環境・建設委員会速記録第九号

令和六年九月十三日(金曜日)
第九委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長曽根はじめ君
副委員長原  純子君
副委員長須山たかし君
理事山田ひろし君
理事細田いさむ君
理事小松 大祐君
漢人あきこ君
もり  愛君
アオヤギ有希子君
成清梨沙子君
小磯 善彦君
こいそ 明君
小宮あんり君
遠藤ちひろ君

欠席委員 なし

出席説明員
環境局局長松本 明子君
理事高崎 秀之君
総務部長緑川 武博君
環境政策担当部長生物多様性担当部長DX推進担当部長兼務中島 隆行君
企画担当部長三浦亜希子君
政策調整担当部長長谷川徳慶君
気候変動対策部長荒田 有紀君
再生可能エネルギー実装推進担当部長小林 洋行君
率先行動担当部長中村 圭一君
建築物担当部長関   威君
環境改善部長戸井崎正巳君
環境改善技術担当部長丹野 紀子君
自然環境部長生物多様性担当部長兼務宮武 和弘君
資源循環推進部長宗野 喜志君
資源循環計画担当部長木村 真弘君
建設局建設局長花井 徹夫君
次長上林山 隆君
道路監湯川 雅史君
総務部長荒井 芳則君
用地部長澤井 晴美君
道路管理部長上田 貴之君
道路建設部長久野健一郎君
三環状道路整備推進部長福本  充君
公園緑地部長佐々木 珠君
河川部長斉藤  有君
企画担当部長山本  聡君
公園計画担当部長大道 和彦君
公園建設担当部長水谷 正史君

本日の会議に付した事件
環境局関係
第三回定例会提出予定案件について(説明)
・令和六年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、歳出、繰越明許費、債務負担行為 環境局所管分
・東京都浄化槽保守点検業者の登録に関する条例の一部を改正する条例
・都民の健康と安全を確保する環境に関する条例の一部を改正する条例
・東京における自然の保護と回復に関する条例の一部を改正する条例
・東京都自然公園条例の一部を改正する条例
陳情の審査
(1)六第一五号の二 有機フッ素化合物(PFAS)による汚染についての健康調査と原因究明に関する陳情
(2)六第三一号 GLP昭島プロジェクトに係る東京都環境影響評価審議会における審議に関する陳情
建設局関係
第三回定例会提出予定案件について(説明)
・東京都葬儀所条例の一部を改正する条例
・東京都砂防指定地等管理条例の一部を改正する条例
・稲城多摩トンネル(仮称)(六)トンネル及び擁壁築造工事請負契約
・環状七号線地下広域調節地(石神井川区間)工事(その二)請負契約
・新中川護岸耐震補強工事(その二十三)及び中川護岸耐震補強工事(その五十四)請負契約
・土地の買入れについて
・道路に軌道を敷設することに関する意見について
・日比谷公園大音楽堂の指定管理者の指定について
陳情の審査
(1)六第一八号の一 都道等の安全管理に関する陳情
(2)六第三〇号 日比谷公園の歴史・文化を尊重し、国が指定する名勝とすることに関する陳情
(3)六第三二号 日比谷公園の大噴水と小音楽堂の解体工事を中止し、整備計画を見直すことに関する陳情
(4)六第三三号 葛西臨海水族園のアプローチの再検討と森の保全等を求めることに関する陳情

○曽根委員長 ただいまから環境・建設委員会を開会いたします。
 初めに、委員の所属変更について申し上げます。
 議長から、去る九月十一日付をもって、増子ひろき議員が本委員会から財政委員会に所属変更になった旨の通知がありましたので、ご報告いたします。

○曽根委員長 次に、委員の選任について申し上げます。
 議長から、去る九月十一日付をもって、新たに本委員会委員に遠藤ちひろ議員を選任した旨の通知がありましたので、ご報告いたします。
 この際、新任の委員をご紹介いたします。
 遠藤ちひろ委員です。

○遠藤委員 本日付で、こちら環境・建設委員会、拝命しました遠藤ちひろと申します。
 都民ファーストで、前回の補欠選挙で初当選いたしました。よろしくお願いいたします。

○曽根委員長 紹介は終わりました。
 なお、議席につきましては、ただいまご着席のとおりといたしますので、ご了承願います。

○曽根委員長 次に、本委員会の担当書記に交代がありましたので、紹介いたします。
 議事課担当書記の木田小百合さんです。
 よろしくお願いいたします。
   〔書記挨拶〕

○曽根委員長 次に、会期中の委員会日程について申し上げます。
 お手元配布の日程のとおり、理事会において申し合わせましたので、ご了承願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、環境局及び建設局関係の第三回定例会に提出を予定されております案件の説明聴取並びに陳情の審査を行います。
 なお、本日は、提出予定案件については、説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は会期中の委員会で行いますので、ご了承願います。
 これより環境局関係に入ります。
 初めに、理事者の欠席について申し上げます。
 宮澤次長は、公務のため、本日の委員会に出席できない旨の申出がありました。ご了承願います。
 次に、第三回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。

○松本環境局長 令和六年第三回定例会に提出を予定しております環境局関係の案件につきまして概要をご説明申し上げます。
 お手元の資料1、令和六年第三回都議会定例会提出案件の概要をご覧ください。
 今回提出を予定しております案件は、予算案一件、条例案四件でございます。
 表紙を一枚おめくりいただき、一ページをご覧ください。まず、予算案の概要につきましてご説明申し上げます。
 1、令和六年度一般会計補正予算(環境局所管分)についてでございます。
 LPガスを利用する家庭等の負担軽減に向けた緊急対策として、使用料金の値引き支援を実施するための経費を計上するとともに、石川県の復旧、復興に向けて、鉄道用コンテナ百基を順次製造し、能登半島地震により生じた災害廃棄物の広域処理に円滑かつ迅速に対応するための債務負担行為を設定するものでございます。
 (1)、歳出予算補正でございますが、環境改善費について、二十二億四千八百万円の計上を行うものでございます。
 (2)、繰越明許費補正でございますが、家庭等に対するLPガス価格高騰緊急対策事業について、二十一億八千九百四十八万一千円の計上を行うものでございます。
 (3)、債務負担行為(債務負担行為のⅠ)補正でございますが、災害廃棄物の広域処理支援に係るコンテナの整備について、期間を令和七年度から令和八年度まで、補正限度額を十一億五千三百八十万円として設定するものでございます。
 以上、令和六年度一般会計補正予算案についてご説明申し上げました。
 二ページをお開き願います。条例案の概要につきましてご説明申し上げます。
 1、東京都浄化槽保守点検業者の登録に関する条例の一部を改正する条例など四件についてでございます。
 これらは、刑法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整理等に関する法律の施行による地方自治法の改正に伴い、罰則に係る規定を整備するものでございます。
 以上、今定例会に提出を予定しております案件の概要につきましてご説明申し上げました。
 詳細につきましては、引き続き総務部長からご説明申し上げます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○緑川総務部長 それでは、令和六年度第三回定例会提出予定案件の詳細につきましてご説明申し上げます。
 お手元の資料2をご覧ください。令和六年度一般会計補正予算説明書についてでございます。
 表紙を一枚おめくりいただき、一ページをご覧ください。1、歳出予算総括表でございます。
 歳出予算を補正する款は環境費でございまして、二十二億四千八百万円を増額計上するものでございます。
 令和六年度の歳出予算額は、既定予算額一千七百五十七億八千三百万円と合わせまして、合計一千七百八十億三千百万円となっております。
 次に、歳出予算の補正の内訳についてご説明申し上げます。
 二ページをお開き願います。項は環境保全費、目は環境改善費でございます。
 内容につきましては、右側の説明欄にございますとおり、家庭等に対するLPガス価格高騰緊急対策事業のための経費といたしまして、二十二億四千八百万円を増額計上するものでございます。
 次に、繰越明許費の補正についてご説明申し上げます。
 三ページをご覧ください。2、繰越明許費でございます。
 繰越明許費を補正する款は環境費、項は環境保全費でございます。
 内容につきましては、家庭等に対するLPガス価格高騰緊急対策事業のうち、事業の性質上、補助金の支出を翌年度に行う必要がある見込みのものにつきまして、二十一億八千九百四十八万一千円を計上するものでございます。
 次に、債務負担行為の補正についてご説明申し上げます。
 四ページをお開き願います。3、債務負担行為(債務負担行為のⅠ)でございます。
 内容につきましては、災害廃棄物の広域処理支援に係るコンテナの整備につきまして、整備期間が複数年にわたるため、期間を令和七年度から令和八年度まで、補正限度額を十一億五千三百八十万円として設定するものでございます。
 以上、令和六年度一般会計補正予算案につきましてご説明申し上げました。
 続きまして、お手元の資料3をご覧ください。東京都浄化槽保守点検業者の登録に関する条例の一部を改正する条例についてご説明申し上げます。
 表紙をおめくりいただき、一ページをお開き願います。
 一、改正理由でございますが、刑法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整理等に関する法律の施行による地方自治法の改正に伴い、罰則に係る規定を整備する必要があるためでございます。
 二、改正の内容でございますが、第十九条の罰則規定における懲役を拘禁刑に改めるものでございます。
 三、条例の施行日でございますが、令和七年六月一日としております。
 二ページは本条例案、三ページは新旧対照表でございます。
 続きまして、資料4をご覧ください。都民の健康と安全を確保する環境に関する条例の一部を改正する条例についてご説明申し上げます。
 表紙をおめくりいただき、一ページをお開き願います。
 一、改正理由でございますが、先ほどと同様の内容でございます。
 二、改正の内容でございますが、第百五十八条の罰則規定における懲役を拘禁刑に改めるものでございます。
 三、条例の施行日でございますが、令和七年六月一日としております。
 二ページは本条例、四ページは新旧対照表でございます。
 続きまして、資料5をご覧ください。東京における自然の保護と回復に関する条例の一部を改正する条例についてご説明申し上げます。
 表紙をおめくりいただき、一ページをお開き願います。
 一、改正理由でございますが、先ほどと同様の内容でございます。
 二、改正の内容でございますが、第六十四条及び第六十五条の罰則規定における懲役を拘禁刑に改めるものでございます。
 三、条例の施行日でございますが、令和七年六月一日としております。
 二ページは本条例、四ページは新旧対照表でございます。
 続きまして、資料6をご覧ください。東京都自然公園条例の一部を改正する条例についてご説明申し上げます。
 表紙をおめくりいただき、一ページをお開き願います。
 一、改正理由でございますが、先ほどと同様の内容でございます。
 二、改正の内容でございますが、第六十八条及び第六十九条の罰則規定における懲役を拘禁刑に改めるものでございます。
 三、条例の施行日でございますが、令和七年六月一日としております。
 二ページは本条例案、三ページは新旧対照表でございます。
 以上で説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○曽根委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。−−資料要求はなしと確認をさせていただきます。

○曽根委員長 次に、陳情の審査を行います。
 初めに、陳情六第一五号の二を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○丹野環境改善技術担当部長 それでは、お手元の資料7、陳情審査説明表の表紙をおめくりください。
 右側の一ページをご覧ください。整理番号1、陳情番号六第一五号の二、有機フッ素化合物(PFAS)による汚染についての健康調査と原因究明に関する陳情につきましてご説明申し上げます。
 陳情者は、小平市の自由三多摩の会小平支部代表柴垣茂之さんでございます。
 陳情の要旨は、都において、次のことを実現していただきたい。
 2、PFASによる汚染の原因を究明し、その情報を開示することというものでございます。
 現在の状況でございますが、1、都はこれまで、国に先んじて水道水の安全性を確保するとともに、都内全域二百六十か所の地下水調査等を行い、その結果は広く公表してまいりました。
 2、具体的には、水道水の給水栓、すなわち蛇口にて暫定目標値を超過するおそれがある場合には、当該の水源井戸からの取水を直ちに停止するほか、暫定指針値の超過が判明した地下水につきましては、継続して測定するとともに、飲用井戸所有者には飲用しないよう助言を行うなどの取組を徹底しております。
 3、あわせまして、PFOS等に関する都の取組等につきまして正確に理解していただくため、都全体の取組内容とQ&A集につきましても分かりやすく提供しております。
 4、令和六年度は、これまでの取組を加速、充実させるよう、これまで複数年かけて実施してまいりました都内全域の調査を一年間で行うほか、都の調査を補完する独自調査を実施する区市町村に対しまして、費用の一部を負担してまいります。
 説明は以上でございます。よろしくご審査のほどお願い申し上げます。

○曽根委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○アオヤギ委員 日本共産党のアオヤギ有希子です。
 PFASの陳情について質問します。
 汚染の原因を究明し、その情報を開示するということが願意です。汚染源の究明の一つが土壌の調査です。
 東京都環境科学研究所では、二〇〇四年から、いち早くPFAS汚染に着目して研究がされてきました。PFASの問題に取り組む専門家の方々からも、東京都環境科学研究所の研究はすばらしいと評されているほど先駆的なものだと思います。
 その研究のうち、二〇一四年、都内水環境中における有機フッ素化合物の動態では、PFASの地下浸透における動態を考察するため、土壌カラム試験を行ったということが書かれています。
 この土壌カラム試験というのは、この資料の中で写真を見ますと、長い試験官のようなカラムに土壌、関東ローム層の土を入れて、十三種類のPFASが入ったものを水に入れて、どのPFASが土にとどまって、どのPFASが浸透したのか調査したものです。
 PFASの物質がどういう形をしているのか少しご説明しますと、炭素とフッ素とその他の物質が鎖状になっている構造式ですが、炭素の連なる数の違いでPFASの種類が変わってきます。炭素の連なる数が多く、長い鎖状になっているのが長鎖PFAS、短いものが短鎖PFASと呼ばれているそうです。
 PFOS、PFOAは先に開発されたもので、この炭素の数は長い長鎖PFASに当たります。最近は、この物質が規制されているため、炭素数の少ないPFASが開発され、それを含むとPFASは一万種ともいわれています。
 環科研の研究では、このPFOS、PFOAを含む十三種で土壌の浸透状況を見たということです。その結果、土壌カラム浸透試験を行ったところ、PFASですけれども、短鎖PFCsは素早く土壌を通過する一方、長鎖PFCsは土壌への高い吸着性が示唆されたということです。
 そこでお伺いしますが、この結果については環境局も同じ認識でしょうか。

○丹野環境改善技術担当部長 東京都環境科学研究所の研究で、炭素数が大きくなるほど、地下への浸透過程で土壌に吸着している可能性が考えられたとの記載がございます。

○アオヤギ委員 そういう記載があるということで、お認めになりました。そのとおりです。長鎖PFASが土壌に残るという認識に立ったということは重要だと思います。
 環境科学研究所の長鎖PFASが土壌へ高い吸着性があるということは、他の機関の調査でも示唆されています。
 土壌環境センターというところの研究でも同様のことが示唆され、長鎖のPFASは不飽和帯にとどまりやすく、短鎖のPFASは不飽和帯を通り、地下水中に移動し拡散することが想定される、PFASのうち、どの物質を標的として調査、対策を行うかの調査の目的にもよるが、ECFにて製造されたフッ素化合物製品を使用していた場合、地下水中における拡散状況や汚染機構を把握するためには、短鎖のPFASを対象とした飽和帯における地下水調査が有効であり、長鎖のPFASについては不飽和帯における土壌調査が有効であると考えられると書いています。
 これは二〇二三年の研究成果ですから、環科研はいち早くこの研究をしてきたということが分かります。
 ほかにも先駆的な研究をされています。多摩川周辺の下水の調査や多摩川の調査、魚の中のPFASの調査、各地の地下水の調査、多摩川河口の東京湾の底質コアサンプルの調査を行ってきました。
 この底質コアサンプルの結果は、一九五〇年代から二〇〇〇年代までの経年の状況が見られる調査で、一九七〇年代から急激にPFASが増え、PFOSは一九九〇年代に最大値、PFOAが二〇〇〇年代に最大値になったと示されています。
 特にこの多摩川、その周辺の飛行場、事業用排水も繰り返し調査がされてきました。資料をお配りします。今、資料をお配りしておりますけれども、これまで私どもは、公営企業の全局質疑で、東京都環境科学研究所が横田基地の周辺の調査を行ってきたことを示してきました。
 その際は、環科研の図一枚と国の方の図で証明してきましたけれども、環境科学研究所の研究成果の中の地図を組み合わせると、横田基地を示すものがありましたので、ご紹介します。
 二〇〇九年の方ですけれども、処理場流入河川模式図をご覧ください。飛行場を囲むように下水の最終地点があり、A下水処理場に流れ込むようになっています。A、Bの処理場が多摩川で向かい合ってあり、その下にB下水場は幾つかの幹線から流れてきているという図です。
 次に、二〇一〇年の図をご覧ください。A、B下水処理場がまた示され、その下に二〇〇九年のときと同じ下水の幹線図が載っています。ということは、このA下水処理場の上に先ほどの飛行場というのがあります。そして、この二〇一〇年の下の図の多摩川の橋の名前が示された図がありますけれども、このA、B向かい合った下水処理場は、永田橋と日野橋の間にあると示されていますので、この橋の間にあるA、B向かい合う下水処理場は、昭島市にある多摩川上流水再生センターと、Bは八王子市にある八王子水再生センターしかあり得ません。
 この北側の飛行場は横田基地です。環科研の研究では、二〇〇九年、二〇一〇年、二〇一二年に多摩川で飛行場の周辺の下水を何度か調べています。この飛行場は複数の地図から考えると横田基地であるということで、認識よろしいでしょうか、お聞きします。

○丹野環境改善技術担当部長 東京都環境科学研究所の調査に記載された事業場等の名称や所在地につきましては、公表しないことを条件に調査への協力を得ているため、本質問への回答は控えさせていただきます。

○アオヤギ委員 回答を控えるということで、横田基地ではないと否定されませんでした。回答をいわなくても、あの図を見れば横田基地を指し示すものであるということは、住んでいる者ならよく分かります。この飛行場が横田基地であることを、これらの図を重ねるとはっきり示しています。なぜ長鎖PFASが土壌にとどまるという研究はお認めになって、これをお認めにならないのか、不思議であります。
 環境科学研究所は、多摩川周辺のPFAS汚染を察知して、いち早く調査をしてきたのではないでしょうか。都民の命と健康を守るため、いち早くこのような調査をやったということは当然のことであり、これだけ詳しく研究されたことは、率直にいって地元住民としてもありがたいというふうに思うものです。
 それは環科研の前身が東京都公害研究所であり、公害から都民の命と健康を守る役割を環科研が引き継いで果たしてきたからだと思います。それをいまだに環境局がお認めにならないのは、いかがなものかと感じます。きちんとこの研究の成果を生かして、汚染源の解明に力を尽くすべきです。
 あわせて、この排水の調査では、企業からの排水も調査し、PFNAというPFASが高い値で検出されている箇所もあります。飛行場北側でもPFNAが高い値で検出され、A下水処理場、多摩川上流水再生センターにはPFOSが高い値で検出されていました。ですから、高濃度のところは横田基地だけではないということが、この研究でも分かったことです。
 今ご紹介したのは二〇〇九年、二〇一〇年の研究ですが、ここにも言及がありますが、PFOSは平成二十一年、二〇〇九年にPOPs条約、ストックホルム条約の対象物質に追加され、国内でも使用禁止になる見込みである、このため現在、電子部品業界を中心に有機フッ素化合物の使用、排出削減に向けた動きが活発化していると書かれています。そのとおり、その後、研究成果でも多摩川のPFASの値は減ったということが書かれております。
 このことについて、都もそういう認識でしょうか。また、二〇〇九年のストックホルム条約で製造、輸入が規制される前までは、高濃度のPFASが多摩川を流れていたという認識でよろしいでしょうか。

○丹野環境改善技術担当部長 PFOSは、二〇〇九年の国際条約及び二〇一〇年の法律により、製造、輸入等が禁止されております。

○アオヤギ委員 ですから、そのことは、私、しゃべったものですけれども、その先をお答えいただきたいと思っておりますけれども、多摩川で高濃度のPFASが禁止されるまで流れていたということは明らかです。
 国に東京都が提出した多摩川の調査結果も公表されていますけれども、高い値が公表されております。その事実を認めて対策を取ることが大切です。
 そして、東京湾の底質調査からも、下水場の幹線調査からも、多摩川の各橋の調査からも、多摩川が二〇〇〇年代までの期間、PFASの濃度が高い状況だったことも示されています。
 地下水の専門家の皆さんは、地下水というのは山などから雨水などが浸透するものと、川底からも一部浸透していくものがあるということですから、PFASが高濃度だったときに、地下水の方に浸透した可能性も否定できません。
 地下水に直接流れ込んだ場合、先ほどいったとおり、短鎖PFASの流れが速く、長鎖PFASは土壌にとどまり、地下水自体の流れがまだまだ不明な点がありますけれども、一定期間をかけて動いて、海に流れるということです。
 また、水を揚水、くみ上げたり、地下水が湧いているところは水の流れが変わり、引き寄せられるということもあるそうです。
 また、横田基地の場合のように、高濃度の泡消火剤の原液が三千リットルもなくなっているという事象もあると思われますので、直接土壌から地下水に浸透した場合もあると考えられます。そのため、汚染源の特定は不可欠であると指摘をするものです。
 現在行われている二百六十か所のブロック調査、地下水調査でも高濃度の地点があり、それまでPFASが高濃度の地下水や水道水を飲まないように指導してきたということは事実ですよね。確認します。

○丹野環境改善技術担当部長 都は、国に先んじて、水道水の安全性を確保するとともに、関係局と連携して、暫定指針値を超える地下水を飲用しない取組を実施しております。

○アオヤギ委員 今も高濃度の地下水があり、飲まないように指導してきたということで、水道水も給水停止している箇所もありますし、地下水を飲料水として利用していた方々は、PFASに汚染された飲み水を一定期間飲んできたといえると思います。
 やはりこちらの分野ではありませんけれども、高濃度のPFASが検出された地域で対象の地下水、水道水を使って飲んできたと考えられる方々への血液調査は不可欠だと指摘をするものです。
 具体的な土壌の調査方法についてですが、岡山県吉備中央町は、使用済活性炭が放置された場所の近くの土壌の調査を行い、この活性炭が汚染源だと特定しました。
 こうした特定する作業が東京都でも必要だと考えていますが、国は、土壌の検査方法、二つを示しました。国が示した土壌の調査方法について、どういう都は認識を持っていますか。

○丹野環境改善技術担当部長 国がまとめた土壌中のPFOS等の測定方法は、暫定的なものであり、いまだ土壌調査の対象、評価指標、運用方法及び必要な措置等は示されておりません。

○アオヤギ委員 基準値がないから調査できないということですね。ですから、基準値が示されれば進めていくということなのでしょうか。
 そこで、伺いますけれども、PFASの土壌の検査についての重要性、必要性についてはどのような認識を持っていますか。

○丹野環境改善技術担当部長 国は、PFASに関する今後の対応の方向性におきまして、飲用による暴露防止の徹底を掲げております。
 都は、飲用水の安全・安心を高めるため、水道水の安全性の確保と地下水の実態把握による飲用しない取組の徹底を図ってまいります。

○アオヤギ委員 ただの繰り返しの答弁なんですけれども、横田基地からのPFAS汚染について、マスコミやジャーナリストの方々が様々な証拠を明らかにしております。
 六月に放映されたNHK、クローズアップ現代では、最後の場面で、直近の横田基地内の調査結果が映し出され、これは米軍、まだ公表していないとなっていましたが、その値は暫定基準値の五万倍というとんでもない値が示されておりました。米軍が認めようが認めまいが、様々な客観的事実で、米軍横田基地が汚染源の一つであることは明らかです。
 そして、フォーエバーケミカルといわれるほど、長期間にわたり土壌や地下水に残るPFASについて、米軍自身は、米軍本国や他国の駐留軍では基地内土壌除染作業に入っているのに、日本の在日米軍は、汚染した、漏出した事実も何の説明もなく、認めることなく現在に至っています。
 ドイツの米陸軍アンスバッハ駐屯地で、今年四月、PFAS除去のポンプとフィルターの建設を開始し、周辺住民の求める汚染土壌の撤去を米軍が検討しているということが分かっています。
 こちらでは、米国の環境修復プログラムで除染を行い、ドイツのアンスバッハ駐屯地で、アンスバッハ市が米軍に対し土壌のテストを要求し、環境修復プログラムへ向けた調査が行われていますけれども、横田基地へも土壌の調査を要求すべきではないでしょうか。

○丹野環境改善技術担当部長 都は、国の責任において、基地内のPFOS等漏出に関わる地下水への影響調査や必要な対応を行うことなどを国に要請しております。

○アオヤギ委員 国が米軍の状況をきちんと明らかにしてこなかった責任はありますけれども、国は、都道府県からいわれれば立ち入るということもいってきましたが、一向に何も、やっているかというと何もやっていません。都が、横田基地への立入調査を行うことを横田基地や国に直接申入れするべきです。
 このアンスバッハ市のホームページにある汚染された地下の状況を示した図があるんですけれども、そこには土壌にPFASの汚染のプルームがあると示されていますが、先ほど来申し上げている環科研の研究結果とも合致する内容だと思います。直ちに汚染源を特定する土壌の調査を行って、土壌を取り除く必要があることは明らかです。
 横田基地内から今は流れないというなら、フェンスだけで隔てられた周辺の土壌を調べれば、どれくらい汚染されているのかが分かると思います。
 NHK、クローズアップ現代では、横田基地をフェンスで隔てた非常に近い農地の土壌のPFASを測られ、高濃度のPFASが検出されたということです。横田基地の周辺の測れるところから土壌の調査をすべきではないでしょうか。

○丹野環境改善技術担当部長 国がまとめた土壌中のPFOS等の測定方法は暫定的なものであり、いまだ土壌調査の対象、評価指標、運用方法及び必要な措置等は示されておりません。

○アオヤギ委員 土壌の調査については同じ答弁なんですけれども、横田基地と隔てているのはフェンスだけです。雨などで容易に基地の外に漏れることは十分考えられます。汚染源を解明するためにも、横田基地の周辺は、許可が得られれば土壌を測れると思いますので、調査を行うことを重ねて強く求めるものです。
 地下水の調査についてもお聞きします。
 地下水でも、どの地域が汚染が高いか、より調査することが、汚染の分布がより詳しくなるということで、昨年、地下水調査を行って高濃度だったところの周辺の地下水調査を求め、予算化されていますけれども、現在どれくらい進んでいますか。

○丹野環境改善技術担当部長 地元自治体と意見交換を行い、地点の選定を進めているところでございます。

○アオヤギ委員 どれくらいというのは言及なかったんですけれども、進んでいるということを確認しました。
 地下水の流れは、専門家の方々は、まだまだボーリング調査が足りなく実態が大まかにしか分からないと述べられていますので、詳しく地点を増やして、調査も進めて、地下水の調査も公表していただきたいと思います。
 汚染源を特定するために必要なのは、PFASの種類が何なのか、PFOSが高いのか、PFOAが高いのか、汚染源が泡消火剤なのか、企業が使っていたものの中なのかということが分かります。
 泡消火剤はPFOS、企業が製造していた製品からはPFOAが検出されるということが一般的になっていますけれども、しかし、この間、都の地下水調査結果はPFOS、PFOAが合算値で公表され、泡消火剤なのか、企業からなのか分からない状態でした。
 一方で、国の調査として公表された東京都の調査の一部は、PFOS、PFOAをちゃんと分けて公表されていました。私どもも、この間、分けて公表するよう質疑でも求めてきましたけれども、先日、都は、二百六十か所の地下水調査の結果をPFOS、PFOA、分けて公表するようになったことは重要です。これを分けて公表することになった理由をお答えください。

○丹野環境改善技術担当部長 国がリスクコミュニケーションを強化する状況を踏まえまして、令和五年度の結果につきましては、国に先行してPFOSとPFOAに分けて公表することにいたしました。

○アオヤギ委員 リスクコミュニケーションということで、詳しくリスクを明らかにすることということらしいんですけれども、陳情者が求める情報を開示することとも同様のことだと思います。地下水だけでなく、土壌、血液検査などでも、リスクコミュニケーションをしっかりと強化していただきたいと思います。
 結果を見ますと、やはりPFOAが高いエリアもあって、横田基地だけではない汚染源があることも結果から分かりました。
 PFOS、PFOAを分けて公表したことで、企業由来のところもあるということが分かりました。汚染源を特定するためにも、そこのエリアの土壌検査もすべきではないですか。

○丹野環境改善技術担当部長 国は、PFASに関する今後の対応の方向性におきまして、飲用による暴露防止の徹底を掲げています。
 都は、飲用水の安全・安心を高めるため、水道水の安全性の確保と地下水の実態把握による飲用しない取組の徹底を図ってまいります。

○アオヤギ委員 土壌については、先ほどから同じ答弁がされて残念ですけれども、汚染源と思われるところでは、きちんと土壌の検査も行われるべきです。
 最初に答弁いただきましたように、一定期間、土壌にPFASがとどまるということが分かっています。一刻も早く除染しないと、この先も地下水を汚染し続けるということになります。汚染源と考えられる場所を調査し、除染すべきではないですか。

○丹野環境改善技術担当部長 繰り返しになりますが、国は、PFASに関する今後の対応の方向性におきまして、飲用による暴露防止の徹底を掲げております。
 都は、飲用水の安全・安心を高めるため、水道水の安全性の確保と地下水の実態把握による飲用しない取組の徹底を図ってまいります。

○アオヤギ委員 国による基準値が明らかになればやるということなのだと理解しますけれども、国待ちにせず、国に先駆けて、岡山県吉備中央町のように、汚染源特定するために土壌の調査、行われていますけれども、この値というのは、報道された横田基地の直近の値、五万倍、これに匹敵する、それを超えるかもしれませんけれども、そうしたことも疑われていますので、測れる場所から、その周辺から土壌を測るということを強く求め、本陳情には採択を求め、質問を終わります。

○須山委員 私からも、このPFASに関して質問させていただきたいと思います。
 今年の三月の環境・建設委員会でも、私もこのPFASに関して質問もさせていただきました。東京都の地下水調査の内容とか、その結果について質問をさせていただきまして、令和四年度までの結果のご報告もいただきました。
 そのときは、各地域の自治体議員の仲間、また、市民の皆さんからの声として、基準値を下回った場合には、調査自体なくなっちゃうんじゃないかとか、そういった不安の声も寄せられたので、そうした不安への解消に向けて調査をしっかりと継続していただくこと、そして市区町村との連携等についても要望させていただきました。
 そこでまず、その後の調査の状況、そして基準値を超えた地域などがあればお伺いいたします。

○丹野環境改善技術担当部長 都は、PFOS及びPFOAにつきまして、都内全域二百六十ブロックの概況調査と暫定指針値を超過した地点の継続監視調査を行っております。
 概況調査では、令和五年度に十七地点で暫定指針値の超過を新たに確認いたしました。継続監視調査は、令和五年度に二十六地点で実施し、うち二十二地点で暫定指針値を超過しておりました。
 なお、暫定指針値を超過した地点の存する自治体は、区部で七つの自治体、多摩地域で十四の自治体となっております。

○須山委員 先日要望したとおり、継続して調査が行われて、また、そうした調査の結果が公表されているということが分かりました。
 ところで、そのときの要望として、各種調査体制の一層の充実、市の調査対策に対する財政支援ということも要望させていただきました。答弁をいただいた暫定指針値の超過地点に対して、今ご報告、まあ、答弁いただきましたけれども、今後どのようにそれに対して取り組んでいくのかをお聞かせいただきたいと思います。

○丹野環境改善技術担当部長 暫定指針値を超過した地点につきましては、継続監視調査により、経年的な推移を把握してまいります。
 また、比較的高濃度な地点を存する地域におきましては、追加調査を実施していくとともに、係る調査を補完する調査を実施する市区町村に対しましては、費用の一部を負担してまいります。
 こうした調査を風評被害の防止にも配慮しながら、市区町村とも連携して着実に進め、都民の不安解消を図ってまいります。

○須山委員 都民の不安解消のために、市区町村との連携、また調査等、補助金、まあ補助金というか、費用の一部負担等も様々行っていただいているということは非常によく分かりました。
 こうした中で、今回の陳情の願意としては、原因究明を求めるというものであります。やはり都民の皆さん、特に値の高いエリアにお住まいの皆さんは不安な日々を過ごしていると考えられます。なぜ自分たちの住んでいる地域で値が高いのか、その原因を知りたいというのは、そこに住む人としては当然のことだと考えますし、東京都としては、都民が不安を抱えているのであれば、その不安に少しでも対応するべきだと考えます。よって、この陳情に関しては採択を立憲民主党としては考えております。
 以上です。

○もり委員 私からも、有機フッ素化合物、PFASによる汚染についての健康調査と原因究明に関する陳情について伺わせていただきます。
 本陳情は、PFASによる汚染の原因を究明し、その情報を公開することを求めるものです。
 PFASは、自然界でほとんど分解されない永遠の化学物質といわれています。東京都としても、福祉保健局において、二〇〇七年から飲用井戸で調査が行われ、当時から高濃度のPFASが検出されていたとの指摘もありますが、これまで都民への検査は行われてきませんでした。
 PFASに対する規制は欧米でも進んでいます。また、先ほどは議員も質疑がありましたが、横田基地周辺住民は、学識者の協力を得て健康調査を行っています。健康調査に関する分野は、厚生委員会での質疑となりますが、東京都として健康調査をしっかりと行うべきと考えます。
 東京都はこれまで、国に先んじて水道水の安全性を確保するとともに、都内全域二百六十か所の地下水調査を行い、その結果を広く公表してきたとのことですが、二〇二一年から二〇二三年度に都が実施した水質調査でも、都内の複数地点で国の暫定指針値である五十を超えるPFASが検出をされています。
 大田区では、二十三区でも有数の銭湯や黒湯という天然温泉が多いため、地下水への関心も高く、また、都は、地下水調査をしっかりと行い、速やかに公表する責務があると考えます。
 もし超過地点があれば、地元や住民に任せるのではなく、都が責任を持ってPFASの調査を継続すべきと考えますが、都の見解を伺います。

○丹野環境改善技術担当部長 都は、平成二十二年度から地下水のPFOS等の調査を行っており、令和三年度からは、法の測定計画に位置づけ、都内全域二百六十のブロックで順次測定しております。
 今年度は、これまで複数年かけて実施してきました調査を一年間で行い、暫定指針値を超過した地点につきましては、関係局と連携し、飲用しない取組の徹底を図ってまいります。

○もり委員 東京都として、濃度の高いものを飲まない対策を講じて注視しているとのことですが、製造業の集積する大阪府摂津市では、国の基準を超える汚染の原因を突き止め、防水壁の設置を行ったところもあります。
 都は、引き続き調査を行うとのことですが、原因究明をしなければ、その発生源を断ち、対策を講じることができません。都民の健康を守るための取組として、その原因を究明すべきと考えます。先ほども質疑がございましたが、改めて見解を伺います。

○丹野環境改善技術担当部長 国は、PFASに関する今後の対応の方向性におきまして、飲用による暴露防止の徹底を掲げております。
 都は、飲用水の安全・安心を高めるため、水道水の安全性の確保と地下水の実態把握による飲用しない取組の徹底を図ってまいります。

○もり委員 引き続き、地下水の管理、調査を行うということですが、汚染されたエリアの牧草を食べた酪農家のミルクや農産物からも高い値の数値が示されることもあるとのことで、農産物は産業労働局や保健医療局の所管ですが、環境を所管する環境局と関係局が連携をし、局横断的に地下水と食の安全・安心を守ることを要望し、これからの調査結果も含めて、原因究明と情報開示を求める立場から陳情の採択を求めます。

○漢人委員 本陳情に関しては、一点だけ質問させていただきます。
 都は、今年度から地下水のPFAS調査を独自に行う市区町村に向けて、その調査費用の一部を負担するという、そういった事業を実施しているわけですけれども、この事業について、市区町村に対して周知をしている状況、また、現時点での申請状況や今後の見込みについて、どのような状況かお伺いいたします。

○丹野環境改善技術担当部長 都は、本年七月、市区町村との定例的な会議等を通じまして、本事業を周知いたしました。
 現在、活用を検討している複数の市や区からの相談に対応しているところでございまして、そのほかの市区町村に対しましては、改めて本事業の活用を促しております。

○漢人委員 汚染を心配している自治体の調査にぜひ都は協力をするということで、この補助について求めまして、実施がされているということについて評価をするんですが、残念ながら、まだ少ないようですよね。
 七月に説明をされたばかりなので、今この九月の第三回定例会に補正予算を出すとか、さらに第四回に向けてということで検討している自治体があるかと思うんですけれども、今、複数の市や区ということでしたから、三多摩地域だけじゃないわけですね。区の方からも相談はあるということです。
 しかし、どうもこの数は相当少ないようですし、また、私も、特に三多摩地域の自治体議員とのPFASに関するいろんなネットワークを持っていますが、それぞれの自治体で、東京都から補助も出るんだから調査をするべきだと求めても、やっぱりすごく及び腰なんですよね。積極的に、割と一定の汚染が出ているところでも、むしろこう何ていうんですかね、だから風評被害を恐れるといういい方もありますし、結局その市が何らかの調査をしようと、補助金をもらえるからしようとしてでも、それをすることによって、市としての責任も発生するという考え方もあって、なかなか調査をしようということに進んでいないということを伺っています。
 これからもさらに、その事業活用に向けて促していくということですけれども、そもそもなぜその申請がないのかということについて、対応していく必要があるかと思います。
 これはやはり、まず、国の責任が大きいと思うんですね。このPFASに関する評価、健康影響や環境に関する評価というものを国が明確にしていないということがあるので、都も及び腰になってしまうところがあるし、各自治体もそうだということです。
 この点に対しては、都は、国への予算に対する事業の予算要求提案をされていますけれども、このPFASに関しては最重点ということで、七項目、今年も六月に要請をされています。
 一項目めとして、有機フッ素化合物に関する最新の科学的知見等を踏まえ、健康影響及び環境に関する評価を明確にし、国民に分かりやすく示すことなど七点なんですけれども、本当にこれ、国にしっかりと求めていくということ、全国をリードする形で東京都が取り組んでいただくことを強く求めたいと思います。
 また、国に求めるだけではなく、やはり都も率先してこれを行うということ、先ほども質問なども出ていました。東京都が解明できる力も持っているということも含めて、取り組んでいただくことを強く求めたいと思います。
 本陳情については、そういう立場からもぜひ皆さんにも賛同いただいて、採択をしたいというふうに思っております。

○曽根委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○曽根委員長 起立少数と認めます。よって、陳情六第一五号の二は不採択と決定いたしました。

○曽根委員長 次に、陳情六第三一号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○長谷川政策調整担当部長 それでは、お手元の資料7、陳情審査説明表の二ページをご覧ください。
 整理番号2、陳情番号六第三一号、GLP昭島プロジェクトに係る東京都環境影響評価審議会における審議に関する陳情につきましてご説明申し上げます。
 陳情者は、昭島市の上向自治会会長梅田実さんでございます。
 陳情の要旨は、都において、東京都環境影響評価審議会に対して、GLP昭島プロジェクトの審議を慎重に進めるよう求めていただきたいというものでございます。
 現在の状況でございますが、1、本件環境影響評価は、環境影響評価書案に示されているとおり、現況、大部分がゴルフ場、一部がゴルフ練習場及び宿泊施設等の敷地として、全域が人工的な管理下にある昭島市内の計画地に、物流施設及びデータセンター等を新設する事業に対して行うものでございます。
 2、事業者は、環境影響評価調査計画書に対する審議会答申のほか、昭島市都市計画マスタープラン等の上位計画及び市において検討中の計画地エリアの地区計画骨子案や、都民及び関係市長の意見を踏まえながら、調査計画書に示された事業計画案の見直しを行い、当該見直された計画案に基づく環境影響評価書案が、本年一月十五日に提出されました。
 3、本評価書案は、本年二月二十八日まで公示、縦覧され、二月十八日及び十九日に環境影響評価条例に基づき事業者による説明会が行われました。また、三月十四日を期限として都民及び関係市長からの意見の提出を受け付け、これらの意見に対する事業者の見解を示した評価書案に係る見解書が七月二十二日に提出され、交通、自然環境、景観への影響等について見解を示しています。
 4、現在、環境影響評価審議会部会において、審議会委員による専門的立場からの審議が進められており、今後、評価書案について、都民や関係市長からの意見等も踏まえ、環境保全の見地から審議会答申が出されることとなります。
 説明は以上でございます。よろしくご審査のほどお願い申し上げます。

○曽根委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○アオヤギ委員 日本共産党のアオヤギ有希子です。
 昭島GLPの陳情について質疑をします。
 GLP昭島プロジェクトは、昭島市にある昭和の森ゴルフ場跡地を日本GLPが買い取り、データセンター八棟、高さ四十五メートルから五十メートルの物流施設の棟を三棟つくる計画です。
 この周辺に約七千世帯の方々が住んでおられるということで、住環境への大きな影響を懸念されている旨が陳情理由に書かれています。
 上向自治会の会長さんが陳情者となり、追加署名の二十三人の方も周辺の町会長さんだとお聞きをしております。住民の代表の皆さんですので、非常に重みがあると思います。この方々がアセスメントをどうか慎重に行ってほしい、審議してほしいということです。
 幾つか理由として懸念が挙げられていますので、幾つかの問題について聞いていきます。また、見解書でも都民から意見が四百件以上来ており、そこでも共通する懸念がありますから、対策について聞いていきます。
 この敷地面積は五十八・八ヘクタール、この敷地を取り囲まれるような形で代官山緑地があり、アセスメントの中で、オオタカなどの希少生物がこの敷地全体に確認されています。
 資料をお渡しします。お配りしておりますけれども、事業者が提出した環境影響評価書案には、この事業全体のCO2排出量が記載されています。百七十八万八千トンということで、これは東京都内、全国を見ても最大規模のデータセンターとなることが分かりました。
 この資料を見てください。こちらは、昭島巨大物流センターを考える会のホームページより、データセンターの学習会の資料が公表されています。産業技術研究所の歌川氏が、評価書案のCO2排出量と環境省、経産省の二〇二一年のデータセンターのCO2排出量を基に作成した図です。これを見ますと、全国でも、都内でも桁違い、二桁違うという排出量がGLPであります。
 同資料には、全国自治体ごとの消費電力量を上から順に並べた資料もあります。そちらによりますと、全国で一番のところが大阪市になります。都内で一番が港区で全国では十八番目、次が江東区で全国では二十一位、千代田区が三番目で全国では二十四位、都内四番目が大田区、続いて昭島GLPが一事業者で都内六番目と、全国で三十三位に匹敵する電力消費量です。
 ちなみに、昭島市全体ですけれども、全国で三百二十七位、消費量であり、今の評価書案どおりに建設、稼働されたら、GLP昭島プロジェクトは、昭島市の五・七倍の電力消費量となるものです。
 東京都は、平成二十二年度から、環境確保条例に基づき大規模事業所に対する温室効果ガス排出総量削減義務と排出量取引制度、キャップ・アンド・トレード制度を実施していますけれども、GLP昭島プロジェクトは、評価書案どおりに稼働したらキャップ・アンド・トレードの対象になりますか、確認します。

○長谷川政策調整担当部長 条例及び規則では、事業所の年間のエネルギー使用量の実績が、原油換算千五百キロリットル以上となった場合、キャップ・アンド・トレード制度の対象事業所になると定められております。

○アオヤギ委員 今、答弁のとおり、キャップ・アンド・トレードの対象になるということです。
 それでは、続いて聞きますけれども、キャップ・アンド・トレード制度対象の今の事業者のうち、最大規模のCO2排出量の事業所の排出量は何トンですか。

○長谷川政策調整担当部長 既に公表されている直近の二〇二二年度実績では、約十六万トンでございます。

○アオヤギ委員 十六万トンということで、キャップ・アンド・トレード制度始まって以来の最大規模の百七十八万トン、十倍以上ですね、CO2排出量となるのが昭島GLPです。
 このキャップ・アンド・トレード制度、三年間の制限かけない期間があるんですけれども、その期間に事業所に都は何を求めるのですか。

○長谷川政策調整担当部長 条例では、温室効果ガスの排出量や削減対策などの報告を義務づけております。

○アオヤギ委員 これ、三年間は、そういった報告を義務づけて平均値などを見ると聞いていますけれども、このキャップ・アンド・トレード制度は、稼働してから三年から削減の行動を取っていくという制度ですから、最初の年から三年はCO2に規制がかかりません。
 しかし、これだけの量のCO2に対して、二〇三〇年カーボンハーフを実現しようとしている東京都が何も規制をかけなくてよいのかということが、この局面で問われています。
 現在の東京都のCO2の削減状況は、二〇二一年度の確定値で一・九%、二〇二二年度の速報値で四・四%という五〇%にまでは程遠い状況です。
 東京の特徴である事業所が増え、業務部門のオフィスビルのCO2の排出量が多いということに対し対策をしていかなければ、カーボンハーフは実現困難です。
 そして、今回明らかになった巨大なデータセンターの問題は、東京の新たな課題だと考えます。データセンターは大量の電力が必要で、サーバーを増やす必要もあるものです。ここをいかに省エネ機器を取り入れて再エネ電力を使うようにできるかが世界中でも問われています。
 アップル、グーグル、メタなど世界の企業のデータセンターでは、二〇二一年度、電力消費量の一〇〇%相当を電力購入または生成していると聞いていますけれども、取組が遅れている事業者もあるということです。
 GLPは、テナントをこのデータセンターに入れるということになっていますけれども、東京都のキャップ・アンド・トレード制度では、テナントが事業者との約束を破り、CO2を大幅に増やした場合、誰の責任が問われるんですか。

○長谷川政策調整担当部長 条例では、対象事業所を所有している事業者等が、当該事業所の温室効果ガスの排出について責任を有するとされております。

○アオヤギ委員 つまり、この場合、GLPの責任になるということになります。CO2排出量の削減は、テナント任せにはできないということになります。どんなテナントが入ろうとも、キャップ・アンド・トレード制度に基づいて排出量を削減していかなければならないということです。
 GLP昭島プロジェクトのCO2排出量は、都内でも最大規模の排出する自治体の一つ分、一つの自治体が増えると考えてもいいと。一緒の桁違いの規模であり、東京都の気候危機対策に多大な影響を与えるものと考えますが、GLPの百七十八万トンの排出量は、東京都の二〇三〇年カーボンハーフという目標に対して、どのような影響を与えるとお考えでしょうか。

○長谷川政策調整担当部長 事業者は、評価書案等において、照明や空調設備への高効率機器の採用、物流施設屋上への太陽光パネル五メガワットの導入、また、再エネ由来の電力の調達の検討などを行っていくとしており、温室効果ガス排出削減に寄与できるよう努めていくとしております。

○アオヤギ委員 そういう対策をした上での百七十八万トンという数を出してきております。
 五メガワットアワーとおっしゃいましたけれども、つまり年間七千三百メガワットアワーに対して、計画建築物、GLPの建築物のエネルギー消費量は、年間三百六十六万メガワットアワーですね。全然賄える量ではありません。
 太陽光パネルは、物流施設の屋上だけにつける計画で、データセンターの屋上は排熱の施設があるからつけられないというふうに説明しています。
 昭島市長の環境影響評価書案への意見では、昭島市域の温室効果ガス排出量の削減目標は、二〇三〇年カーボンハーフ、二〇五〇年カーボンニュートラルである、目標達成のため、本開発においても一層の温室効果ガス排出量削減に努められたいと見解書に書かれています。
 およそ六倍もの排出量のGLPが、このまま排出量で稼働したら、二〇五〇年カーボンニュートラルは実現不可能というふうに思います。
 日本国内のデータセンターのエネルギー効率を見ると、さくらインターネットというところは、エネルギー効率を表すPUEが一・一を達成したということです。
 PUEは一に近づくとエネルギー効率がよいというもので、GLP昭島は一・四を目指すと考えていると示されていますけれども、それで百七十八万トン排出になると。PUE一・四は、日本のベンチマーク目標となっています。そこだけ達成すればよいというふうに示しているわけです。
 このことに対して、審議会委員の方から、GLPの本国のシンガポールでは、PUE一・三を求められているのではないかと指摘をされたということです。国によって省エネ効率を変えるということなんですね。
 そして、私、日本GLPのホームページを見て驚きましたけれども、再エネ事業のところには、日本GLPが目指す再生可能エネルギー事業というふうに書かれていまして、物流施設も、データセンターも、私たちが所有する施設では多くの電力が使われています。それと同時に、クリーンエネルギーを生み出す多くの施設を保有しています。
 中略しますけれども、電力需要家、発電事業者として、企業活動に必要な電力を一〇〇%クリーンエネルギーに転換できないか。日本GLPが保有する施設で生み出されたクリーンエネルギーを自社プラットフォームを活用し、パートナーの皆様と無駄なく循環していくことにより、脱炭素社会における新しいエネルギーシステムを構築していきますと、そういうふうにアピールされているわけですね。
 でしたら昭島GLPでもやってもらおうじゃないかというふうに思うんですけれども、こういう力のある企業なのだとホームページを見ても分かるんですけれども、都として省エネ設備の導入を求めたり、再エネ一〇〇%を事業者に求めるべきではないですか。

○長谷川政策調整担当部長 審議会では、地元自治体等からの意見も含め、専門的立場から審議されていくこととなります。

○アオヤギ委員 私は、都が自ら、温室効果ガス削減目標に関わることですので、力あるGLPに再エネ一〇〇%を都が求めるべきではないかとお聞きしたものです。
 さらに伺いますけれども、団体さんの学習会の講師の歌川氏は、自治体の条例や自治体と事業者が協定を結んで、様々な事業に対して規制をかけた事例があるということです。千葉県流山市は、流山市街づくり条例でデータセンター計画が中止になったということです。
 事業者と東京都が協定を結んで、CO2の排出量の目標を立て、守らない場合には業務停止などを含む約束をしていくべきではないでしょうか。

○長谷川政策調整担当部長 都の環境影響評価手続は、事業者が大規模な開発事業を実施する際に、あらかじめその事業が環境に与える影響を予測、評価し、その内容について専門的立場からの審査を受ける一連の手続でございます。

○アオヤギ委員 これもアセスメントの手続のお話なんですね。その中で、事業者はPUE一・四、CO2排出量百七十八万トンということを示したままなんです。これと別に都が事業者に対してアセスメントでは何も制限がないCO2削減目標や、この後お話しします排熱の問題についても、きちんと事業者と約束が必要だと申し上げたところです。
 都の二〇三〇年カーボンハーフの目標に関わる重大な問題で、これ以上、規制をつくっておかないと、他のデータセンター計画にも影響、この後も計画があると聞いています。アセスメントにもかからない可能性、高いと。こういったことが野放しになってしまい、ますます目標達成が困難となることは明らかです。世界で五番目の排出量の日本の首都東京で、CO2削減に責任を果たすことを強く求めるものです。
 次に、ヒートアイランド現象についてお聞きをします。
 この巨大なデータセンターの排熱も相当な量になるだろうと考えられています。昭島市全体の三倍くらいになるんではないかと専門家が指摘をしていますが、環境影響評価書案には、評価項目にないため示されていません。ヒートアイランド現象についても、この夏も非常に暑く、熱中症のリスクも高めて、強力な対策が東京都でも必要です。
 そこで伺いますが、施設からの排熱が膨大になり、昭島市の気温を上昇させ、ヒートアイランド現象を加速させるのではないかと専門家も市民も懸念の声が寄せられていますが、事業者はシミュレーションをし、建物が建った後でも地上の温度はほとんど変わらないという回答がありますけれども、事業者が行った検証は、客観的に妥当なものか都は検証していますか。

○長谷川政策調整担当部長 事業者は、見解書等において、評価項目に含まれない熱収支についても、数値流体解析を行ったとしております。
 その結果、夏季における計画地内及び周辺の地上部での気温の変化は小さいと予測しており、審議会においても、この点の質疑が行われました。

○アオヤギ委員 巨大なエアコンを使い、昭島市の排熱の量の三倍にもなるのではないかと専門家が指摘するように、ほとんど影響がないというのは、私は信じ難いと思います。
 環境影響評価項目に入っていないため、審議会委員にはヒートアイランドの専門家は選出されておりません。専門的、客観的な立場で評価がされていないのは重大だと思います。もし事業者がいったとおりにならなかったらどうするのかと、今のところ何も対策するすべがありません。
 そこで伺いますけれども、都が健康被害含めて、ヒートアイランドのシミュレーションをすべきではないですか。

○長谷川政策調整担当部長 都の環境影響評価手続は、事業者が大規模な開発事業を実施する際に、あらかじめその事業が環境に与える影響を予測、評価し、その内容について専門的立場からの審査を受ける一連の手続でございます。

○アオヤギ委員 ですから、この一連の手続に事業者からの排熱の影響を評価することが入っていないので、都がやるべきではないかといいましたけれども、お答えになりませんでした。
 地域の環境に多大な影響を与え、ヒートアイランド現象が加速すれば、集中豪雨も発生させるのではないか、熱中症になる市民が増えるのではないか、大きな懸念が払拭できません。きちんと都が客観的立場で評価することを求めます。
 やはり環境影響評価の項目に入っていない、環境に多大な影響を与えることが現実に起きているのではないかと推察しますけれども、環境影響評価項目の十七項目の評価項目は、環境確保条例に定められていますけれども、気候危機が切迫した今の状況を鑑みて、この評価に排熱の影響など新たな評価項目を加え、また、さらにCO2の排出量、保全する緑の量など、新たに求めるときが今来ているのではないかと考えます。
 評価項目を現在の状況に応じて、条例変更したりして変えていく必要があるのではないでしょうか。必要性について認識を伺います。

○長谷川政策調整担当部長 環境影響評価条例では、評価項目は公害の防止、自然環境等について、規則で定めるもののうちから選択するものとしております。

○アオヤギ委員 その条例が今そうなっているというご説明なんですけれども、やっぱりこれ、状況に応じて条例を変えられるわけですから、変えていくべきだと思います。
 環境確保条例では、第三条、知事は、この条例を定めるところにより、環境への負荷の低減のための必要な措置並びに公害の発生源について必要な規制及び緊急時の措置を講ずるほか、その施策を事業者及び都民と連携して実施し、環境への負荷の低減及び公害の防止に努めることにより、良好な生活環境を保全し、もって都民の健康で安全かつ快適な生活を営む上で必要な環境を確保しなければならないと知事の責務を三条に書いてありますけれども、これを守るために、評価項目を新たにする条例を改正していくことも必要不可欠だと考えます。
 次に、オオタカについて伺います。
 環境影響評価書案において、事業者の調査でオオタカが計画地周辺で確認されたことをさきの議会の陳情審議で原都議も指摘をしました。原都議から借りたこのオオタカの写真ですけれども、この赤ちゃんが二羽いる間に親の鳥がいるという貴重な写真、代官山の写真だということです。
 専門家は、この計画地では、オオタカがすむには、この計画案では緑地が少ないと指摘をしています。
 先日、自然環境保全審議会が行われ、私も委員として出席しました。そこで東京都の生物多様性戦略の中間報告が議論され、活発な議論がされました。生物の専門家の方々からは、生物多様性が今も失われようとするのを何とか食い止めようと提案がされていました。
 それは、レッドリストの希少種などを個体で保存するのではなくて、希少種以外の生態系全体で保全しようという案でした。こうした計画が、都市部で確認された開発地の中の希少種にも適用されることが必要だと私は感じました。
 GLP昭島の森の緑地、その中に位置する代官山緑地を合わせると六十ヘクタール以上の森や林、緑地があります。GLP昭島プロジェクトでは、事業計画地の緑が十二・一二ヘクタールまで減らされる計画で、データセンターや物流施設の周りに点在する緑も含めて十二ヘクタールとなっていますけれども、専門家はオオタカがすむには少なくとも三十ヘクタールが必要といっておられます。
 また、NPO法人オオタカ保護基金のホームページには、平地から丘陵地の、森林と開放地がモザイク状に存在する地域が主な生息域となっている、オオタカが生息するには、オオタカの巣がかけられる大きな木とその周りの林がなければ、オオタカは繁殖できません、また、オオタカの巣の周りだけを保護しても、狩り場となる環境がなくなっては獲物が減少し、繁殖して子孫を残すことはできませんというふうに書かれていますけれども、日本GLPも、環境局も、ネーチャーポジティブというふうにいうんであれば、オオタカの生態環境を守るため、都は、林など既存の樹木の保存する割合をもっと増やすように求めるべきではないでしょうか。

○長谷川政策調整担当部長 審議会では、地元自治体等からの意見も含め、専門的立場から審議されていくこととなります。

○アオヤギ委員 都自身が生物多様性戦略に基づいて、事業者に対して生態系を守る取組を求めなければ、アセスメントの段階で分かった希少種の存在を守ることが困難になるのではないでしょうか。
 現に事業が完了した後、もともと見つかっていた希少種、移植された動植物はどうなったのか確認が十分されていない、そういった事業もあります。東京都の取組を求めておきます。
 具体的に、オオタカの保全をどのように行うのかお聞きします。オオタカの保全は、どうやって行っていくのでしょうか。このプロセスです。オオタカがどういう状況でいるのか、その個体数が減ったりしていないか、繁殖をやめたりしていないか、工事中や事業完了後、どれくらいの期間、それぞれ何回行われるものなんでしょうか。

○長谷川政策調整担当部長 事業者は、審議会において工事期間中及び工事完了後に、国の指針等を参考に現地調査を行うとしています。
 なお、具体的な調査の方法は、事後調査計画書で記載するとしています。

○アオヤギ委員 それは事業者が保全方法を示すというものです。工事中と工事完了後に調査を行うというものですが、本当にオオタカを守るためには、やはり事業完了後も数年間、様子、見なければならないし、場合によっては工事を止めるということも必要です。
 都の生物多様性戦略を生かして、事業者に対してきちんと確実にオオタカを守ることを強く求めます。
 次に、全体を通じてですけれども、都が事業者に改善を求めたこと、何かありますでしょうか。どのようなものがありますか。

○長谷川政策調整担当部長 審議会では、地元自治体等からの意見も含め、環境保全の見地から審議されていくこととなります。

○アオヤギ委員 都が提案したということはないということですね。ですから、先ほど来申し上げている協定等も含めて、事業者と相対でやっていただきたいというふうに思います。
 そして、住民の皆さんが懸念しているGLP昭島がどのように環境に影響を与えられるのか、アセスメントを慎重に審議してほしいということなので、その上でも今お示しした新たな問題や事業者に求めるべきことは、都が関与しなければ、CO2削減も、ヒートアイランドの回避も、ネーチャーポジティブも実現不可能です。都が関与することを重ねて求めます。
 最後に、これから開かれる都民の意見を聴く会について伺います。
 十七日開催予定の都民の意見を聴く会は、その名のとおり、事前に選出された都民の皆さんが公述人として審議会の委員の皆さんに意見を述べる貴重な機会です。既に見解書でも多くの方々の声が寄せられています。
 都民の意見を聴く会は非常に大事な場です。しっかり聞けるように、公述人の資料は動画も含めて認めていただきたいという意見があります。それについては、いかがお考えでしょうか。

○長谷川政策調整担当部長 公述は原則として本人が口頭の方法で行うものとしています。
 ただし、図表等、公述を補足する紙資料を示す場合は、事前に確認の上、利用が可能でございます。

○アオヤギ委員 図表等というふうにお答えいただきました。この図表等というのは、等には動画も入るんでしょうか、お聞きします。

○長谷川政策調整担当部長 繰り返しとなりますけれども、公述は原則として本人が口頭の方法で行うものとしています。
 ただし、図表等、公述を補足する紙資料を示す場合は、事前に確認の上、利用が可能でございます。

○アオヤギ委員 確認していただければよいということで、慎重な審議をする上でも、この方法というのはあらゆるものが考えられるし、今、様々な媒体ありますから、また、障害のある方も公述人になることはあるでしょうから、そうした方から、全ての方からきちんと声を聞く、そして、それは審議会の委員の皆さんがちゃんと判断するわけですから、きちんと示せるように、図表等、動画も認めていただきたいというふうに思います。認められるんだなというふうに私は理解しました。
 そして、慎重な手続、アセス手続をする上でも都民の意見を聞くということは重要ですけれども、都民の意見書、今、四百三十八件、関係市長の意見が三件の意見書が寄せられています。短期間にこれだけの意見が集まるということについて、非常に重いことだと考えます。都は、これらの意見についてどのように受け止め、どのように事業者に働きかけるんですか。

○長谷川政策調整担当部長 審議会では、都民や地元自治体からの意見も含め、環境保全の見地から審議を進めております。

○アオヤギ委員 また審議会のお話で、受け止めを聞いているんですけれども、これだけ多くの市民の声が寄せられていると。都の受け止めを聞いたんですけれども、お答えありませんでした。
 説明会にも八百人以上の方が来ていると。今回の陳情者も二十三の自治会の代表の方々ですし、非常に多くの昭島市民の皆さん、都民の皆さんが注目し、今日も傍聴にたくさんいらっしゃっていますけれども、新たな対策を求めているものですので、しっかりと受け止めて、新たな対策を考えていただきたいと思います。
 本陳情については、私たちはこの内容について賛同するものです。
 以上です。

○もり委員 GLP昭島プロジェクトについて伺います。
 GLP昭島プロジェクトの環境アセスメントについては、五月の委員会において、事業者の提出した環境アセスメント評価書に不備が多く、データにおける集計ミスや生態系の保全に欠かせないニホンアナグマの記載漏れなど、多くの不備が散見され、地元の昭島市からも令和四年十一月、まちづくりや環境、道路、交通などに関する要請、また、令和五年十一月には、交通課題等に関する照会等、自治体から二度の要請が出され、五月の委員会では、提出された評価書案については、都民等からの意見や環境影響評価審議会における専門的な立場からの審査を経て、事業者が検討を加え、環境影響評価書として今後作成されるとの答弁がありました。
 当初の環境アセスメント評価書案の不備は改善されたのか、現在の状況を確認いたします。

○長谷川政策調整担当部長 事業者は、見解書等において、誤記等については、評価書において修正するとともに、内容が専門的であるなどによって分かりづらい箇所等については、評価書において表現を工夫するとしています。

○もり委員 ぜひしっかりと情報公開を行っていただき、都民の皆さんの不安や懸念を払拭するように努めていただきたいと思います。
 また、データセンターにおいては、これは陳情者の皆様からの資料によると、消費電力は冷却用空調機等の設備機器を含めると四十二万キロワットと、原発一基当たりの発電設備容量の約半分という膨大な電力を消費する施設となっており、地元昭島市長からも、できるだけ再エネ一〇〇%を目指した施設整備を行ってほしいとの意見が環境アセス審議会にも寄せられておりました。
 東京都は、二〇三〇年カーボンハーフ、二〇五〇年ゼロエミッション東京の実現を目標に掲げていますが、事業者はこれだけの巨大施設の建設における電力の確保をどのように考えているのか、再エネ推進を求める地元市の要請にどのように応えていくのか、お伺いをいたします。

○長谷川政策調整担当部長 事業者は、評価書案等において、建築物の熱負荷の低減や高効率機器の導入など、エネルギー機器の合理化について、あらゆる側面から計画を進めるとしています。
 また、物流施設の屋上を利用して合計五メガワットの太陽光パネルを導入するほか、受電する電力は、再エネ由来電力の調達を検討するとしています。

○もり委員 ぜひ地域の中で本当に膨大な電力を発生するということで重く受け止めて、今後もできるだけ再エネの由来の電力を調達していただくよう、東京都からも事業者に強く働きかけを求めます。
 地球沸騰化が叫ばれ、今年も大変な猛暑で、今も残暑が続いておりますが、今陳情においても、自然環境への影響が大変危惧をされています。
 データセンターからの膨大な排熱と大量の水を使うとのことですが、その際に地下水を使うのであれば、大量の地下水のくみ上げによる地盤への影響、水循環について懸念をするご意見も寄せられております。事業者の見解を伺います。

○長谷川政策調整担当部長 事業者は、評価書案等において、データセンターに導入する冷却装置を水冷式から空冷式に見直すなどにより、地下水は使用しない計画であるとしています。

○もり委員 また、先ほどの質疑において、排熱についても大変懸念がありましたけれども、本当に環境アセスに排熱が影響評価の項目に入っていないということは大変重いと思います。
 これだけ温暖化が叫ばれる中で、本当に地域においても大変な熱源になり得る施設だと思いますので、そういったことも、先ほどもありましたけれども、環境アセスの評価項目における、しっかりとこういった地域の環境を守る立場から、項目の見直しも私からも要望させていただきます。
 今陳情は、GLP昭島プロジェクトについて、環境影響評価審議会に対して、よりよい環境の保全のために、審議会における審議をより慎重に行ってほしいとの地元の自治会長の皆さんが連名で届けられた、まさに地域の願いです。
 東京都環境影響評価審議会における今後の審査の進め方について、確認のため伺います。

○長谷川政策調整担当部長 本事業の評価書案については、七月から二月の二回の審議会審議を実施しております。
 今後、都民の意見を聴く会を実施するとともに、引き続き審議会委員による専門的立場からの審議を進めてまいります。

○もり委員 都民の意見を聴く会も開催をされると伺いました。本当に多くの都民から声が寄せられ、また、二十三自治会の会長さんたちも関心を持ってこの事業に向き合っています。
 この陳情は、周辺の皆さんから本当に都民の関心が高い事業でありますので、一度設置をされてしまえば住環境に大きな影響を与えます。
 東京都環境アセス審議会は、本来、認可が得られればお墨つきを与えるものではなく、都民の不安や声にしっかりと寄り添い、また、周辺環境を守るために、不安に真摯に向き合うよう審議において慎重に進められることを求めて、質問を終わります。お願いいたします。

○漢人委員 GLP昭島プロジェクトに係る東京都環境影響評価審議会における審議に関する陳情ですが、東京都として、東京都環境影響評価審議会に対して、GLP昭島プロジェクトの審議を慎重に進めていただきたいという、そういうものですね。
 理由として、交通への影響、自然環境への影響、景観への影響、公共施設への影響が危惧されるというふうにされております。
 私は、本日は、主にデータセンターによる排熱や膨大な温室効果ガスの排出などによる影響について、ここに絞って質問をしたいと思います。
 まず、環境影響評価審議会の審査状況についてお伺いします。
 審議会第二部会の議事録は、七月二十五日の第一回会議は公開されていますが、八月二十二日の第二回会議はまだ公開されていません。
 八月二十二日に質疑された主なテーマと温室効果ガスについて、どのような質疑が行われたかを教えてください。

○長谷川政策調整担当部長 八月の審議会では、大気汚染、騒音・振動、生物・生態系、風環境、温室効果ガスなど、環境影響評価項目について、広く質疑が行われました。
 温室効果ガスについては、再エネ由来の電力の導入やデータセンターの省エネ対策等について質疑が行われました。

○漢人委員 温室効果ガスについては、七月の審議会では、電力使用効率PUEの低下についてや、また、テナントの選定について、また、太陽光発電の増加について、再エネの購入などについてなどが主に一人の委員から質問がされていました。八月も質疑はされたということのようですけれども、多くの時間ではなかったようです。
 先ほどアオヤギ委員、もり委員からも話があったように、本当に国内最大規模の温室効果ガス、CO2を発生することになる巨大データセンターの審査としては、これはとても十分とはいえないのではないかと思いますので、指摘をしておきたいと思います。
 次に、そのCO2排出量についてお伺いします。
 環境影響評価書案では、事業者の責務として、地球温暖化対策の推進に関する法律から次の文言を引用しています。温室効果ガスの排出の量の削減等のための措置を講ずるように努めるとともに、国及び地方公共団体が実施する温室効果ガスの排出の量の削減等のための施策に協力しなければならないという部分です。
 つまり、事業者は東京都の温室効果ガスの削減の施策に協力することが義務づけられているわけで、事業者も十分にそれを認識しているということだというふうに思います。
 そこで伺いますが、東京都は二〇二二年のエネルギー起源CO2排出量、五千十二万トンを二〇三〇年には二千七百二十一万トンへと二千二百九十一万トンほど削減する目標です。合っていますかね。
 昭島GLPは百七十七・五万トンのCO2排出を想定していますが、これは東京都の削減目標量の七・七%、これを業務部門に限れば、削減目標量の一八%にも上るわけです。それほどの大規模な事業ということになります。
 東京都の二〇三〇カーボンハーフの目標から考えて、極めて大きな障害となるわけですが、事業者はどのように見解を示しているのでしょうか、お伺いいたします。

○長谷川政策調整担当部長 事業者は、評価書案等や見解書において、照明や空調設備への高効率機器の採用、物流施設屋上への太陽光パネル五メガワットの導入、また、再エネ由来の電力の調達の検討などを行っていくとしており、温室効果ガス排出削減に寄与できるよう努めていくとしています。

○漢人委員 再エネ由来電力の調達を検討する、検討するなんですね。検討するなど、あまり積極的とはいえない意向表明だったというふうに思います。
 次、キャップ・アンド・トレードなんですけれども、昭島GLPはキャップ・アンド・トレードの対象になるという理解でよいか、これ、さきにも質問されていますが、ここでも改めてお伺いしたいと思います。

○長谷川政策調整担当部長 条例及び規則では、事業所の年間のエネルギー使用量の実績が原油換算千五百キロリットル以上となった場合、キャップ・アンド・トレード制度の対象事業所になると定められております。

○漢人委員 同じように、答弁としては制度の説明なんですね。しかし、これも繰り返されているところでもありますけれども、改めてちょっと違う観点ですが、環境影響評価書案で、地球温暖化対策に係る計画等に示される目標、施策等という表が掲載をされていますが、そこには都のキャップ・アンド・トレードのガイドラインも載っています。つまり、事業者もこれは十分認識しているということだというふうに理解いたします。
 また、評価書案によると、データセンターの電力消費量は、換算すると三十六億キロワットアワーのようですから、私の計算によるとエネルギー使用量は原油換算で九十万キロリットルになり、キャップ・アンド・トレードの対象となる先ほどの千五百キロリットルの六百倍ですよ。六百倍になるということになると思います。すごい施設だということ。先ほどから繰り返されているところですが、本当に物すごいものがここでつくられるということだというふうに思います。
 次に、その昭島GLPの消費電力の再エネ拡大について三点伺います。
 まず、データセンターの建物、箱ですね、この冷却に必要な電力消費量とCO2排出量は、GLPの責任で行われると思いますが、それは、そこに入るテナントの電力消費量も含めた全体の電力消費量の何%と想定されているのでしょうか。

○長谷川政策調整担当部長 事業者は、評価書案において、データセンターの冷却に必要な電力消費量を含む施設全体のエネルギー消費量をIT機器のみのエネルギー消費量で割ったデータセンターのエネルギー消費効率を表す指標、PUEを一・四以下にするとしています。

○漢人委員 PUEについても先ほども質疑がありましたが、審議会で、GLPの本拠地のシンガポールでは一・三以上のものは建てることができないということになっているそうですし、もっと低めに考えてほしいという意見が出ています。
 また、ドイツでは一・二が義務化されているということなんですね。ぜひ一・二とするように求めていただきたいというふうに思います。
 次ですが、CO2を削減するためには再エネの購入が効果的です。ところが、残念ながら、環境影響評価書案の記載は、受電する電力の再エネ由来電力の調達を検討する、先ほどもありましたが、検討するにとどまっているんです。
 例えば、再エネ五〇%の努力目標などを要請するべきだと思いますが、審議会では、この点についての議論はされているでしょうか。

○長谷川政策調整担当部長 審議会では、再エネ由来の電力のさらなる導入や購入について議論が行われました。

○漢人委員 その議論の中で、事業者は、この再エネ購入に関してどのような回答というんですかね、しているかということもお伺いいたします。

○長谷川政策調整担当部長 事業者は、再エネの購入については、CO2の削減という大きな企業目標もあるので、検討していくと答えています。

○漢人委員 八月に、審議会資料の質疑応答によると、資料が出されていますが、それによりますと、CO2の削減という大きな企業目標もあるので、検討していくという、今、部長が述べられた言葉の後に続きがあるんですね。検討していくべき内容だということでは考えているが、現時点では未定であるとあります。
 重要なのは、今、答弁にはなかった現時点では未定の部分ではないですか。確認をさせていただきます。

○長谷川政策調整担当部長 繰り返しで恐縮になりますけれども、事業者は審議会において、再エネの購入については、CO2の削減という大きな企業目標もあるので、検討していくと答えています。

○漢人委員 これ、八月の審議会に出された資料2です。GLP昭島プロジェクト環境影響評価書案第一回部会審議質疑応答ということで、これはそちらの事務局でまとめられたものじゃないかと思うんですけれども、これの二〇ページに今の答弁の内容が載っています。
 事業者の説明等というところで、外から再エネを買ってくるかどうかについては、最終的にはCO2を削減という大きな企業目標もあるので、検討していくべき内容だということでは考えているが、現時点では未定であると記載されているということで確認したいんですよ。
 だから、検討していくということだけだと何か前向きじゃないですか。だけど、結局、現時点では未定だというふうにいっているんですよ。何か検討しているけど、でも、まだ未定なんですという、とても前向きとは思えない答弁をしていますので、これは合っていますよね。間違っていますか、この資料が。

○長谷川政策調整担当部長 委員お手元の資料は、議事録というか、それを示したものでございます。そういった中で、事業者としては、再エネ購入についてはCO2の削減という大きな企業目標もあるので、検討していくということは答えているということでございます。

○漢人委員 だから、していくと。その後に、だけど、現時点では未定ですと、ちゃんと書いてあるんですから、何でそこで、それを答弁でちゃんといわないですかね。大事なのはそっちだと思うんです。これがこの審議会での都の姿勢に表れているなという答弁の一つで、本当、特徴的だと思うので、強く指摘をしておきたいと思います。
 昭島市長は、意見として、施設で調達する電力については、再エネ一〇〇%導入の検討ということを要請しているんですけれども、昭島GLPは見解書で返答していません。これは問題だと思いますけれども、見解をお伺いいたします。

○長谷川政策調整担当部長 審議会では、地元自治体等からの意見も含め、専門的立場から審議されていくこととなります。

○漢人委員 これもお決まりの答弁がありました。
 次に、省エネ対応について伺いたいと思います。
 昭島GLPは、物流施設ではZEBレディー認証を取得して、データセンターではLEEDゴールドを目指すというふうにしています。評価書案にそのように書かれています。
 LEED認証は、環境に配慮した建物の認証制度の中で、世界で最も利用されている認証の一つとのことですが、日本での取得はまだ多くはないようです。あまりなじみがないと私は思っています。
 認証レベルは四段階で、昭島GLPが目指しているゴールドは上から二番目。問題はこの評価の内容なんですけど、評価の内容としては、立地と交通とか、材料と資源とか、水の利用、エネルギーと大気、敷地選定など、十二の評価項目がありまして、省エネ性能も評価されるようなのではありますけれども、評価ポイントの合計で認証レベルが決まるので、仮にですよ、省エネ性能のポイントが低くてもゴールドは取得できるのではないかと思われます。
 このデータセンターについて、どの程度の省エネを考えているのかということは、審議の中、どこかの中で示されているでしょうか。また、審議会では、このLEED認証の内容について審議がされていますか、お伺いします。

○長谷川政策調整担当部長 事業者は、評価書案において、PUEを一・四以下にするとしています。
 また、データセンターの省エネ対策について、審議会ではPUEを下げることや高効率機器等を使用するテナントの選定などに関する質疑が行われました。

○漢人委員 つまり、LEED認証に関しての内容の審議ということはされていないということですかね。実際に何かこのLEEDゴールド目指しますよというと、それで省エネ頑張っているかのような印象になりますけれども、実際には、それだけではその内容は分からないということになるかと思います。
 次に、排熱によるヒートアイランドについてですが、やはりデータセンターからの熱が出て、排熱のヒートアイランドによる熱帯夜も心配という意見は多々あります。当然のことです。陳情でもヒートアイランドの危惧が述べられています。
 データセンターの排熱は、現在の市の排熱の三・五倍になるという推定もされているところですが、事業者の見解と審議会での審査状況を伺います。

○長谷川政策調整担当部長 事業者は、見解書等において、評価項目に含まれない熱収支についても、数値流体解析を行ったとしています。
 その結果、夏季における計画地内及び周辺の地上部での気温の変化は小さいと予測しており、審議会においてもこの点の質疑が行われました。

○漢人委員 これについても十分に審査がされているとはとても私は思えないというふうに思っています。
 審査内容に関しては最後の質問ですが、東京都の姿勢についてです。
 調査計画書に対する審査意見書では、都も知事としての意見表明をしていますが、その内容は、温室効果ガスの排出量について定量的に示すとともに、適切な環境保全措置を検討し、環境影響評価書案において詳細に記述することという抽象的、一般的な意見にとどまっています。
 温室効果ガスの排出量については、評価書案に対する審査意見書において、都として具体的な評価と意見を積極的に行うべきではないかと思いますが、見解をお伺いします。

○長谷川政策調整担当部長 審査意見書は、審議会において専門的立場から審議いただき、その結果に基づく答申を踏まえて作成するものでございます。

○漢人委員 またお決まりの答弁だったんですけれども、その審査意見書は、審議会からの答申を受けて、別にそのまま丸のみで横流しのように都が出すものではなくて、やはりその結果に基づいて、今もあったように、その答申に基づいて作成するわけですよね。そこにちゃんと都としての姿勢を示すべきだと思うんです。
 もちろん、審議会から出たものが十分なものであれば、それを十分なものとして出すんでしょうけれども、ちょっと今の審議会の状況、審査が、八月の会議録、まだ見ていませんけれども、十分ではないように私は感じています。
 通常だと、あと二回ぐらいということになるんだと思うんですが、そこはこれから都民の意見を聴く会も経て、また、今日の委員会での指摘なども受けて、しっかりと審査を重ねていただきたいと思っています。
 特に、今回は、このデータセンターのCO2排出量のこの膨大な問題というのは、環境局、特に気候変動対策部としては、本当にこれ、とんでもないものが来てしまったなというふうに思っていると思うんですよ。
 だけど、今日のこの質疑では、この点は質問しても答えてもらえないということなので、これはでも、本当にそういう視点で、環境影響審議会を経て都としての意見を出すわけですから、そこにはしっかりと審議会が、幾ら専門の方々が審査をしているといっても、東京都は、このCO2対策については国内トップレベルで頑張っているわけですよ。その頑張っている東京都は、ある意味では、審議会の皆さんよりも、さらに現実的なところでのしっかりとした意見を出せるはずだと思いますし、出さなきゃいけないと思います。
 これは、今回のこのデータセンターは、国内最大ということもありますし、これからどんどん増えていく。特に、都心部のデータについて、五十キロ圏内にあるのが望ましいといわれているから、さらにこの規模のものが増えていく可能性がある、そのもう第一歩である可能性があるので、そこにどんな意見を東京都が出していくのかというのは、本当に大きく注目をされる、今後に影響することでもありますから、そういう立場でしっかりと意見を出していただきたいと思います。
 例えば、PUEについては、もう一・二は必須だと、あるいは再エネ一〇〇%、それから省エネに関しても、先ほど物流センターはZEBレディーということですが、一ランク上のニアリーZEBを目指すとか、データセンターについてもLEEDゴールドじゃなくて、やっぱりプラチナを目指すべきだとかいうこともありますし、本当に具体的なところで、しっかりと今後に影響が及ぶような審査意見書を出すことを強く求めたいというふうに思います。
 本当に最後なんですが、今度は九月十七日に予定されている都民の意見を聴く会についてお伺いしたいと思います。
 参加人数が二十五人程度で、多数の場合は抽せんとされていますが、その理由はなぜでしょうか。また、公述の際にモニター画面に資料を映すことはできないと聞いていますが、その理由をお伺いいたします。

○長谷川政策調整担当部長 都民の意見を聴く会については、より多くの都民に公述の機会を提供する一方、意見を聞く審議会委員の出席等を勘案し、一日で公述可能な人数として、おおむね二十五名程度としております。
 公述は原則として本人が口頭の方法で行うものとしております。
 ただし、図表等、公述を補足する紙資料を示す場合は、事前に確認の上、利用が可能でございます。

○漢人委員 それなりに妥当な理由だとは思いますよ。ふだん、ほとんどの意見を聴く会については、例えば二十五人程度だったらもう十分かなと。実際に聞く立場でも、それはそのぐらいに収めて一日で終わってほしいなと思うのは分かるんですけれども、でも、今回のように多くの方が関心を寄せている大きな事業であれば、そんなの何年に一回あるかどうかかという程度だと思うんですけれども、そんな場合には応用を利かせて、例えば二日間で行うとか、際限なくとまではいかないにしても、特例を設けるようなことぐらいはあっていいんだというふうに私は思います。
 また、モニターが使用できないという件なんですけれども、これについても分かるんですよ。口述を原則としてということで、あと、後々の会議録のことも考えると、モニターとかで、あれだ、それだということが残って、結局何いっているか分からないじゃないみたいな、その場にいた人は画面を見て分かったけど、会議録では分からないということが発生するとか、いろんな危惧は分かります。
 でもこれは、例えば都議会においても、都議会だけじゃない、議会の場というのは、やっぱり言論の場なので、紙のデータも駄目だし、当然モニターも駄目というのがほとんどでしたけど、だんだん変わっているじゃないですか。
 都議会の場だって、もうモニターを使っての質疑をするようなことはあって、ただ、本当にその場合、私たちだって質問したりする言葉を考えないと、後から何をいっているか分からないということになるとか、いろんなリスクもあるけれども、やっぱりその方が理解が深まると、審査が深まるということでオーケーにしているわけですから、こういったことも含めて考えていただくべきだというふうに思います。
 また、紙の資料を示す場合のみオーケーということですが、手元でパソコンの画面を示すということは、これは了解されているというふうに伺っていますが、何か今の答弁だとそういうことも駄目なように聞こえてしまうんですけれども、モニター画面、今日は出ていないですけど、そこに映すというのは駄目だけど、手元のパソコン程度ならいいということでよかったでしょうか。それは確認させてください。

○長谷川政策調整担当部長 資料につきましては、図表と、公述の中身を聞く人が分かるということが重要であると。なので、それを分かりやすくするためには、手元に紙資料があるのが一番いいだろうということでございますが、もちろんそれは紙だけでなくてパソコンでも、手元に示す資料として、あとは事前に確認の上で利用が可能ということでございます。

○漢人委員 手元のパソコンまではオーケーということで、全く駄目というのからは大分進化しているのかなと思うんですけれども、手元のパソコンがいいんだったら、それを大きく映すモニターだっていいじゃないですかと思うんです。まあ、技術的な心配とかいろんなこともあるとは思うんですが、今回の九月十七日には間に合わないと思うんですけれども、ぜひご検討いただきたいと思います。
 それで、本当の最後の質問ですけど、こういった運用について、どこで決めているんですかということで伺ったら、開催や運用について定めた要綱などがあるということでした。
 じゃ、それを見せてほしいと、検討したいのでというふうにお願いしたところ、これは提供していただけないということだったんですね。なので、今、私、開示請求の手続をしていますけれども、なぜこの条例に定められている都民の意見を聴く会の開催や運用について定めた要綱を見ることができないのか、これ、大きな疑問なんですけれども、理由をお伺いいたします。

○長谷川政策調整担当部長 本要綱は、情報公開条例で定められた公表や提供を行うべき情報に明確に当たるものではございません。
 不開示とすべき情報が含まれる可能性もあるため、情報公開条例に基づき適切に提供することとしております。

○漢人委員 私はやっぱり納得できませんね。条例に基づく会議ですよ。いろんな会議があるでしょうし、それは公開できないものもあると思いますよ。まずいことが、まずいというか不開示、一般には出せないようなプライバシーだとか、いろんな情報が書いてある資料もあるから、手続が必要な場合はあると思いますけれども、条例に基づいて行われる都民の意見を聴く会の開催、運用について書いているものがすぐに出せない、情報公開請求して二週間ぐらいたたないと見られないというのは、これは絶対おかしいので、今後ご検討いただきたいというふうに思います。
 先ほどもいいましたが、審議会、普通だったらあと二回程度だと思うんですよ、答申まで。だけど、今、十分に審査されているとはとても思えません。
 そして、都民の意見を聴く会も、聞くところでは、二十五名を超える多くの方が、発言をしたいけれども、難しいから調整してそこに収めて、本当に濃い内容の会が開かれるんではないかというふうにも伺っています。
 そういったことを踏まえて、さらに審議会の皆さんには、しっかりと審査をしていただきたい。全国最大の、国内最大のデータセンターができて、今後の東京都だけではない、本当に世界的な、このデータセンターの問題って大きい問題ですよ。これについて、ある方向性を出すことにもなりかねない審議会だということで取り組んでいただきたいし、そこに対して東京都としても最終的な意見は、本当に責任を持って、強力なものを最大限出していただくということを強くお願いをしたいというふうに思います。
 この陳情は、ぜひ私は本日採択をしていただきたいというふうに思っているということを発言しておきたいと思います。

○曽根委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、継続審査とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○曽根委員長 異議なしと認めます。よって、陳情六第三一号は継続審査といたします。
 陳情の審査を終わります。
 以上で環境局関係を終わります。
 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後三時六分休憩

   午後三時二十一分開議

○曽根委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 これより建設局関係に入ります。
 初めに、先般の人事異動に伴い、幹部職員に交代がありましたので、建設局長から紹介があります。

○花井建設局長 先般の人事異動によりまして、当局幹部職員に交代がございましたので、ご紹介させていただきます。
 三環状道路整備推進部長の福本充でございます。
 以上でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者挨拶〕

○曽根委員長 紹介は終わりました。

○曽根委員長 次に、第三回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。

○花井建設局長 第三回定例会に提出を予定しております案件につきましてご説明申し上げます。
 お手元配布の環境・建設委員会資料(建設局所管分)をご覧いただきたいと存じます。
 今定例会でご審議いただきますのは、条例案が東京都葬儀所条例の一部を改正する条例外一件、契約案が稲城多摩トンネル(仮称)(六)トンネル及び擁壁築造工事外二件、事件案が土地の買入れについて外二件でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
 詳細につきましては、総務部長よりご説明いたします。

○荒井総務部長 第三回定例会提出予定案件の内容につきましてご説明申し上げます。
 最初に、資料1をご覧ください。条例案につきましてご説明申し上げます。
 表紙をおめくり願います。今回提出を予定しております条例案の件名は、目次に記載のとおりでございます。
 一ページをお開き願います。条例案二件の概要をまとめたものでございます。条例案につきましては、本概要にて説明をさせていただきます。
 整理番号1は、東京都葬儀所条例の一部を改正する条例でございます。
 改正案の内容でございますが、青山葬儀所の建て替えに伴い、利用料金の上限額を改定するほか、所要の改正を行うものでございます。
 整理番号2は、東京都砂防指定地等管理条例の一部を改正する条例でございます。
 改正案の内容でございますが、刑法等の改正に伴い、罰則に係る規定を整備するものでございます。
 二ページ以降に議案及び新旧対照表を添付してございますので、後ほどご覧いただきたいと存じます。
 続きまして、資料2をご覧ください。契約案につきましてご説明申し上げます。
 表紙をおめくり願います。今回提出を予定しております契約案の件名は、目次に記載のとおりでございます。
 一ページをお開き願います。稲城多摩トンネル(仮称)(六)トンネル及び擁壁築造工事でございます。
 本工事は、多摩都市計画道路三・一・六号南多摩尾根幹線道路において、新たに築造する仮称稲城多摩トンネルのトンネルや東側坑口の擁壁を築造するものでございます。
 工事場所は多摩市聖ヶ丘四丁目地内から稲城市長峰三丁目地内まで、契約の相手方は飛島・りんかい日産・朝倉建設共同企業体、契約金額は三百六十億九千五百五十万七千八百円、工期は令和十二年二月十五日までとする工事請負契約を一般競争入札により締結しようとするものでございます。
 二ページをお開き願います。本工事の案内図でございます。丸で囲んでおりますのが工事場所でございます。
 構造物の形状は、三ページの平面図及び標準断面図のとおりでございます。
 四ページをお開き願います。環状七号線地下広域調節池(石神井川区間)工事(その二)でございます。
 本工事は、現在施工中の調節池本体を構築する工事である環状七号線地下広域調節池(石神井川区間)工事に関連して、シールドマシンのビット交換及び掘進に伴い発生する土砂の運搬、処分を行うものでございます。
 工事場所は中野区野方五丁目地内から練馬区高松三丁目地内まで、契約の相手方は大成・鹿島・大林・京急建設共同企業体、契約金額は二百十一億二千四百四十万円、工期は令和十年二月二十九日までとする工事請負契約を特命随意契約により締結しようとするものでございます。
 特命の理由でございますが、本工事は、調節池本体工事のシールドマシン内という狭隘な環境下で施工するものであり、安全面の確保を含めて、一括した施工管理が不可欠であることから、現在、調節池本体工事を施工中の事業者に特命するものでございます。
 五ページをお開き願います。本工事の案内図と平面図でございます。案内図の丸で囲んでおりますのが工事場所でございます。
 構造物の形状は、平面図及び六ページの標準断面図のとおりでございます。
 七ページをお開き願います。新中川護岸耐震補強工事(その二十三)及び中川護岸耐震補強工事(その五十四)でございます。
 本工事は、東部低地帯の河川施設整備計画(第二期)に基づいて、当該河川の耐震補強工事を行うものでございます。
 工事場所は葛飾区高砂二丁目地内、契約の相手方は若築建設株式会社、契約金額は二十億一千四百四十三万円、工期は令和八年十二月二日までとする工事請負契約を一般競争入札により締結しようとするものでございます。
 八ページをお開き願います。本工事の案内図と平面図でございます。案内図の丸で囲んでおりますのが工事場所でございます。
 構造物の形状は、平面図及び九ページの標準断面図のとおりでございます。
 次に、資料3をご覧ください。事件案につきましてご説明申し上げます。
 表紙をおめくり願います。今回提出を予定しております事件案の件名は、目次に記載のとおりでございます。
 一ページをお開き願います。整理番号1、土地の買入れについてご説明申し上げます。
 本件は、東京都市計画公園事業第五・五・十号練馬城址公園を整備するため、土地を取得するものでございます。
 土地の所在地は練馬区向山三丁目千五百五十一番一外、取得予定面積は二万五百四十九・四三平方メートル、取得予定金額は五十五億八千九百四十四万四千九百六十円でございます。
 二ページをお開き願います。整理番号2、道路に軌道を敷設することに関する意見についてご説明申し上げます。
 本件は、多摩都市モノレール株式会社が行った軌道法に基づく国土交通大臣への特許申請について、関東運輸局長から、同法施行令第二条第一項の規定により、道路管理者へ意見を求められており、これを述べるに当たりましては、同令第二条第二項の規定に基づき、議会の意見を徴することになっておりますので、議案を提出するものでございます。
 軌道の起点は東大和市上北台一丁目五番二、終点は西多摩郡瑞穂町大字箱根ケ崎字狭山二百五十八番六、軌道が敷設される道路の延長は約七キロメートルでございます。
 三ページをお開き願います。整理番号3、日比谷公園大音楽堂の指定管理者の指定についてご説明申し上げます。
 1の提案の理由でございますが、日比谷公園大音楽堂の指定管理者の指定に当たり、地方自治法第二百四十四条の二第六項の規定に基づき提出するものでございます。
 2の指定の概要でございますが、対象となる公の施設の名称は日比谷公園大音楽堂、指定管理者の名称は東京南部パークスグループ、指定の期間は令和六年十一月一日から令和七年九月三十日まででございます。
 四ページ以降に議案を添付してございます。後ほどご覧いただきたいと存じます。
 以上で令和六年第三回定例会提出予定案件の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○曽根委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。−−なければ、資料要求はなしと確認させていただきます。

○曽根委員長 次に、陳情の審査を行います。
 初めに、陳情六第一八号の一を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○上田道路管理部長 お手元の資料4、陳情審査説明表の一ページにございます整理番号1、陳情六第一八号の一をご覧ください。
 本件は、都道等の安全管理に関する陳情で、練馬区の疋田靖幸さんから提出されたものでございます。
 陳情の要旨は、都において、都道及び都が管理する国道の安全管理について、国による国道の管理と大きく乖離した状態を長年放置しているため、道路上の安全管理を確立していただきたいというものでございます。
 次に、現在の状況でございます。道路管理者は、道路法第四十二条第一項により、道路を常時良好な状態に保つように維持し、修繕し、もって一般交通に支障を及ぼさないように努めなければならないとされております。
 都は、都が管理する道路上の工事について、都内の国道を管理している国と同様の法令、基準、各種通知等に基づき、適切な道路管理に努めております。
 道路上で道路管理者が行う工事や占用企業者が行う工事について、都は、工事受注者や占用企業者に対し、関係法令、基準、通知等を遵守し、工事現場における安全性の確保に努めるよう指導しております。
 また、円滑な交通の確保及び事故防止等を図るため、都が事務局となり占用企業者等を構成員とする東京都道路工事調整協議会を設置し、路上工事の安全対策、工事事故の防止に関する取組を実施しております。
 説明は以上でございます。よろしくご審査のほどお願い申し上げます。

○曽根委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○アオヤギ委員 日本共産党のアオヤギ有希子です。
 都道の安全管理に関する陳情について意見を述べます。
 本陳情は、都の管理する都道または国道での道路工事において、都が工事の保安基準や工事の標示施設、公衆災害防止対策について、国の基準に準じた条例制定を含む規定の整備と、それらを守るための指導体制を整備するよう求めています。
 実態として、都内での都道等の道路工事は非常に多数にわたっており、現場で交通安全を確保するための都側の点検や指導体制が十分とはいえないことは十分想像されます。
 実際に都道の工事現場でも、現場作業員が通行車両との接触事故に遭遇する事例も存在することも明らかです。
 したがって、都として陳情の要請に応えて、国道における工事と同等の工事の安全基準の確立と、それらが守られるための体制を整備していくべきと考えます。
 都として道路工事の安全体制の確立を工事事業者任せにせず、自らの課題として取り組む姿勢を持つべきと考える立場から、本陳情を採択するよう求めるものです。

○曽根委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○曽根委員長 起立少数と認めます。よって、陳情六第一八号の一は不採択と決定いたしました。

○曽根委員長 次に、陳情六第三〇号及び陳情六第三二号については、内容に関連がありますので、一括して議題といたします。理事者の説明を求めます。

○大道公園計画担当部長 お手元の資料4、陳情審査説明表の二ページにございます整理番号2、陳情六第三〇号をご覧いただきたいと存じます。
 本件は、日比谷公園の歴史・文化を尊重し、国が指定する名勝とすることに関する陳情で、小金井市の日比谷公園の歴史と文化をこよなく愛する会代表高橋康夫さん外三百六十二人から提出されたものでございます。
 本陳情の要旨は、都において、日比谷公園を唯一無二の都の歴史遺産として後世に残すため、国の名勝に指定するよう国に働きかけていただきたいというものでございます。
 現在の状況でございますが、都立日比谷公園は、明治三十六年に近代的洋風公園の先駆けとして開園した日本を代表する都市公園でございます。にぎわいや憩いの場として多くの都民に親しまれておりますとともに、皇居などの周辺の緑と一体となって都心の緑の核を形成し、都市に風格や潤いを与えております。
 令和三年七月に公表した都立日比谷公園再生整備計画では、百余年の時代を経て日比谷公園に積層した魅力にさらに磨きをかけ、誰もが利用しやすい公園を創出することなどを目指しておりまして、令和五年七月に公表した事業計画、バリアフリー日比谷公園プロジェクトにおいても、歴史的、文化的な価値を継承しつつ、誰もがより楽しめる公園に進化させることとしております。
 続きまして、お手元配布の資料4、陳情審査説明表の三ページにございます整理番号3、陳情六第三二号をご覧いただきたいと存じます。
 本件は、日比谷公園の大噴水と小音楽堂の解体工事を中止し、整備計画を見直すことに関する陳情で、千代田区の日比谷公園の自然と歴史を考える会代表木村正明さん外三百十人から提出されたものでございます。
 本陳情の要旨は、都において、日比谷公園の大噴水と小音楽堂の性急な解体工事を一旦中止し、都民や利用者との合意形成を図りながら、都心の貴重な自然と歴史を残す整備計画に見直していただきたいというものでございます。
 現在の状況でございますが、都立日比谷公園の整備に当たっては、令和三年七月に公表した都立日比谷公園再生整備計画の事業計画として、令和五年七月に公表したバリアフリー日比谷公園プロジェクトに基づき、歴史的、文化的価値を継承しつつ、誰もがより楽しめる公園に進化させることとしております。
 また、施設の整備工事に当たりましては、樹木を保全し進めていくこととしており、樹木の移植が必要となる場合には樹木診断を行った上で、公園内で移植することとしております。
 都立日比谷公園再生整備計画は、令和元年十月の東京都公園審議会への諮問、学識経験者等による審議を経て、都民等からの意見も踏まえて取りまとめられた答申に基づき策定しており、詳細な整備内容等については、バリアフリー日比谷公園プロジェクトに基づき、情報発信することとしております。
 令和六年八月には、大噴水、小音楽堂エリアの整備工事に関するオープンハウスを開催し、多くの方からご意見をいただいたところでございます。
 説明は以上でございます。よろしくご審査のほどお願い申し上げます。

○曽根委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○細田委員 ただいま都からご説明ありましたように、日比谷公園は、日本における近代的洋風公園の先駆けとして、明治三十六年に開園して以来、各時代の東京の今、現在ですね、を映して、そして近代、現代の歴史の中でも数々のエピソードを生んできた公園であります。
 まさに、皇居など周辺地域と一体となった緑の憩いの場として都民に親しまれてまいりました。その文化、歴史的な価値は、唯一無二のものでありまして、東京、日本を代表する世界に誇る公園であります。
 都では、令和五年七月にバリアフリー日比谷公園プロジェクトを策定し、日比谷公園の整備を行っていますが、まず、公園の整備におけます基本的な考え方について答弁を求めます。

○大道公園計画担当部長 本プロジェクトでは、百二十年の時代を経て、積層した魅力にさらに磨きをかけるとともに、全ての来園者及び将来の都民にとってウエルビーイングとなる公園に進化させていくこととしております。
 また、整備内容を検討する中で、公園内の段差等の解消等について求める声もあったことから、車椅子やベビーカーでも、安全、快適かつ自由に多様な人々が公園を訪れることができるよう、バリアフリー化により、誰もが利用しやすい空間の創出を目指すこととしております。
 整備に当たりましては、公園の回遊性の軸となるS字型園路や日比谷見附跡の石垣、洋花文化を発信してきた第一花壇など、開園当初からある施設や、小音楽堂や大音楽堂、大噴水などの公園施設を継承し、日比谷公園の歴史的、文化的価値を将来に引き継いでまいります。

○細田委員 全ての来園者、そして、将来の都民にとって利用しやすい公園に進化をさせていくということでありまして、そうした利用者目線に立った考え方というのは、とても重要でありまして、私もそのとおりだと考えています。
 あわせて、これまで培われてきた歴史的、文化的な価値についても継承していく、その考え方を確認させていただきました。
 また、具体的な公園施設を継承して、日比谷公園の歴史的な価値、文化的な価値を将来に引き継いでいく、このようなことでありました。
 日比谷公園の再整備にあっては、これまで長い時間をかけて検討してきた経緯があります。バリアフリー化により、誰もが利用しやすい公園を目指すとのことでありますが、この事業計画にありますバリアフリー日比谷公園プロジェクトの策定に至るまでの検討の経緯、そしてその手順について、改めて確認したいと思います。都の答弁を求めます。

○大道公園計画担当部長 都は、平成二十九年十月に日比谷公園グランドデザインの策定に向け、学識経験者等で構成する検討会を設置いたしました。
 取りまとめに当たりましては、パブリックコメントを行い、平成三十年十二月に日比谷公園グランドデザイン五つの提言を公表いたしました。
 その後、令和元年十月に東京都公園審議会に対し、都立日比谷公園再生整備計画の策定について諮問し、学識経験者等による様々な観点からの審議やパブリックコメントを経て、令和三年三月に答申がまとめられました。
 これを踏まえ、令和三年七月に都立日比谷公園再生整備計画を策定しております。
 以上を踏まえまして、基本計画を実施し、計画の実現に向け、令和五年七月に事業計画として、バリアフリー日比谷公園プロジェクトを取りまとめているところでございます。

○細田委員 本計画は、グランドデザインの検討が平成二十九年度なので、バリアフリー日比谷公園プロジェクトの計画策定まで六年近くの歳月をかけて、そして議論を積み重ねて進めてきたということになります。
 これから本格化するエリアごとの整備におきましては、公園利用者に、どうぞ丁寧に分かりやすく説明を行っていくことが重要であります。
 先月八月には、八月二十三日から週末の二十五日の日曜日までの間、日中、大噴水、小音楽堂周辺エリアのオープンハウス、これを実施していたと思いますが、この開催状況はいかがでしたしょうか。また、その際に実施されましたアンケートの状況についても説明を求めます。

○大道公園計画担当部長 お話の先月開催しましたオープンハウスでは、三日間で延べ三百八十四名の方にお越しいただきました。
 大噴水の整備やバリアフリー日比谷公園プロジェクトの内容についてのパネル展示を行い、来場者に対し、個別に職員が説明を行い、ご意見をお伺いしたところでございます。
 来場者を対象に実施したアンケートでは、大噴水周辺整備後の過ごし方として、大噴水の縁石に座ってゆったりとくつろぎたいという回答や、公園の施設や園路の段差解消、スロープの設置などに期待する声が多く寄せられました。
 アンケートには四百八十件の回答が寄せられ、来場者を上回る数となっておりますが、これは現地に掲示した来場者向けのアンケート用QRコードがSNSを通して広まったこと等により、来場していない方々からも回答が寄せられたことによるものでございます。

○細田委員 オープンハウスは、来場していただいた公園利用者の方に、職員の方が個別丁寧に正しい情報を説明されて、双方向で対話がされる中で、利用者の直接のご意見をいただける、これが大きなメリットであったんではないか、このように思います。
 また、公園に遊びに来られている親子連れなど、実際に日常的に公園を利用している方から直接声を聞かれるというのは、都がこれから整備を進める上で大きな参考になると、そのようにも考えます。
 全体の計画では、九割のエリアについて、また詳細な内容がまとまり次第、このオープンハウスなどによって情報を発信していく、そのようなつもりであると、このように理解をしておりますが、先ほどのアンケートについても説明がございましたが、実施に当たっては、いろいろな課題も出てくるかもしれません。
 また、工夫をしながら、その公園利用者の方々のお声を丁寧に伺っていく、このことが大事である。そして、その形にしていくように努めていく、これが大事だというふうに思っております。このことを局に、都に求めておきます。
 そして、今後も日比谷公園の歴史的、そしてこの文化的な価値をしっかりと当初の目的のように、目標のように継承しつつ、そして全ての来園者、将来のこれからの都民にとって、魅力的で利用しやすく誇らしい公園であり続けるために、これからも進化を遂げていけるよう着実に整備を進めていただくことを要望いたしまして、私の質疑を終了いたします。

○原委員 共産党の原純子です。よろしくお願いいたします。
 日比谷公園再生整備計画について、二本の陳情が出されています。
 一つは、日比谷公園の大噴水と小音楽堂の計画は性急過ぎるので、解体工事を一旦中止し、都民や利用者との合意形成を図りながら、都心の貴重な自然と歴史を残す、そういう計画にしてほしいというもので、日比谷公園の自然と歴史を考える会の代表者の外三百十名が署名をしています。
 もう一つは、日比谷公園を唯一無二の歴史遺産として後世に残すために、国の名勝に指定するよう国に働きかけることを求めていて、日比谷公園の歴史と文化をこよなく愛する会の代表者の外三百六十二名が署名を添えています。どちらも大事な陳情であり、採択した上で、計画について都民との合意形成を図るべきとの立場から質問をしていきます。
 まず、現在の状況をお聞きします。第一エリア、芝庭広場エリアの工事が終わり、敷地内に入れるようになりました。第二花壇の芝生地の面積と、今回整備した芝庭広場の芝生地の面積、それぞれ出していただき、その差、どのくらいかを伺います。

○大道公園計画担当部長 第二花壇の芝生の面積は約四千二百平方メートル、芝庭広場の芝生の面積は約三千三百平方メートルでございます。芝庭広場の整備に当たりましては、車椅子やベビーカーでも、より安心・安全に通れるよう園路の幅をこれまでの一・五から二倍程度に広げております。

○原委員 第二花壇の芝生の面積が四千二百平方メートル、芝庭広場の新しい芝生の面積は三千三百平方メートル、緑地面積が九百平方メートル減ってしまいアスファルトの園路が大きく広がったということです。
 第二花壇の植栽はなくなり、八十品種を超えるバラ園を見る楽しみがなくなってしまいました。その花を座ってゆっくり鑑賞できる思い出ベンチ五十五基もなくなり石のベンチになりました。景観も変わりましたが、緑地も減ってしまった。
 都心のオアシスである日比谷公園において緑地は貴重ですが、緑地面積を削ってでも園路を広げることが必要だったのでしょうか。
 広い園路の横に電源を取れるようにとの設備が充実しました。防災時に使用できますが、はっきりいって、キッチンカーを並べるイベントにちょうどよく整備されていることが、見たらすぐ分かります。
 園路の拡幅も、恐らく同じ目的でしょう。車椅子やベビーカーでも利用しやすいようにとの説明でしたが、整備前の園路の幅でも、車椅子二台が十分擦れ違うことができる幅でした。
 気になったのは安全面です。私が行ったのは暑い日でしたが、設置された石のベンチは、座面部分の温度がとても熱くなっていました。また、園路と樹木の間の溝の道には砂利が盛ってあり、とがった石も入っていました。つまずいたら、けがをしそうで危険な印象を受けました。芝庭広場の工事はこれで完了ということですが、特に子供の安全の視点でよくチェックをしていただき、危険箇所があれば改善をお願いしたいと思います。
 この整備計画については、この間、多くの市民が心配し、日比谷公園を変えないでとの声を上げています。オフィス街の中のオアシスとして多くの方に愛されているのだと、本当に改めて気づかされます。
 私としても、この芝庭広場を見ただけでも、誰のための整備なのか、疑問を感じざるを得ません。
 大噴水と小音楽堂エリアの基本設計ができたとのことで行われたオープンハウスの意見件数と意見内容を伺います。

○大道公園計画担当部長 オープンハウスには三百八十四名の方にご来場いただきました。オープンハウスでは、整備を行う現地で、実際に公園を訪れ利用していただいている方々に、職員が直接丁寧に説明し、ご意見をいただくこととしております。
 現地に掲示したアンケート用QRコードがSNSを通じて広まったこと等により、来場していない方も含めた四百八十件のアンケートによる回答が寄せられました。アンケートでは、例えば、公園の施設や園路の段差解消、スロープの設置などを行う、こうしたことに期待するという回答を多くいただいているところでございます。

○原委員 前回の第一エリアのオープンハウスに比べると、やはり暑い日になってしまい、前回よりは少し涼しかったかもしれませんが、やはりテントの中で職員の皆さんも、また来園者も、ちょっとゆっくり見ていきたいなということよりも、暑いなというような日になってしまったのは残念だなというふうに思います。
 ただ、QRコードなどの工夫はされて、アンケートが多く寄せられたということは大事だと思います。このいろいろなアンケート、声が出ていると思います。また集計して発表をしていただきたいと思います。
 小音楽堂の基本設計は、このオープンハウスでは出ませんでした。大噴水と小音楽堂エリアというふうにいわれて、両方出ると思っていた人の方が多いんですが、小音楽堂の基本設計ができていない中で、オープンハウスを開催した理由を伺います。

○大道公園計画担当部長 小音楽堂については、整備内容を取りまとめた後、オープンハウスを開催することとしております。

○原委員 もちろんそうなんですけど、エリアごとに進めると説明をされていたのに、大噴水だけのオープンハウスだったわけです。両方まとまってからというふうにせずに、急ぐ必要があったのかなということが疑問なわけです。
 エリアを九つに分けることで、全体の構想について議論が保障されていないということ自体が問題なんですが、九つに分けたエリアをさらに分けて進めるというやり方は問題ではないかと思います。
 陳情者は、解体をストップするように要望しているわけですけれども、当然だと思います。エリアごとに設計が出て、都民の意見を聞く機会を持ってから工事に入るのが最低限、公表しての進め方だと思います。
 大噴水の形状が、日比谷公園再生整備計画の表紙に載っている、地面から直接噴水が出る形状から、今の大噴水の形状を継承するという計画に至ったその経過を伺います。

○大道公園計画担当部長 お話の再生整備計画のパース図は、同計画に記載のあるとおり、イメージとして作成したものでございます。令和五年七月に取りまとめましたバリアフリー日比谷公園プロジェクトにおいて、大噴水は現在の形状を継承し再整備することをお示ししております。

○原委員 イメージ図だったということですけれども、これです。(パネルを示す)これが再生整備計画の表紙のイラストです。この計画書が公表されたときには、大噴水をやめて別の形状の噴水にする案となっていたように受け取れますが、違いますか、お聞きします。

○大道公園計画担当部長 令和五年七月に取りまとめましたバリアフリー日比谷公園プロジェクトにおきまして、大噴水は現在の形状を継承し再整備することをお示ししているところでございます。

○原委員 これを見ますと、大噴水、載っていないですよね。一体大噴水に対してどういう認識を持っていたのかなと思わざるを得ません。大噴水の歴史的価値についての認識がこの時点でなかったことは明らかです。
 日比谷公園の大噴水は、戦後の復興と平和のシンボルとして大変有名です。大噴水の横に掲げられた看板にも、この噴水は昭和三十六年九月、日比谷公園における戦後復興の締めくくりとして設けられましたと記されております。大噴水が完成すると全国から人々が見に来る人気スポットとなったそうです。
 再生整備計画では、大噴水を地上から湧き上がる形状に変える予定だったものを、今回、形状を継承してつくることに戻したのは事実だと思います。大噴水を壊してしまうことにためらいがなかった、つまり、歴史的な価値のあるものの評価を見誤っていたが、皆さんの声を受けて軌道修正したということだというふうに思うんですね。
 それは、この間、市民の大噴水は公園のシンボル、壊さずに保存をしてほしいという声に押された結果なんだというふうに思います。
 それならば、全体の計画、個々のエリアの建造物についても、文化的価値とその保存や修復の可能性など、改めて都民の意見を聞き、必要な軌道修正をする必要があるのではないでしょうか。
 大噴水については、形状を継承すると決めたことは評価しますが、それならば、御影石の外周の部分はそのまま残し、劣化部分の修繕をすればよいのではないかとの声が出されております。
 形状を残すというのは素材なども含めていると解釈をいたします。本気で同じものに継承していただきたいというふうに思います。検討をいただきたいです。これから実施設計などで反映させられるはずです。検討を求めます。
 小音楽堂の建て替えについても問題が指摘されています。この小音楽堂は、開園から二年たった明治三十八年に、小高い丘を盛り、ステージをつくり、吹奏楽演奏の奏楽堂としてスタートしたという、日本における洋楽普及の歴史の中で重要な場所とされています。
 音楽を誰もが身近に感じられる、警視庁音楽隊の水曜コンサート、東京消防庁音楽隊の金曜コンサートなど、都民コンサートの定期演奏会には人々が集い、お昼のひととき、音楽を楽しむことができ、こういう質の高い文化を提供してきております。その小音楽堂、客席から見たステージの背景はビスタ景になっていて、ステージとともに噴水、第二花壇などの景観を楽しめる構造になっています。
 手持ちのカメラで撮った写真ですが、ちょっとこれ見ていただけたらと思って持ってきました。二〇二〇年東京オリンピックの際に、ベンチも全部新しいものにしたそうです。木製の背もたれのベンチはとても好評です。まだ改修後数年の小音楽堂を壊し、開園以来の丘を壊して建て直す必要が本当にあるのかと批判の声が強く出されています。
 ここでは、小音楽堂の形状について伺います。小高い位置に建設されている小音楽堂の高さを噴水広場と同程度まで下げる計画とのことです。丘を壊して高さをなくしてしまう基本設計がこれから出てくるのでしょうか、伺います。

○大道公園計画担当部長 令和元年十月の東京都公園審議会に諮問し、学識経験者による審議を経て、都民等からの意見も踏まえて取りまとめられた答申に基づき策定された都立日比谷公園再生整備計画において、小音楽堂は、ステージや観客席の高さを噴水広場と同程度まで下げ、一体的な広場として活用するなど、様々な使い方に柔軟に対応できる施設に改修することとしております。
 あわせて、小音楽堂まで広がる広場空間の一体性を高め、日比谷公園ならではのビスタ景観を生かしたにぎわいを創出することとしております。詳細な整備内容は、設計等において検討してまいります。

○原委員 高さを低くして噴水広場と一体性を高めるという説明でした。まあ、それも一案だと思いますが、小高い丘をつくってステージをつくった、そういう歴史を見ますと、やはりしっかりと議論が必要だというふうに思います。これ、今の計画そのままいくと、全てを丘も含めて取り壊すということになります。
 この丘の周りには、水飲み場などの歴史的な建造物もあります。なぜ壊して建て直すことばかりしていくのか、今の高さと形状で何か問題があるのかが分かりません。手を加える必要性をまず明らかにすべきではないでしょうか。
 税金を投入するということですから、何でも建て替えるありきでは、都民は納得しないというふうに思います。どの部分がどのように整備の必要性があるのか、本エリアについては、大噴水と小音楽堂をセットで説明し、市民との議論を保障していただきたいと思います。
 あと、都民への説明の方法ですが、オープンハウスだけではなく、屋内できちっとした、住民、利用者説明会を双方向で意見交換し、理解が深まるような会にしてほしいとの要望が私のところにも数多く届いています。
 オープンハウスで個別に説明されると、何か分かったような分からないようなみたいな感じになって、ほかの方の意見なども聞いて考えたいということです。
 次回の伝え方に、説明の持ち方について、ぜひ検討し、反映させていただきたいと思います。
 思い出ベンチを残してほしいとの要望は多いですが、大噴水横に今あります思い出ベンチを残すことを検討されますでしょうか。

○大道公園計画担当部長 思い出ベンチは、公園整備等に伴い撤去が必要となるものについては、寄附者に対し、お礼とともにその旨をお知らせし、ご希望がある場合はベンチに取り付けてある記念プレートをお引渡しすることとしております。

○原委員 撤去が必要となるものはといわれました。エリアごとに整備計画で保存または撤去の判断を明らかにするという解釈でよろしいですか、確認です。

○大道公園計画担当部長 繰り返しになりますが、思い出ベンチは、公園整備等に伴い撤去が必要となるものにつきましては、寄附者に対し、お礼とともにその旨をお知らせして、ご希望がある場合はベンチに取り付けてございます記念プレートをお引渡しすることとしております。

○原委員 開園百周年を記念して行った思い出ベンチの取組は、都民の寄附でベンチを置いて、公園設備が大変充実した取組だったということで、すばらしいアイデアでした。
 一人一人のプレート、メッセージが貼られた木製のベンチです。座り心地がよくて、多摩産材のヒノキの材質なので、真夏日でも熱くないんです。九月の暑い日中、思い出ベンチはたくさんの人が利用をされておりました。大噴水、小音楽堂エリアには四十二基あると伺っております。ぜひ思い出ベンチを残して、修繕しながら使い続ける方向をご検討いただきたいと思います。
 進め方への疑問も出されています。このエリアの整備計画案はこれですと一案のみ示されて、それが既定方針として工事が始まる、この進め方はおかしくないですか。都民が置き去りです。
 歴史的な建造物が多く存在するこの公園全体をどうするのか。デッキ構想なども含めた構想についての議論の場が必要ではないでしょうか。

○大道公園計画担当部長 都は、平成二十九年十月に、学識経験者等で構成する検討会を設置し、パブリックコメントを経て、平成三十年十二月に日比谷公園グランドデザイン五つの提言を公表いたしました。
 その後、令和元年十月に東京都公園審議会に対し、都立日比谷公園再生整備計画の策定について諮問し、学識経験者等による様々な観点からの審議やパブリックコメントを経て、令和三年三月に答申がまとめられ、これを踏まえ、同年七月に都立日比谷公園再生整備計画を策定したものでございます。
 こうした議論、検討を経た上で、令和五年七月に事業計画としてバリアフリー日比谷公園プロジェクトを取りまとめております。

○原委員 これまで意見を聞いてきて、現在の事業計画があるというふうにおっしゃりたいというふうに、いっておられるんでしょうけれども、デッキなんかは、私たちが全然知らないところで決められているわけです。
 本当に都民の声を聞く気があるんだったら、双方向の意見交換ができる説明の場を持つべきです。そして、多くの都民が知らないうちに、オープンハウスを一回やったから解体工事を始めてしまうというようなやり方はやめて、都民参加の権利を保障していただきたいと強く求めておきます。
 日比谷公園再生整備にかけた二〇二二年度の費用と二〇二三年度、二〇二四年度の予算を示してください。

○大道公園計画担当部長 日比谷公園再生整備における設計と工事費用の令和四年度決算額は合計で約四千万円、令和五年度予算額は合計で約十億四千万円、令和六年度予算額は合計で約二十五億円となっております。

○原委員 ありがとうございます。整備計画での整備にかけてきた費用はおよそ三十五億八千万円ということです。九エリアのうちまだ一・五エリアです。十億円から二十億円というお金を税金から毎年使っていく、そういう計画ですから、壊して建てる、壊して建てるという一辺倒な手法ではなく、修繕で済むのではないかと意見が出ているようなところについて、やはりしっかり議論をする必要があると思います。
 建て直さなければならないんでしたら、その根拠を示すのは、都としての都民への最低の責任だと思います。
 あと、オープンハウスでも意見が出ていましたが、事業の詳細公表のときに総費用の提示を必須とすることを求めます。必要な情報です。
 続いて、もう一方の陳情、名勝指定について伺います。
 名勝指定とは、国が定めた特別史跡名勝天然記念物及び史跡名勝天然記念物指定基準によれば、我が国の優れた国土美として欠くことのできないものであって、その自然的なものにおいては、風致景観の優秀なもの、名所的あるいは学術的価値の高いもの、また人文的なものにおいては、芸術的あるいは学術的価値の高いものとされています。
 都が定めた東京都文化財指定基準によれば、風致景観の優秀なもので古くから名所として知られているものまたは芸術的もしくは学術的価値の高いものとされています。
 文化庁文化財部記念物課が行った近代の庭園・公園等の調査に関する検討会が二〇一二年六月に出した、近代の庭園・公園等に関する調査研究報告書に、日比谷公園が名勝指定の重要な候補とされております。
 近年、名勝指定された都市計画公園、都立公園では、北区の旧古河庭園、国分寺の殿ヶ谷戸庭園などがありますが、こうした庭園と比べても遜色なく、誰もが認める歴史的価値を持つ初の近代的西洋風公園です。
 都として、日比谷公園を名勝指定する検討が、これまでにされたことはありますでしょうか。

○大道公園計画担当部長 バリアフリー日比谷公園プロジェクトに基づき、百二十年の時代を経て、積層した魅力にさらに磨きをかけ、全ての来園者及び将来の都民にとってウエルビーイングとなる公園に進化させていくことが重要であると認識してございます。

○原委員 東京都建設局において、名勝指定を国に求めたり、求める検討をされたことはないという答弁だったと解釈しますが、それで間違いないですか。

○大道公園計画担当部長 繰り返しでございます。バリアフリー日比谷公園プロジェクトに基づき、百二十年の時代を経て、積層した魅力にさらに磨きをかけ、全ての来園者及び将来の都民にとってウエルビーイングとなる公園に進化させていくことが重要であると認識しているところでございます。

○原委員 都として、こういう考えで今やっているということは、何回も伺っておりますが、名勝指定を検討してきたことがあるかないかということなので、イエスかノーかでお答え願えますか。

○大道公園計画担当部長 先ほど申し上げましたとおり、ウエルビーイングとなる公園に向けまして進化させていくことが重要であるというふうに認識をしているところでございます。

○原委員 非常に名勝指定に対し消極的だという、まあ、そこは分かりました。答えはいただいていないということです。
 名勝指定を求めることは、公園の価値を再認識する機会になりますし、指定されれば、国の援助もあり、誇るべき都立公園として広く世に知られることになります。
 一方で、文化庁の資料では、国の名勝指定地において現状を変更する場合は、文化庁長官の許可が必要になるそうです。都は、これがあると整備計画が進まないという考えなのではないかなと思います。
 失われてからでは価値を取り戻すことはできません。日比谷公園の歴史と文化については、再生整備計画でも前段で語られているのに、そうした価値を逆に投げ捨てるような改変計画になってしまっていませんか。残したい部分はどこで、どこを残していくのか、そして、解体部分はどこなのか。
 誰にも開かれた公共空間として、公園をどのようにしていくべきなのかを考える意味でも、名勝指定は日比谷公園の持つ文化的価値を守る最後のチャンスなのかもしれないなと思っております。これまで名勝の有力候補でありながら指定されなかったのはなぜだと思いますか。

○大道公園計画担当部長 個々の施設の指定の詳細については承知しておりませんが、日比谷公園は、バリアフリー日比谷公園プロジェクトに基づきまして、百二十年の時代を経て、積層した魅力にさらに磨きをかけ、全ての来園者及び将来の都民にとってウエルビーイングとなる公園に進化させていくことが重要であると認識しているところでございます。

○原委員 都立公園の管理者として、建設局というのが責任を持っているわけです。だから、名勝指定の話をしていますけれども、建設局ということで、私は、大変な責任があるので関係部署にいろいろ伺いながら、やっぱりこれはどうなんだろうかということが検討が必要だというふうに思います。
 昨年三月に日本庭園協会が、日比谷公園を国指定名勝に推挙する決議を上げています。日比谷公園の設計者、本多静六博士は、日本庭園協会の初代会長なんだそうです。日本庭園協会の意見などもよく聴取しながら検討を進めていただくことを求めます。
 名勝指定を求める気があるかないかではなく、今回都民から要求されたわけですから、少なくとも検討をすべきです。都民の財産なのですから、その客観的価値を正しく評価することは必要な業務ではないでしょうか。
 以上、二つの陳情を採択すべきものと表明し、都民要望に応えることを求め、質疑を終わります。

○もり委員 私からも、日比谷公園の歴史・文化を尊重し、国が指定する名勝とすることに関する陳情、また、日比谷公園の大噴水と小音楽堂の解体工事を中止し、整備計画を見直すことに関する陳情について質疑を行わせていただきます。
 日比谷公園は、日本で最初の近代的な西洋公園であり、今陳情は、日比谷公園を唯一無二の都の歴史遺産として後世に残すため、国の名勝に指定するよう国への働きかけを求めるものです。
 現在、都内には、国指定の名勝は十四件あります。全国では地方公共団体によって指定された公園も七十件あり、保護の必要性が十分に検討されないまま都市化及び再開発によって消滅または改変の危機に瀕している近代の庭園、公園等も数多く存在するとして、文化庁では、近代庭園、公園等を調査し、文化財として適切な保護を図るため、文化庁文化財部記念物課が平成二十四年六月に、近代の庭園・公園等の調査に関する検討会を経て、近代の庭園・公園等に関する調査研究報告書がまとめられました。
 その際に、各都道府県の教育長に依頼し、区市町村の教育委員会の担当者の協力を経て記入が求められ、全国から四千四百件がリストに上げられ、そのうち一次選定事例が千五百四十五件、都内においては庭園が三十一件、公園三十七件、植物園六園、墓園が六園、並木道十五件が名勝指定の第一次選定事例として候補に挙げられております。
 名勝の指定基準に掲げられた区分では多岐にわたるんですけれども、指定等の保護に当たり考慮すべき事項として、大都市圏を中心として、時代的特質を考慮しつつ、当該大都市圏における都市空間及び地域空間の中核または中軸をなす公園等で、芸術上、鑑賞上、公園史上の価値を有するものを群として保護していく視点が重要であるとあり、年代については、幕末以降に造成され、現在までに造成、開設後五十年を経ているものとあります。
 神宮外苑のイチョウ並木、そして、今陳情の百二十一年の歴史を有する日比谷公園は、どれも名勝指定に値し得ると考えます。
 この報告書においても、近代庭園として既に名勝指定された旧古河氏庭園とともに日比谷公園が挙げられています。また、並木道として、計画事業に伴うものとして大正時代末期に国家事業として造成された神宮外苑イチョウ並木については、内苑と外苑、両者を一体的に評価して保護する視点が重要であると指摘されていることも述べさせていただきます。
 秋田県などでは、県が主体となって、県内の庭園に関する総合的な調査が実施されているということで、兵庫県では、登録有形文化財制度を担う人材育成として、ヘリテージマネージャー制度を発足させ、これが全国に取組が広がっているということで、東京都でも循環型社会における建築の在り方を見据え、地域にある歴史的建造物の保全、活用を推進するとして、東京建築士協会が養成講座を行っていますが、教育庁に確認しましたが、東京都においてはヘリテージマネージャーの活用事例はありませんでした。
 東京都の事業においても、高輪築堤やヘリテージアラートの発出された明治神宮外苑、百年の歴史を持つ神宮球場など、都市公園の中にも名勝となり得る建築物が数多くあると考えますので、都においても適切に文化遺産としての建築物、公園が保全されるよう、ヘリテージマネージャーの活用を、こちらは要望いたします。
 また、公園では、地元の大田区では洗足池公園や宝来公園もこの報告書に上げられていたんですけれども、この近代の庭園・公園等に関する調査研究報告書は、第一次選定事例に記載をされた庭園、公園、並木を適切に保存し、地域の文化遺産として将来にわたり継承されていくことを願い、まとめられたものです。
 この報告書がまとめられてから、新たに名勝指定された庭園、公園について伺いたかったのですが、これは所管は教育庁ということで、教育委員会に確認をさせていただきました。
 報告書以降、都内の庭園、公園は四件が新たに国指定名勝となっており、小石川植物園、懐徳館庭園、哲学堂公園については、本報告書でもリストアップをされていたものです。
 これ、報告書がまとめられてから十二年、報告書に沿って東京都において、名勝指定に向けた動き、議論があったのか、これは先ほど原委員も質疑をされていましたが、文化財の指定にあっては、所有者や地元自治体の意向を踏まえて対応しており、日比谷公園については名勝指定に向けた特段の対応は、教育庁では行っていないとの回答がありました。
 この調査報告書のまとめでは、文化庁では、調査研究の成果を基にして、指定、登録、保存管理に関する取組をさらに進めていくことが必要であると考えている。また、各地方公共団体においても、一次選定事例の一覧表に記された名勝地について、調査及び保護の取組が推進され、地域の文化遺産としての周知が図られることを期待したい。
 多くの庭園、公園等は利用や機能面において周辺環境と密接な関係を持っており、庭園、公園等を適切に保護するためには、周辺の地域を含めた景観計画や都市計画との連携が不可欠である。また、庭園、公園等は地方公共団体の公園、河川、観光等の部局によって管理、活用されている場合も多く、近年は歴史、文化に着目した地域活性化の取組が全国で盛んに実施されている。したがって、本報告書が都市計画及び地域振興など幅広い分野の関係にも活用され、その結果、庭園、公園等が地域の文化遺産として十分に認識され、将来にわたり継承されていく第一歩となることを期待したいとあります。
 今回の質疑において、名勝指定については教育庁の所管とのことで、名勝そのものの質疑は建設局ではお答えいただけなかったのですが、今陳情は文教委員会には付託をされておりません。であるならば、日比谷公園を所管する建設局として、日比谷公園の文化遺産としての認識を持って、将来にわたり継承されていく取組が重要であると考え、その立場からの答弁を願うものです。
 国の調査報告書においても重要と指定され、文化遺産として将来にわたり継承されていくために、名勝指定について実際に日比谷公園を所管する建設局の見解を伺います。また、建設局が名勝の指定にどのように関与できるのか、お伺いをいたします。

○大道公園計画担当部長 バリアフリー日比谷公園プロジェクトに基づき、百二十年の時代を経て、積層した魅力にさらに磨きをかけ、全ての来園者及び将来の都民にとってウエルビーイングとなる公園に進化させていくことが重要であると認識しているところでございます。
 名勝の指定につきましては、国の文化審議会の答申を経て文部科学大臣が行うものと承知しております。

○もり委員 先ほどからバリアフリー日比谷公園プロジェクトの理念といいますか、同じ答弁が繰り返されているんですけれども、やはり管理をしている建設局として、本当に名勝の指定として、国でも重要とされているこの日比谷公園をどうやって次世代に継承していくことができるのか。ただいまのご答弁では、国の文化審議会の答申を経て文部科学大臣が行うものと承知との答弁には、自治体の、この都としての役割が示されておりません。
 都議会文教委員会における神宮外苑の名勝指定の質疑では、ミライ会議の田の上都議の質疑に、地域教育支援部長より、名勝指定につきましても、所有者及び関係自治体の意向を踏まえ、条例に基づき、都の名勝指定については審議会に諮問し、答申を受けた後、指定をしておりますとの答弁を確認しました。
 名勝指定については、自治体の意向を踏まえ、所有者、日比谷公園は都立公園なので、所有者は都ですが、所管している建設局として、責任をないがしろにした答弁は許されないと思います。
 都立公園における所有者として、都建設局の責務の大きさを自覚していただき、意見を述べる立場にあると考えますので、名勝指定に向けても、所管する教育庁と連携し、国の文化審議会に働きかけていただきたいと、これは質問をしても同じ答弁になるかと思いますので、改めて強く要望をさせていただきます。
 現在の状況は、令和五年七月に公表したバリアフリー日比谷公園プロジェクトに基づき、歴史的、文化的な価値を継承しつつ、誰もがより楽しめる公園に進化させるとしていますが、歴史と伝統ある美しい日比谷公園の景観は既に破壊されていると、都民が声を上げています。
 にれの木広場は、日比谷公園、日比谷公会堂を背景に、立派な大木が並んでいましたが、都は根腐れしたとして、二十四本中二十三本もの樹木を伐採してしまいました。二十四本のうち二十三本もの樹木が根腐れをしているとしたら、東京都の公園管理に重大な過失があると考えますが、都の見解を伺います。

○大道公園計画担当部長 植栽の管理を含めまして、都立公園の維持管理は適切に行われているものと認識しております。

○もり委員 やはり、二十四本中二十三本が根腐れをしているというのは、本当に、通常の公園管理ではあり得ないのではないかと大変遺憾に思います。
 現在、樹木のないただの、本当にミッドタウン日比谷の三井不動産のイベント広場のようになってしまった公園の姿というものに、多くの都民が声を上げて、日比谷公園の歴史をこれは破壊する行為であったのではないかと大変遺憾です。
 国連事務総長も、地球沸騰化が叫ばれる中、世界の主要都市では緑を増やすまちづくりが行われていますが、東京では次々と高層ビルが建設をされ、大型再開発により都市の緑が破壊され続けています。
 日比谷公園では、都民の寄附で設置された思い出ベンチが撤去をされ、にれの木広場の樹木も伐採をされ、アスファルトの殺風景な広場に姿を変えてしまったことは、これは近代公園の破壊であり、多くの都民が、これ以上、美しい日比谷公園の歴史と文化、景観を破壊しないでほしいと声を上げています。
 また、陳情三二号は、都民や利用者との合意形成を図りながら、都心の貴重な自然と歴史を残す整備計画に見直してほしいという切なる願いです。日比谷公園のシンボルである大噴水と小音楽堂を守ってほしいとの声に、今年八月には大噴水、小音楽堂エリアの整備工事に関するオープンハウスが開催をされましたが、八月二十三日から二十五日の十時から四時と大変暑い中、しかも、公園内の大噴水周辺という野外でのオープンハウスでした。
 私は、オープンハウス型の説明会では、パネルを見たり、行政から一方的な説明を受けるのみになってしまい、しっかりと会議室で住民説明会を開催し、参加者の様々な意見を聞くことで課題が明確になり理解が深まることがあると思うので、オープンハウスは一つの手法としては認めますが、やはりきちんと会場を設け、住民説明会を開催していただきたかったと考えます。
 オープンハウスでの説明会、先ほどの答弁では来場者が三百八十四名、アンケート回答者が四百八十名と、この人数についてはご答弁がありました。QRコードがSNSを通じて広められたこと等により、来場していなかった方も含めた回答が寄せられたということです。
 確認のため、昨年、令和五年八月には第二花壇の整備について、やはりたった三日間ですがオープンハウスが行われ、二百十六名が来場しました。アンケートはチェック方式になっていますが、その設問の中で、車椅子やベビーカーでも安全、快適に訪れることができるよう、公園とまちをデッキでつなぎエレベーターを設置するとあり、設問が大変誘導的であると感じました。この設問は建設局が考えたものなんでしょうか。

○大道公園計画担当部長 アンケートは、オープンハウスの来場者を対象に都が実施したものでございます。
 なお、お話の選択肢の文言は、バリアフリー日比谷公園プロジェクト等に記載されているところでございます。

○もり委員 従来の日比谷公園でも、十分に歩道が確保されていたと感じていますので、今現在デッキがなくても駅からフラットで快適に訪れることができ、デッキをつくることで現在はない段差を生み出し、エレベーターを設置すれば二十四時間ランニングコストもかかるようになります。
 デッキを道路上空公園として事業者が費用負担して施工するとのことですが、エレベーターを設置することによる維持管理費等は、都と事業者、どちらの負担になるのでしょうか。

○大道公園計画担当部長 公園とまちをつなぐデッキは、民間事業者の費用負担の下、整備をされ、管理されることになっております。

○もり委員 民間事業者の費用の下で整備をされ管理されることとなっているということで、本当に、ミッドタウン日比谷の建築されたときから二階のところが、まさにデッキをつくることを想定していたかのように空いていたということで、これは本当に、三井による三井のためのデッキなんじゃないかということで、すごく遺憾に思っています。
 知事は折に触れ江戸の伝統などを口にしますが、小池都政によって江戸の伝統が破壊をされています。江戸は江戸城を中心として、江戸大名屋敷、大名庭園や寺社が配置をされ形成されておりました。
 これらの樹木を伐採し、高層ビルを建て、屋上や壁面、空地に芝生を植えてSDGsだといい放ち、こういった都市開発で東京を破壊している大改革で本当にいいのか。
 東京が背負っているものは一都道府県にとどまりません。
 次の百年は、人口が減少していく中で、ぜひ東京の地歴を踏まえつつ、時代にふさわしい都市開発のモデルを全国に示すべきと考えます。
 バリアフリー日比谷公園プロジェクトの樹木の取扱いについて、樹木を避けて整備工事を実施するとありますが、今後の整備方針の中で樹木を避けた整備工事の実施が可能とお考えなのか。今回の陳情にもデッキ計画による大量な樹木伐採が懸念をされております。
 改めて、今回の計画で何本の樹木が伐採、移植をされるのか、お伺いをいたします。

○大道公園計画担当部長 日比谷公園の整備に当たりましては、樹木を保全して進めてまいります。整備につきましては、エリアごとに段階的に進めることとしており、樹木調査についても、エリアごとの段階的な整備に合わせて実施してまいります。

○もり委員 今、樹木の本数をお聞きしたんですけれども、エリアごとということで数字はお答えいただけませんでした。しっかりと樹木の本数の管理なども、移植をされたといっても本当にどこに、園内での移植ということなんですけれども、移植後もしっかりとその樹木の管理、また、どこの樹木がどこに移植をされたのかということが分かるように、管理と保全をお願いしたいと思います。
 日比谷公園の歴史と景観、樹木を守るための樹木の保全計画についてお示しをください。

○大道公園計画担当部長 バリアフリー日比谷公園プロジェクトにおいて、これまで受け継いできた公園の緑を守っていくとともに、将来にわたり上質な緑の空間であり続けるため、適切に樹木を保全する旨をお示ししているところでございます。

○もり委員 近年、東京の都市開発によって、結構多くの樹木が移植という言葉が使われるんですけれども、本来、大きな木にとっては移植は大変負担を要して、国立競技場の建て替えの際にも多くの樹木が移植をされたんですけれども、その多くが根腐れをしたり、今根づいているのが本当に僅かというような実態も専門家の方からも聞いています。
 ですので、本当に十分に、移植に際しては細心の注意を払って、しっかりと都民の緑を守っていくことを強く要望いたします。
 また、今回のオープンハウス、その他のご意見、ご要望では、多くの都民の声が寄せられております。今後どのように計画にその都民の声が盛り込んでいかれるのか伺います。

○大道公園計画担当部長 今後の事業を進めていく上での参考にさせていただきます。

○もり委員 ぜひ都民の声を重く受け止めて計画に反映されるよう、改めて強く要望いたします。
 オープンハウスではなく、長年地域に親しまれたこの日比谷公園の今後の整備に向けては、都民と丁寧な対話と、また、説明の場がなければ都民の理解を得られないと考えます。対話と説明の場を持つべきだと考えますが、都の見解を伺います。

○大道公園計画担当部長 整備を進めるに当たりましては、各エリアごとの詳細な整備内容がまとまり次第、オープンハウスを実施し、整備内容について情報発信を行い、ご意見をお伺いすることとしております。

○もり委員 オープンハウスを実施するということは先ほどから伺っているんですけれども、やはり丁寧な対話の場というのは本当に必要だと考えますので、ぜひ都民の理解が得られるよう、都民と一緒に、よりよい公園になるよう願っておりますので、ぜひ対話の場をつくっていただきたい、これも改めて要望し質問を終わります。ありがとうございます。

○漢人委員 日比谷公園に関する二つの陳情について質問をいたします。
 まず、八月二十三、二十四に開催されたオープンハウスについて伺います。昨年も多く指摘がありましたし、もう既にほかの方からも指摘がありますけれども、酷暑の時期に屋外テントで実施したという、この理由についてお伺いをいたします。この時期を避けることはできないものなのでしょうかということでお伺いいたします。

○大道公園計画担当部長 整備を進めるに当たりまして、各エリアごとの詳細な整備内容がまとまり次第、オープンハウスを実施し、整備内容について情報発信を行い、ご意見を伺うこととしているものでございます。

○漢人委員 整備計画の内容がまとまったら、どんなに苛酷な時期だろうと、熱中症が危ないから外出を避けましょうという時期であろうと、屋外での活動は避けましょうという時期であろうと開催をするわけですというのはそれはやめましょうよ、もう。
 本当に、今年の夏、熱中症で亡くなった方、過去最高になりましたよね。屋内で亡くなられる方が多いんですけど、でも、屋外で子供たちが遠足に行って熱中症になるとか、スポーツでもありますし、この時期に計画自体を、この夏の本当に一番、八月ですよ、八月、せめて九月にずらすとか、まだ暑いですけど、そのぐらいの配慮をできるぐらいの余裕を持っての今後の進め方をぜひお願いしたいと思います。
 それで、これもオープンハウス自体は、場合によってはいいと思いますし、今回でもオープンハウスをやることはいいんですけれども、併せて屋内での説明会も同時に開催するべきだというふうに思います。
 賛成、反対の趣旨が深まってよりよい方向性が見いだせると思うんですけれども、いかがでしょうか。

○大道公園計画担当部長 オープンハウスは、整備を行う現地において開催することで、実際に公園を訪れ利用していただいている方々に、職員が直接丁寧に説明できる場でございまして、これにより、これから進める整備内容に関するご意見等をいただくことができるものでございます。

○漢人委員 もう何か会話が成り立たなくて大変つらいですけど、オープンハウスについては意義は認めます。だけど、同時に屋内での説明会も開催するべきではないかというふうにいっているんです。
 より多く、より深く意見を伺うことができるはずですので、深い意見は聞きたくないのかなということかなと。一方的に説明できればいいや、都合のいい意見だけ聞けばいいという、オープンハウスというのは、そういう性格のものだと思いますので、ちゃんと、じっくりと、市民、都民が相互に理解をし合いながら、職員も、ああそうかと思うこともあるかもしれないじゃないですか。そういう意見交換ができるような、そういう屋内での説明会というのもぜひ検討するべきです。
 なかなか、何回聞いても同じことしか答えていただけないと思いますので、次に行きたいと思います。
 会場で行われたアンケートなんですけど、アンケート項目を見ると、とても誘導的な質問設定がされているなと思います。さらに、自由記載欄もとても小さかったので、十分に意見を伝えられないというふうに思う方が多かったと思うんですね。
 そんな中で、アンケート以外の参加者の意見というのが、その場で、おっしゃるとおりいろんな方の意見を聞くわけですよね。そういった意見については集約や検討をしたり、また、反映をされるということはされているんでしょうか。

○大道公園計画担当部長 今後の事業を進めていく上での参考にさせていただいております。

○漢人委員 まあ、こう聞けば、そう答えるだろうということですよね、もちろん。だけど、実際には、参加した方から、職員にこんないろいろ意見をいってもメモも取ってももらえなかった、一体、私の意見はちゃんと生かされるんだろうかという、とても不信感を持ったという、そんな声もいただいています。
 しっかりとオープンハウスで意見を聞くんだったら、メモぐらい取るのが普通じゃないですかね。すばらしい記憶力の中で、全て後から記録されるのか分かりませんけど、やっぱりオープンハウスに来た方とちゃんと向き合って、その場で記録を取るというぐらいのことはするということをしていただきたいと思いますので、それも意見として申し上げておきたいと思います。
 それで、オープンハウスでいただいた意見を今後の参考にするということですが、去年のオープンハウスで出された意見で生かされたものはあったのでしょうか、お伺いします。

○大道公園計画担当部長 昨年実施しましたオープンハウスのアンケートの中では、例えば、公園の施設や園路の段差解消、スロープの設置などを行う、こうしたことに期待するといった回答を多くいただいており、参考にさせていただいたところでございます。

○漢人委員 バリアフリープロジェクトですから、そういった点には多く意見があったというのは当然で、私もそれはよいかと思いますが、そもそもバリアフリープロジェクトなんですから、そういった意見があったから生かされたというか、そもそも、そういう計画なんだろうなというふうに思います。支持されたという意味でよかったかということですね。
 次に、大噴水について伺います。外側のへり石は再利用可能と思われます。現在の形状を継承するという基本に基づいて、現状を再現すべきだと思いますが、いかがでしょうか。

○大道公園計画担当部長 日比谷公園の整備に当たりましては、歴史的、文化的な価値を継承しながら、誰もがより楽しめる公園に進化させていくこととしております。
 現在の大噴水の外側縁石は、池の水面に向かって低くなる勾配となっており、座る上での快適性や物が落下しやすいなどの課題があったことから、縁の幅を広くし勾配を改善することで、誰もが快適に過ごせるよう整備してまいります。

○漢人委員 その縁石のベンチ利用というのを促すという提案は、誰が発想したものなんでしょうか。また、そういったニーズがあるということがあまり想定ができない、聞かないんですけれども、いかがですか。

○大道公園計画担当部長 大噴水の整備事業は都が実施しているものでございます。オープンハウスのアンケートでは、大噴水の縁石に座って、ゆったりくつろぐ、こうしたことに期待するという回答を多くいただいているところでございます。

○漢人委員 東京都の建設局の公園計画担当の中で考え出した案だということですね。そうなんですね。
 オープンハウスの意見というのについては、アンケートもさっきいったとおりちょっと誘導的な質問ですので、そちらに導かれて、座れるならいいかなという回答が多いというのは、そうなんだろうなとは思います。
 次に、思い出ベンチについて伺いますが、第二花壇と大噴水エリアの思い出ベンチがそれぞれ撤去されるのかなと。大噴水エリアの方はまだ確定ではないと思いますが、その撤去の理由について、それぞれどういう理由で撤去をするのかということをお伺いします。

○大道公園計画担当部長 日比谷公園では、平成二十年度までに思い出ベンチが設置されており、最も新しく設置したベンチでも設置から十六年以上が経過しております。
 公園整備等に伴い、撤去が必要となるものについては、寄附者に対し、お礼とともに、その旨をお知らせし、ご希望がある場合はベンチに取り付けてある記念プレートをお渡ししているところでございます。

○漢人委員 つまり、老朽化しているから撤去するということで、そういう理解でよろしいですか。

○大道公園計画担当部長 公園整備等に伴い、撤去が必要となるものについては、寄附者に対し、お礼とともに、その旨をお知らせし、ご希望がある場合はベンチに取り付けてある記念プレートをお渡しすることとしております。

○漢人委員 質問は、老朽化しているからですかと聞いたんですよ。老朽化しているから撤去するんですかと聞いたのに、撤去したらプレート云々というのは、ちょっとあまりにもかみ合わないんですけど、撤去の理由は老朽化ですか。

○大道公園計画担当部長 繰り返しにはなりますけれども、公園整備等に伴い、撤去が必要となるものについては、寄附者に対し、お礼とともに、その旨をお知らせして、ご希望がある場合はベンチに取り付けてある記念プレートを引渡しすることとしているところでございます。

○漢人委員 もしそれをいいたいんだったら、後半をいうからおかしいんですよ。公園整備のために撤去が必要だというふうにいいたいんですかね。公園整備のために撤去が必要。でも何で公園整備のために撤去が必要なのか。そういう計画、図面を描くからということなんでしょうかね。
 だから、何で撤去されるのというのが分からないんですよ。老朽化なら一つの理由だなと思いますけれども、いや、撤去したらプレートを何とかしますからという、もう、何てごまかされているんだろうというふうな、そういう印象にしかならないんですよ。その答弁だと。
 同じ繰り返ししかできないようですから次へ行きますが、東京都としての思い出ベンチの方針というのがあると思うんですよ、この日比谷公園だけではなくて。それと、今後のこの日比谷公園のバリアフリー計画での方針についてお伺いしたいと思います。

○大道公園計画担当部長 思い出ベンチ事業につきましては、都立公園等の設置状況などを踏まえて、毎年募集する公園等を決定の上、寄附を受け入れているところでございます。
 日比谷公園の整備に当たりましては、整備に伴い、撤去が必要となるものについては、寄附者に対し、お礼とともに、その旨をお知らせして、ご希望がある場合にはベンチに取り付けてある記念プレートをお渡ししているところでございます。

○漢人委員 前半はいいですよね。東京都としての方針は、公園ごとに考えて、毎年、寄附者を募っているというのは、それはやっぱり、評判の高い、評価のある事業だから継続しているわけですよね。
 そもそもの発想から、予算がない中で皆さんが考え出して、つくってきて、公園に親しみを持ってもらえるとか、いろんな意味で続いている事業だということで、毎年一定の規模で寄附者を募っていると。そこはいいんですよ。
 日比谷公園バリアフリー計画については、どういう方針かというと、結局、撤去が必要となるものには−−だから、なぜ撤去が必要になるというふうに考えていくのかというところが分からないんですよね。
 これも何回聞いても、きっと同じことしか繰り返していただけないので、次に行きます。分からないんだということだけ確認しておきます。
 次は、小音楽堂なんですけれども、この計画は、今回はオープンハウス説明から外れたわけですが、今後の計画決定の時期、それから、公表の時期について伺います。

○大道公園計画担当部長 日比谷公園の整備に当たりましては、各エリアごとの詳細な整備内容がまとまり次第、オープンハウスを実施し、整備内容について情報発信を行い、ご意見を伺うこととしております。

○漢人委員 これも、いつというのは全然いってもらえないんですよね。当たり前じゃないですか。計画がまとまったらオープンハウスして、説明して、情報発信を行うと。今回行われるはずのものがされなかったので、いつ頃ですかと。それは普通、年内ですとか、年度内ですとか、少し延びますとかという時期を聞きたいんですけど、決まったらやりますから待っていてくださいという、とても不誠実な答弁だと思います。
 二〇二〇年に改修をしているわけですね。その改修と今回の計画の関係、これはほかにも質問されていますけれども、改めて伺っていきたいと思います。前回の改修と今回の改修の違いについて教えてください。

○大道公園計画担当部長 二〇二〇年に実施しましたのは園地改修工事であり、東京二〇二〇大会への対応として、利便性や景観の向上を目的に、傷んだ舗装の打ち替えやステージ、屋根の補修、手すりの取替えなどを実施いたしました。
 バリアフリー日比谷公園プロジェクトでは、小音楽堂については、老朽化に対応するとともに、ステージや観覧席の高さを下げて、段差や柵をなくし、誰もが利用しやすい施設としていくこととしております。

○漢人委員 そのバリアフリーということで誰もが利用しやすい施設というのは大事なことですけれども、やはり、この日比谷公園、名勝指定に値するのではないかというような場所ですから、現在の形状を継承するという上で対応するべきだと思うんですが、いかがでしょうか。

○大道公園計画担当部長 バリアフリー日比谷公園プロジェクトでは、百二十年の時代を経て、積層した魅力にさらに磨きをかけ、バリアフリー化により、誰もが利用しやすい空間の創出を目指すこととしております。
 小音楽堂は、正面に公会堂を望むビスタ軸上の配置や木々に囲まれた立地環境を継承することとし、併せて老朽化に対応するとともに、ステージや観覧席の高さを下げて段差や柵をなくし、誰もが利用しやすい施設としていくこととしております。

○漢人委員 私は、今の形状を維持するべきだと考えています。あわせて、石垣とか水飲み場があるわけですけれども、この段差や柵をなくしということに連動して、こういった場所も失われるのかと心配なんですが、どうなのでしょうか。

○大道公園計画担当部長 詳細な整備内容は、設計等において検討してまいります。

○漢人委員 ぜひ、これは何らかの形で残していただきたい。そもそも、小音楽堂の形状は、今の高さを維持した形で改修をするということを求めておきたいと思います。
 次の質問は、移植したバラについて伺います。
 第二花壇を壊すときというか、閉鎖するときに、バラについてはちょうど一年前、議論がありました。バラはみんな処分するということを聞かされていたんですけれども、それはないじゃないかということで、たくさん意見が集まる中で、園内で活用するというふうに当時部長はおっしゃったんですね。
 活用って何ですか、移植も含まれます、移植のほかの活用に何があったのかが今でも疑問ですけれども、移植をされました。テニスコートの脇のエリアにぎっしりと。
 第二花壇のときには百平米あったのが九十平米ぐらいに狭くなったところですね。そこに、すごい、もう切り詰められた形で、刈り込んだ形のものが去年、移植をされたんですけれども、最近確認しに行ったんですが、大分枯れているなと思います。
 実際にどういう状況かというのは、本当に、樹木医ではないですし、見たところでしか分かりませんが、ちゃんと木の枝が、新しい芽が出て、夏には花が咲いたものがある一方で、全く一年前に植えた状況のままのもの、見るからに枯れてしまったと思われるものが大分あります。こういった現状については把握をされているんでしょうか。
 移植したのは約二百五十株ということになっていますが、そのうち、枯れた、もしくは枯れたのではないかということで要観察としている株数についてお伺いいたします。

○大道公園計画担当部長 造園の専門家の意見も踏まえて管理を行っており、観察を継続しているところでございます。

○漢人委員 株数を伺ったんですね。二百五十株あるんですけど、そのうち、要観察というんですか、状況にあるのは何株ぐらいか。例えば、一割とか二割とかでもいいんですけれども、その辺の具合について把握をしているのかということと、その数をお伺いします。

○大道公園計画担当部長 バラの生育状況を踏まえ管理を行っており、観察を継続しております。

○漢人委員 数は把握しているかどうかも分からない答弁でした。専門家が観察しているということだけですね。
 行けば分かりますし、ご覧になっているかと思いますけれども、テニスコート脇の細いエリアのところも、十株に一株ぐらいは、何かもう駄目かなという感じがあるし、北側の方の角の広いスペースがあるんですけど、そこについては三割ぐらいは駄目なんじゃないかな、もうちょっと駄目かなぐらいに、本当に情けない、悲しい状況になっているかと思います。
 全体でちゃんと数は数えていませんけれども、また、実際にどうかと。まだ生き返ってくれるかもしれないという期待も感じ、感じではないけど、ちょっと持っていたいんですけれども、一、二割ぐらいは駄目かなというふうに思うんですね。
 移植するというのが基本的に、この日比谷公園でもどこででもいわれていますけど、伐採しなくても移植をするんだと、だけど、移植をした先で本当に大丈夫なのかということが問題なわけです。
 特に、去年も今年も夏はすごい暑い状況で、これは感覚的なものですけど、うちの近所でも街路樹だとか、庭木だとか、枯れているなというものが、これは暑さのせいかなと思われるものが多く見られるんですが、当然こういった公園のものについてもより丁寧に管理をされているんでしょうけれども、そういう状況があるということで、私は一つのバロメーターかなと思っておりますので、しっかり観察の経過について、またご報告いただきたいと思います。
 次は、再生整備計画の内容について幾つかお伺いいたします。
 一つ目は、心字池なんですけれども、再生整備計画の図面を見ますと、橋がついているんですね、橋が。この橋の計画はあるのかどうか。
 それとも、大噴水の場合も、整備計画の図面では何か、外側の噴水はなくなってじゃぶじゃぶ広場のようになっていたりして、実際そうじゃなかったんだということになっていますけど、この心字池についての橋は、このイメージ図のとおり進むのか、そうではないのかお伺いします。

○大道公園計画担当部長 詳細な整備内容は、設計等において検討してまいります。

○漢人委員 少なくとも決定はしていないということですね。これについても、現状を継承するということで、何で橋を架ける必要があるのかと。今の状況を維持するべきだし、逆にカワセミもいたりするような池の状況を破壊することになるんではないかという指摘がありますので、ぜひここは、このイメージ図どおりにはいかないということを希望しておきたいと思います。求めておきたいと思います。
 次は、地球沸騰化という状況がもう確実なんですけれども、残念ながら逆行はもうしないですよね。進み方がいかに緩くできるかということが問題なんだと思いますが、そんな中で、もう全く樹木がないような大芝生広場計画というのがつくられています。
 樹木を避けてやるというけど、やっぱりあの芝生の大広場というのは、樹木がない広場があって、そこで何かヨガとかができるとか、何かお祭りができるとか、そういうことを想定していらっしゃるようですけれども、この計画についても当然見直しをして、今ある緑陰を維持した上での、いろんなイベントもできるとか、いろんな人が集うというのはいいんですが、そういった方向での見直しをするべきだと思いますが、いかがでしょうか。

○大道公園計画担当部長 バリアフリー日比谷公園プロジェクトにおいて、大芝生広場を含むエリアは、家族連れなど様々な世代の憩いの場となる空間に再整備することとしております。詳細な整備内容は、設計等において検討してまいります。

○漢人委員 家族連れなど、様々な世代の憩いの場にも緑陰は必須ですよ。もう今ある、せっかくある大きく育った木を切ったり移植して枯らしてしまったりするような中でつくる公園であっては絶対にならないと思います。その認識は、多分ここもう本当に数年の間に深まっているはずですので、ぜひこれは見直しをしていくことを求めたいと思います。
 もう一つ、再生整備計画の中のグリーンインフラとしての再生整備という項目に、環境計画というところがありまして、そこに次のように記載されています。緑陰によるヒートアイランド現象の緩和への寄与のほか、雨水の循環、多様な環境の創出、生物多様性などの環境機能を向上させるグリーンインフラとして整備、管理運営を行い、来園者に分かりやすく解説するなど、緑とオープンハウスによる都市環境の向上の取組を先導していくとして二つ挙がっているんですが、一つ目がヒートアイランド現象への対応の寄与。緑陰の提供や遮熱性舗装、透水性舗装によりヒートアイランド現象緩和へ寄与していく(皇居周辺や日比谷公園は比較的温度が低い)。
 もう一つ、雨水循環システムの構築。園内に降った雨水を集水、浸透させるとともに、雨水浸透を可視化して、水の循環を分かりやすく発信していく、以上です。
 この環境計画ということなんですけれども、既に行われたこの第二花壇エリアで実施された内容と、それから、今説明がされている大噴水エリアでの実施の予定を伺います。

○大道公園計画担当部長 環境に関するお話のような取組は、各エリアごとに段階的に整備していく中で進めることとしており、第二花壇周辺エリアの整備においては、雨水を浸透させる側溝を設置しているところでございます。
 大噴水、小音楽堂エリアにおける取組も検討していくこととしております。

○漢人委員 小音楽堂エリアは今後なんですけど、大噴水については、もう大分進んでいるかと思うんですが、大噴水エリアについてもこれから検討されるということですね。
 それから、各エリアについて取り組むということも今おっしゃったかと思いますが、ちょっといいですかね。各エリアについて取り組む、大噴水エリアについてもこれから取組を検討するというのは、実施をするということで検討するというふうに理解してよろしいですか。

○大道公園計画担当部長 大噴水、小音楽堂エリアにおける取組も検討していくこととしております。エリアごとに検討してまいります。

○漢人委員 検討するということですね、実施のお約束はできないんですけど、ぜひこれは実施してください。もう必須だと思いますので、何らかのモデルになるような取組として行っていただきたいというふうに思います。
 最後の質問ですが、名勝に関してですね。
 日比谷公園は、こういった平たんな土地に日本で初めてつくられた洋風の都市公園として、全国の先駆けとして百二十一年の歴史があるわけです。
 国の文化財に指定されるべき貴重な文化遺産であり、これは名勝に値すると考えるが、いかがでしょうか。名勝指定してくれといっているんじゃないですよ。名勝に値するものだというふうに考えるが、どうですかという質問です。

○大道公園計画担当部長 日比谷公園の整備に当たりましては、バリアフリー日比谷公園プロジェクトに基づき、百二十年の時代を経て、積層した魅力にさらに磨きをかけ、全ての来園者及び将来の都民にとってウエルビーイングとなる公園に進化させていくことが重要であると認識しております。

○漢人委員 お決まりの答弁でしたが、それしかいえないんでしょうけれども、百二十年の時代を経て、積層した魅力のある公園であるということ、これが名勝に値するようなものでしょうねというふうに理解をしたいと思います。
 ただ、結局、それを進化させていくというところがみんな不安なんですよ。名勝指定すれば、それなりに窮屈になるかもしれないけれども、いろいろ審査されて名勝としての状態を維持するということになるんですね。第三者的な基準でというか、価値観でなり判断の中で。
 だけど、今はそれがないということは、この進化させていくんだというのが、本当に東京都の、今の建設局の公園管理の担当者の考え方によって進化させていくということになるわけでしょう。それがとても不安なんですよ。
 もしかしたら、ここにデッキをつなげるエリアの業者も関わっているかもしれないということも含めて、とてもそこが不安なんです。名勝に値するような公園であるということと、それを進化させるといいますけれども、そこがやはり、公の東京都なわけですから、独善的な、独りよがりなものにならないような、本当に誰もが、歴史的に百二十年培ってきた、そこに恥じないようなものとして考えるというか、そういった視点をしっかりと持っていただきたいということ。
 名勝に値するものとして、ぜひ名勝指定もするべきだと思いますが、そういった認識でお願いしたいということで私の質問を終わります。

○曽根委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 初めに、陳情六第三〇号を採決いたします。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○曽根委員長 起立少数と認めます。よって、陳情六第三〇号は不採択と決定いたしました。
 次に、陳情六第三二号を採決いたします。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○曽根委員長 起立少数と認めます。よって、陳情六第三二号は不採択と決定いたしました。

○曽根委員長 次に、陳情六第三三号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○大道公園計画担当部長 お手元配布の資料4、陳情審査説明表の四ページにございます整理番号4、陳情六第三三号をご覧いただきたいと存じます。
 本件は、葛西臨海水族園のアプローチの再検討と森の保全等を求めることに関する陳情で、葛飾区の葛西の自然を守る会代表服部至道さん外百十五人から提出されたものでございます。
 本陳情の要旨は、都において、葛西臨海水族園(仮称)整備等事業について、次のことを実現していただきたいというものでございます。
 一点目は、新水族園本館へのアプローチの配置を再検討すること。
 二点目は、共生の杜の機能を、既存淡水生物館裏の土壌や川の流れ、生態系を含む森一帯で代替する措置を講ずること。
 三点目は、新水族園本館と既存水族園本館とが連携しやすいようアプローチを配置すること。
 四点目は、周囲の歴史的景観との調和を図ること。
 五点目は、都が掲げる理念と整備事業の内容とが矛盾しないよう、計画を修正することでございます。
 現在の状況でございますが、新施設は、既存施設の老朽化等に対応するため新たに整備するものであり、自然との共存をコンセプトに建設することとしております。
 新施設の配置につきましては、計画敷地の北寄りに整備することで、既存施設との間に空間が生まれ、水族園周辺と公園全体の回遊性が向上いたします。新施設と既存施設の間には、水族園に入館しなくても自由に散策できる樹林を配した広場空間、共生の杜を設置いたします。この空間を起点といたしまして、新旧施設間のアクセスが確保されるほか、鳥類園へと抜けられる東西の軸が新たに形成されます。また、公園内の展望広場や親水ゾーンなどとも往来が生まれます。
 さらに、新旧水族園が適度な距離感を保つことで、ガラスドームが形成する現在のランドスケープを守りつつ、共生の杜の樹林の緑と一体となった新施設の新たなランドスケープも生まれ、異なるイメージの二つの景観を楽しむことができるようになります。
 整備工事の影響を受ける樹木は、外来種や倒木等の危険がある樹木、健全度等に問題があり移植しても枯れる可能性が高い樹木などを除き、移植して共生の杜に活用するなど、生かしていくこととしております。
 新しい水族園は、海と接する機会を創出し、海と人とのつながりを通して海への理解を深めるを新たなコンセプトに、海への理解を深めるための展示、空間演出の刷新や環境保全への貢献など、未来に向けた新たな役割を果たしてまいります。
 説明は以上でございます。よろしくご審査のほどお願い申し上げます。

○曽根委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○原委員 原純子です。
 葛西の自然を守る会より陳情が出されております。代表者外百十五名が署名をしておられます。新水族園入り口へは、現存する出口からのルートを検討すること、共生の杜の機能を、淡水生物館裏の森一帯で代替する措置、新館と本館との連携、周囲の歴史的景観との調和、都が掲げる理念と矛盾しない計画にとの願意です。
 陳情者に伺いましたが、今ある森や樹林の中の小道を生かす形で、新水族園周りの設計を見直すことを陳情者は求めています。今、実施設計中ですが、まだこうした変更が可能ではないかとの思いを強く持っておられます。共生の杜に樹木を移動するのなら、今の場所に少しでも樹木を残して、そこを共生の杜の機能にすればいいのではないかという提案だと思います。
 水族園は、園全体が生態系を学ぶ場であるからこそ、森を破壊しない方法をとの再度の提案です。
 陳情に対する都の説明の現状の状況では、自然との共存をコンセプトに建設することとしている、共生の杜を起点として新旧施設間のアクセスが確保される、新たなランドスケープも生まれる、海と接する機会を創出、環境保全への貢献などの文言が並んでいます。
 自然を守る会の、都が掲げる理念と整備事業の内容とが矛盾しないようにとの要望は、まさに、この都が並べた文言に対し向けられているのではないかと思います。新施設の工事の進捗状況をまずお伺いします。

○大道公園計画担当部長 現在、新施設における電線や給排水管などの設備配管の敷設に向けた調査等を行っております。

○原委員 芝生広場の下を通っている配管などの付け替えをする調査ということです。基本設計について、詳細を情報開示請求したところ、こんな資料が出てきました。これ、基本設計図です。ちょっとご覧いただければと思います。
 一三五ページ中一二一ページが、ほぼ白塗りで、チェック項目とか表が入っている、文字が入っているものが一四ページという状況でした。
 私は事業者プランのときに、情報開示請求、市民の方が請求して、その情報を見せてもらったんですが、真っ黒黒で、インク代が、これ、プリントアウトするときに大変ですといいながら、いって回って皆さんにお見せしてびっくりされたんですけど、今度は真っ白ということなんですね。インク代は助かりますが、こんなに情報がないのかということで大変びっくりいたしました。
 ホームページに基本設計の詳細まで全てアップしろとはいいませんが、特定の分野に詳しい専門家なども、こうした情報開示請求をすると思うんですね。そうしたときに、こういう、ほとんど分からないという状況で、公共の施設をこれからつくっていきますというときに、こういう状況で本当に問題ではないかというふうにいいたいんですね。
 同時に情報開示請求した樹木調査結果の詳細についても、ただ表明された本数が書かれているのと、樹木調査フローという、このA4片面二枚のものだけしかありません。そういう情報しか事業者から開示していいといわれていないという説明がありました。
 どこにどういう種類の木があって、どの木を移植、どの木を伐採するのかの樹木図がないんです。事業者から都に出されたのが、もしこれだけだったということだったら大変問題で、実際に工事で、これは切っていく、これは移植していくとかってあるわけです。そうした図面がないわけはないですよね。
 だから、都はそんな基本的な資料も事業者に出させていないということにならないでしょうか。本当に丸投げというか、必要な情報をちゃんと東京都がつかんでいるのかなというふうに疑問です。
 樹木への影響を極力少なくするために、都は何を努力してきたのか。当初の計画を変更した内容はあったのかどうかということについてお聞きします。

○大道公園計画担当部長 都は、事業者公募に際し、公園地内の樹木への影響を極力減らすように配慮し、樹木が支障となる場合は、移植を前提とすることを求めております。これにより整備工事の影響を受ける樹木は、外来種や倒木等の危険がある樹木、健全度等に問題があり移植しても枯れる可能性が高い樹木などを除き移植することとしております。

○原委員 実際に、ほぼ事業者プランどおりの配置で基本設計がつくられているように見えます。ですから、樹木への配慮はされなかったんではないかと思うんですね。計画の変更はなかったということでよろしいんでしょうか、もう一度伺います。

○大道公園計画担当部長 都は、事業者公募に際し、公園地内の樹木への影響を極力減らすように配慮し、樹木が支障となる場合は移植を前提とすることを求めております。事業者の計画はそれに沿ったものになっております。

○原委員 樹木調査で移植する木、それから伐採する木、残す木、その本数が確定をして、基本設計で発表されたのに、地図に落とした書類、それぐらい東京都がちゃんと持っているんでしょうか、持っていないんでしょうか。
 私のところには開示されなかったということなんですが、持っていなかったとしたら、どうやって要求水準書に照らして、今いわれたような水準書ですよね、提示している、それができているかどうかのモニタリングチェックをするんでしょうか。お願いします。

○大道公園計画担当部長 樹木の取扱いにつきましては、事業全般の進捗状況と併せて適切に公表することとしてございます。
 都は、事業者が十分なサービスを提供するよう、設計、建設、建物管理等の実施状況について、事業終了期間までモニタリングをしてまいります。

○原委員 やっぱり、資料をちゃんと持っているけれども、情報開示請求で出せないのか、そこのところは教えてもらえますか。ちゃんと資料は持っていますといっていただきたいんです。樹木図、現在の最新のものです。お願いします。

○大道公園計画担当部長 開示請求で開示させていただいたとおりでございます。

○原委員 大変不安になってまいりました。ちょっと、本当に持っていないとしたら大変なことなので、樹木医まで入って詳細な調査を行ったわけですから、どの木が保存になるのか、移植になるのか、伐採なのか色分けをして、つくった図を必ず入手して、そして、もう一回情報開示請求しますので、これは必要な書類として開示をしていただきたいと強く求めておきます。
 共生の杜など、敷地内に移植の木、全てを植樹するのかどうかについて伺います。

○大道公園計画担当部長 樹木の取扱いにつきましては、事業者が実施設計の中で検討しているものでございます。

○原委員 都立の施設を今つくっているわけです。樹木は、その中の都民の財産の一つです。その扱いや移転先について、全てを敷地内に移植するのか、公園内なのか、また別の場所、今、ツリーバンクという言葉も出てきていますけど、そういう場所なのかぐらい、事業者からお話しいただいて協議して決めているというふうに思っていましたが、それができていないんでしょうか。
 移植樹木はどこへ行ったか分からないということにはならないですよね。ちょっと確認をお願いします。

○大道公園計画担当部長 樹木の取扱いにつきましては、事業全般の進捗状況と併せて適切に公表することとしております。
 新施設の整備事業全般において都はモニタリングを実施し、要求水準書等を達成しているかを確認することになってございます。

○原委員 陳情者は、森を壊さない計画にしてほしいという陳情を前回出したわけです。今回は、既存樹木を何としても、少しでも守っていく、そういう修正をしてほしいという要求なわけです。
 ここに来ても既存樹木の扱いがあまりにぞんざいで、その状況をつかんでいないということ。これからのことについてちゃんと指導ができるのか、本当に不安です。取扱いの正確な情報をつかみ、ホームページで報告することを求めます。都民が今知りたい情報だというふうに思います。
 計画敷地に隣接する鳥類園への影響をどう予測しているんでしょうか。専門家の助言などは受けていますでしょうか、伺います。

○大道公園計画担当部長 都は、事業者公募に際し、公園など周辺環境との調和を図ることを求めており、事業者の計画はこれに沿ったものとなっております。
 本事業を進めるに当たりまして、様々な分野の専門家により構成された検討会が策定した事業計画に基づき、要求水準書を定めてございます。

○原委員 要求水準書を定めているのは知っているんですが、周りへの影響をどう予測しているのかということについて、ほとんど情報が出てこない状況が心配です。
 現在も工事に入っているわけです。その中で工事中の生き物への影響は甚大です。そして千四百本の樹林帯消失の影響について、専門家の意見も聞いていないとしたら大問題です。
 要求水準書でも書いてある環境への配慮について、専門家の意見を聞いて、計画や工事の進め方など、変更が必要なら実施設計や工事計画に反映をさせていただくことを求めます。
 本館の方の質問をします。
 本館の保存と利用の方法について、八月三日にシンポジウムが開かれました。これまでの多くの市民のガラスドームを残してほしいという強い要望の末、保存を決め、しかも、新施設が開園した後に使い方を考えていくという大変遅いテンポだったのを、新施設の建設と並行して使い方を検討していくと都の姿勢が変わってきたことは評価できます。シンポジウムを今回開催して、前向きに動き出したというふうに実感をしています。
 私も後日、録画のユーチューブを見て、建築家のいろんな新たな視点や学びもありました。ですが、違和感も感じました。幾つか挙げていきます。
 水族園の本館、ガラスドームを設計した谷口吉生設計事務所のメンバーが当日、このシンポジウムに出席をしていましたが、発言を保障しなかったそうです。当時、どんなコンセプトを持ってこの議論をしながら設計をしたのか、ガラスドームの、この水族園のどこを工夫してつくったのかなど、話をしてもらえば、いろいろ知らないこともあって、これからの使い方に反映できたんではないでしょうか。
 これは、谷口吉生氏の代表建築ですから、そうした場面、保障されてもよかったんではないかというふうに思います。これは私の意見です。
 それから、なぜ本館だけのシンポジウムなのかということです。本館の使い方を議論するのは本当にいいことなんですが、この間多くの方がすごく心配したり意見を出されているのは、新施設の設計をめぐって、千四百本の樹林帯がなくなってしまうということ、ビオトープがなくなってしまうということです。
 この消失か保全かについて議論を全く避けてこられて、その中で、本館だけシンポジウムをやるということでの違和感が私の中にもありますし、いろんな方から、そっちの方の議論はしないのかという声が出てきているんですが、やっぱり、今みんなが関心ある新施設の敷地のことについて議論する場が必要ではないでしょうか、伺います。

○大道公園計画担当部長 ガラスドームプロジェクトシンポジウムは、今後、都民共有の財産ともいえる葛西臨海水族園本館の建物をどのように保存し、利用していくか、建築家をはじめとした有識者などと意見交換を進めるために実施しているものでございます。
 新施設の整備に当たりましては、公園地内の樹木への影響を極力減らし、樹木が支障となる場合は移植を前提とすることとしております。

○原委員 新施設に関わっては、やっぱり住民説明会もしていないわけです。説明会やシンポジウムが開かれてしかるべきではないか、その話題はタブーなのかと白けてしまうような気分になった人もいたと聞きました。
 シンポジウムの際に、樹木の保全について質問というかコメントを出した会場参加者の方がいらっしゃいましたが、その対応はどうでしたか。

○大道公園計画担当部長 ガラスドームプロジェクトシンポジウムでは、ウェブの視聴者も含めた参加者にリアルタイムで、チャットツールを活用し、感想を自由に書き込んでもらうこととしていたものでございます。
 進行に当たりましては、モデレーターがそれを参考にすることで、ディスカッションの充実を図ったところでございます。

○原委員 参加者の書き込みは、進行に当たり参考にしたという説明でした。都が答えるべきものではないというふうにいいたいのかもしれませんが、少なくともパネラーが答える責任があるとはいい切れないので、都に対して出た意見を受け止めて、必要に応じて都が考え方を示すべきではないかというふうに思います。
 あともう一点気になったのは、こうして動画で配信するなどはいいんですが、シンポジウムだけではやっぱり何も決まっていかないという心配です。水族園本館の保存、利用の検討について、今後どのように進めていくんでしょうか。

○大道公園計画担当部長 今後、建物をどのように保存し利用していくか、今回のようなシンポジウムも含めて建築家などと意見交換等を進めることとしておりまして、意見交換の経過は随時公開し、都民の共感を得ながら検討を進めてまいります。

○原委員 都民の共感を得ながらといっていただいたんですが、本当に、新館の方も、ぜひそうしていただきたいと今からでも思いますが、今回議論が始まったばかりということなので、今後、例えばワーキンググループなんかを設置して検討を進める機関が必要なんじゃないかなというふうに思います。
 それから、やっぱりこれは東京都建設局が責任を持って保存の仕方、きちんと考えていってほしいと。民間参入のPFIなんかに丸投げするようなやり方は、決して選んでほしくないというふうに思いを伝えておきます。
 そして、新施設の今後についてですが、基本設計も実施設計も、開示請求でも非開示にして都民に示さず進めていくんじゃないかという声が出されているんですが、私の基本設計の開示請求が真っ白だったことも受けて、ショックを受けているうちの区民のメンバーとかいまして、新施設の今後についてどのように情報を出していくのかということをお伺いします。

○大道公園計画担当部長 都は、都のホームページ上のファクトシートや、よくある質問の公表により、基本設計について分かりやすく正確な情報の発信を行うとともに、現在の水族園においても、整備後の新しい展示のイメージをパネルで示しているほか、オープンハウスを実施するなどの取組を行っております。実施設計についても同様に対応してまいります。

○原委員 こちらもオープンハウスということなんですけれども、直前に都のホームページで告知だけして、三日間で終了ということでは、本当に、分からないまま終わっていたということになっています。
 ほぼ江戸川区民、住民は知らなかったと口をそろえていっています。例えば、江戸川区報に載せるであるとか、新聞に載せるということをできるんじゃないかと思うんですが、水族園に関するニュースもまだ一度も地域に配布されていないので、当然不満が出ています。
 区議会でも説明会を求める議員の意見が複数会派から出ています。きちんと対応をしてほしいと。地元に対して、都立施設だからいいとおっしゃるかもしれませんが、本当にみんなが大事にしてきた公園です。地元区民が求めれば、都は説明に来てくれるんでしょうか。

○大道公園計画担当部長 事業の主な内容につきましては、事業の進捗に合わせ、適切に公表することとしており、都ホームページ上のファクトシートや、よくある質問の公表により分かりやすく正確な情報の発信を行うとともに、現在の水族園においても、整備後の新しい展示のイメージをパネルで示しているところでございます。

○原委員 ホームページを見てくださいといっても、パソコンも持っていない、スマホも持っていない人もいます。要請があればやはり出かけていって、都民の納得を得られるよう、誠意を持って情報提供や意見聴取するのが行政の仕事だと思います。要請があった場合、むげに断らないようにお願いいたします。
 東京都は、PFIによる経費の縮減ができると説明してきましたが、本当に経費の縮減になるのか。事業者主導の進め方を見ていてますます不安になっています。事業者委託の代償として、情報非開示、説明会不開催など、都民の知る権利が奪われているんではないでしょうか。

○大道公園計画担当部長 本事業は、民間の自由な発想や最新技術等の活用、また、工期の短縮やコスト縮減が期待できるという観点から、PFI事業を活用しております。PFI方式により、公共サービスの提供を民間主導で行うことで、効率的かつ効果的な公共サービスの提供を図ることが期待されております。
 また、都のホームページ上に、ファクトシートや、よくある質問を公表するとともに、現在の水族園においても、整備後の新しい展示のイメージをパネルで示しているほか、オープンハウスを実施するなど、分かりやすく正確な情報の発信を行っているところでございます。

○原委員 正確な情報を発信する努力は引き続き続けてほしいと思います。先ほどいったようにホームページを開けない人もたくさんいますので、やはり説明会など直接対話の場を保障していただきたいです。
 また、工事の進捗状況が分かるようにしてほしいです。改めて要望しておきます。
 六百本の樹木の伐採と八百本の移植の計画には、多くの都民が心を痛めています。少しでも、森の一部でも残るようにとの陳情者の思いを酌んでいただきたいです。都民の意見を反映させられるところは今後でもやってほしいです。
 気候危機の時代に、東京都市部の樹冠被覆率を、まずは二〇%まで高めようと我が党は呼びかけました。既存樹木を守りながら樹木を増やしていくことが大事です。あちこちで公園改変計画が行われていますが、もう、ここの地元は切ってもしようがないとみんながいい始めていたら、都全体での大量樹木伐採が進み、大変なことになります。
 葛西の問題は東京全体の問題として捉えていただきたい。計画の修正を求める本陳情を採択すべきと表明し、質問を終わらせていただきます。

○須山委員 私からも質問させていただきたいと思います。
 東京都は、施設の老朽化やバリアフリーに対応するために、葛西臨海水族園整備等事業を進めてまいりました。都民からの意見を踏まえて、景観上の調和が図られた美しいガラスドームの保存を都が決断したことは、非常に評価をさせていただきたいと思います。
 今回の陳情では、新施設等の配置について、新水族園本館へのアプローチの配置を再検討すること、共生の杜の機能を、既存淡水生物館裏の土壌や川の流れ、生態系を含む森一帯で代替する措置を講ずることなどを求めております。
 この陳情者の意見は、樹木の伐採も少なくて、悪くないようにも思われます。一方で東京都は、今年の二月にファクトシートで、新施設の配置計画を公表して事業を進めております。
 そこで、確認をさせていただきますけれども、現在都が進めている新施設の配置計画について、具体的にどのような点が優れていると評価されたのか伺いたいと思います。

○大道公園計画担当部長 新しい水族園は、これまでより駅や駐車場から近い位置に設置され、車椅子やベビーカー利用などを含む水族園を訪れる全ての人にとってアクセス性が高まり、より利用しやすい施設となります。
 また、主要な設備機器を別棟に設置することなどにより、高い保守性と更新性が確保され、建物の長寿命化につながる計画となっております。さらに、公園の豊かな緑の中を散策できる癒やしの空間として、新施設と既存施設の間に多様な動植物が生息する開放的な樹木の広場、共生の杜を整備いたします。
 この共生の杜を起点としまして、新旧施設間のアクセスが確保されるほか、公園全体の回遊性が向上し、水族園のにぎわいが公園全体に波及するとともに、公園内のにぎわいも水族園に呼び込むことともなり、葛西臨海公園全体の活性化に寄与するものでございます。
 こうして新旧水族園が適度な距離感を保つことで、美しいガラスドームが形成する現在のランドスケープを守りつつ、共生の杜の樹林の緑と一体となった新水族園の新たなランドスケープも生まれ、異なるイメージの二つの景観を楽しむことができるようになります。

○須山委員 計画では、豊かな緑の中を散策できる空間として、新旧施設の間に共生の杜を新たに整備するとのことでした。本当にイメージすると、共生の杜というところで、しかも無料で入れてということで、いろんな訪れる方がすごく癒やしの空間としても、また、楽しめる空間としてもつくっていくのかなというふうに思っております。そうした共生の杜を整備することで公園全体の回遊性の向上や活性化に寄与して、また、ランドスケープにも十分配慮した配置となっているなど、バランスよく考えられた計画となっているなという、そういったご答弁だったのかなというふうに思います。
 では仮に、施設の配置について、今から今陳情の願意を踏まえた施設の配置へ変更する、大規模な変更を行うというふうにした場合に、どのような手続、また影響が生じ得ると考えられるか、お願いします。

○大道公園計画担当部長 現在の事業者の計画からは大きく乖離することとなるため、現行計画を廃案とし、事業契約に基づく補償等を行い、現在の契約を解除することとなります。

○須山委員 一からやり直しで、もう事業者を選び直して、計画もつくり直すということになるということだと思います。
 それには、本当に時間やコスト、様々な影響が生じるのかなというふうに思っております。これは本当にもう、かなり大変なことになるのかなというふうにも思います。
 先ほど確認したとおり、現在進めているプランは、ファクトシートもあって、全体としてバランスの取れた計画となっていると考えます。
 そうしたプランに基づいて事業を進めているわけですけれども、こうした陳情が出されております。私たち立憲民主党も、樹木の伐採は可能な限りしない上での計画を求めてまいりました。
 東京都は整備に当たり、都民に対する積極的な情報発信、理解を深める努力を惜しまずやっていただきたいと思います。先ほどの原委員へのご答弁でも、ホームページで情報を出しているということもありましたけれども、やっぱりホームページに出しているだけじゃ駄目なんだと思います。
 関心ある人は調べていくかもしれないですけれども、そうじゃない人たちにもしっかりとアプローチをしていくということが大事だと思いますので、そうした視点も踏まえてしっかりと情報発信に努めていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 以上です。

○もり委員 陳情六第三三号、葛西臨海水族園のアプローチの再検討と森の保全等を求めることに関する陳情について伺います。
 葛西臨海水族園の建て替えについては、多くの都民から森の生態系を守ってほしいとの声が寄せられ、本会議や陳情審査、事務事業質疑等でも幾度も、議会でも質疑を重ねております。
 私も現地も視察をさせていただき、老朽化により既存水族園が水族園としての機能を維持することが難しい現状は十分理解をしております。その上で、できるだけ既存水族園の建物と周辺の自然環境、隣接するラムサール条約湿地とも連続した貴重な森の保全に向けて、都民の思いに寄り添った整備を行ってほしいとの願いを込めて伺います。
 そもそも、新水族園の場所が芝生広場に収まらなかった理由を改めて伺います。

○大道公園計画担当部長 新施設は、周辺環境と一体となり、自然との共存をコンセプトに整備をし、樹木の少ない芝生広場を中心に建設することとしたものでございます。

○もり委員 できるだけ近隣の樹木を残した上での計画となるよう願っております。
 淡水生物館は、かつて東京周辺で身近に見られていた身近な水辺の生態系を学ぶことができ、地域の方に親しまれてきました。
 淡水生物館がなくなってしまいますが、代替した施設について都の見解を伺います。

○大道公園計画担当部長 新施設では、本館内で、東京の川の水辺環境と淡水生物等を併せて展示し、淡水の生態系を一体的に展示することとしております。

○もり委員 新水族園においても、子供たちが淡水生物の生態系が学ぶことができるよう、お願いを申し上げます。
 都は、二〇二三年四月、東京都生物多様性地域戦略を取りまとめ、二〇五〇年における東京のあるべき姿を示し、それに向けて二〇三〇年に達成すべき目標として、生物多様性を回復軌道に乗せるネーチャーポジティブの実現を掲げ、生物多様性の保全と回復、生物多様性の持続的な利用、多様性に関する理解と行動変容の三つの基本戦略と行動目標を定めています。
 陳情者の指摘しているように、葛西臨海水族園は埋立地を自然との共生と自然再生事業の場として、生態系を学べる場に位置づけられています。隣接する葛西海浜公園は、ラムサール条約湿地にも認定され、東京都のレッドデータブックに記載された生物が葛西臨海水族園の森にも生息していると伺っております。
 今回、再整備による伐採本数について改めて確認をいたします。

○大道公園計画担当部長 新施設の計画敷地内の植栽した樹木約千七百本のうち、外来種や倒木等の危険がある樹木、健全度等に問題があり移植しても枯れる可能性が高い樹木などを除くと、約千百本が活用する樹木となります。
 そのうち、約三百本が保存、約八百本が移植の対象となる旨を、今年二月の本委員会においてお示しさせていただいているところでございます。

○もり委員 先ほどの質疑でもありましたが、やっぱり、移植をした後の樹木に対してもしっかりと管理ができるように取り組んでいただきたいと思います。
 また、ゼロエミッション東京戦略では、二〇五〇年ゼロエミッション、二〇三〇年カーボンハーフを掲げています。今回の再整備により、樹木の伐採により発生するCO2について試算を伺います。

○大道公園計画担当部長 新施設につきましては、施工段階において発生する既存建物のコンクリートを、再生骨材として新施設のならしコンクリート等に再利用することとしており、また、断熱性の高い外壁や照明、空調の最適制御システムの導入などの取組により、建物全体のエネルギー消費量を削減するなど、CO2排出量を削減することとしてございます。

○もり委員 発生するCO2について試算を伺ったのですが、数字についてはお答えいただけませんでした。建設局の事業というのは、大変規模の大きな事業が多いので、ぜひ、一つ一つの事業についてどれだけのCO2を発生するのか、その試算についてお示しをいただいた上で、しっかりとこの東京都の目標を達成するために取り組んでいただきたいと改めて要望いたします。
 生物多様性国家戦略においても、二〇三〇年ネーチャーポジティブの実現、二〇五〇年自然と共生する社会の目標が掲げられ、東京都生物多様性地域戦略、東京都の掲げるゼロエミッション東京の実現の目標達成に向けては、全庁を挙げて取り組まなければ目標達成はできません。
 環境局が幾ら高い目標を掲げても実行していくのは現場であり、建設局の果たす役割は大変大きいと考えます。東京都建設局公園緑地部として、葛西臨海水族園の貴重な生物の生息地である森の樹木を可能な限り残すべきと考えます。生物多様性をどのように保全していくのか取組を伺います。

○大道公園計画担当部長 新施設の整備に当たりましては、整備工事の影響を受ける樹木は、樹木医による樹木診断を実施の上、移植し生かしていくこととしております。この考え方に基づき、現在事業を進めているところでございます。
 新施設と既存施設との間に移植する樹木を活用するとともに、新たな植栽も行って、共生の杜を整備するなど、緑豊かな環境をつくってまいります。

○もり委員 本日の質疑においては、移植をした後の樹木の管理ということが他の委員からも質疑がありました。ぜひ本当に、東京都の豊かな緑を守っていくこと、そして、この生物多様性のしっかりと息づいた共生の杜になるように、できるだけ既存の樹木を残した上で、やむを得ないもののみ移植をするなど、やっぱりできるだけ現存での保存も求めまして、質疑を終わります。

○漢人委員 葛西臨海水族園のアプローチの再検討と森の保全等を求めることに関する陳情に対しては、意見表明を行います。
 葛西臨海水族園の建て替えについては、自然の水辺エリア、淡水生物館と芝生広場が閉鎖され、次の段階に進みました。しかし、その状況の中でも、森の保全に向けた再検討を提案する本陳情には、ぜひ耳を傾けるべきです。
 そもそものテーマパーク的な水族館としての充実を図ることを優先した都の方針が間違っていることは繰り返し述べています。何度でも述べますが、要求水準書において、都民の財産である三十五年かけて育んできた貴重な樹林地を維持し、その自然環境の保全を第一とする条件の中での最善の建て替え計画を追求するべきでした。
 また、本日の質疑を通して、都は、樹木の保全、維持の現状把握も行っていないことが明らかになりました。責任を持って進行チェックを行い、その情報の公開を求めます。
 今回の陳情項目は五点です。
 1、新水族園本館へのアプローチの配置を再検討すること。
 2、共生の杜の機能を、既存淡水生物館裏の土壌や川の流れ、生態系を含む森一帯で代替する措置を講ずること。
 3、新水族園本館と既存水族園本館とが連携しやすいようアプローチを配置すること。
 4、周囲の歴史的景観との調和を図ること。
 5、都が掲げる理念と整備事業の内容とが矛盾しないよう、計画を修正すること。
 いずれの項目についても採択すべきものと考えますが、特に陳情者が述べている次の点は重要です。
 都は、整備事業の理念として、環境問題の現状を学ぶことができる場、持続可能な社会の実現に貢献する施設を掲げているが、東京都レッドデータブックに記載された生物の生息地である森一帯を破壊することは、持続可能の放棄である。これは、東京グリーンビズや環境の保全と矛盾するため、森一帯を可能な限り残し、未来の子供たちに引き継ぐべきである。
 この指摘を重く受け止め、議会としてこの陳情を採択し、まだ間に合う計画の見直しを求めることを委員の皆さんに呼びかけます。
 以上です。

○曽根委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○曽根委員長 起立少数と認めます。よって、陳情六第三三号は不採択と決定いたしました。
 陳情の審査を終わります。
 以上で建設局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後五時五十五分散会