環境・建設委員会速記録第十五号

令和二年十一月二十六日(木曜日)
第九委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長佐野いくお君
副委員長関野たかなり君
副委員長里吉 ゆみ君
理事舟坂ちかお君
理事斉藤やすひろ君
理事あかねがくぼかよ子君
西野 正人君
原田あきら君
細谷しょうこ君
西沢けいた君
のがみ純子君
西郷あゆ美君
村松 一希君
三宅 正彦君

欠席委員 なし

出席説明員
環境局局長栗岡 祥一君
次長笹沼 正一君
総務部長松永 竜太君
環境政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務上田 貴之君
地球環境エネルギー部長小川 謙司君
環境改善部長筧   直君
環境改善技術担当部長志村 公久君
自然環境部長近藤  豊君
資源循環推進部長宮澤 浩司君
資源循環計画担当部長宗野 喜志君
建設局局長中島 高志君
次長総務部長事務取扱今村 保雄君
道路管理部長前田  豊君
道路建設部長花井 徹夫君
公園緑地部長植村 敦子君
河川部長小林 一浩君
道路計画担当部長原島 孝至君
公園計画担当部長根来 千秋君

本日の会議に付した事件
建設局関係
第四回定例会提出予定案件について(説明)
・雑司が谷環状第五の一号線トンネル(仮称)(二)立坑築造工事その二請負契約
・中川護岸耐震補強工事(その五十一)請負契約
・東日本大震災における原子力発電所の事故に係る損害賠償請求に関する和解のあっせんの申立て(その九)について
・東京都立横網町公園の指定管理者の指定について
・東京都立葛西臨海公園の指定管理者の指定について
・東京都八重洲駐車場外四駐車場の指定管理者の指定について
・東京都板橋四ツ又駐車場の指定管理者の指定について
陳情の審査
(1)二第七〇号 練馬城址公園及びスタジオツアー施設等に関する陳情
(2)二第七一号 練馬城址公園及びスタジオツアー施設等に関する陳情
(3)二第七二号 練馬城址公園に関する陳情
(4)二第八一号の一 特定整備路線の建設中止及び新型コロナウイルス感染症対策への財源活用に関する陳情
環境局関係
第四回定例会提出予定案件について(説明)
・令和二年度東京都一般会計補正予算(第十二号)中、歳出 環境局所管分
・東京都災害廃棄物処理基金条例
・東日本大震災における原子力発電所の事故に係る損害賠償請求に関する和解のあっせんの申立て(その八)について
・東京都立奥多摩湖畔公園山のふるさと村の指定管理者の指定について
・東京都立多幸湾公園の指定管理者の指定について
・東京都檜原都民の森の指定管理者の指定について
・東京都奥多摩都民の森の指定管理者の指定について
報告事項(説明)
・食品ロス削減に向けた提言について
・都民の健康と安全を確保する環境に関する条例施行規則(土壌汚染対策制度)の改正について
・大気汚染防止法(アスベスト規制関連)の改正について
陳情の審査
(1)二第七七号 「ゼロエミッション東京戦略」の区市町村との連携等による成果拡大に関する陳情
(2)二第七八号 「第六次エネルギー基本計画」に向けた審議の進め方に対する意見書提出に関する陳情

○佐野委員長 ただいまから環境・建設委員会を開会いたします。

○舟坂委員 今、里吉副委員長さんから、原田委員さんがパネルを三枚使わせていただきたいということで、理事会に諮ることなく、この場でいわれました。そういうこともあるかもしれませんから、それはそれで了解はさせていただきたいと思うんですが、過日のこの委員会で予定時間を一時間以上余らせるような質問の仕方もあったわけですから、その辺を考えていきますと、里吉副委員長さんの方から、よくお話をいただきまして、時間に対する考え方や、理事会に向かっていくというか、その考え方をぜひお伝えをいただきたいというふうに思います。
 以上です。

○佐野委員長 それでは、初めに、会期中の委員会日程について申し上げます。
 お手元配布の日程のとおり、理事会において申し合わせましたので、ご了承願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、建設局及び環境局関係の第四回定例会に提出を予定されております案件の説明聴取、環境局関係の報告事項の聴取並びに建設局及び環境局関係の陳情の審査を行います。
 なお、本日は、提出予定案件及び報告事項につきましては、説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は会期中の委員会で行いますので、ご了承願います。
 これより建設局関係に入ります。
 初めに、第四回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。

○中島建設局長 第四回定例会に提出を予定しております案件につきましてご説明申し上げます。
 お手元配布の環境・建設委員会資料(建設局所管分)をごらんいただきたいと存じます。
 今定例会でご審議いただきますのは、契約案が雑司が谷環状第五の一号線トンネル(仮称)(二)立坑築造工事その二など二件、事件案が東日本大震災における原子力発電所の事故に係る損害賠償請求に関する和解のあっせんの申立て(その九)についてなど五件でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
 詳細につきましては、次長よりご説明いたします。

○今村次長 令和二年第四回定例会提出予定案件の内容につきましてご説明申し上げます。 資料1をごらんください。契約案につきましてご説明申し上げます。
 表紙をおめくり願います。今回提出を予定しております契約案二件の件名は、目次に記載のとおりでございます。
 一ページをごらんください。雑司が谷環状第五の一号線トンネル(仮称)(二)立坑築造工事その二でございます。
 本工事は、都市計画道路事業、環状第五の一号線の地下トンネルのうち、延長四十七・九メートルにおきまして、トンネル築造に必要となる立て坑の築造を行うものでございます。
 工事場所は豊島区高田二丁目地内から同区雑司が谷三丁目地内まで、契約の相手方は大成・東武谷内田建設共同企業体、契約金額は二十九億七千七百五十九万円、工期は令和七年六月三十日までとする工事請負契約を一般競争入札により締結しようとするものでございます。
 二ページをごらんください。本件工事の案内図でございます。丸で囲んでおりますのが工事場所でございます。
 三ページをごらんください。構造物の形状は、平面図及び標準断面図のとおりでございます。
 四ページをごらんください。中川護岸耐震補強工事(その五十一)でございます。
 本工事は、最大級の地震が発生した場合におきましても、浸水防止機能を保持するため、延長百九十九・七メートルにわたり河川土工などを行い、護岸の補強を図るものでございます。
 工事場所は葛飾区青戸二丁目地内、契約の相手方は東急・森建設共同企業体、契約金額は十四億九千七百十万円、工期は令和四年二月二十八日までとする工事請負契約を一般競争入札により締結しようとするものでございます。
 五ページをごらんください。本件工事の案内図でございます。丸で囲んでおりますのが工事場所でございます。
 六ページをごらんください。構造物の形状は、平面図及び標準断面図のとおりでございます。
 次に、資料2をごらんください。事件案についてご説明申し上げます。
 表紙をおめくり願います。今回提出を予定しております事件案五件の件名は目次に記載のとおりでございます。
 一ページをごらんください。整理番号1の東日本大震災における原子力発電所の事故に係る損害賠償請求に関する和解のあっせんの申立て(その九)についてでございます。
 1の申し立ての経緯でございますが、平成二十三年三月に発生した東京電力株式会社福島第一原子力発電所及び福島第二原子力発電所の事故への対応としまして、建設局では、都民の安心・安全の確保のため、しゅんせつ土の放射性物質濃度測定等を実施いたしました。
 都は、原発事故により支出を余儀なくされた経費の賠償につきまして、東京電力と協議してまいりましたが、合意に至っていない事案につきまして、第三者機関であります原子力損害賠償紛争解決センターに対し、和解のあっせんを申し立てることといたしました。
 都としての申し立て方針につきましては、令和二年第三回東京都議会定例会の総務委員会におきまして報告を行ったところでございます。
 建設局では、この方針に基づきまして、合意に至っていないしゅんせつ土の放射性物質濃度測定等に係る費用の総額一千百七十五万三千四百四十五円につきまして、申し立てを行います。
 2の申し立て事項でございますが、申し立てを行います三つの項目と、それぞれの申し立て額を記載しております。
 一点目は、しゅんせつ土の放射性物質濃度の測定費用でございます。
 二ページをごらんください。
 二点目は、空間放射能測定機器購入に係る費用でございます。
 三点目は、水元公園簡易除染対策に係る費用でございます。
 3の今後のスケジュールでございますが、原子力損害賠償紛争解決センターへの和解のあっせん申し立てにつきましては、本定例会で議決をいただいた上で、令和三年二月ごろに行うことを予定しております。
 三ページをごらんください。次に、整理番号2、東京都立横網町公園の指定管理者の指定についてでございます。
 1の提案理由でございますが、本議案は、地方自治法第二百四十四条の二第六項の規定に基づき、都議会の議決をいただくために提出するものでございます。
 2の指定の概要でございますが、公の施設の名称は東京都立横網町公園、指定管理者の名称は公益財団法人東京都慰霊協会、指定の期間は令和三年四月一日から令和八年三月三十一日まででございます。
 次に、整理番号3、東京都立葛西臨海公園の指定管理者の指定についてでございます。
 1の提案理由でございますが、本議案は、整理番号2と同様に都議会の議決をいただくため、提出するものでございます。
 2の指定の概要でございますが、公の施設の名称は東京都立葛西臨海公園、指定管理者の名称は公益財団法人東京都公園協会、指定の期間は令和三年四月一日から令和八年三月三十一日まででございます。
 四ページをごらんください。次に、整理番号4の東京都八重洲駐車場外四駐車場の指定管理者の指定についてでございます。
 1の提案理由でございますが、本議案は、整理番号2と同様に都議会の議決をいただくため、提出するものでございます。
 2の指定の概要でございますが、公の施設の名称は東京都八重洲駐車場など五カ所の駐車場、指定管理者の名称は公益財団法人東京都道路整備保全公社、指定の期間は令和三年四月一日から令和八年三月三十一日まででございます。
 次に、整理番号5の東京都板橋四ツ又駐車場の指定管理者の指定についてでございます。
 1の提案理由でございますが、本議案は、整理番号2と同様に都議会の議決をいただくため、提出するものでございます。
 2の指定の概要でございますが、公の施設の名称は東京都板橋四ツ又駐車場、指定管理者の名称は公益財団法人東京都道路整備保全公社、指定の期間は令和三年四月一日から令和八年三月三十一日まででございます。
 五ページ以降、議案を添付してございます。後ほどごらんいただきたいと存じます。
 以上で令和二年第四回定例会提出予定案件の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○佐野委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。

○里吉委員 毎回これ、お願いしているんですけれども、契約案件二件について、それぞれ入札状況のわかる資料をよろしくお願いいたします。
 以上です。

○佐野委員長 ほかに。−−ないですか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○佐野委員長 ただいま里吉副委員長から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○佐野委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出願います。

○佐野委員長 次に、陳情の審査を行います。
 初めに、陳情二第七〇号、陳情二第七一号及び陳情二第七二号については、内容に関連がありますので、一括して議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○根来公園計画担当部長 お手元配布の資料3、陳情審査説明表の一ページ目にございます整理番号1、陳情二第七〇号、七一号をごらんいただきたいと存じます。
 本件は、練馬城址公園及びスタジオツアー施設等に関する陳情で、練馬区、平岩利文さん外九百六十二人、杉並区、栗山奏子さんから提出されたものでございます。
 本陳情の要旨は、都において、次の二点を実現していただきたいというものでございます。
 一点目は、スタジオツアー施設等の着工前に、遊園地としての経営を維持、継続した場合と、練馬城址公園及びスタジオツアー施設等を整備した場合を比較した広域防災拠点としての利用について、書面及びホームページで明らかにするよう、都が、事業主である西武鉄道株式会社、ワーナーブラザースジャパン合同会社及び伊藤忠商事株式会社に要求することというものでございます。
 二点目は、遊園地としての経営を維持、継続した場合と比較して、練馬城址公園及びスタジオツアー施設等の広域防災拠点としての機能及び明白な有意性が確認できるまでは、少なくともスタジオツアー施設等の建設を一旦中止するよう、事業主らに働きかけることというものでございます。
 現在の状況でございますが、都は、本年六月に、練馬区及び西武鉄道株式会社など関係事業者と都市計画練馬城址公園の整備にかかる覚書を締結し、緑と水、広域防災拠点、にぎわいの三つの基本目標の実現に向けた公園整備を連携協力して進めることとしております。
 覚書では、公園の整備において、避難場所等となる広場や必要となる防災施設を確保し、さらに東西方向、南北方向から本公園に避難できる園路を確保するなど、広域防災拠点としての機能を備えるものとしてございます。
 民間事業者による取り組みであるスタジオツアー施設につきましても、覚書に基づき、基本目標の実現の一翼を担うことに配慮することとし、避難場所となる広場や、南北方向から避難できる動線を確保するなど、広域防災拠点としての機能を踏まえた整備を進めることとなっております。
 広域防災拠点として重要な要素である避難場所は、土地の利用状況が空き地や耐火建物群、河川敷、グラウンド、学校、公園緑地、遊園地等で、面積が五ヘクタール以上の一団となる空間などの要件を満たした場所を東京都震災対策条例に基づき、都が指定するものでございまして、としまえんは閉園後も引き続き避難場所に指定されております。
 今後とも、都は、関係者と連携して震災時火災における避難場所の確保に努めながら、本公園の整備を推進してまいります。
 次に、四ページにございます整理番号2、陳情二第七二号をごらんいただきたいと存じます。
 本件は、練馬城址公園に関する陳情で、豊島区の広瀬愛さんから提出されたものでございます。
 本陳情の要旨は、都において、練馬城址公園を未曽有の災害を想定した地域住民の命を守る防災拠点としていただきたいというものでございます。
 具体的には、としまえん跡地は、防災拠点として重要な土地であるにもかかわらず、現在では土地全体をどのようにするのか具体的な方針が決められないまま、一部をスタジオツアー施設とする方向で動き出しているとし、スタジオツアー施設の建設予定地は、都市計画公園区域内の中でも海抜が低く水害時の浸水が予想される地域であるため、計画区域内の施設であれば浸水等への対策も考慮した設計と建設であってしかるべきであり、計画区域は全ての場所において防災対策を考えたものであることが望ましいというものでございます。
 また、新型コロナウイルスが流行する中、台風や地震などの災害が複数同時発生する可能性もあるため、さまざまな状況を想定し、早急に防災対策を進めることというものでございます。
 現在の状況でございますが、都は、本年六月に練馬区及び関係事業者と都市計画練馬城址公園の整備にかかる覚書を締結し、広域防災拠点など三つの基本目標の実現に向けた公園整備を連携協力して進めることとしてございます。
 覚書を締結した同月には、本公園の整備計画を東京都公園審議会に諮問し、九月には地域の特性などを踏まえ、都民の憩いの場や災害発生時の避難場所など公園に導入する機能を定めるゾーニング計画などについて審議を行いました。
 今月末に予定している審議では、整備スケジュールの概略等を示すとともに、これまでの議論を深度化する予定でおりまして、来年度早期の答申を受け、整備計画を策定してまいります。
 また、風水害時の避難については、区が避難準備情報、勧告、指示の発令時に、あらかじめ指定した地区区民館や地域集会所等の避難所の中から、降雨状況や地域ごとの河川の氾濫、浸水害や土砂災害の危険性に応じて、速やかに避難所を開設し避難者を受け入れることとされております。
 都立公園は、東京都地域防災計画では主に震災時において、公園ごとに大規模救出救助活動拠点、ヘリコプター活動拠点及び避難場所などの役割を担っており、風水害発生時には、震災時の活動拠点に準じつつ、被災が予想される場所は除外するなど、必要に応じた使用調整を実施することとされてございます。
 としまえんは閉園後も東京都震災対策条例に基づく避難場所に指定されており、都は、関係者と連携して震災時火災における避難場所の確保に努めながら、本公園の整備を推進してまいります。
 説明は以上でございます。よろしくご審査のほどお願い申し上げます。

○佐野委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○村松委員 よろしくお願いします。練馬城址公園については先日の事務事業質疑でも質疑させていただいて、としまえん閉園を惜しむ一人として、陳情審査に当たり、質問をさせていただきます。
 都は、防災上の必要性から、平成二十三年に初めて重点化を図るべき都市計画公園に位置づけ、事業化を進めるとしており、防災面から最大限の配慮のもとに事業を進めていくべきであります。
 今回の陳情は、閉園したとしまえんに計画されている練馬城址公園において、民間によるスタジオツアー施設の整備は、防災機能を損なうのではないかという不安視する声から届いたものだと理解しております。
 第七〇号及び第七一号の陳情では、としまえん閉園に伴う防災面の利用に関して、その内容を明らかにし公表するよう事業者に求めております。
 そこで、としまえん跡地の防災上の位置づけについて、改めて都の所見を伺います。

○根来公園計画担当部長 都市計画練馬城址公園が計画されているとしまえん跡地につきましては、東京都震災対策条例に基づき、都が平成四年五月から、震災時火災における避難場所に指定しておりまして、本年八月に閉園した以降も引き続き指定されております。
 また、東京都地域防災計画において、災害時におけるヘリコプター活動拠点を確保するため、当該敷地の一部を災害時臨時離着陸場候補地の一つとして指定してございます。

○村松委員 閉園したとしまえんは現在も避難場所に指定され、災害時には活用されるものであり、その位置づけについては、都が防災上の計画により定めているということがわかりました。
 次に、防災の観点から、スタジオツアー施設の整備により、かつてとしまえんが開業していたときよりも防災機能が低下することが懸念されています。防災機能の確保に向けた取り組みについて、都の所見を伺います。

○根来公園計画担当部長 都は、公園整備に当たり、避難できる広場や延焼火災を遮断する植栽等により、避難場所としての機能拡充を図ってまいります。
 あわせて、周辺からの避難を円滑に受け入れる園路や、防災照明、防災トイレなど、必要となる防災施設の整備に加えまして、広場には災害時のヘリコプター活動拠点としての機能も確保するなど、防災拠点としての機能を高めてまいります。
 また、民間による取り組みであるスタジオツアー施設におきましても、本公園の基本目標である防災拠点の実現に配慮し、避難場所ともなる広場や、南北方向の避難動線を確保することとされております。
 あわせて、できるだけ多くの樹木を残すとともに、新たな植栽の検討も行っていると聞いております。
 さらに、本公園やスタジオツアー施設の整備中の段階におきましても、関係者間で連携して、震災時火災における避難場所を確保しながら事業を進めてまいります。
 今後とも、関係者とも連携して地域の防災力を向上させてまいります。

○村松委員 公園整備による防災機能強化については、具体的に検討内容がわかりました。準備のし過ぎがないというのが災害対策ですから、地元区からの要望も聞きながら進めていただきたいと思います。関係者とも連携して地域の防災力を向上させていくということですが、防災機能の強化、確保に向けて、具体的に民間事業者とどのような情報交換や意見交換を行っているのかお伺いいたします。

○根来公園計画担当部長 本公園の基本目標である緑と水、広域防災拠点、にぎわいの実現に向けて、既存樹木の活用や新規植栽、災害時の避難スペースの確保や避難路の設定及び整備スケジュール等について、具体的な協議を進めております。

○村松委員 災害で大火災が起こった場合の避難場所として、民間事業者もご協力いただけるということですから、都や区と連携しやすい関係性を築いて災害に備えていただければと思います。
 質疑を通して、スタジオツアー施設や、都の公園整備により、地域の避難場所としての機能が向上していくということが改めてわかりました。都による公園の整備も着実に進めていただくよう要望いたします。
 としまえん跡地については、都による防災公園の整備に加えて、民間とも緊密に連携して、防災機能の確保に配慮した取り組みが考えられており、これら三件の陳情は不採択にすべきと会派の意見を述べて、質問を終わります。

○西野委員 私からは、陳情二第七二号の練馬城址公園に関する陳情について、会派を代表して意見表明をさせていただきたいと思います。
 都立公園は、平常時は都民の憩いや安らぎの場として利用される一方、災害時には救出救助の活動拠点や避難場所に活用されるなど、都民の安全・安心に不可欠な都市基盤として重要であります。
 今回の陳情にある練馬城址公園は、都が東日本大震災を契機として、防災上の必要性から、都市計画公園・緑地の整備方針において、事業の重点化を図るべき都市計画公園に位置づけ、事業化を進める優先整備区域を設定しているところであります。こうした観点から、本公園を地域住民の命を守る防災拠点にすべきとの考えには賛同するところであります。
 風水害の避難については、区が降雨状況に応じて避難所を開設することになっており、都立公園は、主に震災時における活動拠点や避難場所として活用していくことが重要でありますが、個々の民有地の土地所有や民間事業者に対し、都立公園となる以前の都市計画の段階において、浸水等への対策を行うことは求められておらず、浸水等への対策も考慮した上で設計と建設があってしかるべきであり、都市計画公園区域は全ての場所において防災対策を考えたものであることが望ましいとする本陳情については賛同できないものであります。
 我が会派といたしましては、都が責任を持って災害時の対応を進めるべきと考えており、都は、本公園の早期事業化を図り、防災拠点としての機能が十分に発揮されるよう、公園整備を進めていただくことを要望して、意見表明といたします。

○原田委員 私からも、練馬城址公園に関する陳情について質疑を行わせていただきます。
 三本の陳情が出されましたが、いずれも防災機能にかかわる陳情であり、スタジオツアーが練馬城址公園の都市計画区域に入ってくることによる防災機能の影響について問う陳情と受けとめました。
 都内に大変な規模で存在する都市計画公園の区域、それらを一気に整備するのは予算として成り立たないわけで、計画的に、優先的に整備していくために幾つかのルールがあります。
 まずは、全ての都市計画公園区域の中から重点化を図るべき公園を選びます。そこで選ばれた中から、さらに優先整備公園に指定されることで事業化へのめどが立ちます。
 練馬城址公園は、東日本大震災の惨害を目の当たりにした都民が多数いる中、防災の拠点として、一気に重点公園と優先整備公園にダブルで指定された経緯があります。
 東京都は、練馬区、西武などと折衝し、平成二十九年、練馬城址公園基本計画資料作成委託、平成三十年、練馬城址公園整備計画資料作成委託を行い、相次いで報告書を受け取っています。
 平成二十九年報告書を見る限り、住民や地元区の声を受けとめ、まさに防災拠点を前提とした、水と緑、にぎわいの美しい公園が計画されていたことがわかります。
 これですね。(パネルを示す)畑のエリア、野原のエリア、雑木のエリアと、三大−−まとまった平たん地を使って、こういうエリアがつくられて、森の冒険エリア、コミュニティゾーン、ここがにぎわいだと思うんですけれども、こういうものが資料として都民の税金でつくられていた。こういうものがつくられていたんですね。これが平成二十九年報告書に出ていた、防災拠点を前提とした水と緑、にぎわいの美しい公園、あり方だったわけです。
 たった一年で新たな整備計画資料が作成されますが、これは都立公園の多面的活用方針を受けたもので、パークPFIといった、企業を都立公園の広大な土地の利用に参入させる危険性があり、私たちは反対をしていたわけですけれども、慎重に見ていたわけですけれども、案の定、かなりの部分が黒塗りになって、この平成三十年の方は情報開示がされており、にぎわいエリアの拡大が危惧されるものでしたが、しかしながら、全体としてはやっぱり水と緑、防災拠点という前提は崩されることがないように見える内容でした。
 こうした成果物を見るに当たって、職員の意欲と努力が記録されている情報の開示もありました。そうした努力も、夢のような公園整備に向けた西武との一定の信頼関係があってこそだったと思います。
 だからこそ伺います。平成三十年三月、東京都が作成した練馬城址公園基本計画資料作成委託報告書にはこう書いています。避難有効面積二平米を下回っており、避難場所としての整備に配慮をしていく必要がある。こう記載されているわけですが、覚書に示されたいわゆる関係者とのこれまでの協議で、こうした都の方針はしっかりと関係者に示されたのか。また、それに対する関係者の反応はいかなるものであったのかお聞かせください。

○根来公園計画担当部長 都は、地元区や土地を所有する西武鉄道など民間事業者と協議を進め、本年六月、関係者で覚書を締結し、緑と水、広域防災拠点、にぎわいといった三つの基本目標の実現に向けた公園の整備を、連携協力して進めることについて合意いたしました。

○原田委員 全く答弁になっていないわけですね。都がみずから作成した整備計画資料に、避難有効面積二平米を下回っており、避難場所としての整備に配慮と書いてあるから、そうした方向性を西武には伝えたのかと、関係者に伝えたのかと聞いたんです。それで今の答弁ということは、西武やワーナーには、広域防災拠点としてよろしくといっただけだったと、そういうことだったんですよね。どうなんですか、ただよろしくといっただけという答弁ですか。

○根来公園計画担当部長 覚書の締結に向けた協議を進める中で、本公園の基本目標の一つである広域防災拠点の確保に配慮するよう関係事業者に求めているところでございます。

○原田委員 しっかりと求めていっているんだという答弁だったと思います。ただ、この方針によると、二平米を下回っているから、もっと整備に配慮しなきゃいけないと具体的にいっているんですよね。避難有効面積というのは東京都でいえば一平米でいいわけです。
 国でいえば二平米が大事だといっているわけですけれども、そこをあえて自分たちの資料では二平米を上回りたいというような書き方がほんの二年ぐらい前までされていたわけですから、しっかりとそこは主張していっていただきたいと思うんですね。
 東京都は、平成二十九年、三十年と立て続けに基本計画資料の作成委託を行い、成果物を得ています。そこには、にぎわいのスペースも適度に配置されてはいるものの、ほぼ全面が水と緑、かつ防災拠点として描かれていました。こうした方向性を作成するに当たり、都は西武と話し合いの場を持ちながら、ちゃんと作成をしていたのか伺いたいと思います。

○根来公園計画担当部長 東京都は事業化に向けて、優先整備区域内における土地所有者及び地元区と情報交換や意見交換を行ってまいりました。

○原田委員 当然なんですよね。東京都は、練馬城址公園の全面を活用した公園整備を計画していました。当然、その意向は土地所有者に伝えてあったはずなわけです。そして、税金もかけて基本計画、整備計画とかの資料もつくってきたと。平成二十九年の基本計画作成委託では、緑と防災を兼ね備えて、野原のエリアと雑木林のエリア、畑のエリアと考えていたわけですよね。恐らくこの三エリアが広域避難場所の主要なスペースとして活用される計画でした。ところが、その最大のエリアの上、野原のエリアの上にスタジオツアーがどすんと座るわけです。
 そこでお聞きします。
 今回の計画は、最も避難場所となるにふさわしい、まとまった平たん地がスタジオツアーに使用されることになり、都の方向性とは大きく異なるものになろうとしています。この間の都との歩みを裏切るように進められた西武とワーナーによるスタジオツアーの計画に対し、都は抗議をしたのか教えてください。

○根来公園計画担当部長 緑と水、広域防災拠点、にぎわいといった三つの基本目標の実現に向けた公園の整備に関する覚書に基づき、スタジオツアー施設につきましても、防災拠点の実現に配慮し、避難場所ともなる広場空間や避難動線の確保など、防災機能を強化するための整備を進めることとなっております。

○原田委員 全く答えになっていないというか、まさに今、部長がいったような防災拠点の実現に配慮をすべき過程の中で、最大のまとまった平たん地ですよ、野原のエリア。そこに、今まで全面を使った公園整備をしますよと東京都は考えてきていたのに、突如として西武がワーナーとスタジオツアーを置くことを決めてしまったと。これに対して抗議をしなかったのかと私は聞いたんです。
 最大のまとまった平たん地である場所にスタジオツアーの施設が置かれたら、明らかに避難スペースの低下につながるじゃないかと。もとは、そもそも現状維持ではなく、都の姿勢は二平米以下のスペースでは拡充整備が必要という姿勢だったのですから、その方向性は伝えていたでしょうし、全面を使う方向性は伝えていたのでしょうから、抗議をするのが当たり前だと思うんですね。
 それか、もしかして東京都もワーナーとの話に昨年のうちからかかわっていたわけじゃありませんよね、ちょっとお答えください。

○根来公園計画担当部長 幾つかちょっと整理をしてお答えしたいと思うんですけれども、まず、都は、防災都市づくり推進計画によりまして、避難場所の指定において、避難計画人口一人当たりの避難有効面積を一平米以上確保することを原則としております。練馬城址公園についても、有効避難面積の確保とともに、輻射熱の影響を軽減する植樹など、防災性の向上に取り組んでまいります。
 私ども東京都は、ことし一月に、優先整備区域全体を対象として事業化することを西武鉄道に伝えてございます。

○原田委員 昨年のうちからかかわっていたんじゃないのかと聞きましたけれども、それには答弁がありませんでしたが、その前に、前段に出てきた一平米を原則としていると。そうじゃなくて、それは、東京都はそうなんですけど、この練馬城址公園に当たっては、皆さんがみずから作成した資料の中に、二平米以下では小さいから、二平米以下となってしまっているから、防災機能の向上に、避難スペースの向上に配慮をしていこうというふうにみずから書いていたわけですよ。だから聞いているわけです。一平米でいいという答弁だったとしか私は聞こえませんでした、今の答弁は。
 練馬城址公園における避難場所となる広場、まとまった平たん地、これも皆さんのつくった資料にある言葉です。避難場所となる広場、まとまった平たん地の最も大きな箇所がスタジオツアーに使用されることになるわけですが、都市計画練馬城址公園におけるこれまでの避難スペースはどこにあるのか、スタジオツアーができた際の避難スペースはどこになるのか、地図で示していくべきだと考えますけれども、いかがでしょうか。

○根来公園計画担当部長 都市計画練馬城址公園が計画されているとしまえん跡地につきましては、東京都震災対策条例に基づき、都が平成四年五月から震災時火災における避難場所に指定しておりまして、本年八月に閉園した以降も引き続き指定をされております。
 なお、スタジオツアー施設の敷地内における具体的な避難スペースにつきましては、東京都、地元区、関係事業者の間で協議中でございます。

○原田委員 それはつまり、まだ協議中だということなんですけれども、遅くともスタジオツアーの設計ができた段階で、つまりは来年の三月で防災のスペースというのはしっかりと地図上でも示されるということでいいんですか。お答えください。

○根来公園計画担当部長 先ほど答弁いたしましたとおり、現在、スタジオツアー施設の敷地内における具体的な避難スペースについては協議中でございます。
 なお、建設計画の概略につきましては、これまでも住民説明会等で明らかにされたところでございますが、運用面も含めた避難スペースの詳細につきましては、引き続き協議をしてまいります。

○原田委員 ここはちょっと大事なところなんで、もう一回聞きますけれども、工事着工しちゃったら、もし後から足りなかったというんじゃ困るんで、協議中といっても、できた後にわかりますじゃだめなんですよね。そうですよね。だから、幾ら避難スペースは協議中だといっても、今の時点でそれなのもおかしいんですけど、設計ができた段階で、それはやっぱり避難スペースというのはどこになるのかというのは明らかにされるんですよね。だとすれば、設計ができ上がるのは三月と聞いておりますので、そのころには発表されるということで間違いないかと。しっかりと答えてください。

○根来公園計画担当部長 繰り返しとなりますけれども、建設計画の概略につきましては、これまでも住民説明会等で明らかにされたところでございます。運用面も含めた避難スペースの詳細につきましては、引き続き協議をしてまいります。

○原田委員 つまり、避難スペースはいつ出るかわからないという極めて重大な答弁だったということですか。お答えください。

○根来公園計画担当部長 運用面も含めた避難スペースの詳細につきましては、引き続き協議をしていく必要があるということで、引き続き協議をしていくというふうにお答えをさせていただいたものでございます。

○原田委員 じゃあ、最後にこれを聞いておきます。この質問はこれで終わりますけれども、工事前に示されるんですか。スタジオツアーの着工前に避難スペースは明らかにされるのか、着工後になる可能性もあるのかお答えください。

○根来公園計画担当部長 建設計画の概略につきましては、これまでも住民説明会等で明らかにされてございます。その中で避難場所の考え方なども説明がされていると認識をしてございます。

○原田委員 建設計画の中で避難スペースは出ると、やっと答弁が出てまいりました。本当は今の時点で出ないとおかしいと私は思っているんですけれども。しかしながら、防災拠点として、都民の膨大な税金が注がれるはずの練馬城址公園の、最もまとまった平たんな土地に巨大な建築物が乗っかってしまうという、大問題なわけですね。
 その避難スペースがどうなるかわからないまま、としまえんが解体され、テーマパークをつくることだけは決まり、既成事実が重ねられていくということは、日本共産党都議団としては看過できない問題と指摘するものであります。
 防災拠点となる公園の拠点エリアにテーマパークが建つ。このことに多くの方が危惧の念を持ち、今回の三本の陳情も出てきたと思われますのでお聞きしますが、そもそも練馬城址公園の用途地域は、現在テーマパークや遊園地など遊戯施設を設置できる用途地域なのかお示しください。

○根来公園計画担当部長 練馬城址公園一帯の用途地域は、主に第二種住居地域となっており、これまでもとしまえんが営業しておりました。なお、個々の建物等について、建築基準法では申請書を提出し、建築の確認を受けることとなってございます。

○原田委員 今の答弁ではわからないわけですよ。第二種住居地域という言葉が出てきましたので指摘しておきますけれども、公園審議会に提出された資料の記載で、この地域は第二種住居専用地域と記載されていましたが、そんな用途地域はありませんで、正しくは第二種住居地域です。都市計画の分野とはいえ、建設局にとって焦眉の課題である練馬城址公園の整備に当たって、その地域の用途地域の記載がずっと間違ったまま記載され続けるということに、ちょっと私は、誰も気づかなかったのかと驚くんですけれども、まさか西武にほとんどお任せで計画が進んでいるわけじゃないと思いますけれども、訂正しておいていただければと思います。
 さて、第二種住居地域というのは、一万平米以下の店舗を建てられるなど、かなり大きな用途に使える土地なわけなんですが、そうはいっても、主に住宅環境を守る立場から据えられた用途地域です。旅館やホテルは建てられますが、ラブホテルや風俗店は許されません。遊技施設はつくれますけれども、例えばマージャン屋、パチンコ屋は営業できますが、カラオケボックス等は大体丸のようなんですけれども三角の場合もあるという地域だと。一方で、劇場、映画館、演芸場、観覧場は建てられません。
 さて、先ほどの答弁は、練馬城址公園一帯の用途地域は、第二種住居地域となっており、これまでもとしまえんが営業というものでしたが、私はこれからのことを聞いていたわけですから、それを答えていただきたいと。新たな大規模遊戯施設はこの地に開設できないんじゃないですか。

○根来公園計画担当部長 練馬城址公園一帯の用途地域は、主に第二種住居地域となってございます。これまでもとしまえんが営業しておりました。
   〔発言する者あり〕

○原田委員 今、都民ファーストの委員からいい答弁だったという声が出ましたが、私は全くいい答弁だと思いません。
 改めて聞きます。第二種住居地域に大規模な遊戯施設は建てられないんじゃありませんか。

○根来公園計画担当部長 繰り返しとなりますけれども、練馬城址公園一帯の用途地域は、主に第二種住居地域となっております。これまでもとしまえんは営業してございました。

○原田委員 よみうりランドという遊園地があるんですけれども、ここもそろそろ改築の話があるんですかね。ただし、ここは、実は第二種住居地域で、建築基準法上、既存不適格になっていると。だから、よみうりランドの場合は、既存不適格の状態から用途地域の緩和をしていこうという話が進んでいるのかな。なので全く同じなんですよ。
 今回の場合は、一度としまえんをなくしちゃっていますから、既存不適格の状態だったと思われるんですね。これがなくなった後に新たな遊戯施設は建てられないんじゃないのかと思うんですね。
 もう一回聞いても、こういう事例を示しても、壊れたテープレコーダーのように、今まではやっていましたという答弁が繰り返されるだけですから、こういう聞き方にしたいと思いますけれども、今回計画されているワーナーブラザースのスタジオツアーは、テーマパークなど遊戯施設と考えられますが、都の率直な認識を伺います。

○根来公園計画担当部長 スタジオツアー施設につきましては、覚書に基づき、緑と水、広域防災拠点、にぎわいといった三つの基本目標の実現の一翼を担うことに配慮することとしてございます。

○原田委員 その先を聞きたかったんですけど、ただ、なるほど重要な答弁だったかなとも思います。まだ協議中だとかいってかわすのかなと思っていたんですけど、東京都は、スタジオツアー計画が緑と水、広域防災拠点、にぎわいの三つの基本目標に配慮している計画だと思っているということ。スタジオツアーのどこを見て、この三つの基本目標に配慮した計画だと思ったんですか。聞かせてください。

○根来公園計画担当部長 スタジオツアー施設につきましては、まず、防災拠点の実現に配慮し、避難場所ともなる広場空間や避難動線の確保など、防災機能を強化するための整備を進めることとなってございます。
 また、樹木についても、既存の樹木を保存すること、また新たな植栽を進めることなども取り組むというふうに聞いてございます。

○原田委員 改めて聞きますけど、この施設はテーマパークなど遊戯施設と考えられますが、都の率直な意見を聞きたいんですけど、同じ答弁が繰り返されると時間の無駄なんで、違う聞き方をしたいと思います。
 スタジオツアーは、どんな施設として、その目的を何といって、今、手続を進めているのか教えてください−−まともに答えないから違う聞き方をしたんですけど、わかりませんか。

○根来公園計画担当部長 失礼いたしました。住民説明会の資料の中では、スタジオツアー計画ということで示されてございます。

○原田委員 スタジオツアー計画ということになれば、テーマパークというふうに理解すると思うんですけれども、スタジオツアーは、みずからの目的を博物館として申請をしていませんか。

○根来公園計画担当部長 住民説明会の資料によりますと、名称はスタジオツアー計画となってございまして、建物の用途として、博物館その他これに類するもの、自動車車庫と記載がございます。

○原田委員 私は、この問題を少し前から部長にも聞いておりまして、テーマパークなど遊戯施設なんですかと、都の率直な認識をお聞かせくださいという質問を事前に投げていたんですけれども、全く違う答弁が来ていたと。よくよく見てみますと、実はテーマパークじゃないんですね。目的が博物館だという申請になっていると。この件は今後、議論が必要になると思いますが、きょうの陳情の趣旨からそれていきますので、この辺にしますけれども、極めて重大な問題だと思いますよ。
 練馬区民にとって非常に重要な防災の拠点に、スタジオツアーというものがどすんと座ってしまうと、防災の拠点中の拠点に。その施設が本来だったら、遊戯施設だったら建てられないはずだったと、第二種住居地域ですから。それに対して遊戯施設ではなく博物館として申請をしたかもしれないと。私は、この事業者に対して非常に不信感を住民が持ってしかるべきだと思いますし、本当にこういう事業者といいますか、この覚書のあり方について、東京都は信頼していっていいのかと。防災拠点は本当に守られるのか、しっかりと見張っていかなきゃいけない立場に立っていると思います。
 地域住民も夢見た、水と緑の防災公園にとって、寝耳に水のスタジオツアー誘致のスクープが読売新聞から寄せられたその日、とある東京都議会議員がツイッターでこういっています。
 ワーナーブラザースがテーマパークをつくる件。テーマパークといっているんですけど、まだ交渉中なので表には出さなかったのですが読売新聞に抜かれました、都区間の調整がうまくつかず十年ほど膠着状態になっていた公園整備計画を、昨年から私が間に入り動かしたものと書いています。
 まず、計画が十年ほど膠着状態だったのかどうか、都の認識をお聞かせください。

○根来公園計画担当部長 都は、平成二十三年の東日本大震災を受けて改定した都市計画公園・緑地の整備方針に基づき、事業化に向けて、優先整備区域内における土地所有者及び地元区と情報交換や意見交換を行ってまいりました。

○原田委員 そうですよね。だからこういう水と緑、防災の拠点が、この練馬城址公園にはつくられるという話が、今の答弁にもあったようにつくられてきたわけですよ。つまり、今の答弁からすると、土地所有者や地元区と適切に対応していたということですよね。少なくとも膠着状態ではなかったという答弁でよろしいですか。

○根来公園計画担当部長 繰り返しとなりますけれども、都は、事業化に向けて、優先整備区域内における土地所有者及び地元区と情報交換や意見交換を行ってまいりました。

○原田委員 膠着状態だったということなのかな。よくわからないんですけれども、練馬城址公園は、重点公園の手続、優先整備区域の指定と、東京都の正式な手続を経て、しかも防災拠点という使命を負って選定されてきました。それが、一都議が間に入って重大な方向性の変化がもたらされたとしたら重大問題ですので、お聞きしますが、今回の公園整備について、この都議会議員が都と西武の間に入り動かしたのは事実ですか。あるいは、少しでも話し合いに参加した事実があるのか。事実であれば、それはいつごろか教えてください。

○根来公園計画担当部長 都は、事業化に向けて、優先整備区域内における土地所有者及び地元区と情報交換や意見交換を行いますとともに、地元都議に適切に情報提供をしてまいりました。

○原田委員 重大な答弁が出てまいりました。もう一度お聞きしますけれども、これ、読売新聞のスクープの前に、この地元の都議に情報を提供していたということですか。それとも読売新聞の後の話ですか、どっちですか。

○根来公園計画担当部長 都といたしましては、事業化に向けて、優先整備区域内における土地所有者及び地元区と情報交換や意見交換を行いますとともに、地元都議に適切に情報提供をしてまいりました。

○原田委員 その情報提供がいつだったのか。これは今、共産党だけじゃありませんよ、ここの委員会にいる皆さん聞きたいと思っていると思いますよ。一体いつ、この地元都議には情報提供を行っていたのかというか、読売新聞のスクープ前に、この都議がいうように読売新聞がすっぱ抜く前に情報提供をしていたんですか。

○根来公園計画担当部長 東京都は、東日本大震災を受けて、都市計画公園・緑地の整備方針を改定した平成二十三年以降、事業化に向けて、優先整備区域内における土地所有者及び地元区と情報交換や意見交換を行ってまいりました。また、あわせて地元都議に適切に情報提供をしてまいりました。

○原田委員 いつの情報提供なのかがないので、今のままだとこの都議がいっていたように、間に入って、この都議が膠着状態だったのを動かしたという、その都議に東京都は情報を提供していたという答弁で終わってしまいますけれども、本当にいいんですね。これ以上聞いてもまともな答弁が出てきませんので、極めて不透明になってきたということを指摘したいと思います。
 いずれにしても、極めて不透明なまま、この地域の防災機能に深くかかわる問題が生じています。その点では、防災上の情報の提供を求め、広域避難場所としてのあり方の熟慮を求める三本のそれぞれの陳情には、いずれも日本共産党都議団として思いを共有するものであり、いずれも採択を主張して、質問を終えます。

○西沢委員 私からも練馬城址公園についてお伺いをしていきたいと思います。
 これ、陳情が幾つか出ていますけれども、いずれも、先ほど来話がありますけれども、防災機能の向上をしっかりしてほしいということだと思うんですね。これはもう当然、私どもとしても防災機能はしっかりとしなければいけないということでございますけれども、個人的に私も、としまえんについては非常に思い入れもあるので、閉園そのものが大変残念だというように思っています。
 この陳情を審査するに当たって思い返しますけれども、私はもともと練馬に住んでおりまして、小さいころからとしまえんのヘビーユーザーでございまして、小さいころから家族で行く場所もとしまえんだし、地域で行くときもとしまえんだし、学校での遠足もとしまえんだし、サッカークラブに入っていましたけど、レクリエーションも大体としまえんに行っていましたし、中学校に入って初めてのデートもとしまえんでしたし、成人式もとしまえんで迎えました。乗り物の場所とかトイレの場所も全部把握していますし、多分、としまえんの従業員より私の方が詳しいぐらい、場所をわかっています。
 そういった意味から、大変思い入れがありまして、閉園自体はすごく残念で、地域の方々、また広く来園していた方々の気持ちというものは、思いは共有できるものだと思っています。
 この計画は、これまでの議論がありましたので、余り申し上げませんが、東日本大震災を契機に、防災機能向上を理由として現在の計画に至っているということでございます。
 今回の陳情は、防災という点での内容は、幾つか出ているもの、一緒ではありますが、一つは、としまえんの継続の場合と、そうでない場合の比較をしてほしい。場合によっては中断をしてほしいという内容のもの、もう一方は、浸水などにも配慮した上で防災をしっかり進めてほしいと、こういうものでございます。目的や思いは一緒なんだと思いますが、これは見方によれば相反する陳情が出ているというようなことでございます。
 としまえんを継続した場合の比較についてですけれども、当然ですけれども、もう既に閉園してしまっています。陳情者の意を酌みたいと私は思うわけでありますが、大変残念なことに既に閉園しています。一応、念のため確認をいたしますが、としまえんが継続、つまり再開園をする予定が、可能性はあるんでしょうか。
 また、防災面について、スタジオツアー施設については、事業者は防災面について協力するということなんですが、その内容についてお伺いをいたします。

○根来公園計画担当部長 都は本年六月、地元区及び西武鉄道など関係事業者と覚書を締結し、緑と水、広域防災拠点、にぎわいの三つの基本目標の実現に向けた公園整備を連携協力して進めることといたしました。また、西武鉄道は同月に、としまえんの閉園を公表し、八月には、この覚書に基づき、都による段階的な公園整備に合わせて、としまえん跡地の一部でのスタジオツアー施設の開発に関する契約を関係事業者と締結したことを発表いたしました。
 なお、このスタジオツアー施設につきましても、覚書に基づき、避難場所ともなる広場や避難動線を確保するなど、防災拠点の実現に向けた配慮が行われることとなってございます。

○西沢委員 寂しいですけれども、西武は公園事業に協力するということで、再開の予定はないんだというようなことでございました。また、防災機能を踏まえての整備をしていくというような答弁もございまして、今回の陳情の前提が既に変わっている、または既に達成しているということを確認しました。
 質問を終わります。

○佐野委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 初めに、陳情二第七〇号及び陳情二第七一号を一括して採決いたします。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、いずれも採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○佐野委員長 起立少数と認めます。よって、陳情二第七〇号及び陳情二第七一号は、いずれも不採択と決定いたしました。
 次に、陳情二第七二号を採決いたします。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○佐野委員長 起立少数と認めます。よって、陳情二第七二号は不採択と決定いたしました。

○佐野委員長 次に、陳情二第八一号の一を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○原島道路計画担当部長 それでは、お手元の資料3、六ページにございます陳情審査説明表の整理番号3、陳情二第八一号の一をお開き願います。
 本件は、特定整備路線の建設中止及び新型コロナウイルス感染症対策への財源活用に関する陳情で、品川区の東京都特定整備路線連絡会代表多田康弘さん外千四百七人から提出されたものでございます。
 陳情の要旨は、住民追い出し、まち壊しの特定整備路線の建設を中止し、その財源を新型コロナウイルス感染症対策に活用することとのことでございます。
 現在の状況でございますが、都は、今後三十年で七〇%の確率で発生すると予測される首都直下地震の切迫性や、東日本大震災の発生を踏まえまして、震災時に特に甚大な被害が想定される木造住宅密集地域を、燃え広がらない、燃えないまちとすることを目指し、平成二十四年一月に木密地域不燃化十年プロジェクトを立ち上げ、防災上効果の高い特定整備路線の整備を進めております。
 特定整備路線は、震災時の大規模な市街地火災に対して、延焼を遮断し、避難路や緊急車両の通行路となるなど、都民の生命と財産を守る極めて重要な都市基盤であり、未来の東京戦略ビジョンにおきまして、災害の脅威から都民を守る強靱で美しい東京の実現のために必要な事業として位置づけております。
 また、防災都市づくり推進計画におきましては、震災時の被害拡大を防ぐため、特定整備路線の整備と市街地の不燃化を一体的に進めることで、より高い施策効果が発現されるものとしております。
 現在、計画した二十八区間、約二十五キロメートル全てで事業中であり、関係権利者に対して丁寧に説明するとともに、民間事業者を活用した相談窓口の設置などにより、生活再建をきめ細やかに支援してきておりまして、これまでに約五割の用地を取得し、十七区間で工事に着手するなど、着実に事業を推進しております。
 今後とも、関係権利者に丁寧に対応し、理解と協力を得るとともに、きめ細やかな生活再建支援を行いながら、安全・安心なまちづくりに資する特定整備路線の整備を進めてまいります。
 説明は以上でございます。ご審査のほどよろしくお願い申し上げます。

○佐野委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○西野委員 首都東京における大きな課題の一つとして、災害への対策が挙げられます。その中でも首都直下地震は、先ほど説明にもありましたが、今後三十年で七〇%の確率で発生すると予測されるなど、差し迫った危機であると認識しております。
 特に木密地域では、老朽化した木造住宅や狭隘な道路などが多く存在し、地震、火災など大きな被害が想定されていることから、木密地域の防災性向上は、首都東京にとって待ったなしの課題であります。
 都は、こうした首都直下地震の切迫性や東日本大震災の発生を踏まえて、平成二十四年一月に木密地域不燃化十年プロジェクトを立ち上げ、木密地域を燃え広がらない、燃えないまちとするための取り組みを進めており、我が会派としても推進してきたところであります。
 このプロジェクトでは、市街地の不燃化とあわせて、防災上効果の高い特定整備路線の整備も進めており、これまでの用地取得率は五割に達成するとともに、計画した二十八区間のうち十七区間で工事に着手するなど、事業は着実に進捗しております。
 そこで、改めてこの特定整備路線の必要性と今後の取り組み内容についてお伺いをさせていただきます。

○原島道路計画担当部長 特定整備路線は、震災時に特に甚大な被害が想定される木造住宅密集地域におきまして、延焼を遮断し、避難路や緊急車両の通行路となるなど、都民の生命、財産を守り、地域の防災性向上に大きな役割を果たす重要な都市基盤でございます。
 今後とも、関係権利者に対しまして丁寧に対応し、理解と協力を得るとともに、民間事業者を活用した相談窓口などによるきめ細やかな生活再建支援を実施し、用地取得を着実に進めてまいります。あわせまして、用地が確保できた箇所から順次、工事を実施するなど整備を推進してまいります。

○西野委員 今の答弁で、特定整備路線の必要性と今後の取り組み内容について、改めて認識をさせていただきました。
 冒頭述べたように、木密地域には狭隘な道路も多いことから、災害時に一たび火災が発生いたしますと、地域住民の避難や、救急車、消防車の通行等にも支障を来すおそれがあります。
 延焼遮断のほか、避難路や緊急車両の通行路ともなる特定整備路線は、まさに都民の生命にかかわる事業で、コロナ禍にあっても、いっときもとめず進めていくことが重要であると思います。
 また、市街地の不燃化とあわせて取り組むことで、より高い効果を発揮することから、木密地域の防災性向上に向け、特定整備路線と市街地の不燃化を一体的に取り組んでいかなければならないと考えます。
 我が会派といたしましては、平成三十年十二月に、国に対し、木密地域の対策を初めとする東京の重要施策を着実に推進するための仕組みづくりを要望し、それを受けて、国と都の実務者協議が設置されました。本年八月までに三回の協議会が開催されたところであり、会派として施策の推進を一層後押ししていく所存であることから、本陳情については不採択を主張させていただきます。
 なお、特定整備路線の事業への協力に伴い、移転等が必要となる関係権利者の中には、移転や生活再建等に不安を感じている方もいらっしゃいます。整備推進に当たっては、そうした関係権利者を初め、地域の住民の方々の理解と協力が不可欠であり、丁寧な説明や権利者の要望に応える支援などにより、引き続き住民の方々にきめ細やかな対応を行いながら整備を進めていくことを期待して、質問を終わります。

○原田委員 陳情二第八一号の一について質疑をさせていただきます。
 本陳情は、これまで多くの都民とのあつれきを生みつつ、巨額の税金を垂れ流し、一方では不用額をたたき出し続けている特定整備路線について、コロナ禍の今こそ、都民の苦難軽減のため、コロナ対策などに有効に使うべきことを求める陳情であります。
 日本共産党都議団としては、採択の立場から意見を表明するとともに、私がこの間、調査をしてまいりました特定整備路線の一つである補助八六号線について幾つかの質問をさせていただきます。
 まずは、特定整備路線に対する我が党都議団の意見を述べさせていただきますが、特定整備路線は、市街地の延焼を遮断するなど防災性向上の目的で特別に選ばれた都市計画道路であり、二十八区間、約二十五キロで整備が進められてきました。
 しかし、優先性の根拠も不明確で、パブリックコメントもしないで一気に事業化したことで住民とのあつれきは高まり、莫大な予算を立てた十年プランの最終年度であることしに至っても、一路線も完成をしていないのが実態です。
 特定整備路線が延焼遮断帯になるという都に対し、二〇一五年の環境・建設委員会において、我が党の米倉春奈都議が、都の延焼シミュレーションは、この延焼遮断帯があることで、どれだけの建物が延焼しないで済むかを明らかにするものではなく、単に道路に向かって九十度で強い風が吹いた場合に、炎が道路を越えるか越えないかを確認したというものにすぎないということを証明していました。決して、延焼遮断帯ができたからといって、このまちの火災がやむということを示すデータではない。これが延焼遮断帯の根拠となっている延焼シミュレーションの実態なんですね。炎が出た場合に、道路を越えるか越えないかだけを見たものなんです。
 そもそも、阪神・淡路大震災における焼死の割合は九%で、家屋倒壊が原因とされる死者数こそ八〇%で圧倒的です。東日本大震災では津波による死者が圧倒的ですが、ここでもやはり圧死は焼死者の四倍ほどありました。焼死者を防ぐこととともに、家屋の倒壊にこそ一番の力を入れることが、震災の被害を減殺する最大の手だてだということがいえると思います。家屋の倒壊こそ火災を引き起こす原因になりやすいことからも、家屋の耐震補強は極めて重要です。
 そこで、来年度に向けた都市整備局の住宅耐震助成の予算見積もりを見てみました。すると、私たちが求めてきた住宅耐震の予算要求が、今年度予算と比べて三億円近く見積もりが引き上げられておりまして、五億七千万円になっていました。
 道路行政から比べると余りにも少ないのですが、これでも九百五十九棟分の助成ができます。約六億円で千棟ほどの耐震補強が進むと。もっと助成額を引き上げれば、大規模に災害に強いまちづくりが実現できます。
 一方で、改めて、特定整備路線全体の総工費は幾らになるのか、資料に目を通してみますと、二十八区間で三千五百四十七億円。一方で、予算は立てられても使われずに終わる税金もたくさんあり、不用額ですね。このお金が住宅耐震補強に使われたら、どれだけ災害に強いまちになっていたか。あるいは、コロナ禍で仕事が減り、あるいは失業して苦しむ都民やその子供たちがあす食べるものにも困っているのを、そういう状態を助けるために、都民福祉に優先的に使っていたら、よほど世のため人のためになるんじゃないかなと考えるのは、私はごくごく当然のことだと思うんです。
 こうした特定整備路線の問題点を指摘するべく、この間、調査をしてきました北区赤羽西の補助八六号線計画を見てみますと、たった一・二キロメートル弱の道路整備に総工費は二百十三億円、用地取得率は六三%となっていますが、そのほとんどは国有地で、実際にはこの数年、用地買収はさほど進んでこなかったのが実態です。
 住民を苦しめるとともに、用地取得費は不用額を出してばかりと。しかも、道路をつくることは決めておきながら、難しい箇所の施工方法は決まっておらず、総工費がはね上がる危険性だってあるのがこの計画です。
 太田道灌ゆかりの稲付城跡地に連なる高台、道灌山と皆さん呼んでいらっしゃいますけど、その下にトンネルを通す計画となっています。
 そこでお聞きしますが、事業化されて五年もたつのに、なぜトンネルの構造が決まらないのか。開削工法と横から掘る工法で、それぞれのメリットと困難性をどう考えているのか、あわせて伺います。

○原島道路計画担当部長 特定整備路線として整備いたします補助第八六号線、赤羽西地区は、赤羽駅西口付近から赤羽自然観察公園を経て、都道本郷赤羽線に至る延長約一・二キロメートルの都市計画道路でありまして、現在、六割の用地を取得しております。
 トンネルの構造につきましては、現在、施工性、経済性、周辺への影響などを踏まえまして、開削工法及び非開削工法について比較検討を進めております。
 開削工法は、工事期間が短く、経済性にすぐれておりますが、工事ヤードや搬入路を新たに確保するなどの課題がございます。一方、非開削工法は、工事ヤードの確保は必要ありませんが、工事期間が比較的長く、費用も高くなります。
 引き続き、トンネル構造に関する詳細な検討を進めまして、周辺環境などに配慮した最適な工法を選定してまいります。

○原田委員 用地取得は六三%まで行っていると、半分を超えているというような話をしていましたけれども、(パネルを示す)この道路のうちの、ここが国有地ですよね。六三%のうちといいますけれども、その六三%の用地取得のほとんどが実は国有地なんで、もとから手に入っているといっても過言ではないと。だから、実際は、用地買収が進んでいるのは実はかなり少ないんですね。
 最適な工法を選定するということなんですけれども、用地買収に入っているのに難所の施工方法も決まっていないなんていうのは、特定整備路線というのは本当にひどいなと思うんですね。
 トンネルのすぐ斜め上には、反対をしている住民の訴訟原告団長、高崎忠道氏が住職を務める静勝寺があります。トンネル上部で買収するお宅には、その檀家さんも含まれている。
 開削工法では、上からの掘削のために、さらに幅広い宅地を買収しなければならないと。しかも、この山の北側は、太田道灌の稲付城跡地として、歴史的文化財、旧跡として指定されておりまして、山全体も、住宅地の部分も含めて、道灌山として地域住民から慕われておりまして、住民の反発がさらに大きくなるのは確実ということなんですね。
 一方で、軟弱地盤の低い山を横から掘るのも極めて難しい作業になります。土かぶりも数メートルしかありません。だから、費用は三・四倍ともいわれて、工期も長くなる。トンネルの型枠を、地盤が崩れないように押し込みながら少しずつしか進めないから、こんなに工期も長くなっちゃうんですね。
 地下には湧水が存在するため、地盤沈下が避けられず、補償するしかないとされているようです。いまだに工法が決まらないのは、こういう事情があるからなんじゃないですか。
 そのトンネルの出口から、既存の七メートル幅の道路、通称弁天通りを両側に二十メートルまで拡幅して通す部分について質問します。
 弁天通りというのはここですね。ここからこうやって伸びているんですけど、ここは七メートルなのを二十メートルに延ばすわけですけれども、完全に住宅地です。相当の立ち退きを強いられて、これはなかなか用地買収が進むはずがないですよね。
 この通りはもともと湿地帯だったところで、地下は軟弱地盤ですが、道路完成後の地盤沈下をどのように建設局は予測しているのかお聞かせください。

○原島道路計画担当部長 平成二十九年度に実施いたしました地質調査の結果、弁天通り付近の地盤は何も対策を実施しない場合、道路整備後、十センチメートル程度沈下する可能性があるため、軟弱地盤対策の検討をすることとしております。

○原田委員 当局自身が地盤沈下の危険性を認めるほど、あそこの地盤は弱いわけです。幅二十メートル、七百メートル以上も地盤改良すると。これは非常に困難ですし、逆に、地盤改良のやり過ぎで地下水の流れを変えてしまうとか、汚染であるとか、環境破壊も心配になるわけです。そうした経費も本当に総工費に組み込まれているのか、気になるわけですよね。
 弁天通りが左に曲がりながら、ここですね、左に曲がりながら坂を上っていく交差点から、八六号線は曲がらず直進し、七メートルから十メートルの段差の崖線の上を崖に沿って、崖上のスポーツの森公園と崖下の自然観察公園を分割するルートをたどります。
 弁天通りはこのように曲がるんですが、八六号線は真っすぐ行って、この自然観察公園を横切ると。崖を潰しながら、横切りながら行くわけですね。
 自然観察公園に向かって、道路に傾斜を設けて上がっていく必要がありますが、最大の傾斜は何%になり、現在の弁天通りの最大傾斜と比べて傾斜がどれだけ上がるのか、これは一般的に車椅子の人が自力で上がれる角度なのか教えてください。

○原島道路計画担当部長 現況の弁天通りでは、九%を超える勾配の箇所がございます。現在、東京都福祉のまちづくり条例施設整備マニュアルなどの基準に基づきまして、最大で八%以下の勾配となるよう設計を進めております。

○原田委員 弁天通りの最大傾斜が九%というんですけれども、それはほんのわずかな距離なんですね。しかし、この道路は数百メートルにわたって八%で上っていく道路になります。車椅子の自力走行の限界角度が八%です。こんなに長い距離を限界角度で車椅子で上らせることが本当にバリアフリーなのかと。この地域は何と、区のバリアフリー重点整備地域に指定されているわけですよね。バリアを新たにつくってしまうことなど許されないんじゃないかと声が上がっているわけです。
 その点では、住宅地を横切るこの道路の影響で、弁天通りから公園に上がっていく交差点は、現在のような平面交差が可能なのか、立体交差になるのか、構造は確定しているのか、道路用地以外のお宅の用地買収が必要になることもあり得るのかお答えください。

○原島道路計画担当部長 当該箇所は、弁天通りを挟み、南側が高く北側が低い地形となっております。そのため、南側の地形に沿って基本的な勾配を設定しておりまして、北側については、副道の設置により、本線への接続を確保する対策案を作成し、関係機関と協議を行っております。
 なお、都市計画線外の残地買収につきましては、必要に応じて個別の用地折衝の中で確定していくこととしております。
 引き続き、区道と接続する箇所等におきましては、周辺の利用状況に配慮し、設計を進めてまいります。

○原田委員 仮にうまく新規の用地買収を免れたとしても、交差点が完成すれば、周りの住宅から八六号線へのアクセスは、大半が壁に阻まれ、副道を回り込まねば道路に上れなくなります。住宅地の前にこういう壁ができるんですね。今はこうやって道路が普通に行き来できるんですけど、突然、今まで通っていた南北の道路に壁ができるんです。
 道路を通る人にとっては、車には便利かもしれませんけれども、その道路も勾配八%で、車椅子の自力走行の限界、住んでいる人たちにとっては、いつも行き来していた南北の道に突然壁ができて、向こうに渡るには副道を上って道路に出て、信号のところまで行かなきゃいけないと。こんな不便を住宅街に持ち込むのは、本当にひど過ぎると思うんですね。道路優先も本当に甚だしくて、時代おくれの計画だといわざるを得ません。住環境を破壊するだけではありません。自然破壊もこの道路は甚だしいものがあります。
 そこで、自然観察公園の横を通す部分について質問します。
 自然観察公園の南側の崖線に沿って道路を整備するということですが、崖の側面をコンクリートで覆うということになるのか。その場合、崖の上からしみ出てくる自然観察公園の湧き水はかれてしまうのではないか。
 湧き水がかれていくと、その湧水を流して二十年以上生育させてきた公園内の動植物が壊滅状態になる危険があるのではないか、そういう指摘があるわけです。お答えいただきたいと思います。

○原島道路計画担当部長 現在、自然観察公園のじゃぶじゃぶ池周辺の擁壁の構造検討に先立ちまして、公園内の湧水や地下水、動植物の調査を行っております。
 今後は、調査結果に基づきまして、周辺の環境に配慮した設計を行っていくこととしております。

○原田委員 湧き水に配慮しながら道路をつくるといいますけれども、これですよ、この公園のまさに崖に沿って道路がつくられるわけですよ。その崖にL字のコンクリート壁をつくって、擁壁の壁面と下の地面をがちがちに固める工法が最有力案として検討されていることが、住民団体の開示請求した資料で明らかにされています。
 水はここから湧いているわけですよ、こっちの崖の上の方から。で、この池をつくっている。これが全部崖が閉じられてしまうと。環境に配慮した設計を行うといいますけど、配慮のしようがないといいますか、完全に湧水も閉じ込められてしまうし、そうなれば配慮のしようがないと。改めてひどい計画だなと思います。水をかれさせないよう、橋脚を建てる案というのもあったようなんですが、これは有力案にはなっていないと聞いています。
 自然観察公園は、じゃぶじゃぶ池と周辺の湧き水がかれたら大きな水源を失って、公園全体がだめになってしまうことになる。道路計画で都心に残された貴重な自然が破壊されるなど、こんな時代錯誤の計画が許されるのかと。
 八六号線は、自然観察公園を破壊した後、北区西が丘の補助八五号線に斜めにぶつかって完結します。その先の板橋に通じる道路は既に路線として廃止されています。本当に初めから終わりまで問題だらけのこの一・二キロの都市計画道路は本当に必要なのかと。住環境を破壊し、自然を破壊し、防災対策というのなら、ここにかかるお金を耐震補強の助成に使った方がよほど大きな威力を発揮すると思います。
 特定整備路線は、大山ハッピーロード商店街を踏み潰す補助二六号線、住宅街や商店街に大規模な立ち退きを迫る補助二九号線、さらには大学を貫き分断する放射二号線などなど、各地で住民との重大な対立を生んでいます。
 陳情が求めるように、コロナ禍のもとで本当にこのようなことをしていていいのか。税金の使い方というものを真剣に考えなければならないときが来ているということを指摘しつつ、改めて本陳情の採択を主張して、質疑を終わります。

○佐野委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○佐野委員長 起立少数と認めます。よって、陳情二第八一号の一は不採択と決定いたしました。
 以上で陳情の審査を終わります。
 以上で建設局関係を終わります。

○佐野委員長 これより環境局関係に入ります。
 初めに、第四回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。

○栗岡環境局長 令和二年第四回定例会に提出を予定しております環境局関係の案件につきまして概要をご説明申し上げます。
 お手元の資料1、令和二年第四回都議会定例会提出予定案件の概要をごらんください。
 今回提出を予定しております案件は、予算案一件、条例案一件及び事件案五件でございます。
 表紙をおめくりいただき、一ページをごらんください。まず、予算案の概要につきましてご説明申し上げます。
 まず、令和二年度一般会計補正予算(環境局所管分)についてでございます。
 令和元年度台風第十五号及び第十九号による災害廃棄物の適正かつ円滑、迅速な処理を支援するため、国の内示に基づきまして基金を造成し、対象事業費を計上するものでございます。
 (1)、一般会計補正予算計上額でございますが、歳入予算につきまして二千四百七十八万八千円を計上してございます。
 歳出予算につきまして二千四百七十八万八千円を計上してございます。
 (2)、補正事項でございますが、歳入予算につきまして、国庫支出金について千二百三十九万四千円、繰入金につきまして千二百三十九万四千円の計上を行うものでございます。
 次に、歳出予算につきまして、環境費について二千四百七十八万八千円の計上を行うものでございます。
 続きまして、条例案の概要につきましてご説明申し上げます。
 東京都災害廃棄物処理基金条例についてでございます。
 特別区及び市町村が実施する特定非常災害等により生じた災害廃棄物の収集、運搬、処分に係る事業を支援するため、東京都災害廃棄物処理基金を設置するものでございます。
 続きまして、二ページをお開き願います。事件案の概要につきましてご説明申し上げます。
 まず、1、東日本大震災における原子力発電所の事故に係る損害賠償請求に関する和解のあっせんの申立て(その八)についてでございます。
 東日本大震災における原子力発電所の事故に係る損害賠償請求に関する紛争につきまして、和解のあっせんを申し立てるものでございます。
 次に、2、東京都立奥多摩湖畔公園山のふるさと村の指定管理者の指定についてなど、指定管理者の指定に係る事件案四件でございます。
 以上、今定例会に提出を予定しております案件の概要につきましてご説明申し上げました。
 詳細につきましては、引き続き総務部長からご説明申し上げます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○松永総務部長 それでは、令和二年第四回定例会提出予定案件の詳細につきましてご説明申し上げます。
 初めに、お手元の資料2をごらんください。令和二年度一般会計補正予算説明書についてでございます。
 表紙をおめくりいただき、一ページをごらんください。1、歳入予算総括表でございます。
 歳入予算を補正する款は国庫支出金及び繰入金でございまして、合計で二千四百七十八万八千円を計上するものでございます。
 次に、二ページから三ページにかけまして、歳入予算の補正の内訳についてご説明申し上げます。
 二ページをごらんください。項は国庫補助金、目は環境費国庫補助金でございます。
 内容につきましては、右側の説明欄にございますとおり、災害等廃棄物処理促進費補助金として一千二百三十九万四千円を計上するものでございます。
 三ページをごらんください。項は基金繰入金、目は災害廃棄物処理基金繰入金でございます。
 内容につきましては、右側の説明欄にございますとおり、災害廃棄物処理基金からの繰入金として一千二百三十九万四千円を計上するものでございます。
 四ページをお開き願います。2、歳出予算総括表でございます。
 歳出予算を補正する款は環境費でございまして、合計で二千四百七十八万八千円を計上するものでございます。
 五ページをごらんください。歳出予算の補正の内訳についてご説明申し上げます。
 項は廃棄物費、目は廃棄物対策費でございます。
 内容につきましては、右側の説明欄にございますとおり、災害廃棄物処理基金への積み立て及び災害等廃棄物処理促進費補助として、それぞれ一千二百三十九万四千円、合計で二千四百七十八万八千円を計上するものでございます。
 以上、令和二年度一般会計補正予算につきましてご説明申し上げました。
 続きまして、お手元の資料3をごらんください。東京都災害廃棄物処理基金条例についてでございます。
 表紙をおめくりいただき、一ページをごらんください。制定理由でございますが、特別区及び市町村が実施する特定非常災害等により生じた災害廃棄物の収集、運搬及び処分に係る事業を支援するために、東京都災害廃棄物処理基金を設置する必要があるためでございます。
 二、制定の内容でございますが、一ページから二ページにかけまして、基金の設置のほか、積立額等、基金の取り扱いに関する事項について規定するものでございます。
 三、施行日でございますが、公布日としてございます。
 三ページから四ページまでは本条例でございます。
 続きまして、お手元の資料4をごらんください。東日本大震災における原子力発電所の事故に係る損害賠償請求に関する和解のあっせんの申立て(その八)についてでございます。
 表紙をおめくりいただき、一ページをごらんください。
 一、当事者でございますが、申立人は東京都知事小池百合子。
 被申立人は、二ページでございますが、東京電力ホールディングス株式会社代表執行役、小早川智明でございます。
 二、申し立て先でございますが、原子力損害賠償紛争解決センターでございます。
 三、あっせんを求める事項でございますが、平成三十一年三月三十一日までに東京都が実施した廃棄物処理に係る放射性物質濃度測定等に要した経費につきまして、損害賠償として金二千九百六十五万六千百六円及び損害発生日から支払い済みに至るまで年五分の割合による遅延損害金の支払いを求めるものでございます。
 四、あっせんを申し立てる理由でございますが、平成二十三年三月十一日に発生した東京電力株式会社福島第一原子力発電所及び福島第二原子力発電所の事故に伴う損害賠償金について、東京電力ホールディングス株式会社に支払いを求めましたが、一部これに応じないため、和解のあっせんを申し立てるものでございます。
 なお、当議案は、地方自治法第九十六条第一項第十二号の規定に基づき提出するものでございます。
 続きまして、お手元の資料5をごらんください。東京都立奥多摩湖畔公園山のふるさと村の指定管理者の指定について外事件案三件についてでございます。
 表紙をおめくりいただき、一ページをごらんください。概要を表にまとめてございます。
 整理番号1から順次、ご説明申し上げます。
 整理番号1、東京都立奥多摩湖畔公園山のふるさと村の指定管理者の指定についてでございます。
 公の施設の名称は東京都立奥多摩湖畔公園山のふるさと村、指定管理者の名称は奥多摩町、指定の期間は令和三年四月一日から令和六年三月三十一日まででございます。
 なお、以下の三件につきましても指定の期間は同じでございます。
 次に、整理番号2、東京都立多幸湾公園の指定管理者の指定についてでございます。
 公の施設の名称は東京都立多幸湾公園、指定管理者の名称は神津島村でございます。
 次に、整理番号3の東京都檜原都民の森の指定管理者の指定についてでございます。
 公の施設の名称は東京都檜原都民の森、指定管理者の名称は檜原村でございます。
 最後に、整理番号4、東京都奥多摩都民の森の指定管理者の指定についてでございます。
 公の施設の名称は東京都奥多摩都民の森、指定管理者の名称は奥多摩町でございます。
 なお、これらの事件案は、地方自治法二百四十四条の二第六項の規定に基づき提出するものでございます。
 二ページ以降は、それぞれの議案でございます。
 以上でご説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○佐野委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○佐野委員長 なければ、資料要求はなしと確認させていただきます。

○佐野委員長 次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○宗野資源循環計画担当部長 去る十一月六日に、東京都食品ロス削減パートナーシップ会議が取りまとめました食品ロス削減に向けた提言についてご説明申し上げます。
 お手元の資料6をごらんください。
 Ⅰ、東京都食品ロス削減パートナーシップ会議でございます。
 この会議は、二〇三〇年の食品ロス半減を目指し、食に係る関係者が一堂に会して食品ロス削減の対策の検討などのため設置したもので、昨月、第十回の会議で食品ロス削減に向けた取り組みの方向性について提言をいただいております。
 Ⅱ、提言の概要でございます。
 (1)、食品ロスの現状と課題では、国内及び都内の食品ロスの発生量や、目標達成に向けた事業者、消費者、行政等の主体的かつ連携の重要性が示されております。
 (2)、新型コロナウイルス感染症拡大の影響では、フードサプライチェーンへの影響、安全・安心志向の高まり、社会貢献意識の高まりによる状況変化と対応の方向性が示されております。
 (3)、提言の具体的内容でございます。
 まず、共通編の提言1、各主体の食品ロス削減に向けた連携では、各主体が食品ロス削減の優良事例の共有に都が先導的に取り組むべきとされております。
 二ページをお開きください。事業者編の提言2、製造、卸売、小売、外食で発生する食品ロスの削減、提言3、フードサプライチェーン全体での商慣習等の見直しでございます。
 需要予測や包装、冷凍技術等の先進技術の活用のほか、さらなる納品期限の緩和や賞味期限の年月表示化などを進めるべきとされております。
 次に、消費者編の提言4、売れ残りや食べ残しを防ぐ賢い消費選択、提言5、家庭における食品ロスの削減でございます。
 行き場を失った食材のインターネット販売等の積極的な活用や、ドギーバッグの活用による持ち帰り文化の定着のほか、賞味期限と消費期限の違いなど、正しい知識と理解の普及などを推進すべきとされております。
 次に、行政、NPO編の提言6、事業者との連携及び取り組み支援、提言7、消費スタイルの転換に向けた啓発、提言8、自治体等の連携でございます。
 新たなビジネスモデルの創出を推進するほか、新しい生活様式を踏まえたオンラインによる普及啓発や、防災備蓄食品の積極的な有効活用などに取り組むべきとされております。
 最後に、今後の予定でございますが、本提言を踏まえ、今後、東京都食品ロス削減推進計画を策定する予定でございます。
 資料7は、食品ロス削減に向けた提言の本編でございます。
 以上、簡単でございますが、東京都食品ロス削減パートナーシップ会議で示された提言の内容をご説明させていただきました。どうぞよろしくお願いいたします。

○志村環境改善技術担当部長 土壌汚染対策制度に係る都民の健康と安全を確保する環境に関する条例施行規則の改正についてご説明申し上げます。
 お手元の資料8をごらんください。
 まず、1、背景でございますが、環境確保条例に係る汚染土壌処理基準等については、土壌汚染対策法との整合を図るため、同法に準拠して定めております。
 令和二年四月に、同法施行規則のカドミウム及びトリクロロエチレンの基準が改正されたことから、環境確保条例施行規則を改正するものでございます。
 2、改正内容(案)でございますが、表にお示ししましたとおり、カドミウム及びその化合物については、汚染土壌処理基準の含有量基準を一キログラムにつき百五十ミリグラムから四十五ミリグラムへ、汚染土壌処理基準の溶出量基準を一リットルにつき〇・〇一ミリグラムから〇・〇〇三ミリグラムへ、第二溶出量基準を一リットルにつき〇・三ミリグラムから〇・〇九ミリグラムへ、地下水基準を一リットルにつき〇・〇一ミリグラムから〇・〇〇三ミリグラムへ改めるものでございます。
 また、トリクロロエチレンについては、汚染土壌処理基準の溶出量基準を一リットルにつき〇・〇三ミリグラムから〇・〇一ミリグラムへ、第二溶出量基準を一リットルにつき〇・三ミリグラムから〇・一ミリグラムへ、地下水基準を一リットルにつき〇・〇三ミリグラムから〇・〇一ミリグラムへ改めるものでございます。
 次に、3、改正の影響等でございます。平成三十年度の実績を表にお示ししておりますが、改正後の基準により、新たに基準超過となる案件数は年間数件程度と見込んでおります。
 改正後においても、土壌汚染対策アドバイザー制度等により、技術支援を行ってまいります。
 最後に、4、スケジュールでございます。本年十二月下旬に施行規則を改正、公布し、土壌汚染対策法施行規則と同日の令和三年四月より施行する予定でございます。
 以上、簡単ではございますが、土壌汚染対策制度に係る環境確保条例施行規則の改正についてご報告させていただきました。どうぞよろしくお願いいたします。

○筧環境改善部長 アスベスト規制に関する大気汚染防止法の改正についてご説明申し上げます。
 お手元の資料9をごらんください。
 まず、1、大気汚染防止法によるアスベスト規制の現状ですが、建築物の解体工事等におけるアスベストの飛散防止に向け、大気汚染防止法では、飛散性の高い吹きつけアスベストやアスベスト含有断熱材、保温材など、いわゆるレベル一、レベル二建材の除去工事において、事業者に工事開始前の届け出や作業基準の遵守などを義務づけております。
 なお、アスベストの規制事務につきましては、地域の実情に詳しい区市が行うことが効果的であるため、都は、事務処理特例条例に基づき、区市に事務を移譲しているところでございます。
 次に、2、大気汚染防止法の改正ですが、事業者による工事前調査でのアスベストの見落としや、法の規制対象外であるアスベスト含有成形板、いわゆるレベル三建材の不適切な除去によるアスベストの飛散が全国で顕在化したことを受け、建物解体時の飛散防止を徹底させるため、国は本年六月に法の一部を改正いたしました。
 主な改正内容を下の表に示しておりますが、元請業者が実施したアスベストの事前調査結果を都道府県等に報告することを義務化するほか、レベル三建材を除去する際の作業基準の新設や、違法なアスベスト除去工事を行った者に対する直接罰の創設などといった改正が行われております。
 次に、3、都の対応ですが、法改正に伴い、事業者からの事前調査結果の報告受理や、レベル三建材を対象とした立入検査などの新規事務が発生することから、こうした事務を円滑に実施できるよう、現在、区市と協議中でございます。
 最後に、次のページ、4、スケジュールでございますが、本年十二月を目途に区市との事務移譲に関する協議を終了し、来年二月に事務処理特例条例の改正案を議会に上程、三月には大気汚染防止法の改正に伴う環境確保条例施行規則や関連告示の改正を予定しております。
 以上、簡単ではございますが、大気汚染防止法の改正についてご報告させていただきました。どうぞよろしくお願いいたします。

○佐野委員長 報告は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○佐野委員長 なければ、資料要求はなしと確認させていただきます。

○佐野委員長 次に、陳情の審査を行います。
 初めに、陳情二第七七号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○上田環境政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 それでは、お手元の資料10、陳情審査説明表をごらんいただき、表紙をおめくりいただきたいと思います。
 右側のページをごらんください。整理番号1、陳情番号二第七七号、「ゼロエミッション東京戦略」の区市町村との連携等による成果拡大に関する陳情につきましてご説明申し上げます。
 陳情者は、文京区の認定NPO法人太陽光発電所ネットワーク代表理事の都筑建さんでございます。
 陳情の要旨は、都において、ゼロエミッション東京戦略の成果を拡大、加速するために、以下の内容を都の施策に盛り込むことを検討していただきたいというものでございます。
 1、都内の全ての区市町村が気候危機の現状を正しく把握し、仮称ストップ温暖化宣言等を発し、市民や地域事業者の気候危機認識を高める取り組みを強化するよう働きかけること。
 2、都にはない、地域の市民や中小事業者とのパイプを持つ区市町村やNPO等との連携体制を構築し、結集効果、コレクティブインパクトの拡大を図ること。
 3、再生可能エネルギーの拡大に当たっては、追加性のある取り組み、すなわち再エネ供給の拡大に直接寄与する取り組みを一層強化すること。
 4、途上国や次世代の受動温暖化被害に対する倫理的責任という観点と、産業革命前からの温暖化を一・五度未満にとどめるためのタイムリミットから、受動喫煙対策と同様に直接規制の導入も検討することというものでございます。
 現在の状況でございますが、1、都は、令和元年十二月に、二〇五〇年にCO2排出実質ゼロに貢献するゼロエミッション東京の実現を目指すゼロエミッション東京戦略を策定しております。
 本戦略の策定に当たっては、今直面している気候危機を強く認識し、具体的な戦略をもって実効性のある対策を講じるとともに、全ての都民に共感と協働を呼びかけ、ともに気候危機に立ち向かう行動を進めていく気候危機行動宣言を行い、あわせて区長会、市長会、町村長会に対し、本戦略策定の背景や具体的取り組み等について説明を行い、認識の共有を図っております。
 また、区市町村との連携強化を本戦略で政策の柱として掲げていることを踏まえ、区市町村の脱炭素化に向けた取り組みへの支援を行うなど、都と区市町村が一体となった気候変動対策を展開しております。
 なお、本戦略の策定を受け、特別区では、令和二年八月の区長会総会において、国や都との協力体制のもと、二〇五〇年までにCO2排出実質ゼロの着実な達成を目指し、特別区が連携、協働して、ゼロカーボンシティー特別区の実現に向けた取り組みを開始することとしております。
 2、都は、区市町村の環境、公害主管課長会等において、環境施策に関する協議や連絡調整、情報共有を行うなど、連携体制を構築しております。
 また、都及び区市町村の環境行政担当職員が環境行政の進展や相互の交流を深めることを目的とした東京都環境行政交流会の開催などにより、地域の実情に精通した区市町村との連携を推進しております。
 さらに、東京の広域的環境課題の解決に資する取り組みを支援する東京都区市町村との連携による地域環境力活性化事業の活用等により、NPOとの協働など、基礎的自治体としての地域ネットワークや地域特有の資源等を有する区市町村の取り組みを支援しております。
 3、都は、再生可能エネルギーの供給拡大に向けて、現在、次の取り組みなどを行っております。
 リース、電力販売、屋根借り等によって住宅所有者の初期費用ゼロで太陽光発電を設置する住宅用太陽光発電初期費用ゼロ促進事業を実施しております。
 省エネや断熱の性能を高めた東京ゼロエミ住宅基準を独自に定めており、この基準を満たす新築住宅に太陽光発電設備を設置する場合に、東京ゼロエミ住宅導入促進事業により補助を行っております。
 地産地消型の再生可能エネルギー設備を都内に導入する事業者に対し、経費の一部を補助する地産地消型再エネ増強プロジェクト事業を実施しております。令和二年度からは、これまでのみずからの事業所の屋根などに再エネ設備を設置する場合に加え、都内の別の場所に再エネ設備を設置し、その電気をみずからの事業所で利用する場合も補助対象に加えております。
 4、都は、従前から温室効果ガスの削減に向け、次の先駆的な取り組みを実施しております。
 都内温室効果ガス排出量の四割以上を占める産業、業務部門において、特に排出量の大きい大規模事業所については、二〇一〇年度からキャップ・アンド・トレード制度を導入し、エネルギー起源CO2排出量を一定の上限量以下にするよう義務づけております。二〇二〇年度からは、新たな削減義務率を設定するとともに、再生可能エネルギーの利用を促す仕組みの拡充など、さらなる制度の深化を図っております。
 また、中小規模事業所についても、二〇一〇年度から、CO2排出量と対策の取り組み状況の報告を求める地球温暖化対策報告書制度を導入し、多くの事業所を所有等する事業者には報告書の提出を義務づけております。二〇二〇年度からは、削減実績や再エネ利用の取り組みが優良な事業者を評価、公表する仕組みを導入しております。
 さらに、新築等の建築物を対象として二〇〇二年度から施行している建築物環境計画書制度については、二〇二〇年度から制度対象を二千平方メートル以上に拡大するとともに、ZEB、ネット・ゼロ・エネルギー・ビルを評価基準の最高ランクに位置づける制度改正を行っております。
 説明は以上でございます。よろしくご審査のほどお願い申し上げます。

○佐野委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○関野委員 私からは、陳情二第七七号、「ゼロエミッション東京戦略」の区市町村との連携等による成果拡大に関する陳情について意見表明をさせていただきます。
 願意に書かれている区市町村との連携や、市民や地域事業者への認識強化などについては、区市町村の担当課長会での事務連絡や交流会とともに、地域環境力活性化事業などの活用により実施されている状況にあります。
 また、再エネに直接寄与する取り組みや気象変動に対する倫理的責任などを踏まえた直接規制についても、住宅向けの施策として太陽光発電への費用助成や事業者向けの支援、キャップ・アンド・トレード制度など規制も実施されている状況であります。
 このようなことから、陳情の趣旨は理解はするものであり、同意するものでありますが、現在、都として取り組みを強化しているところでありますので、審査としては不採択が適当と判断いたします。
 しかし、今後も東京都と区市町村、そして事業者や都民への啓発や事業実施など、取り組みを強化するなども進めていただくことをこちらからも要望をいたしまして、意見といたします。

○舟坂委員 第七七号、「ゼロエミッション東京戦略」の区市町村との連携等による成果拡大に関する陳情について意見表明を行います。
 区市町村における脱炭素化の取り組みについて、私はさきの事務事業質疑で、都が働きかけて都内自治体に広げていく必要があると主張をいたしました。これに対し環境局からは、都と区市町村が一体となった気候変動対策を展開しており、今後とも区市町村の脱炭素化に向けた取り組みをしっかり後押しをしていく旨の答弁がありました。
 都は、ゼロエミッション東京戦略において、区市町村との連携強化の政策を柱として掲げており、都内ほぼ全ての区市町村で活動実績がある地域環境力活性化事業等を通じ、NPOとの協働など、区市町村との取り組みを支援し、連携する体制を既に構築しております。
 また、省エネルギー、再生可能エネルギーの拡大策については、キャップ・アンド・トレード制度の第三計画時期が開始され、新たな削減義務率や再生可能エネルギーの利用を進める仕組みなどの拡充など、取り組みが強化されております。
 さらに、事業者や家庭における再エネ設備の導入補助、再エネ電力のグループ購入事業など、再エネの利用拡大の取り組みも進められております。
 陳情にあった内容については、都が既に取り組みを進めていることから、本件は不採択とすることが妥当であると判断いたします。
 なお、一部の補助事業において、申請件数が伸びていないとの指摘もありますので、こうした事業のさらなる普及に努めていくとともに、引き続き、省エネ、再エネの拡大策を力強く進めていくことを要望いたします。

○里吉委員 では、私からは、七七号、「ゼロエミッション東京戦略」の区市町村との連携等による成果拡大に関する陳情についての質疑を行いたいと思います。
 今るる、ほかの委員からも指摘がありましたけれども、この陳情は、都の取り組みを評価した上で、さらに、地域の現場で温暖化啓発に取り組んできた団体の、みずからの活動経験を踏まえて、都の取り組みの成果拡大のために提案されているものと認識しております。
 二〇五〇年までにCO2排出量を実質ゼロにするためには、二〇三〇年までの取り組みが重要です。都はこれまでもさまざまな取り組みを進めてきたと思いますけれども、実際には二〇〇〇年比で温室効果ガスが増加しているという結果は、冷厳たる事実です。前回の事務事業質疑でも指摘をされていました。
 そういう中ですから、本気でCO2排出量を実質ゼロにするためには、今までの延長線上の手法では済まされないという指摘だと受けとめました。東京都が目の色を変えて、できることは何でもやる、都民の皆さんや企業、事業者の皆さんにも、今までの延長線でない取り組みを求めていく。そのために、もっと強力に区市町村にもその中身を理解してもらうし、取り組んでもらう必要があると、そういう立場での陳情というふうに理解しております。
 ですから、今回の陳情は、皆さん方がやっていないということではなくて、頑張っているからもっと頑張ってほしいという立場で出されている陳情だというふうに思います。そういう視点から、私たち日本共産党都議団は陳情を採択していただきたいと思いますが、その立場から、現状について幾つか確認をしていきたいと思います。
 まず、陳情では、都内の全ての区市町村が気候危機の現状を正しく把握し、ストップ温暖化宣言等を発し、市民や地域事業者の危機意識を高める取り組みを強化してほしい、このように述べています。
 二十三区では、特別区長会での動きがあるとの説明がございましたが、それ以外の市町村では脱炭素化に向けた取り組み、特に動きがないのか、そういったところに都として改めて呼びかける予定はないのか伺います。

○上田環境政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 昨年十二月のゼロエミッション東京戦略の策定以降、都内では、葛飾区、多摩市、世田谷区の三区市が二〇五〇年までに二酸化炭素排出実質ゼロを目指すことを表明しております。
 都は、ゼロエミッション東京戦略策定後の本年二月から三月にかけて、区長会、市長会及び町村長会に対し、戦略策定の背景やその具体的取り組み等について説明を行い、認識の共有を図ってまいりました。
 また、東京都区市町村との連携による地域環境力活性化事業等の活用により、区市町村の脱炭素化に向けた取り組みを後押ししております。
 今後とも、こうした取り組みを通じ、引き続き、都と区市町村が一体となった気候変動対策を展開してまいります。

○里吉委員 ゼロエミ東京戦略を策定したその背景について、つまり東京都としての危機意識を説明したと、認識も共有したというご説明だと思います。しかし、この戦略策定からもうすぐ一年になりますが、なかなか実態は進んでいないということではないでしょうか。
 私の住む世田谷区では、ことし二月五日に世田谷版RE一〇〇キックオフミーティングを開催し、区民の再エネ利用率を二五%以上にするという目標も立てました。庁舎でも再エネ一〇〇%への順次切りかえなどの取り組みをスタートさせ、今、庁舎など公共施設での再エネ利用率は一一・一%となっております。
 また、新型コロナウイルス感染拡大への対応も取り組みながら、十月十六日には、世田谷区気候非常事態宣言も行っています。
 改めて、都民や事業所など、みんなで温暖化対策を強力に進めるためには、区市町村の取り組みが欠かせないという立場で、区市町村での取り組み事例を紹介することなどを初め、さらにこれを強力に広げていく、そういう方向で進めていただきたいと要望しておきます。
 また、先ほど説明がありました各自治体を後押しするものとして、東京都区市町村との連携による地域環境力活性化事業があると。いろいろ内容がありますけれども、世田谷区も活用していると伺いました。地産地消型再生可能エネルギー電気、熱普及促進事業について、目的や内容、実績を確認させていただきたいと思います。

○上田環境政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 本事業は、系統負荷の軽減や地域防災力の向上にも資する自家消費型の再生可能エネルギーの導入を拡大するため、普及に取り組む区市町村を支援し、再生可能エネルギー利用を推進することを目的としております。
 事業を開始しました平成二十六年度から令和元年度までの実績は累計で一億六千二百万円となっており、七区市町村でご活用いただいております。

○里吉委員 二十六年からですから六、七年たっていますけれども、まだ七自治体ということで、この取り組みはすごく大事だと思うんですけれども、使っている自治体がまだ少数にとどまっているのではないかと。課題の分析などもぜひ行っていただきたいと思います。
 同時に、自分のところで地産地消で再生可能エネルギーをつくるのも大事ですけれども、やはり東京だと限界があるということで、他県から再生可能エネルギーを持ってくる。そうやって、東京都でも行っているようなRE一〇〇宣言をして、まずは自治体の庁舎、こういう施設から広げていくということがほかの自治体でも重要だと思うんですけれども、都の認識を伺います。

○小川地球環境エネルギー部長 自治体の電力契約は、入札と公契約のルールにのっとり行われております。都は区市町村に対し、都有施設における再エネ一〇〇%電力契約などの施策に関する情報について、職員向け研修会などの機会を捉えて説明を行っております。
 現在、品川区、大田区、世田谷区、国立市におきまして、本庁舎等の施設で使用する電力の再エネ一〇〇%化に取り組まれております。

○里吉委員 少しずつ、今四つぐらいでしたか、自治体の名前が挙がりましたけれども、進めているというご答弁でした。
 で、世田谷区の現状をちょっと聞いたんですけれども、昨年に比べて今年度は多少入札金額は下がったそうなんですが、それよりも前は、入札で、電力自由化されてから一番安い電力を使っていたと。そこから比べると、再エネ一〇〇%という条件をつけると、少し高くなっているというのが実情だというふうに世田谷区ではいっておりました。
 東京都で、卒FIT電力を通常価格のキロワットアワー当たり一・五円上乗せして買い取って都有施設で活用するとちょう電力プランもスタートしていますけれども、世田谷区でも卒FITを使おうということで取り組んでいますが、料金の上乗せまではなかなかできないので、なかなか苦労しているということも伺いました。
 再エネは以前に比べてそんなに高くないという印象を持っていましたけれども、実際に電力自由化の中で、まだ多少は高いということなのかなと思いましたし、さらに、これは報道で知ったんですけれども、ことし、容量市場という新しい電力市場がつくられて、初めてのオークションが行われた結果、今後、再エネ電力の価格が上がることが避けられないという報道も目にしました。
 現在、国で第六次エネルギー基本計画の審議も行われていますけれども、ここでも再エネを最大限活用する計画にすることが求められていますけれども、いまだに火力発電なども基幹エネルギーとして示されているのが現状です。
 東京都としては、ゼロエミ東京戦略ということで、東京から、再生可能エネルギーを初め、ゼロエミッション東京を実現していく上で、こういった動きを推進していく立場で、国に対しても、再エネ普及に逆行するようなものについては都としても見直しなどを求めていただきたいと思います。
 また、自治体の公共施設などで使う電力を極力再エネ一〇〇%に切りかえるための都としてのさまざまな支援、財政的なものも含めて必要になるかもしれませんが、これもぜひ検討を要望しておきたいと思います。
 次に、家庭での取り組みについて伺います。
 再エネへの切りかえについて、前回はみんなで一緒に自然の電気について伺いましたので、今回は省エネ対策について一点確認します。
 我が党はこれまで一貫して、窓など断熱への補助制度の改善、拡充を求めてきました。この間の実績、制度の改善によってこの実績は上がっているのかどうか、あわせて伺います。

○小川地球環境エネルギー部長 窓の断熱改修に対する助成の申請実績は、平成三十年度が一万五百二十五戸、令和元年度は一万三十四戸でございました。本年七月中旬から、窓の断熱改修に加えて、ドアの断熱改修も助成対象とする新たな補助事業を開始し、これまでの間に二千戸以上の申請を受け付けております。

○里吉委員 窓に加えてドアの断熱改修がことし七月中旬からスタートしたということで、それなりに申請も進んでいるというふうに確認させていただきました。
 新しい建物については、先ほどのご説明にもありましたけれども、東京都ではゼロエミ住宅というものも示して、これを今後の新築住宅の基準にしていくということも求められていると思います。
 陳情では、影響が長期に及ぶ整備についての規制や上乗せなどの規制も行うべきだというふうに求めていますけれども、同時に、私は、今ある住宅を長く使うためには、耐震改修などともあわせて断熱改修なども積極的に取り組めるような、そういう仕組みもぜひ検討していただきたいと思います。
 それから、次に、太陽光発電初期費用ゼロ促進事業の実績なんですけれども、これについては令和元年八月からスタートということで、今何件まで行っているか、それから容量がどこまで行っているのか確認します。

○小川地球環境エネルギー部長 令和元年八月から申請受け付けをスタートいたしまして、令和二年十月末現在で、申請受け付け実績は四百六十三件、太陽光発電設備の容量は約二千八百キロワットでございます。

○里吉委員 件数だけ見ると、これを多いと見るのか少ないと見るのか、ちょっとなかなか判断ができなかったんですけれども、二千八百キロワットということで、この間、調べていただいた、質疑させていただいた、知事部局の都有施設の太陽光発電設備の設置量が二〇一八年度時点で六千四百キロワットということでした。都立学校とか都営住宅も含めてということで、一年ちょっとでその半分近くまで太陽光発電設備が設置できたということだというふうに思います。
 ということは、それなりにやっぱりまだ屋根につけることができると、これは本当に大きく進めることができるんだなと思いました。やはり、初期費用の負担がネックになっていたという方々がここにきちんとアクセスできれば、進んでいくんだというふうに確認しました。思いました。
 今後さらにこれを進めるためには、陳情にもあるように、区市町村との連携が重要だと思うんですけれども、ここについての取り組み、都の見解を伺います。

○小川地球環境エネルギー部長 都は、再生可能エネルギーの利用拡大に係る事業等につきまして、区市町村の課長会等を通じ、情報提供を行いますとともに、これらの事業等を掲載したチラシを作成いたしまして、区市町村と連携して都民への周知を行っております。

○里吉委員 世田谷区にもこれをどうやったら進められるか、ちょっとお話ししたんですけれども、今やっぱり新型コロナの影響でイベントができない。イベントに来ていただければ、そこでいろいろ紹介できるんだけれどもというお話もしていました。
 東京都が行っている事業ということがわかれば、安心して申し込まれる方も多いのではないかと思いますので、いろいろなイベントの機会にも宣伝していただきたいと思いますし、それから、環境問題が話題になるときに集中的に宣伝する。
 例えば、ちょっと先になりますけれども、アースデー、四月二十二日前後ですとか、世界環境デー、これも六月五日でちょっと先ですけれども、ほかにもあるかもしれませんけれども、環境について世間が騒ぐときですね。そういうときに集中的に宣伝するなど、ぜひ知恵を絞っていただきたいと思います。
 最後に、産業、業務部門について伺います。
 東京都はこれまで、地産地消型再生可能エネルギー導入拡大事業で、先ほど説明がありましたけれども、事業者による再エネ設備の導入を促進してきました。これも一定の効果があったと伺いますけれども、ことしスタートした地産地消型再エネ増強プロジェクト事業を進めておりますけれども、実績はどれぐらいあるのか伺います。

○小川地球環境エネルギー部長 本事業は、再エネ電力の地産地消を目的といたしまして、太陽光など再エネ発電設備等、また地中熱や太陽熱など再エネ熱利用設備を設置する民間事業者に対しまして、導入費用の一部に対する補助を実施するものでございます。
 本年八月に申請受け付けをスタートいたしまして、これまでの申請受け付け実績は五件でございます。

○里吉委員 またこの実績五件というのを多いと見るのか少ないと見るのかというのがありますけれども、先ほどお伺いしましたら、問い合わせはもっと、五、六十件あるということで、ぜひこれもさらに広げていただきたいと思います。
 そして、同時に、再エネ、つくるだけじゃなくて、省エネの部分でも、これまでも取り組んできたCO2排出削減のためのアドバイザー派遣も頑張って進めてきていらっしゃると思いますが、実績と今後の拡充の方向について伺いたいと思います。

○小川地球環境エネルギー部長 都は、産業、業務部門の約六割を占めております中小規模事業所におけるCO2排出の削減対策といたしまして、省エネ等の専門家が事業所を直接訪問し、無料でアドバイスを行う省エネ診断を昨年度は三百六十六件実施してございます。
 また、自治体や業界団体等と連携した研修会を昨年度は三十三回実施しております。
 引き続き、団体との連携等を通じて、これらの取り組みを広く周知いたしまして、利用者の拡大に努めてまいります。

○里吉委員 最後、意見にしますけれども、今るる確認させていただきましたように、東京都としていろいろな取り組みを行っていらっしゃるというふうに思います。ただ、その規模とスピードが、今求められている規模とスピードに追いついているのかというところが問題だと思うんですね。
 そういう意味で、今回出されている陳情というのは、それをさらに後押しするために私たち民間団体も頑張りたいと、区市町村と協力して、もっと広く全都民、そして全事業者に危機感を共有してもらって、一緒に地球環境を守っていくために、ゼロエミッション東京を実現していくために、取り組むために、東京都としてイニシアを発揮していただきたいという陳情だというふうに思います。
 ですから、私もその危機感を共有する一人として、日本共産党都議団としては、この陳情を採択してほしいと、するべきだということを主張させていただきまして、質問を終わります。

○佐野委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○佐野委員長 起立少数と認めます。よって、陳情二第七七号は不採択と決定いたしました。

○佐野委員長 次に、陳情二第七八号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○小川地球環境エネルギー部長 それでは、お手元資料10、陳情審査説明表の四ページをごらんください。整理番号2、陳情番号二第七八号、「第六次エネルギー基本計画」に向けた審議の進め方に対する意見書提出に関する陳情につきましてご説明申し上げます。
 陳情者は、文京区認定NPO法人太陽光発電所ネットワーク代表理事の都筑建さんでございます。
 陳情の趣旨は、都議会において、国の第六次エネルギー基本計画の審議、経済産業省の進め方について、以下の内容を含む意見書を提出していただきたいというものでございます。
 1、エネルギー政策の基本原則とされる3EプラスSについて、審議会全体で下記の点についての事実認識を共有した上で議論を進めること。
 〔1〕、エンバイロンメント、環境適合に関して、IPCCの一・五度C特別報告やホットハウスアース理論など気候変動に関する科学的知見。
 〔2〕、エコノミックエフィシェンシー、国民負担抑制に関して、再生可能エネルギーと他のエネルギー源のコストの差だけではなく、温暖化緩和ペースの違いから来る温暖化による損失と損害の差も含めた長期的な国民負担の総額。
 〔3〕、エナジーセキュリティー、資源自給率に関して、再生可能エネルギーは燃料の一〇〇%自給が可能であること。
 2、四つ目のE、エシックス、先進国の今の世代は温暖化の被害者であると同時に、途上国や次世代の受動温暖化の加害国、加害世代でもあるということへの倫理的責任を認識して議論を進めること。
 3、一部の産業の短期的利益ではなく、国の経済産業全体の長期的な利益や持続可能性という視点から第六次エネルギー基本計画を策定すること。
 以上でございます。
 現在の状況でございますが、1、エネルギー基本計画は、エネルギー政策基本法に基づき、政府が、エネルギーの需給に関する施策の長期的、総合的かつ計画的な推進を図るために定める、エネルギーの需給に関する基本的な計画でございまして、本年十月十三日から国の審議会、総合資源エネルギー調査会基本政策分科会において、見直しに向けた検討が開始されております。
 2、この審議会における資料では、IPCC一・五度報告書等の内容、気象災害の経済損失と保険損害の推移、エネルギー自給率が再エネの導入拡大等により増加傾向であることなどが示され、さらに、検討の進め方(案)として、今世紀後半のできるだけ早期に脱炭素社会を実現するための課題の検証を行うこととされております。
 3、都は、令和元年十二月に、二〇五〇年にCO2排出実質ゼロに貢献するゼロエミッション東京の実現を目指すゼロエミッション東京戦略を策定いたしました。
 本戦略の策定に当たっては、今直面している気候危機を強く認識し、具体的な戦略をもって、実効性のある対策を講じるとともに、全ての都民に共感と協働を呼びかけ、ともに気候危機に立ち向かう行動を進めていく気候危機行動宣言を行いました。
 また、従前から国に対し、一・五度目標に貢献する二〇五〇年までの脱炭素化に向けた野心的な目標と明確な道筋を設定することなどを要望しております。
 4、本年三月に都議会は、国会及び政府に対し、国においても現状を正しく把握し、真摯に気候変動対策に取り組むべきである。気候変動対策に関してさらなる目標を設定し、その実現に向けた具体的な行動を起こすよう強く要請する旨の意見書を既に提出してございます。
 説明は以上でございます。よろしくご審査のほどお願い申し上げます。

○佐野委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○関野委員 では、陳情二第七八号、「第六次エネルギー基本計画」に向けた審議の進め方に対する意見書提出に関する陳情について意見表明を行わせていただきます。
 この陳情を拝見しますと、意見書の提出が主な趣旨と考えておりますが、先ほども説明があったように、都議会としても、本年三月に国会及び政府に対し、気候変動対策に関する意見書を提出しているところであります。
 また、エネルギー基本計画については、本年十月から、国の審議会において見直しに向けた検討が開始されている状況でもあり、審議会の中身についても資料を確認すると、IPCC一・五度報告書などの内容、気象災害の経済的損失やエネルギー自給率と再エネの導入拡大なども示されているところであります。
 このような状況から、陳情の趣旨は実施されていると判断し、不採択が適当であると判断いたします。
 ただ、今後も国や関係機関の動向を注視しながら、関係する都の事業を進めていただきたいという要望を一言つけ加えて、意見といたします。

○舟坂委員 第七八号、「第六次エネルギー基本計画」に向けた審議の進め方に対する意見書提出に関する陳情について意見表明を行います。
 本年十月に菅首相が、二〇五〇年にカーボンニュートラルの実現を目指すことを宣言しました。また、十一月には衆議院及び参議院において気候非常事態宣言が決議されるなど、国においても気候危機に対する認識は高まっております。
 都議会としても、本年三月に気候変動対策に関する意見書を国会及び政府に対し既に提出しております。
 以上のとおり、陳情のあった内容については、これまでに取り組みが進められていることから、本件は不採択とすることが妥当であると判断をいたします。
 以上でございます。

○佐野委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○佐野委員長 起立少数と認めます。よって、陳情二第七八号は不採択と決定いたしました。
 以上で陳情の審査を終わります。
 以上で環境局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後三時四十一分散会

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