環境・建設委員会速記録第四号

令和五年三月十四日(火曜日)
第九委員会室
午後一時開議
出席委員 十三名
委員長里吉 ゆみ君
副委員長須山たかし君
副委員長曽根はじめ君
理事柴崎 幹男君
理事成清梨沙子君
理事小磯 善彦君
漢人あきこ君
山田ひろし君
原  純子君
渋谷のぶゆき君
伊藤こういち君
こいそ 明君
たきぐち学君

欠席委員 なし

出席説明員
建設局東京都技監建設局長兼務中島 高志君
次長副島  建君
道路監花井 徹夫君
総務部長浅野 直樹君
用地部長澤井 晴美君
道路管理部長荒井 芳則君
道路建設部長湯川 雅史君
三環状道路整備推進部長手塚 寛之君
公園緑地部長小谷  健君
河川部長齊藤 俊之君
企画担当部長建設DX推進・危機管理強化担当部長兼務松島  進君
道路保全担当部長斉藤  有君
無電柱化推進担当部長福永 太平君
道路計画担当部長砂田  覚君
公園計画担当部長根来 千秋君
公園調整担当部長佐々木 珠君
河川防災担当部長周郷 友義君

本日の会議に付した事件
建設局関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 令和五年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為
建設局所管分
付託議案の審査(質疑)
・第六十六号議案 東京都立公園条例の一部を改正する条例
・第六十七号議案 東京都霊園条例の一部を改正する条例
・第九十六号議案 令和五年度の連続立体交差事業の実施に伴う費用の関係特別区・市の負担について

○里吉委員長 ただいまから環境・建設委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、建設局関係の予算の調査及び付託議案の審査を行います。
 これより建設局関係に入ります。
 予算の調査及び付託議案の審査を行います。
 第一号議案、令和五年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為、建設局所管分、第六十六号議案、第六十七号議案及び第九十六号議案を一括して議題といたします。
 本案につきましては、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○浅野総務部長 去る二月十日の当委員会において要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
 お手元の環境・建設委員会要求資料をご覧ください。
 表紙をおめくりいただきますと、目次に十件の資料の件名が記載してございます。
 一ページをお開き願います。1、建設局の事業別予算・決算額の推移でございます。
 この表は、骨格幹線道路など建設局の主な事業につきまして、平成二十六年度から令和三年度までの予算額と決算額、令和四年度当初予算額及び令和五年度予算案の額を表したものでございます。
 二ページをお開きください。2、道路橋梁費における事業別財源内訳でございます。
 この表は、令和五年度予算案における道路橋梁費につきまして、それぞれ事業別に事業費及び国庫支出金などの財源内訳を表したものでございます。
 三ページをご覧ください。3、直轄事業負担金の推移でございます。
 この表は、直轄事業負担金につきまして、平成二十六年度から令和三年度までの決算額、令和四年度当初予算額、令和五年度予算案の額及び各年度の主な事業箇所を表したものでございます。
 四ページをお開き願います。4、建設局に係る中小企業への工事発注実績でございます。
 この表は、建設局が中小企業へ発注した工事につきまして、平成二十五年度から令和四年度までの発注件数、発注率及び金額を表したものでございます。
 なお、令和四年度につきましては、十二月三十一日現在の数値でございます。
 五ページをご覧ください。5、建設局発注工事における事業別入札不調件数及び発生率でございます。
 この表は、建設局が発注した工事につきまして、令和二年度から令和四年度までの入札不調件数及び発生率をそれぞれ事業別に表したものでございます。
 なお、令和四年度につきましては、十二月三十一日現在の数値でございます。
 六ページをお開き願います。6、骨格幹線・地域幹線道路の計画概要と進捗状況でございます。
 六ページから九ページの表は骨格幹線道路について、一〇ページから一五ページまでの表は地域幹線道路につきまして、それぞれ整備計画の概要と進捗状況及び用地取得率を路線別に表したものでございます。
 一六ページをお開き願います。7、都市計画道路の整備方針における未着手路線(建設局施行)でございます。
 一六ページから二〇ページまでの表は、平成二十八年三月に策定されました東京における都市計画道路の整備方針(第四次事業化計画)のうち、令和四年十二月三十一日現在におきまして未着手となっている路線名、区間、延長を表したものでございます。
 二一ページをご覧ください。8、骨格幹線・地域幹線道路の事業化前の調査費計上路線でございます。
 二一ページから二三ページまでの表は、骨格幹線道路と地域幹線道路の事業化前の調査費計上路線につきまして、令和五年度の予算案に計上している路線名、区市町村、金額を表したものでございます。
 二四ページをお開き願います。9、特定整備路線の進捗状況(建設局施行)でございます。
 この表は、建設局が施行する特定整備路線につきまして、令和四年十二月末現在の境界立会い率及び用地取得率を路線別に表したものでございます。
 最後に、二五ページをご覧ください。10、砂防、地すべり対策、急傾斜地崩壊対策の整備箇所でございます。
 この表は、砂防、地滑り対策、急傾斜地崩壊対策につきまして、令和三年度の決算額、令和四年度当初予算額、令和五年度予算案の額を箇所別に表したものでございます。
 以上で要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○里吉委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本案に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○こいそ(明)委員 それでは、建設局の様々な政策、施策の私どもに関連する地元中心で大変恐縮ですけれども、質問をさせていただきたいと思います。
 近年、台風や集中豪雨による土砂災害が頻発、激甚化しております。全国各地で毎年のように発生しているわけでありますけれども、昨年も、昨年の特に八月上旬の大雨で、北陸から東北の広い範囲にかけて、多数の土砂災害が発生をしました。
 一方、都においては、令和元年の土砂災害以降、幸いにも大きな災害は発生しておりませんが、いつ、どこで、どのように土砂災害が発生するか−−しては困りますけれども、そのような状況をやはり想定していかなきゃいけないと思います。
 都内の土砂災害警戒区域は、その大半が急傾斜地の崩壊による区域であり、都でも斜面対策を実施されているわけでありますけれども、そこで、都内の急傾斜地崩壊対策事業における現在の取組状況についてお願いをしたいと思います。

○周郷河川防災担当部長 都は、土砂災害のおそれのある自然斜面におきまして、急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律等に基づきまして、急傾斜地崩壊対策事業を実施しております。
 令和四年度は、多摩市和田地区など十一か所で工事を実施し、そのうち、青梅市河辺町一丁目地区など三か所が完了いたします。
 令和五年度は、新たにあきる野市山田地区を加えた九か所で工事を実施するとともに、青梅市友田町二丁目地区など三か所で工事に向けた設計を行う予定でございます。

○こいそ(明)委員 ただいまご答弁をいただきましたが、その中で工事実施中の、私、地元でもあるんですが、多摩市内の和田地区、ここは要配慮者利用施設でありまして、啓光学園というですね、そういう施設があるわけでありますけれども、日々多くの方々がそこを利用されているわけであります。
 地元からは、過去において、これは台風、様々な大雨が続いているときとか、そういうところでもあるわけでありますけれども、施設のちょうど後ろ、背後に山があるんですね。この崖崩れが非常に頻繁に起きるということ。土砂の流出が度々そのように発生をしているわけであります。
 このような中で早期の完成が望まれているわけでありまして、その中でも建設局はこの現状を調査していただいて、適切な対応をしていただいているわけでありますけれども、この地区における工事を含めた進捗状況及び今後の取組についてお願いします。

○周郷河川防災担当部長 多摩市和田地区につきましては、平成二十八年九月に多摩市からの要望を受けまして、平成三十年度から事業を実施してございます。これまでに斜面をコンクリートで防護するのり枠工などを実施いたしまして、全体の約七割に当たる斜面対策が完了しております。
 来年度も引き続き工事を実施いたしまして、令和六年度に完了する予定でございます。

○こいそ(明)委員 当該地区の斜面対策が着実に進んでいるということは理解しました。
 また、私ども、南多摩地区の中で、稲城市でありますけれども、JR南武線、そこには南多摩駅というのがございます。多摩サービス補助施設がある当該駅でもあるわけでありますけれども、前回、昭和三十九年ですかね、東京オリンピックのときに、あの丘陵地帯は、かなり山砂を採取されたんですね。
 ところが、その後において、工事半ばにする、または、倒産をされてそのままストップしてしまうとか、そういう事案が何か所かあるわけなんですけれども、その一つとして、今申し上げるところも山砂を採取したことによって、実質高さ三十メーター、横幅百メーター、そして、急角度ですね、これ。場所によっては本当に急角度のところもあります。非常に危ない。
 こういうところがその後ずっと現状のまま今に至っているわけなんですけれども、そこのところは南武線の連続立体交差化事業が完成いたしました。すぐ至近なんですね。そういう、いわゆる鉄道が走っているわけでありますけれども、それとともに、多摩川もあります。多摩川まで行く間に、そのような崖地の下ですかね、ほぼほぼ下ですね、北側なんですけれども、そこのところにもかなり工場だとか宅地が整備、展開をされているんですね。
 そして、さらに是政橋の架橋に伴った、拡幅整備に伴った、そのとき道路整備してもらいましたよね。それは川崎街道と接続しているんですね。その周辺も大きく変化しているんですね。こういう駅至近のところに依然として、今申し上げたような急斜面地、そして、これは土砂災害警戒区域指定されましたけれども、特別がつくんですよね、これ、レッドの中でも。
 こういうような現状があるわけなんですけれども、このJR南多摩駅西側の斜面における都の認識について伺いたいと思います。

○齊藤河川部長 土砂災害から都民の命を守るためには、土砂災害警戒区域等の指定により、土砂災害が発生するおそれのある区域を明らかにすることで、住民等に危険を周知し、迅速な避難行動が取れるように備えることが重要でございます。
 JR南武線南多摩駅西側の斜面につきましては、稲城市と連携し住民説明会を開催の上、平成三十一年三月に土砂災害警戒区域等を指定いたしました。これによりまして、稲城市では、緊急時における情報伝達方法などの地域防災計画への記載や、土砂災害ハザードマップの配布を行っており、住民の円滑な避難行動など、地域の警戒避難体制の整備が促進されております。
 また、都は来年度、気象情報の活用方法や避難の重要性などを説明する地域住民向けの出前講座を開催いたします。
 今後とも、都民の安全・安心の確保に向け、地元自治体と連携を図りながら、土砂災害対策を着実に進めてまいります。

○こいそ(明)委員 認識といいましょうかね、状況をよく把握していただいていると思いますし、地元市との連携対応ということもそのとおりだというふうに思います。
 さりとて、今私が前段申し上げたような状況が、これはもう五十年以上続いているわけですね。ですから、これは私も実はもう何かこう責任を感じているんですよ。その中で、状況がかなり変わってきていまして、かといって、なかなか難しいのは、所有者が変わるんですね、ご案内のとおり。
 ですから、私権の部分がまだあるんだけれども、さりとて、大変この状況は本当に自問自答というかいろいろ考えるところなんですけれども、ぜひ、さらにもう一歩、認識をさらに深めていただく中で、これは、都市整備局との関わりは結構ありますよね。ですから、そういう部分で、建設局だけではなくて、ぜひ横断的に各局との連携をする中で、どのようにしたら危険が除去できるか。
 避難というお話がありましたけど、避難をするときの誘導も大切ですけど、それ以前の崩落しないことがやっぱり大切だと思いますので、ですから、こういうことの中で、ぜひしかるべき、地元もそうです、地元の自治体も当然そうだと思いますけれども、ぜひ連携を取って、できること、建設局としてもやっぱり、東京都としてできることをぜひお考えいただきたいなと思います。
 引き続き、南多摩周辺のですね、周辺といっても本当に駅の至近なんですよね。まさにこの周辺の土砂災害防止に向けて、様々な意見もお聞きをいただく中で、状況認識をさらに深めていただく中で、今申し上げてしまいましたけれども、都として可能な対策を実行していただきますように強くお願いをいたします。
 それでは、次に、これも何回となく取り上げさせていただいているんですが、都道の関係で、鶴川街道と、それから通称尾根幹線という、南多摩尾根幹線。これをちょっと続けてお聞きをさせていただきたいなというふうに思います。
 まず初めに、都道鶴川街道ですね。
 これはもう都技監はじめ、道路監もそう、皆さんが現場に行っていただいて、非常に状況把握といいますか、相努めていただいて、しかるべき対応をしていただいているんですが、ここはまさに見ていただいたように、一車線一車線で非常に狭隘な道路。そして、前にもいいましたけれども、歩道らしい歩道がないというところなんですね。
 都道で歩道がないというのもありますけどね、いろんな理由があることはあるんですけれども、もう放置はできないですね、これ、はっきりいいまして。この区間だけなんですよ、これ。こういう状況がまだ今も現状としてですね、こう危険が横たわっているというか、危険を感じつつ横断したり通行したりしているところは。
 私はちょうど都議会で四年間ばかり、ちょっと委員会でこういう質問ができないという、じくじたる思いがありましたけれども、その以前は非常に積極的に地元説明会をしていただいたり、でも、その後の四年間は、いろいろ私も見聞きする中でも、あまり動きがなかったようなんですね。その後において、用地買収は非常に活発というか精力的に進めていただいていることは事実です、これは。
 そういう中でも、私はやはり、都道としてのいわゆる道路形態といいますかね、スムーズに通常車両が通行していかなきゃいけない。こんなの当たり前の話ですけれども、ところが、狭隘だと、いろんな地形によって、それとともに見通しが非常に悪い。さらには、今申し上げたように歩行者専用道がないとか、いろんな状況があるわけですね。
 こういうものを一刻も早く是正というかね、これはもう除去していただきたいということなんですが、その中でも、この区間の、まずは大切な用地買収ですから、用地取得について、今までも現状としてどうなのか、取り組んでおられるその現状について教えてください。

○澤井用地部長 鶴川街道百村区間の用地取得率は、令和五年二月末時点で三四%となっており、令和三年度末時点から十八ポイント増加しております。

○こいそ(明)委員 今、数字を具体的に示していただきまして、進んでいることは間違いないんですよね、これ。
 でも、その中でも、地域のそれぞれ地主さんの意向は、大半の方が協力的であるというふうに私も聞いております。恐らく用地をご担当していただいている職員の皆さんも感じられていることはあろうかと思いますけれども、そういう状況の中で、多くの方が一日も早くこの現状、いわゆる道路の危険状況というものを何とかやはり改善してもらいたい、こういう思いが非常に強いことも事実なんですね。ですから、そういう意味合いの中で、鋭意これからも用地買収を積極的に進めていただきたい。
 とともに、いわゆる用地買収が完了したところ、これ連担性がなけりゃいけないということもいわれますけれども、いわゆる用地買収が一定的に、まあ、何ていうんですかね、確保できたところ、用地が確保できたところですね、ここのところ辺りから、歩道整備なり、なおかつ具体的な道路整備というものに着工できないか、そのあたりどうなんでしょうか。

○湯川道路建設部長 委員お話しのとおり、現道拡幅区間は歩道が狭いこともございまして、危険と隣り合わせになってございます。(こいそ(明)委員「ない、ないんだよ」と呼ぶ)歩道がない区間です。
 この現道拡幅区間は全部で三百八十メートルございますけれども、これまで用地取得が完了し、更地になった箇所など、合計百二十五メートルの区間で暫定的な歩行者空間の整備を行ってございます。
 その整備に当たりましては、アスファルトで舗装し、横断抑止柵を設置することで、歩行者の安全な通行に配慮しているところでございます。

○こいそ(明)委員 ぜひ併せての、今ご答弁いただきましたけれども、やはり現状として、これ、都道として、やはり道路管理者という立場としても、何とか一刻も早くといういい方もちょっとなんですけれども、やっぱりこの辺りは相当な最速で、すなわちこの用地買収とともに、一生懸命やっていただいていますけれども、あわせて、この街路の築造、すなわち道路整備を併せてでき得る工夫をしながら、ぜひ取り組んでいただきたいとお願いをさせていただくところなんですけれどもね。
 いずれにしても、そのあたりを含めて、今ご答弁いただいたんですが、歩道の方は今ご答弁いただきましたが、今後この区間の整備をどのように進めていくのか、その辺り、お願いをしたいと思います。

○湯川道路建設部長 鶴川街道の百村区間でございますけれども、ただいま答弁させていただきましたとおり、歩行者の安全性に配慮いたします。そしてまず、現道拡幅区間、ここから工事を進めていく考えでございます。連担して用地が取得できた箇所から、まず埋設企業者の工事を行いますが、その後、街築工事に着手をしてまいります。
 引き続き、歩行者の安全確保を図るとともに、関係機関との調整を行いまして、百村区間の早期整備に取り組んでまいります。

○こいそ(明)委員 そのように街路の築造、街築工事もぜひ大きく一歩踏み出して着工していただきたいな、取り組んでいただきたいなと重ねて要望させていただきます。
 いずれにいたしましても、よくよくスピード感とか、いろんなことを我々、一方的にいわせてもらいますけれども、担当者の皆さんのご努力には本当に感謝していますし、そういう中でも、もう一歩、もう一歩、ぜひお取組をしていただければ大変ありがたいと思いますので、安全の確保、そしてまた、地域だけじゃなくて、あそこ都道で、川崎及び様々な重要な道路でもあるんですよね、これ。いうまでもないですけれども。地域にとっても大切なんですけれども、ぜひそういうことを、またさらにご理解をしていただいて、ぜひ、今申し上げたように、早期の着工、整備にもう一歩大きく踏み出していただきますように要望させていただきます。
 それでは、続きまして、先ほども申し上げておりますけれども、南多摩尾根幹線の関係であります。
 南多摩尾根幹線、これにつきましても、かなり当委員会でも何回となく質疑等させていただいておりますけれども、多摩ニュータウンをまさに横断する多摩ニュータウン広域行政体、四市ですけれども、そこをまさに横断する。
 さらに、それだけじゃない。これは首都圏全体の広域幹線ネットワークとしても非常に重要な道路だというふうに認識をしております。国道一六号でもそうでありますし、圏央道でもそうでありますけれども、また調布保谷線もそうですね。
 こういうふうに広域幹線道路であるわけでありますけれども、これは四車線化が進んでいるんですけれども、なかなかいま一つの感がある。これは大変失礼なんですけれどもね。
 トンネルや、それから橋梁工事がいよいよ始まりました。これはもうまさに見える、いわゆるその、何ていうんですかね、東京都の取組姿勢というか、それがもう明確に表れていることも事実なんですけれども、来年度の南多摩尾根幹線の整備についてお願いしたいと思います。

○湯川道路建設部長 南多摩尾根幹線でございますけれども、調布市多摩川三丁目から稲城市、多摩市、八王子市を経由いたしまして、町田市小山町に至る延長約十六・五キロメートルの都市計画道路でございまして、現在、四車線化未整備の約九・五キロメートル区間で事業を進めているところでございます。
 令和五年度でございますけれども、擁壁、南野陸橋等の構造物や、道路の中央部の土出しを行う準備工事を進めることとしておりまして、合計約三十二億円の予算を計上しているところでございます。

○こいそ(明)委員 新年度、まあ、来年度四月からでありますけれども、構造物や準備工事等々をさらに進めていくというようなご答弁だったかと思います。
 この準備工事ですね、これは、本線中央部分に連なっている、これは何ていうのかな、切土じゃなくて盛土ですよね、物すごく山脈的に積み上げている、この土を取る土出しということですね。この土が、まさに今申し上げたように、まだまだうずたかく積まれているところがあるんですけれども、かねてから私も、これは車からこう見上げるとかなりの高さでもありますよ、これ。
 そういう中でも、先ほど申し上げたような箇所とはまたちょっと違いますけれどもね、震災対策上も、これはやっぱり問題があるといったら、その後だけれども、土が崩れちゃって通行止めになったことがあるんですよ。ですから、そういう中で、また走行中にということも、中にがらが入っていて、そのがらが飛散したというケースもあるんですけれども、そういう中で、これ何とかしてほしいということの要望をさせていただきました。
 その後、平成二十七年に土砂の一部を撤去して、土質の状況を確認するための現況調査が実施されたんですね、あのときに。そして、事業化した後には、これは準備工事、土出しでありますけれども、進めてもらっています。これまでの土出し工事の進捗状況と今後の取組について。

○湯川道路建設部長 準備工事は令和元年度から開始をいたしまして、令和三年までに多摩市南野地区及び諏訪地区で実施をいたしました。
 また、現在、多摩市鶴牧地区において準備工事を行っているところでございます。
 さらに、多摩市諏訪地区、永山地区及び聖ヶ丘地区では、来年度より準備工事を行ってまいります。

○こいそ(明)委員 計画的に土出し工事というか、土出しをやっていただいているわけでありますけれども、これからもそうなんですけれども、随分進んできたなという感もあります。
 そういう中で、やはり土出しをして一定期間、時間が経過しているところも見受けられるんですね。そういう箇所については、街路工事をもう進められるんではないかというような、一定の区間で可能なところ、こういうところはどうなんでしょうかね。整備を進めていくという。

○湯川道路建設部長 南多摩尾根幹線の整備の進め方につきましては、既に四車線開放した唐木田区間から連続する多摩市鶴牧地区や南野地区の工事を優先させることとしております。令和五年度はこれらの地区における工事を発注させていただきます。
 その他の地区につきましても、トンネルや橋梁等の施工に時間を要する構造部に先行して着手をしておりまして、それらの進捗を踏まえながら街築工事に着手してまいります。
 引き続き、全線四車線化に向け、南多摩尾根幹線の整備を推進してまいります。

○こいそ(明)委員 多摩地域、それぞれの地域地域ありますけれども、やはり道路が非常に狭隘だったり、先ほど申し上げておりますように、歩道がなかったり、えっという感じなんだけれども、現実あるわけですよ。
 そういういろいろな状況下の中で、我々はインフラ整備、やっぱり道路整備というのは、非常に、極めていうまでもないけれども大切なので、当該の南多摩尾根幹線は緊急車両も走れない、これ。そんなばかなことあるかというけど、そうなんですよ。
 余談だけれども、一時、連続放火事件というのが発生したんです。この連続放火事件のときに、これはなかなかゲリラ的にやられちゃったんですけどね、なかなか捕まらない。その中で、消防、警察含めて、これはもう緊急配備してくれてパトロールするんですよ。だけど、尾根幹線を走れないんだ。私はこれは、これはこれはじゃないけどね、この現状を何とか変えていかなきゃいけないなと、強くそのときも思った次第なんですね。
 ですから、何としてでも、広域ネットワーク幹線の重要性というのは、もうそれはそのとおりなんですけれども、さらには、生活道路から、あらゆる状況下から踏まえて。
 それから、さらに、どこでもこれはあると思うんですけれども、特に朝夕かな、このときに一般の住宅地にも車両が通行してきちゃうんですね、どんどんどんどん。こういうこともあったり、非常に地域としても何とか早くということなんですよね。
 そこで、今、トンネル、本当にいよいよ始まりましたけれども、約二千メーター。また、陸橋もありますけれども、このトンネルが完成するのはおおよそ六年の歳月がかかるというお話なんですけれども、これは、今ご答弁によっては、いや、そんなことないなということかもしれないんだけど、やはりトンネル、橋梁等で、構造物を先行して着手するというのは分かります。
 それらの進捗状況を踏まえながら、やっぱり優先的にそれをやるということも分かるんだけれども、でも、それに相当数の年月がかかったときに、やはり何区間か何区間かはもう止まっちゃうような感じがするんですね、動きが。トンネルの工事に集中することによってね。
 ですから、先ほど申し上げまして、何回もいって申し訳ないんですけれども、土を取ったところ、しばらく、もう取って一定の時間がたっているところは当然なんですけれども、ぜひこういうところから、私は積極的にもう着工してもらえないかと。重ねてこれはお願いさせていただきたいなというふうに、要望させていただきたいなというふうに思います。
 現状は、もうるる今申し上げたとおりでありまして、この重要性、様々な道路の持ついろんな意味合いがあります。地域も全て本当によく分かっているんですよ。相当時間の経過がありますけれども、前には、構造的な私は問題になったなという感じもするんですけれども、一時いろんなことがありましたけれども、しかし、今そうじゃないですよ、全然。
 ですから、どうか積極的かつスピード感を持って、道路整備に引き続いて、これをぜひ、今日の段階はこれまでとさせていただきたいと思うんですけれども、よろしくお願いしたいと思います。よろしいでしょうか。最後に決意じゃないけど一言お願いしますよ。

○湯川道路建設部長 南多摩尾根幹線の広域的な重要性についてはこれまでも答弁させていただいておりますけれども、局としてもその認識は一緒でございまして、今年度から事業を所管する事務所に担当の課長を配置するなど、体制の強化も図っているところでございます。
 引き続き、早期に事業効果が発揮できるように取り組んでまいります。

○こいそ(明)委員 部長がしっかりとご答弁いただいたので、分かりました。本当だったら都技監と道路監にご答弁いただきたかったんですけれども、よく分かりましたので結構です。
 それでは、続きまして、丘陵地の公園の整備について伺いたいと思います。
 これはいうまでもない話なんですが、東京の緑が開発などにより減少を続けてきたことも事実で、特に多摩地域ですね。多摩地域は丘陵地の樹林地など、骨格となる緑がまだまだ多く存在しています。これは少なくとも、東京の緑地率といいますかね、東京の緑を大きく支えている要素もあるんではないかなと、こんなことを思うところもあるんですけれども、特に丘陵地に残る雑木林、谷戸など、これは環境局の方にもいっている話なんですけれども、これはちょっとまた各論で、建設に聞きたいんですけれども。
 里山環境は東京の原風景といえます。次世代に継承すべき貴重な財産であり、丘陵地の緑を都立公園として保全することは極めて大切、重要だと認識もございます。
 そこで、多摩地域における丘陵地公園の整備状況についてお願いします。

○根来公園計画担当部長 東京の豊かな自然を守り、継承していく上で、丘陵地の緑を保全することは重要でございます。
 都はこれまで、多摩丘陵や狭山丘陵などにおいて、保全の核となる都立公園の整備を進め、十四か所、約六百八ヘクタールの丘陵地公園を開園してまいりました。
 令和四年度は、野山北・六道山公園や大戸緑地において、散策路や広場の整備、樹林地の間伐や下草刈りなどを進めておりまして、来年度に約二ヘクタールを開園する予定でございます。
 今後とも丘陵地公園の整備を進め、東京の緑豊かな里山環境を保全してまいります。

○こいそ(明)委員 里山環境の保全に向けてご答弁いただきましたけれども、引き続いて、丘陵地公園の整備に取り組んでいただきたいと思います。
 また、私の近くといいましょうか、地元の丘陵地で、これは稲城市なんですけれどもね、小田良という地区があります。区画整理が一旦ここで終了というところなんですけれども、これはかなり広大な面積の中で、各地権者が協力し合って区画整理ができた。そのところは湧水が湧いて棚田が見えるというところがあるんですね。それから、人々の営みとともに育まれてきた、まさに里山景観が残されている谷戸が存在している。
 このことは、今申し上げましたように、土地区画整理事業が終了いたしますので、それに伴って、そこは換地で、私が今いおうとしているところなんですけどね、その箇所にいわゆる換地、都有地なんですね、都の所有になるんですよ。都有地の里山環境は、いわゆる移管されたのかな、もうこれ、その後の里山環境を当然維持していくべきだと考えているところでありますけれども、都の所見をお願いしたいと思います。

○根来公園計画担当部長 里山の自然環境は、人の手が入り続けることで保たれるものでございまして、適切な維持管理を継続することが重要でございます。
 公園予定地でもある小田良谷戸の都有地は雑木林に囲まれており、キンランやタマノカンアオイが見られるなど、多様な生物の生育空間となっております。
 これまで土地区画整理組合により維持管理がなされてまいりました。今後は、都は、地元住民や地元市と連携いたしまして、水田の耕作や雑木林の下草刈りなど、維持管理を継続して実施し、里山環境の保全に取り組んでまいります。

○こいそ(明)委員 今まで申し上げたような区画整理組合の管理で、地元でもいわゆる田畑、当然田んぼをやっていて、そして地元の教育委員会でも、その田んぼを利用して子供たちがまあ、何というんですかね、農作業を行っていた、体験をしてきたわけでありますけれども、そのような多摩丘陵の中でも、いろんな状況、そしてまた里山環境というのはあるんですけれども、特にここは色濃くそのような環境が残されているんですね。
 ですから、この環境はやっぱり残すべきだと思いますけれども、その中でもやはり、長年そこに関わってきた地元の人たちは、思いがやっぱりあるようなんですね。ですから、そういうことで、ぜひ関わりを持って、これからもそういう思いを抱いていただいている方々と共に、このいわゆる里山環境の保全をやっぱり取り組んでいくべきだなというふうに思います。
 それとともに、まあ、この何ていうんですかね、ある一定の面積でありますからね、雑木林もありますよね。それから、今申し上げたような田畑もあると。そういう状況でありますので、この維持管理をどうするのかなということになってくるんですね。
 この中で、維持管理ということは非常に大切だと思うんですけれども、その周辺に実は都有地が結構あるんですよ。これはこれでまた。これはあんまり手がついていません。ですから、かなり深みのある緑じゃない。かなり雑然とするというか、そういう状況になっちゃっているんですけれども、残念ながら。
 これは東京都の区画整理事業というのがありましてね、ちょうど平成九年ですよ。財政的に非常に厳しくなったときに、やっぱり各局で主要な事業の見直しを迫られたんですね。その中でここが入っちゃった。ちょうど私、一年生議員のときだったんだけど、そのときじくじたる思いがありましたけれども。
 その中で、いずれにしても、決まったことは決まったことなんだけれども、そこで先行買収していた東京都の都有地も結構点在しているんですね。そこのところの管理方式もいろいろあるんですよ。局によってみんな違うというのもいかがなものかなと思うけれども、しかし、必要な維持管理的な経費は、これは必要だというふうに思います。ですけれども、周辺状況も勘案する中で、やっぱり一定の管理経費というのは算定されるべきじゃないのかなと思うんですよ。
 それとともに、里山、何回もいって申し訳ないんですけれども、里山環境は、適度に手を加えないと、やっぱり荒廃しちゃうことは事実であります。そういうことのないように、ぜひ地元と協力してやってもらいたいと思うんですけれども、特に当該は都有地になるんですね、まあ、なったというか、なる。
 こういうところの中で、私は、都としてももうお任せ、例えば市の方にお任せじゃなくて、都の思いというのがあるじゃないですか。こう保全していこうとか、こういう環境を何とか残していこうとか、思いがありますよね、当然。であるんだったら、市の方にただずぼっとこうお願いだけじゃなくて、都もやはりそういう思いを持ち続ける中で関わっていってほしいなと思うんですね。
 本当は答弁もらいたいんだけれども、もう今日はこのあたりにしますけれども、ぜひこれからも関係者と地元市、それからそれらの方々も含めて、関係者と東京都がしっかりと連携を取って、これは残された貴重な里山でもありますから、ぜひ保全をしっかりとしていくようにお願いをします。ということで、終わります。

○たきぐち委員 それでは、まず初めに、第六十七号議案、東京都霊園条例の一部を改正する条例について伺いたいと思います。
 昨年十一月から、東京都パートナーシップ制度の運用が始まりました。このことで、宣誓したカップルの都営住宅への入居や、医療機関における診療情報の提供などが可能となり、人権尊重条例の改正と同時に、都営住宅の関係条例なども改正されました。
 先週の予算特別委員会における我が会派の藤井議員の質疑の中で、パートナーシップ宣誓制度の受理証明書の交付件数は、二月末時点で六百六件との答弁がありました。昨年十二月時点では約四百件程度だったということで、この数字は総務局人権部のホームページで確認できるところであります。
 昨日確認したところ、最新の数字にはまだ更新をされておらず、一月末時点で五百十六件ということでありました。四百件、五百件、六百件と、一か月百件程度のペースで増加していることが分かり、宣誓制度を望んでいる方が多いということが再認識できるところであります。
 LGBTQカップルが苦労することとして、死後の住まいであるお墓のことがしばしば指摘をされます。日本の場合、墓石に〇〇家の墓と刻まれることが多くて、家族と一緒に入るという認識が強くありますが、家族や夫婦の在り方、婚姻の形など、価値観が多様化する中で、これまでも、例えば事実婚などにおいても同様の課題があったというふうに思います。
 民法では、第八百九十七条、祭祀に関する権利の承継におきまして、お墓を引き継ぐ祭祀主宰者については明確に定められていますが、埋蔵される遺骨に関しての定めはなく、法的には、誰の遺骨であっても埋蔵することは可能というふうになっています。
 しかし、実際には、墓地の管理規約で、例えば、埋蔵できるのは原則三親等以内の家族までといったように定められていたり、管理規約には定めがなくても、祭祀承継者や親族の理解が得られなかったりということで、トラブルを回避するために管理者側が敬遠するケースなどがあるやに聞いております。
 そこでまず、都立霊園に納骨できるのは親族だけなのか伺います。

○小谷公園緑地部長 都立霊園では、墓所使用者の親族のご遺骨を納骨することが原則となっております。ただし、亡くなった方が親族でない場合でありましても、墓所使用者がその方の葬儀の喪主を務めるなどしていれば、そのご遺骨を納骨することができます。

○たきぐち委員 都立霊園では、既に都立霊園を使用している方であれば、原則親族でありますが、親族でないパートナーの方のご遺骨であっても、葬儀の喪主などを務めるなどしていれば、従前から納骨できていたということが分かりました。
 一方、都立霊園の申込みの際には、墓所施設の種類に応じて様々な資格要件がありますが、昨年十一月の東京都パートナーシップ宣誓制度の導入に伴い、申込み時の取扱いについて一部見直しを行ったと聞いております。
 具体的に都立霊園の申込みはどのように変わったのか伺います。

○小谷公園緑地部長 都立霊園に申し込む際は、申込者とご遺骨の関係が夫婦または親子などの親族であることなどが要件となっております。
 都のパートナーシップ宣誓制度を踏まえまして、昨年十一月から、都のパートナーシップ関係の証明を受けた方々につきましても申込みは可能となっており、随時申し込むことができる一時収蔵施設におきましては、既に運用が開始されております。
 本年六月に実施する年一回の都立霊園使用者募集においても、内部手続を進めておりまして、同様の対応といたします。

○たきぐち委員 ご答弁のありました一時収蔵施設、これは、墓所や納骨堂が見つかるまでの間、一年間、手続をすれば最長で五年間、ご遺骨を預かるというもので、これはパートナーシップ宣誓制度を踏まえ、要領の変更を行って、既に運用を始めているということであります。
 また、年一回の募集についても、今、内部手続を進めているというご答弁でありましたが、これは要綱を変更するということを聞いておりますが、六月の募集に対応するということを確認させていただきました。
 次に、墓じまいについて伺います。
 少子高齢化、核家族化が進行する中で、お墓を承継する人がいないため、墓じまいをする人が多くなっていると聞きます。
 都では、墓じまいを希望する方のための制度として、施設変更制度というものがありますが、どのような制度であるのか。また、平成十五年から始まり、開始当初は年に百件程度の利用実績だったと聞きますが、最近の利用状況についても併せて伺います。

○小谷公園緑地部長 施設変更制度は、都立霊園の使用者で、承継者がいないため墓所の返還を希望する方が、ご遺骨を合葬式墓地に改葬することができる制度であります。この制度により墓所が返還され、合葬式墓地へ改葬された後でも、墓所使用者本人とその配偶者については、生前に登録することで、その合葬式墓地への納骨が可能となっております。
 年間利用件数は、令和三年度は七百三十件、四年度は八百二件であります。

○たきぐち委員 平成十五年からこの二十年間で利用件数が八倍近くになっているということは社会情勢を反映した数字でありまして、この施設変更制度は墓じまいのニーズに応えるものと理解をいたしました。
 ただし、現状では、利用できるのは本人と配偶者となっております。今回の条例改正案にはパートナーシップ関係への適用についても盛り込まれておりますが、今後どのように運営していくのか見解を伺います。

○小谷公園緑地部長 今回の条例改正によりまして、配偶者のほか、東京都パートナーシップ宣誓制度の証明を受けた方も生前登録の対象となります。施設変更制度の申込みは年に三回受け付けておりまして、本年七月の受付分から適用されることとなります。
 今後とも、当事者の方々の思いに沿った施設運営を行ってまいります。

○たきぐち委員 パートナーシップ宣誓制度によって、一時収蔵施設、新規利用、合葬式墓地への改葬、いずれにおいても申込みが可能となるということが分かりました。
 私の知人の住職二人に話を聞いたところ、宗門において、まさに今、このLGBTQの方々に対してどのように対応していくのかということを議論しているというお話がありました。知人の二人はそれぞれ別の宗派であるんですけれども、原則として、法要を行って戒名が与えられお墓に埋葬されるという流れで、例えば男性の戒名は信士や居士、女性の場合は信女や大姉というのが通常でありまして、近年、三十代とか四十代という比較的若い世代の当事者から、自分たちが一つのお墓に入れるのかと、将来が心配だと相談を受けるケースが増加しているということでありまして、今後様々なケースにどのように対応していくべきかということを検討しているというお話でありました。
 都立霊園については宗教宗派を問わないため、比較的スムーズに運用の変更がなされたものと理解をしております。今後、ご答弁がありましたとおり、当事者の思いに沿った施設運営に努めていただきたいと思います。
 次に、インクルーシブ公園について伺います。
 都立砧公園が都立公園第一号のインクルーシブ公園としてオープンしたのが令和二年、二〇二〇年の三月でありまして、翌年、区市町村に対して、インクルーシブ公園を整備する際の補助金が創設され、あわせて、誰もが遊べる児童遊具広場の整備のガイドラインが出されました。
 これによって区市町村での整備が進むと同時に、十月には、都立で二番目となるにじいろ広場が都立府中の森公園に開設されました。
 昨年の第四回定例会で、我が会派の龍円都議の一般質問に対して中島都技監から、私の地元である荒川区にある都立汐入公園で具体の検討を始めているという答弁がありました。
 そこで、汐入公園ではどのような遊具広場として改修していくのか伺います。

○根来公園計画担当部長 汐入公園は、隅田川沿いの豊かな水辺と緑に彩られた公園でございまして、テニスコートや子供たちに人気の遊具広場等があり、多くの方に親しまれております。
 この遊具広場につきましては、老朽化が進んだ遊具の改修の機会を捉えて、ユニバーサルデザインに配慮した遊具を導入するなど、誰もが遊べる広場にリニューアルすることといたしました。
 具体的には、地域の子供等の意見を広く聞きながら遊具の検討を進めており、車椅子に乗りながら利用できる複合遊具や、背もたれつきのブランコなどを新設いたします。さらに、子供たちを見守りながら休息ができるよう、パーゴラやベンチを増設いたします。
 来年度から広場全体の工事に着手し、令和六年度に完成する予定でございます。

○たきぐち委員 南千住汐入地区は、子育てしやすいまちとして常に上位にランクされる地域でありまして、この汐入公園は多くの家族、子供たちに親しまれている公園であります。
 一昨日の日曜日も、私も地域活動の途中で立ち寄らせていただきましたけれども、陽気もよく、芝生に敷物を敷いたり、テントを張ったりしながら、親子でバドミントンしたり、ツインタワー、まあ、これが特徴的なんですけれども、ツインタワーをはじめとした遊具で多くの子供たちが楽しんでいる様子を確認したところであります。
 設計に当たって、地域の子供たちの意見を広く聞いたということでありまして、具体的には、隣接する小学校の各学年にアンケートを取ったり、こども園の保育士さんから意見を聞いたということを伺っております。
 来年度の秋から準備、撤去などが始まって、令和六年度の完成まで一年以上の工事が見込まれているところでありまして、当然ながら、その間、子供たちは遊具を使って遊ぶことができなくなるわけであります。工事中の安全の確保は当然のことといたしまして、工事をどのような計画で行っていくのか。例えば、完成した遊具から順次開放するなど、芝生のエリアも含めて、子供たちの遊び場がしっかりと確保できるよう、地域の声、子供たちの声を聞きながら進めていただきたいというふうに思います。
 先ほど、ユニバーサルデザインに配慮した遊具を導入するという答弁がありましたが、ユニバーサルデザインというのは、誰もが使うことができることを目的としていて、インクルーシブ公園は、誰もが仲間として一緒に遊び、楽しむことを目的としているということを、私も龍円都議からレクチャーを受けました。ユニバーサルのハードだけ整備して終わりではなく、それを使ってどのように遊ぶかというソフト面での対応が重要であります。
 我が会派では、子供の健全な成長において、教育と同じくらい重要であるのが遊びであるという考えの下、私も昨年の第三回定例会の代表質問で、豊かな遊びは子供の身体的能力を伸ばし、探究心、好奇心、感性を育み、他者との関わりからコミュニケーション力にも影響を与えると申し上げ、プレーパークの支援を求め、知事からは、子供たちが自由な発想で外遊びを楽しむことができるよう、区市町村やNPOなどと連携しながら、プレーパークのような遊び場を創出するとともに、子供の遊びや体験の幅を広げる役割を担うプレーリーダーの育成等を推進していくという答弁がありました。
 また、先日の予算特別委員会の代表質疑では、福島都議から、インクルーシブプレーリーダーの育成について子供政策連携室の見解を伺い、来年度から実施するプレーリーダーの育成研修において、インクルーシブな遊びの視点を取り入れていくと答弁があったところであります。
 そこで、インクルーシブ公園では、遊具の選定だけではなく、遊具を使って、障害がある子もない子も一緒になって遊ぶことができる遊び方を伝えていくことが重要だと考えますが、見解を伺います。

○小谷公園緑地部長 これまで都立公園では、ユニバーサルデザインの遊具を初めて利用する人向けの見学会や、障害の有無にかかわらず、全ての子供が参加できるアートワークショップなどを実施してまいりました。
 来年度は、砧公園では、子供の遊び場づくりの経験、知識を有するスタッフを活用し、ユニバーサルデザインの遊具をより多くの子供たちに楽しんでもらうイベントを行う予定であります。
 今後、このようなイベントをインクルーシブな活動を行う団体とも連携し実施するなど、誰もが気軽に公園で楽しむことができる環境づくりに取り組んでまいります。

○たきぐち委員 ハード整備が中心の建設局におきまして、アートワークショップやインクルーシブなイベントなどに取り組んでいこうという姿勢を評価したいというふうに思います。
 インクルーシブ公園で障害がある子とない子が交じって遊ぶことで、違いを自然に理解したり、付添いの親同士の相互理解も自然と深まることによって、インクルーシブコミュニティが育ち、インクルーシブな社会の形成へとつながっていく、そのための貴重な場がインクルーシブ公園だと考えます。
 今後、完成した後の運営に継続的に参画できる仕組みづくりとともに、インクルーシブ公園にプレーリーダーが配置されることを要望しておきたいと思います。
 次に、災害時における道路の通行機能の確保について伺います。
 大規模な風水害や地震、火山の噴火など、いつ起きてもおかしくありません。都は、こうした災害リスクに加え、複数の災害が複合的に発生する事態も想定し、二〇四〇年代に目指す東京の姿とその実現に向けた道筋を明らかにしたTOKYO強靱化プロジェクトを策定いたしました。
 今年は関東大震災から百年を迎える節目の年であります。都は昨年五月に、首都直下地震等による東京の被害想定を公表し、関係法令等の改正や災害に係る最新の動向等を踏まえ、東京都地域防災計画震災編を令和五年度早期に修正する予定と聞いております。
 昨日も、環境局の質疑の中でも申し上げましたけれども、こうした対策を進めるに当たって、これまで発生した災害から教訓を得ながら、とりわけ、人の流れやまち並みが大きく変化し続けているこの首都東京においては、今後起こり得る災害に想像力を働かせて、被害を最小限に抑えていくための備えが必要だと考えます。
 首都直下地震が発生すると、瓦礫や段差により道路の通行機能に大きな影響を及ぼすことは容易に想像できます。都道は災害時の人命救助や消火活動などを円滑に行うための基盤であることはいうまでもありません。
 そこでまず、震災時における都道の通行確保に向けた取組について伺います。

○斉藤道路保全担当部長 震災時に救急救援活動や緊急物資の輸送を円滑に行うため、道路の通行機能を確保することは重要でございます。このため建設局では、約五百社の協力業者と災害協定等を締結し、東京地方に震度六弱以上の地震が発生した場合、これらの協力業者が自主的に出動し、速やかに道路の障害物除去を行う体制を整えております。
 加えまして、陸橋等の高架下空間を活用した道路防災ステーションにホイールローダーや砕石などの資機材を配備しており、これらを用いて、総合防災訓練におきまして、協力業者と合同で障害物除去作業を実施するなど、防災対応力の向上も図っております。

○たきぐち委員 震度六弱以上の震災時には、約五百社の協力業者が自主的に出動して、道路の障害物除去を行う体制を整えていることや、資機材の配備等々についてご答弁をいただきました。
 次に、富士山噴火時の対策について伺います。
 TOKYO強靱化プロジェクトでは、富士山が大規模に噴火した場合、最悪のケースでは、降灰は多摩地域をはじめ区部にも達し、停電発生、道路の交通支障、鉄道の運行停止など、インフラ被害が想定されております。
 国の中央防災会議では、道路については、通常は十センチ以上、降雨時は三センチ以上の降灰で通行が不能になり、三センチ以下でも速度が落ち、渋滞になると予測しています。
 富士山と都心とは約百キロ離れておりますので、溶岩や火砕流が迫ってくる心配はなく、命を脅かされることはないものの、強い西風によって、噴火から僅か二時間ほどで火山灰が流されてきて、道路や鉄道、電気など社会インフラに大きな影響を及ぼす都市型災害になる可能性を指摘する専門家もいます。
 昨年の第三回定例会での私の代表質問に対し、降灰時でもインフラ、ライフライン等の機能を維持する方策の検討に着手したと総務局長から答弁がありました。インフラ、ライフライン等の機能を維持するためには、それらの施設につながる道路の交通機能を早期に回復させることが重要であります。
 富士山噴火に伴う降灰時においても都道をしっかりと通行確保できるよう備えるべきでありますが、令和五年度の建設局の取組について伺います。

○斉藤道路保全担当部長 TOKYO強靱化プロジェクトでは、二〇四〇年代に目指す東京の姿といたしまして、富士山噴火に伴う降灰が生じましても、交通やライフラインが長期間停止するようなことがないよう、道路機能の早期回復を図ることとしております。
 そのため、建設局では、今後予定されております地域防災計画火山編の修正に向けまして、関係局や関係事業者と連携し、除灰体制の整備、調整など、経済活動の継続に不可欠な道路交通網を早期に復旧するための方策に係る調査を実施してまいります。

○たきぐち委員 地域防災計画火山編の修正に向けて、関係局や関係事業者と連携しながら、降灰対策の調査を実施するということでありました。
 当然ながら震災時のオペレーションが生かされるものと考えられますが、鹿児島などの先進自治体の取組なども参考に、建設局として、機動的な降灰除去作業など、道路機能を早期に回復させるための方策検討に主体的に取り組んでいただくことを要望しておきたいと思います。
 次に、無電柱化について伺います。
 無電柱化は、災害時に電柱倒壊による道路閉塞を防止するなど、防災の観点などから重要な事業であり、これまで都は、数期にわたる計画に基づき、事業を進めてきたと認識をしております。首都直下地震や激甚化する風水害などの自然災害に備え、強靱化された首都東京を実現するためには、無電柱化をスピードアップする必要があると考えます。
 そこで、どのように都道の無電柱化に取り組んでいくのか伺います。

○福永無電柱化推進担当部長 無電柱化は、都市防災機能の強化などの観点から重要な事業でございます。
 都は、東京都無電柱化計画を改定いたしまして、年間の整備規模を倍増させるとともに、第一次緊急輸送道路や環状七号線の内側エリア等の都道について、優先的に整備を行うこととしております。
 事業の実施に当たりましては、新たな材料を採用し設計に反映させるなど、さらなるコスト縮減を図りながら、新規着手規模を拡大いたします。
 こうした取組により、無電柱化をさらに加速してまいります。

○たきぐち委員 一昨年、無電柱化加速化戦略を策定して、今ご答弁がありましたが、東京都無電柱化計画を改定したというふうに承知をしております。
 無電柱化の課題の一つが、一キロの整備に約五億円を要するといわれていたこのコストでありまして、これまでコスト縮減に取り組まれてきたことを承知しております。ご答弁がありましたとおり、新年度においてはコスト縮減によって新規着手規模を拡大するということでありまして、予算も前年度から三十六億円増、計上しているところであります。着実に進めていただきたいと思います。
 一方で、都内全域で無電柱化を進めるためには、都道のみならず、都内の道路延長の約九割を占める区市町村道においても無電柱化を推進することが重要であります。
 私の地元である荒川区では、都の支援制度を活用し無電柱化を進めていると聞いておりますが、いまだ道半ばであります。
 そこで、区市町村道の無電柱化への支援実績と荒川区道の無電柱化事業の状況について伺いたいと思います。

○福永無電柱化推進担当部長 都は、令和四年度までに荒川区など五十区市町村に対して支援を実施しております。
 荒川区は、令和元年七月に荒川区無電柱化推進計画を策定しておりまして、この中で、令和十年度までに優先的に整備もしくは着手すべき路線として無電柱化優先整備路線を位置づけるなど、無電柱化に取り組んでいます。
 区は現在、無電柱化チャレンジ支援事業制度などを活用し、七つの路線で事業を進めておりまして、例えば、荒川遊園通りでは来年度、電線共同溝本体工事を予定しております。
 引き続き、区市町村への支援を実施してまいります。

○たきぐち委員 チャレンジ支援事業を活用して、七路線で進められているということで、私も時々、その進捗状況を見せていただいているところであります。
 ほかの自治体も含めて、議会の関係者と話をする機会がありましたが、都や国の財政的、技術的な支援がなければ当然進められないわけでありますが、詳細には費用負担など、クリアすべき課題もあるやに聞いております。都は、区市町村に積極的に働きかけると同時に、きめ細かな要望にも応えながら、事業の促進を図っていただくことを求めておきたいと思います。
 最後に、隅田川テラス修景の連続化について伺います。
 一昨年の事務事業質疑で、隅田川に関して防潮堤の整備、耐震化、スーパー堤防やテラス整備、河川監視カメラの設置、橋梁の長寿命化やライトアップなど、幅広い観点で質疑させていただき、着実に取組を進めていただいているものと理解をしております。
 隅田川は、都民に貴重なオープンスペースを提供している都市施設でもあります。この隅田川を、人々が憩い、散策や回遊ができるよう、魅力的な空間にしていくためには、テラスが遊歩道として利用できる修景工事が重要であります。
 また、人々が川に近づける空間が整備されることによって、イベント利用などによるにぎわいが生まれることが期待でき、私もオープンテラスのイベントには何度も足を運ばせていただいておりますし、またテラスの連続化によって、ウオーキングルートやランニングコースとして活用されていることは事務事業質疑でも言及があったところであります。
 そこで、私の地元荒川区においてもテラスの修景工事を着実に進めていただきたいと考えますが、荒川区内の隅田川におけるテラスの修景整備の取組状況について伺います。

○齊藤河川部長 荒川区内の隅田川では、計画延長約八キロメートルでテラスの修景整備を進めており、これまでに約六・一キロメートルが完成しております。
 現在、千住大橋上流部の約四百メートルでインターロッキングブロック舗装や植栽の設置などの修景工事を実施しており、令和五年度に完了予定でございます。これによりまして約六・五キロメートルでテラスの修景整備が完成し、このうち、白鬚橋から京成本線隅田川橋梁までの約三・六キロメートルの区間が連続化されます。
 今後ともテラスの修景整備を積極的に進め、魅力的な水辺空間を創出してまいります。

○たきぐち委員 来年度、千住大橋上流部での工事が完了すれば、計画延長八キロのうち約六・五キロで修景整備が完成するということで、着実に進められているということが分かりました。
 こうしたテラスが連続した区間では、多くの人々が水辺を楽しむ姿、散策する姿が見受けられます。テラスが連続したことによってどのような活動がなされているのか、その事例について伺いたいと思います。

○齊藤河川部長 テラスの連続化が進んだことによりまして、散歩やジョギングのほか、地域の活動の場として利用されております。
 昨年十月には、岩淵から勝どきまでの隅田川全川におきまして、テラス区間等を活用し、和楽器を演奏しながら練り歩くイベントが開催されました。このイベントでは、荒川区の汐入公園での和太鼓演奏や、宮前公園でのマルシェなども同時に開催され、多くの方々でにぎわっておりました。

○たきぐち委員 テラスを活用したこうしたイベントというのは、これまでは白鬚橋より下流を中心に行われることが多かったわけでありますけれども、昨年十月に岩淵水門を起点としたイベントが開催され、宮前公園のマルシェが大変にぎわっていたという話を私も地元の方からも伺ったところであります。ぜひ、こうしたテラス活用のイベントの情報発信なども、建設局が関係団体などと連携して担っていただきたいというふうに思います。
 また、イベントだけではなくて、テラスの連続化によって、散歩やジョギングなど日常的な活動の場としてもさらに有効活用されることから、夜間の照明設置に向けた検討、これは我が会派の後藤都議からも求めているところかと思いますが、ぜひ早急に進めていただきたいということを強く要望しておきたいと思います。
 あわせて、二か所で予定されている、荒川区の公園整備と併せたスーパー堤防の整備については、区と連携を図って進めていく旨をさきの委員会質疑でも確認をしているところであります。整備促進に向けた取組を改めて求めまして、私の質疑を終わります。

○伊藤委員 先日、三月十一日には、東日本大震災から十二年を数えました。改めて、亡くなられた方々のご冥福と被災された方々に心からお見舞いを申し上げたいと思います。
 あのとき、私たち都議会公明党は、チームに分かれ東北各地の被災地に入り、東京からできる支援を探りながら継続して現地調査を行い、繰り返し都へ緊急提言を行ってまいりました。
 また、地震、津波による未曽有の大惨事に、国内はもとより、世界中から様々な機関が救援活動を行うことも目の当たりにしました。それは陸から空から海から、あらゆる手段で行われる必死の活動でありました。
 都議会公明党は、この大災害からの教訓として学んだ災害対策や救急搬送の強化について、海や河川からの救援活動の重要性についても重ねて指摘をしてまいりました。
 また、私は、五年前の平成三十年の六月、災害救援や人道支援を行っている米国海軍の病院船、マーシーが東京港へ寄港した際に船内を視察させていただきまして、その規模の大きさ、そしてその機能と装備、人材のレベルの高さに驚きました。そして、日本にもこうした病院船が必要だと痛感をしたところでございます。
 この病院船とは違いますけれども、建設局ではこれまで、局で保有している船舶を水上バスとして運用しつつ、災害時にも活用してきました。しかし、建造から三十年以上が経過をし、老朽化してきたことから、新たに災害への対応力を向上させた防災船を建造するとしております。
 建造に着手する段階から、いつ、どのような規模で発生するか分からない災害時を見据えて、災害に対して実効性の高い船舶を建造することは極めて重要であるというふうに考えますけれども、改めてこの防災船について伺いたいと思います。
 初めに、建設局が所有する船舶はどういう位置づけになるのか確認をしたいと思います。

○周郷河川防災担当部長 建設局が所有する船舶は、隅田川、荒川、臨海部におきまして水上バスとして運航されており、広く水辺環境に触れ合う機会を提供しております。
 また、震災等の災害時には、東京都地域防災計画におきまして、発災時に物資及び人員搬送等の役割を担う船として位置づけられております。

○伊藤委員 建設局が所有する船は、平時は、都民などに水辺環境との触れ合いの機会を提供したり、一方で、地域防災計画で災害に対応する船舶として位置づけられているということでございました。
 それでは、その発災時の役割を踏まえて、どのような船舶を建造するのか伺いたいと思います。

○周郷河川防災担当部長 発災時には、河川における航路や防災船着場の状況調査を実施することにより、早期に水上ルートを確保するとともに、物資及び人員搬送等を実施してまいります。
 一方、現在の船は、発災時の活動に必要なスペースが限られ、老朽化も進んでいることから、新たに防災船を建造することとし、座席を可動式とするほか、クレーンを装備するなど、物資や傷病者の搬送に適した構造にいたします。

○伊藤委員 ただいまの答弁の中に航路、また防災船着場の現状調査ということがございました。これは大変に大事なことでございます。
 東日本大震災のときに、瓦礫の流出によって船のスクリューに巻き込んでしまうために、その直後は救援活動の船は沿岸に近づけなかったという現実がありました。いち早くこうした航路や防災船着場の状況を調査すると、こうしたことは非常に重要なことだと思いますけれども、このことにも防災船をぜひ役立てていただきたいというふうに思います。
 いずれにしても、冒頭で述べたとおり、発災時には水上からの救援活動が重要な役割を果たすことが考えられます。発災時における役割を踏まえて、都の防災船が有効に活用できるよう建造していただきたいと思います。
 一方で、日頃から災害に備えておくことも重要だと考えますけれども、平常時の取組について伺いたいと思います。

○周郷河川防災担当部長 発災時の災害対応力を強化するためには、平常時から防災船を有効に活用していくことは重要でございます。このため、現在実施している水上ルートを活用した防災訓練のほか、新たな装備を活用して、防災意識の普及や啓発を目的としたイベント便の拡充などについても検討してまいります。

○伊藤委員 発災時と平常時の活用について確認することができました。とりわけ発災時における物資、また傷病者などの輸送を円滑に行うためには、より確実で安定的に航続することが必要であります。
 一方、東京都全体としては、脱炭素社会の実現に向けた各種の施策の取組が進められておりまして、とりわけ二酸化炭素の排出を極力抑制するなど、環境面への配慮も必要と考えます。
 そこで、新たな防災船の導入に当たっての環境配慮への取組について伺いたいと思います。

○周郷河川防災担当部長 新たな船舶では、発災時でも容易に調達が可能な軽油燃料を使用することで確実な輸送を確保するとともに、環境に配慮したバイオ燃料も活用してまいります。

○伊藤委員 発災時に十分な機能を発揮しつつ、二酸化炭素の排出削減などの環境面についても意識をされているということを確認することができました。
 建設局は来年度、新船の実施計画と大型船の建造に着手し、大型船は令和六年度、小型船は七年度に竣工予定としています。防災船の導入に当たっては、災害に対し実効性の高いものとなるよう検討を進めていただきたいと思います。
 次に、連続立体交差事業について質問をさせていただきます。
 都内にはいまだ多くの踏切が残っており、踏切待ちによる慢性的な交通渋滞が発生しております。こうした状況を改善するため、東京都では、交通渋滞の解消と、鉄道で分断されているまちの一体化が図られる連続立体交差事業が各所で進められております。
 そこで、改めて連続立体交差事業の効果について伺いたいと思います。

○湯川道路建設部長 連続立体交差事業は、数多くの踏切を同時に除却することで、道路ネットワークの形成を促進し、交通渋滞や地域の分断を解消するとともに、地域の活性化にも資する極めて効果の高い事業でございます。
 また、連続立体交差事業により新たに高架下等の空間が生み出され、地域のニーズに応じた施設が設置されるなど、地域の利便性が向上し、にぎわいが創出されます。
 都では現在、京王線の笹塚駅から仙川駅間や西武新宿線の東村山駅付近など、六路線七か所で連続立体交差事業を実施しております。

○伊藤委員 連続立体交差事業は様々な効果が期待できるということでございました。私の地元の品川区を含む京浜急行本線の泉岳寺駅から新馬場駅間においても現在、連続立体交差事業が進められておりまして、特に北品川駅付近の踏切がなくなることや、さらに地域の活性化、利便性向上が図られることに、地元の期待は大きく高まっております。
 そこで、泉岳寺駅から新馬場駅間の京浜急行本線連続立体交差事業における現在の状況と令和五年度の取組について伺います。

○湯川道路建設部長 京浜急行本線の連続立体交差事業は、北品川駅付近の高架化により、三か所の踏切を同時に除却することで交通の円滑化や安全性の向上を図るとともに、品川駅の再編等により、地域の東西連絡機能を強化するものでございます。
 本事業は、令和二年四月に事業認可を取得し、令和三年度から工事に着手してございます。令和五年度は、引き続き仮設工事や基礎ぐいの施工などを行うとともに、高架橋の構築に必要となる用地の取得を進めてまいります。

○伊藤委員 着実に事業が進められていることが確認できました。
 ところで、北品川駅周辺では、品川区によって駅前広場整備が進められており、京浜急行本線の連続立体交差事業と連携することで、より事業効果が高まると考えております。
 そこで、北品川駅の駅前広場整備について、都はどのように関わっていくのか伺いたいと思います。

○湯川道路建設部長 連続立体交差事業と併せて、地元区が駅前広場や関連する街路の整備など、まちづくりに着実に取り組むことが、道路と鉄道の交通結節機能の強化や、沿線地域の利便性と安全性の向上など、本事業の効果を高めるために重要でございます。
 北品川駅付近におきましても、連続立体交差事業と一体的なまちづくりの実現に向け、地元品川区と連携してまいります。

○伊藤委員 京浜急行本線の連立事業区間には三か所の踏切がありまして、特に八ツ山通りでは、朝夕の通勤時間帯に踏切による交通渋滞が発生をしております。本事業によってこの交通渋滞がなくなり、地元品川区の安全と安心が図られることからも、私としても大いに期待をしている事業でございます。
 また、地元においても、本事業を契機として進められる品川駅南地域周辺や北品川駅周辺のまちづくりに対する期待が高まっており、様々な意見や相談が寄せられております。
 都はこれまで以上に、地元住民はもとより、品川区や京浜急行電鉄と連携して、よりよいまちづくりを進めるよう要望をしておきたいと思います。
 最後に、自転車の通行空間の整備について質問をいたします。
 昨年、都内では、自転車事故で三十人がお亡くなりになっており、この数字は交通事故の死者数全体の約二割を占めております。
 つい先日、二月十七日にも、私の地元品川区の隣、目黒区内で残念な、痛ましい死亡事故が発生をしてしまいました。
 我が党はこれまでも、自転車を都市の交通手段として大いに活用するとともに、安全対策の強化の観点から、自転車通行空間の整備を繰り返し求めてきたところであり、例えば昨年の第三回定例会では、目黒通りを優先整備区間に選定し、今後十年間で整備に取り組んでいくという答弁がありました。
 そこで、目黒区内における自転車通行空間の整備について、来年度の取組を伺います。

○斉藤道路保全担当部長 自転車を誰もが安全で快適に利用できるよう、通行空間の整備を進めることは重要でございます。
 目黒区内におきましては、都は来年度、駒沢通りの環七通りから自由通りまでの区間につきまして、約二キロメートルの通行空間の整備を行ってまいります。
 また、目黒通りでは、二月十七日に死亡事故が発生した箇所を含む目黒新橋から環七通りまでの区間で約六キロメートルの通行空間につきまして、令和六年度の完成を目指し整備を進めてまいります。

○伊藤委員 ぜひ早期に工事を発注し、整備を進めていただき、安心して自転車を利用、通行できるように、そして事故を減少できるようにしていただきたいということを強く申し上げ、質問を終わります。ありがとうございました。

○原委員 よろしくお願いします。
 まず、葛西臨海水族園の建て替え事業についてお伺いします。
 芝生広場を中心に新施設を建てるはずの計画が、実は、淡水生物館とその周辺の樹林帯エリアに重なる位置に描かれた新水族園イメージ図が公表されたことで、そのエリアにある千四百本の木のほとんどが伐採されてしまうのではないかと、多くの市民が危機感を募らせています。
 ところが、二月二十二日の私の本会議一般質問での、何本伐採され、何本移植する計画なのかとの問いに対する局長の答弁は、支障となる樹木は事業者が行っている設計において明らかになるとのことでした。あまりにも他人ごとで危機感がなく、それが都立公園を担当する部局のリーダーの姿勢かと、驚きを禁じ得ません。
 計画の内容自体がほぼ非公表ということが大きな問題です。事業者提案の情報はホームページなどではほぼ公表されていませんが、その理由は何ですか。また、公表範囲を判断するのは誰でしょうか。お願いします。

○根来公園計画担当部長 事業提案内容につきましては、著作権が事業者に帰属しておりまして、公表の際には事業者の同意が必要でございます。

○原委員 著作権が事業者に帰属しているということです。PFI方式だからこういうことになっているんでしょうか。

○根来公園計画担当部長 繰り返しとなりますが、事業提案内容につきましては、著作権が事業者に帰属しておりまして、公表の際には事業者の同意が必要となります。

○原委員 事業者の同意がないと公表できないといわれましたが、同意を求めるつもりはありますか。事業者に対し同意をさせて、計画の提案内容、契約内容など、必要な情報を公表させていただけますか。

○根来公園計画担当部長 事業の概要につきましては、既に都のホームページ上で公表しておりまして、今後の進捗状況につきましても適切に公表してまいります。

○原委員 適切に公表していくとのことでした。公共施設建設計画ですから、都民には知る権利があり、その点で都の姿勢が問われています。
 市民が情報開示を請求したところ、出てきたのはこれです。これはほんの一部ですが、八十五ページありますが、そのうち七十六ページが真っ黒。これが情報開示の中身ですね。本当に驚いております。
 黒塗りのない資料は九枚あります。うち一枚を皆様にお配りさせていただきました。これは外観透視図で、現水族園とガラスドームとの位置関係が分かるものです。北西側から見た鳥瞰図となっています。
 ほか八枚は、内観透視図、各階平面図のほんの一部ですが、この情報にしても、既に公表されているイメージ図の内容の範囲を超えておりません。
 黒塗りにされているのは、公園や東京湾、駅や周辺施設とのつながりなど、配置計画に関する提案書、景観、外観計画に関する提案書、断面計画、展示計画、保守管理など設備計画、安全計画、環境負荷計画、バリアフリー計画に関する提案書、配置図、立面図、断面図、建物概要、そして施設設備業務費の内訳書まで、黒一色の資料が渡されました。
 情報開示を一丁目一番地と公約した小池都知事の公約違反ではないでしょうか。繰り返しますが、事業者提案について、こんな非公表では議論もできず、大変困ります、公表を求めます。
 三月から樹木調査を行うと前回の委員会で答弁していますが、まさかですが、この樹木調査の結果や、これから行う基本設計と実施設計まで、事業者の同意がなければ非公表でしょうか。そんなことは許されないと思うので、お聞きいたします。

○根来公園計画担当部長 樹木の具体的取扱いにつきましては、事業全般の進捗状況と併せて、適切に公表してまいります。

○原委員 確認ですが、樹木の具体的取扱いというのは、何本切って、何本移植するという意味でしょうか。

○根来公園計画担当部長 支障となる樹木について具体的な取扱いをお示しするものとなります。

○原委員 基本設計については公表されますか。お願いします。

○根来公園計画担当部長 今後の事業全般の進捗状況につきましては、適切に公表してまいります。

○原委員 必ず公表を約束していただきたいと思います。本当にPFIの企業秘密というのが公共事業に持ち込まれることは害悪だと指摘せざるを得ません。
 樹木の取扱いについてお聞きします。
 都は、樹木の扱いについて、不健全木や移植が困難な大径木を除き、移植を前提に検討すると説明してきましたが、不健全木や大径木は容赦なく切るという意味でしょうか。

○根来公園計画担当部長 整備に当たり支障となる樹木につきましては、可能な限り伐採ではなく移植するよう、現在、新施設の設計を進めております。

○原委員 では、移植する樹木はどこに移植する予定ですか。

○根来公園計画担当部長 新施設は、既存施設の老朽化等に対応するため新たに整備するものでございまして、自然との共存をコンセプトに、隣接する芝生広場を中心に、既存施設と連携しながら建設することとしております。
 新施設の整備に当たり、新旧施設の間には移植された樹木を配置した共生の杜エリアを設け、自然豊かな環境の中で回遊できるようにいたします。

○原委員 事業者が伐採予定本数を明らかにした場合、それについて、伐採本数が妥当かどうかの判断と指導の権限を東京都は持っているんでしょうか。伐採計画の出し直しを事業者に要請できますか。

○根来公園計画担当部長 新施設の整備事業全般におきまして、都はモニタリングを実施し、要求水準書等を達成しているかを確認し、必要に応じて事業者に改善を求めることとなっております。

○原委員 改善を求めることができるというお答えでした。
 本館の裏、東側辺りに別の建物を建設するようですが、この図でいいますと半透明に描かれております。よく分かりませんが、どういうものですか。その面積と高さを伺います。

○根来公園計画担当部長 主要な設備機器について更新しやすいよう、本館から分離して配置するものでございます。新施設の詳細につきましては、現在事業者が行っている設計において明らかになります。

○原委員 裏に別の建物が建つことは決まっているが、面積も分からないし高さも分からないという状況だと思います。
 イメージ図どおり淡水生物館は解体され、その周辺の樹林帯からも樹木がほかに移され、または伐採されて、そこに本館と設備機器棟が建設されるということですね。
 その案を出した事業者が審査で選定されたわけです。事業者提案内容が樹木の大量移植または伐採を前提とした配置になっており、要求水準書で示した樹木への影響を極力減らすように配置することとしている都の水準を満たしていないのではないかと私は思うんですが、いかがですか。審査の過程で議論に上らなかったのでしょうか。

○根来公園計画担当部長 新施設は、隣接する芝生広場を中心に、既存施設と連携しながら建設することとしております。整備に当たりましては、正門から既存のガラスドームが展望できる配置とし、新旧施設の間には移植された樹木を配した共生の杜エリアを設け、自然豊かな環境の中で回遊できるようにいたします。
 現在、新施設に係る設計を進めているところでございまして、当該設計において樹木への影響を極力減らすよう配慮することとしております。

○原委員 どうしても納得がいかないことなので、これもちょっと聞いておきたいんですけれども、敷地内に移植をするというふうに簡単にいいますが、しっかり根を張った千本以上もの木を抜いて移植する、こういうことになる可能性が高くあります。それくらいならば、新施設の配置を入り口に近い方に移動をして、樹木への支障を減らすことを考えるのが普通ではないでしょうか。いかがですか。

○根来公園計画担当部長 先ほどと繰り返しになり、大変恐縮ではございますが、新しい施設は、隣接する芝生広場を中心に、既存施設と連携しながら建設することとしております。整備に当たりましては、正門から既存施設のガラスドームが展望できる配置とし、新旧施設の間には移植された樹木を配した共生の杜エリアを設け、自然豊かな環境の中で回遊できるようにいたします。
 現在、新施設に係る設計を進めているところでございまして、当該設計において樹木への影響を極力減らすよう配慮することとしております。

○原委員 これから基本設計と実施設計をやるわけですから、それはやっぱり考えていかなければいけないことではないでしょうか。ぜひご検討ください。
 東京二〇二〇大会に向けて、公園のど真ん中に造ろうとしていたカヌー・スラロームセンターを、自然環境が大きく損なわれると日本野鳥の会などが声を上げ、場所を大きく西側に移動させた経験があります。
 今回においても、今から設計なのですから、配置を変えることは可能だというふうに思います。陳情で出されていた淡水生物館の存続の要望も受け止めていただき、樹林と共に残してほしいです。
 川の中にいるかのようにバーチャルで体験できるというお話を昨日の委員会でほかの委員からお聞きしましたが、バーチャルもよいんですけれども、ここは本物があります。川の中を見られる本物の展示を壊すということについて考え直すべきだと思います。諦めていない都民が地元をはじめたくさんいますので、ご検討ください。
 新施設の屋上に太陽光パネルが並べられています。評価はいろいろですが、鳥や生き物などへの太陽光パネルの影響については確かに心配です。専門団体などに意見を聞いていますでしょうか。

○根来公園計画担当部長 新施設の太陽光パネルは、環境負荷低減を目的に、屋上を有効活用し設置するものでございまして、都有施設において率先的に取り組むという都の設置方針にも沿っております。
 今後、周辺環境と一体となり、自然との共存をコンセプトに新施設の整備を進めてまいります。

○原委員 太陽光パネルは、それ自身は自家発電で役立ちますが、自然環境の保全との関係と、もう一つは、CO2を吸収してくれる樹木を大事にせずに何が太陽光発電かと、このような見方があるのは無理もないというふうに思います。やはりこの間の情報非公表など、都政への不信感が原因だと私は思います。誠意を持って都民の声を受け止め、信頼回復に努めていただきたいと思います。
 ガラスドームの保全、利活用について、新施設への機能全面移転が決定された後に建築の専門家の意見を聞いているんでしょうか。

○根来公園計画担当部長 既存施設の利活用につきましては、建築を含め様々な分野の有識者からヒアリングを実施しております。それも踏まえて、持続可能な社会への貢献などの視点に基づき検討を進めるという基本的考え方を取りまとめております。

○原委員 基本的考え方を取りまとめたところまでは評価もできるとは思います。しかし、本当に今の水族園のところから水族館の機能を全くなくしてしまうのはとても惜しいと思います。どうにかならなかったのかという思いが今も多くの人の中にあります。せめて既存の施設を大事に利活用すべきです。
 二月七日に出された日本建築家協会の要望書をどう受け止め、対応していますでしょうか。

○根来公園計画担当部長 このようなご意見、ご要望につきましては、事業を進める上での参考とさせていただきます。

○原委員 既存施設の利活用を新水族園と並行して進め、連携できるように、設計段階からの動線を考えていただきたいと思います。
 地元江戸川区や区民への情報提供を行っていますでしょうか。

○根来公園計画担当部長 事業の概要につきましては、既に都のホームページ上で公表しておりまして、今後の進捗状況につきましても適切に公表してまいります。
 また、江戸川区に対しては、これまでも事業に関する情報提供を適宜行っております。

○原委員 区民も木が伐採されるんではないかなど、いろいろ心配をしております。江戸川区民や利用者に直接事業の概要を説明する機会や意見を聴取する場をぜひ設けていただきたいと要望をしておきます。
 事業計画にある入園料の設定部分を読み、値上げの含みを持たせているのが気になります。入園料はPFIの事業への収入になる仕組みになっているんでしょうか。現在の料金、大人七百円、六十五歳以上三百五十円、小学生以下と都内在住、在学の中学生、障害者は無料との料金設定を改悪しないでほしいと思いますが、都の考えをお聞きします。

○根来公園計画担当部長 本事業の実施方針において、入園料はPFI事業者の収入にならないことを示しております。
 入園料につきましては、維持管理費や利用者数等から成る原価を基本としつつ、類似施設の入園料を勘案し、都が設定いたします。

○原委員 PFI事業者の収入にならないということは分かりました。今よりかなり多く入園数を見込んでおり、思うように伸びなかった場合、入園料に跳ね返らないように、公共性を堅持した低い入園料の設定をできるような仕組みをつくってほしいです。ご検討ください。
 これまでの経過を見ても、PFIは企業秘密が多く、また委託費から利益を上げ続けるのが企業の使命ですから、デメリットばかり感じるのですが、PFIのメリットについて、工期の短縮やコスト縮減が期待できると毎回答弁をされますが、どうやってコストを縮減するのかをお聞きします。

○根来公園計画担当部長 PFI手法では、施設の設計、建設及び維持管理を一括して発注することで、設計段階から維持管理までを視野に入れた整備が可能となることから、業務の効率化が図られ、費用の縮減が見込まれます。

○原委員 やはり新水族園の情報が少な過ぎてコンセプトが伝わってこないため、PFIのよさが理解できない、こういう状況です。いいというなら、都民の理解が得られる進め方をしていただくことを都と事業者に求め、次のテーマに移ります。
 日比谷公園大音楽堂再整備についてです。
 日比谷公園大音楽堂、いわゆる日比谷野音について、今年一月末、再整備に関する基本方針が出されました。野音は、有名アーティストが歴史を刻んできた場所であり、政治集会やデモの出発点として、日本の民主主義を支えてきた場所でもあります。
 日比谷公園大音楽堂の再整備について、どのように進めていくのか伺います。

○根来公園計画担当部長 日比谷公園大音楽堂の再整備につきましては、本年一月に策定した基本方針において、パークPFI制度を活用して行うことといたしました。本年六月の事業者公募開始を目指し、公募設置等指針の策定を進めております。

○原委員 都立日比谷公園全体の再整備計画もある中で、野音は改築後四十年がたち、老朽化が進んでいることから再整備をするということです。公園自体の再整備は都が実施主体ですが、野音の部分については民間事業者を選定して行うということです。
 再整備の事業手法を都市公園法に基づく公募設置管理制度、いわゆるパークPFI制度とする理由を伺います。

○根来公園計画担当部長 本事業は、施設の機能向上や利活用促進、日比谷公園のにぎわい創出を目指しておりまして、民間事業者のノウハウや資金を活用して、大音楽堂の魅力や価値を向上させるため、パークPFI制度を採用いたしました。

○原委員 基本方針には民間のノウハウや資金を活用するとして、軽飲食店や売店などの設置、さらなるにぎわいと憩い空間の創出、施設の利用促進と多様なジャンルの文化の発信などが列挙されています。
 今年、開設百年目を迎える野音のこれからの百年にふさわしいデザインへとリニューアルを行い、ステージ上及び観客席前方に屋根を設置するとしています。控室やバックヤードなどの機能拡充を図るという説明です。
 最近、都が野音の再整備を民間主導で進めようとしていることに対し、強い危機感を発する音楽関係者のSNS投稿を見かけました。ご覧になっていますでしょうか。そもそも大きく仕様が変わる再整備が必要なのかとの声でした。野音を使ってイベントをする主催者や出演者、そして観客にとって、野音はほかでは代われない大事な野外ステージです。
 野音の使用実績をもらいました。今年度、二〇二二年度の今年一月末までの使用日数は百二十四日、うちコンサートは八十となっています。コロナのときは大分減りましたが、利用も回復してきています。本当に多くの人に愛されているなと思います。
 どのように整備をするのか、一番聞かなければならないのはこの方たちに対してではないでしょうか。イベント主催者などの利用者からの声を聞くアンケートが大事だと思いますが、実施してもらえますか。

○根来公園計画担当部長 大音楽堂の再整備計画を検討するに当たりましては、音楽興行関係などの民間事業者へヒアリングなどを実施しております。

○原委員 もう既に聞き取りをしたとの答弁でした。でも、基本方針が一月末に出て初めて再整備の計画を知った人も多いわけです。
 今いわれたヒアリングで出た意見もホームページなどで公表はされていないようです。公表していただくようお願いをいたします。
 そして、野音の今後について、ぜひ利用者の声を聞く機会を持ってください。六月に事業者公募というスケジュールだそうですが、利用者を無視して進めることは許されません。改めて、野音整備についてパブリックコメントの実施を求めておきます。
 次に、篠崎公園高台化事業について伺います。公園が続きます。
 篠崎公園地区の高規格堤防事業に伴う篠崎公園高台化事業が今年度から開始されていますが、工事の進捗状況について伺います。

○根来公園計画担当部長 篠崎公園では、水害時にも対応する広場の高台化や、江戸川堤防への避難動線の確保に取り組むこととしております。
 今年度は、江戸川沿いの区域において仮設道路や駐車場の整備、既存の公園施設の撤去等の準備工事に着手し、仮設道路は今月中に供用を開始する予定でございます。
 来年度は、夏頃の供用開始を目途に駐車場を整備いたしますとともに、引き続き、既存の公園施設の撤去等の準備工事を進めてまいります。

○原委員 現地を見てきました。高台化の準備のため、堤防から公園の間に工事車両のための道路を通すため、鬱蒼とした樹木は伐採されてすかすかになり、バーベキュー広場が閉鎖され、テニスコート六面もこの三月末で利用休止、新駐車場工事は芝生の広場を削って、今整備工事が行われています。散策空間がどんどん減っていきます。
 これから十年くらい、この高台化工事と高規格堤防工事が続くということは、地域の皆さんにあまりまだよく知られておりません。
 公園北側で国の高規格堤防事業と一体に新しく道路を造る区街路事業の用地対象の敷地内で一戸建てに住んでいる老夫婦がおります。立ち退きをと何度も担当者が来ますが、応じていません。
 その男性がおっしゃるには、堤防は十年くらい前に整備したばかり。高さを上げて、のり面に鉄板を入れて強化したとそのとき説明されたのに、また堤防をいじるのは納得できないと訴えられました。八十九歳の方です。周りの家はやむなく立ち退きに応じ、その土地を離れていきました。既に更地だらけのその中にぽつねんと老夫婦の家が一軒だけ建っています。
 その老夫婦が百メートルぐらい離れた川沿いのバス停まで行くのに、いつもは公園の中を通るのですが、その園内道は間もなく遮られ、堤防への数十段もの階段を上らないとバス停に行けなくなります。平穏な生活をその老夫婦に保障できないものでしょうか。本当に心が痛みます。
 ゼロメートル地帯ではなく、越水したことのない江戸川の堤防を高規格堤防にすることに、地元の人たちは今も納得しておりません。
 今回は、園内歩道だった道が仮設の車道となり、三月二十一日に供用開始となるところを見てきました。これまで歩道だったことから、皆さん普通に柵をまたいで横切っていました。まだ供用開始前だということですが、大変心配です。柵には、わたるなと平仮名で書かれた注意看板をたくさんつけていただきましたが、信号もない車道で、ちょうど春休みに当たり、子供や桜の花見の方も多く、心配です。
 供用開始後しばらくは江戸川区や警視庁とも連携して、安全対策の徹底をお願いいたします。道路が封鎖になる場所が分かるように掲示もしていただきたいと思います。これから続く工事での安全確保をくれぐれもお願いしておきます。地域の皆さんに知らせるべき情報は、ホームページのみでなく、管理事務所周辺にも分かりやすく掲示していただけるようお願いします。
 そして、今からでも樹木の伐採は極力減らす計画にされるよう要望をいたしておきます。
 最後に、雑司ケ谷霊園再生計画について伺います。
 今回、議案六十七号、霊園条例の一部を改正する条例案が出されました。同性パートナーが同じ墓地に入れるとしたことは当該者と都民の願いであり、大歓迎です。
 また、都立雑司ケ谷霊園において一般埋蔵施設の貸付け再開が提案されていますが、それも含め、雑司ケ谷霊園では現在再生計画が出されています。
 今後、合葬式墓地の整備をする計画で、休憩所跡地を使うということですが、その説明会を受けて住民から、その敷地内にある樹木が切られてしまうのではとの心配の声が寄せられました。大きな木が数本あるそうです。
 雑司ケ谷霊園再生計画における休憩所跡地の合葬式墓地の整備に当たって、その敷地内にある大径木の取扱いについてはどうなりますでしょうか。

○根来公園計画担当部長 休憩所跡地に計画している合葬式墓地の整備において、既存樹木は支障となっておりません。

○原委員 敷地内の樹木は切りませんということですね。樹木はよけて墓地を整備するということです。安心しました。
 霊園は地域にとって憩いの空間、散策もできるところです。地元の皆さんが喜ぶと思います。雑司ケ谷霊園のように樹木を大事にする計画をどこまでも貫く都になるように願います。
 これで質問を終わります。

○里吉委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後三時七分休憩

   午後三時二十五分開議

○里吉委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○須山委員 ありがとうございます。何点か質問させていただきます。
 まず、渋滞緩和のための多摩地域の道路整備に関して質問させていただきます。
 令和五年度は、多摩南北方向の道路の整備等として二百四十三億円が計上されております。昨年度、百八十億円であり、六十三億円の増額というのは非常に評価をさせていただいております。
 多摩地域における道路整備は、古くから東西方向に発達はしていっているんですけれども、一方で、南北方向はやはりちょっと遅れているなという印象もありますし、そうした歴史的な背景もあります。
 市街化の進展とともに南北方向の交通需要も一層高まってまいりましたし、現在でも局所的に慢性的な渋滞が発生をしております。そうしたこともあって、多摩地域における渋滞緩和を求める地域住民の声はたくさん聞きます。
 渋滞の緩和に向けては、特に多摩地域の都市の骨格を形成する南北方向の主要路線、すなわち南北主要五路線の早期開通が求められております。
 そこで、多摩南北主要五路線の現在の整備状況について改めて伺います。

○湯川道路建設部長 多摩地域は四百万人が暮らし、緑豊かで活力と魅力にあふれる地域でございまして、さらなる発展を図るためには、利便性や防災性の向上に寄与する幹線道路の整備は極めて重要でございます。
 お尋ねの多摩南北主要五路線のうち、調布保谷線、府中清瀬線及び八王子村山線の三路線につきましては全線で交通開放をしているところでございます。
 令和三年度末時点では、多摩南北主要五路線の計画延長七十九・八キロメートルに対しまして、整備済み延長は六十五・五キロメートルであり、整備率は八二%となってございます。
   〔発言する者あり〕

○須山委員 ありがとうございます。
 今、こいそ先生からも四百二十万というお声もありましたけれども、それだけ多摩地域も人口が増えてきております。
 そして、南北主要五路線の三路線は今完成をしていると、全線で完成というか開通をしているというご答弁がありました。残る二路線についても、早期の開通に向け、取組を加速させるべきであると私は考えております。
 そこで、未開通区間が残る府中所沢鎌倉街道線と立川東大和線で、来年度はどのような整備を進めていくのか伺います。

○湯川道路建設部長 府中所沢鎌倉街道線では現在、約九・八キロメートルで事業を実施しているところでございます。令和五年度は、例えば国分寺区間におきまして、電線共同溝工事や街路築造工事等を実施するとともに、事業効果の早期発現に向けた検討を進めてまいります。
 また、立川東大和線では、令和四年三月に事業認可を取得した立川区間約二・五キロメートルで事業を実施しておりまして、来年度も用地取得に努めてまいります。
 引き続き、多摩地域の持続的な成長の礎となる道路整備に積極的に取り組んでまいります。

○須山委員 ありがとうございます。
 多摩地域の持続的な成長の礎となるようにというご答弁をいただきました。一般質問でも私、MICEとか観光誘致とかもいわせていただきましたけれども、今後やはり多摩地域にそういったMICEであったりとか観光の誘致をより進めていくためには本当に重要な施策だと考えております。
 また、渋滞緩和というのは、やはりCO2削減にも寄与すると思いますし、そうした中でしっかりと事業を進めていっていただきたいなと改めて要望させていただきます。
 また、便利になると、やはりちょっと事故の危険性というか、そういうものも高まるというふうにも伺っております。私も以前、本道が新しくできた都道のところで、本道に入る側道からの結節がちょっと怖いというような、危険だということも伺って、それも要望させていただいたこともありましたので、そうした一つ一つの地元からの声ということも、利用者の声をしっかりと聞いていただいて、道路整備をしっかりと進めていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 続きまして、無電柱化に関して伺います。
 都道における無電柱化事業は知事も力をすごく入れていらっしゃって、施政方針でも改めて言及をされておりました。センター・コア・エリア内の整備はほぼ一〇〇%達成したとのことで、来年度は島しょや木密地域などに取り組むと、そういった旨をおっしゃっていたやにも記憶しております。
 そこでまず、改めて、都道全体と多摩地域における無電柱化の進捗状況について伺います。

○福永無電柱化推進担当部長 無電柱化の進捗状況でございますが、都道全体では、整備対象延長二千三百二十八キロメートルに対し、令和三年度末までに千四十三キロメートルが完成しております。そのうち多摩地域では、整備対象延長千四十キロメートルに対し、二百二十四キロメートルが完成しております。

○須山委員 この数字も改めて伺わせていただきました。都道全体と多摩地域の整備状況です。
 無電柱化は防災や景観のためにとても大切な施策だと私も考えております。センター・コア・エリアを中心に、順番にこの事業を進めてきたというふうに認識をしておりますけれども、ここでしっかりと、また知事がこの間の施政方針でも、多摩地域が東京に移管されて今年で百三十年ということで、さらに多摩地域の魅力を高めていくということもおっしゃっておりました。
 そうしたことも踏まえて、先ほども道路の件でもいいましたけれども、観光やMICE誘致なども見据えた中で、私は多摩地域、今後もやはり無電柱化というものは非常に重要だと考えております。
 そこで、多摩地域において来年度、無電柱化をどのように進めていくのかを伺います。

○福永無電柱化推進担当部長 多摩地域の都道では、令和三年六月に改定した東京都無電柱化計画に基づきまして、第一次緊急輸送道路などにおいて無電柱化事業を進めております。来年度は、例えば八王子市内では野猿街道で電線共同溝本体工事を、町田街道で詳細設計を実施予定でございます。

○須山委員 ありがとうございます。
 八王子のことも答弁していただいてありがとうございます。本当に多摩地域の都道の無電柱化というのをしっかりと着実に進めていっていただきたいと改めて要望させていただきます。
 多摩地域においては、都道のみではなくて、市町村の無電柱化ということも重要だと考えております。先ほど、こいそ先生もいろいろなところでおっしゃっておりましたけれども、本当に様々なところでしっかりと進めていただきたいなというふうに思っております。
 そこで、チャレンジ支援事業制度について、多摩地域の市町村への支援状況と、令和五年度の取組について伺います。

○福永無電柱化推進担当部長 都は、平成二十九年度より、事業費を全額補助する無電柱化チャレンジ支援事業制度を創設し、財政支援と併せまして、技術支援を実施しております。多摩地域では今年度、八王子市など十五市町でこの補助制度を活用し、設計及び工事などを実施しております。
 令和五年度には、あきる野市など十八市町に拡大いたしまして、支援を行う予定でございます。
 引き続き、多摩地域の市町村における無電柱化の促進に積極的に取り組んでまいります。

○須山委員 ありがとうございます。
 私も前職の市議会議員時代に、三多摩上下水及び道路促進協議会、三水協の委員をしていた頃に、そのときの道路の委員にいたんですけれども、総会で当時の課長さんかな、局の方に来ていただいて、無電柱化の促進に関していろいろとご講演をいただきました。そうした局の皆さんがそうやって地道にこの事業に対して進めていっていただいて、さらには市町村にしっかりと事業の意義というものをお伝えいただいていることが多摩地域の無電柱化にも進んでいるなというふうに、改めて感謝を申し上げたいと思います。
 今後とも、多摩地域の発展に資する都道や市町村道の無電柱化に取り組んでいただきたいと要望して、最後の質問に参ります。
 花と光のムーブメント事業について。
 予算書を見ますと今年度で五億円、令和五年度では九億円の予算計上をされております。
 まず、今年度の実施状況と来年度の予定について伺います。

○小谷公園緑地部長 都は、公園の魅力や価値を向上させるため、四季を通じた花と光の演出を行う花と光のムーブメントを実施しております。今年度は、これまでに四公園において、公園の魅力を発信するような取組を実施いたしました。
 例えば、春の浮間公園においては、桜とチューリップ花壇をライトアップするとともに、夏の府中の森公園では、池を鉢植えの花で飾り、来園者が手作りしたLEDランタンでライトアップいたしました。今月末からは舎人公園でも取組を行います。
 来年度は、小金井公園などを新たに追加し、花をライトアップするイベントを八公園で実施する予定でございます。

○須山委員 このイベント、通知はお知らせいただいていたんですけれども、ごめんなさい、まだ行ったことがありませんでした。今のご答弁でもあったりとか、また調べてみたら、ライトアップだけでなくて様々なイベントをされているなというふうに思いました。
 五億円から九億円の来年度の予算の中で、やっぱり実施公園自体も倍にして八公園でされるということでございましたけれども、やはりこういった事業はたくさんの都民の皆さんに来ていただきたいなというふうに思います。
 そのためには、やはり広報というものも必要だなというふうに考えるんですけれども、どのような方法でこの事業を周知してきたのか、またその結果、来園された都民の皆さんの反響というものをお聞かせいただきたいと思います。

○小谷公園緑地部長 ツイッターを活用した広報をはじめ、ウェブ広告や空撮動画をホームページで発信するなど、実際に行ってみたいと思えるような工夫を凝らした広報を実施しております。
 イベント期間中は、多くの来園者に花や光の魅力を楽しんでいただいておりまして、今後も続けてほしいという感想などが寄せられております。
 今後とも、さらなる内容の充実とともに、効果的な広報を実施することで、より多くの方々に楽しんでもらえる公園づくりに取り組んでまいります。

○須山委員 ありがとうございます。
 おおむねいい評価だったのかなというふうにも思いますし、今年度から来年度にかけて倍増するということで、評価の高い事業なのかなとも思いました。その中で、しっかりとこの事業の目的とかに、どういうふうにかなったのかということも、改めて決算の方でも伺っていきたいなと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 都立公園の利活用は本当に大切なことだと思いますし、都民の憩いの場であったりとか、自然と触れ合う場であったりとか、様々利活用を進めていただいて、都民のための都立公園、しっかりと運営をしていっていただきたいなと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 以上で質問を終わります。

○漢人委員 それでは、一点だけ質問いたします。都市計画道路小金井三・四・一号線、三・四・一一号線についてということです。
 一般質問でも取り上げましたけれども、小金井市では、昨年十一月の市長選で、この二路線について、事業化の中止と都市計画決定の見直しを公約とした市長が誕生しております。
 現在、小金井市でも第一回定例会の開会中ですけれども、施政方針、一般質問、予算委員会などでこの問題をめぐる質疑が行われております。都に対して事業化の中止を求める要望書を提出するために様々な調整が行われているようです。
 そのような前提で二点まとめて質問します。
 まず、二路線について、来年度予算で想定をしている内容について伺います。
 次に、三・四・一一号線について、こちらについては昨年二月に落札され、道路概略検討が進められてきましたが、委託期間が営業日百八十日でありまして、既に納品されているようです。この概略検討に含まれている道路構造案の内容と評価についてお伺いしたいと思います。お願いします。

○湯川道路建設部長 まとめてお答えをさせていただきます。
 まず、来年度の予算でございますけれども、令和五年度予算案では、小金井三・四・一号線につきましては、環境概況調査等に要する費用として二千万円を計上してございます。小金井三・四・一一号線ほかにつきましては、地元周知や地下水位調査等の委託に要する費用として三千三百万円を計上してございます。
 さらに、小金井一一号線ほかの道路概略検討に含まれる道路構造案の内容と評価についてでございますけれども、小金井三・四・一一号線ほかは国分寺崖線や野川と交差しておりまして、整備に当たりましては、地形状況や景観を踏まえた検討が必要でございます。昨年度から道路概略検討を進めておりまして、環境概況調査の結果等を基に、橋梁、掘り割り、地下等の道路構造形式を比較検討し、昨年末に報告書として取りまとめたところでございます。
 現在、報告書の内容を踏まえまして、自然環境や景観にも配慮した最適案を整理しているところでございます。
 来年度は、オープンハウスの開催などにより周知をし、多くの方の意見を聞きながら丁寧に対応するなど、事業化に向けて取り組んでまいります。

○漢人委員 道路概略検討につきましては納品されたということで、小金井の市議が情報公開請求をしたんですけれども、これが最大の六十日間、期間が延長ということになりまして、まだ手元に見ることができません。四月の初めぐらいに公開になると思いますので、この道路構造形式についてしっかりと確認をしたいと思います。
 今日の答弁では、今、橋梁、掘り割り、地下等という三案ということでしか示されておりませんで、このうちどれになるのかということを注目しているところです。
 ただ、一方で、私は、この道路計画については市長と同じ立場です。事業化の中止を求めております。ただ、都市計画道路の見直しや中止を決めるのはこちらの建設局ではなくて、都市整備局の方になるかと思います。建設局に対しましては、この道路計画に関しまして、市長をはじめとした小金井の民意を受け止めて、事業化を進める予算の執行は行わないということを求めておきたいと思います。
 今回、もう納品されたものがあるわけですけれども、先ほどのお話だと、それを受けて、新年度では地元周知や地下水位調査等に要する経費ということで計上されておりますけれども、その準備も全てストップしておいていただければいいんではないかと思っております。
 また、繰り返し申し上げていますけれども、二路線が造られようとしているこのエリアというのは、国分寺崖線と野川の貴重な自然環境です。今おっしゃられたとおりです。都内ではこれは唯一で、全国でも二十七か所しかない、自然再生推進法に基づく自然再生協議会が活動を展開しているという大変貴重なエリアです。
 そして、この年度内には、昨日の環境局の質疑の方でも確認をしましたけれども、生物多様性の国家戦略が、まずこの年度内につくられる予定になっております。それを受けて、東京都の方でも生物多様性地域戦略ということで、恐らく新年度早々にはこれが策定、公表されることになります。
 こういったことに照らしても、今小金井で造られようとしている道路が造られて損なわれようとしている自然環境、景観、これについては大変貴重なものであるということ、生物多様性の観点からも慎重な対応が必要であるということを申し上げまして、私の質問を終わります。

○渋谷委員 それでは、私からは、多摩都市モノレールの箱根ヶ崎延伸について伺います。
 昨年十月に、新青梅街道を多摩都市モノレール箱根ヶ崎延伸の導入空間とする都市計画素案が示されました。箱根ヶ崎方面への延伸は、開業区間と一体となって南北方向の拠点を結び、多摩地域の活力や魅力をさらに高めることが期待されており、早期開業が求められています。令和五年度予算で多摩都市モノレール箱根ヶ崎延伸の予算が三億四千万円計上されています。
 そこで、これまでの取組と来年度の取組についてを伺います。

○砂田道路計画担当部長 多摩都市モノレール箱根ヶ崎延伸につきましては、令和二年度より基本設計等を進め、昨年十月には、その成果に基づき、都市計画素案説明会を開催しております。
 今年度から債務負担行為を活用いたしまして、支柱や桁といった軌道構造物等のインフラ部の設計を進めているほか、東京都環境影響評価条例に基づく環境現況調査等を実施しております。
 令和五年度につきましては、事業化に向けて引き続き設計及び調査を進めてまいります。

○渋谷委員 モノレール延伸に向けた設計等が着実に進められていることが分かりました。
 早期開業のためには、導入空間となる道路の用地取得が重要となります。そこで、新青梅街道の現在の用地取得状況と今後の取組について伺います。

○澤井用地部長 新青梅街道は多摩地域の東西を結ぶ重要な骨格幹線道路でございます。これまで全ての関係権利者を対象としまして意向調査を実施させていただいておりまして、この調査を踏まえまして、早期契約を希望する方を中心に用地取得を実施しております。
 令和五年二月末現在の用地取得率は約四六%でございます。沿線には大型の郊外型店舗が多数ございまして、補償金算定に時間を要することが見込まれますことから、補償金の算定委託におきまして、債務負担行為を活用するなど、スピードアップを図っております。
 引き続き、関係権利者の方々に対しましてきめ細やかに対応するとともに、事業に対する一層の理解を得ながら、用地取得を積極的に推進してまいります。

○渋谷委員 事業の一層の推進を期待いたします。
 次に、調節池の整備について伺います。
 近年、全国各地で記録的な豪雨災害が多発し、都においても、令和元年台風第十九号では多摩地域を中心に河川からの溢水が発生しました。
 昨年九月に台風が接近した静岡県では、記録的な豪雨によって河川から越水し、水道や電気などのライフラインが寸断され、住民の生活に甚大な被害が発生しました。都市機能が密集した東京でこのような豪雨が発生した場合には、深刻な被害になるおそれがあります。
 こうした水害から都民を守る取組として大きな期待を寄せているのが調節池の整備です。そのためには、現在実施している調節池の工事を着実に進めていくことが重要です。
 そこでまず、調節池の工事について、これまでの実施状況と令和五年度の取組について伺います。

○齊藤河川部長 激甚化、頻発化する豪雨から都民の命と暮らしを守るためには、護岸の整備と併せまして、豪雨に対して大きな効果を発揮する調節池の整備を推進することが重要でございます。
 都は、これまでに二十七か所の調節池を整備してきており、総容量は約二百六十四万立米でございます。
 現在、環状七号線地下広域調節池等八か所で工事を実施しており、令和五年度は新たに、仮称石神井川上流第一調節池の準備工事に着手いたします。

○渋谷委員 調節池の工事が着実に進んでおり、さらに来年度からは新たな工事に着手することが分かりました。
 都は一月に、「未来の東京」戦略 version up 二〇二三を公表し、調節池整備を着実に推進することとしています。激しさを増す豪雨から都民の命や暮らしを守っていくため、調節池の整備をよりスピードアップさせていくことが重要です。
 そこで、新たな調節池の事業化に向けた取組について伺います。

○齊藤河川部長 都は、「未来の東京」戦略で、二〇三〇年度までに約百五十万立米となる新たな調節池の事業化の目標年度を、気候変動の影響を見据えまして、河川施設の豪雨対策を加速するため、前倒ししていくことといたしました。
 来年度はまず、仮称仙川第一調節池を新たに事業化し、基本設計に着手いたします。さらに、現在、柳瀬川など九河川で調節池の候補地や構造形式の選定を行っており、早期の事業化に向けた検討を進めてまいります。
 今後こうした取組を加速し、豪雨に対する安全性を高めてまいります。

○渋谷委員 新たな調節池の事業化に向けた取組が進んでいることが分かりました。私の地元を流れる柳瀬川についても、事業化に向けた検討を進めていくとのことであり、早期の実現を期待して、次の質問に参ります。
 先ほど伊藤委員からも質問がありましたが、私からも防災船について質問をいたします。
 都では昨年五月に、首都直下地震等による東京の被害想定を見直し、これを踏まえて東京都地域防災計画震災編を改定中であるなど、東京の防災力改定に取り組んでいます。
 また、二〇四〇年代に目指す東京の姿とその実現に向けた道筋を明らかにするTOKYO強靱化プロジェクトを昨年十二月に策定しました。この中で、防災拠点等へのアクセス強化として、発災時に活動できる機能と構造を確保した船舶を活用することとし、令和五年度から建造に着手するとしています。
 そこで、発災時における防災船の役割について伺います。

○周郷河川防災担当部長 発災時の緊急輸送ルートを多重化するには、陸上ルートだけでなく、水上ルートの確保は必要でございます。建設局が所有する船舶は、東京都地域防災計画におきまして、発災時には都災害対策本部の要請に基づきまして、物資及び人員搬送等を担う船として位置づけられております。
 今回新たに建造する防災船は、発災時における災害対応機能を強化し、早期の水上ルート確保や物資の輸送等を着実に実施していくものでございます。

○渋谷委員 新しい防災船は、発災時において重要な役割を担うものであることが分かりました。
 今、災害対応機能を強化するとの答弁がありましたが、防災船における新たな取組について伺います。

○周郷河川防災担当部長 災害対応の実効性を高めていくために、これまで固定式だった座席を可動式にし、物資等の積載能力を向上させるなど、発災時の活動スペースを確保してまいります。
 今回、大型船二隻のほか、小型船を二隻導入し、防災船着場がある全ての河川で水上ルートを確保いたします。

○渋谷委員 ただいまの答弁で、小型船の建造によって防災船着場がある河川全域での輸送が可能となることが分かりました。大規模災害時には、陸上ルートでは様々な事情で輸送困難になるおそれもあり、水上での輸送は極めて重要となることから、これは大きな前進と考えます。
 防災船着場の機能強化も含めまして、今後の事業のさらなる拡充を求めるとともに、建造に当たっては、発災時に有効に活用できるよう十分配慮して取り組むように求めて、私からの質問を終わります。ありがとうございました。

○小磯(善)委員 今も渋谷委員からございました調節池について、まず質問してまいりたいと思います。
 私の場合、東京と神奈川県の間を流れる境川の調節池ということでお願いをしたいと思います。
 近年、豪雨が激甚化しておりまして、毎年のように全国各地で水害が発生をしております。記憶に新しい令和元年東日本の台風では、猛烈な雨が広範囲に降り、各地で甚大な被害が発生し、都内でも溢水などによる被害が発生をしております。
 境川におきましては、平成二十年に溢水して、それ以降、幸いにも同様の被害がないわけでありますけれども、しかし、ちょっと集中豪雨があるとすぐ天端まで水が行って、心配をしているというのが実態であります。豪雨時の安全・安心の確保というのは大変急務であるということでございます。
 そのために、早期に治水効果を発揮する調節池の整備をより推進して、治水安全度の向上を加速させなければなりません。我が会派の公約でありますチャレンジエイトでも、調節池整備の加速、これを目標として、その整備をこれまでも要望してきたわけでございます。
 都は現在、境川の東京都管理区間におきまして、地下箱式の貯留量約十五万一千立方メートルの境川金森調節池及び約四万九千立方メートルの境川木曽東調節池の工事を行っているわけでございます。
 昨年末、私も境川金森調節池を視察させていただきました。現在、調節池の本体構築を進めていることを確認したわけであります。
 この調節池は堅牢な柱やはりで構成されることから、構築に当たり膨大な資材を必要とし、工事用車両の搬出入など、地元への影響も懸念されるわけでございます。地元の方々が、大きなダンプが一日に何十台も行ったり来たりするというのは、もうとにかく子供たちの安全のためにも何とかしてもらいたいという要望が大変強うございました。そんなことで、何とか掘削のダンプというのは、もう本当に創意工夫していただいて、極力減らしていただきました。
 今度は、いわゆるこの柱や、またはりとか、地下にビルみたいなのを造るために、今度はコンクリートが大変大量に必要になってくる。そういったことの工事用車両の通行による影響を低減する、そういう取組をするべきであると思うわけでございますが、都の見解を求めたいと思います。

○齊藤河川部長 境川金森調節池の周辺は閑静な住宅地であることから、都は、これまで六回の工事説明会を開催し、地元住民の意見を踏まえ、工事用車両の通行量を削減するなどの対策を実施してまいりました。
 具体的には、掘削土砂の搬出方法をダンプトラックによる地域内の市道を通る運搬から、パイプコンベヤーによる河川沿いルートでの輸送に変更いたしました。
 今後、本体構築に必要となるコンクリートにつきましても、対岸の国道一六号線沿いに設ける作業ヤードからパイプを使って送る予定でございます。これにより、住宅地を通行する工事車両を大幅に削減することが可能となります。

○小磯(善)委員 地元住民に対して配慮しながら工事を進めているということが確認をできたわけでございます。よろしくお願いいたします。
 次に、境川金森調節池の上流に位置する境川木曽東調節池も工事を行っているところでございますけれども、さきの本会議におきまして、取水開始時期の前倒しを検討し、整備効果の早期発現を目指すということで、この境川の木曽東調節池のことについて答弁がありました。
 そこで、境川木曽東調節池の整備状況と、整備効果の早期発現に向けた具体的な取組について伺います。

○齊藤河川部長 現在、境川木曽東調節池では、掘削作業が完了した箇所から本体構築を進めております。整備効果の早期発現に向けまして、複数工種の同時施工や、作業空間をより広く確保できる新たな土留め工法の採用により、作業効率を向上させることで工期の短縮を図ってまいります。

○小磯(善)委員 様々な工夫をしていただいて、両調節池の工事が実施されていることがよく理解できました。スピード感を持って完成を目指し、早期の事業効果を発現できるよう期待をするところでございます。
 この二つの地下箱式調節池が完成した後、洪水を確実に貯留するためには、取水後、適切に排水や清掃を実施することがまた重要であります。
 この二つの調節池の排水、そして清掃はどのように行うのかお伺いいたします。

○周郷河川防災担当部長 両調節池では、境川の水位低下を確認後、貯留した水を大型ポンプにより速やかに排水いたします。排水後、調節池内の汚泥の堆積状況等を確認し、汚泥吸引や高圧洗浄等により清掃をいたします。

○小磯(善)委員 調節池の排水並びに清掃方法については分かりました。
 調節池の整備には相当期間を要することから、現況河道の流下能力を確実に確保する必要がございます。そのためには、河道内の樹木、また堆積土砂を把握して撤去するなどの維持管理が大変重要であります。
 そこで、境川の東京都管理区間における令和五年度の維持管理の取組についてお伺いいたします。

○周郷河川防災担当部長 令和五年度は、下森橋から境橋間の約七百メートルにおきまして河床整正などを実施してまいります。
 また、定期的な点検や巡視により、洪水時の川の流れに影響を及ぼす可能性のある樹木を確認した際は、適宜伐採してまいります。
 これらの取組により、流下能力を確保してまいります。

○小磯(善)委員 ぜひ適切に維持管理を実施してもらいたいと思います。
 現在整備しております金森調節池と木曽東調節池が完成すれば、約二十万立方メートルの洪水を貯留する機能を備えることになります。河川整備計画では、総容量約七十六万立方メートルの調節池が必要とされておりますが、早期の治水安全度向上のためには、さらなる整備の加速が必要であります。
 そこで、境川の東京都管理区間における二つの調節池に続く新たな調節池の取組について、都の見解を求めます。

○齊藤河川部長 境川で三か所目となる中里橋上流右岸の旧河川敷に整備いたします調節池につきましては、現在、詳細設計を実施しております。
 さらに、新たな調節池の事業化につきましては、引き続き、候補地や構造形式の選定などの検討を進めてまいります。
 今後、こうした取組を加速し、境川流域の安全性を高めてまいります。

○小磯(善)委員 こういう取組を加速しということで今答弁がございました。より一層スピード感を持って、新たな調節池の事業化に向けて取り組んでいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 続きまして、都立公園における官民連携についてお伺いいたします。
 近年、公園の魅力向上のため、多くの自治体で公園内に飲食店などを設置運営する民間事業者を公募により選定する官民連携の取組が増加しております。
 都は、都立公園におきまして、利用者である都民の視点に立ちながら管理運営に取り組むための方針として、パークマネジメントマスタープランを策定しております。平成二十七年に改定されたマスタープランにおいて、民間の活力、ノウハウを生かした、にぎわいのある公園づくりを進めることとしております。
 しかし、マスタープラン策定後、民間事業者との連携も可能にしたパークPFIが制度化されるなど、新たな動きも出ているところであります。
 次期マスタープランの改定に当たっては、こうしたパークPFIなど新たな官民連携についても位置づけるべきと考えますが、都の見解をお伺いいたします。

○根来公園計画担当部長 都はこれまで、公園の多面的な活用の一環として、木場公園や浮間公園などでカフェ等を設置するなど、官民連携に取り組んでまいりました。
 現在、パークマネジメントマスタープランの改定を見据え、公園審議会に新たな都立公園の整備と管理の在り方を諮問しておりまして、多様な主体との連携による公園づくりなどについて議論を深めております。
 来年度策定する次期マスタープランにおきまして、パークPFIの活用を含めた官民連携についても位置づけてまいります。

○小磯(善)委員 マスタープランへの位置づけに併せて、実際に制度を活用していくことも重要であります。
 そこで、今後の公園整備のパークPFIの活用について、都の所見を伺います。

○佐々木公園調整担当部長 都は現在、明治公園と代々木公園においてパークPFIを活用し、様々なイベントが開催できる広場空間のほか、快適な滞在空間で飲食を楽しむことができるカフェを設けるなどの公園整備を進めております。
 さらに、日比谷公園大音楽堂においても、パークPFIによる再整備を進めていくこととし、来年度、事業者を公募いたします。
 引き続き、民間のアイデアやノウハウを生かす官民連携の取組を進め、都立公園の魅力を向上してまいります。

○小磯(善)委員 パークPFIは、都市公園において飲食店、売店等の公園施設の設置または管理を行う民間事業者を公募によって選定し、選定された事業者が設置する施設から得られる収益を公園整備に還元すると、そういったことを条件に、事業者には、例えば設置管理許可期間を最長十年から二十年まで延長可能にしたり、建蔽率、占用物件など特例措置がインセンティブとして適用されると、こういう制度でございます。
 公園管理者側にしてみますと、公共部分の整備に収益を充当させる仕組みが法定化され、選定プロセスが明確化になったことで民間が参入しやすくなり、効果的、効率的な公園の再整備が促進される。事業者側にしますと、長期的な戦略を持って安定的な施設運営を行うことができると。また、我々公園の利用者側としては、公園の利便性が向上するとともに、公園の周辺も含めたエリアの魅力向上につながるというようなパークPFIの制度でございます。しっかり検討をお願いしたいと思います。
 そしてまた、こうした、どういう計画でこの公園が整備されるのか、そういったことについて情報公開が不十分であるということであれば、都はしっかり情報を公開するよう求めていくと、そういったことも大事だと思いますので、よろしくお願いいたします。
 最後に、境界確定の索引図の電子化ということで質問をさせていただきます。
 昨年の事務事業質疑で、東京都道の境界が確定しているかどうか、これを各建設事務所に調べに行くと、そうすると、建設事務所の窓口の人は、そこの場所がいわゆる境界確定されているかどうかを、一旦ちょっと奥に引っ込んで、いわゆる紙の地図を引っ張り出して、それで都道を見ながら、ここは確定していますとか、確定していませんという情報が与えられると。
 確定しているところについては、コンピューターにそのデータが入っていて閲覧できるということでありますが、そこのいわゆる境界確定の有無を調べるための紙の索引図、これを電子化すべきであるということで、都としても都民サービスの向上に向け検討してまいりますと、このような答弁が返ってきたところであります。
 この索引図の電子化に向けて、現在の検討状況と今後どのように取り組んでいくのかお伺いをしたいと思います。

○松島企画担当部長建設DX推進・危機管理強化担当部長兼務 索引図の電子化につきましては、現在、他団体の事例調査や、電子化に当たっての課題整理などを行っているところでございますが、来年度より既存のシステムを活用した索引図の電子化に取り組んでまいります。
 完了した箇所から順次、各建設事務所の窓口業務に活用し、都民サービスの向上を図ってまいります。

○小磯(善)委員 今、索引図の電子化に取り組んでいくというご答弁がございました。建設事務所も結構多くありますので、しっかりよろしくお願いしたいと思いますし、また、広く都民のサービスを図るということであれば、そういった索引図がいわゆるホームページ等で検索できるようになれば、また一段と利便性が向上すると思いますので、そこまでぜひ検討をお願いしたいということを要請いたしまして、質問を終わります。

○曽根委員 私から、まず、外環道の調布における陥没事故後の対応について質問をいたします。
 事業者のNEXCOは、陥没や空洞が発生した直上の部分に絞って地盤補修工事を行うとしまして、住民の抗議も押し切って、一部では住宅の除却を強行しているという状況ですが、これは断じて許すわけにいきません。厳しく抗議するとともに、工事の強行はやめるよう強く要請をいたします。
 それにしても、調布の陥没について事業者は、陥没した、もしくは空洞が見つかった狭い範囲のみに地盤補修を限定したとはいっても、全世帯、全対象世帯について了解の上で工事を始めているわけじゃありません。
 本当に地盤補修をやるんだったら、ここは少なくとも全部の世帯の了解が必要だと思いますが、その見通しは立っているのかどうか、事業者の方ではどう考えているのか、お聞きします。

○手塚三環状道路整備推進部長 事業者は、これまでにボーリング調査や物理探査等の多角的な地盤調査を行い、陥没事故で緩んだ地盤については、トンネル直上の陥没空洞箇所の周辺約二百二十メートルの範囲であると特定したところでございます。
 地盤補修の計画につきまして事業者は、オープンハウスや意見交換会などにより繰り返し地域住民に丁寧にご説明を行った上で、現在、仮移転や買取りにご協力いただいた家屋の解体作業を進めるとともに、地盤補修の準備工事を行っていると承知しております。
 引き続き、家屋の仮移転や買取りにつきまして個別に事情を伺うとともに、丁寧にご説明を行い、ご理解いただけるよう努めていくと聞いております。
 都としましては、事業者に対しまして、引き続き住民の不安払拭に向けた丁寧な説明やきめ細やかな対応を求めてまいります。

○曽根委員 丁寧とかきめ細かいという言葉が出てくるたびに、それとは逆の現象が起きているんだなという実感を持たざるを得ないんですけど、今の答弁で、事業者は仮移転や買取りに応じた住宅の除却から始めて、進めてしまっているんですが、全てのお宅の了解が得られる状況ではないにもかかわらず、すぐ近所、もしくはお隣で除却を進めると。これは残された住民にとっては、事実上、追い立てを食っているような、いわば、かつての底地買いや地上げのような状況が現場では浮かび上がってきております。丁寧どころか、とんでもない横暴であり、このままでは後々大きな禍根を残すということを厳しく指摘しておきたいと思います。
 東京都も、住民の立場に立って事業者に対して厳しく物いいをすべきです。
 しかも、地盤補修について、これは大きな矛盾を抱えているということもいわざるを得ません。この地域で、ご存じのとおり、事業者は東京地裁から工事の差止め命令を受けているわけです。この命令に一切反論をせず、したがって、シールドマシン工事は中断をしているわけですね。
 不可解なのは、差止め命令の根拠として、不安定地盤の対策がされていないと裁判所に名指しされたお宅のうち一軒については、事業者は、自ら決めた補修エリアに入っていないのを理由に、地盤補修の対象にしていないことなんですよ。これでは、差止め命令無視となりまして、仮に補修工事をやったとしても、今度は裁判所と一悶着起きることになります。
 こうしたように、事業者は事態に本当に打開する見通しを示しておりません。
 さらにいえば、地盤補修工事による新たな地下水の遮断問題というのが地元で懸念されています。
 地下に液状セメント固化剤を噴出し、次々縦に並べて打ち込むことで、巨大な壁状の構造を地下に造る、こういう工法だと聞いていますが、これでは地下水の流れを阻害する危険があることを都は認識しているでしょうか。また、この地域の地下水の流れの調査について、事業者の報告は受けているんでしょうか。

○手塚三環状道路整備推進部長 今回実施する予定の地盤補修工事につきましては、セメント系の固化材料等を地中において高圧で噴射し、土と混合させて、元の地盤強度を目安に地盤を改良するものと聞いております。
 地下水への影響につきましては、事業者が行った解析におきまして、地盤補修に伴う地下水変動は近年の降雨影響等による水位変動量と比較しても小さく、地盤補修が与える影響はごく小さい結果であったと聞いております。
 なお、外環工事箇所における地下水位につきましては、事業者はこれまでも継続的に観測を行い、ホームページにおいて公表してきており、地盤補修の工事中におきましても事業者は近傍の観測井において継続的に観測を行い、結果について掲示板等でお知らせしていくと聞いております。

○曽根委員 今の部長のご答弁を聞く限り、事業者の解析というのは、土壌実験ではなく、シミュレーションの解析程度であり、セメント固化材の噴出量の微妙な調整によって、実際にどの程度の地下水流量への影響が出るのか、これも不明だといわざるを得ません。大きな不安を持たざるを得ないということを指摘しておきたいと思います。
 しかも、複数のお宅が了解していない現状では、地下の工事は完成できないわけですから、最初から説明不足と見切り発車による大きな弱点を抱えている問題、この問題を改めて事業者に解決するよう、都からも厳しく求めるべきであり、このことを強く要望しておきます。
 液状セメントを送り込むパイプを入間川に敷設する工事を都は許可したわけですけれども、不可欠な沿岸住民への説明と合意を得ているかどうか、このことを都は確認したのかをお聞きします。

○齊藤河川部長 入間川の河川使用につきましては、河川関係法令に基づき審査を行い許可いたしました。

○曽根委員 今ご答弁したとおり、関係法令には沿岸住民の方々の合意を得る必要があるということは書かれていない。このことを根拠にして、事業者は、沿岸住民の説明は十分やったとはいえない。このことを承知の上で認可を下ろしているんですよね。
 パイプルートが決まったというのは、この沿岸住民への説明、オープンハウスの説明会のときには、幾つかのコースの可能性を説明しただけであって、しかも、調布市民誰でも参加できますよということで、会場に行かなければ、こうしたミルクセメントを長い距離、パイプで送り出すという工法は、多くの市民は知らないまま今日まで来ているわけです。
 こういうような状況ですから、もしパイプから高圧のセメントが噴出するなどの事故が起きれば、事業者も説明不足、そして、都の認可がずさんだったと、この責任は厳しく問われることになることを申し上げておきます。
 そしてまた、練馬での外環と外環ノ2の工事についても、あってはならない、ずさんなやり方がまかり通っていると思います。練馬でも、大泉の事業地内のマシンの事故で止まっていた工事が再開されまして、また、マシンの一台は既に事業用地外に進出し、大深度地下の工事に進んでおります。
 マシンの故障や地上への影響などを絶対に再発させないためのどういう対策が取られたのか、地盤調査は細かく行われたのか、いかがでしょうか。

○手塚三環状道路整備推進部長 大泉側本線シールドトンネルにつきまして、事業者は、昨年二月から六月にかけまして追加ボーリング調査を行い、地盤の地層構成や粒度分布等の再確認を行い、それも踏まえた再発防止対策を昨年十月に有識者委員会で確認したと承知しております。
 また、事業者は、有識者委員会で確認された再発防止対策が機能していることを丁寧に確認し、施工状況や周辺環境をモニタリングしながら、細心の注意を払いつつ、事業用地外も含め慎重に掘進していると聞いております。
 なお、大泉側本線南行きシールドトンネルにつきましては、昨年四月に発生したマシンの損傷を受けて、事業者は、自らが契約する全ての設計業務及び工事の受注者に対し厳正な照査を行い、品質の向上を図ることを指示し、誤りがないことを確認したと聞いております。

○曽根委員 事業者にとって、調布でのトンネル工事再開の見通しが今のところ全く見えていない中で、逆向きの練馬からの大深度地下のシールド工事は、今後、莫大な費用の無駄遣いになりかねません。少なくとも工事は当面中断し、調布の陥没問題の住民本位の解決をまず図るべきであります。
 しかも、昨年四月のシールドマシンの損傷事故というのは、設計業者などに責任や点検を求める前に都が、大深度地下の巨大なマシンの工事に事業者が全く習熟していないこと、マシンの掘進でほんの僅かコースがずれれば、カッターが構造物に接触するほど困難な地下の工事を、これ以上継続すべき状況でないと、このことを事業者は認識すべきですし、都は、事業費のかなりの部分を負担しているんですから、このことを事業者に強く求めるべきであります。
 外環道について、地中拡幅部の工事をめぐる大きな宿題が残されております。用地買収が三割ほどで反対が強い青梅街道インターチェンジ用地でも、これは都が受託している事業ですけれども、測量や家屋調査が強行されています。事業再評価のときには、中央ジャンクションと同様、地中拡幅部で工事設計の大幅変更が今後必要になるのではないでしょうか。
 この青梅インターチェンジの地中拡幅部の工事設計の大幅変更というのは、いつ頃行われる計画なんでしょうか。

○手塚三環状道路整備推進部長 青梅街道インターチェンジは、沿線区市からの広域的な利用が見込まれ、地域の渋滞緩和や安全性の向上にも寄与するものであり、外環全体の事業計画上、欠かすことができないインターチェンジであると認識しております。
 青梅街道インターチェンジにおける本線とランプ部をつなぐ地中拡幅部につきましては、事業者は工法等について検討を進めていると承知しております。
 なお、事業評価に関しましては、事業者が適切に対応していくものと承知しております。

○曽根委員 中央ジャンクションの四か所の地中拡幅工事の大幅な変更が行われましたが、このときに二〇一九年の詳細設計の委託が行われました。このときは、一年間ちょっとの期間で詳細設計の委託をされているんですが、その後、繰り返し契約の延長が行われました。
 この点は先日の代表質問でも少し紹介しましたが、最初は二〇一九年の二月に契約をしまして、一年ちょっとで、二〇二〇年の五月八日に履行される予定の計画が一回延長になって、二年近く延長になりました。
 その二年近く延長した結果、変更後の二〇二二年の三月の契約なんですけれども、これがまたさらに半年間延長になって、二〇二二年九月三十日まで延長になり、それが九月三十日の直前にまた延長になって、最終的には今年の九月三十日まで、詳細設計の契約が三度にわたって延長になり、結局は丸三年かかっているわけです。
 しかし、この期限が来ても、今年九月ですね、詳細設計が完成する見込みは立っていないといわれており、要するに、この地中拡幅工事の設計段階が非常に難しいということで、迷走状態ということで、私たちは、この工事はもう本当に世界的にも例がない難工事であり、今現在の日本の道路技術でも難しいんじゃないかということで、根本的な見直しを求めているところです。
 この青梅インターも二か所の地中拡幅工事が予定されており、この費用見積りは旧設計の見積りになっておりますので、当然ながら、これを早く見直さないと、事業費全体がどれぐらいになるのかが見えないわけです。
 私は、この費用の見直しの再評価が遅れている原因は、この青梅街道インターの地中拡幅部の設計が変更になりますと、総事業費に対する経済効果を表す、いわば総便益対総事業費のBバイCが一・〇を割り込むことになるんじゃないかと。このことから、青梅街道インターチェンジの地中拡幅工事の設計の費用の見直しを遅らせているんじゃないかというふうにも思うんですが、いかがですか。

○手塚三環状道路整備推進部長 青梅街道インターチェンジにおける本線とランプ部をつなぐ地中拡幅部につきましては、事業者は工法等について検討を進めていると承知しております。
 青梅街道インターチェンジの地中拡幅部を含む外環全体の事業費につきましては、事業者が今後ともコスト縮減などを図りながら精査を行うとともに、厳格な事業評価を行っていくと承知しております。

○曽根委員 私は、このことについて東京外かく環状道路の再評価の資料をずっと見ていたんですけれども、これは令和二年、つまり二〇二〇年の九月三日に出されているんですね。この翌月、陥没事故が起きています。
 ですから、陥没事故が起きる一か月前に事業の再評価をしていて、事故が起きることは前提ではないんですが、このときに既に、前回の見直しでBバイC、費用便益比が一・九、つまり事業費をかけても、その二倍近いぐらい経済効果がありますと、便益効果があるといわれていたものが、この費用便益比、BバイCが一・〇一になっちゃった。ほとんど一ですよね。
 なぜ下がったのかと思ったら、この地中拡幅工事の大幅な変更による、四か所の工事で合計五千三百六十五億円の増額になったと。これが非常に大きな要素として、分母を大きくしたと。コストですね、事業費コストを大きくした。でも、それだけじゃないんですよ。国の資料を見てみたら、総便益、Bの方も、分子ですね、分子が、前回、平成二十八年、二〇一六年の事業評価では二兆八千七百七十七億円、三兆円近い便益があるとされていたものが、四年後の二〇二〇年、令和二年度の費用便益費は二兆八百十億円と、三割ぐらい下がっているんですね。
 これは明らかに、この間の自動車交通量の減少などが反映しているものと思われますが、このペースで事業による便益が下がっていくと、今度、この次の見直しは恐らく二年後になりますけれども、二〇二五年ぐらいに行われるであろう便益の見直しによって、分母は、さらに青梅街道インターチェンジの設計変更によって膨らみ、そして、分子は、さらに自動車交通が減ってきた場合、下がっていくということを考えると、一・〇を割り込むのはもちろんですが、次第に〇・五に近づいていくんじゃないかと。これが今見えてきていると。
 しかも、陥没事故などの対策の費用なども、まだこれには全く入っていないわけですから、もう本当に外環道事業というのは、経済効果の面でも、総事業費を経済効果でもって取り戻すことのできない、いってみれば、経済的に見ても、今日の日本でちょっとあり得ない道路事業になりつつあると。
 早晩このことが明らかになる前に、東京都は費用の四分の一を負担しているという地元自治体の立場として、しっかりと国に対してこの事業の抜本的な見直しを強く求めるべきだということを申し上げておきたいと思います。
 次の質問に参ります。私の地元北区の赤羽西地域の都道補助八六号線、特定整備路線の計画を事業化されていますけれども、この路線について簡潔に質問していきたいと思います。
 補助八六号線の赤羽西区間では、道路の設計が決まらないまま、特定整備路線としての計画決定から十年が経過しました。設計が困難を極めている原因として、これまで、一つは、赤羽駅寄りの太田道灌由来という小高い山城跡をくり抜くトンネルの掘削工事が非常に難しいこと、このトンネル設計が決まらないこと。
 それから、第二に、それに続く中間部分の通称弁天通りといわれるこの通りの拡幅部分が、戦前までは小川が流れる湿地帯だったことから、巨大な道路を盛土で整備しようとすれば、地下水の噴出や地盤沈下、周辺住宅への影響の危険があること。
 そして三つ目に、最後に、道路の出口の方に向かって自然観察公園というのがあって、区内随一の湧水や地下水への影響が避けられないことなど、それぞれ困難な課題を抱えているわけです。
 今日、ちょっと小さめなんですけど、パネル持ってきました。去年の予特でも私、使ったんですけど、これは弁天通りの拡幅部分の簡単な、何ていうか略図なんですけれども、ここに低地の現在の現道があって、そこに大型の道路を造ると、どうしても段差ができて、この道路と交差する生活道路の交通が極めて困難になるという、暮らしにとっては、地域の方にとっては非常に問題の残る道路設計になっているんですね。これが難しいわけです。
 こちらには赤羽の自然観察公園があって、この水源から出てくる水が相当広範囲にわたって影響するということが分かってきています。
 この道路の設計がいまだに出ていないわけですが、いつまでに設計が決まる見通しなのか。もう十年たっているんですけれども、この点についてお聞きします。

○砂田道路計画担当部長 補助第八六号線の赤羽西地区につきましては、幅員二十メートル、片側一車線の約一・二キロメートルの都市計画道路でございます。
 平成二十七年二月に事業認可を取得いたしまして、用地取得率は昨年末時点で六七%でございます。
 これまで順次、地質調査や地下水調査を行いまして、トンネルや擁壁などの構造検討を含む道路予備設計を実施してきており、この成果に基づきまして、現在、交通管理者や環境局等と協議をしているところでございます。
 今後は、関係機関との協議を進めながら、本格的な工事発注に向けて詳細な設計を進めていく予定でございます。

○曽根委員 だから詳細設計はこれからなんですよね。
 計画発表から十年を超えても、なお予備設計段階であって、詳細設計はこれから詰めていくというのは、地域幹線道路としては異例の事態だし、これは事業としても極めて難しいということを表していると思います。
 しかも、昨年一年間の間に二つの大きな出来事が地元で起こりました。
 一つは、昨年の四月に、これまでの地下水調査を東京都は、このパネルでいいますと西側の赤羽自然観察公園、ここには北区最大の湧水があって、一分間に五十リットルぐらいの大量の水が出ているんですけれども、この地域の公園内の地下水の流れやその影響などについて、かなり調査をしてきたんですが、この調査の中で、新たに二か所のボーリング調査を行い、三次元浸透流解析を行う必要があるということになり、地下水位の経過観察を行うことになりました。今もこの観察が継続しているわけです。
 説明を読みますと、昨年度の地下水及び水門調査において、擁壁部及びトンネル部において地下水位に影響が及ぶことが判明した。これを受けて、環境局などと協議を行った結果、補助八六号線、路線全体を包括して三次元浸透流解析を行い、地下水流動について評価する必要が生じたと書かれていました。
 これ、ちょっと意外なんですけど、こっちの赤羽自然観察公園から、この先にずっと、三百メートルほど先にトンネルがあるんですけれども、ここまで全部地下水が影響するので、三次元、つまり地下水の水位を測って立体的に調べなきゃならないということになったって、これ大変な調査だと思うんですよね。
 全部下で、かつて小川だったところで地下水がつながっているということに、どうやら調査が立ち至ったんだと思います。
 それで、一・二キロの道路全体で地下水を調べるというのは、かなり難しい分析になるんじゃないかと思われるんですが、このことが調べられている最中に、もう一つの事件が起こりました。
 これが十一月十六日の午後六時ごろ、赤羽西四丁目、つまりこの道路の沿道の一部のところで、十四メーターの地下で行われていた直径三メートルの下水道の下水本管の工事の際、シールドマシンを使っているんですが、そのシールドマシンの潤滑用に使っていた泥水、泥水を使っているらしいんですけど、それが直接路面上に十四メートルの地上まで噴き出してきたという事故が起こりました。
 これは、下水道局がその後、事故の原因と対策について地元への説明会を実施しているんですけれども、この内容については建設局は把握しているでしょうか。

○砂田道路計画担当部長 下水道局からは、地元説明会を実施し、事故の原因、工事の再開に向けた対策及び今回の事故による道路の路面沈下や周辺の家屋への影響等はなかった旨を説明したと聞いてございます。
 なお、現在では工事が再開され、順調に進んでいると聞いてございます。

○曽根委員 下水道工事は再開されたんですが、地元の道路をめぐる問題としては全く解決していないんですね。
 住民説明会では、なぜシールド工事の十メートル地下の潤滑用の泥水が地上まで噴出したのかの説明として、こういうふうなことがいわれたんですね。道路下に残置されていた想定外のコンクリート構造物や柵板、何らかの柵の木の板ですね、等の間隙を泥水が通過し、道路上へ泥水が噴出した可能性が考えられますということが説明されたそうです。
 つまり、地中に、大体五メートルかそこらの深さだそうですが、昔の小川の橋脚か何かの構造物とそれの周辺の木の柵板の跡が残されていて、小川は暗渠ではなくてそのまま埋めちゃっていますので、その周辺に間隙があると。その空間は、当然、地下水で埋まっていると思いますけれども、そこを突き抜けて、地下の圧力がかかっているシールドマシンの潤滑剤が地上まで上がってきた。つまり、もう地下がかなり空隙、間隙だらけだということが想像されるわけです。
 ほかの埋設物やその周りに間隙がこの路線上にほかにもあるとすると、このまま地上に段差を設けて、盛土による八六号線、二十メートル幅の道路を整備するのは、私、非常に困難じゃないかというふうに思うんですが、この道路の盛土の高さというのはどれぐらいと計画しているんでしょうか。

○砂田道路計画担当部長 主に区道弁天通りを両側に拡幅する約四百二十メートルの区間は谷地形となってございまして、適正な道路計画とするため、約〇・一メートルから約一・二メートルの盛土を計画してございます。
 設計を進めるに当たりましては、地質調査などの成果に基づき、必要な軟弱地盤対策を実施することとしてございます。
 なお、下水道局からは、事故後、路面下空洞調査を実施するということを聞いてございまして、その結果からは、路面下に空洞は確認されなかったという説明を受けてございます。
 引き続き、地域の理解と協力を得ながら、着実に事業を推進してまいります。

○曽根委員 この八六号線の道路計画で傾斜になっている部分というのは、図がありますように、段差の擁壁が始まっているところが大体、この公園に入っていく部分から百五十メーターか二百メーターぐらいの距離で、この部分がだんだんだんだん段差が、何ていいますか、高くなっていくわけですけれども、その最高の高さは一・二メートルということでした。
 あんまり高くないように見えますけれども、幅が少なくとも歩道を入れて十二メーターぐらいにはなりますので、土砂や、それから盛土の擁壁なども含めると、やっぱり重さとして数千トンにはなるわけですね。地下の地下水流への影響は避けられないと思われます。
 盛土のきつい道路を設計して、その重量で地盤沈下や地下水の噴出事故を招くことがやはり危惧されます。
 八六号線をめぐっては、もともとこの地域は木造密集地域とはいえない地域ですし、両側は高台に挟まれた低地であって、以前は川が流れていた湿地帯ですから、延焼防止帯の必要性は薄いということや、道路整備後も交通量の増加はほとんど見込めないことや、ましてや、かなりの距離にわたって地下水流がつながって流れていることも分かってきたわけで、そういうところにコンクリートの重量物を載せるべきではないことなど、大型道路の導入には極めて不向きな地理的条件がそろっていることが判明してきました。
 よって、本道路事業については少なくとも一旦凍結させ、抜本的に見直しすることを強く求めて、私の質問を終わります。

○里吉委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○里吉委員長 異議なしと認め、予算案及び付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で建設局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後四時四十六分散会

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