委員長 | 佐野いくお君 |
副委員長 | 関野たかなり君 |
副委員長 | 里吉 ゆみ君 |
理事 | 舟坂ちかお君 |
理事 | 斉藤やすひろ君 |
理事 | あかねがくぼかよ子君 |
西野 正人君 | |
原田あきら君 | |
細谷しょうこ君 | |
西沢けいた君 | |
のがみ純子君 | |
西郷あゆ美君 | |
村松 一希君 | |
三宅 正彦君 |
欠席委員 なし
出席説明員環境局 | 局長 | 栗岡 祥一君 |
次長 | 笹沼 正一君 | |
総務部長 | 松永 竜太君 | |
環境政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 | 上田 貴之君 | |
環境改善部長 | 筧 直君 | |
環境改善技術担当部長 | 志村 公久君 | |
資源循環推進部長 | 宮澤 浩司君 | |
資源循環計画担当部長 | 宗野 喜志君 | |
建設局 | 局長 | 中島 高志君 |
次長総務部長事務取扱 | 今村 保雄君 | |
道路監 | 奥山 宏二君 | |
道路管理部長 | 前田 豊君 | |
道路建設部長 | 花井 徹夫君 | |
公園緑地部長 | 植村 敦子君 | |
河川部長 | 小林 一浩君 | |
公園計画担当部長 | 根来 千秋君 |
本日の会議に付した事件
建設局関係
契約議案の調査
・第二百五号議案 雑司が谷環状第五の一号線トンネル(仮称)(二)立坑築造工事その二請負契約
・第二百六号議案 中川護岸耐震補強工事(その五十一)請負契約
付託議案の審査(質疑)
・第二百十五号議案 東日本大震災における原子力発電所の事故に係る損害賠償請求に関する和解のあっせんの申立て(その九)について
・第二百四十一号議案 東京都立横網町公園の指定管理者の指定について
・第二百四十二号議案 東京都立葛西臨海公園の指定管理者の指定について
・第二百四十三号議案 東京都八重洲駐車場外四駐車場の指定管理者の指定について
・第二百四十四号議案 東京都板橋四ツ又駐車場の指定管理者の指定について
環境局関係
付託議案の審査(質疑)
・第百八十七号議案 令和二年度東京都一般会計補正予算(第十三号)中、歳出 環境局所管分
・第百九十八号議案 東京都災害廃棄物処理基金条例
・第二百十四号議案 東日本大震災における原子力発電所の事故に係る損害賠償請求に関する和解のあっせんの申立て(その八)について
・第二百三十七号議案 東京都立奥多摩湖畔公園山のふるさと村の指定管理者の指定について
・第二百三十八号議案 東京都立多幸湾公園の指定管理者の指定について
・第二百三十九号議案 東京都檜原都民の森の指定管理者の指定について
・第二百四十号議案 東京都奥多摩都民の森の指定管理者の指定について
報告事項(質疑)
・食品ロス削減に向けた提言について
・都民の健康と安全を確保する環境に関する条例施行規則(土壌汚染対策制度)の改正について
・大気汚染防止法(アスベスト規制関連)の改正について
○佐野委員長 ただいまから環境・建設委員会を開会いたします。
初めに、契約議案について申し上げます。
契約議案は財政委員会に付託されておりますが、本委員会所管分について、議長から調査依頼がありました。
本件については、調査結果を財政委員長に報告することになっております。
公文の写しはお手元に配布してあります。
朗読は省略いたします。
令和二年十二月九日
東京都議会議長 石川 良一
環境・建設委員長 佐野いくお殿
契約議案の調査について(依頼)
左記の議案について調査し、財政委員長にご報告願います。
記
1 調査議案
第二百五号議案 雑司が谷環状第五の一号線トンネル(仮称)(二)立坑築造工事その二請負契約
第二百六号議案 中川護岸耐震補強工事(その五十一)請負契約
2 提出期限 令和二年十二月十一日(金)
○佐野委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、建設局及び環境局関係の付託議案の審査、建設局関係の契約議案の調査並びに環境局関係の報告事項に対する質疑を行います。
これより建設局関係に入ります。
初めに、契約議案の調査を行います。
第二百五号議案及び第二百六号議案を一括して議題といたします。
本件については、いずれも既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○今村次長 去る十一月二十六日の当委員会におきまして要求のございました資料についてご説明申し上げます。
お手元の環境・建設委員会要求資料をごらんください。
表紙をおめくりいただきますと、目次に二件の資料の件名が記載してございます。
各資料では、今回提出しております工事請負契約における件名、落札者、落札金額、開札日、入札経過をあらわしております。
一ページをごらんください。雑司が谷環状第五の一号線トンネル(仮称)(二)立坑築造工事その二請負契約における入札経過でございます。
二ページをごらんください。中川護岸耐震補強工事(その五十一)請負契約における入札経過でございます。
以上で要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○佐野委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより本案に対する質疑を行います。
発言を願います。
○舟坂委員 それでは、私からは、契約案件のうち、中川の護岸耐震補強工事についてお尋ねをいたします。
東部低地帯は、隅田川、旧江戸川など多くの河川が流れ、東京湾の満潮面より低いゼロメートル地帯が広がっております。中川や綾瀬川など七つの川が流れる私の地元葛飾区も含まれております。
きょう、あした起きるかもしれない大地震により、万が一ですが、河川の堤防が損傷すると、この地域全体に水害が広がって多大な被害が予想されることから、堤防の耐震対策が急がれております。
せんだっての第三回定例会の環境・建設委員会において、私は、中川と綾瀬川の堤防の耐震対策についてのこれまでの取り組み状況を質問いたしました。このうち中川については、平成七年の阪神・淡路大震災を契機に、平成九年度から上平井水門より下流区間に実施し、平成十九年度からは上平井水門より上流の七曲がり区間の対策を開始しており、現在は、平成二十三年の東日本大震災を契機に策定した新たな計画のもと、整備が進められていると、都が長期にわたり継続して対策を進めてきたことを確認いたしました。
そこで、改めて、本契約案件を含む中川の堤防の耐震対策はどのような計画に基づいて実施しているのかをお伺いいたします。
○小林河川部長 東部低地帯におきまして、想定される最大級の地震が発生した場合においても施設の機能を保持し、津波等による浸水を防止するため、平成二十四年度に東部低地帯の河川施設整備計画を策定いたしました。
現在この計画に基づきまして、中川につきましては七・六キロメートルの堤防を対象に耐震対策を実施しております。
○舟坂委員 現在の中川の耐震対策の計画については改めて確認ができました。
中川では、この計画に基づき、本案件と同様な工事が数多く実施されてきております。私も現場を見続けてきましたが、ここに来てかなり進んできたように感じてもおります。
そこで、中川における堤防の耐震補強工事の進捗状況についてお伺いをいたします。
○小林河川部長 中川につきましては、これまでに計画延長の約九割、七・一キロメートルを事業化しております。このうち令和二年度は、本案件の契約によりまして、当初の予定どおり、四つの区間で合わせて約八百メートルの工事に着手することとなります。
引き続き、耐震補強工事を着実に実施してまいります。
○舟坂委員 中川では堤防の耐震補強工事が集中して行われており、安全性が高まることに、住んでいる方々も感謝をしております。
一方、中川は高砂橋より上流が国の管理する区間となっております。都の管理する区間は耐震対策が進んでいることはわかりますが、その上流についてはどのような状況であるのか、地元の方々も気にしております。
堤防は、高潮や津波などの脅威から都民を守る重要な施設です。近年、各地で水害が激甚化しており、さらには首都直下地震等の発生も懸念されています。このようなことから、都だけではなく、国の堤防も一体となって地域を守っていくことが重要であると考えます。
そこで、中川における国が管理する堤防の地震に対する安全性についてお伺いをいたします。
○小林河川部長 中川におきましては、都内の延長約二十二キロメートルのうち、高砂橋より上流の約六キロメートルを国が管理しております。
国からは、東日本大震災を受け、平成二十四年に国が定めました河川堤防の耐震点検マニュアルに基づきまして堤防を点検した結果、耐震性を有していると聞いております。
○舟坂委員 中川においては、国が管理する区間の堤防が耐震性を有していることはわかりましたが、中川には都の管理する堤防と国の管理する堤防があり、一続きになって地域を守っております。
沿川に住む方々の安全・安心のため、それぞれの役割分担のもと、今後とも連携しながら地域の安全性向上を着実に進めていただくことを要望し、質問を終わります。
○のがみ委員 私からも、契約案件のうち、中川護岸耐震補強工事(その五十一)について質問いたします。
首都直下地震は、今後三十年以内に起きる可能性が七〇%といわれてから、もう既に何年も過ぎています。いつ起きてもおかしくない状況です。
地盤面が海水面より低いゼロメートル地帯が広がる東部低地帯では、国内で過去において最大の被害をもたらした伊勢湾台風級の高潮への対応もおおむね完了しているとのことですが、地震によって堤防が壊れてしまった場合、津波等により浸水してしまうおそれがあります。
このため都では、東部低地帯の河川において、平成二十三年の東日本大震災後に策定した東部低地帯の河川施設整備計画に基づき耐震対策が進められております。
私の住んでいる葛飾区は荒川と江戸川に囲まれていますが、とりわけ中川の七曲がりといわれている、昔からの手を余り入れていない、七つにくねくねと曲がっている川の耐震が課題となっております。
中川の一カ所でも決壊すると、区全体が大きな被害となります。葛飾区の耐震の肝になっているのが中川なのでございます。
前回の事務事業質疑だけでなく、一般質問等を通じて何度も、私の地元葛飾区を流れる中川の耐震対策の進捗状況について質問いたしました。
都が大変力を入れて着々と耐震工事を進めており、地震に対する安全性を高めていることも私は承知をしております。本契約案件もこの対策の一環の工事であります。
そこでまず、本契約案件の具体的な工事内容について質問いたします。
○小林河川部長 本契約案件は、中川の青砥橋上流右岸約二百メートルにおきまして、地震時の液状化に伴う堤防の沈下等を防ぐため、既設堤防の河川側に長さ三十メートル以上の円筒形の鋼管矢板を設置するとともに、河床から二十メートル程度の深さまで地盤改良を実施することとしております。
また、鋼管矢板の上部はコンクリートで被覆し、テラスの基盤としても活用できるよう整備してまいります。
○のがみ委員 前回の事務事業で、現在も堤防七・六キロメートル、総事業費は四百四十億円かけて耐震事業を進めておりまして、これまで九割が事業化されているとのことでございました。
昨年十月に、私の自宅近くの青砥橋では、護岸工事で大きな事故が発生いたしました。川に浮かんでいた船から長く延びた地盤改良機の柱が青砥橋を塞ぐ形で倒れ、環状七号線の両側を塞いだのです。一晩で倒れ込んだ巨大な柱を切断して、翌朝には通行ができるようになっておりました。
私は気がかりで、マンションの十五階に住んでいるもので、作業の様子を上から眺めておりましたが、地盤改良機の柱を切断して、夜中の三時ごろには撤去が始まったようです。手早く処理をしておりました。
本案件はこの事故現場の対岸に位置しており、工事を進めるに当たって安全対策が特に重要であると考えます。何本もの地盤改良機の柱が立っておりまして、これが波とかの影響というのかしら、そういうのにも左右されるのでないかと。台風のような強い風が吹けば、また同じように倒れてしまうんではないかというようなことも考えられると思います。
そこで、現場条件の特徴と工事安全対策についてお伺いいたします。
○小林河川部長 本案件の工事箇所は、新中川との分派点の下流に位置し、見通しの悪い中、多くの船舶が航行しており、加えまして、環状七号線の青砥橋に近接し、また現場上空では東京電力の高圧送電線が交差しております。
そこで、船舶への対策といたしましては、船舶事業者と運航情報を共有することなどで、航行の安全を確保してまいります。
また、青砥橋や送電線に近接する作業に当たりましては、作業員に注意を促す看板等を設置するとともに、重機が安全な離隔を確保していることを常に監視し、接触事故の防止を図るなど、工事安全対策を徹底してまいります。
○のがみ委員 耐震対策事業は、地震時の水害から住民を守るために必要不可欠な事業でございます。工事の安全に十分配慮しながら、着実に進めていただきたいと思っております。
また、先日の事務事業質疑でも触れましたが、中川では、堤防の耐震工事に合わせて、区民の方々が水面近くまでおりていって川沿いを散策できるテラス整備が川の両岸で進められており、地元からは感謝の声が上がっております。
そこで、中川におけるテラス整備の取り組み状況についてお伺いいたします。
○小林河川部長 中川では、被覆した鋼管矢板の上部を基盤といたしまして、人々が水辺を散策できる幅四メートルのテラスを整備しており、都と葛飾区が連携してベンチや植栽帯、照明などを設置しております。
これまでに上平井橋から奥戸橋上流におきまして約六・四キロメートルが完成し、開放しております。とりわけ葛飾区の奥戸スポーツセンター公園が隣接する区間におきましては、テラスと公園を結ぶスロープやビュースポットを設置し、眺望が開けた水辺空間を創出しております。
引き続き、都民の安全・安心の確保に向けまして、中川の耐震対策を推進するとともに、快適な水辺環境の創出に努めてまいります。
○のがみ委員 今後とも、耐震対策に加え、葛飾区と協力をしながら、水辺に親しむことができる中川のテラス整備も進めていただきたいと思っております。安全第一で進めていただくことを要望して、質疑を終わります。
○原田委員 私からも、二百五号及び二百六号議案について意見を述べるとともに、質疑をさせていただきたいと思います。
まず、雑司が谷環状第五の一号線トンネル(仮称)立坑築造工事その二について、意見を述べておきます。
本議案は、明治通りと目白通り、都電荒川線が立体交差する現地に開削工法による地下トンネルの環状五号線が到達し、その地点で推進工事を行うに当たり、立て坑を築造する議案であります。立体構造の地下を通るために、開削ができないことによります。
我が党都議団としては、環五自体は反対してきた道路計画ですが、通過交通は地下に迂回してほしいという住民の運動で実現した工事であり、そうした住民の声が通った案件として賛成といたします。
次に、二百六号、中川護岸耐震補強工事(その五十一)について、特に騒音についてお聞きしたいと思います。
この間、着実に進めていただいている各河川の護岸工事ですが、先週、私の地元杉並で護岸工事というもののすさまじい騒音というものについて住民からお聞きする機会がありまして、ちょうど本日の質疑もありましたので、中川においてはどうなっているかお聞きしておきたいと思います。
これまでの中川における耐震補強工事の騒音に対する苦情の対応状況についてお示しいただきたいと思います。
○小林河川部長 中川の耐震補強工事を含め、河川の整備に当たりましては、家屋等が近接する場合、低騒音型施工機械を使用するなど騒音に十分配慮しております。
中川における騒音への対応といたしましては、過去に、日没後の地盤改良作業などに対して騒音の軽減を求める事例がございました。その際には、今後の作業の予定を説明するとともに、必要に応じて作業時間の短縮や変更など丁寧に対応してまいりました。
○原田委員 私の地元を流れる善福寺川や神田川と違って、比較的川幅の広く、一定の歩道などを、河川改修現場から家屋が離れているような河川でも、実は工法によっては苦情があるということがわかりました。
そうなると、西部住宅街を流れる河川の改修ともなると、それ相応の住民からの声というものが上がるのかなとも思います。
そこでお聞きします。
現場が住宅に近い護岸工事では、騒音に対する費用を工事費に計上していますか。
○小林河川部長 工事に当たりましては、東京都土木工事標準仕様書などを踏まえまして、現場条件や工事内容に応じて、低騒音型施工機械などの対策費用や騒音調査に要する費用を計上しております。
○原田委員 現場などの状況に応じて工夫がなされ、騒音対策費用も計上することはあるとのことでした。
今後、さまざまな護岸工事は行われると思うんですけれども、例えば西部住宅街を流れる河川の改修が上流部分で本格化していくことになります。特に西部地域を流れる河川には、歩道もろくにとることができない箇所がたくさんあり、そうした地域の場合は東部地域の護岸整備とは全く違った対応が必要になると思われます。
何といっても、西部地域の河川でも鋼管くいは直径九十センチほどとなりまして、これを地下十五メートルまで打ち込むわけですね。一軒の家に騒音、振動が届くくいの数は、向こうからも届いてきちゃうものですから、向こう側の岸のも届くことを考えると、大体数十本分の鋼管くいの打ち込みの騒音、振動がやってくるんですね。
しかも、河川の改修の現場は、家から二メートルとか三メートルぐらいしか離れていないと。これは考えただけでもどれほどの騒音だろうと思いますけれども、善福寺川の例でいいますと、昼間の二時間の平均が、ひどいときで八十デシベルから九十デシベルはあったといいますから驚愕の数字です。
この苦情が上がった地域は重機の搬入通路ともなっていまして、鋼管くいの打ち込みは終わりましたが、一定の騒音があと五年続くという話でした。
こうした住宅街に至るまでは、この地域でいえば、公園の中の河川を整備していましたので、騒音、振動に気をつけずにやっていたかもしれませんが、住宅街であるとか、中川だって住宅が近く隣接するようなところは、どこかの話ではないわけですね。
住宅街ではそうはいかなくなってくると。なるべく小さな重機にして、ゆっくりと、騒音の出にくい工事にしなければなりませんし、その場合は、工期をあらかじめ長くとる必要もあります。必要な家屋については二重窓対応、ホテル避難などもやらねばなりません。
そうした経費を全て受注業者任せというわけには私はいかないと思いますし、やはり住民の騒音、振動対策には今後もくれぐれも気をつけていただいて、工事発注の積算をしていっていただけたらなと思い、意見として述べて終わらせていただきます。
○佐野委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○佐野委員長 異議なしと認め、契約議案に対する質疑は終了いたしました。
お諮りいたします。
本案は、いずれも異議のない旨、財政委員長に報告いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○佐野委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
以上で契約議案の調査を終わります。
○佐野委員長 次に、付託議案の審査を行います。
第二百十五号議案及び第二百四十一号議案から第二百四十四号議案までを一括して議題といたします。
本案については、いずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
○斉藤委員 私の方からは、葛西臨海公園について質問を簡単にさせていただきたいと思います。
葛西臨海公園と葛西海浜公園、これは港湾局と建設局と所管が違うんですが、葛西臨海公園に隣接する葛西海浜公園の方は港湾局の所管でございまして、これはラムサール条約の登録湿地ということで、都心から大変近いところにある非常にユニークな、世界的にも希少価値の高い公園ということで、港湾局所管でございます。
これについては利用、保全、教育に関する取り組みを求められることになりまして、そうしたスキルを持った事業者に対して、公募によって候補者を選定したと仄聞しているところでございます。
今回、建設局所管の葛西臨海公園でございますけれども、現在、防災公園グループの指定管理者である東京都公園協会を特命として、指定管理者の候補に選定しているところでございます。
この指定管理者制度そのものについては、地方分権のさまざまな角度から導入された制度ですけれども、その制度趣旨からは、公募によることが原則になっている。施設の状況に応じまして、東京都の政策との密接な関連性や、施設の管理運営における団体の適格性の観点から、政策連携団体によります管理運営が適切である施設については、特命による選定が可能となっているわけであります。
指定管理者制度の仕組みの議論は総務委員会での所管ですので、ここで深くするのはふさわしくないですが、今回個別案件として特命による指定がなされておりますので、それに関連して、今回付託議案の対象になっています葛西臨海公園について、特命による選定となっている理由についてお伺いをしたいと思います。
○植村公園緑地部長 葛西臨海公園は、東京都地域防災計画において大規模救出救助活動拠点に指定されておりまして、災害時の防災機能の確保が必要な公園でございます。
現在、大規模救出救助活動拠点に指定されている公園は、防災公園グループとして、都の政策連携団体である公益財団法人東京都公園協会による管理が行われております。
東京都公園協会は、発災時に迅速な初動活動ができる体制を構築しているなど、都民の生命と財産を守るという都の政策を実現していくための能力と実績を有する団体であるため、特命により選定をいたしました。
○斉藤委員 都立公園というと、都民の皆様からすれば、レクリエーションで親しんでいくとか、私の場合は、例えば生物多様性に関しては自然的なものを大切にしていくような貴重な緑資源と、そういう角度で都立公園を見詰めることが多いんですけれども、都立公園の大事な一つの顔としての防災公園という側面があるということ、都民の皆様にぜひこれを知っていただきたくて、きょうはこれを取り上げたわけでございます。
この大都市東京において、オープンスペースをとることは極めて重要でございまして、いつ起こるとも知れない首都直下地震につきましては、震災時にさまざまな役割を担う担い手がその拠点を必要とするわけであります。
平成七年の阪神・淡路大震災、このときも、道路閉塞と大変、人の移動を阻んだ電柱の問題等もございましたし、なかなか救援活動の拠点が非常に重要であるということを再認識された大きな震災でございました。
また、近くは東日本大震災の際にも、大規模公園の重要性は、応急対策の活動やその後の復興活動の拠点としても非常に重要であるということが認識されたわけですが、災害がちょっと昔になりますと、関心が薄まってしまうところがこの防災の難しさでございますけれども、ぜひともこれを機会に、都民の皆様にも防災公園の重要性についてちょっと一緒に考えていただきたい、こういうふうに思うわけでございます。
そこで、防災公園グループの特徴であります大規模救出救助活動拠点に位置づけた公園とは、災害時にどういった役割を担っていくのかお話を伺いたいと思います。
○根来公園計画担当部長 防災公園グループの公園は、発災時には避難場所だけでなく、大規模救出救助活動拠点という極めて重要な役割を担うことになっております。発災時には、広場や競技場などのオープンスペースが、被災者の救出救助を行います自衛隊、警察、消防等の広域支援救助部隊のヘリポートやベースキャンプ等として活用されることになります。
葛西臨海公園におきましては、第三駐車場が活動拠点に指定されてございます。
○斉藤委員 この活動拠点には、発災直後の救出救助活動のために自衛隊、警察、消防等の部隊のベースキャンプとして活用される大規模救出救助活動拠点、こうした拠点としての役割のほか、ヘリコプターの活動拠点という重要なスペースとして使われることが紹介されております。
そうした防災公園グループの一つである公園ですが、それでは、今回特命を受ける指定管理者でありますけれども、そういった指定管理者は発災時等、どのような取り組みを行うのかを伺いたいと思います。
○根来公園計画担当部長 指定管理者は、初動対応といたしまして、来園者の避難誘導や園内の被害状況の確認等により、避難場所の安全を確保いたします。
夜間に災害が発生した場合には、グループでのスケールメリットを生かしまして、職員の居住地に近い公園へ速やかに参集し、施設点検や避難者対応等を行います。
こうした取り組みに加えまして、都や自衛隊等と緊密に連携し、大規模救出救助活動拠点内の避難者を周辺の安全な区域へ誘導するとともに、緊急車両動線の支障物除去を行うなど、活動スペースの迅速な確保に努めることで、救出救助活動を支援いたします。
また、平常時には、警察や消防等と連携した防災訓練や、防災フェスタ等のイベントやリーフレット作成などによります防災意識の普及啓発に取り組んでございます。
○斉藤委員 まさに特命の契約にふさわしい内容について、そのスキルを持った指定管理者が担うことが重要であると、都民の皆様にご理解をいただきたいというように思うわけでございます。
特命というと、競争性のある契約に比べると何か不透明であったり、何かもっと公正、公正というのはないのかとか、そういった視点のご指摘を受けやすいんですけれども、まさに今ご説明がありましたように、日ごろから信頼関係を持って、各部隊、それぞれのユニットというか、自衛隊は自衛隊、消防、警察はそれぞれの部隊として動いているわけですけれども、東京都の防災公園のあり方につきましても、日ごろからそういった連携を密にする、まさしく政策連携団体として最も重要な任務を果たしている姿であろうと思います。
競争、公募がふさわしい契約と、競争よりもむしろ、そうした住民サービス、行政サービスの質をより重視する契約がございますが、特に今回は、都民の皆様には防災公園を担う指定管理者として政策連携団体は非常に重要だということをご理解いただきたくて、私も確認をさせていただきました。
私の質問は以上でございます。
○里吉委員 私からも、東京都立葛西臨海公園の指定管理者の指定について伺います。
葛西臨海公園は、東京都地域防災計画において大規模救出救助活動拠点に指定されている防災公園グループの中の一つです。
本来、公共施設の管理運営は直営で行うべきだというのが日本共産党の基本的な立場です。さらに、今回は防災上重要な役割を果たす公園の管理ですから、この管理運営をどこが担うのかということは大変重要な問題だと認識しています。
そこで、防災グループの公園として、どのような震災対策を担っているのか伺いたいと思います。葛西臨海公園では、葛西臨海公園の防災時緊急対応マニュアルで津波への対応も定めていると伺っていますが、この対応、どのような中身なのか、まず具体的にお示しください。
○根来公園計画担当部長 東京都地域防災計画に定める震災時利用計画の一部でございます震災時応急対応マニュアルによりまして、地震による大きな揺れがあった際には、来園者に対して緊急放送などにより、直ちに防潮堤の内側への移動を促すこととしております。
また、地震発生後に公園に避難されてくる方々には、第一駐車場や芝生広場などへの避難誘導などを行うこととしてございます。
○里吉委員 失礼しました。葛西臨海公園の震災時応急対応マニュアルでしたね。今ご答弁いただきましたように、地震、大きな揺れがあったというときには、緊急放送も行って、直ちに防潮堤の内側への移動を促す、こういうことも行うということでした。
この質疑は、二〇一七年十二月にもこの委員会で原田委員が行っているんですけれども、その際に、この公園は海に面した公園であることから、高潮や津波からの来園者等への安全確保が重要であり、当時は、建設局と港湾局で策定を進めている高潮の浸水想定区域図なども踏まえて避難訓練を行う予定だというふうにご答弁がございました。
そこで、特に津波等に特化した避難誘導訓練について、どのような訓練を行うのか伺います。また、この葛西臨海公園の職員は通常、正規職員、委託、アルバイトなど何名いるのか伺います。
○植村公園緑地部長 津波避難訓練では、津波発生時に護岸付近にいる来園者を避難案内サインに従い、避難場所となっております観覧車の下に誘導する訓練を実施しております。
指定管理者である公園協会の創意工夫により、地元のNPO団体との協働や、外国人を意識した四カ国語での訓練を実施しております。
また、葛西臨海公園の職員についてでございますけれども、常勤職員が十名、非常勤職員七名をローテーションにより配置することとしております。
また、警備につきましては外部委託としておりまして、二名を配置することとしております。
○里吉委員 ほかの公園では、なかなかないと思うんですけど、津波などに対応した、高潮に対応した訓練も行っているということで、さまざま工夫されているというご答弁でした。
職員については、常勤十名、非常勤七名のローテーションで対応しているということでしたけれども、その中で、いざというとき、どういう体制なのかということが大変重要だと思うんですけれども、災害時の参集体制はどのような計画になっているのでしょうか、伺います。
○植村公園緑地部長 指定管理者である公園協会では、公園の近隣に在住する職員による勤務時間外の参集体制を構築することとしておりまして、令和二年度の体制としましては、発災後一時間以内に参集する職員が八名、二十四時間以内に参集する職員が十一名となっております。
加えまして、公園協会独自の取り組みとしまして、実施時期や早朝、夜間など発災時間帯の想定を変えた参集訓練や、独自の通信ネットワークを使った無線訓練など、実効性の高い取り組みを実施することとしております。
○里吉委員 指定管理者が独自の努力で、発災後一時間以内に参集する職員八名、二十四時間以内十一名ということで、また早朝、夜間の訓練もしているということで、大変な努力をされているということがわかりました。
しかし、こういう仕事を、私は、こういう大変な状況の訓練をするような公園だからこそ、ぜひ直営でやるべきではないかというふうに思うわけです。しかも、いざというときには自衛隊、消防、警察、こういったところと広域支援、救助部隊等、被災者の救出救助を行う大規模救出救助活動拠点に指定されているわけです。こういった独自の責任を負わせるというのは、指定管理者ではなく、都の直営で運営すべきと、この間、私どもはずっと主張してまいりました。
そこで改めて伺いますけれども、現在、建設局所管の都立公園の管理は、毎回公募する公園、特命で決める公園、そして直営の公園とそれぞれあると思いますが、それぞれどのような理由でこのように決めているのか伺います。
○植村公園緑地部長 公募する施設は九グループ四十五施設、特命の施設は十グループ五十施設、直営の施設は三施設となっております。
都では、指定管理者の選定は公募によることが原則とされておりますが、都の政策などとの密接な関連性及び施設の管理運営における団体の適格性の観点から、東京都政策連携団体による管理運営が適切である施設などにつきましては、特命により選定をしております。
葛西臨海公園の指定管理者の候補者である東京都公園協会は、障害者を対象とした防災訓練を実施するなど、外部委員などによる審議を経た管理運営状況評価におきましても高い評価を得ております。
直営の公園では、指定管理者の指導監督を初め、都民のニーズに応じた計画策定や建設、改修、公園管理に係る許認可といった公園のマネジメントを直接学ぶフィールドとして活用することで、現場経験を中心に都職員の育成を図っております。
○里吉委員 指定管理者の選定は公募が原則だけれども、都の政策連携団体による管理運営が適切だと。そういう施設は特命により選定すると。それから、直営施設も三つあるけれども、その役割は、直営公園のフィールドを使って現場経験を含めて職員を育成するというご説明でした。
そういうご説明でしたけれども、つまり、都の方針で、直営で公園を運営することもできるということだと思うんですね。
私は、公募で毎回監理団体が変更する可能性のある不安定な運営をしないために特命にしていること、そして、政策連携団体による特命にしたことで、この公園協会も大変な努力をしている、そのことについては大変感謝もしておりますし、すばらしいことだと思います。
しかし、そういう大事な公園であるからこそ、防災公園と指定したときに、直営にするという判断をすべきだったというふうに考えます。よって、日本共産党都議団は、第二百四十二号議案には反対を表明し、私の質疑を終わります。
○西沢委員 私からも、事件案の都立公園の指定管理者の指定についてお伺いしていくわけですが、私からは、横網町公園の指定管理者の指定についてお伺いをしていきたいというように思います。
今までも議論がありましたけれども、そもそも都立公園をどうしていくのかということの中で、パークマネジメントマスタープランに基づいて都立公園をどうしていくのか、どういう公園であるべきなのかということが定められているというわけでありますが、横網町公園マネジメントプランというものを見ますと、この横網町公園についてはこうあるべきだということも書いてあります。この中では、平和を祈念する場としての都立公園ということが一三−七のところに書いてあったところを見ました。
改めて、各公園の管理運営に関する取り組み方針、マネジメントプランで定めているということでございますけれども、横網町公園がどのように位置づけられているのかお伺いをいたします。
○植村公園緑地部長 横網町公園は、東京の震災及び戦災のメモリアルパークとして、被災者の霊を供養し、東京を復興させた大事業を記念することを目的とした公園として位置づけられております。
この公園は、東京都慰霊堂及び復興記念館を中心とした公園であり、慰霊堂には、関東大震災、太平洋戦争の犠牲者のご遺骨が安置された納骨堂を有しております。
○西沢委員 メモリアルパークを目的としているという話がございました。
先日、決算の特別委員会でも申し上げたんですが、平和祈念館の整備を進めるべきであるというようなことを申し上げました。当時、平成十一年に凍結をされました平和祈念館の建設の予定地が、この横網町公園だったわけであります。
そうした中で、今答弁がありましたけれども、やっぱり特殊な公園であると。一般的な公園とは異なる公園であるということもわかります。だからこそ、そういった平和祈念館をつくる場所としての候補に挙がったんだろうというようにも思います。
この横網町公園、一般的な公園と異なるこの公園の指定管理者に求められる役割というものはどういったものなんでしょうか、お伺いをいたします。
○植村公園緑地部長 横網町公園の慰霊堂は、関東大震災や太平洋戦争の犠牲者のご遺骨が納められた納骨堂があることから、その管理は、高い公共性とご遺族や参拝者との信頼関係の構築が必要でございます。
横網町公園の指定管理者には、この高い公共性と信頼性のもと、園内の各施設と公園との一体的な管理運営が求められます。
○西沢委員 特別な公園であり、さらに、今答弁がございましたけれども、ご遺族や参拝者の対応ということで高い公共性が必要であるということが、指定管理者には求められるというようなことでございました。
きょうも先ほど来議論がありますけれども、指定管理者においては基本的には公募だという話がありますけれども、横網町公園に関しては特殊な事情があるというようなことがわかりました。
さらに、今回は東京都慰霊協会を指定とするというようなことでございます。他の公園、公園協会とかとやっぱり違うということでありますが、改めて指定管理者の候補者となっている東京都慰霊協会はどのような団体なんでしょうか、お伺いをいたします。
○植村公園緑地部長 東京都慰霊協会は、過去の震災、戦災を教訓として、風化させないよう広く後世に引き継ぐことを目的として、昭和二十二年に財団法人として設立され、平成二十三年からは公益財団法人として活動しております。
慰霊堂や納骨堂、復興記念館の管理のほか、毎年三月と九月に行われる慰霊大法要をとり行うとともに、静ひつで落ちついた環境づくりに寄与してきた団体でございます。
同団体は、横網町公園の歴史的経緯、慰霊堂や復興記念館の所蔵する資料などを熟知していることに加え、長年にわたり、ご遺族や参拝者などの接遇業務に携わっておりまして、その役割や地位は広く都民に定着しております。
○西沢委員 慰霊協会さんの団体、そして実績というものを、今答弁を聞きまして承知をしたところでございます。これに異論は当然ありません。
そうした中で、一体的に管理するということの必要性というものがありましたけれども、平和祈念館ですね、(仮)で、凍結された状態の平和祈念館を進めようという話をすれば、このときは生活文化局が対応に当たるわけであります。文化施設ということもありますし、生活文化局が抱えている文化施設もたくさんございます。
そうした中で、生活文化局が、普通に考えれば、このソフトの部分、中身の議論のところであれば、当然そういうのがあります。それは、庭園美術館であったり、博物館であったりというようなことから考えれば当然だと思うんですね。
公園の管理は建設局があります。きょうも議論があったとおりでありますけれども、この横網町公園に関して申し上げれば、慰霊堂と、それから復興記念館があるわけです。
これに対しては特殊性があるというのは、もう答弁でもあったとおりなんですね。かなりソフトの面が強く、私は色濃く出ているものだというように思います。単純な公園管理というものから大きく出ているんじゃないかなというようにも思います。
きょう質疑をさせていただいた上で、平和祈念館の整備を進めていくべきだということを申し上げた上で、この質疑をさせていただいております。通告もさせていただいていますから、当然、きょうの答弁を皆さんに考えていただくに当たっては、内部で議論されたと思います。
内容については、これから生活文化局であったり、これから私たちが平和祈念館の整備を促進しましょうという話については、生活文化局と詰めたりしますが、一体的に管理するという観点からは、建設局さんも必ずそういった話にも出てこようかとも思います。整備に当たっては、局間しっかり連携して進めていただきたいということを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。−−済みません。最後に、復興記念館を公園施設として一体的に管理することの意義についてお伺いいたします。
○植村公園緑地部長 復興記念館は、現在の慰霊堂に附帯する施設として昭和六年に建てられ、関東大震災並びに東京大空襲の惨事を写真や図表、絵画、記念品などの資料の展示を通じて後世に伝えることを目的とした施設でございます。
横網町公園は震災、戦災のメモリアルパークであることから、この復興記念館を含めた公園全体について東京都慰霊協会を指定管理者として指定し、一体的に管理することにより、効率的で効果的な管理運営を行うこととしております。
○西沢委員 効果的な運営をするために建設局さんの方で管理運営されているということでありますが、改めてになりますけれども、今後の議論の中においては、しっかり局間の連携を図っていただきたいということを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
○原田委員 私からは、二百十五号議案、建設局分の東電賠償請求あっせん申し立てについてお聞きしたいと思います。
本議案は、東日本大震災における福島第一原子力発電所の事故にかかわって、建設局が対処を余儀なくされた経費を東京電力に請求したものの、東電が一部賠償に応じなかったため、損害賠償請求に関する和解あっせん申し立てをする旨、議会に諮る議案であります。
各局で申し立てが行われていますが、詳しく聞きますと、苦しいいい逃れによって賠償を逃れようとする東電の姿があらわになります。
建設局分申し立ての説明を聞きましたが、例えば建設局が実施した工事によって発生したしゅんせつ土を新海面処分場に搬入する際、港湾局の通知に基づき放射性測定を行ったことについて、東電は、法令または政府の指示等に基づいて行われた測定ではないため賠償対象外としたという東電の判断があったと。本当に聞いていて腹立たしい思いであります。
また、空間放射能測定器購入に係る経費を一円たりとも出さないと東電は主張しましたが、その理由は、事故の年の十一月、事故の年のですよ。その年の十一月及び十二月に文科省が、今後急激な空間線量の増加が想定されないとしたことが報道されたことをもって、空間線量に対する不安は緩和されたといって、それ以降の測定にかかわる費用を対象外としたものであります。原発事故が起きた年の十一月には、空間線量に対する不安は緩和されたといっているわけです。
さらには、東京都立水元公園の汚染原因究明作業にかかった経費を負担しないとすることに対する申し立てもありますので、当時を思い出しますけれども、例えば水元公園では、事故から約一年たったときの調査でも、土壌から最高一キログラム当たり二万三千三百ベクレルという、国の焼却灰などの管理型最終処分基準八千ベクレルを大きく上回る放射性物質が検出されたことが日本共産党都議団の調査でもわかっています。
このような状況でしたから、数年にわたって丁寧な放射能測定が必要なことは明らかであり、むしろ調査規模として少ないと批判されてきた東京都の放射性物質濃度測定についてまでも賠償の対象外とする姿勢は、全くもって国民、都民の理解を得られる姿勢ではありません。
そこでお聞きします。
今回の東京電力の対応は余りにもひどいもので、国民の理解を得られないと考えますが、建設局の請求に対して、その一部を東京電力が賠償の対象外としていることに対する建設局の率直な所感を述べられたいが、いかがか。
○今村次長 原発事故への対応といたしまして、都ではさまざまな対策を実施してきたところでございますが、建設局におきましては、しゅんせつ土の放射性物質濃度の測定等を行ってきたところでございます。
この測定等に係る経費につきましては、原発事故により支出を余儀なくされた経費全額の賠償を請求するとの東京都としての基本方針に基づき、東京電力に対し賠償を求めるための協議を実施してきたところでございます。
東京電力との合意に至っていない事案につきましては、今回の和解あっせん申し立てにより、第三者機関である原子力損害賠償紛争解決センターが、公正な観点から都の主張の妥当性を判断するものと認識しております。
○原田委員 紛争解決センターが都の主張の妥当性を判断するものと認識するという答弁となりました。本当にそうだと思うんですよね。
今後、紛争解決センターが判断をするに当たり、建設局としての主張をこのセンターのもとに届けるんだと思いますけれども、あるいは妥当性を述べ合うという機会もどこかが代表してやるんだと思いますけれども、その際は、当時の社会的背景も含めた建設局の事故対応の妥当性をしっかりと主張していただきたいと。
それとともに、東電の不当な主張についてはきっちり批判をしていっていただきたいなということも申し上げまして、質疑を終わります。
○佐野委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○佐野委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
以上で建設局関係を終わります。
○佐野委員長 これより環境局関係に入ります。
初めに、付託議案の審査を行います。
第百八十七号議案、令和二年度東京都一般会計補正予算(第十三号)中、歳出、環境局所管分、第百九十八号議案、第二百十四号議案及び第二百三十七号議案から第二百四十号議案までを一括して議題といたします。
本案については、いずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
○三宅委員 百九十八号議案の東京都災害廃棄物処理基金条例について質問いたします。
昨年の九月から十月にかけて、島しょ地域は台風十五号、十九号、そして二十一号と立て続けに三つの台風に襲われました。
特に九月八日夜から九日未明にかけて大島町、新島村などに接近した台風十五号は、猛烈な暴風雨をもたらしました。神津島村で最大風速四十三・四メートル、最大瞬間風速五十八・一メートルを観測したのを初めとして記録的な暴風雨となり、多くの家屋が損壊したほか、観光、農林水産業などでも大きな被害を受けました。
私も大島、利島、新島、式根、神津と直後に視察いたしましたが、特に大島町と新島村につきましては、続く台風十九号による被害もあり、ほかの島と比べても大きな被害があったと記憶しています。
そこで、まず初めに、台風十五号及び十九号による島しょ地域の被害状況について伺います。
○宮澤資源循環推進部長 昨年九月から十月にかけて、我が国に上陸した台風十五号と十九号は、都内各地にも大きな被害をもたらしました。
特に大きな被害を受けたのは大島町と新島村であり、人が居住する建物について、大島町では全壊十五軒、大規模半壊十二軒を含む合計五百六十二軒が被災いたしました。新島村では、式根島を含め、全壊五軒を含む五百三十五軒が被害を受けました。
このほか、利島村、神津島村、三宅村、八丈町においても建物の一部損壊がございました。
なお、人的被害としては、大島町で四名、神津島村で一名の方が負傷いたしました。
○三宅委員 人的被害が少なかった、これは不幸中の幸いでございますが、多くの島が被害をこうむり、とりわけ大島町と新島村では五百軒を超える人が居住する建物が被災したとのことであり、改めて二つの町村が特に甚大な被害を受けたことを痛感しました。
こうした被害により発生した瓦れきや廃材などの災害廃棄物は膨大な量に上り、式根島では現在も廃棄物の処理が続いています。
今回補正予算に計上されている災害廃棄物処理に係る国の補助金は、大島町、新島村が対象とのことですが、それぞれの町村における台風十五号、十九号における災害廃棄物の量はどの程度であったか、また、現在どの程度まで処理が進捗しているのかを伺います。
○宮澤資源循環推進部長 災害廃棄物量は処理に伴い確定していくことから、今後数字が変動する可能性がございますが、各町村が被災直後に国に提出した報告によりますと、台風十五号、十九号により大島町で発生した災害廃棄物は約七千七百トンでございます。これは、平成三十年度に町のごみ焼却施設に搬入されたごみの量のおよそ二・五倍に相当いたします。
新島村では約四千トン、うち式根島が約千五百トンでございまして、平成三十年度に村のごみ焼却施設に搬入された量のおよそ四倍に相当いたします。
大島町では、本年十月下旬に災害廃棄物の処理が完了いたしました。また、新島村につきましては、新島の処理は本年十月下旬に終了し、式根島では来年三月ごろまで続く見込みと聞いてございます。
○三宅委員 年間のごみの搬入量の二・五倍、もしくは四・五倍、こういったごみが一度に発生し、その処理に一年を超える月日を費やしたとのことですが、その処理に要する労力やコストは大変なものだと思います。
災害廃棄物の処理に当たっては、島のみで進めることは大変困難であり、都や国がそれぞれの役割に応じて、しっかりと支援していくことが重要であると考えますが、都や国の支援の状況について伺います。
○宮澤資源循環推進部長 都は、令和元年九月十七日に二名の職員を新島村へ、九月十九日に五名の職員を大島町へ派遣し、被害状況の把握や災害廃棄物等処理計画の策定など、災害廃棄物の円滑な処理に向けた技術的な助言を行いました。
その後も必要に応じて各町村を訪問し、災害廃棄物処理の進捗状況に応じた助言を行うとともに、国補助申請に必要な支援を行っております。
国からは、通常の災害時における災害廃棄物処理事業に対する支援、台風十五号及び十九号で被災した市町村に対する支援とあわせて、事業費等の九七・五%が財政支援されることとされておりまして、処理事業が終了次第、手続を進める予定でございます。
○三宅委員 私も当時、地元の町村長と一緒に国へ要望に行ったことを今思い出しましたが、国からも財政面での手厚い支援が行われたと。そして、都からも技術的な支援をしっかりと行っていただいたということが、今のことでよくわかりました。
今回、大島町と新島村に対して、今答弁のあった支援に加えて、さらに追加で国から補助されることになったことから、本定例会で基金条例案が提案され、補正予算を計上していますが、新たな国の補助制度の概要と、都が造成する基金の目的について伺いたいと思います。
○宮澤資源循環推進部長 今回国が実施する補助制度は、先ほど答弁した財政支援に加え、特に財政基盤の弱い自治体に対して、都や県が造成する基金を通じて、さらに上乗せして支援するものでございます。
支援の対象となる自治体は、事業費が標準税収入の一定割合を超えた市町村であり、都内では大島町と新島村が対象となります。
国からは、大島町へ七百二十三万七千円、新島村へ五百十五万七千円をそれぞれ上限に補助することが内示されております。本補助金の交付により、事業費等について、大島町では約九九%、新島村では約九九・三%が財政支援されることとなります。
都が造成する基金は、昨年度の台風十五号、十九号に係る災害廃棄物処理を支援する事業を行うための補助原資を国から受け入れるものでございます。
これに加えて、今後、都内において特定非常災害に指定される大規模な災害が発生し、国から補助がある場合には本基金に受け入れて、支援事業を実施していくこととなります。
○三宅委員 今の宮澤部長の答弁で、大島町、また、式根島を含む新島村、ここで従来の枠組みを超えて、非常に手厚い支援を受けることがわかりました。
また、今回造成する基金は、今後の大規模災害が発生した際にも、国補助金の受け皿として継続して活用可能ということです。
国の補助金については、申請書や報告書の作成など、手続面での事務作業も多く発生すると思います。都には、そうした面でのサポートをしっかりと行っていただくことをここでちょっと要望させていただきたいと思います。
また、今後、都内において大規模な災害が発生した際には、国との調整を迅速に行い、区市町村を強力に支援することをあわせて要望し、質問を終わらせていただきます。
○原田委員 二百十四号議案、環境局分、東電賠償請求あっせん申し立てについて、意見と質疑を述べさせていただきたいと思います。
本議案は、東日本大震災における福島第一原子力発電所の事故にかかわって、環境局が対処を余儀なくされた経費を東京電力に請求したものの、東電が一部を賠償に応じなかったため、損害賠償請求に関する和解あっせん申し立てをする旨、議会に諮る議案であります。
申し立て内容の説明を聞きますと、例えば、岩手県及び宮城県から受け入れた災害廃棄物に対する放射性物質濃度の測定において、事故の年の十一月以降の測定は不要とされたことから、賠償の対象外としたというふうに東電が判断したということでした。それであっせんの状況になってしまっていると。
しかし、当時、被災地からの災害廃棄物、いわゆる震災瓦れきの受け入れというのは大変な議論を呼んでいたものでありまして、一年ほどたった翌年の二月の段階で受け入れたのは、東京都と山形県しかなかったとの報道を目にしています。
放射能が持ち込まれるのではないかという懸念は全国的に極めて強く存在し、この受け入れには放射能測定が絶対不可欠であり、それを抜きに、当時被災地で重大な問題となっていた震災瓦れき問題を解決することはできなかったはずです。こうした対策に対して賠償の対象外とするなど、本当にあり得ないことだなと思うわけです。
そのほか、環境局分の申し立てには、埋立処分場における放射性物質濃度測定や、都立公園における局所的空間線量調査、しゅんせつ土の放射性濃度測定などが並びますが、これらの一部を賠償の対象外とする姿勢は、全くもって国民、都民の理解を得られる姿勢ではありません。
そこでお聞きします。
原発事故に係る損害賠償請求に関する和解あっせんの申し立てに関して、この件に関する東電の主張の不当性について、環境局の所感を伺いたいと思います。
○松永総務部長 都は、東京電力の示した賠償基準にかかわらず、原発事故により支出を余儀なくされた経費全額につきまして賠償を請求することを基本方針としております。
環境局では、災害廃棄物の広域処理に伴う放射性物質濃度測定などを実施しており、これまで東京電力に賠償を請求してまいりましたが、一部賠償に応じられておりません。
都と東京電力とで合意に至っていない事案につきましては、今回の和解あっせん申し立てに基づきまして、第三者機関である原子力損害賠償紛争解決センターが、公正な観点から都の主張の妥当性を判断するものと認識してございます。
○原田委員 環境局は、事前に私もいろいろこの問題で話をさせていただいたときに、極めて強い立場をもって、私たちの主張は正しく判断されるだろうという姿勢を示しておりまして、これは、ぶっちゃけ、建設局よりも積極的な立場で、私は評価したいと思っておりまして、さすが環境局と思っております。
今後、紛争解決センターが判断をするに当たり、お互いが主張の妥当性を述べ合うというよりかは、多分、環境局がいろいろ意見を取りまとめたものを東京都のどっかに出して、東京都が代表してやり合うんだと思いますけれども、その際は、当時の社会的背景も含めた環境局の事故対応の妥当性を主張するとともに、東電の不当な主張についてはきっちり批判をしていただきたいと、建設局に続き、環境局にも求めまして、質疑を終わります。
○佐野委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○佐野委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
○佐野委員長 次に、報告事項、食品ロス削減に向けた提言について外二件に対する質疑を一括して行います。
本件については、いずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
○あかねがくぼ委員 私の方からは、食品ロスについての質疑をさせていただきます。
食品ロスの問題につきましては、サステーナブルな社会を目指すSDGsの目標にも掲げられております。その削減は、国際的にも重要な課題であります。
東京都は、東京都食品ロス削減パートナーシップ会議を二〇一七年九月に設置をしまして、これまで、賞味期限の長い加工食品や外食産業等の食品ロスの削減策について議論を重ねるとともに、キャンペーンなどの機会を通じて具体的な取り組みを図ってまいりました。
国においても、二〇一九年十月に食品ロスの削減の推進に関する法律が施行され、同年十二月には、東京都は、CO2排出量実質ゼロを目指すゼロエミッション東京戦略を策定し、食品ロス対策を資源循環分野の主要な取り組みとして位置づけたところであります。
このたび、令和二年十一月六日開催の第十回東京都食品ロス削減パートナーシップ会議において提言が提出されました。
新型コロナウイルスの感染拡大という、かつて経験したことのない状況下におきましても、食のインフラであるフードサプライチェーンが、消費者へ食品を供給するという重要な役割を果たした意義は大きいものがあります。
一方で、コロナ禍におけるフードサプライチェーンへの影響は、家庭用の食材等の需要が急増する一方で、業務用の需要は減少する、そういった需給バランスが大きく変化をしたという点が挙げられます。
提言によりますと、サプライチェーンの機能をさらに高めていくように、先進技術等の活用を進めていくことが食品ロス削減には重要だということで示されております。
そこで、ICTやAI等の技術を駆使した需要予測の精度の向上、これが在庫管理最適化にはつながっていくと考えます。都としては、具体的にどのように取り組みをしていくのか伺います。
○宗野資源循環計画担当部長 食のサプライチェーンの各段階では、欠品を避けるよう多目に在庫を持ち、結果的に期限切れで廃棄されることがあるため、食品ロス削減に向けては、需要を的確に把握することが有効でございます。
都はこれまで、小売店で比較的廃棄量の多い総菜類について、気象データ等をもとにした需要予測の実証事業を行い、事業者が天候と需要の関係をわかりやすく、超売りどきから絶不調の七段階に設定した商品を開発するなど、社会実装に向けた取り組みを支援してまいりました。
また、今年度、都は、進化するICT等を活用した先駆的な取り組みを行う事業者を公募いたしまして、高精度な需要予測の実証事業を進めております。具体的には、気象データのみならず、時間ごとの販売実績、来客数、イベント情報等、ビッグデータをAI解析いたしまして、適正量を自動発注することで在庫の最適化を図り、サプライチェーン全体で無駄の削減を目指す取り組みを実施しております。
今後、食品スーパー等での実証を進め、在庫の適正化や廃棄量削減などの効果を検証するとともに、得られた成果を事業者等と広く共有し、食品ロス削減に向けた取り組みを推進してまいります。
○あかねがくぼ委員 ありがとうございます。
もう既に実証実験として行っていただいた、気象データ等をもとにした需要予測のモデルというものをつくって検証したということで、レポートもいただいております。こちらは気象データを主に変数にして需要予測できるような、そういった需要予測モデルになっているんですけれども、これはおにぎりとか、売り上げが比較的安定をしているような、そういった商品で、実際に売れた数と予測の数というところを比較してみると、そこそこいい精度で需要予測ができているということでありました。
ただ、これは食品にもよりますし、いろいろな変数というものが必要になってきますので、今後は気象データのみならず、さまざまな変数を取り入れて、おっしゃっていただいたようにビッグデータをしっかりと使った、より精度の高い、いろいろな商品、食品に使えるような需要予測モデルというものを、ぜひ研究、取り組みをしていただいて、今後のフードロスの削減に努めていただくことをお願いしておきます。
さて、食品ロス削減に効果の高い先進技術は、ICTなどに限ったものではありません。製品の消費期限を延長していくような包装の技術、鮮度を保持するような冷凍の技術、こういったことを使いまして、さらなる食品ロス削減につながっていくことから、一層の促進を図っていくべきと考えます。
そこで、製造から食品、商品に至るさまざまな段階で、高度な包装、冷凍技術を活用していくことで、賞味期限や保存期限の延長を図っていくことが可能となるわけですけれども、都としては、具体的にどのような取り組みを考えておられるのか伺います。
○宗野資源循環計画担当部長 食品ロス削減に役立つ包装等の技術は、加工食品等を中心に進んできているものの、精肉、鮮魚を初めとする食材は比較的傷みが早く、生産から消費に至るさまざまな段階で、期限切れで廃棄されているのが実態でございます。
そのため、こうした食材の食品ロス削減に直接つながる、鮮度を保持し保存期間を延ばす特殊なシートなど、高度な包装技術や冷凍技術の活用をサプライチェーン全体に広げていくことが有効でございます。
また、コロナ禍において、消費者がまとめ買いをする機会がふえておりまして、小売、外食等では、急な需給の変化にも備える必要があることから、より賞味期限の長い商品のニーズが高まっております。
食品ロス削減パートナーシップ会議の提言におきましても、高度な包装、冷凍技術は、サプライチェーンの各段階で食材の利用時間や利用方法の幅を広げ、食品ロス削減につながることから、一層の開発、利用促進を図るべきとされております。
今後、その趣旨を踏まえまして、技術革新の動向にも注視しながら、施策の具体化に向けた検討を進めてまいります。
○あかねがくぼ委員 膨大な食品ロスの削減には、先端技術の活用というところは欠かせないことであります。しっかりと取り組みをお願いいたします。
食品ロス削減に有効な事例というものが今後出てくるかと思います。取り組みやすいようないい事例、これを広く共有を図り、食品ロスを減らしていこうという活動の輪に、どんどん広げていただくといった取り組みも重要でありますので、ぜひ取り組んでいただきたいと思います。
また、経済情勢悪化に伴った生活困窮、そういったご家庭がふえたり、また子供食堂に対して食材提供をしていただくとか、地域の食品関連事業者などとも、また自治体と連携をとっていただいて、そのような社会課題に取り組むということも非常に重要であります。
フードバンク活動にも期待が高まっております。自治体が持っているような未利用の防災備蓄食品、これをフードバンクとマッチングをさせていくこと、また、食を通じた社会的な連帯、助け合い、こういった意識を醸成させていくということも重要です。
二〇三〇年の食品ロス半減、この目標達成に向けまして、環境という分野のみならず、福祉、教育といった視点を持ちながら、ウイズコロナの生活の中で、自主的かつ柔軟な連携をとって、都として取り組んでいただきますようにご要望を申し上げて、質問を終わります。
○舟坂委員 本来、食べられるにもかかわらず、捨てられてしまう食品ロスの問題は、持続可能な社会を目指す上で取り組むべき喫緊の課題であります。都は、CO2実質ゼロを目指すゼロエミッション東京戦略において、食品ロス対策を資源循環分野の主要な取り組みとして位置づけており、その取り組みを加速させていくことは重要であります。
そうした中、食にかかわる関係団体や消費者団体、有識者が一堂に会した食品ロス削減パートナーシップ会議は、食品ロス削減対策の方向性について提言を取りまとめたところであります。食品ロスは、生産から消費に至る食のあらゆる段階で発生していることから、食のサプライチェーンの各主体が食品ロス発生状況を把握の上、連携して取り組みを進める必要があると考えます。
そこでまず、都内の食品ロスの発生量と発生要因についてお伺いをいたします。
○宗野資源循環計画担当部長 二〇一七年度の都内全体の食品ロス発生量は約五十一万トンでございまして、そのうち事業系が約三十八万トン、家庭系が約十三万トンと推計しております。
事業系食品ロスの主な発生要因は、スーパー等への納品期限を賞味期限の三分の一以内とする商慣習による返品や、サプライチェーンの各段階が多目に持っている在庫の期限切れのほか、外食産業の調理時のロスや食べ残しなどであり、需要予測など先進技術の活用や、食品ロス削減に有効な各企業の取り組みを共有していくことが必要と捉えております。
また、家庭系食品ロスの主な発生要因は、買い過ぎ、つくり過ぎ、食べ残しなどでございまして、食品ロスの問題について消費者一人一人が身近な問題として認識していただけるよう、正しい知識と実際の行動に結びつくための効果的な普及啓発が必要と捉えております。
○舟坂委員 食品ロスにはさまざまな発生要因があり、サプライチェーンの各段階が関係する形で発生しているものがあることが理解できました。
このようにさまざまな形で発生する食品ロスの削減について、パートナーシップ会議では、事業者、消費者、行政、NPOなどの各主体に対し、八つの提言を示しております。今回の提言で最も重要なのは、全ての主体を対象とした提言一で示された、各主体の連携と優良事例の共有であると考えます。
そこで、二〇三〇年の食品ロス半減に向け、生産から消費に至る各主体が、連携しながら取り組みを進めていくことが重要であると考えますが、都の見解をお伺いいたします。
○宗野資源循環計画担当部長 食品ロスは、生産から消費に至るさまざまな主体が関連し合って発生しておりまして、その削減に当たっては、事業者、消費者が相互に理解の上、共通の問題意識を持ち、優良な取り組みを広く共有していくことが重要でございます。
都はこれまでに、食に係る関係団体等で構成するパートナーシップ会議におきまして食品ロス削減に向けた議論を重ね、賞味期限の長い商品を対象といたしまして、製造、卸、小売の各団体が連携して、納品期限の緩和や賞味期限表示の年月表示化等、商慣習の見直しについて優良な取り組み事例の情報や、業界全体での取り組みの必要性を共有してまいりました。
また、各団体の先進的な取り組みの優良な取り組みをキャンペーンやイベントを通じて発信するほか、同会議のメンバーの意見をもとに啓発冊子や啓発シールを作成し、関係団体傘下の小売店や飲食店とも連携しながら普及啓発を進めてまいりました。
同会議の提言では、各主体協働の取り組みや優良事例の共有が円滑に進むよう、都は先導していくべきとされておりまして、今後、その趣旨を踏まえ、多くの事業者が業種、業態に応じて効果的な食品ロス削減の取り組みを進められるよう、施策の具体化に向けた検討を進めてまいります。
○舟坂委員 せっかくの優良な取り組みを個々の事業者にとどめるのではなく、サプライチェーン全体に広げていくことが重要であり、都は、率先して関係団体とも連携しながら、事業者の取り組みの底上げを図っていただきたいと思います。
また、家庭系の食品ロスの削減に当たっては、自治体による普及啓発は欠かせません。私の地元葛飾区では、ことし四月に、ゼロエミッションかつしか宣言をしたところであり、その一環として、地域の食べ切り協力店と連携、さまざまな食材の使い切りメニューの紹介など、区を挙げて食品ロス対策に取り組んでおります。
このように、各自治体では、独自の工夫をしながら取り組みを進めており、情報の共有や連携により、それぞれの取り組みを参考にしながら、互いに高め合っていくことが重要であると思います。
そこで、各家庭系の食品ロス削減に向けては、さまざまな自治体と連携しながら取り組みを進めることが重要であると考えますが、都の見解をお伺いいたします。
○宗野資源循環計画担当部長 食品ロス削減対策は、さまざまな工夫を凝らした取り組みを重層的に展開していくことが効果的であるため、区市町村や九都県市との連携により進めていくことが有効でございます。
そのため、都は、区市町村と連携し、ことし十月の食品ロス削減月間に、小盛りメニューや食材の使い切り、食べ残しの持ち帰りなどに積極的に取り組む食べ切り協力店の取り組み状況や、家庭の未利用食品を集め福祉施設等に寄附するフードドライブの取り組み状況をウエブサイトで発信いたしております。
また、九都県市との連携では、食品ロスのPR動画をトレインチャンネルで発信したほか、企業の取り組みや消費者の賢い選択を促進するチャレンジ省資源宣言をスタートいたしまして、消費者に対して食品ロスの削減の取り組みを発信しております。
同会議の提言でも、自治体間の好事例を共有するなど、自治体間の連携により取り組みを進めていくべきと示されておりまして、その趣旨を踏まえ、地域の食べ切り協力店などとも連携しながら、施策の具体化に向けた検討を進めてまいります。
○舟坂委員 食品ロス対策は、消費者、事業者、行政などの相互理解のもと進めるものであり、自治体が果たすべき役割は大きいと思います。各自治体が切磋琢磨して取り組みを進化させ、食品ロスを着実に削減していくことを要望いたします。
次に、土壌汚染対策制度にかかわる環境確保条例施行規則の改正についてお伺いをいたします。
土壌汚染対策は、都民の健康と安全を確保するとともに、都市づくりを円滑に進めていくために重要であります。一方、土壌汚染の調査や対策の実施には、専門的な知識と高額な費用が必要となるなど、特に中小事業者にとっては大きな負担となっております。
今回、都は、法律の基準に合わせて、環境確保条例のカドミウムとトリクロロエチレンの基準を改正するとの報告がありました。私の地元である葛飾区には、メッキ工業など、これらの有害物質を取り扱っている事業者も多く、関心を持っております。
先日の委員会における都の説明では、今回の改正により影響を受ける事案は年間数件程度であるとのことでしたが、対象となる事業者にとっては、基準に不適合となった場合、大きな負担となります。
都においては、影響を受ける事業者に対して、引き続き、土壌汚染対策アドバイザー派遣制度等により技術支援を行っていくとのことですが、今回の基準改正に際して、具体的にどのような支援を行うかをお伺いいたします。
○志村環境改善技術担当部長 有害物質を取り扱う工場や事業場を廃止する際に必要となる土壌調査や対策の実施については、中小事業者にとって大きな負担となっており、その負担の軽減については重要な課題であると認識しております。
このため、都は、土壌汚染に関する豊富な実務経験と国家資格等を有する専門家が個々の中小事業者の工場等を実際に訪問し、事業者に具体的な助言を行う土壌汚染対策アドバイザー派遣制度を実施しております。
今回、基準改正を行う有害物質を取り扱っていた事業者に対しては、実際の現場を確認しながら、土壌調査の具体的な方法とあわせて、経過措置による適用基準の違いなどを説明するとともに、必要となる対策について低コストで合理的な方法を助言するなど、事業者の実情に合わせた、きめ細かい技術支援を行ってまいります。
○舟坂委員 土壌汚染対策は時間も費用もかかります。中小事業者にとっては切実な問題であります。
今回の基準改正では、わずかとはいえ、影響を受ける事業者がおります。都は、このような事業者の負担がふえることがないよう、アドバイザー派遣制度による技術支援等を拡充していただくことを要望し、次の質問に移ります。
大気汚染防止法の改正によるアスベスト規制の強化についてお伺いをいたします。
先月の事務事業質疑において、我が党の西野委員がアスベスト対策について取り上げましたが、私からは、アスベストに関し現場の最前線で事業指導に取り組む区市を後押しする立場から質問をさせていただきます。
アスベストは、昭和三十年ごろから使われ始め、安価で耐火性、耐熱性、防音性など多様な機能を有していることから、ビルの高層化などに伴い、高度成長期を中心に多用されてきました。
しかし、アスベストによる肺がん等の健康影響が社会問題となり、現在では、新たな使用は全面的に禁止されておりますが、都内の築年数の古い建物には、まだ多くのアスベストが残されております。
都内でアスベストの飛散が問題となる建物の解体現場では、大気汚染防止法に基づくさまざまな規制がありますが、さきの委員会で、法改正により規制が強化されたとの説明がありました。
そこで、今回の法改正の背景や具体的な規制の改正内容について改めてお伺いをいたします。
○筧環境改善部長 大気汚染防止法では、大気中へのアスベストの飛散防止に向け、解体業者等に対し、建物の解体、改修工事前におけるアスベスト調査の実施や、建材の種類ごとに定めた除去作業の基準の遵守などを義務づけております。
この制度運用の中で、近年、事前調査におけるアスベストの見落としや、規制対象外であるアスベストを含む成形板の不適切な作業によるアスベストの飛散などの課題が指摘されました。
そこで、国は、本年六月に法改正を行い、事前調査結果を都道府県等に報告する制度を創設し、調査の信頼性を確保するとともに、成形板に関する作業基準を新設するなど、その飛散防止対策を強化したものでございます。
○舟坂委員 大気汚染防止法では、解体事業者に対しさまざまな規制を設けることで、アスベストの適正除去を求める制度を運用していることが理解はできました。
今回の制度改正では、解体業者などがアスベストの調査結果を都道府県等に報告する制度が創設されるとのことでしたが、こうした報告制度等の運用により行政側の事務負担もふえると思います。
法改正に伴い、行政側の事業にどの程度の影響が生じるかをお伺いいたします。
○筧環境改善部長 今回の法改正により、都道府県等は、解体業者等からアスベスト調査の結果報告を受け付けることになりますが、国は、全国での年間報告数を最大二百三十万件と見込んでおります。
都は、建設工事等の統計データをもとに報告数を推計した結果、令和四年四月以降、都内で年間約二十五万五千件の受け付け事務が発生すると予想しております。また、アスベストを含む成形板に関する作業基準の遵守状況を確認するための立入検査数は、同様に年間約一万四千件を見込んでおり、窓口業務や監視業務において新たな事務が大幅に増加することになります。
○舟坂委員 答弁にあった都内での二十五万五千件の報告数は、全国の一割以上を占めるなど、大変な事務量が発生することがわかりました。また、成形板に対する新しい作業基準が規定されることで、現場での確認業務もふえることになります。
都はこれまで、地方自治法に基づき、大気汚染を初め、騒音、振動、土壌汚染など、さまざまな環境分野の事務を区市に移譲し、いいかえると、区市に事務の実施をお願いしてきました。
もちろん、環境行政では、地域の実情に応じた施策は必要であり、区市が事務を担う意義は理解できます。しかし、今回のように区市に多大な負担を伴う事務の移譲については、区市の意見を聞きながら慎重に検討する必要があります。
そこで、都は、今回の法改正に伴う新たな事務の実施に向け、区市とこれまでの協議の中で、どのような課題が示されたのかをお伺いいたします。
○筧環境改善部長 法改正による新たな事務は、これまで区市に移譲してきたアスベスト関連事務と密接不可分にあり、事務の一貫性を確保する観点から、引き続き区市が担う事務として整理する必要があると考えております。
このため、都は、国による法改正の動向に合わせ、昨年十月以降、区市の環境部署の課長級や担当者から成る会議体を立ち上げ、区市で新規事務を実施する必要性を説明するとともに、具体的な事務手順の詳細について協議してまいりました。
会議では、新規事務の移譲について一定の理解が得られた一方、新規事務に関する区市職員の知識、ノウハウ不足などの課題も指摘されております。
○舟坂委員 約一年にわたって、区市と丁寧に協議を重ねてきたと理解をいたしました。
しかし、区市から課題提起されたとおり、区市の環境部署では、そもそも十分な人員が配置されておらず、ノウハウを持つ職員も限られるなど、苦しい事情が聞こえてきております。区市に新たな事務を移譲するためには、細やかな配慮や支援が必要であります。
私の地元葛飾区においても、人員が十分とはいえない中、ベテラン職員を中心に環境関連事務を行っていると聞いております。限られた人員で多くの業務を円滑に進めていくためには、個々の職員のスキルアップを図っていくことが大切であります。
そこで、都は、区市職員への支援に向け、今後どのように取り組んでいくのかをお伺いいたします。
○筧環境改善部長 大気汚染防止法の改正による新規事務を区市に移譲するためには、その事務を担う区市職員への支援は重要な取り組みであると認識しております。
このため、都は、区市との事務の移譲協議が終了次第、今年度中に都と区市で共同検討会を立ち上げ、区市職員向け実務研修会による知識、スキルの共有や、最新情報を反映した業務マニュアルの改定など、区市職員への具体的な支援策の検討に着手いたします。
今後とも区市と密接に連携し、法改正後のアスベスト規制事務を円滑に実施できるよう、その準備に万全を期してまいります。
○舟坂委員 ぜひ、現場で苦労している区市職員の声に耳を傾け、有効な支援策を検討していただくことを要望しておきます。
今回は、区市への支援に重点を置いて質問をいたしましたが、解体現場でアスベストが確認されるなど、その対策費がかさむため、解体業者からは、その経費を負担する工事発注者の理解を得るのが大変であるとの声も聞いております。
今回の法改正の内容について、解体業者だけでなく、工事発注者である不動産業者など、建物の解体、改修工事の関係者への周知についても、しっかり検討していただくことをお願いして、質問を終わります。
○のがみ委員 ゼロエミッション東京戦略に掲げた二〇五〇年にCO2排出実質ゼロという目標の実現に向けては、食品ロス対策などの資源循環分野の取り組みを加速させていくことが必要であります。このことは、さきの代表質問の中で取り上げました。
新型コロナウイルスの感染拡大は、食の各分野にさまざまな影響を及ぼすとともに、食品ロスの削減に向けて取り組むべき課題を改めて浮き彫りにしており、取り組みを進めるに当たっては、コロナ禍に伴う状況の変化を的確に捉え、対応していくことが必要であります。
まず、コロナ禍による状況の変化としては、家庭用の食材等の需要が急増する一方で、外食産業等の業務用の需要が減少するなど、サプライチェーンの需給バランスが大きく変化し、多くの食材が行き場を失ったことが挙げられます。
そこで、食品ロス削減に向け、急な需要の変化にも対応するようサプライチェーンを強化していくべきと考えますが、都の見解を伺います。
○宗野資源循環計画担当部長 急な需給の変化に対応するためには、在庫の適正化につながる需要予測や、食材の賞味期限の延長を可能とする包装、冷凍技術といった先進技術の活用を、生産から消費に至るさまざまな段階に広げていくことが有効でございます。
都はこれまで、気象データ等をもとにした需要予測の実証事業を行いまして、事業者の社会実装に向けた取り組みを支援しているほか、今年度は、さらに高度な需要予測を目指しまして、時間ごとの販売実績、イベント情報等のビッグデータをAI解析いたしまして、適正量の在庫を自動発注することで在庫の最適化を図り、サプライチェーン全体の食品ロス削減につながる取り組みを進めております。
また、食品ロス削減パートナーシップ会議からいただいた提言では、食品ロス削減の効果の高い技術として、高度な包装、冷凍技術等の先進技術の導入促進が示されておりまして、今後はその趣旨を踏まえて、加工食品のみならず、生鮮食品についても、鮮度を保持しながら保存期限の延長を可能とする技術が広く普及するように、施策の具体化に向けた検討を進めてまいります。
こうした先進技術の活用に加えまして、食品ロスはさまざまな業種、業態で発生していることを踏まえまして、取り組みやすさにも配慮しながら、食品ロス削減に有効な優良事例を事業者間で共有していく施策についても、あわせて検討してまいります。
○のがみ委員 食品ロス削減に向けては、需要予測情報の共有化など、事業者の先進的な技術の活用が欠かせないと考えております。新たなビジネスモデルを創出する観点からも、先進技術の実証事業を推進していくように要望しておきます。
新型コロナウイルス感染拡大に伴う影響は、安全・安心志向の高まりをもたらして、人々の消費行動にも変化が生じております。例えば、オフィス街の小売店では、利用者の減少により売れ残りが生じたり、外食店の利用自粛で売れ残りが多くなるほか、旅行の自粛は全国各地の観光物産などの行き場を失わせております。
こうした中で、店舗が売れ残り品の割引情報を発信して、賢い消費選択を促すサービスなどの活用が始まっております。
消費者ができる食品ロス削減の取り組みは、家庭での食事の場にとどまりません。新たな生活様式に転換する中において、消費者に賢い消費選択を促すことは一層重要となっていると考えますが、都の見解をお伺いいたします。
○宗野資源循環計画担当部長 食品ロス削減に向けましては、消費者が食品ロス削減に寄与するサービスの活用や、売れ残りや食べ残しを防ぐ消費を選択するなど、具体的な行動につなげていただくことが必要でございます。
これまで都は、賞味期限の近い商品の購入者にアプリでポイントを付与することで、消費者に賢い消費選択を促す食品ロス削減のモデル事業を実施しておりまして、事業者の社会実装を支援してまいりました。また、区市町村とも連携しながら、地域の食べ切り協力店の取り組み状況や、家庭の未利用食品を持ち寄るフードドライブの取り組み状況などをホームページを通じて発信しております。
同会議の提言では、行き場を失った食材について、インターネット販売等の積極的な活用や外食店での小盛りメニューの活用など、食品ロス削減につながる消費者の賢い消費選択を促進すべきと示されております。
今後は、この趣旨を踏まえまして、区市町村や事業者等と連携しながら、オンラインセミナーやウエブなどを活用した普及啓発に積極的に取り組んでまいります。
○のがみ委員 コロナ禍で注目を集めたインターネット販売、シェアリングアプリ等の活用は、非常に有効なものであります。一過性のものとせず、しっかり活用の促進を進めていくようお願いいたします。
コロナ禍の影響などにより、人々の社会貢献意識が高まり、経済情勢の悪化に伴い、子供食堂へ食材を提供するフードバンク活動へも期待が大きくなっており、食を通じた支え合い、助け合いの意識を醸成させていくことの重要性は増しております。
こうした中、都は、防災備蓄品の有効活用に向けたシステムの構築を進めていると聞いております。フードバンクと連携しながら、食を通じた支援と食品の有効利用の両立を図っていくことが重要と考えますが、都の見解をお伺いいたします。
○宗野資源循環計画担当部長 フードバンクを積極的に活用し、さまざまな段階で発生する未利用食品の活用を図ることは、食品ロス削減の観点からも有効でございます。
都は今年度、区市町村が所有する期限の迫った防災備蓄食品の有効活用に向け、区市町村とフードバンクの需要と供給をマッチングするシステムの構築を進めております。
今後、区市町村やフードバンクのシステム参加に向けた利用説明会を開催するなど、防災備蓄食品の有効活用に向けた環境整備を図ってまいります。また、自治体だけでなく、企業や団体におきましても、防災備蓄食品の有効活用が始まってきていることから、今後、優良な取り組みの情報を共有するなど、助け合いの流通モデルの定着、拡大を図ってまいります。
○のがみ委員 コロナ禍の影響もあり、支援を求める世帯はふえております。しっかりと取り組みを進めてもらいたいと思っております。
アメリカでは、食品の寄附を促進するための民間に向けた法律があり、違法行為でない限り、寄附を行った団体は損害の責任を負わないこととなっていると聞いております。社会貢献のシステムが進んでおります。都は、こうした世界の取り組み状況も、ぜひ参考にしていただきたいと思っております。
今後、パートナーシップ会議からの提言を踏まえ、年度内を目途に、法に基づく都としての食品ロス削減推進計画の策定を進め、各主体と連携のもと、食品ロス削減に向けた施策を着実に実施していただくことを期待して、質問を終わります。
以上です。
○原田委員 大気汚染防止法の改正について要望及び質問をさせていただきます。
アスベストというのは、そもそも何が危険かといいますと、その繊維の細さ、軽さです。髪の毛の五千分の一といわれ、たばこの煙と変わらないと。肺に入ると肺胞に直接届いて炎症を起こし、DNAを傷つけてしまうと。そして起きるのが、中皮腫というアスベスト肺に特徴的ながんなわけですが、これが他の粉じんと一線を画するアスベストの恐ろしさであります。
現在、建物解体時、あるいは大震災時にアスベスト飛散が危惧されており、積極的に把握し除去していくことも重要になっています。というのも、阪神大震災では、瓦れき処理をした従事者や支援作業に二カ月間入っただけの明石市の職員が中皮腫を発症しております。
アスベスト台帳の整備が緊急に求められていると。調査対象である集会場、ホテル、旅館、飲食店、物販店舗等に加え、吹きつけアスベスト等が最も使用されていると思われる商業ビルを加えた小規模建築物、延べ床面積三百平米から一千平米のこの小規模建築物のアスベスト調査台帳が、全ての自治体で整備されることが求められています。
また、今回の法改定でも、議論の的となっているアスベストを解体時にどう扱うかが重大課題となってきているわけであります。
これまで、建築物の解体時等におけるアスベストの飛散防止に向け、吹きつけアスベストやアスベスト含有断熱材、保温材等の除去工事について、事業者等に工事開始前の届け出や作業基準の遵守などを義務づけてまいりました。
しかし、工事前の調査におけるアスベストの見落としや、規制対象外であるアスベスト含有成形板の不適切な除去により、アスベストの飛散が問題となってきていました。
国は、建物解体時等のアスベスト飛散防止を徹底させるため、本年六月に法の一部を改定。これにより、一、事前調査結果の報告義務化、二、規制対象の拡大、三、違法なアスベスト除去を行った者に対する直接罰の創設や、アスベスト除去作業に関する記録の作成、保存の義務づけなどを定めました。
こうした法改定により、事業者からの事前調査結果の報告受理や、レベル三建材を対象とした立入検査などの新規事務も発生することとなるため、先ほども質疑がありましたが、現在、区市と協議中とのことでありました。
問題になってくるのは、厳しくアスベスト管理を求めた場合に経費がかかり、まともに守らない業者があらわれないかということであります。そもそも今回の改定自体も、アスベスト除去に必要な措置として中途半端な部分が指摘されてきました。それでも現場からは、支援がないとやっていられないという事業者の声や、ひどい現場で働かされるのではないかという現場労働者の声が上がっているわけです。
そこでお聞きしますが、現在アスベスト対策の調査、撤去助成制度は、どのようなスキームになっているのか、都としては何か支援制度はあるのかお示しください。
○筧環境改善部長 都は、事務処理特例条例に基づき、アスベスト規制事務を区市に移譲しております。
吹きつけアスベスト等がある住宅や建築物の対策を促進するため、アスベストの調査費や除去作業費について補助を行う区市に対しては、国が住宅・建築物安全ストック形成事業により財政支援を実施しており、アスベスト対策に係る都独自の助成は行っておりません。
都や区市の環境部署では、大気汚染防止法に基づき、解体業者等に対し建物の解体、改修工事前のアスベスト調査や、建材の種類ごとに定めた除去作業の基準の遵守などを義務づけることで、大気中へのアスベストの飛散防止を徹底させております。
今回の法改正では、アスベストを含む一部の建材において除去基準が緩和され、その対策経費の軽減が期待されていることから、こうした法改正の内容についても業界団体に的確に周知してまいります。
○原田委員 調査、除去、作業費への補助は、区市に対しては国が行っており、都としては行っていないとのことでした。
今回の法改定では、アスベスト含有成形板、いわゆるスレートなどを除去の際、丁寧に扱うことなどが定められているわけですよね。レベル三という建材は、もうまちにあふれているわけで、まさにこれを平気でバキバキと壊したり、より分けない現場が絶えないわけで、問題となってきたわけであります。
この問題に処理経費が背景としてあるのは、もういうまでもないことだと思うんですね。アスベスト被害は国家的な人災であり、何よりも国が、よりアスベストを含む建築の解体、リフォームへの支援を行うことが重要なんですが、大震災のことを考えても、ここに来て都の支援が何もないという状況は、やはりちょっと消極的に過ぎるといっても過言ではないと思うんですね。
それこそ明石市の例じゃありませんけれども、公務員なんかは、本当に何かあれば被災地のもとに飛んでいって、支援なんかもしなきゃいけないと。そのときにまちにはというか、現場にはアスベストが飛び交っているという状況が、今リアルに目の前にあるわけなんですね。アスベスト対策は、都民全体の課題であるにもかかわらず、自治体ごとで対応がばらばらになっているのは見過ごせません。
制度創設の際は、環境局でなく都市整備局が担当すると思われるわけなんですが、環境局のこのアスベスト問題に対する姿勢というのは、私は重要だと考えますので、局を超えたアスベスト対策での議論というものを活発化させていただけますよう、環境局におかれましては応援申し上げまして、質疑を終わらせていただきたいと思います。
○西沢委員 私からは、食品ロスについて、委員会で取り上げるのは二年ぶりぐらいになって、前に比べれば、かなり状況も変わったと思いますが、質問をさせていただきたいというように思います。
世界全体では、生産された一年間の食料の三分の一に当たる約十三億トンもの食料が捨てられている状況であります。食料の生産から消費に係る各段階では、地球温暖化の原因となるCO2が大量に排出されており、食品ロス問題は持続可能な社会を目指す上で喫緊に取り組むべき課題であります。
東京都は、CO2実質ゼロを目指すゼロエミッション東京戦略において、食品ロス対策を資源循環分野の取り組みの柱の一つとして位置づけており、取り組みを着実に実施していくことが重要であります。
そうした中、関係団体や消費者団体等で構成する食品ロス削減パートナーシップ会議では、食品ロス削減の方向について提言を取りまとめました。
そこでまず、改めて、これまでどのように議論を進めてきたのかお伺いをいたします。
○宗野資源循環計画担当部長 食品ロス削減パートナーシップ会議では、食に係る事業者団体、消費者団体等が一堂に会しまして、二〇三〇年の食品ロス半減に向け、対策の方向性を検討してまいりました。
同会議では、製造、卸、小売、外食等、各団体の食品ロス削減の取り組み状況や先進的事例を情報共有するとともに、廃棄量の多い外食、小売については部会を設置し、現場の実態を踏まえまして、より具体的な議論を行うなど、事業者、消費者、行政、NPO等がそれぞれ取り組むべき対策の方向性についてまとめてきました。
また、対策の方向性の議論だけでなく、同会議の構成メンバーである関係団体と連携いたしまして、普及啓発のキャンペーンやイベントを企画、実施するほか、家庭向けの啓発冊子、東京食品ロスゼロアクションについても意見をいただきながら作成いたしまして、区市町村や関係団体等を通じて広く配布いたしております。
さらに、ことしの新型コロナウイルス感染拡大の状況を踏まえまして、食のサプライチェーンへの影響や、消費者の安全・安心志向の高まり等の観点から議論を加えまして、対策の方向性を提言に取りまとめたところでございます。
○西沢委員 提言の取りまとめの経過はわかりました。今後はこの提言を踏まえ、具体的な取り組みを進めていくことが重要となりますが、提言でも触れられていますとおり、東京の食品ロスは、事業系の食品ロスが多いことが特徴の一つであり、重点的に取り組みを進める必要があります。
まず、事業系の食品ロスの発生状況について、東京都としてどう捉えているのかお伺いをいたします。
○宗野資源循環計画担当部長 食品ロス発生量全体のうち、事業系が占める割合は全国では約五割なのに対して、都内は約七割と高くなっております。これは、大都市の特徴として非常に多くの飲食店や商業施設等が集積していることによるものと考えられます。
食品業界には、三分の一ルールという商慣習がございまして、賞味期限が六カ月の場合、その三分の一に当たる製造日から二カ月までを小売への納品期限として、それを過ぎると返品、廃棄されるという実情がございます。
また、生産から消費に至るサプライチェーンの各主体が多目に持っている在庫の期限切れや、小売や外食における売れ残りなども見られ、こうしたことから都内では多くの事業系食品ロスが発生していると捉えております。
○西沢委員 事業系の食品ロスには、家庭系の食品ロスと違って、多くの主体がかかわる複雑なものもあり、その代表格といえるのが、今の答弁にもありました三分の一ルールであります。
まだ問題なく食べられる商品が、賞味期限の三分の一までに納品できなければ、返品や廃棄処分される商慣習は改善されてきているとはいいますが、さらなる取り組みが必要です。
いまだに、コンビニに二回行って、二回とも商品がなければ、もうそこには行かないというような消費者の方も、まだまだ見受けられるんではないかなと思います。
三分の一ルールのような商慣習の見直しには多くの主体がかかわることから、食品関係事業者間の連携が欠かせないと考えますが、都の見解をお伺いいたします。
○宗野資源循環計画担当部長 多様な主体のかかわる事業系の食品ロス削減に向けましては、相互理解と問題の共有が重要でございまして、商慣習の見直しは、製造、卸、小売の業界が一体となりまして取り組んでいくことが必要でございます。
都はこれまで、食品ロス削減パートナーシップ会議において議論を重ね、関係団体が連携して納品期限の緩和等の商慣習の見直しについて、優良な取り組み事例の情報や業界全体での取り組みの必要性を共有しており、大手事業者を中心に取り組みが進んできております。
同会議の提言でも、フードサプライチェーン全体で食品ロス対策を進めていくべきと示されておりまして、今後、その趣旨を踏まえ、同会議の構成メンバーである関係団体と連携して、好事例等を広く共有するなど、食品ロス削減に向けた取り組みを推進してまいります。
○西沢委員 商慣習による食品ロスは、消費者から見えにくい部分ではありますが、関係者の連携により見直しを進めてもらいたいというように思います。
一方で、私たちがよく見かける食品ロス削減の取り組みは、一つはスーパーなどの閉店間際に、商品に割引シールを張って売り切る様子であります。こうした従来の方法も食品ロス削減には有効でありますが、対象は来店客のみで、効果は限定的であります。
私自身も、きのう、おととい、牛もも肉を半額で買いまして、これは、買うときになるとみんな集まってくるんですね。皆さんがそれをわかっているからですね。ということは、そういうサービスをやっているというのは、多くの都民、多くの消費者の方はよく理解をしているというようなことがいえる、関心のあることではないのかなと思います。
こうした状況を踏まえまして、近年はスマートフォンの普及もありまして、来店客のみならず、登録した消費者などへ売れ残り品の割引情報を発信するアプリなどの活用が始まっています。
事業者からの積極的な発信により、消費者との新しいつながりを形成することで、食品ロス削減を促進していくべきと考えますが、都の見解をお伺いいたします。
○宗野資源循環計画担当部長 食品ロス削減に向けまして、事業者が消費者に対してオンラインやアプリを活用して売れ残り等の割引情報を発信するサービスは、供給側には商品を廃棄せずに販売でき、消費者には低価格で購入ができるため、双方にとってメリットのある有効な取り組みでございます。
これまで都は、賞味期限等の近い商品の購入者にアプリでポイントを付与するモデル事業を実施いたしまして、小売店の売り上げ増と食品ロス三割削減を確認するなど、事業者の社会実装に向けた取り組みを支援してまいりました。
同会議の提言では、事業者の創意工夫による取り組みを推進するよう示されておりまして、今後、その趣旨を踏まえ、アプリ等を用いるメリットを示しながら、事業者に活用を促すなど、食品ロス削減に向けた取り組みを推進してまいります。
○西沢委員 供給者側の事業者と需要側の消費者をつなぐアプリの活用は、食品ロス削減の新しい形であり、大分効果もあるという話がありましたが、さらなる定着、拡大をお願いしたいというように思います。
近年、SDGsの機運の高まりから、自分自身の食品ロスの取り組みには気をつけているという人も多いと思いますが、事業者の食品ロスに関心を持っている人はまだまだ少ないであろうし、自分とは関係ないと思っている人が多いのではないかと思います。
実際には、消費者がお店で商品の欠品を許さないことが、各主体が在庫を多目に抱え、結果的に期限切れにつながっていたり、できるだけ賞味期限等の長い商品を手に入れたいという多くの消費者のニーズが、三分の一ルールのような納品期限の設定につながっており、事業者の食品ロスは、消費者の意識や行動と関連をしていると思います。
先ほども話しましたけれども、それを変えるためには、買う側の意識というものが重要であると思います。
最近、期限切れスーパーというものが好評のようでありまして、賞味期限が切れているもののみでありますが、当初は、この事業者さんも、これが消費者の行動に結びつくのかどうかと大分不安だったようでありますが、結果、多くの方に好評をいただいているという状況でありまして、やはり消費者側のニーズ、意識というものは変わってきているのではないかというように考えます。
そこで、事業者の食品ロス削減の取り組みの促進に向けては、買う側の意識、これを変えていくことも必要であり、食品ロスの観点から、事業者の取り組みと消費者との関係をわかりやすく発信していくべきと考えますが、都の見解をお伺いいたします。
○宗野資源循環計画担当部長 事業系の食品ロスは、消費者の意識とかかわりが深く、実効性の高い取り組みを進めていくためには、消費者の理解と協力が欠かせません。
都はこれまでに、イベントやキャンペーンを通じて、食品ロス削減パートナーシップ会議の構成メンバーである関係団体とともに、三分の一ルールや賞味期限表示の年月表示化等、商慣習の見直しなど取り組み状況を発信してきております。
国におきましても、商慣習の見直しに取り組む事業者の公表等を通じまして、各事業者の取り組みを促進しており、その結果、大手食品スーパー等を中心に取り組みが進んできております。
同会議の提言では、納品期限緩和等、商慣習の見直しなど、事業者の取り組みについて消費者にも啓発すべきと示されておりまして、今後、その趣旨を踏まえ、同会議のメンバー等と連携を図りながら、事業者の取り組み事例等をオンライン等も活用し消費者に発信してまいります。
○西沢委員 事業者がこういうことをやっていますよということも、やはり消費者の選択の一つになっていく要素になるんじゃないかなと思います。
食品ロスの削減に向けては、事業者、消費者の個別の取り組みも必要ですけれども、新たな取り組みを進めるに当たっては、事業者と消費者の情報共有を通じた連携というものも非常に重要であり、しっかりと取り組みを進めてもらいたいということを申し上げて、質問を終わらせていただきます。
○斉藤委員 私からも、食品ロスの削減に向けた提言について質問したいと思います。
ほかの議員が、もうかなり網羅的に質疑を続けられましたので、私は、買う側、消費者に絞った形での設問を簡単にさせていただきたいと思います。
この食品ロスの削減の問題は、公明党は歴史が古く、私は、平成四年から十六年間、国会議員の秘書もしておりましたけれども、古くは浜四津敏子代表代行という方がおられましたけれども、平成十二年のころには、循環型社会形成推進基本法を国が策定するあたりから、この食品ロス削減については大変大きな課題として、党派を超えて共有をしてきたところでございます。
それが、令和元年五月に公布された食品ロス削減推進法、これが施行されたわけでございますけれども、それを受けて、竹谷とし子参議院議員が、今、中心となって各会派に呼びかけながら、こういった法律も国のレベルではできておりますけれども、SDGsは、二〇三〇年までの達成目標のアジェンダでございますけれども、古く淵源のある食品ロスの削減の問題が今このように大きく取り上げられていることは、隔世の感があるわけでございます。
食品ロスは、単にもったいないという問題だけでなく、ごみとして処理されることによる費用の発生や、ほかの委員がお話しされたように、CO2の排出にもつながっておりまして、その削減に向けた取り組みというのは、広く社会的な課題というふうに捉えられるべきであります。
過ぎたるは及ばざるがごとしで、何でも過ぎはよくないんですが、買い過ぎ、つくり過ぎを原因として、多くの時間と労力をかけてつくられた食べ物が、結果的に捨てられてしまって、もったいないなという経験は、誰もが持っていると思います。
最近は、年とともに、外食しても食べ切れないほど注文してしまうみたいなことも、気をつけなきゃいけないと思っておりますけれども、最終的に食品を消費する消費者は、安易に食べ物を廃棄するのではなくて、さまざまな有効利用の方法があることをしっかりと学んで、また普及啓発など、そういった消費者にもいたしまして、食品ロス削減につなげていくことが重要であるということが、今回の提言にも書かれているところであります。
新型コロナウイルスの感染拡大の当初、せっかく生産、製造された学校給食の食材や、飲食店等の食材の廃棄が大きく報道されましたことも記憶に新しいんですけれども、この食品ロスの問題を改めて意識するきっかけとなっている今回の新型コロナウイルスの状況でございます。
また、最近よく見られる業態転換というか、外出自粛によりまして、各店舗もテークアウト、デリバリーなどを積極的に活用しておりますけれども、自宅での利用による内食といいますか、食事の機会が外から内に変化している、そうした機会が増加しておりまして、消費者の食品ロス削減に向けた具体的な行動が、ますますより一層大切になってきていると考えます。
そこで、コロナ禍の新たな日常の中で、消費者に対して、改めて正しい知識や行動を普及啓発すべきと考えますけれども、都の見解を伺いたいと思います。
○宗野資源循環計画担当部長 消費者の食品ロス削減に向けては、一人一人が賞味期限と消費期限の違いなど正しい知識と理解を深め、食品ロス削減に向け、できることから具体的な行動に移していただくことが重要でございます。
都はこれまで、食品ロス削減パートナーシップ会議のメンバーとともに、商業施設等において、子供から大人まで楽しみながら食品ロスの問題を理解し、具体的行動につなげていただけるよう、キャンペーンやイベントの実施により普及啓発を行ってまいりました。
また、同会議のメンバーの意見をもとに、わかりやすく具体的な取り組みをまとめました啓発用冊子、東京食品ロスゼロアクションを作成いたしまして、買い過ぎゼロ、つくり過ぎゼロ、食べ残しゼロという基本的な取り組みのほか、家庭の不要な未利用食品を有効活用する方法として、フードバンク、フードドライブといった活動を紹介しております。
同会議の提言では、消費者の食品ロス削減に向け、オンライン等を活用しながら、消費者が自分にできることを考えるきっかけとするイベントの開催等により、効果的に普及啓発すべきと示されております。
今後、都は、その趣旨を踏まえまして、ウエブを活用したセミナーや地域で食品ロス削減に取り組む食べ切り協力店など、さまざまな主体と連携を図りながら、効果的な普及啓発を進めてまいります。
○斉藤委員 せっかくの食べ物を何の利用もしないで廃棄するのは、無駄以外の何物でもないわけですし、また、食べ物は、植物だったり動物だったり、命をいただくということもございますので、そうした命に対しても、もっと大切に扱うという点では、おいしくいただくことは非常に大切なことであります。
フードドライブ等の活用も含めまして、できる限り食品ロスを発生しないように、消費者の行動変容を促す効果の高い普及啓発をしっかりとお願いしたいところでございます。
先ほどの冊子は、早くからつくられているわけですが、お話のあった東京食品ロスゼロアクションの、この冊子、大変コンパクトにまとめられているんですが、コンパクト過ぎて字が小さくて、誰に対して何をお願いするかということ、よくあることなんですけれども、小さくまとめることは大事なことなんですが、情報量が多くて、文字が小さくなってしまう、そうしたところももう少し工夫をして、ぜひ啓発を進めていただきたいと思うわけでございます。
また、イベントなどで、子供と親、親子で楽しくやっていくというのはとても大事ですね。食品ロスの問題は、子供から大人まで全ての人がかかわる問題ですけれども、この問題は子供の方が先生になるんですね。大体、環境の問題は学校で学びます。SDGsに関しましても、学習指導要領の改訂がございまして、いよいよ、本来この四月から、学校の先生方はこういった、これは教育庁の方からもらった資料ですけれども、東京都環境教育指導資料ということで、食品ロスのことがしっかり書いてあるんですね。
こうした、逆に子供たちが学んで、お父さん、お母さんに教えるシーンというのが目に浮かぶわけですけれども、なかなか日常の長い常識から抜け出せない大人に対しまして、子供はしっかりと教育を受ける、学んでいくことで、逆に子供が家庭では先生の立場になって親に教えたり、親子で楽しく食品ロスについて話し合ったり、大いに期待できると思います。
そこで、子供にとって身近で理解しやすい環境問題の一つであるこの食品ロスについて、食べ物の大切さを伝えながら、食品ロス削減に係る知識を教育していくことが重要と考えますが、都の考え方を伺いたいと思います。
○宗野資源循環計画担当部長 持続可能な資源利用の実現に向けまして、食品ロスの削減が大切な取り組みであることを、将来を担う子供たち、若い世代の人たちが学ぶことは重要でございます。
都はこれまで、教育関係部署と連携しながら、教員等を対象とした体験型のプログラムを通じ、子供たちに食品ロスに関した学習の機会を提供するほか、都立公園で開催される食育フェアと連携いたしまして、公園を訪れる家族等に食品ロスに関する啓発などを進めてまいりました。
今後、新しい日常生活にも対応するため、オンラインを活用しながら、小中高生の成長段階に応じた理解度ドリルつきの動画の配信やセミナーの開催など、感染防止にも配慮した取り組みを進めてまいります。
こうした工夫を積み重ねるとともに、子供たちの環境学習の場も活用しながら、食品ロス問題を通じた持続可能な資源利用の重要性を発信してまいります。
○斉藤委員 この食品ロスの問題は、次世代の子供たちの未来の生活にも直結していきます。また、持続可能な開発のための二〇三〇アジェンダ、SDGsとのつながりの深いテーマでもございまして、未来の東京を担う子供たちにとって多面的かつ総合的に考え、行動できる自分になっていくこと、その力を培っていくことの中の絶好の教材であるというふうに思うわけであります。
こちらの持続可能な地球を目指して、これは、私も一生懸命、教育庁と一緒にやりとりしながらつくられたものの一つでございますけれども、かつてからある環境教育のカリキュラムの一環としてつくられたものの中で、五二ページ、五三ページに、これは資料として当然皆様お手元にあると思いますけれども、参考のためにお渡しをしました。きょうは、所管委員会が違うのであれですが、学習指導計画の中で二十六時間も小学五年生が学ぶテーマに、豊かな恵みを未来につなげようということで、食品ロスの問題から考える、そういった、学習指導要領の中に学習しますということが書いてあるんですね。
児童の言葉、発言を整理しながら、先生方は、食品ロスが海や陸の植物や生物を無駄に消費していること、豊かな日本に対して餓死する子供たちが世界にもいること、あるいはエネルギーの無駄が気候変動の問題につながっていることなど、SDGsの開発目標と関連づけていくなどがありますが、SDGsという言葉が大事なのではなくて、身近な自分たちの行動の中でそのような、例えば自分たちの地域にも食事で困っている方がいないかとか、なかなかそこには気づきが難しいんですが、そこは大人が導いていくといたしましても、こういった食品ロスという問題はつながりを考える絶好の教材であると思うわけでございます。
ぜひとも環境局、せっかくこのようなすばらしい、これから紙媒体だけじゃなくて動画等もつくって啓発していくということでございますから、そうしたものが教育の現場で使われるように、非常にすばらしい取り組みですから、相互がシナジー効果を生むように連携を深めていただきたいとお願いを申し上げまして、きょうの質問は終わりたいと思います。
○里吉委員 私からも、食品ロス削減に向けた提言に関連して幾つか質問を行っていきたいと思います。
この提言が出されたことを受けて、都は、国の食品ロス削減推進法に規定する削減推進計画を策定するとしています。この提言のはじめににも記されておりますように、食品ロスとは、本来食べられるにもかかわらず捨てられてしまう食べ物のことであり、生産、製造、販売、消費等の各段階において大量に発生しているというものです。
だからこそ、その段階ごとの対策が必要だということで、都でも、この間いろいろな角度から食品ロス削減に向けた取り組みを行ってきたと。いよいよ国でも法律ができて、この問題について削減推進計画をつくるという段階になったというふうに思います。
この提言をまとめた東京都食品ロス削減パートナーシップ会議の議事録、私も学ばせていただきましたけれども、ちょうどゼロエミ東京が出たあたりで、二〇三〇年に食品ロス半減を打ち出されたけれども、二〇五〇年にゼロと打ち出されたけれども、それをどうやって実現させるかというのは、かなり深刻な、本当に真剣に考えなければいけないところに立たされていると。それを踏まえて、危機感を持って取り組まなければいけないという発言を座長の方もされておりました。
東京都も、これまでるる議論ありましたように、この問題、何年も取り組んできたというふうに、私も努力されてきたというふうに認識しております。
そこで、少しおさらいしたいんですけれども、東京都が行ってきた持続可能な資源利用に向けたモデル事業について、これ三年間取り組まれましたけれども、それぞれの成果について簡単にお示しください。
○宗野資源循環計画担当部長 都は、持続可能な資源利用につながるモデル事業を平成二十七年度から二十九年度にかけまして、毎年度事業者を公募し、共同で事業を実施してまいりました。
平成二十七年度のモデル事業では、楽しみながら食品ロスの問題に触れ、都民の行動を促していくよう、さまざまなイベントを実施しておりまして、子供から大人まで幅広い消費者に食品ロス削減に向けた機運醸成を図るほか、子供たちが遊びを通じて食品ロスについて学ぶことができる、もったいない鬼ごっこというものなど、新しい普及啓発の形を提案いたしました。
二十八年度は、賞味期限の迫った防災備蓄食品をフードバンクへ寄贈したり、リサイクル施設へ搬出するものでありまして、区市町村等の事業所に分散保管されている防災備蓄食品について、倉庫を活用して効率的に配布する方法を提案いたしました。
平成二十九年度は、期限の近い商品の購入者にアプリでポイントを付与する事業ということでありまして、小売店の売り上げ増と食品ロス三割減を確認するなど、事業者の社会実装に向けた取り組みを支援してまいりました。
○里吉委員 さまざまな取り組みをされてきたということです。
一年目は、消費者に対して食品ロス削減という機運醸成を図る、子供たちにも食品ロスについて学んでもらうことという取り組み。二年目は、賞味期限の迫った食品の活用、リユース、リサイクルのモデル事業の取り組みだったと思います。そして三年目は、食品ロスを生まないための小売店での取り組み。いろんな角度から取り組みをされてきたということで、それぞれ意義ある取り組みだったというふうに思います。
それを受けて、今回まとめられた提言は、東京都食品ロス削減パートナーシップ会議ということで、いろんな段階で食品ロスが生まれるということで、どうやって減らしていくのか話し合っていくために、会議のメンバーに、卸、小売、消費者団体、NPO、いろんな団体を集めて取り組んだ、このことは本当に重要だということで、この委員会でも、また代表質問、一般質問などでも、いろいろこのことについて議論されてきたと思います。
ここで改めて、こうしたメンバーで会議を開催したことの目的と、こうやって議論を進めてきたことの成果について伺いたいと思います。
○宗野資源循環計画担当部長 食品ロス削減パートナーシップ会議は、生産から消費に至るあらゆる段階で発生している食品ロスにつきまして、より実践的な対策の内容を検討するため、各段階の食品ロスの状況に精通し、現場の第一線を担う関係団体や消費者団体等で構成しております。
平成二十九年九月に会議を設置以来、十回にわたる会議では、さまざまな角度から精力的にご議論いただきまして、おのおのの主体的な役割とフードサプライチェーン全体で連携して取り組むことの重要性を改めて共有することができました。
同会議で議論を重ねた成果といたしましては、先月、食品ロス削減に向けた提言が取りまとめられ、事業者、消費者、行政、NPO等の各主体が取り組むべき方向性が示されたことから、今後それぞれの主体が各業界内で提言の具体的内容を共有し、自主的かつ連携して行動していくことが期待できます。
○里吉委員 食品ロスについて、より実践的な対策の内容を検討するということで、現場の第一線を担う関係団体、そして消費者団体の方々で構成したということです。
議事録を私もさっと読ませていただいたんですけれども、先ほどお話にありました、いわゆる三分の一ルールといわれるものですとか、私たち消費者が知らない独特のルールによって、大量の食品ロスが生まれているということも改めて学ばせていただきました。
こうしたルール、まだ賞味期限が残っているにもかかわらず、問屋に返品されてしまう、廃棄されてしまう、そういうことが実際に普通に今起きていて、そこで大量の食品ロスが起きている。
こういうことについては、私たちが幾ら努力しようと思っても、その前に捨てられてしまうわけですから、消費者からすると、どうしてそういうことが起きているのか、そういうことをしないで、私たちも納品期限ぎりぎりのものでもちゃんと買いますよということも発信していく必要があると思いますし、そのためには、こうしたルールがどうして起きているのか、消費者に広く啓発していく必要があると思いますが、その点での見解を改めて伺います。
○宗野資源循環計画担当部長 多様な主体がかかわる納品期限などの商慣習の見直しに向けては、相互理解と問題共有の上、各業界が一体となって取り組んでいくことが必要でございます。
都はこれまで、食品ロス削減パートナーシップ会議において議論を重ね、関係団体が連携して、商慣習の見直しについて優良な取り組み事例の情報や、業界全体での取り組みの必要性を共有してきております。
同会議の提言でも、フードサプライチェーン全体で食品ロス対策を進め、消費者にも啓発をすべきと示されておりまして、今後、その趣旨を踏まえ、関係団体と連携して好事例を広く共有するとともに、そうした事業者の取り組み事例等をオンライン等も活用しながら消費者に発信してまいります。
○里吉委員 先ほども他の委員の議論でもありましたけれども、この三分の一ルールは、消費者の消費動向、同じ値段なら少しでも安いものを買おうという動向もあって、また、賞味期限切れの商品が店頭に残らないように早目に撤去しようということが、九〇年代、スーパーのチェーンが始めたのがきっかけだというふうにいわれておるそうです。
今、これをもっと長く商品を店頭に置いておけるようにしようという動きもあって、業界全体でも取り組みもあるというご答弁もありましたけれども、本当にこれを実現していくためには、団体の、実際に卸をしている小売のところでも頑張っていただかなければなりませんし、私たち消費者の側も、事実をはっきり、きちんと学んで、それを理解するということがありました。
この速記録、私も本当に学ぶことがたくさんあって、アイスクリームに何で賞味期限ができたのか、七割の人が賞味期限をつけてくれというアンケートの結果があって、賞味期限をつけたなんていう記載もありましたけれども、そういう意味では、東京都がパートナーシップ会議で消費者団体と食品の生産、卸、小売、いろんなところの人を集めて会議をやっていることの意義というのは、本当に大事だなというふうに思いました。
ですから、ぜひ、そういういろんな議論もせっかくされたわけですから、わかりやすく消費者に啓発する、そういうことも、これからつくる計画に入れていただきたいと思います。これは、ぜひ東京都の仕事として取り組んでいただきたいと思います。
そして、返品された商品の一部はディスカウント商品として売られるけれども、廃棄処分となっていると。リサイクルやフードバンク、フードドライブの取り組みにつながっているものもあるということで、先ほどもお話がありました防災備蓄食品の減量、リサイクル化、それから、フードバンクのようにどこかにきちんとつなぐ、こういう取り組みも東京都としては行っていましたけれども、この流通ルートができることで、ほかの余った食品もいろんなところに寄贈する、そういうルートにつながるのではないか、こういう議論もされていましたけれども、今具体化がどこまでされているのか伺います。
○宗野資源循環計画担当部長 食品ロス削減パートナーシップ会議の提言では、防災備蓄食品について積極的に有効利用を図るべきと示されております。
都は、この趣旨を踏まえまして、今年度、区市町村が所有する期限の迫った防災備蓄食品の有効活用に向けまして、区市町村とフードバンクの需要と供給がマッチングするシステムの構築を進めているところでございます。
今後、区市町村や関係団体等のシステムの参加に向けた利用説明会を開催するなど、防災備蓄食品の有効活用に向けた環境整備を図ってまいります。
○里吉委員 防災備蓄食品は必ず用意しなければならないもので、震災がなければ使えませんから、その総量は自治体で管理していると思いますけれども、全てを活用できるように取り組むことを通じて、それ以外の食品ロスの削減にもつなげられるようなルート整備をぜひ進めていただきたいと思います。
そして、食品ロスを削減するために、私は、やはり最優先すべきはリデュース、廃棄自体を減らすこと、余剰が出ないように大量生産を見直すことが大事だと思うわけです。
先ほど来、AIを使っての需要予測システムというのもありましたけれども、本当に総量を減らすということも私は考えるべきだと思うんです。消費者も店で品切れがあってもそれを受け入れる、そういう消費者の意識も変えていくことが必要だし、企業がいろんな種類を絶対余るのをわかっていて大量生産する、こういう方針もいよいよ見直すべきときに来ているのではないかというふうに思います。
会議でもいろいろな議論がされていました。AI等を活用した需要予測システムも、これは一部の企業だけしか使えないのであれば、全体にどれだけ影響があるのか、これは公益性が高いから、共有しようという方向に行くことができるのかという議論もありました。
また、廃棄の方が処理コストが安いために、やはり余ったものは捨ててしまうというふうに、短期的に見れば企業は流れてしまうのではないかという話もありました。いろんな議論が、まだ結論が出ないままというものも、私読んでいて、あるのではないかなと思いました。
ただ、最初にも申し上げたように、座長の方もこれは待ったなしの課題ということで、東京都にはしっかりと計画をまとめてほしいということも中で議論がされておりました。
そういう意味では、これは会派を超えて、都議会全体で環境局の皆さんを応援して、ぜひともいい計画をつくってもらいたいという議論がさまざまありましたので、私からは、学校教育や消費者教育、エシカル消費の普及啓発なども含めて、他局とも連携して、ぜひ東京都として首都東京にふさわしい積極的な食品ロス削減に取り組むための計画をつくっていただきたいということを申し上げまして、質問を終わります。
○佐野委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○佐野委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
以上で環境局関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後三時四十七分散会
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