環境・建設委員会速記録第六号

令和六年五月二十三日(木曜日)
第九委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長曽根はじめ君
副委員長原  純子君
副委員長須山たかし君
理事細田いさむ君
理事山田ひろし君
理事小松 大祐君
漢人あきこ君
もり  愛君
アオヤギ有希子君
こいそ 明君
成清梨沙子君
小磯 善彦君
小宮あんり君
増子ひろき君

欠席委員 なし

出席説明員
環境局局長松本 明子君
次長宮澤 浩司君
理事高崎 秀之君
総務部長緑川 武博君
環境政策担当部長生物多様性担当部長DX推進担当部長兼務中島 隆行君
企画担当部長三浦亜希子君
政策調整担当部長長谷川徳慶君
気候変動対策部長荒田 有紀君
再生可能エネルギー実装推進担当部長小林 洋行君
率先行動担当部長中村 圭一君
建築物担当部長関   威君
環境改善部長戸井崎正巳君
環境改善技術担当部長丹野 紀子君
自然環境部長生物多様性担当部長兼務宮武 和弘君
資源循環推進部長宗野 喜志君
資源循環技術担当部長横山 英範君
資源循環計画担当部長木村 真弘君
建設局建設局長花井 徹夫君
次長上林山 隆君
道路監湯川 雅史君
総務部長荒井 芳則君
用地部長澤井 晴美君
道路管理部長上田 貴之君
道路建設部長久野健一郎君
公園緑地部長佐々木 珠君
企画担当部長山本  聡君
総合調整担当部長用地促進担当部長兼務黒田 慶樹君
建設DX推進・危機管理強化担当部長砂田  覚君
道路計画担当部長松島  進君
公園計画担当部長大道 和彦君
公園建設担当部長水谷 正史君

本日の会議に付した事件
環境局関係
報告事項(説明・質疑)
・令和五年度予算の繰越しについて
請願陳情の審査
(1)六第三号 新築物件への太陽光パネル等の設置義務化に関する請願
(2)六第八号 家庭ごみの処理の負担額における多摩格差の解消に関する陳情
(3)六第九号の一 地球温暖化対策を加速することを求める意見書の提出に関する陳情
(4)六第一二号の一 GLP昭島プロジェクトについて適切な審議・対応を求めることに関する陳情
建設局関係
第二回定例会提出予定案件について(説明)
・東京都青山葬儀所(六)改築工事請負契約
・建物収去土地明渡等の請求に関する民事訴訟の提起について
報告事項(説明・質疑)
・令和五年度予算の繰越しについて
陳情の審査
(1)六第七号 西武新宿駅(野方駅から井荻駅付近)連続立体交差の複線シールド工法検討に関する陳情
(2)六第一一号 自然を破壊している葛西臨海水族園の建て替え計画の見直しに関する陳情

○曽根委員長 ただいまから環境・建設委員会を開会いたします。
 初めに、本委員会の担当書記に交代がありましたので、紹介いたします。
 議事課の担当書記の岩間唯楓さんです。
 議案法制課担当書記の古迫詩歩子さんです。
 よろしくお願いいたします。
   〔書記挨拶〕

○曽根委員長 次に、会期中の委員会日程について申し上げます。
 お手元配布の日程のとおり、理事会において申し合わせましたので、ご了承願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、建設局関係の第二回定例会に提出を予定されております案件の説明聴取、環境局及び建設局関係の報告事項の聴取並びに請願陳情の審査を行います。
 なお、本日は、提出予定案件については、説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は会期中の委員会で行い、報告事項については、説明聴取の後、質疑を終了まで行いますので、ご了承願います。
 これより環境局関係に入ります。
 初めに、先般の人事異動に伴い、環境局長に松本明子さんが就任いたしました。
 松本局長から挨拶並びに交代のあった幹部職員の紹介があります。
 松本明子さんを紹介いたします。

○松本環境局長 去る四月一日付の人事異動により、環境局長を拝命いたしました松本明子でございます。
 曽根委員長をはじめ委員の皆様方には、環境局事業につきまして、日頃からご理解、ご支援を賜り、誠にありがとうございます。
 環境局では、気候変動に伴う様々な変化に対応し、エネルギーの安定供給の確保と快適な暮らしの維持を図る観点から、二〇三〇年のカーボンハーフやその先のゼロエミッションに向けた施策に加えまして、資源の持続的な利用、自然環境の保全、そして良質な都市環境を実現するため、職員一同、全力を挙げて取り組んでまいります。
 引き続き、委員の皆様方のご指導、ご鞭撻を賜りますよう、何とぞよろしくお願い申し上げます。
 それでは、今回の人事異動により新たに説明員となりました幹部職員及び職名の変更がございました幹部職員をご紹介させていただきます。
 環境政策担当部長で生物多様性担当部長及びDX推進担当部長兼務の中島隆行でございます。建築物担当部長の関威でございます。環境改善技術担当部長の丹野紀子でございます。自然環境部長で生物多様性担当部長兼務の宮武和弘でございます。資源循環推進部長の宗野喜志でございます。資源循環計画担当部長の木村真弘でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者挨拶〕

○曽根委員長 挨拶並びに紹介は終わりました。

○曽根委員長 次に、理事者から報告の申出がありますので、これを聴取いたします。

○緑川総務部長 令和五年度予算の繰越しにつきましてご報告申し上げます。
 お手元の資料1、令和五年度一般会計予算繰越説明書をご覧ください。
 表紙をめくっていただきまして、一ページをお開き願います。繰越額総括表でございます。
 区分は繰越明許費、事業名は自然公園整備及び家庭等に対するLPガス価格高騰緊急対策事業で、繰越額は計二十三億一千九百八十一万五千円でございます。繰越財源内訳は、国庫支出金及び繰越金でございます。
 二ページをお開き願います。繰越明許費繰越説明でございます。
 まず、自然公園整備でございます。
 款は環境費、項は環境保全費、目は自然環境費で、予算現額は十四億二千四百四十六万六千円、繰越明許費の予算議決額は一億二千六百万円で、一億二千百五十万九千円を翌年度へ繰り越しするものでございます。
 繰越理由でございますが、資料右側の説明欄に記載しておりますとおり、八丈ビジターセンター防水改修工事等につきまして、年度内に支出が終わらなかったため、翌年度に繰り越しして支出するものでございます。
 三ページをご覧ください。続きまして、家庭等に対するLPガス価格高騰緊急対策事業でございます。
 款及び項は自然公園整備と同様、目は環境改善費で、予算現額は四十二億六千百四十八万六千円、繰越明許費の予算議決額は二十二億六千八百四万八千円で、二十一億九千八百三十万六千円を翌年度へ繰り越しするものでございます。
 繰越理由でございますが、資料右側の説明欄に記載しておりますとおり、家庭等に対するLPガス価格高騰緊急対策事業につきまして、年度内に支出が終わらなかったため、翌年度に繰り越しして支出するものでございます。
 以上、令和五年度予算の繰越しにつきましてご説明申し上げました。どうぞよろしくお願い申し上げます。

○曽根委員長 報告は終わりました。
 これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○アオヤギ委員 共産党のアオヤギ有希子です。
 LPガスの価格高騰緊急対策事業の現在の状況についてお伺いします。
 この制度は、昨年度、国の臨時交付金を使った補正予算で配置されました。制度の仕組みとしては、六か月分の値引き分のお金を事業者が一旦肩代わりをして、消費者に対して値引きをして、その値引き額と事務費を合わせて、後で都が支払いをする制度です。
 そこでお伺いしますが、LPガスの負担軽減をする事業に協力した事業者は、全体でどれくらいいるのでしょうか。後期の状況をお示しください。

○戸井崎環境改善部長 今期事業で参加申込みを行った事業者数は、五百七十九社でございます。

○アオヤギ委員 五百七十九社ということで、前期では、前回ご答弁いただいたときは五百八十八社の申請者だったので、若干減ったということです。
 後期には、他県から都内でLPガスを販売している事業者も対象にしたと思いますが、増えるのではないかと思っていたところですが、減ったというのは残念なことです。
 なぜ減ったのかは定かではないんですけれども、事業者にとっては、値引きをして、後で検針票などをそろえて交付申請しなければならないことは、一定の負担になると考えられます。
 また、前期の六か月分の支払いが、昨年度は年末の十二月になっても支払われなくなって、困っている事業者の方々の声もありました。六か月終わってから、検針票などを全部そろえて申請が必要で、申請するまでと、都の審査の方も時間がかかった結果、遅れたものです。
 そこで、概算払いの制度があり、それを値引きするための原資にしてよいということでご答弁いただいていますけれども、そういう制度で、最初の説明会のときに、この詳しい説明がなかったので、この概算払いを前期で申請した事業者は十五件にとどまったということでした。
 そのため、後期の事業実施の際には、説明会ではきちんと説明をして、一度説明を行っている事業者の方が多いですから、申請の簡素化と、もっと広げてほしいという要望をしましたが、周知はどのように行ったのか、そして概算払いを希望した企業はどれくらいだったのでしょうか。

○戸井崎環境改善部長 概算払いにつきましては、前回と同様、補助金申請の手引へ記載したほか、事業者向けの説明会におきまして、手続の流れなどを周知いたしました。
 また、今回の概算払いの希望事業者数は、計三十四社でございました。

○アオヤギ委員 三十四社ということで、周知も行っていただいたということでありますけれども、若干増えたという状況だと思います。
 事業者の皆さんに、この都の値引きの事業に協力してもらっていることですし、また、一度は申請をしている方々ですから、これから交付する額の申請も簡素化をしていただきたいと思います。
 そして、LPガスの価格ですけれども、依然として高騰しております。報道によりますと、ガス会社大手は値上げをすることが報道されています。こうしたことからも、LPガスの都の価格高騰支援は継続すべきだと思います。
 本事業は、消費者の負担にならない、負担軽減になるだけでなく、LPガスの事業者にとっても、事務費がもらえるので応援になります。
 これまで都は、国の臨時交付金を充当してきましたが、それがないと実施ができないというような都の財政状況ではないのですから、都自身で、独自で消費者、事業者を支援すべき、継続すべきです。
 そこで伺いますが、物価高騰が続いているのですから、LPガスの負担軽減の補正を組むべきではないですか。

○緑川総務部長 令和六年度の環境施策の推進に必要となる経費につきましては、現下の社会経済状況等を踏まえまして、当初予算に計上しております。

○アオヤギ委員 この必要経費というのは、今回のLPガスの負担軽減の経費は入っておりません。今年度はやっていませんから、繰越分が終了すれば終了というふうになってしまいます。
 補正予算は、年度途中で必要となった経費を計上するものですので、物価高騰が続き、この支援が必要な状況であると確認できれば、補正を組むことはできるものです。
 臨時交付金は、もう恐らくないと思いますけれども、そういったものを待ちにせず、都独自でLPガス高騰への支援と事業者支援を行うことを求め、質問を終わります。

○曽根委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○曽根委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。

○曽根委員長 次に、請願陳情の審査を行います。
 初めに、請願六第三号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○関建築物担当部長 それでは、お手元の資料2、請願・陳情審査説明表の一ページをご覧ください。
 整理番号1、請願番号六第三号、新築物件への太陽光パネル等の設置義務化に関する請願につきましてご説明申し上げます。
 請願者は、世田谷区の杉山大志さんでございます。
 請願の要旨は、都において、新築物件への太陽光パネル等の設置義務化について、次のことを実現していただきたい。
 1、太陽光パネル等の設置後、そのパネルの製造過程に新疆ウイグル自治区における強制労働などのジェノサイドとの関与が判明した場合、どのように責任を負うのか明らかにすること。
 2、太陽光パネル等の設置後、大震災や水害などで太陽光パネル等が破損、落下、水没した場合や、避難、救助、復興の作業において二次災害が発生して死傷者が出た場合、あるいは二次災害の発生のおそれから作業が遅れた場合、どのように責任を負うのか明らかにすること。
 3、都による太陽光パネル等の設置義務化で、何トンのCO2排出量の削減を見込んでいるのか、また、そのCO2の排出削減によって気温が何度低下するのか明らかにすること。
 4、都の令和六年度予算案中、再生可能エネルギー等を拡充するための千九百七十億円もの予算は、願意3の効果に見合うものなのか明らかにすること。
 5、願意1から願意4を踏まえ、新築物件への太陽光パネル等の設置義務化を中止、撤回するよう、環境確保条例を改正することというものでございます。
 現在の状況でございますが、1、サプライチェーン上の人権配慮に向けて、都は、国際標準にのっとった企業の適正な取組と定期的な情報公開を業界に対し促してきました。
 令和四年十二月、都と太陽光発電協会は、連携協定を締結し、令和五年一月、都と同協会は連絡調整会議を立ち上げ、人権尊重の取組を促進するための具体的な方策の検討を進めています。同協会は、同年四月に、国のガイドラインを踏まえた業界独自の太陽光発電産業のサプライチェーン等における人権尊重に係る取組ガイダンスを策定、公表しました。
 また、同年九月には、策定した取組ガイダンスを推進していくための組織として、国内外の会員企業から成るCSR委員会を立ち上げ、本年二月から各社の人権方針など、人権配慮に関する取組状況を順次公表しています。
 2、都はこれまでも、地震、風水害、火災等あらゆる災害の発生時を想定した留意点や、停電時に太陽光発電を自立運転させ活用する方法等をQ&Aにまとめ、都ホームページにおいて周知しています。
 なお、令和六年能登半島地震発生後、都は主要パネルメーカー十五社へのヒアリングを三月から四月にかけて実施しており、さきの地震において、住宅用太陽光パネルについては、その時点において損壊等の報告はないと聞いています。
 3、新制度における導入分に加え、その波及効果等も合わせると、二〇三〇年までに新築、既存含めた都内住宅で新たに百万キロワットの太陽光パネルが導入されることを想定しており、このCO2削減効果は、年間約四十三万トンでございます。
 なお、パリ協定では、気温上昇を世界で一・五度以内に抑える目標が示されています。
 4、都が掲げる二〇三〇年カーボンハーフ、その先のゼロエミッション東京の実現に向けて、再エネを基幹エネルギー化していくための再エネ実装加速化に加え、省エネルギーの最大化及びゼロエミッションビークルの普及促進に要する経費として令和六年度予算千九百七十億円を計上しています。
 最後に、5、令和七年四月の新制度施行に向け、都は、制度に関する相談窓口を開設しているほか、都民に対し、制度の意義や効果、太陽光発電のメリット等について、きめ細かな広報を行っています。
 また、環境性能の高い住宅の供給拡大に向けた事業者の取組を後押しするため、制度対象事業者や地域工務店等における新たな住宅モデルの開発や技術向上に向けた取組に対して支援を行っています。
 説明は以上でございます。よろしくご審査のほどお願い申し上げます。

○曽根委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○原委員 日本共産党都議団の原です。
 太陽光パネル義務化に関する請願について意見を述べさせていただきます。
 地球温暖化をストップすることが、私たちや未来の地球上の動植物が生き延びるための至上命題です。
 東京都は、自ら二〇三〇年までの温室効果ガス排出半減、二〇五〇年までの排出実質ゼロを目標としており、エネルギー消費量削減と再生可能エネルギーの大幅拡大に飛躍的な取組が求められています。太陽光や太陽熱、風力などのポテンシャルを総動員して、再エネを増やす必要があります。
 世界の動向を見ても、太陽光発電は住宅の屋根など消費地の間近で発電することで、送電ロスが少なく、効率性の点で優れていることから利用が広がっています。地産地消の考え方に沿っており、メガソーラーとは分けて考えます。
 パネル義務化は、住宅供給メーカーを対象としていて、施主は設置を強要されません。我が党は、義務化を推進する立場です。
 項目ごとに見解を述べます。
 項目1についてです。中国における人権侵害、抑圧については、メーカーや太陽光発電協会の取組と同時に、大本の日本政府の姿勢が厳しく問われます。新疆ウイグル自治区での少数民族への抑圧、強制収容をはじめとした中国政府による人権侵害、抑圧は、世界人権宣言、国際人権規約、ウィーン宣言など、国際的な人権保障の取組に反するものであり、これに対して日本政府から中国政府に対して、国際法に基づく人権侵害、抑圧の是正を求めるという率直な外交批判が、より踏み込んでなされるべきです。都として、政府に要請すべきと考えます。
 項目2は、災害の激甚化が進む中、破損した場合の影響など注視は必要ですが、保険の制度なども整いつつあります。大事故につながらないよう調査研究は続けるべきです。
 項目3は、都の説明のとおり、既存住宅への波及効果も含めれば、CO2削減に寄与していると考えますが、数字は適切な段階で公表することが望ましいです。
 項目4は、費用対効果の視点は重要ですが、都民の再エネ、省エネへの理解促進なども併せ、総合的に効果を評価することが必要だと考えます。
 項目5についてです。私たちは、東京都のCO2削減目標達成のためにも、太陽光パネル設置義務化は大きく寄与するものと考え、賛同できません。よって、請願には反対といたします。
 以上です。

○もり委員 太陽光パネルの設置義務化について、ミライ会議はかねてより、太陽光パネルの設置義務化が懸念される中国政府や企業により、ウイグル人の人権侵害に加担することがあってはならないと製造過程、サプライチェーンにおける企業の人権デューデリジェンス制度の設置を求めてまいりました。
 アメリカでは、二〇二二年六月、中国新疆ウイグル自治区にあるシリコン工場で人権侵害が起きているとして、中国製の太陽光パネルの輸入を制限し、ドイツでは、二〇二一年六月に、サプライチェーンにおける人権及び環境問題に関するデューデリジェンス実施を義務づける法律が成立しました。
 東京都は、太陽光発電協会と連携協定を締結し、人権尊重の取組を推進するための具体的な方策の検討を進めているとのことですが、太陽光発電協会は、会員企業から成るCSR委員会を立ち上げ、各社の人権方針や人権配慮に関する取組状況の公表を行っているとのことです。
 会員企業から成るCSR委員会において、適切な指導ができているのか、身内に甘くなることのないよう、専門性を持った第三者による調査、公表が求められると考えますが、見解をお伺いいたします。

○関建築物担当部長 太陽光発電協会のCSR委員会は、企業の自主的な人権尊重の取組等を推進するために設置された組織でございます。
 同協会が策定した取組ガイダンスでは、企業は人権方針の策定、人権デューデリジェンスの実施や取組結果の公表時など、それぞれの局面において、第三者であるステークホルダーとの継続的な対話を通じて、事業活動における人権尊重の取組を進めることとされております。

○もり委員 CSR委員会によって問題が発覚した場合の措置、また、措置後にジェノサイドとの関与等が判明した場合、どのような措置が講じられるのかお伺いをいたします。

○関建築物担当部長 太陽光発電協会のCSR委員会は、企業の自主的な人権尊重の取組等を推進するために設置された組織でございます。
 同協会が策定した取組ガイダンスでは、企業に対して人権デューデリジェンスの実施や、自社が人権への負の影響を引き起こした場合の再発防止等を促しております。

○もり委員 日本政府は、責任あるサプライチェーン等における人権尊重のためのガイドラインを示したものの、ガイドラインに法的拘束力はなく、企業に義務づけられていない状況があり、不十分であると考えます。
 都は、国に先駆けて太陽光パネル設置の義務づけを行った責務があり、太陽光パネルの製造過程における人権侵害を許さないという姿勢を徹底するために、東京都は国に法制化を求めるべきと考えます。都の見解をお伺いいたします。

○関建築物担当部長 国連のビジネスと人権に関する指導原則では、国家には人権を保護する義務が、企業には人権尊重の責任が規定されております。
 既に国に対しては、サプライチェーン上の人権リスクの防止等に向けて、法制化も視野に入れた取組を要望しております。

○もり委員 東京都のゼロエミッション東京戦略においても、やはり国に先駆けて再生可能エネルギーを基軸とすると位置づけた上での法整備ですので、環境と景観を破壊するようなメガソーラーには、私は何らかの規制が必要だという立場ですが、都としては、積極的な再生可能エネルギーの推進には引き続き取り組んでいただきたいと思っております。
 その観点から、やはりサプライチェーンにおいて、しっかりと国に法制化を引き続き求めていただきたいことを要望し、本陳情については、人権には配慮が必要ですが、その他の部分には賛同しかねるものが多いので、不採択を主張し、質問を終わります。

○漢人委員 新築物件への太陽光パネル等の設置義務化に関する請願への質問を行います。
 太陽光発電については、解決すべき課題はありますけれども、脱炭素社会を実現し、気候危機を極力回避するためには、それらを改善、解決しつつ、導入を進めていかなければならないと考えています。
 本請願は、太陽光パネル等の設置義務化の中止、撤回を求めているものでありますので、採択すべきではないと考えています。
 その上で、一点だけ質問いたします。
 この気候危機回避を進める上で、最も重要だと私が思っているのは気候正義ということです。この政府の責任あるサプライチェーン等における人権尊重のためのガイドラインでは、人権方針として、人権尊重責任に関するコミットメント、約束の表明、国連指導原則十六、各論三に基づいて、人権方針は、企業が、その人権尊重責任を果たすという企業によるコミットメントを企業の内外のステークホルダーに向けて明確に示すものである。人権方針を通じて、企業の内外に向けて表明するべきとしております。
 太陽光発電パネル事業者の人権方針の策定については進んでいるのでしょうか。現状をお伺いいたします。

○関建築物担当部長 都は、令和四年十二月に、太陽光発電協会と連携協定を締結し、サプライチェーン上の人権配慮に向けて、国際標準にのっとった企業の適正な取組と定期的な情報公開を業界に対して促してまいりました。
 これを受け、同協会は、国のガイドライン公表後では国内初となる業界独自の取組ガイダンスを策定いたしました。
 また、本年二月から会員各社の人権方針等をホームページに公表しており、現時点で大手パネルメーカーについては、八社が公表済みでございます。

○漢人委員 都は、全国に先駆けて太陽光パネルの設置義務化を進めてきたという立場から、パネルメーカーの人権配慮を促してきたということになるかと思います。
 国への法制化を求めることも、国への要求提案の中でも行っておりますし、さらなる取組の強化を求めたいと思います。
 また、この責任あるサプライチェーン等における人権尊重のためのガイドラインでは、強制労働や児童労働だけではなくて、自社工場からの化学物質の流出が地域の飲料水を汚染する場合ですとか、事業活動のためにある企業への貸付けを行ったが、その企業が自社との合意に違反し、地域住民を強制的に立ち退かせる場合などの事例も紹介をされております。地域住民の生活環境についても記載をされているということです。
 この気候対策に関するものとしては、EV、電気自動車や太陽光発電で不可欠なレアメタルや銅などの金属の採掘において、途上国の地域住民への人権侵害の事例があると指摘をされています。インドネシアやフィリピンでのレアメタル、ニッケルなどの採掘の現場で、本当、様々なことが起こっております。
 環境局としては、この太陽光パネル、ウイグル自治区に注目するだけではなくて、これらについても注視をし、太陽光パネルメーカーだけではなくて、EVのサプライチェーンにおける人権侵害についても、企業の人権方針の表明をチェックし、促すことを求めておきたいと思います。
 気候危機は、現在及び将来世代の生存基盤や、命や健康への脅威であり、重大な人権問題です。それらを回避するために、新たな人権侵害を防ぐことも含めて、十分な対策を取らなければならないということを確認しておきたいと思います。
 何よりも気候正義、クライメートジャスティス、しっかり守る中で、東京都の気候対策を進めていきたいというふうに思います。
 質問を終わります。

○曽根委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、不採択とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○曽根委員長 異議なしと認めます。よって、請願六第三号は不採択と決定いたしました。

○曽根委員長 次に、陳情六第八号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○宗野資源循環推進部長 それでは、お手元の資料2、陳情審査説明表の三ページをご覧ください。
 整理番号2、陳情番号六第八号、家庭ごみの処理の負担額における多摩格差の解消に関する陳情につきましてご説明申し上げます。
 陳情者は、西東京市の自由三多摩の会西東京支部代表丹治日子太さんでございます。
 陳情の趣旨は、都において、家庭ごみの処理の負担額について、次のことを実現していただきたい。
 1、二十三区と同様に無料になるよう多摩地区を支援し、多摩格差を解消すること。
 2、処理の有料化に意義があるならば、二十三区も有料化するよう指導し、多摩地区と同じ扱いにすることというものでございます。
 現在の状況でございますが、廃棄物処理法では、地方自治体の責務について、区市町村は、一般廃棄物の減量に関し住民の自主的活動を促進し、一般廃棄物の適正処理に努め、都道府県は、区市町村の責務が十分果たされるよう必要な技術的援助に努めることとしております。
 また、廃棄物処理法に基づき国が策定する廃棄物の減量と適正処理に係る基本方針では、区市町村の役割について、一般廃棄物の排出抑制に関し住民の自主的取組を促進するとともに、分別収集の推進や再生利用により一般廃棄物の適正な循環利用に努めるものとするほか、さらに排出抑制や再使用、再生利用の推進等を進めるため、一般廃棄物処理の有料化のさらなる推進を図り、分別収集区分や処理システムの変更や新規導入の際は、住民に必要性の明確な説明に努めることを掲げております。
 次に、東京都資源循環・廃棄物処理計画では、持続可能な資源利用の実現に向け3Rの徹底を図るため、プラスチックの資源循環や食品ロス削減に向けた施策を重点的に推進することや、家庭ごみのさらなる排出抑制に向けては、家庭ごみの有料化も効果的な手法の一つであることを示しております。
 そのため、都は、家庭系のプラスチックごみについて、区市町村がプラスチック製容器包装や製品プラスチックの分別収集に新たに取り組む場合や実績向上に取り組む場合、技術的、財政的支援を行うほか、食品ロスの削減に向けては、消費者の行動変容を促す情報発信や、好事例を共有するシンポジウムを開催するなどの取組を進めているところでございます。
 また、今後の資源循環施策について都と区市町村が検討する共同検討会では、家庭ごみの有料化を検討課題の一つとして、先進事例の共有を図っております。
 特別区においては、令和二年度に、特別区におけるごみ減量に向けた取組の推進と今後の清掃事業の在り方について調査研究を行い、今後、特別区全体で有料化を含むごみ減量施策を検討しながら、資源循環の取組を進めていくべきとしております。
 なお、家庭ごみの処理手数料については、令和六年三月現在、多摩地区の二十九市町で有料化しているのに対して、二十三区はいずれも、おおむね一日平均十キログラムを超える量の家庭ごみ等を排出する者に、処理手数料を徴収するとしております。
 説明は以上でございます。ご審査のほどよろしくお願いいたします。

○曽根委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○こいそ(明)委員 それでは、家庭ごみの処理手数料について伺いたいと思います。
 都内で生活する誰もといいますか、当然だと思いますけれども、毎日出しているいわゆる生活家庭ごみですね、この処理手数料について、今ご答弁はいろいろありましたけど、現状、区部と多摩で大きな違いがあると。
 特に区部では基本的に無料なのに対して、多摩地区は二十九市町、すなわち檜原村を除いてであります。ここだけは、まだそのような取組はしていないわけでありますけれども、三十市町村の中の二十九市町がやっているわけですね。こういう中で、多摩のほとんどの自治体では有料化されているわけですね。ここでは、まさに差が出ているわけですね、区部と多摩地域では。
 練馬区、杉並区、世田谷区、これは武蔵野市だとか、調布市であるとか、それぞれいわゆる隣接しているんですね。ほかにもありますけれども、狛江市もね。本当に道一本、路地も含めて、道一本、こっちはもう有料で、こっちは無料だという、分かっているようで、やっぱりなかなか矛盾を感ずるのは当然じゃないかなと思うんですよね。
 まさに私はかねがね、後ほどいわせていただきますけれども、やっぱり何か不公平感、同じ都民なのに、東京都民であるのに、よく多摩都民というけれども、同じ都民。そういう中で、こういうことを感ずることも事実なんだと思うんですね。
 また、多摩地域において有料化施策が導入された経緯ですね。その効果というか、効果は当然出ているというのは、いろんなご答弁でも聞いておりますけれども、それについても改めて伺いたいと思います。

○宗野資源循環推進部長 家庭ごみの有料化は、住民のごみ減量への意識改革をはじめ、経済的インセンティブによるごみ減量とリサイクルの推進や、排出量に応じた負担の公平化を図る意義がございます。
 多摩地域では、新たな最終処分場を確保することは極めて困難であり、現処分場の延命化のため、各自治体が協力して、ごみ減量に向け、分別の徹底、リサイクルなど、様々な取組を進めてまいりました。
 東京都市長会では、一層の排出抑制、減量、リサイクルを推進するため、平成十三年に全市での家庭ごみ収集の有料化を目標として掲げ、順次取組を拡大してきております。
 その結果、令和四年までに多摩地域三十市町村のうち、二十九の市町が有料化を実現しております。
 こうした様々な取組により、多摩地域のごみ排出量の大幅削減を実現し、一人当たりのごみ排出量やリサイクル率は、全国トップレベルを持続しているということでございます。

○こいそ(明)委員 有料化したから全てリサイクルが今のような水準になったと。私はそれだけじゃ当然ないと思うんですよね、これ。
 その中で、多摩地域全体の地理的な状況下の中で、最終処分場、これはなかなか確保、当時、非常に困難を来していたと。そういう中で、様々な苦労を重ねて確保は取りあえずできたわけでありますけれども、今後もやっぱり、これ課題としては続いているわけですね。
 その中でも、やはり各自治体がいわゆるごみ減量も含めた、リサイクルも含めた取組を強化している。徹底して地道な取組によって、減量化効果というのは出てきた、これは事実だと思うんですね。
 しかし、私は、ここであえていいたいのは、こういう取組の背景には多摩地域の各自治体の極めて厳しい財政基盤が背景にあるということだというふうに認識しております。
 その中で、創意工夫を凝らしながら、各自治体が、今申し上げたようなこともそうなんですけれども、取り組んできた。今後、製品プラスチックの分別も含めた、さらなる製品プラ、これはなかなか一歩一歩であるでしょうけれども、取組を進めていく、リサイクルのレベルアップを図っていかなきゃいけないことなどを踏まえると、それもなかなかいろんな課題がやっぱりそこに出てきている。
 これと対照的に、区部は、都が一元的に清掃事業を担ってきた歴史的な経過がありますよね。都区制度改革によって、事業は移管をされましたけれども、最終処分地の運営は引き続いて都が責任を持って行っていると。財政事情も、何回もいって申し訳ないんですけれども、多摩地域とは、やはりそれは当然異なりますよね。
 そこで、区部における現在の取組状況について伺いたいと思います。

○宗野資源循環推進部長 特別区は、令和二年度に特別区におけるごみ減量に向けた取組の推進と今後の清掃事業の在り方について調査研究を行っております。
 具体的には、重点項目として、食品ロス対策や容器包装プラスチックの資源化のほか、有料化、戸別収集等の取組について、現状や課題、効果等を整理し、今後、特別区全体で協力し、有料化を含む減量の施策を検討しながら、資源循環の取組を進めていくべきとしております。
 また、十七の区では、廃棄物処理法に基づく一般廃棄物処理計画において、発生抑制を効果的に推進する方策として、家庭ごみの有料化を検討課題として掲げております。

○こいそ(明)委員 あえて私は、多摩地域がほとんどが有料化しているから、区部もこれからということをいっているわけじゃないんですよ。
 要するに、この陳情においては、やはりもうまさに現行の状況下の中で比較対照すると財政問題、やっぱりあるんですよ、これ、はっきりいって。試行錯誤というか、いろんな取組をする中でも、やっぱりどうしても財源、財政、この問題というのはある。という中で、やむを得ないということも一点いえるかもしれない、いろんな取組をする中でも。
 そういうことで、いずれにしても、今いろいろお話を聞かせていただきましたけれども、今後、最終処分地の、多摩地域のこれも課題でもまだありますけれども、都においても、この処分場の今後の五十年ぐらい見通しはあるんですかね。五十年間という、でも、永久では当然ないですよね。何とか対応、対処、計画的に、これに対処していかなければいけない。それはよく分かります。
 こうした様々な状況を踏まえて、都は、広域自治体として、地域特性や、その取組レベルに応じて、市区町村の取組をさらに促す、これは結構だと思いますよ。さらに応援していただきたいんですけれども、やはり都全体の底を上げる、ごみの減量やリサイクルをより一層推進していく、これは一致しているんでありますけれども、これに対するより効果的なきめ細かい、技術的指導もそうかもしれないけれども、やっぱり財源という、ここのところを踏まえてご検討いただきたいなと思うんですが、見解を伺いたいと思います。

○宗野資源循環推進部長 都は、家庭系プラスチックごみの減量やリサイクルに向け、令和二年度から、区市町村がプラスチック製容器包装や製品プラスチックの分別収集を新たに開始する場合やレベルアップに取り組む場合、技術的、財政的支援を行っており、令和六年四月時点で、二十一区、二十六市町に拡大しております。
 また、食品ロスの削減に向けては、消費者の行動変容を促す情報発信や好事例を共有するシンポジウムを開催するなどの取組を推進しています。
 さらに、今後の資源循環施策について、都と区市町村が検討する共同検討会では、家庭ごみの有料化を検討課題の一つとして、先進事例の共有を図り、議論を促進しております。
 今後とも、家庭ごみの有料化を含め、施策の効果や課題などについて、市区町村と情報共有を図るとともに、都民の理解と協力が得られるよう、積極的に情報発信し、ごみの減量に向けた市区町村の取組を後押ししてまいります。

○こいそ(明)委員 市区町村が主体となる家庭ごみの処理について、都は、取組の進んだ自治体をさらに、今、技術的、財政的というお話もありましたけれども、高いレベルで誘導していくと。財政支援をというお話がありましたけれども、財政支援するといっても、より効果的に、財政規模もいろいろあると思うんですね、支出する中において。これはご検討いただきたいなと率直に思います。
 いずれにしても、後押しをこれからさらにしていっていただきたいと思いますけれども、また、各自治体におきましては、リチウムイオン電池など、様々な課題を抱えているわけですね。
 都は、より丁寧に議論をリードするとともに、先進事例を共有するなど、都全体の資源循環の取組をさらに引き上げていくべきだと思います。
 家庭ごみの問題は、住民の理解と協力がもういうまでもなく不可欠で、一朝一夕にこれはもう即解決するとか、目的を達成するということはなかなかやっぱり時間が要るわけでありますから難しい。
 都は、市区町村と連携により、東京都全体の取組レベルの向上に向け、強いやはりリーダーシップが、これは期待されるところなんですね。大いに発揮していただきたいと思います。
 三多摩格差とよくいわれます。三多摩格差、そんなものないよと、どこにあるんだというけれども、並べれば切りがないんだよ。あえてここでもあれですけれども、区部と多摩の財政力は厳然たる格差があることは、まさにいうまでもありませんけれども、例えば、これちょっと所管が違いますけれども、給食費のこともそうです。もう二十三区、完全実施でしょう。多摩地域の財政力が弱いところは、実施しようたってできない。
 それから、やっぱり保健医療体制、保健所だって、医療のことだって、なかなか厳しい。このことも含めて、まだまだいろいろあるけれども、あえてこの辺りにしますけれども、ですから有料化は、私は、このごみの有料化、これについては、はっきりいわせていただくならば、これこそ三多摩の格差なんだと思いますよ。
 いわゆるその格差、格差といってもしようがありませんけれども、ごみの無料化だけではなくて、今申し上げた何点かありますけれども、全体として解決すべき、これはもう当然課題であると。
 都は、このいわゆる現存として存在し続けている多摩格差の解消に、都全体で、各局も、より積極的に責任を持って取り組むことを、今日は環境ですけど、あえてこの場からも強く要望させていただいて、質問を終わりたいと思います。

○アオヤギ委員 共産党のアオヤギです。
 ごみ有料化の多摩格差をなくす陳情について、私どもの意見を述べます。
 家庭ごみの有料化については、多摩地域のほとんどの地域で有料化となっており、二十三区は十キロまでが無料となっています。ほとんど無料に近い状態です。
 例えば、私の地元八王子市では、四十リットルのごみ袋が十枚入りで七百五十円と非常に負担感があります。物価高騰が都民生活に影響を与えている中、負担軽減していくことは必要があるなというふうに考えております。この無料にするという陳情の一項目めには賛成するものです。
 都の説明では、有料化が家庭ごみの発生抑制に向けて有効な手段だとされていますけれども、確かに二十三区と比べて多摩地域のリサイクル率は高くなっています。しかし、これも、値上げをし続けたら効果が上がり続けるのかといったら、そうではないと思います。
 今のリサイクル率よりもさらに上げるためには、分別項目を増やすなど、別の努力が必要だと考えています。
 そして、二項目めは、多摩格差をなくすため、二十三区の値上げが提案されています。こちらについては、私たちは、都民に負担を求めることで多摩格差の解消になるとは考えておらず、賛同しかねるため、本陳情には反対といたします。

○もり委員 こちらは、現在、家庭ごみの処理の負担額においても多摩格差が生じているとの陳情です。
 この願意の1と2が全く、多摩を無償にするのと二十三区の有料化ということで、願意は大変理解ができるんですけど、二つの陳情は真逆の意図もあるということで、大変極端な意見ではあるんですけれども、しかしながら、二〇三〇年にカーボンハーフ、二〇五〇年ゼロエミッション東京の実現を目指す東京都として、ごみを減らし、ごみ処理によって排出されるCO2を削減することは喫緊の課題であると考えます。
 そこで、ごみ有料化の東京都における検討状況とごみ削減に向けた多摩地区の先行事例について、幾つかお伺いをいたします。
 家庭ごみの収集、処理事務は、区市町村の事務との認識ですが、二十三区では清掃一部事務組合が中間処理事務を担っていますが、議会から意思決定が見えづらく、民意が反映しにくい課題もあると考えます。
 また、一部事務組合が共同で処理することによって、各区の削減努力が見えづらいことが、区の取組が進まない原因の一つにあるのではないかと危惧します。都の見解をお伺いいたします。

○宗野資源循環推進部長 二十三区では、共同で効率的にごみの焼却や破砕などの中間処理を行うため、二十三区清掃一部事務組合を設置しております。
 なお、一部事務組合にも、二十三区の議長で構成される議会がございまして、その審議の内容は全て公開されているということでございます。

○もり委員 廃棄物処理法では、都道府県は区市町村の責務が十分果たされるよう、必要な技術援助に努めることとあり、収集、運搬、資源化は各区が行い、ごみの中間処理は清掃一組、最終処分については東京都に委託をされているという現状になっています。
 多摩地域では、ごみの有料化を実施したことにより排出抑制が起こり、環境省の資料によると、令和四年度の資料も出ているということだったんですけど、私の資料が、令和三年度におけるごみの排出量は四千九十五万トン、東京ドーム百十杯分に相当し、一人一日当たり排出量は、全国平均八百九十グラムとのことで、家庭ごみの一人当たり排出量で、人口五十万人以上の市で、全国で一番ごみの排出量が少なかったのが、東京の八王子市が令和三年度の数字で七百四十八グラム、五十万人未満で二位の日野市が六百三十グラム、三位の小金井市、四位が立川市、六位が西東京市、七位が小金井市、八位が国分寺市と九位が東村山市、十位が府中市と、全国ランキングの中に多くの多摩の自治体が入っており、全国的に見てもごみの排出量が少なく、一方で二十三区各区の排出量の資料が見つからなかったのですが、ごみの排出量の多摩格差においては、区部は多摩地域の先行事例から学び、削減に取り組むべきと考えます。
 区部における一人当たりの排出量の推移についてお伺いをいたします。

○宗野資源循環推進部長 国がまとめた調査結果によりますと、区部における一人当たりの排出量は、平成二十四年度に約千三十二グラムでございまして、令和四年度の方は約八百七十一グラムと減少しております。

○もり委員 減少しているというお答えあるんですけれども、やはり各区ごとの数字が出ていないので、区の努力が反映されづらいということを実感しております。
 また、家庭用プラスチックごみについて、区市町村が新たに分別回収に取り組む場合の技術的、財政的支援を行っていますが、地元大田区では、まだ一部の地域での先行実施の段階で、全区的な取組にはなっていません。
 先日、東京港の開港祭りに出席をさせていただいた際、港湾事業者の方とお話しした際にも、大田区の資源ごみが特にひどい、分別が徹底されておらず、現場職員さんが手作業で分けなければならないというお話を伺いました。
 東京都として、区市町村における技術的、財政的支援を行ったことにより、新たに分別回収を行った自治体の実施状況についてお伺いをいたします。

○宗野資源循環推進部長 都は、家庭系のプラスチックごみの減量やリサイクルに向け、令和二年度から、市区町村がプラスチック製容器包装等の分別収集を開始する場合などに、技術的、財政的支援を行っておりまして、令和六年四月時点で二十一区、二十六市町に拡大をしております。

○もり委員 二十一区で、二十六市町にも支援をされているとのことでした。
 特別区は、令和二年度に有料化を含むごみ削減施策の検討を行い、資源循環の取組を進めていくべきとしておりますが、現在の検討状況についてお伺いをいたします。

○宗野資源循環推進部長 特別区は、令和二年度に重点項目を定めて調査研究を取りまとめて以降、多くの区では、ごみ減量に向けた取組として、容器包装プラスチックの資源化や食品ロス削減の対策を進めるほか、廃棄物処理法の一般廃棄物処理計画に家庭ごみの有料化を検討課題に掲げております。

○もり委員 有料化による新たな財源を、さらなるマテリアルリサイクルの推進により、ごみの資源化が求められます。
 また、多摩地区では焼却灰のエコセメント化により、平成三十年からは最終処分場への不燃残渣は出ていないとのことです。
 二十三区清掃一部事務組合でも、平成二十七年度からセメント化の本格実施に取り組んでいますが、焼却灰全体の何割が資源化をされているのかお伺いをいたします。

○宗野資源循環推進部長 二十三区清掃一部事務組合が取りまとめた令和四年度分の調査結果によりますと、約三割が資源化をされております。

○もり委員 多摩地域のエコセメントと、また、この二十三区のセメント化は若干品質の差があるとのことでしたけれども、ただ、三割が資源化をされたけれども、やはり七割が資源化をされていない状況においては、中央防波堤にも限りがありますので、やはり埋立てをできるだけ減らしていくという取組が必要だと考えます。
 西東京市、日野市では、戸別回収により、各家庭ごとの排出量を見える化することで、排出責任が明確になり、削減に大きく寄与したとのことです。
 また、家庭ごみにおける総資源化量及びリサイクル率は全国平均一九・九%に対して、全国の自治体で最もリサイクルが行われている自治体、日高市で九九%、都内では小金井市がトップで五〇・五%とのことです。
 多摩地域の取組の先行事例を共有し、二十三区でもさらなる家庭ごみの排出抑制を促すべきと考えます。都の取組についてお伺いをいたします。

○宗野資源循環推進部長 都は、今後の資源循環施策について、都と市区町村が検討する共同検討会、これにおきまして、家庭ごみの有料化やプラスチック資源化等を検討課題として、先進事例の共有を図り、議論を促進しております。

○もり委員 ごみを削減させるための3Rの最上位はリユースです。上勝町では、焼却、埋立てごみをできる限り減らし、なおかつ処理にお金がかからないよう考えた結果として、十三種類四十五分別を行い、資源が有効に再利用される社会を目指した実践が行われています。
 まだ使えるものはごみにしない、また、以前視察に訪れたコペンハーゲンでも、不要品を持ち込んで陳列し、必要な人が持っていかれるリサイクルステーションが地域ごとに設置をされておりました。
 都内でも瑞穂町では、硬質プラスチックの分別回収も始まったと聞き、既にマテリアルリサイクルを推進している自治体では、プラスチックごみを分けると、ほぼ生ごみだけになると聞きます。
 生ごみは水分が多く燃やすのにカロリーを使うので、各家庭のコンポストの設置を促し、生ごみをゼロにすること、我が家でもバクテリアでキエーロ式のコンポストの利用をしております。
 有料化の検討に向けて、とことんごみを減らす取組を推進し、各自治体の取組が進むよう、都としてさらなる支援を求め、質問を終わります。

○漢人委員 私は、家庭ごみの有料化だけを取り出して多摩格差として考えることには賛同しません。私の小金井市については、今、もり委員の質問の中にも出てきましたけれども、本当にごみ減量については積極的に取り組んできました。
 この家庭ごみの有料化についても、もう二十年前に、さんざん議論をして、この家庭ごみの有料化だけではなくて、総合的にできることを、本当にあらゆることをするということで取り組み続けてきた結果が今になっております。
 多摩地域については、最終処分場、日の出の処分場の逼迫の問題もあり、また、小金井の場合には、市内での独自の焼却場の建設ができないということもあって、本当に近隣の自治体にお世話になってきた、そういったいろんな要素があってのことではありますけれども、本当に頑張ってごみ減量を取り組んできたということがあります。
 これは、特に私は、小金井、頑張ってきたなというか、思うんですけれども、それは多摩地域全体でそう思われているかと思うんですね。そういうことで考えると、二十三区は何でこんなにごみ減量が進まないんだろうかということについては、多摩格差ということではなく、大いに疑問や不満があるということを申し上げたいと思います。
 二〇二一年、令和三年三月に、特別区におけるごみ減量に向けた取組の推進と今後の清掃事業の在り方について調査研究というものが策定をされたということですが、それからもう既に三年が経過をしています。二十三区におけるごみ減量に向けた取組の進捗状況についてお伺いいたします。

○宗野資源循環推進部長 特別区が令和二年度に重点項目を定めて調査研究を取りまとめて以降、多くの区では、ごみ減量に向けた取組として、容器包装プラスチックの資源化や食品ロス削減の対策を進めるほか、廃棄物処理法の一般廃棄物処理計画に家庭ごみの有料化を検討課題に掲げているということでございます。

○漢人委員 このごみ減量なんですけど、都内の廃棄物によるCO2排出量は、二〇二一年で全体の三・三%、全国平均を上回っています。一人当たりから出るごみの量も多いという現状があります。二〇三〇年カーボンハーフ、そして二〇五〇年カーボンニュートラルを達成するためにも、大幅なごみ減量というのは必須だということになるわけです。
 そして、二十三区が排出する非エネルギー起源の温室効果ガスのうち、ほとんどがプラスチック等の焼却から排出されているものですので、この家庭ごみの有料化も含むプラスチック焼却ゼロへの取組を加速する必要があると思いますが、いかがでしょうか。

○宗野資源循環推進部長 都は、家庭系のプラスチックごみの減量やリサイクルに向け、令和二年度から、市区町村がプラスチック製容器包装等の分別収集を開始する場合などに、技術的、財政的支援を行っておりまして、令和六年四月時点で二十一区、二十六市町に拡大をしております。
 また、区市町村との共同検討会におきましては、家庭ごみの有料化を検討課題の一つといたしまして、先進事例の共有を図り、議論を促進しております。

○漢人委員 資源循環型社会、そして気候危機対策としても、大幅なごみ減量を急がなければなりません。そもそも、ごみになるようなものはつくらない拡大製造者責任、また、家庭においては資源としての分別の徹底がまず必須であり、家庭ごみの有料化もそれらを促す有効な施策の一つだというふうに申し上げます。
 家庭ごみ有料化だけを取り出して、多摩格差の解消という観点で論じることには賛成できないことを申し上げて、質問を終わります。

○曽根委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○曽根委員長 起立少数と認めます。よって、陳情六第八号は不採択と決定いたしました。

○曽根委員長 次に、陳情六第九号の一を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○荒田気候変動対策部長 それでは、お手元の資料2、請願・陳情審査説明表の五ページをご覧ください。
 整理番号3、陳情番号六第九号の一、地球温暖化対策を加速することを求める意見書の提出に関する陳情につきましてご説明申し上げます。
 陳情者は、文京区NPO法人太陽光発電所ネットワーク代表理事の都筑建さん外百三十七人でございます。
 陳情の趣旨は、都議会において、二〇二三年の気候変動枠組条約第二十八回締約国会議、通称COP28の合意を踏まえ、第七次エネルギー基本計画に次の事項を含めることを求める意見書を国に提出していただきたい。
 1、二〇三五年のエネルギー起源CO2排出量の削減目標を、COP28で合意された温室効果ガスの削減目標である二〇一九年比で六〇%削減の達成に貢献できるレベルとすること。
 2、世界全体の再生可能エネルギーの発電容量を二〇三〇年までに三倍に拡大するというCOP28の合意を踏まえ、風力発電や営農型太陽光発電、地熱発電等のポテンシャルを適切に評価して発電容量の目標を設定するとともに、蓄電池などの供給安定化設備の普及や再エネ電力を最優先で利用する給電ルールへの変更等により、再エネ電力の利用量についても現状の三倍以上に拡大することを目指すことということでございます。
 現在の状況でございますが、1、エネルギー基本計画は、エネルギー政策基本法に基づき、政府がエネルギーの需給に関する施策の長期的、総合的かつ計画的な推進を図るために定めるエネルギーの需給に関する基本的な計画でございます。
 2、現計画である第六次エネルギー基本計画は二〇二一年十月に策定され、二〇二〇年十月に表明された二〇五〇年カーボンニュートラルや二〇二一年四月に表明された二〇三〇年度の温室効果ガス四六%削減、さらには五〇%の高みを目指して挑戦を続ける新たな削減目標に向けた道筋が示されており、この実現に向けて取組が進められております。
 また、次期計画である第七次エネルギー基本計画については、見直しに向けた議論が先週五月十五日から開始されたところでございます。
 3、また、二〇二三年十一月から十二月に開催されたCOP28では、IPCC、気候変動に関する政府間パネルの第六次評価報告書に係る科学的知見を受け、一・五度の抑制に向け、二〇三五年までに温室効果ガスを二〇一九年比で六〇%削減すること、全世界で二〇三〇年までに再エネ設備容量を三倍にすることなどが合意され、我が国もこれに賛同したところでございます。
 4、なお、都は、IPCCによる科学的な知見やCOPにおける国際的な合意等を踏まえ、二〇三五年やその後のカーボンニュートラルまでの道筋を早期に示すことや再生可能エネルギーの導入拡大を最大限加速させるため、蓄電池等の活用を含む電力系統の運用改善、強化整備を図ることなど、従前から国に対して継続的に要望を行っております。
 説明は以上でございます。よろしくご審査のほどお願い申し上げます。

○曽根委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○アオヤギ委員 地球温暖化対策を加速することを求める意見書の提出に関する陳情について伺います。
 第七次エネルギー基本計画が策定中であり、国がCO2排出量削減目標をCOP28で合意された削減目標を盛り込むこと、風力発電、営農型太陽光発電などのポテンシャルを適切に評価して再エネを最優先で利用する給電ルールへ変更するよう、都議会が意見書を提出してほしいという陳情です。この意見書を提出する上で、都内の現在の状況、都の考えなどを幾つか確認したいと思います。
 二〇〇〇年の東京の温室効果ガスの年間排出量は六千二百二十万トン、二〇二一年の速報値では六千七十八万トンと、二・三%の削減となっています。二〇三〇年カーボンハーフを実現するには、この二〇二一年から九年で約四七%削減を達成しなければなりません。二〇二一年から三年たっていますから、あと六年でカーボンハーフを達成しなければなりませんが、年度ごとでどれくらい削減するのか、目標をお示しください。

○荒田気候変動対策部長 都は、二〇三〇年カーボンハーフの実現に向け、二〇二五年度から施行する太陽光パネルの設置義務化や強化後のキャップ・アンド・トレード制度など、条例制度をはじめ、各種施策の拡充を図ってございます。

○アオヤギ委員 ただいまの答弁では年度ごとの目標は示されませんでした。CO2削減をした量の速報値が二〇二一年度となっているので、この三年でどれくらい進んだのか、進捗が分からないことは問題です。
 この先六年間では、大きな政策としては太陽光パネル設置義務化とキャップ・アンド・トレード、この二つの都独自の施策でカーボンハーフを目指すということです。
 次に、分野ごとのCO2削減目標についてですけれども、部門ごとのCO2排出量と削減目標が示されています。家庭部門は、二〇三〇年、五四・八%削減の七百二十八万トンという目標になっています。
 この目標達成のために必要なことの中で、家庭部門において、消費者が石炭火力の電力を購入することを今度再エネ電力の購入に変更した場合、削減されるCO2も家庭部門のCO2を削減したと判断されるのでしょうか。

○荒田気候変動対策部長 再生可能エネルギー電力はCO2を排出しないため、家庭で使用する電力を石炭火力を含む電力から再エネ電力へ切り替えることはCO2排出量の削減につながることとなります。

○アオヤギ委員 都民が石炭火力からの電気を再エネ電力からの電気に変えることでCO2削減につながると判断されるということです。
 特に家庭部門では最終エネルギー消費量は増え、あたかもエネルギー消費が拡大してしまい、省エネも進まず、CO2削減に貢献していないかのように見えますが、実は石炭火力で発電した電気を買っている、買わざるを得ない状況があり、大手電力会社から買ったものも含めるため、最終エネルギーを見ると増えてしまっているように見えるものです。
 二〇二二年の日本全体のCO2排出量を見ると、エネルギー転換部門、つまり電力会社などが四一%と最大で、次に産業部門二四%、運輸部門一八%、業務部門五%、家庭部門五%と、家庭で排出しているCO2の割合は低くなっています。
 ただ、日本はこの排出量の見せ方を都のように最終排出量で見せています。そうすると、同じ二〇二二年でエネルギー転換部門、電力会社などは排出量は八%と低くなり、家庭部門は一五%と引き上がるものです。
 家庭部門では多くの世帯で石炭火力などを使った電気が再エネよりも安価に設定されており、また、再エネの小売情報も乏しい状況で、石炭火力の電力を買いやすく、再エネの電力を買いにくい状況があると考えられます。ですので、都が家庭部門でCO2排出量を減らしていくのを後押しするには、再エネを安価で買える仕組みや再エネの小売の情報を都民へ提供することが鍵になります。
 そこでお伺いしますけれども、再エネを売る小売業者を支援して、家庭で安価に購入できるように支援してはどうでしょうか。

○荒田気候変動対策部長 都は、都民に販売する電力価格を標準より抑えることを要件に、小売電気事業者に対し、再エネ電源を新規開発する際の支援を既に実施してございます。

○アオヤギ委員 これは小売事業者に再エネ電源を新規開発する際の支援の実施ということで、設備導入に支援をしているということで、これ自体は重要ですけれども、都民が再エネ電力を安価に購入できる支援をさらに強化していただきたいと思います。
 電気料金も軒並み値上げと報道され、再エネへの課金が値上がりしたということです。再エネを発電する事業者への出力抑制なども価格高騰に影響を与えています。
 都は、国に対し、系統増強を効率的に進めることを求めていますけれども、都自身が系統への接続に対する支援をもっと強化し、再エネ導入を促進することや都民が安価に再エネ電力を購入できるようにすることを求めておきます。
 次に、産業業務部門が部門別では一番排出量が多く、二千五百六十二万トンを出しているのですが、主な要因はどのようなことになるのか、内訳をお示しください。

○荒田気候変動対策部長 産業業務部門におけるCO2排出量の九割弱は業務部門でございまして、そのエネルギー消費量を建物用途別で見ますと、事務所ビルの割合が六割でございまして、次いで、飲食店が一割弱となってございます。

○アオヤギ委員 産業業務部門のうち九割が業務部門で、その業務部門の排出量の約六割が事業所ビル、いわゆるオフィスビルであるということです。やはり高層ビルというものは、現に産業業務部門で一番CO2を排出しているということが分かります。
 先ほどキャップ・アンド・トレードで対策を進めると答弁ありましたけれども、キャップ・アンド・トレードは大口事業者へ自らの省エネ対策等によって削減するほか、排出量取引を活用して、他の事業所の削減量、クレジット等を取得して義務を履行することができるとされています。これが全体の八五%が自らの省エネ対策でCO2を削減したということです。
 第二計画期間では一千百八十万トンをCO2削減したと公表されていますけれども、ただ、二〇〇〇年比で見ると一千百八十万トンも減らしていれば、大幅に達成しているように見えるんですけれども、二〇一一年に原発事故がありましたから、石炭火力に頼り、大幅にCO2を排出された年もあるので、二〇〇〇年の産業業務部門排出量二千七百二十七万トンから引いて計算することはできないと聞いておりますけれども、そして、今年は第三計画期間の最終年度で、どれだけ達成するのかが問われています。
 CO2の削減の速報値は三年前のもので、現在の正確な削減率が分からないので、あと六年と期限が迫っているものですから、きちんと速報値を出すことを求めておきます。
 また、これまで我が党の曽根委員長が質疑で指摘をしてきたとおり、キャップ・アンド・トレード制度で建材の生産時や建てるとき、壊すときの排出量は対象外となっています。今は物の生産から流通、使用、廃棄に至るライフサイクルの全てにおいて排出削減が求められるようになってきております。この点の対応が早急に求められていることを指摘しておきます。
 また、目標に収まるからといって、無限に超高層ビルを増やしていくやり方が許されるのかということもいわなければなりません。キャップ・アンド・トレード制度創設の関係者からも、ビルの容積の緩和をやり過ぎという声を聞いております。第四期の目標を検討する検討会の座長の発言でも、リノベーションの活用を進めている事業者もいる、その辺りも今後考える必要がある論点という趣旨の発言がありました。
 都が高層ビル、高層のオフィスビルを次々増やしていくようなやり方に対して無策であれば、カーボンハーフと逆行するということを厳しく指摘をしておきます。
 次に、陳情にも風力発電のポテンシャルを適切に評価することを求めておりますけれども、環境局が開催している再エネ実装専門家ボード、再エネボードにおいて、専門家が浮体式洋上風力のポテンシャルがあるとされたそうですけれども、都は洋上風力の都内のポテンシャルはどれくらいあるのかお示しください。

○小林再生可能エネルギー実装推進担当部長 令和五年九月に開催した第二回東京都再エネ実装専門家ボードでは、専門家等から、伊豆諸島の海域はおおむね毎秒九メートルを超える好風況であり、洋上風力のポテンシャルがある旨のご意見をいただいております。

○アオヤギ委員 再エネボードの専門家は毎秒九メートルのポテンシャルがあるといっていたということです。今後、都が、伊豆諸島周辺でどのくらいポテンシャルがあるのか、正確に算出していくことが必要だと思います。
 都は、国にも洋上風力発電を主とした海洋エネルギーの開発を求め、位置づけています。大規模に導入をしていきたいということだと思いますけれども、まず地元の理解を得て、どのように増やしていくのか、地元住民と共に決めていくことが必要だと申し上げておきます。
 次に、都は二〇三〇年の目標として、都内エネルギー消費量を五〇%と都内再生可能エネルギー電力利用割合を五〇%にする。この目標を並行して掲げていますけれども、これらがカーボンハーフ、都内温室効果ガス五〇%削減にどれだけ貢献するのか、それぞれお示しいただき、この二つの目標とカーボンハーフの関係をお示しください。

○荒田気候変動対策部長 都内エネルギー消費量の削減、都内再生可能エネルギー電力利用割合の引上げ等により、必要なエネルギー起源CO2削減量をおおむね半分ずつ削減する試算を環境審議会で既にお示ししているところでございます。

○アオヤギ委員 つまり都内エネルギー消費量の削減、都内再生可能エネルギー電力利用割合の引上げ、これが半分半分で削減する試算なんだと。必要なエネルギー起源CO2削減量をこうした半分ずつで削減する試算だということです。
 この都内エネルギー消費量を五〇%にするカーボンハーフの目標に対して、この消費量の削減を進めるためには再エネからの電気を使うことに転換することが求められています。そういうことも含まれています。
 しかし、国が石炭火力を温存し、原発再稼働を進めれば、消費者はこの電力を買い続けることになります。CO2削減が進まなくなりかねません。
 原発はいうまでもなく、一たび事故が起きれば、事故の処理のためにもCO2を排出し、高いコストが必要であり、その上、放射能という異質の危険性があるので、全くクリーンなエネルギーではないのは明らかです。
 そういう中で、国の第六次エネルギー基本計画には、二〇五〇年のカーボンニュートラルが目標ですけれども、二〇三〇年度のカーボンハーフ、五〇%削減を実現するために、電源に占める再エネの割合を三六%から三八%にする目標を掲げています。これは都の再エネボードでも資源エネルギー庁が示した資料に書かれています。しかし、この目標は原発の電源が二割を占めています。これでカーボンハーフだということです。
 都の国への提案要求、令和六年度国の予算編成に対する東京都の提案要求最重点事項でも、二〇三〇年における電力の再生可能エネルギーの割合については三八%以上の高みを目指していく必要があるとしていますが、都もこの原発を含む目標の達成でカーボンハーフを実現するという認識ですか。

○荒田気候変動対策部長 二〇三〇年カーボンハーフの実現に向けましては、国のエネルギー需給の見通しも参考にしつつ、強化されたキャップ・アンド・トレード制度や新築住宅等への太陽光パネル義務化など、様々な施策を講じてございます。

○アオヤギ委員 国のエネルギー需要を参考にしつつということはどういうことなんでしょうか。極めてあいまいです。
 東京電力が仮に原発を再稼働したら、家庭などの電力は原発を含む電力を買わされるわけですから、都は再稼働と無関係ではいられません。都が原発をカーボンハーフに含めないよう、国に対して求めることが必要です。
 重大なのは、今、原発は東電管内では稼働していませんし、日本全体を見ても四%の割合でしか動いていないにもかかわらず、二〇三〇年には二〇%にも引き上げようとしている。このことが東京都の再エネボードでも資源エネルギー庁が公然と資料で出しているわけです。そして、安全最優先で原子力発電政策を進める、こういった資料も出しています。都が原発に対してどういう態度を取るのかが問われています。
 そこでお伺いします。都が示しているエネルギー起源CO2排出量は、買っている電気が何でつくられたかによって増減しますが、例えば石炭火力を使った電気を使った場合、排出量が多いとされていますけれども、原発で発電した電気を買った場合、石炭火力と比べ、排出量は大きいとされるのか、小さいとされるのか、同じとされるのか、お示しください。

○荒田気候変動対策部長 国によりますと、石炭火力で発電した場合、一キロワットアワー当たり約〇・八六キログラムのCO2が排出される一方、原子力による場合の当該排出量はゼロとされてございます。

○アオヤギ委員 原子力はCO2ゼロだということで、そうした数字を都も使って、東電が再稼働したらCO2排出量を計算することになるということです。
 しかし、この原発CO2排出ゼロというのは、先ほどもいったとおり、まやかしだといわざるを得ません。東京電力は重大事故を起こしているわけで、今も事故処理をし続けなければならない状況です。これまで多重防護で安全だ、エコ原発などと振りまかれ、原発事故を起こしました。そのことは忘れてはならないと思います。
 福島原発事故で今もなお避難生活を強いており、東京電力が再稼働するなど道義的にも許されません。発電すれば、使用済み核燃料を安全に保管しなければならない、極めて高コストな電力であると厳しく指摘をするものです。
 日本政府の石炭火力、原発に固執する態度が世界にも負の影響をもたらしています。四月末に行われたG7気候・エネルギー・環境相会合では、石炭火力発電を二〇三〇年代前半までに廃止と合意しました。
 ところが、日本はその中でも抵抗を続け、合意文書には、二〇三〇年代前半の後に、また、各国のネットゼロの道筋に沿った気温上昇を一・五度に抑えられるスケジュールでという抜け道が残されました。会合後に齋藤経産大臣は、エネルギーをめぐる状況は各国で千差万別なので道筋は多様であることを認めながら共通のゴールを目指していくと述べたと報じられています。つまり原発も含め、自分たちのこれまでのやり方は変えないよということを示したということです。その中で、国はアンモニアと石炭火力の混焼でCO2削減対策済みという態度です。
 そこで伺いますが、アンモニアと石炭火力を混焼した場合、石炭のみと比べ、CO2は減るのですか。

○荒田気候変動対策部長 アンモニアを燃料として発電した場合、CO2は排出されないため、混焼した分、排出量は抑制されます。

○アオヤギ委員 都もこのアンモニアを混ぜるとCO2が減るという国の考えと同じだということです。
 しかし、アンモニアも生成時にCO2を発生させるため、グリーンウオッシュだと、見せかけの脱炭素だと海外からも批判を受けております。もしアンモニア混焼がされれば、原発と一緒で、その電気を買わされるのは消費者です。ですから、都のカーボンハーフの達成を遠ざけるのは間違いありません。こうした国の間違った対応に従って施策を進めれば、東京都のカーボンハーフは実現不可能だと指摘をするものです。
 したがって、陳情の求めるとおり、都議会が国に対して、第七次エネルギー基本計画にCOP28で合意された水準の目標を達成することや再エネ電力の利用量を三倍以上に拡大することを意見書にして求めていくことが、都のカーボンハーフを実現する上でも必要であると判断するところです。
 よって、本陳情は採択すべきものと述べ、質疑を終わります。

○もり委員 陳情に対して意見を述べさせていただきます。
 この陳情は、二〇二三年の気候変動枠組第二十八回締結国会議の合意に基づいて目標を達成することを国の第七次エネルギー基本計画に含めるよう求める意見書であり、賛成です。
 五月十五日、国において、エネルギー基本計画の改定に関する審議会での議論がスタートしましたが、二〇二二年に政府が打ち出したGX、グリーントランスフォーメーション方針は原子力推進が盛り込まれ、化石燃料の利用が温存されていることは問題であり、市民の声を反映するものになっていないことを危惧しております。
 化石燃料の値段についても、戦争によって価格が大きく高騰し、火力発電についても効率の悪いものについて次々と廃止をし、化石燃料からの脱却を図っていくべきですが、日本は抵抗をしており、二〇三〇年までの目標を加速するための政策が求められます。気候危機による自然災害の激甚化、また、動植物への深刻な影響は暮らしを脅かすものであり、喫緊の課題です。
 東京都はゼロエミッション東京戦略において、国に先駆けて、再生可能エネルギーを基軸にすると盛り込みました。次の世代に温暖化や核のごみを負の遺産として残す政治ではなく、持続可能なエネルギー計画となるよう、東京都としても一層国に求めていくことが求められます。
 一方で、昨今、都内では都立公園や都内の豊かな緑が大型開発により、都市の貴重な緑が失われようとしている現状は、二〇三〇年カーボンハーフからも大きく反するもので見直すべきであり、目標達成に向けては、全庁を挙げて取り組むべきことを要望し、自治体においても、さらなる再生可能エネルギーの取組を推進するよう支援していくことを求め、今陳情について採択を求めます。
 以上です。

○漢人委員 それでは、陳情項目のまず一項目め、二〇三五年のエネルギー起源CO2排出量の削減目標についてお伺いします。
 COP28の二〇三五年目標は、世界全体で温室効果ガスを二〇一九年比で六〇%削減であり、これは日本の温室効果ガスの二〇一三年比では約六五・五%となります。
 しかも、気候変動に関する政府間パネル、IPCCの二〇三五年目標は世界全体の目標なので、先進国はさらなる削減目標の引上げが求められます。
 他方で、国際エネルギー機関、IEAは、先進国に対して、二〇三五年に二〇二〇年比で八〇%削減を提言しており、二〇一三年比では八五%もの削減が求められることになります。
 IPCCとIEAの一・五度C目標は五〇%の確実性ですので、本来ならもっと確実な六七%以上の確実性を目指して、さらなる目標の引上げが求められるべきだと考えるべきです。
 これらの国際的提言を踏まえれば、日本では、二〇三五年に最低でも二〇一三年比で七〇から八〇%の削減が求められることになると考えます。
 以上の認識を踏まえて質問いたします。
 都は、毎年六月と十一月に国への提案要求を行っています。二〇三五年までの削減目標について、昨年の提案要求では、IPCC第六次評価報告書の科学的評価を踏まえ、国が二〇三五年やその後のカーボンニュートラルまでの削減目標や主な具体的取組の水準など、我が国のカーボンニュートラルまでの道筋を早期に示すことを求めています。
 今年はさらに踏み込んだ提案をするべきだと思いますが、COP28の国際的合意を踏まえて、二〇三五年までに削減する具体的な数値目標を要望しませんか。いかがでしょうか。

○荒田気候変動対策部長 COP28の決定に基づき、国は来年二月までに二〇三五年の削減目標を提出することが求められております。
 国による二〇三五年削減目標の設定につきましては、都はIPCCによる科学的な知見やCOPにおける国際的な合意等を踏まえて道筋を早期に示すべきと、国に対して要望をしてございます。

○漢人委員 昨年度と同様の内容で要望するということでちょっと残念です。
 次に、先進国は世界全体で求められている削減目標よりも高い目標を設定して、国際的に貢献する必要があると考えますが、都の見解をお伺いします。

○荒田気候変動対策部長 都といたしましては、IPCCやCOPでの合意を踏まえて削減目標を設定するよう国へ求めております。

○漢人委員 最初に述べましたけれども、IEAは先進国に対しては、二〇三五年に、二〇二二年度比で八〇%削減を提言しているわけです。先進国としての責任を避けるべきではないし、避けることはできないと申し上げておきたいと思います。
 また、都は二〇二一年の一月に、二〇三〇年カーボンハーフ五〇%削減を表明しました。政府は同じ年の四月に四六%削減を表明し、第六次エネルギー基本計画はやはり同じ年の十月に改定されました。つまり都は、政府の表明やエネルギー基本計画の確定よりも先行して、二〇三〇年目標を表明しているんですね。すばらしいことだと思います。
 今月十五日から、第七次エネルギー基本計画の改定議論が始まったわけですね。今年度内の改定を予定されていて、二〇三五年目標も表明される見通しです。都は今回も国に先行して、二〇三五年目標に向けた議論と表明を年度内に行わないかなと期待をしていたのですが、先ほどの答弁からすると、国への踏み込んだ要望も難しいようなので大変残念です。
 次に、陳情項目の二番目ですが、二〇三〇年の再エネ三倍について質問します。
 都は、昨年の国への要求提案では、国は、第六次エネルギー基本計画において、二〇三〇年の再生可能エネルギーの割合を三六から三八%、研究開発成果の活用実装が進んだ場合には三八%以上の高みを目指すとしていることから、二〇五〇年の排出実質ゼロの達成に向け、この方針に沿って、三八%以上の高みを目指し、再生可能エネルギーの導入拡大を最大限加速させるべきであると提案をしています。
 さらに、IPCCの最新の科学的知見による第六次評価報告書を踏まえ、世界各国によるさらなる取組強化と二〇三五年削減目標の設定が必要なことから、さらなる再生可能エネルギーの導入拡大を目指す次期エネルギー基本計画の策定に早期に着手することとも提案しています。
 また、最初の説明でもありましたが、再生可能エネルギーの導入拡大を最大限加速させるため、蓄電池等の活用を含む電力系統の運用改善、強化整備を図るなど、従前から国に対して継続的に要望を行っているとのことです。
 COP28では二〇三〇年に再エネ三倍で合意しましたが、今の国の計画では、残念ながら二〇二〇年比で一・七倍程度にとどまるというふうに見通せます。
 以上の認識を踏まえてお伺いします。
 再エネの優先接続なども含めて、都は以前より、国に再エネ拡大を要望し、同時にCOPの国際合意を踏まえることも要望しています。都は本陳情の趣旨を共有していると理解してよいでしょうか。

○荒田気候変動対策部長 都は国に対し、COPにおける国際的な合意等を踏まえ、再エネ導入に関する取組を最大限加速させることや、再エネの利用拡大に向け、蓄電池等の活用を図ることなどを要望してございます。

○漢人委員 本陳情が提出を求めている、今、議論している二項目ですけれども、この意見書の内容については、都が国に対して求めている内容とおおむね共有しているということが確認できたというふうに思います。
 ですから、ぜひともこの陳情を採択しまして、都議会としても都の求める政策の実現を後押ししていくことをぜひ行いたいということを委員の皆さんに提案をして、質問を終わりたいと思います。

○曽根委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○曽根委員長 起立少数と認めます。よって、陳情六第九号の一は不採択と決定いたしました。

○曽根委員長 次に、陳情六第一二号の一を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○長谷川政策調整担当部長 それでは、お手元の資料2、請願・陳情審査説明表の七ページをご覧ください。
 整理番号4、陳情番号六第一二号の一、GLP昭島プロジェクトについて適切な審議・対応を求めることに関する陳情につきましてご説明申し上げます。
 陳情者は、昭島市の前田健喜さん外一名でございます。
 陳情の要旨は、都において、次のことを実現していただきたい。
 1、東京都環境影響評価審議会に対して、次のことを求めること。
 (1)、現在、審議過程にあるGLP昭島プロジェクトの環境影響評価書案について、審議に影響を与えるような不備や誤りがないかを精査し、必要があれば、評価書案を早急に修正するよう事業者に求めること。
 (2)、評価書案が正確で不備がなく、審議に足るものであることを確認した上で、時間をかけて入念に現地の状況を把握し、慎重かつ徹底的に審議することというものでございます。
 現在の状況でございますが、1、本件環境影響評価は、環境影響評価書案に示されているとおり、現況、大部分がゴルフ場、一部がゴルフ練習場及び宿泊施設等の敷地として、全域が人工的な管理下にある昭島市内の計画地に、物流施設及びデータセンター等を新設する事業に対して行うものでございます。
 2、環境影響評価条例等に基づき、令和四年十月五日に環境影響評価調査計画書が事業者から提出され、同年十月十四日の公示縦覧後、十一月二日を期限として、都民及び関係市長からの意見を受け付け、それらを踏まえ、十二月二十六日の環境影響評価審議会において、環境保全の見地から答申がまとめられました。
 3、事業者は、審議会答申のほか、昭島市都市計画マスタープラン等の上位計画及び市において検討中の計画地エリアの地区計画骨子案や都民及び関係市長の意見を踏まえながら、調査計画書に示された事業計画案の見直しを行い、当該見直された計画案に基づく環境影響評価書案が本年一月十五日に提出されました。
 4、本評価書案は、本年一月三十日の公示縦覧後、三月十四日を期限として、都民及び関係市長からの意見の提出を受け付けました。また、二月十八日及び十九日に、環境影響評価条例に基づき、事業者による説明会が行われました。
 5、今後、事業者から都民及び関係市長からの意見に対する見解を示した評価書案に係る見解書が提出されることとなっており、当該見解書の提出後、環境影響評価審議会において審議会委員による専門的立場からの審議が進められていくこととなります。
 説明は以上でございます。よろしくご審査のほどお願い申し上げます。

○曽根委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○山田委員 それでは、陳情に対して意見を申し上げます。
 本件GLPは昭島市の地域に建設されるものですが、当該地を出入りする車両の通行は隣の立川市にも関わっておりまして、両市から特に子供や住民の生活への影響並びに交通安全に関わる懸念が指摘されております。企業側の説明によれば、一日当たり五千八百台に及ぶ車両が本施設に出入りするとされています。
 今回GLPが建設される場所は、昭島市においてはゴルフ場があった場所であり、主要鉄道駅に近い場所でありながらも閑静なエリアにあります。
 また、隣接する立川市は、本施設の近くに住宅街と小中学校があり、ふだん主に自家用車や自転車が通行しているエリアでありまして、道路の幅員や近くの交差点なども大型車両が多く通行することを想定してつくられたものではありません。
 また、天王橋交差点は慢性的な渋滞が課題となっており、五日市街道では右左折専用レーンがないことから、今後のさらなる交通渋滞を懸念する声が絶えません。
 こうしたことから昭島市、立川市の当該地域の皆さんからは、登下校時の子供たちの安全を含め、周辺の環境保全、早朝や夜間における騒音や振動など、安心して暮らせる市民生活に対する取組が強く求められています。
 本件は民間の開発であること、必要な手続を踏まえて行っているものではありますが、閑静な住宅街にこれだけ広範囲にわたる施設が建設されることに対して懸念の声が上がることは当然のことと考えます。
 よって、局は本陳情にあるように環境影響調査を十分に行うとともに、昭島市、立川市の住民の声を真摯に受け止め、都民、市民生活に与える影響を最小限に抑えるため、丁寧に住民の思いに寄り添った対応を進めることを求めます。
 以上です。

○曽根委員長 機材の準備を行いますので、しばらくお待ちください。

○原委員 よろしくお願いします。GLP昭島プロジェクトについて適切な審議、対応を求める陳情が出されております。
 昭島駅北口から北方向に徒歩七、八分のところに、代官山緑地を囲む五十八・八ヘクタールの元ゴルフ場などの広大な敷地があります。東京ディズニーランドがすっぽり入る広さです。(画像表示)中央にある濃い緑の四角の部分が代官山緑地で、ここは開発対象外となっております。
 開発敷地には、日本GLP株式会社が物流センター三棟とデータセンター八棟、地域貢献棟を建てる計画です。物流センターの高さは五十五メートル、四十五メートル、四十メートルです。
 このGLP昭島プロジェクト計画は、二〇二二年十月に調査計画書が出され、本年一月に評価書案が提出されました。東京都の環境影響評価審議会に係る要件を伺います。

○長谷川政策調整担当部長 本事業は、環境影響評価条例に定める対象事業のうち、自動車駐車場の設置、建築物の建築の用に供する目的で行う土地の造成及び工場の設置に係るものでございます。

○原委員 アセスに係る基準は、駐車場は千台以上、建築物のための土地の造成は四十ヘクタール以上です。この物流センターは、駐車場三千七百五十台、計画敷地は五十八・八ヘクタールですから、環境アセスの対象としてもかなり大きな開発計画だというふうに受け取れます。
 周りはほぼ住宅地です。昭和の森と呼ばれるゴルフ場も、高額の会員権とかではなく、市民が気軽に使える施設だったと聞いています。既に閉鎖をされています。
 南側にはアウトドア派のためのお店やスポーツ交流施設などがあり、北側は玉川上水が敷かれており、昭島市民、立川市民などの散策路として愛される自然豊かな地域です。
 巨大物流センターの最初の説明会は二〇二二年二月に開かれており、そこには八百五十人の住民が参加したそうです。なぜこんな緑豊かな場所に物流センターが来るのかとの疑問の声が多く上がりました。
 この一帯の緑地は昭和の森と呼ばれており、昭島市の都市計画マスタープランで緑の拠点、水と緑を守り育てるゾーンとされています。
 昭和の森中央南側にフォレスト・イン昭和館というホテルがあります。今、地域貢献棟になる予定の部分です。(画像表示)これで見ますとピンクの部分です。その十階の展望レストランから見た代官山緑地とそれを囲むゴルフ場の写真を撮ってきました。これが代官山緑地です。真北にこういう景色が広がっています。東側、建物を経た向こう側までゴルフ場が広がっています。この見える建物は高齢者の施設や保育園などの施設となっています。西側にもゴルフ場が広がっています。ゴルフ場の敷地の北側は玉川上水があり、その北側は昭島市や立川市の住宅地が広がっています。この辺一帯にすむ動植物が今回の開発により甚大な影響を受けることが容易に予想されます。
 この計画地に建物を置いてみた市民団体の絵をちょっと見ていただきます。(画像表示)この敷地に対し、このようにシミュレーションをされていました。ゴルフ場は代官山緑地につながっており、樹林が広大にあるように見えますが、この開発敷地には樹木が何本あって、物流センターとデータセンターができると樹木は何本に減るのでしょうか、教えてください。

○長谷川政策調整担当部長 事業者は評価書案において、計画地内の地上から約一・二メートルの高さにおける直径十センチメートル以上の樹木については、ゴルフ場外周部の目隠し等として植栽されたサワラが八百四十六本、コース仕切り等として植栽されたアカマツが四百八十三本など、約四千九百本が確認されたとしています。
 また、事業者は評価書案において、今後、樹形に優れ、地域在来種に該当するなどの樹木の移植や新たな樹木の植栽を検討するとしています。

○原委員 四千九百本あるということです。何本伐採をするのか、何本減るのか、本数が出されていません。評価書案でこういう本数、予測は出さなくてよいのでしょうか。

○長谷川政策調整担当部長 東京都環境影響評価技術指針においては、評価書案への樹木の伐採本数の記載は求めておりません。

○原委員 樹木の伐採の本数は出さなくてよくて、廃棄物の量などから想定できるということで、市民の方が廃棄の木くずの量を推計して、三千本以上は伐採されるというふうに予測をしています。深刻な樹木伐採は避けられません。住民はどのようなことを心配していると東京都は受け止めているんでしょうか。

○長谷川政策調整担当部長 調査計画書に対する都民意見として、大気汚染や騒音・振動、生物・生態系等の環境影響評価項目に関する意見をいただいております。

○原委員 大気汚染や騒音・振動、こういうことについては交通量の増大による影響ということだと思います。この緑環境の悪化とともに、多くの市民が交通量の増大による影響をとても心配されているのが私も聞き取って分かりました。
 一日五千八百台の車両が走行し、うち大型車は三千五百三十台とのことです。周りには地図で数えただけでも小学校が十二校、中学校が四校、ほかに保育園、高齢者の施設が多くあります。警察・消防委員会に、交通渋滞や交通事故の多発など、生活環境の悪化が予測されると多くの市民が訴えておりまして、環境アセスメントでは通学路の安全などの問題が扱われない、これはどのような理由からでしょうか。

○長谷川政策調整担当部長 環境影響評価項目は、規則において大気汚染や悪臭、騒音・振動など十七項目と定めており、交通渋滞や交通安全は評価項目となっておりません。
 なお、事業者は、評価書案において評価項目となっている大気汚染や騒音・振動に関する対策の一環で、ルートの分散や効率的な運行管理など、交通渋滞等の対策にも資する環境保全措置を検討するとしています。

○原委員 交通量やその影響予測などの問題は警察・消防委員会に陳情がかかっておりますのでそちらに委ねますが、子供を育てる安全な環境が一変するのはとても看過できない問題です。
 陳情者は、審議過程にある環境影響評価書案に不備や誤りがないかを精査し、あれば早急に修正するよう事業者に求めてほしい、そういうことを求めております。環境影響評価書案を審議にかける前に不備、誤りがないかということを都はチェックするのでしょうか。

○長谷川政策調整担当部長 評価書案などのアセス図書は、事業者自らが条例等に定められた事項を記載して作成し、提出するものでございます。提出された評価書案については、都民等からの意見や環境影響評価審議会における専門的立場からの審査を経て出される答申を踏まえ、事業者が検討を加えて環境影響評価書として作成されることとなります。
 なお、都といたしましては、条例等で定められた記載事項に不足がないか等を確認の上、図書を受理しております。

○原委員 形式的なチェックということだと思います。条例などで定められた記載事項に不足がなければ、内容の細かいところまではチェックしないということでこの提出がされ、審議が始まっているということです。
 私も住民の方にこの間お聞きしてきたんですが、オオタカの行動圏設定に誤りがあるのではないかとか、代官山緑地で巣穴が見つかっているアナグマについて、生態系や食物連鎖の表において記載が欠落しているなどの指摘がされております。
 さらには関連車両の走行に伴う道路交通の騒音、振動の予測地点のミス、将来交通量の集計ミスの指摘、そのほかにも景観地点の設定の欠落、日影の予測結果の書き間違いなども指摘がありました。大変多く指摘があるように受け取れます。明らかなミスがあれば、環境影響評価も変わらざるを得ません。誤りや不備には通常どのような対応をするんでしょうか。

○長谷川政策調整担当部長 先ほどもご答弁いたしましたが、提出された評価書案については、都民等からの意見や環境影響評価審議会における専門的立場からの審議を経て出される答申を踏まえ、事業者が検討を加えて、環境影響評価書として今後作成されることとなります。

○原委員 評価書案への都民意見は四百三十八件と伺いました。相当な数が出されています。その中で意見とともに指摘事項も提出されていると思います。都としても、審議会としても、ぜひよくチェックをしていただきたいです。陳情者の願意のとおり、審議に影響を与えるような不備や誤りがないかを精査し、必要な対応をされるよう強く求めておきます。
 このたび、昭和の森で営巣し、子育てをするオオタカの様子が初めて写真と動画で撮影されたと、一昨日、昭島のオオタカと環境を守る会による記者会見が行われました。そこでオオタカとひなの写真と動画が公開されました。記者会見のこと、ご存じだと思います。(画像表示)これが公表されました写真です。真ん中に親鳥がいて、ひなが二羽見えます。
 評価書案でも代官山緑地にオオタカの営巣があることは記載をされていますが、まずお聞きします。猛禽類の生息が確認された場合、環境省の手引では猛禽類の保護の進め方について何と書かれていますか。

○長谷川政策調整担当部長 環境省策定の猛禽類保護の進め方では、講ずべき保全措置については、それぞれの事業で行動圏内の利用区域ごとに調査結果に基づき、回避、低減、代償の順に検討することが基本であるとしています。
 こうした考え方も踏まえ、事業者は評価書案において、営巣が確認されている代官山緑地は維持するとともに、工事の施工中はコンディショニングなどの低減策やモニタリングを行いつつ、警戒行動が確認された場合は工事を一時停止する等の措置を実施するとしています。また、工事完了後は遮光フェンスの設置や営巣期の沿道の立入制限等の措置を実施するとしています。

○原委員 いきなり工事の話に飛んでしまったようですけれども、まずは回避ということが書かれています。まずは回避、避けるということが上げられています。私も環境省の文書を読みましたが、営巣中心域について、この区域において、住宅、工場、鉄塔などの建造物、道路の建設、森林の開発は避ける必要があると書かれていました。ご存じだと思います。
 昨日の記者会見での日本自然保護協会の参与であられます横山隆一さんのオオタカについてのコメントを紹介します。
 希少種の鳥類が繁殖中であることの公表と巣内のひなの画像の提供は特例中の特例である。愛鳥家の間では繁殖期やひなの養育期は特に自粛をし合う期間だということだそうです。その中で今回の公表は、その繁殖環境のみならず、生育地そのものが失われようとしていることから、特段の緊急事態と考えられたために行ったものです。
 オオタカは、東京都では絶滅危惧種Ⅱ類に区分されている種であり、希少な絶滅危惧種です。それが市街地域の中で繁殖活動を継続的に行っている場所がある(評価書案に記載されている)ということは驚くべきことです。
 この開発案件に関わる範囲には三ペアのオオタカが生息しており、それぞれに繁殖成功の実績があると記載されています。隣接して繁殖ペアがいるということは、都下においては極めてまれなことです(知られているのは皇居)。
 ところが、評価書案の閲覧資料は保護上秘匿しなければならない営巣場所の詳細などの情報以外の情報まで全て伏せられているため、開発後、現在のような繁殖が続くか否かを検討する材料にはなりませんでした。また、行動圏解析は一ペアしか行われていないにもかかわらず、影響は軽減されるなどと書かれています。繁殖が継続するであろうという記述は一切ありませんでした。正しい環境影響評価がなされているとは考えられません。このようにコメントをされています。
 横山氏は、オオタカが家族で生きていくためには三十ヘクタールの緑地が必要だと。代官山緑地は四・四ヘクタールですから、本当に開発そのものを見直す必要があるというふうに訴えているのだと思います。
 この写真、本当に貴重な写真だということですが、通告しておりませんが、もし感想などをいただけたらと思いますが、いかがでしょうか。

○長谷川政策調整担当部長 事業者は環境影響評価書案におきまして、営巣が確認されている代官山緑地は維持するとともにコンディショニング等の低減策、それから、モニタリングを行いつつ、また、警戒行動が確認された場合は工事を一時停止する等の措置を実施するなどとしております。

○原委員 なかなか感想というより、都として何をいわなきゃいけないかということが先になってくるんだと思いますけれども、私はやっぱり環境局として、何というか、希少動物、こういう子育てをしているそういう姿を見て、守っていかなきゃいけない、そういう立場を一緒に取ってほしいなというふうに思います。
 東京都レッドデータブックに載っているアナグマやタヌキの生息も代官山緑地において確認をされています。
 (画像表示)北側に、これはごめんなさい、私が撮ったんじゃなくて、いただいた資料なんですけれども、私が視察に行ったときにもアナグマの通った跡、これですね。それから、ここに巣穴があることを教えていただきました。
 北側に緑地をつくるというふうに当初の計画を一部見直されたということですが、その間には十六メートルの東西道路をつくる計画となっています。
 ちょっと見にくいんですが、この代官山緑地の北側、この地域に、この一帯、場所に緑地をつくるというふうな計画に、先ほどの図でも分かると思いますが、なっています。ですが、続いていないんですよね。間に道路が入ってしまうということで、その十六メートルの道路をアナグマやタヌキは渡れるんでしょうか、見解をお聞きします。

○長谷川政策調整担当部長 事業者は評価書案において、環境保全措置として、代官山緑地と北側の公園とを道路下で、トンネルによりつなぐようにアニマルパスの設置を検討するとしています。

○原委員 アニマルパスなんですけど、専門家によれば、アニマルパスというのは、その道しかなければ使う可能性があると。その場合、公園を囲って、こちら側から道路に出られない、向こう側も公園にフェンスを設ける、こういう措置が必要だと。アナグマが通るような穴もつくってはいけないと。そういうことなんですね。アニマルパスというふうに名づけても、使うかどうかはアナグマ次第という感じですね。道路という分断のない敷地を保全することが重要ではないかというふうに思います。
 アナグマの専門家である金子弥生東京農工大学准教授は、アナグマの行動圏調査から、三十ヘクタールの範囲で移動が制限されないことが必要だというふうにコメントされています。人間の勝手ゆえに、結果、すみかを奪っていくのでは許されないというふうに思います。
 ちなみに、この東西道路がつくられる予定地には一部自然林と思えるような鬱蒼とした樹林も見られます。
 これ玉川上水に沿った敷地の部分ですけれども、ここの樹林帯、大変人の手が入っていないようなところです。この樹木たちがどうなるのか、大規模な自然破壊がされるんではないかと住民の人たちが本当に心配をしております。
 日本GLP株式会社はネーチャーポジティブの参加企業だということをご存じでしょうか。二〇三〇年までに生物多様性を回復軌道に乗せるというネーチャーポジティブの取組に賛同をされている会社です。ブラックジョークかとどなたかがおっしゃっていましたけれども、本当にそのとおりだというふうに思います。ネーチャーポジティブの方針を会社として持っているなら、その考えに見合う事業を展開すべきだと思います。
 そして、これは生物多様性地域戦略を策定している東京都としての権限をしっかり発揮すべきだと考えます。環境アセスの運営側からの答弁が続いてきましたが、それだけではなく、都として、都の環境局として、緑を増やし、生物多様性を守る、希少種を保護する、そういうことと住民が安全に緑豊かな環境の中で暮らせる権利を守る立場から開発規制のルールを持つべきではないでしょうか。そうしなければ、東京の緑はどんどんと失われていってしまいます。都が開発から環境を守る取組においてリーダーシップを取ることを求めます。
 この陳情は環境影響評価審議会での審議を正確で不備なく行い、慎重に、かつ徹底的な審議を行ってほしいということを求めています。この願意は会派を超えて、委員の皆さんが賛同できる内容だというふうに確信をします。
 採択することを呼びかけて、私の質問を終わります。

○もり委員 GLP昭島プロジェクトについて伺います。
 本陳情は、現在、審議過程にあるGLP昭島プロジェクトの環境影響評価案について、審議に影響を与えるような不備や誤りがないかを精査し、必要があれば環境影響評価案を早急に修正するよう事業者に求めるものであり、環境アセスメントにおいて、評価書案が正確で不備がなく審議に足るものであることは、審議の前提として当然のことであると考えます。
 ところが、事業者の提案した環境アセスメント評価書案には不備が多く、地元の昭島市からも、令和四年十一月、まちづくりや環境、道路、交通などに関する要請、令和五年十一月には、交通課題等に関する照会と、自治体から事業者に対して二度の要請が出されていることは異例のことであると考えます。
 昭島市のホームページにも、市民の皆様の心配や不安の声が多く寄せられており、引き続き協議が必要であるとの見解が示され、昭島市総合基本計画及び分野別計画との整合を図ることとあります。
 当該地域は、玉川上水とともに生物多様性の豊かな代官山の樹林地であり、昭島市の都市計画マスタープランにおいて、代官山の樹林地の保全地域であり、環境保全と市民の散策の場としての活用として、緑の拠点、水と緑を守り育てるゾーンとされています。
 五十八・八ヘクタールもの巨大な物流センターとデータセンターが設置されれば、オオタカや生態系上位種であるアナグマ等への影響、絶滅危惧種二類の草花への影響、渡り鳥の中継地点としての役割も損なわれるのではないかと懸念があります。
 昨年、生物多様性地域戦略を制定した東京都として、生息している動植物への影響と当該地域の生物多様性をどのように保全をしていくのか見解を伺います。

○長谷川政策調整担当部長 事業者は、評価書案において、計画地の植物の一部を公園等として現位置保存するとともに、樹形に優れ、地域在来種に該当する等の樹木を移植、植栽することで、計画地を含む地域全体の植物層の変化の程度は小さくなるとしています。
 また、工事の施工中は段階的に造成し、低騒音型建設機械の採用や防音パネルの設置を行うほか、工事完了後は計画建築物等の照明の種類や、光源の向きを配慮するなどにより、計画地を含む地域全体の動物層の変化は小さくなるとしています。

○もり委員 開発されるゴルフ場は、代官山の豊かな生態系と一体的な緑の回廊を形成しています。
 評価書案によると、ゴルフ場には四千八百七十本の樹木がありますが、樹木の保全についての見解を伺います。

○長谷川政策調整担当部長 事業者は、評価書案において、計画地周辺の代官山緑地や玉川上水敷地の樹林は維持されるほか、計画地外周部や新たに設置する公園区域の樹木は、可能な限り現位置で保存するとしています。
 また、樹形に優れ、地域在来種に該当するなどの樹木の移植や、新たな樹木の植栽を検討するとしています。
 事業者は、計画地内に緑道散策路や公園を整備していくことで、これまで閉鎖的であった計画地に開かれた緑地環境を約十ヘクタール整備していく計画としています。

○もり委員 先ほどの原委員のパネルを見せていただいた際にも、本当にゴルフ場の豊かな、今、当該地域の豊かな緑であったところに、本当に景観を損なうような巨大な物流施設というのは大変違和感があり、事業者が今おっしゃったような樹林地が保護されるというような計画にはなっていないと懸念をしております。
 都市計画マスタープランでは、緑の拠点に位置づけられていながら、用途地域が準工地域のままであったため、保存することが難しいことは遺憾です。
 条件を満たしていれば、開発を許すためのお墨つきを与えるのが環境影響評価の役割ではなく、いかに良好な環境を守ることができるか、事業者による計画が発表されたら、自治体が要請を行っても、多くのパブリックコメントが寄せられても、少し修正を行うだけでは住民に寄り添った計画にはならない、計画の前段階での情報公開が求められると考えますが、見解をお伺いいたします。

○長谷川政策調整担当部長 環境影響評価手続において、事業者は、環境影響についての調査方法等を記載した調査計画書を提出し、公示、縦覧後の都民の意見等も踏まえ、調査結果や環境影響に関する評価等を記載した環境影響評価書案を提出することとなっています。
 本件事業については、令和四年十月に調査計画書が提出され、環境影響についての調査の実施等を経て、令和六年一月に環境影響評価書案が提出されています。
 また、本件事業は、市のまちづくりが進められている中で、住民の意見も踏まえながら計画の見直しが行われており、今後、本件環境影響評価は、当該見直された計画案が記載された評価書案を踏まえ、手続が進められていくこととなります。

○もり委員 気候変動、生物多様性の保全が求められる中で、十分に住民の声を聞き、自治体と共に、科学的根拠、正しいファクトに基づいた丁寧な調査と審議が求められます。
 令和六年一月三十日に公表された評価書案において、数多くの不備が認められ、不備に基づいた評価書案では、環境アセスメントの正確性を揺るがす大問題であると考えます。都の検討を伺います。

○長谷川政策調整担当部長 提出された評価書案については、都民等からの意見や環境影響評価審議会における専門的立場からの審査を経て出される答申を踏まえ、事業者が検討を加えて、環境影響評価書として今後作成されることとなります。

○もり委員 今回の審議において、評価書案に誤りがあった場合、もう一度、専門家を交えて調査からやり直すべきと考えますが、見解を伺います。

○長谷川政策調整担当部長 先ほどご答弁したとおり、提出された評価書案については、都民等からの意見や環境影響評価審議会における専門的立場からの審査を経て出される答申を踏まえ、事業者が検討を加えて、環境影響評価書として今後作成されることとなります。

○もり委員 やはり専門家からの審査を経て出される答申を踏まえて、環境影響評価として今後作成されるということですので、その中でしっかりと事実に基づいた、前段で地域住民の方からも指摘があった不備などが、十分に検討を加えて見直されていることを求めてまいります。
 令和四年十一月に昭島市から提出されたまちづくりや環境、道路、交通などに関する要請には、都民からの願いが込められています。
 一部を抜粋しますが、地元区の地区計画に理解、協力すること。玉川上水沿いをはじめとした良好な景観の保全を図ること。水と緑の連続性を確保し、また生物多様性の保全を図る等、周辺環境と調和した自然環境を保全すること。全ての環境基準を達成すること。計画概要についてホームページ掲載や計画地での掲示等を行い、市民が計画を知る機会を確保すること。説明会を開催し、市民が抱く不安や心配事等を真摯に受け止め、事業計画の検討を行うこと。また、市民の求めに応じて説明及び懇談の場を設ける等、丁寧な市民対応を行うこととあります。昭島市からの要請、周辺住民の声に真摯に応え、必要な措置を講ずるべきと考えます。
 昭島市からの要請に事業者はどのように応えたのか、もしくは今後応えていくのか、環境影響評価に地元自治体の声はどのように反映されるのかお伺いをいたします。

○長谷川政策調整担当部長 関係市長は、調査計画書や評価書案に対し意見を述べることができ、事業者は、当該意見や環境影響評価審議会の答申などを踏まえ、次に提出するアセス図書を作成することとなります。

○もり委員 環境アセスメントの審議はこれから始まりますが、本当に様々な懸念がある中で、議会としても引き続き環境アセスの動向をしっかりと地元住民の声、また、自治体の声が反映され、環境が守られていくことをこれからも注視をしてまいります。
 以上です。

○漢人委員 質問いたします。
 このGLP昭島プロジェクトについて、最初に聞いたときは、だって人工のゴルフ場なんでしょう、民間の話なんでしょうと私も思いました。でも、説明を詳しく聞く中で、また、先ほど原委員がプロジェクターで映像も見せてくださいましたけれども、本当に広大な緑地です。
 私の小金井市でいうと、小金井公園が八十ヘクタールあるんですけれども、その七割以上、この近くですと、新宿御苑がちょうど同じぐらいの五十八ヘクタールですよね。そういう身近な住宅街の中にあるその緑地がほとんど失われてしまうわけですよ。
 失われるだけではなくて、隣接するところに何かもう高い壁の物流センターやデータセンターがばんばん建って、車がどんどん通るという本当に大きな環境破壊が行われるということで、これは民間の問題だからということでは済まされない事業だなというふうに思います。
 そういう規模でもあるから、この環境影響評価審議会にかかるということにもなっているわけですから、しっかりと審査をしていただきたいと思います。
 それで、陳情項目に沿って伺いますけれども、陳情者は、本事業の環境影響評価書案には数多くの不備が認められたと指摘をしています。
 環境影響評価書案については、事業者が提出する前に、都としての事務的な精査などは行っているのでしょうか、伺います。

○長谷川政策調整担当部長 環境影響評価書案などのアセス図書は、事業者自らが条例等に定められた事項を記載して作成し、提出するものでございます。
 提出された評価書案については、都民等からの意見や環境影響評価審議会における専門的立場からの審査を経て出される答申を踏まえ、事業者が検討を加えて、環境影響評価書として作成されることとなります。
 なお、都といたしましては、条例等に定められた記載事項に不足がないか等を確認の上、図書を受理しております。

○漢人委員 同じ答弁を先ほどから繰り返していただいちゃっているんですけど、本当に形式的な確認しかしていないと。内容についてはチェックをしていないということかと思います。
 陳情者は、具体的な不備について、多岐にわたって指摘をしています。主な八点、陳情書の中でも示されていますが、これについては、私も評価書案、この分厚い冊子について示していただきながら、その記載の内容を確認いたしました。
 一つ目は、将来交通量の集計ミスです。
 往路、復路の集計方法を間違えたというもので、これらのデータを基に予測される大気汚染や騒音、振動といった自動車に関わる予測も誤りとなると指摘をしています。
 二つ目には、大気汚染及び風環境の気象データ採用の一貫性のなさです。
 気象データについては、最新データを採用していない、また、地域気象観測所の選定が間違っているなど、多岐にわたる数多くの間違い、矛盾について詳細に指摘をされています。評価書の予測の信頼性が著しく低くなっていると指摘をしています。
 三つ目は、騒音の既存資料調査地点の欠落です。
 昭島市内では、十六地点をローテーションして、五年間で全地点を一巡するという計画になっているため、その過去五年間のデータを遡って、初めて全地点の最新データがそろうというものであるにもかかわらず、最新データのみ閲覧したため、調査地点の欠落が発生しているとの指摘です。
 四つ目は、ニホンアナグマの記載漏れです。
 事業計画地内に生息するニホンアナグマは、オオタカと並び重要な種ですが、生態系や食物連鎖のピラミッドのどこに位置するのか全く記載をされていません。
 五つ目は、オオタカの行動圏の距離の誤り。
 そして、六つ目は、日陰の予測結果の記載内容の錯誤。
 そして、七つ目は、景観の地点設定の欠落です。
 西武立川駅は、改札口に至る通路の窓から富士山が眺望できるという昭島市を代表する眺望地点なのだそうです。地上面のロータリーに調査地点があって、そのすぐ上の上階の有名なその眺望地点を選定していないということ、詳細な既存の資料調査や綿密な事前現地調査を怠ったことによるものと、これも指摘をされています。
 八つ目は、影響地域の設定のミスです。
 環境に影響を及ぼす範囲の設定に騒音、振動を考慮したとの記載があるにもかかわらず、騒音、振動の予測地点の多くが含まれていない。
 こういった具体的な不備について指摘がされているわけですけれども、これらについての見解を伺います。また、適正な審査を行う前提として、こういった点については事業者に修正を求めるべきだと思いますが、いかがでしょうか。

○長谷川政策調整担当部長 先ほどもご答弁いたしましたが、提出された評価書案については、都民等からの意見や環境影響評価審議会における専門的立場からの審査を経て出される答申を踏まえ、事業者が検討を加えて、環境影響評価書として今後作成されることとなります。

○漢人委員 同じ答弁の繰り返しをしていただいて申し訳ないんですけど、本当に先ほどの指摘事項というのは、審議会委員に評価をしていただく前提としての間違いということですので、ぜひこれは、私は事務局の段階でチェックをするべきものだというふうに思います。
 このように、あまりにも不備が多く、そして十分な意見提出や適正な審査の支障になるものが多いということですと、これは審議会の皆さんの貴重な時間を、こういった何か間違い探しのようなところに費やしてしまうことにもなるわけですから、ぜひこういった点は、事前に修正を求めるべきではなかったかと強く感じております。
 それで、次の質問ですが、今後の環境影響評価審議会の審査予定をお伺いします。
 見解書の提出は、いつ頃になると見込まれているでしょうか。また、委員による現地視察や住民からの意見聴取は予定されていますでしょうか。

○長谷川政策調整担当部長 見解書は事業者が作成するものであり、都といたしましては、事業者から見解書が提出され次第、条例に基づき審議を進めることになります。
 審議会委員による現地視察は、調査の一環として実施しており、また、住民からの意見聴取として、評価書案及び見解書について、都民の意見を聞くための都民の意見を聴く会等を条例に基づき実施しております。

○漢人委員 見解書は事業者からの提出を待つしかないんだということで、見込みなど時期は分からないということですね。現地視察、住民の意見聴取は適切に行っていただきたい、さらに今後も続けていただきたいというふうに要望いたします。
 この事業計画地である昭和の森と呼ばれるエリアでは、これも先ほど原委員の映像で、本当にかわいいオオタカのひなの様子を見せていただきましたけれども、このひながかえったということなんですね。
 そのような貴重な樹林地、そして生物多様性が失われて、そこに代わりに大量のCO2を発生し、膨大な交通量を伴う物流センターとデータセンターがつくられることになるわけです。民間事業だからと許されるものではありません。
 環境影響評価審議会の皆さんには、本当に慎重かつ徹底的な審査を行っていただきたいというふうに強くお願いをしたいと思いますし、今回のこの陳情についても、当然議会として、そういった審査を求めるという内容ですので、採択をするべきということを申し上げて、質問を終わります。

○曽根委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○曽根委員長 起立少数と認めます。よって、陳情六第一二号の一は不採択と決定いたしました。
 請願陳情の審査を終わります。
 以上で環境局関係を終わります。
 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後三時四十一分休憩

   午後四時開議

○曽根委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 これより建設局関係に入ります。
 初めに、先般の人事異動に伴い、建設局長に花井徹夫君が就任いたしました。
 花井局長から挨拶並びに交代のあった幹部職員の紹介があります。
 花井徹夫君を紹介いたします。

○花井建設局長 建設局長を拝命いたしました花井徹夫と申します。
 曽根委員長をはじめ委員の皆様方には、建設局事業につきまして、日頃からご理解とご支援を賜り、誠にありがとうございます。
 建設局では、激甚化する風水害や大規模な地震、火山噴火などの災害に対する防災力の強化を図ってまいりますとともに、都民生活と社会経済活動を支えるインフラ整備や維持管理、運営に全力で取り組んでまいります。
 引き続き、ご指導、ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。
 それでは、去る四月一日付で異動のございました当局幹部職員をご紹介させていただきます。
 次長の上林山隆でございます。道路監の湯川雅史でございます。道路管理部長の上田貴之でございます。企画担当部長の山本聡でございます。総合調整担当部長で用地促進担当部長を兼務いたします黒田慶樹でございます。建設DX推進・危機管理強化担当部長の砂田覚でございます。道路計画担当部長の松島進でございます。公園計画担当部長の大道和彦でございます。公園建設担当部長の水谷正史でございます。最後になりますが、当委員会との連絡を担当いたします総務課長の田邉雅彦でございます。
 以上でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者挨拶〕

○曽根委員長 挨拶並びに紹介は終わりました。

○曽根委員長 次に、第二回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。

○花井建設局長 第二回定例会に提出を予定しております案件につきましてご説明申し上げます。
 お手元配布の環境・建設委員会資料(建設局所管分)をご覧いただきたいと存じます。
 今定例会でご審議いただきますのは、契約案件が東京都青山葬儀所(六)改築工事一件、事件案が建物収去土地明渡等の請求に関する民事訴訟の提起について一件でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
 詳細につきましては、総務部長よりご説明いたします。

○荒井総務部長 第二回定例会提出予定案件の内容につきましてご説明申し上げます。
 最初に、資料1をご覧ください。契約案件につきましてご説明申し上げます。
 表紙をおめくり願います。今回提出を予定しております契約案の件名は、目次に記載のとおりでございます。
 一ページをお開き願います。東京都青山葬儀所(六)改築工事でございます。
 本工事は、青山葬儀所の老朽化に伴い建て替えを行うもので、解体済みの既存施設と同一敷地内に新施設を建築するものでございます。
 工事場所は港区南青山二丁目三十三番二十号、契約の相手方は佐田建設株式会社、契約の金額は十六億五千六百二十四万七千二百三十円、工期は令和八年一月七日までとする工事請負契約を一般競争入札により締結しようとするものでございます。
 工事の概要は、鉄筋コンクリート造一部鉄骨造の地上一階建て、建築面積は二千九百九十・九六平方メートル、延べ床面積は二千九百二十七・三〇平方メートルの改築工事でございます。
 二ページをお開き願います。本件工事の案内図及び配置図でございます。
 上段、案内図の矢印で示した部分及び下段、配置図の太線で囲った部分が工事場所でございます。
 三ページをご覧ください。建築物の形状は、平面図及びイメージパースのとおりでございます。
 次に、資料2をご覧ください。事件案につきましてご説明申し上げます。
 表紙をおめくり願います。今回提出を予定しております事件案の件名は、目次に記載のとおりでございます。
 一ページをお開き願います。整理番号1、建物収去土地明渡等の請求に関する民事訴訟の提起についてご説明申し上げます。
 本件は、都市計画道路予定地として取得した土地について、建物の収去及び土地の明渡しを求める訴えを提起するものでございます。
 明渡しを求める土地及び訴訟の相手方でございますが、お手元資料の2と3に記載のとおりでございます。
 訴訟の目的価額は、一億八十八万二千九百五十二円でございます。
 事案の概要でございますが、土地売買契約及び物件移転補償契約を平成三十一年一月にそれぞれ締結し、土地の所有権移転登記につきましても完了しております。
 物件移転補償契約における移転期限につきましては、令和二年十一月三十日を最終移転期限としております。
 今回の訴訟の相手方は、東京都の再三にわたる催告にもかかわらず、最終の延長期限経過後も建物等を移転せず、都有地を不法占有し続けております。
 このため、土地所有権に基づきまして、建物の収去及び土地の明渡しを求める訴えを提起するものでございます。
 二ページ以降に議案を添付してございます。後ほどご覧いただきたいと存じます。
 以上で令和六年第二回定例会提出予定案件の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○曽根委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。−−なければ、資料要求はなしと確認させていただきます。

○曽根委員長 次に、理事者から報告の申出がありますので、これを聴取いたします。

○荒井総務部長 令和五年度建設局予算の繰越しにつきましてご報告申し上げます。
 予算を翌年度に繰り越して使用する場合は、地方自治法施行令第百四十六条第二項及び第百五十条第三項の規定によりまして、議会に報告するとされております。
 お手元に配布しております資料3、令和五年度繰越説明書の一ページをお開き願います。
 表の最上段、一般会計、土木費の行をご覧ください。
 土木費の予算現額は四千九十六億六千八百三十九万一千円、繰越明許費の予算議決額は六百六十一億五百万円で、二百九十一億六千三百二十二万七千円を翌年度へ繰り越しするものでございます。
 財源は国庫支出金、繰入金及び繰越金でございます。
 次に、下から二番目、用地会計の行をご覧ください。
 この会計は財務局の所管でございますが、当局が執行委任を受けまして執行したものでございます。
 翌年度繰越額は八千三百十八万七千円で、財源は都債及び繰越金でございます。
 一般会計と用地会計を合わせた翌年度繰越額の合計は二百九十二億四千六百四十一万四千円でございます。
 二ページをお開き願います。一般会計に係る明許繰越の事項につきましてご説明申し上げます。
 番号1番の土木補助及び2番の生活再建資金貸付は土木管理費でございます。
 繰越理由は、右側の説明欄にそれぞれ記載しておりますとおり、土木補助につきましては、市町施行事業におきまして、関係機関との調整及び用地取得に伴う関係人との折衝等に日時を要したこと、また、生活再建資金貸付につきましては、生活再建資金借受者が建物再建等に日時を要したことによるものでございます。
 三ページをお開き願います。3番、橋梁維持から飛んで六ページの10番、小笠原道路整備費までは道路橋梁費の詳細を記載してございます。
 また、七ページをお開き願います。11番、河川防災から九ページ、15番の砂防海岸整備までは河川海岸費の詳細を記載してございます。
 同じページ、16番、公園整備から一〇ページの18番、霊園葬儀所整備までは公園霊園費の詳細を記載してございます。
 これら事業の主な繰越理由は、施工方法の再検討、関係機関や地元住民との調整及び用地取得に伴う関係人との折衝に日時を要したことなどによるものでございます。
 一一ページをお開き願います。用地会計による公共用地先行取得でございます。
 繰越理由は、用地取得に伴う関係人との折衝に日時を要したことによるものでございます。
 続きまして、一二ページをお開き願います。令和五年度事故繰越総括表でございます。
 事故繰越は、年度内に支出負担行為をし、避け難い事故のため年度内に支出が終わらなかった経費につきまして、地方自治法第二百二十条第三項ただし書の規定に基づき、翌年度に繰越しをして使用するものでございます。
 表の最上段、一般会計、土木費の行をご覧ください。
 翌年度繰越額は二十六億四千四百二十三万六千円で、財源は繰越金でございます。
 一三ページをお開き願います。一般会計に係る事故繰越の事項についてご説明申し上げます。
 番号1番の交通安全施設から次の一四ページの3番、街路整備までは道路橋梁費の詳細を、同じ一四ページの4番、中小河川整備と、次の一五ページの5番、高潮防御施設は河川海岸費の詳細を、同じ一五ページの6番、公園整備は公園霊園費の詳細をそれぞれ記載しております。
 これら事業の主な繰越理由は、関係機関との調整及び資材の確保や用地取得に伴う物件移転に日時を要したことなどによるものでございます。
 以上で令和五年度予算の繰越しにつきまして報告を終わらせていただきます。よろしくお願いいたします。

○曽根委員長 報告は終わりました。
 これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○曽根委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○曽根委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。

○曽根委員長 次に、陳情の審査を行います。
 初めに、陳情六第七号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○久野道路建設部長 それでは、お手元の資料、陳情審査説明表の一ページにございます整理番号1、陳情六第七号をご覧ください。
 本件は、西武新宿線(野方駅から井荻駅付近)連続立体交差の複線シールド工法検討に関する陳情で、杉並区の豊田浩さん外三人から提出されたものでございます。
 陳情の要旨は、都において、杉並区が現在検討中の下井草駅周辺まちづくりに大きな影響を与える西武新宿線野方駅から井荻駅付近の連続立体交差事業について、平成二十八年に比較検討した施工形式三案に加え、複線シールド工法による地下化案も示していただきたいというものでございます。
 現在の状況でございますが、本区間には、補助第一三三号線などと交差する十六か所の踏切がございまして、そのうち十三か所が開かずの踏切であるため、慢性的な交通渋滞や地域の分断が生じております。
 都は、連続立体交差事業調査を行い、平成二十九年四月に国から着工準備採択を受け、構造形式や施工方法の検討を進めてまいりました。
 中野区においては、野方駅周辺のまちづくりや鉄道立体化の範囲等を検討しており、その検討内容について、区と都で意見交換を行っております。
 また、杉並区においては、鉄道立体化を見据えた下井草駅周辺のまちづくりに関するオープンハウスなどを開催しており、そこで寄せられた意見等については、区と都で情報共有を図っております。
 引き続き、地元区や鉄道事業者と連携しながら、鉄道周辺の地形などの地形的条件、除却する踏切の数などの計画的条件、事業費などの事業的条件の三条件により、構造形式を比較検討するなど検討を深度化してまいります。
 説明は以上でございます。よろしくご審査のほどお願い申し上げます。

○曽根委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○小宮委員 西武新宿線野方駅から井荻駅付近の連続立体交差の複線シールド工法検討に関する陳情についてですけれども、現在、この区間に含まれる下井草駅周辺では、交通結節点機能の強化や歩行者の安全性の確保、また、にぎわい空間の創出などについて、杉並区と地域住民で話合いが行われています。
 西武新宿線の野方駅から井荻駅付近の連続立体交差事業は、今回の陳情で指摘されているように、下井草駅周辺のまちづくりに大きな影響を与える事業です。
 開かずの踏切の解消というのは、地域に限らず、誰もが望んでいるものでありますけれども、特に影響を受ける地元の住民や地元区の声を把握した上で、ぜひ進めていただきたいと考えます。
 まず、連続立体交差事業が沿線のまちづくりに与える影響について、東京都はどのように考えているのか伺います。

○久野道路建設部長 連続立体交差事業は、道路整備の一環として実施しており、数多くの踏切を同時に除却することで、交通渋滞や地域分断を解消するとともに、地域の活性化や防災性の向上にも資する極めて効果の高い事業でございます。
 また、本事業と併せて、地元区が駅周辺の道路整備など、まちづくりに取り組むことで、より高い効果を得られることから、地元区と連携して事業を進めていくことが重要と認識しております。

○小宮委員 開かずの踏切がなくなるということで、地域の活性化や防災性の向上につながるなど、効果の高い事業であるということですけれども、その構造形式が高架か、あるいは地下かによって、将来のまちづくりの可能性というものに大きく影響すると思いますが、鉄道立体化の構造形式の検討について、現在の取組状況を伺います。

○久野道路建設部長 本区間につきましては、平成二十九年に国から着工準備採択を受け、構造形式や施工方法の検討を進めてまいりました。
 現在、中野区が野方駅周辺のまちづくりや鉄道立体化の範囲等を検討しており、その検討内容や事業スキームなどについて、引き続き区と意見交換を行っております。

○小宮委員 現在の取組状況は分かりました。
 今回の陳情は、複線シールド工法により地下化をすれば、地域への影響が少ないとの理由から出されておりまして、こうした意見も踏まえて、鉄道立体化の構造を検討していくことが大切だと考えます。
 ほかの自治体の連続立体交差事業でも、複線シールド工法を採用している事例があると聞いております。今後、条件が整った段階で、複線シールド工法の検討を行うべきであると考えます。
 そこで、今後の複線シールド工法の検討について行うのか伺いたいと思います。

○久野道路建設部長 横浜市の相模鉄道本線鶴ケ峰駅付近連続立体交差事業では、複線シールド工法を採用していることは承知しております。
 都が実施した連続立体交差事業調査では、複線シールド工法に比べ、断面が小さく、支障物との離隔の確保や縦断的に狭い空間を通過する場合に有利となる単線シールド工法で検討を行っております。
 今後、鉄道立体化の範囲や事業スキーム等が定まった段階で、改めて構造形式の検討を深めてまいります。

○小宮委員 今後、立体化の範囲や事業スキームが定まった段階で、改めて検討を深めていくというご答弁をいただきました。
 複線シールド工法も含めて、構造形式の比較検討をしていくというものと理解をいたしました。
 東京都には、長くその土地に住み、まちを思い、まちの将来を真剣に考える地域住民の声にぜひ寄り添っていただいて、東京都ができる努力や検討をこれからもぜひ誠意を持って進めていただきたいということを求めて、私の発言を終わります。

○アオヤギ委員 共産党のアオヤギ有希子です。
 西武新宿線野方−井荻間での複線シールド工法による地下化案を示してほしいという今回の陳情は、この前の陳情より一歩踏み込んだ内容だと思います。
 前回、単線と複線シールドを比較した場合に、トンネルが二本から一本に変わりますので、直上の用地幅が大幅に複線シールド工法は狭くなり、複線シールド工法の方が買収すべき面積は減るが、用地買収費用は複線シールド化ではどれくらい減るのかということを私は前回お聞きしましたところ、比較をしていないという答弁でした。
 また、地下化をした場合に、高架化と比べ、どれくらい工期が短くなるのか聞いたところ、十二年でぴったり一緒だというお答えでした。
 明らかに高架化は地上部分が広がるわけですから、用地買収すべき面積が増え、交渉にもより時間がかかるのは考えられることです。
 そこでお伺いしますけれども、用地買収に要する期間は、一般的に地下化の場合と高架化の場合と比較すれば、地上につくる高架化が長くなるのではないですか。

○久野道路建設部長 用地取得につきましては、関係権利者の個々の事情に配慮しながら進めていくことから、一概には申し上げられません。

○アオヤギ委員 一般的に面積は全体的に広がるわけですから、相対的に用地買収する期間は増えていくというふうに考えられます。きちんと複線シールド化の場合も含めて、概算事業費を精緻化して出すべきだと思います。
 住民の声ですけれども、さきの陳情でも、議会でもご紹介したとおり、地権者の方たちは戦前や戦後、移り住んだ方、また、新しく移り住んだ方、新しく改築をした方、共通するのは、慣れ親しんで住んでいるということです。
 また、高架化は、立ち退きだけではなく、日陰が増え、騒音が大きくなるなど、住民に大きな負担となるということを申し上げました。
 鉄道立体交差事業は、そもそも踏切を除却して渋滞解消などを図るものだと思います。踏切を除却するために、沿線住民の負担を度外視してよいというわけではありません。地権者の皆さん、住民の皆さんの声を都はよく聞いていかなければならないと思います。
 なぜ複線シールド工法を検討してくれないのかというこの間の数多くの声がこれまで、運動団体の方たち、署名の数でも集まっておりますけれども、都は、沿線住民の複線シールド工法を求める声をどのように受け止めていますか。

○久野道路建設部長 本区間の構造形式の検討内容につきまして、様々なご意見があることは承知しております。

○アオヤギ委員 様々な意見があると承知しているということです。要望を聞いたんであれば、きちっと応えていただきたいと思います。
 野方−井荻間の概算事業費の計算は八年前のものです。地下化案は、単線シールド工法で計算されたものですが、複線シールド工法でも算出すべきではないですか。

○久野道路建設部長 都が実施した調査では、複線シールド工法に比べ、断面が小さく、支障物との離隔の確保や縦断的に狭い空間を通過する場合に有利となる単線シールド工法で検討を行っております。
 鉄道立体化の構造形式につきましては、立体化する範囲を決めた上で、高架や地下方式の比較検討を行っております。
 本区間につきましては、現在、中野区が鉄道立体化の範囲等を検討しており、区と意見交換を行っております。
 今後、鉄道立体化の範囲等が定まった段階で、改めて構造形式の検討を深めてまいります。

○アオヤギ委員 これまでは単線シールドで検討してきたと。鉄道立体化の範囲が決まった段階で、構造形式の検討を深めるということですので、深めるためには、私も複線シールド工法の検討も入ってくるだろうと考えます。
 また、この本陳情を採択することが、複線シールド工法を都に進めさせる後押しとなりますから、採択を求め、質疑を終わります。

○漢人委員 本陳情と同趣旨の陳情について、二月の委員会でも質問しているところです。
 二〇一六年度の概略検討では、標準的な工法で比較検討し、地下方式については、複線シールド比べて、断面が小さく、支障物との離隔の確保や縦断的に狭い空間を通過する際に有利な単線シールドで検討との答弁でしたけれども、何をもって標準的と評価するかについては、特に法令や規定上の定めがあるわけではないとのことでした。
 技術は日進月歩で、複線シールド工法についても技術の向上は著しいようです。複線シールド工法が採用されるケースは、確実に広がっています。先ほど小宮委員の答弁にも具体的な例が挙げられておりました。
 技術的な条件という点から見ると、一般的にいって、複線シールドに比べて、断面が小さく、支障物との離隔の確保や縦断的に狭い空間を通過する際に有利ということがいえるとしても、他方、複線シールドの場合は、水平方向の必要幅員が小さく、支障物からの離隔が取りやすい、地上への影響が少ないなどの優位性もあります。シールド断面の形状を柔軟に設計する技術も進んでいると聞きます。
 また、事業的条件については、用地取得の範囲が大幅に縮小される複線シールド方式は、事業費や事業期間という点で、単線シールドよりも優位に立つ可能性が高いことも広く知られています。
 事業費が急騰している昨今、また、用地取得が難航する公共事業が頻発していることも考えれば、この点の優位性は極めて重要であると考えます。
 そこで質問なんですが、野方駅から井荻駅間については、引き続き構造形式の検討の深度化を図っていくとのことです。この深度化の過程において、複線シールド方式での検討をあらかじめ排除するものではないという趣旨と考えてよいでしょうか。

○久野道路建設部長 鉄道立体化の構造形式につきましては、立体化する範囲を決めた上で、高架や地下方式の比較検討を行っております。
 本区間につきましては、現在、中野区が鉄道立体化の範囲等を検討しており、区と意見交換を行っております。
 今後、鉄道立体化の範囲等が定まった段階で、改めて構造形式の検討を深めてまいります。

○漢人委員 複線シールド方式での検討をあらかじめ排除するものではないのかという趣旨と考えてよいかということに対しての直接的な答弁ではないんですけれども、特定の構造形式を検討するとはされていませんので、裏返せば、特定の方式を排除することも決まっていないというふうに受け止めておきたいと思います。
 また、改めて構造形式の検討を深めるとの答弁でありますので、この深度化の過程においては、複線シールド方式を構造形式検討の俎上にのせて、最善の選択をしていくべきということについて、これは各会派委員の中でも既に広く共有されていることだと思います。
 私は、本陳情は採択すべきと考えておりますが、どうも趣旨採択を主張する会派が多数のようでもありますので、そこは議事進行にも協力をしていきたいということで考えております。
 以上で質問を終わります。

○曽根委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、趣旨採択とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○曽根委員長 異議なしと認めます。よって、陳情六第七号は趣旨採択と決定いたしました。

○曽根委員長 次に、陳情六第一一号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○大道公園計画担当部長 お手元配布の資料4、陳情審査説明表の二ページにございます整理番号2、陳情六第一一号をご覧いただきたいと存じます。
 本件は、自然を破壊している葛西臨海水族園の建て替え計画の見直しに関する陳情で、葛飾区の葛西の自然を守る会代表服部至道さん外五百四十六人から提出されたものでございます。
 本陳情の要旨は、都において、葛西臨海水族園の建て替え計画について、次のことを実現していただきたいというものでございます。
 一点目は、八百本の樹木を移植するのではなく、土壌と生態系を含めた樹林帯を保全するため、計画の見直しをすること。
 二点目は、PFI事業者の選定に関する審査過程について、事業者の同意を得てつまびらかに公表すること。
 三点目は、住民説明会を開催し、住民の声を計画に反映することでございます。
 現在の状況でございますが、一点目につきましては、新施設は、既存施設の老朽化等に対応するため、新たに整備するものであり、自然との共存をコンセプトに建設することとしております。
 新施設の整備におきましては、芝生広場を中心に建設し、既存樹木への影響を極力減らすとともに、周辺環境との調和にも配慮することとしております。
 計画敷地内の樹木のうち、支障となる樹木につきましては、可能な限り伐採ではなく移植するよう、現在、新施設の設計を進めております。
 二点目ですが、PFI事業者の選定に当たりましては、建築や環境などの専門家等から構成される技術審査委員会におきまして、落札者決定基準に基づき提案内容を審査し、落札者を決定いたしました。
 落札者決定基準及び技術審査委員会における審査の過程につきましては、都ホームページにおいて公表しております。
 三点目ですが、新しい水族園は、展示する魚の一部を子供たちが決めるプロジェクトを立ち上げるなど、都民の意見を聞きながら、誰もが楽しめる水族園をつくることとしております。
 また、今年の三月には、新しい水族園の概要などに関するオープンハウスを開催し、多くの方からご意見をいただいております。
 説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○曽根委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。
 機材の準備を行いますので、しばらくお待ちください。

○原委員 よろしくお願いします。
 都立葛西臨海水族園の整備事業について、自然を破壊している葛西臨海水族園の建て替え計画の見直しに関する陳情が出されています。提出者は、葛西の自然を守る会で、代表者は江戸川在住の方です。
 本水族園の年間パスポートを持っていまして、お子さんと一緒に何度も水族園や淡水生物館に足を運ばれる中で、今回の計画に疑問を持ち、この森を守りたいと声を上げられたそうです。
 樹林帯の保全など計画の見直し、PFI事業者選定の審査過程の公表、住民説明会の開催を求めています。
 陳情署名は、追加で五百四十六筆、賛同者が提出をされております。また、同趣旨のオンライン署名が四月二十六日から取り組まれており、今、二万二千三十三筆となっています。
 一か月たっていない中でのこの署名は、とても関心が高いということが分かります。
 水族園一帯を見渡せる写真を示しました。まず、水族園本館の北側にある新施設建設予定敷地について、二月八日に基本設計が出されて以降、この間の動きを確認していきます。
 四月三十日に突然、五月十九日で水辺の自然エリアの利用を終了すると建設局のホームページ新着情報でアップされました。すぐにSNSなどで私も発信をしましたが、みんな知らなくて本当に驚いていました。
 三月議会でのやり取りでは、淡水生物館の閉鎖時期について伺いましたが、今実施設計中なので、まだ先というふうに答えていただいていたと思います。局とのやり取りの中で、そういうふうに伺っていました。
 閉会日の三月二十八日に、樹木の扱いや計画の見直しを求める本陳情が付託され、間もなく陳情の審査日を本日五月二十三日と決定しました。まさかその陳情審査前に、淡水生物館を含む水辺の自然エリアが閉鎖されるとは思いもよりませんでした。
 水辺の自然エリアの閉鎖を事業者との間で決めたのは何月何日ですか。事業者から提示された日を、そのまま受け入れたのでしょうか、お答えください。

○大道公園計画担当部長 水辺の自然エリアにつきましては、飼育する生物の移転に際しまして、気温や水温の上昇に伴う生物への負担等に配慮するため、慎重に利用終了の時期を定める必要があり、事業者と調整を重ねた結果、最終的に五月十九日をもって利用終了とすることについて、四月三十日に正式な合意が調ったものでございます。

○原委員 毎議会に陳情がかかり、大変議論になっている中、今回も陳情が議会にかかることを分かっていながら、それを考慮せずに閉鎖の日程を強行するなどということはあり得ないことですが、なぜ強行したのですか。

○大道公園計画担当部長 繰り返しとなりますが、水辺の自然エリアにつきましては、飼育する生物の移転に際して、気温や水温の上昇に伴う生物への負担等に配慮するため、慎重に利用終了の時期を定める必要があり、事業者と調整を重ねた結果、最終的に五月十九日をもって利用終了とすることについて、四月三十日に正式な合意が調ったものでございます。

○原委員 このエリアの展示の取扱いについて問題だという声が多くの都民から寄せられているんです。陳情審査の前に閉めるなんて議会軽視だと思いませんか。大事な議論を無視して進めることは許されません。
 生物のバックヤードへの移動時期についてですが、それは三月議会が終わってから気づいたことではないですよね。今後のスケジュールを聞いたときに、バックヤードへの移動の時期を検討しているということを報告するべきではなかったんですか。
 告知の仕方も大変問題だと思います。これまで住民説明会すら一度も開かないまま、このエリアの閉鎖を決め、しかも、利用終了のお知らせをホームページに載せただけです。公式アカウントのポストは閉鎖の二日前です。現地に行っても、園内のどこにも五月十九日の閉鎖が掲示されないまま十九日を迎えました。
 川の流れや淡水生物館のお別れイベントなども何一つ行いませんでした。三十五年間へのリスペクトのない、あまりにも利用者やスタッフ目線に欠けており、都として無責任な閉鎖の仕方だと思いませんか。

○大道公園計画担当部長 三月二十九日から三日間にわたり、新しい水族園の概要を説明するオープンハウスを実施し、都民から多くの意見をいただいております。
 五月十九日の水辺の自然エリアの利用終了に当たりましては、都及び指定管理者のホームページに掲載し、広く周知するとともに、水辺の自然エリアで飼育する生物を整備工事の間、水族園バックヤードの水槽へ移転させる引っ越しイベントを、地元小学生を招いて五月十二日に実施しております。
 これらの取組は、いずれも指定管理者である東京動物園協会の現場スタッフと連携して実施しております。

○原委員 オープンハウスと閉鎖とは何にも関係ないですよね。お知らせが不十分であったことは、全く答えていません。
 水族園敷地全体の半分を占める展示、水辺の自然エリアを閉鎖するのだと、そういう認識を持っていらっしゃったんでしょうか。
 引っ越しイベントに参加した小学生たち、私も会いました。その付添いをされた保護者が、後でそのポスト、ツイッターで、この川の流れがなくなるってその日に聞いて驚いたと書いていました。
 現地の水辺の自然エリアは、田んぼの田植が四月の下旬に行われております。ご存じでしょうか。(画像表示)これです。私たちは収穫まで見ることができません。
 シランの花が咲いたという手づくりの、こういう案内カードもありました。そういうことをご存じでしょうか。
 このエリアの取扱いや、閉鎖の時期などを本当にスタッフと相談して決めたんでしょうか。管理している東京動物園協会の職員の皆さんは、何といわれているんでしょうか。お伺いします。

○大道公園計画担当部長 四月三十日にプレスリリースを行うとともに、都及び指定管理者のホームページで広く周知してございます。
 これらの取組は、いずれも指定管理者である東京動物園協会の現場スタッフと連携して実施しているものでございます。

○原委員 スタッフの思いを想像すると大変胸が詰まります。
 葛西の自然を守る会の服部さんの呼びかけで、水辺の自然エリアと淡水生物館の最後の見学会を実施しました。二日間にわたって実施し、百七十名が参加をしました。
 何でこんなすばらしい淡水生物館を壊すのか、なぜ三十五年かけて豊かに育った森を壊すのかとの疑問が口々に語られました。
 (画像表示)淡水生物館です。基本設計の鳥瞰図をお示しします。淡水生物館を壊すことになったのは、現淡水生物館を壊して、新施設内に淡水展示を設置するINOCHIグループのプランが採用されたからですよね。
 都は、要求水準書で淡水生物館をそのまま使ってもいいし、壊して淡水展示を別の本館のところに置いてもいいと、どちらもありの要求を出しました。それが大きな問題だったといえます。
 そして落選した事業者、TALグループが、淡水生物館や川の流れを残すプランを出していたことが後になって明らかになったことは、私も含め多くの人に衝撃を与えました。
 審査経過をつまびらかに知りたいとの陳情者の願意は、都民の知る権利において当然だといえますが、TALグループの提案内容と審査経過の詳細を公表するおつもりはないですか。

○大道公園計画担当部長 本事業におきましては、専門家等から構成される技術審査委員会において、落札者決定基準に基づき、提案内容を審査し、入札価格との合計点で落札者を決定いたしました。これらの経過については、都ホームページにおいて公表しております。
 なお、契約に至らなかった入札参加者の提案につきましては、都による事業者選定過程等の説明以外の目的には使用しないこととし、そのことを入札説明書に明記しております。

○原委員 TAL案、出ているんですよね。新聞報道で出されています。みんな知っているんです。
 淡水生物館の存廃や川の流れの解体の是非について審議されたのか、されなかったのかを知りたいです。今からでも審査の詳細の公表を求めます。
 樹木についてお聞きします。
 計画敷地にある千七百本の樹木のうち六百本が伐採、八百本を移植することが分かりました。
 都は、八百本の樹木を移植するのではなく、土壌と生態系を含めた樹林帯を保全するため、計画の見直しをすることという陳情項目1に対する審査説明表で、現在の状況についてこう書いています。
 新施設は、自然との共存をコンセプトに建設することとしている。新施設の整備においては、芝生広場を中心に建設し、既存樹木への影響を極力減らすとともに、周辺環境との調和にも配慮することとしている。
 二月に出された基本設計は、この考えに基づいて出されたと考えているということでよろしいでしょうか。

○大道公園計画担当部長 陳情審査説明表に記載の考え方に基づいております。

○原委員 続けて、こう書いてあります。計画敷地内の樹木のうち、支障となる樹木については、可能な限り伐採ではなく移植するよう、現在、新施設の設計を進めているとの記載です。
 しかし、そもそも千四百本の樹木がそこに置いておけない新施設の設計を公表したことへの自覚はありますか。

○大道公園計画担当部長 新しい水族園は、自然との共存をコンセプトに整備し、既存樹木への影響を極力減らすとともに、周辺環境との調和にも配慮することとしております。
 整備工事の影響を受ける樹木は、外来種や倒木等の危険がある樹木、健全度等に問題があり、移植しても枯れる可能性が高い樹木などを除き、移植することとしております。
 こうした樹木と保存する樹木を合わせ、約千百本が活用する樹木となります。

○原委員 移植をすれば、樹林帯を壊してもいいというふうに私には聞こえます。
 長年かけて自然の風景のように見事に再現した淡水展示や流れの展示と、千四百本の樹林帯を守るのではなく、スクラップ・アンド・ビルドし、森を消失させることを選んだのは東京都であるといえると思います。
 森を壊すことと、スクラップ・アンド・ビルド、この方針は、小池都政、小池都知事の考えでしょうか。

○大道公園計画担当部長 水辺の自然エリアは、渓流、池沼の水槽を備えた淡水生物館や展示物の一部として修景を兼ねた人工の流れを園地につくり、かつて東京周辺で普通に見られていた生き物を集めた展示を行っていたものでございます。

○原委員 今の答弁になっていましたか。意味不明です。こういうふうにいいたいんじゃないかなって思ったんですけど、展示で人工的につくったものだから、自然に近い状態になっている今の水辺の自然エリアであっても、人工的につくった展示だから壊しても構わないと、そういうことなんでしょうか。もう一回お答えいただきたいです。

○大道公園計画担当部長 繰り返しとなりますが、水辺の自然エリアは、渓流、池沼の水槽を備えた淡水生物館や展示物の一部として修景を兼ねた人工の流れを園地につくり、かつて東京周辺で普通に見られていた生物を集めた展示を行っていたものでございます。

○原委員 いや、そうなんですけど、そうなんです、だから守ってほしいっていっているんですね。
 基本設計の公表とともに、樹木の扱いについて、本当にこっそり、よくある質問を更新する形で公表がされました。
 よくある質問の中で、計画敷地にある樹木は千七百本で、うち伐採は六百本、保存、移植で千百本と表記しております。なぜ移植の本数をきちんと書いていないのでしょうか。

○大道公園計画担当部長 整備工事の影響を受ける樹木は、外来種や倒木等の危険がある樹木、健全度等に問題があり、移植しても枯れる可能性が高い樹木などを除き、移植することとしております。
 こうした樹木と保存する樹木を合わせ、約千百本が活用する樹木となります。そのうち、約三百本が保存、約八百本が移植の対象となる旨を、今年二月の本委員会においてお示しさせていただいたところでございます。

○原委員 保存と移植を同一のものとして合計して表記するのはやめてほしいんです。移植の本数をきちんと書き込んでほしいということなんです。書き直すよう求めておきます。
 千四百本が残置できない基本設計を都に出してきた事業者に対して、建設位置の変更などを求めたのでしょうか、求めなかったのでしょうか。

○大道公園計画担当部長 都は、事業者公募に際し、公園地内の樹木への影響を極力減らすように配慮し、樹木が支障となる場合は、移植を前提とすることを求めております。
 これにより、整備工事の影響を受ける樹木は、外来種や倒木等の危険がある樹木、健全度等に問題があり、移植しても枯れる可能性が高い樹木などを除き、移植することとしております。
 こうした樹木と保存する樹木とを合わせ、約千百本が活用する樹木となります。

○原委員 さっきと同じ回答だったような気がするんですが、求めていないということなんですね。理解しているということですね。
 三十五年間、東京都自身が大事に育ててきた樹木へのリスペクトが全く感じられません。事業者丸投げといわれても仕方ないと思います。
 本当にこういう態度で、緑、伐採、葛西臨海公園、水族園だけじゃありません。各地で問題になっています。こういう態度で、本当、東京都大問題だというふうに思います。
 樹木調査、行われましたが、結果が公表されていません。いつ公表されるんでしょうか。現地では、ピンクと青のテープがついた樹木が見受けられますが、このピンクのテープが多いんですが、この意味を伺います。

○大道公園計画担当部長 樹木の取扱いについては、事業全般の進捗状況と併せて、適切に公表することとしており、本年二月八日に更新した、よくある質問においてお示ししております。
 なお、水族園の樹木には、日常の維持管理作業等のために、委託業者等がそれぞれに印をつけており、個々の印の詳細について都は承知しておりません。
 新施設の計画敷地内の植栽した樹木のうち、整備工事の影響を受ける樹木について診断を実施しており、お話のテープは、その作業の過程で目印として付したものと考えられます。

○原委員 そういうことを知らなくていいんでしょうか。ちょっとお答えください。

○大道公園計画担当部長 繰り返しとなりますが、樹木の取扱いについては、事業全般の進捗状況と併せて、適切に公表することとしており、本年二月八日に更新した、よくある質問においてお示ししております。
 なお、水族園の樹木には、日常の維持管理作業等のために、委託業者等がそれぞれに印をつけており、個々の印の詳細については、都は承知していません。
 新施設の計画敷地内の植栽した樹木のうち、整備工事の影響を受ける樹木について診断を実施しており、お話のテープは、その作業の過程で目印として付したものと考えられます。

○原委員 知らなくていいということですが、とんでもないことです。仕事していないっていうことじゃないですか。
 伐採する木、移植する木、保存する木を色分けした図を公表していただきたいと思います。樹木調査の詳細についても公表を願います。いかがですか。

○大道公園計画担当部長 樹木調査は、整備工事を担う事業者が新施設の設計を行う上での必要性から実施したものでございます。
 都は、保存や移植などの本数の集計結果について適切に報告を受けております。個々の樹木のデータは保有しておりません。

○原委員 保存する木がどこかっていうのが分からないと、この木は残りますとかいえないんですよ。私、何回もご案内していますけど、都民の皆さんに、そのぐらいのことをちゃんといわなかったら、責任、都議としても取れないし、職員の方も分かりませんって答えているんでしょうか。本当にこういう無責任な態度では困ります。必ず公表を求めます。
 外来種が二百本とのことですが、通常、定期的な剪定において伐採することはないのでしょうか。花などの外来種は、ほかの草花を侵食してしまうために積極的に抜くことがあると思いますが、この葛西臨海水族園敷地の樹木においては、これまで外来種についてどのように扱ってきたんでしょうか。

○大道公園計画担当部長 外来種、約二百本は、水族園を整備した当時は、生態系を脅かす可能性がある外来種としての位置づけがなく、植栽したものでございます。
 今般、新しい水族園の整備に合わせて、これらの外来種を撤去することとしております。

○原委員 整備当時は、生態系を脅かす可能性がある外来種としての位置づけがなかったっていうことで植栽してきた、後から外来種という種類に位置づけられたということですね。
 大きな害が、侵食するというようなことが短時間で見られないっていうふうなことなんではないかと思うんですが、こういう機会に整理してしまおうということで、こういう機会というのがなければ、いられた木なのかなというふうにも思います。
 外来種については、その扱いについてもう少し詳しく報告をいただきたいというふうに思います。
 通常の樹木管理の際に、間引くことで光が入り、樹木のたくましい育ちを助けるという積極的な伐採もあるかと思います。伐採イコール悪ではないという声も聞こえてきます。
 今回の伐採は、そのような趣旨の伐採と明らかに違うと思いますが、いかがですか。

○大道公園計画担当部長 新施設の計画敷地の植栽した樹木のうち、倒木や枝折れの危険がある樹木や、健全度や生育状況に問題があり、移植しても枯れる可能性が高い樹木、生態系を脅かす可能性がある外来種を新しい水族園の整備に合わせて撤去するものでございます。

○原委員 ちょっと意地悪な質問をしてしまいました。そこに残置できないから整理したということで、その中で弱い木、枝折れの危険のある木、それはやっぱり移植には耐えられないということですね。だから、伐採するということになったんだというふうに思います。
 これまで公表してきた園内点検票でも、こうした注意木のある場所と、それぞれの木のデータ、写真が添付されて公表されています。そうしたデータが今回も公表されるのは当然だと思いますが、公表する予定はありませんか。

○大道公園計画担当部長 樹木調査は、整備工事を担う事業者が新施設の設計を行う上での必要性から実施したものでございます。
 都は、保存や移植などの本数の集計結果について適切に報告を受けております。個々の樹木のデータは保有しておりません。

○原委員 三十五年育った樹木を、今後新施設を建てるという理由で、樹木図面の公表なしに六百本も伐採し、八百本を移植することが都民の納得を得られるはずがありません。樹木図面、または樹木情報の公表を求めます。
 移植した木は、共生の杜に植えられるといいますが、工事の初段階で共生の杜に移すのか、または一旦計画敷地外に移し、新施設を建設してから、その後、共生の杜へ植樹するのか伺います。

○大道公園計画担当部長 樹木の取扱いについては、事業者が実施設計の中で検討しているものでございます。

○原委員 事業者任せにしないで、こうした樹木の扱い、自分たちで育ててきた三十五年間、最後まで責任を持っていただけないでしょうか。
 八百本全部共生の杜に行くのかということについても、明確な答えはいただいておりません。そういうことに対しても、どうなってしまうのかと思っております。
 残置を求めますが、どうしても移植しなきゃいけない木についての扱いについてもぞんざいにしないでほしい。知らないということは、やっぱりあり得ないというふうに思います。
 進め方について伺います。
 十九日閉鎖後の生物のバックヤードへの移動、建物の解体工事や樹木の伐採などのスケジュールを示してください。
 水辺の自然エリアへの入り口を閉鎖した後は、ブラックボックスで樹木をいつ切るのか、移植の実際など、都民には分からなくなります。そうしたスケジュールを示すべきと考えますが、いかがですか。

○大道公園計画担当部長 水辺の自然エリアで飼育する生物については、現在バックヤードへの移転を進めております。
 工事のスケジュールについては、進捗状況に合わせて、事業者が工事用の掲示板で適切に周知いたします。

○原委員 私たちは、事業者が工事用の掲示板で表示したものを見に行かなきゃいけないんですか。もう一回聞きます。

○大道公園計画担当部長 工事用のスケジュールにつきましては、進捗状況に合わせて、事業者が工事用の掲示板で適切に周知することとしております。

○原委員 見に行かなきゃいけないという答えでしたよね、今の。もっと事前に、もちろんなんですけど、知らせていただきたいのと、ホームページで少なくとも公表をしてください。
 子供を連れていくとかいうときに、どういう状態なのかということなんかを知っておく必要だってあります。これは公表が前提だというふうに思います。
 工事中の野鳥や生物への影響、鳥類エリアへの影響の予測と対策などはどのように捉え、対策するのかを伺います。

○大道公園計画担当部長 本事業は、東京都環境影響評価条例に定める環境影響評価の対象事業に該当いたしません。
 環境影響評価及びそれに準じた調査の実施は予定しておりません。

○原委員 聞いてほしいと思います。ボランティアで、日常的に鳥類園に入っていらっしゃる方々もいらっしゃるし、職員ももちろんいらっしゃいます。専門家もいらっしゃいます。野鳥の会などの保護団体もあります。そういうところへの意見聴取をちゃんとしておかないと、また情報を伝えておかないと、工事になって、本当に生物への影響が大きいというふうに思います。これはお願いします。
 基本設計について、専門家を交えた公開討論などで、実施設計に向けての間に練り上げる、そういう公開討論などの設定、必要だと思いますが、いかがですか。

○大道公園計画担当部長 基本設計は、事業者募集時に提出された提案に基づき、事業者自らが作成したものでございます。
 提出された提案は、建築や環境等の専門家などから構成される技術審査委員会において、落札者決定基準に基づき、審査されております。
 なお、事業者が行う基本設計等において、都がモニタリングを実施し、要求水準書等を達成しているかを確認する際には、専門家から助言を得ております。

○原委員 技術審査委員会というのはもう終わったものなんですよね。専門家からもう聞きましたと。基本設計から実施設計に向けて意見を聞きませんということではまずいと思います。専門家からの意見聴取をやってください。
 水族園は、生物多様性の大切さを多くの市民に広げる施設です。この葛西臨海水族園は、環境再生の象徴です。水族館が森を壊さないでという都民の願いは届きませんでしょうか。これからでも設計の見直しを検討していただけませんでしょうか。

○大道公園計画担当部長 基本設計は、事業者募集時に提出された提案に基づき、事業者が自ら作成したものでございます。
 なお、提出された提案は、建築や環境等の専門家などから構成される技術審査委員会において、落札者決定基準に基づき、審査されております。

○原委員 設計変更を都が検討せず、都民の要望が一向に届かない原因として、PFIの方式を取っていることが挙げられると思いますが、いかがですか。

○大道公園計画担当部長 本事業は、民間の自由な発想や最新技術等の活用、また、工期の短縮やコスト縮減等が期待できるという観点から、PFI方式を活用しております。
 基本設計は、事業者募集時に提出された提案に基づき、事業者自らが作成したものでございます。
 なお、提出された提案は、建築や環境等の専門家等から構成される技術審査委員会において、落札者決定基準に基づき、審査されております。

○原委員 実施設計前に閉鎖をして、このエリアの樹木を伐採するかもしれない、もう今日伐採を始めるかもしれない。そういうときにあります。
 現在のような豊かな樹林帯をつくってきたのは東京都であり、管理をする東京都公園協会や東京動物園協会の職員が丹精を込めて手を入れてきたものです。それを守るか、壊すかの最後の段階にあります。切るのは簡単ですが、残せば次の世代に引き継ぐことができます。
 設計の見直しは、水族園本館のガラスドームの設計の際にも、専門家の手で何度も練り直しをしていると伺っております。
 事業者主導ではなく、都がこの整備計画に責任を持つべきで、情報を非公開にせずに、公開を基本として、これからは進めていくべきだと思いますが、そのつもりはありますか。

○大道公園計画担当部長 これまで都ホームページ上のファクトシートや、よくある質問の公表により、分かりやすく正確な情報の発信を行うとともに、現在の水族園においても、整備後の新しい展示のイメージをパネルで示しているほか、この三月には、オープンハウスを実施するなどの取組を行っております。

○原委員 オープンハウスは、告知が三日前で、ホームページでのお知らせのみで、三日間のみ現地開催、地元の人は全く知らないうちに終わってしまいました。住民説明会を開くつもりはありませんか。

○大道公園計画担当部長 三月二十九日から三日間にわたり、来園者が多く通行する無料エリアなど、園内二か所で新しい水族園の概要などを説明するオープンハウスを実施し、延べ千名以上の方に足をお運びいただき、多くの意見を伺っております。
 説明会を開催する予定はございません。

○原委員 都民参加の機会がどのように今後保障されるのか伺います。

○大道公園計画担当部長 新しい水族園のオープンに向けては、展示する魚の一部を子供たちが決めるプロジェクトや、サンゴを育て環境を学ぶプロジェクトを立ち上げるなど、都民、特に子供たちと一緒に考える取組を積極的に推進し、誰もが楽しめる水族園をつくることとしております。

○原委員 それは事業者が考えた、都が考えたことで既に伺っております。今後の設計、そして水族園の様々な開園までの取組について、さらに都民参加の機会を要求します。
 既存本館の利活用について、専門家などの協力を受け、どのようなペースで検討を進めていくのか、その経過報告はきちんとされるのか伺います。

○大道公園計画担当部長 現在の水族園の本館は、新しい水族園のオープン後も保存していくこととしており、今後、建物をどのように保存し、利用していくか、建築家をはじめとした有識者の方々などとの意見交換や調査検討等を進めてまいります。
 こうした取組については、事業の進捗状況と併せて、適切に公表してまいります。

○原委員 陳情者の思いに私の思いを重ねて、どうしても要求したいことをいいます。
 住民説明会を開くこと、それから実施設計が決まるまで樹木の伐採と淡水館、川の流れの解体をやめていただきたい、このことを強く求めます。
 最後に、時間があまりないので、声を紹介したいと思いますが、お二方、松隈洋さん、神奈川大学建築学部教授、DOCOMOMO Japan、近代建築の記録と保存を目的とする国際学術会議の副代表の声です。
 社会教育的な施設としてつくられたはずなのに、それがテーマパークになっていくのかという、全てが商業化される流れに押し潰されようとしていると。多分、全国的に同じことが起きていて、都市公園法の改正とか、日比谷公園もこの流れに乗っている。パンとサーカスからいかに市民社会を取り戻すかという話だと思う。
 市民が公園を守り育てるという経験をしてこなかったということに気がつかされている。ただ唯一の救いは京都の植物園が一応押し戻すことができたということだ。三十五年間、育ててきたものを簡単に切るんだと。声を出さないものを虐殺すると、最後に人間が消えていくんだろうなと感じている。人間が生きている時間より長い時間そこにあってこそ文化を伝えられる。緑は育てながら次の時代に渡していくものだとおっしゃっています。
 鰺坂徹さん、DOCOMOMO Japanの代表、こんなお金をかけて建て替えて移すということに本当にびっくりしている。とても地方じゃできない話でもったいない。無駄遣いはしないでほしい。建物の寿命は五十年ではない、百年もつ。新しい建築学会のJASS5、標準仕様書の新築の基準は、もう百年に変わっている。
 以上です。ありがとうございました。

○須山委員 葛西臨海水族園の陳情に関してです。
 現在、五百筆以上の署名と、また、同趣旨のオンライン署名では二万筆以上の賛同を得ているということでした。
 私のところにもたくさんメールであったりとか、メッセンジャーとか、LINEであったりとかツイッターとかいろいろとご意見をお寄せいただいております。
 私たち立憲民主党としては、こうした再整備であったり、開発に関しては、最大限樹木や自然を守り、生かした整備を進めることを訴えてまいりました。葛西臨海水族園に関しても同様でございます。
 さて、この葛西臨海水族園ですが、園内の水辺の自然エリアは、かつて東京周辺に生息していた淡水生物を展示する水族園の一施設であり、新しい水族園の整備事業に伴い、五月十九日をもって利用は終了となってしまったというふうにも伺っております。
 このエリアも含む葛西臨海水族園や葛西臨海公園には多くの樹木が生育しており、子供から大人まで本当に様々な方が、来園者に親しまれる緑豊かな施設となっていると伺っております。
 そこでまず、確認をしておきたいんですけれども、都立公園における樹木の取扱いの基本的な考え方について伺います。

○大道公園計画担当部長 公園の樹木は、憩いの場や多様な生物の生息空間といった公園の役割を効果的に果たすことができるよう、樹木の成長を想定して、樹木等の種類や大きさ、本数、密度等を定め、公園全体のバランスを考慮しつつ、計画的に植栽の整備を行っております。
 また、維持管理に当たりましては、植栽した樹木が健全に生育し、植栽の目的、機能が十分に果たせるよう、樹木の除伐、剪定、刈り込み、病害虫予防など計画的に行っております。

○須山委員 都立公園では、公園が持つ様々な機能、目的、役割、そういったものを果たせるように、計画的に樹木を植栽して維持管理をしているということが分かりました。
 特に樹木は、自然に任せることも大事かもしれないんですけれども、それ以上にやはり人間の手をしっかりと入れていくことによって、木も森もより健康に維持ができるというふうにも考えております。
 現在の葛西臨海水族園は、施設の老朽化をはじめとする様々な課題を抱えており、それを解決するために、今回、リニューアルをすることになったと理解しておりますけれども、そこで新しい水族園の整備工事に当たり、どのように樹木を取り扱うことにしたのかをお聞かせください。

○大道公園計画担当部長 新しい水族園は、自然との共存をコンセプトに整備し、既存樹木への影響を極力減らすとともに、周辺環境との調和にも配慮することとしております。
 整備工事の影響を受ける樹木は、外来種や倒木等の危険がある樹木、健全度等に問題があり、移植しても枯れる可能性が高い樹木などを除き、移植して共生の杜に活用するなど、生かしていくこととしております。
 加えて、共生の杜には新たな植栽も行ってまいります。

○須山委員 新たな植栽も含めて、今、様々計画をしているんだと思いますけれども、既存樹木への影響を減らすために一定の配慮がなされているということも分かりました。
 新しい水族園は多くの都民が今、関心を寄せている大きな事業でありますし、積極的に正確な情報発信をしていくこと、これも非常に重要だと考えます。
 昨年度末には新しい水族園の模型なども展示して、新しい水族園の概要などを説明するという、オープンハウスを開催したと伺っておりますけれども、そのオープンハウスにおいて、来場者から具体的にどのような声が寄せられたのかをお聞かせいただきたいと思います。

○大道公園計画担当部長 今年三月二十九日から三日間にわたり、水族園の館内と屋外の無料入園区域の二か所で、新しい水族園の概要などを説明するオープンハウスを実施し、延べ千名以上の方に足をお運びいただきました。
 アンケートでは、最先端の技術を使い、音や映像などにより生き物がすむ世界を体感する展示や、新しい水族園で展示する魚の一部を子供たちと決めるおさかなプロジェクトなどに高い関心が寄せられ、また、自由意見として、より多くの人が楽しめるバリアフリー化、生物の研究や子供の教育への貢献などに期待する声が寄せられております。

○須山委員 オープンハウスで延べ千人以上いらしたということでありましたし、本当に新しい施設に高い期待を寄せられているというふうな声があったというふうに伺いました。
 ただ、ここに来て、やっぱり冒頭に申し上げたとおり、本当にたくさんの方が今、この件に関してさらに関心を持つようにもなりました。
 そうした意味においては、やっぱり東京都としてさらに多くの都民の皆さんの声、これにしっかりと耳を傾ける必要が出てきていると改めて感じております。
 様々な意見がある中で、我々立憲民主党といたしましては、整備事業においては、環境への配慮を最大限行うべきであり、二〇三〇年カーボンハーフ、二〇五〇年までのカーボンニュートラルの達成のためにも、温室効果ガスの排出量の削減並びに吸収作用のある樹木の保全及び強化を行う必要があり、吸収作用の保全及び強化の点からしても、樹木の伐採は可能な限り削減をしていっていただきたいと。
 また、新施設の整備事業において、既存樹木への影響を最大限減らすとともに、樹木の移植、保全を行うべきと考えております。
 また、水辺の自然エリア一帯の樹木の保全を行うべきです。整備事業で使用するエリアや工事車両が通行するルートなどを検討する中で、移植でなく、さらに樹木を保全するという選択肢を取るべきであると考えます。
 こうしたことを要望して、都民からの新たな葛西臨海水族園に対しての諸意見を踏まえて、樹木の伐採を最大限行わないように、整備事業における配慮をしていただくよう訴えさせていただきまして、私の質問を終わります。

○もり委員 葛西臨海水族園の建て替えについては、これまでも多くの都民から、森の生態系を守ってほしいとの声が寄せられ、本会議、陳情審査、事務事業質疑等でも幾度も、この委員会においても質疑が重ねられております。
 それでも葛西臨海水族園の建て替え計画に都民の納得が得られないのは、都民に対して真摯な情報公開が不十分であるからと考えます。
 葛西臨海水族園の建て替えについて、二二年一月に公募がスタートし、PFIによる事業者が決定しましたが、その事業者選定における資料について、都民に明らかにされぬままでは、都民の税金を使う事業として、費用の妥当性も、生物多様性の保全の妥当性も、都民の情報公開開示請求に対して黒塗りで、議会にも都民にも情報公開が行われぬままでは、到底都の計画に賛同することができないのです。
 建設局の質疑の中で、情報開示できない理由は、提案に企業のノウハウが含まれるため、著作権の侵害に当たるとの答弁もありましたが、都民の税金で行う事業において、都民が納得しないまま進めることは決してあってはならないと考えます。
 まして二者の応募において、環境保全の視点からも、入札価格においても、選ばれなかった事業者の案の方が都民の願いを酌み取るものであるのだとしたら、事業者選定が極めて不明瞭のままでは、議会として環境破壊に賛同することはできません。
 PFI事業者の選定に関する審査過程について、黒塗りではなく、明らかにすべきと考えます。都の見解をお伺いします。

○大道公園計画担当部長 本事業においては、専門家等から構成される技術審査委員会において、落札者決定基準に基づき、提案内容を審査し、入札価格との合計点で落札者を決定したものでございます。
 これらの経過につきましては、都ホームページにおいて公表しているところでございます。

○もり委員 先ほどから他の委員にも同じ答弁が繰り返されております。情報公開は、民主主義の一丁目一番地であり、都民と決める、都民と進める都政を標榜した小池都政として、審査過程において、事業者の同意を得て公表すべきと考えます。
 三十五年の年月をかけて育まれてきた水族園周辺の生態系、五月十九日、先日の日曜日で水辺の自然エリアは廃止をされましたが、自然豊かであったかつての東京の水辺を人工的に再現したエリアは、都民の憩いの場として長年親しまれ、野外の流れは人工河川ですが、周辺に様々な植物が茂る水辺には、昆虫や両生類、カワムツ等の魚が泳ぐ生物多様性の宝庫となっていました。
 自然は一度破壊されれば元に戻りません。気候危機による自然災害の激甚化、持続可能な自治体運営が求められ、生物多様性地域戦略を策定した東京都として、この地域の生物多様性をどのように保全していくのか。水辺の自然エリアに生息している生き物は、バックヤードの水槽に移して新たな水族館で展示するとのことですが、ロンドン・オリンピックの開発の際には、その土ごと生物多様性の保全が行われたとのことです。
 葛西臨海水族園の再整備においても、土壌と生態系を含めた樹林地の保全が求められると考えますが、都の見解を伺います。

○大道公園計画担当部長 新施設の整備に当たりましては、整備工事の影響を受ける樹木は、樹木医による樹木診断を実施の上、移植し生かしていくこととしております。この考え方に基づき、現在事業を進めております。
 新施設と既存施設との間に移植する樹木を活用するとともに、新たな植栽も行って、共生の杜を整備するなど、緑豊かな環境をつくってまいります。

○もり委員 ぜひその際には、この土壌の生態系も含めた保全が行われるよう努めていただきたいと、改めて要望させていただきます。
 また、現在、計画地に現存する千七百本の樹木のうち、六百本が伐採、八百本が移植で、現地保存されるのは三百本と公表されております。
 国立競技場建設の際にも多くの樹木が移植をされましたが、現在確認できるのは数本のみと、移植の難しさが指摘をされております。
 樹木医による危険性の判断や、移植されても枯れる可能性の高い樹木等、四百本の雑木の伐採が行われますが、これまで三十五年間、倒木などはあったのでしょうか。日比谷公園の広場もそうですが、多くの樹木が移植により枯れる可能性が高いと判断した理由をお伺いします。

○大道公園計画担当部長 樹木診断の結果、幹に亀裂や空洞、病気による腐朽があるなど、不健全な状態にあるものについては、倒木や枝折れの危険性があると判断されました。
 また、隣接樹木が密接しており、根鉢の確保が困難であるなど、生育状況に問題があるものについては、移植しても枯れる可能性が高いと判断されました。

○もり委員 樹木を守るためには、樹木の専門家を交えた万全な保全策を示すべきと考えます。移植の八百本は、どこでどのように保全をされるのかお伺いをいたします。

○大道公園計画担当部長 整備工事の影響を受ける樹木は、樹木医による樹木診断を実施の上、移植し、共生の杜の整備に活用するなど、生かしていくこととしております。

○もり委員 先ほど原委員の質疑の中では、どの樹木がどこに行くのか、その全体が示されていないというような質疑もありました。これは大変問題であると考えますので、ぜひ明らかにしていただきながら、しっかりと保全に向けては情報公開を行いながら進めていただきたいと、こちらも要望させていただきます。
 また、近年の都市開発において、オープンハウス型の説明会が開催されておりますが、東京都の計画の一方的な広報になりがちであることを懸念しております。
 本来、住民説明会の目的は、住民の生の声を聞くことにあり、参加者も他の参加者の意見から理解を深めることになります。
 今回、五百四十六名の方から署名が追加をされました。住民説明会を開いてほしいとの都民の声に応えるべきだと考えますが、都の見解を伺います。

○大道公園計画担当部長 三月二十九日から三日間にわたり、来園者の多く通行する無料エリアなど、園内二か所で新しい水族園の概要などを説明するオープンハウスを実施し、延べ千名以上の方に足をお運びいただき、多くの意見を伺っております。
 その結果は、都ホームページにおいて公表しております。説明会を開催する予定はございません。

○もり委員 このオープンハウスにどれぐらいの地域住民が来ていたかということをお聞きしたところ、それが把握をされていないということでした。
 ですので、我が会派の田の上委員もこのオープンハウスに行ったとのことなんですけれども、本当に通りがかりの方や、観光客の方も通りがかりでお話を聞いていたり、説明会を今する予定はないとのお答えがありましたが、オープンハウス型の説明会では、水族園を訪れた都外、区外の観光客の方も多く、本当に地域住民の声を吸い上げるものにはなっていないという現状があります。
 隣接する葛西海浜公園などは、東京で初めてラムサール条約湿地にも登録をされ、生物多様性の豊かなエリアであり、多くの都民の理解が十分でない現状を重く受け止めていただきたいと改めて要望いたします。
 都民の納得が得られるよう、黒塗りではなく事業者選定における情報公開を行い、地域住民に丁寧に理解を求めるため、オープンハウス型ではなく、都民の声と理解を深めるための、都民と未来を共につくっていくための説明会を開催することを改めて求め、採択を主張いたします。

○漢人委員 私からは、意見表明をさせていただきます。
 この葛西臨海水族園の建て替えに関する陳情は、これまでも度々提出されてまいりまして、私は見直しを求める立場で立場表明し、主張してきました。
 そもそもテーマパーク的な水族館としての充実を図ることを優先した都の方針が間違っています。
 要求水準書の段階において、都民の財産である三十五年かけて育んできた貴重な樹林地を維持し、その自然環境の保全を第一とする条件の中での最善の建て替え計画を追求するべきでした。
 陳情の説明として出されている現在の状況、これまでの中にも、自然との共生をコンセプトにするということが繰り返されておりますけれども、こういった状況の中では、もうこういうのはグリーンウオッシュとしかいいようがないかというふうに思います。
 リニューアル工事の自然の水辺エリア、淡水生物館と芝生広場は既に五月十九日で閉鎖をされてしまいましたが、まだ伐採、破壊はされていないようです。
 この都立公園における大規模な自然破壊は、ここに来てこれまでになくさらに広範な関心を呼んでいます。
 本陳情と同趣旨の二つのオンライン署名が行われておりますが、その賛同者は本当に一気に増えて、本日、先ほど確認したところ、もう四万三千人を超えている状況です。本当に多くの注目を浴びています。
 たった三日前に告知したオープンハウス、また、本日の答弁の中では、その樹木の現況ですとか、今後どのように保全や移植がされていくのかの方針についても把握をしようともしない、もう事業者に丸投げだという、これだけ関心があることについてもそのような無責任な対応も明らかになりました。
 このような状況の中で、この事業をこのまま進めるということは、大きく都民の思いに反するものであるというふうにいわざるを得ません。今回がもしかすると、最後のチャンスかもしれません。
 議会としてぜひこの陳情を採択し、計画の見直しを求めることをぜひ行いたいということを委員の皆さんに呼びかけまして、私の意見表明といたします。

○曽根委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○曽根委員長 起立少数と認めます。よって、陳情六第一一号は不採択と決定いたしました。
 陳情の審査を終わります。
 以上で建設局関係を終わります。
 なお、本日審査いたしました請願陳情中、採択と決定いたしました分につきましては、執行機関に送付し、その処理の経過及び結果について報告を請求することにいたしますので、ご了承願います。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後五時三十五分散会