委員長 | 細谷しょうこ君 |
副委員長 | 米川大二郎君 |
副委員長 | 里吉 ゆみ君 |
理事 | 舟坂ちかお君 |
理事 | 小磯 善彦君 |
理事 | 滝田やすひこ君 |
西野 正人君 | |
藤井とものり君 | |
原田あきら君 | |
保坂まさひろ君 | |
神林 茂君 | |
もり 愛君 | |
桐山ひとみ君 | |
高倉 良生君 |
欠席委員 なし
出席説明員環境局 | 局長 | 栗岡 祥一君 |
次長 | 笹沼 正一君 | |
総務部長 | 松永 竜太君 | |
環境政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 | 上田 貴之君 | |
地球環境エネルギー部長 | 小川 謙司君 | |
環境改善部長 | 筧 直君 | |
環境改善技術担当部長 | 志村 公久君 | |
自然環境部長 | 近藤 豊君 | |
資源循環推進部長 | 宮澤 浩司君 | |
建設局 | 局長 | 中島 高志君 |
次長総務部長事務取扱 | 今村 保雄君 | |
道路監 | 奥山 宏二君 | |
道路建設部長 | 花井 徹夫君 | |
三環状道路整備推進部長 | 福島 眞司君 | |
公園緑地部長 | 植村 敦子君 | |
河川部長 | 小林 一浩君 | |
公園計画担当部長 | 根来 千秋君 |
本日の会議に付した事件
議席について
環境局関係
報告事項(説明)
・東京における自然の保護と回復に関する条例施行規則の改正等について(中間のまとめ)
・自動車環境管理計画書制度の計画期間等の延長について
・化学物質適正管理指針の改定について
建設局関係
第三回定例会提出予定案件について(説明)
・環二築地虎ノ門トンネル(二)遠隔制御設備工事請負契約
・綾瀬川護岸耐震補強工事(その二百五十八)請負契約
・小名木川護岸耐震補強工事(その六)請負契約
・中川護岸耐震補強工事(その二百五)請負契約
陳情の審査
(1)二第一五号 葛西臨海水族園の水族園機能を保持した上での保存及び活用に関する陳情
(2)二第一六号 葛西臨海水族園の計画に係る検討会のやり直し等に関する陳情
(3)二第二三号 葛西臨海水族園の更新に向けた事業計画に関する陳情
(4)二第四九号の二 都立学校再開後の具体的対応策の公開及びICT環境の整備等に関する陳情
○細谷委員長 ただいまから環境・建設委員会を開会いたします。
初めに、委員の選任について申し上げます。
議長から、去る七月十日付をもって、新たに本委員会委員に西野正人議員を選任した旨の通知がありましたので、ご報告いたします。
この際、新任の西野正人委員をご紹介いたします。
○西野委員 西野正人でございます。よろしくお願い申し上げます。
○細谷委員長 紹介は終わりました。
○細谷委員長 次に、議席についてお諮りいたします。
本日及び令和二年第三回東京都議会定例会における議席につきましては、ただいまご着席のとおりといたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○細谷委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
○細谷委員長 次に、本委員会の担当書記に交代がありましたので、紹介いたします。
議案法制課担当書記の津田公子さんです。
よろしくお願いいたします。
〔書記挨拶〕
○細谷委員長 次に、会期中の委員会日程について申し上げます。
お手元配布の日程のとおり、理事会において申し合わせましたので、ご了承願います。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、建設局関係の第三回定例会に提出を予定されております案件の説明聴取、環境局関係の報告事項の聴取及び建設局関係の陳情の審査を行います。
なお、本日は、提出予定案件及び報告事項につきましては、説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は会期中の委員会で行いますので、ご了承願います。
これより環境局関係に入ります。
初めに、先般の人事異動に伴い、環境局長に栗岡祥一君が就任いたしました。
栗岡祥一君を紹介いたします。
○栗岡環境局長 去る七月十三日付の人事異動によりまして環境局長を拝命いたしました栗岡祥一でございます。
細谷委員長を初め委員の皆様方には、環境局事業につきまして日ごろからご理解とご指導を賜り、まことにありがとうございます。
環境局では、気候変動がもたらす影響が深刻さを増し、身近な生活にも及ぶ中、ゼロエミッション東京の実現に向けた環境対策を着実に進めてまいります。
同時に、ポストコロナを見据えたサステーナブルリカバリーの視点に立って、経済の回復や災害対策などを複合的に解決していくため、職員一同、全力を挙げて取り組んでまいります。
引き続き、委員の皆様方のご指導、ご鞭撻を賜りますよう、何とぞよろしくお願いします。
○細谷委員長 挨拶は終わりました。
○細谷委員長 次に、理事者から……
〔舟坂委員発言を求む〕
○舟坂委員 答弁のときにマスクは要らないんじゃないですか。
○細谷委員長 今、委員からそのようなご発言がございましたが、いかがいたしますか。--それでは、ご発言のときにマスクをお外しいただいても結構だということでございます。よろしくお願いいたします。
次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。
○近藤自然環境部長 東京における自然の保護と回復に関する条例施行規則の改正等について(中間のまとめ)についてご説明いたします。
お手元の資料1をごらんください。
まず、1、施行規則改正の背景でございます。
自然保護条例の開発許可制度は、一定規模以上の自然地を含む土地の形質を変更する開発行為に対し、知事の許可を求める制度でございます。
平成二十九年十月の台風の影響により発生した残土処分場での土砂崩落事故を契機に、制度の課題を検討したところ、条例の施行規則等で定める開発許可の基準は、都市計画法等に比べますと土砂災害未然防止等の点で不十分であることが判明いたしました。
そのため、許可基準を、都市計画法等の規定を参考に、より明確かつ具体性のあるものに見直す必要があると判断したものでございます。
次に、2、審議会への諮問及び審議の経緯でございます。
昨年十月、都は、自然環境保全審議会へ施行規則改正について諮問し、審議会からは、計画部会及び規制部会の審議を経て、本年九月、中間のまとめの報告をいただきました。現在、パブリックコメントを実施中でございます。
次に、3、中間のまとめの概要でございます。
(1)、主な規則改正事項のうち、〔1〕、開発許可の基準の改正では、開発許可の基準を、より明確で具体的な都市計画法等の基準と同様のものとなるように改正すべきであるとしております。
また、基準の中でも、切り土や盛り土の最下部から最上部までの高さであるのり高が、切り土の場合は三十メートル、盛り土の場合は十八メートルという規定値を超過する場合、事業者は専門家など都が指定する複数の者の意見を聞いた上で、計画を策定すべきであるとしております。
〔2〕、緑地等管理計画書制度の改正では、開発許可に係る工事の完了後、原則一年後に事業者が緑地等の管理の状況の報告を行う際、切り土や盛り土の状況の報告を追加すべきであるとしております。
(2)、規則改正以外の事項のうち、〔1〕、許可条件の見直しでは、事業者に対し、許可工事期間中、定期的に切り土や盛り土の出来高や施工状況などの報告等を行うことを許可条件に追加することが望ましいとしております。
〔2〕、監視指導指針策定では、都が定期的に事業地を監視したり、違反者に対する指導等を実施するための指針を策定することが望ましいとしております。
最後に、4、今後の予定でございます。
現在、パブリックコメントを実施中でございますが、そこでいただいた都民の意見を踏まえて、さらに審議会においてご審議いただき、答申をいただく予定でございます。
その後、詳細についてさらに検討を進め、施行規則や審査基準などを改正していく予定です。
資料2は、中間のまとめの本編でございます。
以上、簡単ではございますが、東京における自然の保護と回復に関する条例施行規則の改正等についての中間のまとめの概要をご報告させていただきました。どうぞよろしくお願い申し上げます。
○筧環境改善部長 自動車環境管理計画書制度の計画期間等の延長についてご説明申し上げます。
お手元の資料3をごらんください。
まず、1、制度の概要ですが、都では、自動車からの環境負荷を低減するため、現在、環境確保条例及び施行規則により、自動車を多く使用する事業者に対して、自動車環境管理計画書及び実績報告書の提出や低公害、低燃費車の導入を義務づけております。
まず、自動車環境管理計画書制度ですが、対象は、三十台以上の自動車を使用する都内の事業者で、令和元年度末現在、約千六百社となっております。
対象事業者には、低公害、低燃費車の導入や、エコドライブの実施等を内容とする計画書及び実績報告書の提出を義務づけております。
計画期間は、現在第四期目で、平成二十八年度から令和二年度までとなっております。
次に、低公害、低燃費車の導入義務につきましては、対象は、二百台以上の自動車を使用する都内の事業者で、令和元年度末現在、約二百社でございます。
事業者が使用する車両台数のうち、一五%以上の特定低公害、低燃費車を導入することを義務づけており、令和三年三月三十一日までを達成期限としております。
次に、2、計画期間及び達成期限の延長でございます。
新型コロナウイルス感染症の拡大に伴って、事業者の経営状況や自動車メーカーの供給体制に大きな影響が生じており、多くの事業者において計画の履行や導入義務の達成が困難な状況となっております。
こうした影響を勘案し、環境確保条例施行規則を改正して、計画期間及び達成期限をそれぞれ一年間延長するものでございます。
なお、規則改正の内容は、表に記載のとおりでございます。
最後に、3、スケジュールですが、本年十月に施行規則の改正を行い、公布、施行する予定でございます。
以上、簡単ではございますが、自動車環境管理計画書制度の計画期間等の延長についてご報告させていただきました。どうぞよろしくお願いいたします。
○志村環境改善技術担当部長 化学物質適正管理指針の改定についてご説明申し上げます。
お手元の資料4をごらんください。
まず、1、概要でございますが、本件は、近年増加する大型台風に伴う水害等による工場等からの化学物質の流出を防止し、周辺環境を保全するため、化学物質取扱事業者が水害等に対応できるよう、環境確保条例に基づく化学物質適正管理指針を改定するものでございます。
2、改定内容案でございますが、現行の指針の事故時等の対応の項目に、新たに四つの条文を追加する予定でございます。
まず、表中〔1〕の事故、災害の防止対策の項目には、事業所の所在地が属する地域のハザードマップその他の災害想定区域図を参照し、浸水、土砂流入等の被害想定を確認する旨の条文及び被害想定に応じて、事業所内への浸水防止や化学物質の流出防止について必要な対策を実施するとともに、水害等に耐える設備等の整備に努める旨の条文を追加いたします。
次に、表中〔2〕の事故処理マニュアルの整備の項目には、平時、水害等の発災直前及び発災直後並びに事故処理時の対応を時系列で整理した防災行動計画を定める旨の条文を追加いたします。
そして、表中〔3〕の化学物質の貯蔵施設の容量等の把握の項目には、タンクまたは容器に内容物である化学物質の名称及び有害性について表示するものとする旨の条文を追加いたします。
次に、3、水害対策マニュアルの作成でございますが、化学物質取扱事業者が水害等に必要な対応を行えるよう、参考となる事項を整理した水害対策マニュアルを作成いたします。
最後に、4、スケジュールでございます。
本年十月に指針の改定を行い、その後、水害対策マニュアルの公表を予定しております。改定指針については、令和三年四月に施行する予定でございます。
次の二ページから四ページまでは新旧対照表でございます。
なお、参考資料といたしまして、今季の台風等に備え、令和二年六月に公表したリーフレットを一番後ろに添付しております。
以上、簡単ではございますが、化学物質適正管理指針の改定についてご報告させていただきました。どうぞよろしくお願いいたします。
○細谷委員長 報告は終わりました。
この際、資料要求のある方は発言をお願いいたします。
○里吉委員 二点目にご報告いただきました自動車環境管理計画書制度の実績を示した資料をお願いします。
以上です。
○細谷委員長 ただいま里吉副委員長から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○細谷委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出願います。
ほかになければ、資料要求はこれで終わらせていただきます。
以上で環境局関係を終わります。
○細谷委員長 これより建設局関係に入ります。
初めに、先般の人事異動に伴い、建設局長に中島高志君が就任いたしました。
また、幹部職員の交代がありましたので、中島局長より挨拶並びに幹部職員の紹介があります。
○中島建設局長 このたび建設局長を拝命いたしました中島高志でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
細谷委員長初め委員の皆様方には、建設局事業につきまして、日ごろからご理解とご支援を賜り、まことにありがとうございます。
建設局では、新型コロナウイルス感染症対策に適切に取り組むとともに、台風や地震などの災害への備えや東京二〇二〇大会の開催準備等の事業を着実に進めてまいりました。
今後は、ポストコロナを見据えて、デジタルトランスフォーメーションなどを推進するとともに、都民生活と社会経済活動を支えるインフラの整備や維持管理、運営に全力で取り組んでまいります。
引き続き、ご指導、ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。
それでは、先般の人事異動によりまして当局幹部職員に交代がございましたので、ご紹介させていただきます。
次長で総務部長事務取扱をいたします今村保雄でございます。三環状道路整備推進部長の福島眞司でございます。
以上でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
〔理事者挨拶〕
○細谷委員長 挨拶並びに紹介は終わりました。
○細谷委員長 次に、第三回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。
○中島建設局長 第三回定例会に提出を予定しております案件につきましてご説明申し上げます。
お手元配布の環境・建設委員会資料(建設局所管分)をごらんいただきたいと存じます。
今定例会でご審議いただきますのは、環二築地虎ノ門トンネル(二)遠隔制御設備工事など契約案四件でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
詳細につきましては、次長よりご説明申し上げます。
○今村次長 第三回定例会提出予定案件の内容につきましてご説明申し上げます。
資料1をごらんください。契約案につきましてご説明申し上げます。
表紙をおめくり願います。今回提出を予定している契約案四件の件名は、目次に記載のとおりでございます。
一ページをお開きください。環二築地虎ノ門トンネル(二)遠隔制御設備工事でございます。
本工事は、都市計画道路事業、環状第二号線の地下トンネル区間において、事故や災害の発生時に対応するため、トンネル内等に防災設備を整備するものでございます。
工事場所は中央区築地五丁目地内から港区虎ノ門一丁目地内まで、契約の相手方は株式会社エクシオテック、契約金額は十一億円、工期は令和五年一月三十一日までとする工事請負契約を一般競争入札により締結しようとするものでございます。
二ページをごらんください。本件工事の案内図でございます。
斜線であらわしておりますのが施工箇所でございます。
三ページをごらんください。防災設備の設置位置は、築地換気所(仮称)平面図及びトンネル区間断面図のとおりでございます。
おめくりいただきまして、四ページをごらんください。綾瀬川護岸耐震補強工事(その二百五十八)でございます。
本工事は、最大級の地震が発生した場合においても浸水防止機能を保持するため、延長二百八十一・三メートルにおいて河川土工などを行い、護岸の補強を図るものでございます。
工事場所は足立区青井四丁目地内から同区西加平一丁目地内外三カ所、契約の相手方は植木・CRS建設共同企業体、契約金額は十五億九百二十万円、工期は令和四年二月二十八日までとする工事請負契約を一般競争入札により締結しようとするものでございます。
右方五ページをごらんください。本件工事の案内図でございます。
丸で示しておりますのが施工箇所でございます。
六ページをごらんください。構造物の形状は、平面図及び標準断面図のとおりでございます。
右方七ページをごらんください。小名木川護岸耐震補強工事(その六)でございます。
本工事は、先ほどの綾瀬川の工事と同様、最大級の地震が発生した場合においても浸水防止機能を保持するため、延長二百十二・六メートルにおいて河川土工などを行い、護岸の補強を図るものでございます。
工事場所は江東区白河三丁目地内から同区森下四丁目地内まで、契約の相手方は若築建設株式会社、契約金額は十億五千九百三十万円、工期は令和四年二月二十八日までとする工事請負契約を一般競争入札により締結しようとするものでございます。
おめくりいただきまして、八ページをごらんください。本件工事の案内図でございます。
丸で示しておりますのが工事場所でございます。
右方九ページをごらんください。構造物の形状は、平面図及び標準断面図のとおりでございます。
おめくりいただきまして、一〇ページをごらんください。中川護岸耐震補強工事(その二百五)でございます。
本工事は、先ほどの二件の工事と同様、最大級の地震が発生した場合においても浸水防止機能を保持するため、延長百四十七・二メートルにおいて河川土工などを行い、護岸の補強を図るものでございます。
工事場所は葛飾区青戸二丁目地内、契約の相手方は東急・森建設共同企業体、契約金額は九億三千七百九万円、工期は令和四年二月二十四日までとする工事請負契約を一般競争入札により締結しようとするものでございます。
右方一一ページをごらんください。本件工事の案内図でございます。
丸で示しておりますのが施工箇所でございます。
最後、一二ページをごらんください。構造物の形状は、平面図及び標準断面図のとおりでございます。
以上で令和二年第三回定例会提出予定案件の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○細谷委員長 説明は終わりました。
この際、資料要求のある方は発言を願います。
○里吉委員 今ご説明いただきました契約案件四件についての入札経過がわかる資料をお願いいたします。
以上です。
○細谷委員長 ただいま里吉副委員長から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○細谷委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出願います。
○細谷委員長 次に、陳情の審査を行います。
初めに、陳情二第一五号、陳情二第一六号及び陳情二第二三号については、内容に関連がありますので、一括して議題といたします。
理事者の説明を求めます。
○根来公園計画担当部長 お手元配布の資料2、陳情審査説明表の一ページにございます整理番号1、陳情二第一五号をごらんいただきたいと存じます。
本件は、葛西臨海水族園の水族園機能を保持した上での保存及び活用に関する陳情で、港区の一般社団法人日本建築学会会長竹脇出さんから提出されたものでございます。
本陳情の要旨は、都において、次の四点を実現していただきたいというものでございます。
一点目は、現在計画中の葛西臨海水族園の新規施設の建築計画を見直し、既存施設の水族園機能を保持しながら保存及び活用をして、長寿命化を図るよう計画を変更することというものでございます。
二点目は、次世代環境教育を目指した水族園運営を可能にするため、東なぎさ及び西なぎさを含む葛西臨海公園全体の敷地範囲を見直すことというものでございます。
三点目は、今後予定されている葛西臨海水族園の新規施設の建築を前提とした検討会の中に、既存施設のあり方に関する検討会を設置し、そのための予算を計上すること、また、その際の検討会の委員として建築の専門家を参画させることというものでございます。
四点目は、葛西臨海水族園におけるPFI手法を前提とした整備を見直し、今後予定されている要求水準書を作成する検討会において、設計と施工を分離して発注することを前提とした計画を進めることというものでございます。
現在の状況でございますが、一点目ですが、葛西臨海水族園は、開園から三十年が経過し、施設や設備の老朽化が進んでおります。このため、大規模な工事が必要でございますが、バックヤードが狭隘で作業場所が確保できないため、開園しながらの工事は困難でございます。さらに、配管や配線が過密に配置されており、段階的な改修も困難でございます。
工事に伴う長期休園によるサービス低下や仮設施設の整備によるコスト増、飼育している八万五千点の生き物への影響を総合的に考慮し、新たに建築する建物に水族園機能を移設することといたしました。
既存施設につきましては、新施設整備の取り組みと並行して、利活用の可能性とその採算性等について検討を行い、水族園機能を移設後、施設の状態を調査の上、そのあり方について決定してまいります。
二点目ですが、葛西海浜公園がラムサール条約湿地に登録されるなど、葛西臨海公園一帯は自然環境の面で大きなポテンシャルを持っております。
都はこれまでも、葛西臨海水族園において、自然観察会や生物調査のためになぎさを活用するなど、葛西海浜公園と連携した取り組みを行っておりまして、今後も、自然生態系の保護という観点に立ち、葛西臨海公園や葛西海浜公園とともに、全体の魅力向上に向け整備を進めてまいります。
三点目ですが、既存施設につきましては、新施設整備の取り組みと並行して、利活用の可能性とその採算性等について検討を行い、水族園機能を移設後、施設の状態を調査の上、そのあり方について決定してまいります。
四点目ですが、PFI手法の導入により、施設の設計、工事と管理を一括して発注することで、工期の短縮やコスト縮減が期待できます。また、来園者ニーズに対応し、スケールメリットを生かしたレストラン運営など、民間ノウハウの活用により、サービスの向上が見込めます。
なお、PFI手法の詳細につきましては、今後検討してまいります。
次に、一枚おめくりをいただき、整理番号2、陳情二第一六号をごらんいただきたいと存じます。
本件は、葛西臨海水族園の計画に係る検討会のやり直し等に関する陳情で、渋谷区の葛西臨海水族園の長寿命化を考える会代表横河健さんから提出されたものでございます。
本陳情の要旨は、都において、次の四点を実現していただきたいというものでございます。
一点目は、葛西臨海水族園のあり方検討会における検討結果を見直す必要があるため、あり方検討会を一度白紙に戻し、再度実施すること。
二点目は、葛西臨海水族園の更新に向けた基本構想を見直すこと。
三点目は、葛西臨海水族園事業計画検討会における検討結果を見直す必要があるため、事業計画検討会を改めて実施すること。
四点目は、葛西臨海水族園の更新に向けた事業計画の素案における、既存施設については、水族園機能を移設後、施設の状態等を調査の上、そのあり方について検討しますという文言を、現施設を水族館として利活用することについて検討すると訂正の上、事業計画を策定することというものでございます。
現在の状況でございますが、一点目ですが、平成元年十月に開園した葛西臨海水族園は、開園から三十年が経過し、施設や設備の老朽化が進行しております。また、環境問題の深刻化に伴い、水族館に求められる役割が変化してきております。
このため、都は、平成二十九年十二月に葛西臨海水族園のあり方検討会を設置し、葛西臨海水族園の歴史や実績などを踏まえつつ、社会環境の変化や機械設備の老朽化等が進行する中、都立水族館として持続的に発展するためのあり方について検討を依頼いたしました。
その結果、報告書では、将来を見据えた施設として再生するには、建てかえにより新たな水族園を整備すべきとの提言をいただいたところでございます。
なお、あり方検討会は、水族館、博物館や環境教育、広報、宣伝、観光など、九名の多様な専門家により構成されており、その検討過程は全て公開で行いました。
二点目ですが、葛西臨海水族園の更新に向けた基本構想は、あり方検討会の報告書を受け、都として今後の取り組みの方向性を明確化するため、平成三十一年一月に策定したものでございます。
なお、基本構想の策定に先立ちまして、広く都民の声を聞くため、基本構想素案を公表し、意見募集を行いました。
三点目ですが、葛西臨海水族園事業計画検討会は、基本構想に掲げる新たな水族園像の実現に求められる施設要件等をライフサイクルコスト、官民連携方法とあわせて、専門的見地から検討するために設置したものでございます。
事業計画検討会における各委員の発言は、本人確認後、会議資料とあわせて全面的にホームページで公開してまいりました。また、報告書のまとめに当たっては、委員の間で調整が行われ、その結果、都へ報告書が提出されたものでございます。
四点目ですが、既存施設につきましては、新施設整備の取り組みと並行して、利活用の可能性とその採算性等について検討を行い、水族園機能を移設後、施設の状態を調査の上、そのあり方について決定してまいります。
次に、整理番号3、陳情二第二三号をごらんいただきたいと存じます。
本件は、葛西臨海水族園の更新に向けた事業計画に関する陳情で、渋谷区の公益社団法人日本建築家協会会長六鹿正治さんから提出されたものでございます。
本陳情の要旨は、葛西臨海水族園の更新に向けた事業計画に、既存施設の保存及び活用を組み込んでいただきたいというものでございます。
現在の状況でございますが、都は、葛西臨海水族園のあり方検討会を設置し、開園後三十年経過した葛西臨海水族園が、社会環境の変化や機械設備の老朽化等が進行する中、これからも多くの方々に親しまれる都立水族館として持続的に発展するためのあり方の検討を依頼いたしました。
このあり方検討会の報告書を受け、都として今後の取り組みの方向性を明確化するため、葛西臨海水族園の更新に向けた基本構想を策定し、新たな水族園像を示すとともに、その実現に向けては、既存施設とは別に建築する建物に水族園機能を移すことを基本とした検討を進めていくといたしました。
また、この基本構想において、既存施設については、水族園機能を移設後、施設の状態等を調査の上、そのあり方について検討していくといたしました。
さらに、都は、葛西臨海水族園事業計画検討会を設置し、基本構想に掲げる新たな水族園像の実現に求められる施設要件等の検討を依頼し、令和二年三月に報告書が取りまとめられました。
事業計画検討会は、水族館、博物館の展示、教育普及、環境教育、官民連携、建築、現場の運営など、十六名の多様な専門家により構成され、その検討過程は全て公開で行いました。
今後策定する葛西臨海水族園の更新に向けた事業計画は、事業計画検討会での議論を踏まえ、新たな水族園の規模、事業手法、コスト等を明確にするために策定するものでございます。
なお、既存施設につきましては、新施設整備の取り組みと並行して、利活用の可能性とその採算性等について検討を行い、水族園機能を移設後、施設の状態を調査の上、そのあり方について決定してまいります。
説明は以上でございます。よろしくご審査のほどお願い申し上げます。
○細谷委員長 説明は終わりました。
本件について発言を願います。
○滝田委員 葛西臨海水族園に関しての陳情三件について一括して質問をさせていただきます。
本年第一回定例会で葛西臨海水族園事業計画検討会の検討結果が報告案件となっておりましたことから、三月十八日の当委員会におきまして、私の方からも細かく質疑をさせていただきました。
その際に、今後、都でも人口減少が見込まれ、インフラの老朽化対策など財政負担も見込まれる中で、都立の施設においては、公益性とともにコスト面も含めて総合的に考えざるを得ないということを指摘させていただきました。
また、水族園を更新していくに当たっては、運営の効率性、安全性や、省資源、省エネルギーであること、生物の生育環境も水族園には重要な要素でありまして、多角的に評価していくことが重要であるということも指摘をさせていただきました。
こうした観点から、総合的、多角的に事業を精査し、多額の公費を投じることに都民が納得できる形で進めることを改めて求めておきます。
また、水族園だけではなく、葛西臨海公園全体としてどのようにあるべきか、そのあり姿を描くことは、整備効果を最大化するためにもとても重要でありまして、その点についても強く要望をしてまいりました。
水族園だけではなく、葛西臨海公園全体としてどのようにあるべきか、今後、水族園の更新を進めようという取り組みの中でどのように考えていくのか、見解をお伺いいたします。
○根来公園計画担当部長 葛西臨海公園一帯は、ラムサール条約湿地に登録された葛西海浜公園を含め、自然環境の面で大きなポテンシャルを持っております。公園を訪れる多くの方々が海や生き物の多様性を感じながら楽しめるよう、この豊かな自然環境を生かしていくことが重要でございます。
今後、自然生態系保護の観点に立ち、新たな水族園の整備や管理とともに、花の名所や東京湾を一望できる広大な景観なども生かしまして、葛西臨海公園の周辺環境全体の魅力向上を目指してまいります。
○滝田委員 生物多様性の観点や東京湾との一体的な景観など、葛西海浜公園を含めた自然のポテンシャルはより一層生かしていただきたいなというふうに思います。
加えて、公園全体として、にぎわいであったり、あるいは収益を上げられる部分ということについても強化をしていただくことで、来訪者や地域のより多くの方々に付加価値の高い公園としていくことが重要だというふうに考えます。
また、カヌースラローム会場も隣接しておりまして、大会後の活用ということを見据えた公園づくりということも必要であります。
こうした観点から、水族園だけではなく、葛西臨海公園全体としての価値を高めていけるよう、あり姿を描くことを求めておきたいというふうに思います。
さて、今回の陳情の中にも、水族園の新設による更新を進めた場合において、既存施設の保全、活用についての要望がございますけれども、私の三月の委員会においても、この点については質疑、要望させていただきました。
その後検討が進んでいるというふうに思いますので、改めて伺いたいと思います。
水族園の新設による更新を進めた場合でも、もとの建築物の利活用についてしっかりと検討を進めていくべきですが、今後の方針をお伺いいたします。
○根来公園計画担当部長 既存施設につきましては、新施設整備の取り組みと並行して、利活用の可能性とその採算性等について検討いたします。その際、葛西臨海公園やラムサール条約登録湿地であるなぎさ等の周辺環境も含めた全体の魅力の向上という視点に立ち、既存施設を有効に活用する方向で検討を行います。
最終的に水族園の機能を移設した後、その状態を調査し、あり方を決定いたします。これらを事業計画に明記いたします。
○滝田委員 新施設整備と並行して、既存施設の利活用の可能性と採算性等について検討していくということで、これは新たな答弁だったというふうに思いますけれども、ぜひさまざまな観点からアイデアを取り込んで検討いただきたいというふうに思います。
さて、一方で、三月の委員会質疑の後、新型コロナウイルス感染症が本格的に感染拡大をいたしました。人々の暮らし、社会経済、そして東京都の財政等、あらゆる環境が激変をいたしました。
また、終息後も、ポストコロナの時代に求められてくるものというのは大きな変化があるというふうに想定されます。
そうした中で、長期的な取り組みとなる水族園におきましても、施設運営などさまざまな観点から、ポストコロナを見据えた水族園のあり方等を検討する必要があると考えますが、見解を伺います。
○根来公園計画担当部長 新たな水族園では、感染症対策として、給排気口及びファンの適切な配置等により施設内の換気機能を強化することや、来園者の感染が疑われる場合に移動ルートを分離できるよう対応してまいります。
その他、感染症対策だけでなく、災害時を想定した設備の機能強化や、必要に応じてスペースをさまざまに活用できるよう検討、整備していく予定でございます。
また、情報発信技術を活用しまして、家にいながらも水族園の展示や演出が楽しめるサービスの充実等を検討、整備してまいります。
○滝田委員 今、答弁としまして、建築物の空気の循環であったり、あるいは感染症対策だけではなくて、災害時等を想定した機能強化ということを検討していくというふうにありました。
デジタルとの融合といった技術革新の面もございますし、ポストコロナの環境変化ということについては、まだこれから明確になってくるということも多くあるというふうに思いますので、こうしたポストコロナの変化というものを視野に入れながら、今後の計画具体化の中でブラッシュアップを図っていただきたいというふうに思います。
今般の新型コロナウイルス感染症の影響による都税収入の減少というのは、リーマンショック時の一兆円を超える可能性ということも懸念されておりまして、財政事情などの前提となる事業環境が大きく変化をしてきております。
施設整備費用やその後の運営費用、入園料その他の収入について厳しく精査をしまして、都民の納得を得られる水族園更新計画と経営計画を検討していく必要があるというふうに考えますが、見解を伺います。
○根来公園計画担当部長 新たな水族園の整備におきましては、PFI手法を用いて、施設の設計、施工、維持管理を一括して発注することで、工期の短縮やコストの縮減を図ります。
また、支出の削減のため、施設や設備の劣化が進行する前に対策を講じることにより、修繕費の縮減を図ります。
さらに、多額の運搬費用を要する海水の再生利用を進めることや、エネルギー効率の高い機器の導入により消費電力を削減するなど、維持管理費の削減に取り組みます。
入園料につきましては、維持管理費や利用者数等から成る原価を基本としつつ、類似施設の入園料を勘案し、設定してまいります。
運営面では、指定管理者と連携しながら、収入の確保のため、適切な時期に展示のリニューアルを行い、継続的な入園者数の確保を図るとともに、バックヤードツアーや環境学習の充実、ユニークベニュー等の特別な体験の提供など、ICT技術も活用し、魅力あるサービスを提供してまいります。
このような経営の工夫によりまして、長期的、安定的な運営を目指してまいります。
○滝田委員 先ほど公園全体としてのあり姿というお話をさせていただきましたけれども、水族園の部分だけではなくて、葛西臨海公園全体としても収益を上げられる部分を強化していくということについても検討していただきたいということを最後に求めておきます。
本日、新施設整備と並行して、既存施設の利活用の可能性、採算性等について検討していくという答弁も新たにございました。
また、陳情二第二三号、葛西臨海水族園の更新に向けた事業計画に関する陳情については、趣旨採択すべきということを意見いたしまして、私の質問を終わります。
以上です。
○西野委員 それでは、陳情二第一五号、陳情二第一六号、陳情二第二三号について、順次意見を述べさせていただきます。
葛西臨海水族園は、平成元年に開園し、五千万人を超える来場者が水族園を訪れ、観光施設として、環境教育の場として、また、希少種の保護、繁殖の施設としての役割も担ってまいりました。
しかしながら、三十年たった現在の施設の老朽化は否めません。水槽のアクリル板は白色化し、本来の魚の姿を見ることができません。また、なぎさの生物展示場におきましては、来場者には危険が及ばないにしても、アクリル板がゆがんでいるところもある状況でございます。
バックヤードにおいては、狭いスペースに配管や配線がひしめき、ろ過器のメンテナンスを行うにしても、スケルトン状態にして交換等を行わなければならず、修繕費は多額になり、また、修繕期間中は長期の休園を余儀なくされます。
そして、既存の施設を大規模改修して使用するに当たり、仮設の施設を用意しなければなりません。仮設への移動において約八万五千点の生き物を移動することは、生き物への負担が大きくリスクが伴うことと考えると、既存施設を改修して使用することは大変難しいと考えます。
また、バリアフリーの観点からしても、現在の状況は十分に対応しているとはいいがたく、改修は可能と思いますけれども、スロープの設置や見学動線に無理があると思います。
そのほかの陳情項目におきましては、基礎となる新規施設の建築計画の見直し、既存施設の保存、活用において計画変更が無理と考える状況において、残念ながら考慮することは難しいと考えます。
したがいまして、これら一連のことを鑑み、陳情二第一五号は不採択を主張させていただきます。
次に、陳情二第一六号について意見を述べさせていただきます。
この陳情におきましては、現施設を水族館として利活用することについて検討することが主な陳情項目であると考えます。そのために、あり方検討会を一度白紙に戻し、再度検討すること、それに伴い、つくられた基本構想の見直し、事業計画検討会における検討結果を見直す必要があるため、もう一度事業計画検討委員会を改めて実施していただきたいという旨の陳情と思います。
あり方検討会は、九名から成る多様な専門家で構成され、議論されたものであり、あり方検討会の報告を得て、都としての取り組み方の方向性を明確にし、基本構想素案をつくり公表し、広く都民からも意見を募集し、一連の手順において段階を踏み、慎重かつ公正と透明性を担保し進められたものと考えます。
陳情二第一五号の意見でも申し上げましたが、現施設においては水族館として利用することは困難であり、新たに建設する建物に水族園機能を移設することが最良であると考えます。
つきましては、意見として不採択を主張させていただきます。
最後に、陳情二第二三号について意見を申し上げます。
この陳情において、今後作成される葛西臨海水族園の更新に向けた事業計画において、既存施設の保存及び活用を組み込んでほしいというものですが、都民の財産である既存施設においては、利用の可能性、また、採算性など多くの調査や幅広い都民の声を聞き、検討しなければなりませんが、既存施設の保存及び利用について、十分に検討することはやぶさかではありません。
よって、陳情二第二三号につきましては、趣旨採択とさせていただきます。
以上でございます。
○高倉委員 それでは、質疑をさせていただきたいと思います。
この葛西臨海水族園につきましては、私も何度も訪れさせていただいたところでありまして、東京においても極めてユニークかつすばらしい水族館であるというふうに思っております。
また、建築物も非常に価値が高いのではないかということを訪れるたびに感じてきた一人であります。
その一方で、やはり開園してからかなりの日にちが経過をしていて、老朽化をしていると。したがって、その老朽化に対してしっかりとした対応をしていかなければならないということも事実であるというふうに思います。
それで、これまで、今後どうしていくかということについては、あり方検討会、これは平成二十九年の十二月に第一回の検討会が開かれたということでありますけれども、この検討会において、検討の結果としての報告書が出され、さらに基本構想の策定が行われ、そして事業計画検討会の報告書も出てきていると。一定の時間をかけて検討してきているというようなことであるというふうに思います。
そうした中で、葛西臨海水族園の更新について、現在の水族園を改修するというのではなく、新施設を整備するということで検討を進めてきた理由についてお伺いしたいと思います。
○根来公園計画担当部長 改修ではなく新施設を整備することといたしました理由は、主に三点ございます。
一点目は、既存建物を大規模に改修するためには、バックヤードが狭隘で作業場所を確保できないこと、また、配管や配線が過密であるため、段階的な改修は困難であることから、長期休園が避けられなくなること。二点目は、別の場所に新たな施設を建てることにより、仮設の施設をつくる費用がかからないこと。三点目は、移動が一度で済むため、約八万五千点の生き物への負担が少ないことでございます。
こうしたことを踏まえ、水族館、博物館や環境教育、広報、宣伝、観光など、九名の専門家による葛西臨海水族園のあり方検討会から、平成三十年十月、老朽化やバリアフリーへの対応の困難性など、将来を見据えた施設として再生するには、建てかえにより新たな水族園を整備するべきという提言をいただきました。
○高倉委員 今、新施設を整備するということの理由について、三点の説明があったわけであります。こうしたことについて、九名の専門家から成るあり方検討会というところでしっかり検討して提言をいただいたということを踏まえて、そのようなことになっているというふうに思います。
ところで、新しい水族園の施設が整備によってどういうふうに今後変わってくるのか、こういったことは非常に関心を持つところであります。
これは自然公園ということではないんでしょうけれども、例えば東京において自然公園ということを考えたときに、都道府県のそれぞれの面積に対する自然公園の割合というのは、実は東京都は全国二位なんですね。すばらしい自然公園があります。
そういう中で、葛西海浜公園ですけれども、これがラムサール条約の湿地に登録をされたということで、ここも新たな東京都の自然の魅力を発信する、そうした場所になっていくんではないかというふうに思っております。
以前にも質疑をさせていただいたかもしれませんけれども、やはり新施設を整備していく、そういう中においては、せっかく自然の魅力を、東京でもこういう自然があるんだということを発信できる環境がすぐそばにあるわけですね。
したがって、こういったところと一体的に、また、周辺を踏まえて、今後のあり方というのは考えていく必要があると思いますけれども、この点についての見解をお伺いしたいと思います。
○根来公園計画担当部長 新たな水族園では、マグロの水槽やサンゴ礁の水槽を拡大し、海の持続可能性や地球温暖化などの環境問題も学べる展示を行います。
展示に当たりましては、これまでの平面的に観賞する水槽から、立体的にさまざまな角度から楽しめる水槽へと変わるほか、ICT等の最新技術も活用し、水中にいるような展示、演出を行います。また、レクチャーホールを拡大するなど、学習体験機能を強化いたします。
さらに、水族園のアプローチを初め、なぎさ等の周辺環境や公園内の他の施設とのつながりに配慮し、葛西臨海公園全体の魅力を高める施設を目指してまいります。
なお、新型コロナウイルス等の感染症対策として、施設内の換気機能の強化等を検討、整備してまいります。
○高倉委員 今、答弁で、葛西海浜公園全体の魅力を高めていくという、そういった観点からもお話があったわけであります。
いずれにしても、新施設を整備するに当たっては、いわゆる現在の施設も、先ほど私、冒頭申し上げたように、非常に魅力がある。もちろん建築物としても魅力がある。それから、展示の中身、内容についても大変充実をしている。そういうことで、当初、開園以来、とても注目が高い施設だったわけでありまして、それをさらにしのぐような、よりすばらしいものをぜひつくっていただきたいし、つくっていかなければならないというふうに思っているわけであります。
そして、新施設の整備とか建物の管理については、PFI手法を用いるというふうに聞いているわけでありますが、その手法によってどういう効果が得られるのか、これを明らかにしていただきたいと思います。
○根来公園計画担当部長 都市公園の整備に活用される官民連携方法としましては、指定管理者制度のほか、都市公園法に基づく設置管理許可制度やパークPFI、PFI法に基づくPFI事業等が挙げられます。
これらの官民連携方法のうち、新たな水族園の整備、維持管理、運営に関しましては、葛西臨海水族園事業計画検討会報告書を踏まえ、PFI手法の活用が最も適していると判断いたしました。
PFI手法の効果としまして三点を見込んでおります。一点目は、PFI手法の活用により、民間の自由な発想を取り入れた設計や最新技術の活用による展示空間演出が期待できること。二点目は、施設の設計と施工を一括して発注することで、まとまった期間の工期の短縮が見込めること。三点目は、コストの縮減が期待できることでございます。
なお、コスト縮減につきましては、施設整備と二十年間の建物管理に要するコストについて、事業計画検討会でご検討いただきました。その結果、PFI方式の場合の総事業費約四百六十三億円に対しまして、設計、施工、建物管理を別々に行う従来方式の場合は、約四百七十八億円であり、約十五億円のコスト削減となります。
○高倉委員 今、答弁で三点にわたってお話をいただいたわけであります。二点目と三点目は、工期の問題でありますとか、あるいはコストのことであったと思いますが、一点目は、PFIの手法の活用によって、民間の自由な発想を取り入れた設計、あるいは最新技術の活用による展示空間演出が期待をできると、こういうことであるというふうに思います。
先ほど私、申し上げたように、いわゆる現在の葛西臨海水族園が非常にすばらしいわけですよ。せっかくお金をかけて新しい施設をつくるということであれば、ぜひそれをしのぐものをつくっていただきたいと思いますし、そういうことに向けて、この手法がより最適であるということであれば、それを十分に生かして、まさに私が今申し上げたような、よりすばらしい水族園をつくる、こういう方向で頑張っていただきたいなというふうに思います。
PFI手法については、施設の水準を落としてしまうんではないかと、こういった議論はかねがねあるわけであります。都が目指す水族園の実現に向けて、どのように水準を確保していくのか、このことについて答弁をいただきたいと思います。
○根来公園計画担当部長 まず、事業者の公募に当たりましては、仕様書に相当する要求水準書に、これまで検討してまいりました新たな水族園像を実現するための条件等を明記いたします。その際、これまで飼育展示業務等を通じて培ったノウハウや水族園運営、官民連携、法務、建築、設備等に関する専門家からの助言も十分に反映いたします。
また、事業者を選定し、契約しました後は、設計、施工、建物管理等、事業の進行過程で要求水準を満たすように、水族館、博物館、環境教育、建築、設備、官民連携、経営等の専門家から助言も得て管理監督を行います。
これらによりまして、PFI事業の質の確保に努めてまいります。
○高倉委員 この質疑がそれぞれの委員の方々から行われる前に、陳情審査の説明ということがあって、その説明の中では既存施設のことについて言及があったわけであります。新施設整備の取り組みと並行して、利活用の可能性、その採算性等について検討していくと、並行してやっていくということであります。
この既存施設をどうするか。極めて重要な課題であるというふうに思っておりまして、ここは本当に、新施設をつくると同じ程度の力をやはり注いで、利活用を図っていただきたいと私は思っております。
この既存施設の利活用の検討ということでありますが、新施設の整備と並行して行っていくということであります。これから検討していくということでありますけれども、検討の結果、利活用できないと、こういうことがあってはならないと私は思っています。
ぜひとも、利活用を、きちっとした具体的な形で活用していく、こういう方向性を明らかにしながら、しっかりと行っていただきたいと思いますけれども、この既存施設を何らかの形で生かしていく方向で検討していくと、このことについてのご見解を確認しておきたいと思います。
○根来公園計画担当部長 既存施設につきましては、新施設整備の取り組みと並行して、利活用の可能性とその採算性等について検討いたします。その際、葛西臨海公園やラムサール条約登録湿地であるなぎさ等の周辺環境全体の魅力の向上という視点に立ち、既存施設を有効に活用する方向で検討を行います。
最終的に水族園の機能を移設した後、その状態を調査し、あり方を決定いたします。これらのことを事業計画に明記いたします。
○高倉委員 今申し上げましたけれども、利活用については、何か付随的についたというような問題ではなくて、私、この質問の冒頭で申し上げましたけれども、建物については極めてすばらしい、価値あるものであります。
そうした意味で、繰り返しになりますけれども、新施設をつくっていくと同じような気持ちで、この既存施設の利活用については、その検討に力を注いで、そして本当に十分に、広く都民の理解が得られるような、そういう形で行っていただきたいというふうに思います。そのことを申し上げて、質問を終わります。
○里吉委員 それでは、私からも葛西臨海水族園に関する三つの陳情について質疑を行います。
今回、この三件の陳情、中身を改めて読み、研究してきたわけですけれども、それぞれ中身は違いますが、今回の陳情が出された大もとに、都が葛西臨海水族園の新規建設を、建てかえを決めたときのやり方、決め方に対して、多くの関係者や都民の方々が納得していないということが挙げられるのではないかと思います。
その中で、改築についてや、現在の水族園建築として高く評価されてきた葛西臨海水族園の扱いについて、多くの見直しを求める声が出されてきたのだと思います。
そこでまず、前提問題として、葛西臨海水族園の更新、改築についての議論は、東京都の中でいつごろからされてきたのか伺いたいと思います。
○根来公園計画担当部長 施設の老朽化に伴いまして、平成二十一年度から検討を開始いたしました。
○里吉委員 平成二十一年、二〇〇九年度ごろから検討を開始したというご答弁でした。葛西臨海水族園のあり方検討会がスタートしたのは平成二十九年ですから、その八年前から既に検討はしてきたということです。
これは落札した、発注の資料から、どういった調査を東京都が葛西臨海水族園について行っていたのかというのを調べましたら、例えば平成二十四年には、葛西臨海水族園再整備基本構想策定だとか、二十五年には建物検査、二十六年には再整備基礎資料作成、二十七年には葛西臨海水族園改築基本計画と、毎年のようにさまざまな調査を行って、建設局としてはさまざまな検討を行ってきたのだということがよくわかりました。
問題は、どこでこの葛西臨海水族園の建てかえが決定したのかということです。都は、建設局は、あり方検討会報告書にて、建てかえにより新たな水族館を整備すべきとの提言を受けたという説明をしていますが、果たしてそうなのかと、私、大変疑問なんですね。葛西臨海水族園のあり方検討会の議事録を読むと、もう建てかえが前提になって話がされています。
そこで、改めて伺いますが、都として葛西臨海水族園の改築方針を出したのはいつか。方針とまではいかなくとも、少なくとも、あり方検討会を開く前に、都として、もしくは建設局としてこの方向性は出していたのではないかと思いますが、見解を伺います。
○根来公園計画担当部長 平成三十年十月に、葛西臨海水族園のあり方検討会報告書にて、建てかえにより新たな水族園を整備すべきとの提言を受けまして、東京都は、平成三十一年一月に、葛西臨海水族園の更新に向けた基本構想の中で、既存施設とは別に建築する建物に水族園機能を移すことを基本とした検討を進めていくことといたしました。
○里吉委員 あり方検討会報告書、正式に表に出たものとして、書類として改築の方向が示されたのはこれが初めてだと思うんですね。先ほど説明のときにもありましたけれども、大変熱心に専門家の方々が葛西臨海水族園の今後について、あり方について議論されています。五回の議事録を私も全部読ませていただきました。
でも、建てかえにしようという議論は見つけられないんですね。建てかえについてどのような議論があり方検討会であったというふうにお考えなんでしょうか。お示しいただきたいと思います。
○根来公園計画担当部長 あり方検討会では、葛西臨海水族園の歴史や実績などを踏まえつつ、社会環境の変化や、機械設備の老朽化等が進行する中、都立水族館としての持続的に発展するためのあり方について検討をしていただきました。
その結果、報告書では、将来を見据えた施設として再生するには、建てかえにより新たな水族園を整備するべきという提言をいただきました。
○里吉委員 建設局さんがそういうふうに説明するから、我々議員は本当にそういう議論がされたんだろうなと思っていたわけですよ。私も最初、こっちの事業計画検討会の方の議事録ばっかり一生懸命読んでいたんですけれども、改めてあり方検討会の議事録を第一回目から第五回目まで全部読みました。
そこに出てくるのは、四回目の会議の最後に、やっぱり立派な方だなと思うんですけれども、座長の方が、これ、四回目の最後の方ですよ、大きな問題、我々話しているとき前提として話していると思うのですけれども、建てかえが必要だとか、それはきっちり書いておくこともという発言をして、それを受けて別の委員が、なるほど、言葉が入っていないですねと答えて、そして、もう前提として話しているものですから入っていないんですけれどもと座長がいって、この四回目の最後の方で、きちんと改築、建てかえについて出さなきゃいけないなという確認がされたわけです。それ以外は建てかえ前提の雰囲気で進んでいくわけですよ。
それは、皆さん、最初に、一回目に報告、検討会が始まったときに現地調査へ行きますよね。そのときに老朽化の資料を見せて、大変なんだっていう話をされているので、もう改修は無理なのかなという感じになっているんじゃないかなというふうに思うんです。
ですから、そういうふうに皆さん頭では思っていたかもしれないけれども、具体的には建てかえが必要かどうかという議論はされなかったと思うんですけれども、いかがでしょうか。もう一度見解をお伺いします。
○根来公園計画担当部長 重ねてのお答えとなりますけれども、あり方検討会では、葛西臨海水族園の歴史や実績などを踏まえつつ、社会環境の変化、機械設備の老朽化等が進行する中、都立水族館として持続的に発展するためのあり方について検討をしていただきました。
その結果、報告書では、将来を見据えた施設として再生するには、建てかえにより新たな水族園を整備するべきというご提言をいただきました。
○里吉委員 あり方検討会の議論を読ませていただいて、それぞれの有識者の方は自分の立場から大変すばらしい議論をされていると思いました。それは本当に熱心に議論されていて、これからの葛西臨海水族園をどうしていくべきなのか、それぞれの専門家が話をしていましたけれども、実は、平成二十九年、二〇一七年三月に、葛西臨海水族園改築基本計画策定委託がされて、その報告書には、基本計画の作成ということで、外観、全体イメージ図が載っているんですけれども、既存施設はほぼ消えかかっているんですよね。あり方検討会にこれが出されたのが三月ですから、その後ですから、あり方検討会が始まったのは。
ですから、私は、中身についてはいっていないけれども、水族園を整備すべきという提言をあり方検討会から受ける前に方向性は決まっていたのではないかなと思うわけです。
それで、話を進めますけれども、本当に改築するのか、建てかえするのか、大規模改修するのか、それから、安田委員から出されたように、真ん中のマグロの水槽だけ外に出して、新築して、それからあとの中身を変えていく、アネックスとか、いろんなやり方、どういうふうに改修していくのかということを議論していこうと思えば、あり方検討会に当然、建築の専門家をメンバーに入れようという頭に皆さんなったと思うんですよ。でも、ここには建築の専門家が入っていないわけです。
そこで改めて伺いますけれども、あり方検討会のメンバーはどのような考えで選定したのでしょうか。建築家、建築関係者が入っていないのはなぜなのでしょうか。お答えください。
○根来公園計画担当部長 あり方検討会につきましては、都立水族園の機能や役割、展示、教育の方針等について検討するため、水族館、博物館、環境教育、ランドスケープ、広報、宣伝、観光に関する外部有識者につきまして、実績等を踏まえて選定をいたしました。
○里吉委員 いろいろな専門家を入れられているというのはわかりましたが、そのことを聞いたのではなくて、どうしてこの中に建築の専門家が入っていないのかということを聞きました。
もう一度聞きますよ。あり方検討会は、一番最初に設備の抜本的更新が必要ということで、ろ過タンクの交換が困難な場所を現地視察していますよね。また、バリアフリーへの対応ということで、階段を使用しないと観覧できないとか、エレベーターを視察しながら、館内のエレベーターは一基しかない、業務用と兼用だ、こういう課題も委員の皆さんに示しています。ここが課題なんだということを示しています。
しかし、ここにはそういったことの専門家がいませんから、だからどうするのか、改修はできるのか難しいのか、新しい建物を建てるのか建てないのかなどの検討は、やっぱりこのメンバーでは議論できないと思うんですね。議論しろという方が無理な話だと思いますし、仕切り方としても、建物について今回は議論しましょうなんていう仕切りは全くありませんでした。
それでも、専門家の方がいれば、意見をいったのではないかと思いますけれども、そういう中で、この問題は、私からいわせれば何となく建てかえの方向に行ってしまったというふうにしか見えません。
改めて、この検討会に建築の専門家が入らなかった理由、都の見解を伺います。
○根来公園計画担当部長 繰り返しとなりますけれども、都立水族園の機能や役割、展示、教育の方針等について検討するため、水族館、博物館、環境教育、ランドスケープ、広報、宣伝、観光に関する外部有識者につきまして、実績等を踏まえて選定をいたしました。
○里吉委員 私も当然素人ですから、皆さんの説明を聞いて、改修は難しいんだろうなと思いました。
改めて建築学会の方や、この建物を設計した設計者の方からお話を伺いました。最初、私は、ろ過タンクの交換は、建物を壊す必要があって難しいと聞いていましたから、大変なんだろうなと思っていましたけれども、実際には、外壁には開口部が用意されていて、PCパネルを外して水族館外部からろ過器を交換することは可能になっているという説明を聞きました。改めて先月もその場所を局の方と一緒に確認してきたと伺いました。
また、バックヤードが狭隘で作業場所が確保できないとの説明にも、確かに狭いけれども、工事ができないほどではないと現場では考えていると。配管や配線が過密に配置されているのは、それでも少しでもバックヤードを広く確保するための工夫であり、それを工事が難しい理由にするのはひどいではないかと、工事ができないわけではないというふうにおっしゃっていました。
実際に先月、担当者の方と実地で確認してきたと聞いていますが、この点についての見解を伺います。
○根来公園計画担当部長 外壁に取り外しを想定したコンクリートパネルは設置されております。しかし、コンクリートパネルは一部が地中に埋まっているため、周辺を掘削して樹木を伐採し、搬出路を新たに整備する必要がございます。
さらに、搬出口がございましても、ろ過タンクを交換するためには、バックヤードが狭隘で作業場所を確保できないこと、また、タンク周辺の配管や配線が過密であるため、段階的な交換は困難であることから、展示の休止、また、長期の休園が避けられません。
○里吉委員 工事ができないわけではないが、水槽の休止が必要だと、長期間の休園が必要になるような工事となるため、技術的には可能かもしれないけれども、運営を考えると、水族園を運営する立場からすると、その選択はできないと、判断できないとしたということだと思うんですね。だから改修はできないんだという判断になったんだと思うんです。
ここで建築の専門家の皆さんと建設局の皆さんの意見が食い違っているわけです。この結論をあり方検討会に求めたのかもしれませんけれども、そういう細かい説明はありませんし、ここには建築の専門家がいませんから、そんな議論はできないわけです。
さっきもいいましたように、あり方検討会の資料には、一回目からこの問題、ろ過タンクの問題だとか、バリアフリーの問題が示されています。二回目の資料には既に、抜本的更新の必要性というふうに結論づけています。
そうなると、これはもう、あり方検討会の資料の一回目からここが問題だっていうふうに示しているわけですから、どっかで皆さんは、あり方検討会に出す前に、結論とまではいわないまでも、これはもう、どう考えても大規模改修というのはなかなか困難だなということは出していたんじゃないですか。伺います。
○根来公園計画担当部長 今後の水族園のあり方を委員の皆様に活発にご議論いただくために、第一回のあり方検討会におきまして、設備等の抜本的更新、バリアフリーへの対応、また、東京の魅力の発信といった三つの主な課題をお示しし、その中で、ろ過タンクの交換についても資料等としてお示しをいたしました。
○里吉委員 うがった見方かもしれませんけど、もう、改修が必要だ、ろ過タンクの問題は大変難しいということを示されて、新しい方向性をみんなで議論しましょう、そこに建築の専門家はいないとなったら、では、新しい方向をつくるということなのかなと、口には出していないんです、皆さん。でも、そういう方向で議論が進んでいっちゃう。そんなことなんじゃないかなと思うんですね。
だから、こういう説明が一回目にも出てきて、みんなで視察にも行って、二回目の説明にも抜本的更新が必要だというふうに書かれていて、そして専門家がいないもとで議論する。これはどう考えてもおかしいと思うんですね。
だから、お答えになりませんでしたけれども、局内なのか、部の中なのか、どの段階なのかわからないですけれども、あり方検討会の資料をつくる段階では、もう、現水族園の建物、世界的にも、日本の国内でも高い評価を受けている建物だけれども、これを大規模改修するのは困難だという方向を出していたんじゃないかと思わざるを得ないわけです。
水族園の中身の議論は本当にさまざまされていました。観光の視点や教育の視点、また、ボランティアの参加の仕方についても議論されていました。いろいろな角度から、皆さん専門家ですから議論されていて、私も大変勉強になりました。
しかし、建物の議論はほぼなかったですね。建物の改築、建てかえをどうするのかという議論はなかったといっても過言ではないと思います。これが本当に、今回のこういう問題を生んだ大もとにあるんじゃないかと思うんですね。
話を進めますが、既存施設のバリアフリーについても、最初から問題だというふうに指摘されていますよね。館内のエレベーターが一基のみで、業務用と兼用とあって、バリアフリー対応を講じる必要があると述べられています。
しかし、このバリアフリー化については、既に十年以上前、平成十八年に、谷口建築設計研究所が都の委託を受けて、葛西臨海水族園バリアフリー対策基本設計を作成していました。
このときの設計では、エレベーターを三基増設する計画でしたが、現在一基しかついていません。工事が進んでいない、一基しかつかなかったのはなぜなのかお伺いします。
○根来公園計画担当部長 平成十八年度にバリアフリー対策のための設計を行い、その成果を踏まえまして、車椅子利用者やベビーカー利用者が観覧できるよう、出入り口の拡幅やスロープの設置など、改修に取り組んでまいりました。
これによりまして、現在は車椅子利用者やベビーカー利用者のために観覧通路を可能な限り確保してございます。
なお、エレベーター工事につきましては、工事が大規模になり、長期間の休園が見込まれることや、また、飼育している生き物に対して騒音や振動などの影響が考えられるためでございます。
○里吉委員 つまり、十年前にバリアフリー計画はあったけれども、出されてきた計画ではいろいろ課題があるということでできなかったということですよね。その後、そういう議論をしたのかどうかというふうに、改めて計画を出し直してもらうとか、検討したのかどうかということをお伺いしたんですけれども、ちょっと古いということもあって、議論もどうなったのかは、今の時点ではちょっとわからないということでした。
だから、何もやっていなかったわけじゃないけれども、今、こうやって問題だというふうに示したということは、当時できなかったわけだから、局の中では、部の中では、これはもう建てかえないとバリアフリー化できないという結論が出ていたのではないかなと推察するわけです。
そういうこともあって、こういう方向性がどこかで多分出されて、その思いが、表には出ていないけれどもどこかであって、あり方検討会の資料や、それから一回目の視察のルートだとか、そういうものに反映しているのではないかなと、これは、私の推察ですけれども、そう思わざるを得ないわけですね。
それで、既存施設の利活用ということが今問題になっていますけれども、この既存施設の利活用の可能性と、その採算性について検討を行うということなんですが、水族園機能を移設後、施設の状態を調査の上、そのあり方について決定していくといっていますが、全面改築して、既存施設を解体撤去した場合と、一部改築し、既存施設を大規模改修した場合など、さまざまコスト比較を今からするべきだと思うのですが、いかがでしょうか。見解を伺います。
○根来公園計画担当部長 既存施設の改修ではなく、新施設を整備することとした理由は主に三点ございます。
一点目は、既存建物を大規模に改修するためには、バックヤードが狭隘で作業場所を確保できないこと、また、配管や配線が過密であるため、段階的な改修は困難であることから、長期休園が避けられなくなること。二点目は、別の場所に新たな施設を建てることにより、仮設の施設をつくる費用がかからないこと。三点目は、移動が一度で済むため、約八万五千点の生き物への負担が少ないことでございます。
こうしたことを踏まえ、水族館、博物館や環境教育、広報、宣伝、観光など、九名の専門家による葛西臨海水族園のあり方検討会から、平成三十年十月、老朽化やバリアフリーへの対応の困難性など、将来を見据えた施設として再生するには、建てかえにより新たな水族園を整備するべきという提言をいただきました。
また、一部新築し、既存施設を大規模改修した場合につきましては、規模が拡大する上に建物も二つとなり、管理運営のコストの増加に加え、既に三十年以上経過した既存建物の長寿命化へのコストなどが見込まれます。
○里吉委員 コスト比較はしていないと、ただ、多分ふえるだろうというご答弁でしたよね。私は今から比較していただきたいと思うんですね。
専門家の方が心配しているのは、水族園というのはコンクリートをたくさん使っているので、解体撤去となったときには本当にお金がかかるということで、どういう形にするのかというのを今から本当に考えておかないと、逆にお金がかかり過ぎてしまうこともあるんじゃないかということも心配していました。
それから、本題というか、もとに戻りますけれども、今、三点にわたって、改修ではなく新規建設する理由についてご説明いただきましたが、繰り返しますけれども、こうした議論は、説明は、あり方検討会のどこでされているのでしょうか。どこかでこの三点について、こういう理由で建てかえしましょうということが議論されているのでしたら教えてください。
○根来公園計画担当部長 あり方検討会におきましては、施設の現状をお示しした上で、都立水族園として持続的に発展するためのあり方について検討をしていただきました。
その結果、報告書では、将来を見据えた施設として再生するには、建てかえにより新たな水族園を整備すべきとの提言をいただきました。
○里吉委員 もう答えられないので、この問題についての最後ですけれども、確認します。
私は、こういう議論を経て、こういうふうになるくらいだったら、やっぱり建築家を入れておけばよかったのではないかと思うんですけれども、もう一度同じようなことがあったときに、こういうときには一回目のあり方検討会から建築家、建築の専門家を入れるべきだ、今回のことは置いておいてと思いますけれども、今回のことを受けて、そういう考え方は建設局公園緑地課は持ちませんでしたか。お伺いします。
○根来公園計画担当部長 繰り返しにはなりますけれども、都立水族園の機能や役割、展示、教育の方針等について検討するために、水族館、博物館、環境教育、ランドスケープ、広報、宣伝、観光に関する外部有識者につきまして、実績等を踏まえて、あり方検討会の委員を選定いたしてございます。
○里吉委員 もうこれ以上議論しても同じ答弁だと思うので、いいませんけれども、私は、こういうやり方で、改築を決めたのは葛西臨海水族園のあり方検討会の報告書だというのはやめていただきたいと思います。彼らが決めたわけではありません。
皆さん本当に一生懸命議論していただいて、専門家の立場から、いい意見をたくさんいっていただいているんですよ。なのに、建物を残してほしい方たちからは悪者のように扱われてしまうわけですよ、ここで決めたんだというふうに皆さんおっしゃるから。決めたのはこのあり方検討会ではないと思いますよ。これは本当にやり直すべきだと思います。
それから、時間がないので次に行きますけれども、パブリックコメントについて伺います。
都は昨年、パブリックコメントを行いましたけれども、どのような意見が寄せられたのか、中間のまとめ、速報という形では私たちも一枚いただきましたけれども、十二月の末から一月末に行われたパブリックコメントであるにもかかわらず、まだ全容が出ておりません。ぜひこれは発表していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○根来公園計画担当部長 事業計画素案のパブリックコメントでは二百六十八通のご意見があり、ご意見の例として、水族園の新たな姿に関すること、今後の取り組みに関すること、事業手法に関することに加え、既存施設について、引き続き水族館としての活用や再生して利活用を望むことなどがあり、令和二年第一回定例会の環境・建設委員会でもご報告をいたしました。
今後、いただいたご意見も参考に事業計画を策定いたします。事業計画の公表とあわせてパブリックコメントの結果も公表いたします。
○里吉委員 パブリックコメント、計画等の策定に係る意見公募の手続に関する要綱というのが平成三十年に示されています。目的は、提出された意見及びこれに対する都の考え方を公表するための手続等を定めることにより、都民による都政への参加を進める、都における公正で透明な行政の一層の推進を図ることを目的にするというふうにあるわけです。
ここでは大体一カ月くらい募集しましょうとか、公表しましょうとかいろいろ決まっているわけですけれども、公表の時期についてはそれぞれに任されているというふうに伺いました。これはまとまったのが、出たのが三月ですから、もう既にそこから数カ月出ているわけですから、改めて出すべきだと思うんですね。これは要望しておきます。
問題は、パブリックコメントについて情報開示請求を、住民の方、建築家の方だと思いますけれども、三月八日に行いました。これが延期、延期となって、やっと出てきたのが五月七日。しかも、都民の意見は黒塗りです。その理由は、公にすることにより今後の該当業務の適切な遂行に支障を及ぼすおそれがあるためとあります。
都民の意見が政策決定の前に明らかになると、当該業務の適正な遂行に支障があるというふうに読めるんですけれども、既にパブコメ集計速報で二百六十八通、これまで出しているわけですから、情報開示請求にはきちんと応えるべきだと思うんですけれども、見解があればお伺いしたいと思います。いかがでしょうか。
○根来公園計画担当部長 情報公開請求に対しましては適切に対応してございます。
○里吉委員 いろいろなもの、大事なことについては都民と一緒に決めていく、都民の大事な財産ですから、都民の税金を使うわけですから、都民としっかりと決めるためにも、情報公開は本当に進めていくべきだと思います。
非公開にする必要は全くないと思いますから、ぜひこういう考え方は改めていただきたいというふうに思います。ちょっとこれはいろんな局によって考え方が違うようですけれども。
最後になりますけれども、最初の会議に入れてもらえなかった建築の専門家の皆さんが、後からいろいろ一生懸命意見をいっても、もう決定したということで、なかなか正式な場で意見がいえないということで、本当にじくじたる思いでいらっしゃると思うんです。
私、改めていろいろ聞いてきましたけれども、設計した方は、この場所は著しい軟弱地盤とメタンガスの発生する埋立地を立地とする葛西臨海水族園、ここは特殊な工法で克服するため、地震による液状化や台風による強風にも十分耐える頑強な建築として設計、施工したと。
また、ここは葛西臨海公園の中の自然環境と展示が一体となった施設として計画されたけれども、開園後三十年の月日を経て樹木が大きく成長し、今や水族園は葛西臨海公園の総体的な環境の一部になっているといえると、大変いい公園に成長したと、その中でこの水族園があることの意味も大きいというふうにいっています。
地球環境、脱炭素社会を目指している東京都は、世界の都市のリーダーとして規範を示すべきだと考えている、荒川、江戸川水系を背景にした東京湾に面する貴重な自然公園である葛西臨海公園をつくり上げた成功例として世界へ発信できると考えていると、スクラップ・アンド・ビルドには強く反対するというふうに述べています。私も全く同じ意見です。
あり方検討会、そして次の事業計画検討会に参加された有識者の皆さんは本当に熱心に議論を重ねていただいたと思います。どちらの議事録も改めて私、読ませていただいて、大変勉強になりましたし、都立の水族園として未来に誇れる葛西臨海水族園をつくろうという、本当に強い思いを感じました。それは皆さんも一緒だと思います。
だからこそ、見直しを求める多くの都民の皆さんの声もきちんと聞いて、その声も反映させて、建築の専門家の皆さんも含めて議論をしっかり行うべきだと考えます。
よって、この陳情の採択を求め、私の質問を終わります。
○細谷委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
初めに、陳情二第一五号を採決いたします。
本件は、起立により採決いたします。
本件は、採択とすることに賛成の方はご起立願います。
〔賛成者起立〕
○細谷委員長 起立少数と認めます。よって、陳情二第一五号は不採択と決定いたしました。
次に、陳情二第一六号を採決いたします。
本件は、起立により採決いたします。
本件は、採択とすることに賛成の方はご起立願います。
〔賛成者起立〕
○細谷委員長 起立少数と認めます。よって、陳情二第一六号は不採択と決定いたしました。
次に、陳情二第二三号をお諮りいたします。
本件は、趣旨採択とすることにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○細谷委員長 異議なしと認めます。よって、陳情二第二三号は趣旨採択と決定いたしました。
○細谷委員長 次に、陳情二第四九号の二を議題といたします。
理事者の説明を求めます。
○植村公園緑地部長 お手元配布の資料2、陳情審査説明表の六ページ目にございます整理番号4、陳情二第四九の二をごらんいただきたいと存じます。
本件は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による都立公園の開放に関する陳情で、大田区の子どもの育ちを守る会mitsuami、園田望さんから提出されたものでございます。
本陳情の要旨は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、学校が長期間休校となったことで、多くの子供たちが育つ権利を奪われていることから、屋外施設で感染リスクの低い都立公園は、感染予防策をとることを前提に、速やかに開放すべきというものでございます。
現在の状況でございますが、都立公園では、都の方針に基づき、新型コロナウイルス感染症の拡大防止対策といたしまして、令和二年二月二十九日より、有料施設であります庭園と動物園などの一部を臨時休園といたしました。また、三月二十八日より、都立公園内の運動施設などの使用を中止いたしました。
一方、マスクの着用や混雑回避などの感染予防対策に十分ご注意いただくことを呼びかけながら、散歩やジョギングなど日常的なご利用につきましては、引き続き都立公園を開放していたところでございます。
その後、都の緊急事態措置の解除に基づきまして、予約制による入場者数の制限やソーシャルディスタンスの徹底など、きめ細やかな感染拡大防止対策を講じながら、五月二十六日より、段階的に運動施設などの使用を再開いたしました。
今後とも、感染拡大の状況に応じながら、適切に対応してまいります。
説明は以上でございます。よろしくご審査のほどお願い申し上げます。
○細谷委員長 説明は終わりました。
本件について発言を願います。
○桐山委員 それでは、陳情二第四九号の二、都立学校再開後の具体的対応策の公開及びICT環境の整備等に関する陳情、環境・建設委員会付託部分について質疑をさせていただきます。
本陳情は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響によりまして、学校が長期間に及び休校となったことで、多くの子供たちが育つ権利を奪われ、生きる権利や守られる権利も保障されず、外部との接触を断たれることにより、参加する権利も失っている状態であり、このような危機的状況から脱却する必要があるとの立場から出された陳情だと思います。
陳情の受理日を見ますと、五月二十六日でありまして、緊急事態措置解除の翌日ではありますけれども、子供のため、早急な学校や図書館の再開を求めるもの、あわせて、この委員会におきましては、屋外施設であります都立公園も、感染予防策をとることを前提としつつ、速やかに開放すべきであるとの陳情の趣旨であることを理解させていただきながら、ただいま説明がありましたけれども、都立公園におけます対策について、少し詳細に、時系列的に質問をさせていただきます。
まず最初に、都立公園におきましては、緊急事態宣言が出される前、特に桜の見ごろの時期等もありましたけれども、新型コロナウイルス感染症の拡大状況に応じまして、公園の利用を制限したと思いますが、具体的にどのような制限を行ってきたのかお伺いをいたします。
○植村公園緑地部長 都の対策本部会議の方針に基づきまして、二月二十一日から、都立公園におけるイベント利用について全面的に自粛するようお願いいたしました。また、屋内施設である葛西臨海水族園と旧岩崎邸庭園、混雑緩和が困難な恩賜上野動物園につきましては、二月二十八日から臨時休園といたしました。
さらに、三月二十八日から、深刻な感染拡大状況を踏まえまして、全ての庭園、動物園、植物園を臨時休園するとともに、都立公園内の運動施設やバーベキュー広場、ドッグランなどの施設も利用を中止いたしました。
○桐山委員 ありがとうございます。
さまざまな対策をとられていることがわかったんですけれども、特に上野恩賜公園など、お花見の中で混雑をするということが予測をされていて、これも大変楽しみにされていた方々、あるいは地域の方々にとっては非常に残念でありまして、それは仕方がなかったことだと思いますけれども、しっかりと配慮していただいたことはよかったかなと思います。
また、水族園や動物園など、屋内の施設といいますのも、特に臨時休園もされていて、対策をとったということは、今、答弁の中でわかりました。
次に、都の緊急事態措置を受けまして、都立公園はどのような対応を行ってきたのかお伺いいたします。
○植村公園緑地部長 都は、四月八日の緊急事態措置により、不要不急の外出を自粛するよう都民の皆様にお願いしたところであり、都立公園の利用についても自粛するようお願いいたしました。
ただし、日常的な散歩やジョギング、遊具利用などはできるように、都立公園は引き続き開放しておりました。
○桐山委員 国や東京都におきましても、この緊急事態宣言中も、文科省や厚労省からも、三密を避けて、ソーシャルディスタンスはしっかりとった中で、屋外では散歩やジョギングや、外遊びや運動など、制限はなかったかと思います。
そんな中で、都立公園での運動施設は、その前の答弁の中でも、施設利用は中止をされていたり、また、ただいまの答弁の中では、公園、広場など、遊具の開放などはさほど制限はされてこなかったと思います。
例えば子供たちを見てみますと、国が示しました二月二十八日以降の学校の一斉休校後というのは、子供たちが外に出て遊ぶことや校庭開放など制限はしていなかったので、行き場のない子供たちが公園に集まっていくというのは自然なことだったんじゃないかなというふうにも思っています。
また一方で、今もご答弁があったように、大人を見ますと、やはり厚労省や文科省も特に外に出て運動することは制限ないよといっていたので、特に駒沢公園内とかはウオーキングやジョギングをされる大人の方がわざわざ車を利用して公園に来られている傾向というのが結構テレビでも報道されて、非常に懸念材料、密集するということでの懸念と課題も出ていたというふうに感じておりました。
それで、次の質問に入りますが、それとあわせて、今申し上げた子供たちが遊べる遊具の利用というのが、ゴールデンウイーク直前から閉鎖をされたと思いますけれども、そのあたりの理由についてお伺いしたいと思います。
○植村公園緑地部長 感染拡大が終息せず、ゴールデンウイーク期間がステイホーム週間と位置づけられたことから、四月二十五日からは広域的な移動を抑制するため、駐車場を閉鎖するとともに、利用者が密集しやすい遊具広場も閉鎖といたしました。
○桐山委員 ゴールデンウイーク期間中ということで、そのような対応をとられた。広域的な移動を自粛する週間ということでの対応ということで、ただいま答弁いただきました。
ゴールデンウイーク以前、四月二十二日、政府の専門家会議で、公園利用者がふえているとして、人が多く集まる時間の利用を避けるよう求められたり、そのことを契機に、かなり多くの自治体が滑り台など遊具の利用を禁止する事態というふうにもなっていたかと思います。
しかし、専門家の意見によれば、遊具は人が密になりやすく、不特定多数の人がさわるという点でのリスクはあるけれども、子供同士の感染リスクは非常に低いということを指摘されたり、日本小児科学会でも、感染症対策は重要だけれども、可能な範囲で通常の日常生活を続けることも、子供の成長や発達に不可欠ということも指摘をされていたわけでございます。
人と接触を避けながら、ルールを守った上で外遊びというものは可能だという見解も出されている中で、ステイホーム期間中とはいえ、私は運動やら身体活動を、その時期だからこそふやすべきだという私自身の意見も持っておりますけれども、公園に私が行きますと、運動遊具がテープでぐるぐる巻きにされて使用禁止にされていたということを目の当たりにしますと、こういう学会とか専門家の方々の指摘も受けつつ、非常に複雑な気持ちの中で見ていたわけでございます。
確かに局においても、当時はまだウイルスの状況も、どういう対策をとったらいいのかというのもわからない状況の中の手探りだったとは思いますけれども、一方で、区市町村の公園におきましては、遊具はそんなぐるぐる巻きにしたりとか、制限をかけていないということもあったかと思います。
そうすると、都民、いわゆる区民ですよね、市民もそうですけれども、自分のところの近くの公園は遊具が使えるんだけど、都立公園をそんな区別--これが都立公園で、これが区立の公園で、どっちがどうだとか余りわからない方々の方が多いと思うんですよ。
分けて遊んでいる方はそんなにいないとは思うんですけれども、やはり地元に帰りますとそういったご意見が実は結構あったんですね。地元で使えるけれども、ここは何で使えないのとか、その理由をどうやって説明したらいいのかみたいなところもあったんで、こういったところも手探りだったとは思いますけれども、しっかりと情報共有だったりとか、あるいは、こういった受け皿となっているということを理解した中で開放してほしかったなということを、意見として申し上げておきます。
それから次ですけれども、ゴールデンウイーク期間後も遊具広場は利用できなかったようですけれども、いつから利用再開となったかお伺いいたします。
○植村公園緑地部長 五月二十六日の都の緊急事態措置解除の後、遊具につきましては速やかに利用を再開いたしました。
○桐山委員 ただいまの答弁では速やかに再開をされたということです。
しかしながら、見てみますと、開放といっても、遊具については段階的に開放されてきたんじゃないかなというふうに思います。これは結構都立公園の中においても公園でまちまちで、この公園は開放したけど、この公園はまだぐるぐる巻きだよみたいなところも実際のところあったと思います。特に遊具広場の中でも、大型遊具といわれている、大きな滑り台があったりとか、そういったところは再開がおくれていた。
あるいは、公園を管理している指定管理者がちょっと待ってほしいと、密になってちょっと対応に困るから、管理で困るからという声もあって、再開にばらつきがあったんじゃないかなということも現場から聞いていたので、とはいっても、やはり屋外なので、緊急事態宣言解除後、特に都立公園においては、建設局で抱えている場所においては、コロナの対策とか対応は、都立公園のことというのはもっと事前に現場とも調整をしていただいて、やっぱり速やかに開放してもよかったんじゃないかなというふうに、何度も申し上げてあれですけれども、ぜひお願いをしたいなというふうに思った次第でございます。
特に、私、地元が都立東伏見公園で、一部開園をしているんですけれども、やっぱり一方では、児童遊具、ちっちゃい遊具があるんだけど、そのちっちゃい遊具もまだテープが巻いている状況だったり、大型遊具はわかっても、ちっちゃい遊具がまだぐるぐる巻きになっていたりとか、あるいは、健康遊具といわれている、高齢者が使われるような健康遊具もまだ再開されていなかったということもあって、やっぱり地元からも相当なご意見が上がっていたことを申し添えておきます。
次です。遊具の利用再開に当たっては、どのような感染予防対策を講じたのかお伺いしておきます。
○植村公園緑地部長 遊具を利用する際のルールとしまして、マスクの着用や小まめな手洗い、消毒、混雑を避けることなどを定め、利用者に呼びかけをいたしました。
その際、二メートルの間隔を示すサインを設置したり、イラストを活用しました視覚的な掲示を行うなど、子供にもわかりやすいように工夫をいたしました。
○桐山委員 今もだと思うんですけれども、遊具を利用する際のルールをしっかりと定めて、いわゆる、ちゃんと距離をとりましょうとか、さわったら手を小まめに洗いましょうとか、そういうのが子供にもしっかりとわかりやすいサインですとか、そういったイラストを通して、できるだけこう視覚的に、ちっちゃい看板じゃなくて、大きいものをつくっていただいてもいいのかなというふうに思います。
こういったものも、そもそもできたんじゃないかなということもあるので、後でも申し上げますけれども、今、まだまだコロナの感染拡大の防止対策をとりつつの外遊びということも、公園利用ということもありますので、誰もがわかりやすい感染予防対策ということでのルールを守ってくださいということをしっかりと取り組んで、掲示をしていただきたいというふうに、指定管理者の方々ともしっかり連携をとりながら、お願いしておきたいというふうに思います。
それから、次ですけれども、子供たちの安全な居場所の一つとして、学校と並んで非常に重要であり、かつ屋外である公園が果たすべき役割とは何かについてお伺いしておきたいと思います。
○植村公園緑地部長 都立公園は、日常的な散歩を初め、さまざまな運動やレクリエーションを楽しめる公共の場であり、健康的な生活を送る上で重要な役割を担っております。
○桐山委員 ありがとうございます。健康的な役割として非常に重要な役割も果たしているということです。
今回、東京都の中で、未来の東京を見据えた都政の新たな展開についてというものを出された中で、学校の休業、保育所等の登園自粛や外出自粛等によって、子供たちの生活環境に大きな影響が及んだというページを読ませていただきますと、結構、その次のページのアンケート調査の中で、外で遊べないということ、学校が休業になっているので、なかなか友達と会えないとか、体を動かして遊べないとか、そういったところのパーセンテージもかなり上がっているわけでございます。
そういった中で、あくまでもこのページの中では教育の視点で、教育や保育所とかの自粛によって起こり得る内容ということで、わかったことを書かれているんですけれども、先ほど申し上げた、やっぱり子供たちの安全な居場所の一つというもので、学校が休校になっていた事態は今まで多分なかったから、もしかしたら想像も想定もとれなかったのかもしれません。
今後まだまだ、もしかすると閉鎖しなきゃいけない時期が来るのかもしれないということもある中で、ぜひ公園のあり方として、やっぱり子供たちにとっては体を動かす場所というのが年々すごく少なくなってきている状況の中で、都立公園が地域の中でより活用してもらえるような、子供たちが安全にルールを守って遊べるような空間になれるようなことを、この中に記述はありませんけれども、そういった広い視点で、ぜひ公園の果たす役割というものをしっかりと取り組んでいっていただきたいというふうに思います。
最後に、ウイズコロナを踏まえた上で、今後の都立公園の利用について、都の見解を伺っておきます。
○植村公園緑地部長 今後とも、感染拡大の状況に応じまして、必要な感染予防対策をしっかりと講じながら、子供から高齢者まで、誰もが都立公園を安心して利用できるように、適切に対応してまいります。
○桐山委員 ありがとうございました。
先ほどから何度も申し上げていますけれども、子供だけに限ったわけじゃございませんけれども、子供たちが遊べる環境整備という今回の陳情の中では、やはり趣旨に賛同するものです。
既に対策も終わって、通常どおりに開放ということで、今そのルールを守って開放したりとか、いろいろ広報しながら、お願いベースで利用していただいていると思いますけれども、やはり公園としては、防災機能だったり、あるいはスポーツ、運動施設と併設をしていたり、あるいは、先ほども出ていた、答弁の中でもあった、誰もが憩える場として、やっぱり魅力ある公園ということで、どんどん改革が今、公園の中でも進んでいるかと思います。
そういった中で、公園というものが閉鎖的にならずに、できるだけ開放していって、より使っていただけるような、また、安全に、そして利用者にしっかりとルールを守っていただきながら使っていただけるような、今後ともウイズコロナを踏まえた中でしっかりと対策をとっていただいて、ちょっと厳しいことも申し上げているかもしれませんけれども、ぜひ、縦割りといわれている中ですけれども、しっかりと横軸を通していただく中で、子供たち、あるいはお年寄り、障害者の方、誰もがそういった公園活用ができるような視点で臨んでいただきますようにお願い申し上げまして、私の質問を終わります。
○高倉委員 今回のこの陳情の質問をさせていただきます。
陳情者の方が特に子供さんのことをお考えになって、そして自粛ですとか、外出がなかなかできない、また、学校の休校、そういう事態の中で、子供さんにとっての影響が非常に大きい、こうしたことも踏まえながら、今回この陳情が出されているんではないかなと思います。
都立公園においてさまざまな対策をとってきていると思いますけれども、今回、新型コロナウイルスの感染というのが広がって、特に第一波といわれるような時期もあったわけでありますけれども、そのときにどういう対策を本来とるべきなのかというようなことは、なかなかこれは難しいお話であったというふうに思います。
その段階で、例えばですが、優先されるべきはやはり安全とか、あるいは安心といってもいいかもわかりませんけれども、そういったところが優先をされながら、やはり手探りで対策がとられてきたんではないかなというふうに思います。
そうした中で、感染が引き続き継続をしているといいますか、続いているわけでありまして、半年をはるかに上回って、長い期間にわたってこの状況が続いている。そういう中で、本来といいますか、具体的にどういう対策をとるべきなのか、どういう対策が効果的であるのか、こういったことも恐らくいろいろとわかってきたんではないかなというふうに思うんですね。
したがって、この長い期間の中で、先ほど申し上げましたけれども、最初感染が大きく広がってきたときには、これは本当に健康や命を第一に考えて、なかなか手探りの状況ではあったと思いますけれども、とるべき対策を考えてきた。
そういう中でいろんなことをやってきて、効果があるとか、あるいはよくわからないとかという、いろいろあったかもしれませんが、時間の経過とともに、具体的にどういう対策が効果的なものであるのか、こういったこともだんだんわかってきたんではないかなと思います。
したがって、幾つかこれからお聞きをしていきますけれども、今後の都立公園の都民の利用ということについては、まさにそういう、本当に現実の上で対策をとって、その効果を具体的に認識してきた中で、今後どういう対策をこうした感染症の拡大のときにとっていくべきなのか、こういったこともわかってきていると思いますので、それを十分生かしながら今後はやっていかなきゃならないというふうに思うんですね。
子供さんについては、当然学校が休校になったりして、伸び伸びと生活することができない。子供さんの体にも心にも大きな影響がやはりあったんではないかなと思います。
そうした中で、やはり東京の中では、都立公園の果たす役割というのは非常に大きいのではないかなというふうに思っておりまして、ぜひそこのところを考えながら、まだまだ新型コロナの感染は続いていくということも想定をされますので、対応をよろしくお願いしたいと思います。
まず、感染拡大を防止するために、これまで都立公園においてさまざまな対策をとられたと。先ほどの質疑でもいろいろありましたけれども、どういった考えに基づいてそれが行われたのか、このことについて答弁をいただきたいと思います。
○植村公園緑地部長 都立公園は本来、多くの都民が散策や運動、レクリエーションなど、自由に利用できるように、常に開放しております。
本年二月の新型コロナウイルス感染症の発生初期段階におきましては、人との接触の機会を減らすということが要請されましたため、都の方針に基づき、都立公園におけるイベントの開催や花見での宴会利用などを自粛していただくことといたしました。
感染拡大が進む中、感染リスクを高める密閉、密集、密接な環境を避けるため、屋内施設である葛西臨海水族園や混雑緩和が難しい恩賜上野動物園などを臨時的に休園といたしました。
さらに、緊急事態措置の直前におきましては、感染拡大が重大な局面を迎えたとの認識から、三月二十八日より全ての庭園、動物園、植物園を臨時休園するとともに、都立公園内の運動施設やバーベキュー広場、ドッグランなどの施設利用も中止といたしました。
○高倉委員 さまざまな対策がとられてきたという答弁であったと思います。対策は対策として、この間、特に都の緊急事態措置後における都立公園の具体的な利用状況はどういうことであったのか、このことをご答弁いただきたいと思います。
○植村公園緑地部長 緊急事態措置期間におきましては、不要不急の外出を控えていただくため、都立公園の利用についても自粛するよう、看板などを掲示してお願いいたしました。
一方で、日常的な散歩やジョギング、広場での軽い運動などで公園を利用する方は多く見られまして、その際、マスク着用や混雑回避などの感染予防対策に十分注意するよう呼びかけを行いました。
○高倉委員 利用自粛のお願いをしていたというお話もありました。改めて確認をしますけれども、この間、都立公園において利用できないように閉鎖をしていたのかどうかについて、ちょっと確認をさせていただきたいと思います。
○植村公園緑地部長 動物園や庭園などの有料施設を臨時的に休園といたしましたが、都立公園は開放しておりまして、緊急事態措置期間におきましても、多くの都民の方に利用していただいておりました。
○高倉委員 施設利用のお話がありましたけれども、都立公園の施設利用を再開するに当たって、感染拡大防止のためにどういう取り組みを行っているかについてお答えいただきたいと思います。
○植村公園緑地部長 これからの都立公園におきましては、利用に応じて感染を防止する取り組みが必要でございます。そのため、新しい公園利用のルールを定め、マスクの着用や手洗い、消毒とともに、ほかの人との距離をとることや少人数の利用などを公園利用者の方に呼びかけております。
さらに、恩賜上野動物園や葛西臨海水族園を再開する際は、予約システムを導入しまして、利用者数を制限しております。
また、運動施設の更衣室利用は、混雑しないように工夫をしまして、バーベキュー広場は使用規模を半数にするなど、施設ごとにきめ細やかな感染防止対策を講じております。
○高倉委員 質問の最初に申し上げましたけれども、とにかく都民の健康や命を考えて、こういうことをすべきなのではないかというようなことをいろいろやってこられたというふうに思うんですね。
そういう中で、本来とるべき対策というのはどういうものであったのかというようなこともだんだんわかってきていると思います。そういう意味では、これまでの経過の中で施設の利用制限等々はあったと思うんですけれども、やはり十分に対策を検討していけば、例えば、こういう対策を講じれば施設を休止しないで済むとか、施設を閉鎖しないで済むとか、こういうやり方をとればそれは使うことができるんだとか、そういうことも明らかになってきているんではないかというふうに思います。
したがって、今後の感染が継続する中においても、感染が始まった当初のころといいますか、非常事態宣言等々が発せられたそのころと同じような対策をまたとるということではなくて、もう少し経過や経験を踏まえて、そして本当にとるべき対策をしっかりとる。
その一方で、やはり子供さんを初めとして、いろんな自粛がある中で、体も心も非常に影響を受けている子供さんたち、もちろんそれは子供さんに限らないと思いますけれども、都民が貴重な都立公園の資源を生かせるように、そういう対策を十分とっていく。単純にこうしますと割り切るんではなくて、十分に利用者のことも考えて対応していくということが必要なんではないかなと私は思います。
最後に、これからのウイズコロナということを踏まえた公園の利用のあり方について、都の見解をお伺いしたいと思います。
○植村公園緑地部長 都立公園は、日常的な散歩を初め、さまざまな運動やレクリエーションが楽しめる公共の場として多くの都民に利用されており、健康的な生活を送る上で重要な役割を担っております。
今後とも、感染拡大の状況に応じて必要な感染防止対策を講じながら、子供から高齢者まで、都民が都立公園を安心して利用できるよう、適切に対応してまいります。
○高倉委員 先ほど質疑の中でも、都立公園については、実際に、感染が拡大している中においても引き続き開放していたというお話がありました。
その一方で、やはり施設については制限があった。先ほど桐山委員さんの質疑の中でも、特に子供さんとの関係の深い遊具についてのお話があったわけであります。
そういう中で、今回、陳情では都立公園を開放することということになっておりますが、恐らく、もしかすると、陳情の方は、もちろん子供さんのことに関する陳情なわけですから、開放していってほしい、できれば、やはり対策もとりながら、こういう遊具も引き続き使えるようにしてほしい、こういう思いもあったのかもしれません。
そういうことも踏まえて、都はしっかりと開放してきたということでありましたけれども、今後、しっかりとり得る対策をとりながら、利用者に十分配慮した形をとっていただきたいという考えのもと、この陳情については、趣旨採択すべきであるということを主張いたしまして、終了したいと思います。ありがとうございました。
○細谷委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件は、趣旨採択とすることにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○細谷委員長 異議なしと認めます。よって、陳情二第四九号の二は趣旨採択と決定いたしました。
以上で陳情の審査を終わります。
以上で建設局関係を終わります。
なお、本日審査いたしました陳情中、採択と決定いたしました分につきましては、執行機関に送付し、その処理の経過及び結果について報告を請求することにいたしますので、ご了承願います。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後三時十五分散会
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