環境・建設委員会速記録第十八号

令和四年十二月十三日(火曜日)
第九委員会室
午後一時開議
出席委員 十三名
委員長里吉 ゆみ君
副委員長須山たかし君
副委員長曽根はじめ君
理事柴崎 幹男君
理事成清梨沙子君
理事小磯 善彦君
漢人あきこ君
山田ひろし君
原  純子君
渋谷のぶゆき君
伊藤こういち君
こいそ 明君
たきぐち学君

欠席委員 なし

出席説明員
環境局局長栗岡 祥一君
次長笹沼 正一君
理事宮澤 浩司君
総務部長節電行動連携担当部長兼務小川 謙司君
建設局東京都技監建設局長兼務中島 高志君
次長副島  建君
道路監花井 徹夫君
総務部長浅野 直樹君

本日の会議に付した事件
付託議案の審査(決定)
・第二百六号議案 令和四年度東京都一般会計補正予算(第五号)中、歳出 環境・建設委員会所管分
・第二百二十一号議案 都民の健康と安全を確保する環境に関する条例の一部を改正する条例
・第二百五十三号議案 東京都立小峰公園の指定管理者の指定について
・第二百五十四号議案 東京都高尾ビジターセンターの指定管理者の指定について
・第二百五十五号議案 東京都御岳ビジターセンターの指定管理者の指定について
・第二百五十六号議案 東京都御岳インフォメーションセンターの指定管理者の指定について
・第二百五十七号議案 東京都小笠原ビジターセンターの指定管理者の指定について
・第二百五十八号議案 東京都立猿江恩賜公園外六公園の指定管理者の指定について
・第二百五十九号議案 東京都立日比谷公園外五公園の指定管理者の指定について
・第二百六十号議案 東京都立戸山公園外七公園の指定管理者の指定について
・第二百六十一号議案 東京都立武蔵野公園外六公園の指定管理者の指定について
・第二百六十二号議案 東京都立陵南公園外三公園の指定管理者の指定について
・第二百六十三号議案 東京都立狭山・境緑道外五公園の指定管理者の指定について
・第二百六十四号議案 東京都立長沼公園外四公園の指定管理者の指定について
・第二百六十五号議案 東京都立夢の島公園外一施設の指定管理者の指定について
・第二百六十六号議案 東京都立大神山公園の指定管理者の指定について
・第二百六十七号議案 日比谷公園大音楽堂の指定管理者の指定について
・第二百六十八号議案 葛西臨海水族園の指定管理者の指定について
請願陳情の審査
(1)四第一〇号 新築物件への太陽光パネル等の設置義務化の中止・撤回に関する請願
(2)四第七四号 新築物件への太陽光パネル等の設置義務化の中止・撤回に関する請願の採択に関する陳情
(3)四第七六号 太陽光発電設備の設置義務化の推進に関する陳情
請願陳情の継続審査について
特定事件の継続調査について

○里吉委員長 ただいまから環境・建設委員会を開会いたします。
 これより付託議案の審査を行います。
 第二百六号議案、令和四年度東京都一般会計補正予算(第五号)中、歳出、環境・建設委員会所管分、第二百二十一号議案及び第二百五十三号議案から第二百六十八号議案までを一括して議題といたします。
 本件につきましては、いずれも既に質疑を終了しております。
 この際、本案に対し発言の申出がありますので、これを許します。

○柴崎委員 それでは、私の方から意見開陳をさせていただく前に、なぜこの条例改正に賛成できないのか、その理由をパネルにまとめました。
 まず一つは、なぜ義務化なのか、それから、人権問題は、都民理解は得られたか、この三点につきまして、小池都知事からの明確な答弁がなかった。このことが、この条例改正に賛成できない大きな理由でございます。
 それでは、意見開陳をさせていただきたいと思います。
 環境確保条例の一部を改正する条例について申し上げます。
 これまで都は、事業の趣旨に賛同いただける方への補助制度を用意することで、太陽光発電を推進してきました。太陽光発電の推進について、我が会派は、国とも歩調を合わせ、推進していく立場です。
 しかし、補助事業による取組推進とパネル設置の義務化とでは、事業の性格が全く異なります。そして、現時点で義務化することについて、都民の皆様の間に理解が浸透し、納得いただけている状況にはないというのが我が会派の認識です。
 都自らも二年の準備期間が必要であるとし、条例施行も二年三か月先としています。二年三か月の準備期間を設けるのであれば、その間に現在の太陽光パネル設置への補助事業の進捗状況を見極め、都民、事業者の意見を伺い、事業全体の規模、環境対策としての効果、リサイクル体制の整備、人権問題への対応など様々な課題と対応を明確にしながら、都民のご理解と納得をいただいた上で、義務化の是非を決断すべきと考え、本会議、委員会において質疑いたしましたが、明確な答弁はいただけませんでした。
 都が進めようとしているパネル設置義務化事業の全体像が明らかにされないまま、義務化開始を決めてしまう改正条例案に賛成することはできないと判断いたしました。こうしたことから、条例改正には賛成することはできません。
 次に、補正予算について申し上げます。
 太陽光発電が脱炭素化に向けた重要な手法の一つであることは明らかであり、住宅が密集する東京では、太陽光パネル設置の取組は有効と考えています。
 東京都は、補助事業を設けることで、その動きを支援しておりますが、我が会派もこうした都の取組にはしっかりと協力してまいります。
 補正予算の内容は、都が定める事業計画を提出すれば、設計や施工技術の向上等に関わる事業者の取組を支援するとともに、総合窓口を設置し、普及啓発活動を行うための経費などを予算化するものです。
 都が現在進めている補助事業による太陽光パネル設置事業を推進していく上で、住宅を建築する事業者支援を充実することは、事業を進めていく上で有効な取組であると考えます。
 条例改正案と補正予算案が同時に提案され、都は、この施策を条例改正に伴う支援策と説明していますが、既に申し上げておりますとおり、二年先に施行される条例改正案が仮に可決されたとしても、現行条例にはいささかの変更もなく、東京都は現行条例に基づいて事業を進めていくことになる、このことは事実であります。
 本来であれば、来年度予算として、第一回定例会において丁寧に議論すべきでありますが、現行条例の下で、これまで行ってきた事業を拡充することで、都の太陽光パネル設置の取組を促進するものであることに鑑み、補正予算には賛成いたします。
 以上です。

○曽根委員 本委員会に付託された議案について、日本共産党の意見を述べます。
 まず、都立公園などの指定管理者の指定について、我が党は、本来公共の施設として、都の直営を堅持すべきであり、指定管理者を置く場合も、公共団体を指定すべきとの立場です。
 民間企業を指定する場合は、高い専門性が求められる部門、または業務委託の十分な実績があり、施設管理が利益優先に陥らない確証がある場合に限定すべきです。
 以上の立場から、第二百五十八号議案、第二百六十一号議案から二百六十三号議案まで並びに第二百六十五号議案には反対いたします。
 なお、他の議案については、昨日の本委員会での我が党の質疑を含めて、賛成であることを表明して意見表明といたします。
 以上です。

○須山委員 本委員会に付託をされました議案に関して、東京都議会立憲民主党として意見を述べさせていただきます。
 特に第二百二十一号議案、都民の健康と安全を確保する環境に関する条例の一部を改正する条例に関して、賛成の意見を述べさせていただきます。
 人類の活動によって引き起こされてきた気候変動、頻発し、激甚化する災害などにどう立ち向かい、その発生を緩和させていくのか、そして、未来を担う子供たちにどうこの地球を引き継いでいくのか、今まさに私たちの行動が問われております。
 東京都議会立憲民主党は、気候変動を緩和する脱炭素社会に向けた取組を積極的に進める立場にあり、東京都が今回提示した都内建築物に関する環境性能を高める制度の新設、気候変動緩和策の推進を評価し、求めるものです。
 今回の条例改正は、都内温暖化ガス排出量の七割を占める業務部門と家庭部門の脱炭素化に向けた対策の強化です。そこで、この制度強化によってどの程度転換が進むのか、効果が具体的に示されることが必要です。そして、都内建築物に関する環境性能を高め、創エネにも取り組む東京都の事業への理解を求めていかなければなりません。
 そこで、施行日までの二年間にわたって、新築住宅を建てる、購入する都民以外の幅広い都民に対しても、様々な懸念を払拭し、理解が促進されるよう取り組む必要があります。
 そして施行後は、新制度がもたらす住宅価格への影響や、中小工務店などへの影響など、関連する状況についての調査を行い、結果に基づき、施策の更新を行っていただきたいと考えます。
 住宅メーカーなど事業者に関しては、義務化を伴わない事業者も含めて、条例施行の前でも早期の取組を促し、積極的な建築物の環境性能を高め、太陽光パネルの設置に向けて取り組むべきです。
 また、既存住宅の断熱性能をアップするためのリフォームや、再生可能エネルギー設備導入への支援、省エネ家電への更新などにより、住宅に係る脱炭素をより一層進めるべきと考えます。
 東京都が今後も太陽光パネルの設置を推進させるならば、パネルの低コスト化や、ペロブスカイト型の開発などによる軽量化、環境に配慮した素材の実用化など、国内での技術が進展する動きを見据えて、それぞれ後押しをしていただきたいと考えます。
 最後に、東京都は、業務部門と家庭部門だけでなく、産業部門や運輸部門、廃棄物部門でも転換策に取り組むべきであり、水素供給の仕組みづくりや、ZEVの普及拡大といった施策を実現するとともに、税制も活用しながら取組を進めるべきです。
 改めて脱炭素社会、ゼロエミッション東京の実現に向け、条例改正に賛成し、東京都議会立憲民主党としての賛成の意見を表明させていただきます。

○漢人委員 第二百二十一号議案、都民の健康と安全を確保する環境に関する条例の一部を改正する条例及び関連する補正予算に賛成する立場での意見を述べます。
 気候危機対策は待ったなしの緊急課題です。既に現在進行形で観測史上初めてという事態が頻発しています。台風被害は甚大化し、猛暑による熱中症で亡くなる方も増えています。世界的にも、今年はスリランカでは大洪水で国土の三分の一が水没し、中国や東アフリカでは大干ばつで、川や湖が干上がり、ヨーロッパやアメリカなど北半球での記録的な熱波では山火事が止まらず、スペインでは二十三区の四倍の面積が焼失するという事態にまでなっています。そして、多くの様々な命が失われています。
 温室効果ガスの発生を抑制できなければ、子供たちは、さらに苛酷な気候災害の激化する世界で生きていかなければならなくなります。また、現在、化石燃料の採掘等による人権侵害や環境破壊も発生しています。
 再生可能エネルギーなら万全というわけではありません。太陽光発電にも風力発電にも様々な問題、リスクが伴います。しかし、今示されているリスクは回避することができるのではないでしょうか。
 東京都が国にも先んじて、太陽光発電義務化に踏み込むということは、そのリスク回避への果敢な挑戦にも先頭に立って取り組むということです。職員の皆さんには、実に重大な大きな責任を引き受けていただくことになります。心からよろしくお願いしますと申し上げます。
 そして、今回の条例改正では、太陽光発電義務化の建築物環境報告書制度の新設と並んで、電力供給事業者の再エネ割合をアップするためのエネルギー環境計画書制度の強化も重要です。
 特に、東京の電力の七割を供給している東京電力が変わらなければ、東京の再エネ率、CO2削減は進みません。東京電力がまずは石炭火力発電から脱却し、原発にも依存せず、再生可能エネルギーを中心とした事業者へと移行するために大きな効果を期待します。
 重ねて、職員の皆さんの奮闘に感謝しつつ、都議会議員として、また、一都民としても力を尽くしていきたいと思います。よろしくお願いします。
 以上です。

○里吉委員長 発言は終わりました。
 これより採決を行います。
 初めに、第二百二十一号議案を採決いたします。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、原案のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○里吉委員長 起立多数と認めます。よって、第二百二十一号議案は原案のとおり決定いたしました。
 次に、第二百五十八号議案、第二百六十一号議案から第二百六十三号議案まで及び第二百六十五号議案を一括して採決いたします。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○里吉委員長 起立多数と認めます。よって、第二百五十八号議案、第二百六十一号議案から第二百六十三号議案まで及び第二百六十五号議案は、いずれも原案のとおり決定いたしました。
 次に、第二百六号議案、令和四年度東京都一般会計補正予算(第五号)中、歳出、環境・建設委員会所管分、第二百五十三号議案から第二百五十七号議案まで、第二百五十九号議案、第二百六十号議案、第二百六十四号議案及び第二百六十六号議案から第二百六十八号議案までを一括して採決いたします。
 お諮りいたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○里吉委員長 異議なしと認めます。よって、第二百六号議案、令和四年度東京都一般会計補正予算(第五号)中、歳出、環境・建設委員会所管分、第二百五十三号議案から第二百五十七号議案まで、第二百五十九号議案、第二百六十号議案、第二百六十四号議案及び第二百六十六号議案から第二百六十八号議案までは、いずれも原案のとおり決定いたしました。
 以上で付託議案の審査を終わります。

○里吉委員長 次に、請願陳情の審査を行います。
 請願四第一〇号を議題といたします。
 本件については、既に質疑を終了しております。
 これより採決を行います。
 お諮りいたします。
 本件は、不採択とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○里吉委員長 異議なしと認めます。よって、請願四第一〇号は不採択と決定いたしました。
 次に、陳情四第七四号を議題といたします。
 本件については、既に質疑を終了しております。
 これより採決を行います。
 お諮りいたします。
 本件は、不採択とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○里吉委員長 異議なしと認めます。よって、陳情四第七四号は不採択と決定いたしました。
 次に、陳情四第七六号を議題といたします。
 本件については、既に質疑を終了しております。
 これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○里吉委員長 起立多数と認めます。よって、陳情四第七六号は趣旨採択と決定いたしました。
 なお、本件中、採択と決定いたしました分につきましては、執行機関に送付し、その処理の経過及び結果について報告を請求することにいたしますので、ご了承願います。
 以上で請願陳情の審査を終わります。

○里吉委員長 次に、請願陳情及び特定事件についてお諮りいたします。
 本日まで決定を見ていない請願陳情並びにお手元配布の特定事件調査事項につきましては、それぞれ閉会中の継続審査及び調査の申出をいたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○里吉委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○里吉委員長 この際、所管二局を代表いたしまして、栗岡環境局長から発言を求められておりますので、これを許します。

○栗岡環境局長 発言のお許しをいただき、両局を代表いたしまして御礼のご挨拶を申し上げます。
 今定例会に提案いたしました議案につきまして、ただいまご決定をいただきました。
 里吉委員長をはじめ、各委員の皆様方には、一方ならぬご指導を賜りまして、厚く御礼申し上げます。ありがとうございました。
 本定例会におきまして頂戴いたしました貴重なご意見、ご提言につきましては、今後の施策に十分反映させてまいります。今後とも両局に対しまして、より一層のご指導、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
 以上、甚だ簡単ではございますが、ご挨拶とさせていただきます。どうもありがとうございました。

○里吉委員長 発言は終わりました。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後一時十九分散会

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