環境・建設委員会速記録第五号

令和五年三月十五日(水曜日)
第九委員会室
午後一時開議
出席委員 十三名
委員長里吉 ゆみ君
副委員長須山たかし君
副委員長曽根はじめ君
理事柴崎 幹男君
理事成清梨沙子君
理事小磯 善彦君
漢人あきこ君
山田ひろし君
原  純子君
渋谷のぶゆき君
伊藤こういち君
こいそ 明君
たきぐち学君

欠席委員 なし

出席説明員
環境局局長栗岡 祥一君
次長笹沼 正一君
理事宮澤 浩司君
総務部長節電行動連携担当部長兼務小川 謙司君
建設局東京都技監建設局長兼務中島 高志君
次長副島  建君
道路監花井 徹夫君
総務部長浅野 直樹君

本日の会議に付した事件
予算の調査(意見開陳)
・第一号議案 令和五年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為 環境・建設委員会所管分
付託議案の審査(決定)
・第六十四号議案 東京都省エネルギーの推進及びエネルギーの安定的な供給の確保に関する条例の一部を改正する条例
・第六十五号議案 東京都自然公園条例の一部を改正する条例
・第六十六号議案 東京都立公園条例の一部を改正する条例
・第六十七号議案 東京都霊園条例の一部を改正する条例
・第九十六号議案 令和五年度の連続立体交差事業の実施に伴う費用の関係特別区・市の負担について
請願陳情の継続審査について
特定事件の継続調査について

○里吉委員長 ただいまから環境・建設委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、予算の調査及び付託議案の審査並びに請願陳情及び特定事件の閉会中の継続審査及び調査の申出の決定を行います。
 これより予算の調査を行います。
 第一号議案、令和五年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為、環境・建設委員会所管分を議題といたします。
 本案につきましては、既に質疑を終了しております。
 これより意見の開陳を行います。
 順次発言を願います。

○渋谷委員 都議会自民党を代表し、当委員会に付託されました令和五年度予算関連議案について意見開陳を行います。
 初めに、各局共通事項について申し上げます。
 令和五年度予算案は、コロナの分類変更を踏まえた今後の感染防止策と医療体制の見直し、物価高に苦しむ都民、都内事業者に対する支援、激甚化する自然災害への対策強化、少子高齢化対策の充実、そしてコロナ後の東京の発展に向けた環境対策、情報化の推進など多岐にわたる課題に対応していくための予算です。
 令和五年度の一般会計は、都税収入の伸びを背景に八兆円を超え、過去最大となっていますが、長引く物価高騰、先行き不透明な国際情勢など、東京の経済状況は予断を許さない状況にあり、引き続き、中長期的視点に立ち、健全かつ持続可能な財政運営に努めていくことが求められています。
 コロナ感染への備えを怠ることなく、多様な行政課題の解決に向けて実効性のある対策を迅速かつ効率的に実施していくためには、都民や都内事業者のご理解を得ながら、都内区市町村との事前調整を丁寧に進め、都議会と議論を重ねることで、東京の実態に即した形で事業を進めていくことが必要です。
 本委員会所管事業に関する意見開陳の冒頭に当たり、このことを申し上げ、各局事業について述べさせていただきます。
 では、建設局関係について申し上げます。
 一、東京の発展には、道路、河川、公園などの都市基盤施設の早期整備は不可欠であり、基盤整備に必要な財源である社会資本整備総合交付金を安定的かつ継続的に確保し、必要額を都に確実に配分するよう、国に対し強く働きかけられたい。
 一、東京外かく環状道路については、必要な事業費を確保し、早期整備に向け、工事の安全性に十分配慮しつつ、事業の推進を国などに強く求めるとともに、都においても引き続き用地取得を積極的に進められたい。
 一、延焼遮断帯を形成するなど、防災上、整備効果の高い都市計画道路である木造住宅密集地域の特定整備路線について、地権者や居住者に対する生活再建支援策の着実な実施と、きめ細かな対応を図り、事業を推進されたい。
 一、環状第四号線、放射第二五号線、府中所沢鎌倉街道線、南多摩尾根幹線などの骨格幹線道路、地域幹線道路及び山間・島しょ地域の振興を図る道路の整備を推進するとともに、多摩川中流部の橋梁等についても整備の促進を図られたい。
 一、交通渋滞の緩和や地域分断の解消に向け、京浜急行本線、西武新宿線、京王京王線などの道路と鉄道の連続立体交差事業を積極的に推進されたい。事業実施に当たっては、地元区市と連携し、駅周辺のまちづくりと一体的、総合的に進められたい。
 一、時間降雨五十ミリへの対応とともに、近年発生している一時間百ミリを超える局地的かつ短時間の集中豪雨にも対応するため、中小河川整備を推進し、既設の調節池を連結した広域調節池による調節機能を相互融通するなど、水害の早期軽減を図られたい。
 一、水害から東部低地帯を守るため、河川施設整備計画(第二期)に基づき、水門や堤防等の耐震、耐水対策を着実に推進するとともに、スーパー堤防やテラスの整備を促進し、国に対しても高規格堤防の早期整備を求められたい。
 一、土砂災害警戒区域等に存在する避難所や災害時要配慮者利用施設などを守る砂防事業や急傾斜地崩壊対策事業を推進されたい。
 一、無電柱化を積極的に推進し、都市防災機能の強化、安全快適な歩行空間の確保、良好な都市景観の創出とともに、区市町村が施行する無電柱化事業への財政支援を行われたい。
 一、誰もが安全に安心して移動できる自転車通行空間を確保するため、都道だけでなく、国道や区市町村道と一体的に整備を図られたい。また、交通渋滞を早期に解消するため、第三次交差点すいすいプランを推進されたい。
 一、ヒートアイランド対策としての遮熱性舗装や保水性舗装などの環境対策型舗装を積極的に推進し、街路樹の計画的な剪定による夏季の木陰の確保など、魅力ある都市景観を創出されたい。
 一、都立公園の整備促進とともに、緑の拠点である公園や水辺空間の緑化を積極的に推進し、隅田川を中心としたテラスの連続化や照明施設の整備など、にぎわいあふれる水辺空間と水と緑のネットワークを創出されたい。
 一、多摩地域において、鶴川街道百村区間等の歩道未整備区間の早期整備を推進されたい。
 一、多摩地域のまちづくりを推進するため、第三次みちづくり・まちづくりパートナー事業を着実に推進するとともに、市町村土木補助事業の充実を図られたい。
 次に、環境局関連について申し上げます。
 一、二〇五〇年にCO2排出実質ゼロに貢献するゼロエミッション東京宣言の実現と、二〇三〇年までに温室効果ガスを半減するなどの目標達成に向け、東京都環境基本計画に基づく取組を強力に推進し、持続可能な都市を構築されたい。
 一、電気自動車などゼロエミッションビークルの普及促進と低公害、低燃費車の導入促進を図るとともに、環境性能が高く、誰もが利用できるユニバーサルデザインタクシーの普及を推進されたい。
 一、家庭におけるエネルギーの高度利用推進に向け、集合住宅の機械式駐車場への充電器設置補助を含め、既存住宅の断熱性向上や再生可能エネルギー導入を促進し、高水準の省エネ、再エネ住宅の普及を推進されたい。
 一、再エネ電力利用割合五〇%達成に向けて、電力の地産地消や都外からの再エネ電力を調達する手法等の導入とともに、島しょ地域の再生可能エネルギー導入拡大に向け、各島の状況に応じた取組を進められたい。
 一、新築住宅等への太陽光発電設置の設置義務化制度については、事業実施の妥当性、必要性、合理性を都民、事業者に対して丁寧に説明し、理解、納得を得る取組を進められたい。また、人権問題に対して、都が主体的に取り組まれたい。加えて、集合住宅が多いという東京の実態を踏まえた対応を進められたい。
 一、生物多様性に配慮した質の高い緑の確保を推進するため、多様な生物を呼び込む施策の具体化を様々な主体と連携をして積極的に進められたい。
 一、生物多様性の保全に取り組むため、希少野生動植物の生息、生育状況について、都民に分かりやすく周知し、東京の自然の実態を知ってもらうための取組とともに、若い世代の環境人材の育成を進められたい。
 一、野生動植物の保全を図るため、絶滅種をゼロにするだけでなく、絶滅危惧種を増やさない取組を進められたい。
 一、大島町におけるキョンによる固有植物や農作物の食害等の被害軽減と撲滅に向けた取組を着実に進めるとともに、森林病害虫の予防事業に対する支援を継続されたい。
 一、中小企業の負担軽減の観点に立ち、持続可能な土壌汚染対策に対する情報を周知するとともに、事業者の状況に応じたきめ細かい支援を図られたい。
 一、水害時の化学物質の流出等を防止するため、中小事業者に対し、流出防止設備の導入費用の支援や技術的な助言など、事業者の実情に応じた支援策を講じられたい。
 一、アスベストの飛散防止を徹底するため、解体工事等の発注者や工事業者が改正大気汚染防止法に対応できるよう、法規制内容の周知や指導体制を強化するとともに、工事業者へのアスベスト関連資格取得の支援を図られたい。
 一、水害時のLPガスボンベの流出等を防止するため、販売事業者に対し、流出防止設備の補助や技術的な助言など、安全機器の早期設置に向けた事業者の取組を支援されたい。
 一、持続可能な資源利用の実現に向け、3Rの視点で都民、区市町村、事業者と連携し、ごみの減量や使用済みプラスチックの再利用促進等とともに、循環利用の高度化にも取り組まれたい。
 一、プラスチック製容器包装及び製品プラスチックの分別収集やリサイクルに取り組む区市町村を支援されたい。あわせて、区市町村職員の専門性向上等に取り組まれたい。
 一、許可なく不用品回収を行う事業者の実態の把握と対応に努められたい。
 一、食品ロス削減に向けて、関係する業界団体や区市町村と連携しながら、実効性のある施策を推進されたい。また、家庭からの廃食用油の回収拡大を推進するなど、持続可能な航空燃料、いわゆるSAFの普及拡大に取り組まれたい。
 一、都市鉱山に眠る希少金属の循環利用に取り組まれたい。
 一、建設副産物のリサイクル推進に向け、再生骨材コンクリートなど、エコマテリアルの活用促進に取り組まれたい。
 一、太陽光パネルの将来の本格廃棄を見据え、住宅用の太陽光パネルが適切にリサイクルされる仕組みの構築に取り組まれたい。
 以上をもちまして、都議会自民党の意見開陳を終わります。

○山田委員 それでは、都民ファーストの会東京都議団を代表し、当委員会に付託されました令和五年度予算関係議案について意見開陳を行います。
 令和五年度予算は、新型コロナウイルス感染症への対応に社会や経済が縛られた三年間から大きく一歩を踏み出し、東京、そして日本の未来を左右する大きな転換点としていく未来につながる予算となっています。また、政策評価と予算編成の連携などにより、事業見直しの精度を高め、ワイズスペンディングを徹底しためり張りある予算とされております。
 具体的には、経済対策の強化、子育て支援、女性活躍、高齢者支援、気候変動や災害に強いまちづくり、多摩・島しょ振興など、都民生活にとって欠かすことのできない大切な施策が数多く盛り込まれております。
 都民ファーストの会東京都議団が要望し、実現いたしました十八歳までの子供たちに月額五千円の給付や、第二子の保育料無償化、出産応援事業、赤ちゃんファーストの継続と妊娠、出産、子育ての切れ目ない支援への改善、卵子凍結への新たな支援、介護度の改善を実現する介護事業者への報奨金制度の創設、マンション防災の強化、町会、自治会による防災備品の購入支援など地域防災の強化、多摩地域の交通ネットワークの検討調査、スタートアップ施策の大幅な強化等の予算が計上されたことを高く評価しております。
 あるべき東京の未来を想定し、未来への投資を積極果敢に進めるとともに、都民の安全・安心を確保する効果的でスピード感のある政策の実現を強く要望します。
 まず、環境局関係について申し上げます。
 東京都環境基本計画に基づき、二〇五〇年のCO2排出実質ゼロ、二〇三〇年までの温室効果ガス排出量五〇%削減に向けて、都民や企業、国や他自治体を巻き込み、脱炭素化の取組を加速されたい。
 再生可能エネルギーの基幹エネルギー化に向けて、二〇三〇年に再生可能エネルギー電力の利用割合を五〇%程度とする目標について、施策を整え推進されたい。
 家庭での省エネを推進するため、ゼロエミポイント事業の継続的な取組などを通じ、都民のさらなるCO2削減を推進されたい。
 既存住宅における省エネ、再エネ化を推進するため、断熱改修及び太陽光発電設備の設置を加速するべく、取組を強化されたい。
 太陽光パネル設置義務化の条例の施行に関しては、蓄電池の導入など、家庭の自家消費を促す取組も併せて強化されたい。また、人権課題や低周波騒音対策、パネルのリサイクルなど、課題解決と都民の理解促進に引き続き取り組まれたい。
 集合住宅においても太陽光パネルの設置を進められたい。
 都庁版VPPを構築し、都有施設の再エネ率を高めるとともに、災害時のレジリエンスを高められたい。
 区市町村や国、関係団体等と連携し、リチウムイオン電池による事故防止に取り組まれたい。
 機器の使用時におけるフロンの漏えいを防ぐとともに、フロンを使わないノンフロン機器への転換を促進されたい。
 ナラ枯れについて、都が広域的に調査と実態把握を行い、市町村と共に必要な対策を進められたい。
 集合住宅を含む住宅におけるZEVの充電設備の整備を強化されたい。
 神宮外苑地区の再開発については、引き続き環境アセスメントを所管する局としての役割を果たし、イチョウ並木の保全に尽力されたい。
 LPガスボンベの流出防止対策を強化されたい。
 区市町村と連携し、廃食用油の回収量を拡大するとともに、SAFの実用化につなげられたい。
 食品ロスの削減を加速するため、商慣習の見直しを図るとともに、先進技術への支援と普及啓発を強化し、スタートアップ企業の育成につなげられたい。
 グリーンインフラの考え方を導入し、河川、公園、道路がそれぞれ多面的な機能を発揮できるよう、局の垣根を超えて取り組まれたい。
 都内の貴重な自然に関する情報を収集、保管、分析、発信する拠点として、自然史博物館をデジタルやテクノロジーを活用して整備するなど、都民や事業者の自主的な行動につながる魅力ある取組を推進されたい。
 二〇三〇カーボンハーフ、二〇五〇ゼロエミッション東京の実現に向け、新産業をつくり、クライメートテックを掘り起こし、グリーン分野を牽引するべく、環境局が主導的な役割を果たされたい。
 次に、建設局関係について申し上げます。
 地震に対する安全性を向上させるとともに、親水性にも配慮した修景整備により、内部河川の整備を進められたい。
 都立公園におけるキャッシュレス化、ネット事前決済、利用者登録のオンライン化など都民ニーズに寄り添い、都立公園の利便性を向上されたい。
 パークPFIやその他官民連携手法を積極的に活用し、民間が公園を企画、整備し、運営していく取組を拡充し、都立公園大改革の取組を加速されたい。また、魅力ある公園を評価する指標としてロケーションデータを活用されたい。
 多摩地域の都立公園においても、夢と希望のある魅力的な公園づくりに全力で取り組まれたい。
 都立公園において非常用電源の整備など防災機能の強化、多言語化、バリアフリー化、受動喫煙対策を着実に進められたい。
 誰もが安全に安心して移動できる自転車通行空間の整備を加速されたい。
 着実に河川監視カメラの整備を進めるとともに、設置されたカメラの効果的な活用について総合的に検討されたい。
 水害から都民を守るために、河川の護岸の整備とともに、調節池の整備を推進されたい。
 震災時における都道の通行確保に向けた体制を整えるとともに、富士山噴火による降灰対策を講じられたい。
 都道における道路陥没を未然に防止する取組を強化されたい。
 マイシティレポート、MCRについて、道路だけでなく公園など様々な公共インフラの管理にも活用されたい。
 都立公園において、インクルーシブな公園の整備をさらに進めるとともに、インクルーシブプレーリーダーの配置を検討されたい。
 グリーンインフラの考え方を導入し、河川、公園、道路がそれぞれ多面的な機能を発揮できるよう、局の垣根を超えて取り組まれたい。
 区市町村道や民間開発も対象として、東京の総合的な無電柱化を推進するべく、コスト縮減を図りながら、各局との連携や区市町村への支援を一層強化されたい。
 地域の渋滞解消や交通安全につながる連続立体交差事業について、着実に整備を進められたい。
 木造住宅密集地域における特定整備路線は、防災上の重要性が高く、地域住民の理解を得ながら迅速に整備されたい。
 橋梁やトンネルなどの長寿命化や更新時期の平準化に引き続き取り組み、長期的な財政課題に対応されたい。
 都道のバリアフリー化について、歩道の段差解消やセミフラット化、視覚障害者誘導用ブロック等の整備に取り組むとともに、区市町村道における整備促進に向けて支援されたい。
 東京外かく環状道路については、安全対策を徹底することや適切に情報公開することを国及び事業者に求めるとともに、引き続き用地取得を進めるなど必要な協力を行われたい。
 隅田川など住民が河川と触れ合うことのできるテラスの連続化や照明の設置、夜間のライトアップ、防災船着場も活用した舟運活用により、にぎわいや魅力ある水辺空間を創出されたい。
 以上です。

○伊藤委員 都議会公明党を代表して、当委員会に付託された令和五年度予算関連議案について意見開陳を行います。
 令和五年度一般会計予算案は、子供たちへの投資、環境貢献、防災機能の強化など、持続可能で美しい地球を未来に残すための様々な取組を事業化しています。
 具体的には、第二子の保育料無償化や、高校生世代までの医療費無償化、私立中学校等の授業料負担軽減、中小企業のゼロエミッション化に向けた支援、耐震改修への補助の拡大など、都議会公明党が強く求めてきた施策が随所に盛り込まれており、高く評価するものであります。
 また、外部有識者を活用し、より客観性の高い評価を実施するなど、政策評価、事業評価制度のさらなる充実を図るとともに、事業評価では千二百七件の見直し、再構築、千百四十一億円の財源確保額へとつなげています。
 基金については、「未来の東京」戦略 version up 二〇二三で掲げる政策を着実に進めるための財源として戦略的に活用する一方、都債の発行抑制を継続するなど、中長期を見据え、財政対応力の堅持にも努めています。
 今後は、リーマンショック時などのような急激な景気変動にも耐えられる財政対応力の備えを目指し、さらなる基金の積立ての努力など、一層の強化を求めるものです。
 あわせて、予算の執行段階においても、さらなる創意工夫を行い、無駄の排除の徹底や迅速かつ的確な事業実施を行うとともに、評価制度をさらに充実させ、施策の新陳代謝の一層の促進に努めることを強く望むものであります。
 次に、各局別に申し上げます。
 初めに、環境局関係について申し上げます。
 一、「未来の東京」戦略及び東京都環境基本計画に基づき、二〇五〇年のCO2排出実質ゼロを目指すとともに、二〇三〇年までの温室効果ガス五〇%削減に向けて、気候変動対策に果敢に取り組むほか、生物多様性の保全や快適な大気環境の確保など、環境施策を総合的に展開すること。
 一、全庁的な推進体制の下、各局と連携して適応策を強力に推進するとともに、気候変動適応センターを活用し、気候変動に関する情報収集や区市町村への情報提供、都民への普及啓発などに着実に取り組むこと。
 一、省エネルギーと脱炭素化の促進を図るため、家庭においてエネルギー利用の効率化、最適化を推進すること。特に、取り組みやすく省エネ効果が期待できる照明のLED化や冷蔵庫やエアコンなどについて省エネ性能の高い製品への買換え促進策を強化し、一層推進すること。また、東京ゼロエミ住宅の普及や既存住宅における窓などの断熱性能の向上を促進すること。
 一、二〇三〇年再生可能エネルギー電力の利用割合五〇%に向け、家庭用太陽光パネルの設置拡大、事業者との連携など、多面的な政策に取り組むこと。特に、都有施設には、再エネ電力を積極的に導入すること。
 一、大規模事業所に対する温室効果ガス排出総量削減義務と排出量取引制度により、省エネの取組を継続するとともに、再エネの利用をさらに促すこと。
 一、自動車部門のCO2削減のため、EVなどのゼロエミッションビークルの普及促進に向けた助成措置を拡大すること。また、環境性能が高く、誰もが利用できるユニバーサルデザインタクシーの普及を推進すること。さらに、EV充電設備の整備のため、集合住宅への導入支援を拡充していくこと。
 一、PM二・五や光化学オキシダントの原因となる揮発性有機化合物、VOCの排出削減対策を一層推進すること。
 一、フロン排出量の削減を一層推進するため、都有施設の排出削減に取り組むこと。また、漏えい量の多い事業者や建設解体現場に対し、フロンGメンによる立入りの指導等を継続して実施すること。
 一、建築物の解体工事等におけるアスベスト飛散防止対策を強化するとともに、災害発生時のアスベスト対策について、都、区市及び関係団体が連携した実効性のある対策を実施できるよう取組を進めていくこと。
 一、有害廃棄物の適正処理を徹底するほか、処理期限が迫るPCB廃棄物について、中小企業等への支援を積極的に実施すること。
 一、各自治体がリチウムイオン電池の安全な回収を確立できるように、都が財政的、技術的支援を行うこと。
 一、中小零細事業者が円滑に土壌汚染対策を進められるよう、技術的な支援に引き続き取り組むこと。
 一、外濠浄化プロジェクトについて、清流復活事業の知見や経験を踏まえて、関係各局と連携して積極的に事業を推進すること。
 一、東京に残された貴重な自然を保護、回復する施策を着実に進め、多摩の森林再生事業など、緑の再生に引き続き取り組むこと。
 一、生物多様性の確保、保全と回復に向けて全庁的に取り組むとともに、都民や企業などにその価値や意義を伝え、行動を促進すること。また、積極的に外来種対策を進めること。
 一、小笠原諸島の自然環境を保全する取組を着実に推進すること。
 一、東京都版エコツーリズムの推進や協議会などによる地域との連携、障害者の利用促進、また、自然環境情報の収集、分析、発信の検討など、新しい時代の自然公園を目指すこと。
 一、資源循環型社会の構築を目指し、プラスチックなどの資源ごみの3Rに取り組み、資源の有効活用を推進するとともに、ごみの総量削減に一層取り組むこと。
 一、脱炭素時代の量産製品が、かえって環境負荷になることがないよう、住宅用の太陽光パネルのリユース、リサイクルに取り組むこと。
 一、事業者等の食品ロス削減に向けた自主的な行動を支援するため、商習慣の見直しの働きかけや、フードバンク等への食品寄贈の促進、消費者向けの普及啓発など、取組を積極的に展開すること。
 最後に、建設局関係について申し上げます。
 一、都市の骨格を形成する幹線道路、地域幹線道路及び山間・島しょ地域の振興を図る道路の整備を積極的に推進すること。特に多摩地域について、東西、南北方向の道路を重点的に整備すること。さらに、山間・島しょ地域の道路整備については、異常気象に対応する防災機能の強化を推進すること。
 一、都道における境界確定の索引図を電子化し、ホームページで広く都民の利便性向上を図ること。
 一、用地取得について、都は、体制を拡充し着実に推進すること。
 一、防災上整備効果の高い木造住宅密集地域における特定整備路線について、関係者に寄り添った丁寧な対応をもって整備を推進すること。
 一、道路交通の円滑化と踏切事故の解消を図るため、道路と鉄道の連続立体交差事業を推進し、開かずの踏切の早期解決を図ること。
 一、集中豪雨による溢水被害など都市型水害を早急に解消するため、中小河川の護岸や調節池などを早期に重点的に整備すること。さらに、近年頻発する時間五十ミリを超える局地的かつ短時間の集中豪雨にも対応できるよう、治水の目標整備水準を引き上げた中小河川の整備方針に基づく対策を一層推進し、水害の早期軽減に向けた河川整備を推進すること。
 一、高潮や地震時の水害から東部低地帯を守るため、護岸や防潮堤の整備など、高潮防御施設や江東内部河川の整備を積極的に進めるとともに、東部低地帯の河川施設整備計画(第二期)に基づく水門や堤防等の耐震、耐水対策を着実に進めること。
 一、耐震性の強化による安全性向上や水辺のにぎわいの創出による美しい景観形成のため、隅田川などにおいてスーパー堤防やテラスの整備などを積極的に進めること。
 一、土砂災害のおそれのある箇所について、警戒区域等指定による避難体制の整備と、区域内に存在する要配慮者利用施設を守る砂防事業を早急に進めること。
 一、災害時の救援、救助活動拠点や避難場所となる都立公園の防災機能の強化充実を図り、災害に強い都市をつくること。
 一、防災船の建造に当たっては、災害対応力の強化を図り、実効性を高めること。
 一、道路の無電柱化や歩道の整備を積極的に推進し、美しい都市景観と安全で快適な歩行空間の創出を図ること。また、無電柱化を面的に広げるため、区市町村道に対する支援を行うこと。
 一、歩道のバリアフリー化や視覚障害者誘導用ブロック設置など、高齢者や障害者に優しいまちづくりを進めること。
 一、都内各地で誰もが安全で安心して移動できる自転車通行空間を確保するため、交通管理者や区市町村と連携し、都道だけでなく国道や区市町村道と一体的に整備を進めること。
 一、緑の拠点である都立公園の整備促進を図るとともに、緑のネットワークを形成する道路や河川護岸の緑化を推進し、緑豊かな成熟した都市の実現を図ること。
 以上をもちまして、都議会公明党を代表しての意見開陳といたします。

○原委員 日本共産党東京都議団を代表して、環境・建設委員会に付託されました二〇二三年度東京都予算案について意見を述べます。
 予算案は、都税収入が過去最高だった今年度予算より五千七百億円増え、予算規模も過去最高です。一握りの大手企業や富裕層がますます豊かになる一方で、物価高騰やコロナ禍で苦しむ人に必要な支援が行き届いていません。
 スウェーデンの国家予算を超える東京都の巨大な財政力を、住民福祉の増進を基本的責務とする地方自治体として、全ての都民の暮らしと営業を守り抜き、格差と貧困を是正するために使うことを求めるものです。
 気候変動対策では、東京ゼロエミ住宅、既存住宅の断熱、太陽光パネルの設置促進の予算は倍増し、小売電気事業者の再エネ発電整備、太陽光パネルのリサイクル経費も計上されたことは重要です。
 さらに、生物多様性の推進のためにも、大型開発や住民が反対している外環道をはじめとした大型道路計画の見直しを求めます。
 以下、各局別に申し上げます。
 初めに、環境局です。
 環境基本計画で掲げた二〇三〇年カーボンハーフ目標達成のため、部門別目標について、各年度の達成目標を明確にして取り組むこと。
 キャップ・アンド・トレード制度について、次期の見直しで、排出量目標を二〇三〇年カーボンハーフ目標にふさわしく引き上げること。トップレベル認定事業所に対するインセンティブ策をやめること。
 大規模新築建築物などの建設途中及び取壊し途中の環境負荷の実態を明確にするとともに、CO2排出削減の目標を義務づけること。
 太陽光パネル設置義務化に向け、条例改正の意義を都民、事業者に周知徹底し、疑問に丁寧に答えるための情報提供と開かれた場での議論を保障すること。薄型軽量パネルの開発普及に取り組むこと。
 学校をはじめとした都有施設のZEB化を着実に進めるとともに、既存施設の断熱化、再生可能エネルギー機器設置を強力に進めること。
 気候市民会議を開催し、脱炭素社会の実現に向けて、都民と共に検討を行うこと。
 賃貸住宅の断熱化、省エネ化を特に進めるための対策に取り組むこと。
 都内消費電力の再生可能エネルギー利用割合を五〇%まで引き上げるため、エネルギー環境計画書制度における電力供給事業者への再エネ目標の設置については、都の目標にふさわしく実効性あるものにすること。
 気候正義の立場から、低所得層への電気代の補助や住まいの断熱化等の対応に取り組むこと。
 東京ゼロエミ住宅や既存住宅の断熱性向上と太陽光発電の普及促進のため、ワンストップ相談窓口の相談員をはじめ、職員の増員など体制を強化するとともに、補助額のさらなる拡充と補助対象枠の拡大を図ること。
 省エネ促進、再エネ普及拡大のため、区市町村補助制度を拡充すること。
 都内の貴重な自然を保全するための保全地域の公有化を強力に進めること。
 都内の貴重な緑である樹木の伐採を抑制できる仕組みを検討すること。
 民間企業も生物多様性に貢献できるように、都として支援すること。
 羽田空港、横田基地などの周辺騒音や新飛行ルートの騒音実態把握を強化し、国に対し、環境基準の遵守と騒音対策の徹底を求めること。
 新飛行ルート運用開始による環境基準の適用範囲の見直しについては、現状の全飛行地域を指定すること。
 容器プラスチックと製品プラスチックの回収を全自治体で取り組めるよう、未実施の区市町村への支援を強化すること。生産、販売、回収、再資源化の全工程で廃プラスチックの大幅削減を進めること。
 3Rを推進し、焼却ごみを抜本的に減らすこと。
 アスベスト対策として、事前調査への補助や、適切に処分するための費用補助を創設すること。
 有機フッ素化合物による汚染について、汚染源を明らかにするためのさらなる井戸での調査、土壌中の調査などを進めること。
 次に、建設局です。
 都市河川、内部河川の改修をはじめ、調節池、貯水槽、雨水貯留浸透施設の整備など、総合治水対策を強化し、ゲリラ豪雨被害を食い止めること。
 多摩地域の河川の氾濫の危険を回避するため、しゅんせつの計画的実施などの予算を増やすこと。
 東部低地帯などの河川の水門、堤防などの耐震強化を促進すること。治水対策にはならず、まち壊しとなる高規格堤防と一体で行う高台まちづくり事業は中止し、粘り強い堤防の強化へ抜本的に施策を改めること。
 崖崩れ防止のため、のり面などの補強や擁壁の設置、基礎の強化等に取り組む所有者等に対して、都として財政的、技術的支援を行うこと。
 土砂災害警戒区域にある避難所や要配慮者のいる二十四時間滞在型施設について、全て調査をし、対策を講じること。
 砂防事業を大幅に拡充し、急傾斜地崩壊対策事業費も抜本的に予算を増やすこと。
 土砂災害警戒区域のハザードマップの作成について、区市町村への支援を行うこと。
 外環道は、調布市での陥没事故の原因究明も補償も不十分なまま、住民合意抜きに地盤補修を強行しないこと。事故の再発防止策もなく事業費が膨らみ続ける外環道事業は中止すること。
 特定整備路線や優先整備路線などの幹線道路の整備については、強引な推進、事業化を中止、撤回し、関係住民の要望に基づいて見直しを行うとともに、住民反対の強い計画は廃止を含めて検討すること。
 自転車専用道路や自転車走行レーンの整備を促進すること。
 多摩・島しょの生活関連道路の整備、特に、歩道整備やバリアフリー化、街路樹の保全など、環境に優しく、防災、安全に配慮した道路の普及を促進すること。
 交通渋滞解消のため、第三次交差点すいすいプランを強化すること。
 道路補修サイクルを引き上げること。また、遮熱性舗装や保水性舗装などのヒートアイランド対策を推進すること。
 無電柱化は、既存の道路及び区市の道路においても、道路街路樹の保全など住民の意見を尊重して進めること。
 低価格入札を防止し、都が発注する工事や物品の品質や安全性を確保し、下請業者や労働者へのしわ寄せを防ぐとともに、労働環境改善やジェンダー平等が促進されるよう、契約の在り方を改善すること。
 道路と鉄道の連続立体交差化事業については、住民の意見を尊重すること。
 都市計画公園の整備目標を大幅に引き上げること。都立公園を増やし、面積を広げるとともに、区市町村による公園整備への支援を強化すること。
 都立公園は都民共有の財産であり、営利目的で活用するパークPFIの導入は行わないこと。明治公園、代々木公園、日比谷野外音楽堂についても見直すこと。
 公有地、工場跡地、未利用地を活用して、緑を保全、回復させる公園、防災機能を備えた公園の整備を促進すること。
 葛西臨海水族園の整備事業については、専門家と共に、広く利用者、市民の意見を聞いて、計画づくりを絶えず公表しながら進めること。施設計画では、樹木の伐採を避け、淡水生物館を保全し、既存施設の利活用を新施設と一体に進めること。
 都立霊園、都立葬儀所の使用料については、都民誰もが利用できる低廉な料金設定を行うこと。
 以上です。

○須山委員 東京都議会立憲民主党を代表して、当委員会に調査を依頼された令和五年度予算案に係る議案について意見の開陳を行います。
 東京都の令和五年度予算は、法人二税、地方消費税等の税収入の増加を背景に、昨年に続き、過去最高の一般歳出予算額となりました。私たちは、未来に向けて投資をするとともに、コロナ禍で苦しんだ末に、急激な物価上昇にあえぐ都民、中小零細事業者に寄り添った支援策にもしっかりと取組が行われるかとの観点から予算案に対する質疑を行ってまいりました。
 物価高騰は、歴史的な水準に達しており、実質賃金の減少で都民生活に大きな影響が出ています。打撃を受けている事業者や都民に手厚く支援することを求めます。
 何よりも、物価上昇を上回る賃上げが必要であり、都としても率先して機運醸成に努めていただくよう求めるものです。
 賃上げは、正社員だけのことではありません。同一価値労働同一賃金、フリーランスや一人親方などの個人事業主にも公平、公正な対価を支払うこと、買いたたきや下請いじめをなくすなど、永年続いたデフレマインドを払拭し、経済を好循環させるためにも、社会全体での見直し機運を高めるよう取り組まれることを求めます。
 子供、子育て支援については、より一層の拡充を求め、特に学校給食の無償化については、教育の無償化に向けた最優先課題として強く要望いたします。
 以上、私たちの総括的な意見を述べ、以下、各局に関わる事項について申し上げます。
 まず、環境局について述べます。
 一、新築住宅等に断熱、省エネ性能の確保や太陽光発電等の設置を義務づける建築物環境報告書制度においては、新制度の円滑な施行に向け、都民、事業者の理解が深まるよう努力すること。
 一、建築物環境報告書制度において、Q&Aを活用し事実に基づく情報発信を強化すること。
 一、東京の地域特性に対応した機能を有する太陽光パネルの設置の普及拡大に向け取り組むこと。また、太陽光パネルの新技術などへの支援を積極的に行うこと。そして一大エネルギー消費地である東京都が一大エネルギー生産地となるよう、エネルギーの地産地消を進めること。
 一、電源の確保といったマンションでの在宅避難を可能とする支援策を積極的に進めること。
 一、都庁版VPPとして、複数の都有施設に導入した太陽光発電や蓄電池などを束ね、生み出した再エネ電力を施設間で融通し、最大限活用するとともに、災害時の活用や電力市場への供出も目指すこと。
 一、フロン機器使用時の適正管理展開に向けて実証事業等に取り組み、漏えいを防止し、フロンを一層削減すること。また、小型機器からのフロン排出量削減に向け努力すること。
 一、プラスチックのカーボンニュートラルに向けて取り組むこと。そのため、プラスチックごみの分別、再資源化支援策を拡充すること。
 一、河川からのマイクロプラスチック流出を減らす取組を進めること。
 一、持続可能な社会をつくるため、事業者がサーキュラービジネスに取り組めるよう先導すること。
 一、都民への食品ロスに関する正しい理解の促進に向けた普及啓発や、小売や飲食店など事業者による食品ロス削減に係る優良な取組事例の共有などを実施すること。また、フードテックを活用して、食品ロス削減に取り組むこと。
 一、デジタル技術を効果的に活用するなど、都民に東京に残された自然の豊かさを発信していくこと。
 続きまして、建設局について述べます。
 一、多摩地域のさらなる発展には、幹線道路の整備が極めて重要であるため、多摩南北主要五路線のうち、残る二路線についても、早期の開通に向け、取組を加速させること。
 一、都道の無電柱化を着実に進めること。あわせて、区市町村道も含めた面的に無電柱化を推進していくこと。
 一、自転車利用を円滑にできるよう、自転車走行空間の整備事業を効果的かつ適切に実施し、区市町村その他の関係者と連携して必要な措置を講じること。
 一、等々力大橋や関戸橋などの橋梁整備を進めるとともに、長寿命化や耐震補強、橋梁補修など、安全性向上に取り組むこと。
 一、鉄道の連続立体交差事業を推進すること。
 一、都内中小河川の護岸整備を着実に推進するとともに、仙川第一調節池といった調節池などの整備を早急に行うなど、緊急豪雨対策を進めること。
 一、江東内部河川の整備や東部低地帯における耐震、耐水対策は、都民の安全・安心を守るために重要な取組のため、着実に進めること。
 一、都立公園の整備を進めるとともに、防災機能の強化充実に取り組むこと。
 一、公園の魅力や価値を向上させ、四季を通じた花と光の演出を行う花と光のムーブメント事業については、都民などの参加総数や成果などをしっかりと検証すること。
 以上で東京都議会立憲民主党を代表しての意見開陳を終わります。

○漢人委員 二〇二三年度、令和五年度東京都一般会計予算に対するグリーンな東京の意見開陳を行います。
 一部の企業や富裕層が、株価バブルや国家財政のてこ入れにも支えられて増収増益の恩恵にあずかったことを背景として、税収増となっております。
 一方で、三年に及ぶコロナ禍に加え、物価高、エネルギー高騰により、医療、生活保障の脆弱さは一層深刻さを増し、恒常的な在り方の再構築が求められていますが、そのような視点、対策が見えません。
 今年は関東大震災から百年の節目の年であり、これを契機に百年先も安心を目指すとしながら、超高層ビルや道路建設を優先する都市整備、開発事業が大きな予算を伴って加速化されようとしています。
 親しまれてきた貴重な都市の自然を破壊することなく、農地、緑地の保全、大型自然公園の確保、緑のネットワークの形成、自然型河川、グリーンインフラの整備拡大など、気候と生物多様性という大きな危機を乗り越えていくためのまちづくりへと大転換を図ることが求められています。
 地元市民の民意に反し、自然環境を破壊する小金井二路線をはじめ、各地で大きな係争ともなっている都市計画道路事業の検証、見直しは、都政の大きな課題です。
 関東大震災百年を契機に行うべきは、朝鮮人等虐殺の歴史的事実に向き合い、現在に続く差別の構造を変えていくための人権啓発事業や朝鮮学校への私立外国人学校教育運営費補助金の交付再開など、人権尊重の視点からの施策の検証と強化です。
 積極的投資としてチルドレンファーストが掲げられ、十八歳までの月五千円給付や第二子保育料無償化などに約一・六兆円が計上されています。しかし、産ませようとする短絡的な少子化対策では、成果は期待できません。
 保育士の待遇改善や給食無償化など、保育や教育の基本的な質を高めるような子育て、子育ち環境の着実な改善への取組は、依然として不十分です。こども基本条例にも沿った真のチルドレンファースト施策を求めます。
 都立高入試への英語スピーキングテスト導入が強行され、問題の検証も全く不十分なまま入試活用の継続と中学一、二年生にまで拡大することを認めることはできません。
 昨年来のエネルギー高騰は、根本的には再エネを十分に促進してこなかったことが原因であり、新築住宅への太陽光発電義務化などの条例改正に伴う再エネ促進予算は評価をいたします。電力供給の七割を超える東京電力の再エネ促進義務化も急務です。
 他方で、賃貸住宅に住む低所得者層は、エネルギー高騰による負担増に直撃されています。今後も脱炭素化のためにはカーボンプライシングが想定され、エネルギー貧困世帯への支援がますます重要になります。福祉と連携したエネルギー貧困世帯問題の解決への政策を早急に具体化すべきであり、そのための予算措置が必要不可欠です。
 ジェンダー平等、子供の人権、多文化共生など、誰もが自分らしく生きていける社会に向けた東京を実現する施策の展開を強く望みます。
 次に、環境局に対して申し上げます。
 無作為抽出の市民参加による気候市民会議を設置すること。
 福祉所管と連携してエネルギー貧困世帯の調査を行い、対策を促進すること。
 二〇三〇年までに石炭火力発電所の廃止を東京電力と政府に要請すること。
 再エネ比率の大幅引上げを東京電力に株主提案するなど要請すること。
 大株主の立場から、東京電力に対して原発事故の責任と補償を要請すること。
 大規模建築物環境計画書制度強化の二〇二五年四月施行に向けて着実に実効性を高める方策を検討すること。
 電力供給事業者の再エネ割合の拡大を誘導するエネルギー環境計画書制度強化の二〇二四年四月施行に向けて、再エネ電力割合の二〇三〇年度目標水準は五〇%以上とすること。
 保育園、学校、公共施設の再生エネルギー一〇〇%へ向けて加速すること。
 急増している代替フロン対策の強化のために、フロン税を導入すること。
 総量削減義務と排出量取引制度、キャップ・アンド・トレード制度の第四計画期間の削減率は五〇%以上とすること。
 既存住宅の断熱、太陽光促進政策をさらに強力に推進すること。
 新築公共施設、商業ビルのエネルギーゼロを徹底すること。
 東京ゼロエミ住宅基準に、より高い環境性能を定めて助成額も拡大すること。
 新築住宅への再エネ導入、断熱などの規制制度の新設、強化を早期に導入にすること。
 新築住宅のライフサイクルアセスメントを調査検討し、CO2排出量を低減すること。
 CO2排出量の少ない集合住宅へ誘導する政策を検討すること。
 市区町村の再エネ導入を支援し拡大すること。
 地域公共交通機関と自転車道の拡充、利用を促進すること。
 エネルギーの地産地消とソーラーシェアリングを推進すること。
 グリーン調達を促進すること。
 気候災害へのしなやかな適応力を強化すること。
 大規模な樹木伐採を抑制し、都内の樹林をつなぐグリーンベルトを維持し、生物多様性の保全を強化すること。
 生物多様性地域戦略を速やかに策定、公表し、庁内推進会議を早急に設置すること。
 新宿御苑における放射能汚染土再生利用の実証事業について、環境省に要請した地元自治体や住民への説明、適切な情報開示などの履行を求めること。
 檜原村で計画されている産業廃棄物焼却場建設に、住民に寄り添って対応すること。
 神宮外苑再開発はイチョウ並木の保存をはじめ、抜本的見直しを求めること。
 PFAS地下汚染を受けて、都内飲用井戸の大規模調査を早急に行うこと。
 次に、建設局に対して申し上げます。
 都市計画道路小金井三・四・一号線、小金井三・四・一一号線ほかの事業化に向けた一切の手続を行わないこと。
 東京外かく環状道路陥没事故の被害者を救済すること。
 東京外かく環状道路陥没事故の原因究明と再発防止策が図られるまでは、工事を再開せず、事業計画全般の再検証を行うこと。
 住環境や商店街、地域コミュニティを壊す特定整備路線は、事業中止に向けて見直すこと。
 時代にそぐわない都市計画道路の根本的見直しを行うこと。
 自転車専用ゾーンを拡充すること。
 国分寺崖線の保全、野川第一調節池、第二調節池地区自然再生事業の予算を増額すること。
 野川流域河川整備計画の最上流部未着手区間の整備を早期に実施すること。
 身近な緑、里山的環境、自然型河川の保全、復元に取り組むこと。
 西武新宿線井荻駅−西武柳沢駅間の連続立体交差事業は、関係者の理解を得られるよう、事業計画の見直しも含め、適切に対応すること。
 練馬城址公園の整備に当たっては、設計段階から地域の声を受け止め、緑、生態系、水環境の保全を図ること。
 以上です。

○里吉委員長 以上で予算案に対する意見開陳を終わります。
 なお、ただいま開陳されました意見につきましては、委員長において取りまとめの上、調査報告書として議長に提出いたします。ご了承願います。
 以上で予算の調査を終わります。

○里吉委員長 次に、付託議案の審査を行います。
 第六十四号議案から第六十七号議案まで及び第九十六号議案を一括して議題といたします。
 本案につきましては、いずれも既に質疑を終了しております。
 この際、本案に対し発言の申出がありますので、これを許します。

○曽根委員 まず、第六十四号議案、東京都省エネルギーの推進及びエネルギーの安定的な供給の確保に関する条例の一部を改正する条例案について、日本共産党都議団の意見を述べます。
 今回の条例改正は、国の法改正に合わせ、条例に書き込まれている法律名を変更するものです。しかし、それは単なる文言修正として片づけるわけにはいかず、条例の意味、内容を大きく変えてしまうことにつながるものです。
 今回、国の法改正では、エネルギーの定義が変更されました。すなわち旧法では、エネルギーのうち、燃料に該当するものは、石油製品並びに石炭製品でした。ところが、今回の法改正で、この燃料が化石燃料並びに非化石燃料に置き換えられ、そして非化石燃料とは、水素その他の化石燃料以外であると定義されています。そして、この非化石燃料にはグレーアンモニアが含まれていることが、我が党の国会質疑で明らかになっています。
 今回の法改正によって、非化石エネルギーへの転換という文言が盛り込まれましたが、つまるところその意味は、水素やアンモニアの活用を促進し、特に石炭火力発電の延命を図り、二〇五〇年時点でも最大四十基もの石炭火力発電を残す立場に立つことにほかなりません。
 そして今回の条例改正では、法律名を書き換えることによって、今述べたような法改正で定義が変更されたエネルギーを条例が定義するエネルギーとすることとなります。さらに条例では、省エネの推進とともに、エネルギーの安定的な供給の確保やそのために都が国などとの連携及び協力を図ることに努めるよう規定しています。
 我が党は、いうまでもなく省エネを積極的に推進すべきという立場であり、エネルギーの安定供給も当然重要だと考えていますが、今回の法改正の内容を踏まえれば、本条例の規定に賛同することはできません。よって、本条例改正案には反対するものです。
 次に、第九十六号議案、令和五年度の連続立体交差事業の実施に伴う費用の関係特別区・市の負担についてに対する意見を述べます。
 本議案には、都内の十三か所の連続立体交差事業の関係する区や市の費用負担が提案されています。このうち、世田谷区の京王線笹塚駅−仙川駅間、杉並区の同じく京王線笹塚駅−仙川駅間、北区のJR赤羽線十条駅付近、板橋区の東武東上線大山駅付近、練馬区の西武新宿線井荻駅−西武柳沢駅間、同じく西東京市の西武新宿線井荻駅−西武柳沢駅間については、いずれも高架化事業に対して、地元住民から地下化にすべきとの要望運動が起きており、これらについて反対するものです。
 そのほかの連立事業については賛成することを表明して、意見とします。
 以上です。

○里吉委員長 発言は終わりました。
 これより採決を行います。
 初めに、第六十四号議案及び第九十六号議案を一括して採決いたします。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○里吉委員長 起立多数と認めます。よって、第六十四号議案及び第九十六号議案は、いずれも原案のとおり決定いたしました。
 次に、第六十五号議案から第六十七号議案までを一括して採決いたします。
 お諮りいたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○里吉委員長 異議なしと認めます。よって、第六十五号議案から第六十七号議案までは、いずれも原案のとおり決定いたしました。
 以上で付託議案の審査を終わります。

○里吉委員長 次に、請願陳情及び特定事件についてお諮りいたします。
 本日まで決定を見ていない請願陳情並びにお手元配布の特定事件調査事項につきましては、それぞれ閉会中の継続審査及び調査の申出をいたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○里吉委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○里吉委員長 この際、所管二局を代表いたしまして、中島東京都技監から発言を求められておりますので、これを許します。

○中島東京都技監 発言のお許しをいただき、両局を代表いたしまして、一言ご挨拶を申し上げます。
 今定例会にご提案をいたしました議案につきまして、ただいまご決定をいただきました。
 里吉委員長をはじめ委員の皆様には、熱心なご審議を賜り、誠にありがとうございました。
 委員会審議を通じまして皆様から頂戴いたしました貴重なご意見、ご指摘などにつきましては、今後の事業執行に反映させてまいりたいと存じます。
 今後とも一層のご指導を賜りますようお願い申し上げまして、甚だ簡単ではございますが、お礼のご挨拶とさせていただきます。どうもありがとうございました。

○里吉委員長 発言は終わりました。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後二時四分散会

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