環境・建設委員会速記録第四号

令和四年三月十五日(火曜日)
第九委員会室
午後一時開議
出席委員 十二名
委員長曽根はじめ君
副委員長須山たかし君
副委員長里吉 ゆみ君
理事田村 利光君
理事関野たかなり君
理事加藤 雅之君
北口つよし君
漢人あきこ君
鈴木  純君
星  大輔君
原  純子君
伊藤 ゆう君

欠席委員 二名

出席説明員
建設局局長中島 高志君
次長須藤  栄君
道路監奥山 宏二君
総務部長小林 忠雄君
用地部長山本  明君
道路管理部長前田  豊君
道路建設部長花井 徹夫君
三環状道路整備推進部長福島 眞司君
公園緑地部長植村 敦子君
河川部長齊藤 俊之君
企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務湯川 雅史君
道路保全担当部長村上 清徳君
無電柱化推進担当部長福永 太平君
道路計画担当部長原島 孝至君
公園計画担当部長根来 千秋君

本日の会議に付した事件
建設局関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 令和四年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為
建設局所管分
付託議案の審査(質疑)
・第八十四号議案 東京都河川流水占用料等徴収条例の一部を改正する条例
・第八十五号議案 東京都霊園条例の一部を改正する条例
・第八十六号議案 東京都葬儀所条例の一部を改正する条例
・第百三号議案 令和四年度の連続立体交差事業の実施に伴う費用の関係特別区・市の負担について
・第百五号議案 都道の路線の認定及び廃止について

○曽根委員長 ただいまから環境・建設委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、建設局関係の予算の調査及び付託議案の審査を行います。
 これより建設局関係に入ります。
 予算の調査及び付託議案の審査を行います。
 第一号議案、令和四年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為、建設局所管分、第八十四号議案から第八十六号議案まで、第百三号議案及び第百五号議案を一括して議題といたします。
 本案につきましては、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○小林総務部長 去る二月十四日の当委員会において要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
 お手元の環境・建設委員会要求資料をご覧ください。
 表紙をおめくりいただきますと、目次に九件の資料の件名が記載してございます。
 一ページをお開き願います。1、建設局の事業別予算・決算額の推移でございます。
 この表は、骨格幹線道路など建設局の主な事業につきまして、平成二十五年度から令和二年度までの予算額と決算額、令和三年度予算額及び令和四年度予算案の額を表したものでございます。
 二ページをお開きください。2、道路橋梁費における事業別財源内訳でございます。
 この表は、令和四年度予算案における道路橋梁費につきまして、それぞれ事業別に事業費及び国庫支出金などの財源内訳を表したものでございます。
 三ページをご覧ください。3、直轄事業負担金の推移でございます。
 この表は、直轄事業負担金につきまして、平成二十五年度から令和二年度までの決算額、令和三年度当初予算額、令和四年度予算案の額及び各年度の主な事業箇所を表したものでございます。
 四ページをお開き願います。4、建設局に係る中小企業への工事発注実績でございます。
 この表は、建設局が中小企業へ発注した工事につきまして、平成二十四年度から令和三年度までの発注件数、発注率及び金額を表したものでございます。
 なお、令和三年度につきましては、十二月三十一日現在の数値でございます。
 五ページをご覧ください。5、建設局発注工事における事業別入札不調件数及び発生率でございます。
 この表は、建設局が発注した工事につきまして、令和元年度から令和三年度までの入札不調件数及び発生率をそれぞれ事業別に表したものでございます。
 令和三年度につきましては、十二月三十一日現在の数値でございます。
 六ページをお開き願います。6、骨格幹線・地域幹線道路の計画概要と進捗状況でございます。
 六ページから一〇ページの表は骨格幹線道路について、一一ページから一六ページまでの表は地域幹線道路につきまして、それぞれ整備計画の概要と進捗状況及び用地取得率を路線別に表したものでございます。
 一七ページをご覧ください。7、特定整備路線の進捗状況(建設局施行)でございます。
 この表は、建設局が施行する特定整備路線につきまして、令和三年十二月末現在の境界立会い率及び用地取得率を路線別に表したものでございます。
 一八ページをお開き願います。次の一九ページにかけて、8、都市計画道路小金井三・四・一一号線外に関する「地域の安全性向上」についての根拠資料でございます。
 生活道路への通過交通の進入及び生活道路の通過交通に関する状況調査について、現在の状況や課題などを表したものでございます。
 最後に、二〇ページをご覧ください。9、西部公園緑地事務所の建替えに関する庁内での検討及び住民・関係団体に対する説明の経過でございます。
 庁内での検討、住民に対する説明の経過及び関係団体に対する説明の経過につきまして表したものでございます。
 以上で要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○曽根委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本案に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○田村委員 私からは、まず、山岳道路の防災力向上について伺います。
 近年、自然災害は頻発化、激甚化する傾向にあるといわれています。令和元年には東日本台風により、奥多摩町で二十四時間に五百ミリを超える大雨が降り、日原地区へつながる都道が流出して通行止めとなり、車両が通行できるようになるまでに約七か月を要し、地域住民の生活に大きな影響が生じました。
 昨年七月には、崩落の引き金となるような降雨や地震などがない中、奥多摩町の国道四一一号で突然土砂崩れが発生し、地域住民の生活を支える重要な道路が十日間通行止めとなったため、住民は通勤や通院などで大幅な迂回を強いられました。
 昨年の環境・建設委員会の事務事業質疑で私は、激甚化する自然災害に対し、集落の孤立等を未然に防止するためには、生活や物流への影響が大きい路線などについて、大雨や河川の増水なども想定した対策も必要であり、さらなる山岳道路の防災力向上に精力的に取り組んでほしいと意見を申し上げました。
 本定例会の施政方針で知事は、地域住民の生命線である山岳道路では、優先的に対策する区間を選定し、集落の孤立の未然防止に取り組んでいくことを明らかにしました。
 そこで、山岳道路のさらなる防災力向上に向け、どのような対策に取り組んでいくのか伺います。

○村上道路保全担当部長 山岳道路の管理では、定期点検などにより斜面状況を把握し、緊急度の高い斜面から、のり枠や落石防護柵等を計画的に整備しております。
 来年度からは、災害時に迂回路がない箇所などの新たな視点を加え、優先的に対策を講じる区間を選定し、通行機能の確保を主眼とした対策を進めることとしました。
 具体的には、これまでの取組に加え、河川増水時に道路流出を防ぐ擁壁の強化や、渓流から道路への土砂流入を抑制する施設の整備等を実施します。
 令和四年度は、奥多摩町の国道四一一号など三区間で対策に着手いたします。

○田村委員 私の地元西多摩地域の都道は、急峻な地形のため河川に沿って都道が整備されている箇所があります。これらは、地域にとってまさに生命線ともなる重要な道路で、一たび甚大な被害が発生すると、代替となる道路がないため、集落の孤立など、地域住民の生活に多大な影響を与えることになります。
 過去の災害の教訓を踏まえ、強靱化を進めていくとのことですので、ぜひとも効果的な対策を行っていただき、地域住民が安心して暮らせるよう取り組んでほしいと思います。
 山岳道路の防災機能を確保し、災害に強い道路としていくためには、対策を着実に行うとともに、斜面の点検の精度を高めていくことが重要です。
 都は、昨年の事務事業質疑での私の質問に対し、今後は新たな技術も活用して、山岳道路のさらなる防災力向上に努めると答弁しました。
 そこで、山岳道路の斜面の点検における新たな技術を活用した取組について伺います。

○村上道路保全担当部長 昨年の国道四一一号における斜面崩落は、岩盤の風化が進行しやすい地形で発生しました。
 これまでは、航空写真を基に現場踏査を行い斜面の状況を把握してきましたが、航空写真の撮影の際に樹木等が支障となるため、地形の詳細な把握が困難でありました。
 このため、都は、斜面の点検に新たに航空レーザー測量を導入し、樹木などを含まない三次元点群データにより地形を立体的に把握することで、より効果的に対策を講じることとしました。
 現在、斜面崩落箇所を含む奥多摩湖沿いの約百三十斜面で先行してレーザー測量に取り組んでおります。
 令和四年度は、山岳道路のその他の斜面についても詳細な地形把握に取り組んでまいります。

○田村委員 都は、これまで実施してきた災害防除事業に加え、道路の強靱化や新たな技術も活用した点検の実施など、山岳道路のさらなる安全・安心の確保に取り組むことが分かりました。
 しかし、都民の生命、財産を守るためには、近年の集中豪雨等、激甚化する自然災害への備えとして、既存道路の代替となる道路整備に取り組むことも重要です。
 とりわけ我が党は、これまでも多摩川南岸道路の整備について、議会の場でも繰り返し要望してまいりましたが、西多摩山間地域の幹線道路である国道四一一号のバイパス機能を担う多摩川南岸道路の全線整備が必要であります。
 多摩川南岸道路の残る区間の丹三郎工区は、急峻な地形である奥多摩町棚沢から丹三郎までをトンネルや橋梁で結ぶ延長約一・九キロの区間で完成すると、既に開通した約五・一キロと合わせ、全長七キロでダブルルートが確保されます。
 そこで、多摩川南岸道路の今後の取組について伺います。

○花井道路建設部長 多摩川南岸道路の丹三郎工区では、現在、用地測量をしており、令和四年度から用地取得に着手いたします。
 今後とも、防災性向上などに寄与する多摩川南岸道路の全線整備に向けまして、着実に取り組んでまいります。

○田村委員 ぜひとも、多摩川南岸道路の丹三郎工区の整備を推進していただきたいと思います。
 西多摩地域の住民の生命と財産を守るためには、既存道路の強靱化はもとより、万が一に備え、ダブルルート化が必要です。
 そこで、西多摩地域の道路の強靱化に向けた局長の決意を伺います。

○中島建設局長 西多摩地域では、人の移動や物資の輸送の多くを道路が担っており、主要道路である都道は、地域住民の日常生活を支え、産業、経済、文化などの活動や振興にとって大変重要な都市基盤となっております。
 とりわけ災害時においても、こうした機能を維持し、集落が孤立化しないようにすることが必要でございます。
 このため、点検により道路の状況が危険と判断された場合には緊急処置を実施するなど、災害時の避難、救援活動の生命線となる既存道路の適切な維持管理を行いますとともに、多摩川南岸道路のダブルルート化を進めるなど、道路の強靱化を図ることが極めて重要でございます。
 西多摩地域に暮らす都民の生命、財産を守るため、今後ともこの地域の道路の管理に万全を期すとともに、防災力向上に資する道路整備に全力で取り組んでまいります。

○田村委員 今後とも多角的な視点での山岳道路の管理や、防災力向上に資する道路整備に着実に取り組んでいただくことを要望しまして、私の質問を終わります。

○伊藤委員 都民ファーストの会の伊藤ゆうです。
 令和四年度予算案に対する質疑をさせていただきたいと思います。
 まず、近年激甚化する豪雨災害対策についてお伺いしたいと思います。
 私の地元も、とりわけて中目黒や、また目黒駅周辺に流れております目黒川、この二、三十年前までは、毎回豪雨になりますと、溢水の大きな被害を生んできておりました。ある意味、毎年のように溢水するために、地元の皆様としては、ある季節が来ると心構えをするほどだったということでもあります。
 しかし、その後、東京都の方で調節池の整備を、船入場の調節池、あるいはまた五反田にある荏原の調節池をつくっていただきまして、この二つの大きな調節池の効果というものが存分にこの間発揮されまして、少なくても私が知る限り、十数年間、溢水の被害は生じておりませんが、先般の東日本台風においては、あと二十センチというところまで目黒川の水位が上がってきたということもございました。
 また、目黒川ではありませんが、呑川というのが、目黒区でいうと自由が丘とか緑が丘周辺を流れているんですけれども、そこにおいては、三年前だったと思いますけれども、やはりゲリラ豪雨の被害が生じまして、あふれ返ってきてしまって、そして、ここは雨水だけではありませんので、甚大な被害が周辺住民にもたらされたということもありました。
 いずれにしても、目黒川については、東京都の皆様方の大変なご尽力のおかげさまで、二つの調節池の効果が発揮されて、現在では一定程度の水位で何とか難を逃れているという状況でございます。
 しかし、先ほど申し上げたように、五十ミリ対応だったものをやはり七十五ミリ対応にしていかないと、これからいつ水害被害が起きるとも限りません。
 そこで、四年ほど前から何度となく、また小池知事に対しても、目黒川における新しい調節池の整備というものを予算要望、あるいはまた政策要望させていただいてまいりました。
 結果、先般、検討予算がつき、そしてまた今般の予算案では、目黒川流域の新規調節池に二億円ということで予算計上されたことを改めて感謝したいと思いますし、高く評価をいたしたいと思います。
 そこでまず、今般つきました目黒川流域の新たな調節池の予算計上とともに、その調節池の特徴と、そして令和四年度の都としての取組についてお伺いしたいと思います。

○齊藤河川部長 本調節池は、年超過確率二十分の一、時間最大七十五ミリの降雨に対応するために整備するものであり、目黒川流域河川整備計画に位置づけました上流の北沢川など三支川の調節池を環状七号線の地下を活用し、トンネル式で一体的に整備する貯留量約四十七万立方メートルの調節池でございます。
 令和四年度は、工法や構造の比較検討などを行う基本設計に着手いたしますとともに、関係機関との協議等を実施してまいります。

○伊藤委員 環七の地下ということで、トンネル式で整備をしていただく計画になっているということがよく分かりました。
 というのも、五反田や、また船入場の調節池においては、川沿いにあった、まさにもともと船入り場だったようなまあ公園ですかね、公園の地下に大きな調節池を掘ってつくっていただいた経緯がありますけれども、一方で、今回は目黒川の中でも、いわゆる蛇崩川とか上流域につくっていただくということで、なかなか適当な公園用地というものがあるわけでもなかろうという中で、まさに苦肉の策というか、本当にお知恵を絞っていただいて、環状七号線の地下を活用してトンネル式でつくっていただくということについても、本当に様々ご検討いただいた結果として、高く評価をさせていただきたいというふうに思います。
 この貯留量四十七万立方メートルというと、神田川・環状七号線地下調節池に匹敵する規模の調節池を整備されるということであって、治水効果も非常に高いものであると期待をするところであります。
 都は、「未来の東京」戦略において、今までに経験のない台風や豪雨に対して、都民の生命と安全が確保され、犠牲者を伝える災害ニュースが流れないことを二〇四〇年代の未来の姿として設定をされています。こうした未来像を実現するため、都は、ほかの流域においても調節池の整備を加速し、水害対策を強力に推進するべきであります。
 先ほど、目黒川流域の上流三支川に計画されている調節池を環状七号線の地下にトンネル式で一体的に整備するという答弁がございました。このほかにも、整備中の城北中央公園調節池などは、都立公園を活用し整備を推進していると聞いております。
 川沿いに大規模施設を整備する適地が限られる中で、調節池の早期整備を実現していくためには、先ほども触れた公共用地をより一層有効に活用し、工夫をしながら進めていくことが重要であると考えます。
 そこで、調節池の整備を通じて水害対策を今後とも行っていく局長の決意を伺いたいと思います。

○中島建設局長 激甚化、頻発化する豪雨から都民の命と暮らしを守るためには、護岸の整備と併せて調節池の整備を推進していくことが重要でございます。
 都は、昭和四十年代から調節池の整備を進めておりまして、現在二十八か所、総容量二百六十三万立方メートル分を稼働してございます。
 こうした調節池の整備は、令和元年東日本台風の際に、神田川・環状七号線地下調節池により、下流の中野区内において、推定で最大約一・五メートル水位を低下させ、溢水を未然防止するなど、浸水被害の軽減に大きな効果を発揮しております。
 都は、引き続き調節池の整備に取り組んでおり、令和四年度は八か所で工事、五か所で設計を実施いたします。
 さらに、風水害への備えとして、最優先で調節池の整備を加速するため、新たな調節池の事業化に向けた検討を進めてまいります。
 整備効果の早期発現に向けまして、道路や公園等の公共用地を効果的に活用するなど、道、水、緑の連携により調節池整備を一層推進し、水害に強いセーフシティを実現してまいります。

○伊藤委員 力強い答弁をいただきました。一層の推進をお願いしたいと思います。
 一千年以上ぐらい前から、日本で政なるものが形づくられたというか、芽生えてからこの間、常に為政者の政、すなわち政治の一番の仕事はやっぱり治水だと思います。これは戦国時代なんかもそうですけど、治水のできない武将はことごとく、少なくてもその領地において、住民からの支持を得ることなく衰退していったという歴史もあるし、また逆にいえば、治水がしっかりしていると、農作物も含めて国力が強くなっていくという意味においては、私は政治は治水だと思っております。
 そういう意味で、ハード整備をすると何かと反対される会派の方もいらっしゃいますけれども、やはり政治家の仕事は生命と財産を守っていくということに尽きますので、ここは必要なものはしっかり建設局の皆さん、意を固めて推進していただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 続いて、私の地元の目黒区、そしてまた品川区にまたがっております林試の森公園について伺いたいと思います。
 これもやはり三、四年前から、私がずっと林試の森公園改革といって、ちょうど国家公務員住宅を接収するというのかな、売却されたものを都が買って、今拡幅していく、拡張していくさなかにある林試の森公園でありますので、ここをより憩いの場となるように、この間も私もタウンミーティングを開いたりして、要望をまとめ、都には何度も提案をさせていただいているところでございます。
 ただ、一方で、この林試の森公園に隣接している国家公務員住宅からアスベストが発見をされたことにより、撤去が遅れていると聞いております。
 まず、その撤去工事の状況について伺いたいと思います。また、かねてから要望しているこの林試の森公園の中に災害拠点施設、これを災害のときは災害拠点施設として使い、そして平時においてはカフェとして皆さんが憩える空間として使えるように、新たに整備していただきたいということをお願いしてまいりました。この拡張予定区域の整備に向けた取組について伺いたいと思います。

○根来公園計画担当部長 拡張整備を予定している国家公務員宿舎の区域につきましては、国が建物の一部を解体することとしております。建物にアスベストが確認されたため、スケジュールに変更が生じていましたが、令和四年一月に工事着手され、令和五年一月末に完了する予定と聞いております。
 その後、都は用地を取得いたしまして、にぎわいのある広場空間や、多目的に使える草地広場を整備するとともに、防災拠点となるカフェ等を設置するなど、林試の森公園の拡張整備に取り組んでまいります。

○伊藤委員 アスベストが確認をされたことによって、特に今、アスベストの被害がこれだけ各地で発生したこともあり、丁寧な計画と、そしてまた除去工事というものが求められていると思います。
 ゆえに、今ご答弁にあったように、計画を練るまでにもこれまで時間がかかったし、そしてまた工事も一年程度かかるということですので、全体に、災害拠点施設となるような、そのカフェの設置も後ろ倒しにならざるを得ないんだろうと、このように承知をいたしましたが、いつ災害が起こるとも限りませんので、ここはぜひ、今のお話からすると、一年たって初めてアスベストが除去されて、そこから整備をしてということなので、私の想像では四年とか五年とか、これからまだカフェが設置されるまでにかかっていくんだろうというふうに思いますが、やはり早期の整備ができるように、ぜひ皆様にはご尽力を改めてお願いしたいと思います。
 なお、この林試の森公園というのはちょっと特殊な公園でございまして、建設局の皆さんはご承知だと思いますけれども、もともとは農林水産省さんが持っていらっしゃった公園です。
 公園というよりは、まさに林試といって、いろんな木や、あるいは林の育成というものを試験的に試す場所ということでございましたので、本当に住宅密集街の中に陸の孤島のように公園がぽんと、しかも本当に森に包まれた公園がそこに出現をするような、そんな光景になっているんですけれども、この林試の森公園については、そういった地歴というか由来がございますので、地域の皆様もこの森の維持、あるいは生態系、生物多様性ということに対しては非常に関心を高く持っていらっしゃいます。一方で、より憩える空間にしてほしいというお声もあり、この辺の調和を図っていく必要があります。
 そういう意味では、拡張区域の整備を進める際には、ぜひ近隣住民に丁寧に説明をしていくべきと考えますが、都の所見を伺いたいと思います。

○根来公園計画担当部長 令和四年度着手する北西側の拡張区域のエントランス整備につきましては、工事説明会に先立ち、指定管理者が開催するパークミーティングなども活用し、都は、地域住民や団体など、地元への説明を丁寧に行っております。
 今後の拡張区域の整備におきましても、パークミーティングを通じて地元との意見交換を行うなど、地域の方々の理解を得ながら、地域に親しまれる公園づくりを進めてまいります。

○伊藤委員 本当に熱心に、林試の森公園に限らず、例えばうちの周辺でいうと、都立のオリンピック公園である駒沢公園などもよく手入れをしていただいて、多くの方々に親しまれています。
 一方で、時々声を耳にいたしますのは、区立の公園整備をしたり、あるいは改修工事をするときには、随分地域の皆さんの声を聞いてくれるんだけど、なかなか都立公園は大きいせいか、改修工事されて、気づかないうちに、例えば親しんでいたようなスポーツ種目の空間がなくなっちゃったとか、そういうお声を時々聞きますので、なかなか行政規模も違いますし、住民との距離感というのは違うんだと思うんですけれども、ぜひ、区立の公園と都立の公園、住民からすると変わりありませんので、整備に当たって、区の取っているようなそうしたコミュニケーションというのを参考にしていただきたいなというふうに思います。
 実は、目黒区内に菅刈公園という公園がございまして、ここは目黒区でいうと青葉台というところですけれども、代官山と中目黒のちょうど間ぐらいにあるというすばらしい立地にある公園であります。
 その割に、鎗ヶ崎の交差点から下りてきたところ一面そうなんですけれども、結構大きな公園になっていまして、ここは目黒区が当時、公園として改めて整備するに当たって、直営ではなくて委託で、地元の住区住民会議の皆様や、あるいはNPO団体の皆さんに入っていただいて、そこに公園整備をお願いしたといういきさつがあって、もう二十年ぐらいたつんじゃないかと思います。
 この二十年の間に、隣接する菅刈小学校と協同いたしまして、子供たちが田植を行ったり、あるいは公園の中に茶室をつくりまして、その茶室からまたきれいに整備された公園の借景というのか、自分の土地ですから公園の中の景色ですけれども、子供たちがその景色を楽しみながらお茶をたてて、そして地域の住民の人たちにお茶を振る舞うというような事業もされております。
 そうしたことによって、浄水のろ過器から、あるいは放水器まで含めて、随分地元の方々が工夫をされて、持続可能な、そして美しくて憩える公園を自らの手で整備されております。
 もちろん、一定程度は目黒区からお金をお支払いして、委託をしてやってもらっているんですけれども、非常にいい取組だなと思って、多くの方々がやっぱり自分の手で育てていく公園ということで、愛着を持って公園に接せられております。
 そこで、林試の森公園の管理について伺いたいと思いますが、公園の管理に当たって、なかなかこれも都立公園は大きいので大変だと思うんですけれども、ボランティア団体や、そうしたNPO法人など、地域住民の方々を少しでも巻き込んで、そして住民と一緒につくる公園というものを目指していくべきと考えますが、この林試の森公園における住民参加の取組について伺いたいと思います。

○植村公園緑地部長 都立公園では、様々なボランティア団体が清掃活動をはじめ、花壇づくりや庭園ガイドなどの活動を行っております。
 林試の森公園におきましては、花壇づくりなどのボランティア団体、子育て支援に関わるNPOが活動しておりまして、指定管理者は、日常的な協力やパークミーティングでの意見交換などを通じて、各団体との連携を深めております。
 また、公園利用者から手軽にボランティア活動がしたいという声を受け、清掃や花壇の水やりなどの活動につきまして、事前の登録が不要で、当日、用具を貸し出すプチボラという仕組みを導入しております。
 今後とも、ボランティア団体やNPOと連携するとともに、近隣住民との協働を進め、地域と密着した魅力ある公園づくりに努めてまいります。

○伊藤委員 お願いいたします。今日はやりませんけれども、ドッグランが駒沢公園にありまして、非常に親しまれています。親しまれているんですが、なかなか、例えばじゃあ、林試の森公園でとか、ほかの都立公園でやるときに、非常に賛成をしてくれる方、あるいはまた近隣にお住まいで、やはりいろんな課題があるので、懸念を示される方と、本当に十人十色というか、千差万別、いろんなご意見がございますよね。ですから、多分、皆さんとしても、いろんな声があるけれども、なかなか整備できないという局面もあるんじゃないかと思います。
 そういった中で、やはり今お話しのような地域住民の方々との公園を通じた交流、こうしたものを通じて意見の合意を図っていくことが、現実はなかなか難しいところはありますけど、理想だと思いますので、ぜひそうした場づくりというのをこれからもお願いしたいと思います。
 次に、公園の事業用地の活用について伺いたいと思います。
 事業用地の利活用事例についてまず伺いたいんですが、都立公園を整備していく過程で取得した事業用地というのがあろうかと思います。例えば、杉並区になりますけれども、善福寺公園といったかな、の周辺も今、公園の拡幅のために、土地が東京都の事業として買い取られているというのかな、整備がどんどん進んでいますけれども、ただ、その整備というか、事業用地を完全に取得するまでの間、どうしてもインターバルができてしまうので、こうした整備までの間、その用地というのは、どのような形で利活用されたことがあるのか伺いたいと思います。

○植村公園緑地部長 都立公園の事業用地につきましては、開園するまでの間は都市公園法が適用されない行政財産でございまして、公園としての用途または目的を妨げない限度において、その使用を許可することができます。
 具体的には、区市が設ける遊び場や公共工事の作業ヤードなど、公共の目的で使用されている事例がございます。

○伊藤委員 コロナ禍で、今みたいな様々な制約があることは承知しているんですけれども、しかし、コロナ禍でテレワークが進む中で、こうした事業用地を新たな活用に用いることができないかと、活用できないかというふうに思っています。
 例えばなんですけれども、そこに建物を建てられちゃったりすると、これは用地買収に逆行するので、そこは難しいというふうに思いますし、なかなか商売として、どっか店舗さんとかに貸すというわけにもいかぬのだろうというふうに思いますが、最近、建物の代わりにコンテナ型の建物というんですかね、分かりやすくいうとカラオケボックスみたいなのもコンテナ型ってあると思うんですが、あれのよく進化したものというのがあって、今やコンテナホテルみたいなものがあって、本当にそれこそ居心地のいい住空間、居住空間というものを形成しているものがございます。
 例えばなんですけれども、簡易に設置できるコンテナ型のオフィスなどを事業用地に設置することで、事業用地をサテライトオフィスの場として活用していくことができないかというふうに思います。
 そこで、都立公園の事業用地をサテライトオフィスの設置場所として活用していくことについての課題を伺いたいと思います。

○植村公園緑地部長 都立公園の事業用地は行政財産であることから、その使用を許可する場合は、国または地方公共団体その他公共団体において、公用または公共用に供するため使用するときなど、東京都公有財産規則で定められた条件に該当することが必要でございます。

○伊藤委員 今、サテライトオフィスの整備を都としても促進をしています。主には、産業労働局の方でおやりになられていますけれども、しかし、特に二十三区などでは、なかなかその用地が適当なところとして見つからないとか、あるいは事業採算性としてなかなか難しいなど様々な課題があって、一定程度増えていますけれども、しかし、頭打っているところもあります。
 特に、公園の事業用地というのもまた住宅街の中にあったりして、非常にいい場所に点在をしているということがあります。これをなかなかさっきいったように民間に貸しっ放しにするというわけにもいかないとは思いますが、今課題をお話しいただいたように、公共が行う場合には、様々、それでも課題はあるようですけれども、一定程度認められるということもありますので、ちょっとこれ、やり方を工夫して、例えば公共が主体となってサテライトオフィスの設置者になるというようなことであれば、空き地として置いておくというよりもはるかに都民のための貢献になるんじゃないかというふうに思いますので、この点については、今後とも課題の整理をしていただきますようにお願いをしたいと思います。
 最後に、ガードレールについて伺いたいと思います。
 今、目黒区内も山手通りとか、あるいは補助四六号線というのが武蔵小山の方とか西小山の方にあるんですけれども、それらの道路においては拡幅の工事であったり、あるいは計画を有しております。
 私は、山手通りなんかはもう今かなり工事が進んできているので、お尻が見えているんでいいんですけれども、とりわけて、例えば四六号線、申し上げた方でいうと、まだ買収が済んでいないというようなこともあって、恐らくはあと五年とか、長いと十年ぐらい、道路整備が完成するまで時間がかかるんだろうというふうに思います。
 これらの工事を行っている間、あるいはまた買収を行っている間のガードレール、どうしてもコンクリの板の上に、白い結構ごついガードレールが断続的に設置されているんですけれども、必ずしもこれは望ましい景観とはいえない状況だと思います。
 まず、仮設ガードレールの設置目的と役割について伺いたいと思います。

○花井道路建設部長 道路の整備に当たりましては、事業中に生じる車線の位置や車線数の変化による交通の流れを整え、通行車両の安全性や走行性を確保するため、交通管理者と協議の上、仮設ガードレールを設置しております。
 仮設ガードレールは、走行中に、走行方向を誤った車両が路外や歩道等に逸脱するのを防ぎますとともに、車両乗員の傷害を最小限にとどめるなど、歩行者や運転者双方の安全確保を目的としております。

○伊藤委員 なので、もちろん安全性の確保が最優先であることは、もう本当にお互いいうまでもないかと思いますが、先ほど申し上げたように、特に十年とかになってくると、ずっと工事現場みたいな状況が家の目の前とか、住み慣れたまち並みに、置きっ放しにされているというといい方は悪いですけど、置きっ放しにされているように見えちゃうんです。
 ですので、何がいいたかったかというと、長期間、仮設ガードレールを設置する場合には、沿道状況に配慮をすべきではないか、つまるところ、景観に配慮しながらガードレールの在り方というのを考えていくべきじゃないかと思いますが、見解を伺いたいと思います。

○花井道路建設部長 現在、都が設置している仮設ガードレールは、交通の切替え時などの移動が容易に行えることや、工事箇所間での転用ができることなどから、コスト面でも優れておりまして、多くの現場で使用しております。
 委員お話しの長期にわたり仮設ガードレールが必要になる場合には、沿道状況や景観に配慮しつつ、その形状や設置方法などについて検討してまいります。

○伊藤委員 常任委員会の中ですので、少し細かなことまで聞きましたが、今、形状や設置方法などについて、景観に配慮して検討していくという画期的な答弁だと思いますので、仮設ガードレールとはいえ、五年も十年もだと、事実上、恒常的なガードレールに近いので、非常に工事現場というような雰囲気ではなしに、やはりまち並みに合ったようなガードレールの在り方というのを検討してもらいたいと思いますし、ぜひ実施していただきたいことをお願いいたしまして、質疑を終わらせていただきます。ありがとうございました。

○北口委員 まず、私からは、水害対策について質問させていただきます。
 近年、激しさを増す豪雨により、毎年のように全国各地で水害が発生しております。先ほどもご指摘ありましたけれども、こうした豪雨から都民を守る切り札として期待されているのが調節池であります。令和元年の台風十九号でも大きな効果を発揮したというふうに聞いております。
 都議会公明党も本事業を昨年の選挙公約、チャレンジエイトの一つに掲げ、整備促進を訴えてまいりました。
 令和四年度の調節池整備には約三百四十億円という多額の予算が計上されており、この予算を使って総容量約百十万立方メートルとなる八か所の整備を進めるとともに、新たな調節池の整備に向けた検討なども進めるというふうに聞いております。
 一方、現在工事を進めている調節池の中には、完成まで十年近い期間を要するものもあります。都民の命と暮らしを守る調節池整備ですが、多額の予算と、完成までに長い期間が必要となります。これを着実に進めていくためには、事業に対する都民の理解と協力を得ることが何よりも大切です。
 そして、そのために重要なのは、少しでも多くの都民の皆様に、実際にこの調節池を見てもらうことだと考えます。
 私も先日、我が党の視察として、環七の地下調節池を見学させていただき、そのスケールを実感するとともに、実際に豪雨対策として有用であることを確認、こうした施設を整備していく必要性を改めて認識をいたしました。
 都は、調節池を広く都民に見てもらう取組を推進すべきと考えますが、そこで、調節池の整備効果などをPRするための取組について、まず伺います。

○齊藤河川部長 都は、調節池整備の必要性や効果を広く都民に周知する取組といたしまして、地元の学校などを対象とした見学会に加え、パンフレットやホームページによる各調節池の紹介、ツイッターによる整備効果の発信などを実施しております。
 令和元年度には、見学する機会を拡大するため、神田川・環状七号線地下調節池におきまして、旅行事業者と連携したインフラツアーによる見学会を実施いたしました。
 実施に当たりましては、土曜日に開催いたしますとともに、事業や施設に精通した職員が説明することで、多くの都民が参加しやすく、分かりやすいものになるようにいたしました。
 令和四年度は、新型コロナウイルス感染症の状況も考慮しながら、規模を拡大して実施することも検討いたします。

○北口委員 旅行事業者と連携して、近年人気の大人の社会科見学ツアーということで開催したということであります。ふだん施設見学が難しい大人も参加しやすい休日に設定するなど工夫も見られ、ぜひこうした取組を推進していただきたいというふうに思います。
 また、答弁の中にも新型コロナウイルス感染症の状況も考慮してというものがありました。コロナ禍の中では、こうした見学会を開催するのは、なかなか慎重な判断が必要であります。また、参加する方もちゅうちょしてしまうことがあるのではないかというふうに思います。
 コロナ禍におけるこの調節池のPR推進を図るための工夫についてお伺いをいたします。

○齊藤河川部長 現在、バーチャルリアリティー技術を活用し、自宅などから手軽に地下調節池等の施設見学ができるよう、映像の撮影や編集に加えまして、それをインターネット上で疑似体験できるソフトを構築しております。令和四年度には、神田川・環状七号線地下調節池や荏原調節池など十八か所で公開する予定でございます。
 引き続き、調節池整備の必要性と効果を都民に周知する取組を推進してまいります。

○北口委員 最新のVR技術を用いて、コロナ禍でも施設見学ができるように工夫しているということであります。こうした取組は、コロナの終息後においても、なかなか見ることのできない調節池内部の様子を自宅などでいつでも見ることができるものであり、ぜひ早期の公開に向けて取り組んでいっていただきたいというふうに思います。
 こうした取組で都民の理解を促進していただきまして、少しでも早く事業を進め、豪雨への備えを万全にしていただくことを期待しまして、次の質問に移らせていただきます。
 次に、東部低地帯の河川の耐震化について質問をさせていただきます。
 令和三年度は、都が東日本大震災後に十年をかけて進めてきた河川施設の耐震対策の計画である東部低地帯の河川施設整備計画の最終年度であります。私の地元葛飾区を流れる中川、新中川においても、堤防の耐震補強工事が集中して行われております。
 また、昨年末、都は、地震後に発生する高潮にも備えるため、地盤高が伊勢湾台風級の高潮の潮位、APプラス五・一メートルより低い地域に耐震対策の範囲を広げて、来年度以降の、次の十か年計画である第二期の河川施設整備計画を策定いたしました。同計画には、私の地元の葛飾を流れる中川、新中川もまた対象に含まれております。
 そこでまず、この中川、新中川における堤防の耐震対策の進捗状況と今後の進め方についてお伺いをさせていただきます。

○齊藤河川部長 都は、中川、新中川におきまして、東日本大震災を受け、平成二十四年度に策定いたしました整備計画に基づき、耐震補強工事を実施しております。
 中川、新中川では、対策が必要な延長約十三・六キロメートルのうち、令和三年度は、新中川の上一色橋上流左岸など、七区間、約一・二キロメートルで工事に着手いたしました。今年度末には、対象延長の約八割で整備が完了する見込みでございます。
 今後は、残る区間の整備を優先的に進めるとともに、昨年十二月に策定した第二期の整備計画で新たに対象区間といたしました中川の平和橋下流などにおきまして、堤防の耐震補強工事を着実に実施してまいります。

○北口委員 中川、新中川を含む東部低地帯で着々と地震に対する安全性が向上してきていることを評価いたします。引き続き、この第二期の整備計画に基づきまして、令和四年度からも耐震対策を着実に進めていただきたいと思います。
 次に、同じく中川の新小岩公園付近の緩傾斜型堤防の整備についてお伺いをいたします。
 中川のこの緩傾斜型堤防の整備につきましては、耐震性と親水性の向上が見込まれ、中川下流域に当たる本エリアにおいては、津波や高潮対策としても重要な事業であると認識をしております。
 具体的には、葛飾区が進める隣接する新小岩公園の高台化と一体となって進めることで、水辺の憩いの空間の創出が見込まれ、さらに水害時には、地域の救助活動拠点となることも期待をされております。地域の憩いの場としても、また防災力強化の観点からも推進すべきと考えております。
 しかしながら、本事業においては、工事中の交通迂回路の確保など、課題も多いと認識しております。
 昨年の令和三年予算特別委員会における我が党の質問でも、令和三年度における取組について伺いましたが、改めて、この中川の新小岩公園付近の緩傾斜型堤防の整備に向けた今年度の進捗と今後の取組についてお伺いをいたします。

○齊藤河川部長 中川の西新小岩地区における緩傾斜型堤防につきましては、川沿いに並行する都道の線形を変えるとともに、高さを上げる必要もあることから、これまで堤防整備後の交通処理の協議等を実施してまいりました。現在は、堤防整備におきまして、盛土や地盤改良などを実施する際の仮設道路の設計を行っております。
 具体的には、交通量の多い本箇所におきまして、堤防整備中の安全かつ円滑な交通を確保するために、多段階にわたる交通切替えを行う必要があり、その道路線形や施工計画等を検討しております。令和四年度は、その結果を踏まえまして、交通管理者との協議などを実施いたします。
 今後とも、区と連携し、新小岩公園再整備と併せまして、堤防整備を進めてまいります。

○北口委員 本工事の推進に当たっては、あらゆる意味で地域への影響が大きいことから、地元の皆さんの協力が特に必要となる現場でございます。地元の皆さんに完成形の絵姿をお見せするなど、様々なツールを活用して、ご理解とご協力を得られるよう努めていただきたいというふうに思います。
 一方、この中川の高砂橋より上流は、国の管理する区間となっております。東部低地帯の安全を確保するために、都が管理する区間だけではなく、国が管理する堤防も一体となって地域を守っていくことが重要です。
 昨年三月に策定された中川・綾瀬川流域治水プロジェクトを拝見すると、ただいまご答弁いただいた耐震対策や緩傾斜型堤防の整備に加え、国管理区間に堤防整備が位置づけられておりますが、中川における国が管理する堤防の地震に対する安全性についてお伺いをいたします。

○齊藤河川部長 中川におきましては、都内の延長約二十二キロメートルのうち、高砂橋より上流の約六キロメートルを国が管理しております。国からは、東日本大震災を受け、平成二十四年に国が定めた河川堤防の耐震点検マニュアルに基づき点検した結果、本区間の堤防は耐震性を有していると聞いております。
 引き続き、中川流域の安全性向上に向け、堤防の耐震対策など、中川・綾瀬川流域治水プロジェクトに位置づけられた取組を国などと連携して推進してまいります。

○北口委員 地元の中川を例に確認させていただきましたが、国が管理する区間の堤防も耐震性能を有しているとのことであります。しかし、一たび堤防が決壊すれば、被害を受けるのは都民であります。
 河川は、管理者が違っても、一連の区間で安全性を確保していく必要があります。引き続き、国と連携をして、東部低地の河川の安全性向上に向けてしっかりと取り組んでいただきたいというふうに思います。
 続きまして、無電柱化の事業について質問をさせていただきます。
 日常生活における歩行空間の確保や地震発生時の緊急車両の通行路の確保、また、まちの景観の観点からも無電柱化事業が重要でございます。
 都道の無電柱化は、歩道幅員二・五メートル以上の道路については、センター・コア・エリアについては、おおむね完了いたしたということでございます。
 一方、区市町村の無電柱化については、まだまだこれからでございます。特に、区市町村の道路は狭小の道路も多く、無電柱化が望まれます。国道、都道のみならず、区市町村道の無電柱化を進めることは重要です。
 都は、この区市町村の無電柱化への支援について、これまで具体的にどのように取り組んできたのかお伺いいたします。

○福永無電柱化推進担当部長 都内全域で無電柱化を推進するためには、都内の道路の約九割を占めます区市町村道の無電柱化を一層促進することが重要でございます。
 このため、都は、区市町村の無電柱化事業に対しまして、平成二十年度から主要駅周辺などで財政支援を開始し、その後、防災に寄与する路線等も対象にいたしました。
 また、平成二十九年度には、事業費を全額補助する無電柱化チャレンジ支援事業制度を創設しました。
 事業化に向けた検討を行う際には、区市町村が設置する技術検討会に直接都の職員が参加するなど、技術支援も実施しています。
 令和三年度までに累計で四十六区市町に対して支援を実施しておりまして、令和四年度は、事業を実施する三十八区市町村への支援を予定しています。

○北口委員 区市町村に対するこれまでの支援の取組は分かりました。区市町村道の無電柱化には、都道に比べて幅員が狭小な道路が多く、無電柱化を進める上で課題があるというふうに認識もしております。
 そこで、道幅の狭い区市町村道の無電柱化に向けた課題とその対応についてお伺いをいたします。

○福永無電柱化推進担当部長 道幅の狭い区市町村道におきましては、無電柱化を進める上で、地上機器の設置場所の確保や電線類の収容が主な課題と認識しております。
 このため、都は、平成二十八年三月に、道幅の狭い道路で無電柱化を実施する際、地上機器を設置する手法や留意点などを整理した手引を、自治体や電線管理者等の意見を取り入れて作成いたしました。
 また、平成三十年四月には、道幅の狭い道路における電線類の収容など、整備事例を紹介した東京都電線共同溝整備マニュアル(狭あい道路編)も策定しております。
 都は、これらの手引などを用いまして、研修会等を開催しますとともに、道幅の狭い道路で実施された最新の整備事例を紹介するなど、区市町村に対して働きかけを行っております。

○北口委員 区市町村道の無電柱化に向けた課題とその取組を確認させていただきました。引き続き、都から働きかけをぜひ行っていただきたいというふうに思います。
 私の地元葛飾区でも、区立道上小学校付近と区立綾南小学校付近の区道で無電柱化を進めております。多くの子供が行き交う学校周辺の道路は、防災機能の強化はもとより、安心して歩ける歩行空間の確保が求められます。
 そこで、現在、葛飾区が実施している区立道上小学校付近と区立綾南小学校付近の区道の無電柱化事業の状況についてお伺いをさせていただきます。

○福永無電柱化推進担当部長 葛飾区は、無電柱化チャレンジ支援事業制度を活用しまして、令和元年六月に葛飾区無電柱化推進計画を策定いたしました。区は、本計画におきまして、区立道上小学校と綾南小学校付近の二路線を令和十年度までに整備完了を目指す路線に位置づけ、無電柱化事業に取り組んでおります。
 この二路線につきましては、令和元年度から事業に着手しており、これまでに予備設計や試掘調査を行い、道幅が狭い道路において課題である地上機器の設置場所として、学校用地を活用することとしております。来年度は、これに基づきまして、詳細設計を実施する予定でございます。
 都は、今後とも区への財政支援、技術支援を積極的に行ってまいります。

○北口委員 小学校や中学校、障害者施設、高齢者施設、特別支援学校などの公共施設周辺の無電柱化やバリアフリー化は大変重要でございます。
 狭隘な道路での無電柱化は、地上機器の設置場所が課題となりますが、まずはこうした公共施設に的を絞り、施設の用地を活用して地上機器を設置し、無電柱化を進めることが大変有用かというふうに思います。
 今後とも、都が区市町村の取組を後押ししまして、都内道路の無電柱化を牽引していただきたいというふうに思います。
 あわせて、この狭隘道路の無電柱化の技術的課題の解決に向けても、より一層、都が取り組んでいただくことを期待しまして、次の質問に移ります。
 最後に、都立公園の防災機能についてお伺いいたします。
 都立公園は、都内各所にあり、大規模地震や火災などの災害時には緊急の避難場所として、また、その後の復旧期に当たっては防災拠点として活用されることが期待をされております。そのためには、緊急時においても電力を確保し、夜間の照明や通信手段などを確保することが重要でございます。
 緊急時の電力確保について、都はどのような取組を行っているのかお伺いをいたします。

○根来公園計画担当部長 都は、震災時の避難場所や救出救助の活動拠点となる公園につきまして、停電時も管理所が機能を発揮するための非常用電源の設置や、安全な避難のための蓄電池を備えた照明灯への改修などを進めております。
 今年度末までに、対象となる六十二公園のうち、水元公園など三十四公園で整備が完了いたします。来年度は十三公園で整備が完了する予定でございます。

○北口委員 災害時に施設が十分に機能を発揮するように、発電機の設置など、着実に進めていただきたいというふうに思います。
 大規模災害時にライフラインが復旧するまでの間、各家庭で最も対応に苦慮するのがトイレの問題であります。水や食料の確保とともに、衛生的なトイレの確保は被災者にとって健康管理の上でも大変重要な問題であります。
 都立公園には、防災トイレやマンホールトイレなどが設置されておりますが、こうした施設をライフラインが復旧するまでの間、一時的にでも開放し、地域の住民が活用できる運用体制があると大変有用であります。
 緊急時の防災トイレやマンホールトイレの運用について、都の取組についてお伺いをいたします。

○根来公園計画担当部長 東京都地域防災計画では、災害時の非常用トイレの確保と運用は区市町村が行うこととされております。これまで都立公園では、地元区市との協議に基づき、貯留槽となる地下ピットを備えた震災対応型トイレやマンホールトイレを設置してまいりました。
 これらの非常用トイレは、発災直後から地域のライフラインが復旧するまで区市が運用するため、平常時から公園の現場を管理する指定管理者が関係区市や地元自治会等と連携し、トイレテントの設置などの防災訓練に積極的に取り組んでおります。

○北口委員 緊急時における都立公園のトイレの運用につきましては、区市主体での運用をするとの計画とのことでございますが、実際の発災時には、計画どおりいかない様々な事態が想定をされます。ぜひ、近隣住民の被災生活に資するように、その計画運用の実効性を確保する取組を都としても後押しをしていただきたいというふうに思います。
 私の地元葛飾区にも水元公園という大きな都立公園がございます。実際の発災時には、自衛隊、消防、警察の救助活動の拠点となったり、また瓦礫の一時保管場所になるなど、都立公園には様々な機能が期待をされております。
 平時においては都民の憩いの場に、そして緊急時には都民を救う活動拠点として都立公園が存分に機能するように、これからもより一層のハード、そしてソフトの充実に努めていただくことをお願いいたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。

○原委員 瑞江葬儀所の建て替え計画について、新施設の概要とスケジュールをまず伺います。

○根来公園計画担当部長 瑞江葬儀所の新施設は、最新の火葬炉を備えた施設とし、環境負荷の軽減や火葬作業環境の改善を図りますとともに、施設のバリアフリー化や、利用者のプライバシーに配慮した構造とするなど、利便性の向上を図っております。
 建て替えに当たりましては、現在の施設を使用しながら敷地内に建築することとしておりまして、令和四年度に工事に着手しまして、六年度中の完成を目指し、着実に取り組んでまいります。

○原委員 都立で唯一の火葬場ということで、最新の火葬炉、環境負荷の軽減や施設のバリアフリー化、利用者のプライバシー配慮はとても大事です。閉鎖期間なく新施設へ移行できるとのことです。
 新施設について、災害時の対応についてはいかがですか。

○根来公園計画担当部長 新施設は、水害時に二階と屋上への垂直避難が可能となるよう計画しております。
 また、災害時に備えて、非常用発電設備などを二階に設置することとしております。

○原委員 今の既存施設は平屋建てなので、新施設が垂直避難先にもなることは地域住民にとって、とても重要です。江戸川区や地域の町会などとも連携して、災害時に施設が使えるよう、取決めなどをしていただけるよう要望します。
 新年度中に始まる予定の工事について、周辺住民への丁寧な説明をお願いしたいです。いかがですか。

○根来公園計画担当部長 瑞江葬儀所の建て替え計画につきましては、江戸川区墓地等の経営の許可等に関する条例に基づき、昨年十一月に、地域住民に対し、計画に関する資料の配布や、自治会の掲示板に掲示するなどにより周知を行いました。
 今後、工事の施工業者の決定後、工事説明会を開催するなど、地域住民に対し、丁寧に情報提供を行うこととしております。

○原委員 地域住民の協力はとても大事なので、きめ細かい情報提供をよろしくお願いいたします。
 次に、第八十五号並びに第八十六号議案で出されている東京都の霊園、葬儀所の使用料改定について伺います。
 値上げ部分と据置き、値下げ部分があり、受益者負担の適正化を図ると書かれていますが、改定への考え方をお聞きします。

○植村公園緑地部長 都立の霊園や葬儀所の使用料などにつきましては、都立の施設を利用する方と利用しない方との負担の公平の見地から、受益者負担の適正化が求められております。
 使用料等の算定に当たりましては、条例に基づき、都立霊園や葬儀所の施設やサービスを提供するために必要な費用を算定し、原価に基づいて改定をしております。

○原委員 値上げも値下げも項目の中には出されておりますが、トータルとしてどうかと計算をしますと、二千五百万円の引上げになります。我が日本共産党都議団は、利用者負担増になる今回の条例改定、第八十五号、八十六号議案には反対をいたします。都が運営する以上、都民誰もが利用できるよう低廉な、安価な価格設定をすべきです。
 昨年、都内民間事業所において、葬儀所の火葬料などの大幅改定がありました。近傍類似施設の使用料が上がることでの影響はどのようになりますか。

○植村公園緑地部長 都立霊園や葬儀所の使用料等は、受益者負担の適正化を図るため、二年置きに原価相当額の算定を行っております。
 都立霊園の一般埋蔵施設や芝生埋蔵施設などの使用料につきましては、原価相当額の算定に当たり、使用者の受ける利益を適切に評価するため、近傍類似の墓地の永代使用料を参考にしております。
 一方、瑞江葬儀所の火葬料につきましては、土地使用料、建物使用料、設備使用料、光熱水費等、維持管理に要する経費など、火葬に要する原価相当額を基に設定しておりまして、ほかの火葬場の料金の影響はございません。

○原委員 瑞江葬儀所の火葬料に関しては、ほかの火葬場の影響を受けないとの、今お答えでした。
 年末年始頃からのオミクロン株の拡大で、このコロナ罹患で亡くなられる方が相次ぎ、火葬待ちは深刻な状況と聞いております。遺体を安置する場所が病院内に確保できない事態にもなり、火葬まで二週間かかったケースもあったそうです。
 災害級と葬祭業者の方もいわれておりましたが、職員はリスクを抱えながら、ご遺体の扱いや遺族の対応に精いっぱい当たられております。その葬祭業者の皆さんが今とても困っているのが火葬料だそうです。
 火葬場について見ると、二十三区外では市町村による設置が多く、この火葬料も一万円以下で、また八王子市、日野市や立川市など、ゼロ円の自治体も見られるんです。瑞江葬儀所の火葬料は、今、五万九千六百円で、都立なのに高過ぎる設定といわざるを得ません。
 二十三区内は九事業所あるうち七か所が民間運営なのですが、うち六か所を一つの法人組織が運営しています。その六か所で五万九千円だった火葬料が、二〇二一年一月より七万五千円へと一気に一万六千円も値上げをされてしまいました。関係事業者への十分な相談のない大幅引上げは困ると、全東京葬祭業連合会が抗議の通知を本法人や区長会宛てに出しています。
 民間事業者に依存してきた二十三区の火葬業務で、こうした利用料引上げについての規制は存在しないそうです。火葬は、ほぼ誰もが利用することになる公共性の高い事業であるのに、遺族に重い負担がのしかかっています。
 瑞江葬儀所の火葬料の推移を見ますと、二〇〇四年、十八年前には一万八百円だった、そのところから、石原都政による受益者負担の考え方の導入以降、二年置きの改定ごとに六千円から八千円の値上げが強行され、二〇一二年には五万四千六百円と、五万円台に達し、現在の六万円前後に至っています。
 都立直営で運営していた瑞江葬儀所について、二〇〇五年、指定管理者制度導入の条例改正案が出された際に、共産党都議団の河野ゆりえ都議、私の先輩です、河野都議が、施設運営のコスト削減、コスト偏重に動く危険性を告発し、反対をしています。当時の環境・建設委員会で、都民が負担する施設利用料引上げになる可能性があると、十七年前に既に指摘をしていました。
 二〇〇六年から指定管理へ移行し、利用料の急激な引上げが実施され、我が党の指摘どおりになってしまった、この責任は東京都にあることは明らかではありませんでしょうか。
 今、格差と貧困化が進む日本社会で、葬儀代が払えず、分割払いを申し出る方もおられるそうです。家族が亡くなった悲しみの中で、お金の支払いを心配しなければならないのです。
 火葬は、公衆衛生の意味を持つ業務であり、そこに受益者負担を持ち込むこと自体が問題ではないでしょうか。誰でも最後は死を迎えます。受益者負担を死んでまで負わせるのでしょうか。遺族が安心してお見送りをできるよう、火葬料の考え方を根本的に検討し直すことを求めます。
 都立の葬儀所の料金設定は、同種の業界全体のベースとなります。民間の安易な値上げへの一定の歯止めの役割もあると考えます。瑞江葬儀所建て替え後の新施設を誰もが安心して利用できるよう、利用料の思い切った引下げを強く求めます。
 葬祭関連業者の意見もよく聞きながら、しかるべき機関で、この火葬料等についての根本的な検討に取り組むことを要望いたします。
 次の質問に移ります。
 篠崎公園地区の高規格堤防事業に伴う篠崎公園高台化事業についてです。工事の概要と予定を伺います。

○根来公園計画担当部長 篠崎公園では、水害時にも対応する広場の高台化や、江戸川堤防への避難動線の確保に取り組むこととしております。
 令和四年度より、江戸川沿いの区域におきまして、仮設道路や駐車場の整備、既存の公園施設の撤去等の準備工事に着手する予定でございます。

○原委員 今年の秋以降から高台化準備工事に入るということですが、堤防と区画整理、道路事業など、国と都と区の一体事業で、この地域は長期間の工事となり、住民の負担も甚大です。テニスコートやバーベキュー広場の利用休止など、公園利用者への影響もとても大きいわけです。
 駐車場が今年夏頃から利用休止になり、公園敷地内、別の場所に新たにつくられる新駐車場が利用開始になるまで、全く駐車場が使えない期間があるのは困るとの住民の声が届いていると思います。調整状況はいかがですか。

○根来公園計画担当部長 既存の駐車場につきましては、工事期間中においてもできる限り利用できるよう、既に関係機関と調整を進めております。

○原委員 区内のイベントやスポーツ大会などで需要の高い駐車場の確保は、空白のない移行をお願いしたいと思います。
 公園の樹木が八百本以上伐採されるとのことです。豊かな樹林風景が江戸川区内東部地域の憩いの場として住民に長く親しまれてきております。
 樹木伐採について、自治体の意見聴取や検討、専門家の意見を聞くなどはされたのでしょうか。また、周辺住民に全く知らされていない状況を問題だと思いませんか。

○根来公園計画担当部長 水害時にも対応する広場の高台化を進めるためには、盛土を行う区域を更地にする必要があり、既存樹木の伐採や移植は避けられないと考えております。
 篠崎公園の高台化事業は、国や区と連携して進めますとともに、都として今後、工事説明会を開催し、周辺住民の方に工事の内容を説明してまいります。

○原委員 すぐ南側の浅間神社は、緑地保全区域として高規格堤防からも除外をされるのに、公園の樹木は、大量伐採とは、緑地保全の発想がすっぽり抜け落ちています。
 篠崎公園は、一九八六年に植樹祭で約千本の木が植えられ、大切に手入れをされてきました。樹木の美しさは、区内で大変有名で貴重な場なんです。
 江戸川区は緑地保全に力を入れており、二〇一三年に江戸川区みどりの基本計画を策定、基本方針1、みどりを守るの一番目に、大径木、直径四十センチから六十センチ以上の木のことですが、この大径木や樹林地の保全と活用をうたっています。
 高台化のためだからと地域住民に知らせず、意見も聞かずに勝手に伐採してよいわけがありません。CO2削減に役立っている緑を残す努力を東京都として本気ですべきです。専門家の意見も聞き、住民との意見交換の機会を持つよう要望します。
 あわせて、長期にわたる工事の全体について、住民への丁寧な説明と安全確保を重ねて要望をしておきます。
 この篠崎公園地区事業は、問題が多過ぎるんです。移転交渉に応じた住民の第一次移転先が地耐力不足で、この間、地盤改良工事のやり直しをしております。住民は、これから自分の家を建てるのに不安を募らせています。
 都市計画道路補助二八八号線の道路事業は、堤防の高さにかさ上げをする盛土の下にボックスカルバートというトンネル式の道路を造り、篠崎街道に合流する計画です。なぜ冠水の危険のあるような道路の造り方をするのか、不安の声が上がっています。
 用地買収の交渉などでこれまで十五年、これから工事が十年以上、一区画の造成にこれだけ年月がかかり、堤防が全てつながる見通しは示せていません。大変無責任な堤防事業といえるのではないでしょうか。
 この間も堤防の技術は目覚ましく発展しているのに、いつまでも高規格堤防だけにこだわることではいけないというふうに思います。国も危機管理型として、短期間でできる粘り強い堤防、被覆型堤防について検討を始めているのですから、こうした変化を捉え、事業を今からでも再検討すべきだと考えます。
 住民の犠牲が多過ぎる実態を目の当たりにしてきたことから、今後行う予定の高規格堤防事業も含め、ここで立ち止まる立場に都が立ち、国に事業中止を要望することを強く求めて、質問を終わります。

○須山委員 私から、何点か質問させていただきたいと思います。
 まず、丘陵地公園について伺います。
 丘陵地の都立公園は、自然散策やハイキングなど、都民が身近に自然を楽しめる貴重な場所であります。
 先日、私も家族を連れて、地元八王子にあります長沼公園に行きました。二歳の子供を連れてでも三十分ほどで頂上にも着きますし、山道を歩き自然に触れ合うことで、子供たちも含めて、とてもいい時間を過ごすことができました。
 頂上には広場や展望園地があり、眺望が広がっております。八王子市だけでなくお隣の日野も含めて、また山梨の方も見えて、山がとてもきれいに見える眺望が広がっております。
 そうした中で、その眺望が樹木の成長で若干見えづらくなっているというお声を耳にしております。これらの展望台からのすばらしい眺望は、地域の資源となりますし、自然との触れ合いやウオーキングなど、こういった丘陵地公園の非常にいいところ、メリットは、非常に都民の健康の増進等にもつながっていくことになると思いますし、またマイクロツーリズムなどにも貢献をすると考えられます。
 そうした中で、その丘陵地公園を、より多くの方に訪れていただけるように、展望台からの見晴らしのよい眺望の確保なども含めて、魅力向上を図っていくべきだと考えますけれども、都の見解を伺わせていただきます。

○根来公園計画担当部長 丘陵地の都立公園は、豊かな自然環境を保全するとともに、都民が自然に触れ合える場所として親しまれております。
 このような豊かな自然を体験できる取組といたしまして、公園内に生息する動植物の自然観察会の開催や、コロナ禍においては、自分で散策できるセルフガイドマップの配布などを行ってまいりました。
 展望台などからの見晴らしは丘陵地公園の魅力の一つとなっておりまして、多くの方々に眺望を楽しんでいただけるよう、引き続き樹木の剪定等により適切な管理に努めてまいります。
 今後とも、丘陵地公園の魅力向上に取り組んでまいります。

○須山委員 ご答弁ありがとうございます。ぜひ適切な管理を進めていっていただきたいと思います。
 お隣の平山城址公園なんかも非常に眺望がよくないということをちょっと耳にしておりますので、そういったところも含めて、ぜひ、全体的に魅力を高めていくような、そういった管理を進めていっていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 答弁のとおり、丘陵地公園の魅力は都民の貴重な財産であり、その価値を高めるためには、やはり魅力を発信していくことが大切だと考えます。
 そうした中で、現状ではどういったPRをされているのかお聞かせください。

○植村公園緑地部長 丘陵地公園では、多くの方が訪れるよう、公園を含めた周辺のハイキングコースをホームページに掲載して、見どころを紹介するとともに、ツイッターなどのSNSやユーチューブによる動画配信を活用し、季節に応じた各公園の情報を発信しております。
 こうした取組によりまして、里山の自然や景観、生物の多様性など、丘陵地公園の魅力を広く都民にPRしてまいります。

○須山委員 ありがとうございます。答弁で各種のSNS、またホームページ等を活用してPRをしていただいていると伺いました。いろいろ工夫をしていただいていると考えます。
 一方で、例えば東京都としてやはりDXを掲げているのであれば、もっと様々なやり方があるのかなとも思います。
 まず、SNSですけれども、やはりユーザーをいかに巻き込んでいくか、そして、来ていただいた方々が、今度はその公園の魅力を自分で発信をしていっていただく、そういった仕組みを考えていただきたいと思います。
 例えば、ユーザーがアップしたもの、そして、そういったアップした写真等であったりとか、動画であったりとか、そういったものを、今度はそれを集めてまとめサイトみたいなものをつくったり、また、逆に写真をここにアップしてくださいと、そういったようなサイトをつくって、丘陵地公園の入り口等、また展望台であったりとか、様々なところにQRコードなんかを置いて、そういったお知らせをする、そういった様々なやり方があると考えられますので、ぜひそういった仕組みなんかをより考えていっていただきたいと思います。
 また、先ほどの答弁にもありましたけれども、セルフガイドマップ等もつくっていただいていると伺っております。そういった中で、これもデジタル化をしていくことによって、手軽に見られ、また情報の更新も迅速に行えると考えます。そういった様々な技術を活用していただいて、さらに魅力を発信していっていただければと要望させていただきます。
 昨日の環境局の質疑でも高尾の鹿の件も質問させていただきました。多摩地域にこういった自然がたくさんあること、それは本当に東京都の財産となると考えます。そうした自然を、その魅力をしっかりと都内外に発信をしていっていただいて、その魅力を高めていただきたいと考えますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 次の質問に移ります。都立霊園に関して。
 お墓に関しては、様々、ニーズが多様化していると考えます。少子高齢化に伴って、やはりお墓の承継者がいなくなったりとか、またお墓自体にそんなにお金をかけたくない、そもそもお墓が要らないという時代にもなってきたと、様々なニーズがあると考えます。
 そうした中で、その墓所に対して多様化する都民のニーズにどのように応えていっていただいているのか伺いたいと思います。

○植村公園緑地部長 都は、社会状況や墓所に対する都民の価値観の変化に応じて、都立霊園の限られた敷地を有効活用しながら墓所の供給に努めております。代々使用していただく一般墓所に加えて、管理や承継の必要のない墓所として、合葬式墓地、立体式墓地、樹木墓地などを提供しております。
 また、都立霊園の使用者で、承継者がいないため墓所の返還を希望する方には、合葬式墓地への改葬ができる制度を設けております。
 引き続き、都民のニーズの変化に応え、着実に墓所の供給に努めてまいります。

○須山委員 ありがとうございます。私の妻の実家の方も、お墓を今度墓じまいをするとか、そういったこともあって、だんだん私たちも身近になってくるなということがありまして、改めてちょっと伺わせていただきました。様々なニーズにしっかりと対応していっていただいているということでございました。
 また、霊園内に、例えばお花屋さんがある霊園もまだあると伺っております。そうした事業者の方々が、そういったご協力をしていっていただく中で霊園も成り立っているんだなと改めて感じております。
 様々都民のニーズがあると思いますので、今後もしっかりと都民のニーズに応えて、そして霊園の運営をお願いしたいということで要望させていただきまして、質問を終わります。

○漢人委員 二〇二二年度建設局予算について、小金井市の都市計画道路三・四・一号線及び小金井三・四・一一号線ほかの二路線について及び西部公園緑地事務所の建て替えについて、大きく二点について質問いたします。
 最初に、都市計画道路小金井二路線についてです。
 まず、都市計画道路小金井三・四・一号線及び小金井三・四・一一号線ほかに関する二〇二二年度の予算額と予定されている取組の概要をお伺いいたします。

○花井道路建設部長 令和四年度の予算案では、小金井三・四・一号線につきましては、今後の環境概況調査等に資する検討費用といたしまして八百万円、小金井三・四・一一号線ほかにつきましては、道路構造等の検討費用などといたしまして二千八百万円を計上しております。

○漢人委員 いずれも今年度からの引き続きの取組として、既に二月上旬に委託業務の入札が行われております。業者も決まっているようです。
 三・四・一一号線ほかの道路構造等の検討については、昨年、調査結果が公開されました環境概況調査及び現在進行中の地下水調査を踏まえたものとなると思われます。
 環境概況調査報告書の考察では、道路建設により動植物が生育、生息できなくなるほか、日照、風況の変化、動物の移動経路の分断など、間接的な影響が予想されるとの記載もあります。
 この指摘を重く受け止め、貴重なこのエリアの環境を壊すことになる道路計画は断念するべきと申し上げまして、次の質問に進みます。
 二問目は、地域の安全性向上について伺います。
 小金井三・四・一一号線ほかについては、第四次優先整備路線の選定理由に加えまして、地域の安全性向上が、整備が必要な理由として挙げられております。
 そこで、資料の8、都市計画道路小金井三・四・一一号線外に関する「地域の安全性向上」についての根拠資料というものを出していただきました。この中で、周辺生活道路の通過交通と交通事故発生状況としまして、警視庁の交通事故発生マップを基に、負傷事故発生箇所、二〇一六年から二〇一八年が示されています。
 警視庁の、その後の二〇一九年、二〇二〇年、二〇二一年上半期の直近のマップを確認いたしました。それによりますと、最も通過交通が多いとされる南北道路での事故件数は、二〇一九年、二〇二〇年は一件のみです。一件しかありません。
 また、事故地点は小金井市全域に示されていまして、この地域が、特に事故件数が多く危険な地域ということにはなりません。ほかにそういった地域がございます。地域の安全性の向上の根拠資料とはならないのではないでしょうか。
 また、資料、周辺生活道路の通過交通と交通事故発生状況のナンバープレート調査があります。こちらは五か所で行われています。通過交通は、最も多い東側の南北道路では総交通量の六〇%で四百六十一台ですけれども、少ないところは三%、僅かです。本調査委託の結果に対する評価も併せてお伺いいたします。

○花井道路建設部長 本路線の周辺では、小金井街道から天文台通りまでの約三・六キロメートルにわたり、南北方向の幹線道路がないことから、通過交通が生活道路へ進入し、歩行者や自転車にとって危険な状態となっておりまして、地域の住民の方からも安全性を懸念する声が寄せられております。
 本区間東側に位置する二枚橋の坂は四メートル程度の狭い幅員でございまして、通過交通も多く、通学路となっておりますことなどから、小金井市では平成元年より交通誘導員を配置するなど、交通安全対策を強いられております。
 また、都が平成三十年度に実施いたしました本区間周辺の生活道路の通過交通に関する状況調査の結果におきましても、二枚橋の坂では、この地域を通過するだけの車両が半数以上であるという結果が得られておりまして、このような南北方向の通過交通は生活道路へ進入していると考えられます。
 このようなことから、本路線が整備されますことで通過交通が転換し、生活道路への進入が抑制され、地域の安全性が高まることが期待されます。

○漢人委員 まず、資料の8の交通事故発生状況の、この事故ですけれども、どの程度の事故なのか、人身なのか、物件なのか、死亡なのか、けがなのかは分かりませんから、通過交通を減らすことが対策になるとも限りません。事故をなくしていく課題は様々で、地域の努力の中で解決できるものも多いのではないでしょうか。
 また、通過交通についても、この調査ではこの区間を通り抜けているというだけです。行き先も目的も分からないレベルの調査です。都市計画道路ができれば、通過交通が減って事故が減り、安全になるというそんな単純なものではありません。そんな不確かな期待の下に、多くの皆さんの望まない立ち退きによって地域のコミュニティを壊し、貴重な自然環境を壊すことになる新たな道路建設を小金井市民は望んではおりません。
 三問目に参ります。三問目の質問は、小金井三・四・一一号線ほかと武蔵野公園の重複する都市計画決定についてです。
 小金井三・四・一一号線ほかは、その未施工区間の一定の区間について、都立武蔵野公園の都市計画決定と重複していて、武蔵野公園整備計画では、今後、公園と道路の整合を図っていく必要があるとされています。
 小金井三・四・一一号線ほかについては、既に概略設計の段階に入っていて、都は基本的な構造形式のイメージまで地域に提示する段階に至っていますが、今後、都市計画の整合をいつ、どのように図っていくのか、具体的なプロセスや方法についてお伺いします。

○花井道路建設部長 小金井三・四・一一号線ほかの整備に当たりましては、現在、環境概況調査等の結果を基に、必要な保全対策の検討を実施いたしますとともに、自然環境や景観に配慮しながら道路構造等の検討を進めております。
 なお、本区間には都市計画公園と重複する箇所がございますことから、別途調整が必要となります。

○漢人委員 道路構造案が決まると、その形状によって必要な手続の判断がされることになる。そして、それを行うのは都市整備局になるわけですよね。まだ具体的なプロセスや方法を答える段階ではないし、建設局はその担当でもないということのようです。
 道路建設を前提としますと、武蔵野公園の都市計画決定を変更するという判断になるのかと思います。しかし、武蔵野公園整備計画のテーマ、武蔵野の原風景の保全、再生を通じて人々の交流を紡ぎ出す公園、これを重視、優先して、野川に沿って東西に広がる一体的な空間、景観、生態系を損なうことになる道路の都市計画決定を変更するという選択もあるべきだし、そのような判断を求めておきます。
 また、都市計画決定の変更をする場合には、都市計画法十八条の規定によって地元市町の意見を求めなければなりません。後の質問でも再確認しますけれども、小金井市長と小金井市議会は、この道路計画の見直しを求めていることは繰り返しているとおりです。
 次、四問目です。野川第一・第二調節池地区自然再生事業についてお伺いします。
 小金井二路線、とりわけ小金井三・四・一一号線ほかは、野川第一・第二調節池地区自然再生事業の実施地域に重なり、ばっさりとこれを分断する形で計画をされています。
 自然再生推進法は、過去に損なわれた生態系その他の自然環境を取り戻すことを目的として、生物多様性の保全にとって重要な役割を担う法律です。この下で全国二十六か所の自然再生事業が取り組まれています。野川第一・第二調節池地区自然再生事業はその一つです。
 野川第一・第二調節池地区自然再生事業実施計画に基づく自然再生事業の意義について、また、実は都内では唯一この地区だけが指定をされているということについて、道路事業者としてどのように認識をしているのかお伺いします。

○花井道路建設部長 野川第一・第二調節池地区自然再生事業実施計画書には、周辺地域の自然環境との関係からみた本自然再生事業の意義・効果の項目の中で、この地区で自然再生事業を行うことにより、広域的な生物多様性の向上に寄与できる可能性を秘めている、ここに対象地区において自然再生に取り組む意義があると記載されており、都内で唯一の箇所であることを承知しております。

○漢人委員 この再生事業の連携市民団体である野川自然の会というのがあります。こちらも二〇一六年に、民意を尊重して環境に配慮する自然再生事業の理念の実現を図るように要望しますと都知事に要望書を提出しています。
 野川自然の会の皆さんは、二〇〇六年の事業開始から、この自然再生地区の維持管理団体として、地域の方々と協力して、田んぼや湿地、ため池などを整備し、かつての水環境の再生を進めてこられました。
 この道路計画は、その再生された水環境をばっさりと分断してしまおうとしているんです。十六年間にわたって再生事業に取り組んできた市民や関係者の方々の努力や思いをまさに踏みにじるものです。
 関係者には、建設局の北多摩南部建設事務所の皆さんも含まれています。一緒に様々な汗を流し、取り組まれていただいたんだろうと思っております。優先整備路線の選定の際の検討が不十分だったと指摘をしなければなりません。
 最後の五問目です。小金井市議会意見書について見解を求めます。
 小金井市議会は、第四次優先整備路線の選定が明らかになって以降、その見直し、中止を求める東京都への意見書を七年間で十一本提出してきました。直近、昨年十二月、第四回定例議会では、国分寺崖線を分断する優先整備路線について、社会情勢を踏まえ抜本的に見直すことを求める意見書を可決、提出しています。
 この意見書では、これまで小金井市議会が求めてきたのは道路の必要性の見直し及び建設の是非についての意見交換の場と述べています。
 また、身近な自然環境はコロナ禍でかけがえのないものとなり、地球温暖化により、その価値はさらに見直されるべきとし、このような社会情勢の中、長期的視点に立って建設の是非そのものを問うことは時代の要請であり、東京都は真摯に向き合うべきである、優先整備路線二路線について、昨今の社会情勢を踏まえて、抜本的な見直しを行うことを強く求めると結ばれています。
 一連の意見書は小金井市民の民意を表現しています。都は、ここで一旦立ち止まり、小金井市民の民意に沿って見直すべきではないでしょうか。この意見書に対する認識についてお伺いします。

○花井道路建設部長 小金井三・四・一号線及び小金井三・四・一一号線ほかは、第四次事業化計画の策定に当たりまして、将来都市計画道路ネットワークの検証を実施し、その必要性が確認されておりまして、重要性、緊急性を考慮した上で、優先整備路線に選定されております。
 この二路線は、広域避難場所へのアクセス向上や生活道路への通過交通抑制による地域の安全性向上などに資する重要な道路でございます。
 このうち小金井三・四・一一号線ほかにつきましては、現在、本区間の前後の道路は完成または事業中でございまして、本区間のみが唯一未着手区間となっております。
 小金井三・四・一一号線ほかの整備に当たりましては、本路線周辺で実施しております武蔵野公園生物多様性保全利用計画の検討や、野川第一・第二調節池地区自然再生事業と環境概況調査等の結果を適宜共有するなど連携を図っておりまして、引き続き情報共有してまいります。
 現在、これまでに共有している情報や環境概況調査等の結果を基に、必要な保全対策の検討を実施いたしますとともに、自然環境や景観に配慮しながら道路構造等の検討を進めております。
 事業化に向けましては、引き続き、オープンハウスの開催など、多くの方々の意見を聞きながら、丁寧な対応と周知をしてまいります。

○漢人委員 残念な答弁です。二〇二〇年二月のオープンハウス説明から丸二年が経過をしています。この間、東京都は、小金井市そして市民に対し、説明会、意見交換など、対話を行っていません。
 一方、地元の小金井市では、この二年間で、二路線に対する見直し、中止を求める声はさらに強まっています。その一つが、昨年三月の選挙で改選された新しい市議会によるこの意見書です。
 また、小金井市は、二年前のオープンハウス直後に、三千人を対象としたアンケートを実施しました。そこでは、国分寺崖線や野川の自然環境、景観への影響に対して多くの市民の懸念が示されました。
 これを受けて小金井市長は、二〇二〇年五月二十七日、都知事に対して二回目の要望書を提出。建設の是非を含め、市民の理解の進展は十分であるとはいえない状況であり、現時点では事業化に賛同しかねます、私、小金井市長が了解できない状況下での事業化は進めないよう求めますと強く訴えました。
 先日、小金井市からは、この二〇二〇年五月の市長からの都への要望書について、現在も同じ考えであるという確認の電話が東京都に対して入っているというふうに思います。先日の小金井市の委員会の中でそのように表明をされました。
 国分寺崖線と野川周辺の都内でも貴重な生態系を損なうことになるこの都市計画道路小金井二路線、三・四・一号線及び三・四・一一号線ほかは望まないという小金井市民の民意は明らかなんです。この民意に沿って見直しをすべきと申し上げて、本日のこの質問を終わります。
 次に、大きな二つ目の質問、西部公園緑地事務所の建て替えについてお伺いします。
 多摩地域の公園や緑地を管理している西部公園緑地事務所を老朽化によって建て替えることになり、それに伴って、井の頭公園の樹木を百本以上伐採するということで、近隣住民や環境団体の皆さんが反対や見直しの声を上げています。その現状と今後について質問します。
 まず、西部公園緑地事務所の建て替えに関する庁内での検討と市民関係団体への説明の経過についてお伺いします。
 三月二日、小池知事に対して、東京都西部公園緑地事務所改築工事計画の撤回並びに新たな整備の検討を求める陳情が千九十九筆の署名とともに提出をされました。
 この陳情署名は、今年の一月から取り組まれたもので、八十六本もの高木を伐採する計画に対して、このような自然と日本文化にゆかりの深い地域において、趣ある旧御料地の高木の多くが伐採されることを看過できません、伐採された樹木は二度と戻ってきませんと訴え、計画の撤回や代替地での建設を求めています。
 本計画に関する住民への説明の経過、そしてこの陳情への対応と見解をお伺いいたします。

○根来公園計画担当部長 多摩地域における都立公園、緑地、霊園の整備や維持管理などを所管する西部公園緑地事務所の庁舎建物は、築五十年を超え老朽化が進んでおりまして、建て替えを行うことといたしました。
 住民への説明につきましては、事業評価を踏まえ、令和元年度予算に計上することになったことから、平成三十一年三月に、地元に周知するため、庁舎改築計画のお知らせを配布いたしました。
 令和二年度からは、武蔵野市まちづくり条例に基づき、七月に基本構想の資料を近隣住民に配布し、三年三月に基本計画の説明会を実施いたしました。
 それぞれに対して提出された意見書については、都の見解書を送付いたしました。
 三年七月には、住民の請求により、市による調整会が開催されたため、都の見解を示しております。
 庁舎の建て替えに当たりましては、現在の庁舎を使用しながら、敷地内に新庁舎を建築することによりまして、仮設庁舎が不要であり、公園の利用にも影響がない計画としております。
 敷地内で建て替えることにより、支障となる樹木の伐採本数は、基本構想では百十二本でございましたが、基本計画において工事区域を縮小することで八十六本に減らし、さらに、現在、移植などにより六十五本まで見直しております。

○漢人委員 三月九日に武蔵野市議会で本件に関する陳情審査も行われています。樹木伐採数の見直しについては一定の評価をする意見もありましたが、住民対応についての不十分さの指摘もあり、現状把握のために継続審査となったようです。
 最初の基本構想に関わる説明会が二〇二〇年七月だったため、新型コロナウイルス感染防止のために資料配布に限定されたことは残念でした。
 また、事務所の敷地を管理区域として公園の樹林地と区別をしていますが、住民からすれば同じ井の頭公園であり、当初、管理区域内の伐採本数を示さなかったことは、住民とのあつれきを招いた一因だったと指摘をしておきます。
 次に、井の頭自然再生協議会についてお伺いします。
 先ほど質問しました自然再生推進法ではなくて、こちらは東京都の要綱により設置をされているもので、井の頭の池のかい掘りに関わった環境団体など、現在は九団体により設置をされているものです。そして、毎月この協議会は開催されていると伺っています。
 設置要綱では、協議事項は四つ掲げられています。井の頭公園の現状について、公園の自然再生に向けた対策について、公園の在来生物の保全について、その他設置目的に関し必要な事項となっています。
 ところが、今回の建て替え計画について、この井の頭自然再生協議会には全く報告がなく、昨年の秋にこの計画を知った構成団体の方々が驚いて公園事務所に説明を求め、今年一月に西部公園緑地事務所の建て替え工事に関する要望書を提出されました。
 公園内での建て替え計画において、本来行うべき計画、設計前の生物調査、地域団体との情報交換、地域団体や地域住民への説明、意見交換の場の設定などが行われなかったことは遺憾として三項目を要望されています。
 一つ目は、生物調査を行って現状を把握し、絶滅危惧種、希少種への影響を最小限にとどめるよう、工事計画を不断に見直すこと。
 二つ目は、地域団体への工事内容の説明と意見聴取をする場を設けること。
 三つ目は、タマノカンアオイ、ムサシアブミなど、希少な植物が園内で唯一自生する貴重な環境を守るために、長い年月によって成立した樹林地の日照や湿度などを変えることになる樹林、樹木伐採などを抑えるため、工事期間中のみの仮設施設の設置場所の変更です。
 以上の三つの要望をされています。
 結果的に、この要望書には一定の対応が取られたようです。しかし、そもそも井の頭自然再生協議会への説明を行わなかったのはなぜでしょうか。

○根来公園計画担当部長 井の頭自然再生協議会は、在来生物の保全など、井の頭恩賜公園の自然再生に関する課題について、園内で活動する自然保護団体などと協議することを目的として都が設置したものでございまして、建て替えを含めた庁舎の整備については協議事項には含まれておりません。
 なお、本年一月に、構成している複数の団体から建て替え工事に関する要望書が提出されたため、二月に開催された協議会の場を活用し、説明を行いました。

○漢人委員 庁舎の建て替えについては協議事項に含まれていないという判断をされたというのは、これはちょっと信じられない答弁です。東京都の設置要綱に定めた協議事項、先ほど述べました井の頭公園の現状について、公園の自然再生に向けた対策について、公園の在来生物の保全について、その他必要な事項です。
 百本の樹木伐採を伴う計画です。百本の木を切ることは公園の現状にも、自然再生にも、在来生物の保全にも、何の影響もないと判断をされたのでしょうか。明らかに協議事項に深く関わる計画であり、例えば武蔵野市条例に基づく市民への説明と同時期、あるいはもっと早い時期に相談するべきではなかったでしょうか。
 公園の自然再生を協議するために都が設置した場です。要望書が提出されるまで説明をしなかったことは、大いに反省するべきだというふうに思います。
 以上のように、今回の事務所建て替えに関しては、住民、関係団体への説明について様々な問題があったといわざるを得ません。
 最後に、今後の計画見直しと住民、関係団体の理解について、どのように対応されようとしているのかお伺いします。

○根来公園計画担当部長 樹木の伐採につきましては、これまで工事区域の縮小や樹木の移植などにより見直しを行ってまいりました。
 今後とも、井の頭自然再生協議会での意見交換や近隣住民への工事説明会などを通じまして、丁寧に説明してまいります。

○漢人委員 樹木の伐採については今後も見直していく、井の頭自然再生協議会での意見交換や近隣住民への工事説明会などを通じて、丁寧に説明していくとの答弁です。ということですよね。−−今後も見直していく上での意見交換や丁寧な説明ですから、これは一方通行の報告ではなく、再生協議会のメンバーや住民からの提案や意見も聞いて反映されていくものと受け止めます。
 井の頭公園や新しくなる公園事務所が住民や関係団体の皆さんにとって歓迎されるものとなるように、納得できるぎりぎりまでの調整に努めていただきたい。お願いいたします。
 私自身も井の頭公園、若い頃から何度も訪れました。個人的にも、また保育所の仕事をしている中でも訪れ、とてもなじみがある場所です。しかし、その中で、この西部公園緑地事務所がここにあるということは、今回のことがあるまで気がつきませんでした。知りませんでした。この事務所があるということで、初めて、先日伺いましたけれども、確かに本当に老朽化をしていて、建て替えが必要だということは十分私も感じています。近隣の方々も、そして環境団体の方々も、建て替えそのものを全く否定をするということではないというふうに思っています。
 また、今後も公園内での施設の更新などがあった場合には、早い段階からの生物調査、パブリックコメントなど、周辺からの意見収集、そして市民団体との意見交換などを行って、住民や関係団体の皆さんと共に、井の頭公園の自然を守り、育んでいっていただきたい。そのような本当の意味で地域の皆さんと、都民、市民の皆さんと共につくっていく、そんな公園を、そしてそんな都政を進めていただきたい、そういった思いを強く申し上げまして、質問を終わりたいと思います。

○曽根委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後三時八分休憩

   午後三時二十五分開議
○曽根委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○鈴木委員 よろしくお願いします。
 スーパー堤防は、川に面した部分だけを高くする通常の堤防とは異なり、堤防がまちや住宅地に向けてなだらかな傾斜となっており、大規模な洪水や川の氾濫などで水位が堤防の高さを超えても水の流れが緩やかとなり、住宅などが押し流される危険が少ないとされています。
 現在、都は、東部低地帯の主要五河川でスーパー堤防整備を行っております。都が進めているスーパー堤防は、後背地の開発等と連携し、一体的に整備を行うものであり、地震に強くなるだけではなく、水辺に親しめる空間ともなります。
 令和四年度のスーパー堤防関係の整備予算は約五十億円とされ、積極的に整備が進められており、私が住んでいる台東区を流れる隅田川でも実施されております。
 そこで、まず初めに、隅田川におけるこれまでのスーパー堤防の整備状況と令和四年度における整備予定箇所について伺わせていただきます。

○齊藤河川部長 スーパー堤防の整備は、耐震性の向上や良好な景観の形成などを目的といたしまして、沿川の民間開発者や地元区等の協力を得て、開発と一体的に実施しております。
 隅田川では昭和六十年度より、中央区の大川端地区などで整備を実施してきており、これまで堤防延長約四十七キロメートルのうち約三割で完了しております。令和四年度は、台東区の橋場一丁目など十二地区におきまして実施いたします。
 引き続き、地元区などと連携し、スーパー堤防の整備に取り組んでまいります。

○鈴木委員 ありがとうございます。今、台東区の橋場一丁目という住所が出まして、私も実は子供の頃住んでおりまして、当時から、昭和六十年度から中央区の方で整備が進んでおりまして、今でも、子供の頃の景色と隅田川のあの地域というのは、そんなに変わらずにいるということで、本当にそんなに前から進んでいたんだなということを改めて実感いたしております。
 このスーパー堤防整備事業は、堤防の耐震性や水辺環境の向上だけではなく、東部低地帯における高台まちづくりにも資する重要な事業だと考えております。今後とも精力的に事業を推進していただきたいと思います。
 また、スーパー堤防間を結ぶ隅田川テラスは、都民の皆様に、散歩そしてジョギングなどで利用されております。しかし、水門等で行き止まりとなってしまう箇所がありまして、大きく迂回するような状況も見受けられます。
 都は、こうした状況を踏まえ、テラスの分断箇所を連続化する事業を実施していると仄聞しております。
 そこで、隅田川におけるテラス連続化に関する令和四年度の取組についても伺わせていただきます。

○齊藤河川部長 都は、隅田川の支川の合流によりテラスが分断されている箇所におきまして、利用者の利便性等をさらに向上させるため、橋梁などによる連続化工事を行っております。
 令和四年度は、大横川の合流部に整備いたしました橋梁を一般開放いたしますとともに、竪川合流部におきましては、引き続き橋梁の工事を実施いたします。

○鈴木委員 ありがとうございます。技術的に難しい箇所もあると伺っております。引き続き、テラス連続化の早期完成に向けて、これからもしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 次の質問に入らせていただきます。
 道路は、都民生活や都市活動を支えるとともに、災害時には救助救援活動や緊急物資輸送など、生命と財産を守る極めて重要なインフラであると考えております。とりわけ橋梁は、河川や鉄道で分断された地域をつなぐ重要な構造物でありまして、東京都が管理する橋梁の多くは高度経済成長期に建設されており、建設後五十年以上経過した橋梁は約四割となっております。
 橋の高齢化が進み、高齢化するインフラの増加に対応するためには、日常点検などにより日々の安全を確保するとともに、今後も適切な維持管理を計画的に実施し、また重要なインフラを将来にわたって良好な状態に保つことが必要であると考えております。
 こうしたことから、建設局においても予防保全型管理を一層推進するため、昨年度、橋梁予防保全計画を作成したと認識しております。
 そこで、東京都における橋梁の予防保全型管理について伺わせていただきます。

○村上道路保全担当部長 都では約千二百橋の道路橋を管理しており、これらの多くは一斉に更新時期を迎えます。このため、更新時期の平準化と総事業費の縮減を目的として、平成二十年度に橋梁の管理に関する中長期計画を策定し、橋梁の損傷や劣化が進行する前に適切な対策を行う予防保全型管理を進めてきました。
 具体的な取組として、著名橋や鉄道上に架かる橋梁など約二百橋を対象に長寿命化事業を実施してきました。
 より一層、予防保全型管理を推進するため、昨年度、橋梁予防保全計画を策定し、長寿命化事業の対象以外の橋梁についても、定期点検の結果を踏まえて、より早い段階で補修を行う橋梁を新たに対象として位置づけました。

○鈴木委員 ありがとうございます。約二百橋を対象に長寿命化事業が進められ、さらにそれ以外の橋梁も、定期点検に基づく補修事業の対象として、予防保全型管理に取り組んでいることについて理解することができました。
 都が管理する多くの橋梁を良好な状態で後世に引き継いでいくためにも、予防保全型管理を着実に進めていくことが重要であると考えております。歴史的な橋や鉄道上に架かる橋の長寿命化事業は重要となり、そこで、長寿命化事業の事業内容と実施状況、そして令和四年度の取組についても伺わせていただきます。

○村上道路保全担当部長 長寿命化事業は、将来の劣化状況を予測した上で、新たな工法や材料を活用するなどにより、適切な対策を実施することで、対策後百年以上の耐久性や安全性などを確保するものであります。
 平成二十一年度から令和二年度末までに百二十一橋に着手し、隅田川に架かる永代橋など四十八橋で事業を完了しました。
 令和四年度は、JR東海道線をまたぐ蒲田陸橋など五十橋で工事を実施する予定でございます。

○鈴木委員 都における橋梁の長寿命化事業が着実に実施されていることが分かりました。
 私の住む台東区では、隅田川に関東大震災復興事業として建設された多くの歴史的な橋がございます。また、区内を南北に通るJR山手線など、鉄道上に架かる橋も多くあります。
 そこで、都が管理する台東区内における橋梁の長寿命化事業の実施状況と令和四年度の取組についても伺わせていただきます。

○村上道路保全担当部長 台東区内における橋梁のうち、隅田川に架かる吾妻橋など七橋が長寿命化事業の対象であります。これまでに六橋について着手し、四橋で対策を完了しました。
 令和四年度は、JR山手線などをまたぐ両大師橋などについて事業を進める予定でございます。

○鈴木委員 ありがとうございます。台東区における橋梁の長寿命化事業の実施状況と令和四年度の取組について伺うことができました。
 今後とも橋梁の予防保全型管理を着実に推進して、都市インフラの安全性確保に努めていただくことを要望し、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

○関野委員 それでは、私から、まずは柳瀬川流域における水防災情報の充実についてお伺いをいたします。
 令和元年東日本台風では、私の地元奈良橋川や柳瀬川においても溢水による被害があり、地域住民からより一層の安全対策を求める声が上がりました。
 都では令和三年四月に、東京都豪雨対策基本方針における対策強化流域に柳瀬川流域を新たに追加したところでありますが、浸水被害を減らしていくためには、護岸や調節池の整備など、ハード対策を着実に進める必要もあります。
 しかしながら、このようなハード対策には相当の時間がかかるため、住民の避難など、ソフト対策も併せて進めていくべきだというふうにも考えております。
 令和元年の台風後には、それまで設置されていなかった柳瀬川と空堀川合流点付近などに新たに河川監視カメラを設置し、公開いただいたが、このたび対策強化流域へ追加されたことを踏まえて、住民の避難に役立つさらなる取組が必要だというふうに考えております。
 そこで、柳瀬川流域において水防災情報の発信を強化すべきというふうに考えておりますが、都の見解をお伺いいたします。

○齊藤河川部長 水害から都民の命を守るためには、河川の情報を分かりやすく伝える河川監視カメラの設置など、迅速な避難行動につながるソフト対策を進めることが重要でございます。
 都は、柳瀬川流域におきまして、令和元年東日本台風で溢水した奈良橋川など、これまで三河川七か所で監視カメラを設置し、映像を公開しております。
 令和四年度は、空堀川と奈良橋川の合流点付近の監視カメラを改良いたしますとともに、空堀川など二河川三か所で新たにカメラを設置し、これら四か所の映像を公開いたします。
 こうした取組を進め、住民の適切な避難判断の一助となる水防災情報の発信を強化してまいります。

○関野委員 ありがとうございます。柳瀬川流域に河川監視カメラの設置が着実に進んでいる、また、重要な合流点にも監視カメラが設置されているということがよく分かりました。今後も、ほかの河川の合流点にも監視カメラの設置を進めていただきたいというふうに思っております。
 また、河川沿いを散歩する地域の方が、この監視カメラが複数存在をするということを認識すると同時に、増水時に現地へ行くことがないように、この映像がどういうふうに公開されているかということを積極的にPRするために、先ほどもありましたけれども、QRコード、こういったものを活用した看板設置など、さらなる水防災情報の発信強化、これについても取組を進めていただきたいことを要望いたしまして、次の質問に移らせていただきます。
 続きまして、かい掘りについて伺います。
 都立公園では平成三十年度から令和二年度まで、三か年で約三十か所の公園でかい掘りを実施してきました。
 池のかい掘りは、水を一度抜いて天日干しをし、水を入れ替えることにより水質の改善が図られるとともに、外来種を捕獲することで、在来種の魚などが増え、在来種である水草も増えることで、元来の池の姿を取り戻すことが期待をされております。
 我が会派としても、かい掘りを以前から要望しておりまして、かい掘りの実施については評価をしているところですが、しかし、かい掘りは一度行えば永久に行わなくてよいというものではありません。まずは効果検証を行い、次回はいつ、どのように行うか、こういったことを検討すべきというふうに考えております。
 そこで、かい掘りを実施した池については、水質や生物に関するモニタリング調査を実施していますが、どのような調査をしているのか、この点についてお伺いをいたします。

○根来公園計画担当部長 平成三十年度から令和二年度までに、かい掘りを実施した池につきましては、かい掘りの前後における水質や生物の生息状況の変化を確認するため、継続してモニタリング調査を実施しております。
 具体的には、水質につきましては、透視度、浮遊物質量、BOD、CODなど十項目の調査を実施しております。生物につきましては、魚類や水生昆虫、水生植物等の生息状況の調査を実施しております。

○関野委員 この三か年で行ったかい掘りについてモニタリングをしているということですが、具体例として直近の、昨年実施した石神井公園の石神井池についても伺いたいと思っております。
 石神井公園の池は幾つかに分かれており、水辺観察園の池については定期的に行っているということですが、石神井池、通称ボート池ですが、こちらはこれまでかい掘りが行われておらず、アオコが発生したり、広く美しい公園にもかかわらず、池が汚いという印象でありました。
 また、外来種が増え、在来種が減っているなど、生態系の変化も心配されているところです。
 昨年、かい掘りを実施した石神井公園の石神井池における今後のモニタリング調査、この調査についての状況を教えてください。

○根来公園計画担当部長 令和二年度にかい掘りを実施いたしました石神井公園の石神井池において、水質や生物の生息状況等について、昨年四月からモニタリング調査を実施しております。
 調査によれば、池の水の透明度は、かい掘り実施前より改善されておりまして、数十年ぶりにイトモ類の生育が確認されました。
 また、モツゴやスジエビなどの在来種が増加しているほか、小魚やエビを捕食するカイツブリの営巣数が増えるなどの効果が出ております。
 一方、駆除し切れなかったブラックバスなどの外来種も確認されております。
 引き続き、モニタリング調査により、池の状況を確認してまいります。

○関野委員 水質の改善が図られており、在来種が増加しているということで、着実にかい掘りの成果が表れているのかなというふうに思いました。しかしながら、客観的な見た目でいうと、改善されたとはいえ、水質は濁ってきており、きれいな池になったとはいい難い状況であります。
 定期的なかい掘りが必要と考えますが、昨年の質疑において、平成三十年度にかい掘りを実施した池については、今年度、かい掘りの効果について検証していくということでありましたが、その状況についてもお伺いをいたします。

○根来公園計画担当部長 今年度、平成三十年度にかい掘りを実施した十か所の池について、三十年度のかい掘りの実施状況と三年間のモニタリング調査結果に基づきまして、水質、生物の生息状況等の観点から、効果の検証を行いました。
 水質の改善につきましては、ほとんどの池において一定程度の効果が維持されておりますが、一部の池においては、かい掘り前の状況に戻りつつあることが確認されております。
 生物の生息状況につきましては、かい掘りによる外来種の駆除により、在来種の魚や水生植物の増加が確認されていますが、一部には繁殖力の高い外来種の増加も見られております。
 これらの検証を踏まえまして、今後のかい掘りの実施について検討を進めてまいります。

○関野委員 ありがとうございます。冒頭に申し上げましたが、かい掘りは定期的に行っていく必要があるということですから、検証を踏まえて検討を進めていただきたいというふうに思っております。
 また、実施する際には、地元住民や子供たちを巻き込んだイベントとして開催していただきたいなというふうにも思っております。なぜかといえば、協力して池をきれいにすることで、その池に対して愛着が湧き、常にきれいにしようという気持ちを持ち合わせていただけるかなというふうに思っています。
 都内には少ない大きな公園であり、池です。公園の魅力をさらに高めるかい掘り事業ですから、検証で実施効果が高いとされる池については、ぜひ定期的なかい掘りを実施していただきたいと改めて要望しまして、この質問を終わらせていただきます。
 次に、日比谷公園についてです。
 日比谷公園大音楽堂、いわゆる日比谷野音は、日本初の本格的な野外音楽堂として、大正十二年、一九二三年に開設され、三代目となる現施設は昭和五十八年、一九八三年八月に完成したものであります。
 人々の憩いの場であり、都心のオアシスともいわれる都立日比谷公園の再整備に伴い、老朽化やバリアフリー対応が必要な日比谷野音も改築する運びとなりました。令和六年度に着工、令和九年度末をめどに完成予定ということですが、多くの人々を魅了した日比谷野音がこれからも変わらず親しまれ、積極的に利用される施設であり続けることが望まれます。
 そのためには、官庁や民間オフィスが立ち並ぶ立地条件から制約も多い中で、今後どのように再整備を進めていくのか、現状の取組状況と今後の予定をお伺いいたします。

○根来公園計画担当部長 日比谷公園大音楽堂、いわゆる野音におきまして、民間事業者のノウハウ等を活用した再整備を進めるため、その事業効果や事業実施に向けた課題の把握を目的として、今年度、マーケットサウンディング調査を実施いたしました。
 この調査の結果得られた事業採算性や騒音対策などの課題を踏まえ、現在ハード、ソフト両面の視点から事業スキームや公募の条件などを取りまとめておりまして、来年度半ばに再整備事業者の公募を開始いたします。
 野音に新たな魅力を付加し、地域や多くの都民の皆様に親しまれる野音となるよう、令和十年度の供用開始を目指して再整備に取り組んでまいります。

○関野委員 日比谷の野音の改築に当たっては、収益性の向上、騒音対策など、想定される課題を踏まえ、対応することを求めておきます。
 日比谷野音の改築を含む日比谷公園全体の再生整備計画は、都心のビッグプロジェクトです。都市における公園は、憩いの場であるのみならず、観光や経済のさらなる活性化にもつながる可能性を秘めているところです。
 日比谷公園全体の再整備の今後の取組についてお伺いをいたします。

○根来公園計画担当部長 都は、開園百三十周年を迎える令和十五年に向けまして、時と人と空間をつなぐことをテーマに、昨年七月、日比谷公園再生整備計画を策定し、さらなる公園機能の拡充と魅力の向上を図ることといたしました。
 具体的には、日比谷公会堂の前に広がる第二花壇をビスタ景観が映える憩いの広場空間とするほか、周囲の歩道と一体感のある空間を創出し、公園とまちとの回遊性を高めていくなど、段階的に園内の整備を進めてまいります。
 今年度から基本設計を行っておりまして、時代のニーズを的確に受け止め、一層魅力的な公園となるよう、再生整備事業を進めてまいります。

○関野委員 ありがとうございます。先ほどもいわせていただきましたが、いろいろな制約も多い中での公園整備という形ではありますが、やはり歴史というものがありますので、ぜひこの野音が今まで以上に活躍し、愛されることを考えて再整備の方をお願いして、私の質問を終わらせていただきます。

○加藤委員 それではまず、バリアフリー事業とベンチの設置について質問をいたします。
 都議会公明党は、東京の今後迎える超高齢化社会に向けて、そして東京二〇二〇大会のレガシーとして、バリアフリー化を推進することが必要不可欠であると考えております。
 私は、昨年の事務事業質疑において、都道における東京二〇二〇大会に向けたバリアフリー化に向けた取組がどうであったのか、そして大会後の計画について確認をしたところです。そこでは、東京都道路バリアフリー推進計画に基づく整備と、国の指定した特定道路における整備を推進していくとの答弁がありました。
 そこで、具体的な内容を確認するため、来年度の都道のバリアフリー化の予定について伺います。

○村上道路保全担当部長 都道のバリアフリー化につきましては、本年二月に公表した「未来の東京」戦略version upの三か年のアクションプランにおいて、来年度は約十五キロメートルを整備することとしています。
 具体的には、歩道の段差解消や勾配改善、視覚障害者誘導用ブロックの設置などのバリアフリー化事業を不忍通りなどで進めるとともに、無電柱化等との一体的な整備を環七通りなどにおいて進めます。

○加藤委員 バリアフリー化に際しては、量的な面だけでなく質的な面も向上させることが重要であります。昨年、中島局長からも、事務事業質疑の答弁で、質の高いバリアフリー環境の整備に積極的に取り組むと、こういう答弁をいただきました。
 東京二〇二〇大会においては、障害者の方々などが会場に向かう歩道等をアクセシブルルートに指定し、ベンチを五十メートル程度の間隔で設置することがアクセシビリティ・ガイドラインに定められていました。
 残念ながら大会は無観客で開催されたために、都道にはベンチが設置されなかったと聞いておりますけれども、この精神はレガシーとして引き継いでいくことが望ましいと、このように考えております。
 そこで、今後はより一層、歩道上へのベンチの設置を積極的に進めていくべきと考えますが、見解を伺います。

○村上道路保全担当部長 歩道上にベンチを設置する場合には、歩行者や車椅子使用者等の通行に支障とならないよう、車椅子使用者同士が擦れ違うことのできる幅二メートル以上の有効幅員を確保することに加えまして、ごみが捨てられることがないなどの適切な管理が必要であります。
 これらを踏まえた上で、ベンチの設置につきましては、病院等の周辺で、特に高齢者や障害者等の休憩スペースを確保する必要がある箇所等において、地元団体等による維持管理の協力の可能性などを考慮し、必要に応じて検討いたします。
 引き続き、誰もが安全・安心に利用できる道路空間の整備に取り組んでまいります。

○加藤委員 国では、令和二年度にまちなかウォーカブル推進プログラムを策定しまして、東京も、「未来の東京」戦略二〇二二において、にぎわいあふれるウオーカブルな人中心のまちづくりを推進するとしております。人中心の魅力の高い空間を創出し、居心地がよく、歩きたくなるウオーカブルなまちづくりの推進です。
 したがって、バリアフリーの観点とともに、にぎわいや生きがい、豊かさ、こうしたことを実感できる道路空間の整備が必要だというふうに思います。歩行者利便増進道路制度を活用したにぎわい創出など、関係各局と連携して、人が歩いて楽しむ空間を多くつくっていただきたいと、このように思います。
 その歩行者中心のにぎわい空間の創出にとって必要なツールの一つが、私はベンチだというふうに思っておりまして、コロナ禍でも散歩に出かけまして、ちょっと休憩したいなと思ったらベンチに座れると、こういう環境は非常に大事だというふうに思っております。
 あと、他局の事業かもしれませんけれども、今後、KK線の上部空間を歩行者中心の空間として再生していく中で、ベンチに腰かけて談笑したり、また飲食することができれば、高さがありますから、上から眺められるということもあって、非常に気持ちのいいものだというふうに思います。
 そして、このベンチの整備に当たっては、SDGsの視点からも、再生木材や廃プラを混ぜた木材等を使用して、持続可能な整備を行っていくことが大事であります。入札のインセンティブを与えるなどして、導入を進めていただきたいというふうに思います。
 次に、東京を誰もが快適な生活を送ることができる活力に満ちた都市へと進化させ、人口減少社会における社会的課題の解決を図るためには、今後、ICTやAIなどのデジタル技術の活用を図る必要があります。
 都議会公明党としても、このたびの予算特別委員会の総括質疑で述べたとおり、デジタル化はサステーナブルな東京を実現させていく重要な施策であると認識をしています。
 都は、デジタルサービスにより、都民のQOL向上を目指すスマート東京の実現を掲げています。
 例えば、令和三年第三回定例会の一般質問でも我が党の斉藤議員が質問をしておりますけれども、都では、都民と協働した道路管理を実現するため、ICTを活用し、道路の損傷や不具合を簡易に投稿することができる道路通報システムが試行されています。
 私の地元墨田区内の都道においても実施をされておりまして、休日や夜間でも通報できると聞いております。
 このようなデジタル技術の活用で、新たなサービスを実装するなど、都民サービスの充実を図ることができ、とりわけ安全・安心を確保し、都民の命や暮らしを守ることは重要であります。
 そこで、建設業事業におけるスマート東京の実現に向けて積極的に取り組むべきと考えますが、建設局長の見解について伺います。

○中島建設局長 スマート東京の実現に向けましては、デジタルトランスフォーメーションを推進し、都民サービスの向上、インフラの整備、維持管理の高度化を図ることが重要でございます。
 そこで、今年度は新型コロナウイルス感染の予防及び拡大防止に向けまして、恩賜上野動物園において、AIカメラを活用した混雑情報を発信いたしますとともに、水害に対する都民の安全・安心に寄与するため、AI等を活用した水位予測による水門等操作支援の試験運用などに取り組んでまいりました。
 さらに、来年度は3Dデータを活用した山岳道路の斜面点検及び土石流に対する安全対策や道路の危険情報等を都民に迅速に提供する道路監視システムの構築などに取り組んでまいります。
 今後もこうしたデジタルの力を最大限に活用し、強靱で持続可能な都市をつくり上げますとともに、都民のQOLの向上、都民が安全・安心に暮らせるスマート東京の実現に取り組んでまいります。

○加藤委員 スマート東京の実現のため、デジタル関連経費が東京都全体でプラス四百十三億円の七百八十億円の予算が計上されております。デジタルの分野では諸外国に比べて遅れている日本ですが、東京から挽回すべく、建設局としてもデジタルの力を最大限に活用して、都民生活の向上に積極的に取り組んでいただくことを要望して、質問を終わります。

○里吉委員 日本共産党の里吉ゆみです。
 それでは、建設局の質疑を始めていきたいと思います。
 まず、パークPFIについて伺います。
 現在、明治公園と代々木公園でパークPFIでの整備が進んでおります。都市公園は、都民の貴重な憩いの場であり、避難場所、生態系保全、ヒートアイランド対応としてもかけがえのないオープンスペースです。その少なくない部分を民間事業に委ね、建蔽率を緩和するなど、公共施設としての公園機能を損ないかねないということで、我が党はこの条例改正に反対をいたしました。
 本日は、今回この二つの公園がパークPFIで整備されるに当たって、幾つか確認し、質疑をしたいと思います。
 まず初めに、パークPFIを導入するに当たっての東京都としての考え方を伺います。そして、全ての都立公園はこの対象になるのか確認いたします。

○植村公園緑地部長 パークPFI制度は、公募により選定された者が飲食店、売店などの公園利用者の利便の向上に資する公募対象公園施設の設置と、その収益を活用して、周辺の園路、広場などの特定公園施設の整備、改修などを一体的に行うものでございます。民間の発想や資金を活用して公園の魅力や価値を向上させるため、明治公園及び代々木公園において導入をいたしました。
 このようなパークPFI制度の活用につきましては、都立公園ごとに判断することになります。

○里吉委員 都立公園ごとに判断するということで、つまり、具体的な対象となる基準は特に示されていないということでよろしいんでしょうか。今後、どこまでこの手法が広がる可能性があるのかどうか、それで都立公園全部が対象なんですかということをお伺いしたんですけれども、具体的にこういう公園をPFIでやるという基準は、現在は特にないということでよろしいのか確認したいと思います。

○植村公園緑地部長 パークPFI制度の活用につきましては、都立公園ごとに判断することといたします。

○里吉委員 その都度その都度考えるということで、その際に、なぜこの公園はPFIにするのか、なぜこの公園はそうしないのかということについて、もう少し議論したかったんですけれども、これはまた次の機会に譲りたいと思います。
 次に、東京都としてこのパークPFIを導入するに当たっては、様々な手続を踏まれていると思いますけれども、その手続について、特に第三者、専門家や都民の関与がどのようなものだったのか伺います。

○植村公園緑地部長 令和三年三月、明治公園及び代々木公園の整備、管理運営を行うパークPFIの事業者を公募いたしました。
 都は、学識経験者から成る選定委員会の意見を踏まえて、公募指針を策定して公募を行い、選定委員会の審査を経て、事業者を決定いたしました。
 なお、審査の際に地元区の意見を聴取しております。

○里吉委員 今、審査の際に地元区の意見を聴取したということですけれども、具体的にはどのような形で聴取したのか伺いたいと思います。
 また、私、都民の関与ということも伺ったんですけれども、特に地元区ということではなくて、−−まあ、地元区民の方でもいいんですけれども、地元区の意見聴取とは別に、都民の声を聞く、そういう場面はなかったのかどうか確認します。

○植村公園緑地部長 ご意見につきましては、選定委員会の審査の際にご意見を地元区から聴取しております。また、直接都民からの意見ということは聞いておりません。

○里吉委員 直接都民の意見は聞いていないということでした。ぜひ、本当でしたら直接都民の声を聞いていただきたいなということで、これは後で少し議論しますけれども、専門家の意見を聞いて、パークPFI制度が進んできているということなんですけれども、改めて今回のこのパークPFI、公募設置管理制度は、代々木公園と明治公園がなぜ選ばれたのか、その理由について具体的に伺いたいと思います。

○植村公園緑地部長 明治公園及び代々木公園の拡張整備におきましては、新しい視点を取り入れた、にぎわい施設の設置を計画しておりまして、民間の発想や資金を活用して公園の魅力や価値を向上させるため、このたびパークPFI制度を活用いたしました。

○里吉委員 民間ならではの新しい視点を取り入れた、にぎわい施設の設置を計画しているということでしたけれども、こちら、明治公園も代々木公園も有名な公園ですけれども、今回の場所は、代々木公園も飛び地ですし、どちらも拡張部分が独立して、公園として拡張した部分を新しい民間の視点で取り組みたいということなのかなというふうに思いましたけれども、具体的に、ここのPFI、なぜすることになったのかということについては、ちょっとよく分からなかったと。民間ならではの新しい視点を入れたかったということだけだということしか確認できませんでした。
 ちょっとここで改めて確認したいんですけれども、都立公園の整備ですから、一般的には、パークPFIを使わなければ、東京都として整備する場合もあると思います。もう一方で、パークPFIで整備する場合と、整備の仕方、具体的には何が違うのか伺いたいと思います。

○植村公園緑地部長 パークPFI制度を活用する場合には、公募対象公園施設の設置管理許可期間を最大二十年に延長することができるほか、公募対象公園施設の建蔽率につきまして、一〇%を限度とする上乗せなどができます。

○里吉委員 そうなんですよね。最初にも話しましたけれども、パークPFI、民間活用するということで、公園の中の建蔽率一〇%を限度に、いろいろな施設、カフェやレストランや、それからスポーツ系の施設など、そういう民間の施設をつくるということで、私は、都立公園として普通に整備する場合とちょっと違う、こういう公園にするということも含めて、都民の声を聞く仕組み、地域の声を聞く仕組みは必要なのではないかというふうに思いました。
 一番最初に、この二つの公園、平成三十一年に、都立公園のそれぞれの明治公園と代々木公園の整備計画、中間のまとめというのが出ましたよね。そのときには、都民の意見募集して、パブコメもやっています。
 しかし、その後、その公園整備の手法が、東京都の公園として整備するのか、パークPFIで整備するのかというふうになったときには、特に都民の声も聞かないということで、まず、東京都として公募設置等指針が示されると。もう、PFIでやるということで、これから公園を整備しますよということが出てくるということになっているんです。
 やっぱりこれは、特に制度の仕組みとして、都民の声を聞かなきゃいけないという制度は、国の方でもつくっている法律でもあると思いますので、特にそういうことは聞かなくていいというつくりになっているんでしょうか。特に都民の声を聞いていないというご答弁だったんですけれども、聞かなくていいという仕組みになっているので聞かなかったということで、そういう理解でよろしいでしょうか。

○植村公園緑地部長 PFI制度の導入に当たりまして、国の法律において、一般の意見を聞くということは定められておりません。

○里吉委員 都立公園ということで、これは都民の共通の財産ということで、この委員会でも今いろいろ議論がありましたけれども、いろんな意見があると思います。カフェがあった方がいいという意見ももちろんあるでしょうし、パークPFIでやっていただきたいという意見や、そうじゃない、こういう公園がいいんじゃないかといういろんなご意見があると思います。
 全部を聞くのは大変かもしれませんけれども、建蔽率が少なくとも都立公園とちょっと違う民間施設が公園の敷地の一〇%を上限にできるという公園になるということについては、今回もう進んでしまっているから、今からというのは難しいかもしれませんけれども、これからパークPFIを進めていく−−私は進めてほしくないと思っていますけれども、どういう都立公園にするのかというときには、ぜひ、都民の意見は聞いていただきたい、そういう仕組みをつくっていただきたいなということは要望しておきたいと思います。
 それでは、次に、費用負担について伺います。
 公園整備や開園後の管理費など、東京都の負担はどのようになるのか伺います。

○植村公園緑地部長 公園の整備と管理における都の負担額につきましては、あらかじめ公募の際に示した、都が実施した場合に想定される事業費の範囲内で、パークPFI事業者の提案により決定されるものでございます。

○里吉委員 私もちょっとまだ不勉強なんですけれども、公募設置等指針を読ませていただきました。幾つか金額が書いてあったんですけれども、特定公園施設の建設に要する費用の上限額とか、利便増進施設の占用許可使用料とか、いろいろ示されていました。
 今のご説明を聞きますと、この範囲内であれば事業者は特に負担はないと。カフェとかレストランをつくる予算はもちろん民間事業者が持つんですけれども、東京都が示した額の範囲内でパークPFIが事業について提案するということで、東京都の負担がそれで増えることはないけれども、減ることもないという理解なのか、それとも、最初の説明だと、民間の施設をつくって、管理費とか民間事業者が出すことで一体に進めるというお話だったので、公園整備や開設後の管理費の都の負担、増えるのか、増えないのか、その都度違うのか、いろいろあると思うんですけれども、少しそこを具体的にお伺いしてよろしいですか。

○植村公園緑地部長 先ほど都の負担する整備と管理の負担額の範囲内でと申し上げましたのは、都が実施した場合に、整備費ですとか管理費ですとか、そのあたりの都の上限額を示したものでございまして、民間事業者の提案によりまして、民間事業者の方がより多く負担をして、都の負担額は減るということもございます。都が負担する上限額ということで示してございます。

○里吉委員 つまり民間が提案して、都がそもそもつくる都立公園よりも多くお金を出すということはないということですよね。上限額をちゃんと、東京都の負担を決めているということですよね。あとはその提案次第だということですよね。
 このPFI、近隣住民の声を入れて、開かれた公園としていただきたいということで先ほども要望いたしました。今回、この場所をよく見ますと、あまり周りに商店街がたくさんあるという感じの場所ではないようなので、今回は聞かなかったのかもしれないんですけれども、もし商店街とかがある場合は、ここにいろんな施設ができてしまうと、すごい商店街との関係も考えなければいけないということになると思うので、そういうときについてはきちんと周りの話も聞いていただきたいなということは要望しておきます。
 そして、近隣住民の声を入れるという制度で、パークPFIの導入に当たり、協議会が設置できるということが国の法律で示されておりますけれども、明治公園や代々木公園ではこの協議会を設置されるのか、どういうお考えなのか伺いたいと思います。

○植村公園緑地部長 都立公園では、都市公園法の改正以前から、ご指摘の協議会と同様の役割を持つパークミーティングを開催し、地域住民、ボランティア団体など、公園利用者の声を聞きながら運営管理に取り組んでまいりました。
 明治公園及び代々木公園におきましても、このような取組について、選定した事業者と協議をすることとしております。

○里吉委員 協議会をつくるかどうかということについては事業者と協議ということですけれども、ぜひ、つくられた公園は、どういった公園でも、都立公園として、都民の皆さんの声が聞けるような、開かれた公園となるように努力していただきたいというふうに思います。
 この問題の最後に、先ほど話になった建蔽率最大一〇%ということに関連してお伺いしたいんですけれども、建蔽率が最大一〇%上乗せされると、その部分というのはカフェとかレストランとか、いろいろな民間の施設ができるわけですよね。そうすると、これは、都民一人当たりの公園整備面積は減ってしまうのではないかと考えるわけですが、この公園面積の考え方について伺います。

○植村公園緑地部長 カフェ等ができたと仮定して、公募対象公園施設も含めまして公園施設となりますので、公園施設は公園の一部でございまして、公園面積が変わるものではございません。

○里吉委員 今ご説明あったように、公園面積は変わらないということでした。公園の一部だということですよね。都民の共通財産である都立公園の一部がこのパークPFIで民間の商業施設になるということは、私は、本来の意味での公園面積は減ってしまうというふうに思ったわけです。
 それから、このパークPFIの法律を通した条例改正のときに、住民一人当たりの都市公園面積に、新たに、例えばビルとビルの間の緑地空間も認定を受けられる市民緑地を含めるという制度ができましたよね。そういうことで、このままでいくと都市部の公園整備がどうなっていくのかなと。このことによって、実際の都民一人当たりの公園面積は狭くなっても、実はこういう緑地空間が認定されたり、公園は、面積はあるけれども建物が一定数建ってしまう、こういうことが進むのではないかというふうに私は危惧しております。都民の公共の、まあ自由に使える公園面積を減らさないようにしていただきたいということを思ったわけです。
 最初にも話しましたけれども、都民の貴重な憩いの場、避難場所、生態系保全、ヒートアイランド対応など、かけがえのないオープンスペースとして都民公園を拡充していく、そのためには、パークPFIの導入についてはよくよく議論して検討していただきたいということ、都立公園の整備そのものはぜひ進めていただきたいと思っているんですけれども、そのことを要望して、次の質問に移ります。
 次に、外環道の問題です。
 二〇二〇年十月の調布市東つつじケ丘での陥没事故発生以来、事故の後始末の全体計画も示されない中、将来にわたる生活不安、生活を見通せない不安な日々を住民の皆さんは送っています。また、健康被害で苦しんでいる方もたくさんいらっしゃいます。
 先月、二月二十八日には、事故が起きた地域を含む一部の工事中止を命じた仮処分の決定がされましたが、住民側は昨日十四日、全区間の工事中止が認められなかったことを不服として東京高裁に即時抗告をいたしました。私はこれは当然だと思います。
 これまで住民は、また議会では私たち共産党が繰り返し騒音や振動などの苦情を訴え、調査を求めてきました。また、調査で明らかになった情報や工事の情報開示を繰り返し求めてきましたが、国やNEXCOはこれになかなか応えようとせず、結局こうした重大な、あってはならない陥没事故を起こしてしまいました。
 しかし、事業者は、報告書を見ますと、事故の前にこういう住民から寄せられた騒音や振動の被害については一切触れていないんです。このような住民無視のやり方について、私は国も事業者も何ら反省していないというふうに思います。
 今後の補償についても、住民の立場に立って東京都がしっかり対応していただきたいというふうに思います。
 東京都の対応についてまず伺いますが、陥没事故直後に、国と事業者に対して早期の原因究明などを求める要望書を出して以来、それ以降初めて、今年の一月二十一日、文書で要望を出しました。
 このタイミングで東京都が要望を出したのはなぜか。また、三項目の要望が出されていますが、なぜこの三項目の要望を出されたのか伺います。

○福島三環状道路整備推進部長 一昨年十月十八日の陥没事故を受けまして、十月二十一日に都は、早急な原因究明と丁寧な説明や対応などについて緊急要望を行いました。その後も都は、事業者である国や高速道路会社に対しまして、あらゆる機会を捉えて、住民の不安払拭に向けました丁寧な説明や対応を要望してきました。
 事業者は、昨年十二月に大泉及び中央ジャンクションのシールド工事の再発防止対策及び地域の安全・安心を高める取組を取りまとめました。
 このことを受けて、都は今年一月二十一日に、事業者に対して、今後の地域住民の安全・安心や工事の安全性を確保するため、再発防止対策及び地域の安全・安心の取組について、地元自治体や地域住民へ丁寧な説明を行いながら確実に実施すること、また、陥没箇所周辺の方々には、補償及び地盤補修などについて、地元自治体の意見を聞きながら引き続き丁寧な説明やきめ細やかな対応を行うこと、また、今後の進め方については、事業連絡調整会議を活用するなど都や地元自治体との情報共有を行うことにつきまして要望したものです。
 都は、事業者に対しまして、引き続き適切な対応を求めてまいります。

○里吉委員 今、三点の要望について全て読み上げていただきました。ほかにもいいたいこといろいろ私などもありますけれども、この三点は非常に重要な要望だというふうに思います。出したこのタイミングというのは、国が再発防止対策及び地域の安全・安心を高める取組が出されたことを受けてだというご説明でした。
 東京都はぜひ、この要望した項目に沿って国と事業者が対応しているのか、きちんと確認し、そういう対応をしてもらえるように、しっかりと国と事業者に対して対応を求め続けていっていただかないといけないなというふうに思っています。
 最初に、被害者の補償について伺いたいと思います。
 現在、補償や家屋の修繕について、本線の直上、対象は約千件といわれていますけれども、ここでは何件と話合いが行われているのか。また、対象地域の外でも家屋の修繕を求めて相談している件数があると聞いていますが、これは何件なのか伺います。

○福島三環状道路整備推進部長 家屋の補償につきましては、本年一月末現在で、補償対象範囲において、事業者が戸別訪問などにより対応している約千件のうち、家屋調査の問合せがあった世帯数は約二百六十五件で、既に調査がほぼ完了し、そのうち補修等を実施中もしくは完了した世帯数は約二百四十件であると聞いています。
 また、補償対象範囲外から問合せがあった場合には、個別に状況を確認の上、対応することとされており、これまで数件の問合せがあったと聞いております。

○里吉委員 現在二百六十五件で調査がほぼ終わっているということでした。しかし、実際にこの補修だけで済むのか、そういう不安を抱えている方も少なくないと思います。
 それから、今、家屋の補修で済まない方、本当に直上で事故現場に近いところにお住まいの方は、地盤補修のために引っ越しを余儀なくされる、そういう方もいらっしゃいます。
 そもそも地上に影響はないとされていた大深度地下方式のトンネル工事でしたから、そもそも自分の家がトンネルの真上にあることなど知らされることもなく、いきなり陥没や空洞の存在を知らされて、自らの住宅を放棄せざるを得ない、こういう方々がいらっしゃいます。自宅で安心して安全に過ごすという当たり前の生活を奪った国とNEXCOの責任は本当に重大だといわなければなりません。
 今回は、もともと範囲とされていたところ以外、今回の陥没事故では補償対象とされた以外でも家屋損害があることが報告されていますが、補償対象地域外の申出については、個別の状況を確認の上、対応する、こういうことで、件数についても述べられませんでした。こういうところは事前の家屋調査を行っていないと思うんです。それでも本当に補償されるのか、ぜひこの点、確認していただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。

○福島三環状道路整備推進部長 事業者は、補償対象地域外からお話をいただいた場合には、個別に状況を確認の上、対応することとしています。

○里吉委員 答えをいただけていないんですよね。個別に対応するっていっているけど、だったら、今、何件ぐらい補償対象地域外で問合せがあって、補修の実施の件数、これぐらいありますよと答えられると思うんですけれども、対象地域外だと問合せの件数さえもはっきり答えられない。事前の家屋調査を行っていなくて補償できるのかという質問に対しても、個別に対応するという答えだけなんです。
 私、一件だけですけど、お話を聞いたところは対象地域外なんです。電話したら、お宅は対象地域外ですから補償の対象になりませんといわれてしまったということなんです。そういうケースもあるかもしれません。でも、対象地域外も補償すると、丁寧に対応するといっているのが本当にやられているのかというのは、私は本当に疑わしいといわざるを得ないんです。ぜひこれは東京都として確認してほしいと思います。
 例えばですよ、今回補償地域外に被害が出たと、本気でこれは問題だというふうに思ったら、例えば今、これから掘進を再開する大泉とか、事前の家屋調査を行う対象を広げるとかすると思うんです。
 伺いますけれども、現在、掘進を再開している地域では、今までの家屋調査対象、これを今までの対象地域以外にも広げているのかどうか伺います。

○福島三環状道路整備推進部長 家屋事前調査範囲について、事業者は、トンネルに関する技術指針や、過去のトンネル工事の実績に基づき、有識者の意見も踏まえ、適切な範囲を設定しており、トンネル外側からおおむね四十五メートルの範囲を基本としていると聞いております。
 事業者は、大泉側、中央側ともに、掘進開始前の平成二十七年から家屋事前調査を行っており、改めて今回の掘進再開に先立ち、大泉及び中央ジャンクション周辺にお住まいの新築、リフォームなどをされた方で、家屋事前調査を希望する場合には調査を行う旨の案内をしたと聞いております。
 なお、家屋事前調査範囲外から問合せがある場合においては、個別に状況を確認し、対応するとしていると聞いております。

○里吉委員 家屋調査の対象を広げたのかという質問だったんですけれども、今、四十五メートルということでしたから、トンネルの外側からおおむね四十五メートル、これは今までの範囲なんです。
 それから、今まで家屋調査を行ったところで、これは何年か前なので、改めて今回、新築とかリフォームのところはもう一度家屋調査するということで、希望すればできるという話もありましたけど、これも住民の皆さんと私たちも一緒に国交省に行って、おかしいじゃないかって申入れしてきたんです。その何日か後にこの案内文が出てきたんですけれども、本当に被害があったときの対応について考えているのかということについて、大変疑問に思います。
 それから、説明会の案内配布なんですけれども、これも従来の説明会の案内配布の対象の外に拡大して案内を配布する、こういうことをしたのかどうか確認します。

○福島三環状道路整備推進部長 今回、掘進再開に当たって実施された当該説明会のお知らせについては、対象とした本線トンネル工事やジャンクション工事の影響範囲に配布したと聞いております。
 事業者は説明会に先立ちまして、開催のお知らせを事業者ホームページにて公表するとともに、説明会開催後、会場にお越しになれない方に向けまして、説明会資料及び質疑応答結果をホームページにて公表し、質問をお受けするなどの対応をしております。
 都は、事業者に対しまして、丁寧な説明やきめ細やかな対応を要望しており、引き続き求めてまいります。

○里吉委員 ホームページで公表するということなんですけど、それは対象地域外の方も見られます。しかし、実際にいつホームページに公表されるかって分からなければ、通常見ないですよね。ですから、私はこの説明会のお知らせを今まで以上に広い範囲に配るということは、そうあってはならないことだけれども、損害の可能性がある、事故の影響が出る可能性がある範囲が、今までと違ってもう少し広がったという認識に、もし国や事業者が立てば、広げるはずだと思うわけですけれども、それはやられていないわけです。
 ですから、丁寧な説明やきめ細やかな対応を引き続き要望していただきたいと思いますけれども、特に今やっている工事、私はすぐにやめていただきたいと思いますが、今、トンネル工事、これから民間の土地に出る前に、もう一回説明会をやるということになっていますよね。これからもう一回説明会をやるんです。ですから、そのときには本当に幅広い地域住民の皆さんにちゃんと説明していただきたいということを東京都からも強く求めていただきたいと思います。
 具体的な住民への補償や相談の問題について一点伺いたいと思います。
 陥没直上にお住まいの方から、家の近くの道路のへこみを見つけたけれども、事業者が対応していないということがありまして、これは予算委員会で我が党のとや委員が指摘しました。
 住民の方は、地表面変状を確認するための測定の実施や、現在継続的に行っている周辺の計測結果の公表を求めていますが、これはいまだに出てきません。東京都は要望書でも丁寧な対応を求めていますが、現在もこのような対応が続いています。
 住民が求める測定の実施や、既に行っている測定結果の公表を都として求めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○福島三環状道路整備推進部長 事業者からは、陥没箇所周辺の地表面変位計測結果に大きな変位等は見られておらず、地表面の変位は収束していることを確認しており、地表面監視や巡回におきましても、周辺の地表面の変状は確認されていないと聞いております。
 事業者は、陥没箇所周辺の地表面変位計測の結果について、事業者のホームページなどにおいて公表しております。
 事業者からは、個別の問合せについては、直接訪問するなどにより対応してきており、今後も引き続き誠意を持って対応していくと聞いております。
 都は、事業者に対して丁寧な説明やきめ細やかな対応を要望しており、引き続き丁寧に取り組んでいくよう求めてまいります。

○里吉委員 見たけれども、そんなに変位ないよと、大丈夫だよというお返事だったと思うんですけれども、陥没事故が起きたところも結構な頻度で、NEXCOの方なのか分からないですけれども、回っていたそうなんです。
 何でこんなに回っているのかなと思っていたそうですけれども、あの十月十八日の事故も、最初は陥没が道路のへりにへこみができて、三十センチくらいの亀裂があって、一時間程度で陥没の穴がどんと大きくなって空いていくと。このトンネル直上のところに住んでいる方々は目の前で見ているわけです。ですから、安全だというのであれば、いろいろ調べている数値を住民の皆さんに提供するということもぜひしていただきたいと思うんです。
 陥没箇所周辺の地表面変位測量の結果というのは、現在進行形のものじゃありませんよね。それを求めているのではなくて、今、事業者が再発防止策とか、今後の対応で実施を約束している、これは大泉の方で約束しているものだと思いますけれども、水準測量、GNSS、合成開口レーダー、3D点群データの計測をやってほしいと。このうちの幾つかは調布でやっているみたいなんです。なので、調布で今やっているものについてはすぐに公表してほしい、それから、やっていないものについてはぜひ調布でもやってほしい、そういうことを求めているわけですが、ぜひ都としても求めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○福島三環状道路整備推進部長 まずは、現在行っている地表面変位計測等の結果につきましては、必要に応じて公表していくと事業者から聞いております。
 もう一つお尋ねの衛星を用いたGNSSや合成開口レーダーによる地表面変位計測結果、いわゆる衛星データでございますが、それにつきましては、傾向把握などの参考データとの位置づけで活用されていると事業者から聞いております。
 なお、この衛星データの公表につきましては、使用する衛星や計測技術が異なる様々なデータが存在することから、一般的に取得されているデータには誤差が含まれているため、公表を差し控えていると事業者から聞いております。
 事業者は、昨年十二月に取りまとめました大泉及び中央側の再発防止対策及び地域の安全・安心を高める取組におきましては、これまで行ってきた衛星データの活用に加えまして、新たに3D点群データを計測することとしておりまして、今後、陥没箇所周辺を含みます東名側についても適用を検討していくと聞いております。
 都は、事業者に対しまして再発防止対策等の確実な実施及び住民の不安払拭に向けた丁寧な説明やきめ細やかな対応を要望しておりまして、引き続き丁寧に取り組んでいくよう求めてまいります。

○里吉委員 今、大事な答弁がありました。住民の皆さんはその情報を聞いていないんですね、聞いていないといっておりましたので。検討するというお話でしたけれども、ぜひデータの公表を必要に応じて行うように、東京都からも再度申し入れていただきたいと思います。
 とや委員も取り上げて、今、私が取り上げた家のすぐ前の道路がへこんでいるというお宅はトンネル直上なんです。本来であれば引っ越ししなきゃいけない対象のお宅なんです。ところが、最初、全然NEXCOの方も訪問されなかったそうなんです。それで、へこみを見つけて、連絡して、来ていただいたと。一月二十七日にへこみを見つけて要望されたそうなんですが、その後、返事がなくて、実は二月十八日に文書で要請して、やっと対応していただいたということでした。
 現在は、今、部長が答弁していただいたように、いろいろ検討もしていただいているようですけれども、こういうなかなかすぐには動いていただけないという対応がまだ続いているということもぜひ知っておいていただきたいと思います。
 ですから、今、部長がご答弁いただいた、データの公表できるものについて、それから今後検討するといったものについては、ぜひ、できるように私も注視していきたいと思いますので、もしそのように進まなかった場合には、東京都からも再度申入れをしていただきたいと要望しておきます。
 次に、健康被害、低周波音の被害について伺います。
 現在、住民の皆さんが自分たちで低周波音による健康被害の実態調査を行っています。この問題は、さきの委員会で我が党の原委員も取り上げましたけれども、現在、北大や電通大の研究者の協力も得て、事業者が行う地盤調査や地盤改良のための工事も対象にして、振動計を用いて測定を行う準備をされているそうです。
 この振動、騒音、低周波音の被害報告は、私の地元世田谷区からも寄せられておりますけれども、その実態の全容はまだ明らかになっていないのが実態です。
 低周波音による健康被害の訴えは何件ぐらい事業者に来ているのか、つかんでいるでしょうか、話合いは行われているでしょうか。また、この被害補償を、低周波音による健康被害を事業者は認めているのか伺います。

○福島三環状道路整備推進部長 事業者の示しました補償の方針におきましては、疾病等による治療費についても補償の対象とされています。
 振動、騒音、低周波音による健康被害などに対する補償につきましては、事業者において個別に事情を丁寧にお伺いし、誠意を持って対応していると聞いております。
 これまで事業者が戸別訪問などにより対応した約千件の補償対象地域の世帯のうち、家屋調査のご相談以外の補償等のご相談について対応を行っている世帯数は、令和四年一月末現在で約五十五件と聞いております。

○里吉委員 今ご説明いただいた五十五件、補償、補修の対応状況として、国と事業所が公表している数字なんですけれども、これが健康被害なのかどうかというのは分からないわけです。家賃補償も入っているかもしれないし、健康被害も入っているかもしれない。実際に低周波音の健康被害を認めたケースがあるのかどうかは、これだけでは分からないということです。
 この問題は本当に深刻で、被害がなかなか表に出てこないという問題があります。振動、騒音、低周波音については、その被害を住民が繰り返し訴えてきて、今後、騒音、振動、低周波音の調査については、具体的に測定頻度を増やす、それから測定結果について、ホームページと現地付近の掲示板で公表する、モニタリングも強化するということで、このモニタリングについては一歩前進したというふうに思います。しかし、健康被害についてどう対応するのかというのが全く見えないんです。
 掘進時に振動を感じるっていう問合せがあったときには、家屋での振動、騒音測定を行うというふうに今NEXCOは答えているんですけれども、これは低周波音も含めて測定できるものなのか、それからどれぐらいの期間測定してくれるのか。
 住民の皆さんはこの器械を貸し出してほしいと。希望すれば一定期間貸し出していただいて、自分のうちに置いて、自分のうちでどれだけ低周波音が出ているのか確かめたい、こういう要望も出ています。これに対して丁寧な対応をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○福島三環状道路整備推進部長 低周波音を含めた振動測定の依頼があった場合については、測定を事業者で実施するなど、個別に丁寧に対応していくと事業者から聞いております。
 なお、低周波音の測定には特別な測定器が必要となり、調達、故障やメンテナンス対応などの観点で課題があるため、貸出しは考えていないと聞いております。
 また、低周波を含む振動などを気にされる方には、一時的に滞在可能な場所を確保、提供していくと聞いております。
 都は、引き続き丁寧な対応ときめ細やかな対応を求めてまいります。

○里吉委員 振動を気にする方は一時的に滞在する場所を提供するとお話がありましたけれども、これは一般的な工事でもやられている対応で、当然だと思います。
 振動の被害は一時的なものだけで済むものではなくなっているんです。住民の皆さんは、地元自治体に振動や低周波音を調べる器材の貸出しを求めようという相談もされている、自分たちでの測定も考えているそうです。
 特別な測定器で調達、メンテナンスなどに課題があって貸出しできないということですけれども、振動の被害は工事が続く限りありますし、貸し出せないのであれば、住民の皆さんと一緒に測定するとか、一定期間、計測できるような対応を取っていただきたいと思います。
 振動による低周波音の被害もそうなんですけれども、今課題になっている対象地域外の振動による被害、数が出てきませんけれども、これは陥没、空洞箇所周辺で、トンネル通過前後の家屋調査の比較で、損傷が広がっている、損傷が見つかった。
 これは、土砂による取り込み過ぎとか、トンネルの直上だけに振動があって、家が損傷したということではなくて、一定の広さで、つまり角度、四十五メートルよりも外のところでシールド工事によって振動が起きて、そして家屋が損傷したということになると思うんですけれども、これまで対象地域外での振動による被害というのをNEXCOは認めていなかったんです。
 ところが、最近になって、昨年十二月には、そういうことも考えられると、地表面変位や振動の影響により生じた被害というのを否定することは難しいというふうに、答弁を今変えてきているんです。
 東京都も、トンネル掘進による地表面変位や振動の影響によって対象地域外の家の損傷が起きたというふうに認識しているのかどうか確認したいと思います。

○福島三環状道路整備推進部長 事業者がホームページにおいて、説明会でいただいた質問などへの回答として、家屋損傷については、陥没、空洞箇所周辺で、トンネル通過前後の家屋調査の比較において、損傷の拡大や新たな損傷が確認されており、トンネル掘進による地表面変位や振動の影響により生じたものであることの否定は難しいと考えられますと掲載していることを都は承知しています。事業者の回答については、事業者の責任において回答されたものと認識しております。
 なお、外環事業は、国及び高速道路会社により事業が進められております。事業者はこれまで、補償の方針に基づき、陥没箇所周辺の家屋の原状回復による補償や地盤補修などに取り組み、引き続き誠意を持って対応するとしております。
 都は、事業者に対しまして、引き続き再発防止対策等の確実な実施、住民の不安払拭に向けました丁寧な説明やきめ細やかな対応を求めてまいります。

○里吉委員 東京都としての見解を答えられないというのは、すごく恥ずかしいことだと私は思います。
 最後に一問だけ。今お話しになった再発防止、本当にこれは事故の原因がちゃんと分かっていないと再発防止もできないですよね。ここの問題でもたくさん疑問が出ているんです。
 これは、例えば事故の原因が土砂の取り込み過ぎが原因だということで、それまでは排土量の管理値一〇%とされていたのが、今七・五%というふうにいわれています。杉並区では、区議会で区の担当者が、この排土量の一次管理値七・五%について疑問を呈しているんです。東京都は、この一次管理値を適切だと考えているのか伺います。

○福島三環状道路整備推進部長 昨年十二月に事業者が策定しました再発防止対策は、国のシールドトンネル工事の安全・安心な施工に関するガイドラインを踏まえて策定し、有識者から妥当であることを確認されたものと聞いております。
 その再発防止対策におきまして、過剰な土砂取り込みを生じさせない対応として、排土管理を強化するために、排土管理の一次管理値は、従来のプラスマイナス一〇%から、より厳しいプラスマイナス七・五%に設定されました。
 都は、事業者に対して、引き続き再発防止対策等の確実な実施、住民の不安払拭に向けました丁寧な説明やきめ細やかな対応を求めてまいります。

○里吉委員 終わりますけれども、リニアも七・五%なんですよ。トンネルの大きさは全然違います。小さいです。だから七・五%でいいのかどうかということに疑問だと杉並区の担当者はいっているわけです。
 東京都も都民の命や財産を守る立場で、事故の原因や今後の再発防止に向けて、ちゃんと都として見解を示して、事業者に対して必要な情報提供を求めるなど、都民の立場に立って取り組んでいただきたいというふうに思います。
 このような陥没事故を起こして、住民の立場にも立てないような工事を進める外環道路計画について、改めて中止を強く求めて、私の質問を終わります。

○星委員 私からは、まず、都道の路線の認定及び廃止についてお伺いをいたします。
 私の地元町田市は、神奈川県の横浜市、川崎市、相模原市の政令指定都市をはじめ、大和市とも隣接をする地域であり、図書館の相互利用や広域証明発行サービスなども行っているほか、神奈川県境を流れる境川の整備、現在、東京都におきましては、金森調節池、木曽東調節池、こちらの整備中でもございますし、管理におきましても、都と神奈川県は連携を行っていただいております。
 こういった都県境を越えた道路の方のネットワーク形成につきましても、アクセス向上による経済効果はもとより、隣接県である、先ほど申し上げた神奈川県であったり、また埼玉県、千葉県との大規模災害時の広域連携においても極めて重要なインフラであります。十二日に開通をし、川崎市と結ばれた多摩川スカイブリッジも同様であります。
 そこで、このたびの都道の路線の認定及び廃止についてでありますが、現在、王子金町江戸川線を千葉県市川市まで延伸をし、新たに旧江戸川をまたぐ橋梁部を含めて、王子金町市川線として認定を行うということですが、千葉県側ではどのような手続が行われているのでしょうか、伺います。

○前田道路管理部長 道路法第七条第四項の規定では、二以上の都道府県の区域にわたる道路については、関係都道府県知事が、協議の上それぞれ議会の議決を経て、当該都道府県の区域内に存する部分について、路線を認定しなければならないとされております。
 このため、千葉県におきましても、都と同様に、道路法第七条第一項に基づく認定に向けた手続が進められております。

○星委員 都県境における新たな橋梁整備に向けた手続の一環であるということが分かりました。
 今回、新たに認定をしようとしている路線は、その一部が都市計画道路補助第一四三号線であり、このうち旧江戸川をまたぐ橋梁整備については、千葉県との役割分担等を定める基本協定を年内に締結すると、昨年の我が会派の一般質問で答弁がありました。そんな中、どのような役割分担としたのかお伺いをいたします。

○原島道路計画担当部長 旧江戸川をまたぐ橋梁整備につきましては、昨年十二月に東京都と千葉県境に架ける旧江戸川橋梁(仮称)整備事業に関する基本協定書を千葉県と締結いたしました。
 この基本協定におきまして、事業の施行主体は都とすることや、事業に関する費用を都と千葉県がそれぞれ二分の一ずつ負担すること等を定めております。
 また、事業により施工した橋梁は都が管理するものとし、管理区域や管理の方法等については千葉県と協議の上、別途管理協定を締結するものとしております。

○星委員 千葉県との協議、調整が順調に進んでいるとのことでありました。管理区域や管理の方法等については別途協定を締結するとのことですので、引き続き千葉県と調整を円滑に進め、都が主体となって着実に橋梁整備を進めてほしいと思います。
 それでは、この質問、最後に、旧江戸川をまたぐ橋梁整備に向けた取組状況と今後の予定についてお伺いをさせていただきます。

○原島道路計画担当部長 これまで、都の橋梁の形式選定や関係機関との協議等に向けて、橋梁予備設計を実施し、概算事業費や施工方法などの検討を進めてまいりました。これらを踏まえまして、都と千葉県で、国に対し国庫補助事業の新規採択を要望いたしました。
 引き続き、共同事業者である千葉県と連携し、令和四年度の事業化に向けて着実に取り組んでまいります。

○星委員 行政区域を越えた橋梁整備は、洪水や地震などの災害時のリダンダンシーを確保し、避難や緊急物資輸送等を確実に行う上で極めて重要であります。
 今後とも千葉県と協力して、早期整備に向けて取り組んでいただくことを要望し、次の質問に移ります。
 用地取得について一点お伺いをさせていただきます。
 建設局においては、都民の生活に深く関わる道路、河川、公園のインフラ整備を行っていただいておりますが、その整備を進めるに当たっては、必要な用地を確保する必要があります。用地取得が終われば整備の大半が終わる、そういわれるくらい用地取得はインフラ整備にとって重要であると考えます。
 私のところにも道路整備についての問合せが多くあります。渋滞の解消であったり、防災についてでもありますけども、多いのは通学路の安全対策についてであります。
 昨年の事務事業質疑もさせていただきましたけども、千葉県八街市や滋賀県大津市の痛ましい事故もあり、安心して利用できる道路空間の確保、こちらを要望されているところであります。
 災害もそうでありますが、こういった事故は、いつ何どき起こるか分かりません。インフラ整備を着実に進めていくには、関係権利者の理解を得るとともに、スピード感を持って計画的に用地取得を進めていくべきだと考えております。
 そこで、用地取得を推進していくために、どのように取り組んでいくのかお伺いをさせていただきます。

○山本用地部長 用地取得に当たりましては、関係権利者に対して、事業の必要性や補償の考え方などを丁寧に説明するとともに、代替地の確保や都営住宅のあっせんなど、生活再建をきめ細やかに支援しております。
 お話のように、スピード感を持って計画的に用地取得を進めていくことが重要であることから、事業効果の早期発現が可能な箇所については、課題解決に向けた方策を明確にし、進行管理を徹底するとともに、解決が困難な案件については、本庁の専門チームを積極的に活用し、集中的かつ効率的に取り組んでまいります。
 さらに、民間委託の積極的な活用により、時間を要する補償金算定に関する事務等について効率化を進めてまいります。
 こうした取組によりまして、引き続き関係権利者の理解と協力を得ながら、用地取得を全力で推進してまいります。

○星委員 ありがとうございます。私の地元町田でも、昨年の末、多摩都市モノレールの選定が行われました。皆さんが待ち望んでいたこのルートの決定でありましたけれども、今後は事業化、用地取得、そして道路の整備となってまいります。
 こういったインフラ整備が着実に進むように、本庁、事務所が一丸となって、創意工夫をしながら、先ほどご答弁もいただきました、スピード感を持って用地取得に取り組んでいただくことをお願い申し上げて、この質問を終わります。ありがとうございました。

○曽根委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○曽根委員長 異議なしと認め、予算案及び付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で建設局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後五時二分散会

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