環境・建設委員会速記録第十五号

令和五年十一月十四日(火曜日)
第九委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長曽根はじめ君
副委員長原  純子君
副委員長須山たかし君
理事細田いさむ君
理事山田ひろし君
理事小松 大祐君
漢人あきこ君
もり  愛君
アオヤギ有希子君
こいそ 明君
成清梨沙子君
小磯 善彦君
小宮あんり君
増子ひろき君

欠席委員 なし

出席説明員
建設局東京都技監建設局長兼務中島 高志君
次長古屋 留美君
道路監花井 徹夫君
総務部長荒井 芳則君
用地部長澤井 晴美君
道路管理部長若林  憲君
道路建設部長久野健一郎君
三環状道路整備推進部長手塚 寛之君
公園緑地部長佐々木 珠君
河川部長斉藤  有君
企画担当部長松島  進君
総合調整担当部長東山 正行君
建設DX推進・危機管理強化担当部長DX推進担当部長兼務儀間  潔君
道路保全担当部長原田 和生君
無電柱化推進担当部長今宮 正純君
道路計画担当部長周郷 友義君
公園計画担当部長根来 千秋君
河川防災担当部長小木曽正隆君

本日の会議に付した事件
建設局関係
事務事業について(質疑)

○曽根委員長 ただいまから環境・建設委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、建設局関係の事務事業に対する質疑を行います。
 これより建設局関係に入ります。
 事務事業に対する質疑を行います。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○荒井総務部長 去る十月十七日の当委員会において要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
 お手元の環境・建設委員会要求資料をご覧ください。
 表紙をおめくりいただきますと、目次に十四件の資料の件名が記載してございます。
 一ページをご覧ください。都市公園の維持管理費、整備費及び用地取得状況の推移でございます。
 この表は、都市公園の維持管理費と整備費及び整備費のうち用地取得費につきまして、平成二十六年度から令和四年度までの決算額と用地取得の規模及び令和五年度の当初予算額と用地取得予定の規模を表したものでございます。
 二ページをご覧ください。二ページから六ページまでの表は、都市公園における平成三十年度から令和四年度までの公園ごとの用地取得に係る取得規模と決算額を表したものでございます。
 七ページをご覧ください。中小河川の整備状況及び河川しゅんせつの推移でございます。
 この表は、中小河川の整備状況につきまして、令和元年度から令和四年度までの整備延長と決算額及び令和五年度の整備予定延長と当初予算額を表したものでございます。
 八ページをご覧ください。この表は、中小河川における令和元年度から令和四年度までのしゅんせつ土量の実績と決算額及び令和五年度のしゅんせつ土量の予定数量と当初予算を表したものでございます。
 九ページをご覧ください。中小河川の整備状況(令和四年度河川別)でございます。
 この表は、令和四年度の中小河川の整備状況につきまして、河川ごとの整備延長と決算額を表したものでございます。
 一〇ページをご覧ください。東部低地帯耐震・耐水対策の整備状況の推移でございます。
 この表は、東部低地帯の河川施設整備計画に基づく東部低地帯における耐震、耐水対策につきまして、令和元年度から令和三年度までの決算額と完成規模を表したものでございます。
 一一ページをご覧ください。この表は、東部低地帯の河川施設整備計画(第二期)に基づく東部低地帯における耐震、耐水対策につきまして、令和四年度の決算額と完成規模及び令和五年度の当初予算と完成予定規模を表したものでございます。
 一二ページをご覧ください。道路補修費の予算・決算額の推移でございます。
 この表は、道路補修費につきまして、平成二十六年度から令和四年度までの予算額と決算額及び区部と多摩部別の決算額、令和五年度の当初予算額を表したものでございます。
 一三ページをご覧ください。歩道の整備状況の推移でございます。
 この表は、歩道の整備につきまして、平成二十六年度から令和四年度までの整備延長と決算額及び令和五年度の整備予定延長と当初予算額を区部、多摩部別に表したものでございます。
 一四ページをご覧ください。骨格幹線道路(主要路線)・地域幹線道路の整備費の推移でございます。
 この表は、骨格幹線道路と地域幹線道路の整備費につきまして、令和元年度から令和四年度までの決算額、令和五年度の当初予算額を表したものでございます。
 一五ページをご覧ください。特定整備路線の計画概要と進捗状況(建設局施行)でございます。
 この表は、特定整備路線につきまして、整備計画の概要と進捗状況及び用地取得率を表したものでございます。
 一六ページをご覧ください。骨格幹線・地域幹線道路の事業化前の調査費計上路線でございます。
 一六ページから二四ページまでの表は、骨格幹線道路と地域幹線道路の事業化前の調査費計上路線につきまして、令和三年度から令和五年度までの予算に計上している路線名、区市町村、当初予算額を表したものでございます。
 二五ページをご覧ください。都道における無電柱化の進捗状況でございます。
 この表は、都道における無電柱化につきまして、平成三十年度末から令和四年度末までの整備対象延長、整備済み延長、地中化率を区部、多摩部別に表したものでございます。
 令和三年度末及び令和四年度末は、東京都無電柱化計画、東京都島しょ地域無電柱化整備計画ごとに記載してございます。
 また、令和四年度末につきましては、利島・御蔵島無電柱化整備計画の整備対象延長を島ごとに記載してございます。
 二六ページをご覧ください。建設事務所で保有している排水ポンプ車の台数でございます。
 この表は、令和五年十月末現在の建設事務所で保有している排水ポンプ車の台数を表したものでございます。
 二七ページをご覧ください。日比谷公園の樹木の扱いでございます。
 令和五年七月から公表している資料、バリアフリー日比谷公園プロジェクトより抜粋したものでございます。
 二八ページをご覧ください。明治公園の整備計画でございます。
 二八ページから二九ページの資料は、ホームページに公表している資料でございます。
 三〇ページをご覧ください。都立公園における優先整備区域の用地取得実績と計画でございます。
 この表は、都立公園における優先整備区域の令和二年度から令和四年度までの用地取得実績と、令和五年度の計画を表したものでございます。
 以上で要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○曽根委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○山田委員 では、まず、私の地元井の頭公園について伺いたいと思います。
 三鷹市とお隣の武蔵野市にまたがっております井の頭公園は、都内でも有数の人気の公園でありまして、これまでもテニスコートの増設であったり、トイレのバリアフリー化など、様々な整備が進んできました。多くの人が訪れている井の頭公園ですけれども、地元市とも連携しながら、これからも地域に愛され続ける都立公園でなければなりません。ただ、様々な施設の老朽化も見られ、随時、更新等を進めていく必要があります。
 そこで、施設の老朽化対策やバリアフリー対応などにより、都立井の頭恩賜公園の利便性をさらに向上すべきと考えますけれども、見解を伺います。

○根来公園計画担当部長 井の頭恩賜公園では、老朽化した施設の適切な維持管理や機能向上を図るため、施設の改修等に継続的に取り組んでおります。
 今年度は、競技場の利便性を向上させるため、フィールドの表層を全面改修することで、水はけ等を改善いたしました。また、老朽化した井の頭池のボート管理施設の改修を実施しております。
 今後は、桜の生育などに伴い影響が生じている井の頭池の護岸改修や池に架かる弁天橋の架け替えに向けた検討を行い、あわせて、橋の傾斜を緩やかにするなど、バリアフリー化を図ってまいります。

○山田委員 井の頭公園については、施設の整備に加えて、地域の方々や地元市と連携しながら、地域の活性化につながるような取組、これをさらに充実させていくことが重要です。
 井の頭公園と地元市が積極的に連携した取組を進めていくべきと考えますけれども、見解を伺います。

○佐々木公園緑地部長 井の頭恩賜公園では、地元三鷹市、武蔵野市等の協力を得て、例年、楽器演奏やアート作品の展示、販売を行う井の頭アートマーケッツを開催し、にぎわいの創出につなげております。
 また、井の頭恩賜公園の魅力を一層高め、未来の世代へ受け継いでいくため、都が主催し、地元の市や関係団体などが参加する井の頭恩賜公園未来へつなごう委員会を設置し、地元と連携した取組を推進しております。
 今年度は、都市公園制度制定百五十周年の機会を捉え、地元三鷹市、武蔵野市の小学校の児童を対象に、百年後の井の頭公園の姿を描く絵画コンクールを開催しており、今後、両市内の会場で入賞作品の展示等を行うこととしております。
 地元市とも連携した取組を通じて、井の頭恩賜公園の活性化に取り組んでまいります。

○山田委員 ありがとうございます。
 三鷹市から見た都市の観光という視点では、井の頭公園であったり、その中にあるジブリ美術館など、これを訪れた方に、いかに三鷹市内を周遊してもらえるかというところが重要となってまいります。
 これまでの東京都と三鷹市など地元市との関係性を生かして、井の頭恩賜公園を管理する東京都と三鷹市との間で、井の頭公園を訪れた方が三鷹市を周遊してくれる、そういうふうなところにつながっていくような取組の在り方について、ぜひ積極的に協議、検討することを改めて求めておきたいと思います。
 次に、都立公園における生物多様性の保全について伺います。
 都立公園は、都民の休息や憩いの場となっているほか、緑豊かな環境が多様な生き物を支えており、子供たちが虫や草花など自然と触れ合うことができる場としても重要です。
 環境局において、新たな生物多様性戦略が策定されまして、都庁全体で生物多様性の取組をさらに進めていくべき時期に来ております。
 そこで、都立公園において、生物多様性の保全に向けた取組を推進すべきと考えますけれども、見解を伺います。

○根来公園計画担当部長 都立公園は、生き物の大切な生息地でございまして、公園内の生息環境を改善することにより生態系の回復を図っていくことは、生物多様性の観点から重要でございます。
 都は、公園の規模や地形、広域的な緑のつながりなどを踏まえ、三十一公園を選定し、公園ごとの自然環境の現況を把握した上で、順次、生物多様性保全利用計画を策定し、ボランティアや専門家等とも連携しながら、多様な生物が生息する都立公園づくり事業を進めております。
 具体的には、間伐による植生の回復や湿地の創出などの整備を行い、改善後の状況を把握するモニタリングを実施いたします。

○山田委員 また、こちらも私の地元になって恐縮ですけれども、三鷹市の野川公園、名前のとおり野川が流れておりまして、また、はけと呼ばれる崖の緑が連なっているので、非常に自然環境豊かなところであります。
 園内には自然の観察園が設置されるなど、都民が身近に生き物と触れ合う場ともなっております。
 そこで、野川公園における生物多様性の保全について、さらに取り組むべきと考えますけれども、見解を伺います。

○根来公園計画担当部長 野川公園では、平成三十年度に策定した生物多様性保全利用計画に基づき、国分寺崖線の湧水や雑木林などの自然特性を踏まえて、多様な生物が生息する公園づくりを進めております。
 現在、野鳥の餌となる実がつく樹木の植栽や間伐などによるバードサンクチュアリーの再生、堆積土砂の除去による湿地環境の改善や湿性植物の育成など、生物の生息環境の改善に向けた整備工事の設計に取り組んでおります。
 令和七年度の整備完了後は、モニタリング調査を実施いたしまして、自然環境の変化を把握しながら、順応的な維持管理を行ってまいります。

○山田委員 ありがとうございます。
 野川公園の自然環境も非常にすばらしいものがございますので、生物多様性の保全を進めていくことで、多くの子供たちが武蔵野の自然と親しむ場となりますように、着実に取組を進めていただきますようお願いいたします。
 都立公園に関して、もう一点伺います。スケートボード場に関して伺います。
 東京二〇二〇大会、非常に多くのレガシーを残しておりますけれども、その中の一つがスケートボードなど新しい競技における若い選手たちの活躍というのがありました。
 私たちは、スケートボードに関して、アーバンスポーツとしての魅力を損なうことがないように、規制ありきではなく、競技団体等との協議の上で、ガイドラインなど自律的な取組を促しながら、適切なスケートボードの利用空間を創出していくことを求めてまいりました。
 都立公園において、スケートボードが楽しめる広場の整備に関して、都の取組と今後の方向性について見解を伺います。

○根来公園計画担当部長 都は、スケートボードの人気の高まりなどを踏まえて、都立公園における取組を拡充することといたしました。
 新たな広場の整備に向け、昨年度、施設内容などの整備条件の検討を行いますとともに、利用に伴う騒音等を考慮した具体的な設置場所の調査を実施いたしました。
 今年度、武蔵野公園において、設計に着手することとしておりまして、他の公園利用者や地域住民の方の理解と協力を得ながら、整備に取り組んでまいります。

○山田委員 ありがとうございます。
 では、次に、道路について伺っていきたいと思います。
 三鷹市で整備を進めている主要な都市計画道路の状況等について伺ってまいります。
 まず、以前に一般質問でも取り上げ、また、昨年の事務事業質疑でも伺いましたけれども、三鷹三・四・七号線、連雀通りについて確認していきたいと思います。
 三鷹市の中央を東西に貫く連雀通りは、やっぱり交通量も多く、交差点において交通渋滞が見受けられます。また、歩道の道の幅が大変狭く、歩行者や自転車の円滑な通行の支障となっている箇所があることなどから、地域住民の方々からの早期整備を求める声は大変強い状況です。
 昨年は、関係する用地の取得が約八七%まで到達したとの答弁をいただきましたけれども、地域住民の方々の期待はますます高まっておりまして、一層の整備を加速すべきです。
 そこで、連雀通りの整備に関する現在の状況と今後の取組について見解を伺います。

○久野道路建設部長 三鷹三・四・七号線は、三鷹市井の頭一丁目から同市井口四丁目に至る約五・四キロメートルの地域幹線道路であり、三鷹市を東西に結ぶ重要な路線でございます。
 現在、吉祥寺通り付近から三鷹通り付近までの約七百八十メートルの区間で事業中であり、これまでに八九%の用地を取得し、狐久保交差点付近におきまして、電線共同溝設置工事等を実施してまいりました。今年度は、下連雀四丁目などで排水管設置工事を行う予定でございます。
 引き続き、早期の完成に向け、残る用地の計画的な取得に努め、可能な区間から順次工事を進めてまいります。

○山田委員 ありがとうございます。
 連雀通り、地域の期待は極めて大きい道路でありまして、やっぱり早期の開設、事業完了に向けて、今後とも事業の推進、進めていただくことを強く要望いたします。
 また、連雀通りの事業実施中の区間には、古くからの連雀通り商店街があります。この商店街の方々、平成十六年に連雀通りまちづくり協議会を立ち上げ、連雀通りの整備を契機とした魅力的なまちづくりに向けて、精力的に活動を続けていらっしゃいます。
 都はこれまでも、まちづくり協議会と随時意見交換を進めてきたと理解しておりますけれども、あともう少しというところまで事業が進んできた現状だからこそ、一層細やかな意見交換が必要です。
 連雀通りまちづくり協議会との意見交換、調整等をより積極的に行うべきと考えますが、都の見解を伺います。

○久野道路建設部長 三鷹三・四・七号線の整備に当たっては、平成二十六年から継続して、連雀通りまちづくり協議会に出席し、事業報告を行うとともに、道路整備に関する意見交換を踏まえて、道路の設計を進めてまいりました。
 また、まちづくり協議会が開催する地元住民向けのまちづくり情報コーナーにおきまして、道路整備の進捗状況や地元からの要望に対する東京都の対応状況を掲示するなど、分かりやすく丁寧な説明に努めております。
 引き続き、まちづくり協議会と意見交換を行うとともに、理解と協力を得ながら、着実に事業を推進してまいります。

○山田委員 ありがとうございます。
 都の方でも対応を行っていただいているとは理解しておりますけれども、やっぱりまちづくり協議会の方々からは、現状がなかなかよく分からないので、もっと頻繁に都から説明を受けたいというお声を多くいただいておりますので、より一層、丁寧な対応をお願いしたいと思います。
 引き続き、連雀通りまちづくり協議会をはじめ、地域住民の方々と共に魅力的な道路整備、取り組んでいただくことを求めたいと思います。
 次に、三鷹三・四・三、三・四・一一及び三鷹三・四・一二について伺います。
 この三路線は、現在、国などが整備を進めております東京外かく環状道路の仮称中央ジャンクション等へのアクセス性向上にも非常に重要な道路です。
 この三路線とも中央ジャンクションより西側では、既に用地取得がほぼ完了しておりまして、用地を提供した地域、地元の住民の皆様からは、早期整備を求める声を強くいただいております。
 そこで、改めて三鷹三・四・三、三鷹三・四・一一、三鷹三・四・一二について、中央ジャンクションより西側の区間における現在の取組状況と今後の予定について伺います。

○久野道路建設部長 三鷹三・四・一二号線外二路線では、現在、合計約一・九キロメートルで事業を実施しており、三路線とも仮称中央ジャンクションより西側の区間の用地買収は、おおむね完了してございます。
 このうち、三鷹三・四・一二号線では、昨年度までに整備した工事用搬入路を使用して雨水浸透施設の整備を進めており、本年十月に北野小学校付近の工事が完了しました。
 今後、東八道路から北野三丁目付近までの残る区間におきましても、工事を実施していくこととしております。
 また、残る二路線については、外環など周辺事業の進捗状況を踏まえ、工事着手に向けた設計や関係機関との協議を進めてまいります。
 今後とも、地元の理解と協力を得ながら、着実に事業を推進してまいります。

○山田委員 この三路線の周辺では、中央ジャンクションの上部の空間の利用によって、緑、農の風景を生かしながら、新たなにぎわいをつくり出す北野の里というまちづくり構想がありまして、三鷹市と地元の住民が話合いをしながら進めております。
 今、質疑させていただきました都道の三路線は、この構想の一翼を担うものでありますので、整備を迅速に推進するように改めて求めさせていただきます。
 次に、調節池について伺いたいと思います。
 今年も全国各地で水害が発生いたしましたが、その対策として、都は、護岸や調節池などの整備を進めてきております。
 三鷹市にあります井の頭池を源流とする神田川の流域において、過去に多くの水害に見舞われてきましたけれども、平成九年に神田川・環状七号線地下調節池が稼働を開始して以降、この調節池の稼働によって、下流の浸水被害が大幅に減少してきたというふうに認識しております。
 調節池は、浸水被害の軽減に大きな効果を発揮する一方で、地下にあることが多く、地域の方々にとっては、施設自体の存在すら知られていない、そういったことも多いと思われまして、施設の効果が十分に理解されているとはいい難い面もあると思っております。
 そこで、まずは、整備済みの調節池の周知に関する取組について伺います。

○斉藤河川部長 都は、調節池につきまして、都民に周知するため、施設の概要などを記載したパンフレットを作成し、配布しております。
 また、都民にさらなる関心を持ってもらうため、都のホームページ上で、施設の効果や仕組みが理解できる動画や自宅などから手軽に施設の見学ができるバーチャルツアーのコンテンツを提供しております。
 さらに、水害への意識を高めてもらうため、大雨警報発表時などにおける総降雨量や調節池の貯留量等の実績をホームページで公開しております。

○山田委員 ありがとうございます。
 調節池の周知について、様々な取組が行われているということが分かりました。
 ただ、やはり調節池などの現場を見学してもらって、施設の重要性や効果などについて直接目で見て知ってもらう、これが最も効果的だと考えております。
 そこで、調節池などの見学会の取組について伺います。

○斉藤河川部長 毎年七月の河川愛護月間では、目黒川の荏原調節池などにおきまして、広く都民を対象に施設見学会を開催しております。
 また、都内小学校の総合学習や地元の町内会を含む様々な団体などへの施設案内を適宜実施しております。
 さらに、令和元年度からは、見学する機会を拡大するため、環七地下調節池におきまして、旅行事業者と連携したインフラツアーによる見学会を実施しております。

○山田委員 ありがとうございます。
 インフラツアーなど、新しい切り口の取組もやっていらっしゃるということは理解できました。
 近年、気候変動などによって、全国で水害が激甚化、頻発化している状況を踏まえますと、調節池があるからといって、それだけで万全だというわけではありません。万が一の水害発生に備え、避難誘導を行う区市町村とより一層、連携強化をしていくことが大切となります。
 そこで、区市町村と連携した取組について伺います。

○斉藤河川部長 都は、浸水予想区域図を作成し、関係する区市町村にそのデータを提供するなど、ハザードマップの作成を支援しております。
 また、区市町村が洪水時に河川の警戒を適切に行えるよう、出水期前に都と合同で水防上注意を要する箇所の現場点検を実施しております。
 引き続き、住民の円滑な避難を促進させるため、地元自治体との連携を図ってまいります。

○山田委員 ありがとうございます。
 水害による被害を減少させていくためには、区市町村との連携、必要不可欠でございますので、今後も区市町村と連携した取組の強化を求めたいと思います。
 次に、建設業の働き方改革の推進について伺います。
 令和六年の四月から、いよいよ建設業についても時間外労働の上限規制について罰則適用となります。まだまだ時間外労働が多い業種でありまして、一日の時間外労働は減少傾向にあるものの、休日が取れないケースも多いと聞いております。
 また、四週間で八日間の休みを取得するという目標があるものの、国土交通省の資料によると、四週間当たりの休日の平均は五・五九日であり、平均で週に一・四三日、実際には週に一日も休めない週もあるというふうなことを伺っております。
 このような建設業の働き方改革の推進に当たっては、建設業者の努力も必要ですけれども、発注者側の協力も必要不可欠です。
 そこでまず、これまで建設業の働き方改革の対策として、どのような取組をしてきたのか見解を伺います。

○松島企画担当部長 建設局では、平成二十七年度より、働き方改革の一環として、週休二日を前提とした工事を推進しております。
 工事費の算出においては、週休二日に取り組む際に必要となる経費を補正し、予定価格に見込んでおります。
 現在、工期が一か月未満の工事などを除き、原則、建設局で発注する全ての土木工事を週休二日の対象としており、令和四年度に完了した対象工事のほぼ全てにおいて、週休二日が確保されております。
 なお、週休二日の前提となる工期設定に当たっては、工事に必要な準備、後片づけ期間、天候等のやむを得ない事由により、実施が困難であると見込まれる日数等を考慮し、適正な工期を確保しております。

○山田委員 ありがとうございます。
 都の工事を請け負う事業者は、建設局、財務局、水道局など、様々な局から受注していることが多いわけですけれども、事業者が提出すべき書類について、実質的には内容が同じであっても書式が異なる書類がある、そういったお声を多くいただいておるところがあります。
 都では、各局の担当が集まる技術会議において、書類の削減や共通化について検討し、事業者の負担軽減を行っていると聞いております。よい取組であると評価いたしますけれども、現場監督員によっては、不要な書類の提出を求められるということもあるようです。せっかく書類の削減を決めましても、運用面で統一されていなければ十分ではございません。
 都の発注事業について、事業者が作成する書類削減の取組を進めるためには、現場監督員の理解促進が必要と考えますけれども、見解を伺います。

○松島企画担当部長 建設局では、令和二年度の技術会議における検討を踏まえ、令和三年度に受注者等提出書類処理基準・同実施細目を改定し、六十様式ある書類のうち、約十様式について、書類の提出を不要とする場合または簡素化する場合の取扱いを定めました。
 基準が適切に運用されるよう、会議や研修など、あらゆる機会を捉え、局内の監督員等に周知徹底しております。

○山田委員 ありがとうございます。
 やはりルールを決めて、それを現場に徹底していくということをぜひ繰り返していただくということで、本当に受注者の方の負担の軽減にもつながっていくと思いますので、ぜひ引き続きの周知徹底をお願いしたいと思います。
 このような書類の削減であったり共通化について、検討を開始してから三年ほど経過しておりますので、改めまして効果の検証を行い、さらなる書類の削減や手続の簡素化について検討していくべきと考えますけれども、見解を伺います。

○松島企画担当部長 令和三年度の基準改定以降も、受注者からさらなる書類の削減、簡素化に関する意見をいただいております。
 これを受け、現在、複数の業界団体と意見交換を行いながら、さらなる書類の削減、簡素化について検討しているところでございます。

○山田委員 ありがとうございます。
 ご検討中ということでありますけれども、この書類の簡素化について、都庁の各局ごとに差異が生じていかないように、改めて連携して取り組んでいただくよう要望いたします。
 さて、建設業の業務の効率化に当たっては、発注者としてもデジタルの活用、DXによりまして、提出書類や確認、報告作業の合理化に取り組んでいく必要があります。
 書類の削減や手続の簡素化をより一層進め、働き方改革を進めていくためには、手続のデジタル化を推進する必要があると思いますけれども、見解について伺います。

○儀間建設DX推進・危機管理強化担当部長DX推進担当部長兼務 受発注者間の業務を効率化するため、建設局では、受注者と発注者が工事等の工程において作成、提出する様々な書類を共有する工事情報共有システムを活用し、書類の電子化、電子決裁の対象を拡大してまいりました。
 今年度からは、ASP方式に移行し、インターネット上でアプリケーションを提供するとともに、ウェブ会議システムによる遠隔臨場など、利便性の高い機能を新たに加え、一部の工事を除き、原則活用することとしております。
 引き続き、DXを通じた建設現場の生産性向上に取り組み、事業者の働き方改革を後押ししてまいります。

○山田委員 建設業の働き方改革を推進する目的は、罰則適用が始まるからということではなくて、重要なのは働く方の健康を守ることと、そうした取組を通じた業界の担い手不足の解消というところにあります。
 建設業の働き方改革に関して、発注者である都として取り組むべきことは、適切な工期の確保、そして事務負担の軽減というところが重要となってまいりますので、これらの取組を加速させていただくよう要望いたします。
 次に、最後になりますけれども、都内の建設事務所の人手不足の対応について伺いたいと思います。
 各地の建設事務所は、地域に密着した工事や改修の拠点です。他方で、技術職の全体的な人手不足の影響も身受けられまして、細やかな対応が難しい面も出てきているのではないかというふうに私自身感じております。
 都の職員の採用は、人事委員会等の所管だと思いますけれども、地域のインフラを支える建設事務所の技術職の確保など、都内建設事務所を含めた建設局の人手不足の対応はしっかりと進めるべきと考えますけれども、見解について伺います。

○松島企画担当部長 建設局は、都市活動や都民生活を支える道路や河川などの都市基盤の整備や管理を担っており、その業務を担う技術職員の確保は重要であります。
 近年の採用試験の申込者数の減などを踏まえ、建設局では受験者数を増やす取組として、関係各局等と連携し、昨年度の約二倍となるインターンシップの受入れや現場見学会、局のイベントでの広報、学校訪問などの採用PRを実施しております。
 あわせて、受験しやすい採用試験の実施を関係各所に働きかけるとともに、多様な雇用形態の活用等による人員の確保にも努めてまいります。

○山田委員 ありがとうございます。
 建設局も技術職員の確保に向けて、様々取り組んでいらっしゃるということは分かりました。
 今の建設局が所管していらっしゃる道路であったり、人々の生活に欠かすことができないインフラの現場を支えてくれている人材が、だんだん先細りしつつあるといった現状、私、強い危機感を持っております。見えないところで都民生活を支えてくれてきました現場の人材がいなくなってしまうということによって、将来的にインフラが維持できなくなる、そういったおそれもありまして、私、都政における静かなる危機の一つだというふうに捉えております。
 都政における優秀な人材の確保は、建設事務所に限らず、都庁全体で大きな課題でありますけれども、やはりその中でも特に現場の人材の確保に向けた取組の強化をぜひ強く進めていただきますよう改めてお願いいたしまして、私の質問は終わります。ありがとうございました。

○こいそ(明)委員 それでは、最初に、これも何回もこの委員会で取り上げさせていただいておりますけれども、都道の何路線かのことにつきまして、お尋ねしたいと思うんですが、本日は、南多摩尾根幹線について、お聞きをしたいと思います。
 多摩ニュータウン地域を横断する、これ、四市でありますけれども、南多摩尾根幹線は、圏央道のアクセスにまさに寄与するとともに、調布保谷線を経由して、これはもうご案内だと思いますけれども、埼玉県にもつながる広域的幹線道路であります。
 多摩地域のみならず、首都圏全体の中においても極めて重要な道路であることには変わりありません。暫定的な二路線の形で交通の開放をされておりますけれども、しかし、現行では、ご案内のとおりに渋滞がますます増えているというか、慢性化している状況であります。
 全線四車線化に向けて、今、鋭意ご努力をしていただいておりますけれども、南多摩尾根幹線整備事業により、この事業を一層推進していく必要性が、さらにまた出てきているような感もいたします。
 改めて、この南多摩尾根幹線の事業概要についてお願いしたいと思います。

○久野道路建設部長 南多摩尾根幹線は、調布市多摩川三丁目から稲城市、多摩市、八王子市を経由し、町田市小山町に至る延長約十六・五キロメートルの都市計画道路でございます。
 また、新しい多摩の振興プランでは、リニア新駅への道路ネットワーク強化と、まちづくりの推進に寄与する重要な路線に位置づけられております。
 四車線化されていない約九・五キロメートルの区間のうち、西側の多摩市諏訪から同市南野までの延長五・五キロメートルにつきましては令和二年、東側は稲城市東長沼から多摩市聖ヶ丘までの延長約四キロメートルの区間については令和三年に、それぞれ事業認可を取得し、整備を進めてございます。

○こいそ(明)委員 現在、四車線化に向けて西側と、さらには東側、それぞれの区間で事業が進められておることは当然、私どもも認識をしておりますし、分かっております。
 私も地元でありますし、しばしば現地を見させていただいておりますが、工事の進捗状況というのは、かなり進んできたなというふうに思うんでありますけれども、しかし、やはり全体的な状況から見ると、土はかなり除却というんですかね、されてきておりますし、様々なトンネルであるとか、橋梁の発注だとかいう話を聞いておるわけでありますけれども、さらなる推進をやはりしていただきたい。
 現在の進捗状況についてお願いします。

○久野道路建設部長 西側区間では、多摩市南野で令和三年度より進めてきた仮称南野陸橋の橋脚と橋台の工事が今月完了しました。現在、橋桁を製作しているところでございます。また、先月、本線と副道の高低差を処理するための延長約四百メートルの擁壁工事を契約したところでございます。
 東側区間では、仮称稲城多摩トンネルの東側坑口付近におきまして、令和三年度より擁壁工事を実施してございます。
 道路中央部の盛土の土出し工事につきましては、今年度、東側区間が完了し、現在、西側区間の諏訪、永山で工事を実施してございます。

○こいそ(明)委員 まさに土出しの工事が着実に進んでいることは、よく認識しておるわけでありますけれども、今後はこれをさらに進めていただくとして、でき得るところからって、これ、いろいろあると思うんですけれども、計画的にでありますが、ぜひとも、いよいよ街路工事に着工していただきたいということなんですね。
 これは地元の皆さんも、かなり強い声がやはり出てきております。そういう意味合いからも、街路築造工事を今後どのように進めていかれるのか、今後の取組について伺いたいと思います。

○久野道路建設部長 街路築造工事につきましては、四車線で開放している区間に接続する多摩市南野から優先して行うこととしており、今年度、延長約三百メートルの区間で工事に着手する予定でございます。
 引き続き、全線四車線化に向けまして、南多摩尾根幹線の整備を着実に進めてまいります。

○こいそ(明)委員 本当に頑張っていただいて、いよいよ街路築造工事も着手するというようなお話がありまして、地元としても大変喜ばしいことであるわけであります。
 橋やトンネルなどの構造物の工事は、これはもういうまでもない、時間がかかるわけでありまして、その上からも、ぜひ先行して進めていただきたい。そして、道路中央部の土出し工事を終えた区間については、何回もいって申し訳ありませんが、どうか街路築造工事をさらにさらに進めていただきたい。
 引き続き、本事業、これ、私どもがいうまでもありませんが、大変重要な事業だという認識の中で、どうか建設局としても、今までも頑張っていただいているんだけれども、総力を挙げて、積極的かつスピード感を持って、この南多摩尾根幹線の整備に取り組んでいただくことを強く要望させていただき、次に移らせていただきたいと思います。
 次は、これも都道の鶴川街道であります。
 この都道の鶴川街道は、区間、区間でありますけれども、道路三次計画で入っているところもあれば、区間、区間の整備が、いろいろな手法で違ってきたんですね。その中で、特に遅れが顕著であるところの区間が、私も取り上げてまいりました鶴川街道の百村区間であります。これも私、何回も取り上げさせていただいておりますけれども、都道に通学路であっても歩道がないという話を、これはこの地域、この路線だけじゃありませんけれども、そういうところが多摩地域の中ではあるんですね。
 そういう意味合いからも、私は、ぜひこの当該のところ、これはもういうまでもない、大型トラックも頻繁に通行している、そして道路もかなり狭隘なんです、車道ですね、車道も狭隘ですよ。その中で、やはり今申し上げたような車両をはじめ、かなり大量の車両が通行している。そういう中において、まさに歩行者の安全確保という観点から見れば大変危険であるし、これはもう何としても、はっきりいって東京都の都道ですから、何回もいうまでもないけれども、これは早急な改善対応をしていかなきゃならない。
 それとともに、地域の環境、車両の性能もかなりよくなって、排気ガスから環境に与える影響がかなり低減されたといっても、あれだけ一斉にというか、通行で排気ガスがばんばんばんばん出されることは、その面の環境、それから、いろんな音等々もあるかもしれない、様々な環境面の改善を図るという観点からも、今区間の整備は、私は急務だというふうに思うんですね。
 そのためには、やはり何といっても用地買収を一層促進していかなければならないわけでありまして、都道鶴川街道の百村区間整備における用地取得の取組状況についてお願いします。

○澤井用地部長 鶴川街道百村区間では、これまで歩行者の安全確保につながるよう、現道拡幅区間を中心に用地取得に取り組んでまいりました。
 百村区間の用地取得率は、令和五年九月末時点で四二%となっておりまして、令和四年度末時点から八ポイント増加しております。
 引き続き、代替地のあっせんなど、権利者の生活再建を支援しながら、早期整備に向けて用地取得を一層推進してまいります。

○こいそ(明)委員 当初の用地取得率から見れば、ご努力があって伸びてきております。それは私も受け止めておりますけれども、ここの区間は、私、今申し上げたような状況は前からお話しさせていただいていますけれども、やはりそういうような置かれている状況の中で、一刻も早く整備してほしいということ、そういう中から見れば、そういう地元の思いから見れば、この地域は用地買収に対してもかなり協力的じゃないですか。
 ですから、こういう中でタイミング、しばらくの間、説明会があったんだけれども、ある期間は四年間、はっきりいって、ぴたっと止まっちゃったんですね。それ以上いいませんけれども、いずれにしても何とか早く、これ、実際上、車椅子もそうだ、通学路なんですから、通学路の安全確保もする、そして環境整備をする、円滑な都道の車道の流れを確保していくという観点から見たときに、私はもっとスピード感を上げていただきたいと思うんですよ。
 今、申し上げましたけれども、地元は本当に早く早く早くという意向がやはり示されている中で、用地買収が一番ネックですよね。ネックであるけれども、これはやはり今申し上げたような状況下の中で、協力をしていただく地権者の方々も少なくないですよね。これ、めちゃくちゃ反対する人というのを私、聞いたことがない、はっきりいって。
 いわゆる沿道の地権者だけじゃない、周辺全体から見ても、地域全体を挙げての話なので、市にとってもそうでしょうということでありますから、用地買収については急ぐべき箇所を集中的、重点的に対応できる体制をさらに構築していただけないか、これまで以上にめり張りをつけた取組をしていただけないかということなんですが、どうでしょうか。

○澤井用地部長 用地事務のDX化や政策連携団体の一層の活用など、執行体制を整備することに加えまして、ご指摘の百村区間のように、地元の機運が非常に高まっており、工事につながるなど、事業効果を見据えた進行管理をしっかり徹底していくことで、めり張りある用地取得を実現してまいります。

○こいそ(明)委員 いろんな今後の対応もお考えだと思いますよ。民間活力を導入する、いわゆるお願いするとか、いろいろ今ご検討されているということを聞いておりますけれども、やっぱりここのところについては、今、二班投入していますかね、一班というのは二人ですよね、二人一組ね。
 その中で、できるならば、もう何班かといいたいけれども、それもなかなかご事情があるんでしょうけれども、何かこういう早急に対応しなきゃいけないところというのは、今ご答弁もいただきましたけれども、もうちょっと集中的にできないんですかね、これ。集中的にというのはおかしいけれども、ぜひそういう何ていうのかな、用買に、より積極的に交渉に当たっていただきたいということなんですよ。
 ですから、まだまだ戸数ありますよね。いろんな、様々な地権者の方がおられるわけだけれども、やはりその中においても相対応する、ズームなんかじゃ、とてもできるわけないので、オンラインでできればいいわけだけれども、それは無理で、相対して、交渉というのはやっぱり当然そうあるべきだと思うんですね。
 ですから、それを含めると、もう一回来てくれたらいいのにな、もう一回来てくれたらいいのになじゃなくて、何かあまり来てくれないよというところも、これ、現実問題としては分かりませんよ、そういうこともちらっと聞くんですよ。ですから、ぜひこの用地買収について促進できる、やはりそういう形で力を入れていただければ、もっと進むということは、これ、一番担当者の方はよく分かっているんじゃないかと思うんですよ。
 そういうことを踏まえて、やっぱり集中、しっかり対応する。しっかりした都道は都道らしく、歩行者が安心して通行できる。こんな狭隘な狭隘な、かなり前の狭い狭い、相互で、要するに対向車対向車、一車線一車線、ぎりぎりのところがあるわけですよ、はっきりいって危ないですよ。交通の事故が起きちゃいけないけれども、ですから、そういう中で、ぜひもっと速度を上げてほしいんですよね、これ。
 そこで、これまでの取組状況というのはよく分かっておりますけれども、それをまた改めて教えていただくとともに、今後の取組だな、それをお願いします。今いってくれたっけ。お願いします。

○久野道路建設部長 百村区間につきましては、新設道路区間と現道拡幅区間があり、歩行者の安全を確保するためには、現道拡幅区間を優先して整備していくことが重要でございます。
 これまで、現道拡幅区間三百八十メートルのうち、用地取得が完了し更地になった箇所など、合計百四十メートルの区間で暫定的な歩行者空間の整備を行いました。
 次に、今後の取組についてでございますけれども、百村区間につきましては、歩行者の安全に配慮し、現道拡幅区間から工事を進めてまいりますが、今年度は道路との高低差処理に必要な擁壁工事に着手する予定でございます。
 また、更地化が予定されている約八十メートルの区間につきまして、暫定的な歩行者空間の整備を行う予定でございます。
 街路築造工事につきましては、連担して用地が取得できた箇所で埋設企業者の工事を実施し、その後、着手いたします。
 引き続き、歩行者の安全確保を図るとともに、関係機関との調整を行い、百村区間の早期整備に向け、取り組んでまいります。

○こいそ(明)委員 今後の対応について、詳しく今ご答弁いただきました。本格的な街路工事に向けて、擁壁の工事にまず着手するんだということ、それはよく理解できます。
 今後、この区間に、何回も何回もいって申し訳ないけれども、少なくとも歩道がない都道というのはいかがなものかなと。安心して通行する、それから、車両もそうですよ。ぜひそういう意味合いからも、どうぞ引き続いて用地買収を進めるとともに、街路築造工事もしっかりと対応していただくようにお願いをいたします。
 では、続きまして、JRの南武線の関係についてであります。
 特に高架下、本来、JRの南武線だけの話じゃないんだけれども、あえてJR南武線の高架下利用についてお聞きします。
 稲田堤駅から府中本町間の連続立体交差事業の高架下利用について伺いたいと思いますけれども、JR南武線の連続立体交差事業は、今申し上げました稲田堤駅から稲城長沼間を第一期として、平成十七年度に高架化が完了し、平成十九年度から高架下利用が開始をされたということであります。
 また、稲城長沼駅から府中本町駅間の第二期工事は、平成二十五年に全線高架化されました。平成二十八年には、側道を含めた全事業が完成をいたしまして、同年から高架下利用が開始をされたということであります。
 地元の悲願といいましょうか、本当に十五か所の踏切が除却されて、南北の回遊ができて、多摩地域の自治体では、JRを含めた踏切が全てなくなるということ、稲城市にとっては初めてなんですね。
 連続立体交差事業によって高架下空間が生まれ、これを有効に活用することは、地元市だけじゃない、それぞれのまちづくりの観点からも重要ではないかなと思うんでありますけれども、そこでまずは、このJR南武線高架下の利用状況についてをお願いします。

○久野道路建設部長 JR南武線の都市側の高架下利用についてですが、高架下利用に関しましては、国が定めた要綱において、鉄道事業者貸付等面積比率を定めておりまして、鉄道事業者と都市側の利用割合は、基本的に鉄道事業者が八五%、都市側が一五%となってございます。
 本事業において、東京都は、約四百平方メートルを活用して、駐車場整備や発災時の緊急対応を目的とした多摩地域で初めての道路防災ステーションを設置しました。
 また、稲城市が約五千二百十五平方メートルを活用し、観光情報のPR施設や駐輪場整備を行いました。

○こいそ(明)委員 八五対一五という割合であるということであります。しかし、この八五%についても、私はせんだってというか、ほとんど日常的に見ておりますけれども、八五のどのくらい使われているかなと。残された一五%についても、考えるところはあるわけでありますけれども、少なくとも、この区間の総工費は六百億、そして東京都を含めて、国もちょっと入っているかな、それで五百四十億だったかな、二百七十億対二百七十億か、いずれにしたって、これ、相当の都費が投入されているんですよね。地元も八十一億出している。
 こういうことの中で、土地利用計画、すなわち高架下利用という計画案が出されたと思うんですよ。これについて、この計画に基づいて現状としてはどうなんでしょうかね。

○久野道路建設部長 高架下利用の状況についてでございますが、都市側利用につきましては、先ほど申し上げましたが、東京都は四百平方メートルを活用、稲城市は五千二百十五平方メートルを活用し、公共利用を図っているところでございます。
 鉄道側の高架下利用の状況でございますけれども、全体として四万一千八百五十平方メートルございますが、このうち鉄道側、JR東日本が利用できる面積は三万五千五百八十平方メートルになってございます。
 現在の利用状況でございますけれども、具体的な数値をちょっと把握していないところはございますが、現地を確認したところ、ご指摘のとおり多くの空間が利用されていない状況でございます。
 以上でございます。

○こいそ(明)委員 一期工事が完成、先ほど冒頭申し上げましたけれども、それから二期工事、これ、結構な年数がたっているんですよね。そういう中で、地元要望もいろいろあるわけですね。これ、市を通じてという話も当然あるんだけれども、鉄道関係者が八五、そこに何ていうのかな、あまりにも口出しもできない、使うことに対しても、何かちゅうちょはしているかどうか分からないけれども、何か難しい。
 ところが、これ、高架下利用がしっかり取り決められていて、それから、さらには、地元の意向というものは、やはりそれなりに対応してもらえると。当時、私も関係者と一緒にいろいろ交渉したり何かした経緯があるので。ところが、なかなか進んでいない。
 せんだって、部長にも本当にいっていただいたんだけれども、地元から子供会だとか、地元地域の様々な会がありますよ。そういうところで、ここ空いているからどうでしょうかねという話があった。だけど、なかなか難しいんだな、これ、はっきりいって。でも、少なくとも、高架事業は終わったんだと、施行主体者の東京都は、計画を立案した段階からもう違うんだというんじゃなくて、少なくとも東京都が今までの経緯を踏まえて、多少地元との調整的な役割も果たしていくべきじゃないかなというふうに思うところなんですね。
 それとともに、もう先に行きますけれども、八五対一五というのは、前々から私はこの委員会でも、特に日本全国的なそれぞれの地域事情というかな、置かれている土地利用というのはあると思うけれども、このいわゆる首都圏、東京だけというとまたいろいろいわれるかもしれないけれども、首都圏を見たとしても、これ、貴重な空間なんですよ、都市空間なんですよ。そういう観点から見ても、建設局はどういう形で今まで国に交渉をかけてきたんですかね、この比率について。

○久野道路建設部長 都市側利用の拡大に関する東京都の取組でございますけれども、連続立体交差事業によって新たに創出される高架下は、貴重な都市空間であり、都市側の利用できる面積割合を増やし、公共利用することは大変重要な視点でございます。
 都は、平成二十八年度以降、費用負担を伴わずに公租公課相当額で公共利用できる面積の拡大について、制度の改善を検討するよう、政府提案要求で国に要求しております。
 引き続き、国に働きかけるなど、高架下空間の有効利用に向けて取り組んでまいります。

○こいそ(明)委員 ぜひ、これは本当に何回も申し上げて恐縮なんですけれども、やっぱり貴重な空間なんですよね。なかなか立ち上がって空間が、いわゆる高架下、そうするとどうしても、地元は声を出せるんだけれども、実効的に使用することはなかなか難しいことがいろいろあるんですね。
 ですから、ぜひ、施行主体者は東京都がやっているわけでありますし、先ほどいった、これも何回もあるけれども、でも、計画をつくったんだから、そして、実際的には何も進んでいないんだよ、はっきりいって、これ。私、これ、どのくらい前からいっているかな。比率おかしいじゃないかと、これ、はっきりいって。
 やり方というのはいろいろあるかもしれません。交渉、様々に、我々も責任はある。交渉していかなきゃいけないと思いますけれども、東京都が本気度、東京都が真剣度を出して事に当たると、耳は傾けますよ、はっきりいって。ペーパーで、今ペーパーレスというけれども、いずれにしても、いろいろあると思うんで、どんどんどんどん、どんどんどんどん持っていったって、その中のどこかに書いてあるんじゃ、これは、分からないはっきりいって、相手としたって。認識を持ってもらったでしょう、技監、どうでしょう。

○中島東京都技監 連続立体交差事業は、踏切の除却に伴う交通の円滑化ですとか、また、地域分断の解消ですとか、駅周辺のまちづくりの促進などにとって、大変効果の大きい事業です。時間はかかりますが、効果が大きいと思っています。
 さらに、出来上がった後の高架下利用ということで、こちらも地域の利便性ですとか、安全性の向上に活用できる貴重な空間だというふうに認識をしているところでございます。
 こうしたことから、都は、連続立体交差事業の事業主体ということでございますので、鉄道会社、あるいは地元区市に対しまして、地元のニーズの確認をしながら、両者の調整を支援しながら、有効利用を促進していきたいと。
 また、割合の話がございましたけれども、現在、高架下で費用負担を伴わず公共利用ができる土地の割合は決まっておりますが、これは前々から国に要望しているところでございまして、今後も議会の皆様の協力も得ながら、しっかりと要求してまいりたいと思っております。

○こいそ(明)委員 ありがとうございました。
 連続立体交差事業化というのは、これは、極めて重要かつ、いうまでもない、さらに促進していただきたいんですね。
 しかし、その後における高架下利用ということも、まちづくりにとっても、やはり極めて大切なところがありますので、我々もそうなんだけれども、局としても、ぜひこのあたり、比率とともに、より使い勝手がいいというのはいい過ぎかもしれないけれども、やはり地元と、それから広域行政体の東京都としても、なかなか用地を確保するのは難しいところがあるじゃないですか、そういう観点から見ても、広域的に使えるような場の確保というのかな、施設確保というか、そういうことも踏まえて、ぜひ計画的に、それこそ交渉しながら、比率もそうだし、使い勝手もしていただきたいなと、これ、要望いたします。
 最後でありますけれども、土砂災害対策であります。
 近年、台風や集中豪雨による土砂災害が頻発、激甚化しております。全国各地で毎年のように発生している災害でありますけれども、今年も大雨や台風により、全国各地でも多数の土砂災害が発生してきていると聞いております。
 一方、都においては、令和元年の土砂災害以降、幸いにも大きな災害はありませんでしたけれども、いつどこで土砂災害が発生してもおかしくない状況だというふうにも聞いております。
 私の地元を含めて、都内では土砂災害警戒区域が約一万六千か所存在していると。大半が急傾斜地の崩壊であると。いわゆる崖崩れでありますけれども、そのような箇所が、これだけの数字、一万六千もあると。急傾斜地崩壊対策事業の進め方と現在の取組についてお願いします。

○小木曽河川防災担当部長 斜面の安全対策につきましては、所有者、管理者等が行うことを基本としており、都は、土砂災害のおそれのある自然斜面において、所有者等による対策が困難な場合に、急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律に基づき、急傾斜地崩壊対策事業を実施しております。
 具体的には、地形要件や保全対象の要件を満たした斜面において、区市町村からの要望を受けて事業化をしております。
 令和五年度は、多摩市和田地区など九か所で工事を実施しており、そのうち八王子市大塚地区で完了する予定でございます。

○こいそ(明)委員 土砂災害から都民の生命を守るためには、ハード対策だけではなくて、土砂災害の危険がある箇所を明らかにするソフト対策を推進することが重要であるということでありますが、そこで、この土砂災害警戒区域等の目的及び効果について伺いたい。

○斉藤河川部長 土砂災害から都民の命を守るためには、土砂災害警戒区域等の指定により、土砂災害が発生するおそれのある区域を明らかにすることで、住民に危険を周知し、迅速な避難行動が取れるように備えることが重要でございます。
 土砂災害警戒区域等は、平成十三年に施行された土砂災害防止法に基づき、土砂災害に対して住民の安全を確保することを目的として指定するものでありまして、警戒区域と特別警戒区域の二種類がございます。
 まず、警戒区域とは、崖崩れや土石流、地滑りが発生した場合、住民の生命等に危害が生ずるおそれがある区域のことであります。この区域を指定することで、区市町村による防災情報の伝達やハザードマップの作成等、避難体制の整備が図られます。
 また、特別警戒区域は、先ほどの警戒区域の中で建物が壊れ、住民の生命等に著しい被害が生じるおそれがある区域のことであります。この区域を指定すると、特定の開発行為が許可制となるほか、建築物に構造規制等がかかることとなり、土砂災害に対して新たな建築物等の安全が確保されます。

○こいそ(明)委員 警戒区域等、指定の目的や効果については今ご答弁いただきましたので、分かりました。
 一方で、宅地開発も進んでいる中で、斜面が取り残されている場所もある。これは私の地元でありますけれども、稲城市なんでありますけれども、先ほどJR南武線の話を大分いいましたが、この南多摩駅の西側、川崎街道が整備をされ、その近隣には前々回の東京オリンピックのときに、これ、ここだけじゃないんですけれども、多量な山砂を採取したんですね。それが様々な状況で、そのままの状況で放置されているのが結構あるんですよ。
 ここの当該の場所というのは、駅すぐ至近なので、高さ三十メーター、横百メーターですから、すごく見えるんですね、見えるというか当然でありますけれども、かなり大丈夫かなという話になってくるんですけれども、急傾斜地の山砂を採取したということでありますけれども、このいわゆる斜面について、都の認識をお伺いしたいと思います。

○斉藤河川部長 JR南武線南多摩駅西側の斜面につきましては、土砂災害防止法に基づく基礎調査を踏まえ、土砂災害のおそれがある区域と判定し、稲城市と連携し、住民説明会を開催の上、平成三十一年三月に土砂災害警戒区域等を指定し、関係部局と随時斜面に関する情報共有を図っております。
 稲城市では、緊急時における情報伝達方法などの地域防災計画への記載や土砂災害ハザードマップの配布を行っておりまして、住民の円滑な避難行動など、地域の警戒避難体制の整備が促進されております。
 なお、当該斜面のうち、JR南武線に面した部分におきましては、現在、民間事業者による斜面対策工事が実施されていることを関係部局で確認をしております。
 建設局では、事業者からの相談に随時対応してきており、特別警戒区域の解除に向けた斜面対策につきまして、技術的助言を行っております。
 今後とも、関係機関と連携し、当該斜面の施工状況を注視してまいります。

○こいそ(明)委員 今ご答弁いただきました傾斜地については、これも何回となく、いわゆる地権者が替わり替わり替わり、その都度、対策を行っていくということのお話がありましたけれども、ここで一部始まっているようでありますが、それは期待するんですが、しかし、もう一点は、都道の川崎街道沿いは、少し前でありますけれども、ばあんと土砂崩れがあったんですよ。そこのところは通行止めになったの。今の三十メーター、横百メーター、ここのところは今少し動きが出てきたという話。
 一方、私が今申し上げているのは南側の方なの。南側、ここには崖の本当の近くにマンションが三棟建っている。さらに、その横には道路を挟んで病院がありますけれども、調剤薬局があると、こういうことですよ。その少し西側の方から、どんと崩れたということがあるんですよ。
 ですから、この辺り、当然居住されているわけでありますよ。このあたりの認識、どう捉えておられるか。

○斉藤河川部長 川崎街道に面した斜面は、民間事業者が実施する対象の範囲外となり、未対策の斜面が残ることになります。
 今後、急傾斜地崩壊対策事業につきまして、稲城市を通じて当該斜面の土地所有者や地元の意向等を確認してまいります。
 引き続き、地元自治体と連携し、都民の安全・安心の確保に向け、土砂災害対策を着実に進めてまいります。

○こいそ(明)委員 地元市の意向を聞くのはいいけれども、この都議会の中で、委員会の中で、こういう話も出ているわけじゃありませんか。なおかつ、私は毎日とはいわないけれども、今日も見てきましたよ。そういう状況に対して毎日のように見てきている。ですから、状況をあえていえるんですよ。ですから、そうなると大変危険だなということ。この近くに土砂崩れだってあったんだから。
 そういうことの中で、稲城市と相談するのも結構なんだけど、我々だって地域代表で出てきているんだから、議会でこういう話が、こういう形で、オフィシャルまで話が出ているんだから、それに対してどうするんだという話ぐらいいってくださいよ、稲城市に聞きますじゃなくて。

○斉藤河川部長 急傾斜地崩壊対策事業につきましては、所有者等による対策が困難な場合に、急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律に基づきまして事業を実施しております。
 地形要件や保全対象の要件を満たした斜面において、区市町村から要望を受けて事業化をしているものでございます。
 こちらにつきましては、稲城市を通じて、当該斜面の土地所有者や地元の意向等を確認しております。
 また、先ほど市民病院というお話がありましたけれども、都は、今年度、この斜面に隣接する稲城市立病院におきまして、気象情報の活用方法や避難重要性など説明する出前講座を開催する予定でございます。
 今後とも、都民の安全と安心の確保に向け、地元自治体と連携を図りながら、しっかりと土砂災害対策を着実に進めていきたいと考えております。

○こいそ(明)委員 ぜひしっかり対応していただきたいんですが、やはり先ほど東京で一万六千か所あると。そのうちの一か所、まあ、一か所一か所あるわけですね、当然、多摩地域はもっとあるけれども。
 そういう中で、やはり今の私どもが話をさせていただいていることというのは、長い長い長い長い過程があるわけですよ。昨日、今日、あそこに土砂が云々かんぬんとか、まあ、指定されたのはそんな前じゃないけれども、ですから、いずれにしても居住者がいるんだと。住んでいる人がいるんだという認識の上に立って、私は今こういう話をさせてもらってるつもりなんですよ、これ、はっきりいって。
 ですから、そういう意味合いで、地元市の要望がなければできないようなことでもないんでしょう、これ、できないの。よく調査をしてください、調査を。

○斉藤河川部長 繰り返しになりますけれども、所有者等による対策が困難な場合に、急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律に基づきまして事業を実施しておりまして、区市町村からの要望を受けて事業化するものでございまして、地元市である稲城市と連携をしてまいりたいと考えております。

○こいそ(明)委員 調査してくださいよといっているんですよ、局として、局として調査をしてくださいと、こういう話をしているんだよ。

○斉藤河川部長 ご要望のございました斜面につきましては、当該斜面の土地所有者とか、そういうものの調査を実際にやっていきたいと考えております。

○こいそ(明)委員 ありがとうございました。そういうことで、よろしくどうぞお願いします。

○細田委員 私からは、初めに、東京都におけます排水作業準備計画について質問いたします。
 都議会公明党は、大規模な水害時における排水作業の重要性を指摘し続けてまいりました。昨年の第四回定例会都議会代表質問におきましても、東京都における排水作業準備計画を取り上げ、質問をいたしました。
 私の地元江東区は、地盤高が低く、大規模な高潮により浸水が発生した際には、浸水期間が長引くおそれがあるために、この排水作業準備計画が作成されたことはとても重要なことでありまして、発災時には、この準備計画を活用して排水作業が進んでいくことを期待するものであります。
 そこで、排水作業準備計画の概要と作成後の取組状況について都の答弁を求めます。

○小木曽河川防災担当部長 都は、大規模な高潮時に、長期間の浸水が継続することが想定される東部低地帯などの区域において、浸水の速やかな解消を図るため、排水機場などへ燃料を補給するルートや排水ポンプ車の運用方法などを取りまとめた排水作業準備計画を昨年八月に作成いたしました。
 本年四月に本計画を東京都水防計画に位置づけ、七月には想定した浸水エリアにおいて、排水ポンプ車の配置場所及びアクセスルートを定める図上訓練を行いましたほか、江東区外三区と合同で、排水ポンプ車の配置訓練を実施いたしました。

○細田委員 計画作成後に訓練を実施されたと。発災時の準備、対応をしてくださったということで、まさに図上訓練と、三区合同の排水ポンプ車を使用しての排水作業の訓練が実施されたということを評価いたします。
 そこで、訓練の結果なども踏まえて、より実効性を高めていくために、今後、都は、いかに取り組んでいくのか、見解を求めます。

○小木曽河川防災担当部長 計画の実効性を高めるためには、訓練を実施して、改善していくことが重要でございます。
 今回、排水ポンプ車の配置訓練を実施したことで、例えば防潮堤越しに排水する場合は、排水ホースのサポート材の装備が必要となることなど、配置場所による課題が確認できましたため、順次対応を図ってまいります。
 さらに、浸水の速やかな解消が図れるよう、排水ポンプ車の配置候補地やアクセスルートの実地確認、地元区や消防と連携した操作訓練などを繰り返し行ってまいります。
 引き続き、多数のポンプ車を所有している国や関係機関と連携し、水害時の速やかな排水等に向けた取組を推進してまいります。

○細田委員 引き続き訓練などを行っていただき、発災した際にはしっかりと取り組んでほしいと思います。
 また、昨年の三月の予算特別委員会で、私は要望いたしましたが、現在都は、小回りの利く毎分十立方メートルの排水ポンプ車を十台所有しています。
 一方、国は、毎分六十立方メートルの能力を持つ排水ポンプ車を多数所有していて、災害が起こったときには、計画に基づいて集まってくるというような状況があります。
 大規模水害時に国のポンプ車の到着を待つのではなく、都がすぐ動ける大容量のポンプ車は、東京都はないわけなので、日頃、ふだんは使わないのかもしれないけれども、これがあるということが、計画外の何かがあったときに、排水をするということで非常に重要になるので、改めて排水ポンプ車を東京都が用意するよう要望いたしまして、次の質問に移ります。
 次いで、土砂災害対策について質問します。
 東京では、水害対策だけでなく、土砂災害対策を進めることが重要であります。先ほど質疑もございましたが、近年、台風などの豪雨が頻発しており、九月の台風十三号では、千葉県で二百三十五件の土砂災害が発生するなど、全国各地で土砂災害が発生しております。土砂災害から都民の命と暮らしを守るためには、砂防堰堤など、ハードの整備が重要であります。
 そこで、現在、都が取り組んでいる土砂災害のハード対策について質問いたします。

○小木曽河川防災担当部長 都は、土石流を止める堰堤などを整備する砂防事業や、崖崩れを防止するためののり枠などを整備する急傾斜地崩壊対策事業を実施しております。
 令和五年度は、三宅村の長沢など五十五か所で砂防事業を、日の出町の大久野新井地区など十四か所で急傾斜地崩壊対策事業を合わせて六十九か所で実施しております。

○細田委員 本年の十月の末から十一月の初めにかけまして、都議会公明党の議員団で、小笠原諸島の父島と母島に自然環境や生活環境など、現地の視察をしてまいりました。私も調査、確認をしてきました。
 その中で、十月十八日の昼頃、一時間当たり百二十ミリを超える豪雨を記録した母島におきまして、村で行っている保有施設の建設予定箇所の近傍で砂防事業を実施している大谷川支流の工事現場を視察、調査してまいりました。
 現在、大谷川支流は施工中でありまして、今回の豪雨時においても、幸いにも大きな土砂災害は起きなかったとの説明でありましたけれども、こういった村の保有施設などの安全を確保するため、砂防施設を早期に整備していくことは大変に重要であります。
 そこで、大谷川支流の砂防工事の現状と今後の取組について都の見解を求めます。

○小木曽河川防災担当部長 大谷川支川砂防事業は、土石流による被害が想定される区域内の保育施設や診療所、小中学校、社会福祉施設等を土砂災害から守るために実施するものでございます。
 本事業は、令和三年度より準備工事に着手し、今年度は砂防堰堤の整備を進めており、年内に堰堤本体が完成する予定でございます。
 引き続き、残る流路工を整備し、住民の安全を確保してまいります。

○細田委員 安全を最優先に工事を進めていただき、土砂災害対策事業を着実に取り組み、さきに質問いたしました排水準備計画と併せて、災害に強い都市東京の実現に向けて、これからも全力で取り組んでいただくことを要望いたします。
 次いで、大島小松川公園のスケートボードの利用について質問をいたします。
 荒川の支流、旧中川の上にある都営新宿線の東大島駅、ここから約三分の位置にあります大島小松川公園、江戸川区と江東区にまたがりまして、東西南北四か所に、わんさか広場とかスポーツ広場とか季節の広場とか風の広場、自由の広場、いろんな広場が広がっている大切な都立公園であります。
 そして、この大島小松川公園、ここには、スケートボードの利用について話合いの場を設けることについての陳情が令和三年の七月に出されまして、令和三年十二月十五日、趣旨採択、意見付採択、趣旨に沿うよう努力されたい、このような形で都議会で採択されました。
 この願意は、大島小松川公園におけるスケートボードの利用方針について検討するとともに、利用方針策定についての話合いの場を設けていただきたい、こういう陳情でございました。その後の経過について、都の答弁を求めます。

○佐々木公園緑地部長 大島小松川公園のスケートボード利用につきましては、利用方針について話合いの場を設けていただきたいという陳情趣旨を踏まえまして、地元自治会の代表者、愛好家団体それぞれと意見交換の場を設けることといたしました。
 具体的には、令和四年度に地元の九つの自治会の代表者が参加するパークミーティングを三回開催し、スケートボード利用に係る今後の在り方等について意見交換を行いました。
 また、愛好家団体との話合いを三回開催し、地元自治体から出された意見の共有を図るとともに、利用ルールやマナー、地域住民の理解を得るための取組などについて意見交換を重ねました。
 こうした意見交換を踏まえて、スケートボードの当面の利用方法に関する協定案を取りまとめ、令和四年度末に指定管理者と愛好家団体との間で協定を締結いたしました。

○細田委員 話合いの場を設けられて協定を締結したということですけれども、現在の状況と今後の取組についてはいかがでしょうか、見解を求めます。

○佐々木公園緑地部長 協定は、スケートボードの利用に関するルールに基づき、公園管理者と愛好家団体が協力して活動を行うこと等を目的に締結したものでございます。
 この協定に基づき、公園内での活動日時や場所等を定めた上で、愛好家団体が未経験者や初心者を対象とした体験会を令和五年度に試行実施をしております。
 これまでに、雨天による中止を除き、体験会を六回開催しており、愛好家団体の指導の下、スケートボードの安全な乗り方や守るべきルール等を学ぶ機会となっております。
 こうした体験会を通じて得られる意見や運用における課題等を踏まえ、大島小松川公園におけるスケートボード利用の在り方について検討を行ってまいります。

○細田委員 分かりました。都が、また、指定管理者等も含めて、とてもいい形で意見交換を重ね、協定を締結して前に進めている、このようなことが分かりました。
 私も、採択されてからずっと、この陳情がどうなっていくのか、皆様方がどういうふうに意見交換をされていくのかということを見守ってまいりました。まさに、近隣への騒音や安全面の配慮ももちろん必要であり、また、公園の実情に応じてルールを設定している、こういうような公園もございますので、そのようなことも背景として必要である。
 また、特に騒音のことなんかのマナーについて、様々に危惧する声というものも聞かれるときがございますから、こういうようなことに対してのマナーの向上だとか、また、それに関わって、こういうものを普及したい、また啓発したい、体験したいという方々にとっても、それを進めていくということは大変重要なことであって、実はこの団体や、また、愛好家の方々が今までの間、ずっとそのことを建設的に都だとか、また、関係者と意見交換を続けてきている、このように私は認識をしております。
 そして、本年の下半期は、まさに体験会を愛好家の方たちがやって、月に一回行っておりまして、現段階で伺いますと、十二月の予定まで予約で満杯、午前八人、午後八人の児童を中心とした子供たちに、保護者の付添いの下、スケートボードを教えることができる方々が、また、非常にプロフェッショナルな方々が子供たちに教えて、子供たちも大変に喜んでいる、このような現状がございます。
 そして、実は東大島駅のすぐ近くには金のポストというポストがありまして、何で金色かといいますと、江東区出身の堀米雄斗さんというプロの、東京二〇二〇大会での金メダルを取った方が活躍して、そこが、この大島小松川公園のスポーツ広場近くの愛好家の方々の、言葉は正しいか分かりませんけれども、ある面、メッカというか聖地になっていて、そしてSSPと呼ばれているんですけれども、それらの方々が、ここを大事に、ここからスケートボードというものが正しくいい形で広がるように育てていこうよと、こんな取組をしておりまして、それはぜひいいことだから、近隣の方々と、まさに限られている公園をしっかりと分かち合いながら、迷惑をかけないマナーの向上に努めている、こういうようなことで建設的に今進んでいるということを私はいい方向だと喜んでおりますし、これがさらに発展していって、今の都の答弁のとおり、この協定がしっかりと締結された、さらにいい形の展開になっていくということを、近隣の方々にも住民にも望まれて、使われていくということを望んでおりますので、どうぞこれからも都はしっかりと見守って、スポーツの振興に、また、都立公園の健全なる利用にご貢献いただきますことをお願いいたしまして、次の質問に移ります。
 次いで、遮熱性舗装について伺います。
 今年は本当に暑かったです。アメリカのアリゾナ州では、路面の温度が八十二度にも達し、転んだ方がやけどをする事態が相次ぎました。
 また、東京においては、猛暑日とされる三十五度以上の気温が観測史上最高となる日も二十二日観測されました。
 こうした状況の背景には、地球温暖化による気候変動がありまして、また、東京においてはヒートアイランド現象の影響もあると考えられています。
 都はこれまで、道路におけるヒートアイランド対策として、遮熱性舗装や保水性舗装の整備を進めてきたところですが、気象の変化からこうした整備の必要性が高まっていることを踏まえ、何点か質問をいたします。
 まず、都内におけますこれまでの遮熱性舗装などの整備実績と本年度の予定はいかがでしょうか、質問をいたします。

○原田道路保全担当部長 都は、江東区や千代田区など、センター・コア・エリアを中心とした重点エリアを対象に、路面補修工事などに合わせて、路面温度の上昇を抑制するための遮熱性舗装や保水性舗装の整備を推進しております。
 これまでの整備実績は、令和四年度末現在、累計約百八十キロメートルとなっており、令和五年度は約十キロメートルの区間において整備を予定しております。

○細田委員 整備エリアには江東区も含まれているとのことですが、次に、江東区におけるこれまでの遮熱性舗装などの整備実績と本年度の予定について答弁を求めます。

○原田道路保全担当部長 江東区内においては、区内の都道に設定されている騒音対策上の基準を踏まえ、路面の温度上昇の抑制に加え、低騒音化が可能な遮熱性舗装の整備を進めております。
 これまでの整備実績は、令和四年度末現在、累計約十六キロメートルであり、令和五年度は葛西橋通りなど約一・五キロメートルの区間において整備を予定しております。

○細田委員 江東区内は、実績、年間予定ともに、おおむね都内全体の十分の一の規模感で整備が進められていることが分かりました。今後とも着実に整備を進めていただきたいと思います。
 さて、この質問の最後、一点気になっていることを確認いたします。それは、遮熱性のこの遮熱の機能、整備効果がどれくらい維持できるのかということであります。
 道路の路面は、定期的に補修工事を行うものであることは分かっていますが、遮熱機能はどの程度もつのかが今後のメンテナンスを考える上で非常に重要になります。遮熱性舗装の効果は、どの程度の期間、持続できるのでしょうか。都の見解を求めます。

○原田道路保全担当部長 遮熱性舗装における路面温度上昇の抑制効果につきましては、これまで東京都土木技術支援・人材育成センターにおいて、継続的にモニタリング調査を実施してまいりました。
 その結果、整備後十五年を経た現在においても、路面の温度上昇を整備時の目安となる八度程度、抑制できていることを確認しております。

○細田委員 初めて伺いましたが、整備効果を継続的に確認し、整備から十五年を経た現在も効果が維持できているということが確認できました。
 今のご答弁のような、東京都土木技術支援・人材育成センターの科学的な知見に基づいてしっかりと確認できた、十五年を経た現在でも八度程度の抑制ができているということは、大変に価値のある調査結果であると思います。
 また、これは道路の補修サイクルとも合うでしょうし、今後ともこうした取組をぜひ続けてほしい旨を要望いたしまして、次の質問に移ります。
 次いで、橋梁の長寿命化事業と架け替えについてです。
 橋梁は、地域同士を互いに、都民の生活を支えるとともに、災害時には救助活動や緊急物資の輸送などを支える極めて重要なインフラです。
 本年は関東大震災から百年、震災復興橋梁は整備から百年近くたっており、その他の橋でも高度成長期に造られたものが多くて、高齢化が進んでおります。
 こうした中、都は、予防保全型管理に取り組んでおり、橋梁予防保全計画を策定し、復興事業で架けられました隅田川の橋梁群をはじめ、後世に残すべき橋梁などについて、長寿命化を進めていると思いますけれども、そこでまず、都の長寿命化事業の内容と実施状況について質問をいたします。

○原田道路保全担当部長 長寿命化事業は、著名橋や幹線道路の橋梁など約二百橋を対象としており、橋桁を支える重要な部材である支承の補強やコンクリートの耐久性を向上させる対策などを実施することで、対策後には百年以上の耐久性や安全性などを確保するものでございます。
 これまでに百三十一橋において事業に着手し、五十七橋で対策を完了いたしました。

○細田委員 現在、百三十一橋に着手されたとのことでありますが、長寿命化事業は、都民の安心・安全を確保して、そして次世代に良好な状態で引き継いでいくための重要な事業になります。
 また、まさに長寿命化の対策を適宜打っていないと、後世にバトンを残していくことができません。残る橋梁につきましても、着実に進めてほしいと思っています。
 私の地元である江東区では、河川や運河が数多くあります。内部河川が三十キロ、外周を合わせると五十キロありまして、橋梁は地域の発展に欠かせないものになっています。住民にとっては大変に身近なものです。
 そこで、江東区内に架かる橋梁の長寿命化事業の実施事業について答弁を求めます。

○原田道路保全担当部長 江東区内に架かる橋梁のうち、長寿命化事業の対象橋梁は二十四橋あり、これまでに十八橋で事業に着手し、隅田川に架かる清洲橋や永代橋など、六橋について対策を完了いたしました。
 現在、汐浜運河に架かる汐浜橋や荒川に架かる葛西橋など十二橋について事業を進めております。

○細田委員 江東区内におきましても、橋梁の長寿命化事業が着実に実施をされていることを理解いたしました。引き続き、ぜひ長寿命化事業を着実に推進していただき、都民にとって重要なインフラである橋梁を適切に維持管理してください。
 また、都は、既設橋梁の長寿命化や補修、補強以外に、損傷や劣化が著しい場合などには、橋梁の架け替えも進めております。
 江東区の清洲橋通りでは、横十間川を渡る岩井橋の架け替え事業が行われています。損傷が著しいということで、速やかに架け替えをしてほしいところであります。
 そこで、これまでの工事の進捗状況について都の見解を求めます。

○久野道路建設部長 岩井橋は、清洲橋通りと横十間川との交差部に架かる橋梁でございます。架設後約五十年が経過し、損傷が著しいことから、既設橋を撤去し新設することといたしました。
 清洲橋通りは交通量が多い四車線道路であり、通行止めができないことから、二車線ずつ分割して工事を進めております。
 平成二十八年度に下り線側の工事に着手し、令和四年度からは上り線側を施工中でございます。
 今後とも、地元の理解と協力を得ながら、早期完成に向け整備に取り組んでまいります。

○細田委員 よろしくお願いいたします。工事中の交通を確保するため、橋を分割して段階的に施工を行っていることが説明されました。いろいろご苦労があるかと思いますが、引き続き安全に配慮しながら、着実に工事を進めてください。
 橋梁は、重要なインフラであるとともに、隅田川に架かる清洲橋や永代橋などは、ライトアップすることで水辺のにぎわいの創出や観光資源としての活用も図られています。
 私も車でこの橋のところを高速や、また、下の大橋を通ると、まさに夜通りますと、南側の湾岸側の方には永代橋がブルーで非常にきれいに見え、そして北側の墨田区側の方を臨めば清洲橋が後ろ側にスカイツリーを中心としながら、真っ白なきれいなライトアップがされていることで、観光資源としては絶景なポジションが東京都の活躍により進められている、このようになっています。観光資源としても、これからもぜひ生かしていかなくちゃいけない。
 都議会公明党は、隅田川橋梁群のライトアップの充実を図るなど、その魅力向上のために、これまで取組を進めてきました。重要なインフラである橋梁について、適切な維持管理や必要に応じた架け替えに今後も迅速かつ着実に取り組んでいただくことを要望し、最後の質問に移ります。
 今の清洲橋と連動しています横十間川の整備について伺います。
 水辺のにぎわいの創出や観光資源として河川を活用していくということであれば、私の地元江東区で流れる横十間川では、都により整備工事が進められています。この整備は、護岸を耐震化する低水路整備を行うとともに、上の部分に散策路を設けるなどの修景を行うものであります。
 横十間川の小名木川合流部のクローバー橋は、塩の道といわれます小名木川と横十間川が交わる橋なんですが、そこから上流の清水橋の区間、このすぐ先の上流の部分には、都立墨東病院がある錦糸町に近づいていく区間ですけれども、この右岸の猿江恩賜公園に沿って、河川の修景整備により散策路が整備されていますが、まだ全てにつながっておりません。
 また、その左岸には、区によって木製の散策路が低水路に当たる箇所に設置されていましたが、現在は老朽化のため、施設は閉鎖されています。地元では、右岸の散策路の連続化や左岸にある木製の散歩道に代わる新たな散歩道の整備が望まれております。
 そこで、横十間川における小名木川合流部から清水橋間の修景整備について質問をいたします。

○斉藤河川部長 都は、横十間川におきまして、鋼矢板の設置や地盤改良により低水路整備を行い、地震に対する安全性を向上させるとともに、川沿いの植栽や水辺の散策路を設置するなど、親水性にも配慮した修景整備を進めてきております。
 小名木川合流部から清水橋間の河川延長約〇・八キロメートルにおきまして、右岸側では本村橋と清水橋間の約〇・四キロメートルで修景整備が完了しております。残りの区間につきましては、令和五年度末までに工事に着手する予定であり、令和六年度末の完了を目指しております。
 左岸側では、令和六年度から予定されている江東区による木製散歩道の撤去後、順次、低水路及び修景整備に着手してまいります。

○細田委員 可及的速やかな散策路の整備を要望いたしまして、質問を終わります。

○アオヤギ委員 日本共産党のアオヤギ有希子です。
 外環道陥没事故について伺います。
 東京外かく環状道路大深度トンネル工事により、三年前、調布市内の道路が陥没しました。この事故を受け、裁判で差止め命令が下り、東名ジャンクションより北上する外環道トンネル工事は止まっています。そして、周辺にお住まいの方々が移転を余儀なくされています。
 そうした中、トンネルを掘削した沿線に生じた陥没を、工事を施工した鹿島建設JVがこっそり埋め戻していることが、私どもの「しんぶん赤旗」日曜版で明らかになりました。
 この記事を書いた記者が、十月二日に陥没箇所を見つけ、その三日後に、同じ場所に狛江市議と市担当者と現場に行くと、埋め戻してあったというものです。
 市担当者も、少なくともこの一年に今回の場所に関する陥没の連絡や穴の補修の実績はない、誰が直したか分からないという状況でした。
 また、この赤旗には、この情報を鹿島JVは、もう一本の外環トンネル工事をしている大林組JVと共有しているということが書かれています。
 そこでお伺いしますが、河川管理者は、野川サイクリング道路の埋め戻しをしたことは、都は、誰から、いつ聞きましたか。

○手塚三環状道路整備推進部長 事業者から、十月十一日に都に報告がございました。

○アオヤギ委員 八、九、十月の合計三回、埋め戻されていますが、十月十一日に報告があったということです。
 十月十一日は「しんぶん赤旗」日曜版が発行される一日前で、赤旗は鹿島JVと大林JVとNEXCOに取材をしていますので、それで報告したのだと思いますけれども、三回とも河川を管理する都やそれを借りてサイクリング道路を管理している狛江市には無断で補修をしたということです。
 狛江市の現場を私も見に行きました。大深度トンネルが野川沿いに掘られた地域で、野川を挟んで対岸のサイクリング道路の方です。堤防の上の部分をサイクリング道路にしていますが、そこだけ補修した跡がありました。
 記事中に、警備会社の連絡を受けると、その都度、JVの人が現場に行き、埋め戻していると聞いていると書かれています。
 この場合、鹿島JVやNEXCOは、当然ながら地上部分の管理者ではありません。そうした人が勝手に埋め戻すということがあっていいのでしょうか。一般的に、管理者ではない民間の事業者や一般の人が無断で補修していいのでしょうか、認識を伺います。

○手塚三環状道路整備推進部長 野川サイクリング道路は、都が狛江市に占用許可を行ったものであり、狛江市が管理しております。
 今回の舗装の損傷につきましては、占用者である狛江市が対応するものであると認識しております。

○アオヤギ委員 今回のサイクリング道路は、本当に地表部分は狛江市が補修するもので、下は堤防になっています。それは東京都の管理になっています。もし堤防部分や河川の中の部分などを補修したら、東京都に無断でやったということになるわけです。
 埋め戻しは付近を巡回する警備会社から鹿島、大林組へ報告、そしてNEXCOへも報告され、NEXCOが埋め戻しを指示したということですが、そこで疑問なのは、なぜこの場所の補修を指示したのかということです。
 そこでお伺いします。事業者は、なぜそこを埋め戻したのか、理由は確認しましたか。その理由をお示しください。

○手塚三環状道路整備推進部長 事業者が掘進完了区間の巡回監視を行う中で、野川サイクリング道路の舗装に損傷があることを確認し、利用者の安全を第一に考え、補修を行ったと承知しております。

○アオヤギ委員 利用者の安全第一といいますけれども、補修は余計なお世話ですよね。そこを通っている人たちも、もし陥没を見つけたら市にいうと思います。黙って埋め戻しをしてしまったら、何が行われたのか管理者は分からなくなってしまいます。
 大深度トンネルのほど近い場所です。警備員に巡回させ、周辺の穴を無断で埋め戻す、これは隠蔽が目的ではないかという疑念が拭い切れません。
 また、事業者は、安全上を第一に考えて、どこもかしこも勝手に直すというわけではありません。なぜそこをやったのかという問題です。結局、狛江市はこの勝手に埋め戻した補修が不十分であったため、やり直しています。
 そして、警備員についてなんですけれども、大深度トンネルを掘り終わったところは巡回していると聞いています。様々な変化を把握して報告しているのだと思います。
 これまで明らかになった以外の場所での補修した場所はありますか。それは何か所ですか。

○手塚三環状道路整備推進部長 事業者からは、野川サイクリング道路以外に管理者へ連絡を行わず、舗装の損傷の補修を行った例はないと聞いております。

○アオヤギ委員 管理者へ連絡を行わず行ったのはゼロ件だということでした、そのことを確認しました。
 事業者は、地上部に警備員を配置して警備をさせ、陥没した場所を報告させていますが、この点検対象、点検内容をお示しください。

○手塚三環状道路整備推進部長 事業者は、シールドマシンの掘進工事箇所周辺及び掘進完了区間において、異常が生じていないか確認を行うため、巡回を実施していると承知しております。

○アオヤギ委員 シールドマシン掘進工事箇所の周辺を異常がないか見ているということです。調布市の陥没事故は、小さな穴から陥没してきました。事業者は、異常があった場合は、安全・安心に関わることですので、きちんと全て都民にも公開していただきたいと思います。
 河川の管理は基本的に都が行って、狛江市が占用許可を得て使用していますが、今回の事業受託者の鹿島JVが無断で埋め戻したことは、河川法に抵触するのではないですか。認識を伺います。また、無断で埋め戻したことについての都の受け止めをお示しください。

○手塚三環状道路整備推進部長 野川サイクリング道路は、都が狛江市に占用許可を行ったものであり、狛江市が管理しております。今回の舗装の損傷は、占用者である狛江市が対応するものであると認識しております。
 狛江市への連絡を怠った点につきまして、事業者は不適切であったと認識しており、今後適切に対応していくものと承知しております。

○アオヤギ委員 先日の我が党の田村智子議員の国会での質疑で、連絡を怠ったことはNEXCOも不適切だったと謝罪をし、国交大臣も不適切であったといいました。
 都自身の認識が示されないわけですけれども、今回は、たまたまサイクリング道路は狛江市が占用許可を持っていますが、川そのものは東京都が管理をしているのですから、積極的にこの問題に関与すべきです。事業者に対して、後から聞かされて何の指導もしないという人ごとのようにしていては、都民の安心・安全が守れないと厳しく指摘をするものです。
 先日、地盤補修工事をしている真横の入間川で気泡が出て、この工事がストップしています。調布市です。実は、埋め戻された場所がある野川サイクリング道路の近くの野川、これは狛江市です、野川で、十一月に入って気泡が住民から確認されています。
 住民から指摘のあった箇所は、谷戸橋にほど近い場所で、埋め戻した場所からも近い川底からぶくぶくと出ている動画をいただきました。野川でも気泡が出ていることが発見されています。把握していますか。

○手塚三環状道路整備推進部長 現在、野川から工事に伴う気泡が出ているとは認識してございません。

○アオヤギ委員 工事が完了しても、なぜか理由は分かりませんけれども、サイクリング道路が陥没して、そしてその近くで気泡が出ていると。シールド工事に詳しいゼネコン関係者は、当時、一気に噴出した気泡以外にも地中に気泡が残っており、それが徐々に抜けて地中に空洞が生じ、地表の陥没につながっている可能性があると、調査が必要だといっています。
 私も、この場所も土曜日に現地に見に行きました。私が行ったところは、都民が示した場所では出ていませんでしたけれども、さらに上流側のところで、かつて工事中に気泡が出た場所に近い場所で気泡が出ているのも、私も確認しました。
 当時の画像は、ぼこぼこと気泡が噴き出しておりましたが、現在は断続的に小さい気泡が出ていました。川の色も濁ったりはしておらず、空気が出ているように見えました。
 それで、パネルがあるんですけれども、さらに大深度トンネルに近い入間川と野川の合流地点の入間川なんですけれども、下が黒いところが川です。これがそのちょっと上の段になっているところなんですけれども、ここは大深度トンネルの直上だと思われます。コンクリートの壁にひびが、こっちの方に、ここら辺にずっとひびが入っているのと、ちょっとこっちの中頃にクラックがありますよね。入って、その上に敷いてあるコンクリートが、この壁の上にコンクリートの板が張ってあるんですけれども、その板もずれて盛り上がっているという状況も確認しました。
 また、先ほど埋め戻したサイクリング道路の対岸の大深度トンネル側の遊歩道でも、何か所か補修箇所が見受けられました。これは恐らく調布市が行った補修だと思います。
 こうした野川サイクリング道路周辺で様々な現象が起きていますので、大規模な調査が必要だと考えます。
 そこでお伺いしますが、事業者に調査を求めるとともに、都として野川周辺での調査が必要ではないですか。

○手塚三環状道路整備推進部長 野川サイクリング道路の舗装の損傷につきましては、占用者である狛江市が対応するものであると認識しております。
 なお、損傷の発生原因につきましては、狛江市とNEXCOが調査の実施に向けて調整中であると聞いております。

○アオヤギ委員 調査をするということですが、堤防、川自体は都のものですので、また、堤防自体の土が抜けているという可能性も否定できませんので、都が調査に関わることを要望します。
 次に、入間川の気泡についてです。
 これは十一月二日、調布市東つつじケ丘、こちらは地盤補修工事をしているところです。陥没事故の周辺です。そこの真横の入間川で気泡が発生しているのが発見され、現在、地盤補修工事はストップしています。この作業をやめたら気泡は止まったということです。この入間川の気泡についてはどのような報告を受けていますか。

○手塚三環状道路整備推進部長 十一月二日の地盤補修工事の改良体造成作業中に、近傍の入間川において気泡が発生していることを施工業者が発見したものと承知しております。

○アオヤギ委員 これは十一月六日にホームページで公表されています。これについては、工事を止める対応をしていると。
 入間川も見に行きました。入間川の川底は、先ほどもありましたけれども、コンクリートで舗装が全部されています。その隙間から気泡が出たのではないかということで、相当の圧力を使って工事がされていたというふうに考えられます。
 地盤補修工事の現場と中継ヤード、プラントヤードを見てまいりました。地盤補修工事は、三年前の陥没した周辺で行われますが、そこで全ての工事作業をやるのではなく、つつじヶ丘駅の北側にあるプラントヤードで、セメントと水を混ぜたものを長い管で入間川に管を通して、つつじヶ丘駅の事故現場まで流して、現地では高圧噴射攪拌工法という工法で、地中深くに穴を空けて、その中にプラントヤードからのセメントを高圧で土の中に吹きつけると。そして、そこの土とセメントを混ぜ合わせながら、直径四メートルの円柱状の改良体を造るというものです。余った泥は、また圧力をかけて、プラントヤード、北側に戻すということで、長い管を通って北口のプラントヤードに戻されます。その管は入間川の上に敷設されているわけですね。
 ですので、地中の深いところで圧縮空気とセメントを吹きつけ、棒を回転させて円柱を造りますので、地中では相当な圧力がかかるものと考えられます。陥没した地域で、地盤が緩んだのではないかといわれる地域で、しかも住宅が密集しているこの地域で、圧縮空気を使うことに対して不安があるのは当然のことです。
 圧縮空気への懸念は、住民説明会でも出されていましたが、やはり無理がある工法ではないですか。

○手塚三環状道路整備推進部長 事業者は、オープンハウス及び意見交換会を行った上で、市街地や住宅地において大型重機を使用せず、広範囲に確実な地盤補修を行うことが可能な高圧噴射攪拌工法を採用したと聞いております。
 高圧噴射攪拌工法は、多くの場所で様々な土質を対象に、地盤の改良や補強工事を行った実績があると聞いております。
 なお、事業者は、入間川で気泡の発生が確認されたことを受け、地盤補修工事による影響を確認するため、現在工事を一時中止しており、今後の調査結果を踏まえ、有識者の意見を確認した上で、安全を確保しながら進めていくとしております。

○アオヤギ委員 何度もいいますけど、野川の川底は砂利でしたが、入間川はコンクリートです。ここから空気が噴き出るということは、相当なことであると考えます。
 作業を始めますと空気が出て、止めると空気が止まるというのは、何らかのこうした通り道があるのかなというふうに考えられますけれども、入間川の護岸や河床に損傷が生じているんじゃないですか。

○手塚三環状道路整備推進部長 事業者は、入間川で気泡の発生が確認されたことを受け、地盤補修工事による影響を確認するため、現在工事を一時中止しており、今後の調査結果を踏まえ、有識者の意見を確認した上で、安全を確保しながら進めていくとしております。

○アオヤギ委員 工事を進めていくといいますが、住民の方々が指摘したとおり、トラブルが出てきているのですから、大深度トンネルを掘ったときに地盤が緩んだ可能性があるわけですから、どこでどういう振動があったのかなど、周辺の住民の声に耳を傾けるべきです。
 そして、こういった被害というのは、トンネルの直上だけではないはずです。また、陥没事故が起きたときは、小さな穴の発見が最初でした。掘進工事後、様々な変化が起きているところは、広範囲に大規模な調査が必要です。
 そして、十一月十二日付の「しんぶん赤旗」日曜版で、またこっそりと埋め戻している箇所があることが判明しました。今度は、この入間川の周辺です。陥没事故が起きた現場からほど近い場所で、埋め戻した場所の通称はナビパーク、事業者が資材置場兼待機所に使っていました。
 それが今年五月、最初に崩れ、鹿島JVが住民から見えないように目隠しを指示、土のう十二袋の砂で埋め戻したと。
 七月には、路面、長さ三メートル掛ける二メートルのへこみができて、アスファルトを剥がして土を固めると、さらに陥没が生じたということです。
 そして、八月にも車両を固定する足を設置しようとすると、舗装に穴が空いたと記事には書いています。
 ここも見に行きましたけれども、七月に三メートル掛ける二メートルのへこんだと思われる場所が、現在もそのままへこんでいる状態でした。
 そのほかにも、ナビパーク内で、もう一か所へこんでいる箇所がありました。田村智子参議院議員の質問で、国は、もともと地盤が弱いところと答弁したとのことですが、このエリアの地盤が弱ければ、気泡シールド工法も地盤補修工事の圧縮機法も使えるものではないというふうに素人でも考えます。
 さらに、このナビパークの隣接地の民有地の場所でも、同じようにアスファルトが沈んでいる場所を見ました。どうしてそうなったのか原因は分かりませんけれども、今いっている箇所は大深度トンネルの直上ではありません。こうした変化が周辺にあることを、ぜひ東京都も見に行くべきです。事業者の説明だけでは納得できない状況が、このほかにもないとも限りません。都自身が現地調査を行うことを求めます。
 そこで伺いますが、都は、入間川の気泡や周辺の陥没についての調査を国、NEXCOに求め、都としても調査するべきではないですか。

○手塚三環状道路整備推進部長 外環事業は、国及び高速道路会社により事業が進められております。
 令和二年十月に発生した陥没、空洞事故以降、事業者は多角的な地盤調査を行い、補修範囲を特定した上で、地盤補修工事を進めていると承知しております。
 事業者は、地盤補修工事における改良体の造成作業中に、入間川で気泡の発生が確認されたことから、今後、調査を実施すると聞いております。都としては、事業者に対して適切な対応を求めてまいります。
 また、外環事業全般につきまして、都はこれまでも、事業者に対し、様々な機会を捉えて、住民の不安払拭に向け、丁寧な説明やきめ細やかな対応を求めてきており、引き続き丁寧に取り組んでいくよう求めてまいります。

○アオヤギ委員 先ほど指摘したように、都の管理する川の護岸や河床が損傷している可能性があるわけです。調査は事業者任せというわけにはいきません。調査はするということですので、住民の声や外部の専門家の意見も聞いて、きちんと住民に説明をして調査を進めていただきたいと思います。
 入間川の周辺は、今、移転をさせられている方が多くなってきております。こうした空き地で、少なくとも地下の地質が圧縮機法に耐え得るかどうかの詳細な地質調査が不可欠ではないですか。

○手塚三環状道路整備推進部長 事業者は、入間川で気泡の発生が確認されたことを受け、地盤補修工事による影響を確認するため、現在工事を一時中止しており、今後の調査結果を踏まえ、有識者の意見を確認した上で、安全を確保しながら進めていくと承知しております。

○アオヤギ委員 この有識者の意見を確認した上でという有識者は、東京外環トンネル施工等検討委員会有識者委員会ということですが、客観的な立場の専門家の意見も踏まえ、どこにどのような影響が広がっているのか把握すべきです。
 二〇二〇年に起きた事故現場も周辺を見に行きました。今回止まった地盤補修工事をしている場所にも住宅があり、多くの人が平穏な暮らしをしていました。ところが、今は周辺は住民の方々が移転をさせられ、解体工事中の現場を囲う白い高い壁が、住宅街のところどころにありました。
 パネルをご覧ください。この地盤補修工事が行われている現場で、曽根委員長と行ってきましたので一緒に見ました、住民の方が記念写真を新築のときに撮った写真があり、見せていただきました。そして、新築の家の前にご夫婦が並んでいます。十年後、桜の木、こちらに写っていますけれども、また十年後も記念撮影をするということで、それ、周辺の方から見せていただきました。
 今は、ここに土のうのようなものと、こちらがさっきいった円柱を造る機械だと思いますけれども、跡形もなく、桜の木もありません、家もありません。そうした場所を見ますと、本当に胸が痛みます。つつじヶ丘駅の閑静な住宅街です。せっかく建てたおうちが自分には何の負い目もなく取り壊される、そうした都民の気持ちを考えていただきたいと思います。
 地下で行うトンネル工事は地上に全く影響がない、地上の住民には何の説明もなく進められ、陥没事故を起こし、住民に移転を迫ると、まさに財産権の侵害です。その事業に税金を出しているのが東京都です。何をしているのか自覚をしてほしい。空洞がどこにあるかも分からない、そのような状況をつくり出したにもかかわらず、トンネルの直上しか補償しないのはもってのほかです。
 これだけ各地で影響が確認され、地盤補修工事さえ中止となる状況です。今、被害に遭っている調布市の住民の方々や、外環道予定地周辺に住む多くの都民の生命、財産よりも優先されるものはほかにありません。巨額の税金をつぎ込む工事の全面中止を知事の責任で申入れすべきではありませんか。

○手塚三環状道路整備推進部長 野川サイクリング道路で発生した舗装の損傷につきましては、その発生原因について、狛江市と事業者であるNEXCOは、調査の実施に向けて調整中であると聞いております。
 また、地盤補修工事につきましては、入間川で気泡の発生が確認されたことを受け、現在一時中止しており、事業者は今後の調査結果を踏まえ、有識者の意見を確認した上で、安全を確保しながら進めていくと承知しております。都としましては、事業者に適切な対応を求めてまいります。
 さらに、施工業者が設置した仮設材積替え場における舗装の損傷につきましては、土地所有者との契約に基づいて、事前に改良を行う許可を得ているものであり、また、有識者からも、シールドトンネルの端部から百十メートル離れていることや、これまでのボーリング調査結果等から、シールド工事が原因である可能性は限りなく低いとの見解をいただいていると聞いております。
 外環道は、首都圏における交通、物流の根幹をなす重要な道路であり、その必要性は変わらないと認識しております。
 都はこれまでも、事業者に対し、様々な機会を捉えて、住民の不安払拭に向け、丁寧な説明やきめ細やかな対応を求めてきており、引き続き丁寧に取り組んでいくよう求めてまいります。

○アオヤギ委員 安全かどうかというのは、調べないと分からないと思います。現地に行って住民の声を聞くべきです。事業者だけの報告では分かりません。
 そして、地層がどのように影響を受けているのかしっかり調べ、被害を受けた全ての方に補償して、これ以上、きっぱり工事をやめることを知事の責任で行うことを求め、終わります。

○曽根委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後三時二十九分休憩

   午後三時四十六分開議

○曽根委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○須山委員 何点か質問させていただきます。
 まず、明治公園に係る番組放映等についてということで、東京都が初めてパークPFIを採用して整備を進めております都立明治公園に際しまして、十月十五日の日本テレビ「鉄腕!DASH!!」という番組で、旧ジャニーズ事務所所属のタレントが、明治公園の森づくりをお手伝いするといった内容の番組が放映されました。
 特番ということもあって非常に反響があったと伺っておりますけれども、まずは、番組放映に至った経緯と都の関与についてお聞かせいただきたいと思います。

○佐々木公園緑地部長 都立明治公園については、令和六年一月の全面オープンに向けて、公募により選ばれたパークPFI事業者による整備が行われております。
 お話の番組については、パークPFI事業者が新しい公園をPRするための番組企画として取材を受け入れたものでございます。
 都は、公園管理者としてパークPFI事業者に対し、公園整備事業への支障とならないよう、安全面や工程管理などに留意して対応するよう指導いたしました。

○須山委員 ありがとうございます。
 東京都として、公園管理者としての指導というものは、公園整備事業への支障とならないような対応をお願いしたということで伺いました。
 この件は、ジャニー喜多川氏の性加害問題を受けて、東京都知事も、コンプライアンスの問題を解決するまでは新たな契約を行う考えはない、問題解決に向けての取組を注視したいと述べたと伺っております。
 四百人以上の被害者がいるといわれている中で、これはやはり重大な人権問題として真剣に捉えていかなくてはならないと考えております。そして、人権問題は、事業を所管する建設局としても考えなくてはいけない話で、局内でも議論があってしかるべきものであると考えます。
 案の定、この番組が放映されて、早速一部メディアからは、百年先まで受け継がれる自然豊かな森をつくるという番組テーマを掲げた一方で、公園に隣接する明治神宮外苑地区では、都の認可を受け、民間事業者による再開発が進む地区内にある神宮球場や秩父宮ラグビー場を建て替え、高さ約二百メートルの超高層ビル二棟を新築などなど、神宮外苑再開発の問題とセットに報道したりとか、私が今回質問している元ジャニーズ事務所の所属タレントの起用を問題視するという報道もされております。
 今回、今いったとおり後者のみの質問にしておきますけれども、先ほどの答弁で公園管理者としての関与ということは分かりました。でも、人権問題として、事業を所管する建設局としても考えなくてはいけないという話であって、議論があってしかるべきであったと考えます。
 そこで、番組が放映されるに当たり、人権問題について議論をしなかったのかお聞かせいただきたいと思います。

○佐々木公園緑地部長 明治公園では、多様な樹種や樹齢の樹木による生態系に配慮したサステーナブルな森づくりを行うこととしております。
 お話の番組は、このような公園づくりの取組を広く都民等に知っていただくための企画であると認識しておりまして、パークPFI事業者としても、このような観点から取材を受け入れたと承知をしております。
 具体的な番組演出などの詳細について、都は直接関与する立場にはございません。

○須山委員 パークPFI事業者が受け入れたという答弁だったんですけれども、そのパークPFI事業者の中に、この番組の制作会社も入っているというふうに伺っております。これはちょっと今は置いておきますけれども、昨日ちょうど紅白歌合戦の出演者が発表されました。その中に旧ジャニーズ事務所のタレントは入っておりませんでした。
 旧ジャニーズ事務所の所属タレントが選ばれなかったのは四十四年前、一九七九年以来ということで、私が生まれる前からもうずっと出ているんだなということは、ちょっとびっくりしたんですけれども、これについてNHKは、旧ジャニーズ事務所による被害者への補償や再発防止への取組が着実に実施されていることが確認されるまでは、当面、新規の出演依頼は行わないとするNHKの全体方針に沿って進めた結果としているということでした。
 今そうやって様々な企業がこうした対応を取る中で、先ほどの答弁で直接関与する立場にないとありましたけれども、建設局として、公園の管理者としてはそうなのかもしれませんけれども、それで、じゃあ、どう見られるのか、そういったことを誰か考えた人はいないんでしょうか。
 私は別に、ジャニーズ憎しで、もう絶対に使わせるなとか、そんなことをいいたいわけではありませんけれども、局内でちゃんと議論をするべきであり、それでもよしとなったら、先ほどの答弁のように関与する立場にないとか、そういった答弁ではなくて、ちゃんとした理由を述べてほしいと思います。直接関与する立場にないで終わらせるのは、あまりにも無責任であり、甘いと思います。
 東京都の「未来の東京」戦略をホームページで見ると、その方向性でSDGsの理念と軌を一にしていますと。SDGsの十七の目標のうち、半分近くが人権に関わるものであります。東京都としては、全局がこのことを理解した上で施策展開をしていかなくてはいけないと強く思います。
 昨日の決算全局質疑で、うちの阿部議員が神宮外苑再開発に触れて、国際都市としての価値、評価を落としたと指摘をしました。
 SDGsにおける目標で多くを占めるこの人権に関して、きちんと考えていただかなくては、やはり国際都市としての価値、評価というものを落としてしまうというふうに強く私は思います。
 本当に自分事としてしっかりと考えてほしいと強く要望して、この質問に関しては、これで終わらせていただきます。
 続きまして、もうちょっとハッピーな話をしましょう。多摩動物公園における鳥インフルエンザ対策についてもお聞かせいただきたいと思います。
 近年、流行が拡大している鳥インフルエンザですけれども、今年二月、多摩動物公園においても発生をしてしまいまして、そして、四月初旬まで約二か月ぐらい閉園となりました。
 そこで、多摩動物公園における鳥インフルエンザ発生から再開園までの経緯をお聞かせいただきたいと思います。

○根来公園計画担当部長 多摩動物公園では、本年二月、飼育していたツクシガモ四羽が高病原性鳥インフルエンザ陽性と判定され、その後、園内のほかの鳥類にも被害が及びました。
 都は、簡易検査による最初の陽性を確認後、直ちに臨時休園の措置を取り、園内の防疫体制を強化いたしました。
 具体的には、発生施設の徹底した消毒、感染リスクの高い飼育鳥類の隔離、防鳥ネットの設置による野鳥飛来防止など、速やかに実施いたしました。
 二月二十三日の陽性確認を最後に、その後、新たな感染例が見られなくなったことから、専門家の助言も踏まえ、四月十日に再開園いたしました。

○須山委員 ありがとうございます。
 出てしまったものは仕方ないけれども、それに対してしっかりと対応していただいたということもよく分かりました。
 本当に、今シーズンでも北海道などで発生していると伺っておりますし、今月の十日には鹿児島で、昨日は岡山で鳥インフルエンザが確認されたというふうにも報道で出ておりました。残念ながら、今年も東京都内でも発生するおそれがあると考えます。
 そうした中で、多摩動物公園における今後の鳥インフルエンザ対策、どのようにしていくのかをお聞かせいただきたいと思います。

○根来公園計画担当部長 都立動物園では、十月末に高病原性鳥インフルエンザ対応マニュアルを改定し、基本的感染対策の見直しを行いました。
 具体的には、鳥類を飼育するケージのメッシュをより目の細かいものに張り替えるほか、野鳥から落下するふんを防止するためのビニールシートの設置など、徹底した予防対策を進めることといたしました。
 現在、こうした取組に着手しておりまして、今後の鳥インフルエンザの感染リスクを可能な限り抑えるとともに、万が一発生した場合に備えて検査体制を強化するなど、流行への備えを講じてまいります。

○須山委員 ありがとうございます。
 様々対応もしていただいて、そして、なるべく迅速に閉園から開園ができるようにということも、いろいろ考えてやっていただいているということも改めて伺いまして、本当に皆さんのご尽力に感謝を、そして敬意を表したいと思います。
 私もおととい、上野動物公園に行ってきました。本当は多摩動物公園に行きたかったんですけれども、うちの親戚が来るというので、そっちに行くことになりまして、でも、海外のお客さんであったりとか、カップルであったりとか、本当に様々なお客さんが来ていて、すごく楽しそうに見ておりました。
 私も数年ぶりに上野は行ったんですけれども、見せ方というか、動物たちを見せるやり方も大分変わりましたし、パンダの展示のブースも奥の方になって、さらによくなったのかなというふうにも思っております。
 多摩動物公園に関しても、週末ではアフリカフェスティバルをやったりとか、そういった様々な事業をしていただく中で、動物、また、そうしたそれに関連する様々な文化であったりとかということを都民、また、都内外の方々に伝えるためのいい動物園を皆さんにやっていただいているなということも改めて感じておりますので、私たちもしっかりとご支援していきたいなと思う、そういった質問をさせていただきました。
 前半では、ちょっとあれなこともいいましたけれども、ただ、皆さんのことをしっかりと私たちも支援したいとは考えておりますので、引き続きよろしくお願いしますということで(「アフリカフェアはいいよ」と呼ぶ者あり)アフリカね、そうなんですよね、ありがとうございます。ちょっと今年は行けなかったんですけれども、ということで質問を終わります。

○もり委員 私からは、公園におけるPFIと情報公開から質問をさせていただきます。
 東京都では、PFIを活用した事業が行われています。しかし、東京都が実施すれば情報が公開され、都民との対話も行えることがありますが、PFI事業では事業者の企業秘密が強調され、公共的な場所や施設の整備がブラックボックスとなり、また、事業者の収益が公共的な公園機能に優先されるのではないかという疑念が払拭できません。
 国交省では、公共性が高いインフラについて、運営権者が事業の運営を行った場合においても、特殊な技術やノウハウ、特許等の運営権者の権利や正当な利益を害するおそれのある内容を除き、積極的な情報公開が業務の透明性の向上に寄与すると述べています。また、PFI法等に基づく情報公開が必要、要請されているものもあります。
 東京都が事業者となって直接整備する場合とPFIで整備する場合とで、東京都情報公開条例の適用など、情報公開にどのような違いが生じるのか、例えば、PFI、BTO方式の葛西臨海水族園の事例でご説明をください。

○根来公園計画担当部長 葛西臨海水族園の新設整備は、PFI法に基づき実施しておりまして、同法が規定する事項について、都ホームページ上で公開しております。
 また、都に対する公文書開示請求は、東京都情報公開条例に基づき対応することとなっており、整備手法の違いにより取扱いに違いが生じることはございません。

○もり委員 取扱いに違いが生じることはないといいますが、やはり企業の競争性に関わるもの、知的財産などは非開示となっているものもありますので、ぜひ、やはり第一に都民のための整備であり、情報であるということを申し述べさせていただきます。
 都立公園は、都立公園を利用する都民や来訪する人々のための公共空間の提供が第一義であり、人口減少、少子高齢化が急速に進む次の百年に向けて、緑と木々の木漏れ日のある安らぎに満ちた歩行空間を提供することが求められ、その範囲内で民間事業者の活用を考えるべきですが、都の民間事業者活用の基本的な考え方についてお伺いをいたします。

○根来公園計画担当部長 都は、新たなにぎわいを創出し、公園の魅力や価値を高めるために、民間の力を活用することは効果的であり、緑とオープンスペースがもたらす公園の本来機能を確保しつつ、利用者ニーズや採算性等を踏まえた上で、官民連携を推進していくこととしております。

○もり委員 昨今の公園整備を見ていると、にぎわいを稼ぐ公園づくりなどという言葉も聞かれますので、本当に都民のための公共が第一義ということを忘れずに、今後の公園整備に取り組んでいただきたいと思っております。
 次に、葛西臨海公園太陽光パネルの設置の責任の所在について伺います。
 これまでゼロエミッション東京の実現に向け、公共施設においては積極的な再生可能エネルギー発電施設の設置を求めてまいりました。
 葛西臨海水族園の整備に当たっては、屋根に設置する予定の太陽光パネルと近くのラムサール条約湿地に飛来する野鳥への影響が明確に示されていないので、設置すべきではないという意見です。
 野鳥への影響の調査や評価、太陽光パネルを設置するかどうかの判断は、都が行うべきことなのか、PFI事業者が行うべきことなのか、お伺いをいたします。

○根来公園計画担当部長 葛西臨海水族園の新設整備の事業者募集に当たっては、要求水準書において、エネルギー自立度を極力高めることを求めております。
 新施設屋上への太陽光パネルの設置については、環境負荷低減を目的に事業者が提案したものでございまして、都有施設において率先的に取り組むという都の設置方針にも沿っております。
 また、本事業について、環境影響評価及びそれに準じた調査を実施することは予定しておりません。

○もり委員 東京都として、生物多様性を守っていく上で、ラムサール条約湿地がありますし、また、絶滅危惧種のコアジサシが東京湾の臨海部には飛来するなど、大変貴重な生態系を有しています。
 環境アセスは行わないということは、さきの陳情の質疑でもそういう答弁があったんですけれども、ぜひ十分に環境に配慮して執り行っていただきたいと改めて要望させていただきます。
 私たちは、気候変動対策は大切だという立場です。けれども、どこにでも設置すればよいというものではなく、適切な場所に設置すべきだと考えています。
 都立公園の屋根などにおける太陽光パネルの設置状況、今後の太陽光パネルの設置予定箇所についてお伺いをいたします。

○根来公園計画担当部長 現在、赤塚公園の管理所など六公園で太陽光パネルを設置しています。
 今後、夢の島公園や駒沢オリンピック公園などにおいて、太陽光パネルの整備を進める予定でございます。

○もり委員 都立公園の整備に当たっての太陽光パネルの設置の判断基準についてお伺いをいたします。

○根来公園計画担当部長 都立公園における太陽光パネルの設置については、都有施設において率先的に取り組むという都の設置方針に基づき、管理所など、建築物の新規整備や改修の機会に合わせて、日照などの諸条件を考慮して検討してまいります。

○もり委員 再生可能エネルギーによる地産地消をこれまで長い間取り組んできた中で、やはり都立公園においても、本当に可能な場所であれば設置するべきだと思っておりますが、木を切って設置をするようなことは想定していないということもお聞きをいたしましたので、東京都の所管で今後も設置をしていくということで取組をお願いいたします。
 次に、明治公園整備についてお伺いをいたします。
 明治公園では、都市公園法に基づくパークPFIを都として初めて活用し、二〇二二年一月に公募設置等計画を認定し、二〇二二年度から公園整備事業を進めています。
 二〇一三年六月、神宮外苑地区地区計画の決定を見ると、三井不動産のTHE COURT神宮外苑も地区計画の区域となっており、二〇二二年度から公園整備事業を進めている明治公園のPFI事業、Tokyo Legacy Parksの事業者は、東京建物、三井物産、西武造園、読売広告、日テレアックスオンなどとなっています。
 三井不動産と東京建物は、八重洲の超高層ビル建設や日本橋の再開発で共同歩調を取っています。明治公園のPFI事業は、三井不動産のTHE COURT神宮外苑の前庭整備事業のように広告もされているんですけれども、THE COURT神宮外苑との関係をどのように整理したのかお伺いをいたします。

○佐々木公園緑地部長 お話の建物は、明治公園に隣接する敷地に建つ建築物でございます。

○もり委員 事前にやり取りがあった経緯などはないということなんですけれども、こういった疑念を持たれるということはあると思います。
 日本テレビの「ザ!鉄腕!DASH!!」が都立明治公園の森づくりに挑む番組制作をするという企画が発表され、先ほども質疑がありましたが、明治公園のパークPFIを手がける日テレアックスオンの加藤幸二郎代表取締役は、「ザ!鉄腕!DASH!!」を手がけた人物であり、PFI事業者がテレビ番組を使ってアピールしようという構造になっていました。
 「ザ!鉄腕!DASH!!」の出演者は、株式会社TOKIOの方々であり、二〇二三年九月三十日付で城島氏が社長に就任するまで、藤島ジュリー氏が社長を務めていた会社です。
 ジャニーズ事務所のコンプライアンス問題は解決していると考えているのか、改めてお伺いをいたします。

○佐々木公園緑地部長 都は、当該企業のコンプライアンス上の問題が解決するまでは、新たな契約は行わないこととしております。
 お話の番組は、公園づくりの取組を広く都民等に知っていただくための企画であると認識しており、パークPFI事業者としても、このような観点から取材を受け入れたと承知をしております。

○もり委員 株式会社TOKIOは、旧ジャニーズ事務所と無関係だと認識をしているのか伺います。

○佐々木公園緑地部長 番組の出演者などの詳細について、都は、直接関与する立場にはございません。

○もり委員 小池知事は、九月十五日の記者会見で、やはり今回の対応ですけれども、コンプライアンスの問題が解決するまでは、事務所との新たな契約を行う考えはないと述べています。
 PFI事業を行う場合、東京都は直接契約するものでないから、仮にジャニーズ事務所と関係があるとしても全く問題はないということでしょうか、お伺いをいたします。

○佐々木公園緑地部長 お話の番組は、公園づくりの取組を広く都民等に知っていただくための企画であると認識しており、パークPFI事業者としても、このような観点から取材を受け入れたと承知をしております。

○もり委員 先ほども質疑がありましたが、この問題は、世界的に見ても、やはり長年にわたり多くの未成年が性的搾取をされていた許されざる人権問題です。所属するタレントさんに非はないとの指摘はありますが、行政として、明治公園のイメージアップに利用したことの重みと責任をしっかりと受け止めていただきたいと思います。
 明治公園のパークPFIの発注者である東京都は、PFI事業者がテレビ局を動かしてPRしていることをどのように評価をしているのか、お伺いをいたします。

○佐々木公園緑地部長 都は、パークPFIの事業者の公募に当たり、公園施設やイベントの情報を発信し、公園認知度の向上に努めるよう求めております。
 パークPFI事業者は、多くの取材を行ってきた知見やネットワークを活用し、戦略的にパブリシティープロモーションを実施し、公園の魅力向上につなげるとしておりまして、このことは公募時の求めに沿っております。

○もり委員 テレビの関係の企業がパークPFI事業に関わることは、メディアとしての中立性に影響を及ぼすので好ましくないと考えますが、都の見解を伺います。

○佐々木公園緑地部長 繰り返しとなりますが、都は、パークPFI事業者の公募に当たり、公園施設やイベントの情報を発信し、公園認知度の向上に努めるよう求めております。
 パークPFI事業者は、多くの取材を行ってきた知見やネットワークを活用し、戦略的にパブリシティープロモーションを実施し、公園の魅力向上につなげるとしておりまして、このことは公募時の求めに沿っております。

○もり委員 もともと、この明治公園というところは都営住宅があり、東京二〇二〇大会のために国立競技場建設で、十年前の時点で百七十世帯の方が住んでいたものが立ち退きを余儀なくされた場所です。
 本来、住宅用地であった場所が公園用地となり、また、神宮外苑開発との関わりも深い事業者が関わり、本来都民の公共に資する公共、コモンズが、一部の企業の利権や利益に利用されてしまうのではないかと見えてしまうと思います。
 ぜひ、都民にそういった疑念を持たれることのないよう、都民と決める、都民と進めるといって支持された知事ですので、今後の整備についても、都民参加と対話を大切に進めていただきたいと改めて要望し、次の質問に移ります。
 日比谷公園については、令和三年七月に再生整備計画が策定をされ、コンセプトとして、時をつなぐ、人をつなぐ、空間をつなぐの三つのつなぐが掲げられています。ここもまた三井不動産ですが、都心最大級延べ床面積百十万平方メートル、日比谷公園と一体となった比類なきまちづくり、TOKYO CROSS PARK構想では、日比谷公園と当該地区を道路上空公園でつなぐ、日比谷公園とまちをつなぐ構想が掲げられています。
 三井不動産のTOKYO CROSS PARK構想は、日比谷公園と一体となったまちづくり、日比谷公園とまちをつなぐと銘打っていますが、三井不動産は、日比谷公園と当該地区を道路上空公園でつなぐ構想を勝手に打ち上げたのか、それとも、東京都から何らかの相談や打合せがあったのかお伺いをいたします。

○根来公園計画担当部長 平成三十年十二月に策定された日比谷公園グランドデザインでは、公園へのアクセシビリティーを向上させ、憩い集える空間を創出するために、周辺のまちづくりと連携して、地下やデッキ等で公園とまちをつなぐことなどが提言されています。
 日比谷公園の整備に際し、お話の構想について相談等はございません。

○もり委員 日比谷公園の再整備も三井不動産の再開発計画と一体として構想されているのではないか、都の公園が三井不動産に事実上利用されているのではないかという懸念が払拭できません。
 日比谷公園と当該地区を道路上空公園でつなぐ構想は、日比谷公園の再整備計画において、都市計画決定でデッキの部分が都市計画公園に位置づけられています。
 それは三井不動産、いわゆる民間事業者への利益誘導とならないのか、また、デッキ部分との結節点は、当該ビルの建設時からデッキと結節することを想定したような造りになっており、二〇二三年七月に策定したバリアフリー日比谷公園プロジェクト策定のかなり前より、都として日比谷公園と当該地区を道路上空公園でつなぐ構想を事業者と共に進めてきたのではないかと見えてしまうんですけれども、それについて見解を伺います。

○根来公園計画担当部長 先ほども申し上げましたが、平成三十年十二月に策定された日比谷公園グランドデザインにおいて、公園へのアクセシビリティーを向上させ、憩い集える空間を創出するため、周辺のまちづくりと連携して、地下やデッキ等で公園とまちをつなぐことなどが提言されています。
 その後、令和元年十二月の国家戦略特別区域会議で、民間事業者を事業主体とする道路上空の公園整備等が含まれる内幸町地区における都市再生プロジェクトが追加されました。
 デッキは、公園と周辺のまちとのアクセシビリティーを図るため設置するものでございまして、利益誘導とのご指摘は当たりません。

○もり委員 構想について相談はないとの答弁でした。
 また、日比谷公園グランドデザインは、建設局が構想したと伺っています。日比谷公園前の幅員を大きくするため、お年寄りや車椅子の方が安全に移動しやすくなるメリットがあると、ただいまご答弁いただきましたが、バリアフリー計画でデッキを設置することが本当に必要なのか疑問があります。
 今回、事務事業に当たって、質問をしなかった事業についてもいろいろお聞きした中で、建設局は、歩道橋の撤去事業を進めています。
 交通戦争時代に造られた横断歩道橋ですが、車社会から人に優しいまちづくりへ、都内五百七十九か所設置されているうち、通学路の指定がなく地元の合意が得られたものについては順次撤去を行い、百以上の歩道橋を撤去している旨を伺いました。
 駅など公共施設から結ぶペデストリアンデッキでもなく、日比谷公園のバリアフリー計画としてデッキが設置されていることは逆行するのではないかと思います。
 次に、花壇について伺います。
 日比谷公園再整備計画では、第二花壇の両側十二メートルをイベント空間にするため、通路や植栽帯の樹木を伐採することとしていますが、都市公園において、樹木よりもイベント空間が重要、緑よりもにぎわいが重要という理由を伺います。

○根来公園計画担当部長 車椅子やベビーカーの方が安心・安全に通れるよう園路を拡幅するため、現行園路の両側を広げることとしました。
 今、伐採することとしているというお話がございましたけれども、整備に当たりましては、樹木を保全し進めていくこととしております。
 移植が必要な樹木は樹木診断を行っておりまして、公園内に移植いたします。

○もり委員 移植をするということなんですけれども、高木の移植は、根づくのにも大変ですし、一本当たりの費用も大変かかっています。さきの建設局の質疑の中でも、やはり二十四本中二十三本が撤去、伐採をされてしまっているというのは大変遺憾に思っています。
 日比谷公園では、既に囲いの中の多くの樹木がイベント空間のために退けられ、移植される一方で、キッチンカーのコンセントが整備されているとのこと。樹木と都民の憩いよりもイベントとにぎわいが優先される公園整備の在り方は、大変遺憾に思っています。
 また、開園百周年記念事業として、都民からメッセージを募って設置された思い出ベンチは、多くの都民に親しまれ、一基十五万円から二十万円の寄附により設置されたベンチですが、思い出ベンチを惜しむ声が多く聞かれます。
 こうした都民の思いが込められた思い出ベンチのような事業こそ、都民が公園で憩う都市公園のレガシーとして大切に守られるべきと考えます。改めて設置する意向はないのか、見解をお伺いいたします。

○根来公園計画担当部長 日比谷公園では、平成二十年度までに二百二基の思い出ベンチが設置されており、最も新しく設置したベンチでも設置から十五年以上が経過しています。
 公園整備に伴い撤去が必要となるものについては、寄附者に対し、お礼とともに、その旨をお知らせしておりまして、希望がある場合はベンチに取り付けてある記念プレートを引渡しすることとしております。

○もり委員 公園において、都民が憩い、くつろぐ、そうした公園のベンチなどは大変重要な施設ですので、ぜひ改修後においても、都民の方がより多く憩える、今、排除ベンチなども増えていますが、本当に憩える公園となるように願っております。
 次に、芝公園や青山公園について質疑をしようとしたんですが、都市整備局の所管となり、ご答弁いただけないものもありました。
 公園まちづくり制度は都市整備局の所管となりますが、しかし、決められたものをただ運営、管理をすればいいというものではなく、やはり公園管理者として、緑地部分が削除されることですとか、しっかり所管局として、今回所管が違うのでご答弁できないというお答えでしたが、所管をする建設局としての見解を持って事業に当たってほしいと意見を述べさせていただきます。
 次に、都立篠崎公園の高台化事業について伺います。
 東京都立篠崎公園の高台化事業では、移植する樹木と移植するのに適さない樹木の基準を示しています。移植する樹木は、活着度が高く、移植先で枯損するリスクが低い、健全に育成している幹回り百五十センチメートル未満の樹木です。
 移植に適さない樹木は、移植先での枯損リスクが高い、幹回り百五十センチ以上の大規模な樹木や老木など、また、根が水平に広がり根上がりが発生している樹木は、根幹が巨大化し、支持力が低いため、強風などによる移植先での倒木のリスクが高いとされています。樹木が密生している場合は、周辺の樹木と根が絡んでいて、作業場所の確保が難しく、移植が難しいとしています。
 都立篠崎公園の高台化事業で示された、移植する樹木と移植に適さない樹木の基準は、どのような知見に基づいて設定をされたものなのか、お伺いをいたします。

○根来公園計画担当部長 都立公園において、これまで実施してきた整備や管理により蓄積された知見によるものでございます。
 篠崎公園においては、公園の土壌の特性上、根が浅く、水平に広がり、根上がりしている樹木や過密により根が絡まっている樹木が多いことから、より困難性が高いと判断しています。

○もり委員 高台化のために一度更地にせねばならないとのことですが、一本一本、樹木医により詳細な調査を求めます。
 移植する樹木について、移植先についても、その樹木の生態系に十分な配慮が必要だと考えますが、移植先と生態系への配慮についてお伺いをいたします。

○根来公園計画担当部長 移植する樹木については、全て園内に移植します。

○もり委員 園内に移植されるとのことですが、移植が難しいと判断された樹木については、昨年から今年にかけて八割から九割、高木で約八百本、中低木で約千七百本もの樹木が伐採された現状があります。
 都立篠崎公園の樹木伐採の写真、現地に行ったんですけれども(資料を示す)本当に多くの樹木はもう姿を消しているような状況がありました。このような樹木伐採の惨状が、緑を守る、緑を増やすを標榜している東京都の実態なのでしょうか。
 幹回り百五十センチ以上の大木や多様性の程度が低い周辺の樹木と根が絡んでいる樹木が密生している場合は、伐採するのではなく、できるだけ現状保存すべきだと考えますが、都の見解を伺います。

○根来公園計画担当部長 篠崎公園においては、頻発化、激甚化する風水害から都民の生命や生活を守るため、広場の高台化や江戸川堤防への避難動線の確保に取り組むこととしておりまして、盛土を行う区域を更地にする必要があるため、現状保存はできないと考えております。
 樹木の取扱いにつきましては、工事の実施に当たり、その都度、工事説明会を開催し、地元へ説明しております。

○もり委員 高台化は都民の命と暮らしを守る大変重要な事業でありますが、そのために都市の貴重な樹木の伐採が行われていくことは残念に思います。
 私は、十年以上前からほぼ毎年、横浜国大の宮脇先生の指導の下で植樹に行っていたのですけれども、東日本大震災の被災地にも、命を守る防潮堤づくりとして植樹が行われ、樹木が深く根を張ることで、風水害の被害から都民を守る、そういった事業が行われています。都民を風水害から守るという視点からも、樹木の役割は大変重要であると考えますので、高台化を行った後には、ぜひそうした、再び樹木を植えて、深く根を張っていただくことを願っています。
 続いて、火葬場について質問しようとしたんですけれども、一般的な火葬場事業は、福祉局の所管として、建設局で所管をしているのは瑞江のみということでした。そうであれば、やはりこういったことについても、本当に所管が正しいのかということについても意見を述べさせていただきたいと思います。
 また、上野恩賜公園の鉄道事業について、これは私も、さきの公営企業決算の決算質疑で質問をしようとした際に、これはもう、鉄道事業は交通局としては廃止をされたため建設局の所管だということでご答弁いただけませんでした。けれども、今回質問をしようとした際には、やはり交通事業であるため建設局では質疑ができないということでした。
 こういったことは本当に、各所管があるのはもちろんなんですけれども、あまりにも縦割りで、そういった質疑についても機会が得られないというのは大変残念に思いますので、ぜひ今後の鉄道整備については、上野動物園のモノレール、大変人気があり、これからの復活を望む声があります。それについては、今後の整備計画がまた改めて建設局で発表されるということですので、そのときに質疑をさせていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 次に、道路管理について伺います。
 ヒートアイランド対策と街路樹について伺います。
 今年の夏は、過去最高の猛暑日を記録し、地球沸騰化といわれる状況が続いており、東京都建設局は、人にも環境にも優しい道路整備を目標に掲げ、ヒートアイランド対策に取り組んでおります。
 道路のヒートアイランド対策の一つとして、路面温度の上昇を抑える遮熱性舗装と保水性舗装を路面補修工事に合わせて実施をされており、温度上昇を下げる効果は遮熱性舗装がマイナス八度、保水性舗装が最大で十度と、温度上昇を抑制する効果は、保水性舗装が少し高い一方、遮熱性舗装は騒音対策の効果もあり、それぞれのメリットがあるとのご説明をいただきました。
 二〇三〇年まで、目標値が二百四十五キロメートルであり、年間十キロメートルを目標達成に向け、計画どおりに着工されていることと聞いていますが、整備の必要性は分かるのですが、気になるのがコストです。
 そこで、遮熱性舗装については、一般的な舗装と比べ、どの程度コストが増えるのか伺います。

○原田道路保全担当部長 遮熱性舗装の整備費用は、一般的に都が採用している舗装のみを行う場合のおおむね一・三倍でございます。

○もり委員 都市のヒートアイランド対策として、実際に事業で得られた効果の検証も大変重要です。
 先ほどのご答弁で、遮熱性舗装の整備効果については、整備後、十五年を経ても八度程度低減できているというご答弁がありました。こちらについて、どのように調査をして確認をしているのか、お伺いをいたします。

○原田道路保全担当部長 遮熱性舗装における路面温度上昇の抑制効果については、過去に舗装を実施した場所において、七月から九月の真夏日を対象に、遮熱性舗装の非実施箇所と表面温度を比較することにより確認しております。

○もり委員 検証という行為は、行政にとって常に必要であると考えます。今後とも継続的にこうした確認の取組によって、都市のヒートアイランド対策を効果的に講じていただきたいとお願いを申し上げます。
 地元の打ち水大会で温度を測った際、気温三十度でも直射日光に当たった真夏のアスファルトは五十度を超えることもあり、体感温度はかなりの暑さになります。
 車椅子やベビーカー、また、乳幼児や高齢者は、路面温度の影響を受けやすく、道路のヒートアイランド対策とともに歩道のヒートアイランド対策も重要だと考えます。
 また、遮熱性舗装は、太陽の熱を反射させて路面の温度を下げる一方で、人や周囲の建物により多くの反射光の影響を与えてしまうと指摘する研究者もおりますので、遮熱性舗装とともに、木陰を形成する街路樹の整備をセットで進める必要があると考えます。
 街路樹は、都市に風格と緑豊かな景観を形成するとともに、木陰を形成し、先ほども真夏のアスファルトが五十度を超えることもあると申し上げましたが、木陰であれば二十度下げる効果があるといわれており、ヒートアイランド対策として、私はかねてより、街路樹の樹冠拡大の取組を求めてまいりました。
 都は、二〇二〇大会の暑さ対策として、マラソン道路を中心に樹冠拡大に取り組んできたところですが、街路樹整備における樹冠拡大の取組の状況についてお伺いをいたします。

○根来公園計画担当部長 歩道幅員が広く、樹形を大きく仕立てることが可能な路線を中心に、夏の強い日差しを遮る緑陰を確保するため、樹種ごとに目標樹形や剪定手法を示した維持管理計画書を作成し、計画的な剪定による樹冠拡大に取り組んでいます。

○もり委員 ぜひ、二〇二〇大会で終えるのではなく、レガシーとしても本当に都内全域で樹冠拡大の取組を一層推進していただきたいと思います。
 先日は、昭島市の市道でしたが、都民の方より、ほとんど枝を切り落とされた痛々しい姿の強剪定の街路樹が見受けられ、市は、毎年行った時期に電線にかかる樹木を剪定しているとのことでしたが、電線にかからない街路樹も一律に枝が落とされ、街路樹が電柱のようになってしまっていると、地域住民の方から悲しむ声が聞かれました。
 落ち葉を減らす剪定は、樹木が光合成ができなくなり、樹木の衰弱や枯死につながり、健全な育成を阻害してしまうため、樹木の専門家が、それぞれの樹木の個性に合った適切な管理が求められると考えます。
 樹木の適切な管理と樹冠拡大に向けて、樹木の専門家による管理がどのように行われているのか、都の取組についてお伺いをいたします。

○根来公園計画担当部長 街路樹の剪定作業について、都においては、街路樹剪定士の資格を有する者を現場代理人とするとともに、街路樹剪定士が事前に見本となる剪定を行い、剪定業務従事者がその見本に倣うことにより、良好な樹形の維持に努めております。

○もり委員 ありがとうございます。
 街路樹剪定士という有資格者が現場に当たっているとのご答弁をいただきました。
 海外でも、街路樹管理者は専門教育を受け、長年経験を積んだ専門家が管理を行っているということで、日本の現状ですと、道路管理と一体的に土木事業として行われることもあり、冬に向けて落ち葉対策と予算軽減、効率化による剪定回数を減らすために強剪定が行われている場合もあります。
 国道、都道、区市町村道と、都内の道路でも道路管理が異なるため、区市においてもしっかりと樹冠拡大が図られ、緑の連続性が育まれるよう、自治体への指導や支援が行われているのか、都の取組についてお伺いをいたします。

○根来公園計画担当部長 都は、国や区市町村の街路樹担当者が参加する連絡会を毎年開催し、樹冠拡大の取組状況や樹種ごとに目標樹形や剪定手法を示した維持管理計画書などの技術的情報の提供や意見交換を行っております。

○もり委員 ありがとうございます。
 街路樹は、木陰を形成して本当に美しい景観にも寄与するものでありますので、引き続き、そういった区市町村にもご指導いただきながら、都市の街路樹が、より樹冠拡大を広げていただくよう要望して次の質問に移ります。
 次に、自転車通行空間の整備について伺います。
 環境にも健康にもいい交通手段として、コロナ禍においても自転車の利用は拡大し、東京都内の自転車保有数は全国で最も多く、都民に欠かせない交通手段となっています。さらなる自転車通行空間の整備が求められます。
 東京都では、二〇二一年五月に、東京都自転車通行空間整備推進計画において優先整備区間を選定し、二〇三〇年度までに整備済み区間を含め五百七十キロの整備目標を掲げ、二〇二〇年度末までに三百二十キロメートルの整備が進められてきました。
 都内では、環八など幅員の広い道路では、歩道上に自転車レーンが設置をされておりますが、これは世界では類を見ない整備方法であり、歩行者の安全を確保し快適な通行を行うためにも、できる限り歩行者、自転車分離の自転車通行空間、自転車レーンが設置されることが望ましいと考えます。
 そこで改めて、東京都の自転車通行空間の整備について考え方を伺います。

○原田道路保全担当部長 自転車通行空間は、国のガイドライン等に基づき、自転車レーンや車道混在などの車道の活用を基本に整備を実施しております。
 道路構造や交通状況等により、車道での整備が困難な場合には、前後区間の整備形態との連続性を踏まえ、東京都自転車通行空間整備推進計画に基づき、暫定形態として歩道を活用した整備としております。

○もり委員 やはり地元の環八などもかなり歩道の幅員が広いので、道路上に設置をされているというのは分かるんですけれども、また、お子さんを乗せた自転車などは、本当に通行の多い道路では、なかなか歩道でなければ怖いという実情もあるのも存じ上げています。
 都内における交通事故数は減少しているものの、自転車と歩行者の事故はいまだ多く、歩行者と自転車を分離した道路整備が不可欠であると思います。また、自転車通行空間を設置されても、路上駐車等で塞がれている状況が多く、安全で快適な自転車通行空間とはいえない現状もあります。
 都庁の議事堂通りでは、自転車通行空間にポールが設置されて、分離対策が取られており、路上駐車対策にも効果があると感じます。こうした整備をより拡充すべきと考えますが、都の見解を伺います。

○原田道路保全担当部長 自転車通行空間の整備に当たっては、限られた道路幅員の中で自転車が通行する空間を確保するため、地域の道路事情に応じた整備形態を選定することとしております。
 議事堂通りでは、沿道の状況等を踏まえ、試行的にゴム製のポールを設置いたしました。

○もり委員 ぜひ、こうしたいい取組については、可能な場所があれば横展開をしていただきたいと思います。
 自転車大国のオランダの自転車政策を、以前、視察に伺い、区でも自転車通行空間の整備に取り組んできました。オランダ、デンマーク、また、自転車通行空間の整備に積極的に取り組んでいるニューヨークなど、パーキング・プロテクテッド・バイクレーンとして、自転車通行空間の歩道側ではなく、道路側に駐車帯を設置することで、路上駐車が自転車の走行を遮ることがなく、また、路上駐車が自転車を車の走行からガードするような配置となり、安全性も確保されています。
 都内では、文京区の白山通りで導入された際、自転車レーン上の路上駐車がなくなり、快適な走行空間が維持されていますが、一方で、駐車している車のドアを開ける際の危険性が指摘をされております。けれども、路上駐車全てにいえることですので、白山通りだけが特別危険であるとは感じませんでした。
 よい取組だと感じたのですが、導入の経緯についてお伺いをいたします。

○原田道路保全担当部長 文京区内の白山通りの一部区間においては、路上駐車の需要等を踏まえつつ、自転車通行の安全性を確保するため、交通管理者と連携し、駐車枠を設ける時間制限駐車区間と自転車レーンを併設して整備をいたしました。

○もり委員 都内の自転車レーンの設置に当たっては、複数の車道がある通りでないと難しい課題もありますが、パーキング・プロテクテッド・バイクレーン式の自転車レーンの設置について、安全で快適な自転車通行空間の整備手法の一つとして、設置が可能な道路においては、警察、地元自治体とも連携しながら、設置の検討をお願いいたします。
 令和五年五月、国土交通省道路局より、電気自動車等用充電機器の道路上での設置に関するガイドラインが発表されました。電気自動車の普及に当たって、急速充電器を道路上に設置する際の指針ですが、路上の充電器の設置については、充電中の路上駐車を誘導することとなれば、自転車などの安全で快適な走行を妨げるおそれがあり、危険を増大させることが危惧されます。
 また、円滑な物流に向けた道路上の荷下ろし場の確保も求められることから、今後の電気自動車用充電器、EV充電器の設置場所の拡充については路上とせず、民間施設とも連携しながら、パーキング等に設置を促すべきであると考えますが、国のガイドラインを受け、都の見解を伺います。

○若林道路管理部長 充電器の公道設置につきまして、都は現在、産業労働局が都道の三か所で占用許可により設置し、実証実験を行っております。
 また、委員ご指摘の国が示したガイドラインにおきましては、道路区域内に充電器を設置する場合は、自動車、自転車、歩行者等の各主体の安全かつ円滑な交通を確保することを前提としています。
 引き続き、充電器の公道設置の課題等について、産業労働局が事務局となり、関係局、有識者等で構成される会議体において、国のガイドライン等も踏まえた検討を行ってまいります。

○もり委員 現在、既に都道で三か所、充電器を占用許可により設置しているとのことですが、ガソリンと異なりEV充電器は、急速充電でも十五分から三十分と時間を要します。
 今、現状でも路上駐車ばかりで、せっかく道路上に自転車レーンが設置してあっても、通行がしづらい都内の道路事情がある中で、占用許可により設置することは、安全で快適な自転車通行空間の整備と逆行するものであると思います。
 海外では、車と自転車は一・五メートルの距離は取らなければならないとルールを決めている国であったり、愛媛県でも同様の条例化が行われたと伺いました。
 環境にも健康にもよい自転車の利用促進に当たっては、ハードとそうした条例化などの面も含めた整備とともに、やはり路上のEV充電器の設置については、私はするべきではないと考えますので、ぜひ、国と、また協議会においても、都として申し上げていただきたいと要望いたします。
 最後に、建設局におけるホームレス対策について伺います。
 先月、十月十三日から十五日までFUN MORE TIME SHINJUKUという、西新宿のまちが一体となって、盛り上がりの形式として、公開道路を含む道路空間等を一体的に利用し、多様な人々の滞在と交流を促進するための社会実験事業が開催されていました。
 かねてより、道の使い方でまちはもっと面白くなると、車中心の道づくりから、緑と人が憩う道の在り方について私も求めてまいりましたので、事業自体は大変いい事業であると評価します。
 この事業に道路管理者として建設局はどのように関わったのか伺います。

○若林道路管理部長 先月実施されたFUN MORE TIME SHINJUKUにおきまして、建設局は道路管理者として、主催者に対し道路の占用許可を行うとともに、道路の適正な利用を確保するために必要な指導等を行いました。

○もり委員 この事業は、都庁前の通りにも路上にカフェスペースが設置されるなど、西新宿全体のエリアが対象となり、イベントの前日には三角コーンが設置をされ、都庁周辺の路上生活者が移動されました。どのように移動を促したのか伺います。

○若林道路管理部長 都は、路上生活者の方々に対し、道路監察パトロール等の際に継続して指導、警告を行っております。
 あわせて、今回のイベントに際しては、区などの関係機関と連携し、福祉担当部署の職員が自立支援を促す等の声かけも行いました。

○もり委員 令和五年一月の路上生活者概数調査では、建設局所管施設のホームレス数は二百十五人とあります。
 建設局は、施設管理者として、都民共有の財産である道路、河川、公園を安全かつ快適な利用を確保する責務を負っているとしています。
 自立支援は福祉局の所管となりますが、ただまちから排除するのではなく、その後の自立に向けた生活支援とセットでなければ根本的な解決にはならないと考えます。
 実際にイベントの後は、三角コーンが撤去された後、路上生活者の方は戻ってきている様子があります。こちらなんですけれども、(資料を示す)イベントのときには全く、一人もいなくなっているんですけれども、その後は、今日都庁に来る際にも多くの方が路上にいる状況がありました。
 都道におけるホームレス対策の取組についてお伺いをいたします。

○若林道路管理部長 都は、道路管理者として、路上生活者の方々に対し、道路の適正な利用を確保するため、日常的なパトロール等の際に、道路に起居することがないよう継続して指導、警告を行い、また、必要に応じて自立支援事業を所管する区市等の窓口を紹介するなど、福祉と連携した取組を行っております。

○もり委員 ただいまも、日常的なパトロールを実施して、区市等の窓口とも連携をした取組を行っているとのご答弁をいただきました。
 第三建設事務所の方がパトロールをしていると思うのですが、これから本格的な寒さの時期を迎えます。イベントのときのみ一時的に立ち退いてもらっても、一人一人の人生に寄り添う伴走型の支援がなければ、本質的な解決にはなりません。
 先日、認定NPO法人自立生活サポートセンター・もやいさんに伺ってまいりましたが、土曜日の都庁近くでの食料配給には、コロナ禍のピークに迫る一日七百名の方が列をつくり、小さなお子さんを連れた女性の姿も見られると伺いました。
 ただいまご答弁でもいただきましたが、福祉局、自治体とも連携をしながら、一層の取組を進めていただくよう要望し、全質問を終わります。

○漢人委員 大きく四テーマについて質問をいたします。
 まず、生物多様性地域戦略についてです。
 毎年出されている事業概要ですが、この冒頭に、建設局の取り組むべき主な課題と対応というところがあります。そこに生物多様性地域戦略の記載がありません。
 昨年は、環境対策への取組という項目がありまして、そこにはディーゼル自動車対策しか記載されておらず、事務事業質疑において次年度すなわち今年度には、この事業概要には生物多様性地域戦略に関わる内容を掲載することを強く要望しました。
 そして、今年度の事業概要では、環境対策への取組というのがなくなりまして、建設現場における環境対策への取組に変わっています。掲載内容もがらっと変わりました。
 ディーゼル自動車対策は消えてなくなり、今年は、ゼロエミッション東京戦略に示された、二〇三〇年までに温室効果ガス排出量を五〇%削減するカーボンハーフを着実に推進するためには、公共事業の脱炭素化の取組を加速化する必要があるとして、具体的な取組事項が記載されているわけです。しかし、生物多様性地域戦略の記載は、今年も皆無です、全くありません。
 ゼロエミッション東京戦略について初めて記載されたことは大いに評価をしますが、それだけでは不十分です。気候変動枠組条約と生物多様性条約は双子の条約ともいわれていて、知事も地域戦略の冒頭では、気候危機の一層の深刻化と同時進行で、生物多様性の損失が人類の大きな脅威となっていると述べています。
 来年度こそは建設局の取り組むべき主な課題と対応に、生物多様性地域戦略に言及する項目を掲載することを再度求めますが、いかがでしょうか。

○松島企画担当部長 これまでも事業概要には、生物多様性地域戦略に関する事業を掲載しており、主な事業として、都立公園の新規開園などを記載しております。

○漢人委員 事業概要の中には関連するものが掲載してあるのは、それは当然なんです。求めているのは、冒頭の総括的なところに重要なものとして記載するべきだということです。
 ゼロエミッション戦略が掲載されるんですから、生物多様性地域戦略についてもちゃんと掲載をした形で、で、具体的なものを中に書いていくという仕組みにするべきだというふうに考えます。これは、やっぱり生物多様性地域戦略を建設局がどのように扱っているのかということにつながります。
 今年四月に策定されたのですから、これまでとは違うんですよ、今、これまでもとおっしゃったけど。二〇一〇年のCOP10で確認された愛知ターゲット二十の目標が達成ゼロだったんですよ、ゼロ。これを受けて、これまでよりも重視した対応をしなきゃいけないというのが当然だと思います。ぜひ来年こそは掲載されることを期待しておきたいと思います。
 次の質問です。
 地域戦略の策定と同時に、東京都生物多様性地域戦略アクションプランが示されています。地域戦略で掲げる三つの基本戦略を踏まえた生物多様性の保全、回復と持続可能な利用に資する都の取組と目標を示したものです。
 アクションプランにおいて、生物多様性に関する都の取組を整理し、全庁的な推進体制の下、PDCAサイクルによる進捗管理を徹底することで、二〇三〇年ネーチャーポジティブに向けた取組を推進していくとされています。
 そこで、このアクションプランに掲げられた建設局の取組項目の件数と概要をお伺いいたします。

○松島企画担当部長 東京都生物多様性地域戦略アクションプランにおける建設局の取組は、多様な生き物が生息、生育する都立公園づくりなど公園等事業が七項目、道路に関する項目が緑の拠点をつなぐ街路樹の維持管理の一項目、河川、水辺空間の生物多様性に配慮した整備及び緑化推進など河川事業が二項目の合計十項目となっております。

○漢人委員 それでは、次に、そのアクションプランに掲げられた建設局の十項目のうち、多様な生き物が生息、生育する都立公園づくりと、緑の拠点をつなぐ街路樹の維持管理について質問します。
 まず、多様な生き物が生息、生育する都立公園づくりでは、都立公園三十一公園を生物多様性の拠点として位置づけ、重点的に環境整備を行い、整備後も生物種のモニタリング等を実施しながら順応的管理を実現し、多様な生き物が安定して生息、生育できる環境を確保するとされていますが、この三十一の都立公園の内訳の記載がありません。どこかに公表されているのでしょうか。

○根来公園計画担当部長 該当する三十一公園につきましては、公表している公園別マネジメントプランにおいて、多様な生物の貴重な生息、生育空間となる都立公園を目標に掲げております。

○漢人委員 つまり、三十一公園、どんな三十一公園なのかということは、公園別マネジメントプラン全てを見て、どれかなと選ばないと分からないと。三十一公園を一覧できるものはないということだと思います。
 ですので、この機会なので、この三十一公園について次の項目に分け、それぞれの公園名をここで示していただきたいと思います。
 まず、今年度、モニタリングの実施を予定している公園。二、今年度、環境整備工事を完了する予定の公園。三として、今年度は保全利用計画を策定中の公園。そして、四は、来年度、環境整備工事を予定する公園。五番目、来年度、保全利用計画を策定する予定の公園。そして、六つ目として、その他、以上に該当しない公園があればお示しください。ご答弁お願いします。

○根来公園計画担当部長 令和五年度においてモニタリングを実施する公園は、猿江恩賜、代々木、和田堀、赤塚、石神井、水元、長沼、小山田、小山内裏、狭山、東村山中央、八国山、東大和の十三公園でございます。
 これと重複がございますけれども、環境整備工事が完了する公園は、猿江恩賜、平山城址、小山内裏、狭山、東村山中央の五公園。
 また、保全利用計画を策定する公園は、光が丘、舎人、井の頭恩賜の三公園でございます。
 令和六年度に環境整備工事に着手する予定の公園は、砧、小宮、武蔵野、野川の四公園でございます。
 また、令和六年度以降に保全利用計画を策定する予定の公園は、林試の森、善福寺、大泉中央、葛西臨海、滝山、浅間山、小金井、野山北・六道山、桜ヶ丘の九公園でございます。
 そのほかに、保全利用計画が策定され、工事に向け調整を行っている浮間公園がございます。

○漢人委員 ありがとうございます。
 貴重な資料だと思います。こういった全体像が分かるというのは、私は大変重要だと思っています。
 来年度、環境整備工事が完了するということで、今報告があった公園、実は地元の小金井市の武蔵野公園がそれに当たりまして、何とラッキーなことに、昨日、この武蔵野公園生物多様性保全利用計画の現地説明会というのがありまして、参加してまいりました。
 保全工事のポイントを確認してきたんですけれども、新たに水辺空間を創出するということもありましたが、多くは、これまでの無計画、無節操な樹木管理や草刈りによって失われた自然をいかに回復するかということが中心でした。
 とても分かりやすい象徴的な事例を二つ、ここで紹介しておきたいと思います。
 一つは、外周部の植栽を増やしていくということなんですけれども、これは、この間、防犯とか見晴らしをよくとかということで、六十本ほどの樹木を伐採しちゃったんですね。それで生物多様性は失われた。これまで来ていた小鳥、アカハラやホオジロやサンコウチョウなども来なくなっちゃった。
 そういった中で、今回の計画でもう一回、その伐採したところですよ、皆さんがというか東京都建設局が、公園管理者が伐採したところに植栽を復活するというのがあります。
 そして、もう一つ。高茎草原というのの喪失というのもあるんですね。武蔵野公園というのは広い原っぱがあるのがとても特徴なんですけれども、これも実は、かつてはその原っぱに、武蔵野の自生のチガヤがたくさん生えていたんです。
 ところが、これも、予算がないということなのか、季節をちゃんと選ばずに根こそぎのような草刈りを繰り返したことで、結局チガヤが全滅してしまったということで、今回チガヤを購入して植えるということで復活しようということなんですね。
 もともとは武蔵野の自生の、在来のものがあったんだけれども、それは失われてしまって、今回は、何かチガヤというのは関西系と関東系とあるそうですが、関東系のものをわざわざ購入して、でも、高いからたくさんは買えませんといっていました、そういう形で復活しようということなんです。
 つまり、これまで建設局の公園管理の皆さんが破壊してきたものを、やっとここで、もう一回取り戻そうという、そういった計画だということが大変よく分かりました。
 全体として、もちろん今回の取組はいいんです。だけど、そういう背景があるということは非常に重要だと思いますので、ぜひ、ほかの公園でもどんな状況なのかも確認していただければと思います。
 こういった建設局や公園管理者が壊してきた環境を、地域戦略において復活するんだということになるわけです。この三十一公園については、まず、この一覧ができるようにしていただくことを、ぜひお願いしたいと思います。
 そして、しっかり着実な環境整備と、そして七年間のモニタリングが行われるということで、これを進めていただくことを求めます。
 次に、この三十一公園に指定されていない五十三の都立公園があるわけですが、こちらでの地域戦略の取組の考え方を確認したいと思います。

○根来公園計画担当部長 三十一公園に指定されていない都立公園におきましては、各公園の特色に応じた希少生物種の保全や生物情報の蓄積などを進め、都立公園における多様な生物の生息、生育空間の確保を推進することとしております。

○漢人委員 よろしくお願いします。
 そして、次に、緑の拠点をつなぐ街路樹の維持管理について質問します。
 アクションプランには、夏の強い日差しを遮る緑陰確保に向けた計画的な剪定や街路樹を対象とした防災診断を実施するとともに、街路樹管理台帳のデータベース化を進め、街路空間に適合したグリーンインフラとしての街路樹管理を迅速かつ効率的に展開するとあります。
 この緑陰確保に向けた計画的な剪定とは、どのようなものでしょうか。

○根来公園計画担当部長 歩道幅員が広く、樹形を大きく仕立てることが可能な路線を中心に、夏の強い日差しを遮る緑陰を確保するため、樹種ごとに目標樹形や剪定手法を示した維持管理計画書を作成し、計画にのっとった剪定により樹冠の拡大を図るものでございます。

○漢人委員 広くて、そういう対策が可能な路線中心ということなんですが、これは明確な基準があるわけじゃないと思います。それなりに、全ての路線について最大限に、緑陰確保に向けた計画的な剪定が行われるようにお願いしたいと思います。
 それができる路線とできない路線というふうにはっきり分けるのではなくて、極力全ての路線で対応していただくことをお願いしたいと思います。
 次に、街路樹管理台帳の現在の項目とデータベース化による項目、そして、データベース化の完成時期を伺います。

○根来公園計画担当部長 現在の樹木の位置、樹種、樹高、枝張り、幹周、診断カルテ等を項目とする街路樹管理台帳のデータベース化を順次進めておりまして、令和七年度目途の完了を目指しております。

○漢人委員 現在の項目というのがなくても、更新する項目ということだったんですけど、まあ、いいことにします。
 とにかく膨大な街路樹ですから、データベース化をしてしっかりと管理することはとても有効だというふうに思います。ところが、このデータベースは、剪定や移植の記録をどう更新していくのかというのがとても重要なわけですけれども、何と更新についてはまだ何も決まっていないと伺いました。
 令和七年、二〇二五年に完了してから考えるのではなくて、ぜひ同時進行でこの更新も可能となるように進めていただくことを求めたいと思います。よろしくお願いします。
 次に、アクションプランにうたわれている、先ほどの緑陰確保に向けた計画的な剪定には全く反するような強剪定が行われている実態があります。先ほどもほかの委員からもありました。こういった現状について把握していますか。

○根来公園計画担当部長 街路樹の剪定作業に当たりましては、樹木の特性、歩道幅員、沿道の土地利用、地域要望等を踏まえ実施しております。

○漢人委員 実態を把握はできていないということですね。そして、沿道の民間開発によって移植や伐採される街路樹というのも多くあるようなんですけれども、こういった実態については把握していますか。

○根来公園計画担当部長 都道におきましては、道路管理者以外が行う工事について、道路管理者の承認が必要となっております。樹木への影響がある場合には、原則として申請者に移植や更新を求めております。

○漢人委員 ただ、こちらについても実態としての把握はされていないということのようなんです。
 東京都は、国や地方自治体に先駆けて、一九九八年度、平成十年度に街路樹診断マニュアルというのを作成しています。二〇〇一年度には根の保護やステークホルダーとの調整を追加した改定をするなど、これについては高く評価をされています。
 マニュアルには、この街路樹診断等に加えて、樹体に配慮した剪定など適切な維持管理の必要性についても書かれています。先ほどの強剪定や民間開発に伴う移植、伐採なども抑制できるような対応の整備をぜひお願いをしたいと思います。
 この項目は終わります。
 次、大きな二つ目は、日比谷公園についてです。
 一九〇三年開園の日比谷公園は、日本最初の西洋風公園であり、時の商業主義とは別次元で保存されるべきであって、文化財として保存、維持すべきではないでしょうか。
 国指定の名勝としての指定を受けるべきだと思いますが、いかがでしょうか。

○根来公園計画担当部長 バリアフリー日比谷公園プロジェクトに基づき、百二十年の時代を経て、積層した魅力にさらに磨きをかけ、全ての来園者及び将来の都民にとってウエルビーイングとなる公園に進化させていくことが重要であると認識しております。

○漢人委員 そういう答弁だということで、次に、再生整備工事について伺います。
 まず、今後の工事スケジュールなんですけど、これは、もうバリアフリー日比谷公園プロジェクトに記載されている内容から変わっていないということで確認できれば、それでいいんですが、今後、エリアごとにオープンハウスによる整備内容の周知や意見募集を行うことになると思います。
 第二花壇工事について、この八月の猛暑の中で、周知も不十分な中で行われてしまいました。そのようなことがないように、余裕のある日程で行うべきだと思いますが、大丈夫でしょうか。

○根来公園計画担当部長 整備を進めるに当たりましては、各エリアごとの詳細な整備内容がまとまり次第、オープンハウスを実施いたしまして、整備内容について情報発信を行い、ご意見を伺うこととしております。

○漢人委員 よろしくお願いします。
 次に、現在行われている第二花壇エリアの工事についてお伺いします。
 先週見に行きまして、また、本日も午前中見てきたんですけれども、ほぼ更地状態になっていますよね。バラについては、とても注目をされているわけですけれども、先週は百本ぐらい移植されていたと思うんですが、今日行ったら、多分全部だと思います、移植をされていました。
 この移植対象のバラの本数、そして、第二花壇でのバラの植栽面積と移植先の面積についてお伺いします。

○根来公園計画担当部長 まず、移植したバラの本数でございますけれども、約二百五十株でございます。
 面積につきましてですが、バラの植栽に当たりましては、造園の専門家から、一平米当たり二、三株程度とするようご意見をいただいております。これをこれまで植えられていた第二花壇のバラの植栽に当てはめると、面積換算で約百平米となります。
 なお、移植先の植栽面積は、約九十平米でございます。

○漢人委員 今の第二花壇での百平米というのは、実際の記録としての測ったものではなくて、一メートル当たり二、三株程度という専門家の意見から、一メーター二・五株とすると、二百五十株だと百平米になるという、そういう計算上のものというふうに受け取れましたけど、よろしいですか。

○根来公園計画担当部長 先ほどご答弁させていただきましたとおり、面積換算というものでございます。

○漢人委員 多分、第二花壇のバラというのは、もっと伸びやかに広い面積に植えられていたんではないかというふうに思います。何か記録でちゃんと確認できればいいと思うんですけれども、答弁としてそういうものなので、正式記録はないのかと思いますが、多分この九十平米というのは、それで換算すると少し狭くなるぐらいだよというような説明だと思うんですね。
 あっ、ちなみに、今日、私、数えました。二百四十五本。まあ、数え間違いもあるかもしれませんが、約二百五十ということですね。
 この造園の専門家というのもいろいろなわけですよ。優秀な方も、そうじゃない方もあるというのもあるけど、むしろ、何を重視しているのかとか、どっち向きにお仕事しているのかという違いが私は大きいと思っています。
 都が見解を聞いた専門家の方は、一平米当たり二、三株程度というふうにおっしゃったそうですけれども、バラの植え方とか、株間とか、そういったことでネット検索をしてみたんですね。見つかったのは、以下のようなものです。
 七十センチ以上の間隔が理想。大きく育てる品種は一メートル以上のスペースを確保できるのが理想。あるいは、木立バラは株間八十センチ、ツルバラは二メートルを目安にすべし。あるいは、株間を五十センチ以上離して植える。また、できるなら五、六十センチは離したい、横張り樹形のものならもっと欲しい。また、約四十五センチほどの株間で植え、異なる品種間は七十五センチから一メートル空けると。あるいは、株は一メートルがお勧めというような感じですね。
 別に忖度なくじゃ、何ていうんですか、本当に単純に私が検索した範囲では、このような数値がありました。一平米当たり二、三株というのは、ネット検索で出てきた中からいえば、かなり密植状態だなというふうにいわざるを得ません。
 現在の移植先の状態は、私は、そういったことでも、かなり密植な状態で不適切ではないかと思うんですけれども、見解を伺いたいんですが、それで、九十平米ということなんですけれども、実際に行ってみると、全体で九十平米あるかもしれないけど、支障物があったり、当然周りは植えられないところもあるので、実際は、そんなに植える場所はないです。
 植わっていたものを実際測ってみると、面積的に一平米当たり三・八株ぐらいになるような感じでした。実際に測ってきました。だから、その専門家がおっしゃっているよりも、既にかなり密植状態だということですが、この辺についてどうお考えでしょうか。

○根来公園計画担当部長 移植につきましては、造園の専門家の意見も踏まえ、適切に実施しております。

○漢人委員 造園の専門家もいろいろだというふうに申し上げました。実際に、本当に行って見てみれば、先ほど、例えば品種が異なる場合には、より広く空けるべきだという指摘などもありましたけれども、全部だあっと、どんな品種もですよ。もうそれも、先ほど強剪定というのがありましたけど、本当に全部切り落としてしまった、もう何か枝だけが立っているような感じで、全てが等間隔に、ぐわっと植えられているという状況です。
 今までの第二花壇の、伸びやかに大きく花が広がって咲いていた状況とは全く違う状況になっていますので、これはぜひ、本当にちゃんと確認をしていただきたいと思います。そういう状態が望ましいのかどうか。
 そして、現在の移植場所は、工事車両の通路となるために立ち退きが求められている五号売店というのがあるんですけれども、そのすぐ裏です。だから、せっかく移植したけど、また再移植となるのではないかと危惧がされますが、いかがですか。

○根来公園計画担当部長 整備に伴う工事搬入路の位置等につきましては、段階的な整備の中で今後検討を行ってまいります。

○漢人委員 工事搬入路は今後検討という今ご答弁でした。それでは、五号売店は工事搬入路のために立ち退く必要はないということなんでしょうかね。少なくとも、まだその必要がない。まだ分からないのに立ち退きって、その理由がおかしいですよね。ちょっとこれは、また確認をしていきたいと思います。
 バラの移植現場の受注業者の方も、こんなかわいそうなことをしたくないよ、あまりにも狭いけど、やれといわれたから仕方がないと、現場の方は、そういうふうに嘆いていたということも伺っています。
 その上、本当に再移植となって痛めつけるようなことにならないように、この場所は工事搬入路とはならないことを強く希望しておきたいと思います。もし分かっていてやったんだとしたら、本当にひどいことだなというふうに思います。
 次ですが、十八本の高木が通路の拡大のために移植されようとしていますが、中には回避できると思われる、ほんの少しの近距離の移動のものもあるわけですね。そういったものは、別に歩道は真っすぐじゃなくても、多少凸凹があったっていいと思いますので、見直しをするべきだと思いますが、いかがでしょうか。

○根来公園計画担当部長 バリアフリー日比谷公園プロジェクトでは、樹木の移植が必要となる場合には、樹木診断を行った上で、公園内で移植することとしておりまして、第二花壇周辺においては、樹木診断の結果を踏まえ、十八本について同じエリア内で移植を行います。

○漢人委員 次に、再生整備計画について質問します。
 有楽町側のデッキについて、九月十三日の委員会での部長の答弁で、デッキをつなぐ構想は、平成三十年十二月に策定された日比谷公園グランドデザインの中で公園へのアクセシビリティーを向上させ、憩い、集える空間を創出するために、周辺のまちづくりと連携して、地下やデッキ等で公園とまちをつなぐことが提言された、これが初めてと認識していると述べられています。
 今日も、先ほども質疑がありましたけれども、この再生整備計画は、このグランドデザインを受けて策定されたものなわけです。
 では、この東京ミッドタウン日比谷について、接続部が設けられた時期、つまり、ビルが完成したのはいつだったのかということをご答弁としていただきたいと思います。

○根来公園計画担当部長 お話の建物の完成については、平成三十年二月であると承知しております。

○漢人委員 答弁としてどちらも出てきたわけですね。デッキの接続部となる構造を持つ東京ミッドタウン日比谷が完成したのが平成三十年、二〇一八年の二月。そして、十か月後、同じ平成三十年、二〇一八年の十二月に策定された日比谷公園グランドデザインの中で、初めてデッキの構想が提言されたわけですね。
 さらにいえば、日比谷公園グランドデザインの第一回の検討会が開催されたのは、平成二十九年、二〇一七年の十月です。
 そして、東京ミッドタウン日比谷ビルが着工したのは、さらに遡る二〇一五年二月とのことです。
 グランドデザインの検討に入る二年半前に、デッキ接続の構造を持つビルがもう既に着工していたわけですよね。もう、摩訶不思議なことではないですか。あまりにも、偶然そのデッキ接続部分が、あら、偶然できたのねということはあり得ないわけですよね。あまりにもこれは不透明だなと、何らか表に出てこないことがあったんではないかというふうに思わざるを得ませんということを述べておきたいと思います。
 この辺が、この日比谷公園再生プロジェクトについて、大きな不信になっているというふうに申し上げておきます。
 そして、デッキ上には道路上空公園というのが造られますが、その内容は、いつ、どのように決まるのでしょうか。また、二本のデッキの建設費、維持管理費の負担はどうなっているのかもお伺いいたします。

○根来公園計画担当部長 デッキ上部の整備内容につきましては、現在、事業者において、都と協議しながら基本設計に取り組んでいるところでございます。
 費用負担についてでございますけれども、今の公園とまちをつなぐデッキにつきましては、民間事業者の費用負担の下、整備をされ、管理されることとなっております。

○漢人委員 このデッキについては、事業者が主体となって内容を考えるんですね。都も協力するとはいっても、事業者が主体となって内容を考えて、そして、事業者の費用で造るし、管理も事業者の費用でするということなんです。
 だから、東京都の、私たち都民の、市民の声は届くんでしょうかね。事業者が、このミッドタウン、あるいは、これから造られていくビルを都合のいいように造っていく、そして都合のいいように管理していくというふうになるんじゃないかと大きく危惧をするところです。
 先ほどの、たまたまデッキが同じところに接続部ができていたんだということじゃないだろうということも含めて、問題だというふうに指摘をしたいと思います。
 最後ですが、草地広場や三笠山エリアは、樹木を伐採して芝生広場にする計画となっていますが、これは生物多様性地域戦略に即して見直すべきだと思いますが、いかがですか。

○根来公園計画担当部長 日比谷公園の整備に当たっては、バリアフリー日比谷公園プロジェクトに基づき進めていくこととしており、公園の北西部エリアについては、家族連れなど様々な世代の憩いの場となる広場のある空間に再整備することとしております。
 整備に当たりましては、樹木を保全し進めてまいります。樹木の移植が必要となる場合には、樹木診断を行った上で、公園内に移植いたします。

○漢人委員 この移植というのが、私は今回のバラの移植の状態を見て、本当に信用できないなと。もう移して植えさえすれば、それで移植なのかというと、違いますよね。ちゃんと同じように育つような環境が保障されなかったら、ただ移植しましたということでは済まないというふうに思っています。
 そして、生物多様性地域戦略アクションプランの、多様な生き物が生息、生育する都立公園づくりの三十一公園に指定されていない五十三の都立公園については、各公園の特色に応じた希少生物種の保全などを進め、多様な生物の生息、生育空間の確保を推進するという答弁が先ほどありました。
 隣接する内幸町大開発プロジェクトと深く関わって、その一部であるかのように、イベントによるにぎわいを最優先するようなバリアフリー日比谷公園プロジェクトは、これは生物多様性地域戦略に基づいて見直し、そして、歴史と文化、自然、生物多様性を重視する公園整備へと方針転換することを求めて、この質問を終わります。
 三つ目の質問は、都市計画道路小金井二路線についてです。
 はけと野川を壊す都市計画道路小金井二路線、三・四・一号線と三・四・一一号線に関して質問をいたします。
 まず、第四次優先整備路線の進捗状況についてお伺いします。
 第四次事業化計画の策定から今年でもう八年です。残る期間は二年半となりましたが、第四次事業化計画の優先整備路線のうち、事業着手した路線数と着手率をお伺いいたします。

○久野道路建設部長 第四次事業化計画の優先整備路線の着手率は、令和四年度末時点で約三割となっており、建設局では三十路線、三十九か所で事業に着手しております。

○漢人委員 約三割ということですね。
 次に、小金井二路線についての見解をお伺いいたします。
 公表資料などによりますと、第三次の事業化計画の着手率は、十年間で約五割とのことです。そして、ただいま第四次の着手率は、これまでの七年間で約三割にとどまっているとの答弁がありました。
 第四次の計画期間である二〇二五年度、令和七年度末までに第三次並みの着手率になるとは到底思えません。これは、私の地元の小金井二路線のように、地元の合意が得られない路線が多くあるからでしょうか。
 道路計画への反対の理由は、その地域のコミュニティが壊される問題、あるいは、納得していないのに立ち退きを迫られたり、土地の一部を提供させられたりという、地権者の財産や人生設計の問題が大きくあります。
 小金井二路線の場合は、地権者の皆さんの問題ももちろんありますけれども、市を挙げての小金井市民の民意として反対意思が示されているその背景は、大切な自然環境を守り次の世代に引き継ぎたいという思いです。
 道路を造ることによって得られるものと、失われるものに対する選択の価値観が大きく変わってきているというふうに思っています。気候変動や生物多様性の危機が深刻化する状況の中で、この価値観、小金井の民意がこれから変わることはありません。
 神宮外苑再開発に反対する世論の高まりも同じです。道路事業においても、他の地域でも同じ傾向に向かうと私は予測をしております。
 環境重視の民意が明確で、道路建設の合意が難しい小金井三・四・一号線及び三・四・一一号線ほかは、事業化への手続を凍結し、中止に向けた調整を始めるべきだと思いますが、見解をお伺いいたします。

○久野道路建設部長 小金井三・四・一号線及び三・四・一一号線ほかにつきましては、第四次事業化計画の優先整備路線に位置づけられており、武蔵野公園などの広域避難場所へのアクセス向上や生活道路への通過交通抑制による地域の安全性向上に資する重要な路線でございます。この二路線について、様々な意見があることは承知しております。
 引き続き、オープンハウスを開催し、地元の方々の意見を聞くなど、丁寧に対応しながら事業化に向けて取り組んでまいります。

○漢人委員 この項目では最後に、道路構造の検討状況についてお伺いいたします。
 小金井三・四・一一号線ほかについては、道路概略検討報告書が昨年十二月に納品されてから、もうすぐ一年になります。今年四月に情報公開請求したところ、主要な部分はほとんど黒塗り状態での開示となっています。
 その理由を問う文書質問をしました。その答弁の中では、現在、報告書の内容を踏まえ、最適案を整理しており、今後、オープンハウスの開催などにより、多くの方々に周知していく予定と述べられていました。
 その最適案の検討状況はどうなっているでしょうか。また、想定されている今後の予定をお伺いいたします。

○久野道路建設部長 小金井三・四・一一号線ほかは、環境概況調査の結果等を基に、橋梁、掘り割り、地下等の道路構造形式を比較検討し、昨年末に報告書として取りまとめたところでございます。
 現在、報告書の内容を踏まえ、道路構造や自然環境への影響等について、関係者と協議、検討を進めているところでございます。
 今後、最適案を整理した上でオープンハウスを開催し、事業化に向けて取り組んでまいります。

○漢人委員 環境概況調査の結果等を基にということですが、都が策定した生物多様性地域戦略に即して検討すれば、生物多様性保全利用計画が現在進行中の、先ほど質問しました、紹介しました武蔵野公園、あるいは、都内で唯一の自然再生協議会が活動する野川調節池、そういったエリアに新たに道路を建設するなどということは許されません。この小金井二路線の最適案は、計画の凍結、そして中止しかありません。
 最後のテーマです。善福寺川上流調節池(仮称)についてお伺いします。
 時間最大七十五ミリの降雨に対応するため、杉並区内に延長五・八キロの地下トンネル式調節池を築造する善福寺川上流調節池計画があります。
 八月に都市計画素案が地元に示され、説明会を開催しています。説明会には、都市整備局と共に建設局も地域対応に入っておりますので伺います。
 まず、想定される調節池についてです。
 地上部分に河川管理施設を整備する箇所が、原寺分橋付近、杉並区立関根文化公園内、善福寺川緑地の三か所にあります。ここに深さ約五十メートルの立て坑が設置され、併せて、地上部には管理棟や取水、排水施設を整備するという計画です。
 それぞれの都市計画区域のおおよその面積、整備される管理棟のおおむねの規模をお伺いいたします。

○斉藤河川部長 個別箇所の面積につきましては、原寺分橋付近が約四千四百平方メートル、関根文化公園が約千三百平方メートル、善福寺川緑地が約千六百平方メートルであります。
 なお、面積につきましては、都市計画決定後の測量等の実施により確定してまいります。
 管理棟の規模につきましては、今後の詳細設計により検討してまいります。

○漢人委員 次に、ECI事業者の公募に当たって示した参考額をお伺いいたします。

○斉藤河川部長 対象工事の参考工事費は、一千億円程度を想定しております。

○漢人委員 この一千億円という金額ですが、これは立て坑と管理部の経費であって、その他の管理棟建屋部分などの上物は含まれていないということですね。
 また、東京都ECI方式試行要綱によりますと、参考額は目安であり予定価格ではないため、その範囲での契約を要するものではないということですので、事業費がこれからどれだけ膨らんでいくのかというのが未知数だということだと思います。
 次の質問ですが、河川管理施設を整備することになる関根文化公園は、約二千四百平米で、その半分が調節池の管理施設になります。私も見てきましたけれども、善福寺川沿いにあるとてもよい公園です。
 この公園の西半分は、子供たちのための遊具がまとまって設置をされていて、東半分には立派な高木が何本もあります。老若男女を問わず利用の多い公園と聞いています。特に最近は、子供たちの利用が大変多いということです。
 今回のこの調節池計画は、公園としての機能を大きく損なうことになるのではないでしょうか。

○斉藤河川部長 公園としての機能につきましては、今後、地元区と協議をしてまいります。

○漢人委員 地元の杉並区と協議するのは当然なんですけれども、どの程度の協議ができるのか、そこがあるのかということが問題だというふうに思います。
 ということで、次に、地元対応について質問します。
 八月に都市計画素案説明会が開催されていますが、その状況について、参加人数、出された意見、任意の説明や話合い等の実施状況などについてお伺いいたします。

○斉藤河川部長 都市計画素案説明会は、本年八月二十三日、二十四日、二十五日、二十七日の計四回、地元の小中学校などで実施をいたしました。
 参加人数は、四日間で延べ百五十九名であります。
 説明会では、調節池の早期整備の要望や工事の安全性に関する意見などがありました。また、説明会後に電話や対面で個別に説明を行っております。

○漢人委員 外環の陥没事故などもあるわけですから、安全に対する心配というのは本当に大きいかというふうに思います。
 関根文化公園の縮小、占有のほか、原寺分橋付近では区道が閉鎖となります。地元杉並区の了解は得られているんでしょうか。

○斉藤河川部長 本計画素案の作成に当たりましては、地元区と協議、調整を行っております。

○漢人委員 つまり、まだ了解は得られていないということですね。
 この都市計画手続なんですけど、まだ素案の段階です。法定の手続には入っていません。
 一方で、建設局は、既にこの調節池の基本設計を終えて、十月には詳細設計の発注も済ませたということです。両設計の経費、受託事業者名をお伺いします。

○斉藤河川部長 基本設計の当初契約額は一億九千三百七十九万八千円、受託者はパシフィックコンサルタンツ株式会社であります。
 詳細設計の当初契約額は五億三千二百十五万八千円、受託者はパシフィックコンサルタンツ株式会社であります。

○漢人委員 その基本設計や詳細設計は、都市計画素案で示された調節池の位置や構造を前提にしたものなのでしょうか。

○斉藤河川部長 基本設計におきまして調節池の位置や構造等を検討し、都市計画変更素案を作成いたしました。

○漢人委員 つまり、都市計画がまだ決まっていないどころか、まだ案も示されていないにもかかわらず、それを前提とした設計を発注するということをされているわけですが、こんなことが許されるんでしょうか。見解をお伺いいたします。

○斉藤河川部長 調節池の整備は、激甚化、頻発化する豪雨に対応するため、TOKYO強靱化プロジェクトに位置づけている重要な施策でございます。
 特に善福寺川では、溢水による浸水被害が度々発生していることから、早期の治水効果の発現のため、都市計画変更の手続と並行して設計業務等を進めさせていただいております。

○漢人委員 TOKYO強靱化プロジェクトというのは、法を上回るほどの重要な施策ということなんですかね。
 次ですが、受託事業者が、先ほどパシフィックコンサルタンツということでしたけれども、このパシフィックコンサルタンツは、外環シールドトンネル工事での初歩的な設計ミスで指名停止措置を受けております。こういう事業者に、それも随意で詳細設計を発注していいんでしょうかね、お伺いいたします。

○斉藤河川部長 契約時点で都の指名停止を受けてはおりません。

○漢人委員 今のちょっと確認ですけど、このパシフィックコンサルタンツが指名停止を受けているのは都ではなくて、国土交通省関東地方整備局からなんですけれども、そのことを都ではなくて国交省だということをおっしゃったんですかね。
 また、この指名停止の期間なんですけど、二〇二三年、今年の十月二十七日から十一月二十六日までの一か月間、まさに今現在なんですけれども、現在、指名停止措置を受けているわけですが、契約したときは、まだその前だったということをおっしゃっているのか、ちょっとそこを確認をお願いいたします。

○斉藤河川部長 指名停止につきましては、国土交通省関東地方整備局の方から、十月二十七日から十一月二十六日に受けていると聞いております。こちらの方は、都の指名停止ではございません。

○漢人委員 ですから、これは時期の問題じゃなくて、東京都じゃなくて国土省の指名停止だから東京都は関係ないという今、答弁だということでよろしいですか。

○斉藤河川部長 国土交通省の指名停止でございまして、東京都の指名停止ではないということでございます。

○漢人委員 ということなんですけど、外環で初歩的な設計ミスをしたという、だから指名停止になっているような、そういう業者ですよ。そこと随意契約ですよ。あえてここと随意契約でする、発注するというのは、これはとても私は理解できません。
 都市計画案も示されていないにもかかわらず、強靱化プロジェクトに位置づけられているからと、都市計画変更の手続をないがしろにしていいということも、私は全く理解ができません。
 また、一般的に、都市計画決定に当たっては、地元自治体の意見を聞かなければならないことになっていますね。加えて、今回の計画では、先ほどの杉並区立の関根文化公園の半分を提供してもらう必要がありますし、原寺分橋付近の予定地では区道の廃止も必要になります。
 杉並区の了解と協力が不可欠ですが、これも整っていないということを先ほどお話がありました。地元杉並区との本当に誠実な、そして、ちゃんとした対応を求めておきたいというふうに思います。
 本日は、私は生物多様性地域戦略の策定を受けた建設局としての取組ということで質問をしてきました。この善福寺川上流調節池についても、まとめて海に流すという治水の在り方も見直すべきではないかということ、この地域戦略に基づいて、ぜひ検討していただきたいということも提言をして、質問を終わりたいと思います。

○成清委員 私がこれまでに議会で取り上げてきたテーマについての進捗、地元事業や会派として後押ししている事業等について質疑をさせていただきます。
 まず、都立公園スポーツ施設の予約システムについて伺います。
 私が令和二年第三回定例会にて、都立公園スポーツ施設に関連して一般質問をさせていただき、昨年の事務事業質疑でも取り上げ、オンラインでの利用者登録やインターネット事前決済について求めてきましたが、都立公園のスポーツ施設の利用者オンライン登録やインターネット事前決済の導入の検討状況について伺います。

○佐々木公園緑地部長 都立公園のスポーツ施設予約管理システムについては、利用者サービスの向上やセキュリティの強化を図るため、新たなシステムの構築を進めております。
 新しいシステムでは、公園管理所に出向くことなく、オンラインで利用者登録の手続や使用料の事前決済が可能となります。また、操作画面を改善し、スマートフォンでの入力を行いやすくするなど、利用者の利便性の向上を図ることとしています。
 現在、プログラムの開発工程が完了しテスト段階に移行しており、今後、ユーザーテストなどを経て、令和六年三月に新システムの運用を開始する予定です。

○成清委員 スポーツ施設予約管理システムは、恐らく、都が運用しているシステムの中で最も利用者数の多いシステムで、オンラインでの利用者登録や利用料の事前ネット決済も可能になるというのは画期的な改善だと思います。
 令和六年三月、間もなく新システムの運用も開始されるということで、大いに期待しておりますので、よろしくお願いいたします。
 次に、都立公園に関連して、駒沢オリンピック公園ストリートスポーツ広場について伺います。
 東京二〇二〇大会以降、スケートボードの人気が高まっており、議会の様々な場面で我が会派から、スケートボード利用空間の創出と、あわせて、安心・安全に楽しむための取組の強化などを求めてきました。
 先日、名古屋地裁において、使用ルールが守られていない状況が常態化していた滑り台で起きた事故に関連して、設置や管理に瑕疵があったと認め、県に賠償を命じる判決が出されました。公園内で定められたルールが守られるように、行政も積極的に対応しなければならないということを示唆しているものかと思います。
 このストリートスポーツ広場にも、小学校低学年以下の利用者は付添人または指導者と一緒に利用してくださいというものや、利用時間外のご利用、広場外、広場に向かう途中の走行はおやめくださいなどというルールが掲示されていますが、これらのルールが守られない中で、スケートボードでぶつかられて大けがを負ったという方からの声も我が会派の議員の下に届いております。
 そこで、駒沢オリンピック公園ストリートスポーツ広場において、安全確保に向けた対策を改善していくべきと考えますが、見解を伺います。

○佐々木公園緑地部長 駒沢オリンピック公園のストリートスポーツ広場では、利用者が施設を安全に利用できるよう、小学生以下の利用における保護者の付添いなどの利用ルールを設定しております。その一層の周知を図るため、ルールを記した標示板を入り口付近の見やすい位置に増設しました。
 広場で開催するマナーアップ教室では、今年度、プロスケーターを講師に招いて、マナー等を学ぶプログラムや愛好家団体と連携した初心者向けのプログラムを予定しております。
 来年度は、こうした教室の開催回数を増やし、ルール遵守やマナーの向上に向けた利用者の意識を一層高めていくことで、安全に利用するための環境づくりに取り組んでまいります。
 また、現在、広場の利用者が多く見込まれる土日祝日に警備員を配置しているほか、平日の警備員等の巡回時に、ルールを守らない危険な行為に対して注意等を行っており、今後は、広場での巡回をより重点的に行うことで安全対策の強化を図ってまいります。

○成清委員 安全対策を強化していくというご答弁でしたが、駒沢オリンピック公園をはじめ、今後展開するストリートスポーツ公園においても、防げる事故は防げるよう、適切な安全管理を行っていただくことを要望いたします。
 次に、グリーンインフラについて伺います。
 これまで度々取り上げておりますが、我が会派は、グリーンインフラに関する取組が非常に重要であると考えております。
 そうした中、先日の決算特別委員会第三分科会の質疑では、我が党の福島都議が、都内における道路の占める面積が大きいことを踏まえ、都道に設置されている浸透ますの設置数などを質問したところ、都道上の約十七万か所の雨水ますのうち約四千か所であることを確認しました。
 私も、浸透ますの設置をはじめとする道路からの雨水の流出を抑制する取組を推進すべきという観点から質問をいたします。
 まず、道路における雨水流出抑制施設の設置に関するこれまでの取組経緯について伺います。

○原田道路保全担当部長 都は、都市化による流域の保水、遊水機能の低下などに伴い、洪水被害の頻発した昭和五十年代以降、総合的な治水対策の一環として、河川などへの雨水の流出を抑制するため、道路における浸透ますの設置や透水性舗装の整備を推進してきました。
 現在は、平成十九年に策定し二十六年に改定された東京都豪雨対策基本方針に基づき、対策を実施しております。

○成清委員 現在、都は主に治水対策、豪雨対策という観点から、道路における雨水の流出抑制施設の設置を進めてきたとのことですが、さきの数字からは、都道上の浸透ますの設置率は二・四%であり、さらなる取組の余地は大きいです。今後の取組の加速を求めます。
 また、この浸透ますの設置は、交通に影響することから、交通量の少ない区市町村道の方が進めやすいとも聞きます。
 区市町村道への設置についても進めるとともに、今後は浸透ますなどをグリーンインフラと位置づけ、雨が地下に浸透し川に湧き出てくるといった自然本来の水循環の再生など、より多面的な目的を設定し、施策を展開することを要望しておきます。
 次に、道路におけるグリーンインフラとして、街路樹について伺います。
 都は、本年八月に策定した東京グリーンビズにおいて、緑を守る取組の一つとして、街路樹の適切な維持管理を掲げています。
 街路樹は、都民の日常生活の中で目にすることも多く、最も身近に感じる緑の一つであり、都市の良好な緑となるよう管理していく必要があります。
 そこで、緑豊かな都市の形成に向けて、街路樹の維持管理にどのように取り組んでいくのか、都の見解を伺います。

○根来公園計画担当部長 街路樹の維持管理につきましては、樹木の健全な育成や安全で円滑な交通を確保するため、樹形の骨格をつくる冬季剪定や枝枯れや病気の発生等を抑制する夏季剪定など、樹種の特性に応じて適切な時期や回数を設定し、先ほども申し上げましたが、街路樹剪定士の配置なども行いながら剪定作業を実施しております。
 また、歩道幅員が広く、樹形を大きく仕立てることが可能な路線を中心に、夏の強い日差しを遮る緑陰を確保するため、樹種ごとに目標樹形等を示した維持管理計画書に基づき、計画的な剪定による樹冠拡大に取り組んでおります。
 こうした取組を継続して実施いたしまして、緑豊かな街路樹の育成に取り組んでまいります。

○成清委員 良好に維持されている街路樹は、きれいなまち並みやまちの風格に必要なものであり、地域の誇りにもつながるものです。
 道路の中で生き物である街路樹を管理することは、大変な苦労があるかと思いますが、良好な都市空間の形成に向けて、適切な維持管理に継続して取り組んでいただきたいと思います。
 また現在、ニューヨークやポートランドなどにおいては、街路樹の根元に雨水を一時貯留し浸透させるバイオスウェル、もしくはレインガーデンといわれる施設の設置が進んでいます。これらの施設は、視覚的に分かりやすく、雨水浸透に関するグリーンインフラの象徴と見られることも多いものです。
 日本は、短時間に強い雨が降ることなどから、単純にアメリカで行われている事例をそのまま利用するのは難しいと聞いておりますが、都民の方々にグリーンインフラの取組を分かりやすくお伝えするためにも、バイオスウェル、レインガーデンの設置に向け、建設局としても検討を深めるよう、要望をしておきます。
 次に、河川について伺います。
 東京の東部低地帯を流れる隅田川や江東内部河川においては、高潮や地震に対する安全性を確保するとともに、川沿いを人々が散策できるような空間の整備が進められています。
 また、水面を眺められる遊歩道に併せて、芝生や低木等の植栽により緑化を充実させることは、人々に憩いと潤いを与えるためにも重要です。
 隅田川では、テラスの整備が進み、多くの人が川沿いを散歩やジョギング等に利用しています。
 その一方、内部河川との合流点ではテラスが分断され、迂回しなければならない箇所が存在していることから、都では、こうした分断箇所を連続化する事業を進めていると承知をしております。
 私の地元墨田区においても、竪川と隅田川の合流部でテラスを連続化する工事が行われており、一刻も早い完成が望まれています。
 そこで、竪川合流部におけるテラスの連続化工事の進捗について伺います。

○斉藤河川部長 都は、隅田川の支川の合流によりテラスが分断されている箇所におきまして、利用者の利便性等をさらに向上させるため、橋梁などによる連続化工事を行っております。
 竪川の合流部では、令和二年度から工事に着手し、今年度末に完成する予定であります。
 これにより、墨田区内の吾妻橋下流から竪川水門下流までのテラス約二・三キロメートルが連続化されます。

○成清委員 竪川合流部のテラス連続化の取組が進んでいることが分かりました。
 この竪川を含む江東内部河川は、隅田川や荒川に囲まれた江東三角地帯を縦横に流れています。地盤の低い地域を守るため護岸の耐震対策を進めており、特に地盤の低い東側の河川では、日常水位を低下させてから河道整備、併せて緑化を行うなど、河川環境に配慮した整備を行っています。
 そのうち、横十間川については、現在、護岸整備が進んでおり、川沿いを散策できる区間が増えてきています。
 そこで、横十間川の整備状況について伺います。

○斉藤河川部長 都は、横十間川におきまして、鋼矢板の設置や地盤改良により低水路整備を行い、地震に対する安全性を向上させるとともに、川沿いの植栽や水辺の散策路を設置するなど、親水性にも配慮した修景整備を進めてきております。
 低水路整備は、これまで計画延長五キロメートルのうち、約三・五キロメートルに当たる約七割を事業化しておりまして、令和五年度は約二百五十メーターで工事を実施しております。
 また、修景整備は、これまで計画延長五キロメートルのうち、約一・六キロメートルに当たる約三割を事業化しておりまして、令和五年度は約二百七十メーターで工事を実施しております。

○成清委員 緑あふれる歩きたくなるような水辺の創出に向けて、引き続きよろしくお願いいたします。
 次に、自転車通行空間について伺います。
 自転車が関連した交通事故が後を絶ちません。例えば、令和五年上半期に都内で発生した自転車乗車中の交通死亡事故は十四件と、前年同期より三件増加しており、全ての交通事故件数が年々減少傾向にある中で、自転車利用の安全性を高める必要があります。
 これに加え、この七月からは、電動キックボードが自転車レーンを通行することが可能となり、実際、まち中で電動キックボードを見かけることも増えたと実感をしております。
 こうした状況に対応し、道路を利用する全ての人々の安全・安心を確保していくためにも、自転車通行空間の整備は重要です。
 私は、昨年の事務事業質疑において、墨田区内における取組状況等を確認し、あわせて、自転車通行空間の整備は優先的に取り組むべきとの意見を述べました。
 そこで、都道における自転車通行空間整備の取組状況と今後の予定について伺います。

○原田道路保全担当部長 都はこれまで、平成二十四年度に策定した東京都自転車走行空間整備推進計画等に基づき、自転車交通量が多い区間や主な観光地の周辺等において、自転車通行空間の整備に取り組んでまいりました。
 現在は、令和三年度に策定した東京都自転車通行空間整備推進計画に基づき、自転車交通量や事故の発生状況等の視点から選定した優先整備区間等の整備に取り組んでおります。令和四年度末までに累計約三百七十八キロメートルを整備いたしました。
 墨田区内においては、優先整備区間に選定した三ツ目通り等の整備に向けて、整備形態の検討を行っております。
 今後とも、地元自治体や交通管理者と連携しながら、自転車通行空間の整備を積極的に進めてまいります。

○成清委員 次に、自転車通行空間の整備形態について伺います。
 昨年の事務事業質疑において、都は、自転車の専用通行帯である自転車レーンや車道を自転車と自動車が混在して通行する車道混在等の形態で進めていると答弁がありました。
 これに対して私からは、自転車の方々が通りやすい専用の空間である自転車レーンをできるだけ多く整備し、加えて、車道との間にポールを設置することを要望しました。
 そこで、より安全性の高い自転車通行空間を整備するため、ポールを活用したものなど、どのような取組があるのか伺います。

○原田道路保全担当部長 整備に当たっては、限られた道路幅員の中で自転車通行空間を確保するため、地域の道路事情に応じた整備形態を選定することとしており、例えば、江戸川区西葛西付近の船堀街道では、交通状況を確認し車道の車線数を減らし、その空間に自転車レーンを整備いたしました。
 また、新宿区西新宿の議事堂通りでは、駐停車車両や沿道の状況などを踏まえ、試行的に自転車レーンにゴム製のポールを設置いたしました。
 今後は、整備による効果や課題の整理などを行い、本取組が有効な区間への適用を検討してまいります。

○成清委員 道路の限られた空間で様々なニーズに対応することは大変かと思いますが、自転車の重要性が高まっていることを踏まえて、自転車の安全性の向上に引き続き努めていただきたいと思います。
 最後に、舟運について伺います。
 東京には、川や海、運河など、すばらしい水辺空間があり、東京の将来のまちづくりに当たっては、魅力的な水辺空間の活用や水辺を生かした舟運の活用が大変重要です。
 舟運活性化には、舟運事業者の利便性向上の取組も重要であり、我が会派はこれまで、その一つである船着場予約のDXを求めてきました。
 その後、本年三月の予算特別委員会における我が会派の質問に対し、建設局から、今年度早期に予約システムを導入開始するとの答弁がありました。
 そこで、船着場予約システムの導入状況について伺います。

○小木曽河川防災担当部長 港湾エリアで既に運用している予約システムを令和五年五月から河川エリアでも導入し、両エリアで一体的な予約を可能といたしました。
 現在、河川エリアの防災船着場利用登録者八十八社のうち、約七割に当たる六十一社がシステム利用者として登録済みでございます。

○成清委員 建設局所管の船着場で予約方法の改善がなされていることが分かりましたが、さらに、より多くの舟運事業者に船着場を利用してもらうための取組が期待されます。
 そこで、船着場の利用促進のための取組について伺います。

○小木曽河川防災担当部長 都は、より多くの舟運事業者に船着場を利用してもらうため、舟運事業者に船着場利用実態や今後の利用の意向等について、現在、アンケート調査を実施中でございます。
 この調査結果等を踏まえ、一般開放中の防災船着場の利用改善や未開放船着場の利活用方策について検討してまいります。

○成清委員 河川や船着場は、水の都東京としての貴重な財産です。引き続き、東京の水辺活性化のため、様々な取組を進めていただくよう要望しまして質問を終わります。

○小松委員 初めに、都市計画道路について伺いたいと思います。
 都市計画道路は、多様な機能を有する都市を形成する最も基本的なインフラです。例えば、人や物の効率的な移動については、都市をはかる重要な指標ですし、先日の都市力ランキングなどでも、東京は経済の分野が低下していましたけれども、これも、やはり生産性の向上という我が国全体の社会課題の改善にも、こうした都市計画道路の整備というものが資するものだというふうに考えています。また、防災性の向上の観点からも極めて重要な基盤施設だと考えます。
 第四次事業化計画が平成二十八年三月に策定されて八年目を迎えています。当時公表されていた平成二十六年度末現在の都市計画道路の完成率と完成延長は、区部で約六五%の一千百四十三キロ、多摩地域で約六〇%の八百五十五キロであります。
 そこで、最新の都市計画道路の完成率と完成延長について確認したいと思います。

○久野道路建設部長 都内の都市計画道路は、都市高速道路や自動車専用道路を除きますと、約三千二百キロメートルございます。
 令和三年度末時点、区部では六六%が完成しており、完成延長は千百七十二キロメートル、多摩地域では六三%が完成しており、完成延長は八百九十三キロメートルとなっております。
 区部と多摩地域を合わせた完成率は六五%であり、完成延長は二千六十五キロメートルとなっております。

○小松委員 都内の都市計画道路が、この七年間で六十七キロ完成に至ったということが確認されました。
 都市計画道路は、一朝一夕に整備が進むものではありませんが、事業化計画に基づいて計画的、効率的に進めるということが極めて重要です。
 そこで、第四次のこの事業化計画における都施行及び区市町村施行の優先整備路線の着手率の状況について伺います。

○久野道路建設部長 第四次事業化計画の優先整備路線の着手率は、令和四年度末時点で、都施行、区市町施行とも約三割となってございます。

○小松委員 第四次の事業化計画の計画期間も残すところ二年半余りであります。着手率、今のお答えですと、都施行、区市町村施行とも約三割ということで、伸び悩んでいるということが分かりました。
 これ、第三次の事業化計画の状況と比較しますと、第三次の場合は、都施行で約六割で、区市町村の施行状況だと三割ということでありますから、残り二年半あるとはいっても、都施行も含めて大変厳しい状況じゃないかなというふうに思います。
 これ、もう少し詳しく見ると、いつでしたかね、都市整備局さんが多摩の振興プランを出されたときに、いろいろ見ると、三多摩全体で見ても、やはり地域差がかなり大きくあって、特に北多摩地域の北部のところのエリアが、完成率が約四割ということでありまして、区部と三多摩の地域で比べると、三多摩の地域全体として、やはり区部よりも状況が低いと。
 その三多摩の地域の中でも格差がかなりあって、特に北多摩の北部エリアの完成状況は四割程度ということで、かなり低い水準にあるということになっています。
 そもそも着手率の状況がそういった状況でありますけど、これというのは、先日も確認させていただきましたけれども、東京都が上から、各区市町村に強制的に優先整備路線を決めて施行を任せているわけではなくて、この道路ネットワークをつくっていく中で、東京都とそれぞれ区市町村、また、専門家の方々が意見交換を交わしながら優先整備を選定しているわけでありまして、本来であれば着手率が五割とか六割ということすら厳しい評価を下さなければならない状況にあるということ、そういう道路だというふうに思っています。
 これについては、ちょっと一言お願いというか、検討をしていただきたいなと思っているのは、例えば、優先整備路線にありながら、そこの整備について一切着手もしなければ、そこの当事者である地主さんとかに説明も行かないというようなことが平然とまかり通っている実態について、東京都としてはどう考えているのかなと。
 これ、十年間の中で着手に及ばなかったということがあることは想像に難くないけれども、一緒になって考えて、優先整備にしようと、ここを進めようとなったときに、都施行は東京都の責任かもしれないけど、区市町村にその役割を委託したのであれば、広域自治体として、その整備状況というのはしっかりと把握するし、なかなか進まないのであれば東京都としてどういうようなサポートが考えられるのかということをしっかりと考えるべきだと思っているんです。
 これ、ほかの区市町村さんは分からないですけれども、世田谷区だと、おおむね説明にも来ないと。呼んだときにだけ説明に来て、そこからまたいわないと、また足を運ばないとか、そうした状況の中で滞っている例というのがあって、これは世田谷区以外にもいろいろあるんだろうなというふうに、憶測ですけれども考えるわけでありまして、こうしたところも、例えば国交省なんかだと、現況調査ということで都市計画道路の整備率を出していますよね。
 そういう形で、各区市町村がどんな状況なのかということを比較できるような見える化を、それこそやって、健全な区市町村間の競争を促すようなことも図っていくことを、広域自治体の東京都の責務として検討していただきたいということが都市計画道路の進捗状況、この着手率を上げていくインセンティブになるんじゃないかなというふうなことを申し上げたいというふうに思います。
 これ、区市町村からすれば嫌なことだと思いますよ。嫌なことだと思うけれども、大事なことだと思いますので、ぜひ幹部の皆さんにはお考えをいただきたいと思います。
 続きまして、昨年の第二回定例会で、我が会派から小池知事に質問させていただいた外環の整備です。
 外環の整備、質問した際に知事からは、東京都としても極めて重要な道路と認識しているというふうに述べられました。外環事業については、令和二年十月に調布市で発生した陥没、空洞事故を受けて、陥没箇所の下にある本線シールド工事の二本が停止されて、事業者は、家屋の補償や緩んだ地盤の補修工事を行っていると認識しています。
 しかしながら、今月に入って、先ほどアオヤギ委員からも指摘がありましたけど、地盤補修工事中に付近の入間川において気泡が発生したために、工事が中断したということでありました。また、先月には、野川のサイクリング道路の損傷を、外環事業の施工業者が管理者である狛江市には連絡せずに補修を行ったという報道もありました。
 この夏から始まった、この地盤補修工事が、まさに本格化していくという時期に、住民が不安になるような事案が続いているわけですけれども、これらの事案について、東京都はどうお考えなのか伺います。

○手塚三環状道路整備推進部長 ご指摘の野川サイクリング道路の件につきましては、掘進完了区間の巡回監視を日々行う中で、野川サイクリング道路の舗装に損傷があることが確認され、利用者の安全を第一に考え、事業者であるNEXCOが補修を行ったと承知しております。
 この際、損傷が軽微であると判断し、管理者である狛江市に対する連絡を怠ったことが不適切だったとして、国土交通省はNEXCOに対して注意するとともに、連絡体制の見直し、徹底を指示したと聞いております。
 なお、損傷の発生原因につきましては、狛江市とNEXCOは調査の実施に向けて調整中であり、必要に応じて河川管理者、都に対しても報告があるものと承知しております。
 次に、入間川の気泡の件につきましては、地盤補修工事の改良体造成作業中に、近傍の入間川で気泡が発生していることを施工業者が発見したものと承知しております。
 地盤補修工事は、工事による影響を確認するため、現在、一時中止しており、今後の調査結果を踏まえ、有識者の意見を伺った上で、安全を確保しながら進めていくと聞いております。都としては、事業者に対して適切な対応を求めてまいります。
 また、外環事業全般につきまして、都はこれまでも、事業者に対し様々な機会を捉えて、住民の不安払拭に向け、丁寧な説明やきめ細やかな対応を求めてきており、引き続き丁寧に取り組んでいくよう求めてまいります。

○小松委員 陥没、空洞事故に関する状況について、都の認識を確認させていただきました。これはいうまでもなく、外環道は首都圏における交通、物流の根幹をなす極めて重要な道路であって、これは知事も、先ほどおっしゃった答弁の内容を確認しましたけれども、一日も早い開通が求められているわけで、こうした事案が発生するたびに地域住民の方は不安を抱くことになりますから、沿線自治体を代表する立場の東京都として、事業者に対してさらなる丁寧な対応を求めていただきたいですし、以後こうしたことが起きないように、未然に防げるような努力も、東京都としてもしっかりと事業者の方に申入れをしていただきたいというふうに思います。
 外環道というのは、全線がつながることで初めて整備効果が最大限発揮されることであります。未開通区間の早期整備が望まれるわけですが、外環事業全体の計画と現在の進捗を確認します。

○手塚三環状道路整備推進部長 外環道は、都心から約十五キロの圏域を環状に連絡する延長約八十五キロの高速道路でございます。
 現在、東関東道から関越道までの約四十九キロが開通しており、関越道から東名高速までの約十六キロで事業が進められております。残る東名高速から湾岸道路までの約二十キロにつきましても、環状道路としての機能を最大限発揮させるために整備が不可欠な区間と認識しております。
 事業中区間におきましては、大泉側本線シールド工事及び中央側、東名側のランプシールド工事について、陥没、空洞事故を踏まえた再発防止対策が機能していることを丁寧に確認しつつ、慎重に掘進作業を行っていると認識しております。
 また、都が国より用地取得事務を受託している青梅街道インターチェンジにつきましては、令和五年三月末現在で四四%を取得済みであり、引き続き丁寧に進めてまいります。
 なお、東名側二本の本線シールド工事につきましては、令和四年二月に工事差止め仮処分が決定され、今後、事業者は、関係機関と調整の上、適切に対応していくと聞いております。

○小松委員 陥没、空洞箇所以外では事業が着実に進められているということが分かりました。くれぐれも安全最優先で事故を起こさないよう、慎重かつ着実に工事を進めていただきたいと思います。
 停止している東名側本線の二本のシールドについては、まずは補償や地盤補修工事が最優先であることは理解していますが、今後に向けて、再発防止対策の早期策定も要望しておきます。
 最後に、現在事業中である区間のその先、つまり、東名から湾岸までの区間についても触れたいと思います。
 今ご答弁の中でも、不可欠な道路であると、区間であるということを確認できました。環状道路である外環は、湾岸までのリングが全てつながってこそ、最大限の機能が発揮されるわけであります。外環によって羽田空港までのアクセスが大幅に改善されれば、我が国の国際競争力強化に大きく寄与することと考えています。
 先日、柴崎幹男都議会議員を会長とする外環議連で、斉藤大臣の方に超党派で要請にも行ってまいりました。それ以外にも、国交省の幹部の方との意見交換の中でも、早くやりたいと、ぜひ、東京都の方からもそうした積極的な声を上げていただきたいというようなお話もいただきます。
 立て坑が今、東名のところにあって、これ、世田谷区にあるわけですけど、今掘って立て坑があるところ、次どの位置に外環以南、東名以南をやっていくとすればどうなるのかということとかは、地元区とも今からいろいろ協議というか、検討を進めることは、準備を進めることはできることだと思うんです。
 つまり、やりましょうと入ってから、今からもう一回準備しますということではなくて、できる準備って何なのかということとかを積極的に世田谷区とも協議を始めていただきたいというふうに思います。
 東名とか湾岸間については、まだ計画すら決まっていない状況でありますから、まずは早期に具体化して事業化を図るということを強く求めて、次の質問に移りたいと思います。
 葛西臨海水族園のリニューアルにおけるバリアフリーの取組について、二つぐらい伺いたいなと思います。
 水族園は、都民はもとより、国内外の観光客を含め幅広い層を対象とした施設です。世代や国籍、様々な障害の有無を問わず、全ての人々が同じように展示を楽しみ、体験を共有できる施設となるように、利用者目線に立ったきめ細かなバリアフリー化の取組が必要だと考えます。
 先日、こいそ明先生と多くの有志で水族園の視察を夏にさせていただいたわけですけど、新たな水族園の整備に当たって、バリアフリー化については、どのように取り組まれているのか確認します。

○根来公園計画担当部長 新たな水族園の整備に当たりましては、世代、性別、国籍、障害の有無にかかわらず快適に利用し展示を楽しめるよう、高いレベルのバリアフリー計画とユニバーサルデザインを採用します。
 例えば、車椅子やベビーカーを利用する方も含め来園者が自由に観覧ルートを選べる動線やデジタルサイネージ等を活用した多言語対応の解説板、ピクトグラム等を取り入れ文字の大きさや色彩にも配慮した分かりやすい表示サインなど、ハード、ソフト両面からバリアフリー化に取り組んでまいります。
 また、聴覚障害、視覚障害などの障害者団体や子育て団体が参加するワークショップを開催し、当事者の声を設計に反映するなど、利用者の視点も取り入れながら設計を進めてまいります。

○小松委員 ワークショップなどを通じて丁寧に当事者の意見を聞きながら、ハード、ソフト両面からバリアフリー化に取り組んでいるということが分かりました。
 一方で、水族館は、一般的に来館者が目で水槽を見ることを前提とした展示が多く、視覚に障害を持つ方々が展示を楽しみづらいという印象があります。
 そこで、葛西臨海水族園のリニューアルに当たっては、視覚に障害があっても健常者と同じように展示を楽しみ、海や川の環境、そこに住む生物について学ぶ機会を得られる施設とすべきであると考えますし、夏に視察へ行ったときも、我が会派の山加議員の方からも、そうした設計思想をぜひ取り入れていただきたいというふうに要望もさせていただいたところであります。
 今回、この設計、どのような対応を行っているのか伺います。

○根来公園計画担当部長 新施設の館内では、点字ブロックや音声案内はもとより、指先で触れて形を確かめることができる触知図などを導入することにより、視覚に障害があっても、安全かつ容易に目的地に到達できる環境を整えます。
 また、触れることで生物を知ることができるタッチプールや模型などのほか、最先端技術を活用し、光、音、香り、温度など、諸感覚で海を体感できる空間演出など、見るだけではなく、体感する展示を行います。

○小松委員 触察による鑑賞にとどまらず、五感、様々な感覚で楽しめる施設に向けた検討、取組が進められているということで、大いに期待をさせていただきたいと思うんです。
 私の長女が全盲で視覚障害なんですけど、アメリカに、この夏、十日間ぐらい行って、国立航空宇宙博物館、アポロ十一号とかライト兄弟が初めて造った飛行機とかが展示されているそうなんですけど、あと、議会図書館とかにも行ってきて、初めて僕も知ったんですけど、タッチツアーといって、触って、いわゆる博物館とかを楽しむというツアーがかなり充実しているそうでして、目が見えない中でも、そうした楽しめる工夫というのがいろいろ、アメリカの場合だと様々な場所でできていますと。
 ガイドの方の案内が充実しているということだけではなくて、一般の見学者の中では触れない特別な展示物についても触ることが許されている場所もあるということを聞いて、あっ、なるほどなと。
 実際にイメージしていただけではなくて、そうやって当事者の方の感想とかを聞くと、今回の葛西臨海水族園のリニューアルも契機に、都内の動物園もありますし、様々な施設が、そうした形で五感を使って楽しめる工夫ができるようになる、その第一歩として、ぜひリニューアルの成功に向けて頑張っていただきたいと要望しておきます。
 最後になりますけど、技術職員の人材育成について、四点確認して質問を終わります。
 東京都は、二〇四〇年代までに都市強靱化に向けて、十五兆円規模の事業を推進するというふうに示されています。その都市強靱化を担うのは、まさに、その中心は建設局だと考えています。
 事業を着実に進めるために、その体制は果たして十分なのかということを確認したいと思うんです。
 そこでまず、現在の建設局の技術系職員の状況を伺います。

○松島企画担当部長 建設局における技術職員については、土木、建築、機械、電気、造園職などが所属しており、職員定数は、平成二十年度の千二百九十七人から増加し、令和五年度は、千五百四十四人となっております。
 局といたしましては、都市強靱化を進めるために、必要な体制の強化を図っております。

○小松委員 現在の状況は分かりました。先日も表をいただいて、着実に定数が増えているということも確認ができました。
 一方で、これからベンチマークしている二〇四〇年代に向けると、社会全体が高齢化、人手不足というのが課題となることが見込まれていますし、特に建設業なんかはその最たる分野だと思います。
 東京都が都市強靱化を達成するためにも、今後どれくらいの技術職員が必要なのか、中長期的な検討や見通しを立てておく必要があると考えますが、見解を伺います。

○松島企画担当部長 近年の採用試験の申込者数の減少や今後の生産年齢人口の減少を踏まえると、技術系職員の人員を確保していくことは重要な課題であると考えておりますが、中長期的な見通しは立っていないのが現状でございます。
 このため、受験しやすい採用試験の実施を関係部署に働きかけるとともに、多様な雇用形態の活用等により、人員の確保に努めてまいります。
 あわせて、DXを活用した業務の見直し等を進め、執行体制の効率化を図るとともに、限られたマンパワーを有効活用するため、人材育成の取組を強化してまいります。

○小松委員 中長期的な見通しがまだ立っていないということでありました。DX化を進めることで生産性を上げようという取組もある中で、また、二十年も先になってくると、これからのそうした建設分野の労働力の確保というのが、どういうふうな状況になるかというのは誰も分からないというのが答えだとは思いますけれども、民間も様々な都市開発を続けていく、そういうことで東京都の国際競争力を上げようという努力をする中で、果たして、この東京都の建設職の専門人材の不足というのが、自分たちが掲げている都市強靱化のボトルネックになっているというようなことにはならないようにしていただきたいと思います。
 また、教員の確保で一・一倍だというようなことが危惧されていますけれども、適正な倍率がなければ、人材の質の確保という観点からは、非常に厳しいというふうにも思っていますから、やはり今から、着実に定数を増やしているということは評価できるものの、これからさらに人材獲得競争というのが厳しくなってくる状況を見据えて、優秀な、そうした専門人材をしっかりと調達、確保できるように、様々な知恵を凝らしていただきたいというふうに思っているところであります。
 量についてのところについて確認できたので、質の底上げということで、人材育成について二点伺います。
 まず、技術職員の人材育成、どのように取り組まれているのか確認します。

○松島企画担当部長 建設局では、土木職などの技術職員の人材育成に向け、職員の技術力の維持向上を図るため、技術研修と技術継承を実施しております。
 技術研修については、業務と職級に応じた講座を設定し、局事業の遂行に必要となる能力開発や実務的な技術力向上を図っております。また、これまで培ってきた知識や技術ノウハウを次世代へ継承していくため、優れた技術力を有する職員を指導技術者として認定する建設技術マイスター制度を導入し、技術継承に努めております。

○小松委員 建設局の人材育成の具体的な進め方についても併せて確認します。

○松島企画担当部長 建設局の技術研修は、座学のみではなく、擁壁や鉄筋、さらには、橋梁の一部を活用した構造物モデルを活用するなど、見て、触って、覚える実践的な内容も含んでおります。
 さらに、若手職員を対象に、住民と接する際の心構えや工事現場での要望等への対応について、過去の事例から学び、住民対応力の向上を図る研修を新設するなど、技術研修の充実を図っております。
 技術継承では、指導技術者が建設事務所に出向き講義を行うマイスター出前講座を実施するとともに、今年度から、職員がいつでも業務遂行に必要となる基礎的な知識を習得できるよう、出前講座をオンデマンド化する取組も始めております。
 引き続き、技術研修や技術継承により、人材育成を効率的かつ効果的に進め、都民の安全・安心を確保できる強靱で持続可能な都市を実現してまいります。

○小松委員 一言、意見を申し上げて質問を終わりたいと思いますが、今ご答弁いただいた人材獲得のところ、また、人材育成のところというのは、都市強靱化の中の根幹であります。同じ東京都の職員の課題というのは、恐らく都内全体の、基礎自治体全ての課題であるというふうに思います。
 行政改革の名の下に、よかった部分もあったのかもしれませんけど、特に技術職の職員を削ることが行政改革だというふうに勘違いしている自治体、当時多かったと思っていて、そこがボトルネックになっていると、そこに技術の承継というか、能力の継承がうまくいっていないというような課題も、これは全国各地であるんだと思います。
 そういった意味から、二つのことをお願いしたいんです。
 一つは、先ほど申し上げました、都市強靱化というのは、中長期的な計画、大事業であります。この中長期的な見通しをしっかりと見据える努力を続けていただきたいというふうに思っています。
 また、東京都の課題というのは、広域自治体、基礎自治体として、基礎自治体の実情もしっかりと把握しながら、各区市町村も同じ課題で苦しんで、悩んでいく二十年になるんだと思いますので、そうしたところを目配せしていただきながら、東京全体として都市強靱化を果たしていただくことをお願い申し上げまして、私からの質問を終わりたいと思います。

○曽根委員長 この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。
   午後六時二十一分休憩

   午後六時四十五分開議

○曽根委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○小磯(善)委員 町田三・三・三六号線についてお伺いをいたします。
 まず、相原区間についてでございますけれども、町田三・三・三六号線とJR横浜線が、今、平面交差している大戸踏切、渋滞がいわゆる慢性化しているという状況でございます。
 ここは、立体交差化することによって、渋滞解消だけでなく踏切の事故もなくして、安全性を向上させようということで、事業化をしていただいております。
 町田街道の方をアンダーパスにするということで、地元の期待も大変多いわけですけれども、まず、その事業の進捗についてお伺いをしたいと思います。

○久野道路建設部長 町田三・三・三六号線は、町田市相原町を起点とし、同市南町田を終点とする延長約十八・一キロメートルの都市計画道路であり、市内の交通の円滑化と快適な生活環境の確保に必要な路線でございます。
 このうち相原区間では、大戸踏切周辺の延長約五百八十メートルの区間におきまして、道路の拡幅及びJR横浜線をアンダーパスする事業を進めております。
 これまでにアンダーパスの工事に支障となる水道管の移設工事を行うとともに、用地取得を進め、用地取得率は令和五年九月末時点で五四%となっております。

○小磯(善)委員 引き続き、しっかりと用地取得を着実に進めていってもらいたいと思います。
 今後、用地取得に合わせて工事に入ってまいりますけれども、今後の取組について伺いたいと思います。

○久野道路建設部長 本事業では、現道の交通機能を確保しつつ、アンダーパスの工事をするため、大戸踏切周辺において、現道を切り回す仮道の設置と、それに伴う踏切の仮移設が必要となります。
 これまで、仮道の詳細設計や仮踏切の設置に係るJR東日本との調整等を進めてきており、来年度には、JR東日本と仮踏切の施行協定を締結する予定でございます。
 今後とも、地元の理解と協力を得ながら、早期整備に向け取り組んでまいります。

○小磯(善)委員 この相原駅というのは、なかなか議員の皆さんもご存じないですけど、神奈川県のリニア新幹線の駅が橋本駅なんですね、その次の駅が相原駅ということで、ある意味、リニア新幹線の駅に近い駅ということで、そこの大戸踏切ということで、よろしくお願いしたいと思います。
 用地買収の中で、実は、その相原町の唯一といっていいほどのスーパーが用地買収になって、十一月十二日ですかね、おととい、移転閉店ということになってしまいました。そんなことで、相原の地域の方々は、もう何としてもやっぱりスーパーが欲しいという気持ちがありまして、私も町田市に働きかけたり、また別のスーパーにも声をかけたりしておりますけれども、ぜひ都としてもご協力を要望したいというふうに思います。
 この町田三・三・三六号線というのは、私ももう都議会議員になってからずっとこれを訴えております。こいそ明先輩のまさに南多摩尾根幹線と同じぐらいの情熱で三・三・三六号線、ずっといい続けておりますけれども、三・三・三六号線で用地の取得というのが大変大事になっております。
 私は、この三・三・三六号線の用地、三・三・三六号線だけじゃなく、東京都道の用地買収については、本当に東京都の職員の皆さんも頑張っておられるけれども、やっぱり民間の力もしっかり投入した方がいいということを訴えてまいりました。
 昨年度の事務事業質疑で質問いたしましたところ、構造解析が必要となる堅固な建物の調査等については補償コンサルタント会社にお願いしていると。境界確認が整わない事案の現地調査等は土地家屋調査士に依頼するなど、専門家の力も活用しながら、用地取得を進めているという答弁でございました。
 令和五年版の建設局事業概要には、数路線において、補償説明を含めた用地取得事務の一部を民間事業者に委託する取組を実施していると記載があったわけでありますが、まず、民間事業者に委託する事業の内容と実施路線についてお伺いいたします。

○澤井用地部長 用地取得におきましては、これまで、物件調査や非木造建築物の積算等を個別に民間事業者に委託しております。
 今回の取組は、補償算定や用地折衝といった用地事務全般を一貫して委託するものでございます。
 実施する路線は、補助第一一号線の白金二期区間、町田三・三・三六号線の高ヶ坂一期区間、調布三・四・二号線の三路線でございます。

○小磯(善)委員 用地折衝も民間事業者に委託するという新たな取組のようでありますけれども、この取組を実施することになった背景についてお伺いいたします。

○澤井用地部長 局事業である道路、河川、公園の整備を引き続き着実に進めるためには、用地取得の執行力を維持向上していく必要がございます。そのため、都職員が担っております用地折衝等につきましても、新たに民間事業者を活用することといたしました。
 本委託は、新規路線を対象としまして、三年間の試行として実施し、その効果を検証してまいります。

○小磯(善)委員 この三年間の試行、そして効果を検証していくということで、これが本当に効率よく、また効果が上がれば、そういった取組も拡大していくんだというふうに思います。民間事業者を活用したよい取組であって、執行力の向上につなげてほしいと思います。
 私の地元である三・三・三六号線の高ヶ坂でも実施をされておりますが、この高ヶ坂の受注者、そして契約金額及び委託規模についてお伺いいたします。

○澤井用地部長 高ヶ坂一期は、株式会社間瀬コンサルタントと一億七百七十八万六千八百円で契約いたしました。
 この区間には、用地取得の対象が全体で約百画地ございまして、このうち早期の契約を希望されている権利者の方を中心に、三十画地を対象としております。

○小磯(善)委員 全体の三分の一程度が委託対象になっているということで、早期の用地取得につながることを期待いたします。
 この委託は試行として始まったということでありますが、都の職員と、それから民間事業者が連携して、用地取得を一層推進していただきたいと、このように思います。
 この三・三・三六号線の今度は旭町の整備なんですけれども、木曽団地南交差点から町田市民病院までの区間で事業中であります旭町区間について、何点か質問してまいります。
 私がこの旭町区間を初めて都議会で取り上げたのは、都議会議員一期目の二〇〇二年、平成十四年であります。随分昔です。
 当時、旭町区間は事業化されておらず、事業化の見通しを質問したことに端を発するわけであります。
 当時、柿堺道路監という方がおられて、知っている人は議員の中じゃあまりいない、あっ、曽根さんは知っているか、本当にそういう打合せの中でこの質問をあれしたことがあったんですけれども、そこから二十年以上の歳月がたち、平成十九年には旭町区間が無事、事業化され、この間順次、用地取得、工事が進められてまいりました。
 先日、事業区間の付近を通った際、現地の状況を確認しましたが、新設道路の外観が本当に整いつつあり、開通もそう遠くないというところまでであるというふうに現地で確認をいたしました。
 そこで、旭町区間の整備がこれまでどのように進められてきたのか、事業の主な経緯について伺います。

○久野道路建設部長 町田三・三・三六号線のうち、旭町区間は、木曽団地南交差点から町田市民病院東交差点までの延長約八百メートルの区間であり、平成十九年九月に事業認可を取得し、事業に着手しました。
 事業着手後、必要な用地取得を進め、平成二十四年度には、最初の工事となる搬入路設置工事に着手し、順次、電線共同溝設置工事や街路築造工事等を進めてまいりました。
 また、橋長約百三十メートルの橋梁につきましては、平成二十七年度から令和二年度にかけまして橋台や橋脚などの下部工事を行い、令和四年度に橋梁の架設が完了しております。

○小磯(善)委員 今、答弁にありましたように、令和四年度に新しい立派な橋が架け終わり、目に見える形で整備が大きく前進をいたしました。私のところにも、開通を心待ちにする声が数多く寄せられ、地元の機運が高まっております。
 そこで、旭町区間はいつ開通するのか、開通時期の見通しについてお伺いいたします。

○久野道路建設部長 旭町区間につきましては、現在、町田市民病院東交差点の改良など、交通開放に向けた最終的な街路築造工事を実施しており、来年春に交通開放する予定でございます。
 引き続き、地元の方々の理解と協力を得ながら、交通開放に向けた工事を着実に進めてまいります。

○小磯(善)委員 今、道路建設部長より、来年春に交通開放する予定ということで、大変力強い答弁がございました。地元の方々の事業に対する理解と協力の下、この間、数々の課題を乗り越え、ここに開通の見込みが立ったことは喜ばしい限りであります。
 また、長きにわたって、あらゆる機会を捉えて本区間の早期整備を整えてきた私としても、実に感慨深い、そういう答弁でございました。
 今後、工事が佳境を迎えると思いますが、くれぐれも工事の安全には留意いただいて、その上で、町田市民のため、一日も早い開通に向けて頑張ってもらいたいと思います。
 来年春に開通予定の旭町区間でありますが、本区間の開通で今後の町田市の発展に大きく寄与すると確信をしております。
 そこで、本区間が開通することにより、どのような事業効果が期待されるのか。実は、多摩都市モノレールの多摩センターから町田方面延伸のルートが発表されましたけれども、そのルートがまさにこの旭町区間であるということで、モノレール延伸に弾みがつくと、このように確信をしているところでございます。
 本区間の開通の事業効果についてお伺いしたいと思います。

○久野道路建設部長 本区間の開通により、常盤駐在所北交差点から町田市民病院東交差点までの区間におきまして、町田三・三・三六号線が町田街道のバイパスとして機能することから、町田街道の混雑緩和が期待されます。
 また、災害拠点病院である町田市民病院へのアクセス性が向上するなど、地域の防災性の向上にも寄与します。
 道路整備の効果につきましては、開通後に実施する交通量調査等により検証を行い、その結果を公表する予定でございます。
 今後とも、高いストック効果を発揮する幹線道路ネットワークの形成に着実に取り組み、多摩地域の魅力、価値のさらなる向上に努めてまいります。

○小磯(善)委員 町田街道の渋滞緩和、町田市民病院へのアクセス性向上など、町田市中心部における交通環境が大きく改善されるという見込みであることが分かりました。定量的なデータに基づく事業効果の公表に当たっては、ぜひ、都民に分かりやすく、積極的なPRに努めてもらいたいと思います。
 最後に、本路線の開通に先立って、一つ要望しておきたいことがございます。
 旭町の北側の区間、平成十九年度に開通した木曽、山崎団地区間の開通の際には、地元と連携したマラソンイベントが開催され、多くの方々に喜んでいただきました。往復二キロのマラソンで、私も走りましたけれども、すごく疲れて、一番びりでしたけれども、今回、旭町区間の開通に当たっても、長年の地元の方々の事業に対する協力に報いるよう、地元に還元するイベントなどの開催を、前向きに検討していただけるよう要望したいというふうに思います。
 次に、歩道の整備なんですけれども、東京都におきましては、都市計画道路など幹線道路の整備を重点的に進めており、既設の道路においても歩道や交差点改良などを整備していることは認識しております。
 しかし、私の地元において、先ほどもありましたけれども、都道にもかかわらず歩道がなかったり途切れていたり、たとえ歩道があったとしても、車椅子どころか歩行者同士さえ擦れ違うことのできないほど狭い歩道が多くございます。
 そのような都道のうち、都市計画で拡幅の計画がない区間、ここも歩行者の安全確保のため、歩道の整備が必要と考えます。
 そこで、都市計画道路以外の道路の拡幅や歩道の整備はどのように進めているのか、お伺いします。

○原田道路保全担当部長 歩道は、歩行者の安全確保や良好な都市景観など、多様な機能を有しており、その整備を推進することは重要でございます。
 都市計画道路以外の都道の歩行空間の確保に当たっては、自動車や歩行者の交通状況、学校、病院など公共施設の立地状況や沿道状況等を総合的に勘案して、整備箇所の選定を行い、歩道整備を進めております。

○小磯(善)委員 今の答弁で、都市計画道路以外の道路でも、道路の拡幅や歩道の整備ができるということが確認できました。
 行政が公共事業として用地を取得し、道路拡幅を行うためには、法令に基づき実施されているものと考えますが、そこで、どのような手続で進めるのか、お伺いいたします。

○原田道路保全担当部長 道路の拡幅に当たっては、新たに道路となる土地を道路区域に編入するため、道路法に基づき道路区域を変更し、事業を実施しております。

○小磯(善)委員 道路法という法律を根拠として、適切に事業が進められているということが確認できました。
 次に、都ではどれぐらいの規模で事業が行われているのかを確認していきたいと思います。
 そこで、都市計画道路以外での歩道整備事業の令和五年度の予算額と事業箇所についてお伺いいたします。

○原田道路保全担当部長 令和五年度の歩道の整備の予算額につきましては、都市計画道路以外の区間は約十一億円でございます。青梅市内の吉野街道など、都内の十八か所で事業を実施しております。

○小磯(善)委員 東京都の道路橋梁の建設局の予算は、見てみますと、四千八億円ですかね。そのうち都市計画道路でない歩道の整備が十一億円ということは、やはりちょっと寂しいなと思いますので、ここの拡充を、充実をぜひお願いしたいと思います。
 最後に、私の地元にある町田街道の大戸交差点から、さっき出ました大戸ですけど、大戸交差点から東側の区間は歩道が狭く、一部の区間では歩道が両側にない区間が存在いたします。
 この区間は都市計画道路にはなっておりませんけれども、歩行者の安全確保のため、道路法による歩道の整備を進めていくことが求められております。
 そこで、町田街道の大戸交差点付近の歩道整備について見解を伺います。

○原田道路保全担当部長 都市計画道路以外の都道の歩行空間の確保に当たっては、自動車や歩行者の交通状況、学校、病院など公共施設の立地状況や沿道状況等を総合的に勘案して整備を進めております。
 当該区間につきましては、渋滞の緩和や歩行者の安全性の向上に向けて、これまで相原十字路交差点の改良などを実施し、現在、法政大学入口交差点の改良などを進めております。
 今後とも、安全・安心に利用できる道路空間の整備に向けて取り組んでまいります。

○小磯(善)委員 歩道整備については、よろしくお願いいたします。
 続きまして、境界確定の索引図の電子化についてお伺いいたします。
 去年の事務事業質疑と、今年の三月のこの委員会でも取り上げたわけでありますが、各建設事務所の窓口で、境界確定の有無を調べるための索引図について、今はいわゆる何ていうかゼンリンの地図を使っているんですけれども、それを電子化すべきだということで、それに向けて、令和五年度から電子化に取り組むということで、この八月に七百十万円で委託を契約したようでございますけれども、現在の進捗状況をお伺いいたします。

○儀間建設DX推進・危機管理強化担当部長DX推進担当部長兼務 各建設事務所には、過去に境界確定を実施した箇所を表した索引図が、それぞれ紙媒体で保管されております。
 都は、土地境界確定を実施した箇所を検索する事務を効率化し、窓口での待機時間を短縮するため、電子化作業委託を契約し、索引図の電子化を進めております。
 今年度は、索引図記載の約六万か所のうち、約三万三千か所を電子化いたします。

○小磯(善)委員 索引図の進捗状況は分かりました。
 しかし、都民の利便性を考えますと、窓口業務に活用するだけでなく、ホームページに索引図を掲載して、広く公開すべきと考えます。他の自治体では、既に実施しているところがあるとも聞いております。
 そこで、索引図のホームページ掲載についての取組をお伺いいたします。

○儀間建設DX推進・危機管理強化担当部長DX推進担当部長兼務 今年度は、南多摩東部建設事務所など多摩地区の三つの建設事務所を対象に、ホームページ掲載用のデータ作成を実施しております。
 町田市など十三市町村につきましては、来年度初頭にホームページで先行して公開する予定でございます。

○小磯(善)委員 ホームページへの索引図掲載に取り組んでいることは分かりました。
 しかし、索引図電子化やホームページ掲載については道半ばであることも、また事実でございます。
 そこで、索引図の電子化やホームページ掲載についての来年度以降の取組についてお伺いいたします。

○儀間建設DX推進・危機管理強化担当部長DX推進担当部長兼務 索引図の電子化につきましては、残る約二万七千か所を令和六年度に終える計画でございます。
 また、都内全域の索引図のホームページ掲載に向け、操作性や表示内容など、より利用者に使いやすくなるよう、システム構築の取組を進めてまいります。

○小磯(善)委員 これによって都民の利便性が大変高まると思いますので、よろしくお願いいたします。
 最後に、二問だけ。建設局所管の都道などの都有地との境界確認、確定事務については、隣接土地所有者の財産の保全に関わることから、専門の職員が土地関係資料を調査の上、適正に行う必要があります。
 私の聞いたところでは、昨今、急な退職による欠員とか、またベテラン職員の減少により、幾つかの事務所で業務が遅延するなどの影響が生じたようでございます。
 そこで、これまでの状況を踏まえ、増員や資質の向上など執行体制を強化していくべきと考えますが、今後の取組についてお伺いいたします。

○荒井総務部長 各建設事務所には、業務に精通した専門員を配置しておりますが、申出件数の一時的な増加等に対しましても着実に対応できる体制づくりが必要でございます。このため、件数が多い事務所には専門員一名を増員配置しております。
 また、職員の育成に当たりましては、実践的で分かりやすい資料を用いた初心者向けの研修を実施するなど、技術力の向上を図っているところでございます。
 引き続き、適正な人員の配置や専門知識を有する職員の育成など、必要な対策を講じながら都民サービスの維持向上に努めてまいります。

○小磯(善)委員 人材育成を続けていることは分かりました。補充した職員が即戦力となれるよう、効果的な人材育成に取り組んでいただきたいと思います。
 次に、街路道路事業が完了した後の土地境界図の備付けについて質問いたします。
 これらの事業の協力者が、用地取得に応じたにもかかわらず、残地を譲渡するときに、あるいはまた、開発許可申請手続において、土地境界図が備え付けられていないために、自費で時間をかけて都との間で境界確認をしていると聞いております。土地境界図が備え付けられていれば、証明書の交付申請を出すだけで済むということでございました。
 用地取得に応じた権利者に多大な負担をかけないよう、都として対応することが必要と考えますが、見解を伺います。

○荒井総務部長 道路事業等において用地取得する際は、地積測量図を作成して、不動産登記をすることで、事業用地として確定しております。
 なお、不動産登記法改正後の平成十七年三月以降に作成された図面につきましては、官民境界確定済みとしての取扱いが可能との東京法務局の見解を得ておりまして、当局のホームページにもその旨のお知らせを掲載して、周知しております。
 このため都は、用地取得時に土地境界図を作成しておりませんが、民間の土地売買契約時に確定測量図を求める商慣行や手続等を踏まえた対応につきまして、今後検討してまいりたいと思います。

○小磯(善)委員 地積測量図で本来は可能なんだということでありますけれども、ただ、いわゆる民間の売買契約のときに確定測量図を求めるという、本当にずっと行ってきた、そういったものがあるので、これをしっかり周知しなきゃいけないということで、広く周知を図ってもらうとともに、民間の土地売買契約の、いわゆる商慣行や手続等が変わらない限り、一定数は土地境界確認証明のニーズはあるというふうに思いますので、今後検討していくという答弁でございましたので、よろしくお願いしたいと思います。
 以上、様々な、町田のこととか、また、全体に関わることを質問させてもらいましたけれども、ぜひ、今日要望したこと、質問したこと、検討するといったことについては、着実に前進をしていただきたいと思います。
 以上です。

○原委員 原純子です。よろしくお願いします。
 今日は三つのテーマで質問いたします。
 一つ目は、都立葛西臨海水族園の整備事業についてです。
 三月に樹木調査を行うというふうに報告されてから、その後、何の進捗状況も報告されません。今後のスケジュールも出ておりません。樹木調査結果はいつ公表になりますか。その概要を伺います。

○根来公園計画担当部長 樹木の具体的取扱いにつきましては、事業全般の進捗状況と合わせて適切に公表してまいります。

○原委員 春からずっとそういうお答えなんですよね。調査は終わっているけれども、公表は事業の進み具合に合わせて公表するというお答えがずっと続いております。
 私は、樹木調査結果を基本設計が公表される段階で出されても、そのときは既に新施設に差し障りのある樹木を伐採、または移植するということを決めていて、変更不可能の状態で公表することになっては困るというふうに申し上げております。
 まず、敷地内の千九百本の木が、高木、中低木が何本あって、健康状態がどうなのか、または鳥類園とつながる森の生物の生育状況などを知りたいと思います。その上で、樹木医をはじめ野鳥の専門家なども含めて意見を聞きながら、基本設計に入ることが必要だというふうに思っております。樹木調査結果を速やかに公表することを求めます。
 これまで、樹木の扱いについて、不健全木や移植が困難な大径木を除き、移植を前提に検討するとの説明をされていましたが、大径木は移植対象とはならないのでしょうか。樹木の取扱いの考え方を改めて伺います。

○根来公園計画担当部長 施設整備に当たり支障となる樹木については、樹木診断を実施の上、移植し、共生の杜を整備するために活用するなど、引き続き生かしてまいります。この考え方に基づき、現在、事業を進めております。

○原委員 今の答弁ではちょっと分かりにくかったんですけれども、つまり、大径木だから移植が困難という判断を前提にするのではなく、樹木診断を見ながら、できるだけ生かしていくという方向を追求するということでした。ちょっと方向性が変わったと思います。
 生かしていく方向を強めるのはよいんですけれども、一番よいのは残置することです。そして、それだけ大径木は移植先の新たな土壌で根づくのかどうか、大変難しいということも分かりました。
 昨今、樹木の伐採が都内のあちこちで行われており、批判が高まっている中で、大径木だからといって安易に切らないという方向性は必須です。
 この水族園事業については、そもそも樹林帯まで食い込む新施設の提案を採用したことに端を発しています。樹木の扱いを考えなければならなくなってきているのは、そうしたわけです。
 樹林帯を避けて建物を造るのが一番よい方法ではないでしょうか。土壌調査についての予定はどうなっていますでしょうか。

○根来公園計画担当部長 現在、事業者において、土壌汚染対策法第四条及び環境確保条例第百十七条の規定に基づき、都知事への届出の準備を行っておりまして、今後も法令等に基づき適切に対応してまいります。

○原委員 土壌の有害物質については、地元の住民が大変心配しています。葛西臨海公園が整備された頃のことを知っている方で、必ず有害物質が出るだろうという人もいます。土壌調査結果の公表を必ず行い、住民説明会での説明を求めます。
 事業者選定のときのプレゼン資料について、いまだに都は黒塗りのままで情報をほぼ非公開にしていますが、非公開の理由を事業者は何と説明しているのでしょうか。
 また、それの理由について、都は、資料を公開するように指導しているんでしょうか、いないんでしょうか、伺います。

○根来公園計画担当部長 事業提案内容につきましては、東京都情報公開条例第七条三号に定める不開示情報に該当いたします。

○原委員 つまり、今、黒塗りの部分というのは、都が事業者に公開を求めておらず、開示してはならない情報だという認識なんですね。
 景観、外観図とかバリアフリー計画、安全計画も黒塗りです。今、非開示にしている情報は、全て開示してはならない不開示情報と判断しているということでよいでしょうか。もう一回お願いします。

○根来公園計画担当部長 情報公開につきましては、東京都情報公開条例に基づき適切に対応してまいります。

○原委員 黒塗りの部分、一ページ、二ページではないんです。八五ページ中七六ページ、ほぼ黒塗りです。前にもご覧になった方いらっしゃると思いますけれども、こんな資料が開示請求で出てくるわけです。
 どうやって新水族園計画をこれで都民に説明しようというんでしょうか。都民はイメージ図を眺めていてくださいと、あとは企業秘密というふうなことでしょうか。
 東京都情報公開条例の七条の三号には、公にすることにより、当該法人等または当該事業を営む個人の競争上または事業運営上の地位その他社会的な地位が損なわれると認められるものについては、開示請求に対し不開示とすることを認めています。
 ですが、除外規定があります。イ、事業活動によって生じ、または生ずるおそれのある危害から人の生命または健康を保護するために、公にすることが必要であると認められる情報を除くと書かれております。
 バリアフリー計画、ここには二ページあります。安全計画、三ページございます。この除外規定に当たると思われますが、いかがでしょうか。

○根来公園計画担当部長 委員お話しの事項につきましては、東京都情報公開条例第七条三号に定める不開示情報に該当すると考えます。

○原委員 バリアフリーの計画や安全計画も出さなくていいということですか。非公開では、完成してから車椅子の方がこれでは使えないという事態にもなります。
 命や健康に関わる問題なので、開示義務があると私は考えます。公の事業なのですから、都民に必要な情報を非公開で進めることは許されません。
 続いて、淡水生物館について伺います。
 東京は多くの地域に川があり、淡水生物の展示はとても重要です。現在の淡水生物の展示について、どのような考えに基づき展示を行ってきたのか、お示しください。

○根来公園計画担当部長 現在の水族園では、かつて東京周辺で普通に見られていた生き物を集めた淡水生物展示を行っております。
 具体的には、渓流、池沼の水槽を備えた淡水生物館や展示物の一部として修景を兼ねた人工の流れを園地につくり、できるだけ自然に近い形で展示をしております。

○原委員 ありがとうございます。
 葛西臨海水族園が発行しているニュース、あるんですけれども、これの六月号は、淡水生物館と流れのエリアの特集号、中面全てこの特集号になっています。館のスタッフの人たちもとても大事にしていることが分かります。
 川は私たちの暮らしの中にあり、川で釣りをやったり、ザリガニ捕りをしたり、ジョギングや散歩をしたり、原風景として私たちの記憶の中に刻まれています。
 そのために、この流れのエリアや淡水生物館は不動の人気があります。本館が世界の海の生き物を展示したのに対して、私たちの暮らしの中にある川の流れや水辺の植物、川魚、両生類などの展示をもう一つの生物館として描いた、この葛西臨海水族園の設計はすばらしいなと改めて思います。
 山梨県の富士山の麓、忍野村にある淡水魚専門の水族館で、県立富士湧水の里、通称森の水族園をこの夏、私は訪ねてきました。建物の屋外部分に池がつくられていまして、横見水槽というものなんですが、屋外から外の池で泳ぐニジマスなど、なじみのある魚を見ることができます。池を囲むように樹木が生い茂り、差し込む木漏れ日が池の中を明るく照らしておりました。
 水槽の前には畳が置かれ、親子連れが座って池の中を眺めたり、スケッチをしたりしていました。ちょうど夏休みでした。
 ほかにも、長野県安曇野市にあづみの学校という淡水専門の水槽展示がありますが、この両者とも、野外につくった池を屋内から見るという手法で、池の中にいるような感覚を得られるようになっていて、とても工夫をされています。水族館の目玉の展示になっています。
 葛西臨海水族園の淡水生物館の方が先に建設されていますが、同じような展示手法です。こうした展示をつくり、何年もかけて自然と調和する展示になったのは、本当にすばらしいことです。これを安易に壊すことは考え直してほしいというふうに思います。
 新施設の中に、淡水展示の有無にかかわらず、今ある淡水生物館を残して生かす方法を何とか考えてほしいです。
 陳情が何度も出て、署名もたくさん出されてきました。入場者がくつろげる空間として残してほしいとの声もあります。ぜひご検討ください。
 住民、利用者への説明会をずっと求めていますが、まだ実現していません。利用者のアイデアを聞くことも、とても重要な局面です。一方的な説明だけになることなく、事業者と住民、利用者が懇談できる場をぜひ設けていただきたいです。
 そして、速やかに樹木調査と土壌調査の結果公表と事業者提案の情報開示、基本設計の概要を提示していただくことを求め、次のテーマに移ります。
 次は、都立篠崎公園の事業です。
 一九六七年に開園し、五十六年の歴史を持つ都立篠崎公園は、区民祭りも盛大に行われ、テニスコート、野球場、バーベキュー広場など、スポーツや憩いのスペースとしても、江戸川区民にとって大事な公園となっています。
 そこで、国から高規格堤防事業が持ち込まれ、それを契機に、区画整理事業、高台化事業など、国、都、区で五つの事業が行われています。国、東京都、江戸川区での五事業、この総事業費と事業ごとの内訳を伺います。

○根来公園計画担当部長 総事業費は約二百五十三億円でございます。その内訳は、国が約六十億円、都が三十六億円、区が百五十七億円でございます。

○原委員 二百五十億円、事業がかかっているんですね。越水時の対策として、天端から堤防幅百五十メートルの緩斜面をつくる国の高規格堤防と、浸水時に高台部分が必要と都が土を盛る高台化事業、公園に隣接する住宅地の土地区画整理などが一体の事業として取り組まれております。越水対策整備をする区間は、それで僅か四百二十メートルとなっています。
 二〇一二年一月、国交省の会計検査院にて報告された、大規模な治水事業に関する会計検査の結果についてでの検査院見解によると、高規格堤防は超過洪水に対しても破堤しない堤防とする目的のために整備しているものであり、その破堤しない効果は、本来、一連の区間にわたって基本断面が完成した場合において発現するものであるということです。
 江戸川における高規格堤防は、完成の目標年度すら提示されておらず、篠崎公園の四百二十メートルを整備することでの数量的な水害対策効果も示せていません。
 そして、この上篠崎一丁目は、ゼロメートル地帯ではなく、江戸川は越水したことが過去にありません。本当にここから越水する確率はどのくらいのものなのか不明な中で、この事業に二百五十億円かけることが、納税者を納得させることになるのでしょうか。手をつけるなら、ここからではないでしょうとの意見が地元住民から出されています。
 また、堤防の下にボックスカルバートを通す計画について、住民説明会でも区議会でも疑問の声が上がっています。
 今ある篠崎街道より低い位置に通すことになります。同じ高規格堤防で、大島小松川のボックスカルバートの小松川第一トンネルでは、二〇一六年二月に集中豪雨の際、冠水を経験しました。区民は、ああいうことになるのではといっています。
 水害ハザードマップには、こうしたアンダーパス、ボックスカルバートの箇所は、水害時に避難経路として使えない場合があることを想定した危険箇所として記すことになっていますが、こうした危険箇所を一つ増やすことになってしまうんです。
 実際に江戸川区内で冠水の事例が起きたのに、国が計画変更の検討もされていないことが不可解です。いつ完成するか分からない事業に、この篠崎公園で二百五十億円かけるなら、毎年起こる水害の対策を強化していただきたいと思います。
 避難道路の確保については、ボックスカルバートはやめて、天端の道路、または篠崎街道を確保、整備することの検討を国に求めていただきたいです。よろしくお願いします。
 高台化準備事業で、どんどん樹木が切られています。これまでに撤去された樹木は何本で、今後工事の完成までに撤去される樹木は何本ですか。伐採本数と移植本数に分けてお答えください。

○根来公園計画担当部長 樹木の取扱いにつきましては、工事の実施に当たり、工事説明会を開催し、地元へ説明しており、使用した資料については、都のホームページに掲載しております。
 具体的には、昨年度から今年度にかけて、国による盛土工事に先立ち、篠崎公園内で実施した準備工事では、高木百七十八本、中低木二百二十二本を撤去し、高木二十五本、中低木四百七十四本を移植しました。
 現在、都が実施している工事では、高木四百六十三本、中低木千二百七十六本を撤去し、高木三十二本、中低木三百四十八本を移植する予定でございます。

○原委員 これまでに撤去、移植された樹木が八百九十九本、今後撤去、移植する樹木が二千百十九本、合計三千十八本に及びます。伐採する本数は二千百三十九本です。
 この篠崎公園の樹林は、緑地の少ない東京東部にあって貴重な存在です。一九八六年、グリーンフェスティバルによる植樹祭で約千本の木が植えられ、枝を伸ばし、豊かに育ってきた樹林帯なんです。
 また、江戸川区は、この間、区民一人当たり十本の木を目標にするなど、樹木を増やす取組をしてきています。樹齢四十年以上に及ぶ貴重な樹木が、盛土のために根こそぎ撤去されること、本当に心が痛いです。
 気候変動の危機、生物多様性の危機の時代に何をやっているのかといいたいです。時代の変化で、水害対策の要請内容は変化しているんです。事業の費用対効果を根本的に調べ直してもらえませんか。
 高木の取扱いを見ると、移植は少なく、伐採の方が多くを占めています。大径木の移植は難しいと聞いていますが、その理由を伺います。

○根来公園計画担当部長 樹齢を重ねた大径木の移植につきましては、生育の旺盛な若い樹木と比較して、移植した際、根の活着率が低いため、枯損のリスクが高くなっています。
 特に篠崎公園においては、公園の土壌の特性上、根が浅く水平に広がり、根上がりしている樹木や過密により根が絡まっている樹木が多いことから、より困難性が高くなります。

○原委員 大径木は、若い樹木と比べて、枯損のリスクが高いということですね。
 先ほどの葛西臨海水族園の建て替えでも、大径木については簡単に移植などといえないくらい難しいというふうに経過があります。
 しかし、この篠崎公園は、盛土をするために残地というわけにもいかず、伐採しか方法がないということになります。既に堤防沿いのよく育った樹木は伐採されて、かすかすの景色になっています。生き物のすみかであり、風や空気の調整役をしていた樹林がなくなり、今、越水が起これば、水を止める樹木の力も利きません。浸水したら、土が流れ出し、逆に被害を増やしてしまうおそれもあるとの心配の声が上がっています。
 工事期間中に水害が起きた場合についての被害想定については、議論をされたことがないんではないかと思いますが、どうでしたでしょうか。私が調べ切れていないのか、ちょっとお聞きしたいと思うんですが、工事期間中の水害の被害想定をされておりますでしょうか。

○根来公園計画担当部長 篠崎公園の高台化に伴う盛土工事につきましては、国が行う工事となっております。

○原委員 高台化と高規格堤防、一体の工事でということですね。分かりました。
 国に対して、これ、求めていきたいと思いますが、東京都も知りませんということではなく、これから二〇三二年度まで工事が続くとされています。この間に土が流れ出すような事態が起こらないとは限りません。こうした被害想定と対策を求めておきます。
 水害対策は、ここ数年、気候変動の影響で、毎年想定以上の水害が各地で起きていることから、いつ完成するか分からないようなこうした事業ではなく、今どういう水害対策が必要なのかを検討し直し予算を配分していくことが求められていると思います。
 東京都の公園高台化計画も同じ理由で、根本的に計画の立て直しが必要です。ぜひ検討する機関をつくり、議論していただけるよう求めるものです。
 篠崎公園の質問を終わります。
 最後に、日比谷公園の再生整備事業です。
 第二花壇の工事が進み、植栽が取り払われました。長年親しんできた景色が壊れていくことに心を痛める人は少なくありません。
 樹木は十八本を移植するということです。移植のために強剪定される木があり、元のように葉が生い茂るまでに何年かかるのかと思います。根づくことも時間がかかると思われます。
 今日は、歴史的公園としての意味や整備計画の問題と思われる点を伺っていきます。
 今年百二十周年を迎えた日比谷公園ですが、その日比谷公園の創建時のコンセプトを伺います。

○根来公園計画担当部長 日比谷公園は、近代的洋風公園として、ドイツの公園の設計図を参考とし、また引用しながら、従来の日本庭園の手法も加えて設計されたものであると認識しております。

○原委員 和魂洋才というふうに表現をされています。明治期、新しい文明がどんどん入ってくる時代を象徴するような西洋風の造りでありながら、日本庭園など和の心を置いた、日本人が楽しめる公園として、林学博士、本多静六氏が設計し、明治三十六年、一九〇三年に開園をしています。
 開園後は、洋食、洋花、洋楽といって、洋食レストラン松本楼、また花壇、小音楽堂や野外音楽堂など三つの洋を楽しむ施設ができ、鶴の噴水なども含め、当時は目を見張るような新鮮さだったのではないかと思います。
 今も開園当時の頃と変わらない風景があり、江戸城の遺構も活用した日比谷見附跡の石垣も残されているなど、歴史的公園の風格を備えています。都心のオアシスとしての大事な役割を果たしています。
 歴史ある建造物がことごとく解体され、新たな建造物が建設される計画ですが、造り直す必要に迫られていない建物もあると思われます。一つ一つの建造物について、存廃について検討されたのですか。残すという判断をしなかった理由を建造物ごとにお示しください。

○根来公園計画担当部長 日比谷公園の整備に当たりましては、百二十年の時代を経て積層した魅力にさらに磨きをかけ、歴史的、文化的な価値を継承しながら、誰もがより楽しめる公園に進化させてまいります。

○原委員 魅力にさらに磨きをかけというふうにいわれましたけれども、私は大変不安です。
 野外音楽堂は、一九二三年に開設され、今、三代目で、通算百年、改築四十年です。小音楽堂は一九〇五年に生まれ、百十八年の時を刻みます。野音と同じく、今、三代目で改築四十年目です。大噴水と第二花壇が開設してからは六十二年、テニスコートは大正九年、一九二〇年に公立公園内初のテニスコートとして開設してから百三年の時を経ています。
 今回の公園再整備事業は、第二花壇から植栽をなくし、大噴水、小音楽堂、野外音楽堂、テニスコートを全て解体し新たな建造物に一気にリニューアルする計画であり、三笠山を削り広場をつくる、この大改造は本当に必要なものでしょうか。
 東京オリンピックのときなど大改造が構想されたことは、これまでに何度かあったそうですが、そのたびに、この歴史的公園の形をそのまま残そうという声が上がり、今、百二十年前の形を壊さず、継承できているそうです。
 もちろん、それぞれの施設は、震災被害や老朽化に伴い建て替えをしています。築四十年くらいのものが多いですが、今は世界の流れから見ても補強工事で長もちさせることができるのではないでしょうか。本当に解体が必要かの検討をされていないのではないでしょうか。計画をもう一度検討して立てるべきです。
 日比谷公園の再生整備は、単独のものではなく、デッキを渡して商業ビルと一帯を再開発する中に組み込まれています。公園と商業ビルをつなぐデッキが二本、幅九メートルと十八メートル、これ、道路上空公園と呼ぶそうです。ちょっと違和感があります。
 デッキだから新設の道路でありますが、都計審で都立公園敷地というのになりました。公園からつなぐ先は、有楽町側は東京ミッドタウン日比谷で、内幸町の方は今建設中のビルです。内幸町一丁目の再開発プロジェクトでTOKYO CROSS PARK構想、こういうのを見ると、完成予定図がいろいろ出てきます。その一つをパネルにしてみました。この二百三十メートルの建物、それから、これが帝国ビルですね。このような状態に日比谷公園の東南側がなってしまいます。公園が商業ビルの前庭として利用されてしまう、そういう印象を私は持ちました。
 木陰のベンチで静かに過ごしたい、花を見ながら散歩したいという公園から、かけ離れてしまうのではないかという心配が多く寄せられております。
 そして、公園の東側にこの二百三十メートルの超高層ビル三本、帝国ホテルは百四十五メートルに建て替えられるということで、公園の樹木の日照が遮られることは容易に想像できます。どのような認識をされていますでしょうか、伺います。

○根来公園計画担当部長 お話の内容は、駅、まち、公園をつなぐネットワークの形成と多様な機能が複合した個性ある複合市街地の形成などを図るため、適正な手続を経て決定された都市計画に基づく計画でございます。

○原委員 認識が違うんだなと思いますが、大規模再開発は公園に配慮しないんだなと私は感じました。
 サザンオールスターズが今、「Relay−杜の詩」という歌を発表しましたが、その歌詞の中に、未来の都市が空を塞いで良いのという歌詞があります。この歌を私は思い出したんです。神宮を歌った歌だと思いますけれども、とても似ていると思いました。
 デッキを造って一体誰が得をするんでしょうか。なぜ二本も造るんでしょうか、伺います。

○根来公園計画担当部長 公園とまちをつなぐデッキの整備等により、車椅子やベビーカーでも安全、快適かつ自由に多様な人々が訪れることができるよう、公園へのアクセシビリティー、公園内外の回遊性、まちとの一体性を高め、より訪れやすい公園を目指します。

○原委員 回遊性というのは、ちょっと私はよく分からない、納得できないところがあります。
 地下鉄の駅、改札から出て、今、直接公園に上がれるエレベーターはありません。ミッドタウンを通って二階に上がって、屋根もない橋を、デッキを渡って公園側に行ったら、今度はエレベーターで一階に下りるんですよね。バリアフリーではないんです。
 公園へのアクセシビリティーやバリアフリーをいうならば、地下鉄駅直結エレベーターの設置をつくる、こっちを優先すべきではないかと思います。デッキのいい悪いではなく、優先順位のことをいっています。
 誰が得をするかということですが、誰でも分かることですが、デッキを造れば、その商業ビルが地下鉄から公園へ抜ける流れをつくり、商業的利益を上げることは確実です。それだけではなく、このデッキを造ることが、再開発ビルの容積率をアップすることにつながっております。
 内幸町一丁目の敷地は、容積率が従前の九〇〇%から、再開発後は、北地区及び南地区で一三四〇%に、中地区で一三二〇%にまでしてよいと緩和をされてしまいました。ご存じだと思います。都市計画審議会で承認をされています。
 容積率緩和の根拠となる特定街区及び地区計画の決定並びに都市計画公園の変更に関わる資料であります、国家戦略都市計画建築物等整備事業を定める理由書というのには、日比谷公園と連続する広場や歩行者空間の充実など、有楽町や銀座などの周辺地区とも連携した回遊性の高いエリアが形成されているという将来像が示されているというふうに述べられております。
 要するに、日比谷公園と連続する広場や歩行者空間、デッキを造ることで歩行者中心の基盤が整備され、容積率をアップしてもいいですよということで、二百三十メートルもの超高層ビルが建てられるようになったということではありませんか。そのために、公園の東側、南側の日照が遮られ、公園の樹木への影響が大きく出ることには思い至らなかったのでしょうか。
 景観が閉ざされることも問題ですし、何より公共空間である都立公園が、特定企業の持つビルの前庭として扱われる、こういうふうになっていくのではないでしょうか。三井不動産など大企業が自分の描きの中に公園を含め、そのとおりに公園が改造されていく流れではないですか。企業にいいように使われ、稼ぐ公園になっていくのではないでしょうか。公共性の観点から、計画を問い直すべきです。
 東京ミッドタウンに既に用意されているデッキに変更可能なテラスの件、前回、委員会で問題提起しましたが、調査をされましたでしょうか。デッキの構想が初めて出てきたのは二〇一八年とされていますが、それ以前に、東京ミッドタウン日比谷の施工者である三井不動産などと東京都が、デッキ構想について話合いをしたことはありますか。あれば、いつ、どこで、どんな話をしたのか、記録をお示しください。

○根来公園計画担当部長 平成三十年十二月に策定された日比谷公園グランドデザインでは、公園へのアクセシビリティーを向上させ、憩い集える空間を創出するため、周辺のまちづくりと連携して、地下やデッキ等で公園とまちをつなぐことなどが提言されています。
 お尋ねのような話合いをした記録はございません。

○原委員 二〇一一年六月に日比谷エリアまちづくり検討会により、日比谷まちづくり基本構想が出されています。資料はこういうもので、検討会の構成員は、最後のページに載っていましたので、ちょっと読んでみたいと思います。
 座長である慶應義塾大学名誉教授の日端康雄氏、岸井隆幸氏、千代田区の都計審の会長です。それから、東京都都市整備局都市づくり政策部長、東京都建設局道路管理部長、同じく建設局公園緑地部長、千代田区まちづくり推進部長、そして地権者、今治造船株式会社、NTT都市開発株式会社、第一生命保険株式会社、株式会社帝国ホテル、東京センチュリーリース株式会社、東京電力株式会社、東宝株式会社、東宝不動産株式会社、日本生命保険相互会社、日本土地建物株式会社、日比谷商店会、三井不動産株式会社、有楽町町会と書かれています。
 有楽町一丁目と内幸町一丁目で構成される日比谷エリアは、二〇〇九年に東京都が策定した東京の都市づくりビジョンにおいて、国際的なビジネスセンターの形成などを目指すセンター・コア再生ゾーンの拠点の一つとして位置づけがされています。そして、この基本構想には、国際競争力の強化など、都市再生に貢献しつつ世界に誇れる日比谷エリアの再生と都市ブランドの創造を目指すため、日比谷エリアのまちづくりの将来像を示すために取りまとめられたと書かれています。
 ホームページで取れる資料です。千代田区議会にも出ていまして、まちづくりの振り返りという文章の中で、この検討会と基本構想が紹介をされております。
 その中で、日比谷エリアの特性について、文化、芸術の場、大企業本社の集積などとともに、都心の希有な大規模緑地、日比谷公園に正対していることを特徴として挙げています。
 周辺エリアとのネットワークという文言が何度も出てきて強調され、日比谷公園から緑を引き込むとともに、公園とのつながりを強化することで、公園とまちの回遊性を促進するとの文章が出てきます。
 日比谷まちづくり基本構想に出てくる図で、こういうものがありました。(パネルを示す)これが日比谷公園ですね。こっちが有楽町エリアで、こっちが内幸町のエリアです。日比谷まちづくり基本構想に出てくるこの図では、黄色い曲線が回遊性、ネットワークのラインでしょうか、日比谷公園の中にまで回遊性のラインが引かれております。
 下の段には、こう書かれております。日比谷公園との連続性創出のため、必要に応じて官民協力により、道路線形の改善や道路機能の見直しを図り、日比谷エリアのゲート空間としてふさわしい、にぎわいのあるまちづくりを推進するというふうにここに書かれております。
 二〇一三年十二月、日比谷地区は都市再生特別地区となり、現東京ミッドタウン日比谷の決定がされます。二〇一五年から工事が始まり、二〇一八年にオープンされました。ご存じのとおり、デッキに変更可能なテラスが設置をされています。
 これでデッキ構想が二〇一八年がスタートだったと本当にいえますでしょうか。日比谷エリアまちづくり検討会で、建設局の職員も地権者の企業と会って話しているではありませんか。再開発企業からの要請を受けて、二〇一八年のグランドデザインの中で、デッキ構想を後づけしたのは明らかです。
 二〇一一年の日比谷エリアまちづくり検討会に出席をした都の都市整備局と建設局の職員の名前と当時の両局長さんのお名前を教えてください。

○根来公園計画担当部長 委員おっしゃられた日比谷エリアまちづくり基本構想を取りまとめた時期、取りまとめたときの都市整備局長は河島均氏、建設局長は村尾公一氏でございます。

○原委員 今、局長さんのお名前ですね。出席した部長さんのお名前もお願いします。

○根来公園計画担当部長 失礼しました。二十三年、この取りまとめた時期の部長ということでございますが、都市整備局の都市づくり政策部長は安井順一氏、それから建設局の道路管理部長は東了一氏、それから公園緑地部長は上杉俊和氏でございます。

○原委員 ありがとうございます。
 まちづくり検討会と基本構想のことは報告がなく、二〇一八年がスタートだったと先ほど報告されておりますが、まちづくり検討会のこと、基本構想の内容はご存じだったかどうかを確認しておきます。

○根来公園計画担当部長 私自身が承知をしていたかというお尋ねでよろしいでしょうか。(原委員「はい」と呼ぶ)日比谷エリアまちづくり検討会、構想がつくられていたということは、私も承知をしてございます。

○原委員 それが、二〇一八年のグランドデザインに至る前段の会議だったという認識はなかったということでしょうか。

○根来公園計画担当部長 日比谷エリアまちづくり基本構想は、内幸町街区と申しますか、こちらの街区の開発等の構想をまとめたものでございまして、日比谷公園グランドデザインは、日比谷公園の将来像を描くということでまとめたものでございます。

○原委員 ちょっと無理があると思いますが、また機会をつくっていこうと思います。
 ちゃんと報告をしていただきたいんです。うちの局は二〇一八年以降しか知りませんという態度では困ります。千代田区議会で報告されているんですから、ここで報告しないというのは本当に失礼な態度だというふうに指摘をしておきます。
 公共の都立公園の整備計画について、特定の意向が押しつけられるような不公正があれば大問題です。経過をうやむやにせず、徹底解明を求めます。
 公園再整備の計画で、回遊性のある道路の線など、公園の中身にまで日比谷エリアの企業の要請が入っているのではないでしょうか。先ほどの地図もご覧いただいたと思いますが、公共性と矛盾しませんか、伺います。

○根来公園計画担当部長 都立日比谷公園再生整備計画は、令和元年十月の東京都公園審議会への諮問、学識経験者等による審議を経て、都民等からの意見も踏まえて取りまとめられた答申に基づき策定しておりまして、今後は、この事業計画として取りまとめられたバリアフリー日比谷公園プロジェクトに基づき整備を進めてまいります。

○原委員 パネルをご覧ください。これも先ほど示したTOKYO CROSS PARKの構想の中で出てくる図です。このように公園の中にまで突っ込んで計画が公表されております。なぜ、初代のテニスコートが移動させられたり、三笠山を一部解体するんでしょうか。
 そのために樹木が抜かれ、芝生広場になることに何の意味があるんでしょうか。様々な資料を見せていただきましたけれども、大変、企業の意向に基づいて計画がゆがめられているというふうに私は感じております。
 バリアフリー日比谷公園プロジェクトの将来図を見ても、企業の意向が反映しているとしか思えません。違うというなら、そういう私の受け止めを払拭するような説明をいただきたいと思います。
 そして、日比谷公園は、ヘリコプターが離発着する防災公園にも指定をされています。バリアフリーをいうなら、地下鉄駅直結のエレベーターの設置をすべきです。先ほどもいいました。
 再整備をいうなら、関東大震災の避難所に使われたり、リーマンショックの派遣村として利用された場所ですから、非常事態に避難者が過ごせるような防災用品の整備とか、数千人の受入れができる施設を整える計画とか、そういうものも必要ではないでしょうか。
 そして、公園全体が歴史的価値があり、文化遺産としての価値を残していく。専門家を入れた会議体をつくり、保存すべきものについての検討をする必要があると思います。
 創建の時代から変わらないもの、守るべきものを守り、公共空間として、都心にあるオアシスとしての役割を果たす公園として、継続することを切に求めておきます。
 今回、三つの公園を取上げましたが、それぞれの課題があるとともに、共通の問題として、整備計画を立てる段階で樹木の扱いが後回しというか、場合によっては邪魔なもののように扱われることに危機感を感じます。
 樹木は公園の主役です。そして、公園はみんなのものです。そのことを肝に銘じて、整備計画を捉え直していただきたいと強く願い、私の質問を終わります。

○小宮委員 私からは、無電柱化について、まず伺います。
 東京都は、昭和六十一年度に初めての計画を策定して以降、数期にわたりまして無電柱化計画を策定して事業を推進してきました。近年では平成二十九年の東京都無電柱化推進条例の制定をはじめ、令和三年の無電柱化加速化戦略の策定など、積極的に取り組んでおります。
 まず初めに、都道の無電柱化の取組状況について伺います。

○今宮無電柱化推進担当部長 都は、令和三年二月に、無電柱化加速化戦略を策定するとともに、同年六月に東京都無電柱化計画を改定し、歩道幅員二・五メートル以上の都道において、年間の整備規模を倍増させてスピードアップを図ることとしております。
 この計画の中で、防災性の向上に資する第一次緊急輸送道路をはじめ、環状七号線の内側エリア、主要八十駅周辺で無電柱化を優先的に取り組むこととしており、二〇三五年度の完了を目指しております。

○小宮委員 優先度の高い第一次緊急輸送道路などを中心として取り組んでいるということで、その対象の四割ほどがもう既に無電柱化を完了されていて、設計などに着手しているのが二割、三割というふうに伺っておりますので、全体で七割程度が進んでいるのかなという状況が分かります。
 令和三年から七年にかけて、今現在は八期の計画中でありまして、この後、九期の計画を策定していくということに今後なってまいりますが、今の計画と並行して、その優先度が高い、その後の優先度は何かというような、その優先度の内容を、都道においてこの後どうしていくかということが、これから検討が必要になってくるかなというふうに思っております。
 都道には、先ほども、歩道がないとか狭いとか、そういうお話もありましたけれども、しかしながら、地域住民にとっては生活道路となっていて、大変な利用も多い重要な路線というものもあります。そうしたところで無電柱化をするためには、やはり技術開発が欠かせません。
 そこで、技術開発の取組状況について伺います。

○今宮無電柱化推進担当部長 無電柱化を加速するためには、技術開発を一層推進し、コスト縮減や工期短縮を図ることが重要でございます。このため、特殊部のコンパクト化や新材料の採用などについて、令和五年四月に東京都電線共同溝整備マニュアルを改定いたしました。
 また、東京電力など電線管理者と連携し、地上機器のコンパクト化や狭い道路にも設置できる街路灯と一体となった機器の開発などにも取り組んでおります。
 現在、試作機の性能試験などを実施してございます。
 引き続き、技術開発に取り組み、コスト縮減や工期短縮を図ってまいります。

○小宮委員 それから、また、年間の整備規模を倍増するためには、執行体制の強化が欠かせません。どのように取り組んでいくのか伺います。

○今宮無電柱化推進担当部長 事業を加速していくためには、執行体制の強化が重要でございます。このため都は、建設事務所などの人員を拡充して事業を実施するとともに、無電柱化に関するノウハウを持つ政策連携団体を活用いたしまして、無電柱化を推進しております。
 また、電線管理者が所有する管路やマンホールなどの既存施設を電線共同溝の一部として利用可能な場合には、当該施設の管理者に委託して整備を進めております。
 引き続き、政策連携団体や電線管理者などと連携を図り、無電柱化を推進してまいります。

○小宮委員 令和三年の無電柱化加速化戦略で、年間の整備規模を倍増させるというご答弁がさきにありましたけれども、今までは、建設局は、道路を管理するという考え方の中で、建設局として担ってきたというのが無電柱化であったと思いますけれども、今のご答弁にあったように、道路整備保全公社といった政策連携団体や、それから東京電力やNTTといった電線管理者などと協定を結んで、仕事を任せるということによって、先ほど答弁にあったようなスピードアップということを図っているということが分かります。
 今までの道路を管理するというだけではなくて、無電柱化された道路を整備していくという、その考え方を変えたということは、大変積極的にかじを切ってくれているということと、それから内容としても評価をしたいというふうに思います。
 一方、都内の道路の約九割を占めるのが区市町村道でありまして、この無電柱化の推進が面的な整備には欠かせません。
 東京都は、平成二十年から区市町村道に対して財政支援を開始しておりますけれども、特に大きいのは、平成二十九年度以降、無電柱化のチャレンジ支援事業制度というものを活用して支援をしてきております。
 区市町村の負担が実質ゼロという制度でありますけれども、その制度も認定期限が最終年度というふうになっておりますが、区市町村道の無電柱化というのはなかなか進んでいないということも聞いております。
 この間、見えてきた課題などについて、今後の取組と併せて伺います。

○今宮無電柱化推進担当部長 これまで都は、無電柱化の整備実績のない区市町村などに対して、事業費を全額補助するチャレンジ支援事業制度などにより、財政支援とともに、区市町村が設置する技術検討会に都の職員が参加するなど、技術支援も実施してまいりました。
 区市町村道の無電柱化を進める上での主な課題は、ヒアリングやアンケート調査により、無電柱化のための財政負担に加えまして、無電柱化事業の経験や技術的なノウハウなどが不足であるということを改めて確認いたしたところでございます。
 今後、都は、区市町村が無電柱化推進計画を策定する際に、面的な無電柱化整備を進めるため、都道との連続性を考慮した路線選定など、区市町村への助言を行いながら、支援を強化してまいります。

○小宮委員 財政的に支援をしても、やはり課題は担う人の不足であるというお話だというふうに理解しております。
 やはり区市町村には、無電柱化を担う人材が本当に少ないということが課題であるというふうに、私も杉並区の課題としても伺っているところですけれども、先ほど答弁にあったように、都道のスピードアップにつながっていたのが、電線管理者が所有をする設備の活用、既存ストックというものを活用した整備手法、これがスピードアップにつながったという、都道においてはそういうご答弁をいただきましたけれども、区市町村道でもそうしたことが可能なのかどうか、東京都の取組について伺います。

○今宮無電柱化推進担当部長 区市町村道の無電柱化を促進するためには、電線管理者が所有する管路やマンホールなどの既存施設を電線共同溝の一部として活用した整備を行うことが有効でございます。
 このため都は、区市町村に対して具体的な手続などの進め方を助言するなど、必要な情報提供を実施しており、現在、中野区では、この手法により事業を進めております。
 引き続き、区市町村や電線管理者と連携し、区市町村道の無電柱化を促進してまいります。

○小宮委員 道幅の特に狭い区市町村道では、地下に既存ストックがあるということは限られているというふうにも聞きましたが、今の中野区のように既存ストックがあれば、区市町村の負担を増やすことなく、民間に任せるということが例えばできるということだと思います。
 このチャレンジ支援事業は最終年度を迎えていると先ほども申し上げましたけれども、ぜひ、また課題を整理していただいて、区市町村と共に面的な無電柱化の整備に引き続き取り組んでいただきたいとお願いしておきます。
 次に、善福寺川上流調節池(仮称)、先ほども調節池の件、質問がございましたけれども、令和五年の三月に改定をした神田川流域河川整備計画というものに基づいて、七十五ミリ対応の整備をしていこうということで提案されたというか、改定された中に入っている調節池のことですけれども、長さが約五・八キロで、トンネル式の地下の調節池になるということで、約三十万立方メートルの洪水を貯留することができる施設であるというふうに伺っています。
 この調節池の整備に向けて、東京都は本年八月に都市計画変更の素案説明会を区内の小学校で四回開催しています。
 ただ、地元の住民の中には、この説明会でこの事業の内容を初めて知りましたとか、それから、開催を知らなかったという地域の住民もいらっしゃいまして、そういった方々からは、工事というか、この事業が突然過ぎる感があるよという声を聞いているところです。
 そこで、この調節池の計画がこれまでどのように検討されてきたか確認します。

○斉藤河川部長 都は、平成二十四年に中小河川における都の整備方針を策定し、年超過確率二十分の一の規模の降雨に対応する方針を立てました。
 この方針に基づき、平成二十八年には神田川流域河川整備計画を改定し、善福寺川上流部に新たな調節池を整備することを位置づけました。この河川整備計画に基づき、令和三年に本調節池の基本設計を進め、令和五年には、多様な降雨に対してより効果的な取水が可能になるよう、取水地点を三か所とする河川整備計画に改定いたしました。
 なお、これらの行政計画の策定に当たりましては、パブリックコメントを実施し、広く都民の意見を聴取してまいりました。

○小宮委員 調節池がどんな規模で、どんな調節池になるかということが明らかになったのは、今年の令和五年の三月です。
 だけれども、平成二十八年の七年前の計画改定で、上流部に新たな調節池が必要であるというふうに位置づけられて、その後、どんな規模か、どんな調節池が可能かということが検討、あるいは設計といったものが進められてきて、具体的にこういう形になりますよというのが発表されたのが今年の三月であったということだと理解しました。
 今回の工事で、東京都建設局が初めて採用するというECI方式ですね。これがやはりよく知られていないということもあると思いますけれども、地域の方にとっては、事業者がもうすぐ決まって、すぐ工事が始まってしまうんじゃないかという印象を持たれて、不安に感じていらっしゃる方がいらっしゃいます。
 そこで、このECI方式というのはどういうものか確認しておきたいと思います。

○斉藤河川部長 本事業は、設計段階から建設会社が持つ高度で専門的なノウハウや工法等を活用することを目的といたしまして、ECI方式を採用することとしております。
 この方式により、設計段階において優先交渉権を有する建設会社が、設計会社に対して施工計画等の作成への協力を行うことなどにより、効率的な事業推進が期待できます。
 なお、優先交渉権を有する建設会社が決まったとしましても、直ちに工事が始まるわけではございません。

○小宮委員 設計段階から相手を決めて、一緒に設計のところから取り組んでいくということによって、実際の工事につながる効率的な事業が運営できるであろうというような方式であるというふうに理解をしました。
 まずは設計の、そういう意味で、協力者を選定すると。今までは建設局が単独でやってきたことを、実際工事に至る前に、設計の段階から一緒に協力する相手を決めるということですので、すぐに工事着手というような不安を持っていらっしゃる方がいますけれども、そうではなくて、設計の相手を選ぶということが行われていくということは分かりました。
 やはり住宅の近くに調節池の取水施設や立て坑が計画された地元の住民の方にとっては、その工事による住環境の悪化を懸念する声が上がっていまして、そこでその地元の声にしっかりと、当たり前のことなんですけれども、耳を傾けることや工事により周辺住民が受ける影響などについて東京都は説明を行うべきであるというふうに考えますが、見解を伺います。

○斉藤河川部長 都はこれまでも、八月末の説明会の後、電話や対面により、計画変更素案の内容につきまして個別に説明を行い、地元住民の意見や要望を聞いております。
 年内にオープンハウス形式で説明を行うなど、今後とも地元の声に耳を傾け、住民の理解促進に努めてまいります。
 また、工事の影響につきましては、現在、詳細設計を実施している段階にあるため、都市計画決定後、詳細設計の検討結果を踏まえ、事業説明会や工事説明会等、様々な機会を捉えて住民に説明をしてまいります。

○小宮委員 年内にもまた住民の声を聞く機会を設けていただくということでした。
 八月の説明会を知らなかったという方の声が結構来てきておりますので、改めてそうした声を聞く機会にもしっかりしていただきたいというふうに思います。
 工事をする近隣におきましては、善福寺川沿いということもありまして、近年、別の調節池の工事がやっと終わったり、あるいは護岸工事がずっと継続中であったりと、どうしても河川沿いという特徴、環境の中で、工事が長く、全体的に続いてしまっているという状況が続いております。
 しかし、その工事の不安や疑念をあおっているだけでは、まちづくり全体を反対するということでは、都民の安全を守るとか向上するとかということにつながりませんので、建設局としての使命をしっかり果たせるように、地元の地域の皆さんのご理解、声を聞く、協力をいただくということをこれからも丁寧に行っていただきながら、都民の安全と財産を守る公共工事を円滑に進めていっていただきたいとお願いしておきます。
 それから、最後に、連続立体交差事業についてなんですけれども、野方駅から井荻駅付近、ここは国から連続立体交差事業の着工準備採択を受けておりまして、構造形式や施工方法の検討を進めていまして、今、検討段階ということで、今後、構造形式を選定するということになってくると思います。
 この連立事業の構造形式、改めてどういうふうに選定するかということを確認します。

○久野道路建設部長 連続立体交差事業におきまして、鉄道立体化の構造形式を選定することですけれども、鉄道周辺の地形的条件、除却される踏切の数など計画的条件、事業費や事業期間など事業的条件の三条件を比較検討し、総合的な判断により最適な構造形式を選定いたします。

○小宮委員 総合的な判断により最適な構造形式を選定していく、三条件によってと。住民の方々からは、この構造形式について地下化を望む声が聞かれておりまして、過日も地下化についての勉強会が開催をされております。
 杉並区では、地域の方々の意見を聞きながら、下井草周辺の利便性、そして安全性の向上をはじめとしたまちづくりの検討を進めていますけれども、野方駅から井荻駅付近については、こうした地元の声や区のまちづくりの検討内容を把握した上で、鉄道の立体化の構造をどうするかということを検討を進めていくということが大切と考えますが、見解を伺います。

○久野道路建設部長 鉄道の立体化は、交通渋滞や踏切事故の解消とともに、鉄道により分断された市街地の一体性を高めることから、地域のまちづくりと併せて進めていく必要がございます。
 杉並区は、令和三年度から下井草駅周辺のまちづくりに関するオープンハウスなどを開催しており、そこで寄せられた意見等については、区と都で情報共有を図っております。 今後とも、地元区や鉄道事業者と連携しながら鉄道立体化に向けて取り組んでまいります。

○小宮委員 構造形式を選定するための三条件、先ほどおっしゃったことによると、この野方から井荻間に関しては、高架化であっても地下化であっても除却できる踏切の数は一つ残ってしまって、一緒であるというふうに聞いています。
 それから、地形も、高架化も地下化も可能であるというふうに聞いております。
 費用、お金の面でいうと、五百億ぐらいでしたっけ、高架化の方が安いと聞いております。
 先ほど、もう随分前の時間ですけど、こいそ明委員から、南武線の連立事業によって高架下が生まれたと。だけど、その高架下が活用されていないというような話もありました。ご指摘もありましたけれども、この連続立体交差事業というのは、踏切をなくすというだけでなくて、将来にわたって都市空間、まちの価値に大きく影響を与える、そういう事業であるというふうに私は思います。
 ぜひ、そうした視点も踏まえて、今後のこの連立の構造形式についても検討いただきたいということをお願い申し上げまして、質問を終わります。

○曽根委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○曽根委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
 以上で建設局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後八時二十七分散会