環境・建設委員会速記録第十七号

令和六年十二月十三日(金曜日)
第九委員会室
午後二時十分開議
出席委員 十四名
委員長曽根はじめ君
副委員長原  純子君
副委員長須山たかし君
理事田村 利光君
理事谷村 孝彦君
理事保坂まさひろ君
漢人あきこ君
桐山ひとみ君
伊藤 大輔君
アオヤギ有希子君
小磯 善彦君
小宮あんり君
本橋ひろたか君
こいそ 明君

欠席委員 なし

出席説明員
環境局局長須藤  栄君
次長宮澤 浩司君
理事高崎 秀之君
総務部長緑川 武博君
環境政策担当部長生物多様性担当部長DX推進担当部長兼務中島 隆行君
企画担当部長三浦亜希子君
政策調整担当部長長谷川徳慶君
再生可能エネルギー実装推進担当部長小林 洋行君
率先行動担当部長中村 圭一君
建築物担当部長関   威君
環境改善部長戸井崎正巳君
環境改善技術担当部長丹野 紀子君
自然環境部長生物多様性担当部長兼務宮武 和弘君
資源循環推進部長宗野 喜志君
資源循環技術担当部長横山 英範君
資源循環計画担当部長木村 真弘君
建設局局長花井 徹夫君
道路監湯川 雅史君
総務部長荒井 芳則君
公園緑地部長佐々木 珠君
河川部長斉藤  有君
企画担当部長山本  聡君
公園計画担当部長大道 和彦君
公園建設担当部長水谷 正史君

本日の会議に付した事件
意見書について
環境局関係
付託議案の審査(質疑)
・第二百九十八号議案 東京都奥多摩ビジターセンターの指定管理者の指定について
・第二百九十九号議案 災害廃棄物等運搬用コンテナの買入れ(単価契約)(その二)について
建設局関係
契約議案の調査
・第二百八十五号議案 妙正寺川整備工事(その二百四)請負契約
・第二百八十六号議案 新中川護岸耐震補強工事(その二十二)請負契約
・第二百八十七号議案 呑川防潮堤耐震補強工事(その二百六)請負契約
付託議案の審査(質疑)
・第三百号議案 東京都立代々木公園(渋谷区神南一丁目北側)の指定管理者の指定について
・第三百一号議案 東京都瑞江葬儀所の指定管理者の指定について

○曽根委員長 ただいまから環境・建設委員会を開会いたします。
 この際、一言申し上げます。
 過日の委員会及び本日の委員会の開会が委員長の責任において遅らせてしまいましたことについて、率直におわび申し上げます。
 初めに、意見書について申し上げます。
 委員から、お手元配布のとおり、意見書一件を提出したい旨の申出がありました。
 お諮りいたします。
 本件については、取扱いを理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○曽根委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○曽根委員長 次に、契約議案について申し上げます。
 契約議案は財政委員会に付託されておりますが、本委員会所管分について、議長から調査依頼がありました。
 本件については、調査結果を財政委員長に報告することになっております。
 公文の写しはお手元に配布してあります。
 朗読は省略いたします。

令和六年十二月十一日
東京都議会議長 宇田川聡史
(公印省略)
環境・建設委員長 曽根はじめ殿
   契約議案の調査について(依頼)
左記の議案について調査し、財政委員長にご報告願います。
     記
1 調査議案
第二百八十五号議案 妙正寺川整備工事(その二百四)請負契約
第二百八十六号議案 新中川護岸耐震補強工事(その二十二)請負契約
第二百八十七号議案 呑川防潮堤耐震補強工事(その二百六)請負契約

2 提出期限 令和六年十二月十三日(金)

○曽根委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、建設局関係の契約議案の調査並びに環境局及び建設局関係の付託議案の審査を行います。
 これより環境局関係に入ります。
 付託議案の審査を行います。
 第二百九十八号議案及び第二百九十九号議案を一括して議題といたします。
 本案については、いずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○アオヤギ委員 日本共産党のアオヤギ有希子です。
 奥多摩ビジターセンターについて伺います。
 都のビジターセンターでは、地元自治体が担うこともありますけれども、今回この施設は、公募だったにもかかわらず、一者の応募となった理由を伺います。

○宮武自然環境部長生物多様性担当部長兼務 都は、東京都指定管理者制度に関する指針に基づいて公募を実施しており、結果として応募者は当該一者であったものでございます。

○アオヤギ委員 地元の自治体は手挙げがなかったということです。
 この事業者は、今回が二回目の選定となり、歴史を遡りますと、この事業者の前は公園協会が受託して、一九八八年から二年間は、この自然教育研究センターの前身の団体が運営に当たっていたという実績や、また、公園協会の委託の下でフィールドワークなどを委託されていたという実績もあるということを確認しています。
 一方で、今後の運営では、安定的な運営や安全面が担保されていなければなりません。
 その中で、指定管理の選定項目で、候補者の得点が低い項目があります。業務に関する知識・経験の水準、施設の効用の発揮と効率的な管理運営、法令等を遵守した適切な管理運営に係る取組、利用者のサービス向上に係る取組の得点が低かったわけですけれども、これはどのような理由ですか。また、事業者にどうこの点の改善を求めていくのですか。

○宮武自然環境部長生物多様性担当部長兼務 当該審査項目について、今回選定された事業者は、いずれも配点の七割程度の得点を得ております。
 また、指定管理者の効率的な管理運営や質の高いサービス提供につなげていくため、都は毎年度、外部委員により管理運営状況の評価を実施しております。

○アオヤギ委員 七割ということであっても、この点数が満点よりも低いのであれば、どういうところが指摘されているのか、どう改善するのかを明らかにしながら、常に改善を求めていくことも必要です。
 都は、この施設は都民が利用する大切な施設ですので、施設の安全管理や安定的な運営がされるよう、チェックをしていくべきだと思います。
 私たちは、指定管理者制度は根本的には、事業の安定性、安全性において問題が生じるおそれのあるものだと認識していますけれども、個々のケースに応じて事業者の適格性を鑑み、賛否を判断しています。
 本事業者は、二回目の選定で、過去にも当該センターの運営実績もあり、現在も他のビジターセンターも運営に携わっています。また、選定項目が低い点についても十分に事業を実施でき、質の高いサービスにつなげていくということが示されました。
 また、指定管理料は、状況に応じてきちんと支払うということで、安定的に運営されるようにしていただきたいと要望して、本議案には賛成といたします。

○曽根委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○曽根委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で環境局関係を終わります。

○曽根委員長 これより建設局関係に入ります。
 初めに、理事者の欠席について申し上げます。
 上林山次長は、病気療養のため、本日の委員会に出席できない旨の申出がありました。ご了承願います。
 次に、契約議案の調査を行います。
 第二百八十五号議案から第二百八十七号議案までを一括して議題といたします。
 本案については、いずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○曽根委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○曽根委員長 異議なしと認め、契約議案に対する質疑は終了いたしました。
 お諮りいたします。
 本案は、いずれも異議のない旨、財政委員長に報告いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○曽根委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
 以上で契約議案の調査を終わります。

○曽根委員長 次に、付託議案の審査を行います。
 第三百号議案及び第三百一号議案を一括して議題といたします。
 本案については、いずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○アオヤギ委員 日本共産党のアオヤギ有希子です。
 都立代々木公園の指定管理者の指定について伺います。
 この事業は、パークPFI事業で、既に東急の関連会社などで構成される代々木公園STAGESが二年前に選定され、民間の資金で民間の施設と公園部分の整備を行い、公園部分については、十二億円の都費も今年度投入される予定ということで、整備されるということです。
 一方で、この場所は岸記念体育館跡地であり、公園の優先整備区域に指定され、建設局が土地代と補償費用を合わせて百二十三億円の費用で用地取得をしました。既に莫大な税金が投入されています。
 その公園部分の維持管理は、新たに事業者を指定管理で指定をするということで、今回議案となっています。
 この代々木公園パークPFI事業においては、パークPFI事業の事業者と維持管理事業者は、都は一緒の事業者にすることで、質の高い維持管理と公園利用者の利便性の向上が図られるとして、特命で代々木公園STAGESを選定しました。
 この土地をパークPFI事業で公園にするということをいつ決めたのか存じ上げていませんけれども、公募対象公園施設、事業者が建てた商業施設ですけれども、その収益が公園の運営にも充てられるということです。
 従前の制度では、公園内には認められないような大きな営利目的の施設が、パークPFI事業では可能となるものです。
 一般的にパークPFIを検討する際には、事業者からマーケットサウンディングという聞き取り調査をします。今回は、民間事業者からのマーケットサウンディングをいつ、何者から行い、どのような意見があったのでしょうか。

○佐々木公園緑地部長 代々木公園について、令和元年九月から十一月にかけて実施したマーケットサウンディング調査に参加した事業者数は十三者であり、飲食店やフィットネスやニュースポーツなどのスポーツ施設の設置などの提案を受けました。

○アオヤギ委員 令和元年のですよね。でよろしいですよね。よいということで令和元年のその月でやったと。十三者の事業者から飲食店などの提案を聞いていたということです。
 民間には提案を聞いていたということで、一方で、都市公園法では、都市公園は公共の福祉の増進に資することという定めがありまして、事業者がもうける場ではなく、都民が無料で施設を利用できて、親しめる場所でなければなりません。
 民間事業者には意見を求めたんだけれども、都民には、そういった機会はなかったと思います。このパークPFI事業となって、事業者の提案で公園内の商業施設内のものがつくられます。
 先日、現地に行ってきましたけれども、原宿駅も、明治神宮前駅からは歩いてそう遠くはありませんでしたけれども、人通りは駅前周辺から比べると少ないという場所だと感じました。
 また、歩道橋が設置された場所が歩道にあるんですけれども、そこはかなり通りすがりができないと。一人分の歩くスペースしかないと。ベビーカーや車椅子は通れないような狭い場所を通らないと現地には行けないという状況でした。
 都は、この場所はどのような都民が来ることを想定しているのでしょうか。

○佐々木公園緑地部長 今回の指定管理範囲を含む代々木公園渋谷区神南一丁目北側地区につきましては、令和元年度に取りまとめた代々木公園の整備計画において、多様な人々が集い交流し、誰もが心地よく過ごせる場としていく旨、お示しをしております。

○アオヤギ委員 そういっても、なかなか人通りなくて閑散としている場所ですけれども、そして、ベビーカーなどお子さん連れもなかなか行きにくいと。今の状況ではそういった場所です。
 また、商業施設はかなり、行ってみると大きな施設です。公園部分は思っていた感じより狭いということで、ほんの一、二分で通り抜けられるような広さであります。児童遊園ぐらいの少し広い児童遊園かなと。でも、遊具がないという状況ですけれども。
 この商業施設の建築面積も千五十平米で、三階建てなので、現地で見るとかなり圧迫感があり、商業施設がメインで、公園のようにはちょっと見えないんですけれども、公募対象公園施設で販売してよいものというのはどういうものと規定されているんですか。

○佐々木公園緑地部長 公募対象公園施設につきましては、都市公園の効用を全うするための公園施設として、飲食店、売店等の便益施設を設けることができる旨、都市公園法に規定されております。
 なお、公募対象公園施設で販売してよいものについて、法令等に具体的な記載はございません。

○アオヤギ委員 都市公園の効用を全うするものだということで、公共の福祉に資する公園であるということが規定されていますから、それに関連するようなものならば販売できるということです。全く関係のないものは販売できないということです。
 一方で、この商業施設内でも、アーバンスポーツ施設などスポーツ施設が予定されていますけれども、こちらでは事業者が料金を徴収できるということです。
 そういう条件でありますけれども、まだテナントが埋まっていないと聞いておりますけれども、建物の大きさについてなんですが、非常に大きくそびえ立つという印象がありましたけれども、この代々木公園パークPFIの事業対象地において、民間施設が占める面積の割合は何%ですか。

○佐々木公園緑地部長 パークPFI事業対象地の面積に対する公募対象公園施設の建築面積の割合は約二五%でございます。

○アオヤギ委員 二五%ということで、四分の一は商業施設だと、そういう公園だということです。
 代々木公園全体での建蔽率でいうと〇・五%という数字がありますけれども、このパークPFI事業地に対しての商業施設でいうと二五%になるということで、数字にも圧迫感が表れています。
 そこでお伺いしますけれども、公園は住民の福祉のため、そもそも無料で提供すべきものですが、商業施設の屋外と屋内のスポーツ施設の利用料金はどのようになるのでしょうか。

○佐々木公園緑地部長 屋外アーバンスポーツパークは、特定公園施設であり、広く一般に開放することとなっております。
 屋内アーバンスポーツパークは、パークPFI事業者が運営する公募対象公園施設でございます。具体的な運営内容は事業者が定めるものであり、現在検討中と聞いております。

○アオヤギ委員 この公園の四分の三が公共の場所だということですけれども、この広さで公園の本来の役割が果たせるのかが問われています。同じ公園内のアーバンスポーツでも、建物の中では料金がかかり、外では無料というのは、矛盾を感じます。
 次に、樹木のことなんですけれども、樹木などを残りの場所でどう増やせるのかというのも問われていますけれども、樹木はどれくらい増えるのでしょうか。また、人工芝は入れるのでしょうか。

○佐々木公園緑地部長 特定公園施設について、植栽される樹木は約三百本でございます。
 指定管理者候補者の事業計画では、園内の植栽を自然に近い形になるように育成し、緑のボリューム確保に努めるとしております。人工芝の敷設箇所はございません。

○アオヤギ委員 三百本の樹木を植えるということですけれども、現地にはまだ一本も植えられていませんでした。
 アーバンスポーツも外に一定の広さで設置され、野外ステージも設置されるということで、どういう樹木が植えられるのか。ヒートアイランド現象を防ぐような役割を果たすような、一般的な樹木が植えられるということが求められています。
 あと、商業施設の中と、その外の利益相反についてですけれども、選定委員会の議事録要旨では、事業者は、公園管理者であるとともにパークPFI事業の公募対象公園施設の運営者でもあるが、二つの立場の間で利益等が相反する場合は、前者、公園の立場を優先すべきであると述べられています。
 この利益等が、商業施設の外と中で相反するときというのはどのような場合ですか。また、この委員が述べた公園管理者の立場を優先すべきということは、事業者の間で取決めがされていますか。

○佐々木公園緑地部長 利害等の相反の例でございますが、例えば、地元商店街と連携した臨時店舗の出店を含む自主事業イベントを実施したい指定管理者の立場と、公募対象公園施設における販売を促進したいパークPFI事業者の立場、この二者の間で利害が相反するケースなどが考えられます。
 指定管理者選定委員会で出された意見は、指定管理者候補者にも伝えておりまして、認識されております。

○アオヤギ委員 この指定管理者選定委員会で出た意見は伝えておりとおっしゃいましたけれども、ちょっと伺いたいんですけれども、この利益相反とならないように、つまり、選定委員会でも口頭で伝えて、選定委員会の議事録要旨を事業者に見せたというふうに聞いておりますが、事業者と覚書などで書面で取り交わす必要があるのではないですか。

○佐々木公園緑地部長 ただいま申し上げましたとおり、指定管理者選定委員会で出された意見につきましては、指定管理者候補者にも伝えております。
 東京都は、指定管理者に対しましては指導監督の権限を持っておりますので、今後の運営の中でも適切に指導監督等を行ってまいります。

○アオヤギ委員 先ほどの商業施設内のアーバンスポーツと外のアーバンスポーツっていうのもありまして、運営に差があってはならないし、外の公園のアーバンスポーツを優先せよと、そういう趣旨で、公園の方を優先せよと委員はいっているわけです。それをきちんと事業者に担保できるように、書面で取り交わすということはあってもいいのかなと。そういったことを求めておきます。
 公園の優先整備地区だとして百二十三億円も支払った土地ですが、公園らしい公園とはいえず、四分の一が商業施設ということにもなるので、商業施設がメインになっているといわざるを得ません。
 この商業施設は、大変見た感じも大きいものですけれども、当然、公園の使用料が発生します。しかし、この間、我が党が質疑で明らかにしたように、この施設は大変安価な使用料が設定されています。月平米当たり二千六百九十六円、千五十平米ですので、月約二百八十万円。しかし、最低の金額だということで、最低の金額が一平米二千六百九十六円だということが規則に示されていますが、正確な使用料が公表されていません。これは公表すべきです。
 そもそもパークPFI事業は、全国でも維持管理費を安く抑えようという目的と、稼ぐ公園にしようという目的で、都市公園法が改正されました。しかし、このパークPFI事業と維持管理の指定管理者事業者はひもづいていますから、公募対象公園施設、商業施設の利益が維持管理の状態を左右するものです。
 そこで伺いますが、万が一、事業者が建てたこの商業施設が経営不振になったら、公園にどのような影響を与えるのでしょうか。撤退の場合は、都にはどのような負担が残るのでしょうか。

○佐々木公園緑地部長 特定公園施設の管理運営の一部には、公募対象公園施設の収益等が充当されることとなっており、この充当額が計上されたパークPFI事業の収支計画は、パークPFI事業者の選定時に、財務会計の専門家を含む外部有識者により構成された選定委員会において審査され、収支計画の実現可能性、事業継続性などについても確認をされております。

○アオヤギ委員 収支計画は選定委員会のときのみだという状況だということです。
 また、もう既に都は、この土地には多額の費用をかけています。この土地を買うのに百二十三億円をかけ、十二億円の整備費は、都は今年度支払いすると。指定管理料で毎年千二百万円支払って管理運営を任せるものです。
 特にこの十二億円の整備費についてですけれども、パークPFIの触れ込みは、民間事業者が収益施設で上げた利益を特定公園施設の整備費用に充てるという建前だったはずです。ところが、代々木公園パークPFIでは、特定公園施設の整備費用について、都が十二億円負担するのに対し、事業者は二億円しか負担しません。つまり事業者の負担割合は一四%程度です。
 一昨年、決算委員会で我が党の清水とし子都議が質疑で行った時点では、計画段階の数字ですが、事業者の負担割合はたった四・五%しかありませんでした。それよりは少し増えたようですけれども、それでも一四%です。結局、民間事業者の店舗を取り巻く公園部分について、大半を都が税金で負担をして整備をしてあげるというのが、代々木公園パークPFIの正体です。
 都民の税金で都立公園を整備するなら、商業施設をつくらずに維持管理されている他の都立公園のように、都の予算で幅広い都民が利用できる公共の福祉に資する公園をつくり、安定的に運営されるべきです。そのため、この議案には反対とします。

○桐山委員 私からも、東京都立代々木公園の指定管理の指定について質疑をさせていただきます。
 都では、パークPFIを活用した事業主体に対しては、民間のアイデアやノウハウを生かす官民連携の取組を進め、都立公園の魅力を向上することには賛成です。
 しかし、東京都が実施すれば情報が公開され、都民との対話も行われることはありますが、事業者の収益が公共的な公園機能に優先されるのではないかという疑念は払拭はできません。
 まず、指定管理料についてお伺いします。
 指定管理料は、毎年一千二百万円を都が負担し、民間事業者が利益を上げた分の三百万円を還元し、千五百万円で管理運営すると伺っております。
 そこで、まず、千二百万円の積算と利益還元分の三百万円の根拠を伺います。

○佐々木公園緑地部長 事業計画書記載の令和七年度以降の指定管理料一千二百三十八万一千円及び公募対象公園施設の収益等からの充当額三百十七万一千円は、パークPFI事業において都が示した公募設置等指針を踏まえ、事業者が公募設置等計画に計上した額でございます。

○桐山委員 ただいまの答弁で、パークPFI事業において都が示した公募設置等指針に基づいて、事業者が公募設置等計画において計上した額ということでありました。
 一千二百万円というのは都が上限額として定めた額であることは理解しているんですけれども、この三百万円と定めた額、事業者側からの提案なんですけれども、利益還元分の三百万円と定めた額というのが、適正なのかどうかが分からないです。
 民間事業者が毎年収益から還元する三百万円は妥当な金額なのか伺います。

○佐々木公園緑地部長 公募対象公園施設の収益等からの充当額三百十七万一千円が計上されたパークPFI事業の収支計画は、パークPFI事業者選定時に財務会計の専門家を含む外部有識者により構成された選定委員会において審査をされております。
 また、本充当額が記載された指定管理者候補者の事業計画書につきましても、財務会計の専門家を含む外部有識者により構成される指定管理者選定委員会において別途審査されておりまして、妥当でございます。

○桐山委員 本事業の収支計画というのは、事業者選定時に財務会計の専門家を含む外部有識者で選定委員会において審査されたので、問題がないんだということだったと思います。
 約二十年間の契約の中で、この二十年間の事業収支計画ということで、妥当だというお話だったと思うんですけれども、毎年、この事業者がその三百万円の利益分に対して、大体幾らの利益が上がった分に対しての何%なのかというのが具体的に分からないんですよね。なのでこのような質疑をさせていただいたわけです。
 都としては、一千二百万円の指定管理料として、これで管理運営してくださいなんですけれども、さらにその三百万円は、事業者が利益を上げた分については還元をしますということで、そのトータル一千五百万円で指定管理料として管理運営をしていくということだと思うんですね。
 私が何をいわんとしているかというと、先ほどからの懸念のところにもあったと思うんですが、やはりその利益を上げるための施設というふうに捉えられるような、その三百万円というのが、毎年利益として上げられるのか、それとも、通年を通して、長い、指定管理としては十年切っていますけれども、約二十年間の契約だと考えたときに、その平準化をしたときに、何とかそこはやりくりができるという金額なのかというのが分からないんですよ。その三百万円とぽんといわれるとね。
 だから私はあえて伺っているので、外部有識者により構成される選定委員会によってそこはきちんと査定をされた中で、審査をされた中で、妥当なんだというご答弁ですので、そこは理解させていただきます。
 次に、無料の公園施設内と有料の公募対象公園施設というのが存在しますけれども、管理運営する上で、アーバンスポーツを楽しむ場の提供やサービスなど、具体的に分かっておりましたらお示しをください。

○佐々木公園緑地部長 屋外アーバンスポーツパークは、特定公園施設であり、スケートボードをはじめとした多様なスポーツを楽しむ広場として、広く一般に開放することとなっております。
 屋内アーバンスポーツパークは、パークPFI事業者が運営する公募対象公園施設でございます。具体的な運営内容は事業者が定めるものであり、現在検討中と聞いておりますが、パークPFI事業者から提出された計画によれば、スケートボードスクールなどのサービスを提供するとされております。

○桐山委員 ありがとうございます。先ほども議論があったと思うんですけれども、具体的には、無料の施設と有料の施設が公園内にできるということは理解をしています。
 具体的な、事業者から提案されていることっていうのは、先ほどもまだテナントが埋まっていないという状況も把握はしておりますけれども、スケボーなど有料サービス、スクールですよね。いわゆる、より高度な技術を身につけられるようなスクールとか教室なのかなということが想像できるわけですけれども、そちらは有料としてサービスを提供していくんだということが分かりました。
 次に、公募対象公園施設との連携活動ということで、一体型施設としての魅力発信とはどのような自主事業が提案されているのか伺います。

○佐々木公園緑地部長 指定管理者候補者の事業計画では、公園の魅力向上と利用促進を図るための自主事業として、広場や屋外アーバンスポーツパークにおけるスポーツ体験プログラムなど、公募対象公園施設のテナントの専門分野を生かしたイベント等の実施が提案されています。

○桐山委員 都立公園は二十四時間開放だと思いますけれども、屋外のアーバンスポーツパークは自由に出入りでき、使用できる時間は決められていくのか伺います。

○佐々木公園緑地部長 屋外アーバンスポーツパークは、広く一般に開放することになっており、安全管理のため、利用は日中に限定し、夜間は閉鎖する予定でございます。

○桐山委員 屋外のアーバンスポーツは、利用は日中に限って、広く一般に開放されるということでありました。
 安全管理のためには夜間は閉鎖をするという予定だと伺ったところなんですけれども、聞くところによると、フェンスで囲うのではなくて、屋外のアーバンスポーツパークは、景観上の問題もあるので、植栽で囲うということを伺ったところです。
 植栽で囲うとなると、隙間ができるわけで、夜間、入り口は施錠したとしても、隙間から入ってくる若者とか、見受けられるのではないかなという懸念もあります。
 一方で、この屋外アーバンスポーツパークを設置するに当たって、いわゆるスケボーですよね。スケボーって結構やはりオリンピックとかで人気も出ていて、非常にスケボーを楽しむ若者が増えてきている現状の中、各区市町村においても、やはりつくりたくても、そういう場所ってなかなか設置ができない。それはなぜかというと、やっぱり騒音だったり安全性の問題だったりということで、やはりなかなか地域住民からの理解が得られないということもあるということも伺っています。
 そういった中で、一方でなんですけれども、あのエリアを考えたときに、近くには線路ですよね。鉄道の線路付近であり、その地域住民が、私は申し訳ないですけれども、どこまで隣接して住居を構えていらっしゃるのか分からないんですけれども、騒音の問題で問題がないのであれば、そういう、なかなか特定の場所でスケートボードを楽しめる場所っていうのがないとすれば、今後ですよ、今すぐに決めろって話じゃないんですけれども、今後、例えば夜間照明をつけるなりして、夜間でも使えるような場所にするとか、そういったことも課題として挙げられるのかな。
 もちろん、地域住民がいて、地域住民が騒音の問題は非常に問題であるというのであれば、時間的に閉鎖をして使えないようにする、そういう管理をするというのは当然であると思うので、そちらの方は、しっかりとその地域の方々のお声を聞きながら、取り扱っていただきたいというふうに申し上げておきます。
 今申し上げたように、このアーバンスポーツは騒音の問題や安全性の問題など課題はあります。多くの利用者でにぎわうことが想定されますが、この安全管理の徹底が求められておりますけれども、どのような管理運営になるのか伺います。

○佐々木公園緑地部長 屋外アーバンスポーツパークにつきましては、利用者が施設を安全に利用できるよう、安全配慮を最優先とし、利用ルールの設定やマナー指導を行うなど、誰もが安心して楽しめるよう管理運営を行います。

○桐山委員 しっかりとこの安全配慮は最優先として、しっかりマナー指導の下、行っていただきたいということを申し上げておきます。
 次に、飛び地となっている今回の公園エリアと、既に開園をしている代々木公園は、こちらの今、既に開園している代々木公園というのは公園協会が指定管理者なんですけれども、連携による一体的な価値の提供ということも示されておりますが、それは一体どのようなことが示されているのか具体的に教えてください。

○佐々木公園緑地部長 指定管理者候補者の事業計画では、代々木公園のもう一方の指定管理者である東京都公園協会と連携し、運営管理や自主事業において情報交換を定期的に行うことや、連携事業の企画等について協議することが示されております。
 例えば、東京都公園協会や周辺の公園と連携し、地域の公園をめぐるウオークラリーを行うなどの企画により、エリア一帯の公園の魅力を伝える機会を創出するとしています。

○桐山委員 ありがとうございます。なかなか、既に既存の代々木公園ということでいきますと、先ほども議論があった代々木公園マネジメントプランが令和四年九月に示されている中で、この中を見ても、理解はしているんですけれども、やはりこの、いわゆるB地区といわれている公園北側の地区っていうのが、このパークマネジメント計画の中にはまだ入っていないですよね。
 連携っていうところにおいては、たしか、民間活力導入、パートナーシップの推進というところで、飛び地北側についての民間活力、ノウハウ、資金を導入した施設の設置を予定していて、魅力向上する、公園全体の利用を民間事業者と連携して促進するということは示されていることが分かるんですけれども、具体的になかなか、大きな今の既存の公園と連携って何をやるんだろうみたいなところだと思います。
 今、近隣の公園とも連携しながら、公園のウオークラリーみたいなことを提案されているということを伺いました。代々木公園というふうにうたっている以上、しっかりとそこは、指定管理者同士しっかり連携を取っていただく中で、ぜひ様々な事業展開をしていただきたいというふうに思います。
 それから、今後どのような手法を使い利用者の声を聞き、どのように今後改善につなげていくことになるのか伺います。

○佐々木公園緑地部長 指定管理者候補者の事業計画では、電話、窓口をはじめ、常設アンケートやイベントアンケート、ご意見ボックスなど複数の手法を活用するとしており、寄せられた利用者の意見を基に、施設の改善や運営方法の検討、ルールの再構築等を行うこととなっております。

○桐山委員 どこの指定管理の中でもそうだと思うんですけれども、しっかりと利用者の意見を聞いて改善に努めるような仕組み、ルールの再構築等をしっかりと実施をしていただきたいというふうに思います。
 最後ですけれども、冒頭で述べましたように、都民の財産でもある都立公園が、収益を優先する公園にならないよう、選定委員会からの意見もあるように、公園管理者でもあり、また公募対象公園施設の運営者でもあり、利益相反にならないために、情報公開の徹底を求めるものですが、都の見解を伺います。

○佐々木公園緑地部長 都立公園の指定管理者からは、年度終了後に事業報告書の提出を受けております。
 都では、この事業報告書等を踏まえ、外部委員による指定管理者評価委員会の審議を経て、毎年度、管理運営状況評価を行っており、これらの内容を公表しております。

○桐山委員 終わります。

○原委員 共産党の原純子です。
 都立瑞江葬儀所の指定管理者の指定について質問をいたします。
 現葬儀所の管理運営について、指定管理者の指定を二〇二六年五月末まで延ばし、東京都公園協会に特命との提案がされました。
 背景には、基礎工事でのコンクリート強度不足が発覚したということで、基礎の撤去と再構築の工事やり直しとなったとのことです。責任は請負業者にありますが、再発防止について伺います。

○水谷公園建設担当部長 本工事については、構築した基礎コンクリートの一部に強度不足等があったことから、受注者が撤去、再構築を行っており、都は受注者に対し、法令や基準等に基づく品質管理の徹底や施工体制の強化を改めて指示しております。

○原委員 法令や基準に基づく品質管理の徹底や施工体制の強化を指示ということで、通常なされるべき当然のことだと思います。
 基礎工事で強度不足などがあってはならないと思います。この段階で分かってのやり直しということですが、本当に品質管理の徹底については、この後も含めて厳しいチェックをお願いいたします。
 当初は、二〇二二年度から工事に着工し、本年、二〇二四年八月までの工期予定でした。その後、地中障害物の除去が発生し、工期が二〇二五年一月に延伸されるとの報告がありました。そして、今回、基礎工事で問題が発生し、工事やり直しで、工期は二〇二六年二月末に延期し、最初の予定より一年六か月遅れる見通しとなりました。
 工事が長引けば、それだけ地域住民への負担が長引きます。地域住民への周知と協力依頼が必要です。
 火葬業務については、新施設開設が遅れることで起きる問題などはないのでしょうか、伺います。

○水谷公園建設担当部長 新施設の供用開始までの間、現施設において火葬業務を継続いたします。

○原委員 同じ敷地内での現施設の火葬業務ということです。工事が隣で行われながら事業ということなので、本当に安全に気をつけて行ってほしいと思います。そして、切れ目のない火葬の大事な業務遂行に当たっていただけるよう、皆さんにお願いをいたします。
 工事の内容と工期の延期などの情報について、住民に周知、どのようにされているんでしょうか、伺います。

○水谷公園建設担当部長 本工事の内容の変更について、近隣住民への工事のお知らせの戸別配布等を行うとともに、都のホームページで周知を行っております。工期の延伸についても同様に、適切に周知してまいります。

○原委員 都のホームページ、更新していただくことは大事なんですが、なかなかホームページを開いてみようという住民、多くありません。住民への具体的な、丁寧な周知をお願いしたいと思います。
 大型車両などの出入りもあるため、騒音など様々な問合せをしたいと思ったときに対応できる相談窓口の掲示も、重ねて分かりやすくしていただけるようお願いします。
 現施設の運営管理を行う指定管理者については、東京都公園協会へ引き続き指定することに賛成といたします。
 以上です。

○曽根委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○曽根委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で建設局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後二時五十七分散会