環境・建設委員会速記録第一号

令和五年二月十日(金曜日)
第九委員会室
午後一時開議
出席委員 十三名
委員長里吉 ゆみ君
副委員長須山たかし君
副委員長曽根はじめ君
理事柴崎 幹男君
理事成清梨沙子君
理事小磯 善彦君
漢人あきこ君
山田ひろし君
原  純子君
渋谷のぶゆき君
伊藤こういち君
こいそ 明君
たきぐち学君

欠席委員 なし

出席説明員
環境局局長栗岡 祥一君
次長笹沼 正一君
理事宮澤 浩司君
総務部長節電行動連携担当部長兼務小川 謙司君
環境政策担当部長節電行動連携担当部長兼務上田 貴之君
企画担当部長三浦亜希子君
政策調整担当部長藤本  誠君
気候変動対策部長荒田 有紀君
率先行動担当部長中村 圭一君
建築物担当部長木村 真弘君
制度調整担当部長関   威君
環境改善部長鈴木 研二君
環境改善技術担当部長節電行動推進担当部長兼務宗野 喜志君
自然環境部長和田 慎一君
生物多様性担当部長制度調整担当部長兼務小林 洋行君
資源循環推進部長志村 公久君
資源循環技術担当部長風祭 英人君
資源循環計画担当部長村上  章君
建設局東京都技監建設局長兼務中島 高志君
次長副島  建君
道路監花井 徹夫君
総務部長浅野 直樹君
用地部長澤井 晴美君
道路管理部長荒井 芳則君
道路建設部長湯川 雅史君
三環状道路整備推進部長手塚 寛之君
公園緑地部長小谷  健君
河川部長齊藤 俊之君
企画担当部長建設DX推進・危機管理強化担当部長兼務松島  進君
総合調整担当部長東山 正行君
公園計画担当部長根来 千秋君

本日の会議に付した事件
環境局関係
第一回定例会提出予定案件について(説明)
・令和五年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為 環境局所管分
・令和四年度東京都一般会計補正予算(第七号)中、歳出、繰越明許費 環境局所管分
・東京都新築建築物再生可能エネルギー設備設置等推進基金条例
・東京都省エネルギーの推進及びエネルギーの安定的な供給の確保に関する条例の一部を改正する条例
・東京都自然公園条例の一部を改正する条例
請願陳情の審査
(1)四第一三号の二 神宮外苑地区の再開発に関する請願
(2)四第一〇七号 新築住宅の太陽光パネル設置義務の条例化に関する陳情
建設局関係
第一回定例会提出予定案件について(説明)
・令和五年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為 建設局所管分
・令和四年度東京都一般会計補正予算(第七号)中、歳出 建設局所管分
・東京都立公園条例の一部を改正する条例
・東京都霊園条例の一部を改正する条例
・東京都無電柱化推進基金条例を廃止する条例
・谷沢川分水路放流施設工事請負契約
・箱根ケ崎陸橋(四)鋼けた製作・架設工事その二請負契約
・ 稲城多摩トンネル(仮称)(四)擁壁築造工事請負契約
・古川整備工事(その二十四)請負契約
・令和五年度の連続立体交差事業の実施に伴う費用の関係特別区・市の負担について
・令和四年度の連続立体交差事業の実施に伴う費用の関係市の負担の変更について
陳情の審査
(1)四第一一六号 葛西臨海水族園の建て替えに関する陳情
(2)四第一一七号 葛西臨海水族園(仮称)整備等事業及び葛西臨海水族園既存施設の利活用に関する陳情

○里吉委員長 ただいまから環境・建設委員会を開会いたします。
 初めに、会期中の委員会日程について申し上げます。
 お手元配布の日程のとおり、理事会において申し合わせましたので、ご了承願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、環境局及び建設局関係の第一回定例会に提出を予定されております案件の説明聴取並びに請願陳情の審査を行います。
 なお、提出予定案件につきましては、本日は説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は会期中の委員会で行いますので、ご了承願います。
 これより環境局関係に入ります。
 初めに、第一回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。

○栗岡環境局長 令和五年第一回定例会に提出を予定しております環境局関係の案件につきまして概要をご説明申し上げます。
 お手元の資料1、令和五年第一回都議会定例会提出予定案件の概要をご覧ください。
 今回提出を予定しております案件は、予算案二件及び条例案三件でございます。
 表紙をおめくりいただき、一ページをお開き願います。予算案の概要につきましてご説明申し上げます。
 まず、1、令和五年度一般会計当初予算(環境局所管分)でございます。
 (1)、一般会計当初予算計上額でございます。
 歳出予算は千五百四十八億六千百万円を計上してございます。歳入予算は六百十八億三千五百十万八千円を見込んでおりまして、差引一般財源充当額は九百三十億二千五百八十九万二千円となっております。
 歳出予算は、令和四年度当初予算と対比いたしまして、七百三十九億一千百七万四千円の増、率にして九一・三%の増となってございます。
 次に(2)、令和五年度予算案の基本的な考え方でございます。
 東京都の令和五年度予算は、明るい未来の東京の実現に向け、将来にわたって成長と成熟が両立した光り輝く都市へと確実に進化し続ける予算と位置づけております。
 この中で、環境局の令和五年度予算は、こうした方針や昨年九月に策定いたしました東京都環境基本計画などを踏まえまして、エネルギーの脱炭素化と持続可能な資源利用、自然と共生する豊かな社会の実現、良質な都市環境の実現などに資する各種施策を、都民、事業者のご協力の下、着実かつスピーディーに展開していくために必要な経費を計上しております。
 二ページをご覧ください。(3)、主要事業でございます。
 令和五年度予算案の主な事業を区分ごとに申し上げます。
 ア、エネルギーの脱炭素化と持続可能な資源利用によるゼロエミッションの実現でございます。
 まず、(ア)、再生可能エネルギーの基幹エネルギー化に向けた取組として、建築物環境報告書制度推進事業などでございます。
 次に、(イ)、ゼロエミッションビルディングの拡大に向けた取組としまして、家庭のゼロエミッション行動推進事業などでございます。
 次に、(ウ)、ゼロエミッションモビリティの推進に向けた取組としまして、ZEV普及促進事業などでございます。
 三ページをお開き願います。
 (エ)、持続可能な資源利用の実現に向けた取組として、太陽光パネル高度循環利用の推進などでございます。
 次に、(オ)、フロン排出ゼロに向けた取組としまして、フロン使用時漏えいゼロプランなどでございます。
 次に、(カ)、気候変動適応策の推進としまして、ヒートアイランド対策暑熱対応でございます。
 次に、(キ)、都自らの率先行動を大胆に加速としまして、都有施設(事業所等)における太陽光発電設備等設置加速化事業などでございます。
 イ、生物多様性の恵みを受け続けられる、自然と共生する豊かな社会の実現でございまます。
 まず、(ア)、生物多様性の保全と回復を進め、東京の豊かな自然を後世につなぐに向けた取組として、外来種の積極的防除の推進などでございます。
 次に、四ページをお開きください。(イ)、生物多様性の恵みを持続的に利用し、自然の機能を都民生活の向上にいかすに向けた取組といたしまして、Tokyo-NbSアクション推進事業などでございます。
 次に、(ウ)、生物多様性の価値を認識し、都内だけでなく地球規模の課題にも対応した行動にかえるに向けた取組といたしまして、自然環境デジタルミュージアム構想でございます。
 ウ、都民の安全・健康が確保された、より良質な都市環境の実現でございます。
 (ア)、大気環境等の更なる向上に向けた取組としまして、大気汚染防止法(アスベスト対策)改正への対応などでございます。
 次に、(イ)、化学物質等によるリスクの低減に向けた取組として、化学物質適正管理制度におけるDX導入事業などでございます。
 次に、(ウ)、廃棄物の適正処理の一層の促進に向けた取組としまして、ポリ塩化ビフェニル(PCB)廃棄物対策でございます。
 最後に、エ、政策の実効性を高める横断的・総合的施策に向けた取組としまして、区市町村との連携による地域環境力活性化事業でございます。
 以上、令和五年度一般会計当初予算の概要につきましてご説明申し上げました。
 五ページをお開き願います。2、令和四年度一般会計補正予算(環境局所管分)でございます。
 新築建築物に係る再生可能エネルギー設備設置等の推進に要する資金に充てるため、新たに基金を創設するとともに、繰入金充当分の調整等について予算上の対応を行うものでございます。
 (1)、一般会計補正予算計上額でございますが、歳入予算につきまして、百二億六千七百十万八千円を減額、歳出予算について一千五百億八千七百七万一千円を増額、繰越明許費について二千九百十九万九千円を増額して計上しております。
 (2)、補正事項でございますが、歳入予算につきまして、繰入金充当額を更正するため、百二億六千七百十万八千円の減額補正を行うものでございます。
 次に、歳出予算につきまして、給与費について八千七百七万一千円、地球環境エネルギー費について一千五百億円、合計一千五百億八千七百七万一千円の増額補正を行うものでございます。
 最後に、繰越明許費につきまして、自然公園整備について二千九百十九万九千円の増額補正を行うものでございます。
 以上、令和四年度一般会計補正予算の概要についてご説明申し上げました。
 六ページをご覧ください。続きまして、条例案の概要につきましてご説明申し上げます。
 1、東京都新築建築物再生可能エネルギー設備設置等推進基金条例についてでございます。
 脱炭素社会の実現に向け、新築建築物に係る再生可能エネルギー設備設置等の推進に要する資金に充てるため、東京都新築建築物再生可能エネルギー設備設置等推進基金を設置するものでございます。
 2、東京都省エネルギーの推進及びエネルギーの安定的な供給の確保に関する条例の一部を改正する条例についてでございます。
 安定的なエネルギー需給構造の確立を図るためのエネルギーの使用の合理化等に関する法律等の一部を改正する法律の施行によるエネルギーの使用の合理化等に関する法律の改正に伴いまして、規定を整備するものでございます。
 3、東京都自然公園条例の一部を改正する条例についてでございます。
 使用料の上限額を改定するものでございます。
 以上、今定例会に提出を予定しております案件の概要につきましてご説明申し上げました。
 詳細につきましては、引き続き総務部長からご説明申し上げます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○小川総務部長節電行動連携担当部長兼務 それでは、令和五年第一回定例会提出予定案件の詳細につきましてご説明申し上げます。
 初めに、お手元資料2をご覧ください。令和五年度一般会計当初予算事業別概要でございます。
 なお、金額につきましては、原則として百万円未満を四捨五入してご説明させていただきます。
 表紙から二枚おめくりください。Ⅰ、当初予算総括表でございます。
 次のページ、一ページをお開き願います。まず、1、歳入予算でございます。
 使用料及び手数料から都債まで、合わせまして六百十八億三千五百万円を計上しており、前年度当初予算に比べ三百七十九億六千百万円の増となっております。
 二ページをお開き願います。2、歳出予算でございます。
 環境局合計で一千五百四十八億六千百万円を計上しており、前年度当初予算に比べ七百三十九億一千百万円の増となっております。
 3、一般財源充当額は九百三十億二千六百万円で、前年度当初予算に比べ三百五十九億五千百万円の増となっております。
 三ページをご覧ください。4、繰越明許費でございます。
 自然公園整備及び小笠原公園整備におきまして、年度内に支出が終わらない見込みのあるものにつきまして、合計で一億四千六百万円を計上しております。
 四ページをお開き願います。五ページにかけまして、5、債務負担行為の一覧となっております。
 債務負担が発生する都有施設への再生可能エネルギー発電設備等設置工事などに係る経費として、合計で百二億九百万円を計上しております。
 六ページをお開き願います。予算の性質別内訳をお示ししております。
 続きまして、Ⅱ、当初予算事業別概要につきましてご説明申し上げます。
 八ページをお開き願います。環境局の予算科目は、環境管理費、環境保全費、廃棄物費の三つの項から成っております。
 八ページは一つ目の項の環境管理費でございまして、歳出計の欄にありますように三十六億九千九百万円を計上しております。
 九ページをお開き願います。一一ページにかけまして、環境管理費を構成する三つの目の説明となっております。
 まず、九ページは管理費でございまして、環境管理事務に従事する職員の給料、諸手当及び管理事務等に要する経費として十八億五千九百万円を計上しております。
 一〇ページをご覧ください。環境政策費でございまして、環境政策に要する経費として九億八千九百万円を計上しております。
 一一ページをお開き願います。環境科学費でございまして、環境に関する調査研究等に要する経費として八億五千百万円を計上しております。
 一二ページをご覧ください。二つ目の項の環境保全費でございまして、一千四百十億二千二百万円を計上しております。
 一三ページをお開き願います。一六ページにかけまして、環境保全費を構成する四つの目の説明となっております。
 まず、一三ページは管理費でございまして、環境保全事業に従事する職員の給料及び諸手当に要する経費として二十億二千万円を計上しております。
 一四ページをご覧ください。気候変動対策費でございまして、気候変動対策に要する経費として一千二百五十六億二百万円を計上しております。
 一五ページをお開き願います。環境改善費でございまして、環境改善に要する経費として三十三億九千六百万円を計上しております。
 一六ページをご覧ください。自然環境費でございまして、自然環境対策に要する経費として百億四百万円を計上しております。
 一七ページをお開き願います。三つ目の項の廃棄物費でございまして、百一億四千万円を計上しております。
 一八ページをご覧ください。二〇ページにかけまして、廃棄物費を構成する三つの目の説明となっております。
 まず、一八ページは管理費でございまして、廃棄物対策事業に従事する職員の給料、諸手当及び管理事務に要する経費として十億二千七百万円を計上しております。
 一九ページをお開き願います。廃棄物対策費でございまして、廃棄物対策に要する経費として七十六億一千万円を計上しております。
 二〇ページをご覧ください。施設整備費でございまして、海面処分場の建設整備に要する経費として十五億三百万円を計上しております。
 以上、令和五年度一般会計予算事業別概要につきましてご説明申し上げました。
 続きまして、お手元の資料3をご覧ください。令和四年度一般会計補正予算説明書でございます。
 表紙をおめくりいただき、一ページをご覧ください。1、歳入予算総括表でございます。
 歳入予算を補正する款は繰入金でございまして、環境局全体で百二億六千七百万円を減額補正するものでございます。
 二ページをお開き願います。歳入予算の補正の内訳についてご説明申し上げます。
 項は基金繰入金、目はゼロエミッション東京推進基金繰入金でございます。
 内容につきましては、右側の説明欄にございますとおり、ゼロエミッション東京推進基金からの繰入金について、百二億六千七百万円を減額補正するものでございます。
 三ページをご覧ください。2、歳出予算総括表でございます。
 歳出予算を補正する款は環境費でございまして、一千五百億八千七百万円を増額補正するものでございます。
 四ページをお開き願います。六ページにかけまして、歳出予算の補正の内訳についてご説明申し上げます。
 項は環境管理費、目は環境科学費でございます。
 内容につきましては、右側の説明欄にございますとおり、環境科学費の財源を更正するものでございます。
 五ページをご覧ください。項は環境保全費、目は管理費及び地球環境エネルギー費でございます。
 内容につきましては、右側の説明欄にございますとおり、給与費及び新築建築物再生可能エネルギー設備設置等推進基金のための経費といたしまして、一千五百億八千七百万円を増額補正し、また、地球環境エネルギー費の財源を更正するものでございます。
 六ページをお開き願います。
 項は廃棄物費、目は廃棄物対策費でございます。
 内容につきましては、右側の説明欄にございますとおり、廃棄物対策の財源を更正するものでございます。
 七ページをご覧ください。3、繰越明許費でございます。
 神津島多幸湾ファミリーキャンプ場に関する工事について、工事延伸の必要が生じており、あらかじめ設定していた繰越明許費の枠を超えるため、二千九百万円を増額補正するものでございます。
 以上、令和四年度一般会計補正予算案につきましてご説明申し上げました。
 続きまして、お手元の資料4をご覧ください。東京都新築建築物再生可能エネルギー設備設置等推進基金条例につきましてご説明申し上げます。
 表紙をおめくりいただき、一ページをご覧ください。一、制定理由でございますが、脱炭素社会の実現に向け、新築建築物に係る再生可能エネルギー設備設置等の推進に要する資金に充てるため、東京都新築建築物再生可能エネルギー設備設置等推進基金を設置する必要があるためでございます。
 二、制定の内容でございますが、基金の設置のほか、積立額等基金の取扱いに関する事項について規定するものでございます。
 二ページをお開き願います。三、条例の施行日でございますが、公布日としております。
 三ページ及び四ページは本条例でございます。
 続きまして、資料5をご覧ください。東京都省エネルギーの推進及びエネルギーの安定的な供給の確保に関する条例の一部を改正する条例につきましてご説明申し上げます。
 表紙をおめくりいただき、一ページをご覧ください。一、改正理由でございますが、安定的なエネルギー需給構造の確立を図るためのエネルギーの使用の合理化等に関する法律等の一部を改正する法律の施行によるエネルギーの使用の合理化等に関する法律の改正に伴い、規定を整備する必要があるためでございます。
 二、改正の内容でございますが、第二条第一号中、エネルギーの使用の合理化等に関する法律をエネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転換等に関する法律に改正するものでございます。
 三、条例の施行日でございますが、令和五年四月一日としております。
 二ページから三ページは本条例、四ページは新旧対照表でございます。
 続きまして、資料6をご覧ください。東京都自然公園条例の一部を改正する条例につきましてご説明申し上げます。
 表紙をおめくりいただき、一ページをご覧ください。一、改正理由でございますが、使用料の上限額を改定する必要があるためでございます。
 二、改正の内容でございますが、条例別表第二に規定する自然公園施設の使用料の上限を適正額に改めるものでございます。
 三、条例の施行日でございますが、令和五年四月一日としております。
 二ページは本条例、三ページは新旧対照表でございます。
 以上でご説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○里吉委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。

○原委員 資料要求をお願いいたします。
 一、都内の温室効果ガスの年間排出量の推移。
 二、都内の二酸化炭素排出量の部門別推移。
 三、都内のエネルギー消費量の部門別推移。
 四、再生可能エネルギーによる都内電力利用割合、過去五年分をお願いします。
 五、各再生可能エネルギーによる設備設置に関わる補助制度と額の推移、五年分お願いします。
 六、二酸化窒素及び浮遊粒子状物質濃度の全国上位十局の推移。
 七、昨年度の微小粒子状物質、PM二・五濃度の測定結果。
 八、保全地域に関わる指定面積、公有化面積、公有化予算及び公有化決算額、過去十年分お願いします。
 九、保全地域における希少種の状況。
 十、緑被率、みどり率の推移。
 十一、自動車交通量の推移、過去十年分お願いします。
 十二、建設汚泥の発生量、過去五年分と大口の排出現場。
 十三、日本からの廃プラスチック輸出量の推移、国別、地域別にお願いします。
 十四、区市町村で回収しているプラスチック使用製品、つまりプラスチック製容器包装、それから製品プラスチックのそれぞれの量とリサイクルの量とその合計、また、その他、直近の結果を区市町村別にお願いします。
 以上、資料を要求いたします。

○漢人委員 三点お願いします。
 東京ゼロエミ住宅導入促進事業の実績。
 既存住宅の断熱補助の実績。
 そして、東京都区市町村の連携による地域環境力活性化事業における再生可能エネルギーの導入拡大に係る事業の補助実績。
 以上、よろしくお願いします。

○里吉委員長 ほかに資料要求ありますでしょうか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○里吉委員長 それでは、ただいま原委員、漢人委員から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○里吉委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出願います。

○里吉委員長 次に、請願陳情の審査を行います。
 初めに、請願四第一三号の二を議題といたします。理事者の説明を求めます。

○藤本政策調整担当部長 それでは、お手元の資料7、請願・陳情審査説明表の表紙をおめくりください。右側の一ページをご覧ください。
 整理番号1、請願番号四第一三号の二、神宮外苑地区の再開発に関する請願につきましてご説明申し上げます。
 請願者は、渋谷区の神宮外苑の森を守る会代表、楠本淳子さん外千七百九十四名でございます。
 請願の趣旨は、都において、神宮外苑地区の再開発に関して、次のことを実現していただきたい。
 4、東京都環境影響評価審議会に対して、次のことを求める。
 (1)、事業者に対し、樹木医の立会いの下、神宮外苑に生育する全ての樹木一本一本について、伐採を避けられないもの、移植予定のもの、伐採や移植のないものを明示したリストを作成させ、そのリストを地域住民、都民をはじめ公に公開すること。
 (2)、当該リストに基づき、環境アセスメントを見直すことというものでございます。
 現在の状況でございますが、1、既存樹木について、令和三年七月に事業者から提出された環境影響評価書案では、伐採樹木は九百七十一本でございました。
 審議会の指摘を受け、令和四年八月十六日に開催された東京都環境影響評価審議会部会において、事業者は毎木調査や詳細調査等の結果に基づき、伐採対象樹木を移植に切り替えるなどの精査を行うことで、伐採本数を五百五十六本に見直しました。
 続きまして、2、毎木調査とは、神宮外苑地区の既存樹木の一本一本を対象に、樹木の状況及び本事業実施に伴う保存の適否や移植の可否等について、平成三十年十二月から平成三十一年一月、同年四月から令和元年五月にかけて調査を行ったものでございます。事業者からは、令和四年八月十六日の審議会部会に調査結果が提出されております。
 続きまして、3、詳細調査とは、樹木医が総合的に判断し、令和四年四月から五月に毎木調査で伐採としていた樹木を移植に見直すために行った調査でございます。
 二ページをお開き願います。続きまして、4、令和四年八月十八日の審議会総会では、事業者が示した調査、予測、評価はおおむね技術指針に従って行われたものと認められるとともに、既存樹木に関して審議会の答申では、既存樹木の健全度や移植の可能性に関する詳細調査結果をデータと併せて説明することが指摘されました。
 続きまして、5、令和四年十月二十八日、事業者は詳細調査の結果を自ら公表しております。
 続きまして、6、令和四年十二月二十六日、環境影響評価審議会総会に毎木調査と詳細調査の結果を盛り込んだ環境影響評価書素案が事業者から提出されました。審議会では答申で指摘された内容が評価書素案に盛り込まれていることの確認が行われました。
 最後に、7、その後、環境影響評価書が都に提出され、令和五年一月二十日に環境影響評価書の公示を行いました。これまで条例にのっとり厳正に手続を行っており、評価書の公示により事業段階環境影響評価手続が終了しております。
 説明は以上でございます。よろしくご審査のほどお願い申し上げます。

○里吉委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○伊藤委員 それでは、私の方からは、請願番号四第一三号の二、神宮外苑地区の再開発に関する請願について、確認を含めて四点伺いたいと思います。
 環境アセスメントでは、事業が環境に与える影響を事業者自らが調査、予測及び評価して、専門家が審議会でその内容を審議するわけであります。
 まず、調査、予測及び評価を盛り込んだ環境影響評価書について、これまで環境影響評価審議会でどのように審議が行われてきたのか、改めて審議の経緯と都に提出後の手続について、都の見解を求めたいと思います。

○藤本政策調整担当部長 環境影響評価書案について、令和三年八月から審議会で審議が行われてきました。
 審議会では八回の審議が行われ、審議会が専門的立場から十分議論、検討した上で、令和四年八月十八日の審議会で評価書案に対する答申が行われました。
 通例であれば、事業者は答申を踏まえて評価書を作成し、都に提出することになっておりますが、本事業の評価書などについては、審議会でフォローアップをすることになっております。
 事業者は、答申を踏まえ作成した評価書の素案を令和四年十二月二十六日に開催した審議会で説明し、答申の反映状況の確認が審議会で行われました。この際、審議会から評価書の素案に対する助言が出され、事業者はこの助言を踏まえて素案にさらなる検討を加え、評価書を令和五年一月十日に都へ提出しています。
 都においては、提出後は条例上遅滞なく手続を行うことなどが定められておりますので、一月二十日に公示を行っております。

○伊藤委員 環境影響評価書について、ほかの案件よりも審議に審議を重ねて、さらに答申の内容が反映されているかを審議会で確認をするなど、本件については、とりわけ丁寧に審議が行われ、既に一月二十日に公示されたということでございました。
 次に、請願の現在の状況について確認をしたいと思います。
 請願の一つ目についてでありますけれども、この地区の樹木一本一本について、伐採、移植、存置を明示したリストを公開することを求めておりますけれども、このリストの公表についてはどうなっているのか確認をしたいと思います。都の説明を求めたいと思います。

○藤本政策調整担当部長 樹木の一本一本ごとの状況や本事業実施に伴う保存の適否や移植の可否などを記載した毎木調査や詳細調査の結果は、環境影響評価書に盛り込んでおります。
 環境影響評価書は一月二十日に公表されておりますので、保存の適否や移植の可否などをホームページで確認することが可能となっております。

○伊藤委員 既に環境影響評価書に掲載されて公表されているということでございました。
 二つ目についてでありますけれども、請願の二つ目の願いでありますけれども、環境アセスメントを見直すということを求めておられます。
 環境アセスメントの手続は条例で定められておりますので、条例上、環境アセスを見直す場合の要件について見解を求めたいと思います。

○藤本政策調整担当部長 条例上、アセス手続の再実施をする場合についてですが、事業の目的や内容を変更することが前提になります。
 目的や内容の変更が規則に該当する場合には、事業者は変更届を都に提出しなければならないことになっています。
 都に提出された変更届に対して、変更が環境に著しい影響を及ぼすおそれがあると都が認めるときは、審議会の意見を聞いた上で、アセスの再実施をするように求めることになります。
 今回は、既に樹木のリストも公開されており、目的や内容の変更がありませんので、アセスの再実施には該当しないことになります。

○伊藤委員 アセスの手続の再実施は、事業の目的や内容を変更することが前提ということでございました。
 最後の質問になりますけれども、事業者の作成した環境影響評価書に対して誤りなどを指摘する声があるようであります。
 既に評価書が公示されておりますので、今後どのように対応していくのか都の見解を求めたいと思います。

○藤本政策調整担当部長 評価書は、条例等にのっとり審議会が専門的立場から十分議論、検討した答申や助言を踏まえて作成され、都に提出されております。
 一月三十日の審議会で、事業者は評価書について適切な調査、予測、評価を行っており、内容について誤りや不備がないとの説明を行っています。
 また、審議会では、事業者が今後、誤りなどの点については事実確認をすること、また、評価書に対する公示と事実確認は切り離していくことが確認をされています。
 審議会の場で事実を説明するよう事業者に求めてまいります。

○伊藤委員 本事業については、一部の方々から様々な意見が上がっていることは事実であります。
 事業者のこれまでの情報発信について決して十分とはいえないところもあります。本事業はいよいよ本格的に進んでいくわけで、今後は今まで以上に様々な声に真摯に耳を傾け、都民の共感が得られるよう、詳細な情報を分かりやすく丁寧に発信することを要望いたしまして、質問を終わります。

○曽根委員 私からも、一つの請願についての質疑を行います。
 神宮外苑再開発事業は、外苑の歴史と文化、また、環境と景観が破壊されることに多くの国民が心を痛めております。十万人を大きく超える再開発見直しを求める署名に加えて、最近、秩父宮ラグビー場、神宮球場の建て替え計画の見直しを求める署名運動が始まるなど、計画の抜本的見直しを求める声が日増しに強まり、広がっている状況です。
 しかし、事態は開発の事業施行認可の申請が出されこれに認可が下ろされれば、本格的に工事着工へ大きく近づくことになります。
 事業者は、イチョウの立ち枯れの危険性について、事実を把握しながら評価書案で報告せず、情報隠しを行ったとの疑いや、外部専門家を交えての調査の必要性など、環境影響評価審議会で繰り返し指摘され、対応が求められた点について、なお誠実に対応しているとはいえないと考えます。
 私からは、第一に、イコモス国内委員会が一月二十五日、記者会見を行い、アセス評価書の再審議を求めて知事に要請している点に関連して幾つか質問いたします。
 一月二十九日に日本イコモスから、神宮外苑市街地再開発事業の環境影響評価書について数多くの虚偽の報告、資料の提出が行われており、環境影響評価条例に基づいて、事業者に対し、必要な措置を講ずることを求める知事の勧告を行うよう要請が出されています。この点について、都はどのように対応するのか伺います。

○藤本政策調整担当部長 評価書は、条例にのっとり、審議会が専門的立場から十分議論、検討した答申を踏まえて評価書素案が作成され、審議会でその素案の確認が行われ、さらに助言が出されて、その助言を踏まえて都に提出され、既に一月二十日に公示を行っております。
 審議会では八回の審議が行われ、一月三十日の審議会で、事業者は評価書について適切な調査、予測、評価を行っており、内容については誤りや不備がないと説明をしています。
 審議会では、事業者が今後虚偽などといわれる点については反証すること、評価書に対する公示と反証は切り離していくことが確認をされております。
 事業者に審議会の場で反証するよう求めてまいります。

○曽根委員 審議会では、事業者の反証の機会が与えられておりますが、それとは別に評価書の公示や認可申請、そして今後認可が下りても不思議ではない事態が想定されております。
 ところで、事業者の反証や、その資料などについては、誰が判断するんでしょうか。事業者の報告や提出された資料が虚偽であるかどうかは、誰が判断するんでしょうか。

○藤本政策調整担当部長 本件につきましては、一月三十日の審議会において、審議会から事業者に対して、虚偽などについて反証するよう求めております。

○曽根委員 今のお答えで誰が判断するというお答えはなかったんですが、つまり事業者の反証が虚偽ではないと客観的に証明する場は、今後審議会でもなかなか設定されていないわけです。
 このままでは、評価書の虚偽問題をどう解決するのか、委員からの問題提起にどう答えを出すのか全く不明のまま、知事による施行申請への認可の段階に進んでしまいかねません。
 日本イコモスは知事に対して、アセス問題の解決に必要な措置を講じるよう求める勧告を行うよう求めています。
 環境局の立場でいえば、評価書の虚偽と指摘されている箇所について、批判している委員などの立会いで客観的な樹木の診断を行わせるなど、虚偽問題を明確にする方法はあると思いますけれども、知事がそうした提案を事業者に対してすることはできるんでしょうか。

○藤本政策調整担当部長 環境局の所管する環境アセスメントとは、条例に基づく制度でありまして、事業者が大規模な開発等を実施する際に、あらかじめ事業が環境に与える影響を事業者自らが調査、予測、評価し、専門家が審議会でその内容を審議することなどにより、環境への影響をできるだけ少なくするための制度でございます。
 ご指摘の提案は、条例の規定にはございません。

○曽根委員 今いったのはオーソドックスに事態が進んだ場合の手続であって、このほかに、例えば報告の聴取等とされている第九十条、ここには、知事は、この条例に定めるもののほか、この条例の施行に必要な限度において、事業者に必要な事項の報告または資料の提出を求めることができるという規定があるわけですね。
 もちろん知事ですから、これは認可を最終的に下ろす立場なので、必要な資料や報告を事業者へ求めるのは当然のことだと思います。
 こういう権限が、現に条例にも規定されているわけですので、しかも、そこでもし事業者の反証に対して、実証的にそれがやはり意図的な情報隠し、つまり虚偽であることが明らかにされれば、その次に、知事には第九十一条に基づき、事業者への勧告や事業者名の公表など、新たな行動を起こす責任と権限が生じてまいります。つまり、新たな事態に移る可能性は十分残されているわけです。
 そこで、この虚偽と指摘されている問題のうち、幾つもあるようですけれども、私は一番端的な例として、イチョウ並木のうちの六本のイチョウの活力度に関わる問題は、既に昨年十一月に指摘をされて、事業者は二〇一九年十一月にはこの問題を把握していたとされていますが、環境影響評価書には一切この記載がありません。この点について、都はどのように受け止めておられますか。

○藤本政策調整担当部長 事業者は二〇一八年、平成三十年十二月から二〇一九年、平成三十一年一月、同年四月から五月にかけて毎木調査を行っています。
 ご指摘の六本のイチョウについて、事業者は二〇一九年十一月に落葉が早かったため、施肥などの対応をしており、令和四年の春には、先端から新芽が出て、生育しているとホームページで公表をしています。
 また、事業者は、審議会でも毎木調査の結果は問題ないと説明し、委員からの発言はありませんでした。

○曽根委員 環境影響評価書に記載がなかったけれども、実際はこれが問題となったときに、事業者は、この六本の変化が早いといいますか、葉っぱの落ちるのが早かったというんですからね。
 それで、私もイコモスが出している現場の写真も見させてもらいましたが、確かにほかのイチョウは全部まだ黄色い葉が色づいているのに、その異常といわれた僅かなイチョウだけが全部葉が落ちて、幹と枝、丸裸になっているという写真がありました。
 この事業者がいう施肥の対応をしたことで、評価書案どおり良好な健康状態になったと誰がどう判断したのか、都はこれを正しい判断と確認をしたのか、これで虚偽と指摘した専門家が納得したのかどうか、この点はいかがですか。

○藤本政策調整担当部長 アセスの制度では、事業者自らが調査、予測、評価を行い、その内容を審議会で審議するものであり、十二月二十六日の審議会では、毎木調査の結果に関しては、委員から発言は出ておりません。
 なお、一般的にアセスの手続が長期にわたる場合には、現況に変化が生じることもあり、事後調査報告書などで審議会に報告することになると認識をしております。

○曽根委員 事後調査の報告では、もう開発が済んだ後の本当に後始末段階に入ってしまいますので、もう間に合わないものは間に合わなくなってしまうと。事は、樹木の生き生きとした生育を保全できるかどうかの問題です。
 私、わざわざ現地を調べたんですね。専門家の方が審議会で指摘をした。こういう方々にとっては、今施肥をしたら何か少し改善されたかのような事業者の報告、これは納得できないと思います。
 評価書案では、イチョウ並木については、ランクのAとBにランク分けされていて、Aは正常なもの、Bは普通、もしくは正常に近いものとなっていますが、こういう二つの判定のイチョウ並木の中で、落葉が異常に早く、木の活力が弱いと後で指摘された六本は全てAの正常なものの判定の中に入っていたそうです。
 明らかに六本の異常を指摘されてから事業者が何らかの情報隠しをしたのではないかという疑いを感じざるを得ません。もしこれが意図的な虚偽であるとすると、知事には条例に従って勧告や事業者公表などの権限と責任が生じます。
 したがって、六本のイチョウ問題は、事の審議をさらに徹底して明らかにすべきということを申し上げておきたいと思います。
 もう一つ、枯れかかった樹木、枯損木の数え方についてお聞きしたいと思います。
 いわゆる枯損木の数についてなんですが、昨年の都市整備委員会の質疑で、我が党の原田あきら議員が、開発事業者は場面に応じて、樹木の伐採数に枯損木を加えたり加えなかったりしてきていると。分かりやすくいいますと、例えばアセスメント条例の適用地域では、評価書案で樹木伐採数を九百七十何本ですか、これを枯損木も含めて報告しています。
 ところが、神宮外苑全体での樹木伐採には、アセスの適用の外にある、例えば絵画館前広場などの樹木も含まれていますが、この全体の伐採数には、枯損木というのを入れないで小さい数字を出しています。この点について、都はどのように受け止めておられますか。

○藤本政策調整担当部長 令和三年七月に提出された環境影響評価書案では、伐採本数を九百七十一本としておりました。
 審議会が根拠を明らかにするよう求めたところ、事業期間内に立ち枯れ等により危険となった枯損木について、道路の安全確保のため、除去する可能性があることから、過去の実績を参考に一定の割合を伐採本数に計上していたことが明らかになりました。
 審議会の指摘などを受け、枯損木の除去措置は、開発による伐採と異なるものであることから、改めて本数の精査を行いました。こうしたことにより、伐採本数を当初の九百七十一本から五百五十六本と約四割見直す計画が示されました。
 審議会において、評価書案の根拠が明らかになったものと認識をしております。

○曽根委員 九百七十本以上あった伐採の樹木の中で、よく内容を調べてみたら、開発のための伐採だけじゃなく、もうこれは立ち枯れしそうだから、何か開発の途中で風水害などによって倒木してしまう危険があれば、それは最初から除去しておこうと。除去ということは伐採ということですよね。
 これも入っていたので、その分は開発の犠牲ではないから数から除くというんですね。これがアセス審議会の、何ていうんですか、役割を明確にしたものだというのは、とんでもない間違いだというふうに私、申し上げておきたいと思います。
 枯損木かどうかの判断は、当然ながら事業者の依頼した専門家が判断して、これはもう危ないから、開発の中で何かいかにも切っちゃったようなことになってはまずいと。開発の前段階で伐採するのは開発のための伐採ではないんだと。もしくは、移植できるものは移植しようというのもあったそうですが--という論理ですが、これは本当に樹木の心配をしている方から見れば、あまりに一方的ではないかというふうに私は考えます。
 立ち枯れに見えても、専門家の力で立ち直れる場合があると。樹木の場合は、動物などと違って生命が終わる、その間の時間というのは一定の長さがあります。その間に助けることもできる。こういう例については、先日、高尾山のブナの大枝が切られた後の手当てが何とか成功して、今若芽が出ているということも私は紹介しましたが、そういう点では本当に樹木を大事にしてほしいという都民、国民の観点からすれば、これは樹木を生かすように努力する観点が基本的に事業者側にないということじゃないんでしょうか、いかがですか。

○藤本政策調整担当部長 枯損木の除去措置は、開発による伐採と異なることから、伐採本数から外しております。

○曽根委員 私、例えば、伐採する予定のものを移植に切り替えたというのも何かイチョウ並木で一定数出たと、それは評価書段階で訂正されたということも聞きました。
 この移植についても、専門家の方は非常に厳しい目を向けています。イチョウが今の環境で生育している、これをある別の場所に移すらしいんですけれども、あれだけ大きく育ったイチョウの木が、たとえ近隣とはいえ、近くの環境で生育が続けられる保証は、その方の経験では全くないと。これは事実上の排除に等しい措置だというふうに批判されていました。
 事業者のこうしたアセスの報告の数が大きく変更される、この姿勢というのは、評価書の内容だけでなく、手続の在り方にも散見されています。
 例えば、事業者は、昨年十二月二十七日、環境影響評価書の公示前に施行認可申請の提出を行っていますが、これは環境影響評価の手続上、評価書が公示される前に認可申請を出すというのは許されているんでしょうか。

○藤本政策調整担当部長 東京都環境影響評価条例第四十八条におきましては、評価書案を提出しなければならない時期が定められておりまして、条例施行規則第六十一条によりますと、第一種市街地再開発事業の認可申請の前に評価書案の提出が必要となり、評価書案は、令和三年七月に提出をされております。

○曽根委員 今、評価書案が提出された時期を聞いているんじゃなくて、認可申請を出したのがなぜ評価書が公示される前になってしまっているのかということをお聞きしたんですが、答弁がかみ合っておりません。
 環境影響評価書案や評価書の提出が施行認可申請の前に行われなければならないのは当然です。その根拠となる条文を私は質問したわけでありません。
 施行認可の申請というのは、当然事業の施行、つまり工事着工と一体の行為であります。これが許可されれば工事が始められるということになります。
 他方、環境影響評価条例では、第六十一条で事業者は環境影響評価書の公示の日までは、当該対象事業を実施してはならないと、事業行為の制限がされているわけですよね。評価書の公示のはるか前に施行認可申請に踏み出すというのは、この六十一条に抵触するんじゃないでしょうかね。
 施行認可申請から認可までは通常、都市整備局さんにお聞きすると三十日程度かかるそうです。この事業者は、環境影響評価書の公示を見越して、直ちに着工できるように、前のめりで施行認可申請に踏み切ったのではないでしょうか。
 事実、一月二十日の評価書の公示の三日前に、つまり十七日に工事着工の届出が出され、まだ評価書の縦覧期間中ですね、一月三十日にその着工届が東京都の公報で公示されています。
 環境影響評価に責任を負う環境局としては、こうしたアセス手続を、いわば実質的に軽んじて、着工に前のめりになる事業者の姿勢に厳しく意見するぐらいのことが必要ではないかということを指摘しておきたいと思います。
 さて、それでイチョウ並木の根系調査というのが今行われてきているわけですが、これが審議会で指摘を受けての事業者の調査が今年の一月頃に行われていたと思います。これがなぜかアセスメント条例上は、事後調査とされているそうですが、調査自体は着工前に行われているんですから、なぜ事後調査になってしまうのか。また、着工前に調査結果を出さなければ、もう着工されてしまったら、この調査は大きく意義を失うと思いますが、いかがですか。

○藤本政策調整担当部長 昨年八月の審議会答申では、新野球場の実施設計前に専門家による根系調査を行うこと、調査結果を踏まえ、建築計画及び施工計画における環境保全のための措置を具体的に示し、確実に実施することが指摘されています。
 事業者は、根系調査は冬季に行う必要があることから、令和五年一月に根系調査を行い、その結果を令和五年春以降に事後調査報告書として審議会に報告することとしています。
 また、根系調査の結果を踏まえ、新野球場の建築計画等において、イチョウ並木の保全措置を示し、審議会で報告すること、これらのことを評価書に盛り込んでおり、審議会の答申の指摘に基づいた措置であり、事業者は審議会でも説明し、手続の確認が行われております。
 根系調査の結果は評価書に記載されたとおり、事後調査報告書として審議会に報告することになっております。

○曽根委員 これは事後調査とか事前調査の名称の問題ではなく、事業について、この根系調査の結果が大きな影響を与えると。事業の、まあ何ていいますか、自然の大きな破壊になってしまうのか、それほど大した影響はないのかの判断の上で大きな意味を持つということでもしあるならば、着工前に結果を出して公表しなければ、審議会の行ったことに意味がなくなります。
 神宮球場の移転というのは、ラグビー場の移転の後になりますから、旧ラグビー場の後に神宮球場を移転するので、玉突き移転の最後になるわけです。
 イチョウの根系調査の結果がどうなるのか。事実上事業の計画は、環境問題では動かせなくて、環境が悪化して、場合によっては取り返しのつかなくなってからでも、若干の手当てをするしかないような仕組みになっているということではないでしょうか。根系調査の結果次第で、球場の移転自体を断念するというような選択はあり得るんでしょうか。

○藤本政策調整担当部長 繰り返しになりますが、環境局の所管する環境アセスメントとは、条例に基づく制度であり、事業者が大規模な開発等を実施する際に、あらかじめ事業が環境に与える影響を事業者自らが調査、予測、評価し、専門家が審議会でその内容を審議することなどより、環境への影響をできるだけ少なくするための制度でございます。
 イチョウに関しまして事業者は、根系調査の結果を踏まえ、野球場の建築計画等において、イチョウ並木の保全措置を示すとしております。
 また、イチョウの健全な生育への影響を与えるような根が複数確認された場合には、根を避けるため、野球場棟の該当箇所の壁面後退等、施工計画の工夫を行うとしております。

○曽根委員 今の答弁のように、球場の壁でイチョウの根に影響があったり、またはイチョウ並木から六メートルしか離れていない球場の壁や、それからその上部のネットや、巨大なスクリーンができるその壁によって、日照の影響などが相当深刻だと、もし分かったとしても、その部分だけ少しセットバックや、基礎ぐいを調整することぐらいしかできないという段階が来てしまいます。
 だからこそ、本来、アセスの調査は、たとえ後から問題になった項目であっても、事後調査ではなく、着工前の結果次第では大きな計画変更もあり得るタイミングで行われ、公表されるべきだと考えます。この点も強く申し上げておきたいと思います。
 イコモスなど様々な専門家や多くの都民が指摘する神宮外苑の歴史的景観や環境豊かな樹木の保全のためには、今が開発見直しの正念場だということを私は強調したい。
 例えば、ラグビーのレジェンドといわれている平尾剛さんが、私どもの「しんぶん赤旗」の取材を受けて、この計画について、ラガーマンとしての立場から厳しい批判をしています。
 特に秩父宮ラグビー場の建て替えによって、二万五千の観客収容人数が一万五千になってしまう、一体何を考えているのかというラグビー関係者の声が上がっていると。こういう小さい規模では、日本代表のラグビーの試合はできないだろうと。秩父宮ラグビー場は、西の花園と並ぶ日本ラグビーの聖地だと。日本に二つしかない専用スタジアムの一つで、代表の試合ができない聖地とは何なのかと。本気でラグビーを発展させる気があるとは思えないと。これは厳しい意見です。
 収容人数がなぜ減るのかといえば、音楽イベントなどのための大型ビジョンが必要だということで、ラグビーよりもそちらが優先されているんじゃないか。しかも屋根を閉め切り、人工芝のグラウンドになるのもラガーマンとしては納得できない、ラグビーは天候をどう味方につけるかも醍醐味だと。
 この移転整備計画はラグビー第一ではない、コンサートやアイスショーなど、多目的施設で収益を上げようとするからではないか。もうけ優先ではなく、本当のラグビー愛好家にとっての大事な施設を、計画を大幅に見直してほしいということを述べています。
 我が党は、環境アセスメントの公示による事実上の施行認可の容認、また、本再開発事業の着工を一旦凍結し、専門家や地域住民、都民参加で徹底した見直しをすべきとのこの請願に採択をすべきと強調して、私の質問を終わります。

○須山委員 私からも、神宮外苑地区の再開発に関する請願に関して質問させていただきます。
 この再開発事業は、本当に様々な声が寄せられております。地域住民の方をはじめとして、本当に多くの方から私のところにまでご連絡いただいて、樹木の伐採で歴史あるイチョウ並木であったりとかそうしたものの保全がちゃんとできるのかとか、緑地帯がちゃんと保全されるのかとか、様々本当にメールであったりとか、電話であったりとか、ご意見いただいております。
 また、国会でも、我が党はもちろん、自民党さん、共産党さん、様々な国会議員の皆さんも議連をつくって、いろいろとご心配をされているということなども、そういう動きもあります。
 そうした中で、様々、今日の委員会でも、こうやっていろいろなご意見も出されましたけれども、先月の一月三十日に、東京都環境影響評価審議会の総会が開催されたと伺っているんですけれども、それに先立って、一月二十五日に日本イコモスの会見の内容が、今回のその審議会の中で取り上げられたと伺っております。
 どういった内容、意見、そうした問題点等が審議会で出されて、審議会ではどのように確認されたのかということをお聞かせいただきたいと思います。

○藤本政策調整担当部長 審議会委員の一部の委員から、日本イコモスが事業者の作成した環境影響評価書に対して虚偽の報告があると主張し、再審の請求をしているので、評価書の修正を出してほしいなどの意見がありました。
 一月三十日の審議会で、事業者は評価書について、適切な調査、予測、評価を行っており、内容について誤りや不備がないとの説明を行っています。
 審議会では、まず、事業者が今後虚偽といわれる点について反証をすること、二つ目に、既に公示されている評価書や着工届と日本イコモスに対する反証は切り離していくことが確認されました。

○須山委員 ありがとうございます。
 審議会で虚偽という言葉も出て、そして委員の方からもそうしたことを取り上げられて、ご質問等、また、意見が出されたということでしたけれども、これに対して、今後どのように対応をされていくのかということを、東京都の意見、見解を伺いたいと思います。

○藤本政策調整担当部長 評価書は、条例にのっとり厳正な手続の下、作成され、有効であり、既に行っている評価書や着工届の公示も有効でございます。
 これとは別に、事業者に審議会の場で反証するよう求めてまいります。

○須山委員 ありがとうございます。
 審議会の中では、この公示も有効だと、着工届の公示も有効だということも出されたということでした。
 また、その中で、しっかりと今度は審議会の場で事業者に反証するように求めていくということでした。
 私たちの会派は、再開発自体には反対している立場ではないんですけれども、やはりこういった樹木の伐採等、そうした緑の自然の保全ということを強く訴えてまいりました。
 そうした中で、しっかりと事業者におかれては、プロジェクトサイトを通じて情報発信をしっかりとしていっていただくこと、そして、様々な意見に対して真摯に向き合って、丁寧に説明をしていっていただくこと、また、神宮外苑の豊かな自然環境の保護の保全につながる必要な措置を確実に実施していただくことを要望します。
 特に、先ほども曽根委員からもありましたけれども、根系調査の結果はまだ出ていないと伺っておりますので、こうした調査結果もしっかりと踏まえた対応をしていっていただきたいということをこの場で要望させていただきます。
 また、東京都としても、着工したらこれで終わりではなくて、しっかりと先ほどの根系調査等であったりとか、そうした調査結果、また、工事の中で何か不具合等出てきたら、そういった場合にもしっかりと速やかに対応していっていただくように、そういったことを強く要望して、質問を終わります。

○漢人委員 質問いたします。
 十二月十五日に閉会しました第四回の定例会で、神宮外苑のいちょう並木の確実な保全に関する陳情が全会一致で趣旨採択をされました。大変画期的だったと思います。
 その直後にですね、十二月二十六日に環境影響評価審議会の第十回の総会が行われたわけです。この開催については、開催手続に問題があったのではないか、プレスなどにも非公開で行われたというような指摘が行われていますけれども、これについて、事実経過と東京都としての、その手続についての評価をお伺いしたいと思います。

○藤本政策調整担当部長 通常、審議会の開催案内をする場合は、一週間程度前に開催のプレス発表を行っております。十二月二十六日も通常どおりプレス発表を行い、ホームページやツイッターなどでお知らせをしております。本件につきましては、様々なご意見もございましたので、一月の審議会を開催する際には、通常よりも余裕を持ってプレス発表を行っております。

○漢人委員 十二月二十六日の審議会については、手続としては従来どおり適正に行っていたということです。
 ただ、年末ですね、十二月二十六日という時期に、毎月やっているからといってやるのかということも、市民の方からすればちょっと疑問があったりとか、これだけ関心が高まっている中で、単に通常どおり手続をやったからいいということではないということについては、局としてもその辺受け止めていただいているということで、対応を今後変更するというか、配慮していただくということかと思います。
 これについては、ぜひ実質的な、形どおりではなくて、実質的な情報公開、市民参画の促しになるような、そういった手続をぜひお願いしたいというふうにお願いしておきたいと思います。
 そして、その後です。一月十日には、環境影響評価書が都に提出をされ、一月二十日には公示をされた、そして事後調査計画書と着工届も提出をされて、着工届は一月三十日に公示をされたという、そういった手続を経る中で、一月三十日、第十一回の環境影響評価審議会総会が開催をされたわけです。
 こちらについては、傍聴とかはできませんでしたので、そしてまだ議事録の公開はされていませんので、公開されている資料と、また、いろいろ入ってくる情報などを基に少し質問したいというふうに思います。
 公開されている資料の中で、配布資料として、仮称神宮外苑地区市街地再開発事業環境影響評価書素案への事前の助言と評価書への反映状況というものがあるんですね。
 その中で、生物・生態系4という項目で、事前の助言ということで、同様に四列のイチョウ並木についても、生育の状況のモニタリングを継続して実施し、必要に応じて対応を行っていくとあるが、御堂筋のイチョウ並木における五十年から百年後も健全に保ち、後世に引き継ぐのように、長期的な保全の目標を示すことをお願いしたい。
 こういう助言があるんですけれども、これに対する評価書の反映状況というのは、このように書いてあります。
 緑豊かな風格ある景観を創出し、次の百年を見据えた多様な緑化を計画していくことを事業の基本計画の中に記載させていただきましたということですね。
 だから、この評価書の反映状況のところには、イチョウ並木という言葉がなくなっているわけです。多様な緑化ということで、イチョウ並木だけじゃなくて多様な緑化を百年後というふうにすり替えられているというふうに私は感じました。
 この件については、審議会での議論はあったでしょうか。また、都としてはどのような見解をお持ちかお伺いしたいと思います。

○藤本政策調整担当部長 ご質問のありました資料は、事前に審議会委員には送付しており、審議会では、委員から評価書にする段階で記載したのかなどの確認があり、事業者からは、基本方針の中で追加したなどの回答がありました。
 また、答申の指摘事項を踏まえ、事業者が作成した作成シートに提出された環境影響評価書の二〇ページでは、イチョウ並木に関して、事業の基本方針としては、青山二丁目交差点から聖徳記念絵画館へと続く特例都道四谷角筈線沿いの四列のイチョウ並木を保全すると目標が記載されておりまして、都としては問題ないと認識をしております。

○漢人委員 とのことなんですけれども、ここはやっぱり五十年から百年後も健全に保ち後世に引き継ぐというように、長期的な保全の目標ということを求めているんですけれども、結局、評価書の中では、長期的ということでは語られていないんですね。
 百年後を見据えたところでは多様な緑化ということで、イチョウ並木の長期的な保全というところを求めているんだけど、そこについてはやっぱり抜け落ちている、すり替えられているなというふうにいわざるを得ないと思います。大変残念です。
 次ですけれども、根系調査等への日本イコモスの関与についてということです。
 同じく提出されている資料の中で、仮称神宮外苑地区市街地再開発事業環境影響評価書素案への12月26日の審議会総会での助言と評価書への反映状況という資料がありまして、その中の生物・生態系2という項目では、審議会での助言ということで、このようにあります。
 日本イコモスやほかの専門家の方と共同で、根系調査をやっていかれるとお伺いしましたが、それはどういうような形で今後進んでいかれるのかということですね。
 これに対して評価書への反映状況としては、樹木医制度の創設に携わり、数多くの土壌調査、根系調査の実績がある専門家や、経験豊富な樹木医と協議の上で調査を実施するとともに、調査した結果は審議会で事後調査報告書において報告させていただきます。また、調査結果は事業者のホームページでも掲載いたしますとなっています。
 つまり、ここには日本イコモスの記載がないんです。求めていたのは、日本イコモスや他の専門家との共同でということだったんですが、これについて審議会での議論があったでしょうか、また、都としての見解を伺います。

○藤本政策調整担当部長 十二月二十六日の審議会におきまして、委員の発言に対し、事業者から根系調査自体は、日本イコモス委員と一緒にやることは考えておらず、樹木医または専門家と共に責任を持って調査を実施すると回答があり、これに対し、委員から発言はありませんでした。
 このことは、アセス制度上、アセスの実施主体は事業者であることから問題ないと認識をしております。

○漢人委員 その根系調査ですが、今年一月十一日に突然実施をされたということですね。そこに対して、日本イコモス国内委員会は、現地の確認を申し入れたんですけれども、結局非公開で行われてしまった。
 二十日には、念のために現状確認に伺ったけれども、既に埋め戻されていたということで、先ほどから指摘をされております緊急要請の中では、こういった非公開のデータは、証拠能力は有さないというふうに指摘をされています。
 今、東京都としては、アセスの制度上、アセスの実施主体は事業者だと、だから問題ないという答弁だったんですけれども、本当にそれでいいのかということですね。
 今やっぱりこれだけ問題になっていて、専門的な指摘もされている日本イコモスのような機関があれば、せめてその調査に立ち会うとか、そういう確認をするという手続をすれば、その調査結果も信頼されるものになっていくと思うんですが、事業者の方はそういったことを拒否しているんですね。
 こういった対応については、東京都としてはどのように思われますか。

○藤本政策調整担当部長 今回の根系調査につきましては、樹木医制度の創設に携わり、数多くの土壌調査、根系調査の実績ある専門家や経験豊富な樹木医が参加しておりますので、問題はないと考えております。

○漢人委員 一般的にそういわれるかもしれないですけれども、こういった立場が異なるところから批判がある場合には、クロス調査といいますか、また、反対する者も立ち会うということで、そこで理解を深める、本当に信頼できる事業であるということを示していくという手続は非常に重要だと思います。
 それをなくして進めていくことが今大きな問題だと思いますので、指摘をしておきたいと思います。
 次なんですけれども、日本イコモス国内委員会の緊急要請についてお伺いします。
 一月二十九日に日本イコモス国内委員会から、都知事と都議会議長と都環境影響評価審議会の会長宛てに緊急要請が公表されました。
 これは、令和五年一月二十日に提出された仮称神宮外苑地区市街地再開発事業に関わる環境影響評価書には、数多くの虚偽の報告、資料の提出が行われております。東京都環境影響評価条例第九十一条第五項の規定に基づき、知事は、当該事業者に対し、必要な措置を講じるよう勧告を行ってください。また、環境影響評価審議会におかれましては、再審を行っていただきたく要請しますというものでして、虚偽の報告及び資料の提出の一覧としては、五つの項目が挙げられています。
 一つ目としては、生態系の調査、分析、二つ目として、建国記念文庫の森の保全、三つ目として、移植樹木を活用した計画、四つ目として、イチョウ並木の現状報告、五つ目として、緑の量の変化の内容及び程度は小さいと考えるとする環境影響評価書の環境に及ぼす影響の評価の結論ということです。これら五項目に及んでの偽り、隠蔽、虚偽の報告ということが挙げられているわけです。
 これを受けて、一月三十日の環境影響評価審議会では、虚偽という指摘を受けながら、その審議に権限があるわけではないが、着工届を受け止めるというわけにはいかない。虚偽と指摘された部分については、事業者に反証していただくしかないというように、これは審議会の会長が発言をされて、事業者への反証説明がいい渡されたと伺っています。
 審議会がこういった再度の異例の形で継続することになったと聞いているんですけれども、この点について、詳細と都の見解をお伺いしたいと思います。また、このことに伴う、一月三十日に公示されました神宮外苑地区再開発の着工届、また、今後のプロセスについての影響をお伺いします。

○藤本政策調整担当部長 審議会の一部の委員から、日本イコモスが事業者の作成した環境影響評価書に対して、再審の要請をしているので、評価書の修正を出してほしいなどの発言がありました。
 事業者は、評価書について、適切な調査、予測、評価を行っており、内容について誤りや不備がないとの説明を行っています。
 審議会では、まず事業者が今後反証をすること、二つ目に、評価書と着工届の公示と日本イコモスに対する反証は切り離していくことが確認されています。事業者には反証するよう求めてまいります。
 着工届は、既に公示をされておりまして、着工届には着工予定年月日が記載されており、この日以降に工事が開始されるものと認識をしております。

○漢人委員 日本イコモスの要請に対しての、この緊急要請ですね、これに対しての東京都としての見解はどうなのか。事業者は問題がないと、正しいですといっているので、それはそうでしょうね--なんです。
 東京都としては、この内容について確認をしていらっしゃるんでしょうか、評価があればお伺いしたいと思います。

○藤本政策調整担当部長 事業者が反証すること、それから評価書と着工届の公示は切り離していくことが審議会で確認されておりますので、事業者に審議会の場で反証していただくことになると認識をしております。

○漢人委員 質問は、この緊急要請の中身について、五項目にわたって虚偽があるなどの指摘があるんですけど、この中身について、東京都としての独自の評価、見解などはお持ちじゃないということでしょうか。

○藤本政策調整担当部長 詳細につきましては、事業者が審議会で反証するものと認識をしております。

○漢人委員 じゃ、評価がないということで確認をいたしました。事業者の反証を待つということですね。
 それで、先ほどの評価書と着工届の公示と、この日本イコモスに対する反証は切り離していくことが確認されたということなんですけれども、この確認の詳細をお伺いしたいと思います。まだ議事録が公開されていないので、誰がどういって、こういうことが確認されたのかということを確認させてください。

○藤本政策調整担当部長 会長から指摘されている虚偽について、事業者からの反証が必要だとの発言があり、事務局から評価書と着工届は公示され、条例上の手続は済んでいるので、虚偽の案件と切り離して対応するとの説明について、会長が委員全員に確認し、審議会で了承を得ております。

○漢人委員 特定の委員からの発言があり、そして会長から、全体としてこの事業者の反証が必要だということがまず確認されたわけですね。そして、事務局からこの評価の問題、反証の問題と手続は別にするべきだという提案があって、会長がそれを全体に諮って了承されたということです。
 これは、私は、反証をされなければ、反証が確認されなければ、虚偽であるかどうかということが分からない段階において、事務局の方から、これは別にもう進めますよということを勧めてしまった、審議会に対してそういう誘導をしてしまったということは大変に問題だというふうに思います。
 次に、もう一つ伺いますが、都がこの緊急要請を受理したのはいつでしょうか。公表されたのは一月二十九日ですけれども、受け取ったのはいつになるのかお伺いします。

○藤本政策調整担当部長 都に送付されましたのは一月三十日の朝、審議会が開始される前であり、内容を確認したところ、一月二十五日に会見を行った内容と大きく変わっていないと認識をしております。

○漢人委員 一月二十五日の記者会見が行われたことについては、議会の方にも説明をいただいております。その内容とほぼ同じではないかということで、一月三十日の朝に受け取ったときに確認をされたということですね。
 しかし、先ほどまだ内容については、都としての見解をお持ちでないと、評価されていないということでした。
 そういった段階で、当日の朝に受け取ったこの緊急要請について、内容の反証について、まだ求める以前に、手続は手続として進めるんだということを事務局が判断して、審議会に勧めるというのはやはりおかしくないですか。万が一、万が一というのかな、このイコモスの指摘どおり、虚偽や誤りなどがあった場合には、非常にこの手続がおかしくなっていくわけです。
 そのところは、東京都としては、もっとしっかりとこの環境アセスという手続、条例に反したことをしろといっているわけじゃないんですよ。でも、この条例の範囲の中で、今までも異例といわれるような審議会での議論をたくさんするとか、継続して助言をしていくとか、いろんなことも行ってきましたけれども、本当に後々まで何か問題が残らないような形で、しっかり丁寧に審査をするような、そういった手続をするべきだというふうに思います。
 そしてまた、課題としても従来とは違う、例えば今、生物多様性地域戦略もいよいよまとまろうとしている、そういった新しい価値観も求められるものもあるわけですから、こういったものにも対応できるようにという配慮の中で、慎重な審査をすることを、それは環境局だからできることだし、しなきゃいけないことだと思うんです。
 なぜこのアセスの担当がここにあるのかという、都市整備とか、建設とか、事業を進めるという立場については、そういったことになりますけれども、それについて本当に大丈夫なのかということをきっちりと進めて確認していただくのがこちらの仕事だと思いますので、ちょっと今回について、手続は進めつつ反証もしてもらうという、この同時に行う、切り離して行うということを勧めてしまったことは大変問題だと思っています。
 これから反証の結果によっては、手続の方についてもストップがかけられるような、そういったことも配慮しながら進めていただきたいということを強く求めておきたいと思います。
 以上です。

○里吉委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○里吉委員長 起立少数と認めます。よって、請願四第一三号の二は不採択と決定いたしました。

○里吉委員長 次に、陳情四第一〇七号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○木村建築物担当部長 それでは、お手元の資料7、請願・陳情審査説明表の三ページをご覧ください。
 整理番号2、陳情番号四第一〇七号、新築住宅の太陽光パネル設置義務の条例化に関する陳情につきましてご説明申し上げます。
 陳情者は、練馬区の都政を見つめる会の代表立花弘人さんでございます。
 陳情の要旨は、都において、新築住宅の太陽光パネル設置義務の条例化について、十分に議論が尽くされ、都民に周知されるまでは保留していただきたいというものでございます。
 現在の状況でございますが、まず、1、太陽光パネルの災害時等のリスクについてでございます。
 太陽光発電協会によると、台風や大雨、局所豪雨の影響による大規模災害により、太陽光発電システムが水没、浸水した場合には、太陽光発電システムや電気設備に十分な知見を持つ専門家へ依頼することが必要とのことでございます。
 なお、同協会からは、太陽光発電システムが水没、浸水した場合の感電による事故等事例はないと聞いております。
 また、太陽光発電設備が設置されている住宅等において火災が発生した場合、水による消火は可能であり、消火活動において直接水をかける場合は、活動隊員の安全確保の観点から、噴霧状の放水や放水距離を確保するほか、必要に応じて絶縁性の高い防護衣等を着用してございます。さらに鎮火後、必要に応じて太陽光発電モジュールを消防活動用遮光シートで覆うことで、再出火防止を図っております。
 続きまして、2、太陽光パネルの普及の意義についてでございます。
 都内CO2の排出量の約七割が建物でのエネルギー使用に起因しております。また、二〇五〇年時点では、建物ストックの約半数、住宅の場合、約七割が新築建物に置き換わる見込みであり、今後の東京の姿を形づくる新築建物への対策が脱炭素化の実現に向け極めて重要でございます。
 そのため、新築建物の設計段階から、高い断熱、省エネ性能や太陽光パネル等の再エネ設備の設置が標準化された住宅の普及を促進していく必要がございます。そのため、都は、先般、環境確保条例の改正により、断熱、省エネ性能基準や太陽光発電設備等の設置を大手ハウスメーカー等に義務づける建築物環境報告書制度を創設いたしました。
 国の再生可能エネルギーの導入を支える仕組みである再生可能エネルギー発電促進賦課金は、現在、一キロワットアワー当たり三・四五円となってございます。太陽光発電協会によると、今後、太陽光発電の買取り価格の総額が二〇三〇年代半ばに減少局面に入ることから、将来的に減少することが見込まれております。
 四ページをご覧ください。次に、3、太陽光パネルのメリットについてでございます。
 気候危機が一層深刻化する中、エネルギーの大消費地の責務として、脱炭素エネルギーである再生可能エネルギーの地産地消等を通じて、再エネを基幹エネルギー化とすることが必須でございます。
 再エネは、地域の自然を利用した純国産のエネルギー源であり、海外に依存する化石燃料に比べ、エネルギー安全保障の観点からも優れております。また、分散型エネルギーである再エネは、エネルギー供給網に寸断が生じた際にも利用が可能であり、都市のレジリエンス向上に寄与いたします。さらに、エネルギー価格上昇の長期化が懸念される中、電気の自家消費による経済的メリットも大きいと考えております。こうしたことから、都は、二〇三〇年目標として、再エネ電力利用割合五〇%程度、都内太陽光発電設備導入量二百万キロワット以上等の目標を掲げ、取組を進めているところでございます。
 次に、4、太陽光パネルのリサイクル等についてでございます。
 太陽光パネルの廃棄に当たっては、廃棄物処理法等に基づき適正に処理することとなっており、事業用パネルのリサイクルは、既に複数の施設で実施されております。都は、二〇二二年九月に、関係事業者で構成する協議会を立ち上げ、都内で約七割を占める住宅用パネルについて、効率的なリサイクルルートの構築に取り組んでおります。
 また、太陽光発電設備の劣化や破損等について、一般的に太陽光パネルメーカーは、太陽光パネルやパワーコンディショナーなどを対象に十年以上のメーカー保証を実施しております。そのため、保証期間中の故障等については、メーカー保証により修理等が可能でございます。
 最後に、5、人権への配慮についてでございます。
 国においては、昨年九月に国際スタンダードを踏まえた企業による人権尊重の取組をさらに促進するため、責任あるサプライチェーン等における人権尊重のためのガイドラインを策定いたしました。
 業界団体である太陽光発電協会は、持続可能な社会の実現に向けた行動指針に基づき、太陽光発電産業に係る事業者が人権の尊重を遵守した事業活動を行うことなどを推進するとともに、昨年十月に、太陽光発電産業の人権問題に関する取組宣言を行っております。
 都は、国のガイドラインや同協会の行動指針、取組宣言を踏まえ、太陽光パネルメーカーに対して、継続してヒアリングや意見交換を行うとともに、先般、太陽光発電の普及拡大や人権尊重の取組をさらに促進するため、業界団体と連携協定を締結いたしました。本協定を基に、持続的なサプライチェーンの構築を推進するとともに、継続的な意見交換や研修等を通じて、企業の適正な取組と情報公開を促していくこととしております。
 説明は以上でございます。よろしくご審査のほどお願い申し上げます。

○里吉委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○こいそ(明)委員 新築住宅の太陽光パネル設置義務の条例化に関する陳情につきまして、一言申し上げます。
 太陽光パネル設置義務の条例化を保留することを求める陳情ですが、既に昨年の第四回定例会で条例は可決しているため、この陳情を採択することはできないと考えています。
 一方、陳情者が指摘しているように、パネル設置の義務化については、多くの課題があります。総事業費、事業の実施時期、義務化によって見込まれるCO2削減の効果、そして、リサイクル体制の構築から人権問題の対応まで、様々な疑問への明快な回答がないまま、令和七年四月に義務化することだけが条例化されています。
 そして、令和四年、最終補正予算で太陽光パネル義務化に向けて、一千五百億円の基金創設も提案をされています。
 こうした問題について、十五日に開会する本会議、その後の予算特別委員会において、陳情者の方の不安の声に応えていくためにも、しっかりと指摘していくことを申し上げ、発言を終わります。

○曽根委員 私からも、陳情四の一〇七号について意見表明を行います。
 第一に、地球環境の危機的状況については、日本政府の認識と対応が遅れていることは明らかであり、化石燃料の発電に頼らざるを得ない現状に甘んじることは絶対に許されず、東京都が本条例を基に公費を投入しても、都民の生活レベルに再生可能エネルギーの普及を推進することは重要な政策の一つであると考えます。
 陳情者の火力発電をベースロード電源として停止できないとする主張には賛成できません。太陽光パネルによる感電や漏電の危険や、蓄電技術の課題も、また、リサイクルシステムの困難性も含めて、技術的には十分解決し得るものと考えます。
 さらに、新疆ウイグル自治区での少数民族への抑圧強制収容をはじめとした中国政府による人権侵害、抑圧は、世界人権宣言、国際人権規約、ウィーン宣言など、国際的な人権保障の取組に反するものであり、これに対しては、日本政府が中国政府に対し、国際法に基づく人権侵害の是正を求めるという、冷静な外交批判が求められる課題です。
 そして、今後、再生可能エネルギーの主要な発電方法の一つである太陽光パネルについて、都が技術開発を促進し、国内生産を飛躍的に増やす努力を重ねることで、中国などからの輸入に頼らざるを得ない現状の打開に大きくつながり、国内産業と雇用を拡大することにもなり、再生可能エネルギーの地産地消という求められる方向とも合致するものと考えます。
 よって、新疆ウイグル自治区での人権侵害を本条例の推進に反対する理由とすべきではないと考えます。
 以上のことから、本陳情には賛同はできません。

○里吉委員長 ほかに発言がなければ、お諮りします。
 本件は、不採択とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○里吉委員長 異議なしと認めます。よって、陳情四第一〇七号は不採択と決定いたしました。
 以上で請願陳情の審査を終わります。
 以上で環境局関係を終わります。
 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後二時四十二分休憩

   午後二時五十九分開議

○里吉委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 これより建設局関係に入ります。
 初めに、第一回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。

○中島東京都技監 令和五年第一回定例会に提出を予定しております案件につきましてご説明申し上げます。
 予定案件は、予算案二件、条例案三件、契約案四件及び事件案二件でございます。
 お手元の資料1、令和五年度主要事業及び提出予定案件の概要をご覧ください。
 一ページをお開きください。まず、予算案に関連いたしまして、令和五年度主要事業の概要についてご説明いたします。
 道路、河川、公園などの都市基盤は、都市活動や都民生活を支える上で欠かすことのできない極めて重要なものであり、切迫する首都直下地震などから都民の生命と財産を守る大切な役割を担っております。
 建設局は、快適で利便性の高い都市、安全で美しいまちの実現を図るため、幹線道路をはじめ、人に優しい歩行空間、水害から都市を守る河川、ゆとりと潤いを創出し、災害時の活動拠点や避難場所になる公園など都市基盤の整備を推進しております。
 首都東京として、災害への備えに万全を期すとともに、都市基盤施設の効果的、重点的な整備と適切な維持管理を通した万全の危機管理によりまして、都民の安全と安心を守り、次世代に良好な社会資本を継承するための予算を編成いたしました。
 令和五年度の予算案は、一般会計、土木費で六千二百十九億円となっております。
 デジタル技術活用等による構造改革を踏まえつつ、持続可能な未来へと歩みを進める長期的な視点に立ち、安心で暮らしやすい社会の実現、国際競争力と経済活力の強化、ゼロエミッション東京の実現などの課題に取り組みますとともに、防災対策のさらなる強化充実を図り、令和四年十二月に策定し、関東大震災から百年の節目の年に始動いたしますTOKYO強靱化プロジェクトを推進してまいります。
 事業の執行に当たりましては、事業展開のスピードアップを図り、政策の効果を素早く都民に届けられるよう、職員が一丸となって都市基盤整備のより一層の推進を図り、都民の負託に積極的に応えてまいります。
 それでは、順次、事業別にご説明申し上げます。
 最初に、道路事業でございます。
 震災時に、特に甚大な被害が想定されます木造住宅密集地域における特定整備路線につきましては、関係権利者の生活再建に十分配慮し、理解と協力を得ながら事業を推進してまいります。
 首都圏三環状道路のうち、東京外かく環状道路につきましては、工事の安全を最優先に事業を進めることを国など事業者に求めますとともに、受託しております用地取得を推進してまいります。
 なお、記載にはございませんが、令和二年に調布市において発生した陥没事故を受けた対応といたしまして、引き続き、国など事業者に対し、地元住民の不安払拭に向けて、地元自治体と連携し、丁寧な説明やきめ細やかな対応を行うことなどを求めてまいります。
 一ページの下から二ページにかけてですが、都市の骨格を形成する幹線道路の整備につきましては、区部では放射第二五号線や環状第四号線などにおきまして整備を進めますとともに、多摩地域では府中所沢鎌倉街道線や新青梅街道などの整備を進めてまいります。
 また、骨格幹線道路を補完し、地域生活を支える地域幹線道路では、補助第二一九号線や調布三・四・二号線などにおきまして整備を推進してまいります。
 連続立体交差事業につきましては、京浜急行本線の泉岳寺駅から新馬場駅間や西武新宿線の東村山駅付近などのさらなる事業推進を図るとともに、西武新宿線の井荻駅から西武柳沢駅間で新たに事業に着手いたします。
 多摩都市モノレールの整備では、多摩地域のアクセス利便性や生活利便性の向上を図るため、上北台から箱根ケ崎間の延伸の事業化に向けまして、インフラ部に係る調査及び設計等を進めてまいります。
 橋梁の整備では、等々力大橋や関戸橋などの新設、架け替えを進めてまいります。
 また、予防保全型管理による長寿命化対策を推進するほか、定期健全度調査結果などに基づく橋梁の補修、補強を推進いたします。
 道路補修につきましては、遮熱性舗装や保水性舗装を路面補修工事に併せて実施いたします。
 道路災害防除につきましては、緊急度の高い斜面から順次、のり枠や落石防止柵等の対策を進めてまいります。加えまして、河川増水時に道路の流失を防ぐ擁壁の強化等、山岳道路の防災力向上に向けた取組を実施いたします。
 無電柱化事業では、東京都無電柱化計画に基づきまして、都道におきましては、震災対策上重要な位置づけにある第一次緊急輸送道路や、利用者の多い主要駅周辺等を中心に整備を推進いたします。区市町村道におきましては、無電柱化チャレンジ支援事業制度による補助を行うなど、財政的、技術的支援により整備を促進いたします。
 また、島しょ地域におきましては、東京都島しょ地域無電柱化整備計画により、緊急整備区間や優先整備区間の無電柱化を着実に推進いたしますとともに、令和四年九月に策定いたしました利島・御蔵島無電柱化整備計画に基づきまして、電柱のない島を目指し、先行整備いたします二島の整備を加速してまいります。
 自転車通行空間の整備では、東京都自転車通行空間整備推進計画に基づきまして、車道の活用を基本とした自転車レーンなど、地域の道路事情に応じた整備形態により、誰もが安全で安心して移動できる自転車通行空間の整備を推進してまいります。
 道路のバリアフリー化では、主要な駅と公共施設、福祉施設などを結ぶ都道におきまして、段差の解消や視覚障害者誘導用ブロックの設置などを実施いたします。特定道路に指定された区市町村道につきまして、区市町村への財政支援を実施するなど、国や区市町村と連携した面的なバリアフリー化を進めてまいります。
 また、多摩地域を重点とした歩道の整備を進めますとともに、三ページに移りまして、交差点すいすいプランや、みちづくり・まちづくりパートナー事業を実施してまいります。
 次に、河川事業でございます。
 激甚化、頻発化する豪雨から都民の生命と暮らしを守るため、石神井川や空堀川など二十八河川におきまして、護岸の改修を着実に進めますとともに、工事中の環状七号線地下広域調節池や、谷沢川分水路などに加えまして、仙川で新たな調節池の基本設計に着手するなど、十五施設の整備等を推進いたします。さらに、神田川等十河川で新たな調節池の事業化に向けた検討を進めてまいります。
 また、気候変動の影響による降雨量の増加等に対応するため、今後目指すべき整備目標や、地下河川を含めました施設整備方針等を示す河川施設の在り方を策定いたします。
 多摩地域の河川におきましては、狭隘箇所や蛇行区間の局所改良によりまして、護岸の強化等の対策を実施してまいります。
 また、都民の迅速な避難行動につながるソフト対策といたしまして、河川監視カメラの増設等を進めてまいります。
 東部低地帯におきましては、東部低地帯の河川施設整備計画(第二期)に基づきまして、令和五年度は中川など二十二河川、花畑水門など八施設で耐震対策工事等を進めてまいります。
 さらに、首都直下地震の発生リスクが迫る中、発災時の迅速な航路確保や水上輸送に活用するため、新たに防災船の建造に着手いたします。
 また、隅田川を中心にテラスの連続化や照明施設などを整備いたしまして、歩行者の利便性や回遊性の向上による水辺空間のにぎわい創出と魅力の向上を図ってまいります。
 土砂災害から都民の生命と財産を守るため、砂防堰堤などの着実な整備に加え、ソフト対策を推進してまいります。
 次に、公園事業でございます。
 令和五年度は、練馬城址公園などで用地取得を進め、東伏見公園などで造成を行いますとともに、小石川後楽園など九庭園におきましては、保存、復元事業等を進めてまいります。
 四ページに移りまして、ユニバーサルデザインに配慮した遊具を設置した広場の整備につきましては、都立公園において汐入公園などで整備を進めますとともに、区市町村に対する補助を引き続き実施いたしまして、整備を促進してまいります。
 また、震災時の救出救助活動拠点や避難場所となる都立公園の防災機能強化といたしまして、夜間照明の充実や非常用発電機の整備を実施してまいります。
 あわせまして、都立公園の魅力や価値を向上させるため、大花壇やLEDイルミネーションによる四季を通じた花と光の演出等を実施いたします。
 動物園では、希少動物の保護繁殖を図りますとともに、来園者サービスを向上させるため、令和五年度は、恩賜上野動物園において輸送施設解体工事を、多摩動物公園ではシマウマ・オリックス舎の整備を進めてまいります。また、葛西臨海水族園では、PFI手法により再整備事業を進めてまいります。
 霊園葬儀所では、青山霊園などにおきまして再生事業を進めてまいります。また、青山葬儀所や瑞江葬儀所の建て替えを進めてまいります。
 次に、その他事業といたしまして、多摩・島しょ地域のまちづくりを推進するため、市町村が施行する道路整備や公園整備などの土木事業に対する補助を引き続き実施いたします。
 また、公共事業の施行に伴い移転を余儀なくされる関係権利者の方々に対して、生活再建資金の貸付けや代替地のあっせんなどを行ってまいります。
 特に、特定整備路線の整備に当たりましては、民間事業者のノウハウを活用した相談窓口や優遇金利による移転資金貸付など、関係権利者のニーズに応じて生活再建をきめ細かく支援してまいります。
 以上が令和五年度主要事業の概要でございます。
 続きまして、令和四年度補正予算案の概要につきましてご説明いたします。
 令和四年度予算の執行状況の精査の結果、土木費全体で七百五十三億円の減額補正を行います。
 なお、東京都無電柱化推進基金の残高全額を取り崩し、財務局所管の東京強靱(じん)化推進基金に充当いたします。
 五ページをご覧ください。続きまして、条例案ですが、東京都立公園条例の一部を改正する条例など三件でございます。
 続きまして、契約案は、谷沢川分水路放流施設工事など四件でございます。
 続きまして、六ページ、事件案は、令和五年度の連続立体交差事業の実施に伴う費用の関係特別区・市の負担についてなど二件でございます。
 以上が令和五年度主要事業及び提出予定案件の概要でございます。
 詳細につきましては、総務部長からご説明申し上げます。よろしくご審議のほどお願いいたします。

○浅野総務部長 第一回定例会提出予定案件の内容につきましてご説明申し上げます。
 最初に、令和五年度当初予算案でございます。
 お手元の資料2、令和五年度当初予算説明書をご覧ください。
 一ページをお開きください。令和五年度建設局予算総括表でございます。
 1、歳入歳出予算の一段目の一般会計、土木費の欄をご覧ください。五年度予算額は六千二百十九億二百万円で、前年度と比較いたしますと六・九%の増となっております。
 下段の左側の表、2、繰越明許費は、一般会計、土木費の欄にございますように、二十五事業、六百六十六億八千五百万円となっております。
 下段の右側の表、3、債務負担行為につきましては、五十九件、一千四百四十七億四千七百万円となっております。
 二ページをお開きください。一般会計(土木費)予算総括表でございます。
 億円未満を四捨五入いたしまして、上段の歳出予算六千二百十九億円に対する特定財源は、下段の表、歳入の一行目にございますように四千二百十二億円で、前年度と比較いたしますと九・九%の減となっております。これは主に繰入金の減によるものでございます。
 次に、三ページをお開きください。ここからは歳出予算の内容につきまして、事項ごとにご説明いたします。
 1の道路の整備の予算額は二百十九億円でございます。
 右側の概要欄の中ほど、事業内容をご覧ください。
 1、都市の骨格を形成する幹線道路の整備や、2、地域幹線道路の整備を進めてまいります。3、東京外かく環状道路の整備推進では、国から受託している用地取得に係る事務経費などを計上しております。さらに、多摩・島しょ地域に係る事業といたしまして、4、山間・島しょ地域の振興を図る道路の整備や、6、第三次みちづくり・まちづくりパートナー事業などを進めてまいります。
 四ページをお開きください。2の街路の整備の予算額は二千三十七億円でございます。
 概要欄の事業内容をご覧ください。
 1、都市の骨格を形成する幹線道路の整備では、放射第二五号線や立川・三・二・四号線などを、2、地域幹線道路の整備では、補助第二一九号線や調布三・四・二号線などを整備いたします。4、鉄道の連続立体交差事業の推進では、京浜急行本線など六路線八か所で事業を進めてまいります。5、多摩都市モノレールの整備では、上北台から箱根ケ崎間の延伸の事業化に向けて、インフラ部の整備に係る調査及び設計等を進めてまいります。
 また、下段に再掲で記載しております木密地域における特定整備路線は、放射第二号線など十八路線、三十か所で整備を推進いたします。
 五ページをお開きください。3の橋梁の整備の予算額は三百十三億円でございます。
 概要欄の事業内容をご覧ください。
 1、橋梁の整備は、橋梁の新設、架け替えを進めるもので、2、橋梁の長寿命化は、予防保全型管理を実施することにより、橋梁の耐用年数を延ばすものでございます。3、橋梁補修は、定期健全度調査等に基づき、橋梁を計画的に補修してまいります。
 六ページをお開きください。4の道路の保全の予算額は四百四十六億円でございます。
 概要欄の事業内容をご覧ください。
 1、路面補修では、遮熱性舗装など沿道環境に配慮した路面補修を実施してまいります。3、道路施設整備では、トンネルの予防保全型管理を推進するほか、道路照明のLED化を進めてまいります。4、道路緑化の推進では、植樹帯の再整備や街路樹診断などを実施してまいります。5、異常な天然現象に対する防災機能の強化では、令和元年東日本台風など、これまでの災害の教訓を踏まえ、山岳道路におきまして優先路線を選定し、集中的に防災機能の強化を図ってまいります。6、既設斜面対策施設の経年劣化対策では、対象施設をこれまでのグラウンドアンカーに加え、のり枠や落石防止網など、その他の施設にも拡大して実施してまいります。
 七ページをお開きください。5の交通安全の予算額は四百五十八億円でございます。
 概要欄の事業内容をご覧ください。
 1、歩道整備では、秋川街道などの歩道の整備や、要町通りなど都道のバリアフリー化を進めてまいります。また、特定道路に指定された区市町村道について補助し、区市町村を支援してまいります。2、交差点改良では、第三次交差点すいすいプランなどを進めてまいります。3、無電柱化の推進では、都道における無電柱化を推進するとともに、区市町村への無電柱化補助を引き続き実施し、面的な無電柱化をさらに推進してまいります。島しょ地域におきましては、緊急整備区間や優先整備区間の無電柱化を着実に推進するとともに、電柱のない島を目指すため、先行整備する利島、御蔵島の二島の整備を加速してまいります。4、自転車通行空間の整備では、東八道路などで地域の道路事情に応じた整備を進めてまいります。5、道路附属物整備等では、東京ストリートヒューマン1st事業を実施し、まち並みと調和した歩道の景観を整備してまいります。
 八ページをお開きください。6の河川の改修の予算額は五百九十八億円でございます。
 概要欄の事業内容をご覧ください。
 1、中小河川の整備のうち、(1)、護岸の整備では、石神井川や善福寺川など二十八河川で護岸整備を実施いたします。(2)、調節池等の整備では、激甚化、頻発化する豪雨に対処する環状七号線地下広域調節池や谷沢川分水路など十五施設の整備等を推進してまいります。また、新たな調節池の事業化に向けた検討を進めており、仙川において基本設計に着手してまいります。また、2、河川防災の(3)、多摩河川の治水能力強化では、多摩地域の河川におきまして、護岸の強化等の対策を実施してまいります。
 九ページをお開きください。7の高潮防御施設の整備の予算額は三百三十五億円でございます。
 概要欄の事業内容をご覧ください。
 1、高潮防御施設の整備では、毛長川などで防潮堤の整備を、また、2、江東内部河川の整備では、横十間川などで護岸の整備を実施してまいります。さらに、首都直下地震の発生リスクが迫る中、発災時の迅速な航路確保や水上輸送に活用するため、新たに防災船の建造に着手いたします。3、東部低地帯における耐震・耐水対策の推進では、中川などの堤防や花畑水門などの施設でさらなる対策の強化を進めてまいります。6、水辺の魅力を活かした東京の顔づくりでは、隅田川を中心に人々が集い、にぎわいが生まれる水辺空間の創出に向けた取組として、テラス連絡橋の整備などを実施してまいります。
 一〇ページをお開きください。8の砂防海岸の整備の予算額は百五億円でございます。
 概要欄の事業内容をご覧ください。
 主に多摩・島しょ地域において、砂防や地滑り防止、海岸保全、急傾斜地崩壊対策などを進めてまいります。
 一一ページをお開きください。9の都市公園の整備の予算額は四百十六億円でございます。
 概要欄の事業内容をご覧ください。
 1、都立公園の整備のうち、(1)、個性豊かな都立公園の整備では、練馬城址公園や東伏見公園などで、開園につながる用地取得や公園造成を進めてまいります。また、だれもが遊べる児童遊具広場整備につきましては、都立公園の整備を進めますとともに、(3)の広場整備補助によりまして、区市町村に対する補助を引き続き実施し、整備を促進してまいります。(4)、世界をおもてなしする庭園の再生では、小石川後楽園などで保存、復元事業等を進めてまいります。2、都立公園の防災機能の強化充実では、防災公園の整備として、清澄庭園などにおいて夜間照明の充実や非常用発電機の整備などを実施してまいります。
 一二ページをお開きください。上段の10、動物園の整備の予算額は三十九億円でございます。
 概要欄の事業内容をご覧ください。
 1、恩賜上野動物園では、輸送施設解体工事などを、2、多摩動物公園では、シマウマ・オリックス舎の整備などを行い、3、葛西臨海水族園では、PFI手法により再整備事業を進めてまいります。
 下段の11、霊園葬儀所の整備の予算額は四十四億円でございます。
 概要欄の事業内容をご覧ください。
 2、区部霊園の再生では、青山霊園などにおいて霊園の再生事業を進めてまいります。3、既設霊園・葬儀所の整備では、青山葬儀所や瑞江葬儀所の建て替えを進めてまいります。
 一三ページをお開きください。上段の12、生活再建対策の予算額は十四億円で、生活再建資金の貸付けや代替地の購入を行ってまいります。特に、木密地域における特定整備路線の整備に当たりましては、引き続き生活再建に向けた支援策を実施してまいります。
 下段の13、市町村土木補助の予算額は五十六億円で、市町村が施行する道路整備、公園整備などの土木事業に対して補助を行ってまいります。
 一四ページをお開きください。14のその他投資的経費ですが、予算額は三百二十二億円で、主なものは、道路、河川の国直轄事業負担金でございます。
 一五ページをお開きください。15の都市基盤施設の良好な維持管理ですが、予算額は六百億円でございます。
 概要欄の最上段をご覧ください。道路、河川、公園などの都市基盤施設を良好な状態に保つ維持、修繕等に加え、安全性や景観の向上などに重点を置いた管理を実施してまいります。
 一六ページをお開きください。職員の給料、諸手当などの経常経費を記載してございます。
 次に、用地会計につきましてご説明いたします。
 一七ページをお開きください。事業用地先行取得でございます。
 この経費は、財務局から当局が執行委任を受け、道路、河川、公園事業において用地を取得するものでございます。予算額は七十一億円でございます。
 一八ページをお開きください。繰越明許費の詳細でございます。
 事業の性質上、年度内に支出が終わらないおそれのあるものにつきまして、翌年度に継続して実施するため、あらかじめ繰越明許費を計上しております。
 対象は、一般会計、土木費で二十五事業、用地会計が三事業、予算額は合わせて六百七十億円でございます。
 続きまして、債務負担行為についてご説明いたします。
 お手元の資料3、令和五年度当初予算債務負担行為をご覧ください。
 一ページをお開きください。債務負担行為は、工期が複数年にまたがり、分割契約が困難な工事などにつきまして、令和六年度以降の工事費等を、限度額を定め債務を予定するものでございます。
 一ページから一〇ページには、事項ごとに期間、限度額、対象事業、理由を記載してございます。
 なお、一一ページからは工事等の内訳を、六八ページ以降に議会の議決を要する九億円以上の工事についての図面がございます。
 以上で令和五年度当初予算案の説明を終わらせていただきます。
 続きまして、令和四年度補正予算案につきましてご説明申し上げます。
 資料4、令和四年度補正予算説明書をご覧ください。
 一ページをお開きください。令和四年度建設局予算総括表でございます。
 1、歳入歳出予算の表の一段目、一般会計、土木費の欄をご覧ください。
 今回の補正予算は七百五十三億一千七百万円の減額で、既定予算と合わせた補正後予算額は五千百二億八千二百万円となります。
 二ページをお開きください。令和四年度一般会計(土木費)予算総括表でございます。
 下段の表をご覧ください。今回の歳出補正予算に対する特定財源でございますが、歳出予算額の補正に伴い、繰入金や都債などの財源更正を行うものでございます。
 なお、下段の表の下の米印にございますように、財務局所管の東京強靱化推進基金積立金に充当するため、東京都無電柱化推進基金からの繰入金約二百三十億円を別途計上しております。
 三ページをお開きください。このページから一二ページまで、補正予算を計上する各事項につきまして、補正予算の科目、金額、経費内訳などを記載してございます。
 以上で令和四年度補正予算案の説明を終わらせていただきます。
 次に、資料5をご覧ください。条例案につきましてご説明申し上げます。
 表紙をおめくり願います。今回提出を予定している条例案三件の件名は、目次に記載のとおりでございます。
 一ページをご覧ください。条例案三件の概要をまとめたものでございます。条例案につきましては、本概要にてご説明申し上げます。
 整理番号1の東京都立公園条例の一部を改正する条例でございます。
 改正案の内容でございますが、受益者負担の適正化を図るため、公園施設の使用料の上限額を改定するものでございます。
 整理番号2の東京都霊園条例の一部を改正する条例でございます。
 改正案の内容でございますが、一点目は、東京都パートナーシップ宣誓制度の創設を踏まえ、合葬埋蔵施設への施設変更に係る規定を改めるもの、二点目は、雑司ケ谷霊園の一般埋蔵施設の使用料に係る規定を設けるものでございます。
 整理番号3の東京都無電柱化推進基金条例を廃止する条例でございます。
 内容でございますが、東京強靱(じん)化推進基金の新設に伴い、東京都無電柱化推進基金を廃止するものでございます。
 二ページ以降に議案及び新旧対照表を添付してございますので、後ほどご覧いただきたいと存じます。
 次に、資料6をご覧ください。契約案につきましてご説明申し上げます。
 表紙をおめくり願います。今回提出を予定している契約案四件の件名は、目次に記載のとおりでございます。
 一ページをお開きください。谷沢川分水路放流施設工事でございます。
 本工事は、年超過確率二十分の一の降雨に対処するため、現在、整備を進めている谷沢川分水路の最下流部において、谷沢川分水路の水を本川へ放流する施設を構築するものでございます。
 工事場所は世田谷区玉堤二丁目地内で、契約の相手方はフジタ・ホープ建設共同企業体、契約金額は十二億六千百二十九万七千四百円、工期は令和七年二月二十八日までとする工事請負契約を一般競争入札により締結しようとするものでございます。
 二ページをご覧ください。本件工事の案内図でございます。丸で囲んでおりますのが施工箇所でございます。
 三ページをご覧ください。構造物の形状は、平面図及び標準断面図のとおりでございます。
 四ページをご覧ください。箱根ケ崎陸橋(四)鋼けた製作・架設工事その二でございます。
 本工事は、青梅街道踏切の渋滞解消、歩行者の安全確保を目的として、道路がJR八高線をオーバーパスする橋梁整備を行うものでございます。
 工事場所は、西多摩郡瑞穂町箱根ケ崎地内で、契約の相手方は株式会社駒井ハルテック、契約金額は十一億二十九万二千九百五十二円、工期は令和七年一月二十七日までとする工事請負契約を一般競争入札により締結しようとするものでございます。
 五ページをご覧ください。本件工事の案内図でございます。丸で囲んでおりますのが施工箇所でございます。
 六ページをご覧ください。構造物の形状は、平面図及び標準断面図のとおりでございます。
 七ページをご覧ください。稲城多摩トンネル(仮称)(四)擁壁築造工事でございます。
 本工事は、多摩都市計画道路三・一・六号南多摩尾根幹線道路において、新たに築造する稲城多摩トンネル(仮称)東側坑口付近に位置する掘割部の擁壁築造を行うものでございます。
 工事場所は、稲城市長峰三丁目地内で、契約の相手方は大成・黒須建設共同企業体、契約金額は十億七千六十六万三千円、工期は令和六年十二月二十三日までとする工事請負契約を一般競争入札により締結しようとするものでございます。
 八ページをご覧ください。本件工事の案内図でございます。丸で囲んでおりますのが施工箇所でございます。
 九ページをご覧ください。構造物の形状は、平面図及び標準断面図のとおりでございます。
 一〇ページをご覧ください。古川整備工事(その二十四)でございます。
 本工事は、一時間当たり五十ミリの降雨に対処するため、延長百九十六・二メートルにおいて、河川土工などを行い護岸を整備するものでございます。
 工事場所は港区三田一丁目地内で、契約の相手方は青木あすなろ建設株式会社、契約金額は十億四千百七十万円、工期は令和七年七月二十二日までとする工事請負契約を一般競争入札により締結しようとするものでございます。
 一一ページをご覧ください。本件工事の案内図でございます。丸で囲んでおりますのが施工箇所でございます。
 一二ページをご覧ください。構造物の形状は、平面図及び標準断面図のとおりでございます。
 次に、資料7をご覧ください。事件案につきましてご説明申し上げます。
 表紙をおめくり願います。今回提出を予定している事件案二件の件名は、目次に記載のとおりでございます。
 一ページをお開きください。整理番号1の令和五年度の連続立体交差事業の実施に伴う費用の関係特別区・市の負担についてでございます。
 1の提案理由でございますが、本議案は、東京都が施行する連続立体交差事業の実施に伴う令和五年度の費用につきまして、関係特別区、市の負担限度額を定めるに当たり、地方財政法第二十七条第一項及び同条第二項に基づき提出するものでございます。
 2の関係特別区・市の負担限度額をご覧ください。連続立体交差事業の実施に伴う費用の関係特別区、市の負担につきまして、各鉄道の路線と箇所別に、港区など十区二市の負担限度額を定めるものでございます。
 二ページをご覧ください。整理番号2の令和四年度の連続立体交差事業の実施に伴う費用の関係市の負担の変更についてでございます。
 1の提案理由でございますが、本議案は、東京都が施行する連続立体交差事業の実施に伴う令和四年度の費用につきまして、関係市の負担限度額を改めるに当たり、地方財政法第二十七条第一項及び同条第二項に基づき提出するものでございます。
 2の関係市の負担限度額をご覧ください。連続立体交差事業の実施に伴う費用について、事業の進捗に伴い、東村山市の負担限度額を改めるものでございます。
 三ページ以降に議案を添付してございますので、後ほどご覧いただければと存じます。
 以上で令和五年第一回定例会提出予定案件の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○里吉委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。

○曽根委員 まず一点目、建設局の事業別予算額、予算、決算額の推移、過去十年分お願いします。
 二点目、一般会計予算、道路橋梁費における事業別財源内訳をお願いします。
 三点目、直轄事業負担金の推移、過去十年分。また、外かく環状道路関連については再掲でお願いします。
 四点目、建設局に関わる中小企業への工事発注実績、過去十年分お願いします。
 五点目、建設局発注工事における事業別入札不調件数及び発生率をお願いします。
 六点目、骨格幹線、地域幹線及び特定整備路線の区間名、箇所づけを付して、それぞれ総延長、進捗率、予算をお願いします。
 七点目、都市計画道路の整備方針における未着手路線、建設局施行分をお願いします。
 八点目、骨格幹線、地域幹線道路の事業化前の調査費計上路線、過去三年分お願いします。
 九点目、特定整備路線の境界立会い率及び用地取得率の進捗状況をお願いします。
 十点目、契約案について、一般競争入札の経過が分かる資料をそれぞれお願いします。
 最後に十一点目ですが、砂防施設、地滑り防止施設、急傾斜地崩壊対策の整備箇所の一覧をお願いします。
 以上です。

○里吉委員長 ほかいかがでしょうか。よろしいですか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○里吉委員長 ただいま曽根副委員長から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○里吉委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出願います。

○里吉委員長 次に、陳情の審査を行います。
 陳情四第一一六号及び陳情四第一一七号については、内容に関連がありますので、一括して議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○根来公園計画担当部長 お手元配布の資料8、陳情審査説明表の一ページにございます整理番号1、陳情四第一一六号をご覧いただきたいと存じます。
 本件は、葛西臨海水族園の建て替えに関する陳情で、江戸川区のえどがわ革新懇代表伊藤辰久さんから提出されたものでございます。
 本陳情の要旨は、都において、葛西臨海水族園の建て替えについて、次の四点を実現していただきたいというものでございます。
 一点目は、建て替えの詳細な計画を早期に明らかにし、利用者及び江戸川区民の意見を集約すること。
 二点目は、新施設について、既存のガラスドームとの連携を図ること。
 三点目は、新施設は芝生広場内に限定し、野鳥の森の保全のために樹木の伐採は行わないこと。
 四点目は、淡水生物館を保全することでございます。
 現在の状況でございますが、一点目につきましては、本事業に係る全体スケジュール及び新施設の概要は既に都のホームページ上で公表しており、整備内容の詳細については、現在実施中の設計の中で定めてまいります。また、パブリックコメントにより都民意見を広く聴取した上で基本構想及び事業計画を策定しておりまして、これらに基づき事業を進めているところでございます。
 二点目ですが、新施設の整備に際しては、既存施設との連携を確保するため、新旧両施設の往来を想定した配置とすることとしております。また、既存施設については、令和三年九月に公表した葛西臨海水族園既存施設利活用の基本的考え方により、新施設とも連携した利活用の検討を進めております。
 三点目ですが、新施設は、芝生広場を中心に建設することとしております。また、現在実施中の設計におきまして、樹木への影響を極力減らすよう配慮することとしております。
 四点目ですが、新施設の本館内において淡水生物に関する展示を行うこととしておりまして、現在の淡水生物館を保全する予定はございません。
 次に、二ページにございます整理番号2、陳情四第一一七号をご覧いただきたいと存じます。
 本件は、葛西臨海水族園(仮称)整備等事業及び葛西臨海水族園既存施設の利活用に関する陳情で、渋谷区の葛西臨海水族園の長寿命化を考える会代表横河健さんから提出されたものでございます。
 本陳情の要旨は、都において、葛西臨海水族園(仮称)整備等事業及び既存施設利活用の基本的考え方について、都の政策であるサステーナブルリカバリー及び「未来の東京」戦略を推進するため、葛西臨海水族園の更新に当たって、次の二点を実現していただきたいというものでございます。
 一点目は、既存ゲート及び本館を水族園全体のゲートとして利活用し、既存施設の保存再生と新棟計画とを統合し、併せて環境教育の場として活用するため、既存の本館と新施設との往来がブリッジまたは内部通路などにより、直接できるよう計画することでございます。
 二点目は、現在の水族園敷地全体の樹木や土壌などを含む自然環境を最大限守ること。特に、既存の淡水生物館及び流れ周辺の敷地北側の樹林を既存施設及び展示造形とともに利活用するために、新施設は、樹木の伐採を最小限とするため、芝生広場を中心に建設するという都の方針にのっとり、新施設の敷地は極力芝生広場の範囲から逸脱しない領域とし、水族園全体の景観と調和するよう計画することでございます。
 現在の状況でございますが、一点目につきましては、新施設では来園者の利便性を考慮し、既存施設とは別の場所にメインの出入口を設ける計画としております。また、都は、新施設の整備と並行して、既存施設についても、新施設と有機的に連携しながら利活用するというコンセプトに基づき検討を進めております。
 なお、既存施設の保存再生と新棟計画を統合することは予定しておりません。
 また、新施設の整備に際しましては、既存施設との連携を確保するため、両施設の往来を想定した配置とすることとしております。
 二点目ですが、新施設の本館内において淡水生物に関する展示を行うこととしておりまして、現在の淡水生物館を保全する予定はございません。また、新施設の整備においては、芝生広場を中心に建設するほか、既存樹木への影響を極力減らすよう配慮することとしております。
 説明は以上でございます。よろしくご審査のほどお願い申し上げます。

○里吉委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○小磯(善)委員 葛西臨海水族園の新施設整備に関する陳情について質問をいたします。
 葛西臨海水族園につきましては、昨年の第四回定例会におきまして、新施設整備の契約締結が承認をされたところでございます。
 PFI手法を採用して、民間のノウハウを活用した新たな水族園ということで、臨場感のある展示施設でありますとか、展示の演出でありますとか、また、自然との共生というメッセージ性の発信など、今までにない特徴を備えていると、このように聞いておりまして、葛西一帯の魅力をより向上させる施設を期待しておるところでございます。
 都民に親しまれる施設とするために、周辺環境や現在の水族園との連携にも十分配慮しながら事業を推進する必要がございます。これらの点について、この二つの陳情内容を踏まえて確認をしていきたいというふうに思います。
 昨年の第四回定例会の委員会質疑におきまして、現行の水族園のガラスドームなどのすばらしさに言及をいたしました。そして、その活用方法について質問をいたしましたところ、新たな水族園や公園と連携した利活用を検討していくという答弁でございました。
 将来、旧水族園のガラスドームと緑と一体化した新水族園の美しい景観、コントラストを期待しているところであります。
 両施設の連携については、外観のみならず、機能面での連携も重要でありますが、都としてどのように考えているのかお伺いいたします。

○根来公園計画担当部長 両施設の連携につきましては、新施設と既存施設の往来を想定した配置とすることとしております。
 具体的には、両施設の間に広場と散策路を整備することによりまして、両施設間、さらには公園全体の回遊性を生み出すことを予定しております。
 また、既存施設の利活用につきましては、自然に親しみながら環境教育を行う場とするなど、新たな水族園とも有機的に連携しながら利活用するというコンセプトに基づき検討を進めております。

○小磯(善)委員 新旧の両施設につきまして、大きな視点から連携を考え、整備を進めているということが分かりました。今後も葛西エリア全体の環境との調和という視点を持って新水族園の整備を着実に進めるとともに、既存施設の利活用についても、しっかり検討を進めてほしいと思います。
 次に、淡水生物の展示について伺いたいと思います。
 陳情四第一一六号では、現在の淡水生物館の保全、これを求めているわけですが、重要なのは、教育研究上必要な展示が行われているか、また、魅力的な展示となるということが大事だと思いますが、どのような工夫を行うかであると、このように思います。
 新施設では、淡水生物に関する展示をどのように行う予定なのかお伺いいたします。

○根来公園計画担当部長 新施設におきましては、本館内で淡水生物に関する展示を行うこととしております。
 具体的な展示内容としましては、外来種が在来種に与える影響など、身近な水辺が抱える様々な問題を学べるとともに、源流から河口に至る東京の多様な水辺の環境を再現することで、水や生き物を介して、河川、池、田んぼ、海がつながっていることを体感できる展示を行う予定でございます。

○小磯(善)委員 源流から河口に至るまでというのがよろしいですよね。それがぐるっと展示がされているということで、これはもう本当に期待したいと思いますが、新たな水族園における淡水生物の展示では、環境問題を知り、東京の様々な水辺のつながりを感じるなど、より広い視点での学びを促す工夫を盛り込むということが分かりました。
 葛西を訪れる人々が海だけではない、東京の水辺の魅力を存分に楽しみ、学ぶことができる展示となることを期待しているところでございます。
 また、第四回定例会の委員会質疑で、新たな水族園整備における緑の保全について伺ったところ、既存樹木に配慮しながら事業を進めるという答弁をいただいたわけでありますが、その後の樹木の取扱いに関する検討の進捗状況を伺いたいと思います。

○根来公園計画担当部長 現在、新施設に係る設計を進めているところでございまして、当該設計において、樹木への影響を極力減らすよう配慮することとしております。
 樹木が支障となる場合は、原則として不健全木、もしくは大径木等で移植困難なものを除き、移植を前提に設計を進めておりまして、個々の樹木の移植の可能性等について検討するため、本年三月から事業者が樹木調査を実施してまいります。
 樹木の具体的取扱いにつきましては、事業の進捗に合わせて適切に公表してまいります。

○小磯(善)委員 新たな水族園が自然との共生というメッセージを発信する臨海部の新たな拠点となると同時に、周辺の自然や施設と積極的に調和した葛西エリアの魅力向上に資する施設となるように、着実に事業を推進することを求めて、質問を終わります。

○原委員 原です。よろしくお願いします。
 今回提出された二本の陳情では、既存施設との連携、淡水生物館の保全や流れ周辺の樹林の伐採をしないでほしいなど、これから事業者が行う基本設計に関わる要望が多々出されています。
 まず、スケジュールを伺います。開園予定は二〇二七年度、令和九年度とされていますが、そこへ向けた設計と工事期間を伺います。

○根来公園計画担当部長 令和四年十二月から九年九月まで設計及び建設を実施し、十月から開業準備を行い、十年三月に供用を開始する予定でございます。

○原委員 完成まであと五年間です。建設期間を二年半から三年とすると、一年半から二年間ぐらいで基本設計を経て、実施設計までを行うことになると思います。
 本日は陳情の審査になりますが、先日、二月七日に公益社団法人日本建築家協会より、これですが、葛西臨海水族園整備等事業に関する東京都知事宛ての要望書が出されております。
 日本建築家協会の要望は、配置計画と樹木の保存の考えを早期に示すこと、既存水族園施設との連携が図れる検討、埋立地での土壌からの有害物質の可能性があることから、これの対応が明示されています。今回の陳情内容と重なる要望もあることが分かります。
 これ、都知事に渡されたのでしょうか。渡っていると思いますが、確認です。都知事はどのように対応したのかも教えていただければと思います。

○根来公園計画担当部長 お話の要望書につきましては、二月七日に東京都として収受いたしました。

○原委員 日本建築家協会の要望書の最初に、事業者の配置計画が明確でなく、三十年かけて育ててきた樹木の保存に関する不安があると書かれております。
 パネル一をご覧ください。これが事業者の提示した図です。皆さんもご覧になっていると思います。私もこの問題を取り上げるたびにいってきたんですが、このイメージ図だけでは、施設の配置がよく分かりません。
 都から、新施設は芝生広場を中心に造ると説明されてきたのですが、イメージ図を見ると、実際はかなり森を削るようだとなり、森はどうなるのか、これを見た人々に、ただ不安の声が出ているのが現実です。
 PFI事業者の提案内容が分からないまま契約を承認してくださいといわれ、共産党都議団は反対をいたしましたが、その後も事業提案内容、契約内容とも、いまだ未公表のままです。
 日本建築家協会は、PFI事業者の提案が一部公表されたことに対し、建設局公園緑地部と一月十二日に意見交換をしております。それを受けて、要望書を出しているわけですから、ここをしっかりやるべきとの改めての強い要請だと受け止める必要があると思うわけです。
 専門家の団体である建築家協会の要望に、都は、真摯に対応していただけるよう、ここで求めておきます。
 こうした要望も踏まえ、陳情で出されている課題についてお聞きします。どちらの陳情からも出されている淡水生物館の保全または利活用の要望についてです。
 淡水生物館の機能を本館に移すという事業者提案が出され、審査でも議論もされずに決まったことで、今回、驚いた地域住民から淡水生物館をなくさないでとの声が私のところに複数寄せられています。
 現淡水生物館をなくし、スクラップ・アンド・ビルドする理由をお示しください。

○根来公園計画担当部長 事業者募集時に示した要求水準書では、新水族園においても、既存の淡水生物館の機能を確保することを求めております。
 そして、事業者の提案による計画においては、新施設の本館内で淡水生物に関する展示を行うこととしております。

○原委員 事業者が新施設内に新たに設ける提案をしたから壊してしまう。老朽化で維持できないからなどという理由ではないわけです。だから、私、スクラップ・アンド・ビルドといったんです。まだ使えるのに壊してしまうということなんですね。
 江戸川区在住の方で淡水生物館が大好きという方に私はお話を伺いました。この淡水館は、源流から海に行き着くまでの川の流れや、そこに生きる淡水魚を見ることができる貴重な施設だということです。
 川の中にいるような感覚で見ることで、子供の高さで見られるし、教育にもとても適していると、心落ち着く、居心地のよい空間なのだと話していただきました。
 もう一方は、淡水生物館とともに、淡水館を囲むエリアがすばらしいのだとおっしゃいました。小川が流れ、木々が育っていて、空気がおいしく、大人が子供時代に触れた自然を思い出される環境だと語られました。
 子供目線で、鷺、鶴、コウノトリなどが自然の姿で見られるエリアが淡水館の横にあり、クイズなどで大人でも興味深く答えを考え、楽しみながら観察できる。また、いろんな種類の水草が育てられていて、その様子を楽しめることができるそうです。
 三十年かけて大切に手入れされ、なじんできた淡水生物館と流れのエリアのこうした貴重な展示を簡単になくしてしまうのは、あまりにもったいないのではないでしょうか。そして、淡水生物館から流れ周辺の敷地の樹林はどうなるのか。本当に住民の方が不安に思われています。
 どちらの陳情者の方も触れられていますが、事業者の展示資料がイメージ図のみで、新施設と樹木の位置関係がほとんど分からないので、私、担当者に聞きながら、地図に落としてみました。それがこちらです。樹木が緑の部分です。そして、このピンクの部分が、想像なんですけれども、大体この事業者に依頼をした敷地の三分の一という面積で建物が建つということで、五角形の建物、このように置いてみました。
 流れ周辺の敷地の樹林というのは、ここが淡水生物館ですので、この辺りになります。ここ一帯ですね。このエリアの樹木の本数は、およそ何本ぐらいになるか教えてください。

○根来公園計画担当部長 事業者募集時に公表した樹木調書では、淡水生物館及びその流れ周辺の樹木の本数は約千四百本でございます。

○原委員 ありがとうございます。
 千四百本あるんですね。公園全体から見ても本当に貴重な樹林帯です。
 道を隔てて東側というか北側になるのかな、こっち側が野鳥園で、鳥類エリアです。池や湿地帯があるため、いろんな種類の鳥が羽を休めにやってきます。虫もたくさんすんでいる樹林です。ずっと森が続いている、つながっているようなところです。
 こうして新たに造る施設を地図に重ねてみますと、建設によりこの一帯の樹林の九割ぐらいが失われるんではないかというふうに想像されます。
 樹木に配慮をするという都の方針を提示されているわけですから、この計画をもう一度見直し、樹木の伐採をできる限りしない建て方を考えるべきと思いますが、いかがでしょうか。

○根来公園計画担当部長 現在、新施設に係る設計を進めているところでございまして、当該設計において、樹木への影響を極力減らすよう配慮することとしております。
 樹木が支障となる場合は、原則として不健全木、もしくは大径木等で移植困難なものを除き、移植を前提に設計を進めております。

○原委員 要求水準書にも移植を前提に検討することと確かに書いてあります。書いてはあるんですが、大抵の開発計画でもそう書かれていて、書かれていても樹木は支障があればどんどん切られていて、この文章が歯止めにならないことは残念ながら明らかなんです。
 原則として移植と簡単におっしゃいますけれども、移植なんて簡単なことではないし、根っこから掘り返すわけですから、植え直しても枯れてしまうこともあると樹木の専門家にお聞きしました。
 先ほど樹木調査を行うというふうにいわれていますが、これ、いつからやられるのか、お聞きしたいと思います。

○根来公園計画担当部長 事業者において本年三月から実施する予定でございます。

○原委員 ありがとうございます。
 三十年かけて大木に育っている、この一帯の樹林は、公園全体から見ても大事なエリアです。千四百本ある中で、その多くを移植なんていうことは不可能ではないかと思います。
 イメージ図を見ますと、先ほどのものですが、現在、樹林であるエリアに駐車場が描かれています。駅前にたくさん駐車場のエリアがあるのに、樹林を壊して、そういうものを造るのかと大変驚いておりますが、そういうことを尋ねても、基本計画はこれからでまだ定まっていないとの担当者からのお答えをいただいております。
 それならこれからつくる基本設計に樹木の伐採を減らす観点をもっと取り入れることが可能だというふうに思います。できる限り伐採しない施設の配置と設計をどうしたらできるのか、樹木や建築の専門家間で知恵を出し合う議論を正面からしていただきたいと思います。
 野鳥の会東京支部の方が、公園の木は一本でも切ってほしくないといわれていました。樹木は公園の主役です。このエリアの樹林を残すことを求める陳情に賛同します。必ず検討していただきたいと思います。
 続いて、既存水族館との連携についてです。既存の水族館については、新たな水族園と連携した利活用をするとされていますが、新水族園建設と時期を並行して検討するのか、それとも新施設完成後に利活用の方法を考えるのか、どちらでしょうか。

○根来公園計画担当部長 既存施設の利活用につきましては、新施設の整備と並行して検討を進めております。

○原委員 並行してというお答えでしたが、事業者の配置計画には、既存施設が描かれていません。動線計画も含めての検討を改めて求めます。
 基本設計の原案と同時期に公表できるならば、都民としても全体像が分かってよいと思います。日本建築家協会から、用途に関する提案を募集するコンペを行ったらというアイデアも出されていましたので、ぜひ検討をお願いいたします。
 陳情で出されている要望には、基本設計づくりの現段階で議論されるべきものが多々ありますが、水族園関係者、専門家や都民、利用者の意見を設計に反映させる仕組みを二〇二三年度中に実現すべきではありませんか。また、都民との対話、こうした場はあるでしょうか。

○根来公園計画担当部長 事業者が行う基本設計等において、都がモニタリングを行う際、水族館運営、博物館、環境教育、建築等の専門家から助言を得ることとしております。
 なお、新施設の整備に当たりましては、パブリックコメントにより都民等から意見を広く聞いた上で、基本構想や事業計画を策定し、事業を進めております。

○原委員 都がモニタリングを行う際、専門家の助言を得るということです。ですが、都民の意見はパブコメで聞いて、基本構想と事業計画をつくったから、今度はもう聞く機会を持たないというようなニュアンスの答弁だったのかなと思います。
 今回、パブコメ後、要求水準書が出されて、事業者が決まって出された情報の範囲でも、こうした疑問や意見が出ており、陳情が出されたという経過を踏まえれば、やはり今後も意見を聞いていくことが必要だと思います。
 モニタリングの際、専門家の助言を受けるということなので、ぜひ、助言やその議論の記録も都民が見られるようにしてほしいです。
 そして、やはり都がモニタリングを行う際に、専門家のみならず、都民や利用者の意見も聞いていただきたいと思います。利用者は当事者ですから、そうした人々の声はとても大事です。
 PFI事業は、設計から施工管理まで一貫して委託をしますが、完成した建物は、東京都の所有に戻ります。都民が自分たちの家を建てるのに、意見をいえる場は絶対に必要です。
 樹木の伐採について、また、これまで議論してこなかった淡水生物館について、複数の陳情が出されていることを重く受け止めることが都として当然の責務だと思います。今回の過程でも、都民の要望を聞く機会を保障していただけるようお願いします。
 最後にお伺いします。葛西臨海水族園の、ほかの水族園にない魅力についてどうお考えでしょうか。

○根来公園計画担当部長 葛西臨海水族園は、自然豊かな葛西臨海公園内に立地をしており、都立水族館として種の保存や調査研究、教育、レクリエーションの機能を発揮しております。

○原委員 大事なことを確認できたと思います。海の見える公園、野鳥が飛来し、羽を休める干潟があり、池があり、そこにはヤマトオサガニやトビハゼや希少な動植物が日々生息しております。
 現水族園のガラスドームは、その自然にあふれた緑と生き物、空と海に溶け込み、調和したすばらしい建物になっています。都民の皆さんも、江戸川区民も大好きな場所です。
 唯一の都立水族園として、国内外の水族館との連携も活発で、大学などの研究者も調査で訪れ、小中学校の教育施設でもあります。都立施設として都民に開かれた利用しやすい入園料の設定になっているのも特徴です。
 これらの魅力をしっかりと認識した上で、自然環境をより大事にしていく象徴として、水族園整備等事業を考えていく必要があると思います。
 陳情で出されている樹木の保全、自然環境を守るという立場に立って進めることは、脱炭素社会へ向けた時代の要請でもあります。
 陳情の全項目に賛成し、採択すべきものと表明をして、質問を終わります。ありがとうございました。

○漢人委員 葛西臨海水族園の建て替えに関する陳情及び葛西臨海水族園(仮称)整備等事業及び葛西臨海水族園既存施設の利活用に関する陳情に関して意見を述べます。
 葛西臨海水族園の整備に当たっては、現在の水族園の施設や樹木など、自然環境を最大限に維持することを求めてきました。
 残念ながら新施設案では、淡水生物館は失われ、樹木については移植も含めて影響を極力減らすよう配慮するとのことです。相当な伐採や移植による結果的な枯死、喪失が危惧されます。
 二〇三〇カーボンハーフ、生物多様性の保全の観点から、既存建築物は極力改修により延命化し、樹木の伐採は行わないことを基本とするべきです。
 葛西臨海公園及び葛西臨海水族園は、一九八〇年代から整備され、三十年かけて木々は育ち、森となり、人工的につくられた環境が生物多様性に満ちた世界に誇るべき環境再生モデルとなりました。その貴重な自然環境を損なうような整備は見直すべきです。
 よって、この二つの陳情に賛成します。

○里吉委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 初めに、陳情四第一一六号を採決いたします。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○里吉委員長 起立少数と認めます。よって、陳情四第一一六号は不採択と決定いたしました。
 次に、陳情四第一一七号を採決いたします。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○里吉委員長 起立少数と認めます。よって、陳情四第一一七号は不採択と決定いたしました。
 以上で陳情の審査を終わります。
 以上で建設局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後四時十一分散会

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