程度になるのかなど、改修や補助の仕組みに加え、メリット、デメリットに対する理解を促進することが必要です。
 こうしたことを着実に進めていくために、都はどのように取り組んでいくのか、こうした観点から何点か伺います。
 若干古いデータなのですが、国の統計で、二重窓、複層ガラス窓の設置状況を平成二十五年と三十年で比較している住宅・土地統計調査というものがあります。比較できるものとしては、これが最新のものになりますので、このデータを利用したいと思いますが、都内において、二重サッシ、または複層ガラスの窓があるとの答えは、この五年間の比較で二十八万三千四百戸の増加、割合にしますと二四・六%の増加となっています。しかし、全国と比較をすると、東京都の普及率は低い状況となっています。
 断熱改修による効果としては、CO2の削減でありますとか、電気代の節約などが真っ先に浮かびますが、それだけではなく、先ほども一部ご質疑がございましたとおり、夏場の熱中症対策でありますとか、冬場のヒートショック予防などにもつながるなど、健康面にもメリットがある重要な取組であります。
 こうしたメリットをしっかり都民に伝えていくことが重要と考えますが、都はどのような取組を進めていくのか伺います。

○荒田気候変動対策部長 都は、今年度、環境公社と連携し、断熱改修の省エネや健康等に関する様々な効果を伝えていくため、建築の専門家と医師との対談動画を作成し、二か月弱で九千回を超えて閲覧されました。
 来年度は、断熱体感イベントや都内各地での出前セミナーに加え、動画、ユーチューブ、SNS等を活用し、高齢者や子育て層といった住まい手の特性に合わせた健康面や経済面の改修メリットを分かりやすく発信してまいります。

○伊藤委員 環境にいいだろうということはイメージとして理解できるものの、改修意欲を高めていくには、多くの都民に具体的なメリットを知っていただくことが重要ですので、しっかりと進めていただきたいと思います。
 次に、こうした普及啓発の取組によって、興味を持っていただいた都民であっても、実際に断熱窓等を設置する際に、どの製品にしたらいいのか、どの事業者に頼めばよいのかなど、こうした点についても分からないケースもあると思います。
 こうした皆さんが、安心して改修の検討ができるための支援が必要と考えますが、都はどのように支援をしていくのか伺います。

○荒田気候変動対策部長 都は、来年度、断熱改修に興味を持っていただいた方が具体的に改修の検討を進められるよう、アドバイザーが無料で住宅を点検し、個々の状況に応じて改修のアドバイスや施工事業者の情報提供を行うとともに、フォローアップをして、施工まで伴走型で支援をしてまいります。
 なお、事業の実施に当たっては、住宅の耐震や劣化等に関するアドバイス事業を行う住宅政策本部や都市整備局とも連携し、幅広く展開してまいります。

○伊藤委員 ありがとうございます。興味、関心を持った方が実際に改修に至るまで、都として丁寧に寄り添い、しっかりとサポートしていただくことをお願いいたします。
 さて、全国でいわゆる闇バイトによる強盗が相次いで発生をしています。こうした強盗が家屋に侵入する際、戸建てでは、ガラスの窓を破って侵入するガラス破りが約三割と多いということが分かっており、侵入経路としても、窓からの侵入が最多となっています。
 そうした中、都が行った都民アンケートでも、都に対して対策をしてほしいとしたものが、治安対策が令和五年度、六年度ともに上位に入りました。
 こうした都民の声を受け、都が断熱と防犯性能を高める機能を併せ持つ断熱防犯窓についても、断熱窓と同等の自己負担額で設置できるよう支援を拡充するとしたことは、高く評価をしています。
 そこでまず、支援の対象となる断熱防犯窓とはどのようなものなのか、また、どのように普及をさせていくのか、この点について都の取組を伺います。

○荒田気候変動対策部長 断熱防犯窓とは、特殊なフィルムが挿入されていることにより、打ち破りなど侵入行為を開始してから五分間以上、耐え得ることが認められた窓でございます。
 今後、断熱防犯窓の設置を進めていくため、専用のチラシを作成し、サッシメーカーや事業者団体のほか、防犯や高齢者支援に携わる部署とも連携し、広く周知を図ってまいります。

○伊藤委員 断熱防犯窓への支援拡充は、防犯の切り口から断熱改修の設置推進にもつなげられる取組でありますので、ぜひしっかりPRをお願いしたいと思います。
 次に、家庭における電気の自家消費の推進について伺います。
 現在、固定価格買取り期間が満了した、いわゆる卒FIT家庭が年々増えています。また、昨今の燃料価格の高騰に伴い、光熱費の家計への負担が増加していることなどにより、各家庭において、太陽光パネルで自家発電することや、自家発電をした電気を活用することへの関心が高まっています。
 こうした自家消費を増やすことは、CO2排出削減や光熱費削減のほか、災害時においても電気が継続して利用できるなど、レジリエンス向上にもつながります。
 都はこれまで、個人の家庭における太陽光パネルや蓄電池の設置推進に向け、支援を拡充してきたことは承知をしておりますが、先ほどの国の住宅・土地統計調査によると、同じく平成二十五年から三十年、この期間の比較で見ますと、都内で太陽光を利用した発電機器があると答えたのは、一万九千七百戸の増、割合にして二七%増加をしておりますが、こちらも全国と比較をすると、普及率が低い状況となっています。
 家庭における自家消費をさらに推進をしていくことが必要と考えますが、都としてどのように取り組んでいくのか伺います。

○荒田気候変動対策部長 狭小住宅や隣地、隣の土地との間隔が狭い住宅が多いといった都市特有の状況に対応しながら、太陽光パネルの設置を加速していくため、優れた機能を有する太陽光パネルの普及促進に取り組んでおりまして、来年度は建材一体型パネル、近隣への反射光のまぶしさを軽減するパネルなどへの補助額を引き上げます。
 また、既に蓄電池を設置されているご家庭で、さらに容量を増やしたいという声があることから、既存の蓄電池の容量を増設する場合も新たに支援の対象といたします。
 これらを通じて、家庭における自家消費を推進してまいります。

○伊藤委員 全国的に見ても、都の支援は大変充実をしていると思いますが、それでも実際に設置をするとなると、機器の選定、設置後のケア、現在の電気と何がどう変わるのかなど、制度や仕組みへの理解と納得が必要であり、また、導入に際し、自己負担でありますとか、築年数がたっている家では設置そのものへの不安もあると思います。
 また、さきの断熱窓と同様に、安心して頼める施工業者やプランをどう選べばいいか分からないといった声も実際に聞いています。
 こうした導入のハードルを下げるため、導入の選択肢を増やしていくことも必要と考えますが、都はどのように取り組んでいくのか伺います。

○荒田気候変動対策部長 都は、太陽光パネルや蓄電池の導入に係る都民の負担を軽減するため、スケールメリットにより、比較的安価で購入できるグループ購入という仕組みを用意してございます。
 このグループ購入では、都民が安心して設置できるよう、安全かつ確実に設置できる施工業者を選定してございます。
 また、リースなどにより初期費用ゼロで太陽光パネルを設置する事業者への補助を行っているほか、安価で手軽に導入できるポータブル型の太陽光パネルや蓄電池につきまして、区市町村を通じた支援を実施してございます。

○伊藤委員 今、ご答弁でも触れていただきましたが、都では、区市町村を通して、ポータブル型の太陽光パネルや蓄電池の普及についても半額補助を行っています。災害時にも活用することができますし、再エネに手軽に触れることができる選択肢としても有効な機器であると考えます。ところが、この補助事業は、都内で江戸川区の一自治体しか行っていません。
 今後、区市町村の取組を増やしていくべきと考えますが、どのように取り組んでいくのか伺います。

○荒田気候変動対策部長 現在、ポータブルの太陽光パネルや蓄電池の事業活用を促すため、区市町村への訪問や説明会を通じ、PRを行っております。
 今後は、防災面でも有効であることから、区市町村の防災担当部署にも事業化を呼びかけてまいります。

○伊藤委員 ポータブルの太陽光パネルでありますとか蓄電池、これらは災害時にも役立つと思いますので、今ご答弁のとおり、防災の担当部署にもしっかりと周知をしていただいて、事業化に取り組む区市町村を増やしていっていただきたいというふうに思います。
 また、今回、来年度の断熱改修や自家消費の取組について伺いましたが、どちらも二〇三〇年カーボンハーフの実現に向けた大変重要な取組ですので、ぜひ関係団体や区市町村等とも連携を図りながら、しっかりと進めていただくことを求めて、質問を終わります。ありがとうございました。

○かまた委員 初めに、プラスチックの3Rについて質問をいたします。
 都議会公明党は、水平リサイクルの重要性について、これまで質問を重ねてまいりましたが、都としましても、ゼロエミッション東京戦略において、プラスチックの持続可能な循環利用を推進しております。
 現在、自治体による容器包装や製品プラスチックの分別収集は、都からの支援もありまして、拡大しつつありますけれども、プラスチック製の家具や化学繊維の布団などの粗大ごみは、いまだに破砕された後に焼却されていることが多いと伺っております。
 そこで、より一層、資源循環の輪を広げるために、粗大ごみに含まれるプラスチックのリサイクルを推進していくべきと考えますが、都の見解を伺います。

○木村資源循環計画担当部長 都は、プラスチック製の衣装ケースにつきまして、昨年度までの二か年間、業界団体等と連携し、広域的な再資源化を目指す実証事業を行いました。
 今年度は、区市町村との共同検討会などで優良事例の共有を図ることにより、実施団体は五から十二区市に広がりました。
 また、ポリエステル製の綿につきまして、自治体と連携して、粗大ごみとして出される布団等から回収して再生し、再び布団等として商品化を行うリサイクル事業者を後押ししております。
 来年度も、こうしたプラスチックのマテリアルリサイクルを目指す取組を支援することで、資源循環の社会実装を促進してまいります。

○かまた委員 事業者や自治体と連携をして、プラスチック由来の粗大ごみを再生利用していくとのことで、これからも多くの自治体での取組につなげていきますよう、都からの積極的な働きかけをお願いいたします。
 また、自治体が回収をしたプラスチックごみのほかに、オフィスビルや商業施設等から出される事業系のプラスチックごみなどについても、3Rを進めていくことが重要であります。
 都は、こうしたビルなどを対象にして、令和二年度から3Rアドバイザー事業を実施しておりますけれども、これまでの実績と今後のプラスチックの3Rに向けた取組についてお伺いをいたします。

○木村資源循環計画担当部長 都は、区市町村等と連携して、これまでに二百三十一件のオフィスビル等にアドバイザーを派遣して、3Rの助言を行ってまいりました。
 具体的には、排出事業者向けの講習会に講師を派遣し、プラスチックの再資源化に向けた分別方法や、事務用品のリユース事例などを解説しております。
 さらに、オフィスビル等を訪問し、リサイクルボックスの効果的な配置や、訴求力の高い分別表示の方法などを助言しております。
 来年度からは、これまでの取組で得た知見を生かしまして、3Rに取り組む事業者向けに、デジタル技術を活用した自己診断ツールの提供や、オンライン相談なども新たに開始いたします。
 こうした取組を通じまして、事業系のプラスチックごみ等の削減や資源の循環利用を促進してまいります。

○かまた委員 今後もオフィス等からの使い捨てプラスチックを削減するとともに、3Rを一層推進していただきますよう、事業者に対してきめ細かな支援をしていくことを要望しまして、次の質問に移ります。
 次に、労働者の熱中症対策についてお伺いをいたします。
 労働者の熱中症対策は重要でありますけれども、今年の夏も暑くなることが予想されており、特に屋外等で働くエッセンシャルワーカーにつきましては、業務を休止したり、作業時間を変更することが難しい仕事ですので、行政の支援が重要となります。
 都は、来年度、業界団体等の熱中症対策ガイドライン作成支援等を実施しますが、まず、その内容についてお伺いをいたします。

○関建築物担当部長 都は、エッセンシャルワーカーの業界団体等に向けた新たな支援事業を開始いたします。
 具体的には、業界団体に専門家を派遣し、各社の現場における熱中症対策に関する状況を踏まえた具体的な助言を行います。
 また、熱中症対策ガイドラインを策定する業界団体を対象に、策定のためのコンサルティング費用や各社への普及啓発費用など、必要な経費の三分の二を支援いたします。

○かまた委員 都は、ガイドライン作成を支援するということで、コンサルティング費などを補助するとのことですけれども、民間の企業、団体がガイドラインを作成していくことは、思いのほか難しいと伺っております。
 そこで、ガイドライン作成支援等を実施していくに当たりましては、補助制度の周知や作成のための都のフォローも行うべきと考えますが、都の取組をお伺いいたします。

○関建築物担当部長 都は、今年度、専門家派遣の希望について事前アンケート調査を実施しておりまして、来年度は、この調査結果に基づき、プッシュ型で専門家の直接訪問等を実施してまいります。
 専門家派遣においては、現場における暑さ指数の測定や、各事業者へのアンケート調査等を行うことにより実態を把握するとともに、ガイドライン策定の手順等についてもアドバイスを行います。
 さらに、都の補助制度の周知も併せて行うことで、都の支援事業の幅広い活用につなげてまいります。

○かまた委員 ガイドライン作成のアドバイスや周知をしっかり行っていただくとともに、他局の事業とも連携させながら、私たちの生活を支えてくださっているエッセンシャルワーカーの方々の熱中症対策が進んだと、ご本人たちが実感できるような取組をぜひ進めていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 続きまして、生物多様性の保全についてお伺いをいたします。
 都が令和五年四月に改定をしました生物多様性地域戦略は、二〇三〇年にネーチャーポジティブの実現を目指すという、都議会公明党がこれまで繰り返し重要性を指摘しました世界の潮流を踏まえた意欲的な戦略となっております。
 この地域戦略に基づく取組を実践していくためには、都民や企業、NPOなど多様な主体が協力連携して取り組むことが非常に重要であります。中でも着目をしているのは、基本戦略ⅡのTokyo-NbSアクションの推進です。
 NbSとは、自然の機能を持続的に利用して、社会的課題の解決につなげるという考え方のことですけれども、NbSの推進に関する都のこれまでの事業展開と実績についてお伺いをいたします。

○宮武自然環境部長生物多様性担当部長兼務 NbSの機運醸成と取組促進に向けて、都は、昨年一月にキックオフイベントを開催するとともに、NbSを実践するアクションメンバーの募集を行い、現在、登録数は十五社まで拡大しております。
 また、今年度は、NbSに取り組む企業等の裾野の拡大を図るため、優れた取組を表彰するTokyo-NbSアクションアワードを創設いたしました。
 第一回のアワードには三十九件の応募があり、有識者による審査を経て、最優秀賞一件、優秀賞二件を選定し、昨年十二月に都民ホールに百名を超える参加を得て、表彰式を実施しております。

○かまた委員 記念すべき第一回のアワードが盛大に開催されたとのことです。アワードでどのような取組が評価をされ、表彰されたのかを知ることは、これからNbSに取り組もうとする企業の参考になるのではないかと思います。
 そこで、今回、どのような取組が表彰されたのかお伺いいたします。

○宮武自然環境部長生物多様性担当部長兼務 最優秀賞の野村不動産ホールディングスの取組は、奥多摩町と協定を締結し、生物多様性を重視した主伐や間伐、地産地消の循環する森づくりを進めるなど、他の地域の参考となるモデル的な取組であることが評価されております。
 また、優秀賞には、都市養蜂を軸に屋上緑化や環境教育などを展開している銀座ミツバチプロジェクトの取組と、森林と生物多様性の保全、再生を自社の基幹事業に位置づけて実践しているサントリーホールディングスの取組が選ばれております。

○かまた委員 いずれも東京の直面している課題解決に資するすばらしい取組であります。
 そして、今後より多くの企業等にNbSの取組の輪に加わっていただくためには、一層の工夫を重ねていくことが重要と考えますが、都としてどのように取組を進めていくのかお伺いをいたします。

○宮武自然環境部長生物多様性担当部長兼務 NbSは、いまだ黎明期にあり、関心はあるが、具体的にどのように取り組んでよいか分からないという声もあることから、都のホームページで先駆的な取組事例の紹介を充実するなど、普及啓発や機運醸成の取組を強化してまいります。
 また、次回のアワードについては、応募書類の簡素化や十分な募集期間の設定、メディアやSNSを通じた募集広告の発信など、応募者の目線に立った改善を重ねてまいります。
 加えて、アクションメンバーに登録するインセンティブとして、登録メンバーを対象とした交流会を開催することとし、専門家との意見交換や国内外の最新動向を共有する機会を提供してまいります。
 こうした取組を重ねていくことで、アワードへの応募者の増加、NbSを実践する企業等の裾野の拡大につなげてまいります。

○かまた委員 多様な主体を巻き込むTokyo-NbSアクションの推進は、生物多様性の保全と都民生活の向上に資する本当にすばらしい取組であります。ぜひ多くの企業に関心を持っていただきたいと思いますので、今後とも企業拡大への後押しをよろしくお願いいたします。
 次の質問に移ります。
 昨年の本委員会で我が党は、物価高の現状下で、大島から出て、都内や近県を訪れても宿泊費が高い、動きにくい、せめてオフシーズンでもよいから島民も海のふるさと村施設を利用できないかとの島民の声を紹介しまして、大島の方々が家族や友人などとバケーションを楽しめる場として、施設利用の優遇措置や料金の割引サービスなどを実施していくことを提案いたしました。
 これに対し、都は、令和六年度に整備を予定しておりますテントサイトも含め、施設の島民の利用の在り方について、島民のニーズや他県施設の実態調査等を踏まえて検討していくと答弁しましたけれども、現在の検討状況について答弁を求めます。

○宮武自然環境部長生物多様性担当部長兼務 海のふるさと村の施設については、大島町も参加した検討会での議論を踏まえ、家族や少人数でのグループ利用、初心者が気軽にアウトドアを楽しめる施設など、島民ニーズや他県施設の事例等を踏まえた整備を進めてまいりました。
 来年度行う指定管理者の募集に当たっては、島民の利用を促す提案など、事業者に創意工夫を求めてまいります。

○かまた委員 新たな島のにぎわいについては、ジオパークに位置づけられている地層断面や裏砂漠の情報をSNSで発信したり、椿まつりの期間中、会場までバスの送迎を行うなど、これまでの取組に加えまして、今後、デジタル技術も活用して、ジオパークガイドと連携した島内の自然体験活動や、周辺観光施設の案内の充実を図っていく見解が示されましたけれども、その進捗状況についても答弁を求めます。

○宮武自然環境部長生物多様性担当部長兼務 大島のにぎわい創出に向けて、都は来年度、海のふるさと村のリニューアルオープンの機を捉え、都心でのイベントやインフルエンサーを活用したSNS等での情報発信により、島の魅力、観光施設のPRを強化してまいります。
 さらに、海のふるさと村や動物園でARなどのデジタル技術を活用した自然体験プログラムをジオパークガイドなどと連携して実施するとともに、QRコードを用いた周辺観光施設の案内の充実を図ってまいります。

○かまた委員 ここまでNbSの推進とか、また、大島における自然公園施設の整備について伺ってまいりました。
 東京の自然環境を守り、次世代に引き継いでいくためには、改定した地域戦略に沿って、あらゆる主体が有機的に連携をしながら取組を着実に進めていくことが重要であります。
 そこで、最後に、二〇三〇年ネーチャーポジティブの実現も含め、地域戦略の着実な推進に向けた局長の決意をお伺いいたします。

○須藤環境局長 東京は、一千四百万人が暮らす大都市でありながら、奥多摩の山々から丘陵地の里山、市街地の緑地や水辺、島しょ部の原生的な自然など、多様で豊かな自然を有する世界でも類を見ない都市でございます。
 こうした東京の自然環境を守っていくためには、その価値や意義を多くの方々と共有し、生物多様性の保全に向けて、お一人お一人の主体的な行動につなげていく必要がございます。
 本日ご質疑いただきましたNbSの推進は、特に多くの企業や団体などが集まる東京において、自然環境の保全に向けて大きな効果が期待できる取組であると考えております。
 また、デジタル技術の進歩が目覚ましい今日、そうした技術を駆使しながら、島しょをはじめとする東京の自然の魅力を、例えば、まるでその場所にいるかのように発信していくことも重要な取組であると考えております。
 今後とも、生物多様性地域戦略に基づき、都民、区市町村、企業、NPOなど多様な主体と連携し、その力を引き出しながら、生物多様性の恵みを将来にわたり受け続けることのできる豊かな都市の実現を目指して取り組んでまいります。

○かまた委員 環境局の取組は、本当に工夫をされたよい取組が多いと私も思っておりますので、今後とも期待をしております。どうぞよろしくお願いいたします。
 以上で終わります。

○アオヤギ委員 日本共産党のアオヤギ有希子です。
 まず最初に、PFASについてお聞きをします。
 昨年十月に、米軍が八月の台風で泡消火剤を含む水が恐らく基地の外に漏れ出たと公表しました。
 私たち日本共産党都議団は、この間、都にも申入れや質疑で、環境補足協定にのっとって、横田基地に立入調査をするよう求めてきたところです。
 そして、昨年十二月二十日に日米両政府の調整が整い、国、防衛省、外務省、環境省、東京都及び横田基地周辺市町が横田基地内で説明を受けたことが明らかになりました。ただ、説明だけで、サンプル調査は実施されていません。
 私たちも基地の中に入り、サンプル調査や、水や土壌の調査を申入れしてきました。
 都は、二月二十日付で、環境補足協定に基づいて立入り及びサンプリングについて要請していますが、立入り、サンプリング調査をする場合には、環境局も行き、現地でどこをサンプリングすべきか、専門的知見を生かし、サンプリング調査すべきではないでしょうか。

○丹野環境改善技術担当部長 ただいま委員からのご発言にもありましたが、都市整備局からは、国に対しまして、環境補足協定に基づく立入り及びサンプリングの実施につきましても、速やかに米側と調整を進めることなどを要請したと聞いております。

○アオヤギ委員 一体いつになるのか、うやむやに終わらすわけにはいきません。また、都としては、環境省も行っておりますけれども、環境局の職員がいないと、どこをどう測るべきかなど確認できる専門職の職員も立ち会っていただきたいと思います。
 残留するPFASを含む水の濃度も分かっていません。また、雨水が入っている貯水池と、消火訓練エリアの水のたまる場所が地下の管でつながっていて、消火訓練エリアから、今回、この台風であふれ出たという話ですので、全ての水が排水口に入っていったのか分かりません。
 周りの芝生に浸透した可能性も否定できないもので、土壌に残る、炭素が長い鎖の長鎖PFASが一定期間残るため、基地内の土壌のサンプリングをすべきではないですか。

○丹野環境改善技術担当部長 繰り返しになりますが、都市整備局からは、国に対しまして、環境補足協定に基づく立入り及びサンプリングの実施につきましても、速やかに米側と調整を進めることなどを要請したと聞いております。

○アオヤギ委員 その答弁だと土壌をやるかどうか分からないんですけれども、土壌もサンプリングすべきです。
 水だけですと、貯水池の水の濃度は昨年十一月の数値が示され、大体それぐらいの値であろうと考えられ、それが漏れ出ていないと調査は終わりとなりかねません。長期間、PFASが浸透して、多摩地域を汚染し続けている可能性がある土壌を調査し、証拠をつかみ、対策をさせることが必要です。
 今回の漏出だけでも、貯水槽の周りの芝生に漏れ出た可能性があるので、そのことを米軍側に伝え、土壌も測るよう強く要求すべきです。
 海外の駐留米軍はきちんと汚染対策をしています。ドイツのアンスバッハでは、土壌の調査をして除染をしていて、汚染がこれ以上広がらないよう米軍が汚染対策をしています。
 土壌にPFASが残っている可能性については、環科研の研究で明らかになっています。昨年、私の質問で、環科研では土壌のPFASの挙動について研究をして、炭素の連なる数が多く長い鎖状になる長鎖PFAS、PFOS、PFOAなどが土壌に吸着する研究結果を示し、そういうお立場かということをお聞きしますと、環境局は、炭素数が大きくなるほど、地下への浸透過程で土壌に吸着している可能性が考えられたとの記載があるとお認めになっています。
 この研究成果のとおり、汚染源と考えられる場所には、長鎖PFAS、PFOS、PFOAなど、一部土壌に吸着している可能性があります。
 横田基地内で土壌も測れば、どれくらいPFASが残って地下水を汚染し続けているのか分かると考えられます。
 今、PFOS、PFOAは規制がされ、製造も中止をされていますが、企業にも、横田基地にも、まだ含有する泡消火剤やその物質を持っていることもあると思います。
 一方で、現在、横田基地周辺の川を環境局が測っても、数値は低く、川などにはPFASはそれほど残っていないと考えられますが、地下水は今回の都の概況調査でも高いところがあり、高濃度であるため、継続監視の地下水も年々増えております。
 なぜ、長期間、地下水のPFASの汚染が続くのでしょうか。見解を伺います。

○丹野環境改善技術担当部長 都は、PFOS等を地下水の水質測定計画における測定対象物質に位置づけまして、都内状況の把握のため、毎年度、新たな地点で調査を進めているためでございます。

○アオヤギ委員 測定物質に位置づけて、新たな場所を測っているだけでは、汚染が続くわけではないと思います。汚染がもう低くなる場合もあるはずです。非常に高濃度の汚染源があるからだと考えます。
 多摩地域の住民の血液検査でも、特定の地域で高濃度のPFASが検出されていることも一つの事実です。
 どうして多摩地域、横田基地から東側の地域に汚染が広がっているのか。横田基地の長年の泡消火剤の訓練や、ここ十年間の大量の泡消火剤の漏出事故などの影響が、決して否定できるものではありません。
 京都大学原田准教授は、多摩地域の地下水調査をしました。その際、水位が高い井戸と浅い井戸、それぞれ測った結果、横田基地から近い井戸からは浅井戸で高濃度で、東側に離れた自治体の深井戸で高濃度になっていることを指摘しています。それは東京都内の地層が、水を通す層が西から東に下がっているからだということです。
 そこで伺います。都は、浅井戸や深井戸の水位を変えて調査をしていますか。

○丹野環境改善技術担当部長 測定地点の選定に当たりましては、各自治体の意見を聞きながら適切に選定いたしまして、計画的に調査を行っております。

○アオヤギ委員 適切に選定し、計画的に調査をしているとのことで、浅井戸、深井戸を測っているかどうか明快な答弁はありませんでした。
 浅井戸、深井戸というのはどちらも自治体の中にあると思いますし、都は選べる状況だと思います。浅井戸、深井戸のPFASの濃度を明らかにして、どこが汚染源に近いのか、情報を蓄積して、汚染源を特定していくべきです。
 水文地質学の専門家である福島大学柴崎教授は、多摩地域の原田准教授の調査結果を提供してもらい、水文地質学の立場から研究されました。こう述べられています。
 ある地点で地下の浅いところの濃度が高い場合は、汚染が近いか、汚染が最近始まったと考えられます。逆に深いところの濃度が高ければ、汚染源が遠いか、既に汚染が止まって、浅いところから深いところに移動した可能性がありますと新聞で述べられています。
 また、多摩地域では、水道や工場の水源として井戸水を使っており、過去には東京都で地盤沈下が社会問題化したことがあり、地下水をくみ過ぎて水位が下がると、周囲の地下水がそこに引き込まれるので、そうした動きも考慮する必要があるということです。
 以前、私は水道局からお話を聞いたときに、水道局の井戸というのは、三百メートル下ぐらいから水源をくみ上げていますけれども、PFASの高い地域は、今、給水停止にしていますけれども、雨が降ろうが、新しい水に取り替えても、依然として高い値が出ているということでありました。大量の水をくみ上げると吸引される可能性があるのではないかと考えられます。
 東京都内の地盤沈下の調査を確認するための井戸を建設局は持っており、土木技術支援・人材育成センターで水位を観測しており、地下水のシミュレーションができるそうです。そうした知見も取り入れて、どこに地下水が流れ、汚染が広がっているのか研究すべきではないですか。

○丹野環境改善技術担当部長 国は、PFASに関する今後の対応の方向性におきまして、飲用による暴露防止の徹底を掲げております。
 都は、飲用水の安全・安心を高めるため、水道水の安全性の確保と、地下水の実態把握による飲用しない取組の徹底を図ってまいります。

○アオヤギ委員 飲まないようにといいますけれども、多摩地域の井戸水を利用していた住民は、自分たちの井戸水を、地下水を取り戻したいと訴えておられます。
 都の地下水のデータも蓄積され、建設局が持っていますので、専門家の知恵も借りながら、地下水の汚染源の特定を進めるようにしていただきたいと強く要望します。
 次に、農水省は、補正予算で、区市町村の土壌調査の検査の費用を補助することになりました。
 都も、国に先駆けて、土壌の検査方法を確立するために、地下水での高濃度の地域の土壌の検査をすることを求めます。いかがですか。

○丹野環境改善技術担当部長 国がまとめました土壌中のPFOS等の測定方法は暫定的なものであり、いまだ土壌調査の対象、評価指標、運用方法及び必要な措置等は示されておりません。
 都は、引き続き、国に対しまして、これらについて明らかにするよう求めております。

○アオヤギ委員 農水省も、そういう指標はない、基準ができる前に予算額を増やして、土壌や農産物の検査を区市町村がする場合、補助を行っていることは重要なことです。
 東京都も、基準がないというのは分かっていますけれども、困難な中、区市町村がやろうとしているのですから、後ろ向きではいけないと思います。
 だからこそ、都が地下水の高いところを測って情報を収集し、研究機関である環科研とも協力して、研究をしていただきたいと要望します。例えば、学校などの都有地でも測り始めることも重要だと思います。
 今年度、都内の地下水のPFAS濃度を検査し、都は、比較的高濃度の地域で追加調査をしています。この追加調査をした自治体をお示しください。

○丹野環境改善技術担当部長 地下水の調査結果につきましては、年度末に公表予定でございます。

○アオヤギ委員 地下水の方、年度末だということなんですけれども、追加調査することは大変重要です。
 高濃度のところは飲まないように助言していますけれども、やはりこれに対して汚染源を特定し、除染をするということをしていかないと、飲めない地下水の箇所が増えていくばかりになってしまいます。
 次に、区市町村が行う調査には、今年度補助をしていますけれども、二十三区、多摩地域、補助をした自治体数と、先ほど箇所をいわれていましたけれども、箇所数も正確に教えてください。

○丹野環境改善技術担当部長 八自治体、計六十九地点に対しまして、地下水の調査費用を支援いたしました。
 なお、地点数、自治体数、自治体名、地点名も含めまして、地下水調査の結果につきましては、年度末に公表予定でございます。

○アオヤギ委員 八自治体に補助をしたということで、区市町村が独自にPFASを調べようとする場合の支援となりますので、まずは重要だと思っております。結果は速やかに公表していただきたいと思います。
 補助の対象や補助率も充実させながら、区市町村と協力して調査を深めていただきたいと要望して、次に移ります。
 GLP昭島プロジェクトとデータセンターと気候危機対策について伺います。
 GLP昭島プロジェクトをはじめ、今、次々とデータセンター計画が浮上していますが、資料要求も出していただき、ありがとうございました。
 この資料要求でも、データセンターを含むキャップ・アンド・トレード制度の情報通信の事業者のCO2排出量の一覧を見ますと、最高でもKDDI多摩第四ネットワークセンターの約十六万トンであるのに対して、GLP昭島は百七十八万トン排出するといっていますから、桁違いの排出量で、当初の制度の想定を上回っているのではないかと思います。
 データセンターは大量の電力を使うため、世界では対策をする国、抑制する国が出だしています。早急に東京都も対策を取らなければ、気候危機対策が立ち行かなくなるおそれがあることを、私どもは繰り返し求めてきたところであります。
 都は、二〇三五年六〇%目標を掲げましたが、この目標に対して、データセンター進出は想定に入っていますか。入っているとしたら、どれくらい温室効果ガスを排出すると見込んでいるのですか。

○荒田気候変動対策部長 国の第七次エネルギー基本計画では、DXやGXの進展に伴い、二〇四〇年の電力需要量の見込みを、二〇二二年と比べ同程度から最大で二割程度増加と幅を持って見込んでおり、都の温室効果ガスの新たな削減目標を設定する上での参考としております。

○アオヤギ委員 データセンターを含むDX、GXの進展で、ゼロから二割増加すると想定していて、都は参考にしているということですね。
 温室効果ガス六〇%削減にデータセンターが織り込み済みだということで理解しました。六〇%削減するには、CO2を増やす要素であるデータセンターに対して規制をしなければ、現在の速報値、四・四%をさらに進めていくことはできないと考えます。
 最大約二割増加させた場合、省エネ、再エネでどうやってCO2を減らしていくのか、これが問われています。
 GLP昭島プロジェクトだけで百七十八万トンの排出予定で、都内の排出量の約三%であることをこの間も示してきました。規制なしには一向に目標に達することはできないと思います。
 次に、温室効果ガス削減の目玉となる太陽光パネル設置義務化では、どれくらい温室効果ガスを削減しようとしているのですか。

○関建築物担当部長 太陽光Q&Aでお示ししているとおり、CO2削減効果は、二〇三〇年に年間四十三万トンを見込んでおります。

○アオヤギ委員 太陽光パネルで頑張ったとしても四十三万トンと、GLPの一社分にもならないというのが現状です。もちろん、浮体式洋上風力など、もっと大規模な発電力を持つものも六〇%削減の想定に入っているとは思いますけれども、無限大に設置できるものでもありません。
 この間、データセンターの対策を求めると、都は、三つの制度があると答弁しています。一つは地域における脱炭素化に関する計画制度、もう一つは建築物環境計画書制度、そして、キャップ・アンド・トレード制度ですけれども、排出量を削減する義務があるのはキャップ・アンド・トレード制度のみで、あとの二つの制度は削減の義務ではないですよね。

○荒田気候変動対策部長 両制度は、建物の計画段階におきまして、都が示す温室効果ガス排出量の削減目標等を踏まえ、省エネ、再エネに係る目標設定や基準適合を義務づける制度でございます。

○アオヤギ委員 そのとおりで、温室効果ガスの削減義務があるのは、キャップ・アンド・トレード制度のみだということです。
 地域における脱炭素化に関する計画制度は、省エネ、再エネの目標設定することを義務づけをしていて、実際に削減することを義務づけているわけではありません。
 そして、建築物環境計画書制度は、建物に省エネ、再エネを設置するということをする制度で、その設置したものがどれくらい削減目標を持ってやるのかというのは問われていません。そういう状況です。これでは、データセンターに対しての実効性ある対策とはいえないと思います。
 知事は、GLP昭島プロジェクトの環境影響評価書案に対する審査意見書を提出しています。以下のとおりです。
 施設管理者として、施設稼働開始時のみならず、将来の脱炭素化の推進に向けた方針を定めるとともに、太陽光発電の増加を含め、最大限の再生可能エネルギーの導入に努めること。また、再生可能エネルギーの使用について、テナントに働きかけていくこと。さらに、事後調査において、再生可能エネルギーの使用量も含めた施設の消費電力について、詳細に報告すること。
 そして、省エネについては、データセンターでは、PUEを省エネ法で規定する一・四として目標を設定しているが、世界的な動向を踏まえ、可能な限り低い値となるよう努めるとともに、高効率なIT機器等の設備導入など、最大限の省エネルギー化をテナントに働きかけていくこと。また、冷凍冷蔵空調機について、最新の技術を鑑み、可能な限りノンフロン機器、もしくは最も温室効果が低い冷媒を使用した機器の導入を検討するとともに、適正な冷房の管理に努めることと意見を出しています。
 これらをどのように守らせるのですか。

○長谷川政策調整担当部長 事業者は、都民意見や審査意見書の内容などに基づき検討を加え、評価書を作成することとなっており、事業者による提出後、当該評価書は公示され、また審議会に報告されます。
 評価書に記載された環境保全措置等については、その実施状況が事後調査報告書として事業者から報告され、都は、その内容について審議会委員に確認の上、必要に応じて助言をいただき、それに対する事業者回答とともに、審議会に報告いたします。

○アオヤギ委員 ただいまの答弁は、環境影響評価審議会での報告事項のお話だと思いますけれども、知事が事業者に出した意見は、最大限再エネを導入することとか、省エネのPUE、この一・一に近づくといいんですけれども、一・四を限りなく下げることを求めていることに対し、具体的に何を事業者にさせるのか決めないと、ほとんど従わない可能性もあります。
 環境影響評価審議会の助言は、事業者に伝わるわけですけれども、あくまで助言です。協定を結ぶなど必要なことをしなければなりません。
 しかも、GLP昭島プロジェクトの事業者は、住民の切実な要望にも全く応えていない状況があります。自主的に温室効果ガスを減らそうなどということは期待できないと感じています。
 GLPは、評価書を現在は出していますけれども、まだ出していない昨年、地元の小学生を呼んで子供たちと接触したそうですけれども、住民にまともな説明もしないまま、子供の教育に介入することは許されません。都として指導すべきではありませんか。

○長谷川政策調整担当部長 都は、審査意見書において、地域住民への丁寧な説明や、交通管理者等の関係機関との十分な協議など、地域と連携し、対策を検討していくことが重要であるなどとしております。
 事業者は、審査意見書等を踏まえ、評価書において周辺住民への配慮、特に子供などの通行者も非常に多いため、安全への十分な配慮を求める意見に対し、自治会、学校単位でも計画に対する説明を行っており、今後も形式的なものではなく、話合いの場として予定していくとしています。

○アオヤギ委員 ちょっと信じられない答弁なんですけれども、小学生と接触したことがまるで住民説明会の一環のようにいいますが、事業者は、あたかも計画が進んでいるかのように、既定路線になっているかのように振る舞っておりますけれども、まだ昭島市の開発許可は出ておりません。
 子供たちに一方的にワークショップを開き、それを都は推奨するかのようなことも許されません。何より、多くの住民の皆さんが反対の声も上げ、GLPとの話合いでも意見を伝え、それにまともに答えていないさなか、先に子供たちに会うということは、前代未聞だと思います。
 学校は、教育基本法の下、不当な教育への介入を許さないことにもなっているもので、それは企業もその一つで、自分たちの計画を推し進めようと、教育現場に立ち入ることは厳に戒めるべきです。こうしたGLPの行動は、ちょっと度を超えていると思います。都は、容認せずに、厳しく注意をしていただきたいと思います。
 また、住民に対しても、物流拠点の交通量を減らしてほしいなどの要望に対しては、それはできない、事業費を稼がなくてはいけないからと、最大限もうけを上げるということが主眼という態度を取っています。データセンターの棟数も全く減らすつもりもないということです。
 GLPは、住民の要望に対して全く聞く耳を持っていないのを都はご存じでしょうか。

○長谷川政策調整担当部長 事業者は、評価書案において、都民の意見等を踏まえ、計画建築物の棟数、配置、規模等の変更や関連車両走行ルートの見直しなどを行ったとしています。
 また、評価書において、地域と連携し、継続した意見交換を行っていくとともに、必要に応じて環境保全のための追加的な対策等の検討を行い、それらを実施していくとしています。

○アオヤギ委員 ルートの見直しをしたといいますけれども、住民の皆さんが求めた水準を満たしているものではありません。温室効果ガスの排出量も百七十八万トンは変わっていません。言葉では、省エネ水準、PUE一・四以下にするといいますけれども、どれだけ省エネを実現するのか、数値目標はありません。
 他の地域の住宅街での物流拠点では、住民自治会の意見を取り入れて、朝晩は車両通行をやめるなど大幅な削減に応じた企業のことも、私、知っておりますけれども、GLPはあまり住民からの批判の声、要望などは考慮していないように感じます。
 しかし、世界では、RE一〇〇など再エネ一〇〇%で電力を担う企業に対し、株式の投資が増えていると報道されています。データセンターを必要とする企業の多くも、RE一〇〇に参加しています。
 多くの樹木を伐採し、目いっぱい事業をしようとする企業に対して、世界はどう見るでしょうか。取り残されるかもしれません。
 次に、都の事業とデータセンターの関係についてお聞きします。
 ゼロエミッション地区創出に都は予算を計上しました。この地区は、都内のどの区市町村でもよいと聞いておりますけれども、それでは、GLPがデータセンターをつくろうとしている昭島市や、三井不動産がデータセンターをつくろうとしている日野市でも手挙げをしてよいということでしょうか。その際に、データセンターには何か対策をしていただけるのでしょうか。

○中島環境政策担当部長生物多様性担当部長DX推進担当部長兼務 本事業は、公募形式により、地域の脱炭素化に意欲ある自治体の申請を受けるものであり、その具体的な取組内容は自治体からの提案によるものでございます。

○アオヤギ委員 自治体に提案させているものだということでありますけれども、もし、データセンターを含む地区を申請した場合、自治体が再エネ対策を示さなければ、採択されない可能性は高いということで、東京都が規制をしないからこそ、昭島市や日野市にデータセンターがあるにもかかわらず、採択の見込みはないということは、不条理だと思います。
 ちなみに、昭島市、日野市のほかに、江東区にもデータセンターの計画があるそうです。規制がないから次々進出が狙われているということを自覚して、実効性ある規制をしなければ、脱炭素六〇%は難しくなります。
 世界の国では、データセンターに対して規制をしています。オランダ、シンガポール、アイルランドなどで、アイルランドでは、かつてデータセンターを誘致していたようですけれども、今では首都ダブリンには新規データセンターの電力系統連結拒否、事実上の新設一時停止や、電力需要が厳しい地域では、オンサイト発電、自家発電、敷地内の発電、蓄電機能を求めているそうです。
 日本の北海道のデータセンターは、再エネ一〇〇%をオンサイトで実現しようとしているようですけれども、完成図のイメージを見ますと、とてつもない量の太陽光パネルを設置する予定のようで、とても東京には不可能だと感じました。
 アイルランドや北海道は寒冷な地域です。ですから、東京のようにヒートアイランド現象が繰り返されているような地域ではなくて、膨大な排熱は、さらに住環境、動植物の生息環境を悪化させるものです。
 先日、昭島市の住民の方と市議の皆さんと国会に行き、データセンターの関係部署のレクを受けました。その際、電力量の規制を求めると、資源エネルギー庁の担当職員からは、早期にデータセンターのベンチマーク、先ほどいったPUEを引き下げたい、そのための検討会を開いていると、向いている方向は一緒だというお言葉もいただきました。
 国では、データセンターの新たな省エネベンチマークの設定などを検討していることを都は知っておりますか。新たに二か所データセンター、江東区を入れると三か所ですけれども、巨大データセンター計画が浮上している東京こそ、温室効果ガスの規制を早急にすべきではありませんか。

○荒田気候変動対策部長 国の審議会で、データセンター業に対して、新たに一定のエネルギー効率等を求める取組案が提示されていることは承知しております。
 都は、建築物の脱炭素化等に向けまして、環境確保条例に基づく義務制度を大幅に強化し、省エネ、再エネを促進しております。

○アオヤギ委員 これまでと桁違いのデータセンターが、次々と進出の計画が浮上して、環境影響評価条例にもかからない事業もあります。実態すらつかむことができないというのは、とても危険なことだと思います。
 データセンターも環境影響評価の対象にする必要がありますし、今の環境確保条例の義務制度だけでは、実効性ある規制はできません。データセンター設置への規制をし、温室効果ガス削減目標を必ず達成することを強く求め、次に移ります。
 次に、自然環境の保全地域の指定についてお聞きします。
 「未来の東京」戦略では、一千ヘクタールに保全地域を増やしていくことが、目標が掲げられました。実効性ある取組を様々な主体と取り組むとあります。
 人間による開発の規制がなされなければ、保全地域の指定も、ネーチャーポジティブも実現できないと考えますが、保護上重要な野生生物戦略方針では公共事業にも言及がありますが、どのように一千ヘクタールの保全地域の指定を実現し、ネーチャーポジティブを実現していくのですか。

○宮武自然環境部長生物多様性担当部長兼務 保全地域は、建物その他工作物の建築等の制限を受けることから、地権者の理解を得ながら指定を進めております。

○アオヤギ委員 先日は、自然環境保全審議会で保全地域の指定の審議がされました。このたび、十年ぶりに、国立市矢川周辺の緑地等で保全地域に指定するのが適当と答申が自然環境保全審議会で出されましたが、こうした保全地域の指定をする地域の候補はどのように決めていくのでしょうか。どういう場所を調査するのか、その条件があったら、その条件もお示しください。

○宮武自然環境部長生物多様性担当部長兼務 都は、丘陵地の谷戸やその他の緑地の調査を行い、専門家の意見や地元自治体、地権者の意向等を踏まえながら指定地の選定を行っております。

○アオヤギ委員 丘陵地や谷戸などの緑地を調べているということです。
 希少な動植物が生息、生存しているところが指定の候補になり、専門家の意見も踏まえて、地権者に交渉に入るのだと思います。
 民有地が指定されれば、原則開発不許可となります。指定した土地は、公有地化を目指していくということでよろしいでしょうか。

○宮武自然環境部長生物多様性担当部長兼務 保全地域に指定された民有地は、地権者の建築等の行為が制限されることから、代償措置として、土地の所有者から買入れの申出があった場合には、都が土地を買い取ることとしております。

○アオヤギ委員 生産緑地など耕作地を持つ農業者の中には、代替わりをして農業を続けられないけれども、宅地化してほしくない、農地として残したい、都や自治体に買い取ってほしいという方もおられます。
 そういった方にとっても、保全地域に指定されれば買い取ってもらえるので、農地を持ち、残していきたい人にとっても歓迎される制度だと思います。
 国立市の場合は水田が含まれ、公有地化された場合、水田として保全するということでしょうか。確認します。

○宮武自然環境部長生物多様性担当部長兼務 保全計画では、地権者や耕作者の意向に沿って営農を継続することとしております。

○アオヤギ委員 地権者の意向に沿って営農を継続するということです。大変重要だと思います。
 今の水田のある状態で指定されましたので、その環境を守っていくことが大切だと思います。そうした維持管理に対しても、都は支援をして、保全地域を守っていただきたいと思います。
 GLP昭島プロジェクトでは、評価書案を事業者がつくる際に、オオタカなどの希少種が、動植物が生息、生育していることが分かりました。
 民間企業、事業者が自然地を開発する際、一定面積を超えれば審議会の審議に付され、事業者は事前の環境調査をすることになっています。そこで初めて、たくさんの希少生物が確認されるケースが多数あります。
 民間の手に渡ってからでは、保全地域の指定は困難になります。都が早急に専門家の知恵を借り、都内全域の動植物の状況を把握して、保全に向けて取り組むべきではありませんか。

○宮武自然環境部長生物多様性担当部長兼務 先ほどご答弁申し上げましたとおり、都は、保全地域の指定に向けて必要な調査を実施しております。

○アオヤギ委員 必要な調査といいますけれども、このGLP昭島プロジェクトにしても、この計画地を含めて都が先に把握をしていれば、開発事業者の手に渡る前に、保全地域に指定できたかもしれません。早急に市街化区域も含めて生態系の調査を進めていただきたいと要望します。
 民間企業の事業の際、動植物の移植の計画を出しさえすれば、開発が許可されていくことを見てきました。
 例えば、都市計画道路三・四・一一の計画地は公有地が含まれています。その調査で希少な動植物が確認されています。また、多くの地元住民が道路計画に反対をしています。
 これらの希少な動植物を守るよう、保全地域に指定をして、文字どおり、都がネーチャーポジティブを実現することを最優先課題に取り組むべきではありませんか。

○宮武自然環境部長生物多様性担当部長兼務 当該都市計画道路については、生物多様性地域戦略を踏まえ、周辺の動植物の生息、生育状況等に配慮した検討が進められていると承知しております。

○アオヤギ委員 ただいまの答弁は建設局の主張で、生物多様性地域戦略を踏まえと述べられました。環境局が本気で生物多様性地域戦略を実行しようと行動しなければ、一千ヘクタールの保全地域の指定はできません。
 武蔵野公園は都立公園です。保全地域に一番適した場所ではないかと思います。ネーチャーポジティブを実現するならば、まず都有地から実行すべきではありませんか。この地域の生物多様性を保全することを改めて強く求めるものです。
 次に、八王子市の川町スポーツ計画について伺います。
 この計画は、二〇一二年、川町の貴重な自然が残る谷戸を残土で埋めて、上部にサッカー場をつくる計画が住民に説明され、八王子市の手続を経て、自然環境保全審議会に審議が移りました。
 十年にわたって、八王子市の川町スポーツ計画が、規制部会で残土事業によらない資金計画を出すようにいわれ、この十年間、事業者は何も答えぬまま申請中となっています。
 私は、この事業から一旦取下げをさせるよう求めてきたところです。
 ところが、昨年、新たな事業者がこの計画に名を連ねていることが判明しました。新たな事業者は、太陽光パネルの会社です。これまで都に提出された計画では、残土事業ではない、あくまでスポーツ施設だという前提で計画が提出されています。
 八王子市の方でも原則残土事業は厳しく規制され、公共性があるサッカー場が判断されたもので、盛土をする場合は認めるという規制の下、事業者が提出した計画です。
 八王子市議会で先日、八王子市は、太陽光発電施設へと事業変更となる場合は、八王子市宅地開発指導要綱の事前協議、同意協議には取下げ届を、八王子市市街化調整区域の保全に向けた適正な土地利用に関する条例につきましては事業中止届を提出してもらいますと答弁がされました。
 これで事業中止届が出されれば、都の申請も取下げになることとなりますか。

○宮武自然環境部長生物多様性担当部長兼務 取下げも含め、申請の取扱いは事業者の判断によるものでございます。

○アオヤギ委員 取下げは事業者の判断であるということですけれども、太陽光パネルは八王子市の方では、その計画になったら一旦取下げとなるので、こちらも取下げざるを得なくなると考えられます。
 そこでお伺いしますけれども、太陽光パネルの設置の場合は自然保護条例にかかりますか。

○宮武自然環境部長生物多様性担当部長兼務 都は、自然保護条例に基づき、自然地において行う一定規模以上の土地の形質変更行為に対し、あらかじめ開発の許可を求める制度を運用しております。

○アオヤギ委員 一定規模だとその保護条例にかかるということで、その計画地の面積を全て太陽光パネルにした場合は、自然保護条例にかかるということです。
 今、審議会には、事業者は何もアクションを取っていないので、正式な希少動植物の調査はまだされていませんけれども、こういった場所でも、都は、保全地域指定のために調査を早くすべきです。
 このエリアの環境を調査した団体からは、ゲンジボタルとヘイケボタルが同時に見られる数少ない場所ということがいわれております。
 都でも、保全地域に指定することを目標にして調査をして、保全地域に指定をし、公有地化していくことが、この地域の貴重な生物多様性を保全することになりますが、都はいかがお考えでしょうか。積極的に調査すべきではないですか。

○宮武自然環境部長生物多様性担当部長兼務 当該地は、事業者から開発許可申請がなされ、現在、自然環境保全審議会の規制部会で審議が継続中でございます。

○アオヤギ委員 審議が継続中といいますけれども、この間、事業者からは全然何も音沙汰もない状況です。
 もし事業者が、購入したこの川町の谷戸をどうすることもできない状態であるならば、都が保全地域にすれば、買取りもできるものなのですから、提案をして保全をしていくべきです。
 調査をすれば、たくさんの希少動植物が生息、生存していると考えられます。このような場所こそ、指定に向けて力を尽くすことを強く求めて、次に移ります。
 地域のリサイクル活動について伺います。
 私の地元八王子市では、自治会などが資源物の集団回収をして、市から引取りの補助をもらって、自治会活動の資金集めを頑張っている自治会があります。
 一方で、八王子市の来年度の予算案では、この市補助の見直しが行われ、自治会の皆さんに対しては、原則この補助はなくしたい、これまで資源物の種類ごとに引き取る単価が決められていたが、来年度はどの資源物も一律五円で引き取るという案が示され、補助金総額も大幅に減らされると示されております。
 都は、住民が集団回収に対して逆有償、逆に引き取ってもらうのにお金がかかる場合に、区市町村に対して支援をしています。区市町村との連携による環境政策加速化事業の中の廃棄物3R推進事業です。この事業の効果や意義をどのように考えていますか。

○宗野資源循環推進部長 都は、資源利用の促進を図るため、令和三年度から、地域で古紙等の回収リサイクルをする集団回収事業など、リサイクルシステムの維持に取り組む市区町村に財政支援を行っております。

○アオヤギ委員 まちの美化にもつながりますし、自治会活動の大きな資金源となって、都民、子供たちがリサイクル活動を体験できる事業だと思います。それに対して都が補助をしていることは重要です。
 令和三年度から開始したということですが、これまでにこの集団回収の取組を支援する事業を利用した区市町村はどれくらいありますか。

○宗野資源循環推進部長 都はこれまで、集団回収を維持するための取組を支援しておりまして、区部で十五自治体、多摩地域で二自治体が活用しております。

○アオヤギ委員 多摩地域の利用が少ないという状況です。都の補助割合が二分の一、区市町村の負担が二分の一であるため、財政力の格差から、この事業をやめよう、または市民に手渡すお金を減らそうなど見直そうとしている、八王子市のような自治体があります。
 今こそ都が補助割合を引き上げて、引き続き事業を続け、区市町村が補助を充実できるようにすべきではありませんか。

○宗野資源循環推進部長 都は、地域における集団回収をはじめとした廃棄物の3R推進に向けた取組が着実に行われるよう、引き続き、市区町村に対する技術的助言、また財政支援に取り組んでまいります。

○アオヤギ委員 技術的助言、財政支援に取り組んでいくということで、引き続き支援をするということです。
 都の財政力で、この分野でもっと後押しをして、住民の地域のリサイクル活動を応援する、そういった自治体を増やしていくことを要望して、次に移ります。
 次に、中小企業の工場跡地等の土壌対策支援について伺います。
 中小企業の皆さんの中には、薬品を使って仕事をする事業者がおられます。例えばクリーニング屋さんなどですけれども、大手の下請で仕事を請け負っている中小零細企業が、大手から指定された薬品を使って仕事をしなければならないというケースもあり、取扱薬品によっては、土対法や環境確保条例の届出事業者になる場合があります。
 その事業者が移転するときなど、所有者が変わるときに、検査や土壌汚染の対策をしなければなりませんが、大変高額な費用がかかり、倒産の危機に陥ることがあります。
 都は、そうした中小企業向けに、アドバイザー派遣や検査費用の負担軽減、土壌対策、汚染対策の補助を行っています。この制度の意義と経過について伺います。

○丹野環境改善技術担当部長 都は、中小事業者の負担を軽減し、円滑な土壌汚染対策を進めるため、平成二十三年度に土壌汚染対策アドバイザー派遣制度を開始いたしました。
 本制度は、平成二十四年度に、廃止時だけでなく操業中の事業者も利用可能とし、平成二十九年度からは、アドバイザーが土壌調査を実施できるよう拡充しております。加えまして、令和五年度から、被覆盛土に係る費用や、都が認定いたしました土壌汚染対策技術の実証に係る費用の一部を支援しております。

○アオヤギ委員 平成二十三年からアドバイザー派遣制度を実施したと。こちらは無料でアドバイスを受けられます。このアドバイザー制度の中に、土壌を無料で調査を実施し、その結果次第で対策をして、移転などできるようになります。
 汚染が高い値で出れば、被覆盛土や土壌汚染対策の実証事業を使うことができるということで、土壌汚染対策を理由に廃業や倒産にならないようにできる支援であり、重要な中小零細企業の支援です。
 これらの制度は、土対法や環境確保条例にのっとった制度で、これらで対策した場合は対策済みということでよろしいでしょうか。

○丹野環境改善技術担当部長 土壌汚染対策法及び環境確保条例で定める要件を満たす場合は、対策の完了となります。

○アオヤギ委員 環境局のこのアドバイザー派遣など、検査などをきちんと実施されていれば、対策済みとなるということを確認しました。
 土壌を検査して、高濃度の場合、最高で三千万円の支援が受けられる実証事業があります。しかし、対象となる事業者は選定され、少ない状況と聞いておりますけれども、被覆盛土と土壌改良の実証事業の制度とならない事業者に対しても支援メニューをつくっていただきたいですけれども、いかがでしょうか。

○丹野環境改善技術担当部長 環境確保条例において、対策が必要となります中小事業者につきましては、本実証事業の対象としております。
 なお、土壌汚染対策に係る費用につきましては、汚染原因者負担が原則でございます。

○アオヤギ委員 被覆盛土や土壌汚染の実証事業の対象とならない事業者が出ないように、支援を充実していただきたいと要望しておきます。
 この環境局の中小企業の土壌汚染対策について、充実されたことを知らない人、関係者がたくさんいます。中小企業の用地買収、用地取得をしようとする全ての所管、指導監督権限を持つ自治体にこの制度を周知徹底していただきたいですが、いかがですか。

○丹野環境改善技術担当部長 土壌汚染対策アドバイザー派遣制度等につきましては、都のホームページへの掲載や講習会の実施、業界団体への周知等、対象となります中小事業者等向けに、様々な機会を捉えまして情報提供を行ってございます。
 なお、講習会や区市との定例的な会議などを通じまして、自治体に対する周知も行ってございます。

○アオヤギ委員 ぜひこの制度を周知していただいて、対象となる中小零細企業の皆さんが営業を続けられるようにしていただきたいと要望して、質疑を終わります。

○曽根委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案及び本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○曽根委員長 異議なしと認め、予算案、知事提出の付託議案及び報告事項に対する質疑は終了いたしました。

○曽根委員長 次に、議員提出議案第四号を議題といたします。
 本案について提出者の説明を求めます。

○アオヤギ委員 それでは、東京都環境影響評価条例の一部を改正する条例案について、都議会立憲民主党、ミライ会議、地域政党自由を守る会、グリーンな東京、都議会生活者ネットワーク、そして、私ども日本共産党東京都議会議員団を代表して提案説明をさせていただきます。
 既に先日、三月十一日に記者会見を行いましたが、この条例案は、神宮外苑再開発をとめ、自然と歴史・文化を守る東京都議会議員連盟に参加する六会派で共同で提案するものです。
 神宮外苑再開発に対しては、日本イコモス国内委員会による幾度にもわたる意見や質問状が東京都や事業者に送付されています。さらに、国際イコモスヘリテージアラート、国際影響評価学会日本支部による見直しの要請、日弁連による工事停止の検討を求める声明、国連人権委員会ビジネスと人権作業部会による勧告など、国内外の様々な団体から厳しい批判や要請が行われてきました。
 しかし、事業者及び東京都は、これらの学識経験者や団体の指摘に一切耳を傾けることなく、外苑再開発の手続を進めてきてしまいました。
 外苑は今、神宮第二球場脇や建国記念文庫の樹木が次々と伐採され、その痛ましい姿に多くの人が胸を痛めています。
 さらに、事業者は現在、秩父宮ラグビー場に向かうイチョウ並木を含む十九本について、移植を検討するとして調査を開始しています。もともとは、移植は困難、つまり伐採する計画だったものであり、本当にこれらのイチョウが保全されるのか、疑いの目が向けられています。
 これ以上、神宮外苑の希有な緑と百年の歴史に傷をつけさせるわけにはいきません。
 神宮外苑議連は、東京都に対して、再開発に関わる手続について、今後より一層厳しく、厳正に対処することを求めていく構えです。
 今回の環境影響評価条例の一部改正案は、第一に、審議会の判断で、審議会の委員以外の専門家などの出席を求め、意見や資料の提出を求めることができるようにするものです。
 第二に、環境影響評価手続において虚偽の記載があった場合に、知事が事業者に対して必要な措置を勧告できるようにするものです。
 まず、七十四条の二の改正についてですが、現在、環境影響評価条例は、第七十四条の二において、調査審議を行うため必要があるときは、事業者その他関係者の出席を求めと規定していますが、ここでいう事業者その他関係者とは、あくまで事業者の関係者を指すというのが都の解釈、見解です。
 そこで、私たちはこの文言を、事業者その他適当と認める者と改め、審議会の判断で、より広く、そして確実に学識経験者などを招致することができるようにします。そのことにより、より科学的な、また住民の意見を取り入れた審議を可能とするための改正です。
 九十一条の改正についてですが、日本イコモス国内委員会は、二〇二二年十二月の時点で、四列のイチョウ並木の衰退について指摘をし、そのことが反映されていない環境影響評価書案について、繰り返し是正を求めてきました。
 結局、評価書はそのまま作成され、事業は着手されました。そして、イコモスの指摘から二年近くもたった昨年九月の事後調査報告書でようやく、衰退の事実が記載されることになりました。
 こうした事態となった背景の一つに、現行条例では、評価書等に事実と異なる記載があるということが想定されていない、そういう条例の立てつけになっているという問題があります。
 ここを是正し、評価書等の記載に問題があった場合に、知事が事業者に対して必要な措置を勧告できるようにする、そのための改正を行うものです。
 以上のことから明らかなように、この二つの改正ポイントは、神宮外苑再開発の問題の現実から浮き彫りになった本条例上の課題、不備を是正するものです。同時にそれは、単に神宮外苑の問題だけに当てはまるものではなく、東京都の環境アセスが真に自然環境や住環境を守るための機能を発揮するための第一歩であるとも考えます。
 委員の皆様におかれましては、ぜひ忌憚のないご議論をいただくとともに、本改正案の趣旨をご理解いただき、何とぞご賛同いただけるよう、心からお願い申し上げまして、提案説明といたします。

○曽根委員長 説明は終わりました。
 これより本案に対する質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○曽根委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○曽根委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で環境局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後七時三十五分散会