委員長 | 佐野いくお君 |
副委員長 | 関野たかなり君 |
副委員長 | 里吉 ゆみ君 |
理事 | あかねがくぼかよ子君 |
理事 | 舟坂ちかお君 |
理事 | 斉藤やすひろ君 |
西野 正人君 | |
原田あきら君 | |
細谷しょうこ君 | |
西沢けいた君 | |
のがみ純子君 | |
西郷あゆ美君 | |
村松 一希君 | |
三宅 正彦君 |
欠席委員 なし
出席説明員建設局 | 局長 | 中島 高志君 |
次長総務部長事務取扱 | 今村 保雄君 | |
道路監 | 奥山 宏二君 | |
用地部長 | 山本 明君 | |
道路建設部長 | 花井 徹夫君 | |
三環状道路整備推進部長 | 福島 眞司君 | |
公園緑地部長 | 植村 敦子君 | |
河川部長 | 小林 一浩君 | |
企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 | 村上 清徳君 | |
道路保全担当部長無電柱化推進担当部長兼務 | 齊藤 俊之君 | |
公園計画担当部長 | 根来 千秋君 |
本日の会議に付した事件
建設局関係
報告事項
・調布市における地表面陥没について(説明・質疑)
・「第二次都立動物園マスタープラン中間のまとめ(案)」及びパブリックコメントの実施状況について(質疑)
事務事業について(質疑)
○佐野委員長 ただいまから環境・建設委員会を開会いたします。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、建設局関係の事務事業に対する質疑及び報告事項の聴取を行います。
これより建設局関係に入ります。
初めに、過日の委員会で紹介できませんでした幹部職員について、局長から紹介があります。
○中島建設局長 去る十月二十二日の当委員会を病気療養のため欠席させていただいておりました幹部職員をご紹介させていただきます。
公園計画担当部長の根来千秋でございます。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
〔理事者挨拶〕
○佐野委員長 紹介は終わりました。
○佐野委員長 次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。
○福島三環状道路整備推進部長 調布市における地表面陥没につきましてご報告申し上げます。
お手元に配布しております資料に沿ってご説明申し上げます。
まず、1の概要でございます。
令和二年十月十八日、調布市東つつじヶ丘二丁目において調布市道の地表面陥没が発生いたしました。付近では、東京外かく環状道路関越-東名のシールドトンネル工事を東日本高速道路株式会社が実施していることから、付近を通行どめにするなど、住民の安全確保及び応急措置が行われました。
東京外かく環状道路事業は、国土交通省、東日本高速道路株式会社、中日本高速道路株式会社が実施しております。今回の地表面陥没と工事との因果関係は不明でございますが、念のため、東京外かく環状道路で施工中のシールドトンネル工事については一旦中止されております。事業者は現在、原因の究明に向けた有識者委員会を開催し、現地調査を行っているところでございます。
都はこれまでも、事業者に対し、安全を最優先にした工事を要望しており、十月二十一日には国土交通省、東日本高速道路株式会社に対し、早急な原因究明などの緊急要望を行っているところでございます。
次に、2の現場の当日の動きについてでございます。
十月十八日九時三十分、巡回中に当該箇所で地表面沈下を確認。同十二時三十分、地表面の陥没を確認。翌十九日四時二十五分、応急措置としての砂による埋め土が完了してございます。
続きまして、3の原因究明に向けた動きでございます。
十月十九日、第二十二回東京外環トンネル施工等検討委員会、第一回東京外環トンネル施工等検討委員会有識者委員会が開催され、東名側本線シールド(南行)工事現場付近において発生した陥没事象についてが審議されております。
十月二十日、東日本高速道路株式会社が陥没箇所周辺での路面空洞調査を開始いたしました。
十月二十三日、第二回東京外環トンネル施工等検討委員会有識者委員会が開催され、調布市地表面陥没に関する調査方針について、シールドマシン停止に伴う保全措置についてが審議されております。
十月二十四日、東日本高速道路株式会社がボーリング調査を開始いたしました。
なお、資料の中には記載してございませんが、直近の動きといたしまして、昨日、十一月四日、東日本高速道路株式会社が実施中の陥没箇所周辺の地盤調査で、地中の空洞を確認したこと及び安全・安心を最優先に、近隣住民の皆様に対し、今回の事象について説明を行うとともに、必要な対応を実施している旨について公表いたしました。
また、本日十一月五日、第三回東京外環トンネル施工等検討委員会有識者委員会が開催されておりまして、昨日確認されました地中の空洞について審議がなされてございます。
現在も原因究明の調査が行われているところでございます。
説明は以上です。よろしくお願い申し上げます。
○佐野委員長 報告は終わりました。
本件に対する質疑は、事務事業及び報告事項、第二次都立動物園マスタープラン中間のまとめ(案)及びパブリックコメントの実施状況についてに対する質疑とあわせて行いますので、ご了承願います。
なお、事務事業及び報告事項、第二次都立動物園マスタープラン中間のまとめ(案)及びパブリックコメントの実施状況についてにつきましては、いずれも既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○今村次長 去る十月二十二日の当委員会において要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
お手元の環境・建設委員会要求資料をごらんください。
表紙をおめくりいただきますと、目次に十三件の資料の件名が記載してございます。
一ページをごらんください。中小河川の整備状況及び多摩地域における河川しゅんせつの推移でございます。
この表は、中小河川の整備状況につきまして、平成二十三年度から令和元年度までの整備延長と決算額、令和二年度の整備予定延長と当初予算額をあらわしたものでございます。
おめくりいただき、二ページをごらんください。
この表は、令和元年度中小河川の整備状況につきまして、河川ごとの整備延長と決算額をあらわしたものでございます。
右方、三ページをごらんください。
この表は、多摩地域における河川しゅんせつにつきまして、平成二十三年度から令和元年度までのしゅんせつ土量と決算額、令和二年度のしゅんせつ予定土量と当初予算額をあらわしたものでございます。
四ページをごらんください。東部低地帯耐震・耐水対策の整備状況の推移でございます。
この表は、東部低地帯における耐震、耐水対策につきまして、平成二十八年度から令和元年度までの決算額と完成規模及び令和二年度の当初予算額と完成予定規模をあらわしたものでございます。
五ページをごらんください。都市公園の維持管理費、整備費及び用地取得状況の推移でございます。
この表は、都市公園の維持管理費と整備費及び整備費のうち用地取得費につきまして、平成二十三年度から令和元年度までの決算額と用地取得の規模及び令和二年度の当初予算額と用地取得予定の規模をあらわしたものでございます。
おめくりいただいて、六ページをごらんください。
この六ページから一〇ページまでの表は、都市公園における平成二十七年度から令和元年度までの公園ごとの用地取得費に係る取得規模と決算額をあらわしたものでございます。
少し飛びますが、一一ページをごらんください。道路補修費の予算・決算額の推移でございます。
この表は、道路補修費につきまして、平成二十三年度から令和元年度までの予算額と決算額及び区部と多摩部別の決算額、令和二年度の当初予算額をあらわしたものでございます。
一二ページをごらんください。歩道の整備状況の推移でございます。
この表は、歩道の整備につきまして、平成二十三年度から令和元年度までの整備延長と決算額、令和二年度の整備予定延長と当初予算額を区部、多摩部別にあらわしたものでございます。
一三ページをごらんください。骨格幹線道路(主要路線)・地域幹線道路の整備費の推移でございます。
この表は、骨格幹線道路と地域幹線道路の整備費につきまして、平成二十八年度から令和元年度までの決算額、令和二年度の当初予算額をあらわしたものでございます。
おめくりいただき、一四ページをごらんください。特定整備路線の計画概要と進捗状況(建設局施行)でございます。
この表は、特定整備路線につきまして、整備計画の概要と進捗状況及び用地取得率をあらわしたものでございます。
一五ページをごらんください。都市計画道路の整備方針における未着手路線(建設局施行)でございます。
この一五ページから一九ページまでの表は、平成二十八年三月に策定されました東京における都市計画道路の整備方針(第四次事業化計画)のうち、令和二年三月三十一日現在におきまして未着手になっている路線名、区間、延長をあらわしたものでございます。
少し飛びまして、二〇ページをごらんください。骨格幹線・地域幹線道路の事業化前の調査費計上路線でございます。
この二〇ページから三〇ページまでの表は、骨格幹線道路と地域幹線道路の事業化前の調査費計上路線につきまして、平成三十年度から令和元年度までの予算に計上している路線名、区市町村、決算額、令和二年度の予算に計上している路線名、区市町村、当初予算額をあらわしたものでございます。
少し飛びますが、三一ページをごらんください。自転車通行空間の整備状況と整備費の推移でございます。
この表は、自転車通行空間の整備につきまして、平成二十四年度から令和元年度までの整備延長と決算額、令和二年度の整備予定延長と当初予算額をあらわしたものでございます。
三二ページをごらんください。都道における無電柱化の進捗状況でございます。
この表は、都道における無電柱化につきまして、平成二十七年度末から令和元年度末までの整備対象延長、整備済み延長、地中化率を区部、多摩部別にあらわしたものでございます。区部につきましては、センター・コア・エリアの内訳も記載してございます。
三三ページをごらんください。代替地として建設局が所管している土地一覧でございます。
三三ページから三八ページまでの表は、令和二年三月三十一日現在、建設局が所管している代替地の所在及び地積をあらわしたものでございます。
三九ページをごらんください。調布市で発生した道路陥没に関する資料一式でございます。
本件につきましては、国など事業者が公表している資料となりますが、この三九ページから五四ページまでの資料は、令和二年十月十九日に開催された第二十二回東京外環トンネル施工等検討委員会の議事概要と配布資料、少し飛びまして、五五ページから七二ページまでの資料は、令和二年十月二十三日に開催された第二回東京外環トンネル施工等検討委員会有識者委員会の議事概要と配布資料でございます。
以上で要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○佐野委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより事務事業並びに報告事項、第二次都立動物園マスタープラン中間のまとめ(案)及びパブリックコメントの実施状況について及び調布市における地表面陥没についてに対する質疑を一括して行います。
発言を願います。
○村松委員 よろしくお願いいたします。まず、本日もご説明いただきました外環と地表陥没についてお伺いいたします。
地表陥没と外環工事の因果関係はわかっていないということでありますけれども、この工事区間の住民の不安というものは大変大きいものであります。
昨日の調査の過程で、地中に大きな空洞が見つかったとNEXCO東日本から発表されました。こちらのトンネル工事との因果関係は不明ということですが、直ちに空洞を埋める作業を行うということですから、今後の陥没防止のためには調査をしたことがよかったのかと思いますけれども、不安はまだ拭えたわけではありません。
この事業は、国、NEXCO東日本、NEXCO中日本が主体となって実施していることは理解しておりますが、都としても不安を払拭する努力を最大限行っていただきたいと思います。
今回、地表面の陥没があった場所というのは、シールドマシンの通過した場所でありますが、四十七メートルという深さ、また、シールドマシンの通過から一カ月後に発生しており、因果関係や原因究明をどのように行うのか心配しているところであります。
今後、どのような調査をするのか、都として把握していることをお伺いいたします。
○福島三環状道路整備推進部長 今回の地表面陥没と外環工事との因果関係は不明でございますが、陥没箇所付近でシールドトンネル工事を実施していることから、東日本高速道路株式会社が原因究明に向けて取り組んでおります。
十月二十三日に第二回東京外環トンネル施工等検討委員会有識者委員会が開催され、地表面陥没に関する調査方針が示されたところでございます。その中でボーリング調査など、現地調査を速やかに実施するとともに、必要に応じて追加調査も実施しながら陥没のメカニズム究明を行うこととしております。
なお、二十四日より現地において、原因究明のためのボーリング調査が始められておるところでございます。
○村松委員 有識者委員会をされているということですから、その意見を踏まえてしっかりと対応するよう、国、また事業者に伝えていただきたいと思っております。
この第二回有識者委員会において、シールドマシン停止に伴う保全措置について議題となっております。シールドトンネル工事については一旦中止されており、当然の措置と考えておりますが、保全措置について、その安全性についての見解を伺います。
○福島三環状道路整備推進部長 今回の地表面陥没と外環工事との因果関係は不明でございますが、念のため、施工中のシールドトンネル工事については、地表面陥没が発生いたしました十月十八日に一旦中止されております。
十月二十三日に開催されました第二回東京外環トンネル施工等検討委員会有識者委員会において議題となりましたシールドマシン停止に伴う保全措置につきましては、緊急の安全措置のために、チャンバー内土砂の安定化、止水のための安全措置等が必要であること。
また、これらの措置は、陥没事象の原因究明がなされる前の掘進やカッター回転を伴うものであるが、安全確保のために必要な最小限の掘進は速やかに実施し、定期的なカッター回転を行う必要があること。
また、これらの措置に当たっては、測量や巡回等により、地表面を十分に監視するとともに、適切に周辺地域への情報提供を行っていくことを確認したと国など事業者から聞いております。
○村松委員 シールドマシンの安全確保のために必要な措置だと理解をいたしました。
今回の地表面陥没を受けて、都は、今後どのように対応するのかをお伺いいたします。
○福島三環状道路整備推進部長 外環は、首都圏の交通や物流の根幹をなし、渋滞解消や防災性の向上など、効果の高い極めて重要な道路でございます。
外環事業、関越から東名につきましては、国土交通省、東日本高速道路株式会社、中日本高速道路株式会社が実施しております。
都はこれまでも、国など事業者に対しまして、安全を最優先にした工事を要望しており、今回の陥没を受けまして、また、十月二十一日には国など事業者に対し、早急に原因を究明すること、住民の不安の払拭に向けて丁寧な説明を行うことなどを要望したところでございます。
都といたしましては、国など事業者に対しまして、適切な情報提供や、今回の陥没事象についての丁寧な説明など、住民の安全・安心の確保に向けた取り組みについて、引き続き求めてまいります。
○村松委員 この外環の事業というのは、非常に効果のある事業であると理解をしております。
早期開通を望む声がある一方、今回のような事故があると不安の声は大きくなります。因果関係が不明であり、道路の陥没というのは通常起こり得る事象、現象でありますから、徹底した調査を行い、もし因果関係が確認された場合は、しっかりとした対応策をとった上で事業を進めていただきたいと思います。
都としても動向を注視し、適時、業者に対して要望を続けていただきたいと思います。
では、次に豪雨対策についてお伺いします。
都の豪雨対策の柱は、護岸整備、調節池整備、流域対策の三つだと思います。その中でも特に整備効果の高いものが、護岸整備と調節池整備であると理解をしております。
私の地元である練馬区には、白子川と石神井川が流れております。
例えば、昨年の台風十九号では、石神井川の稲荷橋の水位がたびたび氾濫危険水位に達しており、平成十七年九月には溢水被害も発生しています。
河川周辺の住宅では浸水被害も多々起こっており、豪雨対策、浸水対策が常々求められております。
白子川及び石神井川については、平成二十六年に改定された東京都豪雨対策基本方針において対策強化流域に位置づけられ、時間七十五ミリ降雨への対応に向けた整備を行っていくこととし、護岸や調節池の整備を実施しているとのことであります。
地域住民の安全性を高めていくため、護岸や調節池の整備は重要であり、着実に推進していただきたいと思います。
そこでまず、練馬区内における白子川の整備状況についてお伺いします。
○小林河川部長 白子川は練馬区の大泉井頭公園内に源を発しまして、途中、埼玉県和光市を流れ、板橋区で新河岸川に合流する延長十キロメートルの一級河川でございます。
護岸整備につきましては、東京都の施行区間延長八・六キロメートルのうち四・三キロメートルが完了しております。
練馬区内の調節池につきましては、比丘尼橋上流調節池と下流調節池、白子川地下調節池の三つの調節池が完成しており、合わせて約四十六万立方メートルの貯留量を有しております。
護岸につきましては、今年度、練馬区内の東西橋下流において整備を実施しております。
○村松委員 護岸整備とともに既に三つの調節池が完成しているということで、地域の安全性が向上していると思います。引き続き護岸整備を着実に進めていただきたいと要望いたします。
次に、練馬区内における石神井川の護岸と調節池の整備状況についてお伺いします。
○小林河川部長 石神井川は小平市の小金井公園付近に源を発しまして、練馬区を含む五区市を流れ、北区で隅田川に合流する一級河川でございます。
護岸整備につきましては、延長二十四・五キロメートルのうち十八・四キロメートルが完了しており、今年度、練馬区内におきましては、扇橋下流、都営上石神井アパート付近、曙橋付近の三つの区間で約九十メートルの護岸整備を実施しております。
このうち上石神井アパート付近では、都営住宅の建てかえに合わせて生み出された土地を活用いたしまして、親水性に配慮した緩傾斜型護岸の整備を行っております。
調節池につきましては、貯留量約三万立方メートルの富士見池調節池が完成しており、現在、城北中央公園調節池の整備を進めております。
○村松委員 練馬区内など市街化された地域では、護岸整備とともに調節池の整備を組み合わせた治水対策が不可欠だと思います。
豪雨災害が頻発する中、石神井川における中流域の安全性を高めるための調節池工事を着実に進めるべきと考えます。
そこで、現在実施中の城北中央公園調節池の整備状況についてもお伺いいたします。
○小林河川部長 この調節池は、時間最大七十五ミリの目標整備水準の達成に向けまして、都立城北中央公園の地下に整備する総貯留量約二十五万立方メートルの調節池であり、このうち約九万立方メートルを第一期工事として、平成二十八年度に着手いたしました。
これまで、支障物の撤去や防音壁の設置などを実施してきており、今年度は調節池本体となるケーソンの構築を進めております。
引き続き令和七年度末の完成を目指し、整備を着実に進めてまいります。
○村松委員 これまで着実に護岸整備や調節池を整備してきたということを確認させていただきましたけれども、まだまだ住宅での浸水被害というものはあります。
護岸整備も調節池整備もすぐにできるものではありませんから、着実に実施していくことが重要と考えます。また、用地取得が必要な場合は、より丁寧に進めていただきたいと思います。
護岸整備と調節池について伺いましたけれども、流域対策も着実に進めていただきたいと思います。
我が会派として、グリーンインフラについて幾度も提案、要望してまいりました。豪雨対策と緑化という二つの効果が期待できる方法をさらに研究し、導入していただきたいと改めて要望しておきます。
次に、都立公園についてお伺いいたします。
まず、練馬城址公園について伺います。
練馬城址公園は、昭和三十二年にとしまえんを含む二十七ヘクタールが都市計画公園に決定され、平成二十三年、東日本大震災を受けて、十年以内に優先的に整備する優先整備区域に設定されました。
ことし八月にとしまえんは閉園し、いよいよ練馬城址公園の整備が本格化していくわけであります。
平成二十三年、優先整備区域に指定されたとき、私はちょうど練馬区議会議員に当選した年でありまして、子供のころからの遊び場であるとしまえんがなくなってしまうということで、その動向を注視し、また、練馬区や東京都に対しても要望活動をしてきたところです。
地域からも多くの意見、要望が寄せられておりますので、そうしたことを踏まえて質疑をさせていただきます。
東京都、練馬区、西武鉄道、ワーナーブラザースジャパン、伊藤忠商事の五社で覚書を締結したということであります。それぞれが東京都の公園整備に協力するという内容ですけれども、法令上必要な手続ではないと理解しております。覚書締結の内容とその位置づけについてお伺いをいたします。
○根来公園計画担当部長 東京都は本年六月、緑と水、広域防災拠点、にぎわいといった三つの基本目標の実現に向けた公園の整備を連携協力して進めることにつきまして、地元区、土地を所有する西武鉄道など事業者と覚書を締結いたしました。
本覚書は関係者の責務として、都が策定する練馬城址公園の整備計画に基づき、公園の整備と適切な利用を進めるため、相互に連携協力することを定めたものでございます。
○村松委員 練馬城址公園整備に当たり、関係者が相互に協力するという内容であることを確認させていただきました。民間事業者も公園整備に当たって協力するという姿勢のあらわれだと理解をしております。
としまえん跡地に練馬城址公園が整備されるわけですが、一部、ハリー・ポッターのスタジオツアーが計画されています。こちらを除く敷地に公園整備を始めるということですから、段階的に整備をしていくということになると思っております。ハリー・ポッターのスタジオツアーについては、令和五年オープン予定と聞いております。
公園整備に向けた今後の進め方についての見解を伺います。
○根来公園計画担当部長 都は、覚書を締結した同月には、本公園の整備計画を公園審議会に諮問し、九月に地域特性などを踏まえ、都民の憩いの場や震災時火災における避難場所など、公園に導入する機能を定めるゾーニング計画などについて審議を行いました。
今後、今月に予定している審議会におきまして、整備スケジュールの概略等を示すとともに、これまでの議論を深度化し、来年度早期に審議会答申を受け、整備計画を策定してまいります。
○村松委員 鋭意努力をしていただいていることと思います。
練馬城址公園整備に当たっては、地元からさまざまな意見、要望が上がっています。
今後、要望はどういったプロセスで反映されるのかをお伺いいたします。
○根来公園計画担当部長 練馬城址公園の整備計画の策定に当たりましては、学識経験者や公募した都民などで構成される東京都公園審議会に諮問し、答申を受けることとしております。
今後、審議会における中間のまとめの段階で、地域住民も含む都民を対象にパブリックコメントを実施するとともに、地元自治体に意見照会をし、寄せられた意見も踏まえ、審議会にお諮りをしてまいります。
○村松委員 私もさまざまな意見を伺っておりますので、広く意見を聞き、取り入れられるか検討していただきたいと思います。
当該地域は避難場所に指定されており、大規模火災時に近隣の方が避難をする場所であります。としまえん開園時にも協定により避難場所として開放していただくこととなっておりました。
しかし、ハリー・ポッターのスタジオツアーができることによって、防災力が低下するのではないかと懸念される声があります。また、公園部分も含めて工事中に防災機能がなくなってしまうのではないかとの声も寄せられております。
避難場所としての機能を維持しながら事業を進めるべきと考えますが、見解を伺います。
○根来公園計画担当部長 広域防災拠点として重要な要素でございます避難場所は、土地の利用状況が空き地や耐火建物群、河川敷、グラウンド、学校、公園緑地、遊園地等で、面積が五ヘクタール以上の一団となる場所を東京都震災対策条例に基づき都が指定するものでございまして、としまえんは閉園後も引き続き避難場所に指定されております。
このため、関係者間で連携して、本公園やスタジオツアー施設の整備中の段階において、震災時火災における避難場所の確保に努めながら事業を進めてまいります。
なお、民間事業者による取り組みであるスタジオツアー施設におきましても、覚書に基づき、本公園の基本目標である防災拠点の実現に配慮し、避難場所ともなる広場空間や避難動線の確保など、防災機能を踏まえた整備を進めることとなってございます。
○村松委員 整備中にも避難場所の確保に努めながら事業を進めていくということですから、地域の方へもお伝えして、不安を払拭するよう進めていただきたいと思います。
としまえんは地元に愛され、多くの方の思い出が詰まった場所です。その思い出が形として少しでも残るようご尽力をいただきたいと思います。
さらに地域の声に耳を傾け、丁寧な説明をしながら事業を進めていただきたいと要望いたします。
次に、石神井公園のかい掘り事業について伺います。
平成三十年、石神井公園の水辺観察園のかい掘りを実施していただきました。当日は近隣の方や公園利用者が集まり、その実施状況を見守っておりました。
石神井公園は池の面積が非常に大きく、その中で、この水辺観察園は面積が非常に少ない池であります。一番大きいボート池と呼ばれている石神井池はメーンの池であり、ボートの貸し出しがあったり、灯籠流しをしたりと利用されている池ですが、水質が悪く、その改善を求める声が多く寄せられておりました。昨年は調査をしていただき、本年度、かい掘り実施予定ということで聞いております。
地域の町会や商店街、学校と連携し、地域の活性化につなげ、子供たちの思い出に残るようなイベントにしてもらいたいとかねてより要望しておりましたけれども、今年度は新型コロナウイルス感染症の影響で、大規模に実施することは難しい状況だと聞いております。
今年度の実施概要についてお伺いいたします。
○根来公園計画担当部長 石神井池は、昭和六十年度以降、池底の堆積物等のしゅんせつなどの対策を実施し、水質改善に取り組んでまいりましたが、池水の濁りや悪臭の原因であるアオコの発生が続いております。
このため、来年の一月から三月にかい掘りを実施いたします。具体的には、池の水を排出し、約一カ月間、池の池底を干した後、湛水を行います。池干しを行う際に、魚類等を捕獲し、外来種は駆除の上、湛水後に在来種を池に戻す作業を行います。
今回は新型コロナウイルス感染対策のため、新たなボランティアの募集は行いませんが、捕獲した生き物の展示や解説などを地元の自然保護団体等の協力を得ながら実施いたします。
今後とも、石神井池の水質改善に向け、着実に取り組んでまいります。
○村松委員 ありがとうございます。実施内容を周知して、地域の方に見てもらえるように実施をしていただきたいと思います。
水質改善とともに、あわせてしゅんせつを求める声もあります。また、その後の展開も期待しておりますので、よろしくお願いいたします。
次に、光が丘公園についてお伺いいたします。
十九都立公園にバーベキュー広場があり、多くの都民に利用されております。ウイズコロナにおいては、感染防止のために利用サイト数を半数に抑えているとのことですが、社会経済活動が再開していく中で、屋外にあるバーベキュー広場をより使いやすいものに工夫していくべきと考えます。
昨年の予算特別委員会の中でも指摘をいたしましたけれども、予約が窓口か電話でしかできない公園があり、利用者の負担となっておりました。
予約については、窓口での混雑を避けるためにもインターネットで申し込みができることが重要でありますが、今月、光が丘公園のバーベキュー場についてもインターネットで予約ができるようになったということで、まず感謝を申し上げたいと思います。
そこで、このバーベキュー広場の予約申し込みの改善について状況をお伺いいたします。
○植村公園緑地部長 都立公園におけるバーベキュー広場は、都民のレクリエーション需要に応え、身近な公園で気軽にバーベキューを楽しめるよう、広場の一部を活用した施設でございます。
これまで、食材を予約販売している木場公園など八公園では、インターネットによる予約受け付けが可能でしたが、ほかの十一公園におきましては、窓口か電話で申し込む必要がございました。
そこで、利用者から申し込みがしやすいように、篠崎公園など五公園で先月から、光が丘公園など四公園で今月から、新たにインターネットによる予約受け付けが可能となりました。
今後とも、バーベキュー広場利用の利便性の向上に取り組んでまいります。
○村松委員 インターネットの申し込みサイトも一度つくって終わりということではないと思います。使う中で改善を図るべき点というものが必ず出てきますので、利用者目線に立った運用をしていただければと思います。
今後の指定管理の更新時には、契約条項に加えるべきだということも意見として申し上げておきます。
都内でバーベキューができる場所は限られておりますから、都立公園のバーベキュー場を有効活用して、さらに利便性向上に努めていただきたいと要望して、私からは終わります。
○西野委員 都議会自民党の西野でございます。よろしくお願い申し上げます。
初めに、先ほど報告がありました調布市東つつじヶ丘二丁目における市道等の地表面陥没についてお聞きをいたします。
都議会自民党におきましては、いち早くこの陥没における緊急要望を事業者である国にいたしました。
また、調布市から国土交通大臣、東日本高速道路株式会社、中日本高速道路株式会社に、東京外かく環状道路関越-東名工事現場付近での陥没について、緊急要請が調布市長、調布市議会議長連名で提出され、七つの要請がされたところでございます。
原因が東京外かく環状道路建設に伴うシールド工事によるのかどうかは現在調査中であり、今後の調査結果を待たないと何ともいえませんが、しかしながら、東京都としても都民の安全と生活を守らなくてはなりません。
初めに、この地表面陥没の現在の状況と東京都の対応についてお聞きをいたします。
○福島三環状道路整備推進部長 調布市道において発生しました地表面陥没の現地におきましては、十月十九日に応急措置としての埋め土が完了しており、二十四時間の巡回監視や日々の地表面計測が継続的に行われております。
外環事業の関越から東名は、国土交通省、東日本高速道路株式会社、中日本高速道路株式会社が実施しております。
都といたしましては、早急な原因究明などを国などの事業者に対して求めておるところでございます。
○西野委員 都議会自民党におきましては、この点について十月十九日に都知事宛てに、調布市で発生した道路陥没に関する緊急要望を行ったところでございます。
一刻も早く原因を究明し、市民生活の安全確保が第一と考えております。しっかりとした事業者への対応を改めて要望させていただきます。
続きまして、原因究明における現状と調査状況についてお伺いさせていただきます。
○福島三環状道路整備推進部長 今回の地表面陥没と外環工事との因果関係は不明でありますが、陥没箇所付近でシールドトンネル工事を実施していることから、東日本高速道路株式会社が原因究明に向けて取り組んでおります。
十月二十三日に第二回東京外環トンネル施工等検討委員会有識者委員会が開催され、地表面陥没に関する調査方針が示されたところでございます。
現地におきましては、二十日から自走式電磁波地中レーダー探査車を走行させて行う路面空洞調査が実施され、二十四日からはボーリング調査が行われており、原因究明に向けた調査が進められているところでございます。
○西野委員 今後開催される有識者委員会での検討内容、また調査状況におきましては、遅滞なく報告をお願いいたします。
先ほど陥没箇所周辺で行われている地盤調査において、地中に空洞があることを確認したとの報告がありました。
このような状況を含め、早急に住民の方々の不安を払拭する必要があると思いますが、どのように取り組んでいくのかお聞かせ願いたいと思います。
○福島三環状道路整備推進部長 都はこれまでも、事業者に対し、安全を最優先にした工事を要望しており、十月二十一日には国土交通省、東日本高速道路株式会社に対し、早急な原因究明などの緊急要望を行っております。
この緊急要望の中で、事業者に対して、沿線住民、とりわけ陥没箇所周辺の方々には、安全確保を第一に、不安の払拭に向けて、地元自治体と連携しながら丁寧な説明や対応を行うこと、都や地元自治体との情報共有を図っていくことを求めたところでございます。
また、原因究明のための地盤調査において確認されました空洞への対応につきましては、事業者からは、安全・安心を最優先に、近隣住民の皆様に対し、今回の事象について説明を行うとともに、必要な対応を実施していると聞いております。
また、有識者からは、空洞の状況、大きさから直ちに地表面に変状を及ぼすものではなく、緊急な対応は必要ないが、空洞は早期に充填することが望ましいとの意見をいただいており、トンネル工事との因果関係は不明でありますが、充填作業を速やかに実施すると事業者より聞いております。
○西野委員 東京外かく環状道路は、東京の発展はもとより、首都圏の高速道路網にとって欠かせない道路であり、工事施工に当たり多方面にわたる安全確保に万全を期すことは必要であり、東京都においても地域住民の方々の安全・安心の確保はもとより、工事の安全性の確認を国、事業者に対して引き続き求めていくことを要望させていただきます。
次に、橋梁整備についての現状と今後の整備の状況についてお聞きいたします。
橋梁、橋におきましては、全国に約七十二万六千、そのうち東京都が管理する橋梁が千九百十六あるということですが、この橋を維持管理することは本当に大変であると思います。
橋の役割は大変重要であると思います。万が一、橋が何らかの理由において通行ができなくなりますと、迂回をして別の橋を通らなくてはなりません。そうすると、交通渋滞が必然的に起こり、車両等での移動に支障が発生し、経済的な損失も発生します。
また、緊急車両である消防車や救急車が現場に到着する時間、また病院までの搬送時間が長くなり、人命にも影響が及びます。
高度経済成長期にかけられた橋は老朽化も進み、東京都としては、橋梁の長寿命化事業に力を入れ点検強化も行われていますが、昨年襲来した台風十九号が想定を超える雨量により多摩川が増水し、日野橋橋脚部分が洗掘され沈下しました。
その結果、日野市と立川市を結ぶ日野橋は、約七カ月間通行どめとなり、地域住民は改めて日野橋の必要性を感じたところです。
現在、老朽化している日野橋の抜本的な対策として、かけかえに向けた手続が進められています。新しい橋につきましては、どのような橋になるのか、地元の関心も強く、新しい橋への期待も高いということでお伺いさせていただきますけれども、どのような橋梁形式を採用するのか、また、選定の経緯及び現在の日野橋のかけかえ事業の進捗状況と今後の予定についてもお伺いさせていただきます。
○花井道路建設部長 日野橋は、大正十五年にかけられてから九十四年が経過し、老朽化が進んでいることなどから、平成二十六年度よりかけかえに向けた調査等を進めてまいりました。
橋梁形式は、比較検討の結果、経済性、施工性にすぐれ、地域のシンボルともなる三径間連続合成斜張橋に決定いたしました。
かけかえに当たりましては、工事中の交通機能の確保に必要な仮橋を設置することとしております。
昨年の台風第十九号による被災を踏まえまして、河川管理者等と早期かけかえに向けた協議を進めてきており、今月から仮橋工事に着手いたします。仮橋工事の完成後、現在の橋を撤去し、新たな橋をかける予定でございます。
引き続き橋梁本体工事の早期着手に向けて、着実に事業を推進してまいります。
○西野委員 次に、日野橋より約一キロメートル上流に仮称富士見四ツ谷橋の架橋が計画されています。この事業におきましては、お亡くなりになりました古賀俊昭都議会議員が積極的に必要性を論じ、架橋に向けて取り組んでいた事業です。
この橋は、JR日野駅から北に延びる日野都市計画道路三・四・一七号立川日野駅線の一部であり、本橋梁より南側までの市施行区間においては既に完成しております。
本橋梁が整備されることにより、周辺道路の渋滞解消に加え、その北側の道路整備とあわせ、立川広域防災基地に直結され、防災機能の強化が図られることから、市民の期待が高まっている状況におきまして、仮称富士見四ツ谷橋の東京都の今後の取り組みについてお伺いをさせていただきます
○花井道路建設部長 仮称富士見四ツ谷橋は多摩川をまたいで日野市と立川を結び、甲州街道と新奥多摩街道を連絡するなど、南多摩と北多摩の地域間連携を強化する重要な橋梁でございます。
また、この橋梁の新設とあわせまして、立川三・一・三四号線を整備することにより、災害応急対策活動の中核拠点となります立川広域防災基地と南多摩地域が直結され、広域的な防災性が大きく向上いたします。
今後、航空測量の成果をもとに、道路構造等の検討を重ねますとともに、関係機関との協議を進め、事業化に向け取り組んでまいります。
○西野委員 早期の事業化を目指していただきたいと思うところでございます。
次に、快適な道路空間の整備における無電柱化についてお聞きいたします。
無電柱化事業は、災害時に電柱倒壊による道路閉塞を防止するなど、防災上重要な事業でございます。
私の地元の日野市においても、緊急輸送道路に指定されている川崎街道で道路拡幅に伴い無電柱化事業が実施され、事業が進んでいることを評価させていただきます。
しかしながら、日野市内の緊急輸送道路に指定されている都道の中には、歩道の狭い箇所も少なからず存在しております。
このような箇所においても、難しいと思いますが、無電柱化を進める必要があると思いますが、日野市内の都道における無電柱化事業の取り組み状況と、道幅の狭い都道においてどのように進めていくのかお伺いさせていただきます。
○齊藤道路保全担当部長無電柱化推進担当部長兼務 都は現在、計画幅員で完成している歩道幅員二・五メートル以上の都道を優先に無電柱化事業を推進しております。
日野市内では、北野街道の平山五丁目付近で事業中であり、今年度は電線共同溝本体工事に引き続きまして、沿道建物への引き込み管工事を行っております。
また、都では、道幅の狭い道路におきましても整備を進めるため、電線管理者と連携し、地上機器のコンパクト化や街路灯と一体となった機器の開発に取り組んでおります。
今後とも、都市防災機能の強化に資する無電柱化を推進してまいります。
○西野委員 引き続き無電柱化に取り組んでいただきたいと思います。
次に、急傾斜地崩壊対策事業についてお伺いをさせていただきます。
近年、台風や集中豪雨等により全国各地で土砂災害が発生しており、昨年は東日本を中心に大きな被害をもたらした台風十九号により、東京都におきましても多摩地域を中心に多くの甚大な被害が生じました。
土砂災害の要因となる豪雨は近年増加傾向にあり、災害を未然に防止する対策は、都民が安心して生活する上で欠かせない状況にあります。
東京都には土砂災害警戒区域が約一万五千カ所存在しております。大半が急傾斜地の崩壊、いわゆる崖崩れのおそれがある箇所です。
本来、斜面対策は土地所有者が行うのが基本ですが、私の地元日野市平山六丁目付近では、東京都による急傾斜地崩壊対策を実施していくと聞いております。
つきましては、平山六丁目付近におけますこれまでの経緯についてお伺いします。
○小林河川部長 都は、土砂災害のおそれのある自然斜面におきまして、所有者等による対策が困難な場合、区市町村の要望を受け、急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律に基づき、急傾斜地崩壊対策事業を実施しております。
平山六丁目地区におきましては、平成二十九年三月の降雨や同年八月の台風第九号により斜面が崩落し、住宅に土砂が流れ込む被害が発生いたしました。
その後、日野市は、再び崩落が起きる可能性などを踏まえまして、都に対して急傾斜地崩壊対策事業の実施を要望いたしました。都は、この要望を受けまして、法律に基づき平成二十九年度より事業を実施しております。
○西野委員 平山六丁目地区の急傾斜地崩壊対策事業経緯につきましては承知いたしました。
次に、進捗状況と今後の取り組みについてお伺いをさせていただきます。
○小林河川部長 当該地につきましては、これまでに基本設計、用地測量、地質調査を実施しております。
現在、構造や施工範囲の検討などの詳細設計を実施しておりまして、急傾斜地崩壊危険区域を指定した上で工事に着手する予定でございます。
今後とも、都民の安全・安心の確保に向けまして、市と連携を図りながら着実に事業を進めてまいります。
○西野委員 昨年の台風十九号では、幸いにも崖崩れは発生しませんでしたが、いつ被害が起きてもおかしくない状況です。住民の不安を少しでも軽減するためにも協議を進めていただきたく、早く工事に着手していただくようお願いを申し上げます。
最後になりますけれども、動物園事業についてお聞きをさせていただきます。
第二次都立動物園マスタープラン中間まとめ案では、レクリエーション、環境学習、種の保存、調査研究という四つの機能を強化していくとしています。
日野市にある多摩動物公園では、都立動物園のみならず、日本の動物園、水族館の生息域外保全、生息域内保全の中心的役割を担うため、野生生物保全センターを設置するとともに、トキやコウノトリなどの希少種の繁殖に成功し野生復帰事業に寄与するなど、野生動物保全に成果を上げています。
都立動物園の野生動物保全事業などを多く都民に発信し、理解を得ることも重要であると考えますが、都立動物園のこれまでの情報発信と今後について、また、今までの研究調査等の情報発信の取り組みと、今後の取り組みについてお聞きをさせていただきます。
○根来公園計画担当部長 動物園や水族園が野生動物の保全に貢献するためには、希少動物の保護、繁殖や調査研究だけではなく、保全の重要性を都民に広く伝えることが重要でございます。
都立動物園、水族園では、現在、野生動物の保全をテーマとする講演会など、環境学習プログラムを実施してございます。例えば希少な野生動物の現状、保全の取り組みや課題に関するシンポジウム等を毎年開催しております。
また、野生動物の保全に関心を持っていただくため、多摩動物公園で繁殖したトキの若鳥を佐渡トキ保護センターに送り出すときの様子、また、世界ユキヒョウの日や世界ゾウの日などの機会に、園が取り組む希少種の保全の取り組み内容をSNSを活用しまして、都民に向けてわかりやすく発信をしております。
今後は、ICT技術の動向も踏まえ、VR、いわゆるバーチャルリアリティー等の活用を検討するなど、より一層、野生動物保全の取り組みを積極的に発信してまいります。
○西野委員 質問を終了させていただきます。ありがとうございました。
〔小林河川部長発言を求む〕
○小林河川部長 先ほどの私の答弁の中で、平山六丁目地区で平成二十九年三月の降雨というふうにさせていただきましたけれども、正解は平成二十八年の三月の降雨でございます。済みません、訂正させていただきます。失礼いたしました。
○のがみ委員 最初に、私の方からは、河川や水門の耐震補強について質問させていただきます。
昨年の台風十九号やことしの七月豪雨など、近年、強い勢力を保った台風の接近や記録的な大雨により、これまで経験したことがない大規模な水害が日本各地で発生しております。
特に台風十九号では、接近、通過に伴い、広い範囲で大雨や高潮となったことで、神奈川県などで過去最高潮位を超える値を観測するとともに、都内でも高潮警報が発表されました。
私も消防団員として割り当ての小学校に参集をいたしました。体育館が二階だったので、車椅子で避難された高齢の方を四人で持ち上げて二階まで運んだり、避難所訓練を受けていましたので、各教室を授乳室とか女性専用室とか障害者を抱えた部屋とか、いろいろ設置をいたしまして、避難所運営を行いました。
幸いにして、東京東部にある地盤の低いゼロメートル地帯では大きな被害はありませんでした。
カスリーン台風などでは何日も水が引かない状況が続きました。何度も高潮などによる水害が発生し、多くの被害を受けてきた歴史がございます。
私の地元である葛飾区は、区のほとんどが浸水するようなハザードマップが区民に配られております。避難所となる小学校、中学校には、組み立て式の救助用のボートを配備しております。大規模水害に備えております。
消防団の分団には、エンジンつきのボートが順次配備されております。これはなぜかというと、葛飾区には七本の川が流れておりまして、川に囲まれたエリアとしては、川の堤防が決壊しないということが最大の関心事でございます。
さらに、首都直下地震はいつ起きてもおかしくないといわれておりまして、地震によって堤防が壊れてしまった場合、高潮が発生しなくても浸水してしまうことになります。
そこで、東部低地帯における河川整備の取り組みについてお伺いいたします。
○小林河川部長 東部低地帯は、地盤高が満潮面より低いゼロメートル地帯が広く分布しておりまして、高潮や地震により一たび水害が発生いたしますと、広範囲で浸水被害が想定されます。
都はこれまで、堤防等の整備を進めてきたことで、国内で過去最大の被害をもたらした伊勢湾台風級の高潮への対応をおおむね完了しております。
現在、東日本大震災を受け、東部低地帯の河川施設整備計画を策定いたしまして、想定される最大級の地震が発生した場合においても、施設の機能を保持し、津波等による浸水を防止するため、堤防約八十六キロメートル、水門等二十二施設の耐震、耐水対策を実施しております。
○のがみ委員 これまでも平成二十四年度に策定した整備計画に基づく中川の耐震対策について、都議会で何度も何度も取り上げて確認してまいりました。
そこで、改めて中川における堤防の耐震対策に係る規模、そして総事業費及び現在の進捗状況についてお伺いいたします。
○小林河川部長 本計画に基づきまして、中川では平成二十四年度より、堤防七・六キロメートルを対象として耐震補強工事を進めており、総事業費は約四百四十億円でございます。
これまで計画延長の約九割を事業化しており、このうち令和二年度は約八百メートルで工事を実施いたします。
○のがみ委員 総事業費四百四十億円。将来にわたって想定される最も強い地震が発生した場合においても、護岸の機能を確保しているということで、津波による浸水も防ぐことができる整備を、都が大変力を入れて着々と中川の安全性を高めていることに対して感謝を申し上げます。
ところで、中川七曲がりの下流橋には上平井水門があり、七曲がり上流端では中川から分派する新中川の下流端には今井水門があります。これらの水門は堤防とともに、高潮や津波の脅威から地域を守る重要な施設であり、堤防と同様に耐震対策が進められております。
そこで、上平井水門と今井水門における耐震、耐水対策の内容と現在の取り組み状況をお伺いいたします。
○小林河川部長 最大級の地震が発生した際にも確実に水門が閉鎖できるよう、現在、水門としての機能を確保しながら、航行船舶の安全性も考慮して工事を進めております。
上平井水門では四門ある門扉のうち最後の一門を、今井水門では七門のうち残る三門を整備中でございます。
さらに、万が一浸水が発生した場合でも、施設の機能を保持するため、両水門ともに電気、機械設備を高潮の計画高さ以上の位置へ移設してまいります。
○のがみ委員 もしものときに電気とか機械設備が水につかってしまうと使うことができませんので、ぜひ安全なところへの移設をよろしくお願いいたします。
また、この中川の耐震対策は、耐震補強だけではなく、川の両岸に区民の方々が散歩ができる遊歩道を整備していただいております。今までかみそり堤防といわれたところに人々がそこの川のところにおりていって、散歩ができるようなすばらしい道ができております。
引き続き完了に向けて耐震対策を着実に進めていただくことを要望いたします。
次に、水元公園の新たな魅力について質問いたします。
私の地元葛飾区にある水元公園は、都内で唯一の水郷景観を持つ、ヨーロッパに来たのかと見間違うぐらいすばらしい公園です。二十三区で一番の広さを誇るこの公園は、春の桜、六月のショウブ、メタセコイアなど詩情豊かな公園でございます。
この水元公園が、より多くの都民に親しまれ快適に利用されるように、私はこれまで、さまざまな提案を行ってまいりました。
例えばドッグランの設置、これは大型犬と小型犬に分かれて使用できる三千五百平方メートルのかなり広いドッグランになっております。そして、つくった後、犬が水を飲むときに飲みにくいということもあって、改修もしていただきました。
それから、少年野球場の整備。その野球場の周りにすばらしい木がたくさんあったんですけど、それを捨ててしまうのはもったいないので、別の場所に移設をして、木々を残しておくということもしていただきました。
それから、水元公園は駐車場が非常に少なかったので、駐車場の整備もしていただきました。
それから、高齢者向けの健康遊具の設置。まだまだ健康遊具がそんなに広まっていなかったときだったんですけれども、これも設置をしていただきました。
また、メタセコイアの並木のライトアップ、これは多くの人が夜来られて楽しまれました。
一年中花がめでられる公園にということで、桜やショウブなど一年中花がある公園です。
過去に、舞台で水元菖蒲まつりの式典があったんですね。鏡開きをしたときに、司会の方がどうぞといった途端に、舞台が一・五メートル下に落ちまして、私も落下しました。お酒が服にばっとかかって、午後から今度は堀切菖蒲園の式典がありましたので、急いで着がえをしたのを覚えております。そこで、しっかりとした常設舞台もつくっていただきました。また、野だてができる建物なども整備していただきました。
今後も、都は、水元公園の豊かな自然を守りながら、新たな魅力の発信に努めてほしいと思っております。その意味では、地元の要望に応え、区と連携していくことも大変重要だと思っております。
本年六月には、新たな総合クライミング施設が水元公園に誕生いたしました。
そこで、水元公園の新たな魅力となるクライミング施設が設置された経緯についてお伺いいたします。
○植村公園緑地部長 このスポーツクライミング施設は、東京二〇二〇大会開催を契機に、都民の生涯スポーツの振興と健康増進を図るために、葛飾区が設置したものでございます。
設置に当たりましては、平成三十年に葛飾区からの要望を受け、設置場所や利用条件などについて協議を重ね、本年六月にオープンいたしました。
東京二〇二〇大会の競技種目であるスポーツクライミング三種目ができる都内初の公営の競技施設であり、今後は、国内外の競技大会の開催などにも利用されることが期待されております。
○のがみ委員 これは国際スポーツクライミング連盟認定の、リードも高さ十六メートル、スピードも十六メートル、ボルダリングは幅が三十メートルもある、国際大会で使えるものになっております。
区がつくったもので、二時間四百円という非常に安い料金設定もなされておりますし、公営なので朝九時から二十一時まででございますので、今コロナで人数を制限しておりますけれども、大会のない限り皆様方にもぜひ利用していただければと思います。
次に、道路や既設橋梁のバリアフリー化について質問させていただきます。
高齢化が進む東京都では、高齢者や障害者はもちろん、歩行者の誰もが安心して円滑に移動できる歩行空間の整備が重要であります。
また、東京二〇二〇大会の開催に伴い、国内外から訪れる全ての人々が安心して競技会場や観光施設に足を運べる環境の整備も求められております。
そこで、都道におけるバリアフリー化の整備内容と、東京二〇二〇大会に向けた取り組みについてお伺いいたします。
○齊藤道路保全担当部長無電柱化推進担当部長兼務 都はこれまで、駅や官公庁、福祉施設などを結ぶ都道約三百二十七キロメートルを選定し、段差解消や勾配改善、視覚障害者誘導ブロックの設置など道路のバリアフリー化を進めてまいりました。
現在は、平成二十八年三月に策定した東京都道路バリアフリー推進計画に基づきまして、都道約百八十キロメートルの整備を進めております。そのうち、東京二〇二〇大会に向けましては、競技会場や観光施設周辺等の都道において、令和二年度末までに約九十キロメートルの整備が完了する予定でございます。
○のがみ委員 東京二〇二〇大会に向けた都道の取り組みはわかりました。もう少しで九十キロメートルの整備が完了するということでございます。
東京二〇二〇大会に向けて進められた道路のバリアフリー化の取り組みは、さらに発展させていくことが重要と考えます。
そこで、東京二〇二〇大会終了後の、道路のバリアフリー化に向けた今後の取り組みについてお伺いいたします。
○齊藤道路保全担当部長無電柱化推進担当部長兼務 大会終了後も引き続き、東京都道路バリアフリー推進計画に基づきまして、駅や官公庁、福祉施設などを結ぶ道路に、文化施設やスポーツ施設等の周辺も加えた都道の整備を進めてまいります。
あわせまして、東京二〇二〇大会のレガシーとして、区市等と連携した道路の面的なバリアフリー化を推進するため、昨年七月に国が指定したバリアフリー法に基づく特定道路のバリアフリー化を進めてまいります。
○のがみ委員 誰もが使いやすい道路とするためには、都道だけでなく、区市町村のバリアフリー化が大変大事です。必要です。
このため、区市町村のバリアフリー整備に向けた取り組みを促進していくべきと考えますけれども、見解を伺います。
○齊藤道路保全担当部長無電柱化推進担当部長兼務 高齢者や障害者を含めた全ての人が円滑に移動するためには、道路の面的なバリアフリー化が重要でございます。
このため、都は、区市町村道のバリアフリー化を促進するため、特定道路のバリアフリー化に要する費用のうち、国庫補助金を除く費用の二分の一を補助する制度を創設し、今年度から区市等へ財政支援を行っております。
○のがみ委員 国庫補助が二分の一、そして東京都が四分の一、そして区市が四分の一。かかった費用の四分の一で東京都がバリアフリーを建設できるということで、道路のバリアフリー化の取り組みがわかりました。
一方、都内には、バリアフリー化されていない橋梁も多く、特に私の地元葛飾区や江東区、江戸川区などの東部低地帯では、河川よりも周囲の土地が低いため、いわゆる太鼓橋となっており、階段や急な勾配のスロープを利用しなければなりません。
このため、障害者や高齢者、ベビーカーの方々が大変不便を感じており、既にエレベーターを設置した船堀橋では地元から非常に喜ばれております。
また、私の地元にある青砥橋や飯塚橋だけでなく、他の既設橋梁についてもバリアフリー化は強く求められております。
こうした都民の声を踏まえ、我が党はかねてより、既設橋梁のバリアフリー化について計画的に取り組むべきであることを、本会議や委員会で訴えてまいりました。
そこで、今後、都が管理する既設橋梁のバリアフリー化について、都としての取り組みの方向性について伺います。
○齊藤道路保全担当部長無電柱化推進担当部長兼務 都は、昨年度から今年度にかけまして、特定道路上にある橋梁や、スロープがなく階段を利用しなければならない橋梁、バリアフリー化の要望のある橋梁など約五十橋を対象とし、歩行者や自転車の交通量調査と、歩道の幅員や勾配、迂回路の状況などの現況調査を実施いたしました。
今後は、調査結果をもとに、利用状況や地域特性、バリアフリー法に基づく位置づけ等を踏まえ、既設橋梁のバリアフリー化の整備方針について検討してまいります。
○のがみ委員 葛飾区の都道環状七号線の青砥橋におけるエレベーター設置を求める意見書が公明党、自民党、区民連合の三会派から出されております。
青砥橋は中川にかかる橋で、左右四カ所に垂直に上る階段が設置されております。階段の高さが近くのマンションの大体四階に相当する高さなので、七十段近く上ったりおりたりして、青砥駅に通るようになります。
これはテレビでも何度も取り上げられて、高齢化している高砂一丁目に都営住宅があるんですけれども、その方たちが買い物に行くのに本当に大変だということで、テレビに出ておりました。
私の知っている人もテレビに出ておりましたが、高砂一丁目地域には、コンビニが一店舗あったんですけれども、そこで牛乳とかパンとかを買ってちょっと過ごせるような店舗があったんですけれども、その店舗も数年前になくなりまして、日常的な買い物不便地域になっております。
ですから、タクシーを使ってやむなく買い物しなければならない人もいますし、経済的な負担も大きいとの声もあります。
また、スロープは幅員が二メートルのすごい長い直線なので、上るときは押して上がるんですけれども、一回スピードがつくと、かなりなスピードで下るので、重大な接触事故が起こってからでは遅いという不安の声が、車椅子やベビーカーの利用者からも出ております。
こうした既存の橋梁についても、高齢者や障害者など全ての人々が安心・安全に利用できるよう、バリアフリー化していくことが重要であります。引き続き計画的な取り組みの推進をお願いいたします。
次に、無電柱化について質問します。
道路は都民生活を支える重要な社会インフラです。その役割は、膨大な交通需要に対応するとともに、災害時の避難、救援路としての機能があります。
私の地元の葛飾区には環状七号線が通っており、平時はもとより、災害時にも大変重要な役割を担っている道路と認識しております。
都は、都市防災機能の強化を目指し、都道の無電柱化を進めており、環状七号線についても、多くの箇所で無電柱化工事が進められている様子がうかがえます。
そこでまず、環状七号線における無電柱化の整備状況についてお伺いいたします。
○齊藤道路保全担当部長無電柱化推進担当部長兼務 環状七号線は、震災時に都心への一般車両の進入を規制する流入禁止区域の境界となっていることから、第一次緊急輸送道路の中でも特に防災上重要な路線でございます。
環状七号線の無電柱化につきましては、令和六年度末までの完了を目指しており、令和元年度末までに四十九キロメートルの電線共同溝整備が完了し、地中化率は約四五%でございます。
○のがみ委員 現在、地中化率は四五%ということがわかりました。環状七号線全体については、整備を着実に進めていただいていることがよくわかりました。
そこで、次に、私の地元の葛飾区内の環状七号線における無電柱化の取り組み状況についてお伺いいたします。
○齊藤道路保全担当部長無電柱化推進担当部長兼務 葛飾区内の環状七号線では、施設延長約八・六キロメートルを亀有、青戸、高砂、奥戸の四つの工区に分割し、無電柱化事業を実施しております。
現在、全ての工区において無電柱化事業に着手しており、令和元年度には約三・五キロメートルの電線共同溝本体が完成いたしました。
このうち、例えば亀有地区では、亀有駅周辺を含む約一・三キロメートルの電線共同溝本体工事に引き続きまして、今年度は沿道建物への引き込み管工事等を実施する予定でございます。
また、高砂地区では、施設延長約〇・七キロメートルの全ての電線共同溝本体工事が完了しており、今年度は沿道建物への引き込み管工事を実施するとともに、無電柱化の仕上げとなります舗装の本復旧工事を行う予定でございます。
引き続き、環状七号線の無電柱化を積極的に推進し、都市防災機能の強化を図ってまいります。
○のがみ委員 私の住んでいるところも電線の地中化の作業を本当に夏の暑い時期に進めておられまして、汗びっしょりで行っておりまして、大変な労働と見守っておりました。
きょうの質疑で、葛飾区内の環状七号線全体についても整備が着実に進んでいることがわかりました。
環状七号線は平常時、災害時問わず重要な道路となるので、着実に事業を進めていっていただきたいと思います。
最後の質問です。外環近くの地表面陥没事故について質問させていただきます。
外環道は、首都圏の交通や物流の根幹をなし、渋滞解消や防災性の向上、地域の安全性の確保などに資する重要な道路でございます。
十月十八日、調布市内で起きた地表面陥没は、付近で行われている外環のシールドトンネル工事と関係しているのかどうか、心配する声が多く聞こえてきております。
都議会公明党は、周辺の安全対策に万全を期するとともに、陥没の原因を早期に明らかにすることが重要と考え、翌日十九日に知事に対し直接緊急要望を行うとともに、地元選出の中嶋団長が地元市議とともに陥没発生時すぐに現場に入り、状況の確認や地元に寄り添った対応を続けております。
我が党の緊急要望では、早期の原因究明を国など事業者に対し強く要請するべきと求めましたけれども、都の対応についてお伺いいたします。
○福島三環状道路整備推進部長 十月二十一日、都は、国土交通省、東日本高速道路株式会社に対しまして、早急な原因究明と沿線住民の方々には安全確保を第一に、不安の払拭に向けて地元自治体と連携しながら、丁寧な説明や対応を行うことなどの緊急要望を行ったところでございます。
また、知事みずから、この要望の内容につきまして、同日、国土交通大臣に直接要請したところでございます。
○のがみ委員 知事も我が党の緊急要望を受けて、みずから国土交通大臣に直接要請していただいたということでございます。
早期の原因究明が重要と思いますが、現在の状況についてお伺いいたします。
○福島三環状道路整備推進部長 今回の地表面陥没と外環工事の因果関係は不明でありますが、陥没箇所付近でシールドトンネル工事を実施していることから、東日本高速道路株式会社が原因究明に向けて取り組んでおります。
原因究明に向けた取り組み状況でございますが、地表面陥没が発生した翌日十九日に第一回東京外環トンネル施工等検討委員会有識者委員会が開催され、現場状況と調査項目の確認がなされました。
また、二十三日に第二回有識者委員会が開催され、今後の調査方針が示されたところでございます。
なお、調査方針では、ボーリング調査など現地調査を速やかに実施するとともに、必要に応じて追加調査を実施しながら、陥没メカニズムの究明を行うこととされております。
現地におきましては、二十日から路面空洞調査が実施され、二十四日からはボーリング調査が行われており、原因究明に向けた調査が進められているところでございます。
○のがみ委員 陥没箇所の周辺の人たちは、今回の陥没で多くの不安を抱えています。
今後行われる調査内容について、周辺住民に対して丁寧に説明すべきと思いますが、取り組みについてお伺いいたします。
○福島三環状道路整備推進部長 明日十一月六日とあさっての十一月七日、調布市内において住民説明会を開催すると国など事業者から聞いております。
住民説明会におきましては、これまでに開催されました有識者委員会において確認された内容や、原因究明のための調査の方針などにつきまして、陥没箇所周辺にお住まいの方を対象に説明を行うと国など事業者から聞いております。
○のがみ委員 あしたとあさって、本当に、この住民の説明会でしっかりと不安解消のために、ぜひ丁寧な説明に努めることを強く事業者に求めていただきたいと思っております。
陥没場所における安全確保に加えて、周辺において同様な危険性がないかどうか十分チェックを行うことが必要だと思いますけれども、いかがでしょうか。また、先ほど説明があった、地中で確認された空洞について、今後の対応についてお伺いいたします。
○福島三環状道路整備推進部長 国など事業者からは、地表面陥没の原因究明のため、当該陥没箇所及びその周辺道路におきまして、地盤調査や路面空洞調査等を実施していると聞いております。
また、これまで掘り進めてきた区間の安全確認のために、この区間におきましても準備が整い次第、衛星測位システムを利用した測量による地表面の常時観測、また、路面空洞調査を実施すると国など事業者から聞いております。
先ほどご説明しました、地盤調査において確認されました空洞への対応につきましては、トンネル工事との因果関係は不明でありますが、事業者より確認された空洞への充填作業を速やかに実施し、引き続き地表面変位の常時観測を実施すると聞いております。
なお、現時点では、地表面変位について異常は確認されていないと聞いております。
○のがみ委員 早急な原因究明と地元住民への不安解消の取り組みが進められていることがわかりました。
引き続き、スピード感を持ってしっかりと対応するよう、都から事業者に求めるように要望いたします。
我が党も引き続き、地元の不安解消に向けて、今後の動向に注視してまいります。
日ごろから道路の陥没事故は起きていることが多くて、私も住民からの通報で現地に行って、本当にぽっくりと人が入るぐらいの大きな穴を見て、ここを車や自転車が通ったら絶対にけがをするなと思って、近くに工場があったので三角コーンを借りてきて、区道だったので、すぐに、区のすぐやる課に電話をして、すぐやる課の方が来られるまで、ずっとそこで見張っていたことがございます。
また、道路の陥没を調べる会社があるんですけれども、普通の速度で走って道路の穴の状況がわかり、うちの葛飾区では全ての道路を調べて対応していると伺っております。そうした会社などとの協力で、日ごろから徹底したチェックをすることも大事であると思っております。
今回は、人命が奪われることがなく、不幸中の幸いですけれども、地域の住民からすると、いつ同じようなことが起こるか不安で仕方がないという状況だと思っております。
しっかりと原因を究明して、早期に工事が再開できるようにしていただくことを要望して、質問を終わります。
以上です。ありがとうございました。
○里吉委員 それでは私から、まず最初に、道路橋の質問をしたいと思ったんですが、今の、のがみ委員の質問と丸かぶりでございますので、要望だけにさせていただきます。
昨年十一月の請願審査のとき、我が党の和泉なおみ都議が紹介議員となって出されました葛飾区青砥橋の道路橋のバリアフリー化問題、質疑をいたしましたが、先ほどの質疑でも明らかになりましたように、既存道路橋のうち、特定道路橋に位置する橋梁や、歩行者が階段を利用しなければ通行できない橋梁、バリアフリー化の要望のある橋梁などを対象にさまざまな調査を行って、今後、既存道路橋のバリアフリー化の優先度などを検討していくということがわかりました。
ぜひ、具体化が進んでいるということなので、日常の買い物や通院で大変苦労されている方々がたくさんいらっしゃるということで、早急にバリアフリー化に取り組んでいただきたいということを求めます。
また、既存の道路橋で行ったような実施状況について調査ということですが、これは横断歩道橋でも同じような問題が起きております。私の地元では、横断歩道橋のバリアフリー化を求める声が大変多い、そういう場所が幾つもあります。
ぜひこちらのバリアフリー化の取り組みも進めていただけるように、これについては、また改めて別の機会で質疑をしたいと思いますので、これは要望にしておきたいと思います。
それでは、質問としては、葛西臨海水族園の問題についてまず取り上げてまいります。
葛西臨海水族園の更新に向けた事業計画が十月に公表されました。本日は、この事業計画に関連して、パブリックコメント、意見募集について、そして事業手法、PFI事業について、そして既存施設の存続について伺ってまいります。
まず、意見募集についてです。
陳情質疑のときに、葛西臨海水族園の更新に向けた事業計画素案に対するパブリックコメントの開示請求に対して、都民の意見が全て非開示とされたことについて公開すべきだと申し上げました。
二百六十八通、五百二十二件の意見の内容が事業計画と一緒に公表されていますが、主な意見はどのようなものだったのか、まず伺います。
○根来公園計画担当部長 葛西臨海水族園の更新に向けた事業計画素案に対しまして、水族園機能を新施設へ移転することへの賛否、既存施設の保存、活用、新たな水族園像、展示、整備要件及び事業手法についてなど、さまざまなご意見をいただきました。
○里吉委員 事業計画素案に対する意見募集の結果は既に公表されていますので、できたらもう少し丁寧にお答えいただきたかったのですが、私の方で紹介させていただきます。
五百二十二件の意見の中には、新たな水族園についての意見十九件、既存施設とは別に建築する建物に水族園機能を移すことについて反対百八十六件、既存施設の保存、活用を希望する三十五件、既存施設とは別に建設する建物に水族園機能を移すことに賛成二十二件、水族園の新たな姿について五十六件など、やはり改築でいいのか、また、そうなった場合の既存施設の存続を求める声が多数寄せられていることがわかります。
また、これまでの進め方に関しても六十一件の意見が出されています。前回の質疑でも私からも申し上げましたが、改築ありきで議論が進められたこと、既存施設の存続について議論されてこなかったことについても、やはり多くの意見が出されたわけです。
東京都は、全ての意見を整理、分類して、それに対する都の考え方をあわせて公表しましたが、それは、この十月に出された葛西臨海水族園の更新に向けた事業計画と同時の発表で、計画の決定前に公表されることはありませんでした。
この内容を公表できなかった理由として、この内容を公にすることにより、今後の該当業務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるためと前回答弁していますが、今、私が紹介したような意見の内容が事前に公表されることが、業務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるというのはどういうことなのか、改めてこのことについての見解を伺います。
○根来公園計画担当部長 東京都情報公開条例第七条第五号及び第六号の東京都の事業計画公表前に都民からの意見を開示した場合、率直な意見の交換もしくは意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれなどがあると考えられたため、非開示といたしました。
○里吉委員 条例に書いてあるということだったんですけれども、私、生活文化局にも確認をいたしました。
それから、国の意見募集の手続について、法律でどのように定められているか、これも調べさせていただきました。
どちらも同時期に出すということが決まっているだけで、同時に出さなければいけないということではない。前に出すこともあるし、後に出すこともあるし、同時に出すこともある。そこについては、それぞれできちんと考えていいということになっているわけですね。
ちょっと伺いたいんですけれども、この文書の中に、率直な意見の交換もしくは意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれというふうにあるんですけど、これは誰の、どこの意見交換なのか、どこの意思決定の中立性が不当に損なわれると考えているのか。条例の説明でもよろしいですので、お答えいただきたいと思います。
○根来公園計画担当部長 東京都情報公開条例の趣旨でございますが、公にすることにより、行政内部の自由かつ率直な意見の交換が妨げられ、意思決定の中立性が損なわれるおそれがあること、また、未成熟な情報が確定した情報と誤解され、都民の間に混乱を生じさせるおそれがあることなどでございます。
○里吉委員 行政内部の議論、率直な議論に影響を及ぼすというお話でしたけれども、行政内部の皆さんは、それを聞いて、意見募集で寄せられた意見を参考に素案を修正して決定していらっしゃいますよね。ですから、その意見が公開されても公開されなくても、それには影響されないと思うんですね。
例えば、一番中心の問題の一つになった、実現に向けた進め方について、既存施設を残すかどうかという問題についてですが、これは素案では特に記述はありませんでした。
しかし、これが十月に公開された事業計画では、既存施設については、新施設整備の取り組みと並行して利活用の可能性とその採算性等について検討を行い、水族園機能を移設した後、施設の状態等を調査の上、そのあり方について決定していきますという一文が加わっているわけです。
都の所管として、都民の意見募集した意見を聞いて、この修正をしたのだと思うわけです。担当の職員の皆さんは、意見をこうやって反映させていると思うんですね。全部の意見を聞くということではなくて、きちんと意見を聞いた上で、自分たちで考えて、それを含めてきちんと決定されたというふうに思います。
ですから、この意見を事前に公表することが、率直な意見の交換もしくは意思決定の中立性を、不当に損なうおそれというのはないのではないかと思うわけです。
それよりも、都民から広く意見を募集して、事業や計画などを決定するときに、いろんな意見を含めて議論するべきであり、せっかくパブリックコメントとして皆さんが意見を出してくれているわけですから、それも広く公表して都民と決めるということで、今後計画を決めるときのパブリックコメントについては、事前に、決定の前に内容を公表するということをぜひ行っていただきたいと思いますが、見解を伺います。
○根来公園計画担当部長 事業計画の策定に際しましては、さまざまな分野の専門家により構成されました葛西臨海水族園事業計画検討会を全面公開で行ってまいりました。
また、都民による都政への参加を進め、都における公正で透明な行政の一層の推進を図るため、計画等の策定に係る意見公募手続に関する要綱に基づき、意見公募の手続をとることといたしました。
令和元年十二月に事業計画の素案を公表し、都民の意見を三十日間募集し、いただいたご意見も参考に素案を修正し、令和二年十月に事業計画を決定、公表したものでございます。
○里吉委員 そうなんです。皆さん、ちゃんと都民の意見を聞いて、素案を修正しているわけです。ですから、決定前に都民からどういう意見が寄せられているのか、それを広く都民に返すということも、さらに一歩進めて、ぜひやっていただきたい、これは強く要望しておきます。
次に、事業手法について伺います。
事業計画では、官民連携手法としてPFI、BTOというやり方と、PFI、BOTを比較して開園時に財産の所管が都に移転するPFI、BTO手法が、よりコストの面での効果が高いと書かれていますが、具体的にどういうことかご説明を願います。
○根来公園計画担当部長 PFI事業とは、民間の資金と経営能力、技術力を活用し、公共施設等の設計、建設、改修、更新や維持管理、運営を行う公共事業の手法でございます。
そのうちBTO方式とは、民間事業者が施設等を建設し、施設完成後に公共施設等の管理者等に所有権を移転し、民間事業者が維持管理及び運営を行う手法でございます。
一方、BOT方式は、民間事業者が施設等を建設し、維持管理及び運営し、事業終了後に公共施設等の管理者等に施設所有権を移転する手法でございます。
事業期間中、施設を民間事業者が所有するBOT方式は、固定資産税相当額等が事業費に追加されるため、コスト増となる傾向がございます。
○里吉委員 いろいろご説明いただきましたが、BTO方式の場合、固定資産税相当分を事業者が負担しなくていいと。すぐに所有権が都に戻るので、固定資産税を事業者が負担しなくていい、だからその分事業費が少なくて済むということだと思います。
事業計画では、官民連携の事業手法を取り入れる効果として、財政面では施設整備、維持管理、運営等に要する事業全体の費用に対するコスト削減効果の試算をしたところ、従来方式と比較してPFI、BTO手法では三・一%の削減効果があると記載されていますが、従来方式とはどのような方式なのか、具体的な試算の数字を示してください。
○根来公園計画担当部長 従来方式とは、都が新たな水族園の基本設計、実施設計、工事などをおのおの個別に発注するとともに、施設整備後の水族園運営及び建物維持管理を指定管理者制度で行うことを想定した方式でございます。
この従来方式によるコストにつきましては、平成三十一年から令和二年度まで実施いたしました葛西臨海水族園事業計画検討会において、施設整備、二十年間の水族園運営及び建物維持管理等に係る経費を試算したところでございます。
さらに、内閣府ガイドラインに基づき、PFIの効果をはかる際に行われる現在価値への換算を行った結果、約四百七十八億円となりました。
○里吉委員 今まで東京都がつくってきたやり方でやると、これぐらいの価格に換算されるという計算だということでした。
その従来方式に比べて、PFI、BTO方式だと三・一%の削減効果となるということが示されていますが、それはどういうことなのか、具体的に伺いたいと思います。
○根来公園計画担当部長 PFI、BTO方式で施設整備や建物維持管理等を行う場合のコストを試算するに当たりましては、内閣府ガイドラインに基づき、一〇%の削減効果としております。
一方で、事業監視を行う費用や事業者が資金調達を行うための金利相当分の増額が予想されます。
これらの条件を整理し、平成三十一年から令和二年まで実施した葛西臨海水族園事業計画検討会において、内閣府ガイドラインに基づき試算をした結果、最終的には費用削減効果は約三・一%となりました。
○里吉委員 今お答えいただきましたけれども、そうなんですよね。内閣府のガイドラインで一〇%の削減効果としているという説明でした。
私、これはもっと根拠のある数字だと思っていたのですが、いろいろ資料をいただきましたら違いました。内閣府民間資金等活用事業推進室というところが作成しているもので、整備費、設計、建設費については、仮置きの数字ですけれども、費用削減率を一〇%としていいよということが示されているということがわかりました。
その上で、今ご説明いただきましたように、いろいろ費用がかかるので、それを差し引くと三・一%の削減となるということです。つまり、三・一%削減できるというのは仮の話だということなわけです。
本当に今、国がPPP、PFI手法をいかに多くの自治体で多くの公共事業に導入させるか大変熱心に取り組んでおりまして、こうした計算の仕方や導入に向けてのさまざまな課題に応えるガイドラインをたくさん作成しています。私はそれをちょっとホームページで見ようと思ったんですけれども、余りにも膨大で読み切れない状況です。
その中で建設局としても、水族園をPFIでやると三・一%という削減効果を出せたということだと思います。
ここの下に書いてあるんですけれども、これは簡易な検討で出した数字ですが、詳細な検討段階では、民間事業者へのヒアリング等を踏まえ精査した上で数値を設定する必要があると。だから簡易な検討において設定した数値と詳細な検討で設定する数値は同一である必要はないと書いてあります。
当たり前ですよね。きちんと計算すれば数字は変わってくる可能性があるということです。これ、うがった見方をすれば、三・一%の削減効果がほとんど消えてしまう可能性だってあるのではないかと思ってしまうわけです。
そこで、PFI事業は民間がやるわけですから、民間事業者は利益を上げなければいけません。運営は水族園の場合は指定管理者で別にするという方向性だと伺っていますが、そうした場合、PFI事業者はどこで利益を上げることになるのか伺います。
○根来公園計画担当部長 PFI事業者が行う業務は、設計、施工、工事監理、建物維持管理等でございます。都は、その業務に対する対価をお支払いいたします。
○里吉委員 今回の場合、運営は別ですので、今ご説明があった中で利益を上げるということになるわけです。
例えば、利益を出すために、建物の維持管理は人件費を削減してワーキングプアという状況がつくり出されるのではないかということも危惧されますし、何よりも設計、施工という中で、本当に都の施設としてふさわしい水族園をつくることができるのか、大変心配しているわけです。
そこで、この事業計画の中にも、そういった心配も含めて、PFI事業実施に当たっての留意点ということが書かれております。
例えば、これまで示してきた水族園像を実現するために、仕様書に相当する書類である要求水準書に新たな水族園像を的確に表現するとか、要求水準書の自由度が減少するにつれて、コスト削減効果も縮減される可能性があることを考慮しながら、コストとクオリティーの両立を目指すなど、五点にわたって留意点が示されています。
これらをどうやって実現していくのか、留意点を解決していくのか、その方策について伺います。
○根来公園計画担当部長 葛西臨海水族園の更新に向けた事業計画に記載をいたしましたPFI事業実施に当たっての留意点を考慮し、水族館運営、官民連携、建築、設備、経営等の専門家から助言を得ながら進めてまいります。
○里吉委員 助言をもらいながらやっていくということですけれども、これは本当に民間事業者の利益と、それから都が求める中で、対立が出てくると思うんですね。ですから、これはなかなか難しい問題だと思います。
この計画によりますと、今年度から二〇二一年度にかけて、新たな水族園の整備水準の検討、PFIのコスト削減効果検証を行うことになっていますが、先ほど伺った仮の数字ですが、三・一%の削減効果を本当に実現するために、そして民間事業者の自主性、創意工夫を尊重して、なるべく民間に委ねていくことを前提にしているこのPFI、どうやって両立させていくのか、ここが本当に肝だと思います。
私は、PFI法に基づく事業手続をいろいろ読んでみたんですが、最終的には実際に事業者との話し合いで進めるということになっていくと思いますから、都立の水族園としての質を担保できる保証は今の状態ではないのではないかというふうに思います。
それで、一つ一つ、全く違う建物となる水族園では、たくさんの建物を建てていくという場合と違って、設計と施工を一緒にしても利益は薄いのではないか、それよりも、これまで示してきた水族園像を実現するために、少なくとも設計と施工は分けるべきだと建築の専門家からも意見が上がっています。
そして、調べてみましたら、同じPFI手法で建物をつくって運営しているところでも、設計と施工を分けている場合がありました。ですから、少なくとも、まずは設計と施工は分けるということを、本気で検討していただきたいというふうに思います。
そして、専門家の助言をいただくということですけれども、具体的に委託する先があるのでしょうか。どういう専門家にそれぞれお願いするんでしょうか。予算はどれぐらい想定しているのでしょうか、伺います。
○根来公園計画担当部長 今後、仕様書に当たります要求水準書の作成や契約後の管理監督に当たりましても、水族館運営、官民提携、建築、設備、経営等の専門家から助言を得ながら進めてまいります。
なお、予算につきましては、現在精査中でございます。
○里吉委員 PFIで民間と仕事をしていくという上で、さまざまな専門家から意見を聞く、そこでどれくらい予算がかかるか、ここについてもまだこれから、精査中ということですけれども、ここもきちんとやろうと思えばお金がかかっていくということになってしまうんじゃないかなと思うわけです。
建築した後、例えば二十年ということで示されていますけれども、長期にわたっての管理を一括して契約するわけですから、不測の事態にどう対応するのか、重要な課題だと思います。
例えば、予定していたよりも早く大規模修繕、改修の必要性が生じる場合の対応や、PFI事業者が撤退した場合など、どのような対応が想定されるか。また、東京都の経費がふえる可能性はないのか。そうなった場合の対応について、含めて伺います。
○根来公園計画担当部長 内閣府のガイドラインによりますと、PFIの実施方針において、事業におけるリスク及びその分担等についての考え方をできる限り具体的に明らかにすることとされております。
今後の対応につきましては、他の自治体の事例や専門家等の意見も聞きながら検討してまいります。
○里吉委員 あらかじめさまざまな事態の対応について定めることを想定して事業契約書を策定すると、そのとおりだと思うんですね。
ただ、長期間にわたって契約するわけですから、それで民間はそこで利益を上げようとするわけですから、いろんな問題が発生する可能性があります。さまざまな問題をあらかじめ協定書の作成の中で全て盛り込むというのはなかなか困難です。想定問答集は条項が莫大で複雑なものになる。現実は本当に困難をきわめると思います。
PFI契約は、単年度の発注と異なり、長期間にわたる複雑な契約を地方自治体と民間事業者の間で締結するので、契約書作成そのものにも結構な経費がかかるというふうになると思います。
このPFI事業は、国や自治体の責任で公の財源で進めてきた公共事業を企画、資金調達を民間企業の主導で進めるというものです。今までは、さまざまな仕様も自治体の責任で発注していましたが、PFIでは性能発注となります。
例えば、どんな材料で建物を建てるのか、つくるのか、事業者に委ねられます。利益を上げるために結局安上がりの建物となって、短期間に大規模修繕の必要性が出てくる可能性もないとはいえない、可能性はあると思います。
先ほど議論したように財政面での削減効果もどれぐらいになるのか、本当に削減できるのかわかりません。このような状況でPFI事業を進めることについては、改めて再検討することを強く求めておきます。
次に、既存施設の存続について伺います。
この問題について、海外からも知事宛てに既存施設の存続を求める意見が寄せられていたと伺いましたが、具体的にはどこからどんな意見、要望が出されたのか伺います。
○根来公園計画担当部長 海外からいただいたご意見は二件ございまして、その趣旨としては、既存施設の建築、文化的価値を理解し、既存施設の長寿命化や改修計画の再検討及び適切な公園全体の整備計画を求めるものでございます。
○里吉委員 私もそのご意見を少し読ませていただきました。全世界が対面している環境問題の原因の一つには、建築物を消耗品のように扱うスクラップ・アンド・ビルドなので、特にこのようなすぐれた作品を捨て、新しい施設を隣につくり変えるという案は、大変厳しく批判されます。サステーナビリティーは、建築をどう長く上手に環境と調和させながら継続させるかという課題ということで、存続を強く願う文書でございました。
改めて既存施設は水族園として残してほしいという思いを私も共有しておりますが、今回の方針では、水族園としてではなくて、とりあえず建物としてということであれば使えるということなのか、当面使用可能ということでよろしいのか伺いたいと思います。
○根来公園計画担当部長 都はこれまでも、機械設備や建築に関する現況調査等を実施し、これに基づき長期保全計画を策定した上で、計画的な修繕に取り組んでおります。
既存施設につきましては、新施設整備の取り組みと並行して、利活用の可能性とその採算性等について検討いたします。
最終的に水族園の機能を移設した後、その状態を調査し、あり方を決定いたします。
○里吉委員 使用の可否について決定するのが、施設が水族園機能を移した後ということを皆さん大変心配されているんです。
地下部分の調査については、全部の調査はできないとおっしゃいますが、現在も水中カメラなどで行っているというふうに聞いています。耐震上問題だという話もありません。
今後、最短でも六年、七年、水族園として活用するわけですから、その間に長寿命化のための検討、対応も検討していただきたいと思います。
そして、新施設整備の取り組みと並行して、このあり方検討を行うというふうに述べられておりますが、どのような検討をしているのか。外部の有識者、専門家を入れた検討会などを立ち上げるべきだと考えますが、都の見解を伺います。
○根来公園計画担当部長 既存施設に対しましては、保存、活用に関してさまざまなご意見があることを承知しております。
今後、外部の有識者から幅広く意見をいただきながら検討してまいります。
○里吉委員 外部の有識者や都民の意見を幅広く聞いていただけるようなご答弁だったと思いますが、どうやって集めていくのか、いつから取り組むのかということはまだ決まっていないと。
ただ、並行してということですので、一緒に進めていくということだと思うんですが、結局、本当に使えるのかということも、水族園機能を移転した後、使用の可否を決定するというふうに書かれているので、それが本当に使えると決定されるまでわからないということで、既存施設の存続を求める皆さんからは、本当に存続する方針なのかと疑問視する声が出されているわけです。
ですから、ぜひ早く都民にわかる形で検討を開始していただきたいということを要望して、この質問を終わります。
次に、最後ですが、調布道路陥没事故に関連して質問してまいります。
十月十八日の事故当日、私も現場に駆けつけましたが、当初、原田都議から送られてきた写真では、道路に亀裂が入っているだけの状態でした。この四三ページの資料の写真2というのがありますけれども、本当にまだ陥没している状態じゃない写真だったんですね。
ところが、移動中、次に送られてきた写真では、巨大な穴が道路にあいているという状態で、自分の目を疑いました。
そして、改めて現場で現状確認しましたが、本当に現場に行ってみますと、思っていた以上に陥没が深く、写真5、6とありますけれども、はかってみると六メートルぐらいあったということですから、本当に吸い込まれるような深い穴だったということで、お住まいの方は本当に怖い思いをされただろうなと思いました。
これまで我が党は、繰り返し外環道トンネル工事の問題点、安全性について取り上げてきました。私の地元世田谷区でも住宅地の下を外環道トンネルの工事が進められてきましたが、野川での酸欠空気の問題や振動被害などが相次ぎ、その都度警鐘を鳴らしてまいりました。
そこでまず、私からは安全対策、避難計画に関連して伺います。
私は二〇一八年の事務事業質疑で、外環道トンネル工事における安全対策、避難計画について質問しました。その年に国とNEXCOがトンネル工事の安全・安心確保の取組みというパンフを出しましたが、これは住民が求めてきた避難計画とは余りに違う、不十分だと、その改善を求めました。
外環道のトンネル工事のルート上にある調布市東つつじヶ丘の市道陥没は、一歩間違えれば人命にかかわる重大事故です。
さらに、その近くに長さ三十メートル、幅四メートルの空洞まで見つかっています。
NEXCO東日本の社長は、記者会見で陥没は想定外だったと述べています。これまで国やNEXCOは、安全対策を十分に実施するから、地表面の安全性が損なわれる事象は生じないと繰り返し述べてきました。
こうした安全神話を振りまいて、必要な対策をとってこなかったことが、今回の重大事故を引き起こしたのではないでしょうか。
この地域、実は騒音や振動が続いていました。壁にひびが入るなど実際に被害が発生していました。地域住民の皆さんと日本共産党国会議員団、市議団がこの現状について徹底調査と原因がわかるまで工事の中止を申し入れていた矢先の陥没事故でした。
地域の騒音や振動について、都は認識していたのでしょうか。また、国や事業所はどのような対応を行っていたのでしょうか、伺います。
○福島三環状道路整備推進部長 外環事業は、国土交通省、東日本高速道路株式会社、中日本高速道路株式会社が実施しております。
国など事業者からは、シールド機が通過する地上部等において振動調査を実施していると聞いております。
都は、事業者から、この地域において振動に関する問い合わせが来ていることは聞いておりました。
なお、掘進中の地上部の振動レベルは、掘進停止中と比較して変動が見られるものの、日常生活等に適用する規制基準よりも小さい数値であったことを有識者に確認していると国など事業者から聞いております。
○里吉委員 振動に関する問い合わせ、確かに振動するけど、これ外環工事の影響じゃないの、こういう問い合わせだったと思うんですね。
同時に、地上に影響ないといっていたけど、おかしいじゃないか、こういう苦情も寄せられていたんじゃないかと思います。
ちょっと伺いますけど、振動調査では基準以下だったとしても、実際に壁にひびが入ったりしているんですね。こういう被害が起きていたことを東京都はご存じだったでしょうか、お伺いします。
○福島三環状道路整備推進部長 外環事業は、国及び高速道路株式会社が事業者でございます。
事業に関する問い合わせについては、事業者が対応するものであります。
なお、都は、事業者から、この地域において振動に関する問い合わせが来ていると聞いておりました。
○里吉委員 すごい無責任だと思うんですよね。その振動に対する被害は、問い合わせだけじゃないんですよ。実際に都民の財産である住宅にひびが入ったり、亀裂が入っているという状態、NEXCOも国も全く調べようとしてこなかった。ここについて、きちんと東京都は物申す、そういう立場に立っていただかなければ困ると思います。
国や事業者が地域住民の声をちゃんと聞いて、地域でボーリング調査をしてくれという声を出していたんです。これをやっていたら、もしかしたら今回の事故は未然に防げたかもしれません。
しかし、NEXCO東日本の社長が想定外だったといっていたように、全く事故の危険性について検討してこなかった。この責任は重大です。
道路の陥没事故に対する初動対応について伺います。
例えば、この、トンネル工事の安全・安心確保の取組みというところでは、万一に備えての緊急時の対応を準備するのは、トンネルの中に掘削土以外の土砂が入ったときだけなんですね。
ですから、この場合、今回の事故は、緊急時として避難するように地域住民とか関係機関に連絡することにはなっていなかったですが、今回、どういう対応をしたのか、マニュアル等あったのか伺います。
○福島三環状道路整備推進部長 今回の事象につきましては、工事関係者の施工計画の緊急連絡体制に基づいて、事業者に連絡後、関係機関へ適宜連絡が行われたものと聞いております。
なお、委員ご指摘のトンネル工事の安全・安心確保の取組みでは、トンネル内に掘削土以外の土砂等が大量流入するときを緊急時とされております。
○里吉委員 つまり、多分これは外環に起因する事故だと思うんですが、こういう事故を想定した避難計画だとかマニュアルはつくられていなかったということがはっきりしたと思うんですね。
今回は、施工工事の緊急連絡体制に基づいて連絡をとったということですけれども、私が聞いたところでは、警察や消防に電話をしたのは近隣住民の方ですし、上下水道やガスなどに連絡をとったのは調布市、地元自治体の職員だというふうに伺っています。
十月十八日の事故当時、九時半に巡回中の地表面沈下を発見して、それからそういう連絡をとったということですが、この方はどういう立場の方か、この方自身はどこに連絡をとったのか伺います。
○福島三環状道路整備推進部長 事業者及び工事関係者は、シールドマシンの掘削工事箇所周辺で異常が生じていないか確認を行うため、二十四時間体制で巡回していると聞いております。
今回におきましては、工事関係者が巡回中に地表面沈下を確認し、工事発注者である東日本高速道路株式会社へ連絡したと聞いております。
○里吉委員 だから、私は、そこはこれから確認したいと思うんですけれども、その先ちゃんと連絡するルートがあったのかどうか。先に住民の方が連絡したので、事なきを得たのかもしれないなと私は考えております。
それで、二十四時間体制で巡回していた人が見つけたということなんですが、この場所をシールドマシンが通過したのは九月中旬なんですね。掘削工事の周辺ということで二十四時間体制で巡回していたから、この地表面の沈下を発見することができたということなんですが、じゃ、この地域は、この事故があった場所をいつぐらいからどの程度、巡回をしていたのか伺います。
○福島三環状道路整備推進部長 この地域におきましては、令和二年九月の上旬ごろから、車両もしくは徒歩による巡回を実施していると聞いております。
○里吉委員 この地域では、振動や騒音の被害を訴える声が多く出ていましたが、巡回体制を強化したということは聞いていないのかということと、前日の定点観測では地表面観測で変化なしと記載されましたが、具体的にどのような観測を行っていたのか、聞いていたら教えてください。
○福島三環状道路整備推進部長 この地域におきましての事象発生前と後で巡回の頻度は変わっていないと聞いてございます。
なお、前日の定点観測ではというご質問でございましたが、国など事業者からは、二十四時間体制での巡回を実施していると聞いております。
○里吉委員 振動や騒音の被害があっても、特に回数もふやしてこなかったと。定点観測といっても地表面を目視しただけということではないかと思います。
近隣の方の話では、前日、車で通ったときに沈む感じがしたとか、そういう異変が起きていたんですね。私は二十四時間巡回していたのなら、このような危険についてわかっていたのではないかと思うわけです。
しかし、安全神話といいますか、事故は起きるはずがないという考えであって、だからきちんとした対応ができなかったのではないかと思うわけです。
そして、事故が起きた当日、道路陥没の場所の周辺では警戒車両を見ませんでした。二十四時間体制で警戒車両が巡回することになっていましたが、この車両はどこにいたのか、現在警戒車両は何台あるのか、あわせて伺います。
○福島三環状道路整備推進部長 当該箇所、いわゆる東名ジャンクション側におきましては、巡回車両は一台あると聞いております。
なお、陥没当日におきましては、陥没箇所周辺は住宅街であるため、巡視員が徒歩で行う巡回を行っていたと聞いております。
○里吉委員 本当にそんなので大丈夫なのかなと思うんですけれども、国とNEXCOがつくったトンネル工事の安全・安心確保の取組み、先ほど部長も答えられましたけれども、トンネル内に掘削土以外の大量の土砂が流入した場合しか緊急時として認定していないんですね。これではとても都民の命、安全を守れないんじゃないかと思います。
これは早急に見直す必要があるんじゃないか。抜本的に安全対策、避難計画をつくり直すように申し入れるべきだと思いますが、いかがですか。都の見解を伺います。
○福島三環状道路整備推進部長 安全・安心に事業を進めることにつきましては、一義的には国など事業者の責務であります。
都といたしましては、住民の安全・安心確保に向けた取り組みについて、これまでも国に求めてきたところであり、今後とも引き続き国に求めてまいります。
○里吉委員 これは国とNEXCOがつくってきたものなんですけど、それをつくった大もとは、トンネル施工等検討委員会というところがつくりました。だけど、これをどういう考えでつくられたのかということが、議事録も資料も公開されていないのでわかりません。
トンネル施工等検討委員会が原則非公開だということが私は問題だとかねてより訴えてまいりました。これは全て公開するべきだ、せめて資料については出すべきだと思うんです。
福岡県や新横浜で、こういう事故が起きたときの検討委員会を同じように開かれていますが、少なくとも資料は全部公表されているんです。ここまで隠しているのは、外環のトンネル施工等委員会ぐらいなんですね。
これは、ぜひ公開することを東京都から求めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○福島三環状道路整備推進部長 トンネル施工等検討委員会の事務局は、国など事業者でございます。
本委員会の審議内容に係る情報公開をどのように行うかにつきましては、国など事業者が適切に判断するものと考えております。
なお、本委員会につきましては、規約により非公開とされておりますが、議論された内容は議事概要として取りまとめられ、公開されております。
○里吉委員 その議事概要だけでは中身が全然わからないから、公開するようにといっているんですね。同じシールドマシンの工事でも、例えば下水道局の工事だったら出ているような数字が外環道工事では出ていないとか、本当にたくさんそういう問題があるんですね。
これを国や事業者、NEXCOが責任を持ってやるのは当然です。でも、それができていないときに、都民の命や安全、財産を守るために、東京都がどういう立場をとるのか、ここが本当に問われていると思います。
ぜひこれは東京都としてきちんと考えて行動していただかなければ困るということを申し上げておきます。
補償について申し上げます。国交省の直轄の公共事業での地盤変動によって建物などに損害が生じたときには、公共事業に係る工事の施行に起因する地盤変動により生じた建物等の損害等に係る事務処理要領に基づいて補償されると聞いていますが、補償する上での調査にかかわるさまざまな調査結果は公表されるんでしょうか、伺います。
○福島三環状道路整備推進部長 国など事業者からは、工事に起因する建物等の損害等が確認された場合、その補償については、公共事業に係る工事の施行に起因する地盤変動により生じた建物等の損害等に係る事務処理要領に従って適切に対応すると聞いております。
○里吉委員 調査結果は公表されるのかと聞いて、公表しますと答えられないんですよね。これはきちんとした補償がされるのかどうか、公表してもらわないと困るわけですよ。そこについてもきちんと求めておきたいと思います。
そして、もう一つ問題があるんですね。トンネルなどのシールド工事では、工事終了後、数年を経過した後に空洞や沈没が地上に発生するケースがあります。それで、シールド工事占用許可条件というのがあって、経過観察期間一年、二年、五年、十年、四通り設けて、空洞、陥没が起きやすい地盤条件の施工や空洞陥没の原因となる事象が生じた場合は、これは措置すると。経過観察期間を地表面管理に基づいて延長する措置をとっています。
ところが、先ほどの要領ですと、費用負担の請求期限については、工事の完了の日から一年を経過する日までに請求があった場合に限るとされています。
外環で工事が終わった後、何年かたってこういった陥没が起きた場合は申請することができるのか、補償されるのか確認します。
○福島三環状道路整備推進部長 工事完了後一年を経過した後においても、地上部の建物等に何らかの損害が生じ、それが当該道路に起因するものと判断されれば、当該道路の道路管理者として適切に対応すべきと考えていると国及び事業者から聞いております。
○里吉委員 工事完了後一年過ぎても、外環道のトンネル工事に起因するものだと判断されれば、適切に対応するべきだと国と事業者が答えているということを改めて確認させていただきました。
事故のないようにするのが一番ですけれども、実際、数年後に道路の陥没ということが起きているわけです。ぜひここは補償についてしっかり対応していただきたいと思います。
そして、周辺地域では、資産価値に対する不安が高まっています。世田谷区でも一緒です。自分の地下四十メートルの下にトンネルが通っている。地盤沈下が起きるんじゃないか、陥没が起きるんじゃないか、そんなところの資産価値はどうなるのか、資産価値の下落を補償することはできるのか、家屋に損傷がなくても、希望者には買い上げる補償などしてほしいという声が上がっていますが、これは可能でしょうか、伺います。
○福島三環状道路整備推進部長 国など事業者からは、工事に起因する建物等の損害等が確認された場合、その補償については、公共事業に係る工事の施行に起因する地盤変動により生じた建物等の損害等に係る事務処理要領に従って適切に対応すると聞いております。
○里吉委員 事故に起因する損害があったときに補償の対象にするのは当然で、そんなことを聞いているわけじゃないんです。これは何回聞いても同じ答えだと思いますから聞きませんけれども、問題は具体的な損害が生じていない場合です。自分の建物の地下四十メートルに外環道のトンネルが通っていれば、資産価値の下落は避けられないんじゃないでしょうか。
大深度地下のトンネル工事は地上に影響はないと国も事業者も説明してきましたが、今回の道路陥没事故が起こったことで、損害が生じていない場合も資産価値の下落という経済的被害を受けるということが明らかになったのではないか。地上の影響はないというのなら、こうした影響に対して国や事業者は補償するべきではないですか。そういってきた責任があると思います。都としてもそれぐらいのことを求めるべきだと思います。
話を前に進めます。私の地元世田谷区では、既にトンネル掘削が終わった箇所で不安が広がっています。少なくとも人による巡回などがなされるべきだと思いますが、いかがですか。
○福島三環状道路整備推進部長 第二回東京外環トンネル施工等検討委員会有識者委員会におきまして、これまで掘り進めてきた区間につきましては、地表面の常時監視や路面空洞調査などを実施する調査方針について確認されていると聞いております。
○里吉委員 地表面の常時監視を行うということです。本当に皆さん心配していますから、事件の原因究明がされるまで、それから掘り進めた区間全体をしっかり調査して、空洞が見つかるかもしれませんから、その場合は必要な対応をしていただいて、安全が確認できるまで監視は続けていただきたい。都民の安全を守る立場から、国と事業者へ東京都としてもしっかり要望していただきたいと思います。
都はこれまで、きょうもそうですけど、安全・安心に事業を進めることは、一義的には国や事業者の責務であると答弁してきました。しかし、そこに任せた結果がこの事故ではないでしょうか。
都は、今後の外環工事の安全・安心についてどう考えるのか。都としてきちんと安心・安全、都民の命や財産を守る立場に立つべきだと思いますが、見解を伺います。
○福島三環状道路整備推進部長 外環事業は、国及び高速道路会社により事業が進められております。
安全・安心に事業を進めることは、一義的に国など事業者の責務であります。
都といたしましては、事業の実施に当たり安全を最優先に工事を進めることを国に求めてきたところであります。
なお、今回の陥没事故と東京外かく環状道路のシールドトンネル工事との因果関係は不明でありますが、都は、国及び東日本高速道路株式会社に対して、早急に原因を究明すること、住民の不安の払拭に向けて丁寧な説明や対応を行うことなどを要望したところでございます。
引き続き、国など事業者に対してしっかりとした対応を行うよう求めてまいります。
○里吉委員 国や事業者に対してしっかりとした対応を求めるのは当然ですが、こうした事故が起きた以上、都民の命と安全を守る立場から、都として主体的に取り組むことを求めます。
我が党はこれまでも、野川における漏気、大深度地下で行われるシールド工事の危険性、さまざまな問題を指摘してまいりました。まだ調査中ということですけれども、今回の事故原因が外環工事の影響であるということが明らかになった場合は、この外環工事は、こんな危険な工事は即刻中止すべきと私は考えます。都の見解を伺います。
○福島三環状道路整備推進部長 外環は、首都圏の交通や物流の根幹をなし、渋滞解消や防災性の向上など、効果の高い極めて重要な道路であります。
外環事業、関越から東名につきましては、国土交通省、東日本高速道路株式会社、中日本高速道路株式会社が実施しております。
都はこれまでも、国など事業者に対し、安全を最優先にした工事を要望しており、今回の陥没を受け、十月二十一日には国など事業者に対し、早急に原因を究明すること、住民の不安の払拭に向けて丁寧な説明や対応を行うことなどを要望したところでございます。
都といたしましては、まず原因究明が最優先であると考えております。
○里吉委員 今回の事故の原因究明を行うことは当然です。外環で既に掘削されたところ、住民が住んでいる住宅地の地下四十メートルに、直径十六メートルもの巨大なトンネルが掘られている。その全ての場所についてきちんと安全性を確認する、そして今回の事故の原因を究明する、そのことは最優先で取り組んでいただきたいと思います。
これまで国や事業者は、大深度地下の工事は地上に影響がない、繰り返しそういって人様のお宅の地下に勝手にトンネルを通す。ちょっと乱暴ないい方かもしれませんけれども、地下四十メートルより下だったら地上権は発生しない、そういって自分の好きなところに道路を掘ってきたわけですよ。そして、もし事故があったらどうするのかといっても、地上には影響はないといってきました。しかし、今回こういう事故が起きてしまったわけです。
もともと難工事といわれていたシールドマシンでの工事、これ以上に中央ジャンクションの工事やほかにも大変難しい工事があって、この間、工事費は増大し続けて、今や一メートル一億円どころじゃありません、一億五千万円を超える、そういう工事費になっています。
コロナ禍で景気の悪化や社会保障の拡充が求められる中、このような難工事、そして事故を起こした工事を今進めることができるのか。根本から見直すべきだということを改めて申し上げまして、私の質問を終わります。
○佐野委員長 この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。
午後三時三十三分休憩
午後三時五十四分開議
○佐野委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○西沢委員 まず私から、西武鉄道新宿線の連続立体交差事業についてお伺いをいたします。この連続立体交差事業については、着実に整備を進めていただきたいという立場から質疑を進めさせていただきたいというように思います。
この西武新宿線でございますけれども、現在、中井駅から野方駅、それから野方駅から井荻駅、井荻駅から西武柳沢駅という形で続いているわけでありまして、順に聞いていきたいと思いますが、このコロナ禍において、これは進めていくに当たってもやはりステップであるわけで、例えば説明会であるとか、そういったことで、この新型コロナウイルスによって影響が出てはいけないというようにも思います。
そういったことから、まず最初に、井荻駅から西武柳沢駅間の事業化に向けた取り組み状況についてお伺いをいたします。
○花井道路建設部長 西武新宿線井荻駅から西武柳沢駅間の連続立体交差化計画につきましては、本年三月に都市計画案及び環境影響評価書案の説明会の開催を予定しておりましたが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、延期いたしました。
その後、感染防止対策等の検討を行いまして、本年十月に説明会を開催いたしました。
引き続き、都市計画や環境影響評価の手続を進めまして、地元区市や鉄道事業者と連携し、早期事業化に向けて取り組んでまいります。
○西沢委員 説明会の資料を拝見いたしましたところ、定員を設けたり、時間についてであったりとか、いろいろと工夫して説明会をやっていただいたというように聞いております。
コロナ禍においても、やはりこういったことを進めていくさまざまな工夫を、ぜひしていただきたいということを申し上げておきたいというように思います。
続いて、私、地元中野区でございますが、ここにかかわる話でございます。野方駅から井荻駅間の事業化については、取り組み状況についてお伺いをいたします。
○花井道路建設部長 西武新宿線野方駅から井荻駅付近の連続立体交差化計画につきましては、国から着工準備採択を受けまして、構造形式や施工方法の検討を進めているところでございます。
また、事業の効果を高めるために重要なまちづくりにつきましては、地元区におきまして、本年四月に鷺ノ宮駅及び都立家政駅のまちづくり整備方針を策定しております。
○西沢委員 毎年、この質問は私も委員会にいるときはさせていただいていますし、党派を超えて、地元の悲願でございますので、いろいろと質疑させていただいておりますが、少しずつ答弁も詳しくいただいているということから、進んでいる部分はあろうかというように思います。
それから、一号踏切の議論というものもございますけれども、ぜひ踏切のない形で立体交差事業を着実に取り組んでいただきたいということを改めて申し上げておきたいというように思います。
続いて、現状進めていただいている中井駅から野方駅間の現在の進捗状況についてお伺いをいたします。
○花井道路建設部長 西武新宿線中井駅から野方駅間の連続立体交差事業の進捗状況といたしまして、用地につきましては約九割を取得しております。
また、工事につきましては、現在、新井薬師前駅及び沼袋駅部を中心に進めておりまして、地下構造物を構築するための仮設土どめ工や、線路を仮受けするための工事桁の架設などを実施しております。
○西沢委員 用地について九割を取得しているということで進んでいるということも聞きましたし、なかなか難しい状況だったところも何とか話し合いは進んでいるという話なんかも聞いているところでございます。
ただ、当初よりちょっとおくれているとかということに対して、地元住民からいろいろと声をいただくところがございますから、あわせて、不信感のないように、こちらも改めて着実に進めていただきたいというようにお願いをするところであります。
また、冒頭から申し上げていますが、この新型コロナウイルスの影響ということが、やっぱり工事にどうしても出てしまうんじゃないかということがすごく心配になっています。
そこで、この中井駅から野方駅間の新型コロナウイルスによる工事への影響について、どのようになっているかお伺いをいたします。
○花井道路建設部長 建設局では、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、財務局長通知に基づきまして、工事の一時中止や工期延長の意向を受注者に確認し、申し出のあった場合は、受発注者協議の上、工事の一時中止などを適切に対応することとしております。
この考え方を踏まえまして、本事業の工事を発注しております西武鉄道と調整した結果、ゴールデンウイークをまたぐ一部期間におきまして、工事を一時中止いたしました。
その後、工事現場におきまして、マスクの着用や現場事務所の換気、作業員の休息時間の分散化など、感染症対策を徹底し、工事を再開しております。
○西沢委員 工事を一時中止したところという答弁がありましたが、もちろん全てがコロナウイルスのせいかどうかというのはちょっとわからないところもあろうかと思いますが、来年、そして再来年度以降、どのようになっていくのかということはやはり不安になっていくと思います。
特に財政的な問題であるとか、来年、再来年、東京都は財政厳しくなるんでしょうみたいな声を、やはり心配の声をいただく中においても、どうしても着実に進めなければいけないところがあると思います。
この西武新宿線の連続立体交差事業については地元の悲願でございまして、党派を超えて着実に進めていくことを皆、要望しています。ここで私も改めて着実に取り組んでいただくことを要望したいと思います。
次に参りますが、地元のもう一つの心配事でありますのが、豪雨の被害、災害の対策でございます。特段、神田川や妙正寺川を含む神田川水域では、平成十七年の九月に約三千五百棟が浸水するなど、非常に大きな豪雨災害が発生をしたところであります。
これ、ちょうど総選挙だったんで、私も駆け出しの、国会議員事務所に勤め始めたときですごく覚えていまして、このとき、本当にすごい状況を目の当たりにしたのを覚えています。地域では、もう平成十七年ではあるものの、きのうのことのように覚えている方も多くいらっしゃいます。
そうした中で、一方、神田川の流域というのは市街化が著しく、平成二十八年に都がまとめた神田川流域の河川整備計画によれば、市街化率は平成十四年度時点で九七%、流域全体が既に市街化され尽くしており、河川整備の必要性が高い一方、都市計画で決まっている以上の川を広げるような整備が難しい状況となっております。
そうした中で、都は、環状七号線地下広域調節池や河川の護岸整備など、神田川流域でのさまざまな場所で工事を進めているところであります。
やるべき内容と、それからやれる内容ですね。やらなきゃいけないところと、ただ、そうはいっても可能な場所、両方を見据えて、最終形をきちんと考えて事業を実施していかなければいけないというように思います。
話は整備方針であったり、基本方針、整備計画、いろいろとあると思いますが、まずはこの神田川や妙正寺川、どのような方針に基づき整備を進めているのかお伺いをいたします。
○小林河川部長 都は、局地的な集中豪雨が増加している傾向を踏まえまして、平成二十四年に中小河川における都の整備方針を策定し、目標整備水準をこれまでの時間最大五十ミリから、区部時間最大七十五ミリ、多摩六十五ミリに引き上げました。
さらに、平成二十六年に東京都豪雨対策基本方針を改定いたしまして、そこに位置づけた神田川流域などの対策強化流域で、優先的に整備を実施していくことといたしました。
神田川や妙正寺川について、必要な対策の内容や区間は河川法に基づく神田川流域河川整備計画に位置づけまして、護岸や調節池等の整備を進めております。
○西沢委員 この方針の中では、区部では最大七十五、多摩で六十五というような形に引き上げて、実は先般の豪雨の中では逆に多摩地域の方が多く降ったというようなこともありますが、少なくとも優先的に整備していく、実施していく方針を定めて、これに沿って進めていくという全体の計画の体系というものはわかりました。
近年、調節池の整備効果が注目をされています。河川整備に当たっては、洪水を安全に流下させる護岸整備が基本であり、着実に進めていく必要があります。
中野区内に限っても、幾つかの場所で護岸整備が進められております。全体が完成すれば整合するんだと思いますが、転々としているといいますか、場所場所によって、整備しているところもあれば、整備されていないところもあったりします。税金を使う以上、整備過程も効果的、効率的であるということが必要だというように思います。
地元でいろいろと歩けば、こっちはやっていて、こっちはやっていないなとか、これ、本当に効果的に進めているのと、何か適当にやっているんじゃないのみたいな、そういうふうに思う方も、そんなことはないと思いますけれども、そういう声に応えるためにも、このさまざまな箇所で進められている神田川、妙正寺川の護岸整備は、どのような考え方に基づき進められているのか、お伺いをいたします。
○小林河川部長 都はこれまで、中小河川におきまして、下流から順次、護岸整備を進めるとともに、川幅を広げるなどの護岸整備に長期間を要する箇所においては、水害に対する安全性を早期に向上させるため、当該区間の護岸整備に先行して調節池を設置することで、調節池下流の安全性を確保した上で、そこを起点に上流に向けて護岸整備を進めてまいりました。
神田川では、現在、中野区内の新橋から寿橋までの区間に加えまして、環状七号線地下調節池の整備により、その上流区間の杉並区の番屋橋から神泉橋等におきまして、護岸整備を実施しております。
また、妙正寺川では、中野区の三谷橋から新昭栄橋に加えまして、鷺宮調節池の整備により、その上流区間におきまして護岸整備を実施しております。
○西沢委員 河川は下流から進めるものということでございますが、今の答弁で中上流域でも、できるだけ早く整備を進めるために調節池の整備と連動する形で護岸整備を進めているということがわかりました。
地元の中野区は神田川や妙正寺川の中上流域でありますから、これは有効な手法をとっていただいているということがわかりまして、この神田川と妙正寺川それぞれ、着実に進んでいるかどうかを確認するために、まず最初に神田川のうち、中野区内における護岸整備の実施状況についてお伺いいたします。
○小林河川部長 神田川におきましては、計画延長二十・六キロメートルのうち、十八キロメートルの護岸整備が完了しております。
中野区内におきましては、柳橋より下流の護岸整備が完了しており、現在、その上流の護岸整備と本郷橋のかけかえ工事を実施しております。
○西沢委員 では、次に、妙正寺川の中野区における護岸整備の実施状況についてお伺いをいたします。
○小林河川部長 妙正寺川でございますが、総延長九・九キロメートルのうち、四・三キロメートルの護岸整備が完了しております。
中野区内におきましては、現在、三谷橋より下流の護岸整備が完了しており、その上流につきまして、環状七号線の新昭栄橋から河川上部に仮設の工事用桟橋を設け、護岸整備を実施しております。
また、鷺宮調節池より上流区間におきましては、丸山橋の上下流の護岸整備と橋のかけかえを実施しております。
○西沢委員 神田川も妙正寺川も、いずれの区間も家屋が河川沿いに建っています。用地取得は大変だと思いますが、これは必要な事業だということで、取り組みはぜひ進めていただきたいというようにも思います。
この交渉や調整を行うわけでありますが、ぜひ地元の方々の理解を得つつ、迅速に進める必要があるということを申し上げておきたいというように思います。
以前では考えられないような雨がよく降るようになりました。平成十七年の豪雨の話を冒頭にしましたけれども、五十年に一度の災害だとかと、毎年そういった話を聞くようなことがありますから、ぜひこの必要性というものがあるんだと。ただ、その一方で地域住民の声もぜひ聞きながら、声に耳を傾けて進めていただきたいということを申し上げて、次の質問に移りたいと思います。
次、無電柱化についてちょっとお伺いいたしますが、先ほども質疑がありましたんで、結構はしょって一問だけ、質疑をしたいと思います。
都道における無電柱化事業の進捗については、先ほど環七の進捗の話がございましたのであえて聞きませんが、都内全体では、都道ということでいえば、地中化率は四二%だという話と、それからセンター・コア内の部分については、おおむね整備が完了しているというような話。
そういった状況を踏まえた上でお伺いしたいのは、やはりコロナ禍においてです。コロナ禍において、無電柱化事業を引き続き進めるというようなことに至っては、進めるべきところはしっかり進めると。その一方で、やっぱりそこにお金、大丈夫なのという声があると思います。そうした中で、都の見解はどのようになっているのかお伺いしたいと思います。
○齊藤道路保全担当部長無電柱化推進担当部長兼務 無電柱化は、都市防災機能の強化や安全で快適な歩行空間の確保、良好な都市景観の創出を図る上で極めて重要な事業でございます。
都は、平成三十年三月に東京都無電柱化推進条例に基づき、東京都無電柱化計画を策定し、今後十年間の方針や目標を定めております。
現在、この計画に基づきまして、都市防災機能の強化に資する第一次緊急輸送道路や主要駅周辺などで無電柱化事業を推進しております。
引き続き、東京の無電柱化を計画的かつ着実に推進してまいります。
○西沢委員 無電柱化は以前からやっていましたけれども、特に小池都政になってから、かなり予算額もふえて進んできたところがあります。コロナ禍においては少し岐路に立っていると思います。財政的な面も含めて進めていただきたいというように思います。
次に、調布の地表面の陥没についてお伺いをしていきたいというように思います。こちらもかぶりがあるかもしれませんが、調整しながらお伺いしていきます。
まず、私ども立憲民主党東京都連としても、十月二十二日に国土交通大臣、それからNEXCOに対しまして原因究明や、それから究明されるまでは工事は再開しないでほしいというような内容の要請を行ったところでございます。
そうした中で、やはり地元からさまざまな声があります。きょうもいろいろ議論がありましたけれども、まず私は現状、今この時点、十月十八日の調布市道において発生した地表面陥没の現状、いろいろきょうの資料もありますけれども、今時点はどのようになっているんでしょうか、お伺いいたします。
○福島三環状道路整備推進部長 地表面陥没が発生した現地におきましては、発生翌朝の十月十九日の未明に応急措置としての埋め土が完了しておりまして、また、従前から実施しております二十四時間の巡回監視や、日々の地表面計測が継続的に行われているところでございます。
また、十二月二十三日に第二回東京外環トンネル施工等検討委員会有識者委員会が開催され、地表面陥没に関する調査方針が示されたところでございます。
なお、二十四日より、現地において、原因究明のためのボーリング調査が行われておるところでございます。
○西沢委員 十月二十三日といいましたよね。十二月二十三日といいませんでしたか。十月二十三日に有識者委員会が開催され、ですよね。聞き間違いかもしれません。済みません。
今、答弁、確認させていただいたわけでありますが、現状については皆さんご存じのとおりの状況でありまして、これはかなりびっくりする状況であります。
私は都の立場、ちょっと改めて確認したいと思うんですね。国、それから高速道路株式会社が事業主体だということはもちろん存じ上げているわけでありますが、きょうの質疑でも、これまでの環境・建設委員会の質疑でも、特に今回大きなことが起きたんですが、国に対して要請しているとか、何か悪くいえば人ごとのように聞こえてしまう。
実際そうだという思いはあるのかもしれませんけれども、東京都はこの事業について、どういう立場にいるのかというのを改めて確認したいと思います。いかがでしょうか。
○福島三環状道路整備推進部長 外環事業は、国土交通省、東日本高速道路株式会社、中日本高速道路株式会社が実施しております。今回の地表面陥没と外環工事との因果関係は不明ですが、陥没箇所付近でシールドトンネル工事を実施していることから、東日本高速道路株式会社が原因究明に向けて取り組んでいるところでございます。
都といたしましても、早急な原因究明など、国などの事業者に対して求めているところでございます。
○西沢委員 都の立場というのがちょっとよくわからないんですよね。推進するというか、もともとご答弁いただいているのが整備推進部長が答弁いただいているわけですから、当然推進する立場だと思うんですね。
にもかかわらず、だから、やっぱりこういった問題があったときは、国に対して、国がやっているんだと、会社がやっているんだということもわかりますけれども、事業者に対して求めているのもわかりますけれども、やっぱり東京都としての立場というものをもうちょっと明らかにしていいのかなというふうに思います。
原因究明と再開に向けたスケジュール感です。原因はどうなのかとか、先ほども、今やっていますよというような話、先ほどの質疑でもありましたし、いつ決めるのか、これが一番気になるところであります。原因究明と再開に向けた今後のスケジュール、どうなっているのかお伺いをいたします。
○福島三環状道路整備推進部長 十月二十三日の第二回有識者委員会で示されました今後の調査方針におきましては、ボーリング調査など、現地調査を速やかに実施するとともに、必要に応じて追加調査も実施しながら、陥没のメカニズムの究明を行うこととされています。
なお、ボーリング調査につきましては、現時点の計画では、十二月中旬まで実施される予定と示されております。
国など事業者からは、まずは地表面陥没について、早急に原因究明することが重要であると聞いてございます。
以上です。
○西沢委員 原因究明はもちろんやらなければいけないことですけれども、要するに、今後のスケジュールはどうなるのかまだわからないということですよね。その前に、都としては早期に原因究明することが重要であるということと聞いているということですね。都ももちろんそう思っていますよね。
それで、この工事、やっぱり今回の事象、陥没については衝撃的で、住民の方からすれば、めちゃめちゃ不安になりますし、予定のところの方々、先ほども議論がありましたけれども、やっぱり住宅の下を大深度だからとはいえ、通るということは物すごく、これで不安になりますね。これまで工事をやったところ、それから、これから工事を予定されている方々、物すごく心配になると思います。
ちょっと先に確認しますが、住宅街の下を大深度地下で通る道路工事、これは日本初というふうに聞いていますけれども、これはそういう認識でいいのかを、まず最初にちょっと確認したいと思いますが、いかがでしょうか。
○福島三環状道路整備推進部長 この外環事業、関越から東名につきましては、地下四十メートル以深の大深度地下を利用した全国で初めての道路事業であると国等事業者から聞いております。
○西沢委員 初めての、日本初の事業だということですね。地下四十メートル、地下の大深度を利用した全国で初めての道路事業だということですね。そうすると、やっぱりこうした話だと住民の方々の中では実験台にされているというように思う方が、声が来ています。
そうした中で、今後、いろいろとボーリング調査をしていきますとかいう話がありましたが、住宅の下、住んでいる下というのはどうやって調査するのかと不安になる方がいます。住宅の下はどのように調査するんでしょうか、お伺いいたします。
○福島三環状道路整備推進部長 ここの地盤状況の調査といたしましては、ボーリング調査及びそのボーリングの穴を使った音響トモグラフィー調査を実施して、深度方向と断面方向の地盤の状況を確認すると事業者から聞いてございます。
○西沢委員 これは陥没箇所周辺だけの調査ということなんですかね。ちょっと聞いていいですか。ごめんなさい、今、答弁がなかったように聞こえたんで。今、ボーリング調査及び音響トモグラフィー調査を実施するという話でありましたが、これは陥没箇所周辺だけということでいいんでしょうか、お伺いいたします。
○福島三環状道路整備推進部長 ただいまお答え申し上げましたボーリング調査及び音響トモグラフィー調査につきましては、陥没箇所周辺の原因究明のための調査というふうに事業者から伺っております。
○西沢委員 つまり陥没箇所周辺だけというようなことで、これまで掘ってきたところ、区域とか、これから進んでいく区域については調査をしないということでいいんでしょうか、お伺いいたします。
○福島三環状道路整備推進部長 お尋ねの陥没箇所周辺以外の調査といたしましては、これまで掘り進めてきた区間におきまして、地表面の常時観測、あるいは路面空洞調査を実施するというふうに第二回東京外環トンネル施工等検討委員会有識者委員会で確認されました調査方針の中に示されてございます。
○西沢委員 ボーリングをして、その音響トモグラフィー調査、きょうの資料でもありますけれども、これを全部やっていたら、確かにこれは大変だというようなことはわかります。トンネル沿線全線に対して調査した場合は多くの費用と時間がかかります。
ただ、住民の不安を払拭するような調査というのはぜひしていただかなければ、やっぱり払拭されないんじゃないかなというようにも思います。
今、答弁があったように、常時観測と路面空洞調査を実施するということでありますけれども、これだと当然ですけれども、住宅の真下については音響トモグラフィー調査ではないですから、そこまで細かくはできないということになります。このバランスが大事だと思います。ぜひ住民の不安を払拭するような調査を実施してほしいということは今、申し上げておきたいと思います。
今も答弁がありました有識者委員会の意見をもとにということですけれども、有識者委員会のメンバーはもうオープンになっていますが、大学の教授だったり、名誉会員、研究員や大学の理事の方であったりというメンバーになっています。有識者委員会はどのようなメンバーが参加をされているのでしょうか、お伺いいたします。
○福島三環状道路整備推進部長 お尋ねの有識者委員会でございますが、設置目的として示されておりますのが、トンネル構造、地質、水文、施工技術などに関する技術的な検討について、より中立的な立場で審議することというふうに目的として示されてございます。ということで、委員会のメンバーにつきましては、先ほどのトンネル構造、地質、水文、施工技術などの学識委員などで構成されていると伺っております。
○西沢委員 設置目的ということ、目的は技術的な検討を中立的な立場でということですよね。目的を聞けば当然だと思いますが、今の答弁でわかるのは、やっぱり住民代表みたいな方は当然入っていないわけですね。でも、当たり前ですね。技術的な検討をするわけですから、専門家が集まっているわけです。
住民の方々の中からは、こういった専門家の方々が、じゃあいいよといって、そのままぱっと進んでいくみたいなものをすごく心配している方がやっぱりいらっしゃいます。
そうした中で、もちろんこの方々、技術的な検討で大変な方々だと聞いておりますから、そういった意味では、しっかりと審議していただきたいと思います。こうした方々の意見に加えて、さまざまな意見がありますから、再開に向けて決定をしていくタイミングでは、今の有識者委員会は住民の声は反映されていないわけですから、再開するにしても、専門家の話だけ聞いて進めるということではなく、住民代表や例えば自治体を入れた会議体などで決めていくべきなのではないかなということを申し上げておきたいというふうに思います。
最後に、今後の対応での事業費ですね。事業費は進んでいくにしたら、必ずふえていくことになるんだと思います。そうなると、都の負担はどういうふうになっていくんでしょうか、お伺いいたします。
○福島三環状道路整備推進部長 国など事業者からは、まずは地表面陥没について、早急に原因究明することが重要であると聞いておりまして、都といたしましても、早急な原因究明を国などの事業者に対して求めているところでございます。
○西沢委員 私は今の答弁、とりあえず、まずは早期原因究明だというような答弁で、事業費のことはその先だということだと思いますが、もちろんお金に色はありませんけれども、事業費が幾らでも膨らんでいいわけでは当然ありませんから、そうならないような取り組みということを求めないといけないのかなというように思います。
住民の不安を払拭する、こういったことはしっかりやらなければいけない。その一方で、この事業費についてもしっかり考えなければいけない。ぜひこうしたことも含めて取り組むようにお願いをして、質問を終わらせていただきたいと思います。
○あかねがくぼ委員 私の方からは、二点お伺いをいたします。
一点目は、都立公園についてでございます。
ことしの六月には、高井戸公園が地元杉並区久我山の地域に開園をしたところであります。引き続き、拡張に向けまして、今後、令和五年度まで工事を進めていただいて、順次利用できる施設がふえていくということであります。
サッカー兼ラグビー場、野球場、テニスコートなど、設置が予定をされており、駐車場などもあるということから、多くの方たちが利用する公園として、都民の憩いの場となることが期待されています。
高井戸公園のように、新たにつくられる都立公園を整備する際には、その整備内容をどのように決めて、また、住民の意見はどのように反映をされているのか、まずお伺いします。
○根来公園計画担当部長 都では、新たな都立公園を整備する際には、学識経験者や公募した都民などで構成される東京都公園審議会に整備計画を諮問し、答申を受けて整備計画を策定することとしております。
審議会における中間のまとめの段階でパブリックコメントを実施し、都民や公園利用者などの意見や提案を募るとともに、地元自治体に意見照会し、寄せられた意見も踏まえ審議会に諮っております。
高井戸公園につきましても同様の取り組みを行い、平成二十五年二月の公園審議会答申を受け、整備計画を策定いたしました。
○あかねがくぼ委員 ありがとうございます。答申の中には、空の景を感じ、スポーツを楽しむみどりの拠点づくりというのが基本理念と書かれております。運動公園としてスポーツ機能の配置、防災拠点など多目的に利用できる大規模な広場を確保するとされています。
先日、私も開園した高井戸公園に伺ってみましたが、平日の午後でしたが、幼稚園児とその保護者の方が非常にたくさん広場にお集まりになって、自転車が大変多くとまっているような状態で、遊び盛りのお子さんが思い切り遊べる広場、貴重な場所だなということで、重要な役割を果たしているということを実感いたしました。
さて、昨今、ペットを飼っている人が多くなってきています。犬の登録の数として、東京都の最新のデータ、平成三十年度でありますけれども、杉並区は二十三区の中で六番目に多い二万九千二百頭となっています。近年の二、三年は横ばいの傾向でありますけれども、平成十六年の一万六千頭台から比較しますと、二四%程度増加をしているということになります。東京都全体で見ますと三〇%程度、同じ期間で犬の登録の数は増加をしているということでございます。
杉並区で二万頭を超える犬、ワンちゃんが暮らしているという状況であるにもかかわらず、犬が入れる公園というのは区内にたった七カ所しかなく、残りの三百三十六カ所の公園の中には入れず、散歩すらさせてもらえないという状況であります。
そのような背景から、高井戸公園を初め、杉並区内の善福寺公園等でも、愛犬家の方からはドッグランをぜひ設置してほしいという要望の声が私のもとにも届いております。
ドッグランの設置に当たりましては、四つの条件、設置可能な場所の確保、駐車場の確保、ボランティア団体等の協力、近隣住民の理解があると、全て満たしていくことが設置の条件であるということで、過去にもご答弁をいただいているところでございます。
都立公園ドッグランは既に十二の公園で設置をされているため、今後新たにドッグランを設置する予定はないということでございましたけれども、その理由につきまして、改めて伺います。
○植村公園緑地部長 都立公園のドッグランについてでございますが、平成十五年に八公園で設置を計画しまして、その後、都内全域をカバーするため四公園を追加し、平成二十六年の桜ヶ丘公園での設置により、計画した十二公園全ての設置が完了しております。
なお、ドッグランの管理運営につきましては、施設の老朽化やボランティアの高齢化などの課題があり、現在、安定的な管理運営を持続し、新たなニーズにも対応するため、民間活用や区市との連携なども含め、ドッグランのあり方について検討しております。
○あかねがくぼ委員 都の責務としては、都内の全域に設置するドッグランの数として十分な数に達しているという、そのような認識をなさっているということだと理解をしました。
都立公園におけるドッグランの開設、運営については、最後の十二カ所目の桜ヶ丘公園における開設までの道のりを振り返りましても、賛成の方もいれば反対の方もおられて、その交渉ですとか歩み寄りというのは大変であったということを理解しております。
実際、開設された後もボランティアの方が継続的に行っていただかなければいけない、また、利用者のマナーを守っていただくことなど、設置責任者として非常に手間暇のかかることになるということでありまして、単純にドッグランといいましても、柵をつくって終わりということではないということなので、慎重にならざるを得ない、そのような事情があるということは理解をするところであります。
一方、新たなニーズに対応するために、民間活用や区市との連携を含め、ドッグランのあり方について検討しているということを今ご答弁いただきました。
高井戸公園のように民間の団体から、実際、ドッグランを設置したいと申し出があり、そういった場合にはどのような方法があるのかお伺いします。
○植村公園緑地部長 これまで公園管理者である都以外の者が都立公園内にドッグランを設置した事例はございませんが、地元区市や民間団体が設置する場合には、都から都市公園法による許可を受ける必要がございます。
民間団体などの場合は、施設の設置管理主体の適格性や選定の公平性などの課題がございます。
許可に当たりましては、設置のための四つの条件を満たすことを前提に、公園管理上の支障がないことなどの確認の上、適切に判断してまいります。
○あかねがくぼ委員 ありがとうございます。都立公園に対して、これだけドッグランの設置要望が各地でも上がっている。そういった中で、都として追加では設置する予定がないということであれば、そのかわりの道筋を示していくことも都の責務ではないかと考えます。
ドッグランについて、要望のある地域の基礎自治体などに働きかけたり、積極的に連携をしたりということで、実現に向けて前向きに支援をしていただきますよう強く要望をいたしまして、次の質問に移ります。
次は、補助道路整備について伺います。
杉並区は幅員が四メートルにも満たないような狭隘道路が区内の道路、総延長の三〇%程度ございます。
狭隘道路は日常生活に不便というだけでなくて、災害時、火災の危険性が高い木密住宅の密集地域などでは消火活動、避難が困難になるなど、その解消に対しては大きな課題となっております。
杉並区の阿佐谷地域におきましても同様な状況でありまして、特に南北方向の幹線道路が非常に脆弱であります。
区内の都市計画道路の中でも、補助第一三三号線につきましては、杉並区まちづくり基本方針の中で、災害時の避難場所へのアクセス確保など、防災機能強化の観点から、重点路線として位置づけられております。
補助線一三三号線、自動車、交通の円滑化のみならず、地域の安全性の向上など、それに資する重要な路線と思いますけれども、本路線の役割や機能を踏まえた必要性につきまして、改めてお伺いします。
○花井道路建設部長 補助第一三三号線は、環状第七号線と環状第八号線を補完して交通の分散を図りますとともに、延焼遮断帯の形成等の機能を有する重要な路線でございます。
このうち、杉並区内の放射第六号線から補助第一三〇号線までの延長約八百九十メートルの区間は、第四次事業化計画におきまして、必要性を検証した上で、優先整備路線に位置づけられております。
本区間は交通処理機能の確保とともに、消防活動などの救援救護活動の実施や安全な避難路の確保など、大変重要な役割を担うといった観点から、その必要性が確認されております。
○あかねがくぼ委員 ありがとうございます。環七と環八というのは、朝晩のラッシュのときというのは非常に混んでおりますし、それ以外でも常に交通量の多い道路でございます。
青梅街道と五日市街道をつなぐ縦の南北の補助線になる一三三号線は、消防活動、避難路の確保にとっては必要不可欠でありまして、そのため優先整備道路に位置づけられているということがわかりました。
また、延焼遮断帯の形成にも資するということで、木造密集地域で火災が発生した際に燃え広がりを防いでくれる役割、災害に強い都市構造を実現していく上で重要であるということもわかりました。
補助線一三三号線の整備により、避難場所である善福寺川緑地や震災救援所に指定されている東田中学校ほか、杉並区役所や杉並消防署など、これらの施設をつなぎ、防災活動を支えていく経路が確保されて、地域防災力が向上する、そのような期待がされるということであります。
これは裏を返すと、この道路がなければ防災活動を支えるための経路が確保しにくい状態だということであります。
この補助線一三三号線の整備に当たっては、さまざまな意見があると承知をしております。地元の理解や協力を得て進めていただくために、その必要性を広く地域住民に認識をしてもらうことが重要であると考えます。
そこで、本路線の事業化に向けた取り組み状況について伺います。
○花井道路建設部長 都市計画道路の整備に当たりましては、道路の沿道の皆様にご理解をいただくため、事業概要及び測量説明会等を行っております。
本区間につきましては、昨年十一月に事業概要及び測量説明会を開催いたしまして、現在、現況測量を進めますとともに、道路構造等の検討を行っているところでございます。
また、本年一月と三月には事業に関する情報をお知らせするため、本区間の広報紙であります成田東だよりを作成いたしまして、地域住民に配布しております。
引き続き、地域の理解と協力が得られるよう努めますとともに、早期事業化に向け、着実に取り組んでまいります。
○あかねがくぼ委員 ありがとうございます。本路線完成までは予定どおり進んだとしても、約十年間を要するという大変息の長い取り組みであります。
早期の事業化に向けて地元区と十分連携を図るとともに、引き続き地域住民の皆様に対しては丁寧な説明を行っていただきながら着実に進めていただきますように要望して、私の質問を終わります。
○三宅委員 私からは、大きく四点に分けて質問したいと思います。道路の交通安全対策について、また砂防事業について、海岸事業について、そして最後に技術者の育成についてであります。
まず初めに、道路の交通安全対策について伺います。
昨年五月、滋賀県大津市の交差点におきまして、信号待ちをしていた保育園児のとうとい命が失われる交通事故が発生しました。子供のかけがえのない命を社会全体で交通事故から守ることが重要であり、交通安全の確保に向けた取り組みが必要だと強く感じたところです。
また、地域の中で、日ごろから子供たちの安全に気を配る方々からも、危険な箇所が指摘されるなど、安全対策の向上を求める声が上がりました。子供を交通事故から守るための緊急的な取り組みとして、交通管理者や道路管理者、幼稚園、保育園の関係者などで、散歩などの移動経路の安全性について、緊急合同点検が実施されましたが、子供の安全確保を図るため、早期に対策を実施すべきと考えます。
そこで、緊急合同点検実施後における道路管理者による対策箇所数と実施状況について、まず伺いたいと思います。
○齊藤道路保全担当部長無電柱化推進担当部長兼務 子供が日常的に移動する経路において交通安全対策を進めることは極めて重要でございます。
区市町村等と合同で実施した緊急合同点検の結果、道路管理者として対策が必要な箇所は、都内で約二千二百カ所であり、そのうち都道は約百八十カ所でございます。
これまで、歩行者の通行の安全性を確保する防護柵の設置や、歩行空間を確保するための路側帯のカラー舗装化を実施するなど、順次対策工事に着手し、六月末時点で百四カ所が完了しております。
引き続き対策工事を進め、子供が安全で安心して利用できる道路空間の確保に取り組んでまいります。
○三宅委員 子供を交通事故から守るため、子供が日常的に移動する経路において、緊急合同点検が行われ、交通安全対策を進められていることがわかりました。
道路管理者として、子供が日常的に移動する経路以外の都道においても、歩行者の安全を確保するための対策も私は必要だと思います。
都道においては、緑色のイチョウ形の防護柵が設置されていますが、あれは横断抑止目的の柵であり、車両の衝突に耐えられるものではないと聞いております。
滋賀県大津市において発生した事故を踏まえると、特に事故のおそれのある交差点部について、交通安全の確保に向けた取り組みを実施することが重要であると考えますが、そこで、子供が日常的に移動する経路以外の交差点における交通安全対策についても伺います。
○齊藤道路保全担当部長無電柱化推進担当部長兼務 緊急合同点検を実施した箇所以外の信号機がある交差点におきまして、防護柵の設置状況を把握するため、今年度から調査を進めており、年度内の完了を目指しております。
今後は、この調査結果を踏まえまして、交通管理者等との調整の上、車両用防護柵の新設や歩行者や自転車の横断を抑止する柵から、ガードパイプなど、より強度の高い車両防護柵へ交換するなど、交通安全対策を行ってまいります。
引き続き、誰もが安全・安心に利用できる道路空間の創出に取り組んでまいります。
○三宅委員 ぜひ、いつ、誰が被害者になるかわかりませんので、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。
次に、砂防事業について伺いたいと思います。
近年、台風の大型化などにより土砂災害が頻発しています。土砂災害から住民の生命を守るためには、警戒避難体制の整備を図るソフト対策とともに、砂防堰堤の整備などのハード対策も重要であります。
記憶にも新しい熊本県や福岡県など、九州地方を中心に大きな被害をもたらした、ことし七月の豪雨を初め、昨年の東日本を中心とした台風十九号災害、一昨年の西日本を中心とした平成三十年七月豪雨災害では、被害の大きさから対策施設の効果に対する報道は少ないですが、砂防堰堤が土石流を捕捉し、下流の地域の安全が確保された事例がありました。改めて砂防堰堤の整備の重要性を認識したところです。
島しょ住民の大半は、急峻な地形の下流に位置する開けた土地に住んでおり、土石流災害の危険性が高い状況にあります。
そこで、島しょ地域における今年度の砂防堰堤等のハード対策の予定について伺います。
○小林河川部長 ハード対策につきましては、土石流などによる土砂災害のおそれのある箇所で災害を未然に防止するために、砂防事業等を進めております。
具体的には、八丈町の大里一ノ沢や三宅村の厚木沢など、十一の渓流で砂防堰堤等の整備を実施し、このうち大島町の大金沢では、総延長約六百六十メートルの流路が完成いたします。
○三宅委員 今年度のハード対策の予定についてはわかりました。
先ほど申しましたとおり、島しょ地域で危険な箇所が多く、避難所や避難時に重要な港などの施設が土砂災害警戒区域に指定されているところがあります。
そこで、島しょ地域の今後の砂防事業の進め方について伺いたいと思います。
○小林河川部長 砂防事業につきましては、土砂災害警戒区域内における避難所や要配慮者利用施設に加えまして、島しょ地域では特に港や空港施設等の重要施設の有無などを考慮し、優先度をつけて計画的に実施しております。
今年度は、大島町岡田地区や三宅村阿古地区、八丈町中之郷地区におきまして、合計四渓流で新たに砂防基本計画を作成してまいります。
引き続き、土石流から島しょに住む都民の命と暮らしを守るため、砂防事業を着実に進めてまいります。
○三宅委員 ハード対策に時間がかかるのは理解していますが、島しょ地域は多くの危険な場所を抱えていますから、一層進めていただきたいと思います。
七年前に、先ほどご答弁ありました大島の大金沢の地区で大きな被害が出た土石流災害がありましたが、一方で、長沢という隣の渓流では、立派な砂防堰堤があったおかげで、何万立米という土砂をそこで食いとめていただいたと思っておりますし、また、その工事に当たった関係者の方が後で聞きましたら、災害が始まる前、何で我々はこんな山奥でこんな穴をつくらなきゃいけないんだということをいっていましたが、完成して初めてその威力に気がついたと、本当にいい仕事ができたと、そういうふうにいっておりました。
皆さん方の仕事は被害をなくす、マイナスをゼロにするような地味な仕事ですが、しっかりと取り組んでいただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
次に、海岸保全施設の整備について伺いたいと思います。
島しょ地域における海岸線は、地域の生活や産業経済を支える道路が近くにあり、災害時の避難や救援活動の生命線となっています。
これらの公共施設や人家の安全性を確保するためには、海岸の侵食対策などの取り組みが重要であります。
ことし十月の台風十四号では、伊豆諸島は記録的な大雨となり、三宅村や御蔵島村では大雨特別警報が発表されましたが、幸いに波浪による大きな被害は受けませんでした。
一方、新島の羽伏浦海岸や和田浜海岸では、近年の台風により護岸の被災や海岸侵食が進み、観光資源である砂浜の利用に大きな影響を及ぼしております。
また、村道も喪失しております。この点については、速やかな復旧が必要になると思います。
そこでまず、新島における台風で被災した海岸の復旧状況について伺いたいと思います。
○小林河川部長 新島では、平成二十九年十月、三十年十月のたび重なる台風の波浪の影響によりまして、羽伏浦海岸や和田浜海岸では、護岸や自然崖地が被災したことから、消波ブロックを設置するなど、応急復旧を実施いたしました。
さらに、令和元年東日本台風において、被災箇所が拡大したため、本年度から羽伏浦海岸の一部におきまして、消波ブロックを設置しております。
なお、現在、本復旧に向けて村等とも調整しており、防災と海岸利用が両立できる対策を検討しております。
○三宅委員 台風のたびに、それぞれの海岸で応急復旧をしていただいたこと、また、本復旧に向け、村などと調整していただいていることは理解しております。
厳しい気象条件下にある島しょ地域の海岸において、護岸等の防護施設がない自然海岸では、風化による崖地の崩落や侵食による砂浜の後退などが見受けられます。
そこで、今後の島しょ地域の海岸保全の取り組みについて伺います。
○小林河川部長 高潮や波浪等による災害から海岸を防護するため、都は二十六の海岸、延長約四十六キロメートルを海岸保全区域に指定し、護岸等の保全施設を整備しております。
整備に当たりましては、海岸の背後地に居住する人々の生命や財産を保護するため、人家や公共施設等のある地域で海岸事業を実施しております。
今後、例えば保全区域内で海岸利用がされている箇所におきましても、砂浜など海岸線の後退が疑わしい場合は、状況の把握を行い、その結果をもとに必要に応じて地元自治体など関係機関と対応について協議を行ってまいります。
○三宅委員 新島などでは、外洋に面し、入り江もないことから、波浪の影響を直接受けます。また、火山地質で緩い砂地盤のために、波浪による侵食に対して非常に弱い状況にあります。新島空港まで、あと何十メーターかに迫っているぐらい侵食されていますので、ぜひそういうところから優先的に対策を打っていただきたいと思っております。
海岸線の後退は、島しょで生活する上で重要な問題であり、国土保全の面からも懸念をしています。護岸等が整備されていない箇所について、侵食対策にぜひとも注力をいただきたいと思います。
次に、技術職員の人材育成について伺いたいと思います。
公共工事を円滑に執行していくためには、受発注者ともに技術者の育成が重要であります。
ベテラン技術者の高齢化や退職が進み、中堅技術者が不足する状況において、建設技術が日進月歩で進化する中、技術力の向上、特に若手技術者の能力向上が必要になってきます。建設局におかれましても、執行力を向上させ、事業を確実に執行していくには、職員の技術力の向上が求められていると思います。
そこで、建設局において、職員の技術力向上にどのように取り組んでいるのか、まず伺います。
○村上企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 建設局では、東京都土木技術支援・人材育成センターが、技術研修として初級者を対象とした基礎コースや、指導者育成コースなど六つのコースを設定し、道路、河川、公園など、局の主要事業にかかわる内容を中心に、令和元年度には三十八講座を設けて実施しております。
今年度は、コロナ禍の影響もありまして、密を避けるために一部リモートによる研修を実施しております。
研修内容ですが、講義による座学のみではなく、擁壁や鉄筋、さらには橋梁の一部を活用した構造物モデルを設置し、見て、さわって、覚える実践的な講習も実施しております。
さらに、各職員が業務を通じて得た貴重な体験や試行錯誤を繰り返しながら培ってきたノウハウなどを組織の財産として共有し、継承していくことを目的といたしまして、平成元年度から建設局業務体験発表会を開催しまして、職員のスキルアップに役立てております。
○三宅委員 職員の知識と経験を配慮して、さまざまな研修や発表会を実施している、これは私も視察に行った折に見させていただきました。
引き続き積極的に進めていただきたいと思います。
その一方で、技術力の向上を図るには、研修とあわせて、仕事を通して技術力を身につける職場内訓練、OJTも必要だと考えます。
そこで、建設局における職場でのOJTの取り組みについて伺います。
○村上企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 建設局では、平成二十一年度より、すぐれた技術力を有する職員を指導技術者として認定する建設技術マイスター制度を導入しております。
令和二年十月末現在、道路、河川、橋梁などの十一の分野で百九十三名が認定されております。
これら指導技術者は、みずからの職場はもとより、他事務所や支庁の職員を対象に、実務に即したマイスター出前講座の講師を務めるとともに、職員からの技術相談への対応などを行っております。
ベテラン職員の技術を局全体で共有、活用し、若手職員へ着実に継承することによりまして、局職員の技術力の向上に引き続き取り組んでまいります。
○三宅委員 マイスターによる出前講座、これは島しょの支庁に勤めている方々にとっては本当に心強い、いい機会だと思いますので、ぜひ積極的に進めていただきたいと思います。
また、今後はリモートを活用して技術研修の回数や受講機会をふやしたり、マイスター職員による実務に即した具体的な指導を実施することなどにより、職員のさらなる技術力の向上に努めてほしいと思います。
技術力が向上すれば、やはり受発注者ともに、発注者の皆さん、受注者にとっても本当にいい経験も積めるし、また、いい仕事もできると思っております。せっかく公共事業で皆さん方がいろいろやるわけですから、いい仕事を残してもらうためにも積極的に技術者の育成に努めていただきたいと思います。
以上で質問を終わります。
○斉藤委員 私からは、主に三つの分野、道路関係、そして公園関係、そして最後は河川関係、災害対策等について質問をさせていただきたいと思います。
初めに、質問ではないんですけれども、今、砂防の話がございまして、私は目黒区が選挙区でございまして、なかなか砂防の話をする機会がないんですが、今、三宅委員からお話がございましたが、私は常願寺川の立山砂防の話を目の当たりに伺ったことがありまして、百年砂防、なかなか百年かかってもおさまらないのが自然の力だと思うんです。明治時代の海外の技術者が、デ・レーケが来たんでしょうかね、滝のようであって、川ではないということでさじを投げたのを、日本人が何年もかかって、自分のときに何が起こるかを考えずに、とにかく下流域にある都市の人の命を守るためにずっと働いている姿、これこそ公共事業のきわみであり、目に見えない、そういった事業に携わっている方々の汗に何としても都民としても報いたいという気持ちはとても秘めながら質問させていただきたいと思っております。心から、目に見えない努力をされている方に対して思いをいたす都民がふえることを望みたいと思います。
初めに、自転車の通行空間についての整備について質問したいと思います。
自転車は買い物や通勤通学など、日常生活には欠かせない身近で便利な交通手段でありますとともに、お金もかかりません。経済的にもすぐれている。そして健康にもいい、そして環境にもいいということで、大変に自転車の有用性が見直されているわけでございます。自転車の利用ニーズが拡大をしてきております。
さらに、コロナ禍でございまして、コロナ禍にあっては、新たな日常における混雑を避ける手段として、移動手段の一つとして、大変にニーズが高まっていますとともに、外出自粛等によりまして宅配需要が高まって、食の世界でもシーンが変わって、テークアウトなどが大変ふえてまいりまして、自転車を利用した宅配事業者など、まち中で見かける機会が大変ふえてまいりました。
このような状況の中で、都内の全ての交通事故に占める自転車関係事故の割合は、全国平均よりも東京都内は高くて、今後ますます自転車利用が活発になるのはすばらしいことだと思いますけれども、一方で、安全面が非常に重要になってくるわけでございまして、安全で快適な自転車利用環境をつくることが非常に重要である、その整備が重要であるというふうに思います。
東京都はこれまで、平成二十四年に策定いたしました東京都自転車走行空間整備推進計画等に基づきまして、今は自転車の通行空間というようでございますが、自転車通行空間の整備を進めてきております。
そこで、まず初めに、これまでの整備実績についてお伺いをしたいと思います。
○齊藤道路保全担当部長無電柱化推進担当部長兼務 都は、東京都自転車走行空間整備推進計画等に基づき、自転車交通量が多く、歩行者と自転車の事故の危険性がある区間や、自転車乗り入れ台数が多い駅周辺の区間等を優先整備区間と定め、優先的に自転車通行空間の整備を進めております。
令和元年度末までに約二百三十一キロメートルが完成しております。
○斉藤委員 二百三十一キロメートル、都民の皆さん、どのくらいの距離かって、なかなかぱっと浮かばないかもしれませんが、大変に整備が進んできたというふうに私は思います。
現在の自転車通行空間の整備率についてはわかりましたが、ただ、今お話がありました優先整備区間というものを定めている中で、まだその区間が残っているとも伺っております。今後とも優先整備区間に取り組んでいただきまして、この整備の促進をしていただきたいと思います。
そもそも自転車の事故でございますけれども、その原因は第一には乗っている人のマナーの悪さということもあるわけでございまして、交通ルールについて欠如しているのかなと。信号を平気で無視したり、そういうことはいけません。交通ルールへの無関心などで、これらの対策にはルール違反運転に対する取り締まりの強化、これはほかの所管ですけれども、また安全教育が重要であると考えます。
私は初当選以来、平成二十一年の初当選でございますけれども、十年以上にわたりまして、一貫して自転車政策を推進してまいりました。安全利用啓発や教育の重要性を議会質問の中で訴えてまいりました。
その一方で、利用する方々からすれば、どこを走っていいかわからないといったお声も伺ってきたわけでございます。
まずは歩行者が大事です。歩行者、自転車、自動車を安全に道をシェアするというか共有させる、してもらうためには、それぞれの通行区分を明確に表示する必要もあるのではないかと思います。
そこで、安全な自転車通行空間の整備に当たって、どのように取り組んでいるのかを伺いたいと思います。
○齊藤道路保全担当部長無電柱化推進担当部長兼務 整備に当たりましては、限られた道路幅員の中で自転車通行空間を確保するため、歩行者、自転車、自動車の交通量、駐停車車両や沿道の状況等を踏まえ、国のガイドライン等に基づきまして、車道の利用を基本としつつ、自転車レーンや幅広い歩道を活用した構造的分離や視覚的分離など、地域の道路事情に応じた手法により整備を進めております。
○斉藤委員 整備手法について、考え方、選定についてはよくわかりましたけれども、歩行者が優先第一だと明確にすることが私は大事だと思っているんですね。
そうしますと、歩道を広くとって、そこを視覚的分離をして、歩行者と自転車のエリアを分けるというのも一つなんですけれども、どうしても混在してしまうことがございますので、できれば、私は歩行者を本当に守るためには、構造的分離が望ましいのかなというふうに素人的には思っているんですけれども、いろんな整備手法を駆使しながら歩行者の安全、特に障害のある方、白杖をついて目の不自由な方などが、白杖を折られてしまうような自転車の乱暴な運転なんかも聞きますし、また、坂道など危ない箇所もございますので、そういうところにも十分配慮していただきながら自転車の走行空間を延ばしていってもらいたいと思うわけでございます。
一方で、道路はつながってこそ道路と。利用する側から途中、行きどまりが一番悲しいわけでございまして、自転車の利用者は特に都道、国道、区市町村道など余り意識することなく自由に走行するのが自転車の魅力でもあるわけですけれども、そのために、移動が非常にスムーズにいくためには、自転車の通行空間の整備に当たりましては、都道だけでなくて、国道や区市町村道を含めた連続的な整備が、つながりが非常に重要であるというふうに考えるわけです。
しかしながら、区市町村道では取り組み状況に差がございます。自転車通行空間の整備が余り進んでいないなと思われる区市町村もあります。財政上の問題で、多摩エリアは大変ご苦労されているのもわかりますけれども、差があるわけでございます。
自転車通行空間のネットワーク化を進めるに当たりましては、区市町村道における自転車通行空間の整備を促進していくことが重要であります。
そこで、区市町村の自転車ネットワーク計画策定状況についてお伺いしたいと思います。
○齊藤道路保全担当部長無電柱化推進担当部長兼務 国道、都道、区市町村道を連続させた自転車通行空間の整備を進めていくため、国や区市町村等との調整会議を開催し、区市町村に対して、自転車通行空間の整備状況や計画の策定事例等について情報共有するとともに、計画策定に向けた取り組みを促進しております。
令和二年十月末時点では、目黒区や八王子市など十八区市で自転車ネットワーク計画を作成しております。
○斉藤委員 ありがとうございます。目黒区のことをご紹介いただきました。目黒も、ようやっとネットワーク計画を策定してきております。
区市町村の自転車ネットワーク計画の策定状況は、十八区市とまだまだ少ないようでございます。平成二十九年五月に自転車の活用による環境負荷の低減、国民の健康増進等に対応するため、交通の安全を確保しながら自転車の利用を増進すること等を基本理念とした国の法律、自転車活用推進法が施行されております。この法律で、区市町村は、国や都道府県の計画を勘案して、区市町村自転車活用推進計画を策定するよう努めるものと明記されているわけであります。
そのため、国や庁内関係部署と連携をしながら、今後も区市町村に対しまして、自転車通行空間の整備を促していただきたいと思います。
自転車利用者は、区境など関係なく走行するものですから、隣接する区市町村との間のネットワークも重要だと思います。
引き続き、自転車利用者にとってわかりやすい自転車通行空間となるよう、区市町村等と連携を図りながら、また都市整備局など、ネットワークなどをつかさどるところと連携をとりながら、自転車の通行空間のネットワーク化を進めていただきたいと要望しておきたいと思います。
続きまして、無電柱化について伺いたいと思います。
都市の防災機能の強化や安全で快適な歩行空間の確保、良好な都市景観の創出を図るために、都は、小池知事のリーダーシップのもと、無電柱化事業を推進しております。無電柱化は前から皆さんトライをされて、ご苦労されてきたんですが、確かに小池知事が誕生されてから加速しているのは事実だと思います。
平成二十九年九月に都道府県初となる東京都無電柱化推進条例を施行いたしまして、平成三十年三月には同条例に基づく東京都無電柱化計画を策定し、事業を推進しているところだと思います。
おかげさまで目黒区でもしっかりとそういう取り組みが始まっているところですが、目黒区内における都道の無電柱化事業の取り組み状況についてお伺いをしたいと思います。
○齊藤道路保全担当部長無電柱化推進担当部長兼務 目黒区内の都道では、センター・コア・エリア内の淡島通りや目黒通り、環状七号線などで無電柱化事業を推進してまいりました。
例えば目黒通りでは、環状六号線から環状七号線までの区間で、おおむね無電柱化が完了しております。
また、環状七号線以西の区間では、令和元年度までに中根地区の施設延長約〇・六キロメートルの電線共同溝本体工事が完了し、現在、無電柱化の仕上げとなります舗装の本復旧工事を進めており、年度内には整備が完了する予定でございます。
○斉藤委員 大変にありがたいことでございまして、同じ環七でも目黒区内における環七幹線道路の無電柱化は大変進めてきていただいております。センター・コア内はもちろんなんですけれども、目黒区内は計画どおり無電柱化総仕上げの段階に入っているということでございます。
年度内には整備が完了するということでございまして、私が好きな風景の一つに、目黒通りを陸橋から、ずっとこう見る風景、並木も、イチョウ並木が大変美しいわけでございます。街路樹と無電柱化された目黒通りは、非常にインスタ映えするというふうに私は誇りに思っておりますけれども、話がそれまして済みません。
また、同計画の中では、区市町村との連携が強調されているわけでございます。この区市町村道の無電柱化を一層促進するために、東京都は平成二十九年度より、新たに財政支
援、技術支援策を拡充していると伺っております。
これらの支援事業を含めまして、都の制度を活用した目黒区の無電柱化事業の取り組みと進捗状況について伺いたいと思います。
○齊藤道路保全担当部長無電柱化推進担当部長兼務 都は、平成二十九年度より道幅の狭い道路に低コスト手法を導入する事業等に対しまして、事業費を全額補助する無電柱化チャレンジ支援事業制度を創設し、財政支援とあわせまして、区市町村が設置する技術検討会に都の職員が参加するなど技術支援も強化しております。
また、令和元年度から近年の頻発する自然災害への備えといたしまして、防災に寄与する路線について、防災緊急パッケージとして補助率を引き上げ、区市町村に対する財政支援の強化を図っております。
目黒区は現在、大橋地区の区道二路線におきまして、無電柱化チャレンジ支援事業制度と防災緊急パッケージを活用し、詳細設計と電線共同溝本体工事を行っております。
また、目黒区役所周辺の区道では、チャレンジ支援事業により予備設計を行うなど、無電柱化事業を着実に進めております。
引き続き、財政支援とともに技術支援も積極的に行い、区の無電柱化事業を支援してまいります。
○斉藤委員 目黒区内でも、財政支援のみならず、技術的支援もいただきながら、この制度を活用して、特にチャレンジ支援事業というものも活用させていただきながら着実に進めているということでございます。
特に目黒区役所周辺の区道でチャレンジ支援事業、予備設計をしているということですが、ここは目黒区内でも中目黒の駅の近くの目黒銀座というところでございまして、夏祭りが有名で、高円寺ほどじゃないんですけれども、歴史的にご指導もいただきながら、阿波踊りとか、よさこいなどを行う、そういった道がございます。
ですから、これは単に役所に近いからということじゃなくて、そういったイベントのためにも、無電柱化は大変に大きな歓迎、皆さんに喜ばれるエリアでございますので、ぜひこれをしっかり進めていきたいと思っております。
地元目黒区は、無電柱化推進費用をコロナの渦中、令和二年八月に、このようにしっかりした推進計画を策定しております。
通勤での自転車の利用に加えまして、最近は、先ほどいいましたけど、テークアウトなど店舗の業態転換の関係で、事業系の自転車も目黒区内も目立っています。
そんな中、先ほど並木の話をしましたけれども、道は大変狭いわけでございまして、そこに植栽も植えたりさまざましていくと、生きているわけですから、根を張って生きるために、インターロッキングですか、あれを持ち上げてしまったりすることもありますが、生き物ですから、そういったことにもしっかり理解いただきたいんです。まずベビーカーを押している方なんかは気がつくわけですから、そうした方々や高齢者の方、普通の方が歩くよりも、本当に道を一歩一歩歩いている方々、障害者の方々、そうした方々に安心・安全を届けるためにも、電柱をできるだけ無電柱化していくことは非常に重要であると思います。
そして、目黒には愛する自由が丘商店街がありますけれども、このまち並みの中で大変残念なのが電柱なんですね。自由が丘の商店街の中の電柱は、いわゆる道路所管の、皆様の所管の電柱ではない、これはまちづくりに近い方でございまして、オーナーさんなどは私道などを活用してでもいいから、電柱を見えないようにしてほしいとの声もたくさん寄せられます。
ぜひ東京都としましても、所管は他局になると思いますけれども、ご答弁は結構でございますが、道路の地中化とあわせまして、これからはまちづくりと一体となった私道の無電柱化にも、技術的にもご協力をいただくなど、要望していきたいと思います。
道路の最後に、私の地元であります目黒区の都市計画道路の整備状況について質問させていただきたいと思います。
都市計画道路は、経済の活性化や国際競争力を高める上で必要不可欠でございます。災害時においても、交通や物流を確保するとともに、市街地の延焼を遮断するなど、さまざまな効果が期待される重要な都市基盤であると思います。
目黒区では現在、区部の道路ネットワークの骨格を担う環状第六号線、通称山手通り、あと補助第二六号線などで整備が進められているところでございます。
そこで、目黒区内で事業中の環状六号線につきまして、現在の工事状況と今後の取り組みを伺いたいと思います。
○花井道路建設部長 環状第六号線は、首都高速中央環状線の地上部にある骨格幹線道路でありまして、都心部に集中する交通を分散する重要な路線でございます。
このうち目黒区内では、上目黒三丁目から青葉台二丁目までの上目黒地区及び下目黒二丁目から品川区西五反田三丁目までの下目黒地区の二カ所におきまして、現在事業を進めているところでございます。
上目黒地区におきましては、内回り側の歩道整備がおおむね完成いたしまして、現在、外回り側におきまして電柱の撤去や引き込み連系管工事を進めております。今後、外回り側の歩道整備や車道舗装、中央分離帯を設置する工事などを行ってまいります。
また、下目黒地区におきましては、電線共同溝設置工事等が完了いたしまして、現在、電柱や埋設管の撤去工事を進めているところでございます。今後、歩道整備や車道舗装工事などを実施してまいります。
引き続き、地元の理解と協力を得ながら着実に工事を進めてまいります。
○斉藤委員 二つの事業が、この二つの区間、着実に進んでいるということのお話をいただきました。
恐縮ですが、続きまして、補助第二六号線の現在の状況と今後の取り組みについてもあわせて伺いたいと思います。
○花井道路建設部長 補助第二六号線は、環状第六号線と環状第七号線の間に位置する環状方向の骨格幹線道路でありまして、広域的な道路ネットワークを形成する重要な路線でございます。
補助第二六号線の目黒中央につきましては、目黒通りから駒沢通りまでの七百六十メートルの区間において事業中でございまして、現在九六%の用地を取得しております。
これまで、用地を連続して取得した箇所から電線共同溝工事や排水管設置工事などを進めてまいりました。
引き続き、地元の理解と協力を得ながら、残る用地の取得に努め、着実に工事を実施してまいります。
○斉藤委員 用地が九六%取得されると、本当に今か今かという感じなんですね。時にはサッカーしたり、キャッチボールに使えるんじゃないかなんて地域の方々が待ち望んでいる空間なんですけれども、なかなか危険がありますので、道路管理上、そうはいかないんだということを地域の方にもご理解いただいたところでございますが、一〇〇%を目指して頑張っていただきたいと思うわけでございます。
これらの路線の整備によりまして、新たなネットワークが形成されて、渋滞緩和や地域の防災力の向上など、地元にとっても大きな事業効果が期待されます。
引き続き、地域の皆様にそれをPRするというか、伝えていくのも議員の役目でございますが、配慮しながら事業を進めていただきまして、早期の完成、開通を実現するよう要望して、公園の関係事業に話を移したいと思います。
続きまして、都立公園の整備について伺いたいと思います。
SDGsの観点から、都立公園を見詰めてまいりました。これまで我が党は、SDGsの視点に立って、持続可能な都市東京を実現していくべきと主張してまいりました。特に東京では市街化が進みまして、生き物や自然との触れ合いというか、関係が希薄になっています。
私は、小さいころ父の関係で北海道の夕張ですとか余市にも行ったことがございますし、仙台ですとか、さまざまな地域で自然に触れ合ってきたものですから、ちょっと都会の議員には変わった感じの--会派からいわれておりますので、私自身が絶滅危惧種というわけじゃないんですけれども、こういった生き物との触れ合いの機会が大変希薄になっています。
都市社会の中では、緑や水が豊かである公園は、都市環境の形成や改善に本当に必要な都市施設でありまして、これまで多くの都立公園が整備されてまいりました。
私もこの本をちょっと拝見して、一つ一つの公園に行きたいなと。全部歴史があり、空間があり、子供と一緒になぜ行かなかったのかと思うんですけれども、おじいちゃんになったら行こうかなと思っておりますけれども、このようにすばらしい公園がたくさん整備されております。
また、未来の東京戦略ビジョンでは、戦略十三にしっかりと都市公園整備の重要性が明記されておりまして、今後ますます注目されるのは都立公園であると私は確信しております。
そこで、SDGsの目標十一、特に十一・七なんですけれども、そこにあります生物多様性の視点から都立公園の取り組みを進めていく必要があると考えますが、都の所見を伺いたいと思います。
○根来公園計画担当部長 都は、都立公園全体の整備と管理の基本方針となるパークマネジメントマスタープランを策定し、都立公園の目指すべき方向性として定めた基本理念の一つに、生命を育む環境を次世代に継承する公園を掲げ、多様な動植物が生息、生育する公園づくりを進めることを目標の一つとしております。
このため、SDGsの趣旨を踏まえ、良好な生物の生息、生育空間としての環境整備に加え、NPO等とも連携したモニタリング調査や生息、生育環境に配慮した順応的な維持管理を実施しております。
さらに、神代植物公園の植物多様性センターの活動や、ズーストック計画の推進など、動植物園、水族園での野生動植物の保護増殖や普及啓発を実施するなど、都立公園において、生物多様性を向上させる取り組みを推進してまいります。
○斉藤委員 私も議員になってしばらくしてから、さまざまな公園を先輩都議と一緒に視察をさせていただきましたけれども、特にズーストック計画などは都民にもっと知っていただきたいんですけれども、世界レベルでこういった種の保存についてはネットワークができていて、特に多摩動物公園といえば昆虫園があったり、井の頭に行くと自然文化園にはツシマヤマネコがいますね。ツシマヤマネコとぜひ出会っていただきたい。
そこに行くと、今度、例えばインドから送られたゾウ、この間、ちょっと残念なことがありましたけれども、インド象の歴史とか、都市公園にはさまざまな生き物を介しての歴史とか、あるいは生物多様性をいろいろ学ぶ場として非常にすばらしい示唆に富んでいる空間が公園である、特に都立公園は、そこに力を注いできているということを実感いたします。
特に動植物園や水族園などでは、野生動植物の保護、増殖とか、普及啓発などを実施しているということを都民にもっと知っていただきたいと思うわけであります。
私は、平成三十年の第一回定例会で、小池都知事に生物多様性の視点から都立公園の水辺の再生についても質問をいたしました。同僚議員の練馬の小林健二議員からも、ぜひ取り上げてもらいたいということもありましたし、私の地元にも林試の森公園がございますが、そうした水辺について、三十年に、知事から十カ所の池でかい掘りを行うと。水辺の再生に取り組むことによって、本来の生態系を取り戻して、さまざまな生物が生息する豊かな都市環境を次世代へ継承していくという、私の質問に対して力強い答弁がございました。
そこで、平成三十年度というのは、そういう面では非常に重要だったわけですけれども、三十年度以降に実施した、かい掘りの状況について伺いたいと思います。
○根来公園計画担当部長 都は、平成三十年度には林試の森公園などの十カ所の池で、令和元年度には十三カ所の池でかい掘りを実施しました。
かい掘りを実施した池では、外来種を捕獲することで、モツゴやエビ類などの在来種がふえ、その池本来の生態系を取り戻しつつございます。
また、日ごろから自然観察や保護活動を行っているボランティアに加え、ホームページなどで広く公募を行い、平成三十年度は全体で約百名、令和元年度は約百五十名のボランティアが参加しました。
かい掘りの当日は地域の方々が多く訪れ、ボランティアから池の生き物に関する説明を聞くなど、池の生態系に対する理解を深めていただきました。
今年度は、石神井公園などの八カ所の池におきまして、新型コロナウイルス感染症対策に配慮しながら、かい掘りを実施する予定でございまして、池本来の生態系が回復し、公園の魅力が向上するよう取り組んでまいります。
○斉藤委員 石神井公園、すばらしい公園がある地域はうらやましいわけでございますけれども、戦略ビジョンの十三に明記されているんですけれども、そこを読みますと、気候変動の影響抑制や、ゆとりと潤いのある生活を実現する観点から、都市における水と緑の重要性はますます高まっているということで明記されていて、都立公園においては量的に緑や水辺をふやすだけじゃなくて、私は質にも注目して、生物多様性に配慮したそうした取り組みを推進していただきたいというふうに思っているわけでございます。今後、より一層、生物多様性を高める取り組み推進を要望していきたいと思います。
続きまして、都立公園における都民協働について伺いたいと思います。
都立公園は、それぞれが持つ自然や生態系を保全しながら、スポーツやレクリエーションの場として、多くの都民に快適に利用してもらうために、東京都みずからがさまざまな取り組みを行うことに加えまして、公園を愛している方々、愛着を持つ地元のボランティアの活動が大変重要であるというふうに考えます。
例えば、私の地元林試の森公園は、その名称にも示されていますとおり林業試験場の名残ですね、林試。明治時代の目黒試験苗圃が淵源でございまして、日本の林業研究のメッカといいますか、発祥の地であり、大変歴史がある場所であるんですけれども、今では都市部で大変貴重な森林環境を伝える公園となって今に伝わっているわけです。
この公園が持つ自然の恵みの力を地元の方々は本当に大切にしております。また、ボランティアをしている方々、さまざまなボランティア活動をされているわけでございますが、利用する方々の形態もさまざまなんですけれども、そうしたボランティア団体との連携を東京都はしっかりと深めていき、このような地域の方々と一緒になって、都立公園は公共の財ですけれども、地域の方々の民の力もこれはもう本当にお金に換算できないすばらしい大事な力でございますが、都立公園の魅力を高めていくことが重要であるというふうに私は林試の森公園を見詰めております。
そこで、林試の森公園におけます都民協働の取り組みについて伺いたいと思います。
○植村公園緑地部長 都立公園では、さまざまなボランティア団体が清掃活動を初め、花壇づくりや庭園ガイドなどの活動を行っております。
都は、これらの団体や利用者から寄せられる意見、提案を生かしながら、魅力ある公園づくりに努めております。
林試の森公園におきましては、花壇づくりなどのボランティア団体が活動しており、指定管理者は日常的な協力やパークミーティングでの意見交換などを通じてボランティアとの連携を深めており、特に年二回、地域のボランティアの方々と指定管理者が開催する林試の森フェスタは四十四回を数え、春には三万人を超える参加者があり、公園を象徴するイベントとなっております。
今後とも、ボランティア団体と連携、協働に積極的に取り組み、公園利用の活性化や地域と密着した公園管理を進め、魅力ある公園づくりに努めてまいります。
○斉藤委員 大変に心こもる答弁でございまして、ありがたいと思います。現場の所長さんも本当にすばらしい方が歴代就任されておりまして、今では手づくりのイベントが、三万人を超えるイベントになっている。本当にありがたい限りでございます。
また、これは福祉保健局にお世話になっているんですけれども、動物愛護の啓発の場所も提供いただいたり、公園を利用して、ふだん散歩している方々だけじゃなくて、地域猫活動をしている方々もそこに集まって、譲渡会の呼びかけなども行う場として都立公園を活用させていただいているということもございます。大変に感謝したいと思います。
林試の森公園は、数ある都立公園の中で、最も都民が親しみやすい、利用しやすい公園であると私はとても誇りに思っております。ハード面からの今後の公園整備だけでなくて、都民協働の象徴的な公園として整備の推進に協力をしていきたいと思っております。
次に、今回ご報告されました第二次都立動物園マスタープラン中間まとめについて数点質問したいと思います。
建設局が本年六月に公表いたしました中間まとめでは、計画作成の基本的な考えといたしまして、SDGsの達成に寄与すると明記しています。都立動物園、水族園は、これまでも種の保存や生物多様性の重要性を子供たちに伝えてまいりました。環境教育の場としても大変に努力をしていただいております。
持続可能で、よりよい社会の実現を目指すSDGs達成に寄与するため、都立動物園や水族園は今後どのように子供たちへの環境学習を充実させていくのかを伺いたいと思います。
○根来公園計画担当部長 都は、SDGsの達成に向け、さまざまな環境学習を通じて、将来を担う子供たちが動物や自然のすばらしさ、大切さへの理解を深めるための取り組みを行っております。
例えば葛西臨海水族園におきまして、「魚が食べたい!!きみはおさかなエージェント」を開催し、魚の養殖や資源管理、海の環境問題といった話題を通じ、持続可能な水産資源について、親子で考える機会を提供しております。
また、井の頭自然文化園の連続講座、文化園いきものクラブでは、動物解説員と子供たちが飼育動物や園内の野生動物などについて、さまざまなテーマで観察することで、多様な生き物が身近に存在することへの理解を深めるよう努めております。
今後、こうした取り組みをさらに進めるとともに、動物園、水族園の職員が小中学校を訪問する出張授業を拡充するなど、子供たちに地球環境や生物多様性が保全された持続可能な社会に関する学習の機会を提供してまいります。
○斉藤委員 特に出張授業を行っていただいたり、美ら海水族館を我が都議会公明党の同僚が訪問した際、移動水族館があるということで、そういった葛西の貴重な生き物たちをバスに乗せて、なかなか利用できない地域の方々、特に障害のある方々などに触れ合う機会を提供したらいいんじゃないかと提案をして、それを実現させていただきました。
特に目の不自由な方々が、ぬるっとした海の生き物に触れると、びっくりしちゃうそうです。でも、そういった触感が非常に重要だということで、生き物の多様な姿が、その人の命に物すごい響いていくということも伺ってまいります。そういった取り組みもしておられるということですね。大変に貴重なことでございます。
それから、こういう声があります。コロナ感染症の関係で、感染症対策も重要なんだけれども、大切な環境学習が実施できないことは大変なマイナスであるということで、こういったコロナ禍における、そうした触れ合いの場の確保につきましては、もう一段、知恵を出して取り組んでいただきたいというご意見があるということも、そのとおりだと思いますので、ぜひ検討いただきたいと思います。
次に、アニマルウエルフェアについて伺いたいと思います。
これは動物の福祉というふうに訳してしまっていいのかどうかあれですが、アニマルウエルフェア、世界的な取り組みでございます。
平成二十七年、世界動物園水族館協会は、世界動物園水族館動物福祉戦略というのを策定いたしまして、野生動物の保全と動物福祉の基準の維持を両立すべきであるという考え方を示しました。
動物園、水族園が本来と異なる環境に置かれる飼育動物たちの立場に立ち、ソフト、ハードの両面から飼育環境を向上させていく、動物福祉、いわゆるアニマルウエルフェアの考え方は、今や世界的潮流になっています。
一方、このアニマルウエルフェアの実現には、動物の生息地を再現する広い敷地と施設整備が必要となる場合があるなど、実現に向けてはハードルも高い、財政的にも大変お金もかかるということでもございます。
第二次都立動物園マスタープラン中間まとめも拝見しますと、アニマルウエルフェアの取り組みを進めていくこととしていますけれども、その実現に向けた取り組み内容について伺いたいと思います。
○根来公園計画担当部長 アニマルウエルフェアの取り組みの一つとして、動物のより自然な行動を喚起できる施設整備がございますが、都は、例えばことし九月に一般公開をした上野動物園のジャイアントパンダ舎、パンダのもりにおいて、屋内、屋外ともに広い面積を確保するとともに、生息地を再現した起伏に富んだ運動場の整備に取り組んでまいりました。
また、このような施設整備には時間や経費を要することから、多摩動物公園のキリン舎では、餌を与えるかごを高いところに設置することで、高い木の枝葉を食べるキリン本来の生き生きとした行動を引き出す、ソフト的な取り組みもあわせて行っております。
今後も老朽化施設の更新に合わせ、動物種の特性に応じた施設の整備に取り組むほか、飼育展示方法の改善なども実施し、アニマルウエルフェアの推進に努めてまいります。
○斉藤委員 アニマルウエルフェアという言葉を聞くと、本当に隔世の感がございますけれども、動物に対する姿勢がその国の文化のレベルをあらわしているというのはガンジーの至言でもございますけれども、これは単にペットの話だけではないわけですね。
動物園に行くと、おりの中に入っているというか、逃げないようになっているわけです。いわゆる展示されているという表現がございますけれども、それは動物の生きている現場からすれば、とても変なところに結局押し込められているわけですから、だから自由に動けるような、多摩動なんかは比較的サファリパークのはしりというか、むしろ人間の方がライオンバスに乗って、そういった生態を見るというような感じになっていますけれども、多くの場合は展示されている形ですが、動物の側に立っていったときに、一体どこの国からやってきたのかとか、どういうふうに暮らしているのかということを親子で会話をしていくことはとても大事だと思います。
そして、本当に楽しくかわいいんだけれども、かわいいだけじゃだめなんだということに気づきがあれば、自分の地域でペットを飼っている、例えば犬だとか猫だとか、かわいいだけではなくて、その側に立った場合に、例えば野良猫、地域猫はどうなっているのかとか、そういうことに思いが至るような子供になっていただきたいと。
そのためには、まず出会いとして、お父さん、お母さんに連れられて動物園で楽しく動物と触れ合っていただくことも大事だし、また、ガイドとして、そういったウエルフェアについての話を飼育している方々から聞くみたいな機会も今後大事になってくるんじゃないかなと思っております。
いずれにしましても、都立の動物園、水族園、とても大事であります。上野の恩賜動物園は、ナショナルズーがない中で、日本最大の、日本の動物園の柱でございます。しっかりと応援してまいりたいと思います。
公園の最後に、今度は葬儀所の話に移ります。
一問だけ、瑞江葬儀所についてでございます。
都の火葬場として、瑞江葬儀所に関して簡単に質問したいと思うんですが、今後、東京都においては高齢化が進みまして、メガデスですね、多くの方が大量死の時代を迎える、多死社会を迎えることは必然であります。
一方、東京区部は九カ所の火葬場のうち公営は二カ所のみ、都営は一カ所です。この瑞江一カ所。残りの七カ所は民間だといたしますと、その会社の経営状況などによりまして、時に利用料金を大幅に上げるなどの経営判断をされる可能性があるなど、東京都民の火葬のあり方の持続可能性を考えますと、一歩踏み出した施策が今後必要になってくるというふうに私は危機感を持っております。
今後、多死社会を迎えることを見据えますと、公営火葬場の一つとして瑞江葬儀所に求められる役割がより一層大きくなると考えるわけであります。
瑞江葬儀所の火葬炉の炉棟の更新を今進めているというふうに聞いておりますけれども、更新によりまして、今後どのような点が改善されるのかを伺いたいと思います。
○植村公園緑地部長 瑞江葬儀所の現在の建物は昭和五十年に改築されたものでありまして、設備の老朽化が進んでおります。火葬炉は旧式で手動による操作が必要であり、施設はバリアフリー化の観点からも課題がございます。
このため、新たな火葬炉棟の整備に向け、今年度設計に着手いたしました。最新の火葬設備を整備することにより、利用者の利便性の向上を図るとともに、大気汚染の軽減や火葬作業環境の改善を図ります。
さらに、新火葬炉棟は二階と屋上への垂直避難など、避難施設とすることを予定しております。
引き続き、地元の理解と協力を得ながら整備に取り組んでまいります。
○斉藤委員 最後にお話しされた地元の理解と協力を得ながらがとても大事だということになりますね。
ただし、今までの古い炉は、過去にばい煙なんかがあって、地域と協定を結んで、その能力があっても、どのくらいの数をするかとか、話し合いを進めながら都立の公営火葬場を運営してきた歴史があると思います。
したがいまして、何が改善されて、まあ、必要性はあるわけですから、地域の方々のお声を、理解を得た上で可能性を広げていくことが重要だと思いますので、これは早急に焦っていきますと地域の方々に誤解を与えてしまうことになりますので、ここではこの質問だけにとどめますけれども、ぜひとも瑞江葬儀所の能力をフル稼働させるためにも、近隣住民の理解を深める努力が今後絶対必要だと、粘り強く整備に取り組んでいただきたいと要望しておきたいと思います。
最後になりますが、目黒の調節池につきまして話を進めたいと思います。
私は、昨年の九月の第三回定例会の一般質問におきまして、その前年に岡山や広島などを襲った西日本豪雨の発生を踏まえまして、私の地元目黒区を流れる目黒川、桜の名所でもございますが、その治水対策について質問いたしました。
荏原調節池等が整備済みで、時間五十ミリの降雨に対する治水安全度達成率は、表にもございますけれども、九九%であること、平成三十年度には時間七十五ミリ降雨に対応するために目黒川河川整備計画を開示したことなどについて答弁をいただきました。
しかしながら、その後、その直後、十月に台風十九号が来襲いたしました。思い起こせばワールドカップのさなかでございまして、ラグビーワールドカップ、ベストエイトをかけての対スコットランド戦を控えている中で台風十九号が列島に接近いたしまして、大変な被害をもたらしたわけでございます。ラグビーも大事なんですが、その被害に遭われた方々に仲間たちと大変心を痛めたことを思い出します。
そして、ことしは熊本県を中心にした集中豪雨が発生いたしました。近年の豪雨は、より激甚化しておりまして喫緊の課題であります。改めて、豪雨対策に対する取り組み状況について質問したいと思います。
そこでまず、現在の調節池の取り組み状況について伺いたいと思います。
○小林河川部長 都は現在、区部時間最大七十五ミリ、多摩六十五ミリにレベルアップいたしました新たな目標整備水準の達成に向けまして、環状七号線地下広域調節池など、総容量で約百十万立方メートルとなる七つの調節池の工事を二〇二五年度までの完成を目途に進めております。
また、平成三十年、西日本豪雨などを受けまして実施いたしました防災事業の緊急総点検を踏まえまして、目黒川を含む八つの河川で新たな調節池の事業化に向けた検討を前倒しして実施しております。
さらに、昨年十二月に策定いたしました未来の東京戦略ビジョンでは、二〇三〇年度までに総容量約百五十万立方メートルの新たな調節池を事業化するという目標を掲げ、調節池のさらなる整備を推進しております。
○斉藤委員 最近、雨が降りますと、消防団の方々は川に張りついて水防に当たっていただいているわけでございますけれども、最近の豪雨は本当に今までの雨とは違います。
昨年の台風十九号後にまとめられました未来の東京戦略ビジョンでは、今ご答弁ありました、二〇三〇年までに百五十万立方メートルの新たな調節池の事業化を目標としていること、それ以前から目黒川における調節池の事業化に向けて検討してきた、実施をしてきたことも確認をいたしましたけれども、目黒は二カ所、蛇崩川の合流点と、それから荏原の二カ所に調節池をつくっていただいているおかげで溢水から免れております。
昭和五十六年には大変な暴れ川で、大変汚水がまじった形の水が近隣住民を本当に悩ませていた暴れ川、昭和五十六年の大きな水害を最後に、調節池のおかげで都民の生命と財産が守られています。調節池というのは、大変すばらしいインフラであるというふうに思うわけでございます。
私たちの地元を流れる目黒川は、護岸整備の方はほぼ完了しておりまして、川の両側にはビルが建ち並んでいます。大変に経済的にはお金がかかったまちということになりますけれども、豪雨の備えは経済被害を考えても非常に重要でございます。豪雨への備えを強化するには、調節池を今後も整備する必要がございます。
そこで、目黒川の新規調節池の検討状況について、ちょっと詳しくお伺いしたいと思います。
○小林河川部長 目黒川の新たな調節池は、平成三十年四月に改定いたしました河川整備計画におきまして、時間七十五ミリの降雨に対応するため、目黒川の上流部である北沢川、烏山川、蛇崩川において、総容量約四十七万立方メートルの調節池を整備することとしております。
昨年度から、候補地や構造形式の選定などの検討を進めているところでございます。
○斉藤委員 ありがとうございます。
点のように見える調節池が、やがてつながっていくことによって、シナジー効果によって、より一層、守りが強くなっていくということ、それには物すごく時間がかかると思いますし、また、目に見えないインフラをつくるためには、近隣住民のお力添え、協力が大変必要だということ、地域にいる区議会議員の皆様とともに、都民、区民に理解をいただいて、事業を進めて、円滑に進んでいくようにしっかり応援していきたいと思います。大変長い質問でございました。
私の方は以上でございます。ありがとうございました。
○佐野委員長 この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。
午後五時五十三分休憩
午後六時十四分開議
○佐野委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○原田委員 事務事業概要に当たりまして、まず最初に、建設局事務事業概要の記載について、道路の建設においての第1、あらまし、現状と課題の記述が大きく変わったことについて聞きたいと思います。
去年までのこの記載は、恐らく長い年月同じ内容のまま、東京の道路がいかに少ないか、いかに質が悪いか、そのことが書かれていました。首都東京の集中度と道路総延長を全国と比較して道路が少ないと結論していた記述がなくなりましたが、その理由は。
○花井道路建設部長 過去の事業概要に記載しておりました東京の集中度の指標における全国比につきましては、わかりづらい点もあったようなので、記載内容を変更いたしました。
○原田委員 これまでの事務事業概要では、東京都の道路の総延長が全国の道路延長の二%しかないんだと。これを首都東京の集中度をあらわす諸指標とそれぞれ比較すると、例えば人口が全国の一一%、事業所数が約一二%以上となっており、人口が全国の一一%なのに道路は二%しかないと書いてあったんですね。
これを例えば区部で当てはめて、人口と道路の割合を全国と同じにした場合どうなるかと。区部は住宅もオフィスも公園も全部なくなりまして、全て道路になっちゃうんですね。こんな荒唐無稽な記載がずっと続けられていたということに私は驚いています。
道路の質についての記述もなくなりましたが、その理由は何ですか。
○花井道路建設部長 過去の事業概要では、自動車が満足にすれ違えない車道幅員五・五メーター未満の道路延長や総延長に対する割合が記載されておりましたが、道路の質や量をあらわす上でわかりづらい点もあったようなので、記載内容を変更いたしました。
○原田委員 この五・五メートル幅の道路が車がすれ違える道路なんだと。その幅の道路が東京都は少な過ぎるんだと。勝手に五・五メートルという基準をつくって、道路の質が悪いと、これまでの事務事業概要はいってきたんですね。
建築基準法や道路構造令で最低四メートルと定めている道路の質について、これを覆すような基準でまちをつくり変えるんだと宣言すると。大変問題のある記載であり、削除して当然であります。
道路の国際比較の記述も消えました。既成市街地とされている区部の道路率一六・五%は、既に道路率が二〇%を超えているニューヨーク、パリなどの欧州諸国の主要都市と比較すると低率だといってきたわけですが、この記載をやめたようです。その理由をお示しください。
○花井道路建設部長 海外諸都市と比較した道路率はわかりづらい点があったようであり、また、最新の統計資料の存在が確認できなかったため、記載内容を見直しました。
○原田委員 昨年の質疑を端的に要約いたしますと、実に、建設局は四十年前の古いデータで海外の都市と東京の道路率を比べ、しかも、東京の道路率は、公園も河川も分母に含めるんですが、海外のそれはDIDという概念に基づきまして、純粋な市街地だけを取り出して、そこに占める道路の割合を見ていたわけです。分母が違うんです。これはあたかも東京の道路は少なく見えるように比べられていたわけです。
そこで、道路率については、東京都環境局が環境白書二〇〇六で、東京、ニューヨーク、ロンドン、パリの比較をやっていたことを私は示しました。より正確な道路率の調査結果を示したのに、なぜ今まで連綿と記載してきた道路率を道路の必要性の記載から外してしまったのか教えてください。
○花井道路建設部長 道路率は、道路の現況をあらわす指標の一つでございますが、欧米諸国の主要都市の更新された統計資料の存在が確認できなかったため、令和二年度版の事業概要は、国内の主要都市と比較した混雑時の平均旅行速度を記載するなど、道路建設の現状と課題をわかりやすく表現いたしました。
○原田委員 東京都環境局が発行した環境白書二〇〇六で、ここでは東京、ニューヨーク、ロンドン、パリの比較をまさにやっていたわけです。
その結論はこうです。マンハッタン区だけは突出して三〇%近くぐらい道路率があるわけなんですが、でも、東京都とロンドンの道路率は二二%から二三%、ほぼ等しくて、パリについても区分の違いを考えれば、つまりパリの場合は道路交通施設率というので二五・八%となっていますから、交通施設の分を除くと同水準と考えられるんだと、これは私がいっているんじゃなくて環境局がいっているんですけれども、記載されていたわけです。
こういう出所の確かなデータを、今までの出所不明、四十年前の古いデータで道路は必要だといっていたのから私が置きかえて示してあげたんですから、なぜ三十年同じ記載をしてきたものを、道路率を道路の必要性から抜いてしまったのか、不思議としかいいようがありません。
長い期間、間違った、いいかげんなデータに基づいて道路の整備の理由としてきたことについて総括が必要と考えますが、いかがか。
○花井道路建設部長 道路整備に当たりましては、道路の持つ交通機能や空間機能を十分発揮させるため、自動車のみならず、歩行者、自転車などの多様な道路利用者の存在に十分配慮したネットワークの形成や、空間整備を着実に進めていく必要がございます。
このため、道路率や道路構造令の規格に適合する最小の道路幅員等を満たしている道路面積の割合でございます改良率の高い方がこれらの機能を発揮するものと認識してございます。
今後とも、人や物の流れを円滑化し、都市活動を支える幹線道路ネットワークの整備を着実に進めてまいります。
○原田委員 今回大幅に事務事業概要をみずから変えたということは、議員の指摘に対して間違ったところを改めたというのは私は大事なことだと思うんです。大事な姿勢だと思っています。
道路率や改良率が高い方が交通機能や空間機能が発揮されるという答弁でしたけれども、だとしたら、私が示した環境白書が示すように、東京は既に遜色ない道路の量があるし、改良率を見れば、道路構造令の基準を満たす道としての質を有しているといえるわけです。
今回、不適切な記載が改められましたが、結局道路をつくりたくて、つくりたくてしようがない、謎の衝動が働いて、新たな道路の必要性が前面に出てまいりました。
しかし、むしろ、これで取ってつけたように、そこで道路は防災のために必要だと書かれていたりすると、逆に防災のためには住宅街を潰しても構わないとする、そのエビデンスもまた怪しく見えてくるんではないかと所感を述べさせていただきまして、次の質問に移ります。
私からも外環について、先ほど里吉都議が避難計画と補償問題について質疑をしましたが、私からは原因究明、情報公開、総工費がはね上がり続けている問題についてお聞きしたいと思います。
二〇一七年の事務事業質疑において、私は、外環計画大深度地下シールド工法について事故の危険性を指摘しました。
一般社団法人日本トンネル技術協会が二〇一三年十二月に発行しました安全・環境に関わるシールド工事トラブル事例集には、五十九例もの深刻な事故事例が掲載されていました。
そのうちの一つには、私の地元である杉並の和田から中野区を走る巨大な地下貯水施設、和田弥生幹線の事故も含まれていました。トンネル坑内で起きたこの出水事故は、地上部の大規模な陥没が予想された極めて危険な事故だったのですが、実は、こうした事故がしっかりと自治体や我々住民に知らされていませんでした。
だから、私は、こうした事例を幾つか紹介するとともに、徹底したモニタリングデータの開示、第三者による監視、現実的な避難計画の作成、基準や手続の明確な補償制度の必要性を訴えたんですが、こうした声に耳をかしてこなかったのが国等事業者、そして東京都でありました。そういう姿勢が今回の事故を引き起こしたといって過言ではありません。
十月十八日、陥没が起きた一報を受けて、現地に早速飛んで、その惨状を見たとき、これから私たちの生活はどうなるかと頭を抱える住民を見たとき、私は三年間何をやってきたのかなと、何でとめられなかったのかと、本当に十月十八日以来、ふがいない気持ちでいっぱいなんです。
この三年間、地上からの地下水噴出、野川や白子川からの酸欠空気の発生、振動と、あらゆる異常な現象が外環工事について回ってきました。そして、このたびの住宅陥没事故。この事故は突然起きたわけではありません。工事が着工されて以来ずっと前兆だらけだったのだということを改めて指摘するものです。
さて、昨年の二月、東名ジャンクションの事業地内のとあるお宅での話です。早朝四時ごろ、早朝四時ですよ、原因不明の振動に目が覚め、工事でもしているのかと外に飛び出したが、何も音はしない。けれども、家に入ると、家の中のさまざまなすき間がカタカタとぶつかり、住人の体感振動でいえば震度二から三はあったというんですね。数分じゃありません。一時間にわたって揺れを感じたとのことでした。
調べたところ、ちょうどその日にシールドマシンがその家屋の直下を通っていたことがわかりました。今回、陥没事故を起こした東つつじヶ丘の方々の証言と同じような振動現象なんです。
そこでお聞きします。
東名ジャンクションの事業地内に建つお宅でも体感震度二から三という振動を感じたとの証言を得ていますが、当地の地質は比較的かたいといわれた土丹層のはずです。にもかかわらず、砂れき層と同じように振動が届いていることについて、どのように分析しているのか、国の見解をお示しください。
○福島三環状道路整備推進部長 国など事業者は、シールド機が通過する地上部等において振動調査を実施しており、掘進中の地上部の振動レベルは、掘進停止中と比較して変動が見られるものの、日常生活等に適用する規制基準よりも小さい数値であったことを有識者に確認していると聞いてございます。
○原田委員 全く答えになっていないわけです。今さらながら砂れき層は振動が伝わりやすい地質だといっていますけど、昨年問題になった振動は、土丹層の地層の上で起きています。
砂れき層だけでなく土丹層でも振動が伝わってしまったとなると、もはや振動をとめる手だてが見つからなくなってしまうじゃありませんか。このメカニズムは重要ですので、分析を改めて行うべきと指摘するものです。国にちゃんと求めてください。
調布市の地勢の概要という文書によりますと、入間川の低地は地盤振動という地盤災害が起こりやすい地域に分類されていました。このことを国等事業者は把握していたのか。把握していたとすれば、どのように想定し、どう対策を施していたのか。
○福島三環状道路整備推進部長 工事の実施に当たって必要な調査の実施につきましては、国など事業者が主体的に判断すべきものと考えております。
なお、事業者が実施した振動調査におきましては、掘進中の地上部の振動レベルは、掘進停止中と比較し変動が見られるものの、日常生活等に適用する規制基準より小さい数値であることを確認していると国など事業者から聞いております。
○原田委員 地盤振動という地盤災害が起きやすい地域で実際に振動が起きて、陥没が起きたというのに、東京都は振動と陥没におびえる住民に対して大した振動じゃなかったというんですか。信じがたい答弁です。
工事については、国等事業者が主体的に判断するものというから、地盤災害の危険性を把握し、対処したのかと聞いたのに、国等事業者が主体的に判断したという答弁が返ってくると。この事業者はこんな基礎的な質問にも答えられないということを確認させていただきます。
東つつじヶ丘二丁目の付近では数カ所でボーリング調査をしていますが、事故現場付近に事業用地があるんですね。なぜこの用地を当初のボーリング調査に活用しなかったのか、理由を教えていただきたいと思います。
○福島三環状道路整備推進部長 工事の実施に当たり必要な調査の実施につきましては、国など事業者が主体的に判断すべきものと考えております。
今回の地表面陥没に係る原因究明における地盤状況の調査範囲については、東京外環トンネル施工等検討委員会有識者委員会において示されてございます。
調査の進捗及び結果や、東京外環トンネル施工等検討委員会有識者委員会における検討などを踏まえつつ、今後とも適切な調査を実施すると国など事業者からは聞いております。
○原田委員 ここでもまともに答えられないと。この答弁は宿題として、改めてお聞きしなければなりませんので、よろしくお願いします。
事前の調査では、なぜかこの事業地を活用したボーリング調査をしていません。ところが、きのう発覚しました地下五メートルの位置に幅四メートル、深さ三メートル、長さ三十メートルの巨大な空洞が発覚したわけですが、この事業地の地下でその空洞は発見されているんです。どうやってわかったのか、いつ発見されたのかお答えください。
○福島三環状道路整備推進部長 先ほど委員ご指摘の、今回発見された空洞についてでございますが、本日行われました第三回有識者委員会で審議がされておりますが、まだ十分詳細まで把握できておりません。
速報として聞いている情報としてお答えさせていただきますが、まず、空洞が見つかったのは、十一月二日の十二時二十分に、ボーリング調査中に空洞の可能性を確認しましたというふうに伺っております。
見つかった場所につきましては、十月十八日に発生した陥没箇所から約四十メートル北の、委員ご指摘の事業用地でございます。
○原田委員 極めて重大な答弁です。十一月二日に見つかって、我々が知ったのは十一月四日と。事業地を使ったボーリング調査をしていたら空洞が見つかったということは、ボーリングですとんと穴があいたということですよ。これ、重大事態ですよ。そこから二日たたないと一般の公表にならない。とんでもない事態じゃないですか。
先ほど里吉都議が、この避難計画の問題、緊急時の対応の問題を話していたわけですけど、まさに陥没するかもしれない、その寸前の穴が見つかった状態ですよ。お聞きしますけど、部長はいつ、この空洞があったことを聞いたんですか。
○福島三環状道路整備推進部長 今のご指摘でございますけれども、我々はといいますか、私はということでお答えさせていただきますが、十一月三日の午後に一報を受けております。
○原田委員 部長は、東京都は三日の午後に聞いたと。しかし、この重大なニュース、人の命や財産にかかわる問題について口どめされたんですかね。国等事業者から発表するまで待てと。これ、大変な答弁が今出てきたと思っております。今後大きな問題となると思いますが、次の質問に移ります。
いよいよ事態は深刻です。こうした空洞は一体どこまで広がっているのか、未工事部分の地歴やボーリング調査の追加による地質調査など綿密な調査をすべきではないか、お答えください。
○福島三環状道路整備推進部長 今回の陥没事象について、原因及び工事との因果関係を現在究明しているところであり、その結果を踏まえた上で、必要に応じて措置を講じていくと国など事業者から聞いております。
○原田委員 しかし、さっきの答弁はやっぱりちょっとすごいですよね。だって、たしか空洞は三十メートル広がっていて、一部は隣の民間のアパートの下なんですよね。それで発表をおくらせるということが本当にあり得るのか、ちょっと信じがたいんですけど、ちょっと改めてお聞きしたいんですけど、NEXCOが発表するまで東京都は発表するなといわれたんですか。それで我々議員から、地元の議員から自治体にまでちゃんと知らせなかったということですか、部長。
○福島三環状道路整備推進部長 先ほど申し上げましたように、委員会の審議を十分把握はしておりませんが、十一月四日のプレス発表の資料によりますと、今後の対応として、安全・安心を最優先に近隣住民の皆様に対し、今回の事象について説明を行うとともに、必要な対応を実施していますという記述がございます。
そういうことで、十一月四日の午前に事象についての説明等を行っていたということが、きょうの委員会の速報の中で情報として入手してございます。
○原田委員 先に進みたいと思います。ただ、こうした最新の情報をこうやって議会の場で出していただくというのは、ちょっと今までの部長にはない姿勢で、頑張っていただきたいと思います。
現在、陥没事故に対応したボーリング調査が開始されていますけれども、ボーリング調査で何がわかるのか、どこまで掘るのか、調査期間はどれほどを見ているのか、進捗状況及び今後の調整予定を教えてください。
○福島三環状道路整備推進部長 十月二十三日の第二回東京外環トンネル施工等検討委員会有識者委員会で示された今後の調査方針におきましては、ボーリング調査などを実施し、深度方向及び断面方向の地盤状況などを確認することとされてございます。
なお、ボーリング調査につきましては、十月二十四日から開始されておりまして、十二月中旬まで実施される予定であると国など事業者から聞いております。
ボーリング調査につきましては、順次調査結果の確認を行い、その結果を踏まえた調査箇所、調査深度の見直しを行いながら実施していくことを確認したと事業者から聞いております。
○原田委員 ボーリング調査は十二月中旬まで続くということなんですけれども、多分結果が出るのがそのぐらいになるということですし、ボーリングを掘るのは二週間ぐらいで終わるはずですから、やっぱりデータをもっとオープンにしていかないといけないと思っています。いろんな目でそのボーリングの結果だとかモニタリングの結果だとかを見ていかないといけないと思うんですよ。
このボーリング調査は極めて重要なデータとなります。率直にいいますが、これまで国等事業者はモニタリング結果の公表を避け、安全だと強弁したあげくにこの事故を起こしましたから、信用ならざる事業者です。このボーリング調査の結果は、施工業者の企業機密にも触れることは一切ないので、全面的に公開を求めるものであります。
国等事業者はこれまで地下水位に異変はないとしてきましたが、井戸がれの報告もあります。もう一度精密な調査をすべきではありませんか。
○福島三環状道路整備推進部長 今回の地表面陥没に係ります原因究明における地下水調査につきましては、東京外環トンネル施工等検討委員会有識者委員会において示されております調査の進捗及び結果や、東京外環トンネル施工等検討委員会有識者委員会における検討などを踏まえつつ、今後とも適切な調査を実施すると国など事業者から聞いております。
○原田委員 進めます。外環計画は環境アセスの際、ジャンクション等での地盤変動についてだけ予測と評価を行っていますが、本線工事における地盤変動の予測と評価を行っていません。それはなぜですか。
○福島三環状道路整備推進部長 国及び事業者からは、環境アセスの手続につきましては適切に実施していると聞いております。
○原田委員 地盤変動について、例えば、今回事故が起きた入間川沿いの地域は、確かに軟弱地盤であるということがアセスで書かれているんですよね。ところが、調査の地点にこうした地域が含まれていないんです。ほとんどがジャンクション周辺に限られています。部長はそのことを知った上で答弁されているんですか。
○福島三環状道路整備推進部長 国及び事業者からは、環境アセスの手続につきましては適切に実施していると聞いております。
○原田委員 きょう、パネルを持ってきたんですけど、すごい見にくいんですが、ここが中央ジャンクションで、調布市があって、ここで事故が起きているんですね。見事に軟弱地盤のところの青いやつのラインの中に入っちゃっているんですね、そこの工事の現場が。軟弱地盤とそうではない層との境目ですから、すごく危ない場所ですよ。こうやって危ないですよというところまでは書くんです。
ところが、これにどう対処するかという調査と評価のポイントが、こういう本線沿いには一切打たれていないんです。環境アセス上の予測と評価の調査ポイントというのは、ほとんどというか全部ジャンクションの周り、インターチェンジの周りに集中しているんですね。
これを見ていただきたいと思いますが、見えないと思いますけれども、すごくうわっと細かく書いているんですけど、これ、地盤振動についての予測結果。それは、予測地域とやったら東名ジャンクション周辺、中央ジャンクション、青梅街道インターチェンジ、大泉ジャンクション。こっちは地下水位に伴う、上は振動ですね、下は地盤沈下の予測。やっぱり東名ジャンクション、中央ジャンクション、青梅、大泉ジャンクション。実は本線で今回あったような場所での調査とかは行われていないんですよ。
それはまさに、大深度地下トンネルでは地上に影響はないから、地下水も問題ないから、地盤変動は起きないからといって、起きやすいのはジャンクションと。このアセスが本当に適切に行われたと思いますか。
○福島三環状道路整備推進部長 国及び事業者からは、環境アセスの手続につきましては適切に実施していると聞いております。
○原田委員 同じ答弁が来るんで、次の質問はちょっと割愛しようかと思いますけど、要望にしておきますけど、環境アセスについて、振動、騒音、地盤変動についての再評価が必要となっているんじゃありませんか。
今回の事故結果によって、アセスの手続との不整合が生じていないか、予測と評価と今回の事故とのアセス上の矛盾が起きていないか検証が必要と考えますが、やっぱり聞いておこうかな。国等事業者に求めるつもりがあるか、都の見解を求めておきます。
○福島三環状道路整備推進部長 外環事業は、国及び高速道路会社により事業が進められております。
外環事業に関する環境アセスに関する各種手続につきましては、国及び事業者が対応するものであると考えております。
○原田委員 本当に都民が危険にさらされているわけですよ。こうした事態を避けるために行われてきたはずの環境アセスが、地下四十メートル以下のシールドトンネル工事において、地上への影響をほぼ予測、評価していなかったわけです、危ない地盤だというところまでわかっているんだけれども。自治体としてアセスの見直しを求めるべきと感じない、思わないというのは異常だと私は思っています。
振動と並んで、沿線地域の不安の種となっているのが酸欠空気の発生です。
今も原因不明の気泡が野川から不気味に出続けています。当初発見され、国等事業者が測定したところ、最悪の数値で一・六%の酸素濃度と。通常二一%です。これは、吸引した瞬間に肺が異常な動きをして、気を失い、すぐに死亡するという値なんです。野川だからまだいいものの、閉鎖空間でこの酸欠空気がたまったら、これは死亡事故に直結するわけです。
メカニズムの話でちょっと難しいんですけれども、当初は、土丹層がシールドマシンの起泡剤を壊した上、酸化還元反応で酸欠空気が出るといっていたんですが、今は砂れき層を通った酸欠空気が野川に出ています。
私は、酸欠防止規則にのっとって、半径一キロメートルにわたる地下室や井戸などの調査、住民への周知徹底を行うべきと求めましたが、東京都は、国等事業者も、気泡シールド工法は酸欠防止規則の対象に当たらないといって、現に酸欠空気が発生しているのに対処を怠ってきました。
しかしながら、より調べてみますと、実は厚生労働省の出しているシールド工事に係るセーフティ・アセスメントというのがありまして、これには外環シールドマシンも該当し、適切な対処をしなければならないということがわかったわけです。
そこでお聞きします。
私はさきの委員会で、シールド工事に係るセーフティ・アセスメントに基づく事前の予測、評価は行われたのかとお聞きしたところ、東京都からは、国など事業者からは本指針を踏まえ適切に対応していると聞いておりますとの答弁をいただきました。
適切に対応しているとは具体的に何を行ったのか、酸素欠乏症防止にかかわる対応で何を行ったのか、国の回答をお聞かせください。
○福島三環状道路整備推進部長 シールド工事に係るセーフティ・アセスメントにつきましては、厚生労働省が設計、計画段階におけます事前評価の実施促進を図るため、セーフティ・アセスメントに係る指針として取りまとめ、公表されているものと認識しております。
国など事業者からは、本線シールド工事においても本指針を踏まえ、適切に対応すると聞いております。
また、本指針を踏まえ、この手続につきましては工事施工者が適切に対応していると国など事業者から聞いております。
○原田委員 一体どこまで不誠実な事業者なのかという話なんです。適切に対応したとこの間の委員会でいうから、時間をかけて、どう適切に対応したのか聞いてこいといって、聞いてきてもらったんですよ。そうしたら、本指針を踏まえ、適切に対応したという答えが返ってくると。
これには東京都の職員さんも、しっかりと国に対して、具体的に何をしたのか聞いてくれているんです。それにもかかわらず、この回答が来たというんですね。こうした姿勢も事業者としての資質に欠けていると指摘するものです。
酸欠空気にかかわる対応は、実は大深度法の制度の中でも求められていることがわかりました。お聞きします。
大深度地下の公共的使用に関する基本方針では、これは有名な大深度法の基本方針ですけど、Ⅲ章、安全の確保、環境の保全その他大深度地下の公共的使用に際し配慮すべき事項で、環境の保全の一つとして化学反応を挙げ、大深度地下に存在する還元性を示す地層は――酸素を吸っちゃう地層ですね――酸素に触れることにより酸化反応を起こし、地下水の強酸性化、有害なガスの発生――これは酸欠ガスも含みます――地盤の発熱や強度低下を生じるおそれがあるため、事前に地層に対する調査を行い、慎重に対応するとあります。
化学反応を起こす可能性の観点で地層を調査していたのか、その際の成果物はあるのかお答えください。
○福島三環状道路整備推進部長 東京外環関越から東名では、大深度地下の公共的使用に関する基本方針及び大深度地下の公共的使用における環境の保全に係る指針を踏まえ、環境影響評価法及び東京都環境確保条例などに基づき、環境影響評価を適切に実施していると国など事業者から聞いております。
○原田委員 適切にという答弁で、何ら具体的なものがわからないと。有害なガスの発生をしっかりと予測、評価していたのかと聞いたら、環境アセスで適切に実施していると答えられました。
しかし、部長、環境アセスでは酸化還元の化学反応は、主に地盤の強度低下が予測、評価されただけで、有害なガス、酸欠空気の発生には言及していません。酸欠空気が発生してから久しいのですから、それくらいはみずから確認して答弁に立つべきじゃありませんか。
さらに、この大深度地下の公共的使用に関する基本方針では、振動についても言及していますので、お聞きしますが、その他として、交通機関等の大深度地下の使用については、長期的な振動等が人体に与える影響を含め環境への影響について厳正な審査を行うこととするとあります。外環道はこの基本方針に沿った対応を事前に行ったのか伺います。
○福島三環状道路整備推進部長 国など事業者は、大深度地下の公共的使用に関する特別措置法、いわゆる大深度地下使用法に基づき国土交通大臣に申請し、大深度使用の認可を受けており、その事業計画などに基づき事業を実施しております。
東京外環では、大深度地下の公共的使用に関する基本方針及び大深度地下の公共的使用における環境の保全に係る指針を踏まえ、環境影響評価法及び東京都環境確保条例などに基づき、環境影響評価を適切に実施していると国など事業者から聞いております。
○原田委員 振動についてもアセスでやっているんだといったんですけど、これもさっきの地盤変動と全く一緒です。振動についてのアセスは、地盤変動のアセスと同じように、外環計画ではジャンクション付近にしか調査地点を置いていません。地下四十メートルの本線工事が地上に影響を与えることなど、まるで考えられないかのように、今回のような陥没事故を起こしたような地点での評価や調査がまともに行われていないのが実態なんです。
陥没現場では、独特の体調不良を訴える住民が続出しました。東京都環境確保条例のQアンドAを見ますと、低周波音について、コンプレッサーなどの工場施設、自動車、トンネル、橋などさまざまな発生源がありますが、人の耳には聞こえにくいものです。建物の振動の原因となったり人に感覚的な影響を与えたりしますとありますが、現場に続いた振動がどのような振動であったのか。
吐き気を催したり、えもいわれぬ不快感に襲われて、そこにいられないという声が何人かから聞こえまして、現場に続いたこういう振動がどのような振動であったのかを分析する必要があると思いますが、都として国に対して分析を求めるお考えはありますか。お答えください。
○福島三環状道路整備推進部長 外環事業は、国及び高速道路会社により事業が進められております。
安全・安心に事業を進めることは一義的に国など事業者の責務でございます。
○原田委員 都として低周波音の分析を求める考えはないという答弁でした。
法アセスでは、低周波音についても実は予測、評価をする項目がありますが、大深度地下からの低周波音は予測もされていません。
また、ジャンクションですよ。ジャンクションの地上部に近いところとか、地上から入っていくところのランプだとか、そういうのの音が響いちゃうかもしれないからといって、ジャンクションだけの低周波音は予測、評価をしているんです。
でも、本線の、だから地下四十メートルをトンネルが走っている地上の住民の人たちの低周波音とか振動は全く調査をしていないんです。改めて、予測と評価を国等事業者に求めるべきと指摘しますし、都民から苦情が上がっているんですから、これは都みずからが調査に乗り出してもいいんじゃないかと指摘するものであります。
現在、シールドマシンは陥没事故を受けて停止中とのことですが、シールドマシン通過以降、低周波音に悩まされた複数名が、今も耳鳴りのような不快な振動のような感覚を受けていると訴えています。
念のためお聞きしておきますが、現在はシールドマシン内でどのような作業が行われているのでしょうか。シールドは前進せずとも起動していることはないのか、または薬液の注入など地盤改良などの作業は行っていないのかお聞きしておきます。
○福島三環状道路整備推進部長 第二回有識者委員会におきまして、シールド工事について、チャンバー内土砂の安定化、止水のための安全措置等が必要であることが確認されており、安全確保のために必要な最小限の掘進及び定期的なカッター回転を行っていると聞いております。
○原田委員 やっぱり動いているんですね。その低周波が届いているとすれば、感じる人にとっては大変苦しいものでしょう。実際、低周波が襲っているのかどうか調べる必要がありそうですので、ぜひとも都としてもみずから対応していただきたいと思います。
これまで振動、騒音の苦情は国と都で幾つ寄せられているのか。自治体ごとに教えてください。また、自治体への苦情とあわせて把握すべきだと考えますが、いかがか。
○福島三環状道路整備推進部長 外環事業は、国及び高速道路株式会社が事業者であります。事業に関する問い合わせについては事業者が対応するものであります。
国など事業者からは、東名側のシールドトンネルにつきましては、自治体に寄せられたものも含め、複数件の問い合わせをいただいているところであると聞いております。
なお、都への問い合わせは複数件ございますが、その内容について事業者へ、その都度伝えておるところでございます。
○原田委員 複数件というのがすごく不思議なんですけれども、複数件しか届いていないと。自治体にはより多くの苦情が寄せられていますが、全体の数を把握する必要があります。どの地域で深刻な振動が起きていたのか、これをつかむのは重要な情報です。
さきの決算特別委員会において我が党都議団は、振動と地盤変動の関連性について、国がどのように受けとめているのかを質問しました。すると国等事業者は、可能性についての話には回答しかねると答弁したんです。
目の前で住宅街が陥没したんですよね。一たび間違えば人や車が落ちていたかもしれない重大事故です。振動と陥没の間に因果関係があるかもしれないが、わからないから検証するというのが当たり前の姿勢だと思うんですが、それを可能性の話はできないなんていったら、今後、振動と陥没の連関性は検証されないということになっちゃうわけです。
改めて都にお聞きしますが、国等事業者は陥没事故への振動の影響を検証しないということでしょうか。国等事業者の見解をお聞かせください。
○福島三環状道路整備推進部長 今回の地表面陥没と外環工事との因果関係は不明でございますが、陥没箇所付近でシールドトンネル工事を実施しておることから、東日本高速道路株式会社が原因究明に向けて取り組んでおります。
十月二十三日に第二回有識者委員会が開催され、地表面陥没に関する調査方針が示されたところであり、ボーリング調査など、現地調査を速やかに実施するとともに、必要に応じて追加調査も実施しながら、陥没のメカニズム究明を行うこととしていると国など事業者から聞いております。
○原田委員 都として国等事業者に対して陥没事故の原因に振動があったのかどうかを含めた検証をちゃんと求めるべきだと考えるんですけど、改めて。
○福島三環状道路整備推進部長 都はこれまでも、事業者に対しまして、安全を最優先にした工事を要望しており、十月二十一日には国土交通省、東日本高速道路株式会社に対し、早急な原因究明などの緊急要望を行っております。
○原田委員 振動と陥没の関連について否定はしなかったと。かつ早急な原因究明を求める答弁ですので、期待したいと思います。
現在、シールドマシンが停止している直上の住民にはそのことを知らせるべきだと思うんですけれども、いかがか。(福島三環状道路整備推進部長発言を求む)失礼しました。これは要望にしておきます。現在、シールドマシンが停止している直上の住民にはしっかりとそのことを知らせるべきだということを要望しておきたいと思います。
陥没事故が起きる二日前、現場を通った新聞配達員が、地面が下がるような感覚を受けたと話していたことが、先ほど里吉都議からも指摘されました。また、前日夜には、現場を車で走行した住民が沈むような感覚を受け、家族に話していたということもわかっていると。
どのようなメカニズムで陥没が進行したのか把握するのに、私は重大な証言だと思うんですけれども、事実かどうかもいろいろ含めて、ちゃんと調査、把握した方がいいと思うんですけど、どうですか。
○福島三環状道路整備推進部長 委員ご指摘の本証言につきましては確認できておりません。
なお、国など事業者からは、今回の陥没事象について、原因及び工事との因果関係を究明しているところであると聞いております。
○原田委員 現場では割と有名な証言ですので、事故現場付近の住民の声はしっかりとつかんでおく必要があると考えます。
トンネル施工等検討委員会の小泉委員長は、空洞がもともとあった可能性を記者ブリーフィングで答えていますが、もともとあったかもしれない空洞による陥没という事象は検証課題となるのか伺います。
○福島三環状道路整備推進部長 十月二十三日に第二回有識者委員会が開催され、地表面陥没に関する調査方針が示されたところであり、現地調査を速やかに実施するとともに、必要に応じて追加調査も実施しながら、陥没のメカニズム究明を行うこととしていると国など事業者から聞いております。
なお、第二回有識者委員会で示された今後の調査方針におきましては、路面空洞調査や地歴、文献、施工データの再確認などを行うこととされております。
○原田委員 きのう見つかった空洞は地下五メートルに位置していました。路面空洞調査はせいぜい一・五メートルほどの地下の空洞しか見つけられないとお聞きしておりまして、意味が余りありません。
家屋の下の空洞を調べることは可能なのかとお聞きしようと思っていましたが、それは先ほど、ボーリング調査及び音響トモグラフィー調査を実施し、深度方向及び断面方向の地盤状況を確認するとのことでしたので割愛します。
そこでお聞きしますが、音響トモグラフィー調査は何メートル先まで探査が可能なのか伺います。
○福島三環状道路整備推進部長 技術的には、発信機の種類にもよりますが、ボーリング孔とボーリング孔の孔間距離で数十メートルから数百メートルまで可能と国など事業者から聞いております。
○原田委員 これは重要ですよね。それだけの範囲が確認できるのなら、ちょっと私も今聞いて驚いたわけですけれども、ボーリング調査とともに広範な家屋の下を調査することは可能です。大規模なトモグラフィー調査がこれまで掘進してきてしまった四・五キロで必要になっています。
ちなみに、今回調査に使われる機器が大体何メートルまで見渡せる機器なのか確認しておいてください。今は聞きません。
今回、有識者委員会の資料で示された空洞のレーダー調査範囲について東西で違いがあるのはなぜなのか教えてください。
○福島三環状道路整備推進部長 今回の地表面陥没に係る原因究明における調査範囲につきましては、十月二十三日の第二回有識者委員会で示された今後の調査方針において確認されたと聞いております。
今後、調査の進捗及び結果や有識者委員会における検討等を踏まえつつ、適切に必要な調査を実施していくと国など事業者より聞いております。
○原田委員 まだ固まったものではないということですよね。住民の不安に、声にしっかりと応えられる十分な範囲での調査を求めておきます。
生命にかかわる事態につき、空洞調査の結果はプライバシーに配慮はしつつ、空洞の有無、箇所数などは随時公表すべきと考えますが、いかがか。
○福島三環状道路整備推進部長 今回の陥没事象について、原因及び工事との因果関係を究明しているところであり、有識者委員会にて確認を行っていき、公表について適切に検討していくと聞いております。
○原田委員 ところが、きょう、今さっき、地中に三十メートルの空洞が見つかったのが公表されたのに対して、実は十一月二日にはわかっていたんだと、発見されていたんだということがわかりました。公表は四日、きのうです。全く適切じゃないじゃありませんか。
公表について適切に検討していくといっているそばから、全く不適切な公表の態度に出たわけですよ。これは東京都は、この事業者に対しては厳しく指摘をしなきゃいけませんし、そもそも東京都もおとといの午後には聞いていたと。これは重大な問題だということを指摘したいと思います。
この地域は、広範囲にわたって外壁のひび割れ、壁のずれ、公道と家屋との敷地境界線の段差出現など、異常な現象が散見されています。ボーリング調査及び空洞調査はより広範囲に行うべきと考えますが、国の見解を求めます。また、都としても広範囲の調査を要請すべきではありませんか。お答えください。
○福島三環状道路整備推進部長 十月二十三日の第二回有識者委員会で示されました今後の調査方針では、陥没箇所及び周辺道路においてボーリング調査など、現地調査を速やかに実施するとともに、必要に応じて追加調査も実施しながら陥没のメカニズム究明を行うこととされております。
また、陥没箇所周辺以外の調査につきましては、これまで掘り進めてきた区間におきまして、地表面の常時監視、路面空洞調査を実施すると、第二回有識者委員会で確認された調査方針に示されております。
○原田委員 先ほど音響トモグラフィーの話があって、これだったら数十メートル、数百メートル先まで家屋の下を見渡せるというのもありましたから、路面の空洞調査とかは一・五メートルまでしか見られないわけですよ。今回の、きのう見つかったのなんかは路面調査じゃ見つけることができないわけです。しっかりと調査範囲を広げて、ボーリング調査、音響トモグラフィーを含めた調査を求めるものです。
掘進中のトンネル坑内の圧力や掘削土量など各計測値は、添加材、圧力、搬送設備等の調整を行っているということで、適切な状態で施工されているということを確認したとされています。
ところが、トンネル施工等委員会の小泉委員長は、掘削土量に問題があったかもしれないと発言しています。これ、どっちが正しいんですか。
○福島三環状道路整備推進部長 国及び事業者からは、第一回有識者委員会において、施工状況等のモニタリングにおいて、掘進中のトンネル坑内の各計測値、圧力や掘削土量などは、添加材、圧力、搬送設備等の調整を行っていることで適切な状態で施工されていることを確認したことを有識者に確認したと聞いております。
なお、第二回有識者委員会におきまして、今後、陥没箇所周辺の地歴、文献、施工データを再度確認していくこととされたと国など事業者より聞いております。
○原田委員 適切な施工がされていたのに事故が起きたといったらもっと問題だと思うんですけれども、差し当たって、他の工事では当たり前のモニタリングデータも非公開にしている外環工事で、住民の安全、事故のない施工を一手に引き受けるはずのトンネル施工等検討委員会だったはずなんですが、ちょっと雲行きが怪しくなってきました。どうも何かデータをちゃんと見ていなかったんじゃないのかと。
陥没事故が起きた一帯は、測量を一日に二度も行っている地域でした。発見者も測量業者と聞いていますが、この地域の陥没事故が起きるその前後数日間の測量結果に沈下などの異変はなかったのか伺います。また、なぜこの地域だけが一日二回の測量を行っていたのか。そして、ほかに一日二回の測量を行っている地域があるなら、地域名をいわずに何カ所あるかだけお答えください。また、一日一回の測量を行っている地域はどれほどあるのか、続けてお答えください。
○福島三環状道路整備推進部長 地表面の定点観測などにつきましては、事業者において適切に行われているものと認識しております。
○原田委員 これはリアルタイムとか何だとかじゃなくて、もう終わった測量の結果なんですよ。なぜこれがまともに答えられないのかと。
実はこれも、東京都の職員もしっかりと国等事業者に聞いていただいたんですけれども、でも、まともに回答を寄せなかったということですから、何で二回やっているのか、二回やっている地域はほかにどこにあるのか、一日一回だけ測量をやっているところは何カ所あるのか、こんなのすぐ出てくるじゃありませんか。やっていることなんですから。何の機密にもなりませんよ。
それでもまともに回答を寄せなかったということですので、この事業者の体質はいよいよ深刻です。逆に、もしかしてこの測量の仕方や結果に何か後ろめたい背景でもあるのかと疑いたくなりますよね。
陥没現場は、委託した測量業者だけでなく、NEXCOの職員による測量も行われたことがあったと住民から証言を得ていますが、そうした事例があるなら、それはいつかお答えください。
○福島三環状道路整備推進部長 地表面の定点観測などにつきましては、適切に行っていると国など事業者から聞いております。
○原田委員 この答弁は部長のせいではないと思います。まさに事業者がこういう態度なんです。
このNEXCO職員による測量以降、一日二回の測量に変わったという住民の証言もあり、割と重要な答弁になるわけなんですよね。いつNEXCO職員による測量があったのかは明らかにしてほしいと思います。
わからないですよ。住民の証言なんで。本当にNEXCOの職員が珍しく、ある日突然やってきて、測量したら、それから何か異変を感じたのか、その後一日二回になったという証言なんだけど、これは事実かどうかもわからないんです、はっきりいって。
だからちゃんと、これぐらいはいえるでしょうという、何日から一日二回にしたのかとか、そういう何の問題もないデータを、結果を聞かせてくれといっているんですけれども、全部いわない、深刻ですよ。
だから、こういうことは共産党だってちゃんと裏とってから聞きたいんですよ。でも、何も出てこないんです。出さないから。だからこうやって聞くしかないんで、ちゃんとNEXCOがいつ測量したのか、本当にしたのか聞いてきてくださいね。
これまでの外環シールド工事で層別沈下計を使用しているか。使用していた場合は、何カ所で、どのような配置となっているのか。今回、陥没事故現場で行ったボーリング孔に設置することは可能なのかどうかお聞かせください。マニアックであれなんですけれども。
○福島三環状道路整備推進部長 工事の実施につきましては、国など事業者が主体的に判断すべきものと考えております。
調査等は適切に実施していると国など事業者から聞いております。
○原田委員 層別沈下計について何も語らないところが不思議です。なぜ層別沈下計の有無だけでも答えないのか。設置していないとかということがあるんですか。これは後からちゃんと聞いておいてください。
事前の家屋調査が行われていない地域からの地盤変動や家屋損害の苦情があった場合、調査や測量が必要と考えますが、いかがか。
○福島三環状道路整備推進部長 家屋事前調査の対象範囲外におきましても、被害の申し出により、可能な範囲で状況を確認すると国など事業者より聞いております。
○原田委員 大事な答弁です。適切に対応していただきたいと思います。
横浜環状北線のシールドトンネル工事では、衛星を利用した地盤変位測定というのをやっていると、私、以前に紹介したことがあります。しかも、工事の二年前からこの地盤変位測定を行って、工事後も継続してモニタリングするなど、地盤変動に目を光らせています。
こうした衛星を利用した地盤変位測定をなぜ外環では行えないのか、私はこれまで訴えてきましたが、こうした測定を求めるべきと考えますが、いかがかお答えください。
○福島三環状道路整備推進部長 これまで掘り進めてきた区間の調査としまして、地表面変動を常時に観測するため、GNSS測量、いわゆる衛星測位システムを利用した測量を実施すると、第二回有識者委員会で確認されました調査方針に示されております。
○原田委員 そうですよね。やっとこういう最新の技術が取り入れられるようになったと。最新の知見とかを活用するんだと口にするんだったら、当然の対応だったと思うんです。遅きに失したといっても過言ではない。
トンネル施工等検討委員会の小泉委員長は、十月十九日、ブリーフィングにおいて、地盤は下に行くほどかたくなるので、地表まで影響があるのは数ミリというのは起こり得るが、ここまでのは経験していなかった。よほど何か起こったか、難しい地盤だったか、適正に土をとっての陥没はあり得ない。土を取り込み過ぎたのが原因ではないかといいました。
トンネル施工等検討委員会では、掘削土量のチェックもしていなかったということですか。
○福島三環状道路整備推進部長 調布市道における地表面陥没に関する原因究明は、有識者委員会において検討されております。
第一回有識者委員会におきまして、シールドトンネル自体の損傷は確認されていないことから、陥没のメカニズム究明のために現地調査を速やかに実施し、地盤状況の確認を行うことが必要であることを確認したと国など事業者から聞いております。
また、施工状況などのモニタリングにおいて、掘進中のトンネル坑内の圧力や掘削土量などの各計測値は、添加材、圧力、輸送設備などの調整を行っていることで適切な状態で施工されていることについて確認したと国など事業者から聞いております。
○原田委員 今の答弁からは、トンネル施工等検討委員会がさまざまなモニタリングデータを活用して安全な工事を管理していたのかわかりませんでした。むしろ施工状況等は問題ないという報告だけ受けていたかのように聞こえました。
シールドへの圧力やそれらの施工管理基準値、掘削土量、掘進日報、今回、当委員会で委員会として求めた資料で一切出てこなかったデータですけれども、こうした掘進日報、さらには地表面高さなど、測量結果をことごとく国等事業者は公表していません。
これらのデータは決して施工業者の企業機密を侵すものではなく、他の事業では公開しているものばかりです。
例えばこれなんかは(資料を示す)本当にプライバシーにかかわるところは黒塗りになっていますけれども、下水道局のシールド工法の掘進日報です。求めたら出てくるんですよ。ほかの事業では公開しているものばかりです。
まさかトンネル施工等検討委員会にさえ、日々の掘削量などさまざまなモニタリングが示されていなかったということですか、お答えください。
○福島三環状道路整備推進部長 トンネル施工等検討委員会は、国及び高速道路会社により運営されております。
委員会は非公開でありますが、議事概要、資料は公開されています。
なお、今回の陥没事象について、原因及び工事との因果関係を究明しているところであり、有識者委員会にて確認を行っていき、公表について適切に検討していくと国など事業者から聞いております。
○原田委員 モニタリングデータをトンネル施工等検討委員会の専門家、有識者といわれる方々がちゃんと見ていたのかと、それを聞いただけなんですけど、それも答えられない。鉄壁の非公開を決め込むと。
部長はトンネル施工等検討委員会に出ているんですよ。モニタリング結果とか、掘削土量とか、そういうのを見ているのか見ていないのか、まさに一員として体感しているわけでしょう。それも答えられないというのは、一体部長はどこの職員なのかなと。東京都の職員なんですかと、本当に疑問に思うわけですよ。都民がどうしても知らなきゃいけないデータについてはちゃんと公開しなきゃいけません。
小泉委員長は、掘削土量については施工業者のノウハウにかかわるものではないといっているんです。記者ブリーフィングでこうもいっているわけですよね。もうちょっと詳しく説明してもいいんじゃないかと。何か隠しているような、腰が引けているような、そんな印象があってね、もうちょっとわかりやすく皆さんに納得してもらえるようなご説明をされないと変に勘ぐられますよと、この記者ブリーフィングで小泉委員長は発言をされました。今の行政の人たちとか国等事業者に対して、何か怒っているぐらいですね。
改めてお聞きします。
小泉委員長は、掘削土量については施工業者のノウハウにかかわるものではないと記者に対して答えています。これは都も同じ認識か。であるならば、トンネル施工等検討委員会において、自治体を代表してただ一人出席することができる三環状部長がトンネル施工等検討委員会などで提案するべきと考えますが、いかがか。
○福島三環状道路整備推進部長 住民の安全・安心確保のための情報提供についても、国など事業者が行うものと考えております。
都は、適切な情報提供など、住民の安全・安心確保に向けた取り組みについて、引き続き国など事業者に求めてまいります。
なお、今回の陥没事象について、原因及び工事との因果関係を究明しているところであり、有識者委員会にて確認を行っていき、公表について適切に検討していくと国など事業者から聞いております。
第二回有識者委員会において、施工データにおいても再度確認することが確認されており、都としては委員会の動向を注視してまいります。
○原田委員 明けても暮れてもトンネル施工等検討委員会で出すからいいんだと。トンネル施工等検討委員会の委員長まで、もっと情報公開をした方がいいといっているのに、都の部長がなぜか、国等事業者が情報公開については判断すればいいと抑え込みにかかる。本当に不思議だと思っています。
部長、これ、歴代の部長もそうなんですけど、一体誰の立場に立ってそこにいるのかと。住民の立場に立って、まともな情報公開くらい求めてきてもらいたいものなんですね。
情報公開は東京都の改革の一丁目一番地といわれているわけでしょう。一体、今何丁目にあるんですか。当委員会として要求したモニタリングデータも、掘進日報も、何も出てこない。
都議会として外環の情報公開は重要な課題として求めていこうじゃないかということを改めて呼びかけておきたいと思います。
この間のシールドマシンの掘進で、またマニアックなんですけど、ベントナイトを添加材として使用したことはありますか。
○福島三環状道路整備推進部長 本線シールドトンネルにおいて一部使用したと聞いております。
○原田委員 当初、私が何度聞いても全然明らかにしなかったんですけど、やっぱりこういう重要なデータについては出していこうという雰囲気が高まっているんですかね。急遽そういう答弁をいただけてよかったです。これは重要な答弁です。
ベントナイトは添加材として使えば掘削土砂が産廃扱いとなります。いつ、どのような場面で使われたのか、後日明らかにしてください。
二〇〇五年、国道八号におけるシールド工事が原因の道路陥没によって、トラック等五台を巻き込む車両事故が発生しました。この事故が原因となってシールド工事占用許可条件という概念が生まれました。先ほども出たと思います。施工中のトラブルや異常が空洞、陥没の発生原因になる場合が多いことから、事前の空洞調査及び沈下量、基準値の設定を義務化しています。
これは国道の下を走るシールドの場合にとられる制度ですが、外環計画でもこうした条件を課すことが住民から求められてきていました。外環ではなぜ事前の空洞調査や沈下量、基準値が定められなかったのか、国等事業者の認識をお伺いします。
○福島三環状道路整備推進部長 外環事業につきましては、大深度地下領域を全面的に活用した道路事業であり、また、市街化された地域の地下に大断面のトンネルを構築する工事であることから、トンネル施工等検討委員会において、最新の知見及び過去の事例を反映させ、検討を重ねてきたところであると国など事業者から聞いております。
○原田委員 大深度地下だから大丈夫という判断で道路の下の空洞は調査しなかったということでありまして、今のは住宅街の下は調査できないからやらなかったという答弁ですよね。
大体、最新の知見を活用すると答弁しましたけど、私や住民が求めてきた衛星を使った測量を事故が起きてからやるんでしょう。語るに落ちるわけですよ。事業者なりに最新の知見及び過去の事例を反映させて、検討を積み重ねてきたのかもしれませんから、それで陥没事故が起きた、地下に空洞が見つかったなんてことになっているんだとしたら、もうこの事業者に事故はとめられないということなんじゃないのかと。ある意味、重要な答弁だったと思っています。
大深度地下のシールドマシン同士の離隔についてお聞きします。
本来、トンネルの直径相当をあらわす一D、つまり十六メートルの離隔をとらねばならないとされていると聞きますが、外環道計画ではなぜ〇・五Dとなる八メートルの間隔となっているのか。十六メーター、十六メーターの道路が地下四十メートルで八メートルの間隔しかなくて進んでいくと、事故が起きるんじゃないのかと、難しい工事なんじゃないかと。
しかも、陥没現場の離隔は計画によると四メートルほどにしかならないのではないかと住民からの指摘がありますが、事実でしょうか。そもそも資料の断面図に寸法を入れさせるべきではないか。続けてお答えください。
○福島三環状道路整備推進部長 ただいまの離隔のご指摘については事実ですと国など事業者から聞いております。
なお、大深度地下使用技術指針・同解説におきまして、その離隔距離が後続するトンネルの外径、先ほども委員ご指摘がありました一D、直径分以内となる場合には十分な検討が必要であるとされておりまして、外環事業におきましても有識者に確認しながら技術検討を適切に行われてきたものであると国など事業者から聞いております。
あと、断面に寸法を入れるべきではないかとのご指摘でございましたが、そのご意見があったことを国など事業者に伝えさせていただきます。
○原田委員 率直にいって、事故は起きないってやって、まともなアセスもしないで、今回事故を起こしてしまった事業者なんですよ。その人たちが、本当は十六メーター間をあけないといけないのに、それ以下にするときには十分な検討、適切な配慮が必要とされるといっているときに、この陥没が起きた地域で、十六メーターのシールドマシンと十六メーターのマシンの間が四メートルなんです。これ、物すごい恐怖ですよ。これからやってくるんです、後からこの陥没箇所に。
私はこんな工事が本当に続いていいのかと、この地域住民の恐怖は大変なものだろうなというふうに感じますし、今までの答弁を聞いていて、ほかの委員の方々もこの工事は本当に大丈夫かと、本当にもう一個、十六メーターのシールドがこの地域を走っていって大丈夫なのかと思うんじゃありませんか。
総工費の話に移ります。
総工費が七千六百億円はね上がることについて、東京都としてはどのような検討を行って妥当と考えたのか、増加した項目ごとに妥当性を検証したのかお聞かせください。
○福島三環状道路整備推進部長 外環事業は、国及び高速道路会社が事業者であります。
事業内容については、事業者が主体的に判断するものであります。
本年九月、国による事業評価監視委員会において再評価が実施され、事業継続とされたところであります。それに先立ちまして、都の方へ意見照会があり、都は、事業費に関して都の負担がないよう有料道路事業を活用すること、コスト縮減を図ることを意見として回答したところでございます。
○原田委員 今の答弁を聞く限り、総工費の異常なはね上がりについては、その妥当性とか調査など、まともな検証を行っていなかったと、そういうことでありませんか。単にコスト縮減を求めた、都の負担がないよう求めたというだけで、何で七千六百億円はね上がったのか、それぞれの、数百億円規模の事業もありますけど、そういうのが本当に妥当なのか、全く検証していないわけでしょう。
今回の事故も受けて、その対応なども重なります。払うのは都民、国民であり、今こそ厳正な審査が必要なときです。
十六キロの工程でまだ四・五キロしか進んでいないんですよ。それで、当初一兆二千八百億円でできると、安倍内閣の第一次内閣の末期に突然滑り込ませたこの事業が現在二兆四千億円近くになっていると。二兆三千五百億円に、一・八倍にはね上がっていると。十六キロのうちまだ四・五キロしか進んでいないんですよ。本当にいいかげんにしてもらいたいと思う。
「しんぶん赤旗」のスクープで、外環道計画では、工事を受注した鹿島が競争入札で落札したものの、工期内に終わらせることができませんでした。随意契約で残りの工事を新たな支払いのもと、鹿島が請け負ったことが問題となっています。
工期中に終わらせられなかった施工業者に対して随意契約で新たな契約金を支払い、工事を進めさせるなんてことが許されるのかと。事業費を、膨大な額を負担しなければならない都として問題意識を持つのが当然と考えますが、この件に関する都の見解を伺います。
○福島三環状道路整備推進部長 外環事業の工事の実施につきましては、国など事業者が進めているものであります。
なお、お尋ねの工事に関しましては、事業者において適切な手続を経て実施されているものと認識しております。都としては、引き続き安全に十分配慮しつつ、コスト縮減を図りながら効果的に事業を実施されるよう、国など事業者に求めてまいります。
○原田委員 コスト縮減を図りながら効率的に事業実施どころの話じゃないわけですよ。ほかでは見られない随意契約で、この事業者に対して落札額の倍の税金を都民は支払わされているわけですよ。大問題なんです。よくも引き続きコスト縮減、効率的になどといえたもんだなと。
鹿島への随意契約金額は今回の総工費の値上がりに含まれているのかどうか、国の見解をお聞かせください。
○福島三環状道路整備推進部長 国など事業者からは、事業計画の増額は、平成二十八年の再評価以降、現地の地質調査や地下水調査などを踏まえ、構造や施工方法について検討した結果、構造や施工方法の変更が生じ、事業費の見直しが生じたものを反映し、事業全体として算出したものであると聞いております。
○原田委員 だとすると、今回は工期に間に合わなかったという工事の実態、結果でありまして、その事業者に、適切に設定された工期に事業が間に合わなかったと。じゃあ、そこでいいですよといって、残りの分について、また随意契約で新たに同じ業者に発注してあげると。倍のお金がかかると。
これ、一体誰が払っているといったら都民なんですけれども、どこの財布から出ているのかがさっぱりわからないんで、後で教えていただきたいと思います。東京都としても関心がないなんていわせないと私はいいたいと思います。
なぜ住民説明会を開かないのか。これだけの事故を起こしておきながら住民説明会が行われないのはおかしいと都は思わないのか伺います。
○福島三環状道路整備推進部長 今回の地表面陥没と外環工事との因果関係は不明ではありますが、陥没箇所付近でシールドトンネル工事を実施していることから、東日本高速道路株式会社が原因究明に向けて取り組んでいるところと聞いております。
十一月六日、七日に、有識者委員会で確認されました内容や原因究明のための調査の方針などにつきまして、陥没箇所周辺にお住まいの方を対象に説明の場を設ける予定であると聞いております。
○原田委員 何かチラシにシリアルナンバーみたいなのが振ってあって、そのチラシを持ってきた住民じゃないと入れないと。マスコミはお断りと。すごい厳戒体制じゃないですか。
住民説明会というのはそれこそ、これまで掘進してきた四・五キロの沿線住民、そして残り十二キロほどの沿線住民が皆さん、この陥没事故で不安と疑問の中で、当事者を監視している状況なんです。そうした全住民、地方議員、専門家などにしっかりと開かれた説明会を行うべきでしょう。こんなの住民説明会といえませんよ。
有識者や事業者と住民が議論する場が全くない、この外環計画の状況の中、まずは有識者委員会後の記者ブリーフィングに住民も入れてもらいたいという声がすごい高いんです。これについてどうですか。
○福島三環状道路整備推進部長 トンネル施工等検討委員会有識者委員会は、国及び高速道路会社により運営されております。
今回の陥没事象について、原因及び工事との因果関係を究明しているところであり、有識者委員会にて確認を行っていき、公表について適切に検討していくと聞いております。
○原田委員 本当に記者のブリーフィングに住民が入るなんてと笑い事じゃ済まないんですよ。自分の生命と財産が脅かされている住民が、さまざまな非公開になっているデータを持っている、自分たちの地下で何があったのかのデータを公開するかしないかの権限を持っている人たちと一切しゃべれないんです。これ、むちゃくちゃな話なんですよ。
だから、この記者ブリーフィングが唯一、この検討委員会の委員長が出てくる場所だから、そこに入れてくれという声が出るのは当たり前でしょう。ちゃんとした説明会、あるいは有識者、事業者、住民が議論する場をつくってください。求めてください。
決算特別委員会で、我が党は、安全・安心が確保されるまでシールドマシンをとめるよう都からも要請すべきと答弁を求めたところ、国等事業者が判断することだと答弁が来ました。これはつまり東京都に工事中止を求める権利がないということなのか、端的にお答えください。
○福島三環状道路整備推進部長 外環は、首都圏における交通物流の円滑化、災害時における避難、救急路の確保などの効果が期待される重要な道路であります。
外環事業は、国及び高速道路会社により事業が進められております。
安全・安心に事業を進めることは、一義的に国などの責務であります。
これまでも都といたしましては、事業の実施に当たり、安全を最優先に工事を進めることを国に求めてきたところであります。
なお、都といたしましては、緊急要望により、早急な原因究明を国などの事業者に対して求めたところであります。
都としては、まずは原因究明が最優先であると考えております。
○原田委員 安全・安心が確保されるまでシールドマシンをとめるよう都からも要請すべきだと訴えたところ、今までの都の答弁じゃ、そんなことを要請するようなことはないですよね。
ただ、最後に、今答弁でだめ出しという感じでしたけれども、都として緊急要望により早急な原因究明を国等事業者に求めるけれども、さらに都としては、まずは原因究明が最優先だという答弁が来ました。
安全・安心が確保されるまでシールドマシンをとめるなんていうのは当たり前の話ですけれども、都は口が裂けてもいえないと。ただ一方で、原因究明最優先という答弁は、確かに掘進の前にはやらなきゃいけないことがありますよと。都が精いっぱいのプレッシャーをかけた言葉ともとれなくもないかなと受け取りました。
これまで、さまざまな兆候に対するまともな検証も行わない、原因究明に欠かせないデータの公表はかたくなにしない、第三者監視組織は絶対につくらず、事故を起こしてしまった検討委員会のメンバーがそのまま居残る有識者委員会が存続する。
さらには、幾ら総工費が上がろうが、まともに検証する気もない。事業者も都も、その点では一緒です。費用便益分析はもはや一・〇を下回ることがほぼ確実であり、今後の税投入は青天井という計画で、さらには住民の生命と財産を脅かす外環工事。これはもう断念することを求めて、最後の質問に移りたいと思います。
端的に三点だけお聞きします。都市計画道路補助七四号線。
都市計画道路補助七四号線の測量説明会を開催するに至った道路拡幅の必要性の判断、調査経過、政策決定過程など、経過を伺います。
また、地域では地権者を中心に、戸惑いの声とともに、今巨額の経費をかけてやるべきことなのかなど疑問の声、一方で、狭い歩道解消等への期待の声もあり、一筋縄ではないと私も受けとめています。
都は、こうした地元の声を把握しているのか、続けてお答えください。
○花井道路建設部長 補助第七四号線のうち、環状第八号線から旧早稲田通りまでの区間は、平成二十八年三月に策定した第四次事業化計画の優先整備路線に位置づけられております。本区間は、第四次事業化計画におきまして、交通処理機能の確保や緊急輸送道路の拡充とともに、延焼遮断帯の形成に資するとして重要性が確認されております。
また、本区間は、自動車交通の円滑化等の観点から優先的に整備すべき路線と位置づけられております。これまで地質調査や道路の概略設計等を行ってきており、このたび、都市計画道路の計画線の位置を明らかにするため、測量を行うことといたしました。
続けてお答えいたします。
本区間は、自動車交通の円滑化のみならず、円滑な救援救護活動や緊急物資の輸送等、災害時の機能を拡充するため重要な路線でございます。
今回、測量作業を実施するに当たりまして、現在、地域の皆様からのご意見やご質問を伺っているところでございまして、この中で、より具体的な内容の把握に努めることとしております。
事業化に向けましては、地域の皆様から寄せられたご意見等を踏まえまして、丁寧に対応してまいります。
○原田委員 丁寧に対応するとおっしゃいましたけれども、賛成にしろ反対にしろ、これだけの重大問題であるにもかかわらず、都がコロナを理由にして住民説明会を行わない方針であるとして問題になっています。地元杉並区長も住民説明会だけはやるべきだと、そういう見解を議会で述べています。
こうした声に都は応えるべきと考えますが、見解を伺います。
○花井道路建設部長 本区間におけます事業概要及び測量作業の説明につきましては、新型コロナウイルス感染症の状況に鑑みまして、関係書類の送付にかえさせていただいたところでございます。
事業概要や測量作業に関するご意見等につきましては、問い合わせや同封いたしました質問用紙に記入していただき、返送していただくこととしております。その回答をホームページや配布物によりお知らせすることとしております。
今後の説明会につきましては、新型コロナウイルス感染症の状況などを踏まえまして、開催方法等を検討してまいります。
引き続き、地域の理解と協力が得られるように努めますとともに、令和五年度の事業着手に向け取り組んでまいります。
○原田委員 開催方法等を今後も検討していくという答弁はありましたけれども、何でもかんでもコロナでこういう重大な住民説明会をなしにしてしまったら、信頼を失ってしまいますよ。
確かに歩道の拡幅を求める地域住民の声はあります。けれども、数メートル広げるだけで、その沿道に建っている五階建てとか、八階建てがあるのかな、そういうコンクリートの建物が、マンションとかがびっしりと並んでいますよね。あれがたった数メートルの拡幅のために全部壊されていくのかと思うと、さすがにちょっと大変なことだと思うんですよね。
地域の声も、求める声もあるし、いや、こんなのやったら、追い出されたらたまったもんじゃないよという声もあるし、こういう声はちゃんと誠実に聞き取っていかないと、個別でいいとか、コロナを理由にとやっていたら、私は、かえって信頼をなくして進むべき話も進まなくなるんじゃないですかと忠告をして、私の質問を終わります。
○細谷委員 それでは、四問、質問をさせていただきます。
初めに、北多摩地域の道路整備についてお伺いいたします。
道路は都民生活を支える上で最も基礎的な社会基盤であり、快適で利便性の高い道路の形成は、環境負荷のないまちづくりを進める上で欠かせません。また、災害時は避難、救援路としても重要であります。
新東京所沢線は、埼玉県境から清瀬市、東久留米市、西東京市を経由し、放射第七号線に接続する道路です。北多摩地域の東西ネットワークを形成する大切な路線です。
本路線は、埼玉県境と五カ所で交差していますが、埼玉県側を含め全ての区間で事業化されましたこと、期待を持って待ち望んでおられる方も多いと思います。私も本当に早く進めていただくことを望んでおります。
開通すると、私の地元清瀬市周辺から都心方面への交通アクセスが飛躍的に向上すると思われます。既にこの三月、埼玉県所沢市内の本路線に接続する区間は開通しており、隣接する清瀬市内における本路線の早期整備、東久留米市内の迅速な取り組みが望まれます。
そこで、用地取得の進んでいる新小金井街道から埼玉県所沢市境までの区間における新東京所沢線の工事の状況と今後の取り組みについてお伺いいたします。
○花井道路建設部長 新東京所沢線は、広域的な道路ネットワークを形成し、都市間連携の強化や広域的な防災性の向上に資する重要な路線でございまして、埼玉県区間も含めて全線で事業に着手しております。
このうち新小金井街道からけやき通りまでの六百六十メートルの区間につきましては、既に八五%の用地を取得し、一部区間で電線共同溝を整備いたしました。今後、残る用地取得の進捗に合わせて、順次工事を実施してまいります。
また、けやき通りから埼玉県所沢市境までの九百三十メートルの区間につきましては、既に用地取得は完了しており、ほぼ全線で排水管などを整備いたしました。現在、擁壁の設置を進めておりまして、今後、電線共同溝の整備などに着手する予定でございます。
引き続き、地元の理解と協力を得ながら、着実に工事を進めてまいります。
○細谷委員 新東京所沢線につきましては、防災上の観点も視野に置きながら、工事が随時進められていることが確認できました。事業を推進する上で、用地の取得は地元や関係の方々のご理解と協力が必至となるため、慎重に進めなければならないと察しております。
そこで、事業着手から間もない東久留米市内及び新座市境から新小金井街道までの区間における新東京所沢線の用地取得の状況と今後の取り組みについてお伺いいたします。
○山本用地部長 本区間においては、現在、早期に移転を希望する方から用地取得を進めております。用地取得率については、令和二年九月末時点で、東久留米市内の区間については一〇%、新座市境から新小金井街道までの区間については一三%となっております。
引き続き、関係権利者の要望を踏まえ、事業の必要性や補償の考え方について丁寧に説明しながら、事業用地の取得に努めてまいります。
○細谷委員 用地に関しましては、地元からもいろいろお声をいただいております。引き続き地元の皆様への対応を親切丁寧にお願いいたしたいと思います。
次に、東村山三・四・一一号線及び西東京三・四・九号線の整備についてお伺いをいたします。
東村山三・四・一一号線は、先ほどの新東京所沢線と同様に、北多摩地域の道路ネットワークを形成する上で重要な路線と考えております。本路線は、東久留米市内ではほとんどが交通開放されておりますが、西東京市境付近でわずかの区間が未開通となっております。西東京市の通称六角地蔵尊付近でございます。
また、交通量の多い所沢街道のバイパスとして位置づけられておりますが、道路ネットワークの効果をさらに高めるためには、整備を早期に進める必要があると考えております。
そこで、東村山三・四・一一号線のうち、東久留米市内で未開通となっている区間及び接続する西東京三・四・九号線のうち、用地取得の進んでいる旧東大農場付近における工事の状況と今後の取り組みについてお伺いをいたします。
○花井道路建設部長 東村山三・四・一一号線は、西東京市境の東久留米市南町から埼玉県境の東村山市秋津町に至る約六・二キロメートルの地域幹線道路でございます。
このうち東久留米市内の西東京市境付近では、未開通の三百七十メートルの区間につきましては用地取得を完了し、電線共同溝及び排水管が既に設置済みでございます。現在、街路築造工事及び舗装工事などを行っております。
また、西東京三・四・九号線は、西東京市中町から東久留米市境の西原町に至る約三・四キロメートルの地域幹線道路でございます。
このうち旧東大農場付近における西東京三・四・二〇号線の交差点から東久留米市境までの千三百八十メートルの区間につきましては、既に八四%の用地を取得し、一部区間で排水施設を設置いたしました。現在、街路築造工事及び電線共同溝設置工事などを行っております。
今後とも、地元の理解と協力を得ながら、早期の交通開放に向け工事を進めてまいります。
○細谷委員 北多摩地域を東西に結ぶ重要な道路の状況は確認できました。着々と進められていること、本当に頼りにしているところでございます。
しかし、東西方向の道路だけではなく、南北方向の道路も大変重要であると考えております。中でも東村山三・四・一八号線については、スカイタワー西東京が目の前にありますけれども、隣接の新青梅街道に通じるわずかな区間が未開通となっております。
用地取得は完了し、工事も契約になったと聞いておりますが、この区間が開通しますと、先ほどの東村山三・四・一一号線と新青梅街道が結ばれ、南北方向の道路ネットワークが形成され、非常に地元は便利になりますので、早期の交通開放を期待しているところです。
また、過日の環境・建設委員会では、放射第五号線を視察いたしました。この路線が昨年の六月八日、交通開放されたことによりまして、区部と多摩を結ぶ大動脈が完成しまして、交通の渋滞が大分緩和されたと思います。大変便利になりましたこと、感謝申し上げます。
都民が快適な生活を送る上で、道路環境の改善は欠かせないものと考えております。今後とも道路整備事業に積極的に取り組んでいただくことをお願いいたしまして、道路関係の質問を終わります。
続きまして、次に、土砂災害警戒区域等の指定について質問をいたします。
大型の台風十九号から一年の月日がたちました。近年では台風や集中豪雨等により土砂災害が全国各地で発生しており、災害件数が増加しております。
昨年の台風十九号と低気圧による豪雨は、川の氾濫だけでなく、多摩地域でも土砂災害が発生いたしました。現場では関係の方々が早急な改善に向けて大変ご尽力をいただきました。ありがとうございます。
また、知事もみずから多摩地域の災害現場に入られました。今までにないことだと思っております。関係者が一丸となって復旧に向け努められていることに敬意を表したいと思います。
さて、土砂災害から都民の命を守るためには、危険な箇所を知らせる土砂災害警戒区域の指定が重要でございます。
そこで、現時点における土砂災害警戒区域等の指定状況について伺います。
○小林河川部長 都は昨年九月末に、都内全域で土砂災害警戒区域等の指定を完了いたしました。現在、土砂災害警戒区域が一万五千四百七十八カ所、このうち特別警戒区域は一万三千六百五十カ所でございます。
○細谷委員 現在の指定状況についてはいただきました。大変多くの数を調査されていることを評価いたしたいと思います。
しかしながら、土砂災害警戒区域の指定後も、土地利用の変化等により土地の状況が変わることがあるということです。ですから、新たに指定に加えなければならない地域も発生すると考えられます。そのようなことからも、この指定は区市町村が作成するハザードマップのもととなることとなるため、大変重要だと思っております。
そこで、土砂災害警戒区域等の指定にかかわる今後の取り組みについて伺います。
○小林河川部長 土砂災害防止法では、前回の調査からおおむね五年を経過した箇所から順次、再調査することを規定しております。
都では、この調査結果を踏まえまして、土砂災害警戒区域等の指定の見直しを計画的に進めており、区市町村が作成する土砂災害ハザードマップ等への反映を促進してまいります。
○細谷委員 一昨年前までは台風による土砂災害は警戒区域内に集中していたとデータが示しております。しかし、昨年の台風十九号では、宮城県丸森町で大規模な土砂災害が発生し、残念ながら犠牲者が出ておりますが、その犠牲者が警戒区域以外の場所でも出てしまったということがわかりました。土砂災害警戒区域の指定は都道府県が行うことから、東京都の今後の取り組みが大変重要と改めて考えます。
また、警戒区域の指定には住民の方々の理解も欠かせないことから、担当の方々にはご苦労もあるかと思います。
気象現象が激甚化する昨今です。都民から犠牲者の出ることのないよう、また、安心して暮らすことのできるよう、引き続き事業に取り組んでいただきたいとお願いいたします。
続けて、河川についてお伺いをいたします。
昨年の台風十九号により、多摩地域の河川において河川からの溢水や護岸が崩壊するなど、多くの被害が発生いたしました。
建設局においては、喫緊の課題である水害対策に鋭意取り組まれていると認識しており、私の地元の清瀬市柳瀬川に河川監視カメラを取りつけていただきました。ありがとうございます。
柳瀬川は、日ごろは市民が憩いの場として親しまれている身近な場でありますが、昨年の台風十九号のときは川が激流になったと危険を感じられ、多くの方が一時避難をされました。ですから、今回のカメラの設置に安心ができたとの感謝の声が届けられております。
河川空間は人々に潤いを与える貴重なオープンスペースです。清瀬市等に流れる柳瀬川と空堀川では、水害を防止するための護岸整備とともに、自然環境や河川利用に配慮した施設整備が必要であります。
そこで、柳瀬川と空堀川の整備状況についてお伺いをいたします。
○小林河川部長 柳瀬川と空堀川の整備状況についてでございますが、柳瀬川と空堀川は、時間五十ミリの降雨に対する安全性を確保するための整備を進めております。
柳瀬川におきましては、東京都の施行区間、延長五・六キロメートルのうち二・四キロメートルの護岸整備が完了しており、清瀬市の中里には金山調節池を整備しております。今年度は清瀬市内の清瀬橋付近におきまして、旧河川敷にせせらぎ水路や散策路などを整備しております。
空堀川は、延長十四キロメートルのうち十二・五キロメートルの護岸整備が完了しておりまして、今年度は東大和市内の中砂の川橋付近など、三つの区間で整備をしております。
また、河床を計画の高さまで掘り下げる河床整備を下流から進めておりまして、今年度は清瀬市内の三郷橋付近など、二つの区間で実施しております。
○細谷委員 柳瀬川と空堀川の整備状況はわかりました。私の地域では北北建の方々がお願いするとすぐに来てくださいまして、本当に助かります。
柳瀬川は水質もきれいで、アユやカワセミも生息するなど、良好な環境を有しております。特に金山調節池は湧水が豊富で、多種多様な水生生物が生息しており、市民の憩いの場となっております。
この良好な環境を維持するためには、東京都は市民と連携して取り組まれていると伺っております。二つの川は市民が散策しており、複数の市民団体が自然環境の保全活動などを行っている、河川整備に非常に関心が高い川でございます。
柳瀬川と空堀川における環境整備について、現在、東京都ではどのように取り組んでいるかお伺いしたいと思います。
○小林河川部長 柳瀬川と空堀川は、魚などの水生生物が多く生息していることから、落差工に魚道を設けております。また、旧河川敷には緑道やせせらぎ水路などを整備しております。
さらに、空堀川の河床整備の際には粘土層を設け、水を浸透しにくくする対策を実施し、平常時の水量確保に努めております。
整備に当たりましては、地域の住民と市民団体などで構成された流域連絡会や、地元住民との懇談会におきまして、現地調査や意見交換を行い、理解と協力を得ながら工事を進めております。
今後も治水機能を確保した上で、水辺環境の向上を図るとともに、人々が集い、潤いのある水辺空間の創出に取り組んでまいります。
○細谷委員 河川整備につきましては、着実に治水対策を進め、住民の安全を守るため、引き続きご努力いただきたいと思います。
また、地域の住民等、また、団体さんがとても熱心に活動していらっしゃいますので、河川環境の整備と保全につきましては、そういったお声もお聞きしながら努めていただきたいと要望いたします。
最後の質問でございます。最後の質問は、都立公園についてお伺いいたします。
都立公園は都民の憩いの場であることに加えて、環境保全や避難場所など、防災面からも重要な都市基盤となる施設です。また、このコロナ禍において、働き方や時間の過ごし方の変化により、住まいに身近な公園の重要性が改めて多くの都民に認識されたと感じています。
私の以前滞在しておりましたドイツの環境首都に選ばれたフライブルク市は、環境に配慮した都市づくりが進められ、緑豊かな環境が強く印象に残っているところでございます。東京も同様に環境を重視した都市づくりを進めていくべきと考えております。
そこで、新たな公園整備に向けた取り組みを進めていく必要があると考えますが、東京都の所見をお伺いいたします。
○根来公園計画担当部長 都はこれまで、良好な都市環境の形成に向けて公園整備を進めてきており、現在、八十三公園、約二千三十八ヘクタールの都立公園を開園しております。
本年七月に改定された都市計画公園・緑地の整備方針におきまして、都が令和十一年度までに事業に着手する優先整備区域として、四十四公園、約二百八十二ヘクタールを設定いたしました。
今後、この方針に基づき計画的に事業化を進め、今年度は滝山公園の約八ヘクタールにおいて事業認可を取得するなど、都立公園の整備に取り組んでまいります。
○細谷委員 都立公園の事業化に計画的に取り組んでいることがわかりました。さきの委員会では、木場公園などの新しい試みや練馬城址公園などを視察いたしましたが、地域の特性などを生かして工夫した取り組みをされていることを評価いたしたいと思います。
また、私の地元である東久留米市にも事業中である都立六仙公園がございます。この六仙公園は、都立公園がなかった北多摩北部地域において、地元の熱心な要望を東京都が踏まえて、平成七年に新たに計画され、つくられた公園です。
今では多くの市民に親しまれ、植栽等は住民ボランティアが活動しておりますが、公園整備は進行中の段階となっております。また、市がいっとき避難場所としても指定をしているところでございます。
そこで、六仙公園における現在の整備状況について伺います。
○根来公園計画担当部長 六仙公園は、東久留米市の中央部に位置する約十五ヘクタールの都市計画公園でございまして、武蔵野の原風景の回復や、湧水地である南沢緑地保全地域と一体感ある景観を創出し、湧水の涵養地とすることなどを整備方針としております。
本公園は平成十三年に事業に着手し、計画的に事業区域の拡張を重ね、都市計画公園区域の五割に当たる約七ヘクタールの用地を取得しました。
これらの用地において、地下水を生かした湧き水広場や、六仙遺跡を伝える縄文の丘など、地域の特性に合わせた園地のほか、停電時も点灯する照明や防災トイレなどの整備を進め、現在約五ヘクタールを開園しております。
○細谷委員 六仙遺跡や縄文の丘など、まちの特性を生かした公園づくりに東京都が取り組んでおられることを理解しました。
また、計画地域に多くの住宅地や生産緑地などの農家が隣接しておりますけれども、その中においても、土地所有者と丁寧に調整を重ねてきたことが、ここまで事業が進んだことにつながったことでしょう。
さらに開園区域の拡張を目指して事業を推進していただきたいと思っておりますが、六仙公園の整備に向けた今後の取り組みについて伺います。
○根来公園計画担当部長 これまでに開園した五ヘクタールを含め、都市計画公園面積の約八割を超える約十二・二ヘクタールにおいて事業認可を取得しており、今後、用地取得の進捗に合わせ、計画的に事業区域を拡張してまいります。
また、今年度は、早期開園に向けて、未開園区域の全体を対象として基本設計を実施しております。
引き続き地元市と連携して、本公園の整備を推進してまいります。
○細谷委員 事業の推進のために東京都が努力していることは十分に理解しております。また、管理をしていただいている団体さんも本当によく頑張っていただいていること、自覚しております。
今後とも、東久留米市とは密に連携していただき、引き続き六仙公園事業の推進について全力で取り組んでいただきたいと思います。
また、東久留米市としては、市の中央部に位置する六仙公園を防災拠点として活用していく意向であり、東京都においても、公園区域の拡張とともに、その方向性を踏まえ、公園整備を進めていっていただきたいと思います。
また、これが少し進まないと、今では防災公園として使えないので、なるべく早くお願いしたいと思っております。
また、用地の確保については、練馬城址公園のように既に条件が整っている場合は事業もスムーズに進められると思いますけれども、六仙公園のように計画的に用地取得している場合については、これからも多くの時間が費やされると考えております。
今後は、公有地の取得なども視野に入れていただきながら、とにかく迅速な事業の完成を目指して推進をしていただきたいと強く要望いたしまして、私の質問を終了いたします。
○佐野委員長 この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。
午後八時二十五分休憩
午後八時四十四分開議
○佐野委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○舟坂委員 それでは、河川の水害対策についてお伺いをいたします。
私の地元葛飾区を流れる荒川の堤防は、明治末期から高度成長期にかけて進んだ周辺地域の地盤沈下に対し、堤防のかさ上げで対応してきました。
しかし、京成本線の橋梁部分ではかさ上げができないままとなっており、周辺の堤防より約三・七メートル低い状況となっております。荒川におけるウイークポイントであり、昨年十月の台風十九号の際には、橋梁の橋桁に迫る高さまで水位が上昇し、大変心配をいたしました。
現在、国が堤防のかさ上げに向けた橋梁のかけかえ事業に着手し、詳細設計や用地取得を実施しておりますが、本橋梁の下流に位置し、平成十四年にかけかえが完了した京成押上線の橋梁の例を見ても、事業完了までには非常に長い期間を要するものであります。
私は、区議会時代から一日でも早い地域の安全性確保に向け、完成した京成押上線とあわせ、荒川にかかる京成線の橋梁かけかえに向け取り組んでまいりました。
ことし一月には、国土交通省に江東五区区長連名により要望書も出されているように、地元区も危機感を持ち、一致団結して取り組んでいるところであります。
都は、こうした地元の働きと連携し、事業を着実に推進するため、一層国への働きかけを強化していくべきであります。
そこで、京成本線荒川橋梁かけかえに向けた都の取り組みについてお伺いをいたします。
○小林河川部長 都はこれまで、政府提案要求などにおいて、本橋梁のかけかえによる堤防のかさ上げなど、国が管理する大河川の氾濫を防止する治水対策の着実な推進につきまして、継続して要望をしております。
こうした取り組みに加えまして、ことしの八月には、国や都、葛飾区など荒川沿線の七つの区により構成する東京ブロックの荒川水系流域治水協議会が新たに設立いたしました。
引き続き地元区とも連携し、この協議会の場も活用するなど、あらゆる機会を捉えまして、本橋梁のかけかえの着実な推進を国に求めてまいります。
○舟坂委員 従来の取り組みに加えて、新たな協議会の場などを活用し、働きかけを強化しているとのことであります。
この橋梁の箇所の安全性確保は地元の悲願でもあります。国の事業ではありますが、都も積極的に関与し、区とともに着実に事業が進むよう取り組んでいただきたいと思います。
しかしながら、河川は大変に時間がかかります。行政の皆さんはご存じと思いますが、今流れている江戸川は、最初は太日川という名前でした。徳川家康が江戸に入ってきて、江戸を守るために、太日川を今度は利根川に変えました。これは利根川東遷ということで皆さんご存じだと思いますが。
そして、吉宗が入ってきたときに、今の利根川にまた川を移していき、そして今まで太日川、そして利根川と名称が江戸に行く川ということで、三回目の名前が江戸川に変わったということなんです。
その吉宗が江戸に入ったときに、紀州流、紀州の皆さんがされる川づくりということで、そのような皆さんを江戸に連れてまいりました。今でも葛飾区の水元や東金町にはその紀州流の川づくりの測量を手伝ったんだよなんていう農家の皆さんが代々伝えながらお過ごしであります。
そうしますと、川というのは、徳川家康から考えればいまだに河川を、私たちは乗り越えてはいない。それだけに時間がかかります。一層、区や国と意見を交わしながら、強いまちづくりに邁進をしていただければと思います。
二問目は、上野動物園のモノレールについてお伺いをいたします。
上野動物園のモノレールは、昭和三十二年十二月十七日に日本で最初のモノレールとして誕生しました。将来の都市交通機関としての役割を期待される実験線として開業されたとも聞いております。
国内では唯一の片腕懸垂式という珍しい方式でもあり、開業当時から特に子供にとっては非常に魅力的な乗り物だったと思います。そのモノレールが惜しまれつつ、昨年十月末での六十二年の運行を休止いたしました。
そこで、改めてモノレールの休止経緯についてお伺いをいたします。
○根来公園計画担当部長 建設局では、モノレールの運行を担う交通局と連携を図りながら、運行の継続や車両の更新について検討を進めてまいりました。
平成三十年十一月から十二月にかけて実施した調査におきまして、車体や電気部品等の経年劣化が顕著に進んでいることが確認され、昨年十一月に予定していた定期検査前をもって運行を休止することといたしました。
車両の更新につきましては、メーカーとも話し合いを重ねましたが、部品の多くが既に製造されていないことから、車両の製造が困難となっている状況でございます。
○舟坂委員 現在のモノレールを更新し、継続することが困難であることはよくわかります。
その一方で、このモノレールの乗客数は年間約百万人を超えていたものであり、やはり運行が休止され残念だと思っている来園者の方も多く、代替の乗り物を期待する声は大きいと思います。
都は、昨年度から休止したモノレールの代替となる乗り物について検討を行っておりますが、これまでの取り組み状況と今後の取り組みについてお伺いをいたします。
○根来公園計画担当部長 都は、モノレールの運行休止後、新たな乗り物に関する検討の参考とするため、昨年度、上野動物園のほか日比谷公園などでアンケート調査を実施しました。
アンケートでは、代替の乗り物が必要であると答えた方が全体の約七五%、検討してほしい乗り物として小型モノレールをと答えた方が約四五%でございました。都は、このアンケート結果を踏まえ、今年度、採算性や事業手法などを含め、代替の乗り物について検討を進めております。
また、都は、モノレールの休止後の昨年十一月から、上野動物園の東園と西園の間の移動を補完する手段としてシャトルバスの運行を開始し、七月には新たな電気バスを導入したところでございます。
○舟坂委員 新たな乗り物について検討を進めていることはよくわかりました。
やはり新たな乗り物を実現するには、かなり時間がかかるのも仕方がないかなとも思いますが、モノレールは子供たちが喜ぶ乗り物としてだけでなく、ベビーカーを利用する親子や車椅子を利用する方にとっても重要な移動手段であったと考えます。モノレールの運行が休止されても、このようなベビーカーや車椅子を利用する方々へ配慮することは非常に重要であります。
現在、シャトルバスを運行しており、ことし七月には電気バスを導入したとのことでありますが、そこで、導入された電気バスの特徴と現在の運行状況についてお伺いをいたします。
○根来公園計画担当部長 電気バスは、大気汚染物質やCO2の排出がゼロでありまして、環境に優しく、また、低騒音、低振動であるのが特徴でございます。
現在、上野動物園は、新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点から、事前予約による入園としており、バスにつきましても、ベビーカーや車椅子の利用者を優先し、乗車人員を六人に制限しております。
料金は無料でございまして、おおむね二十分間隔で一日十三往復運行しております。
○舟坂委員 人気があったモノレールであり、利用者や地域と十分に話し合いを進めていると理解はいたしました。
しかし、まだまだ新型コロナウイルス感染症の影響もあり、本来の来園者数にはほど遠いと思います。この九月には西園の新しいパンダ舎も完成したところであり、感染症がおさまれば、もっと上野動物園もにぎわいを取り戻すだろうと推測できます。
モノレールについても、すぐにとはいかないかもしれませんが、しっかりと丁重に実現に向けて取り組んでいただきたいと思います。
次は、青山葬儀所についてお伺いをいたします。
九月十五日のプレスにおいて、現在の青山葬儀所については今年度末で利用を休止し、建てかえに向けた検討が進められていることが明らかになったところであります。
そこでお伺いをしたいと思います。
青山葬儀所は青山斎場とも呼ばれ、これまでに田中角栄元首相、小渕恵三元首相、鈴木俊一元都知事のほか、石原裕次郎さんや美空ひばりさんなど、多くの著名人の葬儀が行われ、我が国で最も名が知れた葬儀所の一つであります。
まず、青山葬儀所の役割や現状について見解をお伺いいたします。
○根来公園計画担当部長 青山葬儀所は、千人規模の葬儀が行える宗教色のない施設であり、委員からのご指摘のとおり、これまでの利用実績などにより、格式のある施設として認識されておりまして、年間約七十件程度の利用がございます。
一方で、現在の施設は昭和四十九年に建築されてから四十五年以上が経過し、設備等の老朽化が進行しており、これに対応することが必要な状況でございます。
このため、今後、建てかえに向けて検討していくことを本年九月に公表いたしました。
○舟坂委員 青山葬儀所は、当初は建てかえではなく改修だったとのことです。どうして建てかえになったのかをお伺いいたします。
○根来公園計画担当部長 都は、平成二十九年度から改修に向けた調査検討を進めてまいりましたが、昨年度の調査で式場全体に不同沈下が見られるなど、施設の老朽化が甚だしいことが判明しました。
安全面を考慮すると、現状のまま使用を続けることは問題があり、また、改修では問題が解決できないことから、建てかえが必要であるとの結論に至りました。
○舟坂委員 改修ではなく建てかえになったこと自体は異論はありません。しかしながら、プレス発表では、令和三年四月から施設の利用を休止するということしか触れられていないため、いつ新しい葬儀所ができるかなど、はっきりしておりません。いうならば、利用者不在、地域不在の進め方だと苦言を申し上げます。
今後どのようなスケジュールで建てかえを進めていくのかをお伺いいたします。
○根来公園計画担当部長 葬儀所につきまして、今年度から令和三年度に事業手法やニーズ、採算性等について検討し、新たな葬儀所の整備方針を決定してまいります。
引き続き、令和四年度にはこの方針に基づき整備に着手し、現時点では令和八年度に施設の再開を予定しております。
なお、現在の施設につきましては、アスベストが使用されているため、令和三年度から令和四年度にかけて解体を行います。
○舟坂委員 建てかえが完成し、新たな施設が利用できるようになるまでかなりの時間がかかります。休止の期間が長くなれば、それだけ利用者である都民への影響が大きくなります。
都は、休止の影響ができるだけ少なくなるように、本来、建てかえ計画ができた段階で施設の利用を休止するなどの対応を行うべきであるということは指摘しておきます。
新たな葬儀所の建てかえを進めていくには、実際に葬儀所を利用する利用者や葬祭業団体などの意見をよく聞きながら、丁寧に進めることが重要であります。
今後、都は、新たな施設の検討に当たりどのように取り組んでいくのかをお伺いいたします。
○根来公園計画担当部長 青山葬儀所は、格式のある施設として多くの方々に利用されてきており、新たな葬儀所においてもこの歴史を継承していくことが重要でございます。
また、既存の施設において指摘されておりました使い勝手やバリアフリーの観点からの改善に加え、葬儀のあり方に関する考え方の変化などについても対応していくことが必要でございます。
そのためには、利用者や葬祭業にかかわる団体等の意見や要望を施設計画に反映させていくことが重要であり、今後の検討におきましてヒアリング等を実施してまいります。
さらに、整備スケジュールにつきましても、できるだけ早く施設が再開できるよう検討してまいります。
○舟坂委員 新しい葬儀所の早期再開に向けて、スピード感と都民の信頼を確認され、しっかり取り組んでいただきたいと思います。
先ほど、斉藤委員より火葬場の話が出ましたが、私は、今度は霊園の質問をさせていただきたいと思います。
都立霊園における合葬式墓地についてお伺いをいたします。
核家族化など、家族形態の変化、墓に対する意識も変化があり、公営霊園だけでなく、寺や民間霊園においても、墓所使用者からのさまざまな要求への対応が求められております。
一方で、都立霊園は、公園霊園としての墓の安定供給を踏まえつつも、民間霊園などとのバランスも考慮する必要があります。
平成二十八年度の事務事業質疑において、我が党の議員からの質問に対し、合葬式墓地は新たに整備しないとの答弁がありました。
そこで、改めて確認したいと思いますが、都立霊園における合葬式墓地の整備について、都の所見をお伺いいたします。
○根来公園計画担当部長 都は、社会状況の変化や多様化する都民の墓所ニーズに対応するため、既存の霊園内の敷地を有効活用しながら、安定した墓所供給に取り組んでおります。
こうした取り組みの一環として、平成九年の東京都霊園管理問題等検討委員会答申に基づき、核家族化の進展等を背景に、墓地承継者がいない方などのニーズに応えるため、平成十年に小平霊園に一基目の合葬式墓地を整備しました。
その後、平成十五年から平成二十五年にかけて順次、多磨霊園、小平霊園、八柱霊園に各一基を整備し、合計四基の合葬式墓地により安定的な墓所供給を図ることといたしました。
このため、このような合葬式墓地については、新たに整備していく予定はございません。
なお、形式の異なる樹林墓地や樹木墓地、区部霊園の再生事業に伴う立体埋蔵施設などは、引き続き多様化する都民ニーズに応えていくため、整備を進めてまいります。
○舟坂委員 合葬式墓地を新たに整備する予定はないことが確認できました。
一方で、今お話にあった樹林墓地や樹木墓地は、最近になってからの取り組みだと思いますが、こうした樹林墓地や樹木墓地について、導入のいきさつとその募集状況についてお伺いをいたします。
○根来公園計画担当部長 樹林墓地や樹木墓地は、平成二十年二月の東京都公園審議会答申、都立霊園における新たな墓所の供給と管理についてにおいて、死後は自然に返りたいという思いに応える新たな墓所が提案され、小平霊園に平成二十四年及び平成二十六年に新たに整備した墓所でございます。
樹林墓地は、樹林の下に設けられた納骨施設に多くの遺骨を一緒に埋蔵し、樹木墓地は、シンボルとなる樹木周辺の地中に遺骨を個別に埋蔵する形式となっております。
今年度の募集では、樹林墓地は生前申し込みを含めた全体で十四・四倍、遺骨申込区分では三・六倍、また、樹木墓地は一・一倍の倍率となっております。
なお、都立霊園全体の一般埋蔵施設などの倍率は四・六倍となっております。
○舟坂委員 今、状況の確認をさせていただきました。
こうした状況を踏まえ、小平霊園の樹林墓地などに続いて、多磨霊園においても同様の墓地が計画されていると聞いております。都の所見をお伺いいたします。
○根来公園計画担当部長 多磨霊園におきまして、返還された墓所等を活用して、新たに三基の樹林墓地を整備いたします。
本年度は、来年度からの貸し付けに向けて一基目を整備し、さらに二基目の実施設計を実施しております。
今後とも、都立霊園に対するニーズに的確に対応した墓所供給に取り組んでまいります。
○舟坂委員 次に、小平霊園の樹林墓地は応募倍率が高いとのことですが、墓地の手入れや管理料の支払いなどの後の心配をしなくてもいいということが人気の理由の一つとも聞きます。
そこで、なぜ樹林墓地の使用者は管理料を支払わなくてもいいのか、その理由をお伺いいたします。
○植村公園緑地部長 樹林墓地は、将来の管理や承継の心配がない墓所として供給しております。
そのため、使用許可時に土地使用料、施設整備費などに加え、維持管理経費などを含めて算定した使用料を支払っていただくことにしておりまして、毎年の管理料は不要となっております。
なお、令和二年度の小平の樹林墓地の一体当たりの使用料は十三万四千円であり、このうち管理料相当額は約九万円でございます。
○舟坂委員 管理料は支払わないが、管理料に相当する額は支払っているということと思います。そのことはしっかり利用者に説明してもらいたいと思いますが、管理料相当額という表現はちょっと疑問が残ります。
次に、区部霊園における取り組みについてお伺いをいたします。
少子高齢化の進展など、社会現象の変化に対応するために、区部霊園においても都民の墓所ニーズに応える取り組みを進めていくべきと考えますが、都の所見をお伺いいたします。
○根来公園計画担当部長 青山、谷中、染井、雑司ヶ谷の区部四霊園につきましては、平成十四年の公園審議会答申、区部霊園の管理についての中で、区部霊園が育んできた自然資源や歴史的な人文資源は都民共有の貴重な財産であることから、霊園と公園が共存する空間として再生すべきとされ、順次事業化を進めております。
具体的には、青山霊園は平成十五年度から、谷中霊園は平成十九年度から、染井霊園は平成二十九年度からそれぞれ再生事業に着手し、墓参や散策時に利用できる広場や園路を整備するとともに、昭和三十年代半ば以降停止していた墓所貸付を再開し、立体埋蔵施設の整備を進めております。
また、雑司ヶ谷霊園につきましては、再生事業に向けて本年六月に公園審議会に雑司ヶ谷霊園再生のあり方を諮問いたしました。今月予定している中間のまとめの審議を経てパブリックコメントを実施し、令和三年三月答申の予定でございます。
引き続き、都民の多様なニーズを踏まえた区部霊園の再生事業を推進してまいります。
○舟坂委員 霊園再生事業では、長い間停止していた墓所の再貸付を行うこととなります。そのためには、返還墓所の再整備や無縁墓所の整理が必要となると思います。
また、最近は少子化や価値観の変化により、墓じまいを考える人がふえております。
そこでお伺いをいたします。
都立霊園で自分で改装工事をして墓地を返還した件数と、そのうち他の施設に変更した件数及び都が無縁墓所として工事を行った件数は何件かお伺いをいたします。また、墓所を現状に戻す工事はどのくらい費用がかかるかもお伺いをいたします。
○植村公園緑地部長 令和元年度に都立霊園で墓所を返還した件数は千三百五十六件であり、このうち七百三件が合葬式墓地に施設変更をしたものでございます。また、都が無縁墓地を改装する工事を実施した件数は四百六件でございます。
令和元年度に都が行った改装工事金額を件数で除した一件当たりの工事金額は約八十万円でございます。
○舟坂委員 八十万円というのは、都民にとっては少なくない額であることは指摘しておきます。
いろんな事情でかえって無縁仏にしてしまう方も出てくるのかななんて、そんな心配もいたします。
墓所の問題は、都民誰もがいずれ直面する問題であります。都民にはそれぞれの暮らしがあり、それぞれの事情があります。そうした都民一人一人のニーズにできるだけ応えられるような多様な墓所の整備、供給も必要かなとも思います。より一層の努力を要望したいと思います。
私はさきの本会議で、散骨について質問をさせていただきました。調べてみたら、北海道から沖縄まで、都、県レベルで散骨の質問をしたのは私が初めてだったそうであります。
その散骨も年数がたつにつれて、遠くで散骨していたのに、新たな業者が出てきて、安くしますよということで、だんだん散骨する距離が短くなったり、中には許可を持っていない漁船を使ったりということも出てくるようであります。
一層、皆さんにお知恵をいただきながら、地方から東京にお見えをいただき、家族をつくられた皆さんがしっかりと安心して東京で過ごすことができる、墓所の心配もしなくてもいい、そのような一層の努力をお願いし、質問を終わります。
○関野委員 それでは、私からは、まず建設業の働き方改革について質問させていただきます。
建設業はインフラの守り手としてなくてはならない存在であり、深刻な担い手不足に直面する中、建設業界を魅力ある産業とするためには、働き方改革は急務であると考えております。
国による働き方改革関連法が成立し、建設業においても二〇二四年までの経過措置はあるものの、時間外労働の上限が適用されることとなっております。
しかしながら、現場の声を聞くと、残業時間が多いという話があり、その理由として建設現場の所定時間には、現場を施工するために必要な準備、後片づけ時間が含まれていることが挙げられます。
例えば、朝五時、六時ぐらいから資材置き場に出向き、工事終了後も資材置き場の後片づけに時間を要しているなどの声が寄せられているところですが、準備や後片づけの時間を考慮して八時間労働におさめようとすると、実際の施工時間は五時間程度となり、作業が進まず工期にも影響が生じることがあるところです。
このような状況を踏まえて、建設現場において所定労働時間を遵守するには、施工に関する班体制を二班にするなど柔軟な工夫が必要と思われますが、考え方をお伺いいたします。
○村上企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 建設局の工事における工期は、国の指針などを参考に、一日の作業時間を八時間とした日当たり作業量を用いることを基本に算定しております。
作業時間が制約を受ける場合、例えば道路補修工事など車線規制により現状交通が影響を受ける現場につきましては、作業効率の低下を考慮しまして、日当たり作業量について補正を行い、工期を延ばすなどの算定に反映しております。
また、山間部などに現場があり、そこまでの移動に時間を要するため作業時間が短くなる場合には、作業時間に対する効率性を高めるため、ことし七月より労務単価の割り増しを行い、工事費の算定に反映しております。
○関野委員 先ほど答弁の中で労務単価の割り増しとありましたが、私も国交省の資料を拝見させていただきましたが、ちょっと違うのではないかなというふうに思っておりますので、現場の作業の実態をしっかりと踏まえて、今後の対応をお願いしたいと思います。
次に、建設業の働き方改革の一つとして、工事の書類の削減が挙がりますが、都に提出する書類は多く、受注者の負担となっているというふうにも聞いております。
工事書類を削減、簡素化すれば、受発注者の負担軽減やペーパーレス化など効果があると考えております。
そこで、建設局では、工事書類の削減、簡素化や建設現場の作業効率の向上などについてどのように取り組んでいるのかお伺いをいたします。
○村上企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 建設局では、平成三十年度より工事書類の削減に向けたモデル工事を実施し、工事着手届の削減や施工計画書の簡素化などに取り組んできたところであります。これらの取り組みに一定の効果が認められたことから、今年度は原則全ての建設事務所におきましてモデル工事の適用を拡大しております。
さらに、東京都技術会議を通じ、この取り組みを全庁的に展開し、各局でモデル工事を試行中であります。
また、今年度から建設局では、工事記録写真撮影基準などの改定により撮影頻度を低減するなど、建設現場の作業効率を高め、受発注者双方の負担軽減を図る取り組みを実施しております。
今後は、書類削減モデル工事や基準改定による効果や課題を検証しまして、本格実施に向けて取り組んでまいります。
○関野委員 ありがとうございます。建設業は地域の担い手、守り手としてなくてはならない存在であると先ほども述べさせていただきました。もちろん深刻な担い手不足に直面する中、建設業界を魅力ある産業とするために、建設局として受注者の負担軽減に向けた働き方改革を一層推進していただきたいと思っております。
また、引き続き、先ほども述べましたが、現場の状況を考慮した上で適切な工期の設定に取り組むため、事業者からヒアリングなども行い、都としてのモデルをつくるなど、現場の声を国、関係機関へ情報提供や変更要望などを行っていただくよう、私からも要望をしておきます。
次に、無電柱化についてであります。
今年度の第二定例会で、無電柱化の推進に向けてという論点で一般質問を行いましたが、今回も同様に無電柱化を進めるための質問を行わせていただきます。
東京の無電柱化事業はこれまで計画的に進められ、特にセンター・コア・エリアではおおむね完成するなどその効果は上がっており、一定の評価をしているところではありますが、一方で、多摩地域から見ると無電柱化の進捗は区部と比べても芳しくない状況であります。
そこで、都道における区部と多摩の地域別に見た無電柱化の進捗状況、この点についてお伺いいたします。
○齊藤道路保全担当部長無電柱化推進担当部長兼務 区部では、整備対象延長千二百八十八キロメートルに対しまして、令和元年度末までに七百八十三キロメートルが完成し、地中化率は約六一%でございます。
一方、多摩地域では、整備対象延長千四十キロメートルに対しまして、二百三キロメートルが完成し、地中化率は約二〇%でございます。
○関野委員 ありがとうございます。答弁を聞く限り、現在までセンター・コア・エリアの整備を重点的に進めてきたことを考えると、仕方のないところでもあるというふうになりますが、多摩地域の無電柱化についてもスピード感を持って進めてほしいというふうにも考えております。
そこで、多摩地域において現在どのように無電柱化を進めているのか、この点についてお伺いをいたします。
○齊藤道路保全担当部長無電柱化推進担当部長兼務 多摩地域の都道では、第一次緊急輸送道路や立川駅、京王永山駅等の主要駅周辺におきまして無電柱化事業を進めております。
今年度は、例えば福生市の新奥多摩街道で無電柱化の仕上げとなります舗装の本復旧工事を、南大沢駅周辺で電線共同溝本体工事を実施する予定でございます。
○関野委員 今後も多摩地域の都道の無電柱化については、着実に進めてほしいというふうにも考えております。
また、無電柱化を推進するためには、都道だけではなく、区市町村道の無電柱化を進める必要がありますが、現在、都は、区市町村に対する財政的、技術的支援を行い、区市町村道でも無電柱化事業が進んでいることは理解をしております。
例えば、チャレンジ支援事業や防災に寄与する路線に対しては、工事費などに係る費用を全額支援するとともに、チャレンジ支援事業では無電柱化の経験の浅い区市町村職員に対する技術的なサポートも実施しているというふうに聞いておりますが、多摩地域の市町村に対するチャレンジ制度の活用数と支援額について、昨年の実績とことしの予定についてお伺いをいたします。
○齊藤道路保全担当部長無電柱化推進担当部長兼務 昨年度は、多摩地域の十八市に約二億七千万の財政支援を行っております。
今年度は、十六の市に約三億円の財政支援を予定しております。
○関野委員 都の支援により多摩の市町村道においても無電柱化への取り組みが進んでいることは理解できていますが、さらに進めていくことが必要と考えております。
確認ですが、市町村にとってはチャレンジ支援制度は、全額補助により無電柱化が進められるすぐれた支援策でありますが、市の担当者から、例えば市道の拡張に伴う無電柱化には適用できないというふうにも聞いております。
そこで、改めてチャレンジ支援制度の目的、活用できる要件をお伺いいたします。
○齊藤道路保全担当部長無電柱化推進担当部長兼務 チャレンジ支援事業制度は、区市町村道の無電柱化を促進することを目的としており、道幅の狭い道路に低コスト手法を導入することなどにより、無電柱化事業にチャレンジする区市町村へ財政的、技術的支援を行うものでございます。
本制度を活用するに当たっては、原則、歩道幅員が二・五メートル未満または歩道がない区間があるなど、道路上に地上機器を設置することが困難な路線または区市町村が現道の無電柱化に初めて取り組む路線のいずれかに該当することを要件としております。
○関野委員 ありがとうございます。確認のためにお聞きしましたが、繰り返しになりますが、多摩地域の市町村がチャレンジ支援を活用するには、先ほどあったように歩道幅員二・五メートル未満や現道で無電柱化に新たに取り組むことが条件になるということでした。
一方で、チャレンジ支援事業の要件から外れた道路拡張や都市計画道路の事業と同時に行う無電柱化事業では、市町村がその費用を少なからず負担する必要があるという状況です。
無電柱化を推進している都としては、この差異を踏まえ、さらに踏み込んだ支援を考える必要があるのではないでしょうか。そのような観点で初めに述べさせていただいたように、第二定例会六月議会において、私は一般質問に立ち、小池知事から区市町村道に対する支援の強化にも取り組むとの答弁をいただきました。
多摩の市町村が行う道路拡張と同時に行う無電柱化に対しても、東京の無電柱化をさらに進めていくために、補助制度の拡充を図るなど、施策の充実を強く要望して、この件の質問を終わらせていただきます。
次に、都立公園におけるニュースポーツの利用についてです。
都立公園は多くのスポーツ施設を有しておりますが、ニュースポーツなどを楽しめる場としても活用することが重要であり、平成二十九年度の事務事業質疑でも利用拡大について取り上げた経緯がありますが、ニュースポーツの利用拡大への取り組みについてお伺いをいたします。
○植村公園緑地部長 都立公園において、都民が身近なレクリエーションとしてスポーツを楽しむため、野球場やサッカー場などのスポーツ施設を設置しております。
これまでも本来種目の利用などを阻害しない範囲において、いわゆるニュースポーツなどを対象として実施可能な種目を拡大してまいりました。
さらに、平成三十年には、スポーツ種目の多様化と施設の有効利用を図る観点から、施設の利用条件を満たせば、ニュースポーツの種目を特定せずに、全ての競技場、サッカー場、野球場を利用できることといたしました。
○関野委員 都立公園では、ノルディックウオーキング教室やニュースポーツイベントなどを指定管理者が開催し、さまざまなニュースポーツを楽しめる機会を提供していると聞いております。
例えば、ベルト状のラインの上を歩いたり飛びはねたりするスラックラインというのがあります。スラックラインは固定されたポールや大木などを利用して行う競技ですが、このようなニュースポーツを楽しんでもらうための設備の常設などを行うことは可能かどうか、この点についてお伺いをいたします。
○植村公園緑地部長 都立公園では、スポーツ施設の利用拡大のほかに、指定管理者が利用者ニーズに応じてさまざまなイベントを開催することで、ニュースポーツが楽しめる機会を提供しております。
武蔵国分寺公園など八公園ではノルディックウオーキング教室、砧公園ではフライングディスク教室を開催し、大泉中央公園ではストラックアウトやキックターゲットなどが楽しめるイベントを実施しております。
このようなイベント以外で特定のニュースポーツのため用具を設置することは、支障とならない場所の確保や安全に運営できる実施主体、ほかの公園利用者の理解などが必要でございます。
○関野委員 ありがとうございます。先ほども述べましたが、二十九年度の建設局の事務事業質疑において都立公園の利用拡大の要望を行いました。その後、三十年二月一日を施行日とした実施可能な種目の拡大についての通知が行われているとも確認ができました。ある意味一歩進んだということで評価をさせていただきます。
ただ、今回の質問は拡大された利用可能な種目には入っていないニュースポーツの利用の質問であります。先ほど例えたスラックラインについては、場所によっては先ほどいったように頑丈な大木に毛布を巻きつけたり、頑丈な棒などにベルト状のラインを設置し、活動するスポーツでもあります。そのため、設置場所によっては、他の利用者の問題なども起こる可能性があるとも理解をしております。このような点を利用者団体と協議の上、設置するなどについては要望をしておきます。
もちろん利用する方が個人では、責任の問題など所在がわかりにくいことがあるなど問題があることも理解をしておりますので、団体や協会などの登録が一番いいのかなと。そういう意味では団体登録を行ってもらい、保険加入や他の利用者への対応など、また、覚書などを行い、利用許可をすることが必要とも考えております。
今後は、各公園の管理者が柔軟な対応を行い、実施していただくことを要望して、私の質疑を終わらせていただきます。
○佐野委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○佐野委員長 異議なしと認め、事務事業及び報告事項に対する質疑は終了いたしました。
以上で建設局関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後九時三十四分散会
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