委員長 | 曽根はじめ君 |
副委員長 | 原 純子君 |
副委員長 | 須山たかし君 |
理事 | 田村 利光君 |
理事 | 保坂まさひろ君 |
理事 | 谷村 孝彦君 |
漢人あきこ君 | |
桐山ひとみ君 | |
伊藤 大輔君 | |
アオヤギ有希子君 | |
小磯 善彦君 | |
小宮あんり君 | |
本橋ひろたか君 | |
こいそ 明君 |
欠席委員 なし
出席説明員環境局 | 局長 | 須藤 栄君 |
次長 | 宮澤 浩司君 | |
理事 | 高崎 秀之君 | |
総務部長 | 緑川 武博君 | |
環境政策担当部長生物多様性担当部長DX推進担当部長兼務 | 中島 隆行君 | |
企画担当部長 | 三浦亜希子君 | |
政策調整担当部長 | 長谷川徳慶君 | |
気候変動対策部長 | 荒田 有紀君 | |
再生可能エネルギー実装推進担当部長 | 小林 洋行君 | |
率先行動担当部長 | 中村 圭一君 | |
建築物担当部長 | 関 威君 | |
環境改善部長 | 戸井崎正巳君 | |
環境改善技術担当部長 | 丹野 紀子君 | |
自然環境部長生物多様性担当部長兼務 | 宮武 和弘君 | |
資源循環推進部長 | 宗野 喜志君 | |
資源循環技術担当部長 | 横山 英範君 | |
資源循環計画担当部長 | 木村 真弘君 |
本日の会議に付した事件
環境局関係
事務事業について(質疑)
○曽根委員長 ただいまから環境・建設委員会を開会いたします。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、環境局関係の事務事業に対する質疑を行います。
これより環境局関係に入ります。
冒頭、委員長から申し上げます。
本日の理事会で、改めて本日の委員会は長時間に及ぶこともあり、議場への飲物の持込みについては、コロナ対策として取られている措置を継続すること、また、理事者、その他の職員の出席は、必要と認められる職員のみとすることは継続しておりますので、このことを委員長から申し上げておきます。
それでは、事務事業に対する質疑を行います。
本件につきましては、既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○緑川総務部長 去る十月二十四日の当委員会で要求いただきました資料につきましてご説明申し上げます。
お手元の環境・建設委員会資料をご覧ください。
表紙をおめくり願います。目次にありますとおり十九項目ございます。
まず、一ページをお開き願います。1、都内の二酸化炭素排出量の部門別推移(過去五年分)でございます。
平成三十年度から令和四年度までの各年度における産業、家庭、業務、運輸及びその他の各部門の二酸化炭素排出量を記載しております。
令和四年度は速報値となっており、二ページ及び三ページについても同様となっております。
なお、表の上段には、京都議定書の基準年である平成二年度の数値及び都の温室効果ガス削減目標の基準年である平成十二年度の数値を記載しており、こちらも二ページ及び三ページについて同様に記載をしております。
二ページをお開き願います。2、東京の温室効果ガスの年間排出量の推移(過去五年分)でございます。
平成三十年度から令和四年度までの各年度における東京の温室効果ガスの年間排出量を記載しております。
三ページをお開き願います。3、都内のエネルギー消費量の部門別推移(過去五年分)でございます。
平成三十年度から令和四年度までの各年度における産業、家庭、業務及び運輸の各部門のエネルギー消費量を記載しております。
四ページをお開き願います。4、風力発電、地熱発電、水力発電、バイオマス発電、太陽光発電の普及状況(過去五年分)でございます。
平成三十年度から令和四年度までの各年度における発電方式ごとの設備容量を記載しております。
五ページをお開き願います。5、再生可能エネルギーによる都内電力利用割合(過去五年分)でございます。
平成三十年度から令和四年度までの各年度における再生可能エネルギー電力利用割合等を記載しております。
六ページをお開き願います。6、保全地域に係る指定面積、公有化面積、公有化予算額及び公有化決算額(過去五年分)でございます。
令和二年度から令和六年度までの各年度における保全地域に係る指定面積、公有化面積、公有化予算額及び公有化決算額を記載しております。
七ページをお開き願います。7、都内自動車走行量の推移(過去十年分)でございます。
平成二十四年度から令和三年度までの各年度における旅客及び貨物の自動車走行量を記載しております。
八ページをお開き願います。8、都内の新車販売台数及び自動車走行距離に占めるEV・PHV・FCVの割合(乗用車)(過去五年分)でございます。
平成三十年度から令和四年度までの各年度における(1)、新車販売台数及び(2)、自動車走行距離に占めるEV、PHV及びFCVの割合を記載しております。
九ページをお開き願います。9、建設汚泥の発生量(過去五年分)でございます。
平成二十九年度から令和三年度までの各年度における建設汚泥の発生量を記載しております。
一〇ページをお開き願います。10、区市町村で回収している容器包装プラスチック量及びリサイクル量並びにその合計(令和四年度、区市町村別)でございます。
令和四年度における区市町村別のペットボトルと容器包装プラスチックの発生実績とリサイクル量を一一ページにかけて記載しております。
一二ページをお開き願います。11、都有施設の太陽光発電システムの設置ポテンシャル及び設置状況の推移(施設分類別・過去五年分)並びに区市町村有施設における設置状況の推移(区市町村別・過去五年分)でございます。
(1)、都有施設につきまして、平成三十年度から令和四年度までの各年度における施設分類ごとの設備容量及び平成三十年度に実施した調査における設置ポテンシャルを記載しております。
一三ページをお開き願います。(2)、区市町村有施設につきまして、平成三十年度から令和四年度までの各年度における区市町村ごとの設備容量を一五ページにかけて記載しております。
一六ページをお開き願います。12、省エネ、再エネのための補助金利用実績(予算額・決算額・交付申請件数・支払件数)(過去五年分)でございます。
令和元年度から令和五年度までの各年度における事業ごとの予算額、決算額、交付申請件数及び支払い件数を一九ページにかけて記載しております。
二〇ページをお開き願います。13、東京ゼロエミ住宅導入促進事業の実績でございます。
(1)では、令和元年度から令和五年度までの各年度における戸建て住宅、集合住宅ごとの交付申請件数及び支払い件数を記載しております。
(2)では、令和五年度における戸建て住宅、集合住宅ごとの水準一から水準三までの交付申請件数の内訳を記載しております。
二一ページをお開き願います。14、既存住宅の断熱補助の補助実績でございます。
令和元年度から令和五年度までの各年度における高断熱窓及び高断熱ドア、外壁、床等の断熱それぞれについて、補助件数及び金額を記載しております。
二二ページをお開き願います。15、都内区市町村との連携による地域環境力活性化事業における再エネ導入拡大に係る事業の補助実績でございます。
令和元年度から令和五年度までの各年度における各事業ごとに補助した自治体数及び金額を記載しております。
二三ページをお開き願います。16、緑被率、みどり率の推移でございます。
区部及び多摩地域それぞれについて、(1)では平成三年及び七年の緑被率を、(2)では平成十年から令和五年まで五年ごとのみどり率を記載しております。
なお、次の二四ページに、みどり率の用途別の内訳等を記載しております。
二五ページをお開き願います。17、東京都レッドデータブックに掲載された東京本土部における保護上重要な野生生物種数の推移でございます。
一九九八年、二〇一三年、二〇二三年の各年度における分類群別の種数を記載しております。
二六ページをお開き願います。18、アスベスト対策に係る補助事業の実績(過去五年分)でございます。
令和三年度から令和五年度までの各年度における事業ごとの金額及び補助件数を記載しております。
二七ページをお開き願います。19、GLP昭島プロジェクト環境影響評価書案における計画地内の既存樹木本数並びに計画建築物からの二酸化炭素排出量及び周辺道路の将来交通量の予測値でございます。
(1)では、計画地内の既存樹木本数について種名ごとに記載をしております。
(2)では、計画建築物からの二酸化炭素排出量(予測値)について記載しております。
二八ページをお開き願います。(3)では、周辺道路の将来交通量(予測値)について予測地点ごとに記載しております。
以上、簡単ではございますが、説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○曽根委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
なお、本日は多くの方の質疑が予定されておりますので、それぞれの質疑内容につきましては、極力重複を避け、簡潔明瞭な質疑を行っていただき、委員会が円滑に運営されますようにご協力をお願いいたします。
それでは、発言を願います。
○こいそ(明)委員 それでは、質問をさせていただきます。
まず初めに、次世代型ソーラーパネルについて伺いたいと思います。
まず、このソーラーパネルでありますけれども、次世代型ソーラーパネルは、一般的にペロブスカイト太陽電池と呼ばれていたかと思うんですね。都は、次世代型ソーラーセルということにしたこの理由について、まずお伺いしたいと思うんですね。
国も、何ていうんですかね、いろんなメーカー、それから、これに関心を持っている学術的な立場の方々もいろいろ含めて、やっとペロブスカイトという名称が浸透し始めた中でどうなのかなと、まず聞かせていただきたいと思います。
○小林再生可能エネルギー実装推進担当部長 ペロブスカイト太陽電池という名前は、ペロブスカイト結晶構造の材料を用いていることなどに由来しておりまして、技術的な用語で、一般の方には分かりづらいため、都としては、分かりやすい名前で発信していくということにいたしました。
○こいそ(明)委員 分かりやすい名前ということの検討がされて、このように名称を使用していこうという今お話ですけれども、国も、やはり様々な実証実験というんですかね、やる中で、やっぱりマスコミなんかも、ペロブスカイト、ペロブスカイトとね、こういうところの混乱性というのは出てこないかなという感じもするんですけど、まあ、それはそれで、今見解を伺ったのでいいです。
それで、この次世代型ソーラーセルは、我が国で生まれた新技術であります。我が国の産業競争力の強化の観点からも、実装をさらに進めていくべきと考える一人であります。
また、人権課題が懸念されるシリコン型太陽パネルと違って、主要な原材料のヨウ素は、日本が世界第二位の産出量を占めるなど、特定国への依存を回避することが、これはもう期待されるわけであります。
国もGXサプライチェーン構築支援事業等によって、国内における強靱な生産体制の構築を図っていくといわれています。他方、実用化に向けては、耐久性、施工方法などを検証しつつ、その結果を踏まえた改良は、当然に不可欠だというふうにも思います。
また、こうした技術的な課題の解決と併せて、都民の目に触れる場所で検証を行っているわけでありますけれども、関心をさらに高めるということは、これはもう重要でありますから、都有施設等においての実証を行っている中でも、これをさらに、やっぱり広げていくべきじゃないのかなと、こういうことですね。この取組状況についてもお願いします。
○小林再生可能エネルギー実装推進担当部長 都は、実証フィールドとして、下水道施設、都庁展望室、サービス付高齢者向け住宅など、様々な環境下で性能を検証しております。
本年五月から、港湾施設である東京国際クルーズターミナルの送迎デッキにおいて実装検証事業を開始しておりまして、訪れた方が次世代型ソーラーセルを間近で見ることができます。
本事業では、次世代型ソーラーセルをデッキの円柱に取りつけ、耐風圧や塩害に対する耐久性、施工方法の検証を行っております。また、発電した電力を蓄電池に充電し、TOKYOサインの点灯に使用するなど、見える化も実施し、取組を広くPRしております。
○こいそ(明)委員 都が着実に検証事例を増やしていくということ、これは大切でありますし、今ご答弁をいただきまして分かりましたけれども、繰り返しになるわけでありますけれども、次世代型ソーラーセルの普及拡大を目指す上で、やはり技術的な改善だけじゃなくて、広く都民の関心を高める、このいわゆる取組は、やっぱり不可欠だと私も思います。
公共施設だけではなくて、集合住宅など様々な場所での検証を行い、都民がより身近にそれを確認できるというか、目にすることができるように、やはりこれもすべきじゃないのかなと、改めてこれは要望します。指摘というか要望させていただきたいと思います。
さて、次世代型ソーラーセルは、国内では二〇二五年にも業務用の用途から商用化が始まるいよいよ見込みであると聞いております。いよいよ実装の段階に入ってきておりますけれども、欧米や中国もこれに極めて関心を強く持っているとともに、開発競争は、やはりこれからかなり厳しくなってくるんじゃないのかなと思います。
この厳しい国際競争のさなかにある中で、エネルギーの大消費地であるこの東京ですね、この技術をしっかりとやはり後押しする、いろんな、何ていうんですかね、取組が求められているというふうに思うんですね。
これまでも海外との開発競争にしのぎを削っている企業を支援するようにと、これは本会議でも取り上げさせていただきましたけれども、都が今年度から開始した企業向けの支援事業の状況、そして今後の取り組む方向性について伺いたいと思います。
○小林再生可能エネルギー実装推進担当部長 都は、本年七月から国内で研究開発を進める企業向けに、助成事業の公募を開始いたしました。開発企業が都内で実証事業を行う経費の三分の二を、四千万円を上限に支援いたします。
まず、一昨日、次世代型ソーラーセルを搭載した庭園灯の実装検証事業を採択したところでございます。本事業によりまして、耐久性や充電機能の改善などを行い、製品開発を後押ししてまいります。
国内企業による来年度の実用化を見据え、今後、都有施設等への先行導入を進めるなど、次世代型ソーラーセルの需要を喚起する方策を検討してまいります。
○こいそ(明)委員 次世代型ソーラーセルは、国内の、まさに先ほどお話ありましたけど、技術であり、進出における日本の優位性は、これはもうしっかり生かして、世界市場の中でまさにプレゼンスを得ることは、もう極めて重要であるわけであります。
今後も開発企業の取組を私はさらに支援してもいいんではないのかなという中で、民間企業等々による、これは官民ともでありますけれども、積極的なこの導入を後押しする、そして、早期かつ着実な実用化を進めることを要望いたしまして、次の質問に移らせていただきます。
次の質問に入らせていただくわけでありますけれども、まず三多摩、多摩地域の市町村、特に三十市町村あるわけですね、多摩地域には。この市町村の委託清掃業務、これについて伺いたいと思います。
特に清掃業務の中のこれはもう全体的な包括しての話でありますけれども、特に一般廃棄物の適正な処理に向けて、その事業基盤は着実に整えられるべきだと思いますけれども、都は市区町村の取組をさらにしっかりと後押しを、これもやっぱりしていくべきじゃないのかなと思います。
同じく、一般廃棄物の収集運搬委託業務では、これはまさに二十三区と対比すると、東京市ですね、歴史的に。それから、東京都清掃局というのは、二十三区、局だったんですよね。それから、まさに歴史的に積み上げ積み上げをされてきて、比較的厚く対応がされた二十三区。ところが、多摩地域三十、実際は財政状況も非常に厳しいんでありますけれども、格段の差が出始めているんではないのかな、同じ東京都であって。
そういう中でも、ちなみに一点だけ挙げさせていただくと、この収集するに当たって、二十三区の場合は、運転士さんと作業員さん、一名、二名ですね、三名ということ。多摩地域の場合は、運転士さん一名の、いわゆる現業作業員の方が一名、二名ですね。こういうことで業務に携わっていただいているわけでありますけれども、そういうような中で、この全体的にもいえることであるわけでありますが、このコロナ禍、そして昨今の記録的な夏の、もうまさに猛暑、そういう中で、やはりエッセンシャルワーカーといわれる方々は大変な苦労ですね、いろんなことがやっぱりあるわけであります。
そういう中で、これは区部も三多摩もないわけでありますけれども、とりわけ三多摩の三十自治体においても、今申し上げた、本当にこの猛暑猛暑の日々が続いた今年の夏でありましたけれども、三十五度、時には四十度近く、瞬間的に四十度になったんじゃないかというような中でも、休みを取ることというか、いわゆる作業をやめることできないんですね。これはどういうことかというと、契約仕様書にそうなっちゃっているんですよね。そういう状況です。
本日は、または働き方改革という、今年の四月からいよいよされていて、いよいよ建設、土木、それから物流、運輸。でも、ほとんどこのパッカー車は全都的に、これ、東京陸運局のいわゆる免許を取得していますよね。青ナンバーというか、緑ナンバーというか、営業ナンバーですよ。そういうことの中で、今年の四月、いよいよ働き方改革が進められた。さらにスタートいたしますよね。いよいよ罰則規定も生ずる時期にもなってきた。
こういう中で、いわゆる都として、やはり働きやすい環境の整備、それと、様々な処遇改善は、これはもう基礎自治体だということだけじゃなくて、やっぱり今日的な東京のいわゆる循環型社会形成とともに、環境保全的観点から見ても、私はこれを注視していかなきゃいけないんじゃないのかなと。でありますから、本日は働き方改革などで、あえてこれをちょっとお聞かせいただきたいんですけれども、取組が、率直にいわせていただいて、異論もあるかもしれませんけれども、立ち遅れている多摩地域の委託業務について、これはいろいろお聞きをしていきたいなと思います。
トラックドライバーの、今申し上げたように二〇二四年問題ですね、働き方改革といわれている中で、この業務はいまだ配慮されていない状況ですよ。
そして、まず最初に、都はこうした実情を踏まえて、このいわゆる多摩地域三十市町村の状況をどのように把握して、または契約方法等々の課題に向けた取組をどのように考えられていかれるのかなと、この辺りをちょっと伺いたいと思います。
○宗野資源循環推進部長 都は、今年度、都内自治体の首長を直接訪問いたしまして、エッセンシャルワーカーの働き方改革や熱中症対策等の推進に向けた周知及び委託契約の方法や内容に関する実態調査を実施いたしました。
本年八月には、総務局、産業労働局と共に調査結果などを市町村へフィードバックする会議を開催しております。
具体的には、廃棄物適正処理における自治体の責任の重要性を改めて説明するほか、エッセンシャルワーカー向けの熱中症対策支援の活用を呼びかけております。
また、契約の方法や内容については、各自治体の環境主管部署だけでなく、企画財政部門からの参加も得て、参考となる取組事例を共有し、契約方法の見直しに向けた検討を促進しております。
○こいそ(明)委員 ただいまご答弁いただきましたように、都が市区町村、特に多摩地域三十自治体に向けて、このような働き方調査を行ったというお話は今分かったわけでありますけれども、しかしながら、そもそもこの課題、問題は、今に始まったことではないと思うんですね。
国が平成二十年、平成二十六年、発出した通知においても、これ正式には通知ですね、私は通達だと思ったんですけれども、通知と。市区町村が事業者に委託する際には、経済性の確保よりも業務の確実な履行を重視すべきだとしている。それはどういうことかというと、平成二十六年に最高裁のいわゆる判決が出たんですね、これ。それによって国が動き始めたということなんですね。
この最高裁判決では、一般廃棄物処理業は、専ら自由競争に委ねるべき事業ではないとの考え方が明確にこの判決で示されたというわけであります。こうした通知について都からも、これは都道府県に通知、通達、これ、来ますよね、各都道府県。東京都にも当然来ているわけですよね、これ。
そういう中で、この多摩地域の市町村にどのようにこういうような通知を、いわゆる都から各自治体にどのような通知を行ったのか、さらに通知をね。それとともに、いまだその価格のみというか、価格競争、それは一面は否定するものではないんだけれども、価格競争のみなんですね、のみ。そして、要するに、安けりゃ安いほどいいわけですよ。安い方がいいじゃないか、そのとおりなんだけれども、そうすると、いろんな弊害が出るわけですよね。
それは要するに、何ていうかな、いわゆる競争が様々にそういう形で再三に行われるとなってくると、いわゆる契約も相当金額が下がってくる。それに伴って、今、いわゆる現下の人件費の、そのアップというかな、対応、そして様々な福利厚生面だとか、それから、やはりこれ、いろんな方々から聞いた、多分、三多摩全体的な話で聞きましたけれども、パッカー車も自分で購入する。これが約二倍になっているというんですね、単価が、購入単価。そして、トラックもあるかもしれないけれども、非常に物すごい高騰しているんですよね。
それから、やっぱり車両基地だって確保しなきゃ、それは当然駄目ですよね。それから、福利厚生施設関係も、福利厚生もそうだ。そして、様々今、物騰している中で、要するに、安ければ、いわゆる価格競争という中で、低くなければ当然取れない。よって、今まで長年やっていても、一瞬にして更新できないわけですね。
そうすると、今まで一生懸命、暑いときも寒いときも頑張ってきた現業職員の皆さんは、雇用の、働く場所を失っちゃうの、一瞬にして。こういうこともあるわけであって、こういう中で、果たしてこれでいいのかどうなのかということが、最高裁の判決で出たわけなんですよね。それは違うじゃないかと。ところが、まだまだ多摩地域三十自治体では、同じことというか、十年一日以上のことが行われている現状があるわけですね。
ですから、例えば、突発的に様々な事態、事案が起きますよね。自然災害もそうだし、人為的なこともあるから、いろんなことがあると思う。そういうときにどうするか、対応するか。
災害廃棄物問題だってそうかもしれない。それとまた、清掃工場そのもののいろんな不具合だとか故障で、遠方にということもあるかもしれない。そういうときにも実際柔軟に、予備車、予備人員が確保できなければ、これ非常に厳しいですよね。一番厳しいのは現業のやっぱり職員ですよ、はっきりいって。
それと、あるところで聞いたけれども、残業しなきゃ間に合わない。それを基礎自治体は一切見ない。一切見ない。やるの当たり前だと。三十度、四十度の炎天下の中だって何の配慮もない自治体も中にはあるんですよ。じゃ、皆さんどうなんですかっていうと、エアコンのところにいるじゃないですか、まあ、全員じゃないけどね。そんないろいろなことがあるんですよ、だから。
そういう中で、これは市区町村のことだからということじゃなくて、先ほど申し上げた、広く資源循環、世界一の環境先進都市だ東京はということであるならば、こういう実態的なものっていうものをしっかり広域行政体の東京都だって把握した方がいいんじゃないかと、であるべきじゃないかと思うんですよね。
ですから、少なくとも実績に応じた評価っていうのかな、総合評価方式というか、評価だな、こういうことも検討するとか、実効性のある形での現実対応への改善を、やはり一緒になって考えるというか、促していくぐらいのことも私はあってどうなのかなと、こういうことを思うんですが、どうでしょうか。
○宗野資源循環推進部長 国の通知では、市区町村が発注する一般廃棄物処理業務に関して、委託する場合であっても市区町村に最終的な責任があること、また、事業者に委託する際の基準として、業務を遂行するに足りる額であることが定められておりまして、経済性の確保等の要請よりも、業務の確実な履行を重視しております。
都は、これらの通知や平成二十六年の最高裁判決の趣旨を十分踏まえまして、多摩地域三十市町村のうち、現在も指名競争入札を行っている七つの市に対しまして、価格競争のみに委ねる指名競争入札の方式について改善を求めてまいります。
○こいそ(明)委員 冒頭いろいろ申し上げましたから、また屋上屋を重ねていうことはないと思いますけれども、そうなんですね、多摩地域三十市町村のうちの八割の自治体はもう行っているが、二割がまだまだだということ。
そういう中で、少なくとも、やはり先ほどもいいましたけれども、雇用の安定化もそうだし、物価高騰や様々なエネルギー、燃料費もそうだろうし、人件費もやっぱり対応していかなきゃいけない。こういう様々な中で、やっぱりどうも、やっぱりこの、何ていうのかな、感覚的なのか何か知らないけど、こういう部署、部門は、配慮性が少し足りないのではないのかなと。特に多摩地域のことでありますけれども、国の通達が発出されて十年以上がたつんですね、これ。重ねて国からも、またさらに通達が出ましたよね、これ。一向に改善されないところがある。
これ、都としてどう思っているのかなという感じもするんですけれども、やっぱり東京都としたって、まずは都道府県、東京都に通知が来るわけでしょう。それは、ああ来たなという感覚だけじゃないと思うんだけれども、どう受け止めているのかなと。市町村における、こういういろんな現実的なことについては、やはり、市町村だって一概にいえないけれども、いろいろ財政状況が厳しい、いろんなことあると思いますよ。
ですから、そういう中でも、しかし、市町村に対しても、やはり一定の寄り添うというか、こういう問題を一緒に考えていくというか、そういうところも東京都も必要じゃないのかなと、その辺りは要望点でありますけれども。
さらに、本年九月末にも国から発出された通知文、重ねて市区町村における一般廃棄物の処理責任が改めて改めて示された。これはもうそのとおりで、近年の物価上昇等を踏まえた適切な労務費、これ人件費ですよ、の積算や、契約途中における柔軟な契約変更について、もう少し周知徹底が求められるんではないかと。
しかしながら、通知を、これ、国から来たんだけれども、これは東京都が受けた発出、これまでと同様に、その内容の見直しが進む、都は、現状ではちょっと悩むというか、あまり考えられない部分は率直にいってあるんですね。そういうところもあるんですよ。
そこで、今回の国の通達、九月ですからね、これ。末ですから、そんな前じゃないんで。今回の国の通達に関する都の受け止め、改めて、今後の対応について伺いたいと思います。
○宗野資源循環推進部長 本年九月末の国からの通知では、近年の労務費、原材料費、エネルギーコスト等の上昇に伴い、一般廃棄物処理業が極めて厳しい経営状況に置かれていることに鑑み、適切な労務費や機材費、燃料費等、価格転嫁を求めるための具体的な方法が明記されております。
都は、国の通知における重要事項を整理の上、周知徹底を図るため、都知事名での通知文を各自治体の首長宛てに発出をしております。
今後は、市町村とも連携をしながら、通知で示された一般廃棄物処理業務における労務費、原材料費、エネルギーコスト等の適切な転嫁ができているかどうか、全ての自治体を対象に、さらなる深掘り調査を実施してまいります。
また、市区町村における取組状況、取組実態を踏まえ、適切な予定価格の作成や見積りの取得の手順、契約変更等に関する業務の標準化に向けた取組を後押しすることで、適切な委託料が事業者に確実に支払われるよう働きかけを強めてまいります。
○こいそ(明)委員 度々申し訳ありませんけれども、国通達では、物価上昇を乗り越える構造的な賃上げを実現するためには、特に我が国の雇用の七割を占める中小企業が、これ全体的な話ですけれども、中小企業がその原資を確保できる取引環境を整備することは重要であるとされております。なかなか厳しい状況もありますけれども、地方公共団体における入札契約手続の運用においても、これ、やっぱり総合評価を含めた対応が求められているんではないのかなと。
都として、市区町村の実態を踏まえた、実効性ある対策は、もうこれ、要するに市町村任せ、市町村のことだから市町村でやってくれと。見ざる、聞かざる、いわざるとはいわないけれども、やっぱり全く関係ないわけじゃないじゃないですか。多少はやっぱり関心を持ってもらいたいな。
そして、次に、労務費や機材費、燃料費はさっきからいって申し訳ないですけれども、やっぱりこの現業の働く人に対する労働環境の整備、いわゆる働き方改革ですよ、これははっきりいって。何回も、国だって東京都だって、働き方改革、働き方改革ってことをいっています。旗を振っていますよね。しかし、それ実際、足元どうなんだってことですよ。足元の状況は全然そうじゃないじゃないですか、はっきりいって。やっぱりしっかり、この辺りは現状の中で取り組んでいかなきゃならないと思うんですよね。これは局またがるでしょうけれども、そうしなきゃ清掃事業の持続可能な経営だけじゃなくて、これ、根本的に厳しくなってくると思うんですね、いろんな面で。
この観点から特に二点、エッセンシャルワーカーである収集の現業作業に当たっておられる方々の熱中症対策、休日の確保について、ちょっと確認したいと思うんですね、これ。
ちょっと時間もあれですけれども、今年の夏は、いうまでもない、熱中症警戒アラートの発令が過去最多だった。ちょっと今日、もう大分季節が変わってきましたけれども、今年はそうだったでしょう。記録的な暑さ。まさに命に関わるような暑い日もあった。災害級の暑さだともいわれた。そうした四十度近い炎天下でも、この業務に当たっていかなきゃいけないんだという現実を分かってくださいよ。みんなで分からなきゃいけないと思うんだ。感謝に値すると思うんだよ、これ、はっきりいって。
そういう中で、同じ野外業務でも、建設業はどうなのか。公共工事については、これはもう当然のことなんだ、これは当然だと思う。三十五度以上の猛暑日を工事の不能日にできることになりましたよね。当然だと思うんだ、これ。
だけれども、しかし、ここに関わるエッセンシャルワーカーといわれる日常的な業務をやっている、この業務に携わっている人は違うんだよね。三十五度になろうが、四十度近くになろうが、瞬間的に四十度になろうが、さっきもいったけど、中止にならないんですよ、はっきりいって。同じ人間なんだよ、これ、はっきりいって。それ、どう思いますか。平時というか日常的にそういうことが行われているんですよ、何の疑問視もされないで。これは、私はちょっと違うんじゃないかなと思いますね。
それとともに、いわゆる、私は、やっぱりこの業務を、こんなことをやっていたら担い手がなくなっちゃうんですよ。人手不足、人手不足といったって、なかなか厳しくなっちゃうと思います。
都が今年度、ファン付ウエアを購入する、この二分の一補助でね、前進した施策でありましたけれども、一歩前進がされました。ところが、まだ結構な自治体では、要するに、三十自治体の中では、なかなか進んでいなかったようなこともあるんですね。実際、何市かは、もう積極的に取り入れて行われたということでありますけれども、こういう意味合いからも、エッセンシャルワーカーの熱中症対策は、今後ともやっぱり進める必要性があるんじゃないかなと。また来年の暑い夏が来るわけだから。この辺り、ちょっと都の見解をお聞きしたいと思います。
○宗野資源循環推進部長 都は、今年度から環境政策加速化事業におきまして、一般廃棄物の収集運搬業務などに携わるエッセンシャルワーカーの方々が暑さ対策に適切に対応できるよう支援を開始いたしました。
具体的には、屋外作業者向けのファン付ウエア等について、委託事業者へ配布等を行う市区町村に対し財政支援を行うものでございまして、今年度は、三区七市が補助金の申請を申し込んでおるところでございます。
今後、補助金のさらなる活用を促すため、自治体や事業者のニーズを十分に把握した上で、本事業の周知の強化を図り、一般廃棄物処理業務に従事する方の熱中症対策を一層推進してまいります。
○こいそ(明)委員 暑さ対策が非常に重要ですね。それとともに、私は、この働き方改革のいろんな捉え方、法的にも示されている部分があるんだけれども、もう一点、ちょっとあえて触れさせていただくならば、この業務に当たっているそれぞれの人たちは、例えばゴールデンウイーク、四月から五月、どこ行きましたか、海外行きましたか、どこ行きましたか、報道もされますよね。一日休みも与えられない、多くの自治体では。そして、そのほかのお盆もそうだけれども、祝祭日も休みないんですよ。そして、土曜日も仕事をやっているところもある。年末年始の休みも、何と一番少ない自治体では二日。大みそかと元旦だけ。じゃあ、ほかの予備人員や予備車両は出るか。出ない。だから出なきゃならない。
役所ってご用納めあるもんね。ご用始めあるでしょう。恐らく清掃工場だってどこだってみんなそういうことだと思いますよ。多少はちょっとやるかもしれないけれども。二日ですよ。そして、どうもいろんな話を聞くと、今年は大みそかもやってくれという自治体が少なくないよということであります。
やはり働き方改革そのものの、いろんなことが問えるかどうか分からないけれども、やはり厳しいな、厳しい状況がこういうところでも見られるなという感じがするんですよ。やはり休みたくても、みんなが休んでいる、祭日、祝日はそうですよ、だけれども、休めない人はいるんだ、現実。年末年始だってそうなのよ。年がら年中、一年中通したって、そういう状況が、これ全然特異な例じゃないんですよ、実はこれ。こういう実態をやっぱりどのように認識されているのかなと、あえてここで聞かせてください。お願いします。
○宗野資源循環推進部長 都の調査では、多摩地域の可燃ごみの収集運搬委託では、祝日やゴールデンウイーク、お盆の時期は、全ての自治体で通常どおり収集が行われておりまして、年末年始の休みについては、自治体により異なりますけれども、多摩地域の自治体では最短で二日、大みそかと元旦のみの休みという自治体もあるということでございます。
都としては、市町村における取組実態を踏まえ、関係各局と連携しながら、先行的な取組事例や各種支援策の共有を図り、一般廃棄物の収集に携わる作業員が働きやすい労働環境となるよう、市区町村の取組を後押ししてまいります。
○こいそ(明)委員 様々にお尋ねをしてまいりましたけれども、ぜひ今まで申し上げたこと、過大に私は取り上げたつもりはありません。現実を現実として、いろんな聞き取りをさせてもらって、いろんな西多摩、北多摩、南多摩、大体そういうことなんだね。そういうことで、ぜひ働き方改革。だって、実際、そこを発注しているのは、だって、公、役所じゃないですか。本来なら一番やっぱり率先してやるべきところじゃないかというふうに思うんですよね。
国の通達、さっきいっていました働き方改革、いろいろあります。こういう中でも、ぜひ働き方改革が住民の生活に影響を与えないようにしなきゃいけませんけれども、しかし、社会全体での理解促進も、これ重要じゃないかと思うんですよね。
都は、今後どのように取り組んでいくのか伺いたいというふうに思いますが、じゃ、お願いします。
○宗野資源循環推進部長 都は今後、清掃関連の業界団体における適正処理の継続的、安定的な実施の確保に向けまして働き方改革を進めていくため、法的根拠の確立など、社会全体の理解促進や、対応に要する費用の財政支援について早急に対応策を講じるよう、国へ要望してまいりたいと考えております。
さらに、今後、市長会と共に連携して、国の通知事項の遵守を求めるとともに、さらなる働き方改革等の推進を促すため、予備人員や予備車両の確保、熱中症対策、休日収集に伴う手当の充実、効率的な収集運搬ルートの構築による労働時間縮減など、働き方改革に資する取組を支援する方策を検討し、労働環境や処遇の改善を働きかけてまいります。
○こいそ(明)委員 なかなか一律に、なかなか難しい部分はありますけど、やっぱり休息、そして休みたいときは休みたい、家族と一緒に過ごしたい、どこか行きたい、これは当たり前のことだと思うんですよね。そういう意味合いからも、やはりこうやって皆さんが国を挙げて働き方改革、働き方改革とやっている中で、そういう点もやっぱり留意していただきたいなと思うんですね。
まさに社会全体で働き方改革が大きく動き出している中、都民千四百万人の生活環境を守り、日々の都民生活の基盤を支える清掃事業に従事する人たちを、私は取り残してはいけないんではないかと思います。
さらに、一般廃棄物処理業の持続可能な事業運営を確保することが、ひいては資源循環をはじめとする東京全体の環境の向上につながっていくんだとも思います。
都は、多摩地域の収集運搬業務の置かれた状況を、都民の理解、社会の理解も得つつ、関係局とも連携していただいて、改善を図れるところはしっかりと改善を図っていただきたいと強く要望して、次の質問に移ります。
次に、太陽光パネルのリサイクルについて伺います。
太陽光パネルは、二〇三〇年半ば以降に本格的廃棄を迎えると見込まれています。来年四月からは、太陽光パネルの設置義務化制度が開始されておりますけれども、この制度が真に環境に貢献するものといえるためには、設置のみならず、まさに廃棄までを視野に入れ、環境の負荷を少しでも低減しなければならないということは、これはもういうまでもないですね。
このため、我が党はこれまで、都として責任を持ってリサイクル体制の構築に取り組むことを再三再四求めてまいりました。都は、関係事業者で構成する協議会を立ち上げ、検討を行っているとのことでありますけれども、これまでどのような活動をしてきたのか。
そしてまた、この協議会のメンバーは頑張っていただいているということでありますけれども、あまり分かっていないですよね。七回やっているそうですけれども、どういうことなのかなと。どういう方向性でこれからさらに検討を加えていくのかなということを含めて、せっかくの協議会を設置したとしても、その活動実態があまり知られていないことはどうなのかなと。ご努力に対してどうなのかなと。
そこでまず、協議会設置の意義とその活動状況について伺いたいと思います。
○木村資源循環計画担当部長 都は、一昨年の九月に、太陽光発電設備高度循環利用推進協議会を立ち上げ、これまで計七回の会議を開催しております。
協議会は、太陽光パネルメーカー、住宅供給事業者、収集運搬業者、解体業者、リサイクル業者等の参画を得て、住宅用太陽光パネルの取り外しから再資源化に至るまでのリサイクルルートの確立を目的としております。
協議会におきましては、高度循環利用の確立に向け、事業者の取り外し作業マニュアルの策定や実際の作業手順に即した動画を作成するとともに、高度リサイクル技術の紹介や、カバーガラスの水平リサイクルに関する最新情報などを共有してございます。
○こいそ(明)委員 そうですよね。協議会ができた、そしていろいろ、そこで検討を加えていただいているわけですね。その成果が広く活用される、また周知を、やっぱりもう少し工夫をしていただいて広めるというか、やっぱり知らせることはお願いしたいと思います。
一方で、現状では太陽光パネルの廃棄量はまだ少なく、本格的廃棄まではまだ先で、一定の時間があるから、随時時間をかけてということは分かりますけれども、リサイクル費用に対する補助をするという中でも、その処理をする、いわゆる時間があるようで、やっぱりやるべきことは進めていった方がいいんじゃないですかっていうこととともに、いわゆる処理施設ですよね。臨海部で一か所、それから、県外で五か所かな、そういうことですね。
本来だったら、なかなかいろいろ難しいけれども、自区内処理。時間あるんだから。基本的に、やっぱり東京から出たものは東京都内でと。難しい難しいというけれども、時間あるんだから、いろいろやり方あると思いますよ。
積替え保管から、中間処理から、やっぱりいろいろあると思う。輸送ルートだって、これ茨城のどこだったかな、一番遠いところ。あまり遠くないよという人もいるかもしれないけれども、いずれにしても、やっぱりできるだけ身近なところも必要なんじゃないかなということの中で、多摩地域、多摩地域といったら大変申し訳ないんだけれども、少なくとも、やはり一定数の人口も約二百四十万いるわけですよね、一定の面積もある。
リサイクル施設は今のところない、予定もないわけでありますけれども、東京の多摩地域や臨海部、さらには圏外、運搬するのに長時間かかり効率が悪いため、近くの施設に持ち込まれ、そこで本当にリサイクルできるかなって、これはあまりそういうことをいっちゃいけないかもしれませんけれども、やっぱりリサイクルをするシステム、リサイクルができやすい、これが必要ですよね、当然、いうまでもないけれども。
いわゆる、パネル廃棄量の少ない今のうちから、都外の施設に、やはり依存的な感覚的なものじゃなくて、まず、今申し上げましたけれども、都内でリサイクル施設や集積所をもう少し増やしてもということも一考ではないのかなと。そして、効率的な体制をつくって構築して、まさにリサイクルをしっかりと。この、何ていうかな、やっぱりルートに乗せてしていくと、必要ではないかと。従来からいっているわけでありますけれども、この都の見解をお聞かせいただきたいと思います。
○木村資源循環計画担当部長 都は、昨年度開始したリサイクル費用の補助事業におきまして、パネルの総重量の八割以上を再生利用できる首都圏の施設を六か所指定してございます。今年度も施設の追加公募を実施し、高度なリサイクル施設の拡充を促進しております。
今後の廃棄量の増加に備えるためには、多摩地域を含め、効率的な収集運搬ができるよう、積替え保管場所やリサイクル施設の整備が必要であると認識しております。
都内の中間処理業者を対象としたアンケートでは、将来的に都内でのリサイクル施設導入の意向を持つ業者が複数あったことを踏まえ、今後こうした事業者を後押しする方策を検討してまいります。
○こいそ(明)委員 るるいろんなお尋ねもしてまいりました。質問させていただきました。これらの今の太陽光パネルリサイクルでもありましたけれども、冒頭のいろいろお話もさせていただきました。局長のぜひお考えもこの際、聞かせていただければありがたいと思いますので、よろしくお願いします。
○須藤環境局長 東京が環境先進都市であり続けるためには、これまで以上に再生可能エネルギーの利用拡大と省エネルギーの徹底を図るほか、持続可能な資源利用の推進を強力に進めていかなければならないと思っております。取組に当たりましては、より広範な視点で施策を立案し、市区町村などとの積極的な連携により、実効性を持って展開する必要がございます。
このため、都は、国内企業による来年度の実用化を見据え、次世代型ソーラーセルの導入を積極的に進めるとともに、我々の生活を支え、リサイクルを担っていただいているエッセンシャルワーカーの方々の働き方改革、それから資源循環社会の実現に貢献していただく人材を育成していく必要があると考えております。
また、市区町村などで事業を牽引する職員を育て、継続して能力を発揮できるよう、体系的な育成プログラムを展開してまいります。
これらの取組を進取果敢に展開し、二〇三〇年のカーボンハーフを実現してまいります。
○保坂委員 それでは、よろしくお願いします。
では、最初に建築物環境報告書制度、いわゆる太陽光パネル設置義務化などの制度について質問をさせていただきます。
いよいよ来年の四月に施行となります本制度は、大手のハウスメーカーさんなどを対象としています。太陽光パネルの設置や断熱、省エネなど、環境性能の非常に高い住宅の普及のためには、制度対象となります事業者の取組が必要不可欠であります。
都は、新制度の実効性を高めていくため、制度対象と見込まれます事業者約五十社への直接訪問を実施するなど、事業者の状況などを丁寧に把握して取組を進めてこられました。
そこで、まずは制度対象となります大手ハウスメーカーなどにおける制度の施行に向けた現在の準備状況についてを伺います。
○関建築物担当部長 都は、それぞれ計六回以上、事業者への直接訪問による意見交換等を行い、各社の実態を踏まえた取組の促進を行っております。現在、ほぼ全ての事業者が制度開始に向け、着実に取組を進めており、環境性能の高い住宅の普及に向けた動きが進展していることを確認しております。
具体的には、リース等の初期費用ゼロスキームを活用して、建て売り住宅へのパネル設置を開始する事業者や、全ての賃貸住宅オーナーに設置を提案する事業者が増加するなど、制度導入を契機とした取組が拡大しております。
今後も事業者の実態を丁寧に把握し、制度開始に向けて対象事業者全体の底上げを図ってまいります。
○保坂委員 今ご答弁いただきました事業者の準備状況について、大変丁寧に把握されて、各社の取組もしっかりと今、取り組んでいることが改めて分かりました。
本制度では、義務対象となります大手ハウスメーカーなどだけでなくて、地域の工務店も参加が可能な仕組みとなっております。都は、地域工務店の参画を促して取組を支援していくことで、規模の大小を問わずして、環境性能の高い住宅の普及を図る必要があると考えております。
そこで、より多くの地域工務店など、制度参加を促していくべきと考えますが、見解を伺います。
○関建築物担当部長 建築物環境報告書制度は、大手ハウスメーカー等以外の事業者も任意で参加できる制度でございまして、太陽光パネルの設置状況等の公表を通じて、意欲ある事業者の取組を促しております。
都は、義務対象と見込まれる事業者以外とも意見交換等を重ねており、既に参加意思のある事業者を複数確認しております。
また、制度開始に先駆けて、環境性能の高い住宅普及に取り組む事業者を表彰する東京エコビルダーズアワードでは、地域工務店等も受賞するなど、企業規模の大小によらない取組は着実に広がっております。
今後もより多くの企業による任意での制度参加を促すとともに、意欲ある企業を積極的に支援することで、環境性能の高い建物の普及拡大を図ってまいります。
○保坂委員 中小企業の制度参画などに向けました取組についても今確認ができました。新制度の開始や、さらにその先を見据えて、大手ハウスメーカー、地域の工務店など、あらゆる事業者が着実に取組を進めていくことが大変重要であります。
引き続き、義務対象とならない事業者への支援を継続されるとともに、この業界全体の取組の底上げを図ることを強く求めておきます。
続いて、既存の住宅におけます太陽光パネルの普及に向けた取組についてを伺います。
太陽光パネル設置については、新築住宅への設置を義務づける新制度が開始される一方で、約七百万戸と膨大なストックを抱える既存住宅についても、これを契機により一層の普及を図っていくことが重要です。
そこで、既存住宅での利用が多いと聞いております、災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業、これと住宅用太陽光発電初期費用ゼロ促進に関わる事業におけますこれまでの設置補助の実績と、さらなる普及に向けた取組について伺います。
○荒田気候変動対策部長 令和四年度から開始した、災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業の令和五年度までの申請実績は、計二万三千四百二件、約十万七千キロワットとなってございます。
また、令和元年度に補助を開始した住宅用太陽光発電初期費用ゼロ促進に関わる事業の令和五年度までの申請実績は、計千九百九十二件、約一万一千キロワットとなってございます。
事業の周知に当たりましては、住宅関連の五十団体で構成される東京都省エネ・再エネ住宅推進プラットフォームにおいて紹介を行うほか、太陽光パネルを設置することのメリットを分かりやすく伝える動画の作成等も行っております。
今後もさらに多くの都民に対しメリットを伝えていくため、スポーツ関連団体が主催するイベント会場でもPRを行うなど、様々な機会を捉えて効果的に発信を行い、既存住宅における太陽光パネル設置を促進してまいります。
○保坂委員 既存住宅での設置を進める取組については確認ができました。太陽光パネル設置への機運が高まる中で、新築住宅だけでなくて、住宅全体での普及につながるよう、今後もいろいろな主体と連携をしながら、周知の工夫をしていただくよう求めておきます。
続いて、太陽光パネルの、これもリサイクルについて伺ってまいります。先ほど、こいそ委員からも質問がございましたので、簡略にお聞きしたいと思います。
太陽光パネルのリサイクルの技術が、先ほどの質疑でも確立されつつあることと、また、現在の排出状況については事業用パネルが中心であり、住宅用のパネルが少ないんだということが分かっております。
我が会派が昨年の事務事業質疑で質疑した際には、都内の住宅用パネルに対して、埋立処分と比べて割高になるリサイクル費用の補助を開始したと、先ほども答弁をいただきました。これはまさに、都はリサイクルを国に先駆けて率先して進めていくことの意思表明でもあり、より広く周知をしていくべきと考えます。
ただ、都内住宅用のパネルの排出は、まだ僅かとのことで、今後の増加に備えてリサイクルへ誘導していくべきと考えますが、都の見解を伺います。
○木村資源循環計画担当部長 都は、昨年度、首都圏のリサイクル施設を六か所指定した上で、当該施設で処理する都内住宅用パネルに対するリサイクル費用の補助を開始いたしました。関係事業者で構成する協議会を通じたPRや、各種広報媒体の活用などにより、幅広く周知を図ってございます。
今年度は、リサイクル施設の追加指定に向けた公募を行うとともに、リサイクルの補助上限の拡大やカーポート設置型を対象に加えるなど、制度の拡充を図っております。
今後、屋根工事団体やハウスメーカーのリフォーム部門への個別説明も実施し、リサイクル補助制度の活用を促してまいります。
○保坂委員 今答弁いただきました、様々な工夫をしながら太陽光パネルの資源循環の推進に取り組んでいることが分かりました。ぜひ今後も継続をして、リサイクルシステムの構築に取り組んでいかれることを要望して、次の質問に行きます。
次に、太陽光パネル設置義務化などの制度と並んで、環境性能の高い新築住宅の普及に向けた重要な事業として、東京ゼロエミ住宅の補助制度があります。
都は、令和元年度から、東京の地域特性を踏まえた都独自の基準を満たす住宅に対する建築費用の一部を補助する事業を実施しております。
そこで、太陽光発電設備のこの申請の状況も含めて、令和五年度の実績について伺います。
○関建築物担当部長 東京ゼロエミ住宅の実績につきまして、令和五年度には九千六百十九件の助成金の交付申請があり、戸建て住宅、集合住宅ともに、都内の新築住宅の約二割を占めるようになっております。
申請のうち、約七割が太陽光発電設備を設置する計画となっておりまして、設置容量は約四万五千キロワットとなっております。
令和四年度の実績と比較すると、助成金の交付申請件数は約二・二倍に、太陽光発電設備の設置容量は約二・六倍に増加しております。
○保坂委員 二倍以上、着実に増加しているという答弁がありました。助成金の交付申請件数は、まさに順調に伸びておりまして、特に太陽光発電設備が大きく備えていることが確認できました。
本事業は、大手ハウスメーカーを中心に活用が広がってきた中で、都は、事業者の裾野拡大に取り組んでいると聞いております。まさに大変意味のあることであると評価をいたします。
本年十月からは、基準の見直しが行われておりますが、さらなる普及のためにしっかりと事業者の支援に取り組んでいくべきと考えますが、見解を伺います。
○関建築物担当部長 都はこれまで、住宅関係団体等と連携した東京都省エネ・再エネ住宅推進プラットフォームの場を活用した情報提供や、新基準の説明会などを実施してまいりました。
新基準開始に当たっては、実績の少ない地域工務店等にも本事業を活用していただけるよう、新基準の詳細や各水準を満たす材料や設備の具体例、助成金の手続等を解説する手引を作成し、公表いたしました。
また、事業者が住宅を建築する都民等に本事業の活用を促していく上では、環境性能の高い住宅のメリットを分かりやすく伝えることが必要となります。
そのため、現在、実物件で室温等のデータ収集に取り組んでおり、断熱性能が高いことによる快適性や健康面へのメリット、ランニングコストを考慮した経済性などを分かりやすく発信してまいります。
○保坂委員 分かりやすい手引や顧客説明用のツール、中小企業の事業者への支援として、大変効果的であると考えます。より多くの都民に東京ゼロエミ住宅が普及していくために、引き続き事業者への丁寧な支援に取り組んでいただきたいと思います。
続いて、次世代型ソーラーセルの社会実装に関する質問です。
民間事業者によります開発が進んでいると先ほども質疑がございました。実用化に向けては、発電効率や耐久性能などのさらなる改善や施工方法の確立が必要との声もあります。早期の実用化を進めるため、企業の取組をしっかりと支援していくことが大変重要です。
そこで、都による実装検証事業や企業向け支援事業の実施状況と、今後の展開について伺います。
○小林再生可能エネルギー実装推進担当部長 都は、次世代型ソーラーセルの開発企業と連携し、都有施設等において、耐久性や施工方法等の実証に取り組み、実装に向けた課題の整理や効果の検証を行っております。
また、今年度から、都内で実証事業を行う開発企業向けに経費を助成し、早期実用化を促す支援を開始いたしました。先日、採択事業者を決定したところであり、本事業を通じて企業による開発をさらに後押ししてまいります。
今後、実装検証事業等の成果を踏まえ、実装に向けた取組を幅広くサポートする方策を検討してまいります。
○保坂委員 引き続き、次世代型ソーラーセルの実用化を後押しする取組を進めていただきたいと思います。
一方で、さらなる再エネ導入拡大のためには、次世代型ソーラーセルに加えて、先進的な再エネ技術を幅広く支援していくべきと考えます。
都は今年度から、様々な次世代再エネ発電技術の社会実装に向けた取組を後押しするため、次世代再生可能エネルギー技術社会実装推進事業を開始しております。
そこで、当該事業の現在の状況と今後の取組について伺います。
○小林再生可能エネルギー実装推進担当部長 本事業は、都内における早期社会実装が期待され、都の地域特性に適した発電技術の社会実装に先駆的に取り組む事業者を支援するものでありまして、本年七月から公募を開始し、九件の応募の中から五件の事業を採択したところでございます。
採択された発電事業の一例といたしましては、舗装式太陽光発電の国内初の公道設置や、遮熱効果と発電が同時にかなう光発電ガラスの内窓を事業所へ設置することなどが挙げられます。
今後、発電効率や量産技術の向上、耐荷重等の性能向上など、都内をフィールドとした二年間の実証事業を通じ、都内の様々な建築物、施設等への普及につなげてまいります。
○保坂委員 二〇三〇年カーボンハーフ、二〇五〇年ゼロエミッション東京の実現を見据えますと、新たな技術も活用して、実効性のある取組を推進していくことがますます必要であると考えております。
次世代型ソーラーセルに加えて、こうした先進的な再エネ技術も早期実用化をするよう、引き続き、こうした企業の支援をお願いいたします。
続いて、区市町村施設への再エネ導入促進に関して伺ってまいります。
地震や、近年増加しております集中豪雨などの自然災害を踏まえまして、災害時にも活用できる再生可能エネルギー設備の公共施設への導入が重要であります。
都はこれまでも、区市町村公共施設への再エネ導入を支援しており、段階的に拡充をしてきております。
そこで、これまでの区市町村施設への再生可能エネルギー設備導入の補助実績について、まず伺います。
○荒田気候変動対策部長 区市町村の公共施設への再生可能エネルギー導入支援につきましては、平成二十八年度から昨年度までの間に十区、八市、五町村から計五十二施設の実績がありまして、件数は着実に増えております。
実績の大半は太陽光発電設備の導入に関するもので、その設備容量の合計は、約八百三十キロワットとなってございます。
○保坂委員 区市町村への実績が、今、着実に増えていることは理解しましたが、まだまだ区市町村の再エネ導入を増やしていく必要があると感じております。まだ導入実績が少ない自治体などにも積極的に働きかけてほしいと思います。
特に島しょは、非常時の電源確保は必要不可欠であります。再エネ導入に向けての一層の支援が必要であると考えます。
そこで、これまで東京都は、島しょも含めてどのように支援策の強化を図ってきたのか、そして今後どのように取り組んでいくのか伺います。
○荒田気候変動対策部長 区市町村向けの補助につきましては、令和四年度には補助率を引き上げるとともに、第三者が太陽光発電設備を設置し、その電気を区市町村が利用するPPAモデルも新たに補助対象に加え、拡充を図ってまいりました。
また、令和六年度からは、島しょ地域における太陽光発電設備等助成事業におきまして、地域特有の自然条件等に対応するため、蓄電池の補助条件容量を撤廃し、停電時の電源確保など、レジリエンス向上の取組を推進しております。
今後、区市町村の職員向けの研修会におきまして、再エネ設備の導入の意義や支援制度の紹介に加え、維持管理など技術的な研修を実施するなど、区市町村の公共施設における再エネ設備の導入拡大を促してまいります。
○保坂委員 都はこれまで、補助率の引上げや補助対象の拡充に取り組んできたことは評価ができます。また、島しょ特有の条件を認識され、まさにレジリエンス向上を推進していくという力強い答弁もありました。我が会派も応援をしております。
今後、区市町村への働きかけや技術的な支援などにより、再エネ導入の一層の拡大に取り組んでいただくことを求めて、次の質問に移ります。
続いて、環境に優しいタクシーの普及拡大について質問をさせていただきます。
ユニバーサルデザインタクシー、いわゆるUDタクシーは普及が進んでおり、高齢の方や車椅子の方はもちろん、荷物の多い外国人旅行客など、誰にでも使いやすい移動手段として定着しつつあると思います。
現在普及しているUDタクシーは、ハイブリッドシステムを搭載していることから、CO2を大きく削減することができます。
しかし、都心のターミナル駅のタクシー乗り場では、乗客を待っているタクシーの多くがUDタクシーであるのに対して、島しょを見ますと、UDタクシーを見たことがありません。
そこで、都は、ハイブリッドシステムを搭載しているUDタクシーに対して補助を行っておりますが、これまでの実績について、区部、多摩、島しょそれぞれの実績についてを伺います。
○戸井崎環境改善部長 UDタクシーは、誰もが移動しやすく、環境性能が高いことから、都は、平成二十八年度に補助を開始いたしました。
補助の実績でございますが、令和五年度末で区部で一万五千六百九十五台、多摩で二千二百六十八台でございまして、これは都内法人タクシーの車両の約六割に当たります。また、会社でいえば、約八割でこの補助を利用していただいております。
なお、島しょにおきましては、補助実績はございません。
○保坂委員 今、島しょでは実績がないとのことですが、高齢化率が高い島しょでこそ、UDタクシーの普及が求められると考えております。
主にUDタクシーとして導入されているのは、タクシー専用車であるトヨタのジャパンタクシーであるかと思います。ジャパンタクシーは、価格が高くて、また燃料がLPガス専用となっていますことから、LPガススタンドがない島しょでは導入が困難であるとも聞いております。
そこで、国は、UDタクシーについて緩和した新しい基準を定めて、スロープのついたタクシー専用車でないガソリン車についてもUDタクシーとして認定をし、補助を行うと聞いておりますが、都も積極的に対応していくべきと考えますが、見解を伺います。
○戸井崎環境改善部長 国は、令和六年四月に、標準仕様ユニバーサルデザイン認定要領等を一部改正いたしまして、スロープの耐荷重など、既存のレベル一の基準に比べて認定基準を緩和したレベル準一を追加いたしました。これによりまして、市販のガソリン車にスロープを設置した車両五車種が新たにUDタクシーに認定されました。
国は、今まで六十万円の補助を行っておりましたが、新たにレベル準一の車両に対しまして、四十万円の補助を六月から開始いたしました。
都は、ハイブリッドシステム等を搭載したレベル一の車両を対象に、例えば中小規模事業者に対しましては、都単独の場合、百万円の補助を行っておりましたが、新たにレベル準一のハイブリッド等の車両四車種に対しましても、最大六十七万円の補助を十月から開始いたしまして、エネルギーインフラが脆弱な地域でも活用できるよう取り組んでおります。
○保坂委員 新たに市販のハイブリッドシステムを搭載したガソリン車をベースにしたUDタクシーに対しても補助を行うということで、島しょにおいてもUDタクシーの普及が進むことが期待をされます。しっかりと本制度を周知されて、引き続きUDタクシーが一層普及拡大するよう取り組んでいただくことを求めておきます。
自動車から脱炭素化を加速するためには、ハイブリッド車のタクシーだけでなく、ZEVタクシーも増やしていくことが重要です。
現在、都は、EVやPHEVのタクシーについて、中小規模の事業者の場合、最大百六十万円の補助を行っております。しかし、ZEVタクシーは、市販のリーフなどをタクシーとして改造したもので、UDタクシーのように車椅子の方でも乗り降りできるタクシーではないといった、そういった課題があると聞いております。
そこで、これまでの補助実績と今後の普及に向けた取組について伺います。
○戸井崎環境改善部長 タクシーは、一台当たりの走行距離が長いため、環境性能の高いZEVに転換することにより、大きなCO2削減効果が期待できます。
このため、都は、EV、PHEVタクシーに対して、平成二十八年度から補助を開始し、業界団体等と連携しながら、タクシー事業者に補助制度についてきめ細やかに周知を行ってまいりました。
令和五年度末までにEVタクシー四十六台、PHEVタクシー三台に対して補助を行いました。
これらの車両は、市販の車両を改造したものでございまして、ユニバーサルデザインの基準を満たしたタクシー専用車と比べ、利便性や耐久性などに課題がございます。このため、自動車メーカーに対して、UDタクシーをZEVへシフトするための技術開発の推進や、市場への投入を働きかけるよう国に求めております。
○保坂委員 ゼロエミッション東京の実現に向けまして、現行のUDタクシーがゼロエミッションビークルに移行することは大変重要です。今後、国やメーカーなどに働きかけていただき、UDタクシー化したZEVタクシーが市販され、広く普及するよう取り組んでいただくことを求めておきます。
また、UDタクシーの購入補助が開始して約八年が経過しておりますが、この間、UDタクシーも実車のマイナーチェンジなどもあり、より車の機能も改善されております。環境性能も向上しています。
早い時期に導入されたUDタクシーをそろそろ更新することも検討を始めているという声もタクシー業界から聞いております。ある程度UDタクシーの普及が進んだ段階で、都は、実車の更新についても補助とすることを検討していただくことを求めておきます。
続いて、このEVの充電設備の設置促進について伺っていきます。
EVの普及を推し進めるためには、都民が安心してEVを利用できる充電インフラを整備していく必要があります。特にユーザーの利便性の観点からは、自宅で充電ができる環境の充実が求められております。
東京には集合住宅が多くありますが、集合住宅では、充電設備の設置に関する住民の合意形成が必要なため、導入は簡単ではないと聞いております。
都は、集合住宅での充電設備の設置拡大に向けて様々な取組を実施しておりますが、まず、都内の集合住宅におけますEV充電の設備の設置状況及び課題への対応についてを伺います。
○荒田気候変動対策部長 都内では、世帯の約七割が集合住宅に住んでおり、集合住宅にEV充電設備の設置を促進することは必要でございます。
令和五年度末時点の集合住宅での設置数は、都の補助制度の実績と充電サービス事業者からのヒアリング等の情報を合わせて、累計で二千九百五十九口でございます。
集合住宅での充電設備の設置には、管理組合の合意形成や費用負担が課題となるため、都は、令和四年度から充電サービス事業者と連携した無料相談会の開催や手厚い助成等を実施してございます。
また、都内の集合住宅では機械式の駐車場の場合もあり、集合住宅への設置の課題となっております。そのため、都は、令和五年度から機械式駐車場の設置工事費の補助上限額を引き上げる等により、設置を支援しております。
○保坂委員 これまでのところ、集合住宅へのEV充電設備の設置実績は約三千口とのことでありますが、都内の集合住宅の数の多さを思えば、さらに設置を促進していく必要があると考えます。
その一つとして、都内でよく見られます機械式駐車場への積極的な対応が考えられると思います。
都は、機械式駐車場の場合に、工事の補助上限額を引き上げているということで、それ自体は必要な対応と思いますが、昨年度に我が党の増子議員が指摘しているとおり、そもそも機械式駐車場では、EVの重量やサイズが駐車場のパレット、パレットとは車両を乗せる台座部分のことですが、このパレットがEVの規格に合わないため、EVを駐車するためには、パレット自体を交換する必要がある、こういったケースが少なくないと聞いております。
そこで、EV普及のためには、こうした場合に、充電設備の設置に加えて、耐荷重の大きいパレットに更新していくよう、こういった支援が必要ではないかと考えますが、都の見解を伺います。
○荒田気候変動対策部長 EVの普及拡大に向けては、都内の住宅に多く設置されている機械式駐車場への充電設備の設置を促進する必要がございます。
製造メーカーでは、大型化する車両やEV車両の重量、幅に対応した設備を開発し、製品ラインナップに加えており、現在販売されているEVをほぼ駐車できるよう対応してきております。
また、機械式駐車場は、定期的に更新することが必要であり、この更新と併せて、EVの規格に対応した駐車場として整備することは、充電設備の設置促進に寄与することが期待できます。
そのため、今後、EV対応の駐車場として更新する際の支援の拡充について検討してまいります。
○保坂委員 機械式駐車場は、一九八〇年代後半から急速に普及しておりまして、都内には相当数の機械式駐車場が存在していると思われます。ぜひこの機械式駐車場に対する都の積極的な後押しをお願いいたします。
ところで、こうした都の支援策は、都内の区市町村も利用可能なものがあると思いますが、区市町村に対する支援内容とその利用実績について伺います。
○荒田気候変動対策部長 都は、都内の区市町村につきましても、充電設備の設置の検討段階や導入段階、運用段階に応じ、様々な支援を行ってございます。
検討段階では、気軽に参加でき、設置のポイントを理解することができるオンラインセミナーの開催等を実施しております。
また、導入段階では、充電設備導入費用と設置工事費用の助成を実施し、運用段階では、充電設備設置後の受変電設備の保守等に係る運営費等も支援しております。
これまでの区市町村の支援実績といたしましては、令和二年度から令和五年度までで設置が七件、運営費が五件でございます。
○保坂委員 区市町村に対しても一定の実績があることが確認できました。さらに自治体によっては、自前で充電設備を導入されているケースがあるとも聞いております。
そこで、都には、区市町村におけます充電設備の設置や維持管理の課題などをしっかりと把握した上で、区市町村での取組をさらに加速をしていくべきと考えますが、都の見解を伺います。
○荒田気候変動対策部長 区市町村施設において、充電設備の設置をさらに加速するためには、区市町村における設置や維持管理での支障となる事項を的確に把握する必要がございます。
一方、充電設備を設置する際には、専門技術や法令上の規定等の知識が必要であり、専門職員がいない場合、取り組みづらいことがございます。
今後、区市町村へのヒアリングを通じて課題を把握しながら、技術的事項の情報提供や専門技術を有する充電サービス事業者とのマッチングをサポートしてまいります。
○保坂委員 都にはせっかくの補助制度、こうした補助制度などを十分に活用するためにも、区市町村の取組をぜひ促進していっていただきたいと思います。
さらに、EV普及のためには、支援を受けた区市町村側でも、もっとしっかりアピールする必要があると考えます。ぜひ都と区市町村が一体となって、EVの利用を促していただくよう強く求めて、次の質問に移ります。
続いて、屋上緑化と太陽光パネル設置義務化に関して伺ってまいります。
大規模な新築建物においても、太陽光パネルの設置義務化が令和七年度から開始されます。緑が決して多くない都市部におけます再生可能エネルギーの導入と、屋上緑化の促進を共存させていく、こういったことが大変重要であります。
そこで、太陽光パネルの設置義務化の制度におけます屋上緑化の取組について、まず確認します。
○関建築物担当部長 都は、都内で二千平方メートル以上の大規模な建物を新築する建築主に対し、建築物環境計画書の提出を義務づけており、令和七年四月から、太陽光発電設備の設置などを義務化いたします。
本制度では、自治体条例等で屋上緑化をしなければならない場合には、太陽光発電設備の設置可能場所から除外することができます。
また、屋上への太陽光発電設備の設置が困難な場合には、敷地外への設置等も可能な制度としております。
○保坂委員 今、屋上緑化と太陽光発電設備の設置義務の仕組みは理解しました。大規模な建物とはいえ、屋上という限られたスペースをいかに活用していくかは、簡単なことではありません。
ただ、最近、海外では、屋上緑化は太陽光パネルの効率を向上させる例が紹介されております。緑化と共存させることで周辺の高熱環境を和らげて、発電効率を上げるだけでなくて、太陽光パネルそのものの寿命も伸ばせるというものです。
こうした実例も取り入れるなどして、東京も屋上緑化と太陽光パネルの共存をより一層推進していただくよう求めておきます。
続いて、都市部におけます緑の創出について伺います。
都は、東京グリーンビズを打ち出して、その中では、東京の緑を生かす取組として、グリーンインフラの導入促進が掲げられております。緑や自然が有する機能を活用するグリーンインフラは、豪雨対策や猛暑対策など、社会課題の解決に資するものであり、都有施設のみならず、民間施設などにおいても導入を促進していくことが大変重要です。
中でも都市機能が集積している東京においては、この限られたスペースを有効活用して緑を創出していくためには、屋上や壁面など、一体的な緑化を推進していくことが重要であると考えます。
そこで、屋上緑化などの推進に向けた都の取組とこれまでの実績について伺います。
○宮武自然環境部長生物多様性担当部長兼務 都は、自然保護条例に基づき、一定規模以上の建築行為に対し、敷地内の地上部や建築物の屋上、壁面等に一定割合の緑化を求める緑化計画書の届出を義務づけております。
制度を開始した平成十三年度以降、昨年度末までの屋上緑化等の実績は、届出件数八千六十六件、面積二百七十七ヘクタールでございます。
○保坂委員 ただいま答弁いただきました緑化計画書制度、建築行為が行われるタイミング、すなわち新築や増改築の際に緑化が求められるという制度です。
今後、さらに屋上緑化の導入事例を増やしていくためには、新築の建物だけでなくて、既存建築物の取組もしっかりと促進していくべきと考えます。
そこで、既存建築物におけます屋上緑化の導入促進に向けた取組について伺います。
○宮武自然環境部長生物多様性担当部長兼務 既存の建築物は、荷重や屋上の構造、防水などの面において、屋上緑化を前提としたものにはなっておらず、施工や管理についての情報も少ないのが現状でございます。
このため、都は、既存の建築物における屋上緑化の検討に資するよう、都内における既存建築物の屋上緑化の事例について、設計、施工、維持管理に関する写真や図面、設置の効果やコストなどの情報を取りまとめ、ホームページで公表しております。
○保坂委員 屋上緑化は、市街地の緑の回復のみならず、ヒートアイランド現象の緩和やビルの省エネ対策としても大変有効です。様々な工夫を凝らして、屋上緑化の導入を一層推進していただくことを求めておきます。
続いて、緑化された屋上を好んで飛んでやってくるウミネコへの対策について伺います。
本来、ウミネコは、春から夏にかけて海沿いへ営巣するようですが、営巣、卵を産むということですが、近年、都心のビル屋上での繁殖が私の地元でも見られます。
私の地元の台東区でも、ウミネコの鳴き声がうるさくて寝られない、ふんで建物周辺が汚れて不衛生であるといった声を様々聞いております。
そこでまず、近年、都に寄せられておりますウミネコに関する相談件数の推移を伺います。
○宮武自然環境部長生物多様性担当部長兼務 都には、台東区をはじめ千代田区、中央区、墨田区、江東区などから、ウミネコの営巣や鳴き声、ふん害等に関する相談が寄せられております。
その件数は、令和三年度三十四件、令和四年度二十一件、令和五年度二十八件でございます。
○保坂委員 台東区をはじめ、周辺の区からも一定の相談件数があることが分かりました。こうして都に直接相談するケースに加えて、地域の方が地元の自治体に直接相談するケースも増えてきております。実際に、私もよく相談を受けており、地元台東区に相談をしております。
区からは、当該地域を重点的に周知を図るなど対応をいただいておりますが、これも限界があります。
そこで、こうした状況に対して、ウミネコによる被害防止に向けて、都としても積極的に対策に取り組むべきと考えますが、都の見解を伺います。
○宮武自然環境部長生物多様性担当部長兼務 都は、簡易な防除網の設置方法など、営巣させないための事前対策のポイントをホームページで発信するほか、関係区との意見交換会に出席して、技術的アドバイスを実施しております。
また、鳥獣保護管理法において、野生鳥獣の捕獲には許可が必要となりますが、ウミネコはレッドリスト掲載種であることから、都は従前、捕獲を許可しておりませんでした。
しかし、近年のウミネコによる被害の地域拡大などの状況を踏まえまして、令和四年度からの鳥獣保護管理事業計画において、鳴き声やふん害などの生活環境被害の発生が見込まれる場合には、繁殖期におけるひなの捕獲や卵の採取の許可を出せるよう、見直しを行っております。
○保坂委員 都は様々、この地域の実情を踏まえまして、対策を講じられていることが分かりました。ウミネコは、その地域で対策がある一定程度進むと、違う地域に営巣する習性がありますので、その点も踏まえて、引き続き、都は区としっかりと連携して、このウミネコ対策に取り組んでいかれることを強く求めておきます。
続いて、東京ゼロエミポイント事業について質問します。
こちらは、家庭の省エネ行動を促進するため、令和元年にスタートしました事業ですが、当時、私も環境・建設委員会の委員として、また、会派でも積極的に推進をしてきました。こうした行動の促進は、単年ではなく、何年かにわたり続けていくことが重要であることも都に対して求めてきました。
そして、都は、五年目を迎えました今年、都内の家庭の省エネ行動を一層加速するため、いよいよこの十月からゼロエミポイントはリニューアルされ、スタートいたしております。
二〇三〇年カーボンハーフの実現には、都内エネルギー消費量の約三割を占めるといわれております家庭部門での対策が重要であり、中でも効率のよい家電への買換えは、日頃の暮らしを変えずにできる大変効果的な取組でもあります。
そこでまず、これまでの取組状況とCO2削減効果について伺います。
○荒田気候変動対策部長 都は、令和元年度に開始した東京ゼロエミポイント事業につきまして、より多くの都民が利用できるよう、令和四年七月以降、エアコンの対象製品を拡大したほか、居室の照明をLED照明器具へ交換した場合も新たに支援の対象といたしました。
また、令和五年度からは、事業開始以降の家電製品の価格上昇も考慮し、東京ゼロエミポイント全対象製品の付与ポイントを約二割引き上げました。
こうした取組により、九月末での累積の実績は、エアコン、冷蔵庫、給湯器、LED照明器具を合わせて約百三十二万台となっており、これによるCO2排出の削減量は二十万五千トン程度と試算してございます。
○保坂委員 今答弁いただきました、合計百三十二万台、二十万五千トンのCO2削減効果は都民一人一人の省エネ行動の貴重な成果であります。その実績をもってリニューアルスタートは、都の意気込みを感じることができます。
そこで、二〇三〇年カーボンハーフの実現に向けまして、こうした取組をさらに加速していくため、都は、この十月から事業をリニューアルしておりますが、具体的にどのような点が新しくなったのか、改めて伺います。
○荒田気候変動対策部長 新たな事業においてリニューアルを行った点は、大きく三点となります。
一点目は、都民の申請手続を簡素化いたしました。これまでは、対象製品購入後に都民自ら申請を行う形でありましたが、新たな事業では、購入時に店舗で直接値引きを行う方式といたしました。
二点目は、製造から長期間経過したエアコン、冷蔵庫の買換えについては、省エネ効果が高いため、付与ポイントを大幅に引き上げました。この結果、エアコンでは最大七万円、冷蔵庫では最大八万円分の値引きとなります。
三点目は、従来の事業では買換えのみが対象であったところ、特に高効率なエアコン、冷蔵庫につきましては、新規購入時も対象といたしました。
○保坂委員 都民の申請方法が便利になりました。そして、支援内容が拡充されたことについては評価いたします。特に長期使用家電の買換えは、CO2排出削減の観点からとても重要です。
また、新規購入も対象となることは魅力的で、年末も差し迫っていることから、家電の買換え需要が高まることも予想でき、よいスタートが切れるのではないかと期待もできます。
そこで、今回のリニューアルした事業内容をより広く知ってもらう取組も必要と考えますが、都の見解を伺います。
○荒田気候変動対策部長 使用年数の長い家電を買い換えることは、家電の省エネに大きく寄与し、例えば冷蔵庫については、平均的な使用年数を超えた十五年前のものを買い換えると、消費電力が半分以下になることが期待できます。
電気代の節約にもつながるこうした効果をより多くの都民に伝え、使用年数の長い家電の買換えを促していくことは必要でございます。
そのため、事業のリニューアルに当たっては、より多くの都民の方の目に触れるよう、ターゲット別に新聞広告やネット広告など、様々な媒体で周知を行ってございます。また、店舗におきましても、大きくパネル掲出をいただくなど、PRを行っていただいてございます。
○保坂委員 先ほどの答弁にもありましたように、古い家電ほど買換えによります省エネ効果は高くなります。こうした点も、対象店舗でもしっかりPRしていただいているということは重要なことであり、私も実際、売場を確認しましたが、思わず買い換えようかなと心が揺らぎました。もうちょっと待とうと思いますが。
今後もより多くの都民に省エネ効果や支援内容が伝わりますよう、都民に身近な存在である区市町村などともしっかり連携されて、公共施設などでも広く周知を行っていただく取組も続けていくよう求めて、最後の質問に入ります。
最後に、リチウムイオン電池の分別回収についてお聞きします。
私の地元の台東区では、都の支援策を活用して、プラスチックの資源回収について、令和四年十月からモデル事業を実施しており、令和六年十月から一部地域で、令和七年四月からは全地域で実施することになっております。
そこで、よく耳にしますのは、地域住民にとって分別を間違えやすいプラスチックごみが多くありまして、中でも特に注意が必要なのが、リチウムイオン電池とライターといった火災を生ずるおそれのあるものであります。
特にリチウムイオン電池は、本来なら販売店などの回収ボックスへ持参してもらうべきところ、それが行われない結果、都内の清掃施設や清掃車に、この中でリチウムイオン電池が原因と見られる火災の発生が増加しているとのことであります。ニュースでも取り上げられました。
そこから、リチウムイオン電池の分別回収について、都は都民への注意喚起をさらに行うとともに、自治体や事業者など、多様な主体と連携した安全な分別回収のさらなる取組を推進していくべきと考えますが、見解を伺います。
○宗野資源循環推進部長 都はこれまで、区市町村等に向けた勉強会におきまして、新たに行政回収を開始した自治体への先行事例等の共有のほか、分別収集に向けた調査、手選別強化に係る経費に対して財政支援を実施してまいりました。
また、昨年度からは自治体と連携し、分別の徹底を促す一斉普及啓発活動を実施しております。
本年八月からは業界団体等と連携し、オフィスや工場向けに共通デザインのポスターで共同キャンペーンを開始しておりまして、今後は動画やSNS等により、一層の注意喚起を図ってまいります。
さらに、現在、広域的にまとまった量を回収いたしまして、事業者に売却する取組を複数の自治体で試行しておりまして、今後その結果を検証して、新たな資源化スキームの構築を目指してまいります。
○保坂委員 事業者へ売却する取組を複数の自治体と試行するということで、売却できれば、本当に回収したメリットも、回収する側にも、環境だけじゃなくて、そういった経費も補填できるということで、いい取組だと思います。
プラスチックのリサイクルを進めるためにも、リチウムイオン電池の分別回収を進めることが大変重要です。とにかく都民への啓発が必要不可欠ですので、私も身近でできることとして、PRポスターを地域に掲載してもらうなど取組をしてまいります。
都においても、今後も着実に取組を進めていただくことを求めて、私の質疑を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○小磯(善)委員 都議会公明党が地球温暖化防止だけでなく、今後はこの気候変動適応策、これが必要であると繰り返し提案をして、また、その中心となる気候変動適応センターの設置並びにその適応計画の制定についても提案をしてきたところであります。
今年の三月に環境局が改定しました気候変動適応計画の取組の一つである熱中症対策についてお伺いしていきたいと思います。
今年のこの環境・建設委員会で、私の質問に対して環境局は、熱中症対策として熱中症予防の基礎知識、また、熱中症警戒アラート発表状況等の情報発信、クーリングシェルターの整備、高齢者への見守り等を実施していくという答弁がありました。その取組について質問していきたいと思います。
今年の夏は、気象庁によりますと、関東甲信の平均気温は平年と比べて一・八度高いということで、これは気象庁が一九四六年に統計を取り始めて以降、去年と並んで最も高くなったということでございます。
また、三十度を超える真夏日、これが十月十九日まであったということで、大変大きく報道されましたけれども、これも過去最高であったということでございます。
そこでまず、今年の都内における熱中症警戒アラートの発表状況と熱中症による救急搬送状況、死亡者数についてお伺いしたいと思います。
○関建築物担当部長 今夏における東京都を対象とした熱中症警戒アラートは、三十七回発表されておりまして、東京消防庁によりますと、熱中症による救急搬送人員は、本年六月から九月まで七千九百六十三名でございます。
また、東京都監察医務院の速報値によりますと、同期間の二十三区における熱中症による死亡者数は二百六十二名でございます。
なお、多摩・島しょにおける熱中症による死亡者数は、昨年の速報値が公表されておりまして、六十三名でございます。
○小磯(善)委員 この熱中症警戒アラートの三十七回発表というのは、これ、過去最高ということで、今年の暑さは、答弁にあったように被害が大きく、過去に例がない異常なものであったというふうに思います。
私が気になるのは、多摩・島しょにおける熱中症による死亡者数は、昨年の速報値が公表されて六十三名ということで、二十三区は今年の六月から九月までの熱中症の死亡者数が二百六十二名。二十三区は今年の数が出て、多摩・島しょは去年の数が速報値で出ているという、やっぱりこの気候変動適応センターが設置をされるその意味というのは、こう書いてあるんですよね。センターは、地域における適応に関する情報の収集、分析、提供などを行う拠点となるもので、気候変動の影響による被害の回避と軽減を図る上で重要な役割を果たすものということで、やっぱり地域の情報の収集というのをしっかりやるのが適応センターだというふうに位置づけられているわけでございます。
ですから、やっぱりここの部分の所管は、保健医療局ということでございますけれども、やっぱり環境局が、何ていうか、環境局がやっぱりリーダーシップを発揮するのがこの適応策でございます。
私、五年前に、この環境・建設委員会の、やっぱり同じ事務事業質疑で質問したら、当時の吉村環境局長が、気候変動への適応を進めていくことが一刻の猶予もないという危機感を持って職務に当たることが重要であると考えてございます、関係各局、例えば水害対策を担います建設局や港湾局、下水道局、あるいは感染の拡大が懸念されています熱帯性の感染症みたいなものの対策を担っていただく福祉保健局、こういったもう全局にもわたるといっても過言ではないと思いますが、そういった関係各局の職員と一緒にここの危機感を共有して、東京都の気候変動適応策を引っ張っていくことが環境局の果たすべき役割であるというふうに認識してございますということで、引っ張っていくのが環境局の責務であるというふうに、役割であるというふうにおっしゃっておられますので、ここの部分はぜひとも強力に、多摩・島しょの死亡者数も何ていうか、年内に発表できるように、しっかり頑張っていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
それから、今年の夏、熱中症警戒アラートの発表状況や熱中症予防のための基礎知識について情報発信を行うということでございましたが、本年の都民に対しての情報提供を行った内容と発信方法についてお伺いいたします。
○関建築物担当部長 環境省による熱中症警戒アラートの発表時において、都は、専用ポータルサイトやSNS等により周知し、必要に応じてLINEプッシュ通知も行うことで、都民に対する注意喚起を行いました。
また、熱中症予防につきましては、屋内でのエアコンの使用や屋外での日傘の活用など、熱中症予防の基礎知識につきまして、専用ポータルサイト、SNS、講習会等により周知を行いました。
さらに、日常生活で簡単にできる熱中症予防のための実践事例を募集いたしまして、投稿された内容を紹介しております。
○小磯(善)委員 次に、クーリングシェルターについて伺います。
今年の夏のクーリングシェルターに関する区市町村への支援と、二十三区、多摩・島しょ地域別も含めた具体的な設置状況、また、気候変動適応センターにおけるマップの作成状況がどうなっているか伺います。
○関建築物担当部長 都は、クーリングシェルターにおける熱中症対策に資する備品の調達や施設に関する住民等への情報発信、普及啓発に要する経費を区市町村に支援しております。また、施設の設置状況については、二十三区で九百四十七、多摩・島しょ地域で五百七十八、合わせて都内全体千五百二十五施設が指定されました。
具体的には、図書館、公民館など公的な千三百六十七施設に加え、薬局やスーパーなど民間の百五十八施設も指定されました。さらに、気候変動適応センターにおいて、位置を示した多言語対応によるマップを本年六月に公表し、さらに、東京都防災マップとも連携しながら、適宜更新を行いました。
来夏に向け、区市町村と連携し、クーリングシェルターの設置を促進してまいります。
○小磯(善)委員 クーリングシェルターの設置の取組が進んでいることが確認できました。
もう一つ申し上げるならば、ここの施設がクーリングシェルターであるという、本当にこういう紙でも結構なので貼っていただくと、高齢者の方はマップをスマホで調べるというのはなかなか、ここがそうかどうかというのを調べるのは、なかなかそれはうまくいきませんので、そこにこう貼っておいていただくとか、また、のぼりをやっていただくとか、そういうことでクーリングシェルターだという、また、クーリングシェルターというのはどういうものかということも書きながら貼っていただくと、ありがたいかなと思いますので、よろしくお願いします。
また、高齢者の熱中症を予防するための見守りについて、どのような取組を行ってきたか伺います。
○関建築物担当部長 高齢者の熱中症予防について、エアコンを迷わず使用することや、クーリングシェルター等の利用が周りの人の声かけにより促されるよう取組を行っております。
具体的には、今年度、新たに関係各局と連携しながら、民生児童委員に対する熱中症対策チラシを配布するとともに、熱中症対策動画を作成し、テレビCMによる放映等を行いました。
今後も全庁的な推進体制の下、高齢者の熱中症対策に関する様々な取組を行ってまいります。
○小磯(善)委員 このテレビCMであるとか、また対策チラシというのは、本当に高齢者の方には、テレビを見たり、また、そういうチラシを見るという、大事でございますので、またさらに取組を充実していっていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
次に、地球温暖化対策報告書制度について伺います。
去年のこの事務事業質疑で、中小企業に対する多面的な支援について、日頃から接点のある区市町村による取組も効果的であるという提案をさせていただきました。
中小企業の報告書制度への参加についても、脱炭素化に取り組む区市町村との連携による仕組みが重要と考えますが、その取組についてお伺いします。
○荒田気候変動対策部長 中小企業の取組につきましては、日頃から接点のある区市町村による働きかけや支援が効果的でございます。
そのため、都は、区市町村に対して、省エネ、再エネ利用のセミナー講師を派遣するとともに、支援事業の経費補助などを実施してまいりました。
さらに、今年度からは、この支援事業を利用する中小企業に対し、報告書提出を要件とすることで、制度参加促進を図ってまいります。
○小磯(善)委員 CO2排出量の産業部門の四〇%は大企業で、キャップ・アンド・トレードの網がちゃんとかかっております。残りの六〇%が中小企業で、全体の二五%が中小企業が報告書を提出しており、三五%がまだこの制度に入っていないということで、今後の取組をしっかり区市町村が後押ししていくことが大事だと思いますので、どうかよろしくお願いいたします。
次に、有機フッ素化合物、PFASについてお伺いいたします。
令和六年度のPFOS等に関する地下水の概況調査について、昨年度、環境・建設委員会で、通常四年かけて行う都内全域二百六十ブロックの調査を、市区町村とも連携して一年間で行うという答弁がございました。現在、この調査についての進捗状況について伺います。
○丹野環境改善技術担当部長 今年度の地下水の概況調査につきましては、地元の市区町村とも連携し、調査地点を選定しました上で、十月二十五日時点で調査予定時点の半数程度におきまして採水が終了し、順次、分析を進めているところでございます。
この分析結果につきましては、調査にご協力くださった地元自治体や井戸所有者へ情報提供するとともに、今年度末までに環境局のホームページに掲載いたしまして、広く都民に公開してまいります。
○小磯(善)委員 昨年度、私が、今年度の調査は相当なボリュームとなるので、しっかりスケジュール感を持って進めていただきたいと要望いたしましたけれども、計画的に地元とも連携して進められていることが分かりました。今後も、引き続きしっかりやっていただきたいと思います。
さて、同じく昨年度の環境・建設委員会で、都の調査を補完する市区町村調査補助についてお伺いしたところ、調査規模として九十地点との答弁をいただきました。こちらにつきましても、その進捗状況として、どの地域のどれぐらいの市区町村が手を挙げているのかお伺いします。
○丹野環境改善技術担当部長 本日時点で都は、多摩地域の三自治体、二十五地点からの調査費用の支援に関する申請を受理しております。また、その他の多くの自治体からも相談が寄せられております。
こうした調査を、風評被害の防止にも配慮しながら、市区町村とも連携して、計画的かつ着実に進め、都民の不安解消を図ってまいります。
○小磯(善)委員 そうですね。とにかくしっかり調査をして、そして、その数値を公表して、都民の不安の解消を図っていくという取組が大事だと思いますので、よろしくお願いいたします。
そういう中で、令和五年七月に横田基地に対する要請をしたわけですが、そこで迅速な情報提供と地下水調査を求めるというのがありました。
そのような中で、今月の三日、だから十月三日、防衛省から、八月三十日に横田基地内の貯水池からPFOS等を含んだ水が基地外に流出した蓋然性が高いという連絡が米軍から寄せられたという報道が、新聞がありました。
今回の連絡を受けて、環境局が速やかに調査を実施したと聞いておりますけれども、その内容と結果について伺います。
○宮武自然環境部長生物多様性担当部長兼務 都は、十月三日の国からの情報提供を受け、都民の不安を早期に払拭するため、市や町の協力を得て、十月七日に基地周辺の下の川一地点及び残堀川二地点の合計三地点で採水し、水質調査を実施いたしました。
調査結果は、一リットル当たり、PFOSとPFOAの合計で、下の川が十一ナノグラム、残堀川が九・四ナノグラム、二十五ナノグラムであり、いずれの調査地点も暫定指針値の五十ナノグラムを下回っております。
○小磯(善)委員 都としては、十月三日に情報を受けて、十月七日に調査をしたということで、都の対応としては速やかであったと思います。
ただ、残念ながら、八月三十日に基地外に流出したという、そういう事故が防衛省から、いわゆる十月三日に東京都に伝えられたということが、一か月以上かかったという点が、私も本当に極めて遺憾だというふうに思います。
今後とも、何かあったら早急に事実確認を行い、水質調査を行う。また、そういう、すぐに連絡をするように、国とかにしっかり要請をしていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
先ほど、最後の質問ですけれども、リチウムイオン電池、結構質問がダブっていますので、二番目の質問だけさせていただきたいと思います。
このリチウムイオン電池は、二〇二二年、二三年だったかな、町田市のバイオエネルギーセンターでリチウムイオン電池による火災事故が起きて、それから私は、ずっとこれを取り上げてきました。ここの委員会でも取り上げたし、公明党のたしか代表質問か私の一般質問かでも取り上げてきました。
以来、環境局では、歴代の担当の課長が一生懸命、区市の担当者のところを回って安全な回収を訴えてきて、今日、安全な分別回収をする自治体が増えております。本当にご苦労さまでございます。また、ありがとうございます。
そういう中で、都民、事業者がリチウムイオン電池を混ぜて捨てない重要性を理解し、分別を徹底できても、現在その回収方法というのは限られていますと。電池メーカーで構成する業界団体等による回収のほか、自治体による回収があります。
住民に適切な分別方法で排出してもらうためには、自治体による回収方法を充実させていくことが重要でありますが、都の取組と安全な分別回収方法を取る自治体数についてお伺いいたします。
○宗野資源循環推進部長 回収方法には、危険有害ごみ等として回収する方法、そのほか、家電、小型家電ボックス等での回収、集積所で不燃ごみの別袋として回収する方法といった方法がございます。
都はこれまでに、新たに行政回収を始める自治体へのごみ組成の調査ですとか、普及啓発などに財政支援を行っておりまして、現行の収集体制を大きく変更せずに回収できる方法や絶縁方法など、具体的な事例を共有するなど、技術的支援の方を行ってまいりました。
また、直接訪問による働きかけを行うとともに、課題の把握を進めまして、二十三区向けの勉強会での講演なども実施してまいりました。
こうした取組によりまして、安全な回収方法を取る自治体は、昨年度と比較いたしまして、現在、区部は七自治体から十一自治体、多摩地域は二十七自治体から二十八自治体となっております。
また、区部では初めて充電池といった区分を設けた個別の回収が開始されておりまして、多摩地域では回収方法を複数確保するなど、充実が図られております。
○小磯(善)委員 自治体が増えているということで、よかったなと思います。
最後に、広域的資源化モデル事業の試行、この内容について、私からもお伺いします。
○宗野資源循環推進部長 自治体がリチウムイオン電池を回収する際の課題といたしましては、専門の処理業者が少ないことですとか、処理コストの負担が大きいことなどがございます。
そこで都は、一つの自治体では回収量が少なく、資源としての売却に至らないリチウムイオン電池等を都が広域的に調整いたしまして、複数自治体分をまとめて、資源として資源化事業者に売却する取組を今月実施いたしました。今回参加した自治体等は四区五市一、一部事務組合でございまして、約二トンを回収しております。
今後、年度末までに複数回、試行事業を実施いたしまして、その結果を検証し、自治体の積極的な回収とリサイクル促進に向けた広域的資源化モデル事業の本格実施に結びつけてまいりたいと考えております。
○小磯(善)委員 私の地元町田市でも、最初は小型家電から取り出したリチウムイオン電池を回収して、この小型家電から取り出しができない、なかなか難しい、そういう小型家電は、市民センターなどにボックスを置いて、そこで回収するという方法でありましたが、やはり実効性が上がらないということで、この八月からは、月一回、リチウムイオン電池を内包した小型家電、リチウムイオン電池も、また小型家電も市が回収するということになりました。
やっぱりよいアイデアと地道な努力で、都内全ての自治体で分別回収ができるよう要望して終わります。
○原委員 原純子です。よろしくお願いします。
まず、神宮外苑再開発についてです。
今週月曜日、十月二十八日、外苑再開発事業における樹木伐採工事が開催されたことに対し、強く抗議をするものです。本開発事業について、いまだ国民の理解が得られていない状況の下で伐採を強行すべきではありません。
都は、事業者に伐採工事中止の要請をすべきではないでしょうか。いかがですか。
○長谷川政策調整担当部長 先般の審議会総会において、見直し案について専門的見地から長時間にわたり議論をいただき、環境に著しい影響を及ぼすといった意見はございませんでした。
事業者に対しては、都民の理解と共感を得られるよう、情報発信などにしっかりと取り組むことを要請しております。
○原委員 東京都自身が都民の声を聞く姿勢を持っていないんです。
神宮外苑の千本の樹木を切らないで、再開発は見直しをと呼びかけられたチェンジオルグのオンライン署名は、現在二十三万四千四百六十八筆に達しています。都知事選挙最中に各新聞社が取り組んだアンケートで、都民の七割が再開発に反対しているとの報道がされました。訴訟も継続中です。
十月二十八日から始まる神宮外苑樹木伐採に反対する有志の会は、樹木伐採見直しを求め、事業者に要望書を提出しました。賛同者は、美術家、建築関係者、ジャーナリスト、音楽家、大学教授、学生、作家、会社経営者、環境活動家など、九十一人が名前を連ねています。
音楽家、ミュージシャン、アーティストの関係者では、後藤正文さん、コムアイさん、大友良英さん、大貫妙子さんなどが入っており、ほかにも、元ラグビー日本代表で神戸親和大学教授の平尾剛さん、また、政治学者の中島岳志さんなど、著名な方が賛同をしています。
二十八日、伐採工事の情報が流れ、抜き打ち的に工事を始めることへの怒りからか、非常に短期間の取組としては注目に値するものです。二十八日朝、現地での抗議行動に参加してきましたが、みんなが心の底から怒っています。
知事は、都民の理解と共感を得られるよう、事業者に丁寧な対応を求めると何度も表明してきましたが、見直し案について、事業者が行った住民への説明会では、参加対象を新宿区民と港区民と法人に限定し、区内の法人以外は排除をされました。これで理解と共感を得られると思っているんでしょうか。お答えください。
○長谷川政策調整担当部長 事業者に対しては、都民の理解と共感を得られるよう、情報発信などにしっかりと取り組むことを要請しております。
○原委員 渋谷区民により、樹木のさらなる保全に関する説明会を渋谷区でも開催することを求める陳情が九月十三日、渋谷区に提出をされました。
区民環境委員会で審議された結果、関係者に伝えると陳情者に十月十七日付で陳情の審査結果が届けられたそうです。
事業者説明会から排除された渋谷区民をはじめ、参加を希望していた市民への説明はどう保障するのですか。
○長谷川政策調整担当部長 事業者に対しては、都民の理解と共感を得られるよう、情報発信などにしっかりと取り組むことを要請しております。
なお、事業者は、PTAを含む周辺の学校や町会、自治会から要望があれば、個別の説明を検討するとしています。
○原委員 個別の説明にも対応するというならば、渋谷区民を含め、今度は制約を一切しないでの説明会を開くことを都として事業者に求めるべきです。
認可権者である都が主催して、事業者を呼んでもよいと思います。要請してもらえませんか。
○長谷川政策調整担当部長 今回の開発は、明治神宮などの民間事業者が自らの所有地において実施するものでございます。
事業者に対しては、都民の理解と共感を得られるよう、情報発信などにしっかりと取り組むことを要請しております。
○原委員 東京都は、認可権者としての責任を持っています。
本年五月一日、国連人権理事会、ビジネスと人権作業部会が報告書を発表しました。神宮外苑再開発について、大規模な開発計画に関する環境影響評価プロセスにおいて、パブリックな協議が不十分であるとの報告に対して深刻な危惧を表明するとし、人権に悪影響を及ぼす可能性のあるプロジェクトであると述べています。
イコモスに続き、国連からも批判される協議不十分、人権に関わる問題との指摘を受けたわけですが、この指摘を政府は受け止めるどころか、削除要請をしたと聞いています。さらに、その削除要請文の作成を東京都が行ったと聞き、驚いております。
国連の指摘を無視することは許されません。パブリックな協議が不十分でないと反論するのならば、前回排除された市民への説明会の開催を強く要請しておきます。
事業者が発表した見直し案は、ラグビー場の高さを五十五メートルから四十八メートルにすること、新野球場と四列のイチョウ並木との距離を当初計画からさらに十メートル離すなどの内容です。
見直しによって、樹木の伐採本数を百二十四本減らした結果、伐採六百十九本、移植二百四十二本と示されました。
まず、変更届にある新ラグビー場敷地に関わって聞いていきます。
今週始まった新ラグビー場敷地の工事において、何本伐採をするんでしょうか。三メートル以上の高木の敷地内にある既存樹木の本数と伐採本数、移植本数、保存本数をお示しください。
○長谷川政策調整担当部長 事業者は、変更届において、新ラグビー場棟敷地内の既存樹木は二百五十六本、伐採は七十一本、移植は九十三本、保存は九十二本としています。
○原委員 二百五十六本中、伐採七十一本と移植九十三本、これを合わせると百六十四本となりますので、この伐採と移植を合わせると六四%が撤去されるということです。
その中で、建国記念文庫の森にある既存樹木の本数と伐採本数、移植本数、保存本数をそれぞれお示しください。
○長谷川政策調整担当部長 事業者は、変更届において、建国記念文庫の既存樹木は百四十二本、伐採二十三本、移植四十四本、保存七十五本としています。
○原委員 百四十二本中、伐採二十三本と移植四十四本を合わせると六十七本です。四七%が撤去されます。約半分の樹木が建国記念文庫の森から消えるんです。こんなことを事業者は抜き打ち的にやっているんです。
大量伐採と超高層ビル、大規模施設の建て替えによる樹木の大量伐採、環境破壊の本質は、何ら変わっていないことは明らかです。およそ都民の理解は得られていません。
今回の見直し案について、日本イコモスをはじめ、専門家や市民から、科学的根拠や資料が示されていないとの指摘が幾つもされています。二十一日の環境影響評価審議会総会の審議についても、不十分だとの指摘が発信されています。
幾つか伺っていきます。
新ラグビー場建設による建国記念文庫の森の日照確保、日影の評価が行われておらず、樹木の持続的維持の科学的根拠を示すべきではないか。いかがでしょうか。
○長谷川政策調整担当部長 事業者は、ラグビー場棟の高さを低下させ、壁面を建物側に傾斜させることで、建国記念文庫等の樹木への日影への影響を低減し、樹木の生育環境の良化を図る計画としています。
また、日影の影響について、植物の生育状況や植生環境の変化に合わせた順応的管理を行うことで、長いスパンで樹木の維持を図るとしています。
○原委員 ラグビー場の高さを抑えても、日照の確保が十分されなければ樹木は育ちません。樹木が守れるという科学的根拠が示されていないわけです。
特に日照を必要とする樹木が多く植えられている森です。そして、樹林を半減させてしまうことが、そこで暮らす生物の生態系にどう影響するのかが欠落をしています。
樹木の移植先の図面が示されていません。移植先の土壌の状況や既にある樹木との関係が示されるべきではないですか。いかがですか。
○長谷川政策調整担当部長 事業者は、事後調査報告書において、移植先の土壌について堆肥を混合するなど、土質に応じた対応を行うほか、樹種については、移植先に既に生育している樹種を移植する計画としています。
○原委員 仮移植から一回での本移植に変更されたことにより、さらに綿密な生態系の保全が問われますが、それがなされておりません。仮移植にしろ、本移植にしろ、移植先の土壌改善と丁寧な移植計画が必須です。
図面は、御観兵榎エリアの部分は提出されているんですが、絵画館前広場エリアの計画図が示されていません。アセス審議上の不備であり、再審議が必要という専門家の指摘があります。
また、伐採から移植へ変更した樹木が増えたことにより、移植先の場所の確保が危ぶまれます。移植先のほとんどの場所には、既に樹木が生い茂っています。そのエリアにある既存樹木との関係も不明です。図面の提出と説明が不足していることは明らかです。
事後調査報告書で出された四列のイチョウ並木の保全策について伺います。
四列のイチョウ並木の西側部分を守るため、事業者より示された野球場のセットバック方針については、大幅な計画変更であり、改めて環境影響評価を行う必要があるとの専門家の指摘です。もっともだと思いますが、いかがでしょうか。
○長谷川政策調整担当部長 事業者は、昨年の事後調査報告において、今後も継続する根系調査の結果や樹木医の見解を踏まえ、野球場棟のセットバックなど、イチョウ並木を確実に保全するため、必要な施設計画の見直しに取り組むとしており、今般その報告があったものでございます。
事業者は、審議会総会において、新野球場棟のセットバックに伴い、地上部の観客席等の再配置などの見直しが必要となることから、施設計画について継続検討を進め、設計が進んだ段階で変更届で報告するとしています。
○原委員 セットバックのために新野球場は大幅な計画変更になることが予想されるんですが、それは、今後設計が進んだ段階で、審議会に設計の変更届が報告されるとの今、説明だったんですね。こうした大事なことを先延ばしにしておいて、今回のセットバックによるイチョウ並木の保全策、実効性の裏づけがあるといえるんでしょうか。
そして、今後、変更届が出されるというのは、再アセスの可能性があるということなんです。そうした不確定要素を残したまま、事業の工事が進められることが果たして許されるんでしょうか。
さらに、兄弟木に至っては、移植検討とされて以来、どうなるのかという再三の質問にも、事業者はいまだ何の回答も示していません。保全策はいつ示されるんでしょうか。
○長谷川政策調整担当部長 環境影響評価手続については、事業者から事後調査報告書などの環境影響評価図書が提出され次第、条例に基づき適切に進めることになります。
○原委員 現時点で保全の保障が何もないとは、あまりにも無責任です。イチョウの兄弟木十八本の移植が必ずできるという保証がなければ、再開発計画を始めること自体してはならないのではないでしょうか。
移植ができない場合、存置という選択をすることになりますよね。そうなったら、野球場とラグビー場の場所の入替えもできなくなり、計画全体の再検討をすることになります。兄弟木の移植は必ずできるという前提でしょうか。お答えください。
○長谷川政策調整担当部長 事業者は、環境影響評価書において、港区道沿いのイチョウについては、今後詳細な調査により、移植の検討を行うとしています。
環境影響評価手続については、事業者から事後調査報告書などの環境影響評価図書が提出され次第、条例に基づき適切に進めることになります。
○原委員 答弁いただいてきたように、四列イチョウ並木の保全に関連して、今後、新野球場の設計変更届を出すということで、再アセスの可能性があると、さらに、兄弟木の扱いについても、今後図書が出される予定と、いずれにしても、アセス手続が今後も続いていくわけです。
いずれも重大な不確定要素が残っていることは明らかです。それなのに計画を動かして、既成事実を積み上げ、後戻りできない状態をつくり上げるやり方は許されないのではないですか。あまりにも住民を愚弄した話ではないでしょうか。
もし審議会で出された変更届について、環境に著しい影響を及ぼすおそれがあると今後なった場合、計画は全て頓挫します。ですが、計画のつくり直しとなっても、既に伐採された木は生き返らないんです。そのことをよく受け止めてほしいと思います。
今回の見直し案に戻りますが、新ラグビー場形状変更についてだけ取ってみても、重大な問題だらけであることが明らかになりました。
これは、変更届として提出されており、変更届については条例での規定が存在します。東京都環境影響評価条例第六十三条では、当該変更が環境に著しい影響を及ぼすおそれがあると認めるときは、審議会の意見を聴いた上で、当該事業者に対し、既に完了している手続の全部または一部を再度実施するよう求めるものであるとされています。
この規定によるアセスのやり直しを専門家や市民が要請しています。再審を決断すべきではないですか。
○長谷川政策調整担当部長 今回の変更届については、ラグビー場棟北東部分がセットバックされたことにより、伐採樹木や日影の範囲が減少するなど、いずれの評価項目においても改善、低減等が見込まれることから、今回の変更が環境に著しい影響を及ぼすおそれがあるとは認められず、このことについては、専門家から成る審議会においても適切であったと確認されております。
○原委員 その審議会の審議が不十分であるという指摘が相次いでいるわけです。日本イコモスなどから多くの疑問が出されているのに、問題ないという結論には到底ならないと思います。都は、真剣に受け止めるべきです。
やはりこの機会に、日本イコモスを呼ぶべきではありませんか。見直し案について、環境影響評価審議会にイコモスと事業者が出席をし、日本イコモスの疑問や科学的根拠が足りないとの指摘に事業者が答える、そういう議論を行うことが必要と考えますが、いかがですか。
○長谷川政策調整担当部長 環境影響評価は、条例に基づき、事業者が自ら作成した環境影響評価図書を審議会で説明し、その内容について、審議会委員から専門的かつ公正な立場で審査いただく一連の手続であり、事業関係者ではない第三者を参考人として招致することは、制度上規定しておりません。
○原委員 何度かこれ求めてきたんです。条例第七十四条の二に基づく要望なんですけれども、事業者その他関係者の出席を求め、説明を聞くことができるというふうに書かれています。その他関係者についての規定はどこにも書かれていません。都知事が必要と判断すれば実現できるはずです。日本イコモスの招致を求めます。
議論を尽くさずに工事を強行することは許されないことです。神宮外苑は、国民からの献木、献金と全国の青年団の勤労奉仕によりつくられた百年の森です。私たちの時代に、事業者らの勝手な構想で樹木を伐採し再開発によるまち壊しをすることは、後世に大きな汚点を残すことになり、断じて容認できません。
風致地区で人々を魅了する歴史的、文化的景観、世界的な評価を得る、この神宮外苑の環境を東京都が断固守り抜く立場に立つこと、今からでも伐採工事を直ちに中止することを強く求めるとともに、環境アセスの再実施を求めまして、次の質問に移ります。
熱中症対策について伺います。
この夏も昨年に続き残暑が残りました。熱中症対策、本当に必要だと多くの人が感じていると思います。
年々暑くなる猛暑に対し、熱中症対策について小池知事に聞いたときに、全庁的な推進体制の下、様々な取組を推進しているとの、これ代表質問での答弁です、がありましたが、全庁的な体制設置の理由と目的を伺います。
○中島環境政策担当部長生物多様性担当部長DX推進担当部長兼務 熱中症対策も含め、気候変動による影響は様々な分野に及び、分野横断的に検討を実施する必要があることから、全庁的な推進体制の下、関係各局と連携し、適応策に取り組んでおります。
○原委員 二〇二一年三月に東京都気候変動適応計画が策定されて、本年、アクションプランが出されました。気候変動の影響を回避し、都民の命と健康を守る取組を全庁規模にしていくことはとても大事なことです。局を横断する課題の連携も重要だというふうに思っています。
今年夏の熱中症による都内の救急搬送人数は八千百人で、過去最高となりました。九月十九日までの二十三区の熱中症による死亡者数は二百六十一人、屋内にいたのが二百五十二人、うちエアコンなしが六十件、エアコンがあるけれども未使用だったのが百六十五件ということでした。
国では、気候変動適応法などの一部改正が昨年五月公布され、本年四月全面施行されたことと、法律に定められた熱中症対策実行計画が閣議決定をされています。
都は、法改正を受け、具体化した熱中症対策はありますでしょうか。
○関建築物担当部長 熱中症対策について、専用ポータルサイト等、各種媒体を活用して、迷わずエアコンを利用することやクーリングシェルターの活用を周知するなど、様々な取組を進めております。
○原委員 さきの代表質問で、共産党都議団が知事に聞いたときも同じように、熱中症から命を守る暑さ対策の推進、こういう公約、聞いたときも同じ答弁がありました。エアコンを迷わず利用することと、クーリングシェルターの活用などということです。
エアコンの活用の呼びかけや、熱中症対策の意識喚起、公共施設などでのクーリングシェルターを広げ、周知することを否定するものではありません。ですが、熱中症警戒アラートが発出されるような危険な暑さの際には、外出を控えるよう呼びかけられます。
自宅でのエアコンの使用を呼びかけても、エアコンがない人、壊れていて修理が必要なのに直していない人の熱中症リスクを回避する取組がどうしても必要です。
最近、エアコン購入助成の事業を始める基礎自治体が増えています。都として、特別な支援が必要な世帯に対する購入補助事業を行う区市町村への支援に取り組むべきではないでしょうか。見解を伺います。
○荒田気候変動対策部長 区市町村との連携による環境政策加速化事業により、CO2削減対策として、省エネ性能の高いリユースエアコンの購入を補助する区市町村等に対し支援を実施しております。
○原委員 リユースエアコン購入への支援というのは、家電のゼロエミポイント制度を補足するものとして、中古もということで始めたのだと思いますが、そもそも省エネ性能の高い中古エアコンというのは、まだあんまり出回っていないそうです。
やっぱり中古がなければ新品を買うことになるわけですけれども、エアコンの値段も以前と比べて随分上がってきています。
適応策の一環として、熱中症弱者、私たちはエネルギー貧困という問題として、今調査中ですけれども、こういう熱中症弱者に置かれている人たちの命と健康を守るための施策との位置づけが求められると思います。
低所得者や高齢者家庭でエアコンがない世帯の新規購入、または壊れてしまったため、買換えの購入費助成補助を行っている自治体は、調べると、足立区、練馬区、港区、江戸川区などが見つかります。
江戸川区は、私の住んでいる区ですけれども、補助対象がとても厳しいんです。単身だと月収十三万七千七百円以下で、それだけじゃなくて、貯金が五十万四千円以下との条件がついていまして、貯金がそれ以上あると、この補助が受けられないということで、申請は結構あるんですけれども、相談とか申請があっても、承認件数がこの三年間、何と一桁なんですね。
この夏、私の知り合いで八十三歳の男性が熱中症状が出て、急遽エアコンを買ったんですが、補助は使えませんでした。ですが、年金は少なく、つつましい暮らしをしており、分割払いで購入しました。都からの補助が出れば、もう少し思い切って対象を課税世帯に広げることができると思います。熱中症で命を落とす人をなくすために、個別支援に踏み出す必要があると思います。
国の熱中症対策実行計画の具体的な施策の二項目めに、高齢者、子供などの熱中症弱者のための熱中症対策という項目があります。熱中症死亡の多くは高齢者です。人権保障の課題として、都が支援を始めることの検討を要望します。場合によっては福祉局との連携も行い、来年夏に間に合うよう検討を求めておきます。
次に、熱中症対策で急いで取り組む必要があると思っているのが学校の断熱改修です。昨今は、六月に真夏日が来るなど暑くなるのが早い中、窓が大きく、日差しがきつくて、学校の教室でエアコンをつけ続けても教室が冷えないという問題があります。特に最上階の教室は、天井から熱が入り、気温が高くなります。
葛飾区では、区内の小学校で断熱改修の実践を行っています。断熱内容は、天井や壁に断熱材を入れる、窓を二重サッシに替える、全熱交換器設置などです。
改修後、断熱改修していない教室と比較して、三十二度だった教室の室温が二十七度まで下がる時間が約一時間短縮されたそうで、空調消費エネルギー量五五%の省エネ効果だったそうです。児童へのアンケートでも、室内温度の安定により授業に集中できるようになったと答える児童が六三%を占めました。環境学習や断熱ワークショップで省エネへの意識も変わる機会となっています。
教室の暑さ対策は、熱中症対策として緊急に位置づけ、都立学校で取り組むことや、区市町村の公共施設等への再エネ導入促進事業の省エネ版補助を実施したらどうかと考えますが、いかがでしょうか。
○荒田気候変動対策部長 都は、ゼロエミッション都庁行動計画に基づき、庁舎、学校等の都有建築物の改築等において、省エネ・再エネ東京仕様を適用し、断熱性能の向上に取り組んでおります。
あわせて、国は、省エネ断熱対策と再エネ導入を組み合わせた取組を行う区市町村に対する補助を既に実施しております。
○原委員 国の制度も見たんですが、やはり新築や大規模改修時の補助制度となっています。既存の学校の断熱改修補助がないんです。
葛飾区の事例を見れば、天井が暑くなる最上階の教室から断熱改修に取り組むなどの進め方もありだと思います。ぜひ当区からの聞き取りなども行い、教育庁の管轄かもしれませんが、局を超えた連携や全庁的な取組に当たっても、具体的な施策についての検討を進めていただきたいと思います。子供たちの命を守り、学習環境を整える取組なので、ぜひ検討してほしいです。
学校以外でも、人が集まる公共施設の断熱についても、区市町村の公共施設等への再エネ導入促進事業の省エネ版、補助版を検討していただけるようにお願いをいたします。
次に、太陽光パネルのリサイクル問題についてお伺いしたいと思っていましたが、ほかの委員が既に質問をして重複しているので、私は意見のみとさせていただきます。
やはり様々なところでご意見を伺ってきましたが、大きく出される質問は、大量廃棄についての環境負荷であるとか、リサイクルができるのかという不安が多くありました。やはりパネルを導入する施主さんにリサイクルの説明をしっかりして、安心していただくことが大事だと思います。リサイクルのルートの確立に努力されているのは、よく私は理解しているんですけれども、まだまだそれは伝わっていません。
そして、拡大生産者責任という考え方があります。生産した企業がリサイクルまで責任を持つということです。生産者責任というのは、つくる段階から、大部分がリサイクルできるようにちゃんとつくっていけば、廃棄物も減りますから、この考え方はとても大事だと思います。
施主への負担になって、パネルの値段がつり上がらないように補助を続けてほしいと思います。また、充実させていけるよう頑張ってほしいと思います。
最後に、みどり率について伺います。
平成三十年、二〇一八年の調査以来、今回、二〇二三年調査の結果、その数値が公表をされました。その数値について、前回からの推移と緑状況の傾向などをお伺いします。
○宮武自然環境部長生物多様性担当部長兼務 令和五年における都内のみどり率は五二・一%であり、前回、平成三十年から〇・四ポイントの減となっております。
用途別では、農用地、樹林、原野、草地が減少している一方、公園、緑地が増加してございます。
○原委員 区部でも多摩部でも農用地が減り、公園、緑地は若干増えているという状況です。農地のやっぱり宅地化、この対策が引き続き求められるかなと思います。
そして、都市の公園面積は、海外の都市に比べてうんと少なくて、増えているということですが、公園を増やすこと、これは本当に必要だというふうに思います。引き続きの努力をお願いします。
そして、樹冠被覆率、私たちがこの間、発信をしてきたんですけれども、この指標の問題ですね。樹冠被覆率というのも、特に都心のヒートアイランド現象を抑えるために、木陰確保のために樹木に着目した指標であり、この指標をやはり採用すべきだというふうに改めて思います。
街路樹管理において、東京都は、樹冠の役割に着目し、一応、樹冠拡大の方針を持っています。環境局は、そうした緑を守り増やすという取組に関する大事な数表を担当しているわけですから、この樹冠被覆率について、もっとやっぱり注目すべきだというふうに思うんですが、役割をどのように捉えているんでしょうか。
最近は、パークPFIが都立だけじゃなくて区立の公園でも導入されるなどで、園内にカフェを営業したり、樹木が減らされたりしているんです。それでも、みどり率は変わらないで、公園全体がみどり率に入っていますので、実態を反映していないという状況です。
公園の緑地部分とそれ以外を分けて公表することは技術的に可能でしょうか。
○宮武自然環境部長生物多様性担当部長兼務 緑の持つ多面的機能は、樹林や草地などの緑に覆われた地表だけではなく、緑に覆われていない部分も含めた公園全体や、河川等の水面においても発揮されており、生物多様性の保全にとっても重要でございます。
都は、こうした考え方に基づき、みどり率を算定しております。
○原委員 ちょっと混乱させてしまったんですが、技術的にできないとは今いわれませんでした。私が望んでいるのは、みどり率を出すのはいいけれども、なおかつ分割して、今、分野別に出しているその公園を、公園の緑地部分とその他っていう部分もさらに詳細な分野別にして発表してはどうかという提案で、それをすれば、緑地部分、川の部分とかを排除してというか除いて足していくと緑被率は出せるというふうに考えられると思います。
樹冠被覆率との関係でいうと、もっと違う形で調べなければならないとは思うんですが、そういう調査をもう既にやって、報告を出している団体もありますので、よく研究をしていただけたらというふうに思います。
さっきもいったんですが、本当に公園の樹木伐採が進んでいて、公園の敷地全体がみどり率の中に含まれるので、みどり率というのが、樹木伐採が進んでも率が減らないで、現状は反映できていないんですね。本当にこの問題、これでみどり率でいいんですっていうふうにいい続けるという状況を何とか変えてほしいというふうに思っております。
一例ですが、アメリカのロサンゼルス市では、木を九万本植えて、六千百万平方フィートの木陰を提供して、二〇二八年までに低所得者層や熱の影響が深刻な地域に木を植えていく取組というのを進めています。エネルギー貧困対策というのも意識して取り組んでいるわけなんですね。
こうした政策を学び、都としても、指標の検討と気候変動対策目標に見合った指標の到達目標などを持って取り組むことが必要だというふうに思っております。意欲的な目標設定をご検討いただくことを求めて、質問を終わります。
○曽根委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
午後三時五十三分休憩
午後四時十一分開議
○曽根委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○須山委員 私からも何点か質問させていただきたいと思います。
まず初めに、太陽光パネル設置義務化に関して質問をしようと思っていたんですけれども、私も環境・建設委員会四年目でして、かなりいろいろな議論も当時からさせていただいたのもありますし、各委員の皆さんからの質疑を経たので、私からは質問を割愛させていただきたいと思いますけれども、意見だけちょっと述べさせていただきたいと思います。
今度の四月からこの制度が始まるということで、これもやはり二〇三〇年カーボンハーフを目指した東京都として設置義務化を契機にしていただいて、本当にさらなる取組を進めていっていただきたいなということは要望させていただきます。
一方で、カーボンハーフへの道筋というか、ロードマップというのがなかなか、いまだ分かりづらいところが正直あります。今、民間企業では、本当に数値目標を立てて、SDGsの普及も受けて、かなり省エネに対して取組を進めておりますから、東京都もしっかりと民間への後押しも必要ですし、東京都として、しっかりとロードマップ、道筋をつくっていただいて、二〇三〇年、本当にカーボンハーフを現実化していただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは、質問に入ります。
災害廃棄物対策について伺います。
東京都は、特別区、多摩地域の自治体などの協力の下、災害廃棄物の都内清掃工場での受入れを九月下旬から開始をして、被災地の早期復興に向けた支援に取り組んでいます。
私の地元八王子市内の館クリーンセンターのほか、合計三か所の清掃工場での受入れが始まっており、今後、受入れ工場は順次拡大する予定とのことです。
翻って、この東京において、首都直下地震等により、大量の災害廃棄物が発生した場合に、他県からの支援を受けるなど、広域的な対応が求められる場面も想定されます。
そこでまず、首都直下地震等が発生した場合の広域的な支援に係る調整について、どのように進められているのか伺います。
○宗野資源循環推進部長 首都直下地震等により、膨大な災害廃棄物が発生し、都内の施設だけでは処理できない場合には、他県の自治体等から支援を受けることになります。
こうした場合、国が設置する災害廃棄物対策関東ブロック協議会を通じて支援を求めることとされており、都は、この協議会に参加し、平時から関係自治体との顔の見える関係の構築に努めているところでございます。
○須山委員 国が設置しているその関東ブロック協議会で、顔の見えるということで、本当に平時からそういったつながりをつくっていただくことが、本当に有事の際に要になってくると思うので、ぜひよろしくお願いいたします。
今般、三定の補正予算で、都が新たに百基の鉄道コンテナを順次製造して、輸送力の増強を図る方向性が示されました。迅速な災害廃棄物処理につなげていく取組として評価しております。
製造した鉄道コンテナについては、能登地方の災害廃棄物処理支援が完了した後には、どのように今後活用していくのか、また、平時におけるコンテナの維持管理も含めて、見解を伺いたいと思います。
○宗野資源循環推進部長 首都直下地震等が発生した場合には、都内で処理し切れない災害廃棄物について、新たに製造するコンテナも活用し、迅速な広域処理につなげてまいります。
平時においては、都内自治体等に貸与し、効率的な廃棄物の輸送に活用していただくとともに、民間倉庫等で分散保管する予定としております。
○須山委員 ありがとうございます。本当にこうやって製造していただいて様々活用できると思いますので、いろいろなことを工夫していただいて、そして、有効活用していただきながら、これまでの支援のノウハウもしっかりと生かしていっていただきたいなと思いますので、よろしくお願いします。
他県等で大規模な災害が発生した場合に、迅速な支援につなげていくためにも、日頃から都内市区町村との関係を深めて、臨機応変な対応が取れるように、行政的な地域力というんでしょうか、そういったものを強化していくことも重要だと考えます。
そこで、今回の能登地方への支援において、市区町村等とのどのような調整を行ってきたのか伺うとともに、市区町村等と連携した災害廃棄物処理について、都の取組を伺います。
○宗野資源循環推進部長 都は、市区町村及び一部事務組合の職員と共に、能登半島地震による災害廃棄物の性状等について、現地調査を実施いたしました。
また、既存の鉄道コンテナを保有する横浜市や川崎市とも連携し、被災自治体、鉄道貨物事業者等を含めた調整を行いました。
都は、毎年度、市区町村の職員を対象といたしまして、最新の災害廃棄物の処理の情報を共有するほか、図上訓練等を実施しているところでございます。
○須山委員 ありがとうございます。都は、能登半島地震の被災家屋の解体、撤去等に係る技術支援を行うため、都の職員、また、区市町村等の職員、延べ五百名以上派遣してきたとも伺っております。今後とも、そうした職員の皆さんの知見も活用しながら、災害廃棄物の処理体制の強化を進めていっていただきたいと思います。
また、先ほど述べましたけれども、災害時は幾ら準備しても、そのとき、そのときでやっぱり変わってくると思います。そうしたときに、臨機応変な対応というのが物すごく必要になってきます。だからこそ、平時から各市区町村、また、近隣県などと常日頃から本当に連携を密にしていただいて、有事のときに、迅速に都民の生命、財産、暮らしを守れるような、そういったことを要望させていただきまして、この間の質問は終わります。
続きまして、神宮外苑に関して質問させていただきます。
神宮外苑再開発、もう工事が進み始めて、樹木の伐採が始まったということで、一部報道でも出されておりますし、非常に私も大丈夫かなというふうに考えております。
その中で、二十一日に行われました環境影響評価審議会総会において、神宮外苑の再開発に関して、事業者側の見直し案が出たと伺っておりますけれども、報道ではイチョウの保全方法や移植の手法などについて質問が出たが、反対意見はなかったというふうな報道がされております。
それでは、どのような意見が出たのか、具体的に教えていただきたいと思います。
○長谷川政策調整担当部長 イチョウ並木につきましては、土壌水分量の計測間隔や地下躯体の影響に関する質問、意見、また、樹木の移植につきましては、本移植が増えた理由や、移植先の樹木構成に関する質問、意見がございました。
○須山委員 ありがとうございます。今、イチョウ並木とか樹木の移植に関しての質問、意見等を伺いましたけれども、それ以外には何かなかったんでしょうか。
○長谷川政策調整担当部長 先ほどご答弁した内容のほかに、例えば土壌水分量の計測位置に関する質問、意見、それから、移植先の景観への配慮に関する意見、また、その新ラグビー場棟の配置計画の考え方に関する質問等がございました。
○須山委員 ありがとうございます。この件に関しては、イチョウ並木だったりとか、樹木の伐採、移植とかが特に報じられておりますし、都民の皆さんの関心もありますけれども、それ以外にも様々なことがアセスの審議会の中では議論されているんだなということも分かりました。そうした専門家の皆さんの意見、議論というものが、アセス審議会の中ではやられているんだなということも改めて分かりましたので、それに関しては分かりました。
それでは、今回の事業者の変更届に関して、修正案に関して、東京都としての評価、これに関してちょっとお聞きしたいと思います。
○長谷川政策調整担当部長 新ラグビー場棟北東部分がセットバックされたことにより、伐採樹木や日影の範囲が減少するなど、いずれの評価項目においても改善、低減等が見込まれることから、今回の変更が環境に著しい影響を及ぼすおそれがあるとは認められず、このことについては、専門家から成る審議会においても適切であったと確認されております。
○須山委員 東京都としては、アセスの手続上は、適切であったというふうな今の答弁だったのかなというふうに思っております。
昨年九月、東京都は、樹木の保全策に関する具体的な見直し案を示すよう事業者に要請して、実際に事業者は、伐採を延期して、一年後、今回、見直し案が出されてきました。それに関して、東京都はある意味ストップをかけたような形なのかなと思うんですけれども、その上でこの見直し案を出されて、今、樹木の伐採が進んでいるということで、東京都としては、この見直し案に関して納得ができたのかどうか、これを教えていただきたいと思います。
○長谷川政策調整担当部長 都は、昨年九月、新ラグビー場棟敷地の既存樹木の伐採に着手する前までに、環境影響評価書で示された検討を行った結果として、樹木の保全に関する具体的な見直し案を示すよう要請を行いました。
九月九日に提出された見直し案は、都の要請に対し、事業者として検討がなされ、取りまとめられたものと認識しております。
○須山委員 見直し案を示すよう要請をして、そして事業者としての検討がなされて、取りまとめをされたということでした。これ、何度聞いても同じ答弁だと思いますんで、あえて、あまり納得かどうかというのは聞きませんけれども、東京都としては、伐採に着手する前に、先ほどもいいましたけれども、一旦止めた。現に、小池知事は、知事選のときに、これ一旦止まっているから、外苑問題は争点にならないとおっしゃっておりました。
こうしたことを考えると、都民感情としては、ちゃんと納得のいくような見直し案であることが求められていると思いますし、東京都が、それに関して、もっと関与をしてほしいんじゃないかなというふうに、そういうふうな都民感情があるんじゃないかなというふうに考えます。それはちょっとお伝えしておきます。
そして、今回の再開発事業に関しては、地域関係者や、また、地域関係者への説明や質疑、回答などのやり取りの範囲が狭いんじゃないかと。また、オープンさが足りないんじゃないか。最初の事業者の取組に問題があったことが問題の一因として考えられます。
九月二十八日に開催をされました事業者による住民説明会においても、事業者が公開している議事録を確認すると、環境保全に関連した質問がされております。
都は、そうした都民の環境への懸念の声を聞いてきたのかどうか、これをお聞かせいただきたいと思います。
○長谷川政策調整担当部長 九月二十八日に実施された住民説明会については、港区及び新宿区の要請を受けて事業者が開催したものであり、事業者は、先般の審議会総会において、説明会の実施概要を報告しています。
なお、都の環境影響評価制度においては、意見書の提出や都民の意見を聴く会の開催といった都民が意見を述べる機会が確保されており、本件事業についても適切に実施してきております。
○須山委員 さきの住民説明会では、環境保全に関連した質問をされているんですから、それを環境影響評価審議会でも共有することによって、都民の懸念を議論の対象にすることができるんではないでしょうか。そうしていない場合は、するべきだなと考えるんですけれども、それに関してどうか、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
○長谷川政策調整担当部長 先ほどもご答弁したとおり、九月二十八日に実施された住民説明会については、港区及び新宿区の要請を受けて事業者が開催したものであり、事業者は、先般の審議会総会において、実施概要を報告しています。
○須山委員 東京都として説明会を開催していないと。事業者が、あくまでも開催をしている説明会であるからということで、同じ答弁ですけれども、やはり先ほどもいったとおり、都民としては、行政が、東京都が、もっと介入をしてもらいたいというものがあるんだと思います。もちろん第一義的には事業者ではありますけれども、東京都が率先して都民の理解を得られるように動いてほしいというのが都民感情なんではないかなと思っております。
先日提出された事後調査報告書によると、一部、活力度の低下したイチョウが確認されたようでありますけれども、今後、事業が進んでいく中で、環境に懸念するような、そういった事態が起こった場合、どのように対応していくのかを教えていただきたいと思います。
○長谷川政策調整担当部長 事業者は、評価書において、工事の施工中及び完了後の一定期間にわたり、イチョウ並木の活力度調査など、モニタリングを実施し、状況に応じた環境保全のための措置を継続し、保育管理を実施することで、将来にわたり、四列のイチョウ並木を健全に育成するとしています。
事業者は、明治神宮の日常管理の中で、樹木医等とも相談の上、樹勢回復措置として、施肥やかん水等を実施しており、今年七月のイチョウの活力度については、昨年七月と比べて、やや改善が見られるとしています。
○須山委員 工事が進んで、もう樹木の伐採が始まってしまった中では、やっぱり工事を進めていく中では、しっかりと一定期間でもモニタリングを実施していくとするとともに、状況に応じた環境保全のための措置を実施するということではありました。
東京都議会立憲民主党としましては、再開発自体には今まで反対はしていないんですけれども、樹木の伐採は可能な限りしないで、そして保全をしていくことを強く訴えてまいりました。工事が進む上でも、モニタリングはしっかりとしていただいて、そして樹木の保全に努めていただきたいと要望させていただきます。
この件、様々、今までも議論してまいりましたけれども、なかなか正直いうと、もう議論が平行線で、何か深まらないなということはずっと思ってまいりました。
先ほどの質疑でもいいましたけれども、やはりこの間、これだけ問題が大きくなったのは、事業者の説明が足りない、そして都民の声や外部有識者、この場合は日本イコモスの皆さんであったりとか、そうした皆さんの声が届かない、そうしたことが大きな問題になってしまっているんじゃないかなというふうに思っております。
ルールにのっとった手続を進めているというのはよく分かります。それはもう行政だから当たり前なんですけれども、それがこの東京都、一番大きな自治体として、それでいいのかなというのは正直思ってしまいます。東京都が率先して、やっぱり都民にもっと寄り添った対応、そして手続をしていくことが必要なんじゃないかなということはすごく思います。
これまでも本当にさんざん議論を進めてきて、先ほどいったとおり、平行線だなということは思ってしまうんですけれども、東京都がしっかりと手続にのっとる、それも当たり前で、前提として、その上で、しっかりと事業者に都民の理解が進むよう求めていく、そして、東京都としては、しっかりと行政として関与をしていくということが必要なんじゃないかなと強く思います。
海外でこういったまちづくりであったりとかそうしたものを進めていく上では、こんなふうに、ここまで事業者任せになるということはあんまりないんじゃないかなというふうにも思います。だから、そうしたことからも、ぜひアセスの手続に関しても、一度や二度、都民や外部有識者の声とか意見を聞く場を設ける、それで終わりじゃなくて、そうした声がもっと反映されるような、そうした手続自体を今後見直していく必要があるんじゃないかなと強く思いますんで、そこをぜひ検討していただきたいと、そのように要望させていただいて、次の質問に移ります。
小笠原視察に、七月に私たち東京都議会立憲民主党行ってまいりました。小笠原村の父島、母島に行ったんですけれども、おが丸に二十四時間揺られまして、たどり着いた先は本当に自然豊かで、そして人もまちも空気も穏やかなすばらしい島でした。こうした島しょ地域というものが東京都にあるということは、本当に改めて財産だなというふうに感じております。
さて、人口二千五百人の島で、年間一万六千人以上の観光客が来る、ご承知のとおり観光がメインの産業となっておりますけれども、そうした観光の面では、母島には非常に貴重なラピエというものがあり、このために母島を訪れるべきだといわれている石門というものがあります。
石門は原生に近い自然が残っていることなどから、国立公園の特別保護地域、林野庁の森林生態系保護地域、東京都の自然環境保全推進地域に指定をされております。
東京都認定ガイドが同行しないと立ち入ってはいけない場所でありまして、この石門コースを歩くには、船の便の関係などから母島に二泊以上する必要があるため、母島の自然や地史に興味のある方が、わざわざ小笠原を訪れて、長く滞在をしていくような貴重な観光資源でありますが、令和四年十二月及び令和五年十月の豪雨によって、一部に崩落が発生して以降、通行止めになっておりました。
また、乳房山登山道では、尾根からの眺望がすばらしい登山道も通行止め部分があり、頂上の展望台も危険なため立入禁止になっているとのことでした。
登山道などは、都が管理を任されており、近自然工法というやり方で丁寧に補修、維持されていると聞きましたけれども、いろいろ難しいとは思いますけれども、小さな島であり、このような通行止め等が長引くことで観光にダメージがないよう、迅速に復旧を進めていただきたいと考えておりますけれども、これに関しての見解をお願いいたします。
○宮武自然環境部長生物多様性担当部長兼務 乳房山登山道については、東側ルートの近くで大規模な斜面崩落が発生したことから、現在、利用者の安全を考慮して通行止めを行っております。
これまでドローンによる測量や変位計による定点観測、現地踏査など各種調査を実施し、通行再開に向けて専門家による既設登山道の再評価や代替登山道の検討を進めております。
○須山委員 魅力ある二つのルートが通行止めということですので、安全確保が優先ではありますけれども、迅速な復旧をお願いしたいと思います。
続きまして、エコツーリズムについて伺います。
小笠原を視察しまして、改めてエコツーリズムについては、地域地域で様々な課題があり、その解決方法もいろいろな関係者や地域資源、人材によって、千差万別であるということを感じました。
二〇〇七年にエコツーリズム推進法ができて、環境省が推進してきましたけれども、都においては、二〇〇三年から小笠原諸島のエコツーリズムを開始しているとのことです。
扇池が有名な南島では、植生が荒れ、赤土がむき出しになっていたものが、二〇〇二年からの植生回復の取組によって、かなり改善をしているようです。
また、オナガミズナギドリが数多く営巣して、巣立ち間近のひなたちもいるなど、写真で見る荒れ果てた南島からは想像できないような回復ぶりとなっておりました。
小笠原における東京都版エコツーリズムは、保護に取組をしながらも、全面立入禁止にするのではなくて、地域関係者がルールを遵守するという形で長年にわたって取り組み、貴重な自然に触れてもらう機会を確保しております。このことが長続きし、実際に南島の植生が回復してきたゆえんではないかと考えております。うちの西沢都議も、遠目で見ても、十年前より植生が回復しているのがすごくよく分かると申しておりました。
このルールについては、近年緩和もされているとのことですけれども、南島の自然環境回復の現在の評価と、あとエコツーリズムの今後の在り方について伺います。
○宮武自然環境部長生物多様性担当部長兼務 南島での様々なモニタリングの結果、これまでの取組により植生が回復していることが確認されたことから、昨年六月から一日当たり最大利用人数などのルールの一部を廃止いたしました。
今後とも、利用状況を注視しながら、観光利用と自然環境の保全の両立に取り組んでまいります。
○須山委員 荒れるのは本当にあっという間なんですけれども、今日の回復に至るまで、二十年以上にも長きにわたる取組が行われてきました。私も今回現地を訪れて、地元の自然ガイドさんたち自身が、南島の価値、小笠原の自然のすばらしさを理解して、そして信じて、来島者にもそれを伝えており、お客さんを楽しませながらも、ルールを守ってもらい、日々自らの地域の価値を高めているような、そんなような感じがしました。
エコツーリズムによって守ることで、いろんな意味で価値も高まるということを示していただいていると思います。再び荒らされることのないような取組が継続していくように、東京都としても引き続きの取組をよろしくお願いいたします。
このように、自然環境の保全はもとより、世界の旅行者に選ばれる地域であり続け、さらには、その土地の魅力を高めるという観点からも、エコツーリズムは、ますます重要な考え方になっているようです。
そのためには、環境負荷を大きくは増やさない持続可能な観光でありながらも、旅行者を楽しませ、快適に過ごしてもらうための環境整備、これを積み重ねていく意義は大きいものだと考えております。
小笠原と同じく世界遺産に登録されている屋久島では、トイレ不足が問題となり、バイオトイレや携帯トイレブースと使用済携帯トイレ回収ボックスを設置、立山黒部を有する富山県などでも、使用済携帯トイレ回収ボックスを設置するなど、各地でトイレ問題への取組が行われております。
父島、母島では、都が整備した立派な水洗トイレもある一方で、水道や電気が来ていない場所には、村の観光協会がバイオトイレを一、二基設置しておられましたけれども、まだまだ設置すべき場所があるようにも思いました。
小笠原におけるトイレ設置に関する東京都の考え方をお聞かせいただきたいと思います。
○宮武自然環境部長生物多様性担当部長兼務 小笠原諸島の自然公園におけるトイレは、国が定めた自然公園計画に基づく宮之浜園地などの五か所に整備してございます。
○須山委員 自然公園の園地に五か所ということなんですけれども、島内を巡る中で気になっているのは、やっぱりそのトイレの少なさっていうものをすごく気になりました。今おっしゃった宮之浜園地などで海水浴ができるような、そのような浜辺には、東京都が整備した立派なあずまやと水洗トイレがありました。しかし、旅行者のニーズも多様化する中で、海辺以外のところは僅かなバイオトイレがあるのみです。
東京都が設置したものではないということですけれども、東京都がバイオトイレを設置しない、それに関しては何か理由があるんでしょうか。
○宮武自然環境部長生物多様性担当部長兼務 園地などにおけるトイレは、くみ取り式の対応や浄化槽設置のスペースが確保できる場所に設置してございます。
○須山委員 バイオトイレの整備は、環境省においても、山岳、海岸、離島などの自然地域において、屋外排せつによる周辺公共水域や植生等への悪影響を防止して、利用者の利便性や快適性が向上、利用者の歩道外への踏み込みを抑制して、植生の保全や利用者の安全確保にもつながるものとして実証済技術を紹介しております。
し尿を生物学的処理、化学的処理、物理学的処理、もしくはその組合せによって処理するもので、非放流式、すなわち自然に放出しない形のバイオトイレであれば、浄化槽式のトイレよりも小さな面積で設置できるものもあるようです。
小笠原など島しょのみならず、私の地元の高尾山とか裏高尾など、トイレマナーが問題となっている自然地域でトイレの設置箇所を増やすためにも、前向きにご検討いただきたいと思いますが、見解を伺います。
○宮武自然環境部長生物多様性担当部長兼務 自然公園のトイレについては、利用者の快適性、自然環境や景観との調和、整備費用や維持管理の容易さなどを勘案して、設置場所に最も適した方式で整備を進めてまいります。
○須山委員 いろいろな要素もあると思うので、東京都がしっかりとそこを考えていただいて、そこに適したトイレ、やっていっていただきたいと思います。バイオトイレってやっぱり先ほども申したとおり、非常に有効なものだと思うので、ぜひそこも考えながら設置を進めていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
また、一方、植生破壊や土壌浸食の要因であったノヤギは、東京都をはじめとする関係者の努力によって、かなり今、減っているというふうに伺いました。これによって食害等が減り、自然と在来植生が回復している区域もあるとのことですが、外来植物が生育範囲を広げてしまった区域も多いと伺いました。
特に、モクマオウについては、ノヤギのかつての生息域以外でもかなり見られました。落ち葉が厚く積もり、また、その落ち葉の酸性が強いため、全くほかの植物が育たないモクマオウ林になってしまうということです。
一難去ってまた一難、ノヤギを駆除したら、今度はモクマオウがということで、一度破壊された自然を回復するのは容易でないということが分かりますが、外来植物の駆除の取組について伺います。
○宮武自然環境部長生物多様性担当部長兼務 都は、ノヤギが唯一残る父島において、その排除事業を継続するとともに、ノヤギ排除が完了した他の島々においては、植生回復の取組を実施してきております。
また、都有地において、ノヤギの減少に伴い増殖したモクマオウやギンネムなどの外来植物の排除に取り組んでおります。
○須山委員 分かりました。都有地において駆除してくださっているということですけれども、在来植物の成長には時間がかかり、また、都有地で駆除しても、島内にたくさん外来種は生えているため、すぐにほかの土地から侵入をしてしまい、なかなか厳しいものがあるように見受けられました。
植生が変わると生態系にも影響を及ぼすことが懸念され、これ以上、外来植物の生育区域を増やさないための取組が必要だと考えます。
島内全体において、外来種から在来種への置き換えが進むような計画的な取組が必要と考えますけれども、見解を伺います。
○宮武自然環境部長生物多様性担当部長兼務 小笠原の自然環境の保全については、小笠原の自然に関する研究者で構成される科学委員会や、地元団体で構成する地域連絡会議等の検討を基に管理計画を策定し、生態系の修復と固有種等の絶滅回避、外来種の侵入、拡散防止などに取り組んでまいります。
○須山委員 ありがとうございます。科学委員会であったりとか、地元の皆さんで構成する地域連絡会等で様々議論もしていただいているということです。
本当に冒頭に申し上げたとおり、小笠原、本当にすばらしい東京都の財産だなというふうに改めて感じました。そうした島しょの自然を守っていく、また、在来種をしっかりと守っていく、そして、観光としていろいろなお客さんが楽しんでくれるような、そのような東京都としても取組を進めていっていただいて、より一層、その小笠原の財産、これをしっかりと守っていっていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。ということで質問を終わります。
○桐山委員 それでは、私からは、神宮外苑について質疑をしていきたいと思います。
事業者からの見直し案の都への報告について、私は今年度の一般質問で、いつ、事業者の誰が、都の誰に、どの書類で、どのように報告をしたのか、また、その際、都からはどのような話をしたのか伺いますというような質問をさせていただきました。
九月九日に提出された以降、事業者から都側はどのような説明を受けたのか、まず伺います。
○長谷川政策調整担当部長 九月三十日に環境影響評価図書の提出があり、その概要について説明を受けております。
○桐山委員 今の答弁では、九月九日以降、九月三十日に初めて変更届と事後報告書の提出の際に概要説明を受けたということでした。
そこに関連してお伺いしたいのですが、審議会の委員や新宿区には、関係区ですよね、いつ、この図書が渡ったのか、確認されていたら教えてください。
○長谷川政策調整担当部長 こちらの環境影響評価図書につきましては、アセスの総会のとき、十月二十一日ですけれども、このときに公表しております。
○桐山委員 審議会の委員の方々は、事前にお渡ししているわけではなくて、総会のときに初めて提出をされたということでよろしいんですか、その認識で。
○長谷川政策調整担当部長 失礼いたしました。委員の先生方には、提出以降、お渡しをして、内容を確認いただいて、助言をいただいているということになります。
○桐山委員 次に、東京都と環境影響評価審議会との関係と責任の所在について伺います。
まず、環境アセスメントのやり直しが必要かどうかを判断するのは、東京都でしょうか、それとも審議会でしょうか、伺います。
○長谷川政策調整担当部長 都は、審議会に意見を聞いた上で、手続を再度実施するよう求めるものとされております。
○桐山委員 ということは、基本的には、東京都がやり直しが必要かどうかは審議会の中でお伺いを立てますけれども、最終的に決定、判断をするのは都だということだと思います。
また、東京都の判断は審議会の判断に拘束をされるのか伺います。
○長谷川政策調整担当部長 先ほどもご答弁したとおり、都は、審議会に意見を聞いた上で、手続を再度実施するよう求めるものとされております。
○桐山委員 事業者が提出をした見直し案の記載は、計画の変更に伴う予測評価の見直しについて、全て変更後と変更前における評価の結論に変更はないというものでありました。
都は、事業者の予測評価に対して、出された予測評価に対して、独自の判断をしなければいけないと考えています。
今回、変更届は、これまで未定として扱わずにいたラグビー場の設計と建国記念文庫の森の保全計画やラグビー場敷地の緑化計画が初めて示され、新神宮球場の壁面後退を十メートル強増やし、絵画館前広場のテニスコート等、配置を大きく変更し、中央部のオープンスペースの幅を狭めるなど、神宮外苑の影響に著しい影響を与えるものであると考えます。
都民、地域住民の理解も十分ではない中で、計画が強行されることはあってはならないと考えます。都民は、単なる説得の対象ではありません。今回の衆議院議員選挙でもお分かりのように、政治を変えることができる主権者です。都民や専門家との対話こそが必要だと考えています。
諮問機関イコモスの国内委員会の石川幹子理事は、見直し計画について、緑の質について検討が不十分だと指摘しています。その点についての都の見解を伺います。
○長谷川政策調整担当部長 事業者は、変更届において、改変する建国記念文庫の樹林地について、再生、復元する生態系に配慮した維持管理を行い、定期的なモニタリング状況に応じた順応的管理を継続し、将来にわたって緑地環境の保全を図るとしています。
○桐山委員 今のご答弁ですと、建国記念文庫樹林地についてというご答弁ですが、全てやるべきだと思うんですけれども、ここしかやらないのか伺います。
○長谷川政策調整担当部長 その他のエリアにつきましても、生物生態系の観点での環境影響も行っておりますし、配慮していくということでございます。
○桐山委員 その他もやるということは分かりました。
環境影響評価審議会及び都の検討の中において、このイコモスの国内委員会の石川幹子理事の意見書は考慮されたんでしょうか。それとも、これまでも全く見ることも読むこともなかったんでしょうか。その理由とともに、都の見解を伺います。
○長谷川政策調整担当部長 都は、審議会の意見を聞いた上で、手続を再度実施するよう求めるものとされております。
なお、都の環境影響評価制度においては、意見書の提出や都民の意見を聴く会の開催といった都民が意見を述べる機会が確保されており、本件事業についても適切に実施してきております。
○桐山委員 これまで、イコモス国内委員会としては、要望、要請、声明ですとか、あるいは、その中でも明確に回答を求めている要望や要請もあったと思います。
また、提言や意見、お願い、報告など、都知事宛てのものが最も多くて、事業者、あるいは、私たちの都議会議長宛て、アセス審議会会長や、新宿区や港区などの関係機関にも二年以上も前から行動されておりますけれども、この間、二年以上もかかっている中で、多分、環境・建設委員会、様々な場面で我が会派の、もり委員からもそうですが、ほとんど話を聞く姿勢だったり、対話を進めていこうという姿勢が全くなく、無視されているんだということも指摘をさせていただいたところであります。
先ほどの答弁の中でも、都民が意見を述べる機会が確保されている、これは環境影響評価審議会制度上の意見を求める機会が設けられていることは分かっておりますけれども、地元住民でつくる市民団体っていうものがあって、これは港区、加藤なぎさ代表が、明治神宮外苑を子どもたちの未来につなぐ有志の会ということで、誰もが参加できる意見交換の会を開いて、計画を説明して、批判にも答えてほしいということも求められております。
賛否を特段示すわけではなくて、環境影響評価審議会の専門家のご意見で出された結論だけではなくて、このように、やはりイコモスからも、ある意味指摘をされている専門家同士の対話をしっかりしてもらった中で、区民、都民として、どっちが正しいのか、どういうふうに判断したらいいのかということを、やはり示していくのが寄り添った事業者の対応なのではないかというふうにいわれています。
こういったことをこれまでも行っていないということなんですけれども、これまでも何度も、このようにイコモスなど専門家の話合いを実施して、科学的根拠の議論の機会を設けるよう都から求めていただきたいというふうにお願いもしてきましたが、今回もなされませんでした。ただいま申し上げた件も含めて、都の見解を伺います。
○長谷川政策調整担当部長 事業者に対しては、都民の意見と共感を得られるよう情報発信などにしっかりと取り組むことを要請しております。
○桐山委員 同じ答弁の繰り返しになるんですけれども、先ほども質疑の中であったと思うんですが、環境影響評価審議会の中で、制度上規定しないというふうな答弁もあったというふうに思います。参考招致の話もそうだったと思うんですが、条例上では、その委員会として意見を求めればできるんじゃないかというふうに思うんですけれども、そういう規定はないんですか。教えてください。
○長谷川政策調整担当部長 例えば、条例第七十四条二の規定につきまして申し上げますと、本規定が設けられる以前は、都が審議会において環境影響評価図書に係る事業内容等の説明を行っておりました。
これを事業者が事業内容等についての説明責任を果たす観点から、平成三十年十月の環境影響評価制度見直しに係る審議会答申を踏まえ、事業者等が審議会に出席して、事業内容等の説明ができるようにするため、令和元年施行の条例改正によって設けた規定でございます。
本規定に基づく出席者は、事業者や環境影響評価図書の作成に関わったコンサルタントを想定しております。
○桐山委員 多分これ、前回もこういう質疑があったと思うんですけれども、この規定の中に、事業者その他関係者という、その関係者というのがコンサルタントだっていう議論も、前の環境・建設委員会の中の、もり議員とのやり取りの中でもあったと思うんですけれども、そういうことは条文には書いていないじゃないですか。
コンサルタントだけっていうふうに決めつけていらっしゃいますけれども、やはり先ほど申し上げたように、都民が判断をしたい場合に、あくまでも審議会は知事の附属機関であって、知事が判断をする上で意見を聞くという附属機関であるということで、それを私も先ほどから、そこだけをうのみにするんではなくて、やはり様々な意見が出てきて、専門家でもいろんな方々がいらっしゃると思うんだけれども、都民が判断をするときのために、そういう専門家同士の対話をする機会があってもいいんじゃないかなというふうに思うわけであります。もしここができないのであれば、条例改正すればいいだけの話じゃないかなというふうに思います。
これまで、こういう対話を求めている専門家等、団体もいますけれども、そういう中で、都は、事業者に対しては、都民の理解と共感を得られるようにお願いをしてきているわけですよね。でも、都民の理解と共感を得られるような状況にはなっていないから、まだまだ様々な声が上がっているわけで、このことについては、事業者が丁寧な対応や対話をしようとしない姿勢については、都としてはどういうふうに考えているのか教えてください。
○長谷川政策調整担当部長 事業者に対しては、都民の理解と共感を得られるよう情報発信などにしっかりと取り組むことを要請しております。
○桐山委員 次、行きます。
東京都は、事業者の予測評価に対して、どのような独自の検討を行ったのか、その結果、今回どういう理由で再アセスの必要がないといい切ったのか、その根拠についての見解を伺います。
○長谷川政策調整担当部長 今回の変更届については、ラグビー場棟北東部分がセットバックされたことにより、伐採樹木や日影の範囲が減少するなど、いずれの評価項目においても改善、低減等が見込まれることから、今回の変更が環境に著しい影響を及ぼすおそれがあるとは認められず、このことについては、専門家から成る審議会においても適切であったと確認されております。
○桐山委員 時間がないので、ちょっとスピードアップします。イチョウ並木について質問していきます。
都は、イチョウ並木は守られると繰り返し述べていますが、今回、事業者の報告では、港区道の二列のイチョウは保全されることとなったのか伺います。また、その移植は今回の見直しには入らないのか伺います。
○長谷川政策調整担当部長 事業者は、環境影響評価書において、港区道沿いのイチョウについては、今後詳細な調査により、移植の検討を行うとしています。
○桐山委員 今回の見直しには入っていないということが分かっているんですが、先ほども議論があったように、この港区道の二列のこのイチョウは、非常に重要なイチョウなんですね。そもそも伐採だったものが、移植ということで事業者が検討されているようですけれども、これまた、なかなかまだ移植先もはっきりと、前回、新野球場の北側への移植も検討しているということだと思うんですけれども、それもまだはっきりと具体的に移植先が定められていないという状況でありますけれども、今後、この二列のイチョウ並木は、もう伐採されることはないというふうに都は考えているのか伺っておきたいと思います。
○長谷川政策調整担当部長 繰り返しの答弁になりますが、事業者は、環境影響評価書において、港区道沿いのイチョウについては、今後詳細な調査により、移植の検討を行うとしています。
○桐山委員 先ほどもありましたように、伐採、移植場所が定めることができなかったら、そこに存置ですよねっていう場合があれば、本当に大きく、そもそもの計画の大きな見直し変更が求められるというふうに思いますので、この件については改めて、また注視をしていきたいと思います。
さらに、青山通りの入り口の明治神宮外苑の看板は、従来のものと変更されています。新しい看板には、これからもずっと四列のイチョウ並木は守りますと書いてあります。
明治神宮は知らないとも読めますが、二列のイチョウを守るのは区道の管理者である港区なのでしょうか。それとも、三井不動産の事業者なんでしょうか。責任の所在が分かりましたら教えていただきたいと思います。
○長谷川政策調整担当部長 繰り返しの答弁になりますけれども、事業者は、環境影響評価書において、港区道沿いのイチョウについては、今後詳細な調査により、移植の検討を行うとしています。
○桐山委員 次に、樹木の移植について伺います。
樹木の移植先は、根の広がりを考えた十分なスペースが必要です。新国立競技場の際は、その周辺に約百三十本の樹木が移植されましたが、移植は根や枝を切断し、樹木に大きなストレスを与えるとされ、移植前の美しい樹形を生かした移植樹は三本しかなかったとされています。それほど移植は難しいというふうに聞いています。
移植する樹木は全部で二百四十二本と聞いていますが、移植計画が一部変更されています。移植による樹木の負担を可能な限り軽減すべく、移植回数を減らすため、一回で移植する木と、二回設ける木がありますが、その理由と木のおのおのの本数、移植による樹木保全には専門的な知識が必要ですが、都では、誰がどのようにして確認をしているのか伺います。
○長谷川政策調整担当部長 事業者は、評価書において、移植木の一部については、一旦仮移植を行った後、各施設の段階整備に合わせ、最終的に本移植を行うとしています。
事業者は、事後調査報告書において、建国記念文庫エリア及び第二球場エリアの移植木九十四本のうち、本移植は七十四本、仮移植は二十本としています。
移植方法や配慮事項については、事後調査報告書として審議会へ報告され、助言等をいただいております。
○桐山委員 十月二十八日月曜日に三井不動産は、建国記念文庫の樹木の伐採を始めました。そこで、ラグビー場棟の敷地内の変更について具体的に伺います。
建国記念文庫の樹木は、絵画館前へ二十四本、神宮外苑前広場へ七本、それぞれ本移植し、神宮外苑苗圃へ九本仮移植することとしていますが、本移植する樹木と仮移植する樹木との選別の基準が分かれば教えてください。
○長谷川政策調整担当部長 事業者は、評価書において、移植木の一部については、一旦仮移植を行った後、各施設の段階整備に合わせ、最終的に本移植を行うとしています。
○桐山委員 移植先は、樹木の根の広がり方を考えた十分なスペースが必要ですが、十分なのかどうかは、都は、どのようにして確認をするのか伺います。
○長谷川政策調整担当部長 事業者は、例えば御観兵榎エリアへの移植については、樹木医とも相談の上、事前に現地の状況を確認し、植栽地内でも十分に樹木同士の離隔が確保できる場所を選定しているとしています。
移植計画等については、事後調査報告書として審議会へ報告され、助言等をいただいております。
○桐山委員 本移植後、移植前のように樹木が生育することの専門的な知見による確認は、どの業者がされるのでしょうか。三井不動産の下請企業なんでしょうか。ご存じでなければ回答されなくても結構なんですが、そこまで確認されておられるなら、ぜひお聞かせください。
○長谷川政策調整担当部長 事業者は、移植に当たり、樹木医による毎年度のモニタリングや、病虫害防除等を実施し、その状況について、事後調査報告書で報告するとしています。
○桐山委員 この受理報告に関わる助言事項の一覧の中でも、委員の先生方からのご意見の中でも、やはり移植計画が変更になって、移植樹木により樹木の密度が過密になったり、その後の光とか水とか土壌の環境が悪化することは生じないですかというような質問といいますか、そういうことがお示しをされております。
これを読ませていただく中でも、やはりその移植後の土壌の関係だったり、光とか水とか影とか、そういったことの懸念材料がある中で、やはり科学的根拠が回答の中でも読み取れなかったんですよね。
今後、科学的根拠に基づいて調査をされるということっていうのは引き続きあるんでしょうか。
○長谷川政策調整担当部長 先ほどの繰り返しに近い答弁になりますけれども、事業者は、移植に当たりまして、樹木医などによるモニタリングを行うと。それから、病虫害防除等を実施すると。それについては、環境影響評価における事後調査報告書の中で報告するというふうにしています。
○桐山委員 毎年度のモニタリングの中身が、どういう項目があって、どういうふうに示されていくのかっていうことが分からないんですよね。
今日は、ちょっと時間がないので割愛していきますが、では、次に行きます。
十月二十一日にアセス審議会での報告から、すぐに新宿区に伐採の許可申請され、二十五日に許可となりました。まあ、物すごいスピードだなというふうな感想を持っているんですが、樹木の移植は非常に難しいことですが、新宿区の伐採許可に当たって、東京都は、新宿区に対して、アセス審議会の審議の状況や都の対応決定などについて連絡をされたと思うんですが、具体的にどのような連絡を行ったのか伺います。
○長谷川政策調整担当部長 都の環境影響評価審議会は、公開の下、行われております。
○桐山委員 環境影響評価審議会は、公開をされていることっていうのは理解をしているんですけれども、私が申し上げているのは、この十月二十一日のアセス審議会の報告から、新宿区に伐採許可申請があって、二十五日に許可って物すごいスピードだな。それで、伐採日程ですよね、二十八日に伐採着手まで僅か一週間なんですよね。
新宿区も、事業者も、事前の審査や伐採業者との打合せや人手の確保など、準備がなければ、このように段取りよく一週間で伐採着手まで行き着かないと考えますが、このスピード感で伐採するということは、東京都、新宿区、事業者の間で事前に打合せがあったんでしょうか、伺います。
○長谷川政策調整担当部長 新宿区役所等における手続等であり、都としてお答えする立場にございません。
○桐山委員 そうですよね。先ほど、図書ですよね。変更届と事後報告書の提出っていうところでも、審議会のメンバーは事前に読み込んでいただいて、意見をもらったということで、新宿区はっていうふうに伺ったときに、そこは審議会を受けて公開しているということだったので、本来だったら、そこで初めていろんな中身については分かるのかなと思うんですけれども、これ、新宿区についてはお答えできないということなんですが、じゃあ、事業者は新宿区に、例えばその図書を渡しているとか、事前に打合せをしているということ自体も聞いていないということの認識でよろしいですか。
○長谷川政策調整担当部長 事業者のお話でありまして、都としてお答えする立場にございません。
○桐山委員 東京都においても、その新宿区の状況とか、これからも港区の状況もあろうかと思いますけれども、やはり関連している区ですとか、あるいは事業者もそうですけれども、やはりその辺は情報共有した方がいいんじゃないですか。私たち全く関与していませんという話ではなくて、やはりこういう疑問があるわけですよ。なので、それに対して、お答えいただけるようにしていただきたいなというふうに思います。
神宮外苑については最後ですけれども、今回の新ラグビー場棟の変更に伴う変更届が提出されたものではありますけれども、今後、新神宮球場の設計変更や絵画館前広場のテニスコートの配置の変更、中央部分のオープンスペースの幅を狭めたことによる変更、こっちは都市計画変更になるかもしれないんですが、神宮球場の設計変更がある中で、環境に著しい影響を及ぼすおそれがある場合には、再アセスをする必要があると思いますが、見解を伺います。
○長谷川政策調整担当部長 環境影響評価手続につきましては、事業者から環境影響評価図書が提出され次第、条例に基づき適切に進めることになります。
○桐山委員 この神宮外苑再開発の問題については、我々は常々、この都市公園に大規模な開発は非常に無理があるというふうに考えている立場です。
緑の保全ということでも、なかなかアセスっていうと、環境局が所管をするので、お答えをいただく場面が多いと思うんですけれども、やはりまちづくりの視点からいえば、今の現存の緑を残して、さらに増やしていくというのが、今の世界各国を見てもそのような状況になっておりますが、やはり今ある木を切って増やせばいいっていう話ではないというふうに思うんですね。
超高層ビルが建つまちづくりが本当にいいのかどうなのか、首都直下地震が起こった際の災害対応も含めて、やはりまちづくりの中で、やっぱりその都民に開かれて、そして先ほどから何度も出ております都民の理解と共感を得られるように、やはり真摯に寄り添いながらそういったまちづくりっていうのは進めていかなきゃいけないと思うんです。
まちづくりというと、これ、都市整備っていわれちゃうので、私はそのように思っておりますので、環境の面からは、引き続きアセスの問題についても取り組んでいきたいというふうに思っておりますので、神宮外苑については終わります。
次は、ZEVのことについて伺ってまいります。
CO2削減のために、日本政府は、二〇三五年までに乗用車新車販売における電動車の比率を一〇〇%とする目標を掲げており、それに合わせて公共用の急速充電器三万口を含む充電インフラの数を二〇三〇年までに三十万口設置まで伸ばし、ガソリン車並みの利便性の実現を目指すとしています。
東京都でもZEVの普及に向けて目標基準を定めており、二〇三〇年の乗用車新車販売に占めるゼロエミッションビークルの割合を五〇%までに引き上げる方針です。
電気自動車、ハイブリッド、プラグインハイブリッド、燃料電池自動車、四タイプありますけれども、いずれも電動車の車内に電気をためる、あるいは燃料などを通して電気を生成する能力を持っているため、災害時の非常用電源にもなるということで、災害時支援でも活用されています。
家庭では、さらにV2H機器を利用することによって、災害時に停電が起こっても電気を使えるというメリットがあって、定置型蓄電池を購入するよりコスパがいいともいわれています。
そこで、環境に優しい車やバイクを購入する際の東京ZEV補助金がありますが、これまでの乗用車の新車販売台数に占めるZEVの割合の推移について伺います。
○荒田気候変動対策部長 乗用車の新車販売台数に占めるZEVの割合は、平成三十年度の一・六%から、令和四年度は五・七%に増加し、全国の三・二%を上回る数値となってございます。
○桐山委員 三十年度の一・六%から、四年度は五・七%に増加をしているということでありました。
日本におけるEV、PHEVの新車販売比率は、今のおっしゃっていた令和四年以降、顕著に増加はしているということであります。特に、二〇二二年はEV元年と呼ばれて、多くの自動車メーカーが積極的にEVを市場に投入し、日本のEV普及を大きく促進をしているということであります。
現在、二〇二四年度は有力新車種がなく、減少傾向だということもいわれている中で、補助金が手厚くても、実際に好まれる車種がまだまだ少なく、もちろん車体本体価格も高い状況は変わらないのですが、後に自動車業界のことに触れますが、国内においてのEVの販売にも課題があるように見受けられます。
EV車を購入するには充電設備が必要です。充電設備の補助について伺ってまいりますが、東京都では、世帯の約七割がマンション等の集合住宅等に居住されており、そうした方にとっては、充電設備の有無がEVオーナーや、これから乗り換える居住者の利便性を左右させるというふうにもいわれています。
これらの設置状況と課題について伺いたいところですが、先ほども答弁が出ておりますので割愛しますが、累計で二千九百五十九口ついているということであり、管理組合の合意形成とか、あるいは費用負担の問題とか、機械式駐車場への対応等が課題として挙げられているということであります。
来年度からは、このEV充電設置に関する義務化ということで、条例で全国でも初ということで、東京都内の新築建物にこういった充電設備も、太陽光も含めてですけれども、義務化がされます。
既存のマンションへのこの充電設備の設置を促進する必要があると思いますが、都は、課題の解決に向けて、どのように取り組んでいるのか伺います。
○荒田気候変動対策部長 都は、集合住宅に対して、充電設備の設置の検討段階や導入段階、運用段階に応じ、様々な支援を行っております。集合住宅の合意形成については、管理組合等を対象とした充電サービス事業者とのマッチング会などを令和四年度から実施しております。
また、導入段階では、充電設備購入費用と設置工事費用の助成を行っておりまして、機械式駐車場の設置への補助上限額の引上げ等も令和五年度から実施しております。
○桐山委員 まだまだマンション住民の方々にとっては、EV車、買っても、充電設備がないとやはり持てないわけでありまして、こういったことをしっかりと今後も、合意形成の難しさという状況もあるとは思うんですけれども、積極的にアプローチしていく必要があると考えます。
電気自動車は、走るときには一切CO2を出しませんが、電気自動車が走るために電気を火力発電で発電していればCO2は出ます。精製したガソリンをタンクローリーで運ぶときにもCO2は出ます。タンクに燃料を注いでから走るまでのタンク・ツー・ホイールという考え方ではなくて、燃料採掘から車両を走行するまでのウェル・ツー・ホイールという自動車のエネルギー効率を示す指標でCO2を下げていくという考え方にシフトして、燃料の脱炭素化を図っていくことが重要だと考えております。
日本の電力のおよそ七割が火力発電でつくられており、国で電気自動車が火力発電で走って、CO2排出量がゼロになることはありません。
一方、自動車業界は、現在カーボンニュートラル、温室効果ガスの実質的排出ゼロのため、一気にバッテリー駆動の電気自動車へ向かうのではなくて、いろんな道があるんだということで、多くのメーカーがいい出しています。
使用済食用油や微細藻類の油脂というサステーナブルな原料から製造される次世代バイオディーゼル燃料は、従来のバイオディーゼル燃料と比べて、食料競合のような問題がなくて、また、軽油の代替燃料として既存の車両設備をそのまま活用できるため、燃料の供給に関連する追加インフラを必要としないカーボンニュートラルの実現へ優れた液体燃料ということで期待をされております。こういった自動車業界の取組も支援する必要があるのではないかというふうに考えています。
今年、日本で初めて、公道で電気自動車レース、フォーミュラEが有明で開催されました。こちらは、主催局は産業労働局になりますけれども、同時開催したE-Tokyo Festival 二〇二四の開催としては、ZEVの推進を挙げて、ZEVに触れ、体験し、環境に優しい東京の未来が実感できるイベントとされておりました。
他局とはいえ、環境局として目標を定めていることから、環境局も一緒に取り組む必要があると考えますが、見解を伺います。
○荒田気候変動対策部長 ZEVの普及促進に当たっては、主要なディーラーを通じて、来店者への補助制度の積極的な周知を図るほか、都民に身近なイベント等を活用して、環境性や静音性など優れた点のPRに努めております。
○桐山委員 このフォーミュラEは、来年度五月にも、もう開催されるようなことが決まっているようでありますので、報道で見ましたけれども、ぜひこういったE-Tokyo Festivalを同時開催していて、やはり個人の方々が、やはりそのEVの自動車に触れるいい機会だと思いますので、環境局も一緒になって取り組んでいただけたらいいなと思っております。ZEVは終わります。
次に、一般廃棄物、ごみ処理について伺います。
二〇三〇年カーボンハーフ、二〇五〇年ゼロエミッション東京実現を目指す東京都として、ごみを減らし、ごみ処理によって排出されるCO2を削減することは喫緊の課題であると考えます。
私は、全都で容器包装プラスチック及び製品プラスチックのリサイクルを促進し、プラスチックを燃やさない取組を最終目標として上げるぐらいやってもらいたいと考えています。
かつては、廃プラスチックの焼却熱を利活用して、燃やせば資源だというサーマルリサイクルの考え方で整理をされて対応してきたこともあり、プラスチックの分別が進まない背景にありましたが、現在の都の見解を伺います。
○宗野資源循環推進部長 都は、分別収集を強力に後押しするため、令和二年度から、プラ製容器包装等・再資源化支援事業を通じた財政支援や技術的支援などにより、分別収集の拡大を促しております。
○桐山委員 二〇二〇年第一回定例会の私の委員会質問の答弁では、サーマルリサイクルと容器包装リサイクルにおけるCO2の排出量の比較や、将来的に容器包装リサイクルを進めた場合のCO2削減効果の推移を検証するため、専門家の知見を得ながら調査を行い、その結果、容器包装リサイクルにおいて、焼却が避けられない一部の残渣を考慮しても、サーマルリサイクルと比較して二割から三割のCO2削減効果があるとの試算が得られました。
その結果を基に、都は、家庭系プラスチックごみの減量やリサイクルに向け、令和二年度から、区市町村がプラスチック製容器包装や製品プラスチックの分別収集を新たに開始する場合やレベルアップに取り組む場合、技術的や財政的な支援を行っており、令和六年四月時点では、二十一区二十六市町に拡大をしているとのことであります。
技術的支援と財政的支援を拡大したことによるリサイクルによる環境負荷の削減効果について伺います。
○宗野資源循環推進部長 支援開始前の令和元年度と令和四年度に日本容器包装リサイクル協会に引き渡した廃棄プラスチック量から、前回同様の前提で試算をいたしますと、その累計のCO2削減量は、約一万トンから約一万五千トンとなります。
○桐山委員 我が西東京市は、この日本容器包装リサイクル協会に引き渡しているんですけれども、聞くところによりますと、二十三区内の中では、この容リ協会に引き渡していない、直接契約をしている事業者もあるというふうに聞いておりますので、そこは入っていないということで理解させていただきます。ということは、さらに試算をすると、削減効果は出ているんだっていうことが分かると思います。
プラスチック削減プログラムについては、どのように取り組んでいるのか見解を伺います。
○木村資源循環計画担当部長 都は、二〇三〇年までに家庭と大規模オフィスからのプラスチック焼却量を二〇一七年度比四〇%削減する目標を掲げております。
この実現に向けまして、市区町村によるプラスチックの再資源化の支援や事業者と連携した新たなビジネスの創出を後押しし、2Rと水平リサイクルの社会実装を促進しております。
○桐山委員 多摩地域では、新たな最終処分場を確保することは極めて困難であり、現処分場の延命化のため、各自治体が協力して、ごみの減量に向けて、家庭ごみの有料化、分別の徹底、リサイクルなど様々な取組を進めてきております。
家庭ごみの有料化は、住民のごみの減量への意識改革をはじめ、経済的インセンティブによるごみの減量とリサイクルの推進や、排出量に応じた負担の公平化を図る意義があると思いますが、二十三区では、この議論はどこまで進んでいるのか伺います。
○宗野資源循環推進部長 特別区は、令和二年度に重点項目を定めて調査研究を取りまとめて以降、多くの区では、ごみ減量に向けた取組として、容器包装プラスチックの資源化や食品ロス削減の対策を進めるほか、廃棄物処理法の一般廃棄物処理計画に、十七区が家庭ごみの有料化を検討課題に掲げております。
○桐山委員 十七区が現在、一般廃棄物処理計画に家庭ごみの有料化を検討課題に掲げているということが分かりました。
既に多摩地域においては、先ほども申し上げましたごみの有料化ということで、ごみ袋を買っているわけでありますけれども、やはり多摩地域は、さらにその最終処分場の延命化も含めて、もう様々なごみの分別もしております。
先ほどもあったように、容器包装リサイクルプラの回収は、多分、多摩地域はすごく進んでいて、二十三区は遅れておりますが、今かなりの数の、進んでいたということを申し上げたところなんですけれども、やはり今後、その製品プラスチックの取扱いっていうことで、逆に今は多分、補助金の関係で二十三区の方が、容リプラと製品プラと同時に回収をされているということも伺っているので、進み始めているんだと思うんですが、改めてまた多摩地域においても、そういった補助も残っているようでありますので、こういった製品プラスチックの取扱いについても後押しを引き続きお願いしたいというふうに思います。
次に、事業系ごみについて伺います。
生活の場である区市町村における3Rの取組と、働く場である事業所における事業系のごみの3Rの取組については、困惑する現況であるといわざるを得ません。
過去に同様の質疑をしましたが、都内の事業系の施設では、3Rの取組が必ずしも十分とはいえない状況です。都内のオフィスビルを対象に、事業系廃棄物の3Rの推進に向けて取り組むとしてきました。オフィスビル等の事業者に対し、廃棄物に関する知見を有するアドバイザーによる各施設に適した効率的な分別、リサイクル等に向けた助言等を試行的に実施をして、実施に当たっては、オフィスビル等の廃棄物排出実態等を把握、分析し、課題等を整理した中で、現場における事業者と双方向の対話を通じた的確な助言等を行っておりますということでありました。
私がその問題意識を持って質問してから、そのような答弁をもらってから四年経過したんですけれども、現在どのような取組が行われているのか伺います。
○木村資源循環計画担当部長 都は、オフィス等に3Rアドバイザーを派遣し、リサイクルボックスの効果的な配置や、分別の周知のための分かりやすい掲示物の掲出方法等について助言を行っております。
また、市区町村が開催する排出事業者向けの講習会にアドバイザーを派遣し、リサイクルに資する分別方法等を啓発しております。
○桐山委員 ぜひ事業系のごみ、家庭ではしっかり分別しているんだけれども、会社に来たら、途端に何かごみ分別意識が低下するということのないように、できるだけこういったアドバイザーを派遣したり、そういったところで後押しをしていただきたいなというふうに思います。
東京都と区市町村との連携による廃食用油の有効利用促進事業について、廃食用油回収に取り組む区市町村と連携をして、回収量拡大の推進をしております。
現在、区市町村の取組事例などを踏まえ、支援状況について伺います。
○宗野資源循環推進部長 都は、市区町村における廃食用油の回収拡大に向け、繰り返し使用可能な専用の回収容器の購入や、遡及効果の高い広報紙の配布などに係る経費を対象に、二百万円を上限として補助をいたしております。
○桐山委員 私の住む西東京は、廃食用油の戸別収集に取り組んでいて、多分ちょっと先進的な取組かなというふうには思って、戸別で、家の前に、ペットボトルに廃食用油を入れて回収してもらうという取組なんですけれども、事業者にそのまま売り払って、その先はSAFだったり、石けんになったりというふうに伺っているところです。
こういった取組をどんどんやっていく必要があると考えていて、こういった支援拡大っていうものは、引き続き取り組んでいっていただきたいなというふうに思います。
最後ですけれども、廃食用油の回収を行うためには、市民への周知など幅広く展開をしていく必要があります。多くの自治体や企業との連携も必要になりますが、企業と連携した回収の取組についても伺います。
○宗野資源循環推進部長 都は、昨年度から、都内のスーパー等で専用容器を用いて家庭から回収する事業者や、商業ビル等からの回収拡大を図る事業者と連携をいたしまして、廃食用油を活用したSAFの普及拡大を促進しているところでございます。
○桐山委員 ありがとうございました。廃食用油で結構、今SAF、飛行機は廃食用油が燃料になるんだっていうことも含めて、非常に夢があるというふうに思いますが、こういったことの取組っていうことで、やはりどうしても廃食用油って、まだまだ固めてしまったりとか、吸ってしまって、そのまま普通の可燃ごみとして捨ててしまうっていうことがまだ現状であると思います。
例えば、うちの西東京市の例でいくと、今後、例えばそういう拠点回収みたいな、今おっしゃっていた企業と連携をして、都内のスーパー等で集めているっていうことが、東京都で支援をしてもらって、そういう拠点がたくさんできるとしますよね。
そうしたときに、じゃあ、西東京市の、今度、食用油って一応売り払って、また歳入があるわけでありまして、そういう活動をすればするほど、またそれはそれで市にとっては歳入が減るということもあるんですけれども、でも、やはりそういう使った油が様々な新しい次世代燃料としても生まれ変わっていくんだよということも、広く都民の方々に知ってもらうということは重要だと思っておりますので、引き続き支援をよろしくお願いしまして、私の質問を終わります。
○漢人委員 今日、長い委員会、ちょうど私、七人目だから半分ということで、折り返しになりました。
四点のテーマで質問したいと思っています。気候危機対策、生物多様性地域戦略、神宮外苑再開発事業、産業廃棄物処理施設ということで質問いたします。
まず、気候危機対策なんですけれども、二〇一六年以後の八年間、小池都政のこの八年間の気候危機対策を問うということですね。
小池都政は、二〇一五年のパリ協定の翌年の二〇一六年にスタートをしまして、八年が経過をしています。二〇一九年には、ゼロエミッション東京戦略を策定し、気候危機対策を強化してきました。この間の気候危機対策の成果を検証したいと思います。
まず、エネルギー消費量についてです。
二〇一六年から二〇二二年までの六年間のエネルギー消費量は、六百十二ペタジュールから五百七十三ペタジュールへと三十九ペタジュール削減しています。このペースのまま削減されていくとすると、二〇三〇年には約五百二十ペタジュールにとどまると予測をされるわけですね。
二〇〇〇年が八百二ペタジュールですから、その半分の四百一ペタジュールには、これ、目標ですね、半減、四百一ペタジュールには、削減量が約百ペタジュールも不足をするということになります。二〇〇〇年比では、たった三〇%削減にしかならないということですね。
そういった中で、さらなる省エネルギー対策の強化が必要だと思いますけれども、検討はされているでしょうか。
○荒田気候変動対策部長 都は、二〇二二年九月に新たな環境基本計画を策定し、業務、家庭、運輸など、それぞれの主体が果たすべき役割と責任を一層明確化するため、二〇三〇年カーボンハーフに向けた部門別のエネルギー消費量削減の目標水準を示しております。
また、その実現に向け、来年度から施行する新たな条例制度をはじめ、各種施策の拡充を図っており、着実に対策を進めてまいります。
○漢人委員 来年度からの新たな取組については大いに期待をします。でも、それで十分っていうことではないと思うんですね。その十分という認識では甘いんではないでしょうか。
例えばということで、今、データセンターの電力消費拡大問題はとても重大だと思いますので、次に、データセンターのエネルギー消費量の拡大と抑制策についてということでお伺いしていきたいと思います。
なお、質問、重複しているものなどありますので、そういったところはちょっと省略をしつつ行きたいと思いますので、ご準備されていた場合、ちょっと違ってくるかと思います。よろしくお願いします。
今後のエネルギー消費の拡大要因としては、人口が増える、世帯が増えるということがあるとは思いますけれども、さらにデータセンターの消費電力量も拡大するということが見込まれています。
政府は、二〇三〇年までにデータセンターの電力消費量は、二〇一九年比で七十から百三十テラワットアワー増加すると推計しています。その電力消費量は、現在の約九百テラワットアワーの八から一四%にも相当しますから、データセンターの電力消費量の抑制は極めて重要な課題だということです。
政府の見通しでも、今後二〇三〇年までに計画されている東京都内のデータセンターは、現時点でも十二か所あります。これらの電力消費量の総計は、九十億キロワットアワー、エネルギー消費量でいうと三十二・四ペタジュールと推測されています。
ということで、今のペースでも、エネルギー消費量は、先ほどいったように百ペタジュールほど削減量不足となりかねないということですね。さらに、三十二ペタジュールも増加をするとなると、二〇〇〇年比の五〇%削減目標の実現というのは、さらに厳しくなると想定されます。
データセンターのエネルギー消費量を抑制する対策が必要ではないかと思いますが、いかがですか。
○荒田気候変動対策部長 都は、環境確保条例に基づく地域における脱炭素化に関する計画制度、建築物環境計画書制度、キャップ・アンド・トレード制度を大幅に強化し、順次開始しております。
○漢人委員 データセンターの電力消費の増加対策ということについては、あまり必要性の認識がないということかなと今の答弁、受け止めます。
現在の全国のデータセンターの平均PUE値は一・七といわれていまして、昭島GLPが今度計画されているわけですけれども、その一・四と想定をされています。これが、ドイツでは一・二を義務化しているそうなんですね。このような対策が必要ではないかと思うんですが、国に対してこのPUE値、これの義務化を求めるということをしませんかということです。
また、国に対して求めるに当たっては、ぜひ先行して東京都としてのPUE値の義務化の条例を検討するべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○荒田気候変動対策部長 都は、環境確保条例に基づく地域における脱炭素化に関する計画制度、建築物環境計画書制度、キャップ・アンド・トレード制度を大幅に強化し、順次開始しております。
○漢人委員 繰り返しの答弁で、そういうのをやるつもりがないと、国へのPUE値の義務化の提案はしないという答弁だったと思うんですけれども、でも、データセンターの電力消費が増加をすることを放置してしまったら、二〇三〇年のエネルギー消費の半減というのは、確実に実現できないんじゃないかなと危惧をするわけです。
もう既に述べましたが、その象徴のようなデータセンター計画が進行しているということで、この委員会でも陳情が提出をされまして、今、継続審査となっているのがGLP昭島プロジェクトです。都内最大ですし、全国でも最大規模のデータセンターです。
このGLP昭島プロジェクトのデータセンターにおける年間の電力消費量は何メガワットアワーと想定をされていますか。そして、それはエネルギー消費量にしては何ペタジュールになるでしょうか。
○長谷川政策調整担当部長 事業者は、環境影響評価書案等において、電力消費量は、最大値として年間約三百六十三万メガワットアワーと予測しており、ジュールに換算すると、約十三ペタジュールとなります。
○漢人委員 このGLP昭島プロジェクトに関しましては、十月二十一日の環境影響評価審議会、神宮外苑もかかったわけですが、こちらのGLP昭島プロジェクトも十月二十一日の環境影響評価審議会で、環境影響評価書案が答申をされました。
審議会では、十三の項目別事項について意見を付していますけれども、特に温室効果ガスについては、生物、生態系に次いで多くを割いて、次の点などを指摘しています。
将来の脱炭素化の推進に向けた方針を定め、最大限の再生可能エネルギーの導入に努めること、再エネの使用についてテナントに働きかけていくこと、事後調査において再エネ使用量も含めた施設の消費電力量について詳細に報告すること、排出される温室効果ガスの排出量が膨大であることからより一層の温室効果ガス削減が求められる、また、データセンターではPUE一・四を目標値としているが可能な限り低い値となるよう努めること、最大限の省エネルギー化をテナントに働きかけていくことというような点です。
これで、知事は、十月二十三日に、この答申とほぼ同じ内容の環境影響評価書案審査意見書を提出しました、既に。ゼロエミッション東京を進める小池都知事としては、この再エネ一〇〇%とか、データセンターの電力使用効率を示す指標であるPUEについて、ドイツのような一・二というような数字、こういったことにするなど、六年後の二〇三〇カーボンハーフ実現のために求められる具体的な数値目標を含む意見書とするべきだったと思いますが、審査意見書になぜこういった数値目標を入れなかったのでしょうか。
○長谷川政策調整担当部長 評価書案に対する審査意見書は、審議会における専門的立場からの調査審議を経て出された答申を踏まえ、作成するものでございます。
○漢人委員 審議会の答申を尊重するのは当然のことなんですけれども、ゼロエミッション東京を掲げていて、二〇三〇年エネルギー消費の半減を目指しているという、そういう都としては、その確実な実現に向けて、目標数値を入れるべきでした。全く違うものを出したら、それは審議会軽視ですけれども、方向性において、より強化するということであれば、私はそれはぜひ行うべきだったというふうに思います。
それで、二〇二四年六月には、今年の六月ですね、国への提案として、データセンターなどの電力多消費産業に対応した供給構造の変化に対して速やかに対策を講じることということが記載をされていました。
これは、この供給構造の変化に対して速やかに対策を講じることとあるんですけど、これ、何を意味しているのか、エネルギー消費量の抑制ではなくて、電力供給の拡大を求めているのか、ちょっと意味が分からないので、教えていただけないでしょうか。
○荒田気候変動対策部長 本提案要求は、需要シフトを通じて電力の安定供給に貢献するなど、エネルギー需給の安定化に向けた対応を要望するものでございます。
○漢人委員 ちょっとやっぱり分からないんですね。需要シフトを通じて電力の安定供給に貢献する、同じことを聞きますが、この意味が分からないんですけど、これは需要拡大に対応できるように電力供給の拡大を求めていると、そのように理解していいですか。
○荒田気候変動対策部長 この提案要求は、需要シフトを通じて電力の安定供給に貢献するなど、エネルギー需給の安定化に向けた対応を要望するものでございます。
○漢人委員 同じことを繰り返していただきました。私の理解力が悪いのか、全然分かりません、残念ですが。これは皆さん、お分かりになりますかね。私にはちょっと理解ができません。もうちょっと分かりやすい形で国への提案、出していただきたいし、答弁をいただきたいものだなと思います。
多分、繰り返しで質問しても同じ答えになると思いますので、私としては、来年度の国提案では、そのPUE値の義務化というのをぜひ提案していただきたいというふうに求めておきたいと思います。
データセンターの電力消費の増加を放置したら、これは東京都だけじゃない、国としても、世界的にも、二〇三〇年のエネルギー消費の半減というのは確実に実現はできないということを危惧しておりますので、ぜひお願いしたいと思います。
次に、温室効果ガスの削減について伺います。
東京都の温室効果ガスの排出量は、二〇一六年は六千四百三十五万トン、二〇二二年は五千九百四十五万トンですから、六年で四百九十万トン削減をしています。でも、このペースのままの削減で進むと、二〇三〇年には五千二百九十二万トンとなりますので、二〇〇〇年が六千二百二十万トンですから、その半分の三千百十万トンにするには、削減量が二千百八十万トンも不足することになるわけですね。これは約一五%削減にしかなりません。五〇%削減を目指しているのに、約一五%にしかならないということです。
ゼロエミッション東京戦略策定後も特に大きな改善はなく、二〇三〇年のカーボンハーフの達成は、とても厳しいといわざるを得ないと思います。
伺いたいんですが、二〇一九年以降に様々な対策が取られていますが、その効果が出るのはこれからです。しかし、効果が出るか出ないか、その二、三年後の結果によって、不十分なことが明らかになってから、あっ、さらなる対策強化をしなくちゃなということで行っても、それじゃあ、もう二〇三〇年のカーボンハーフには間に合いません。さらなる対策の抜本的強化が必要だと思いますが、いかがでしょうか。
○荒田気候変動対策部長 都は、二〇三〇年カーボンハーフの実現に向け、来年度から施行する太陽光パネルの設置義務化やキャップ・アンド・トレード制度の強化など、条例制度をはじめ、各種施策の拡充を図っております。
○漢人委員 ですから、そのような対策の効果を否定しているわけではないんですね。だけど、それじゃあ、十分じゃないんじゃないかということが、もう既に予測されるのではないか。
だから、今やろうとしているおっしゃられたようなことは着実に進める上で、さらにその先を含めて対策強化をしていかなきゃいけないというふうに思いますので、ぜひそれは、いろいろそうやって思われている方、多いと思うんです。ぜひお願いしたいと思います。
参考にというか、ドイツでは全ての新築建物に対して、原則として太陽光発電が義務づけられています。来年度実施となる再エネ拡大策としての新築住宅の太陽光発電の義務化について、新築に占める太陽光発電設備容量の義務化の比率をアップする。さらには、対象事業者の拡大などを進めるなどの対策強化の検討を始めるべきだと思いますが、いかがですか。
○関建築物担当部長 家庭部門におけるCO2削減等を推進するため、令和四年十二月に条例改正を行い、建築物環境報告書制度を創設いたしました。
施行となる令和七年四月から、本制度を着実に運用してまいります。
○漢人委員 着実に運用プラス、さらにその先を考えていただきたいということです。
次は、EV、ZEVですね、東京でいうと。ZEVの新車販売比率の拡大について伺いたいんですが、これはもう質問が出て、答弁も出ているので、こちらで確認しながら行きたいと思います。
電気自動車を含むゼロエミッションビークル、ZEVの新車販売台数については、全国ですと乗用車の新車販売台数に占めるZEVの割合は、二〇一八年、平成三十年の一・六%から、二〇二二年度、令和四年度は三・二%に増えていると。
そして、東京都については、ZEVの割合は、二〇一八年度の一・六%から、二〇二二年度は五・七%に増加をしていて、全国を上回る数値だということ、先ほど答弁ありました。
だけど、東京都では、二〇一八年度から二〇二二年度までの四年間で三・一%増加をしているわけですけど、これも同じこと、このままのペースで推移したとしても、二〇二二年からの八年後の二〇三〇年のZEVの販売比率は一二%にしかならないということになります。
ですから、ZEV化はCO2削減にとって本当に重要な課題なんだけど、現状では三%と低いわけですから、新車販売台数のZEV比率の増加が見込めない状況もあります。
二〇三〇年のZEV新車販売五〇%実現のためには、現状の対策では不十分だと思われますが、さらなる対策の強化についてお伺いします。
○荒田気候変動対策部長 ZEVの普及拡大に当たっては、令和五年度から販売実績の高い自動車メーカーから購入する場合、助成額を上乗せしております。
また、集合住宅の充電設備の設置に向け、令和五年度より、管理組合の検討段階や導入段階、運用段階に応じた様々な支援策を行っており、ZEVの普及促進につながる施策を実施してございます。
○漢人委員 EUでも新車販売のZEVの比率は鈍化をしているんですね。だけど、イギリスでは二〇%と高い比率を維持しているということなんです。
その理由としては、イギリスでは新車販売のEV販売額比率を法的に義務づけをしていて、少しずつ引き上げているからだというふうに評価をされています。罰則として一台当たり三百万円とのことなんです。
日本でも補助金だけではなくて、何らかの義務化が必要だと思いますけれども、これについて国への提案をしてはいかがでしょうか。
○荒田気候変動対策部長 都は、購入時の補助の拡充のほか、新たな優遇制度の創設や規制的手法の導入など、より積極的な政策展開を行うことを国に提案しております。
○漢人委員 ありがとうございます。規制的手法の導入について提案をしているということで、なかなかそこに踏み込まないところがあるんですが、これは絶対必要だということで歓迎をしたいと思います。
日本の気候危機対策は補助金による誘導が中心で、EUのような義務化とか規制強化の対策が極めて不十分な現状なんですね。
つい最近発表された国連環境計画の排出量ギャップ報告書二〇二四では、現状の対策では、二一〇〇年に最大三・一度Cまで上昇すると予測をされています。
また、NDC、温室効果ガスの排出量削減目標の適格性を評価する分析では、複数の独立機関の調査報告書を比較する形での評価をしていますけど、日本は三つの機関ともに目標達成はできないというふうに評価をされています。対策の強化が必要だと指摘されているわけですから、東京都のさらなる対策強化を求めておきたいと思います。
また、この温室効果ガス削減についての質問で、最後にもう一点指摘しておきたいんですけれども、国際金融市場のグリーン度を評価するグローバルグリーンファイナンスインデックスというのが二十四日に公表されました。
世界の金融市場でのグリーンファイナンスの普及状況を半年ごとに評価しているものですが、今回の評価は、東京は前回、一気に七ランク下落し、過去最低の四十一位だったが、今回はさらに一つ下げて四十二位、東京外環再開発問題で、グリーン軽視の都行政と開発業者主導のまちづくりが金融市場から嫌われ続けている状況だと報告されているんですね。
東京都は、サステーナブルファイナンスの推進というのを打ち出していますけれども、国際的な評価では遅れていると、逆行しているということを指摘しておきたいと思います。
この気候関係の最後の質問は、エネルギー貧困について、気候変動適応計画についてです。
この質問も、さらに先にされている方が、既にされている方がいらっしゃるので、少しはしょって質問しますけれども、今年の夏の六月から九月の都内の熱中症死亡者数は、二十三区については、東京都監察医務院の速報値によって、二百六十二人だということが発表されています。これはホームページを見れば分かるんですね。
今回、私も多摩・島しょ地域について伺いたいと思ったんです。発表されていないけど、きっと東京都では分かっているんじゃないかなと思って伺いたかったんですけど、これは結局、監察医を置くべき地域に定められていないことから、把握に時間がかかるため、まだ実績が公表されていないということでした。都内では共有されているのかなと思ったら、そうでもないんですね。
多摩・島しょ地域の熱中症死亡者は、一昨年は八十七人、昨年は六十三人ですから、今年の夏の熱中症の死亡者は、多摩・島しょ地域を含む東京都全体では、これは三百人は確実に超えるということになると思われます−−ですよね。
それで、質問ですけれども、昨年の夏の熱中症死亡者の八割は、室内でエアコン不使用状態で亡くなっています。生活保護問題対策全国会議というのがあるんですけど、こちらは今年、先月九月十三日に、二〇二五年度の生活保護基準額改定にあたって大幅な増額と夏季加算創設等を求める要望書というのを厚労省へ提出をしています。夏季加算の要望というのは初めてのことです。冬季加算はありますけど、夏季加算はないんですよね、生活保護にはね。
しかし、気候変動適応計画の熱中症対策には、エネルギー貧困世帯への支援が記載されていません。気候危機の進行によって、今後とも夏の暑さの苛酷化というのはもう必至です。
環境局として、福祉局との連携を一層強化して、政府への提案も含めたエネルギー貧困対策に取り組むべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○関建築物担当部長 熱中症対策の推進につきましては、高齢者など特に暑さへの配慮が必要な方への対策について、福祉局と連携して区市町村等にも周知するなど、全庁的な推進体制の下、様々な取組を進めております。
○漢人委員 その様々がちょっと不十分だということで指摘しているんですけれども、来年度は、国への提案でこの夏季加算を東京都として求めるということを、これ、ぜひ環境局から働きかけて実現をしていただきたいというふうに思いますので、これは強く要望して、次の質問に行きたいと思います。
次は、生物多様性地域戦略のアクションプランについてです。
国連の生物多様性条約締約国会議COP16がコロンビアのカリで十月二十一日から開催されていて、明日十一月一日が最終日を迎えるということになっています。
二〇二二年のCOP15で、陸や海などの三〇%以上を保全するサーティー・バイ・サーティーなどが盛り込まれた二〇三〇年までに生物多様性の損失を止めて回復させるネーチャーポジティブを掲げた国際目標が採択されていますが、今回のCOPは、各国の取組などの評価方法が焦点となっていると報道されています。
東京都の生物多様性地域戦略と、それに基づくアクションプランが昨年策定されました。アクションプランは、今年初めて、その更新が行われたわけですね。この評価方法がCOPでも課題ということですが、私は今回アクションプランについても、この評価方法が課題だということを強く感じていますので、その点を指摘する形での質問をしたいというふうに思います。
まず、六月二十一日の自然環境保護審議会計画部会では、報告事項として、アクションプランが議題となっていますが、審議時間はたったの三十分程度のようです。
アクションプラン更新に向けた庁内推進会議はどのような手続をしてきたのか、また、事業の推進に向けて区市町村所管部署との連携、多様な主体との連携など、地域戦略の進行管理で掲載されているそういった手続は、どのように進められたのかをお伺いしたいと思います。
○宮武自然環境部長生物多様性担当部長兼務 アクションプランの更新に向けては、昨年九月及び本年四月に庁内推進会議を開催いたしました。
また、地域戦略の推進に当たっては、生態系の保全、回復や外来種対策など、プランに掲げた施策ごとに、区市町村をはじめ、多様な主体と日頃から意思疎通、連携を図りながら取組を進めております。
○漢人委員 これも十分なのかなというところを詰めたいところではあるんですけど、時間がないので、またの機会にしたいと思いますが、その六月二十一日の審議会では、今回は初めての更新版のため、部会からの助言を受けて、必要な修正を行い公表する予定と説明をしています。修正はあったのでしょうか。あればその概要をお伺いします。
○宮武自然環境部長生物多様性担当部長兼務 本年六月の審議会計画部会では、プラン案の修正に関する意見はございませんでした。
○漢人委員 三十分の報告と質疑なので、そうかなとは思いました。
それで、アクションプランのはじめにというところに、新たな取組を盛り込むとともに、取組を強化と書かれています。新規事業は十九と思われますが、強化した取組はどのようなものがあるのかをお伺いします。
○宮武自然環境部長生物多様性担当部長兼務 例えば、保全地域における生物多様性に配慮した保全管理では、新たに樹木の老木化、樹勢が弱った樹林は若い樹林に再生する取組を開始したほか、希少種保全対策や外来種対策などを強化しております。
また、ニホンジカの個体数管理及び被害防除では、これまで雲取山及び高尾山一帯で取り組んできた指定管理鳥獣捕獲等事業を今年度から檜原稜線部でも実施することとしております。
○漢人委員 例えば、こういったことが、このアクションプランを見ても分からないんですよね。新規事業は分かるけど、どこが強化されたのかということが分からない。これも来年度に向けて課題としていただきたいと思います。
それで、次、二つまとめて質問しますけれども、アクションプランには前年度の実績と当年と翌年の計画が掲載されています。三年分ですね。この実績と計画というものが、記載のない事業がとても多くあります。十九の新規事業についても、実績、計画の記載があるのは三事業だけなんですね。
地域戦略は、PDCAサイクルで進めるというふうにうたっていますが、この実績とか計画とかの記載のない状態で、PDCAのC、チェックというのはどのように行うのかというのが大きな、私は昨年からの疑問です。
特に、新規事業のうち、環境局所管の事業が五つありますけれども、そのいずれについても実績、計画の記載がありません。なぜでしょうか。
○宮武自然環境部長生物多様性担当部長兼務 記載内容については、それぞれの事業の性質に応じまして判断しております。
また、PDCAのC、チェックにつきましては、アクションプランを毎年度、事業の進捗等を審議会の計画部会に報告して意見をいただくこととしております。
○漢人委員 ちょっと意味が分からない答弁なんですね。審議会に報告して意見を聞く際に、その実績、計画っていう情報がなければ、審議会委員も判断の基準がないわけですよ。それは報告して三十分で、だから終わっちゃうんですね。実績、計画の記載が不要な事業というのは少ないと思うんです。
少なくとも、今回の環境局所管で五つの新規事業がありますけれども、いずれも私からしたら、何でこの実績や計画の記載がないのかなというふうに思います。来年度の更新に向けては、ぜひ実績、計画を記載することを基本とするように求めたいというふうに思います。
それで、新規事業の指標として、生物多様性に配慮、貢献する行動をしている都民割合というのが掲げられているんですね。これ、新たに掲げられています。その生物多様性に配慮、貢献する行動をしている都民割合が、現状として何と九三・七%というすばらしい数値が掲載されています。
でも、これについて、やはり審議会でも質問が出ているんですね。これはどういう数値かと。それに対しての回答が、これは調査会社を通して行ったアンケート調査で測定したとのことです。じゃあ、どんなアンケートだったのかとお伺いしたんですけど、それについては、アンケート項目も結果も非公表ということなので、教えていただけませんでした。
生物多様性に配慮、貢献する行動をしている都民割合が既に九三・七%という、これはうれしいことのようではありますけど、現状、私は絶対違うと思うんです。というか、それはどこに基準を置くかによって違うんですけど、今、アクションプランとして、生物多様性が十分じゃないと、これから頑張るんだというときに数値として掲げるものとして、そんな、どういうアンケートを行ったのか、九三・七%なんていうのを載せてしまう、そのアンケートもおかしいし、この数値もおかしい。
これは、アクションプランを進めていこうという中で示す数値としては全くふさわしくないと思いますが、いかがでしょうか。
○宮武自然環境部長生物多様性担当部長兼務 生物多様性の保全と持続可能な利用を進めるには、全ての都民が生物多様性に配慮、貢献した行動に移すことが不可欠であることから、都は、アンケート調査により、保全活動や消費行動などに関する都民の行動を把握していくこととしております。
○漢人委員 だから、それがふさわしくないっていっているんですけど、九三・七%の都民がしているっていう生物多様性に配慮、貢献する行動っていうのは、どんなことなんでしょうか。
これ、例えば三〇%しかしていないとしたら、そこから一〇〇%を目指す取組、アクションプランとしてどんなことをやっていくかということと、既に九三・七%がしているというところで、あと六・三%上乗せするための取組って全然違いますよね、内容が。三十点しか取れない人が百点を目指すために頑張ることと、もう九十点以上取っている人が百点、逆にいえば九十点取っていれば合格じゃないかと思うんですよ。
これ、アクションプランとして計画をして取り組もうというのに、既に初年度から九三・七%がもうオーケーですよなんて、そんなおめでたいこといっていたら、絶対このアクションプランはうまくいかないと思いますので、この指標については、私は再度設定をすることを強く求めておきたいと思います。
次に、プランの一番最初に掲げられているのが多摩の森林再生なんですね。これ、たまたまなのか、一番最初に掲げられているんですけど、間伐面積について書かれています。
二〇二三年度実績は四百四十一ヘクタールと記載されているんですけれども、昨年の二〇二三年のアクションプランの二〇二三年の計画では六百二十五ヘクタールでした。つまり、計画の七割しか達成できなかったということなんです。この達成状況というのは、これ、今回のこの二〇二四年版だけを見ていても分からなくて、去年の二〇二三年版と見比べて初めて分かるんですね。
この前年度については、実績だけじゃなくて、そもそも計画がどのぐらいで、その達成割合がどうだったかということを記載しないと、計画を取り組むに当たっての判断として間違ってくると思うんですけど、記載するべきではないでしょうか。
○宮武自然環境部長生物多様性担当部長兼務 アクションプランでは、地域戦略の二〇三〇年目標の実現に向けて、各施策の前年度の実績と今年度、次年度の取組を一覧して把握できるように整理をしております。
○漢人委員 だから、それだけでは実際の事業の進捗状況を正しく把握はできないんじゃないですか。前年度計画の達成状況を掲載するということは、これはアクションプランの実効性を高めるために必須だと思いますので、ぜひご検討いただきたいと思います。
この後、二問、ちょっと用意していた質問については、今回は時間もあるので、ちょっと削除したいと思います。すみません、用意していただいて。
次は、審議会では、森林再生事業について、目標に対して各指標とも着実に実績を積み上げているところというふうに説明をしています。森林再生事業について。
だけれども、先ほど、今、指摘してきたように、初年度の計画に対しては、実績の達成状況は七割なんですね。七割しか達成できていないのに、審議会では、目標に対して各指標とも着実に実績を積み上げているところと説明しているんですが、これはちょっと事実と異なる説明ではないでしょうか。
○宮武自然環境部長生物多様性担当部長兼務 多摩の森林再生事業につきましてはこれまで、対象地域九千ヘクタールに対して、昨年度末までの実績が約八千百ヘクタールと、実績を着実に積み重ねてきてございます。
○漢人委員 これも積み重ねた実績を否定してはいません。だけど、単年度で二〇二三年の目標に対して、それを七割しか達成できなかったということは、ちゃんと明確にするべきなんですよ。何年もかけて頑張ってきているし、それは別に、職員の皆さんはしっかり頑張っていただいているかもしれないけど、それでも難しい現状があって、目標の初年度は七割しか実現できなかったということはちゃんと載せていかないと、今後のこの計画や対策は異なってくると思うんですね。載せていくというか、把握をしていかないと、ということです。
それで、私は一番最初の項目について、そういうことで気がつきましたけど、全部を確認することはできませんでした。二〇二三年プランの中で、二〇二三年度の計画が実現できなかった事業というのは、ほかにもあるでしょうか。
○宮武自然環境部長生物多様性担当部長兼務 事業を執行する中では、外部環境の変化や土地所有者などの相手方の事情、労務費や資材価格の高騰による契約不調など、様々な事情があり、事業が計画どおりに進まないケースがございます。
○漢人委員 あると思うんですね。当然あると思うんです。そんな順調にいかないんですから。だけど、それを、何がうまくいかなかったのかっていうことがちゃんと分かるということが大事だと思いますので、ぜひ来年度の計画、アクションプランの更新のときには、そういった項目を設けるように求めたいと思います。
あと、また二つ、保全地域の指定公有化についての質問、ちょっと省略をしたいと思います。
それで、四問質問しなかったんですけれども、事前の意見交換を通して大分理解を深めることはできましたので、ありがとうございました。
最初に述べましたように、COP16でも、これ、評価方法というのが本当課題になっているんですね。この結果も参考にしまして、あした終わりますので、東京都のアクションプランについても、進捗状況をちゃんと把握して表すための実績、計画を各項目について掲載すること、そして適切な指標の設定を求めまして、この生物多様性地域戦略アクションプランについての質問を終わりたいと思います。
次は、神宮外苑再開発事業についてですね。
環境影響評価審議会が十月二十一日に行われまして、神宮外苑地区市街地再開発事業の変更届の受理報告が行われ、都は、環境に著しい影響を及ぼすおそれがあるとは認められないとして、再審査は行われませんでした。
これを受けて、十月二十三日、日本イコモス国内委員会が小池知事宛てに提出していますね。仮称神宮外苑地区市街地再開発事業の変更届の受理・公示に関し、東京都環境影響評価条例第六十三条に基づく、民主的手続き履行の要請というのを提出しました。
イコモスは、十一項目にわたって、環境に重大な影響を与える開発行為に対して、十分な資料の提出が行われず、審議が公明正大に尽くされていないとして、変更届の環境影響評価書案の公示、縦覧、意見書、公聴会を行い、事業者に既に完了している手続の全部または一部を再度実施するように求めています。
イコモスの指摘の十一項目は、全部いうと長くなるので省略しますけれども、イチョウの衰退や新設野球場の地下くい、また保存緑地の日影の評価のこと、また芝生広場や霞ケ丘門の保全、スダジイや秩父宮ラグビー場の十八本のイチョウ、また歩道橋を囲む広場や文化的景観の破壊など、こういった十一項目について、その要請をしているわけです。
このイコモスの指摘、要請への見解をまずお伺いしたいと思います。
○長谷川政策調整担当部長 今回の変更届は、新ラグビー場棟の設計変更に伴って提出されたものでございます。
今回の変更届については、新ラグビー場棟北東部分がセットバックされたことにより、伐採樹木や日影の範囲が減少するなど、いずれの評価項目においても改善、低減等が見込まれることから、今回の変更が環境に著しい影響を及ぼすおそれがあるとは認められず、このことについては、専門家から成る審議会においても適切であったと確認されております。
○漢人委員 この環境影響評価審議会の在り方なんですよね。今回は、変更届が出されたその変更届の内容に関してのみ、元の評価書に対して影響がどうかと、環境に著しい影響を及ぼすおそれがあるかどうかということなので、このイコモスについては、そもそもその評価の過程がおかしいということを以前から指摘をしていたので、それも含めての今回の要望という形になっているということだと思います。
そして、多くの市民は、この神宮外苑再開発に関しては、今回の変更届だけを問題にしているのではなくて、やはりそもそもの計画自体が見直すべきだというふうに考えているということで、その辺のそごが、東京都としては適正な事務をやっているということになるとは思うんですけれども、今、それを超えた状況が進行しているんだというふうに思います。
それで、もう一つ伺いたいのは、環境影響評価条例の第六十三条に基づいて、再審査が行われた事例は今まであるでしょうか。あるとしたら、どんなものかお知らせください。
○長谷川政策調整担当部長 環状二号線建設事業、虎ノ門ヒルズ再開発等事業、豊洲新市場建設事業に関する環境影響評価について、再実施が行われた例がございます。
一つ目の事業につきましては、地下方式での建設を予定していたところ、地上での平面構造に変更することとしたためでございます。
二つ目は、建築物は四棟の建設を予定していたところ、三棟に変更したことなどにより、構造に大幅な変更が生じたためでございます。
三つ目は、土壌汚染対策工事等の大幅な変更が生じたためでございます。
○漢人委員 ありがとうございます。環境影響評価条例ができてから、まだ三回しか再審査が行われた例がないということが分かりました。
いずれも、すごくもう事業の形態が本当に相当に大きく変わる、地下だった道路が地上に出るとか、本当に大きく変わるものということなので、それはそうだと思うんです。
ただ、今回、神宮外苑再開発に関しては、そういった大幅な事業変更というよりは、ある意味、新しい時代の求めによる、先ほどのグリーンファイナンスのこともありましたけれども、世界的に今どういうまちが求められているかということ自体が問われているような状況なわけですね。
都市における樹木の保全とか、文化的景観の在り方とか、こういったものが問われるのに、それに対応できないということは、私はアセス条例自体が、環境影響評価条例自体が、やっぱり見直しをしなければいけない、今の時代に合った審査ができない状況になっているんじゃないかと思います。
その辺をぜひ、だから東京都がやっていることが適法な条例や法にのっとって正しいことやっているかもしれないけど、それが今もう時代の状況に合わなくなっているんだということでの条例自体を改正することを含めて見直しをするべきだと思いますし、やっぱり今の状況というのは、どう考えても都民の理解と共感を得られている状況ではないと。本当にまちの在り方、東京の、この特に都心の緑地の在り方というものが大きく問われる状況ということだと思いますので、私はやはり伐採についても慎重であるべきだし、計画の見直しを何らかの形で求めていきたいというふうに思っております。
では、最後の質問に行きたいと思います。順調です。
産業廃棄物処理施設周辺の重金属汚染についてということです。
武蔵村山市の伊奈平にあります比留間運送というところが運営をしている産業廃棄物処理施設につきまして、その排ガス等による周辺環境の汚染と、それによる被害がこの間、繰り返し問題になって、武蔵村山市議会でも度々取り上げられてきました。
この問題で、今年六月に示された東京農工大学環境毒性学研究室の調査結果では、施設周辺の側溝汚泥などから、亜鉛、カドミウム、鉛などの重金属が高濃度で検出をされています。こうした事態を踏まえて質問をいたします。
当該施設の周辺は、工場や事業所が集積した地域ではありますが、そこには当然多くの労働者が通い、働いています。また、施設の南西、直線距離でいうと百メートルほどのところには大型スーパーがあり、西側や南側には二百メートルから三百メートル離れれば住宅地が広がるエリアとなっています。
当該施設は、焼却処理や破砕処理など、産業廃棄物の中間処理を行う施設であり、施設の性格上も、近隣の環境や住民、労働者の健康への負荷については、最大限の配慮、注意義務が求められるものです。
しかし、この間、長きにわたって当該施設の維持管理、特に焼却管理については、度々問題点が指摘をされ、排ガスにより建物等が汚染された、さらには健康被害が生じているとの切実な声が私の下にも届いています。
都は、そのような実態を把握していますか。また、把握していれば、どのように対応しているのかお伺いいたします。
○戸井崎環境改善部長 都は、周辺住民等から相談があった場合は、必要に応じて法令に基づく立入検査や指導を実施しております。
なお、公害に関わる民事上の争いについて、弁護士や専門家が公正中立の立場で、あっせん、調停、仲裁を行う都の公害紛争処理制度を相談者に対し案内しております。
○漢人委員 二〇一四年、平成二十六年度に当該施設の排ガス中、ダイオキシン濃度が規制基準十ナノグラムを超えたと聞いています。
規制基準を超えた内容と、それに対する指導、改善の経緯をお伺いします。
○戸井崎環境改善部長 地元自治体が実施した排ガス中のダイオキシン濃度測定により、規制基準の超過が一度確認をされましたが、事業者が調査改善を行った結果、基準値の範囲内に収まり、以降、基準を超過したことはないと聞いております。
○漢人委員 焼却炉の停止による改善工事等が度々行われているとも聞いています。都は、その改善工事等の実態を把握していますか。過去から現在までの事故及び不具合、故障等の状況と、それに対する修理等の実態についてお伺いします。
○宗野資源循環推進部長 届出の要件に該当する改善工事や修理等の状況については把握しております。また、定期的な立入検査時に施設の状況等を確認しております。
○漢人委員 この施設の排ガス中ダイオキシンは、この年以外にも、基準をこそ超えなかったものの、一貫して数ナノグラムという高い濃度が確認されています。
しかも、二十四時間連続焼却ではなく、八時間稼働の炉であり、頻繁に繰り返される立ち上げ、立ち下げ時のダイオキシン排出は、この値を大きく上回っている可能性を否定できません。
加えて、当該施設の煙突は高さが十五メートルしかなく、排ガスは拡散、希釈されないままに、限られた地域に降り注いでいることも考えれば、当該施設周辺の住民、労働者の健康リスクは、ダイオキシンだけでも重大なものがあるのではないかと、とても心配です。
周囲にたくさんの住民が暮らしているような空間で、これだけのダイオキシン汚染を結果的に放置してきた可能性があるということについて、都はどのように考えますか。
○宗野資源循環推進部長 施設維持管理基準に基づき、ダイオキシン類が発生する八百度以下では、廃棄物を投入しない焼却炉の運転管理が行われていることを、都は、立入り時に炉内温度の記録データ等から確認しております。
また、法令に基づく報告により、排ガス中のダイオキシン類濃度が排出基準に適合していることを定期的に確認をしております。
以上から、委員のご発言のダイオキシン排出の可能性が高く、健康リスクが重大であり、汚染を放置してきたというご指摘は当たりません。
○漢人委員 そもそも廃棄物焼却施設の排ガス中ダイオキシンの規制基準は、新型の大型炉であれば〇・一ナノグラムであり、実績ベースでいえば、例えば二十三区清掃一部事務組合の清掃工場では、一ナノグラムの一千万分の一程度という極めて僅かな値に抑えられているわけですね。
なぜ基準が百倍も緩いのでしょうか。日常的に数ナノグラムのダイオキシンを含む排ガスを出し続けることが許される規制の在り方こそ見直すべきだと思いますが、見解をお伺いします。
○戸井崎環境改善部長 ダイオキシン類の大気排出基準は、法令に基づき施設の規模や新設、既設の別により国が設定しております。
○漢人委員 そうなんですね。もともとダイオキシン類対策特別措置法が二〇〇〇年に制定されたわけですけれども、その過程の中で、既設の焼却処理施設などについては、基準を緩和する措置が取られたことに端を発するものです。
特措法の制定から既にもう二十五年です。いまだにその緩和された基準すら満たされない事態が起きていることの異様さというものをしっかり顧みるべきではないでしょうか。
そして、問題はダイオキシンだけではありません。当該施設の排ガス等が原因と思われる環境健康被害については、武蔵村山市議会でも何度か取り上げられています。
昨年九月には、東京農工大学環境毒性学研究室による雨水及び屋根、屋上に堆積した泥状採取物の分析によって、高濃度の重金属汚染が確認されたことが指摘をされ、市は、都と連携して対処すると答弁をしています。
具体的な対処法について、市から相談や協議はあったのかお伺いいたします。
○丹野環境改善技術担当部長 地元自治体と都で情報共有し、それぞれが所管する法令や条例に基づく立入検査や指導を実施することなど、適切に対応しております。
○漢人委員 今年二月、新たに施設の西側に接する道路の側溝中の泥から採取した十三検体と樹木の葉の部分、三検体の分析が、同じく東京農工大学環境毒性学研究室によって行われました。その結果が六月に発表されています。
検体に含まれる微量元素成分を抽出し、その汚染の程度を濃縮係数、エンリッチメントファクター、EF値というんですね、として算出したところ、泥からは銅、亜鉛、カドミウム、鉛など非常に強い汚染が確認されたと報告をされています。
次、あらかじめお願いした四問まとめて質問しますね。まとめてお答えください。
まず、これらの重金属類の有害性、有毒性についての知見をお伺いします。
また、この調査結果を把握していますか。国や都の環境基準における汚染状況評価とは異なる指標を用いたものではありますが、権威と実績のある大学研究機関の調査であり、客観的、科学的な手法、評価に基づいたものとして評価できると考えますが、いかがですか。
今回の調査では、汚染の原因を直ちに特定するものではありません。しかし、採取された検体は、いずれも施設至近の側溝で採取されたもので、当該施設からの排ガス、排水等による汚染である可能性を示唆するものと思いますが、いかがでしょうか。
最後ですが、今後、当該施設の排ガス、排水等の管理状況の詳細や広域的な汚染の広がりの把握と、当該施設も含めた汚染源の特定、周辺に住み、働く人たちへの健康影響などを確認するための調査を都として行うべきではありませんか。
四問まとめてお願いいたします。
○丹野環境改善技術担当部長 まず、重金属類の有害性、有毒性についてでございますが、環境基準等が設定されている重金属のカドミウムや鉛は、一定量以上摂取すると健康への影響の可能性があるとされております。
当該大学が実施した調査の件でございますが、これらの調査は、法令に準拠したものではなく、有害性等につきましては評価することができません。
最後ですね、当該施設の排ガス、排水等の管理状況の詳細、広域的な汚染の広がりの把握と、当該施設も含めた汚染源の特定、周辺に住む、働く人たちへの健康影響などを確認するための調査につきましては、法令に基づき必要な調査を適切に実施しております。
○戸井崎環境改善部長 四番目のご質問について、私の方からお答えをさせていただきます。
法令に基づき必要な調査を適切に実施しております。
○漢人委員 まとめて質問すると、ちょっと分かりにくく、やっぱりなりますね。後で整理したいと思います。
つまり、結局、農工大調査については、法令に準拠したものではなく、評価できないという答弁ですが、農工大の環境毒性学研究室が行った検査というのは、非汚染土壌との比較対照において、土壌の汚染の程度を定量化しようとするものですね。日本の法令基準に基づく測定や検査とは異なった手法ではありますけれども、その手法自体は、科学的な根拠に基づき、汚染の程度を表現する方法として、国際的にも広く認知され、採用されているものというふうに聞いています。
法令に準拠したものでなくても評価はできるし、しなければならないのではないかと思いますが、もう一回お伺いしたいと思います。
法令に準拠したものではなく、評価できないということなんですけど、法令に準拠したものではないということは、そのとおりだと思いますよ。だけど、評価ができないということではなく、これはそういった状況でも汚染がされているかもしれないということが出ているわけですから、東京都としては評価をしなきゃならないんじゃないですか。
○丹野環境改善技術担当部長 繰り返しになりますが、当該大学が実施した調査は、法令に準拠したものではなく、評価することはできません。
○漢人委員 大体、再質問しても同じ答えが返ってくるとは思っていましたけれども、でも、やっぱり私、評価するべきだと思います。
今回の調査では、検体はごく少量ですし、採取箇所も少ないので、汚染の深さと広がりの全体を推定するという点では確かに限界があるかもしれません。しかし、調査の結果、確認された重金属汚染が、その濃度という点で、通常の土壌ではまず起こり得ない程度のものであるということも、これは疑いようがないようなんですね。
こういう場合には、むしろ、より本格的で系統的な調査をするということが都として求められることではないかと思いますので、それは申し上げておきたいと思います。
排ガス中の重金属類について、法令や条例で定められている規制があれば、その概要をお示しください。
○戸井崎環境改善部長 廃棄物焼却施設に係る排ガス中の重金属類については、大気汚染防止法において、水銀及びその化合物が規制対象となっておりまして、事業者による定期的な測定等が義務づけられております。
また、環境確保条例において、クロム化合物、カドミウム及びその化合物並びに鉛及びその化合物について、排出基準が定められております。
○漢人委員 最後にお伺いしますが、この当該施設では、水銀汚染の原因となる蛍光灯やPCBを含む変圧器なども処理をしていますか、質問です。それらが適正に処理されていることを検査、確認した経緯はありますか、お伺いします。
○宗野資源循環推進部長 水銀を含有した蛍光管は、破砕処理の許可を有しており、許可申請手続及び現場立入検査において、法令に基づき適正に処理されていることを確認しております。
PCBを含む変圧器について、こちらについては許可を受けておらず、処理は行っておりません。
○漢人委員 最後に意見を述べたいと思いますが、カドミウムや鉛を除けば、そもそも環境規制基準がありません。金属製品だけでなく、プラスチックにも様々な重金属類が含まれていることは広く知られています。
多様な廃棄物を処理する産業廃棄物処理施設が、もし不適切に管理運営されていたとすれば、排ガス、排水等を通して、近隣の環境を汚染するリスクは少なくありません。
今回、周辺での汚染が確認された施設については、今回の質疑でもその一端が明らかになったように、工場の管理運営上、都の指導を受けるような事態が繰り返されてきています。
当該施設の稼働との因果関係の有無を確認することも含め、積極的に調査に入ることが、住民や労働者の健康を守るべき都としての責務だと申し上げて、質問を終わります。(緑川総務部長発言を求む)何でしょう。質問していませんけど。
○曽根委員長 質問していないですが。
〔発言する者あり〕
〔漢人委員「部長が発言したら、それを受けて私も発言できますか」と呼ぶ〕
○曽根委員長 もちろんです。
○緑川総務部長 今の、先ほどから、特定の事業者が公害原因であるかのようなご指摘をされておりまして、風評被害につながりかねませんので、改めてご答弁をさせていただきます。
先ほどから答弁させていただいているように、都は、必要に応じて法令に基づく立入検査、指導を実施して、違反のないことを確認しております。
また、そのダイオキシンの拡散のお話もございましたけれども、これも繰り返しになりますが、ダイオキシン類が発生する八百度C以下での廃棄物を投入しない焼却炉の運転管理が行われているということも確認しております。
また、排ガス中のダイオキシン類濃度が排出基準に適合しているということも定期的に確認しており、ダイオキシン類が基準値を超えて排出されているという状況ではございません。
さらに、農工大の調査でございますけれども、法令に準拠したものではなく、評価ができず、重金属等で非常に強い汚染が確認されたというお話ではございますが、当該事業者との因果関係も明らかになっておりません。
そうした中で、委員の下に健康被害が生じているという声が届いているのであれば、都には、公害に関わる民事上の争いがあった場合に、公害紛争処理法に基づき、弁護士や専門家が公正中立な立場で、あっせん、調停、仲裁を行うことができる制度がございます。まずは、当該制度を使っていただいて、解決を図っていただく必要があるものと認識しております。
○漢人委員 何か異例の、質問の後の発言をわざわざしていただいたんですけれども、今も、先ほどの質問の中でもいいました。私は、この因果関係は特定はしていません。ただ、その周辺での調査結果が示されているということと、実際に健康被害が発生している。
因果関係が明らかではないけれども、全面的に可能性を否定できるという状況ではない限り、それは確認するための調査を東京都は行うべきだというのが私の考えですし、また、法に対しても、ダイオキシンの特措法についても、二十五年前のものがいまだに改正されていないということですとか、また、農工大の調査について、法令に準拠したものではなくということですけれども、でも、これは国際的にも認められている検査でありますから、そこで示されているものに不安があるということであれば、そちらを、どこを見るかなんですよ。
全て法が正しく、今の現状でいいんだということなのか、少しでもそれと外れるもので心配なことがあれば、そこを、じゃあ、心配を取り除くということでも、ちゃんと調査して違うということが分かれば、それはそれでいいわけですから、そこは、環境問題というのは、とにかく未然防止というところが最大ですよね。新しい局長もあれですけど。
未然防止ということでいえば、可能性があるのであれば、そこをしっかり調査をして確認をしていく、それを取り除いていくというのが、東京都としてやるべきことだし、私は都議会議員、環境・建設委員の一員として、そういう立場で、この問題については今後も向き合っていきたいと思っておりますので、ぜひ取組をお願いしたいと思います。
○曽根委員長 この際、議事の都合により、おおむね二十五分間休憩いたします。
午後六時三十八分休憩
午後七時五分開議
○曽根委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○田村委員 私からは、質問は簡潔に、また、もう既に取り上げられているテーマもありますけれども、違う視点のもののみ質問させていただきたいと思います。
まず、太陽光パネル設置義務化に関してお聞きします。
都は、大手ハウスメーカー等を対象に、断熱省エネ性能や太陽光パネルなどの設置を求める制度を令和七年度から開始します。
先ほどは準備状況についての質疑がありましたけれども、事業者の準備を着実に進めるための取組をどのように促しているのか伺います。
○関建築物担当部長 都は、それぞれ計六回以上、制度対象と見込まれる約五十社への直接訪問による意見交換等を行いまして、現在、ほぼ全ての事業者が制度開始に向け、着実に取組を進めていることを確認しております。
事業者の意見交換では、経営層や実務担当者に制度の詳細説明を行うほか、企業の取組状況に応じて支援策の活用方法等を案内するなど、事業者の実情に応じた取組の促進を図っております。
今後、制度開始に向けて顧客に直接対応する担当者等を支援する必要があるため、環境性能の高い住宅の説明をする動画を提供するほか、制度専用のホームページを開設するなど、事業者の取組をさらに後押しいたします。
引き続き各社の状況等に応じて、新制度の円滑な施行に向けた取組を促進してまいります。
○田村委員 都は、各社の実情に応じた取組促進をしていることが確認できました。
新制度の対象は、大手ハウスメーカー等の住宅供給事業者ですが、そのメリットを享受するのは、あくまで住まい手となる都民の方々です。
そこで、新制度の都民の理解促進に向けたこれまでの成果と今後の取組について、その具体的な内容を伺います。
○関建築物担当部長 制度に対する都民理解促進のため、住宅購入検討層向けにはウェブ広告や住宅情報誌、一般向けには交通広告、街頭ビジョン、商業施設でのイベント等、対象に応じた媒体を活用し、広報を展開しております。
また、制度に関する都民等の様々な問合せに直接丁寧に応えるワンストップ相談窓口では、本年九月末までに約八千二百件の相談に対応しております。
これらの取組により、本年七月に実施したウェブアンケート調査では、三年以内に都内に住宅の新築を検討されている方の制度の認知度は八割を超えております。
今後、より多くの方に住宅の環境性能に興味を持っていただくため、本年九月から、幅広い世代で知名度の高いキャラクターを活用した施策を展開しております。
こうした取組を通じて、さらなる機運醸成に取り組んでまいります。
○田村委員 住宅の新築を検討されている方の新制度の認知度は八割に達しているとのことですけれども、賃貸も含め、引き続き都民の理解が進むようしっかりと取り組むことを要望しておきます。
次に、地域工務店への支援について伺います。
二〇三〇年カーボンハーフやその先の二〇五〇年ゼロエミッション東京に向けては、新制度の対象となる大手ハウスメーカーだけでなく、地域工務店についても、環境性能の高い住宅を供給できるよう、建築技術を高めていく必要があります。
先ほどは、報告書制度への参加を促すための質疑がありましたけれども、地域工務店に対する支援の内容とその成果を伺います。
○関建築物担当部長 建築物環境報告書制度の施行に向け、規模の大小にかかわらず制度に意欲的に参画する事業者を後押しすることにより、環境性能の高い住宅の普及を図ってございます。
地域工務店等に対しましては、環境性能の高い住宅の設計、施工などの技術向上に向けた取組に対して、必要な経費の一部を助成するなどの支援を実施しております。
本事業では、これまで二十一件の申請があり、省エネ計算や太陽光発電設備の設置に対応した構造計算の試行実施、住宅の環境性能に関するセミナー受講や勉強会開催等に対する支援を行っております。
今後は、施工者の人手不足など、業界が抱える課題に対応するため、施工の効率化等に向けた技術のレベルアップを図ってまいります。
○田村委員 地域工務店向けの補助メニューも用意されており、各社に活用されていることが確認できました。
現在、様々な業界で人手不足について課題となっています。地域工務店の技術力の裾野を広げるためにも、担い手の確保は重要な取組だと考えます。今後の都の施策に期待して、次の質問に移ります。
次に、再生骨材の利用促進について伺います。
建設工事や解体工事から発生するコンクリート塊は、主に再生砕石として道路の路盤材として使用されてきましたが、近年は、都内近郊部での需要が減少し、その滞留が問題となっています。
このため、建築時の材料となる再生骨材コンクリートとしての利用が有用といわれていますが、利用は進んでいません。その理由として、実際に現場で活用する設計や工事の担当者が、再生骨材の使用についてのノウハウがないことが一因だといわれています。
そこで、設計担当者への再生骨材の利活用方法の研修などが必要と考えますが、見解を伺います。
○宗野資源循環推進部長 都はこれまで、関係局と連携し、環境物品等調達方針において、再生骨材コンクリートなど、環境負荷の少ない建設資材として位置づけるなど、利用を推進してまいりました。
昨年度は、再生骨材コンクリートの供給状況や施工実績、活用のメリットなどについて、分かりやすく情報発信をするための再生骨材コンクリート利用工事事例集を作成いたしまして、建設関係団体等に対し、幅広く周知を図るなど、普及啓発に取り組んでまいりました。
今後は、本事例集を基にして、再生骨材コンクリートの施工現場での品質管理方法などについて、有識者等が解説する動画を新たに作成し、設計や工事を担う担当者に向けた研修会等で活用するなど、さらなる利用促進に取り組んでまいります。
○田村委員 まだまだ再生骨材コンクリートの活用についての経験がない設計や工事の担当者も多いと思いますので、研修会などにより、現場での利用が進むよう取り組んでいただきたいと思います。
再生骨材コンクリートは、解体工事で発生したコンクリート塊を再生して、新築工事のコンクリートで活用するというものであり、水平リサイクルという観点からも利用を促進していかなければなりません。
しかし、活用が進まない別の要因として、排出から再生までの品質管理などに不安があるという声があります。そのため、再生骨材を信頼して使ってもらうための取組を進め、利用拡大を図っていくことが必要と考えますが、見解を伺います。
○宗野資源循環推進部長 都は、建設リサイクル材のマッチングを行うコーディネーターが、建設会社に対して技術的な助言を行うことで、再生骨材コンクリートの活用を働きかけ、コンクリートの水平リサイクル事例を創出する取組を今月から開始いたしました。
今後、排出から再生処理、利用先までの流通過程を可視化するトレーサビリティーの確保により、再生骨材コンクリートの品質を認証するなどの手法について、国や業界団体等と連携して検討をしてまいります。
こうした取組により、再生骨材の信頼性を向上させるとともに、活用事例を積み上げ、利用拡大を図ってまいります。
○田村委員 流通過程の可視化や品質の公的な認証ができれば安心して使うことができるようになります。利用拡大を図るため再生骨材コンクリートの信頼性の取組を進めることを期待します。
また、コンクリートの一大消費地である首都東京で、コンクリートの再生利用によるコンクリートの地産地消のサイクルが確立されれば、新しく山を切り崩すことなく、グリーンビズにも貢献すると思います。
次に、森林環境整備について伺います。
多摩地域では、木材価格の低迷などから手入れがなされないため、樹木が密集して暗くなった森林が増えています。
こうした森林では、土砂の流出や雨水を地下に浸透させる機能が低下するなど、森林の持つ機能が十分に発揮されなくなるといった課題が顕在化し、上から見ると緑ですが、実際には、地表があらわになった緑の砂漠ともいわれています。
こうした中、都は、百年先を見据え、東京の緑を様々な主体と協働して承継していくという考えの下、グリーンビズを打ち出し、様々な施策を展開しています。
そこでまず、グリーンビズでは、森林に関してどのような取組が位置づけられているのか伺います。
○宮武自然環境部長生物多様性担当部長兼務 グリーンビズにおいては、緑を守る取組として、森林を維持し、持続可能なものとしていくために、伐採、利用、植栽、保育による森林循環を確立していくこととしております。
また、緑を育てるの中では、緑と水のネットワークを形成していく取組として、多摩の森林再生事業が位置づけられております。
さらに、緑を生かす取組では、東京の緑の名所の発掘、発信に取り組むこととし、散策ルートの例として、奥多摩むかし道が紹介されております。
○田村委員 緑を守る、育てる、生かす、それぞれの観点から森林に対する取組を進められているということです。
さて、ただいま答弁にあった多摩の森林再生事業は、環境局が進めている事業です。そこで、多摩の森林再生事業の目的とこれまでの実績を伺います。
○宮武自然環境部長生物多様性担当部長兼務 多摩の森林再生事業は、多摩地域の杉、ヒノキの人工林を間伐することで、針葉樹と広葉樹が交ざり合った針広混交林に再生し、土砂災害の防止、水源涵養機能の向上、生態系の保全など、森林の持つ公益的機能を回復させるとともに、森林管理を通じて地域の活性化に資することを目的としております。
本事業では、多摩地域の人工林約三万ヘクタールのうち、森林施業により管理可能な生産型森林や公有林等を除いた九千ヘクタールを事業対象としており、平成十四年度の事業開始から昨年度末までの実績は、約八千百ヘクタールでございます。
○田村委員 事業対象が九千ヘクタールに対し、約八千百ヘクタールの実績ということで、事業開始から二十年以上が経過し、事業対象エリアに対する実施率も一〇〇%に近づいてきていることが分かります。
それでは、この先、この森林再生事業をどのように進めていくのか、今後の取組について伺います。
○宮武自然環境部長生物多様性担当部長兼務 現在この事業では、都と森林所有者が二十五年間の協定を締結いたしまして、この間に二回の間伐を実施しております。
協定期間が満了後、双方に異議がない場合には、改めて二十五年間の協定を締結して間伐を実施することで、五十年かけて針広混交林の再生を目指しております。
令和八年度には、一回目の協定期間が満了する森林が出てくることから、来年度から地元市町村との連携の下、森林所有者に対して、新たな二十五年間の協定の意向調査に着手いたします。
また、最長五十年にわたる取組であることから、低木、下草の種類や高さ、面積などの経年変化をモニタリングして、事業効果を検証しながら事業を進めてまいります。
○田村委員 森林所有者の代替わりは大きな課題です。円滑な協定締結に向けて、地元自治体との連携を一層密にしていただきたいと思います。
また、答弁にもあった事業効果などを意識しながら事業を進めていくことは、森林所有者の方々の理解、協力を得るためにも必要だと思いますので、重要であると指摘をしておきます。
次に、生物多様性の保全について伺います。
自然界には、土の中にもミミズや菌類、バクテリアなどの様々な生物が存在し、それらが相互につながり合いながら、豊かな生態系を構成しています。様々なつながりを保全していくことは、生物多様性を考える上で重要なポイントであると考えます。
一方で、過去二十年でレッドリスト掲載種が約四割増加するなど、都内の生物多様性は、劣化が進んでいます。
そこでまず、生物多様性の保全を進めていく上での生き物のつながりの重要性について、都はどのように捉えているのか伺います。
○宮武自然環境部長生物多様性担当部長兼務 昨年改定した生物多様性地域戦略では、様々な動物、植物や菌類、バクテリアなどが生息、生育し、生物種の数が多くなるほど生き物のつながりが複雑になり、環境変化等による生態系への影響が抑えられるとしております。
都は、同戦略に基づきまして、地域の生態系や多様な生き物の生息、生育環境の保全、さらには、その回復に向けて、多様な主体と連携して各種取組を推進してまいります。
○田村委員 生態系の保全にとどまらず、回復に向けた取組に期待をいたします。
また、東京の生物多様性の課題に向き合う際には、私は、より多くの企業を巻き込んでいくことがポイントになるのではないかと考えます。
都が取り組むNbS、ネーチャーベースドソリューションズという、自然を活用して社会的課題を解決するという考え方を活用していくべきだと考えます。
そこでまず、都としてNbSの意義をどのように捉えているのか伺います。
○宮武自然環境部長生物多様性担当部長兼務 生物多様性の恵みを持続的に利用し、都民生活の向上に生かしていくためには、自然を活用して社会課題を解決するNbSの取組を、行政だけではなく、企業をはじめとする多様な主体と共に推進していくことが重要でございます。
このため、地域戦略では、行動目標の一つにTokyo-NbSアクションの推進を掲げ、生物多様性の持続的な利用に向けて、企業がその意義や重要性を理解し、主体的な行動を行えるよう促していくこととしております。
○田村委員 地域戦略においてもNbSをしっかり位置づけて、企業の行動を促していることが分かりました。
では、NbSの普及に向けて、都のこれまでの取組の成果と今後の事業展開について伺います。
○宮武自然環境部長生物多様性担当部長兼務 都は本年一月、NbSの取組を広めるキックオフイベントを実施するとともに、先駆的に取り組む企業の募集を開始し、現在十四社をアクションメンバーとして登録しております。
また、今年度は新たに、優れた取組を実践している企業、団体等を表彰するTokyo-NbSアクションアワードを本年十二月に開催をいたします。
こうしたことを通じまして、NbSの取組を分かりやすく伝えるとともに、NbSに取り組む企業のモチベーションを高めることで、実践する企業の裾野拡大につなげてまいります。
○田村委員 NbSの実践は、自然資本に依存している事業活動の持続可能性を高め、それが投資家からの評価にもつながり、結果として企業の持続的な成長にもつながっていくはずです。引き続きNbSの普及に積極的に取り組んでいただくことを要望します。
また、グリーンインフラやグリーンビズ、そしてNbSなど、同じカテゴリーで東京都は扱っておりますが、それらのすみ分けを分かりやすく都民に伝えていくことも要望して、質問を終わります。
○本橋委員 よろしくお願いします。最初は暑さ対策の推進だったんですが、熱中症対策ということで、多くの委員さんから出ておりますので、これは割愛させていただきますが、一点、要望として、今月の十九日にも東京都心で真夏日が観測されまして、これは最も遅い真夏日として観測史上の記録を更新したとのことであります。
暑さ対策の推進に関しましては、児童生徒さんから高齢者まで、都におかれましては幅広く熱中症対策、この夏の取組を踏まえた上で、さらなる熱中症対策を進めていただくことを要望させていただきます。
そうした中で、都民の涼みどころの整備については、ちょっと確認させていただきたいと思います。
改正気候変動適応法に基づきまして、熱中症特別警戒情報などの発表に備え、区市町村長は、クーリングシェルターを指定できるようになりました。
今年の六月の定例会におきまして、私どもの会派は、実効性のある施設設置が重要であるという旨、指摘させていただきました。
そこで、今年の夏におけるクーリングシェルターに関する都の取組についてお伺いいたします。
○関建築物担当部長 都は、自宅から近く、誰もが利用しやすい公民館等の公共施設については、地域の実情に応じて原則指定するよう区市町村に促しており、今年度は千五百二十五施設がクーリングシェルターに指定されました。
また、本年六月に、東京都防災マップ等に掲載するなど、施設の位置を分かりやすく案内するための取組も行いました。
現在、利用状況や設置、運営に係る課題、好事例等を調査しておりまして、その結果も踏まえ、来夏に向け、区市町村と連携し、効果的なクーリングシェルターの設置に取り組んでまいります。
○本橋委員 クーリングシェルターに関しましても取組が進んでいるということが理解できたところでございます。
来年の夏も暑くなることが、もうこれは想定されます。都民が真に使いやすくなるよう、今から準備しておくことが必要かと思いますので、都のさらなる取組に期待するところでございます。
次に、食品ロス対策についてお聞きいたします。
東京都は、二〇五〇年食品ロス実質ゼロに向けて、防災備蓄食品を無駄にすることなく、寄贈を拡大するなりして、未利用食品の有効活用を一層促進していくことが必要であります。
持続可能な社会を目指すSDGsの目標にも、食品ロスの削減が掲げられておりまして、その削減は、国際的にも重要な課題であります。
日常的に都や区市町村は、地震などの災害発生に備えて、大量の防災備蓄食品をストックしております。これらは賞味期限が近づきますと、定期的に新品に更新されてまいります。
期限の迫った防災備蓄食品は廃棄することなく、フードバンクや子供食堂などにより、支援を必要とする人々に届けて有効活用する取組が行われています。これは生活困窮者の支援という観点からも重要な取組となってまいります。
都は、令和二年度より、都や区市町村の防災備蓄食品とフードバンクをマッチングするシステムを運用しております。
そこで、これまでのマッチング内容や実績、今後の取組についてお伺いいたします。
○木村資源循環計画担当部長 都は、都や区市町村が買換え時期を迎える防災備蓄食品を登録し、利用を希望するフードバンク等が申し込むことで、両者をマッチングするシステムを運用しております。
このシステムにより、本年九月末までに累計四百二十八件のマッチング、約二十八万五千食の寄贈につながりました。
今後は、寄贈元となる区市町村にシステムのさらなる活用を促すとともに、都の出先事業所等に対しても、寄贈元としての登録を働きかけ、未利用食品の有効活用を一層推進してまいります。
○本橋委員 引き続きまして、食品ロス実質ゼロに向けまして、防災備蓄食品を無駄にすることなく、寄贈を拡大して、未利用食品の有効活用をさらに促進していただきますよう要望させていただきます。
次に、CO2の排出削減、るるお話も出ましたけれども、私は、家庭のCO2排出削減に向けた取組についてお聞きしたいと思います。
二〇三〇年カーボンハーフの実現に向けては、全体の排出量の約三割を占める家庭部門のCO2排出削減が重要であります。
中でも、約七百万戸の既存住宅における断熱改修は、CO2排出削減のほか、都民の健康で快適な暮らしにも資する重要な対策であります。
一方で、国の直近の調査によりますと、この中で、複層ガラスが設置されている住宅は約二五%となっており、断熱改修の裾野をさらに広げていく必要があると考えますが、都の見解をお伺いいたします。
○荒田気候変動対策部長 都は、住宅の断熱性能向上に向け、改修効果の高い窓などの断熱効果を支援するとともに、令和五年度から壁や床などの改修に係る経費も支援対象とするなど、段階的に拡充を図ってまいりました。
また、都内既存住宅の約五割を占める賃貸住宅において、家主の積極的な断熱改修を促すため、賃貸住宅向けに手厚い補助を設けるなど、対策が進みづらい賃貸住宅に特化した取組も進めてまいりました。
今後、さらに多くの都民や賃貸オーナー等の住宅所有者に広く断熱改修のメリットや、支援策を知って取り組んでいただけるよう、効果的な仕組みを検討してまいります。
○本橋委員 既存住宅の断熱改修につきましては、住宅所有者にメリットを理解いただきながら取組を加速してもらいたいと思います。
次に、家庭における再配達抑制の取組についてお聞きいたします。
再配達を抑制する取組は、運送ドライバーの深刻な労働力不足などの、いわゆる物流の二〇二四年問題に加えて、CO2削減にも寄与する重要な取組であります。
再配達のトラックから排出されるCO2の量は、全国で年間二十五万四千トンと推計されており、都としても、家庭での再配達抑制の取組を強力に後押しすべきと考えますが、見解をお伺いいたします。
○荒田気候変動対策部長 家庭における再配達の抑制に向け、都は今年度から、区市町村が住宅を対象に宅配ボックスの設置を支援する場合、その経費の二分の一をサポートしております。
また、関係局とも連携し、コンビニエンスストアでの受け取り等の有効な手法を広報媒体に掲載するなどして、都民に再配達抑制の必要性等を広く発信しております。
今後、宅配ボックス等を設置した方の声を取りまとめて発信するなど、家庭における再配達抑制のきっかけづくりを行い、CO2排出量削減を後押ししてまいります。
○本橋委員 ぜひ引き続きまして、家庭でのCO2の削減に向けた取組に尽力していただきたいと思っております。
次に、使い捨てプラスチック対策についてお聞きいたします。
CO2実質ゼロのプラスチック利用の実現に向けた循環型経済への移行はとても重要でございます。
都はこれまで、弁当容器のリユース化など、2Rビジネスやオフィスからの廃プラスチックの水平リサイクルなどに取り組む事業者と多くの連携事業を実施してまいりました。
今日、ビジネス街で見かけますキッチンカーや都内各種飲食店でも、お弁当箱やコーヒーカップなどでリユース容器の利用を見かけるようになり、こうした取組は、使い捨てプラスチック対策に極めて有効であるということができます。
そこでまず、資源循環型経済の実現に向けて、都として、さらなる後押しをすべきでありますが、都のプラスチック対策の認識や、これまでの取組をお伺いいたします。
○木村資源循環計画担当部長 都は、二〇五〇年CO2排出実質ゼロのプラスチック利用を実現するため、従来の一方通行型から循環型経済への移行に向けた取組を推進しております。
このため、革新的技術や事業に意欲的な事業者と連携して、オフィスビルや商業施設等における2Rビジネスの実証実験や共同事業を実施してまいりました。
具体的には、コーヒーチェーン向けにリユースカップのサービスを提供する事業者、シャンプーや洗剤などの日用品をリユース容器で提供する事業者等を支援し、新たなビジネスモデルの創出につなげてきたところでございます。
○本橋委員 これらの取組の拡大には、リユース容器の購入費用や、都民の理解、協力度など、様々な課題があるかと思います。それらの課題と対応についてお伺いいたします。
○木村資源循環計画担当部長 2Rビジネス市場の拡大に向けて、都は、都民の認知度向上に向けた取組や、事業者に対する設備投資や運用に係る経費の支援を行っております。
具体的には、東京サーキュラーエコノミー推進センターと連携し、デリバリー向けのリユース容器のシェアリングサービスや、オフィス向けのリユースカップサービスを提供する事業者を幅広くSNS等で発信することにより、都民の理解度向上を図ってまいりました。
今年度からは、これらの容器やカップ専用の運搬ケース等の購入に係る初期費用に加えまして、洗浄、殺菌、運搬等の運用に係る三年分の経費も対象とした補助制度を開始しました。
今後もこうした取組を着実に進めるとともに、メディア等とも連携した情報発信により、普及啓発を強化してまいります。
○本橋委員 事業者による2Rビジネスの普及に向けまして、東京都が積極的に支援していることが、今の答弁で分かったところであります。
また、リユース容器の活用などの機運を醸成、加速させるためには、区市町村と連携した取組が必要です。この点に関する都の見解をお伺いいたします。
○木村資源循環計画担当部長 都は、使い捨てプラスチック削減の機運を醸成するため、都民に身近な区市町村による地域に密着した取組を支援しております。
昨年度は、イベントでリユース容器を導入する二つの区市を支援するとともに、区市町村と共同勉強会を開催し、リユース容器の活用事例や導入のメリットなど、具体的な情報の共有を図りました。
今年度は、八つの区市での取組を支援するとともに、自治体と連携して、リユースカップ等を利用した飲食体験イベントを開催するなどにより、リユースを基調としたライフスタイルへの転換を促してまいります。
○本橋委員 リユースというものが定着するには、事業者の努力とともに、消費者の意識変革がとても大事であります。都におかれましては、引き続きリユースの普及に向けた事業者支援や、都民に対する普及啓発を実施していただきますよう要望させていただきます。
次に、大気環境の保全についてお聞きいたします。
東京の大気環境は、ディーゼル車排ガス規制などの取組もありまして、大幅に改善いたしております。例えば二酸化窒素や浮遊粒子状物質などをはじめ、様々な大気汚染物質の着実な改善が見られます。
しかし、光化学スモッグの原因物質である光化学オキシダントについては、まだ課題があると思います。この光化学オキシダントの原因の一つは、ガソリン給油時に発生する揮発性有機化合物、VOCといわれております。
ガソリン車への給油時に発生するVOCは、都内のVOC排出量の約二割を占めておりまして、その排出削減に向けた取組は極めて重要になってまいります。
そこで、都が大気環境の改善に向けて実施した給油時のVOC対策の具体的な取組内容と、その成果についてお伺いいたします。
○丹野環境改善技術担当部長 都は、光化学オキシダントの原因物質の一つであるガソリンの給油時のVOCを削減するため、ガソリン蒸気、ベーパーを回収し、再度、ガソリンに戻す給油設備の導入に対し、令和二年度より支援を行っておりまして、昨年度からは懸垂式計量機だけでした補助対象を固定式計量機にも拡大いたしました。
さらに、今年度からは、機器一台ごとに上限を三百五十万円に引き上げるとともに、補助率を二分の一から三分の二にしております。
昨年度までの補助実績は累計で十五台でございました。また、今年度は既に六台の補助を行っております。
今後とも、大気環境の改善に向けて、国や九都県市、業界とも連携して、本機器の普及に取り組んでまいります。
○本橋委員 給油時のVOC対策が実施され、また、国や九都県市、業界とも連携して普及に取り組んでいることがただいまの答弁で理解できたところでございます。
大気環境の改善に対する取組は、ディーゼル車排ガス規制と同様に、各県との連携が非常に大切だと思います。これからも連携を大切にしていただきまして、環境改善に努めていただきたいと思います。
次に、東京の緑を育む取組について、私からもお聞きさせていただきます。
都はこれまで、東京を緑あふれる都市にするとの決意の下、ゆとりと潤いに満ちたまちを未来に継承したいとの思いから、都民や企業などと共に精力的に都心の緑を育む取組を展開してきました。
今日、都心の緑の充実による憩いと潤いのあるまちづくりが国際社会から選ばれる都市のメルクマールの一つになっております。
引き続き、都内での公園整備や緑地保全などを都心部の再開発事業などとうまく絡ませながら進めていただきたいと思いますが、その際には、緑の量の確保だけでなく、生物多様性豊かな緑地づくりなど、緑の質にも着目して、特色ある東京の緑の創出を推進していくことが重要と考えます。
そこで、民間開発などにおける生物多様性に資する緑の創出に向けて、都はどのように取り組んでいるのかお伺いいたします。
○宮武自然環境部長生物多様性担当部長兼務 都では、事業者による生物多様性保全に向けた取組を推進するため、江戸のみどり登録緑地制度を平成二十九年度から実施しております。
この制度は、東京に昔から自生する在来種を植栽することで、緑地周辺の生態系の回復や自然環境に配慮した都市空間を創出することを目的としております。
基準に適合した緑地を都が登録、公表し、都内にある生態系に配慮した緑地の認知を高める仕組みとすることで、事業者の取組意欲を引き出しております。現在、登録数は十六か所であり、都は、登録緑地の維持管理における課題解決に向けた技術的支援を行っております。
○本橋委員 江戸のみどり登録緑地制度は、東京の生物多様性を次世代につないでいくという観点からも有効な取組と考えます。引き続き、さらなる登録緑地の増に向けまして、精力的に取り組まれることを期待しております。
先ほど小笠原のトイレの話が出ましたが、私からは、自然公園のトイレについてお聞きいたしたいと思います。
自然公園には、毎年多くの都民が訪れております。利用者の満足度を高めていくには、快適なトイレの存在が重要な要素の一つになると考えますが、現状では和式のトイレが残っていると聞いております。特に女子トイレでは、団体で来園した場合は、洋式トイレに長蛇の列ができてしまうこともあるとのことであります。
自然公園には様々な利用者が訪れることから、誰もが安心かつ快適にトイレを利用できるよう、洋式トイレへの改修を進めていくことは大変重要であります。
そこで、自然公園のトイレの洋式化について、これまでの進捗状況と今後の展開をお伺いいたします。
○宮武自然環境部長生物多様性担当部長兼務 都はこれまで、自然公園ビジョン等に基づき、凍結による破損の恐れがある便器等を除きまして、全ての便器の洋式化を進めており、昨年度末の整備率は七三%でございます。
令和八年度末整備率一〇〇%の目標達成に向けて、洋式化を着実に進め、誰もが自然公園を快適に利用できる環境を整備してまいります。
○本橋委員 海外からの訪問客を含め、より多くの皆さんに自然公園を満喫してもらうために、トイレのような誰もが必要とする設備を快適なものにしていくことは不可欠であります。着実にトイレの洋式化を進めていただくことを求めておきます。
次は、森林の保全についてなんですが、先ほど質疑されましたので、割愛させていただきますが、理事者の答弁から、森林再生事業というものを展開しているということ、対象の森林の約九割まで進捗しているということをお聞きしました。ぜひ残りの森林につきましても、引き続き地域の事情や森林所有者をよく知る地元自治体と連携していただきまして、事業を着実に進めていただきますことを要望して、ここは終わりたいと思います。
次に、自然環境デジタルミュージアム基本構想についてお聞きしたいと思います。
都は、今年六月、自然環境デジタルミュージアム基本構想を策定いたしました。この構想は、生物多様性地域戦略で掲げた生物多様性の恵みを将来にわたって享受できる社会の実現に向けて、極めて重要な取組であります。
都内には、森林や水資源のある奥多摩から、伊豆、小笠原諸島などの島しょ部まで多様で豊かな自然環境がございます。
自然環境の保全と利活用を両立させるためには、こうした東京の自然に関する情報を整理し、その情報を基に、生物多様性からの恩恵への都民の気づきや行動変容につなげていくことが重要と考えます。
そこで、自然環境デジタルミュージアムのコンセプトと今後の取組についてお伺いいたします。
○宮武自然環境部長生物多様性担当部長兼務 本年六月に公表いたしました基本構想では、デジタル技術で人、情報、フィールドをつなぐをコンセプトとして打ち出し、現在、自然環境情報のデジタルアーカイブ化で備えるべき機能や、収集した標本類の活用方策等について大学や博物館等と意見交換を重ねております。
また、標本類については、都として収集すべき分類や年代などの収集方針等を定め、散逸のおそれのあるものについて、年度内から受入れを開始いたします。
今後、有識者等の意見も踏まえまして、構想の具体化を進め、年度内に基本計画として取りまとめてまいります。
○本橋委員 二〇三〇年ネーチャーポジティブという大きな目標の実現に向けまして、都民をはじめ、多様な主体の行動を促していくには、自然環境に関する情報基盤を整え、それを分かりやすく発信していくことが重要になってくると考えます。
引き続き、デジタルミュージアム構想の具体化を着実に進めていただきたいと思います。
さて、現在、コロンビアでは、生物多様性に関する国際会議、COP16が開催中であります。そこでは、生物多様性の評価方法が主な議題とされており、生物多様性については、実行のステージに移っていくと報道されております。
激しい都市間競争を勝ち抜くためには、こうした世界の動きを捉え、都が率先して、生物多様性に関する取組を進めていくことが重要と考えます。
そこで、生物多様性の保全と回復に向けて、都としてどのように施策を展開していくのか、最後に局長の見解をお伺いいたします。
○須藤環境局長 東京は、一千四百万の都民の皆様が暮らす大都市でありながら、奥多摩の山々から丘陵地の里山、市街地の緑地や水辺、島しょ部の原生的な自然など多様で豊かな自然を有する世界でも類を見ない都市でございます。こうした生物多様性の恵みを将来にわたり受け続けることのできる豊かな都市をしっかりと引き継いでいく必要がございます。
このため、都は、昨年改定いたしました生物多様性地域戦略に基づき、緑の創出などを通じた生物多様性の保全と回復、自然公園の整備による生物多様性の恵みの持続的利用、自然環境情報の収集、分析、発信などに取り組んでおります。
また、現在、百年先を見据えた緑と生きるまちづくりをコンセプトとした東京グリーンビズを展開しており、全庁を挙げて、東京の緑を守る、育てる、生かす取組をさらに強化してまいります。
今後とも、都民、区市町村、企業などあらゆる主体を巻き込みながら、実効性の高い施策を展開してまいります。
○本橋委員 最後、局長から力強い答弁をいただきました。生物多様性の保全を含め、複雑多様化する環境課題を解決していくためにも、都の政策遂行力と力強い発信が必要であります。
環境局のリーダーシップに大いに期待いたしまして、私の質疑を終えます。
○谷村委員 小池百合子知事がこの夏、三期目のご当選を果たされましたが、知事就任以来一貫して環境政策を都政の最重要課題として位置づけ、国の内外において積極的に推進しておられます。
環境局の皆様におかれましては、私たちの身の回りのことから地球規模に至る課題まで、まさに多分野にわたる環境施策を力強く推進しておられますことに最大の敬意を表するものであります。
本日は、その多分野にわたる環境施策の中で、私たちの生活に最も身近な課題であります家庭ごみの収集、運搬、処理に関する最重要課題について取り上げさせていただきます。
都内においても、家庭ごみの収集方法や収集日、可燃ごみであったり、廃プラであったり、資源ごみであったり、こうしたものが様々に異なりますけれども、それを収集、運搬、処理する事業者の方々の置かれている状況というのは、まさに大変な状況にあります。
本来、市区町村の極めて重い責任の下で行われている事業でありますけれども、その処遇というものが大変に厳しい状況に置かれております。
それは、市区町村からの委託を受ける際の委託料というものが適切な価格でない、適正な入札契約状況ではない、最高裁判決が明確に下されて十年が経過しているのに、それが守られていない。その結果、不当に低い委託料で、長年にわたって事業者の方々はそれを甘んじて受けて、下手に正当な価格を主張すると、事業を、業務を、仕事を全て失うリスクがある、ぎりぎりの限界値の中で、必死になって働いておられます。
そうした中での昨今の物価高騰による諸経費負担の増加、これは昨日今日始まったわけではありません。
また、働き方改革の推進による担い手、働き手の確保、これがもう限界を超えております。
この中で、ご自分のご家庭から廃棄物を一切出していないという方はいらっしゃらないと思います。私も含めましてここにいらっしゃる全ての皆様が排出者であります。その家庭ごみを、誰が、どのような環境で収集し、運搬し、処理しているのか。ぜひとも、私のこの質問時間の間だけでも、頭をめぐらせていただければと思います。
私は、長年にわたり、自民党のこいそ明委員とご一緒に、三多摩清掃事業協同組合の顧問を務めさせていただいております。東京都産業資源循環協会の顧問も、多摩地域の議員ではただ一人務めさせていただいております。もう二十年にもなりまして、一番古くなりました。
都市活動を昼夜分かたず、お支えいただいている方々の団体であります。こうした事業者の方々のお話を長年にわたってお伺いし、受け止めてまいりました。対応できるものは全て行ってまいりましたが、今日はその集大成の一つとなるテーマを取り上げさせていただきます。
それは、市区町村が委託する一般廃棄物の収集運搬業務における労務費の適切な転嫁等に向けた取組についてであります。
生活環境の保全と公衆衛生の向上を図る上で、その重要な担い手となるのが、廃棄物処理業の方々であります。持続可能な事業運営のためには、経営基盤の安定を確保していくことが大変重要であります。そして何よりも人材の確保が重要であり、働いていただくための環境をよりよくしていくことが求められております。
一方で、燃料費の上昇や労務費についても、今年の春闘の結果では、賃上げ率が前年比五%を超え、三十三年ぶりの高水準となるなど上昇しており、廃棄物処理の現場は大変厳しくなっているというお声をお寄せいただいております。
こうした中、本年九月三十日付で、国から環境省環境再生・資源循環局長名で各都道府県知事宛てに発出された通知文書があります。
これは、公明党の竹谷とし子参議院議員が六月に参議院環境委員会で取り上げた結果として発出されたもので、一般廃棄物処理業務における労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針等を踏まえた対応について、この通知には、市区町村が認識すべき大変重要な内容が数多く盛り込まれております。
これを受けて、今回は、東京都では、事務的に受け流すだけではなく、十月十一日に小池百合子東京都知事名で、都内市区町村長宛てに同様の通知文が公印が押されて、改めて発出されております。
本来、一般廃棄物処理業務は市区町村業務ですが、このたび、都知事名で市区町村長宛てに正式に通知が出されたということで、今回これを取り上げさせていただきたいと思います。
そこで、本日は、この本件に絞って、都の受け止めと取組状況について確認させていただきたいと思います。
まず、この通知全般について、国から各都道府県知事宛てに発出された通知文書、そして、都知事から市区町村長宛てに出された通知文書の概要について、まずご説明を求めたいと思います。
○宗野資源循環推進部長 本通知では、一般廃棄物処理業務の委託の入札契約手続の運用において、特に留意すべき事項が明記されております。
物価上昇を乗り越える構造的な賃上げを実現するためには、特に我が国の雇用の七割を占める中小企業が、その原資を確保できる取引環境を整備することが重要とされており、地方公共団体における入札契約手続の運用においても、十分な対応が求められるとしております。
加えて、働き方改革推進法の施行により、労働時間に関する制度の見直しなど、推進されている状況に鑑み、一般廃棄物処理業務における労務費、原材料費、エネルギーコスト等の適切な転嫁のための重要事項が明記されており、管内市区町村への周知の徹底が依頼されております。
都は、本通知を踏まえ、各自治体の首長に向け、知事名文書にて、通知の趣旨、重要事項を整理の上、廃棄物行政担当部署、契約担当部署、財政担当部署等関係部署が必要な連携を図りながら対応するよう通知をしております。
○谷村委員 では、なぜ今このような通知が出されたのか、都のご認識をお伺いいたします。
○宗野資源循環推進部長 今回、本通知が平成二十年、平成二十六年に続き、重ねて国から発出された背景には、一般廃棄物処理業務において、発注者である市区町村が経済実態を反映した公表資料に基づかないで委託料を算出したり、受注者が公表資料を用いて提出した価格が尊重されないという不合理な実態があるものと認識しております。
加えて、人手不足の深刻化、労務費や物価の上昇が続く中で、各市区町村が委託する一般廃棄物処理業務において、働き方改革の推進を通じた労働環境整備への対応、労務費、原材料費、燃料費等に係る経費の負担が増大していることを踏まえた十分な対応が取られていないということによるものと認識しております。
また、衛生的で快適な生活を支えるエッセンシャルワーカーである廃棄物処理業の担い手を安定的に確保し、持続可能な事業運営につなげていくためには、昨今の物価状況なども踏まえた適切な委託料が事業者に確実に支払われ、経営基盤の安定を図ることが重要であると認識しております。
○谷村委員 今回この通知が出された、この都のご認識として、平成二十年、平成二十六年に続いて、重ねて国から発出された背景は、一般廃棄物処理業務において発注者である市区町村、これが経済実態を反映した公表資料に基づかないで委託料を算定したり、受注者が公表資料を用いて提示した価格が尊重されないという不合理な実態があると。
そして人手不足の深刻化、労務費や物価の上昇が続く中で、各市区町村が委託する一般廃棄物処理業務において、十分な対応が取られていないということを都としても認識されているということで通知を出されたということで確認をさせていただきました。
本来、この市区町村の一般廃棄物処理責任というのはどのようなものなのか、都のご認識をお伺いします。
○宗野資源循環推進部長 市区町村の一般廃棄物の処理責任の性格等については、最終処分が終了するまで、適正処理を確保しなければならないという極めて重い責任を有しておりまして、他者に委託して処理を行わせる場合でも、同様の責任を負うとしております。
加えて、市区町村は、廃棄物処理法に定める委託基準に従った適切な内容の委託契約の締結等を通じて、適切な処理を行うことを確保しなければならないとしております。
都としては、国がこうした内容を改めて通知したのは、実態として、市区町村の一般廃棄物の処理責任の性格等を踏まえた対応が十分行われていない自治体があるということから発出されたものであり、そうした市区町村に対しては、確実な履行を働きかけていく必要があると認識しております。
○谷村委員 ただいまのご答弁でもありましたけれども、市区町村は、委託基準に従った適切な委託契約を通じて、適切な処理の確保をしなければならないという、こういうご認識だと思います。
では、この委託基準というのはどういうものなのか、その内容について、都のご認識をお伺いいたします。
○宗野資源循環推進部長 廃棄物処理法の委託基準では、委託料が受託業務を遂行するに足りる額であることが定められており、一般廃棄物処理の公共性に鑑み、経済性の確保等の要請よりも業務の確実な履行を重視しております。
加えて、この額が不当に低額である場合には、不法投棄など、業務の確実な履行に支障を生ずる可能性がある。さらに、働き方改革に対応しつつ、物価上昇を乗り越える構造的な賃上げを構造することも困難となります。
平成二十六年の最高裁判決では、廃棄物処理法において、一般廃棄物処理業は、専ら自由競争に委ねられるべき性格の事業とは位置づけられていないものといえると判断されており、当該判決を踏まえた市区町村の取組を促進することが重要であると認識しております。
○谷村委員 一般廃棄物の処理に関しては、この委託基準については、経済性の確保等の要請よりも、業務の確実な履行を重視しており、平成二十六年の最高裁判決では、一般廃棄物処理業は、専ら自由競争に委ねられるべき性格の事業とは位置づけられていないと明確に示されているにもかかわらず、現実には、都内市町村においても、いまだに価格競争のみに委ねる指名競争入札を行う自治体があります。
都は、こうした実態を把握しておられるのか。また、その実態を踏まえた都のご認識をお伺いいたします。
○宗野資源循環推進部長 指名競争入札を採用する自治体は七市ございました。一般廃棄物の適正処理の継続的、安定的な実施の確保に向けては、環境保全の重要性及び一般廃棄物処理の公共性に鑑み、経済性の確保等の要請よりも、業務の確実な履行を重視すべきでございます。
このことは、平成二十六年の最高裁判決においても明確に判断されており、都は、特命随意契約のほか、総合評価方式の活用などを図り、価格競争のみに委ねる指名競争入札の方式は見直していく必要があると認識しております。
○谷村委員 この指名競争入札を行っている七つの市の名前はあえて挙げませんけれども、その市にとりましては、極めて不名誉な話でありますので、お名前を挙げるのは控えますけれども、最高裁判決に明確に違反をしているわけであります。
委託基準では、業務の遂行に足る施設や人員を有することなど、受託者の要件としておりますが、この要件を維持するには相当の経費がかかります。また、とっさの対応に要する予備人員、予備車両の確保も必要となります。
都は、こうした受託者、事業者の大変な実態をどう認識しておられるのかお伺いをいたします。
○宗野資源循環推進部長 受託業務の確実な履行のためには、その業務の遂行に足る施設や車両等の機材費、予備車、予備人員等の確保や維持なども含め、受託料への労務費、原材料費、エネルギーコスト等の適切な転嫁が必要と認識しております。
○谷村委員 続きまして、通知文の価格交渉に関する指針、基本方針を踏まえた一般廃棄物処理業務の委託の入札契約手続の運用における留意事項のところで、発注者として取るべき行動、求められる行動というのが記載されております。
これについて、発注者というのは、市区町村になりますけれども、この取るべき行動、求められる行動についての都のご認識をお伺いいたします。
○宗野資源循環推進部長 発注者である市区町村が、労務費や施設の維持管理費、パッカー車等の車両や機材の確保に係る経費、エネルギーコスト等の上昇の理由の説明や根拠資料の提出を受注者に求める場合には、関係者がその決定プロセスに関与し、経済の実態が反映されていると考えられる公表資料に基づくことが求められるとしております。
また、市区町村は、受注者が、こうした公表資料を用いて提示して希望する価格については、これを合理的な根拠があるものとして尊重し、仮にこれを満額受け入れない場合には、その根拠や合理的な理由を説明することが求められるとしております。
都としては、国がこうした内容の通知をしたのは、発注者である市区町村が経済実態を反映した公表資料に基づかないで委託料を算定したり、受注者が公表資料を用いて提示した価格が尊重されないという不合理な実態があるということを踏まえたものと認識しておりまして、そうした市区町村に対しては、改善を求めてまいります。
○谷村委員 しっかりと改善を求めていただきたいと思いますが、この通知で市区町村は、受注者が公表資料を用いて提示する希望価格は合理的な根拠があるものとして尊重することとあります。
実際の受注者として提示する希望価格、これが尊重されるに至るまでのこの発注者と受注者で、実際協議をして折り合えないことも考えられます。事実、こうしたことが今までかなわなかったわけであります。
この通知文が発せられた背景には、長年にわたって、受注者、事業者は、発注者、いわゆる市区町村のいいなりのような状況に置かれてきたからであります。
都は、市区町村に改善を求めていくということでしたら、こうした際の、協議をしていく際の、価格交渉をしていく際に、うまく話が進まないという状況になったときの相談窓口を設けていただきたいと考えますが、見解を求めます。
○宗野資源循環推進部長 都は、今後、受注者が希望する価格と市区町村が合理的と判断する価格との間に相違が生じる場合、それぞれからの相談に対応するための体制の整備を検討し、労務費等の適切な転嫁を確保してまいります。
○谷村委員 通知文には、続いて、市区町村は、受注者の公表資料を用いた希望価格を満額受け入れない場合は、その根拠や合理的な理由を説明することが求められるとあります。
特に市町村においては、財政が厳しく、予算がないので、その希望価格を満額受け入れられないといった事情がある場合、これは合理的な理由となるのかならないのか、都の見解を求めます。
○宗野資源循環推進部長 各自治体の事業に要する経費については、首長が有する予算調製権等も踏まえ、総合的に判断され、措置されております。
一方で、国の通知では、発注者である市区町村には、関係者がその決定プロセスに関与し、経済の実態が反映されていると考えられる公表資料に基づき、受注者が提示して希望する価格については、これを合理的な根拠があるものとして尊重しなければならないとしております。
今回の通知は、非常に厳しい一般廃棄物処理業務の実態を踏まえて発出されたものであり、財政上の厳しさだけをもって合理的理由とすることはできないと認識しております。
都としては、市区町村及び事業者の双方から丁寧に意見を聴取し、価格交渉に関する指針や基本方針を踏まえ、必要な技術的助言を行ってまいります。
○谷村委員 今回、この国の通知が出された背景のもう一つに、三多摩清掃事業協同組合から環境大臣に宛てられた要望書があります。令和六年六月十日付で、当時の伊藤環境大臣、加藤理事長名で出されております。
その中で、こういう記載があります。長年にわたり委託料を変えない自治体ばかりか、一般競争入札の導入をちらつかせつつ、理不尽ともいえる額の委託料を提示してくる自治体も複数存在する、事業者としては、到底、受託業務を遂行するに足りる額に及ばないと認識しつつ、業務を全て失うリスクを考え、自治体のいい値で契約を締結せざるを得ない状況となっている、この状況が続くようであれば、事業者の業務遂行は遠からず立ち行かなくなり、市民、ひいては国民の生活に多大な影響を及ぼしかねない。これがこの発注者と受注者、市区町村と事業者の関係であったわけであります。
こうした皆様が、もう一つ、東京都市長会に宛てられた要望書があります。東京都市長会会長、渡部会長、そして市長会の環境部会長、河村部会長宛てのものです。
私たちの業務は、雨の日も風の日も厳寒や熱暑の季節もまちに出て、市民の皆様の快適な環境を守り、日々の作業を続けるため、事故防止のために神経を張り詰めた業務が続きます、社会生活を支えるエッセンシャルワーカーとして最も苛酷な労働に従事しているのは、私たちの業種ではないかと思います、ところが、最近、大きな岐路に立たされており、異常気象による連日の三十五度を超える猛暑とその対策、物価高による諸経費の値上がり、それに伴う待遇改善、慢性的な人手不足等々で経営が極めて困難に立たされておりますと記載されておりますけれども、これはもう悲痛な叫びであります。
都による市区町村、特に市町村に対して、技術的助言だけでは解決にはならない。実際に財政の厳しい市町村に対しては、都の財政的支援が必要であり、それなしでは対応できないのが現実であります。これは後ほど改めてお伺いをいたします。
さらに、通知文の記載事項について確認をします。契約途中で、実勢価格に変化が生じた場合の契約変更の可否、契約変更はできるのか、できないのか、都のご認識をお伺いいたします。
○宗野資源循環推進部長 契約の途中で、労務費、原材料費、エネルギーコスト等の実勢価格に変化が生じた場合には、契約変更の実施も含め、適切に対応することが求められるとしています。
また、受注者からコスト等の上昇に伴う契約金額の変更について申出があった場合には、迅速かつ適切に協議を行うものとし、その旨の条項をあらかじめ契約に入れることなどが求められるとしています。
都としては、国の通知が改めて発出されたのは、契約の途中で労務費等の実勢価格に変化が生じても、契約変更の協議や実施に応じない場合があるためと認識しており、そうした市区町村に対しては、適切に対応するよう改善を求めてまいります。
○谷村委員 この契約変更というのは、今まではもう考えられない中で、ずっと事業者の方々は耐えてこられました。
この通知文によって、国と都から市区町村に出された通知文によって、既に契約している案件でも、この実勢価格に変化があった場合は、契約変更できるんですよというご認識を今明らかにしていただいたわけですけれども、じゃあ、いざ市区町村に対して、契約変更を事業者がお願いした場合、なかなかそうはいってもできませんっていう対応をしてくるケースも考えられます。
都に、そうした場合、契約変更がどうしても必要だ、経費が大変高騰しているという状況で、これはもう契約変更していただかなければ対応できない。でも、市区町村の側は、財政上それは難しいっていう、こういう状況になったときに、都に相談窓口を設けるべきだと考えますが、見解を求めます。
○宗野資源循環推進部長 都は今後、契約金額の変更に関する協議などにおいて、受注者と市区町村との間に見解の相違が生じる場合、それぞれからの相談に対応するための体制の整備を検討し、労務費等の適切な転嫁を確保してまいります。
○谷村委員 ここまでは、国と都の通知の内容について、都の認識を確認させていただきました。
この通知が九月三十日、国、十月十一日、東京都知事から出される前に、都はこの夏、市区町村にアンケート調査を行っておられます。
今回のこの国の通知、あるいは都知事通知に照らして、この市区町村のアンケート結果と照らし合わせて、予算などの算定方法はどのような状況だったのか、ご説明をお願いいたします。
○宗野資源循環推進部長 都は、今年の夏、市区町村が委託する一般廃棄物処理業務について、委託契約の方法や内容を把握するため、自治体に向けたアンケート調査を実施しております。
その中では、多摩地域の市町村における可燃ごみの収集運搬委託に係る予算の算定方法について見ますと、労務単価等による積み上げと事業者ヒアリング、こちらが、こうした形の予算算定をしたのが十団体、約四割、事業者の見積りによる自治体が五団体、二割ございました。
また、事業者のヒアリングを行わないで、労務単価による見積りといった団体が四団体、一割、その他が八団体ということでございました。
○谷村委員 今回の通知では、公表資料に基づいた受注者の希望価格は尊重しなさいという趣旨であろうかと思います。
実態として、その事業者からの見積りであったり、ヒアリングだったり、そうしたものを徴収することなく、労務単価等による積み上げのみで行っている自治体は三市一町、その他の八団体の中にも、事業者からのヒアリングを行っていないのが、私どもの確認できますので二市あります。
また、先ほどのご答弁では、指名競争入札を採用している自治体が七市あります。これにはダブりもありますので、少なくとも十二市一町は、都のアンケート調査の段階で、既に国の通知、都の都知事の通知に適合していないというのは明らかになっております。
都としては、まずこうした自治体に対しては、速やかに改善を求めていくのかどうか、明快なご答弁をお願いします。
○宗野資源循環推進部長 都は今後、一般廃棄物処理業務において、指名競争入札を採用するなど、平成二十六年の最高裁判決や国の通知に適合していない自治体及び事業者へヒアリングを実施していない自治体に対して、必要な対応を求めてまいります。
今後、速やかに各自治体における取組状況に関する実態調査を行い、その結果に基づき、契約方法や適切な見積り方法、最新の実勢価格を踏まえた契約変更手続等について改善を求めてまいります。
○谷村委員 そうですね。この十二市一町に限らず、全ての自治体の状況を把握していただくために、速やかに実態調査を行っていただきたいと思います。
この国と都の通知どおりの委託料がしっかりと設定された場合、相当低い額に抑えられております二十三区の一部事務組合においても、そして多摩の三十市町村においても、それがこの通知どおりの事業者が本当に必要だとしている価格どおりに委託料が設定された場合に、特に市町村の方は、財政的負担が大幅に大きくなることも踏まえなければなりません。
市町村としても、悪気があって事業者への委託料を低く抑えてきたわけではない、財政事情からやむを得ず低い委託料でお願いしてきたという状況もあろうかと思います。
そこで都としても、市町村への財政支援を、こうした本来の委託料に対応できないという市町村があるのであれば、都としての財政支援を検討するべきと考えますが、これは須藤局長の見解を求めたいと思います。
○須藤環境局長 一般廃棄物処理業は、エッセンシャルワーカーの方々によって、衛生的で快適な生活を支えるという重要な役割を担っていただいております。
国の通知が繰り返し示すように、市区町村は、一般廃棄物処理業務について、他者に委託して行わせる場合でも極めて重い責任を負っており、その公共性に鑑み、経済性の確保よりも、業務の確実な履行を重視すべきでございます。
このため、昨今の労務費や物価の上昇なども踏まえた、適切な委託料が事業者に確実に支払われ、その経営基盤の安定を図ることは重要でございます。
都は今後、各自治体の取組状況を十分に把握し、標準契約書やマニュアルなどの作成に向けた検討を進めた上で、市区町村に対する技術的助言を強化するとともに、お話のございました財政的な支援につきましても検討してまいります。
これらの取組を関係各局とも連携して、全力で取り組み、一般廃棄物処理業の持続可能な事業運営につなげてまいります。
○谷村委員 明快なご答弁を大変にありがとうございます。予算編成前のこの微妙な時期に市町村への財政支援について、ご検討いただく旨の明快なご答弁をしていただきましたことに深く感謝を申し上げますとともに、そのご英断を高く評価させていただきたいと思います。
須藤局長のお名前も、緑川総務部長のお名前も、そして宗野部長の名前も深く歴史に残されることと思います。大変にありがとうございました。
これまでの質疑では、都は、発注者側の市区町村からのアンケート調査はされておりますけれども、実際に事業されている受注者、事業者の方々のお話は聞かれておりません。
今日ここで、私が事業者の方々の声を代弁させていただいてはおりますが、今後は、都として、この組合団体や事業者からのご意見もしっかりと聞いていただくことが必要であると考えますが、見解をお伺いします。
○宗野資源循環推進部長 今後、一般廃棄物処理業に関わる業界団体等からも、見積りの方法や労務単価、燃料費等の設定方法、状況変化に伴う協議、契約変更の方法などの確認を行いまして、都として、市区町村に対し、必要な対応を促してまいります。
○谷村委員 冒頭にも申し上げましたが、また、繰り返しにもなりますが、最高裁判決を受けて既に十年以上が経過しているにもかかわらず、国からは二度の通知が発出されているにもかかわらず、ほとんどの市区町村で適切な契約に見直されておりません。
今回のこの国の通知、都の通知がラストチャンスであります。本気で改善に取り組むべきであると強く申し上げておきたいと思います。
先般の国の通知及びそれを受けての都知事通知は、これまでよりも大変に踏み込んだ画期的な内容となっており、都としても真摯に受け止めていただき、市区町村にしっかり対応していただくことが重要であります。
一般廃棄物の処理業においても、しっかりと賃金の引上げを行っていけるような環境をつくっていかなければ、安全で衛生的で快適な生活を支えてくださるエッセンシャルワーカーの皆様の担い手確保ができないということになってしまいます。事業者の方々の経営も支えられるように、委託料を適正化していくことを、都としても迅速かつ強力に後押しを行っていただきたいと思います。
もう一点、熱中症対策補助について質問をいたします。
この熱中症対策は、命の危険に関わる問題であり、喫緊の課題であります。昨年に続き、今年の夏も記録的な猛暑となりました。朝八時には三十度を超え、日中の気温は体温を超えるような日々が続きました。
一般廃棄物の収集運搬に従事されている方々は、命の危険に関わるような猛暑の中でも、アスファルトの上を駆け回り、重たい可燃ごみを次々と清掃車に積み込む重労働を担っておられます。一般廃棄物の収集運搬業務は、都民の皆様の毎日の生活と大変に密着しており、仮に熱中症警戒アラートが発表されても、先延ばしできない状況であります。
一般廃棄物の処理業務を適正かつ安定的に継続していく観点から、受託者が暑さ対策等に適切に対応できるように、環境整備を進めていく必要があります。
こうした中、都は今年度、市区町村に対して、エッセンシャルワーカーの熱中症対策の支援を開始していただきました。
各自治体や事業者における取組は、緒に就いたばかりだと思いますが、都の取組状況を確認させていただきたいと思います。
先ほど、こいそ委員からもご質問がありましたので、省略をさせていただいて、まず、その熱中症対策補助費の利用実績についてお伺いをいたします。
○宗野資源循環推進部長 これまで三区七市において、一般廃棄物の収集運搬に係る作業従事者等が着用するファン付ウエア等の活用拡大が図られており、現在、都の補助金に係る申請手続を行っております。
引き続き市区町村に対し、都の支援策の活用を促し、エッセンシャルワーカーにおける熱中症対策を一層促進してまいります。
○谷村委員 この利用実績が三区七市というのはもうあまりにも少ないと思います。どこに問題があったのか、そして、それをどう改善していくのか、都の見解をお伺いします。
○宗野資源循環推進部長 今年の夏においては、ファン付ウエアなどを含め、様々な熱中症対策グッズの都の補助金を活用できる旨の周知、こちらが五月の末となってしまいました。
このため、市区町村における事業者等の調整にかかる期間を十分確保できなかったということがございます。
都は、来年の夏を見据えた熱中症対策の強化について、早期の準備を求めるため、補助事業の継続的な実施について周知を徹底いたします。
加えて、今後作成するマニュアル等において、ファン付ウエアの活用のほか、市区町村が取り組むべきエッセンシャルワーカーの熱中症対策の内容を明記するなどにより、補助事業の利用拡大を促し、一般廃棄物処理業者における熱中症対策をさらに後押ししてまいります。
○谷村委員 一般廃棄物処理業界における働き方改革や、物価高騰への対応は待ったなしの状況であります。
都として、市区町村との密な連携を図っていただき、一般廃棄物処理業の方々においても、働き方改革に対応しつつ、物価上昇を乗り越える適切な環境整備が行われるよう、さらなる取組を要望いたしまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○アオヤギ委員 日本共産党のアオヤギ有希子です。
まず最初に、PFASの問題について質問していきます。
十月三日、米軍から公表された文章を読みます。八月三十日、短時間に降った豪雨により、横田基地の消火訓練エリア、貯水池及び火災訓練用機材そのものを含む消火訓練エリアから、PFOS等を含む泡消火剤の残留が含む一万二千六百四十ガロンの水が恐らくアスファルト上にあふれ出し、数量不明の分量の水が地上から雨水排水溝に流入し、施設外へ出た蓋然性が高い、本事案について、再発防止計画を講じている。原文のままです。米軍が横田基地からPFASが漏れ出たということを初めて公表しました。
その後、PFASの濃度などの追加の質問で聞かれたことに答えてきたということです。
私も、十月七日の日に、日本共産党、山添参議院議員と共に、防衛省に対し、今回の横田基地からのPFASが漏れ出たことを公表したことについてレクに参加しました。その場でも、漏出した水の濃度について私も聞きました。その時点では分からない、防衛省も都が持っている情報と全く一緒という状況でした。
これまでの防衛省の対応は、昨年、私たちの日本共産党のレクで初めて二〇一〇年代の三件のPFASの漏出事故について認めたものの、基地の外には漏れ出ていないと聞いていると、米軍の主張を繰り返すのみでした。
二〇二〇年代の事故についても、PFASは使っていないという米軍の主張を述べ、昨年一月に起きた、漏れ出た写真つきで報じられたPFASの漏出については確認中と、これも一向に情報がないという状況が続いています。
一方、今回は十月七日に、私たちが濃度や漏れ出た正確な場所、残留物があるのかないのか、報告が遅れた理由を問合せし、濃度や漏れ出た場所、報告が遅れた理由などの回答については十月十七日に回答がありました。こんなに早く出されたのは初めてであります。
四万七千リットル漏れ出たPFASの濃度には回答があり、千六百二十ナノグラムであったと、その水が恐らくアスファルト上にあふれ出て、水が雨水排水溝に流入し、施設外に出た蓋然性が高いといっているので、これは環境補足協定の環境に影響を及ぼす事故が現に発生した事故といえるのではないでしょうか。今回はそれを米軍が通報したものではないのですか。見解を伺います。
○丹野環境改善技術担当部長 都市整備局からは、本事案につきまして、国に対し、詳細な情報を東京都及び基地周辺自治体に迅速に提供することを要請していると聞いております。
○アオヤギ委員 迅速に対応するよう国に対し求めているということであります。
防衛省関係者は、今回はこれまでと異なり、基地外の汚染の責任に米軍が言及している、都は立入調査を要請する強い根拠を持つと指摘したと東京新聞が報道しているので、これまでにない立ち入る根拠があるという状況だと思います。
私どもの十月七日のレクでは、防衛省は、都と周辺自治体から立入り要請がある場合は全面的に協力するとはっきり答えています。
私は、この間、米軍の回答の遅さや問合せがうやむやになっている状況から、立入りを要請したとしても、米軍によってうやむやにされるのではないか、懸念を申し上げたところ、我々は求めていくと、立入りの申請があればしっかりと求めていきたいと担当者は答えていますので、都は要請して、国と一緒に立入調査をしていくべきだと考えます。
都は、国に対して調査の要請をしていますけれども、防衛省は国と自治体と相談中と、自治体からは要請があれば、調査の要請を米軍に対して行うということでした。調査を要請して環境局も一緒に検査すべきではないですか。
○丹野環境改善技術担当部長 既に国の責任において対応することを要請しております。
○アオヤギ委員 米軍自身が、PFASが基地の外に漏れ出た蓋然性が高いといっているのですから、きちんと国が調査を行い、都も同時についていき、一緒に詳しい調査をしていくべきだと思います。
私自身もあした、防衛省に再度要請に行きますので、東京都が国に調べてほしいといっていることを伝えてきます。
そして、今回の米軍の回答は、これまで米軍が日本側に伝えてきたことと大きな矛盾もある回答だったと思います。
その一つが、PFAS含有の消火剤の扱いです。PFASが含有していない消火剤を使っているとこの間説明され、これまでPFAS漏出事故は基地の外には出ていないと説明されてきました。
また、今回、今年の九月までに、基地内の残っているPFASの泡消火剤は交換すると、九月までにするといってきました。一体どこでどのようにPFASを保管していたのか、どれくらい残っているのか、保管状況に疑問があります。
基地内のPFASを米軍は九月までに入れ替えるとしていました。どれくらいが残っているのか情報はありますか。
○丹野環境改善技術担当部長 都市整備局からは、国からの情報提供はないと聞いております。
○アオヤギ委員 都にはまだ情報がないということです。PFAS問題を取り上げてきたジャーナリストの諸永氏は、これまでも台風はあったことからなぜ今回だけ漏れ出たのか、米軍は九月までの処分を前にして処分費用にお金がかかるため、米軍は九月までとされていたPFOS等を含む泡消火剤の廃棄期限に合わせて汚染水を処分し、通報遅れを装った可能性も否定できないとおっしゃっていますけれども、米軍の回答待ちにせず、残留するPFASを含む泡消火剤はどれくらいあるのか、立入調査を行ってきちんと確認すべきです。
通報までに時間を要した理由については、米軍は、十月十七日の回答では、八月三十日、基地の土木工事部隊が消火訓練エリアから水があふれ出しているのを確認した後、流出した水の流れを追うため、現地調査を開始した。
また、この調査は、マンホールの位置から地下の排水管を手作業で確認することを含む複雑なものであり、現在も継続中であるが、あふれ出た水が横田飛行場外にまで至った可能性が判断された時点で、米側は日本側に通報したためであるといいますけれども、八月三十日に、消火訓練エリアから水があふれているのを見た時点で、なぜ日本側に通報しないのか。
恐らくアスファルトに流れ出たら、排水口に流れるというのは当然のことであり、わざわざ排水口の調査を開始して一か月も調査をするというのが非常に説明としてはおかしいなと感じています。
雨水が排水口に流れれば恐らく数日で川に流れるからです。せめてその排水口の調査を開始したときに、日本側に通報してもよかったわけです。なぜこの八月三十日の台風で貯水池の水があふれたということは見てもいないのに、それについては一か月もかけて詳しく調べているのに、昨年一月に起きたという泡消火剤が地面を流されている写真つきで報道されたものがあるのに、それについては全く回答がないという状況にも、疑問と怒りがあります。
また、なぜ雨ざらしの場所、公表された場所は、雨ざらしの貯水池、四角い貯水池があるところなんですけれども、そこで保管していたのかと。汚染物質が雨がふだんから降れば増えていきますので、今回一部保管状況が、こういった状況だということが分かりましたけれども、保管の仕方がとてもずさんだということを指摘します。
先ほど述べたとおり、米軍は、排水口の調査をして通報が遅くなったと説明がありましたが、米軍は排水系統が地下深く埋設してあり、調査できないといっていますけれども、基地の外の排水口は調査できる深さなのでしょうか。米軍がいっている排水系統は、米軍内のことなのか、米軍の外のことなのか、お示しください。
○丹野環境改善技術担当部長 都市整備局からは、国の責任において、基地内で発生したPFAS等漏出に係る公共用水域や地下水への影響について調査、分析、評価を行い、その結果を公表するとともに、必要な対応を行うことなどを要請していると聞いております。
○アオヤギ委員 この点については、米軍任せにするのではなく、国の責任で調査するよう求めているとのことです。確かに米軍のいっていることを全て信用できるのかという矛盾が多くあると思いますので、国と東京都が一緒にやるべきだと思います。
報道では、恐らく多摩川に到達したというふうに報道されているんですけれども、環境局もそのような認識でしょうか。
○丹野環境改善技術担当部長 国を通じた米国側からの回答では、横田飛行場の南西部にある排水口から恐らく施設外へと流れ出た、本事案の現地調査は継続中であるとされております。
○アオヤギ委員 米軍は、十月十七日に、航空写真で基地のここから排出されたと丸でこう示したものを周辺自治体に示しています。
それを見ても、あと、東京都の環境科学研究所も、先日、私、陳情の際お示ししたとおり、かつて横田基地周辺の下水管の排水の調査もしていますけれども、それでも分かるとおり、南西の福生側の場所の排水口もその一つ、もう一か所、環科研では、基地の北側に一か所排水する地点があるということを環科研は示しておりますけれども、既にこうした排水の状況というのは分かっていることですし、ふだん雨が排水されずに基地内にとどまっていたというわけでもなく、きちんと排水されているのが分かっているならば、また、米軍はわざわざ一か月かけて、本当に排水されているか調べるまでもないことです。なぜ時間をかけたのか疑念は払拭できません。
こうして意図的に情報を遅らせて提供しているのではないか疑われる中で、基地の外側の状況は、きちんと都が証拠を押さえていくことが重要です。
そこで伺いますが、米軍があふれ出たとする台風の日、八月三十日以降、多摩川を調査していますか。
○宮武自然環境部長生物多様性担当部長兼務 都は、国からの情報を受け、基地周辺の下の川及び残堀川の三地点において調査を行い、全地点でPFOS及びPFOAの合計値が暫定指針値を下回っていることを確認しております。
○アオヤギ委員 今回初めて、この基地の外に漏れ出た蓋然性が高いという米軍の通報を受けて、都が基地の南側の下の川と、基地の西側を流れる残堀川を測ったことは重要だと思います。
ただ、恐らく米軍から情報があった一か月後ということで、十月七日ということでいっておられますけれども、やっぱり一か月後で基準は下回っていたということです。
米軍の情報が遅れた、遅らせたのか、そのことが悔やまれるものなんですけれども、そして、今日、環境局、そして都市整備局のホームページに、この川の検査結果、公表されてありました。それに加えて、都が改めてもう一回要請を公表しておりましたけれども、さらに、証拠を押さえるために地下水の追加調査が必要です。
都は、比較的高濃度の地域は追加調査をすることになっていますが、横田基地周辺も、かねてからは、地下水は高い値で検出されており、追加調査が必要だと思いますが、米軍がいっている八月三十日以降、周辺をどれくらい調査をしていますか。
○丹野環境改善技術担当部長 都は、基地周辺も含め、都内全域の地下水の概況調査等を進めております。
○アオヤギ委員 先ほど三自治体、二十五か所をやっているっていうふうに答弁がありました。
ちょっとそこでお伺いしたいんですけれども、この三自治体は、横田基地周辺の自治体五市一町、福生、立川、昭島、武蔵村山、羽村、瑞穂の自治体が入っていますか。基地周辺も測っているという答弁でしたので、どうなのか教えていただきたいと思います。
○丹野環境改善技術担当部長 先ほど答弁いたしました三自治体、二十五地点というのは、補助を出した、申請を受けた自治体でございまして、今のところまだ、その自治体との関係もございまして、自治体名は公表することは、控えさせていただきます。
○アオヤギ委員 先ほど私の答弁で基地周辺も含むというふうにおっしゃっていますので、恐らく五市一町の中も含まれている、もうこれは結果が出たら公表されるものですので、結果を待ちたいと思います。基地周辺も測っているということで、きちんと分析をしていただきたいと思います。
恐らくアスファルトに流れたというふうに米軍はいっていますけれども、米軍が示した調整池の周囲は、恐らく芝生になっているんですね。航空地図で見ますと、芝生になっているんですけれども、アスファルトに達する前に芝生に浸透したのではないですか。
○丹野環境改善技術担当部長 国を通じた米国側からの回答では、消火訓練エリアから泡消火薬剤の残留を含む水が恐らくアスファルト上にあふれ出し、雨水排水系統に流入し、横田飛行場の南西部にある排水口から恐らく敷地外へと流れ出たとされております。
○アオヤギ委員 もし芝生だったら芝生にしみ込んでいる可能性があって、やっぱり土壌も調べる必要が出てくるなというふうに思っています。
十月七日に私が行った防衛省のレクでは、土壌に浸透していることは否定できないということを、防衛省の担当者が何度かいっていたのも、これもこれまでになかったことなんですけれども、環境局は、かつて環科研の研究で土壌に長鎖PFASという長い鎖のPFASが一定期間とどまることを明らかにしたことについて、先日の陳情審査でお認めになりましたけれども、今回、防衛省も恐らく土壌にとどまっているといっていました。周辺の土壌の調査をすべきではないですか。
○丹野環境改善技術担当部長 国を通じた米国側からの回答では、消火訓練エリアから泡消火薬剤の残留を含む水が恐らくアスファルト上にあふれ出し、雨水排水系統に流入し、横田飛行場の南西部にある排水口から恐らく施設外へと流れ出たとされております。
一般的にアスファルト舗装は、雨水の浸透による路床、路盤などの耐久性の低下を防ぐために、水が浸透しない構造となっております。
なお、国へは、基地外へ出た蓋然性が高い水の水質や施設外へ出た場所、再発防止対策等の詳細な情報を提供するよう要請しております。
○アオヤギ委員 芝生か恐らくアスファルトって、見てもいないのにいっているようなんですけれども、米軍がですね。どちらかには流れて、アスファルトの場合はもう排水系統に流れるということなんですよね。
NHKのクローズアップ現代で、基地にフェンス一つで隣接する畑でも、土壌で非常に高い値が検出されていると報道されています。
また、ドイツのアンスバッハ市の駐留米軍でも、土壌の汚染を除去する作業を、今、米軍がしているところというものであります。
土壌に残ることは、米軍も十分、自覚しているんじゃないかというふうに思います。汚染者責任の立場からきちんとした調査をして、汚染を確認して除染を米軍に求めていくべきです。米軍は二〇一〇年代にも三千リットルもの泡消火剤の原液をなくしてしまったことを認めています。
今回の台風によって漏出したとされるPFASがそれ以外の台風でも漏出したのではないか、また、多くのPFASが処分されずに残っているのではないか、大きな疑問があります。
周辺の水質調査で値が高ければ、現に汚染が起きていると判断できるのではないですか。
○丹野環境改善技術担当部長 PFOS等の有機フッ素化合物は、半導体の製造、撥水加工、泡消火薬剤など様々な用途で使用され、都のこれまでの調査では、全区市町村で検出されております。
また、暫定指針値を超過した地点は多摩だけでなく、区部の地域でも確認されております。
都は、引き続き都内全域で地下水の調査を進めてまいります。
○アオヤギ委員 確かに企業由来の汚染ではないかというところもありますが、立川市のPFASの抗生物質と同じ構成で物質が検出されている市もあると、都の環科研の研究成果でも示されていますし、また、住民団体の方が専門家に依頼して測った地下水の状況では、泡消火剤に入っている短鎖PFASのPFHxSが高い値で検出されている地域もあり、横田基地由来ではないかということも指摘がされています。
都の検査でも分かることがあると思いますので、きちんと分析をして、横田基地由来の汚染については、国と東京都で速やかな横田基地立入調査を求めて、このテーマは終わります。
次に、GLP昭島プロジェクトについて伺います。
さきの議会では、GLP昭島プロジェクトのアセスメント審議を慎重に行うことを求める二十三町会の町会長さんの連名で出された陳情が継続審査になっています。
その後、都民の意見を聴く会が開かれ、二十四人の住民の方が発言をし、GLP昭島プロジェクトの撤回も含めた、この事業に対する厳しい指摘や意見が出されたと聞いています。
その直後、十月十七日に審議会が開かれ、このときの意見も踏まえた質疑もありました。そして数日後、答申ということになりました。果たして、これが住民の方が求めている慎重な審議といえるのか疑問が残るものです。そして、知事は、評価書案審査意見書を事業者に送付したということまで進めています。
GLP昭島プロジェクトの事業者が提出した計画では、データセンターと物流施設を合わせると、CO2排出量が百七十八万トンと、全国のデータセンターの排出量を見ても全国一位、都のキャップ・アンド・トレード制度での都内事業者の最大規模の排出量十六万トンと比べても桁違いの排出量となり、都の脱炭素政策に深刻な影響を及ぼすものと考えられます。
また、今年の夏には電力逼迫が叫ばれて、各家庭や都民などにも電力消費を抑えることの呼びかけなどもありましたけれども、個人が猛暑時にエアコンなどを制限したら命に関わる問題になりますから限界があります。
こうしたことを招かないためにも、新たに設置される大量に電力を消費する事業者に都が働きかけることは不可欠です。
東京都の二〇二〇年度の温室効果ガス排出量は五千九百四十八万トンであり、現在の東京都の削減量は、二〇二〇年度の速報値で四・四%です。百七十八万トンの排出事業者がもしここに加わったら、五千九百四十五万トンのうち約三%になりますから、単純計算しますと、この四・四%が三%悪化して、一・四%に戻るということになるということです。都の排出量におよそ三%の影響を与える規模だといえるものです。
四・四%しか脱炭素が進んでいない東京で、全体の三%も排出する事業者を、その申請どおり認めていいのかが問われています。
経済産業省の審議会の議論では、電力需要がデータセンターなどによって増大し、それに対応するため、原発再稼働、新増設、火力発電まで議論がされていますけれども、一方、他の委員からは、エネルギー需要の見通しについてはしっかり検討すると同時に、エネルギー効率の改善、需要抑制の施策がしっかりと入っていくことが極めて重要などの声もあります。
自然エネルギー財団の石田雅也研究局長は、過去を見てもインターネットがこれだけ爆発的に普及しましたが、結果として日本の電力需要は増えていません、AIについてもそれと同じ道をたどる可能性が大きいと見ていますと話します。
そして、今、多くのデータセンター事業者は、再エネ一〇〇%を目指しているので、日本のように再エネがなかなか使いにくいところだと、日本向けのサービスも再エネが使いやすい国で処理をして提供されることになるでしょうともいわれています。
また、国連がデータセンターの省エネ対策、再エネ活用を求めていることに加え、欧州連合、EUが将来的にはデータセンターの電力需要が減少していく可能性を示しています。
そうした中、シンガポールの外資系企業が昭島市にある広大な土地を手に入れ、データセンターをつくるもので、もうけが最大限出るような形で、計画地目いっぱいに建てられる八棟のデータセンターの申請で、需要がどの程度あるのか、本当に必要なのかは正確には判断されていません。
北海道石狩市のデータセンターは、地域の再エネで一〇〇%賄うということを実現しています。この首都東京で設置できる再エネの電力量も限られているし、外資のデータセンターの電力供給のために設置されるものではありません。
住宅用は住宅用のもの、企業は企業の努力で再エネ、省エネ化を進め、脱炭素を目指さなければ、カーボンハーフ、カーボンニュートラルは実現不可能です。
そこで伺いますが、GLP昭島は、CO2排出量百七十八万トン相当もの電力をどのように調達しようとしているのですか。
○長谷川政策調整担当部長 事業者は、評価書案において、物流施設の屋上に五メガワットの太陽光発電施設を導入し、敷地内で有効活用するとともに、受電する電力は、再エネ由来電力の調達を検討するとしています。
受電する電力については、事業者は再エネ事業を立ち上げ、発電した再エネ電力をテナントにも使用してもらいながら、二〇五〇年のカーボンニュートラルを実現すべく事業を推進していくと審議会において回答しています。
○アオヤギ委員 物流施設の太陽光パネルでは全く足りず、その分を足しても、GLP昭島全体で百七十八万トンものCO2を排出するというものです。
二〇五〇年までに再エネを一〇〇%にすべきことではなくて、事業を始めるまでにそういった計画を持たないと、東京都の脱炭素は一向に進まないものです。再エネ電力を他の再エネ事業者から買うか、データセンターを減らすかどちらかしか考えられません。
住民の方々からは、計画地の北東の角地を工事をしていると指摘がありましたけれども、GLPに関係するものなのか、お示しください。
○長谷川政策調整担当部長 計画地の北東の変電所敷地は、本事業の計画地外に所在するものでございます。
事業者は、審議会において、本計画のデータセンターにも電力を供給する施設であると回答しています。
○アオヤギ委員 百七十八万トンもの施設に対して、変電所が必要なのは当たり前のことであり、もともとゴルフ場跡地で、角地だけ東電のものになっているわけですけれども、目的がなければ東電は土地を買わないと思いますし、今回のGLP昭島プロジェクトのためと考えるのが自然だと思います。
事業がまだ始まっていないのに、大口需要家のためには変電所を先につくるということなのだなと驚きます。
事業者は、今回の計画だと、いずれは再エネ拡大をするという主張で、当面は東電の電気を調達するのだと考えられますけれども、東電は、今もなお火力電力にも頼り、原発再稼働も狙うもので、電力需要は増やそうとする事業者には変電所をつくり応援する一方で、真夏の電力の逼迫状況には、火力をさらに発電するというふうにいったり、都民には省エネを求め、一方で、電力が余るようなときには、再エネを受け取り拒否をしますよと、出力抑制を示唆すると。再エネ拡大を阻んでいるのは誰なのか明らかなのではないでしょうか。
電力逼迫で家庭部門に節電を求めれば、先ほどもいったとおり、命の危険にも及びます。そうでなくても、今、電気料金の高騰で熱中症患者の救急搬送も今年も多かったわけです。
都は、真夏に電力逼迫のおそれがあるような状況をつくらないためにも、都のCO2排出の三%も占める事業者に対しては、しっかりと排出抑制を事業開始から求めるべきです。
再エネ電気を使うことを初めから事業者とテナントが協定を結んで、約束することが必要なのではないですか。
○長谷川政策調整担当部長 事業者は、再エネ事業を立ち上げ、発電した再エネ電力をテナントにも使用してもらいながら、二〇五〇年のカーボンニュートラルを実現すべく事業を推進していくと審議会において回答しています。
また、審議会答申において、最大限の再生可能エネルギーの導入に努めるとともに、再生可能エネルギーの使用について、テナントに働きかけていくことを求めております。
○アオヤギ委員 今の答申だけですと、努力義務程度になり、実際は再エネをどれくらい導入したかは報告するだけで、何%削減するという約束にはなっていません。
石狩市は再エネ一〇〇%を実現し、世界でもその動きがあります。省エネの指標、PUEは、低ければ低いほど省エネ率がよいということになりますけれども、日本や東京都にデータセンターの電力の規制のルールがないからといって、省エネについても、シンガポール本国ではPUE一・三%という値で実施している事業者なのに、日本では省エネ率のランクが下がるPUE一・四で申請しているのをそのままにしていいかは、審議会委員からも、もっと省エネ化、実施するよう求める質疑がありました。
一方で、先ほど答弁された事業者や事業者のテナントに対して再エネを求めることについては、事業者は審議会で、仮にデータセンターに物流施設の太陽光を配っていくという形にしたとしても、やはり全てのエネルギーを賄えないというのは指摘のとおりだが、外から再エネを買ってくるかどうかについては、最終的にはCO2削減という大きな企業目標もあるので検討していくべき内容だということでは考えているが、現時点では未定であるという、これが現状です。
昭島市長も再エネを事業者に求めており、そして、住民の方々はGLP昭島プロジェクトの設置そのものを撤回してほしいと運動されています。
昭島市の約六倍もの電力量であり、昭島市の脱炭素計画が頓挫するようなものであり、昭島市の住民が太陽光パネルをつけ、また、蓄電とかして再エネを進めた努力が全て水の泡になるような電力量です。事業者の責任で再エネ電力を調達し、省エネ化を進めるべきものです。
同時に、気候危機対策は待ったなしです。WMOは、二〇二三年の世界の平均気温は、産業革命前に比べて一・四五度上昇したと発表しましたが、気候変動抑制に関する国際協定、パリ協定では、一・五未満に抑えることを目指すと取り決めています。既にその寸前にまで来ているのです。
科学者たちが一番警戒していることは、気温上昇がある一点、ティッピングポイント、転換点を超えると地球全体での計画が急激に、かつ大規模に不可逆的な変化に陥り、人間の力ではコントロールできなくなってしまうという深刻な事態になると指摘をしています。
世界で五番目に多くCO2を排出する日本の首都東京で、CO2削減の責任を果たすことは当然のことです。事業者の申請どおりの計画では、その責任を果たすことはできないのではないでしょうか。
事業者が再エネの電気を八棟分、百七十八万トンを調達できない、自家発電でも賄えない状況であるならば、今の計画のデータセンターを八棟にするのではなく、大幅に計画地を減らして、再エネ一〇〇%となるような計画、棟数にするよう求めるべきではないですか。
○長谷川政策調整担当部長 先ほどもご答弁いたしましたが、事業者は、再エネ事業を立ち上げ、発電した再エネ電力をテナントにも使用してもらいながら、二〇五〇年のカーボンニュートラルを実現すべく事業を推進していくと審議会において回答しています。
また、審議会答申において、最大限の再生可能エネルギーの導入に努めるとともに、再生可能エネルギーの使用について、テナントに働きかけていくことを求めております。
○アオヤギ委員 違う質問なので、同じっていうのはおかしいと思いますけれども、それだけでは不十分ではないのかといっているわけですけれども、再エネで一〇〇%を担保すると。場合によっては、大幅な計画の見直しを含めた協定を事業者と都とで、相対で結んでいくことが必要です。
そこで伺いますが、都と事業者が協定を結んで、CO2排出を規制することは、都条例や法令に違反することにはならないと思いますけれども、いかがですか。
○荒田気候変動対策部長 都は、環境確保条例に基づく義務制度である地域における脱炭素化に関する計画制度、建築物環境計画書制度、キャップ・アンド・トレード制度を大幅に強化し、順次開始しております。
○アオヤギ委員 三つの制度をお答えいただきましたけれども、地域における脱炭素計画制度は脱炭素の方針を提出する制度だと。建築物環境計画書ではZEB化などの計画を事業者が出して都がランクをつけるものと。キャップ・アンド・トレード制度は事業が開始されて三年後に実際に定められた割合を排出削減、取り組むという義務があると。
そこで伺いますけど、事業者がキャップ・アンド・トレード制度の対象をさらに広げ、排出量削減割合を、より割合を高めていくべきではないですか。
○荒田気候変動対策部長 昨年十月に環境確保条例を改正して、当該制度を強化し、令和七年度から施行いたします。
○アオヤギ委員 キャップ・アンド・トレード制度の第四期に入る、改正がされて、排出削減割合が高められていることは重要ですけれども、対象は変わっていませんけれども、一定の規制がかけられているのは重要ですけれども、キャップ・アンド・トレード制度は三年後から規制をかける仕組みになっています。
先ほどの答弁からも、キャップ・アンド・トレード制度のように、現に事業者が規制をかける制度が現在あるということで、都が事業者と相対で協定を結ぶということは、現在も各局でやられていることですし、都がGLPとCO2排出削減に取り組むことを求める協定を結ぶことはできると考えます。
既存の制度それぞれに意義はあると思いますけれども、GLPの巨大排出を規制するためには不十分であり、これとは別に特別に相対で協定を結んでいくことは必要だと思います。
今後、GLP以外の場合においても、相対で協定を結んでいくことは必要だと思いますけれども、大量にCO2を排出する事業者に対しては、都と事業者との間でZEB化を進めることや、CO2を削減することなどを約束する協定等を結んで、CO2を排出させない取組をするべきではないですか。
○荒田気候変動対策部長 気候変動対策に係る条例制度の対象となる場合には、先ほど申し上げた制度に基づき、適切に対応しております。
○アオヤギ委員 答弁の条例っていうのは、先ほど来、答えているキャップ・アンド・トレード制度などを示すもので、それだけでは対応できない事態があるということを指摘するものです。
都の掲げる二〇三〇年カーボンハーフ、二〇五〇年カーボンニュートラルを本気で実施していくためには、どうしても大規模にCO2を排出する事業者と協定を結ばなければならない、そういう気候危機の状況にあるのだということを東京都が自覚すべきだと厳しく指摘をするものです。
次に、GLPのヒートアイランド対策について聞きます。
GLPに入るテナントによっては、サーバーを冷やす方法は変わるということはあるのですか。地下水を使う場合があるのか、それとも空冷で固定されるのかお伺いします。
○長谷川政策調整担当部長 事業者は、評価書案等において、データセンターに導入する冷却装置を水冷式から空冷式に見直すなどにより、地下水は使用しない計画であるとしています。
○アオヤギ委員 今の地下水は使わない計画書を事業者が提出していますけれども、一方で、事業者は審議会において、テナントによっては変わり得るということを述べており、変更届が出れば変更されるもので、地下水は使用しないとは今の段階ではいい切れないものです。
地下水を使うという場合には、PFASもそうですけれども、地下水の徹底した調査の対応も必要になってきます。
データセンターというのは、サーバーを何らかの方法で冷やさなければならず、GLP昭島プロジェクトでは、空冷で冷やすと報告していますけれども、巨大なエアコンからの大量の排熱が発生し、ヒートアイランド現象を招く懸念を専門家も指摘しています。
事業者からの排熱の影響について、都は、事業者から報告を求め、専門家の力を借りて評価をし、排熱をする量を制限していく仕組みをつくるべきではないですか。
○関建築物担当部長 大規模な新築建物を対象にした建築物環境計画書制度では、建物からの排熱対策等、建築主が行うヒートアイランド現象の緩和の取組を評価しております。
○アオヤギ委員 これ、先ほども出てきた建築物環境計画書制度で評価するというものであります。
たとえその評価が低くても、事業者が考慮しないという態度であれば、排熱する量の規制にはならないというふうに考えます。
きちんと排熱についての専門家の知見も取り入れて、ヒートアイランド現象への対策をするべきです。
次に、事業計画地に囲まれた代官山緑地のオオタカについて聞きます。
この間、このGLPの陳情審査でも申し上げてきましたが、代官山緑地では、オオタカが営巣し、繁殖に成功し続けている貴重な森です。この希少種の猛禽類であるオオタカを守っていくことは、生物多様性の保全という環境局に課せられた使命です。
そこで、GLPにおけるオオタカの保全についてですけれども、審議会の議事録で、オオタカに工事の音に慣らすという事業者の発言があり、専門家の方からも疑問が出されていましたが、そのようなことが実際に、慣らすということができるのでしょうか。その事例は、都は確認していますか。
○長谷川政策調整担当部長 事業者は、評価書案において、オオタカの巣から離れた場所から工事着手するといった適切な条件づけや、工事中の巣内の監視を行いつつ、警戒行動が確認された場合は、工事を一時中止するなどの配慮を行うとしています。
審議会において、事業者は、昭和記念公園の西側の開発において、工事をしながらオオタカが営巣し続けた事例があったと回答しています。
○アオヤギ委員 工事は離れた場所から行い、最後は営巣木まで近づかないと、工事は完了しません。警戒行動が確認されたからといって、一時停止するのみで、完全にやめるわけではありません。
昭和記念公園の西側開発では、音に慣らすということが成功したかもしれませんけれども、今回の代官山緑地でのオオタカで成功する担保は何もありません。
ましてや、今、赤ちゃんの子育てをしている状況だということも先日お示ししましたけれども、本当に慣れることができるのかは疑問です。繁殖をやめたり、子育てをやめたりしないとも限りません。
そこでお伺いしますけれども、GLPは、オオタカは周辺の特養工事のときにも営巣していたんだと発言していますけれども、特養の面積は出さなくて結構です。今回、GLP昭島プロジェクトの工事面積はどれくらいになるのかお示しください。
○長谷川政策調整担当部長 GLP昭島プロジェクトの計画地面積は約五十八・八ヘクタールでございます。
○アオヤギ委員 五十八・八ヘクタールということで、五十八万八千平方メートルですよ。そして、この特養ですけれども、五千平米、五千平方メートルということで、百分の一の面積しかない工事だったんです。何の前例にもなりません。
さきの陳情審査でも申し上げましたけれども、計画地では、緑地が十二・一二ヘクタールまで減らされる計画で、データセンターや物流施設の周りに点在する緑も含めて十二ヘクタールとなっていますけれども、専門家はオオタカがすむには少なくとも三十ヘクタールが必要といっています。
また、NPO法人オオタカ保護基金のホームページには、平地から丘陵地の、森林と開放地がモザイク状に存在する地域が主な生息場所となっている、オオタカが生息するには、オオタカの巣がかけられる大きな木とその周りの林がなければ、オオタカは繁殖できません、また、オオタカの巣の周りだけ保護しても、狩り場となる環境がなくては獲物が減少し、繁殖して子孫を残すことはできませんとしています。
そこでお伺いしますけれども、緑地を二〇%程度、十二・一二ヘクタールだけでは、オオタカが営巣するには少ないと考えます。事業の計画地を減らし、残存樹木を残して、オオタカを生態系として保全して、希少種を守っていくべきではないですか。
○長谷川政策調整担当部長 事業者は、評価書案において、計画地外である代官山緑地の北側に公園を配置するなどして、当緑地を中心に飛翔空間を確保し、また、採食地となる開けた空間を創出するとしています。
工事の施工中は、モニタリングやコンディショニング等の、また、完了後、遮光フェンスの設置や営巣期の園路の立入り制限等の環境保全措置を実施するとしています。こうした取組により生息環境への影響の軽減が図られるとしています。
○アオヤギ委員 緑地といっても、データセンターや物流施設の周りの植栽のようなものも含めてのことです。オオタカがすめるような緑ではないものも含まれており、オオタカがこれまでと同じように生きていくことができるのか、工事中も生きていけるのか、事業者が示した案では、何の担保もできるものはないといわざるを得ません。
審議会の委員の方からの意見で、オオタカだけを守るということはできない、オオタカの餌となるほかの生き物、それからほかの餌となる鳥が食べる生き物や植物全体を守っていくというのが保全につながるので、ここでは、特にオオタカに触れているが、食物連鎖の最高位を守るということがどれだけ生態系全体を守ることにつながるかということをいま一度考えていただきたいというご意見もありました。事業者は、誠実にこの意見に応え、オオタカを保全する計画にしていくべきです。
自然環境部では、生物多様性戦略を策定中です。その中でも、希少種を個体で守るのではなく、生態系で保全していくことが示されています。
今、様々な開発によって希少種が都市部でも確認され、昭島市でも確認されるという状況です。民間事業者の土地であっても、生物多様性戦略の生態系で希少種を守るという考え方を適用させて、希少種が失われないように対策すべきです。
都は、オオタカ等の希少種の保全に向けて、開発に当たり、事業者に対してどのようなことを求めているのでしょうか。
○宮武自然環境部長生物多様性担当部長兼務 都は、自然保護条例に基づき、自然地において行う一定規模以上の土地の形質変更行為に対し、あらかじめ開発許可を求める制度を運用しております。
本制度においては、希少動植物の生息、生育への配慮として、自然環境調査や改変範囲の最小化、生息地の創出等の代替措置の検討などを求めております。
○アオヤギ委員 今の答弁なんですけど、自然地においてということで、この都市部の一度開発された地域の緑や樹木は入らないお話なんですね。本気で、都内に生息をする希少種を守っていくことを強く求めるものです。
そして、GLPの大気汚染についてです。
このGLPは、物流施設も、データセンターも二十四時間の稼働を申請しているもので、大量の交通車両の増加は、住民の方から繰り返し改善を求められていることです。
この点で、答申では、工事車両及び関連車両の走行に伴う二酸化窒素及び浮遊粒子状物質の濃度について、いずれも評価の指標とした環境基準を下回っているものの、住民から交通量の大幅な増加に対する不安や、大気汚染物質の増加による健康影響への懸念が示されている、そのため、周辺住民に対し、大気汚染物質の濃度の変化について丁寧な説明を行うとともに、環境保全のための措置の徹底を図ること、また、さらなる環境保全のための措置を検討し、大気質への影響の低減に努めることという答申がありました。
大気質への低減に努めるということはどういうことなのか。大気汚染の状況などの報告を求め、基準値を超えたら規制される、制限されるということですか。具体的にどういうことなのか、お示しください。
○長谷川政策調整担当部長 事業者は、今後の事後調査報告において、基準値を超過した場合の対応など、環境保全のための措置の実施状況等を報告することとなります。
○アオヤギ委員 事後報告書で報告するということです。こちらも報告を求めるだけで規制にはならないということです。
周辺交通環境の悪化を懸念する声がたくさんあるんですから、住宅街にも配慮をし、夜間の物流施設は停止させるとか、そういう事業者も中にはいますので、配慮は事業者、考えていくべきだと思います。
自分たちの利益最優先だけの対応では住民の皆さんは受け入れられません。住民の意見をきちんと取り入れていくこと、そしてきちんと対話をして住民の声に応えていくことを強く求め、このGLPのテーマを終わります。
次に、私どもに相談が寄せられた廃棄物処理業者について伺います。
この廃棄物処理業者、A社の近隣に住む住民の方から、長年その処理業務に起因すると思われる様々な事象に悩まされ、営業にも影響があるということです。焼却施設も様々な廃棄物を受け入れている中、起きたのではないかということが住民の方からいわれています。
そこで伺いますが、この事業者に対して、どのような届出が出て、都が許可しているのでしょうか。
○宗野資源循環推進部長 廃棄物処理法に基づく申請がなされれば、適正な審査の上、その申請の種類に応じまして、産業廃棄物の収集運搬処分業、一般廃棄物及び産業廃棄物の施設等の許可を出すことになります。
○アオヤギ委員 事業者はこうした届出が出されており、都にはこの事業者に対して許認可と指導権限があるということです。
次にお伺いしますけれども、廃棄物として、動物性残渣を受け入れていた実績があるようですが、焼却施設の老朽化で焼却を止めている状況だとも聞いています。受け入れていた動物性残渣の管理状況がどのようになっているのか、施設内を把握していますか。
○宗野資源循環推進部長 施設を休止した際に、未処理の廃棄物が残っているかを確認し、未処理物がある場合には、適切な処理を指導することになります。
○アオヤギ委員 未処理がある場合は指導するということです。
当該事業所では、焼却施設を止めた後、未処理の動物性残渣があるようで、臭気やそれを食べに来る鳥のふん害があるということです。未処理のものを残さないよう指導をしていただきたいものです。
住民の方は、長年この廃棄物処理業者に起因すると思われる事象に悩んでいたため、専門家の力を使って、周辺の状況を調べたということです。
それに協力されたのが、東京農工大の環境毒性学研究室で、周辺の側溝汚泥、樹木、屋上の堆積物などを調査したところ、カドミウムやセレン、亜鉛など毒性の強い物質が検出されています。施設内の土壌を調査すべきではないですか。
○丹野環境改善技術担当部長 施設内の土壌を都が調査する権限はございません。
○アオヤギ委員 権限ないということなんですけれども、この調査は、日本の環境科学学会でも、世界の環境科学学会でも、検査方法として取り入れられている検査方法、EF値で調べて……(発言する者あり)
○曽根委員長 ご静粛に願います。
○アオヤギ委員 現に有害な物質が確認されているのですから、その後、値が都の調査方法ではどのように出るのか、まあ二次調査をすべきだと思います。上記のような場合に、周辺の地下水の調査をすべきではないですか。
〔発言する者あり〕
○曽根委員長 ご静粛に願います。
○丹野環境改善技術担当部長 堆積物など、公定法で対象としない調査をもちまして、周辺の地下水調査を行うことはありません。
〔発言する者あり〕
○アオヤギ委員 質問違うんですから、ちょっと妨害やめてくださいね。
それでは新たな公害というのは発見できないというふうに思います。今回の農工大の専門家の調査は一つの検査結果ですけれども、堆積物も恐らく大気中のものがたまっていたもので、それを調べて、重金属の値が高いわけですから、なぜ高いのか、どこから堆積物が来たのか、原因を追及すべきだと思います。
法で対象としない調査をもって、地下水の調査はできないといいますけれども、この農工大の研究者の方が使った調査方法は、私ども日本共産党都議団が豊洲市場の粉じんの調査のときにも用いられた調査方法で、そのときも重金属が含まれていることが分かり、公表したものです。
これまでの公害として認められたものの多くは、初めは公害としては扱われたわけではなく、様々な自主検査で知見を増やして、それが認められていき公害として認定されるもので、基準がないからできないというものではなく、都が率先して検査をして知見を広げていくべきだと考えます。
ですので、研究者の方が行った検査結果を基に、都の調査方法で調べてみてみることが必要です。この事業者は、水質汚濁法の特定事業場に該当しますか。
○宮武自然環境部長生物多様性担当部長兼務 水質汚濁防止法施行令別表第一、七十一の三または七十一の四に該当する施設を設置しない事業場は、特定事業場とはなりません。
○アオヤギ委員 こういう場合は該当しないということだと思います。
その事業者の状況に応じて申請されるものであって、もし対象となれば、様々な検査の対象となっていくものです。届出内容に変更があった場合は、判断していただきたいと思います。
最後に、隣接する事業者の屋上の堆積物も亜鉛などの金属元素が高濃度で検出され、処理場から後背の事業者の取扱う車にも影響があるということですけれども、大気の状況を、ダイオキシン以外でも調査すべきではないですか。
○戸井崎環境改善部長 法令に基づき、事業者が排ガス中のばいじん濃度を定期的に測定することとなっております。
○アオヤギ委員 ばいじんだけの濃度を測定しているということです。廃棄物に含有している金属がどれくらいあって、それを燃やしたときにどのような影響があるのか。世界では研究が進みつつあると思いますけれども、きちんと都内の大気の汚染の状況を調べることが必要だと思います。
そして知見を広げ、人間や動植物にどのような影響があるかを調べ、公害を根絶していく都の役割を発揮していただきたいと述べ、質疑を終わります。(緑川総務部長発言を求む)質問していないです。(発言する者あり)質問していないです。
○緑川総務部長 委員からお話があったA社がどこであれ、廃棄物処理法に基づく許可を受けている事業者であれば、都は、法令に従って適切に対応しておりまして、事業者も法にのっとり適切に事業を行っております。
そうした中で、委員の下に住民が長年、健康で悩んでいるという声があるのであれば、先ほど来申し上げているように、都には、公害に関わる民事上の争いがあった場合に、公害紛争処理法に基づいて、あっせん、仲介、調停を行う制度がありますので、まずは当該制度を使っていただいて、解決を図っていく必要があるものと認識しております。
○アオヤギ委員 私は、その東京農工大の先生の検査結果を基に、都の調査方法でさらに知見を増やしてほしいということで、特に因果関係が今あるかというふうに断定しているわけでもありませんし、そういった公害をなくすということを定めている東京都ですので、そうした取組を進めていくことを求めるものです。
以上です。
○曽根委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
午後九時四十分休憩
午後九時五十四分開議
○曽根委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○小宮委員 東京都の再エネ施策について伺います。
エネルギーの大消費地である東京の責務として、再生可能エネルギーの地産地消を進めていくことは極めて重要であります。東京都は、二〇三〇年カーボンハーフ実現に向けまして、二〇三〇年に都内電力消費量に占める再エネ電力の利用割合を五〇%程度とする目標を掲げまして、再エネに係る様々な取組を展開しています。
来年四月には、大規模事業所を対象としたキャップ・アンド・トレードをはじめとした条例制度が強化されますが、二〇二二年実績では、都内再エネ利用割合は二二%となっており、まだ道半ばの状況であります。
そこで、まずは二〇三〇年再エネ利用割合五〇%程度の目標達成に向けて、現在の取組と認識を伺います。
○荒田気候変動対策部長 都は、エネルギーの大消費地の責務として、最大限の省エネに取り組むとともに、再エネの基幹エネルギー化に向けて、需給両面から取組を進めております。
再エネ利用を拡大する取組として、来年四月から住宅や事業所などの建物対策に係る条例制度を強化するとともに、都民や事業者に対する再エネ設置に係る様々な施策を拡充しております。
また再エネ供給を拡大する取組として、今年度、小売電気事業者等の取組を促進する条例制度を強化するとともに、再エネ電源の新規開発支援の拡充を実施しております。
今後もあらゆる施策を総動員し、二〇三〇年再エネ利用割合五〇%程度の目標達成を目指してまいります。
○小宮委員 再エネの供給拡大に向けては、再エネをつくる側の取組として、都内に供給されている再エネ利用の一層の拡大を図ることが必要です。しかし、再エネの適地が減少していく中、一部では、再エネを設置する地域の反対などもありますので、導入が難航しているというか、簡単ではないというふうに聞いています。また、需要が不透明な中、再エネ電源への新たな投資も難しいと聞きます。
こうした中、東京都が小売電気事業者に対して行う支援事業の概要と実績について伺います。
○荒田気候変動対策部長 都は、新たな再エネ電源開発を後押しするため、小売電気事業者を対象に、再エネ設備の新設に対し、設備等の導入費用の二分の一を補助する事業を昨年度から開始しております。
昨年度は、これまで再エネ電気の供給をしていない事業者や、関東近県の太陽光発電事業を中心に六件、合計約五億九千万円を採択しており、今年度は事業規模を拡充して実施しております。
本事業では、再エネ設置地域の自治体と非常時の利用に関する協定の締結や、地元事業者の事業への参画などを事業要件としており、地元への配慮も十分考慮の上、再エネの新規開拓事業としております。
○小宮委員 また、再エネを利用する割合を一層高めるためには、再エネの供給する側に加えて、電力を使う側へのアプローチも必要です。都民や事業者が再エネを選択しやすい環境を構築していくことが重要と思います。
そのためには、電力契約時の再エネの割合が分かるということや、小売電気事業者の再エネ導入にどれだけ積極的か、意欲的かなどが分かって選択できるということが大事であると思います。
東京都は、こうした再エネを使う側の選択可能性をどのように高めていくのか伺います。
○荒田気候変動対策部長 都は、再エネの拡大に向け、小売電気事業者等約三百社を対象としたエネルギー環境計画書制度について今年度強化いたしました。
具体的には、二〇三〇年度の電気の再エネ利用割合五〇%程度を目安とした目標設定や、電力販売メニューごとの再エネ利用割合等を盛り込んだ計画の提出を求めており、年度内に公表いたします。
これにより、都民、事業者が再エネ導入に積極的な小売電気事業者の電力をより選択しやすい環境を醸成し、需要側からも取組を進めてまいります。
○小宮委員 再エネをつくる側への支援と併せて、再エネを使う側が選びやすいような対策を着実に進めていっていただきたいことを要望しておきます。
次に、資源循環に向けた取組についてですが、プラスチックの水平リサイクルに向けた企業との連携などについて、もういろいろと話が出ておりますが、令和三年度から昨年度まで革新的技術・ビジネス推進プロジェクトを東京都は行ってきましたけれども、その具体的にどのような事業を支援してきたかの実績と、それを今後より多くの企業に導入拡大していくことが重要と思いますので、今後どう進めていくのかを併せて伺います。
○木村資源循環計画担当部長 都は、廃プラスチックを元の材料と同等の品質に戻す水平リサイクルの実証事業等を進める事業者を支援してまいりました。
具体的には、オフィスから排出される弁当容器や事務用品などを可燃ごみから分別し、高度なリサイクル技術により再生原料に戻す事業を支援し、ごみ袋やウッドデッキ等の製品に再生いたしました。また、商業施設等に納入する際の衣料品の透明なカバーを帰り便で回収し、トレーサビリティーを担保しながら、商品の緩衝材に再資源化する事業を後押ししてまいりました。
こうした取組によりまして、事業者による先進的な技術や新たなビジネスモデルの創出につなげてまいりました。
そして、これからでございますけれども、今年度ですが、まず東京都の自らの取組といたしまして、都庁舎の廃プラスチックの水平リサイクルを推進するため、リサイクル先を明記した処理契約を締結し、マテリアルリサイクルに取り組んでございます。
また、新たなプラスチックのリサイクルルートへ切り替える民間の排出事業者に向けて、今年度から、ごみの計量器や分別容器などの整備や運搬等を対象とした補助制度を開始してございます。
今後、不動産業界団体等と連携して、オフィスプラスチックをテーマにシンポジウムを開催し、取組の拡大を促してまいります。さらに、東京サーキュラーエコノミー推進センターを活用して、先進的な企業の取組事例の発信や、オフィスビル等リサイクラーのマッチング等を強化することによりまして、事業者と連携したプラスチックの資源循環を促進してまいります。
○小宮委員 区市町村によるプラスチックの分別回収については、令和四年四月にはプラスチック資源循環法が施行されまして、これまでの容器包装プラスチックに加えて、製品プラスチックの分別収集の実施も自治体に求められるようになりましたので、今、東京都が行っているプラ製容器包装等のほかに再資源化支援事業は令和八年度までの事業となっていますけれども、今後課題などを検証して、自治体への支援をしっかりと行っていただいて、プラの分別収集をさらに拡大していただきたいと要望して、最後の質問に移ります。
廃棄物の再資源化事業等の高度化について伺います。
本年五月に、再資源化事業等高度化法が公布されました。廃棄物を再資源化して有効活用する取組を促進することは、天然資源の消費を抑制して、環境への負荷が低減されるだけでなく、経済安全保障、産業競争力強化といった社会的課題の解決にも貢献するもので、重要な動きと考えます。
そこでまず、資源循環の促進に向けて、再資源化事業を高度化させていくためには、どのような取組が求められると考えるのか伺います。
○木村資源循環計画担当部長 資源の持続可能な利用に向けては、資源を加工して製品を生産する企業に再生材の利用を促すとともに、廃棄物処理事業者における処理工程を高度化し、再生材の安定的な供給を促進することが求められております。
再生材の質と量を高めていくためには、例えば廃ペットボトルの水平リサイクル技術など、高度なリサイクル設備の導入や、廃棄物に含まれる異物等を効率的に除去し、資源の種類ごとに選別するなど、処理プロセスの高度化などを行っていく必要がございます。
○小宮委員 資源の持続可能な利用を実現するためには、廃棄物の処理プロセスを高度化していく必要があるとのことですが、その担い手となる都内の廃棄物処理事業者の実態について、東京都はどのように認識しているのか伺うとともに、新法の公布を踏まえた東京都の今後の取組について伺います。
○木村資源循環計画担当部長 都内の産業廃棄物処理事業者におきましては、新法の施行を見据え、再生材の質と量を確保する事業を積極的に推進したい意向を示す企業がある一方で、高度なリサイクルに対応する設備や担い手の不足等が課題に挙げられております。
このため、AIを活用した選別ロボットの導入など、処理プロセスの効率化や省力化を推進するとともに、プラスチックの水平リサイクル技術や、廃棄製品からのレアメタルの効率的な回収など、最先端技術を用いた再資源化工程の高度化が必要であると認識しております。
今後、来年度に施行予定である新法の動向を注視しながら、廃棄物関連の業界団体とも連携し、再資源化事業等の高度化に意欲を持つ事業者を後押しする方策について検討し、循環経済の実現を目指してまいります。
○小宮委員 資源循環の促進には、廃棄物処理事業者の処理設備を高度化するなど、インフラの整備が欠かせません。東京都は、産業廃棄物処理に関わる業界団体からの意見も積極的に把握し、資源循環産業の発展につなげていくよう、積極的な取組を要望して質問を終わります。
○伊藤委員 三点について質問します。よろしくお願いします。
まず一点目です。フロン対策について伺います。
都は、二〇五〇年までにCO2排出実質ゼロという世界共通のゴール達成のため、ゼロエミッション東京の実現に向け取組を強化しています。目標達成のためには、都が率先して様々な施策を展開し、都民や事業者を誘導していくことが重要です。
その中で、都内フロン排出量は二〇一四年度比で約六二%増加しており、フロン使用機器のノンフロン化が非常に有効です。現在、都は省エネ型のノンフロン機器の導入を支援する事業を実施しています。
そこで、本事業の取組状況について伺います。あわせて、今後、業務用大型空調機器など、新たな分野でのノンフロン化やレトロフィットなどを推進するべきと考えますが、見解を伺います。
○戸井崎環境改善部長 本事業は、省エネ型ノンフロン機器を導入する事業者に対して費用の一部を支援するものでございまして、今年度は中小企業等に機器購入費用等の三分の二、大企業に二分の一の補助を実施しております。
令和元年度から本年九月末時点までの申請実績は累計で計一千百台、うち、今年度は既に二百六十九台となっておりまして、昨年度の五十三台を大幅に上回っております。
また、業務用大型空調機器につきましては、ノンフロン、低GWPの新冷媒や棄損機器の冷媒を入れ替えるレトロフィット等の新技術は、まだ開発途上でございまして、導入事例は少ない状況でございます。
今後、都はこうした新技術等、フロン排出量を削減する取組について検討してまいります。
○伊藤委員 都の積極的な支援を継続して、業務用大型空調機器等のノンフロン化など、将来を見据えた取組を早期に具体化するように要望をいたします。
都内のフロン排出量を減らすためには、都内でフロン機器の管理などを行う事業者やフロンの回収などを行う事業者の理解と協力、知識や技術力が重要になってまいります。都は、業界団体と連携し、フロンに関する知識を身につける場として、毎年、フロン対策講習会を開催していると伺っておりますが、昨年度の開催実績と今年度の状況について伺います。
○戸井崎環境改善部長 フロン対策講習会は、都と業界団体の共催により、機器管理者や充填回収業者を対象に、平成二十五年度から実施してまいりました。昨年度は、十二月に区部及び多摩地区で合計五回開催をいたしまして、延べ五百を超える事業者に受講していただきました。
今年度は、十二月に区部で、一月には多摩地域で合計四回、講習会を開催する予定でございます。
こうした取組は、フロン対策の最新動向や都の支援制度の周知、事業者ニーズの把握などに大きく貢献しておりまして、今後も業界団体と連携して継続的に開催し、フロン対策の理解促進を図ってまいります。
○伊藤委員 二〇五〇年の目標達成には、都全体での取組が欠かせません。最新の技術や情報を共有し、対策の理解を促進するためにも、担当局が横断的に連携をしながら、引き続き多くの事業者に参加いただくよう積極的に周知することを要望いたします。
ふだんの身近な生活で使われているエアコンなどにもフロンは使用されておりますが、国全体でのフロン回収率は約六〇%ほどとのことです。社会全体の機運を高め、フロン回収率をさらに高めるには都民の理解も重要です。
都は今年度、都民向けの普及啓発を新たに実施する予定と伺っています。身近なテーマを基に、実感を持っていただきながら、都民にフロン排出抑制の重要さを感じていただけるよう工夫して取り組むことが必要だと思います。
都は今年度どのように取り組むのか伺います。
○戸井崎環境改善部長 都内フロン排出量のうち、約二割強が家庭用エアコンからの排出となっていることから、フロンに対する都民の関心を高めるため、今年度より都民向けの普及啓発を実施いたします。
具体的には、フロンが地球温暖化の原因の一つであることを理解いただき、古いエアコンなどの早期買換えや、家電リサイクル法にのっとった回収を促すなど、身近な情報発信を行ってまいります。
こうした情報を分かりやすく発信していくため、タレントを起用した動画やリーフレットの作成、商業施設でのイベントへの参画等、様々なツールや機会を活用してまいります。
○伊藤委員 都民にフロン対策の重要性などを理解してもらうためには、継続的な普及啓発の取組が重要です。引き続きこうした取組を行っていただくことを要望して、次の質問に移ります。
二点目は、GLP昭島プロジェクトに係る環境アセスメントについてです。
昭島市の北部、玉川上水を挟んで反対側には立川市という地域に物流施設、また、データセンターの建設計画が進んでいます。本件は、昭島市の地域に建設されるものですが、当該地を出入りする車両の通行は隣の立川市にもまたがっており、両市から特に子供や住民生活への影響、並びに交通安全に係る懸念があります。
企業側の説明によれば、一日当たり五千台以上となる車両が、本施設に出入りするとされています。今回、GLPが建設される場所の近くには、住宅街と小中学校があり、ふだん主に自家用車や自転車が通行しているエリアです。
また、近くにある天王橋交差点は慢性的な渋滞が課題となっており、今後さらなる交通渋滞を懸念する声が絶えません。昭島市はもちろん、私の地元立川市でも、地域の方々や学校関係者などで構成する協議会が立ち上がっており、情報交換を進めています。
こうした状況を踏まえ、今回のアセスの答申では、通常の評価項目にない事項への取組を事業者に求める総括的項目が入ることが分かりました。このことは画期的なことであると考えています。この総括的項目についてですが、どういった経緯で追加されたのか伺います。
○長谷川政策調整担当部長 本事業については、評価書案への都民、関係市長の意見や、都民の意見を聴く会を通じ、自然環境や交通への懸念、地域住民との話合いの不足などの懸念が表明されました。
そこで本事業の審議では、環境保全措置の徹底に加え、地域住民への丁寧な説明や交通管理者等との十分な協議など、地域と連携して対策を検討していくことが重要であるとの議論がございました。
そのため、本件答申では、大気汚染や騒音、振動といった通常の評価項目別事項に加え、地域との連携といった評価項目にない事項が総括的事項として盛り込まれることとなりました。
○伊藤委員 地元の声に真摯に向き合ってくださった関係者の皆様に感謝を申し上げます。
総括的事項では、環境保全のための措置の徹底、継続的な検証と改善を重ねていくとともに、地域住民への丁寧な説明や、交通管理者等の関係機関との十分な協議など、地域と連携をし、対策を検討していくことが重要であると記載されています。
今後、都や審議会として、こうした事業者の活動をどのように確認をしていくのか伺います。
○長谷川政策調整担当部長 今後、事業者は、答申の内容などを踏まえ、評価書や事後調査計画書を作成し都に提出します。その後、事業者は、事後調査計画書に基づき、工事中及び工事完了後における事後調査の結果を報告書としてまとめ、都に提出します。
都としては、事後調査報告書を受理した際は、答申の内容を踏まえた環境保全措置が適切に講じられているか等について、専門的立場から審議会委員に確認の上、必要に応じて助言をいただき、それに対する事業者回答とともに審議会に報告いたします。
報告の際に、委員からさらに意見があった場合には、当該意見を事業者に着実に伝え、対応を促してまいります。
○伊藤委員 事業者が、答申の内容を踏まえ、誠実に対応しているかを確認するというこの流れは分かりました。
重ねて伺いますが、答申で述べたことが、単にいいっ放しではなく、しっかりと対策が講じられるよう実効性を確保していく、このことが極めて重要です。どのように取り組んでいくのか伺います。
○長谷川政策調整担当部長 都の環境影響評価手続は、評価書等の環境影響評価図書に加え、審議会の審議についても公開されており、事業者は、事業の実施に際し、誠実な履行が求められます。
また、評価書が提出された際には、開発許可等の許認可権者に対し、その写しを送付し、許認可等を行うに際して、評価書の内容について十分配慮するよう要請いたします。
都としても、引き続き、豊かな環境を将来にわたり維持していくために、地域と連携し対策を検討しながら進めていくよう、事後調査報告を通じて事業者に促してまいります。
○伊藤委員 交通管理者や地元とのコミュニケーション、こうしたことを重ねることはもちろんなんですが、何よりも地元住民との信頼関係構築が重要です。
今後、アセスに関係することの問合せ窓口は、環境局アセス担当課であるとのことですが、実際には、問合せ内容によって、対応するのは地元市であったり、警察であったり、環境局であったりと、部署が分かれるものと思います。市民の問合せに対し、たらい回しなどにならないよう、真摯に向き合っていただくことをお願いして次の質問に移ります。
最後の質問です。有機フッ素化合物、PFASについて伺います。
もう既に、前の議員の皆様からもご質疑がありましたので、ご答弁重なるところは削除していただいてご答弁いただければと思います。
これまで我が会派は、昨年度来、都議会の本会議や委員会にて、有機フッ素化合物対策について質問し、都民の不安を払拭していくよう求めてまいりました。
しかし、去る十月三日、防衛省北関東防衛局は、米軍側から提供された情報として、東京都並びに私の地元立川市をはじめとする基地周辺の五市一町に対し、八月三十日にPFOS等を含んだ水が豪雨のために基地の外に流出した可能性があるとの連絡がありました。
横田基地からのPFOS流出を米軍が認めたのは初めてとの記事も目にしていますが、今回の報告を受けて都としてどのような取組をされたのか伺います。
○丹野環境改善技術担当部長 十月三日の国からの情報提供を受けまして、都と横田基地周辺の六市町でつくる連絡協議会は、国に対しまして要請をいたしました。要請の内容につきましては、先ほどご答弁いたしましたとおりでございます。
あわせて、都は、国からの情報提供を受けまして、基地周辺の河川、下の川、残堀川で水質調査を行いました。結果は、全て暫定指針値である五十ナノグラムを下回っていたことを確認いたしました。
都は、この結果につきまして公表いたしますとともに、これを受けて連絡協議会は、国に対しまして、これまで要請した内容につきまして早急に対応するよう、改めて要請いたしました。
○伊藤委員 都は、情報取得後すぐに、地元自治体と協力の下、国への要請を行うと同時に、都独自で水質検査を行い、その結果、基地周辺の河川への影響はなかったということが分かりました。
環境省は、PFASの二つの物質、PFOSとPFOAについて、自治体などの水道事業者に、水質検査や、一定の数値を超えていた場合に改善を義務づける水道法上の水質基準に引き上げるかどうかの検討を進めるということです。
今後も国との連携を密にしながら、都民の不安の払拭に向け、基地の周辺に限らず多摩地域、さらには都内全域の状況把握を着実に進めるとともに、その測定結果等を分かりやすく発信していくことを要望して、私の質問を終わります。ありがとうございました。
○曽根委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○曽根委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
以上で環境局関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後十時二十三分散会
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