環境・建設委員会速記録第三号

令和五年三月十三日(月曜日)
第九委員会室
午後一時開議
出席委員 十三名
委員長里吉 ゆみ君
副委員長須山たかし君
副委員長曽根はじめ君
理事柴崎 幹男君
理事成清梨沙子君
理事小磯 善彦君
漢人あきこ君
山田ひろし君
原  純子君
渋谷のぶゆき君
伊藤こういち君
こいそ 明君
たきぐち学君

欠席委員 なし

出席説明員
環境局局長栗岡 祥一君
次長笹沼 正一君
理事宮澤 浩司君
総務部長節電行動連携担当部長兼務小川 謙司君
環境政策担当部長節電行動連携担当部長兼務上田 貴之君
企画担当部長三浦亜希子君
政策調整担当部長藤本  誠君
気候変動対策部長荒田 有紀君
率先行動担当部長中村 圭一君
建築物担当部長木村 真弘君
制度調整担当部長関   威君
環境改善部長鈴木 研二君
環境改善技術担当部長節電行動推進担当部長兼務宗野 喜志君
自然環境部長和田 慎一君
生物多様性担当部長制度調整担当部長兼務小林 洋行君
資源循環推進部長志村 公久君
資源循環技術担当部長風祭 英人君
資源循環計画担当部長村上  章君

本日の会議に付した事件
環境局関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 令和五年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為
環境局所管分
付託議案の審査(質疑)
・第六十四号議案 東京都省エネルギーの推進及びエネルギーの安定的な供給の確保に関する条例の一部を改正する条例
・第六十五号議案 東京都自然公園条例の一部を改正する条例

○里吉委員長 ただいまから環境・建設委員会を開会いたします。
 初めに、予算の調査について申し上げます。
 令和五年度予算は予算特別委員会に付託されておりますが、本委員会所管分について議長から調査依頼がありました。
 公文の写しはお手元に配布してあります。
 朗読は省略いたします。

令和五年三月九日
東京都議会議長 三宅しげき
(公印省略)
環境・建設委員長 里吉 ゆみ殿
   予算特別委員会付託議案の調査について(依頼)
 このことについて、三月九日付けで予算特別委員長から調査依頼があったので、左記により貴委員会所管分について調査のうえ報告願います。
     記
1 調査範囲 別紙1のとおり
2 報告様式 別紙2のとおり
3 提出期限 三月十六日(木)午後五時

(別紙1)
環境・建設委員会
 第一号議案 令和五年度東京都一般会計予算中
歳出
繰越明許費
債務負担行為 環境・建設委員会所管分

(別紙2省略)

○里吉委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、環境局関係の予算の調査及び付託議案の審査を行います。
 これより環境局関係に入ります。
 予算の調査及び付託議案の審査を行います。
 第一号議案、令和五年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為、環境局所管分、第六十四号議案及び第六十五号議案を一括して議題といたします。
 本案につきましては、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○小川総務部長節電行動連携担当部長兼務 去る二月十日の当委員会で要求いただきました資料につきましてご説明申し上げます。
 お手元の環境・建設委員会資料をご覧ください。
 表紙をおめくり願います。目次にありますとおり、十七項目ございます。
 まず、一ページをお開き願います。1、東京の温室効果ガスの年間排出量の推移でございます。
 平成二十三年度から令和二年度までの温室効果ガスの年間排出量を記載しております。
 表の上段には、京都議定書の基準年である平成二年度の数値及び都の温室効果ガス削減目標の基準年である平成十二年度の数値を記載しており、二ページ及び三ページについても同様に記載しております。
 二ページをご覧ください。2、都内の二酸化炭素排出量の部門別推移でございます。
 平成二十三年度から令和二年度までの産業、家庭、業務、運輸及びその他の各部門の二酸化炭素排出量を記載しております。
 三ページをお開き願います。3、都内のエネルギー消費量の部門別推移でございます。
 平成二十三年度から令和二年度までの産業、家庭、業務及び運輸の各部門のエネルギー消費量を記載しております。
 四ページをご覧ください。4、再生可能エネルギーによる都内電力利用割合(過去五年分)でございます。
 平成二十八年度から令和二年度までの都内の再生可能エネルギー電力利用割合等を記載しております。
 五ページをお開き願います。5、各再生可能エネルギーに関わる設置補助制度と実績額の推移(過去五年分)でございます。
 各再生可能エネルギーに関わる設置補助制度について、その概要及び平成二十九年度から令和三年度までの実績額を六ページにかけて記載しております。
 七ページをお開き願います。6、二酸化窒素及び浮遊粒子状物質濃度の全国上位十局の推移でございます。
 (1)、二酸化窒素濃度につきまして、平成二十八年度から令和二年度までの全国の測定局の年平均値上位十局を記載しております。
 八ページをご覧ください。(2)、浮遊粒子状物質濃度について、同様に記載しております。
 九ページをお開き願います。7、令和三年度微小粒子状物質(PM二・五)濃度の測定結果でございます。
 微小粒子状物質(PM二・五)の濃度について、(1)、一般環境大気測定局における測定局ごとの年平均値を記載しております。
 一〇ページをご覧ください。(2)、自動車排出ガス測定局について、同様に記載しております。
 一一ページをお開き願います。8、保全地域に係る指定面積、公有化面積、公有化予算額及び公有化決算額(過去十年分)でございます。
 平成二十六年度から令和五年度までの指定面積などを記載しております。
 一二ページをご覧ください。9、保全地域における希少種の状況でございます。
 調査対象の保全地域において確認された植物、鳥類等の希少種数及び主な希少種名を一六ページにかけて記載しております。
 一七ページをお開き願います。10、緑被率、みどり率の推移でございます。
 区部及び多摩地域それぞれについて、(1)では平成三年及び七年の緑被率を、(2)では平成十年から三十年まで五年ごとのみどり率を記載しております。
 一八ページをご覧ください。11、都内自動車走行量の推移(過去十年分)でございます。
 平成二十三年度から令和二年度までの自動車走行量を記載しております。
 一九ページをお開き願います。12、建設汚泥の発生量(過去五年分)でございます。
 平成二十八年度から令和二年度までの建設汚泥の発生量を記載しております。
 二〇ページをご覧ください。13、日本からの廃プラスチック輸出量の推移(国・地域)でございます。
 平成三十年から令和四年までの国、地域別の輸出量の推移を記載しております。
 二一ページをお開き願います。14、区市町村で回収している容器包装プラスチック量とリサイクル量とその合計(令和三年度、区市町村別)でございます。
 令和三年度の区市町村別の容器包装プラスチック量とリサイクル量を二二ページにかけて記載しております。
 二三ページをお開き願います。15、東京ゼロエミ住宅導入促進事業の実績でございます。
 戸建て住宅及び集合住宅それぞれについて、令和元年度から令和四年度までの補助件数及び金額を記載しております。
 二四ページをご覧ください。16、既存住宅の断熱補助の実績でございます。
 高断熱窓及び高断熱ドアそれぞれについて、平成三十年度から令和四年度までの補助件数及び金額を記載しております。
 二五ページをお開き願います。17、東京都区市町村との連携による地域環境力活性化事業における再生可能エネルギーの導入拡大に係る事業の補助実績でございます。
 平成二十九年度から令和三年度までの事業ごとの自治体数及び金額を記載しております。
 以上、簡単ではございますが、説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○里吉委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本案に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○こいそ(明)委員 それでは、何問かにわたりまして質問をさせていただきたいと思います。
 まず初めに、自然環境の保全について伺いたいと思います。
 私はこれまでも何回か、この委員会でもそうでありましたけれども、環境問題の解決策は、また課題解決は人にあるのではないかと、そして、その人、その人材の育成こそが極めて今日的にも大切ではないかというようなことをいわせていただいてまいりました。
 特に現場での実際の体験や活動は、私は環境人材育成の鍵となるんではないのかなと。そのため、平成二十年度から約十四年間の間、私は大学生と共に、里山において自然体験活動を行う、グリーン・キャンパスが始まる始まらない、その当時からでありましたけれども、それがグリーン・キャンパスでありますが、このグリーン・キャンパス・プログラムに参加をしてきたわけであります。
 いわゆる作業をする中で、最初は非常に戸惑っている学生が多かったわけでありますけれども、かなり伸びた草といいますか、いろんなものをいわゆる草刈り等々、除去したり、刈ったりするわけでありますけれども、または萌芽更新をする中で、当初は、のこぎりの使い方がなかなかうまくいかない。ところがだんだんだんだんと、いろいろ教えてもらうこともそうなんですけれども、やると、非常にうまく使い方も覚えていくと。また、いかにしてけがをしないか、いかにして安全といいましょうか、そういうものを配慮していくかということもお互いに身についていくということで、それを私は見てまいりました。こうしたことは、やはり単なる座学では学べないのではないのかなと。
 中でも青少年期、子供のときに、まさに五感感性、非常に豊か。自ら体験、体感をするということの重要性。そういう中で、初めて自分のいろんな動き、行動、作業が自分のものとなっていくわけですよね。身についていくといいますかね。
 環境人材の育成には、こうした体験ができる保全地域を守っていきながらも、かつ将来を見据えて、またそのような環境を保全する意識を持つ、そのような小学生、中学生、高校生などの若い人材の育成が私は大切、重要ではないかと思います。見解を伺いたいと思います。

○和田自然環境部長 保全地域を将来にわたって適切に保全していくためには、若い世代の新たな担い手を掘り起こし、子供たちができるだけ多くの自然体験活動に参加できる環境を整えていくことが必要であります。
 そのため、都は昨年八月、夏休みを利用して、対象を初めて高校生に特化し、樹木の間伐、自然観察等を取り入れた自然体験プログラムを実施いたしました。さらに先月には、初めて中学生も対象としたプログラムを行っております。
 これらのプログラムに参加した約四十名の子供たちからは、引き続き保全活動への参加の意向が多数確認されるなど、自然環境保全への高い関心が確認できております。
 こうしたことを踏まえ、来年度は中高生を対象とした保全活動の回数を増やすとともに、新たに小学生を対象として、遊びと学びを取り入れたプログラムを実施していくなど、将来の保全地域を担う人材の育成をより一層進めてまいります。

○こいそ(明)委員 都内の自然環境は、非常に多様性がありますよね。その中で、今申し上げたような里地、里山の景観、またそれを保全区域として守っていこうということ、それからまた、東にはいわゆる二千メーター級の雲取山をはじめ、秩父多摩甲斐国立公園の展開、それと、さらには我が国最南端、それから最東端、小笠原村の沖ノ鳥島、南ではですね。それから、東では南鳥島、マーカス島ですね。これはもう、まさに亜熱帯ですね、その島は。ここの海底にもいろいろあるわけでありますけれども、そういう多様な自然が存在していると。
 このような東京特有というか、非常に多様性に富んだ自然環境が展開しているわけでありますけれども、このような多様な自然に触れること、子供の頃にそういう経験、体験ができるできないかでは、やはりどうなのかなと。
 それから、それとともに環境人材の育成のために、私は経験と場を提供するということ、これは極めてやはり重要だと思います。
 好奇心旺盛な子供たちが、豊かな自然環境を体感することで自然環境へのさらなる関心を高めてもらう。そして、自然を守る行動につなげていくことが、必然的にそんな思いを抱いてくれることが必要だと考えますが、都の見解を伺います。

○和田自然環境部長 東京には、保全地域にとどまらず、山地、丘陵地、島しょ部にある自然公園や、都心部に企業が保有する緑地、生き物の多く生息する東京湾など、多様な自然環境があります。
 子供たちが生物多様性の必要性を理解し、その保全のための行動につなげていくには、こうした自然環境に数多く触れていくことが重要であります。
 そのため、来年度新たに小学生を対象に、山間部や東京湾を舞台に体験型プログラムを開始いたします。具体的には、地域ごとの特色ある自然を知るとともに、その自然環境を守るために、外来種など飼育している生き物を野外に放さず責任を持って飼う、草花をむやみに取らないなど、生物多様性を保全するために日常生活で自ら行動していけるようなプログラムを実施してまいります。
 今後、この取組を検証し、ほかの地域にも拡大していくことで、次世代を担う多くの子供たちに参加を促し、生物多様性の保全の普及や保全活動の促進へつなげてまいります。

○こいそ(明)委員 とりわけ感受性の豊かな若い世代の経験は、いつまでたってもなかなか、刻んでいますから、忘れないものであります。
 環境人材育成のために、今答弁もありましたけれども、ぜひ、そのようなプログラムをつくり上げて推進をしていただきたいなと思います。積極的に実施いただくよう、この件は要望させていただきたいと思います。
 次に、小峰公園、あまり私は、公園、公園という、まあ、正式にはそうですからね、小峰公園なんですけれども、あえてここでもいわせていただきますけれども、環境局の所管ですね。公園というと、建設局がほとんど所管しておりますけれども、この小峰については環境局所管であるということでございます。
 この件について伺いたいと思いますけれども、昨年の第四回定例議会で、指定管理者がこれまでと同じ東京都公園協会が担うことが決まりました。
 この公園は、先ほどお話をしましたように、私も春、秋、学生と共に、この里地、里山の様々な経過観察や、いろんな実踏をしながら、または間伐及び田植え、稲刈り、四季に応じた活動をさせていただきましたが、この公園は秋川丘陵の一部を構成して、尾根と谷戸がございます。非常にはっきりした谷戸空間ですね。
 尾根の桜並木、並木というか点在しておりますけれども、それから雑木林と、その中にヒノキ、杉、落葉樹も当然そこに展開しているわけでありますけれども、谷戸の湧き水を利用した小川もありますね、あそこには。小川も小さい、まさに小川が流れている。
 谷戸の湧き水を利用した田んぼや湿地があります。これはまさに、私は、これは対外的にも誇ってもいいんではないかというような里地、里山の一つであろうかと思います。
 都内のこのような場所に都民の皆さんが参加して活動できる、私は、もっともっと活動していただくような、自然に親しんでいただけるような、そういうような場所にすべきだというふうに思うわけであります。
 そこで、これまで小峰公園で都民に対してどのような里山の自然体験を進めてこられたか伺います。

○和田自然環境部長 都立秋川丘陵自然公園の中にある小峰公園では、施設周辺の自然環境や地域文化を踏まえ、都民に対し様々な自然体験の取組を提供してまいりました。
 公園内の谷戸田では、田植え、稲刈り、畑でジャガイモや枝豆の栽培など、種まきから収穫まで毎年参加者を公募し、多くの都民が参加しております。また、地域の歴史、文化体験として、園内の尾根に残る歩道巡り、周辺地域の史跡や遺構を巡るガイドツアーを実施しております。
 地域との連携では、秋川漁業協同組合の協力を得て、公園内で季節ごとにアユ等の魚類展示や、地元の農家が栽培した里芋、白菜などの展示販売会を行っております。

○こいそ(明)委員 これまでも私は見聞きしておりますから、今のお話も理解できます。様々な体験活動も提供してこられたということね、これはよく理解しております。
 また、里山で自然と触れ合い、五感で感じる体験が人と自然の関わりを学ぶきっかけになるのではないかと。この小峰公園は、里山を構成する田んぼや谷戸田などがまとまっているところですね。多摩の里山の象徴となるような場所ではないかと私は思います。
 こうしたことを踏まえて、今後どのような取組を進めていかれるか伺います。

○和田自然環境部長 小峰公園は、多様な生き物たちと織りなす多摩の里山見本園の実現を基本理念としております。この基本理念に基づき、豊かな自然を生かした環境教育の提供、体験プログラムの充実などの取組を行ってきました。
 来年度は、新たに夜に開花する野草や、セミの羽化などを観察するプログラムを開始するとともに、若手林業家の企業と連携した里山保全プログラムの充実を図るなど、多くの人に自然環境や生き物について理解してもらう取組を進めてまいります。
 また、あきる野市や周辺施設とともに、小峰公園を起点とした秋川渓谷を満喫できる宿泊型のプログラムを新たに始め、地域全体の振興につなげてまいります。
 引き続き事業の充実を図り、多くの都民が里山に触れる機会を創出してまいります。

○こいそ(明)委員 都内では、いわゆる小峰公園、小峰は、まだまだ知られていないと思います。多くの都民の皆さんに、小峰の存在、よりよい特色を広く、私はもっと周知すべきじゃないのかなと、もったいないというふうに思います。
 そのためには、やはり、これは当然のことでありますけれども、PRにより力を入れていくことが必要であり、多くの都民に、この小峰を知ってもらうとともに、小峰が、まさに里山となっているこの場所で、そこでやはり体験もそうですけれども、自然にしっかりと触れ合ってもらうといいますか、一日をゆっくり過ごしてもらうというか、そういう面でも非常に私はいい場所じゃないかと思います。
 この小峰公園として、どのように広報していくのか、お願いします。

○和田自然環境部長 小峰公園をより多くの都民に利用してもらうためには、広く周知していくことが重要であります。現在、地域向けの広報として、園内の状況を紹介する小峰だよりを毎月発行し、あきる野市内の公共施設など百二十か所で配布しております。
 また、広く都民に向けては、園内の状況やイベントなどを指定管理者が運営するウェブサイトで多言語も含めて紹介しております。
 こうした取組に加え、来年度新たな取組として、園内の動物や植物の生態を紹介する動画や、リアルタイムでの情報発信をSNSやユーチューブ等で行うとともに、沿線鉄道会社グループとの連携を強化し、効果的な情報発信を進めてまいります。
 引き続き多様な媒体を活用し、小峰公園の取組を都民に対し効果的に発信してまいります。

○こいそ(明)委員 ぜひ多くの都民の皆さんにも、小峰公園の存在といいますか、よさを分かっていただきたいなという思いの中で、ぜひPRをお願いしたいと思います。
 それとともに、この小峰は、さっきからいっておりますように、非常にいい景観で、まさに里地、里山であるわけでありますが、しかし、まだ一面、手をやはり加えなきゃいけない部分もあるのではないかというふうにも感じます。
 例えば、尾根道、こう上がっていくわけでありますけれども、散策路としては非常にいい尾根道であります。管理もよくできていると思いますが、そこには昭和初期に植えられたソメイヨシノがもう咲いていますよね、この時期だから。
 そういう中で、しかし、私がちょっと残念なのは、非常にいい景観の丘陵、山でもあるわけでありますけれども、そこのところ、実はこれ、戦後に植えられたんですね。そのときに、地元の青年団というのか、青年の会というのか、それらの方々が、戦後やっぱりふるさと、この中でもう一度、やはり自分のふるさとを見詰め直そうということで、桜を植えようと。その桜は山桜、山桜を植えていこうということだったんですね。それで植栽を始めようとしたんですが、どうしても予算の部分で、なかなかそれから進まない。そして断念をしてしまったという経緯があるようなんです。
 そういう中で、非常に私は、いろんな植栽が、生態系、息づいている中でも、やっぱり四季折々の変化、ソメイヨシノもいいんですけれどもね、だけど、やはり山桜というものも、あそこで見るとほとんどないんですよ、やっぱり。ですから、そういう種類としても、あの場所、小峰にあってもいいのかなということで、検討していただきたいなというふうに思います、今後の整備として。
 それとともに、園内に、あそこの近くにも蛍が生息していて、飛遊するんですね。環境に関心を持っている環境局の皆さんにとっては、えっ、あそこに蛍が飛ぶのかなと。飛ぶんですね。飛遊するんですね。これは環境のバロメーター的な要素としても非常に大切なところ。
 その近くにがちがちのコンクリート、打ちっぱじゃないけど、こう、があんとあるんですね。これ、ちょっと景観的に、悪くはないことは悪くないんだけれども、しかし、もう一枚、やはり配慮方として配慮すれば、あえてウッドチップみたいなことを提案すれば、車椅子だって当然通れるし、あそこに自動車が入ることはまずないですから、そういうような対応も必要なのかなという感じも実はいたしております。
 ご検討いただければありがたいと思うんですが、やはり大切なこの里山、里地、里山、里山、あの辺りは、いわゆる奥多摩、檜原、奥多摩にこれからずっと抜けていく、ある意味、入り口部分でもあるんですけれどもね。ですから、非常にいい里山ですよ。
 ですから、都は今後とも、これをぜひ今後の保全を努めていただくとともに、先ほどから何回もいって大変恐縮ですけれども、広く多くの都民の皆さんにも行っていただいて、そこでいろんな活動もしていただいたり、いろんなこの何ていうかな、一日、半日でもいいけれども、ほっとスポットじゃないけれども、散策するなり、お弁当を持って行っていただくなり、そこでいろんなことがあると思いますけれども、そういう場所として、ぜひこれからも、環境局所管ですから、これ。少ないよね、環境局の持っている公園なんていうのは。ですから、さらにそういう環境特化という意味合いで、ぜひ特色を持つ公園として、さらにこれからも整備を含めてより取り組んでいただきたいと思います。
 それでは、次に、都市鉱山について伺います。
 我が国は一般的に、これは当然でありますけれども、天然資源に乏しい。こういう中から、今、G7、これから日本は議長国で行いますけれども、せんだって、日本経済新聞でもこの問題を特集されていましたね。
 今、G7、アメリカとカナダを除くと、ほとんどタイタンだとか希少なものが、レアメタルを含めて取れない。そういう中で、これからG7で連携していこうということ。そこの一翼をやはりみんなが、みんなって日本が、やっぱり技術的に進んでいるんですよね、これ。そういういろんな日本の持つ技術、やはりそれとともに、日本の首都東京が、私はこういう取組をもっとしっかりと、またさらに加速度的に取り組んでいく必要性があろうかと思うんですけれども、いろいろありますが、この辺りどうでしょう。ちょっと飛んでますけれども、よろしくお願いします。

○志村資源循環推進部長 持続可能な資源利用の実現に向け、電子機器に含まれる様々な金属資源を循環利用していくことは重要であります。
 都は今年度、オフィスや家庭で退蔵されているパソコン等の小型電子機器の回収を促進するため、パソコンの無料回収を行う事業者と連携して、レアメタル緊急回収プロジェクトを実施いたしました。
 具体的には、事業者に対してデータ消去費用を補助することなどにより、昨年十一月から本年二月末までの間で事業系、家庭系、合わせて十万台以上を回収し、前年の同時期と比べ、約五万台の増加となりました。
 また、市区町村と連携した広報の実施により、小型家電の回収方法やパソコンの無料回収サービスの認知度向上を図っております。
 今後も都の広報やSNS等、様々な媒体を活用したPRや、市区町村と連携した周知を継続的に実施することなどにより、資源の有効利用に向けた意識啓発を図ってまいります。
 また、希少な金属を含む小型電子機器のリサイクルに取り組む市区町村への財政的支援も活用しながら、循環型社会の実現に向けて、回収の促進に積極的に取り組んでまいります。

○こいそ(明)委員 都市鉱山なる希少貴金属は、いうまでもありません。また、特にこれ、少し盛り上がったのは、二〇二〇東京大会の際、みんなのメダルプロジェクトとして、都民、多くの国民の皆さんもそうですけれども、携帯電話等を回収して、五千個のメダルを作成したということ。このとき非常に盛り上がったんですよね、これ。目標もあるし。だけど、その後は、少しちょっと機運がトーンダウンしているんじゃないのかなという、そんな感じもするんですね。
 そういう中で、やはり今お話があったように、市区町村と連携して広報PRは結構なんだけれども、いわゆる無料回収サービスの認知度は向上されたというんだけど、数字上は、今ご答弁ありましたように、五万から十万というのは、これは大きな数字ですよ。でも、東京全体から見て、そして各区市町村を含めて、そういう機運構成というか、醸成というか、これはどこまで進んでいるのかなと。この実態的なものを教えてください。

○志村資源循環推進部長 小型家電の回収を行っている市区町村でございますが、現在、島しょの一部を除くほぼ全ての市区町村におきまして、ボックスでの回収等の回収を行っている状況でございます。

○こいそ(明)委員 あえてね、じゃあその回収どのぐらいですかと聞きたいんだけれども、先ほどの無料回収が五万から十万、じゃなくてトータルしてかなという感じはするんだけれども、これはまあ後でいいです。
 その中で、やはり私はもっと東京都は積極的に、民にお任せすることはいいと思う。官民、東京都が主体的な中で、いわゆる都市鉱山なるもの、これはスキームをしっかりつくる。回収から、その後の精錬かな、までのルート、これはこの後に続く質問もあるんだけれども、やはりそれに向けた作業チームみたいなものをつくっていく必要があるんじゃないかと思うんですよね。
 何かちょっと、いわゆる区市町村に補助金を出すからやっていますよと、箱あるじゃないですかと、民間やっていますよというけど、そんな実感、実態的なものというのは感じ得ないんですよ、大変失礼なんだけど。
 ですから、ぜひその辺りを含めて、実効的効果が上がること、これ世界がそういう動きなんだから、日本の首都は東京が率先してやるべき、私は政策というか施策の一つじゃないかと思いますよ、これ。もう一段、もう一段、ギアアップもそうだけれども、この辺り、どうぞ決意をちょっと教えてくださいよ。

○志村資源循環推進部長 委員ご指摘のとおり、持続可能な資源利用の実現に向けましては、小型電子機器等に含まれる様々な金属資源を循環利用していくことは重要でございます。
 今後も市区町村と連携を強めながら、レアメタル等を含む小型電子機器の回収に積極的に取り組んでまいりたいと思います。

○こいそ(明)委員 ぜひ一層の取組をお願いしたいと思います。それとともに−−そうですね、そういうことでお願いします。
 次に、またまた、都市に眠るというか、眠っているかどうか分からないけれども、資源として廃食用油ですね。これはもういうまでもない、天ぷら油の油だとか、そういう使った後の廃食油ですね。これが昨年十月、国際民間航空機関、ICAO、通称ですね、航空部門において、二〇五〇年カーボンニュートラルを目指す目標が採択をされたということですね。
 都はこれまで、運輸部門のCO2対策として、自動車のZEV化を中心に進めてきましたが、今後、航空機の脱炭素化にも積極的に取り組む必要性があるのではないかと。
 この航空機も非常に大切なんだけど、廃食油は、ほかにも転用できることもあるんですね。それはそれとして、この航空機の脱炭素化には、エンジンや装置等の新技術の開発、運航の改善だけでは十分ではなくて、燃料、SAFですね。持続可能な航空燃料に切り替えていくことが不可欠といわれています。
 SAFの原料の一つである、まさに今何回もいっている、空揚げや天ぷらを揚げた後の油、いわゆる廃食用油は、これまでの肥料原料や工業原料として活用はされてはきておりますが、新たな利用先であるSAFと一部で奪い合いが生じているということも出てきているようですね。
 ですから、現在、国内で、航空会社、商社、プラントメーカーを中心に、廃食用油に限らず、SAF製造の需要が進んでき始めているということだそうであります。これは結構なことだと思いますよね。
 それから、国際空港を有するこの東京ですよ。国際都市として東京都は、このいわゆる新しいエネルギーの下、都が積極的に貢献していくことも重要と考えるんですけれども、この辺りどうでしょうか。

○志村資源循環推進部長 二〇五〇年に航空部門カーボンニュートラルを達成するためには、全世界で五・五億キロリットルの持続可能な航空燃料、いわゆるSAFが必要とされております。
 一方、現在我が国において、SAFの商用生産は行われておらず、早期に供給体制を確立することが急務となっております。国内では、複数の企業グループが廃食用油などからのSAF製造に向けた取組を進めていることから、こうした状況や供給量の拡大に向けた課題等について調査を行ってまいります。
 また、家庭や事業者向けにSAFの普及の意義や、廃食用油の分別回収を促す動画を作成して、市区町村と連携した広報を展開するとともに、廃食用油の回収拡大を目指す自治体に対する財政支援も実施してまいります。
 今後、事業者や自治体との連携により、SAFの普及に向けた機運醸成を図るとともに、サプライチェーンの構築を後押しし、航空機の脱炭素化に貢献してまいります。

○こいそ(明)委員 ぜひ取組をもう一歩、もう一歩進めていただきたいなと思います。
 それでは、次に循環型社会に向けた取組について伺いたいと思います。
 昨年四月、プラスチック資源循環法が制定をされました。多摩地域でも、少しずつでありますけれども、容器包装プラスチックを分別収集して、リサイクル化してき始めています。
 法の施行を受けて、ハンガーやコップなどの製品プラスチックも併せて回収して、リサイクルしていくことが広まっていくと見込まれているわけでありますけれども、循環型社会の形成をこの委員会でも訴えてまいりましたが、これは大いに期待をするところでもあります。
 こうした中で、私が大きな課題として取り上げさせていただいてまいりましたのは、リチウムイオン電池による処理施設、また収運での火災の発生です。
 回収したプラスチックに電池が混ざって出されることが、これだけじゃないと思いますけれども、このようなことだとか、出火の、いわゆる様々な原因がそこに存在するわけであります。
 こうした事故を防止するため、リチウムイオン電池の危険性や適切な排出方法をしっかりと都民の皆さんや事業者の皆さんにも周知をしていく、お願いをしていくことは非常に重要ではないかと思いますが、都の見解を伺います。

○志村資源循環推進部長 リチウムイオン電池は、破砕や衝撃を加えることにより発火することがあり、プラスチックごみとともに排出されると、火災の原因となる可能性がございます。
 そこで、都は、東京消防庁等と連携して作成したポスターやリーフレット、都民向けの動画などにより、廃棄物の収集運搬や処理の過程で発火事故を引き起こしている現状や、リチウムイオン電池の適切な廃棄について、都民や事業者に分かりやすく周知を行っております。
 来年度も自治体を訪問し、リチウムイオン電池の事故防止に向けた都の支援策の活用を促すとともに、さらなる周知を図ることなどにより、リチウムイオン電池の適切な処理を促してまいります。

○こいそ(明)委員 これはかなり、報道でも出ていますよね。施設からの発火による火災、それと収運による火災。これ、聞くところによると、あまり減っていないと。私は、経年的に減ってきているのかなと思いましたら、ちょっといろいろ調べていただいて、そのときのお話なんですけれども、やっぱり減っていない。
 その原因は、今申し上げたような、またご答弁いただきましたけれども、そのこともあろうかと思いますが、やはりもう少し抜本的な対策というのが必要ではないのかと。というのは、これ、いたちごっことはいいませんよ。しっかりしっかりお願いしたり対応したりすることは必要なんだけれども、やはり抜本対策というのをもうちょっと講じていかないと危ないですよ、これ、はっきりいって。
 通学路でぼおんと跳ねる、いわゆる商店街で跳ねる、跳ねるって火災がね。それから、さらには駅周辺で、現実であったじゃないですか、私のいっている事例は架空ではないですよ、現実で起きたことですよ、これ。そういうことは日常的に起きているわけだ、これ、はっきりいって。もっと真剣に受け止めてもらっていると思うけれども、これ経年的に減っていないんだから、はっきりいって。だったら、これをしっかりと対応していただく。そのもう一段の取組は強く求めたいというふうに思います。
 それとともに、日常的なそういうことの対応もそうなんですけれども、特に市区町村において、やはりいろいろ法的な改正に伴うこと、改正に伴った対応をしていかなきゃいけないことだとか、いろいろある。だけど、その中でも私の知る限りでありますけれども、多摩地域の自治体は、なかなか市民の皆さんの様々な声に対応していかなきゃいけない。これは当然だと思いますけれども、それで、比較的、これは人口にもよりますけどね、平均を取ると、やはり職員数が少ないんですよ、はっきりいって。職員数が少ない中で頑張ってやっておられるんだけれども、それはそれとして、もう一点は、私は、広域行政体として、いろんな今、課題が出てきているじゃないですか、連携していかなきゃいけない。区市町村、それから私ども多摩地域をちょっとあえていわせてもらっているんですけれども、こことの連携だとか、それからさらなる、プラスチックのこともそうだし、様々ありますよね。資源循環の中における、このことの知識だとか応用実践だとか様々なものが、私はもっと広域行政体として東京都がしっかりと実施していくべきじゃないかと思うんだけれども、どうなんでしょうかね。

○志村資源循環推進部長 昨年四月にプラスチック資源循環法が施行されるなど、廃棄物リサイクル行政を取り巻く環境は大きく変化しております。こうした状況を踏まえ、市区町村の人材育成を都が支援していくことは重要でございます。
 そこで都は、廃棄物リサイクル行政を実際に担当する市区町村職員を対象に、廃棄物行政講習会を毎年開催し、実務能力の向上を促しております。今年度はこれまで計七回開催いたしました。その内容は、廃棄物処理法の運用等の基礎的な解説に加え、廃棄物資源循環分野の国の取組について、環境省職員による講演等を行っております。
 さらに、リユース容器の活用、食品廃棄物や使用済み紙おむつのリサイクル、事業系廃棄物の3Rといった、より専門性の高いテーマも対象にするなど、内容の充実を図っております。
 来年度も資源循環行政が直面する課題に合わせたテーマの講義等を通じまして、自治体による廃棄物リサイクル担当職員の育成を支援してまいります。

○こいそ(明)委員 七回行われたと。これ、オンラインでね。これはもう都内全体的な実施だったと思いますけれどもね。
 私は、あえて、あえていわせていただくならば、これは歴史的に分かります。いわゆる区部は東京市からの、それはよく分かりますけれども、しかし、今まさに多摩地域を含めた、島しょもあるけれども、多摩地域を含めた中における、いわゆる環境政策行政が求められているんじゃないかと思うんですよ。それの一番の責任は、もういうまでもない東京都環境局でしょう。
 回数はいいましたけれども、じゃ、回数だけいわせていただくと、区部の課長会かな、役職者会なんでしょうかね、これは毎月やっているじゃないですか。多摩は年に三回ですよ。
 それからもう一点は、やったよ、確かにやらないよりかやった方が全然いいんだけれども、しかし、そうならもう少し何とか体系的に、いわゆる何とかアカデミーじゃないけれども、資源循環アカデミーでも何でもいいんですけれどもね、やっぱりそういう体系的なセミナーをやっていくような、これは外郭団体があるじゃないですか。環境公社とか、そういう連携だって取れるでしょう。
 ですから、そういう意味合いで、ぜひ部長級は部長級、それは大変だと思うよ。だから、公社なんかの協力をして、またほかにも外郭としていろいろあるじゃないですか、そうやって取り組んでいるところも。だから、そういう力も借りてやってもらいたいと思うんですよ。
 やっぱり部長級、課長級、係長、職員、そこまでいろいろあると思いますけれども、いずれにしたって、やはり環境の人材育成、二十三区だけじゃないと思うんだよ、はっきりいってこれは。やっぱり多摩地域だって総体に環境のいろんな面の水準って、あえて一概にいっちゃいけないかもしれないけれども、同じような目線でもって、同じようにやっぱり等しく理解をしてもらっていくということ。これは不断の努力が必要なんですよ、はっきりいって。何回やったぞだけじゃないと思うよ、これ、はっきりいって。ぜひその辺りもしっかりとやってもらいたいなと、これは要望します。
 それから、次、不用品の回収業者に対する対策です。
 家庭から出る粗大ごみや廃家電などの不用品を回収するために、当然、市区町村は一般廃棄物収集運搬の許可を得ることは必要。それから、産業廃棄物の許可は東京都、古物商の許可もいろいろありますけれども必要。ちゃんとありますけれども、ところが、近頃ではないんだけれども、要するに悪質な業者の横行ですね。
 これは都県をまたいで広域的な動きや、そして、いわゆる悪質な事案が少なくなく報告されて、特に高齢者に対して被害が相当増えているんですよ、これ、はっきりいって。そういうことの実態というものが、だんだんだんだん分かってきたんだよ。
 ところが、いや、あれは一般、あれは許可がないから、あれは産廃で何だかんだといって、みんなではないけれども、それぞれがそれぞれで引いちゃっているような感じがするんですよ。いや、そうじゃないよ、立入りやりましたよといわれますよね、年間十九回立入り行ったかもしれないけれども。しかし、横行している今の現状から見たときに、例えばこれ、それぞれ区もそうかもしれないけれども、市もそうだけれども、職員が追跡していくと、マニュアルを渡したって、これ、なかなか難しいよ。だから、相当の連携が必要なんじゃないですか、その辺りも。
 これはあっちだと。これは区だよ、市だよ、町だよと。これは東京都だけれども、ちょっと何かよく分からないからとか、だって一般廃棄物の許可を出していないから云々かんぬんとかね。そういうことじゃなくて、現実これだけの被害者が出てきているんだから、非常に困っているんですよ、本当に高額請求を受けて。知っているでしょう、この実態というのを。知らないということはないと思いますよ、これ。日常で起きているんだから。これ何とかするのが必要なんじゃないですか。大切なんじゃないですか、これ。どうですか。

○志村資源循環推進部長 ただいま委員からご指摘のあったとおり、一般廃棄物収集運搬業の許可を得ずに粗大ごみや廃家電などを回収している不用品回収業者が存在しております。また、不当に高額な料金を都民に対して要求しているケースもあると認識しております。
 そこで、都は、チラシやホームページ、消費生活総合センターとの情報交換等によりまして、不用品回収を行っている業者を把握し、そのうち一般廃棄物の収集運搬の許可を得ていない産業廃棄物処理業者に対しまして、立入調査を実施した上で、事業の廃止や不適切な広告の是正を指導しております。
 都は、今年度はこれまでに十九回の立入調査を実施いたしました。また、市区町村からの相談に応じて、都の立入検査マニュアルを提供するなど、市区町村の取組を後押ししてございます。
 来年度も違法な不用品回収業者に対しては、市区町村とも連携しつつ、厳正に対処してまいります。

○こいそ(明)委員 ぜひお願いします。本当にね、これもやはり行政の垣根があるかないか、ないことはないかもしれないけれども、やっぱりそんなことじゃなくて、まさにそこですよ。広域行政体。警視庁とも連携を取って、これぜひやってください。その音頭取りは、音頭取りというか、先導的に取り組んでいくのは、やっぱり環境局だと私は思いますよ、これ、はっきりいって。
 市区町村じゃ、そんなのはできないよとかなんかじゃなくて、これは東京の中で日常で起きていることだから。これはしっかり対応していただきたいなというふうに重ねて要望させていただきます。
 そしてまた、続きますけれども、これはもうかねてからというか、昨年の十二月のいわゆる条例、このときにもいわせていただきましたけれども、一点は、ポリシリコンが、いわゆるウイグルから世界全体のシェアの七割だといわれる。日本には、経由して入ってくるものが八〇%じゃないかといわれるとね、そういう中で、今後ともこの条例化を進め、条例が制定されたんだけど、やはり我々は、いわゆる非常に危惧を持つ。
 何かといえば、要するに人権弾圧、それからジェノサイド。世界中からもこれはもう拒否反応が出るどころか、いろいろ対応されているんじゃないですか。日本の首都東京、世界的な都市東京といってもいいかもしれない。そのときの動きというのは非常にデリケートなんですよ、これ。世界から見ても。
 だから、少なくとも条例化したのは誰なんだということですよ。日本国内の中で先行的に行ったわけじゃないですか。思いを思いとしてやったかもしれない。でも、やはり私はあえていわせていただくならば、現実的な、これだけ世界的に、人権問題というのが様々な国々から指弾、指摘をされているわけであって、それがさらにそういうところから輸入を受けているわけでしょう。増えるのは当然じゃないですか、条例化した中で。
 そうなってくれば、私は、民間の皆さんに、いわゆるメーカーの皆さんに、いっていますよというか、協議会をつくったり、協定上もやっていますよというけど、何をいっているんだと思うんですよ。一番基本的なところというのは、条例化した東京都じゃないの、これ。東京都がもっとこの人権問題に向き合う。
 そして、なおかつ、これは強制はできないかもしれないけれども、研修ぐらい受けたらどうですか。要するに、これ見ると、メーカー、会社の人に対してそういう研修をやれやれやれといっているんですよという答弁はよく返ってくるけど、じゃあ、肝腎要の都はどうなんだということですよ。どうですか、これ。

○木村建築物担当部長 持続可能な社会の実現に向けましては、企業の責任ある人権尊重の継続的な取組を促進することは重要であり、都は人権尊重など、SDGsに配慮した企業の事業活動を促進してございます。
 本年一月には、太陽光発電協会との協定に掲げた連携分野につきまして、連絡調整及び検討実施するための組織として、都と同協会との間で連絡調整会議を立ち上げたところでございます。
 この会議におきまして、都の提案により、実務者で構成するワーキンググループを設置するとともに、業界独自の人権尊重に関する取組基準の策定に向けた検討を開始してございます。
 また先月は、太陽光パネルメーカーや住宅供給事業者等を対象として、企業活動における人権尊重を踏まえた研修を開催し、国際スタンダードを踏まえた企業活動の重要性について説明を行いました。
 都は、業界団体と共に、こうした取組を継続的に実施してまいります。

○こいそ(明)委員 もう率直にいわせていただいて、そのご答弁も何回もいただいているんですよね。何をいいたいかといったら、もっと当事者意識というかな、そういうものを我々に伝えてくださいよ。都民の皆さんに向けて。
 事業者にいっているよと、一緒にやっていくという話は、それは悪くはないけれども、しかし、条例化したりしたのは東京都で、義務化したのは東京都じゃないですか、これ。そういう中から見れば、東京都こそがこの人権問題にしっかりと向き合うと。研修もしっかり自発的にやるということこそあって、東京都もやはり人権問題というのは非常に重く受け止めているんだなというのが分かるわけですよ。ところが、メーカーだ、事業者だ、研修しなさいといっていますよ、こういっていますよって、そうじゃないんじゃないのかなと思えてならないんですよ、いつも答弁を聞いていて。
 ですから、ぜひ、何回もいって申し訳ないところもあるけれども、もう一度いわせていただくならば、ぜひこの条例の成立過程の経緯、経過、これをやっていかなきゃいけない。それはすなわち、まあ、何というのかな、電力の、なかなか厳しくなってきた、値上げもそうだとか、また、いわゆるクリーンエネルギーに対する様々な、それは分かりますよ。だけれども、現実的に我々がこのように取り上げていることも事実なんですよ、これ、はっきりいって。
 だから、ぜひ向き合ってくださいよ。ぜひもう一歩取り組んでくださいよ。何をちゅうちょしているんですか、このことに対して。人権問題じゃないの。人権に後ろ向きなんてね、東京都どうするんですか、これ、はっきりいって。
 ぜひ、そういう意味合いからも、もうちょっと都民に伝わるように人権問題はこうやって取り組む、エネルギー問題もしっかり我々でやる。そして、その後に技術革新がそれぞれ進むじゃないですか、様々に。そうしたら、ポリシリコンの輸入量を下げることもできる、そういうあれもあるじゃないですか。これはちょっと若干の時間がかかるかもしれないけれども、でも、今皆さんが総力を挙げてやろうとしている熱意と思いからすれば、これは業界を動かすこともできるし、多くの予算を、これは基金でも積み上げていって、予算を取っているんだから、その中においたって、やっぱりそういう次の段階の新しい代替的なパネル、太陽光、こういうようなことも力入れてくださいよ。どうですか。

○木村建築物担当部長 委員ご指摘のとおり、ペロブスカイト太陽電池の新技術を活用した太陽光電池の開発、これにつきましては東京都も支援を始めているところでございますし、また、今後とも引き続き力を入れて取り組んでまいりたいと考えてございます。

○こいそ(明)委員 取り組んでください。
 それで、ぜひ私たちがこういういっている思いは、少なくないですよ。都民の皆さんのいろんなメールやいろんな手紙やいろんなことが来た中で、やっぱり少なくないんですよ。ですから、ぜひ、東京都もかたくなになるんじゃなくて、なっていないというかもしれないけれども、やはりもっと向き合ってもらいたいな、当事者意識を持ってもらいたいな、重ねて重ねて強く要望させていただきます。
 それともう一点、これに関わる、いわゆるリサイクルルートです。
 リサイクル関係でありますけれども、これも前々からいわせていただいているように、今日はもう時間も押し迫ってきましたので、ああ、もう終わりかな、もうそろそろ。いずれにしても、リサイクルルートについては、これから大量に出るから、まだ時間あるからいいやという話じゃないと思う。
 何をいいたいかっていったら、毎回いっているけれども、少なくとも、いわゆる自区内処理の原則、東京都が始めて義務化していく施策なんだから、だったら他県に六か所も、そして都内に一か所、三多摩地域なんかどうするんだと。そんなもの時間をかけてやりますよって、それはあまりにもおかしいと思うよ、これ、はっきりいって。これはぜひしっかりと、このルートだけじゃないけれども、処理体制、リサイクル体制、これを明快に示してください、これ、はっきりいって。まあ、今日はこのぐらいにします。
 それで、最後にエネルギー施策についてであります。
 より大きい視点から伺いたいと思っておりますけれども、いずれにいたしましても、この二〇三〇年の太陽光パネル設置目標を達成しても、都内で必要な電力量の四%にすぎないことは事実。しかし、太陽光パネル設置に限らず、脱炭素社会実現に向けた抜本的なエネルギー政策は、今後も必要であることはいうまでもありません。
 私は、あえていわせていただくならば、原子力発電所も様々な国の判断が必要だというスタンスでありますけれども、しっかりと安全対策を担保されることを前提、地元理解を得た上で、いわゆる稼働させることも選択肢の一つではないのかなというふうにも考えています。
 いずれにしても、脱炭素エネルギーでグリーン水素等の普及拡大に向けた取組も必要であり、エネルギーの大消費地である首都東京として、脱炭素とエネルギー安全保障の実現に向けた取組をどのように展開していくのか、環境基本計画を所管する環境局の見解と決意を局長にお願いします。

○栗岡環境局長 東京がエネルギーの大消費地としての責務を果たし、脱炭素社会においてもレジリエントで持続可能な成長を実現する都市であり続けるため、都民、事業者と一体となって、エネルギーのさらなる効率的利用と再エネの基幹エネルギー化を推進していく必要があると考えてございます。
 都は、再生可能エネルギーの基幹エネルギー化に向けて、太陽光発電設備等による再エネの地産地消に加えまして、都民、事業者が系統から再エネ電力を利用できるよう取組を強化してまいります。
 具体的な取組として、都内へ供給する再エネ電源の開発に対する支援を強化しますとともに、小売電力事業者に対しまして、都内へ供給する電力の再エネ利用割合についての目標設定等を求め、その内容を分かりやすく公表してまいります。
 さらに、再エネの大量導入を調整力として支え、熱エネルギーや運輸部門の脱炭素化に資するグリーン水素の普及に向け、水素の需要拡大など、社会実装化に向けた取組を進めてまいります。
 今後とも関係局と緊密に連携し、委員からも先ほど来、様々ご指摘いただきましたけれども、あらゆる施策を総動員することで、脱炭素化とエネルギー安全保障を一体的に実現してまいります。

○こいそ(明)委員 東京は日本の首都であります。エネルギーの大消費地として、エネルギー政策のビジョンを都民、国民、世界に示していく責務があるのではないかと思います。
 エネルギー施策については、産業労働局の所管となりましたけれども、ただいまご答弁にありましたとおり、脱炭素社会実現に向けた取組とは、一体不可分の関係です。環境局として、しっかりと関係局と連携しながら施策を展開していくことを強く要望いたします。
 以上で終わります。ありがとうございました。

○たきぐち委員 それでは、まず初めに、来年度予算に計上されているLPガス事故防止に関する安全機器の普及促進事業について伺いたいと思います。
 関東大震災から今年で百年の節目を迎える中、都は昨年末、東京強靱化プロジェクトを策定しました。これまで国内において、また都内においても、幾たびもの風水害や大地震が発生し、多くの犠牲の上に都は対策を強化してきましたが、こうした災害から教訓を得ると同時に、気候変動によるこれまでの想定を超える気象災害の発生を受けて、起こり得る災害に想像力を働かせ、被害を最小限に抑えていくための取組が急務だと考えています。
 こうした中で、可燃性の高圧ガスが充填されているLPガスボンベの対策も重要であります。
 都内では、都市ガスが敷設されていない河川の周辺や、多摩地域の主要なエネルギー源として、依然とLPガスが多く利用されています。LPガスボンベは、豪雨や台風などによる水害時に流出事故が発生した場合、ガス漏れに伴う火災、爆発など、二次災害が危惧されることから、災害に強い都市づくりに向けては、その対策が欠かせません。
 一昨日、三月十一日、発災から十二年を迎えた東日本大震災では、主に津波によって約二十万本のLPガスボンベが流出し、平成三十年の西日本豪雨では、三千本を超えるLPガスボンベが流出したということであります。
 私は、この両災害とも発災後に復旧ボランティアに参加いたしまして、被災状況を自分の目で見ることで、水害の怖さの認識を新たにしてきたところであります。
 国は、液化石油ガス法施行規則等を改正し、浸水が想定される地域に既に設置されているガスボンベについては、令和六年六月までに安全対策としてベルトや鎖による二重がけや容器収納庫など、流出防止機器の設置をLPガス販売事業者に義務づけたところであります。
 都は、昨年度から今年度にかけて、LPガスボンベの都内流出防止実施状況調査を行っておりますが、まずその調査結果について伺います。

○鈴木環境改善部長 令和三年度に都内及び都内近郊のLPガス販売事業者を対象に実施した、水害に対するガスボンベの安全対策に関するアンケート結果では、約五割の事業者で流出防止等の対策が未実施であり、そのうち約五割は初期費用の面を理由に未実施であることが判明いたしました。
 令和四年度には、より実態を把握するため、水害による浸水リスクの高い地域を対象に、流出防止対策の実施状況を実地で調査したところ、実施率が約二割という状況でございました。

○たきぐち委員 約五割の事業者で流出防止策が未実施で、浸水リスクの高い地域では約二割の実施にとどまっているということでありました。
 早急に対策を進めていく必要がありますが、対策を実施すべき販売事業者は小規模事業者が多く、昨今の光熱費の高騰などによって、新たに設備投資を行うだけの経営的な余裕がないのが現状だと思われます。
 一方で、来年六月までの安全対策が義務づけられていることから、安全機器を導入する事業者に対する補助事業の立ち上げは有効であると考えます。
 そこで、本補助事業はどのようなものか概要を伺います。

○鈴木環境改善部長 本事業では、浸水のおそれのある地域において、LPガスボンベの流出防止措置の促進を図るため、安全機器の導入に対して支援するものでございます。
 具体的には、LPガス販売事業者を対象に、流出防止のためのベルトや鎖による二重がけや、容器収納庫の設置に係る機器や工事費に対して補助を実施することとしております。
 補助率は、小規模事業者等で三分の二、その他の事業者で二分の一でございます。
 また、補助事業の規模につきましては、約六百事業者、約二十万世帯分のLPガスボンベを見込んでおりまして、令和五年度分の経費として約五・三億円の予算を、また、令和六年度分の経費として約二・七億円の債務負担行為を計上いたしました。

○たきぐち委員 補助の概要、そして事業規模については理解いたしました。また、事業者に安心して着実に取り組んでもらえるように、債務負担行為で令和六年度分の経費まで確保したということも今、確認させていただきました。
 一方で、義務化の期限である来年六月までに約二十万世帯に設置をするということは、容易なことではありません。関係団体などと連携し、急ピッチで設置促進を図っていくべきと考えますが、見解を伺います。

○鈴木環境改善部長 LPガスボンベの流出防止措置義務の期限までに安全機器の設置を着実に進めていくためには、機器設置の実態に即した補助制度としていくことや、安全機器設置に対するLPガス利用者の理解促進等が重要でございます。
 そのため、都は、業界団体や専門家、LPガス販売事業者をメンバーとする準備会合を開催し、補助対象となる機器要件等の詳細や利用者向けリーフレットの作成など、効果的な理解促進策等を検討しております。
 また、ベルトや鎖等の安全機器の在庫や、工事事業者の不足によって対策の遅れが生じないよう、当該機器を取り扱う事業者に対しても、早い段階から本事業の周知を図っております。
 今後とも、業界団体等と連携しながら、安全機器の設置の促進に向けた取組を推進してまいります。

○たきぐち委員 LPガス利用者の理解を促進するために業界団体などと準備会合を開催して、効果的な理解促進策を検討していくと同時に、機器の在庫切れや工事事業者が不足しないよう、事業の周知を図っていくということでありました。しっかりと業界団体と連携をしながら事業を進めていくとともに、LPガス販売店の多くが高齢の方が経営されている個人商店であることから、きめ細かな支援を求めておきたいと思います。
 次に、都有施設における太陽光発電設備設置の加速化について伺います。
 再生可能エネルギーの基幹エネルギー化に向けて、太陽光パネルの設置等を義務づける建築物環境報告書制度が創設されますが、今後の制度施行に向け、都民、事業者の理解をより促進するため、事業者等の施設を数多く所有する都自らが率先して行動することが求められています。
 とりわけ、新築、改築時の設置に加え、これまで設置が進んでいなかった既存都有施設へも太陽光発電設備を設置し、再生可能エネルギーの導入拡大を図るなど、積極的な取組を行っていく必要があります。
 そこでまず、既存都有施設への太陽光発電設備設置について、今年度どのように取り組んできたのか伺います。

○中村率先行動担当部長 既存都有施設への太陽光発電設備設置について、隗より始めよの意識の下、都自身が率先して行動し、取組を加速化していくことが重要でございます。
 そのため、太陽光発電設備の設置目標を大幅に引き上げるとともに、設備の設置推進を担う技術職員を中心とした専任の組織体制を新設するなど、加速化を図っております。
 新体制の下、今年度は各局と連携して、設置可能な都有施設の詳細調査を進めるとともに、民間ノウハウも活用して加速化を図るため、事業者が太陽光発電設備を設置し、発電した電気を当該施設に供給するPPA手法も取り入れながら、詳細調査の完了した約五十施設への太陽光発電設備設置に向けた設計等に取り組んでおります。

○たきぐち委員 今年度、都営住宅や警察、消防署など、全庁的な取組が示されまして、環境局としては、都有事業所など五十施設を目標として掲げ、今ご答弁があったように、詳細調査を完了し、設計等に取り組んでいるということであります。
 目標を引き上げただけではなく、その達成に向けて、技術職員を中心とした推進体制を強化し、都自らが太陽光発電設備を設置するとともに、PPA手法を取り入れるなど、民間ノウハウも活用しながら加速化を図っていく取組を評価したいと思います。
 この取組を来年度以降も継続し、都の率先行動を都民、事業者に示していくことが必要と考えますが、来年度はどのように取り組んでいくのか伺います。

○中村率先行動担当部長 来年度は、約五十施設の都有施設への太陽光発電設備設置工事を着実に進めるとともに、今年度前倒しで実施しております追加の導入可能性調査の結果を踏まえまして、最大百施設への設置を目指し、詳細調査や設計を行ってまいります。
 引き続き、PPA手法も活用しながら、既存都有施設への太陽光発電設備設置を加速化してまいります。目標達成に向け、都自身が率先的な取組を加速している姿を示すことで、都民、事業者の理解を促進し、都全体の再生可能エネルギー導入拡大を牽引してまいります。

○たきぐち委員 最大百施設への設置を目指すという意欲的な目標をご答弁いただきました。来年度に向けた取組の加速化を期待し、また求めておきたいと思います。
 次に、都有施設におけるVPP構築事業、すなわち、バーチャル・パワー・プラントの構築について伺いたいと思います。
 都内で太陽光発電設備、蓄電池といった分散型のエネルギーリソースの普及が急速に拡大しているところであり、今後、電力の需給バランスや、系統負荷の低減を意識したエネルギー管理を行うことが重要となってきます。
 都は来年度から、都有施設で生み出した再エネを施設間で需給調整して活用する都有施設へのVPP構築にも取り組むということでありますが、どのようにVPPを構築していくのか伺います。

○中村率先行動担当部長 再エネ大量導入時代を見据えまして、導入した太陽光発電設備や蓄電池等の分散型エネルギーリソースをIoTを活用した高度なエネルギーマネジメント技術によって、最適運用等を行う都庁版VPPの構築に取り組むことも重要でございます。
 今年度は、都有施設におきまして、VPP構築に必要な基礎調査や対象エリアの検討を行っております。来年度は、対象エリアの都有施設におきまして、運用方法の詳細を検討しながら、再生可能エネルギー設備やシステムの導入に向けた設計等も進めてまいります。
 こうした取組によりまして、都庁版VPPの構築を進め、都有施設の再エネ電力利用割合の向上に加え、停電時等のレジリエンスを強化するとともに、需給逼迫時などに電力市場への調整力の供出を目指してまいります。

○たきぐち委員 都庁版VPPは、従来の火力を前提としたシステムを変える新しい発想で、IoT技術を活用して、建物単位ではなく、エリア全体で発電量が変動するという再エネの欠点を補いながら、レジリエンスの強化、需給逼迫時の貢献につなげていこうという取組と理解をしております。
 今後、都の率先行動をさらに積極的に展開し、都民や民間事業者等を牽引できる取組を継続していただけるよう要望いたしまして、次の質問に移りたいと思います。
 来年度の新規事業として示されている食品廃棄物の有効利用促進事業について伺いたいと思います。
 これは先ほど、こいそ委員からも質疑がありました。二〇二〇年度の我が国のCO2総排出量のうち、運輸部門は一七・七%を占めており、このうち二・八%が国内航空とされています。
 コロナ前は五%程度を占めておりまして、ヨーロッパでは、鉄道などと比べてCO2の排出量が多い航空機に乗ることは恥ずかしいという意味の飛び恥、フライトシェイムという言葉まで生まれているということであります。
 こうした航空部門のCO2削減に向けて、次世代の航空燃料といわれるSAF、サステーナブル・アビエーション・フュエル、頭文字でSAFですけど、持続可能な航空燃料が注目されており、普及に向けた取組が進められています。
 先日、NHKで特集番組をやっておりまして、民間航空機の運航ルールを定めるICAO、国際民間航空機関は、昨年十月に国際線の航空機が排出するCO2を二〇五〇年に実質ゼロにする目標を決定したほか、EUにおいても、域内の空港で給油される航空燃料のうち、SAFの割合を二〇四〇年に三七%、二〇五〇年には八五%まで引き上げる法案がつくられているということでありました。
 我が国においては、二〇三〇年時点のSAF使用量として、国内航空会社による燃料使用量の一〇%をSAFに置き換えるという目標を掲げています。しかし、SAFの生産量は現在、僅かでありまして、導入率は世界の航空業界で〇・〇三%程度にとどまっており、世界中で廃食油の争奪戦が起きているというようなことも報道されていたところであります。
 先日、都営バスの燃料として利用され話題になったバイオディーゼル燃料は、使用済みの食用油や微細藻類から抽出した油などから作られています。SAFも飲食店や家庭から排出される廃食用油などから製造できるとされています。
 そこでまず、我が国における廃食用油のリサイクルの現状と、都内の区市町村の回収状況について伺います。

○志村資源循環推進部長 廃食用油をリサイクルする事業者の業界団体の推計によりますと、令和三年度、日本全体で年間約二百四十八万トンの食用油が消費されておりまして、内訳は、事業系が約二百六万トン、家庭系が約四十二万トンとなっております。
 このうち、事業系では四十万トンが排出され、壁等への付着などにより、再生不能な二万トンを除く三十八万トンにつきまして、二十六万トンが飼料原料、工業原料等にリサイクルされ、十二万トンが国外へ輸出されております。
 家庭系では十万トンが廃食用油として排出されておりますが、回収処理の現状は不明となっております。
 都内では、約三十の自治体が主に清掃事務所等での拠点回収を実施しておりまして、その回収量は約百四十トンでございます。

○たきぐち委員 日本全体で家庭からの廃食用油が十万トンだとすると、人口比で考えれば、都内ではおよそ一万トンが排出されていると考えられます。一方で、回収量が約百四十トンにとどまっているということでありますので、まだ回収のポテンシャルは残っていると考えられます。
 SAFは、廃食用油だけではなくて、古着や家庭ごみなど、様々な原料から作ることができ、SAFの研究を行っている運輸総合研究所では、国内の廃食用油や家庭ごみなどを全て生産に利用できれば、国内での航空燃料のほぼ全量をSAFに置き換えられると試算しているようであります。
 こうした中、都は来年度、新たに食品廃棄物の有効利用促進事業を実施し、家庭から排出される廃食用油回収拡大を目指す自治体の後押しをしていくということであります。
 家庭からの廃食用油は一般廃棄物のため、回収は区市町村の役割となりますが、回収の拡大に向け、連携していくことが重要となります。
 また、回収量を確保し、SAFの実用化につなげていくためには、都民や事業者の理解と協力が不可欠であることから、回収の意義等について、都としてもしっかりと普及啓発に向けた情報発信をすべきと考えますが、都の見解を伺います。

○志村資源循環推進部長 都が来年度実施いたします食品廃棄物の有効利用促進事業では、廃食用油の回収を新たに開始する自治体や、回収量の拡大に取り組む自治体を支援することとしています。
 また、都民や事業者等の関心を高めるため、廃食用油が持続可能な航空燃料、いわゆるSAFなどで有効活用できることをPRする動画を作成し、都のホームページやSNSなど、様々な媒体を活用して周知を図ってまいります。
 これに加えて、作成した動画は市区町村のホームページやイベントでの周知にも活用できるよう、共有化を図ってまいります。
 こうした取組により、家庭からの廃食用油の回収拡大を図り、資源の有効利用を促進してまいります。

○たきぐち委員 現時点で国内には商用規模でSAFを製造できる施設はないというふうに聞いておりますが、今から廃食用油を国産の原料として活用するルートを切り開き、ムーブメントを起こしていくことは重要だというふうに考えます。
 都には自治体と連携した広報活動をしっかりと行っていただきながら、回収量の拡大に取り組み、国産のSAF原料の実用化に向けた施策、支援策を推し進めていただくことを求めておきたいと思います。
 次に、国内の食品ロスは五百二十二万トンで、国連などが世界各地で実施している食料支援の約一・二倍にも上る量の食品が、まだ食べられるのに廃棄されているという実態があります。
 都内の食品ロス発生量は、令和元年度、四十四・五万トンと推計され、このうち事業系食品ロスが約六六%を占め、さらに外食産業は十九・六万トンと、全体の四四%を占めています。
 食品ロスから排出されるCO2排出量の多さについては、以前の委員会でも言及した記憶がありますが、国際環境NGOの世界資源研究所、WRIがまとめたデータによりますと、二〇一一年から二〇一二年の食品ロスによるCO2排出量は、先ほど航空燃料の話をいたしましたけれども、航空機から排出される一・四%よりも多い八・二%との推計値もあります。
 コロナ禍で状況は大きく変化したと思われますが、新型コロナウイルス感染症の五類への移行も見据え、社会経済活動が本格的に再開しつつある中で、食品ロス対策を継続的かつ発展的に講じていくとともに、改めて都民の意識啓発を促し、都民、事業者と共に本気で取り組んでいくことが求められていると考えます。
 事業系については、サプライチェーンの各段階での対策が必要であるということはいうまでもなく、都としても施策を講じていると承知をしております。
 新年度予算に示された新規事業の中で、賞味期限前食品の廃棄ゼロ行動促進事業というのが示されています。これは、食品流通業界では長年、三分の一ルールと呼ばれる商慣習、これは小売への納品期限を賞味期限の三分の一以内とするという商慣習でありますが、これが浸透しており、これによって納品期限までに小売店に納入されなかった食品は、卸売業者からメーカーへ返品され、販売期限までに消費者に売れなかった食品は、卸売業者に返品され、そしてこれが廃棄されているという実態であります。
 海外でも同様のルールがありまして、アメリカは二分の一、欧州は三分の二が多いということでありますが、これを日本においても二分の一に緩和しようという動きがあると理解をしております。
 予算案の概要では、三分の一ルールの課題についてのみ触れられておりますけれども、東京都食品ロス削減推進計画では緩和例を示しておりまして、これはメーカーから小売までを二分の一にして、販売期間については各小売が設定するという例が示されております。
 加えて、賞味期限表示が年月ではなく、年月日であることによる課題もあると承知をしております。
 こうした食品流通業界における慣習の見直しによって、食品ロス削減につなげるべきと考えます。
 国の調査では、大手企業へのアンケートで、商慣習の見直しの状況は把握されているものの、それによる食品ロスの削減効果は明らかになっていないため、見直しが思うように広がっておりません。まずは清掃工場など食品が廃棄される現場において、しっかりと実態を把握していくことが必要だと考えますが、見解を伺います。

○村上資源循環計画担当部長 三分の一ルールや賞味期限の年月日表示など、食品業界における商慣習は、小売事業者での販売機会の損失による食品ロス発生の主要な原因の一つであり、こうした業界独自のルールを改善することが重要です。こうしたルールは、業種や食品の種類ごとに異なっていることから、それぞれに応じた効果的な対策が必要です。
 そのため、都は、賞味期限前食品の廃棄実態などに関する調査を実施します。具体的には、廃棄された食品の種類ごとの量を計測するほか、卸売や小売などの業種ごとに保管や棚卸し方法等について事業者ヒアリングを実施いたします。
 この実態調査の結果を踏まえ、業種や食品の種類ごとに特に見直しが必要な商慣習を抽出し、効果的な食品ロス削減対策につなげてまいります。

○たきぐち委員 こうした調査は、実効性のある施策立案の基礎となるものであります。しっかりと調査していただきまして、結果を踏まえて、業種や食品の種類ごとの商慣習と食品廃棄の実態を速やかに把握をして、事業者の廃棄実態に即したきめ細かな対応で商慣習の見直しなどを進めていくことを求めておきたいと思います。
 また、食に関することで、最近、フードテックという言葉を耳にするようになりました。先日、東京発の大規模国際スタートアップカンファレンスであるCity-Tech.Tokyoに行ってまいりました。
 ここでは、海外企業も含めて、フードテックなどの様々な技術が紹介されておりまして、例えば、都のブースにおいては、都の支援を受けた企業が開発した急速冷凍技術が展示されていました。
 こうした技術は、食品ロスの大幅な削減につながることが期待できますが、開発されたばかりであり、その技術の存在や効果があまり知られておらず、普及が進んでおりません。
 都は、食品ロスの削減を加速していくため、こうした先進技術の開発や事業化を支援するとともに、その技術を広く普及啓発していくべきと考えますが、見解を伺います。

○志村資源循環推進部長 二〇三〇年、食品ロス半減の目標を達成するためには、食品のロングライフ化など、削減効果の高い食の先進技術の開発を支援し、広く普及させていくことが重要であります。
 都は今年度、環境公社内に設置された東京サーキュラーエコノミー推進センターと連携し、食品ロス削減等の相談受付等のワンストップサポート体制をスタートさせました。
 また、サーキュラーエコノミーの実現に向けたモデル事業を開始し、廃棄予定のリンゴ等を原料とした人工皮革の開発や、プロモーション等に対する支援を実施するとともに、ホームページ等による事業の紹介を行いました。
 来年度は、こうした支援を拡充するとともに、スタートアップ企業や食品関連事業者等の交流を図る新たなイベントの開催や、エコプロ等の環境イベントでの技術展示等によりまして、技術の普及を図ってまいります。
 今後も食の先進技術を有する企業等と連携し、技術の開発を促進するとともに、多様な情報発信を行うことなどにより、一層の食品ロスの削減を進めてまいります。

○たきぐち委員 生まれたばかりの食の先進技術の芽を育み、それを広めていく取組は、認知度が低いスタートアップ企業等の育成につながり、食品ロス削減に大きな効果が期待をされるところであります。
 このCity-Tech.Tokyo、このうちSusHi Tech Tokyoのコーナーで先ほどの急速冷凍技術が紹介されておりまして、ここで握りずしがそのまま冷凍保存されているという展示がありました。後で聞くまで、ここは環境局のブースだということが分かりませんでした。
 先ほどご答弁の中で、来年度、新たなイベントの開催や環境イベントで技術展示を行うということでありますので、ぜひ熱量を持って取り組んでいただきたいなというふうに思います。
 先ほど、こいそ委員の中でも、人材育成ということについての重要性が述べられていましたけれども、強い思いと使命感を持って、こういったイベント等々を通じて、先進企業などと連携して取り組んでいただくことを求めて、そしてまた、期待をしたいというふうに思います。
 ここまで、環境保安対策から再エネ、資源循環と、幅広い課題の中から新規事業を中心に伺ってまいりました。改めて、環境問題が多様な分野にまたがり、その解決にはあらゆる力を集結して当たる必要があると感じているところです。
 ご答弁をいただきました、都が太陽光発電の導入拡大のため、VPPの構築といった先進技術の活用に積極的に取り組んでいくということ、また、食品ロス削減のため、スタートアップ企業等の後押しに力を入れていくということは、都の新たな環境施策を日本全体に普及拡大していくといった観点からも、非常に重要な取組であると捉えているところであります。
 そこで最後に、環境局として、グリーン分野における先進技術やスタートアップ企業等の力を活用し、環境施策を力強く推進していくべきと考えますが、局長の決意を伺います。

○栗岡環境局長 環境問題は、近年ますます多様化、複雑化しており、デジタル技術をはじめとする先進技術の活用や、スタートアップ企業等の新たな提案は、課題解決に向けた重要な鍵となります。
 都は、持続可能なプラスチック利用を実現するため、革新的な技術やビジネスの共創、社会実装に取り組む企業を支援してございます。また住宅等の屋根への建材一体型や軽量型等の機能性に優れた太陽光発電システム技術を広く公募するなど、先進技術やアイデアを有する企業などの力を最大限活用しながら、各種施策を推進してございます。
 こうした取組を多面的に展開することで、環境施策を大胆に加速するとともに、東京に優れた技術を結集し、国際競争力を高めながら、豊かさと魅力にあふれる持続可能な東京の未来を切り開いてまいります。

○たきぐち委員 企業とも積極的に連携し、環境施策に取り組んでいくという局長の力強い意気込みを聞かせていただきました。
 私たちは、スタートアップ戦略について本会議や予算委員会などを通じて、これまで積極的に提案をし、都の取組を後押しさせていただきまして、とりわけ、その中でもグリーン分野での取組を加速度的に進めるべきということを主張しているところであります。
 また、脱炭素化を推進するために、GX分野の人材育成や産業創出の重要性についても、度々言及しているところであります。
 こういった議論に対して、どうしても知事、副知事、あるいはスタートアップに関しては政策企画局、GXになると産業労働局から答弁をいただくことが多いわけでありますけれども、二〇三〇年カーボンハーフに向けては、既存技術の徹底活用、そして二〇五〇年ゼロエミッションを実現するためには、新たなイノベーションを生み出すことが必要だと考えております。
 同時に、我が国が資源やエネルギーの海外依存から脱却し、自立した循環経済を確立するためにも、新産業をつくり、隠れた技術や企業力であるクライメートテックを掘り起こして、グリーン分野を牽引していくことが求められておりまして、環境局が果たすべき役割は大きく、期待するところであります。
 新年度に向けてさらなる取組の展開を求めまして、私の質疑を終わります。

○小磯(善)委員 まず初めに、リチウムイオン電池の安全な処理についてお伺いいたします。
 先ほど、こいそ明委員からも、リチウムイオン電池はごみ収集のときに火災の発生のおそれがある、危険があるというご指摘がございました。私の町田市でも、新しいごみ施設、バイオエネルギーセンターが昨年開業したばかりだったわけですけれども、そこでリチウムイオン電池が原因と思われる火災が発生したわけでございます。
 しばらく、そのところは場所がちょっと使えなくなるとか、あと、近所に異臭と、また煙が蔓延したということで、町田市民も大変心配をしたわけでございますが、そういうことを受けて、昨年の一般質問とか、またここでの委員会質問とか、いろいろ重ねてまいりました。
 そういう中で、都としては、安全な回収ルートを確立するというような答弁もありましたし、また、具体的には電池メーカー等で構成する業界団体であるJBRCが回収、リサイクルしており、それ以外は自治体が処理することになるというような答弁もございました。
 自治体による回収には幾つかの方法があるようでありますが、まず、どのような回収が現在されているのか、またその特色についてお伺いをしたいと思います。

○志村資源循環推進部長 家庭から排出される使用済みのリチウムイオン電池のうち、JBRCが回収しないものや、電池内蔵製品については自治体が処理しております。
 自治体による具体的な回収方法でございますが、まず、ごみ集積所等で有害危険ごみ等として電池や内蔵製品を回収する方法がございます。この方法は、住民にとって身近な場所に出せるため、回収量が多くなると期待されますが、収集するごみの区分が増えることによるコスト増の可能性がございます。
 次に、電池や内蔵製品を行政施設等に設置された小型家電製品のリサイクルボックスで回収する方法で、既存の小型家電のリサイクルの仕組みを利用できますが、住民にとって回収場所まで持参する手間が必要となります。
 このほか、不燃ごみの収集日に電池等を別の袋に入れて排出し、回収する方法もございます。この方法は住民の利便性も高く、自治体の負担も少ないですが、袋を分ける必要性の周知等が重要となってまいります。

○小磯(善)委員 この回収については、それぞれ自治体によっていろんな方法があるということでございます。いずれにしましても、こうした回収方法を今までと違う方法に変更するということは、自治体の負担になるわけでございます。
 そういうことで、東京都はこのリチウムイオン電池の分別回収について、財政支援等と併せて、積極的な働きかけを行うことが必要であるということでございます。
 そこで、都の支援策について説明を求めます。また、回収方法ごとに分別回収を実施している自治体の数と、今年度増加した自治体数についても併せてお伺いしたいと思います。

○志村資源循環推進部長 都は、リチウムイオン電池の安全な回収に向け、新たな対策を実施する自治体に対して財政支援を行っております。また、自治体を直接訪問し、電池や内蔵製品の回収を行っている先進事例の情報提供を行うなどの技術支援も実施しております。
 こうした取組により、有害危険ごみ等として電池や内蔵製品を回収している自治体は、今年度、二自治体増加し、二十四自治体となりました。
 また、小型家電製品のボックスでの回収は二自治体増加し、六自治体となりました。
 集積所等で不燃ごみ等と別の袋で回収している自治体は二自治体で、昨年度と同数でございました。
 なお、電池と内蔵製品を別の方法で回収している自治体もございます。
 今後も引き続き市区町村への分別回収の実施等を働きかけ、安全な回収ルートの構築を進めてまいります。

○小磯(善)委員 町田市の場合は、そういう火災事故を受けまして、有害ごみの日に資源集積所で、いわゆる小型充電式の電池だけを集めるというようなことをしながら、電池を小型家電から外せない内蔵製品ですね、外せない小型家電については回収ボックスで集めているということでございます。
 そういう中で、去年の七月から今年の一月まで、どれぐらい回収できたんだということをちょっと調べていただきましたら、有害ごみの日に資源集積所で回収した電池の量が月平均五百キログラム、町田市でね。回収ボックスで集めた小型家電の量が月平均二・四トンということで、私が予想していた以上に市民の皆様のご協力があって、そして町田市でも回収ルートをしっかり確立して周知を徹底したことで、このような回収量を確保できたんじゃないかなと、このように思うわけでございます。
 こういった自治体の取組を今、環境局の皆さんが一生懸命、各自治体を回っていただいて、先進事例をいろいろ示しながら、こういうリチウムイオン電池の安全な回収ルートにご努力いただいていることは大変評価をしたいと思っております。
 今の数字からいくと、あと二十一自治体ぐらいがこうしたリチウムイオン電池に特化した分別回収の実施がまだされておりませんので、ぜひ、分別収集を行う自治体を増やすための、引き続きご努力をお願いしたいと、このように思います。
 次に、アスベスト対策についてお伺いいたします。
 私をはじめ、我が党公明党は、かねてから建物の解体工事等におけるアスベストの適正処理に関して議会で取り上げてまいりました。
 大気汚染防止法では、解体や改修工事におけるアスベストの飛散防止に向け、アスベストの有無を確認するための事前調査の実施を義務づけております。また、私、災害時のアスベストということで、これも質問して、東京都では、東京都内の各自治体にアスベスト対応のマスクを支給すると、こういった事業も展開をしていただきました。
 近年、この事前調査におけるアスベストの見落としなどにより、アスベストの飛散が指摘されていたことから、法改正で全てのアスベスト建材を規制対象とするとともに、昨年四月からは、事前調査結果を行政に報告する制度が導入をされました。
 一方で、法改正によって規制対象となる建材が拡大したことにより、発注者の事前調査の負担は増えてきているわけでございます。事前調査は工事規模を問わず、不可欠ということでありますので、戸建て住宅のオーナーのような小規模な改修工事の発注者に対しても適切な対策を徹底させるためには、発注者への財政的な支援も必要であります。
 アスベストの調査費用に対しては国の支援制度があり、区市によっては、この制度を活用して補助制度を設けているということでありますが、都内において、この補助制度を設けている区市がどの程度あるのかお伺いをしたいと思います。

○鈴木環境改善部長 国は、吹きつけアスベスト等がある建物の対策を促進するため、アスベストの調査費等について補助を行う区市町村に対して、住宅・建築物安全ストック形成事業により財政支援を実施しております。
 都内では、この制度を活用するなどして、十七区市が工事発注者へのアスベスト調査費に係る補助制度を設けております。

○小磯(善)委員 都内で十七区市が補助制度を持っているということが分かりました。アスベストの事前調査は、都内全域で解体工事等を行う際に必要になってまいります。十七区市以外の区市町村でも補助制度が創設できるような取組が求められると思います。
 国の支援事業は、飛散性の高い一部のアスベスト含有建材が補助対象でありますけれども、改正された大気汚染防止法では、飛散性の低いアスベストを含む成形板等も規制対象としていることから、補助対象が拡大できるような取組も必要だと、このように考えますが、都の見解を求めます。

○鈴木環境改善部長 アスベストの事前調査を着実に実施し、飛散防止対策を徹底するためには、飛散性の低いアスベスト含有建材も含めた工事発注者への調査費の支援が必要でございます。
 そのため、都は、国の責任において実効性のある取組を行うよう、全てのアスベスト含有建材を対象とした調査費の補助制度の創設について国に要望しております。
 さらに、区市等からの要望も踏まえ、都として発注者の事前調査の負担軽減につなげるために、来年度から地域環境力活性化事業に新たなメニューを加え、調査費を補助する区市町村に対し、都が助成する取組を開始いたします。
 具体的には、全てのアスベスト含有建材を対象としまして、区市町村で行う調査費の補助事業経費の二分の一を助成し、区市町村の補助制度の創設や拡充を後押しします。
 こうした取組により、アスベストの事前調査の適切な実施を促し、適正処理を一層推進してまいります。

○小磯(善)委員 今、東京都は国に対して要望するとともに、自ら区市町村を通じて発注者の財政支援につなげる取組を始めるということでございました。区市町村が都の取組を活用して、アスベスト調査の補助制度の充実が図られるよう、またこれからも区市町村への丁寧な周知をお願いしたいと思います。
 次に、いわゆる集合住宅、マンション等へのEV充電設備についてお伺いをいたします。
 EV普及には、自宅で充電できる環境整備が重要でありますが、都民の多くが居住する集合住宅への充電設備の普及を促進する必要があります。
 そこで、昨年九月の第三回都議会定例会の委員会質疑において、集合住宅への充電設備の普及に向けた取組について質問を行いました。東京都からは、充電事業者等で構成するマンション充電設備普及促進に向けた連携協議会を創設して、今後、集合住宅へのアンケート調査を実施し、協議会に参加の充電事業者と連携して、導入ニーズを踏まえたマッチング会を実施するという回答がありました。
 まず、このアンケート調査の実施状況とマッチング会の開催についてお伺いをいたします。

○荒田気候変動対策部長 都は、一月下旬に一万棟の集合住宅の管理組合にアンケート票を送付し、充電設備の導入ニーズ等に関する調査を実施いたしました。
 三月十日時点で四百五十二の管理組合から回答があり、充電設備設置済みが三十六となってございます。未設置の管理組合についても、今後設置予定が二%、今後設置したいが二五%、設置に興味があるが四〇%との回答でございまして、合わせて六七%に導入ニーズがあることが確認できました。
 また、こうした管理組合と充電事業者とのマッチング会を今月二十一日に開催予定でございまして、アンケートでの参加希望者への案内や「広報東京都」等での告知により、三月九日時点で百二の管理組合等から参加の申込みを受け付けてございます。
 マッチング会においては、集合住宅に設置実績がある充電事業者十社からの充電サービスの紹介と、都からの設置に対する支援策の説明を行うとともに、管理組合と充電事業者との個別相談会も実施いたします。

○小磯(善)委員 この充電設備の設置に関心のあるマンション等の管理組合は大変多くいるということが分かりました。
 マッチング会につきましては、集合住宅の設置にノウハウのある事業者と連携し、参加した管理組合の皆様の疑問、また質問等に丁寧に対応して、有意義な相談会にしていただくようお願いいたします。
 今回実施したアンケートによりますと、未設置の管理組合のうち、今後設置予定また今後設置したい、もしくは設置に興味があるという回答が合わせて六七%ということでございました。
 こうした管理組合が実際に導入の検討を開始できるように、きめ細かなサポートが必要と考えますが、それについての今後の取組についてお伺いいたします。

○荒田気候変動対策部長 都は、来年度も引き続きマッチング会を定期的に開催するとともに、手軽に参加することができるオンライン相談会も新たに実施いたします。
 さらに、導入を具体的に検討する管理組合に対しては、合意形成を円滑に進めるために必要な現地調査や、提案書作成に係る費用の支援を開始いたします。
 これらの取組を通じて、集合住宅の管理組合の導入の意向に応じた様々なサポートを行うことで、さらなる普及を促進してまいります。

○小磯(善)委員 我が会派の要望にしっかり対応されているということが確認できました。今後、管理組合をサポートする様々な取組が拡充されますが、多くの管理組合に利用されるよう、分かりやすく事業の周知を行っていただくことをお願いして、次の質問に移ります。
 最後に、家庭における省エネ対策について伺います。
 都議会公明党は、身近にできる家庭でのCO2削減対策として、省エネ家電への買換えを促す東京ゼロエミポイント事業を評価しております。より多くの都民が利用できるよう、これまで対象機種の拡充、また事業継続、こういったことを質問し、また要望をしてまいりました。
 さきの第一回定例会での我が党からの一般質問でございますが、そこでの回答で、今年度は昨年度に比べ申請が四割も増加しているという報告があり、対象機種拡充の効果が出ていることを大変うれしく思っております。
 また、来年度、本事業における付与ポイントを二割程度引き上げ、さらなる買換えの促進に取り組むとの力強い回答をいただいたところであります。
 今後、より一層家庭における省エネ対策を進めるためには、住宅の中の設備だけでなく、住宅全体を俯瞰した対策も必要であります。また、その内容を高齢者など、より幅広い都民に知っていただき、CO2削減に取り組んでいただくことが重要であります。
 喫緊の課題となっている気候変動危機、また、エネルギー危機に対し、家庭における省エネ対策を強化、加速していくべきと考えますが、今後の取組とその決意について局長にお伺いいたします。

○栗岡環境局長 家庭部門のエネルギー消費量は、都内全体の約三割を占めており、また、部門別では唯一増加してございます。一方、ロシア、ウクライナ情勢等による光熱費の高騰が都民生活にも影響を及ぼしており、家庭部門の省エネ対策は喫緊の課題でございます。
 都はこれまで、環境性能が高い住宅や省エネ家電の普及拡大に向け、既存住宅の断熱改修や新築の東京ゼロエミ住宅への支援、さらには省エネとなる家電への買換えを促す事業などを展開して拡充してきてございます。
 来年度は、既存住宅の断熱改修事業について、これまでの窓、ドアに加えまして、壁や床などにも支援の対象を拡充することにより、住宅の省エネ化を加速してまいります。
 また、省エネ家電への買換えのさらなる促進に向けて、東京ゼロエミポイント事業において、対象機器に応じて付与されるポイントを引き上げるとともに、台数も二割増を見込んだ予算案としてございます。
 あわせて、今後これらの支援策を高齢者などの幅広い都民に浸透させ、ご活用いただくため、住宅政策本部や福祉保健局との連携をさらに強化し、ターゲットに合わせた効果的な広報を展開してまいります。
 こうした取組を強力に推進することによりまして、都民の皆様の共感と協働をいただきながら、家庭の省エネ対策を加速し、二〇三〇年カーボンハーフとその先の二〇五〇年ゼロエミッション東京を実現してまいります。

○小磯(善)委員 東京都は、都民が取り組みやすい省エネ対策だけでなく、生活の基礎となる住宅の高断熱化など、包括的な家庭のCO2削減対策を、多くの都民の協力を得ながら加速していくという力強い答弁をいただきました。
 人口が集積し、エネルギーの大消費地である東京が率先して脱炭素を推進することは、世界の都市にも影響を及ぼすものであります。そのためには、都民、事業者の理解を得ながら取組を進めることが重要であります。
 都は、今後も必要な支援策をしっかりと講じながら、ゼロエミッション東京の実現に邁進していただきたいと要請をいたしまして、私の質問を終わります。

○里吉委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後三時三分休憩

   午後三時二十一分開議

○里吉委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○原委員 よろしくお願いします。まず、省エネ、再エネ補助事業について伺います。
 一月にスタートした住宅の断熱、省エネ、再エネ設備等に関わる各種補助制度の相談を受け付けるワンストップ相談窓口には、どんな方からどんな相談が寄せられていますか。

○関制度調整担当部長 ワンストップ相談窓口では、住宅の断熱、省エネ、再エネ設備に係る各種補助制度のほか、建築物環境報告書制度の概要や太陽光発電の一般相談等を受け付けており、都民、事業所を問わず、幅広い方々から問合せが寄せられているところでございます。
 本年二月末までに約七百件の問合せがあり、そのうち約三分の二が補助制度の対象や金額等に関するものでございます。

○原委員 二か月間で七百件、関心が高い方だと思います。補助制度の相談が多いということですから、補助事業がインセンティブになっているということだと思います。
 都民の疑問に答えることが本当に大事です。引き続き丁寧な相談対応と、多い疑問に対しては、都が出しているQ&Aも更新されるようお願いをいたします。
 次に、災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業の補助金交付申請の手続について伺います。
 窓、ドアの断熱改修は、既存住宅での省エネの中で効果が大きく、取り組みやすいと今、改修工事を依頼する人が私の周りでも増えています。ところが、先日、知り合いの方が、補助金交付申請を出してから数か月たつのに交付決定が下りず待たされているといってきました。交付決定前には工事に入れないため、事業者は、窓、ドアを発注する時期の見通しが立たないそうです。
 その話を担当課に伝えたところ、このほど審査手続の流れを改善したとの説明がありました。どのような改善ですか。

○荒田気候変動対策部長 より迅速に住宅の断熱改修等が行えるよう、補助金交付の条件における施主と施工事業者との工事契約について、これまで交付決定後としていたものを、今年一月末に交付申請後に緩和いたしております。

○原委員 断熱改修の補助申請をした後は、交付決定を待つことなく、施主と施工事業者との契約をして、工事に入って構わないということになったということですね。これなら書類審査中で待たされることはなくなり、クレームも大分減るのではないでしょうか。
 これ、一月三十一日からの変更とのことですが、一月三十日以前に申請済みの人も対象になるということでしょうか。ちょっと確認ですが、お願いをいたします。

○荒田気候変動対策部長 本見直しにつきましては、一月末以降の取扱いでございます。

○原委員 すみません、確認ですが、一月三十日以前に申請を済んでいて、給付決定がまだ下りていない方について、契約と工事を進めることができなくなっておりますでしょうか。可能に変更されましたでしょうか。もう一回、ちょっと確認をお願いします。

○荒田気候変動対策部長 大変失礼いたしました。一月末に仕組みを変更いたしましたが、一月末以前に申請をされた方についても対象になります。

○原委員 ありがとうございます。
 ぜひ交付決定待ちの皆さんへの周知を徹底してもらえるようにお願いをいたします。
 また、申請数が増え、業務量がかなり増えていると思います。書類審査業務が滞らないよう、必要な人的配置もお願いをいたします。
 次に、太陽光発電設備とセットで蓄電池を設置することで、自家消費分を増やすことが可能になり、取組の促進を求めてきました。
 十二月の補正予算で、建築物環境報告書制度推進事業の蓄電池への補助率が二分の一から四分の三に引き上げられ、新年度も予算化されたのは評価できますが、それでもまだかなり高価で、蓄電池購入には勇気が要ります。
 都民が購入以外の方法でも設置できるよう支援することも必要だと思いますが、いかがですか。

○荒田気候変動対策部長 都は、昨年十二月に補正予算を編成し、都民の負担軽減を図るため、リースなどにより初期費用ゼロで太陽光発電設備を設置する事業者への補助を改めて実施することといたしました。
 この中で、これまで実施していた事業の一部を見直し、蓄電池も補助対象に加え、二月末から本事業の要件に合致するプランの登録を促しております。

○原委員 蓄電池もセットでの初期費用ゼロプランへの補助が二月末からスタートしたということですね。ぜひ、蓄電池とのセットでどの程度自家消費が賄えるのか実績を出し、広げていただきたいと思います。
 既存、新規かかわらず、前提条件なく、太陽光パネル設置への単独補助が制度として予算化されたことも評価できます。省エネ改修の対象も、今回、壁、屋根、天井、床に広がり、断熱改修のメニューも広がっているのが分かります。省エネ効果の高いものについて、都民が手軽に取り組めるよう、普及と補助率の引上げを引き続き検討していただけるよう求めます。
 省エネと再エネ拡大の重点にしてほしい事業として、幾つか意見を上げておきます。
 一つは、都有施設の省エネ、再エネ促進です。
 都自らの行動が重要です。都営住宅への太陽光パネル設置については、予算で百棟ということですが、ぜひ倍の勢いで取り組むことを要望します。断熱改修は、複層ガラスへの改修や断熱塗装など、やはり電力消費量減の実績を都営住宅で出していってほしいというふうに思います。
 もう一つは、都市型太陽電池による創電・蓄電の強化推進事業です。
 円筒形太陽電池による壁面発電の実用化、これについて、ぜひ、さらに必要な予算も組んで様々な発電技術を開発、実用化してほしいというふうに思います。
 一つは、区市町村や事業者への省エネと再エネ導入支援です。
 地産地消型再エネ増強プロジェクトの予算を思い切って拡充して、取組が加速するよう強力な後押しを求めます。
 最後に、太陽光パネルのリサイクル体制づくりです。
 これは前回もお聞きしましたが、かなりの部品がリサイクルできるという説明です。事業系のリサイクルルートができているということなので、これを広げて、再利用の仕組みづくりに必要な予算を組んで推進していただきたいというふうに思います。
 エネルギー政策について一言申し上げます。
 岸田政権が原発回帰の方針をかざしていることは、二〇一一年三月、福島の原発事故により今なお避難を強いられている三万人超の被災者がおられる中で、原発の恐ろしさを忘れた許しがたい態度であります。
 原発との決別を図り、再生可能エネルギーへの本気の政策転換を国に求め、都が率先して、化石燃料によらない再エネ拡大に取り組むことを強く求めます。
 次に、暑さ対策についてお聞きします。
 電気代の高騰が深刻です。昨年夏、エアコンがあるのに使わずに熱中症で亡くなった、特に高齢の方の問題がクローズアップされました。節約や我慢、また熱中症の知識がなく、部屋の中にいれば大丈夫と思っているなど、要因は様々と思いますが、電気代の負担の重さに冷房を使うことを控えるということも起きると思います。
 気候変動の下で、春を飛び越え、五月頃から急激に夏の陽気となることも予想されます。環境局としては、今年の夏に向けた暑さ対策をどのように考えていますか。ヒートアイランド対策の実績と来年度の取組について伺います。

○木村建築物担当部長 都は、広域的な環境課題に対し、区市町村と一体となって取組を促進するため、区市町村が実施する事業等に向け、その経費の二分の一の補助を行っております。
 その一環として、微細ミストの設置や環境性能舗装、住宅への遮熱性塗装、普及啓発など、暑さ対策に係る事業等への支援も行っております。令和三年度は、八区市、十三事業への支援を実施いたしました。
 加えて、夏の暑さを和らげる打ち水の普及に努めており、打ち水実施団体へのグッズ配布、特設ホームページ等の作成による広報展開を実施しております。
 令和五年度につきましても、引き続きこうした取組を継続してまいります。

○原委員 東京都区市町村との連携による地域環境力活性化事業の中に暑さ対策推進事業がありまして、今紹介いただいた区市町村の取組の二分の一を補助するとのことです。
 共産党都議団が行った気候危機対策都内自治体アンケート調査の中でも、台東区のミスト機設置、八王子市の日よけシェード設置、また品川区、練馬区、大田区、調布市、狛江市などの打ち水やミストの取組におけるグッズ補助などが報告されていることが分かりましたが、今答弁のように、まだ八区市と一部にとどまっています。
 そして、打ち水、ミストなどは局所的なものなので、商店街や地域コミュニティでのこうした暑さ対策の取組の中では、熱中症への正しい知識と予防を知らせる活動も大事になってくるかと思います。
 気候格差という言葉が最近使われています。猛暑時、生活困窮世帯などへの特別の配慮が必要だということも、格差を放置しない取組として重要です。関係局とも連携し、エアコン設置補助など実効性のある支援を強め、熱中症対策を進めてほしいと思います。
 暑さ対策補助事業活用の自治体が増えるよう、区市町村への案内も強めていただきたいというふうに思います。
 次に、みどり率について伺います。
 現在、都は、都内における緑化の実態を知るために、みどり率を、およそ五年ごとに調査、公表しております。以前は緑被率を採用していました。
 緑被率からみどり率に調査方法を変えたのは平成十年、一九九八年です。そのときの変更点はどのようなものでしょうか。また、平成三十年、二〇一八年のみどり率は、平成二十五年、二〇一三年のみどり率とそのまま比較することはできないと説明がありましたが、その理由は何でしょうか。お願いします。

○和田自然環境部長 みどり率は、緑被率の対象となる面積に河川等の水面と公園内の緑で覆われていない面積を加えた面積が地域全体に占める割合であります。
 平成三十年のみどり率の算出方法は、以前の緑の算出方法よりも日陰の緑地などが判読しやすくなるなど、緑の抽出精度が向上しているため、そのまま単純に比較することはできません。

○原委員 一九九八年から採用したみどり率は、緑被率に河川等の水面と公園内の緑で覆われていない面積を加えたものということです。そして、二〇一三年からは高い緑の抽出精度での算出をするようになったからということでした。
 昨年九月の里吉ゆみ都議への答弁で、みどり率を採用する理由として、自然環境部長がこう答えています。緑には生物の生存基盤、潤いや安らぎ、防災、都市環境の改善という多面的な機能がある、こうした多面的な機能は、樹林や草地などの緑に覆われた地表だけではなく、緑に覆われていない部分も含めた公園全体や、河川などの水面においても発揮されているという説明です。
 もちろん生き物にとっては、樹木以外にも水辺も大事です。ですが、普通、緑といえば樹木、草地、農地などを指しますよね。水辺を含めて平仮名でみどり率との呼称は、誤解を与えるのではと感じます。そして、こうした指標は国は用いていません。みどり率は東京都独自の指標だというのも、ちょっと納得がいきません。
 このときの委員会質疑で里吉都議が、視点をずらすことで緑そのものが減っていることを見落とすなら本末転倒だと指摘をしています。
 そこで、確認のため伺いますが、都立公園内の樹木を伐採しても、都の指標であるみどり率は変わらないと思うのですが、どうでしょうか。

○和田自然環境部長 都立公園は、面積全体がみどり率に含まれるため、園内で改変が行われた場合でも、みどり率には影響いたしません。

○原委員 この間、都立公園内で再整備事業などが行われ始め、樹木が伐採されるなどの問題もあちこちで起きています。葛西臨海水族園の建て替えにおいても樹木の伐採が心配されています。
 緑被率なら、公園内の緑が減れば比率は減って実態を反映しますが、みどり率は最初から公園全体を含めているので、その中の樹木が減っても比率が下がりません。この算出方法では、樹木の伐採を野放しにしてしまうのではないでしょうか。
 さら問いになりますが、都立公園の中の緑被率に当たるような指標は出していないのでしょうか。

○和田自然環境部長 先ほどもご答弁いたしましたが、現在、東京都ではみどり率を採用しております。
 都立公園は面積全体がみどり率に含まれるために、園内で改変が行われた場合でも、みどり率には影響いたしません。

○原委員 みどり率、測定するのはいいんですけれども、せめて、緑被率の調査と公表も同時に再開をしていただきたいと思います。理由は先ほど述べたような理由なんですけれども、いかがでしょうか。

○和田自然環境部長 緑には、生物多様性の保全や人々の安らぎや潤い、防災、都市環境の改善という多面的な機能がございます。こうした多面的機能は樹林や草地などの緑に覆われた地表だけではなく、緑に覆われていない部分も含めた公園全体や河川等の水面においても発揮されておりまして、生物多様性の保全にとっても重要であります。
 この考え方に従いまして、東京都では、緑に覆われた地表部分に公園内の緑に覆われていない部分や河川などの水面の面積を含めた指標でありますみどり率を採用しております。

○原委員 それでは、都全体のみどり率は、この数年でどう変化しておりますでしょうか。お願いします。

○和田自然環境部長 都は、五年ごとにみどり率の調査を行っております。直近に調査を行った平成三十年のみどり率は、都全域で五二・五%となっており、その前の平成二十五年から〇・五ポイント減となっております。

○原委員 みどり率自身も減少傾向です。要求資料でもいただきましたが、平成三十年、区部のみどり率は二四・二%で、平成二十五年に比較して〇・三ポイント減、多摩は六七・八%で〇・六ポイント減となっています。都の緑化政策が進んでいません。
 農地の宅地化をストップするなど、緑地の減少をどうストップさせ、緑を回復していくかは、環境局のみならず、全局挙げて取り組むべきだと思います。
 少なくとも今ある樹木を切るなど、簡単に減らしていくことに歯止めをかける必要があります。その際、みどり率よりも緑被率の方がより正確に実態を反映するというふうに思います。
 江戸川区では、両方を公表しており、緑被率は今一八・五三%、みどり率は三〇・八二%、これは平成三十年、二〇一八年の調べです。一〇ポイント以上も差があることが分かります。これを見ましても、都が緑被率に代わってみどり率を指標にしたことは納得できません。
 二十三区全体を見ますと、平成二十五年までは全ての区が緑被率を出しております。その後も、例えば二〇一九年以降に緑被率の調査を実施し、公表している区が豊島区、板橋区、品川区、新宿区、港区、世田谷区、練馬区、少なくともこれだけあります。やはり緑被率が指標として必要と認識しているからではないでしょうか。都として緑被率の調査を再開することを求めます。
 そして、都立公園内の緑について、樹木を簡単に伐採させることを許さないようなガイドラインをつくることを求めます。ぜひともご検討ください。
 最後に、アスベスト対策についてです。
 建設事業者の知り合いから、アスベストの調査や解体が自分持ちでかなわないとの苦情を聞いています。家屋の解体工事におけるアスベストについては、大気汚染防止法に基づき取扱いをされますが、アスベストの事前調査に対して都として補助をすべきですが、いかがですか。

○鈴木環境改善部長 アスベストの飛散防止対策の徹底に向け、都は、工事発注者の事前調査の負担軽減につなげるため、来年度から地域環境力活性化事業にメニューを加え、調査費を補助する区市町村に対し、都が助成することとしております。

○原委員 これは大事な前進です。地域環境力活性化事業のメニューに加わったということです。制度のない区市町村での補助制度をつくることを推進していただきたいというふうに思います。
 また、除去したアスベストは産業廃棄物になりますが、その処分費用についても補助の制度が必要だと思います。有害物質対策は国と都の責任で行い、建設労働者が健康に働けるよう、現場の実態と要望をよく聞き、ぜひ支援の拡充をしていってほしいと思います。
 以上で私の質問を終わります。

○須山委員 何点か質問させていただきます。
 まず初めに、新制度の普及啓発の取組について伺います。
 新築住宅等に断熱、省エネ性能の確保、また、太陽光発電等の設置を義務づける建築物環境報告書制度は、二〇三〇年カーボンハーフに向けて非常に重要な施策であると考えますし、東京都がこれを進めることは非常に意義のあることだと考えます。
 さて、東京都は、二〇二五年四月の新制度施行までの二年間を準備、周知期間として位置づけております。これまでも私は、新制度の円滑な施行に向けては、都民、事業者の皆さんの理解が本当に不可欠であると申し上げてまいりました。
 東京都は現在、総合相談窓口を開設して、都民からの問合せに対応しておりますけれども、新制度の普及啓発について、令和五年度は具体的にどのように取り組んでまいるのか、まず伺います。

○関制度調整担当部長 都民、事業者の新制度に対する理解促進に向け、住宅購入層を中心に、年代別等ターゲットに応じた戦略的な広報を実施しております。
 令和五年度は、トレインチャンネルやSNSでの動画配信、大規模商業施設でのイベント等を実施するほか、住宅購入層向けのウェブターゲティング広告など、ターゲットに応じた媒体による幅広い周知を引き続き実施してまいります。
 さらに、環境性能が高い住宅モデルを先行的に供給する事業者を表彰することにより、さらなる商品開発を促すとともに、こうした住宅モデルの意義を広く情報発信してまいります。
 こうした効果的かつ多面的な広報活動によりまして、都民、事業者の理解促進を図ってまいります。

○須山委員 ターゲットに応じた効果的な媒体を選びながら、さらに多様な手法により広報を実施するということで確認させていただきました。都民、事業者の理解が進むようしっかりと取組を進めていっていただきたいと改めて思っております。
 先日も私は、地元で市民の皆さんとおしゃべり会というものを行ったんですけれども、そこでもやはり、この新制度に関していろいろと質問をされました。本当にいろいろ関心を持たれているのかなとも思いますけれども、一方で、まだまだ理解が進んでいないということが印象でしたし、逆に理解をしてもらえれば、非常に納得もしてもらえましたので、一層のこうした普及啓発に対する取組をお願いしたいと思います。
 また、それでも新制度についてネガティブな意見も一定数存在しているのも事実でございますし、批判的な層に向けた広報というのは、なかなか難しい面もありますけれども、都がこれまで行ってきたQ&Aを活用したファクトに基づく情報発信を強化していっていただくよう強く要望しておきます。
 次に、太陽光パネルの設置拡大について伺います。
 東京都は来年度予算において、東京の地域特性に対応した機能を有する太陽光パネルの設置の普及拡大に向け、新たな取組を開始するとのことですが、どのようなパネルを想定しているのかを伺います。

○関制度調整担当部長 太陽光パネルの設置拡大に向けては、狭小住宅や、隣地との間隔が狭い住宅が多いといった都市特有の状況に対応した優れた機能を有する太陽光パネルの普及促進が有効でございます。
 具体的には、屋根の形状に対応して太陽光パネルの搭載容量を増やすことが可能な小型パネルや建材一体型パネル、近隣への反射光のまぶしさを軽減するパネルなどが開発をされております。
 都は、先月定めた高い機能性を持つ製品に関する認定基準に基づき、こうしたパネルの普及を後押ししていく考えでございます。

○須山委員 ありがとうございます。
 本当に東京都、やはり、うちの家もそうなんですけれども、狭い屋根が多いです。そうした中でこういった様々なパネルに対応していっていただくということは非常にありがたいと思いますし、また、前回の定例会でも私も質問させていただいたかな、光害に関しても質問させていただいたと思うんですけれども、反射光のまぶしさ軽減のパネルなんかも取り上げていただくのは本当にありがとうございます。
 私がいうまでもないんですけれども、やはり太陽光パネルの各メーカー、様々な工夫を凝らした製品開発を行っております。薄くて曲がるパネルや、赤外線をキャッチして発電をするという透明なガラスタイプのものも今開発が進んでいるとも聞いております。
 本当にそうした技術の革新のすごさを改めて感じておりますけれども、そうした新技術は普及途上にあり、価格が割高であることから、東京都はこうしたメーカーを積極的に支援していくべきだと考えます。
 そこで、東京都は来年度、優れた機能性を有する太陽光パネルの支援を具体的にどのように進めていくのかを伺います。

○関制度調整担当部長 都は、優れた機能性を有する太陽光発電システムについて、パネルメーカーからの公募を行っており、専門家の意見も踏まえ、今後認定した上で速やかに公表してまいります。
 来年度は、認定製品を対象に、都の各補助事業において、製品の機能に応じた上乗せ補助を実施してまいります。
 こうした支援により、東京の屋根のポテンシャルを最大限に活用し、太陽光パネルの設置拡大を加速してまいります。

○須山委員 ありがとうございます。
 本当に各パネルメーカーの技術開発は、先ほど申したとおり日進月歩で進んでいるかと思います。
 今までこの国は、大規模発電をエネルギーの中心に据えてまいりました。しかし十二年前の三・一一の原発事故を経て、やはりエネルギーの地産地消というものが見直されてまいりました。
 先ほど私が申し上げたとおり、ガラスタイプの発電パネルというものも出てくるというふうにも聞いておりますけれども、そうしたものが例えば市場に今度出回っていくことになると、屋根利用だけでなく、ガラスの利用というものも進んでくると思います。
 そうすると、この都庁の周りの西新宿のビル群、これも大規模な発電地、生産地になるのかなというふうに思っております。
 そうした技術革新、様々あると思うんですけれども、そうした一つ一つをしっかりとつくっていただいて、そして、その技術をしっかりと東京都が支援していくことによって、東京都がエネルギーの一大消費地である中で、やはり一大生産地にもなれると私は考えております。そうした未来を東京都として後押しをしていっていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 続きまして、都有施設におけるVPP構築事業について質問します。
 二〇三〇年カーボンハーフの実現に向けて、東京都は二〇三〇年までに再生可能エネルギーによる電力利用割合を五〇%程度まで高めるという目標を掲げております。この目標達成に向けて、都自ら率先して都有施設への再生可能エネルギー設備の導入を推進しております。
 再エネ電力の利用拡大を進める上で、休日に余剰電力が発生する施設がある一方で、休日も電力消費が大きい施設があるなど、電力の発生や消費パターンが多様な都有施設がある中で、例えば、施設間で電力を融通して有効活用することも重要だと考えます。
 来年度は、分散型の再エネ設備をエネルギーマネジメント技術によって仮想の発電、一つの発電所とみなす仕組みでありますVPP構築にも取り組むとのことですけれども、この意義と内容についてお伺いいたします。

○中村率先行動担当部長 二〇三〇年カーボンハーフの実現に向けまして、これまでの再生可能エネルギーの導入等の取組の強化に加え、再エネ大量導入時代を見据えて系統負荷の軽減や、レジリエンスの向上などに資する再エネ電力の有効活用に向けた取組を推進していくことも重要でございます。
 そのため、都は、都庁版VPPとしまして、複数の都有施設に導入した太陽光発電や蓄電池などを束ね、生み出した再エネ電力を施設間で融通し、最大限活用するとともに、災害時の活用や電力市場への供出も目指してまいります。

○須山委員 VPPの構築、再生可能エネルギーの利用拡大に加えて、災害で停電したときにも電池が使えたり、社会で電力が逼迫したときに、逆に電力を市場に提供するなど、大いに意義があるものと考えております。本当にこのVPPに関しては期待しておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 また、率先行動として様々、都有施設で取組を進めていただいていることは本当に評価させていただいております。日進月歩で進む技術は、先ほど申しましたとおり、こうした例えばVPPであったりとか、いろいろな技術というのはまた出てくる。そうしたものをしっかりと取り入れていくためにも率先行動、ちょっと率先行動というふうに名前を聞くと、どうしても何か急いでやらなきゃいけないとか、そういうふうにも聞こえてしまうんですけれども、そうじゃなくて、やっぱり十年後、二十年後、長期的な視点に立って、技術の革新にも耐えられるような、そうしたものを取り入れていっていただきたいと思いますので、そこは要望させていただきます。
 続きまして、フロン対策について伺います。
 フロンは、ビルや商業施設の空調設備やスーパーの冷凍冷蔵ショーケースなどの冷媒として広く使用されております。しかし、フロンの温室効果は、CO2の数十倍から一万倍以上といわれているぐらい非常に強力であるため、大気中に放出されると気候変動に大きな影響を及ぼします。
 近年、温室効果ガスが減少している中で、都内の温室効果ガスにフロンが占める割合は約一割と増加傾向にあるため、その対応、対策が急務だと考えます。
 フロン漏えいの量の約七割は機器の使用時に発生し、不適切な機器の管理が原因の一つと伺っております。そこで、機器使用時の適正管理の徹底に向けた都の取組についてお聞きします。

○鈴木環境改善部長 都は、令和三年度から二か年事業として、フロンの使用機器を多く保有する多店舗展開の百貨店や飲食店などにアドバイザーを派遣し、フロン漏えいの削減対策の提案や、その効果を検証する取組を実施しております。
 また、今年度からフロンの漏えいや機器の故障等を早期に発見できる先進技術を活用したフロン排出削減事業を開始し、現在公募で選定した三事業者の実証事業を行っております。
 今後、こうした実証事業で得られた知見等を事業者に展開してまいります。

○須山委員 ありがとうございます。
 都は、使用時の適正管理の展開に向けて実証事業等に取り組んでいることも分かりました。これらの取組を通じて、百貨店等で使用される冷凍空調機器から排出されるフロンが、より一層削減されることを期待しております。
 一方、中小企業のスーパーや飲食店などで使用される小型の冷凍空調機器は、定期点検の義務がないために、フロンが漏えいしても機器に不具合が生じるまで修理等が行われないというケースもあると伺っております。
 そこで、小型機器からのフロン排出量削減に向けて、今後どのように取り組んでいくのか伺います。

○鈴木環境改善部長 新たなフロンの削減目標を達成するためには、小型機器の管理者についても早期発見のメリットについて理解を促し、漏えい防止への取組を強化することが重要でございます。
 そこで、令和五年度から小型機器の管理者に対して、都が費用を負担して早期点検、修理の実施を促すとともに、それによるフロン排出量の削減や節電の効果等を収集してまいります。
 今後、これらの効果等を都内事業者に周知し、小型機器の排出削減につなげてまいります。

○須山委員 ありがとうございます。
 小型の冷凍空調機器からのフロンの排出量削減に向けて早期点検等による効果検証を実施して、管理者の理解促進を図っていくということが分かりました。
 フロンを使用する冷凍空調機器は民間施設だけではなく、公共施設においても多く使用されております。特に都有施設では、業務用の冷凍空調機器を三万台以上使用しており、毎年CO2換算で約五千トンのフロンが排出されていると伺いました。
 フロン排出量の目標達成に向けては、大口の管理者である都自らも排出量の削減を積極的に取り組むことが重要と考えますが、今後の取組について教えていただきたいと思います。

○鈴木環境改善部長 現在、環境局では、毎年各局のフロン漏えい量を調査の上、漏えい量が多い部署に対して立入検査を実施し、適正な管理やノンフロン機器等への転換を指導しております。
 令和五年度からは、警視庁、消防庁を除く全ての都有施設を対象に冷媒管理システムを導入し、都有施設における適正管理や漏えいデータ等を活用した予防保全など、管理の高度化を進めてまいります。
 今後ともフロン機器の適正管理を徹底することで、フロンの排出量削減につなげてまいります。

○須山委員 ありがとうございます。
 都庁内で、東京都の中でしっかりと進めていくということで、警視庁、消防庁を除く全ての都有施設ということだったので、せっかくだから警視庁も消防庁もやればいいのになというのはちょっと思いますので、それはお伝えさせていただきます。
 東京都全体におけるフロン排出量の削減に向けた取組を牽引するためにも、都内事業者への展開をお願いしたいと思います。
 フロンといえば、オゾン層がよくリンクするんですけれども、オゾン層が回復傾向にあるという報道が最近されておりました。子供の頃に祖父から、フロンガスを使ったガス銃、ガスガンを買ってもらったんですけれども、その後すぐに、オゾン層に影響するからということで使えなくなったということがあったので、すごく強烈にオゾン層とフロンというもののつながりというものを覚えているんですけれども、そのオゾン層、八〇年頃のオゾン層レベルに回復するには、多くの地域では大体二〇四〇年頃に、そして南極では、実に二〇六六年頃までオゾンの回復がかかるといわれております。
 環境問題の深刻さというものは、人間の活動で壊してしまった環境を何とか取り戻すためには、やはり莫大な時間がかかるんだなということを改めて感じております。
 そうした中で、先ほど申したとおりフロンガス、オゾン層だけでなく、温室効果ガスとしてもCO2の数十倍から一万倍以上、非常に強力であるというふうに伺っております。
 だからこそ、二〇五〇年のゼロエミッション東京の実現には、温室効果ガスの排出量の一割を占めるフロンの対策は非常に重要だと考えます。
 今回、ご答弁をいただいた使用時対策のほか、廃棄時対策とかノンフロン化の取組もより一層進めていただき、早期のフロン排出量ゼロの実現を期待して、次の質問に入りたいと思います。
 サーキュラービジネスに関してお聞きします。
 プラスチック、食品ロス削減、カーボンハーフ行動変容促進事業が拡充ということで、一・一億円が予算に計上されていたと思いますけれども、今年度の事業概要、また、成果と令和五年度の事業方針をお聞きします。

○志村資源循環推進部長 都は、昨年四月に東京都環境公社内に設置いたしました東京サーキュラーエコノミー推進センターと連携し、使い捨てプラスチックの削減等に向けた具体的な方策手段の助言、都民、事業者等への相談、マッチング、SNSやポータルサイトを活用した資源の循環利用に関する情報発信を実施しております。
 また、サーキュラーエコノミーの実現に向けた取組の社会実装化を支援する事業を実施し、清涼飲料の業界団体と自治体の連携による商店街で廃棄されたペットボトルの水平リサイクルの取組など、五件への支援を行いました。
 令和五年度は、社会実装化を支援する事業の規模の拡大など、サーキュラーエコノミーの実現に向けた取組に対する支援を強化してまいります。

○須山委員 サーキュラービジネスの主流化に向けた情報発信とか具体的な支援を様々行っていただいているということで、非常に評価させていただきます。
 一方で、ビジネスとしては、成り立つのはまだまだ難しいというふうにも伺っております。そうした事業者の皆さんへの支援をしっかりと充実していただいて、今後、こういったサーキュラービジネスの主流化を進めるためにも、今後、事業者がしっかりと自立ができる体制をつくっていくために、東京都の役割も非常に重要であると改めて考えております。
 そこで、そのための課題や東京都としての見解をお聞きしたいと思います。

○志村資源循環推進部長 サーキュラービジネスの主流化に向けては、都民や事業者、関係団体、自治体など、様々な主体がサーキュラーエコノミーに関する理解を深めるとともに、その実現に向けた活動を継続していくことが求められております。
 このため、都は、引き続き東京サーキュラーエコノミー推進センターと連携し、資源循環に係る情報発信に努めるとともに、連携の場の創出や支援策を実施するなど、事業者がサーキュラービジネスに取り組みやすい環境を整備してまいります。

○須山委員 ありがとうございます。
 本当にサーキュラービジネスというと、まだまだ一般的には認知されていないかもしれませんけれども、持続可能な社会をつくっていくために本当に重要なものだと考えております。
 そうした中で、事業者さん、特に思いを持った事業者さんはいっぱいいると思いますので、そうした事業者の皆さんをしっかりと支援していく、そうしたことで東京都がしっかりと支援、先導していくことというのが重要だと思いますので、引き続きの取組の強化、お願いをさせていただきたいと思います。
 続きまして、フードテックに関してお聞きします。
 食に関してテクノロジーを活用して課題解決を行うということだと思いますけれども、様々、食に関しては課題があると思います。
 その中で、まず食品ロス対策に関して、現状、その事業としてどういったことを行っているのかをお聞かせいただきたいと思います。

○村上資源循環計画担当部長 都は、令和三年三月に策定した東京都食品ロス削減推進計画に基づき、二〇三〇年食品ロス半減に向け、発生抑制を基調としつつ、多様な主体と連携し、様々な施策を展開しています。
 具体的には、都民への食品ロスに関する正しい理解の促進に向けた普及啓発や、小売や飲食店などの事業者に向けた食品ロス削減に係る優良な取組事例の共有、いわゆるフードテック等の先進技術を有する企業と連携した社会実装化事業などを実施しております。

○須山委員 ありがとうございます。
 食品ロスに関して様々行っていただいているということでございました。
 新たなビジネスモデルの創出ということで、フードテックを活用した食品ロス削減推進事業に〇・四億円、予算に計上されておりますけれども、これはどのようなものを想定しているのかをお聞かせいただきたいと思います。

○村上資源循環計画担当部長 ICTなどを活用した高精度な需要予測といったフードテックは、食品ロスの大幅な削減が期待できることから、スタートアップ企業等と連携し、食品ロス削減事業の社会実装化等を行っていきます。
 具体的な事業につきましては、広く事業者からの提案を公募し、有識者を含む技術審査委員会において選定を行ってまいります。

○須山委員 ありがとうございます。
 これから具体的なところが出てくるのかなと思いますので、非常に楽しみにさせていただきます。
 ICTを活用しての食品ロス削減などは、こうした事業というのは、基礎自治体との連携というのが不可欠となってくると考えます。例えば、私の地元の八王子市では、タベスケHachiojiというウェブを使ったフードシェアリングサービスを行っていたりとか、また、自治体ではないですけれども、例えばfuuboというサービスがあって、自販機に賞味期限の近いものを安くもらってきて、それを販売または配布するということで、例えば東京都立大学とか、ここの近くだと新宿郵便局なんかにも設置をしてある。そうしたサービスもあると伺っております。そうした事業者さんであったり各自治体、様々な取組が今進んでいるなというふうに改めて考えます。
 そうした中で、こうした事業に関しては、各自治体は行っているんですけれども、そうした各自治体との連携というのは非常に重要となってくると考えます。この新規事業に関して、自治体との連携、今後どのように深めていくのかをお聞かせいただきたいと思います。

○村上資源循環計画担当部長 食品ロスは、家庭や飲食店など、日常生活の身近な場所において発生し、その処理は市区町村が行っていることから、地域の実情に精通している市区町村と連携した取組が重要です。
 都はこれまで、市区町村との勉強会において、フードテックを活用して食品ロス削減に取り組む企業の事例紹介や、最新技術の情報を共有するほか、市区町村との連携による地域環境力活性化事業により、フードテックを活用したフードシェアリングサービスなど、食品ロス削減に取り組む市区への補助を実施してきました。
 来年度実施するフードテックを活用した新たな食品ロス削減推進事業の成果や効果などにつきましても、市区町村と共有し、都内の食品ロス削減につなげてまいります。

○須山委員 ありがとうございます。
 食品ロスに関しては、私も市議会議員時代に、さっきちょっと調べたら、五年前に市議会で質問をしていました。毎日ご飯茶わん一杯の食品が捨てられているということで、毎日ご飯一杯捨てられるのかとか、そういったことで質問を市議会の中でもしていました。
 その当時から食品ロスという問題は非常に大きな問題になってきておりますし、そこに今度は貧困であったりとか、そうしたものも結びついていきますけれども、やはり環境局に関していうと、CO2の削減にもつながってまいります。
 そうした中で、しっかりと食品ロスに向けた取組としてフードテック、これも私も非常に期待しておりますので、ぜひ様々な事業者さんと、また自治体との連携を深めていっていただきたい。その上で、東京都民の皆さんと一緒に食品ロスの削減を進めていっていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 最後に、自然環境の魅力発信について伺います。
 現在、東京都が改定を予定しております東京都生物多様性地域戦略では、デジタルコンテンツにより、東京の自然の魅力を発信していくものとしております。デジタル技術を効果的に活用して、東京の自然の豊かさを発信していくことは、これまで自然に親しむ機会が少なかった都内外の方々、また、特に子供たちが自然についての理解を深めていく上で大変有効だと考えております。
 そこで、これまでの取組状況と今後の方向性についてお聞かせいただきたいと思います。

○小林生物多様性担当部長制度調整担当部長兼務 デジタル技術を活用し、東京の自然や生き物の魅力を発信することは、より多くの都民に自然環境への理解を深めてもらうために重要でございます。
 今年度、高画質の8K映像を用い、多摩川や島しょなどの自然観察を疑似体験できるイベントを国立科学博物館で実施し、現在は、八王子の高尾五九九ミュージアムで実施しております。
 こうしたコンテンツを活用し、本年二月に開催されたCity-Tech.Tokyoにおきましても、東京の自然の魅力を映像で発信いたしました。
 今後もコンテンツを充実しつつ、多様な機会を捉え、東京の自然の魅力を発信し、生物多様性の理解促進に取り組んでまいります。

○須山委員 ありがとうございます。
 五九九ミュージアムに関しては、先日、私も地元なので行ってまいりました。三百六十度の方向で川の中を見られるような、そういったコンテンツであったりとか、また、サンプリングされた生き物の声なんかをいろいろ合成して音楽をつくっていくとか、そうした楽しみながら自然に触れ合えるというようなイベントになっていたのが非常に印象的でした。
 ちょっと苦言というか、あれですけれども、もっと五九九ミュージアムに来た人に分かりやすいような、もっと何か来てもらえるようなPRというか、してもらえると、さらにイベントが盛り上がったのかなという、まだやっているところですけれども、盛り上がるのかなというふうに思っております。
 そうした中で、やはりデジタルコンテンツを活用して東京都の多様な自然を様々な場所で発信していくことは、東京都の都市の魅力を発信する上でも大変重要だと考えます。
 デジタルは、庁内各局での活用が推進されていると伺っておりますし、本当に環境局の持っているこのデジタルコンテンツはすばらしいなというふうに改めて感じましたので、ぜひ環境局としての取組にとどまらずに、各局横断的に様々な機会を捉えて、このコンテンツ、東京都の自然を発信していっていただきたいというふうに要望させていただきまして、私からの質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

○漢人委員 それでは、質問いたします。
 二〇二三年、令和五年度の環境局予算全体と気候変動対策、特に家庭部門についてということでお伺いしたいと思います。
 昨年度の当初予算よりも九一・三%の増額でありまして、この大幅アップについては大いに歓迎したいと思います。
 その増額したのは七百四十億円になるわけですけれども、そのうちの四百十八億円は、東京ゼロエミ住宅導入促進事業と建築物環境報告書制度推進事業の百六十九億円及び災害にも強く健康にも資する断熱、太陽光住宅の二百四十九億円ということになりまして、これが増額分総額の五〇%を超えるということになっております。
 家庭部門の二〇三〇年のCO2削減目標は、二〇一九年度比で五四・八%です。省エネ目標は、二〇一九年度比で三二%の削減となっています。
 今回の二〇二三年度予算案におけます家庭部門向けの補助事業において、住宅の断熱、省エネに資する事業は、この省エネ目標にどれだけ寄与しているのかということについて確認をしたいというふうに思います。
 東京ゼロエミ住宅導入促進事業における新築住宅への助成事業及び災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業の既存住宅の断熱改修事業の省エネ効果についてお伺いいたします。

○荒田気候変動対策部長 東京ゼロエミ住宅導入促進事業は、都が定める断熱、省エネ性能に応じた段階別の基準を満たす新築住宅に対して補助を行うものであり、この住宅により新築された住宅は、建築物省エネ法で定める基準に比べ、三割から四割の省エネとなります。令和五年度は、一万六千戸を見込んでおります。
 また、災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業での既存住宅の断熱改修事業は、熱の出入りの大きい窓やドアなどの高断熱化を支援する事業でございまして、改修前に比べ約一割の省エネとなります。令和五年度は、窓、ドアで各五万戸を見込んでございます。

○漢人委員 いずれも大きな省エネ効果があるということは確認できました。ただ今回、私、本来質問は、各事業のCO2排出量の削減効果ということで、やはり二〇三〇年カーボンハーフということで、CO2をいかに削減するかということが課題になりますので、そちらにどれだけ寄与するのかということを伺いたかったんですね。ただ、それは様々な要素があって算出が難しいということでしたので、今回は省エネ効果ということで伺いました。ただ、やはりCO2削減効果ということも、概算でもいいので示せるように、今後していただきたいということをお願いいたしまして、次の質問に進みたいと思います。
 それでですね、環境確保条例を改正しまして、建築物環境報告書制度推進事業、太陽光パネルの新築住宅への設置については、多くの注目を集めて賛否両論もある中、否定的な意見に対してもしっかり対応するということで進めているということで、これは大いに歓迎し、しっかりと適正に進めていただきたいと思っているんですが、私はそれ以外の部分について質問したいというふうに思います。
 まず、大規模建築物環境計画書制度についてです。
 現行条例におけます二〇二一年、令和三年度に提出をされました計画書制度に基づく運用実績について、まずお伺いします。
 まず、特定建築物の数と延べ床面積及び都内の新築建築物総数に対する棟数や床面積のそれぞれの割合についてお伺いいたします。

○木村建築物担当部長 令和三年度の建築物環境計画書の提出実績を三月一日時点で集計すると、提出数は七百三十七棟であり、延べ床面積の合計は約六百万平方メートルでございます。
 一方、建築統計における令和三年の都内着工建物の総数は約四万五千棟、総延べ床面積は約一千四百五十万平方メートルでございます。
 集計対象とする建築物及び集計期間などの違いにより建築統計との差異はございますが、都内の新築建物の総数に対して、特定建築物はおおむね棟数で二%、延べ床面積では四〇%となってございます。

○漢人委員 大規模建築物ですから、棟数はたったの二%なんですけれども、延べ床面積は四〇%ということですから、ここがいかにきちんと対応されるかということで、本当に東京都のCO2排出量、再エネの利用率などについては大きく変わってくるわけですね。
 次に、この特定建築物について三点伺いたいと思います。
 一点目は、再生可能エネルギーの設置がない建築物の割合、今回の令和三年、二〇二一年度の提出についてです。
 それから、再生可能エネルギー電気利用率が二〇%未満、ゼロから二〇%ですかね、の建築物の割合。
 それから、三点目として、再生可能エネルギー設備の導入を見送るとした特定建築物の理由の内訳、以上三点お願いします。

○木村建築物担当部長 令和三年度の建築物環境計画書において、再生可能エネルギー設備を設置する計画がないとされた建物は約八割でございます。
 次に、再生可能エネルギー電気利用率が二〇%未満の電気の受入れを計画した建物は九割超でございます。
 さらに、再生可能エネルギー設備の導入を見送るとした理由については、費用負担が大きいとした割合が約八割、次いで敷地内に設置場所を確保できないとした割合が約二割でございます。

○漢人委員 四〇%の床面積を占めるんですが、残念ながら再エネ設備の設置の計画がないというのが八割で、つまり計画がないというのは、自分で施設に例えば太陽光パネルをつけるとか、そういった設備の計画がないというのが、そもそも考えていないというのが八割ですね。報告書は出しているけど、そこの中に計画がないというふうに出しているのが八割で、再エネ利用率が二〇%未満というのは、ゼロも含めてですが、これは自分のところではつくらないけど、どこと契約するかということで利用率が出てくるわけですけれども、ほとんど東京電力が多いわけですよね。そうすると、そこに引きずられて二〇%未満ということになる、それが九割、本当に四〇%もある床面積のところの多くが再エネについて対応していないということが分かります。
 その理由は何かといえば、費用負担が大きいということと、設置場所がないということも今答弁いただきました。
 次に、この制度を検証する上で、とても象徴的な事例だと思いますので、今年度、練馬区の旧としまえん跡地に建設されたスタジオ施設について伺いたいと思います。
 まず、建築面積と太陽光発電設備設置可能面積、太陽光発電設備をつけることができる面積及び再生可能エネルギーの設備設置または利用に関する取組状況とその評価について伺います。

○木村建築物担当部長 本案件につきましては、建築面積は約三万一千平方メートルであり、太陽光発電設備の設置可能場所の面積は四千二百平方メートルと報告されております。
 また、再生可能エネルギー設備の設置や利用の計画はなく、いずれの項目につきましても、取組状況の評価段階は一でございます。

○漢人委員 この施設、上から見ると、本当にこの平らな屋根に太陽光パネルをつけなくてどうするんだというぐらいの広々とした何もつけていない屋根があるんですね。先ほどの設置できない理由の中に、費用が大きいということと、設置場所がないということがありましたけれども、少なくもこのスタジオ施設については十分に設置する場所はあるんですけれども、全く対応していないということのようです。
 次に、制度全体の実績として、計画書の作成、報告に至る過程での指導助言の対象はどのようなものでしょうか。これは、このとしまえんに限らず、全体としてどういうものでしょうか。
 そして、具体的に旧としまえんスタジオ施設における指導助言はあったのか、また、あったとしたらその内容についてお伺いします。

○木村建築物担当部長 建築物環境計画書制度では、建築主が計画書の提出を行わない場合や省エネルギー性能基準を満たさない場合、再エネ導入検討義務を果たさない場合において、指導助言を行っております。
 本案件につきましては、いずれの要件も満たしており、指導助言を行う場合に該当いたしません。

○漢人委員 そうなんですね。検討しているんだと、検討したということで計画書を出せば、もう指導助言の対象ではないということなんです。だから、このスタジオ施設は、設置する場所は十分にあるんだけど、検討したけど駄目でしたという報告書を出せば、これで今まで足りているということなんですね。大変ざるの制度だということがよく分かると思います。
 今回の条例規則の改正を受けまして、計画書策定に当たっての基準や評価指標の議論がもう既に進んでいるとのことなんですけれども、再生可能エネルギー利用設備設置基準の内容とその根拠及び基準を遵守させるための条例上の措置は、どのようなものなのかお伺いいたします。

○木村建築物担当部長 改正後の規則におきまして、大規模建築物における再生可能エネルギー利用設備設置基準は、建築面積の五%と規定してございます。
 建築物環境計画書制度では、これまでの太陽光発電設備の設置状況が約三割にとどまっていることや、太陽光発電設備が設置されている建物においても、約七割が建築面積の五%未満である現状を踏まえて設定したものでございます。技術検討会の専門家からも妥当な水準であるとの意見をいただいております。
 改正後の条例におきましては、再生可能エネルギー利用設備設置基準を満たさない場合には指導助言及び勧告を行い、勧告に従わない場合には公表することができる旨、規定してございます。

○漢人委員 建築面積の五%は再生可能エネルギー利用設備を設置しなきゃいけないということにはなるわけですね。スタジオ施設がこの制度の後だったら、少なくともそれだけは設置をされて、されないとされていない事業所だぞということで、公表などもされるということになると。そういう指導助言で勧告に従わない場合には公表するということで、効果があるんだというのが、この間の東京都の説明でして、本当に大丈夫かなというふうにちょっと疑問に思うし、五%未満で本当にいいんだろうかというのも、それで二〇三〇カーボンハーフが達成できるのかというのも大変疑問に思うところではあります。
 次の質問ですが、新築建築物の中でも大きなウエートを占めます大規模建築物なんですけど、気候変動対策の中でも重要な柱の一つであるにもかかわらず、今述べてきたように、実際には極めて立ち遅れた状況にあるといわざるを得ません。指導助言、勧告、公表だけで十分な効果を上げることができるのか疑問です。
 例えば、様々な建築都市計画関係の許認可手続の中にしっかりと組み込むなど、実効性を高めるための工夫をさらに検討するべきではないかと思いますが、見解をお伺いします。

○木村建築物担当部長 建築物環境計画書制度は、環境に配慮した建物を評価する制度として平成十四年度から施行しており、これまで省エネ性能の評価基準の引上げや対象規模の拡大などを適宜行ってまいりました。
 都は、今般、環境確保条例の改正により、従来、再生可能エネルギーの導入を検討する義務であったものを、一定量の設置を義務づけるなどの制度強化を図っております。
 本制度は、これまでも都市開発諸制度とも連携しており、今後とも関係部署と共に、大規模な新築建物の環境性能の向上に取り組んでまいります。

○漢人委員 大きな意味では、段階的にとにかく報告書を出させるということで、対象把握してきたことで、ここでそれをさらに強化をするということにはつながっているわけですけれども、ちょっと大丈夫かなというふうに思わざるを得ません。しっかりと頑張っていただきたいと思います。
 それで、この大規模建築物環境計画書制度の条例の施行日は二〇二五年、令和七年の四月一日、二年後ということですよね、なんですけど、もう既にこういった五%の設置義務、基準なども定まっているという状況だというふうに思います。
 大きな次の質問に行きますが、エネルギー環境計画書制度についてです。
 これは二年後じゃないんですね。環境確保条例の改正によって、一年後の二〇二四年の四月からこの制度が強化をされることになります。この間、私、大きく求めてきました。とにかく東京電力が再エネ比率を上げなければ、東京の再エネ率は上がらないんだということで、そこにいかに強力に働きかけることができる有効な制度になるかということが問題なんですね。
 そのポイントとなるのは、新たな都内への供給電力に占める再エネ電力割合の二〇三〇年度目標水準、これをどういう数値を定めるのかということによって、それに従わなければ、従わないっていうかな、それを基準にして、自分のところはどのぐらいの目標を立てるのかということを出すわけですけど、それが公開されるので、恥ずかしい数字を出したら、事業者としては恥ずかしい公表がされるということで取組が進められるだろうという考え方の制度だと思いますけれども、この目標水準の改定の内容、それからスケジュールについて、どうなっているのかお伺いしたいと思います。

○荒田気候変動対策部長 改正後の制度を円滑に運用していくためには、対象事業者が新たな制度に対応できるよう、事前に準備を進めていただくことが重要でございます。
 再エネ電力割合の目標水準については、事業者による計画書提出まで、おおよそ一年程度の準備期間が確保されるようにお示しいたします。

○漢人委員 二〇二四年、来年の四月に施行となって、提出するのが七月ですよね。ですから、その一年前ということは今年の七月、あと四か月後です。その頃には、この目標水準が発表されるということになるということの答弁だったと思うんですけれども、それでよろしいでしょうか。
 また、四か月後には発表されるとして、例えば先ほどの大規模建築物の制度は、二年先なんだけど、もう五%という数字が出ていたりして、そういった検討会の情報なんかは、検討経過なども含め公開されているわけですよね。だけど、こちらについては、あと四か月後なんですけれども、まだ全く何もないということで、四か月後に突然発表されるんでしょうかね。その辺のスケジュールはどうなっているか伺いたいと思います。

○荒田気候変動対策部長 再エネ電力割合の目標水準については、事業者による計画書提出まで、おおよそ一年程度の準備期間が確保されるよう事前にお示しいたします。

○漢人委員 同じことの繰り返しでしたが、七月でいいんですよね。七月に提出だから、七月までには発表されるというのが今の答弁というふうに理解をいたします。
 私は、突然一年前の七月に数字が発表されるということではないんだろうと思うんですね。議会、この環境・建設委員会も、また五月、六月あたりにもあるわけですけれども、そこでも何らかのお知らせなりがあるとかいうこともあって、公開されるんだろうなというふうに私は思っておりますので、大変重要なこの目標水準が突然どこかで発表されるということはないだろうと信じておりますので、よろしくお願いいたします。
 次ですけれども、大きな次の質問ですが、総量削減義務と排出量取引制度、キャップ・アンド・トレード制度ですね、こちらが、今度、第四期計画期間に入ろうとしていますので、この主な改正点についてお伺いしたいと思います。
 キャップ・アンド・トレード制度は、東京都が取り組んできた大変着実な成果も上げているすばらしい制度だというふうに評価をしたいと思います。
 第一期の計画期間のときは、二〇一〇年、平成二十二年から始まっているんですが、削減率が八%または六%、第二期期間が一七%または一五%、そして第三期期間が現在ですけれども、二七%または二五%ということで取り組まれてきまして、今度、二〇二五年から二〇二九年というのが第四期計画期間ということになるわけですが、現在想定されている新たな第四期計画期間の削減率とその根拠について、また、今後のスケジュールについてお伺いしたいと思います。

○荒田気候変動対策部長 第四計画期間の削減義務率については、二〇三〇年の目標排出量からのバックキャスティングを前提とし、今後の省エネ対策や再エネ利用などによる削減余地も考慮いたしまして、専門家から構成される検討会に現時点の案として五〇%を示し、議論を進めているところでございます。
 今後、制度改正案を整理し、パブリックコメントを実施した上で、さらなる検討を進めていくこととしてございます。

○漢人委員 先ほどのエネルギー環境計画書制度とは大分違って、こちらはさすがにしっかりと準備しているなというふうに思います。
 やはり二〇三〇年の目標排出量からのバックキャスティングで、今どれだけ必要なのかということを考えて、現在二七から二五%なんですから、それからしたら五〇%って大きな数字ですけど、やはりそれでなければ二〇三〇年カーボンハーフは実現できないんだということで、検討会の中でもそういう数字が出ているということです。まだ、これ、決定ではないようですけれども、ぜひそれに立って、私は東京の場合にはもっと頑張らなきゃいけないんじゃないかと思いますけれども、強力な削減率を掲げるように求めておきたいと思います。
 そして、こちらについては、今後パブリックコメントなども実施をして公表されていくということになると思いますので、注目をしたいと思います。
 それで、次なんですが、産業、業務部門のCO2排出量の六〇%を占めるのは中小規模事業所なんですね。私は、このキャップ・アンド・トレード制度の対象に追加をするべきではないか、今後、削減義務を課すことが求められると思うんですけれども、見解をお伺いします。

○荒田気候変動対策部長 中小規模事業所を対象とした地球温暖化対策報告書制度において、対象事業者のさらなる省エネ対策と再エネ利用を拡大するため、新たに二〇三〇年目標の設定とその達成状況等の報告を求めるとともに、積極的な削減に取り組む企業を後押しする仕組みの強化を検討しております。
 なお、都内に中小規模事業所を複数設置し、年間原油換算エネルギー使用量の合計が一定以上の事業者に対しては、報告と公表を義務づけております。

○漢人委員 キャップ・アンド・トレードの対象ではなく、別の制度の中で強化をしていくというご答弁だったというふうに思います。これについては、私は、いずれキャップ・アンド・トレードの中にも含めていくべきだというふうに考えておりますので、意見だけ申し上げておきます。
 次ですが、東京都はこのキャップ・アンド・トレード制度の中で、バンキング制度というのをつくっておりますけれども、この制度について、都としてはどのように評価をしているのかお伺いしたいと思います。

○荒田気候変動対策部長 都の制度におけるバンキングとは、各計画期間の削減義務率を上回る省エネ投資等の成果を翌計画期間に繰り越し、自らの削減義務の履行や排出量取引に活用できる仕組みでありまして、事業所の早期削減を促進する観点から導入しております。

○漢人委員 これは取組意欲を促進するというか、もう目標に達したからやめておこうということがないように促すということで、私も効果的な制度だというふうに思っております。
 次、大きな項目に移りますが、エネルギー貧困の視点ということで、この間も度々質問しております。
 ほかの方からの質問もあったかと思いますが、やはり化石燃料の高騰による電気代やガス代の高騰によって、低所得者層の負担が大きくなっているにもかかわらず、都が取り組む気候変動対策のほとんどは住宅の新築や改修など、一定所得以上の世帯が健康や経済的な恩恵を受けるものとなっています。
 エネルギー貧困世帯が取り組めて、そしてCO2削減効果があり、実質的な経済支援や住環境の快適化にもつながるような、そんな省エネ対策を環境局だけではなく、福祉保健局と連携をして推進していくべきだとこの間求めてきましたけれども、何らかの進展がありますでしょうか。ご答弁をお願いします。

○荒田気候変動対策部長 都は、家庭の省エネ行動を促すため、比較的容易に取り組める省エネ性能の高い家電等への買換えを推進する東京ゼロエミポイント事業を行っております。
 来年度、対象機器に応じた付与ポイントをおおむね二割引き上げ、より多くの方が取り組みやすいものといたします。
 今後とも、福祉保健局とも連携し、こうした取組を関係機関等に紹介することなどにより、より幅広い世帯の省エネ行動を後押ししてまいります。

○漢人委員 特にゼロエミポイントも、エアコンの買換えなんていうのは、なかなか低所得者層は難しいんですけれども、今度、LEDについて、かなり実質本人負担がなくても交換できるぐらいの制度になっているのかなと思います。これは確実にCO2削減にもなるし、そしてこれを導入した、利用した世帯については、光熱費の大幅な削減ということになりますから、これは本当に環境の面からも、福祉の面からも非常に有効な取組です。
 ただ、その制度があることを知らない、気がつかない、制度を利用するということがハードルがあるという方が実際には多いので、ぜひともここはしっかりと連携をして取り組んでいただければと思います。
 また、今、関係機関等ということでおっしゃったんですが、大体、社会福祉協議会とか民生委員とか、そういったところが連想されるんですけれども、当然なんですが、やはり一番丁寧に対応しているのは、現実には民間の困窮者支援団体、そういった支援団体だというふうに思っていますので、そういったところにもちゃんと情報が提供されて、実質的な効果が得られるように進めていただければと思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。
 続いて、次の質問ですが、気候市民会議について伺います。
 これも一年ぶりの質問ですが、私は、無作為抽出の市民参加による気候市民会議というものが非常に有効だというふうに思っております。世界的にもこの設置が増えているし、東京都内でも複数の自治体が既に設置、あるいは今後も設置の方針を示しています。
 東京都でもぜひ取り入れて、これによって気候対策を一気に大きく進めるべきだと思うんですけれども、いかがでしょうか。

○上田環境政策担当部長節電行動連携担当部長兼務 気候変動対策の推進には、都民一人一人の行動が不可欠でございまして、都はこれまでも、自治体や環境団体等が実施する市民参加型のシンポジウムや勉強会等に参加することで、都民の生の声をお聞きしながら、都の取組についても発信し、共感と協働を呼びかけてまいりました。
 環境審議会などにおきましても、未来を担う若者等からのヒアリングなども実施してございまして、引き続き様々な場で多くの主体の参画をいただき、カーボンハーフを実現してまいります。

○漢人委員 昨年とほぼ同じ見解のご答弁で残念です。今おっしゃったことは、全ていいと思うんです。だけど、さらに進めるためには、やはり気候市民会議ということで、いろんな方が集まって、そこで主体的に熟議をしながら考え方をつくっていく、政策提案をしていく、そういった場が私は有効だと思いますので、引き続きご検討をお願いしたいと要望しておきたいと思います。
 これで気候変動関係の質問を終わりまして、ほかの質問に移ります。
 生物多様性地域戦略について伺います。
 昨年九月には、この委員会でも中間まとめの案についての質疑も行いましたが、その後、策定状況、そして公表時期はいつになるのか、これについてお伺いします。

○小林生物多様性担当部長制度調整担当部長兼務 生物多様性地域戦略の改定に当たりましては、令和元年十二月に自然環境保全審議会へ諮問し、令和四年十二月に答申を受けました。現在、この答申に基づき、地域戦略の改定作業を行っております。
 また、国の審議会の資料によれば、次期生物多様性国家戦略は今年度内に閣議決定される見込みとなっております。
 次期国家戦略の策定後、その内容を踏まえまして地域戦略を改定し、公表してまいります。

○漢人委員 私は、年度内に地域戦略ができるんだと思い込んでいましたが、国家戦略ができたらということで、その国家戦略が年度内ということなんですね。
 そうすると、国家戦略の方が予想どおり年度内に決定されれば、東京都の地域戦略は新年度早々、例えば四月には改定、公表されるというふうに考えてよろしいでしょうか。

○小林生物多様性担当部長制度調整担当部長兼務 地域戦略につきましては、次期国家戦略の策定後、公表してまいります。

○漢人委員 国家戦略策定後、また何か月もかかるということはもうないだろうと思いますので、速やかに改定、公表していただくということを求めておきたいと思います。当然そうだというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 次なんですが、この地域戦略が力を持つためには、重要なのは推進体制の強化だというふうに思っています。仮称生物多様性地域戦略庁内推進会議というのがあると思うんですけれども、想定されていると思うんですが、この設置はいつ頃になるのか、スケジュールをお伺いいたします。

○小林生物多様性担当部長制度調整担当部長兼務 生物多様性地域戦略の改定後、庁内推進会議を設置し、関係各局と連携した生物多様性関連施策を推進してまいります。

○漢人委員 答弁、そういうことなんでしょうが、速やかな設置を求めるということで、次に行きたいと思います。
 今回の新年度予算におきます地域戦略策定に伴う新たな取組について、どのようなものがあるのか、概要でいいので、お伺いいたします。

○和田自然環境部長 都は、生物多様性の保全を推進するため、様々な事業を展開してまいります。
 新たな事業といたしまして、まず、DXを活用した都民参加型生きもの情報収集蓄積プロジェクトでは、アプリを活用し、都民が参加した野生生物情報の収集及び蓄積を行ってまいります。
 また、Tokyo-NbSアクション推進事業では、事業者などがグリーンインフラによる減災機能の強化など、自然を活用した解決策となる取組を行っていくことを目指し、取組事例の発信等を実施してまいります。

○漢人委員 新たな取組として二つあるということですが、とにかく庁内推進体制を早急に整えて、他局とも影響を持ち合えるような、そういった取組を進めていただきたいと求めておきます。
 次の質問ですが、新宿御苑における放射能汚染土再生利用の実証事業についてお伺いいたします。
 一般質問でも取り上げましたが、一般質問を行った二月二十四日には実証事業の候補地となっている所沢市と新宿区の市民団体による環境省への申入れが行われております。
 一般質問があった日の午前中に行われているんですが、これについて都が把握している申入れの内容、そして当日の環境省の対応についてお伺いいたします。

○上田環境政策担当部長節電行動連携担当部長兼務 お話の件につきましては、環境省に市民団体等からの申入れがあり、これに対応したことについては環境省から聞いてございます。

○漢人委員 内容などについては答弁がないということで、次に行きます。
 今後の住民説明会の開催についての環境省の方針、それから、東京都としてはどのようにそういった情報提供がされているのかお伺いいたします。

○上田環境政策担当部長節電行動連携担当部長兼務 当件は、環境省が国の事業として行うものでございまして、今後の住民説明会の開催予定等については承知をしておりません。

○漢人委員 一般質問のご答弁では、環境省には放射能の安全性等について、地元自治体や住民への説明、適切な情報開示などをしっかり行うよう伝えていると答弁がありました。
 この伝えていることがちゃんと履行されているのかどうか確認するということは考えていないんですかね。ちゃんと説明がされているのか、住民への説明会がどのような状況にあるのか。その内容についての評価は置くとしても、そういう場をちゃんとやろうとしているのかどうなのかということを、そもそも環境省から東京都にも説明があるべきだと思いますし、東京都としてもどうなっているんだと把握ぐらいしておくべきだと思うんですが、なぜそういうことをされないんですか。

○上田環境政策担当部長節電行動連携担当部長兼務 当件は、環境省が国の事業として行うものでございます。
 環境省に対しましては、放射線の安全性等につきまして、地元自治体や住民への説明、適切な情報開示などをしっかり行うよう伝えております。

○漢人委員 いっていますよと、それだけの同じ答弁の繰り返しでした。住民説明会については、今後また取り組まれていくようでもありますけれども、東京都としても私は把握をしておくべきだというふうに思います。
 当初、新宿区の近隣の一、二丁目だけということでしたけれども、渋谷区とか、実際に今この新宿御苑に隣接をしている地域もあるし、本当に多くの人たちが集まる場所ですので、そういった多くの人たちが参加できるような形での説明会が開催されるのは当然のことだと思いますので、私は、東京都はそういった立場で、とにかく説明の場をちゃんとやるということは求めるべきだと思います。残念な答弁でした。
 そして、今回、環境省は、この実証事業については、放射性物質汚染対処特措法上の処分規定というものに基づいて行うとしているんですけれども、これは特措法ではなくて、廃棄物処理法の再生に基づいて行われるべきではないかという指摘がされていますが、これについて都の見解を求めます。

○上田環境政策担当部長節電行動連携担当部長兼務 当件の法律上の取扱いにつきましては、当該法律を所管いたします国が判断すべきことであると考えてございます。

○漢人委員 まあ残念な、国に任せてってと、東京都としての判断はないという答弁なんですけれども、それは私はどうかなというふうに思います。抗議をして、次の質問に行きたいと思います。
 檜原村で計画されている産業廃棄物焼却場の現状についてということで伺います。
 昨年の七月二十七日に開催されたもう大分前の話です。第一回の専門家会議で、水の確保など複数の事項について、より詳細なデータを求める意見が出されてからもう七か月半がたちました。
 その後の事業者による給水計画提出に向けた調査状況と提出の見込みについて、都は、どのように認識をしていますか。

○志村資源循環推進部長 専門家会議において、専門家から指摘された水の確保に関する根拠資料について、事業者からは現地での地下水調査等を進めていると聞いておりますが、提出の予定日は承知しておりません。

○漢人委員 全く進展がないということですね。これは事業者の判断ではあるんですけれども、事業計画が提出されて、もう一年になろうとしているわけで、有効期限は法的にはないと思いますけれども、ちょっとそれは大いに疑問があるということだけ申し上げておきたいと思います。現状を確認しましたので、次の質問に行きます。
 神宮外苑の再開発についてです。
 事業者が新宿区に提出した都の風致地区条例に基づく許可申請書によりますと、神宮第二球場の解体工事に伴う伐採、移植樹木は三千六十九本、うち移植が四十一本ということになっております。
 これは、アセス審議会に示された情報と大きく異なるわけですけれども、低木を含むと計画全体での樹木の伐採は何本になるのかお伺いいたします。

○藤本政策調整担当部長 環境影響評価書では、樹木の伐採本数を五百五十六本としております。
 東京都風致地区条例に基づく許可申請は区の所管であり、対象区域はほかにもあると聞いておりまして、低木も含めた計画全体での伐採本数は、環境局としては承知しておりません。

○漢人委員 そうなんです。これ、神宮第二球場の解体工事に伴う本数ですから、全体でいうと相当な数の低木も含む樹木の伐採になると。そして、それは環境局としては承知していない、そんな中でアセス審議会が進められてしまったということになります。
 二月二十八日には、再開発事業の施行認可の取消し及び賠償を求めて地域住民を含む市民、各界の専門家など約六十人によりまして、神宮外苑再開発事業認可取消等請求事件及び神宮外苑再開発事業施行認可に対する執行停止申立て事件が東京地裁に提訴されております。
 評価書の反証がまだ審議会で行われる、そういった経過の中で、結局、施行認可をしてしまったということについては、私はアセスの手続上、許されないのではないかと思いますが、見解をお伺いします。

○藤本政策調整担当部長 評価書は既に公示されていることから、その後の手続を妨げるものではなく、加えて審議会でもイコモスに対する反証と評価書の公示については切り離していくことが確認されております。
 また、事業者が第一種市街地再開発事業の認可申請を行う前に評価書案が都に提出されることが必要であり、本事業では認可申請が令和四年十二月、評価書案の提出が令和三年七月であり、手続上、問題がないと認識をしております。

○漢人委員 手続上はそういうことになるということですけれども、アセス審議会での反証ということと、手続を進めることについては切り離すというのは、事務局である都の方からそのように提案をしたということもありまして、非常におかしいということは前回も申し上げました。
 最後の質問ですけれども、PFAS地下水汚染についてお伺いいたします。
 これも一般質問で行いましたので、そのときの局長の答弁に関連した形で伺いたいと思います。
 二〇二一年、令和三年度から実施した水質汚濁防止法の測定計画に基づく調査に関連して、まずお伺いします。
 概況調査を行った井戸の実本数と、そのうち暫定指針値を超えた井戸の数、自治体、市町村ごとの分布についてお伺いします。

○宗野環境改善技術担当部長節電行動推進担当部長兼務 水質汚濁防止法の測定計画に基づき、令和三年度に概況調査を行った井戸は六十二本でございまして、そのうち暫定指針値を超過した井戸は、文京区、渋谷区、青梅市、国立市、狛江市に各一か所ございます。

○漢人委員 全都的に広がっているこのPFAS汚染なんですけれども、お伺いしたいんですが、水質汚濁防止法に基づく環境基準項目、要監視項目に挙がっている物質のうち、これだけ広範囲かつ継続的に汚染が確認されている物質はほかにあるでしょうか。お伺いいたします。

○宗野環境改善技術担当部長節電行動推進担当部長兼務 各測定項目の汚染状況につきましては、測定の頻度や地点数等が異なるため、単純に比較することはできませんが、参考として基準値等を超過した地点数の割合を整理いたしました。
 令和三年度の全国の概況調査では、環境基準項目で基準値を超過した割合は高い順に、ヒ素が二・四%、硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素が二・一%であり、要監視項目につきましては、全マンガンが一四・八%、PFOSとPFOAの合算値が一三・六%となっております。
 一方、都内の概況調査でございますが、環境基準項目は高い順に鉛が三・一%、クロロエチレンが一・六%であり、要監視項目はPFOSとPFOAの合算値が八・一%となっております。

○漢人委員 調査、算出していただいてありがとうございます。
 全国ではヒ素や硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素の五、六倍になりますね。そして、都内でも鉛の二・六倍、クロロエチレンの五倍ということで、大変多くの検出がされているということが分かりました。
 そして、継続的ということについては別に、ある意味、聞く必要もなかったかもしれませんが、PFASとは永遠の化学物質といわれている、特徴として分解されづらく蓄積されやすい、消えないという、そういう特徴を持っているものですから、しばらくしたらなくなるというものではないんですね。検出されたら、それは長らく付き合い続けなければならないものだということだというふうに思っています。
 それで、都のPFOSの調査については、各自治体との連携の下に進められているということでした。この調査において、調査地点となった井戸のうち、各自治体から推薦を受けて設定されたものはどのぐらいあるでしょうか。また、自治体が管理するものはどのぐらいあるのかも併せてお伺いします。

○宗野環境改善技術担当部長節電行動推進担当部長兼務 都は、令和三年度に都内全体のPFOS等の状況を把握する概況調査を六十二地点で行っており、いずれの調査地点についても各自治体の要望や地域特性を踏まえて適切に選定をしております。
 また、令和三年度の概況調査において、自治体が管理する井戸は、都内全体で十九か所となってございます。

○漢人委員 次ですね、都は、自治体と定例的な会議等を通じて情報共有や意見交換を行うほか、各自治体の要望や地域特性を踏まえ、調査地点を選定しているということですけれども、具体的にどういう場で意見交換などが行われてきたのか、また、自治体からはどのような要望や意見が出されているのか伺います。

○宗野環境改善技術担当部長節電行動推進担当部長兼務 都は、区市の環境主管課長会で意見交換や情報共有を行うほか、各自治体と個別に情報共有等を行ってまいりました。
 主な意見といたしましては、複数の自治体からは、国の専門家会議等の検討状況や都の取組の内容、調査結果等の情報共有を求めるものがあったほか、一部の自治体からは、地域の状況をきめ細かく把握できるよう、調査地点の増加などを求めるものがございました。

○漢人委員 調査地点の増加を求める声があるのは当然のことだというふうに思います。そのような声を都としては把握しているわけですね。
 環境局が作成をしている地下水の水質測定計画がありますが、こちらでは環境基準項目や要監視項目の測定の種類や測定地点等について定めてあります。
 測定の種類として、概況調査、汚染井戸周辺地区調査、継続監視調査を掲げていますが、PFASについても測定計画に基づいて、汚染井戸周辺地区調査を行うべきだと考えますが、都の見解をお伺いします。

○宗野環境改善技術担当部長節電行動推進担当部長兼務 都の測定計画では、汚染井戸周辺地区調査について、概況調査で環境基準を超過した項目で行うこととしております。
 都は、要監視項目であるPFOSとPFOAにつきまして、令和三年度に測定計画に位置づけ、令和六年度にかけての四年間で、都内全域の状況把握と未把握の汚染の発見を進めており、暫定指針値を超過した地点については、飲用を控えるよう対応しております。

○漢人委員 令和三年、二〇二一年にスタートした時点ではそれでよかったのかもしれないと思うんですね。当時ですと、アメリカでも生涯健康勧告値が二〇一六年に定められたPFOS、PFOAを合わせて七十ナノグラム、また、日本においても暫定指針値は二〇二〇年、二〇二一年の前年に定められたPFOSとPFOA合計で五十ナノグラムということだったわけですから、その時点で東京都がこういった検査をしていこうということにしたということは、それは一定評価はしたいとは思います。
 ただ、今、状況が大きく変わっていると思うんですね。そこを踏まえての次の質問に行きたいと思うんですが、都内には多摩地域だけでも約千の施設に飲用井戸があるということです。二十三区を含めるとどのぐらいの数になるのか、相当数あるかと思います。施設の内訳としては、例えば大学とか病院とか、入所施設などがあるわけです。そういったところで飲用井戸が現に運用されている、使われているわけですね。
 自治体の要望も踏まえて、測定地点の拡大や汚染井戸周辺地区調査の実施、自治体の独自の検査に対する技術的、財政的な支援などが必要だと考えますが、都の見解をお伺いいたします。

○宗野環境改善技術担当部長節電行動推進担当部長兼務 都は、令和二年度にPFOS等の暫定指針値が設定されたことを踏まえまして、PFOS等の調査を測定計画に位置づけ、令和三年度から六年度にかけての四年間で、都内全域二百六十ブロックにおいて、状況把握と新たな汚染の発見を進めておりまして、暫定指針値を超過した地点については、飲用を控えるよう対応しております。
 なお、都の測定地点の選定に当たりましては、各自治体の要望、地域特性等を十分踏まえた上で適切に設定をしております。

○漢人委員 先ほど申し上げましたが、令和三年、二〇二一年の時点で、この測定計画を立てて測定を始めたという、その時点においてはよかったかもしれないんですけれども、その後ですよ、アメリカは去年の六月には、暫定の規制値、PFOSで〇・〇二ナノグラム、PFOAで〇・〇〇四ナノグラム、本当にほぼゼロに近い数値を上げていて、二〇二四年には暫定ということでもなくなるわけですよね。それだけ深刻に摂取すべきではないものというふうになろうとしている。国の方でも、そういうこともあって今検討が進んでいるわけですが、そういう中で東京都は、二〇二一年のままでいいのかということが問われるわけです。
 今、三多摩地域では民間団体による血液検査が行われていて、一部が既に発表されていますが、それについても東京都の、特に多摩地域ですけれども、血液検査の結果は全国的に見ても高い値になっています。六百人規模で行っている検査の発表も近く行われることになります。
 そういったことを受けて、東京都としては、国の方針を待つよりも、二〇二一年に開始したときのつもりで、状況に合わせて、スピードアップをして測定をしていかなければならないというふうに思っています。
 先ほど多摩地区だけで千の施設に飲用井戸があると申し上げました。その中には大学もあって、実は私の出身大学、小金井にあるんですけれども、そちらは一〇〇%、井戸水を飲用していると。現在もそこの学生たち、附属の小学校もありますが、子供たちもみんな一〇〇%、井戸水を飲んでいます。
 その大学のすぐ脇は、今回、水道局の方で、基準値を超えたので、もう使用停止になった井戸があるところの隣接した地域ですね。だけど、その大学ではいまだに飲み続けているんですよ。だから、大学とか病院とか施設とか、そういったところではまだ一〇〇%、井戸水に頼っているところもあるわけです。そういった状況をいつまでも放置するわけにはいかないんじゃないでしょうか。
 一刻も早く全ての飲用井戸について調査をする、まず調査をして、安全だと確認されればそれでいいんですよ。でも、基準を超えるものがあったら、それはもう飲用は控えるということを進めていくべきじゃないですか。
 水道水については、もう超えたものについては水道には入れないということとか、結局、川の水との調整の中で、水道から出てくる水は安全なレベルを保つようにしているんだけれども、飲用井戸については全く放置された状態のところが多数あるわけですから、これについては、ぜひとも私は至急対応をするべきだというふうに思っています。
 今日はアスベストに関する質問もありましたけれども、残念ながら日本は、アスベストについても世界的な基準が強化される中で、対応が遅れたために大きな被害が拡大をされたわけです。今、このPFASについても、そういった状況を見れば、まず検査をして安全かどうか確かめる、で、基準を超えているものについては飲用はしないようにということについて行うべきではないでしょうか。
 各自治体の単位でやろう、あるいは大学でやろうというときにも、財政的な問題とかあるとすれば、それを支援する。あるいは今、この間も調査するところについては、東京都は各自治体と調整をしているということでしたから、十分に調整して、そういった特に子供が飲用するような状況になっているものとか、そういったところについては、先に、あと二年間かけて二百六十ブロックをやりますよというのではなくて、スピードアップして、来年度中には極力、不安な井戸については全て測定をするという、そのぐらいの勢いでこれは対応するべき状況にあるというふうに思っておりますので、ぜひともそういった取組を求めるということで、質問を終わりたいと思います。

○里吉委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後五時九分休憩

   午後五時二十五分開議

○里吉委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○柴崎委員 私からは、太陽光パネル義務化に向けましての都の取組についてお伺いしたいと思います。
 予算特別委員会におきましても、我が会派の代表質問に対しまして、二〇三〇年カーボンハーフ実現には、家庭部門での一層の省エネ対策と再エネの利用拡大が不可欠、そして家庭での再エネ拡大に向けて、住宅への太陽光発電設備導入等に加え、系統からの再エネ電力の供給拡大にも取り組む、こういった答弁があったわけであります。
 そして、令和五年度の予算案におきましては、主要事業として約八百四十億円を計上しております。このうちの新築住宅への再エネ設備設置推進に係る事業費は約二百億円となっておりますとの説明があったわけであります。
 そこでお伺いしたいんですが、主要事業として約八百四十億円計上されているわけですが、この事業の内訳について、まずお伺いしたいと思います。

○荒田気候変動対策部長 令和五年度予算では、環境性の高い住宅の普及拡大に向けた事業として、東京ゼロエミ住宅導入促進事業に二百四十四億円、建築物環境報告書制度推進事業に三十四億円、災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業に四百九十六億円、建築物環境報告書制度の円滑な施行に向けた普及啓発等に四億円、太陽光パネル高度循環利用の推進に一億円など、合計七百八十億円を計上してございます。
 また、家庭での省エネ行動を促進する事業として、家庭のゼロエミッション行動推進事業に四十八億円、家庭のHTTムーブメント普及促進事業に四億円など、合計五十三億円を計上しております。
 さらに、家庭等への再エネ電力供給拡大に向け、小売電気事業者による再エネ電源先行拡大事業として六億円を計上してございます。

○柴崎委員 ありがとうございます。
 この八百四十億円の内訳は、今答弁がありましたが、環境性の高い住宅の普及拡大に向けた事業が七百八十億円、そして家庭での省エネ行動を促進する事業が五十三億円、そして家庭等への再エネ電力供給拡大事業が六億円といったご説明でありました。
 そこでお伺いしたいんですが、次に、新築住宅への再エネ設備設置推進に係る事業費約二百億円、この内訳についてお伺いしたいと思います。

○荒田気候変動対策部長 先ほど答弁いたしました環境性能の高い住宅の普及拡大に向けた事業のうち、新築住宅への再エネ設備及び蓄電池の設置支援等に要する経費として、東京ゼロエミ住宅導入促進事業に百三十二億円、建築物環境報告書制度推進事業に二十八億円、災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業に三十七億円、建築物環境報告書制度の円滑な施行に向けた普及啓発等に四億円、太陽光パネル高度循環利用の推進に一億円などを計上してございます。

○柴崎委員 先ほど説明がありました環境性能の高い住宅の普及拡大に向けた事業七百八十億円のうち、五事業二百億円が新築住宅への再エネ設備設置事業との説明でありました。
 令和四年の最終補正予算で創設されました新築建築物再生可能エネルギー設備設置等推進基金、これは総額一千五百億円で、前回の環境・建設委員会におきまして、太陽光パネル等の再エネ設備設置に関する支援分は一千億円であるとの答弁がありました。
 そして、さきの予算特別委員会の我が会派の代表質問に対しまして、技術開発動向等を踏まえ、様々な対策を推進する必要があるため、現段階で設置可能な再エネ設備等について、必要な財源を基金に計上する、こういった答弁があったわけであります。
 今回、この新設された基金から、太陽光パネル等の再エネ設備設置に関する事業のためにどの程度、取崩しを予定しているのか、この点について伺いたいと思います。

○荒田気候変動対策部長 ただいま答弁いたしました新築住宅への再エネ設備及び蓄電池の設置支援等に要する経費の財源として、合計約二百二億円を取り崩す予算案となってございます。

○柴崎委員 先ほどお話のありました五事業二百二億円の財源として取り崩すとのことでありました。基金の今年度の充当先が明確になったわけであります。
 それでは、今後、二〇三〇年まで八年間あるわけでありますが、これをどのような計画で取り崩していくのでしょうか。この基金の運用計画について伺いたいと思います。

○荒田気候変動対策部長 二〇三〇年に向け、新築住宅への再エネ設備及び蓄電池の設置支援等を安定的かつ継続的に推進していくため、毎年度、これらの事業の歳出予算を計上する際に、その年度の財政状況も踏まえながら取崩しを行ってまいります。

○柴崎委員 現在、東京都は、災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業にて、断熱改修、そして蓄電池、またはV2H、そしてエコキュート等のいずれかを設置している、もしくは設置した場合には、太陽光発電設備にも補助を令和七年三月三十一日まで実施するとしております。
 この事業の中で想定しているケースですと、太陽光パネル設置に要する経費は、通常だとどの程度になり、そして補助額及び自己負担額はどの程度の額になるのかお伺いいたします。

○荒田気候変動対策部長 本事業は、新築住宅及び既存住宅を対象としており、例えば新築住宅で標準的な四キロワットの太陽光発電設備を導入する場合、九十八万円の設備費用に対し、四十万円の補助金を活用できるため、自己負担額は五十八万円となります。
 また、既存住宅の場合は、足場設置などの追加費用として一キロワット当たり二万円が必要となることから、同額を加算してございます。
 なお、令和五年度からは、さらなる太陽光発電設備の普及拡大に向け、単独導入の場合も補助対象とする予算を計上してございます。

○柴崎委員 今、答弁いただきました。四キロワットの場合ということで、設置費用が九十八万円、そして都の補助が四十万円で自己負担は五十八万円とのことでありました。
 東京都は、この補助事業によりまして、令和七年三月三十一日まで、この二か年間で、どの程度、太陽光発電設備の設置が進むと見込んでいるのでしょうか。その規模と想定している予算総額について伺いたいと思います。

○荒田気候変動対策部長 令和五年度予算における本事業で、太陽光発電設備の導入規模は約七万キロワット、約八十四億円でございます。
 なお、令和六年度は補助の申請状況と二〇三〇年の導入目標を勘案し、改めて必要となる規模の予算を要求してまいります。

○柴崎委員 今、答弁いただきました。ご説明のありました都が実施をしている補助事業は、断熱窓や断熱ドア、そして蓄電池、V2H、太陽熱利用システム、地中熱利用システムから太陽光発電設備まで多岐にわたりまして、しかも組合せによりますと補助額が変わるなど、非常に手厚い仕組みとなっているんですね。ですから、様々な実態に応じた補助事業になっていると思います。せっかくの補助事業でありますので、十分に活用していただけるように、ぜひこのPRに努めていただきたい、このように思います。
 さて、一方では、太陽光パネルに関する技術革新を後押しする政策も大変重要だと考えています。
 都は、機能性PV上乗せ事業として、ハウスメーカーなどの事業者に対しまして、通常の太陽光パネルを設置できない住宅にも設置可能な軽量小型パネルなど、東京の地域特性に対応した機能を有する製品の設置を支援するとして、事業規模五千件の予算を計上しております。同時に、既存住宅等に対する機能性PV上乗せ事業、三千四十五件の予算も計上しております。
 このような技術革新の動きを後押しすることは、狭隘な地域に住宅が密集する東京にとりましては、非常に大事なことだと思います。
 都が取り組むこの機能性PV上乗せ事業の詳細と、そして令和五年度の事業計画についてお伺いしたいと思います。

○関制度調整担当部長 都は、先月、専門家の意見を踏まえまして、狭小住宅が多いなど、東京の地域特性に対応した優れた機能を持つ製品に関する認定基準を定めております。
 この基準では、小型パネルや建材一体型パネルのほか、反射光のまぶしさを軽減するパネルなど、カテゴリー別に認定要件を定めております。
 現在、この基準に適合する製品を公募しており、専門家の意見を踏まえ認定し、速やかに公表してまいります。
 その上で、来年度は新築及び既存住宅向けの各種助成事業において、認定製品を採用する場合に上乗せ補助を行ってまいります。
 こうした支援を通じて、各社の技術開発を後押ししながら太陽光パネルの設置を拡大してまいります。

○柴崎委員 都が認定基準を定めて、都が認定するということで、今答弁いただきました。太陽光パネルは、発電機器として日々技術革新が進んでおります。安全で効率的で使いやすいパネル開発への取組、これをしっかりと支援していくことを要望しておきます。
 次に、パネル義務化に関する都民、そして都内事業者への情報提供について伺いたいと思います。
 さきの本委員会におきましても、また、予算特別委員会の代表質問におきましても、お尋ねをいたしました。しかしながら、義務化が必要だという都民理解が進んでいるのか、正直、疑問が拭えません。様々な取組を展開されているのは承知をしております。しかしながら、都民の皆様に義務化の必要性、合理性について、十分納得をいただけていないのではないか、そういったことが我が会派の認識なんです。
 そして、そもそもこの太陽光パネル事業の費用対効果が正しく都民に伝わっているのか、事業の効果を正しく伝える努力、このことが不足をしているのではないかという疑問も持っております。
 都民の方への情報発信に当たっては、義務化事業の実態を客観的、そして正確に把握していただくために、大きく二つの側面から情報を提供する必要があると考えております。
 まず、第一点目であります。第一点目は、パネルの発電量です。
 化石燃料を使わない電気ですので、当然、発電量が大きければ大きいほど環境対策としては有効ということになっていくと思います。
 昨年の本委員会の質疑におきましては、義務化によりましての太陽光パネル導入量は年間四万キロワットで、制度開始の二〇二五年からの六年間で二十四万キロワットと見込んでいるとのことでありました。
 一方、東京都では、太陽光発電全体では二〇三〇年には現在の三倍を超える二百万キロワット以上の導入を目指しているわけです。二〇一九年時点で既に六十万キロワットが導入済みですので、残りは百四十万キロワット、この導入増加が必要になるわけであります。
 そして、この内訳でありますが、これについては新築住宅分が七十五万キロワット、そして既存の住宅、事業所分が五十五万キロワット、そして公共施設分が十万キロワットとのことでありました。
 なお、この新築分七十五万キロワットのうち、パネル義務化は二十四万キロワット、したがって、七十五から二十四を差し引いた残りが五十一万キロワットになるわけでありますが、この五十一万キロワットにつきましては、いわば義務化の波及効果として増加を見込んでいるというお話でありました。
 つまり、都の計画では太陽光発電分で今後百四十万キロワットの増加が必要なわけです。そのうちのパネル義務化分は二十四万キロワットで、これは必要な発電全体二百万キロワットの一二%程度ということになるわけですね。
 ですから、今後取り組む新築住宅に限定したとしても、三二%程度というのが、このパネル義務化によって見込まれる発電効果ということになるわけですね。
 そこでお伺いしたいと思います。こうした発電容量という視点から、義務化事業の事業効果を広く都民に周知をしているのでしょうか。この点について、都の取組をお伺いしたいと思います。

○木村建築物担当部長 都は、新制度に対する都民、事業者の理解を促進するため、制度の意義や効果、太陽光パネルのメリットなどを分かりやすく解説した太陽光パネル設置に関するQ&Aを作成し、公表してございます。
 このQ&Aにおきまして、義務化による直接的な導入見込量や新築住宅全体での導入量なども記載してございます。
 これまで、Q&Aは時期を捉えて逐次更新しておりまして、今後も記載内容の充実を図ってまいります。

○柴崎委員 これまで、二〇三〇年の太陽光発電の導入目標、二百万キロワットの関係でお尋ねをしてまいりました。太陽光発電は、再エネ発電の一つであります。常に全体目標を見据えた議論、そして事業展開が必要だと考えております。
 令和十二年、二〇三〇年に都内の再エネ電力利用割合五〇%との目標があります。そうした中で、二〇三〇年までに再エネ電力全体でどの程度の発電量が必要になるのか、そのうち二百万キロワットの太陽光発電導入による発電量はどの程度なのか、お尋ねをいたします。

○荒田気候変動対策部長 二〇三〇年目標の達成に必要な再エネ電力量は三百億キロワットアワー程度と見込んでございます。
 また、太陽光発電設備導入量二百万キロワットによる発電量は二十四億キロワットアワー程度でございます。
 都は、条例制度や支援策等を通じ、再エネの地産地消に加え、系統を通じた再エネ電力の供給と利用の拡大に取り組んでまいります。

○柴崎委員 今、答弁いただきました。二〇三〇年目標達成には、必要な再エネの電力量は三百億キロワットアワー程度ということでありまして、そのうち太陽光発電設備導入量二百万キロワットによる発電量は二十四億キロワットアワーとのことでありました。
 そうなりますと、このパネルの義務化分、要するに二十四万キロワットですね、この二十四万キロワットは、太陽光発電導入量全体でいいますと二百万キロワットの一二%になるわけですから、発電量二十四億キロワットアワーに換算いたしますと、二・四億キロワットアワーがパネル義務化の発電量になるわけでありますね。
 したがって、この数字は、全体の三百億キロワットアワーから見ますと一%にもならない、一%未満ということになります。正確にいえば〇・八%ということになるわけですね。これがいわゆるパネル設置義務化事業によって見込まれる発電量という観点からの事業効果ですね。こうした事実も、都が取り組もうとしている義務化事業の必要性を客観的に判断する上で、やはり必要な情報であるというふうに考えております。
 もう一つ、二点目でございますが、義務化事業のもう一つの事業効果、これはやはりCO2の削減であります。
 昨年の本委員会で、新築住宅と既存住宅と併せまして、百万キロワットの太陽光発電導入によって見込まれるCO2削減量、これは、年間で四十三万トンになるといったお話がありました。この削減量は、二〇三〇年のカーボンハーフ実現に必要な削減量である二千六百三十九万トンの約一・六%にすぎないわけであります。
 全体とはいわずに、家庭部門だけ見ます。家庭部門の削減量、これが九百二十四万トンでありますから、この割合についても約五%程度ということになるわけですね。さらに、この義務化事業に特化したCO2削減効果に限定すればですよ、この義務化によるCO2削減効果に限定すれば、削減量は十万トンにすぎないんですね。したがって、全体の〇・四%程度であるということも明らかになったわけであります。
 都がこれだけPRをして一千五百億円の基金を設置して取り組もうとしているパネル義務化事業がCO2削減に果たす効果としては、少々物足りない、それが我々正直な印象であります。
 お伺いしたいんですが、昨年の委員会でも指摘をさせていただいたことでありますが、義務化事業の実態を正しく理解してもらうためには、やはりCO2削減にどれだけ役立つのか明確にすべきだと思います。
 この点に関する情報公開は、どのように進められているのかお伺いしたいと思います。

○木村建築物担当部長 Q&Aにおきまして百万キロワットの太陽光パネル導入によるCO2削減効果などを発信してございます。
 このQ&Aを掲載している専用サイトは、開設当初から累計アクセス数が三十一万件を超えてございまして、Q&Aも多くの方々に閲覧していただいております。
 引き続き、Q&Aに加えまして、専用サイトや解体新書、SNSなど多様な媒体を通じて広く発信していくことで、さらなる都民理解につなげてまいります。

○柴崎委員 今、答弁いただきました。このQ&Aのことも今答弁の中に入っておりました。事業の費用対効果を正しく理解するということは、その事業の必要性、そして有効性、これらを判断する上で、非常に重要なことだというふうに我々は認識をしております。
 今、ご説明がありました二月七日付の太陽光パネル設置Q&Aにおきましては、四四ページありますね。三十項目について説明がされているわけであります。この資料の中で、太陽光パネルの導入効果に関しては、資料の最後にある再エネ賦課金との関連性を説明するページの前に二ページ使って記載をされております。四四ページの資料の中で、最後の二ページだけなんですね。今申し上げましたように、いわゆる太陽光パネル導入効果に関しては二ページだけということなんです。設置費用がどれだけかかるか、それはどれぐらい回収できるか、あるいは事業者の方への支援をどのように展開するかといったQ&Aがほとんどになるわけですよね。このパネル義務化事業が東京の環境改善にどれだけ役に立つのかという説明がたったの二ページだけなんです。
 このパネル設置は、あくまでも手段ですからね。パネルを設置することが東京の環境対策にどういうふうに役に立つのか、そしてそのことを都民に説明し、理解をしていただくことが、最も力を入れるべきことだと我々は考えております。
 パネルを設置すると電気代がお得になるという視点での説明も分かりますが、やはり最も必要なことというのは、なぜ都民に義務を課してまでパネル設置事業を都内全域で展開しようとしているのか、その必要性と費用対効果なのであります。つまり、パネル設置の義務化がどれだけ都の環境対策に役に立つのかという、この説明が求められているんです。したがいまして、あくまでも環境対策事業でありますので、肝腎なのは発電量とCO2削減効果なんであります。
 したがって、太陽光パネル義務化について、今議論をさせていただきましたけれども、やはりこの基本を忘れないで、都民への説明、そして理解促進にぜひ取り組んでいただくことを求めまして、私からの質問を終わります。

○伊藤委員 それでは、私から、まずプラスチックのリサイクルについて質問してまいりたいと思います。
 都は、ゼロエミッション東京戦略において、二〇三〇年までに家庭と大規模オフィスビルからの廃プラスチックの焼却量を二〇一七年度比で四〇%削減する目標を掲げております。目標を達成していくためには、これまで清掃工場で焼却していたプラスチックを燃やさずにリサイクルしていくことが重要であります。
 昨年四月にはプラスチック資源循環法が施行され、従来の容器包装プラスチックに加えて、製品プラスチックの分別収集の実施も自治体に求められているところであります。
 都は、プラ製容器包装等・再資源化支援事業によって、プラスチックの分別収集に取り組む自治体への財政支援を行っております。
 この事業については、本委員会でも都議会公明党の北口議員から質疑がなされ、ほぼ全ての市において実施している多摩地域に比べて、区部では容器包装プラスチックの分別収集を実施しているのは、およそ半分の十二区にとどまっているという指摘をしました。
 そこでまず、都から各区に対するこれまでの支援の実績と容器包装プラスチックの分別収集を令和四年度、今年度は新たに開始した区は幾つぐらいになるのか伺いたいと思います。

○志村資源循環推進部長 プラスチックのリサイクルを進めることは、持続可能な資源利用の実現を図るとともに、二〇三〇年カーボンハーフにも貢献する重要な取組でございます。
 都はこれまで、プラスチックの分別収集経費等について、自治体を支援する事業を実施するとともに、毎年度、分別収集未実施の区を直接訪問し、支援制度の活用等を働きかけてまいりました。
 その結果、本年度、区部では再資源化に向けた基礎調査や住民アンケート等、分別収集の開始の準備に要する経費について、四区を対象に支援するとともに、収集運搬等に係る経費について、三区を対象に支援を行うこととなりました。
 そうした支援等によりまして、容器包装プラスチックの分別収集を行う区は三区増えまして、現在十五区となっております。

○伊藤委員 容器包装プラスチックの分別収集を実施している区が三区増えて、十二区から十五区になったということでございました。少しでも早く全ての区が分別収集を実施できるように、都は、さらに働きかけ、支援をしていただきたいと要望しておきます。
 そして、今後は容器包装プラスチックに加えて、製品プラスチックについても分別収集し、リサイクルにつなげていくことが重要であります。
 そこで、来年度、区部において、新たに製品プラスチックの分別収集を開始する自治体がどのぐらいあるのか伺いたいと思います。

○志村資源循環推進部長 来年度、区部においては、墨田区等二区が新たに容器包装プラスチックと製品プラスチックの一括回収を実施する予定でございます。
 また、品川区等三区が現在実施している容器包装に加え、製品プラスチックについても新たに分別収集を開始する予定でございます。
 これによりまして、容器包装プラスチックと製品プラスチックの両方について分別収集を実施する区は、現在の五区から来年度は十区に拡大することになる見込みでございます。
 今後も分別収集を実施する自治体のさらなる拡大に向け、引き続き支援事業の活用を働きかけてまいります。

○伊藤委員 この一括収集につきましても、全ての区が行えるように、引き続きしっかりと働きかけをお願いしたいと思います。
 容器包装プラスチックだけでなく、製品プラスチックの収集を行う自治体も増えてきているということでございました。ただいまの答弁にもありましたけれども、私の地元である品川区は、既に容器包装プラスチックの分別収集を実施しておりますけれども、来年度から製品プラスチックの回収も始まります。
 これまでも都は、自治体を直接訪問し、支援制度の活用を促してきましたけれども、プラスチックの一括収集を実施する自治体の拡大に向けて、引き続き区市町村の取組をリードしていくようお願いをいたします。
 続いて、海ごみ対策について伺います。
 海に流出したプラスチックごみは、マイクロプラスチックとなることで生態系に悪影響を与えることが危惧をされております。都は、ごみのポイ捨てなどが海洋環境汚染を引き起こすことを防ぐために、TOKYO海ごみゼロアクションと題した普及啓発等を進めております。
 私は、この事業について、昨年の事務事業質疑において質問し、都からは河川敷のごみを拾う体験活動について、これまで新型コロナウイルス感染症の拡大によって中止しておりましたけれども、現在開催を検討しているとの答弁がありました。
 そこで伺いますけれども、こうしたごみ拾い体験活動、TOKYO海ごみゼロアクションの取組状況と併せて、海ごみの原因となる河川のごみの調査について伺いたいと思います。

○志村資源循環推進部長 都は、プラスチックごみの河川や海洋への流出を防ぐため、海ごみ問題を都民に広く啓発するTOKYO海ごみゼロアクションを昨年度から実施しております。
 具体的には、東京都環境公社と連携いたしまして、専用のウェブサイトを開設し、海ごみ問題について分かりやすく解説する動画や資料を掲載しているほか、環境イベントに出展し、海ごみについて解説した動画の上映等を行っております。
 また、本年一月には葛西臨海公園におきまして、子供も大人も対象としたごみ拾い体験や、海ごみ問題に取り組む団体の講演等を行うイベントをおよそ三年ぶりに開催しております。
 このほか、荒川と多摩川において、河川敷に散乱しているごみの種類や量、また、水中のマイクロプラスチックの個数や色等に関する調査を行っております。
 来年度も、こうした取組により、海ごみの原因となる河川ごみの実態把握と海ごみ問題の普及啓発に努めることで、海洋環境保全につなげてまいります。

○伊藤委員 TOKYO海ごみゼロアクションによる普及啓発、また、河川における調査について確認することができました。都民への普及啓発、特に、実際に河川や海岸でごみ拾いを行うことで、海ごみについて考えを深めていただくこと、これはとても重要なことだと思います。
 私は、以前からこの取組についていっているように、子供たちにぜひこの体験活動をしていただいて、家庭での話題、学校での話題、そして将来につながっていくように取り組んでいただきたい、このように要望しておきたいと思います。
 次に、食品ロス対策について質問します。
 都議会公明党は、これまでも食品ロス削減を重要なテーマとして位置づけ、定例本会議、あるいは委員会等で取り上げてまいりました。
 食品ロスは、製造から加工、流通、消費といった食のサプライチェーンの上流から下流に至るあらゆる段階で発生をしております。
 食品ロス発生量は、令和元年度に都内の推計では過去最低値であったものの、いまだに年間四十四・五万トンも発生しており、食品関連事業者や消費者、自治体など、各主体が一丸となって食品ロス削減に取り組むことが重要であります。
 一大消費地である東京におきましては、家族で余ってしまう食品をどのように削減していくかが環境負荷低減や資源の有効利用の面からも重要な課題の一つといえるわけであります。
 都議会公明党は、昨年の第二回定例会代表質問において、家庭で余る食品の有効利用のために、フードドライブを都内各地で行うことについて、都の見解を求めました。
 これに対して、環境局長からは、都の施設において、イベント等の機会を捉え、フードドライブの寄附窓口を設置するとの答弁がありました。
 そこで、フードドライブの実績と今後の取組について見解を伺います。

○村上資源循環計画担当部長 フードドライブにより家庭の未利用食品をフードバンクなどに寄贈して有効活用することは、食品ロス削減の観点から重要です。
 都は、今年度、新たに代々木公園や東京ビッグサイトなどでのイベントに合わせて、会場内の寄附窓口において、レトルト食品や乾麺、缶詰など約四百点を回収するとともに、区市町村や企業等と連携し、パネル展示や都民等との対話などを通じて、フードドライブに関する理解の促進や機運の醸成を図ってきました。
 また、東京サーキュラーエコノミー推進センターと連携し、ホームページ上で区市町村の寄附窓口を検索できるようにするなど、都民が日常的にフードドライブに参加しやすい環境を整備しました。
 今後、区市町村やコンビニエンスストア等の食品関連事業者と広く連携し、寄附窓口の拡大を図るなど、食品ロス削減対策を一層推進してまいります。

○伊藤委員 今後も引き続き、家庭での食品ロスの削減に向けて、多様な主体と連携し、都民が日常的にフードドライブに参加しやすい環境を整備していくことを要望しておきたいと思います。
 そして、食のサプライチェーンの下流部である消費段階だけでなく、より上流部でロスの発生抑制ができれば、大きな削減効果が期待できるわけであります。
 先月、東京国際フォーラムで開催されたCity-Tech.Tokyoでは、持続可能な社会を実現するための先進技術の展示会が開催をされました。そこでは最先端のテクノロジーや果物の皮などの余剰食材、これまでは捨てられてしまっていたものでありますけれども、これで飲料商品を生産するなどの多彩なアイデアによって、食品ロス削減に資する技術などの展示もされておりました。
 このような食の先進技術の活用は、食品のサプライチェーンで発生する食品ロスの削減につながるものであり、都は、さらに取組を加速させるべきだと考えます。
 そこで、都がこれまで行ってきた取組内容と今後の展開について見解を伺います。

○村上資源循環計画担当部長 食品の製造や加工など、食に関する上流段階からの食品ロスの発生抑制対策は、下流部まで含めたサプライチェーンの環境負荷の低減を図る面から重要であり、特に先進技術を活用した取組を進めることは効果的です。
 都はこれまで、急速冷凍技術を活用し、パンや食材などの消費期限の長期化を図ることや製造技術を持つ企業と連携し、販売に適さない規格外の食品を付加価値の高いクラフトビールにアップサイクルするなどの取組を実施してきました。
 こうした食に関する最新技術について、新たにフードテックに関する知見やアイデアを有するスタートアップ企業と連携し、食品ロス削減に資する商品化等の社会実装を図ります。
 また、ロスの削減につながる急速冷凍装置や需要AI予測アプリ等の導入を支援することで、こうした技術を広く社会に普及させてまいります。
 今後も食の技術開発を進める企業等と連携しながら、食品の製造、加工段階での食品ロス削減を加速してまいります。

○伊藤委員 最先端技術を取り入れて、今までにない新しい食品を生み出したり、一人一人のアレルギーなどの症状や健康状態に配慮した食品を提供したりできるようにするフードテックは、最近注目をされております。これらの技術の活用をしっかりと支え、社会に根づかせていくことが食品ロスの削減に大きく貢献すると考えますので、積極的な支援を行ってもらいたいと思います。
 次に、食品廃棄物の有効利用促進事業について伺います。
 私の地元品川区では、目黒川みんなのイルミネーションと題するイベントが毎年恒例で、十一月から年末、新年にかけて開催されております。目黒川沿いの二・二キロの並木道の桜の木に三十五万個の桜色のLEDのライトで装飾をして、冬に咲き光る市民参加型のイルミネーションイベントでありまして、その美しさは多くの人の心を魅了しております。
 そのLEDのエネルギー源となっているのが、周辺地域の家庭や飲食店から回収した廃食油をリサイクルしたバイオディーゼル、これを燃料として電力に活用して、エネルギーの一〇〇%地産地消を実現しております。
 このイベントは、地域密着かつサステーナブルなことから、地元住民はもとより、海外のメディアからも非常に高い評価をいただいております。局長もぜひ来期は見ていただければと思います。
 都は、来年度、食品廃棄物の有効利用促進事業として、家庭用廃食用油等の回収拡大を図り、持続可能な航空燃料、いわゆるSAF等の原料として有効活用を促進するとしています。
 もし自分の家庭から出た食用油によって飛行機が飛ぶということになれば大変夢のある話だと思いますけれども、相当の量が必要かと思います。また、家庭から排出される食用油は一般廃棄物であり、回収量を増やすためには区市町村の協力が不可欠であります。
 そこで、都は、家庭用廃食用油の回収拡大に向けて、どう取り組んでいくのか見解を伺いたいと思います。

○志村資源循環推進部長 廃食用油は、飼料や燃料の原料等としてリサイクルが可能であり、近年は航空分野における脱炭素化に向けた取組として、持続可能な航空燃料、SAFでの活用が注目されております。
 都内では、約半数の自治体が家庭から排出される廃食用油の回収を実施しており、回収量は少ないものの、飼料の原料や工業燃料として有効利用しております。
 都は、廃食用油の回収拡大に向けて、来年度、区市町村の取組を支援する制度を立ち上げる予定です。
 具体的には、廃食用油の回収を新たに始める自治体や回収量の拡大に取り組む自治体に対しまして、対象経費の全額を上限二百万円まで補助いたします。
 今後、区市町村と連携し、廃食用油をリサイクルする機運を高め、ゼロエミッション東京の実現につなげてまいります。

○伊藤委員 廃食用油の回収の拡大に取り組む自治体に対して、対象経費の全額を上限二百万円まで補助するということでございました。これは大変な支援になると思いますので、ぜひ普及していただきたいと思います。
 今後、区市町村と連携して廃食用油をリサイクルする機運を高め、ゼロエミッション東京の実現にぜひつなげていただきたいと思います。
 家庭からの廃食用油は、清掃事務所などの拠点で回収している自治体が多くて、都民にとっては、わざわざ持参するということに大変に手間がかかります。
 また、区市町村にとっては、回収する際に、こぼれたり、拠点が汚れたりするなどの課題があると聞いています。都の手厚い支援策によって、こうした課題の解決につながり、回収量を拡大することを期待しております。
 本日は、ゼロエミッション東京の実現に向けて、プラスチック対策、食品ロス対策、食品廃棄物の有効利用について質問してまいりました。
 令和五年度の環境局事業が局長を先頭に着実に推進されることを期待して、質問を終わります。

○曽根委員 私からは、まず建築物環境計画書制度について、昨年の事務事業質疑で私がこの問題を取り上げて、大規模な新築建築物について、環境審議会から建物の稼働中のみならず、建築中の環境負荷の低減にも取り組む必要性が提言されているとの答弁がありました。一方で、建築業界でも今、低炭素コンクリートの開発なども始まっていると聞いております。
 こうした民間技術を積極的に活用して、建物由来のCO2削減の効果を建築段階から正確につかんで環境負荷を低減させていくことは極めて重要ではないかと思いますが、都の見解を伺います。

○木村建築物担当部長 建築資材の製造や建物の建設段階のCO2削減につきましては、排出量の評価手法の構築に向けまして、国が有識者会議において議論を開始しており、都もこれに参画しております。
 都は、条例改正後の建築物環境計画書制度の施行に向け、建設段階のCO2排出量を把握する取組や低炭素資材の活用などの評価基準について検討しているところでございます。
 具体的には、技術検討会において、業界団体へのヒアリング結果を踏まえ、専門技術的な検討を進めており、今後その成果を環境配慮指針に反映させてまいります。

○曽根委員 この大型ビルなどを含む建築物の建設段階、そして取壊し段階と、こういうところは今まで排出量取引などの問題ではそこは穴になっていまして、いってみれば再開発などでビルを造るときに、個々のビルの環境性能は上がっていても、床面積が極端に大きくなって超高層なんかが建つ場合は、全体としてはCO2排出量が従前よりもはるかに大きくなってしまう。この問題を私たちも繰り返し指摘してきたところですが、そういった建設段階や従前ビルの取壊し段階における環境負荷をいかに減らしていくかというところに、ようやく国も遅ればせながらですが、建築資材や建設手法による環境負荷を減らすという検討を開始し、この成果は、特にビル建設が断トツに多い東京でこそ生かされなければならないと思いますので、取組をさらに加速することを求めておきたいと思います。
 そして、昨年の質疑では、私、建築業界が昨年の一月に試算を出した大型ビルのライフサイクルの中で排出されるCO2の量が、稼働中は七割程度で、その前後、建設中が大体一四%、取壊しの中で一六%と、建物が取り壊される段階のCO2は、建設段階よりも少し多いんじゃないかといわれていることを紹介しましたが、そこで建設資材の低炭素化などの取組は、建設中のCO2排出を減らすとともに、取壊し段階での排出量も減らす、こういった技術に直結させていかなければならないと考えます。このことも強調しておきたいと思います。
 そして、先ほど申し上げましたように、ビルが超高層など大型化し、高層化していくことは、単位面積当たりのCO2を減らしても、ビル全体のCO2の排出量は従前より増えてしまう。このことを繰り返していては、幾ら低炭素素材の建築技術を進歩させても、現状の都心をはじめとする超高層の建設ラッシュが続く限り、CO2の総排出量を減らすのは困難だといわざるを得ません。
 現在、ビルの建設などによるCO2排出は、業務部門で、都が基準年としている平成十二年度、二〇〇〇年度に比べて、今日のいただいた資料でもまだ総体的には大きくなっている。家庭部門と並んで、ここの課題が非常に大きいわけですので、今後、都市づくりの在り方そのものも厳しく問われるということを指摘しておきたいと思います。
 次に、生物多様性地域戦略の改定に向けた答申が出されましたが、私からもこれに関連して、昨年も取り上げましたが、東京の特に植物種の多様性の宝庫ともいうべき高尾山をはじめとする多摩南部地域の生態系の保全の課題について幾つか質問したいと思います。
 東京のレッドデータリストでは、二〇一〇年版から十年ぶりの改定で、二〇二〇年版が出されていますが、本土部の保護上重要な植物種という種の数について、このレッドデータリストでは、二〇一〇年の八百種から、二〇二〇年版では九百四十一種に保護上重要な植物種が増えています。
 この中で、多摩南部地区では何種が二〇一〇年と二〇二〇年版で掲載されているでしょうか。

○小林生物多様性担当部長制度調整担当部長兼務 東京都の保護上重要な野生生物種を掲載したレッドリストのうち、南多摩地区の植物種は、二〇一〇年版では四百八十種、二〇二〇年版では六百十九種となっております。

○曽根委員 保護上重要ということは、希少生物であったり、絶滅危惧種であったり、対策が必要ということになりますけれども、その種の数が、もちろん十年間でリストから外すことができたものもあるでしょうし、新たに加えたものもある。でも、全体が大体一八%ぐらい増えているんですかね。その中で、多摩南部地区は、保護上重要な植物種が三割近く、二九%ぐらい増えているというのは、つまりは、この地域の植物種の保全が、やはりレッドリストを見ても重要な課題になってきているということをうかがわせるデータだといえると思います。
 多摩南部地区で最大の中心地は、やはり高尾山で、高尾山限定の固有種も何十種もあるという非常に特別な地域です。昨年まで、私、毎月、高尾山とその周辺の調査に入ってレポートを発信している高尾山の自然をまもる市民の会の方のレポートをいただいて、先日、実際に調査コースの一部も同行させていただきました。
 この中で注目すべきは、三年半前に発生した台風十九号と、その直後の二十一号あたりから、高尾山全体の山の荒廃が非常に急速に進んでいるんじゃないかという現地の調査をしている方々の話です。
 この方々は毎月調査レポートを出しているんですけど、例えば二〇二一年の十一月二十九日のレポートによると、この中で調査に行った三人の方が、林野庁の職員の方に林道の半ばで会って、その話を聞いたところ、ナラ枯れが非常に進んでいると。高尾山のナラ枯れが発見されたのはその前の年、二〇二〇年なんだそうですけど、一年間の間に何と山頂一体で三百六十一本が被害を受けているという林野庁の職員の話だったと。一年間ですよ。要するに、こういった急速な山の荒廃が始まっていることについて、非常に危惧の念を表明しておられました。
 昨年まで毎月、高尾山とその周辺の調査に入っている方々が、高齢化のために昨年の四月二日で最終レポートになって、それ以後は調査に入らなくなったというようなこともレポートで出しています。
 それで、お聞きしたいんですけれども、都としては、高尾山でのナラ枯れの発見やその後の被害本数について、国の林野庁などとも連絡を取り合っていると思いますが、どの程度のものというふうに把握しておられるでしょうか。

○和田自然環境部長 高尾山のナラ枯れについては、令和二年十月に東京都レンジャーが被害を確認しております。それ以降、レンジャーが登山道周辺を巡回する際、利用者に危険がないかを定期的に点検し、枯れ枝の除去等を行い、安全確保を図っております。
 さらに、令和四年十月に高尾山で都が管理する登山道やベンチ周辺の場所を対象に、ナラ枯れ被害木の一斉調査を行い、百十三本を確認しております。

○曽根委員 東京都が都の管理している自然公園としての高尾山の山道、登山道などの周辺や、また、ベンチの周辺などのナラ枯れ本数を確認して調べているということは重要だと思いますが、高尾山全体での数、被害の状況が必ずしも全体として情報が共有されているのかどうかということなんですね。
 その調査活動に取り組んでいる方は、例えば東京都の高尾山のビジターセンターなどでナラ枯れ被害の状況を広報してほしいという意見を述べていました。私もビジターセンターはそのとき寄れなかったんですが、実際には、都としてどのような取組をしているのか伺います。

○和田自然環境部長 高尾山でのナラ枯れにつきましては、東京都レンジャーが被害を確認した令和二年十月に被害の状況をツイッターで発信しております。
 その後もレンジャーが高尾山登山道周辺を巡回する際に危険がないかを調査し、その状況やナラ枯れの原因などについて、高尾ビジターセンターやホームページで広報を行い、利用者に広く周知しております。

○曽根委員 高尾山の山林というのは、多くが国有林で、その中に、薬王院などの所有する民間の土地が混在しているという話でしたが、都が自ら管理している登山道などのナラ枯れの状況を調査し広報しているということは重要だと思いますが、同時に林野庁が発見したのは二〇二〇年のことで、どちらの情報も一致していますが、その一年後に山頂付近で三百六十本ものナラ枯れを確認しているように、急速に広がっているんじゃないかと。
 この背景には、気候変動による気温上昇や近年の降水量の減少、そして私は高尾山の中腹を貫いている圏央道の高尾山トンネルの工事の際に、急激に地下水の水位が下がったまま回復していないという、この変化もあるんではないかと疑っておりますが、また、先日、登山道を歩いて気がついたのは、三年半前の台風十九号による倒木が多数見られて、ほとんどは沢などに倒れ込んだままになっているということです。その倒木の周辺のまだ倒れていない木にも、見ると、幹にサルノコシカケなどのキノコが生え出していまして、こういう木はもう枯れ始めているということだという証拠だということでした。
 都は、自ら調べるだけではなく、国の林野庁や今活動している市民団体の皆さんなどと連携し合って、山全体のナラ枯れをリアルに把握してほしいということも申し上げておきたいと思います。
 それから、昨年、事務事業質疑でもちょっとお聞きしましたが、高尾山全体で、滝やそれから湧き水などがどんどん枯れてきているという現象が起きているという問題も取り上げました。
 先日、現場で自然をまもる会の方に同行して、以前も紹介しました稲荷祠、琵琶滝坂そして妙音谷と、この三か所について湧水の様子を見てまいりました。琵琶滝坂というのは、琵琶滝そのものは水は流れているんですが、ここは立入禁止のために水がくめないので、その外側の崖地に流れている湧水をくんで測定しているというのが琵琶滝坂だそうです。
 以前は少量ながら一分間に二、三リットルほどの水が流れ出ていたそうですが、先日も雨の翌日だったんですけど、いずれの箇所も水は出ていませんでした。
 東京都は、トンネル開通後の事後アセスメントを行って以後、高尾山のこれらの地下水や湧水の調査は、その後はしていないんじゃないでしょうか。いかがですか。

○和田自然環境部長 都は、区市町村と連携して、湧水の状況について把握を行っております。
 八王子市内には、現時点で高尾山周辺の民家も含めて七十八か所の湧水がございます。これらの湧水につきまして、市は、確認調査を行っており、都は、その報告を受けております。
 また、都も八王子市内五か所の湧水につきまして、豊水期と渇水期における湧水量や水質などについて実態調査を行い、湧水の状況把握を行っております。

○曽根委員 地元八王子市など自治体と連携して湧水の状況を調べるとおっしゃいましたが、この中で都が直接調べている八王子の湧水調査には、高尾山の湧水は含まれていないということをお聞きしました。
 まず、都が直接、高尾山の登山道周辺などの湧水を定期的に調べ、その結果、本当に水量が下がっていることが確認されれば、国に対して水がれ対策を求めることが可能だし、また、その必要性が明確になるんではないかと考えます。
 このまま手をこまねいていると、生物多様性、とりわけ都内の植物種の約半数の植物種が存在し、その多様な植物が育っているからこそ、野生の小動物にも住みよい環境となっている高尾の自然環境が急速に後退していくことを私は大変危惧しております。
 国と、それから圏央道トンネルを通したNEXCOなどは、高尾山トンネルの工事中には、私、現場を見てまいりましたが、高尾山全体に本当にきめ細かく水やりパイプを張りめぐらして、当時工事中ですけれども、水がれを防止していた、そういう対策を取っていました。
 今、具体的に対策を取らないと山の荒廃がどんどん進んでしまうんじゃないかとこの会の方もおっしゃっていたんですが、高齢化のために調査ももう一年近く入っていないそうなので、そうしたことを都として、公がきちんとこの自然の貴重な宝庫を守るために、具体的対策を国と連携して直ちに取り組むよう求めて、私の質問を終わります。

○渋谷委員 それでは、私からは、デジタルを活用した自然環境情報の発信と収集についてを伺います。
 私は、多摩地区の選出で、都心よりも緑の多い地域に住んでいますが、それでも地域の住民の方々が自然に触れ合う機会はあまり多くないと感じています。都が改定を予定している東京都生物多様性地域戦略では、都民や企業など様々な主体と共に、生物多様性の保全に向けた取組を進めていこうとしています。
 そのためには、これまで自然に触れ合ってこなかった人々に多様な東京の自然を理解し、親しみを感じてもらうことが重要です。
 現在は、様々なデジタル技術が開発され、多くの分野で都民が利用しています。自然環境についても、こうしたデジタル技術を活用することで自然への理解を深めるきっかけとすることができます。
 都は、デジタルを活用した自然環境情報の発信の取組を行っています。その取組についてを伺います。

○小林生物多様性担当部長制度調整担当部長兼務 多くの都民に自然環境について理解を深めてもらうためには、デジタル技術を活用した情報発信が重要でございます。デジタル技術を活用し、ふだん目にすることのない生き物や植物にも触れることで、豊かな自然についての理解を進めることができます。
 今年度、高度な映像技術を活用し、子供たちが里山の水田でカエルを見つけたり、市街地の公園でオオタカを観察したりすることができる体験型コンテンツを制作いたしました。
 このコンテンツは、ホームページで広く公開し、スマートフォンなどで閲覧できるようにするとともに、イベントを開催し、多くの都民に利用してもらうことができました。
 イベントに来場した子供たちからは、現地に行ってみたいと思ったや、東京が自然豊かであることに驚いたなどの声があり、都民が自然について理解を深めるきっかけとなったと考えております。

○渋谷委員 今年度、制作したコンテンツが多くの子供たちに好評であったことが分かりました。
 こうした、子供たちにも分かりやすいデジタルコンテンツの制作は重要ですが、都民の中には、自然にほとんど関心のない人たちもいます。こうした人たちにも自然環境に目を向けてもらうきっかけとなるコンテンツが必要です。今後、どのように取り組んでいくのか見解を伺います。

○小林生物多様性担当部長制度調整担当部長兼務 多様なデジタル技術を活用し、様々な都民に自然環境情報の発信を継続していくことは重要でございます。
 都民の中には、ふだん自然に触れ合う機会が少ない方々もいらっしゃることから、そうした都民も含め、その関心を高めていく必要がございます。
 来年度は、空間に浮かび上がる3Dホログラム映像で、多くの都民が自然に興味を持つコンテンツを制作し、駅の周辺などにおいて公開いたします。
 こうした先進的なデジタル技術を駆使したコンテンツを活用しまして、自然へ関心を持つ都民の裾野を広げてまいります。

○渋谷委員 デジタルの活用は、情報の発信にとどまらず、情報の収集にも効果的だと考えます。
 東京は、生物多様性に関する基礎情報として最も重要なものの一つである野生生物目録が未整備であり、例えば植物に関する目録を策定していないのは、東京を含め全国の都道府県で三つしかないと担当者から聞いています。
 野生生物目録は、東京にある野生動植物の全体像を知る上で非常に重要なものです。現在では、一人一人のツイッターの情報を集約して、人々の位置情報や行動などをビジネスに活用していく動きがあります。都においても、こうしたデジタルデータを収集することで、行政課題の効果的な解決につなげていくことが有効と考えます。
 例えば、自然環境の分野でいえば、今述べた野生生物目録の作成にもデジタルデータを活用していくことができるのではないでしょうか。
 都の来年度の新規事業では、DXを活用した都民参加型自然情報収集蓄積プロジェクトを実施するとしています。具体的な取組内容についてを伺います。

○小林生物多様性担当部長制度調整担当部長兼務 自然環境情報を広く収集、蓄積していくためには、デジタル技術を活用することが有効でございます。
 本事業は、都民が身近なところで見つけた生き物をスマートフォンで撮影し、その名前をAIが判定するなど、最新のデジタル技術を活用した調査アプリを用いて収集した生き物の情報などを蓄積することで、東京の野生動植物の情報を整理した目録を策定する取組でございます。
 令和五年度については、東京都版の生き物の調査アプリの企画開発を進め、試行を重ねながら運用を始めるとともに、目録の策定に向けた専門家との連携体制の検討などを進めてまいります。
 今後、アプリを活用した調査を本格的に実施するなど、本プロジェクトを進めることで、自然環境情報を収集、蓄積し、生物多様性に関する都民の理解を深めてまいります。

○渋谷委員 東京都の取組が分かりました。こうした取組は、ほかの自治体でも行われていると聞いています。そのような先行している自治体の取組は、都の取組の参考にもなると考えますので、調査手法などの具体的な事例について情報収集を行い、このプロジェクトに生かしていくべきだと考えますが、見解を伺います。

○小林生物多様性担当部長制度調整担当部長兼務 生き物の調査アプリを活用した住民参加型の調査について、先行自治体の取組は、都としても有効でございます。
 例えば大阪府では、外来種への住民の関心を高めるため、外来種の分布に関する調査を実施し、その後の対策に活用しております。
 また、足立区では、多くのデータを収集するため、春や夏など、生き物が活動する期間に、区内の学校にチラシを配布するなど、調査への参加を集中的に呼びかけ、調査を実施しております。
 今後、こうした調査手法なども参考にしながら、より多くの生き物情報を効果的に収集できる仕組みを構築してまいります。

○渋谷委員 このプロジェクトによって集めた情報には、希少種の情報も含まれていると考えます。
 東京都レッドリスト二〇二〇年版では、前回のリストよりも、掲載種の数が二百六十六種、約一七%増加しており、近年まで普通に見られた種の絶滅リスクが高まっている危機的状況です。
 希少種の保全を進めていくためには、これらを取り巻いている都内の動物や植物の現状をしっかりと把握することが重要です。
 このプロジェクトで集めた情報も生かして、希少種保全の取組を行っていくべきと考えますが、都の見解を伺います。

○小林生物多様性担当部長制度調整担当部長兼務 希少な動植物を保全するためには、野生動植物全般の状況を正確に把握した上で対策を行うことが重要でございます。
 都はこれまで、レッドリストを定期的に改定し、野生動植物の個々の種の絶滅リスクを評価するとともに、希少な野生動植物等の啓発を行ってまいりました。
 また、来年度から実施するDXを活用した都民参加型自然情報収集蓄積プロジェクトを通じて、東京全般の野生動植物の情報を把握することにより、効率的、効果的に希少種保全対策を進めることができます。
 その一方で、希少種の情報は、生育地が特定されると盗掘等のリスクがあり、取扱いに注意が必要となります。
 そのため、今後、本プロジェクトにより収集した生き物デジタル情報につきまして、情報管理に留意しつつ、区市町村や自然保護団体などとも共有いたしまして、都内全域での希少種保全の取組を一層推進してまいります。

○渋谷委員 答弁ありがとうございます。
 都では、今後、自然環境デジタルミュージアム構想の検討を進めていくと聞いています。これまで質疑をしてきたような都民に向けた分かりやすい情報発信や、都民が参加する情報収集についても、この中でぜひ検討していただくよう要望いたします。
 そして、今後、デジタル技術を一層活用しまして、絶滅危惧種の保全、野生動植物が絶滅することのないように、都の一層の取組を求めまして、質問を終わります。ありがとうございました。

○里吉委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○里吉委員長 異議なしと認め、予算案及び付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で環境局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後六時四十三分散会

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