委員長 | 曽根はじめ君 |
副委員長 | 原 純子君 |
副委員長 | 須山たかし君 |
理事 | 細田いさむ君 |
理事 | 山田ひろし君 |
理事 | 小松 大祐君 |
漢人あきこ君 | |
もり 愛君 | |
アオヤギ有希子君 | |
こいそ 明君 | |
成清梨沙子君 | |
小磯 善彦君 | |
小宮あんり君 | |
増子ひろき君 |
欠席委員 なし
出席説明員環境局 | 局長 | 栗岡 祥一君 |
次長 | 宮澤 浩司君 | |
理事 | 高崎 秀之君 | |
総務部長 | 緑川 武博君 | |
環境政策担当部長生物多様性担当部長DX推進担当部長兼務 | 上田 貴之君 | |
企画担当部長 | 三浦亜希子君 | |
政策調整担当部長 | 長谷川徳慶君 | |
気候変動対策部長 | 荒田 有紀君 | |
再生可能エネルギー実装推進担当部長 | 小林 洋行君 | |
率先行動担当部長 | 中村 圭一君 | |
建築物担当部長 | 木村 真弘君 | |
制度調整担当部長 | 関 威君 | |
環境改善部長 | 戸井崎正巳君 | |
環境改善技術担当部長 | 宗野 喜志君 | |
自然環境部長生物多様性担当部長兼務 | 和田 慎一君 | |
資源循環推進部長 | 志村 公久君 | |
資源循環技術担当部長 | 横山 英範君 | |
資源循環計画担当部長 | 中島 隆行君 | |
建設局 | 東京都技監建設局長兼務 | 中島 高志君 |
次長 | 古屋 留美君 | |
道路監 | 花井 徹夫君 | |
総務部長 | 荒井 芳則君 | |
用地部長 | 澤井 晴美君 | |
道路管理部長 | 若林 憲君 | |
道路建設部長 | 久野健一郎君 | |
三環状道路整備推進部長 | 手塚 寛之君 | |
公園緑地部長 | 佐々木 珠君 | |
河川部長 | 斉藤 有君 | |
企画担当部長 | 松島 進君 | |
公園計画担当部長 | 根来 千秋君 |
本日の会議に付した事件
環境局関係
第一回定例会提出予定案件について(説明)
・令和六年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為 環境局所管分
・令和五年度東京都一般会計補正予算(第五号)中、歳出 環境局所管分
・高圧ガス保安法関係手数料条例の一部を改正する条例
・東京都自然公園条例の一部を改正する条例
・都民の健康と安全を確保する環境に関する条例の一部を改正する条例
・新海面処分場(五)Bブロック西側貯留池等整備工事請負契約
報告事項(説明)
・東京都気候変動適応計画の改定について
請願陳情の審査
(1)五第一八号 神宮外苑地区の再開発計画の審議に関する請願
(2)五第五一号 神宮外苑における百四十六本のイチョウ並木などの歴史的樹木の確実な保全に関する請願
(3)五第九四号の二 再生可能エネルギーへの早急な転換を求める意見書の提出に関する陳情
建設局関係
第一回定例会提出予定案件について(説明)
・令和六年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為 建設局所管分
・令和五年度東京都一般会計補正予算(第五号)中、歳出 建設局所管分
・東京都道路占用料等徴収条例の一部を改正する条例
・東京都河川流水占用料等徴収条例の一部を改正する条例
・東京都立公園条例の一部を改正する条例
・東京都霊園条例の一部を改正する条例
・平久川護岸耐震補強工事(その六)及び仙台堀川護岸耐震補強工事(その九)請負契約
・呑川新橋下部工事(五 二−放十七呑川)請負契約
・令和六年度の連続立体交差事業の実施に伴う費用の関係特別区・市の負担について
・令和五年度の連続立体交差事業の実施に伴う費用の関係特別区・市の負担の変更について
・首都高速道路株式会社が行う高速道路事業の変更に対する同意について
報告事項(説明)
・「パークマネジメントマスタープラン」の改定について
請願陳情の審査
(1)五第一九号 葛西臨海水族園(仮称)整備等事業に関する請願
(2)五第八四号 葛西臨海公園の樹林の保全に関する陳情
(3)五第九一号 西武新宿線(野方駅から井荻駅付近)の連続立体交差事業に関する陳情
(4)五第一〇〇号 東京都市計画河川第八号善福寺川の手続における住民への周知と対応に関する陳情
○曽根委員長 ただいまから環境・建設委員会を開会いたします。
初めに、このたびの令和六年能登半島地震により被災された方々に心よりお見舞いを申し上げます。
ここにお亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りし、黙祷をささげたいと思います。
皆さん、ご起立をお願いいたします。
黙祷。
〔全員起立、黙祷〕
○曽根委員長 黙祷を終わります。ご着席ください。
○曽根委員長 次に、傍聴人の数についてお諮りいたします。
本委員会室の定員は二十名でありますが、傍聴希望者が定員以上でございますので、さらに二十名を追加したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○曽根委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
○曽根委員長 次に、会期中の委員会日程について申し上げます。
お手元配布の日程のとおり、理事会において申し合わせましたので、ご了承願います。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、環境局及び建設局関係の第一回定例会に提出を予定されております案件の説明聴取、報告事項の聴取並びに請願陳情の審査を行います。
なお、提出予定案件及び報告事項につきましては、本日は説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は会期中の委員会で行いますので、ご了承願います。
これより環境局関係に入ります。
初めに、第一回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。
○栗岡環境局長 令和六年第一回定例会に提出を予定しております環境局関係の案件につきまして概要をご説明申し上げます。
お手元の資料1、令和六年第一回都議会定例会提出予定案件の概要をご覧ください。
今回提出を予定しております案件は、予算案二件、条例案三件及び契約案一件でございます。
表紙をおめくりいただき、一ページをお開き願います。まず、予算案の概要についてご説明申し上げます。
1、令和六年度一般会計当初予算(環境局所管分)でございます。
(1)、一般会計当初予算計上額でございます。
歳出予算は千七百五十七億八千三百万円を計上しております。歳入予算は千三百五十六億四千六百六十三万円を見込んでおりまして、差引一般財源充当額は四百一億三千六百三十七万円となっております。
歳出予算は、令和五年度当初予算と対比いたしまして、二百九億二千二百万円の増、率にして一三・五%の増となってございます。
次に、(2)、令和六年度予算案の基本的な考え方でございます。
東京都の令和六年度予算は、変化する社会情勢の中、東京、日本の輝かしい未来を切り開くため、産業や経済、社会の構造転換に挑み、一人一人が輝く明るい未来の東京を実現する予算と位置づけております。
環境局では、気候変動に伴う様々な変化に対応し、エネルギーの安定供給の確保と快適な暮らしの維持を図る観点から、脱炭素化の推進に加え、資源の持続的な利用や自然環境の保全と良質な都市環境の実現を図り、二〇三〇年のカーボンハーフやその先のゼロエミッション等の実現に向け、必要な経費を計上しております。
二ページをお開き願います。(3)、主要事業でございます。
令和六年度予算案の主な事業を区分ごとに申し上げます。
まず、ア、エネルギーの脱炭素化と持続可能な資源利用によるゼロエミッションの実現でございます。
(ア)、再生可能エネルギーの基幹エネルギー化につきましては、災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業や集合住宅における再エネ電気導入促進事業等により、家庭などへの再エネ等の導入支援を拡充するとともに、ペロブスカイト太陽電池社会実装推進事業など、新たな再エネ技術の社会実装加速化等の取組を推進してまいります。
(イ)、ゼロエミッションビルディングの拡大につきましては、東京ゼロエミ住宅の基準の見直しや東京ゼロエミポイントにおいて省エネ家電購入の支援拡充を図るとともに、BIMを活用した省エネ建築設計など、新たな手法によるさらなる省エネの深掘り等を推進してまいります。
(ウ)、ゼロエミッションモビリティの推進につきましては、ZEV普及促進事業や充電設備普及促進事業等によりまして、家庭などにおけるZEV導入等を支援するとともに、都有施設における整備等を推進してまいります。
(エ)、持続可能な資源利用の実現につきましては、区市町村等と連携し、廃食用油、廃棄物を原料としたSAFの推進を図るとともに、プラスチックの2Rビジネス、水平リサイクルの推進や廃棄物処理事業におけるDXの推進等を実施いたします。
(オ)フロン排出ゼロに向けた取組につきましては、省エネ型ノンフロン機器普及促進事業の支援内容等を拡充するとともに、フロン機器管理者への効率的な立入検査に向けた取組などを推進してまいります。
(カ)、気候変動適応策の推進につきましては、気候変動適応法の改正を念頭に、クーリングシェルターマップの作成や熱中症予防に向けた機運醸成等を推進してまいります。
三ページをお開き願います。(キ)、都自らの率先行動を大胆に加速につきましては、二〇三〇年までに太陽光発電設備の設置可能な都有施設への一〇〇%設置に向けまして取組を実施するとともに、都庁舎でのプラスチックのマテリアルリサイクルの取組等を推進してまいります。
続きまして、イ、生物多様性の恵みを受け続けられる、自然と共生する豊かな社会の実現でございます。
(ア)、生物多様性の保全と回復を進め、東京の豊かな自然を後世につなぐにつきましては、ツキノワグマ対策やナガエツルノゲイトウなど、外来種の積極的防除の取組を強化するとともに、老木化した樹林の再生など、保全地域における生物多様性の回復に向けた取組等を推進してまいります。
(イ)、生物多様性の恵みを持続的に利用し、自然の機能を都民生活の向上にいかすについては、東京の多様な自然を知る参加型プログラムを島しょ部まで拡大するとともに、デジタル技術等を活用した自然公園の魅力向上に向けた取組などを推進してまいります。
(ウ)、生物多様性の価値を認識し、都内だけでなく地球規模の課題にも対応した行動にかえるについては、自然環境デジタルミュージアム構想の推進や本年八月に開催予定の山の日全国大会等により、東京の生物多様性の取組を推進し、広く発信してまいります。
続きまして、ウ、都民の安全・健康が確保された、より良質な都市環境の実現でございます。
(ア)、大気環境等の更なる向上については、次世代型大気環境モニタリング事業や島しょ部での大気環境モニタリングを実施するほか、揮発性有機化合物、VOC対策に係る支援の拡充等の取組を推進してまいります。
(イ)、化学物質等によるリスクの低減については、土壌汚染がある工場跡地等において、掘削除去によらない対策を支援し、事例を広く周知するとともに、PFOS等の地下水調査などについて、区市町村とも連携した取組等を推進してまいります。
四ページをお開き願います。(ウ)、廃棄物の適正処理の一層の促進については、ポリ塩化ビフェニル廃棄物対策を促進するとともに、大学と連携し、小型リチウム電池の安全・安心な処理フローの構築に向け、取組を推進してまいります。
最後に、エ、政策の実効性を高める横断的・総合的施策については、区市町村との連携による環境政策加速化事業において、地域特性に応じた環境政策の取組を支援するとともに、環境における国際連携の取組等を推進してまいります。
以上、令和六年度一般会計当初予算の概要についてご説明申し上げました。
続きまして、2、令和五年度一般会計補正予算(環境局所管分)でございます。
ゼロエミッション東京の推進に向けた施策に要する資金を増額するとともに、繰入金の減額を行うものでございます。
(1)、一般会計補正予算計上額でございますが、歳入予算について一億九千六百五十万円を減額、歳出予算について一千億円を増額して計上しております。
(2)、補正事項でございますが、歳入予算につきまして、繰入金を更正するため、一億九千六百五十万円の減額補正を行うものでございます。
次に、歳出予算につきまして、環境政策費について一千億円の増額補正を行うものでございます。
以上、令和五年度一般会計補正予算の概要についてご説明申し上げました。
五ページをお開き願います。続きまして、条例案の概要についてご説明申し上げます。
1、都民の健康と安全を確保する環境に関する条例の一部を改正する条例についてでございます。
水質汚濁防止法施行規則等の一部を改正する省令の施行による排水基準を定める省令の改正を踏まえ、公共用水域に排出する汚水の規制基準を改めるほか、規定を整備するものでございます。
2、高圧ガス保安法関係手数料条例の一部を改正する条例についてでございます。
地方公共団体の手数料の標準に関する政令の改正に伴いまして、規定を整備するものでございます。
3、東京都自然公園条例の一部を改正する条例についてでございます。
東京都立大島公園海のふるさと村セントラルロッジの改修に伴いまして、使用料の上限額を改定するものでございます。
続きまして、契約案の概要についてご説明申し上げます。
新海面処分場(五)Bブロック西側貯留池等整備工事についてでございます。
廃棄物埋立処分場において、新海面処分場(五)Bブロック西側貯留池等整備工事を施行するものでございます。
以上、今定例会に提出を予定しております案件の概要につきましてご説明申し上げました。
詳細につきましては、引き続き総務部長からご説明申し上げます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○緑川総務部長 それでは、令和六年第一回定例会提出予定案件の詳細につきましてご説明申し上げます。
初めに、お手元の資料2をご覧ください。令和六年度一般会計当初予算事業別概要でございます。
なお、金額につきましては、原則といたしまして百万円未満を四捨五入して説明をさせていただきます。
表紙から二枚おめくりください。Ⅰ、当初予算総括表でございます。
次のページ、一ページをお開き願います。まず、1、歳入予算でございます。
分担金及び負担金から都債まで、合わせまして千三百五十六億四千七百万円を計上しており、前年度当初予算に比べ七百三十八億一千二百万円の増となっております。
二ページをお開き願います。2、歳出予算でございます。
環境局合計で一千七百五十七億八千三百万円を計上しており、前年度当初予算に比べ二百九億二千二百万円の増となっております。
3、一般財源充当額は四百一億三千六百万円で、前年度当初予算に比べ五百二十八億九千万円の減となっております。
三ページをご覧ください。4、繰越明許費でございます。
緑地整備、自然公園整備及び小笠原公園整備において、年度内に支出が終わらない見込みのあるものにつきまして、合計で二億一千百万円を計上しております。
四ページをお開き願います。五ページにかけまして、5、債務負担行為の一覧となっております。
債務負担が発生する総量削減義務と排出量取引システムの更新や都有施設への再生可能エネルギー発電設備等設置工事などに係る経費として、合計で百五十五億一千六百万円を計上してございます。
六ページをお開き願います。予算の性質別内訳をお示ししております。
続きまして、Ⅱ、当初予算事業別概要につきましてご説明申し上げます。
七ページをお開き願います。環境局の予算科目は、環境管理費、環境保全費、廃棄物費の三つの項から成っております。
七ページは一つ目の項の環境管理費でございまして、歳出計の欄にありますように六十四億一千万円を計上しており、前年度当初予算に比べ二十七億一千六百万円の増となっております。
八ページをお開き願います。一〇ページにかけまして、環境管理費を構成する三つの目の説明となっております。
まず、八ページは管理費でございまして、環境管理事務に従事する職員の給料、諸手当、環境保全に関する広報広聴、その他管理事務等に要する経費として十八億九千八百万円を計上しており、前年度当初予算に比べ四千四百万円の増となっております。
九ページをご覧ください。環境政策費でございまして、区市町村との連携による環境政策加速化事業や気候変動に係る効果的な適応策の推進など、環境政策に要する経費として三十五億二千九百万円を計上しており、前年度当初予算に比べ二十五億三千九百万円の増となっております。
一〇ページをお開き願います。環境科学費でございまして、環境科学研究所に係る管理運営や建物維持管理など、環境に関する調査研究等に要する経費として九億八千三百万円を計上しており、前年度当初予算に比べ一億三千二百万円の増となっております。
一一ページをご覧ください。二つ目の項の環境保全費でございまして、千五百六十二億一千五百万円を計上しており、前年度当初予算に比べ百五十一億九千三百万円の増となっております。
一二ページをお開き願います。一五ページにかけまして、環境保全費を構成する四つの目の説明となっております。
まず、一二ページは管理費でございまして、環境保全事業に従事する職員の給料及び諸手当に要する経費として二十一億七千八百万円を計上しており、前年度当初予算に比べ一億五千八百万円の増となっております。
一三ページをご覧ください。気候変動対策費でございまして、災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業や東京ゼロエミ住宅普及促進事業など、気候変動対策に要する経費として一千三百六十四億四千七百万円を計上しており、前年度当初予算に比べ百八億四千五百万円の増となっております。
一四ページをお開き願います。環境改善費でございまして、土壌汚染対策関連手続のデジタル化と関連情報のオープンデータ化や省エネ型ノンフロン機器普及促進事業など、環境改善に要する経費といたしまして五十七億二千七百万円を計上しており、前年度当初予算に比べ二十三億三千百万円の増となっております。
一五ページをご覧ください。自然環境費でございまして、保全緑地の公有地化や自然公園の整備など、自然環境対策に要する経費として百十八億六千三百万円を計上しており、前年度当初予算に比べ十八億五千九百万円の増となっております。
一六ページをお開き願います。三つ目の項の廃棄物費でございまして、百三十一億五千八百万円を計上しており、前年度当初予算に比べ三十億一千三百万円の増となっております。
一七ページをご覧ください。一九ページにかけまして、廃棄物費を構成する三つの目の説明となっております。
まず、一七ページは管理費でございまして、廃棄物対策事業に従事する職員の給料、諸手当及び管理事務に要する経費として十億六千万円を計上しており、前年度当初予算に比べ三千三百万円の増となっております。
一八ページをお開き願います。廃棄物対策費でございまして、プラ製容器包装等・再資源化支援事業や廃棄物の埋立処分に係る排水処理場の運転など、廃棄物対策に要する経費として九十九億四千三百万円を計上しており、前年度当初予算に比べ二十三億二千八百万円の増となっております。
一九ページをご覧ください。施設整備費でございまして、排水処理場の整備やBブロックの施設整備など、海面処分場の建設整備に要する経費として二十一億五千五百万円を計上しており、前年度当初予算に比べ六億五千二百万円の増となっております。
以上、令和六年度一般会計当初予算事業別概要につきましてご説明申し上げました。
続きまして、お手元の資料3をご覧ください。令和五年度一般会計補正予算説明書でございます。
なお、金額につきましては、原則といたしまして百万円未満を四捨五入して説明させていただきます。
表紙をおめくりいただき、一ページをご覧ください。1、歳入予算総括表でございます。
歳入予算を補正する款は繰入金でございまして、環境局全体で一億九千七百万円を減額補正するものでございます。
二ページをお開き願います。歳入予算の補正の内訳についてご説明申し上げます。
項は基金繰入金、目はゼロエミッション東京推進基金繰入金でございます。
内容につきましては、右側の説明欄にございますとおり、ゼロエミッション東京推進基金からの繰入金について、一億九千七百万円を減額補正するものでございます。
三ページをご覧ください。2、歳出予算総括表でございます。
歳出予算を補正する款は環境費でございまして、一千億円を増額計上するものでございます。
四ページをお開き願います。歳出予算の補正の内訳についてご説明申し上げます。
項は環境管理費、目は環境政策費でございます。
内容につきましては、右側の説明欄にございますとおり、ゼロエミッション東京推進基金のための経費といたしまして、一千億円を増額計上するものでございます。
以上、令和五年度一般会計補正予算案につきましてご説明申し上げました。
続きまして、お手元の資料4をご覧ください。都民の健康と安全を確保する環境に関する条例の一部を改正する条例につきましてご説明申し上げます。
表紙をおめくりいただき、一ページをご覧ください。一、改正の理由でございますが、水質汚濁防止法施行規則等の一部を改正する省令の施行による排水基準を定める省令の改正を踏まえ、公共用水域に排出する汚水の規制基準を改めるほか、規定を整備する必要があるためでございます。
二、改正の内容でございますが、(一)、公共用水域に排出される汚水及び地下に浸透される汚水の六価クロム化合物に係る排水基準につきまして、アからオに記載のとおり改めるものでございます。
(二)、公共用水域に排出される汚水の大腸菌群数に係る排水基準につきまして、項目及び排水基準を資料に記載のとおり改めるものでございます。
三、条例の施行日でございますが、六価クロム化合物につきましては、令和六年四月一日、大腸菌数につきましては、令和七年四月一日となっております。
三ページから六ページまでは本条例案、七ページから一四ページまでは新旧対照表でございます。
続きまして、お手元の資料5をご覧ください。高圧ガス保安法関係手数料条例の一部を改正する条例につきましてご説明申し上げます。
表紙をおめくりいただき、一ページをご覧ください。一、改正の理由でございますが、地方公共団体の手数料の標準に関する政令の改正に伴い、規定を整備する必要があるためでございます。
二、改正の内容でございますが、別表一の項を改正し、移動式製造設備のみを使用して高圧ガスの製造をするもののうち、液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律第三十七条の四第一項の許可を受けた者の高圧ガス製造許可申請手数料の額を六千円とするものでございます。
三、条例の施行日でございますが、令和六年四月一日としております。
二ページから三ページまでは本条例案、四ページから六ページまでは新旧対照表でございます。
続きまして、お手元の資料6をご覧ください。東京都自然公園条例の一部を改正する条例につきましてご説明申し上げます。
表紙をおめくりいただき、一ページをご覧ください。一、改正の理由でございますが、東京都立大島公園海のふるさと村セントラルロッジの改修に伴い、使用料の上限額を改定する必要があるためでございます。
二、改正の内容でございますが、別表三の二に規定する宿泊施設の使用料の上限額を適正額に、資料に記載のとおり改めるものでございます。
三、条例の施行日でございますが、令和六年四月一日としております。
二ページから三ページまでは本条例案、四ページ及び五ページは新旧対照表でございます。
続きまして、お手元の資料7をご覧ください。新海面処分場(五)Bブロック西側貯留池等整備工事につきましてご説明申し上げます。
表紙をおめくりいただき、一ページをご覧ください。本工事は、廃棄物埋立処分場の新海面処分場Bブロック西側に貯留池等の整備を行うものでございます。
工事場所は江東区青海三丁目地先、契約の相手方は若築・京浜港湾建設共同企業体、契約金額は十億九千十万円、工期は令和七年十二月二十六日までとする工事請負契約を一般競争入札により締結しようとするものでございます。
二ページをお開き願います。本件の工事場所の案内図でございます。
案内図に網かけで表示しております箇所が工事場所でございます。
三ページをご覧ください。貯留池の形状は、平面図及び標準断面図のとおりでございます。
以上で説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○曽根委員長 説明は終わりました。
この際、資料要求のある方は発言を願います。
○原委員 資料要求、読み上げていきますので、よろしくお願いいたします。
一、各再生可能エネルギーによる設備設置に関わる補助制度と額の推移、五年分お願いします。
一、二酸化窒素及び浮遊粒子状物質濃度の全国上位十局の推移。
一、昨年度の微小粒子状物質、PM二・五濃度の測定結果。
一、保全地域における希少種の状況。
一、緑被率、みどり率の推移。
一、建設汚泥の発生量、過去五年分と大口の排出現場。
一、日本からの廃プラスチック輸出量の推移、国別、地域別にお願いします。
最後に、区市町村で回収しているプラスチック使用製品、つまり、プラスチック製容器包装、それから製品プラスチックのそれぞれの量とリサイクルの量とその合計、また、その他、直近の結果を区市町村別にお願いします。
以上、資料を要求いたします。
○曽根委員長 ただいま原副委員長から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○曽根委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出願います。
○曽根委員長 次に、理事者から報告の申出がありますので、これを聴取いたします。
○上田環境政策担当部長生物多様性担当部長DX推進担当部長兼務 東京都気候変動適応計画の改定につきましてご説明いたします。
お手元の資料8が改定の概要、それから資料9が本編となってございます。
資料8に沿ってご説明を申し上げます。資料8をご覧ください。
1、背景等でございます。
現行の東京都気候変動適応計画につきましては、令和三年三月に策定いたしましたが、計画策定後も台風や集中豪雨などによります自然災害が頻発するとともに、全国的に記録的な暑さに見舞われるなどしており、今後も様々な影響が長期にわたり拡大することが懸念されております。
こうした中、都は、地下調節池整備のさらなる推進などを盛り込みましたTOKYO強靱化プロジェクトupgradeⅠの公表や、生物多様性の保全及び持続可能な利用に向けた東京都生物多様性地域戦略を改定いたしました。
また、気候変動適応の一分野であります熱中症対策を強化するため、改正気候変動適応法が成立してございます。
そこで、こうした動きを踏まえまして、計画を改定することとしたものでございます。
2、主な改定のポイントでございます。
気候変動の影響による被害に対しまして、自然災害、健康、自然環境など幅広い分野でデジタルトランスフォーメーションの視点も取り入れながら、回避、軽減策を強化拡充することとしてございます。
(1)、自然災害では、河川の洪水を防ぐ調節池を連結し、海までつなぐ地下河川化の事業に向けた取組の推進や防潮堤かさ上げの段階的実施など、激甚化する豪雨等を踏まえた風水害対策を強化することとしてございます。
(2)、健康では、東京都熱中症対策ポータルサイトによる情報発信や区市町村によるクーリングシェルターの整備支援など、気温上昇等を踏まえた熱中症対策を強化することとしております。
(3)、自然環境では、雨水浸透による防災、減災やヒートアイランド現象の緩和等、自然を活用して社会課題を解決する取組であるNbS、ネーチャーベースドソリューションの普及促進など、生物多様性保全や自然環境が持つ機能の活用、回復に関する取組を強化することとしております。
二ページをお開きください。3、実施体制でございます。
全庁的な推進体制の下、PDCAサイクルによる進行管理を徹底いたしまして、各局と連携して適応策を強力に推進することとしてございます。
4、スケジュールでございます。
一月二十六日から二月二十五日までの期間で改定案のパブリックコメントを実施しており、三月下旬に計画を改定、公表する予定でございます。
以上、簡単ではございますが、東京都気候変動適応計画の改定についてご説明させていただきました。
詳細につきましては、添付してございます資料9の冊子をご覧いただきたいと存じます。どうぞよろしくお願いいたします。
○曽根委員長 報告は終わりました。
この際、資料要求のある方は発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○曽根委員長 なければ、資料要求はなしと確認させていただきます。
○曽根委員長 次に、請願陳情の審査を行います。
初めに、請願五第一八号及び請願五第五一号については、内容に関連がありますので、一括して議題といたします。
理事者の説明を求めます。
○長谷川政策調整担当部長 それでは、お手元の資料10、請願・陳情審査説明表の表紙をおめくりください。右側の一ページをご覧ください。
整理番号1、請願番号五第一八号、神宮外苑地区の再開発計画の審議に関する請願につきましてご説明申し上げます。
請願者は、目黒区の神宮外苑の森を守る会代表、楠本淳子さんでございます。
請願の要旨は、都において、神宮外苑地区の再開発計画に関して、次のことを実現していただきたい。
1、事業者に対して、令和五年九月十二日に都が要請した樹木の保全に関する具体的な見直し案の提出に当たって、イチョウ並木を含む神宮外苑地区の全ての樹木の根系、水系、土壌及び樹木の総合的な健康状態を事前に日本イコモス国内委員会と共同で調査し、調査結果を東京都環境影響評価審議会に報告するよう求めること。
2、審議会に対して、次のことを求めること。
(1)、願意1の調査結果に基づき、再開発計画が自然生態系に及ぼす影響について入念に審議すること。
(2)、事業者から提出された見直し案を承認する前に、丁寧に調査、審議を行うとともに、審議会に日本イコモスの代表を参考人として招致すること。
3、都議会において、事業者から提出された見直し案を承認する前に、環境・建設委員会で審査、議論をする機会を設け、日本イコモスの代表を参考人として招致することというものでございます。
現在の状況でございますが、1、本件環境影響評価については、令和四年八月十八日の審議会総会でまとめられた答申において、既存樹木の健全度や移植の可能性に関する詳細調査結果をデータと併せて説明することが指摘されたことを踏まえ、詳細な毎木調査の結果や、土壌、地下水等の調査結果を盛り込んだ環境影響評価書素案が事業者から提出されました。令和四年十二月二十六日の審議会総会では、答申で指摘された内容がどのように評価書素案に盛り込まれているかの確認が行われました。
2、その後、環境影響評価書が都に提出され、令和五年一月二十日に環境影響評価書の公示を行いました。これまで条例にのっとり厳正に手続を行っており、評価書の公示、縦覧により事業段階環境影響評価手続が終了し、条例に定める対象事業の実施の制限が解除されています。
3、現在は事後調査手続が進められており、事後調査計画書では、工事の施行中及び完了後の一定期間にわたり、既存樹木や四列イチョウ並木の活力度調査など、継続的なモニタリングを実施し、状況に応じた保育管理を行うことで、将来にわたり健全に育成していくとしています。
4、環境影響評価書に関する外部からの指摘に対し、事業者は、令和五年四月二十七日と五月十八日の審議会総会において一つ一つ回答を説明し、審議会では、審議会委員が専門的な立場から確認を行った結果、評価書に虚偽や誤りはなく、予測評価の結果に影響を与えるものはないと判断するとの結論となっています。
5、都は、令和五年九月十二日、事業者に対し、神宮外苑地区のまちづくりにおける樹木の保全についての要請を行いました。本要請では、環境影響評価書で事業者から示された既存樹木の保全等の検討結果はいまだ示されていない状況にあることから、新ラグビー場敷地の既存樹木の伐採に着手する前までに、環境影響評価書で示された検討を行った結果として樹木の保全に関する具体的な見直し案を示すことなどを要請したものでございます。
最後に、6、令和五年九月二十九日、事業者から要請書に対する報告が都に提出され、事業者は、新ラグビー場敷地の既存樹木の伐採に着手する前までに、環境影響評価書で示した検討を行った結果としての樹木の保全に関する具体的な見直し案を示し、見直し案を含め、環境影響評価審議会に変更届として報告するとしています。
整理番号1、請願番号五第一八号の説明は以上でございます。
続きまして、右側の三ページをご覧ください。整理番号2、請願番号五第五一号、神宮外苑における百四十六本のイチョウ並木などの歴史的樹木の確実な保全に関する請願につきましてご説明申し上げます。
請願者は、渋谷区の角井典子さんでございます。
請願の要旨は、都において、神宮外苑地区の再開発事業について、次のことを実現していただきたい。
1、百四十六本のイチョウ並木などの歴史的樹木の保全措置を確実に担保するため、事業者が実効性のある保全策を講ずるよう、継続的に関与すること。
2、東京都環境影響評価審議会に対して、事後調査手続においても、事業者からの事後調査と変更届の報告について厳重に調査、検証した上で審議するよう求めることというものでございます。
現在の状況でございますが、1、令和四年八月に出された本件環境影響評価書案に関する審議会答申では、着工後における環境保全措置の徹底を図るとともに、継続して対策を講じていくことが重要であり、審議会としても、今後の事業者の環境保全措置に継続的に関与することで寄与していくとしています。
2、また、環境影響評価書の作成に当たって配慮すべき事項として、既存樹木の移植について、移植時期、方法、植栽基盤確保の考え方、仮移植期間における養生計画、養生期間中のモニタリング結果を反映した本移植計画等、移植の確実性を高めるための措置を、計画の深度化に応じ具体的に示すことや、保全するイチョウ並木については、野球場棟の実施設計前に専門家によるイチョウ並木の根系調査を行うとともに、調査結果を踏まえ、建築計画及び施工計画における環境保全のための措置を具体的に示し、確実に実施すること。
また、工事の施行中及び完了後の一定期間にわたり、イチョウ並木のモニタリングを実施し、状況に応じた環境保全のための措置を継続することで、将来にわたりイチョウ並木を健全に育成することなどを指摘しています。
3、これを踏まえ、令和五年一月提出の環境影響評価書では、移植計画や保全するイチョウ並木の根系調査等について、事後調査報告書において報告するとしており、今後、事業者から報告書が提出された際は、評価書で示された環境保全措置が確実に講じられているかについて、審議会で専門的立場から確認していくこととなります。
最後に、4、令和五年七月の審議会では、イチョウ並木の根系調査等に関する報告があり、事業者は、今後も継続する根系調査の結果や樹木医の見解を踏まえ、野球場棟のセットバックなど、イチョウ並木を確実に保全するため、必要な施設計画の見直しに取り組むと説明しています。
説明は以上でございます。よろしくご審査のほどお願い申し上げます。
○曽根委員長 説明は終わりました。
本件について発言を願います。
○成清委員 私たちはかねてより、神宮外苑地区の再開発は、自然と共生しながら、これまで育まれてきた歴史的、文化的価値が適切に継承され、都民の理解と共感が得られるものでなければならないと主張してまいりました。こうした観点から、本件請願に関連して何点か伺います。
まず、都のアセス制度について伺います。
本件請願には、環境アセス審議会に日本イコモスを参考人として招致するべきとの要望があります。
都のアセス制度上、事業関係者ではない第三者を参考人として招致することは可能なのか伺います。
○長谷川政策調整担当部長 環境影響評価は、条例に基づき、事業者が自ら作成したアセス図書を審議会で説明し、その内容につきまして、審議会委員から専門的立場で審査いただく一連の手続であり、事業関係者ではない第三者を参考人として招致することは制度上規定しておりません。
○成清委員 事業者がアセス図書を説明し、それに対して審議会委員が審査するというのがこのアセス制度の進め方であり、事業関係者ではない第三者を参考人として招致することは規定していないということです。
環境アセスは、大規模な開発事業などを実施する際に、あらかじめその事業が環境に与える影響を予測、評価するものであり、その過程においては高度な専門的知見が必要であると考えます。
先ほどの答弁で、審議会委員が専門的立場から審査するとのことでしたが、具体的に専門家の意見や見解を取り入れる仕組みがどのようになっているのか伺います。
○長谷川政策調整担当部長 都の環境影響評価におきましては、知事の附属機関として、景観や生物生態系など、十七の評価項目全分野を網羅するようにして委嘱する有識者二十一名から成る審議会を設置し、環境影響評価や事後調査に関する重要事項を調査、審議いただいております。
具体的には、知事の諮問に応じて、調査計画書や評価書案などについて複数回の部会審議などを通じ、環境保全の見地から、専門的立場で審議会委員に審査いただき、その結果に基づく意見を答申いただくこととなっております。
また、事業者から事後調査報告書等の報告があった場合に、それについて専門的立場から助言をいただき、事業者における環境保全に向けた取組を促す仕組みとなっております。
○成清委員 アセス審議会の委員は、評価項目の全ての分野を網羅するようにして委嘱されており、審議会においてそれぞれの専門的知見が取り入れられているということです。
冒頭、神宮外苑地区の再開発は、都民の理解と共感が得られるものとならなければならないと申し上げましたが、環境アセスにおいて、事業実施に伴い影響を受ける近隣住民などの方々から意見を聞くことも重要であると考えます。
都の環境アセス手続において、特に環境影響に関する意見を聞く機会がどのように確保されているのか伺います。
○長谷川政策調整担当部長 都の環境影響評価手続におきましては、評価書案等について、都民及び関係区長からの意見書の提出を受けるほか、対面による都民の意見を聞く会を実施しております。
また、アセス対象事業の関係地域内の住民を対象として、事業者による対面での説明会を実施しております。
○成清委員 近隣住民など、事業関係者ではない一般の方々も意見を述べる機会が制度的に確保されているということです。このような機会があることを近隣住民などが必ずしも知っているとは限らないと考えられますので、都においては、こうした制度をしっかりと周知していただきたいと思います。
なお、本件事業の環境アセスについては、評価書に関する外部からの指摘に対し、昨年四月、五月の審議会において、計六時間もかけ、事業者による説明と内容の確認が行われております。このような取組については、審議会においても丁寧に議論を進めてきたとの見解が示されており、先ほど、事業関係者ではない第三者を参考人として招致することは規定していないということではありましたが、本件事業については、審査会委員の専門的知見を生かしながら、第三者の意見も確認することができたのではないかと思います。
次に、イチョウ並木の保全について伺います。
青山通りから続く四列のイチョウ並木は神宮外苑のシンボルともいえ、多くの都民、国民にも愛されていることから、その保全には高い関心が集まっています。
昨年の夏は記録的な猛暑となり、衰退が見られるイチョウが増えたとの報道もありました。事業者は、イチョウ並木の状況をどのように捉え、具体的にどのような対応を行っているのか伺います。
○長谷川政策調整担当部長 事業者は、令和元年十一月から、明治神宮の日常管理の中で、四列のイチョウ並木の一部について、他に比べて落葉時期が早い樹木があることを確認しており、こうした樹木については、一昨年や昨年も春先から新芽が出て、葉が生育している状況を確認しています。
また、昨年におきましては、一部のイチョウで、六、七月頃から葉の色づきが早いものがあることを確認しています。
そのため事業者は、樹木医等とも相談の上、樹勢回復措置として、施肥やかん水、ヘデラの除去等を実施しています。
事業者は、事後調査計画書におきまして、工事の施行中及び完了後の一定期間にわたり、四列イチョウ並木の活力度調査など、継続的なモニタリングを実施し、状況に応じた保育管理を行うことで、将来にわたり健全に育成していくとしています。
○成清委員 事業者は日常管理の中で、数年前から一部のイチョウで落葉時期が早い状況を把握しており、必要に応じて樹勢回復措置を行っているとのことです。工事完了後までイチョウ並木の状況を把握し、必要な管理を行っていくとのことですので、確実な保全に向け、しっかりと対応していただきたいと思います。
四列イチョウ並木の西側には新しい神宮野球場が建てられる計画となっており、並木への影響が懸念されることから、事業者は、根の状況を確認するための根系調査を実施することとしています。
昨年冬に続き、現在調査を実施しているとのことですが、昨年冬の調査を踏まえ、今回はどのような調査をしているのか、また、その結果をどのように生かしていくのか伺います。
○長谷川政策調整担当部長 事業者は、複数の樹木医から意見を聞き、イチョウ並木西側の明治神宮外苑テニスコート内及び明治神宮外苑青山駐車場の通路部分において、十か所以上で調査を行うとしています。
具体的には、昨年の調査地点であった歩道縁石から約六・五メートルよりも西側となる約十・五メートルの位置で調査を実施し、昨年と同様、深さ、幅、それぞれ約一メートル、奥行き約一・五メートル程度の穴を原則手掘りして、専門の樹木医、調査員により、土壌断面における根の位置や生育状況を調査するとしています。
掘削の結果、太い根が出てきた際には、根を切らないように、根の先端まで慎重に掘り進める手繰り掘りを行い、最終根系伸長位置を確認するとしています。
調査結果については、事業者において取りまとめの上、報告することとしておりまして、事業者は、イチョウ並木を確実に保全するため、活力度調査や根系調査の調査結果及び樹木医の見解を踏まえ、野球場棟のセットバックなど、必要な施設計画の見直しに取り組んでいくとしています。
○成清委員 昨年冬の調査よりもより西側で調査を行い、さらに、手繰り掘りと呼ばれる最も根が伸びている位置を確認するための調査も行うということです。根の状況をしっかりと確認し、イチョウ並木の保全につなげていただきたいと思います。
最後に、イチョウ並木を含む既存樹木の保全について伺います。
本件請願では、港区道沿いのイチョウを含めた既存樹木の保全を求める内容になっております。計画では、本件開発の工事完了が令和十七年であり、これから先十年以上にわたって開発工事が行われることとなっています。
長期間となりますが、この間、樹木保全に向け、都としてどのように関わっていくのか伺います。
○長谷川政策調整担当部長 秩父宮ラグビー場東側の港区道沿いのイチョウ十九本について、事業者は、地元区との調整や審議会での意見などを踏まえ、今後、詳細な調査により、新野球場北側への移植の検討を行うとしています。
こうした検討結果を含め、事業者は、一昨年八月の審議会答申を踏まえ、既存樹木の保全に向けて事後調査報告を行うとしており、特に移植木の活着状況やイチョウ並木の活力度などについて、工事期間中及び完了後の一定期間にわたってモニタリングし、その状況を継続的に報告するとしています。
事後調査報告につきましては、例えば昨年七月の審議会総会において、総会開催前にあらかじめ委員から助言を聴取し、それに対する事業者回答を用意した上で、総会当日においては事業者の出席を求め、事業者自ら報告内容の詳細を説明し、委員から質疑を受ける形態で開催しました。
今後の事後調査報告につきましても、評価書で示された環境保全措置が確実に講じられているかについて、審議会で専門的立場から十分に確認ができるよう、報告内容に応じて開催形態を検討してまいります。
○成清委員 事業者は、審議会答申を踏まえ、既存樹木の保全状況について、工事期間中にわたって事後調査報告を行うこととし、都としては、環境アセスの開催形態を工夫しながら、継続的に関わっていくことが分かりました。
神宮外苑地区の既存樹木の保全に対する都民の関心は高いと思います。神宮外苑地区の再開発が、自然との共生の観点からも持続可能なまちづくりとなるよう、引き続き、都として事業者の取組を丁寧に確認していくことを改めて求め、私からの質問を終わります。
○原委員 共産党都議団の原です。
神宮外苑の再開発計画審議について、二つの請願が出されています。百四十六本のイチョウの確実な保全、再開発計画が自然環境に及ぼす影響について入念な審議を求める内容です。また、見直し案、樹木の保全策、変更届の審議には、日本イコモスを参考人として呼ぶことなどを請願者は求めています。
初めに、イチョウ並木を含む樹木の活力度調査について伺います。
二〇二三年春から実施された全樹木の活力度調査結果、事業者が都へ提出することになっているこの事後調査報告書について、提出時期について、当初、事業者は二〇二三年十月としていたのを十二月以降と公表し直しておりますが、提出時期の見直しなど、都への報告はありましたか。
○長谷川政策調整担当部長 環境影響評価につきましては、事業者からアセス図書が提出され次第、条例に基づき、内容を踏まえて手続を進めることになります。
○原委員 まだいつ提出されるのかは定まっていないというか、公表できないということです。
一方、イチョウ並木の健康状態について、日本イコモスが二〇二二年の十一月から二〇二三年十一月にかけて独自調査を行っております。その結果、イチョウに重大な衰退の危機が発生していることが報告をされました。
昨年十二月二十六日に出された報告に詳細な記述があります。並木の西側のイチョウ八本に衰退が顕著だとのことです。都は、この報告をどのように受け止めていますか。
○長谷川政策調整担当部長 事業者は二〇一九年十一月から、明治神宮の日常管理の中で、四列のイチョウ並木の一部について、他に比べて落葉時期が早い樹木があることを確認しており、こうした樹木については、一昨年や昨年も春先から新芽が出て、葉が生育している状況を確認しています。
また、昨年におきましては、一部のイチョウで六、七月頃から、葉の色づきが早いものがあることを確認しています。そのため事業者は、樹木医等とも相談の上、樹勢回復措置として、施肥やかん水、ヘデラの除去等を実施しています。
都としては、四列のイチョウ並木につきまして、その保全に万全を期すよう、事業者に要請してきております。
○原委員 再開発が始まる前の今の時点でイチョウ並木の健康状態が悪くなっているとの報告は深刻です。事業者もそうした状況をつかみ、対応しているとのことです。
日本イコモスの石川幹子氏は、色づきが早いというのは間違っていて、色づきではなく、枯れたのだと解説をされています。率直にいって、事業者の認識にも不安を持ちます。
顕著な衰退が確認される八本のイチョウについて、事業者が提出した環境影響評価書では、全て健全、活力度A、Bと報告されています。評価書の内容に重大な瑕疵があったことを事業者は認めるべきですが、都の見解を伺います。
○長谷川政策調整担当部長 評価書に記載されているイチョウ並木の調査結果は、その前段で提出された調査計画書に基づいた調査結果であり、アセス手続上問題はなく、このことは評価書への外部指摘に関する昨年実施の環境影響評価審議会総会においても確認されております。
本件事業に関する環境影響評価につきましては、条例や答申に従って適切に手続を進めており、審議会におきましても、様々な案件と同様、条例に従って適切に手続を進めてきているとの見解が示されております。
○原委員 評価書案の前段の調査計画書には、二〇一八年のイチョウ並木の調査結果が載っており、全てAかBで、イチョウは健康とされています。その後、ここ数年の温暖化の影響など、また、ほかにも理由は考えられると思いますが、イチョウ並木の衰退が日本イコモスの調査により指摘されて以降、評価書案の訂正の機会があったはずですが、以前の資料のまま評価書が作成されています。
さらに、追加調査でも、イチョウについては情報更新されていません。イチョウ並木のイチョウは健康という資料で評価書は承認され、都は施行認可をしたわけです。間違った情報をそのままにして事業が認可されたといえますから、都の責任も重大です。
その間に、日本イコモスの情報共有や共同調査などを事業者が行う気になればできたはずです。市民もそうしたことを求めておりました。これをやれば直近の実態はつかめたわけで、それをやってこなかった事業者は不誠実だといえると思います。
神宮外苑のシンボルであるイチョウ並木百四十六本は、国民にとって歴史的、文化的遺産であり、保全は至上命題です。四列のイチョウ並木は守りますという看板が今、神宮外苑に置かれています。本当にイチョウを守る気が事業者にあるのなら、イチョウの根の切断など、負担をかける可能性が大きい野球場建設計画はやれるはずがありません。
今はイチョウの手当てを行い、回復させることに力を尽くすべきだと考えますが、都の見解を伺います。
○長谷川政策調整担当部長 事業者は、今後も継続する根系調査の結果や樹木医の見解を踏まえ、四列のイチョウ並木を確実に保全するため、野球場棟のセットバックなど、必要な施設計画の見直しに取り組んでいくとしています。
また、事業者は、樹木医等とも相談の上、樹勢回復措置として、施肥やかん水、ヘデラの除去等を実施しています。
○原委員 事業者は、イチョウ並木の状態が悪くなっている事実を認識しています。施肥やかん水、ヘデラの除去など、樹勢回復のために取組を行っています。
だからこそ、これ以上イチョウを衰退させる要因をつくらない責任を課されていると思うんですね。この野球場の建設位置を多少セットバックしたところで、イチョウの育ちへの悪影響は免れないことは明らかです。
新宿御苑トンネルの工事事例では、地下を掘る場所から十五メートル以上離れたイチョウは無事だったとの報告です。ご存じだと思います。昨年十一月の事務事業質疑で私も紹介させていただきました。十五メートル以上離すことが検討されるとしたら、今回、野球場や超高層ビルを建てる再開発計画そのものを見直すことになるんではないでしょうか。
これは栗岡環境局長にお聞きをします。環境局長は、外苑のイチョウ並木を何としても守るという思いをお持ちでしょうか。お願いいたします。(長谷川政策調整担当部長発言を求む)局長、お願いします。
○長谷川政策調整担当部長 都は、環境影響評価の手続につきまして、条例や答申に従って適切に進めるとともに、事業者に対して、神宮外苑の象徴である四列のイチョウ並木の保全に万全を期すことを要請しております。
○原委員 環境局というのは環境を守る局ですよね。アセスの運営をする、そういう仕事もありますが、局長としての姿勢をやはり見せていただきたいと。こういうことでは困ります。イチョウを次の百年先まで守っていくのは私たちの世代の責任だと思うんですね。
(パネルを示す)これ、前にも紹介したことがありますが、市民の皆さんがつくっている、この再開発の内容の宣伝物の表紙です。開発で西側の列のイチョウは枯れてしまったというような、この絵のようなことに決してならないように、今、市民は声を上げています。事業者と東京都に課せられた責任は重大であると思います。
外苑のイチョウ並木百四十六本の中には、ラグビー場への道にある兄弟木十八本が含まれています。この十八本は、今回の計画で野球場建設により残置がかないません。この計画が進めばですね。この兄弟木十八本、これについては、当初、移植不可能とされ、伐採対象でしたが、世論の大きな反対運動により、移植検討対象に変更をされました。しかし、その内容は全く示されていません。
このこと自体大きな変更ですが、どのような検討がされてきたのか、事業者からの報告を公表するべきですが、いつされますか。移植の具体的方法、移植場所、また移植先といわれている中央広場における最終的計画図についてご提示いただけませんか。お願いします。
○長谷川政策調整担当部長 秩父宮ラグビー場東側の港区道沿いのイチョウ十九本については、事業者は、地元区との調整や審議会での意見などを踏まえ、今後、詳細な調査により、新野球場北側への移植の検討を行うとしています。
○原委員 移植不可から移植検討にした経過や検討の内容など、全く公表されていないことは看過できません。兄弟木の取扱いは計画全体に大きな影響をもたらすという点で重要であり、本来、環境影響評価審議会本編で評価書の公示、承認前に審議をされるべき内容だと思います。事後調査報告書で処理される種類の話ではありません。事業者の報告について緊急に情報を開示することを求めます。
今、答弁にあったように、今後、詳細な調査により、新野球場北側への検討を行うと事業者が約束しているのなら、詳細な調査を行うまでこの再開発計画は一旦止めるべきです。
なぜなら、詳細な調査をした結果、やはり移植は不可能との判断になった場合にどうするのでしょうか。工事がもう進んでいるから伐採せざるを得ないと判断する可能性が残されています。
もちろん、移植したら枯れてしまう可能性があるとされた場合、本来は残置を選択しなければならないと思います。そうなったらこの計画は根本的に見直す必要に迫られます。そういう重大な問題だということを認識していただきたいと思います。
移植に変更しますといわないで、移植を検討しますと、そういう表現にしたのは、まさに、後でどうにでもなる表現なんです。百年の歴史をつくってきたイチョウの兄弟木の扱いがあまりにもぞんざいではありませんか。
事業者が詳細調査を実施するのはいつかということと、その結果の公表のめどを示していただきたいと思います。審議会で当然審議すべきものだと思いますが、審議会に報告されるんでしょうか。確認をしたいんですが、お願いします。
○長谷川政策調整担当部長 環境影響評価につきましては、事業者からアセス図書が提出され次第、条例に基づき、内容を踏まえて手続を進めることになります。
○原委員 それでは、都としてもこの詳細の調査結果、求めていただきたいというふうに思います。
審議会に調査結果の提出と移植の具体的方法、移植場所、中央広場における最終的計画図の公表を改めて求めておきます。移植検討のこの事項を曖昧にしたまま工事を進めさせるわけには絶対にいきません。よろしくお願いをいたします。
変更届についてお聞きします。
樹木の保全策を含めた変更届が事業者から出されることになっています。この変更届ですが、樹木の最新の活力度調査結果を踏まえ、出されるのは当然です。都の見解をお聞きします。
○長谷川政策調整担当部長 環境影響評価につきましては、事業者からアセス図書が提出され次第、条例に基づき、内容を踏まえて手続を進めることになります。事業者は評価書において、建築計画と重なるため存置することはできない樹木については、今後、詳細な事業計画を検討する中で、活力度等を勘案し、移植の検討を行うとしております。
○原委員 大事な答弁をいただきました。今後、詳細な事業計画を検討する中で、活力度調査を勘案し、移植の検討を行うと評価書において確認済みなんですね。樹木の活力度調査の結果を踏まえて、保全策、変更届が出されるとの解釈で理解をいたしました。
全樹木の活力度調査を内容とした事後調査報告書が審議会に出されることになっていますが、これを踏まえて、樹木の保全策が変更届として審議会に提出されるということです。事業者とも再度、都は確認をお願いします。
今後の審議会の審議についてです。
東京都環境影響評価条例第七十四条の二に基づき、東京都は、審議会に必要だと認めた人を出席させることができます。二〇二二年八月十八日の審議会第五回総会において、柳会長は、評価書公示後の事後調査手続段階においても審議会を開き、事後調査変更届について、事業者からの報告、資料提供に関して審議をすること。その際、外部有識者の意見を聞くことと提案されています。
会長提案ですから、現条例の範囲で可能との判断をすべきですが、いかがですか。
○長谷川政策調整担当部長 環境影響評価は、条例に基づきまして、事業者が自ら作成したアセス図書を審議会で説明し、その内容につきまして、審議会委員から専門的立場で審査いただく一連手続であり、事業関係者ではない第三者を参考人として招致することは制度上規定しておりません。
本件事業に関する環境影響評価につきましては、条例や答申に従って適切に手続を進めており、審議会におきましても、様々な案件と同様、条例に従って適切に手続を進めてきているとの見解が示されております。
○原委員 これまでの理解は何度か伺ってきたところですが、条例上できないとは書いてありません。審議会の委員がそれぞれの専門的立場から意見をする手続だということは重々承知しておりますが、その上で、焦点になっている問題にトピックして詳しい方、研究者など、外部の有識者の意見を聞く必要が生まれることがあり得るというふうに思うんです。柳会長も、大事な審議だから英知を結集して議論する必要があると思われ、発言されたのではないでしょうか。
今後、事業者から出される事後調査報告書変更届の内容によっては、この再開発が環境を大きく壊す危険性があるからこそ、審議を重視すべきだと考えます。日本イコモスなど外部有識者の意見を聞く機会の検討をここで改めて求めておきます。
そもそも、樹木の取扱いを改め、出し直しをさせたり、セットバックなどの設計変更、こうしたことが検討されなければいけないような大事な問題について、事後調査報告や変更届というもので対応することが適当なのでしょうか。石川幹子氏や運動団体の市民の皆さんにも指摘されていることだと思います。
審議会での評価書承認前に審議すべきレベルの話を今、後追いでやっている、そういう実感があります。都としての責任も大きいのではないでしょうか。都が施行認可を出す前に事業者に必要な資料を出させるべきだったのではないですか。今もって出されていない事態を重く見るべきです。
議論してきたように、再開発を進める以前に、イチョウ並木がこのままでは枯れてしまうかもしれない危機に直面をしています。その下で、一体、再開発計画がこの外苑の環境を守ることができるのか、生活環境や自然環境に及ぼす影響の重大さを指摘できるのが環境影響評価審議会です。
現在、樹木についてだけでなく、景観に対しても重大な影響が指摘されています。環境影響評価条例の第一条、目的には、計画の策定及び事業の実施に際し、公害の防止、自然環境及び歴史的環境の保全、景観の保持などについて適正な配置がなされることを期し、もって都民の健康で快適な生活の確保に資することを目的とすると書かれています。
今、文教委員会では、外苑のイチョウ並木を名勝指定にとの請願がかかっています。名勝指定の候補になるくらい文化的価値のある場所なんです。
文化庁の近代の庭園・公園等に関する調査研究報告書によれば、国または地方公共団体による名勝としての指定または登録記念物としての登録の候補地、第一次選定事例の中に明治神宮外苑イチョウ並木が挙げられており、特に重要なものとして強調をされています。
国を挙げての重要な名勝地候補であり、保護の対策を講ずる対象になっています。このことを都としても、環境影響評価審議会としても重く受け止めるべきです。
本当に今改めて、再開発計画のもたらす影響について、全面的に再審査されるべきです。審議会に提出された事後調査報告書や見直し案が環境への影響を軽減するという評価を審議委員から得られない、そういった場合、事業者はさらにどのような対応が求められるんでしょうか。お伺いします。
○長谷川政策調整担当部長 仮定の話にお答えしかねますが、環境影響評価につきましては、事業者からアセス図書が提出され次第、条例に基づき、内容を踏まえて手続を進めることになります。
○原委員 環境への影響が問題だと審議委員から指摘されれば、さらなる調査や変更届の提出を事業者に求める、それを繰り返していくというふうな答弁だったと思います。
今一番焦点になっているのは、やはりイチョウ並木と野球場の建設の問題だと思います。地下を掘り、建物を建てることでイチョウが枯れることがあれば、後世までの汚点になってしまいます。そんなことは許されません。
イチョウの状態悪化も、球場建設のセットバックの検討も、既に事業者が認めざるを得なくなっているんです。本来、このような計画変更につながる問題を事後調査報告や変更届で取り扱う次元のものではありませんが、今後の審議においても、環境影響評価審議会は環境を守るという使命を厳格に果たさなければなりません。
環境への負荷が大き過ぎる場合、代替案が示されなければならないし、その代替案の中には計画の撤回という選択肢も含まれるべきです。
諸外国の環境アセスの手続を見れば、例えばアメリカなど先進諸国では、アセスメントの核心は代替案分析であるといわれており、国家環境政策法、NEPAの解説にはそのことが明記されているそうです。
検討すべき案は、一つ目に、事業者の考える事業原案、二つ目に、環境配慮を行った代替案、そして三つ目に、ノーアクション、事業を行わない。つまり、計画を白紙に戻すという選択肢がきちんと設定されているそうです。これらの複数案を検討するのがアセスメントだというんですね。
環境アセスメントの権威者である原科幸彦氏の「環境アセスメントとは何か」という岩波新書の本を読みましたが、日本の環境アセスの仕組みは審議会の権限が弱く、とても遅れているように思います。実際そうだと思います。
こうした弱点の是正がすぐにでも必要だと思いますが、同時に、現在の審議会の原則に基づく審議においても、厳格な審議を進めることで、事業者がさらなる対応を求められ、計画全体を大きく見直さざるを得ない。イチョウ並木の現状は既にそれを求めているわけですから、そういう可能性も視野に入れた審議を進める必要があります。今こそ都民に開かれた丁寧な審議が必要です。
請願者は、見直し案、変更届の承認前に、日本イコモスの代表を参考人として審議会に呼ぶことを求めています。また、日本イコモスとの共同の樹木調査も求めています。ぜひ検討をお願いします。
それから、見直し案承認前に環境・建設委員会、本委員会での審査、審議を日本イコモスの代表を参考人として呼んで行うことも求めています。これは委員会がやりましょうといえばできることですので、ぜひ実現したいと考えます。
インバウンド需要を期待している国や東京都にとって、大事な観光スポットでもある神宮外苑のイチョウ並木を何としても守るために、今、知恵と力を合わせる必要があるというふうに考えます。
請願の趣旨に強く賛同し、皆さんに採択を求め、この発言を終わらせていただきます。
○須山委員 私からも何点か質問させていただきたいと思います。
神宮外苑の再開発に関しては、毎定例会ごとのように請願陳情が出されておりますし、今日もこうやってたくさんの方が当委員会に傍聴にいらしております。これはやはり都民の皆さんがこの件に関して心配をされているということの表れだと強く感じますし、事業者の皆さんまたは東京都は、やはり都民の理解と共感が得られるように努めていかなくてはならないなと改めて感じております。
そうした中で、この間、四定からの動きがあるところに関してちょっと質問をさせていただきたいと思います。
イチョウ並木の根系調査ですけれども、事業者が本年一月より、この四列のイチョウ並木の根系調査を実施しているということを伺っておりますけれども、この調査はどのような場所で、どのような調査を行っているのかを伺います。
○長谷川政策調整担当部長 事業者は、樹木医から意見を聞き、イチョウ並木西側の外苑テニスコート内など十か所以上を調査対象とし、歩道縁石から約十・五メートルの位置を原則手掘りして、土壌断面における根の位置や生育状況を調査するとしています。太い根が出てきた際には手繰り掘りを行い、最終根系伸長位置を確認するとしています。
○須山委員 ありがとうございます。どういった調査をしているのかということを改めて伺いました。
そこで、東京都であったり、特に環境局ですね、あと、環境影響評価審議会の皆さんとかは、この今のイチョウ並木の根系調査をどのように確認をしているんでしょうか。また、現地で確認をなさっているのか、そういったところを伺いたいと思います。
○長谷川政策調整担当部長 環境影響評価書等には、根系調査の方法や環境保全措置が示されており、事業者から調査結果の報告が提出された際に、評価書等で示された環境保全措置が確実に講じられているかなどについて、都は審議会を運営し、確認していくことになります。
また、事業者から根系調査の実施について聞いており、メディア公開日には都職員も現地に出向いております。
本件根系調査は、専門家である樹木医立会いの下、実施されております。
○須山委員 ありがとうございます。ということは、基本的には審議会で調査結果が出されたものを審議会で審議をするということですけれども、そこにプラスして、東京都の職員の皆さんもメディア公開日等で出向いていらっしゃるということが分かりました。
そうしたところでちゃんと職員の皆さんもしっかりと現地に赴いて、そして調査をしているところをじかに見ていただくことも大事なのかなということは思いますので、その件に関しては評価をさせていただきたいと思います。
今回の請願では、この百四十六本のイチョウ並木ということで、四列のイチョウ並木じゃないところ、港区側のイチョウということですね、これに関しての調査ということも必要なのかなというふうに思っておりますけれども、それに関してはどうなっているのか伺います。
○長谷川政策調整担当部長 秩父宮ラグビー場東側の港区道沿いのイチョウ十九本については、事業者は、地元区との調整や審議会での意見などを踏まえ、今後、詳細な調査により、新野球場北側への移植の検討を行うとしております。
○須山委員 ありがとうございます。今の移植を検討というのは、先ほど原委員の質疑の答弁にもありましたけれども、やはり移植で本当にいいのかということもこの請願の中にもありますし、私もこの環境・建設委員会でずっとこの件は質疑をさせていただいておりますけれども、前回の事務事業の質疑だったと思いますけれども、私は、この再開発に関しては森ありきには見えないというふうに申し上げさせていただきました。
百年を超えるこの歴史があって、先人たちがつくってきた森を残して、どうやって受け継いでいくのか。未来の子供たちにしっかりと受け継いでいくことが大事だなと。そして、それこそがまさに今生きている私たちの責任だと強く考えております。
特に今回の請願に関しては、神宮外苑にある百四十六本のイチョウ並木と銘打たれているように、四列の並木だけでなく、港区道沿いのこうしたイチョウもしっかりと残していく、森としてしっかりと、森ありきでの再開発を進めていくことが必要なんじゃないかなということは思います。
環境局所管という、ここは環境・建設委員会の場でありますので、環境に関してやはり、東京都として樹木を守る、そして森をしっかりと守っていく、自然を守っていく、これは非常に環境局としても大切な役割だというふうに強く思います。
今後、環境影響評価審議会でも、この件も含めて、例えば、先ほど来出ておりますけれども、外部有識者を招いての意見聴取を行うなど、慎重な議論を進めていただきたいと強く要望するとともに、環境局としてもしっかりと注視をしていっていただいて、都民の理解と、そして共感が得られるように、樹木をしっかりと残していく、そして環境を守っていく、そのような事業を行っていただきたいと強く要望させていただきまして、私の質問とさせていただきます。
○もり委員 ミライ会議、もり愛です。
神宮外苑地区の再開発計画の審議に関する請願、また、神宮外苑における百四十六本のイチョウ並木などの歴史的樹木の確実な保全に関する請願について、一括して質疑を行います。
都は九月十二日に、事業者に対して、神宮外苑地区のまちづくりにおける樹木の保全について、伐採を始める前に具体的な保全方法の見直し案を示すよう要請が行われ、昨年九月に始まる予定だった樹木の伐採がストップをされています。
しかし、ユネスコの諮問機関であるイコモス本部から、神宮外苑は世界の公園の歴史においても類のない文化的遺産であるとして、再開発の中止を求めるヘリテージアラートが発出されたことは、国際都市を標榜する東京都としても大変重く受け止めなければならないと考えています。
このイコモスのヘリテージアラートについては海外メディアでも大きく取り上げられ、日本の都市開発における住民参加の在り方が問われています。現に、三十万筆を超える全国からの署名、多くの都民の声が見直しを求め、その動きはさらに大きくなっており、住民の賛同を得られているとは到底いえません。
事業者は、樹木の保全策の提出を年末から年明けにかけてとしていたところから、事業者提案の提出を今後の着工が大変懸念をされております。震災や戦禍をくぐり抜けた神宮外苑のイチョウ並木は百四十六本であり、全て同じ木の種から育った兄弟姉妹木であり、百四十六本の歴史的に見ても大変重要な樹木の確実な保全措置が求められます。
その中で、東京都及び事業者は、イチョウ並木において、四列のイチョウ並木としていますが、秩父宮ラグビー場に続く十八本のイチョウも含めた保全が求められます。
また、現在は、保全に向けた根系調査が行われておりますが、創建時の理念を尊重し、人口減少時代に時代錯誤な大型開発を東京都が先導するのではなく、持続可能な都市に残された貴重な公共空間としての緑をいかに守っていくことができるか。先ほども申し上げましたが、この三十万筆を超える署名が集められていることは大変重く捉えなければなりません。
昨年の夏の暑さでは説明がつかないほど、枯損や上の方が枯れた状況が見られ、今、イチョウに影響を与えるような大型開発が行われることとなれば、このイチョウ並木を守ることはできません。
私たちは、百四十六本全てのイチョウの保全を求めておりますが、環境影響評価書では、十八本のイチョウ並木については移植検討とされております。
一方で、都立篠崎公園の高台移転においては、樹幹の大きな樹木については移植が難しいと、大きな樹木が全て伐採をされた経緯もあり、矛盾するものです。移植における保存においては、都が責任を持って、根の保存方法、仮移植する場所の土質など、世界水準のマニュアル等、科学的根拠に基づいた保全が求められております。
十八本のイチョウについて、保全計画についての見解をお伺いいたします。
○長谷川政策調整担当部長 秩父宮ラグビー場東側の港区道沿いのイチョウ十九本について、事業者は、地元区との調整や審議会での意見などを踏まえ、今後、詳細な調査により、新野球場北側への移植の検討を行うとしています。
○もり委員 移植を検討ということですが、確実な保全に向けては様々な懸念、課題があります。
伊藤忠のビルにより、今ですら子供たちの登下校に影響を与えるビル風が起こっているという声が上がっております。イチョウ並木すれすれに高いビルが建つ今の計画のままでは、とてもイチョウを守ることができないと懸念をしております。
ビル風の影響などを鑑みた高さ、建物の規模、また野球場の光、光害による樹木への影響など、大幅な見直しが行われなければ、僅かなセットバック等の言い訳程度の見直し案では、到底、歴史的なイチョウ並木を守ることはできません。
それらの影響を鑑みて、科学的な裏づけの下に見直し案が作成されるべきですが、都の見解をお伺いいたします。
○長谷川政策調整担当部長 事業者は、今後も継続する根系調査の結果や樹木医の見解を踏まえ、四列のイチョウ並木を確実に保全するため、野球場棟のセットバックなど、必要な施設計画の見直しに取り組んでいくとしています。
また、事後調査計画において、工事期間中及び完了後の一定期間にわたり、四列イチョウ並木の継続的なモニタリングを実施し、状況に応じた保育管理を行うとしています。
○もり委員 過去に提出された日本イコモス委員会のヘリテージアラートへの事業者反論に対して、事業者は科学的根拠を持たず、真摯な議論とはいえないことは、都議会の議連でもこれまで指摘をしてまいりました。
審議会において六時間というような時間を経て検証がされたと、都の見解で先ほども答弁をされておりましたが、その答弁すら、やはり事業者の科学的根拠からしっかりと検証されていないように思っております。
また、この請願書にもあるように、都民、地域住民の理解も十分ではない中で、計画が強行されることがあってはならないと考えます。
見直し案が提出される前に、事業者はイコモスなどの専門家との話合いを実施し、科学的根拠の議論の機会を設けるよう、都から求めていただきたいと考えます。都の見解をお伺いいたします。
○長谷川政策調整担当部長 事業者個別の判断につきましては、都としてお答えする立場にございません。
事業を進めるに当たっては、都民の理解と共感を得ることが重要であり、事業者に対して、丁寧な説明や情報発信を行うよう要請しているところでございます。
○もり委員 先ほどの質疑の中でも、条例上の規定では、外部有識者を呼ぶことができないというお答えがありましたけれども、ぜひ、今回の請願にもあるように、見直し案を承認する前に、都民の代表である都議会のこの環境・建設委員会において、やはり日本イコモス代表を参考人として招致し、見直し案の検証を行うべきだと考えますので、ぜひ委員会でこのような議論ができないか、お願いをしていきたいと思っております。
また、この事業については、本当に十三年の工期の終了後も、毎年の活力度調査を行うということですけれども、この十八本イチョウ並木に着工するにはまだ期間がありますので、その中で根系調査の現状ですとか、しっかりと、着工するしないも含めて、私たちとしては、やはり百四十六本全てのイチョウ並木を守ってほしいという思いでありますので、東京都はこれまで、住民向け説明会と意見を聞く会なども開かれたと答弁もありましたけれども、過去のパブリックコメントにおいても賛成意見はなく、反対意見のみであったこと、また、都民と決める、都民と進めるとする小池都政の姿勢として、都民の声に寄り添い、計画を見直すべきであると強く求め、請願については賛成を求め、質疑を終わります。
○漢人委員 この二つの請願について質問いたします。
もう大体、質問しようと思っていたことは既に質問され、答弁も出ている要素は多いんですけれども、少し省略をして質問したいと思いますので、答弁の方も併せてお願いいたします。
まず、どちらの請願についても私は紹介議員となっておりますので、ぜひ、委員の皆さんには賛成をいただきたいということでお願いをさせていただきます。
いろいろ背景については繰り返してきたこともありますので、今、現状、環境影響評価審議会の審査がどのような状況になっているのかということ、これをもう一回おさらい的に確認したいと思います。
今、この審議会では、神宮外苑再開発に関して、当面予定されている審査事項というのは三つあると思いますが、それでいいでしょうか。一つ目は、新ラグビー場敷地の既存樹木の保全に関する見直し案を含む変更届、二つ目が、全樹林の活力度調査の事後調査報告書、三つ目が、イチョウ並木の根系調査の事後調査報告書、この三件が当面予定されているということでよろしいですか。
○長谷川政策調整担当部長 環境影響評価制度は、大気汚染や騒音、振動など、事業が環境に与える影響を事業者自らが予測、評価し、その内容につきまして、専門的立場から審査することにより、事業の実施において適正な環境配慮がなされるようにするための一連の手続でございます。
環境影響評価につきましては、事業者からアセス図書が提出され次第、条例に基づき、内容を踏まえて手続を進めることになります。
なお、既存樹木の状況等やイチョウ並木の根系調査等につきましては、事業者において取りまとめの上、報告することとしています。
○漢人委員 繰り返しされたことがまた繰り返されましたが、つまりこの三つなんですよね、三つ。さっきいった三つが当面予定されていて、予定されていなくても、何か出てくれば、それも手続しますよということをちょっとつけ加えたような形での答弁だと思います。これで正しいと思います。
もし間違っていたら訂正をいただきたいんですが、大丈夫ですよね。−−えっ、違うの。
○長谷川政策調整担当部長 環境影響評価図書は、事業者が提出するものであり、都としては、事業者から図書が提出され次第、条例に基づき、内容を踏まえて環境影響評価手続を進めることになります。
○漢人委員 どう違うのか私にはよく理解できないんですけど、とにかく出される予定として考えられているのは三つで、都としては、とにかく出されれば対応しますよということでしかないんだということを強調したかったのかなと。東京都側があれ出せこれ出せという立場ではないんだということの、多分、今のは繰り返しというかな、説明なんだというふうに理解をさせていただきます。
それで、また、じゃあ、その調査報告書にしろ、変更届にしろ、出されているかどうなのかというのが気になるわけですよ。毎月月末に環境影響評価審議会が開かれるんだけど、今月の審議会ではもうそれが審査されるのか、だからもう出されているのかどうなのかというのが都民は、特に関心のある私たちはとても気になるんですけれども、これについては聞いても教えていただけないんですね。
それはなぜかというと、提出されたかどうかというその事業者情報というものを都としていうわけにいかないので、東京都としては、とにかく審議会が毎月月末に開かれると。その一週間ぐらい前にはその開催通知をホームページに掲載をして、プレスリリースもしますと。そのときに議題になるということになって報告されているだけで、提出されているかどうかではなくて、議題になるということで、そこにのるかどうかということでしか公開できないということだというふうに受け止めています。
だから、提出されたとしても、仮に今、既に提出されているとしても、それを次の審議会でかけるかどうかは、またその審査状況、内容によったら、よく審査するためには、委員の皆さんがじっくり読み込むためにはまだ時間が必要だとか、いろんな判断が、それ、いえないみたいなんです。いろんな判断があるけれども、とにかくそれはいえないと。
出されているのかいないのか、今どうなのかということは一切いえなくて、私たちはとにかく議題にのったかどうかという、一週間前にならないと分からないんだと、そういうふうに理解してくれといわれていますので、そのように理解しているんですが、これはそれでよろしいですか。−−あっ、これも違う……。
○長谷川政策調整担当部長 通常、審議会の開催案内をする場合は、一週間程度前に開催のプレス発表を行っております。
また、審議会は月末とは限らず、月のどこかで開催されるということでございます。
また、環境影響評価図書は、事業者が提出するものであり、都としては、事業者から図書が提出され次第、条例に基づき、内容を踏まえて環境影響評価手続を進めることになります。
○漢人委員 私は、もう毎月月末に決まっていると思っていましたが、そうじゃないということが分かってよかったです。じゃあ、常にホームページやプレスリリースを気にしていなきゃいけないんだということで、ちょっと緊張感が高まってしまいますけれども、とにかく審議会の開催通知があって、そこにのるかどうかで、それまで実際に提出されているのかどうか、また議題になるのか分からないということだということです。
とにかく都は催促する立場じゃないということを強調したいようなんですね。出されたら対応するという立場でしかないということのようです。
それで、これも既に確認されていることなんですが、もう一度確認したいんですけれども、新ラグビー場敷地の既存樹木の保全に関する見直し案を含む変更届、これを審査するには、当然、樹木の活力度調査の事後調査報告書が先になきゃおかしいだろうと。同時に提出されてもいいんだけど、少なくとも先にそれがあって、樹木の状態が分かってこそ、その見直し案が出せるんだということで、審議会で変更届が先に審査されて、後から、来月やその翌月に事後調査報告書が審査されると、そういうことはないと。
事後調査報告書は先に提出されているか、もしくは、先じゃない、提出は分からないですね、同時に審査されるか、先に審査されるかということになると。その順番については、そういう理解でよろしいですか。
○長谷川政策調整担当部長 繰り返しとなりますけれども、環境影響評価につきましては、事業者からアセス図書が提出され次第、条例に基づき、内容を踏まえて手続を進めることになります。
事業者は、評価書において、建築計画と重なるため、存置することはできない樹木については、今後、詳細な事業計画を検討する中で、活力度等を勘案し、移植の検討を行うとしています。
○漢人委員 もう答弁はそういうふうにしかいえないみたいなんですけど、とにかく先に活力度調査の事後調査報告書が審査をされる、もしくは同時にされるということだというのが今の二つ目の答弁の解釈ということになるというふうに確認をしております。そのように確認しておきたいと思います。
それで、次はイチョウ並木の根系調査なんですけど、これも何か同じ答弁を何回も繰り返されるのは何なので、もう今調査をしているということで、提出は六月頃とはされてきたんですけれども、ちょっとその辺は何ともいえないということなんでしょうかね。
それで、今回の調査はメディアに公開をされていて、その様子が新聞報道などでもされていますけれども、これについては東京都にも通知があったのかということと、都の職員は立ち会ったという話、先ほどもありましたけれども、審議会の委員の皆さんも一緒に現地に出向いていますか。お伺いいたします。
○長谷川政策調整担当部長 事業者から根系調査の実施について聞いており、メディア公開日には都職員も現地に出向いております。審議会委員は出向いておりません。
本件根系調査は、専門家である樹木医立会いの下、実施されております。
○漢人委員 この根系調査は、去年のときにはイコモスから共同調査の申入れがあったけど、それは拒否されまして、全く非公開だったんですね。それが今回は、その意味では柔軟になったというのか、うまくなったというのか分かりませんけれども、メディア公開はされて、職員も立ち会うような形で行われているということは、でも、まあ悪い方向ではないんだろうなというふうに思っています。それだけ、そういった対応をせざるを得ない状況に事業者の皆さんも判断をするようになってきたんだというふうに理解をしております。
それで、次は請願第五一号なんですけれども、これは、聖徳記念絵画館前の四列百二十八本のイチョウ並木と、それからラグビー場東側の、請願書では十八本と書いてありますが、先ほどから答弁は十九本といわれているので、これはどう違うのかなというのをもしよかったら答弁いただきたいんですけど、その百四十六本のイチョウ並木及び建国記念文庫の森のヒトツバタゴなどの歴史的樹木の確実な保全を求めるという、そういう内容です。
環境影響審議会はこれに応える審査を行い、そして、都は、実効性のある具体的な保全策が講じられるよう継続的に関与していくというふうに考えてよろしいですか。
○長谷川政策調整担当部長 まず、十九本につきましては、並木が十八本ございまして、その脇に一本イチョウがございます。これで合計十九本ということでございます。ちょうど角のところに一本イチョウがございまして、これを数えて十九本として扱っております。
それで、もう一つの、最後のご質問ですけれども、本件環境影響評価書案に対する審議会答申では、審議会としても評価書に沿って、今後の事業者の環境保全措置に継続的に関与していくとしています。
都はこれまでも、事業者に対し、樹木保全を含む神宮外苑地区におけるまちづくりに関して要請を行っております。
○漢人委員 つまり、今の答弁は、今回のこの請願五一号に関しては、東京都はこの立場で対応していると。それが今のこの神宮外苑の再開発、そしてこの環境影響関係の取組の状況だということだというふうに思います。
この理由の中に移植についての評価がいろいろ書かれていて、私も単純に移植すればいいなんていう安易なものではないだろうと思っていますが、それにしても、ここの請願の中で書かれているのは、移植するにしても十分な保全措置が必要だということで、移植そのものを否定しているわけではないので、私は否定したいと思いますが、請願者は否定はしていないので、そういうことです。
つまり、ここに、この請願で求めている内容というのは、東京都が今進めている内容そのものだというふうに私は理解をいたしますので、委員の皆さんには、こちらにはぜひご賛同いただきたいというふうに思っております。
それで、質問としては最後なんですけれども、実は、私の、小金井市議会からは、意見書が昨年十二月、第四回定例会で提出をされております。神宮外苑再開発を止め、自然と歴史・文化を守ることを求める意見書というものが都知事に提出されているんですね。
計画の詳細について都民や国民への周知が十分でない進め方に、国内のみならず世界各国からも疑問や批判が高まっているとして、計画について都民の意見を十分に聞く場を設け、歴史的景観を保全し、既存樹木を大量伐採しない計画への見直しをしていくのが当然の理である。神宮外苑再開発を止め、自然と歴史、文化を守ることを求めるというものですけれども、当然、環境局としては、これ、もう受け止めていらっしゃると思うんですが、見解をお伺いしたいと思います。
○長谷川政策調整担当部長 都は、環境アセス等の手続について、法令等に従って適切に進めるとともに、事業者に対し、既存樹木の保全や都民の理解と共感を得られるよう、しっかりと取り組むことを要請してきております。
○漢人委員 答弁の内容が本当にしっかりと執行されることを希望いたします。
そして、請願ですが、一八号の請願については、以前から提出されている要素もあり、イコモスとの共同調査、そして審議会と都議会、この環境・建設委員会への参考人の招致ということを求めております。
これについては、ほかの委員からも発言がありましたけれども、審議会の在り方については、私はこれは禁止はされていないと。ぜひこういう事態ですので、イコモスを参考人として招致することをするべきだと思いますし、こちらの委員会でもぜひ、これだけ関心の高い、そして専門的な観点からの審査も必要な問題ですので、参考人の招致を求めたい。ぜひ、ご賛同いただきたいというふうに思っております。
それにしても、前回からの経過からいうと、こちらの一八号の請願への賛否は分かれるかなと思わざるを得ないところです。しかし、先ほど申し上げましたが、第一八号の方の請願については、以前にもこのイチョウ並木の保全については趣旨採択をしております。そして、今回の内容も、先ほどの答弁にもあるように、東京都としてもこのとおり行うという内容ですので、ぜひ皆様のご賛成をいただきますようによろしくお願いいたします。
以上です。
○曽根委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
初めに、請願五第一八号を採決いたします。
本件は、起立により採決いたします。
本件は、採択とすることに賛成の方はご起立願います。
〔賛成者起立〕
○曽根委員長 起立少数と認めます。よって、請願五第一八号は不採択と決定いたしました。
次に、請願五第五一号を採決いたします。
本件は、起立により採決いたします。
本件は、採択とすることに賛成の方はご起立願います。
〔賛成者起立〕
○曽根委員長 起立少数と認めます。よって、請願五第五一号は不採択と決定いたしました。
○曽根委員長 次に、陳情五第九四号の二を議題といたします。
○荒田気候変動対策部長 それでは、お手元の資料10、請願・陳情審査説明表の五ページをご覧ください。
整理番号3、陳情番号五第九四号の二、再生可能エネルギーへの早急な転換を求める意見書の提出に関する陳情につきましてご説明申し上げます。
陳情者は、世田谷区生活クラブ生活協同組合・東京理事長の加瀬和美さん外四百八十四人でございます。
陳情の要旨は、気候危機への対策と持続可能な社会の構築に向けて、再生可能エネルギーへの転換を加速させるため、発電と送配電の所有権分離及び再生可能エネルギーの優先接続、優先給電に係る政策を推進することを求める意見書を都議会において国に提出いただきたいというものでございます。
現在の状況でございますが、まず、発電と送配電の分離についてでございます。
1、国においては、一九九五年以降、数回にわたり制度改革が行われ、発電部門は原則参入自由となり、競争原理が導入されました。また、小売部門につきましても段階的な自由化が実施され、二〇一六年四月に全面自由化が実現されました。
2、一方で、送配電部門につきましては、二〇一五年六月に電気事業法が改正され、送配電部門の中立性を確保する観点から、二〇二〇年四月以降、法的分離による発送電分離が導入されたものの、発電した電気を各地に届ける送配電部門の多くは、発電部門を持つ電力大手の子会社となっている状況でございます。
3、こうした中、二〇二二年十二月以降に発覚した電力会社の不正閲覧、情報漏えい問題を踏まえ、二〇二三年三月の内閣府再エネタスクフォースにおいて、電力会社の送配電部門の所有権分離等について提言が発出されました。また、同年五月には、消費者担当大臣から経済産業大臣宛てに発出された電力市場における競争環境整備に向けた諸課題について(意見)の中で、電力会社の送配電部門の所有権分離等に言及がされたところでございます。
4、これらを踏まえ、政府は六月十六日に、大手電力と送配電事業を担う子会社の資本関係を解消する所有権分離を検討することを盛り込んだ規制改革の実施計画を閣議決定いたしました。これを受けて国は、電力・ガス基本政策小委員会において検討に着手しており、今後も引き続き、電力システム改革に係る検証をしていく中で包括的に検討を進めていくこととしております。
次に、再生可能エネルギーの優先接続、優先給電についてでございます。
5、国は、系統制約を解消するべく、既存の系統を最大限活用する取組である日本版コネクト・アンド・マネージの具体化を進めるとともに、新たな系統利用ルールとしてメリットオーダーを目指した新たな仕組みの検討、議論を進めているところでございます。
6、優先接続につきましては、二〇二三年四月までに基幹系統及びローカル系統におけるノンファーム接続が導入されており、配電系統におけるノンファーム接続につきましては、国は、基幹、ローカル系統におけるノンファーム接続の効果を踏まえて検討することとしております。
7、優先給電につきましては、送電線の混雑解消が必要な際の基幹系統における出力制御の順番について見直しが行われ、二〇二三年十二月に再給電方式(一定の順序)が導入されたところでございます。国は、全電源を対象としたメリットオーダーによる送電線の利用ルールにつきまして、継続して検討を進めているところでございます。
8、なお、都は、再生可能エネルギーの優先接続、優先給電に係る国による取組の一層の推進について、従前から国提案を通じて継続的に国への要望を行っております。
説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○曽根委員長 理事者の説明は終わりました。
本件について発言を願います。
○小磯(善)委員 まず、発電と送配電の所有権分離についてお伺いいたします。
我が国では、発電した電気を各地に届ける送配電部門の多くは、発電部門を持つ電力大手の子会社ということになっております。こうした中、電力会社の不正閲覧、また子会社への情報漏えい問題が発覚し、現在、国において、発電と送配電の所有権分離の是非が議論されているというふうに認識をしております。
そこでまず、発送電の分離方法について、非常に専門的な内容であります。また、都民の皆様のご理解を深めるためにも、また確認の意味も含めて、現在の状況と所有権分離にはどういった違いがあるのか、現状と所有権分離はどういった違いがあるのかをお伺いしたいと思います。
○荒田気候変動対策部長 発送電分離には、同じ社内で会計を分ける方法のほか、より分離度合いの高い別会社化する方法などがあり、日本では現状、資本関係がある中で、送配電部門を発電や小売部門と別会社化する法的分離が採用されております。
所有権分離は、送配電部門を発電や小売部門と別会社とした上で、資本関係も解消するもので、発送電分離の中でも最も送配電部門の中立性が高い分離方法とされております。
○小磯(善)委員 今の答弁ですと、所有権分離が、現在の国が採用している法的分離と比較しても、所有権分離と法的分離を比較しても、所有権分離が資本関係を解消するということで、高い中立性を確保することができる方法ということであります。
しかし、こうした導入による効果が期待される一方で、導入による影響を懸念する意見もあるのではと思います。
そこで、現在の国における見直しの検討状況と、今後の見通しについて伺います。
○荒田気候変動対策部長 二〇二二年に発覚した電力会社の不正等を受け、政府は昨年六月に、所有権分離を検討することを盛り込んだ規制改革の実施計画を閣議決定し、これを受けて、経済産業省の電力・ガス基本政策小委員会において検討が進められております。
電気事業の健全な競争環境実現への期待がある一方で、当委員会では、所有権分離の導入には災害時の迅速な対応や電力の安定供給に対する影響の懸念などについて、様々な意見が出されております。
経済産業省では引き続き、電力システム改革に係る検証を実施していく中で、電気事業全体を取り巻く環境変化等を踏まえ、包括的に検討を進めるということとしております。
○小磯(善)委員 所有権分離の導入にはメリットがあると。でも、その一方で課題もあって、現在、国において、有識者の意見も得ながら慎重に議論が重ねられているということでございました。
次に、再生可能エネルギーの優先接続、優先給電について伺います。
二〇一八年に九州地方で出力制御が発動されて以降、年を追うごとにエリアや回数が拡大している傾向にあります。国の計画に基づいて系統の増強も順次進められておりますが、完成までは相当の期間と費用を要する状況であります。
こうした中、国においては、日本版コネクト・アンド・マネージの考え方に基づき、既存の系統を活用しながら、発電された再生可能エネルギーを優先的に活用できるよう取組が進められていると伺っておりますが、国の取組状況についてお伺いいたします。
○荒田気候変動対策部長 国は、既存の系統を最大限活用し、従来認めていなかった空き容量のない系統への新規電源の接続を可能とすることや送電容量を超過した際の出力制御方法の見直しなど、再エネ電力の有効利用に向けた取組を進めております。
直近では二〇二三年十二月に、発電された電力が系統の送電容量を超過することによって出力制御せざるを得ない場合においても、再エネ電力の優先的な利用を可能とする出力制御の順序が整備されました。
将来的に、国は、出力制御時において、市場価格の安い電源から優先的に給電するメリットオーダーの全電源への導入を目指すこととしており、より発電コストの低い再エネ電力のさらなる有効利用が期待されます。
都はこれまでも、再エネ電力が優先的に系統を利用できるよう、国に対して要望を行ってきており、今後も引き続き、国の動向を見ながら、さらなる取組の強化を求めてまいります。
○小磯(善)委員 再生可能エネルギーを無駄なく活用できるよう、国は段階的に取組を進めており、都もその状況を踏まえながら、国に必要な取組を求めてきたことが確認できました。
都には引き続き、再エネの拡大に向けた取組を一層推進していただくことを求めて、質問を終わります。
○アオヤギ委員 日本共産党のアオヤギ有希子です。
それでは、再生可能エネルギーへの早急な転換を求める意見書の提出に関する陳情について伺います。
東京都は、住宅用太陽光発電の設置義務化をし、再生可能エネルギーを大幅に都内で普及させる方針です。
再生可能エネルギーを普及させる上で、今課題になっているのが送電の所有権を電力会社が持っているということです。日本の発送電分離は法的分離にとどまっており、発電会社と送電会社は、子会社、持ち株会社を通じてつながるなど、資本関係などがあります。
このような状況の下、公正な競争を阻害するような行為が指摘をされています。自社内の卸供給価格を新電力よりも下げ、卸売市場へ供給量を絞り込み、市場価格の引上げを企図していることなどが指摘をされています。
さらに、電力会社が子会社を通じて新電力の顧客情報を不正に閲覧するという重大な問題まで起きています。
そこでお伺いします。陳情者は、再生可能エネルギーへの転換を本格的に進めるためには、公正な競争環境の整備を挙げていますが、その手法として所有権分離が不可欠としていますが、都の認識を伺います。
○荒田気候変動対策部長 所有権分離の導入につきましては、公正な競争環境の整備に資する期待がある一方で、災害時の対応や電力の安定確保に対する影響などを懸念する声もございます。
こうした中、国は、専門家の意見も得ながら、様々な観点から所有権分離の検討を進めていくこととしており、都としては、国の動向を注視してまいります。
○アオヤギ委員 災害時の対応といいますけれども、日本の発電においても最も災害に対し脆弱なのが原子力発電だということは、東日本大震災やさきの能登半島地震を見ても明らかです。再エネの拡大を急ぎ、災害に強い電力供給網の整備を急ぐことこそ求められております。
また、再エネの拡大が電力の安定確保の障害になるという議論は、もはや昔以上前の議論です。事実、今年、東京電力管内でも再エネの出力抑制が行われる見通しとまでいわれる状況にあります。
そこでお伺いしますけれども、東京電力管内でも需要の少ない季節に再エネ電力出力抑制が始まる可能性を専門家は指摘していますが、都はどのように見通ししていますか。
○荒田気候変動対策部長 昨年十月に東電パワーグリッドが公表した二〇二四年度の出力制御見通しによれば、群馬県と山梨県に地域を絞って出力制御を行う可能性が示されており、東京電力管内においても初めて出力制御が出される見通しであると認識しております。
○アオヤギ委員 この群馬県、山梨県の出力制御、これ、再エネだということです。ご答弁のとおり、再エネ電力は順調に拡大している中、今や再エネ以外の石炭火力や原発などの電源をいかに抑制、廃止していくのかということこそ厳しく問われる時代に入っているということだと思います。後ほどこの問題にもう一度触れます。
欧州では、所有権について、資本関係解消を規定する国もありますし、アメリカでは、機能分離で送電を公的に運営している、そういう国もあります。再エネを普及拡大するために、またそのための公正な競争環境を整備するためには、所有権分離が不可欠です。
都も、再エネ普及拡大には前向きの姿勢だと思います。再生可能エネルギーを供給している新電力の小売電気事業者が大幅に増えていると思いますが、都内に再生可能エネルギーを供給している小売電気事業者のうち、東電グループを除く事業者数と再エネ量及び全体の再エネに占める割合について伺います。
○荒田気候変動対策部長 小売電気事業者からの二〇二一年度実績の報告では、都内に再エネ電力を供給する小売電気事業者のうち、東電グループを除く事業者は九十九社でございます。これらの事業者が都内に供給する再エネ量は約十五億キロワットアワーであり、全体の再エネ量に占める割合は約一九%となってございます。
○アオヤギ委員 都内に再エネ電力を供給する小売事業者は、東電グループを除くと九十九社に上っているとのことです。十五億キロワットアワー、再エネ全体の一九%になっているとのことです。
都は、小売電気事業者による再エネ先行拡大事業、小売事業者による供給者の決まっていない再エネ電源の開発事例を創出し、都内へ再エネ電力供給を行うという事業を来年度増額しています。施策を拡大し、また再エネを発電する事業者も増やし、再エネを拡大していくことが必要です。都もそのような方針だと理解しています。
さらに再エネを広げる取組として、VPP実証事業やアグリゲーター支援事業があります。VPPは、バーチャル・パワー・プラントの略で、複数の再エネ電源と需要源を組み合わせ、再エネ拡大と省エネ、ピーク需要削減などに資するものだと考えています。
このVPPの核となるのがアグリゲーションコーディネーターという機関です。今年度、環境局は、アグリゲーションビジネス実装事業を予算化し、家庭の蓄電池などを遠隔制御し、エネルギーの需給をコントロールするといいます。
家庭用蓄電池だけでなく、市民電力のような小規模再エネ電源のアグリゲートも必要だと思いますが、それは産業労働局の所管とお聞きしました。
そこで、今回はアグリゲーターの必要性について認識を伺います。
○荒田気候変動対策部長 まず、アグリゲーターとは、家庭などに設置された蓄電池等のエネルギーリソースを束ねて、電力の需要最適化を図る事業者のことでございます。再エネの拡大に向けては、アグリゲーターによるエネルギーマネジメントの推進も期待されます。
○アオヤギ委員 大事な認識だと思います。アグリゲーターは大手事業者だけではなく、地元事業者を育成することも必要だと思います。そのための支援も併せて要望しておきたいと思います。
こうして都も率先して再エネを拡大していこうという中、再生可能エネルギーで発電する小規模の事業者に多額の送電線接続の費用負担を求められるケースがあります。しかし、新たな送電線の増強のための費用を新規事業者に求めていけば、再エネ電力参入へ大きな障壁となります。
送電線に余裕があるうちはいいんですけれども、たまたま余裕がなくなるタイミングで接続を申し込んだ事業者が送電線の増強などの巨額の負担を求められ、これではロシアンルーレットのようだとまでいわれています。これでは再エネ電源の新規参入は広がりません。
ドイツなどでは、送電会社が増強義務を負い、送電会社が負担し、送電線使用料金で広く徴収するというシステムです。また、日本でも福島県では、県が出資をして再エネのための基幹送電線までの送電線を引いたケースもあります。
再生可能エネルギーの接続に関わる障壁をなくしていくために、発電事業者が再エネを導入拡大する際の系統接続に係る費用負担を軽減すべきだと考えますが、都の見解を伺います。
○荒田気候変動対策部長 新たな再エネ設備の導入に当たりまして、発電事業者は、様々な費用負担をする必要があると認識しております。
再エネの導入や拡大のため、都は、発電設備を新たに整備し、都内の需要家に供給する小売電気事業者を対象に、経費の一部を助成しております。
○アオヤギ委員 再エネの機器を導入することに補助することも非常に重要なことです。一方で、事業予見性を大きく阻害し、再エネの新規参入を妨げている接続費用負担の問題を解決しなければ、再エネの抜本的拡大にはつながりません。
欧州の例を見ても、系統増強費用を全て新規電源側が負担する、いわゆるディープ方式を採用している国よりも、送電会社が負担をするシャロー方式を採用している国の方が多数派です。
系統接続の費用負担について、都として国や電力会社に要請するとともに、都としても負担軽減策を検討していただきたいと思います。
再エネの系統接続に関する障壁にはもう一つ、優先接続の問題があります。
近年、送電混雑が発生した場合には出力停止を受けるノンファーム型の接続が導入され、一定の前進がありました。しかし、もともとアメリカの送電サービス利用のルールであったノンファーム型接続は、もう一方の混雑発生時も出力停止がないファーム型接続と一体のものであり、アメリカでは利用者がどちらも選択することができるのです。
アメリカが三十年近く前にファーム、ノンファームを定めた規制文書では、全ての公営電気事業者は非差別的なオープンアクセスの原則に基づいて、ファーム及びノンファームサービスの両者を提供しなければならないとされています。
この非差別性、選択制の原則を欠いた今の日本の優先接続の現状は、より根本的に解決されなければなりません。国に対して、再生可能エネルギー電力の優先接続のルールをより強化することを求めていくべきではないですか。
○荒田気候変動対策部長 再エネ電力の優先接続につきましては、国が段階的に取組を進めているところでございますが、さらなる取組の強化につきまして、都は従前から国に要望を行っているところでございます。
○アオヤギ委員 そのようにおっしゃるので、昨年十一月の最新の国の予算編成に対する東京都の提案要求を見てみました。確かに再生可能エネルギーの優先接続を一層推進するなど、取組のさらなる強化を図ることとあります。
しかし、今私が述べたような非差別性、選択制の原則にまで踏み込んでいるわけではありません。より根本問題に踏み込んだ提案を今後、国に対して行うことを求めておきます。
さらに、先ほども少し触れましたが、再エネ拡大を阻む問題として、再エネ出力抑制の問題があります。
昨年、九州電力は、火力発電や原発の発電を行いながら、再エネに対して出力抑制、発電した分を送電線に受け入れないということを行いました。再エネを無駄にしてしまったのです。せっかく再エネを普及拡大したのに、出力抑制ということは極力避けなければなりません。
現在、国において送電線の混雑解消時にメリットオーダー、発電の燃料費の安い順番で送電線に受け入れる制度を検討しています。そうすると、太陽光パネルなどの再エネはゼロ円ですから、一番最優先されることになります。
しかし、運用面で、火力の最低出力が大きい、揚水発電や地域間連携の活用が小さい、需要を再エネ連動でシフトするのが小さいなどの課題があります。実際、九州電力では、自社の火力発電については出力抑制を行ったものの、他社の火力発電については発電を黙認していた現状があります。
また、国は、原発については一切手をつける気がありません。
国による再給電方式は検証が必要です。東京都からもそのことを求めるよう要望しておきます。
以上、本陳情で求められているとおり、再エネの拡大に向けて、まだまだ課題が残されていることは明らかです。東京都がその打開の先頭に立つことを求めつつ、本陳情は、都議会として、この問題で特に発送電分離、優先接続、優先給電の問題で意見書を上げることを求めています。ぜひこの実現を委員会の皆さんに呼びかけ、陳情は採択を主張し、質疑を終わります。
○もり委員 五第九四号の二、再生可能エネルギーへの早急な転換を求める意見書の提出に関する陳情に賛成の立場から意見を申し上げます。
この陳情は、気候変動への対応と持続可能な社会の構築に向け、再生可能エネルギーの転換を加速させるため、発電と発送電の所有権分離及び再生可能エネルギーの優先接続、優先給電に係る政策を推進することを求める意見書を国に提出することを求めるものです。
電力の大消費地である東京において、都が率先して再生可能エネルギーへの転換を進めていくべきであると求め、ゼロエミッション東京戦略においても、東京都は、再生可能エネルギーを基軸とするとしています。
一方で、国が昨年五月に、脱炭素社会の実現に向けたGX脱炭素電源法によって原発推進にかじを切ったことは、時代に逆行するものであり、大変遺憾です。
三・一一を経験し、エネルギー自給率の低い日本において、エネルギーの自給は安全保障であると考えます。
日本では長年、大手電力会社十社による電力の地域独占が行われてきましたが、電力の自由化が進められ、再エネによる発電事業者の参入が増え、先ほどの答弁では、東電以外の小売事業者が九十九社、また再エネが一九%というお答えもありました。
しかし、この接続の部分の課題が見直されることなく、再生可能エネルギーの優先接続が進まないことは大変もったいないと考えています。
二〇年四月より、電気事業法の改正により、配送電部門の別会社化をする法的分離が行われましたが、発送電の所有権分離の実現により、再生可能エネルギーのための独立性を高めていくことが求められます。
また、接続で今、高額の託送料を取っている現状に、再生可能エネルギーの託送料を安くするなど、国に求めていくことが必要であると考えています。
よって、先ほど東京都も国において継続的に再生可能エネルギーの優先接続を求める意見書を要望しているというお答えもありましたので、ぜひ議会としてもこの意見書の採択を求め、意見とさせていただきます。
○漢人委員 この陳情については、ぜひ採択をして国に対する意見書を提出すべきという立場で、参考として東京都の認識について質問をしたいと思います。
まず、その大きな前提、背景なんですけれども、昨年の十一月三十日から十二月十四日にかけて、アラブ首長国連邦のドバイでCOP28が開催されました。その参加約二百か国が合意した成果文書、これに盛り込まれた特に重要な内容として二つが挙げられております。
一つ目は、決定的に重要な十年に行動を加速し、化石燃料から脱却するです。
紆余曲折を経てやっと確認された表現とのことですが、そもそもカーボンゼロを目指すCOPであるにもかかわらず、化石燃料からの脱却ということが今まで合意されていなかったこと自体が驚きなわけですけれども、その意味でも画期的な合意ということになります。化石燃料からの脱却ですから、石炭だけではなく、石油も天然ガスも含むということです。
次に注目すべきなのは、二〇三〇年までに世界の再生可能エネルギーの設備容量を三倍に、エネルギー効率改善率を二倍にする努力に貢献するよう各国に要請するというものです。
略して再エネ三倍、省エネ二倍をあと六年で達成しようという明確な合意です。したがって、当然日本にも、そしてさらに当然東京都にも、二〇三〇年までに再エネ三倍が要請されたということになります。
東京都は、二〇三〇年に再エネ利用率五〇%を目標としていますが、現在は約二〇%ほどだと思います。つまり、その三倍の六〇%へと、今五〇%なのを六〇%へと目標を引き上げることが今求められているというふうに思うわけですね。ただ、この見解を問う質問は、この陳情審査ではそぐわないようですので、それは別の機会にいたします。
こういった現状認識の下で、今回のこの陳情に関してなんですが、出力抑制の現状、そして所有権分離への都の見解という、この二つについて伺います。
このようにさらなる再エネ拡大が求められているにもかかわらず、再エネの出力抑制が増加をしているわけです。この現状を確認したいと思いますので、近年の日本全国における再エネの出力抑制の傾向について、まずお伺いいたします。
○荒田気候変動対策部長 出力制御は、二〇一八年度に初めて九州エリアで行われ、その後、他のエリアにも拡大しており、国の取りまとめ資料によれば、その出力制御量は、二〇二二年度の実績で約五・七億キロワットアワーとなっております。
出力制御量は増加傾向にあり、国による二〇二三年度の出力制御見通しは約十七億キロワットアワーとなってございます。
○漢人委員 この質問をしようということで、先週意見交換をしまして、そしてお休みに入ったわけですが、その週末、二月十日の朝日新聞の朝刊トップにこんな大きな記事がありました。
この出力制御について報道していたわけですけれども、この記事でも、二〇二三年には出力制御が急増して、全国で計十九・二億キロワットアワー、過去最多の二〇二一年度の三倍以上になったというふうにあるんですね。
答弁の方の数値は、これ国の数値でして、四月から三月という年度を取っていて、朝日新聞の方は一月から十二月なので、ちょっとその年度のずれは、数値もずれはあるんですけれども、なので、先ほどの答弁では二〇二二年度実績で五・七億キロワットというのは、この三倍になるという以前の数値ということになります。
それで、週末以前に確認していた内容というのは、先ほどの最後の増加傾向のところはなかったんですね。つまり、出力制御量は二〇二二年度の実績で約五・七億キロワットアワーだという、そこまでしかなかったんです。つまり、急激に増えているということについての答弁は、今日されないはずだったんですよ。
だけど、この新聞記事が出たので、えっ、そのままでいいんですかというふうに聞いたら、やっぱり実は国でもこういう増加の見通しは出しているという答弁が加わったという経過があります。ここはすごく大きな違いですよね。急激に増えているわけですから。こういった急激な増加の現状ということを十分に認識をして、この陳情に対しても私たちは対応しなければならないと思っています。
なお、制御率が高いのは冷暖房を使わない春、秋で、九州では四月が二五・三%、年間で八・九%とのことですけれども、再エネ比率が高いヨーロッパでは、広域の需給調整によって制御率は五%程度に抑えている国が多いということです。
そういうわけで、早急な対応が求められるということは明らかなんですね。急激に三倍とかいうペースで上がっているわけですから。そして、東京もこれからその対象に入ってくるわけですから。
そんな中で、再エネの導入と最大限の活用のためには、国における優先接続と優先給電の取組を一層推進していくことが有効と考えます。これは、答弁、出ているんですけど、ここで再度伺います。これについての都の見解、いかがでしょうか。
○荒田気候変動対策部長 既存系統の空き容量の有無にかかわらず接続を可能とする取組や再エネが優先的に利用できるようにするための出力制御方法の見直しは、再エネ利用の拡大が期待できます。
このため、都は、これらの取組の強化について、これまでも国に提案要求を行っているところでございます。
○漢人委員 私もアオヤギさんと同様、昨年十一月に提出された令和六年度国の予算編成に対する東京都の提案要求を再確認しました。ここでは、再エネの優先接続を一層推進するなど、再エネの基幹エネルギー化に向けた取組のさらなる強化を図ること及び出力抑制の最小化という記載がありました。
この国への提案要求は、東京都はこの従前からということですが、何と二〇〇九年、平成二十一年、十四年間毎年要望してきたということなんですね。これは本当に東京都、しっかりと長年取り組んできていただいたことに感謝をしたいと思います。
しかし、ちょっと、十四年もやっていると、何かマンネリ化していたんじゃないかなという気もしなくはなく、でも、ここにきて一気にこういう状況ですから、これまでの長年の要望がここでついに大きな意味を持ってくるんじゃないかと思います。
一方、これはつまり、こういった東京都などからの要求もあるにもかかわらず対応してこなかった国の不作為、その対応の鈍さということに、都の皆さんと一緒に憤りを感じたいというふうに思うわけです。
それで、もう一つは、最後ですけれども、十社の配送電事業者が自社に有利になるよう様々な不正を行っていたわけですけれども、この所有権分離をすれば不正が抑制されて、再エネ拡大に有効だと思いますけれども、都の見解はいかがでしょうか。
○荒田気候変動対策部長 所有権分離の導入は、再エネの拡大に寄与するとの意見もある一方で、国の専門家会議において、大手電力会社の不正等に対する直接的な解決策とならないとの指摘や災害時の迅速な対応などへの影響を懸念する声もございます。
国は、電力システム改革の検証をしていく中で、こうした様々な意見を踏まえながら、引き続き、所有権分離について包括的な検討を進めていくこととしており、都としては国の検討状況を注視してまいります。
○漢人委員 先ほどまで述べた背景からすれば、もう都としては注視している場合じゃないだろうということなんです。
帝国データバンクによりますと、新電力が七百六社あるうち、二〇二二年十一月時点で、倒産が二十二社、撤退が三十三社、新規申込み受付停止が九十一社ということです。つまり、新電力の二一%が倒産などの事態に追い込まれているということなんですよ。
先ほどいった再エネ三倍ですよ。再エネ三倍を実現するためには、様々な懸念、あるかと思います。でも、多くは、私はもう大手電力会社の利権かなと思わざるを得ませんけれども、様々な懸念は速やかに払拭をして、今本当に求められているこの発電と配送電の所有権分離を導入するということは、これは必須ではないでしょうか。
都は、国の検討状況をも注視しているのではなくて、優先接続、もう十四年間も要望してきた。そのように、所有権分離についても毅然として国に対して要望することを求めたいと思います。
これは、今日は都議会に対しての意見書の提出を求める陳情ですので、ぜひ委員の皆さんには、都議会としても、この今の事態の中で、ぜひこの意見書を提出するという方向で、この陳情書、賛成をするということを強くお願いをして、賛成を求めて、私の質問を終わりたいと思います。
○曽根委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
本件は、起立により採決いたします。
本件は、採択とすることに賛成の方はご起立願います。
〔賛成者起立〕
○曽根委員長 起立少数と認めます。よって、陳情五第九四号の二は不採択と決定いたしました。
請願陳情の審査を終わります。
以上で環境局関係を終わります。
この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
午後三時三十一分休憩
午後三時四十五分開議
○曽根委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
これより建設局関係に入ります。
初めに、第一回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。
○中島東京都技監 令和六年第一回定例会に提出を予定しております案件につきましてご説明申し上げます。
予定案件は、予算案二件、条例案四件、契約案二件及び事件案三件でございます。
お手元の資料1、令和六年度主要事業及び提出予定案件の概要をご覧ください。
一ページをお開きください。まず、予算案に関連いたしまして、令和六年度主要事業の概要についてご説明いたします。
道路、河川、公園などの都市基盤は、都市活動や都民生活を支える上で欠かすことのできない極めて重要なものでございまして、切迫する首都直下地震などから都民の生命と財産を守る大切な役割を担っております。
建設局は、快適で利便性の高い都市、安全で美しいまちの実現を図るため、幹線道路をはじめ、人に優しい歩行空間、水害から都市を守る河川、ゆとりと潤いを創出し、災害時の活動拠点や避難場所になる公園など都市基盤の整備を推進しております。
都民の生活と首都東京の成長を支える都市基盤施設の効果的、重点的な整備と適切な維持管理を通しました万全の危機管理によりまして、安全・安心を確保するとともに、次世代に良好な社会資本を継承するための予算を編成いたしました。
令和六年度の予算案は、一般会計、土木費で六千三百六十六億円となってございます。
デジタルによるサービス改革の深化など、社会構造の変化を踏まえました制度や仕組みのアップデートを図りつつ、国際競争力と経済活力の強化、ゼロエミッション東京の実現などの課題に取り組みますとともに、防災対策のさらなる強化充実を図り、百年先も安心して暮らせる強靱で持続可能な東京を目指しまして、TOKYO強靱化プロジェクトを推進してまいります。
事業の執行に当たりましては、事業展開のスピードアップを図り、政策の効果を素早く都民に届けられるよう、職員が一丸となって都市基盤整備のより一層の推進を図り、都民の負託に積極的に応えてまいります。
それでは、順次、事業別にご説明申し上げます。
最初に、道路事業でございます。
震災時に、特に甚大な被害が想定されます木造住宅密集地域における特定整備路線につきましては、関係権利者の生活再建に十分配慮し、理解と協力を得ながら事業を推進してまいります。
首都圏三環状道路のうち、東京外かく環状道路につきましては、工事の安全を最優先に事業を進めることを国など事業者に求めますとともに、受託しております用地取得を推進してまいります。
なお、令和二年に調布市において発生いたしました陥没事故を受けた対応といたしまして、引き続き、国など事業者に対し、地元住民の不安払拭に向けて、地元自治体と連携し、丁寧な説明やきめ細やかな対応を行うことなどを求めてまいります。
二ページに移りまして、都市の骨格を形成する幹線道路の整備につきましては、区部では放射第二五号線や環状第四号線などにおきまして整備を進めますとともに、多摩地域では府中所沢鎌倉街道線や南多摩尾根幹線などの整備を進めてまいります。
また、骨格幹線道路を補完し、地域の生活を支える地域幹線道路では、補助第九六号線や調布三・四・二号線などにおきまして整備を推進してまいります。
都市高速道路の整備では、新京橋連結路の整備事業に着手いたします。
連続立体交差事業につきましては、京浜急行本線の泉岳寺駅から新馬場駅間や西武新宿線の東村山駅付近などのさらなる事業推進を図ってまいります。
多摩都市モノレールの整備では、多摩地域のアクセス利便性、活力や魅力の向上を図るため、上北台から箱根ケ崎間の延伸の事業化に向けまして、インフラ部の整備に係る調査及び設計等を進めてまいります。
橋梁の整備では、等々力大橋や関戸橋などの新設、架け替えを進めてまいります。
また、予防保全型管理による長寿命化対策を推進するほか、定期健全度調査結果などに基づきます橋梁の補修、補強を推進いたします。
道路補修につきましては、遮熱性舗装や保水性舗装を路面補修工事に併せて実施いたします。
道路災害防除につきましては、緊急度の高い斜面から順次、のり枠や落石防止柵等の対策を進めてまいります。加えまして、河川増水時に道路の流出を防ぐ擁壁の強化等、山岳道路の防災力向上に向けた取組を実施いたします。
無電柱化事業では、東京都無電柱化計画に基づきまして、都道におきましては、震災対策上重要な位置づけにある第一次緊急輸送道路や利用者の多い主要駅周辺等を中心に整備を推進いたします。区市町村道におきましては、無電柱化チャレンジ支援事業制度について、事業の認定期限を令和九年度末まで四か年延長して補助を行うなど、財政的、技術的支援により整備を推進いたします。
また、島しょ地域におきましては、東京都島しょ地域無電柱化整備計画によりまして、緊急整備区間や優先整備区間の無電柱化を着実に推進いたします。さらに、利島・御蔵島無電柱化整備計画に基づきまして、電柱のない島を目指して、先行する二島におきまして、今年度から工事に着手し、引き続き整備を推進してまいります。
自転車通行空間の整備では、東京都自転車通行空間整備推進計画に基づきまして、車道の活用を基本とした自転車レーンなど、地域の道路事情に応じた整備形態によりまして、誰もが安全で安心して移動できる自転車通行空間の整備を推進してまいります。
三ページをご覧ください。道路のバリアフリー化では、主要な駅と公共施設、福祉施設などを結ぶ都道におきまして、段差の解消や視覚障害者誘導用ブロックの設置などを実施いたします。また、特定道路に指定された区市町村道につきまして、区市町村への財政支援を実施するなど、国や区市町村と連携した面的なバリアフリー化を進めてまいります。
多摩地域を重点とした歩道の整備を進めますとともに、交差点すいすいプランや、みちづくり・まちづくりパートナー事業を実施してまいります。
次に、河川事業でございます。
激甚化、頻発化する豪雨から都民の生命と暮らしを守るため、神田川や空堀川など二十八河川におきまして、護岸の改修を着実に進めますとともに、工事中の環状七号線地下広域調節池や、石神井川上流地下調節池などに加え、城北中央公園調節池(二期)や、境川中流第三調節池において工事に着手するなど、十四施設の整備等を推進いたします。さらに、神田川等十河川で新たな調節池の事業化に向けた検討を進めてまいります。
また、令和五年十二月に策定いたしました気候変動を踏まえた河川施設のあり方に基づき、気候変動の影響による降雨量の増加等を踏まえた効率的、効果的な河川施設整備に向けた取組を推進してまいります。
多摩地域の河川におきましては、狭隘箇所や蛇行区間の局所改良によりまして、護岸の強化等の対策を実施してまいります。また、都民の迅速な避難行動につながるソフト対策といたしまして、監視カメラの増設等を進めてまいります。
東部低地帯におきましては、東部低地帯の河川施設整備計画(第二期)に基づきまして、令和六年度は中川など二十二河川、花畑水門など十施設で耐震対策工事等を進めてまいります。
さらに、首都直下地震の発生リスクが迫る中、発災時の迅速な航路確保や水上輸送に活用するため、新たに防災船の建造に着手いたします。
また、隅田川を中心に照明施設などを整備いたしまして、歩行者の利便性や回遊性の向上による水辺空間のにぎわい創出と魅力の向上を図ってまいります。
土砂災害から都民の生命と財産を守るため、砂防堰堤などの着実な実施に加え、ソフト対策を推進してまいります。
次に、四ページに移りまして、公園事業でございます。
現在、改定を進めておりますパークマネジメントマスタープランや、令和五年七月に始動いたしました東京グリーンビズに基づき取組を進めてまいります。
令和六年度は、林試の森公園などで用地取得を進め、東伏見公園などで造成を行いますとともに、浜離宮恩賜庭園など九庭園におきましては、保存、復元事業等を進めてまいります。
ユニバーサルデザインに配慮した遊具を配置した広場の整備につきましては、都立公園において、汐入公園などで整備を進めますとともに、区市町村に対する補助を引き続き実施いたしまして、整備を促進してまいります。
また、震災時の救出救助活動拠点や避難場所となる都立公園の防災機能強化といたしまして、夜間照明の充実や非常用発電機の整備を実施してまいります。
あわせまして、都立公園の魅力や価値を向上させるため、大花壇やLEDイルミネーションによる四季を通じた花と光の演出等を実施いたします。
動物園では、希少動物の保護繁殖を図りますとともに、来園者サービスを向上させるため、令和六年度は、恩賜上野動物園において輸送施設解体工事を、多摩動物公園ではトキ展示ゾーンの整備を進めてまいります。
また、葛西臨海水族園では、PFI手法により再整備事業を進めてまいります。
霊園葬儀所では、青山霊園などにおきまして再生事業を進めてまいります。また、青山葬儀所や瑞江葬儀所の建て替えを進めてまいります。
次に、(4)、その他事業といたしまして、多摩・島しょ地域のまちづくりを推進するため、市町村が施行いたします道路整備や公園整備などの土木事業に対する補助を実施いたします。
なお、市町村道の維持補修の重要性を踏まえまして、舗装等の補修に要する経費に対する補助率の引上げをいたします。
また、公共事業の施行に伴い移転を余儀なくされる関係権利者の方々に対して、生活再建資金の貸付けや代替地のあっせんなどを行ってまいります。
五ページに移りまして、特に、特定整備路線の整備に当たりましては、民間事業者のノウハウを活用した相談窓口や優遇金利による移転資金貸付に加えまして、新たに訪問型の生活再建支援や公的住宅等を活用した移転先の確保を行うなど、関係権利者のニーズに応じて生活再建をきめ細かく支援してまいります。
以上が令和六年度主要事業の概要でございます。
次に、令和五年度補正予算案の概要につきましてご説明申し上げます。
令和五年度予算の執行状況の精査の結果、土木費合計で九百八十六億円の減額補正を行います。
続きまして、条例案でございますが、東京都道路占用料等徴収条例の一部を改正する条例など四件でございます。
続きまして、六ページにかけまして、契約案でございますが、平久川護岸耐震補強工事(その六)及び仙台堀川護岸耐震補強工事(その九)など二件でございます。
その下、事件案でございますが、令和六年度の連続立体交差事業の実施に伴う費用の関係特別区・市の負担についてなど三件でございます。
以上が令和六年度主要事業及び提出予定案件の概要でございます。
詳細につきましては、総務部長からご説明申し上げます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○荒井総務部長 第一回定例会提出予定案件の内容につきましてご説明申し上げます。
最初に、令和六年度当初予算案でございます。
お手元の資料2、令和六年度当初予算説明書をご覧ください。
一ページをお開き願います。令和六年度建設局予算総括表でございます。
1、歳入歳出予算の一段目の一般会計、土木費の欄をご覧ください。六年度予算額は六千三百六十五億五千八百万円で、前年度と比較いたしますと二・四%の増となっております。
下段の左側の表、2、繰越明許費は、一般会計、土木費の欄にございますように、二十四事業、六百八十八億六千七百万円となっております。
下段の右側の表、3、債務負担行為につきましては、六十九件、三千五百四十六億七百万円となっております。
二ページをお開きください。一般会計(土木費)予算総括表でございます。
億円未満を四捨五入いたしまして、上段、歳出予算六千三百六十六億円に対する特定財源は、下段の表、歳入の一行目にございますように四千二百六十五億円で、前年度と比較いたしますと一・三%の増となっております。これは主に繰入金の増によるものでございます。
三ページをお開き願います。これからは歳出の予算の内容につきまして、事項ごとに説明いたします。
1の道路の整備の予算額は二百五十七億円でございます。
右側の概要欄の中ほど、事業内容をご覧ください。
1、都市の骨格を形成する幹線道路の整備や、2、地域幹線道路の整備を進めてまいります。3、東京外かく環状道路の整備推進では、国から受託している用地取得に係る事務経費などを計上しております。さらに、多摩・島しょ地域に係る事業といたしまして、4、山間・島しょ地域の振興を図る道路の整備や、6、第三次みちづくり・まちづくりパートナー事業等を進めてまいります。
四ページをお開き願います。2の街路の整備の予算額は千九百九十二億円でございます。
概要欄の事業内容をご覧ください。
1、都市の骨格を形成する幹線道路の整備では、放射第二五号線や国分寺三・二・八号線などを、2、地域幹線道路の整備では、補助第九六号線や調布三・四・二号線などを整備いたします。4、都市高速道路の整備では、都心環状線と八重洲線とを接続する新京橋連結路の整備事業に着手いたします。5、鉄道の連続立体交差事業の推進では、京浜急行本線など六路線八か所で事業を進めてまいります。6、多摩都市モノレールの整備では、上北台から箱根ケ崎間の延伸の事業化に向けて、インフラ部の整備に係る調査及び設計等を進めてまいります。
また、下段に再掲で記載しております木密地域における特定整備路線は、放射第二号線など十八路線、二十九か所で整備を推進いたします。
続きまして、五ページをお開き願います。3、橋梁の整備の予算額は三百五億円でございます。
概要欄の事業内容をご覧ください。
1、橋梁の整備は、橋梁の新設、架け替えを進めるもので、2、橋梁の長寿命化は、予防保全型管理を実施することにより、橋梁の耐用年数を延ばすものでございます。3、橋梁補修は、定期健全度調査等に基づき、橋梁を計画的に補修してまいります。
六ページをご覧ください。4の道路の保全の予算額は四百三十八億円でございます。
概要欄の事業内容をご覧ください。
1、路面補修では、遮熱性舗装など沿道環境に配慮した路面補修を実施してまいります。3、道路施設整備では、トンネルの予防保全型管理を推進するほか、道路照明のLED化を進めてまいります。4、道路緑化の推進では、植樹帯の再整備や街路樹診断等を実施してまいります。5、異常な天然現象に対する防災機能の強化では、令和元年東日本台風など、これまでの災害の教訓を踏まえ、山岳道路におきまして優先路線を選定し、集中的に防災機能の強化を図ってまいります。6、既設斜面の対策施設の経年劣化対策では、対象施設をこれまでのグラウンドアンカーに加え、のり枠やモルタル吹きつけ等、その他の施設にも拡大して実施してまいります。
七ページをお開きください。5の交通安全の予算額は四百五十五億円でございます。
概要欄の事業内容をご覧ください。
1、歩道整備では、吉祥寺通りなどの歩道の整備や要町通りなど都道のバリアフリー化を進めてまいります。また、特定道路に指定された区市町村道に対する補助を実施してまいります。2、交差点改良では、第三次交差点すいすいプランなどを進めてまいります。3、無電柱化の推進では、都道における無電柱化を推進するとともに、区市町村への無電柱化補助を引き続き実施し、面的な無電柱化をさらに推進してまいります。島しょ地域におきましては、緊急整備区間や優先整備区間の無電柱化を着実に推進するとともに、電柱のない島を目指すため、先行整備する利島、御蔵島の二島の整備を推進してまいります。4、自転車通行空間の整備では、東八道路などで地域の道路事情に応じた整備を進めてまいります。5、道路附属物整備等では、東京ストリートヒューマン1st事業を実施し、まち並みと調和した歩道の景観を整備してまいります。
八ページをお開きください。6の河川の改修の予算額は六百二十億円でございます。
概要欄の事業内容をご覧ください。
1、中小河川の整備のうち、(1)、護岸の整備では、神田川や空堀川など二十八河川で護岸の整備を実施いたします。(2)、調節池等の整備では、激甚化、頻発化する豪雨に対処する石神井川上流地下調節池や、境川金森調節池など十四施設の整備等を推進してまいります。また、2、河川防災の(3)、多摩河川の治水能力の強化では、多摩地域の河川におきまして、護岸の強化等の対策を実施してまいります。
九ページをお開きください。7の高潮防御施設の整備の予算額は三百五十八億円でございます。
概要欄の事業内容をご覧ください。
1、高潮防御施設の整備では、毛長川などで防潮堤の整備を、また、2、江東内部河川の整備では、横十間川などで護岸の整備を実施してまいります。3、東部低地帯における耐震・耐水対策の推進では、中川などの堤防や花畑水門などの施設でさらなる対策の強化を進めてまいります。6、水辺の魅力を生かした東京の顔づくりでは、隅田川を中心に人々が集い、にぎわいが生まれる水辺空間の創出に向けた取組として、照明施設の整備などを実施してまいります。
一〇ページをお開きください。8の砂防海岸の整備の予算額は百一億円でございます。
概要欄の事業内容をご覧ください。
主に多摩・島しょ地域において、砂防や地滑り防止、海岸保全、急傾斜地崩壊対策などを進めてまいります。
一一ページをお開きください。9の都市公園の整備の予算額は五百十億円でございます。
概要欄の事業内容をご覧ください。
1、都立公園の整備のうち、(1)、個性豊かな都立公園の整備では、林試の森公園や六仙公園などで、開園につながる用地取得や公園造成を進めてまいります。また、だれもが遊べる児童遊具広場整備につきましては、都立公園での整備を進めますとともに、(3)の広場整備補助によりまして、区市町村に対する補助を引き続き実施し、整備を促進してまいります。(4)、世界をおもてなしする庭園の再生では、浜離宮恩賜庭園などで保存、復元事業等を進めてまいります。2、都立公園の防災機能の強化充実では、防災公園の整備として、猿江恩賜公園などにおいて夜間照明の充実や非常用発電機の整備などを実施してまいります。
一二ページをお開きください。上段の10、動物園の整備の予算額は三十三億円でございます。
概要欄の事業内容をご覧ください。
1、恩賜上野動物園では、輸送施設解体工事などを、2、多摩動物公園では、トキ展示ゾーンの整備などを行い、3、葛西臨海水族園では、PFI手法により再整備事業を進めてまいります。
下段の11、霊園葬儀所の整備の予算額は六十三億円でございます。
概要欄の事業内容をご覧ください。
2、区部霊園の再生では、青山霊園などにおいて霊園の再生事業を進めてまいります。3、既設霊園・葬儀所の整備では、青山葬儀所や瑞江葬儀所の建て替えを進めてまいります。
続いて、一三ページをお開きください。上段の12、生活再建対策の予算額は十一億円で、生活再建資金の貸付けや代替地の購入を行ってまいります。特に、木密地域における特定整備路線の整備に当たりましては、生活再建に向けたきめ細かな支援策を実施してまいります。
下段の13、市町村土木補助の予算額は五十六億円で、市町村が施行する道路整備、公園整備などの土木事業に対して補助を行ってまいります。
なお、舗装等の補修に要する経費については、補助率の引上げを行ってまいります。
一四ページをお開きください。14のその他投資的経費ですが、予算額は三百六億円で、主なものは、道路、河川の国直轄事業負担金でございます。
一五ページをお開きください。15の都市基盤施設の良好な維持管理ですが、予算額は六百三十六億円でございます。
概要欄の最上段をご覧ください。道路、河川、公園などの都市基盤施設を良好な状態に保つ維持、修繕等に加え、安全性や景観の向上などに重点を置いた管理を実施してまいります。
一六ページをお開きください。職員の給料、諸手当などの経常経費を記載してございます。
次に、用地会計につきましてご説明いたします。
一七ページをお開きください。事業用地先行取得でございます。
この経費は、財務局から当局が執行委任を受け、道路、河川、公園事業において用地を取得するものでございます。予算額は五十七億円でございます。
一八ページをお開き願います。繰越明許費の詳細でございます。
事業の性質上、年度内に支出が終わらないおそれのあるものにつきまして、翌年度に継続して実施するため、あらかじめ繰越明許費を計上しております。
対象は、一般会計、土木費で二十四事業、用地会計が三事業、予算額は合わせまして六百九十一億円でございます。
続きまして、債務負担行為につきましてご説明いたします。
お手元の資料3、厚い冊子でございます。令和六年度当初予算債務負担行為をご覧ください。
一ページをお開きください。債務負担行為は、工期が複数年にまたがり、分割契約が困難な工事などにつきまして、令和七年度以降の工事費等を、限度額を定め債務を予定するものでございます。
一ページから一二ページには、事項ごとに期間、限度額、対象事業、理由を記載してございます。
なお、一三ページから工事等の内訳を、七二ページ以降に議会の議決を要する九億円以上の工事についての図面を載せてございます。
以上で令和六年度当初予算案の説明を終わらせていただきます。
続きまして、令和五年度補正予算案につきまして説明申し上げます。
資料4、令和五年度補正予算説明書をご覧ください。
一ページをお開きください。令和五年度建設局予算総括表でございます。
1、歳入歳出予算の表の一段目、一般会計、土木費の欄をご覧ください。
今回の補正額は九百八十六億四千五百万円の減額で、既定予算と合わせた補正後予算額は五千二百三十二億五千七百万円となります。
二ページをお開きください。一般会計(土木費)予算総括表でございます。
下段の表をご覧ください。今回の支出補正予算に対する特定財源でございますが、歳出予算の補正に伴い、繰入金や都債などの財源更正を行うものでございます。
三ページをお開きください。このページから一二ページまで、補正予算を計上する各事項につきまして、補正予算の科目、金額、経費内訳などを記載してございます。
以上で令和五年度補正予算案の説明を終わらせていただきます。
次に、資料5をご覧ください。条例案につきましてご説明申し上げます。
表紙をおめくりいただきますと、今回提出を予定している条例案四件の件名が目次に記載してございます。
一ページをご覧ください。条例案四件の概要をまとめたものでございます。条例案につきましては、本概要にてご説明申し上げます。
整理番号1の東京都道路占用料等徴収条例の一部を改正する条例でございます。
改正案の内容でございますが、道路占用料の額を改定するものでございます。
整理番号2の東京都河川流水占用料等徴収条例の一部を改正する条例でございます。
改正案の内容でございますが、土地占用料及び工業用その他の流水占用料等の額を改定するものでございます。
整理番号3の東京都立公園条例の一部を改正する条例でございます。
改正の内容でございますが、府中の森公園のサッカー場の観客席の使用料を新設するものでございます。
整理番号4の東京都霊園条例の一部を改正する条例でございます。
改正案の内容でございますが、一点目は、埋蔵施設等の使用料の上限額を改定するもの、二点目は、埋蔵施設等の管理料の上限額を改定するもの、三点目は、土地の使用料の上限額を改定するもの、四点目は、使用許可証の手数料の額を改定するものでございます。
二ページ以降に議案及び新旧対照表を添付してございますので、後ほどご覧いただきたいと思います。
次に、資料6、契約案につきましてご説明申し上げます。
表紙をおめくりいただきまして、今回提出を予定している契約案二件の件名は、目次に記載のとおりでございます。
一ページをお開きください。平久川護岸耐震補強工事(その六)及び仙台堀川護岸耐震補強工事(その九)でございます。
本工事は、東部低地帯の河川施設整備計画に基づいて、当該河川の耐震補強工事を行うものでございます。
工事場所は江東区冬木地内から同区木場二丁目地内まで、契約の相手方は新日本工業株式会社、契約金額は十八億一千六十万円、工期は令和八年二月二十七日までとする工事請負契約を一般競争入札により締結しようとするものでございます。
二ページをご覧ください。本件工事の案内図と平面図がございます。案内図の丸で囲んでおりますのが工事場所でございます。
構造物の形状は、平面図及び三ページの標準断面図のとおりでございます。
四ページをご覧ください。呑川新橋下部工事(五 二−放十七呑川)でございます。
本工事は、都市計画道路放射第一七号線の整備に伴う呑川新橋の架け替えのための橋台を設置する工事でございます。
工事場所は大田区大森南一丁目地内から同区東糀谷一丁目地内まで、契約の相手方は松井建設株式会社、契約金額は十一億九千九百万円、工期は令和九年一月十三日までとする工事請負契約を一般競争入札により締結しようとするものでございます。
五ページをご覧ください。本件工事の案内図でございます。丸で囲んでおりますのが工事場所でございます。
六ページをご覧ください。構造物の形状は、平面図及び標準断面図のとおりでございます。
次に、資料の7をご覧ください。事件案につきましてご説明申し上げます。
表紙をおめくり願います。今回提出を予定している事件案三件の件名は、目次に記載のとおりでございます。
一ページをお開きください。整理番号1の令和六年度の連続立体交差事業の実施に伴う費用の関係特別区・市の負担についてでございます。
1の提案理由でございますが、本議案は、東京都が施行する連続立体交差事業の実施に伴う令和六年度の費用につきまして、関係特別区、市の負担限度額を定めるに当たり、地方財政法第二十七条第一項及び同条二項に基づき提出するものでございます。
2の関係特別区・市の負担限度額をご覧ください。連続立体交差事業の実施に伴う費用の関係特別区、市の負担につきましては、各鉄道の路線と箇所別に、港区など十区二市の負担限度額を定めるものでございます。
二ページをご覧ください。整理番号2の令和五年度の連続立体交差事業の実施に伴う費用の関係特別区・市の負担の変更についてでございます。
1の提案理由でございますが、本議案は、東京都が施行する連続立体交差事業の実施に伴う令和五年度の費用につきまして、関係特別区、市の負担限度額を改めるに当たり、地方財政法第二十七条第一項及び同条第二項に基づき提出するものでございます。
2の関係特別区・市の負担限度額をご覧ください。連続立体交差事業の実施に伴う費用について、事業の進捗に伴い、世田谷区など四区一市の負担限度額を改めるものでございます。
続きまして、三ページをご覧ください。整理番号3の首都高速道路株式会社が行う高速道路事業の変更に対する同意についてでございます。
1の提案理由についてでございますが、道路整備特別措置法第三条第六項の規定に基づき、首都高速道路株式会社が国土交通大臣に対し、高速道路事業に係る変更の許可申請を行うに当たり、同条第七項において準用する同条第三項により、同社から同意を求められました。つきましては、同条第七項において準用する同条第四項の規定に基づきまして、都議会の同意を得るためにお諮りするものでございます。
2、変更同意申請の主な内容についてでございますが、一点目は、平成二十六年以降の定期点検等により、新たに必要性が判明した更新事業の財源を確保するため、令和四十七年九月三十日までの料金徴収期間を令和五十六年三月二十日まで延長いたします。
二点目は、首都高速道路日本橋区間の地下化に伴い必要となる大型車の環状交通機能を確保するため、都心環状線と八重洲線を地下で結ぶ連結路を新たに整備するものでございます。
四ページ以降に議案を添付してございますので、後ほどご覧いただければと存じます。
以上で令和六年第一回定例会提出予定案件の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○曽根委員長 説明は終わりました。
この際、資料要求のある方は発言を願います。
○アオヤギ委員 まず一点目、建設局の事業別予算額、予算、決算の推移、過去十年分お願いいたします。
二点目、一般会計予算、道路橋梁費における事業別財源内訳をお願いいたします。
三点目、直轄事業負担金の推移、過去十年分。また、外かく環状道路関連については再掲でお願いいたします。
四点目、建設局に関わる中小企業への工事発注実績、過去十年分お願いします。
五点目、建設局発注工事における事業別入札不調件数及び発生率。
六点目、骨格幹線、地域幹線及び特定整備路線の区間名、箇所づけを付して、それぞれ総延長、進捗率、予算をお願いいたします。
七点目、都市計画道路の整備方針における未着手路線、建設局施行部分をお願いいたします。
八点目、骨格幹線、地域幹線道路の事業化前の調査費計上路線、過去三年分をお願いいたします。
九点目、特定整備路線の境界立会い率及び用地取得率の進捗状況をお願いいたします。
十点目、砂防施設、地滑り防止施設、急傾斜地崩壊対策の整備箇所の一覧をお願いいたします。
以上です。
○曽根委員長 ただいまアオヤギ委員から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○曽根委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出願います。
○曽根委員長 次に、理事者から報告の申出がありますので、これを聴取いたします。
○根来公園計画担当部長 パークマネジメントマスタープランの改定につきましてご報告申し上げます。
お手元に配布しております資料8、表紙をおめくりいただきまして、A4横の概要版に沿ってご説明申し上げます。
パークマネジメントマスタープランは、今後十年間に東京が目指す公園づくりの方向性を示しますとともに、都民や企業等の多様な主体と連携し、利用者の視点に立った取組を進めるための都立公園全体の整備、管理運営の指針となるものでございます。
今回の改定は、東京グリーンビズなども踏まえ、令和六年度から十五年度までの十年間を計画期間として取りまとめました。
概要版の二ページをご覧ください。4、二〇四〇年代の都立公園の目指す姿でございます。目指す姿として三つ掲げました。
第一に、豊かな緑を育み、次世代へとつなぐ公園でございます。
東京の緑の骨格となって、都市の環境と安全・安心を確保しながら、緑と調和した美しい環境先進都市の実現に寄与してまいります。
第二に、東京の活力と魅力を高め、まちづくりの核となる公園でございます。
公園の魅力を生み出し、まちのにぎわいを創出するとともに、文化芸術の創造発信などにより、東京の魅力に磨きをかけ、都市のプレゼンスを向上してまいります。
第三に、都民一人一人のウエルビーイングに貢献する公園でございます。
誰もが心地よく過ごせる利用したくなる空間となり、交流を育み、生き生きとした日常生活の実現に寄与してまいります。
次に、5、目指す姿の実現に向けたマネジメントでございます。
まもる、ふやす、かえるという三つの視点からマネジメントを推進してまいります。
マネジメントⅠ、まもるは、東京の緑を守るとともに、都市の環境や安全、歴史と文化を守るでございます。
マネジメントⅡ、ふやすは、東京の緑を増やすとともに、まちの魅力と都民の幸福感を増やすでございます。
マネジメントⅢ、かえるは、多様なニーズに応え、多くの人に必要とされる場所に変えるでございます。
三ページをご覧ください。マネジメントごとに施策を定め、その取組と展開の方向性を示しております。
まず、マネジメントⅠ、まもるでは、四つの施策に取り組んでまいります。
施策1は、緑と環境をまもるでございます。
公園整備による緑の保全や生物多様性の保全、回復、脱炭素に向けた取組強化を進めてまいります。
施策2、安らぎをまもるでございます。
施策の整備、維持管理水準の向上や植栽の計画的な管理、安心して利用できる環境づくりに取り組んでまいります。
施策3、命と暮らしをまもるでございます。
地震防災機能の強化や風水害に対応する機能の拡充、災害時対応の円滑化や訓練の充実に取り組んでまいります。
施策4、歴史と文化をまもるでございます。
文化財庭園の保存、復元と管理の充実や歴史や文化を伝える公園整備、歴史と文化の継承、活用に取り組んでまいります。
四ページをご覧ください。マネジメントⅡ、ふやすでございます。同じく四つの施策に取り組んでまいります。
施策5、公園をふやすでございます。
公園の拡張整備や多様な主体と連携した整備、計画的、効果的な事業に取り組んでまいります。
施策6、にぎわいをふやすでございます。
特色あるイベント等の充実や観光資源としての魅力向上、情報発信などの強化に取り組んでまいります。
施策7、笑顔をふやすでございます。
多様な過ごし方ができる空間づくりや健康増進に向けた環境整備、人と動物との快適な利用を進めてまいります。
施策8、つながりをふやすでございます。
インクルーシブな公園の創出や交流の促進、地域コミュニティ等の活性化に取り組んでまいります。
五ページをご覧ください。次に、マネジメントⅢ、かえるでございます。三つの施策に取り組んでまいります。
施策9、施設や空間をかえるでございます。
公園の魅力を高め、東京の顔にするとともに、誰もが使いやすく楽しめる公園づくり、多様なニーズに対応するサービス施設の充実に取り組んでまいります。
施策10、楽しみ方をかえるでございます。
サードプレースとなる環境づくりや夜間の公園利用の促進、新たな価値の創出、体験に取り組んでまいります。
施策11、仕組みをかえるでございます。
都民と進める公園づくりや公園運営を支える多彩な手法の展開、都市公園ブランドの確立に取り組んでまいります。
次に、横断的な施策でございます。今申し上げました十一の施策の実効性を高め、整備や管理の効率化や利便性の向上を図るため、戦略的広報、様々な主体との協働、リサーチ、マーケティング、デジタルトランスフォーメーションに取り組んでまいります。
6、パークマネジメントの推進に向けてでございます。
本マスタープランで示した目標の実現に向けて、各公園の取組方針となる公園別マネジメントプランを策定いたしますとともに、PDCAサイクルによる進行管理を行ってまいります。
最後に、今後の予定でございますが、本マスタープランは現在、パブリックコメントを実施しており、今年度末に策定、公表する予定でございます。
説明は以上となります。どうぞよろしくお願い申し上げます。
○曽根委員長 報告は終わりました。
この際、資料要求のある方は発言を願います。−−なければ、資料要求はなしと確認させていただきます。
○曽根委員長 次に、請願陳情の審査を行います。
初めに、請願五第一九号及び陳情五第八四号については、内容に関連がありますので、一括して議題といたします。
理事者の説明を求めます。
○根来公園計画担当部長 お手元配布の資料9、請願・陳情審査説明表の一ページにございます整理番号1、請願五第一九号をご覧いただきたいと存じます。
本件は、葛西臨海水族園(仮称)整備等事業に関する請願で、渋谷区の葛西臨海水族園の長寿命化を考える会代表横河健さん外三百七十人から提出されたものでございます。
本請願の要旨は、都において、「未来の東京」戦略における推進プロジェクトにうたわれているサステーナブルリカバリー、緑あふれる東京プロジェクト及び東京クリーンビズに基づき、都民をはじめ多くの人々の願いをかなえるため、葛西臨海水族園(仮称)整備等事業について、次の二点を実現していただきたいというものでございます。
一点目は、計画を進めるに当たり、次のとおり事業者を指導すること。必要であれば、事業契約書にのっとり、計画の補正を命ずることで、(1)から(5)までございます。
一つ目は、要求水準書及び東京における自然の保護と回復に関する条例にのっとり、損なわれる自然を最小限にとどめるため、葛西臨海水族園北側の約千四百本の既存樹木について、伐採や移植が最小限となる計画とすること。
二つ目は、自然の保護と回復に自ら努め、現在の水族園の敷地全体の樹木や土壌などを含む既存の景観と自然環境を最大限守ること。
三つ目は、既存の淡水生物館について、CO2削減のため、解体撤去することなく利活用するとともに、流れ周辺の敷地北側の樹林を既存施設及び展示造形とともに利活用するよう計画を見直すこと。
四つ目は、既存本館とその周辺及び葛西臨海公園全体と調和するよう計画を見直すこと。
五つ目は、新施設は、樹木の伐採を最小限とするため、芝生広場を中心に建設するという都の方針にのっとり、新施設の建設範囲を北側の約千四百本の樹林の南側で、芝生広場の範囲から極力逸脱しない領域とし、水族園全体の景観と調和するよう全体配置計画を見直すことでございます。
裏面の二ページをご覧ください。二点目は、計画について、都民の理解と賛同が得られるよう、事業契約書第十条にのっとり、事業者が所定の期限内に都に提出し承認された施設整備業務に係る計画書等を都民に公表すること。
特に設計や工事に関わる基本計画、基本設計、実施設計の計画概要、配置図、全体パース、それぞれの工期、既存樹木の伐採、移植の開始時期、既存の淡水生物館が解体撤去されるのであれば、その着工時期などが記載された全体工程表、既存樹木の伐採、移植計画などを遅滞なく公表することでございます。
現在の状況でございますが、新施設は、既存施設の老朽化等に対応するため、新たに整備するものであり、自然との共存をコンセプトに、既存施設と連携しながら建設することとしております。
新施設の整備におきましては、芝生広場を中心に建設し、既存樹木への影響を極力減らすとともに、周辺環境との調和にも配慮することとしております。
計画敷地内の樹木のうち、支障となる樹木につきましては、可能な限り伐採ではなく移植するよう、現在、新施設の設計を進めております。
淡水生物館につきましては、新施設の本館内において淡水生物に関する展示を行うこととしており、現在の施設を保全する予定はありません。
事業の主な内容につきましては、事業の進捗に合わせ適切に公表することとしており、建物配置図、全体パース等、基本設計の概要は、既に都のホームページ上で公表しております。
次に、三ページにございます整理番号2、陳情五第八四号をご覧いただきたいと存じます。
本件は、葛西臨海公園の樹林の保全に関する陳情で、江戸川区の江戸川大気汚染をなくす会会長宮澤圀寛さんから提出されたものでございます。
本陳情の要旨は、都において、葛西臨海公園の緑豊かな樹林を伐採せず、保全していただきたいというものでございます。
現在の状況でございますが、葛西臨海水族園の新施設は、既存施設の老朽化等に対応するため新たに整備するものであり、自然との共存をコンセプトに、既存施設と連携しながら建設することとしております。
新施設の整備におきましては、芝生広場を中心に建設し、既存樹木への影響を極力減らすとともに、周辺環境との調和にも配慮することとしております。
計画敷地内の樹木のうち、支障となる樹木につきましては、限りなく伐採ではなく移植するよう、現在、新施設の設計を進めております。
説明は以上でございます。よろしくご審査のほどお願い申し上げます。
○曽根委員長 説明は終わりました。
本件について発言を願います。
○原委員 よろしくお願いします。葛西臨海水族園整備等事業についてです。
請願一本と陳情一本が出されております。葛西臨海水族園の長寿命化を考える会は、全体の景観保持や樹木伐採を最小限に抑えるなど、自然環境を守ること、計画の都民への公表などを求めており、署名が三百七十筆出されております。
一方、江戸川大気汚染をなくす会も、樹林の伐採をしないでほしいと、先日も地元の多様な市民団体が合同で建設局への要請に来られております。
多くの都民、利用者が不安に感じています。資料配布をさせていただきました。そういうみんなが不安になっている中ですが、先週、二月八日、新施設の基本設計が公表されました。このホームページから取れるファクトシート、それから、よくある質問、この中に入っていましたので、コピーをさせて、一部配布をさせていただきました。
事業者が決まり、契約したのが二〇二二年の十二月です。事業者プランはイメージ図など、ほんの一部しか公表されず、昨年三月に行われたはずの樹木調査は非公表。この一年間以上、都は資料一つ出さず、説明会はありませんでした。
PFIは秘密主義とのがっかり感があります。今までなぜ動きが見えなかったのでしょうか。この間何をしてきたのか、進捗状況を具体的に説明してください。
○根来公園計画担当部長 本事業は、民間の自由な発想や最新技術等の活用、また工期の短縮やコスト縮減が期待できるという観点から、PFI方式を活用しております。
これまで、令和四年十二月の事業者との事業契約締結後、関係官庁との協議ですとか各種調査を進めながら、令和五年十一月まで基本設計を実施し、現在、実施設計を行っております。
この間、都のホームページ上のファクトシートや、よくある質問の公表により、分かりやすく正確な情報の発信を行いますとともに、現在の水族園においても、整備後の新しい展示のイメージをパネルで示すなど、周知に取り組んでまいりました。
○原委員 事業者のプレゼン資料の情報開示もほぼ黒塗りの状態で出されてきていました。都は、広報ニュース一つ出さず、住民説明会もせず、今日まで来ました。当然ですが、このファクトシートなども、ホームページを自ら開かなければこの情報を得ることはできません。
先週、局の方が基本設計を説明に来られましたけれども、基本設計そのものの詳細や概要を広報するわけではなく、これまでの、このよくある質問、ファクトシートの中に埋め込んで更新をするという、わざわざ分かりにくい形で載せるのはなぜなんでしょうか。自信のある基本設計なら、もっと独立した情報としてきちんと発信をする必要があると思います。そうした情報として検索しやすい形でアップしていただきたいと思います。
基本設計の公表を受けて、都民の意見、また専門家の意見をどのように聞き、反映させるのかをお示しください。
○根来公園計画担当部長 先週更新いたしましたよくある質問に示しておりますとおり、新しい水族園は、展示する魚の一部を子供たちが決めるプロジェクトを立ち上げるなど、都民の意見を聞きながら、誰もが楽しめる水族園をつくることとしております。
また、事業全般について専門家の助言を得ながらモニタリングを行っておりまして、引き続き実施してまいります。
○原委員 どのように都民の意見を聞くかということなんですけれども、今、誰もが楽しめる水族館をつくるとおっしゃったんですけれども、どのような形で周知と意見を聞く機会を持つのかということ、具体的にあれば教えてください。
○根来公園計画担当部長 先ほどもご答弁申し上げましたように、例えば現在の水族園においても、整備後の新しい展示のイメージなどのパネルをお示しするですとか、そうした周知を図ることを進めてございますし、先ほど申し上げたプロジェクト等もこれから進めてまいりたいと思います。
詳細についてはこれから検討してまいりますので、決まり次第、またお知らせをしていく形になろうと思います。よろしくお願いいたします。
○原委員 まずは周知ありきだと思うんですね。もう本当に知らない。利用者に聞いても知らないという声が多いです。地元住民もそうです。ぜひともニュースを出してほしいと思います。
設計の配置図を配りましたけれども、これ、見ますと、淡水生物館を取り巻く樹林帯、これまで東京都が千四百本樹木があると説明してきたこの一帯の樹林が消失しています。私たちの予想どおりという感じです。
整備事業による樹木の伐採は何本で、移植は何本、保存は何本の計画かをお示しください。
○根来公園計画担当部長 新施設は、周辺環境と一体となり、自然との共存をコンセプトに整備し、支障となる樹木についても、樹木診断を実施の上、共生の杜などの公園の植栽として活用することとしております。
新施設の計画敷地内の植栽した樹木約千七百本のうち、倒木や枝折れの危険がある樹木や、健全度や生育状況に問題があり、移植しても枯れる可能性が高い樹木などが約四百本、また、生態系を脅かす可能性がある外来種が約二百本確認されました。こうした樹木を除きますと、活用する樹木は約千百本となり、そのうち約三百本が保存、約八百本が移植の対象となります。
○原委員 今の説明ですと、伐採が四百本、倒木の危険がある樹木や移植しても枯れる可能性が高い樹木が四百本、それから外来種が約二百本、これが伐採対象ということで、計六百本が伐採となると。そして、移植が八百本、保存が三百本という説明でした。
倒木の危険がある樹木と、移植しても枯れる可能性が高い樹木、分けるのちょっと難しいかもしれませんが、合わせて四百本ということですが、おのおのの大まかな本数もお示しいただけますか。
○根来公園計画担当部長 倒木や枝折れの危険がある樹木は約百本、健全度や生育状況に問題があり、移植しても枯れる可能性が高い樹木等は約三百本でございます。
○原委員 倒木の危険が百本と、移植に耐えられない、そういう移植する場合に枯れる可能性が高いというのが三百本ということでした。
移植しても枯れる木というのは、そこに残置できないから伐採される運命になるわけです。計画敷地には、今まで千九百本と大まかに説明してこられましたが、きちんと調査したところ、全体で千七百本ということです。そして、そのうち伐採となるのが、今の説明ですと六百本、移植が八百本で、計画図から見ても、結局新施設の建設、それによって支障が出て、移植や伐採がされるというその木を数えると千四百本になるわけです。
千四百本の樹木を伐採するなどの情報がSNSを中心に流れていますが、事実ではありませんと、わざわざこのよくある質問のところに一個起こして書いておりますけれども、千四百本もある樹林帯が消失してしまうということは間違っていなかったのではないでしょうか。
この事実ではないというふうにわざわざ否定されるなら、もう少し施設の位置を芝生広場の方に移動するとか、樹林帯を残すという配慮がされるのかなと思っていたんですけれども、全くそういう配慮がないという基本設計に私はびっくりしております。
樹木は、中木、低木や周りの植栽、また土壌の性質などとの相性を時間をかけて合わせながら、そこに根づいていくものなんだと私は専門家の方に教わりました。ほかの場所に植え直せば済むというものではありません。根づかないで枯れてしまう可能性も多々あることが指摘されております。生き物なんだということを忘れていませんでしょうか。
先ほどパークマネジメントマスタープランの改定の説明がありましたけれども、これでどうやって樹木を増やしていくんだろう、すごく不思議に思います。ダブルスタンダードではないかというふうに思います。
そして、倒木の危険のある木や移植しても枯れる木が四百本あるというふうな説明がありましたけれども、これ、本当でしょうか。今お配りしている資料の後ろの方に園内樹木点検票というのをつけました。これは二〇二二年の一月に葛西臨海水族園整備等事業を実施する民間事業者の募集の際に配布した資料の中にあった資料です。
新水族園計画敷地内の樹木点検で、注意木または要観察木になっていたのは三本です。樹木点検の実施は、令和三年、二〇二一年五月との記載があります。昨年、二〇二三年三月の樹木調査では四百本。注意木、もともと三本だったのが、この二年間で四百本になっています。
この二年間でこれだけ増えたんでしょうか。なぜでしょうか。説明をお願いします。
○根来公園計画担当部長 お話の園内樹木点検票は、維持管理業務の一環として指定管理者が毎年実施している樹木の点検において、来園者等に危険を及ぼすおそれのある園路沿いなどの樹木について、指定管理者が取りまとめたものを事業者募集時の参考資料として添付したものでございます。
一方、今回の樹木調査は、新施設整備工事の影響を受ける樹木について、樹木医によります詳細な樹木診断を実施したものでございます。その結果、倒木や枝折れの危険がある樹木や健全度や生育状況に問題があり移植しても枯れる可能性が高い樹木などは約四百本存在することが明らかになりました。
○原委員 今の樹林帯では人が入らない場所もありますから、そのままいうわけにもいきませんけれども、樹木医が入った詳細な樹木診断、今回出た資料が本当だとすると、二年前の注意木三本というのが、来園者に危険を及ぼすおそれのある樹木、これ、本当に三本でよかったのかとか、その間に災害などがあった場合にどうだったんだろうというふうに、逆に不安になりました。
ちょっと三本から四百本にというのは、飛躍があるんじゃないかなというふうに思わざるを得ません。移動させられる木という運命ですから、そういうことで残せるか残せないかという判断をした結果だとは思いますけれども、ちょっとこの辺は疑問が残ります。
そして、芝生広場を中心に建設すると、これまで何度も確認してきたこと、これにのっとった基本設計になっているのかということを伺いたいと思います。お願いします。
○根来公園計画担当部長 基本設計では、芝生広場を中心に新施設を建設することとなっております。
○原委員 これでなっているという説明ですよね。要求水準書にある樹木への影響を極力減らすように配慮をすると書かれておりますが、この配慮がどこでされたのかが見当たらないんです。
この一帯が特に何もない雑木林というんだったら、ここまで異議をいわなかったかもしれません。ここは、汚染地帯だった埋立地の環境を再生し、植樹をして、大切に三十年以上育ててきた公園の敷地の一部です。
さらに、水族園の展示の一部として、源流から海の河口部までの渓流や池沼を展示し、人工の川をつくり、長い時間をかけて、それらが自然の川のようになっていった場所です。季節の折々、茂る草花を来園者が楽しみに訪れます。そこを壊して、何でも新しくつくればいいというものではないと利用者が訴えてきたわけです。
この水辺の自然を守るために手を入れてきたのが水族園のスタッフです。昨年の七月の水族園ニュース、この前もちょっと紹介しましたけれども、このニュースでは全ページを使って、この水辺の自然エリアの展示に込めた思いを紹介しています。開園の頃の写真も載っていまして、時を経て、どれだけいろんな動植物が生息するようになったかが紹介をされています。
ここを壊してもいいのかどうかを議論、検討したことは一度もありません。新しいものができればそれでいいという人もいるかもしれませんが、生き物がすむ場所を守ることにも、もうちょっと考えを及ばせていただけないかと訴えてきたのです。
高齢の方は、赤土が広がっていたこの埋立地の時代を知っている方もいます。その時代からここまで樹木がよく育ったものだと、慈しんで散歩コースにしておられる方、いらっしゃいます。この水辺を残してほしいとおっしゃっていました。
樹木も保存と移植は異なります。移植すればいいというふうに考えないでほしいです。都立公園で動植物の生息、生育を保護するのが本来すべきことではないのでしょうか。
今後も諦めずに、都民の声に耳を傾けていただけるように私たちも働きかけていきます。計画の変更も含め、検討していただきたいと思います。
もう少し伺います。新施設で、くいは何本打つ計画になっていますでしょうか。
○根来公園計画担当部長 基本設計では、新施設全体で約二百本でございます。
○原委員 新たなくいを打つことは、それ自体、環境に負荷をかけることになります。今後、土壌の汚染物質が出る可能性も指摘されています。土壌調査の結果も公表していただくよう求めます。
淡水生物館の解体によって発生する廃棄物の量とCO2排出量をお示しください。また、新しい建物の省エネ効果についてお示しください。
○根来公園計画担当部長 新施設においては、本館内で淡水生物に関する展示を行うこととしておりまして、現在の淡水生物館の機能については、新施設の本館において確保してまいります。
新施設の建設に当たりましては、徹底した環境負荷の低減を実現することを目指しております。
具体的には、施工段階において発生する既存建物のコンクリートは、再生骨材として新施設のならしコンクリート等に再利用するなど、廃棄物やCO2削減に取り組みますとともに、建物については、断熱性の高い外壁や照明、空調の最適制御システムの導入などの取組により、建物全体のエネルギー消費量を削減し、国内水族館では初となるZEBレディ認証取得を目指してまいります。
○原委員 既存施設の解体も大量のCO2を排出しますし、解体と建設工事の運搬車両のCO2排出や、野鳥をはじめ、生き物への影響も大きいです。環境への影響をより抑える工事の方法なども地域住民に対し示す必要があると考えます。
既存本館と一体のものとして新館の設計を行う考えは採用されていますか。
○根来公園計画担当部長 基本設計では、既存施設と新施設との間に散策路を配した共生の杜を整備することで、両施設間の連携を確保し、さらには公園全体の回遊性を生み出すこととしております。
○原委員 行き来ができるようにするとのことですが、それにとどまらず、機能の連携について、今から検討に取り組むことが必要と考えます。
新施設では、レクチャーホール、標本室などの大空間スペースを計画されていますが、既存施設と機能分担すれば、新施設の規模の面でも融通がついたのではないかと思います。既存施設についてホームページでの紹介ページが加筆されているのはよかったと思いますが、両施設の連携については、改めて早急に検討を始められるよう求めておきます。
最後に、基本設計公表後のスケジュールをお示しください。また、現施設について、工事開始により使えなくなる箇所とその時期をお示しください。
○根来公園計画担当部長 今後のスケジュールにつきましては、引き続き、設計、建設を進めることとしておりまして、基本設計の概要と併せ、都ホームページに公表しております。
また、現在の水族園は、新施設に生物を移動するまで開園を継続することとしておりまして、工事の進捗に伴い利用中止となる施設がある場合は事前に周知いたします。
○原委員 ありがとうございます。この水族園に年に何度も来園している利用者もおります。計画の都民への公表は必須です。現地や地元自治体の区民館などにも区広報誌の発行と、住民の疑問に答え、意見を聞く、また反映させる説明会の開催を必ず早急に実施されるようお願いいたします。
請願陳情の趣旨に強く賛同し、採択すべきものと表明をいたします。ありがとうございました。
○須山委員 請願五の第一九に関して、意見を述べさせていただきたいと思います。
私たち東京都議会立憲民主党は、以前より様々な整備や工事、計画に際しては、樹木の伐採は最小限にし、自然を守るようにすることを訴えてまいりました。
そうした意味において、本請願に関しては千四百本の既存樹木の伐採、移植を最小限とすること、既存の景観と自然環境を最大限守ることなど、その趣旨には多く賛同するところではあります。
しかし、淡水生物館を残すようにという項目1の(3)に関しては計画にも載っておりまして、現実的には難しいことを鑑みますと、本請願に関しては不採択を主張いたしますが、東京都においては既存の樹木を最大限残す整備を進めていただき、また、周辺住民の皆さんや利用者の皆さんをはじめとする都民の意見をしっかりと聞き、都民の理解をきちんと得て、事業を進めていくことを強く要望して、私の意見とさせていただきます。
○もり委員 葛西臨海水族園整備等に関する請願、また、葛西臨海公園の樹林の保全に関する陳情に対して、一括して意見を申し上げます。
葛西臨海水族園整備事業において、どちらの請願陳情も葛西臨海公園の緑豊かな樹林を守ってほしいとのものです。葛西臨海水族園の整備においては、以前現地を視察させていただいた際にも、配管等、かなり既存の設備の老朽化が進み、働いている方の動線も大変な状況を目の当たりにした経緯もあるため、改修が必要であることは理解をしておりますが、その上で意見を述べさせていただきます。
都立公園を所管する建設局においては、その事業化によって、CO2の排出量や生物多様性にどのように影響を与えるか。昨年の質疑においてお答えのあったように、本事業は環境影響評価調査の対象とならない事業ですが、ゼロエミッション東京戦略、生物多様性地域戦略を作成した東京都として、全庁を挙げて実現に取り組むべきであると考えます。
多くの都民が約千四百本の樹木の動向について懸念をしているように、できる限り樹木を伐採せず、移植よりも現状のまま、保全に向けた取組を求めます。
また、生物多様性戦略としても、樹木とともに、そこに生きる動植物に対しても保全に向けて取組をしていっていただきたいと思っております。
先ほどの質疑の中では、枯損木の計算が三本から四百本ということで、日比谷公園でもそうでしたけれども、逆にそれほどの都有施設の中で都民に危険を及ぼす樹木があったとすれば、それは本当に樹木の管理の問題にもなってくると思っております。
また、設置予定との太陽光パネルですが、私は太陽光パネルの設置推進には賛成をしているものの、この当該地域への生態系の影響が明らかでないため、調査せずに設置をするのではなく、野鳥等への影響を十分に調査を行い、調査のない中、設置することのないように、その環境影響を考慮するようにお願いを申し上げます。
また、淡水館は区民、都民が大切に思ってきた施設です。解体ありきではなく、できるだけ寄り添うために都民の意見を聞く場を設けることを求めます。
葛西臨海水族園の新施設の整備はPFI法に基づいて実施をされており、昨年の事務事業質疑でもPFIの手法についての問題点を質疑させていただきました。知的財産、企業の競争性に関わるものは非公開とのことでは情報公開が不十分であり、都民の利益を損ねるものです。企業のノウハウの著作権として情報が公開されないことがあれば、大変問題であると考えます。
都民に十分な情報公開と都民の理解を深めるため、都民の声を聞く場を設置していただくことを強く求め、採択を求めます。
以上です。
○漢人委員 請願第一九号、葛西臨海水族園(仮称)整備等事業に関する請願及び陳情第八四号、葛西臨海公園の樹林の保全に関する陳情、二つのこれらについての意見を表明させていただきます。
建設局のホームページにおいて、葛西臨海水族園(仮称)整備事業に関するよくある質問が二月八日に、葛西臨海水族園のリニューアルに関するファクトシートも二月に入って更新をされました。
よくある質問で今回更新されたのは、事業スケジュール、PFI事業者、新しい水族園と今までの水族園の違い、建設場所、新しい水族園の配置位置や特徴、芝生広場に整備すれば樹木への影響を減らせるのではないか、新しい展示内容、樹木の取扱いについてが主な内容です。
昨年十一月には新水族園の基本設計が終わり、現在、実施設計に入っているようです。また、樹木調査、土壌調査等の各種調査が今年六月にかけて行われているようです。樹木や土壌などの調査については、基本設計、実施設計の前に行われるべきです。
新しい水族園の施設は、三十年以上かけて育まれてきた樹林地に新水族園本館のほか、エネルギーセンター棟、屋外ろ過機設置場など、大きな施設を建設するとしています。危惧していた以上に樹林地が侵害されるようです。
芝生広場に整備すれば、樹林への影響を減らせるのではないかへの回答としては、新たにつくる共生の杜やにぎわいや活性化などが記載をされていますが、全く説得力がありません。
一方、千四百本の樹木を伐採するなどの情報がSNSを中心に一部で流れていますが、事実ではありませんとの昨年六月からの記載もまだ残っていますが、これは削除するべきです。
新しい水族園の建設に伴う樹木の取扱いについてにおいて、新しい水族園の建設敷地には植栽した樹木が約千七百本あること、樹木診断の結果、倒木や枝枯れの危険がある樹木や、健全度や生育状況に問題があり、移植しても枯れる可能性が高い樹木などが約四百本、外来種約二百本であるため、これらを除く残り千百本が保存、移植の対象となるとのことです。
伐採が危惧される計画敷地の植栽は、千四百本ではなく千七百本であったこと、そして、そのうち六百本は既に伐採対象であり、千百本が保存、移植の対象となったと絞られてきたわけです。
先ほどの質疑、答弁の中で、千百本のうち保存が三百本、そして、移植が八百本であることが分かりました。特に深く根を張る高木は土中環境とも深く関わりがありますので、移植によって失われる生物多様性への配慮も求められます。
請願一九号が求める既存樹木の伐採、移植を最小限とし、自然環境を最大限守ることなど五項目を事業者に指導し、必要があれば、計画の補正を命ずること及び計画等の速やかな公表については当然取り組まれるべきです。
また、陳情第八四号が求める樹木の保全についても最大限の対応を求めるものです。
以上、二つの請願と陳情に対しましては、ぜひ皆さんにも採択をしていただきたいとお願いをして、意見表明といたします。
○曽根委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
初めに、請願五第一九号を採決いたします。
本件は、起立により採決いたします。
本件は、採択とすることに賛成の方はご起立願います。
〔賛成者起立〕
○曽根委員長 起立少数と認めます。よって、請願五第一九号は不採択と決定いたしました。
次に、陳情五第八四号を採決いたします。
本件は、起立により採決いたします。
本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
〔賛成者起立〕
○曽根委員長 起立少数と認めます。よって、陳情五第八四号は不採択と決定いたしました。
○曽根委員長 次に、陳情五第九一号を議題といたします。
理事者の説明を求めます。
○久野道路建設部長 それでは、お手元の資料、請願・陳情審査説明表の四ページにございます整理番号3、陳情五第九一号をご覧ください。
本件は、西武新宿線(野方駅から井荻駅付近)の連続立体交差事業に関する陳情で、中野区の西武新宿線地下化を求める連絡会代表小林千枝子さん外二千八百六十六人から提出されたものでございます。
陳情の要旨は、都において、西武新宿線野方駅から井荻駅付近の連続立体交差事業について、複線シールド工法による地下化を検討していただきたいというものでございます。
現在の状況でございますが、本区間には補助第一三三号線などと交差する十六か所の踏切がございまして、そのうち十三か所が開かずの踏切であるため、慢性的な交通渋滞や地域の分断が生じております。
都は、連続立体交差事業調査を行い、平成二十九年四月に国から着工準備採択を受け、構造形式や施工方法の検討を進めてまいりました。
一方、中野区においても野方駅周辺のまちづくりや鉄道立体化の範囲を検討しており、その検討内容について、区と意見交換を行っております。
引き続き、地元区や鉄道事業者と連携しながら、鉄道周辺の地形などの地形的条件、除却する踏切の数などの計画的条件、事業費などの事業的条件の三条件により、構造形式を比較するなど、検討を深度化してまいります。
説明は以上でございます。よろしくご審査のほどお願い申し上げます。
○曽根委員長 説明は終わりました。
本件について発言を願います。
○小宮委員 西武新宿線野方駅から井荻駅間の連続立体交差事業に関する陳情について質問します。
陳情者は、西武新宿線の野方から井荻駅間の連立事業の工法について、地下の複線シールド、複線によるシールド工法の検討を求めています。
かつて、平成二十八年に東京都が作成しております鉄道立体交差化の施工形式別・案別総合比較表には、高架案は仮線施工と直上施工の二案が示されておりますけれども、地下案については単線シールド案のみで、陳情者が求めている複線シールド工法案がありません。
当時、もう八年前になりますけれども、なぜ複線シールド案による地下方式が検討されていなかったのか伺います。
○久野道路建設部長 平成二十八年度に実施した連続立体交差事業調査における鉄道の構造形式につきましては、標準的な工法で高架や地下方式について比較検討してございます。
地下方式につきましては、複線シールドに比べ断面が小さく、支障物との離隔の確保や縦断的に狭い空間を通過する場合に有利となる単線シールドで検討を行ってございます。
○小宮委員 陳情者は、複線シールド工法により地下化をすれば、現行の線路幅を超えない範囲で施工が可能となって、立ち退きが少なく、事業の早期実現が可能であると求めていますが、そうした指摘についてどう受け止めているか見解を伺います。
○久野道路建設部長 西武新宿線野方駅から井荻駅付近については、平成二十八年度に実施した連続立体交差事業調査におきまして、地下方式は単線シールドで検討を行っており、複線シールドの場合の周辺の用地への影響について検討は行っておりません。
○小宮委員 検討していないので分からないということだと思います。
確かに地下には、先ほどおっしゃったような支障となる障害物ですとか、河川などの影響もあります。また、駅との接続などをどうするかによって、地上への影響も変わってきますけれども、調査検討しなければ、具体的には分からないということだと思います。
平成二十八年の検討に当たっては、当時の標準的な工法である単線シールドで検討したということでしたけれども、陳情の理由にもありますように、都内では都営地下鉄の大江戸線ですとか、東京メトロ副都心線などで、複線シールドの工法の実績というのも出てきております。
今後、構造形式の検討をする中で、複線シールド工法の検討を行うべきと考えますが、見解を伺います。
○久野道路建設部長 本区間につきましては、現在、中野区が野方駅周辺のまちづくりや鉄道立体化の範囲を検討しており、その検討内容について、区と意見交換を行っております。
今後、地元区や鉄道事業者と連携しながら、地下埋設物や近接する施設の状況を踏まえ、構造形式を比較するなど、検討を深度化してまいります。
○小宮委員 構造形式の選定については、地形的条件や除却される踏切の数、また、事業費や事業期間といった、いわゆる三条件により、総合的に判断するものであると過日の委員会でも伺っているところです。
連立の事業というのは区間を区切られて実施されるものの、その連続性というのはそれぞれの区間に影響してくるということはよく分かりますし、今、中野区の中でも野方駅周辺のまちづくりが行われているということも答弁にあったとおりであると思いますが、東京都が実施をする連続立体交差事業をはじめとしまして、先ほど来出ておりますけれども、都市のまちづくり、東京都が実施するものというのは将来の都民に与える影響が大きな事業が多いです。そのためにも、そこに暮らして、そして、そこに、そのまちを大切にして生活をしている、そういう地域住民の理解が欠かせないと思います。
そのためにも、東京都ができる努力や検討をぜひ誠意を持って尽くしながら、適切な段階を踏んで、将来のまちの形を決めてほしいというふうに思います。
そうした点からも、今回の陳情の願意というものは否定されるものではなく、今回について、まずは継続審査として、さらに議論を深めていくべきと申し上げまして、質問を終わります。
○アオヤギ委員 共産党都議団のアオヤギ有希子です。西武新宿線の野方駅から井荻駅の連続立体交差事業に関する陳情について質疑をします。
陳情者は、この区間を複線シールド工法で地下化にしてほしいという願意を求めています。複線シールド工法というのは、一つのトンネルの中に二つ線路を敷く工法で、単線シールドは二つのトンネルを掘り、一つの線路を敷設するものです。その点について幾つかお伺いします。
まず、野方駅の東側の踏切についてです。
中井−野方間は、この間、単線シールド工法で地下化が進められています。計画では、野方駅の東側の線路は地下から野方駅で地上に浮上させるために一つの踏切、沼袋第四踏切を廃止するというものです。中井−野方間で解消する、立体交差が実現するというのは七か所で、一か所が廃止ということです。
そもそも立体交差事業は、踏切で起きる慢性的な交通渋滞の解消のために行うものだとされていますが、しかし、この沼袋第四踏切を廃止してしまうと、車も人も通れなくなり、地域が分断されてしまいます。
野方−井荻駅間の説明でも、開かずの踏切のため、慢性的な交通渋滞や地域の分断が生じているといいますが、地下から野方駅に線路を浮上させると、中井−野方間の野方駅の東側の沼袋第四踏切が使えなくなります。この影響についてどのように考えますか。
○久野道路建設部長 西武新宿線中井駅から野方駅間の構造形式につきましては、鉄道周辺の地形などの地形的条件、除却する踏切の数などの計画的条件、事業費や事業期間などの事業的条件、これら三つの条件を総合的に判断し、地下方式を選定してございます。
本区間は、平成二十五年度に事業認可を取得し、現在、工事を進めており、沼袋第四号踏切につきましては、地下から地表へ移行する掘り割り区間に位置し、通行できなくなるため、代替施設の設置を中野区及び西武鉄道と協議してございます。
○アオヤギ委員 当該踏切は代替施設を協議中ということですけれども、これでは歩行者が歩道橋のようなものを渡るもので、車は通行できませんし、バリアフリーでもないと考えます。
他の踏切同様、立体交差を実現して、車も歩行者も安全に通行できるには、野方−井荻間を地下化にして、野方駅も地下化にするということが改善策だと考えます。
沼袋第四踏切を残すには地下化が必要ではないですか。
○久野道路建設部長 掘り割り区間となります沼袋第四号踏切につきましては、既に工事に着手しており、代替施設の設置を中野区及び西武鉄道と協議しております。
西武新宿線野方駅から井荻駅付近の構造形式につきましては、先ほども申し上げました三つの条件から総合的に判断して選定してまいります。
○アオヤギ委員 沼袋第四踏切が廃止されれば、沼袋第三踏切まで約三百メートル分断され、車両通行ができなくなります。この三百メートルの区間の線路沿いには多くの住宅が立ち並んでいます。並行して走る、南側だと思いますけど、一方通行の道路にはバス停があり、バス通りです。これを抜け道として使われたらと住民の方は不安に思っております。
中井−野方間の工事で、野方駅は今、開削しているものの、そこを地下まで開削して、地下につなぐということは技術的には可能だということですので、ぜひ沼袋第四踏切を廃止しない方針を持ってもらいたいと思います。
次に、野方−井荻間の地下化の検討についてですが、二〇一七年に都が地下化や高架化の構造形式別の比較検討を行っています。これ以降、検討は行っていないので、これが最新のものということになりますが、ここでは単線シールド工法と高架化の検討を行っています。複線シールド工法は検討されていません。
単線シールドの場合の事業費は千七十億円、高架化の場合は八百五十億円、その差は二百二十億円となっていますが、単線を複線にした場合、トンネルが二本から一本に変わりますので、直上の用地幅が大幅に狭くなりますが、単線シールド化と複線シールド化の費用を比較した場合、複線シールドの方が買収すべき面積は減ると考えますが、用地買収費用は複線シールド化ではどれぐらい減ると考えますか。
○久野道路建設部長 西武新宿線野方駅から井荻駅付近につきましては、平成二十八年度に実施した連続立体交差事業調査におきまして、地下方式は単線シールドで検討を行っており、複線シールドとの比較は行っておりません。
○アオヤギ委員 比較は二〇一七年にやっただけですので、複線シールドの技術も発展していますから、単線シールドと複線シールドの用地買収費用を含めた検討をすべきです。
また、用地買収の面積が広がれば、工期が長引くことが考えられます。現に、中井−野方間は単線シールド工法で地下化が進められていますが、買収が難航するなどにより、工期が八年から十四年に延長されています。
さらに、高架化すると、側道のための用地買収すべき面積が増えます。また、高架化によって日差しを遮り、日陰になる住宅も増えますから、沿線住民にとっては大きな負担となります。こうしたことに理解を得ていかなければなりません。
工事期間ですが、地下化をした場合、高架化と比べて、どれくらい工期が短くなりますか。
○久野道路建設部長 平成二十八年度に実施した連続立体交差事業調査では、高架、地下方式の両案とも事業期間は同じでございます。
○アオヤギ委員 この調査の結果は同じということで十二年なんですけれども、ぴったり一緒ということは、買収面積が大幅に違いますので考えにくいと思います。改めて高架化、地下化の単線シールド、複線シールド工法の費用や工期の違いを正確に算出することが必要です。
沿線住民の方の声を一部紹介いたします。
都立家政駅に住む方です。
鉄道沿線から約四メートルにある狭い土地に一戸建ての家を購入して住んでいます。当地には二十四年住んでいますが、朝方から夜中零時過ぎまで、鉄道の通過する騒音とともに生活していますと。また、この鉄道沿線には新たな建築物の建設も続いていますと。立体交差化が高架形式に変わったような話を聞き、道路北側六メートル道路を確保する必要があるらしい。そうなれば、当方ばかりではなく、この周辺一帯の鉄道沿線に住む人はほとんど立ち退きになってしまう。また、これまでの隣人とのつながりもなくなってしまう。複線シールド工法を採用した地下化にすれば、立ち退きは極端に減り、長期的視点からも、まちづくりにも寄与すると思いますということです。
下井草駅近くの方です。
我が家は七十二年前、一九五二年、下井草駅北側に隣接した現住所に、中野区から五人家族で転居してきました。その後、何度も改築を繰り返して居住してきましたが、築後約九十年経過した旧家が東日本大震災などの影響もあり、限界を迎えたと判断し、二〇一五年に全て解体し、現在の住居に建て替えたもので、建築後はまだ八年しかたっていません。下井草駅の踏切にも隣接しており、西武新宿線の立体化で東京都が検討している高架化案でも、シングルシールド、単線シールドによる地下化案でも立ち退き対象エリアに入っていますと。土地買収を最小限にできる複線シールド工法で地下化をしてほしい。転居者も最小限になるでしょうというお話です。
鷺ノ宮駅北側ホームの傍らに住んでいます。両親が東京の空襲で焼き出され、一時的に鷺ノ宮に住んだようです。私も住み続けて七十年余りになります。駅に近く、日当たり良好、富士山も見えました。いつの間にか鷺ノ宮折り返し線路がなくなり、八両、十両編成の電車。家の前にホームが延びてきて、線路もかさ上げされ、車両に手が届きそう。今では我が家は地下住まいのようですと。一日も早い踏切渋滞解消のため、立ち退きになるのではないか。こんな不安を感じております。ぜひ知らせてほしい。こういった情報をしっかりと知らせてほしいというお声です。
また、鷺ノ宮の方。
私の母の代からの住人で、この地に約九十年住んでいます。鉄道が高架になると、北側に六メートル幅の道路が必要ということで、自宅の庭の南側が削られます。園芸が趣味ですのでつらいです。また、高架になると日照も悪くなります。そのことは高架のまちを見学して痛感しました。地下化になれば、鉄道の騒音もなくなり、災害時にも大きな安心が得られます。東京都の話では、土地買収には必要な土地の分のみだそうで、一軒の家の半分のみの買収もあるということ。そんなことがあるのかと、その担当の職員の説明を聞いたときにはショックを受けました。ほかに方法がないなら諦めますけれども、複線シールドによる地下化という、立ち退きが少なく、さらに立体交差の時間短縮が望める方法があるのに、それが検討されていないのは行政の怠慢だと思います。
というような、多くの方が高架化だと日陰になる、騒音がある。また、長年住み慣れたまちが分断されるのではないかなどの不安の声を寄せています。
沿線には多くの住宅があります。高架化の場合、日陰になる面積、騒音はどれくらいの大きさになるのでしょうか。
○久野道路建設部長 平成二十八年度の比較検討におきましては、環境性について定性的な評価を行っております。高架化により生じる日陰や騒音につきましては、環境側道や遮音壁により、対策は可能と考えてございます。
○アオヤギ委員 この定性的な評価というのはマル・バツの丸、二重丸という評価なんですね。誰が考えても、地下化よりも、騒音や日陰になる住宅が高架化の方が増えることは確実です。そのことを隠して、住民に説明をしないというのは不誠実ではないでしょうか。
事実、周辺の方で、高架化になるかもしれないことを知らずに、今も沿線に家を建てている人もいて、その話をその住民の方に伝えると、知らなかったといっておられたということです。予測をして住民に伝えていくべきです。
また、複数の鉄道会社が複線シールド工法を取り入れています。住民の方がお調べになったものですけれども、東急東横線、東急目黒線、相模鉄道、小田急下北沢地区は複々線、京都地下鉄、都営大江戸線もあります。東京都が四六%の株を持つ東京メトロが豊洲駅から仮称千石駅間において複線シールド工法を採用していますが、その理由を都市整備局が答弁しています。
工法の選択については、用地買収などの面だけではなく、現場の条件など、複数の要素によって判断するもの。本計画では、可能な限り公共用地を活用すること、橋梁などの既存構造物や上下水道などの埋設物の位置や深さを考慮して、事業者である東京メトロが複線シールド工法を採用したものだと。
用地買収などの面だけでなくということで、用地買収も考慮に入れているということなんです。様々な条件を考慮したということは大事だと思います。野方−井荻間でもいろいろな角度で比較検討がされることが求められています。
住民の方々は、きちんと検討してほしいと、複線シールドの工法も様々お調べになっております。また、地下化になれば、広大な土地ができるわけです。木造密集地域も沿線には含まれますので、防災用地の土地としても使えるのではないかと期待されています。
こうした住民の皆さんの前向きな提案を聞く場を設けていただきたいと思いますが、沿線住民の方々の意見を反映させるためにどのようなことをしていくのでしょうか。
○久野道路建設部長 連続立体交差事業は、交通渋滞や踏切事故の解消とともに、鉄道により分断された市街地の一体性を高める都市計画事業でございます。
都市計画の手続におきましては、説明会の開催等、住民の意見を反映させるために必要な措置を講ずるものとされており、地元区や鉄道事業者と連携しながら、鉄道立体化に向け取り組んでまいります。
○アオヤギ委員 都市計画が決定されてから、もう様々決まってからでは遅いと思います。今、都や事業者が検討中なのであるならば、住民が納得いく方法で、住民参加で決めていくことを強く要望いたしまして、質疑を終わります。
○漢人委員 陳情第九一号の西武新宿線野方−井荻駅付近の連続立体交差事業に関する陳情について、賛成の立場で質問いたします。
まず、二〇一六年、平成二十八年度概略検討の内容についてお伺いします。
西武鉄道新宿線野方−井荻駅付近の連続立体交差事業については、二〇一六年度に概略設計報告書が取りまとめられ、また、国の着工準備採択も行われました。
この概略設計においては構造形式の比較評価が行われ、高架仮線案が最適との結果が示されています。確認されているとおりです。その検討内容と比較評価の結果、そして、地下方式が劣ると判断した理由は何なのかお伺いいたします。
○久野道路建設部長 平成二十八年度に実施しました連続立体交差事業調査では、鉄道周辺の地形的条件、除却される踏切の数などの計画的条件、事業費や事業期間などの事業的条件の三条件で構造形式を比較検討しております。
地形的条件につきましては、地下方式は鷺ノ宮駅付近において地下構造物が妙正寺川に近接していること、計画的条件につきましては、地下方式の方が高架方式より除却できる踏切数が少ないこと、事業的条件については、地下方式の方が高架方式より事業費が高いことなどから高架仮線案が最適となっております。
○漢人委員 二〇一六年、六年前に高架仮線方式の方が最適案と、今、三つの条件から決められた、評価されたわけですけれども、この評価は現在でも変わっていないのかどうかお伺いします。
○久野道路建設部長 平成二十八年度に実施した連続立体交差事業調査以降、比較検討は行っておりません。
○漢人委員 着工準備採択時点での高架仮線方式の総事業費は約八百五十億円と見積もられていましたが、現時点での見積額は幾らになるでしょうか。
○久野道路建設部長 今年度、物価上昇分を見込み、事業費の見直しを行っており、高架仮線方式の事業費は約一千四十億円となっております。
○漢人委員 すみません、何か座る前に質問しちゃいけない気もしますが、構造形式の比較検討において、地下方式の場合は鉄道買収が一万平米を超えるとなっていますけれども、線路部や駅部など、その内訳についてはいかがでしょうか。
○久野道路建設部長 地下方式の場合の用地取得面積につきましては、線路部、駅部ごとには算出しておりません。
○漢人委員 次に、複線シールド方式についてということでお伺いします。
陳情者が求めているのは複線シールド方式というわけですね。二〇一六年の概略検討において、地下方式の施工方法としては単線シールド方式のみを検討していますが、それはなぜでしょうか。今までに答弁出ているんですけれども、複線シールド方式についても併せて検討すべきと思いますが、いかがでしょうか。
○久野道路建設部長 平成二十八年度に実施した連続立体交差事業調査における鉄道の構造形式につきましては、標準的な工法で高架や地下方式について比較検討しております。
地下方式につきましては、複線シールドに比べ、断面積が小さく、支障物との離隔の確保や、縦断的に狭い空間を通過する場合に有利となる単線シールドで検討を行っております。
○漢人委員 着工準備採択後、この路線の事業化に向けた検討状況、そして、今後のプロセス、スケジュールについてお伺いします。
○久野道路建設部長 本区間につきましては、平成二十九年四月に国から着工準備採択を受け、構造形式や施工方法の検討を進めてまいりました。
一方、中野区においても野方駅周辺のまちづくりや鉄道立体化の範囲を検討しており、その検討内容について、区と意見交換を行っております。
引き続き、地元区や鉄道事業者と連携しながら、鉄道周辺の地形などの地形的条件、除却する踏切の数などの計画的条件、事業費などの事業的条件の三条件により、構造形式を比較するなど、検討を深度化してまいります。
○漢人委員 最後です。今後、国との比較設計協議に向けた都としての案の整理の中で、複線シールド方式を含む構造形式の選定に立ち返った検討が行われると考えてよいですか。
○久野道路建設部長 本区間につきましては、現在、中野区が野方駅周辺のまちづくりや鉄道立体化の範囲を検討しており、その検討内容について、区と意見交換を行っております。
今後、地元区や鉄道事業者と連携しながら、地下埋設物や近接する施設の状況を踏まえ、構造形式を比較するなど、検討を深度化してまいります。
○漢人委員 二〇一六年の概略検討では高架仮線方式が最適案として報告されていますが、その後、中野区との調整があり、事業範囲の検討も行われているということから、今後、二〇一六年には検討されなかった複線シールド方式も含む構造形式が比較検討されるということですね。
本陳情は複線シールド工法による地下化の検討を求めていますので、願意は満たされると思います。議会としてもそのように進められるよう後押しするために採択とするべきだと思います。
ところが、多くの会派の方が、この陳情については継続審議を求められているようなので、そのような取扱いとなりそうです。
この継続審議の扱いなんですけれども、議会によって大分異なります。私の地元の小金井市議会では、継続となった場合には、閉会中の委員会というのがあって、毎回議題になるんですね。希望する議員は質問することができます。
しかし、聞いたところによると、まだ私は一年生議員ですので、都議会の場合は、委員会としての合意がなければ、継続審査になった場合には再び議題となることはないというふうに伺っております。正しい理解でしょうか。
いわゆる棚上げ状態になるということのようなので、私としては、ぜひこれは今回結論を出し、この願意が満たされるということで採択するべきだと思いますが、残念ながら少数意見ということで継続ということになりそうです。
以上です。
○曽根委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件は、継続審査とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○曽根委員長 異議なしと認めます。
よって、陳情五第九一号は継続審査といたします。
この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
午後五時四十一分休憩
午後五時五十五分開議
○曽根委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
次に、陳情五第一〇〇号を議題といたします。
理事者の説明を求めます。
○斉藤河川部長 お手元配布の資料9、請願・陳情審査説明表の整理番号4、陳情五第一〇〇号をご覧ください。
本件は、東京都市計画河川第八号善福寺川の手続における住民への周知と対応に関する陳情で、杉並区の善福寺川流域の自然と暮らしを守る会代表の鈴木敦悠さんから提出されたものでございます。
その要旨でございますが、都において、東京都市計画河川第八号善福寺川(善福寺川上流調節池(仮称))の今後の手続について、住民への周知を徹底し、住民の声を聞いた上で丁寧に対応していただきたいというものでございます。
この要旨に対する現在の状況でございますが、善福寺川は、杉並区にある善福寺池を源として、杉並区内を西から東に流れ、中野区との区境で神田川に合流する延長約十・五キロメートルの都市計画河川でございます。
本河川では、平成十七年九月の集中豪雨による大規模な浸水被害をはじめ、平成二十六年七月や令和五年六月にも荻窪地区で溢水による浸水被害が発生をしており、早期の対策が求められております。
都は、善福寺川上流域の浸水被害の軽減を図ることを目的として、平成二十八年三月に改定した神田川流域河川整備計画におきまして、善福寺川上流部に調節池の整備を位置づけました。
令和五年三月には同計画を改定し、この調節池を原寺分橋から関根橋、関根橋から界橋、神通橋から尾崎橋の三か所から洪水を取り込む施設といたしました。
整備計画の改定に当たりましてはパブリックコメントを実施し、広く都民の意見を聴取してまいりました。
本陳情の対象となります東京都市計画河川第八号善福寺川(善福寺川上流調節池(仮称))につきましては、都市計画変更の素案説明会を令和五年八月に計四回、地元の小中学校などで実施いたしました。
説明会の開催に先立ち、令和五年八月一日の杉並区報にお知らせを掲載し、あわせて、立て坑やトンネルルート周辺、川沿いにお住まいの方への説明会のお知らせ約一万三千部を各戸配布いたしました。
また、説明会後には、都のホームページに当日の配布資料に説明内容を付したものと音声入りの説明動画を公開しております。
さらに、集合形式やオープンハウス形式の説明会をこれまでに六回開催し、加えて、電話や対面による個別説明を行い、事業への理解の促進を図り、あわせて、住民の意見や要望を聞いております。
引き続き、事業説明会や工事説明会など様々な機会を捉えて住民に説明をしていくことで、地元の声に耳を傾け、住民の理解促進に努め、着実に事業を推進してまいります。
説明は以上でございます。よろしくご審査のほどお願いを申し上げます。
○曽根委員長 説明は終わりました。
本件について発言を願います。
○小宮委員 東京都市計画河川第八号善福寺川の手続における住民への周知と対応に関する陳情について伺います。
昨年八月の都市計画変更素案説明会以降、この都市計画の手続に関しまして、地元住民から様々な声が寄せられています。私の方では昨年十一月に行った事務事業質疑におきまして、計画策定の検討経緯を確認するとともに、地元住民の声に耳を傾けて、工事による影響をしっかりと地元に説明すべきだと都に要望してきました。
本陳情の背景を確認するため、善福寺川上流調節池(仮称)について、何点か質問します。
まず、この調節池が計画されることになった経緯について確認します。
○斉藤河川部長 善福寺川では、平成十七年九月の豪雨により、床上、床下を合わせて約千七百棟の浸水被害が発生しました。平成二十四年には時間五十ミリを超える降雨に伴う水害が頻発していることを踏まえ、学識経験者の意見を参考に、中小河川における都の整備方針を策定し、目標降雨を年超過確率二十分の一規模の降雨に設定しました。
また、平成二十六年七月には、善福寺川上流部の荻窪地区におきましては溢水による被害が発生をしました。
これらを踏まえまして、平成二十八年三月に神田川流域河川整備計画を改定し、善福寺川上流域に新たな調節池を位置づけました。その後、令和五年三月に取水地点をこれまでの一か所から三か所に変更する河川整備計画の改定を行っております。
なお、これらの行政計画の策定に当たりましてはパブリックコメントを実施し、広く都民の意見を聴取してきました。
○小宮委員 今回の調節池の計画は突然感があるというふうによく地元の方からもいわれるんですが、この調節池が計画されるに至るまでには、今ご答弁ありましたように平成十七年に大変な浸水被害がまずありました。千七百棟の浸水被害。
その後、五十ミリを超えるという降雨がやはり頻発をしているということを踏まえて、中小河川の整備方針というものが策定をされまして、その後も、平成二十六年七月にも、荻窪の地域において溢水被害が発生をしてという中で、それらを踏まえて、さらに平成二十八年三月には、神田川の流域における河川整備計画というものが改定をされて、その中に善福寺川の今回のこの上流域に新たな調節池が必要だということが位置づけられたという流れがあるということを改めて確認させていただきました。
また、昨年は六月二日、三日でしたけれども、台風二号が襲来しまして、やはり時間五十ミリを超える雨が降りました。
今回の取水の範囲になっていますけれども、西田端橋から松見橋の付近で、ここ、今、護岸工事を継続的に行ってくださっているんですが、川沿いのお宅、川沿いを中心に二十センチから五十五センチの水があふれて、溢水が確認されています。川沿いに住む方からは、もう毎年この時期になると不安な思いをしているという切実な声を聞いています。
ただ、この調節池については多くの反対意見も出ています。
そこで、陳情書の理由の中にもありますが、取水施設となる、三か所ありますけれども、まずその原寺分、一番上流のところの取水施設ですけれども、その付近では用地の取得に二十軒以上の立ち退きが必要となるとのことですけれども、その方法に至った経緯。立ち退きまで都民に求めなければならないというのは、私も知っている人もいますし、本当に大変な事業でありますけれども、そうしなければならない、その方法に至った経緯について確認したいと思います。
また、湧水、湧き水への影響も陳情者は心配をされていらっしゃいますから、その点についても見解を求めます。
○斉藤河川部長 原寺分橋の下流に下水幹線の流入がありまして、善福寺川に放流される箇所で取水する必要がございます。
取水施設の設置に当たりましては、公共用地を活用することを基本に区と協議し、区立井荻公園などに加え、不足する分は新たに事業用地を取得することといたしました。
また、当該箇所付近に湧水があることは承知しておりまして、今後、調査を行い、影響について確認してまいります。
○小宮委員 調節池として取水をしなければならない上流部の取水箇所が区の公園を一部使っても足りないという苦渋の決断をするしかないんだなというご答弁であったと思います。湧水については、今後、調査検討と。
それから、同じく取水施設となる原寺分から下ってきたところに関根文化公園というのがあります。それからまた、一番最下流部には善福寺川緑地。これらは子供たちの遊び場であったり、やはり樹木への心配、影響を気にする声が今回の陳情書にも書かれておりますが、そうした影響、懸念について、どう対応されるのか伺います。
○斉藤河川部長 公園内を施設の設置及び施工ヤードとして使用するため、利用可能な面積は減少いたしますが、関根文化公園では一部を子供たちの遊び場として利用できるように、また、善福寺川緑地では、工事の影響を受ける遊具はほかの場所へ移設するなど、子供たちの遊び場を可能な限り確保できるようにそれぞれ検討してまいります。
樹木につきましては、可能なものは移植していくなど、影響が小さくなるよう検討してまいります。
現状の公園利用を考慮した利用者の安全性や歩行者動線の確保などにも努めてまいります。
○小宮委員 子供たちの遊び場がどれぐらい確保できるかとか、樹木がどの程度どこに移植できるかということはこれからなんだと思うんですけれども、今ご答弁にありました現状の公園利用を考慮した利用者の安全性や歩行者動線の確保については、過日、私も参加をいたしましたけれども、地域の説明会で利用者から要望が出ていたところでもあります。
こうした工事は大変長期間にわたるために、地域住民からはこの期間の工事による騒音や振動がいかばかりか、また、工事車両の動線やその量について不安を抱く声をいただいております。説明を求める声があります。
そこで、こうした工事による影響はいつ頃明らかにできて、そして、住民に対して説明できるようになるのか伺います。
○斉藤河川部長 施工方法や工事の期間、工事による影響などにつきましては、施工予定者の技術協力が得られるECI方式を活用し、令和七年二月末工期の詳細設計におきまして検討してまいります。
住民への説明につきましては、詳細設計の検討状況に合わせて、適切な時期に実施してまいります。
○小宮委員 また、本工事はシールド工事で実施するということで、近年は調布の陥没事故などもありまして、住民の方から、また、この陳情者からも不安の声が出ておりますが、その点についてどう受け止めているか伺います。
○斉藤河川部長 安全な施工に向けまして、シールドマシンの通過ルートにおきましては、令和三年度から五年度に約二百メートル間隔で二十八本のボーリング調査を行い、主に粘性土や砂礫から成る地層であることなど、地盤の状況を詳細に確認しております。
今後は、ECI方式による技術協力を得ながら設計を進めてまいります。
○小宮委員 それから、陳情者は、グリーンインフラや浸透ますの拡充などで、流域での治水対策への転換による解決ができるんではないかということを求めていまして、それを聞いた周辺住民の中には、そうした方法が可能ならば、大規模な工事よりもその方がいいのではという声が出ております。
そこで、私も技術的には全く分からない素人ですから、そのような声を建設局としてどう受け止めるのか伺います。
○斉藤河川部長 流域対策は、河川や下水道整備と併せて豪雨対策を担い、また、水循環の観点からも重要でございますが、降雨の初めから浸透が開始するため、長い時間、雨が続くと、地面が飽和状態になり、それ以上の浸透が困難になるおそれがございます。
一方で調節池は、河道を流下する洪水のピーク時に取水を開始することにより、短時間で大量の洪水流量を低減させることが可能でございます。
そのため、善福寺川における水害に対する安全性の早期向上に向けて、流域対策と併せて、河道や調節池の整備を推進してまいります。
○小宮委員 つまり、流域対策、グリーンインフラや浸透ますによって地面にしみ込ませる、川だけでなくて、流域で広くそうした対策をするということも大事でやっていくんだけれども、そこは飽和状態になると水が飲み込めなくなるので、それだけでは限界があるというふうに理解しました。
また、それと、だからあわせて、こうした今、話になっている調節池、短時間で大量の水を治めることができる調節池の整備や護岸工事、こういったことを全体で捉えて治水対策を考えていくということが現実的であるというふうに理解します。
陳情者は、周辺住民への周知や説明が不十分であるとしているんですが、見解を伺います。
○斉藤河川部長 計画内容につきましては、令和五年八月の都市計画素案説明会や都市計画案の縦覧など、法に基づく手続に加えまして、令和五年十二月のオープンハウスや令和六年一月に開催しました説明会などにおきまして、地元への周知を図ってまいりました。
また、説明会後には、都のホームページに配布資料などを公開し、出席できなかった方への周知を図るとともに、電話や対面により個別での対応を行っております。
今後とも地域住民に対し丁寧な説明を行うとともに、地元の声に耳を傾け、住民の理解促進に努めてまいります。
○小宮委員 住民への計画の周知など様々な場を通じて、話を聞いたり、説明をしたりする機会を実施してきたというふうに理解いたしました。
この本都市計画案につきましては、去る二月六日に都市計画審議会において審議されまして、賛成多数で可決されておりますけれども、過日の私も参加しました地域の住民の説明会でも指摘をいただきましたが、生活道路の確保であったり、工事の期間はどれくらいかとか、工事の車両はどの程度になるかとか、取水施設の規模はどのくらいか、先ほども話ありましたが、それによって子供たちに提供できる公園のスペースも変わってきますので、そうした日頃からそこに住んでいる方々の住環境への影響というものがどうなるのかということを具体的に説明してもらわないと、単純に反対せざるを得ないという現実的な声もいただいているところです。
ぜひ、今後もそうした点を踏まえて、住民への説明や理解促進に努めていただきたいと思います。
以上で私からの質問を終了します。
○原委員 共産党都議団の原です。
善福寺川上流調節池の陳情が出されております。私は、十二月の第四回定例会でも河川の対策のところでこの問題を取り上げました。どんな計画でも、大きなこうした計画は住民の協力なしにはできないというふうに考えて発言をしたところですけれども、今回陳情が出されました。
善福寺川上流調節池の計画、これは川の水害対策として、一千億円かけて三十万立方平方メートルの地下トンネル調節池をつくるという大きな計画です。昨年八月に都市計画素案の説明会に参加した住民の皆さんはとても驚いたそうです。善福寺川公園の中央に位置するロケット公園、関根文化公園、こうしたところは地域の中でとても貴重で大切な住民にとっての広場ですが、立て坑や管理棟などで大きく敷地が削られてしまうということや十年以上も工事が続く、そういう計画だということをその説明会でほとんどの人が初めて聞かされたからです。
さらに、原寺分橋では、管理棟を建てるために二十五の地権者に立ち退きを求める、そういう計画で、住民は寝耳に水という状態でした。本当に驚くような計画です。
昨年十一月三十日に開かれた都議会都市整備委員会に向けても二千五百筆、ネット署名でいうと一万二千筆の署名が出されて、異議が出されていました。
そして、杉並区にも多くの意見が寄せられて、一月二十六日、計画案の杉並区への照会に対して、区から都に対して進め方、総合的な治水対策の推進などの意見が付されて出されております。
計画素案の八月の公表から都の都計審、二月六日までの間が半年程度しかない、そのこと自身、拙速過ぎる、計画自体をまだ知らない人が多くいるとの意見、本当にそのとおりだというふうに思います。
都市計画案については、十二月一日から二週間の間、公衆の縦覧期間が設けられました。二月六日に行われた東京都都市計画審議会に提出されましたが、縦覧期間に出された反対意見が五百四十八通ありました。これ、驚くべき意見数です。
このような五百を超える反対意見が提出されるケースはまれではないでしょうか。どうでしょうか。
○斉藤河川部長 本件につきましては都市整備局所管と考えます。
○原委員 そのぐらい答えてほしいと思うんですよね。もう本当に縦割り行政を表していると思うんですが、二週間という短い縦覧期間の間に五百を超える反対意見というのは、本当に尋常ではないというふうに思います。うちの都議団の事務局も、長年仕事しているけれども、前代未聞だといっていました。前例がないかどうかはちょっと分かりません。
この計画を昨年八月、説明会で初めて知ったという住民がほとんどですが、いつからこの地域での調節池構想があったかを伺います。
○斉藤河川部長 平成二十八年三月に神田川流域河川整備計画を改定し、善福寺川上流域に新たな調節池を位置づけました。その後、令和五年三月に取水地点をこれまでの一か所から三か所に変更する河川整備計画の改定を行っております。
なお、これらの行政計画の策定に当たりましてはパブリックコメントを実施し、広く都民の意見を聴取してまいりました。
○原委員 二〇一六年にはこの領域に新たな調節池をという案が持ち上がっていたんですね。ですが、場所の特定は最近で、住民が知ったのは昨年。七年間のタイムラグがあります。この地域の水害などの現状を知ること、また、解決すべき課題を共有すること、複数の対策案を提示すること、計画をつくること、そういう過程を住民と共に丁寧に踏むことはできなかったんでしょうか。
原寺分橋地域では二十五軒の立ち退きが迫られるんですが、人の人生に変更を求める立ち退きという重大問題、重大課題について、昨年八月に初めてこの計画を住民に公表して、六か月後には都市計画決定とは、あまりにも短期間過ぎて強引ではありませんか。手続は問題ないというふうに先ほどもお話しされていましたけれども、住民が全然知らされていなかったという現実があります。パブリックコメントも知らなかったというふうに思います。
今も立ち退きの地域内で新築のマンションが完成して、これから入居が始まるというお宅もあります。井荻公園に隣接するこの地で生まれて育ってきた方もおられます。決定だからごり押しをする態度というのは、あってはならないというふうに思うんですね。
住民の皆さんは水害対策を否定してはおりません。集中豪雨に対する建設局による、これまでの河川の取組についてお伺いします。
○斉藤河川部長 東京都豪雨対策基本方針に基づきまして、建設局ではこれまで護岸や調節池などの整備を進めてきております。
○原委員 ちょっと簡単過ぎる答弁だと思うんですけれども、豪雨対策基本方針というのは都市整備局が立てる計画だと聞いております。そうですよね。それで、それを受けて、建設局では建設局の担当の部分、河川対策整備を推進してきたというふうな説明だったと思います。
一方、杉並区ではゲリラ豪雨などでの浸水被害を防ぐために、区内の新築マンションに雨水貯留施設を設置義務化するなどの取組が重ねられてきております。
内水氾濫対策としても有効な透水性舗装。私、現地を見てきましたが、まだまだ敷かれていない部分が多いなというふうに思った次第ですけれども、先般発表された杉並区の新年度予算案に区道などの透水性舗装化を拡充する水害対策予算が盛り込まれていました。杉並区としても取組を進めているところだというふうに思います。
河川についていえば、善福寺川の水圧を大幅に高めている要因に武蔵野市から下水流入があると聞き、現地を見てきました。改善する話合いが都と杉並区と武蔵野市で行われていると聞いていますが、まだ進んでいないようです。
都にこうした取組の可能性や効果予測などを行っているのか聞いたところ、豪雨対策計画は都市整備局の所管で、下水流入については下水道局または武蔵野市という説明でした。
ですが、こうした水害の誘因や対策、個々の浸水地域の原因分析の共有などをしなければ、調節池のみで説得できる話ではないはずです。
住民は、様々な水害対策がある中で、なぜ生活環境、自然環境に多大な影響をもたらす大規模な地下トンネルの調節池計画が突然出てくるのか、代替策はどのように検討されたのか、十分に答えを受けていないと訴えています。
今回の計画の必要性について、住民との共通認識には至っていないと思いますが、なぜでしょうか。住民との情報共有や対話の努力がどの程度なされてきたのでしょうか、お伺いします。
○斉藤河川部長 計画内容につきましては、令和五年八月の都市計画素案説明会や都市計画案の縦覧など、法に基づく手続に加えまして、令和五年十二月のオープンハウスや令和六年一月に開催しました説明会などにおきまして、地元への周知を図ってまいりました。
また、説明会後には、都のホームページに配布資料などを公開し、出席できなかった方への周知を図るとともに、電話や対面により個別での対応を行っております。
○原委員 八月以降の対応ということは分かりましたが、問題は、もう既に変更の利かない決定事項のような説明になっているということではないでしょうか。公園で毎日遊ぶ保育園の子供たちや学校に通う子供たち、地域住民の話が計画素案が出される前に加味されていますでしょうか。住民無視の計画は反発を招くばかりで、逆にうまく進まないのではないでしょうか。
ロケット公園も関根文化公園もほかには代え難い貴重な公園です。住民にとって大事な公園空間を削り、立て坑、取水、排水施設、管理棟をつくることでの生活環境や自然環境への負の影響について挙げていただきたいと思うんです。また、それをどう対処しようと考え、住民に説明してきたかを伺います。
○斉藤河川部長 既存公園の面積の減少や樹木への影響は生じますが、可能な限り小さくすると説明してきております。
具体的には、工事の影響を受ける遊具はほかの場所へ移設するなど、子供たちの遊び場を可能な限り確保することや、樹木につきましては可能なものは移植していくなど、影響が小さくなるよう検討していくことなどを説明してまいりました。
○原委員 遊具や樹木は移動いたしますといいますが、そういう問題じゃないんですね。ロケット公園にはプラタナスの木々が立っている美しい広場が広がっています。その場所は管理棟を建てる敷地にする計画だそうです。本当に住宅地の自然や公共空間が侵されることにもっと慎重になっていただきたいと思います。
これらの公園以外の代替地を検討はしましたか。
○斉藤河川部長 本調節池の三か所の取水施設は公共用地を活用することを基本に、既往の浸水実績などを勘案して設置することにいたしました。
○原委員 では、工事は何年間かかる計画でしょうか。工事中の生活環境への負荷についてどのように認識していますか。
○斉藤河川部長 現在、詳細設計を行っておりまして、工期につきましては検討中でございまして、工事に伴う騒音、振動につきましては、低騒音型の重機の活用などにより、基準値以下に抑えるなど、周辺環境への影響の低減に努めてまいります。
○原委員 それは当然やっていくべきだとは思います。しかし、何年かかるか分からないという状況です。
ロケット公園でお会いした住民の方は、工事がもし十五年間続いて公園が使えなかったら、五歳の子はもう成人してしまいますというお手紙をくださいました。
関根文化公園では、お子さんを抱っこしていましたけれども、来年入園する保育園には園庭がないんですと。皆、この公園に散歩に来ますと。乳幼児の遊び場を奪わないでほしいと訴えられました。
こうした状況に対応できる方策があるのなら示してほしいと思います。子供ファーストというなら、成育環境のことをしっかり考慮に入れて計画を検討することは必須です。
陳情の願意は、今後の手続について、住民への周知と声を聞き、丁寧な対応をすることを求めています。本当に切実な願いに絞って出されたというふうに思います。当然補償を徹底されるべきと考えますが、どのように対応するんですか。
○斉藤河川部長 今後も引き続き、地域住民に対して丁寧な説明を行うとともに、地元の声に耳を傾け、住民の理解促進に努めてまいります。
○原委員 住民への情報の周知の徹底と話合いを続ける丁寧な対応を強く求めます。
陳情を採択すべきものと表明し、質問を終わります。
○もり委員 都市計画河川第八号善福寺川の手続における住民への周知と対応に関する陳情について、意見を述べさせていただきます。
善福寺川は過去に何度も氾濫被害があったことから、地域住民からも治水対策の重要性が求められております。
二月六日の都市計画審議会において、本事業は賛成多数で計画決定をされましたが、その前段における一月十六日に開催された杉並区における都市計画審議会では、出席委員の三分の一が提案に反対を示していることから、地元区、地域住民の意見を重く受け止めるべきであると考えます。
この計画によって、都立である善福寺川緑地公園、杉並区立関根文化公園が事業用地として姿を消すこととなり、先ほどの答弁では、できる限り遊具は残すということですが、浸水対策は大変重要ですが、そのために地域の貴重な都市公園がたやすく姿を消してしまうことは、都市における樹木による保水機能を低下させるものであり、気候変動による自然災害の激甚化に立ち向かうまちづくりが求められます。
この陳情書にもあるように、グリーンインフラの整備、透水性舗装や雨水浸透ますの設置拡大など、いま一度自然と人への負担の少ない施策を住民参加の下で検討する必要があり、人口減少社会の中で持続可能な自治体運営が求められていると考えます。大型で巨額な事業に邁進するのではなく、地域住民の声を聞きながら丁寧に理解を求めるべきです。
杉並区議会において、自民党さんや都民ファーストの会からも、工事における住環境悪化への懸念、工事の進め方は住民の意見を反映していただきたいというご意見ですとか、ロケット公園についても、ほかに代わる用地を検討して進めていただきたいとの声が聞こえました。都民と決める、都民と進めるを標榜した小池都政だからこそ、そういった地元区議の声ですとか、地域都民の声に丁寧に寄り添いながら本事業の手続を進めることが求められます。
先ほど都のご説明の中にも、地域住民の声に耳を傾け、住民の理解促進に努めていくという答弁をいただきましたので、本陳情の願意には全ての委員が賛成をできるものではないかと考え、本陳情については採択を求めます。
○漢人委員 今日最後の質問です。陳情第一〇〇号、東京都市計画河川第八号善福寺川の手続における住民への周知の対応に関する陳情について、賛成の立場で質問をいたします。
まず最初に、河川整備の基本的な考え方に関して、当該調節池がなぜ必要なのか、幾つかの点からお伺いしたいと思います。
まず一問目ですが、河川整備計画の策定に当たって前提となる計画雨量を年超過確率二十分の一に相当する一時間当たり七十五ミリとしていますが、これは善福寺川の流域全体に、ピーク時に一時間当たり七十五ミリの雨が降ることを想定しているのだと理解してよいですか。
あわせて、どこかの河川流域全域において、この量の降雨があった実績はあるでしょうか、お伺いします。
○斉藤河川部長 計画雨量の考え方につきましては、その理解のとおりでございます。
渋谷川、古川におきまして、平成十一年に時間百ミリを超える降雨の範囲が流域の約六割を占めた実績がございました。
なお、調節池の計画に当たりましては、その上流域の計画降雨量を基に検討しております。
○漢人委員 実績としては渋谷川、古川でかつて一回あったということで、あまりない事例ですね。
次の二問目ですが、いわゆるゲリラ的豪雨が象徴しますように、一時間当たり七十五ミリの雨が観測されるということは、決して珍しいことではなくなってきています。
しかし、その多くは特定の河川流域のそのまた一部に集中的に降るケースがほとんどなんですね。流域全体で見れば、必ずしも一時間当たり七十五ミリの雨量には達しない場合も数多くあると考えられます。
こうした局地的で、いわば偏りの強い豪雨に対しては、広域的で大がかりな河川整備ではなくて、むしろ雨水貯留施設や、いわゆるグリーンインフラなど、地域で柔軟に対応できる治水機能の充実こそが効果的ではないかと思いますが、いかがでしょうか。さっきそんな答弁があったかと思いますが、重ねて確認させていただきます。
○斉藤河川部長 台風や集中豪雨による洪水対策としましては、河道及び調節池による河川整備と浸透ますなどの設置による流域対策を両輪で進める必要がございます。
○漢人委員 総合的にはそうなんですけれども、このピークカットという考え方でいえば、グリーンインフラ的な局地的な地域地域の対応が有効なんではないかということを重ねて申し上げます。
次の質問ですが、計画雨量相当の降雨があった場合に、そのうちどの程度の雨が下水から河川に流下するのかを示す値、すなわち流出係数というものがありますが、これは河川整備目標を設定する際の基本となるものです。
流出係数は土地利用状況等を踏まえて設定しているということですけれども、善福寺川流域の流出係数とその根拠についてお伺いします。
また、河川流域ごとの土地利用の違いは、計画における流出係数に反映されているのでしょうか。反映されていないとしたら、それはなぜでしょうか。
○斉藤河川部長 各河川における流出係数は、当該流域の将来の土地利用を踏まえて設定をしております。
善福寺川における流出係数は、将来の土地利用を踏まえまして、〇・八としております。
○漢人委員 〇・八ですね。将来の土地利用なんですけど、その将来の土地利用の在り方は今、大きく変わってきているんじゃないかと思うんですね。計画降雨量においても、また、流出係数においても、必要な河川整備目標を過大に設定していることになりはしないでしょうか。
一層の宅地化を想定した流出係数の設定は過剰な都市化を誘導するものであり、緑地や畑地の保全、保水、親水機能の充実など、持続可能で地球環境への負荷の少ないまちづくりを進めようと、そういうことで頑張っている自治体の努力に反するものではないかと思うんですが、いかがですか。
○斉藤河川部長 時間五十ミリを超える降雨に伴う水害が頻発していることを踏まえまして、学識経験者の意見を参考に、平成二十四年に策定しました中小河川における都の整備方針におきまして、目標降雨を年超過確率二十分の一の規模の降雨に設定しております。流出係数は、将来の土地利用を踏まえて設定しているものであります。
なお、善福寺川流域につきましては既に市街化が進んでおりまして、都市化を誘導するものではございません。
○漢人委員 この流出係数なんですけれども、二十三区とその周辺だけを見ても、河川流域ごとに土地の利用状況は大きく異なっていまして、それぞれに異なる流出係数を前提とするべきだと考えるんですね。だけど、この〇・八というのは、二十三区全体共通の〇・八ではないかと思います。
そして、ちなみに善福寺川流域の一部を構成する武蔵野市では、現時点での流出係数を〇・五〇と評価して、さらに令和二十五年、二〇四三年までの流出係数の〇・四〇の達成を目指しますとしています。これは二〇二三年の武蔵野市下水道総合計画に示されているものです。
下水道における流出係数と河川の流出係数は違うのだということはあるようですが、下水道局に確認したところ、この善福寺川処理分区の下水道の流出係数も〇・六から〇・七五ということで、とても処理小区分ごとに細かく定めているんですけれども、〇・八からすると大分低い数値なわけですね。
河川と下水道とは違うかもしれないけれども、しかし、やっぱり丁寧にその地域によって流出係数というのは算出をし、それに合わせた流域の対策をするべきではないか。善福寺川流域、もう武蔵野市の隣ですからね。その流出係数が二十三区全体と一緒ではなく、やはりここはもっと丁寧に設定されるべきではないかと考えます。
今回のこの調節池計画で立ち退きを迫られることになる原寺分橋付近の地権者の方からの声を一つご紹介したいと思います。
原寺分橋周辺では、護岸工事以後、善福寺川の氾濫は一度もありません。唯一、平成十七年の大雨も、川より先に道路側の下水氾濫により被災しました。
しかし、それ以後、善福寺川に流れ込んでいた雨水も武蔵野市の雨水対策により、道路の下水道氾濫もなくなり、三百六十五日、水鳥のすむ水辺となっています。善福寺川の他の地域も同様だと思います。
蛇行の箇所の多い善福寺川は各箇所水の流れに相違があるのです。その特徴を調査し、個々の対策により、善福寺川の大雨による氾濫は防げると考えます。これまでの都からの説明では、その各所の調査が不十分であり、情報公開されていません。このような声を伺っています。
この調節池計画の前提となる降雨量や流出係数の設定の根拠、そして、その持つ意味が十分に住民に伝えられ理解をされている、了解をされているとはいい難い状況です。
もし、今、都が唱えている、掲げているその前提に立ったとしても、今回の調節池計画を優先的に、拙速なまでに急いで整備しなければならないとする根拠には疑問が残るといわざるを得ません。
次ですが、善福寺川の河川整備の進め方について伺いたいと思います。質問二つまとめて伺います。
善福寺川における河川整備事業について、現在、事業中の護岸の整備率を伺います。残る整備箇所の延長はどのぐらいになりますか。また、その部分の整備の時期はいつ頃になるのでしょうか。
あわせて、その未整備区間を整備するとした場合、新たに取得しなければならない民有地はどのくらいの規模になるでしょうか。お願いします。
○斉藤河川部長 善福寺川の護岸整備率は六一%でございます。残る延長は約四キロメートルでございまして、護岸整備は原則、下流側より順次進めてまいります。
また、護岸整備に伴い、民有地の取得が必要でございますが、その規模につきましては、事業着手時に測量を実施することで確定してまいります。
○漢人委員 まだ護岸整備は六一%なんですね。こっちを先にやればいいんじゃないかという趣旨です。
そして、そのために取得する民有地ですけれども、調査していないということですが、原寺分橋のあの一か所で二十五軒も立ち退きを迫るような、そういった規模ではないだろうと思うわけですね。ぜひ住民負担の少ない河道整備の方から優先的に着手をするべきだというふうに考えます。
その河道の五十ミリ整備が完了した場合には、既存の善福寺川は何ミリの雨量に対応するものとなるのでしょうか。
○斉藤河川部長 善福寺川では早期に治水安全度を高めるため、河道及び調節池による河川整備と浸透ますなどの設置による流域対策を両輪で進めていくこととしておりまして、河道整備を優先した場合に対応する降雨量は算出しておりません。
なお、全ての整備が完了すると、一時間当たり七十五ミリの降雨に対応することとなります。
○漢人委員 それはぜひ個別に丁寧に算出をして、優先度、順位を決めていただくべきだというふうに思います。
巨大な調節池を地域の強い異論の中で一千億円もかけて、しかも、十年もの工期をかけて整備するということを急ぐよりも、この護岸整備を優先する方が当面の治水能力の改善のためにははるかに効果的で効率的ではないかと。なぜこの護岸整備を優先的に進めないのですか。
○斉藤河川部長 都の中小河川におきましては、下流から順次、川幅を広げるなどの護岸整備を行うことを基本としております。
あわせて、調節池を整備することによって、早期に治水安全度の向上を図っております。 このうち、沿川に住宅が密集するなど整備に長い期間を要する善福寺川におきましては、護岸整備に先行して調節池を設置し、下流の安全性を高めた上で、上流に向けて三か所におきまして護岸整備を進めているところでございます。
引き続き、水害に対する安全性の早期向上に向けて、護岸及び調節池の整備を進めてまいります。
○漢人委員 次に、本計画の具体的な内容についてお伺いします。
本計画では、深さ四十メートルに達する地下に直径十メートル近い巨大なトンネルを掘ることになります。たとえその多くが都道の地下とか河川の下を通るとしても、その安全管理は極めて重要な課題です。外環道の調布での陥没事故を引くまでもなく、シールドトンネル工事の安全性への懸念、疑念が強まっている中で、よほど慎重な調査設計と丁寧な説明が不可欠だというふうに思います。
そこで質問ですが、これまで都内におけるシールド工法の地下調節池の工事において、地上部の家屋や道路等に生じた被害はありますでしょうか。あれば、その概要をお伺いします。
○斉藤河川部長 都が実施したシールド工法による調節池の工事において、トンネル上部にある家屋や道路などに被害が生じた事例はございません。
○漢人委員 区分地上権が設定されるわけですが、その範囲並びに対象となる土地建物の件数をお伺いします。
○斉藤河川部長 区分地上権の設定範囲や土地建物の件数は、今後実施する用地測量で確定いたします。
○漢人委員 河川下も含めて、地下の地盤や地層の状況を確認するためのボーリング調査は行われましたでしょうか。ボーリングの箇所数や調査の時期やその結果の概要をお伺いいたします。
○斉藤河川部長 シールドマシンの通過ルートにおきまして、令和三年度から五年度に二十八本のボーリング調査を行い、主に粘性土や砂礫から成る地層であることを確認しました。
○漢人委員 原寺分橋付近をはじめとした湧水源の状況並びに地下水脈の調査の実施状況とその結果をお伺いします。
○斉藤河川部長 湧水源の場所や量などの詳細な状況は把握しておりませんが、原寺分橋下流に湧水が存在していることは把握しております。
また、ボーリング調査実施時に地下水の状況を確認しております。
○漢人委員 住民からの心配の声があるんですが、まだ詳細な状況を把握していないということですね、残念ながら。
次ですが、シールド工事により掘削される土の量はどの程度になるのかお伺いします。
あわせて、その排出された土の仮置場、それから資材置場、ダンプ等の工事車両の待機場所など、都市計画区域以外にも広大な敷地が必要になるのではないでしょうか。それらの土地はどこに確保するつもりですか。ロケット公園に加えて、まさか隣の中央公園も工事のために使用され、占有されるようなことはないかと心配の声がありますが、いかがでしょうか。
○斉藤河川部長 トンネル部分の掘削土量は、約四十万立米を想定しております。今後、詳細設計で数字を精査してまいります。
また、工事の施工に当たりましては、都市計画区域外にも用地が必要となります。
なお、その箇所や規模につきましては詳細設計の中で検討してまいります。
○漢人委員 残念ながら、中央公園は大丈夫だよという答弁が欲しかったけど、それも全部分からないということですね。今後さらに必要な土地があるということです。
関根文化公園の現存する樹木の保全及び遊具など、子供たちのための機能の維持確保について、これまでも答弁が出ていますが、お伺いいたしたいと思います。
○斉藤河川部長 樹木につきましては可能なものは移植していくなど、影響が小さくなるよう検討してまいります。
また、関根文化公園は施工ヤードとしても活用いたしますが、一部でも子供たちの遊び場として利用できるように検討してまいります。
○漢人委員 都市計画と並行して、むしろそれに先立ってこの設計作業を進めている中で、そして、事業所管である建設局が手続の前面に立っているという中で、住民が都市計画の適否だけではなくて、実際の事業や工事の内容や影響について知りたいと願うのは、これは至極当然のことです。こうした基本的なことすら説明されていないということは、これは大きな問題だといわざるを得ません。
最後に、都市計画手続と地元区の意向についてお伺いいたします。
異例な都市計画手続であることは、都市計画の素案も出る前から設計に入っていたこと、協定事業として早々に事業者を特定してしまっていることなど、十一月の委員会の事務事業質疑でも指摘をしました。
二月六日の都市計画審議会で賛成多数で決定をされましたが、都市計画案に対して提出された意見が六百三十七件で、そのうち計画反対が五百四十八件、賛成が五件、その他が三十九件だったということです。この五百四十八件の反対というのは本当に重く受け止めなければなりません。
また、一月二十日には、都市計画案の公告縦覧と意見募集が終了した後に説明会が開催されたわけです。私も伺いました。
都市計画手続のこのタイミングで説明会を開催したということは、これまでありますでしょうか。また、説明会開催の趣旨や開催に至った理由をお伺いします。
○斉藤河川部長 河川事業におきましては、この時期に説明会を開催したことはございません。
今回の調節池は、初めてECI方式を適用したものでございまして、本説明会につきましては、都市計画法に基づく素案説明会に加えて、住民の理解をさらに促進するため、この時期に実施したものでございます。
○漢人委員 この異例の説明会での住民の意見も踏まえて、この都市計画決定についての意見照会に対する区長の回答をどのように受け止めているのかお伺いいたします。
○斉藤河川部長 区長からは、本都市計画案に異議がないとの回答がございました。また、事業の実施に当たりましては、住民の意見を反映し、区と連携協力して進めるように要望がございました。
今後も引き続き、地域住民に対し丁寧な説明を行うとともに、地元の声に耳を傾け、住民の理解促進に努めてまいります。
○漢人委員 杉並区長の回答は、東京都市計画河川第八号善福寺川の変更について、計画のとおり異議ありませんとはしつつ、なお、地元自治体の長として、別紙のとおり、住民の切実な声や今後の進め方について区の考え方を示しますので、都市計画事業の実施に当たっては住民意見を十分に反映し、区と連携協力した進め方をお願いいたしますとして、次のような意見が添えられています。
都市計画決定に当たって、本都市計画案については、昨年八月の都市計画変更素案の説明会以降、本計画案自体を知らない人が多くいる、周知が不足している等の理由により、全区的な説明会や地域ごとの説明会の開催が求められています。
また、シールドトンネルの安全性に関する懸念や都立、区立公園では、子供の遊び場、地域の憩いの場の創出、湧水の枯渇、生態系の破壊などの声も多く寄せられています。
都市計画変更素案の公表から東京都の都市計画審議会に諮られるまでの期間が半年程度しかなく、都は拙速に進めているという意見も多く届いています。
本都市計画の決定に当たっては、地域住民への周知が必ずしも十分ではないとの住民意見に十分留意し、都知事として判断願いますというものです。
最後にお伺いします。
都市計画それ自体は了としつつも、住民への周知が不足し、疑問、懸念に応えておらず、手続が拙速であることを改めて指摘し、それを踏まえて、都市計画の決定を行うように区長は求めているわけです。これはまさに今回の陳情の願意とぴったりと一致するものだというふうに思いますが、改めて都としての、今後のこの調節池事業をどのように進めていくのか見解をお伺いいたします。
○斉藤河川部長 今後も引き続き、地域住民に対し丁寧な説明を行うとともに、地元の声に耳を傾け、住民の理解促進に努めてまいります。
○漢人委員 何度も繰り返し、今日いわれたお言葉ですけれども、都としてはこの陳情の願意に沿った対応をするとのことです。
議会がこの陳情を否決し、都に対して、都市計画法の第十八条の精神をないがしろにするような対応を求めるということはあり得ないというふうに考えます。
採択するのが当然の陳情であると申し上げて、私の質問を終わります。
○曽根委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
本件は、起立により採決いたします。
本件は、採択とすることに賛成の方はご起立願います。
〔賛成者起立〕
○曽根委員長 起立少数と認めます。よって、陳情五第一〇〇号は不採択と決定いたしました。
請願陳情の審査を終わります。
以上で建設局関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後六時五十七分散会
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