環境・建設委員会速記録第二号

令和二年三月二日(月曜日)
第九委員会室
午後一時開議
出席委員 十三名
委員長細谷しょうこ君
副委員長米川大二郎君
副委員長里吉 ゆみ君
理事舟坂ちかお君
理事小磯 善彦君
理事滝田やすひこ君
藤井とものり君
保坂まさひろ君
原田あきら君
神林  茂君
もり  愛君
桐山ひとみ君
高倉 良生君

欠席委員 なし

出席説明員
環境局局長吉村 憲彦君
次長奥田 信之君
総務部長谷上  裕君
環境政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務若林  憲君
政策調整担当部長和田 慎一君
地球環境エネルギー部長小川 謙司君
次世代エネルギー推進担当部長山田 利朗君
環境改善部長筧   直君
環境改善技術担当部長志村 公久君
自然環境部長近藤  豊君
資源循環推進部長宮澤 浩司君
調整担当部長風祭 英人君
資源循環計画担当部長金子  亨君
建設局局長三浦  隆君
次長今村 保雄君
道路監奥山 宏二君
総務部長杉崎智恵子君
用地部長山本  明君
道路管理部長前田  豊君
道路建設部長村井 良輔君
三環状道路整備推進部長大庭 孝之君
公園緑地部長古川 浩二君
河川部長小林 一浩君
企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務村上 清徳君
総合調整担当部長植村 敦子君
道路保全担当部長花井 徹夫君
道路計画担当部長若林 茂樹君
公園計画担当部長細川 卓巳君

本日の会議に付した事件
環境局関係
付託議案の審査(質疑)
・第六十五号議案 ゼロエミッション東京推進基金条例
・第六十六号議案 東京都水素社会・スマートエネルギー都市づくり推進基金条例を廃止する条例
・第九十九号議案 令和元年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出 環境局所管分
建設局関係
契約議案の調査
・第八十二号議案 東京都八重洲駐車場(三十一)改修工事請負契約
・第八十四号議案 環二築地虎ノ門トンネル(三十一)換気設備工事その二請負契約
・第八十五号議案 中川護岸耐震補強工事(その四十六)請負契約
・第八十六号議案 妙正寺川整備工事(その十六)請負契約
・第八十七号議案 綾瀬川護岸耐震補強工事(その二百五十六)請負契約
・第八十八号議案 小名木川護岸耐震補強工事(その五)請負契約
・第八十九号議案 綾瀬川護岸耐震補強工事(その二百六)請負契約
付託議案の審査(質疑)
・第九十九号議案 令和元年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出、繰越明許費 建設局所管分
付託議案の審査(決定)
・第六十五号議案 ゼロエミッション東京推進基金条例
・第六十六号議案 東京都水素社会・スマートエネルギー都市づくり推進基金条例を廃止する条例
・第九十九号議案 令和元年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出、繰越明許費 環境・建設委員会所管分

○細谷委員長 ただいまから環境・建設委員会を開会いたします。
 初めに、契約議案について申し上げます。
 契約議案は財政委員会に付託されておりますが、本委員会所管分について、議長から調査依頼がありました。
 本件については、調査結果を財政委員長に報告することになっております。
 公文の写しはお手元に配布してあります。
 朗読は省略いたします。

令和二年二月二十八日
東京都議会議長 石川 良一
環境・建設委員長 細谷しょうこ殿
   契約議案の調査について(依頼)
 左記の議案について調査し、財政委員長にご報告願います。
     記
1 調査議案
 第八十二号議案 東京都八重洲駐車場(三十一)改修工事請負契約
 第八十四号議案 環二築地虎ノ門トンネル(三十一)換気設備工事その二請負契約
 第八十五号議案 中川護岸耐震補強工事(その四十六)請負契約
 第八十六号議案 妙正寺川整備工事(その十六)請負契約
 第八十七号議案 綾瀬川護岸耐震補強工事(その二百五十六)請負契約
 第八十八号議案 小名木川護岸耐震補強工事(その五)請負契約
 第八十九号議案 綾瀬川護岸耐震補強工事(その二百六)請負契約
2 提出期限 令和二年三月二日(月)

○細谷委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、環境局及び建設局関係の中途議決にかかわる付託議案の審査並びに建設局関係の契約議案の調査を行います。
 これより環境局関係に入ります。
 付託議案の審査を行います。
 第六十五号議案、第六十六号議案及び第九十九号議案、令和元年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出、環境局所管分を議題といたします。
 本案につきましては、いずれも既に説明を聴取しております。
 これより質疑を行います。
 発言を願います。

○もり委員 先日、委員会でご説明のありました二つの基金条例についてお伺いをいたします。
 まず、廃止をされる東京都水素社会・スマートエネルギー都市づくり推進基金条例について伺います。
 水素エネルギーの利用拡大を図るとともに、エネルギーの有効利用及び低炭素かつ自立分散型のエネルギー利用が進んだスマートエネルギー都市の実現に資することを目的として、平成二十七年に四百億円が基金として積み上げられております。令和元年度末の残高見込みは二百五十五億円とのことですが、これまでどのような事業に使われてきたのかお伺いをいたします。

○山田次世代エネルギー推進担当部長 水素社会・スマートエネルギー都市づくり推進基金は、平成二十八年度以降の水素エネルギーの普及促進に係る二十一事業に対して充当しております。
 主な充当事業は、燃料電池自動車及び燃料電池バスの導入支援を行う燃料電池自動車等導入促進事業、水素ステーションの整備及び運営に対する支援を行う水素ステーション設備等導入促進事業、業務、産業用燃料電池等の導入支援を行う水素を活用したスマートエネルギーエリア形成推進事業などであり、一般財源を含むその事業費はそれぞれ約八十四億円、約七十八億円、約三十八億円となる見込みでございます。

○もり委員 本基金が水素エネルギーの普及促進に係るさまざまな事業に使われてきたとのことがわかりました。
 東京都は、水素エネルギーステーション整備箇所を二〇三〇年に百五十カ所という整備目標を掲げておりますが、現在開設済みなのは十四カ所、国の補助金交付決定をし、整備中のものを合わせても二十カ所と、さらなる整備促進が求められます。二〇三〇年までに家庭用燃料電池の普及台数百万台、都内の乗用車販売台数に占めるZEV割合二〇三〇年五〇%以上と掲げる目標達成には、取り組みの加速化が求められます。
 今回、これまで活用されてきた水素社会・スマートエネルギー都市づくり推進基金を廃止し、ゼロエミッション東京推進基金に再構築するとのことですが、これにより何が変わるのかお伺いをいたします。

○若林環境政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 都は、二〇五〇年のCO2排出実質ゼロに貢献するゼロエミッション東京の実現に向け、昨年末にゼロエミッション東京戦略を策定、公表しました。
 本戦略では、水素エネルギーの普及拡大など再エネの導入拡大策や、住宅など家庭の省エネ対策の推進のほか、ゼロエミッションビークルの普及促進策、プラスチック対策や食品ロス対策など、あらゆる分野の広範な取り組みを気候変動対策として位置づけております。
 あわせて、二〇五〇年のゴールに向けたマイルストーンとなる二〇三〇年に到達すべき目標を定めるとともに、その目標を上回るよう進化、加速する具体的取り組みである二〇三〇年目標プラスアクションを明示しました。
 この二〇三〇年目標プラスアクションも踏まえ、水素エネルギーの普及促進にとどまらない幅広い分野でのゼロエミッション東京の実現に向けたさまざまな取り組みに必要な財源として、既存の水素社会・スマートエネルギー都市づくり推進基金を再構築し、本基金を設置しております。

○もり委員 ありがとうございます。新設の基金は水素エネルギーの普及だけではなく、ゼロエミッション東京の実現のために必要な取り組みに幅広く使われるということを確認させていただきました。
 今まさに気候危機に直面する中、二〇五〇年までに都内からのCO2排出を実質ゼロにするとともに、世界の脱炭素化にも貢献するという高い目標を示したゼロエミッション東京の実現のために、引き続きしっかりと取り組みを進めていきたいと要望し、質問を終わります。

○舟坂委員 水素社会・スマートエネルギー都市づくり推進基金についてお伺いをいたします。
 この基金は、水素社会の実現に率先して取り組むべきとの我が党の提言を踏まえ、水素の活用に向けた東京二〇二〇大会までの継続的な取り組みを推進するため、平成二十七年四月に設置をされました。
 この間、燃料電池自動車の普及拡大や水素ステーションの整備促進など、水素社会の実現に向けた二十一の事業に充当されてきたとのことですが、今回の再構築に当たり、この基金は四百億円の積み立てに対して二百五十五億円もの残額が残っていることについてどのように認識しているのかをお伺いいたします。

○山田次世代エネルギー推進担当部長 水素は、利用の段階でCO2を排出しないことに加えて、エネルギー供給源の多様化や災害時の電力供給源確保などの観点からも意義を有しております。
 都は、こうした水素エネルギーを普及させるため、水素社会・スマートエネルギー都市づくり推進基金を活用しながら、初期需要創出への支援、官民連携による機運醸成など、多様な取り組みを展開してまいりました。
 この間、新たに燃料電池バスや高効率の業務、産業用燃料電池が市場投入されるなど、水素関連市場は着実に拡大したと認識しております。
 一方で、燃料電池自動車の販売メーカーや生産台数が限られ、令和元年十二月末までの補助実績が八百三十七台にとどまるなど、水素エネルギーの普及は緒についたばかりであり、これまでの歩みをとめることなく、水素エネルギーの普及を加速させていくことが必要でございます。

○舟坂委員 ただいま、水素エネルギーの普及は緒についたばかりであり、加速させていくことが必要との認識が示されました。
 今回、水素社会・スマートエネルギー都市づくり推進基金を廃止し、新設するゼロエミッション東京推進基金には三百億円を積み立てることにしているが、我が党として、今後の水素エネルギー普及に向けた取り組みが減速することがないよう、しっかりと注視していきたいと思います。
 そこで、新設するゼロエミッション東京推進基金はどういう事業に充当するのか、積立金が三百億円となった理由をお伺いいたします。

○若林環境政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 本基金は、ゼロエミッション東京の実現に向け、燃料電池自動車の導入や水素ステーションの整備等の水素エネルギーの普及拡大策を初め、再エネ、省エネなどの導入拡大、ゼロエミッションビークルの普及促進、プラスチック対策や食品ロス対策等の施策を推進するために設置し、これらに係る事業への充当を想定しております。
 こうした幅広い分野の気候変動対策に継続的に取り組んでいくことを示すとともに、各年度の一般財源の状況も踏まえながら、基金を特定財源として充当することにより、安定的に対策を推進していくため、既存の水素社会・スマートエネルギー都市づくり推進基金の残高二百五十五億円からさらに積み立てを行い、今回新たに三百億円の基金として再構築するものでございます。

○舟坂委員 本委員会に提出されている、水素社会・スマートエネルギー都市づくり推進基金を廃止し、ゼロエミッション東京推進基金を設置する件についてお尋ねをいたしました。
 第一回定例会の我が党の代表質問で指摘しましたように、ゼロエミッション東京推進基金について、東京都は予算案の概要の中で、今回新規に三百億円の基金を設置したと説明しております。
 しかし、その実態は水素社会・スマートエネルギー都市づくり推進基金二百五十五億円に四十五億円を積み増ししたというものであります。四十五億円を積んだだけなのに、都民には三百億円の基金を新設したと説明しております。
 表面的、形式的に考えれば間違いではないのかもしれません。しかし、一五%増額しただけで看板をそっくり入れかえてしまうという手法は、都民に誤解を与えるやり方だといえるのではないでしょうか。走りながら考える。それでは都民の納得をいただける仕事ができるのでしょうか。
 今回再構築された水素社会・スマートエネルギー都市づくり推進基金四百億円が二百五十五億円も残っていたことについては、先ほどのご答弁では説明し切れているとは思えません。看板をかえて人目につくだろうという知事の思いつき、場当たり的パフォーマンスに環境局の皆さんが踊らされることなく、しっかり地についた政策を進めていただきたいと思います。
 今回の基金の組みかえといいますか、強引な看板のすげかえには強い違和感を覚えるということを指摘し、今後の基金の適正な執行と、都民にわかりやすい形での基金運営を要望し、質問を終わります。

○小磯委員 今回、水素社会・スマートエネルギー都市づくり推進基金の廃止が提案をされております。この基金は、平成二十七年四月に四百億円の積み立てで設置をされ、令和元年度末の残高見込み額は二百五十五億円ということでございます。まだかなりの額が残っているわけでございます。そこで、これまでの充当実績と残高が出ている理由をお伺いしたいと思います。

○山田次世代エネルギー推進担当部長 都は、平成二十七年二月の水素社会の実現に向けた東京戦略会議取りまとめに基づき、燃料電池自動車や燃料電池等の水素関連技術の初期需要創出や、インフラとしての水素ステーションの整備支援など水素エネルギーの活用に向けた取り組みを実施しております。
 水素社会・スマートエネルギー都市づくり推進基金は、これらの取り組みを計画的に展開するため、平成二十七年四月に設置し、平成二十八年度以降の水素エネルギーの普及促進に係る二十一事業に対して充当しております。
 燃料電池自動車については、販売メーカーや生産台数が限られたことなどにより、二〇二〇年までの導入目標の六千台に対しまして、令和元年十二月末までの補助実績が八百三十七台にとどまるなど、令和元年度末までの充当見込み額は約百四十六億円となっております。

○小磯委員 基金の活用の状況というのはわかりました。また、水素社会・スマートエネルギー都市づくり推進基金の廃止とあわせて、ゼロエミッション東京推進基金に再構築されるということでございますが、それによって令和二年度以降のいわゆる水素事業はどうなるのかお伺いしたいと思います。

○山田次世代エネルギー推進担当部長 水素エネルギーは、多くのすぐれた特徴を有しており、さまざまな分野での省エネ化に寄与するほか、大規模、長期間のエネルギー貯蔵が可能であり、今後、再生可能エネルギー由来電力が大量導入された際の調整力としての役割も期待されております。このため、昨年末に公表したゼロエミッション東京戦略では、再生可能エネルギー由来のCO2フリー水素を脱炭素社会を支えるエネルギーの柱と位置づけております。
 再生可能エネルギーの大量導入時代に貢献する水素エネルギーの普及拡大には、水素の製造、輸送、利用に至るサプライチェーンを構築することが不可欠でございまして、二〇三〇年に向けて、水素ステーション整備や燃料電池の普及など、水素エネルギーの初期需要創出に係る五つの政策目標を掲げてございます。
 水素関連市場は依然としてコストが高く、技術革新も途上である一方、令和二年末に燃料電池自動車のモデルチェンジが予定されており、生産台数も大幅に増加が見込まれるほか、水素ステーションにつきましても、規制緩和の進展により、整備、運営コストも徐々に低減しております。
 今後とも、水素エネルギーの普及拡大に向け、基金を活用しながら積極的に取り組みを展開してまいります。

○小磯委員 水素の取り組みについては、東京都と、また福島県、それから再生可能エネルギー研究所ですか、そういったところの連携も通しながらやっておられますし、また産総研ですか、そういったところとも連携しながら今後やっていくということで、いろいろ模索しながら、今お話のあった、いわゆる技術革新とともに、また、コスト高、こういったところを何とかクリアしていく、そういったところに努力をしていただきたいなと、こういうふうに思っております。
 また、今度新設されますゼロエミッション東京推進基金の積立額は三百億円ということでございますけれども、どのような事業に活用することを想定しているのかお伺いしたいと思います。

○若林環境政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 昨年末に策定したゼロエミッション東京戦略では、二〇五〇年のCO2排出実質ゼロに貢献するため、特に資源循環分野を本格的に気候変動対策に位置づけ、都外のCO2削減にも貢献することといたしました。
 また、戦略では、このプラスチック対策など資源循環分野のほか、再エネ、省エネの導入拡大や水素エネルギーの利用拡大、ゼロエミッションビークルの普及等の幅広い分野での具体的取り組みを明示しております。
 本基金は、この戦略に掲げた施策に幅広く活用することを想定しておりますが、具体的な充当につきましては、毎年度の予算編成等の過程で検討してまいります。今回は、これらの施策に当面必要な財源として三百億円を積み立てたものでございます。
 今後、本基金を活用し、施策の追加や見直しも行いながら、ゼロエミッション東京の実現に向け、必要な予算措置も含め、取り組みをさらに進化、加速させてまいります。

○小磯委員 質問としてはこれで終わりなんですけれども、我が党としては、本会議の代表質問、また一般質問等でゼロエミッション東京戦略については大変高く評価をしておりまして、本当に気候変動に対する危機だけじゃなく、その危機を乗り越えるという行動の宣言であるというような、答弁も何回か返ってまいりました。
 そういった意味では、何としても二〇五〇年のCO2実質排出ゼロということを、今までなし得なかったことを東京都が先駆を切ってやっていこうということで、ああいう一つのビジョンを立てられたわけでございます。
 そのビジョンをしっかりと遂行していくためには、やはり一つはこうした基金による、そういう財政的な裏づけは本当に大事なんだというふうに思います。
 もう一つは、やっぱり東京都民だとか、いろんな企業だとか、そういったところのネットワーク、こういったものをどう構築しながら東京都が進めていくか。また、これは自治体とか国とか、今はもう世界の都市ともしっかりと連携をしながら、例えばロンドンでありますとかいろんなところで頑張っている、そういったところと連携しながら、東京都がこれだけのことをやっているんだということをいろいろ内外に宣言しながら、連携しながらやっていくというようなところが今後大事になってくるんじゃないかな、こんなふうに思うわけでございます。
 東京都はいつもいいことをいって、いいことをやっているんだけれども、なかなかそれを、まあ、東京ひとり勝ちというところもあるんでしょうけれども、評価して、本当に東京都と一緒にやっていきましょうよ、そういう仲間をふやしていくというのが大事なんじゃないかな、こういうことを申し上げて、私の質問とさせていただきます。

○原田委員 私からも水素推進基金の廃止条例及びゼロエミ基金の創設についてお聞きします。
 昨年九月、国連の温暖化対策サミットにおいて、十六歳の環境活動家グレタ・トゥンベリさんはいいました。三十年以上にわたり科学が示す事実は極めて明確でした、なのにあなた方は事実から目を背け続け、必要な政策や解決策が見えてすらいないのに、この場に来て、十分にやってきたといえるのでしょうかと。
 地球温暖化防止において東京都は、一時は太陽光発電に対する助成制度の創設で全国の設置促進を引っ張った経験もあり、その後も大企業に対するキャップ・アンド・トレード制度の義務づけや断熱窓の助成制度など、省エネ、再エネに対して一定の努力を進めてきました。
 しかし、東京都には二〇二〇年までに二〇〇〇年比二五%を削減するという環境基本計画で定めた目標がありました。その後の新しい環境基本計画では二〇三〇年に三〇%削減するという目標が打ち出されましたが、そのときの都議会質疑でも、二〇二〇年に二五%削減という目標は放棄したわけではなく、確実に目標を達成してまいりますと都は答弁されました。
 しかし、いよいよ二〇二〇年を迎えましたが、目標達成どころか、最新の数字では四%も二〇〇〇年比でふやしてしまっているのが現実です。都は、知事を先頭にPDCAサイクルの重要性を強調し、昨年末に出したゼロエミッション東京戦略でもPDCAをしっかり働かせるとしていますが、それならば、二〇二〇年になった今、PやD、つまりプランや実行だけでなく、C、すなわちチェック、これまでの取り組みのしっかりとした総括を働かせた上での最後のA、アクションが欠かせません。
 その点で、今回廃止される水素推進基金についても総括が必要です。二〇一五年に創設された水素推進基金ですが、四百億円もの大規模な積み立てが行われ、二〇二〇年までの五年間という期限が、条例の定めではないものの、事実上設定されていました。この五年間に四百億円もの巨額の積み立てが果たして温暖化ガス防止の現在と未来にどれほど有効に使われたのかが問われるわけです。
 そこでお聞きします。
 二〇一五年度に積み立てられた水素推進基金四百億円は、最終年である二〇一九年を迎え、残高が約二百五十五億円となっています。五年間で差し引き百四十五億円が取り崩されたことになりますが、基金が投入された水素関連事業は幾つあるのか、またその総額は一般会計の投入も含めて幾らになるのか、さらにそれら施策は温暖化ガス排出抑制量としてどれだけの量を削減できたといえるのかお答えください。

○山田次世代エネルギー推進担当部長 水素社会・スマートエネルギー都市づくり推進基金は、水素エネルギーの普及促進に係る二十一事業に対して充当しております。また、これらの事業に関する一般財源を含むその事業費は約二百三十億円となっております。
 水素エネルギーの普及拡大に向けて、現在はサプライチェーン構築を促進する段階であり、これらの事業を通じて、水素や水素関連機器の需要を創出しております。
 なお、燃料電池自動車における水素製造、輸送段階まで含めたトータルでのCO2排出量はガソリン車の半分程度でございます。

○原田委員 水素関連事業は二十一事業で、使った総額は一般財源を含めてこの間二百三十億円なんだと答弁がありました。
 この二十一事業それぞれで検証が必要だと私は思うんですね。また、温暖化ガスの削減に水素関連事業二十一事業がどれだけ貢献できたのかについては、明確なお答えはありませんでした。サプライチェーンを構築する段階という答弁がありましたが、つまり現在は温暖化ガスの削減に貢献できるような段階ではないということなんですね。
 基金四百億円が五年間の期限で百四十五億円の実績にとどまりましたが、その要因は何か。目標に満たなかった主な事業名と不用額を示していただくとともに、そうした施策に再生可能エネルギー促進策以上の財源を充ててきたことは合理的といえたのか、総括を伺いたいと思います。

○山田次世代エネルギー推進担当部長 再生可能エネルギー大量導入時代に貢献する水素エネルギーの普及拡大に向けましては、水素の製造、輸送、利用に至る安定的なサプライチェーンの構築が必要であり、それには長期的かつ総合的な展望に立った継続的な取り組みが必要でございます。
 このため都は、基金を活用し、初期需要の創出やインフラ整備の段階から取り組みを実施するとともに、民間の技術開発を後押ししてまいりました。この間、新たに燃料電池バスや高効率の業務、産業用燃料電池が市場投入されるなど、水素関連市場は着実に拡大したと認識しております。
 燃料電池自動車については、販売メーカーや生産台数が限られたことなどにより、二〇二〇年までの導入目標の六千台に対して、令和元年十二月末までの補助実績は八百三十七台にとどまっております。
 メーカーによれば、今後、燃料電池自動車の生産台数は大幅に増加される見込みであり、新たに設置するゼロエミッション東京推進基金を活用しながら、引き続き、水素エネルギーの利用拡大に取り組んでまいります。

○原田委員 百四十五億円の実績にとどまった原因についてお伺いしましたが、燃料電池車の生産能力が低かったこと以外は、率直にいってまともな回答がありませんでした。
 今回、水素関連二十一事業を一覧にして、年度ごとに幾らのお金をかけてきたのかという資料をつくっていただきました。(パネルを示す)
 細かい数字は見えないと思うんですけれども、こういう資料があると知っていただければと思うんですね。これは二十一事業、ここにずらっと並んであります。これが年度ごとですね。ここに、今までその事業に幾ら使ってきたかというのが事業ごとに書いてあります。これはなかなかおもしろい資料なんですね。
 この資料の中に、例えば再生可能エネルギー由来水素利活用促進事業というのがあります。水素のエネルギーを再生可能エネルギーでやってみるんだという事業です。これをちなみに見ますと、毎年最初三億七千万、七百万、三億七千万と続いて、最終的に十五億円ぐらいこれまで使ってきたという事業です。
 これは何をやっているか。これは工場や事業所に太陽光発電などの再生可能エネルギーにより発電した電力で水素をつくる装置を設置し、その水素をフォークリフトや自動車、燃料電池を動かすために使う場合に、この水素をつくる装置に補助する事業なんです。わかりますかね。
 要は、事業所が太陽光発電で電力をつくると。その電力をそのままフォークリフトとか自動車とかに使うんじゃなくて、その事業所の中で水素エネルギーをつくり出すための装置をつくって、水素エネルギーをつくって、わざわざフォークリフトとかに使うという事業なんです。
 この水素をつくる装置にすごい補助金を出すんですね。小さいものでも一千三百万円、大きいものだと数億円。この事業には取り崩した基金の一割に相当する約十五億円を充てていますが、現状では再生可能エネルギーからつくった電力を水素に変えるときにも、つくった水素から再び電気を取り出すときにもエネルギーが使われてしまいまして、相当な部分が目減りしてしまいます。
 今は再生可能エネルギーが大量に使い残しているならともかく、再生可能エネルギーがまだまだわずかにすぎないときです。ですから、なぜその工場は、事業所は太陽光でつくったエネルギーをそのまま電気として使わないのかという話になってしまうわけですね。
 わざわざエネルギーを半分ぐらいにしてしまう水素に変えるなんてもったいないんじゃないかと、そういう疑問が出てきて当然です。これが、皆さんが先ほど答弁でもおっしゃっていた安定的なサプライチェーンの構築、継続的な取り組みが必要だとやっていることの一つの事業であります。
 また、水素ステーション設備等導入促進事業は、水素ステーションの整備や運営への助成ですが、この間の実績は幾らかと申しますと、この表を見ると、七十八億円使っているんだと書いてあるんですね。整備済みは水素ステーション三十五の目標に対して十六カ所、整備中が五カ所のみです。
 これが不思議なんですよね。というのも、助成の相当な部分は水素ステーションを整備するときに出されるはずなんですが、七十八億円を十六カ所で単純に割ると五億円ほどです。一方、東京都の補助は大企業に対するものがほとんどなんですが、その上限額、一ステーション当たり一・五億円です。一部に燃料電池バス対応のものには三・九億円というものもありますけれども、それはごくわずかです。支出がどうもつり合わない。何で七十八億円も使ったことになっているのかと。一カ所大体一・五億円がほとんど、多くても三・九億円が一カ所か二カ所。これでなぜ七十八億円になるのか不思議だなと思ったので、よくよく聞いてみました。
 すると、年度ごとの支出の一覧に書き込まれたのは、この表のここに書き込まれたのは、水素ステーションで二十一億二千万、二十六億、二十九億、その後数千万円程度になってくるんですけど、ここに書き込まれた数字というのは、水素の事業に実際に使われた金額ではないんだというんですね。補助を取りまとめる東京都環境公社にとりあえず出捐した金額だというんです。そこから先、実際に事業に使ったお金を示したものじゃないんですね。
 ですから、現状では、とりあえずこの二十一の水素ステーション事業には七十八億円使ったと書いてありますけれども、実際はそれほど執行されていないんです。まだ出捐金として環境公社にためられたままになっているんですね。
 これについての把握がしっかりと行われていない。私たち議員にも委員にも資料として提出されていない。百四十五億円使ったとありますけれども、こうなってくると、この全体、二十一事業全部が本当に使われた額なのか。これは出捐だけはした額なんです。でも、実際に執行されたかどうかが見えてこない表になってくるわけですね。
 ですから、現状では二十一の水素関連事業に対して、実際に幾ら使ったか事業ごとに不明ですし、またその合計の二百三十億円余りについても、実際に使われているかどうか不明なわけです。これも大変おかしな話なんではないかなと。少し聞いただけでもこのように疑問が出てくるわけです。
 また、水素事業については、キャップ・アンド・トレードなどの創設に深くかかわった東京都環境局のOBの方が事務局長を務めます自然エネルギー財団という団体がありますけれども、この団体が昨年、二〇五〇年CO2排出ゼロの日本へということで出した提案がございます。
 そこには、日本では水素社会実現のかけ声のもと政策が進められている、水素利用の大前提になる自然エネルギー電力の導入目標を二〇三〇年に二二から二四%という国際的に見て極めて低い水準に据え置いたまま水素社会の実現を提唱するのは合理的な政策とはいいがたい、このように環境局の局長も務められたOBの方、自然エネルギー財団の提言でおっしゃっています。
 要は水素エネルギーというのは、ほぼほぼ私たちの社会が再生可能エネルギー一〇〇%、あるいはそれを超えた段階でやっと必要になってくる技術といわれておりまして、そもそも二〇三〇年、二二から二四%の再エネ目標というこの日本で、水素にそこまでお金をかけてやる必要が本当にあるのかと。研究段階でなぜとめずに、実際に事業所の屋上で発電をして、それを水素に変えて電気として使うという回りくどいことをしなきゃいけないのかと。
 ここに、こうした事業に四百億円という基金が積まれたということなんですね。これが百四十五億執行したとありますけれども、それも執行されたかどうかわからないというぐらいの未執行率である。これはしっかりと総括しなきゃいけないと私は思っているんですね。
 この方はさらにおっしゃいます。現在日本で想定されているのは化石燃料、具体的には海外の安価な化石燃料資源である褐炭からの水素生産だが、原料となる化石燃料が持つ炭素原子の数だけ、最終的にはCO2分子が排出されるため、CO2の大きな排出が避けられない。そのために、化石燃料からの水素生産についてはCCS、いろんな事業で出たCO2を取り込んで蓄積する技術ですよね。あるいは、それをどっかに埋めてしまったりとかという技術。CCSとの組み合わせが前提となっているが、その実用化、商用化の道筋は立っていないと。自然エネルギーで電力の一〇〇%を供給する段階では、グリッドの効率的な運用や連系線の増強、蓄電池の活用などとともに、余剰電力を吸収する手段として水素を製造し、また発電用に水素発電を用いる可能性もなくはない。しかし、日本には既に二十七・五ギガワットもの巨大な揚水発電設備がある。水素発電が調整電力としても大きな役割を果たすことは想定が難しい。このようにずばっと指摘をしてしまっているわけです。
 こういう問題点からも、基金の廃止自体には賛同するものですが、ぜひともゼロエミ基金創設に当たっては、水素関連事業の総括を広範な意見を取り入れて行われることを求めるものです。
 こうしたことについてもいろいろ質問したかったんですけれども、とりあえずここは意見にして、水素の問題についても、予算審議の中でしっかりと述べていきたいなというふうに思っています。
 さて、水素推進基金が廃止され、新たにゼロエミッション推進基金が創設されます。水素基金の残高二百五十五億円に四十五億円が一般会計から積み立てられ、三百億円の規模となります。
 水素基金のときは条例上の定めはないものの、二〇二〇年までに水素をこれだけ普及させたいという事実上の目標期間がありましたが、今回のゼロエミ基金には期間がないようです。
 そこでお聞きします。
 ゼロエミ基金は水素推進基金のように期限を区切っていませんが、その理由は何でしょうか。

○若林環境政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 ゼロエミッション東京推進基金は、条例上設置期限を定めておりませんが、ゼロエミッション東京戦略では、二〇五〇年のCO2排出実質ゼロの実現をゴールとして定めており、それぞれの施策の目標に向けて推進していくものでございます。

○原田委員 今の答弁だけだと、二〇五〇年までに三百億円といっているようにも聞こえまして、だとすれば明らかに小規模過ぎるという話になるわけです。せめて二〇三〇年目標に向けて基金の期間を定めず、施策の展開次第で規模をふやしていきたいくらいの意気込みが欲しかったわけですね。
 そこでお聞きしますが、ゼロエミ基金は今後、施策ごとに基金取り崩しの計画ができているのか、三百億円という規模の根拠があっての額なのか伺います。

○若林環境政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 同基金は、戦略に掲げた幅広い施策を推進するために設置し、これらに係る事業への特定財源としての充当を想定しておりますが、具体的な充当事業につきましては、今後、毎年の予算編成等の過程で検討していくものでございます。

○原田委員 この基金はゼロエミッション東京戦略の事実上の財源になると思われまして、その規模や年度ごとの支出のあり方が一・五度目標にとって極めて重要な意味を持つわけです。
 都知事は施政方針でもおっしゃっていましたが、東京戦略は単なる非常事態宣言ではない、行動宣言なんだとおっしゃっているので、ぜひとも三百億円の基金規模の根拠、各事業への充当の計画など、具体的な行動計画を示してほしかったところです。同時に、その際には、専門家や環境団体も参加し、知恵を集める形にしていただきたいなと。また、水素事業などについては、水素基金の総括も行い、今後考えていく、そのことを改めて要望しておくものです。
 余りにも実績の少なかった水素事業から、再エネ促進事業や建築物の省エネ支援施策等への抜本的予算措置の転換が必要と考えますが、いかがでしょうか。

○若林環境政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 ゼロエミッション東京の実現に向けては、今後、同基金を活用しながら、水素エネルギーの普及拡大、再エネ設備や蓄電池の導入補助等による自家消費の推進などの再生可能エネルギーの基幹エネルギー化策、住宅のゼロエミッション化や家庭での省エネ対策の推進などのゼロエミッションビルの拡大策、ZEVの購入支援や充電設備の整備支援などのゼロエミッションビークルの普及促進策のほか、プラスチック対策や食品ロス対策などの資源循環分野も含めた広範な施策を進めてまいります。
 具体的な事業につきましては、施策の追加や見直しなども行いながら、毎年度検討し、必要な予算措置に努めてまいります。

○原田委員 つまり、ゼロエミッション東京戦略というのは、実はいろんなメニューが並んでいるんですけれども、本当に具体的な計画ができているかといわれると、まだまだ今後の課題になってきているわけですね。
 ゼロエミッション東京戦略の詳しい質疑は予算審議に回すこととしますが、温暖化ガス排出ゼロを目指すなら、何といっても発電に化石燃料を使わせないこと、再生可能エネルギーを促進することです。次いで、低温熱利用の再エネ化、建築物の断熱化、省エネ化を進めていくことです。そうした施策に一体幾らの予算が必要で、あるいは建築上の規制が必要になってくるのかとか、ゼロエミッション東京に向けた具体的な計画をつくるときです。
 水素関連事業の総括とともに十分な今後の検討を求めて、質疑を終えます。

○藤井委員 お願いいたします。これまでの質疑におきまして、廃止される水素社会・スマートエネルギー都市づくり推進基金につきましては、水素エネルギーの普及にかかわる幅広い組織に充当され、水素や関連技術の初期需要創出等につながっていることが確認をされました。
 この中で、燃料電池自動車の普及状況については答弁がございました。水素の初期需要拡大の観点からは、安定的に多くの水素需要を生む燃料電池バスの導入拡大も重要であります。
 燃料電池バスの導入補助に対しましてもこの基金は活用されてきたということでありますけれども、まず、燃料電池バス導入に対する補助の考え方とこれまでの導入状況についてお伺いをいたします。

○山田次世代エネルギー推進担当部長 都は、平成二十九年度に市場投入されたばかりの量販型の燃料電池バスにつきまして、車両価格が高額であることから、水素社会・スマートエネルギー都市づくり推進基金も活用しながら、国補助と合わせまして、一般的なディーゼルバスと同等の負担で導入できるよう補助を実施してまいりました。
 平成二十九年度に補助事業を開始いたしまして、令和元年十二月末までの実績で、都営バス等において十七台が導入され、さらに五十一台につきまして補助金が交付決定済みとなっており、計画的に導入が進んでおります。

○藤井委員 燃料電池バスの導入には、バスに対応する水素ステーションが不可欠でありますけれども、先日オープンした水素ステーションも含めまして、燃料電池バスを受け入れているステーションは四カ所にとどまっていると伺っております。
 今後、燃料電池バスの導入を進めていく上で不可欠なバス対応ステーションとはどのようなものであるのか、また整備を促進する上での課題は何なのか、そしてこの整備に対して基金を活用する意義についてどのようにお考えであるのか伺いたいと思います。

○山田次世代エネルギー推進担当部長 燃料電池バスには一度に燃料電池自動車の五倍程度の水素を充填する必要があることから、水素供給能力の高い設備を導入する必要があります。また、こうした設備を設置するためのスペースを確保する必要があり、大型バスが出入りすることから、幹線道路に面した、より広い敷地が求められるなど、整備や運営には多額の費用を要するとともに、事業開始までには一定の期間がかかります。
 こうした課題に対しまして、長期的見通しが立てられますよう、基金により継続的な財源を確保することで、事業者の積極的な整備を促すことが可能となります。

○藤井委員 市場が立ち上がったばかりの燃料電池バスの導入促進や、そのためのバス対応ステーションの整備には、継続的に多くのコストを要するため、基金を有効に活用しながら整備が進められてきたことが理解できました。
 新設されるゼロエミッション東京推進基金は、水素エネルギーの利用拡大に限らず、再生可能エネルギーの利用拡大、省エネの推進、プラスチック対策など幅広い施策に充当できるというものであります。
 新設される基金を有効に活用しながら、水素エネルギーの普及促進に向けた取り組み、さらにはゼロエミッション東京の実現に向けた精力的な取り組みを着実に進めていただきたいことを要望いたしまして、質疑を終えたいと思います。ありがとうございました。

○高倉委員 それでは、廃止される基金と新たに新設をされる基金について質問をいたします。
 先ほど来の質疑によって、廃止される基金のこれまで果たしてきた役割、それから新たにつくる基金の目的等についてはもう質疑が行われておりますので、この点は質問を避けたいというふうに思っております。
 そこで、まずお聞きをしたいわけでありますけれども、今回新たに新設をされるこの基金に積み立てられる金額がどの程度の規模感を持っているのか、これをちょっと知りたいわけですけれども、ただ、ゼロエミッション戦略というのが昨年末に公表された、まだその段階でありまして、過去の予算と比べるわけにはなかなかいかない部分があろうかと思っております。
 ただし、きょうこの場は予算審議をする場ではありませんので、そういったところに突っ込んで質疑をするつもりは全くありませんけれども、一応そうした規模感を比較する意味で、令和二年度のゼロエミッション東京にかかわる予算の額がどの程度になっているのか、このことについての比較という観点から教えていただければと思います。

○若林環境政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 令和二年度予算案のうち、環境局所管分において、省エネ、再エネの導入拡大やゼロエミッションビークルの普及促進、プラスチック対策など、ゼロエミッション東京の実現に向けた取り組みに係る歳出予算として三百四十八億円を計上しております。

○高倉委員 今、三百四十八億円というお話がありました。先ほど申し上げたように、これ以上突っ込んでこの中身の質疑をするというのは予算の審議の方に回したいというふうに思っておりますけれども、今、答弁の中で環境局所管分という前置きをした上でお答えがありましたけれども、ゼロエミッション東京戦略に係るさまざまな経費というのは環境局所管分以外にもあるというような理解でよろしいでしょうか。

○若林環境政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 ゼロエミッション東京戦略で掲げた各施策につきましては、庁内各局はもとより、関係機関、多々、広くかかわってまいります。そのため、東京都環境局以外の主体による事業というものも含まれているものと認識をしております。

○高倉委員 ここに含まれている--今、先ほどいった所管分に含まれているということをいったんですが、これ以外にもあるということなんですか。

○若林環境政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 大変失礼しました。先ほど申し上げました環境局所管分については環境局が執行するもののみということになってございます。失礼しました。

○高倉委員 済みません。ちょっと突っ込んでお聞きしてしまったかもしれませんが、ゼロエミッション東京戦略というのがもう既に公表されているわけでありまして、二〇五〇年にCO2の排出量実質ゼロを目指していくと。少し先の話になりますけれども、この高い目標を掲げつつ、十年後の二〇三〇年の目標といったことについて、かなりこの戦略の中では具体的に記述をされているわけでありまして、その目標もその中では明らかになっているわけであります。
 これから気候変動対策というのが非常に大きな課題になってくる中で、このゼロエミッション東京戦略といったものを着実に推進していくということは、都政の課題の中でもかなり優先度の高い、もしくは本当に緊急性が高い取り組みとしてやっていかなければならないというふうに思っております。先ほど申し上げたように、二〇三〇年に向けた具体的な目標といったものがこの戦略には書き込まれているというわけであります。
 私は、少なくともこの十年間、例えば、もちろん民間等にも協力を依頼するような内容もあるんだとは思いますけれども、しかしながら、東京都として実際に予算を掲げてやっていくと、こういったことを考えたときに、少なくともこの目標を掲げている二〇三〇年までの十年間に、一体このゼロエミッション東京戦略といったものがどれほどの財政的な経費を必要とするのか。
 先ほど環境局所管分というようなお話もありましたけれども、いわゆる少なくともこの十年間に都が負担しなければならない経費はどれぐらいを見込んでいらっしゃるのか、この点についてご答弁いただきたいと思います。

○若林環境政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 ゼロエミッション東京戦略では、二〇五〇年のCO2排出実質ゼロというゴールに向け、今後十年間の取り組みが極めて重要であることから、マイルストーンとなる二〇三〇年の目標、ターゲットを設定しております。
 目標の達成に向けては、この戦略に基づき、一つ一つの施策を着実、スピード感を持って実行していくことが重要でございます。このため、今後、進捗状況を把握し、状況分析を行った上で、目標や施策のバージョンアップにも継続して取り組んでいくこととしておりまして、二〇三〇年目標に向けた全体事業費を見込むことは難しいと考えております。

○高倉委員 今、全体の経費を見込むことは難しいという話でありました。確かに、例えば二〇五〇年までどれぐらいかかるのかということであれば、これはなかなか見通しは、皆さんが答弁をするというような意味では極めて難しいということであると思いますけれども、今後十年間の全体の事業費、こういったものは、目標を掲げているというようなことを踏まえれば、ある程度しっかり、どれぐらいかかるものなのかということは必要なんではないかと私は思うんですね。
 今回新たな基金を設置するわけであります。もちろん基金だけで必要な経費を賄うと、そういうものではないと思います。余裕があるときに基金にしっかり積み立てをしておいて、そして毎年毎年の予算編成の中で、取り崩しが必要なときに、そこからきちっと取り崩しをして、いわゆる税収等によって施策の展開がでこぼこにならないように、安定的に予定しているようなことをしっかりやっていくために、そういう意味では基金というのは極めて重要であるというふうに思っております。
 したがって、基金の積立額が幾らだということだけで議論はできないのは当然でありますけれども、いずれにしても、この十年間の都の必要な負担といったものはぜひ試算をしておくべきではないかと思うわけでありますけれども、改めて見解を求めたいと思います。

○吉村環境局長 先ほど部長の方から二〇三〇年までに都が負担する経費の判定は難しいという話がありました。確かに二〇三〇年目標をつくっているという状況の中で、事業を現段階でフィックスして経費をお示しするというのも一つの考え方だと思います。
 しかしながら、特にエネルギー分野というのは、先ほど来、例えば水素の技術革新がどんどん速いとかいう問題もあって、最新の技術を取り入れた上で新たな施策を展開したいという思いもありますし、また直近では、国のエネルギー基本計画が二〇二一年に改定される予定ということがありまして、こういうことに大きく左右されるというようなことがございます。
 そのフレーム、諸条件が変わる中において、その時期時期において計画を見直していきたいということで、今回のゼロエミッション東京戦略ではPDCAサイクルを繰り返してやっていって、毎度毎度進化させていくという考え方を示させていただいたところでございまして、そういうことで全体の財政的なフレームを現段階でお示しするということは難しいということはぜひご理解いただければと思います。

○高倉委員 ゼロエミッション東京戦略を実現、達成していくということは極めて重要であるということは先ほど申し上げたとおりであります。これから長い道のりですから、毎年毎年財源を確保しながら着実に進めていかなければならないということであるというふうに思っております。
 そういう中で、十年たってみたときに、結果として厳しかったとか、いわゆる結果としてこうだったということではなくて、そこはできる限り取り組みの中身を明らかにしながら、当然それは財源あってできる話ですから、したがって、こういう基金も新設をしながら財源をしっかり確保していく。
 皆さんはいわゆる事業主体の局でありますので、財源等の手当ては当然財務局の仕事になるわけでありますけれども、皆さんとしては必要な財源をしっかり財務局等に訴えて、これは毎年毎年基金も活用していかなければならないというふうに思っておりますけれども、今、局長から、毎年毎年適切な見直しをしていくといった趣旨のお話もありました。
 この間、私ども代表質問で、毎年ゼロエミッション東京の達成状況について、これを内外にきちっと明らかにしていく、いわゆる環境白書の中で明らかにするんではなくて、別立てでもってきちっと明らかにしていく、そういったゼロエミッション東京白書といったようなものを出していくべきということを提案させていただいて、公表していくというご答弁はいただいたわけであります。しっかり適宜見直していくということは極めて重要であるというふうに思います。
 その上で、これはやはり財源あってこそできるといった面もありますので、そこはしっかり今回の基金の活用も視野に入れながら取り組んでいただきたいなというふうに思っております。そうした意味で、財政面からの裏づけを持ちながらの戦略を進める必要といったことについて最後に見解を伺いまして、質問を終わりたいと思います。

○吉村環境局長 今ご指摘を受けたとおり、十年、正直いって短いようで長いし、長いようで短い。その中でいろいろ環境変化があります。事業局としては、そのときそのとき一番適切な事業を展開してまいりたいし、あるいは、先ほど水素の事業でCO2に貢献が少ないからじゃないというお話がありましたけど、水素の事業はどちらかというと近視眼的な炭素の低減というよりは、長期的なサプライチェーンの構築ということで、二〇三〇年以降、本格的に水素社会を実現することによって、電力の調整電源として活用するとか電力にとどまらず、では、都市ガスはどうやって脱炭素化をしていくんだ、あるいは鉄鋼業でどうやって還元をやっていくんだ、石炭以外にどうやって還元をやっていくんだということをグローバルな目で見ると、水素社会というのはどうしても実現していかなきゃならない。こういった長期的な視点でやる事業と、毎年毎年技術革新に合わせて新たな制度をつくっていく。
 例えば、今、リチウムイオン電池がノーベル賞で大変注目を浴びておりますけど、リチウムイオン電池については、液漏れの問題であるとかいろいろ課題があって、今、各企業では全固体電池というのが研究されていて、小さいものがやっと商品化されていると。こういうものが本当にEVに活用されれば劇的に商品性が変わるというようなことも、多分この十年内には起こるんじゃないかというふうに我々は考えております。
 そういった技術革新に合わせて、新たな施策展開をやっていきたいし、それに必要な財源はしっかりと財政当局に交渉して確保していきたいというふうに考えてございます。

○細谷委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○細谷委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で環境局関係を終わります。

○細谷委員長 これより建設局関係に入ります。
 初めに、契約議案の調査を行います。
 第八十二号議案及び第八十四号議案から第八十九号議案までを一括して議題といたします。
 本案につきましては、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○杉崎総務部長 去る二月十四日の当委員会において契約議案に関して要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
 お手元の環境・建設委員会要求資料の表紙をおめくりいただきますと、目次に七件の資料の件名が記載してございます。
 各資料では、それぞれ今回提出しております工事請負契約における件名、落札者、落札金額、開札日、入札経過をあらわしております。
 一ページをごらんください。東京都八重洲駐車場(三十一)改修工事請負契約における入札経過でございます。
 二ページをごらんください。環二築地虎ノ門トンネル(三十一)換気設備工事その二請負契約における入札経過でございます。
 三ページをごらんください。中川護岸耐震補強工事(その四十六)請負契約における入札経過でございます。
 四ページをごらんください。妙正寺川整備工事(その十六)請負契約における入札経過でございます。
 五ページをごらんください。綾瀬川護岸耐震補強工事(その二百五十六)請負契約における入札経過でございます。
 六ページをごらんください。小名木川護岸震耐補強工事(その五)請負契約における入札経過でございます。
 七ページをごらんください。綾瀬川護岸耐震補強工事(その二百六)請負契約における入札経過でございます。
 以上で要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○細谷委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本案に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○米川委員 それでは、中川護岸耐震補強工事(その四十六)について伺います。
 都は、東日本大震災を受けまして整備計画を策定し、中川を含む東部低地帯の河川の耐震対策等を順次進めております。十年間の計画期間も終盤となりました。
 昨年九月の環境・建設委員会での質疑では、令和元年度に本契約案を含め、奥戸橋上流右岸など五区間約一・〇キロメートルで新たに工事着手し、これにより計画延長の約八割を事業化するとのことでした。改めて中川の耐震補強工事の進捗状況について伺います。

○小林河川部長 中川におきましては、平成二十四年度から東部低地帯の河川施設整備計画に基づき耐震補強対策を進めておりまして、三十年度までに計画延長約七・六キロメートルのうち約五・一キロメートルを事業化いたしました。
 今年度は、既に実施しております奥戸橋上流左岸の三区間、延長約六百メートルの工事に加えまして、本案件の契約により五区間の工事全てに着手し、当初の予定どおり、計画延長の約八割を事業化いたします。
 引き続き、残る約一・五キロメートルの区間につきましても着実に耐震補強工事を実施してまいります。

○米川委員 昨年の台風十九号で葛飾区で多くの区民の方が避難を行いました。耐震対策の一日も早い完成が望まれております。
 さて、災害での被害を軽減するためには、ハードの整備に加え、なぜハードの整備が必要なのか、地盤高図やハザードマップ、さらには過去の災害の情報から地理的状況などを正しく理解していることが有益と考えております。あらゆる機会を捉え、住民の理解を深める取り組みが必要です。
 例えば、河川の適正利用についてとして、昨年十月の環境・建設委員会での質疑を行いましたが、その中で、利用ルールの詳しい説明が掲載された建設局ホームページのアドレスをQRコード化し、既設の看板に追加で張りつけることで、看板設置の目的などを簡単に確認、知ることができるのではないかと提案させていただきました。
 この中川の工事では、工事内容を説明する看板が堤防通路などに設置されておりますが、この通路は朝の散歩なども含めまして、多くの区民の方が利用しております。ぜひこの工事看板を利用し、工事の必要性や災害に対する備えなどの情報に簡単につながる仕組みを設ければ、工事への理解に加え、災害に対する情報や知識を得ることで、住民の災害への備えや軽減に寄与するものと考えております。
 そこで、誰もがわかりやすく防災に関する情報を入手できるよう、工事看板などの活用を検討すべきと考えますが、見解を伺います。

○小林河川部長 工事の実施に当たりましては、事業の目的や整備効果等につきまして、積極的に地元の方々へ情報提供していくことが重要でございます。
 このため都はこれまでも、工事広報板等によりまして詳細な施工順序や完成後のイメージを掲示するなど、工事内容をわかりやすく説明するよう工夫してまいりました。
 本事業におきましては、これに加えまして、図や写真、QRコード等を活用することで、豪雨時などに利用できる情報の発信に努めてまいります。

○米川委員 ありがとうございます。ハードとソフト両面の備えがあってこそ被害の軽減につながるものと考えております。ぜひ、あらゆる機会を生かしていくことを求め、質疑を終わります。

○保坂委員 それでは、私からは、契約案の東京都八重洲駐車場(三十一)改修工事について伺います。
 今回の八重洲駐車場の工事は、東京都の第二次主要施設十か年維持更新計画によりますと、竣工後五十年以上が経過し老朽化した施設を順次更新していくという中の一つの工事であります。
 都が管理する同駐車場は、都が所有する周辺の関連駐車場五カ所のうち、昨年工事完了しました新京橋駐車場の改修工事に続くまさに二番目の工事となっております。今回の工事は、令和三年度までの二カ年にわたる工事で、その後は続いて日本橋駐車場、東銀座駐車場、宝町の駐車場と、令和七年度まで続いていく計画ということになっています。
 この五つある駐車場の中でも、今回の八重洲は東京駅や中央通りの最も近くに位置していることから、利用ニーズも非常に高く、私もよく利用させていただいております。それゆえ、工事により利用者への影響を及ぼすことも考えられることを踏まえまして、数点質問させていただきます。
 まず、工事の進め方についてなんですが、八重洲駐車場も工事期間中は全面閉鎖となるのでしょうか。
 また、全面閉鎖になるのであれば、周辺はオフィス街や東京駅付近という環境で駐車ニーズも非常に高いことが予想できますが、収容能力二百六十五台、この方々が行き場を失うことに対して、対応はどのようにしていくのか伺います。

○前田道路管理部長 今回の改修工事におきましては、壁や天井にあるアスベストの除却等も行うため、工事期間中は全面閉鎖して工事を行います。
 工事期間中の利用者対応といたしましては、定期契約者については、周辺にある都営日本橋駐車場や宝町駐車場などへの契約振りかえを行っております。
 また、時間貸し利用者に対しては、日本橋駐車場や宝町駐車場への誘導を行って対応してまいります。

○保坂委員 契約者とは異なりまして、時間貸しの利用者というものは初めての方も非常に少なくないということから、利用者が振りかえ駐車場に迷うことなく移動できますよう、より丁寧に誘導案内等をされることを要望します。
 工事期間中、全面閉鎖することで約二年間、この駐車場に関しては収入が年間二億近くあると思いますが、ゼロになりますけれども、駐車場経営上の問題は生じないのか伺います。

○前田道路管理部長 八重洲駐車場外四駐車場につきましては、指定管理者制度を導入しておりまして、今回の改修工事に伴い、八重洲駐車場が全面閉鎖することを前提とした収支計画を指定管理者において策定して運用しております。
 工事による閉鎖期間におきましても、駐車場の管理に要する経費は確保された計画となっております。

○保坂委員 工事の計画上、全面閉鎖をせざるを得ない状況は理解しました。また、閉鎖することによる経営上の問題については、ほかの駐車場で対応することで収支は確保できるということも理解しました。
 ただ、それはあくまで計画であり、実際、利用者のニーズにしっかりと対応できなければ収入も十分確保できないので、くれぐれもさきに述べましたようなサービスの質の確保に努められるよう要望します。
 最後に、この工事でどのような点がよくなるのか伺います。

○前田道路管理部長 今回の改修工事で、防火シャッターに人が挟まれた際に停止する安全装置が付加されたものに更新することで、利用者の安全性が向上いたします。
 また、誰でもトイレの増設や更新、壁や床の塗りかえにより利用者の利便性や快適性が向上いたします。

○保坂委員 改修工事によりまして防災機能や利便性の向上が図れることがわかりました。ぜひ計画どおり工期内で完了されることはもちろん、地下の広域かつ、アスベストの全面除去など、大規模工事でもありますので、安全面にも十分注意されて進めていただくことを求めまして、質問を終わります。

○細谷委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○細谷委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
 お諮りいたします。
 本案は、いずれも異議のない旨、財政委員長に報告いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○細谷委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
 以上で契約議案の調査を終わります。

○細谷委員長 次に、付託議案の審査を行います。
 第九十九号議案、令和元年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出、繰越明許費、建設局所管分を議題といたします。
 本案につきましては、既に説明を聴取しております。
 これより質疑を行います。
 発言を願います。

○米川委員 それでは、令和元年度補正予算について伺います。
 まず初めに、令和元年度補正予算説明書に記載されている用地費の減額を足し上げますと、合計で約三百五十億円となっておりますが、主な減額理由はどのようなものなのか伺います。

○山本用地部長 主な減額理由については、国庫補助事業における交付金の内示減のほか、借地借家など権利関係がふくそうしていることによる当事者間の争いや、マンション等の権利者多数の合意形成、また高齢者の移転先確保や生活再建など、さまざまな事情により関係権利者の方々のご理解を得るための時間を要しており、年度内の執行が困難となったため減額したものでございます。

○米川委員 権利者との合意に時間がかかるという事情は理解できますが、昨年度も約五百四十億円の減額をしており、毎年多額の不用額が発生しております。事業用地の取得は都市基盤施設整備の上で不可欠なものです。中でも、特定整備路線のように安全・安心なまちづくりのために一日も早い完成が求められるものもあります。権利者との合意形成に時間を要するという事情があるにしても、計画的な都市基盤整備のため、予算計上したにもかかわらず毎年多額の不用額が発生している状況を改善していくべきと考えております。
 そこで、用地費の執行率を向上させ、不用額の状況を改善するため、どのような取り組みが必要と考えるのか、見解を伺います。

○山本用地部長 事業用地の取得を推進するためには、関係権利者お一人お一人に丁寧に説明しながら、効率的、効果的に用地を取得していくことが重要であります。
 そこで、限られた人員体制の中で用地取得を一層加速させるため、プロジェクトチームを立ち上げ、用地取得業務の効率化について検討してまいりました。
 この検討を踏まえ、来年度より、補償金の積算など、民間事業者の専門性をこれまで以上に活用することで、現場担当者がより丁寧な折衝に注力できる環境を整備してまいります。
 また、機動的に折衝を行う本庁組織を強化し、事業効果の早期発現につながる箇所を集中的に取り組み、解決を図ってまいります。
 さらに、特定整備路線の相談窓口の機能強化を図るため、事業者選定に当たっては、新設、拡幅等の路線の特徴や、借地が多いなど地域の事情に合った新たな提案を求める総合評価方式を取り入れてまいります。これによりまして、よりきめ細かい生活再建支援を行ってまいります。
 今後も、さまざまな工夫により用地取得業務の効率化を図り、用地取得を推進してまいります。

○米川委員 関係権利者にはそれぞれに移転時期のベストなタイミングがあり、当然に異なるものと考えております。
 例えば地主と借家人の場合、都が決めている同時契約の原則により、移転時期の意向が合わず契約が難航している事例もあります。小池都知事は施政方針表明で、これまでの延長線にとらわれることなく、果敢な挑戦を積み重ねることこそ私が掲げた東京大改革であると話されておりました。
 用地取得を一層加速させるためには、戦略を練り、一つ一つ成果を上げ、固定観念にとらわれることなく、果敢な挑戦を積み重ねることが大切と考えております。課題も多くあるでしょうが、ぜひ同時契約の原則というルールも大胆に見直すなど、これまでにないやり方を取り入れ、都民の利便性や安全の向上につながる事業を早期着手、完成のため、用地取得を進めていくことを要望し、質問を終わります。

○細谷委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○細谷委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で建設局関係を終わります。

○細谷委員長 これより付託議案の審査を行います。
 第六十五号議案、第六十六号議案及び第九十九号議案、令和元年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出、繰越明許費、環境・建設委員会所管分を一括して議題といたします。
 本案につきましては、いずれも既に質疑を終了しております。
 これより採決を行います。
 第六十五号議案、第六十六号議案及び第九十九号議案、令和元年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出、繰越明許費、環境・建設委員会所管分を一括して採決いたします。
 お諮りいたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○細谷委員長 異議なしと認めます。よって、第六十五号議案、第六十六号議案及び第九十九号議案、令和元年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出、繰越明許費、環境・建設委員会所管分は、いずれも原案のとおり決定いたしました。
 以上で付託議案の審査を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後二時二十三分散会

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