環境・建設委員会速記録第六号

令和二年五月二十二日(金曜日)
第九委員会室
午後一時開議
出席委員 十三名
委員長細谷しょうこ君
副委員長米川大二郎君
副委員長里吉 ゆみ君
理事舟坂ちかお君
理事小磯 善彦君
理事滝田やすひこ君
藤井とものり君
保坂まさひろ君
原田あきら君
神林  茂君
もり  愛君
桐山ひとみ君
高倉 良生君

欠席委員 なし

出席説明員
環境局局長吉村 憲彦君
次長笹沼 正一君
総務部長松永 竜太君
環境政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務上田 貴之君
地球環境エネルギー部長小川 謙司君
環境改善部長筧   直君
環境改善技術担当部長志村 公久君
自然環境部長近藤  豊君
資源循環推進部長宮澤 浩司君
調整担当部長風祭 英人君
資源循環計画担当部長宗野 喜志君
建設局局長三浦  隆君
次長今村 保雄君
道路監奥山 宏二君
総務部長杉崎智恵子君
用地部長山本  明君
道路管理部長前田  豊君
道路建設部長花井 徹夫君
三環状道路整備推進部長大庭 孝之君
公園緑地部長植村 敦子君
河川部長小林 一浩君
企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務村上 清徳君
総合調整担当部長澤井 晴美君
道路保全担当部長無電柱化推進担当部長兼務齊藤 俊之君
道路計画担当部長原島 孝至君
公園計画担当部長根来 千秋君

本日の会議に付した事件
議席について
環境局関係
第二回定例会提出予定案件について(説明)
・令和二年度東京都一般会計補正予算(第六号)中、歳出 環境局所管分
・都民の健康と安全を確保する環境に関する条例の一部を改正する条例
報告事項
・令和元年度予算の繰越しについて(説明・質疑)
・化学物質適正管理指針の改定の方向性について(説明)
建設局関係
第二回定例会提出予定案件について(説明)
・令和二年度東京都一般会計補正予算(第六号)中、歳出、債務負担行為 建設局所管分
・境川木曽東調節池工事その二請負契約
・石神井川放射第三十六号線橋梁(仮称)(二)下部建設工事請負契約
・首都高速道路株式会社が行う高速道路事業の変更に対する同意について
・東京都が管理する道路を神奈川県川崎市の区域に設置することに関する協議について
報告事項(説明・質疑)
・令和元年度予算の繰越しについて
陳情の審査
(1)二第七号の二 環状第四号線の建設に関する陳情
(2)二第一五号 葛西臨海水族園の水族園機能を保持した上での保存及び活用に関する陳情
(3)二第一六号 葛西臨海水族園の計画に係る検討会のやり直し等に関する陳情
(4)二第二三号 葛西臨海水族園の更新に向けた事業計画に関する陳情
(5)二第三四号 JR埼京線十条駅付近の連続立体交差事業及び都市計画道路補助第八五号線に関する陳情
(6)二第三七号 西武新宿線連続立体交差事業の環境影響評価書に検討過程を反映させることに関する陳情

○細谷委員長 ただいまから環境・建設委員会を開会いたします。
 初めに、議席についてお諮りいたします。
 本日及び令和二年第二回東京都議会定例会における議席につきましては、ただいまご着席のとおりといたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○細谷委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○細谷委員長 次に、本委員会の担当書記に交代がありましたので、紹介いたします。
 議案法制課担当書記の佐々木香菜子さんです。
 よろしくお願いいたします。
   〔書記挨拶〕

○細谷委員長 次に、会期中の委員会日程について申し上げます。
 お手元配布の日程のとおり、理事会において申し合わせましたので、ご了解願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、環境局及び建設局関係の第二回定例会に提出を予定されております案件の説明聴取及び報告事項の聴取並びに建設局関係の陳情の審査を行います。
 なお、本日は、予算の繰り越しに関する報告事項につきましては、説明聴取の後、質疑をそれぞれ終了まで行い、提出予定案件及びその他の報告事項につきましては、説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は会期中の委員会で行いますので、ご了承願います。
 これより環境局関係に入ります。
 初めに、先般の人事異動により幹部職員に交代がありましたので、環境局長から紹介があります。

○吉村環境局長 去る四月一日付での人事異動により、新たに説明員となりました幹部職員をご紹介させていただきます。
 次長の笹沼正一でございます。総務部長の松永竜太でございます。環境政策担当部長でオリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務の上田貴之でございます。資源循環計画担当部長の宗野喜志でございます。また、当委員会との連絡を担当いたします担当部長で総務部総務課長事務取扱の阿部泰之でございます。
 どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者挨拶〕

○細谷委員長 紹介は終わりました。

○細谷委員長 次に、第二回定例会に提出を予定されております案件について理事者の説明を求めます。

○吉村環境局長 令和二年第二回定例会に提出を予定しております環境局関係の案件につきまして、概要をご説明申し上げます。
 お手元の資料1、令和二年第二回都議会定例会提出予定案件の概要をごらんください。
 今回提出を予定しております案件は、予算案一件及び条例案一件でございます。
 表紙をめくって一ページをお開き願います。まず第1、予算案の概要につきましてご説明申し上げます。
 令和二年度一般会計補正予算計上額(環境局所管分)についてでございます。
 歳出予算補正でございますが、廃棄物対策費について二億二千六百八十九万三千円の計上を行うものでございます。
 続きまして、第2、条例案の概要につきましてご説明申し上げます。
 都民の健康と安全を確保する環境に関する条例の一部を改正する条例についてでございます。食品衛生法等の一部を改正する法律の一部の施行に伴う関係政令の整備及び経過措置に関する政令の施行による食品衛生法施行令の改正等に伴い、音響機器等の使用制限等に係る規定を改めるほか、規定を整備するものでございます。
 以上、今定例会に提出を予定しております案件の概要につきましてご説明申し上げました。
 詳細につきましては、引き続き総務部長からご説明申し上げます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○松永総務部長 それでは、令和二年第二回定例会提出予定案件の詳細につきましてご説明申し上げます。
 初めに、お手元の資料2をごらんください。令和二年度一般会計補正予算説明書でございます。
 表紙をめくって一ページをお開き願います。1、歳出予算総括表(環境費)でございます。
 歳出予算を補正する款は環境費でございまして、合計で二億二千六百八十九万三千円を計上するものでございます。
 二ページ目をお開きください。次に、歳出予算の補正の内訳についてご説明申し上げます。項は廃棄物費、目は廃棄物対策費でございます。
 内容につきましては、右側の説明欄にございますとおり、廃棄物処理事業者に対する新型コロナウイルス感染症緊急対策に係る事業費といたしまして、二億二千六百八十九万三千円を計上するものでございます。
 続きまして、資料3をごらんください。都民の健康と安全を確保する環境に関する条例の一部を改正する条例についてでございます。
 表紙をめくって一ページをお開き願います。一、改正理由でございますが、食品衛生法等の一部を改正する法律の一部の施行に伴う関係政令の整備及び経過措置に関する政令の施行による食品衛生法施行令の改正等に伴いまして、音響機器等の使用制限等に係る規定を改めるほか、規定を整備する必要があるためでございます。
 二、改正の内容でございますが、改正政令の施行に伴い、営業許可業種の喫茶店営業が飲食店営業に統合されるため、音響機器等の使用制限等に係る規定の規制の対象から喫茶店営業に関する記述を削除するほか、規定を整備するものでございます。
 三、条例の施行日でございますが、令和三年六月一日としております。
 二ページから四ページにかけましては本条例、五ページから六ページは新旧対照表でございます。
 以上で説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○細谷委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○細谷委員長 資料要求はなしと確認させていただきます。

○細谷委員長 次に、理事者から報告の申し出があります。これを聴取いたします。
 初めに、令和元年度予算の繰り越しについての報告を聴取いたします。

○松永総務部長 令和元年度予算の繰り越しにつきましてご報告申し上げます。
 お手元の資料4、令和元年度一般会計予算繰越説明書をごらんください。
 表紙をめくって一ページをお開き願います。繰越額総括表でございます。
 繰り越しは繰越明許費及び事故繰越で、繰越明許費の繰越額は二事業の合計が七千七十二万六千円、事故繰越の繰越額は二百十六万七千円で、合計で七千二百八十九万三千円でございます。繰越財源内訳は国庫支出金及び繰越金でございます。
 二ページをお開き願います。繰越明許費繰越説明でございます。
 第一に、自然公園整備でございます。
 款は環境費、項は環境保全費、目は自然環境費で、予算現額は八億九千六百十二万二千円、繰越明許費の予算議決額は一億二百万円で、四千六百十五万八千円を翌年度へ繰り越しするものでございます。
 繰越理由でございますが、資料右側の説明欄に記載しておりますとおり、トウシキ野営場便所改築工事等二件につきまして、年度内に支出が終わらなかったため、翌年度に繰り越して支出するものでございます。
 次に、小笠原公園整備でございます。
 款項目は自然公園整備と同様でございます。予算現額は七億一千五百十五万八千円、繰越明許費の予算議決額は三千四百万円で、二千四百五十六万八千円を翌年度へ繰り越しするものでございます。
 繰越理由でございますが、母島山稜線歩道整備工事につきまして、年度内に支出が終わらなかったため、翌年度に繰り越して支出するものでございます。
 三ページをお開き願います。事故繰越繰越説明でございます。
 款は環境費、項は廃棄物費、目は施設整備費でございます。
 事業名は海面処分場整備でございます。
 支出負担行為額は十二億二千九百四十七万四千百六十五円、支出済額は十二億二千七百三十万七千百六十五円で、二百十六万七千円を翌年度へ繰り越しするものでございます。
 繰越理由でございますが、中央防波堤地区物揚げ場補修設計につきまして、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止に向けまして、受注者からの申し出を受けまして、設計委託の一時中止措置を行ったことにより、年度内に支出が終わらなかったため、翌年度に繰り越して支出するものでございます。
 以上、令和元年度予算の繰り越しにつきましてご報告申し上げました。どうぞよろしくお願いします。

○細谷委員長 報告は終わりました。
 これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○細谷委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○細谷委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。

○細谷委員長 次に、化学物質適正管理指針の改定の方向性についての報告を聴取いたします。

○志村環境改善技術担当部長 今年度改定を予定しております化学物質適正管理指針の改定の方向性についてご説明申し上げます。
 お手元の資料5をごらんください。
 まず、1、背景でございますが、本指針は、環境確保条例に基づき、事業者が化学物質を適正に管理するために必要な措置を規定するものでございます。
 近年、大型台風などに伴う水害等により、工場等から化学物質が流出する事故が頻発していることから、国は昨年度、水害等による水質事故時の措置や毒劇物の保管管理等に関する通知の発出、危険物施設の風水害対策ガイドラインの発表を行っております。
 現行の指針では、地震時の対応は盛り込まれておりますが、水害についても対応ができるよう改定が必要となっております。
 2、指針の見直しの方向性でございますが、指針には水害等における対策として、三点を新たに追加する予定でございます。
 まず一点目が、事業所が所在する地域のハザードマップを参照し、被害想定を確認することでございます。
 二点目が、事業所内への浸水防止や化学物質の流出防止の対策等を実施するとともに、浸水、土砂流入、強風等に耐える設備改修を検討することでございます。
 三点目が、平常時や台風等の直前、直後の対応を時系列に記載した防災行動計画、いわゆるタイムラインを整備することでございます。
 なお、シアン等の化学物質を取り扱う一定規模以上の事業者については、指針の改定により、事故等の防止に関する対応を変更した場合には、化学物質を適正に管理するための方法書の変更届を区市に提出することになります。
 次に、3、事業者向けマニュアルの作成でございますが、指針に基づき、実効性のある対策を円滑に進めるため、専門家のヒアリング等を踏まえて、具体的な対応事例を盛り込んだ事業者向け水害対策マニュアルを作成する予定でございます。
 最後に、4、スケジュールでございます。本年六月に指針改定の方向性について公表する予定でございます。その後、九月の第三回定例会の環境・建設委員会において指針案を報告させていただき、十月に指針の改定と事業者向け水害対策マニュアルの公表を予定しております。
 改定指針については、令和三年四月に施行する予定でございます。
 以上、簡単ではございますが、化学物質適正管理指針の改定の方向性についてご報告させていただきました。どうぞよろしくお願いいたします。

○細谷委員長 報告は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○細谷委員長 なければ、資料なしと確認をさせていただきます。
 以上で環境局関係を終わります。

○細谷委員長 これより建設局関係に入ります。
 初めに、先般の人事異動により幹部職員に交代がありましたので、建設局長から紹介があります。

○三浦建設局長 去る四月一日付で異動のございました当局の幹部職員をご紹介いたします。
 道路建設部長の花井徹夫でございます。公園緑地部長の植村敦子でございます。総合調整担当部長の澤井晴美でございます。道路保全担当部長で無電柱化推進担当部長を兼務いたします齊藤俊之でございます。道路計画担当部長の原島孝至でございます。公園計画担当部長の根来千秋でございます。最後になりますが、当委員会との連絡を担当いたします総務課長の小林直樹でございます。
 以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
   〔理事者挨拶〕

○細谷委員長 紹介は終わりました。

○細谷委員長 次に、第二回定例会に提出を予定されております案件について理事者の説明を求めます。

○三浦建設局長 第二回定例会に提出を予定しております案件につきましてご説明申し上げます。
 お手元配布の環境・建設委員会資料(建設局所管分)をごらんいただきたいと存じます。
 今定例会でご審議いただきますのは、予算案が令和二年度一般会計補正予算、建設局所管分一件、契約案が境川木曽東調節池工事その二など二件、事件案が首都高速道路株式会社が行う高速道路事業の変更に対する同意についてなど二件でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
 詳細につきましては、総務部長よりご説明いたします。

○杉崎総務部長 令和二年第二回定例会提出予定案件の内容につきましてご説明申し上げます。
 最初に、令和二年度補正予算案についてご説明申し上げます。
 資料1、令和二年度補正予算説明書の表紙をおめくりいただき、A4横の資料、令和二年度建設局補正予算案の概要をごらんいただきたいと存じます。
 資料左上の1、補正予算案の事業内容をごらんください。
 今回、建設局では、ジャイアントパンダ保護に係る共同研究事業の継続に必要な経費を計上するため、補正予算案を編成いたしました。
 右上2の補正予算案の規模は、(1)、歳出予算といたしまして、公園霊園費で六千五百万円を計上し、(2)、債務負担行為(限度額)といたしまして、二億三千五百万円の債務負担行為を設定いたします。
 続きまして、資料1の一ページをごらんください。令和二年度建設局予算総括表でございます。
 1、歳入歳出予算でございますが、表の一段目、一般会計(土木費)の欄をごらんください。
 補正予算額は六千五百万円で、既定予算と合わせた補正後の予算額は五千八百三十三億円となります。
 次に、下段の表、2、債務負担行為をごらんください。
 補正予算は一件、二億三千五百万円でございます。
 二ページをお開き願います。令和二年度一般会計(土木費)予算総括表でございます。
 次に、三ページをお開き願います。このページは、歳出予算の詳細について記載してございます。
 番号1番、動物園整備は、補正予算六千五百万円、既定予算との合計は二十九億六千万円となります。事業内容は、先ほどご説明しましたとおりでございます。
 四ページをお開き願います。債務負担行為について詳細が記載してございます。
 以上で補正予算案の説明を終わらせていただきます。
 次に、資料2をごらんください。契約案につきましてご説明申し上げます。
 表紙をおめくり願います。今回提出を予定している契約案二件の件名は、目次に記載のとおりでございます。
 一ページをお開きください。境川木曽東調節池工事その二でございます。
 本工事は、境川において洪水を貯留する施設である調節池を整備するものでございます。
 工事場所は町田市木曽東二丁目地内、契約の相手方は株式会社大林組、契約金額は九十一億七千百八十万円、工期は令和八年五月二十九日までとする工事請負契約を一般競争入札により締結しようとするものでございます。
 二ページをごらんください。本件工事の案内図でございます。丸で囲んでおりますのが施工箇所でございます。
 三ページをごらんください。構造物の形状は、平面図及び標準断面図のとおりでございます。
 四ページをごらんください。石神井川放射第三十六号線橋梁(仮称)(二)下部建設工事でございます。
 本工事は、石神井川の渡河部に新設する新橋の下部建設を行うものでございます。
 工事場所は板橋区小茂根四丁目地内から練馬区氷川台三丁目地内、契約の相手方は飛島建設株式会社、契約金額は十億七千九百十万円、工期は令和四年十月六日までとする工事請負契約を一般競争入札により締結しようとするものでございます。
 五ページをごらんください。本件工事の案内図でございます。丸で囲んでおりますのが施工箇所でございます。
 六ページをごらんください。構造物の形状は、平面図及び標準断面図のとおりでございます。
 次に、資料3をごらんください。事件案につきましてご説明申し上げます。
 表紙をおめくり願います。今回提出を予定している事件案二件の件名は、目次に記載のとおりでございます。
 一ページをお開きください。整理番号1の首都高速道路株式会社が行う高速道路事業の変更に対する同意についてでございます。
 1の提案理由でございますが、本議案の提出は、道路整備特別措置法に基づき、首都高速道路株式会社が高速道路事業に係る変更の許可申請を行うに当たり、都議会の同意を得るためにお諮りするものでございます。
 2の変更同意申請の主な内容でございますが、東京二〇二〇大会延期に伴う大会ロードプライシング割引及び料金上乗せの適用期間の変更を行うものでございます。
 適用期間は令和二年七月二十日から九月六日までを、令和三年七月十九日から九月五日までとするものでございます。
 次に、整理番号2の東京都が管理する道路を神奈川県川崎市の区域に設置することに関する協議についてでございます。
 1の提案理由でございますが、本議案は、東京都が管理する府中町田線の一部区間において、神奈川県川崎市に区域外設置をすることに関し、地方自治法第二百四十四条の三第一項の規定に基づき、神奈川県及び川崎市と協議をするため、都議会の議決をいただくものでございます。
 2の区域外設置する位置及び面積でございますが、設置位置は神奈川県川崎市麻生区黒川字西谷三千十九番の一部ほか、面積は五百九十一・六八平方メートルでございます。
 二ページ以降に議案を添付してございます。後ほどごらんいただきたいと存じます。
 以上で令和二年第二回定例会提出予定案件の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○細谷委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言願います。

○里吉委員 二件の契約案件について、契約方法、入札方法のわかる資料をそれぞれお願いします。
 以上です。

○細谷委員長 資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○細谷委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出願います。

○細谷委員長 次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○杉崎総務部長 令和元年度建設局予算の繰り越しにつきましてご報告申し上げます。
 予算を翌年度に繰り越して使用する場合は、地方自治法施行令第百四十六条第二項及び第百五十条第三項の規定により、議会に報告することとされております。
 お手元に配布しております資料4、令和元年度繰越説明書の一ページをお開きください。令和元年度繰越明許費総括表でございます。
 表の最上段、一般会計、土木費の行をごらんください。
 土木費の予算現額は三千八百十億七千八百六十四万二千円、繰越明許費の予算議決額は五百二億百十二万七千円で、三百五十一億九千百四十一万三千円を翌年度へ繰り越しするものでございます。
 財源は分担金及び負担金、国庫支出金、繰越金でございます。
 次に、下から二段目、用地会計の行をごらんください。
 この会計は財務局の所管でございますが、当局が執行委任を受けて執行したものでございます。
 翌年度繰越額は六百十六万七千円で、財源は都債及び繰越金でございます。
 一般会計と用地会計を合わせた翌年度繰越額の合計は三百五十一億九千七百五十八万円でございます。
 二ページをお開きください。一般会計に係る明許繰越の事項についてご説明申し上げます。
 番号1番の土木補助及び2番の生活再建資金貸付は土木管理費でございます。
 繰越理由は、右側の説明欄にそれぞれ記載しておりますとおり、土木補助については、市及び町が関係機関との調整や用地取得に伴う関係人との折衝等に日時を要したこと、また生活再建資金貸付については、生活再建資金借り受け者が建物再建等に日時を要したことによるものでございます。
 三ページをお開きください。3番の道路補修から五ページ下段の8番、橋梁整備までは、道路橋梁費に係る繰越明許費の詳細を記載してございます。
 次の六ページ上段の9番、河川防災から八ページ上段の13番、砂防海岸整備までは、河川海岸費の詳細を記載してございます。
 同じ八ページ下段の14番、公園整備から一〇ページ上段の17番、小笠原公園整備までは、公園霊園費の詳細を記載してございます。
 これらの事業の主な繰越理由は、地元住民や関係機関との調整、施工方法の再検討及び用地取得に伴う関係人との折衝に日時を要したことによるものでございます。
 一一ページをお開きください。用地会計による公共用地先行取得でございます。
 繰越理由は、用地取得に伴う関係人との折衝に日時を要したことによるものでございます。
 一二ページをお開きください。令和元年度事故繰越総括表でございます。
 事故繰越は、年度内に支出負担行為をし、避けがたい事故のため年度内に支出が終わらなかった経費について、地方自治法第二百二十条第三項ただし書きの規定に基づき、翌年度に繰り越して使用するものでございます。
 表の最上段、一般会計、土木費の行をごらんください。
 翌年度繰越額は四十二億八千九百万円で、財源は繰越金でございます。
 一三ページをお開きください。事故繰越の事項についてご説明申し上げます。
 番号1番の道路整備から次の一四ページ上段の3番、橋梁整備までは道路橋梁費の詳細を、同じ一四ページ下段の4番、中小河川整備から次の一五ページ上段の5番、高潮防御施設までは河川海岸費の詳細を、同じ一五ページ下段の6番、公園整備は公園霊園費の詳細をそれぞれ記載してございます。
 これらの事業の主な繰越理由は、施工方法の再検討や用地取得に伴う物件移転に日時を要したことによるものでございます。
 一六ページをお開きください。用地会計による公共用地先行取得でございます。
 繰越理由は、用地取得に伴う物件移転に日時を要したことによるものでございます。
 以上で令和元年度予算の繰り越しについてご報告を終わらせていただきます。よろしくお願いいたします。

○細谷委員長 報告は終わりました。
 これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○細谷委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○細谷委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。

○細谷委員長 次に、陳情の審査を行います。
 初めに、陳情二第七号の二を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○原島道路計画担当部長 それでは、お手元の資料5、一ページにございます陳情審査説明表の整理番号1、陳情二第七号の二をお開き願います。
 本件は、環状第四号線の建設に関する陳情で、株式会社バイリンガ保育主任ビルドソラ祥子さん外二百七十三人から提出されたものでございます。
 陳情の要旨は、環状第四号線白金台区間の建設を中止していただきたいとのことでございます。
 続きまして、現在の状況でございますが、環状第四号線は、都市の骨格を形成する区部環状方向の幹線道路として重要な役割を担う路線であります。
 都は、平成二十六年九月に、国際交流拠点品川としての拠点性を高める道路ネットワークの一つとしまして、環状第四号線を放射第一八号線、海岸通りまで延伸して整備することといたしました。
 また、東京における都市計画道路の整備方針、第四次事業化計画では、必要性を検証した上で、環状第四号線のうち、放射第一九号線、第一京浜から放射第三号線、目黒通りまでを優先整備路線に位置づけております。
 環状第四号線の補助第一四六号線、旧海岸通りから放射第三号線、目黒通りまでの区間につきましては、平成二十九年二月から都市計画変更と環境影響評価条例に基づく計画段階環境影響評価の手続を進めてまいりました。
 本陳情の区間である放射第一号線、桜田通りから放射第三号線、目黒通りまでの白金台区間につきましては、既定の幅員二十五メートルで整備する案と、幅員三十メートルに拡幅する案の二案を作成しまして、説明会において、地域の現状や課題とともに、道路整備による交通の円滑化や、安全で快適な歩行者、自転車通行空間の創出、防災性の向上などの事業目的について説明してきております。
 平成三十年十二月には、計画、環境、事業面からの評価を総合的に判断しまして、地域に与える影響の少ない既定の都市計画である幅員二十五メートルとする案で環境影響評価書を提出し、都市計画決定いたしました。
 港区からは、当区間内にある児童遊園や遊び場につきまして、港にぎわい公園づくり基本方針に基づき、未開設都市計画公園の整備や民間の協力による公園などの確保に努める、また災害時の地域集合場所については、この事業に伴って再度調整すると伺っており、都としても、事業実施段階で、区を初めとする関係者と協議することとしております。
 当区間の整備に当たりましては、交通の円滑化や防災性の向上などに資することから、引き続き地元区と連携するとともに、地域住民の方々には丁寧な説明を行いまして、今年度内の事業着手に向け取り組んでまいります。
 説明は以上でございます。よろしくご審査のほどお願い申し上げます。

○細谷委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○滝田委員 私から、この環状第四号線の建設に関する陳情について質問をいたします。
 同路線は、区部中心部の環状方向の幹線道路でありまして、今後もリニア開通が見込まれる品川駅と湾岸部分までを結ぶ極めて重要な路線であります。
 我が会派では、さきの第一回定例会におきましても、代表質問を初めとしまして、リニア開通を見据えた都市整備を着実に進めることを求めてまいりました。
 一方で、今回陳情に上がっている区間、白金台区間につきましては、現状住宅街でありまして、地域住民にとりましては、当該道路の建設がこれまでの環境を変えてしまうものとして一定の懸念があることは十分に理解をできます。
 特に、計画の区間には児童遊園や遊び場などが複数ありまして、人々や子供たちの貴重な憩いの場というふうになっています。これらは将来の道路用地の暫定利用として整備されたものというふうに聞いておりますけれども、実際には、憩いや防災など地域に不可欠な機能を有しておりまして、道路整備後のまちづくりにおいても、新たなオープンスペースなどを確保することが重要であります。
 幹線道路の整備後は、沿線の用途や容積などを変更することが想定され、高度化される分、防災性の向上や魅力的な都市機能がしっかりと誘導されるように、地元区とともに連携し、まちづくりを行っていくことが必要であります。
 また、こうしたまちづくりのイメージについてあらかじめ議論を深め、道路建設の事業化の段階から丁寧に地元住民に説明を行うなど、合意形成を図るべきです。
 つきましては、環状第四号線の白金台区間の建設に当たりまして、当該事業が地域にとっても防災性の向上や魅力的なまちづくりにつながるように、地元区とともに進めていくべきでありますが、特に憩いや防災など、地域にとって重要な役割を果たしている児童遊園や遊び場などが削減されてしまう中で、今後どのように対応していくのかお伺いしたいと思います。

○原島道路計画担当部長 環状第四号線の白金台区間の整備により、この地域と自然教育園などの二カ所の広域避難場所が直接結ばれ、安全な避難経路が確保されることとなり、防災性が向上いたします。
 当区間の都市計画区域内にあります児童遊園等については、地域の方々が日常的に利用しているとともに、災害時における地域集合場所としても活用されております。このため、事業実施段階におきまして、港区と連携を図りながら、民間の協力による公園の確保や用地取得の残地の活用など、代替地の確保に努めてまいります。
 当区間の整備に当たりましては、港区と連携し、周辺のまちづくりとも整合を図りながら、今年度内に事業着手し、着実に事業を推進してまいります。

○滝田委員 この環状第四号線、東京都心の競争力を高めるという上でも非常に重要な路線でありまして、建設を進めるべきというふうに考えます。
 一方で、地域の住民の皆様がそのしわ寄せを受けるということではなく、地域の皆様にとっても、より魅力的な地域を形成するまちづくりにつなげていくということが非常に重要であります。
 今回の陳情につきましては、建設を中止することを求める内容でありますので、不採択とすべきであると考えますが、ぜひとも地域の皆様にとっても納得のできるようなまちづくりにつなげていただきたいというふうに思います。
 以上です。

○細谷委員長 質疑を続けます。

○神林委員 陳情二第七号の二に対する意見を申し上げます。
 環状四号線の白金台地区道路整備については、都内全域における交通網を整備する上で必要不可欠でございます。
 羽田空港は、平成二十二年に国際線ターミナルが開業し、ことし三月からは新ルートにより増便されるなど、本格的な国際空港としての運用が開始されております。その玄関口となる品川駅は、東海道新幹線、山手線、東海道線、京浜急行などの交通結節点として、東京の交通網の中心となっております。
 また、品川駅に隣接する高輪ゲートウェイ駅がことし三月に新設されて、関西方面への新たなリニア中央新幹線の始発駅となり、品川駅及び高輪ゲートウェイ駅周辺は首都圏の一大交通網の拠点となります。
 その一方で、周辺の主要幹線道路は、アクセス線として南北方向に整備されている国道一五号線のみであり、特に東西方向に直結する幹線道路がないことは致命的な欠陥となっております。
 具体的には、環状四号線未整備区間の白金台から港南地域では、鉄道施設で分断されており、東西を横断できる箇所が札の辻橋と八ツ山橋に限られ、迂回しなければならないという大変不便な状況でございます。
 環状四号線が整備されていることで、白金台から港南地域へのアクセス距離が半分となり、道路ネットワークのさらなる充実により、大幅な時間短縮が期待されております。具体的に申し上げるならば、約五キロから約二キロに短縮されるということになります。
 地域に目を向けますと、都内有数の高級住宅地でありますが、移転対象地域には、都市計画が決定された昭和二十一年以来、道路の計画線が引かれており、建築制限のため堅牢な建物も許可されず、建物の多くが老朽化しております。
 地域内の道路網についても、道幅が広い道路が少なく、道路整備により延焼遮断の空間が確保されることで、沿道建物の不燃化促進に大きく貢献し、地域の防災性が向上いたします。
 また、交通量が多い桑原坂や桂坂などの生活道路に流入する通過交通の減少が図られ、地域の安全性が向上します。
 このように環状四号線が整備されることによる利便性の向上、周辺住民の安全・安心の確保、生活の質の向上など、地域にとっても大きく役立つ道路であることから、サイレントマジョリティーの声として上がってはまいりませんが、多くの方々が賛同しているものと推察できます。
 また、小規模公園や避難場所が減少しますが、その代替となる施設については、都と区が連携して、可能な限り確保していただきたいと思っております。
 我が党では、今回の要望を受理して以来、東京都の説明、地元区の対応や考え方を確認するとともに、実際に現地の状況も確認して、これからの東京全体における交通網などを総合的に検討した結果、周辺のまちづくりを考える上でも、次の見解で一致をいたしました。
 特に移転対象地域にお住まいの皆様方、この事業によって影響を受ける周辺地域の皆様には、まことに恐縮ではございますが、東京都全体にとって、将来に向けた欠くことのできない重要な事業であり、完成すれば都民全体、周辺地域にとっても大きな発展に結びつくことをご理解いただき、東京都としても、公園や防災空地など、可能な限り地域住民の意向に沿った最大限の対応を行うことでご協力を賜りたいと考えます。
 以上の理由により、陳情については不採択としていただくことをお願いして、意見を終わります。

○里吉委員 それでは、質疑を始めます。
 この陳情は、環状四号線、白金台区間の建設の中止を求めています。陳情者の方は、この地域にある認可外保育施設の保育主任さんです。外二百七十三人の署名が出されています。直接お話を聞いてきました。
 この施設は、一歳半から六歳までの子供が通っていて、やっと歩けるようになった子供も含めて使っている白金台三丁目遊び場をなくさないでほしい、春は桜、秋にはドングリ拾いなど、子供たちにとっては貴重な遊び場になっている白金児童遊園、通称猿町公園をなくさないでほしい、何とか残してほしいとの思いから、保護者の方に協力してもらって署名を集めたということでした。
 今回の陳情とは別ですけれども、地元町会からも計画の見直しに関する陳情が都議会や地元港区議会にも繰り返し出されています。この町会の方々とは今回の陳情者の方は何のつながりもなかったということで、こういうところからも陳情が出たことで、私は本当に多くの方々が、この道路計画をやめてほしいと思っているのだと痛感いたしました。
 今回、計画予定地を歩きましたが、本当に静かな住宅街で、計画線はほぼ家が建っているところ。全くここまで見事に現道がないところに、そこに住む人皆さん引っ越してもらって、全く新しい道路、幅二十五メートルの道路を通すという計画が果たして現実的なのかと率直に思いました。
 そこで、まず伺います。陳情にも、もともと都市計画決定は一九四六年、昭和二十一年であり、本当に必要なものなのか考え直すべきである、住宅街の中、現道のない場所に幅二十五メートルの道路がなぜ必要なのか、なぜ今進めようとしているのかとございます。ぜひこの質問に答えていただきたいと思います。

○原島道路計画担当部長 環状第四号線は、都市の骨格を形成する区部環状方向の幹線道路の一つとして、放射方向の幹線道路と連絡し、都心に集中する交通を分散するなど、重要な役割を担う路線であります。環状第四号線の白金台区間につきましては、第四次事業化計画において必要性を検証した上で、優先整備路線に位置づけております。
 本区間の整備により、さらなる拠点性の強化が進む品川駅、田町駅周辺のまちづくりへの寄与が期待されるとともに、生活道路へ流入する通過交通の抑制や、地域の防災性の向上などにも寄与いたします。このようなことから、今年度内の事業着手に向けて取り組んでおります。

○里吉委員 必要については次に議論しますが、まず、立ち退きとなる規模について伺います。
 先ほども申し上げましたけれども、全く現道がないところに新しく道路をつくるわけですから、立ち退き件数も相当数になると思います。戸建てがほとんどでしたけれども、アパートなどもありました。今回の道路の計画で白金台区間、立ち退きの対象になる建物はどれくらいあるのか伺います。

○原島道路計画担当部長 環状第四号線の白金台区間の整備に伴い、用地取得の対象となる建物は約百四十棟でございます。

○里吉委員 対象は約百四十棟ということでした。おひとり暮らしの方ばかりではないでしょうから、その二倍、三倍の方々の人生を左右する問題だと思います。
 幾つかアパートがあるといいましたけれども、ここに住んでいる方、ご高齢の方も多く、とても引っ越しなど考えられない、また、引っ越そうにも、近くに同じような家賃で住むことは本当に難しいと伺ってきました。
 ここの地域を歩くと、計画線内の住宅のあちこちに、環状四号線道路計画反対、測量、調査、捺印、一切の協力はいたしませんなどのステッカーが張ってありました。
 地元の白金猿町町会の方に伺いましたら、昨年十一月時点での道路反対は、どちらともいえないという方を除くと八〇%の方が反対とのことでした。それでも、先ほどご答弁にありましたように、都市の骨格を形成する幹線道路であるから、この道路は必要なんだということでした。
 同時に、地元にとって、生活道路への通過交通を抑制することになる、地元にも役立つのだというご説明だったと思います。説明を読みますと、目黒通り、桜田通り、第一京浜を連絡する東西方向の道路が少ないため、それらを結ぶ桑原坂や桂坂等の生活道路へ通過交通が流入しているといわれています。どれくらい通過交通が流入しているのでしょうか。環状四号線の整備でどのように変化すると予測されているのか伺います。

○原島道路計画担当部長 周辺の生活道路であります桑原坂、桂坂は通学路に指定されており、狭い歩道に歩行者や自転車が混在し、その脇をバス等の車両が通行している状況にあります。
 平成二十八年二月に現況交通量の調査を実施しており、桑原坂が一日当たり約九千五百台、桂坂が約一万二千四百台となっております。
 環状第四号線の整備による将来交通量の予測では、桑原坂ではおおむね三割減少、桂坂ではおおむね四割減少すると見込んでおります。

○里吉委員 地域では、桑原坂で約三割、桂坂で約四割、交通量の流入の減少が見込めるというご説明でした。
 それで、これが本当にそうなのかという問題なんです。将来交通量の予測というものはどういうふうにやるのかというのを調べてみました。
 大変ざっくりとしたいい方になってしまいますが、環状四号線の交通量推計に当たっては、これから再開発がさまざま計画されている品川駅周辺の現状の都市計画であったり、都市開発諸制度の適用などを勘案して、どれぐらいの開発規模かということを推定、その地域でのポテンシャルを加味して交通量推計を行っているというふうに書いてありました。大体こういうことで交通量推計は行っているということで、考え方は間違いないかどうか確認したいと思います。

○原島道路計画担当部長 環状第四号線につきましては、品川駅周辺の現況の都市計画、都市開発諸制度の適用などを勘案いたしまして、当該地域の開発規模を想定し、交通量推計を行っております。

○里吉委員 私、調べたことが、大体そういう調査だということがわかりました。これを見ますと、平成二十八年十二月の時点での再開発の規模を推定しての交通量調査なんですね。推計もその時点になっています。
 これ、どれぐらいの再開発かといいますと、改めて見ますと、品川、田町駅周辺のまちづくりガイドラインというのを見てみました。六百三十ヘクタール、東京ドーム百三十四個分も入ってしまう広大なエリア、八つもの開発地区を指定している。
 このことについては、以前、都市整備委員会で我が党の白石委員が質疑をしていますが、そもそもこの予測を立てた時点で、再開発事業の全体の延べ床面積や、建物がオフィス系なのか、商業系なのか、住宅系なのか、それぞれが何棟ずつ建設されるのかわからない状況だと。そうしますと、全体の交通量の予測も、生活道路への流入の減少という話も、本当に根拠のある話なのか疑わしいといわざるを得ないわけです。
 東京都として、当該地域の開発規模を想定して、想定される機能、床面積も想定して、ちゃんと計算しているということなんですね。都市整備局もそのように答弁していました。きちんと推計はしているんです。ただ、その大もとの再開発の計画が定まっていないので、幾ら東京都が一生懸命正確な予測をしようと思っても、それはできないわけなんです。
 結局、巨大開発が進む中で、環状四号線の交通量が予想以上にふえることになれば、生活道路への流入もそんなに減少しないということも十分考えられるわけです。ですから、地元の生活道路への流入が問題となっているので、これが減るというメリットが地元にもありますよといわれても、果たして本当に三割、四割削減されるのかということはわからないというふうに私は思います。
 それからもう一つ、地域の防災性の向上に寄与するというお話もございました。そこで、現状の課題として、広域避難場所への安全な避難経路の確保、震災時の消防、救護活動、物資輸送に資する道路ネットワークの強化が課題とありますけれども、これは具体的にどういうことなのか伺います。

○原島道路計画担当部長 幅員八メートル未満の道路では、災害時の沿道建物の倒壊等により、人や車が通行できなくなる場合があります。白金台地区周辺においては、桑原坂、桂坂以外で幅員八メートル以上の道路が少なく、災害時には電柱や家屋の倒壊による道路の閉塞が懸念されております。
 このため、広域避難場所への安全な避難経路の確保や、震災時の消防、救護活動、物資輸送に資する道路ネットワークの強化が課題になっております。環状第四号線の整備により、この地域と二カ所の広域避難場所が直接結ばれ、安全な避難経路が確保されることとなり、地域における防災性が向上いたします。

○里吉委員 広域避難場所への安全な避難経路が確保されるということなんですけれども、私はそれよりも、今、地震があるかわからないというこの事態で、本当に震災からまちを守ろうと思ったら、住宅の耐震化や不燃化を本当に本気で進める方が早いんじゃないかというふうに思います。
 それから、地元港区のまちづくりマスタープランを見てみました。地区別のまちづくりの方針で、この地域のことについて、環状四号線ができるという話は書いてあります。
 しかし、この地域の防災方針については、耐震化の促進という項目はあるんですけれども、四号線の整備については全く触れられていないんですね。それが資するという表記はどこにも、残念ながら今のところこのまちづくりマスタープランにはありませんでした。さらに、一時避難場所になっている広場がなくなってしまう。本当に大丈夫なのかというふうに思うわけです。
 この地元の猿町町会は、白金児童遊園にD級ポンプ、スタンドパイプを使用の防災、消火訓練もしていて、この場所が地域には一時避難場所として周知されていると。環状四号線の計画線は、公園を含めてこの町会のど真ん中を通るために、町会を分断することになると。町会の方はもう町会を解散することも考えなければならない、このように港区議会での請願審査のときに発言されています。本当に深刻だと思います。
 この猿町町会の皆さんの避難や消防などについては、どのように考えているのか伺います。

○原島道路計画担当部長 繰り返しになりますが、環状第四号線の整備により、広域避難場所への安全な避難経路が確保されることとなり、当地域における防災性が向上いたします。
 災害発生時に地域の人々が一時的に集まる地域集合場所につきましては、地元区と連携し、代替地の確保に努めてまいります。

○里吉委員 代替地の確保に努めていくとおっしゃいますけれども、確約できるわけじゃないと思うんですよね。
 私も繰り返しますけど、町会の会長さんは、環状四号線は、公園を含めてその町会のど真ん中を通る、町会が分断される、どれくらいの家が残るのかわかりませんけれども、そのコミュニケーションを壊されてしまう、防災、消火訓練なども続けていけなくなるとおっしゃっているわけです。代替地の確保に努めるというだけで本当にいいのかと思うわけです。
 結局、環状四号線は、都市の骨格を形成する区部環状方向の幹線道路の一つとして重要だと、だから必要だということで、少なくとも地元には役立つものではないということがはっきりしたと思います。
 この白金児童遊園についてですが、ここは、先ほども紹介したように、地元の白金台、猿町町会にとっては、防災上もなくてはならない公園です。
 三・一一のときには、多くの帰宅困難者がここで過ごしたと伺いました。地域のお祭りやさまざまな行事でも一年を通して使っている公園。地元の近所の子供たちにとっても大事な遊び場です。
 また、二つの保育園が園庭のかわりとしてこの公園を使っています。歩いて三分ぐらいの距離にあるこの白金児童遊園が使えなくなると、十分も十五分も歩いて遠くの公園に行くしかないわけです。園庭のかわりですから、保育園のすぐ近くになければならない。そんな遠くでは困るわけです。町会の皆さんも、保育園の方々も、この白金児童遊園がなくなったら本当に困るとおっしゃっています。
 立派な樹木もありまして、港区の都会の真ん中でドングリ拾いができる貴重な公園ですから、私はぜひ残してほしいと思いますが、道路建設で削るというのであれば、少なくとも、改めて伺いますけど、この地域で代替地の確保は大前提、必ず見つけると約束できるんでしょうか、伺います。

○原島道路計画担当部長 環状第四号線白金台区間の都市計画区域内にあります児童遊園等につきましては、地域の方々が日常的に利用しているとともに、災害時における地域集合場所としても活用されております。
 このため、事業実施段階におきまして、港区と連携を図りながら、民間の協力による公園の確保や、用地取得時の残地の活用など、代替地の確保に努めてまいります。

○里吉委員 代替地が確保できない場合は工事を進めないということでよろしいでしょうか、確認します。

○原島道路計画担当部長 事業実施段階におきまして、港区と連携を図りながら、民間の協力による公園の確保や、用地取得時の残地の活用など、代替地の確保に努めてまいります。
 今年度内の事業着手に向けて取り組み、今後の用地取得の進捗を踏まえまして、着実に工事を実施してまいります。

○里吉委員 確保に努めると、さらに用地取得の進捗を踏まえてということでしたけれども、町会ぐるみで環状四号線反対を掲げています。認可がおりたとしても、用地買収は本当に厳しいと私は思います。
 昨年十二月に港区議会に地元の町会から、環状四号線に係る港区立白金児童遊園敷地と港区立白金台幼稚園の敷地を東京都に譲渡しないでいただきたいという請願が出されています。
 質疑の中で、東京都が用地買収を始めたときにどうするのかという問いかけに副区長が、区民の皆様が住民合意されたということを確認してから、この土地の対応について考えさせていただきますという答弁をしていますが、東京都は、建設局はこの答弁をどのように受けとめるのか伺います。

○原島道路計画担当部長 区議会でそのような答弁があったことは承知しております。港区からは、区も代替地の確保に努めていくと伺っており、都としても港区と連携を図りながら、代替地の確保に努めてまいります。
 なお、先ほど副委員長お示しの港区まちづくりマスタープランの中でも、環状第四号線の整備を推進することとしておりまして、早期整備にかかわる関係機関との調整を図っていくとしております。整備に当たりましては、引き続き区と連携し、地域住民に丁寧な説明を行ってまいります。

○里吉委員 港区は反対の立場ではもちろんありません。推進の立場、区としてはそれが正式な態度だと思います。
 ただ、そういう中でもこの地域の皆さんの反対の声があって、住民の皆さんが土地を売りますよということを本当に納得して、最後の一人が出ていくとなった後に、港区は土地を東京都に譲渡してくださいという話がされているんです。そういう流れを読んでいただければわかると思います。
 もちろん区の正式の答弁と、それから質疑の中で、やりとりの中で副区長がいった発言だとおっしゃるかもしれませんけれども、そういう発言をしているというのは議事録に残っていますから、重たい事実だというふうに思います。副区長が住民の前で、請願の審査の中でこうした答弁をしたということをぜひ重く受けとめていただきたいと思います。
 また、この計画の見直しを求めているのは、この近くの頌栄女子学院というところも同じです。整備後、ここは環状四号線の沿道に面しているために、自動車交通量の騒音が懸念されています。しかし、この場所での騒音予測評価は行っていません。道路騒音の予測値は六十九デシベルとなっています。学校の場合は、学校環境衛生基準で五十五デシベル以下であることが望ましいとありますが、ここに道路をつくって問題ないんでしょうか、伺います。

○原島道路計画担当部長 環状第四号線の整備に伴う騒音の予測評価は、東京都環境影響評価技術指針に基づきまして、道路構造、自動車交通量及び沿道の土地利用状況等を考慮し、代表的な地点を選定し、その地点について行っております。
 白金台区間の昼間の騒音につきましては、六十九デシベルと予測しており、環境基準の七十デシベル以下となっております。
 また、学校等につきましては、整備後の状況を踏まえた上で、適切な騒音対策に努めてまいります。

○里吉委員 何らかの対策に努めるということなんですが、頌栄女子学院は騒音の問題だけいっているわけではありません。百三十年以上の歴史を持っているこの学校なんですが、地下鉄高輪台駅すぐ近くにありながら、一歩校地に入れば、園庭風の中庭が見えて、港区の保存樹林に指定されている木々に囲まれた静かな運動場がある大変すばらしい環境なんです。
 学校案内を見ますと、古くから白金の地に立つ伝統と恵まれた自然環境を守りながら、常に安全で快適な教育施設の維持に最善を尽くしていきますとありました。学校の目の前に幅二十五メートルの道路ができるということは看過できないと思います。
 以前、都議会に環状四号線の道路計画の見直しを求める陳情が出されましたが、この中には頌栄女子学院の理事長さんも含まれている。騒音、排気ガス、振動、生徒たちを守るプライバシーの諸点、大いなる懸念を持っていると表明されています。
 最後に、今、新型コロナウイルス感染拡大の影響が甚大です。東京都の対応も、過去も含めると補正予算は一兆円を超える規模となってまいります。しかし、まだこれで十分とはいえません。
 さらに来年以降は、大幅に税収が減り、財政的にも厳しくなることが予想されます。東京都全体で優先度の低い事業から思い切って中止、延期し、その予算をコロナ対策、医療体制の拡充や都民の営業や暮らしへ回すべきです。
 地元町会初め多くの住民が反対している中、数百億円という税金を使って大型道路をつくるという環状四号線計画は見直しの対象になるのではないかと思いますが、局の見解を伺います。

○原島道路計画担当部長 環状第四号線は、都市の骨格を形成する区部環状方向の幹線道路の一つとして、放射方向の幹線道路と連絡し、都心に集中する交通を分散するなど、重要な役割を担う路線であります。
 新型コロナウイルス感染症の状況なども踏まえつつ、引き続き地元区と連携し、地域住民に丁寧な説明を行い、今年度内の事業着手に向け取り組んでまいります。

○里吉委員 私、全く現状認識が甘いというふうに思います。今、コロナ感染症との闘いのただ中です。これから冬にかけて第二波が来るのではないか、そのための対策も必要だということで、都全体を挙げて、都民の命と暮らしを守るために頑張っているところだと思います。そのためにどれだけの予算が必要になるか、現時点ではわかりません。
 私は改めて、環状四号線の計画は中止することを求め、陳情採択を主張し、質問を終わります。

○細谷委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、採択することに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○細谷委員長 起立少数と認めます。よって、陳情二第七号の二は不採択と決定いたしました。

○細谷委員長 次に、陳情二第一五号、陳情二第一六号及び陳情二第二三号については、内容に関連がありますので、一括して議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○根来公園計画担当部長 お手元の資料5、陳情審査説明表の二ページ目にございます整理番号2、陳情二第一五号をごらんいただきたいと存じます。
 本件は、葛西臨海水族園の水族園機能を保持した上での保存及び活用に関する陳情で、港区の一般社団法人日本建築学会会長竹脇出さんから提出されたものでございます。
 本陳情の要旨は、都において、次の四点を実現していただきたいというものでございます。
 一点目は、現在計画中の葛西臨海水族園の新規施設の建築計画を見直し、既存施設の水族園機能を保持しながら保存及び活用をして、長寿命化を図るよう計画を変更することというものでございます。
 二点目は、次世代環境教育を目指した水族園運営を可能にするため、東なぎさ及び西なぎさを含む葛西臨海公園全体の敷地範囲を見直すことというものでございます。
 三点目は、今後予定されている葛西臨海水族園の新規施設の建築を前提とした検討会の中に、既存施設のあり方に関する検討会を設置し、そのための予算を計上すること、また、その際の検討会の委員として建築の専門家を参加させることというものでございます。
 四点目は、葛西臨海水族園におけるPFI手法を前提とした整備を見直し、今後予定されている要求水準書を作成する検討会において、設計と施工を分離して発注することを前提とした計画を進めることというものでございます。
 現在の状況でございますが、一点目ですが、葛西臨海水族園は開園から三十年が経過し、施設や設備の老朽化が進んでおります。このため、大規模な工事が必要でございますが、バックヤードが狭隘で作業場所が確保できないため、開園しながらの工事は困難でございます。さらに、配管や配線が過密に配置されており、段階的な改修も困難でございます。
 工事に伴う長期休園によるサービス低下や仮設施設の整備によるコスト増、飼育している八万五千点の生き物への影響を総合的に考慮し、新たに建築する建物に水族園機能を移設することといたしました。
 既存施設については、水族園機能を移設後、施設の状態を調査の上、そのあり方について検討してまいります。
 二点目ですが、葛西海浜公園がラムサール条約湿地に登録されるなど、葛西臨海公園一帯は自然環境の面で大きなポテンシャルを持ってございます。
 都はこれまでも、葛西臨海水族園において、自然観察会や生物調査のためになぎさを活用するなど、葛西海浜公園と連携した取り組みを行っておりまして、今後も自然生態系の保護という観点に立ち、葛西臨海公園や葛西海浜公園とともに全体の魅力向上に向け整備を進めてまいります。
 三点目ですが、平成三十一年一月に策定した葛西臨海水族園の更新に向けた基本構想にお示ししたとおり、水族園機能を移設後、既存施設の状態を調査の上、そのあり方について検討してまいります。
 四点目ですが、PFI手法の導入により、施設の設計、工事と管理を一括して発注することで、工期の短縮やコスト縮減が期待できます。また、来園者ニーズに対応し、スケールメリットを生かしたレストラン運営など、民間ノウハウの活用により、サービスの向上が見込めます。
 なお、PFI手法の詳細につきましては、今後検討してまいります。
 次に、一枚おめくりをいただき、整理番号3、陳情二第一六号をごらんいただきたいと存じます。
 本件は、葛西臨海水族園の計画に係る検討会のやり直し等に関する陳情で、渋谷区の葛西臨海水族園の長寿命化を考える会代表横河健さんから提出されたものでございます。
 本陳情の要旨は、都において、次の四点を実現していただきたいというものでございます。
 一点目は、葛西臨海水族園のあり方検討会における検討結果を見直す必要があるため、あり方検討会を一度白紙に戻し、再度実施すること。
 二点目は、葛西臨海水族園の更新に向けた基本構想を見直すこと。
 三点目は、葛西臨海水族園事業計画検討会における検討結果を見直す必要があるため、事業計画検討会を改めて実施すること。
 四点目は、葛西臨海水族園の更新に向けた事業計画の素案における既存施設については、水族園機能を移設後、施設の状態を調査の上、そのあり方について検討しますという文言を、現施設を水族館として利活用することについて検討をすると訂正の上、事業計画を策定することというものでございます。
 現在の状況でございますが、一点目ですが、平成元年十月に開園した葛西臨海水族園は開園から三十年が経過し、施設や設備の老朽化が進行してございます。また、環境問題の深刻化に伴い、水族館に求められる役割が変化してきてございます。
 このため都は、平成二十九年十二月に葛西臨海水族園のあり方検討会を設置し、葛西臨海水族園の歴史や実績などを踏まえつつ、社会環境の変化や機械設備の老朽化等が進行する中、都立水族館として持続的に発展するためのあり方について検討を依頼いたしました。その結果、報告書では、将来を見据えた施設として再生するには、建てかえにより新たな水族園を整備すべきとの提言をいただいたところでございます。
 なお、あり方検討会は、水族館、博物館や環境教育、広報、宣伝、観光など、九名の多様な専門家により構成されており、その検討過程は全て公開で行いました。
 二点目ですが、葛西臨海水族園の更新に向けた基本構想は、あり方検討会の報告書を受け、都として、今後の取り組みの方向性を明確化するため、平成三十一年一月に策定したものでございます。
 なお、基本構想の策定に先立ちまして、広く都民の声を聞くため、基本構想素案を公表し、意見募集を行いました。
 三点目ですが、葛西臨海水族園事業計画検討会は、基本構想に掲げる新たな水族園像の実現に求められる施設要件をライフサイクルコスト、官民連携方法とあわせて専門的見地から検討するために設置したものでございます。
 事業計画検討会における各委員の発言は、本人確認後、会議資料とあわせて全面的にホームページで公開してまいりました。また、報告書のまとめに当たっては、委員の間で調整が行われ、その結果、都へ報告書が提出されたものでございます。
 四点目ですが、基本構想においては、水族園機能を移設後、既存施設の状態を調査の上、そのあり方について検討していくこととされております。
 次に、整理番号4、陳情二第二三号をごらんいただきたいと存じます。
 本件は、葛西臨海水族園の更新に向けた事業計画に関する陳情で、渋谷区の公益社団法人日本建築家協会会長六鹿正治さんから提出されたものでございます。
 本陳情の要旨は、葛西臨海水族園の更新に向けた事業計画に既存施設の保存及び活用を組み込んでいただきたいというものでございます。
 現在の状況でございますが、都は、葛西臨海水族園のあり方検討会を設置し、開園後三十年経過した葛西臨海水族園が、社会環境の変化や機械設備の老朽化等が進行する中、これからも多くの方々に親しまれる都立水族館として持続的に発展するためのあり方の検討を依頼いたしました。
 このあり方検討会の報告書を受け、都として、今後の取り組みの方向性を明確化するため、葛西臨海水族園の更新に向けた基本構想を策定し、新たな水族園像を示すとともに、その実現に向けては、既存施設とは別に建築する建物に水族園機能を移すことを基本とした検討を進めていくといたしました。
 また、この基本構想において、既存施設については、水族園機能を移設後、施設の状態等を調査の上、そのあり方について検討していくといたしました。
 さらに都は、葛西臨海水族園事業計画検討会を設置し、基本構想に掲げる新たな水族園の実現に求められる施設要件等の検討を依頼し、令和二年三月に報告書が取りまとめられました。
 事業計画検討会は、水族館、博物館の展示、教育普及、環境教育、官民連携、建築、現場の運営など、十六名の多様な専門家により構成され、その検討過程は全て公開で行いました。
 今後策定する葛西臨海水族園の更新に向けた事業計画は、事業計画検討会での議論を踏まえ、新たな水族園の規模、事業手法、コスト等を明確にするために策定するものでございます。
 説明は以上でございます。よろしくご審査のほどお願い申し上げます。

○細谷委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○滝田委員 葛西臨海水族園に関しての陳情三件につきまして、一括して意見を述べさせていただきたいというふうに思います。
 本年第一回定例会におきまして、葛西臨海水族園事業計画検討会の検討結果が報告案件になっておりましたことから、三月十八日の当委員会におきまして、私の方で細かく質疑をさせていただきました。
 その際、今後、都でも人口減少が見込まれ、インフラの老朽化対策などの財政負担も見込まれる中で、都立の施設においては、公共性とともに、コスト面も含めて総合的に考えざるを得ないということを指摘いたしました。
 また、水族園を更新していくに当たっては、運営の効率性、安全性や、省資源、省エネルギーであること、生物の生育環境も水族園には重要な要素であり、多角的に評価をしていくことが重要であるということも指摘をさせていただきました。
 そうした観点から、総合的、多角的に事業を精査し、多額の公費を投じる中で都民が納得できる形で進めていただきたいというふうに思います。
 また、水族園だけではなくて、葛西臨海公園全体としてどのようにあるべきか、そのあり姿を描くことは、整備効果を最大化するためにもとても重要でありまして、改めて強く要望いたします。
 なお、三月の委員会においても私から質問をし、前向きな答弁を得ておりますが、貴重な建築物の保全、活用は重要でありまして、水族園の新設による更新を進めた場合でも、もとの建築物の保全、利活用が可能であるかということについてはしっかり検討するべきでありますので、改めて求めておきます。
 一方で、今般の新型コロナウイルス感染症の影響は多大なものがありまして、都税収入の減少はリーマンショック時の一兆円を超える可能性も懸念されております。財政事情などの前提となる事業環境は大きく変化してきております。また、いわゆるアフターコロナ、コロナ後の社会変容ということが議論されておりますけれども、水族園のありようというものも改めて考えていく部分があるというふうに思います。
 今回、陳情を三件いただきましたが、コロナウイルス感染症の影響がまだ見通せない中で、質疑によって当該事業の方向性を性急に議論していくということは困難かというふうに思いますので、いずれも継続審査とすることを求め、意見といたします。
 以上です。

○高倉委員 それでは、この陳情についての質疑をしたいと思います。
 葛西臨海水族園については、東京においても非常に貴重な、また全国的にも貴重な水族館であるというふうに思っております。東京の海の生物といったような本当に貴重な展示もされているわけであります。
 また、ちょっと振り返りますと、東日本大震災があったときには、当時大きな被害を受けた福島県のアクアマリンふくしまという、これもとてもすばらしい水族館ですけれども、そこが津波の被害を受けて、そこで飼育されていた海の動物たち、かなり死んでしまったわけですけれども、大型の動物を葛西臨海水族園で引き取って、そして、継続して飼育をしてまた福島に戻したと、こういったような連携も行われたわけでありまして、この間、本当に幅広い活動を展開してきた水族館であるというふうに思います。
 当然、建築物も貴重なものでありまして、できれば将来にわたって、この利活用といったことも十分に検討していただきたいというふうに思っているわけであります。
 この件については、もう既にこの委員会でもさまざまな議論が過去においてもあったわけでありますけれども、もう一度、今回の葛西臨海水族園の更新について、これまでの検討状況と今後の予定について確認をさせていただきたいと思います。

○根来公園計画担当部長 都は、葛西臨海水族園のあり方検討会を設置し、平成二十九年十二月に都立水族館として持続的に発展するためのあり方の検討を専門家に依頼いたしました。
 平成三十年十月の検討会報告書を受け、平成三十一年一月に葛西臨海水族園の更新に向けた基本構想を策定し、新たな水族園像を示すとともに、既存施設とは別に建築する建物に水族園機能を移すことといたしました。
 基本構想に掲げる新たな水族園像の実現に求められる施設要件等の検討のため、専門家による葛西臨海水族園事業計画検討会を平成三十一年一月に設置し、令和二年三月に報告書が取りまとめられました。
 今後は、事業計画検討会での議論を踏まえまして、新たな水族園の規模、事業手法、コスト等を明確にするため、秋に向け、事業計画の策定を進めてまいります。

○高倉委員 今、これまでのさまざまな経過について詳細に答弁をしていただいたわけであります。平成二十九年の十二月のあり方検討会の設置以来、かなり長い期間にわたって検討が行われてきて、そしてことしの三月に報告書が取りまとめられていると。現在はこういう状況にあるというふうに思います。
 それで、きょうは三つの陳情が議題になっているわけでありますので、この陳情の内容に沿って幾つか質問をいたしたいと思います。
 まず、日本建築学会からの陳情には、既存施設は水族館機能を保持しながら改修して長寿命化を図るべきであり、その際、アネックスとして大水槽を新設するという提案もあるわけでありますが、この点についての都のお考えということについて答弁をいただきたいと思います。

○根来公園計画担当部長 新たな水族園の整備に当たりましては、最少のコストで最大の効果を上げる必要がございます。委員よりご指摘のございましたご意見の案についてでございますが、そもそも既存施設はバックヤードが狭隘で作業場所が確保できず、配管や配線が過密に配置されており、エリアごとに区切って改修することもできないため、大規模改修工事に当たりましては、全面的に閉鎖せざるを得なくなり、休園が長期間にわたる可能性がございます。
 また、アネックス、つまり別館と既存施設とを合わせますと、規模が拡大する上に、建物も二つになり、管理運営のコストの増加が見込まれます。
 工事に伴う長期間の休園によるサービス低下や、仮設施設の整備によるコスト増、飼育している八万五千点の生き物への影響、既に三十年以上経過した既存建物の長寿命化へのコスト等を総合的に考慮し、都としては、新たに建築する建物に機能を移設することといたしました。

○高倉委員 ことしの三月に出された報告書を見てみますと、新館の整備、それから維持管理について、官民連携によるPFI手法の活用が望ましいと、こういう手法についてまで言及をされているわけであります。この理由について答弁をいただきたいと思います。

○根来公園計画担当部長 葛西臨海水族園のあり方検討会では、新たな水族園の実現に向けて、利用者の増加やさまざまな組織、団体等との連携強化、経営、誰もが使いやすく魅力的な施設といった点からもご意見をいただいております。
 これらを踏まえ、事業を効率的かつ効果的に実施する観点から、基本構想でライフサイクルコストと官民連携手法をあわせて検討することといたしました。
 事業計画検討会におきまして、施設の設計、施工管理を一括して発注することで、工期の短縮やコスト縮減が期待でき、また来園者のニーズに対応し、スケールメリットを生かしたレストランの運営など、民間ノウハウの活用によりサービスの向上が見込めるとされたことから、PFI手法を導入することといたしました。

○高倉委員 PFI手法を導入するということの、いわばメリットということだと思いますけれども、そのことについて今答弁があったわけであります。
 今回の陳情のうち、日本建築学会からの陳情の中では、設計と施工を分離して発注することということが求められているわけであります。
 今、答弁がありましたけれども、都としての考え方としては、PFI手法は設計、施工管理を一括して発注をすると、こういう手法だというふうな答弁であったわけであります。一方、今申し上げたように、日本建築学会からの陳情は、設計と施工を分離して発注する必要があるんだ、こういう要望であります。
 そこでお伺いしますけれども、先ほど答弁があったPFI手法によって一括して発注をすると、こういった考え方でありますけれども、この手法のメリット、これは先ほど答弁があったかもしれません。さらにデメリットということについて再度ご答弁いただきたいと思います。

○根来公園計画担当部長 施設の設計、施工管理を一括して発注することで、工期の短縮やコスト縮減が期待でき、また来園者ニーズに対応し、スケールメリットを生かしたレストラン運営など、民間ノウハウの活用によりサービスの向上が見込めます。
 一方、コスト削減がより重視され、水族館としての魅力的なデザイン等が確保されない可能性があることや、これまでに培ったノウハウや建築、設備等の専門的な見地も十分反映された仕様書を作成する必要があること、コストとクオリティーの両立を目指すべきといったPFI事業実施上の留意事項が事業計画検討会より提言されました。留意事項を踏まえまして、今後、PFI手法の詳細について検討してまいります。

○高倉委員 今、答弁をいただいた中で、コスト削減のお話があったわけであります。考え方として、そういうことなんだというふうに思いますが、きょう質問した最初の質問の答弁の中で、事業手法やコスト等を明確にするためということで、秋に向けて事業計画を策定するということであります。
 今、答弁がありましたけれども、やはり実際に、本当にコスト削減がその手法によって行われるのかどうか、これは詳細な検討、数字的な意味でこういうものを確認しないと、それは全面的に了解をするということにはならないというふうに思っておりますので、十分な検討を私は待ちたいというふうに思っております。
 最後の質問になりますけれども、この三月に報告書を出した事業計画検討会においては、既存施設の利活用も検討すべきといったような意見も一部の委員から出されているわけでありまして、これについては報告書にも記載をされているわけであります。
 また、別な陳情ですけれども、日本建築家協会からの陳情では、既存施設の保存、それから活用といったことが要望されているわけであります。
 また、事業計画の素案に対して寄せられたパブリックコメントもあるわけでありますけれども、この中には既存施設の解体に反対する意見でありますとか、利活用を図るべきといったような意見が見られるわけであります。これらについての見解を求めたいと思います。

○根来公園計画担当部長 既存施設の利活用に関するご意見がございますことは承知をしております。既存施設につきましては、新規施設整備の取り組みと並行して、まずは採算性も含めた利活用の可能性について検討を行い、その後、水族園機能を移設した後、施設の状態等を調査し、決定してまいります。

○高倉委員 今、幾つか質問をしてまいりました。最初にこの陳情に対する現在の状況の説明でもありましたけれども、この近隣では葛西海浜公園がラムサール条約の湿地に登録されたというこの新しい、いわばその環境の変化というんでしょうか、周辺の状況の変化もあるわけでありまして、ぜひそういったことも踏まえて、この周辺を一体的に今後どうするかということを考えながら、水族園のあり方ということも十分に検討していただきたいと思います。
 そして、きょうの冒頭の答弁でありましたように、新たな水族園の規模、事業手法、コスト等を明確にするために、秋に向け事業計画を策定すると、こういう答弁があったわけであります。
 したがって、きょう、こうした陳情が出ておりますけれども、秋の事業計画の策定、これをしっかり私は、また見る必要があるというふうに思っておりますので、きょう議題になっておりますこの陳情については継続とすべきであるということを申し述べまして、質問を終わりたいと思います。

○細谷委員長 質疑を続けます。

○里吉委員 それでは、質疑を行います。
 葛西臨海水族園は、都立葛西臨海公園の中に平成元年に開園し、クロマグロ群泳展示を初め、貴重な海の生き物に会える日本を代表する水族園の一つです。
 現在、新たな水族園に向けての検討が進んでいますが、今回、そのあり方をめぐって三つの陳情が出されています。どれも水族園をよりよいものにしたいという思いから出されたものであり、それぞれの主張はどれも大切な意見だと思います。
 そこでまず、既存施設について伺います。
 既存施設は、現代日本を代表する建築家の一人である谷口氏が設計したもので、毎日芸術賞などを受賞しているということです。海外からも高い評価を得ていると伺っていますが、この既存施設について、都の評価について伺います。

○根来公園計画担当部長 葛西臨海水族園は、種の保存や調査研究、教育、レクリエーションの機能を発揮するとともに、クロマグロの群泳展示やイシサンゴの飼育技術等の確立など、新たな展示を実現することで、平成元年の開園以来、多くの方々にご来園いただき、親しまれてまいりました。

○里吉委員 新たな展示を実現したということで、多くの人に親しまれてきたというご説明でしたけれども、建築物としての評価はございませんでした。
 今までにない、いろいろなやり方で注目をされてきたというのはいろんなところに書かれておりますけれども、水族園として注目されたということと同時に、建築物としても、建築業協会賞とか公共建築賞とか、そういったものも受賞しているということで、高く評価されてきた施設であるということは言をまたないと思います。
 一方で、施設、そして整備そのものの老朽化への対応も必要になっているということもございます。
 そこで一点お伺いしますけれども、平成十八年から二十年に、割と大規模なバリアフリー工事が行われています。そのほか大規模修繕というのは行われたのか、この三十年の間で配管など水回りのメンテナンスや修繕などについてはどのように行ってきたのか伺います。

○根来公園計画担当部長 都はこれまで、機械設備や建築に関する現況調査等を実施し、これに基づき、長期保全計画を策定した上で、計画的な修繕に取り組んでまいりました。
 具体的には、日常点検の上で維持補修を行うほか、水処理設備や空調設備、給排水設備など、水族園の運営を維持するために必要となる修繕を行っております。

○里吉委員 具体的にいろいろ修繕を行いながらきちんと維持管理してきたということだと思うんですね。ところが、一方で、なかなか大規模修繕となると、生き物がいる中で難しいという課題があって、そこが三十年間なかなか解決できないことだったんじゃないかというふうに思います。
 検討会の議事録、私も読ませていただきましたけれども、第四回に現在の園長さんが発言されていました。現状の今の水族園については、使っている側、あるいは利用している側からすると、やはり老朽化については否めないと思っていますと、こういう率直な発言もありました。
 そういう中で、新規の施設をつくるとしても、建築物として高く評価されてきた既存施設は壊してしまっていいのかという問題ですが、先ほど来議論がありましたように、検討会の中でも議論があって、報告書には、すぐれた建築物である既存施設の利活用に関する複数の意見が出されたと書かれており、別途、既存施設の利活用に関する検討会の設置を検討するべきだというふうにあります。ぜひ検討して、この建築物を残せる道を探っていただきたいと思います。
 これは私からも確認なんですが、きちんと検討するということでよろしいでしょうか、伺います。

○根来公園計画担当部長 既存施設の利活用に関するご意見があることは承知をしております。新設整備の取り組みと並行して、採算性も含めた既存施設の利活用の可能性の検討を行い、水族園機能を移設した後、施設の状態等を調査し、決定してまいります。

○里吉委員 先ほど既存施設の建築物としての評価はお答えがなかったんですけれども、建物そのものの価値というのもぜひ評価していただいて、残せる道を探っていただきたいと思います。
 次に、前回も質疑しましたが、PFI事業について伺います。
 三月に報告書を出しました検討会では、多様な官民連携手法を示した上で、どれが今回の計画にふさわしいか、これは事務局、すなわち建設局の方で取捨選択して、最後にPFI、BTO、これは資金調達、設計、施工を民間が行って、財産を都に移管してから、事業期間中の維持管理、運営を民間が担う、こういうやり方がよいと判断したというふうに書かれてありました。飼育や展示などは指定管理者制度を使うこともあわせて示されておりました。
 ここで比較されているのは、さまざまな官民連携手法の中でどれがふさわしいかということだけなんですね。従来のやり方との比較がないわけです。
 そこで伺いますが、PFI事業について、従来の主体よりもすぐれていると思われる点、そうでない点について、それぞれ示していただきたいと思います。

○根来公園計画担当部長 施設の建設と管理を一括して発注することで、工期の短縮やコスト縮減が期待できます。また、来園者ニーズに対応し、スケールメリットを生かしたレストラン運営など、民間ノウハウの活用によりサービスの向上が見込めます。
 なお、新たな水族園につきましては、主に施設の建設及び維持管理にPFI手法、飼育展示や教育普及などは指定管理者制度とし、両制度を併用することを想定しております。

○里吉委員 すぐれていると思われる点、メリットだけお話がありましたが、デメリットの答弁はなかったんですけれども、全て従来の手法よりPFI手法の方がよいと、デメリットはないということなんでしょうか。問題点があればお示しいただきたいと思います。

○根来公園計画担当部長 事業計画検討会におきましては、PFI手法の活用に当たり、コスト削減がより重視され、魅力的なデザイン等が確保できない可能性があることや、質の高い事業者を選定するための方法を検討するべきといった留意事項について提言をいただいてございます。

○里吉委員 検討会では留意事項について提言が出されているけれども、自分たちはデメリットはないと思っているととられかねない答弁だったのではないかとちょっと思います。
 提言では確かに留意事項はいろいろいわれています。実際に検討会第三回の議事録を読みましたけれども、さまざまな議論が出されています。
 例えば、これは副座長を務めている五十嵐氏の発言ですが、なかなかPFIでうまくいかない、どうしても施工側に引っ張られてしまうということがあるかなと思っているという発言や、単純にPFIを選択するというのはしない方がよろしいかなと思いますなど、途中いろいろしゃべっているんですけれども、そういう発言が複数出されているわけです。
 ことし三月にまとまった報告書でも、先ほど紹介があったとおり幾つか留意事項が挙げられているわけですね。私は、これがクリアできなければ、改めてPFI事業を見直すべきだと思うんですが、クリアできなければ、さまざまな諸課題が解決できなければ、PFI事業も見直すことはあり得るのかどうか伺いたいと思います。

○根来公園計画担当部長 先ほど、メリットについては東京都の考えだというご指摘が副委員長からございましたが、私の述べさせていただきましたメリットにつきましても、検討会の総意として報告書に記載されている内容でございます。
 今のご質問についてお答えをさせていただきます。繰り返しになりますけれども、PFI手法の導入によりまして、施設の建設と管理を一括して発注することで、工期の短縮やコスト縮減が期待できます。また、来園者ニーズに対応し、スケールメリットを生かしたレストラン運営など、民間ノウハウの活用によりサービスの向上が見込めます。
 なお、PFI手法の詳細につきましては、今後検討してまいります。

○里吉委員 今、答弁ありましたけれども、私は、PFI事業について見直すこともあり得るのかというふうに伺ったんですけれども、PFI手法の詳細については今後検討していくというご答弁で、手法そのものについてのご答弁はありませんでした。
 改めてはっきりさせておきたいんですけれども、この議論している葛西臨海水族園事業計画検討会と、そこが出した報告書の位置づけについて確認します。

○根来公園計画担当部長 事業計画検討会は、基本構想に掲げる新たな水族園像の実現に求められる施設要件等を専門的見地から検討するために設置いたしました。報告書は、五回の検討会と、途中二回の分科会を経てまとめられたもので、座長より東京都に提出されました。
 都は、この報告書を踏まえて、葛西臨海水族園の更新に向けた事業計画の策定に向け、検討を進めてまいります。

○里吉委員 そうですよね。ちょっと参考に話を聞いてみるというようなものではなくて、きちんと都はこの報告書を踏まえて、事業計画の策定に向けて検討するということだということを確認しました。
 報告書では、これは折衷案だというふうに私は思うんですけれども、葛西臨海水族園のあり方検討会が掲げた理念と新たな水族園に求められている六つの機能が実現できているのか、設計、運営等、全ての段階において、そのクオリティーを適時にチェックするアドバイザリーボードの設置等も検討すべきというふうに述べています。
 先ほど話題になりました、PFIに全部任せてしまってチェックできないと問題ではないかというところから、こういう話が報告書に出ていると思うんですけれども、この検討についてはどのように考えていらっしゃるのか伺います。

○根来公園計画担当部長 事業計画検討会報告書で提言された内容を踏まえまして、今後検討してまいります。

○里吉委員 検討会の留意事項はさまざま書かれていますけれども、これは今まで全国で幾つものPFI事業の事例を見てきてのものだと私は思います。私もいろいろ勉強させていただいて、調査もさせていただきましたけれども、PFIと一言でいってもいろいろなやり方があるので、全部一緒ではないので難しいんですけれども、中には、残念ながら、全体としてコスト削減とならなかった事例もあるわけなんです、何年かたってみて。
 ですから、東京都が責任を持って水族園を運営していくのであれば、私は、PFIありきではなくて、さまざまな手法について、本当に少しでも経費は低くするのは当然考えるべきですけれども、きちんと東京都が責任を持ってつくれる、きちんと価値ある水族園をつくるためにどうしたらいいのかということについて考えていただきたい。私は、改めてPFI事業については見直すべきだというふうに考えているということは申し添えておきます。
 これから計画案を具体化、策定していくわけですけれども、そこに向けては、ぜひ陳情された皆さんの趣旨を酌んでいただきたいということを申し添えて、私の質問を終わります。

○細谷委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 初めに、陳情二第一五号をお諮りいたします。
 本件は、継続審査とすることにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○細谷委員長 異議なしと認めます。よって、陳情二第一五号は継続審査といたします。
 次に、陳情二第一六号をお諮りいたします。
 本件は、継続審査とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○細谷委員長 異議なしと認めます。よって、陳情二第一六号は継続審査といたします。
 次に、陳情二第二三号をお諮りいたします。
 本件は、継続審査とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○細谷委員長 異議なしと認めます。よって、陳情二第二三号は継続審査といたします。

○細谷委員長 次に、陳情二第三四号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○花井道路建設部長 それでは、お手元資料5、七ページにございます陳情審査説明表の整理番号5、陳情二第三四号をお開き願います。
 本件は、JR十条駅付近の埼京線立体交差化計画及び都市計画道路補助第八五号線に関する陳情で、北区の名児耶忠章さんから提出されたものでございます。
 陳情の趣旨は、都において、JR埼京線十条駅付近の連続立体交差事業及び都市計画道路補助第八五号線について、次のことを実現していただきたい。
 一、小池知事が十条のまちを現地視察し、関係住民と対話をすること。
 二、自治会、町会などの住民団体や商店街が説明会の開催を求めたときはこれに応じるとともに、強引な測量や立ち退きの交渉をやめること。
 三、一定期間が過ぎても事業が進展しないときは進め方を見直すこととのことでございます。
 続きまして、現在の状況でございますが、JR埼京線十条駅付近の連続立体交差事業につきましては、約一・五キロメートルの区間にございます六カ所の踏切を除却し、慢性的な交通渋滞や地域分断を解消するものでございます。
 また、地元区からは、連続立体交差事業の早期事業化の要望を受けるとともに、補助第八五号線とあわせて事業を進めております。
 次に、補助第八五号線のうち、北区上十条一丁目から同区上十条三丁目までの延長約〇・六キロメートルの区間につきましては、計画幅員十八から三十メートルに拡幅整備するものでございます。
 都では、両路線の事業化に当たり、JR埼京線十条駅付近連続立体交差事業につきましては、平成二十七年二月、都市計画素案説明会を開催し、補助第八五号線につきましては、平成二十八年一月、都市計画変更素案説明会を開催いたしました。
 以降、両路線をあわせまして、平成二十八年十月、JR埼京線十条駅付近連続立体交差事業の都市計画案及び環境影響評価書案、補助第八五号線の都市計画変更案の説明会を同時に実施し、平成三十年二月、事業概要及び測量説明会を踏まえ、現地測量及び用地測量を実施いたしまして、令和二年三月、同時に事業認可を取得いたしました。
 JR埼京線十条駅付近連続立体交差事業の構造形式につきましては、地形的条件、計画的条件、事業的条件の三つの条件により総合的に判断いたしまして、高架方式を選定しております。
 環境への影響につきましては、東京都環境影響評価条例に基づき、騒音や振動、日影などの環境に及ぼす影響の予測、評価を行い、環境保全のための必要な対策につきまして適切に対応しております。
 補助第八五号線の都市計画幅員につきましては、十条駅付近が木造住宅密集地域のうち、震災時に特に甚大な被害が想定される整備地域に指定されており、早期防災性の向上が必要であることや、十条駅周辺は大学、障害者支援施設、医療施設等の大規模施設や商店街が立地し、歩行者や自転車の利用が多いため、安全で快適な歩行空間の確保が必要であること、また、地元区より交流機能の向上、延焼遮断機能の確保、景観機能の向上を要望として受けていることを踏まえまして、三十メートルの幅員といたしました。
 引き続き、地域住民に丁寧な説明を行うとともに、地元区や鉄道事業者と連携し、両路線の早期事業完了に向けて取り組んでまいります。
 説明は以上でございます。よろしくご審査のほどお願い申し上げます。

○細谷委員長 説明は終わりました。
 本件について発言願います。

○原田委員 それでは、本陳情について幾つか質問させていただきます。
 本陳情の理由を見ますと、埼京線連立事業の高架方式への変更及び附属街路の設置、補助八五号線による歩道拡幅によって重大な住環境破壊、地元経済への悪影響が引き起こされると指摘しています。
 ただし、陳情趣旨自体は、小池都知事に現地視察をしてもらいたいという要望や、住民団体や商店街が主体となる説明会に応じることや、強引な測量、立ち退き交渉をやめるよう求めるものであって、そして一定期間が過ぎても事業が進捗しないときは、進め方の見直しを求める、そういう内容になっています。
 長年十条に暮らし、十条の地元経済を構築し、十条のコミュニティを守り育ててきた住民が当該計画によってその生きる場を奪われるとなれば、いずれの陳情も当然過ぎる内容です。
 当都議団としては、まず本陳情について採択の意思表明をさせていただいた上で、事業者たる建設局に対しても幾つかの論点をただしたいと思います。
 当初、補助八五号線は、当時国鉄赤羽線をまたぐ跨線橋として計画されておりましたが、一九八三年、北区議会は住民のかねてからの要望であった地下化による連立事業を議会議決。
 ところが、国鉄時代の住民合意は、JRへの民営化を経て、たび重なる連立事業の早期実現を求める運動や、さまざまな議会決議があった後、二〇一五年、平成二十七年に高架案の都市計画変更が打ち出されてしまいました。
 しかも、跨線橋の計画はなくなったにもかかわらず、道路幅を三十メートルに拡幅する計画だけは温存され、事業認可という重大な局面に突入しているとすれば、住民の心中は穏やかでいられないのは当然です。事業者には、住民の不安や疑問にしっかり答え、怒りの声に耳を傾ける姿勢が極めて重要だということを指摘するものです。
 そこでまず、八五号線についてお聞きしますが、補助八五号線の道路拡幅の必要性について、東京都は、第一に延焼遮断帯の形成をうたい、第二に快適な歩行空間の確保を掲げています。
 そこでまず、なぜ延焼遮断帯がこの地域に必要なのか、改めて考えなければなりません。
 八五号線の南側には住宅密集地も少しの区間広がりますが、すぐに陸上自衛隊十条駐屯地、成徳大学、公立中学校や都立特別支援学校、東京家政大学などの広大な空地、あるいは不燃建築群が並びます。
 現在の八五号線自体も十八メートルの道路幅であり、さらには南北に埼京線の線路が走る地域です。一体、この道路をさらに十二メートル拡幅することがどれだけ災害対策に有効なのかを検証しなくてはなりません。
 そこで参考になるのは、防災都市づくり推進計画という計画でして、ここでは重点整備地域に指定された地域の不燃領域率と延焼遮断帯形成率といった指標の現状と目標値が示されています。
 そこでお聞きします。
 測量説明会で住民に説明された内容のうち、早期に延焼遮断帯機能を高める必要性があると説明しましたが、現在、十条駅付近の不燃領域率と延焼遮断帯形成率は何%に達しているのか。防災都市づくり推進計画との関係で、達成率もお示しください。

○花井道路建設部長 防災都市づくり推進計画におきましては、十条駅を含む十条・赤羽西地域の不燃領域率は五四・二%で、延焼遮断帯形成率は七四・〇%と示されております。

○原田委員 不燃領域率というのは、市街地の面積に占める耐火建築物の敷地及び幅員六メートル以上の道路等の公共施設の面積の割合と。延焼を一定程度抑えるには、この不燃領域率のパーセンテージが四〇%以上必要だといわれていまして、この地域は、今の答弁によると五四・二%と。
 ほとんど延焼を抑え込むには七〇%以上の不燃領域率が必要だとされますから、つまり延焼を一定程度抑え込むレベルと、ほとんど延焼を抑え込むレベルのちょうど中間ぐらいにこの地域はあるといえます。
 そこで、防災都市づくり推進計画を見ますと、二〇一〇年、今から十年前は現況で四四%となっており、目標値は、その五年後、二〇一五年で不燃領域率五〇%とありますから、十年前とはちょっと地域の追加、変更はあるんですけれども、現在五四%ですから、大体この目標値に到達して、順調に進んできているというふうにいえるんだと思うんですね。
 二〇一〇年には四四%だった不燃領域率が、現在、約一〇%も向上していると。このことを考えると、なかなかの進みぐあいなんではないかなと。莫大な経費を投じ、地域のコミュニティや経済を破壊してつくる道路建設よりも、建物の不燃化や耐震化を支援して、燃えにくい、倒壊しにくいまちづくりを支援する方が、早くて安くて住民本意の防災都市づくりになるんだということをこうしたデータが示している気がするんですよね。
 そこで、延焼遮断帯についてもお聞きしたいと思います。
 ここでパネルを使いたいんですが、これがまた細かくて見にくいと。これが八五号線ですね。八五号線は既に十八メーターの道路です、それなりの道路。道路幅を持ち、南北には鉄道が走っている。南側には複数の大学施設など大規模な延焼遮断帯が存在していると。これですね。この規模です。
 これだけの大きな敷地、不燃建築物の上に張りつくようにしてこの道路はあると。この道路自体も既に十八メーターあるんだということですね。この道路を十八メートルからさらに十二メートル広げて三十メートルに拡幅することが本当に必要なのかということが問われています。
 八五号線の三十メートルへの拡幅が、延焼遮断帯機能としてこの地域でどのように求められているのか、データがあるのかお示しください。

○花井道路建設部長 防災都市づくり推進計画におきまして、十条駅付近は木造住宅が密集しており、鉄道による地域分断や幹線道路の未整備など、多くの課題を抱えており、震災時に特に甚大な被害が想定されている整備地域に指定しております。
 また、JR埼京線十条駅付近の連続立体交差化に合わせて、地域の活性化や防災性の向上を実現するため、補助第八五号線を含む駅付近の整備を進めるとされております。
 補助第八五号線の沿道両側にも木造住宅が密集していることからも、本路線はこの地域において単独の延焼遮断帯の機能を発揮するものとして位置づけられております。

○原田委員 今るる述べられましたけれども、(パネルを示す)これだけの延焼遮断帯といいますか、空地があって、不燃建築群があって、その上に十八メートルの道路が既にあって、南北には線路が走っていると。これでさらに道路を拡幅しなきゃいけない。
 ついでにいうと、ここに七三号線という都市計画が走っていまして、これももう買収が始まっているんですね、こっちの方はね。
 これで三十メーターの道路をここにつくらなきゃいけないという理由をデータでお示しいただきたいといいましたが、そのデータはないということが今の答弁だったんではないかなと。ただ必要なんだというだけにすぎなかったと思います。
 延焼遮断帯についての具体的なデータなどあるのかと聞くと、やはり答弁では、先ほどから私が指摘している防災都市づくり推進計画というのが出てくるんですよね。ここで延焼遮断帯が必要なんだということが書かれているから、この地域は危ないということが書かれているから道路拡幅するんだというんですけど、だとすると、この地域の延焼遮断帯の必要性を示しているデータは、先ほど部長みずからの答弁にもありましたが、延焼遮断帯形成率で、十条・赤羽西地域のそれは七四%だということなんです。これが重要なデータなんです。
 延焼遮断帯形成率七四%というのがどれくらいの値かというと、実は、本年作成されたばかりの最新の防災都市づくり推進計画、第3章、防災都市づくりの整備方針というところを見ますと、二〇三〇年、あと十年ですね、令和十二年度までに整備地域内の延焼遮断帯の形成率を七五%としますと目標に掲げられているわけです。
 十条・赤羽西地域はあと一%で達成と。平均的な目標値かもしれませんけれども、それぐらい延焼遮断帯形成率というのが、実は、木造密集地域でもありますけれども、延焼遮断帯形成率というのは高まっていると。
 このことからいうと、不燃化の支援というのが実は重要になってくる地域なんじゃないかなというふうに私なんか思うんですけれども、しかも、この整備方針ですけれども、この最新の計画で、それまでの目標を五年先延ばしにしたんですね。ほかの地域がなかなか整備を進められていない延焼遮断帯形成率をこの地域は既にほぼ達成に近いところまで到達していると。防災都市づくり推進計画に基づく達成率という点でお聞きしたのに、なぜこういう答弁がなかったのか不思議です。
 さて、八五号線の拡幅の必要性として語られているもう一つの大きな柱が、歩行空間の確保。
 そこでお聞きします。
 歩行空間の拡幅が必要とのことですが、確認できたのは、住民説明会で渡されたパンフレットに示されている現地の写真。学生さんたちが行き交っている。あと、道路交通センサスに記載されている歩行者数などであります。この地域の歩行空間に問題があると示しているデータがほかにあるんでしょうか。あればお示しいただくと同時に、なぜそれが問題なのか説明願います。

○花井道路建設部長 補助第八五号線の十条駅付近におきましては、大学や高校、医療施設など大規模な施設が立地しており、多くの歩行者や自転車が通行しておりますが、歩道幅員が狭く、歩行者と自転車が混在し、安心して快適に通行できない状況でございます。
 また、北区からも、交流機能の向上、延焼遮断機能の確保、景観機能を向上させる歩行空間の確保、そしてこれらの実現のために、既定の都市計画道路幅員を最大限生かした整備としてほしいとの要望を受けております。
 これらを踏まえまして、補助第八五号線につきましては、既定の都市計画の道路幅員を最大限に生かし、広幅員の歩道などを確保した質の高い道路となるよう計画し、現在事業を進めているところでございます。

○原田委員 多くの歩行者や自転車が混在しというんですけれども、その混雑率などのデータが何度いっても示されないんですよね。ないんだと思うんです。北区から要望があるとのことですが、要望があればエビデンスもなく受け入れるわけではないと思います。
 そこで、道路に関する国勢調査ともいわれる国土交通省交通センサスを見てみました。平成二十二年の資料なんですけれども、八五号線の歩行者数というのがばっちり出ていまして、通勤通学の時間帯である、つまり一番混むであろう八時から九時の時間帯で約二千七百人と記載されていました。
 建設局に、八時から九時の一時間で約二千七百人、これがどれだけの混雑率なのかと聞くと、建設局としては、これは表参道の交通量のピーク、約二千百人より多いのだというんですね。
 それはただごとじゃないなと私も思いまして、よく見てみたんですけれども、表参道の調査日は、平日火曜ということで、それほど混雑する日ではなかったんですね。
 そこで改めて、一時間に二千七百人というのがどれほどの交通量かを考えてみますと、三・五メートル幅の歩道を十秒で七人が通るというものなのです。そう考えると、それほど混雑はしていないんじゃないかなと。そもそも皆さんが示されたパンフレットも、学生さんたちの横を自転車が通っていたりとかして、それなりに交通は確保されていた写真でしたね。
 そこで私、本日の質問に先立ちまして、現地視察に行ってきたんですけれども、やはり道路沿いの商店の方々も、それから通行人の方々も、危険なんてほどのひどい混雑ではないし、午前中のちょっとした時間帯だけだというんですね。確かに九時を過ぎると、交通センサスを見ますと、途端に通行人の数は三分の一、四分の一と激減するんですね。
 ちなみに表参道は、平日火曜でもこの二千人前後という数字がずうっと続くわけです。この計画が進むと、表参道と同程度か、むしろそれ以上の歩道がこの地域に突如あらわれるわけです。表参道の道路より広いんですよ。これが十条に突然あらわれるというんで、いつの時代の計画なのかなと。
 聞き取った方々が口々にいわれたのが、そんなに歩道を拡幅する理由がどこにあるのかわからない。口々にいわれていましたし、そもそも反対ののぼりやポスターもいっぱい張ってありましたね。
 理由も不明確な道路のために多くの商店が、六メートルもですよ、歩道からさらに六メートルも自分たちの建物を削られ、ちょっと残ってしまったわずかな土地は残地としてろくな補償もないと。これじゃあんまりじゃありませんか。
 お聞きしますが、補助八五号線の三十メートルへの拡幅で、十条のまち並みと経済を形成してきた商店の数々が、店を畳まざるを得なくなります。このことの問題意識が建設局にあるのかないのか、率直に伺います。
 また、二〇一〇年の防災都市づくり推進計画では、住商が共存、融合した庶民的な温かみと活気あるまちづくりを進めると整備方針にうたっていましたが、現在の都市計画はこうした方針と逆行しているんじゃありませんか。お答えください。

○花井道路建設部長 補助第八五号線は、防災都市づくり推進計画において整備地域に指定されており、延焼遮断帯の形成などにより防災性を確保する必要がございます。北区から既定の都市計画の道路幅員を最大限に生かした整備の要望も受けてございます。
 また、北区が進めております駅周辺のまちづくりとの整合を考慮し、十条駅周辺のにぎわい拠点の形成に向けた回遊性のある歩道空間を確保する必要がございます。
 これらを踏まえまして、補助第八五号線につきましては整備方針に従い取り組んでいるところでございます。

○原田委員 確かに北区から求められているというのは、東京都として計画推進の重要な推進力になるんだと思います。
 しかしながら、この道路が切実に求められているという防災上の、あるいは歩行空間確保の切迫性などのデータも示されずに、そのまま受け入れて、巨額の経費を計上していくというのは、今、コロナ禍の渦中にある東京都として許されることなのかと。これは深刻に問われてくると思います。
 そこで、今後についてお聞きしますけれども、五月五日、依命通達によって、都の事業は全て精査し、延期、縮小、見直しについて検討することとなっています。八五号線については、事業認可がおりているとはいえ、測量もまだ境界確定が三割ほどという状態の中で、慎重な検討が必要と考えますが、当該事業は依命通達に照らしてどのような検討を行っているのか伺います。

○花井道路建設部長 新型コロナウイルス感染症対策の状況なども踏まえつつ、引き続き地域住民に丁寧な説明を行いますとともに、地元区、鉄道事業者と連携し、早期事業完了に向け取り組んでまいります。

○原田委員 早期事業完了に向けて取り組んでいくということなんですけど、新型コロナの影響というのは重大な規模で都財政に影響を与えることが確実であり、建設局自身が積極的に、その投資的経費はもちろん、経常経費に至るまで、無駄な、あるいは不要不急の事業はないのかなどの見直しを検討せねばならない段階に入っていると思います。のべつ幕なしに、今やっている事業は存続で、依命通達に基づく検討も行うつもりはないという態度は、到底都民の理解は得られないと思いますよ。
 改めてお聞きしますが、コロナ禍を受けて今後のスケジュールの変更など考えられるのかお示しいただきたい。

○花井道路建設部長 新型コロナウイルス感染症対策の状況なども踏まえつつ、引き続き地元区、鉄道事業者と連携し、早期事業完了に向けて取り組んでまいります。

○原田委員 半ば依命通達を無視するかのような答弁は今後波紋を呼ぶと思いますよ。ただし、感染症対策の状況を踏まえという答弁も含まれていたのは気になりました。
 感染拡大防止ということを考えると、住民説明会の開催はいうに及ばず、測量や用地交渉のために、職員等が多くの地権者宅に呼ばれもしないのに押しかけて、個別説明や交渉を行っていくというのもはばかられるのは当然と考えます。
 そのことは聞くまでもないとは思いますので、まあ、でも、一応聞いた方がいいですね、部長。このコロナ禍で状況を踏まえてということなんですけど、住民から呼ばれもしないのに押しかけていって、測量や用地買収の個別説明、交渉などを行っていくつもりなのかどうか教えてください。

○花井道路建設部長 依命通達では、休止事業のうち未着手、未発注、一時停止が可能な事業は原則延期または中止することとし、延期とするか中止とするかは、感染症の状況や各事業の趣旨等を踏まえ、個別に判断することとされてございます。
 繰り返しになりますが、新型コロナウイルス感染症対策の状況なども踏まえつつ取り組んでまいります。

○原田委員 押しかけていって強引に個別説明や交渉を行っていくということではないということは確認してよろしいですね。確認できました。
 連立事業についてもお聞きしておきたいと思います。
 東日本旅客鉄道赤羽線十条駅付近連続立体交差事業の環境影響評価書、いわゆるアセス書についてですが、日影の評価についてお聞きしたい。
 当該アセスによると、建築基準法及び東京都日影による中高層建築物の高さの制限に関する条例の日影規制をもとに評価しています。
 そこで、建築基準法の日影規制を少しだけひもときますと、当該建築物の敷地境界線から五メートル、十メートルの測定ポイントを定め、そのポイントで当該建築物の日影が規定時間生じないように建物の高さを制限するというものであります。
 ここで、私がつくったお手製のパネルを見ていただきたいと思うんですが、当該建築物の隣に道路がある場合は、その道路の中心線から五メートル、十メートルをとって測定ポイントを定めます。
 これが建築物だとすれば、今回は鉄道高架線になるわけですね。この横に道路があった場合、建築基準法が定める日影の測定ポイントは、道路の中心線から五メートル、十メートルと設置するわけですね。
 ところが、十条駅付近の埼京線の連立事業では、この道路ですね、北区が用意する附属街路と呼ばれる都市計画道路があるわけですけど、埼京線の場合は、この中心線から五メートルとるんじゃなくて、なぜか道路の外側から五メートルとっていると、十メートルのポイントをとっていると。つまり日影規制の緩和が事実上行われているということなんですね。
 附属街路は明らかに連立事業とは別の都市計画なんです。これは間違いありません。にもかかわらず、附属街路を計画の中だといい張って、ここに敷地境界線をつくっちゃっている。本来は都市計画の敷地境界線はここなんです。ところが、この附属街路も、北区が用意する道路なのに、この計画の連立事業の中だといってしまっていると。
 こういう測定ポイントを道路の端から設定するのはおかしいとしかいいようがありませんので、お聞きします。
 十条駅付近の連立事業の都市計画範囲に附属街路設置は含まれませんが、東日本旅客鉄道赤羽線連続立体交差事業の環境影響評価書では、日影の評価において、別の都市計画である附属街路を連立事業の敷地境界線の中に入れていると。敷地境界線は、鉄道と附属街路の間に存在するのではないのかお答えください。また、附属街路を敷地に含めるとするなら、その法的根拠を示していただきたいと思います。

○花井道路建設部長 敷地境界のとり方につきましては、JR埼京線十条駅付近の連続立体交差事業と一体的に整備する都施設の敷地境界としております。
 なお、環境影響評価書におけます日影の評価につきましては、建築基準法及び東京都日影による中高層建築物の高さの制限に関する条例の基準を参考にしております。

○原田委員 鉄道連立事業と附属街路は一体的に整備するから、敷地境界は附属街路の外側だというんですけれども、北区は、住民説明会でこの附属街路について、この道路について、一体的に整備するどころか、たとえ連立事業がないとしても整備しなければならない道路計画だというふうに住民に説明しているんですね。全くの別事業であり、同じ事業とするには無理があるんじゃないか。これを同じ事業なんだとする法的な根拠とかあるのかと聞いたら、ないわけですよね。
 環境影響評価書によると、附属街路を敷地内としているため、日影規制の観測ポイントである五メートル、十メートルラインが附属街路端から外に向けて設定されている。附属街路が別の都市計画ということであれば、五メートル、十メートルラインは附属街路の中心線からはからなければならないのではないか。見解を伺うとともに、その理由も示していただきたいと思うんですね。
 先ほどの答弁で部長が、建築基準法及び日影条例に基づいて、参考にして評価をしているんだというんですけど、それに基づいたら、この真ん中からとらなきゃいけないんですよ。基づいていないからいっているんです。この真ん中から、本当は五メートルのポイントをとらなきゃいけないんじゃないんですか。

○花井道路建設部長 まず、日影の原因となります主な鉄道施設につきましては、建築基準法第二条の一におきまして、鉄道及び軌道の線路敷地内の運転保安に関する施設並びに跨線橋、プラットホームの上家は建築物の定義から除くとされておりまして、建築基準法及び東京都日影による中高層建築物の高さの制限に関する条例の規制対象ではございません。
 一方で、東京都環境影響評価条例に基づきます東京都環境影響評価技術指針において、高架鉄道の工作物は評価の対象となっております。
 このことから、建築基準法及び東京都日影による中高層建築物の高さの制限に関する条例の基準を参考に評価をしているところでございます。
 附属街路につきましては、本計画に合わせまして、沿道地域の良好な住環境の保全や交通の円滑化、地域の安全性、防災の向上などを目的といたしまして一体的に整備する事業でございますために、その敷地境界から五メーター、十メーターラインとしております。

○原田委員 建築基準法に基づく建築物ではないんだと、この線路は、高架線は。そのとおりなんです。そのことは、実はこのアセスにみずから皆さんが書き込んでいるんです。みずから皆さんは、事業者は、建築基準法に基づく建築物じゃないんだけれども、建築基準法及び日影規制に基づいて、それを参考にして日影の規制について評価を行いますと書いているんです。
 そして、これは逃げられないと思うんですけど、まさにアセスの一番最初の結論に、日影の部分は建築基準法及び東京都日影条例の規制にひっかからないというふうに書いちゃっているんですよ。
 ところが、皆さんが使っている基準は、建築基準法や都条例とは違う、隣にある道路を自分たちの敷地境界線だと法的根拠がないから、建築基準法の枠の建物じゃないから、自分たちの解釈でいいやといって敷地の中に入れちゃって、勝手に日影の測定ポイントを緩和しているんです。
 ほかのアセスでは、さまざまな建築物はもちろん側道の中心線から五メートル、十メートルの測定ポイントを打っています。
 平成四年かな、五年か六年ぐらいの小田急の連立事業では、詳しくはそこまで書いていなかったんですけれども、建築基準法に基づくと、どうしても日影の規制にひっかかる場所が出てくるんで、それについては金銭解決をするということまで書いておりまして、その基準まで示されておりました。
 今回改めて、東京都、事業者が、建築基準法に基づくと、参考にといいながら、実は建築基準法の対象外だからいいやとばかりに、勝手に緩和を行って、しかも、アセスには建築基準法に基づいて日影規制の問題はないと書いてしまっていることは、これから大きな波紋を呼び起こす問題だということを、この後、西武線でもやるんですけれども、指摘をしておきたいと思います。
 あと、附属街路についての答弁は、迷走した答弁となっていました。附属街路は、沿道の良好な住環境の保全のためといっていますけれども、実際には建設局は、高架線は建築基準法の対象とはならない工作物だからと、附属街路を敷地境界線の中に入れてしまう荒わざを使って、日影の観測ポイントを数メートル外側に勝手に緩和しているわけですから、沿道の良好な住環境をむしろ破壊して、おとがめなしとするツールとして使われてしまっているわけです。この問題についても改めて指摘をしないといけないと思います。
 最後になりますが、改めて当該計画が必要の根拠に薄く、住環境や地域コミュニティ、地域経済を破壊する道路であることが本陳情を通して浮き彫りになりました。さりとて、本陳情の趣旨は、単に、小池知事にこの実態を見に来てほしい、強引に進めないでほしいというものであり、否定することはどの会派もできないんじゃないかなというふうに思う内容となっていると。日本共産党都議団としては採択の意思を改めて表明し、質疑を終えます。

○細谷委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○細谷委員長 起立少数と認めます。よって、陳情二第三四号は不採択と決定いたしました。
 この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。
   午後三時三十三分休憩

   午後三時五十五分開議

○細谷委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 次に、陳情二第三七号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○花井道路建設部長 それでは、お手元の資料5、八ページにございます陳情審査説明表の整理番号6、陳情二第三七号をお開き願います。
 本件は、西武新宿線連続立体交差事業の環境影響評価書に検討過程を反映させることに関する陳情で、練馬区の樋口学さんから提出されたものでございます。
 陳情の要旨は、都において、西武新宿線連続立体交差事業の環境影響評価書、以下評価書というについて、次のことを実現していただきたい。
 一、騒音、振動について、予測した単発暴露レベルのデータを記載するとともに、地上約十メートルにおける騒音予測を追加すること。
 二、日影について、日影の形状を示した図の掲載と、沿線上約五十メートルの間隔での高架構造物の高さ、敷地の地盤レベル及び北側隣地の地盤レベルの測量図を追加すること。
 三、景観について、調査地点の設定や地域特性、評価基準について住民の意見を反映する手法を検討し、反映すること。
 四、風環境について、沿線上の風速や風方向の測定と予測値を追加すること。
 五、住民参加について、調査方法における地点の設定や地域特性などに、住民の意見を反映する手段の検討をすることとのことでございます。
 続きまして、現在の状況でございますが、本区間には、補助第二二九号線、千川通りなどと交差する二十カ所の踏切がございまして、そのうち十二カ所があかずの踏切であるため、慢性的な交通渋滞や地域の分断が生じております。
 また、地元区市からは、連続立体交差事業の早期事業化の要望を受けるとともに、各区市で駅前広場等のまちづくりに取り組んでおります。
 こうした状況のもと、都では、平成二十九年四月、国から着工準備採択を受けた後、構造形式について比較設計協議を行いまして、昨年二月には高架方式による都市計画素案説明会を開催し、都市計画の手続を開始いたしました。
 本区間の鉄道の構造形式につきましては、鉄道周辺の地形などの地形的条件、除却する踏切の数などの計画的条件、事業費などの事業的条件により総合的に判断いたしまして、構造形式を選定しております。
 環境への影響につきましては、東京都環境影響評価条例に基づき、東京都環境影響評価技術指針により、騒音や振動、日影などの環境に及ぼす影響の予測、評価を行い、環境保全のための必要な対策につきまして適切に対応してまいります。本区間については、平成三十一年二月に調査計画書を、本年二月には環境影響評価書案を提出いたしました。
 今後、環境影響評価書案の説明を実施した上で、都民等の意見を伺い、見解書や環境影響評価書を作成いたしますとともに、都市計画の手続をあわせて進めてまいります。
 引き続き、地域住民に丁寧な説明を行いますとともに、地元区市や鉄道事業者と連携いたしまして、本区間の連続立体交差事業の早期事業化に向けて取り組んでまいります。
 説明は以上でございます。よろしくご審査のほどお願い申し上げます。

○細谷委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○桐山委員 それでは、西武新宿線連続立体交差事業の環境影響評価書に検討過程を反映させることに関する陳情について質疑をさせていただきたいと思います。
 この区間の事業につきましては、西武新宿線井荻駅から西武柳沢駅までの間、約五・一キロメートルを連続立体交差化するものでございまして、ただいま説明にもありましたように、二十カ所の踏切を解消、また交通渋滞や踏切事故の解消のため大変重要な事業だということは認識をさせていただいておりますし、私の住んでおります西東京市におきましても、東伏見駅周辺のまちづくりを今まさに取り組ませていただいているところでございます。
 さて、今回、この陳情につきましては、西武新宿線立体化計画の環境影響評価に関することではございますが、まず初めに、環境影響評価の予測、そして評価の手法について改めてお伺いしたいと思います。

○花井道路建設部長 東京都環境影響評価条例に基づき、東京都環境影響評価技術指針により、事業が環境に及ぼす影響につきまして予測、評価を行います。
 技術指針は、環境影響評価が科学的かつ適正に行われるために必要な技術的事項について定めることを目的としております。
 事業者が環境影響評価書案等を作成するに当たりましては、この技術指針に基づきまして、対象事業の種類、規模、地域の概況等を勘案して、必要な調査、予測及び評価の項目、方法等を選定し、環境影響評価を行います。

○桐山委員 ただいまご答弁にありましたように、環境影響評価の予測と評価についての手法ということで、今、詳細を述べていただきました。
 東京都の環境影響評価技術指針に沿いながら、項目について予測をして、また評価を行うという、このような形ということで、正規の本来やるべきことだというふうには認識をさせていただいております。
 次に、本区間の現在までの環境影響評価の手続についてお伺いをしたいと思います。

○花井道路建設部長 条例に基づきまして、事業実施による環境の調査、予測や評価手法を記載いたしました調査計画書を作成し、平成三十一年二月に提出しております。
 その後、調査計画書に対する都民の意見及び杉並区長、練馬区長及び西東京市長の意見、環境影響評価審議会答申を踏まえました都知事の審査意見書を勘案し、評価書案を作成して、本年二月に提出しております。

○桐山委員 連続立体の交差事業は、都市計画とあわせて鉄道路線ということでの環境影響評価と同時進行しながら事業を進めておりまして、工事着手までの流れとしては、都市計画と、そしてこの環境影響評価を通して、何回か住民等の意見書を提出する機会が設けられているということでございます。
 今、答弁にもございましたように、杉並区長ですとか、あるいは練馬区長、西東京市長、いわゆる沿線上の区市の首長の意見も出されながら、それで、環境影響評価審議会の答申を踏まえて、そして都知事の審査意見書を勘案しながら、このたびこういう形で評価書案を作成して提出をすると、このような手続ということが確認をされたわけでございます。
 そこで、今度は具体的に、今、答弁の中にもありましたように、評価書案を作成する前の段階の平成三十一年二月に提出をされました調査計画書には、どのぐらいの意見、この中には先ほど申し上げた都民の意見と、あと首長の意見等もあったと思うんですけれども、環境影響評価書案にはどのように反映をされてきたのか、お伺いしたいと思います。

○花井道路建設部長 調査計画書には、都民の意見が十件、杉並区長、練馬区長及び西東京市長からの意見が三件ございました。
 例えば、騒音、振動につきましては、工事の施工中における夜間作業に関しての環境保全措置を記載いたしました。景観につきましては、調査及び予測、評価地点を追加いたしました。
 また、参考といたしまして、工事の完了後における鉄道騒音の高さ方向の予測結果を資料編に記載しております。

○桐山委員 調査計画書に対して寄せられた意見というものを評価書案に反映したということがただいま述べられたところでございますが、最後に答弁いただいておりました参考としての工事完了後における鉄道騒音の高さ方向の予測結果を資料編に記載したということですけれども、これは環境影響評価書案とともに縦覧できる資料ということで、私なりに認識をさせていただいているんですけれども、これはどのような経緯で高さ方向の予測結果を記載することとなったのか、お伺いしたいと思います。

○花井道路建設部長 調査計画書に対して、知事より、工事の完了後の鉄道騒音について、本事業区間周辺には中高層の住宅等が存在することから、必要に応じて高さ方向を含めた予測、評価を行うこととの意見がございました。
 このため、参考として工事の完了後における鉄道騒音の高さ方向の予測結果を資料編に記載しております。

○桐山委員 三区市の首長の意見の中にも、もともと調査計画書の中の意見の中にも、できるだけ可能な限り広く予測を立て、評価を行ってほしいというような意見もあったと見受けられます。それらも勘案しながら、知事の、工事完了後の鉄道騒音については、こういう中高層の住宅等が存在することから、そういったことも含めて勘案しながら、高さ方向の予測をしっかりと立てていきなさいよということで、そういう流れになったのかなと、そういう資料編を作成されたのかなということは確認をさせていただいたところです。
 本編の方では、いわゆる在来鉄道の新設又は大規模改良に際しての騒音対策の指針についてというところにおいては、騒音の測定の高さは原則一・二メートルとなっているということなので、それらの測定を幅広くしているけれども、本編の中においては原則のところの測定を用いた結果を掲載されているというような認識をさせていただいたところでございます。陳情者の思いの中で幅広くというところも数多く見受けられているんですけれども、今回出されている資料が、ホームページを見ても、要約版ですとか概要版のところだけ今掲載されている状況ですので、多分、資料編のところも目にされていないのかなというのが、ちょっと想像する範疇だけなんですけれども、それらもあわせて縦覧できることになりましたら、ぜひそちらの方も見ていただけたらなというふうに思います。
 次に質問させていただきたいのは、鉄道の高架化が完了いたしますと、住民の方々は騒音や日影についてやはり心配をしています。この項目の予測や評価は実際のところどうだったのかということについてお伺いします。

○花井道路建設部長 技術指針に基づき予測、評価を実施しておりまして、工事完了後における鉄道騒音につきましては、ロングレールの採用や遮音壁の設置などの環境保全のための措置を講じることによりまして、評価の指標を満足いたします。
 日影につきましては、一部地域で影響が生じますが、擁壁部等で居住部に当たらない範囲であり、影響は小さいと予測されております。
 なお、事業の実施に当たりましては、日影の影響を可能な限り回避または低減するため、鉄道施設の構造及び高さに配慮してまいります。

○桐山委員 住民の皆さんが心配する騒音や日影について、これからもさまざまいろんなご意見があろうかとは思いますけれども、今のご答弁の中では、一部の地域、日影の部分で影響が生じる部分があるけれども、最大限そこは配慮しながら回避をしていく、配慮をしていくというようなご答弁でございましたので、そのあたりもまたしっかりとご要望などをお伺いしながら、対応していただきたいなというふうに思います。
 地元からは、やはり一日も早くこの踏切を解消してもらいたいという声も多く聞いておりまして、残念なことに、新型コロナウイルスの関係で、環境影響評価書案の住民説明会が三月に予定されていたのが延期になっております。私も当日現場に行こうかなと思っていたんですけれども、延期になっていて、縦覧も延期になっています。
 そこで、今後のスケジュール及び環境影響評価の手続の中で、住民の意見を反映する機会があるのかどうかについてお伺いをしたいと思います。

○花井道路建設部長 条例に基づき、今後、環境影響評価書案を公示、縦覧いたしますとともに、説明を行うことになっておりまして、都民等は、この評価書案に対し意見書を提出することができます。
 その後、環境局において都民の意見を聴く会を開催することとなっております。
 また、個別の問い合わせに対しましても丁寧に対応してまいります。
 新型コロナウイルス感染症対策の状況なども踏まえつつ、引き続き地元区市、鉄道事業者と連携し、早期事業化に向け取り組んでまいります。

○桐山委員 ありがとうございました。事業者であります建設局におきましては、環境影響評価の条例に基づき、適正に手続を進めているということをただいま確認させていただいたところです。
 今後も、この条例に規定する住民の意見を聞く機会等につきましても、しっかりと手続を進めていただく中で、丁寧に対応して、そういった機会をぜひとも設けていただきたいというふうに思います。
 また、コロナの関係で説明会も延期になっております。以前から申し上げていますように、踏切の早期除却等、やはり市民の声としても、環境影響評価の延期になっているのも、できるだけ早く説明会を実施してほしいという声も最近では上がってきている状況でございます。引き続き、住民の対応ということでは丁寧な対応をとっていただきたいと同時に、首長からの意見の中にもかなり盛り込まれていましたが、説明する際には、可能な限り都民に向けてわかりやすい説明書の図表の作成ですとか、幅広く意見の要望を反映されるよう努めてほしいという意見も上がってきておりますので、ぜひそのような対応をしていただきますことを要望いたしまして、質問を終わりたいと思います。ありがとうございます。

○細谷委員長 質疑を続けます。

○高倉委員 それでは、この陳情について質問をさせていただきます。
 あかずの踏切を除却するということは、沿線の住民の方々にとっては極めて強い念願でありまして、実は長年の念願であるというふうに思います。
 西武新宿線、この当該地域ではありませんけれども、私は中野区に住んでおりますので、ここにつながる中野区の方の西武新宿線の連続立体交差化については、地元の中野区議会でも、私が区議会議員であった時代からですけれども、超党派の議員が参加をして、そして地元の住民や関係の自治体の方々とともに期成同盟を結成して、毎年大会を開いて、国土交通大臣等にも要請を、もちろん東京都にも活動してきているわけでありまして、住民にとっては非常に長い間の極めて重要な取り組みであるということで、私はぜひこれはしっかりと進めていかなければならないというふうにまず考えているわけであります。
 そこで、先ほど桐山委員さんの方からも細かな質疑がありましたので、多少重複するところがあるかもしれませんが、今回、陳情では五つの点から要望があるわけでありまして、まことに申しわけありませんが、一つずつ、どんな取り組みになっているのか確認をさせていただきたいと思っております。
 まず、騒音についてですが、調査地点の追加、あるいは単発騒音暴露レベルデータでの記載を求めているということでありますけれども、どのような基準で予測、評価を行っているのか、このことについてお伺いしたいと思います。

○花井道路建設部長 東京都環境影響評価条例に基づき、東京都環境影響評価技術指針により騒音の予測、評価を行っております。
 技術指針では、環境庁が定めた、在来鉄道の新設又は大規模改良に際しての騒音対策の指針についてに基づきまして、計画線の最寄り軌道中心から十二・五メートル離れた位置の地上一・二メートルを調査地点とし、単発騒音暴露レベルデータではなく、等価騒音レベルで予測、評価を行うこととしております。
 また、参考といたしまして、工事の完了後における鉄道騒音の高さ方向三・五メートル、五メートル、十メートル、十五メートルの予測結果を資料編に記載しております。

○高倉委員 今、具体的なご答弁をいただきました。先ほどの質疑にもありましたけれども、事業者である建設局は、あくまでこれは東京都環境影響評価条例、あるいは東京都環境影響評価技術指針に基づいて行っていくということであると思います。
 一項目めで地上約十メートルにおける騒音予測を追加することというふうにありましたけど、今、細かに、三・五メートルですとか五メートル、十メートル、十五メートルの予測結果を資料編として掲載しているということでありまして、既にこれは予測、評価を技術指針に基づいて行っているということだというふうに思います。
 それで、二つ目の日影ということでありますけれども、それでは、技術指針に基づいて、日影についてはどういった予測、評価を行うことになっているのかについてお伺いしたいと思います。

○花井道路建設部長 条例に基づき、技術指針により日影の予測、評価を行っております。予測に当たりましては、現地の地形を考慮の上、鉄道施設による日影の時刻ごとの境界線をあらわした時刻別日影図、また、鉄道施設が一定の時間以上、日影を及ぼす範囲の境界線をあらわした等時間日影図の二つを作成いたしまして、環境影響評価書案に記載しております。
 評価につきましては、建築基準法及び東京都日影による中高層建築物の高さの制限に関する条例の基準を参考に評価を行っております。

○高倉委員 今、答弁がありましたけれども、時刻別の日影図、あるいは等時間日影図、こういったものを作成して、予測、評価を行っているということであります。時刻別の日影図というのは、建築物の日影の時間ごとの境界線ということでありまして、これを一枚の地図上にあらわしたものであります。これは陳情者がおっしゃっているその図面ではないかなというふうに思うわけであります。
 三項目めでありますけれども、今度は景観についてでありますが、同じように、景観についてはどういった予測、評価を行っているのか、このことについてお伺いしたいと思います。

○花井道路建設部長 条例に基づき、技術指針により景観の予測、評価を行っております。景観の予測につきましては、現況の調査結果に計画工作物等を重ね合わせるフォトモンタージュの方法を用いております。
 評価の指標は、東京都景観計画、杉並区景観計画、練馬区景観計画及び西東京市の都市計画マスタープランの方針に基づき評価しております。
 また、高架橋及び駅舎の外壁につきましては、周辺環境や地域景観と調和するよう、デザイン、色彩を配慮することから、評価の指標を満足すると考えております。

○高倉委員 今、答弁で、評価に当たっては、東京都景観計画、あるいは地元区である杉並区や練馬区の景観計画、さらには西東京市の都市計画マスタープラン、こういった方針に基づいているということでありました。本当に客観的な評価ということでもあろうかというふうに思っております。
 それで、四点目は風環境についての要望でありますけれども、この風環境は何ゆえ環境影響評価の項目として選定をしなかったのかと、このことについて答弁いただきたいと思います。

○花井道路建設部長 高架橋の高さは周辺の建物を大きく上回ることはなく、下部は開放される箇所もあることから、風環境に及ぼす影響は小さいと考えられます。
 また、地上部に駅施設等が設置されますが、駅施設等の高さは周辺の建物を大きく上回ることはないため、風環境に及ぼす影響は小さいと考えられます。
 以上のことから、環境影響評価の項目として選定しておりません。

○高倉委員 私も技術指針を確認させていただきましたけれども、高さが六十メートルを超えるような建築物とか、あるいは周辺の高さよりも五、六倍以上の高さの建築物が建設をされる場合などに、この風環境を選定するということでありました。今の答弁では、今回はそうした高さではないということだと思います。そういうことなのだというふうに思います。
 それから、五点目、住民参加ということでありますけれども、調査地点の設定等に対して、住民の意見を反映することというふうな意見でありますけれども、このことについてのご見解をお伺いしたいと思います。

○花井道路建設部長 環境影響評価書案につきましては、調査計画書に対する都民の意見や、杉並区長、練馬区長及び西東京市長からの意見、環境影響評価審議会答申を踏まえた都知事の審査意見書を勘案し、作成いたしました。
 今後、評価書案を公示、縦覧いたしますとともに、説明を行い、環境影響評価書案に対する意見書の提出を行うことができます。
 また、評価書案に係る見解書の公示、縦覧の後、都民の意見を聴く会への参加の機会がございます。
 引き続き、住民から寄せられるご意見に対しても丁寧に対応してまいります。

○高倉委員 住民の意見を聞く機会ということも、きちっと手続上、定められていることでありまして、先ほど桐山委員さんの方からも、ぜひ丁寧にというお話がありましたけれども、私も同じように、ぜひ、手続に基づいて、しっかりと定められているわけですから、丁寧にお聞きしていただきたいというふうに思っております。
 今、一項目ずつお聞きしてきましたけれども、私、冒頭申し上げましたように、東京都環境影響評価条例、あるいは東京都環境影響評価技術指針、きちっとこうしたものに基づいて事業者としては行っていると。つまり、何の根拠もなくこういった評価書をつくっているわけではなくて、事業者として、きちっと根拠を持って、定められたものによってつくっていると、こうしたことを確認させていただきました。
 適正な手続にのっとってこれまで推進してこられたというふうに思っております。また繰り返しになりますが、住民の意見を聞く機会についても、ぜひしっかりと丁寧に進めていただくように求めまして、質疑を終わりたいと思います。

○細谷委員長 質疑を続けます。

○原田委員 それでは、西武線アセスに関する本陳情について、私からも質疑をさせていただきます。
 本陳情は、環境アセスの予測、評価方法について改善を求める内容であり、本来なら環境局で審議されるのかと思っておりましたら、建設局での質疑とのことで、答弁としてかみ合うのかとも思いましたが、建設局としては、事業者として答弁いただけるというので、それはそれで貴重な機会だなというふうに思っています。
 いうまでもなく環境アセスは、事業者みずからが当該事業による環境への影響を事前に予測、評価し、対策を講じるという制度であります。本陳情を参考に、騒音、日影、景観などの評価項目について、事業者たる建設局に率直に伺っていきたいと思っています。
 まず、騒音ですが、平成七年十二月二十日環大-百七十四号、在来鉄道の新設又は大規模改良に際しての騒音対策の指針についてでは、生活環境を保全し、騒音問題が生じることを未然に防止する上で目標となる当面の指針として、大規模改良する線路については、騒音レベルの状況を改良前より改善することとあります。この指針は当該計画にも適用されていることを確認したいが、いかがでしょうか。

○花井道路建設部長 東京都環境影響評価技術指針の中で、在来鉄道の騒音については、在来鉄道の新設又は大規模改良に際しての騒音対策の指針についてを調査、予測、評価の指標として用いることとしております。
 そのため、本区間の工事完了後の鉄道騒音につきましては、騒音レベルの状況を改良前より改善することを評価の指標としております。

○原田委員 結構です。等価騒音レベルとはどのような指標か、なぜ等価騒音レベルを環境アセスに用いているのか、その優位性は何かお聞きします。

○花井道路建設部長 環境省が定める、騒音に係る環境基準についてにおきまして、騒音の評価手法は、等価騒音レベルによるものとし、時間の区分ごとの全時間を通じた等価騒音レベルによって評価することを原則とするとの記載があるため、等価騒音レベルで予測、評価をしております。
 また、等価騒音レベルは、騒音の発生頻度や継続時間を含めて評価することが可能であり、睡眠影響やアノイアンスの、これは人に感じられる感覚的なうるささのことでございますけれども、対応にもすぐれているとされております。

○原田委員 騒音のレベルをはかる上で、環境アセスでは等価騒音レベルという指標を用いているわけですよね。今の答弁で、何で等価騒音が重要なのかというふうにお聞きしたところ、幾つかの答弁をいただきました。ありがとうございます。
 環境省が騒音の評価手法は等価騒音レベルによるものとしているので、そうしているというだけの答弁では、率直にいって本陳情に正面から向き合った答弁とはいえないと思いましたが、幾つかアノイアンスの問題とかも取り上げて、等価騒音レベルではかることが重要なんだということもおっしゃいました。
 本陳情ですけれども、等価騒音レベルもさることながら、鉄道では単発騒音でこそ騒音被害を受けるわけであって、単発騒音暴露レベルの情報を記載するべきだとおっしゃっています。
 そこでお聞きしますが、等価騒音レベルをはかる上でも、単発騒音暴露レベルの予測データがあるはずであり、そのデータを示すことは可能なのかと。できないときはその理由を示してください。

○花井道路建設部長 東京都環境影響評価技術指針では、環境庁が定めた在来鉄道の新設又は大規模改良に際しての騒音対策の指針についてに基づき、単発騒音暴露レベルではなく、等価騒音レベルで予測、評価を行うこととなっているためでございます。

○原田委員 だから、陳情は、そうなっているから単発騒音レベルの記載もしっかりとやってくれと、鉄道の音というのは半端ないんだということを訴えているわけですよね。アセス書の評価項目の改善を求めているのに対して、環境庁がそう定めているからとだけ答弁するのでは、結局、環境局に付託すべき陳情だったという話になってしまうんじゃないかと思うような答弁だと私は思うんですね。もっと事業者として誠実な答弁をするべきだと思います。
 ここに平成三十年度鉄道騒音振動調査結果報告書というものがあります。これは環境局が作成したものなんですが、これを見ますと、鉄道高架で、単発騒音で八十デシベル前後、高い値で九十デシベルを超える騒音がこの東京都内でも多く見受けられるわけなんですね。こういう単発騒音があることもしっかりとアセスの評価に取り入れて、対策を講じねばなるまいとする本陳情の趣旨は、全くもって当然のことだと私は思うんです。
 そこでお聞きしますけれども、環境局が作成したこの平成三十年度鉄道騒音・振動結果調査報告書を見ると、多くの鉄道で列車通過時に八十デシベル前後の騒音を測定しています。都の騒音規制値をはるかに超える単発騒音暴露があることを示していますが、こうした騒音の低減は建設局としても重要な課題であると考えますが、いかがですか。

○花井道路建設部長 本区間の工事完了後における鉄道騒音の評価の指標は、在来鉄道の新設又は大規模改良に際しての騒音対策の指針についてに基づき、騒音レベルの状況を改良前より改善することとしております。
 なお、本区間につきましては、ロングレールの採用や遮音壁の設置などに加えまして、車両及び軌道の定期的な検査や保守作業を十分実施するなど、鉄道騒音のさらなる低減に努めてまいります。

○原田委員 鉄道の騒音については、その低減がやはり大きな課題といえることが今の答弁でもわかりましたが、その点では、ちょっと気になるのは、この西武線では、かつて井荻-西武柳沢間の鉄道連立事業における工法の比較検討において、地下案がいいのか高架案がいいのかという検討ですね、高架案と地下案で、騒音、振動は高架案も地下案も同じ一重の丸で、結果として差のない同評価として、業者からこういう評価案が出てきたと。ただ、高架案と地下案では騒音、振動については明白な差があるんじゃないのかなと、多くの方々が疑問に感じていたんですよね。今の答弁でもやっぱり、鉄道の騒音というのは、その低減が東京都でも重大な課題になっていると。
 ここであえて聞いておきたいと思います。鉄道立体化の構造形式について、何で比較検討において、高架案と地下案を同じような騒音レベルとして評価されてしまっていたのか。おかしいんじゃありませんか。

○花井道路建設部長 鉄道立体化の構造形式につきましては、鉄道周辺の地形などの地形的条件、除却する踏切の数などの計画的条件、事業費などの事業的条件を総合的に判断し、本区間につきましては高架方式を選定しております。
 なお、委員のご質問でございますけれども、比較設計時におきます環境性能の評価につきましては、環境保全のための措置を適切に講じることで対応が可能かどうかで判断してございますので、同一評価としております。
 また、選定した方式につきまして、東京都環境影響評価条例に基づき、騒音、振動、日影、景観など八項目で予測、評価をしてございまして、全ての項目で環境基準等の評価の指標を満足しております。

○原田委員 率直にいって、何を答弁されたのか、全体としてさっぱりわかりませんでしたけれども、騒音について、地下案と高架案で比較したんですよ。そうしたら同じ評価になっちゃったんですね。ほかの鉄道連立事業では、明白に地下案の方が二重丸になって評価が出てきているわけですね。なぜか西武線だけは、地下案も高架案も、対処をすれば問題ないといって、騒音のレベルは一緒ですと、そういうふうに出てきてしまったと。
 騒音の低減にいろいろ苦慮されているわけですよ。ロングレールだとか、遮音壁とか、苦慮されているのに、この計画の出発点である工法の比較表では、地下案が二重丸ではなくて一重丸になっちゃって、高架案が三角ではなくて一重丸となってしまって、地下と高架が結果、同じ一重丸で評価されていると。おかしいですよねと。
 住民のアセスへの不信も、出だしからこういうところで事業者に対して不信が始まってしまっているということを私は改めて指摘はしておきたいと思います。
 鉄道の高架化によって騒音源が地上五メートルから十二メートルに移動します。それを考慮に入れた騒音の予測、評価を行っているのか、いないのか、またその理由はなぜかという質問をしようと思いましたが、先ほどから他の委員の質問によって、音源の移動については予測、評価において考慮されていると。
 さらに詳しく三メートル、五メートル、十メートル、十五メートルといった測定のポイントも打っているという話でありましたので、そこは評価をしたいと思いますが、早くそれを私も見てみたいなというふうに思いますけど、これ、建設局は今持っているんでしたか。それで、私、見てもいいんですか。それだけちょっと答えてください。

○花井道路建設部長 資料編につきましては、公示、縦覧とあわせてお示しすることとしておりました。今回、説明会を見合わせることになりましたことによりまして、今後の取り扱いについて検討しているところでございます。

○原田委員 早く見て、しっかりと調査をしてみたいなというふうに思いますので、よろしくお願いします。
 音源の位置が高くなれば、一般的に遠くまで騒音域が広がると考えられるわけですけど、いかがでしょう。

○花井道路建設部長 音の伝搬におきましては、遮音壁などの遮蔽物、地表面の効果、反射、空気の音響吸収、建物による減衰などさまざまな要素がかかわっておりまして、一概に申し上げることはできません。

○原田委員 一概に申し上げることができないからこういうアセスという制度がいろいろとありまして、一概にいえないから調査もするつもりはありませんという答弁だったんですか、今。一概にいえないから、ですからしっかりと多様な測定ポイントを設定して、高架化による騒音域の広がりを精査していかなければならない。それに対処しなければいけないと思うんですけど、まあ、突然聞かれてもね。今後しっかりと対応してください。
 環大-百七十四号では、地上一・二メートル、水平距離で十二・五メートルとする測定点と異なる場所において鉄道騒音が問題となる場合には、参考のため、当該問題となる場所においてもあわせて測定を行うことが望ましいとあります。
 高く、高架にしたら音源が移るんだから、それに応じて測定場所を変えていくのが望ましいと書いてあるんで、この指摘を率直に、素直に受けとめれば、高架化事業においては、測定点を架線の高さに合わせて移動させる必要があるのではないかと考えますが、いかがですかという質問をしようと思いましたが、先ほどのように答弁がありましたので、割愛させていただきます。
 鉄道騒音の予測、評価地点については、在来鉄道の新設又は大規模改良に際しての騒音対策の指針についてに基づいていろいろ調査をするわけですけど、鉄道騒音の高さ方向の予測結果を資料編に記載するということですので、先ほどいったとおりですが、期待したいと思います。早く見せてください。
 今回の環境影響評価書について、作成の経緯を知りたいと思います。事業者として協定を結んでいる西武鉄道、はたまた東京都がコンサルに委託して本評価を行い、西武及び東京都が承認、作成したという経緯なのかなというふうに思ったりもするんですが、どうなのか教えてください。また、当該コンサルの事業者名を教えてください。

○花井道路建設部長 連続立体交差事業の事業主体は東京都でございます。環境影響評価につきましては、西武鉄道と締結した協定の中で、相互に協力しながら検討を進め、都が評価をしております。
 なお、西武鉄道から調査の委託を受けた者は株式会社復建エンジニヤリングでございます。

○原田委員 これ、ちょっとわからないんですけれども、答弁、今聞いていて、影響評価について復建エンジニヤリングに頼んだわけですけれども、頼んだのは西武なんですか、東京都なんですか。

○花井道路建設部長 環境影響評価につきましては、繰り返しになりますけれども、西武鉄道と締結した協定の中で検討を進めておりまして、西武鉄道から委託を受けて実施をしているという内容になります。
 ただ、実際の作業につきましては、相互に協力しながら検討を進めております。

○原田委員 環大-百七十四号は、等価騒音レベルが他所との騒音レベルを比較評価する際に有効であるとするものの、それは騒音に対する住民の受忍限度、許容限度とは異なると指摘しています。等価騒音レベルが比較検討には適しているんだけど、その地域に住んでいる住民の受忍限度、許容限度とは異なるんだよと丁寧な指摘をしているんですね。
 建設局としては、鉄道沿線住民の受忍限度、許容限度の基準をどのように考えているのかと。騒音にかかわる環境基準はその指標となり得るのか、考えを伺います。

○花井道路建設部長 本区間の騒音につきましては、条例に基づきまして、技術指針により予測、評価を行っております。技術指針では、鉄道騒音については、環境庁が定めた在来鉄道の新設又は大規模改良に際しての騒音対策の指針についてに基づき予測、評価することとなっております。

○原田委員 つまり答えられないと。受忍限度や許容限度という考え方があることは認識しているけれども、それらを数値的にあらわしたものはないし、今の答弁からすれば使うつもりも余りないのかなというふうに聞こえました。
 改めて、住民の暮らし、生活を開発から守るために、騒音についての受忍限度、許容限度というものを、その基準について、都独自に基準を設けるなど、アセスの発展を求めるものであります。
 次、日影についてお聞きしたいと思います。
 本アセスを見ると、冒頭、環境に及ぼす影響の評価の結論というところに、日影の欄で、工事の完了後において、建築基準法及び東京都日影による中高層建築物の高さの制限に関する条例の規制時間を超える日影は一部の地域で生じるが、中略、日影の影響は小さいと予測されるとあります。建築基準法に基づく規制時間を超える日影はほとんどないのだとはっきり書いてあるんですね。
 そこでお聞きします。
 高架の日影が届く範囲を五メートル、十メートルで予測、評価しているのは、どのような法や条例に基づいて決めているのか、教えてください。

○花井道路建設部長 技術指針に基づきまして、建築基準法及び東京都日影による中高層建築物の高さの制限に関する条例の基準を参考としております。

○原田委員 観測ポイントも建築基準法や都の日影規制条例に基づいているという答弁に聞こえますよね。しかし、だとすると不可解なことがあるというのが、先ほどの八五号線でも取り上げた問題であります。
 建築基準法に基づけば、五メートル、十メートルの日影観測ポイントは、建築物の境界線からとることとなっています。(パネルを示す)そこからこの境界線からとると。そこから五メートル、十メートルのポイントを設置していると。もし附属街路があれば、道路が、側道が通っていれば、その道路の中心線から五メートル、十メートルを観測ポイントとして設置しなければならないと。
 ところが、当該事業は、西武線もそうなんです、附属街路の道路幅も含めた範囲を敷地境界線としてしまっておりまして、この道路を道路とみなさず、この計画の敷地内だというふうに定めて、そこから五メートル、十メートルのポイントを設置していると。
 これは、道路が十数メートルに広がる地点では、詳しいことは割愛しますけれども、要は最大で五メートルもポイントを外側にずらし、規制の緩和を事実上行ってしまっています。あたかも建築基準法に基づく日影規制を超えることはほとんどないかのように見せているわけです。
 そこでお聞きしますが、高架構造物と住宅の間に都市計画道路がありますが、これは西武線連立事業という都市計画の一部といえるのか、それとも別の事業なのか答えてください。

○花井道路建設部長 区画街路等につきましては、本計画にあわせまして、沿線の良好な住環境の保全や地域交通の円滑化、安全の向上などを目的といたしておりまして、一体的に整備する事業でございます。

○原田委員 今の質問に答えていません。都市計画として別事業なのかと聞いたんです。もう一度答えてください。

○花井道路建設部長 繰り返しになりますけれども、一体的に整備する事業でございまして、関連案件として取り扱っているものでございます。

○原田委員 附属街路と連立事業の都市計画は一体的に整備されているから同じ敷地内の事業なのだといい張るんですが、明確に別の都市計画なわけです。
 そこで改めてお聞きしたいんですけど、本計画は敷地境界線を附属街路の端に置いているが、附属街路が都市計画の一部でない限り、計画線と民地との境界線とはいえないのではないかと聞こうと思いましたが、先ほどからの答弁で同じ答弁が繰り返されるということが続いているので、この質問は割愛させていただきますけれども、次の質問で、附属街路が西武線連立事業の都市計画とは別の事業であれば、観測ポイントはこの附属街路の中心線から五メートル、十メートルの地点に設置しなければならないと考えますが、間違いないかとお聞きしようと思いましたが、先ほどから同じ答弁が繰り返されていると。恐らくは区画街路等は、本計画にあわせ一体的に整備する事業のため、敷地境界は道路の外側に置いているんだというふうに答えるんでしょう。
 当該アセス書でも、建築基準法の定める建築物ではないため、これ、皆さんがいっているんですよ、この高架線は建築基準法の定める建築物ではないため、建築基準法の対象外ではあるもののと断った上で、法や条例の日影規制を参考にするとあえてうたっているわけなんですよ。
 ところが、肝心な観測ポイントは建築基準法にのっとっていないわけです。独自の判断で側道を敷地内に含めてしまったと。百歩譲ってそうだとして、それでは、アセスの冒頭ですね、環境に及ぼす影響の評価の結論に書かれた、建築基準法や都条例に基づく日影の規制時間を超える日影はほとんど生じないという表現は間違いなんじゃありませんか。部長、答えてください。

○花井道路建設部長 先ほど来ご説明いたしておりますように、建築基準法上、鉄道施設は建築物ではないという規定がございまして、建築基準法に基づく日影の規制対象ではないということになってございます。
 ただ、一方で、技術指針におきまして、高架鉄道の工作物は評価の対象になっておりますので、建築基準法及び東京都日影による中高層建築物の高さの制限に関する条例の基準を参考に評価をしてございます。
 鉄道と同時に都市計画を行い、鉄道施設とあわせて整備されますことから、一体的に整備する都市施設の敷地を境界としております。

○原田委員 参考にしているといういい方でごまかしているわけですけれども、日影規制の日照時間の問題、影が落ちる時間、そこは参考にしているんです。ただし、観測ポイントは、五メートル、十メートルという数字だけは参考にしていますが、実際に打たれる設定ポイントは参考にしていないんです。
 にもかかわらず、皆さんの環境アセスの書には、建築基準法や都条例に基づく日影はほとんど生じないと、規制する日影は生じないと書いちゃっているんですよ。これは問題のある表現ではありませんかと。皆さんの日影の観測は、建築基準法や都条例には基づいていないんです。参考にしただけなんです。でも、建築基準法に基づく規制の日影は生じていないと書いちゃっているんですよ。これはやばいでしょうと聞いているんです、局長。

○花井道路建設部長 建築基準法第二条の第一項によりますと、建築物とは、土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱もしくは壁を有するもの、これに附属する門等というような規定がございまして、鉄道及び軌道の線路敷地内の運転保安に関する施設並びに跨線橋、プラットホームの上家等を除くとなってございまして、建築物ではございませんので、そのように参考に適用しているものでございます。

○原田委員 今回、これまで鉄道の連立において、側道の中心線から五メートル、十メートルのポイントをはかるということが行われていなかったということがわかったと。それについては、一体的に整備する事業のうちの一つだから敷地内だといい張ると。
 じゃあ、逆に矛盾というのかな、聞いてみたいんですけど、建築基準法四十二条で規定する道路、この側道、附属街路は、この道路に当たらないということですか。敷地内に入った都市計画の構造物の一環であって、この道路に当たらないのか。もちろんそんなことはないわけで、道路であれば、建築基準法に基づいて、中心線から五メートルを打たないといけないし、道路とみなしていないんだったら、沿道の建物は接道がないという話になっちゃうし、皆さんのやっていることは、かなりいろんな矛盾を引き起こすんじゃないのかなと。
 それを含めて、皆さんが建築基準法に規制された日影は生じませんと書いてしまっていることが問題だということを指摘しているんですから、これ、しっかりと内部で検討しなきゃ、回答していかなきゃいけないことなんじゃないですか。これは部長に何度聞いても同じですよ、局長。いや、結構です。部長が答えても時間が過ぎるだけなんで。

○花井道路建設部長 先ほど来ご答弁申し上げておりますが、委員がおっしゃっていらっしゃるのは建築物に対する緩和条件のことでございまして、鉄道の構造物につきましては建築物ではございませんので、規制対象とはなってございません。ただ、その評価をする上で、技術指針において建築基準法等を参考とすることとしておりますので、それで評価を行っているということでございます。

○原田委員 景観についてお聞きしたいと思います。
 景観については、まともな調査、予測、評価が行われたのかというのがすごい問われていると私は思うんですね。景観の部分のアセスを見ますと、この構造物などによって受ける影響は小さいとか、受ける影響は小さいといって、そのデータは示されないんですよ。出されているのは主観なんですね。影響は回避、低減することができるとか、望ましい都市的な景観になると、かなり主観的な評価が目立つんです、この景観というのは。
 こうした評価を裏づけるデータはどのようなものがあるのか、お示しいただきたいと思います。

○花井道路建設部長 景観につきましては、条例に基づき、技術指針により適切に予測、評価を行ってございます。
 予測につきましては、技術指針により、現況の調査結果に計画工作物等を重ね合わせるフォトモンタージュの方法を用いております。
 評価の指標は、東京都景観計画、杉並区景観計画、練馬区景観計画及び西東京市の都市計画マスタープランの方針に基づき評価しております。

○原田委員 東京都景観計画とか、杉並区景観計画とか、いろんな景観計画がありますけれども、高架構造物がまちの中にあらわれて、それを事業者が勝手に、地域が受ける影響は小さいとか、影響を回避、低減することができるとか、都市的景観になるなんていうのを補強するようなデータは、これらの景観計画には書いていないわけですよ。
 改めて今後、ちょっと部長、課長とも膝詰めでお話をさせていただいて、どう参考にしたら、こういう主観的な表現が出てくるのかについては研究したいと思います。
 評価の中でも、都市的景観とはどのような景観なのか、それはどのように望ましいといえるのか、これだけは聞いておかなきゃいけないと思っています。都市的景観を望ましいと裏づけるデータなどは存在するのか。これははっきりと答えてください。

○花井道路建設部長 景観につきましては、条例に基づき、技術指針により適切に予測、評価を行ってございます。
 繰り返しになりますけれども、予測につきましては、現況の調査結果に計画工作物等を重ね合わせるフォトモンタージュの方法を用いておりまして、評価の指標は東京都景観計画等、あと、地元区市の景観計画、マスタープランの方針に基づき評価をしております。
 また、高架橋及び駅舎の外壁につきましては、周辺環境や地域景観と調和するよう、デザイン、色彩を配慮することか ら、評価の指標を満足するものと考えております。

○原田委員 るる述べられましたけれども、都市的景観が望ましいんだと。ある日突然、高架構造物がぼんと出て、公園の森の奥にどんと見えたとしても、都市的景観として望ましいといって、切って捨てるような評価を下すと。それを裏づけるデータはまともな指標も基準もないということが、逆に今の答弁でわかったと思うんですね。
 改めて、もうちょっと住民本位のアセスというものを事業者もしっかりと行っていかなきゃいけないし、建設局としても、さまざまな事業者が環境アセスに携わっていくわけですけど、指導していく側にむしろなっていってもらいたいなと。
 みずから、例えば日影の問題では、アセスを作成したのは都との答弁でしたから、まさに東京都が先陣を切って、建築基準法の定める規制する日影被害を沿線住民に押しつけているというような実態がわかりまして、本当に許されない状況だなと、本陳情が求めるアセスの改善というのは急務だなというふうに感じた次第であります。
 最後になりますが、五月五日依命通達にかかわってお聞きします。
 集中的、重点的な取り組みの推進のための執行体制の整備において、五ページ、最小限の体制まで縮小させる事業の具体的事例とする中に、環境影響評価などの各種法定事務が含まれています。
 事業者たる建設局にあえてお聞きしますけれども、これはアセス手続を緩和することになるのか、それともアセス手続中のものは一定の休止対象になり得るという意味なのか、お答えください。

○花井道路建設部長 環境影響評価等の各種法定事務につきましては、運用の工夫を行った上で、最小限の体制で継続させる事業として位置づけられておりまして、今後、具体的な進め方につきましては、環境局において検討されるものと認識しております。
 本区間の事業者であります建設局といたしましては、これらの動向を踏まえまして、引き続き必要な環境影響評価の手続を進めていく予定でございます。

○原田委員 環境アセスについては、今回、事業者の不当な評価とも私としては思いますけれども、こういう実態が浮き上がってきたということで、ぜひ事業者は、建設局は、住民の要求に応えるような環境影響評価の改善といいますか、今後も住民の声に寄り添って、不安に応えるような施策を展開していっていただきたいなと要望しまして、質疑を終わります。

○細谷委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、採択することに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○細谷委員長 起立少数と認めます。よって、陳情二第三七号は不採択と決定いたしました。
 以上で陳情の審査を終わります。
 以上で建設局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後五時八分散会

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