委員長 | 里吉 ゆみ君 |
副委員長 | 須山たかし君 |
副委員長 | 曽根はじめ君 |
理事 | 柴崎 幹男君 |
理事 | 成清梨沙子君 |
理事 | 小磯 善彦君 |
漢人あきこ君 | |
山田ひろし君 | |
原 純子君 | |
渋谷のぶゆき君 | |
伊藤こういち君 | |
こいそ 明君 | |
たきぐち学君 |
欠席委員 なし
出席説明員建設局 | 東京都技監建設局長兼務 | 中島 高志君 |
次長 | 副島 建君 | |
道路監 | 花井 徹夫君 | |
総務部長 | 浅野 直樹君 | |
用地部長 | 澤井 晴美君 | |
道路管理部長 | 荒井 芳則君 | |
道路建設部長 | 湯川 雅史君 | |
三環状道路整備推進部長 | 手塚 寛之君 | |
公園緑地部長 | 小谷 健君 | |
河川部長 | 齊藤 俊之君 | |
企画担当部長建設DX推進・危機管理強化担当部長兼務 | 松島 進君 | |
道路保全担当部長 | 斉藤 有君 | |
無電柱化推進担当部長 | 福永 太平君 | |
道路計画担当部長 | 砂田 覚君 | |
公園計画担当部長 | 根来 千秋君 | |
河川防災担当部長 | 周郷 友義君 |
本日の会議に付した事件
建設局関係
事務事業について(質疑)
○里吉委員長 ただいまから環境・建設委員会を開会いたします。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、建設局関係の事務事業に対する質疑を行います。
これより建設局関係に入ります。
事務事業に対する質疑を行います。
本件につきましては、既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布しております。
資料について理事者の説明を求めます。
○浅野総務部長 去る十月十八日の当委員会において要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
お手元の環境・建設委員会要求資料をご覧ください。
表紙をおめくりいただきますと、目次に十七件の資料の件名が記載してございます。
一ページをご覧ください。都道の維持管理費の推移でございます。
この表は、都道の維持管理費につきまして、平成三十年度から令和三年度までの決算額及び令和四年度の当初予算額を、道路維持費、橋梁維持費別に表したものでございます。
二ページをご覧ください。都立公園の計画から開園までの進め方及び都市計画事業を施行している都立公園でございます。
二ページのフロー図は、都立公園の計画から開園までの進め方を表したものでございます。
三ページをご覧ください。三ページの表は、令和四年十月一日現在の都市計画事業を施行している都立公園について、公園名と事業認可面積を表したものでございます。
四ページをご覧ください。都立公園の維持管理費及び整備費の推移でございます。
この表は、都立公園の維持管理費と整備費につきまして、平成三十年度から令和三年度までの決算額と主な整備箇所及び令和四年度の当初予算額と主な整備予定箇所を表したものでございます。
五ページをご覧ください。多摩地域における急傾斜地崩壊対策の整備状況の推移でございます。
この表は、多摩地域における急傾斜地崩壊対策の整備状況につきまして、平成三十年度から令和三年度までの決算額と整備箇所及び令和四年度の当初予算額と整備予定箇所を表したものでございます。
六ページをご覧ください。用地取得委託の状況でございます。
この表は、用地取得委託の状況につきまして、平成三十年度から令和四年度までの委託先、路線、公園数及び主な路線箇所等を表したものでございます。
七ページをご覧ください。中小河川の整備状況の推移でございます。
この表は、中小河川の整備状況につきまして、平成二十五年度から令和三年度までの整備延長と決算額及び令和四年度の整備予定延長と当初予算額を表したものでございます。
八ページをご覧ください。この表は、令和三年度中小河川の整備状況につきまして、河川ごとの整備延長と決算額を表したものでございます。
九ページをご覧ください。東部低地帯耐震・耐水対策の整備状況の推移でございます。
この表は、東部低地帯の河川施設整備計画に基づく東部低地帯における耐震、耐水対策につきまして、平成三十年度から令和三年度までの決算額と完成規模を表したものでございます。
一〇ページをご覧ください。この表は、東部低地帯の河川施設整備計画(第二期)に基づく東部低地帯における耐震、耐水対策につきまして、令和四年度の当初予算額と完成予定規模を表したものでございます。
一一ページをご覧ください。都市公園の維持管理費、整備費及び用地取得状況の推移でございます。
この表は、都市公園の維持管理費と整備費及び整備費のうち用地取得費につきまして、平成二十五年度から令和三年度までの決算額と用地取得の規模及び令和四年度の当初予算額と用地取得予定の規模を表したものでございます。
一二ページをご覧ください。一二ページから一六ページまでの表は、都市公園における平成二十九年度から令和三年度までの公園ごとの用地取得費に係る取得規模と決算額を表したものでございます。
一七ページをご覧ください。道路補修費の予算・決算額の推移でございます。
この表は、道路補修費につきまして、平成二十五年度から令和三年度までの予算額と決算額及び区部と多摩部別の決算額、令和四年度の当初予算額を表したものでございます。
一八ページをご覧ください。歩道の整備状況の推移でございます。
この表は、歩道の整備につきまして、平成二十五年度から令和三年度までの整備延長と決算額及び令和四年度の整備予定延長と当初予算額を区部、多摩部別に表したものでございます。
一九ページをご覧ください。骨格幹線道路(主要路線)・地域幹線道路の整備費の推移でございます。
この表は、骨格幹線道路と地域幹線道路の整備費につきまして、平成三十年度から令和三年度までの決算額、令和四年度の当初予算額を表したものでございます。
二〇ページをご覧ください。特定整備路線の計画概要と進捗状況(建設局施行)でございます。
この表は、特定整備路線につきまして、整備計画の概要と進捗状況及び用地取得率を表したものでございます。
二一ページをご覧ください。骨格幹線・地域幹線道路の事業化前の調査費計上路線でございます。
二一ページから三〇ページまでの表は、骨格幹線道路と地域幹線道路の事業化前の調査費計上路線につきまして、令和二年度から令和四年度までの予算に計上している路線名、区市町村、当初予算額を表したものでございます。
三一ページをご覧ください。都道における無電柱化の進捗状況でございます。
この表は、都道における無電柱化につきまして、平成二十九年度末から令和三年度末までの整備対象延長、整備済み延長、地中化率を区部、多摩部別に表したものでございます。
令和三年度末は、東京都無電柱化計画、東京都島しょ地域無電柱化整備計画ごとに記載してございます。
三二ページをご覧ください。外環道の陥没事故の補償に向けた資料でございます。
三二ページから八七ページまでの資料は、令和四年十月七日及び八日に開催された地盤補修工事の全体計画に関するオープンハウスの配布資料でございます。
八八ページから一一八ページまでの資料は、令和四年十月八日のオープンハウスで配布された陥没、空洞事故の概要に関する資料でございます。
一一九ページをご覧ください。建設事務所で保有している排水ポンプ車の台数でございます。
この表は、令和四年十月末現在の建設事務所で保有している排水ポンプ車の台数を表したものでございます。
一二〇ページをご覧ください。葛西臨海水族園(仮称)整備等事業契約の締結までの概要でございます。
この表は、葛西臨海水族園(仮称)整備等事業につきまして、契約締結までの日程及び事項を表したものでございます。
以上で要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○里吉委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○こいそ(明)委員 それでは、何点か質問をさせていただきたいと思います。
まず初めに、多摩地域における通学路の安全対策についてからお願いしたいと思います。
子供たちの安全を守るための道路整備についてでありますけれども、昨年、もう早いもので、昨年の六月、千葉県の八街市において、下校途中の児童の列にトラックが突っ込むと、そしてまた、五人が死傷するという大変痛ましい事故が発生して、まだ記憶に新しいところだと思います。
こうした事故が起こる危険性は東京においても当然にあり、それを未然に防ぐためには、関係者が連携をしながら、直ちに実施できる対策と抜本的な対策の双方を推進していく必要性があると思います。
最初に、前者の対策の進捗を確認させていただきたいと思います。
そこでまず、あの悲惨な八街の事故を受けて、特にその後、この多摩地域ですね、とりわけ、都道において、通学路の安全対策をどのように進められてこられたか、これについてお願いします。
○斉藤道路保全担当部長 令和三年六月の八街市における事故を受けまして、国は、都道府県等に対し、学校、道路管理者、警察の三者による通学路の合同点検を実施するよう通知しました。
都は、この通知を受けまして、地元小学校や警察署等との合同点検を実施し、多摩地区の都道におきましては、稲城日野線の連光寺一丁目付近や鶴川街道の稲城福祉センター入口交差点付近など、五十五か所の対策必要箇所を抽出いたしました。
点検後は、路側帯のカラー舗装化や防護柵の設置等の対策を進め、これまでに全ての箇所の対策は完了しております。
○こいそ(明)委員 直ちに実施をしていただく対策ということの中で、今答弁ありましたようなことが行われてきたということでありますけれども、しかし、まだまだ通学路、歩行者の安全対策という観点から見て、箇所的に万全ではまだないんではないかと。そういう中で、極めて狭隘な道路は多摩地域の方には結構あるんですね。
そして、これは何回もいって申し訳ないんですけれども、当然車椅子も通行できない場所もあるわけでありまして、このため、まさに抜本的な対策が必要であろうと。さらに道路整備、歩行者の安全対策という観点から、さらに整備をより進めていっていただきたいと思うわけであります。
私、以前からも歩行者道路、歩道ですね、通学路の安全対策、この観点から、道路整備の必要性を、重要性を訴えさせていただいてまいったわけでありますけれども、とりわけ私どもの多摩地域において、いろんな道路形態があるわけでありますけれども、歩道が極めて狭い、白線がぎりぎり、いわゆる道路のぎりぎりに白線が引いてある。
そして、その白線さえも薄れちゃって、白線らしいラインとして見えないところもある。ちょっと少し、一歩踏み出せば落ちるというか、田畑もあるんですね。いろいろ、果樹園もあるんだけれども、まさにガードレールがないんですよ。現実的にそういう都道がまだ現在ある。
我々の責任ではあるわけでありますけれども、そういう中でとにかく、それともう一点いわせていただくならば、リアリティーを込めていわせていただくならば、中には、歩道らしい歩道といっても、U字溝の蓋がけ、がたがた--分かりますよね、これが歩道なんですよ。
こういう状況があるんだという、さらなるご認識をいただく中で、やはりスピード感を持って、できることをしっかりと、やっぱり抜本的対策を講じていただく中で、危険な箇所を、一か所でも一刻も早くなくす。このような観点から、私は建設局が、今こそやはり、いろんな事業を取り組んでいただいておりますけれども、こういうことも必要ではないのかなと。力を入れていただきたいと思います。
そのためには、やはり用地を広げる、狭いところであれば、広げていかなきゃいけない。それには、まずもって、現実的に用地の取得が重要だと。まあ、当然ですよね。その中で、多摩地域の都道整備に関わる用地買収、この歩道だけじゃありませんけれども、その後の進捗状況についてもお願いをいたしたいと思います。
○澤井用地部長 多摩地域におきましては、令和四年度に各建設事務所及び道路保全公社が七十四路線百四十一か所で用地取得に取り組んでおります。
なお、令和三年度は三十八路線五十八か所におきまして、約三万二千平方メートルの用地を取得いたしました。
○こいそ(明)委員 今、多摩地域についての用地買収状況についてお話しいただきました。多くの箇所で道路事業の用地取得が行われているという実績も、今お話をいただいたわけでありますけれども、しかし、生活道路も含めて安全とはいいがたい。
先ほどから申し上げさせていただいておりますけれども、未整備の歩道はまだまだ残されている。用地の取得には、何よりも関係地権者との丁重な対応が当然必要であり、そのための人員の確保、体制の構築が重要であると、これは我々も思います。
そういう中で、依然として多摩の都市計画道路の整備率は区部を大きく下回っていることからも、用地取得の体制をしっかり整えていただきたい。多摩の道路整備事業をこれまで以上にしっかりと確実に進めていただきますように要望させていただきたいと思います。
さて、これは私の地元でございますけれども、都道鶴川街道、現在、道路整備が行われておりますけれども、その用地取得も進んできております。しかし、とりわけ都道鶴川街道のいわゆる百村区間の整備に係る用地買収の進捗状況は、いわゆる用地買収に取り組んでいただいているんでありますけれども、その状況はどうなのか、改めてお伺いをさせていただきたいと思います。
○澤井用地部長 鶴川街道の百村区間は、平成二十九年一月に延長六百二十メートルの区間で事業認可を取得いたしまして、令和四年九月末時点での用地取得率は一九%となっております。
○こいそ(明)委員 平成二十九年一月に事業の認可がされました。この区間は六百二十メートル、そして、用地の取得率が一九%、極めて遅い。どうでしょうかね。一九%にとどまっているということであります。
もうご案内だと思いますけれども、この区間には、通学路と指定はされているんだけれども、現状として、これが通学路といえるかなと。そして、なおかつ沿道沿いに、いわゆる歩道がないんですよ。歩道がないんだよね、これ。そして、歩行者のすぐ横を--こんなになって通るんだけれども、その横を大型トラックが、まあひどいですね、ひどいというか、かなり速度を上げて走るなり、また渋滞状況もありますけれども、とても日常的に安全とはいえません。
そういう中からも、何とか道路整備をしてくださいと、地元でも要求、要望が強いと思うんです。なぜ一九%なんだという声も地元からもあるんですよ。
そういう中で、用地の取得をさらにですね、まあご努力していただいていることも私は理解をしております。担当者の皆さんは本当にご努力されている、分かります。そういう中でも、用地の取得をこれまで以上にぜひ進めていっていただきたい。要望でありますけれども。
そして、いわゆる百村区間、この区間の用地買収について、どのように今後、さらに取り組んでいただけるのか、お願いしたいと思います。
○澤井用地部長 鶴川街道の百村区間では、用地取得を推進するため、昨年度から、改めて関係権利者の方々に対しまして意向確認を行ったところでございます。
この意向確認の結果も踏まえまして、早期に契約を希望される権利者の方から具体的な話合いを開始しておりまして、今後用地取得を一層推進してまいります。
○こいそ(明)委員 用地のそれぞれの権利者の意向確認をしていただいたということ。それでもうよくお分かりだと思うんですね、地域においての非常に強い要望があるんだと。それがために、今、意向調査、要するに協力させていただきましょうという方々は多いですよね。そういう中、大半の方々が協力的と私自身も聞いておりますけれども、意向調査でご確認いただいたと思います。速やかに、この用地の取得をさらに進めていただきたい。
あわせて、用地取得ができた箇所から、本当に、この現状、都道ですよ、都道。この現状をですね、何とか、やっぱりよりいい方向にしていくためには、用地買収もそうだけれども、早期のいわゆる道路の着工整備、整備、これが必要ですよね。もう全て、全線、今の計画の、いわゆるその区間の全ての買収が終わって、そして、これから整備しましょうと、これはありがたいことなんだけれども、しかし、待ったなしの状態が続いているんですよ。
ですから、そういう中から見たときに、どうかひとつ、用地が買収できて可能なところ、着工できる可能性が出てきたところから、私は早期整備にもう取り組んでいってもらいたい、こういうふうに強く思います。
そして、これらのことを踏まえながら、いわゆるこの区間における--この区間ってさっきからいっていますので百村区間なんですけれども、今後の取組、これについてお願いします。
○湯川道路建設部長 鶴川街道の百村区間につきましてでございますけれども、これまで都は、現道拡幅区間におきまして取得した用地を活用し、歩行者空間の整備を行ってきております。
今後も、歩行者の安全対策として、用地取得に合わせて速やかに暫定的な歩行者空間の整備を行ってまいります。
引き続き、歩行者の安全確保を図るとともに、関係機関との調整を行い、百村区間の早期整備に向け取り組んでまいります。
○こいそ(明)委員 ぜひ早期整備に着工していただいて、これをぜひ進めていっていただきたい。先ほどるる申し上げておりますけれども、やっぱりこういう状態は現実にあるんです。私が見た当該の区間だけじゃないかもしれません。こういう道路は、これもぜひ、建設局の一丸となった取組をやはり要望させていただきたいなというふうに思います。
まさにこの道路区間に限らない、多摩地域全体の歩行者の安全確保に向けた道路整備を、ぜひ今後もさらに進めていただきますように要望させていただきます。
次に、南多摩尾根幹線整備であります。
これも本委員会で、いわゆる尾根幹線の重要性についても取り上げさせていただいてきておりますけれども、南多摩尾根幹線は、多摩ニュータウン地域を横断するとともに、神奈川県境を経て国道一六号、そして圏央道に至り、また調布保谷線を経由すると埼玉県にもつながる、まさに広域幹線道路なんです。
そういう中でも、また本路線の沿線は、多摩ニュータウンのまさに再生に向けた検討が現在進められておりますけれども、特に業務、商業用の土地利用転換によるにぎわいも検討されているなど、本路線はまちづくりに寄与する広域ネットワークを形成させる重要な幹線道路でありますけれども、地域にとっても極めて重要なんです。
この沿道沿いもそうなんですけれども、この尾根幹線整備は連動しているんです。それは、多摩ニュータウンの再生整備に直結しているといっても過言じゃないんですよ。私は、そういう意味合いからも重要だと。
また、本路線の整備方針では、全線四車線化することが示されました。暫定二車線の形で交通開放されている区間もありますが、ここも渋滞が激しい。ましてや、緊急救急車両が通れないんですよ、都道ですね、これは当然。こういうところも現在もまだまだ続いている。そういう中で、渋滞が慢性化しているということですね。
四車線化未整備の全区間で事業認可を取得し、整備が開始されておりますけれども、着実に工事を進めるとともに、これは、もうやっぱりスピードアップですね。これをもう一段、創意工夫していただいておることも分かっておりますけれども、よりやはりこの辺り、さらに進めていっていただきたいなと思います。
そこで、南多摩尾根幹線の現在までの取組状況についてお願いします。
○湯川道路建設部長 南多摩尾根幹線でございますけれども、調布市多摩川三丁目から稲城市、多摩市、八王子市を経由し、町田市小山町に至る延長約十六・五キロメートルの都市計画道路でございます。
また、新しい多摩の振興プランにおきましては、リニア新駅への道路ネットワーク強化等、まちづくりの推進に寄与する重要な路線に位置づけられているところでございます。
本路線の整備の取組状況でございますが、昨年度に鎌倉街道との交差部におきまして、仮称南野陸橋の下部工事に着手いたしました。このほか、仮称稲城多摩トンネル東側の擁壁工事にも着手してございます。
また、来年度発注を予定しておりました仮称南野陸橋の上部工事につきまして、関係機関との調整が早期に整ったことから、さきの令和四年第三回定例会で補正予算を編成し、今年度発注してまいります。
○こいそ(明)委員 本格的な工事に向けて着実に進められ、様々ないわゆる工事着手も行われているということも、今のお話からもさらに分かりました。
なお、高低差のある丘陵地形に設けられたこの南多摩尾根幹線は、トンネルや擁壁、橋梁などの構造物が連続し、また延長の長い道路でもあるため、地元にとっては将来どのような道路になるのかなと期待とともに、いろいろなイメージをするわけですけれども、現実どうなってくるのかなという声をいろいろ聞くんです。
というのは、やっぱり地元も非常にこの本整備を早く推進してくださいという人が圧倒的なんですよ、はっきりいって。でないと、いろんな、先ほどの救急車両の問題もそうだし、それから、生活道路、住宅地の中にもう通過車両がばんばん入ってくる。そういういろんな状況もあるんで、早くということも強く出てきております。
事業に対する地元の協力をさらに得るためにも、分かりやすく説明する取組もまたここで必要ではないのかと思います。地元のさらなる理解を得るため、今後の取組についてお願いします。
○湯川道路建設部長 南多摩尾根幹線、これは、現在と道路構造が大きく変わることから、将来の道路の利用形態を分かりやすく説明し、地元の理解を得ることが大変重要でございます。
このため、先進的な取組として、将来の道路を三次元データでモデル化し、沿道のまち並みも詳細に再現した事業区間全線の走行シミュレーション動画を作成いたしました。
今後は、これをホームページで公表し、地元の方々や道路利用者が視覚的にも南多摩尾根幹線の完成形をイメージしやすくなるよう、PRに取り組んでまいります。
引き続き、南多摩尾根幹線の整備につきまして地元の理解と協力が得られるよう、デジタル技術の活用も図りながら、丁寧な対応を心がけ、事業を推進してまいります。
○こいそ(明)委員 全線四車線化ですね、それとともに自動車専用道ですね、この空間。さらには、歩道、歩行者ですね、歩行者専用道。これはしっかりと、要するに今後整備されるということであります。
期待するわけでありますけれども、様々な取組を今後も実施し、事業を進めておられることもより分かりましたが、さらに地元に対しては、今丁重な対応をしていただいているんですよ、さらにそのような姿勢を続けていただくとともに、あえていわせてもらうと、さらに超スピード感、何が超だといわれるかもしれませんけれども、超スピード感を持って本事業を進めていっていただきたいと思います。
なお、明年、南多摩尾根幹線で自転車の東京二〇二〇レガシーイベントが開かれると聞いております。ここは、ご案内のとおりに、オリンピックのときには自転車ロードレースのコースになったんですね。そういうこともあり、自転車の聖地として、そういう思いと期待があるんですね。レガシーイベントが開かれるというふうに聞いており、自転車の聖地としての利用がますます期待をされると思います。
また、多摩ニュータウン再生に向け、南多摩尾根幹線をどう生かしていくかも考えながら、さらなる工夫に工夫を重ねていただいて、より一日も早い整備を重ねて強く要望させていただき、質問はこの辺りにさせていただきたいと思います。
それでは、続きまして、安全で快適な道路の機能維持についてお願いをしたいと思います。
安全で快適な道路の機能維持についてでありますけれども、特に無電柱化ですね。電柱の倒壊による道路の閉塞を防止し、避難、救急活動に支障を生じさせないようにするため、都市防災上、重要な役割を担って、現実できているところがあるわけですね。
また、安全で快適な歩行空間の確保を図る上でも重要な事業である。私は、積極的に本事業を進めるべきだという立場の一人でもありますけれども、都は昨年、東京都無電柱化計画を改定し、国や区市町村、電線管理者などと連携をして、多摩地域を含む都内全域の無電柱化をさらに推進すると聞いております。
そこで、多摩地域の都道における無電柱化にどのように取り組んでおられるのか、現状をお話しいただきたいと思います。
○福永無電柱化推進担当部長 昨年六月に改定した無電柱化計画では、都道のうち第一次緊急輸送道路などにつきましては、令和十七年度の完了を目指す整備目標を設定いたしました。
多摩地域におきましては、令和三年度からの五か年で整備計画延長を前回計画と比較して五割増の約五百キロメートルとし、第一次緊急輸送道路である鎌倉街道や新奥多摩街道などの都道で無電柱化を進めております。
引き続き、多摩地域を含む都内全域で無電柱化を加速させてまいります。
○こいそ(明)委員 先ほど歩道の話もさせていただきましたけれども、非常にこれは関連するんですね。歩行者や車椅子の利用者が移動しやすい歩道空間、これを実現すると。それには、無電柱化事業というのは、私はもう日常的にも感じておりますけれども、やっぱり積極的にこれを進めていただきたいと思います。
なお、無電柱化を積極的に進めるためにも、都は、政策連携団体である東京都道路整備保全公社の活用を図っておられますね。私も、その工事を実施しているところ、これは地元でありますけれども、看板を見るんです。
そこで、多摩地域の無電柱化事業に係る道路整備保全公社の委託状況についてお願いします。
○福永無電柱化推進担当部長 都は、自ら事業を実施するほか、無電柱化に関するノウハウを持つ政策連携団体である東京都道路整備保全公社に委託をし、整備を進めております。
多摩地域におきましては、令和三年度に電線共同溝本体工事が完了した路線のうち、公社に委託している割合は約四割でございます。
○こいそ(明)委員 これは多摩地域でありますけれども、全体の四割を委託しているということですね。
私の地元市でありますけれども、先ほどからいろんなお話させていただいている都道のほかにも、鎌倉街道ですとか川崎街道ですとか、これが走っているんですけれども、その看板をそれぞれ見ると、公社の看板が非常に目立つんですよね。
だからということじゃないんですけど、本来、これは各事務所が主体となって進めていく事業ですよね、これ。私どもの地元だけがそういうことなのかなという感じはあまりしないですけれども、全体では四割なんだけれども、見ていて、とても四割と思えないです。
ですから、それは何をいいたいかというと、私はとても、無電柱化事業というのはより強力に推進していくべきだと思うんですよ。しかし、さりとて、主体的な本事業の主体者というのは建設局であるべきだと。いや、そうですよとご答弁あるかもしれませんけれども、だと思うんですよ。その意思と思いが局になきゃいけないんじゃないですか。
それが、委託、委託、委託、委託。結構ですよ、補完的にやっていただくということはね。早くやるためにもこれは必要でしょう。否定しているわけでも何でもないです。だけれども、本来の主体は建設局だと、この辺りをやっぱりちょっと薄れさせちゃ、どうなんでしょうかね。
ですから、もうこれは結構なんだけれども、東京都道路整備保全公社は都の事業執行を補完するものであると書いてありますよね、しっかりと、ではないのかと。もう一度いわせていただくとね。
それから、ちょっと繰り返して申し訳ないんですけれども、都は、本事業を主体的に取り組み、責任を持ってこの無電柱化事業というものを推進していく、進めていくべきではないんでしょうかね。これは答弁はいいですよ、いいです。そういうような思いの中でお話しさせていただいて、ぜひ受け止めていただきたいというふうに思います。
そして、続いて、やっぱり道路関係なんですけど、街路樹です。街路樹は緑豊かで快適な道路に必要なものであると。分かります。しかし、高木がどんどん生い茂ってくる。これは場所に、通行区間というか、道路形状によっても違うんですけれども、街路灯の照明に与える影響、結構あるんですよね。枝がかかるというのかな、枝と葉っぱ、いろいろありますけれども、非常にそういう面が散見される。
これはまた、ドライバーからの見通しの確保も含めた、いわゆる中央分離帯における、これは百万本計画の中でかなり植栽されましたけど、やっぱりあのときも低木が並んでいるかなと思うとともに、そういうところも当然ありますよ、当然ね、少なくないんですけれども、かなり低木、中木が分離帯にあったり、それから一路線の中で、そんなに離れていない区間で、樹木が違うことがあったり、これはどうなっているのかなと思うところもあるんですよね。
それから、真っすぐに、まさに見通しがすごくいい道路もあれば、いろんな形状の道路があると思うんです。それによって見通しがとても悪くなるところもあるんです。ですから、そういう中で、また安全な道路交通のそういう面でのやっぱり対応、配慮というのは必要なのかなということとともに、剪定作業をしっかりとやっていただくことかなと思うんです。
街路樹の剪定作業をどのような考えというかな、どのように行っているかですね、お願いします。
○根来公園計画担当部長 街路樹の剪定作業は、樹木の健全な育成を図るとともに、安全で円滑な交通を確保する上で重要でございます。
樹種の特性に応じて剪定の時期や回数を設定し、計画的に剪定することとしておりますが、強風による枝折れや街路灯などに支障が生じた場合は、その都度、枝葉を除去しております。
引き続き、必要となる街路樹の剪定を実施いたしまして、良好な道路環境の確保に取り組んでまいります。
○こいそ(明)委員 何回もいって大変恐縮なんですけど、道路の安全に影響を与えることのないように剪定作業を確実に行うこと。それはもうやっていただいているわけですが、中には、通行する中において、一生懸命やられているから、こんなことをいっちゃ本当はよくないと思うところもあるんですけれども、信号機の前後のところに、中にはですよ、車両を七台、八台ずっと並べちゃう。作業車ですよ、いってみれば。
そして、ガードマンの方は一生懸命やられているんですけれども、ご高齢の方が近頃多い、あまりそういうことはいえないけれども、誘導がなかなか厳しいところも、これは剪定作業だけじゃないんだけど、見受けられるところもあるんですよね。
ですから、うまくこう、何ていうのかな、やっぱりせっかくいいことをやってくれているわけだから、この辺りをうまく工夫していただきたいなと。街路樹の剪定作業における安全対策及び周辺道路への交通への配慮、これについて伺いたいと思います。
○根来公園計画担当部長 街路樹の剪定作業におきましては、車両や歩行者及び作業員の安全確保のために車線規制が必要でございます。
所轄の警察署と事前に協議し、作業の時間や範囲を定めますとともに、現場責任者を指定し、必要となる交通誘導員を配置しております。また、通勤通学など交通量の多い時間帯における作業はできる限り避けるなど、円滑な交通に配慮してまいります。
○こいそ(明)委員 街路樹の作業時はさらに、今までやっていただいているんだけれども、その状況によっての対応、配慮というんですかね、これを求められて、私も要望、いわゆる陳情的なこともあるんですけれども、いろんなところを見に行きました。陳情どおりなところもあれば、流れているんじゃないかなとか、いろいろあるんですけれども、ぜひ配慮しながら、お願いしたいと思います。
なお、街路樹の樹種の選定ですね。高木や低木、また様々な樹木がありますけれども、例えば、隣地、都道のですよ、私有地、いろんな住宅地、その中で、歩道もそうですね、先ほどいっているような感じというか、もうちょっと確保されている歩道のところでも、落葉ですかね、葉っぱがばんばん入っちゃうという声も、ちょっと見に来てくれということで、季節になるとこういう要望が増えてくるんです。
そういう中で、全体的な、いわゆる街路樹に限定しますけれども、中央分離帯においても、やはりぜひその選定、選び方、これなんかもちょっとひとつ考えていただいてもどうなのかなと思うところなんです。
ぜひ、交通の妨げもそうなんだけれども、近隣に配慮をしたものとなるような、なかなか全体的な中では厳しいと思いますけれども、そのようなことも一考していただければありがたいというふうに思います。
それでは、続きまして、都道沿いの建物に設置された看板であります、この対策について伺いたいと思います。
都道沿いの建物に設置された看板については、令和三年度末で二万二千件程度あると伺っておりますが、都内のいわゆる道路の上空というんですかね、道路の上には大変な数の看板が当然あるわけですよね。そして、経年劣化による落下の事故が、東京だけじゃなくて、そのようなリスクがあると伝えられております。
また地震や台風、東京では首都直下地震ということをいわれているし、そういう中で様々な災害に、あってはならないわけでありますけれども、このようなことが例えば起きた場合、直面した場合、事故も嫌ですけれども、想定されちゃうわけです。
ですから、こういう中で、看板が一たび落下すれば、歩行者を巻き込む重大な事故に発展する可能性が高いといわざるを得ないです。そして、看板の安全性確保については、野外広告物条例や建築基準法に基づいて、それぞれの所管が対応しているということでありますけれども、占有を許可している道路管理者としてどのような取組を、これらの安全対策含めた対応を心がけておられるのか、対応されておられるのか、お願いしたいと思います。
○荒井道路管理部長 沿道建築物の看板が都道上空にかかる場合には、道路の占用を許可しておりまして、その許可の際には、看板が破損、腐食、脱落などしないよう適正に管理することを許可条件としております。
また、日常的な道路監察パトロールや、毎年実施しております看板実態調査などの機会を捉えまして、危険箇所の早期発見、是正に努めているところでございます。
さらに、看板設置事業者向けの講習会等を活用いたしまして、看板落下防止について注意喚起を行うなど、関係部署とも連携した取組を行っております。
引き続き、これらの取組によりまして道路利用者の安全の確保を図ってまいります。
○こいそ(明)委員 継続した取組を日常的にもやっていただいているということ、本当にご努力していただいているなと受け止めさせていただいております。思います。今後とも、各部署と共に連携して、道路管理者としてこれも主体的に取り組むことを求めてというか、さらにお願いをさせていただきたいと思います。
そして、この質問はここまでとさせていただき、次に、植樹帯の散乱ごみの関係について伺いたいと思います。
西新宿、この辺りですよね、日本の首都東京のシティ・ホール、都庁、議会棟または民間の企業オフィス等々、多くの、いわゆるホテル等の民間宿泊施設も集積しています。都民から観光客まで、国内外の多様な人々が集まるエリアの一つでもあります。
そして、この東京というのは、海外の方々からのイメージ、どんなまちかなというと、大勢として、多くの方々は、清潔なまち、きれいな美しいまちと、こういういいイメージを、データ的にというか聞くんです。これはうれしい話なんですけれども。
ところが、私、たまにというか、この周辺も歩かせていただくんです。その中で、雨が降ったり、風が吹いたり、いろんなことがありますけれども、いろいろな気象条件があるわけですけれども、何をいいたいかというと、このいわゆる都庁の目と鼻の先エリア、議会棟もそうだけれども、車で行くと見えないんだけれども、この周辺に植え込みが結構あるんですね。
その植え込みのところを、ちょうど私、そのとき、海外から来られた方かなというのが、一組、二組、ほぼ一緒になって、ちょっと距離感はあるけれども、歩いていたんですね。そうしたら、植え込みのところに、何というのか、あっと驚くぐらいの、その空間のところにいろんな、いわゆるごみが捨てられているんです。飲み物のボトルだとか缶だとか、それから食べ残しの物だとか弁当の食べ残しだとか、すごいんですよ、はっきりいって。驚いちゃってね。そのときに観光客風の人がカメラを持っていて、それは撮っていませんよ、それは撮っていないんだけど、カメラを持って歩いていた。
これはというんで、またちょっといろんなところを歩いてみたら、結構--そこが一番ひどかったんだけど、やっぱり局所的というかな、箇所的にあるんです。だから、捨てちゃう心理がちょっとあるのかなという感じも、そのときはちょっとしたんですけれども、そういうのが幾つか散見したんです。
これは、はっきりいって、どうなのかなと。私自身もそうなんだけど、この都庁で、そして海外の方々もそういう先ほど申し上げたようなイメージを持ってくれる、それが、目と鼻の先にそういう状況が日常的にあるということ。
こうやって捨てられるという、当然困ったことだなということなんだけれども、こういう状況について、はっきりいって、誰彼がというか、捨てるのが一番悪いんだけれども、どうでしょうか、この状況について、目と鼻の先でこういうのが現実。これ、職員の方も行ってもらった方がいますよね。だから、私がいっているのは架空の話じゃないというのは分かってもらっていると思うんだけれども、どうでしょう。
○荒井道路管理部長 道路環境を良好に維持することは、道路管理者の責務でございまして、道路にごみが不当に投棄される状況は、都市の景観も損ねるものと認識しております。
西新宿のエリアにおきましては、町会、警察署、新宿区などと連携した道路パトロールによりまして路上ごみの清掃等を実施するなど、環境改善を図っているところでございます。
今後もこうした取組を継続いたしますとともに、慢性的に不法投棄が発生する箇所につきましては注意喚起の表示を行うなど、良好な道路環境の維持に努めてまいります。
○こいそ(明)委員 不断に、町内会の方とか、今のお話、これはいわゆる新宿ですよね。それぞれの機関の方々とやられているというお話は、本当に頭の下がる思いです。
であって、私がいっているのは、そういうこともそうなんだけれども、継続していただきたいんだけど、目と鼻の先でそういうような、こういう散乱する、ちょっとうわっと思うぐらいの散乱しているというか集積、集積といういい方はないな、捨てられているというね、こういうことが現実に起きているということは、どうなんですかねということを聞きたかったんです。
まあいいですよ、これ以上聞きませんけれども、やっぱりお互い認識を持ちましょうということでよろしいですかね。--はい。それは、もういうまでもない話だと思うんだけど、そんなによくないんだと。何とかしなきゃいけない。一人一人の話なんだけどね。
でも、やっぱりきれいなイメージの東京、そして首都の目と鼻の先にそういうことがあると、残念というか、ちょっと寂しいというか、いろんな思いが去来すると思うんです。ですから、そういうことで共通認識を持たせていただいたと思いますので、そういうことで、今後そういうことのないような対応をどう取れるかとお互いに考えてやっていきましょう、よろしくどうぞお願いします。
それでは、次に、今度は河川です。道路から河川ということでお願いしたいと思います。
私の地元、地元って、ご当地ソングばっかりで申し訳ないんですけれども、これはかねてからいっている話なので、継続させていただきます。
多摩川が流れているんですね、これは国ですよね。それから、中小河川、これは私どもの方で、特に多摩市では、乞田川と大栗(おおぐり)という川があるんですね。上流部は栗(くり)というんだけれども、中流から下流にかけては、何か知らないけど、大栗(おおぐり)なんですね、その大栗川。
一方の乞田川というところは、多摩ニュータウンの開発のとき、今のちょうど、ご案内の人はお分かりだと思いますけれども、ニュータウン幹線道路が整備されています。ちょうどこの辺り、多摩センターからもうちょっと上流からそれ以南、永山駅方向からさらに下流、大体イメージはそんなのものなんですけれども、ここのところは、今の道路のところに河川が流れていたんですよ、乞田川というのが。
今の河川というのは、多摩ニュータウンの整備に合わせて掘ったんです。流れを変えたといってもいいんですけどね、掘ったんです。それは要するに、各住区の様々な、いわゆる排水、水処理含めて、流し込んでいかなきゃならない。いってみれば、大型排水機能を持つ河川になったわけですよ。
童謡、唱歌で歌われるようなのどかな河川ではなくなって、もう真っすぐ、どおんと真っすぐで、三面コンクリート工法で、魚もすめない、小鳥も来ない、草さえも、多少は生えていましたけれども、周りはフェンスで覆われて、人を阻害するような、そんな雰囲気の河川になっちゃったんですよ。
その中で、何とかこれを、東京都管理ですから、これは親水化施策ということで対応していただけないかということで、平成十年から環境に配慮した整備に着手していただきました。多摩センター駅付近の上之根橋から、さらに上流、下流部にかけて、まだやっているんですけれどもね。平成十年ですから二十四年たっています。その間、いろいろなことがあったけれども。
そういう中のこの河川は、やはり当然にして当然のごとく、親しまれる川であるべきですよね。そういう思いの中で、いろんなことを対応していただいてきたわけでありますけれども、平成九年に河川法が改正されましたですね。ちょっと遡ると、かなり前だけど、この河川法改正の、いち早くやってくれたんじゃないかと思うんですよ、この整備をしっかりと。それから着実に着実にやっていただいております。
ですから、私は、二十何年間の河川の水辺空間整備の、特に中小河川なんだけど、ここの歴史、やっぱりしっかりしっかり整備してきたこと、これはすごく尊いことだと思うんですよ。ですから、そういうことだから、都としてもっとアピールしたらどうかと、広報したらどうかと思うんですが、その辺りどうでしょうか。
○齊藤河川部長 乞田川ではこれまで、諏訪下橋から平戸橋におきまして、老朽化した護岸の補強や緑化、親水性の向上に取り組んできております。
現在、平戸橋下流の右岸約百二十メートルの区間で工事を進めておりまして、緑化ブロックの設置や、水源近くの散策路まで安全に下りることができるスロープを整備しております。これによりまして、諏訪下橋から平戸橋までの約一・三キロメートル区間が、より快適に散策できるようになります。
今後は、平戸橋上流の右岸約百二十メートルの区間におきまして親水性を向上させる整備を進め、訪れる人々が水辺に親しむことができる空間をしっかり創出してまいります。
○こいそ(明)委員 時代時代でいろいろ、あっ、手法が少し変わってきたなと、我々でも分かるところがあるんですよ。今はもう魚道ができて、そして野鳥がそこで本当に飛遊して、そして市民、都民、同じなんだけれども、その憩いの場になってきている。散策したり、非常にいい景観になってきております。
これは感謝するところなんですけれども、今後引き続いてまだまだ、上流部に向けて整備はこれから、今進んでおりますけれども、よりやっぱり水辺環境のそういう観点からも親しまれる、憩いとかそういう観点で--治水は絶対必要ですよ、これはいうまでもないけど、ですから、そういう中でぜひ進めていっていただきたいと思います。
もう一点の大栗川ですね。大栗川については、これは多自然なんですよ。ご案内のとおりだと思いますけれども、多自然の川。ですから、これはこれで、やっぱり四季折々の変化に対応したような水辺環境の整備というものがあってしかるべきではないかなと思うんですね。
開発手法というか整備手法が若干違うような感じもするんだけれども、こっちは何としても護岸、大栗の方はね。なかなか浸水で結構いろんな影響を受けているんですよ、床上、床下浸水するというね。もう一つの川の方もそうだったんだけど、そういう中で護岸整備を急いでやっていただいているんだけれども、それをしっかりやっていただくとともに、多自然の中におけるやっぱり水辺環境を守りつつ、配慮しつつ、それはそれで環境整備を進めていただきたいなと思いますが、どうでしょう。
○齊藤河川部長 大栗川では、張り芝や高木の植栽など、緑豊かで地域に親しまれる水辺空間の創出に取り組んできており、これまで大栗橋上流から並木橋まで整備を進めてきております。
現在、並木橋上下流の右岸約百三十メートルの区間で、護岸中段の散策路や、そこに下りるスロープ等を設置する工事を行っております。
今後は、新堂橋上下流の右岸約百二十メートルの区間におきまして、散策路や階段の整備を進めてまいります。これにより、大栗橋上流から並木橋までの約二・〇キロメートル区間がより快適に散策できるようになります。
引き続き、環境に配慮した河川整備を積極的に進めてまいります。
○こいそ(明)委員 もう残り僅かになってきましたので、最後の最後に、大変これは本当はしっかりやりたかったんだけど、最後に、要は技術職員の人材の育成の観点から、今年百年になった東京都土木技術支援・人材育成センター、これに行かせていただきました。とてもしっかりやられている。そして、東京市から数えて百年、この中で様々ないろんな技術を磨き、対応し、時代時代に即応したような技術力を磨きながら、そういう職員を育成している。これをまざまざと私は拝見させていただきました。
技術職員の人材育成、新たな取組、そして、これからはやっぱり人材、人ですよね。東京の未来、日本の未来も含めて、人ですよ。その辺りに対する、人材育成に向けた都技監の決意というか、思いをちょっとここでお聞かせいただきたいと思います。
○中島東京都技監 技術職員は、道路や河川、公園など様々な分野で計画、設計、測量、施工、管理の全ての工程に携わっておりまして、都市の機能を充実させますとともに、都民の日常生活を支える上で重要な役割を担っております。都政において技術職員が果たすべき役割は大きく、その人材育成は極めて重要でございます。
そこで、土木技術支援・人材育成センター等を活用いたしまして、従来からの座学による研修に加えまして、構造物モデルの活用、あるいはVRを活用した研修、またいつでも知識を習得できるような講座をオンデマンド化するなど、技術研修を充実させているところでございます。また、ベテラン技術者の経験やノウハウといった暗黙知を形式知に置き換え、データベース化するなど、技術継承にも積極的に取り組んでいるところでございます。
こうした形できめ細やかな人材育成を推進し、個々の職員の技術力を向上させますとともに、管理監督者による職場でのOJTなどを通じまして個人が持っている力を結集し、組織全体の力として活用してまいります。
今後とも、社会の変化や都民のニーズにも対応しながら人材育成を着実に進め、局職員の技術力の維持向上に努めながら、事業の一層の推進を図ってまいります。
○成清委員 まず初めに、江東内部河川の整備について伺います。
私の地元である墨田区は、東西を隅田川や荒川に囲まれ、高度経済成長期の地下水のくみ上げなどが原因で地盤沈下が発生しましたが、都は、扇橋閘門の設置や二度にわたる内水位の低下、その後の耐震護岸の整備などを実施することで、私たちが安心して住めるまちとなりました。
その後、南の小名木川や北の北十間川では、耐震護岸の整備と併せて修景整備も進み、都民の憩いの場所になっているだけでなく、観光スポットにもなっております。
一方で、両河川を南北につなぐ横十間川についても早急な護岸整備が望まれます。
そこで、横十間川の整備状況についてお伺いします。
○齊藤河川部長 都は、横十間川におきまして、鋼矢板の設置や地盤改良により低水路整備を行い、地震に対する安全性を向上させるとともに、川沿いの植栽や水辺の散策路を設置するなど、親水性にも配慮した修景整備を進めてきております。
低水路整備は、これまで計画延長五キロメートルのうち、約三・三キロメートルに当たる約七割を事業化しており、令和四年度は、JR総武線下の約二十メートルで工事を実施しております。
また、修景整備は、これまで計画延長五キロメートルのうち、約一・四キロメートルに当たる約三割を事業化しており、令和四年度は約四百七十メートルで工事を実施する予定でございます。
○成清委員 横十間川における整備の進捗について確認させていただきました。
この横十間川については、区が建設している保健センター予定地の隣接地を優先的に整備をしていただきました。今後は、土木事務所跡地の隣接地も優先的に整備をお願いしたいと考えております。
そこで、墨田区錦糸土木事務所跡地に隣接する護岸の整備状況について伺います。
○齊藤河川部長 横十間川における土木事務所跡地に隣接する区間につきましては、これまでに低水路の整備が完了しております。
修景整備は、今年度、設計を実施することとしており、工事につきましては、当該跡地から下流のJR総武線との交差箇所までの低水路整備が完了した後に、引き続き実施する予定でございます。
○成清委員 ぜひ着実な整備に向けた取組を要望させていただきます。
次に、隅田川について伺います。
スーパー堤防は、後背地の開発や公園等と連携し一体的に整備を行うもので、地震に強くなるだけでなく、水辺に親しめる空間も提供しております。地元の墨田区では、墨田区庁舎等のある吾妻橋一丁目や両国リバーセンターのある横網一丁目等の四地区でスーパー堤防が整備され、隅田川に親しめる空間として人々に利用されております。
そこで、隅田川におけるスーパー堤防の整備状況についてお伺いします。
○齊藤河川部長 都のスーパー堤防は、耐震性の向上や良好な景観の形成などを目的とし、沿川の民間開発者や地元区の協力を得て、背後の開発などまちづくりと一体的に整備する事業でございます。
隅田川では、堤防延長約四十七キロメートルのうち、延長の約三割に当たる約十六キロメートルでスーパー堤防の整備が完了しております。
○成清委員 三割程度でスーパー堤防の整備が完了しているということです。
このたび本所一丁目にあるライオン本社が移転することとなり、その跡地では新たな開発が行われると聞いております。この場所は堤防との間に車道があるものの、隅田川沿いに位置しており、開発に合わせてスーパー堤防として整備されることが地元から期待されております。
そこで、ライオン本社移転に伴う近接地域のスーパー堤防の整備状況について伺います。
○齊藤河川部長 当該箇所は、隅田川沿いに墨田区道があることから、スーパー堤防の整備に向けて、これまで墨田区と協議を進めてまいりました。
令和四年度は、測量調査等を実施するとともに、墨田区及び民間開発者との調整を進め、スーパー堤防の早期着手に向けて取り組んでまいります。
○成清委員 今年度は測量調査や地元区との調整を進めていただくとのことです。引き続き、地元区と連携を取りながら、まちづくりと一体的にスーパー堤防の整備をよろしくお願いいたします。
次に、都立公園について伺います。
公園は都民にとって貴重な憩いの場であると同時に、観光、防災など様々な重要な役割を果たしております。そういったどの視点から公園を捉えても、トイレが公園のイメージに与える影響はとても大きいと考えております。私自身、平成三十年第一回定例会の一般質問でも、東京二〇二〇大会までに都立公園に洋式トイレを整備していくことを求めました。
そこで、現在の都立公園におけるトイレの洋式化の取組状況を伺います。
○根来公園計画担当部長 都立公園では、老朽化したトイレの改築やバリアフリー化に向けた改修に合わせてトイレの洋式化を進めておりまして、これにより令和三年度末時点で都立公園のトイレの洋式化は約七割が完了しております。
今年度は、篠崎公園など五公園においてトイレの改築等を行っておりまして、今後もトイレの洋式化に着実に取り組んでまいります。
○成清委員 平成三十年第一回定例会一般質問の際には、洋式化率は約六割と伺っておりましたので、こちらが七割へと着実に進んでいることを確認いたしました。引き続きの整備をよろしくお願いいたします。
次に、都立公園における都民の利便性向上につながるキャッシュレスや事前決済の導入について伺います。
こちらも、私が令和二年第三回定例会で都立公園スポーツ施設に関連して一般質問を行わせていただきました。
そこで、都立公園におけるキャッシュレス化、インターネット事前決済の導入について取組状況を伺います。
○小谷公園緑地部長 都立公園におきましては、動物園等の入場料やテニスコート等の運動施設の使用料、公園内の多くの売店、飲食店、駐車場におきましてキャッシュレス決済を可能としております。また、四動物園の入場料につきまして、クレジットカードによるインターネット事前決済を導入しております。
現在、運動施設の使用料につきましても、予約管理システムの再構築に合わせ、インターネット事前決済の導入を検討しております。
○成清委員 キャッシュレスの取組が進んでいることを確認させていただきました。スポーツ施設については利用者登録のオンライン化、インターネット事前決済の要望も来ております。引き続き、都民ニーズに寄り添い、都立公園のブラッシュアップをよろしくお願いいたします。
次に、自転車通行空間について取り上げます。
先日、自転車の乗り方に関する交通違反の取締りを強化していくとの報道がありました。背景には、交通事故全体に占める自転車事故の比率が年を追って増えているということがあると思います。
自転車の安全・安心を確保するためには、取締りを強化することは必要ですが、併せて自転車通行空間を整備していくことも必須だと考えます。
とりわけ私の地元墨田区は、道が平たんで坂が少なく、東京スカイツリーや両国国技館など多くの観光客でにぎわう観光スポットも存在し、自転車シェアリングを利用する人々も多く、コロナ禍の推移を踏まえると、こうした需要は今後ますます増加することは確実であります。
そこで、墨田区内の都道における自転車通行空間整備の取組状況と今後の予定について伺います。
○斉藤道路保全担当部長 墨田区内の都道の自転車通行空間の整備につきましては、これまで、観光地における回遊性などを高めるため、浅草通りなど約四キロメートルの整備を進めてまいりました。
令和三年度には東京都自転車通行空間整備推進計画を策定し、既設道路において計画的かつ効果的に自転車通行空間を整備していくため、二〇三〇年度までに整備する区間を優先整備区間として定めました。
墨田区につきましては、区道も含めた既存の自転車通行空間との連続性を考慮し、蔵前橋通りと三ツ目通りの約八キロメートルを選定しておりまして、今後、整備を進めてまいります。
○成清委員 三ツ目通りは区内の南北交通、また、蔵前橋通りは東西交通の要であります。ぜひ積極的に整備を進めていただきたいと思います。
また、答弁のあった優先整備区間以外にも、四ツ目通りは都立猿江公園から錦糸町、そしてスカイツリーのある押上を結ぶ道路であり、放射三二号街路整備事業にも指定されております。こういった自転車利用の多い道路についても、整備を前向きに目指すよう要望しておきます。
次に、自転車通行空間の整備形態について質問します。
自転車と車の接触事故が後を絶たないわけですが、自転車の安全・安心を確保するためには、できる限り歩行者や車と自転車が分かれて通行できるように、道路を改善していくことが必要であると思います。
そこで、今後、自転車通行空間についてはどのような整備形態を選定して整備を進めていくのか伺います。
○斉藤道路保全担当部長 整備に当たりましては、限られた道路幅員の中で自転車通行空間を確保するため、地域の道路事情に応じた整備形態を採用することとしております。
具体的には、車道の幅員や自動車の規制速度等を踏まえまして、自転車の専用通行帯である自転車レーンや、車道を自転車と自動車が混在して通行する車道混在等の形態で整備を進めております。
○成清委員 整備形態は自転車レーンもしくは車道混在とのことでしたが、ぜひ自転車の方々が通りやすい専用の空間を確保する自転車専用レーンをできるだけ多くの空間で整備していただきたいと思います。
加えて、レーンの整備に際しては、より高い安全性を確保するため、一部の交差点などでは実施しているように、自転車レーンと車道との間にゴム製のポールを設置することについても検討するよう要望しておきます。
先ほど墨田区内について今後の予定を伺いましたが、自転車はより広域的な視点からも、例えば東京スカイツリーから浅草寺を経由して上野公園に行くといった周遊にも便利な手段です。
さらに、移動手段としてだけでなく、健康増進やエコの視点、利便性などを考えても自転車が利用される機会は一層拡大するでしょうし、また最近では電動キックボードもまち中でよく見かけます。
今のコロナ、そして新たな感染症発生を見据えた施策としても交通手段の多様化は有効であり、安全な自転車通行空間の整備は都内全域において優先的に取り組むべき極めて重要な課題であると思います。
そこで最後に、都技監の自転車通行空間整備に向けた決意をお伺いします。
○中島東京都技監 自転車は、通勤、通学、買物、観光など、都市における有効な交通手段でございまして、コロナ禍において自転車による通勤なども増加しております。
こうしたことを踏まえまして、誰もが安全で快適に利用できるよう、自転車通行空間の整備を進めることが重要でございます。
令和三年五月に策定いたしました東京都自転車通行空間整備推進計画では、既存の自転車通行空間との連続性や、自転車交通量や事故の発生状況等の視点に基づきまして、都内全域で優先整備区間約二百五十キロメートルを選定し、二〇三〇年度までに整備することとしております。
整備に際しましては、可能な限り車線の幅員構成の見直しを図るなど、より安全で快適に自転車が通行できる空間の確保を目指し、整備形態を検討してまいります。
今後とも、地元自治体や交通管理者と連携しながら、自転車通行空間の整備を積極的に進めてまいります。
○成清委員 ありがとうございます。
道路の限られた空間で様々なニーズに対応することは大変なことだと思いますが、自転車の重要性が高まっていることを踏まえて、自転車の安全性の向上に引き続き努めていただきたいと思います。
本日は河川、公園、道路についてそれぞれ端的に質問させていただきました。皆様の総力を結集して、未来をつくる建設局事業の推進をお願いし、質問を終わります。
○伊藤委員 私からは、まず初めに、特定整備路線について質問をしていきたいと思います。
平成七年一月十七日に阪神・淡路大震災が発生をいたしまして、六千四百人を超える方が犠牲となった、この震災から二十七年がたちました。この阪神・淡路大震災発生の翌日の朝、私は、倒壊したマンションから友人のご両親を救い出したいとの一心で、その友人と共に現地に入りました。そのとき、東京と同じく、都市が巨大地震に襲われる、この恐ろしさを痛烈にまざまざと体験をしてまいりました。
人々が住み慣れたまち並みには、倒壊した家屋、燃え広がる炎と煙、そして追い打ちをかける余震の連続、そして救助活動に向かう緊急車両が瓦礫で前に進めない、こうした光景が神戸の各地に広がっておりました。それからちょうど十年後に、私は都議会議員にさせていただき、それ以来、繰り返し、首都東京の災害対策の強化を求めてまいりました。
また、都は、甚大な被害を及ぼした東日本大震災を教訓に、首都直下地震による被害想定を公表するとともに、平成二十四年一月に木密地域不燃化十年プロジェクトを立ち上げ、不燃化特区の取組と特定整備路線の整備を進めてきました。
首都直下地震がいつ襲ってくるのか分からない中、震災時に特に甚大な被害が想定される木造住宅密集地域の防災対策の強化は喫緊の課題であります。都が前回から十年ぶりに見直しを行い、今年五月に公表した首都直下地震の被害想定では、都の様々な対策によって、前回の想定よりも被害が少なくなったように見えますけれども、木造住宅密集地域においては、依然、被害が顕著となることが改めて示されたところであります。
また、九月には都市整備局より、あなたのまちの地域危険度が公表され、これも改めて木造住宅密集地域の対策強化の重要性が示されたところであります。
延焼を遮断する目的の特定整備路線は、路線ごとに進捗状況に差はあるものの、令和三年三月には足立区の補助第一三六号線関原・梅田地区が開通し、先週には世田谷区の補助第二六号線三宿地区が開通するなど、着実に整備が進み、地域の防災性向上が図られております。
そこで、特定整備路線の整備について、都内全体の進捗状況と改めてその整備効果を伺いたいと思います。
○砂田道路計画担当部長 特定整備路線の進捗状況でございますが、令和四年十月一日時点の用地取得率は六二%でございます。用地を確保した箇所から順次工事に入っておりまして、これまでに全区間で工事に着手してございます。
また、事業効果を早期に発現するため、地域の状況を踏まえまして事業用地の有効活用を図っており、避難路を兼ねた暫定的な歩行者空間や、緊急車両用の仮設通行路を整備するなどの取組を行ってございます。
特定整備路線の整備は、火災による延焼を遮断するための空間確保や、建て替えによる沿道建物の不燃化を促進し、安全な避難路や緊急車両の通行路ともなるなど、地域の防災性向上に極めて効果が高い事業でございます。
今後とも、燃え広がらないまちの実現に向けて、特定整備路線の整備を着実に取り組んでまいります。
○伊藤委員 都内全体で特定整備路線の事業が着実に進められているということが分かりました。
そこで、私の地元である品川区内、特定整備路線の補助第二八号線と補助第二九号線の取組状況について伺いたいと思います。
○砂田道路計画担当部長 ご質問の二区間についてお答えいたします。
まず、補助第二八号線では、品川区大井四丁目地内の延長約〇・五キロメートル区間で事業を進めておりまして、幅員十五メートルの現道を二十メートルに拡幅整備いたします。これまで七六%の用地を取得し、バス停及び交差点周辺では事業用地を活用した歩行者の滞留空間を確保しております。
引き続き、用地取得を進め、用地を連担して確保できた箇所から配水管設置工事を実施する予定でございます。
次に、補助第二九号線では、品川区大崎三丁目から大田区東馬込二丁目までの延長約三キロメートル区間を五か所に分けて事業を進めておりまして、標準幅員二十メートルの新設道路を整備いたします。これまで四〇%の用地を取得し、避難路を兼ねた暫定的な歩行者空間の確保や緊急車両用の仮設通行路を整備してきておりまして、新たに大崎地区と戸越地区においても同様の整備を実施いたします。
引き続き、地元の理解と協力を得ながら着実に事業を推進してまいります。
○伊藤委員 先ほども述べましたけれども、首都直下地震はいつ、どのぐらいの規模で襲ってくるのか分からない中、特定整備路線の整備効果を都民に見える形で示していくこと、そしてまた、効果を還元していくことは、地元の理解と協力を得るためにも重要なことだと思います。
一方で、用地取得に伴い、土地を提供してくださる関係権利者の方々に対しては、住み慣れた家や土地を譲っていただくわけで、物心ともに大変につらい思いをされることと思います。都は、こうした方々に丁寧に寄り添って、しっかりと生活再建の支援をすることが重要だと考えます。
そこで、特定整備路線における生活再建支援の取組について伺いたいと思います。
○澤井用地部長 特定整備路線におきましては、事業開始から民間事業者を活用した相談窓口を設置いたしまして、きめ細やかな生活再建支援を行っております。
具体的には、建て替えプランの提案や税理士など専門家との相談の機会の提供など、関係権利者の方々の多様なニーズに応えております。
このほか、都市再生機構と協定を締結しまして、同機構が所有する事業用の代替地の提供や賃貸住宅のあっせんなど、住み慣れた地域での移転先を確保できるよう取り組んでおります。
○伊藤委員 事業にご協力してくださる方々、ご家族に、本当に申し訳ないという思いと感謝の思いでいっぱいであります。その思いをしっかりと受け止め、災害時のいざというときに、事業の効果を発揮できるよう、都は、着実に丁寧に事業を進めていただきたいと思います。
次いで、地元品川区に関連する道路整備について伺います。
昨年の十月、私の地元である品川区において、補助二六号線豊町、大崎高校前の交差点から下神明交差点までの間、約六百七十メートルの新設道路が開通をいたしました。
この補助二六号線は、品川区から板橋区に至る環状方向の骨格幹線道路であり、環状六号線山手通りと環状七号線の間に位置することから、環状六・五号線と呼ばれることもあるなど、東京の広域的な道路ネットワークの形成、また地域の防災性向上の観点からも非常に重要な路線の一つであります。
今回の補助二六号線豊町は、平成三年度の事業着手以降、関係権利者はもとより、数多くの方々の協力によりまして、約三十年の歳月を経て、ついに開通に至ったものであります。まさに地元の悲願がかなったといえる道路でございます。
一方で、開通直後においては地域住民から、せっかく新しい道路ができたのに、朝夕のラッシュ時に戸越三丁目交差点で渋滞が発生しているとか、トンネル内に人や自転車が誤って進入して大変に危険であるといった懸念の声も、私のところに多く寄せられました。
私はその都度、都へ改善を求めてまいりましたけれども、こうしたことに対して、都は、どのように対応してきたのか伺いたいと思います。
○湯川道路建設部長 ただいま委員お話しの補助二六号線豊町の開通直後の状況につきましては、都としても把握し、関係機関と連携して対応してきたところでございます。
補助二六号線と国道一号線とが交差する戸越三丁目交差点では、交通開放後の状況を踏まえた信号制御の調整等によりまして、交通の安全及び円滑化に資する対策が講じられたと聞いており、これにより渋滞長の減少や通過時間の短縮等が図られております。
また、トンネル内への人や自転車の誤進入の懸念に対しましては、トンネルの前後、合計十か所に注意喚起看板を設置するなど、交通安全対策の改善に取り組んだところでございます。
○伊藤委員 交通開放後の状況を踏まえるとともに、地域住民の声にも耳を傾け、より安全で使い勝手がよい道路にするための取組がなされたという答弁でございました。
こうした取組を踏まえ、補助二六号線豊町の開通により、どのような整備効果があったのか、改めて伺いたいと思います。
○湯川道路建設部長 補助二六号線豊町の事業効果を把握するため、交通開放から約六か月後に実施した交通量調査によりますと、交通開放区間と並行する生活道路への流入交通量の減少により地域の安全性が向上しておりまして、例えば四間通りでは、交通開放前と比べて約五割交通量が減少してございます。
また、平塚橋交差点から八潮橋交差点に至る平均所要時間が約五分短縮されるなど、東西方向のアクセス性が向上してございます。
あわせて、沿道住民を対象としたアンケート調査では、半数以上から、交通開放により大井町から戸越間の交通アクセスの利便性が向上したとの回答を得ているところでございます。
○伊藤委員 開通から六か月後の調査では、交通渋滞の緩和や生活道路への流入交通量の減少等の効果が認められ、地域住民は今回の改正を好意的に受け止めているということでございました。
これまで品川区内は、南北を走る国道一号線、国道一五号線、そして中原街道がありましたけれども、東西を走る道路がなくて、本当に生活道路を行ったり来たりしながら、くねくねする、非常に使い勝手のよくない道路であったわけであります。
しかし、この二六号線開通によって、生活の利便性の向上、防災力の強化、これが図られたというふうに私も理解をしております。
いずれにしても、道路整備による効果は、様々な分野へ波及することから、まさに都市活力の基盤であるというふうにいえると思います。引き続き、道路ネットワークの早期形成に向けて積極的に取り組んでいただきたいと思います。
次いで、無電柱化の取組について質問をいたします。
冒頭に申し上げた阪神・淡路大震災の現地で私が見たものは、国道のような大きな通りでさえ、沿道のビルなどが倒壊をし道路を塞いでおりました。一方、大きな通りから一本奥に入った、いわゆる生活道路では、電柱がなぜか、みんな同じ方向に倒れておりまして、中には、たった一本の電柱が倒れているために緊急車両が通れない、こうした場面もありました。
この経験からも、無電柱化は都市防災機能の強化などの観点から重要な取組でありまして、私はこれまで繰り返し無電柱化の重要性について訴えてまいりました。
今、首都直下地震の切迫性が指摘される中、都内の道路における無電柱化は急務であります。
そこで、都道における無電柱化の進捗状況について伺いたいと思います。
○福永無電柱化推進担当部長 都は、数期にわたる整備計画に基づき無電柱化に取り組み、令和元年度末には、センター・コア・エリア内の整備をおおむね完了させました。
現在、令和三年に改定した東京都無電柱化計画に基づき事業を実施しておりまして、計画幅員で完成した歩道幅員二・五メートル以上の都道における令和三年度末までの整備済み延長は、都内全域で千四十三キロメートル、地中化率は約四五%でございます。
引き続き、都道の無電柱化に積極的に取り組んでまいります。
○伊藤委員 都道の地中化率が四五%という答弁でありましたけれども、もう少しで半分まで達するということでございました。都道の無電柱化の取組は、スピード感を持って着実に進めていただきたいと思います。
一方で、都道のみならず、区市町村道においても無電柱化を推進することが重要であります。区市町村道は住民に直結する生活道路であり、日常の通勤、通学、買物、そして、有事の際には避難所までの重要な道路となるわけであります。
都は、無電柱化チャレンジ支援事業制度を創設するなど、区市町村に対して積極的に支援を実施していると聞いておりますけれども、この無電柱化チャレンジ支援事業制度について中身を伺いたいと思います。
○福永無電柱化推進担当部長 都内全域で無電柱化を推進するには、都道はもとより、都内の道路延長の約九割を占める区市町村道の無電柱化を促進することが重要でございます。
都は、平成二十九年度より、道幅の狭い道路に低コスト手法を導入する事業などに対し、事業費を全額補助する無電柱化チャレンジ支援事業制度を創設いたしまして、財政支援と併せて、区市町村が設置する技術検討会に都の職員が参加するなど、技術支援も実施しております。
令和三年度までに品川区など累計四十区市でこの補助制度を活用し、無電柱化推進計画の策定や調査、設計及び工事を実施しております。
○伊藤委員 令和元年九月に発生した台風第十五号は、関東地方に上陸したものとしては観測史上最強クラスの勢力であったということで、首都圏で大きな被害を出しました。このとき電柱の倒壊や電線の破断などの被害に遭った島しょ地域の無電柱化も、改めて重要性が指摘をされました。
都は、財政面、技術面などから町村への支援を行い、都道のみならず町村道の無電柱化を進めていくことが重要であります。
そこで、島しょ地域における町村道も含めた無電柱化の取組について伺いたいと思います。
○福永無電柱化推進担当部長 都は、本年一月に東京都島しょ地域無電柱化整備計画を策定し、二〇三〇年代に向けて整備する都道や港、空港の具体的な箇所などを示し、整備に取り組んでおります。
また、町村道などにつきましても無電柱化を促進するため、都は、チャレンジ支援事業制度など町村に対し支援を実施しております。
さらに、電柱のない島の実現に向け、先行整備する島として、利島、御蔵島の二島を選定し、本年九月、利島・御蔵島無電柱化整備計画を策定いたしました。
今後とも、町村と連携し、島しょ地域全体の無電柱化を推進してまいります。
○伊藤委員 先日、私は島民の抱える課題を伺いに八丈島へ行ってまいりました。災害時には対策本部が設置される町役場周辺の道路整備が行われておりましたけれども、改めて、南海トラフ地震が危惧される中、島民が素早く避難するためには、電柱が道路を塞いでいる状況ということがあってはならないことだというふうに思います。
ご案内のとおり、島しょ地域は海岸線から、もし南海トラフが起きたときには、数十分後には十メーター、二十メーター、中には三十メーターを超えるような津波が襲ってくる。もう時間がないんです。その間に少しでも高いところに逃げなければならない。
そのときに電柱が倒れていたら、そこから先に進めないですから、さっき阪神・淡路の話をしましたけれども、どうかこの島しょ地域の町村道に対してもできる限りの支援を、スピード感を持って進めていただきたい、このように思います。
次いで、目黒川の水質改善について質問をいたします。
目黒川は、お花見のシーズンでは見事な桜が人々を魅了し、また、水辺の親水空間等がきれいに整備されたこともありまして、毎年、例えば年末のライトアップなど、通年を通して多くの人でにぎわっております。
一方、潮の満ち引きの影響を受ける感潮区間では、地元の方々から、依然として夏場の臭気に対する改善要望が毎年多くの方々から、私のところにも寄せられております。
そこで、目黒川の臭気対策における建設局の取組について伺いたいと思います。
○齊藤河川部長 都は、地元区や関係局から成る水質浄化のための検討会で、これまでに臭気対策の事例を基に技術的助言を行ってきております。
目黒区は、この検討会の結果を受けまして、令和五年度からの稼働を目標に、臭気対策として効果の高い高濃度の酸素溶解水を供給する施設の工事を進めており、都は、必要な財政的支援を行っております。
○伊藤委員 目黒川の臭気対策について都は、品川区より上流に当たる目黒区に対して支援をしているということでございました。
目黒川の水質改善には、今答弁にあった高濃度酸素溶解水を供給する臭気対策に合わせて、しゅんせつを実施することも重要であると私は思います。
そこで、目黒川におけるしゅんせつの実施状況について伺いたいと思います。
○齊藤河川部長 河川管理者である地元区は、水質改善を図るため、日常の維持管理の中で、しゅんせつや清掃などを行っております。
また、都は、これまで品川区の市場橋から目黒区の太鼓橋までの約六百メートルの区間におきまして、船舶により大規模なしゅんせつを実施してきました。
今後とも、適切にしゅんせつを実施してまいります。
○伊藤委員 目黒川のしゅんせつの実施状況についてお伺いをさせていただきました。
しゅんせつは、臭気の原因となるヘドロを直接取り除く作業でありまして、水質改善に大きな効果があると認識をしております。昨年も今年も臭気に対して苦情が寄せられている目黒川でございます。これからもなるべく早い時期に、着実な目黒川の水質改善に向けてしゅんせつをお願いしたいと思います。
本日は、道路整備、そしてまた無電柱化、そして河川のことについてお伺いをしてまいりましたけれども、いずれにしても、私も都議会に来て一貫して防災対策の強化を訴えてまいりましたけれども、何といっても、災害を少しでも減災していく、このためには、建設局は非常に重要な役割を担っておると思います。
どうか、東京都技監中心に、建設局、頑張っていただいて、都民のかけがえのない命を守っていただきたい、このことをお願いをいたしまして、質問を終わります。ありがとうございました。
○原委員 原純子です。よろしくお願いします。
葛西臨海公園の水族園の建て替え事業についてお伺いします。
建て替え事業について、八月に事業者が決定されたと公表をされました。入札には二グループが参加していますが、審査方法とどのような点で違いが出たのかをまず伺います。
○根来公園計画担当部長 本事業では、総合評価一般競争入札により、技術審査委員会による加点審査点と価格審査点を合計した総合評価点が最も高い者を落札者として決定いたしました。
加点審査点のうち得点差が最も大きかった項目は、施設整備に関する事項でございます。
審査におきましては、落札者の提案内容のうち、主要な設備機器を別棟に分離するなどの更新性への配慮や、自由な観覧を促す動線計画、また体験の深まりを促すコンテンツの提案等が評価されました。
○原委員 落札者の評価された点は、機械整備を別棟にしたこと。これは審査講評によると、主要な設備機器や大型水槽用のろ過施設を別棟に分離することによる更新性の配慮、要するに、マグロ水槽のろ過器が別棟にあれば交換がしやすいということです。
また、自由な観覧、動線や体験型、参加型のコンテンツなどが評価されているということでした。
しかし、現在、決定した事業者提案の鳥瞰図と建物概要しか公表されておらず、鳥瞰図では既存施設は見えません。また、淡水生物館も消え、その周りの森がなくなっています。こうした案でよいのか、一体、都民の意見が反映されたのでしょうか、お伺いします。
○根来公園計画担当部長 新たな葛西臨海水族園の整備に当たりましては、都民等からの意見を広く聞いた上で基本構想や事業計画を策定しております。
これを踏まえまして事業提案の募集を行い、総合評価一般競争入札により総合評価点が最も高い者を落札者として決定しました。
なお、落札者の提案によれば、新水族園本館内において淡水生物に関する展示を行うこととしております。また、既存樹木にも配慮しながら、施設全体に新たな緑を創出するものとなっております。
○原委員 新たな緑を創出するというコメントもありましたけれども、そもそも、樹木を伐採しないでなど、都民から出されていた意見が反映されているのかどうかが分からないからいっているわけです。
淡水生物館周辺の樹木は三十年以上かけて大事に育てられてきたことから、要求水準書にも、樹木への影響を極力減らすように配慮するよう記載があります。野鳥など生き物の住まいを守り、生態系を守る取組は、地球環境保護の観点から絶対に軽視してはならない課題です。
次に伺います。審査委員の構成では十三名中四名が東京都の職員でしたが、問題はなかったのでしょうか。
○根来公園計画担当部長 技術審査委員会は、専門的かつ客観的な評価を行うとともに、事業の公共性を確保するため、学識経験者と契約や技術管理等を所管する都職員により構成されております。
○原委員 技術審査委員会では、委員のほかに二名の学識経験者の意見を聴取したとありますが、学識経験者の意見はどのようなものでしたか。
○根来公園計画担当部長 技術審査委員会とは別に、二名の学識経験者に審査のプロセス及び結果を説明いたしました。二名の学識経験者からは特段の意見はなく、了解をいただいております。
○原委員 特段の意見はないということでした。議事録を見ましたが、これまで都民から出されていた既存施設を残して生かしてほしいとの要望について議論された形跡がありません。既存施設は残して生かすということでよいのでしょうか。また、既存の施設との調和という視点は提案事項にあったのですか、お伺いします。
○根来公園計画担当部長 既存施設につきましては、令和三年に公表した基本的な考え方において、新たな水族園とも有機的に連携しながら利活用することとしておりまして、検討を進めております。
また、新たな水族園の事業提案の要件として、景観や既存施設を含む公園施設との調和やつながりを考慮した意匠、配置とすることなどを求めました。
落札者は、建物の高さを抑え、公園全体の景観と調和した施設とすることを提案しております。
○原委員 建物の高さを抑え、景観を妨げないということ、いろいろお伺いしても、それくらいしか、この既存施設や公園全体との調和、こういう点で特段提案がないというふうに私は受け止められました。
落札者の提案内容を詳細に見ることができない私たち都民が、少ない情報から感じる様々な疑問をどうやって払拭すればよいのでしょうか。
一九八九年十月に開園した葛西臨海水族園は、世界初のクロマグロの群泳展示をはじめ、貴重な海の生き物に出会える日本を代表する水族館の一つであり、唯一の都立水族館です。海辺に接する敷地を生かし、敷地と海を一体化させた建築、ガラスドームは、公園のシンボルとなっています。
現代日本を代表する建築家、谷口吉生氏により設計された葛西臨海水族園は、毎日芸術賞、建築業協会賞、公共建築賞を受賞するなど、これまでに高い評価を受けています。
日本建築学会の建築歴史・意匠委員会委員長の石田潤一郎氏は、広く市民に親しまれた文化遺産であると同時に、二十世紀後半の東京都を代表する貴重な建築遺産であり、将来にわたって維持されるべき公共建築であると述べています。
施設設備の老朽化対策が課題に上り、二〇一七年に水族園のあり方検討会が設置されてから建て替えの議論が始まりましたが、二〇一八年の意見募集では、九割が現施設の保全を求める意見でした。
二〇一九年十二月から翌年一月の事業計画案に対するパブリックコメントでも、進め方について出された二百四十五の意見のうち、新施設へ全ての機能を移すことに反対の意見が百八十六件で七六%でした。
そして、二〇二〇年十月には、日本建築家協会の葛西臨海水族園の改築計画に既存建物の保存及び活用を組み込むことを求める陳情が、都議会本会議で趣旨採択されました。
そして、これを受けて二〇二一年九月、都は、既存施設利活用の基本的考え方を公表し、そこにはこう書いてあります。既存施設について、新たな水族園とも有機的に連携しながら、既存施設を利活用することにより、周辺一帯の魅力を向上させる。
一体この約束はどこへ行ってしまったのでしょうか。この文章を読む限り、都民の声が一定反映されたものとして受け取れます。しかし、既存施設の扱いで、その後の検討の進め方について、都は、既存施設の事業性、採算性を探ることとし、新施設へ水族館機能を移転した後、施設の状況について調査を行い、利活用の方針を決定していくと、既存施設の活用を後回しにして、新水族園と切り離してしまいました。
このように、既存施設との共存について曖昧さを残したまま、新施設建設事業者の公募を行ったことで、公園全体の中での新水族園の位置づけや既存施設との調和は提案者次第ということになってしまいました。
施設の機能及び性能に関する要求水準書の基本方針には、東京湾、葛西臨海公園、葛西海浜公園等の景観や公園施設との調和やつながりを考慮した意匠、配置とすること、また、既存施設内を回遊する動線についての記載はありますが、既存施設の文化的価値についての言及はなく、周辺環境との調和というコンセプトの配慮事項になっているだけです。実際に審査会の場で既存施設との調和や動線について議論された形跡がありません。審査会の委員の中に建築の専門家が入っていないことも、都民から指摘をされています。
落札業者の鳥瞰図を見ても、既存施設との有機的な連携は見当たりません。大体、周辺環境との調和が要求水準書の基本事項であるにもかかわらず、落札者の提案内容が鳥瞰図と建物概要しか公表されておらず、その点どう提案されているのか、私たち都民は知ることができず、公園全体の構想がさっぱりつかめません。
今後について伺いますが、今後、設計の具体化の段階で都民の意見が反映される機会はあるのでしょうか。
○根来公園計画担当部長 新たな葛西臨海水族園の整備に当たりましては、都民等からの意見を広く聞いた上で基本構想や事業計画を策定しておりまして、これを踏まえて事業提案の募集を行ったところでございます。
○原委員 今おっしゃったのは入札前の話ですよね。落札後、公表された情報に疑問や問題点が幾つも出されているのに、この後、都民の意見を聞かないで、事業者へお任せで進めるということでしょうか。
PFI方式という仕組みの問題を指摘せざるを得ません。PFIを採用するとしたのは二〇二〇年の事業計画です。都民からも、水族館建設について民間委託はしないでほしい、設計と工事は切り離すべきとの声が出され、私ども共産党都議団もPFI方式には反対してきましたが、今回、PFI方式の下、入札が行われました。
PFIは設計から完成まで丸投げ、事業者は民間ですから、できるだけ安く工事を行おうとします。都民の声を聞くよりも、手間暇かけない実施方法へ傾く可能性があります。
このPFI方式による財政負担の削減効果はどの程度かを伺います。
○根来公園計画担当部長 PFI方式では、設計、施工、維持管理を一括して発注することで、工期やコストの縮減を図ることが期待されます。
本PFI事業では、都が設計、施工、維持管理を分割発注する従来方式と比べて、事業期間全体で都の財政負担額を約三%縮減できる見込みでございます。
○原委員 三%の縮減というのは、予定総額四百三十二億円とされていますので、直接都が事業を取り組むとすれば、逆算して四百四十四億円となります。したがって、十二億円の縮減です。
そもそも公園全体との調和や文化的遺産である現水族園の生かし方などを議論しないまま、この整備事業を事業者任せで進めることは大問題です。公共施設の整備に関して、当然、都民の声を反映する必要があり、PFI方式でなければ、都民も参加したフォーラムなどを行い、都立の水族園の在り方や新水族園と既存施設との有機的な連携について議論ができ、反映させることができると思います。
民間に委ねることで縮減できる経費が十二億円、全体の三%の縮減のためにPFIを採用するよりも、都民の意見をどの段階でも反映させて軌道修正もできるようにしていくことが、都民の施設を造る上で大事だと思います。
もう一度、公共施設である都立水族園の役割、海辺にある公園全体との調和、文化的遺産である既存施設との共存という原点に今からでも立ち返り、進め方を再検討されるよう要望します。
PFIで進める場合でも、事業者提案に都民の意見を反映させる機会を保障し、建築学会の専門家に入っていただき、議論することを強く求めるものです。また、樹木の伐採をしないで進める計画にするよう強く要望します。
続きまして、同じ葛西臨海公園内ですが、鳥類園ウオッチングセンターの改修工事について伺います。
鳥類園エリアの、東側にある鳥類園ウオッチングセンターは、屋根の老朽化により、二〇二一年四月以降、閉鎖をしています。再開が待ち望まれています。改修工事の見通しを伺います。
○根来公園計画担当部長 鳥類園ウオッチングセンターは、自然観察や学習、休憩などの利用を目的に平成五年に完成しました。
現在、特に屋根の老朽化が進行しているため、今年度から来年度末にかけて屋根改修工事を進めておりまして、先月、受注者が決定しました。
○原委員 改修工事が始まるとのことでよかったです。
屋根の改修に伴い、センターの補修などは予定していますか。
○根来公園計画担当部長 今回の改修工事は、屋根の改修と柱など、その影響範囲の補修を行うものでございます。
○原委員 改修に先立ち、指定管理者やNPO法人、鳥類園友の会、利用者などの意見は聴取していますか。どのような意見が出されていますか。
○根来公園計画担当部長 屋根の改修工事に当たりまして、指定管理者やボランティア団体からの意見聴取を行いました。
本工事につきましては、野鳥の営巣地への配慮やボランティア活動用スペースの確保等の意見があり、それらについては適切に対応いたします。
○原委員 ありがとうございます。
以前、NPOの方に野鳥のガイドをしていただいたことがありますが、とても丁寧で、子供たちにも野鳥が見えるように望遠鏡で見せていただきました。
ウオッチングセンターは、小学生などの社会科見学でも写真展示などで学ぶことができるし、雨のときにも学習ができる大事な施設です。利用団体などの意見を取り入れて、維持管理していただけるようお願いをいたします。
この後は意見のみ述べさせていただきます。二つあります。
一つは、今、篠崎公園の高台化準備事業が行われております。その都立篠崎公園について意見を表明します。
公園内に仮設道路を通す工事が本年六月から行われてきました。私は、第二回定例会で文書質問を提出し、芝生広場のすぐ脇の歩道が、車が通る道になることから、子供たちの安全環境確保を求めました。
特に横断防止柵について、子供のくぐり抜けを防ぐ形状にするよう質問をしたところ、東京都の道路工事設計基準に合わせた構造のものを設置しますとの回答で、供用開始後も必要な安全対策を行っていくとの回答でした。
しかし、現地を見ましたら、簡単にくぐり抜けができるガードレールが設置されており、それまで歩道だったこともあり、通行人は普通にガードレールをくぐって横切っていました。開通前とはいえ、管理事務所前の横断歩道まで迂回する人はほとんどいませんでした。
ボールも人も道路に飛び出すことのないよう、特にそうした危険が予想される芝生前道路などの範囲は、最低限の対策を講じていただきたいと思います。供用開始前に対策を取っていただくようお願いをいたします。
その他、工事による既設駐車場の台数制限と利用時間制限についての告知看板や案内安全スタッフの配置など、住民利用者に混乱や危険が生じないよう、しっかり対策を取っていただけるようお願いをいたします。
もう一つは、点字ブロックの交通を妨げないマナーの周知についてです。
点字ブロックの上に自転車など物を置かれると、視覚障害者がぶつかってけがをしてしまうとの訴えが多く寄せられています。これは繰り返し訴えが来ているんですね。
道路管理者である建設局だけでなく、区市町村のパトロールなどとの連携が必要だと思います。特に駅前で、自転車の金属の止め具に足のすねをぶつけたり、自転車のハンドルに服を引っかけて転倒したり、全治数週間ものけがになることもあるそうです。
現場で注意喚起の音声を流すなどしてほしいです。例えば銀行やスーパーなどの前に、ちょっとの時間だからと止めてしまうことがあるようですが、そうした場所など、音声などでの注意喚起、こういうことが効果を示すのではないかというふうに思います。
また、CMやSNSでも事故事例などを知らせるなど、できることはいろいろあると思います。ぜひ市区町村や警視庁とも連携をして、点字ブロックを妨げないマナーづくりを実現していけるよう、よろしくお願いをいたします。
意見表明、また質問、以上で終わらせていただきます。
○里吉委員長 議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
午後三時八分休憩
午後三時二十四分開議
○里吉委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○須山委員 ありがとうございます。
私からも何点か質問させていただきたいと思います。
まず、道路通報システムに関して、今年度から都道全域で本格導入をしました道路通報システム、MCR、マイシティレポートは、都民から道路損傷の情報を受け付けて、その後の経過を都民と共有できる非常によい取組であると考えております。
こうしたサービスは、古くは二〇〇七年、イギリスでフィックスマイストリートというサービスを市民団体がつくりましてスタートされたということ、そして、それはウェブ上で市民から通報を受け付けると、そういったサービスだったと記憶しているんですけれども、そういったものが世界的にも広がっていったというふうに記憶しております。
自治体のDXの推進で、住民サービスの向上や住民参加型の都政となるべく、様々な取組を東京都も進めていると考えておりますけれども、その中で、まず、MCR、このシステムを利用した都民からの反応についてお聞かせいただきたいと思います。
○斉藤道路保全担当部長 利用者からは、操作が簡単で使いやすいシステムや、投稿後の対応状況が確認できるなど、よい仕組みであるとの意見をいただいております。
○須山委員 利用者からは、おおむねよい評価をいただいているということは理解しました。
議員として活動していく中で、やっぱり河川のこととか道路のこととかは、すごく皆さんもご経験あると思うんですけれども、非常に声を寄せられます。そうした要望というのは、大体直接いわれるとか、電話がかかってきて、市民の方からちょっと道路を直してほしいんだけどということで、議員としては、じゃあ分かりましたと伺って、現地を確認しに行って、その後に、役所にこうこうこういうことがあるので、ぜひ対応していただきたいと、そういった一連の流れがあると思います。役所の方も、職員の皆さんがまた現地を見て、直すところは直すというような対応をしていると思います。
そうした手間というものが非常に省けるシステムだなということは改めて感じておりますし、写真をアップロードするということで、実際に現場のここを直してほしいということがよく分かると。
私も何度か今までの経験で、ここを直してほしいといわれて電話で聞いて、実際に直してもらったら、違うよ、裏だよとか、そういったこともありました。そういった間違いというか、そういったことが改善されるということで、非常にいいシステムだなというふうに思います。
そうした中で、東京都として問合せの一元化ということをしていくことが都民、区民、市民の利便性につながるのかなというふうに考えます。
そこでまず、区市の参加増を図るべきと考えますけれども、見解をお聞かせいただきたいと思います。
○斉藤道路保全担当部長 都は、道路通報システムの試行期間中及び四月の本格導入後も区市町村の参加を呼びかけ、現在、十区市が本システムを導入しております。
区市町村の中には、既に本システム以外の仕組みを取り入れている自治体がある一方で、通報システムの導入を検討している自治体もあると聞いております。
このため、都における本格導入後の取組状況を説明するなど、引き続き、参加を呼びかけてまいります。
○須山委員 ありがとうございます。
今、まだ十区市ということで、いろいろ参加を呼びかけていただいているということでもあるんですけれども、ちょっと少ないかなというふうにも思います。
また、聞くところによると、自治体がこのシステムに参加するときにかかる参加費用というものが、なかなかちょっと高いという声も聞きました。人口の割合とかもいろいろあるのかなというふうに思うんですけれども、逆にそこら辺に補助をしていただいたりとかということでも、また参加増というのは望めるのかなということは、ちょっと今のご答弁で感じたので、発言させていただきます。
そして、もう一つ伺いたいのがアプリの登録者数、これもちょっと少ないんじゃないかなというふうに感じるんですけれども、アプリの登録者数が少ないことで導入をちゅうちょする自治体もあったと伺っております。
やはりこうしたサービスは、数が物をいってくるというふうにも考えます。たくさんの方に参加をしていただくことで、より精度というか、アプリの必要性というか、それも上がっていくと考えますけれども、どのように登録促進を図っていくのか、それをお聞かせいただきたいと思います。
○斉藤道路保全担当部長 都はこれまで、ポスターやリーフレットの掲示に加え、「広報東京都」への掲載や新宿駅周辺のデジタルサイネージなど、様々な媒体を活用して広報を実施してまいりました。
その結果、登録者数は本年三月末には約千八百人でありましたが、本格導入後の九月末には二倍となる約三千六百人まで増加しております。
引き続き、SNSや東京動画など、様々なメディアの活用により都民の認知度を向上させるよう、効果的な広報を実施してまいります。
○須山委員 ありがとうございます。
二倍になったとはいえ、やっぱり三千六百人ということで、ちょっと東京都の規模としては少ないのかなというふうに思います。
また、先ほどの一個前の答弁にもありましたとおり、参加しているのが十区市ということで、ちょっと少ないというふうに改めてお伝えさせていただきます。
そもそも都民にとっては、都道なのか、市道なのか、そして国道なのか、その違いというのは分からないし、そういうことは関係なくて、やはり身近な道路が破損している、そうしたところをしっかりと迅速に直していただくということが、それが直してもらえればいいということです。
だからこそ、先ほど申し上げたとおり、問合せ先等はなるべく一元化していって、地元の自治体のものであったら地元の自治体で、住んでいるところのものを使うというのも一つありなのかなというふうには感じます。
その上で、対応の連携というものを国や市区町村としっかりと東京都が図っていく、迅速に対応していくことがとても大切になってくるのではないかなということは、改めてそういうふうに考えております。
私の地元の八王子市は、試行段階では参加をしていたんですけれども、今回、本格実施になっては参加をしませんでした。これ、ちょっと地元で聞いたら、もともとがLINEで情報を市民の皆さんに提供している中で、というLINEのシステムがあって、そこに道路通報システムもつけたから必要なくなったということもありました。それはそれで、私は基礎自治体としての役割としてはありだと思いますし、その方が効率もいいかもしれないし、コストもかからない、そうしたこともあるので、八王子の考え方というのは納得はしました。
一方で、やっぱりDXとして、東京都として、こういったMCRをつくった、活用していくということであれば、また基礎自治体とは違う役割があるかもしれません。様々、いろいろ研究も含めて進めていただきたいなというふうに思いますし、先ほど一元化といいましたけれども、やっぱりこの道路で、どこで直せばいいのか分からないから、取りあえず検索をして、じゃあこうかなとかというようなことも、そういったなかなか日々、毎日のように通報するわけではないので、道路の通報というのはなかなかないものなので、そういった意味では様々な入り口、窓口がある必要もあるかもしれません。
そうした中で、やはりDXを進める上では、これは何が正解というものはないと思いますので、しっかりと今あるシステム、ちゃんと活用していく中で、こうした形が望ましいのではないか、また、市民、都民のためにはなるのではないかということを常に研究をしていっていただいて、そしてユーザーが使いやすい、そしてまた、必要とされるシステムにしていただきたいと要望させていただいて、この件に関しては終わらせていただきます。
続きまして、自転車通行空間の整備につきまして質問させていただきます。
自転車は車という意識が広まって久しくなりました。以前は自転車は多くが歩道を走っておりましたし、むしろ私の子供の頃なんかは、車道を走るんじゃなくて、歩道を走るものだというふうに思っていたぐらいなので、そこからの意識の改革というか、自転車が車道を通行するというのが常識になってきたというのは、またいいことなのかなと思います。
二十年前ぐらいかな、ヨーロッパに旅行に行ったときに、ドイツなんかでは、もうがんがん車道を自転車が走っていて、むしろ怖いぐらいだったんですけれども、そこら辺もしっかりと整備をしていく、そしてルールをきちんと守っていくということを行政としても伝えていっていただいて、安全な自転車通行空間というのをしっかりとつくっていっていただきたいと思います。
そうした中で、私も今申したとおり、この自転車通行空間をきちんと車道に造って、車道へ促していくということが大事だなと思っていて、今の東京都の建設局の皆さんのやっていることも含めて、非常にプッシュを、後押しをしていきたいというふうに考えております。
そうした中で、何点か確認をさせていただきたいんですけれども、まず自転車通行空間は車道に造る場合と歩道に造る場合、これがあると思うんですけれども、どのように整備を進めているのかということをお聞かせいただきたいと思います。
○斉藤道路保全担当部長 自転車通行空間につきましては、車道を活用した自転車レーンや車道混在等を基本として整備を進めております。
車道での整備が困難な場合におきましては、暫定形態として歩道を活用した整備を行っております。
○須山委員 ありがとうございます。
車道での整備を基本としつつ、困難な場合は状況に合わせて歩道での整備も進めているということでした。具体的に、どのような割合で現在整備を進めているのかを確認したいと思います。
そこで、本年度の形態別の整備延長の見込みをお聞かせいただきたいと思います。
○斉藤道路保全担当部長 令和四年度は、車道を活用した自転車レーンや車道混在等の整備を二十三・九キロメートル、また、歩道を活用した整備を一・七キロメートル予定しております。
○須山委員 二十三・九キロメートルと一・七キロメートルということで、自転車は車道が基本ということで、今のお答えのとおり、車道での整備が多い見込みであることが分かりました。
歩行者の安全性を向上させるため、自転車通行空間を車道に整備する必要は非常に理解できます。ただ、地元の声としては、地元というか、私のところにも寄せられた声としては、なぜもともと狭い場所に自転車レーンなどをつくっていくのかと、そういった声も聞くことがあります。
このため、整備に当たっては、地元などと、また地域住民の皆さんも含めて、しっかりと丁寧に調整をしていただきたいなというふうに考えます。
また、自転車は身近な交通手段であり、整備に当たっては、区市町村との調整は非常に必要だと考えます。
そこで、区市町村との調整というのはどのようにして整備を進めているのかをお聞かせいただきたいと思います。
○斉藤道路保全担当部長 区市町村や国等で構成する調整会議の場において、自転車通行空間のネットワーク形成に向けた課題への対応について検討するなど、適切に調整を実施し、整備を進めてまいります。
○須山委員 ありがとうございます。
本当に適切に整備を進めるためにも調整をしっかりとしていっていただきたいと思います。
先ほど申し上げたとおり、やはり様々な声が地域からは寄せられて、いろんな声があるので、そこを精査するというのは非常に難しいとは思うんですけれども、その中でしっかりと声を聞いていただきたいなというふうに思います。
そしてまた、新規に整備する際はもちろん、今現行でもう敷設された、整備されたところも、また様々声をいただくこともあると思います。それもやはり使いながら、利用しながら、市民ニーズ、都民ニーズに合った形に変えていっていただきたいなというふうに思いますので、ぜひ柔軟な対応をお願いしたいと思います。
最近では、電動キックボードの事故等も非常に問題視されておりますし、また、それ以外でも、今、二人乗りのタンデム自転車というものが公道を走れるところも大分増えていると聞きます。東京都内では四か所、サイクリングコースで、うちの地元の八王子でも一か所あるんですけれども、そういったタンデム自転車というものが走れるところができてきました。
また、東京都ではちょっと違うんですけれども、四十五道府県では、公道でも走れるところがあるというふうにも伺っております。そうしたニーズというものがあるというふうにも聞いております。
タンデム自転車、後ろに視覚障害者の方も乗って、それで視覚障害者の方も自転車に乗るという体験ができるということもあります。そうした様々な方のニーズというものも伺っておりますので、ぜひそうしたところを鑑みて推進にも取り組んでいただいて、誰もが安全に自転車を、そして通行を楽しめ、安全に通行できるような、そういった空間づくりをお願いして、次の質問に入らせていただきます。
多摩動物公園のライオンバスに関して。多摩動物公園のライオンバスが、昨年、運行再開をしました。私、まだ乗れていないんですけれども、うちの子供たちは乗ったそうで、今度はパパと行きたいとすごく目を輝かせて、本当に楽しかったということをいっています。
また、余談なんですけれども、今度の日曜日、私、誕生日でして、パパ仕事を休んでちょっとどこか連れていこうかと息子にいったら、もう即答で多摩動物公園というぐらい、本当に今、子供たちが愛してやまない場所になっているんだなということを改めて申し伝えさせていただきます。
うちの子供だけじゃなくて、様々、友達のところだったりとか、近隣の皆さんからも非常にいいという声を伺っております。特に、やはり子育て世代の方たちは非常に利用させていただいているというふうに聞いております。
そこでまず、令和三年度のライオンバス運行再開までの経緯と再開後の利用者数についてお聞かせください。
○根来公園計画担当部長 多摩動物公園のライオン園にあるライオンバスは、バス発着所の老朽化等のため、平成二十八年三月に運行を休止しました。
その後、バリアフリーにも配慮した新たなライオンバスステーションを整備し、令和三年七月に運行を再開しました。
令和三年度の七月、運行開始以降のライオンバスの利用者数は、新型コロナ感染拡大防止のため、来園者数を制限したこともあり、約十二万人でございました。
○須山委員 コロナで制限をしていても十二万人というのはすごいなというふうに思いました。やはり様々、いろいろな方が本当に楽しんで来園をされているというふうに思いました。
今回のライオンバスステーションの整備によって、では、どのように利用者のサービスが向上したか、どういった変化があったのかということをお聞かせいただきたいと思います。
○根来公園計画担当部長 新しいライオンバスステーションは、ライオンを知り、体感できる情報発信基地としての役割を強化しました。
具体的には、研究者が作成した解説パネルや展示物を通じ、ライオンについて楽しく学べる展示エリアを設けたほか、ライオンバスに乗らなくても、ライオンの放飼場全体が一望できる開放的なエリアを整備いたしました。
○須山委員 ありがとうございます。
百獣の王として、やはり子供たちに大人気のライオンでございます。その生態等も含めて学べて、そして楽しめる空間ができたということで、本当にうれしいなというふうに改めてお伝えさせていただきます。
一点、要望なんですけれども、ライオンバス、園の入り口からは大分離れておりまして、しかも、かなりの坂を上って下りなきゃいけないという場所にあります。先ほどご答弁にありましたとおり、コロナの制限があってもライオンバスの利用者数が十二万人と、たくさんの方が乗りたいというような状況であります。
そうした中で、ライオンバスのチケットがライオンバスステーションでしか買えないために、開園間もないときに、みんながこぞって走って、坂を上って行くんですね。そうした中で、ベビーカーとか、お子さんを抱っこしているお母さんとかもそういうような状況で、かなり危ないんじゃないかなというふうに率直に思いました。
できれば、ぜひこれ、園の入り口でライオンバスのチケットを買える、もしくはオンライン等でも買えるとか、そうしたようなちょっと工夫をしていただいて、より子供連れであったりとか、お子さんたちが安全で楽しめるように、ちょっと工夫をしていただきたいなというふうに要望させていただいて、私の質問を終わります。ぜひ日曜日、楽しませていただきますので、よろしくお願いいたします。
○漢人委員 それでは、質問させていただきます。
一問目は、生物多様性地域戦略の改定に向けてということです。
これ、環境局じゃないのと思われるかもしれませんけれども、現在、環境局で生物多様性地域戦略の改定作業が行われています。その庁内検討会の名簿を環境局の担当課からいただきましたけれども、各局の課長で構成されておりまして、当然、建設局からも参加をしています。
この庁内検討会を基に、この計画策定後は、仮称生物多様性地域戦略庁内推進会議というものを新たに設置をして、関係各局と連携した生物多様性関連施策が推進されていくことになるわけです。
生物多様性の保全については、計画策定は環境局が中心で行っていますけれども、その施策を展開する現場の多くは建設局にあります。つまり、建設局の取組次第で生物多様性地域戦略の実効性が大きく異なってくるというわけです。
そのような観点から、現計画である緑施策の新展開-生物多様性の保全に向けた基本戦略も踏まえた建設局における生物多様性の認識と取組を何点かお伺いいたします。
まず、今年はオレンジのこの事業概要の最初の建設局の取り組むべき主な課題と対応という章に、環境対策への取組という項目があります。しかし、ここにはディーゼル自動車対策しか記載されていません。
これまでであれば、緑施策の新展開-生物多様性の保全に向けた基本戦略、そして来年度からは、生物多様性地域戦略に関わる内容もここに掲げるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○松島企画担当部長建設DX推進・危機管理強化担当部長兼務 これまでも、事業概要には緑施策の新展開-生物多様性の保全に向けた基本戦略に関する事業を掲載しており、主な事業として、緑のネットワークの拠点となる都市公園の着実な整備などを事業概要に掲載しております。
生物多様性地域戦略は、現在、環境局において改定作業を行っていると承知しております。
○漢人委員 この事業概要全体を見れば、今おっしゃったように緑施策の新展開を踏まえた記載があるということは、それは十分かどうかは別としても、当然のことだというふうに思います。
伺っているのは、この冊子の冒頭ですよ。冒頭に建設局の取り組むべき主な課題と対応という章があって、その中に環境対策への取組ということが特出しで載っているわけです。なのに、ここに生物多様性についての記載がないということです。これはやはりおかしいです、どう考えても。ぜひ来年度の事業概要には掲載いただくようにご検討いただきたい、強く要望をいたします。
次に、河川ですけれども、河川事業の一つとして砂防ダムがあります。
砂防ダムは、土砂対策の、防止のための事業ではありますけれども、一方で、土砂の流出や川の流れを意図的に変えてしまうことで、海岸浸食や河床低下、骨材不足、領土問題など、自然環境に与える影響は大きく、生物多様性の観点からの見直しや対策も必須という指摘がされています。
東京都における現状と見解をお伺いいたします。
○齊藤河川部長 都は、国の砂防基本計画策定指針に基づきまして、渓流の状況、自然環境保全対象地域の特性等を総合的に把握した上で計画を策定し、それに基づきまして事業を実施しております。
○漢人委員 国の指針に基づいているということですけれども、ぜひ来年は、都としての生物多様性の観点からのコメントをいただきたいと思います。よろしくお願いします。
また、河川環境の整備という章がありますけれども、その五番目として野川自然再生というのが掲げられています。この河川の項の中では、中項目で唯一、野川という固有名詞がある貴重な取組だというふうに思います。
生物多様性地域戦略の観点からも、これは一層重視し、評価されるべき事業です。自然再生推進法に基づく都内唯一の事業であるということも記載し、強調するべきだと思いますので、ぜひこの点もよろしくお願いいたします。
次は、公園緑地に関してお伺いいたします。
生物多様性地域戦略の改定に伴って、建設局の所管するパークマネジメントマスタープラン、また、第二次都立動物園マスタープラン、これは地域戦略との整合を図るということになってまいります。
地域戦略の計画期間は、二〇三〇年までの九年間と現在想定されています。これは速やかな整合が求められると思いますが、いかがでしょうか。
○根来公園計画担当部長 生物多様性地域戦略は、現在、環境局において改定作業を行っていると承知しておりまして、引き続き、適切に対応してまいります。
○漢人委員 ぜひとも適切に前倒しでの対応をされることを期待しておきます。
生物多様性地域戦略の中間まとめには、都立公園の新規開園、また、都立公園や街路樹などにおける在来種による緑化の推進や水辺環境の創出、自然地における特定の場所や登山道等に利用者が集中し過ぎないよう、都立公園などの利用ルールの普及啓発などの記載があります。これらについての現状と見解をお伺いします。
○根来公園計画担当部長 都立公園について、都市計画公園緑地の整備方針に基づき事業化に取り組みますとともに、各公園の整備計画や周辺環境などを踏まえ、緑化や水辺の創出を行っております。
また、利用ルールにつきましては、園内掲示板や巡回等により周知しております。
○漢人委員 生物多様性地域戦略が確定をしましたら、現在の今おっしゃったような整備方針や整備計画も、当然、生物多様性の観点からの見直しがされるものとこれも期待をしています。
また、今、利用ルールについてですけれども、これは生物多様性地域戦略では、都立公園においても自然地における特定の場所や登山道等に利用者が集中し過ぎないようという、そういった観点での見直しが求められているというふうに思っておりますので、そのように読み取れますので、こちらの対応もぜひ行っていただきたいというふうに求めておきたいと思います。
次に、街路樹についてお伺いします。
街路樹には、生き物の生息、生育環境の連続性を高め、エコロジカルネットワークを形成するという役割があります。
生物多様性を取り入れるには、例えば植栽帯はできるだけ広く確保し、高木、中木、低木、草本による階層構造とし、チョウや野鳥が好む花や実のなる木に留意し、また、在来種を多種類植栽することなどが求められます。
そのように思いますが、現状と見解をお伺いいたします。
○根来公園計画担当部長 街路樹の樹種につきましては、日照等の自然環境条件、道路の幅員及び構造、沿道の土地利用、地域要望や生態系への配慮などを勘案して選定することとしております。
○漢人委員 先ほど私の質問の方で例に挙げたのは、港区の生物多様性地域戦略に基づいて策定された生物多様性緑化ガイドからの引用です。生物多様性の観点からの樹種の選定をぜひともお願いしたいと思います。街路樹は、都市部においては貴重なグリーンベルト、ここがどのようにつくられるかによって大きく関係をしてまいります。
生物多様性がこれまでにない速度で減少しているということ、そして二〇一〇年の愛知での生物多様性条約締結国会議で、十年間での達成目標として掲げた二十の個別目標、これは愛知ターゲットと呼ばれておりますけれども、この達成がゼロであったということ、こういった事態を踏まえて、今、改定されているのが生物多様性地域戦略です。従来の取組を大きく見直す必要があるわけです。
最初に申し上げたように、建設局での取組が問われるということになります。私は、今回、生物多様性地域戦略の策定過程、改定過程から、各局での現状の検証も重ねながらつくられているんだと思ったんですけれども、今回質問しようと思って伺った中で、残念ながらそうではなかったということが分かりました。
いずれにしましても、今年度末には、この生物多様性地域戦略が確定されまして、庁内推進会議も始まるわけです。建設局としての積極的で、そして意欲的な取組を求めて、大きな一つ目の質問については終わりたいと思います。
次は、都市計画道路小金井二路線、小金井三・四・一号線、三・四・一一号線ほかについてお伺いいたします。
昨年度から都が進めている地下水位調査委託及び道路概略検討について、委託の内容及び成果の取りまとめの時期についてお伺いいたします。
○湯川道路建設部長 地下水位調査委託につきましては、小金井三・四・一一号線ほか周辺における地下水位の観測をしているものでございまして、取りまとめは十一月末を予定してございます。
一方、道路概略検討につきましては、今申し上げた地下水位調査や、これまでに実施した環境概況調査等の結果を基に、小金井三・四・一一号線ほかの道路構造等の検討を進めているところでございます。
また、小金井三・四・一号線の今後の環境概況調査等に資する検討も行ってございます。取りまとめは十二月中旬を予定してございます。
○漢人委員 取りまとめの時期と成果物報告書の納品時期というのは、必ずしも一致しないということではありますけれども、順調にいけば、地下水位調査については、今月十一月末、そして三・四・一一号線の道路構造を含む概略検討については、来月十二月中旬にはできると、納品されるのではないかということかと思います。
この道路構造というのがどうなるのか、橋梁型なのか、地下型なのか、地上を走る掘り割り型になるのか、これは本当に今地元でも大きく注目をされているところです。
そこで、次の質問ですが、この道路概略検討では、小金井三・四・一一号線の道路構造について、どのような検討を行い、その結果をどのように公表しようとしているのかお伺いいたします。
○湯川道路建設部長 道路概略検討では、小金井三・四・一一号線のことについて検討してございますけれども、現在、環境概況調査等の結果を基に、必要な保全対策の検討を実施するとともに、自然環境や景観に配慮しながら道路構造等の検討を進めているところでございます。
これらの検討結果につきましては、オープンハウスを開催するなど、多くの方々の意見を聞きながら、丁寧な対応と周知をしていく予定にしてございます。
○漢人委員 続いて、小金井三・四・一一号線の事業化に当たっては、都市計画公園である武蔵野公園、そして、先ほども申し上げましたが、都内で唯一取り組まれている野川の自然再生地域との調整が必要になると思いますけれども、これはどの段階で行われるのかお伺いいたします。
○湯川道路建設部長 小金井三・四・一一号線ほかの事業化に当たってのご質問でございますけれども、小金井三・四・一一号線ほかの整備に当たりましては、本路線周辺で実施している武蔵野公園生物多様性保全利用計画の検討や、野川第一・第二調節池地区自然再生事業と、これまでに実施した環境概況調査等の結果を適宜共有しているところでございます。
今後、武蔵野公園及び野川の各事業と必要に応じ調整を図ってまいります。
○漢人委員 今年の八月、小金井市は都市計画マスタープランを改定しました。その中の都市計画道路の整備方針のところで、次のように記載をしています。
長期間にわたり事業化する時期が未定の広域幹線道路及び幹線道路については、社会経済情勢及び地域のまちづくりの変化などを踏まえ、東京都及び関係市と連携して、都市計画道路の検証を行い、必要に応じて見直すべきものは見直していきますというものです。
そして、この部分に関しまして、小金井市長は、長期間にわたり事業化する時期が未定の広域幹線道路及び幹線道路については、今問題になっております小金井のこの二路線、三・四・一、そして三・四・一一号線、これを含む表現だということを市議会で答弁をしています。
こういった状況を踏まえて、二路線事業については、事業化は凍結し、検証に入るべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○湯川道路建設部長 ご指摘の小金井市都市計画マスタープランにおける整備方針、こちらでは、必要な道路整備を計画的に推進するともされております。
また、主に地域の交通を処理する小金井三・四・一号線や小金井三・四・一一号線などの都市計画道路十一路線を幹線道路と位置づけておりまして、このうち未完成区間は、必要な道路整備を計画的に推進しますと明記もされてございます。
ご質問の二路線でございますけれども、都と区市町が共同で策定した第四次事業化計画において優先整備路線に位置づけられておりまして、武蔵野公園など、広域避難場所へのアクセス向上や生活道路への通過交通抑制による地域の安全性向上などに資する重要な路線だと認識してございます。
引き続き、事業化に向けてオープンハウスを開催するなど、多くの方々の意見を聞きながら丁寧に対応してまいります。
○漢人委員 この都市計画マスタープランの策定をめぐっては、策定委員会、そしてパブコメが行われ、市議会においても、特にこの二路線に関しまして、様々な経過がありました。
最終的には、この都市マスの冊子の記述についても、ここに書かれているだけではない背景も含めて、小金井市民の民意として、これは正しく把握しなければ対応を誤ることになるのではないでしょうか。
ご存じのように、現在、小金井市は突然の市長辞職によりまして、今月末に市長選が行われるということになっております。昨年夏、都議会議員選挙で、私がこの二路線については見直しを求めるということで当選をしておりまして、再びこの道路問題も今回の市長選の大きな争点の一つとなるということが予想されております。
こういった民意が示されることも含めて、市長選の結果もしっかりと見据えまして、この二路線の事業化については、ぜひとも凍結をして、検証作業に入るべきだということを改めて申し上げまして、この質問は終わります。
次は、西武新宿線の連続立体交差事業についてお伺いいたします。
西武新宿線の井荻駅から西武柳沢駅間の連続立体交差事業における測量の進捗状況と事業認可に向けた見通しについてお伺いいたします。
○湯川道路建設部長 西武新宿線の井荻駅から西武柳沢駅間の連続立体交差事業は、昨年十一月に都市計画決定し、本年八月に用地測量等説明会を開催いたしました。
現在、本事業の区域とその周辺の建物及び道路等の位置や形状、地形の高さ等を把握するための現況測量を実施しております。
今後、用地測量を行いまして、令和五年度までに都市計画事業認可を取得し、事業に着手する予定でございます。
○漢人委員 次に、用地測量等説明会についてお伺いいたします。
井荻-西武柳沢間の用地測量等説明会は、書面開催となりました。新型コロナウイルス感染拡大防止の観点からとされていますけれども、当時、公共施設の利用制限は行われず、イベントの規模についても適切な感染防止対策を前提に制限を置いていなかったのではないでしょうか。
当時の対処方針に照らして、説明会を中止とした理由や根拠についてお伺いいたします。
○湯川道路建設部長 本事業の用地測量等説明会は、当初、七月下旬に対面での開催を予定してございました。
七月上旬の東京都新型コロナウイルス感染症モニタリング会議におきまして、新型コロナウイルスの感染者の急激な増加や、これまでに経験したことがない爆発的な感染状況の想定が示されました。
このため、杉並区、練馬区、西東京市及び西武鉄道と協議の上、用地測量等説明会は書面開催することとし、関係する皆様方に当日使用する予定であったスライドを抜粋した印刷物やパンフレットなどの分かりやすい資料を配布するとともに、ご意見、ご質問を郵便にて受け付けたところでございます。
○漢人委員 一定の状況は理解しますけれども、やはり大変重要な説明会でありますから、例えばハイブリッド、会場とズームによるものですとか、それか広い会場で行うとか、そういったこともぜひ検討いただきたかったなというふうに思います。
そして、特に車庫の東側の地権者からは、従来どおりの集会形式での説明会を求め、書面開催のみでの了承はできない、満足できる回答がなければ測量には協力できないという強い意見が出されていると聞いております。
測量が土地の収用、補償の手続の前提、入り口である以上、地権者の不安や要望には最大限、真摯に向き合うべきです。それ抜きには円滑な事業の進捗は困難だというふうに思います。
そのような行為に対して、どのように対応していくのかお伺いいたします。
○湯川道路建設部長 これまでも、地域の方々のご質問やご意見を伺うとともに、説明会後も個別に対応しているところでございます。
引き続き、電話や窓口等においても個別のご相談に対応するなど、地権者をはじめ地域の方々に対して分かりやすく丁寧な説明に努めてまいります。
○漢人委員 用地測量説明に対するいただいた質問への回答のA12に、区分所有マンションの場合、規約に定めがない場合は、管理組合総会等にて議事に諮る必要があるとあるように、測量ですら大変な手続が必要となります。まして、補償までの合意の積み上げは至難の業だというふうに思います。
このようなマンションの管理組合には、どのように対応するのでしょうか。
○湯川道路建設部長 地権者により事情は様々でございます。個別のご相談に対応するなど分かりやすく丁寧な説明に努めてまいります。
○漢人委員 基本的な姿勢として、鉄道連立事業は新たに都市計画を設定するものであり、突然土地を失うことになる権利者の不安や戸惑いは極めて大きいものです。
東京都自身が前に出て、誠意ある対応を重ねて、信頼と協力を得られるように努力をすべきだと思いますけれども、見解をお伺いいたします。
○湯川道路建設部長 都はこれまでも、都市計画素案説明会や都市計画案及び環境影響評価書案説明会、用地測量等説明会におきまして、都市計画の内容や測量等に関する説明を行い、地域の方々のご質問やご意見を伺うとともに、説明会後も個別に対応しているところでございます。
今後も、地権者をはじめ地域の方々に対して分かりやすく丁寧な説明に努めてまいります。
○漢人委員 分かりやすく丁寧な説明ということを繰り返されております。それは当然のことなんですけれども、今回のご答弁の中では個別の相談に応じるということも繰り返されました。
これは、従来ですと電話や窓口などということなんですが、先ほどのマンションの問題でもそうですが、個別に出向いていって説明をされるということなども今後は行われるというふうに考えてよろしいでしょうか。
○湯川道路建設部長 地権者により事情は様々だと考えてございますので、個別の相談に応じるなど分かりやすく丁寧な説明に努めてまいります。
○漢人委員 その様々な事情に応じて、必要があれば出向いていくこともあるというふうに受け止めたいと思います。ぜひそのような本当に事情に応じた対応をしていただきたいというふうにお願いいたします。
それでは、次の質問ですが、仮称練馬城址公園の整備についてお伺いいたします。
まず、当初開園エリアについてです。
公園開園に向けて大きな関心事は公園の名称です。公園に対する地域の共感を広げ、愛される存在にしていくためにも、名称を広く公募するべきだと思いますが、いかがでしょうか。名称の検討状況や決定までのプロセスについてお伺いいたします。
○根来公園計画担当部長 都立公園の名称は、都市計画名称を基本に都が案を作成し、地元自治体に意見照会をした上で、東京都公報に告示することで正式に定められます。
○漢人委員 手続については今ご答弁いただいたんですが、質問としては、公園に対する地域の共感を広げ、愛される存在にしていくためにも名称を広く公募するべきではないかというふうにお伺いしました。この公募については行えないということでしょうか。どのような理由でそれができないのかお伺いしたいと思います。
○根来公園計画担当部長 都立公園の名称は、都市計画名称を基本に都が案を作成し、地元自治体に意見照会をした上で、東京都公報に告示することで正式に定められます。名称の公募を行う予定はございません。
○漢人委員 なぜ行わないのかという理由を伺ったんですけれども、お答えいただけなくて残念です。大変残念です。
次ですけれども、騒音、振動など、工事が周辺の住環境、自然環境に及ぼす影響について、地域の声を受け止めて、騒音、振動計を設置するなどの対応を取ってきてはおりますけれども、工事の状況を知らせる掲示の在り方など、様々な課題が近隣の住民からも指摘をされてきております。
長期間にわたって生活環境の悪化を受容せざるを得ない周辺住民の立場や思いに寄り添い、より丁寧で詳細な情報提供に意を尽くすべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○根来公園計画担当部長 工事は、低騒音型の建設機械を使用し、低騒音、低振動の施工方法を選択するなど、適切に施工しております。
また、現地の工事予定表は、工事区域をエリア分けし、エリアごとの工程を示すことで、工事の状況がより分かりやすく理解できるようにしております。引き続き、適切に対応してまいります。
○漢人委員 次に、当初開園後についてお伺いいたします。
当初開園エリア以外の整備の進め方、整備計画に示された二〇二九年、令和十一年度の概成に至るまでの順次開園の流れと工程についてお伺いいたします。
当初開園エリアは、協定に基づいて西武鉄道が工事主体となっていましたけれども、今後の整備については、整備に必要な土地の取得や貸借手続を前提に、都が工事主体として進めると理解してよいでしょうか。
また、実際の施工者はどのような考え方と手順で選定されるのでしょうか。
○根来公園計画担当部長 公園の整備工事は、原則として都が発注し、工事が終了した区域から順次開園してまいります。
工事の発注に当たりましては、地方自治法や東京都契約事務規則等関係法令に基づき適切に行ってまいります。
○漢人委員 当初開園エリア以外についての設計は誰が行うのでしょうか。多様な主体との協働がうたわれていますが、これは設計作業からこそ始めるべきではないでしょうか。今後、本格開園に向けた設計を進めるに当たっては、設計の途中途中で広く意見を聞き、知恵をいただく対話と意見交換の場を積み重ねることが必要だと思いますが、いかがですか。
○根来公園計画担当部長 公園の設計等は、事業主体でございます都が行います。発注は、地方自治法や東京都契約事務規則等関係法令に基づき適切に行います。
当初開園区域につきましては、オープンハウスの開催等により、広く都民の意見も聞き、設計を取りまとめました。引き続き、適切に対応してまいります。
○漢人委員 次は、覚書の履行状況についてお伺いいたします。
令和二年度に都と民間事業者とで締結した覚書では、スタジオ施設事業者は、この広域防災拠点としての機能についても、その実現の一翼を担うことに配慮するとされています。
スタジオ施設は、施設本体の整備がほぼ完成し、先日、大店立地法に基づく説明会も開催され、施設、運営両面で、その内容がほぼ確定したと承知をしております。
スタジオ施設は、広域防災拠点としての機能にどのような貢献をするものとなっているのでしょうか。施設、設備面、運営面の両面から具体的にお伺いいたします。
今年度、避難場所の指定が更新され、何か所かの見直しが行われておりますが、旧としまえんエリアについての変更はありませんでした。スタジオ施設エリアでは、どのぐらいの避難有効面積が確保されることになったのかお伺いいたします。
○根来公園計画担当部長 スタジオツアー施設は、本公園の基本目標の一つである防災拠点の実現に配慮し、避難空間ともなる広場や南北方向からの避難動線等、防災機能を踏まえた整備を進めております。
また、スタジオツアー施設の敷地も含め、東京都震災対策条例に基づき指定された避難場所としての豊島園の避難有効面積は、必要とされる一人当たり一平方メートル以上が確保されております。
○漢人委員 覚書では、環境への配慮として、スタジオ施設事業者は関係法令に基づき周辺住民への説明を行うとともに、周辺の住環境に配慮して整備及び運営を行うものとするとされています。
大店立地法の説明会では、広域からの来場者を乗せた自動車の来退場経路として、早宮中央通りを指定するとの考えが示されました。この道路は、歩者分離もない区道であり、路線バスも通っていません。一民間事業者の営利事業のために、生活環境や地域の安全確保が後回しにされるようなことはあってはならないし、覚書に反することではないでしょうか。
広域来場者の自動車の来退場経路として、この通りを指定する点についての都の認識をお伺いいたします。
○根来公園計画担当部長 民間事業者は、覚書に基づきまして、周辺の住環境に配慮した整備及び運営について、適切に対応していくものと認識しております。
○漢人委員 しかし、広域来場者を乗せた自動車の来退場経路に関しては、どう考えても周辺の住環境に配慮したものとはいい難い現状ではないかというふうに思います。
地元の皆さんも大変心配しておりますので、この点については適切に対応していくものと認識しているという、そういう人ごとのようなことではなくて、しっかりとこれが守られるように東京都として動くべきだと思いますので、ぜひお願いしたいというふうに思います。
以上で質問を終わります。
○柴崎委員 私の方からは、まず初めに、都市計画道路について質問させていただきたいと思います。
都市計画道路は、交通渋滞の解消、あるいは都市防災の強化とともに、安全で快適な都市空間の創出、そして都市環境の向上を図る上で不可欠である、これはいうまでもないことでございますが、また、都市計画道路の整備、これは非常に時間がかかることから、計画的かつ着実に整備を進めていく必要があるものと認識しております。
二十三区全体の完成率、これは六六%というふうになっております。しかしながら、練馬区内、この都市計画道路の整備状況は、二十三区全体と比べてかなり遅れている、こんな認識を持っているわけであります。
そこでまずお伺いしたいのは、練馬区内の都市計画道路、この整備状況についてお聞かせください。
○湯川道路建設部長 練馬区内では百十六キロメートルの都市計画道路が計画されておりまして、このうち令和二年度末時点で、完成延長は六十一キロメートルでございます。完成率は五三・一%となってございます。
現在、都市計画道路の整備につきましては、放射第三五号線及び放射第三六号線や補助二三〇号線など、全体の一二%に当たる約十四キロメートルで、都と地元区が事業を行っているところでございます。
○柴崎委員 練馬区内の都市計画道路、この整備状況については、まだまだ道半ばであるということが今分かりました。都市計画道路は、都民生活にとりましても大変重要であり、全体的に整備を進めていっていただきたいものであります。
その中で、既にワーナーブラザーズが来年の開場に向けまして、今準備を進めております。同時に、避難場所となっている防災公園として、今後整備を進めていく練馬城址公園につながる補助第一三三号線、これ、非常に重要な都市計画道路の一つというふうに我々は考えているんです。
これまでも節目節目で質問させていただいておりますけれども、この一三三号線、向山区間の取組状況と今後の予定についてお伺いしたいと思います。
○湯川道路建設部長 補助第一三三号線のうち、放射七号線から補助第一七二号線を結ぶ向山区間、こちらは石神井川と交差し、高低差もあることから、現在、現況測量の結果を踏まえ、道路構造等の検討を実施しているところでございます。
また、本年六月には、地元住民の方々に用地測量に関するお知らせをいたしまして、現在、用地測量を進めているところでございます。
引き続き、令和六年度の事業化を目指し、道路構造等の検討や用地測量を着実に進めてまいります。
○柴崎委員 引き続き、早期事業化に向けまして取組を進めていっていただきたいと思います。
次に、先ほども答弁の中にありました、今、事業中であります都市計画道路のうちで、放射三五号線、三六号線についてお伺いしたいと思います。
この路線では、もう既に八割程度、用地取得が済んでいるというふうに聞いております。しかしながら、環七通りから正久保橋までの橋梁工事の搬入路として用地取得が進んでいる一方で、正久保橋から補助二三七号線、この区間、依然として未取得地が点在をしているようなんですね。
現場を見ますと、沿道には商店、あるいはアパートが数多く残っているわけでありまして、移転先の確保ですとか、再建計画を立てることに時間のかかる方も大変いるようであります。
前後の区間も工事が進んできており、特に氷川台駅周辺の方々も、この道路整備に対する期待が非常に高まっているところであります。
そこでお伺いしたいのは、三五号線、三六号線のうち、環七通りから補助第二三七号線までの区間、これにつきましての今後の用地取得の取組についてお伺いしたいと思います。
○澤井用地部長 環七通りから補助第二三七号線までの延長約二キロメートルの区間につきましては、令和四年九月末までに八三%の用地を取得しております。
このうち、正久保橋から補助第二三七号線までの現道拡幅区間につきましては、店舗など、移転に当たり様々な制約がある関係権利者の方々が多くいらっしゃいます。
そのため、移転先の情報を提供するなど、きめ細やかに対応することで、理解と協力を得ながら、残る用地の取得に努めてまいります。
○柴崎委員 今、移転先の情報提供ということで答弁があったわけでありますが、用地を譲りいただく方にとりましては、移転先の確保というのが一番の心配事なんですね。
関係権利者の方々の移転先の確保、これを東京都がしっかりと支援をしていくということは、用地取得を推進していく上で非常に重要であるというふうに思います。
そこで、改めてお伺いします。関係権利者の移転先の確保に向けまして、都は、具体的にどのような支援を行っていくのかお聞かせください。
○澤井用地部長 ただいま答弁いたしました移転先の情報といたしましては、民間事業者との契約により入手いたしました不動産物件情報や、東京都が保有する代替地に関します情報などの提供を行っているところでございます。
また、地元に住み続けたいという関係権利者のご意向を踏まえまして、用地取得に伴い発生する残地を代替地として取得する取組なども行っております。
このような取組によりまして、関係権利者の移転先確保を支援してまいります。
○柴崎委員 今、答弁いただきましたけど、用地取得には、やはり長い時間がかかるということは承知をしておりますけれども、個々の関係権利者の様々な事情を早い段階からしっかりと踏まえた上で、計画的に用地取得を進めていただきたいと思いますので、申し添えておきます。
次に、外環道について伺いたいと思います。
さきの第二回定例議会で、自民党の代表質問で外環道について質問させていただきました。そこで事業者は、一昨年の陥没以降、まずは家屋補償、あるいは地盤補修の対応を最優先している、この答弁があったわけであります。
特に地盤補修についてでありますが、事業者は昨年末から地盤補修に伴う説明会を開始しております。先月にはオープンハウスを二回開催して、地元住民の意見を聞くなど丁寧な対応を行っているというふうに伺っております。
そこでお伺いいたします。陥没から二年がたっております。緩ませてしまった地盤の補修に早期に着手しなければならないと思いますが、今後どのような補修を進めていくのかお聞かせください。
○手塚三環状道路整備推進部長 事業者は、地盤補修に向けて、各管理者との協議等を進めているところでございます。
地盤補修に関しまして、事業者からは、陥没地域の近くにお住まいの皆様の不安を少しでも解消するため、できるだけ早く安全な状態とすることが望ましいと考えていると聞いております。
今後は、協議等が整い次第、地盤補修に必要な管路の設置や家屋解体等に着手し、来年の春以降、地盤補修工事に着手する予定と聞いております。
都は、事業者に対しまして、住民の不安払拭に向けた丁寧な説明や、きめ細やかな対応を行うよう要望してきており、引き続き、丁寧に取り組んでいくよう求めてまいります。
○柴崎委員 来年度から地盤補修工事に着手するという、今、答弁があったわけであります。事業者が緩ませてしまった地盤の補修を速やかに実施することがまず必要であります。
そして、家屋解体の着手もありますし、移転となる方、あるいは工事の影響を受ける住民の方々などへ丁寧な説明、きめ細やかな対応を行って、着実に地盤補修工事を行うよう、都からも事業者に対しまして要望していただきたいと思います。
次に、地元であります練馬区にある大泉ジャンクションのシールド工事につきまして、本年二月に発進したシールドマシンが四月にマシンが損傷したということで、十月二十一日に補修を完了し、十一月一日以降、再掘進するとのことであります。
また同じような事象が発生しないか心配でありますが、今後、事業者は同じ事象が発生しないよう、どのように安全を確保しながらこの事業を進めていくのかお伺いしたいと思います。
○手塚三環状道路整備推進部長 本年四月に発生しました大泉側本線南行きシールドトンネルにおけるマシンの損傷につきましては、図面の作成及び操作上のミスにより、シールドマシンと地中壁の鋼材が接触したことが原因とされたところでございます。
この事象を受けまして、事業者は自らが契約する全ての設計業務及び工事の受注者に対しまして、厳正な照査を行い、品質の向上を図ることを指示したと聞いてございます。
都は、事業者に対しまして、引き続き、安全最優先で確実な再発の防止を求めてまいります。
○柴崎委員 このようなことがありますと、地元で応援してくれている方々も大変心配になってしまうわけであります。今後、このようなことがないように、事業者に安全を最優先で工事するように要望していただきたいと思います。
次に、この外環道が現在の地下方式で都市計画の変更がなされたのも、平成十二年、当時、石原東京都知事が外環道と西武新宿線の開かずの踏切が交差する上石神井のまちを視察して、知事の意向が大変強く働いたものと認識をしております。
今さら、あえていうことでもないんですが、当然、外環道本線とインターチェンジが一体となって、平成十九年に都市計画変更が決定をされているわけであります。外環道が事業効果の発現をしていくためには、本線の整備と併せてインターチェンジの整備もまた重要であると思います。
改めて伺いたいと思いますが、青梅街道インターチェンジ、これは、関越方面のハーフインターでありますが、本線と一体的に都市計画決定がなされております。
したがって、事業全体の中で不可欠な要素として一体的に整備されるものと考えておりますが、都の見解をお伺いしたいと思います。
○手塚三環状道路整備推進部長 青梅街道インターチェンジは、沿線区市からの広域的な利用が見込まれ、地域の渋滞緩和や安全性の向上にも寄与するものであり、外環全体の事業計画上、欠かすことができない重要なインターチェンジであると認識しております。
また、青梅街道インターチェンジは、本線トンネルとランプを大深度地下で接続するものであり、コスト、そして交通規制の社会的影響等の観点からも、一体的に整備することが肝要と認識しております。
都としましては、青梅街道インターチェンジの整備に向けて、都が受託している用地取得を円滑に進めるよう努めるなど、引き続き、事業者と連携して取り組んでまいります。
○柴崎委員 今、都が国から受託している青梅街道インターチェンジ、この用地取得につきまして答弁がありました。
そこでお伺いしたいのは、現在の青梅街道インターチェンジの用地取得率、これについてお聞かせいただきたいと思います。
○手塚三環状道路整備推進部長 青梅街道インターチェンジの区分地上権分も含めた面積ベースの用地取得率は、令和四年一月末現在で三八%でございます。
○柴崎委員 今、答弁いただきました。青梅街道インターチェンジ周辺においての用地取得率は三八%ということであります。
この青梅街道インターチェンジの用地取得に当たりましては、地域の皆様方からは、様々、いろいろお考えをお持ちの方もおります。
こうした中で、首都圏における交通、物流の根幹をなす外環道の整備に当たりましては、この青梅街道インターチェンジの用地取得を進めていくことが必要であり、引き続き、国と連携して、ぜひ粘り強く用地折衝を重ねて、用地買収を進めていただきたいと思います。
青梅街道インターチェンジの用地取得の状況を確認したところで、改めて今後の大泉側の工事の展望についてお聞かせいただきたいと思います。
○手塚三環状道路整備推進部長 大泉側シールドの工事につきましてでございますが、東京外環トンネル施工等検討委員会におきまして、中央ジャンクション側のランプシールド工事等における再発防止対策等が有効に機能してきたことを踏まえ、引き続き、大泉ジャンクション側の本線シールドについて、再発防止対策が機能していることを丁寧に確認し、施工状況や周辺の生活環境への影響をモニタリングしながら、細心の注意を払いつつ、慎重に掘進を行うこと、特に事業用地外では、より慎重に掘進を行っていくことが確認されたと承知しております。
具体的な掘進再開時期につきましては、南行きシールドにつきましては、先日地元へのオープンハウスを実施し、事業用地内の掘進を再開するとしており、今後、事業用地外で掘進を行う際は、改めて地元説明を行うと聞いております。
北行きシールドにつきましても、事業用地外で掘進作業を行う際は、改めて地元説明を行うと聞いております。
都は、事業者に対しまして、再発防止対策等の確実な実施、住民の不安払拭に向けた丁寧な説明や、きめ細やかな対応を求めてまいります。
○柴崎委員 今、答弁いただきました。大泉のシールド工事に関しては、先月十月二十六日、第二十五回の東京外環トンネル施工等検討委員会で議論されまして、大泉シールド工事の事業用地外掘進についても言及されたというわけでありますね。
したがって、これからこの動きが出てくるわけでありますが、もう一点お伺いしたいのは、大泉シールドにつきましても再開の動きが出てきたとのことでありますので、外環事業に対して不安に感じている方々もいる中で、事業者には安全を最優先に事業を進めていく、このことが求められていると思います。
改めて、この外環道は首都圏を支える重要な道路であります。さらに進捗していくように、事業者に対し働きかけるべきであると思いますが、都の見解を伺います。
○手塚三環状道路整備推進部長 外環道は、首都圏における交通、物流の根幹をなし、人と物の流れをスムーズにするとともに、災害時の避難や救急活動のルートを確保するなど、都としまして、極めて重要な道路であると認識しております。
都は、事業者に対しまして、外環道の早期整備に向け、引き続き、再発防止対策等の確実な実施、住民の不安払拭に向けた丁寧な説明や、きめ細やかな対応を求めてまいります。
○柴崎委員 ぜひ事業者に対しまして、くれぐれも安全最優先で事故を起こさないよう、慎重に施工してもらうとともに、一日も早い外環の完成につながるように、都としても与えられた役割をしっかり遂行していただくことを強く求めまして、次に進みたいと思います。
続きまして、中小河川の整備についてお伺いしたいと思います。
近年、全国においては、激甚化、頻発化する豪雨による水害が多く発生をしているところであります。
都では、現在こうした水害から都民の命と暮らしを守るために、全力を挙げて河川整備を進めているとのことであります。
そこでまずお伺いしたいのは、都の中小河川における護岸の整備状況、これについて伺いたいと思います。
○齊藤河川部長 水害から都民の命と暮らしを守るためには、護岸や調節池等の整備を一層推進することが重要でございます。
都は、中小河川におきまして、改修を必要とする四十六河川、三百二十四キロメートルを対象に護岸整備を進めております。
令和三年度末の護岸整備延長は約二百二十キロメートル、護岸整備率は六八%でございます。
現在、石神井川の扇橋付近や白子川の東西橋付近など、二十八河川で護岸整備を実施しております。
○柴崎委員 今、答弁いただきました。護岸整備も残るところ約百四キロとのことであります。さらに、二十八河川で護岸整備に着手したとのことでありますので、早期にこの三百二十四キロの護岸整備完成に向けて、引き続きの取組を期待しております。
また、先日、地元を流れる石神井川の城北中央公園調節池の第一期工事を視察してまいりました。公園の地下に大規模な洪水をためる二つの箱を造る大変難易度の高い工事であること、そしてまた、調節池の下流の洪水、水害に対しまして、河川水位を下げる大きな効果があることを認識いたしました。
河川の護岸整備と並行して調節池の整備を着実に進めていくことで、都内の豪雨に対する安全性を早期に高めていくことが重要だと思います。
そこでお伺いしたいと思います。都の中小河川における調節池の整備状況、これについてお聞かせいただきたいと思います。
○齊藤河川部長 都は、護岸の整備と併せまして、豪雨に対して大きな効果を発揮する調節池の整備を推進しております。
現在、白子川地下調節池など十二河川、二十七か所の調節池が稼働しており、総容量は約二百六十四万立方メートルでございます。
また、石神井川の城北中央公園調節池など六河川、八か所で整備を実施しております。
○柴崎委員 調節池の整備が着実に進んでいるということが分かりました。
「未来の東京」戦略では、調節池を今後も多くの河川で整備していく必要があるとの記載がございました。
そこで伺います。調節池整備の今後の取組、これについてお聞かせいただけますか。
○齊藤河川部長 都は、「未来の東京」戦略におきまして、二〇三〇年度までに総容量約百五十万立方メートルの調節池を新たに事業化することを目標に掲げております。
今後、神田川など九河川におきまして、候補地や形式等の検討を実施するなど、新たな調節池の整備に向けた取組を一層推進してまいります。
こうした取組により、豪雨に対する安全性を高めてまいります。
○柴崎委員 まだまだ必要な調節池があるとのことであります。一日も早い整備を進めていただくよう強く要望させていただきます。
次に、都立公園について伺いたいと思います。
まず初めに、練馬城址公園についてお伺いしたいと思います。
練馬城址公園は、としまえんが閉園した現在も避難場所に指定されているわけであります。震災時には、大規模火災が発生した際に地域の方々が避難する、あるいは災害時におけるヘリコプター活動拠点の候補地としても指定されておりまして、地域の重要な防災拠点となるわけであります。
都は、防災上の必要性から、平成二十三年に十年以内に整備する優先整備区域に設定をいたしました。来年度の一部開園に向けまして、今年の五月から整備工事を進めているわけであります。
そこで伺いたいと思いますが、練馬城址公園の整備における防災機能、この確保に向けた取組についてお聞かせください。
○根来公園計画担当部長 都は、公園整備に当たり、発災時に避難できる広場や延焼火災を遮断する植栽等により、避難場所としての機能拡充を図ってまいります。
あわせて、周辺からの避難や緊急車両を受け入れる出入口や園路を確保いたしますとともに、デジタルサイネージや太陽光発電、蓄電池など、必要となる防災施設や、災害時にも活用できる管理所や防災あずまや等の整備を行いまして、防災拠点としての機能を高めてまいります。
さらに、整備の途中段階におきましても、避難できる場所や周辺からの出入口を確保するとともに、安全な避難動線を緑色の柵で示すことなどによりまして、地元区が円滑に避難誘導できるように連携してまいります。
○柴崎委員 公園整備におきまして、防災機能の確保が検討されていることを今確認できました。
こうした中で、都市計画練馬城址公園の整備計画にあるように、ワーナーブラザーズが整備しているスタジオツアー施設は、災害時には避難場所として機能することになっているわけであります。したがって、都とワーナーブラザーズで具体の協議を進めて、早期の協定を結ぶ必要もあろうかと思います。
一方では、災害が発生した際の地域住民の確実な避難に結びつけていくためには、工事の進捗状況や確保する防災機能などにつきまして、住民に細やかに周知をし、日頃から整備や防災への意識を高めていく、このことは重要だと考えております。
そこで、整備の段階から整備の内容ですとか、あるいは防災の取組について地域住民への情報発信が必要だと考えておりますが、都の見解を伺いたいと思います。
○根来公園計画担当部長 都は、本年九月に練馬城址公園の整備工事の状況や確保する防災機能等を分かりやすくまとめた瓦版を発行し、地域住民に配布いたしますとともに、ホームページに掲載いたしました。
今後も、事業の進捗に合わせて瓦版を発行し、防災公園としての整備状況や防災施設の具体的な使用方法等を伝えることで、地元区と連携しながら積極的な情報発信に努めてまいります。
○柴崎委員 今、答弁がありましたように、地元区との情報共有をしっかり行っていただいて、防災公園の情報提供を積極的に進めていただきたいと思います。
次に、最後になります。善福寺公園の池の水質についてお伺いしたいと思います。
都立公園には大きな池を有する公園が幾つかございます。井の頭公園、あるいは石神井公園、そして善福寺公園、これは武蔵野三大湧水池として知られているわけであります。
石神井公園ですとか善福寺公園は、湧水がつくり出した池、その周辺の良好な景観は、昭和の初めに風致地区に指定をされているところであります。これまで東京に残る貴重な自然が地元に非常に親しまれております。
一方、戦後、周辺の都市化が進んでいく中で、湧水が減っております。現在の水源は井戸水が中心となっていると聞いております。
最近では、夏になるとアオコが発生をし、池の水が緑色になるなど、水質の悪化が見られるわけであります。
これまで都立公園では、水質改善対策の一つとしては、かい掘りを実施したりしております。井の頭公園では、平成二十五年度から三回行いました。そして、石神井公園のボート池でも令和二年度に実施をいたしました。
井の頭公園では、イノカシラフラスコモなどの水草が数十年ぶりに確認されるなど、水質の改善の効果が出てきているというふうに聞いております。
地元におきましては、善福寺公園でも水質改善の取組も進めてほしいという声もあります。と同時に、この水質改善についても計画の段階から地元の方々の意見交換の場をつくっていただいて、丁寧に進めていくということが肝要であるというふうに考えております。
そこでお伺いいたします。この善福寺公園の池の水質の改善につきまして、都の見解をお聞かせください。
○根来公園計画担当部長 善福寺公園には、上の池と下の池がございまして、夏場に上の池のほぼ全域で、下の池でも池の一部で、アオコの発生を確認しております。
一般的に、アオコの対策として、冬場に池の水を抜き、池底を干すかい掘りが有効な対策の一つでございますが、善福寺公園で実施するためには、水生生物の生息状況の把握や排水方法の検討、護岸の補強など、多くの課題がございます。
今後、かい掘りを含めた水質の改善手法について、地域とも連携をしながら検討を進めてまいります。
○柴崎委員 今、答弁をいただきました。井の頭公園のかい掘りは非常に準備に時間をかけて行ったということでありまして、こういったことも非常に大切だと考えております。
また、さらに申し上げますと、かい掘りをして浄化された池の水質を保っていくためには、やはり管理が非常に大事だと思っております。
したがって、その仕組みをつくっていくこと、これが重要だと思いますので、ぜひこうした点もご検討の中に入れていただきたいと思います。
いずれにいたしましても、武蔵野三大湧水池の一つであります善福寺公園の池の再生に向けた取組については、ぜひ時間をかけながら、丁寧に進めていただきたいことを申し上げまして、私からの質疑を終わらせていただきます。
○山田委員 それでは、まず私からは河川監視カメラについて伺わせていただきます。
本年八月には、記録的な豪雨により山形県の最上川が氾濫しまして、大規模な水害が発生いたしました。また、九月には静岡県で大規模な降雨、それにより水道、電気などライフラインの寸断が生じまして、住んでいらっしゃる方の生活に多大な被害が生じておるということであります。
都内では、今年ではこれまで水害は生じていませんけれども、大規模なものは生じていませんが、やはり令和元年の大きな台風では、多摩地域を中心に大きな被害が発生しております。
このような豪雨の際に、住民が適時避難するためには、やはり河川の状況を把握する、特に映像情報が重要であると思っております。
東京都は、令和元年東日本台風の被害を契機に河川監視カメラの増設を進めておりますけれども、まず増設している河川監視カメラの設置箇所、これは、どのような考えに基づいて進めているのか伺います。
○周郷河川防災担当部長 水害から都民の命を守るためには、迅速な避難行動につながる河川情報を分かりやすく伝えることが重要でございます。
都は、既存の監視カメラの設置状況や近年の被害実績等を踏まえ、カメラを設置し、公開しております。
○山田委員 そのような考えで設置箇所を選定されているということですけれども、やっぱり重要なのは、近年の被害実績であったり、また、河川の実態というものを踏まえて、そういった整備が行われてきているのかどうか、絶えず検証しながら進めていただきたいということをまず一点、求めておきたいと思います。
次に、現在公開されている河川監視カメラの数、それが幾つであるかということと、また、今後の取組について伺います。
○周郷河川防災担当部長 河川監視カメラの映像については、現在、隅田川など都内全域の百八か所で、水防災総合情報システムやユーチューブにより公開しております。
今後、令和五年度までに、野川など新たに三十か所に設置し、公開する予定でございます。
○山田委員 ありがとうございます。
百八ということで、河川監視カメラの設置が着実に増設が進んでいるということが今確認することができました。
重要なのは、このように整備が進んできている監視カメラ、これを都民の具体的な避難行動にどのように結びつけていくかということが重要となってきます。
避難行動ということになりますと、建設局だけではなくて、地元の区市町村であったり、都庁の中でいえば総務局の防災担当、また防災アプリであったり、またSNS等においては戦略広報部であったり、またデジタルを活用していくということであればデジタルサービス局と、そういった様々な主体との間で、どのように効果的に活用することができるのかということをぜひ検討していただきたいというふうに思っております。
建設局としては、こういった着実に河川の監視カメラの整備を進めるとともに、設置されたカメラの効果的な活用について、改めて総合的に検討いただきたいということを求めておきます。
そして、このような都民の避難行動につながるソフト対策と併せて、やはり重要となりますのはハード対策であります。
今年も都内において時間百ミリを超えるような降雨が短い時間の間に記録されるということもありまして、水害から都民を守るためには、護岸の着実な整備とともに、調節池の整備を推進することが重要であります。
私の地元地域であります三鷹市の野川でも、昨年八月に大雨によって河川の水位が大きく上がりましたけれども、工事中でしたが、野川大沢調節池が機能いたしまして、被害はなかったということであります。
そこで、野川大沢調節池の整備の状況について伺います。
○齊藤河川部長 野川大沢調節池では、貯留量を拡大するため、既存の調節池の底部を約三メートル掘削する工事を進め、令和三年十一月に取水施設が完成し、稼働を開始いたしました。
これによりまして、貯留量は既存の九万立方メートルから約一・八倍となる約十六万立方メートルへ拡大いたしました。
○山田委員 ありがとうございます。
野川大沢調節池の貯留量は約一・八倍になったということで、野川の安全性が向上しているということでありまして、非常に、これは重要でありますし、本当に市民の皆様からも感謝されておる取組であります。
この上の部分、この調節池の整備の前は、三鷹市が、グラウンドとしてテニスだったり野球だったりサッカーなど利用されておりまして、現在グラウンドの復旧工事も進められているところであります。
このように、治水機能に加えてスポーツも楽しめる大変貴重な施設でありますので、東京都としても着実な維持管理、これを引き続きお願いしたいと思います。
次に、三鷹市と、そして武蔵野市に所在しております都立の井の頭公園でありますけれども、やはりこれ、都内でも極めて人気のある公園でありまして、これまでもテニスコート、最近も増設されましたし、また、トイレのバリアフリー化も進んできているということでありまして、様々な整備が着実に進んでおるところでありまして、私としても大変心強く思っております。
ぜひこれからも地元の市と連携しながら、地域に愛される都立公園であってほしいと思っておりますけれども、都立井の頭恩賜公園における地元市と連携しました市民交流イベントの実施状況について伺います。
○小谷公園緑地部長 井の頭恩賜公園では、公園を核としたにぎわい創出、手作り文化の発信などをコンセプトとし、地元三鷹市、武蔵野市等の協力を得て、年間を通じて来園者が多く訪れる土日祝日に井の頭公園アートマーケッツを開催しております。
具体的な内容としましては、楽器演奏など、パフォーマンスの実施やイラストなどアート作品の展示、販売であり、地元芸術家と来園者との交流活動を行っております。
今後も、このような地元市の協力も得ながら公園の活性化に取り組んでまいります。
○山田委員 ありがとうございます。
今、井の頭公園における地元の市と連携した取組について伺いました。
三鷹市の都市観光という視点でいうと、井の頭公園、そしてそこの中にあるジブリ美術館など、非常に多くの方が訪れます。井の頭公園にただ訪れた人が、いかに三鷹市内を周遊してくれるかというところが重要な都市の観光の課題となっております。
ご答弁いただいたイベントの取組は、ぜひ着実に進めていただきたいと思っておりますけれども、これから三鷹市との間で、そういった観光の取組について、井の頭公園に関するものをぜひ積極的に協議、検討をしていただきますよう求めておきたいと思います。
次に、三鷹市内で整備が進められている都市計画道路について幾つか質問させていただきたいと思います。
まず、以前に私、一般質問でも質問させていただきましたけれども、三鷹三・四・七号線、連雀通りについて確認します。
三鷹市の中央を東西に走っております連雀通りは、交通量が多く、また、交差点において交通渋滞が見受けられることも多いです。
また、私もよく通ることがあるんですけれども、極めて歩道が狭いということもありまして、歩行者だったり自転車の方、円滑な通行がなかなか厳しいという状況も見受けられるところでありますので、地域住民の方から、やはり早期整備を求める声、これを大変強く、私自身、多くいただいているところでございます。
そこで、この連雀通りの整備状況について、現在の取組状況について伺います。
○湯川道路建設部長 三鷹三・四・七号線につきましては、現在、吉祥寺通り付近から三鷹三・五・一六号線付近までの七百八十メートルの区間において事業中でございまして、これまでに約八七%の用地を取得させていただき、一部区間におきまして、排水管や電線共同溝の設置工事を実施してきたところでございます。
今年度は、引き続き、残る用地の早期取得に努めるとともに、狐久保交差点付近におきまして、街路築造工事等を実施してまいります。
○山田委員 ありがとうございます。
着実に進められているということは理解はできているんですけれども、やはり地元の期待が大きいところでございますので、引き続きお願いしたいと思います。
そしてまた、同じく連雀通りなんですけれども、そうやって道路の事業を実施中の区間の中で、南浦の交差点から狐久保交差点の間に連雀通り商店街というのがございまして、その方々が平成十六年頃、連雀通りまちづくり協議会を立ち上げられまして、先ほど答弁いただいた連雀通りの整備を契機としました周辺を含めた魅力的なまちづくりに向けて、活動を精力的にされていらっしゃるというところもありまして、私もいろいろ意見交換させていただくことが多い方々でございます。
そういった連雀通りの円滑な事業の推進に向けて、ぜひ引き続き、まちづくり協議会と密に意見交換していただきながら、地域のニーズを把握して、道路整備に反映していただきたいというふうに考えておりますけれども、連雀通りまちづくり協議会との調整等について、都の取組の状況について伺います。
○湯川道路建設部長 都はこれまでも、継続してまちづくり協議会に出席し、事業報告や道路整備に関する意見交換を行ってまいりました。
こうしたまちづくり協議会での意見交換を踏まえて道路の設計を進めてきておりまして、令和三年五月には歩道の色彩等に関する整備の方向性をまちづくり協議会にお示ししたところでございます。
今後とも、地元の理解と協力を得ながら三鷹三・四・七号線の整備を推進してまいります。
○山田委員 ありがとうございます。
様々、取組をされているということは理解はしておるんですけれども、やはり先ほど来、大変期待されている方も多くありまして、そういった方々からすると、なかなか進んでいるんだろうかというふうにも、やっぱり思われてしまうとか、ぜひ、より積極的に今後も東京都の方から説明だったり、意見交換していただくように、これは改めてお願いしたいと思います。
次に、令和元年六月に開通いたしました三鷹三・二・二号線について伺いたいと思います。
この三鷹三・二・二号線、区部と、そして多摩地域をつないでいるものでございまして、東京の東西方向ですね、大動脈を形成するというふうにいうことができる、三鷹市にとっても重要度の高いものだと考えております。
そこでまず、改めまして、この三鷹三・二・二号線、これが開通したことによって、どのような事業効果があったのか伺いたいと思います。
○湯川道路建設部長 三鷹三・二・二号線及び接続する放射第五号線の事業効果につきましては、交通開放から約一か月後に実施した交通量調査によりますと、交通開放区間と並行する生活道路である下本宿通りの交通量が交通開放前と比べて約七七%減少いたしました。
また、東八道路の三鷹台団地南口交差点から下高井戸陸橋に至る平均所要時間が、朝の時間帯で約十六分から約十一分に短縮されました。
あわせて、地域住民や事業者等を対象としたアンケート調査では、自転車と歩行者の分離により安全性の向上を図られたなど、整備効果を実感する多くの回答を得たところでございます。
○山田委員 ありがとうございます。
この路線が開通したということによって、やはり東京の東西方向のアクセス性が高まるということであったり、また、地域の安全性についても好意的な意見が多いというようなところで、重要な効果があるということが確認できたところであります。
他方、この路線が開通した後、地元の町会などから交通形態だったり、また交通事故などに対する懸念が様々示されておりまして、これは私自身のところにもお声をいただいているところであります。
これまでも、こういった懸念に対して、様々、東京都として説明されてきたということは、また、対策を講じるということも、そういった対応を進めていることは承知はしておるんですけれども、やはりそういった地元の方々のお声については、ぜひ、引き続き、丁寧に耳を傾けていただいて、より安全で使い勝手のいい道路となりますようにご対応をお願いしたいということも改めて求めておきたいと思います。
次に、また三鷹に関する別の道路なんですけれども、三鷹三・四・三、三鷹三・四・一一、また三鷹三・四・一二について伺いたいと思います。
この三つは、現在、国などが整備を進めております東京外環道路の中央ジャンクション等へのアクセス性向上にも資する重要な道路となっております。
ただ、この周辺の地域の住民の方からは、外環道路の整備状況に伴って、この三路線の整備も、今、止まってしまっているのではないかというふうな不安の声をいただくのもまた事実であります。
この今申し上げた三つの路線、中央ジャンクションより西の方では、既に用地取得がほぼ完了しているというふうに聞いておりまして、そういった協力してきた地域の住民の方からは、やはり早く整備してほしいというふうな声もいただいておるところであります。
そこで、この地域の三鷹三・四・三、三鷹三・四・一一、三鷹三・四・一二の現在の取組状況、そして今後の予定について伺います。
○湯川道路建設部長 三鷹三・四・一二号線外二路線では、現在、合計約一・九キロメートルで事業を実施しておりまして、三路線とも仮称中央ジャンクションより西側の区間の用地買収は、お話のとおり、おおむね完了してございます。
このうち三鷹三・四・一二号線では、現在、搬入路工事を実施しておりまして、引き続き、排水管設置工事等を実施してまいります。
残る二路線につきましても、外環など周辺事業の状況を踏まえ、必要な設計を行うなど、工事着手に向けた検討を進めてまいります。
今後とも、地元の理解と協力を得ながら着実に事業を推進してまいります。
○山田委員 ありがとうございます。
この三路線について、着実にこれから進んでいくというふうな趣旨のご答弁だったと思っております。
今まで三鷹市内の都市計画道路について伺ってきましたけれども、やはり都民の生活を支える重要な基盤でございますので、ぜひ引き続き、着実に進めていただきたいということをお願いいたします。
では、また道路についてなんですけれども、別の視点からちょっと伺いたいと思っております。
先ほど申し上げたとおり、道路は都民生活を支える重要な社会的な基盤であります。また、電気だったり、ガス、上下水道、電話などの各種の施設がしまわれているというふうなものでもあるというところであります。
特に都道の下には多くの埋設物が埋められていて、その中には老朽化が進行して道路陥没の原因になり得るものもあるのではないかというふうには感じておるところであります。
特に、私自身、最近、やはり道路の陥没というようなニュースが多いのではないかというふうに感じております。
私、三鷹市なんですけれども、隣の武蔵野市の吉祥寺では、昨年の十一月、道路が陥没して、ごみ収集車がはまってしまったというふうなことも報じられておりまして、その原因は隣のビルの解体工事の関係で地下工事をしていたからだというふうにいわれております。
また、これは先月でありますけれども、三鷹市の隣、また杉並区なんですけれども、その青梅街道で、占用企業者の工事を原因とする道路の陥没が発生して、これも路線バスがはまってしまったというふうなニュースに接したところであります。
こういった幹線道路における道路の陥没というのが発生いたしますと、大きな事故につながるおそれがあり、私も住んでいる三鷹市の周辺でこういった事故が多いというふうに接しておりますので、多くの方から大丈夫なのかというふうなご不安の声をいただくこともまた事実でございます。
そこで、都道における道路陥没を未然に防止する取組について伺います。
○荒井道路管理部長 都は、道路管理者として、道路に埋設物を設置する占用企業者に対しまして、工事の安全対策や施設の適切な維持管理の徹底を指導いたしますとともに、日常的な巡回点検により道路の状態を的確に把握し、路面の異常を発見した場合には破損箇所の応急復旧を速やかに行っております。
さらに、直接目視できない路面下の空洞を早期に発見するため、大型の埋設物がある路線等を対象に、地中レーダーによる調査を毎年実施しておりまして、その際、発見された空洞は、速やかに対応することで、道路陥没の未然防止に努めているところでございます。
今後とも、こうした対策によりまして、誰もが安心して利用できる道路の保全に取り組んでまいります。
○山田委員 ありがとうございます。
そういった電気やガスであったりの占用企業者に対する指導だったり、点検だったり、調査だったりというところだと思いますけれども、ぜひ引き続きしっかりと進めていただきまして、道路の陥没を未然に防止するように強くお願いしたいと思います。
今、道路の陥没事故の未然防止の話を取り上げさせていただきましたけれども、陥没に至らないような場合であっても、道路について、都道について、様々な要望だったり、ご相談をいただくことが多いというのは、先ほど来もお話がありましたけれども、MCRについて、また改めて私からも伺わせていただきたいと思っております。
この道路管理を取り巻く環境だったり都民のニーズが変わっていく中で、平成三十年の大学研究者による事業提案で、道路通報システムというような提案がありまして、試行期間を経まして、令和四年度から都道全体で本格的にこの道路通報システム、スマートフォンのアプリ、マイシティレポート、MCRを活用したものが始まっているというところであります。
これは、都民の皆様が、都道の損傷であったり不具合に気づいたその場で投稿できるシステムであるということですけれども、そこで、この道路通報システムの利用状況とその有効性について伺います。
○斉藤道路保全担当部長 投稿件数は、試行を終了した本年三月末までの二年二か月の間には、累計で約五百件でありましたが、本格導入後の九月末までの半年間の累計では約千百件に増加しました。
この道路通報システムは、スマートフォンで容易に投稿が可能であることから、休日、夜間の投稿を多くいただくなど、通報機会拡大につながっております。
○山田委員 ありがとうございます。
既にシステムが導入されていた道路については、道路の不具合について都民の皆様から通報があって、道路の維持管理に新しい視点で効果が出ていると。やっぱり非常に意義深いものだと思っております。
他方で、都民の皆さんからしますと、日々、自分たちが触れる公共施設は道路だけではなくて、例えば公園などもあるという中で、例えば公園の施設で、これ、おかしいんじゃないかというふうな不具合を通報して対応してもらうということも、このシステムを効果的に使える一つではないかというふうに考えております。
都民の方からすると、所管が様々分かれていて一体どこなのかといったことが分からないというような事態が生じ得ますので、ぜひ、せっかくの有効なシステム、それを道路、都道だけじゃなくて、より幅広く受け止められるようにしていく必要があると思っております。
このような市民協働システムを道路だけではなくて、公園など様々な公共施設の管理にも今後使って活用していくべきと考えますけれども、見解を伺います。
○松島企画担当部長建設DX推進・危機管理強化担当部長兼務 道路などのインフラ施設の管理においては、都民と協働し、その質を高めていくことが重要でございます。
現在運用しているマイシティレポートは、道路だけではなく様々な分野で活用が期待できることから、今後、都立公園などへの来年度導入へ向けて、対象となる施設の選定を順次進めるとともに、必要な運用ルールなどを作成してまいります。
引き続き、都民の目線でデジタルトランスフォーメーションを推進し、都民サービスの向上に努めてまいります。
○山田委員 ありがとうございます。
今のが最後の質問になるんですけれども、今、都立公園をはじめ、ほかの施設への導入を検討していくということでありまして、大変重要なご趣旨の答弁だと思っております。
先ほど来、お話もありましたけれども、東京都道だけではなくて、ほかの自治体にも徐々に進みつつあるというところでありますけれども、都立以外の道路であったり、また、ほかの施設などにも展開していって、公共インフラの維持管理というような効果的な一元的なシステムとなるよう、ぜひ進めていただくように要望いたしまして、質問を終わります。ありがとうございました。
○里吉委員長 議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
午後五時十九分休憩
午後五時三十五分開議
○里吉委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○小磯(善)委員 私からは、まず初めに、境川のことで質問をさせていただきたいと思います。
皆さんご存じのように、私、町田市の選挙区なんですけれども、この前、NHKのブラタモリという番組で、町田市はなぜ神奈川県に間違えられるのかと、そういうテーマで番組をやっておりました。結構納得できる理由でございましたが、その中に境川というのがありました。
境川というのは、東京都と神奈川県の境を流れる、もうそのまんまの名前の川で境川であります。一番上流の方で十三キロは神奈川県の管理区間、その次に東京が十・五キロの管理区間、そのまた下流で神奈川県が二十六キロということで、二級河川なんですけど、神奈川、東京、神奈川で管理をしているという河川であります。
河川は、ご存じのように、海の方から河川整備をしていかないと、上流側だけ河川整備して下流を河川整備していないと、一挙に集中豪雨がありますと、河川が氾濫してしまうということで、そういうことで東京都の河川の管理区間というのは本当にこれまで長い間苦労してきたわけであります。
だから、東京都の管理区間の部分は、下流側がなかなか河川整備が完了しないものですから、時間五十ミリの河川整備はほぼ完了していると。ところが、河床ですね、川床を掘れないでいるという状況が続いております。ですから、本当は五十ミリ対応できるのに、三十から三十五ミリぐらいの能力ということになっているわけであります。
そういう中で、平成二十年に境川が集中豪雨で溢水をしてしまいました。そんなことで、私も議員の、これまでずっとこの境川のことについては、もう本当にずっと取り組んできたわけでございます。小磯といえば境川、境川といえば小磯というふうにいわれるぐらい、境川については質問をしてまいりました。
調節池をじゃあ造ろうということになりまして、小さい調節池をいっぱい造ってきましたけれども、東京都が本腰を入れていただいて、金森調節池、そして、木曽東調節池というのを造っていただいているわけでございます。
ただ、これは完成しないと、稼働するまでは機能を発現しないということで、とにかく、ここ一、二年は何とか大丈夫なんですけれども、稼働までは本当に境川が溢水しないかどうか、東京都の河川情報をしっかり見たり、また現地に行ったりして、いろいろ心配をしているわけでございます。
そんなことで、一日も早い稼働、そして完成を目指してもらいたいと、このように思うわけであります。
境川金森調節池及び境川木曽東調節池の整備状況と今後の取組についてお伺いしたいと思います。
○齊藤河川部長 都は、境川の安全性を早期に向上させていくため、地下箱式により貯留量約十五万一千立方メートルの境川金森調節池及び約四万九千立方メートルの境川木曽東調節池の整備を進めております。
現在、両調節池とも掘削作業を進めておりまして、今後、本体構築に着手し、令和七年度の稼働を目指してまいります。
○小磯(善)委員 調節池の工事が順調にしっかり行われているということが確認できました。
円滑に工事を進めるためには、地元住民の皆様のやっぱり理解というのが大変大事でございます。特にこの金森調節池におきましては、地元でも反対をされている方がおられるわけでございますので、また周辺が大変閑静な住宅地ということもございます。そういうことで、工事に当たっては丁寧な対応が必要であります。
境川金森調節池における地元住民への説明会の開催の取組状況についてお伺いします。
○齊藤河川部長 都は、事業実施に当たりまして、平成二十七年度以降、調節池の必要性や効果など、九回の事業説明会を開催してまいりました。
また、工事着手前及び資材等の搬入路が切り替わる場合など、地元住民への影響を考慮して、これまでに六回の工事説明会を開催してまいりました。このうち本年九月に開催いたしました工事説明会では、コロナ禍の状況を踏まえまして、ユーチューブによる動画配信とし、希望者に対しましては対面などによる説明も行っております。
○小磯(善)委員 私もその動画も拝見させていただきまして、皆様のご努力については本当に理解をさせていただいているところでございます。丁寧な対応を行って、地元住民の理解を得ながら工事を進めていることがよく分かったわけでございます。
境川金森調節池は、もともと地域のスポーツ広場で使っていたということもありまして、運動施設がある公園施設ということで、上部の方の利用を今計画して、具体化が進んでいるわけでありますが、今度は木曽東調節池、ここの上部の利用はどうなっているのか、地元住民の皆さんの関心も強いわけでございますが、検討状況についてお伺いいたします。
○齊藤河川部長 現在、上部利用につきまして、町田市が検討していると聞いております。
○小磯(善)委員 地元の方とか、また地元の公明党町田総支部としては、例えばニュースポーツの施設をこういったところに造ってもらいたいと、そんな要望をさせていただいておりますけれども、とにかく、早期にこの方針が示されるよう、検討を進めている町田市に対して、都としても積極的に働きかけを要望したいというふうに思っております。
境川の河川整備計画では、この金森と、それから木曽東調節池を含めた、総容量約七十六万立方メートルの調節池が必要ということになっておりますけれども、令和二年の第一回定例会一般質問において、私の質問に対して、新たな調節池を事業化するという答弁がございました。
そこで、新たに事業化した調節池の検討状況についてお伺いいたします。
○齊藤河川部長 中里橋上流右岸の旧河川敷に整備する予定であります貯留量約五万立方メートルの新たな調節池は、これまで基本設計を実施し、工法や構造の比較検討などを進めてまいりました。
現在、取水施設の水理模型実験などを行っており、今後は詳細設計を実施してまいります。
○小磯(善)委員 この調節池の整備が進めば、東京都管理区間の治水安全度は向上して、その上流の神奈川県管理区間の整備も進めることができるということから、より一層神奈川県との連携を強化していくことが重要であります。
いわゆるこの上流の方の神奈川県管理区間の整備、これも、私も神奈川県にいったり、事務所にいったり、また神奈川県の県会議員にいったり、また国会議員に要望したり、もうありとあらゆるルートで神奈川県側の整備の推進を取り組んできたわけですけれども、その整備及び調整状況、これをお伺いしたいと思います。
○齊藤河川部長 境川は、神奈川県との協定によりまして区間を定め、整備、管理を行っております。
根岸橋上流の神奈川県管理区間では、最上流部の貯留量約二万立方メートルの風間遊水地が令和三年度に完成し、現在、根岸橋から馬場橋間の護岸整備を実施しております。
また、都県河川調整会議などの場におきまして、整備の状況及び工事の進捗などについて共有するとともに、県管理区間の整備促進について働きかけております。
○小磯(善)委員 町田市の相原というところに武蔵岡都営団地というのがあって、そこの八階か九階ぐらいのところからぱっと見たら、この風間遊水地というのが突然できていまして、本当にすごいなと思ったわけでございますが、東京都と神奈川県で本当に十分に協議していただいて、神奈川県の方も一生懸命、頑張っていただいて、この整備をやっていただいているということがよく分かったわけであります。
境川全体の水害に対する安全性を早期に向上して、都民が安心して暮らせる都市の実現を早く図ることを要望して、次の質問に移ります。
先ほど、こいそ明先生も、用地の取得、用地買収は大事だよということを一生懸命質問されておりましたけれども、私も、町田市って南東建なんですね、町田と多摩と稲城と、南東建で、それでこうやって見ますと、花井道路監、澤井部長、それから斉藤部長、福永部長、みんな南東建で、両「コイソ」が大変お世話になった方々、この場をもちまして御礼申し上げます。ありがとうございます。
用地取得においては、堅固な建物の移転とか、相続未了だとか、また権利者が多数いたりとか、本当にややこしい用地取得の場面がいっぱいあると思います。東京都職員の知識、経験だけでは解決が難しい課題もあるというふうに聞いております。
そういう課題を解決するには、専門家の力を活用していくこともこれは大事なことだと思います。専門的知識を有する専門家の活用状況についてお伺いしたいと思います。
○澤井用地部長 用地取得における専門的かつ困難な課題の解決に当たりましては、専門家を活用しております。例えば、構造解析が必要となります堅固な建物の調査等につきましては補償コンサルタント会社に、また、土地境界確認の協議が整わない事案の現地調査等は土地家屋調査士に依頼しております。
引き続き、専門家の力も活用しながら、用地取得の推進を図ってまいります。
○小磯(善)委員 ぜひ、専門家の皆さんの力をお借りして用地取得を進めていただきたいと思います。
それから、東京都道ですね、都道の境界がちゃんと確定しているかどうか、これを各建設事務所に尋ねに、調べに行くわけですね。そうすると、建設事務所の窓口の人は、そこの場所が道路、いわゆる境界確定されているかどうかを、奥に引っ込んで、一生懸命ゼンリンの地図を引っ張り出してきて、それで都道を見ながら、ここは確定していますと、これは確定していませんと。
確定しているところは、コンピューターにそのデータが入っていて、それはそこで閲覧できるということなんですけれども、やっぱり一旦奥に入っていって、ゼンリンの、私、ゼンリンといっちゃっていますけれども、そういう地図を窓口までまた持ってくるという、何というか、紙でまだ仕事をしているというのが実態でございます。
そういうことで非常に時間を要しているということでございますので、この現状についてお伺いしたいと思います。
○松島企画担当部長建設DX推進・危機管理強化担当部長兼務 各建設事務所における現状でございますが、境界確定された箇所を紙の住宅地図に手書きで記入した資料に基づき、境界確定の有無及び確定図面の図面番号を窓口で確認した上で、確定済みの場合は、電子化した図面を閲覧に供しております。
○小磯(善)委員 閲覧のための図面が電子化はされていることは理解しましたけれども、確定済みの箇所を調査するための地図は、依然として紙のままだということも分かったわけでございます。
紙の地図による確認では、地図を取りに行くために、窓口とその奥を往復するので対応に時間がかかり、その間、窓口で待たされるだけではなく、後から来た方も列に並んで待たされることもあるとも聞いております。
紙の地図に手書きで書くような時代は終わりました。他の自治体では、地図が電子化されているところもあると聞いております。都民サービスの向上にもつながると思いますが、いかがでございましょうか。
○松島企画担当部長建設DX推進・危機管理強化担当部長兼務 各建設事務所における境界確定図の閲覧件数は合計年間一万件以上あり、多くの都民に利用されております。
区部、多摩部全域に及ぶ境界確定済み箇所の案内のための電子化に当たっては、データ入力やシステム構築に要する時間や費用などの課題整理が必要でございます。
今後、他自治体の状況等を調査した上で、都民サービスの向上に向け検討してまいります。
○小磯(善)委員 東京都の組織の中にもデジタルサービス局もできて、東京都もとにかくデジタル化を目指そうと、こういうときでございますので、ぜひとも様々な検討、調査をして、前に進めていただきたいと思いますので、どうかよろしくお願いいたします。
次に、大戸緑地という都立公園がございまして、ここも神奈川県との都県境に位置しているわけでございますけれども、高尾山ともハイキングルートでつながっているところでございます。
また、この公園は多くの谷戸から構成されており、谷戸からの湧水が集まって、相模湾へと注ぐ、先ほど申し上げました境川の源流があるところであります。
こうしたすばらしい自然環境であることから、平成二十三年に都立公園として開園して以降、多くの都民に親しまれ、地域にも活気が出てきているわけでございますが、この大戸緑地の整備状況についてお伺いいたします。
○根来公園計画担当部長 本公園は、平成二十一年に事業に着手し、計画的に事業区域の拡張を重ねまして、令和三年度までに約四十三ヘクタールの用地を取得してまいりました。
これまで、樹林地の間伐や谷戸における水辺の復元など里山景観の再生に取り組みますとともに、展望地や駐車場、トイレなどを整備しまして、約二十九ヘクタールを開園いたしました。
○小磯(善)委員 公園整備が着実に進んでいることが分かったわけでございます。
さきの定例会においては、新たに大戸緑地の計画区域東側にある大規模な土地の買入れが議決をされたわけでございます。
そこで、この大規模用地をどのように整備していくのか、都の見解をお伺いしたいと思います。
○根来公園計画担当部長 お話の用地と令和元年度に取得した隣接用地を合わせた約十三ヘクタールにつきましては、整備計画においてレクリエーションゾーンに位置づけており、町田街道からのアクセスのよさや平たん地などの広がりを生かして、都民がキャンプを楽しめる施設等を配置することとしております。
令和四年度は、自然環境調査の結果等も踏まえ基本設計を行っておりまして、今後、豊かな自然環境を生かした野外レクリエーションや自然体験の場を創出してまいります。この箇所を含め、引き続き、大戸緑地の整備に着実に取り組んでまいります。
○小磯(善)委員 なかなか町田市に来るということは皆さんあんまりないと思いますので、ぜひ、これができましたら、キャンプが楽しめたり、野外レクリエーション、自然体験ができるということで、あ、須山さん近いもんね、ぜひお子さんと来ていただければと思いますので、まあ、そういうことで大変楽しみな計画でございます。
また、一層魅力的な公園とするためにも、何というんですかね、アスレチック、こういったのをぜひ整備していただくと、また一段と皆さんが来られるんじゃないかなと思いますので、よろしくご検討のほどお願い申し上げます。
続きまして、同じ大戸で、大戸踏切についてお伺いしたいんですけれども、町田街道であります町田三・三・三六号線についてお伺いいたします。
まず、この相原の地域でありますが、町田街道とJR横浜線が平面交差する大戸踏切は交通量が多く、大変渋滞が発生しております。このJR横浜線の相原駅というのが町田市にあるんですけど、ここは、リニア中央新幹線の神奈川の駅が橋本駅ということで、今ずっと工事が進められております。
この橋本駅から一つ目の駅が相原駅なんです。そういった意味では、リニア中央新幹線が近いということで、大変発展の余地があるんじゃないかなと思うんですけれども、ここの大戸踏切というのが大変渋滞が多いということでございます。そんなことで、これは道路がアンダーパスということで、道路がこの下を通るという計画でございます。
そこで、これまでのこの大戸踏切についての取組についてお伺いしたいと思います。
○湯川道路建設部長 町田三・三・三六号線は、町田市相原町を起点といたしまして、同市南町田を終点とする延長約十八・一キロメートルの都市計画道路でございます。市内の交通の円滑化と快適な生活環境の確保に必要な路線でございます。
このうち相原区間では、大戸踏切周辺において、道路がJR横浜線をアンダーパスする事業を進めているところでございます。これまでにアンダーパスの工事に支障となる水道管の移設工事を行うとともに、アンダーパスの工事に必要となる用地の取得を進めているところでございます。
○小磯(善)委員 大戸踏切周辺を優先して用地取得を進めて、移設工事に着手しているということでございます。
現道が狭く、今後工事を進めるためには仮設道路を設置する必要があると、このように聞いておりますが、そこで、今後の取組についてお伺いいたします。
○湯川道路建設部長 お話の大戸踏切周辺では、現道の交通機能を確保しつつ、アンダーパスの工事をするため、仮道の設置と踏切の仮移設が必要となります。このため、引き続き、必要な用地取得を進めるとともに、詳細設計やJR東日本との調整を実施してまいります。
今後とも、地元の理解と協力を得ながら、早期整備に向け取り組んでまいります。
○小磯(善)委員 とにかく地元の期待が大変高いわけでございますので、一日も早いこの事業完了に向けて頑張っていただきたいと思います。
それから、同じく三・三・三六号線なんですけれども、これの木曽団地南交差点から鶴川街道付近までの高ヶ坂区間及び旭町についてお伺いいたします。
この路線は町田街道のバイパスとなり、市内の交通渋滞の解消だけでなく、横浜方面へのアクセス性を向上させるなど、その効果は今後の町田市の発展に大きく寄与するものでございます。
初めに、高ヶ坂区間についてお伺いします。この三・三・三六号線のその区間の取組状況をお伺いいたします。
○湯川道路建設部長 町田三・三・三六号線の高ヶ坂区間でございますけれども、町田市民病院東交差点から鶴川街道交差部付近に至る延長約一キロメートルの区間で、昨年十二月に事業認可を取得し、事業に着手したところでございます。現在、事業用地の取得に向けまして物件調査などを進めているところでございます。
また、本区間の一部は高低差が大きい急峻な地形でございまして、道路構造等の検討を重ねるとともに、関係機関との協議を進めているところでございます。
○小磯(善)委員 この三・三・三六号線の高ヶ坂も、旭町の区間も両方とも、いわゆる多摩都市モノレール、これが多摩センターからずっと町田駅まで延伸するときのルートになっております。去年の十二月に、東京都は、多摩都市モノレールの町田延伸のルートを決定したわけでございまして、発表は一月でしたけどね。
そんなことで、町田市民は、この多摩都市モノレールが自分が生きているうちに通るのかどうかということで、皆さん期待をしているわけでございまして、そういった意味で、ここの事業区間をしっかりお願いしたいと思います。
旭町区間の方は、現在の状況、今後の取組についてお伺いしたいと思います。
○湯川道路建設部長 町田三・三・三六号線の旭町区間でございますけれども、木曽団地南交差点から町田市民病院東交差点までの延長約八百メートルで事業中でございます。
これまで電線共同溝の設置工事や街路築造工事を進めるとともに、町田市民病院側の橋梁区間では、今年度、東側、西側ともに橋桁の架設が完了いたしました。
引き続き、橋梁の上部仕上げや道路舗装工事等を実施し、本区間の整備を着実に進めてまいります。
○小磯(善)委員 ここの道路ができますと、木曽団地という東京都住宅供給公社の公社住宅の中では一番世帯の大きい団地がありまして、そこの方々が市民病院に行ったり、町田街道に行くのに、これができますとすごく便利だということで、また大変期待をしているわけであります。
木曽団地の自治会長から、この道路ができた暁には、ぜひ自治会でウオークラリーというんですかね、それをやらせてもらいたいと。まあ、築地の道路から比べると桁が違いますけれども、それでも地元の人の喜びというのは大変大きなものがありますので、一日も早い完成をよろしくお願いいたします。
最後のテーマで、土砂災害対策についてお伺いしたいと思います。
近年、台風などの豪雨で、全国各地で土砂災害が発生をしております。土砂災害から都民の命と暮らしを守るためには、その対策を一層推進していかなければなりません。
これまで都議会の質疑の中で、土砂災害対策について繰り返し取り上げ、その必要性を訴えてまいりました。この訴えを受けまして、東京都は、土砂災害の防止に向けた土石流対策を効果的に行うため、多摩地域の千五百六十七か所について、避難所などがあるところを優先して事業を行う、優先度フローのランクAからDを決めました。優先度の高いランクAの箇所については、早急に安全対策を推進すべきであります。
そこで、建設局として砂防事業におけるランクAの箇所について現在の取組状況をお伺いいたします。
○齊藤河川部長 砂防事業における優先度の高いランクAは七十六か所あり、そのうち建設局が行う箇所は、治山事業で対策する箇所や、土砂災害のおそれがあるときには使用しない避難所の箇所等を除きました四十三か所でございます。
このうち奥多摩町小丹波地区など二十三か所につきましては、既に砂防基本計画の策定が完了し、順次工事に向けた設計を進めております。今年度は、日の出町大久野地区の四か所で新たに砂防基本計画を策定してまいります。
○小磯(善)委員 建設局の皆さんが一生懸命、土砂災害防止法で特別警戒区域、警戒区域、まあ、レッドゾーン、イエローゾーンを決めていただきました。そのレッドゾーンの中に、例えば老人ホームだったり、災害があったときに避難する小学校の体育館だったり、また子供たちのそういう施設があったり、そういうところを優先して建設局がランクAということで対策をしていただいているわけでございます。
現在、建設業界では、DXの活用により効率的なインフラ整備が始まっていると聞いております。東京都におきましても、デジタルサービス局が中心となってDXの活用が進められており、今年度はレーザースキャナー等により得られたデータで地形や建物の形状などを、点の集まりである点群データの整備に取り組んでおります。
土砂災害対策でもこれらを積極的に活用すべきであります。建設局として点群データをどのように土石流対策に活用していくのか、お伺いいたします。
○齊藤河川部長 現在、デジタルサービス局では、災害が起きた際に安全かつ迅速な対応などを可能とするため、各局や民間事業者が活用できる共通基盤データとして、点群データの取得を進めております。
建設局では、これらの点群データを活用して、ランクAの箇所につきまして土石流のおそれのある渓流部の地形を詳細に把握し、より危険性が高い箇所から対策工事を実施してまいります。
○小磯(善)委員 土砂災害対策についても点群データを有効に活用できるということが分かったわけでございます。
次に、より危険性が高い箇所から対策工事を実施するとしても、ランクA全ての箇所に砂防堰堤等を整備するには、やはり長期の時間を要するわけであります。いつ起きるか分からない土石流に対して、できるだけ早く安全を確保するような方策を検討すべきであります。
そこで、建設局として早く安全を確保するための土石流対策の取組をお伺いいたします。
○齊藤河川部長 都はこれまで、土石流のおそれのある渓流につきまして、計画的に砂防堰堤などの整備を実施してまいりました。
今後は、土石流に対する一定の安全性を速やかに確保するため、砂防堰堤等を整備するのに時間を要する箇所におきましては、土砂を捕捉する強靱なワイヤーネットを設置するなどの取組を行ってまいります。
○小磯(善)委員 土砂を捕捉する強靱なワイヤーネットの設置など様々な対策をやって、早期の安全対策を高めていくということで、しっかり進めていただきたいというふうに思います。
これまで土石流対策についてお伺いしてまいりましたが、都内には土石流のおそれのある渓流だけでなく、崖崩れのおそれのある急傾斜地などもあり、それら危険な箇所数は一万五千か所あると伺っております。全国的には毎年のように土砂災害が発生しており、不安を感じる都民も多いと思います。
そこで最後に、土砂災害対策の推進に向けた都技監の決意をお伺いしたいと思います。
○中島東京都技監 今お話ありましたとおり、近年、全国各地で台風や豪雨による水害だけでなく、土砂災害が多く発生しております。
こうした自然災害が東京で発生した場合、人的な被害はもとより、首都東京としての機能が麻痺するおそれがあり、その影響は計り知れません。このため、土石流や崖崩れなどの土砂災害から都民の命を守るために、ソフト、ハード両面から対策を進めることが重要でございます。
ハード対策といたしましては、先ほど部長が答弁いたしました、土石流を止める堰堤等を整備いたします砂防事業のほか、崖崩れ対策として、のり枠を整備いたします急傾斜地崩壊対策事業などを実施しております。また、整備した施設について、予防保全型管理に基づく適切な維持管理も行ってございます。
こうした事業の効果的、効率的な実施に向けまして、点群データやドローンなどDXを積極的に活用してまいります。
ソフト対策といたしましては、住民の避難行動につながる土砂災害警戒区域等の指定を令和元年に都内全域で完了させ、現在、二巡目以降の調査により適宜更新してございます。あわせまして、避難の重要性を伝える住民向けの出前講座に加え、住民参加によるハザードマップ作成の支援を実施するなど、区市町村が住民の防災意識を高める取組を後押ししております。
今後とも、こうした取組を積極的に推進し、土砂災害による犠牲者ゼロを目指してまいります。
○小磯(善)委員 ぜひとも東京都民の命と暮らしを守るために、土砂災害対策事業の推進に向けて、これからも引き続いて頑張っていただきたいと申し上げて、私の質問を終わります。
○曽根委員 私も簡潔に何点か、最初に外環道事業の、特に今提案されている地盤補修工事の内容を中心に何点かお聞きします。
まず、外環陥没事故から丸二年が経過して、ようやく事業者のNEXCOは、最近、陥没、空洞箇所の補修工事のプランを提案してきていますが、地元の住民からは、改めてNEXCOや国への不信の声が噴出しています。
私は、この背景には、この外環道事業について特にNEXCOなどが根本的な住民に対する不誠実といいますか、説明不足、こうしたものへ反省が感じられないということが、不信感を招く大きな原因ではないかと思っております。
都として、陥没や空洞の事故を起こしてしまったこの事業の最大の要因、これはどういうふうに考えているのか、外環道事業の根本的な在り方の問題はないのかという点で、都の考えをお聞きしたいと思います。
○手塚三環状道路整備推進部長 外環事業は、国及び高速道路会社により事業が進められております。
令和二年十月に発生した東京外環の陥没、空洞事故の原因につきましては、特殊な地盤条件下においてシールドカッターが回転不能になる閉塞を解除するために行った特別な作業に起因するシールドトンネルの施工にあることが、令和三年三月に開催された有識者委員会において確認されていると承知しております。
都は、事業者に対しまして、再発防止対策の確実な実施、住民の不安払拭に向けた丁寧な説明やきめ細やかな対応を行うよう要望してきており、引き続き丁寧に取り組んでいくよう求めてまいります。
○曽根委員 今お答えの中で、特殊な地盤条件とか、またシールドマシンについての特別な作業に起因する陥没事故というようなご説明がありましたが、これはNEXCOや国がそういう住民に対する言い訳を繰り返していて、このことに地元住民はじめ都民から大きな怒りを買っている。このことは都も知っているはずです。
私が聞いているのは、今後の対応のことに対する都の要請の前に、今度の事故の原因について、都自身は、やっぱりこれは作業上の問題や地盤上の問題といっている国やNEXCOと同じ考えということでいいんでしょうか。事故に至った原因についての都自身の考えをもう一回お聞かせください。
○手塚三環状道路整備推進部長 東京外環の陥没、空洞事故の原因につきましては、特殊な地盤条件下においてシールドカッターが回転不能になる閉塞を解除するために行った特別な作業に起因するシールドトンネルの施工にあることが、事業者の有識者委員会において確認されていると承知してございます。
都は、事業者に対しまして再発防止対策の確実な実施、住民の不安払拭に向けた丁寧な説明やきめ細やかな対応を行うよう要望してきており、引き続き求めてまいります。
○曽根委員 私、最後から二番目の質問者なので、同じ答弁を繰り返す必要はありませんから、私の聞いたことにちゃんと答えてほしいんですけど、地盤のせいにしたり、技術的な、いわば、今、想定できない問題が起きたというようなことの責任にすり替えると、そういう問題がある限りこの事業を進められないということになるんですよ、最後は。ですよね。
この問題は自然災害と違って、国とNEXCOが進めている人為的な事業で起きている事故なんですから、事故を起こしたくない、絶対起こしたくないと思ったら、事業をやめるしかなくなるんですよ。
ですから、私はもう少しちゃんと、私たちが都議会で何をいってきたのか、これをもっと振り返って、都としてはいうべきことを国やNEXCOにいってほしいんですよ。
例えば、今回の事故につながるような問題は、もう既に前から起きていたわけですよね。世田谷の東名高速入り口付近でマシンが動き出して以来、例えば大深度地下の工事であっても、野川に酸欠空気が噴き出してくる。世田谷の地域の直下のマシンが通過しているときに、地上の住宅でも耐え切れないほどの振動が起きているということは、私たちも、もう何年も前から取り上げてきたわけです。
これにまともに対策を取ってこなかったのは、やはりNEXCOや国の大きな失敗だと私は思いますよ。特殊な地盤といいながら、事前の地質調査箇所があまりにも少ないじゃないかと。もっとちゃんと細かく地質を調べないと、事故が起きる危険が高いということも、もう既に事故前からいってきているわけです。
改めて、この点で、今回起きた事故は、まさにこれらの指摘が的を射ていたことを証明したのだというふうに考えます。住民の声と、それを聞いて、この議会で取り上げてきた我が党などの質疑をまともに受け止めないで、大丈夫だと繰り返してきた事業者と、それをうのみにして事業に協力してきた都の態度こそ、この重大な事故を招くことになった最大の要因ではないのかと、この点を厳しく指摘しておきたいと思います。
それから、何か異変が起きるたびに、例えば酸欠空気の問題が出たときも、それに対して対症療法を繰り返すだけだと。しかし、まともに地質調査や地盤変動の調査をやらずに、振動が相当異常に広い範囲で起きているなど重要な異変のサインが出ても、対策を取らないままだったことが、今度の事故を招いた大きな要因だと思います。
それから、シールドマシンの土の取り込み過ぎという問題がありますね、これは技術的な問題ですが。これも、毎日のデータをちゃんと見ていれば、相当な量を取り込み過ぎているということはもっと前に気がついたはずなのに、これも詳細なデータチェックを怠っていたなど、手抜きをしてきたことが陥没、空洞事故を防げなかった最大の要因であるということは明らかであります。この認識を持っていないと、再び過ちと事故が繰り返されていく危険があります。
その一つの問題として、地盤補修についての住民への説明の仕方と、住民の意見や不安をちゃんと聞いているのかという問題について何点かお聞きしたいんです。
補修工事の説明会は、なぜオープン形式で、しかも、この日は直近の住民、この日は調布の市民に限るとか、市民以外は説明会は対象としないとか、私たち議員も中に入れてもらうのにちょっと苦労した。こういうようなやり方とか、また、なぜ住民の個別相談は受けるけれども、住民がつくっている団体、専門家の協力も得て集まっている団体への説明を拒否するのか、こういう点について東京都はどう考えますか。
○手塚三環状道路整備推進部長 今回、地盤補修を進めるに当たり、事業者は、地盤補修工事箇所の周辺にお住まいの方を対象に、九月と十月の二度にわたりオープンハウスを開催し全体計画の説明を行うとともに、十月の開催時には、調布市全域にお住まいの方を対象としたオープンハウスも開催し、同様の説明を行っていると承知しております。
また、オープンハウスの開催と併せて、事業者、地元調布市、地盤補修工事箇所の周辺にお住まいの方との意見交換の場も設けて、団体の方等も含め、住民の方から幅広く意見を伺っていると聞いております。
都は、事業者に対しまして、住民の不安払拭に向け丁寧な説明やきめ細やかな対応を行うよう要望してきており、引き続き丁寧に取り組んでいくよう求めてまいります。
○曽根委員 団体の方を含めて意見を聞いているというのは、私たちが国会議員と一緒に現地にNEXCOを呼んで、そこに住民の方々が一緒に参加したときの話じゃないですか。皆さん方が、そして東京都でもいいんですよ、それから事業者でも国でもいいんですけど、ちゃんと団体の方の説明会の要請に応えればいいだけの話なんですよ。この点が相変わらず拒否されているということは大問題です。
住民団体とは会わないし、説明もしないというのを原則にしていると。このかたくなな態度は、非常にこの後の対応にまた誤りを起こしかねません。
補修工事の工事方法と提案の仕方について、ちょっと幾つかただしておきたいと思います。
地盤補修には、高圧噴射攪拌工法というのを選びました。大体もうこれで決まっているようです。今日頂いた資料の後ろの方についているところに、その説明がいろいろ書いてありますが、資料のページでいうと五七ページのところに、四つのケースについて、セメント固化材というんですか、そういうものの運搬方法の検討をしたというケースが書いてありました。
これが説明会でも提示されていたわけですけれども、まず、このセメント固化材を長い距離、圧送するという方法になるわけですよね。こういうやり方は、普通はあんまり聞かないんですけれども、なぜ工事現場のところでセメント固化材を作って、近くの工事現場で地盤補修に使うというやり方を取らないで、圧送方式にするのか。これは普通のやり方じゃないと思うんですが、どうですか。
○手塚三環状道路整備推進部長 地盤補修の工法につきましては、事業者は、二度のオープンハウスや意見交換会における住民の皆様のご意見も踏まえ、市街地や住宅地において大型重機を使用せず、広範囲に確実な地盤補修を行うことが可能な高圧噴射攪拌工法を選定したと承知しております。
事業者は、地盤補修材料や発生する泥土の運搬に当たり多くの車両が必要となるため、周辺にお住まいの皆様への負担を軽減できるようなプラントヤードの場所や、プラントヤードからの管路設置方法等を検討したと聞いております。
今回程度の圧送距離につきましては、これまでも施工実績があり、十分な品質管理は確保できると聞いております。
○曽根委員 今回の距離、聞くところでは三百メーターぐらいを圧送するらしいですね。しかし、それ以上延びると、このケースのどこかに書いてありましたが、やっぱり固化材の品質が落ちちゃうんですよね。ですから、実績はあるらしいですけれども、これは非常にやっぱり異例なやり方じゃないかと思います。
こういうルートしか通れないというのは、やっぱり現場のところにトラックでどんどん補修の材料を持ち込むことが、近隣の住民の皆さんの理解を得にくいという、非常に難しい状況をつくってしまっているからじゃないかと思うんです。やっぱり周りの住民との間で信頼関係が全くないということの表れじゃないかと思いますが、この方法でもいろんな問題があると思います。
例えば、ケース3のところに赤枠があって、この方法にするようですけれども、事前に奇妙な経過で、このルートが二転三転しているんです。
お聞きしますけれども、説明会より以前、八月ごろのNEXCO東日本による調布市との地盤補修計画に関する事前協議で、このケース1から4のうち、二つのケースしか、案しか協議されなかったと。ところが九月のオープンハウスでは、逆に四つのケースがここにあるように示されたと。
都は、この元の二案を知っていたのでしょうか。この件については、またどう考えるでしょうか。やる気もない二つの案を住民説明では足したんじゃないかという疑いを持つんですが、いかがですか。
○手塚三環状道路整備推進部長 事業者が、本年九月十一日と十二日に地盤補修工事箇所周辺にお住まいの方を対象に開催した地盤補修工事の全体計画の検討状況に関するオープンハウスにおきましては、地盤補修材料や泥土の運搬方法について四案の提示がなされたと承知しております。
その四案を検討する過程におきまして、事業者は、関係する施設管理者に対して事前の相談を行ったと聞いており、東京都に対しても河川占用に関する相談がございました。
なお、事業者が八月に調布市に相談を行った二案につきましては、都は承知しておりません。
○曽根委員 国会では、我が党の参議院議員田村智子議員が質問に取り上げて、国土交通大臣も、最初の調布市への説明が二案しかなかったということを認めています。ですから、その後に四案になったんですよ、住民説明の段階で。これを東京都が承知していないというのも、はっきりいって非常に私は不可解です。それじゃあ、もう全然情報がちゃんと正確に都に届いていないということになります。この点も大問題です。
いずれにしても、後から選択肢が増えることは、住民説明会へのごまかしにすぎないのは明らかです。こうした住民への態度こそ不誠実の表れなんです。
しかも、地元の理解を得ないで工事を進めて、事故を起こしたので、そばには工事用地も確保できないと。だから、こういう無理してのやり方になってしまうと。
それで今、このパイプを三百メートルずっと置く場所の管理者への打診をしているというふうにお聞きしましたけど、その打診は全部終わっているんですか。
○手塚三環状道路整備推進部長 事業者は、管理者と現在協議等を進めていると聞いております。
東京都の河川管理者への協議は、申請書を受理してございます。
○曽根委員 調布市とか東京都には事前の説明や文書が来ているということですけれども、少なくとも十月中旬まで、私たちが聞いてみたら、京王電鉄には説明を行った形跡はないんです。
これ、京王電鉄の線路の下をくぐるんですよね、ルートが。ですから、京王電鉄としては、この工事に場所を提供するわけじゃないけれども、その下をくぐらせるわけですから、当然関わりもあり、知っておいて--まあ事業者側からいえば説明して当然だと思いますが、非常に変則的なやり方で進めた場合、このようなやり方では今後、問題が起きることもまた非常に不安になります。もっと慎重に準備すべきだということは、今の段階で申し上げておきます。
しかも、補修範囲は極めて限定されているんです。これは空洞や、それから陥没が起きた幅十六メーターのシールドマシンの直上のみで、長さは二百二十メーターのみという極めて狭い範囲です。しかし、この狭い範囲だけ補修するということは、その下に潜っているシールドマシンの上部にかなりの重量がかかったり、地下水脈を塞いだり、今後の地上での住宅や生活の再建に大きな制約があるんではないかと思いますが、いかがですか。
○手塚三環状道路整備推進部長 補修された地盤によるシールドトンネルへの影響につきましては、地盤補修は元の地盤と同程度の比重となるように施工する計画であるため、その重量がシールドトンネルに影響を与えることはないと聞いております。
地下水への影響につきましては、事業者が行った解析において、地盤補修に伴う地下水位変動は、近年の降雨影響等による水位変動量と比較しても小さく、地盤補修が与える影響はごく小さい結果であったと聞いております。
建物建設への影響につきましては、地盤補修は地表面から一定程度深い層を対象としており、地上部において一般的に建築される建物への影響はないと考えていると聞いております。
○曽根委員 事業者側の事前のいろんな予測を、今、都がいわれたわけですけれども、やはり私は、大変このやり方については不安があります。お聞きしたところ、二百二十メートルと幅十六メートルのところの周りを全部コンクリートの噴射を行って、土とコンクリートの柱を造って囲むと。その中にも同じような柱をたくさん埋め込んで、がちがちに固めるということらしいです。
工事中の振動や騒音その他の環境への影響も非常に気になります。少なくとも、地盤補修対象地域の中に住民を残したままの見切り発車の工事は絶対にあってはならない、このことはもう特に申し上げておきたいんですけれども、さっき資料を見ていたら、三八ページの図を見ていると、地盤補修が始まった後も家屋解体が続くというふうに矢印が入り込んでいるんですよね。ということは、家屋解体が終わっていない住宅を残したまま、地盤補修がもう一部始まるということを、この図が示唆しているわけです。
こんなことをやったら大変ですよ、もう本当に。申し上げておきますけれども、この事業というのは法的根拠を失っているんですから。もともと大深度法でやっている工事は、地上には影響がないことが前提になっていますから、それでも地上に影響が出た、その補修をするんですから、住民の方は任意の協力を求められているわけです。法的根拠はないんですよ。
ですから、本当にお願いして、理解してもらって、協力いただくしかないわけですから、このことを厳に事業者にも、国にも、そして東京都も肝に銘じていただきたいと思います。
そして、改良後の地盤というのはどうなるかということで、九八ページにその後のことがちょっと分かる図があったので、見ながらお聞きしたいんですけれども、その地盤改良するシールドトンネルの、この図でいえばすぐ右側に、これは南向きになるんですかね、新しいシールドマシンが入ってくることになっているんです。
改良後の地盤というのは、すぐ横にこのシールドマシンが通ってくる、この計画に全く影響はないのか、また、新たなマシンの予定コースの直上の地盤はなぜ地盤改良しないでそのまま残すのか、この点についてお聞きします。
○手塚三環状道路整備推進部長 事業者は、これまでにボーリング調査や物理探査等の多角的な地盤調査を行い、陥没事故で緩んだ地盤につきましては、トンネル直上の陥没、空洞箇所の周辺約二百二十メートルの範囲であると特定しており、今後適切に地盤補修工事を実施していくと聞いております。
○曽根委員 今、陥没事故で緩んだ地盤という言葉がありましたけど、これはとんでもない認識違いです。陥没が起きる前から、地中には空洞ができていたのは明らかです。その空洞も含めて、マシンの進行による地盤の緩みが、最終的には陥没や空洞に至ったということは、事業者も認めています。
したがって、陥没事故で緩んだ地盤じゃないんです。シールドマシンの地下の工事によって、その振動で地盤が緩み、陥没に至ったと。
だとすれば、そのすぐ横の、今後シールドマシンがやってくる上の地盤は、この図を見ると、まだN値は三三から五〇以上で、しっかりしているんだというふうな説明になっていますけど、だから恐らくは地盤改良も必要ないんだということらしいですけど、だけど、シールドマシンが来たときの振動で左のような状態に、N値が四ぐらいまで下がる可能性はないとはいえないじゃないですか。すぐ隣で、十メーターぐらいしか離れていないんですから。そういうことも含めてどうするのかと。
ですから、陥没事故の問題は、今後のシールドマシン本格工事を再開することを、非常にこの今回の事故は難しくしているということ。この問題の解決をしない限りは、新しくここにシールドマシンが侵入してこられないということは、肝に銘じておいていただきたいと思います。
そこで、この補償対象地域の中と、それから外側と、振動や地盤沈下などの被害はほかにも出ているわけですが、個別対応で全て対応するのか、それとも被害の実態調査をしないで解決できるというふうに考えているのか、お聞きします。
○手塚三環状道路整備推進部長 陥没事故発生以降、事業者は、相談窓口や専用フリーダイヤルを設け、補償対象地域にお住まいの方の事情を伺うとともに、個別訪問等を行い家屋の補償等を進めており、引き続き誠意を持って優先的に取り組むと承知しております。
また、補償対象範囲外から問合せがあった場合には、個別に状況を丁寧に確認の上、対応すると聞いております。
○曽根委員 もうこれは明らかに、NEXCOも一部は認めているんですけれども、直上エリアの外側にも被害は及んでいます。しかし、問題は、補償対象地域と事業者が認めているこの地域の内側であっても、それから外側はもちろん、全部個別対応なんです。一人一人の住民の方が相談もしくは交渉に行かないと交渉は始まらないと。
そして、個別交渉ですから、被害の実態を訴えても、NEXCO側からは、老朽化が原因ではないかなどといわれてしまっているとの苦情を我々も聞いています。
しかし、もう明らかに、この全体を調査してみれば、地下の工事の影響で相当の広い範囲に例えば地盤沈下や微妙なひび割れや亀裂が入ってきている。その範囲が、ちゃんと環境の立場からの測定をすれば分かってくるはずで、それによって建物などの亀裂や地盤沈下が経年的なものなのか、地下の工事によるエリア全体の地盤の変化によるのか、この見極めがついてくるはずなんです。
これは、東京都がその権限やノウハウを私は持っていると思うんです。これをぜひ、東京都として取り組むと、環境を守る立場で取り組むということを、ここで提案しておきたいと思います。
地盤補修をはじめとして、事業者のやり方に協力しない住民が出た場合、この対応はどうするのか改めて聞いておきますが、今後は住民の声を聞き、強制的な対応をしないということを都としても国やNEXCOに求めるべきですが、この点はお約束いただけますか。
○手塚三環状道路整備推進部長 事業者は、できる限り早く協力いただけるよう、引き続き個別に事情を伺うとともに、丁寧にご説明を行い、ご理解いただけるよう努めていくと聞いております。
○曽根委員 これ以上聞いても、それ以上の答えは出ないと思いますけど、地盤補修工事の対象地域と同時に、隣接地域でもかなりの住民の方が地盤工事の見切り発車に不安を持っています。これらを放置したままの工事は絶対に行わず、理解を得るための努力を最後まで貫くべきだということは申し上げておきたいと思います。
それから、最初にもいいましたが、住民の団体とは会わない、要望、意見も聞かないという態度こそ、この最大のネックだということも厳しく指摘しておきたいと思います。
それで、外環道事業というのは、既に公表された事業費でも、当初からかなり膨らんできています。その額は幾らになったか。それから、今後、青梅街道インターチェンジ、これはまだその事業費の中に入っていません、このインターチェンジの事業費や、今回の陥没事故の補償や補修工事費も含めて、事業費はどこまで膨らむ見通しになっているのか、これをお聞きします。
○手塚三環状道路整備推進部長 外環関越-東名区間の事業費につきましては、総額は約二兆三千五百七十五億円であり、このうち都の直轄事業負担金は約一千六百億円でございますが、陥没事故等に伴う補修、補償の費用につきましては、今後、事業者において精査を行っていくと聞いております。
事業費が増加した場合におきましても、今後とも、コスト縮減などを図りながら、厳格な事業評価を行っていくと聞いております。
なお、外環の総事業費には、青梅街道インターに関する費用も含まれていると承知してございます。
○曽根委員 その承知しているとおっしゃった青梅街道のインターチェンジの費用というのは、地下の中でインターチェンジを造るための中央インターですか、中央ジャンクションのところで、地中拡幅の物すごい拡充をやった、この内容は入っていませんので、これも含めると大変な金額になってしまう危険性があります。
先ほどお答えのあった二兆三千五百億円余り、この金額でさえ、当初の発表された一兆二千数百億円の二倍近くにもう既に膨らんでしまっています。ここには費用が、当時私たちも一メートルで一億円近いというふうにいいましたが、全体の費用が一メートル当たり三億円近くまで膨らむことになると考えられます。
また、東名以南への延伸も、もし地下方式になるとしたら、もはやいつ完成するかさえ全く見通しが立ちません。その間に自動車交通の様相は一変すると思います。見通しが見えない本事業は、まず中止して、抜本的に見直すこと。また、今、予算を向けるならば、緊急課題である地球温暖化対策などに全力を挙げるべきだということは申し上げておきたいと思います。
次に、特定整備路線について何点かお聞きします。
特定整備路線二十八路線のうち建設局が所管するのは二十四路線で、進捗状況の資料を今日の資料の中でもいただきました。相当進んでいる路線もあるようなんですが、全体としてどこまで進んだか、北区の路線の問題を中心に何点かただしていきたいと思います。
最近、特定整備路線が一路線完成して供用が開始されたと聞きますが、この路線はどこのどういう路線で、延長距離は何キロでしょうか。
○砂田道路計画担当部長 副委員長お尋ねの路線でございますが、先週になりますが、令和四年十月二十七日に世田谷区の補助第二六号線の三宿地区を交通開放いたしました。交通開放の区間につきましては、世田谷区三宿二丁目から池尻四丁目の淡島通りまでの四百四十メートルでございます。
○曽根委員 ちょうど十年前の二〇一二年十二月だったと思いますが、都として、木密十年プロジェクトの一環で、防災上、最も急がれる路線として二十八路線が指定されたわけですけれども、当初の整備期間を過ぎても完成が、今の世田谷を含めて二路線のみとなっています。
路線整備に非常に時間を要しているのはなぜなんでしょうか。
○砂田道路計画担当部長 特定整備路線につきましては、平成二十四年に木密地域不燃化十年プロジェクトを策定した後、既に事業中の区間を除きまして、順次、事業認可を取得してきました。平成二十七年には、全区間を事業化しております。
木造住宅密集地域における用地取得に当たりましては、居住者の高齢化による建て替え意欲の低下や、借地借家人が多く権利関係が複雑であることなどの課題があり、民間事業者のノウハウを活用した相談窓口を設置するなど、関係権利者の生活再建をきめ細やかに支援してきております。
また、用地を確保した箇所から順次工事に着手し、事業効果の早期発現に努めてございます。
引き続き、関係権利者に丁寧に対応し、理解と協力を得ながら着実に事業を進めてまいります。
○曽根委員 二年前に改定されました防災都市づくり推進計画で、全体の用地取得率四七%というふうに載っておりまして、本委員会の資料の二十四路線、平均しますと、私の計算ですが、六二・八%。ですから、ある程度進んだことは事実ですが、延長した事業期間も、このとき延長をかけて五年延長したんですが、二〇二五年度末というところまで、あと三年半しかありません。期限内に全線で整備完了は困難です。
住民訴訟裁判が終結することも、この期間にはあり得ないと思います。しかも、さらなる期限延長は、都の信頼性と事業の実効性を疑わせるものになります。
先ほど答弁で、木密地域の用地取得に課題があり、相談窓口で生活再建を支援と、ここに手間がかかるという趣旨がありましたけれども、実態とかなりずれていると思います。遅れている路線の大半は、権利者の生活再建のみならず、道路周辺住民の生活や営業、安全や防災や環境にかなり致命的な影響が出ると。つまり、道路整備の後に地元に残された方々の問題が残ってしまう。道路整備に正当性がやはり見えないからなんです。でなければ、大挙して手間のかかる裁判まで立ち上がるなんていうようなことはあり得ません。
今回、正当性がない道路整備の典型として、北区、私の地元の赤羽西区間で事業を行っております補助八六号線について何点かお聞きしたいと思います。
八六号線というのは、赤羽駅の西口南側から西に向かって延長距離で千百五十メーター、西が丘の国立サッカー場の前まで、そこで補助八五号線という都道に接続する道路計画ですけど、全体が三つの部分に分かれていて、赤羽駅のすぐそばから、昔の太田道灌由来の山城の跡を、下をトンネルで抜けます。それが約四百メートル。その後に、通称弁天通りといわれる区道を両側に拡幅する部分がやはり四百メートル程度。その先に、さらに、元自衛隊駐屯地跡の自然観察公園と隣のスポーツ公園の間の草地を抜けるという道路計画。その三か所で大きな問題を抱えています。
既に六年前に六建の担当者から、この三つの問題、トンネルの構造をどうするのか。それから、自然観察公園の北区最大の湧き水がある、それから地下水が多い、この対策はどうするのか。そして三つ目に、通称弁天通りといわれる区道の拡幅による道路設計、低地で、かつて非常に湿地帯だったところに道路があるものですから、大きな道路を造ると水問題が出るわけです。いずれも極めて難しい課題だということを担当者からお聞きしていますが、六年かかっていまだに設計が決まりません。工事が技術的に困難過ぎるからではないかというふうに思います。
都として、八六号線の現在の検討状況についてどう捉えているか、お聞きします。
○砂田道路計画担当部長 補助第八六号線の赤羽西地区につきましては、赤羽駅西口付近から都道本郷赤羽線に至る幅員二十メートル、片側一車線、約一・二キロメートルの都市計画道路でございます。六七%の用地を取得しておりまして、一部の区間におきましては、事業用地を活用した暫定的な歩行者の通行空間を整備しております。
現在、本格的な工事実施に向けまして、道路の予備設計や周辺の地下水調査などを進めながら、関係機関との協議を行っております。
○曽根委員 その関係機関との協議というのは、主には道路の設計を委託している会社なんですけど、ずうっと打合せを繰り返して、関係書類は裁判で問題になりましたが、何年かかっても結論が出ないんです。道路構造も、しかも、トンネルを横から掘るのか、上から掘り割りを掘るのかさえ決まっていないと。
特に問題が大きいのは、赤羽西の地域全体の日常生活に影響を与える、通称弁天通りという区道の拡幅と、それから、そこの後に造る大型道路を盛土をして、かなりの高さを造っていかないと、自然観察公園の方に接続しないという。このために周辺の生活道路との交差が立体になって、極めて不便になりかねない。新たな土地買収が必要な場合も私はあるんじゃないかと思う。
なぜ十年たっても設計を決められないのか、検討状況はどうなっているんでしょうか。
○砂田道路計画担当部長 副委員長お話しの当該箇所につきましては、弁天通りを挟みまして、南側が高く、北側が低い地形になってございます。
道路予備設計におきましては、道路本線は南側の地形に沿って基本的な勾配を設定しております。北側につきましては、副道の設置により本線への接続を確保することとしておりまして、関係機関の一つであります交通管理者とも協議を進めております。
○曽根委員 その予備設計段階から前に進んでいないんですけれども、これは赤羽西四丁目という割と限られた地域ですが、今まで平面交差していた生活道路と、いわゆる区道弁天通りが、少なくとも二か所で段差が生じるために、副道で回り込むことが必要になると。車と、そして人の通行が大変手間取ることになります。
しかも、八六号線で公園の方面に道路が広くなった分、向かうことはできますが、七%以上のきつい勾配の坂を上らなければならない。これで災害時の住民の避難ということを考えたら、現状よりはるかに困難になることは明らかであります。
この道路ができても、この地域は交通量が今後増える可能性はほとんどなく、計画道路はどうしても完成させるのか、甚だ疑問であるということを申し上げておきたいと思います。
それから、同じ北区の特定整備路線で、十条の補助七三号線について新たな問題が出ております。
これは、いわゆる区役所通り、補助八五号線との接続部分だけが、今、十条駅前再開発によって開通しています。百五十メーターか二百メーターぐらいです。あと数年でこの開発ビルが完成し、約五百世帯が入居するタワーマンションが完成すると、この十条の駅前にタクシー、商店街の搬入車、それからマンションの新たな居住者の車両が全部ここに集中して、たった一つしかない八五号線との交差点に車が殺到することになるということを地元は大変心配しています。
これはもう再開発の方が先に進んでいますので、間もなく起こってくる問題ですが、この交通渋滞を未然に防ぐために、地元の北区の交通対策に都としても協力連携すべきだと思いますが、七三号線におけるこの取組についての都の対応を伺います。
○砂田道路計画担当部長 補助第七三号線の上十条・十条仲原地区は、東京家政大学付近から環状第七号線に至る八百九十五メートルの都市計画道路であります。二〇%の用地を取得しておりまして、交差点周辺などで事業用地を活用した暫定的な歩行者の通行空間を整備しております。
補助第七三号線の整備に当たりましては、北区や十条駅西口地区の再開発事業者と調整を図るとともに、交通管理者と協議をしてございます。
なお、十条駅西口再開発事業に伴う交通対策は、施行者である十条駅西口地区市街地再開発事業者において関係機関と調整を行い、適切に対応しているものと聞いております。
特定整備路線の整備につきましては、地域の防災性向上に極めて効果が高い事業であります。引き続き、地元の理解と協力を得ながら、着実に事業を推進してまいります。
○曽根委員 現在、交通の地元の責任者は北区になると思いますが、または再開発の事業者ですけれども、これらは都の主導で推進してきた、例えば十条駅前再開発事業、補助七三号線、そして、接続する補助八五号線は十条駅立体交差化事業に伴う拡幅問題があり、この十条駅付近に一気に開発を進めてきた東京都の責任は、これはもう計り知れない問題です。
再開発は進んだけれども、道路整備は商店街などの強い反対で進んでいませんから、十条駅の自動車交通が交差点一か所に集中するという事態になります。これは間違いなく起きてきます。十条駅のまちづくりには都が大きな責任を負っているということを申し上げておきたいと思います。
今、首都直下地震の新たな被害想定に基づいて、地域防災計画の見直しの中で、とにかくこれまで延焼遮断帯形成を理由に、大型道路最優先だった木密十年プロジェクトが終了して、今後、例えば二〇〇〇年耐震基準以前の建物への耐震補強支援の促進など、新たな防災の施策の重点化が迫られてきております。
特定整備路線で整備困難な区間の抜本的な見直しも、私は求められてくると思います。これまでのいきさつを置いて、今、都民の暮らしと安全を守る施策に抜本的な変更を行うよう強く求めて、私の質問を終わりたいと思います。
○渋谷委員 それでは、まず、北多摩の道路整備についてを伺います。
道路は都市の骨格を形成し、防災機能の強化にも寄与する極めて重要な都市基盤施設です。都内の都市計画道路の整備状況は、令和二年三月現在で、区部が完成率六五・八%、多摩地域は六二%となっており、やや多摩地域が低い状況です。
しかし、新しい多摩の振興プランによると、清瀬市、東久留米市、小平市、東村山市、西東京市で構成された北多摩北部エリアについては三九・二%と最も低く、大いに遅れているといわざるを得ません。
そこで、北多摩北部エリアにおける都市計画道路の現在の取組についてを伺います。
○湯川道路建設部長 北多摩北部エリアでございますけれども、百九十八キロメートルの都市計画道路が計画されておりまして、このうち令和二年度末現在で完成延長は七十八キロメートル、完成率は三九・三%となってございます。
都では、地元市等と連携いたしまして計画的に都市計画道路の事業化に取り組んでおり、現在、多摩南北主要五路線の一つである東村山三・三・八号府中所沢線や東村山三・四・一五の二号新東京所沢線、東村山三・四・一一号線など、全体の一三%に当たる約二十五キロメートルで都と地元市が整備を進めているところでございます。
○渋谷委員 北多摩北部エリアの取組状況についてを答弁いただきました。
次に、ただいまの答弁にもありました新東京所沢線について伺います。
新東京所沢線は、区部の放射第七号線とつながり、区部と多摩地域、そして埼玉県につながる重要な路線です。既に埼玉県所沢市側の工事が完了しており、東京都側の工事が現在進められていますが、早期の開通が望まれています。
そこで、都が現在整備を進めている新東京所沢線の清瀬、東久留米市内の現状と今後の取組についてを伺います。
○湯川道路建設部長 新東京所沢線は、埼玉県区間を含め約五・四キロメートルで事業を実施しておりまして、このうち都では、清瀬市、東久留米市、両市内におきまして約三・五キロメートルで事業中でございます。
現在、清瀬市内の新小金井街道から所沢市境までの約一・六キロメートルの区間では、令和四年九月末時点で約九九%の用地を取得しており、本年三月には、清瀬橋の架け替え工事が完了し、引き続き街路築造工事等を実施してまいります。
また、清瀬市内の残る区間と東久留米市内の区間を合わせた約一・九キロメートルでは約四六%の用地を取得しておりまして、この数字は令和三年度末時点から七ポイント増加してございます。
今後とも、地元の理解と協力を得ながら、着実に事業を推進してまいります。
○渋谷委員 次に、既存の道路における歩道整備や維持管理について伺います。
私の地元の東久留米市においては、東西に所沢街道、南北に小金井街道が通っており、道路は市民の生活を支える最も身近なインフラです。
そのうち所沢街道については、交通量が多いにもかかわらず、歩道が整備されていない箇所があります。
私は、今年の第一回定例会で、市民の安全を確保するため、こうした箇所における歩道整備を早期に進めるべきと要望したところです。
そこで、所沢街道の南町から八幡町における歩道整備の取組状況について伺います。
○斉藤道路保全担当部長 東久留米市内の所沢街道のうち、歩道整備に未着手であった南町四丁目から八幡町二丁目の一・三キロメートルの区間につきましては、調査や設計などを実施し、交通管理者との協議が完了したため、来月、事業概要及び現況測量説明会を実施する予定であります。
引き続き、市と連携し、地元の理解と協力を得ながら、歩道整備を積極的に推進してまいります。
○渋谷委員 説明会の開催は、整備に向けた重要な一歩と考えます。引き続き、市民に対して丁寧な説明を行いながら、着実に進めていただきたいと思います。
次に、都道における路面の維持管理状況について伺います。
都はこれまでにも、所沢街道等をはじめ都道を適切に維持管理し、沿道環境の保全に努めていますが、時折、振動等、都道の補修を求める要望が寄せられます。道路の維持管理を適正に実施し、路面の健全性を常に確保しておくべきと考えます。
そこで、路面の維持管理や補修についてどのように取り組んでいるのか伺います。
○斉藤道路保全担当部長 都道の維持管理につきましては、道路を常に良好な状態に保ち、安全な通行を確保するために、日常的な巡回点検により道路の状況を的確に把握し、必要な維持工事を実施しております。
さらに、路面の補修は、道路のひび割れやわだち掘れの発生状況等を調べる定期的な路面性状調査等に基づき、計画的に路面補修工事を実施しております。
所沢街道では、今年度、東久留米市南町付近など二か所で路面補修工事を実施いたします。
今後とも、道路利用者の安全、快適性を確保するとともに、沿道環境の保全に努めてまいります。
○渋谷委員 引き続き、適正に維持管理を実施していただきまして、沿道環境の整備に努めていただきたいと考えます。
柳瀬川及び空堀川の整備についてを伺います。
今年も全国各地で水害が発生いたしましたが、近年の豪雨は激甚化、頻発化しており、水害対策は喫緊の課題です。
私の地元柳瀬川においても、令和元年台風十九号により溢水被害が発生しており、河川整備を一層推進する必要があります。
そこでまず、柳瀬川の整備状況についてを伺います。
○齊藤河川部長 柳瀬川は、都県境を流れる一級河川で、埼玉県と施行区間を分担しておりまして、現在、都施行区間五・六キロメートルのうち、関越自動車道から空堀川合流点付近までの下流部区間約三・八キロメートルで護岸整備を進めております。
令和三年度末に旧清瀬橋の架け替え等を行ったことによりまして、金山調節池から空堀川合流点付近までの約二・四キロメートルで整備が完了いたしました。
今後の関越自動車道から金山調節池までの護岸整備につきましては、下流に位置いたします埼玉県施行区間の進捗に合わせて実施いたします。
○渋谷委員 昨年度末に金山調節池から空堀川合流点付近までの整備が完了したことを確認させていただきました。
また、旧清瀬橋の架け替えの完了は、空堀川の付け替えなどの約二十年にわたる大治水工事を都と地元が一丸となって進めてきた集大成であり、私が地元市議時代から注視してきた事業で、非常に感慨深く思います。
その旧清瀬橋付近は、蛇行した柳瀬川の直線化に併せて、空堀川の合流点を上流に移すことで新たに河川敷が生まれ、そこへ公園のような地元市民が憩える空間をつくろうと、都や地元市、地元市民、環境団体などが懇談会において一緒に議論し、検討してきたところだと記憶しています。
そこで、旧清瀬橋付近の河川敷の整備状況についてを伺います。
○齊藤河川部長 旧清瀬橋付近の河川敷は、蛇行する柳瀬川の直線化などにより生み出された約〇・五ヘクタールの敷地でございます。
当該地につきましては、都や清瀬市、地元住民などで構成される懇談会での検討を踏まえ、旧清瀬橋の架け替えと併せて広場やせせらぎ水路、散策路などの整備を実施し、令和三年度末に完成いたしました。
現在、清瀬橋親水公園として市民の憩いの場となっております。
○渋谷委員 長年待ち続けた市民が憩える広場が完成したことを非常にうれしく思います。
さて、先ほどもありました合流点から上流の空堀川について質問をいたします。
多摩北部を流れる空堀川は、特に降雨が少なくなる冬場において河川の水量が極めて少なくなり、地元の皆様から水量の確保など多くのご意見をいただいております。
そこで、空堀川における水量確保の取組についてを伺います。
○齊藤河川部長 空堀川は、武蔵村山市の都立野山北・六道山公園を源とした河川で、流域全体で湧水などの供給量が少なく、川底から水が浸透しやすいことから、平常時に水量が少ない状況にあります。このため、近隣の工場の処理水やJR武蔵野線のトンネル内の地下水を空堀川に受け入れ、できる限り水量を確保しております。
また、整備に当たりましては、河床に粘土層を設け、水を浸透しにくくする対策を行っており、令和四年度は、清瀬市内の薬師橋付近など五か所で工事を実施いたします。
引き続き、こうした取組を進めることで、空堀川の水量確保を図ってまいります。
○渋谷委員 空堀川における水量確保の取組を確認させていただきました。水量を確保し、川の生態系が復活するよう、引き続きの一層の取組をお願いいたします。
近年は、空堀川を含む柳瀬川流域は浸水被害も発生しており、引き続きの護岸整備などを着実に進め、流域のさらなる治水安全度の向上をお願いいたしまして、私の質問を終わります。
○里吉委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○里吉委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
以上で建設局関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後七時十四分散会
Copyright © 1999
Tokyo Metropolitan Assembly All Rights Reserved.