環境・建設委員会速記録第四号

令和六年三月十九日(火曜日)
第九委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長曽根はじめ君
副委員長原  純子君
副委員長須山たかし君
理事細田いさむ君
理事山田ひろし君
理事小松 大祐君
漢人あきこ君
もり  愛君
アオヤギ有希子君
こいそ 明君
成清梨沙子君
小磯 善彦君
小宮あんり君
増子ひろき君

欠席委員 なし

出席説明員
建設局東京都技監建設局長兼務中島 高志君
次長古屋 留美君
道路監花井 徹夫君
総務部長荒井 芳則君
用地部長澤井 晴美君
道路管理部長若林  憲君
道路建設部長久野健一郎君
三環状道路整備推進部長手塚 寛之君
公園緑地部長佐々木 珠君
河川部長斉藤  有君
企画担当部長松島  進君
総合調整担当部長東山 正行君
建設DX推進・危機管理強化担当部長DX推進担当部長兼務儀間  潔君
道路保全担当部長原田 和生君
無電柱化推進担当部長今宮 正純君
道路計画担当部長周郷 友義君
公園計画担当部長根来 千秋君
河川防災担当部長小木曽正隆君

本日の会議に付した事件
建設局関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 令和六年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為 建設局所管分
付託議案の審査(質疑)
・第百八号議案 東京都道路占用料等徴収条例の一部を改正する条例
・第百九号議案 東京都河川流水占用料等徴収条例の一部を改正する条例
・第百十号議案 東京都立公園条例の一部を改正する条例
・第百十一号議案 東京都霊園条例の一部を改正する条例
・第百三十二号議案 令和六年度の連続立体交差事業の実施に伴う費用の関係特別区・市の負担について
・第百三十四号議案 首都高速道路株式会社が行う高速道路事業の変更に対する同意について
報告事項(質疑)
・「パークマネジメントマスタープラン」の改定について

○曽根委員長 ただいまから環境・建設委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、建設局関係の予算の調査、付託議案の審査及び報告事項に対する質疑を行います。
 これより建設局関係に入ります。
 予算の調査、付託議案の審査及び報告事項に対する質疑を行います。
 第一号議案、令和六年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為、建設局所管分、第百八号議案から第百十一号議案まで、第百三十二号議案、第百三十四号議案及び報告事項、パークマネジメントマスタープランの改定についてを一括して議題といたします。
 本案及び本件につきましては、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○荒井総務部長 去る二月十四日の当委員会において要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
 お手元の環境・建設委員会要求資料をご覧ください。
 表紙をおめくりいただきますと、目次に十件の資料の件名が記載してございます。
 一ページをお開き願います。1、建設局の事業別予算・決算額の推移でございます。
 この表は、骨格幹線道路など建設局の主な事業につきまして、平成二十七年度から令和四年度までの当初予算額と決算額、令和五年度当初予算額及び令和六年度予算案の額を表したものでございます。
 二ページをお開きください。2、道路橋梁費における事業別財源内訳でございます。
 この表は、令和六年度予算案における道路橋梁費につきまして、それぞれ事業別に事業費及び国庫支出金など財源内訳を表したものでございます。
 三ページをご覧ください。3、直轄事業負担金の推移でございます。
 この表は、直轄事業負担金につきまして、平成二十七年度から令和四年度までの決算額、令和五年度当初予算額、令和六年度予算案の額及び各年度の主な事業箇所を表したものでございます。
 四ページをお開き願います。4、建設局に係る中小企業への工事発注実績でございます。
 この表は、建設局が中小企業へ発注した工事につきまして、平成二十六年度から令和五年度までの発注件数、発注率及び金額を表したものでございます。
 なお、令和五年度につきましては、十二月三十一日現在の数値でございます。
 五ページをご覧ください。5、建設局発注工事における事業別入札不調件数及び発生率でございます。
 この表は、建設局が発注した工事につきまして、令和三年度から令和五年度までの入札不調件数及び発生率をそれぞれ事業別に表したものでございます。
 なお、令和五年度につきましては、十二月三十一日現在の数値でございます。
 六ページをお開き願います。6、骨格幹線・地域幹線道路の計画概要と進捗状況でございます。
 六ページから九ページの表は骨格幹線道路について、一〇ページから一五ページまでの表は地域幹線道路につきまして、それぞれ整備計画の概要と進捗状況及び用地取得率を路線別に表したものでございます。
 一六ページをお開き願います。7、都市計画道路の整備方針における未着手路線(建設局施行)でございます。
 一六ページから二〇ページまでの表は、平成二十八年三月に策定されました東京における都市計画道路の整備方針(第四次事業化計画)のうち、令和五年十二月三十一日現在におきまして未着手となっている路線名、区間、延長を表したものでございます。
 二一ページをご覧ください。8、骨格幹線・地域幹線道路の事業化前の調査費計上路線でございます。
 二一ページから二三ページまでの表は、骨格幹線道路と地域幹線道路の事業化前の調査費計上路線につきまして、令和六年度の予算案に計上している路線名、区市町村、金額を表したものでございます。
 二四ページをお開き願います。9、特定整備路線の進捗状況(建設局施行)でございます。
 この表は、建設局が施行する特定整備路線につきまして、令和五年十二月末現在の境界立会い率及び用地取得率を路線別に表したものでございます。
 最後に、二五ページをご覧ください。10、砂防、地すべり対策、急傾斜地崩壊対策の整備箇所でございます。
 二五ページから二六ページまでの表は、砂防、地滑り対策、急傾斜地崩壊対策につきまして、令和四年度の決算額、令和五年度当初予算額、令和六年度予算案の額を箇所別に表したものでございます。
 以上で要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○曽根委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本案及び本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○小松委員 無電柱化の事業について初めに伺いたいと思います。
 この課題は、我が会派でも小宮あんり委員、先頭に立って、ずっと長年取り組んできたテーマでもあります。
 また、東京都は、東京の強靱化プロジェクトを策定されて、災害対策を進めており、この中に無電柱化の事業も位置づけられています。
 今年の一月に能登半島地震が発生して、無電柱化をはじめとする災害対策の重要性というのはこれまで以上に高まりを見せているというふうに思います。
 都道の無電柱化については、加速して取り組んでいるということは承知していますが、災害時の電柱倒壊などの影響が都民に直接的に及ぶおそれがあることを考えれば、都民に身近な区市町村道こそ、この無電柱化の取組、さらに進めていかなくてはならないと考えています。
 そこで、区市町村の無電柱化の取組の状況を伺います。

○今宮無電柱化推進担当部長 区市町村は、平成二十八年の無電柱化推進計画に関する法律の施行を受け、無電柱化に関する基本的な方針、計画の期間、目標などを定めた推進計画の策定に取り組み、現在、三十二の区市が推進計画を公表してございます。
 区市町村が無電柱化を進めるに当たっては、これまで都の補助制度でございますチャレンジ支援事業制度や、防災に寄与する路線に関する支援などを五十五の区市町村が活用しております。
 例えば、世田谷区におきましては、都の補助制度を活用いたしまして、来年度は区役所通りなど四か所で事業を予定してございます。

○小松委員 区市町村の取組状況、今ご答弁いただきました。東京都は、六十二の区市町村がありますが、今のご答弁だと約半分の区市町村は計画を公表していないということが確認されました。
 計画の策定というのは、努力義務にもかかわらず、まだ半数がこの計画を準備されていない、策定されていないということであります。これは恐らく様々な理由があって、無電柱化に取り組む区市町村とそうでない区市町村、差が生まれているんだろうというふうに思います。
 区市町村の無電柱化を進めていくためには、こうした区市町村が、無電柱化の取組の状況の差を都民に分かりやすく伝えていくということが必要なんじゃないかなと考えます。この差を見える化していくことで、区市町村それぞれの事業進捗状況の認識ができるのではないかなというふうに思います。
 例えば、数年前、文科省が公立学校のトイレの洋式化、多分各自治体は差が出て、非常に嫌だったと思うんですけど、これ、明らかにしました。どの自治体が進んでいて、どの自治体は遅れているのかが明らかになりました。そうしたことによって、各地方議会でもっと進めるべきじゃないかという議論が活発になって、今大分都内でも学校の洋式化、進んできたんです。
 これ、十年前、僕、都議会に来たときにその話をしたら、新聞にも出ていましたけど、和式のトイレを使えなくなったら困るから、その練習も兼ねて和式も残すんですと普通に答えていました、教育庁は。でもそうじゃなくなってきていると。
 やっぱり見える化して差が出てくるということが一つ議論の大きなきっかけになるんじゃないかなというふうに思います。こうして見える化をすることによって目指したいのは、安易な、様々な行政サービスの、いわゆるそういったサービス合戦じゃなくて、健全な自治体間競争が生まれて、都民の本当の意味での安心・安全なまちづくりが進むんじゃないかなということを期待されるべきだと思います。
 そこで、区市町村の取組状況を都民に分かりやすく伝える努力をしていくべきと考えますけれども、見解を伺います。

○今宮無電柱化推進担当部長 無電柱化を推進するに当たりましては、都民の理解を深めることが重要でございます。
 区市町村が法律に基づき推進計画を策定、公表するに当たっては、都は、チャレンジ支援事業制度などにより、支援や助言を行ってございます。
 都は、区市町村に対し、引き続き計画の公表に向けた働きかけを行うことに加え、今後、都のホームページなどで、都民に対し分かりやすい情報提供が行えるよう、その方法を検討してまいります。

○小松委員 東京都が一生懸命こうして新しい都道がつくられるたびに無電柱のまちづくりをしているわけですから、一緒の方向で向かえる自治体をどうやって増やしていくか。
 例えば予算、こうしたチャレンジ支援などのインセンティブ、財政的なインセンティブみたいなのも一つでしょうけれども、見える化も含めて、ぜひ検討していただきたいというふうに思います。
 先ほどのトイレの洋式化じゃないですけど、見える化をして意識を高めていくことの一番大きな目的は、都民だけではなくて、それぞれの基礎自治体の職員や議員にこそ、この見える化の意識がより高まることにつながるんじゃないかなと思うんです。
 そうしたことによって、それぞれの自治体でのこの事業の推進を後押ししていく、そのことに欠かせないことだというふうに思っています。
 また、いろいろこの間、勉強させていただく中で、一つボトルネックになっているのが、区市町村の職員の技術力なんだろうというふうに思います。
 実際に工事を作業することだけではなくて、ノウハウであったりとか、設計力であったりとか、指示、チェックするについても、区市町村職員にそれぞれ技術がなければできないということもよく分かりました。
 この技術力向上を図ることが必要だということは分かりますけど、都は、そうした区市町村をどうやって後押しをするのか確認します。

○今宮無電柱化推進担当部長 区市町村が無電柱化を推進するためには、都からの財政的支援に加え、各自治体の無電柱化に携わる職員が経験や技術的ノウハウなどを身につけることが必要でございます。
 このため、現在、都は、全区市町村の職員に対し、実物大モデルを活用した実践的な研修会を開催するとともに、情報共有の場として連絡会議を開催してございます。
 今後、区市町村のニーズを踏まえて、例えば、取組が進んでいる自治体の最新の実施事例を共有するなど、区市町村職員の経験値の底上げに資するような研修会などの内容の充実を図ってまいります。
 こうした取組によりまして、区市町村の無電柱化を積極的に後押ししてまいります。

○小松委員 以前区議にこのチャレンジ支援の事業を紹介しました。区の方に話を持っていってもらったら非常に後ろ向きな対応をされたということでありました。
 一つこのチャレンジ事業が予算としての後押しにはなっているはずなんですけれども、今ご答弁いただいたとおり、多分技術の面であったりとか、そうしたことも後ろ向きにする理由なんだろうと思います。
 それぞれの自治体が前向きに、ぜひ何が何でもやりたいというふうに思ってもらえるような仕組みを、もう一段ブラッシュアップしていく必要があるかなというふうに思いますので、これからも検討をよろしくお願いしたいと思います。
 もう一つは、懸念しているのは、物理的に無電柱化するにはなかなか難しい道路も存在するんだと思っているんですね。
 こうしたところは、せめて倒壊しないように、さらに補強をしてもらう必要があるんじゃないか。東電なりNTTなり、そういう呼びかけをしているのか、そうしたことの後押しができないだろうかって話をしたところ、今、東京都は無電柱化を進める中で、一方で、倒壊しないような、そうしたメニューというのはちょっとなかなか難しいみたいな話があったんですけど、これ、道路の種類によってとか、学校や避難所や病院とか、どうしても電柱が倒れられたら困るけど、スペース的に無電柱をするにもなかなか厳しいよな、そんな道路って存在するのはよく分かるわけですから、そうしたメニューも、やっぱり無電柱化と一緒に考える必要があるということを提案して、次の質問に移ります。
 今度は都市計画道路を伺います。
 地元の補助五四号線の整備、榎から祖師谷公園までの四百三十メートルの区間、これ昨年の四月に開通したんです。もうこれ、地元の大変悲願でありました。
 この開通した区間に並行する都道一一八号線というのは、恐らくネットなんかでも検索しても出てくるんですけど、最も狭い東京都道といわれています。
 幅員が五メートルのような場所もありまして、なのに通学路として利用しなきゃいけなかったり、私が保育園の頃は、その道を通って地元の公園まで遊びに、いわゆる保育園として、小旅行というんですかね、遠足をしていたわけでございまして、非常に昔から危険だったわけであります。そうした待ちわびた開通がありました。
 先日、整備効果が出たということでございますが、この整備効果について伺います。

○久野道路建設部長 補助第五四号線は、渋谷区富ヶ谷から世田谷区上祖師谷に至る約九キロメートルの地域幹線道路であり、多摩地域へつながる重要な道路でございます。
 昨年四月に開通した区間の整備効果を把握するため、交通開放から約六か月後に交通量調査を実施いたしました。調査によりますと、開通区間に並行する都道一一八号線の交通量が約九割減少しております。また、成城通りとの交差点から環状八号線の千歳台交差点までの所要時間が十三分から七分へとおおむね半減するなど、交通の円滑化が図られました。
 沿道住民等を対象としたアンケート調査では、約九割の方から、歩行者の安全性、快適性が向上したとの評価をいただいております。

○小松委員 開通区間についての整備効果について分かりました。
 都道一一八号線は、この今回開通した区間のさらに西側にも幅員の狭い道路がまだ残っていまして、仙川駅の方に向かう路線バスが往来するなど大変危険な状況というのは、ここの区間もまだまだ残っているわけであります。
 この状況を改善するためには、今回つくられたこの補助五四号線の成城通りのさらに西側の整備も進めていく必要がありますが、その取組状況を伺います。

○久野道路建設部長 補助第五四号線の世田谷区上祖師谷四丁目から五丁目までの四百八十メートルの区間につきましては、本年一月に事業認可を取得いたしました。
 今後、年内に開催を予定している用地説明会に向け準備を進めるとともに、道路の設計や関係機関との協議を行ってまいります。
 引き続き地元の理解と協力を得ながら、着実に事業を進めてまいります。

○小松委員 補助五四号線は、自動車交通の円滑化のみならず、地域の安全性や防災性の向上など、まさに、世田谷の中では最も西側の地域ですから、区部と多摩を結ぶ地域にもたらす効果が非常に大きく期待される道路だというふうに思います。着実に取り組んでいただきたいと思います。
 また、この開通した区間に当たっては、多分十年とはいいませんけれども、七、八年近く、毎年丁寧に説明会を開いていただいて、地元の声を聞いていただきました。
 ということで、この西側のところについても、かなり前々から、事業化が決まる前から理解を示してくださっている方が非常に多いわけでございまして、こうした姿勢を引き続き求めてまいりたいというふうに思います。
 道路と公園についてそれぞれ伺いました。そこで重複についてちょっと伺いたいんです。これ重複って何かというと、第四次都市計画道路の整備方針、これ冊子は、都市整備局さんがまとめられているものですけど、この中に、実は一〇一ページにコラムでちょっと取り上げてもらったものがあります。
 これ、世田谷区の祖師谷公園の通りと杉並区の善福寺川緑地のところなんですけど、何かというと、都市計画の区域内に都市計画公園と都市計画道路として線の入った未整備の通りがあるわけ、その両方が重複して存在しています。そんな話です。
 私、今回取り上げるのは、この未整備の祖師谷公園の都市計画区域内の中で、未整備の補助第二一六号線、これ、それぞれの整備が未定というふうに確認しています。
 都市計画道路のうち、都施行の優先整備路線の事業化に当たって、公園と都市計画が重複決定されている場合、どのような調整や検討を行っていくのか伺います。

○久野道路建設部長 都市計画道路と都市計画公園との重複箇所における道路の事業化に向けては、双方の機能に配慮し、計画の整合が図られるよう検討する必要がございます。
 一般的に双方の計画区域が重複している箇所については、事業者が道路構造による対応や、公園区域の付け替えの可能性を検討いたします。

○小松委員 まず一義的には、まさに都市整備局さんの冊子に書かれているわけですから、例えば善福寺川緑地であれば、補助二一五号線とどうするのか、祖師谷公園であれば補助二一六号線とどうするのか、これは都市整備局さんもしっかり考えていただかなくてはならないと思うんですけど、それぞれ公園であり、いわゆる都市計画道路でありますから、建設局さんにもしっかりとこのことを留意されて、都庁内でも議論を活発にしていただきたい、そんな思いで今回ちょっと取り上げさせていただいたわけであります。
 今のご答弁でいけば、祖師谷公園と補助第二一六号線とが重複している箇所においてのお話だったと思うんですけど、そのご答弁の中に事業者とありました。これ都施行の場合だったら東京都なんでしょうけど、恐らく区、市、町の施行の場合は、それぞれの自治体が事業者になるんだろうというふうに認識をしているわけであります。
 区議会でも時折このテーマが上がってきて、これどこが一体検討するんだろうかということをもう十年も十五年もずっとやっているわけでありまして、そろそろこの辺の速やかな検討、調整をどうやっていくのか考えていただきたいと思うんです。
 というのは、この第四次都市計画道路の整備方針というのは二〇一六年から十か年でやっているわけで、もういよいよ後半戦であって、多分来年あたりは東京都とそれぞれの自治体が第五次をやるのかどうか決まったかどうかは別ですけど、今後、優先整備路線をどうしていくのかって議論が具体になってくるんだと思うんです。
 これ重複のところは誰も結論を出さないまま、面倒だからずっと先送っているばっかりだというふうに少なくとも地元の自治体は思っていますから、このことの議論についても宿題としてぜひ取り上げていただきたいということを申し上げまして、次の質問に移ります。
 都立公園についてなんですけど、先日行われた予算特別委員会で、我が会派から松田委員が葛西の臨海水族園の整備事業について質問を行わせていただきました。
 知事から、世代や障害の有無にかかわらず、訪れる全ての人が快適に楽しめる日本一アクセシブルな水族園を目指したいという力強い答弁をいただいたところであって、翌日にも新聞などのメディアに取り上げられました。都民からも、この新しい水族園に対する期待が一層高まっている、そんな声も届いております。
 建設局は、この水族園の整備、いよいよ本格化してきますから、引き続き邁進をしていただきたいと思います。
 この葛西臨海水族園は、葛西臨海公園の中に位置していることから、水族園がリニューアルすることで、公園全体の活性化につながるものと期待するものであります。
 こうした流れも含めて、今回パークマネジメントマスタープランというものが、先日説明をいただきました。これが今後の整備や維持管理の基本方針になると伺っています。
 今回、一年前倒しで改定されるということですが、このプランというのは、令和六年度から令和十五年度までの今後十年間に東京が目指す公園づくりの方向性を示すとともに、都立公園全体の整備や管理運営の指針となる大変重要な計画だと認識をしています。
 都立公園の役割や機能ってたくさんあるんだと思うんです。様々な守るという機能を備えています。パークマネジメントマスタープランにあるとおり、緑、環境、安らぎ、歴史、文化、そして都民の命と暮らし、都はこれまでも、そうした都立公園の防災機能の強化に取り組まれました。今後もさらなる防災力の強化に取り組んでいくべきと考えます。
 今後の展開について伺いますが、さらなるこの防災力の強化にどのように取り組まれるのか伺います。

○根来公園計画担当部長 都立公園は、都民に安らぎや潤いを与える貴重なオープンスペースでありますとともに、災害時には避難場所や防災活動拠点としての役割を担っております。
 都は、災害用トイレや非常用発電設備、防災照明、情報提供用のデジタルサイネージなど、防災関連施設の整備を進めております。
 今後でございますが、パークマネジメントマスタープランを改定いたしまして、災害用トイレの拡充や太陽光発電設備の導入など、都立公園の防災機能を一層高め、都民の安全と安心の確保に向けた取組を推進してまいります。

○小松委員 第一回定例会において、我が会派は一般質問でも取り上げましたけど、弾道ミサイル、先日も沖縄の方の沖のところで出ていましたけど、この避難設備について、都立公園というのは、地震や風水害などの災害以外にも、こうした事態について、どのように位置づけているのか伺います。

○根来公園計画担当部長 都立公園の一部は、国民保護法の規定に基づく避難施設に指定されております。
 そのうち、公園管理所など一部の建物については、爆風などから直接の被害を軽減するための施設である緊急一時避難施設に指定されております。

○小松委員 都心部に比べますと、もう区部でも周辺区から、また、多摩の地域というのは地下施設が非常に少ないわけでありまして、都立公園もそうした一環の中で、これ都立の施設なわけですから、東京都の意思の中で、ある程度検討ができるということを考え、また、広大なスペースであるということを考えると、そうしたところの活用も視野に、このパークマネジメントプランの中でも、しっかりと検討していただきたいということを要望しておきたいと思います。
 続きまして、トイレの洋式化についても伺います。
 これ、一般家庭のトイレというのはもうほとんど洋式化が進んでいます。にもかかわらず、公共施設や学校、公衆トイレには和式が多く残っています。増加する訪日外国人は使い方が分からなくて不便ということだけではなくて、高齢者や障害者の方の障壁にもなっています。
 こうした方々にとって安心で優しいまちづくりを進める上で、都立公園についてもトイレの洋式化が期待されます。
 交通局は、都営地下鉄のトイレについて、外国人や高齢者のお客様にも使いやすいよう洋式化を進めるとともに、温水洗浄便座を設置しています。
 また、老朽化するトイレについて、出入口の段差の解消やベビーチェア、ベビーシートの増設、パウダーコーナーの設置、抗菌剤の使用など、機能と清潔を備えたトイレのグレードアップを進めていると伺っております。学校も加速化しているよというのは先ほど説明したとおりであります。
 都立公園におけるトイレの洋式化の取組と今後の計画について伺います。

○根来公園計画担当部長 都立公園では、全てのトイレを洋式化することとしております。令和五年度末時点で約七八%の洋式化が完了する予定でございまして、来年度は、篠崎公園など九公園において改修を行うこととしております。
 今後、令和八年度末までの全てのトイレの洋式化完了に向け、取り組んでまいります。

○小松委員 あと三年だということでございまして、このことも、たしかまだ一期生だった頃に、トイレの洋式化、公園、進めたらいいんじゃないかというときから、また大分トーンが変わっているなというふうに思います。
 時代のニーズとともに、こうして速やかに計画を見直ししていただいて、加速化していただくことには感謝を申し上げて、最後の質問に移りたいというふうに思います。
 平成十二年の十二月、都立祖師谷公園の事業区域内で痛ましい事件がありました。多くの方がご存じだと思いますが、いわゆる上祖師谷事件です。当時小学生や保育園児のお子さん二人を含む一家四人の方が惨殺された、年末に。大変痛ましい事件であります。私も、ずっとこの年末の慰霊祭に参列をしてきました。
 ただ、建物というのは、当時のまままだ残っておりまして、老朽化が非常に進んでおります。警察の捜査というのは既に終了して、建物の証拠保全措置というのは既に解除されているんです、令和元年に。
 建物の取扱いについては、最後、もう遺族の方のお気持ちに寄り添った対応になる、慎重に対応していく必要があるんだろうというふうに思いますが、一方で、地元の方々からは、この建物、今後どうなるんだろうかという懸念の声も出ているのも事実であります。
 そこで現状について伺います。

○澤井用地部長 当該建物がございます土地は、祖師谷公園の事業用地として都が取得しておりまして、更地化後、都は土地の引渡しを受けます。

○小松委員 土地の周辺は、鋼板塀というんですか、などで囲われておりまして、この現場に実は昨年学生たちが侵入したという事件もありました。いわゆる肝試しです。
 近隣の方々からは、公園として良好な環境をつくってほしい、この状況がいつまで続くのかという声もあります。
 実は、隣接して、まさに小学生に入る前の未就学の子供たちが遊ぶような広場、公園の遊具が、まさにその建物の真横ぐらいに幾つも存在していて、日中は親子連れが本当に楽しそうに遊んでいるエリアでもあります。そうした場所と隣接している状況だということをご理解いただければと思います。
 ご遺族のお気持ちを酌み取るとともに、公園利用者の要望に応える、こうしたことも公共の福祉の観点から重要だと考えます。
 あくまで一般論としてなんですが、契約後にこうした建物が残った場合、誰がどのように対応すると考えるんでしょうか。

○澤井用地部長 都が取得した用地に存在する建物等は、都の物件移転補償契約に基づきまして、所有者が移転することとなります。

○小松委員 ただいまのご答弁で、一般的な用地取得の方法は分かりましたが、今回の祖師谷公園の案件というのは、まさに例外なんだろうと思いますし、建設局でもほかに多分過去経験ない事案だというふうには認識しています。
 これ、所有者が移転することになるというのは、つまり、ご遺族の方が移転の対応を取らなければいけないということだと思うんです。
 当初は、ご遺族の方は早く撤去していただきたい、もう見たくないというお声があったにもかかわらず、こうして警察の方の証拠の保全のための努力をされている間、残してきた。今度は今、やはり風化させてほしくないというお気持ちでなかなか踏み切れないというお声も聞いています。
 あくまでもご遺族のこうしたお気持ちに寄り添って進めていくということが大切だということは変わりませんが、事件発生から二十四年の歳月がたって、建物の老朽化も激しくなって、そして昨年には、そうした学生のいたずらがあったわけであります。
 能登の災害もそうですけど、建物の倒壊ということもあり、また、小さな子供も大変多く利用される公園ということからも、ほかの利用者の安全確保という観点から、何らかの策を講じることが必要だと思うんです。まさに、そうした時期が来ているというふうに思います。
 これからもこうした痛ましい事件を風化させないということが大切である一方、地域として、今後この場所をどうあるべきなのかという議論、ご遺族やそのご遺族を支えられてきた支援者、これ宙の会とあります。近隣の住民の方、地元自治体などと一緒に考えていくことが必要だというふうに思います。
 例えば、そうした方々との話合いの場所なんかを設けて、次の一歩を踏み出すきっかけをつくることはできないんだろうかと。これまで世田谷区にも、東京都にも確認していましたが、そうした場は、具体的にはつくってきていないというふうに聞いています。
 地域住民や、この支援団体さんからは、例えば建物の解体後にモニュメントのような、家族の愛和を象徴するような、そうしたモニュメントのようなものを設置したらどうだろうかというご意見もいただいています。
 ご家族の方が安らぐような場所も含めて、こうした呼びかけを東京都が先頭でしっかりとこうした方々を巻き込んで、一度、意見交換の場なんかをつくっていただきたいということを要望しておきたいと思います。
 引き続き東京都には、ご家族、ご遺族に寄り添って、地域の方々が新たな一歩を踏み出せることを求め、私の質問を終わります。

○成清委員 まず、予算の編成に関係する包括外部監査の指摘、意見の取組状況について伺います。
 毎年第一回定例会では、包括外部監査人より報告があります。様々な指摘、意見があり、興味深く拝見をしておりますが、いうまでもなく監査は指摘、意見を改善してこそ効果を発揮します。
 そこで、直近の建設局への包括外部監査について、対応状況を二点だけ確認いたします。
 平成二十八年の包括外部監査で意見されているとおり、建設局では様々な重要な事業が実施されており、局全体で選択と集中、めり張りを持って取り組むために、部ごとだけではなく、局全体での中長期計画を定め、適切なPDCAサイクルを遂行するための体制を構築されたいとの指摘がされていました。
 その点、現在どのように取り組んでいるのか伺います。

○松島企画担当部長 都は、令和三年三月、明るい未来の東京を切り開くための羅針盤として、東京都の長期計画である「未来の東京」戦略を策定しております。
 「未来の東京」戦略では、時代や状況の変化に弾力的に対応することを基本戦略とし、取組の進捗や社会環境の変化により内容を見直すこととし、毎年バージョンアップを行っております。
 また、大規模な風水害や地震など、五つの危機に対し、二〇四〇年代に目指す姿や方向性を提示したTOKYO強靱化プロジェクトを令和四年十二月に策定し、昨年十二月には、気候変動の影響などを踏まえたアップグレードを行うなど、政策を不断に見直し、リスクへの備えを強化しております。
 建設局においても、これらの計画策定の過程において、進捗状況の確認と改善のプロセスを絶えず繰り返すことで、着実かつ効率的に事業を推進するように取り組んでおります。

○成清委員 「未来の東京」戦略やTOKYO強靱化プロジェクトの中で中長期計画とそのPDCAを行っているとのことです。施策の優先順位づけなどにもつながる取組ですので、絶え間ない計画のブラッシュアップをよろしくお願いいたします。
 また、全体計画だけでなく、個別の事業評価についてもPDCAサイクルは重要です。
 この点、平成二十八年の包括外部監査においては、個別事業評価について、学識経験者も含め直近の事業評価委員会の対象となったのは、建設局事業では四件にとどまり、その少なさが指摘をされてもいました。
 公共性、公平性の観点から、個別事業のさらなるPDCAサイクルの強化や情報公開をすべきと求められていましたが、直近の事業評価委員会の取組について伺います。

○松島企画担当部長 事業評価委員会へ付議される案件は、事業採択後五年間継続中の補助事業などが対象となり、建設局事業では、昨年度は十三件、今年度は二十七件が付議されており、年度によって増減がございます。
 事業評価委員会の審議内容については、報道機関に公開しているほか、平成二十八年度からは、審議資料や議事録を局ホームページで公開するなど、情報公開に努めております。
 引き続き、事業評価委員会での意見や助言を踏まえ、事業の効率性及び実施過程の透明性の一層の向上を図りながら、事業の推進に努めてまいります。

○成清委員 事業評価委員会での適切な対応と情報公開がなされていることを確認させていただきました。
 直近の包括外部監査が平成二十八年でしたので、もう間もなく包括外部監査が再度入る可能性も高いと思います。包括外部監査での指摘、意見を活用して、局の自律改革をブラッシュアップできるようお願いをいたします。
 次に、境界確定事務について伺います。
 建設事務所では、建設局所管の都道などの都有地との境界確認、確定事務を行っています。
 民間の土地の売買契約時においては、隣接地との境界が確定していることが契約成立の条件となっておりますので、隣接地に都有地を含む場合には、民間の土地取引を滞らせないためにも迅速かつ適切な官民における境界確定の事業執行が求められます。
 昨年の決算特別委員会でも、我が会派の議員から取り上げましたが、昨今、急な退職による欠員やベテラン職員の減少により、幾つかの事務所で境界確定の業務が遅延するなどの影響が生じたと聞いております。行政サービスの維持のために適正な人員配置や専門知識を有する職員の育成を求めたところです。
 まず、土地境界確認、確定事務の令和五年四月から令和六年二月末までの境界確認、確定の申出件数及び建設事務所の執行体制について伺います。

○荒井総務部長 令和五年四月から令和六年二月末までの申出件数は一千六十六件、執行体制は全十一建設事務所で常勤職員と土地境界確認事務専門員を合わせて三十三名となっております。

○成清委員 建設局全体で年間千件を超える非常に多くの申出がある一方で、執行体制を割り返すと、一事務所当たり三名程度でありまして、急な欠員が生じた場合には事務が逼迫するおそれがある体制であることが分かります。
 そこで今後、土地境界確認、確定事務における都民満足度の向上のため、職員確保や効率化にどのように取り組んでいくのか伺います。

○荒井総務部長 各建設事務所には、業務に精通した専門員を配置しておりますが、申出件数の一時的な増加等に対しましても着実に対応できる体制づくりが必要でございます。
 このため、令和六年度は、土地境界確認事務専門員を十二名増員し、四十五名体制とするとともに、実践的で分かりやすい資料を用いた初心者向けの研修を導入するなど、技術力の向上を図ってまいります。
 引き続き、人員の確保や専門知識を有する職員の育成など、必要な対策を講じながら、安定的な都民サービスの維持向上に努めてまいります。

○成清委員 増員配置によって急な欠員による事務の遅滞がなくなることを期待いたします。また、増員した職員が即戦力となるよう、引き続き効果的な人材育成に取り組むことをお願いいたします。
 次に、建設業の働き方改革の後押しのための事業者の負担軽減について伺います。
 都では、既に各局担当が集まる技術会議において、書類の削減や各局の契約資料、確認書類の共通化について検討し、事業者の負担軽減を行っておりますが、現場監督員によっては不要な書類の提出を求められることもあるという事業者からの声もありました。
 そこで、さらなる徹底が必要との認識で、昨年の第四回定例会において、我が会派から、書類の削減や共通化といった事業者の負担軽減や事務の効率化を求めまして、財務局からは提出書類の適切な運用につきまして、改めて全庁で共有を図るとともに、受注者にヒアリング等を実施し、各局と連携して書類のさらなる削減、簡素化や遠隔臨場など対象工事の拡大を進め、建設業の働き方改革を後押ししていくとの答弁を得たところです。
 建設業の働き方改革を後押しするためには、事業者の負担軽減に十分配慮して取り組んでいく必要があります。
 そこで、建設局における工事書類削減の取組状況について伺います。

○松島企画担当部長 建設局では、令和三年度に、受注者等提出書類処理基準・同実施細目を改定し、六十様式ある書類のうち十一様式について、書類の提出を不要とする場合または簡素化する場合の取扱いを定めております。
 この四月からは、受注者のさらなる負担軽減につなげるため、施工体制台帳の作成において記載する下請負人の範囲を限定するとともに、添付を求めていた建設業許可の写しを不要とするなど、一部の工事関係書類について、削減、簡素化を図ってまいります。
 引き続き、建設業の働き方改革を後押しするため、さらなる書類削減に取り組んでまいります。

○成清委員 引き続き事業者の声を聞きながら、DXも活用し負担軽減を進めていただくことをお願いいたします。
 次に、河川について伺います。
 東京の東部低地帯を流れる隅田川や江東内部河川においては、高潮や地震に対する安全性を確保するとともに、川沿いを人々が散策できるような空間の整備が進められています。
 また、水面を眺められる遊歩道に合わせて、芝生や低木等の植栽により緑化を進めることや、テラスの連続化や夜間照明を整備して安全性や回遊性を向上させることは、人々に潤いと憩いを与えるためにも重要です。
 江東内部河川は、隅田川や荒川に囲まれた江東三角地帯を縦横に流れています。地盤の低い地域を守るため、護岸の耐震対策を進めており、特に地盤の低い東側河川では、日常水位を低下させてから、河道整備に合わせ緑化を行うなど、河川環境に配慮した整備を行っています。
 そのうち、横十間川については、現在護岸整備が進んでおり、川沿いを散策できる区間が増えてきております。
 そこで横十間川について、これまでの実施状況と令和六年度の取組について伺います。

○斉藤河川部長 都は、横十間川におきまして、鋼矢板の設置や地盤改良により低水路整備を行い、地震に対する安全性を向上させるとともに、川沿いの植栽や水辺の散策路を設置するなど、親水性にも配慮した修景整備を進めてきております。
 低水路整備は、これまで計画延長五キロメートルのうち約三・五キロメートルに当たる約七割を事業化しており、令和六年度は約三百メーターで工事を実施する予定でございます。
 また、修景整備は、これまで計画延長五キロメートルのうち約一・六キロメートルに当たる約三割を事業化しており、令和六年度は約二百メーターで工事を実施する予定でございます。

○成清委員 横十間川で修景整備が進んでいることが分かりました。引き続き着実な取組を要望いたします。
 隅田川ではテラスの整備が進み、多くの人が川沿いを散歩やジョギングなどに利用しております。
 このテラスの回遊性を向上させるために、地元墨田区では現在、竪川と隅田川の合流部でテラスを連続化する工事が行われています。年度内には工事が完了すると聞いており、来年度の早期に開放されることを期待しています。
 その一方で、夜間に安全に利用するためには、照明の整備が必要です。これまで墨田区を含むテラスでも照明整備が進んだことから、夜間の利用者も格段に増えており、この取組を進めることが重要です。
 そこで隅田川テラスの夜間照明について、これまでの実施状況と令和六年度の取組について伺います。

○斉藤河川部長 都は、隅田川におきまして、テラス整備等を進め、水辺に親しめる環境を整えるとともに、人々が水辺に集い、散策できるよう、テラスへの夜間照明の設置に取り組んでおります。これまで計画延長九・六キロメートルのうち、約九・四キロメートルで照明整備を実施いたしました。
 令和六年度は、白鬚橋下流左岸側などにおきまして、約百四十メーターで工事を実施する予定でございます。これにより、白鬚橋下流部における照明整備がおおむね完了する予定でございます。

○成清委員 テラスの照明整備も進んでいることが分かりました。
 このテラス照明は、これまで白鬚橋より下流を中心に取組が進められてきましたが、都は昨年、隅田川等における未来に向けた水辺整備のあり方を取りまとめ、今後、白鬚橋より上流域にも照明整備を展開していくこととしています。今後、墨田区内の白鬚橋上流でも整備が行われることを期待しています。
 次に、災害対策について伺います。
 能登半島地震では、各地で主要な道路が寸断され、救助救出活動や緊急物資輸送の到達が遅れたことが報じられています。今回の地震では、半島という特殊な地形も災いして被災地域へのアクセスが制限され、人による被害状況の把握に多くの時間を要しました。
 そうした中、近年、現場に行かなくても遠隔で道路状況が確認できるデジタル技術が次々と開発されつつあります。発災後の迅速な被害状況の把握に向けて、監視カメラなどのデジタル技術を積極的に活用すべきと考えますが、見解を伺います。

○原田道路保全担当部長 大規模災害時に道路の被害状況をより迅速に把握していくためにデジタル技術の活用が重要と考えております。
 このため、都は本年一月、道路斜面等の監視カメラの画像やウエアラブルカメラによる被災現場からの情報等を集約し、共有できるプラットフォームを構築しました。
 これにより、専用端末でしか見られなかったカメラ画像が職員のパソコンやスマホから見られるようになるなど、道路の被害状況をより迅速に把握できるようになりました。
 令和六年度は、都道へのカメラ増設に向けた設計を進めるとともに、多摩地域の山岳道路の斜面へのセンサー設置、AI画像認識技術の導入等により異常をいち早く把握できる体制を整備してまいります。

○成清委員 都道管理にデジタル技術を積極的に取り入れていく取組について理解いたしました。迅速な状況把握が可能となるよう防災対策の強化を引き続きよろしくお願いいたします。
 次に、道路に降った雨水の流出抑制、透水性の確保についてお伺いします。
 これまで我が会派は、都道における有力な雨水流出抑制の方法の一つである雨水浸透ますの設置について、都道にある約十七万か所の道路ますのうち約四千か所、率にすると二・四%が浸透するタイプであることを質疑において確認するなど、設置推進に向け議論を深めてきたところです。
 ぜひこの率を高めていってほしいと思いますが、それと同時に、道路の舗装について、水が透水し、地中にしみ込む、いわゆる透水性舗装の普及を図ることも重要です。
 そこで、都道における雨水流出抑制としての透水性舗装の導入状況について伺います。

○原田道路保全担当部長 都は、総合治水対策の一環として、昭和五十八年度から強度上の問題が生じない歩道を対象に、透水性舗装の導入を進めております。
 その結果、現在では、車の乗り入れ部など一定の強度を必要とする箇所などを除く歩道については、透水性舗装となっております。
 今後とも、歩道舗装の打ち替え時において透水性舗装を使用し、歩道の透水機能の維持に努めてまいります。

○成清委員 都道においては透水性舗装が実施できるところは導入済みであることが分かりましたが、道路全体を考えた場合、区市町村道についても、道路全体に占める延長が長く、面積も大きいことから、透水性舗装などの普及を図ることは大切です。
 そこで区市町村には、透水性舗装の整備についてどのような働きかけを行っているのか伺います。

○原田道路保全担当部長 都は、島しょ部を除く都内五十三区市町村と構成する東京都総合治水対策協議会において、都が中心となり開発した透水性舗装の構造等を共有することで、区市町村における透水性舗装の普及を進めております。

○成清委員 区市町村道についても普及促進を図っているということが分かりました。
 このほかにも道路には私道などもあります。これは所管が都市整備局になるので、質疑はしませんが、局同士で連携し、こちらへの普及促進も図ることを要望しておきます。
 また、道路における雨水浸透対策としては、諸外国では道路のグリーンインフラとして、植栽に雨水をそのまま導入するバイオスウェルが対応されています。
 雨水浸透ますに比べると簡便に導入できる一方で、流れ込んだ水の水質が植栽に与える影響などの課題もあると認識をしております。このバイオスウェルなども都道について導入を検討することを要望しておきます。
 最後のテーマとして、都立公園について伺ってまいります。
 これまでにも都民ファーストの会東京都議団は、都立公園大改革として様々な提案をしてまいりました。
 今回、パークマネジメントマスタープランの改定が議題に上がっていますが、これは十年計画なので、前回の改定は二〇一五年三月であることから、計画どおりであると、改定は二〇二五年三月になるわけですが、パークマネジメントマスタープランを一年前倒しで改定した狙いについて伺います。

○根来公園計画担当部長 パークマネジメントマスタープランは、今後十年間に東京が目指す公園づくりの方向性を示しますとともに、都立公園全体の整備、管理運営の指針となるものでございます。
 今回の改定でございますが、令和四年から検討に着手しておりまして、コロナ禍を契機とした公園に対する都民ニーズの高まりや多様化するライフスタイルなど、社会状況の変化に速やかに対応していくため、一年前倒しで実施しております。
 改定によりまして、都市における緑の拠点としての重要な役割を担う公園の整備を推進し、利用者のニーズや周辺環境などの変化にも柔軟に対応してまいります。

○成清委員 昨年の予算特別委員会で、私たち会派も求めていたところですが、社会状況の変化に速やかに対応して、マスタープランの改定をしていただいたとのことです。
 緑の拠点や利用者ニーズという言葉がただいま答弁の中にありましたが、各論について確認していきたいと思います。
 まず、たばこ対策です。
 都立公園は、喫煙所でないところにも吸い殻が落ちているケースも多く、改善のお声が届いております。既に禁煙のステッカーを貼っていただくなど様々ご対応していただいていることは承知をしております。
 しかしながら、ベンチに禁煙のステッカーを貼ったところ、道に落ちている吸い殻は減ったものの、植栽の中に捨てられている吸い殻が増えたりなどもしているそうです。
 啓発や見回りなど、都立公園における実効性のある受動喫煙対策を強化すべきと考えますが、見解を伺います。

○佐々木公園緑地部長 都立公園では、多くの利用者が集まる場所や、受動喫煙のおそれのある場所などでは喫煙を控えるなどのルールを定め、園内掲示板等で周知するとともに、巡回時に注意を促すなど、マナーの向上に取り組んでおります。
 そのうち、喫煙場所を設置している都立公園では、具体的な場所をホームページ等で周知するとともに、問題のある喫煙場所を廃止するなど、対策に取り組んでおります。
 今後、園内放送によるルールの遵守の呼びかけや、喫煙が多く行われている場所への巡回を強化するなど、受動喫煙対策を進めてまいります。

○成清委員 私の地元ですと、向島百花園児童遊園なども、小さい公園なんですけれども、巡回など受動喫煙対策をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
 続いて、都立公園のトイレについて、洋式化について伺う予定でしたが、既に答弁が出ておりますので、質問は割愛いたします。
 ただ、清潔で快適なトイレというのは公園やまちの印象を左右する非常に大事なパーツであると考えております。
 例えば、私は猿江公園によく行くんですけれども、女性用には洋式があっても、男性の個室は全て和式だったりするトイレもまだあります。先ほど令和八年度末までに全てのトイレの洋式化を完了させるという前向きな答弁でしたので、ぜひよろしくお願いいたします。
 また、都立公園において設置されているマンホールトイレについても同様に洋式で拡充すべきと考えますが、導入率なども含めて見解を伺います。

○根来公園計画担当部長 これまで都立公園では、地元区市との協議に基づき、災害用トイレの設置対象となる五十八公園のうち、五十五公園で設置が完了しており、現在設置しているマンホールトイレの約三割が洋式化されています。
 東京都地域防災計画では、避難場所におけるトイレ機能の確保は区市町村が行うこととされておりまして、今後、マンホールトイレの洋式化について、避難場所の運用主体である地元区市と調整してまいります。

○成清委員 ただいまご答弁にもありましたが、主体は地元区市になるかとは思いますので、地元とも連携しながら積極的にマンホールトイレの洋式化を進めていただくようお願いをいたします。
 この時期、各地で防災訓練なども行われてきましたが、災害用トイレは組み立てた後の運用も重要です。
 都立公園の災害用トイレの運用について、どのように考えているのか伺います。

○根来公園計画担当部長 都立公園におきましては、公園管理者は、避難場所の運用者である地元区市の要請に基づき、連携して災害用トイレの運用の支援を行うこととしております。
 引き続き、避難場所となる都立公園では、地元区市が行う避難場所の運用やトイレ機能の確保に協力してまいります。

○成清委員 こちらも主体は地元区市だとは思いますが、公園管理者の方にも可能な範囲で支援をお願いしたいと思います。
 次に、ペット対策について伺います。
 私たちはかねてより、ドッグランなど動物との共生に向けた取組を強化すべきと求めてきましたが、具体的にどのように展開するのか伺います。

○根来公園計画担当部長 マスタープランでは、新たに人と動物との快適な利用の推進を取組の一つに位置づけました。
 具体的には、現在設置しているドッグランの適切な運用を図りますとともに、区市によるドッグランの設置を一定の条件を満たすことを前提に可能とし、整備や日常の運営管理に関するノウハウを提供するなどの協力を行っております。
 また、公園内に水飲みやリードフック等を設置するなど、ペット連れの来園者も利用しやすい環境整備を推進してまいります。

○成清委員 都内の犬の登録頭数は、令和四年度で五十四万匹となっていて、動物との共生も非常に重要な取組になると思いますので、ドッグランや水飲み場など、積極的な環境整備をお願いいたします。
 次に、インクルーシブ遊具について伺います。
 都立公園においては、遊具広場の改修等の機会を捉え、ユニバーサルデザインの遊具の整備を進めていただいていると認識していますが、現在どのくらいまで増えたのかと今後の展望を伺います。

○根来公園計画担当部長 都立公園では、公園の新規整備や遊具広場の改修の機会を捉え、子供の意見を反映したユニバーサルデザインの遊具広場の整備を進めておりまして、令和五年度末までに、練馬城址公園など四公園で整備が完了しております。
 現在、陵南公園などで改修を進めておりまして、来年度は、篠崎公園や六仙公園などで整備に着手いたします。
 引き続き、インクルーシブな公園づくりに着実に取り組んでまいります。

○成清委員 着実に増えてきていることを確認させていただきました。
 これまでに砧公園、府中の森公園など既にインクルーシブ遊具が使えるようになっていますが、東京の東部に少ないという印象もありました。
 来年度は、篠崎公園での整備に着手されるとのことですので、都内全体でバランスよくインクルーシブ遊具が増えていくことを期待したいと思います。
 先日の予算特別委員会で、我が会派の質問でも取り上げましたが、インクルーシブ遊具のハード面での整備のみならず、ソフト面でのインクルーシブ実現も大変重要です。
 そのためには、インクルーシブ公園でインクルーシブプレーリーダーをどのように活用していくのか、具体的な見解を伺います。

○佐々木公園緑地部長 都立公園では、障害の有無にかかわらず、全ての子供が一緒に遊べるイベントを行う際に、プレーリーダーを活用するなど、誰もが気軽に楽しめる環境づくりを進めております。
 今年度は、砧公園においてプレーリーダーが主体となって、子育て支援団体に呼びかけ、竹の打楽器づくりや段ボールを使った工作を取り入れたイベントなどを開催し、障害のある子もない子も一緒に遊びを楽しみました。
 来年度もこうしたイベントの際に、プレーリーダーを積極的に活用するなど、誰もが楽しめるインクルーシブな公園づくりに取り組んでまいります。

○成清委員 都立公園を起点とした共生社会実現のために、プレーリーダーの積極的な活用をお願いいたします。
 パークマネジメントにおいては、一部の声の大きい意見、ノイジーマイノリティーだけではなく、幅広くバランスよく都民の意見を拾い上げ、反映させることが重要であると考えます。
 また、こども未来アクション二〇二四には、公園を新しくするときに子供の意見がなかったとの子供当事者の声も記載をされておりました。
 無作為抽出でのワークショップやパブリックコメントの実施など、子供も含めたサイレントマジョリティーの声を拾い上げるため、どのように取り組むのか見解を伺います。

○根来公園計画担当部長 都立公園では、様々な方々に直接公園への意見を聞く取組を行っておりまして、今年度、日比谷公園では、公園の緑を身近に感じる親子で学ぶ観察会等を通じて、子供や保護者に直接公園への意見を伺いました。
 こうした公園の整備や管理に利用者の意見を生かしていくことは重要でございまして、マスタープランにおいても、都民と進める公園づくりを取組の一つに掲げております。
 今後、整備や改修の際に、公園整備後の使い方を先行体験するイベント等を実施し、これらの機会を通じて日頃公園を利用している様々な方々に直接意見を聞くことや、地域の保育園等と連携し、子供が遊具の設計などに参加できるワークショップの開催など、幅広い利用者の意見を反映する公園づくりを進めてまいります。

○成清委員 様々な声を拾い上げ、公園利用者をはじめ多くの都民の幸福度を上げるような公園づくりをよろしくお願いいたします。
 最後に、都立公園におけるグリーンインフラについて伺います。
 樹林地や農地が減少する中、都立公園は都市の身近な緑として重要な存在であり、雨水の流出抑制など自然の持つ力をまちづくりに生かすグリーンインフラとしての役割も大きく期待されます。
 建設局として、今後、緑の魅力あふれる東京の実現に向けてどのように取り組むのか、都技監の決意をお伺いします。

○中島東京都技監 都立公園は、都民生活に憩いや潤いを与え、自然環境の保全や都市環境の改善にも大きく寄与する緑の拠点として重要でございまして、これまでに八十四公園、二千六十五ヘクタールを開園いたしました。
 整備に当たりましては、事業効果を早期に発現するため、令和十一年度までの事業着手を目標とした優先整備区域を令和二年度に設定いたしまして、現在、その約七割となる二百一ヘクタールの事業認可を取得し、公園の整備を進めているところでございます。
 また、緑が有する多様な機能を一層発揮させるよう、樹林地等の植栽地の整備保全を進めますとともに、雨水の集まる地形を生かしたレインガーデンなどの整備を推進し、グリーンインフラとしての役割も高めてまいります。
 全庁的には、昨年から東京グリーンビズの取組が始まっておりまして、その中で建設局の果たすべき役割は大きいと認識しております。
 都立公園の整備を着実に推進し、適切に管理することによりまして、人々の生活にゆとりと潤いを与える緑の価値を一層高め、緑あふれる東京を実現してまいります。

○成清委員 ありがとうございます。レインガーデンを整備するというお言葉もありました。ぜひ都立公園においても、グリーンインフラの機能を高めていただきたいと思います。
 今回の質疑で取り上げていないものもありますが、建設局では、道路、河川、公園など首都東京の都市活動や都民生活を支える上で欠かすことのできない都市インフラの整備と管理を行っております。引き続き、様々こちらからもお願いさせていただくと思いますが、総力を結集して、未来をつくる建設局事業の推進をお願いし、質疑を終わります。

○細田委員 私からは、まず、働き方改革、物価高騰、熱中症対策などの取組についてお尋ねいたします。
 都議会公明党は、令和五年の第三回定例会本会議の代表質問におきまして、公共工事の発注の在り方について指摘をして、提案をさせていただきました。
 もう一か月を切った来年度も間近に控えまして、三点確認、質疑を行います。
 まず、働き方改革により、公共工事の施工単価が実情に合わなくなるという課題への対処であります。
 建設業におきましては、本年四月から時間外労働の上限規制が適用されます。働き方の改革が急務であり、公共事業を進めていく上では、発注者もその対応が求められており、待ったなしの現状であると思います。
 現場の作業において、準備や後片づけなどの時間も実作業時間として算定して、業界が法定労働時間八時間を守れるように、適正な工事予定価格の算定や工期の設定が求められているところであります。
 全国の中小建設業協会が実施したアンケート調査の結果では、これ昨年の本会議でも申し上げましたけれども、働き方改革によって、この法定労働時間八時間を厳守した場合には、置場への移動時間や作業の準備、片づけ時間を除くと一日の実作業時間が平均で四時間二十三分となりまして、現在の標準歩掛かり八時間から約四五%も上昇していくということになります。
 そこで、建設工事における適正な積算について、都の見解を求めます。

○松島企画担当部長 本年四月から、建設業にも時間外労働の上限規制が適用されるに当たって、現場の実態により即した工事の積算を行うことが重要でございます。
 建設局では、国に準じて、作業前の指示や後片づけなどの実作業以外についても、就業時間に含むものとし、令和五年十月に足場工など一部工種の歩掛かり及び日当たり施工量等を改定いたしました。
 また、本年二月に、国は、電線共同溝などの工種についても、現場移動等により作業時間が短くなり、日当たり施工量が減少していることから、積算基準を改定すると公表いたしました。
 建設局においても、今後明らかになる国の具体的な改定内容を踏まえ、来年度、積算基準を改定するなど、積算の適正化に努めてまいります。

○細田委員 ただいまのご答弁、実作業時間に合った積算が行われていくということでございました。
 今後も国の動向を十分に注視していただき、適正な工事価格の積算及び適切な工期の設定に柔軟に努めていただいて、建設業における働き方改革を強力に支援していただきますよう要望しておきます。
 また、工事におけますデジタル技術の活用についても質問をさせていただきました。現場においては、このデジタル技術をより写真撮影、それから整理など施工管理に多大な時間を要するという、そういう声がございました。
 そこで、例えば必要な写真については、その都度、現場作業員にウェブカメラを取り付けて、入手したデータを東京都で保存するなど、デジタル技術を活用していかなくてはいけない、このように訴えたところであります。
 東京都の方におきましては、デジタル技術により工事現場の生産性を高めて、受注者の負担軽減を図ることは重要、このような意見を表明されて、今後建設業の働き方改革を後押ししていく、このようなご答弁もございましたので、どうぞ引き続きよろしくお願いいたします。
 さて、続いて、工事契約後の対応について質問をさせていただきます。
 工事の施工には様々なことが発生します。今定例会の契約の案件にもありましたが、工期が長い工事では、建設資材や燃料価格の変動により、工事請負代金の額と工事の施工時点の金額が大きく乖離する可能性が出てまいります。
 都議会公明党は、契約時と着工時が一定の期間空くような工事について、金額が乖離をする場合には、着工時の金額で契約変更を行うべきと、これまで求めてまいりました。
 工事契約後に、建設資材などの価格が高騰した場合に、受注者の負担とならないよう、適切に対応していくべきであると考えます。
 そこで、工期が長い物価高騰への取組について、今年度の状況を含めて、東京都の見解を求めます。

○松島企画担当部長 工事契約後の物価水準等の急激な変動により契約金額が不適当になった場合は、受注者からの請求に基づき、工事金額の変更を行うスライド条項がございます。
 例えば、主要な資材である生コンクリートについては、今年度、単価が約一割上昇するなどの変動が見られました。
 今年度、建設局では、令和六年一月末時点で、スライド条項による契約金額の変更の請求を九十二件受け付けております。
 引き続き、スライド条項により適切に対応してまいります。

○細田委員 工期が長い工事につきまして、百件近い協議が進められているということでございました。それだけ設計段階と施工段階での資材の単価が変動しているということであると思います。
 物価高騰対策として、工期内に賃金水準の変動がなくとも、残工事費が既存契約から一%以上変動した場合には、何度でもインフラスライドの請求ができるように運用改善された取組が、都議会公明党の求めに応じて進んでいることが分かりました。
 引き続いて受注者の負担とならないよう、適切に対応していただくことを要望しておきます。
 次に、工事現場におきます熱中症対策について質問します。
 昨日も本委員会、環境局所管分におきまして、熱中症予防アクションの促進などについても、この委員会で質疑がされました。
 真夏の工事現場では、作業の環境というものは大変に厳しいわけであります。現場では、熱中症を予防することを目的として、WBGTを測定するなど、近年、特に暑さ対策が気候変動のおかげで重要になってきております。
 そのため、工事現場において、気温が高い真夏日などの際に、熱中症対策として送風機やスポットクーラーを使用されるほか、場合によっては、作業を中止することもございます。これらの場合に、工期の設定や、費用の計上について適切な対応が求められることになります。
 そこで、熱中症対策に伴います工期の設定や費用の計上の考え方について、都の見解を求めます。

○松島企画担当部長 建設局では、運動は原則中止すべきとされているWBGTの値が三十一以上の過去五年間における実績平均日数を基に工期の割増しを行っております。
 また、送風機等の対策費用については、現場環境改善費として、当初工事費に計上しております。
 さらに、当初設計で見込んだ以上に猛暑日による作業中止が発生した場合は、必要と認められる日数を工期延伸するとともに、それに関わる経費についても、設計変更により適切に計上することとしております。

○細田委員 熱中症対策は、様々な状況を捉えた対応が必要になると思います。対策費用につきましては、当初工事費への計上に加えて、追加対策及び工期延伸についても、設計変更により対応されていくということであります。今後とも、熱中症対策、しっかりと進めていっていただきたいと思います。
 そして、熱中症が危惧されるにもかかわらず、請負側が工事中止の判断をためらう、このようなことがないように、都が一定の基準で熱中症アラートを発令して、都の方から発令して工事が中断できる、こういう指示ができるように改めて求めておきます。
 続きまして、橋の塗装工事における熱中症対策について伺わせていただきます。
 熱中症対策について、今、建設局全体の取組、前進をしている取組をご答弁いただいたところでありますが、続いて、工事現場における具体的な対策についてです。
 都道では、様々な工事が行われておりますが、とりわけ熱中症対策が必要と感じるのは、周りがパネルやシートで囲われました風通しの悪い、厳しい状況の中で作業が行われている橋梁での塗装現場ではないのかと、このように思っております。
 ちなみに、私の地元の江東区には、建設局が管理される都の橋梁は六十三橋あります。これは、重要文化財にも都が指定している三つのうちの二つの永代橋、この永代橋は大正十五年にできました。そして清洲橋、その清洲橋も昭和三年にできた橋であります。
 重要文化財、三つのうちの二つが、この二つの橋でありまして、まさに隅田川大橋を通る、南側を望めば、ブルーにきれいにライトアップされた永代橋がよく見えますし、反対の北側を望めば、白色のライトにシャンデリアのように輝くような、そんなライトアップをされた清洲橋がスカイツリーを背景として眺められる、そのような非常に首都東京の中心にあるところですね。そのような橋が守られている。
 本年度も、当然幾つかの橋で塗装工事を行うと思うんですけれども、これらの工事で熱中症対策、これを適切に行わなければならない。
 また、この塗装工事に関しては、私、思っているんですが、本当長い年月の中で先人たちの丹精込めた努力によって丁寧に丁寧に、そのとき、その時期、様々な社会状況があるにもかかわらず、現場で塗装を繰り返してくれたおかげで、腐食や傷むことを抑えて、長寿命化して今日に至っている。昔の世代からの贈物、輝かしい財産である、このように感謝をしている次第であります。
 その中で、この熱中症対策を適切に行う、塗装工事を着実に実施することは、インフラの適正な管理という観点からもとても重要だと私は考えております。
 そこで来年度、江東区内において、都内においても全てしっかりと実施してほしいんですけれども、例といたしまして、江東区内において塗装工事を実施する予定の橋梁及びそれらの工事において、熱中症対策をいかに進めていくのか、東京都のご答弁を求めます。

○原田道路保全担当部長 来年度、江東区内で塗装工事を予定している橋梁は、荒川に架かる葛西橋と船堀橋、小名木川に架かる丸八橋、旧中川に架かる江東新橋の四橋でございます。
 都は、これらの塗装工事に際し、個々の現場実態に合わせ、現場内の温度上昇を防ぐ送風機の設置、冷却ベストの着用、小まめな休憩と水分補給など、熱中症対策を受注者に対して求めるとともに、受注者の申出を踏まえ、無理のない工程へ見直すなど、必要に応じて契約変更を実施する予定でございます。

○細田委員 心強い答弁ありがとうございました。これらの来年度の橋、船堀橋も江東と江戸川に架かる橋ですが、非常に長い橋です。
 そして、まさに長期間、時間が工事もかかるでしょう。また、小名木川に架かる丸八橋、ここも太鼓橋で雪が積もりますとスキーのジャンプ台になるような、そのような勾配が激しい、地域に親しまれているけれども、なかなか渡ってもらえない、このような橋であります。そして、旧中川に架かる江東新橋、非常に重要な橋です。これら含めて四橋あるということでありました。
 気象庁によると、今年の夏も猛暑になると予想されております。本格的に暑くなる季節を迎える前に、どうぞしっかりと準備を進めていただくようお願いいたします。
 続きまして、私からもパークマネジメントマスタープランについて質問します。
 都立公園は、市街化が進む都市において、緑と身近に触れ合うことができる貴重な場所です。
 現在、都内に八十四公園ありますが、それぞれ地域ごとに特徴がある公園でありまして、求められている緑も様々であります。公園の豊かな緑は、人々に安らぎを与えますが、どのような形の緑でもよいということではありません。
 都立公園の緑は大切ですが、例えば実生や、また、不要な枝葉は剪定などして手を入れて、公園が多くの市民に、また、区民に利用されて、町民に利用されて、村民に利用されて親しまれる場所になることが大変に重要であります。
 緑を都民に喜ばれるように、都は、管理を進めていくべきと考えますが、見解を求めます。

○根来公園計画担当部長 都立公園は、自然環境の保全や都市環境の改善、都市景観の向上、災害時の避難場所などの様々な役割を持ち、散策や休息など、都民の憩いの場ともなるものでございます。
 こうした多様な役割を公園が効果的に果たすよう、公園の植栽について、公園の性格や公園内のエリアごとに求められる機能等を踏まえて整備し、育成することが重要でございます。
 また、利用者が快適に安心して過ごせるようにするため、日差しを和らげる緑陰の形成や、新緑や紅葉など、季節ごとの景観の創出、眺望や防犯を踏まえた見通しの確保などが求められます。
 このため、樹木等の成長も想定しながら、将来を見据えた管理目標や管理方法を定めた植栽計画を策定し、剪定や除伐、刈り込み等を実施するなど、公園にふさわしい健全な植栽となるよう、適切な維持管理に取り組んでまいります。

○細田委員 豊かな緑を育み、次世代へとつなぐ公園、また、生物の多様性や気候変動などの環境問題、そして風水害や地震などの災害対応の拠点である公園。この緑に調和した美しい環境先進都市の実現を目指して、どうぞ、このパークマネジメントマスタープランの基本のところ、緑を守って、そして緑を増やして多様なニーズに応える場所として、前に進めていっていただきたいと思います。
 さて、二つの公園について質問します。
 都は、平成三十年に、亀戸中央公園の民間企業の研修所跡地約三千六百平米の用地を取得いたしました。
 市街化の進んだ地域において、このようなまとまった土地が新たに緑豊かな公園として拡張されることに大いに喜び、期待をしております。
 そこで、亀戸中央公園における当該地の整備状況について質問をいたします。

○根来公園計画担当部長 お話の土地につきましては、ピクニックや軽運動など、多目的に利用できる芝生広場を中心に、周囲には健康遊具やパーゴラを設置いたしますとともに、新たに桜を植栽する計画でございます。
 今年度から整備に着手しておりまして、来年度中に完成する予定でございます。

○細田委員 桜が整備される、また、この亀戸中央公園、狭い土地なんですが、用地取得してくれて、大きくなってきたんですけれども、まさにこの土地では、JRや、また、旧中川、そして都道の丸八通りに囲まれているというような狭量な、決して広い都立公園の場所ではありませんけれども、この企業跡地を活用した緑を基盤としてしっかりと、このパークマネジメントマスタープランの方向性どおりの緑を利用できる、多目的に使える、こういうような整備が進んでいっているんだということを確認させていただきました。どうぞよろしくお願いいたします。
 そしてもう一つ、私の地元の猿江恩賜公園です。住吉という都営新宿線、また、半蔵門線の駅、それからJRの錦糸町駅から近い公園であります。このバリアフリーの整備状況についてお尋ねいたします。
 私は、以前、区議会議員でありまして、この猿江恩賜公園につきましては、十数年前、十五年ぐらい前から様々に都に声を届けさせていただきました。本当にありがたいことに、じゃぶじゃぶ池、子供たちが遊べる池も、また、園路の根が張ってしまった歩道の整備も、そして、健康広場も、また、テニスコートの利用についても、そして、バスケットボール等のコートの整備におきましても、そして、トイレにおいても、また、ティアラこうとうの南側の方の整備、この自然いっぱいのところの整備においても、非常にまちにおいて大事な、また、江東五区にとって意味のある公園なので、ここの整備を訴えてきたところであります。
 ここの公園のバリアフリー、この整備、これはこれからどうなっていくのか。このことについて都に答弁を求めます。

○根来公園計画担当部長 猿江恩賜公園では、高齢者、障害者、子供、外国人など、誰もが快適に利用できる公園づくりに向け、公園内の段差の解消やサインの多言語化、老朽化施設の改修等を進めることとしております。
 来年度、北園の西側区域におきまして、車椅子利用者と一緒に集えるベンチへの改修や、健康広場内に園路の新設を行うほか、老朽化した舗装等を改修いたします。
 また、中央広場におきまして、スロープの設置やバリアフリー園路の整備などに着手いたします。

○細田委員 よろしくお願いいたします。都民の皆様が大いに期待をしております。
 さて、次に、大島大金沢砂防施設について質問をいたします。
 平成二十五年の十月の台風二十六号で、大島町では一時間に百二十二ミリ、総雨量として八百二十ミリを超す大島における観測史上最大の豪雨により、大金沢において大規模な土石流が発生し、神達地区では尊い人命が失われたわけであります。
 昨年には、この災害から十年という節目の年を迎えて、災害を後世へ伝えるための災害現場の跡地にメモリアル公園が整備されました。追悼式典が行われました。
 私も、この十年間で、砂防堰堤などのハード対策が着実に進んで、地域の安全性が向上している、このことを実感いたしました。二月にも大島を訪れまして、また、何回か、この十年間の間にこの現場を視察してまいりました。
 大金沢では、さらなる安全性向上のために、今後も整備が続くものと聞いています。
 そこで、大金沢におけるハード対策のこれまでの取組と今後の予定について質問をいたします。

○小木曽河川防災担当部長 都は、平成二十五年の台風により大きな被害を受けた大島町の大金沢におきまして、土石流から島民の命と財産を守るため、重点的にハード対策を行っております。
 これまで、土砂をためる堆積工のかさ上げや、土砂を堆積工に導く導流堤の整備などに加え、土石流を止める砂防堰堤三基のうち、二号堰堤の整備が完了いたしました。現在、新たに三号堰堤の工事について契約準備を行っているところでございます。
 今後は、この三号堰堤の工事契約後、速やかに現場に着手するとともに、一号堰堤につきまして、用地取得に取り組んでまいります。

○細田委員 大金沢において土石流が発生して以降、都は、速やかにハード対策を実施されて、島民の安全を確保してきたことを大変に高く評価いたします。
 この東京都の災害対策事業の昨年の九月のマップ、また説明書においても、大金沢のこの現場が正面の表紙を飾っている。また、環境局の出した中にも、ここの大金沢の堰堤がまさに例として挙げられている、このような非常に重要な施設が完成できて安心が大きく前進したという、安全が大きく前進したということを喜びます。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
 そして、私もその元町橋から海に向かう流路も見てまいりましたが、拡幅された流路に沿って、新たに町道が整備されたことにより、災害に強いまちになったということを実感いたしました。
 このような対策を着実に進めるためには、地元の大島町との連携が大変に重要になってまいります。
 そこで最後に、大金沢の流路整備に伴う都と町の連携した取組について答弁を求めます。

○小木曽河川防災担当部長 大金沢の流路整備では、砂防事業として、都が流路を拡幅し、道路事業として、町が流路に沿った避難路として活用できる町道を整備いたしました。
 事業区域内には被災した家屋が多数あり、用地取得に当たりましては、都と町で連携して用地測量や地権者に対する折衝を行いました。
 また、整備に当たりましては、住宅地内において工事がふくそうし、搬入路が限られますことから、工事工程や施工場所を綿密に調整することなどにより、速やかに施設を完成させました。
 引き続き、都と町が連携し、土砂災害対策に取り組んでまいります。

○原委員 よろしくお願いします。今日は、日比谷公園の再生整備計画と葛西臨海公園の整備事業の問題、それからパークマネジメントマスタープランについてお伺いをしていきます。
 まず、日比谷公園の整備計画についてですが、樹木の扱いについて利用者から心配の声と批判が起こっています。
 今、公表されている整備計画を見ただけでも、残置できず、撤去の運命の大径木がとても多くあることが分かります。
 それなのに、樹木の取扱いについて、現在地保全ができない樹木が何本になるのかの私の質問に対し、順次設計するので、全体像は今は分からないとのこれまでの局の説明では大変無責任です。全体の樹木の取扱いを示していただきたいと思います。
 とりわけ、三笠山の樹木はどうなるのか。山を削って樹木を移植することは環境確保条例や生物多様性地域戦略における緑地保全の方針に逆行しているんではないでしょうか。樹木の取扱いについての考え方を示してください。

○根来公園計画担当部長 日比谷公園の整備に当たりましては、樹木を保全して進めていくこととしております。
 また、整備はエリアごとに段階的に進めることとしており、樹木調査についても、エリアごとの段階的な整備に合わせて実施することとしております。

○原委員 今後について、このエリアごとということで、樹木の扱いの見通しが出されていないということがとても心配をしているわけです。
 保全をしますというふうにいいますが、そこに残置できない樹木が必ずあるわけですから、その扱いについて、今の時点でやはり見通しを出すことが責任ある計画になってくるんではないでしょうか。
 示せないならば、三笠山を削ることはやめていただきたいというふうに思います。設計をしていないなら、計画変更はこれからできるはずだと思います。
 計画は回遊道路ありきで、差し障りのある樹木は移植するからいいというのではなく、樹木の現在地保全を前提にして計画をつくり直していただきたいです。
 この西洋風公園としての初の都立公園である日比谷公園の歴史的建造物、テニスコート、市民の寄附を募って設置した思い出ベンチ、樹木、それぞれへの扱いがぞんざい過ぎるというふうな声が出ています。
 整備計画で、有楽町や内幸町の商業ビルにデッキを二本つくることに、今批判が出ています。都民からの声を聞いていますでしょうか。いま一度、デッキの設置について意見を都民に聞くべきではないでしょうか。

○根来公園計画担当部長 ちょっとデッキの答弁に先立ちまして、三笠山についてでございますけれども、公園の北西部のエリア、こちらについては、今後、家族連れなどの皆さんが、様々な世代の方々が憩いの場としてご利用いただけるような場所として再整備をしていく。そうした上で、三笠山については、今後整備をする周辺の広場と連続性を保ち、一体的に利用できるようにするために、一部を改修して残すというものでございます。
 デッキについてでございますけれども、こちらのデッキについては、令和三年十一月に都市計画決定をされておりまして、公園とまちをつなぐデッキの整備等により、車椅子やベビーカーでも安全、快適かつ自由に多様な人々が訪れることができるよう、公園へのアクセシビリティーや公園内外の回遊性、まちとの一体性を高めまして、より訪れやすい公園を目指すこととしております。

○原委員 三笠山については、やはり一部改修をするということなんですけれども、その計画自身も、やはり都民の中で議論をしたことがないんですね。もう決定で、利便性よくなりますと、広場が広がりますというふうにいいますが、本当にそれを都民が望んでいるのかどうかということが、やっぱり声を改めて聞くことが大事だというふうに思うんです。
 三笠山は樹林帯ですから、それを削るということは、本当にあの樹木が撤去されるということに直結しておりますので、大変心配をしているということをお伝えしたいです。
 そしてデッキも同じで、ほとんどの人が知らないうちに都市計画決定されています。この進め方が間違っているといいたいです。公園利用者や地域住民、都民へのアンケートなどをこれから行うことを求めます。
 野外音楽堂の整備事業でパークPFI方式で事業者から手が挙がらず、都が直接整備を行うことになったとの報告がありましたが、手が挙がらなかった理由は何ですか。

○根来公園計画担当部長 説明会に参加された事業者にヒアリングをいたしましたところ、人件費増や資材高騰等と聞いております。

○原委員 そうなんです。人件費増や資材高騰、こういうことが理由で応募がなかったというふうなお答えをいただいております。
 パークPFI方式で整備をすれば、民間の多彩なアイデアを生かすことができると、そういうふうにパークPFIについて、これまで都は説明をしてPRをしてきましたが、蓋を開ければ、応募者がいないということが今回あったわけです。
 利益の見込めない事業には、民間は手を挙げません。資材が高騰している昨今の事情が大変影響しております。
 パークPFIというのは、請け負った事業者がその敷地で利益を上げ続けなければならず、その収益を活用して公園整備をするわけですが、ずっと利益を出す事業をやり続けるということは大変なことですね。それには、野音の使用日数を増やしていったりとか、観客がお金を落とす飲食店なんかをたくさん並べる、そういうことに一生懸命にならざるを得ないというふうに思います。見通しを持てなかったと、事業者が、そういうことだと思います。
 都は、今回パークPFIを諦めて直接整備を行うことにしたことで、やはり収益を常に優先する整備計画、これ、パークPFIではやらなきゃいけない、こういうことが求められなくなったということです。
 利用者本位の野音、出演者や観客の立場に立った整備、こういうことができるチャンスなのかなというふうに思います。
 パークPFIのメリットは、都が負担する公園整備費を抑えることができるという面があると思いますが、それよりも収益施設になってしまうことの代償が大きいというふうに思います。この際、都立公園で進めようとしているパークPFI方式を根本的に見直すべきだと思います。公園は利用者本位で整備すべきです。
 野外音楽堂については、このまま補修で十分という利用者の声も上がっています。もう一度、この野外音楽堂を建て直すことを前提とするのではなく、整備の必要性について十分議論する場を設けていただくことを求めるものです。
 次に、葛西臨海水族園整備事業について質問します。
 既存の水族園本館は保存をするということを、都は正式に公表しました。とても喜ばれています。利活用について、今後どのように進める予定でしょうか。

○根来公園計画担当部長 現在の葛西臨海水族園本館の建物をどのように保存し、利用していくかについて、今後、建築家をはじめとした有識者の方々などとの意見交換や、調査検討等を進めることとしております。

○原委員 ありがとうございます。これまでは新館への移転が済んでから建物の傷み状況を見て、それを踏まえて、本館の利活用を検討するというふうなお答えを続けていたと思います。それから見れば、今回、大きな前進といえます。
 建築家などの有識者の意見をぜひ聞いていただき、情報も都民に公開して検討を進めてほしいです。
 あのガラスドームは、環境再生のシンボルであり、葛西臨海公園になくてはならないものです。来園者がすばらしい海への景観を楽しめるようにしていってほしいというふうに思います。
 新しい水族園について、都民参加がとても大事だというふうに私は考えてきましたが、今回、二月八日に更新した、よくある質問の中で、みんなで考えるアクセシブルプロジェクトという項目が整理されており、障害のある方や子供による整備プロセスへの直接参加という提案がされております。大変大事なコンセプトだと思います。
 新水族園への期待というのももちろんあると思います。こうした都民参加の方法を大事にしていってほしいと思います。
 ただ、やはり今ある水族園、また、淡水生物館、また、この新しい水族園の計画敷地での配置、こうしたことについては、やはり疑問が続いております。
 今回、淡水展示についてお聞きしたいんですが、新水族園施設への淡水展示については、野外に設置されるんでしょうか。

○根来公園計画担当部長 新施設の水槽の展示場所につきましては、屋内、屋外の別を要求水準書にそれぞれ示しておりまして、淡水生物の水槽についても、これに基づき整備することとしております。

○原委員 東京湾流域の生態系の淡水展示について、要求水準書の三三ページには、屋内、屋外との記載があります。
 細かく見ていくと、河川源流から上流までは半屋外を基本との記載で、池沼、田んぼは屋外というふうに記載をされています。
 ちょっともう一度聞きたいんですが、要求水準書というのはクリアしなければならない水準です。今の淡水生物館と流れのエリアを壊して、新たに半屋外で源流から上流に至る河川をつくり、また、今ある淡水生物館の池沼を壊して、新たに屋外に池沼をつくると、そういうことでいいんでしょうか。

○根来公園計画担当部長 新施設におきましては、先ほど副委員長ご指摘がございました、河川源流から上流の、こちらの水槽については、半屋外を基本に設置をいたします。
 また、河川、池沼の水槽につきましては、屋外に設置をする予定でございます。

○原委員 同じものとはいいませんが、今あるものを壊して、また池沼をつくり直すということ、すごい無駄だと思いませんか。ちょっとご意見を伺いたいと思います。

○根来公園計画担当部長 現在の淡水生物館を含め、水族園の建物については、既に整備をしてから三十年以上が経過してございまして、老朽化してございます。
 これは建物に限らず、展示しております池沼の池の展示なども、同様に老朽化が進んでございます。
 したがいまして、今回新しい施設を整備することで、新たな展示を行う。さらに、今回については、新館というか、本館の展示の中で、淡水の生物も行うような形になりますので、ほかの生き物と比べて一体的に観察というか、学んでいただくようなこともできるような施設に生まれ変わります。

○原委員 生まれ変わるということだと、いろんなまた新たな視点をつけて、つくっていけるというふうなメリットももちろんあるかと思いますが、池沼、渓流の展示、これがこの生物館の今の展示のように自然に近い形になるまでに、水族園のスタッフが大変長年愛情をかけて手入れをしてきた、そういう展示であります。
 今いわれた老朽化によって、この生物館はもう耐えられないと、建て替えなければならないという見解を聞いたのは、今初めてなんですね。
 本館の方は、様々な老朽化の問題、私も見てきました。ただ、生物館の方は、そういう理由がなく、残してもいいし、新しくしてもいいという、そういう要求水準書でありますので、老朽化は理由にならないのではないかというふうに思います。
 そのまま使えばよいのではないかと思いますが、この点について、実際に今管理をされている現地の職員の意見は聞かれていますか。

○根来公園計画担当部長 淡水生物館につきましても、当然建物としては、三十年以上が経過してございます。
 建物として維持していくためには、もちろん補修等を行いながら、現在も活用しているものでございます。

○原委員 今後またちょっと調べていきたいと思います。
 新施設の公表されている基本設計では、どこにどの展示を配置するのか分かりません。ですが、新施設から屋外に出られる通路をつくり、その先に野外展示をするという通常の配置を考えれば、今の本館でいうと、ペンギンのコーナーみたいな感じになるかと思うんですが、今の淡水生物館をうまく使う方法があるんではないかと思います。
 そこにあるのに壊して、またつくり直したら、それが自然に近い状態になるまで、また十年以上かかります。
 事業任せではなく、淡水展示においては、現生物館の活用について、都として見解を持って挑んでいただきたいと要望をしておきます。
 樹木についてです。
 事業者から樹木の取扱いが公表されました。計画敷地内の樹木千七百本のうち六百本を伐採し、八百本を移植、保存は三百本ということです。これを都は、妥当だと考えているんでしょうか。

○根来公園計画担当部長 新施設の整備に当たりましては、工事の影響を受ける樹木について、樹木医による樹木診断を実施の上、移植し生かしていくこととしております。
 もとより、公園の樹木は、憩いの場や多様な生物の生息空間といった、公園の役割を効果的に果たすことができるよう、計画的に植栽し、管理していくものでございまして、新施設整備に当たり、共生の杜などに移植する樹木として活用するとともに、新たな植栽も行うこととしております。

○原委員 妥当だというお返事だったと思いますが、大量伐採、大量移植に多くの都民が衝撃を受けています。
 もう一度聞いていきたいんですが、計画的に植栽し育てていくもの、移植する樹木の活用とともに新たな植栽も行うというふうにいわれましたが、そもそも千四百本も残置できない計画が想定されていたんでしょうか。

○根来公園計画担当部長 基本的に私ども、樹木等への影響について、配慮することを求めて事業等を進めてきたというところでございます。

○原委員 そうなんですね。芝生広場を中心に建てるという当初の計画は、樹木への影響を極力避けるためだったわけです。
 都立公園内の樹木が伐採されても、アセスにかかることがない大変不思議な東京都の制度の中にあって、樹木が千四百本、撤去されるのを見過ごすわけにはいかないんです。
 これが許されれば、ほかの公園も民間誘導で、飲食店などを認める流れの中で、同じようなことが起きていくと思われます。
 すぐ東側には鳥類園があり、カワセミや多くの生き物が生息しています。渡り鳥も羽を休めに来ます。ラムサール条約に登録された東なぎさの干潟への環境影響への専門家による調査と評価をしていただきたいと思います。自主的にでも、環境アセスを行うことを都に求めます。
 ぜひ検討していただきたいということとともに、やはり千四百本残置できない計画を受け入れるということですね。これ、本当に想定どおりだったのかということについて、もう一度検討していただきたい、見解を出していただきたいというふうに思います。
 次に、パークマネジメントマスタープランについて伺っていきます。
 私は、この葛西臨海水族園の問題もあって、葛西臨海公園にもよく行くようになりました。花壇もとても整備され、いつもきれいな公園で、大変公園整備、取り組まれていること、感謝申し上げます。
 東京都公園協会の評議委員会も先般やりました。そういう中で、様々な子供が参加できるイベントなどに取り組まれて努力されていること、本当に頑張っておられるなというふうに思います。
 花と光のムーブメント、これも見てきましたけれども、本当に来園者がとても喜んでおりました。
 こうしたパークマネジメントプラン、これ、これまでも委員の方々がいわれたように、都立公園は都市における緑の拠点であり、子供も大人も誰もが利用できるパブリックな場所として重要な役割を担っているというふうに思います。
 気になる点について今日は聞いていきます。
 このプランの中の公園の拡張整備の推進の項目があります。三七、三八ページにありますが、都市計画公園・緑地の整備方針に基づき、新規公園の整備、開園や既設公園の拡張整備を進め、特に丘陵地公園の整備を加速し、東京の緑の骨格に厚みとつながりを持たせ充実を図りますとあります。
 さらに、政策連携団体の活用などにより、用地取得体制を強化しますと記載されています。用地買収が必要になる公園、面積はどのくらいになりますか。

○根来公園計画担当部長 都市計画公園・緑地の整備方針に基づき、令和十一年度までに事業に着手する優先整備区域に四十四公園、約二百八十二ヘクタールを設定し、計画的に事業を進めております。

○原委員 都市計画公園・緑地の整備方針は、二〇二〇年に改定をされています。優先整備区域が四十四公園で、二百八十二ヘクタールを新たに公園にしようという事業です。
 先月、調布市にある都立神代植物公園に隣接した地域にお住まいの方々が都庁に要請に来られました。
 二〇二〇年の整備方針改定で、新たに公園拡張のための優先整備区域となった深大寺南町四丁目地内の方々で、地権者は三十件から四十件といわれていますが、昨年七月に東京都からの説明会があり、立ち退きをしてくださいといわれ、期日も令和十一年までに立ち退きを完了したいといわれて、大変びっくりしたそうです。
 この区域が都市計画決定されたのは、遡ること六十七年前の昭和三十二年です。二〇二〇年の改定で、お宅が新規事業化区域となりましたといわれても、説明会の日まで何も知らされていなかったそうです。
 説明会も終了時間が決められてしまっていて、質問も不十分なまま、あとは個別交渉といわれ、あまりにも住民の気持ちに寄り添わない態度だったことを怒っていました。
 住民の有志は昨年末、都に対して要請も行い、署名を提出しています。要請の中身は、一つ目が説明会の再実施、二つ目が現況測量、用地測量の即時停止、三つ目が調布都市計画神代公園の延期、見直しを求めています。
 その後も皆さんが都庁へ要請に来られ、都市整備局と建設局が対応してくださり、今月二十一日から三日間の説明会の開催が実現の運びとなりました。とてもよかったです。
 しかし、オープンハウス形式なんですね。実際は個別のやり取りになってしまうのではないかと指摘をされています。大人数、複数の人数で、双方向での対応をすることも可能になるように、今からでもお願いしたいというふうに思います。
 公園や緑地の開園、拡張と一言でいっても、個々の公園の状況もそれぞれですし、公園がすぐ隣という環境のよい場所に住まわれている方に立ち退きを求めるということは、この神代公園のように納得を得られにくいケースも出るだろうと思われます。時間をかけて築いてきたコミュニティもあります。
 事業に対して地権者や住民の理解が得られない場合、どのようにしていくでしょうか。

○根来公園計画担当部長 関係権利者に事業の必要性や補償の考え方などを丁寧に説明し、理解と協力を得ながら事業を進めてまいります。
 なお、副委員長がお話しの事業につきましては、私ども建設局所管の事業では実はございませんで、都市整備局の事業でございます。

○原委員 大変申し訳ありません。都市整備の方が進めていらっしゃるということですね。一緒に建設局もこの間要請を受けていただいたので、関わってはいらっしゃると思うので、ぜひ一緒に丁寧に寄り添っていただきたいというふうに思います。
 パークマネジメントマスタープランに用地取得体制を強化しますというふうに書かれているんですよね。個別交渉を急がずに、地域のコミュニティを形成してきた皆さんが大方納得される方向で、丁寧に話し合っていただきたいというふうに思うんですね。改善できることには取り組んでほしいと、こういう要望を出しておきたいと思います。
 ほかの地区からも同様の問題が起きていて、また局、違うといわれるかもしれないんですが、本当に必要な拡張計画なのか、一般的には公園、増やしてほしいという要望もありますし、難しいんですが、ぜひやっぱり地権者の声をよく聞いて検討していただきたいというふうに思っております。
 パークマネジメントマスタープランは、多様なニーズに対応するサービス施設の充実などの項目で民間連携が強調されているんですが、パークPFI方式、これを増やす方針でしょうか。

○根来公園計画担当部長 都立公園は、規模、利用状況等の特性がそれぞれ異なっておりまして、民間連携の具体的な在り方は、各公園の特性に応じて検討していくものでございます。

○原委員 パークPFIで一部開園した明治公園を見てきました。都が東京建物をはじめとしたグループ、Tokyo Legacy ParksにPFI契約をしています。
 順次営業を始めていて、飲食店、物販など六店舗が出来上がるそうです。そして公園のど真ん中の建物が何かと思ったら、スパ、サウナとか、そういうのがオープンするそうなんですね。
 これらの施設が公園内に建てられて、その商業施設群の合間にインクルーシブ広場が、猫の額のように添えられているという印象でした。都立公園らしからぬスペースと化しています。国立競技場利用者目当ての娯楽エリアになってしまった感じです。
 パークPFIは、二〇一七年、都市公園法改正により新設された制度ですが、公園内に飲食店などを建てることと、その収益で公園施設の整備を行うことを民間事業者に一任するものです。
 公園ににぎわいをもたらすと都は力説しますが、民間事業者は、店舗やイベント開催でもうけを出し続ける仕組みをつくるために、来園者にお金を落としてもらうことが前提の空間になります。逆にいうと、お金を持ってこなければ楽しめないような公園を増やしているといえます。
 都市公園法第一条、目的には、この法律は、都市公園の設置及び管理に関する基準等を定めて、都市公園の健全な発達を図り、もって公共の福祉の増進に資することを目的とするとあります。
 都立公園というのは、人の暮らしにとって必要な緑と文化、癒やしの公共空間といえます。誰もが利用できる場所であるべきです。そして公園の確保、創出により、動植物の生息場所を守り、ネーチャーポジティブの実現に寄与することが求められています。
 パークPFIはそうした公園の本来の目的から逸脱している危惧を持ちます。日比谷野音の例もあり、民間連携全てを否定はしませんが、公園の在り方をにぎわいなどという言葉でごまかさずに、都が公園の公的役割をしっかり認識し、責任を持って運営すべきと考えます。パークPFI方式を拡大しないことを求めます。
 最後に、防災面から捉える公園というテーマです。
 三二ページから三三ページにある防災拠点としての都立公園の役割は重要です。大地震の際の避難場所や救援の防災拠点としての都立公園、ヘリコプターの離発着などの敷地は、都民の命を守る大事な場所になります。
 風水害に対応する機能の拡充で、篠崎公園高台化が紹介されています。風水害対策は、大変大事だというふうに思いますが、高規格堤防と高台化事業で、篠崎公園地区で、今盛土工事が始まろうとしていますが、地元では、盛土が始まる前から様々な問題が浮上し、住民の不安が募っています。
 高台化のための第一次盛土、A地区の説明会が、国の説明会ですが、先日行われました。全体の三分の一くらいの盛土予定部分について、地権者との交渉が終わっていないため、その部分を除いての盛土を行うとの説明でした。
 盛土した土を押さえるための擁壁もつくる大きな工事になりますが、この一部を除くというのが気になります。
 土を盛る工事期間が長ければ、強風により土が飛散するなど、近隣への環境影響が起きることが想像されます。工事車両の行き来による騒音やCO2排出などの問題も、工事が長引けば長引きます。
 そして、このまま地権者との話合いがつかないことも想定されるのではないでしょうか。見切り発車をしないで、地権者との話合いがつくまで、盛土工事は一旦やめるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。

○根来公園計画担当部長 現在実施中の盛土工事につきましては、国が行っているものでございまして、お答えしかねるところでございます。

○原委員 今の盛土工事は国が行っているんですが、公園にもかかっておりますし、このまま高台化と一緒になった工事が続いていきますので、国ですというふうなお答えではなく、この問題もやはり一緒の問題として受け止めてほしいと思うんですね。
 それで今度、樹木の問題もちょっといいたいんですが、高台化の準備で上物の撤去と併せて、篠崎公園内の樹木の伐採、移植も行われて、樹林帯が今消失し、堤防から見る景色は、公園が丸裸になってしまい、一変をしています。
 昨年秋までに九百本以上伐採されたものも含め、この高台化事業で伐採、移植は三千十八本、うち伐採が二千百三十九本ということです。地域住民は衝撃を受けております。
 樹林帯は、これまでも江戸川からの強風を和らげてくれたし、もし川から溢水があっても、水の勢いを止める役割を果たしたはずだと、樹木がなくなったことは公園そのものが失われたことに等しいとの声を聞きました。
 このような住民の声が出ている中で、それでもなお事業は必要だということでしょうか。都のお考えを伺います。

○根来公園計画担当部長 篠崎公園におきましては、頻発化、激甚化する風水害から都民の生命や生活を守るため、広場の高台化や江戸川堤防への避難動線の確保に取り組んでおります。
 事業実施に当たりましては、説明会やオープンハウスを実施し、樹木の取扱いなども含め、住民に対して丁寧に説明してきております。
 また、高台化後は、緑豊かな公園として整備していく計画でございます。

○原委員 本事業は国の高規格堤防事業と都の公園高台化、江戸川区の区画整理事業など、五事業が一体になっているものなんですが、そもそも川の水があふれたときに堤防に避難をするのだろうかという根本的矛盾に、国も都もこれまで正面から答えたことがないんですね。
 そして、都民の命や生活を守るために、広場の高台化や、避難動線を確保するとの答弁でしたが、災害対策としての基本情報である高台のどこが避難先になるのか、何人の人が避難でき、どこに滞在することができるのか、機能と救済予想について指標が示されていないんです。どうやって洪水対策効果を検証するのでしょうか。
 避難者想定人数などを定量的に示すのが公共事業の本来の在り方です。示していただくことを求めます。
 また、少なくとも先ほど指摘したような、地域住民の声を聞き取る機会を設け、丁寧に説明するとともに、この事業のデメリットについて向き合い、現時点での検証をするべきであると考えます。高台化の加速一辺倒ではなく、立ち止まって検証することを求めます。
 以上で、パークマネジメントマスタープラン関連の質問を終え、私の質疑を終わります。ありがとうございました。

○須山委員 ありがとうございます。何点か質問させていただきたいと思います。
 まず、山岳道路における道路災害防除事業について伺います。
 近年、線状降水帯などにより、全国的に土砂災害が頻発をしております。都内で最も被害が大きかったのは、令和元年の台風第十九号、この台風では、私の地元八王子市でも陣馬街道などにおいて、脇を流れる河川の増水に伴い、道路の擁壁が崩れたり、道沿いの沢からの土砂流入等により通行止めになる事例が相次ぎました。
 こうした災害に対して、都は、道路災害防除事業の一環として、川沿いの擁壁の補強などの防災機能の強化に取り組んでいると伺っております。
 再度、災害の発生防止のためには、こうした取組、適切な場所での実施が非常に重要であると考えております。
 そこで東京都は、道路災害防除事業のうち、こうした川沿いの擁壁の補強など、防災機能の強化をどのような場所で行っていくのか伺いたいと思います。

○原田道路保全担当部長 都は、台風第十九号における被災状況を踏まえ、災害時に迂回路がない場所などを優先的に対策する区間に選定し、河川増水時に道路流失を防ぐ擁壁の補強や、渓流から道路への土砂流入を抑制する施設を整備しております。
 令和六年度は、陣馬街道や檜原街道など、五路線、八か所で対策を実施する予定でございます。

○須山委員 ありがとうございます。ご答弁にあったように、迂回路のない場所というのは、特に多摩西部、多くあります。地震も同様ですけれども、災害が起きた際に、住民がちゃんと逃げられるように、また、物資等がちゃんと届くようにするためにも、本当に大切な事業だなというふうに改めて感じております。市民、都民の生命、財産を守ることは何物にも優先されると考えております。
 引き続き防災機能の強化を進めていっていただきたいということで、この件に関しては質問を終わります。
 続きまして、上野動物園の新たな乗り物に関してということで、昨年廃止が決定をしました上野動物園のモノレールですけれども、新たな乗り物について、現在の取組状況を伺いたいと思います。

○根来公園計画担当部長 恩賜上野動物園の新たな乗り物につきましては、バリアフリーに配慮し、ベビーカーや車椅子の利用者など誰もが快適に利用でき、広く来園者に親しまれるものとする計画でございます。
 現在、新たな乗り物の企画提案の選定作業を進めておりまして、今月末に決定する予定でございます。
 来年度は、選定された企画提案を前提に乗り物の設計を行うこととしており、着実に取り組んでまいります。

○須山委員 今月末に決定をするということでした。歴史を見てみると、上野動物園のモノレールというのは、新しい都市交通の試行という位置づけで、当時実験的なものとしてつくられた側面があるとも伺っております。そうしたことを考えると、新たなモビリティーの試行にもつながっていくのかなというふうにも期待をしておりますので、本当に楽しみにさせていただいております。
 また、地元の方に聞いたら、例えばモノレール乗り場の後をプレーパーク等にしてほしいとか、あと、区内で花火ができる場所がないから、そうしたことができるような場所をつくってほしいということも伺いました。
 そうすることによって、やっぱり地域の皆さんとのつながりがより一層深まるのかなというふうに思いますし、地域の皆さんの利用も増えていくかなというふうに思いますので、そういった声も取り入れていただきながら、地元からもさらに愛される上野動物園にしていただきたいなと思いますので、よろしくお願いします。
 続きまして、多摩動物公園の整備に関して伺います。
 多摩動物公園も様々やって、ちょっと前には、ライオンバスが再開したりとか、本当に今設備が更新をされていっている時期だなというふうに思っておりますけれども、その多摩動物公園の整備の取組状況について伺います。

○根来公園計画担当部長 多摩動物公園では、老朽化した施設の更新に取り組んでおりまして、アフリカ園では現在、シマウマやオリックスの獣舎や、これらの動物を展示する放飼場の整備を進めております。
 また、アジア園では、来年度、トキの展示施設の整備に着手いたします。

○須山委員 様々な取組をしていただいているなというふうに思っております。
 昨年は残念ながら、鳥インフルエンザで閉園の期間がありました。結構長かったんですけれども、今年はそれも踏まえて、一部の鳥の展示を中止しているというふうにも伺っておりますし、そうした様々な対策を打っていただいているんだなということも改めて理解させていただいております。
 本当に先ほども申し上げたとおり、多摩動物公園は今施設の更新の時期なのかなと思って、様々な取組で集客を図っていただいているなというふうに思っております。
 現在では、タスマニアデビルが来ているということですし、また私も子供を連れていきたいなと思っておりますので、よろしくお願いします。
 一点、これは前から申し上げているんですけれども、ライオンバスのチケット、これのオンライン購入であったりとか、入園口で買えるようにして、利便性をちょっと高めていっていただきたいと思っておりますので、これはまた引き続き要望とさせていただいております。
 続きまして、だれもが遊べる児童遊具広場事業に関して聞きたいと思うんですけれども、先ほど成清委員からもインクルーシブ公園とありました。
 インクルーシブ公園、遊具は都立公園で進んでいるということは、先ほどの質疑でも分かりましたけれども、区市町村、こちらが実施をしているだれもが遊べる児童遊具広場の整備に対する補助、これについてのこれまでの実績と来年度の予定について、お聞かせいただきたいと思います。

○根来公園計画担当部長 都は、だれもが遊べる児童遊具広場を区市町村に広げていくため、令和三年度からの五か年事業として、新規整備や改修に要する費用の補助を行っております。
 令和三年度は二区、令和四年度は二市、今年度は三区市に対して補助を行っております。
 制度のさらなる活用を促すため、区市町村の担当者向けの情報連絡会を継続的に行うなど、普及啓発に取り組んでおりまして、来年度は七区市への補助を予定しております。

○須山委員 ありがとうございます。来年度に関しては、規模をかなり拡大をするということと、あとは普及啓発に取り組んでもいただいているということでした。
 私も週末に子供を連れて、都立公園の方ですけれども、インクルーシブ遊具のところで遊んできたんですけれども、やっぱりもう子供が何ていうかな、すごく自由に楽しく元気に遊んでいる姿を見られることがすごくよかったなと思いますし、やはりそうした本当に子供が安全で、親もそうやって子供を連れていって安全な、安心な、そうした遊具であったりとか公園というのはどんどんどんどん拡大していくといいなと思いますし、それは都立公園だけでなくて、やっぱり地元の自治体の、区市町村の公園でもしっかりとそれが広がっていくことを求めておきますので、来年度、本当にまた規模を拡大するということで、改めて評価をさせていただきたいと思います。
 最後に、花と光のムーブメント事業について、これも伺いたいと思うんですけれども、去年も質問させていただいておりますし、広報関係のこととかを質問させていただいたと思うんですけれども、初年度が四億円、今年度は九億円、来年度が十億円が予算計上されたということですけれども、まずはこの今年度の実施状況について伺いたいと思います。

○根来公園計画担当部長 都は、公園の魅力や価値を向上させるため、令和四年度から四季を通じた花と光の演出を行う花と光のムーブメントを実施しております。
 今年度は、延べ八公園で実施することとしておりまして、例えば、これまで春の舎人公園では、五万本のネモフィラ花壇を整備し、ライトアップいたしますとともに、夏の葛西臨海公園では、子供たちと種まきをした三万本のヒマワリ花壇をライトアップいたしました。
 初めての開催となる小金井公園では、今月下旬から園内にある江戸東京たてもの園とも連携し、月と夜桜をテーマとしたライトアップを行う予定でございます。

○須山委員 今年度だと小金井公園で、こうした様々その各公園の特色に合わせた、また、ものにしているんだなということも分かりましたので、非常にそれを見に行った人たちも結構、ほかの公園ですけれども、なかなかきれいだったよという声も聞いておりますので、ということも一応お伝えはさせていただきます。
 これまでの開催の実績を踏まえた今後の取組について、今度は伺いたいと思います。

○根来公園計画担当部長 本事業における今年度の実績は、例えば舎人公園では、前年同時期に比べて、来園者が七〇%以上増えるなど、多くの来園者に花と光の演出を楽しんでいただきました。
 また、公園のSNSフォロワーも着実に増えており、公園の新たな魅力の発信につながっております。
 来年度は、地域特性を生かした演出や園内の施設とのイベントの同時開催など、事業内容の改良を加えて実施してまいります。

○須山委員 ありがとうございます。最初の答弁にあったように、都立公園の魅力の向上であったりとかということが、この事業の目標、目的なのかなというふうには思っております。
 都立公園を使って、その魅力向上のために様々事業をやることというのは非常に大事だなというふうに思っておりますし、先ほども申し上げたとおり、すごいきれいだったよという声も伺いました。
 一方で、やっぱり私、ちょっと自治体の議員だったから気になるのか分からないんですけれども、一公園で単純計算して一億円、一つの公園に一億円かけて、この公園の魅力や価値向上ということを進めていくのは、本当にそれが見合ったことなのかどうかということはちょっと感じてしまう部分ではあります。
 イベントでの来場者を増やしていくことが目的なのか、それともSNSで話題が、SNSのフォロワーが増えることが目的なのか、様々な魅力の向上というものはあるとは思うんですけれども、それに見合ったものに、かけたお金に見合ったものにしていっていただきたいなということは強く要望させていただきたいと思います。
 ただ、担当の方からもお話を伺って、二年間の実績を基に、いろいろ改善をして、先ほどの小金井公園であったりとか、その公園の特色に合ったイベントにしているということも一定の評価をさせていただきますので、しっかりと目標設定をしていただいて、そして効果測定もしっかりとしていただいて、そして事業を進めていっていただきたいと要望させていただいて、私の質問を終わります。

○曽根委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後三時二十五分休憩

   午後三時四十一分開議

○曽根委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○もり委員 パークマネジメントマスタープランの改定についてお伺いをいたします。
 今回のパークマネジメントマスタープランの改定は、東京グリーンビズ、東京都の長期計画、「未来の東京」戦略等を踏まえ、令和六年度から令和十五年度までの計画期間として設定することとしています。
 二〇四〇年代の都立公園の目指す姿として掲げられている、豊かな緑を育み、次世代へとつなぐ公園、東京の活力と魅力を高め、まちづくりの核になる公園、都民一人一人のウエルビーイングに貢献する公園という三つの都市公園の成果規定は期待ができます。
 都市公園は公共事業であり、都市計画とともに都市のありようを決めるもので、長期的なビジョンが必要だと考えます。
 都市公園の利用者は、現在の世代だけではなく、将来世代の人々でもあります。そして、人口が明治時代に戻った日本、その中での東京を再び安らぎの中で、古くて新しい豊かな生活を送ることができるよう設計をしていかなければなりません。
 長期計画、「未来の東京」戦略では、二〇四〇年の東京をイメージしていますが、それは人口半減に向かう通過点であり、急激な少子高齢化の真っただ中の期間であります。
 都立公園を取り巻く社会状況の変化として、人口半減、急速な少子高齢化という変化をどのように踏まえているのか、お伺いをいたします。

○根来公園計画担当部長 パークマネジメントマスタープランでは、都立公園を取り巻く社会状況の変化として少子高齢化の進行を示し、年齢階級別人口を推計したグラフを掲載しております。

○もり委員 二〇四〇年という人口半減の通過点であることを踏まえ、都市公園の整備を考えるべきですが、都の見解を伺います。

○根来公園計画担当部長 マスタープランでは、都立公園を取り巻く社会状況の変化として少子高齢化の進行を示し、年齢階級別人口を推計したグラフを記載しておりまして、これらを踏まえて取りまとめております。

○もり委員 明治神宮外苑は都立公園ではありませんが、都立公園に準じて扱われてきたというのが都の見解です。しかし、都市公園の整備は、百年育った明治神宮外苑の樹木を伐採して芝生に変え、新しく植えて、次の百年を待つということではないと思います。
 東京には江戸から明治にかけての庭園があり、皇居や御苑もあります。これらをつないで庭園都市東京を保存するというのが、イコモスの勧告です。
 私は、東京の庭園文化が世界文化遺産になることはとてもすばらしいことだと考えますが、ユニセフの諮問機関である日本イコモスのヘリテージアラートが発出された重み、都市計画は都市整備局の所管とのことですが、パークマネジメントにおいて、庭園都市東京における緑の連続性という視点を持って、都立公園の整備に当たっていただきたいと要望いたします。
 都民と進める公園づくりの基本は、都民が決める、都民と進めるということですが、都市計画公園である明治神宮外苑では、三井不動産が決め、三井不動産と進めるにはなっていないでしょうか。都民の声が聞かれず、対話もされておりません。都市公園となると対応が全く変わるのか、大きな危惧があります。
 三井不動産などの大手開発事業者は、芝公園や日比谷公園でも様々な計画を持っていますが、施策11の(1)、都民と進める公園づくりでは、これらの都市公園についても、都民に対する説明会や対話集会、専門家と都庁による対話会なども開催されるべきと考えますが、見解をお伺いいたします。

○根来公園計画担当部長 マスタープランでは、都民と進める公園づくりとして、例えば、地域住民等の多様な主体が参加するパークミーティングやアンケート調査等を実施し、利用者の意見を公園づくりに反映することとしております。
 なお、日比谷公園では、バリアフリー日比谷公園プロジェクトに基づき、都が段階的な整備を進めております。また、芝公園については、お話のような計画は承知していません。

○もり委員 パブリックコメントですとか、あと、オープンミーティングのような説明会などもあるんですけれども、既に決まったことを周知する場になっていて、本当に計画段階から都民の声を盛り込むような施策が求められると感じています。
 次に、日比谷公園については、施策7にある、多彩なベンチやデッキの整備などによる緑に囲まれ過ごせるポイントづくりを推進との記述は、三井不動産が計画している空中回廊、デッキを意味しているのではないかと危惧しますが、そうではないことを確認したいと思います。いかがでしょうか。

○根来公園計画担当部長 マスタープランに記載の多彩なベンチや樹林の中へのデッキの整備は、多様な過ごし方ができる空間づくりの例を示したものでございます。

○もり委員 先ほどの質疑にもあったんですけれども、やっぱりこの民間企業からのデッキというのが、どうしてもバリアフリー計画と逆行して、本当に段差を生んでしまうような公園づくりにならないかということを危惧しています。
 また、ビルの谷間の都市公園にならないように、都市公園の整備に当たっては、都市計画部局と連携をしながら、都市公園の周辺の建築規制も必要だと考えます。建築規制は都市整備局の所管とのことですが、整備主体である建設局として、よりよい公園の整備に向けて、周辺環境の制限についても連携して取り組んでいただくことを要望いたします。
 また、施策9の(3)、多様なニーズに対応するサービス施設の充実では、既存売店、飲食店の見直しを行い、民間のノウハウを活用して魅力的なサービス施設にリニューアルするとありますが、明治神宮外苑では、飲食店が歩道にせり出していることによって、イチョウ並木が気候変化に対応できず、枯れかけている樹木も見られ、本末転倒の事態が生じています。
 公園というオープンスペース、樹木がつくり出す木漏れ日の安息、これらの価値を損なわない範囲での飲食店という考え方が必要ですが、都の見解をお伺いいたします。

○根来公園計画担当部長 都立公園における公園施設の整備は、公園ごとの個性、特性や利用者ニーズを踏まえて進めることとしております。

○もり委員 まずは都民の憩いの場である都立公園の目的を第一に整備を進めていただきたいと、改めて要望いたします。
 都立公園を取り巻く社会状況の変化では、世界主要都市の一人当たりの公園面積が示され、国交省の二〇二〇年の資料を基に、最も多いストックホルムでは八十平米、ワシントンDC五十二・三平米、ロンドン二十六・八平米、ニューヨークが十八・六平米で、パリが十一・六平米と続く中で、東京の区部はソウルの十一・三平米の半分にも及ばない、一人当たり四・四平方メートルとなっていますが、世界主要都市における一人当たり緑地面積では、東京はトップテンにも入っておらず、緑地の充実度においては四十八都市中四十位という結果をどのように受け止めて、今回の計画策定に臨んだのか、お伺いをいたします。

○根来公園計画担当部長 マスタープランでは、東京の緑を担う公園の整備を推進し、緑の量的な底上げと質の向上を図っていく必要があるとしております。

○もり委員 昨今の東京都の公園施策は、にぎわい過剰で、木々の木漏れ日よりも、高層ビルの前庭として、イベント広場のような整備が進められ、企業の金もうけの場になっているのではないか、都民の憩いの場ではなくなっているのではないかということを危惧しています。
 気候危機による自然災害の増加、地球温暖化を越えて地球沸騰化の時代といわれる中、都市の緑を大胆に増やす施策は、熱中症や感染症のリスクを減らす経済的な視点からも求められ、ニューヨークでは百万本の緑化、フランスでは凱旋門においても緑化が進められ、パリ五輪に向け、パリ最大の十一ヘクタールの公園づくりが進められています。
 昨年の日本の出生率は過去最少の七十五万人、一方で昨年亡くなった方は百五十万人と、出生数の倍の方が亡くなる超人口減少社会に突入している日本が、世界の潮流と逆行し、いまだに東京と大阪では次々と大型高層ビル開発が進み、都市の樹木が破壊されていくことは、持続可能な環境都市とはいえないと大変遺憾であり、危惧しております。
 都立公園において緑を増やす取組として、具体的な今後の取組についてお伺いをいたします。

○根来公園計画担当部長 マスタープランでは、都市計画公園・緑地の整備方針に基づき、新規公園の整備、開園や既設公園の拡張整備を進めるなどとしております。

○もり委員 現在、都立公園は、先ほどの質疑でもあったように、八十四公園、二千六十五ヘクタールですが、多様な生物が生息する都立公園の整備対象公園は三十一公園です。
 都民一人当たりの公園面積が主要都市の中で最も少ない東京区部においては、ネーチャーポジティブ、自然と生物多様性の損失を食い止め、軌道回復へと変える、東京都生物多様性戦略の実現が掲げられています。
 それは、昆明・モントリオール生物多様性枠組でも掲げられた二〇三〇年ミッションであり、自然を回復軌道に乗せるため、生物多様性の損失を止めるために、三十一公園にとどまらず、都立公園全てにおいて都民の生物多様性の拠点となるよう取組を進めていくべきと考えますが、見解をお伺いいたします。

○根来公園計画担当部長 マスタープランでは、三十一公園に指定されていない都立公園においても、各公園の特色に応じた希少生物種の保全や、生物情報の蓄積などに取り組むこととしております。

○もり委員 令和六年度予算では、都市整備局の事業ですが、緑あふれる公園緑地等整備事業補助制度に四億円、今年度の新規事業として特別緑地保全地区買取等補助制度として二十億円の新規事業に予算がついたことは、相続等で次々と地域の緑が姿を消している現状に、以前より地域に根づいた民有地、屋敷林等の保全を求めてまいりました。所管は異なりますが、公園用地の確保に向け、連携して取り組んでいただくよう要望いたします。
 二〇四〇年の都立公園の目指す姿では、東京の緑を守る、増やす、変えるの三つの視点からマネジメントを進めるとしています。
 そこで、守るでは、東京の緑を守る、ツリーバンクが新たに設置されております。例えば、国立競技場建設においては千五百本が伐採をされ、二百本が移植をされましたが、多くは人工地盤上への移植で、大地と水循環が遮断された土壌では森の生態系が再生されず、移植前の美しい樹形を生かした植樹と確認できたのは、新宿区の天然記念物であるスダジイを含め僅か三本であったと石川幹子教授も指摘をされており、私も現地を見せていただきました。
 今回の事業はツリーバンクという名称ですので、例えば銀行で預けたお金が消えてしまったら大問題です。どこの公園からどの樹木がツリーバンクに預けられ、新たな公園で根づいているのか、しっかりとリスト化、データ化して、移植後の追跡ができるような管理を要望します。
 移植は、樹木にとって枝や幹、時には幹を切断するため、樹木には大きなダメージを強いる行為であり、その樹種ごとに合った土壌の生態系が適しているか、移植前よりもよりよい環境の場所へ移すのが基本であると、東京農業大学の濱野教授も指摘をされています。
 都立公園だと、現在、日比谷公園においても、また葛西臨海水族園においても多くの移植計画があり、また、都立公園ではありませんが、都市計画公園である神宮外苑開発もあります。
 ツリーバンクにおける樹木の受入れ、保管場所についてどのように想定をされているのか、お伺いをいたします。

○根来公園計画担当部長 ツリーバンクは、都立公園や海上公園の再整備に伴い移植が必要となる樹木をツリーバンク用地に受け入れ、一時的に保管するものでございまして、神代植物公園の未開園地をツリーバンク用地として確保しております。

○もり委員 先ほどの質疑であったんですけれども、建設局が行っている東部低地帯の都立篠崎公園のかさ上げ事業においても、多くの樹木が伐採をされた経緯があります。
 ツリーバンクにおいて移植する樹木はどのように選定をされるのか、お伺いします。

○根来公園計画担当部長 再整備に伴い移植が必要となる樹木は、必要に応じて専門家の意見を聴取し、敷地内等に移植先が確保できない場合、ツリーバンク用地を活用いたします。

○もり委員 今年度の新規事業としてツリーバンク事業の予算規模は四千万円が計上されており、先ほどご答弁があった神代植物公園における整備費用とのことですけれども、新宿区の天然記念物であったスダジイについては、移植に対して一本で千四百万をかけて保全が行われたと聞いております。
 大きな樹木における移植に際しては、一本当たりの移植費用、また、神代公園への場所の移動などにもかなりの予算がかかるのではないかと考えます。
 年月を重ね育まれた樹木は、大きな樹木こそ、地域のシンボルツリーとして長年地域に愛されてきた樹木です。改めて、できるだけ現地保存をしていただくよう要望いたします。
 また、移植の際には、必要に応じて樹木医等の専門家の意見を聴取すると聞いております。
 以前、環境再生医矢野智徳さんの挑戦という、映画「杜人」を見て、本当に樹木一本一本を命として大切に向き合う姿に、劇場で涙が止まらなかったんですけれども、ぜひ担当の方にも見ていただきたい映画だと思いました。
 大地に根を深く張り、大地の水脈から水を吸い上げる樹木と、人工地盤にあしらわれた緑では、同じ面積でも、CO2の吸収やグリーンインフラとして降った雨を吸収する役割は大きく異なると考えます。
 また、二九ページの都立公園の緑について、日差しを避けてくつろぐよう広場に木陰を提供することとありますが、海外の公園に比べ、日本は公園も街路樹もそうなんですが、樹冠が小さい樹木が多いように感じます。
 以前より樹冠拡大の取組を求め、五輪に向け、センター・コア・エリアを中心とした樹冠拡大の取組が行われてきましたが、都立公園の樹木についても一層の樹冠拡大に取り組んでいただきたいと考えます。見解をお伺いいたします。

○根来公園計画担当部長 公園の植栽は、公園の多様な役割を効果的に果たすことができるよう、公園の性格や公園内のエリアごとに求められる機能等を踏まえて、樹木の除伐、剪定など、維持管理を計画的に行っております。

○もり委員 次、歴史と文化を守るとして、文化財庭園の保存、復元と管理の充実に取り組むとしています。
 文化財保護法に基づき名勝などに指定された浜離宮恩賜庭園など六つの文化財庭園を次の世代に引き継ぐことが求められ、私も二月に母と伺いましたが、松竹梅と菜の花が満開で、本当に見事な四季折々の花々を満喫させていただきました。
 日比谷公園や上野恩賜公園では、歴史的、文化的な価値を継承し、緑を守りながら、将来の都民に引き継ぐため、誰もが利用しやすく楽しめる公園へ進化させるとしています。
 開園から百二十年、国内初の洋風式公園として開園し、公園全体が文化財のようなもの、樹木を大事にした設計者の意図を酌んで、歴史ある樹木を後世に残してほしいと、日比谷公園においては、二〇二一年に、にれの木広場、二十三本の樹木が伐採をされました。また、バラについては移植をされたとのことですが、日比谷公園の歴史と千本の樹木を破壊しないでというネットの署名は既に二万三百筆を超えています。
 日比谷公園には人々の手によって育まれた森があり、開園以来百年以上にわたり公園を見守ってきたクスノキの大木など、都市の貴重な緑です。
 にれの木広場は既にアスファルトの地面になり、昨年も猛暑が続いた中で、都市の公園の緑を伐採し、照り返しの強いアスファルトに変える公園整備は、バリアフリー化とは程遠く、長年都民が親しみ憩いの場であった公園を害し、民間のイベント広場になっているのではと、とても歴史と文化を守り伝える公園整備とはいえないと考えます。
 また、先ほども質疑がありましたが、明治三十五年につくられた三笠山の情緒ある山の風情が、どこも同じようなイベント広場に変えられることは見直すべきであること、これまでも議会でも多くの声が上がっています。
 さきの委員会でもありましたが、プロジェクションマッピングやナイトタイムの起爆剤として巨額の予算が投じられて、議論となっておりますが、インバウンドで海外の方から魅力的であると重んじられるのは、つくり物ではない、日本で長い時間をかけて育まれてきた歴史であり文化です。それを壊してしまうのは本末転倒であると考えます。
 日比谷公園整備において、都はどのように歴史的、文化的な価値を継承していくのか、改めてお伺いをいたします。

○根来公園計画担当部長 日比谷公園の整備に当たりましては、百二十年の時代を経て積層した魅力にさらに磨きをかけ、歴史的、文化的な価値を継承しながら、誰もがより楽しめる公園に進化させていくこととしております。

○もり委員 であれば、ぜひ、やはり三笠山の整備については見直していただくよう、改めて強く要望いたします。
 日比谷通りの街路樹とともに四百から五百本の樹木が伐採されることが危惧をされておりますが、これらの歴史的樹木はツリーバンクで移植されるのか、都の見解を伺います。

○根来公園計画担当部長 整備はエリアごとに段階的に進めることとしており、樹木調査についても、エリアごとの段階的な整備に合わせて実施することとしております。
 公園の植栽は、公園の多様な役割を効果的に果たすことができるよう、公園の性格や公園内のエリアごとに求められる機能等を踏まえて樹木等を植栽し、育成していくものでございます。
 将来にわたり公園利用の安全・安心を確保するとともに、植栽した樹木が健全に生育し、植栽の目的、機能が十分に果たされるよう、樹木の除伐、剪定など維持管理を行っていくこととしております。
 こうした考えの下、日比谷公園内の樹木について移植が必要となる場合には、既に第二花壇の整備に伴い実施しているとおり、樹木診断を行った上で公園内に移植するなど、適切に対応していくこととしております。街路樹についても同様の考え方が基本となります。

○もり委員 樹木の樹種によって本当に土の、生物多様性など環境が異なりますので、本当にできるだけ公園内で移植についても木の負担のないようにと、一層の取組を求めます。
 また、安らぎを守る視点から、公園施設の整備、維持管理についても、誰もが安心して利用できる公園づくりが求められます。
 日比谷公園で思い出ベンチの設置は、耐久年数を過ぎ撤去されましたが、今後も、子供の誕生や都民のメモリアルとして、新たな思い出ベンチやマイ・ツリー制度など、都民と共に公園整備と緑を増やす取組は、都民参加型で公園に愛着を持てる、よい取組であると考えますが、都立公園における都民参加の公園整備の取組について見解を伺います。

○根来公園計画担当部長 マスタープランでは、公園整備後の使い方を先行体験するイベント等を通じ、日頃、公園を利用している方々の生の意見を聞くなど、利用者と共に考える公園づくりを進めることとしております。

○もり委員 また、明治公園の周辺に設置されたベンチが、排除アートになっているとの指摘がありました。確認をさせていただいたところ、都立公園に設置されたものではなく、周辺に民間が設置されたものと確認をさせていただきました。
 座る部分には手すりではなく、丸のようなものが設置され、路上生活者が横になれないよう排除するようなデザインになっているベンチ、また、アーチ型でバランスを取らなければ座っていられないデザインのものも近年見られます。
 地元でも、駅前広場がたまり場になっていたことから、長時間滞留できないようなデザイン性に優れたものもありますが、公共空間においては、誰もが利用しやすいベンチを設置していただきたいと、こちらも要望させていただきます。
 また、トイレの洋式化については、先ほど質疑が既にありましたので、質問は省略をいたしますが、インクルーシブな公園の設置とともにプレーリーダーの配置ということですが、常設ではなく、イベント時の活用というようなお答えでした。ぜひ、全ての子供たちが安心して遊べるように、プレーリーダーは大変重要な役割がございますので、できるだけ、イベントのみではなく、常設で配置するような公園の取組も進めていただきたいと要望いたします。
 都民と決める、都民と進めるを標榜する東京都として、計画段階から都民の声を盛り込んでいただきたいということを求めてまいりました。
 都立公園における多様化する社会への対応、次世代を担う子供目線を大切にした取組の推進や、また子育て環境の向上に資する場としての活用が求められます。
 東京都こども基本条例にもあるように、子供の意見をどのようにまちづくりに反映させていくか、子供目線をどのように都立公園づくりに酌み取っていくか、お伺いをいたします。

○根来公園計画担当部長 マスタープランでは、子供が遊具の設計などに参加できるワークショップを開催するなど、利用者と共に考える公園づくりを進めることとしております。

○もり委員 パークミーティングの開催に際しては、幅広い主体が参加できるよう、地元自治体とも連携しながら、アンケートを取るのみならず、対話型のワークショップとなるよう求めます。
 また、公園整備後のみでなく、整備段階から地域住民の声を丁寧に聞き、見直すべきは見直し、都民と共に丁寧に公園整備を進めていただきたいと考えますが、見解をお伺いいたします。

○根来公園計画担当部長 都立公園では、地元自治体等が参加するパークミーティングを開催し、意見交換を行っております。また、整備段階からオープンハウスを開催するなど、様々な方々に直接公園への意見を聞く取組を行っております。

○もり委員 次に、令和六年度予算について伺います。
 自然災害対策として、河川の洪水を防ぐための調節池を連結し、海までつなぐ地下河川化の事業化に向けた取組が挙げられています。
 防潮堤のかさ上げの段階的実施、激甚化する風水害対策の強化については、当初、十年で七兆円のTOKYO強靱化プロジェクトの風水害対策にも位置づけられております。
 これらを含め、建設局では、工事によるCO2削減にどのように取り組んでいくのか伺います。

○松島企画担当部長 建設局では、東京都環境物品等調達方針に基づき、温室効果ガス削減に資する資材や機械等の使用を推進するとともに、低炭素アスファルトの利用拡大や、工事施工に伴う二酸化炭素排出量の削減に応じて工事成績を加点するなどの取組を行っております。
 引き続き、建設局事業におけるCO2削減に取り組んでまいります。

○もり委員 インフラ整備は大変重要ですが、その上で、今後の人口減少社会において巨額な整備コスト、大型工事によるCO2の発生による事業効果の試算も必要であると考えますので、引き続きのCO2削減の取組を要望いたします。また、自治体とも連携し、一層のグリーンインフラの導入に向けて、局横断的に取組を進めていただきたいと要望します。
 昨日質疑をされた東京都気候変動適応計画についてなんですけれども、都市における最大のクールスポットは、私は樹木だと考えますので、先ほども街路樹について質疑をさせていただきましたが、区市町村におけるクールスポットの設置において、区市町村と連携し、一層の街路樹における樹冠拡大を進めていくべきと考えますが、見解をお伺いいたします。

○根来公園計画担当部長 都は、国や区市町村の街路樹担当者が参加する連絡会を毎年開催し、樹冠拡大の取組状況や、樹種ごとに目標樹形や剪定手法を示した維持管理計画書などの技術的情報の提供や意見交換を行っております。

○もり委員 また、関連して街路樹の保全や育成について伺います。
 台風被害などが生じると、周辺の家屋や交通などに大きな障害、支障を与えることとなります。
 街路樹は道路沿いに植えられ、周辺がアスファルト等で固められ、深く根を張ることが難しく、苛酷な環境に植えられており、台風被害などを未然に防ぐ管理が求められます。
 街路樹が健全に成長するよう、専門家の下で、土壌の生物多様性の保全とともに、都民の安全を守る診断の取組についてお伺いをいたします。

○根来公園計画担当部長 樹勢の低下による倒木や幹折れ等を未然に防ぐため、樹木医による街路樹診断を計画的に実施しております。
 具体的には、幹等の傷やキノコの発生を調べる外観診断や、幹の空洞や腐りの程度を調べる機器診断を実施し、危険と判断された樹木は撤去して、新たな樹木に植え替えております。
 その他、必要に応じて経過観察や土壌改良等、樹勢回復のための措置を行っております。

○もり委員 診断により街路樹の倒木などを防止することは、地域の住環境を守るためにも重要です。
 区市町村管理の街路樹において、鉛筆のような強剪定の枝の伐採が問題になるというケースもあり、自治体によって街路樹の活力度が異なると感じることもあります。
 都として、自治体に対して一層の樹冠拡大を進めていくよう後押しを要望し、緑あふれる環境都市東京の実現を願い、質問を終わります。ありがとうございました。

○漢人委員 私は、都市計画道路小金井二路線、善福寺川上流調節池、西武新宿線連続立体交差事業、街路樹、公園の樹木管理、パークマネジメントマスタープランについて質問をいたします。
 まず、私の地元である小金井の道路問題です。
 都市計画道路小金井三・四・一号線及び三・四・一一号線ほかが第四次整備方針事業化計画の優先整備路線に選定されたのは二〇一六年、平成二十八年の十二月です。十年後の二〇二六年三月をめどに事業着手するとされています。
 小金井市民は、この二本の都市計画道路小金井二路線について、小金井の宝ともいえる国分寺崖線はけと野川の自然環境を壊すことになるということを主な理由として、機会あるごとに反対の意思表示をしてきました。
 第四次整備方針事業化計画の策定過程でのパブリックコメントでは、優先整備路線とすることへの疑問や反対の意見が二千件を超え、市議会は、十一本もの見直しを求める意見書を都に提出をしてきました。
 そして、二路線の賛否が争点の一つとなった都議会議員選挙では、事業化反対の私、漢人あきこが当選をし、また、前市長は、市民合意のない現段階での事業化は認めないと都に要望をしてきました。そして、事業化凍結を公約して当選した現市長は、現在開会中の市議会の施政方針でも、東京都に対し事業化の中止を求める要望書を提出するなど、今後も、はけと野川を守り、豊かな暮らしや文化を後世に継承していくため、適切に対応していきたいと表明をしています。
 そのような状況の中ですが、まず伺います。小金井二路線に関する新年度予算案の概要と金額を教えてください。

○久野道路建設部長 令和六年度予算案では、小金井三・四・一号線の環境概況調査等に要する費用として二千万円を計上しております。また、小金井三・四・一一号線ほかにつきましては、地元周知や地下水位調査等の委託に要する費用として三千四百万円を計上しております。

○漢人委員 今年度と同じ概要と金額だというふうに思います。
 地元の民意を尊重して予算の凍結を求めてきましたが、今年度は、地下水位調査委託と希少猛禽類調査委託が発注をされました。新年度についても、予算の凍結を求めます。特に、オープンハウスなど地元周知予算については、執行しないことを強く求めます。
 次に、第四次事業化計画の期間があと二年となっていることに関連して三点伺います。
 まず、小金井二路線関連で、建設局は二〇一八年、平成三十年に交通量渋滞調査を行っていますが、その後、同じ調査を行っていますか。

○久野道路建設部長 平成三十年度の交通量調査は、小金井三・四・一一号線周辺における幹線道路や生活道路の交通状況を把握することを目的に実施いたしました。これ以降、同じ調査は実施しておりません。

○漢人委員 二〇一八年、平成三十年の交通量渋滞調査は、地元周知のためのオープンハウスなどで示されました。先ほど、新年度、二〇二四年度において地元周知予算を計上しているとのことですが、交通量渋滞調査は新たに行うことを予定していますか。

○久野道路建設部長 令和六年度に、先ほど申し上げたような交通量調査を実施する予定はございません。

○漢人委員 実施しなくて結構です。
 最後の質問ですが、第四次事業化計画に関する自治体との意見交換を都市整備局の所管で行っていますが、建設局はどのように関与していますか。また、今後の予定もお伺いいたします。

○久野道路建設部長 第四次事業化計画の進捗状況等を確認する自治体との意見交換に、建設局は参加しておりません。
 なお、意見交換会では、建設局が所管する事業の進捗状況についても情報共有されております。
 今後、建設局がどのように関与するかは決まっておりません。

○漢人委員 第四次事業化計画は二年後にその期間を終えるのですが、その後、第五次計画へと進むのか、異なる段階に進むのかが、いまだに明らかになっていません。都政、都の道路行政の在り方としてとても不透明で、好ましくない状態だというふうに思います。
 都市整備局の所管ではありますが、建設局として手続の透明化を働きかけていただきたい。また、小金井二路線については、この間、地元民意に向き合ってきた建設局として、地元民意を尊重して、優先整備路線から外すことが望ましいという意見を示していただきたいということを求めておきます。
 次の質問に行きます。
 善福寺川上流調節池についてですが、これについては二月十四日の陳情審査で詳しく伺い、見解も述べましたので、二月六日の都市計画審議会を経て都市計画決定が行われたことを受けた、今後予定される手続についてのみお伺いしたいと思います。
 都市計画決定告示に続く手続は、都市計画の事業認可となります。二月十四日の陳情審査での河川部長の答弁は、今後も引き続き、事業説明会や工事説明会など様々な機会を捉えて地域住民に対し丁寧な説明を行うとともに、地元の声に耳を傾け、住民の理解促進に努めていくとのことでした。
 この答弁は、都計審に提出された、私の地元杉並区長からの意見照会に対する回答、地元自治体の長として、都市計画事業の実施に当たっては、住民意見を十分に反映し区と連携、協力した進め方をお願いいたしますというものを受けた、対応等質問に対して行われたものです。
 善福寺川上流調節池事業について、今後、まず行われるのは、地域住民に対する丁寧な説明と考えてよいでしょうか、お伺いします。

○斉藤河川部長 仮称善福寺川上流調節池では、これまで二度の説明会に加えまして、オープンハウスや個別説明など、様々な機会を通じて地域住民に対し計画の内容を周知してまいりました。
 引き続き、地域住民に対する説明を行い、理解促進に努めてまいります。

○漢人委員 それでは、その地域住民に対する説明について、現時点で考えられる当面の時期や方法についてお伺いします。

○斉藤河川部長 今後の進め方につきましては、未定でございます。

○漢人委員 先ほどの地元杉並の岸本区長の意見書には、住民の声として次のような別紙が添えられています。
 本都市計画案については、昨年八月の計画素案の説明会以降、本計画案自体を知らない人が多くいる、周知が不足している等の理由により、全区的な説明会や地域ごとの説明会の開催が求められています。
 また、シールドトンネルの安全性に関する懸念や、都立、区立公園では子供の遊び場、地域の憩いの場の喪失、湧水の枯渇、生態系の破壊などの声も多く寄せられています。
 都市計画変更素案の公表から東京都の都市計画審議会に諮られるまでの期間が半年程度しかなく、都は拙速に進めているという意見も多く届いています。本都市計画の決定に当たっては、地域住民への周知が必ずしも十分ではないとの住民意見に十分留意し、都知事として判断願います。以上です。
 住民意見を十分留意した手続を進められることを求めて、この質問を終わります。
 次に、西武鉄道新宿線の井荻駅−西武柳沢駅連続立体交差事業について質問をします。
 本事業について、事業認可時点での事業費と、都市計画事業者と鉄道事業者との負担割合及び費用便益、BバイCの数値を伺います。

○久野道路建設部長 西武新宿線の井荻駅から西武柳沢駅間の連続立体交差事業は、鉄道を高架化し、十九か所の踏切を除却することで、交通渋滞や地域分断を解消する極めて効果の高い事業であり、本年三月六日に都市計画事業認可を取得いたしました。
 本事業の事業費は、鉄道附属街路を含め約二千六百六十億円でございます。このうち、現時点における都市計画事業者の負担額が約二千二百九十億円、負担割合は約八六%、鉄道事業者の負担額は約三百七十億円、負担割合は約一四%と見込んでおります。
 なお、費用負担につきましては、両事業者間で協議の上、今後締結する施行協定において定めることになっております。また、費用便益比は一・二となっております。

○漢人委員 二〇一九年の都市計画素案説明会の時点では約一千七百十億円であった事業費が、五五%も急騰していますが、その要因についてお伺いします。

○久野道路建設部長 耐震基準の改定に伴う鉄道構造物の見直しや、労務費、資材価格等の物価上昇などを反映させたことにより、事業費が増加いたしました。

○漢人委員 都市計画素案説明会時点では、地下方式の場合の事業費は約二千四百七十億円とされ、高架方式の約一千七百十億円との差が、事業的条件として、高架方式選定の大きな論拠とされました。
 今回の事業費は、単純に比較すれば、当時の地下方式よりも高額であり、事業的条件の再検証が必要だったのではないでしょうか。見解をお伺いします。

○久野道路建設部長 本区間の構造形式につきましては、鉄道周辺の地形などの地形的条件、除却する踏切の数などの計画的条件、事業費や事業期間などの事業的条件、これら三つの条件から総合的に判断し、高架方式として都市計画決定されております。
 なお、地下方式の事業費につきましては、当初、約二千四百七十億円と見込んでおりましたが、物価上昇分を考慮した概略の試算では三千億円を超え、今回の高架方式の事業費約二千六百六十億円を上回っております。

○漢人委員 BバイCは事業期間によって大きく変動し、事業期間が伸びれば、BバイCはどんどん悪化していきます。
 中井−野方間では、認可期間が当初の八年から十四年に大幅に伸びています。特に用地取得に要する期間が当初の想定を大きく超えていますね。
 今回の事業認可に当たって事業期間は、都市計画決定時と変わらず十五年となっていますが、中井−野方間の経験や、建設業のいわゆる二〇二四年問題などを踏まえれば、十五年で事業が終わらないというリスクが大きいと考えますが、いかがでしょうか。

○久野道路建設部長 本事業の事業期間につきましては十五年とし、今月、事業認可を取得したところでございます。
 円滑に事業を進めるためには、着実に用地を取得しながら工事を行う必要がございます。今後とも、地元の理解と協力を得ながら、鉄道立体化に向けて取り組んでまいります。

○漢人委員 次に、この計画区域内の分譲マンションについてお伺いします。
 この練馬区内にある新築分譲マンションが本都市計画の区域に含まれておりまして、このマンションの管理組合からは、以前、都議会に地下方式への見直しを求める陳情が出されました。この委員会で審査をいたしました。
 陳情は不採択となりましたが、高架方式での事業となった場合、補償や改築、移転等に当たって大変複雑で困難な課題が生じることは、当時も指摘をしました。
 当該マンションのような区分所有建築物における補償については、権利関係が複雑に絡み合い、かつ、個々の区分所有者ではなく、管理組合として議決しなければ処分できない事案が大変多く存在します。測量に応ずること自体も、組合総会の議決が必要となります。
 区分所有建築物に対する補償については、通常の戸建て建築物とは全く異なる補償の課題があり、適正かつ透明な補償協議のためには、しっかりとした補償基準や細目を整えることが必要となります。
 国は、公共用地の取得に伴う損失補償基準要綱を閣議決定し、その下に、国交省として損失補償基準細則を定めています。この細則には、区分所有建築に関する補償の考え方や、基準を詳細に定めた別記3という要領もついております。
 閣議了解された基準要綱の施行通知では、地方公共団体が国の基準に準じて、地方公共団体がその基準を判断するよう指導することも、関係省庁に求めています。
 建設局としても、この別記3も含めた国交省の基準に準じた規定を自ら速やかに整備するべきだと思います。
 そこで伺います。当該マンションの管理組合からも、補償協議に先立って、最低限、別記3と同程度には詳細に規定された細則を制定すべきとの要望があると聞いています。都として早急に取りまとめるべきと考えますが、いかがですか。

○澤井用地部長 用地取得に伴う損失補償は、東京都の事業の施行に伴う損失補償基準に基づき行っております。
 また、区分所有建物に関しましては、平成九年七月に、区分所有建物の補償等に関する取扱要綱を制定するとともに、平成二十六年三月には、区分所有建物の専有部分に対する建物移転補償の取扱いを定めております。
 用地取得に伴う損失補償に当たりましては、関係規定を適切に運用するとともに、これらの規定につきまして、国の規定なども参考にしながら必要な見直し等を行っておりまして、引き続き適切に対応してまいります。

○漢人委員 この件は、新築ですよ。新築分譲マンションの一部が区域に含まれてしまったわけですね。もう思いもかけない、複雑で困難な課題に直面をされているわけです。ぜひそういった状況に寄り添った対応をお願いして、この質問は終わりたいと思います。
 次は、街路樹、公園樹木の管理の基本方針と周知についてお伺いします。
 神宮外苑再開発に伴う樹木の伐採、保全などに大きな関心が高まっていて、象徴的な存在になっておりますけれども、都市の樹木を守る市民の活動というのは、それぞれの地域で長年にわたって思いを込めて取り組まれてきました。一本一本の樹木を守る努力が重ねられてきたわけです。
 ところが、最近、都庁内の不一致や連絡ミスによって失われるケースがあるのではないかとの指摘があります。
 昨年、井の頭公園内の西部公園緑地事務所改築に伴う工事車両進入路確保に当たっては、住民との調整を経て、本当に丁寧な調整をされていたと思うんですが、準備工事では残置するはずだった樹木を、業者との連絡ミスで伐採してしまうということが起きました。
 また、中央区築地の環状二号線道路工事に伴う街路樹の伐採、あるいは、清澄公園の無料開放部分での剪定の在り方などへも疑問の声があるということで、私の方に届いております。
 街路樹や樹木に関する住民との調整と保全に関する基本的な方針と、その周知徹底についてお伺いいたします。

○根来公園計画担当部長 公園の植栽は、公園の多様な役割を効果的に果たすことができるよう、公園の性格や公園内のエリアごとに求められる機能等を踏まえて樹木等を植栽し、育成していくものでございます。
 将来にわたり公園利用の安全・安心を確保するとともに、植栽した樹木が健全に生育し、植栽の目的、機能が十分に果たされるよう、樹木の除伐、剪定など、植栽の維持管理を計画的に行っております。
 街路樹につきましては、緑陰確保や沿道の生活環境の保全など、様々な役割がございます。これらを踏まえて、安全で円滑な交通を確保するため、剪定や刈り込み、除草など、健全な育成を図る維持管理を行っております。

○漢人委員 今回のこの質問なんですけれども、質問趣旨のメインは、住民との調整をちゃんとしているのかということと、その方針の周知徹底なんですね。特に今回、関係する周辺住民との問題もありますし、庁内各課や事業者への周知徹底ができていなかったんじゃないかということなんですけれども、この点についてはいかがでしょうか。今、答弁になかったと思いますが。

○根来公園計画担当部長 先ほど申し上げましたとおり、公園の植栽ですとか街路樹の管理については、申し述べましたような考え方に基づいて行われているものでございます。
 先ほど委員ご紹介がございました西部公園緑地事務所の事例などにつきましては、事務所の建て替えに伴って、住民の方々と十分調整を重ねて、支障となるために伐採する予定であった樹木、こちらについての事例だというふうに認識をしてございます。
 また、ちょっと詳細について委員からのお話ございませんでしたけれども、第一建設事務所での街路樹の事例なども、基本的には移植を基本に検討を行った上での結果というふうに考えてございます。

○漢人委員 伺ったのはそういうことではなくて、その細かいところをここでやり取りするつもりはないので、あえてざっくり伺ったんですけど、逆にそのように答弁をされましたので、こちらもいわざるを得ませんが、西部公園緑地事務所に関しては、準備工事の間は残すということだったんですよ。
 先々に、本工事では伐採しなければならないかもしれないけれども、少しでも長く残そうということで、当時の担当の職員の方と近隣の住民の皆さんが本当に丁寧に丁寧に、一本一本、この木はどうなんだということを検討しながら、じゃ、これはせめてその準備工事期間は残しましょうと確認したのに、それを連絡ミスで切っちゃったんですよね。違いますか。
 今、何か、切るべきものを切ったんですという答弁だったけど、違うと思いますよ、これ。業者との連絡ミスで、切らないはずのものを切ってしまったんです、先々は切るかもしれなかったけど。そこはちょっと正確にいっていただかないと、何か私が変なこといっているみたいですよね。
 住民の方たちの思いも、すごい逆なでするようなことを今おっしゃいましたよ。どうせ切るはずのものだったんですという答弁ですよね。違うと思いますよ。
 そして、後のケースについても、それぞれ、実際はどうだったのかということまでは、その当事者の方に何ていったのかとかいうことを問い詰めなきゃ分からないので、ここでは、とにかく行き違いがあったということがあるかと私は思っています。
 それで、質問は、そういった事業者や庁内の連絡の周知徹底ということについて、もっとしっかりとやっていただきたいと。せっかく丁寧に丁寧に、住民の動きとか、それから職員の方も含めて調整したものが、ちょっとしたそういった連絡ミスで失われてしまうということが起きないようにしていただきたいということが一つですので、そこはしっかりと受け止めていただきたいと思います。
 その、ちょっと答弁違うというところだけは訂正を確認したいと思いますので、お願いします。

○根来公園計画担当部長 先ほど委員ご指摘のとおり、何というんですかね、事務所の建て替えに伴って支障となる、そして、伐採する予定であった樹木について、建物の建設工事の際ではなく、解体工事の際に伐採したものであったということでございます。

○漢人委員 今のも何かごまかしですよね。だから住民との約束は、本工事までの準備期間は切らないという約束だったんですよね。切らないという約束のものを切ってしまったということは事実だと思いますが、違いますか。

○根来公園計画担当部長 失礼いたしました。基本的には、解体工事、準備工事の際には伐採しないというものを準備工事の際に伐採したものでございます。

○漢人委員 どうせ切るんだから、早く切ったって同じなんだみたいな答弁はやめましょうね。
 本当に大切に、少しでも長く守っていこうという立場で住民の方も、例えばそこで立ち会った職員の方も対応していたと思うんですよ。それが、そうじゃない、連絡ミスによって起きてしまったということですから、それは真摯に受け止めていただきたいと思います。ちょっと早く切っただけじゃないか、いいじゃないかみたいな、そういう対応はやめてください。
 そして、やっぱり、先ほどの都立公園の多様な役割とか、街路樹の様々な役割に応じた対応をするということなんですね。それはもちろんそうだと思います。それぞれしなければならない伐採もあるでしょうし、剪定もあると思います。
 だけど、今、気候変動、生物多様性といったところへの対応を一層重視しなければならないということ、そして、本当に丁寧な連絡調整をしていただくということや、住民の理解を得るということを重視していただきたいことをお願いいたします。
 ちょっと予定よりオーバーしてしまったので、次に行きたいと思います。
 最後は、大きくはパークマネジメントマスタープランについてですが、生物多様性戦略との関係や日比谷公園の整備についても併せて伺います。
 まずお伺いしますが、この改定に当たって生物多様性地域戦略との整合は図られたのでしょうか。改定の背景をはじめ本文中にも、生物多様性地域戦略の記載が全くないのはなぜでしょうか。整合が図られたのであれば、改定前との比較で示してください。

○根来公園計画担当部長 東京都生物多様性地域戦略アクションプラン、こちらは東京都生物多様性地域戦略に基づく都の取組を取りまとめたものでございますけれども、こちらのアクションプランには、都立公園の取組となる、都立公園の整備、新規開園や、多様な生物が生息する都立公園づくり、都立公園における自然観察会、環境教育プログラム等の実施などが位置づけられておりまして、パークマネジメントマスタープランは、その趣旨を踏まえて策定しております。

○漢人委員 後でまとめて見解を述べます。
 次に、多様な生き物が生息、生育する都立公園づくりの三十一公園についてですが、二〇二四年度に環境整備工事に着手する予定の四公園のうち、武蔵野公園及び野川公園の工事概要、スケジュールをお伺いいたします。

○根来公園計画担当部長 武蔵野公園では、令和七年度の完了に向け、令和六年度に、既存井戸を活用した水辺環境や、高茎草地の創出などの整備工事を行うこととしております。
 野川公園では、同じく令和七年度の完了に向け、令和六年度に、野鳥の餌となる実がつく樹木の植栽や、間伐等によるバードサンクチュアリーの再生などの整備工事を行うこととしております。

○漢人委員 二〇二四年度以降に保全利用計画を策定する予定の九公園のうち、小金井公園の準備状況をお伺いいたします。

○根来公園計画担当部長 小金井公園におきましては、令和五年度から現地調査のほか専門家や地元市、団体と意見交換を行っておりまして、令和六年度に生物多様性保全利用計画を策定することとしております。

○漢人委員 次に、都立公園リフレッシュプロジェクトということで十公園行うとなっております。多様な生き物が生息、生育する都立公園づくり三十一公園と重複する公園について、取組の関係性をお伺いいたします。

○根来公園計画担当部長 多様な生物が生息する都立公園づくりを行う三十一公園では、都立公園リフレッシュプロジェクトに含まれる七公園も含め、保全等の必要性の高い場所において、生息環境の改善による生態系の回復に取り組んでまいります。

○漢人委員 ちょっと併せて再質問なんですけれども、この多様な生き物が生息、生育する都立公園づくりの三十一公園と、都立公園リフレッシュプロジェクト十公園について、今は私の地元の三公園についてだけ概要を答弁していただきましたけれども、それだけでも今の答弁ではあまり分かりませんでした。特に、各公園の近隣や利用する市民への情報公開が全く不十分だというふうに考えます。
 そこで伺いますが、このパークマネジメントマスタープランの五三ページには、横断的な施策として、施策の実効性を高め、整備や管理の効率化や利便性の向上を図るため、以下のように取り組んでいきますとして、四つの項目が挙げられています。五三ページです。
 その一つが協働です。ここにこう書いてあるんですね。都民や利用者、地域の暮らしと密着した自治会、町会、独自のアイデアやノウハウを持つ民間事業者、様々な専門性を持つNPO、幅広い分野の有識者、学校、研究機関等の様々な主体と連携、協働し、それぞれの強みを生かしてマネジメントを展開します。このように書かれています。
 様々な主体と連携、協働の大前提は情報共有ですよ。都からすれば情報発信です。今後のこれらの事業に関する情報発信についてどのように考えていますか。

○根来公園計画担当部長 公園の整備に当たりましては、必要に応じて、工事説明会の開催ですとか、園内での掲示などによりまして、利用者や近隣住民への周知を図ることとしております。
 お話の多様な生物が生息する都立公園づくりにおける環境整備工事などにおきましても、適切に対応してまいります。

○漢人委員 工事説明会とか園内掲示などを適切に対応するということなんですけれども、従来のような、二週間前に工事説明会を掲示しますよみたいなんじゃなくて、積極的にいいことをするわけです。地域の住民にはもっと関わってもらって、知ってもらって、積極的に公園に関与してもらうということであれば、もっと、できるだけ早い時期に、できれば複数回の現地説明会を行う。
 それから、各公園にはホームページがありますから、そのホームページには情報発信ということも、できるだけ早く行うということをぜひお願いしたいと思います。
 以前にも質問というか紹介しましたが、たまたま私は、私の関係している環境団体が武蔵野公園のこの保全計画の策定の中にメンバーに入っていたので、現地説明会、事業説明会などにも参加する機会があって、どんな工事が行われるのかなというのを大分知ることができました。
 でも、一般の市民は知りませんよね。ここにいる環境・建設委員の議員の皆さんとかだって、地元の公園で、これからどういう生物多様性の保全のための取組がされるのかなんて、知らないと思うんですよ、どこにも載っていないんですから。
 ぜひこれはお知らせして、そういったことをもっと住民の皆さんと一緒につくっていくんだと。単なるボランティアの手足じゃなくて、一緒にその公園をつくっていくというところに参加してもらえるような取組をぜひ求めたいというふうに思います。
 次は、武蔵野公園防災放送設備工事の経過と現状について伺いたいんですね。
 これ、二〇二二年六月の第二回定例会の一般質問で取り上げました。その後なんですが、これなんですけど、先ほど確認した生物多様性保全利用計画策定のために、専門家や環境団体へのヒアリングが行われている、その最中に、その同じエリアの環境を損なう、防災放送設備の工事が突然開始されたんです、当時。
 当然、関わっている皆さんから、一体どういうことなんだという強い抗議があり、住民要望の結果、この工事は中断しています。
 そのときは、自然環境に配慮し、住民等に説明しながら取り組んでいくとの答弁がありました。
 その後、説明会が開催されたりはしましたが、なかなか理解が得られず、中断したまま、もうすぐ二年ですよ。この件について、どのような現状と経過というふうになっているのかについてご答弁をお願いいたします。

○根来公園計画担当部長 武蔵野公園は、広域避難場所に指定されており、防災公園としての整備を着実に進めることが重要でございます。
 防災放送設備工事においては、避難者に情報提供を行う園内放送設備などの設置工事を進めておりましたが、希少植物への影響を考慮して、工事を一時中断しております。
 関連する工事との調整状況等も踏まえ、今後、工事再開に向け、利用者等に丁寧に説明しながら取り組んでまいります。

○漢人委員 関連する工事との調整状況等も踏まえとのことですが、この武蔵野公園では、急遽、スケートボード広場の整備を行うことになり、また、多様な生き物が生息、生育する都立公園づくりの生物多様性保全利用計画に基づく工事も、来年始まるわけですよね。
 スケボー広場は、大分位置が離れているんですけれども、生物多様性保全利用計画の工事は、ほぼエリアが重なります。ですから、総合的な説明がないと、単独でやられたら、また不毛な誤解や行き違いが発生して、関係市民や、それから職員の皆さんも含めても、不要なストレスにさらされることになりますので、できるだけ十分、全体を配慮した、早めの説明をお願いしたいということを、ここで求めておきたいと思います。
 最後の質問ですが、日比谷公園についてです。
 バリアフリー日比谷公園プロジェクトの整備が進んでいますが、様々な疑問や批判、ご意見を持っている市民がたくさんいます。外周の植栽、大噴水、小音楽堂、日比谷公会堂の耐震工事、三笠山の樹木、道路上空公園と位置づけられたデッキやその周辺のことなど、様々な声をお寄せいただいているんですけれども、三点に絞ってお伺いしますね。
 まず、日比谷公園は、大噴水、小音楽堂周辺の基本、撤去設計は、日建設計が驚きの落札率、九九・九%の四千六百四十万円で落札をしました。この後、大噴水、小音楽堂周辺の実施設計や工事費用を含めた新年度予算総額はお幾らでしょうか。

○根来公園計画担当部長 日比谷公園の大噴水、小音楽堂周辺における実施設計と工事費用の令和六年度の予算額は、合計で十五億四百三十万円でございます。

○漢人委員 小音楽堂裏にある、開園当初からの水飲み場は、百二十年の歴史を感じる貴重な施設です。小音楽堂の改修に伴って、どのような扱いが予定されていますか。

○根来公園計画担当部長 小音楽堂は、老朽化に対応するとともに、ステージや観覧席の高さを下げて、段差や柵をなくし、誰もが利用しやすい施設としていくこととしておりまして、現在設計を実施しております。

○漢人委員 第二花壇周りの思い出ベンチは撤去されましたが、草地広場や雲形池など、他の思い出ベンチはどうなるのですか。

○根来公園計画担当部長 公園の整備に伴い、撤去が必要となるものにつきましては、寄附者に対しお礼とともにその旨をお知らせし、希望がある場合は、ベンチに取り付けてある記念プレートをお引渡しすることとしております。

○漢人委員 最後にコメントさせていただきますが、昨年、日比谷公園のこの再生整備計画に驚いて、私は、学習会を開いたり、公園の現地フィールドワークを開催したりしましたが、たくさんの方が参加をされました。また、陳情も提出されて、たくさんの傍聴者がありました。
 先ほども確認した、様々な主体との連携、協働の最初に挙げられているのは都民や利用者です。日比谷公園に関して熱い思いを寄せる、協働すべき都民や利用者がたくさんいるということです。
 そして、現在のバリアフリー日比谷公園プロジェクトは、形式的には適正な手続を踏んでつくられた計画だと思いますが、その連携、協働すべき多くの都民や利用者には納得されていない計画だということです。
 今後のエリアごとの整備について、樹木保全、生物多様性の尊重を最優先とした見直しを求めます。
 そして、パークマネジメントマスタープラン全体についてですが、時代の要請である、人類の大きな脅威でもある気候や生物多様性の危機に対しての対応というのを最も重視をして、そして市民との協働によって進める計画とすることを強く求めて、質問を終わります。

○小宮委員 無電柱化事業について伺います。
 能登半島地震では、多くの電柱が傾いたり倒れたり、また電線が切れたりと、改めて無電柱化の大切さを都民からも求められているところです。
 東京都は、無電柱化加速化戦略で整備規模を倍増させるなど、事業を積極的に推進していますが、いつ起こるか分からない災害への備えのためには、整備規模の増大だけでなく、事業自体の加速化、ペースアップも必要です。
 そこで、無電柱化のさらなる加速化をどう取り組むのか伺います。

○今宮無電柱化推進担当部長 都はこれまで、無電柱化事業において、建設事務所などの人員拡充や、電線管理者が所有する既存施設の活用などにより、事業のスピードアップを図ってきました。
 さらなる加速に向けては、関係事業者との連携を一層強化し、事業者間の調整に要する時間を短縮する必要があります。
 このため、都は来年度から、電線管理者や政策連携団体などの関係事業者と設計や工事など事業に関する調整を常時行うことができる組織を整備することによりまして、事業着手から完了までを一貫して管理し、事業の推進体制を強化してまいります。

○小宮委員 無電柱化に関わる民間事業者などと常時調整を行う組織を新たに整備するということで、今後の事業のペースアップに期待をするところです。
 無電柱化の推進に向けて、東京都は、令和六年度予算案の概要において、デジタル技術の活用を掲げております。
 そこで、来年度予算における無電柱化のためのDXの取組について伺います。

○今宮無電柱化推進担当部長 道路の地下には、水道管やガス管などが存在しており、事業を効率的に進めるためには、デジタル技術を活用して、電線共同溝本体の位置を立体的に確認しながら設計を行っていくことが有効です。
 このため、都は来年度、約二億円の予算を計上し、新青梅街道など設計を実施する路線の一部において、電線共同溝設計などの3Dデータ化を予定しております。
 今後、無電柱化事業におけるデジタルトランスフォーメーションの推進に取り組み、さらに事業の効率化を図ってまいります。

○小宮委員 デジタル技術の活用によりまして、道路下の埋設物等が、掘らなくても、掘削せずとも明らかになるなど、事業の効率化、またスピードアップにもつながります。
 各局ごとに様々なDXの予算がありますけれども、建設局として、無電柱化事業推進のために、また、道路管理そのものにも有効と思われますけれども、こうしたDXの取組は積極的に行っていただきたいと思います。
 さて、東京都の無電柱化計画は五か年計画でありまして、今年度で折り返しとなります。この計画では、第一次の緊急輸送道路などを優先して無電柱化を進めることなどを掲げています。
 杉並区では、和田堀公園が大規模救出救助活動拠点に指定されているんですけれども、その公園の接続道路である、これは都道ですけれども、大変狭い狭隘な道路でありまして、無電柱化もされておりません。
 第一次緊急輸送道路などから優先して整備を進めていくということはもちろん重要でありますし、理解をしておりますけれども、この後は、このような狭隘だけれども防災上重要な都道における整備も必要であると考えます。
 そこで、狭隘な都道においては、現在は、様々な制約や課題があるわけですけれども、将来の災害に強い、そうしたまちづくりを見据えて、無電柱化を進めていくべきと考えますが、都の見解を伺います。

○今宮無電柱化推進担当部長 現在、都は、令和三年六月に策定した東京都無電柱化計画に基づき、歩道幅員二・五メートル以上の都道において整備を進めています。
 一方、道幅や歩道幅員の狭い都道においては、地上機器の設置場所の確保など、無電柱化を進める上での課題を克服する必要があります。
 このため、電線管理者と共に、地上機器のコンパクト化や、狭い道路にも設置できる街路灯と一体となった機器の開発に取り組むとともに、道路外の敷地などを活用した地上機器設置手法を検討しております。
 引き続き、電線管理者と連携し、さらなる技術開発を進め、無電柱化事業の一層の推進を図ってまいります。

○小宮委員 ぜひ引き続き検討を進めていただいて、都道の狭隘道路の整備について、さらに踏み込んで取り組んでいただきたいと思いますし、次期無電柱化計画にそうしたことを反映していただくことを要望しておきます。
 また、都内の道路の約九割を占めるのは区市町村道でして、都民生活と密接に関わるため、東京都が区市町村道の無電柱化を促進していくことは重要です。
 無電柱化チャレンジ支援事業制度は、財政面や技術面の両面から支援を受けられる、区市町村にとって有益な制度となっています。今年度が認定期限の最終年度ですが、今後、東京都は期限を延長すると伺っています。
 そこで、チャレンジ支援事業の認定期限延長に至った経緯について伺います。

○今宮無電柱化推進担当部長 都は、平成二十九年度に無電柱化チャレンジ支援事業制度を創設するなど、無電柱化を推進する区市町村の財政支援や技術支援を実施してきました。
 これまでに五十一の区市町村がチャレンジ支援事業制度を活用してきましたが、現時点においても、なお、事業着手に向けて準備を進めている自治体がございます。
 区市町村がチャレンジ事業の認定を受けるためには、路線の選定や基礎調査、設計などの時間が必要であり、区市町村に対するアンケート調査でも、本制度の継続する要望がございました。
 このため、認定期限を令和五年度から令和九年度まで延長し、区市町村の無電柱化を促進していくべきと判断したものでございます。

○小宮委員 ぜひ引き続き、区市町村が制度を活用して事業を推進してもらいたいと思います。
 区市町村道の事業促進のためには、経験や技術的ノウハウに乏しい区市町村に対して、東京都の積極的な支援が今後も必要です。
 昨年十一月の質疑において、東京都は、区市町村の無電柱化推進計画策定時において、都道との連続性を考慮した路線選定などの助言を実施して、支援を強化していくという答弁をいただいています。
 そこで、区市町村に対して今後どのように支援していくのか伺います。

○今宮無電柱化推進担当部長 無電柱化の効果を高めるためには、都と区市町村が連携して事業を進める必要がございます。
 現在、都は、区市町村に対し、路線選定の考えや無電柱化状況などの調査を実施しており、今後、この調査結果を踏まえ、区市町村が優先的に整備すべき路線を抽出し、提案を行います。
 こうした取組を円滑に行うため、区市町村の計画策定や改定に向けた協議の場を設け、支援を強化してまいります。
 区市町村道も含めた面的な無電柱化を着実に推進してまいります。

○小宮委員 これまでは、区市町村に対して財政面や技術面での支援ということでありましたけれども、今後は、東京都から区市町村が優先的に整備すべき路線を抽出して、そして提案をするということで、この新たな積極性を持って、ぜひ東京全体の無電柱化に取り組んでいただきたいということを期待いたしまして、質問を終わります。

○小磯(善)委員 私からは、今、無電柱化については詳しく質疑応答がありました。ですから、質問は割愛いたしますけれども、とにかく設計等の3Dデータ化によってDXの活用に取り組んで、さらなる無電柱化の事業の推進を要望しておきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 次に、震災時に都道の通行機能を早期に確保するための取組ということで質問させていただきます。
 三月十七日の読売新聞の一面トップに、道路緊急復旧、十七府県未定ということで、いわゆる災害発生時に道路上の最低限の瓦礫処理とか、また簡易な段差補修を行い、救命や救援のための緊急車両を通行させる計画、これを緊急復旧計画、今は道路啓開計画というそうでございますけれども、復旧のルートや作業手順、人員や資機材の確保の方法、関係機関との連絡体制などを盛り込んだ計画ということでございます。
 そんなことで、能登半島地震を見ておりましたら、本当に東京においては、この道路啓開計画というのが大変大事だということを、つくづく感じた次第でございます。
 首都直下地震に対しては、国が中心となって八方向作戦、八つの方向からの作戦という、緊急通行車両が移動できるルートを切り開く道路啓開に関する計画がまとめられておりますけれども、この計画を着実に実行することが重要であります。
 そこでまず、八方向作戦の概要並びに都の役割についてお伺いいたします。

○原田道路保全担当部長 八方向作戦は、首都直下地震発生の際に、放射方向の道路を活用し、都心に向けた八方向ごとに国が優先啓開ルートを設定し、各道路管理者が協力して一斉に道路啓開を実施する計画でございます。
 優先啓開ルートは、監視カメラであるITVの映像や緊急点検結果等から被害状況を把握した上で、高速道路、国道、都道の被害が少ない路線を交互に組み合わせて決定することとされております。
 優先的に啓開する候補路線は、例えば西方向では、中央道、首都高四号線、国道二〇号線が、北西方向では、関越道、目白通り、白山通りなどが設定されております。
 都は、このうち優先的に啓開する候補路線となっている都道の緊急点検等を実施いたします。

○小磯(善)委員 この八方向作戦というのは、横羽線方面が一つ、東名高速方面、中央道方面、関越道方面、東北道方面、常磐道方面、京葉道方面、東京湾アクアライン方面ということで、それぞれの方向から緊急物資が来たりとか、また救命救急の車両が来たりとかいうことで、それを、例えば中央道方面の道路をしっかり確保するために予定されている道路として、今おっしゃった中央高速だったり、その後の首都高であったり、また、国道二〇号線だったり、その道路をしっかり確保するということが、この八方向作戦だということで、大変大事な取組だというふうに思います。
 首都直下地震における八方向作戦では、被害状況を把握した上で、被害の少ない路線を組み合わせて優先啓開ルートを決定するということでありますが、これには道路の被害状況を的確に把握することが重要であり、映像で速やかに現地を確認できるITVの活用は非常に有効であります。
 そこで、震災時に、都は、八方向作戦の実効性を高めるためにどのような取組を進めていくのか、お伺いいたします。

○原田道路保全担当部長 都は、発災後、速やかに道路の被災状況を把握するため、今後、八方向作戦における啓開候補路線等の都道にITV設置を進めてまいります。
 令和六年度は、国など関係機関とカメラの設置位置等について調整を図るとともに、設計に取り組んでまいります。

○小磯(善)委員 大変大事な取組でございますので、よろしくお願いいたします。
 続きまして、これは地元の問題でもあるんですけれども、全体の問題でもございますけれども、私は、建設局事業であります道路、河川、公園の整備を着実に進めるためには、用地取得において専門家の力を活用すべきことを訴えてまいりました。
 今年度からの試行として、補償算定や用地折衝などの用地事務全般を一貫して民間事業者に委託する取組が開始をされております。
 そこで、これまでの状況と来年度の取組についてお伺いいたします。

○澤井用地部長 本委託は、補助第一一号線の白金二期区間、町田三・三・三六号線の高ヶ坂一期区間、調布三・四・二号線の三路線を対象に実施しております。
 いずれも昨年七月に委託契約を締結いたしまして、補助第一一号線は補償の対象となる物件等の調査から、残り二路線は補償金額の算定から業務に着手しておりまして、既に本委託を通じて取得に至った画地がございます。
 また、来年度は、さらに新たな路線を追加する予定でございます。

○小磯(善)委員 今お話のありました町田三・三・三六号線の町田市民病院から先の、鶴川街道の辺りまでの部分について、民間に委託をしていただいている、三十区画委託していただいているということでございますけれども、今度の土曜日、三月二十三日に、いわゆる、その手前の木曽団地南から町田市民病院までの三・三・三六都市計画道路がいよいよ開通するということで、記念式典をしていただけるということで、大変うれしく、ありがたく思っている次第でございます。
 一週間前の三月十六日には、町田商工会議所が中心となって市民のためのプレイベントを開催したところ、何と千三百人もの方が集まって、それで、渡り初めみたいなのをやった次第でございます。
 それだけ町田市民の皆さんの、何というか、期待が大変大きいということで、よろしくお願いしたいと思います。
 その先の高ヶ坂区間について、用地買収の現在の取組状況、よろしくお願いいたします。

○澤井用地部長 高ヶ坂区間におきましては、三十画地を本委託の対象としておりまして、現在、およそ三分の二で補償金額の算定や、その対象となる物件等の関係権利者への説明を行っております。

○小磯(善)委員 これまでは、だから補償金額の算定という、そういうことですけれども、今後いよいよ本格的な権利者との折衝が始まっていくと思いますので、しっかり職員の皆さんと民間事業者の皆さんで連携をして、用地取得を一層推進していただきたいと思います。
 また、その一方で、これまで用地取得のプロフェッショナルとして、現場の最前線を担ってきた都の職員にも、これまで以上の活躍を期待したいと思います。
 三月一日のこの委員会で質問した際に、補償金額の算定などの用地事務について、システムの導入で効率化を図り、これまで以上に用地折衝のための時間を確保するという答弁がありました。
 そこで、用地事務支援システムのこれまでの取組状況について伺います。

○澤井用地部長 今年度は、用地事務支援システムの構築に向けまして、用地事務の現状分析を行いました。
 具体的には、民間のコンサルタント会社を活用し、用地事務全般を対象に、職員へのヒアリングなどから改善が必要な事務の洗い出しを行いました。
 これらを仕事の進め方の見直しが必要な事務と、デジタル化による改善が有効な事務とに分類いたしました。これを基に、用地事務支援システムのイメージを整理いたしました。

○小磯(善)委員 今年度は、用地事務支援システムの構築に向けて動き出しているということが分かりました。
 次に、この令和六年度の取組と、システムの運用開始の見通しについてお伺いいたします。

○澤井用地部長 令和六年度は、今年度実施した現状分析の結果を踏まえまして、システム化の対象となる事務や、システムの構成等の検討を進めまして、基本構想を策定してまいります。
 あわせまして、仕事の進め方の見直しが必要とされた事務の改善にも取り組み、それらも反映させながら、令和八年度以降、システムの運用を順次開始していく予定でございます。

○小磯(善)委員 令和八年度以降の運用開始に向けて着実に取組を進めていただきたいと思います。用地事務の効率化はもちろんのこと、関係権利者にとっても、ぜひいろんな問合せとかそういったのがシステムでできるような、有益なシステムにしてほしいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 続きまして、東京都は今年一月、東京都の緑の取組Ver.2を発表いたしました。この中で、東京の緑を守る新たな取組として、ツリーバンクを創設するとしております。
 また、今回報告事項となっておりますパークマネジメントマスタープランの中でも、緑と環境を守る施策の一つとして位置づけております。
 そこで、改めて、ツリーバンクについて制度の概要をお伺いいたします。

○根来公園計画担当部長 都は、百年先を見据えた新たな緑のプロジェクト、東京グリーンビズを始動し、樹木を残す新たな仕組み、ツリーバンクを創設しました。
 ツリーバンクは、都立公園や海上公園の再整備に伴い移植が必要となる樹木をツリーバンク用地に受け入れ、一時的に保管するものでございます。
 受け入れた樹木は、都立公園や海上公園の整備に活用するほか、区市町村立公園や民間事業者による緑地の整備に活用することも可能としております。

○小磯(善)委員 ツリーバンクを活用し、これまで公園で親しまれてきた樹木をしっかり守りながら、都立公園の整備を進めていただきたいと思います。
 本定例会における知事の施政方針では、神代植物公園の敷地を活用して、ツリーバンクの運用を開始するとしております。神代植物公園における現在の運用状況についてお伺いいたします。

○根来公園計画担当部長 ツリーバンク用地として、神代植物公園の未開園地約三千平米を確保し、既に運用を開始しておりまして、今月には、初めて樹木の受入れを行いました。
 今後も、ツリーバンクを活用して樹木を受け入れ、新たな公園整備等に活用してまいります。

○小磯(善)委員 緑を守る、こうした取組は大切であり、移植された樹木をしっかり新たな公園整備に活用して、後世に引き続いていただきたいと思います。
 最後の項目として、調節池の整備について質問してまいります。
 近年、令和元年東日本台風や令和二年七月豪雨など、毎年のように全国各地で甚大な豪雨災害が発生しております。
 記憶に新しい令和五年、昨年の六月には、台風二号等の影響により、都内では、善福寺川において溢水が発生をいたしました。
 私の地元である町田市を流れる、都県境ですね、町田と、東京と神奈川の間を流れる都県境の境川においては、平成二十年の溢水発生以降も、氾濫危険情報が何度も発出しております。
 豪雨災害はいつ起きてもおかしくはなく、安全・安心の確保は急務であります。そのためには、早期に治水効果を発揮する調節池の整備をより推進し、治水安全度の向上を加速させなければなりません。
 我が会派の公約であるチャレンジエイトにおいても、調節池整備の加速を目標とし、整備を要望してきたところでございます。
 こうした中、都は現在、境川の東京都管理区間において、地下箱式の貯留量約十五万立方メートルの境川金森調節池及び約五万立方メートルの境川木曽東調節池の工事を行っております。
 そこでまず、境川金森調節池及び境川木曽東調節池の整備状況と、令和六年度の取組について伺います。

○斉藤河川部長 境川金森調節池及び境川木曽東調節池につきましては、ともに本体部分の掘削が完了し、現在は躯体構築を行っております。
 令和六年度は、躯体構築に加え、洪水を調節池内に取り込むための越流堤の工事を進めてまいります。
 さらに、境川木曽東調節池につきましては、排水設備や換気設備の工事に新たに着手いたします。

○小磯(善)委員 境川の河川整備計画では、総容量約七十六万立方メートルの調節池が必要とされております。この二つの調節池が完成すれば合わせて貯留量二十万立方メートルにもなり、境川の水害対策が大きく前進することと、大いに期待するところでございます。完成に向けて、引き続きしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 一方、河川整備計画の目標達成に向けては、この調節池の整備をさらに加速して、治水安全度を早期に向上させていく必要があります。
 そのような中、都は、中里橋上流右岸の旧河川敷において、境川で三か所目となる境川中流第三調節池、これを令和二年度から設計を進めていると聞いております。
 そこで、境川中流第三調節池の整備に向けた、令和六年度の取組についてお伺いいたします。

○斉藤河川部長 仮称境川中流第三調節池は、貯留量約五万立米の地下箱式調節池として整備するものでございます。
 本年一月と二月にオープンハウスによる説明会を開催し、事業内容や今後の予定などを地域住民に説明をいたしました。
 令和六年度は準備工事に着手いたします。

○小磯(善)委員 令和六年度は準備工事に着手ということで、ぜひとも工事着手に向けて鋭意取り組んでいただきたいというふうに思います。
 一方、近年の全国各地で発生している豪雨の激甚化、頻発化は、気候変動の影響であることに疑う余地はありません。
 このような中、都は、将来を見据えた都の河川施設整備の方針として、昨年十二月に、気候変動を踏まえた河川施設のあり方を公表したところでございます。
 気候変動を踏まえ、今後の境川など中小河川における取組についてお伺いいたします。

○斉藤河川部長 令和五年十二月に公表しました気候変動を踏まえた河川施設のあり方では、現行の年超過確率二十分の一規模の降雨に対して、平均気温二度C上昇時における降雨量変化倍率一・一を乗じた、気候変動を踏まえた年超過確率二十分の一規模の降雨に目標整備水準を引き上げました。
 また、同日公表しました東京都豪雨対策基本方針改定におきまして、境川を含む十流域を対策強化流域として改めて位置づけており、今後は、河川整備計画を順次変更し、優先的に対策を実施してまいります。

○小磯(善)委員 私がこの境川の質問もしょっちゅうやっていたんですけど、平成二十五年の三月二十五日の都議会の予算特別委員会、このときに建設局長で技監だったのが、村尾東京都技監でございました。知事は、石原知事の後の知事だったんですけれども、(発言する者あり)分かるでしょう。町田に住んでいて、そんなことで、町田に住んでいるから、境川のことは知っているでしょうということで、境川のパネルを出しながら質問したんですけれども、恐らく、その頃の河川部長は中島技監じゃなかったかなと思うんですけれども。まあ、そんなこともありまして、そのときに、境川の、とにかく下流である神奈川県から整備しないと河川は駄目なんだと。上を整備して、下を整備しなかったら、下の方が、下流の方があふれてしまうから、河川整備というのは海側からやるんだということで、東京都は、とにかく河道の整備はしているけれども、河床をとにかく掘れないんだと。神奈川の方が進まないからということで、これをどうするかということで、やっぱりこれは調節池をつくるしかないということで、それで平成二十四年の末の中小河川のいわゆる整備方針というのが新しく決まって、それを受けて三月二十五日、質問したんですね。
 そうしたら、村尾東京都技監が、都県境を流れる境川につきましては、県と協力して時間雨量五十ミリに対応する整備を進めてきており、都が管理する中流部区間におきましては、既に九四%の整備率となっておりますと。
 一方、県管理区間、これ、神奈川県管理区間につきましては、下流から整備を進め、平成二十一年度には、前年に溢水した上流区間にも着手したものの、依然として下流区間において、相模鉄道との交差部など、ボトルネックの解消に至っておりませんと。
 このため、都の整備済区間におきましても、流下能力確保のための河床掘削などを十分に行うことができない状況となっておりますということで、その後、昨年十一月に策定した整備方針では、目標整備水準をこれまでの時間最大五十ミリから、多摩では時間最大六十五ミリに引き上げ、新たに具体的な対策を講じていくことといたしましたと。
 都県境を流れる境川におきましては、時間六十五ミリ対応にも有効に機能する新たな調節池を整備すると。で、都が管理する中流区間の河床掘削を可能とするなど、効率的、効果的な対策を進めていくことといたしますと。
 平成二十五年度は、境川における調節池の配置など、具体的検討に着手いたしますという答弁があって、ずっと長いこと、この南東建にいらっしゃった方はここにいっぱいいる、今の河川部長なんかも南東建の副所長で、反対派の人と丁々発止されて、一生懸命やって、(発言する者あり)裁判もやったりしてね、説明をしていただいて、ここまで工事が進んだわけでございます。
 そんなことで、長いこと、このいわゆる調節池の事業化を河川部長としても取り組まれ、また現在は、都内各地で調節池の整備を推進して、昨年、気候変動を踏まえた河川施設のあり方を策定された東京都技監に、ぜひ質問をしたいわけでありますが、都は、昨年十二月にTOKYO強靱化プロジェクトupgradeⅠを取りまとめ、激甚化する風水害から都民を守る取組を強化することを示しておりますが、強靱化プロジェクトで掲げる、百年先も安心な都市を実現するためには、調節池の整備を加速し、水害対策を強力に推進すべきであります。
 そこで、最後に、調節池の整備を通じて都の水害対策を担う東京都技監の決意をお伺いしたいと思います。

○中島東京都技監 激甚化、頻発化する豪雨から都民の命と暮らしを守るためには、護岸の整備と併せて、調節池の整備を推進していくことが重要でございます。
 都は、ちょっと古くなりますが、昭和三十三年の狩野川台風を契機といたしまして、中小河川の護岸整備を本格化させますとともに、昭和四十年代からは、調節池の整備を進めてまいりました。
 その後、平成二十四年に策定いたしました中小河川における都の整備方針におきまして、豪雨の激甚化等を踏まえまして、目標整備水準を、今お話ありましたように引き上げまして、二十六年には環状七号線地下広域調節池を事業化するなど、新たな調節池の整備に取り組んでまいりました。
 これまでに、十二河川、二十七か所、総容量二百六十四万立方メートルの調節池を整備いたしまして、洪水に対して大きな効果を発揮させますとともに、現在八か所で工事を進めているところでございます。
 さらに、近年の気候変動を踏まえまして、昨年十二月には、二〇三〇年度までの新規調節池の事業化目標を百五十万立方メートルから二百万立方メートルへと引き上げ、水害対策を一層強化することといたしました。
 来年度は、先ほど来、質疑していただきましたけれども、境川など十河川におきまして調節池の候補地や形式を検討いたします。
 加えまして、将来のさらなる安全への布石といたしまして、環状七号線地下広域調節池等を連結して、東京湾までつなぐ地下河川の事業化に向けた取組に着手いたします。
 気候危機に打ちかつ強靱な都市東京の実現に向けまして、調節池等の整備を一層推進してまいります。

○小磯(善)委員 ただいまは、力強い答弁をいただいたところでございます。また、都技監がいわれるとおり、日本の中枢をなす首都東京が、持続可能な都市として発展を続けるための根幹の取組こそが、安全・安心の確保であります。その一角をなす水害対策の強化は、まさに必要不可欠でございます。
 ぜひ積極的に水害対策を強力に推進し、将来にわたり都民が安心して暮らせる東京が実現されることを願いまして、私の質問を終わります。

○曽根委員長 この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。
   午後五時二十九分休憩

   午後五時五十分開議

○曽根委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○アオヤギ委員 それでは、外環道の陥没事故現場での住民監視、盗撮の行為について伺います。
 三月十日付の「しんぶん赤旗」日曜版で、鹿島JVによる住民の監視、盗撮の内容が報じられました。この場所は、外環道の工事で陥没事故を起こし、NEXCO東日本が地盤補修工事を鹿島JVに委託をしている周辺です。
 記事では、グループチャットで、家の中を見て女性が薄着だなどと共有する。住民が散歩に出かけたのを監視する。侮辱的なあだ名をつける。防音工事の徹底を確認する際に、後は、あしたのおばあ様の体調次第です、具合悪くならないことをただ祈るだけです、合掌などと侮辱し、敵視している内容が並んでいます。
 また、グループチャットには、N殿に報告などと、NEXCOに報告している記述があります。
 まず最初に伺います。盗撮、監視について、人権侵害であるという認識はありますか。

○手塚三環状道路整備推進部長 外環道は、国及び高速道路会社により事業が進められており、鹿島JVは、東日本高速道路会社から工事を受注しております。
 報道内容について、事業者からは、施工業者から今回の事象については、安全管理のための行為であり、住民の監視や盗撮が目的ではなかったものの、礼節を欠いた表現を用いて情報交換を行っており、今後住民に対して誠意を持って対応するよう、内部の教育指導をさらに徹底していくとの報告があったと聞いております。
 あわせて、事業者としても、適切な表現を用いて情報交換を行うよう指示を行ったと聞いております。
 都は、事業者に対して、施工業者に対する指導の徹底と住民に対するきめ細やかな対応を求めております。

○アオヤギ委員 目的が安全管理だったら、家の中をのぞいてもよいということなのでしょうか。チャットの表現の問題ではありません。
 予特でもいいましたけれども、女性が家の中で薄着でいるなど、家の中の状況を見て、グループチャットに書いているんです。家の中をのぞく、この行為自体が不法行為なのではないですか。
 この施工現場の正常な管理業務において、本来映してはいけないものを設置したカメラで映り込んだ場合、当然すぐデータ削除するものと思いますけれども、赤旗の記事の中には、監視カメラに関するやり取りのグループチャットを続ける中で、ご自慢のうら若き娘様がお二階に住んでいらっしゃいます、中略、かぎ括弧で、この時期、暑いので、家の中では薄着で過ごしている、かぎ括弧ということで、とのことと書かれています。
 確認ですけれども、こういうのを盗視というんじゃないんですか。認識を伺います。

○手塚三環状道路整備推進部長 施工業者は、今回の事象について、安全管理のために行ったものであり、監視、盗撮を目的とするものではないものの、礼節を欠いた不適切な表現を用いて情報交換を行ったことを反省し、謝罪しております。
 また、今後、監視、盗撮と誤解されるような行為や、不適切な表現での情報交換を厳に慎み、住民に誠意を持って対応するよう、工事関係者を指導していくと承知しております。
 都としましては、事業者に対して、施工業者に対する指導の徹底と住民に対するきめ細やかな対応を求めております。

○アオヤギ委員 盗撮目的ではないと本人たちがいえば、住民にカメラを向けたり、そして、住民を見たり監視するということをいいんだということなんですか、その答弁だと。礼節を欠いた表現というのを指導するとおっしゃいましたけれども、それではあまりに不十分です。
 私は、この間、二回にわたり、山添、吉良両参議院議員と共に、国交省とNEXCOからのレクに参加しました。NEXCOの説明では、グループチャットの保存期間は百八十日、六か月で、二月末から遡って六か月以上前の記録は確認できなかったが、赤旗記事にある九月六日の記事は確認できたと述べました。
 他の部分については、記録は確認できなかったとしたけれども、事実無根とはいえないというふうに発言もして、赤旗もこのほかの部分も責任持って記事を出しているのですから、一連のものは本当だったのだと私は思います。
 また、遡ってデータを復元することを山添参議院議員は求めておりますけれども、記録が確認できたとする内容は、以下二つです。
 〇〇さん、西野橋南下、散歩か、括弧、苦情声掛けなしと、〇〇さん、二階からのぞいています、この二つは確認したということです。
 つまり、日常的に家の中をのぞいたり、住民の行動を監視しているということが分かります。
 予特代表の池川都議の質問で、技監は、不適切な行為と最後おっしゃったと思いますけれども、確認しますけれども、不適切な表現という答弁ですか、それとも不適切な行為という答弁ですか。

○手塚三環状道路整備推進部長 今回の報道内容に関する事実確認を受け、事業者からは、施工業者が現場周辺の住民に対する礼節を欠いた表現を用いて情報交換を行っていたことについては、不適切な行為であったと認識していると聞いております。
 外環道は、国及び高速道路会社により事業が進められており、都としましては、事業者に対して、施工業者に対する指導の徹底と住民に対するきめ細やかな対応を求めております。

○アオヤギ委員 礼節を欠いた表現の情報交換が不適切だったという認識ですね。NEXCO、鹿島JVのいっていることと全く一緒です。工事現場と家が接近している場合であっても、一般的に普通の工事現場では、家の中を見たりしないですよね。
 鹿島JVは、見た上に、日常的に共有しているという状況です、当たり前のことのように、通常では考えられません、こういうこと。
 もう一度確認しますけれども、誰しもが人の家の中をのぞいてはいけませんよね。

○手塚三環状道路整備推進部長 施工業者は、今回の事象について、安全管理のために行ったものであり、監視、盗撮を目的とするものではないものの、礼節を欠いた不適切な表現を用いて情報交換を行ったことを反省し、謝罪をしております。
 また、今後、監視、盗撮と誤解されるような行為や、不適切な表現での情報交換を厳に慎み、住民に誠意を持って対応するよう、工事関係者を指導していくと承知しております。
 都としては、事業者に対して、施工業者に対する指導徹底と住民に対するきめ細やかな対応を求めております。

○アオヤギ委員 ぜひ、こののぞきは駄目なんだということを否定していただきたいんですね。本当、それがされないというのを、住民の方も、聞いている人も怖いと思いますよ。
 NEXCOと同じ立場で、そうやって礼節を欠いた行為というふうに繰り返しますけど、家をのぞくという不法行為を不法行為といえない。とんでもないと指摘をしておきます。
 また、パネルをご覧ください。こちらは、私、十一月に現地へ行ったときに、この工事現場の案内を写真に撮ったんですね。この工事現場に看板があったんですけれども、ちょっと書いてあるのを読みますね。
 ここには、住民の方から、腕章や名札をしないで住宅等の写真撮影等をしているとお問合せをいただいております。私たち事業者は、住宅敷地内等で調査させていただく場合、事前に所有者の方の了承をいただくとともに、必ず腕章をして身分を明らかにしています。こういったものが貼ってあったんですね。
 先ほどもいいましたとおり、NEXCOがレクのときに認めた鹿島の二つのチャットメールは、無断で家の中を見ていますよね。住民の訴えが正しかったということですよね。
 そこでお伺いしますけれども、建設局の見解を聞きます。用地買収やその他補償などの際に、対象住民の行動を監視したり、家の中をのぞくという不法行為はしない立場ですか。

○澤井用地部長 用地取得におきましては、関係法令等に基づきまして適切に事業を遂行しております。

○アオヤギ委員 都は、関係法令を守ると。当たり前ですよね。今回の鹿島JVの住民盗撮、監視の行動は異常だとしかいえません。
 しかも、陥没事故に関して、鹿島やNEXCOは加害者です。加害者が日常的に住民の周りにいて、逐一住民の情報を積極的に交換しているということです。
 そこで確認しますけれども、都は事業を認可して、都民の税金を支出している東京都の責任で、このようなことを直ちにやめさせるべきではないですか。それが筋じゃないですか。

○手塚三環状道路整備推進部長 今回の事案を受けまして、都としましては、事業者に対して、施工業者に対する指導の徹底と住民に対するきめ細やかな対応を求めております。

○アオヤギ委員 住民に向けて監視をするだとか、いろんな逐一行動すると。きっぱりやめるべきというお答え、ありませんでしたね。本当に、ちょっとね、進められないと思いますよ、こういうのをきちんとやめさせないと。
 入間川の状況をご説明いたします。
 これ、入間川ですね。(パネルを示す)こういう状況なんです。これ、この幅しかないんですね、入間川って。すごく幅が狭くて、ここに、この管がありますね。この管が工事現場にセメントミルクを運んだり、それから、土砂をこの管を通じて、つつじヶ丘駅の北側に持っていくために、この入間川を通すわけですね、線路の下を。で、ここに敷設されていると。見てください。足場がここに両サイドありますね。ふだんは、多分、ここ両サイド歩けないと思います。それぐらい小さい川でございます。こういうつくりをしているんです。
 そこで、お伺いしますけれども、本当に、この管がうるさくて、圧力をかけて運び出しますから、すごい音を出すらしいんですけれども、そういう中でやっているわけです。河川部にお伺いしますけれども、この入間川の上の地盤補修用の管がある、設置されている、この占用許可、どのような占用許可が事業者へ出ているんですか。

○斉藤河川部長 令和四年十二月八日に、東日本高速道路株式会社関東支社東京外環工事事務所長に対し、河川関係法令に基づき配管等の仮設の許可をいたしました。

○アオヤギ委員 陥没事故を起こして、地盤補修工事を始めるときから、利用の許可をしたということです。
 管理者の河川部に確認ですけれども、入間川からのぞいたという事実はないですよね。

○斉藤河川部長 河川管理者としては、そうしたことは承知しておりません。

○アオヤギ委員 そうしたことは承知していないという答弁ですけれども、住民の方は、人が日常的にそこを歩いていて、今回のメールのやり取りも見て、不安になっています。しかも、家の中が見えることが不法行為と認識していない施工事業者であります。
 入間川の上から監視していた場合、問題ではないですか。

○斉藤河川部長 仮定の質問にはお答えをしかねます。

○アオヤギ委員 先ほどのパネルのように、狭い川の上に足場があるということは、地盤補修工事がなければ、なかったことです。
 万が一、入間川の上から情報を得ていたら、都の管理責任も問われます。都の責任で、そこでは情報収集するなと、厳しく禁じるべきです。きちんとNEXCOと鹿島JVから聞き取って、入間川から住民を監視していないか。監視をしていたら、許可を取り消すなど検討すべきです。
 私は今回、国会のレクで、国交省、NEXCO、鹿島の立場は、安全管理の中に住民監視も含まれているという立場かと何回もただしましたが、否定されませんでした。それでは、他の外環工事の現場でもやられるのではという可能性もあるということです。
 以前、この外環道の野川サイクリング道路の無断埋め戻し、NEXCOが無断埋め戻しをしたときの質問のときに、鹿島の日報でほかに埋め戻した箇所はないと確認したと聞いています。その日報をお出しいただけませんか。

○手塚三環状道路整備推進部長 外環道は、国及び高速道路会社により事業が進められており、都は工事関係書類を保有しておりません。

○アオヤギ委員 どういう安全管理をしていたのか、日報を見れば分かるはずです。
 鹿島JVが委託している警備会社が、野川サイクリング道路を埋め戻したとき、鹿島JVと反対側を工事する大林JVと情報共有して、NEXCOに報告して、NEXCOが埋め戻したと。埋め戻しを指示して埋め戻したと。NEXCOに報告したメールや日報はあるはずですから、NEXCOを通じて明らかにしていただきたいと思います。
 次に、安全確認のため、鹿島JVが監視員を工事現場や工事が終わったところに、大林JVもですけれども、配置しております。その管理の範囲ですけれども、大深度トンネル工事箇所の斜め四十五度のエリアということでよろしいですか。

○手塚三環状道路整備推進部長 巡回員の配置につきましては、事業者からは、トンネル基部付近から四十五度で立ち上げ、天端からの離隔がトンネル外径の二倍より浅い部分は直上に立ち上げた範囲と、トンネルから四十メートルの範囲のうち広い範囲を基本として、公道上で行っていると聞いております。

○アオヤギ委員 ちょっと難しい専門的ないい方ですけれども、要するに、直上から両サイド四十五メートルぐらいか、または四十メートルのどちらかであると。大深度の場合は四十五メートルの方で、それ以外は四十メートルだということです。
 つまり、かなり広い範囲、補償が決まっていないところも、安全管理と称して監視しているわけです。何を安全管理しているのか、その内容を、日報やメールのやり取りなどを公表して、住民監視はしていないと示すべきです。
 問題は、現場に穴ができたなどの報告ではなくて、住民の情報に調査が及んでいたのかどうかという問題です。
 お伺いしますけれども、NEXCOや国交省はどのような内容を調査するよう指示していたのか、明らかにしてください。どういう場合に報告するようにしていたのでしょうか。

○手塚三環状道路整備推進部長 施工業者は、シールドマシンの掘進完了区間や工事箇所において、地表面の異常の把握や現場周辺の安全確認を目的として、巡回監視を行っていると承知しております。
 異常等の発見時には、施工業者は、速やかに現場の状況を事業者に報告することとされていると承知しております。

○アオヤギ委員 異常発見時といいますけれども、赤旗記事中には、監視の取りまとめ役の人が鹿島JVの関係者ごとに監視エリアを決め、報告を要求、私の方からまとめてNに報告しますと、NEXCOに報告していたのではないかというやり取りです。
 実際、NEXCOは、鹿島JVの礼節を欠いた表現だけが不適切だと、こう繰り返し発言して、決して住民の監視を悪いとは一言もいっていないんです。
 鹿島JVが自主的に勝手にエリアを決めて、わざわざ監視をするということをやっていたとは私は考えにくいと思います。鹿島は主に地盤補修工事が主な仕事ですから、NEXCOを含む組織的な監視だったのではないかという疑いが拭い切れません。
 さらに、記事中には、取りあえず税務署に家屋補修のお金を受領している旨、垂れ込みます。これが鹿島JVのグループチャットに出るわけですね。補償の状況、職業などが共有されています。
 補償の交渉はNEXCOの仕事だと思いますが、これはどういうことなのでしょうか。鹿島JVなど工事を施工する事業者に、補償の状況などをNEXCOや国交省は伝えているのでしょうか。

○手塚三環状道路整備推進部長 陥没、空洞事故に伴う補償につきましては、住民からの申出に基づき事業者が調査を行い、工事の影響が確認されれば、施工業者が補修等を行っていると承知しております。
 一方、施工業者は、シールドマシンの掘進完了区間や工事箇所において、地表面の異常の把握や現場周辺の安全確認を目的として、巡回監視を行っていると承知しております。

○アオヤギ委員 今、重要な情報を答弁されました。施工業者が補修を行っているということであります。
 補修を鹿島JVが行うので、どのお宅に補償をしたのか、その一部情報を鹿島が、JVが知り得るということです。実際、住民の方からは、鹿島が補償の交渉をやっているよ、こういう方もいて、そう感じるくらい、接触しているということだと思います。
 通常の道路工事であれば、用地買収に伴う補償は事業者が、例えば都だったら、都施行だったら都がやるわけです。工事請負業者はやらないですよね。先ほどの答弁のように、法令に基づいてやるわけですよね。
 ところが、外環の工事では、起こるはずのない陥没事故を起こし、地盤補修工事を行い、そのための補償の交渉をしなければならない。そこで、通常あり得ない、施工業者、鹿島が補償に関する非常にセンシティブな住民情報を知り得るという事態が生じているということです。
 何度もいいますが、鹿島JVは陥没事故の当事者、直接の加害者です。それが補償の情報を握り、それをネタに盗撮、監視、住民を侮辱する。こんなこと絶対許されないと思います。事業者、つまり国やNEXCOの監督責任も厳しく問われると思います。これは、つまり、外環道トンネル工事特有の環境で今回のことは起きていると思います。
 そこで、ちょっとお伺いしたいんですけれども、今回の事件は外環道工事ゆえに起きているという認識ありますか。

○手塚三環状道路整備推進部長 現在、外環道で行われている巡回監視は、地表面の異常の把握や現場周辺の安全確認を目的として行われていると承知しております。

○アオヤギ委員 外環道工事だから起きていることじゃないんですかと聞いたんですけれども、異常の確認をする。これ自体が外環道工事特有だと思いますよ。そういう認識では、あまりに不十分だと指摘をします。
 都はよく、丁寧に対応すると国やNEXCOがいっているといいますけれども、それは丁寧に相談に乗ったりすることなどではなく、くまなく住民に無断で調査をする、交渉がうまくいかないなどの場合に、自分たちが対応を考えるために調査しているのでしょうか。

○手塚三環状道路整備推進部長 今回の事象を受け、施工業者は、地域住民の不安を解消することが最重要の課題であることを再認識し、今後も事業者と連携しながら、より丁寧な対応をもって工事を施工していく旨を表明していると承知しております。
 都としましても、事業者に対して、施工業者に対する指導の徹底と住民に対するきめ細やかな対応を求めているところでございます。

○アオヤギ委員 その国交省のレクのときに、マスコミや見学に来た人がいたら、施工業者が対応できないこともあるので、丁寧に対応するためだとか、安全管理のために情報を共有している旨を話しているんですけれども、国交省やNEXCOが。決して、その方たち、マスコミが来ても取材に応じるとかそういうことでもなく、住民の不安があったら、何か対話をして相談に乗るわけでもないんですね。丁寧というのは、一方的に情報を収集することかと私はこの答えを聞いて感じました。
 また、予特でも指摘をしましたけれども、都は丁寧な対応を事業者に求めていると繰り返し答弁しますが、それは全部ほごにされているということです。そういう認識で事に当たらなければ、対応を全く誤ると思います。
 それで、調布市は、今回のグループチャットのやり取りについて、不適切な表現だったことが問題だというNEXCOと鹿島のいい分をそのまま受け入れている。極めて不十分な内容ですが、一応、極めて遺憾、抗議するとNEXCO、国交省に要請文を出しております。
 お伺いしますけれども、都も国交省、NEXCO、鹿島に対して、少なくとも抗議すべきではないですか。

○手塚三環状道路整備推進部長 今回の事象を受け、施工業者は、地域住民の不安を解消することが最重要の課題であることを再認識し、今後も事業者と連携しながら、より丁寧な対応をもって工事を施工していく旨を表明しております。
 都としましても、事業者に対して、施工業者に対する指導の徹底と住民に対するきめ細やかな対応を求めております。

○アオヤギ委員 今までの答弁を繰り返すだけなんですね。抗議をすべき、また、こういう監視をやっている行為をやめさせるべきだと思います。
 それで、確認なんですけれども、大林JV、清水JVなど、他の外環道トンネル工事現場でも監視はやっているのですか。

○手塚三環状道路整備推進部長 外環道は、国及び高速道路会社により事業が進められております。工事に伴う情報共有の詳細につきましては、都は把握してございません。

○アオヤギ委員 分からないということで、やっているかも分からないということですね。ちゃんと確認すれば済む話です。なぜ確認しないんですかね。
 実際、他の工事現場、中央ジャンクションの周辺の住民の方が、工事現場の人から写真を撮られたことがあるということもあったと先日お話しされていました。きちんと都の責任で確認すべきです。
 また、鹿島JVがやった監視行為が不法行為だと建設局はいい切れませんでした。この対応は絶対に認められません。
 そもそも、外環道トンネル工事は、地上には全く影響がないとし、説明会も行われず、突如、地盤が崩れ出すという、とんでもない事故であり、国やNEXCO、鹿島は加害者です。それが、自ら起こした事故の地盤補修工事を担う者が、住民を監視、侮辱している。重大な人権侵害です。
 ここまで住民を敵視して、理解が得られるはずがありません。一歩も工事を進められる状況ではないと思いますよ。
 工事自体が破綻しているからこそ、住民に理解が得られないところで無理に進めようと、こうした異常な住民監視を続けたのではないでしょうか。住民監視の不法行為が収まる確証が今どこにもありません。
 そして、繰り返しますが、都は、外環道工事を認可し、都民の税金を支出しています。都の責任で外環道トンネル工事はストップすべきです。いかがですか。

○手塚三環状道路整備推進部長 今回の事象を受け、施工業者は、現場周辺の住民に対する礼節を欠いた表現を用いて情報交換を行っていたことについては、不適切な行為であったと認識しており、今後、ふだんから言葉遣い等について適切な表現を用いるよう、内部での教育を行うとともに、地域の住民に対して誠意を持って対応するよう、さらに指導を徹底するとしております。
 また、事業者は、施工業者に対して適切な表現を用いた情報交換を行うよう指示しております。
 外環道は、首都圏における交通、物流の根幹をなす重要な道路であり、その必要性は変わらないと認識しております。
 都としましては、事業者に対して、施工業者に対する指導の徹底と住民に対するきめ細やかな対応を求めております。

○アオヤギ委員 言葉遣いの問題じゃないんですよ。家の中、見ているんですよ。それが分かるグループチャットが公表されているわけです。
 本当に、認識が不十分だと一歩も進めないです、こういう状況では、工事は。
 陥没事故を起こして、財産権を侵害する。安心・安全を脅かす。そして、加害者が住民を監視し、人権を侵害する。どれだけ住民を苦しめるんでしょうか。外環道工事は幾重にも破綻しております。
 次に、野川サイクリング道路の埋め戻しについてちょっと確認しますけれども、その後についてお聞きをします。
 野川のサイクリング道路の管理区域の区分けは、道路部分が狛江市で、堤体部分は都の河川部でしょうか。

○斉藤河川部長 占用工作物として許可している舗装などは、狛江市のサイクリング道路であり、それ以外の部分は河川でございます。

○アオヤギ委員 工事現場の写真を見ますと、工事車両が道路に入り、堤体部分の下まで掘り返しております。
 相当大きな穴があったようですけれども、NEXCOが埋め戻した部分だけではなく、対岸も、調布市側も含めて、もっと広範囲に調査すべきではないですか。

○手塚三環状道路整備推進部長 野川サイクリング道路の舗装損傷につきましては、損傷箇所周辺の発生原因調査が対岸も含めて実施されたところ、原因は、路面排水の浸透による路盤の緩みや、護岸背面の吸い出し防止材の経年劣化、損傷等の複合的な要因の組合せによると推定されました。
 今回の調査結果を踏まえ、狛江市が舗装損傷箇所を復旧するとともに、都が隙間可能性箇所について開削した後、状況を確認した上で適切に復旧しました。
 なお、護岸背面の吸い出し防止材の損傷部分につきましても、都が補修し、安全を確保しております。
 狛江市は、今回の調査結果を踏まえ、関係機関と連携し、野川サイクリング道路を適切に維持管理するとしております。

○アオヤギ委員 対岸も含めて原因調査したと。スコープで下を調べたそうです。それで異常はなかったそうなんですけれども、大深度トンネル工事の周辺をきちんと調査していくべきだと思います。
 この近くの野川と入間川の合流地点も、前回ご紹介しましたが、明らかに、ひびやコンクリートが波打つ直上の場所だと思いますけれども、そういう場所がありました。なぜなのか調べていただきたいと思います。
 そして、この箇所と、埋め戻しに近い箇所、場所からの野川から気泡も私も見ましたけれども、野川の気泡も何なのか、調査、分析すべきではないですか。

○手塚三環状道路整備推進部長 現在、野川から工事に伴う気泡が出ているとは認識しておりません。

○アオヤギ委員 よく見ると出ているんですけれども、きちんと原因分析しないと、どっちが理由か分からないんですよね。だから、空気を取って調査していただきたいと。
 住民からは不安の声が上がっているのですから、きちんと調査した上で答弁していただきたいと思います。
 改めて、住民に二重三重の苦痛を与え、人権、財産権をじゅうりんする外環道工事は直ちに中止すべきと申し上げて、次の質問に行きます。
 特定整備路線についてお伺いします。
 まず、概要についてなんですけれども、建設局が施行している特定整備路線全体の二〇一九年度から四年間の用地取得率の変化を、年度ごとにお示しください。

○澤井用地部長 建設局が施行している特定整備路線の用地取得率の推移は、二〇一九年度末時点で五一%、二〇二〇年度末時点で五七%、二〇二一年度末時点で六二%、二〇二二年度末時点で六四%でございます。

○アオヤギ委員 四年間で一六%分の買収が進んだというのは、都の防災上どうしても必要な道路という位置づけからすれば、大きく遅れているといわざるを得ません。
 二〇一九年度といえば、完成期限を延長する前でしたので、あと一年で全線開通するはずだったのに、その時点で五一%までしか用地取得が進んでいません。
 翌年の二〇二〇年度には、防災都市づくり計画で五年間の期間延長していたけれども、六%分しか進んでいません。五年間で残りの半分の用地を買収するには、どんなに少なくとも、一年で一〇%以上伸びないといけないということです。
 さらに、翌年は二%、今年度末だと、二〇二三年度は六七%と聞いておりますが、三%と低迷しているのを見ると、五年の期限延長も意味のないものになってしまいます。
 お伺いしますけれども、都は、二〇年度末に迫っていた特定整備路線の完成期限を五年延長しましたけれども、このペースでは間に合わないのではないでしょうか。

○周郷道路計画担当部長 特定整備路線は、市街地の延焼を遮断し、避難路や緊急車両の通行路となるなど、防災上、極めて重要な道路でございます。
 これまで都は、生活再建支援の相談窓口を設置するなど、関係権利者へ丁寧に対応しながら用地を取得するとともに、全区間で工事に着手し、一部の区間では交通開放を行うなど、整備は着実に進んでおります。
 来年度からは、新たに訪問型の生活再建支援を開始するとともに、執行体制を見直し、機動的かつ集中的に用地取得に取り組んでまいります。
 引き続き、関係権利者の方々に丁寧に対応するとともに、理解と協力を得ながら、全力で整備を進めてまいります。

○アオヤギ委員 都は、いつも同じ答弁を繰り返すんですけれども、特定整備路線の最大の役割といわれた延焼遮断帯効果は、十二年前の延焼シミュレーションの結果を基にしていますが、その実態は、消防庁作成のソフトを借りて、火災の専門家のアドバイスも受けず、ソフト本来の目的以外での使い方で実験したこと、火災の延焼原因として重要な飛び火現象という要素を考慮していなかったことが、住民訴訟の公判の中で、都の幹部職員の証言で明らかにされた事実を、三年前、我が党の質疑で明らかにしています。
 特定整備路線の防災効果、延焼遮断効果の科学的、合理的根拠は崩れているわけです。
 ちなみに、消防庁は、その後、糸魚川火災の経験を基に、現在は飛び火現象の要素を加えたシミュレーションソフトを使っているとのことです。
 そして、答弁の中で、用地取得の執行体制を見直し、推進するというのは、機動取得推進課を編成するというもので、先日の代表総括質疑で池川議員が指摘したように、強引な買収工作で地権者をさらに苦しめることになりかねないものです。
 もともと防災にも貢献しないし、住民の方々も、お店や自宅を手放すと地域から出ていかざるを得なくなり、生活再建もできない方も多く残されています。強引な説得では苦しみを増やすだけです。計画と事業の見直しこそ必要です。
 そして、五年の期限が迫る中、再延長を検討するのもやめるべきです。再延長は、住民にとって苦渋と重圧の日々をさらに押しつけることになります。
 今すべきことは、特定整備路線の意義や見通しのなさを再度評価し直し、そこは専門家や地元住民の声を反映させるべきではないですか。いかがですか。

○周郷道路計画担当部長 特定整備路線は、防災上の効果が高く、都民の生命と財産を守る極めて重要な道路でございます。
 これまで、関係権利者に丁寧な対応を行い、令和六年二月末時点で六七%の用地を取得してございます。
 引き続き、関係権利者の方々に丁寧に対応するとともに、理解と協力を得ながら、全力で整備を進めてまいります。

○アオヤギ委員 同じ答弁の繰り返しなんですけれども、大型道路整備よりも、もっとやるべきこと、すぐやれることがほかにあると思います。
 予算案を見ますと、生活道路のバリアフリー化などの予算も、どんどん毎年のように減ってしまっています。こうしたことこそ予算を増やすべきだと思います。
 防災対策をするなら、能登地方と東京では防災の課題はかなり違いもありますけれども、現地で今困っている上下水道や、電気や住宅の再建などは、災害が起きる前の東京都内でなら、それぞれ水道の耐震化や住宅の耐震補強など、十分今からでも可能です。
 また、地域のコミュニティを充実させて、地域の防災力を高めるコミュニティタイムラインの確立、備蓄や資材の確保など、公的支援でやるべきことは山のようにあると考えます。
 建設局に特化して見ても、地震以外にも、中小河川での水害対策、急傾斜地対策など、東京で取り組むべき課題は十分あります。
 都が大型道路の整備に固執し、真に都民の命と暮らしを災害から守るためのあらゆる課題から目をそらすことがあってしまうことは、あってはならないと指摘をします。
 以上で特定整備路線の質疑を終わります。
 以上で終わります。

○こいそ(明)委員 それでは、連日にわたって、最後の質問者なんですけれども、しっかりと質問させていただきたいと思います。
 丘陵公園の関係からちょっとお尋ねをさせていただきたいと思います。
 多摩丘陵、多摩地域のこの丘陵、それぞれあるわけでありますけれども、その中でも雑木林、谷戸などの環境がまだまだしっかりと残されている。かつて、まきや炭をそこからいわゆる供給もされていたと。清らかな湧水がその田畑を潤す中で、人々の営みも、まさに育まれてきた里山でありますけれども、この里山はレッドデータブックにも載っているような希少種、キンラン、そして、タマノカンアオイをはじめ、多くの希少種がまだまだ生息をしているところもあります。
 生物多様性の観点からも、この丘陵系の公園というのは極めて重要な、また大変大切な場所ではないかと思うんですね。
 その中で、都立公園におけるこの丘陵地公園の位置づけについて伺いたいと思います。

○根来公園計画担当部長 緑あふれる東京の実現に向けて、緑のネットワークの拠点となる公園の整備は重要でございます。
 とりわけ雑木林や谷戸等の良好な里山環境を形成する丘陵地公園は、東西に連なる緑の骨格である多摩丘陵や狭山丘陵などの保全の核となっておりまして、東京全体の自然環境を保全し、都民が自然と触れ合う場として重要な役割を果たしております。
 現在、丘陵地公園は、桜ヶ丘公園など十四か所、約六百十ヘクタールが開園しておりまして、都立公園面積全体の三割を占めており、東京の緑を確保する点からも重要となっております。

○こいそ(明)委員 東京の緑、対応する緑の中でも、この丘陵地公園の自然、公園になっているわけでありますけれども、非常に重要性が高い。里山はいうまでもありません。地域の様々な暮らしが営まれていて、そこに東京の原風景がまだまだ、いわゆる存在していると思うんですね。
 またまた、この環境教育の観点からも、非常に重要なフィールドではないかと思いますし、こうした里山環境は次世代にしっかりと残すべき、貴重な東京の自然のやはり財産ではないのかなと。であるからこそして、この丘陵公園の緑の今後の保全について、今後の整備の考え方、都の所見を伺いたいと思います。

○根来公園計画担当部長 昨年、都は、百年先を見据えた新たな緑のプロジェクト、東京グリーンビズを立ち上げ、柱の一つに、公園の整備の加速を掲げております。
 丘陵地公園につきましては、令和十一年度までに事業化を図る優先整備区域として十三公園、百五十一ヘクタールを設定しており、このうち約七割を事業化しております。
 今後、用地取得体制の強化を図るなど、丘陵地公園の整備を加速し、残りの三割についても計画的な事業化に取り組んでまいります。
 東京に残された緑や里山環境を保全していくためにも、丘陵地公園の整備を推進してまいります。

○こいそ(明)委員 この当該の多摩丘陵のいわゆる丘陵地公園でありますけれども、桜ヶ丘公園、都立桜ヶ丘公園ですね。ここのところは、やはり、明治時代でありますが、明治天皇が四回も行幸されたということなんですね。それとともに、そのことを記念して、聖蹟記念館が公園内にも建てられている。
 それとともに、大変珍しい、新種といわれているタマノホシザクラですね。これは小山内裏公園ですね。これは町田市でありますけれども、これらがやはり生息をして、ここはまた、いわゆる季節、時期には、非常に可憐なというか、咲き誇っておりますけれども、それぞれ特色ある、この歴史的な地域であるし、豊富なといいますか、貴重な自然を今後伝える上でも、引き続いて丘陵公園の整備は当然必要だと、こういう認識なんです。
 そこでちょっと各論なんですけれども、都立桜ヶ丘公園のいわゆる周辺といっても、かなり広いですね。いわゆる、ちょうど、何というかな、西側は米軍の多摩サービス補助施設が展開をしています。
 さらに、都道の川崎街道、これ整備されましたけれども、ちょうどこの北南といってもいいんですかね、この辺り、南側の方は、四百から五百世帯が、いわゆる住宅地としてそこにございます。それから北側の方にもございます。それはちょっと若干世帯数は少ないんですけれども。
 それとともに、福祉関係の施設もできたというような中で、これは本当に、私は当選後にも地元から、これを将来のために、この網かけられているんだけれども、何もできないんで、何とかしてもらえないかということがございました。
 そういう中で、地元の自治会を中心にして、その対策というかな、委員会みたいなもの、会ができた。そして、地元市も入れて、要請して、これはもう、いわゆる事業局である建設局と、それからやはり都市整備局、ここにも相当回数、話合いの場を持っていただいて、交渉してまいりました。
 しかし、あるとき、あるときというか、十年以上前なんですけれども、一旦その地域については、いわゆるその事業開発はちょっと待つということで、この十年間の間に、いろいろと知恵を出すというか、やっぱりいろいろ考えていこうじゃないか、対応していこうじゃないかと。こういうことが話し合われたんですよ。そして、十年以上たちましたということなんですけれどもね。
 実際、どういうことが今まで、両局でも結構なんだけれども、検討されたか、その辺り、お願いします。

○根来公園計画担当部長 委員のお話にもございましたように、これまで地元市や関係局と連絡会を設置いたしまして、地域住民から直接要望を聞くなど、意見交換を行ってきた経緯がございます。
 令和二年の都市計画公園・緑地の整備方針の改定に当たりましては、こうした経緯も踏まえ検討いたしまして、優先整備区域の設定などを行いました。

○こいそ(明)委員 そうはいっても、本来的な要望の趣旨から見ると、まだ一歩一歩手前だと思うんですね。
 十年たった。十年超えた。その間、決して十年というのは短い期間でないことはいうまでもないんですけれども、その先頭に立って、何とかしていきたいと、自分の子や孫の時代のことを考えて、何とかしていきたい。そういう方々が、先頭に立って取り組まれた方々から一人いなくなり、一人いなくなり、そういう状況下の中で、私もやっぱり責任の一端もありますんで、改めて、今日ここで取り上げさせていただいたんですけれども、文書での取り交わしはたしかなかったかもしれないけれども、やっぱりそれなりに、再三再四、都庁にも来てもらって、あらゆる地元でもやって、あらゆるところでいろんな話合いを持ってきた。らちが明かない。
 そういう中で、今申し上げたように、一定のやはり時間を空けましょうということで、それは合意した。そして、ずっと、十年以上たったわけですね。先ほどからいって申し訳ないですけれどもね。
 そのときに、私はやはり、何らかの意向表明というか、出されるのかなという期待感もありました。でも、いろいろと聞くところによると、なかなか、明快な方向性の中でのご答弁はどうも出ないようであります。出ないですけれどもね。
 でも、今後、引き続いて、改めてここで、どうだこうだと、大分もう先輩方も退職されている当時の方もおられますよね。
 そういうことで、記録的なことも、どっかに記録は当然あるでしょうけれども、その辺りも踏まえながらも、ぜひこれ、都市整備局ともう一度話合いをしてもらえませんかね。現状を見てくださいよ、現状を。行けば分かる。だって、あれ、拡幅したじゃないですか、いわゆる都道の川崎街道。だって、そこ、当該の、今申し上げたところだって当然入ったわけだ。いろんな状況、分かっているはずですよ、これ。
 そういう中で、ぜひ、また改めて、地元にも行ってもらって、状況を共有させてくれませんかね、これ。それと今後とも、しかるべきやっぱり対応をしないと、何か、あのまま宙ぶらりんというかな、状況じゃ、あまりにもこれ、皆さんもなかなか、いろんな、何というかな、事例だとか東京都全体の中における、いわゆるその影響的なものを考えつつ、判断しなきゃいけないというのはよく分かりますよ。それも踏まえながら、私たちはよく調べた、東京都全体の中においても。そういう事例がないことはないじゃないですか。
 そういう中でも、ぜひこの問題をしっかり取り組んでもらえませんか。どうですか。

○根来公園計画担当部長 計画の見直しにつきましては、桜ヶ丘公園を含む、この地域全体のまちづくりの在り方を検討していくことが重要であると認識をしております。
 検討に当たりましては、まちづくりの主体となる地元市や都市計画を所管する都市整備局との連携が必要不可欠でございまして、三者で課題解決に取り組んでまいります。

○こいそ(明)委員 ぜひお願いします。
 それでは、次に、JR南武線の高架下の利用についてに移らせていただきたいと思いますけれども、これも、かねてから、本委員会でも、様々な場でも取り上げさせていただいて、このJR南武線の稲田堤から府中本町間の連続立体交差事業の、いわゆる事業そのものの推進というか、促進といいますか、それのお願い等々をさせていただき、また高架下利用についても取り上げさせていただきましたけれども、この事業そのものは、平成十七年に第一区間が高架化されました。
 そして、稲城長沼と南多摩駅が第二期区間として、平成二十五年、いろんなことがありました。福知山線脱線転覆事故で少しストップがかかったり、皆さんも大変ご苦労された。その中でも、二十五年、高架化されました。大変劇的な環境変化であったわけであります。
 それはもう十五か所の踏切が全てなくなったわけでありますから、そして、鶴川街道や府中街道などの、まさに、踏切がなくなったことによって、いわゆるその踏切遮断による慢性的な渋滞が解消された。そして、これは大変、南北の回遊性も非常に取れる。まちにとっても今後の都市計画というか、まちづくりに非常に大きな影響、効果が得られたわけです。
 こういう中で生み出された、これは東京都の施行した、当然そうでありますけれども、行ってこられた、その中における様々な思いの中で高架化になった、その中で生み出された、この高架下、いわゆる高架下空間の活用なんですね。これ、現状どうなっていますかね。

○久野道路建設部長 JR南武線連続立体交差事業によって生み出された高架下の状況ですけれども、全体面積は四万一千八百五十平米、そのうち、都市側が利用できる面積は約六千二百平米、鉄道側が利用できる面積は約三万五千五百平米というふうになってございます。

○こいそ(明)委員 先をちょっと続けさせていただきたいんですが、これは民鉄もそうだというお話の中で、JRの今お話をさせていただいておりますけれども、要するに、高架下の、いわゆるこの空間については八五%ですね、それから一五%という。すなわち鉄道側が八五%、このいわゆる高架下を利用できるわけですね。
 でも、実際、ここ当該の、いわゆる一期、二期を含めた、稲城市域でありますけれども、ここの利用というのは、なかなか進んでいないように思うんですね。
 これはかなり、いわゆる用地というか、高架下の空間というか、これは相当やはりある。これはもう見ていただいた経緯もございますんで、もうそれ以上いうまでもないんですけれども。
 この中で、この当該のところも、やっぱり自治会、それから周辺自治会があって、何とか使わせていただきたいと。地域でそういうふうな、いわゆる広場的というか、なかなか確保できないところもありますんで、使わせていただきたいというような要望をしたところが、なかなかこれ、制約があって難しいことがあります。
 これはまた市の方もやはり入ってもらって、交渉をしていくわけでありますけれども、これらのことを踏まえて、東京都も一生懸命やっていただいていることは分かるんですけれども、より一層やはり、これは、その高架下の利用をしっかり地元でも使用ができるように、ぜひお願いしたいなと思うんですね。
 そういう中において、ただいまの八五%、一五%の話でありますが、これ前にも、特に国交省に対して、政府要望というか、これをちょっと具体的に教えていただけませんかね、やっていただいておりますんで。

○久野道路建設部長 連続立体交差事業によって新たに創出される高架下空間は、貴重な都市空間でございます。都市側の利用できる面積割合を増やし、公共利用することは大変重要な視点でございます。
 これまで都は、費用負担を伴わずに公租公課相当額で公共利用できる面積の拡大につきまして、制度の改善をするよう、政府提案要求を行ってまいりました。加えて、今年度は、国土交通省と直接意見交換を行いました。
 引き続き、政府提案要求を通じて国に働きかけるなど、高架下空間の有効利用に向けまして取り組んでまいります。

○こいそ(明)委員 具体的な動きをしていただきまして、直接的にも交渉をしていただいているということ。
 少なくとも、これ、東京都だけじゃないですね。都外でも全く同じような、使用、利用というんですかね、こういう、その八五対一五というのがあるわけでありますけれども、これはやはり、この東京、日本全国、当たり前だけれども、首都東京でありますけれども、なかなかあれでしょう、多摩地域だって大変なんだから、区部だってなかなか大変ですよね、用地確保するのは。いろんな利用をしたい。
 そういう中でも、やはりこの連続立体交差化事業によって生み出されたこの高架下空間を、ぜひ有効活用するためにも、今のような交渉もしっかりやっていただくとともに、都としてもやっぱり積極的に、高架下空間の都市側利用が拡大されて、また地域の活動やまちづくりの進展に寄与するように、東京都としても、交渉を今していただいていますけれども、広域的な視点を持って、より積極的に、これ取り組んでいただきたいと、改めて要望させていただきたいと思います。
 次に、これはほとんど多摩地域でありますけれども、多摩地域の歩行者の安全確保。これも以前から、いわゆる多摩地域におけるこの歩道整備ですね。いわゆる車道と歩道がなかなか、しっかりとして分離整備されていない地域が多摩の方は特に多い。白線が引かれていて、ただ白線も、消えかかった白線があって、じゃあ、車椅子で走ってくださいといったってこれ無理ですよね。
 そこは調べたら、要するに、通学路にもなっていたということが、当時としてはというか、今も散見されるんだけれども、珍しくなかったんですね、これ、よくないんですけれども。
 そういう状況下の中で、何とか歩道整備率を上げていただきたい。都道に歩道を整備する際の基本的な考えが当然あると思いますし、多摩地域における歩道の整備状況も併せてお願いしたいと思います。

○原田道路保全担当部長 歩道は、歩行者の安全確保や良好な都市景観の形成など、多様な機能を有しており、その整備を推進することは重要でございます。
 歩道の整備に当たっては、自動車交通量や歩行者交通量、学校、病院など公共施設の立地状況等を総合的に勘案して、整備箇所の選定を行い、車椅子が擦れ違うことができる幅員二メートル以上のバリアフリーに対応した歩道整備を進めております。また、都市計画道路などの整備に当たっても、幅員二メートル以上の歩道空間を確保しております。
 また、歩道の整備状況についてですが、多摩地域におきましては、令和四年度末時点で、幅員二メートル以上の歩道の整備率は四七%となっており、いまだ道半ばの状況でございます。

○こいそ(明)委員 確かに、今ご答弁いただきましたように、多摩地域における歩道の整備率はまだ四七%と、五〇%にちょっとまだ届かないですね。というような状況でありますから、道半ばの状況であるといわざるを得ません。
 そういう中で、車道と歩道が分離されていない道路における歩行者の安全確保はどのように取り組んで対応しているかということですね。取り組んでいるか。これを聞かせていただきたいとともに、その先にちょっと行かせていただきたいのは、先ほど私が通学路、これはもう何回もいわせていただいて恐縮なんですけれども、やっぱり通学路の安全確保策が都道の中でできていなかった現実。
 それから、先ほど申し上げたように、非常に慢性的な渋滞。車道も一車線一車線でありますし、相当の交通量がそこに流れ込んでくる。そこに、歩道のしっかりした整備がなされていないということで、これは東京都としていかがでしょうかということで、これは今しっかりやっていただいている稲城市の鶴川街道、走っているんですね。
 鶴川街道の特に百村区間、これはもう本当に危ないということでご認識いただいて、東京都技監も何回も行っていただきましたよね。自分で車を運転して行っていただいたとか、本当に感謝しているんですが、各幹部の皆さんも現地へ行っていただいて、ああ、これはしようがないなと。しようがないなというか、これは危ないなというか、そういうご認識をしていただいた中で取り組んでいただいているんですが、このいわゆる今整備を進めている中での特に用地の取得取組状況ですね、この辺りをちょっと教えてください。

○澤井用地部長 鶴川街道百村区間では、令和六年二月末時点の用地取得率は四九%となっておりまして、令和四年度末時点から一五ポイント増加しております。
 早期に安全な歩行空間を確保できるよう、これまで現道拡幅区間を中心に用地取得を進めてまいりまして、同区間におきましては、およそ八割の用地を取得いたしました。
 引き続き、事業効果の早期発現を見据えた用地取得を推進してまいります。

○原田道路保全担当部長 車道と歩道が分離されていない道路における歩行者の安全確保についてでございますが、歩道の整備に当たり、現地の状況等から拡幅が困難な場合には、安全性の向上を図るため、現場の状況に応じて路側帯のカラー舗装化やポストコーンの設置、注意喚起看板の設置、路面標示などを行っております。
 特に通学路においては、学校関係者、交通管理者と合同点検を行っており、令和五年度は、稲城市の東長沼付近の都道で、交差点にポストコーンを設置するなどの対策を実施いたしました。
 今後、歩車道が分離されていない他の道路においても、合同点検などを活用し、地元の方々のご意見を踏まえ、交通管理者と連携し、安全な歩行空間となるよう取組を進めてまいります。

○こいそ(明)委員 バリアフリー含めた対応をしていただいているということはよく分かりました。でも、より一層また取り組んでいただきたいと思います。
 それとともに、さっきの非常に狭隘で、渋滞が激しい、そういう事例の最たるものがといういい方もちょっとあれかもしれませんけれども、私は、これは本当に厳しい交通状況かなという中での、いわゆる都道鶴川街道百村区間。先ほどご答弁いただきました、そのさらに、道路、現道のいわゆる拡幅区間の用地が進んでいると。
 そして、その中で、歩行者空間の整備も、用地取得ができた箇所から工事に着手していただきたい。歩行者空間の整備を進めてという、こういう要望を出させていただいた経緯があるんですが、それでは、これまでの取組状況も改めて教えてください。

○久野道路建設部長 百村区間につきましては、新設道路区間と現道拡幅区間があり、歩行者の安全を確保するためには、現道拡幅区間を優先して整備していくことが重要でございます。これまで、現道拡幅区間につきましては、用地取得が完了し、更地になった箇所などで暫定的な歩行者空間を整備してまいりました。
 今年度は新たに百五十五メートルの区間を整備し、これまでの整備延長は二百八十メートルとなっております。
 整備に当たっては、車道との境に横断抑止柵を設置するなど、歩行者の安全な通行に配慮してまいります。

○こいそ(明)委員 取得した用地を活用して、歩行者空間の整備を進めていただいていることは分かりましたけれども、もともと歩道がなかった区間なので、取得した用地を活用した歩行者の安全対策は分かりますが、やはり本格的な街路築造工事に、早期にやっぱり着手していただくべきではないのかと、こういうことを考えるわけでありますけれども、今後の取組についてお願いします。

○久野道路建設部長 百村区間では、歩行者の安全性に配慮し、現道拡幅区間から工事を進めてまいります。
 来年度は、河川と近接する区間におきまして、先日契約となった擁壁工事を実施するとともに、現道の拡幅に伴い付け替えが必要となる稲城市道の設計を進めていきます。
 街路築造工事につきましては、連檐して用地が取得できた箇所で埋設企業者の工事を実施し、その後着手いたします。
 引き続き、歩行者の安全確保を図るとともに、関係機関との調整を行い、百村区間の早期整備に取り組んでまいります。

○こいそ(明)委員 いわゆる当区間の整備に当たっては、都道の歩行者の安全性向上、これはもう第一義的だと思いますけれども、さらに地域全体のまちづくりという観点から見ても、これは非常に有意義なというか、効果が出始めているんですね。
 そういう中でも、特にこの区間には、稲城市道が数か所で接続をする、取付けされるわけですね。
 ところが、その市道は幅員が狭くて、二メーター、さらに、何というかな、少しカーブを切っているところもあったり、どうやってその取付けをしなきゃいけないのかな、都道に対してですね。
 そういうことなんですけれども、都道の整備に合わせて、接続する市道の整備も当然進めるべきではないかと。率直にいって、今から七、八年前、地元説明会のときも、これは相当出たんですよね。ところが、見ているというか、いわゆる地元へ行って、少し歩いて、いろいろ周辺状況の変化を見た中でも、なかなか進んでいないように思います。
 そのためにも、市に対して積極的な支援と、私はもうちょっと、やはりこれはもう地元市にとっても、いわゆる市民、都民にとっても、やはり結果は結果として、良好な環境整備、住環境整備にもなってくるし、安全帯が確保できれば、これも当然、大きな前進であるわけでありますから、そういう意味合いで、都はもう一段、市の方にも、しっかりした支援の要請もされてもいいんじゃないかなと思うんですが、どうでしょうか。

○久野道路建設部長 百村区間の整備効果を高めるためには、接続する稲城市道の整備を一体的に進めることが重要でございます。
 このため、都は、市が検討を進めている市道の構造等に関する技術的支援や、市町村土木補助による財政的支援を行っております。
 引き続き、百村区間周辺の安全性向上に向け、都道の整備はもとより、市道整備の支援に取り組んでまいります。

○こいそ(明)委員 ぜひよろしくお願いします。
 それでは、次に移ります。最後になります。もうちょっとですから。
 南多摩尾根幹線の整備についてであります。
 これも再三再四にわたりまして取り上げさせていただいておりますけれども、少なくとも、少なくじゃないな、しっかり今進めていただいているという現状を共有したいということからも、この尾根幹線について、一つ一つまた現状、いわゆる進捗状況を伺いたいと思います。
 多摩ニュータウン地域を横断する南多摩尾根幹線は、圏央道にアクセスする、そしてまた調布保谷線を経由して埼玉県、これは神奈川県もそうだし、圏央道もそうだし、東名にだって、中央だって接続していくんですよね。ですから、非常に重要な幹線道路だというふうに認識しております。
 そして、これは少なくとも沿道の土地利用の促進、今申し上げた多摩ニュータウンの再生整備、これに対しても、やはりこのいわゆる尾根幹線整備というのは不即不離というか、これ非常に大切なんですね。
 そういう中からも、ぜひさらに、促進をしていただいているんですけれども、また、多摩地域における極めて重要な、今申し上げたような幹線道路であるにかかわらず、現状ですよ、今までも含めた暫定二車線で交通開放されている区間があるため、一車線一車線、交通渋滞がもう慢性化しているんですよね、これ。
 これはもう前々からお話をしておりますんで、これはこれなんですけれども、現在、四車線化に向けて事業が進められておりますけれども、この事業をより一層、さらに推進をしていただきたい。
 そういうような中から、このいわゆる南多摩尾根幹線の現在の進捗の状況についてお願いしたいと思います。

○久野道路建設部長 南多摩尾根幹線は、調布市多摩川三丁目から稲城市、多摩市、八王子市を経由し、町田市小山町に至る約十六・五キロメートルの都市計画道路であり、四車線化されていない約九・五キロメートルの区間で整備を進めております。
 東側の区間では、仮称稲城多摩トンネルの坑口付近におきまして擁壁工事を実施するとともに、JR武蔵野貨物線と交差する竪谷戸大橋の橋脚と橋台の工事に着手いたしました。
 西側の区間では、鎌倉街道と交差する仮称南野陸橋の橋桁を製作するとともに、本線と副道の高低差を処理するための擁壁工事を実施しております。
 それと、すみません、先ほどのちょっとご質問に戻るんですが、南武線高架下の利用状況についてちょっと不足しておりまして、ここでちょっと付け加えさせてください。
 先ほど高架下の面積についてご答弁申し上げたんですが、高架下につきましては、現在、高架下利用につきまして稲城市が、地元自治会から公共利用に関する提案を受けております。
 市からは、今後、地元自治会と意見交換会を重ね、具体的な利用方法について取りまとめていくと伺っております。
 委員ご指摘のとおり、JR南武線連続立体交差事業は完了しておりますけれども、都としては、高架下の利用促進が図られるよう、稲城市と土地の所有者であるJR東日本の調整を支援してまいります。

○こいそ(明)委員 高架下のことにつきましては、私も質問のちょっと足りなかった部分があるかもしれませんけれども、ありがとうございました。よろしくお願いします。
 そして、今のこの尾根幹線でありますけれども、この全面、全区間、着実に工事が進んでいるということも、私も当然地元ですし、通りますんでね。
 でも、まだまだこの渋滞していることは当然あるんですが、しかし、中央部に、何ですか、一車線一車線の一番の中央帯ですか、中央部分というんですかね、ここのところに盛土がありましたよね。山脈的にずっと連なっている、この盛土がありまして、それもかなり、何というんですかね、原状復帰というか、これは盛土を、これ、何ていうかな、ほかに持っていってもらったことによって、フラット状態になってきた。
 非常にいろんな面で、雨といったって、もう本当に、集中的な雨が降るような、台風含めて、結構土砂崩れがあったんですよ、あそこで。ですから、そういう面から本当によかったなということを思いますし、大きくやはりこの事業が進展しているんだなということをすごく感ずるんですよね。
 そういう意味で、ぜひまた引き続いて、これは整備を進めていただきたいんですけれども、次年度ですね、来年度のこの整備についてお願いしたいと思います。

○久野道路建設部長 令和六年度は、仮称南野陸橋や竪谷戸大橋等の工事に加え、西側区間におきまして、先日契約した街路築造工事を進めてまいります。
 また、多摩市聖ヶ丘から稲城市長峰に至る約一・八キロメートルの仮称稲城多摩トンネルの工事にも着手する予定でございます。
 令和六年度は、南多摩尾根幹線に係る予算として、合計約八十一億円を計上しております。

○こいそ(明)委員 先ほど中央分離帯の話、いわゆるその盛土の話はお話しさせていただきました。
 そして、まさに土出し、撤去がされて、九・五キロ区間のところも、現在もいわゆるこの事業が進んでいる。その街路築造工事とトンネル工事ですね、いよいよ着手されるということでありますけれども、この勢いをぜひ、これからさらに加速度的に上げていただいて、より一層事業を進めてほしいと思います。
 そして、いわゆるこの尾根幹線で大変な、いろんな課題や、問題ということはどうかと思いますけれども、いろんなことがありました。はっきりいって、事ここに行くまで。
 その中でも、中島東京都技監は、終始一貫、やはりこの救急車両も走れない。あそこ、放火事件もありましたよ。そのときも救急車両は走れない。慢性的な渋滞、何とかしなきゃいけない。
 そして、その周辺の住宅地、団地の中でも、朝夕はもうすごいんですよ。そこも通学路でもあるし、いわゆる地元の生活道路でもあるし、そこのところをスピードを上げて、すごい勢いで、これも本当にいろんな面で住民は困っちゃった。
 そんなこともしっかり受け止めていただいて、この整備にしっかり当たっていただいた東京都技監に、ぜひこの南多摩尾根幹線の整備に向けた東京都技監の決意というか、お考えを、また改めてお聞かせいただければありがたいと思うんですけれども。

○中島東京都技監 南多摩尾根幹線は、多摩地域の骨格をなす幹線道路でございまして、昭和四十四年に多摩ニュータウンの開発に合わせて都市計画決定されました。
 これまでに一部区間は四車線で整備されておりますものの、大半は暫定二車線ということで多摩ニュータウンの整備が進んだことから、慢性的な交通渋滞や生活道路への交通流入などの問題が発生しております。
 このため、平成二十七年に南多摩尾根幹線の整備方針を策定いたしまして、四車線化の未整備区間につきまして、令和二年より事業を推進しているところでございます。
 現在、ほぼ全線にわたって工事に取り組んでいるところでございまして、大規模な構造物としても、令和三年度には仮称南野陸橋に着手し、来年度には仮称稲城多摩トンネルの工事に着手する予定でございます。
 南多摩尾根幹線は、調布保谷線などに接続して、首都圏の広域的な道路ネットワークを形成する重要な都市基盤であり、また、渋滞を緩和し沿道の土地利用転換を促すなど、多摩ニュータウン地域の魅力向上とにぎわいの創出にも寄与する路線でございます。
 引き続き、南多摩尾根幹線の整備に全力で取り組んでまいります。

○こいそ(明)委員 ありがとうございました。本当に東京都技監のやっぱりリーダーシップ、そして、この現状をやはりどうやってしっかり改善していかなきゃいけないか、対応しなきゃいけないかということで、本当にこの尾根幹線もしっかり現状進んでいるのも、職員の皆さん、結束してやっていただいているんですけれども、ここもやはり都技監のお力が本当に強くあったわけでありまして、これは感謝申し上げさせていただきたいと思います。先ほどお話あった、要するに河川の六十五対幾つだったか、これも、いろいろそれだけじゃないですけれども、いつも常に真っ向から事の問題について取り組んでいただいて、我々とも丁々発止していただいてね。
 ですから、本当にそういう面からも、私は個人的にも常に感謝申し上げておりましたけれども、このような地域が大変困っている。先ほどいいましたけど、歩車道分離でなくて、本当、交通事故が絶えない。そんなところも自分の車でも行ってもらう。何回も足を運んでもらう。それを後々聞いたんです、私は、はっきりいって。ご本人はいわなかったけど。ありがたいなと本当に思いました。
 そんなことで、本当に感謝申し上げさせていただきたいと思います。ありがとうございました。
 また、引き続いて、どうか現在、本当いい方向で一生懸命やっていただいていますんで、こういうことをいうのも本当に、何かちょっと申し訳ないなと思う気持ちはあるんですけれども、積極的かつスピード感を持って、今、質問させていただいた南多摩尾根幹線の整備にぜひ取り組んでいただきたいと要望させていただきまして、終わらせていただきます。ありがとうございました。

○曽根委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案及び本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○曽根委員長 異議なしと認め、予算案、付託議案及び報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で建設局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後七時二十四分散会