環境・建設委員会速記録第七号

令和三年五月三十一日(月曜日)
第九委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長西沢けいた君
副委員長関野たかなり君
副委員長里吉 ゆみ君
理事舟坂ちかお君
理事斉藤やすひろ君
理事あかねがくぼかよ子君
石毛しげる君
西野 正人君
原田あきら君
うすい浩一君
増田 一郎君
細谷しょうこ君
村松 一希君
三宅 正彦君

欠席委員 なし

出席説明員
環境局局長栗岡 祥一君
次長笹沼 正一君
総務部長宮澤 浩司君
環境政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務上田 貴之君
政策調整担当部長木村 真弘君
地球環境エネルギー部長小川 謙司君
次世代エネルギー推進担当部長榎園  弘君
環境改善部長筧   直君
自然環境部長和田 慎一君
資源循環推進部長上林山 隆君
建設局局長中島 高志君
次長須藤  栄君
道路監奥山 宏二君
総務部長小林 忠雄君
道路管理部長前田  豊君
道路建設部長花井 徹夫君
公園緑地部長植村 敦子君
河川部長齊藤 俊之君
企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務湯川 雅史君
道路保全担当部長無電柱化推進担当部長兼務村上 清徳君
公園計画担当部長根来 千秋君

本日の会議に付した事件
環境局関係
報告事項
・令和二年度予算の繰越しについて(説明・質疑)
・ゼロエミッション東京戦略二〇二〇 Update&Reportの策定について(説明)
・東京都資源循環・廃棄物処理計画の改定について(中間のまとめ)(説明)
建設局関係
第二回定例会提出予定案件について(説明)
・都道における道路構造の技術的基準に関する条例の一部を改正する条例
・綾瀬川護岸耐震補強工事(その十一)請負契約
・都道の路線の廃止について
・首都高速道路株式会社が行う高速道路事業の変更に対する同意について
報告事項(説明・質疑)
・令和二年度予算の繰越しについて
陳情の審査
・三第一五号 としまえん跡地の避難場所に関する陳情
・三第一八号 都立日比谷公園テニスコートの存続に関する陳情
・三第二四号 葛西臨海水族園の更新に向けた事業計画及び既存施設の利活用・環境保全に関する陳情
・三第二五号 葛西臨海水族園の更新における既存棟の保存再生と新棟の融合による利活用に関する陳情

○西沢委員長 ただいまから環境・建設委員会を開会いたします。
 初めに、傍聴人の数についてお諮りいたします。
 本委員会室の傍聴人の定員は、当面の間、委員会傍聴規則第五条第二項の規定により、四名にいたしたいと思います。これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○西沢委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○西沢委員長 次に、本委員会の担当書記に交代がありましたので、紹介いたします。
 議事課担当書記の坂根悠介君です。
 議案法制課担当書記の村瀬健大君です。
 よろしくお願いいたします。
   〔書記挨拶〕

○西沢委員長 次に、会期中の委員会日程について申し上げます。
 お手元配布の日程のとおり、理事会において申し合わせましたので、ご了承願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、建設局関係の第二回定例会に提出を予定されております案件の説明聴取、環境局及び建設局関係の報告事項の聴取並びに建設局関係の陳情の審査を行います。
 なお、本日は、予算の繰り越しに関する報告事項につきましては、説明聴取の後、質疑をそれぞれ終了まで行い、提出予定案件及びその他の報告事項につきましては、説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は会期中の委員会で行いますので、ご了承願います。
 これより環境局関係に入ります。
 初めに、先般の人事異動に伴い、幹部職員に交代がありましたので、環境局長から紹介があります。

○栗岡環境局長 去る四月一日付の人事異動によりまして、新たに説明員となりました幹部職員及び職名の変更がございました幹部職員をご紹介させていただきます。
 総務部長の宮澤浩司でございます。政策調整担当部長の木村真弘でございます。次世代エネルギー推進担当部長の榎園弘でございます。自然環境部長の和田慎一でございます。資源循環推進部長の上林山隆でございます。また、当委員会との連絡を担当いたします総務課長の中島隆行でございます。
 どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者挨拶〕

○西沢委員長 紹介は終わりました。

○西沢委員長 次に、令和二年度予算の繰り越しについての報告を聴取いたします。

○宮澤総務部長 令和二年度予算の繰り越しにつきましてご報告申し上げます。
 お手元の資料1、令和二年度一般会計予算繰越説明書をごらんください。
 表紙をめくって一ページをお開き願います。繰越額総括表でございます。
 区分は繰越明許費、事業名は自然公園整備、暑さ対策事業、ごみ分別の普及促進事業及びプラスチック対策事業で、繰越額は計五十四億一千十三万九千円でございます。繰越財源内訳は繰越金でございます。
 二ページをお開き願います。繰越明許費繰越説明でございます。
 まず、自然公園整備でございます。
 款は環境費、項は環境保全費、目は自然環境費で、予算現額は十億四千百四万七千円、繰越明許費の予算議決額は一億二千八百万円で、一千二百五十四万円を翌年度へ繰り越しするものでございます。
 繰越理由でございますが、資料右側の説明欄に記載しておりますとおり、伊豆大島のトウシキ野営場火炊場改築その他工事につきまして、年度内に支出が終わらなかったため、翌年度に繰り越して支出するものでございます。
 次に、暑さ対策事業でございます。
 款項は自然公園整備と同様、目は地球環境エネルギー費で、予算現額は五十七億一千六百六万三千円、繰越明許費の予算議決額は五十二億一千八百四十二万七千円で、四十六億八千九百六十万二千円を翌年度へ繰り越しするものでございます。
 繰越理由でございますが、オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた暑さ対策事業につきまして、年度内に支出が終わらなかったため、翌年度に繰り越して支出するものでございます。
 三ページをお開き願います。続きまして、ごみ分別の普及促進事業でございます。
 款は環境費、項は廃棄物費、目は廃棄物対策費で、予算現額は六億九千四百十二万七千円、繰越明許費の予算議決額は六億九千四百十二万七千円で、五億六千六百二十七万円を翌年度へ繰り越しするものでございます。
 繰越理由でございますが、オリンピック・パラリンピック競技会場等で実施予定のごみ分別の普及促進事業につきまして、年度内に支出が終わらなかったため、翌年度に繰り越して支出するものでございます。
 最後に、プラスチック対策事業でございます。
 款項目はごみ分別の普及促進事業と同様で、予算現額は一億四千百七十二万七千円、繰越明許費の予算議決額は一億四千百七十二万七千円で、一億四千百七十二万七千円を翌年度へ繰り越しするものでございます。
 繰越理由でございますが、オリンピック・パラリンピック大会に向けたプラスチック対策事業につきまして、年度内に支出が終わらなかったため、翌年度に繰り越して支出するものでございます。
 以上、令和二年度予算の繰り越しにつきましてご報告申し上げました。どうぞよろしくお願い申し上げます。

○西沢委員長 報告は終わりました。
 これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○里吉委員 環境局所管の一般会計予算の繰り越しについて、一言意見を申し上げます。
 今回の繰り越しのほとんどは東京五輪の延長に伴うものです。新型コロナウイルス感染対策として、緊急事態宣言が六月二十日まで、二度目の延長が行われました。私たち日本共産党都議団は一月以来主張しておりますけれども、国内や世界の感染状況やワクチンの供給状況などを見れば、この夏のオリンピックは中止するべきです。そして、コロナを抑え込む対策、都民の命と暮らし、生活を守る対策に集中するべきです。
 したがって、これらの繰り越しにつきましても、今からでも極力執行を取りやめ、使わなかった分はコロナ対策や都民施策に活用することを強く求め、意見といたします。

○西沢委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○西沢委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。

○西沢委員長 次に、ゼロエミッション東京戦略二〇二〇 Update&Reportについて外一件の報告を聴取いたします。

○上田環境政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 本年三月に策定いたしましたゼロエミッション東京戦略二〇二〇 Update&Reportについてご説明をいたします。
 お手元の資料2をごらんください。1、背景でございます。
 世界が新型コロナウイルス感染症の猛威により未曽有の危機に直面する中で、気候危機の状況は一層深刻化しております。
 都は、二〇五〇年CO2排出実質ゼロに向けて、二〇三〇年までの今後十年間の行動が極めて重要と認識しており、行動の加速を後押しするマイルストーンとして、本年一月、都内温室効果ガス排出量を二〇三〇年までに二〇〇〇年比で五〇%削減すること、再生可能エネルギーによる電力利用割合を五〇%程度まで高めることを表明したところでございます。
 2、二〇三〇年に向けた目標の強化でございます。
 脱炭素化への取り組みをさらに加速させるため、二〇三〇年に向けて、ただいま申し上げた都内温室効果ガス排出量の二〇〇〇年比五〇%削減や、再生可能エネルギーによる電力利用割合を五〇%程度まで高めることのほか、都内エネルギー消費量の二〇〇〇年比五〇%削減、都内乗用車新車販売の二〇三〇年までの一〇〇%非ガソリン化、あわせて二輪車新車販売の二〇三五年までの一〇〇%非ガソリン化など、目標の強化を掲げております。
 3、二〇三〇カーボンハーフスタイルの提起でございます。
 二〇五〇年に向けて、ライフスタイルやビジネスモデルなど、社会システム全体をカーボンハーフにふさわしい持続可能なものへ移行させることが必要でございます。このため、二〇三〇年に必要な社会変革の姿、ビジョンとして、二〇三〇カーボンハーフスタイルを提起したところでございます。
 次のページをお開きください。4、政策のアップデートでございます。
 二〇三〇年に向けた行動を加速するため、二〇一九年十二月に策定しましたゼロエミッション東京戦略で掲げた六分野十四政策のロードマップをアップデートし、二十六の社会変革に向けたビジョン、その実現に向けた三十六のアプローチ、直ちに加速、強化する九十四の取り組みを新たに提示しております。
 ゼロエミッション東京戦略の体系につきましては、表でお示ししているとおり、エネルギーセクターや資源、産業セクターなど六分野、再生可能エネルギーの基幹エネルギー化、3Rの推進のほか、気候変動適応策の強化、多様な主体と連携したムーブメントと社会システムの変革など、十四政策でございます。
 5、今後の展開でございます。
 本年五月、東京都環境審議会に東京都環境基本計画の改定について諮問したところでございまして、今後、専門家等のご意見をお聞きしながら、二〇三〇年に向けた施策の強化を検討、実行してまいります。
 なお、詳細につきましては、資料3をごらんいただきたいと思っております。
 以上、簡単ではございますが、ご説明させていただきました。どうぞよろしくお願いいたします。

○上林山資源循環推進部長 昨年十一月に東京都廃棄物審議会に諮問いたしました東京都資源循環・廃棄物処理計画の改定につきまして、中間取りまとめが示されましたのでご説明いたします。
 お手元の資料4をごらんください。1、位置づけでございます。
 東京都資源循環・廃棄物処理計画は、廃棄物の処理及び清掃に関する法律に基づく法定計画であり、同法により、廃棄物の発生量及び処理量の見込みなど、適正な処理に関する基本的事項等を定めるとされております。
 これまで五年ごとに改定してきており、今回の計画期間は二〇二一年度から二〇二五年度までの五年間でございます。
 2、計画の基本的考え方でございます。
 二〇三〇年度のあるべき姿として、持続可能な形で資源を利用する社会の構築を図りつつ、社会基盤としての廃棄物、リサイクルシステムの強化を目指すとしております。あるべき姿の実現に向け、持続可能な資源利用の実現、廃棄物処理システムのレベルアップ、社会的課題への果敢なチャレンジを三本の柱としております。
 次のページをお開きください。3、計画目標でございます。
 (1)、本計画において設定する目標として、一般廃棄物排出量、一般廃棄物再生利用率、一般廃棄物と産業廃棄物の最終処分量、区市町村災害廃棄物処理計画策定率の四点を定めております。
 このうち一般廃棄物排出量と区市町村災害廃棄物処理計画策定率は、今回の改定において初めて定める目標となります。
 (2)、既定計画において設定している目標でございます。プラスチック削減プログラム、東京都食品ロス削減推進計画で掲げている目標につきましても、本計画に含めることとしております。
 4、主要な施策でございます。
 (1)、資源ロスのさらなる削減として、プラスチックや食品ロスに係る既定の計画等に基づき、消費者やメーカーなどと連携した施策を推進するとしております。
 (2)、廃棄物の循環的利用のさらなる促進として、家庭系プラスチックごみのリサイクル促進、市町村と連携したアドバイザーの派遣等により、事業系廃棄物の3Rを推進するとしております。
 (3)、廃棄物処理システムの強化として、電子化、ICT・RPAの活用等による業務効率化を推進するとしております。
 (4)、健全で信頼される静脈ビジネスの発展として、サーキュラーエコノミーへの転換に向け、事業者の連携を後押しするとしております。
 (5)、社会的課題への的確な対応として、感染症対策の徹底等による事業継続性の確保、システムのレジリエンスを強化するとしております。
 最後に、5、スケジュールでございますが、今後、パブリックコメント、区市町村の意見聴取などを経て、九月下旬に新計画を策定する予定でございます。
 詳細につきましては、廃棄物審議会から示されました資料5をごらんください。
 以上、簡単ではございますが、東京都廃棄物審議会で示された中間取りまとめの内容をご説明させていただきました。どうぞよろしくお願いいたします。

○西沢委員長 報告は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○西沢委員長 なければ、資料要求はなしと確認させていただきます。
 以上で環境局関係を終わります。

○西沢委員長 これより建設局関係に入ります。
 初めに、先般の人事異動に伴い、幹部職員に交代がありましたので、建設局長から紹介があります。

○中島建設局長 去る四月一日付で異動のございました当局の幹部職員をご紹介いたします。
 次長の須藤栄でございます。総務部長の小林忠雄でございます。河川部長の齊藤俊之でございます。企画担当部長でオリンピック・パラリンピック調整担当部長を兼務いたします湯川雅史でございます。道路保全担当部長で無電柱化推進担当部長を兼務いたします村上清徳でございます。
 以上でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者挨拶〕

○西沢委員長 紹介は終わりました。

○西沢委員長 次に、第二回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。

○中島建設局長 第二回定例会に提出を予定しております案件につきましてご説明申し上げます。
 お手元配布の環境・建設委員会資料(建設局所管分)をごらんいただきたいと存じます。
 今定例会でご審議いただきますのは、条例案が都道における道路構造の技術的基準に関する条例の一部を改正する条例一件、契約案が綾瀬川護岸耐震補強工事(その十一)一件、事件案が都道の路線の廃止についてなど二件でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
 詳細につきましては、総務部長よりご説明申し上げます。

○小林総務部長 令和三年第二回定例会提出予定案件の内容につきましてご説明申し上げます。
 初めに、資料1をごらんください。条例案につきましてご説明申し上げます。
 表紙をおめくり願います。今回提出を予定しております条例案は、都道における道路構造の技術的基準に関する条例の一部を改正する条例でございます。
 一ページをお開きください。改正案の内容でございますが、一点目は交通事故防止を図るために必要な道路附属物として自動運行補助施設を追加するもの、二点目は歩行者の安全かつ円滑な通行及び利便の増進を図ることが可能となる構造を確保するため、歩行者利便増進道路の構造基準を規定するものでございます。
 二ページ以降に議案を添付してございます。後ほどごらんいただきたいと存じます。
 次に、資料2をごらんください。契約案につきましてご説明申し上げます。
 表紙をおめくり願います。今回提出を予定しております契約案の件名は、綾瀬川護岸耐震補強工事(その十一)でございます。
 一ページをお開きください。本工事は、最大級の地震が発生した場合においても浸水防止機能を保持するため、延長三百五十五・一メートルにおいて河川土工などを行い、護岸の補強を図るものでございます。
 工事場所は足立区綾瀬一丁目地内から同区西綾瀬四丁目地内まで、契約の相手方はりんかい日産・神洋建設共同企業体、契約金額は十三億六千五百十万円、工期は令和五年二月二十八日までとする工事請負契約を一般競争入札により締結しようとするものでございます。
 二ページをごらんください。本件工事の案内図でございます。丸で囲んでおりますのが施工箇所でございます。
 三ページをごらんください。構造物の形状は、平面図及び標準断面図のとおりでございます。
 次に、資料3をごらんください。事件案につきましてご説明申し上げます。
 表紙をおめくり願います。今回提出を予定しております事件案二件の件名は、目次に記載のとおりでございます。
 一ページをお開きください。整理番号1の都道の路線の廃止についてでございます。
 町田市へ移管するため、都道相原停車場線を廃止するものでございます。起点及び終点の所在地は記載のとおりでございます。
 次に、整理番号2の首都高速道路株式会社が行う高速道路事業の変更に対する同意についてでございます。
 1の提案理由でございますが、本議案の提出は、道路整備特別措置法に基づき、首都高速道路株式会社が国土交通大臣に対し、高速道路事業にかかわる変更の許可申請を行うに当たり、都議会の同意を得るためにお諮りするものでございます。
 2の変更同意申請の主な内容でございますが、一点目は上限料金の見直しでございます。二点目は料金割引の実施といたしまして、大口、多頻度割引の拡充と深夜割引の導入でございます。三点目はETC専用出入り口等に関する規定の新設でございます。
 なお、実施期日は、令和四年三月一日以降、会社が別に定める日から実施する予定でございます。
 二ページ以降に議案を添付してございます。後ほどごらんいただきたいと存じます。
 以上で令和三年第二回定例会提出予定案件の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○西沢委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○西沢委員長 なければ、資料要求はなしと確認させていただきます。

○西沢委員長 次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○小林総務部長 令和二年度建設局予算の繰り越しにつきましてご報告申し上げます。
 予算を翌年度に繰り越して使用する場合は、地方自治法施行令第百四十六条第二項及び第百五十条第三項の規定によりまして、議会に報告することとされてございます。
 お手元に配布しております資料4、令和二年度繰越説明書の一ページをお開きください。令和二年度繰越明許費総括表でございます。
 表の最上段、一般会計、土木費の行をごらんください。
 土木費の予算現額は三千八百五億五百五十四万九千円、繰越明許費の予算議決額は四百二十六億一千九百万円で、二百五十億四千三百五十一万八千円を翌年度へ繰り越しするものでございます。
 財源は分担金及び負担金、国庫支出金、繰入金並びに繰越金でございます。
 次に、下から二段目、用地会計の行をごらんください。
 この会計は財務局の所管でございますが、当局が執行委任を受けて執行したものでございます。
 翌年度繰越額は一千百二十三万円で、財源は都債及び繰越金でございます。
 一般会計と用地会計を合わせた翌年度繰越額の合計は二百五十億五千四百七十四万八千円でございます。
 二ページをお開きください。一般会計にかかわる明許繰越の事項についてご説明申し上げます。
 番号1番の庁舎整備及び2番の土木補助は土木管理費でございます。
 繰越理由は、右側の説明欄にそれぞれ記載しておりますとおり、庁舎整備については先行工事が遅延したこと、また土木補助につきましては市施行事業において先行工事の遅延及び用地取得に伴う関係人との折衝等に日時を要したことによるものでございます。
 三ページをお開きください。上段の3番、生活再建資金貸付までが土木管理費でございます。
 繰越理由は、生活再建資金借り受け者が建物再建等に日時を要したことによるものでございます。
 同じ三ページ下段の4番、駐車場管理から七ページ上段の11番、小笠原道路整備までは、道路橋梁費に係る繰越明許費の詳細を記載してございます。
 同じ七ページ下段の12番、河川防災から九ページ下段の16番、砂防海岸整備までは、河川海岸費の詳細を記載してございます。
 次の一〇ページ上段の17番、公園整備から一一ページ上段の19番、霊園葬儀所整備までは、公園霊園費の詳細を記載してございます。
 これら事業の主な繰越理由は、関係機関や地元住民との調整、施工方法の再検討及び用地取得に伴います関係人との折衝に日時を要したことによるものでございます。
 一二ページをお開きください。用地会計による公共用地先行取得でございます。
 繰越理由は、用地取得に伴う関係人との折衝に日時を要したことによるものでございます。
 一三ページをお開きください。令和二年度事故繰越総括表でございます。
 事故繰越は、年度内に支出負担行為をし、避けがたい事故のため年度内に支出が終わらなかった経費につきまして、地方自治法第二百二十条第三項ただし書きの規定に基づき、翌年度に繰り越して使用するものでございます。
 表の最上段、一般会計、土木費の行をごらんください。
 翌年度繰越額は六十五億一千九百九十五万三千円で、財源は国庫支出金及び繰越金でございます。
 一四ページをお開きください。事故繰越の事項についてご説明申し上げます。
 番号1番の交通安全施設から一六ページ上段の5番、橋梁整備までは道路橋梁費の詳細を、同じ一六ページ下段の6番、河川防災から次の一七ページ下段の8番、高潮防御施設までは河川海岸費の詳細を、次の一八ページ上段の9番、公園整備は公園霊園費の詳細をそれぞれ記載してございます。
 これら事業の主な繰越理由は、施工方法の再検討や用地取得に伴います物件移転に日時を要したことによるものでございます。
 以上で令和二年度予算の繰り越しにつきましてご報告を終わらせていただきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

○西沢委員長 報告は終わりました。
 これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。−−発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○西沢委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。

○西沢委員長 次に、陳情の審査を行います。
 初めに、陳情三第一五号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○根来公園計画担当部長 お手元配布の資料5、陳情審査説明表の一ページにございます整理番号1、陳情三第一五号をごらんいただきたいと存じます。
 本件は、としまえん跡地の避難場所に関する陳情で、豊島区の広瀬愛さんから提出されたものでございます。
 本陳情の要旨は、都において、令和二年八月に閉園し、現在工事中となっている練馬区にあるとしまえん跡地が避難場所としての機能を有しているのかを早期に調査し、工事中でも安全に避難できる場所及びその面積に関する情報を公開していただきたいというものでございます。
 現在の状況でございますが、としまえん跡地が含まれる都市計画練馬城址公園につきまして、都は昨年六月に、練馬区及び西武鉄道株式会社など関係事業者と都市計画練馬城址公園の整備にかかる覚書を締結し、緑と水、広域防災拠点、にぎわいの三つの基本目標の実現に向けた公園整備を連携協力して進めることとしております。
 覚書では、公園整備において、避難場所や災害時臨時離着陸場候補地等となる広場や防災施設を確保し、さらに東西方向、南北方向から本公園に避難できる園路を確保するなど、広域防災拠点としての機能を備えるものとしております。
 民間事業者による施設整備においても覚書に基づき、前述した基本目標の実現の一翼を担うことに配慮することとしておりまして、避難場所となる広場や、南北方向から避難できる動線、災害時に備えた備蓄機能を確保するなど、広域防災拠点としての機能を踏まえた整備を進めることとなっております。
 としまえんは閉園後も引き続き、東京都震災対策条例に基づく避難場所に指定されておりまして、現在、土地所有者など民間事業者が既存施設の撤去等の工事を行っておりますが、発災時には周辺からの出入り口や避難空間を確保しており、民間事業者と練馬区が連携して避難者を受け入れる体制が整えられております。
 今後とも、都は関係者と連携して、整備の途中段階におきましても避難場所の確保に努めながら、本公園の整備を推進してまいります。
 説明は以上でございます。よろしくご審査のほどお願い申し上げます。

○西沢委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○村松委員 よろしくお願いいたします。昨年も、としまえん跡地に関して陳情がありました。今回の件では、工事中の避難場所としての機能や安全性に関しての不安からの陳情だと思っております。
 整備に当たっては、避難場所の確保に努めつつ行うと聞いておりますけれども、公園の整備に当たって、避難場所としての位置づけがありますから、整備中も十分配慮しながら行うべきであります。見解をお伺いいたします。

○根来公園計画担当部長 都は今月、練馬城址公園の整備計画を策定いたしまして、コンセプトの一つとして、人々が迅速に避難でき、地域の防災機能の向上につながる拠点づくりを定めました。
 具体的には、周辺からの避難や緊急車両を受け入れる出入り口や園路を確保いたしますとともに、防災照明や防災トイレなど、必要となる防災施設、また災害時にも活用できる飲食施設や管理所等の整備を行いまして、防災拠点としての機能を高めてまいります。
 整備の途中段階におきましても、地元区や民間事業者と連携して、災害時の避難空間や周辺からの出入り口を確保いたしますとともに、避難者を受け入れる体制を整えます。

○村松委員 公園整備の途中段階においても避難場所としての機能確保が検討されているということを確認いたしました。
 地域の防災力向上に向けて具体的な公園整備の内容が示され、防災機能を十分に備えた公園となることが期待されています。今年度には事業着手するとのことですから、工事中も配慮をしながら、早期の公園整備に取り組んでいただきたいと思います。
 次に、民間事業者によるスタジオツアー施設の整備についても、整備中の避難場所としての機能がどのように担保されるのか心配されています。防災面からどのような配慮が行われるのか、都の所見をお伺いいたします。

○根来公園計画担当部長 都は、地元区及び西武鉄道など関係事業者との覚書によりまして、緑と水、広域防災拠点、にぎわいの三つの基本目標の実現に向けた公園整備を連携協力して進めることといたしました。
 民間事業者によるスタジオツアー施設につきましても、覚書に基づき、基本目標の一つである防災拠点の実現に配慮し、避難空間ともなる広場や、南北方向からの避難動線に加えまして、災害時に備えた備蓄機能の確保など、防災機能を踏まえた整備を進めております。
 施設の工事中におきましても、その敷地内に避難できる場所や周辺からの出入り口を民間事業者が確保しておりまして、都は、地元区が円滑に避難誘導できるよう、事業者と連携してまいります。

○村松委員 民間事業者の施設整備においても、防災面を踏まえて進められているということがわかりました。これは民間事業者の協力あってのことでありますから、地元区とも連携をしながら、地域の防災力向上に努めていただきたいと思います。
 整備期間中に大規模火災が発生した際、工事中でも避難場所として使えるということを周知することも必要だと思います。工事中だからと避難がおくれることのないように周知をしていただきたいと思います。
 本陳情に関しては、民間とも連携をして、工事中を含めて、避難場所の確保に配慮した取り組みが考えられておりますから、本陳情は不採択にすべきと私の考えを述べて、質問を終わります。

○原田委員 としまえん跡地の避難場所に関する陳情について質疑をさせていただきます。
 いわゆるとしまえん跡地、練馬城址公園は、東日本大震災後、防災機能を重視され、都市計画公園・緑地の整備方針において、重点公園、そして優先整備区域にダブル指定された経緯を持ちます。まさに防災がこの公園整備の肝となるわけです。そこに突如として、ワーナーブラザースによるハリー・ポッターのテーマパーク構想があらわれたわけです。
 都が作成していた平成二十九年の練馬城址公園基本計画作成委託の成果物では、練馬城址公園には緑と防災を兼ね備えた野原のエリアと雑木林のエリア、畑のエリアが構想されていました。恐らくこの三エリアが広域避難場所の主要なスペースとして活用される予定でした。ところが、中でも最大の平たん地、野原のエリアの上にスタジオツアーがつくられる計画が飛び出してきたわけで、住民からの大きな反発を招いて当然であります。
 東京都は、正式な都市計画上の手続を経て、この間も西武や練馬区との情報交換に努めてきたと、昨年の十一月二十六日の環境・建設委員会でも答弁しています。重大な規模で、避難有効面積を脅かす計画の突然の発表には遺憾の意を示すのが当然の対応のはずです。
 そこで、百歩譲って、都としては最低限、避難有効面積の確保を具体化していくべきだと考えるわけです。今回陳情は、ハリポタ建設現場が避難スペースとして有効といえるのか、情報の提供を求めています。都は、こうした懸念に対して真摯に向き合わなければなりませんが、単に西武やワーナーのいい分を聞くだけでなく、都みずからも避難有効スペースが確保されているか調べるべきと考えるものです。
 そこでお聞きしますが、都として目視など現地調査などを行い、避難有効面積、現状で確認しているのかお答えください。

○根来公園計画担当部長 民間事業者の取り組みでございますスタジオツアー施設につきましては、本公園の基本目標の一つである防災拠点の実現に配慮しておりまして、工事中においても避難できる場所や周辺からの出入り口を民間事業者が確保しております。
 あわせて、民間事業者と地元区が連携して、避難者を受け入れられる体制がとられております。

○原田委員 ですから
   〔発言する者あり〕

○西沢委員長 記章−−ありますか。
   〔発言する者あり〕

○西沢委員長 ちょっと今確認します。(発言する者あり)今確認をしておりますので、少々お待ちください。
   〔発言する者あり〕

○西沢委員長 副委員長、いいですか。一回休憩入れていいですか。(発言する者あり)では、暫時休憩にいたします。
   午後一時四十分休憩

   午後二時二分開議
○西沢委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 ただいま休憩中に理事会を開きまして、そして委員会中にご指摘のありました議員記章について議論をさせていただきました。
 議員記章の取り扱いについては、今この時点でいいとか悪いとかという判断がつかない状態となりました。まず、このことをご報告させていただきます。
 ただし、この間について貴重な時間をとってしまったということについて、それぞれの会派から発言がございますので、発言いただきたいと思います。

○関野委員 今、委員長からありましたように、記章等の方はまだルールがないということではありますが、やはり議会人としてというところをしっかり反省し、そして担当の委員の方にはしっかりと注意を徹底させて、今後こういったことがないようにさせていただきます。
 また、時間をとらせていただきまして申しわけございませんでした。
 以上です。

○里吉委員 同じように、先ほど議論でルールがまだわからないということではありましたけれども、今、関野副委員長から話もありましたように、議会人として委員会に臨む態度としてどうなのかというご指摘もいただきました。
 このような貴重な時間を理事会にとってしまったことについて、そのきっかけをつくってしまったことが我が会派の委員だということについて反省し、今後このようなことがないようにしていきたいと思います。
 以上です。

○西沢委員長 議員記章の取り扱いについては、議運ないし別の場所で議論をして、それで、これは環境・建設委員会に限ることではありませんので、そうしたところで議論をした上で決めていくというようなことを申し合わせましたので、ご報告とさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 また、委員長として、そうした委員会に対する姿勢についても改めて、私自身も含めて、委員の皆様におかれましては、しっかりと取り組んでいただくようお願いを申し上げます。
 それでは、質問を続行していただきたいと思います。

○原田委員 スタジオツアーについて先ほど答弁がありました。スタジオツアー施設については防災拠点の実現に配慮していると、工事中においても事業者が避難できる場所や周辺からの出入り口を確保しているんだという答弁でありました。ですから、事業者がやるといっているのを聞いているだけにすぎないんですね。
 今までの東京都の考え方、方向性、それから練馬区や西武との話し合い、情報交換、こういったものが、特に東京都の方向性がほごにされ、がらっと計画が変わってしまったという話だと思うんです。向こうのやっていますといういい分だけをうのみにしていいはずがないと思うんですね。
 十一月の当委員会の質疑で、根来部長は、避難有効面積がどのエリアで、どれだけ確保されているのか聞いた際、運用面も含めた避難スペースの詳細につきましては、引き続き協議をしていく必要があるとの答弁でした。ですので私が、設計ができ上がるのは三月と聞いていますので、そのころには発表されるということで間違いないですかとお聞きしました。すると、運用面も含めた避難スペースの詳細につきましては、引き続き協議をしてまいりますと再度の答弁があったわけですね。
 お聞きしますけれども、やっぱり運用面も含めた避難スペースの詳細、その協議はどうなったんでしょうか。

○根来公園計画担当部長 東京都、地元区、そして関係事業者の間で協議をいたしまして、としまえん跡地全体で避難空間を確保いたしますとともに、スタジオツアー施設につきましても、工事中においても避難できる場所や周辺からの出入り口を民間事業者が確保してございます。

○原田委員 ですから、私が聞いたのは、十一月の段階で詳細な協議をやっていっているんだといっていたんですが、その協議は終わったということでいいんですかね。終わったと。

○根来公園計画担当部長 繰り返しとなりますけれども、私ども東京都、地元区、そして関係事業者の間で協議をいたしまして、スタジオツアー施設につきまして、工事中においても避難できる場所や周辺からの出入り口を民間事業者が確保してございます。
 また、先ほどもご答弁申し上げましたが、スタジオツアー施設の工事中におきましても、民間事業者が避難場所等、確保しておりまして、私ども東京都は、地元区が円滑に避難誘導できるように、事業者と連携をしてまいります。

○原田委員 これだけ最後に聞いておきたいんですけれども、工事中の避難スペースも、地図上で面積だとか、東京都としては確認していないということなんですか。地図上とかですね。民間事業者が確保していますといっただけで終わっているのか、それを聞いただけで終わっているのか。東京都として、ここが避難スペース、ここは避難スペースじゃない、そういうふうに確認をしているのかどうか、はいかいいえでお答えください。

○根来公園計画担当部長 繰り返しとなりますが、東京都、地元区、関係事業者の間で協議をいたしまして、スタジオツアー施設の敷地につきまして、工事中においても避難できる場所や周辺からの出入り口を民間事業者が確保しております。

○原田委員 これだけ聞いて答えられないと。住民だって心配なわけですよ。そもそも野原のエリアといわれていた広大な敷地、そこにどすんとハリポタの施設が据わってしまうわけですよね。それだけでも避難有効面積は大丈夫なのかという話なのに、工事中、一体どこが避難所になっているのか、今いったような繰り返しの答弁が出てくるばかりと。
 足場の下に避難所があったり、ほじくり返した穴だらけの敷地の上が避難所になっていたりしないのかと。率直にいって、今までの方向性が覆されている計画なんですから、住民が心配するのは当たり前ですよ。ここが避難所ですと、足場の下や、でこぼこの地面の上なんかじゃありませんと、ちゃんと地図上で示せるような、そういうのをなぜ住民に見せることができないのかなと。
 改めて、今の答弁を聞く限りは、そうした、一体どこに避難ができるのか、その避難は適切な場所なのか、都も確認をしていないというのが実態のようでありまして、これは重大問題であります。
 本陳情は採択して当然だということを訴えて、質疑を終わります。

○西沢委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○西沢委員長 起立少数と認めます。よって、陳情三第一五号は不採択と決定いたしました。

○西沢委員長 次に、陳情三第一八号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○根来公園計画担当部長 お手元配布の資料5、陳情審査説明表の二ページにございます整理番号2、陳情三第一八号をごらんいただきたいと存じます。
 本件は、都立日比谷公園のテニスコートの存続に関する陳情で、千代田区の千代田区体育協会会長菅野豊さん外二人から提出されたものでございます。
 本陳情の要旨は、都において、スポーツに対する関心がますます高まる中、長い歴史を持つ都立日比谷公園テニスコートを存続させていただきたいというものでございます。
 現在の状況でございますが、都立日比谷公園は、明治三十六年に近代的洋風公園の先駆けとして開園した日本を代表する都市公園でございます。にぎわいや憩いの場として多くの都民に親しまれておりますとともに、皇居などの周辺の緑と一体となって、都心の緑の核を形成し、都市に風格や潤いを与えております。
 都立日比谷公園につきましては、令和元年十月に、東京都公園審議会に都立日比谷公園の再生整備計画についてを諮問し、都民意見の募集を行い、令和三年三月に答申を受けております。
 この答申におきまして、現在、テニスコートのある北西部のエリアにつきましては、区域が細かく分断されており、隣接する皇居外苑へのつながりが体感できないなどの課題があることから、地形や植栽などを生かしながら、園内から皇居外苑への見通しがきく、大きな広場空間の創出を計画しております。
 この広場空間は、健康増進や運動などのさまざまなプログラムが行われる大芝生広場や球技広場など多様な広場で構成されておりまして、さまざまな活動が相互に影響して、新たな利用や連携が生み出されることを目指しております。
 また、このエリアは、地域の団体等と連携したマネジメントの仕組みを取り入れることで、都民のニーズに柔軟に対応し、多くの人が集い、心と体の健康を感じることのできる広場としてまいります。
 こうしたエリアの基本的な考え方に基づき、球技広場におきましても、都民の多様なニーズに応える場とし、柔軟な運営を行い、テニス等のさまざまな球技が楽しめる広場としてまいります。
 なお、このエリアの具体的な整備やマネジメントの手法等につきましては、今後進めていく基本設計において引き続き検討していくこととしております。
 説明は以上でございます。よろしくご審査のほどお願い申し上げます。

○西沢委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○原田委員 日比谷公園テニスコートの存続を求める陳情について質疑をさせていただきます。
 本陳情は、日比谷公園に五面を有するテニスコートの存続を求める陳情であります。当該テニスコートの歴史をさかのぼりますと、設置されたのが大正九年、一九二〇年でありまして、昨年でちょうど百周年を迎えているんだなと気づかされました。日比谷公園のテニスは区内外の方々にとって特別な場所でありまして、その歴史や伝統に都が配慮することは大事なことと考えます。
 そこでお聞きしますが、日比谷公園のテニスコートは長い歴史があり、テニスの区民大会が開催されるなど、地域に愛されているコートであると伺っています。今回、多目的な利用のできる球技広場としていくとのことですが、これまでのようにテニス大会が開催できる規模が確保されるのか伺います。

○根来公園計画担当部長 日比谷公園再生整備計画におきましては、都民の多様なニーズに応えていくため、テニス等の各種球技が楽しめる広場を創出していくこととしております。
 球技広場の規模や、どのような球技に対応していくかは、今後進めていく基本設計等において検討してまいります。

○原田委員 詳しい設計は今後の課題であるとのことでありました。多目的に活用できる球技広場という都民ニーズは確かにあると思います。しかし、当該テニスコートが有するこれまでの経緯というものも、これは大事にしなければなりません。
 私は事前に陳情者のご意見を伺ってまいりましたが、多目的化に反対するものではなく、伝統ある日比谷テニスコートで大会を開催することを保証してほしいと切に願っての陳情だということでありました。
 その点で、テニスコート五面の確保は、大会を開催する上で必要とのことですし、配慮は必要です。ネットなど取り外し可能な施設として、他のスポーツでも活用できる広場にすることも可能と思いますので、ぜひとも地元の声に耳を傾けた公園整備に努めていただきたいと思います。
 また、これまで当該テニスコートを活用していただき、日比谷公園のにぎわいとブランドを支えてこられたことに敬意を表し、大会の開催日程や占有についても今後配慮をすべきと考えまして、陳情の採択を求めて、意見の開陳を終わります。

○西沢委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、継続審査とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○西沢委員長 異議なしと認めます。よって、陳情三第一八号は継続審査といたします。

○西沢委員長 次に、陳情三第二四号及び陳情三第二五号については、内容に関連がありますので、一括して議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○根来公園計画担当部長 お手元配布の資料5、陳情審査説明表の三ページ目にございます整理番号3、陳情三第二四号をごらんいただきたいと存じます。
 本件は、葛西臨海水族園の更新に向けた事業計画及び既存施設の利活用・環境保全に関する陳情で、渋谷区の葛西臨海水族園の長寿命化を考える会代表横河健さんから提出されたものでございます。
 本陳情の要旨は、都において、葛西臨海水族園の更新に向けた事業計画について、次の五点のとおり、新施設と既存施設を統合し、サステーナブルリカバリーを推進する機関とする計画へと発展的に見直していただきたいというものでございます。
 一点目は、葛西臨海水族園を未来の人々のために、サステーナブルリカバリーを推進する拠点として、新施設、現施設を一体として、東京の自然環境、世界の海洋環境、海洋生物の研究教育機関に発展させ、葛西臨海公園、葛西海浜公園及び葛西臨海水族園を統合する東京サステーナブルリカバリーセンターという一つの機関とすることでございます。
 二点目は、新施設はその機関の一部の施設として水族館機能を分担し、ガラスドームと水盤を通して世界の海へとつながる既存本館は、一部展示も含みながら研究教育施設として保全、利活用し、加えて既存の淡水生物館についても保全、利活用することでございます。
 三点目は、新施設の配置計画は、最大限現在の景観を尊重するために、現在の芝生広場の位置を主として、緑地を最大限確保した計画とすること。
 四点目は、三点目と同時に、三十年を経て成長した樹木や、水族園の職員が手塩にかけて育てた環境、特に淡水生物館や流れの周辺の水辺を囲む緑地を最大限残し、保全することでございます。
 五点目は、ガラスドームが象徴的な葛西臨海水族園、クリスタルビュー、水上バス待合所の三つの建築と葛西臨海公園、葛西海浜公園の自然豊かなランドスケープが調和する総体としての景観を保全すると同時に、葛西臨海公園駅のホーム、中央園路、水の広場、ゲート広場に至るアプローチの各地点からガラスドームへの眺望を確保する計画とすることでございます。
 現在の状況でございますが、四ページをごらんください。都は、令和二年十月に公表した葛西臨海水族園の更新に向けた事業計画において、新たな水族園の実現に向けては、既存施設とは別に建築する建物に水族園機能を移すこととしており、現在、新施設整備の取り組みを進めております。
 また、同計画では、既存施設については、新施設整備の取り組みと並行して、利活用の可能性とその採算性等について検討を行い、水族園機能を移設した後、施設の状態等を調査の上、そのあり方について決定していくこととしており、現在検討を行っているところでございまして、同計画を見直し、新施設と既存施設を統合してサステーナブルリカバリーを推進する機関とすることは予定をしておりません。
 次に、五ページにございます整理番号4、陳情三第二五号をごらんいただきたいと存じます。
 本件は、葛西臨海水族園の更新における既存棟の保存再生と新棟の融合による利活用に関する陳情で、渋谷区の公益社団法人日本建築家協会会長六鹿正治さんから提出されたものでございます。
 本陳情の要旨は、葛西臨海水族園の既存棟を全体のゲートとして活用することで、保存再生と新棟計画を統合し、あわせて環境教育の場として活用することにより、都のサステーナブルリカバリー推進の政策の一つとしていただきたいというものでございます。
 現在の状況でございますが、都は、先ほど陳情三第二四号でご説明した葛西臨海水族園の更新に向けた事業計画に基づきまして、既存施設については、新たな水族園とも有機的に連携しながら、周辺一帯の魅力を向上させる利活用策について検討を行っているところでございまして、今後、基本的な考え方を取りまとめてまいります。
 説明は以上でございます。よろしくご審査のほどお願い申し上げます。

○西沢委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○斉藤委員 陳情三第二四号、二五号の二件につきまして、一括して意見を申し上げます。
 葛西臨海水族園は、葛西臨海公園の中に平成元年に開園し、クロマグロの群泳展示を初め、貴重な海の生き物に出会える機会を都民、国民に提供してまいりました。
 しかし、開園後三十年以上が経過し、社会状況の変化や施設、設備の老朽化への対応などのため、昨年、令和二年十月に、葛西臨海水族園の更新に向けた事業計画を公表し、現在は新たな水族園の整備に向けて取り組みを進めているところだと思います。
 新たな水族園の整備に当たりましては、これまでの展示や空間演出を刷新し、SDGsの達成に向けて、将来を担う子供たちを初め多くの来園者に、海の生き物の美しさや多様さに加えまして、海の文化や環境、資源の問題などを学べる場とするとともに、葛西臨海公園一帯の緑豊かな自然環境の保全にも十分配慮していただきたいと思います。
 また、保存、活用の声が上がっております既存施設の利活用検討につきましても、葛西臨海公園やラムサール条約登録湿地であるなぎさ等の周辺環境全体の魅力向上という視点に立ちまして、持続可能な保存、利活用方法を検討していただくよう要望いたします。
 このように、現在は新施設整備への取り組みと既存施設の利活用検討を並行して進めている状況でありますので、審査についてはそれぞれの取り組みの進捗を待って行うべきと考えるものであります。
 そこで、今回の陳情については、いずれも継続審査とすることを求め、意見表明とさせていただきます。

○里吉委員 陳情三第二四号、第二五号についての質疑を行います。
 今回のこの二つの陳情は、葛西臨海水族園の現施設を新しい施設と一体のものとして整備をしてほしいという陳情です。
 私は改めて陳情者の方とお話をしながら、今の計画を見ておりました。そうしますと、新施設についてはいろいろ議論してきました。それから、今のガラスドームの現施設についても見てきましたが、現施設と一体で整備をしておりました淡水生物館がどうなるのかということで、正確に場所は決まっていないということですけれども、今予定されている新施設を芝生広場のところ、この場所につくると、淡水生物館は残せるのではないかと。これを残してほしいということも陳情の中に入っておりまして、改めて淡水生物館についても一点お伺いしておきたいと思います。
 まず、淡水生物館が果たしてきた役割をどう認識しているのかということと、この淡水生物館は残す予定なのか、壊す予定なのか、どのような検討がされているのか伺います。

○根来公園計画担当部長 淡水生物館も含め、現水族園は、東京の川、海から世界の海まで、多様な生物、環境の展示を行うことで、種の保存、調査研究、教育、レクリエーションの四つの機能を果たしてまいりました。
 淡水生物館の取り扱いにつきましては、新施設整備の取り組みを進める中で、今後検討してまいります。

○里吉委員 淡水生物館の取り扱いは新施設の整備と一体ということでした。ですから、残すのか、壊すのか、もしくは改修するのか、新施設の整備の中で淡水生物をどう扱うのかということの中で議論もされているということで確認をいたしました。
 陳情者の方は、淡水生物館そのものも大切なんだけれども、あれを取り巻く豊かな緑、そこの環境も含めて一帯が大変すばらしいと。三十年かけてつくってきたものだということで、周りの緑も含めて、貴重な自然環境を残していただきたいという陳情です。
 私も伺ったときに、あそこは本当にそういう豊かな緑だなと思っておりましたので、ぜひ残す方向で議論していただきたいということを要望として申し上げておきます。
 そして、今回の陳情の中心ですけれども、現施設の活用の仕方の一つとして、大きな水槽を置くというような活用はできなくても、パネル展示や集会室、関連する図書や資料等を集めた図書施設など、新施設を補完する役割を持たせることで、一体のものとして活用することができるのではないかということが陳情者の方の思いということで伺いました。
 そこで伺いますけれども、現施設の活用について、残して活用する場合、どのような組織が改修するのか、管理運営されることが予想されているのか。新施設を整備するところと一体に活用する、そういうことを検討することも可能なのかどうか伺います。

○根来公園計画担当部長 既存施設の利活用につきましては、現在検討を行っているところでございます。

○里吉委員 何も決まっていないということですね。現施設をどうするのかというのはまだ決まっていないということなんですが、あり方をこれから検討することになると思いますので、一体に活用することも含めて、ぜひ検討していただきたいと思います。
 それから、陳情の中で、周りの緑のことについてもきちんと残していただきたいという要望が大分述べられております。
 そこで、新施設は芝生広場に建設予定のように見えるんですけれども、この周りは本当に多くの樹木が存在しています。陳情は、この樹木や豊かな自然環境は水族園として三十年、地域の皆さんや関係者の皆さんと一緒に都が育ててきたものだと。ですから、これは最大限確保した計画にしてほしいというふうに求めております。
 そこで伺いますが、この場所の緑を守るための規制ですとか条例はあるのか、どのようなルールのもとで緑の保全が考えられているのか伺います。

○根来公園計画担当部長 新施設の整備に当たりましては、東京都自然保護条例の適用などが考えられますが、該当した場合には、関連法規に従い、適切に緑の保全に努めてまいります。

○里吉委員 適切に緑の保全に努めていくというご答弁だったんですけれども、法令を守っていただくのは当然で、例えばこれまでですと、上野の公園の樹木の伐採については、本当にあそこまで伐採する必要があったのかというたくさんの声をいただきました。貴重な樹木を、緑をもっと守ってほしかったというふうに寄せられております。私も同じ思いです。
 そこで、新館建設のための工事の機材を搬入するために、建設予定地以外にも多少の緑を、木を切らなければならないことになるのではないかと、これは想像されますけれども、そういうときに、どういうふうに切るのか、何本切るのかというのを事前に検討する場所、そのような場所はあるのか伺いたいと思います。

○根来公園計画担当部長 樹木の保全につきましては、新施設の設計段階において適切に対応してまいります。

○里吉委員 緑を守る条例を持っている自治体によっては、条例などによって例えばマンション建設なんかでも、どういう樹木を何本切る、もしくは移設するなんていう議論をするところがあったりするわけです。
 特にここの場所は、都民が三十年なれ親しんできて、だんだんだんだん緑をつくってきた、そういうところですので、この樹木の計画についても、新施設の建設や、現施設の今後のあり方とあわせて、広く都民の皆さんに知っていただけるようなことが、何らかの情報公開、皆さんの意見を聞く場、それは特に答弁がありませんでしたから、ぜひそれは適切につくっていただきたいと、これも要望しておきたいと思います。
 一応、一点確認するんですけれども、搬入路以外にどのような伐採が予想されるのか。多分お考えはあると思うんですけども、極力樹木の伐採を行わないようにしてほしいという声がたくさん寄せられているんですね。東京都としての見解を確認しておきたいと思います。

○根来公園計画担当部長 樹木の伐採は最小限とするため、建設予定地を芝生広場と想定しております。

○里吉委員 そういうことだと思うんですが、これまでのいろいろな公園などでの整備による樹木の伐採を見ていると、皆さんの考えている最小限の樹木の伐採と都民の皆さんの最小限の伐採と、本数に大分違いがあるんですね。皆さん自身がたくさん切ろうと思っているわけではないと私は推察いたしますが、ぜひ、こういうふうに樹木を伐採せざるを得ないということを事前に知らせていただいて、都民の皆さんに納得していただけるようなやり方にしていただきたいと思いますし、納得していただけないようなことでしたら、計画を変えていただきたいということは申し上げておきます。
 最後です。陳情の最後にある項目ですけれども、今回、新館建設についての具体化が進んでいますが、葛西臨海水族園の敷地全体については、新施設の高さや配置を今後どういうふうに検討していくのか。葛西臨海公園駅のホームや中央園路、水の広場、ゲート広場に至るアプローチの各地点からガラスドームへの眺望を確保する計画とすべきだという陳情が上がっていますが、これについての都の見解を伺います。

○根来公園計画担当部長 葛西臨海水族園の更新に向けた事業計画におきまして、新施設の整備に当たっては、なぎさ等の周辺環境や公園内の他の施設とのつながりに配慮し、葛西臨海公園全体の魅力を高める施設とすることとしております。

○里吉委員 ガラスドームへの眺望がいろんなところから見えるというのが全体の魅力を高めることにもなると思いますので、その方向でぜひ進めていただきたいと思います。
 今回、陳情者のお一人の方といろいろお話をさせていただきましたけれども、今回やっぱり陳情を出された背景には、東京都が現施設の存続について、利活用の可能性とその採算性等について検討を行い、それから水族園機能を移転した後、施設の状態を調査して、あり方について決定というふうにあるので、まだ残してもらえるかどうかわからないという立場なんですね。心配されています。
 それから、水族園の中にありながら、水環境や魚、水族園と全く関係のない中身で残されてしまっては元も子もないということで、今お話ししましたように、環境教育の場として、新施設と一体に活用してほしいというものでした。
 三十年にわたって、創園からつくってきた豊かな緑の環境も含めて、そして、それに広がるなぎさも含めて、豊かな自然環境全体を生かしてほしいというもので、局の方にお話を聞くと、まだ全て決まっていないと、これからだということですけれども、決まる前にこういう方向性で考えてほしいという切なる願い。そして、都民からしても、水族園のあり方としてこうあってほしいなという中身でしたので、陳情はぜひ採択していただきたいということを主張し、質問を終わります。

○西沢委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、いずれも継続審査とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○西沢委員長 異議なしと認めます。よって、陳情三第二四号及び陳情三第二五号は、いずれも継続審査といたします。
 以上で陳情の審査を終わります。
 以上で建設局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後二時三十七分散会

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