環境・建設委員会速記録第十五号

令和元年十一月二十七日(水曜日)
第九委員会室
午後一時開議
出席委員 十三名
委員長細谷しょうこ君
副委員長米川大二郎君
副委員長里吉 ゆみ君
理事舟坂ちかお君
理事小磯 善彦君
理事滝田やすひこ君
藤井とものり君
保坂まさひろ君
原田あきら君
神林  茂君
もり  愛君
桐山ひとみ君
高倉 良生君

欠席委員 なし

出席説明員
環境局局長吉村 憲彦君
次長奥田 信之君
総務部長谷上  裕君
環境政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務若林  憲君
政策調整担当部長和田 慎一君
地球環境エネルギー部長小川 謙司君
次世代エネルギー推進担当部長山田 利朗君
環境改善部長筧   直君
環境改善技術担当部長志村 公久君
自然環境部長近藤  豊君
資源循環推進部長宮澤 浩司君
調整担当部長風祭 英人君
資源循環計画担当部長金子  亨君

本日の会議に付した事件
環境局関係
事務事業について(質疑)

○細谷委員長 ただいまから環境・建設委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、環境局関係の事務事業に対する質疑を行います。
 これより環境局関係に入ります。
 事務事業に対する質疑を行います。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○谷上総務部長 去る十月八日の当委員会で要求いただきました資料につきましてご説明申し上げます。
 お手元の環境・建設委員会資料をごらんください。
 表紙をおめくり願います。目次にありますとおり十六項目ございます。
 まず、一ページをお開き願います。1、都内の二酸化炭素排出量の部門別推移でございます。
 平成十九年度から二十九年度までの各年度における産業、家庭、業務、運輸及びその他の各部門の二酸化炭素排出量でございます。
 表の上段には、京都議定書の基準年である平成二年度の数値及び都の温室効果ガス削減目標の基準年である平成十二年度の数値を記載しております。
 二ページをお開き願います。2、東京の温室効果ガスの年間排出量の推移でございます。
 平成十九年度から二十九年度までの各年度における温室効果ガスの年間排出量でございます。
 表の上段には、京都議定書の基準年である平成二年度の数値及び都の温室効果ガス削減目標の基準年である平成十二年度の数値を記載しております。
 三ページをお開き願います。3、都内のエネルギー消費量の部門別推移でございます。
 平成十九年度から二十九年度までの各年度における産業、家庭、業務及び運輸の各部門のエネルギー消費量でございます。
 表の上段には、京都議定書の基準年である平成二年度の数値及び都の省エネルギー目標の基準年である平成十二年度の数値を記載しております。
 四ページをお開き願います。4、風力発電、地熱発電、水力発電、バイオマス発電、太陽光発電の普及状況(過去五年分)でございます。
 平成二十五年度から二十九年度までの各年度における発電方式ごとの設備容量を記載しております。
 五ページをお開き願います。5、再生可能エネルギーによる都内電力利用割合(過去五年分)でございます。
 平成二十五年度から二十九年度までの各年度における再生可能エネルギー電力利用割合等を記載しております。
 六ページをお開き願います。6、二酸化窒素及び浮遊粒子状物質濃度の全国上位十局の推移でございます。
 (1)、二酸化窒素濃度につきまして、平成二十五年度から二十九年度までの各年度における全国の測定局の年平均値上位十局を記載しております。
 七ページをお開き願います。(2)、浮遊粒子状物質濃度につきまして、同様に記載しております。
 八ページをお開き願います。7、平成三十年度微小粒子状物質(PM二・五)濃度の測定結果でございます。
 微小粒子状物質(PM二・五)の濃度につきまして、(1)、一般環境大気測定局における測定局ごとの年平均値を記載しております。
 九ページをお開き願います。(2)、自動車排出ガス測定局につきまして、同様に記載しております。
 一〇ページをお開き願います。8、保全地域に係る指定面積、公有化面積、公有化予算額及び公有化決算額でございます。
 平成二十二年度から令和元年度までの各年度における保全地域に係る指定面積、公有化面積、公有化予算額及び公有化決算額を記載しております。
 一一ページをお開き願います。9、保全地域における希少種の状況でございます。
 調査対象の保全地域におきまして確認された植物、鳥類等の希少種数及び主な希少種名を一五ページにかけて記載しております。
 一六ページをお開き願います。10、都内の一時間五十、七十五、百ミリ以上の豪雨の推移でございます。
 平成十二年から令和元年までの各年における都内の一時間降水量が五十ミリ以上七十五ミリ未満、七十五ミリ以上百ミリ未満、百ミリ以上の豪雨の日数を記載しております。
 一七ページをお開き願います。過去十年の真夏日、熱帯夜の状況でございます。
 平成二十二年から令和元年までの各年における都内の真夏日と熱帯夜の日数を記載しております。
 一八ページをお開き願います。12、緑被率、みどり率の推移でございます。
 区部及び多摩地域それぞれについて、(1)では平成三年及び七年の緑被率を、(2)では平成十年から三〇年まで、五年ごとのみどり率を記載しております。
 一九ページをお開き願います。13、都内自動車走行量の推移(過去十年分)でございます。
 平成十九年度から二十八年度までの各年度における旅客及び貨物の各部門の自動車走行量を記載しております。
 二〇ページをお開き願います。14、建設汚泥の発生量(過去五年分)でございます。
 平成二十四年度から二十八年度までの各年度における建設汚泥の発生量を記載しております。
 二一ページをお開き願います。15、日本からの廃プラスチック輸出量の推移(国・地域)でございます。
 貿易統計に基づき、平成二十六年から三十年までの国、地域別の輸出量の推移を記載しております。
 二二ページをお開き願います。16、区市町村で回収している容器包装プラスチック量とリサイクル量とその合計(平成二十九年度、区市町村別)でございます。
 平成二十九年度における区市町村別の容器包装プラスチック量とリサイクル量を二三ページにかけて記載しております。
 以上、簡単ではございますが、説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○細谷委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○保坂委員 お願いします。まず初めに、私からは、家庭のゼロエミッション行動推進事業についてを伺います。
 都は、平成二十九年度から三十年度にかけて、LED省エネムーブメント促進事業を実施し、この間の事業費は約二十億円、LED電球の交付実績は目標の百万個に対して七十四万個と、目標達成率は七割を超えました。
 本事業は、当初は平成二十九年七月からの一年間で実施をすることとしていましたが、その間に浮き彫りになりました課題を踏まえ、平成三十年八月から改善策を実施したことで、わずか四カ月で全体の約半数を交付することとなりました。
 本事業の実施により、CO2削減効果は年間約三万トンであり、一般家庭約二万世帯分の電力使用量削減に相当する効果を上げました。
 また、光熱費削減効果は年間約十七億円でした。
 今年度より、省エネ性能の高いエアコン、冷蔵庫、給湯器への買いかえを促進するために、商品券などに交換できる家庭のゼロエミッション行動推進事業がスタートしましたが、LED省エネムーブメント促進事業の経験がどう生かされているのか、まず伺います。

○小川地球環境エネルギー部長 本事業のように多くの都民に参加いただく事業を展開する上では、都民の利便性を考慮していくとともに、事業との関連が深い企業や団体等との協力関係を構築していくことが重要でございます。
 そのため、ポイント申請の際に都民が提出する申請書におきましては、記載項目や添付書類を必要最小限としたほか、対象製品の購入可能店舗を限定しないこととするなどの対応をいたしました。
 また、家電販売店や給湯器製造メーカーなどの幅広い関係団体等に対して事業説明を丁寧に行い、いただいたご意見を事業検討に反映したほか、これら団体等にのぼりやポスター、チラシなどの広報物を提供し、広く事業周知の協力をいただいております。
 今後も都民や企業、団体等の意見なども踏まえながら、着実な事業運営を実施してまいります。

○保坂委員 確かに店舗の負担を減らすということも、売る側にとっては効率的に対象商品をお客様に案内できる、そういったことは前回の課題を踏まえての対応だともわかりました。
 LED省エネムーブメント促進事業では、都は百万個のLED電球、四・四万トンのCO2削減効果を交換目標としてまいりました。
 今回の家庭のゼロエミッション行動推進事業では、目玉となるポイントについてのPRが前面に打ち出されており、事業の目標がなかなか見えてきません。
 そこで、この事業の具体的な目標は何か、ゴールはどこにあるのかを伺います。

○小川地球環境エネルギー部長 本事業は、家庭においてエネルギー消費が大きいエアコン、冷蔵庫及び給湯器に着目いたしまして、これら家電等の買いかえの際に省エネ性能の高い機器の選択を促すことで、家庭部門のCO2削減につなげていくことを目的としたものでございます。
 買いかえによるCO2削減効果は、東京二〇二〇大会のカーボンオフセットに活用してまいります。また、消費税率引き上げ後の消費活性化にも寄与していくものと考えております。
 事業初年度の買いかえ想定規模は、事業の対象機器の年間出荷台数などをもとに、二十五万七千台を見込んでおり、来年度までの事業期間全体では約六十三万台を見込んでおります。
 これによるCO2削減効果は、初年度の想定規模の買いかえで年間約五万八千トンであり、事業期間全体の規模では年間約十四万トンでございます。

○保坂委員 CO2の換算だけでも削減効果はLED事業目標の三倍以上の効果があることもわかりました。今回の事業によって省エネがさらに進むことを期待しております。
 その目標を達成するには、進捗を追いかけていく必要があります。事業の進捗については、LED省エネムーブメント促進事業では、販売店舗から情報を定期的に吸い上げることで、進捗を都民もホームページなどで確認できる環境ができていました。この事業進捗の確認はどうしていくのかを伺います。

○小川地球環境エネルギー部長 LED省エネムーブメント促進事業と異なり、本事業では、ポイント発行の申請は、都民が直接本事業の運営事務局に対して行うこととしております。そのため、運営事務局からの申請件数等の聴取によりまして事業進捗の把握が可能でございます。
 なお、本事業は、予算の限り実施することとしていることから、都民が予算の残りを把握できるようにするため、今後、申請件数や発行ポイントの累計などをホームページ等で公表する予定でございます。

○保坂委員 定期の情報公開は必要ですので、ぜひお願いをいたします。
 本事業では、都民は販売店ではなく運営事務局に直接申請をして、ポイント交換品が返送される仕組みとなっています。
 この申請期限は事業計画の終わりとなります二〇二〇年度末であり、買いかえからの申請に至るまでの間にタイムラグが発生することが想定されるため、運営事務局からの申請件数の聴取だけでは正確な進捗状況を把握することが難しいのではないかと考えます。
 そこで、今後申請が想定される件数の把握も必要であると考えますが、見解を伺います。

○小川地球環境エネルギー部長 都民が提出する申請書類から対象機器を購入した日付がわかるため、これをもとに申請件数ごとの買いかえから申請までの期間を把握することが可能でございます。こうした情報も活用しながら、今後申請が想定される件数の把握を行ってまいります。

○保坂委員 今、仮に購入した場合、締め切りまで実に一年以上もの猶予があり、申請することをうっかり忘れてしまう懸念すらあります。そもそもポイント申請期間を二〇二〇年度末に決めた理由はどこにあるのでしょうか、伺います。

○小川地球環境エネルギー部長 期限切れによる申請機会の損失をできるだけなくし、都民の利便性を高める観点から、事業期間中であればいつでも申請できるようにしたものでございます。
 なお、対象機器の買いかえ後、申請までの期間が長くなると、都民が申請を失念したり、必要書類を紛失したりすることが懸念されるため、早目に申請いただくように周知してまいります。

○保坂委員 この事業を都民に普及していくためには、都民へ積極的に周知啓発していくことが必要です。これにより、購入してまだ申請していない方も思い出すことができるからです。
 既に販売店では、店内広告、チラシやホームページなどでPRをして消費を促進しています。ただ、それだけでは限界があり、通常の都民生活の中で、都民に対して環境に対する普及啓発も兼ねて周知していくことが必要であると考えます。
 そこで、告知については、販売店での広告以外でどのような取り組みを行っているのか伺います。

○小川地球環境エネルギー部長 「広報東京都」への事業概要の掲載や都関連のデジタルサイネージを活用した周知を行ったほか、都民が利用する都施設へのポスター掲示等を行っております。
 また、区市町村や自治会のご協力をいただき、広報紙やホームページへの事業概要の掲載、それから事業チラシの回覧などを行っていただいております。
 周知内容には、単に事業の仕組みを説明するだけではなく、地球温暖化対策のためには省エネが不可欠であることや、家電等の買いかえによる省エネ効果なども含めており、今後も省エネに関する普及啓発を兼ねながら、都民へのさらなる事業周知を行ってまいります。

○保坂委員 特に都民に一番近い各自治体の施設などに例えばポスターを張っていただくなど、一回のチラシだけですと、回覧だけですと、その一回で終わってしまいますので、できるだけ都民の皆さんが、ふだんの生活の中で目にしていただくような、そういった環境を考えますと、区市町村の自治体さんの施設というのは一番近い位置にあるのかなと思っておりますので、さらにこういった自治体と連携を進めていただきたいと要望をいたします。
 さて、この事業の目的のもう一つは、消費税が一〇%へ増税することによる消費の活性化という側面もあります。並行して国が始めています消費税増税対策としての次世代住宅ポイント事業は、環境、安全・安心、健康長寿、高齢者対応、子育て支援、働き方改革につながる住宅の新築購入やリフォームを対象としてポイントが発行され、さまざまな商品と交換することができる事業と認識しています。
 こうした国の事業と連動することでさらなる消費やエコマインドの促進につながると考えますが、見解を伺います。

○小川地球環境エネルギー部長 高効率給湯器の買いかえなど、本事業と国の消費税対策事業のいずれでも対象となる場合においては、両事業の併用が可能であり、相乗効果によって利用が促されることが期待できるものと考えております。
 そのため、併用ができることにつきましては、ホームページ等に掲載しているほか、家電店等での周知をお願いしております。実際に本事業と国の事業を併記した企業広告チラシなども確認されております。
 今後も国の事業との連動という観点も考慮しながら周知を図り、事業促進につなげてまいります。

○保坂委員 都民への消費喚起という手段を有効に活用することで、都民のさらなるCO2削減を促進し、この事業の目標達成に向けて努められますとともに、進捗の報告などを行っていただくことも要望して、次のテーマに入ります。
 続いて、ZEV導入の購入促進事業について質問いたします。
 都は、さきの環境国際会議において、二〇三〇年の都内での乗用車新車販売に占めるZEV、ゼロエミッションビークルの割合を五割まで高めるとの目標を掲げています。
 中でもEVについては、世界中でも政府主導による開発が進んでおり、販売台数も増加の一途をたどっています。日本でも今後、各国内メーカーが発売を発表しており、注目されています。
 また、ある大手調査会社でも、二〇三五年にはEVの世界販売台数の予測は、PHVやHVを抜いて、現在の十七倍規模の約二千二百万台に達すると発表していることも大きな要因の一つではないかと考えております。
 ここでは、都でもこれまでEV普及促進に向けて取り組んでこられたこと、そして今後について質問させていただきたいと思います。
 まず、都でも積極的に都有車のZEV導入が進んでおりますが、現状を伺います。
 また、導入による職員の環境マインド向上についても伺います。

○筧環境改善部長 都では、ゼロエミッションビークルの普及に向けた率先行動として、庁有車におけるゼロエミッションビークルの導入を進めております。具体的には、各局に対して、更新や新規で導入する普通自動車、小型自動車及び軽自動車のうち、切りかえ可能な車両について、電気自動車、プラグインハイブリッド自動車、燃料電池車とすることを求めております。
 平成三十一年三月末時点において、知事部局が保有する九百四十九台の車両のうち、電気自動車三十台、プラグインハイブリッド自動車六台、燃料電池自動車八台、合計四十四台が導入されております。
 これまで環境局では、自動車を運転する職員を対象としたエコドライブの講習や、電気自動車を導入する背景等の周知を行ってきており、今後、ゼロエミッションビークルの導入を進めることで、職員の環境意識をさらに高めるよう努めてまいります。

○保坂委員 こうした都の取り組みを都民に周知していくことでEV普及にもつながっていくものと考えます。そのためにも、誰にでもわかりやすい周知が欠かせないということで、昨年の環境・建設委員会でも質疑をしましたEVの車体に電気自動車ということをわかりやすくラッピングできないものかとお願いをしてきました。
 そこで、ことしより採用されました都有車専用のゼロエミステッカーを作成されましたことは評価をいたします。
 ここで、委員の皆様にも参考として写真をお見せいたしたいと思います。申請しましたパネルです。上下、写真が二枚ありますが、まず、上の写真は、以前私どもが視察した八丈島で、総務局が現地のホテルに貸与されている電気自動車であります。メーカーによります大きなラッピングも施されており、非常にわかりやすい。このようなメーカーが販売するEVラッピングは、タクシーや法人車なども、ちまたでも我々確認できますけれども、非常にわかりやすく、企業からもCSR効果もあると評価されております。
 さて、都有車にもぜひこれを参考にして実行していただきたいと要望しました。それが下の写真であります。皆さん、わかりますか。どこに張ってあるかというと、大分視力がいい方でないとわからないですね。下の写真が今回環境局が作成されましたステッカーを張った車の写真になります。何か決まり事でもあるのか、車の下の方に申しわけなさそうにこう張ってあるような感じなんですけれども、下の写真が今回そのステッカーを張った写真なんですけれども、ごらんのとおり、上に比べてサイズが控え目で、遠くからでは何のステッカーか認識することは難しいことがわかります。
 そこで、誰でも遠くから目視できるようなラッピングであれば、都民にとっても都の取り組みやEVの理解や購買につながっていくものと考えますが、所見を伺います。

○筧環境改善部長 都民の皆様のゼロエミッションビークルに対する関心を高めていくためには、多くの車両がまち中を走行する姿を示すことが重要でございます。
 都は今年度から、ゼロエミッションビークルであることを表示するステッカーを作成し、庁有車に貼付することによりPRを図っております。
 今後、さらなる認知度向上に向けて、ゼロエミッションビークルが走行していることが遠くからでもわかるよう、ステッカーの拡大などの方策を検討してまいります。

○保坂委員 対策を講じていただくという力強い答弁をいただきましたので、ぜひお願いいたしたいと思います。
 さて、EV普及に欠かせないものは、電力を効果的に供給することができる急速充電設備インフラの普及でもあります。民間や各自治体はこれまで設置を進めておりますが、これも昨年の環境・建設委員会で質疑をさせていただきましたが、都の施設にこれまで急速充電設備が整備されておらず、早急に整備していただきたいと求めてきました。
 それを受けて都は、昨年度より都庁舎を含む合計十の施設の駐車場での整備を進められておりますことは評価をいたしております。
 そこで、現在の都による都有施設内での急速充電設備の整備状況について伺います。また、昨日、ちょうど充電サービスが始まりました都庁舎の第一地下駐車場ですかね、そちらの状況も伺います。

○山田次世代エネルギー推進担当部長 これまでに代々木公園や井の頭恩賜公園などの都立公園六カ所のほか、立川合同庁舎、檜原都民の森の合計八カ所で急速充電器の供用を開始したほか、東京ビッグサイトにおきましても、年度内の設置に向けて調整を進めております。
 都庁第一本庁舎の急速充電器につきましては、最大九十キロワットの出力で二台同時に急速充電が可能で、一台の場合には超急速充電ができる機器の設置が既に完了し、昨日から供用を開始しております。年度末までに合計十カ所の都施設に急速充電器が整備される予定でございます。

○保坂委員 ありがとうございます。着実に整備を進めていただいているということで承知をいたしました。
 民間や自治体でのこれまでの課題を踏まえ、ユーザー目線での整備をすることがEVのさらなる普及につながるということもこれまで指摘をさせていただきました。
 それだけに、二十四時間使用ができない都庁舎駐車場、しかも地下駐車場での設置は、EV利用者には非常に不便であり、残念ではありますが、まずもって、サービスを実現するために実施していただきましたことは評価をいたします。
 ユーザー目線という観点から、都庁舎に設置した充電設備について質問します。
 駐車場入り口付近に、充電設備の案内とともに、充電中か否かの認識ができるような案内も必要ではないかと考えます。
 そこで、都庁を訪れるEVドライバー、ユーザーの利便性向上について、都の考えを伺います。

○山田次世代エネルギー推進担当部長 電気自動車の急速充電器は、利用者にとってわかりやすく、また、駐車場内で迷わないよう、視認しやすい案内をしていくことが利便性向上につながると認識しております。
 加えて、充電スペースへのガソリン車の駐車や充電渋滞など、充電器利用時に発生する課題への対応も必要でございます。
 都庁第一本庁舎地下駐車場の急速充電器につきましては、今後、充電器の運用状況などを把握しながら、利用者の利便性向上や利用時の課題解決に向けた検討を進めてまいります。

○保坂委員 引き続きEVユーザーの目線を意識して、都庁舎の急速充電設備の利便性向上などに取り組んでいただきたいと思います。
 さて、民間においても、施設の利用状況に応じて、充電に時間のかかる普通充電器ではなく、三十分程度の短時間で充電可能な急速充電設備のさらなる普及に向けて、特にEVを販売するディーラーの設置状況をいま一度確認され、把握していくことが必要であります。
 ディーラーによっては、普通充電器を設置していることで設置施設であると対外的に公表しております。ユーザー目線であるということは認識をしがたい状況でありますが、これが現状であります。
 そこで、都からもこういった未設置ないし普通充電器のみを設置しているディーラーに対して、急速充電設備の設置を求めていくことも必要だと考えますが、所見を伺います。

○山田次世代エネルギー推進担当部長 都内で電気自動車またはプラグインハイブリッド自動車を販売しているカーディーラー約七百店舗のうち、四百店舗以上に充電器が設置されており、そのうち約百五十店舗に急速充電器が設置されております。
 都心部の商業業務ビル内など、狭隘な店舗では、設置に必要な電気容量や充電器以外の電気設備スペースが確保できないなど、急速充電器の設置が困難なケースがあると聞いております。都は、カーディーラーを含めた商業施設等を対象に、急速充電器の導入経費への補助を行っております。
 今後とも、各自動車メーカーとも連携を図りながら、カーディーラーを含め、さまざまな商業施設に急速充電器の設置を働きかけ、充電インフラの整備を推進してまいります。

○保坂委員 急速充電設備を設置しているディーラーは全体のわずか二割程度ということもわかりました。今年度から進めているレンタカー、カーシェアリングにおけるZEV導入促進事業も、公募での事業者も決まり、いよいよ来年度にかけて導入が進んでいくと伺っております。
 都は、これまで法人、個人への購入支援も進めてきたことを考えますと、販売する側にもより積極的にインフラ整備を進めていくことを都から販売者へ強く求めていくことを要望して、次の質問に移ります。
 続いて、暑さ対策事業について一問だけ伺います。
 都は、東京二〇二〇大会の競技会場周辺で、観光客などが多く集まる地域において、人の感じる暑さを緩和する、東京二〇二〇大会に向けた暑さ対策推進事業を実施しています。私の地元である台東区でも、今年度、東京二〇二〇大会のマラソンコースでもありました浅草雷門付近などにおいて、ミストの設置が予定されていると聞いています。
 そこで、東京二〇二〇大会に向けた暑さ対策推進事業の整備エリアとして、台東区においてもこの事業を活用したミストなどの整備が計画どおりなされるのか伺います。

○小川地球環境エネルギー部長 委員お話しの事業は、観光客等が多く集まる地域において、都が区市と連携して微細ミスト等を整備する自治体や事業者への補助を行うものでございます。大会を契機に東京の暑さ対策をレガシーとして長きにわたり活用していくものとして、平成二十九年度から中央区等四エリアにおいて実施してまいりました。
 今年度は、台東区、江東区、世田谷区及び渋谷区の四エリアにおいて暑さ対策設備の整備が進められることとなっております。
 お尋ねの台東区につきましては、浅草文化観光センター周辺等三カ所で微細ミスト等の整備が行われる予定でございます。

○保坂委員 台東区でも予定どおりミスト整備が進むことが確認できました。整備エリアであります浅草周辺では、たくさんの観光客の姿を毎日のように見かけます。浅草を初め、東京の名所を訪れる多くの方々が少しでも快適にまち歩きを楽しめるよう、ミストの整備を今後も着実に進めていただくことを要望して、最後のテーマに入ります。
 最後に、プラスチックごみ対策について伺います。
 プラスチックごみが国際的な問題となる中、プラスチック使用量の削減に向けて、早急かつ実効性のある対策を求められています。日本における二〇一七年のプラスチックの総排出量は、前年比〇・四%増の九百三万トンと、四年ぶりに増加しています。また、一人当たりプラスチック容器包装の排出量は、中国やEUと比べても多い状況であり、二〇五〇年ゼロエミッションを目指す環境先進都市東京の取り組みは大変重要であります。
 今般、東京都廃棄物審議会において最終答申が示されましたプラスチックの持続可能な利用に向けた施策について、速やかな実行が必要であります。
 都は、この答申をどのように受けとめ、プラスチック対策に取り組んでいくのかをまず伺います。

○金子資源循環計画担当部長 廃棄物審議会の最終答申では、二〇五〇年CO2排出量実質ゼロを目指して、プラスチックなどの資源利用のあり方を大きく変革していく必要があることなど、非常に意義のあるご提言をいただきました。
 また、当面、都が取り組むべき対策として、使い捨てプラスチックの大幅削減や再生プラスチック及びバイオマスの利用促進、東京二〇二〇大会を契機とした取り組みなどが示されており、これらを早期に実行に移すことが重要と考えております。
 今後、年内を目途に策定するプラスチック削減プログラムの中で、効果的な施策を具体化し、プラスチック対策を着実に推進してまいります。

○保坂委員 プラスチック削減プログラムにおいては、最終答申を踏まえた実効性の高い取り組みを示すとともに、実施を早急に進めていただくことを要望します。
 プラスチックの利用は、私たちの生活にさまざまな便益をもたらしていますが、これまでの使い方やサービス提供のあり方について、持続可能なものに転換していく必要があります。そのためには、都民、事業者など、多様な主体に問題の解決に参画していただくことが重要です。
 来年は、東京二〇二〇大会が開催されますが、最終答申でも触れられているとおり、こうした機会を捉えて、世界の人々とも認識を共有しながら、多様な主体に対してプラスチック削減に向けた具体的な行動を働きかけていくべきと考えますが、都の見解を伺います。

○金子資源循環計画担当部長 東京二〇二〇大会において、プラスチック対策の先駆的な取り組みを進めるとともに、持続可能な資源利用のレガシーを残していくことは重要でございます。
 都は、大会競技会場やライブサイトにおいて、大会組織委員会と連携しながら、食品容器などをプラスチック製から紙製のものに切りかえるなど、使い捨てプラスチックの使用量削減に取り組んでまいります。
 また、ペットボトルや会場等における装飾物などの使用済みプラスチックを再生樹脂として材料リサイクルにする対策などの具体化に向け取り組んでまいります。

○保坂委員 会場内においてプラスチック容器包装などの使用を減らしていくリデュースの取り組みを徹底していただくことは重要であります。飲食などを提供する事業者の協力を得ながら進めていただくことになるかと思いますけれども、積極的な取り組みを期待いたしております。
 先ほどの答弁では、使用済みプラスチックの材料リサイクルに取り組むと伺いましたが、まぜればごみ、分ければ資源といわれるとおり、材料リサイクルを進める上では、まず一人一人がごみと資源とを分別して捨てることが大切になるかと思います。
 日ごろから私たちの家庭においてはごみの分別が当たり前のように行われています。東京二〇二〇大会においても、国内外から訪れる来街者に向けて、こうした世界に誇れるごみの分別をしっかりと発信していただき、材料リサイクルを進めていくことが重要であると考えますが、都の見解を伺います。

○金子資源循環計画担当部長 大規模イベントにおいては、一時的に飲料容器や食品の包装類など、多種多様な廃棄物が大量に発生しますが、分別せずに捨てられることで、材料リサイクルは困難となります。
 都は、先日開催されたラグビーワールドカップ有楽町ファンゾーンにおいて、来場者に向けてごみの分別を促すため、ボランティアが会場内のごみ分別ボックス周辺に立ち、種類別に分別して捨てていただくよう呼びかける活動を試行的に実施いたしました。
 今回の試行結果を検証した上で、今後、東京二〇二〇大会において、大会組織委員会等と連携し、都民や事業者の協力を得ながら、会場等で排出される廃棄物の分別徹底を呼びかけるとともに、廃プラスチックの材料リサイクル等に取り組んでまいります。

○保坂委員 プラスチックの持続可能な利用を促進するためには、私たちのライフスタイルや、ビジネスのあり方の根本的な見直しが必要と考えます。リサイクルに精通する事業団体など、さまざまな主体と連携しながら、実効性の高い施策を実施されることを強く要望して、質問を終わります。ありがとうございました。

○神林委員 私は、台風十五号、台風十九号及びその後の集中豪雨による土砂や瓦れきなど、災害廃棄物についてと、委員会の冒頭でもありますので、環境局が担わなければならない地球の温暖化という大きなテーマについて伺います。
 まず初めに、建設局のときにも申し上げましたが、過日の台風十五号、十九号によって首都圏や東北地方を中心に、甚大なる被害が発生いたしました。改めて、亡くなられた皆様には心からお悔やみを申し上げ、被災された皆様にはお見舞いを申し上げます。
 今回の台風災害については、我々都民も目前に迫っている首都直下型地震に目を奪われており、今回のような五十年、百年に一度といわれる台風災害には近年遭遇していないためか、確かに油断していた点がありました。
 また、関東、東北など、広域の台風災害での行政側の対応にも、実体験に基づく準備や想定、現場での指導体制、復旧作業などに幾多の問題点が露呈されました。
 しかも、多くの専門家からは、気候温暖化などの影響により、東京や関東地方に直撃するルートが、今後毎年のようにますますふえてくるとの意見が出ております。特に、大型台風や集中豪雨によってもたらされる災害廃棄物の収集運搬、処理処分については、地域によって当然地理的にも、災害状況についても異なりますが、各市区町村での対応において、一部で混乱を招いたケースもありました。
 そこでまず、従来からの台風や集中豪雨による東京都の災害廃棄物に比べて、今回は土砂を初め、瓦れきなどの災害廃棄物が大量に発生をいたしました。事前に環境局に台風十九号による災害廃棄物量を聞いたところ、十月二十五日現在、千五百トンであり、今後、数値もますます大きく増加する可能性があるとのことでございました。
 その後、約一カ月が経過いたしました。現時点での災害廃棄物は総量でどの程度であったのか伺います。また、災害廃棄物を大別すると、おおよそその内訳はどの程度であったのか伺います。

○宮澤資源循環推進部長 台風十九号の記録的な大雨により、多摩川流域の世田谷区、大田区、調布市及び狛江市のほか、八王子市、あきる野市、青梅市で床上、床下浸水等が確認され、ぬれた家具や家電、畳などが災害廃棄物として排出されております。
 これまでに処理された廃棄物量と浸水家屋数から発生が見込まれる廃棄物量を合わせまして、災害廃棄物量は現時点で約四千トンと推計しております。
 災害廃棄物の内訳につきましては、例えば大田区では、現在までに約四百十一トンの廃棄物が処理され、このうち可燃ごみとして約百九十六トン、粗大ごみとして約百九十四トン、不燃ごみとして約二十一トンが処理されております。
 また、大田区からは、河川氾濫によって市街地に流入した土砂のうち、区が処理した量は十一月六日現在で約五十トンでございますが、多摩川の河川敷などにはまだ多くの土砂が残っていると聞いております。
 なお、災害廃棄物量につきましては、その処理に伴い確定していくことから、今後、数字が変動する可能性がございます。

○神林委員 今、答弁で大分、部長、大田区のこと、私の地元のことを気にしていただいて答弁もいただいたわけですけど、余りこだわらなくても結構でございます。
 私は、実は台風の翌日、多摩川の土手に上って、多摩川の広大な河川敷をずっと見回したんですね。約二時間、自転車で大田区を一周するのにかかりましたけれども、それで自分の頭の記憶からしますと、河川敷に残された大量の災害廃棄物は、もう本当に大きな河川敷なんですが、見渡す限り、上流から運ばれてきた大量の土砂でありました。今回の災害廃棄物は、そのほとんどが大量の土砂であることを改めて私は再確認させていただきました。
 そこで、ちょっとこの問題とは一つ切り離すんですが、次に、仮置き場は当面緊急的に土砂や瓦れきを除去するために、近隣の空き地や公共施設などに一時的に保管するものでございます。当然、速やかに最終処分や利活用の場まで運搬され、処理処分がなされていくものと考えます。
 土砂は日を置くとかたくなり、不純物がまじっているため、腐敗して悪臭や衛生上の問題も発生いたします。そして何よりも、仮置き場として空地や公共施設が全く活用できないままになってしまいます。
 そこで、台風十九号における都内の仮置き場の現状は、現在どのようになっているのか。また、清掃工場などに運搬、処分するまでに悪臭や衛生上のトラブルなどの何か問題点が発生しなかったのかについて伺います。

○宮澤資源循環推進部長 台風十九号による災害発災直後から、各自治体では被災住民等が排出する災害廃棄物の一時的な保管を行う仮置き場を設置しており、現時点では、あきる野市内を除き、仮置き場は全て解消されております。
 なお、仮置き場では、災害廃棄物は速やかに清掃工場や不燃物処理施設等に搬出されており、悪臭など、生活衛生上の問題は発生していないと聞いております。

○神林委員 今ご答弁にありましたとおり、悪臭とか生活衛生上の問題がないということで、ひとつ、実はほっとしている状況でございます。
 次に、これが一番肝心な部分なんですが、今回、台風十九号の災害廃棄物について、東京都内では災害廃棄物の処理はどのように行われているのか、また、その容量は今回だけでなく、将来にわたっても十分確保されているのか伺います。

○宮澤資源循環推進部長 台風十九号による災害廃棄物は、特別区内では二十三区清掃一部事務組合の清掃工場や不燃ごみ処理センター、粗大ごみ破砕処理施設において処理されており、多摩地域ではおのおのの自治体の清掃工場や不燃物処理施設等において処理されております。
 こうした処理方法は、廃棄物の発生量、必要な処理量、各清掃工場等における処理可能量を比較検証した結果、既存の廃棄物処理ルートで対応が可能と判断され、決定されたものでございます。
 今後、災害が発生した際には、同様に都内における廃棄物の処理能力を勘案して、その処理方法を決めることになります。

○神林委員 今発表されたのは従来からの取り組みでございますね。そこで、ことし発生した一連の台風とその後の集中豪雨によって、結果的には、先ほどお答えでも示されたように、東京都において四千トンの災害廃棄物が発生したわけでございます。
 これも同様に先ほど申し上げました、多くの専門家が指摘しているように、気候変動などの影響により、こうした台風や集中豪雨が、毎年のように到来するようになったら一体どうなるんでしょうかということを、真剣に考えていかなければならないと思っております。
 毎年四千トンの災害廃棄物を抱えて、この人口が密集する狭い東京の中で、最終処分場置き場を求めながら放置し続けていくのでしょうか。
 また、こうした廃棄物の処理は、本来なら自前処理で行うべきことですが、従来からの方法として、東京都は非常に人口密度も高く、土地も狭いので、やむを得ず、廃棄物が大量に緊急的に発生して置き場が確保できない場合は、広域的処分を検討する方法があり、十分な事前準備をしておく必要もあると思っております。
 こうした考えを環境局としては検討する余地を持ち合わせているのかどうか、見解を伺います。

○宮澤資源循環推進部長 都の災害廃棄物処理計画では、災害廃棄物の処理は、自区内処理を基本としつつも、都内の処理だけでは早期の復興、復旧が困難と判断される場合などには、広域的な処理に向け、東京都が窓口となって、都外自治体に支援要請を行うこととなってございます。
 こうした広域連携体制の構築に向け、都は、平常時から大規模災害廃棄物に関する国や近隣県との協議会への参画を初め、国が主催するセミナーや研修に出席するなどして、広域連携の強化に向けた取り組みを行っているところでございます。

○神林委員 今、ご答弁で協議会の参画ということもございましたけれども、やはり広域的な処理を実際に向けて行うという場合は、日ごろから国や近隣県と実務的な協議を重ねるということは、具体的なものも重ねていかないと、いざというときにはそれがだめになっちゃうわけです。そういう部分は十分わかったんですが、もう少し具体性を持ったものも事前に準備していかなければならないのかなということを感じております。
 また一方で、広域的処理の備えとして、東京都においては、さっきもいいましたとおり、受け入れ先との合意形成をしっかりとした上で、当然やはり広域処理ということになりますと、船による運搬ということを考えなきゃいけませんので、例えば船着き場として桟橋の設置や運搬する船の確保を民間と連携してあらかじめ検討していく、こういう十分な事前の準備をしておく必要があると思います。
 今後の広域処理に向けた取り組みとして検討することを、ここで要望させていただきます。
 次に、私は広域処理も緊急的には考えておくべきことだと思いますが、基本的に、先ほどもご答弁でありましたとおり、自前で出した廃棄物は自前で処分すべきだと考えております。大量の土砂を初め、瓦れきなどの災害廃棄物は、今後、長期間にわたってごみとして放置されるより、極力再利活用される方がはるかに有効的でございます。
 しかしながら、全てを有効的な再利活用をするためには、技術的に十分な研究開発ができているのか、コストや労力がかかり過ぎてはいないのかなどの課題も残ってまいります。
 そこで、今回の台風や集中豪雨では、こうした災害廃棄物は具体的にどのようなものに再利活用されているのかお伺いいたします。

○宮澤資源循環推進部長 都の災害廃棄物処理計画の基本方針の一つに、災害廃棄物について、可能な限りリサイクルを推進し、埋立処分量の削減を図ることを提示してございます。
 この基本方針のもと、例えば二十三区清掃一部事務組合の処理施設に持ち込まれた廃棄物は、破砕処理後、可燃物、不燃物、金属くず等に分別され、回収された鉄やアルミニウムなどは再資源化されております。
 また、台風十五号の暴風による家屋被害が大きかった新島村や大島町では、倒壊家屋や倒木の一部を本土部の産業廃棄物処理施設に搬入し、木材チップや木質ボードの原料に再利用することを予定しております。
 なお、先ほどご答弁申し上げました大田区内の市街地に流入した土砂につきましては、その利活用や処理の方法については、まだ現時点では未定とのことでございますが、建設発生土と同様の取り扱いが想定されておりまして、工事現場での利活用や残土処分場における処理などが考えられます。

○神林委員 私が先ほど含有量等いろいろお聞きしたのは、実は今回の台風による災害廃棄物というのは、特徴的なことは災害廃棄物はほとんど土砂ばかりであったということなんです。ですから、今回それがいい機会になると思って、一つずつ提案をさせていただきたいと思っております。
 今回の災害廃棄物のように、そのほとんどが土砂である場合、最良の利活用手段は、台風によって流れ出てきた土や砂を、従来からあったもとの自然に戻してあげること、これが大事だと思っております。そのまま放置すれば単なる廃棄物扱いとなって、邪魔なもの、臭いものとして大量のごみと化してしまいます。まさに大量のごみを排出することは、環境局が推し進める自然環境の保護、育成にも逆行することになります。
 廃棄物処分場内に土砂とその他の廃棄物を最大限分別、純化できる装置を導入して分別し、その純度別に応じて、自然へ戻したり、硬度を強化して、建設基盤材や埋立土壌など、使い道は多分野で応用がきくと考えられます。
 今後はさらに、自然に調和可能な高純度で分別できる装置の開発に取り組んでいけば、大量の災害廃棄物の有効的処分手段となるといえます。
 特に今回の台風、集中豪雨のように、圧倒的に土砂の含有量が大量に発生した場合こそ、最も理想的に近い自然な形のまま再利活用が可能になると考えます。見解を伺います。

○宮澤資源循環推進部長 平成二十五年十月に伊豆大島を襲った台風二十六号により、大島町では大規模な土砂災害が発生し、都と大島町は災害廃棄物と土砂がまじった混合土砂等を二十万トン以上処理する必要がございました。
 こうした混合土砂等につきましては、大型のふるい選別機を活用して、土砂と流木などに分別した後、流木は本土部のリサイクル業者に搬入し、木質ボード等の原料に再利用いたしました。また、分別された土砂は、島内の砂利採掘場跡地で自然回復事業の資材として活用されました。
 このように、都は、災害廃棄物と土砂に関する処理経験を有しておりまして、今後とも、こうしたノウハウを活用して、大規模災害が発生した際には区市町村との連携のもと、廃棄物の処理方法等を検討してまいります。

○神林委員 ただいま答弁を聞いていまして、東京都が災害廃棄物と土砂に関する処理経験は十分有していると。こういうことであるならば、私の方からその部分について何もいう必要はないのかもしれませんが、私の方も一応調べてきましたんで、ちょっと次の問いでまたご意見をいただきたいと思っております。
 この件につきまして関連する東京都産業資源循環協会の専門家の方にお話を伺ったところ、例えば、もう既に河川でしゅんせつされた土壌を掘り起こし、それを選別した後、再利用することも現実的にたびたび行っていて、その装置の導入に当たっては、これは専門業者に聞いたことでございますが、おおよその作業場敷地面積は四百平米程度で十分であり、気になるコストもトン当たり二万円程度。三千トンでも、まあ、今、四千トンという話が出ましたけれども、四千トンであれば八千万円程度で取り扱えるのではないかと回答をいただいております。
 こうしたほかの分野の土壌改良技術を災害現場で活用し、災害で発生した土砂を自然に戻していくことも、今後、検討する余地はあるのではないかと考えますが、見解を伺います。

○宮澤資源循環推進部長 都は、産業廃棄物の業界団体と災害廃棄物の処理に係る協定を締結しており、日ごろから意見交換を重ねているところでございます。
 災害発生時に大量の汚泥などが発生し、都内の清掃関連施設でその処理が困難な場合、本協定に基づきまして、その収集運搬や処分について業界団体に協力を要請することも想定しております。
 今後、必要に応じて民間事業者から個別に情報収集を行うなどして、汚泥処理等に係る業界の技術動向の把握に努めまして、業界団体との連携強化をさらに図ってまいります。

○神林委員 今るるご質問させていただいていましたけれども、ちょっとまとめとしまして、今後、広域的な大規模災害が発生し、膨大な災害廃棄物の発生が見込まれる場合、大量のごみとして処理するのか、あるいは、もともと流れ出した地域に土や砂としてなるべくもとに戻してあげて、あとは都市基盤整備を支えるなどの土壌として再利活用していくかの災害廃棄物処理の方向性を改めて考える、今回はよい機会だと思っております。
 今後、環境局としては、台風、集中豪雨による収集運搬、処理処分について地域間の実情は差異が生じますが、都の災害廃棄物処理計画に基づく災害廃棄物のリサイクルの推進に加え、こうした自然に戻す手法を検討していくことが重要であると考えます。
 ぜひとも、今回の災害を踏まえた検証を行っていくことを、ここで要望しておきます。
 さて、これまで台風による災害廃棄物の処理について取り上げてきましたが、いつ起こるかわからない災害に備え、事前の準備をしっかり行うことが何よりも大切であると私は思います。
 しかし、ある新聞報道によると、災害被害を受けた十七都県にある区市町村で、国が求める事前の廃棄物処理計画を作成していたのは三割にとどまっていたとのことでございます。処理計画のない区市町村では、災害発生後にごみの仮置き場を事前に決められず、対応が後手に回るおそれがあります。
 そこで、現在、都内自治体における災害廃棄物処理計画の策定状況と、今後、計画策定を検討する区市町村への支援策について伺います。

○宮澤資源循環推進部長 都の災害廃棄物処理計画は、広域自治体として被災した区市町村を支援するための計画であるのに対し、区市町村の処理計画は、実際の廃棄物処理を担う主体として、平常時の連携体制や発災時の処理方針等を策定するものでございます。
 具体的には、区市町村の処理計画では、発災後の災害廃棄物の円滑な処理に向けて、災害廃棄物の一時仮置き場の候補地を初め、想定される災害廃棄物の分類や処理方法等を定めております。
 都内の自治体におきましては、十五自治体が処理計画を策定済みであり、六自治体が区市町村との連携による地域環境力活性化事業の補助金を活用し、策定に向けた取り組みを開始しております。
 今後、災害廃棄物処理に係る区市町村担当者向け研修会や国との合同講習会の開催を通じ、処理計画の策定を強く促してまいります。
 今回の台風災害を教訓といたしまして、財政面、技術面の双方から区市町村を支援することにより、都全体の災害対応能力の向上を図るよう取り組んでまいります。

○神林委員 ぜひ、全ての区市町村で処理計画が作成されるよう、しっかりと区市町村を支援することを要望しておきます。
 記録ずくめの台風被害を受け、私たちは、災害に対する認識を改めていかなければなりません。災害廃棄物以外にも、避難所の不徹底や災害情報の発信のあり方など、今回の台風災害は、私たちにさまざまな課題を突きつけております。
 今回取り上げた災害廃棄物処理についても取り組むべき課題は多いですが、今回の災害を教訓にして、都全体で災害対応力を一層強化することをお願いして、次の質問に移ります。
 次に、地球温暖化について伺います。
 九月二十三日、気候行動サミットが国連本部で開催されました。これは、パリ協定採択後も温室効果ガスの排出増加に歯どめがかからないため、七十七カ国が二〇五〇年までに温室効果ガス排出を実質ゼロにする約束をするためのものでありました。
 しかしながら、排出量第一位の中国は、電気自動車の導入促進なども掲げておりましたが、温室効果ガス削減は、先進国が責任を持つべきだとの発言をしておりました。また、排出第二位のアメリカ合衆国はさらに消極的であり、先日の協定離脱を表明いたしました。この上位二カ国だけでも温室効果ガスの排出量は世界の約四割以上を占めることになり、依然として地球規模での温暖化対策にはほど遠いものとなっております。
 また、我が国においても、今世紀後半のできるだけ早い早期に温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする目標を閣議決定したばかりでございます。
 そこでまず、昨今の地球の異常気象や自然環境の変動と大量に排出されるCO2との因果関係についての認識と、現状の世界の状況、日本の状況、東京都の状況を環境局としてどのように把握して捉えているのか伺います。

○小川地球環境エネルギー部長 世界では、海面水位の上昇、ハリケーンや洪水、熱波などの極端な気候現象が増加しております。日本でも、全国各地で経験したことのない豪雨による土砂災害の発生などの大きな被害が生じております。東京では、昨年、観測史上初の四十度Cを超える暑さを記録し、ことしも二十九日連続で最高気温が三十度C以上の真夏日が続くなどの現象が見られました。
 二〇一八年に公表されたIPCCの特別報告書では、世界の平均気温は工業化前と比べ、既に約一度C上昇しており、気温上昇を二度C上昇よりリスクの低い一・五度C未満に抑えるためには、二〇五〇年までにCO2排出を実質ゼロにする必要があることが示されております。
 こうしたことを踏まえ、異常気象の増加等の要因となるCO2削減対策が急務であると認識しております。

○神林委員 今、お話を聞いていまして、結論としては、近年になって大量に排出されるCO2による地球の自然環境への影響が甚大となっており、地球環境を守るには、要はCO2の排出を現状極力抑える以外に方途はないと、こういうことになるわけですよね。
 そこでまず、東京都では、今までに地球温暖化対策として、具体的にどのような主要施策を打ち出し、どのような目的を目指して効果を上げてきたのか伺います。

○小川地球環境エネルギー部長 都は、温室効果ガスの排出量を二〇三〇年までに二〇〇〇年比で三〇%削減するという、EUや他の大都市とも遜色のない水準の目標を掲げております。この達成に向け、大規模事業所に対するキャップ・アンド・トレード制度など、国や世界の都市を牽引する先駆的な対策を推進しております。
 こうした取り組みとともに、都民、事業者等の多大なご協力によって、エネルギー消費量は大幅に減少に転じており、都内の温室効果ガスも二〇一二年ころから減少傾向にございます。

○神林委員 二〇三〇年までの目標を掲げて、エネルギー消費量や温室効果ガスの削減につなげてきたというのを実績としてお話しいただいたものだと思っております。
 ところで、私は、ことし六月二十九日に、環境問題が主題となったG20の約十カ月前、安倍総理大臣と直接お会いし、懇談の機会を得たので、私の方から、将来の子供たちに私たちが残せる最高のプレゼントは教育と自然環境だと思いますが、いかがでしょうかという問いを総理に話しかけると、安倍総理は、環境問題は大切な課題ですが、実は問題なのは、残念ながら最大のCO2排出国である中国とアメリカに余り前向きに取り組んでもらえないことなんですよとお答えをいただきました。
 隗より始めよの言葉どおり、みずから取り組むことは確かに大切なことですが、現実的には、世界の中のわずか一地域である東京だけでは、こうした課題に大きく貢献することは非常に難しいことです。大切なことは、本来の目的である地球温暖化対策に地球の中のほんの一地域にすぎない東京都が、みずからの長所や短所を見きわめ、やるべきことをしっかりと実践して、少しでも大きな貢献を果たしていくことでございます。
 そこで、このわずか一地域にすぎない東京でも、地球温暖化対策に貢献できる有効的な手段はないのかを検討しながら、順次、質問を進めてまいります。
 初めに、肝心なことは、環境政策の中でどのような発想に基づいて打ち出していくかということでございます。その不可欠な条件は、中国やアメリカでもある程度進んで協力、参画できる政策を打ち出していくことでございます。
 一例を挙げますと、オバマ前大統領が打ち出したグリーンニューディール政策があります。この政策は、自然エネルギーや地球温暖化対策など、環境分野への集中大型投資をすることで、新たな雇用や経済成長を生み出そうとする政策で、環境と経済の問題を同時に解決する手法です。
 残念ながら、この政策は、社会主義的であるとの批判ですとか、トランプ大統領の出現によって骨抜き状態になってしまいました。私は、それぞれの政策内容についてはともかくとして、地球温暖化防止と景気浮揚の両立を目指す発想こそが必要だと考えております。
 東京都としては、こうした発想に基づいた基本的戦略や施策を打ち出していくべきではないでしょうか。環境局の見解を伺います。

○若林環境政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 持続可能な都市づくりのためには、環境と経済の両立が不可欠なものと認識をしております。
 都はこれまでも、キャップ・アンド・トレード制度など先進的な環境施策を講じるとともに、環境性能の高い建築物が、不動産市場で評価される仕組みづくりや水素や再エネ施策の推進などにより、すぐれた民間技術の開発や市場拡大を促進してまいりました。
 この結果、都内エネルギー消費量の減少を継続しながらも、一方で、都内総生産が増加するデカップリングを実現しております。
 気候変動への対応は、環境リスクの低減だけでなく、社会経済に便益と機会、成長をもたらします。企業においても、これをビジネスチャンスと捉えた取り組みが進んでおります。実際、グリーンボンドやESG投資といった環境金融の市場は、世界でも飛躍的に成長をしております。
 都は、今後も環境政策と経済成長が両立し、相互によい影響をもたらすよう施策を構築、展開してまいります。

○神林委員 次の質問は、もう環境局の担当の方々は十分ご存じだと思いますけど、日本政府にも、二〇〇九年三月に日本版グリーンニューディール構想、緑の経済と社会の変革が発表されております。
 一番目としては、地球における再生可能なエネルギーの利用促進、二番目には、省エネ家電、省エネ住宅、電気自動車などの普及、三番目には、環境分野に投資する企業に対する無利子融資制度の創設、環境エネルギー関連の高い専門性が求められる技術開発や人材育成を行う。以上のような項目が挙げられているわけでございます。
 現実の地球温暖化対策は、当然、東京都だけで効果を上げることはできません。我が国の緑の経済と社会の変革に対して、東京都は、国との連携協力をどのように図っているのか、また、どのような分野を基本的に担っているのか伺います。

○小川地球環境エネルギー部長 都と国の連携協力につきましては、例えば再生可能エネルギーについて、太陽光発電の導入に対する支援を国と連動して実施し、国が再エネ電力の固定価格買い取り制度を導入した以降は、太陽光発電の導入ポテンシャルを簡単に把握できるソーラー屋根台帳を作成するなど、国と連携して導入を促進するとともに、技術開発や設置コストの低減につなげてまいりました。
 また、省エネ住宅の普及につきましては、国が定めるゼロエネルギーハウス、ZEHを念頭に置きつつ、地価や住宅の建設費が高く、狭小地で日照条件が悪いため、太陽光パネルの設置が難しいといった東京の大都市特有の地域特性に応じた独自仕様である東京ゼロエミ住宅仕様を定めております。
 このように国と連携しつつも、地域の実情に合わせた施策を展開しているところでございます。

○神林委員 ただいま答弁を聞いていまして、東京都は、もう少し都市特有の機能を生かしたような役割分担を、もっと積極的にやっていいのかなと。やっぱりお互いに国の立場と東京都の立場がありますから、やはり東京都特有、都市特有の、そういう役割分担をしっかりと果たしていただくことが大切だと思いますので、お願いいたします。
 次に、利害関係の強い国家間を超えて、同じ環境にある大都市特有の課題を持つ都市間で強い団結力とアピール力を持たせることに東京都は先陣を切って積極的に取り組むべきと考えますが、その実績と今後の方針について伺います。

○和田政策調整担当部長 地球温暖化対策への対応が喫緊の課題となっている中、世界のCO2排出の七割以上を占める都市の取り組みは重要でございます。
 このため、都は、ロンドン市やパリ市などとともに、世界大都市気候先導グループ、いわゆるC40を構成し、C40サミットやワークショップで東京の先駆的な気候変動対策を発信しております。
 ことし五月のU20メイヤーズ・サミットでは、気候変動を重要テーマの一つに掲げて議論をしております。
 また、昨年五月には、きれいな空と都市東京フォーラムを主催し、持続可能な都市環境の実現に向けて世界の主要都市が一堂に会する機会をつくり、政策や知見を共有しております。
 今後とも、こうした取り組みを通じながら、気候変動対策の推進など、世界の大都市に共通する環境課題の解決に積極的に貢献してまいります。

○神林委員 今、答弁していただいたように、世界のCO2排出の七割以上を占める都市、これは大変大きい割合ですよね。その役割というのは非常に大きいものがあると思いますので、ぜひ積極的にイニシアチブをとっていただいて、検討していただければと思います。
 それでは、次に、地球の中のほんの一地域にすぎない東京が、みずからの長所や能力を見きわめて、どういった施策を目指していったら効果的な対策になるんでしょうか。
 東京は、おかげさまで財政力、技術力、発信力にすぐれております。東京の長所や能力を有効的に生かすならば、一番目として、東京に集積する優秀な環境分野に関連する企業の技術開発や専門人材の育成を後押しすること、そして二番目には、高いテクノロジーを東京から国内外に向けて発信し、拡散させていくことなどに重点を定めて進めるべきと考えますが、見解を伺います。

○小川地球環境エネルギー部長 東京には、環境分野を含め、すぐれた技術力を多数有する大小さまざまな企業や本社機能が集積しております。環境局では、これら企業等において生み出された技術等について、可能な限り実証や先駆的な導入等に取り組んでいるところでございます。
 例えば、路面等に設置できる太陽光発電装置につきまして、都民等の目に触れる機会の多い都有施設に設置することや、燃料電池バスの導入促進などにより、国内外に情報を発信していくことでございます。
 このように、都みずからがかかわりながら積極的に発信することで、さらなる技術開発や人材育成の後押しにつながっていくものと考えております。

○神林委員 ただいま技術開発の後押しについての答弁がありましたけれども、地球温暖化対策に取り組んでいく上で、特に力を入れて推し進めるべきなのが、我が党が繰り返し利活用の重要性を主張してきた水素エネルギーでございます。
 水素エネルギーは、利用の段階ではCO2を排出しませんが、製造、輸送の段階で、残念ながらCO2を排出しており、トータルでのCO2フリーの水素を普及させるための技術開発が求められております。
 都は、企業の取り組みを促すような施策を展開すべきと考えますが、見解を伺います。

○山田次世代エネルギー推進担当部長 ご指摘のとおり、水素におきましては、製造、輸送の段階を含めたトータルでCO2フリーとなることが将来的に必要でございます。
 都は、ことし六月に国内で初めて開催された世界水素技術会議において、再生可能エネルギー由来の水素の活用に関するパネルディスカッションを行うなど、世界の研究者や企業等に日本の水素技術をPRいたしました。あわせて、高校生や大学生による再エネや水素に関する発表の機会も設けたところでございます。
 また、さまざまなイベントにおきまして、水素関連製品の展示や企業の取り組みを発表する機会を設け、さらなる開発と人材育成を促しております。
 加えて、初期需要を創出し、企業の開発にもつながるように、再エネ由来の水素製造設備等への補助も実施しております。
 こうした取り組みを積み重ねながら、水素エネルギーを初めとした技術開発を後押ししてまいります。

○神林委員 水素エネルギーについては、まだまだ課題が多いものの、将来性のあるエネルギーであることは事実でございます。
 例えば、より効率的な水電解装置など、日本の高いテクノロジーを生かして水素関連技術の開発を進めれば、水素はCO2削減の切り札になり得るのです。
 こうした技術開発に都が力を入れていくことを要望して、次の質問に移ります。
 地球温暖化対策と同様に大切なのが、私たちの生活や社会経済活動の基盤である自然環境の保護、育成であります。
 私は、有名な観光地でありながら、長い年月にわたって自然保護の維持管理を続けてきた北欧諸国や米国のヨセミテ公園に質問を送ったところ、法整備が強化されており、現場での管理員の権限が非常に強かったこと、そして、観光客のマナーが徹底されており、自分たちの公園、自然環境であることの認識が大変強いことなどが挙げられております。
 こうした一例は、行政としても、住民としても、自然環境の保護、育成の意識が非常に高いことのあらわれであると考えます。環境局としてのこれからの自然環境の保護、育成についての考え方について伺います。

○近藤自然環境部長 東京の多様で豊かな自然環境は、都民の生活や東京の経済を支えており、このすばらしい自然と文化の多様性、豊かさを確実に次世代に継承していくことが重要でございます。
 都はこれまでも、自然環境の保護と適正な利用のバランスを図るため、レンジャーの設置やエコツーリズムなどの取り組みを進めてまいりました。また、東京グリーンシップ・アクションなど、都民、企業、大学やNPOと連携した自然環境の保護、育成の取り組みも進めております。
 さらに、自然公園の保護と利用にかかわる地域の関係者が参加する協議会を設置し、協働して管理運営する取り組みや、保全地域で初心者向けの体験プログラムを実施するなど、自然の大切さへの理解促進に向けた普及啓発にも取り組んでおります。
 特に、次世代を担う子供たちの環境学習プログラムとして、里山活動の体験や、授業でできる自然体験プログラムなど、小学校の教員向けの研修会を開催しております。
 今後も東京の豊かな自然を守るために、持続可能な利用を促進し、生物多様性が保全された都市づくりを進めてまいります。

○神林委員 どうでしょうね、環境局の皆さん、この豊かな自然環境をぜひみんなで守っていきましょう。よろしくお願いいたします。
 都民や企業を巻き込みながら自然環境の保護、育成に係る取り組みをさらに進めて、東京の多様で豊かな自然環境を確実に次世代に継承することをお願いして、次の質問に移ります。
 ここで、昨今マスコミをにぎわせておりますヒアリなどの対策も、今後、環境局が率先垂範して担うべき課題でありますので、その考え方や方針について一つ質問をしておきます。
 世界中のネットワーク機能が飛躍的に伸びている今日、さまざまな分野で世界的な交流が深まっております。その反面、日本では、従来考えもしなかったヒアリなどの人間生活を脅かす害虫を初め、生態系や産物にも影響を与え、自然環境自体まで駆逐する外来種などの被害が今後ますますふえてまいります。
 一義的には国の責務が大きいところですが、都としても、蔓延する前の水際対策が最も有効的な手段だと考えます。新たな、日本や東京の環境を脅かす外来種などの対策については、事前の予防、防衛策などの水際対策や、諸外国や国内外自治体との連携協力が一層大切と考えますが、この点についてのお考えと今後の環境局の取り組み方針について伺います。

○近藤自然環境部長 外来種は、人の活動によって本来の分布域の外の国や地域に導入された生物種のことをいい、生態系や農林水産業、または都民の健康に大きな被害を及ぼす場合がございます。
 外来種防除の基本は、侵入防止、定着防止、拡散防止であり、都民の安全・安心や東京の豊かな自然を守るためには、特に侵入と定着の防止が重要でございます。
 都では、ヒアリなどの新たな外来種の侵入防止や効果的な防除手法について、国や九都県市などと情報共有を図るとともに、区市町村に対して外来種の早期発見、駆除のための技術支援や財政支援などを実施しております。
 また、外来種対策の三原則、入れない、捨てない、広げないについて、都民等の理解と配慮行動が不可欠でございます。このため、小学生を対象とした啓発パンフレットの配布や環境教育など、外来種についての啓発や注意喚起を行っております。
 引き続き、国や関係機関と緊密に連携するとともに、都民等の理解と協力を得ながら外来種対策を推進してまいります。

○神林委員 先日、我が党での勉強会でもご説明いただきましたけれども、環境局では所管事業について、二〇二〇年大会で得られたノウハウ、知見を今後の都市における暑さ対策のレガシーとして活用するだけが強調されておりました。
 私は、環境局がこれらのレガシーとして本当に残すべき大切なことは、二〇二〇年大会で培われたボランティア精神を今後、環境ボランティアなどを創設して引き継いでいくこととか、現在、環境局が取り組んでいる地球の温暖化対策や自然保護、廃プラスチックなどへの取り組みを二〇二〇年大会をよい機会として後世に確実に継承し、さらに発展させていくことこそが本当のレガシーではないかと考えておりますが、レガシーについての考え方について見解を伺います。

○若林環境政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 東京二〇二〇大会は、環境先進都市の実現に向けても非常に重要な機会、契機であり、環境に配慮した持続可能な大会を通じて、豊かな都市環境を次世代に引き継いでいく必要がございます。
 暑さ対策ばかりではなく、競技会場等における省エネ技術、多様な再生可能エネルギー設備等の導入、選手村地区での水素の利活用など、スマートエネルギーのまちづくりを進めてまいります。
 また、大会等で排出されるCO2をオフセットするゼロカーボンフォーデーズの取り組みやみんなのメダルプロジェクトのほか、使い捨てプラスチック削減対策として、競技会場でごみ分別を促すボランティアのナビゲーターを配置し、分別の徹底と高度なリサイクルを推進するなど、さまざまな分野でのプロジェクトを進めてまいります。
 こうした取り組みが人々の環境への意識を高め、定着していくとともに、都もさらに施策を進化させて、後世のレガシーとしていきます。

○神林委員 それでは、最後の質問をしたいと思います。
 局長、お待たせをいたしました。既に地球が存亡の危機に陥りかけております。一度破壊された自然環境を取り戻すことは非常に困難であり、自分自身や家族を守るため、一人一人が当事者であり、不断の努力で遂行していくべきものでございます。
 加えて、中国やアメリカなどの温室効果ガスを大量に排出する国々は、産業、経済の発展に少しでも貢献できる方途や景気を停滞させないなど、自国を利する地球温暖化対策でなければ受け入れてもらえません。しかも、具体的効果があらわれなければ何の意味もありません。
 肝心なことは、この大きな地球の中の単なる一地域にすぎない東京で一体何ができるのか、何を行ったらしっかりとした効果を出すことができるのかを、今後も検証を進めていく必要がございます。
 最後に、地球温暖化対策について、環境局長の思いや考え方について伺います。

○吉村環境局長 気候変動は、先ほどのご質疑にもありましたとおり、我々の日常に差し迫る大きな危機となってございまして、CO2排出量を削減する緩和策に加えまして、気候変動の影響による浸水被害などを回避、軽減する適応策にも取り組むことが待ったなしの状況にあるというのが基本認識でございます。
 都民の生命と財産を守り、さらに都市としてのさらなる成長、経済の活性化を確実なものとするためにも、脱炭素社会に向けた大胆な変革の必要性を強く認識しているところでございます。
 このため、都では、二〇五〇年にゼロエミッション東京の実現を目指すこととしておりまして、年末には、その具体的なロードマップを示しますゼロエミッション東京戦略を策定する予定でございます。
 新たな戦略では、緩和策と適応策の総合的な展開を図ることとし、これまでやってまいりました省エネ、再エネ施策のさらなる強化に加えまして、プラスチック対策やゼロエミッションビークルの普及促進など、新たな目標を設定してまいります。
 こうした都の取り組みを国内外に発信して、世界の大都市とのネットワークも活用しながら連携協力することで、地球レベルのCO2削減にも貢献していきたいというふうに考えてございます。
 また、この目標を実現するためには、千三百万の都民、あるいは企業の皆様にもこの問題の現状を知っていただき、共感や協力を得ることが不可欠でございます。また、身近なことから行動に移していただくことも必要であるというふうに考えてございます。
 このため、昨年にはチームもったいないを立ち上げまして、省エネや食品ロス、プラスチック削減などについて、参加した企業、あるいは都民の皆様とともに、シンポジウムの開催や先進的な取り組み事例の発信などを行ってまいりました。
 今後とも、都民に身近な区市町村との連携もさらに強化いたしまして、従来の延長線にとどまらない新たなアプローチで、都としてでき得る全ての手段を駆使して施策展開を図っていく所存でございます。

○細谷委員長 質疑を続けます。

○小磯委員 初めに、CO2フリーの水素について、その取り組みについて質問をいたします。
 先ほども質疑がありましたように、水素は利用段階でのCO2を排出しない、また、さまざまな資源からそれを製造することができる、また、非常時にも活用できるということで、いろいろな理由から有望な次世代エネルギーということがいえるんだというふうに思っております。
 特に、再生可能エネルギーの電力で水を分解して製造したCO2フリー水素の普及というのは、脱炭素社会に向けて大きく貢献ができるんだというふうに思っております。
 都は、こうしたCO2フリー水素の活用等に向けて、東京都、福島県、国の産業技術総合研究所、東京都環境公社ということで、この四者で平成二十八年に協定を締結しているわけでございます。
 都議会公明党で福島県の産総研の研究所へ行ってまいりまして、これは本当に先駆的な取り組みをしているということで、この環境・建設委員会でも視察をさせていただきました。
 四者協定を進めるよう取り組んできたわけでございますが、このことについて、私は、平成三十年の三月のこの委員会において、協定に基づく連携等について質問をいたしました。その後の取り組みについてお伺いをいたします。

○山田次世代エネルギー推進担当部長 都は、福島県等との四者協定に基づき、福島県産CO2フリー水素の活用と、それを通じた福島県内の再生可能エネルギー導入の推進を目指した取り組みを行っております。
 ことし一月には、産業技術総合研究所の福島再生可能エネルギー研究所で製造した福島県産CO2フリー水素をボンベで束ねたカードルで搬送し、燃料電池自動車に充填して、都内で初めてPR走行を実施いたしました。
 また、九月には、羽田空港で行った官民連携のイベントにおいて、福島県産CO2フリー水素を水素吸蔵合金で搬送し、AIロボットの稼働やスマートフォン充電サービスに活用し、水素の先進性をPRいたしました。

○小磯委員 これまでさまざまな取り組みを四者で連携して行ってきたということが理解できました。一方、福島の復興をより後押しするためにも、観光地での取り組み、また、来年の東京二〇二〇大会時におけるPRも重要だと考えるわけでございます。
 先ほどCO2フリー水素を持ってくるための、いわゆるボンベで持ってきたり、また、水素吸蔵合金で搬送したりということでございます。また、水素とトルエンを結合して持ってくるという方法もあるわけでございますけれども、まだまだ技術的な課題があるというふうに認識しております。
 CO2フリー水素のことについて、今後の取り組みについてお伺いいたします。

○山田次世代エネルギー推進担当部長 水素エネルギーを通じて、より多くの都民や国内外の観光客に福島の復興を知っていただくため、来月、お台場で福島県産CO2フリー水素を活用し、燃料電池自動車を電源、スクリーンにしたプロジェクションマッピングを実施いたします。
 また、都は、東京二〇二〇大会時の選手村地区で福島県産の水素を活用することを国に要望しているところでございます。今後、国等とさらに連携しながら、東京二〇二〇大会開催時における使用を目指してまいります。
 今後もこうした取り組みにより、CO2フリー水素の普及に向けて取り組んでまいります。

○小磯委員 この東京二〇二〇大会開催時における使用をぜひ実現してもらいたいと思いますし、福島県が震災から復興した姿を国の内外に示すために、ぜひ継続して連携した取り組みを進めていただきたいと思います。
 続きまして、再生可能エネルギーについてお伺いいたします。
 ゼロエミッション東京を目指して脱炭素社会を実現するためには、徹底した省エネにプラスして、再生可能エネルギーの大幅な導入拡大を図る必要がございます。
 都内で太陽光や風力、地熱発電等の再エネのポテンシャルが大きい地域として、島しょ地域が挙げられるんだと思います。
 都議会公明党では、九月に、小笠原諸島の父島、母島を現地視察してまいりました。この母島において、都は、CO2を排出しない、いわゆるゼロエミッションアイランドを目指して、一年のうち半年程度、太陽光発電のみで電力供給を行う実証に向けた取り組みを進めておりますが、この取り組みの意義、また、これまでの取り組み状況、そして今後の予定についてお伺いをしたいと思います。

○山田次世代エネルギー推進担当部長 島しょ地域は、再生可能エネルギーのポテンシャルが高い一方で、島ごとに電力系統が独立しているため、再エネの系統接続可能量が制限されるという課題がございます。
 この取り組みでは、太陽光発電パネルと同時に大規模蓄電池を設置し、新たに導入するシステムにより周波数等を調整することで、太陽光発電の大量導入を図ることが可能となります。また、電力を化石燃料に頼らない再エネで賄えるようになれば、環境負荷の低減だけではなく、地域防災力の強化にもつながるという意義もございます。
 これまでの取り組み状況としては、昨年十一月に二回、現地で村民説明会を開催し、事業概要や再エネでの電力供給のイメージ、既に開発された畜産指導所の跡地等を太陽光発電の設置場所として予定していることなどについて説明し、住民の意見を聴取しております。
 加えて、自然や景観等に十分配慮していく必要があることから、本年一月から自然環境調査を行っております。
 今後、こうした調査等を着実に進めながら、事業の実施を目指してまいります。

○小磯委員 再エネの導入が地域防災力の強化につながる非常によい取り組みであり、しっかりと進めていただきたいと思います。
 また、最近は、島しょ地域における台風の被害が甚大化しております。これは東京電力が行うこととは思いますけれども、事業実施に当たって、防災の観点からも電線の地中化ということについても検討していただきたいと思います。
 ゼロエミッションアイランドの取り組みを進めるためには、再エネを活用したEVの利用拡大も重要であると考えます。
 都議会公明党では、今月一日に大分県を視察いたしまして、姫島の取り組みについて資料をいただきました。ここは、神津島と同程度の人口千九百人弱の島で、太陽光発電によるエネルギーの地産地消に合わせて、島民や観光客に超小型のEVの貸し出しを実験的に行っているところでございます。
 都はこれまで、八丈島や新島で島民や観光客がEVを気軽に体験できるよう、東京アイランドモーターショーを開催しておりますけれども、姫島でのEV導入例は参考になると思います。
 ゼロエミッションアイランド目指す島しょ地域でもEVの利用を拡大すべきと思いますが、都の考えを伺います。

○山田次世代エネルギー推進担当部長 都は、島しょ地域における今後の電気自動車等の普及策を検討するため、昨年度は八丈島で、今年度は大島で、島内の事業者を対象に一定期間、EVや電動バイクを貸与し、アンケートや実態調査を行うモニター事業を実施してございます。
 八丈島での利用者アンケートでは、EVの使い勝手や経済性の評価について肯定的な意見が大半を占め、ほとんどの利用者から条件が合えば購入を希望するといった回答も得られるなど、島しょ地域においてもEV普及の可能性が示唆されたと認識しております。
 今後も島しょ地域でのEVの認知度向上や普及に取り組むとともに、再生可能エネルギー利用の拡大にも資するEVの活用策についても検討してまいります。

○小磯委員 小笠原諸島の母島は、せっかく太陽光発電で年間の電力を半年間賄うということですので、ここの再生可能エネルギーをEVの充電に活用できれば大変いいんじゃないかなと思いますので、よろしくお願いいたします。
 次に、地熱発電について伺います。
 大分県の視察では、地熱発電、また、バイオマス発電など、幅広い再エネ利用も調査をしてまいりました。地熱発電施設では、温泉で余った温水を利用して、百二十キロワット程度の発電を行っている事例も見たところでございます。一般的な地熱発電よりも低い温度でも発電が可能なバイナリー発電という方式ということでございました。
 採算性の確保には、温泉の温度、また、量などさまざまな条件を満たすことが必要であると思いますが、都内でも、島しょ地域など温泉が出る地域でこうした方式を用いれば、発電できる余地があるのではないかと考えますが、都の見解をお伺いいたします。

○小川地球環境エネルギー部長 委員お話しのとおり、高温、高圧の蒸気を直接利用する地熱発電に比べ、バイナリー発電は温泉廃熱等で発電が可能な方式でございます。国の専門機関のガイドラインでは、安定的かつ採算がとれる発電を行うには、九十度C以上で一定量以上の温水を確保することが必要とされています。
 都内では現在、神津島において民間事業者がバイナリー発電の実現可能性について調査していると聞いております。
 今後とも、こうした動きも注視しながら、事業者の取り組みを後押ししてまいります。

○小磯委員 ちょうど大分県のバイナリー発電の調査に行ったとき、神津島の方がこちらに来られて調査をしたというような話をされておりました。神津島のほかにも東京には火山や温泉を有する島が多くあるので、ぜひこうした貴重な資源の活用が進むことを期待しております。
 次に、木質バイオマスの利用について伺います。
 視察先の大分県では、豊富な森林資源を背景に、林地残材や未利用の間伐材など、林業者と連携して収集し、バイオマス燃料に加工して発電する仕組みがうまく機能している事例が存在しております。
 都内においても、西多摩地域を中心に森林資源がございます。大分県とは土地、また、林業の状況が異なり、大規模な発電は難しいことは承知をしておりますが、規模は小さくても木質バイオマスの有効活用を図ることは大事であると思っております。
 そこで、都内の木質バイオマス利用の状況についてお伺いいたします。

○小川地球環境エネルギー部長 昨年度実施いたしました都内における再生可能エネルギー導入量等調査によりますと、平成二十九年度末現在、都内の事業所では、木質バイオマスボイラーやストーブといった熱利用設備が温泉施設や公共施設など七施設に導入されています。また、木質バイオマス発電設備が温泉施設一施設に導入されております。
 これらの設備は、いずれも間伐材や製材時の端材などを有効利用した燃料を使用しています。
 今後も区市町村向けの補助や自家消費型の補助などを周知しながら、木質バイオマスの利用を促進してまいります。

○小磯委員 都内では、間伐材を確保できる、そういった量が常に確保できるかなど、発電まではなかなか難しいということもありますけれども、熱の直接利用などを含めて、引き続き木質バイオマスの利用を進めていただきたいと思います。
 次に、使用済み太陽光発電設備のリサイクルの推進についてお伺いいたします。
 太陽光発電をエネルギーインフラとして長期にわたり安定的に発電を継続させていく上では、設備の普及拡大に努めることはもとより、今後、廃棄が見込まれる使用済み太陽光発電設備の適正処理等についても考慮していく必要がございます。
 環境省の太陽光発電設備のリサイクル等の推進に向けたガイドラインによりますと、固定価格買い取り制度の開始以降、急速に普及した太陽光発電設備の廃棄量は、二〇三〇年代の半ばから急激に増加する見込みとなっております。
 廃棄量の増加に伴い、今後、太陽光パネルの不法投棄や不適切処分による有害物質の流出、最終処分場の逼迫等も懸念され、国では、リサイクルの推進に向けたガイドラインの作成のほか、太陽光発電設備の廃棄等費用の積み立てを担保する制度に関する検討がされているわけでございます。
 都においても、使用済み太陽光発電設備に関する効果的な処理技術やリサイクル手法等について検討するなど、使用済み太陽光発電設備のリサイクルの推進に向けて取り組んでいく必要があると思いますが、都の見解をお伺いいたします。

○金子資源循環計画担当部長 都は、使用済み太陽光発電設備の3R及び適正処理の促進に向けて、平成三十年八月に、学識経験者等で構成する東京都使用済太陽光発電設備リサイクル検討会を設置し、設備に含まれる有用金属等の効果的なリサイクル手法や、設備を撤去現場から処理施設まで効率的にリサイクルルートに流せる仕組み等について議論を重ねております。
 また、検討会での議論も踏まえ、今年度から太陽光パネルの高度循環利用の仕組みづくりに向けて、大学と共同で課題抽出や技術開発等に関する調査研究を行っております。
 今後も検討会での議論を重ねていくとともに、太陽光パネルの製造段階から廃棄、リサイクルまでの流れを検証する実証事業の実施等により、高度循環利用の仕組みや技術を検証するなど、使用済み太陽光発電設備の3Rを推進してまいります。

○小磯委員 太陽光発電は壊れても発電を続けるといったこと、また、さわれば感電の可能性があると。また、鉛やセレンといった有害物質を含むパネルがあるために、廃棄の際は適正な処理が必要であるということでございます。そういうことで、適正処理をする仕組みづくりもしっかりと検討をしていただきたいというふうに思います。
 また、太陽光発電設備については、点検ということも大事であると思います。点検を適切に行いながら、長期にわたり安定的に発電が継続されることで、廃棄の時期をできるだけおくらせるということも重要であります。
 視察をいたしました大分県では、太陽光発電のメンテナンスについて発電事業者への啓発や、保守点検業者の技術向上のための情報提供などの取り組みを実施しているということでございました。
 我が党はこれまでも、太陽光発電設備の保守点検の重要性を訴えてきておりますけれども、都がセミナー等で都民等への周知に取り組んできたことは承知をしておりますが、住宅用太陽光発電の固定価格買い取り制度による買い取り期間が満了する、いわゆる卒FITなど、新たな状況も生じているわけでございます。
 住宅用太陽光発電設備の適切なメンテナンスの促進に向けてどう取り組んでいるのかお伺いをいたします。

○小川地球環境エネルギー部長 都は、住宅用太陽光発電の安全で適切な継続利用を図るため、日々の発電量の確認や定期的な保守点検の必要性などについて、都民向けのセミナー等で周知しております。
 あわせて、国に対しまして、関係業界と連携して、太陽光発電の保守点検体制を構築すること、施工業者や設置者に対する適切な情報発信を行うことを要望しております。
 また、太陽光発電の一層の普及のため、本年度から住宅用太陽光発電初期費用ゼロ促進事業を実施しておりますけれども、この事業では、設置事業者が発電設備を所有し、保守点検も実施することから、適切なメンテナンスも図られるというメリットもございます。
 加えて、卒FIT家庭に対しましては、太陽光発電設備のメンテナンス等について必要な情報を提供する仕組みを今後検討してまいります。

○小磯委員 太陽光発電の長期活用のためには、引き続き適切なメンテナンスを促していくことが大変大事でございますので、よろしくお願いいたします。
 最後の項目で、気候変動への適応についてお伺いをいたします。
 世界的な気候変動の影響で猛暑、また、豪雨の発生、台風の巨大化など、リスクが増大をしております。九月に公表されたIPCCの海洋・雪氷圏特別報告書では、今世紀末の世界の平均海面水位が最大で一・一メートル上昇するとの報告もされております。
 また、昨日二十六日、国連環境計画は、世界各国の温室効果ガスの二〇一八年の排出量は、CO2換算で五百五十三億トンで過去最高に達したと、このような公表がされておりまして、テレビのニュース等でもこれが報道されていたところであります。
 日本においても、ことしは特に台風や豪雨による自然災害が頻発しており、先般の台風十九号では東日本を中心に記録的な大雨が観測され、都内でも河川の氾濫等による浸水や道路の崩落など、甚大な被害が発生をしております。
 こうした中にあって、気候変動適応への取り組みを推進することは、もはや待ったなしの状況であります。気候変動適応の重要性は、我が党が以前から主張してきたところでありまして、ことしの第二回定例会代表質問で、都においても気候変動適応計画を策定すべき旨の質疑を行ったところであります。
 本日は、その後の検討状況について確認をしていきたいと思います。
 まず、気候変動適応計画の策定に向けた現在の取り組み状況についてお伺いいたします。

○若林環境政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 気候変動への適応は、自然災害や健康、農業など、都の施策全般に幅広くかかわることから、計画の策定に当たっては、庁内各局と緊密に連携して検討することが重要でございます。
 このため、関係各局で構成する気候変動適応計画検討会議を本年五月に立ち上げ、これまで二回の会議を開催し、各局と検討を進めております。
 また、都内における猛暑日や大雨の発生状況等の最新の気象データを整理するなど、気候変動の影響等に関する調査も実施をしているところでございます。

○小磯委員 既に検討会議を立ち上げて、関係各局と連携して検討を進めるとともに、気候変動の影響等に関する調査も行っているということでございます。引き続き、計画策定に向け、検討を着実に進めていただきたいと思います。
 次に、計画策定に向けた進め方について伺います。
 本年の第二回定例会では、年度内をめどに策定するとの答弁がございました。先ほどの答弁にもあったとおり、気候変動への適応は、都の施策に幅広くかかわる以上、関係各局の取り組みと整合性を図りながら、計画策定を進めていくことが重要であります。
 そこで、気候変動適応計画策定に向けた今後の進め方についてお伺いいたします。

○若林環境政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 気候変動適応計画は、都の施策に幅広くかかわるため、関係各局の取り組みとの整合を図り、計画に反映していくことが重要でございます。
 都では現在、長期戦略ビジョンを策定中であり、気候変動適応計画についても、このスケジュールと整合を図りながら進めていくため、最終的な計画の策定は来年度になる予定でございます。
 一方、気候変動への取り組みは既に待ったなしの状況にあり、速やかに都としての気候変動適応への考え方を示していくことが必要であると認識をしてございます。
 このため、まずは年内に気候変動適応に関する基本的な考え方や主な施策など、計画の方向性を取りまとめ、お示しをしてまいります。

○小磯委員 全体的な計画策定は来年度になるということでございますが、まずは、年内に気候変動適応に関する基本的な考え方や主な施策など、計画の方向性を取りまとめて提示を予定するということでございますので、よろしくお願いいたします。
 長期戦略ビジョンとの整合を図りながら、関係各局の最新の施策を取り込んでいくことは、より実効性の高い計画としていくために大切なことだというふうに私も思っております。
 局によってはなかなかこれについての理解をしていないというか、できていない局もありましたけれども、今、大分変わってきているんだと思います。今後も各局と連携して、計画策定に向けた取り組みをしっかりと進めていっていただきたいと思います。
 次に、適応の取り組みを推進する上でも重要な役割を果たす気候変動適応センターについて伺います。
 さきの第二回定例会においては、同センターの新設についても質問をいたしまして、都でも設置に向けて検討を進めていく旨の答弁があったところでございます。
 そこで、気候変動適応センターの設置に向けた現在の検討状況についてお伺いいたします。

○若林環境政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 気候変動適応センターは、地域における適応に関する情報の収集、分析、提供などを行う拠点となるもので、気候変動の影響による被害の回避と軽減を図る上で重要な役割を果たすものであり、気候変動適応法におきまして、自治体による設置が努力義務とされております。
 都としても、センターの設置について、今後取りまとめる適応の考え方の中に位置づけていく予定であり、これまで都市のヒートアイランド対策の研究などを行ってきた東京都環境科学研究所に設置することを検討しております。

○小磯委員 自治体に設置が努力義務ということでございますが、東京都はこれをしっかり設置するということでございます。気候変動適応センターは、地域における気候変動に関する情報収集等の拠点となるものでございます。設置に向けて着実に取り組んでいただきたいと思います。
 近年、日本各地において異常気象が発生しており、気候変動による深刻な影響は既に私たちの身近な生活にも及んでおります。
 例えば、多くの人の命を危険にさらす夏の暑さへの対応については、現在、東京二〇二〇大会に向け、全庁一丸となって、さまざまな暑さ対策を進めているところでございますが、東京の厳しい暑さは来年で終わるものではなく、大会後も引き続き対応していくことが必要になるわけであります。
 先ほどの答弁にもありましたように、都は現在、長期戦略ビジョンの策定を進めておりますが、今後は都政のあらゆる分野で気候変動適応を考慮した取り組みを進め、気象や生活、ビジネス環境に大きな変化があっても、都民の暮らしや生活を守り、人々がこれからもずっと東京で住み、働き、憩うことのできる強靱な都市を築いていかなければなりません。
 そこで、最後に、気候変動適応の推進に向けた局長の決意についてお伺いいたします。

○吉村環境局長 近年の猛暑やたび重なる豪雨など、気候変動による深刻な影響は、理事ご指摘のとおり、我々がかつて経験したことのないレベルで我々の身近な生活に及んでおり、リスクはますます増大しているというのが基本認識でございます。
 都では、二〇五〇年のCO2排出量実質ゼロに貢献するゼロエミッション東京の実現に向けて、CO2排出を抑制する緩和策を進めておりますが、その緩和策を進めてもなお残る気候変動の影響を回避、軽減する適応策についても、あわせて確実に取り組んでいくことが不可欠であるというふうに考えてございます。
 豪雨などの自然災害が頻発している昨今の状況にございましては、気候変動への適応を進めていくことが一刻の猶予もないという危機感を持って職務に当たることが重要であると考えてございます。関係各局、例えば水害対策を担います建設局や港湾局、下水道局、あるいは感染の拡大が懸念されています熱帯性の感染症みたいなものの対策を担っていただく福祉保健局、こういったもう全局にもわたるといっても過言ではないと思いますが、そういった関係各局の職員と一緒にここの危機感を共有して、東京都の気候変動適応策を引っ張っていくことが環境局の果たすべき役割であるというふうに認識してございます。
 また、都民の皆様に対しても、気候変動の深刻さと適応の重要性をご理解していただくことが重要でございまして、適応センターの設置であるとか、あるいは地域に根差した施策を展開する区市町村との連携もさらに強化していかなければいけないというふうに考えてございます。
 今後も都政のあらゆる分野で気候変動を考慮した施策を総合的に推進することが重要でございまして、気候変動による影響を低減させ、都民の生命と財産を守り、人々や企業から選択され続ける都市の実現に邁進してまいります。

○小磯委員 ただいまは局長の気候変動適応策についての並々ならぬ決意をお伺いいたしました。これからも全庁を挙げて、また、環境局がそれをリードして、しっかりと取り組んでいただきたいということを申し述べて、終わります。

○里吉委員 私からは、東京の一般廃棄物について、きょうは質問していきたいんですが、なぜこの質問をするかといいますと、今いろいろ、るる議論がありました気候変動の問題です。
 東京の一般廃棄物についても、ごみ減量リサイクルでごみの焼却によるCO2排出を減らすことが緊急に求められているわけですが、この間いろいろ見てきましたけれども、なかなかこれが変わっていないということで、この分野でもやはり改めて計画というか対策について考え直さなければいけないという立場で、きょうはこの問題を取り上げたいと思います。
 何人もの委員からも質問がありましたけれども、九月に行われた気候行動サミットは、進行する気候変動が極めて深刻なレベルにあるにもかかわらず、各国の取り組みが全く足りていないという中で、国連事務総長、グテーレス事務総長が改めて全ての国に呼びかけるという形で開かれたものです。
 時間切れが迫っているという認識が高まる中で、六十五カ国及びカリフォルニアなど、自治体レベルの主要な経済圏が二〇五〇年までに温室効果ガス排出量を正味ゼロにすることを誓うなど、このサミットでさらなる取り組みの強化が発表されました。
 日本でも、東京大学海洋研究所の木本教授が、朝日新聞、これはことしの九月十五日付ですけれども、現在の気候危機という事態を解決するためには、地球温暖化ガスの排出をゼロにするために、やれることは全てやらなければいけないというふうに厳しく指摘をしています。
 一方、日本は、二〇三〇年までに一三年度比で二六%削減という目標なんですが、これはパリ協定とは整合しない不十分なもので、二〇三〇年までに温室効果ガス排出量を四五%削減し、五〇年までに実質ゼロにしようという目標に向けて、本気で取り組むことが今求められています。
 例えば国内で計画されている石炭による火力発電所の新設ですね、これを本気で中止すること、緊急対応することが必要ではないかという声が世界各国で上がっています。
 そういう中で、先ほど局長の答弁でもありましたけれども、都民一人一人も身近なところから行動を見直していくということも必要だというお話もありました。そういう立場から、私、今回、資源循環・廃棄物処理計画を学ばせていただきました。
 ここでいろいろ取り組んでいるんですね。私は、その中の一般廃棄物、広く都民の皆さんが日々出すごみに焦点を当てて、きょうは質疑を行いたいと思います。
 まず初めに、この計画書ですけれども、資源循環・廃棄物処理計画については、その初めの部分に、最適な資源循環・廃棄物処理システムを構築することが必須の課題であると、そして、世界一の環境都市にふさわしい、資源循環、廃棄物処理のあるべき姿を示し、実現していくことで、良好な都市環境を次世代へ引き継いでいく責務がありますというふうに書かれております。この内容について具体的にはどういうことなのか、まず伺います。

○宮澤資源循環推進部長 本計画では、二〇三〇年に向けて、東京が目指す資源循環、廃棄物処理のあるべき姿として、持続可能な資源利用への転換と良好な都市環境の次世代への継承の二つを掲げております。
 具体的には、食品ロスなどの資源ロスの削減と循環的利用の推進により、資源利用が使い捨て型から循環型に転換することや、最終処分場の延命化、不適正処理の防止、迅速かつ適正な災害廃棄物処理などに取り組むこととしております。
 また、計画の推進に当たっては、多様な主体との連携が不可欠であり、都民や事業者、区市町村、九都県市などと協働して取り組むこととしております。

○里吉委員 食品ロスなど、資源利用が使い捨て型から循環型に転換することを目指すということなど、今るる述べていただきました。さまざまな方策をとって、ごみ焼却を減らす、ごみを燃やしてCO2を出すということを減らしていくためには、ごみそのものを減らすことと、それからリサイクルをふやすこと、この二つが必要で、東京都はこの二つの方向で、区市町村や関係団体とも力を合わせて取り組んでいるということだと思います。
 ただ、この計画書を見ますと、いろいろ方向は示してあるんですけれども、目標として数字が書いているところがすごく少ないんですね。一つ、私が見つけたのが、一般廃棄物の再生利用率というのが目標として示されておりました。再生利用率がふえればおのずと焼却量は減るわけですから、そういう意味で、この目標に向けて取り組むことは大事だと思います。
 再生利用率についてはどのように算出するのか、まず伺いたいと思います。
 それから、昨年の八月に途中経過が出されていたんですけれども、それを見ますと、二〇二〇年度までの目標、再生利用率が二七%、二〇三〇年度までの目標が三七%となっています。まず、再生利用率とはどのように算出するのかということと、この目標はどのようにして出したのか、その根拠についてあわせて伺います。

○宮澤資源循環推進部長 再生利用率は、一般廃棄物の総量のうち、缶、瓶、ペットボトルなど、資源ごみの量や、ごみの処理過程で資源化できたものの量が占める割合を示しております。
 計画における二〇二〇年度及び二〇三〇年度の再生利用率の目標値につきましては、二〇一二年度における都内の一般廃棄物量約四百五十八万トンを起点として、国内でトップレベルの再生利用率を誇る多摩地域のレベルにまで都全体を引き上げることを目指しまして設定した数字でございます

○里吉委員 国内トップレベルの再生利用率を誇る多摩地域のレベルまで東京都全体を引き上げるということで目標を設定したということでしたけれども、それで、二〇二〇年までに二七%というふうになっているんですが、報告書を見ますと、リサイクル率は、二〇一六年度、一七年度は二三%ということで変わっていません。報告書を見ますと、二〇一二年度からほぼ横ばいというふうにされています。これはどうして変わらないのか、理由を伺います。

○宮澤資源循環推進部長 一般廃棄物の総排出量は、区市町村の取り組みにより、この十年間は一貫して減少傾向にあり、二〇〇七年度は五百十三万トンであったのに対しまして、二〇一七年度は四百四十一万トンまで減少しております。
 一方、再生利用率は近年横ばい傾向にございます。この理由としまして、資源ごみの代表である缶、瓶、ペットボトルなどは、十年以上前から自治体の回収率が九〇%以上と高水準であったことに加えまして、各自治体でリサイクルに回すプラスチック製容器包装の回収対象品目が拡大しなかったことによるものと考えております。

○里吉委員 一般廃棄物の総量はこの十年間で減っているということで、これはそれぞれ努力した結果だということだと思うんですが、残念ながらプラスチック製容器包装の回収対象品目が拡大していないということで、再生利用率は横ばいというご答弁でした。
 そうしますと、まだ二〇一八年度の報告は出ていないということだったんですが、多分変わっていない可能性が大きいと思います。
 この計画期間は二〇二〇年度までなんですね。来年度までなんです。どうするかと。目標二七%ということで、これ、どうやって引き上げるかということ、これまでも環境局さんとしていろいろ取り組んできていると思うんですね。
 進捗状況及び今後の取組についてというものが昨年の八月に出されているんですが、ここを読みますと、区市町村による容器包装リサイクルや小型家電リサイクルの取り組みを支援するということが書かれておりました。
 報告が出てから一年以上たっておりますので、具体的にこの一年間、どのような支援をしてきたのか、検討してきたのか伺いたいと思います。

○宮澤資源循環推進部長 容器包装リサイクルについては、区市町村への個別のヒアリング調査を通じて、分別収集が進まない要因を分析するとともに、現在、都と区市町村の検討会で分別収集の拡大に向けた議論を開始しております。
 また、小型家電リサイクルの取り組み支援につきましては、東京二〇二〇大会に向けたみんなのメダルプロジェクトにおきまして、携帯電話やパソコンなどの回収を実施いたしました。
 各区市町村でも回収ボックスが設置され、多くの都民の皆様にご協力をいただくなど、リサイクル意識の一層の向上、醸成に取り組んでまいりました。

○里吉委員 今、二点ご答弁いただきましたけれども、小型家電リサイクルについては、携帯電話など、みんなのメダルプロジェクトはいろんなところで宣伝もされておりましたし、一生懸命進めてこられたと思います。
 それ以外も、環境局のホームページを見ましたら、小型家電全般について、いろいろと自治体が努力している中身がまとまっておりました。不燃ごみや粗大ごみとして出された小型家電をピックアップして選別するとか、回収ボックスを自治体の各場所に置くとか、いろんな形で濃淡はありますけれども、この間、多少進んできたのかなというふうに思います。
 その一方で、問題は容器包装リサイクルなんですね。資料を出していただきましてありがとうございました。16番、二二ページのところにも、各自治体で回収している容器包装プラスチック量を、二二、二三ページと出していただきましたけれども、これは本当にいろいろなんですね。自治体によってさまざまなんですね。
 ここが都と区市町村の検討会で分別収集の拡大に向けた議論を開始しているという答弁でしたけれども、実は昨年も似たような質疑をしておりまして、事務事業質疑のときに同じようなご答弁だったんです。区市町村と都の共同検討会を設置して、いろいろ情報交換している、講習会などを通じて先進的な取り組みを紹介しているというご答弁だったんですよ。
 計画年次は一応来年までですし、具体的に取り組みを前に進める必要があると思うわけです。ことしの東京都環境審議会にも資料が出ました。きょうも資料を出していただきましたけれども、やっぱり頑張っている自治体と、なかなかそれが実現できない、いろんな理由があると思うんですけれども、その差がすごく大きく出ていると思うんですね。
 この違いがどうして生じているのかという要因を改めて深く掘り下げて明らかにすることで、各自治体の取り組みを押し上げるということを東京都にはぜひ、環境局にはぜひやっていただきたいと思うんですが、局の見解を伺います。

○宮澤資源循環推進部長 都内における平成二十九年度のプラスチック製容器包装の分別収集実績を見ますと、人口一人当たりの分別収集量の平均は、特別区で約二・七キログラム、多摩地域で約八・三キログラムでございました。
 このうち、分別収集量が約一キログラムに満たない自治体は、特別区内で十一区、多摩地域で七市町村でございますが、こうした自治体では、回収対象を食品トレー等に限定するほか、収集方法を公共施設等における回収にとどめていることがわかっております。
 今後、都と区市町村の検討会の場で、こうした分別収集の実態を踏まえ、課題解決策を検討の上、共有を図ってまいりたいと考えております。

○里吉委員 その自治体によっていろいろあると思うんですけれども、先ほど局長もチームもったいないということをやっているというお話ですとか、身近なところから都民の皆さんにも取り組んでいただくというお話もありました。
 本当にできることは全てやって、CO2排出を減らしていく、そういう意識改革もやっぱり必要なわけですけれども、自分の自治体が容器包装リサイクルしていなければ、やっぱり燃えるごみに出すしかないわけですよね、ごみとして出そうと思えば。
 ごみとして出すことを減らす、ごみとして出さないようにするということも大事なんですけれども、ここはやっぱり一般廃棄物の焼却を減らすためには、リサイクル率を一気に引き上げる手だてが必要で、都としてもここにイニシアチブを発揮していただきたいと思いますが、見解を伺います。

○宮澤資源循環推進部長 都はこれまで、廃棄物処理に係る区市町村のさらなる取り組みを促すため、小型電子機器の再資源化などについて、地域環境力活性化事業による財政支援を行っております。
 また、廃棄物行政に係る区市町村職員向け講習会を開催し、廃棄物処理法の運用解釈を初め、資源リサイクルに関する最新情報を共有するなどして、担当職員の知識、スキルの向上を図っております。
 引き続き、区市町村の着実なリサイクル率の向上に向けた支援を行ってまいります。

○里吉委員 ぜひ取り組みを進めていただきたいと思います。
 それで、今るる質疑があったように、この問題は本当に廃棄物処理の計画ではあるんですけれども、ここにやっぱり温室効果ガス削減のための方向性もきちんと盛り込む必要があると思うんですね。
 今の計画ですと、資源が枯渇するおそれがあるとか、自然環境破壊などの影響から、資源を有効に利用しよう、活用しようという方針が強く出ているんですね。この計画は来年度までですから、今後、二〇二一年からの新たな計画策定に当たっては、温室効果ガス削減のための方向性もしっかりと示し、中身も充実させる必要があると思いますが、都の方針を伺います。

○宮澤資源循環推進部長 本年五月に開催されましたU20メイヤーズ・サミットにおきまして、知事は、二〇五〇年にCO2排出実質ゼロに貢献するゼロエミッション東京を実現するという意欲的な宣言を発表し、資源循環分野を気候変動対策に本格的に位置づける考えを示しました。
 また、今後十年間の具体的な目標として、家庭や大規模オフィスビルから排出される廃プラスチックの焼却量を二〇三〇年までに四〇%削減する目標もあわせて示しております。

○里吉委員 改めて資源循環分野も気候変動対策に本格的に位置づけるという考えが示されたのは重要だと思います。ぜひその方向で、新たな東京都資源循環・廃棄物処理計画策定を行っていただきたいと思いますし、その際は、温室効果ガス削減の目標も示していただきたいと要望しておきます。
 資料にも出していただきましたけれども、都内の二酸化炭素排出量、二〇〇〇年度に比べて何割減っているという話にはまだ全然なっていない中で、これは本気で取り組むというところでは、大きな話ももちろん必要で、大胆な見直し、これまでの延長線にとどまらない対策が必要ですが、あわせて、やはり私たち都民一人一人がこの問題に自分の問題として取り組むということが必要だと思います。
 今、家庭や大規模オフィスから出される廃プラの焼却量をあと十年で四〇%削減するんだという目標の答弁がありましたけれども、これはまだ具体化はこれからだというふうに伺いました。焼却量を減らすにはやはり第一にごみの量を減らすことが大事ですよね。
 ところが、最近の環境省の3Rの認知度に関する調査を見ますと、3R、ごみは出さない、繰り返し使う、リサイクルするという優先順位も含めて理解している方が三割台という結果が出されたそうなんです。知っている人からするともう当たり前のことなんですけれども、これをきちんと認知していない方がまだ過半数以上いらっしゃるということなんですね。
 3Rの徹底などは、もちろん区市町村が基本的には行うべき取り組みだと思うんですが、広く都民の中にも今浸透させるべきときだと思うんです。一人一人の意識改革を進める努力は、東京都としてももっと工夫して、集中的に、こういう時期だからこそ取り組んでいただきたいと思いますが、見解を伺います。

○宮澤資源循環推進部長 清掃事業は区市町村の自治事務でございますことから、一般廃棄物の減量化やリサイクルの推進に関する都民への普及啓発については、各自治体が一般廃棄物処理計画に基づき、おのおのの地域の実情に応じて実施するものと認識しております。
 都は、広域行政の立場から、ワンウエープラスチックや食品ロスの削減、東京の海ごみなど、広域的なテーマを中心に、都民への普及啓発事業を行っているところでございます。
 今後とも、都は、広域行政の立場から、さまざまな機会を捉えて、区市町村と連携しながら都民に普及啓発を行ってまいります。

○里吉委員 もちろん各自治体が基本的にはとり行うものだと思うんです。あわせて、都は、広域行政という立場から、今ご答弁にありましたワンウエープラスチックとか、食品ロスの削減とか、東京の海ごみとか、そういう問題についてきちんと啓発する。こういうふうに役割分担をされるということだと思うんですけれども、ごみ問題を考える大もとの考え方がまだ広く国民の中に、都民の調査じゃないので、都民の中の何割がというのはわかりませんけれども、環境省が行った調査で三割台の人しか3Rという言葉を理解していない、優先順位もきちんとつかんでいない。3Rという言葉は聞いたことがあるかもしれないけど、それが何を意味することか、私たちがふだん生活しているときに、どういうことに気をつけて生活することが求められているのかということが浸透していないという現実があるということを私も改めてその調査を見て、愕然としたわけなんです。
 地球環境のため、温暖化対策のため、一人一人ができること、改めて3Rの徹底も東京都としても東京都らしいアピールの仕方で、いろいろなときに、チームもったいないの取り組みとあわせてでもいいですし、いろんな工夫の仕方があると思いますので、ぜひ取り組んでいただきたいと思います。
 先ほどもお話がありましたけれども、国連環境計画、昨日公表した年次報告書では、ことしまた、昨年に続き、温室効果ガス排出量が過去最高を更新したということで、そういう意味では、今本当にあと五年から十年がこの問題を解決できるかどうかのタイムリミットだというふうにいわれております。
 先ほどご答弁ありました、この分野でいえば、今後十年の間に具体的な目標として、家庭や大規模オフィスから排出される廃プラスチック焼却量を四〇%削減するということが示されましたので、いろいろな対策の一つですけれども、これは本気で取り組まないとなかなか大変な目標だと思います。
 こういうこと一つ一つをきちんと取り組むことで、この問題を解決していくという立場で、CO2削減に向けて示された目標を実効性あるものにするため、都がしっかりイニシアチブを発揮していただきたいということをお願いいたしまして、私の質問を終わります。

○細谷委員長 この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。
   午後三時二十四分休憩

   午後三時四十五分開議

○細谷委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○藤井委員 よろしくお願いいたします。まず、キャップ・アンド・トレード制度についてお伺いいたします。
 世界の人口の半数以上が居住し、温室効果ガスの約七割を排出している都市が気候変動対策に積極的に取り組むことは極めて重要であります。東京のような大都市が率先して排出削減に取り組んでいく必要があることはいうまでもありません。
 都は、環境確保条例に基づき、二〇一〇年度から世界初のオフィスビルをも対象とする都市型のキャップ・アンド・トレード制度をスタートさせました。本年度は既に第二計画期間の最終年になっており、導入から十年が経過しようとしております。
 まず、対象となる大規模事業所におけるCO2削減の状況についてどうなっているのかお伺いをいたします。

○小川地球環境エネルギー部長 大規模事業所における二〇一七年度のCO2排出量は、基準排出量に対して二七%減と、義務率を大幅に超える削減となっております。これは、対象事業者の皆様が日ごろから積極的に省エネ対策に取り組んでいただいた成果であると認識しております。
 また、提出された計画書によりますと、これまで実施されてきた取り組みとともに、新たな省エネ対策が計画されており、第二期の義務履行に向けても、さらに削減が進んでいくものと見込んでおります。

○藤井委員 ただいまのご答弁で、基準排出量に対して二七%減ということでございまして、大規模事業所の方々が着実に削減を進められていることという点が理解できました。
 一方で、都は、二〇二〇年度から始まる第三計画期間に向けて、削減義務率などの検討を行い、本年三月に制度改正の概要を公表されました。
 この中で、都が定めた水準を下回るCO2排出係数の低い電力を利用した場合に、対象事業所が一定の削減量として認められる低炭素電力の仕組みがございます。この仕組みは、第三期においては大幅に拡充されることから、事業者が削減義務を履行する上で重要な手段となり得るものでございます。
 第三期においても事業者が削減に向けた取り組みを着実に進められるよう、このような取り組みについてしっかりとした情報提供を行うべきと考えますが、都はどのように取り組んでおられるのでしょうか。お伺いをいたします。

○小川地球環境エネルギー部長 本年五月に、制度の対象事業所に対しまして、第三期の削減義務率や低炭素電力選択の仕組みの拡充など、主要事項に関する説明会を実施いたしました。
 説明会の参加者に対するアンケートの結果では、九〇%以上の方々から説明内容についておおむね理解できたとの回答がありました。また、五月以降、実務担当者に対する計画書提出に向けた説明会を計七回開催する中で、第三期の制度概要を丁寧に説明してまいりました。
 今後とも、第三期の円滑なスタートに向けて、低炭素電力の選択の仕組みなど、新たな手続に関し、事業者に対して着実に周知してまいります。

○藤井委員 キャップ・アンド・トレード制度の対象事業者は、これまでも現場での苦労を重ねながら、しっかりと省エネ対策に取り組んでこられたわけでございますので、都におかれましては、引き続き丁寧なご対応をお願いしたいと思います。
 ところで、昨年都は、キャップ・アンド・トレード制度から生み出されたクレジットを活用して、東京二〇二〇大会に関連する東京ゼロカーボンフォーデーズ等の取り組みをスタートさせ、事業者に対してクレジットの寄附を呼びかけています。
 大会開催などで発生するCO2排出量をゼロにする取り組みは、ホストシティーとして大変重要だと考えますが、カーボンオフセットの取り組みの概要を改めてお伺いするとともに、現在の寄附の状況についてもあわせてお伺いをいたします。

○小川地球環境エネルギー部長 東京ゼロカーボンフォーデーズは、東京二〇二〇大会の開会式と閉会式の合計四日間、都内で排出されるCO2七十二万トンをキャップ・アンド・トレード制度のクレジットを活用し、ゼロにする取り組みでございます。
 また、ホストシティーとして、組織委員会が掲げた東京二〇二〇大会の開催に伴い発生するCO2二百九十三万トンをゼロにするカーボンオフセットにも協力することとしております。
 昨年の七月からクレジットを保有している事業者に対して、さまざまな機会を捉えて寄附を呼びかけ、本年十月末現在で約五十の事業所の皆様から百九十万トンを超えるクレジットを寄附いただいております。
 また、協力いただいた事業者名とクレジットの寄附量は、都のホームページで公表し、毎月更新しております。
 今後も、事業者に対してカーボンオフセットの取り組みを丁寧に説明しながら、クレジット提供の協力を呼びかけてまいります。

○藤井委員 ただいまのご答弁で、既に二百万トン近い、目標の半分以上のクレジットが集まっているということが理解できました。
 引き続き、事業者に対しましてクレジットの提供を働きかけ、カーボンオフセットの目標を達成していただきますようにお願いをいたしまして、次の質問項目に移らせていただきます。
 ゼロエミッションビークル、いわゆるZEVの普及促進に向けた取り組みについて伺います。
 都は二〇三〇年に、都内乗用車販売台数に対するZEVの割合を五割まで高めるとの目標を掲げています。特に近年、海外での導入が進み、注目をされているEVについては、都は、個人や企業に対する購入経費の補助や、都の庁有車に率先して導入を進めております。
 一方で、本年三月に結果が公表されたゼロエミッション東京の実現に向けた自動車利用に関する世論調査によると、ZEVについての心配事の設問で、半数近くの方が充電ないし燃料補給場所が少ないとの回答がございました。
 このことから、今後、EVの普及促進を図るためには、充電インフラの整備が極めて重要であると考えます。都立公園などの都有施設については、都が昨年度から充電設備の設置を進めてきているようでありますけれども、充電インフラを充実させていくためには、民間施設への充電器の設置もしっかりと進めていく必要があると考えます。
 そこで、民間施設に対する都の取り組み状況についてお伺いをいたします。

○山田次世代エネルギー推進担当部長 都は、平成三十年度より、集合住宅に充電設備を導入する際に、その経費を補助する制度を開始してございます。あわせて、管理組合との合意形成のサポートや充電設備導入に向けた助言等を行うため、導入を検討する集合住宅に専門家を派遣するアドバイザー事業も行ってきております。
 今年度からは、補助の対象施設を事務所や工場、商業施設、宿泊施設等にも広げ、充電インフラの整備を促進しております。

○藤井委員 ありがとうございます。ただいまご答弁いただきましたとおり、集合住宅から事務所や商業施設など、民間施設への支援が充実したということが理解できました。
 都は、EV購入経費の補助や充電インフラ整備に取り組んでいますが、それだけで普及が進むのかについては多少の疑問がございます。多くの都民、事業者にEVを導入していただくためには、環境に優しいということだけではなくEVを導入することによる具体的なメリットを知っていただき、また、感じていただくということが必要ではないかと思います。
 実際にEVは、走行中にCO2を排出しないだけではなく音も静かで、税制面での優遇があるなど、環境面においても、また、経済的にも、ガソリン車に比べてメリットがあると仄聞をしておりますので、こうした情報を都民に広く伝えていくということが重要ではないかと考えます。
 そこで、EVの普及啓発に関する都の取り組み状況についてお伺いをいたします。

○山田次世代エネルギー推進担当部長 都は今年度から、レンタカーや近年利用者が増加しているカーシェアリングの事業者と共同で、手ごろな料金で都民にZEVを利用する機会を提供する事業を実施してございます。
 また、島しょ地域においては、島内の事業者を対象にEVや電動バイクを一定期間貸与し、アンケートなどを行うモニター事業を、昨年度は八丈島で、今年度は大島で実施しております。
 さらに、都のホームページや環境関連の補助金、支援金に関する情報をまとめた冊子、エコサポートなどにより、優遇税制等、EVに関する経済的なメリットを広く周知しております。
 都は、今後ともさまざまな機会を通じて、都民や事業者に直接EVを体験していただくとともに、経済面などのメリットを伝えてまいります。

○藤井委員 レンタカーやカーシェアに対する支援等も始められたという答弁でございました。EVの普及には、実際にEVに乗っていただいて、触れていただいて、体験をしていただくということ、また、導入するメリットを知っていただくということの機会を提供していくことが重要だと思います。
 引き続き、充電インフラの整備やEV普及に向けた取り組みを進めていただきますことを改めて要望いたしまして、次の質問に移らせていただきます。
 最後に、最近、私の地元練馬区で畑を荒らしたりすると話題になっているアライグマやハクビシンに関して幾つか伺いたいと思います。
 都内では、区部でもタヌキなどの野生動物が生息をしています。一方、最近、尻尾の長い猫に似た動物や尻尾がしましまの動物を見かけたという話を聞くことが多くなりました。また、庭木の果樹が食べられているという話も伺います。
 猫に似たような動物はハクビシンだと思われますが、私自身も、電線を歩いたり、道路を横切ったりするハクビシンの姿を目撃したことがございます。
 都のホームページを拝見いたしますと、アライグマやハクビシンは区部でも、また、多摩地域でも捕獲をされており、捕獲数は増加傾向にあるようでございます。
 そこでまず、都内におけるアライグマやハクビシンの被害や都の取り組み状況についてお伺いをいたします。

○近藤自然環境部長 アライグマやハクビシンは、本来、日本に生息していなかった外来生物であり、両者のすみかや食べ物などの生態は類似しております。
 アライグマやハクビシンにより、家屋侵入やふん尿による悪臭、あるいは農作物の食害など、生活環境や農林水産業に対する被害を初め、トウキョウサンショウウオなど希少な両生類を捕食するなどの生態系に対する悪影響も発生しており、これらの防除が必要となっております。
 そこで、都は、平成二十五年度に東京都アライグマ・ハクビシン防除実施計画を策定し、区市町村と連携して捕獲などの取り組みを進めております。この取り組みの中で、主に捕獲を担う区市町村に対し、都は財政的及び技術的支援を行っております。

○藤井委員 アライグマやハクビシンの被害は我々の生活にも大きく影響するだけではなくて、生態系への被害も発生をしているということでありまして、防除対策を進めていく必要があるということを改めて認識をいたしました。
 これまでも区市町村と連携して対策を実施し、区市町村に対して財政的及び技術的支援を行っているとの答弁でございました。財政的支援ということであれば、補助金などをイメージしやすいわけでございますけれども、一方で、技術的支援とは具体的にどのようなものを指すのかについてお伺いをしたいと思います。

○近藤自然環境部長 都は、区市町村がその捕獲を進めやすくなるような技術的支援を行っております。
 そこでまず、アライグマやハクビシンの生態や被害事例をまとめたマニュアルや、区市町村担当者向けの防除に関するガイドラインを作成するとともに、アライグマやハクビシン、これらと見間違えやすいタヌキとアナグマの剥製を区市町村が普及啓発をする際に貸与するなどしております。
 さらに、区市町村の担当者向けに、専門家によるアライグマやハクビシンの生態や防除方法などの最新の知見に関する勉強会、具体的なわなの使用方法などに関する講習会や現地見学会などを実施しております。

○藤井委員 ただいまのご答弁でさまざまな支援が学識者等の知見を反映されながら実施をされているという状況が理解できました。こうした技術講習会等も関心のある都民の皆様方もたくさんいらっしゃると思いますので、こうした取り組みを広く一般の都民の皆様方にも開かれたものにしていただければいいかなというふうに思っています。
 そうしたことの検討もあわせまして、今後もアライグマ、そしてハクビシン対策をしっかり進めていただきますように要望いたしまして、私からの質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

○桐山委員 私からは、プラスチックの持続可能な利用について、まずお伺いをしていきたいと思います。
 先月、東京都廃棄物審議会から、プラスチックの持続可能な利用に向けた施策のあり方に関する最終答申が示されました。諮問内容の項目は以下でございます。
 必要性の低い使い捨てプラスチックの大幅な削減を促す仕組みについて、プラスチック製品、容器包装の再使用、再生利用の推進及び再生プラスチックの利用拡大を図る方策についてでした。
 資源の大量消費が気候変動、生物多様性の損失など、地球規模で引き起こしているその課題が東京も直面する課題として、審議会においてさまざまな視点からプラスチック問題に対する提言がなされてこられました。
 プラスチックは、私たちの生活にさまざまな便益をもたらす反面、その原料のほとんどを石油資源に依存していることから、持続可能な社会の実現に向け、プラスチック利用のあり方を根幹から問い直す必要があります。
 最終答申の提言では、こうした課題に対する多様な施策の方向性が示されておりました。改めて自分の身の周りを見回してみてもプラスチック製品が多く、また、家庭ごみになるものもプラスチックが非常に多いというふうに感じているところでございます。
 その中でも、一度限りの使用を目的としたワンウエープラスチックについては、早急に見直していくことが重要です。国では、来年七月からレジ袋有料化に向けた省令改正のパブリックコメントが行われておりまして、使い捨て型ライフスタイルの象徴でありますレジ袋の削減には有料化が有効であり、全国統一で有料化が導入されることは大変意義のある取り組みだと考えております。
 ただ、プラスチック全体で見ますと、このレジ袋は重量比で二%ほどとわずかな割合です。消費者の意識を高める上では意味があっても、レジ袋だけでは根本的な解決にならないと考えております。
 また、法律等による規制だけでなく、消費者や事業者の主体的な取り組みを促していくことも重要です。
 そこで、都は、ワンウエープラスチックの削減に向けまして、都民や事業者に対し、具体的にどのような普及啓発活動に取り組んでいるのか、まずお伺いをしたいと思います。

○金子資源循環計画担当部長 使い捨てプラスチックの削減に向けては、商品等の供給側の取り組みが重要であることから、都は、九都県市とも連携しながら、製造や小売事業者に対して減量化やリサイクル促進のための容器包装ダイエット宣言に参加するよう働きかけるなど、広域的に事業者の取り組みを後押ししております。
 また、使い捨てプラスチックの削減について考える取り組みの一環として、都庁舎内店舗における紙ストローの試行や、プラスチックストローにかわる新たなアイデアを都民から募集するとともに、普及拡大イベントを実施いたしました。
 これに加えて、本年十一月以降、都内の六大学と連携し、使い捨てプラスチック削減キャンペーンを実施しております。取り組みの中では、レジ袋のみならずペットボトル削減に向けた給水器の設置やマイボトルの普及、ビニール傘の使い捨て防止に向けたシェアリングサービスの導入など、学生の創意工夫を生かした普及啓発活動が展開されております。

○桐山委員 ありがとうございます。
 ワンウエープラスチックの削減に向けて、さまざまな形で普及啓発事業としてされているということは理解させていただいております。
 都庁内でもそうですけれども、チームもったいないという運動もされておりますし、また、今回、今のご答弁にもございましたように、本年十一月以降では、都内の六大学と連携して、使い捨てプラスチック削減キャンペーンを実施されているということでした。
 私もホームページで確認をさせていただきましたところ、それぞれの大学がプラごみの削減ということで、今もご答弁にあったマイボトルを持ってきましょうとか、学生の食堂ではリサイクルの容器を導入していきましょうとか、さまざまなプラスチックに対応するべく、削減に向けた使い捨て型ライフスタイルの見直しに向けた啓発の一環ということで実施をされているということで、これもぜひ、効果なんかも検証された後、またお伺いしていきたいなというふうに思っているところです。
 私たちの身近なところから取り組んでいくことができる対策というのは、やはり使い捨てを徹底的に見直していくことではないでしょうか。この最終答申を踏まえまして、さらなる取り組みを期待していきたいと思います。
 また、先ほどのご答弁にもありましたように、商品等を供給する事業者への働きかけというものが今後は大変重要になってくると思います。
 世界を見ていきますと、サーキュラーエコノミーの時代といわれておりまして、これまで廃棄物とされていたものを資源と捉えて、産業革命時代から続く大量生産や、あるいは大量廃棄にとってかわる新しい経済の仕組み、これは循環型経済とも呼ばれているそうですけれども、それが現在は大変注目をされています。持続可能な社会の実現に向けて、この資源循環を加速させる新たなビジネスモデルが次々と創出されていると聞いております。
 環境先進都市東京におきましても、イノベーションによる課題解決を図りながら、都民や事業者の使い捨てライフスタイルの見直しを加速させていくことが重要と考えておりますが、都の取り組みをお伺いいたします。

○金子資源循環計画担当部長 都はこれまで、民間事業者が有する知見や技術力、発想力などを生かした先駆的なモデル事業として、イベント等におけるリユース食器、リユースカップの導入促進を図るプロジェクトなどを事業者と共同で実施してまいりました。
 これに加え、今年度は新たに、インターネットショッピングの中で日用品や食料品をリターナブル容器で循環利用するプロジェクトや、コーヒーチェーン店において紙製カップに転換し材料リサイクルを図るプロジェクトなど、新たなビジネスモデルの普及を後押ししております。
 こうした取り組みを来週実施されるエコプロダクツ展などで都民や事業者に対して広く普及啓発を図ることで、使い捨てプラスチック削減に向けたさらなる取り組みにつなげてまいります。

○桐山委員 消費者に対しまして利便性の高いサービスが提供されることで、ワンウエープラスチック削減がさらに進んでいくことに期待をしていきたいと思います。
 最終答申では、化学燃料だけではなくて、バイオマスからつくったプラスチックを利用していくということについても提言がございました。
 また、レジ袋有料化に関する国の制度案の中で、バイオマス素材が二五%以上配合されていれば有料化の対象外とすることも示されているところでございます。
 審議会の審議の議事録を見させていただきましても、バイオマスプラスチック、バイオマスの資源に関しては、再生される速度の範囲内ですとか、あるいは供給源での温室効果ガスの排出、あるいは生態系の影響や食料との競合、その他環境社会の影響について、持続可能性については十分配慮をする必要があるという考え方もありますよねというような議論もあったかと思います。
 そういったところから、今回の答申の中でも、再生プラスチック及びバイオマスの利用促進という項目がございますけれども、そちらにおきましても、今後、情勢をしっかりと見据えた中で、東京都としての施策に生かしていただきたいなというふうに一言申し上げておきたいと思います。
 ワンウエーというのは審議会の議事録の中でも大変議論になっておりましたけれども、レジ袋以外については大変難しい性格だということも議論がありました。
 容器包装ということでは、ペットボトル、食品包装、飲料カップ、カトラリー、ストロー、それぞれの品目や使用状況、また、人によって判断が違います。そして、置かれた条件によっても異なってくると。そういったところで、何をもってワンウエーなのかというところもさまざまな議論があったと思います。
 そもそも製品や容器包装におきましても、本当にプラスチックの利用が必要なのか、また、リデュースできないのかという観点から、身の回りの使い捨てをしっかりと見直していくべきだと思っております。
 ぜひとも今後の施策の具体化に当たりましては、こうした観点からもしっかりと検討を進めていただくことを改めて要望させていただきたいと思います。
 次の質問に移ります。
 次に、プラスチック容器包装リサイクルについてお伺いいたします。
 先ほどは里吉副委員長からも出ていた内容と少しかぶる面もございますが、私は、自分の地元が多摩地域の西東京でございますので、多摩の立場から、ごみの減量をこれだけやってきたよということも力を込めてお話をしていきたいかなというふうに思います。
 我が国では、平成十二年四月に、家庭から排出される一般廃棄物を対象とした容器包装リサイクル法が施行されました。この法律は、家庭などから排出される容器包装について消費者が分別排出して、自治体が分別収集し、事業者がリサイクルするという役割分担のもと、廃棄物の排出抑制を図る制度として、ペットボトルや食品トレーだけでなく、広くプラスチック容器包装全体を対象としています。いわゆるプラと書いてあるもの全てに該当するということです。
 先ほども身の回りにプラスチック製品が多いと申し上げましたように、家庭ごみのうち、体積換算では約六割が容器包装由来のごみであるともいわれています。この容器包装のごみを減らすことは、ワンウエープラスチック削減だけでなく、家庭ごみの総排出量の減量化やリサイクル率の向上に大きく寄与するものと考えております。
 最終答申の中でも、この区市町村におけるプラスチック製容器包装の分別収集が一部にとどまっていること、そして、都として分別収集に向けた取り組みを強力に後押ししていくべきだというような提言がなされております。
 そこで、廃棄物審議会では、この区市町村におけるプラスチック製容器包装の分別収集についてどのような議論があったのかということについてお伺いいたします。

○金子資源循環計画担当部長 審議会では、プラスチックの持続可能な利用に向け、これまで焼却処理されていたプラスチックのリサイクルや、その高度化が必要との認識のもと、議論が進められてまいりました。
 こうした議論の中で、区市町村におけるプラスチック製容器包装の分別収集状況を整理すると、全ての容器包装を分別収集の対象とする自治体がある一方、回収対象を食品トレーなどに限定する自治体もあり、自治体間で取り組み実績に乖離があることが判明いたしました。
 特に各委員からは、二十三区のうち十一区で分別収集の対象が一部の容器包装にとどまっていることについて、速やかに全ての容器包装を対象にすべきとの意見が多く寄せられております。
 最終答申では、こうした議論を踏まえ、区市町村に対し、プラスチック製容器包装の分別収集を強力に後押しすべきとの提言に至っております。

○桐山委員 私もこの審議会の議事録を読んでいましても、やはりこういった議論がなされてきているということを大変理解したわけですけれども、私も多摩地域にずっとおりますし、もともと市議会議員を長くしておりましたので、容リ法の施行の段階から市の中でも相当な議論があったということも記憶しておりますし、市民の方々が大変困惑する中でも、努力をして進めてきていたなというふうに私自身感じているところです。
 多摩地域と比較をしましても、特別区の取り組みが大変不十分だとの厳しい意見が多かったと思います。多摩地域では、最終処分場のいわゆる延命策、残余量がもう逼迫をしていたという背景もございますけれども、ごみの減量に向けて、三十自治体のうち二十八自治体で家庭ごみの有料化も進めました。また、プラスチック製容器包装につきましても、二十三自治体が全ての容器包装を収集対象とするなど、リサイクルに取り組んできた経緯もございます。
 私の地元では、平成十九年九月に可燃、不燃ごみの戸別収集をスタートさせ、そして翌十月からはプラ製容器包装の分別収集も開始をしました。さらに翌年、平成二十年一月からは、家庭ごみの有料化、いわゆる指定ごみ袋の有料化を実施し、市では家庭ごみ三事業、ごみの減量と資源化に大きな効果を得るための有効手段として取り組んでおります。
 容器包装プラごみの扱いについては、先ほども申し上げましたように、当初はごみとして出すときに洗浄して、水分を落として、どこまできれいにすればよいのか、多くの市民の方々が困惑したことも記憶しています。
 西東京市では、ごみのカレンダーを全戸配布して、ごみの出し方や写真つきで容器包装の洗い方を紹介するなど、さまざまな工夫をした結果、市民の皆様の分別が進み不燃ごみが大幅に減少もしています。
 つまり、市民の協力のもと、行政が先頭に立って取り組めば、容器包装のリサイクルは実現できると私は考えています。
 そこで、一部の自治体でプラスチック製容器包装の分別収集が進んでいない背景や要因について改めてお伺いいたします。

○金子資源循環計画担当部長 都はこれまで、分別収集実績の低い自治体を中心にヒアリング調査を行っており、その理由や分別収集の導入に向けた課題を整理しております。
 この調査から、分別実績の低い自治体では、廃プラスチックの焼却熱を利活用するサーマルリサイクルなどで対応すると整理して以来、プラスチックの再資源化に向けた分別収集が進められていないことが判明いたしました。
 また、分別収集の導入に向けた課題として、中間処理施設の確保や住民への分別方法の周知などが挙げられており、おのおのの地域の実情に即した課題が存在していると考えております。

○桐山委員 二十三区では、廃プラスチックの焼却をしているんですね。その熱エネルギーを回収して利用する、いわゆるサーマルリサイクルの考え方を二十三区は持っていらっしゃいます。いわゆるごみを燃やす、プラを燃やすということですね。焼却をすること。もちろん焼却をすることで熱エネルギーがあるので、そちらも資源だという話もあるところなんですけれども、いわゆる焼却をすることで最終処分場の埋立処分量を減らす効果があるということ。それも一理あり、承知もしております。
 さて、その二十三区におけますこのサーマルリサイクルの考え方なんですけれども、昨今あらゆる分野で地球温暖化対策が求められている中で、今こそ、このサーマルリサイクルから脱却して、二酸化炭素の削減効果が高いマテリアルリサイクルやケミカルリサイクルにしていくべきと考えております。その先駆けとして容器包装リサイクルの取り組み、まさにこれは都として取り組むべき重要な課題であると考えております。
 そこで、プラスチック容器包装の分別収集の促進に向けて、都は、今後どのように取り組んでいくのかお伺いいたします。

○金子資源循環計画担当部長 容器包装リサイクルの推進は、家庭ごみの減量や埋立処分量の削減を初め、廃棄物の処理過程における二酸化炭素の削減効果など、さまざまな効果が期待されており、都として取り組むべき重要な課題でございます。
 このため都は、都と区市町村の検討会でプラスチック製容器包装をテーマに取り上げ、自治体の優良事例を共有するなど分別収集の拡大に向けた議論を開始しております。
 今後、検討会での議論を踏まえ、区市町村に対してプラスチック製容器包装のリサイクルを誘導してまいります。

○桐山委員 ありがとうございます。いろいろとご説明、ご答弁いただいたわけでございますけれども、やはり多摩地域と二十三区のごみの考え方、もちろん各区市町村が、いわゆる自分たちが出したごみは自分たちで処理をするという基本的な自治事務としての自区内処理という考えが根本にございます。
 多摩地域でも、自分たちの一自治体で焼却施設を持てないと、広域でごみ処理施設を持って一部事務組合としてやっています。東京都の二十三区においても、二十三区ごみ清掃事務組合をつくって処理をされているということもわかっておりますけれども、今、これだけの廃プラ削減というふうな時代になってきています。
 それは各区市町村レベルで、いわゆる二十三区の自治体それぞれが廃プラの取り組み方、ごみの分別の取り組みをやっぱり一層促進していただかなければ、東京都が一生懸命いったところで何も変わらないと私は思っています。
 広域自治体としての東京都の役割は、やはり目標数値を、先ほども出ておりました多摩地域の水準に合わせてもらうのであれば、そこまできちっと容リ法のプラのリサイクル率を上げなさいとか、そういったしっかりとした目標数値をぜひ掲げていっていただかないといけない時期に来ていると私は感じております。
 今後、二〇二〇大会が来年控えておりまして、ラグビーワールドカップと同様に、五品目のごみの分別箱を、ピクトグラムで、外国の方でもわかりやすいようにしながら設置されるということで、保坂委員の方からも質疑があったところでございます。それをやはり文化として、レガシーとしていくのであれば、廃プラの削減ということで、世界中に日本がこれだけ分別してやっているんだよということを示していくためには、やっていない自治体について指導、なかなか指導はできないとは思うんですけれども、やはりそういった考え方を改めていく方向性を変えていかない限り、私は幾ら頑張ってもこの廃プラの削減というのは進んでいかないというふうに思っております。
 もちろん我々はごみ袋を有料化してまでもやっておりますけれども、やはりそういった面からもインセンティブを働かせながらでもやっていく必要性があるということを申し上げまして、私の質問を終わります。

○舟坂委員 まず、工場等における災害時の有害物質の流出についてお伺いをいたします。
 先般、東京都内を襲った台風十九号ですが、多摩川の氾濫による浸水被害や、西多摩地域では道路の陥没など甚大な被害をもたらしたところです。
 中でも浸水被害については、浸水による家屋への影響だけでなく、他県では工場からの化学物質の流出事故による周辺住民への影響が懸念されていたようです。私の地元葛飾区を初め、都内には住宅に隣接している工場もあり、今後、このような事態が生ずる可能性があります。
 そこで、災害時の化学物質の漏えい、流出等の未然防止に向けた環境局の取り組み状況についてお伺いをいたします。

○志村環境改善技術担当部長 都は、環境確保条例に基づき、化学物質を取り扱う事業者による化学物質の管理の適正化、事故の防止等を図るため、化学物質適正管理指針を定め、公表しております。
 化学物質を取り扱う事業者は、この指針に基づき、化学物質の事業所外への流出を防止するための設備を設置するとともに、事故、災害の防止対策の実施や事故処理マニュアルの整備を行うこととなっております。
 また、シアン等の特に適正な管理が必要な五十九種類の化学物質を年間百キログラム以上取り扱う事業者については、使用量等の報告や事故時等の対応を含め、化学物質を適正に管理するための方法を記載した書面の作成を義務づけ、流出事故等の未然防止を図っております。

○舟坂委員 化学物質適正管理指針に基づき、災害時の流出防止対策は行っているということであります。
 しかし、この指針では地震対策については具体的に書かれているものの、水害対策については書かれておらず十分とはいえません。江東五区大規模水害ハザードマップでは、荒川と江戸川の氾濫により江東五区のほぼ全域の浸水が想定されていることを踏まえると、地震時だけではなく、浸水時においても対策を進めていくべきだと考えます。
 また、都内の工場は、例えば葛飾区、大田区ではメッキ業が多く、板橋区、北区では印刷業が多いなど、都内には地域ごとにさまざまな工場があり、それぞれ取り扱う物質も異なります。
 そこで、対策を進める際には、業種ごとの実態を考慮した視点も必要と考えますが、環境局の見解をお伺いいたします。

○志村環境改善技術担当部長 理事のご指摘のとおり、化学物質適正管理指針では、地震時の対応は盛り込まれているものの、浸水時の対応といった視点については十分に検討されておりません。
 このため、今般の台風による被害の状況を踏まえ、今後、有識者等の意見を伺いながら、浸水時における化学物質の流出防止対策に取り組んでいく必要があると考えております。
 そこで、地域や業種ごとの実態を踏まえながら、化学物質管理手法や化学物質適正管理指針の見直しに向け、年度内に検討を開始いたします。

○舟坂委員 工場などの浸水により化学物質が流出した場合は、周辺住民の健康や周辺環境に大きな影響を与えることになりかねません。事前に災害の想定に応じた具体的な対策を定め、化学物質の流出等を未然に防止するようお願いをいたします。
 次に、中小企業事業所の省エネ対策についてお伺いをいたします。
 都内の中小規模事業所は約六十六万事業所あり、これらの事業所から排出されるCO2は都全体の約三割にも上るため、中小規模事業所における省エネ対策は非常に重要な課題です。
 都はこれまで、都内の中小規模事業所における省エネの取り組みを促進するため、省エネ診断や省エネ研修会などを通して、中小企業に直接啓発や支援を行ってきました。これらの取り組みも重要でありますが、より多くの中小企業に省エネに取り組んでもらうためには、行政機関のみならず、金融機関などの多くの主体に中小企業にアプローチをしていただくことが効果的と思います。
 そのため、第一回定例会におきまして、我が党から、日ごろから中小企業の経営サポートを行っている地域金融機関が、省エネの専門家が提案する運用改善のメリットを十分認識していくことが重要との指摘をし、都は今年度、地域の多様な主体と連携した中小規模事業所省エネ支援事業を実施しておりますが、まずはこの事業の概要についてお伺いをいたします。

○小川地球環境エネルギー部長 理事お話しの本事業は、日ごろから経営相談等を通しまして中小企業と多くの接点を有する地域金融機関と省エネコンサル事業者との連携を促しながら、中小企業が省エネの運用改善等に関する提案や助言を無料で受けられるモデル事業でございます。
 具体的には、地域金融機関から紹介を受けた中小企業に対しまして、省エネコンサル事業者がエネルギーの計測、省エネに関する改善提案、実施サポート等を行い、都がその費用の補助を行うものでございます。

○舟坂委員 本事業は、行政が中小企業に直接アプローチするのではなく、中小企業により訴求力のある地域金融機関が省エネを促していくというこれまでにない事業であります。
 しかしながら、地域金融機関においては、中小企業との接点はあるものの、省エネに関するノウハウは多くは有していないという課題もあります。
 この点を解決するために、本事業においては、地域金融機関と省エネコンサルタント事業者との連携をいかに促していくかが重要と考えますが、都は、どのように取り組んでいくのかお伺いいたします。

○小川地球環境エネルギー部長 都は、両者の連携を円滑に進めることを目的にいたしまして、本年七月、地域金融機関とコンサル事業者とのマッチングセミナーを開催いたしました。
 セミナーでは、コンサル事業者が自社の得意分野などについてプレゼンテーションを行うとともに、その後、事業者ごとにブースを設けて個別の商談を実施することで、お互いの理解を深めております。
 また、本事業に参加するコンサル事業者の過去の実績等をまとめましたPRシートを作成し、地域金融機関に提供をいたしましたほか、セミナーへの参加の有無にかかわらず、大半の地域金融機関を直接訪問して、コンサル事業者の紹介等を行っております。

○舟坂委員 地域金融機関と省エネコンサルタント事業者は、これまで余りおつき合いがなかったと聞いております。この東京都の取り組みを通じて、省エネコンサルタント事業者が地域金融機関のビジネスパートナーと位置づけられ、両者の連携により中小企業のさらなる省エネが進むことを期待しております。
 本事業は、本年七月十日に募集を開始したと聞いておりますが、現時点での地域金融機関や中小企業の反応、実績についてお伺いをいたします。

○小川地球環境エネルギー部長 多くの地域金融機関からは、本事業は、中小企業の経営支援における新たなアプローチ手法として、非常に有意義であるとの評価をいただいております。
 また、中小企業からは、本事業は、省エネに取り組むよいきっかけとなる事業であり、設備の運転時間の短縮などの運用改善も意欲的に進めていきたいとの声をいただいております。
 ただし、運用改善の中でも、エネルギー計測制御装置の導入や人感センサーの設置など、経費のかかる取り組みについては、関心はあるものの、費用負担が課題との声も多くございました。現在、二件の申請を受け付けているところでございます。

○舟坂委員 地域金融機関や中小企業からおおむね評価を得ているようですが、まだ二件とのことですので、金融機関としっかり連携して事業を進めていっていただきたいと思います。
 また、費用面での課題も提起されております。これらの地域金融機関や中小企業の声、今年度の事業実施を踏まえて、今後どのように本事業を普及して取り組んでいくのかをお伺いいたします。

○小川地球環境エネルギー部長 今年度のモデル事業の成果につきましては、都やモデル事業に参加していただいた地域金融機関において成果発表会を開催するなど、継続的に情報発信を行ってまいります。
 また、より多くの金融機関に本事業に参加していただくために、信用金庫の中央銀行の役割を担う信金中央金庫との連携を強化し、各信金への働きかけを進めていくことで、モデルの仕組みのさらなる普及拡大につなげてまいります。
 加えて、中小企業にエネルギー計測制御装置の導入や人感センサーの設置などに取り組んでいただくことは、より効果の高い省エネにつながるものであるため、実践を後押しする方策について検討してまいります。
 こうしたさまざまな取り組みにより、中小企業の省エネ対策を一層促進してまいります。

○舟坂委員 中小企業は、省エネに対する必要性は認識していても、ノウハウや資金面での困難を抱えているところが多いと思います。コンサル事業者の支援や費用面での不安の解消は、中小企業が省エネに取り組むに当たって非常に大きな動機づけとなります。今後も中小企業に寄り添って、しっかり声を聞いて施策展開をしていただきたいと要望いたします。
 次に、お台場の水質浄化についてお伺いをいたします。
 お台場海浜公園は、東京二〇二〇年大会の競技会場となります。本年八月に行われたオープンウオータースイミングのテスト大会では、選手から異臭が指摘され、パラトライアスロンのテスト大会では大腸菌が基準値を超過し、スイムが中止となりました。
 これを受けて、都は、水中三重スクリーンの設置や下水の貯留施設の整備など、お台場海浜公園におけるさらなる水質改善対策を発表しました。
 この中で、環境局は、東京湾小型船舶等環境保全協定に基づく水質保全を推進するとしていますが、この事業の内容をお伺いいたします。

○近藤自然環境部長 東京湾の水環境を改善していくためには、多くの都民や事業者が改善の必要性を認識し、各主体に応じた活動に取り組んでいくことが重要でございます。
 このため、都は、小型船舶の所有者等との間で、東京湾小型船舶等環境保全協定、通称エコマリン協定を締結し、東京湾の環境保全に向けた事業者の取り組みを促進しております。
 具体的には、事業者は、し尿の適正処理や、海浜の清掃などの環境保全活動に取り組み、都は、協定証書の交付や締結事業者の公表を行っております。

○舟坂委員 事業者と連携して水環境を保全していくとのことですが、海を利用する事業者や乗客への意識啓発は重要であり、ぜひ継続していただきたいと思います。
 東京湾には、江戸川、荒川、多摩川など、大小六十もの河川が流入しております。流域には多くの住民や工場のほか、水田や農地などもあり、それらからの排水は最終的に東京湾に流入します。多くの関係者が下水道の整備や排水規制などに取り組んでおりますが、東京湾は汚濁が滞留しやすい海域です。
 東京湾の水質を改善していくためには、広い地域から流入してくる汚濁物質を削減していく必要があると考えますが、見解をお伺いいたします。

○近藤自然環境部長 東京湾は、生活または事業活動に伴う排水が大量に流入する閉鎖性水域であることから、水質汚濁防止法に基づき、汚濁負荷の総量削減方針を国が定め、東京、神奈川、千葉、埼玉の一都三県で削減計画を定めることとなっております。
 環境局では、第八次総量削減計画を策定し、都内から排出される汚濁負荷量の目標値を定めるとともに、下水処理場など、総量規制対象事業場に対する立入検査等を実施しております。これらにより、東京湾に流入する汚濁負荷量は、総量規制を開始した一九七九年の約三割に削減されました。
 引き続き、国や関係自治体と共同しながら、陸域から東京湾に流入する汚濁負荷の総量削減対策を推進してまいります。

○舟坂委員 約三割に削減してきたということですが、それでもテストイベントは中止になったわけですから、東京二〇二〇年大会を円滑に実施するのは開催都市の責務であり、全力で取り組んでいただきたいと思います。
 また、重要なのは大会後です。親しみやすく美しい東京湾を目指して、息の長い取り組みを進めてもらいたいと思います。
 次は、古くて新しい課題でもあります、お堀の浄化についてお伺いをいたします。
 都心最大の水辺と緑地を有する皇居外苑は、江戸城のたたずまいを残す皇居外苑堀、いわゆる内堀と歴史的建造物が調和した東京の重要な観光名所であります。国の内外から多くの方々が訪れておりますが、内堀の水質は以前から問題になっており、特に海外から訪れた観光客の方々は、お堀を眺めてがっかりするのではないかと心配しております。
 内堀を管理する環境省が浄化に取り組んでいることは承知しておりますが、東京の魅力向上のために、さらなる水質改善を目指すべきと考えます。
 環境省の取り組みと都の取り組みについてお伺いをいたします。

○近藤自然環境部長 環境省は、内堀の水質改善計画を策定し、浄化施設の設置やアオコの回収、内堀への新たな補給水の検討などに取り組んでおります。昨年には、浄化施設の運転能力を向上させるため、汚泥処理設備が追加されました。
 都においては、下水道局が内堀への雨天時越流水の流入対策を進め、平成二十七年度に完了いたしました。また、国の水質改善検討会に関係局とともに参加して、情報共有を図り、環境省の取り組みに協力しております。

○舟坂委員 外堀も周辺に多くの企業や学校が立地し、都民の憩いの水辺であるべきところ、夏場にはアオコが発生し残念な状況になっております。
 都では、しゅんせつや下水道の改善を行っておりますが、それだけで水質が改善するとは思えません。管理上の課題もあると聞いてはおりますが、外堀の状況を放置できないのではないかと思います。都の所見をお伺いいたします。

○近藤自然環境部長 外堀は国土交通省の財産でございますが、建設局が財産管理を行い、地元区が機能管理を行う複雑な管理体制になっております。
 外堀の効果的な水質改善方策について検討するため、昨年九月に都市整備局を中心とした関係五局による検討会が設置されました。検討会では、現在、外堀でのアオコの発生状況を詳細に調査し、水質改善方策の検討や課題の整理などを行っております。
 引き続き、関係局と連携し、外堀の水質改善方策について検討を進めてまいります。

○舟坂委員 昨年九月に都市整備局を中心とした関係五局による検討会が設置されたということですが、ちょっとスピード感がないな。ましてや、内堀も外堀も東京から見れば第一の観光の財産でもあります。お堀の水質が問題視されてから、かなりの期間が経過しております。国、地元自治体、庁内関係局とも連携して、スピード感を持って取り組んでいただくことを要望しておきます。
 次に、騒音問題についてお伺いをいたします。
 最近、まち中で、広告宣伝車、いわゆるアドトラックが大きな音を出しながら走行しているところを見かけます。アドトラックは、駅の近くや繁華街など、人が多く往来する地域を大音量で音楽を流しながら、停車したり、ゆっくり走行しているところから渋滞を引き起こしていることもあります。交通渋滞の中を複数台のアドトラックが連なって走るそのさまは異様な光景であり、地域住民からも騒音について苦情が寄せられております。
 そこで、アドトラックの騒音について、都ではどのような規制がかけられているのかをお伺いいたします。

○筧環境改善部長 都は、生活環境への支障を防止するため、環境確保条例により、商業宣伝を目的とした拡声機の使用に制限を設けております。音量については、商業地域などで六十デシベル、千代田区、中央区、港区、新宿区などの一部の繁華街では七十五デシベルとなっております。
 また、音量以外にも、拡声機の使用時間や車両で移動する場合には走行できる道路の幅員等に制限事項や遵守事項がございます。

○舟坂委員 ここ十年ほどでアドトラックが急速にふえているという印象があります。条例を制定した昭和四十年代と今では社会状況が大きく変わっており、規制についても状況の変化に合わせた見直しが必要だと考えます。
 特に、オリンピック・パラリンピック開催を翌年に控え、外国人観光客の増加も予想され、アドトラックの騒音により悪い印象を与えかねません。
 アドトラックを含む拡声機の騒音について、都として対応する必要があると考えますが、見解をお伺いいたします。

○筧環境改善部長 都民の健康で快適な生活のためには、音を出しながら移動する車両についても適切な運用が求められます。
 都では、その現状を把握するため、条例の騒音規制事務を担っている区市からも状況を聞き、実情について情報を収集してまいります。

○舟坂委員 わかりました。まず初めは、都が区市から情報収集を行うこということはわかりましたが、今後は、アドトラックを含む拡声機の騒音に対して実効性のある規制となるよう、条例の運用面の見直しも含めて検討をしていただきたいと思います。
 私の方からも、アライグマ、ハクビシン対策についてお伺いをいたします。
 最近、私の地元葛飾区では、先月の台風十九号以来、まち中におけるアライグマの目撃情報が数多く寄せられております。私は、平成二十九年三月の環境・建設委員会の場で、区部における外来鳥獣対策の必要性の認識から、アライグマ、ハクビシンに対する取り組みについて質問をいたしました。
 そのとき、都は、防除対策に区市町村に参加するよう呼びかけを行い、計画に参加する区市町村をふやしてきているということをお伺いいたしました。平成二十四年度の四自治体をスタートに、質問した平成二十九年度には二十四自治体までふえたとの答弁でした。
 葛飾区は、都が防除事業を開始した平成二十四年度から取り組みに参加しております。その当時、葛飾区の担当者は、区内の被害現場に隣接区等の職員を招き、認識を共有するなどの努力をしてきました。そうした地元の地道な取り組みも、参加自治体をふやす要因になったのかなとも思います。
 そこでまず、都が進めるアライグマ、ハクビシン防除事業に参加している自治体数とその後の状況についてお伺いをいたします。

○近藤自然環境部長 都は、アライグマ、ハクビシン対策について、その基本方針となる防除実施計画を策定し、これに賛同する区市町村は、計画に名を連ね、連携して対策を進めております。
 この計画において区市町村は、主に捕獲を担う立場として位置づけられており、自治体数は現時点で三十七自治体となっております。まだ参加していない自治体に対しても、引き続き参加を呼びかけてまいります。

○舟坂委員 二年間、十三自治体がさらに参加したのは心強い限りであります。動物は行政区域など関係なく動き回るわけです。より多くの自治体の参加が望まれます。引き続き呼びかけていただきたいと思います。
 さて、都は、アライグマ、ハクビシン対策に関する調査もしていると思います。調査の内容や現時点で判明している結果についてお伺いをいたします。

○近藤自然環境部長 都は、アライグマ、ハクビシンの分布域の確認や、効率的な捕獲手法の検討を行うため、昨年度から、都の所有地でもある都立公園や緑地保全地域などでセンサーカメラ調査とモデル捕獲調査を実施しております。
 この結果、これまで生息が把握されていなかったエリアにおいてもその生息が確認され、都内の広範囲にわたり生息していることが考察されました。このほか、捕獲効率の高い箱わなの使用やその設置方法などについても判明いたしました。

○舟坂委員 都立公園でも調査しているとのことですが、葛飾区には水郷景観で人気の高い都立水元公園があります。地元の方々からは、水元公園、あるいは江戸川などの河川敷でよく見かけると伺っております。
 現時点で都は、調査をして区市町村にその情報を提供する立場と認識しておりますが、大規模な緑地の管理者として、アライグマ、ハクビシンに対する捕獲の取り組みも今後検討すべきだと考えます。ぜひ今後、施設管理者と調整していただき、対策を進めていただきたいと思います。
 次に、花の都プロジェクトについてお伺いをいたします。
 ラグビーワールドカップ二〇一九は、日本チームが決勝トーナメントに進む大活躍もあり、大いに盛り上がり、成功裏に終わったところです。今後、いよいよ東京二〇二〇大会に向け、世界中から訪れる多くの観光客や大会関係者の方々へおもてなしをする取り組みを一層推進していくことが重要です。
 こうした取り組みの一つとして、都では、一昨年度から花の都プロジェクトを実施しております。花による緑化に取り組む区市町村を都が支援するこのプロジェクトを通じて、東京を訪れる方々に美しい花でおもてなしをすることができます。
 一方、東京二〇二〇大会が実施される夏の時期に花を維持管理するためには、地域の協力を得るなど、維持管理の工夫が求められます。
 私の地元葛飾区では、真夏の花の維持管理の手間を減らすため、都立農産高校と地元企業などが、フラワーメリーゴーランドという自動散水が可能な立体花壇を考案し、亀有駅や金町駅前でも設置をし、好評を得ております。
 こうした取り組みが他の自治体でも実施されることで、大会におけるおもてなしにつながると思います。
 そこで、花の都プロジェクトのこれまでの取り組み、とりわけ今年度における取り組みと、これまでの成果を今後どのように生かしていくのかをお伺いいたします。

○近藤自然環境部長 東京二〇二〇大会に向け、区市町村が地域と連携して花と緑を創出する取り組みに対する補助を行うことで、花と緑があふれる都市環境の実現を目指す花の都プロジェクトには、これまで葛飾区、台東区、江東区が参画し、今年度は葛飾区のほか、新たに江戸川区、調布市が参画しました。
 本プロジェクトでは、維持管理が難しいとされる夏花に対し、地域住民と協働した水やりや自動散水装置の活用など、管理方法を工夫することで、夏を通じて花を維持できることが実証されております。
 今年度は、葛飾区内の都立高校や地元企業などが共同で開発した自動散水機能を有する立体花壇が調布市においても採用され、ラグビーワールドカップ二〇一九のパブリックビューイングの会場となった調布駅前に、立体花壇や大型花壇を設置する取り組みなどにより、来場者へのおもてなしが図られました。
 こうした成果を今後もシンポジウムを開催して広く共有するとともに、各区市のすぐれた取り組みを発信するなどして、花と緑あふれる都市東京の実現に向けた取り組みを進めてまいります。

○舟坂委員 美しい花でまちを飾る取り組みが特に大会の会場周辺で実施されることで、来場者の皆様へのおもてなしにつながると思います。
 また、このプロジェクトで得られた成果がシンポジウムなどを通じて発信され、オリンピック後、さらに力強く多くの自治体に広がることを期待して、質問を終わります。

○高倉委員 初めに、台風災害で発生をしました災害廃棄物の処理について質問をいたします。
 本年九月と十月に相次いで日本に上陸をしました台風十五号と十九号は、経験したことのない猛烈な暴風や大雨によりまして、全国で大きな被害をもたらしました。
 都内においても、お亡くなりになった方や負傷された方、また、住宅被害によりご不便な生活を強いられている方々がおられます。
 改めて、お亡くなりになられた方のご冥福をお祈りするとともに、全ての被災者の皆様に心からお見舞いを申し上げたいと思います。
 猛烈な暴風を伴いました台風十五号は、伊豆諸島を中心に多くの家屋の被害を発生させまして、住宅の全壊、半壊、一部損壊数は約千八百棟に迫るとのことであります。
 また、先月の台風十九号は、記録的な大雨によりまして、都内の多摩川流域で床上、床下浸水が千五百棟を超えるなど、甚大な被害を発生させています。
 こうした災害被害によりまして、被災地では大量の災害廃棄物が発生しております。被災者の皆様の生活再建を進め、早急な復旧、復興を実現するためには、被災者の皆様への支援に加えまして、被災地に残る災害廃棄物を速やかに処理することが重要であります。
 まず初めに、台風十五号と十九号によりまして、都内でどの程度の災害廃棄物が発生しているのか明らかにしていただきたいと思います。

○宮澤資源循環推進部長 台風十五号の暴風により、伊豆諸島の大島町、利島村、新島村、神津島村で家屋被害や倒木が確認されており、被害家屋数や現場の状況から発生が見込まれる災害廃棄物量は、現時点で約四万トンと推計しております。
 また、第十九号の記録的な大雨により、多摩川流域の世田谷区、大田区、調布市及び狛江市のほか、八王子市、あきる野市、青梅市で床上、床下浸水等が確認され、ぬれた家具や家電、畳などが災害廃棄物として排出されております。
 これまでに処理された廃棄物量と浸水家屋数から発生が見込まれる廃棄物量を合わせて、災害廃棄物量は現時点で約四千トンと推計しております。
 なお、災害廃棄物量は、その処理に伴い確定していくことから、今後、数字が変動する可能性がございます。

○高倉委員 台風十五号では約四万トン、そして、十九号では約四千トンという、今お話でありました。非常に大量な災害廃棄物が発生をしているわけであります。
 この災害廃棄物の処理では、住民からごみとして排出された初期段階からしっかりと分別を行っていくことが、その後の処理を円滑に進める上で極めて重要であるというふうに思います。
 東日本大震災の発災時においては、仙台市や茨城県大洗町では、災害廃棄物の仮置き場で徹底した分別を行った結果、適切に処理を進めることができたという、そうした事例もあるわけであります。
 そこで、災害廃棄物の処理における分別の意義や、今回の台風災害における都の分別に対する取り組みについてお伺いをしたいと思います。

○宮澤資源循環推進部長 災害廃棄物の処理において、早い段階から分別を行い、それぞれの廃棄物の特性に応じた有効利用や適正な処理方法を選択することで、その後の処理時間やコストの低減、リサイクル率の向上、埋立処分量の削減などにつなげることが期待できます。
 このため、都の災害廃棄物処理計画では、その基本方針の一つに、災害廃棄物の徹底した分別と選別を掲げております。
 こうした基本方針のもと、台風十五号の災害対応では、甚大な被害をもたらした新島村や大島町に環境局職員を派遣し、災害廃棄物の分別状況を把握するとともに、分別を徹底するための助言指導を実地で行いました。
 また、台風十九号の災害対応では、被害のあった区市町村に随時、分別状況を確認するとともに、必要に応じて職員を派遣し現地確認を行うなど、災害廃棄物の分別支援を行いました。

○高倉委員 今、ご答弁をいただきましたけれども、台風十五号、そして十九号においても必要な職員を派遣したということでありまして、適切な対応であったというふうに思います。
 被災した自治体では、通常の家庭ごみなどと並行しまして災害廃棄物を処理する必要があるために、追加的な財政負担が発生をするということになるわけであります。
 国では、災害廃棄物の処理を行う自治体に対しまして、国庫補助をする制度を用意しているというふうに聞いておりますけれども、こうした制度を十分に活用して、区市町村の財政負担を少しでも減らす取り組みや支援を行っていくということは大変重要であるというふうに思います。
 都は、災害廃棄物処理に取り組む自治体に対して、どのような支援を行っているのかについて答弁を求めたいと思います。

○宮澤資源循環推進部長 区市町村が国の補助制度を活用するためには、災害廃棄物の収集運搬から処理に至るまでの契約書類の作成を初め、廃棄物の適正処理の証拠となる現場写真、各種処理手続の妥当性を説明する資料の用意など、膨大な証拠資料の作成と整理を発災から約二カ月程度で行う必要がございます。
 こうした補助申請手続を円滑に行えるよう、都は、被災直後から区市町村に現場写真などの記録を残すように助言を行うとともに、今月十五日には、国の担当官を交えた区市町村担当者向けの補助金説明会を開催いたしました。
 今後とも、各区市町村が円滑に補助金の交付を受けられるよう、都は、国と綿密に調整を図ってまいります。

○高倉委員 今、ご答弁をいただきましたけれども、答弁をお聞きすると、各区市町村が国からの補助を受ける、このためにしっかりと支援をしているということでありました。
 それでは、東京都は一体どういう支援をしているのかと、こういったこともそこからまたお聞きをするようなことにもなってしまうわけでありますけれども、この国の国庫補助につきましては、地方交付税措置とあわせまして、処理費用の九割を負担すると、こういうふうになっているわけでありまして、これはしっかり国の補助を受けられるように都が支援をしていくと。これは大事な東京都の役目であるというふうにも思うわけであります。
 一方、東京二十三区の場合には不交付団体ということでありまして、市町村と同様の支援にはならない、こういうふうにも思うわけであります。ぜひこうしたことを踏まえて、都としても、よりきめ細かな目配りを都内の各自治体に対して行って、必要な支援をしっかりと行えるように取り組みをぜひお願いしておきたいと思います。
 これまでの質疑で、今回、都内の大量の災害廃棄物が発生してきたことを確認してまいりました。しかしながら、災害の規模が甚大な場合には、一自治体だけでは災害廃棄物を処理することが困難な事例もあり得ると思います。
 災害廃棄物の処理は、第一義的には区市町村の役割であるとは思いますけれども、一自治体では手に余るような大規模な災害が発生をした場合に、都としてどのような対応を行っていくのか、このことについて答弁を求めたいと思います。

○宮澤資源循環推進部長 災害で発生した廃棄物量が膨大な場合、一自治体のみでは処理が困難なケースも想定されます。
 平成二十五年に大島町で発生した土砂災害では、当初、災害廃棄物の推計量が通常時の約九年分の処理量に相当する約十一万トンに達したことから、地方自治法に基づき、災害廃棄物の処理事務の一部を都が受託し、都が島外における廃棄物処理を行いました。
 今回の台風災害では、発災後、各被災自治体と個別に協議をした結果、都に処理委託をする必要がないことを確認しておりますが、昨今の記録的な自然災害の発生状況に鑑みますと、災害廃棄物に関する各自治体の対応能力の向上は喫緊の課題でございます。
 都は、今後、各自治体で取り組んだ災害廃棄物の処理事例をまとめ、年度内に区市町村向けの研修会を開催するなどして、そのノウハウを広く共有し、各自治体における対応能力の向上を支援してまいります。

○高倉委員 今回の台風においては、発災後に各被災自治体と個別に協議をした結果、都に処理委託をする必要はないといったことを確認したというような、今、答弁でありました。
 いずれにしても、大変大きな、あるいは深刻な自然災害が頻発をする中で、都と区市町村が連携をして、速やかに災害廃棄物を処理するということは極めて重要なことであります。
 今回の台風十五号と十九号の災害を教訓にして、ぜひとも区市町村の災害対応力を強化する支援策を講じるとともに、都と区市町村との連携を深める取り組みをぜひ一層進めていただきたいというふうに思います。
 質疑の冒頭で申し上げましたとおり、台風十五号と十九号による被害は大変甚大でありまして、しかも、都内にとどまらず、全国規模で発生をしているわけであります。また、関東圏においても、風害、あるいは浸水被害といったものは、報道されているとおり大変に甚大なものでありました。
 今回の台風災害では、都自身も被災自治体ではありますけれども、他県に対して可能な限りの支援を行うといったことも首都東京の役割であるというふうに思います。東日本大震災のときにも、東北の被災地においては大変な震災の廃棄物が生じたわけでありますけれども、この処理も東京都がかなり支援を行ったといったことがありました。
 今回の台風災害における災害廃棄物処理において、都は他県にどのような支援を行ってきたか、このことについてお伺いしたいと思います。

○宮澤資源循環推進部長 都は、台風十五号、十九号による災害廃棄物の処理について、千葉県南房総市、茨城県常陸大宮市及び福島県に、これまで延べ二十七名の都環境局職員と東京都環境公社職員を派遣しており、常陸大宮市については、現在も派遣を継続中でございます。
 派遣先では、仮置き場の管理や処理施設への搬出調整、災害廃棄物の発生量の推計や処理計画の策定などの支援を実施しております。
 また、国などからの要請を受け、都内区市町村に対しましても、収集運搬車や職員の派遣を呼びかけ、これまで二十三区、七市が茨城県、栃木県、埼玉県、千葉県の各県内の被災自治体に対し支援を行っております。
 今後とも、被災自治体の状況や国からの要請を踏まえ、適切に支援を実施してまいります。

○高倉委員 積極的に職員を派遣してきたと。それから、都内の区市町村にも呼びかけて支援をしてきたということでありまして、これも本当に適切な対応であったというふうに思います。
 今、茨城県の常陸大宮市のお話がありましたけれども、実は私も常陸大宮市には行ってまいりました。あそこも河川の氾濫によって、流域においてかなり広範囲に浸水の被害があったと。私が実際行っていろんなことを見てきたり、あるいは教えてもらったりしました。
 例えば、仮設住宅をつくるに当たって、ムービングハウスというのがあるわけです。トレーラーの上に載っけられるような、しかも、中は木製で非常にいい雰囲気の住宅でありました。これを運んで、あいている市有地にどんどん置いていくだけでもう住宅ができる、こういったものも見てきたわけでありまして、大変迅速な取り組みであるなというふうに思ったわけであります。さまざまな形で、常陸大宮市に対しても都としての支援を行ったということで、私からも感謝申し上げたいというふうに思います。
 全国規模の災害が発生をした場合に、被災の軽微な近隣自治体が職員派遣等による支援を速やかに行っていくということは、災害廃棄物を円滑に処理する上で非常に重要なことであると思います。
 都は、東日本大震災や昨年の西日本豪雨災害などにおきましても、被災地支援を実施してきておりまして、災害廃棄物の処理に関するさまざまな経験とノウハウをこれまでにも蓄積してきたと思います。今後の支援に当たっても、そうして培った知見を十分に生かしていくということを期待いたしたいと思います。
 次に、自然公園についてお伺いをいたしたいと思います。
 都は、平成二十九年に、東京の自然公園ビジョンといったものを策定しまして、東京の自然公園が目指す三つの姿を明示いたしました。その一つとして、誰もが訪れ、誰もがかかわれ、誰からも理解される自然公園といったことを掲げているわけであります。
 私は登山愛好家の一人でありまして、そういった観点からも、かねてから都の自然環境施策、特に自然公園事業には注目をいたしまして、繰り返し質問もしてきたわけであります。
 自然公園を訪れる多くの観光客が安全・安心、快適に公園を利用して、今後、都民を初め、ますます多くの方に親しまれる自然公園にしていくには、まずはどのような人が訪れ、どのような利用のされ方をしているのか、現状を十分に把握していくことも重要であるというふうに思います。
 そこでまず、東京にある自然公園と、そこを訪れる観光客の状況についてお伺いをしたいと思います。

○近藤自然環境部長 都には、雲取山周辺の亜高山帯を含む秩父多摩甲斐国立公園、火山活動に由来した特徴的な自然環境、生態系を有する島しょ部を含む富士箱根伊豆国立公園、貴重な生態系を有し、世界自然遺産に登録された小笠原国立公園がございます。
 また、ミシュラン・グリーンガイドにも登録された明治の森高尾国定公園、里山景観が残されている六つの都立自然公園があり、多様で豊かな自然が広がっております。
 東京の自然公園には、年間約一千七百万人が訪れており、登山、ハイキング等の利用に加え、近年、トレイルランニングなど自然の楽しみ方の幅が広がるとともに、外国人旅行者が増加し、利用形態や利用者層の多様化が進んでおります。

○高倉委員 今、答弁の最初に雲取山というお話がありました。雲取山は東京の最高峰なんですね。実は二〇一七年だったと思いますが、たくさんの方が目指したんですね。私もぜひこの年にと思ったんですが、残念ながら機会を逸してしまったと。なぜかといいますと、二千十七というのは雲取山の標高なんですね。したがって、この年にかなりたくさんの方が登ったりもしたわけであります。
 今、答弁で、東京の自然公園、いろんな形での公園があるということですが、年間一千七百万人もの方が訪れていると。これは大変すごいことではないかなと思います。
 東京の、いわば市街地に住んでいると、なかなか自然ということを感じることがそう多くはないんですけれども、たまたまこの間、私、災害でもって、奥多摩、あるいは檜原村とか行きました。それから、もちろん海の方にも大変すばらしい自然があるんですけれども、本当に東京というところは、大変すばらしい自然が残っているなということを改めて実感をしたわけであります。
 この自然公園の利用形態、あるいは利用者層の多様化が進んでいるということでありますが、二〇二〇年の大会には、海外の方もより多く東京を訪れるわけであります。インバウンド対策の観点からも、外国人利用者への対応が大変重要であるというふうに思います。
 今お話ししました奥多摩の駅に行ったときに、実はかなり外国人の方が目につきました。非常に多くの方々が東京の自然豊かなところを訪れているんだと思います。外国人に向けて東京の自然公園の魅力を、どう発信しているのかについてお伺いをしたいと思います。

○近藤自然環境部長 自然公園の魅力をわかりやすく発信するため、平成三十年に自然公園ホームページを大幅リニューアルするとともに、近年増加している外国人利用者に向けて、英語版のホームページを新設いたしました。
 このホームページでは、四季折々の写真を多用し視覚に訴えるとともに、自然情報だけではなく、自然公園が広がる各地域の文化や伝統等を紹介しております。
 また、現場で外国人利用者に道案内や公園利用ルールの説明ができるよう、自然保護指導員、いわゆる東京都レンジャーへ今年度から英語の研修を開始しております。

○高倉委員 英語のホームページを新設された、そして、東京都レンジャーに対して英語の研修を始めたというような今お話がありました。ぜひ積極的に推進をしていただきたいと思います。英語にとどまらず、今かなりいろんな国の方が訪れておりますので、ぜひ多言語に関する取り組みといったことも、今後さらに進めていっていただければと思います。
 ミシュランのグリーンガイドに登録された高尾山や山岳信仰の御嶽神社がある御岳山などは、外国人にも人気が高いスポットであります。安全対策も含めまして、今私が申し上げたように、道標等の多言語表記といったことをしっかり進めていくべきであるというふうに思います。
 自然公園の中の、多言語の案内についての取り組みについてお伺いをしたいと思います。

○近藤自然環境部長 外国人利用者に向けて、主な案内板及び道標に英語を併記しております。また、高尾山ケーブルカーの清滝駅前広場と高尾山登山の出発点となる案内板については、英語のほか韓国語、中国語を併記するなどの多言語化の準備も進めております。
 平成三十年度には、外国人利用者に自然公園を気持ちよく安全に利用してもらうために、所要時間を記した登山ルートや、トイレ、休憩所の位置を示した自然公園利用ルールガイドの英語版を作成し、各ビジターセンターで配布するとともに、ホームページでダウンロードできるようにしております。

○高倉委員 韓国語や中国語といった今お話もありました。実際、登山などをしていると、韓国人の方や中国人の方は結構多いですよ。本当にしっかり進めていただければというふうに思います。
 それから、海外からの来訪者のお話を今ずっとしてきたわけですけれども、こういう方々だけではなくて、幅広い世代の方が自然公園を訪れて、快適に利用できるようにしていく、その中の大事な要素として、清潔な洋式トイレの整備、それからその維持管理はとても重要なんですね。
 本当に自然の中を歩いていたときに、やはりおトイレというのはどれだけ重要かというのは実感するわけですけれども、そのときにおトイレが非常にきれいであるというと、心も本当にすがすがしくなるわけでありまして、特に外国人の方々にとっては、トイレは当然洋式のような形をしているというふうに思っているわけで、それなのに入ってみたら和式だったりすると非常に、それもそれで何というか、いい思い出になるのかもしれませんが、やはり洋式のおトイレであるべきだと思うんですね。
 この自然公園の中の、トイレの改善といったことについて取り組みをお伺いしたいと思います。

○近藤自然環境部長 自然公園において水道管が布設されている等、水洗化が可能な場所として、屋内二十三カ所、屋外百十カ所を対象にトイレの洋式化を進めており、昨年度末までに屋内九一%、屋外七四%を洋式化済みでございます。
 今年度は、山のふるさと村キャンプ場等九カ所のトイレの洋式化を予定しており、来年度までに屋内一〇〇%、屋外八〇%の洋式化を実現予定でございます。

○高倉委員 かなり積極的に取り組んでいるということがわかりまして、引き続きよろしくお願いをしたいと思います。特に来年は二〇二〇大会が行われますので、よろしくお願いをしたいと思います。
 ことしは台風が直撃をしたわけでありまして、これは自然公園においても被害を受けたということでは例外ではないわけでありまして、特に多摩地域とか島しょ地域においては大変な被害があったわけであります。
 この台風によりまして、大変多くの倒木、あるいは土砂崩れといったことがあって、登山道とか、あるいは遊歩道といったようなところが実はかなり被害を受けているわけであります。
 東京の中でもかなりたくさんの、東京だけじゃなくて、もう世界的に見てもかなりたくさんの方が訪れる、例えば高尾山なんかを見ても、高尾山というのは行ったことがある人はわかるんですが、いろんな登るルートがあるんですよ。
 ところが、今回の台風でいろんなルートが、もうかなり被害を受けてしまって、当初、登れるところは、もうごくごく限られていたぐらいの状況になってしまったわけであります。
 その道は一体、じゃあ、どこが管理しているのかというと、東京都が管理している道もあれば、あるいは林野庁が管理をしているような、そういう道もあって、実は、私どもで奥多摩や檜原村に災害の際に現地に行ってさまざまな調査をしたときに、もちろん都道が崩れて直していただきたいとか、あるいは奥多摩みたいに全町的に断水をして、給水車がなかなか来ないので、給水車をもっとふやしてほしいとか、こういう要望を受けた。
 さらに、やはり観光といったものは、特に多摩のそういうところでは非常に重要であって、その際に、遊歩道や登山道や、あるいはもちろん林道なんかもそうなんですけれども、そういうところの被害によって、観光の面でも大変大きな影響を受けてしまいましたと、ぜひ一刻も早くこれは復旧をしていただきたい、こういうお話があったわけであります。
 そこで、台風十九号による自然公園内の登山道や遊歩道の被害状況と、復旧に対する取り組みについてお伺いをしたいと思います。

○近藤自然環境部長 ことしの台風十九号による多摩地域の自然公園における被害としては、登山道で多くの倒木、枝折れなどによる通行の支障が発生し、現在、奥多摩町日原雲取山線など、十の登山道が通行どめとなっております。登山道にアクセスする林道が寸断されていることもあり、被害状況の全容を把握するには、さらに時間がかかる見通しでございます。
 登山道、遊歩道のうち、利用者の多い被害箇所から優先的に復旧対応しているところであり、引き続き、被害の全容把握に努めるとともに、被害箇所について復旧工事の進め方などを検討しているところでございます。

○高倉委員 今、答弁で被害状況の全容を把握するにはさらに時間がかかると、こういう見通しのお話もありました。我々が車で行って、あるいは歩いたりして利用するような普通の道と違って、なかなか入っていきづらいようなところもあって、被害の全容の把握というのは本当に難しいと。このことについては十分理解をしております。
 その上で、先ほど申し上げましたように、地元の方々にとっては、特に観光の面での影響もとても大きいというようなことでありまして、ぜひ全容を一刻も早く把握するとともに、復旧についても取り組みを進めていただければと思います。
 特に公園の利用者は、登山のために行く方々も多いわけでありまして、どこのルートを通れば今登山が可能なのかとか、こういうようなお話もいただいているわけであります。
 そこで、自然公園内の危険箇所に関する情報提供はどう行っているのかについて答弁をいただきたいと思います。

○近藤自然環境部長 高尾、奥多摩、御岳、檜原地区に配置されておりますレンジャーが中心となって、各地域について計画的に各歩道や施設の状況を踏査、危険箇所の点検を行い、現地での通行どめ等の掲示を行っております。
 また、レンジャーが踏査し、把握した情報をビジターセンターと共有し、ホームページへの掲載や電話対応に活用し、安全な登山のための情報提供を行っております。
 なお、先ほどご指摘いただきました高尾山につきましては、今、全面通れるようになっております。

○高倉委員 次に、東京の自然史博物館についてお伺いしたいと思います。
 自然史博物館は、他県にはあるんですが東京にないんですね。したがって、私、何度か取り上げてきているわけですけれども、特にことしも予算特別委員会におきまして、自然史博物館の検討に当たって、都と大学や研究機関等との連携の有効性についてということで質問をしまして、局長から、大学等と連携をして、必要な情報の収集、分析、発信等についてさらなる検討を進めるといった大変力強い答弁をいただいたわけであります。
 今年度のここまでの検討結果も踏まえまして、東京にはない自然史博物館の設置に向けた自然環境情報の収集の取り組みについてご答弁をいただきたいと思います。

○近藤自然環境部長 東京の自然環境情報の収集に当たっては、大学等と連携することで、既存の蓄積のポテンシャルを十分に発揮させることが重要でございます。
 植物類、昆虫類について、首都大学東京等で一定程度の集積が図られていることから、各施設の得意分野を生かした自然環境情報の収集に向けて、今年度、大学や研究者等が集積する東京の立地特性を生かし、各大学等と連携に向けた調整を開始したところでございます。
 今後は、大学等と連携を強化し、情報の収集、分析、発信等についてさらなる検討を進めてまいります。

○高倉委員 自然環境情報の収集、分析、発信について、自然史博物館の実現を含めまして、さらなる検討をお願いしたいと思います。
 自然環境情報の発信に当たりましては、次世代を担う子供たちに興味を持ってもらい、東京の自然について理解をしてもらえるような工夫が重要であるというふうに思います。
 自然公園における子供向けの環境教育についての取り組みをお伺いしたいと思います。

○近藤自然環境部長 各ビジターセンターで指定管理者が創意工夫して、夏休みの親子向け自然教室など、子供たちを対象とするさまざまな環境教育を実施しております。
 例えば、奥多摩町の山のふるさと村では、小学生を対象にジュニアレンジャーに認定し、動物観察などの自然体験プログラムを行っております。
 また、神津島村の多幸湾公園ファミリーキャンプ場では、地元の郷土料理をつくったり、神津島の伝説や方言を使ったクイズ等をし、子供たちに島の伝統を伝える環境教育を行っております。
 平成三十年度には、自然公園ホームページの大幅なリニューアルに当たり、ウエブの利用を活用した自由研究に使える東京の自然公園図鑑を新設いたしました。親しみやすい絵を多用し、会話調の文体で動植物等を紹介し、子供の興味を引くよう工夫しております。
 引き続き、子ども向けの環境教育の取り組みを進めてまいります。

○高倉委員 それでは、最後に、都内の山々に広がる森林と、そこに生息をする野生鳥獣に関して質問をいたしたいと思います。
 東京は、亜高山帯の森林環境を有する都内最高峰の雲取山、豊かなブナ林の残る三頭山、あるいは冷温帯と暖温帯の境界に位置し、日本有数の豊かな自然を抱える高尾山とその周辺の山々など、都内の山の自然は驚くほど豊かであるというふうに私も感じてきたところであります。
 最近、山の自然が昔と大きく変わってきたのではないかと思います。例えば、雲取山の頂上付近では、昔、ヤナギランを初め、色とりどりの花々が楽しめたということがありましたけれども、最近は、同じ季節にマルバダケブキの黄色い花ばかりが目立つ状況であります。
 登山道を歩いていても、周りの斜面はブナなど高木層の下の中低木層が枯れていて、見通しがよくなっている、そういった状況が見られるわけであります。次世代の樹木が育っていない、森としては不安定な状況であります。
 これは、ニホンジカによる食害が大きな要因であるようであります。私は、野生動物については、保護の観点からの取り組みが大切であるというふうに考えておりますけれども、一方で、奥多摩町の住民からは、食害による影響が深刻だといったようなお話も聞いているわけであります。
 そこでまず、都内のニホンジカについて、生息状況とこれまでの取り組みについてお伺いしたいと思います。

○近藤自然環境部長 都内では、西多摩地域全域と八王子市内において、ニホンジカの生息を確認しております。鹿による食害は、農林業被害だけでなく、自然植生の喪失や土砂流出をもたらすものであり、都は、その生息数を管理するため、平成十七年度から市町村と連携し、その捕獲に取り組むとともに、モニタリング等の調査を実施しております。
 一方、平成二十九年度の調査では、ニホンジカの生息数は約三千頭と推定され、一貫して増加傾向でございます。また、その生息域は東側に拡大してきており、数年前から高尾・陣場地区にも鹿が目撃され、当該地区の貴重な自然環境への悪影響が懸念されております。

○高倉委員 これまでも対策をしてきたということでありますが、一方で、生息数は、いまだ増加をしていて、生息する地域も広がってきているという課題もあるということであります。
 市町村と連携をしてといった答弁でありましたけれども、鹿対策における都と市町村の役割分担についてお伺いしたいと思います。

○近藤自然環境部長 鹿対策を実施するに当たっては、自然環境保全審議会の答申を得て、第二種シカ管理計画を定めており、この計画には、関係局や関係市町村の参加を得ております。この計画に基づき、毎年、市町村別に捕獲目標頭数を定めるとともに、市町村の捕獲に対する支援を行い、対策を進めております。
 具体的には、檜原村など鹿対策を行う必要のある市町村では、地元猟友会などと連携して捕獲を実施し、都は、これら捕獲に対する水源林の保全や農林業被害防除の観点からの補助、あるいは鹿の生息状況や植生状況のモニタリング調査などを実施しております。

○高倉委員 現在の役割分担として、市町村が捕獲を担い、都はそれを支援するという体制で取り組んでいるというご答弁であったと思います。
 最近は、山の中よりも農地に鹿だけでなくイノシシや猿の発生も多く、その対応に追われているというふうにも聞いているわけであります。
 そうした状況のもとで、鹿対策に向けた市町村への支援といったことについて、今後の取り組みについてお伺いをしたいと思います。

○近藤自然環境部長 鹿対策を強化するには、捕獲を担う市町村や依頼を受けた猟友会が捕獲の効率性を高めることが有効であり、そのためには、鹿の生息状況などをより詳細に把握することが必要であります。
 そこで、これまでの広域的な生息状況調査に加え、例えば、捕獲すべき場所を絞り込めるよう、細かいレベルでの鹿の生息地点や被害状況の把握、その結果の地図化等の実施について検討してまいります。

○高倉委員 この質問の冒頭で、私は、野生動物については保護の観点が重要であるというふうに述べました。もちろん人間の暮らしへの影響を無視するわけにはいかず、適切な対処といったことは必要であります。
 自然には大変微妙な生態系といったものがあるわけであります。バランスのとれた生態系を維持するという視点はしっかりと保ちながら、取り組みを進めていただきたいと、私はこのように要望させていただきたいと思います。
 それから、東京の山林で懸念をされるのが、放置をされた人工林であります。東京の山の森は約六割が人工林であります。戦後、集落からも遠く離れた相当の山の奥まで、杉やヒノキの植林が進んだようでありますけれども、これらが今や放置をされまして、ひょろひょろとした樹木ばかりとなっております。
 地面には日が当たらずに、下層植生の生えない裸のような地面、裸地化した森林が増加しまして、土砂の流出や野生動物の生息環境の悪化などが進んでいるわけであります。放置された人工林については、しっかりとした対策をとるべきであるというふうに思います。
 そこで、都における放置された人工林についての取り組みについてご答弁をお願いしたいと思います。

○近藤自然環境部長 都では、土砂の流出防止や水源涵養等の公益的機能を回復させることを目的に、平成十四年度から手入れのおくれている人工林を対象に、多摩の森林再生事業を実施しております。
 具体的には、森林所有者と二十五年間の協定を締結し、協定期間中に二回間伐を実施しております。その作業は地元市町村に委託しております。
 事業開始から平成三十年度までの新規間伐の実績は約七千五百ヘクタールであり、平成二十六年度から開始となった二回目間伐は、平成三十年度末までに約二千三百ヘクタールに上っております。
 今後も、手入れのおくれている人工林の環境改善を図るため、森林再生事業を推進してまいります。

○高倉委員 水源の涵養といったようなことを思えば、広く都内全域に重要な事業であるというふうに思います。引き続き、着実に推進をしていただきたいと思います。
 次いで、放置された自然環境や生き物に関する課題認識としまして、ツキノワグマについて質問をしたいと思います。
 平成三十年の三月に、私ども都議会公明党の栗林議員が、東京の奥山の豊かな自然は、そこに生息する生き物とともに保全すべきであると、そういった考えのもと、ツキノワグマの頭数や捕獲数について質問をいたしたところでございます。
 そのとき、ツキノワグマの頭数等は正確に把握できていないので、その把握に努めていくといった答弁をいただいたわけであります。あれから一年半が経過をしております。ツキノワグマに関する取り組みの現状をきょうは確認いたしたいと思います。
 そこでまず、都内のツキノワグマにつきまして、生息状況と鳥獣保護管理行政における位置づけにつきまして答弁を求めたいと思います。

○近藤自然環境部長 都内に生息するツキノワグマは、関東山地地域個体群に属しており、都内では西多摩地域全域と八王子市内において、その生息について、目撃や痕跡の確認がなされております。
 ツキノワグマは繁殖力が低く、生息数が減少すると回復が非常に困難なことから、東京都レッドリストにおいては絶滅危惧の評価をしており、都の鳥獣保護行政の方向性を示す鳥獣保護管理事業計画においては、平成二十年度策定の第十次計画から、狩猟による捕獲を禁止しております。
 なお、平成三十年度、カメラトラップ法により調査を実施したものの、撮影できた識別可能な個体の頭数が生息数を推計するのに必要な規模に達しなかったため、現時点、生息数については把握するに至っておらず、学識者の助言を得ながら、引き続き調査を実施しているところでございます。

○高倉委員 今、答弁でツキノワグマは繁殖力が低い、したがって、生息数がどんどん減少していくと回復が難しいと、こういうお話がありました。したがって、絶滅が危惧される、そういう評価を受けている種類であります。
 したがって、生息数については、ぜひしっかり把握をしていただいて、その保護に取り組んでいただきたいというふうに思います。
 先日、全国的にツキノワグマの出没がふえているという報道がなされておりました。報道によれば、北陸では、柿の実を狙う熊も見られているということであります。都内でも、ことしは出没がふえているというふうに聞いておりまして、人身事故も発生をしているということであります。
 住民の安心や安全を考慮することは重要でありますが、捕獲、殺処分が多いと絶滅につながるのではないかという懸念があるわけであります。東京では、過去十年間で、実はこれは今、最も多い状況というふうになっているわけであります。
 近年の捕獲数の推移、それから熊との遭遇による人身事故の発生状況、それに比した今年度の状況について、都はどう認識されているのか、答弁を求めたいと思います。

○近藤自然環境部長 ツキノワグマの有害鳥獣としての捕獲、殺処分は、狩猟禁止とした平成二十年度以降、平成二十七年度の五頭を最大に、昨年度までの十一年間に累計二十頭となっております。
 また、ツキノワグマによる人身事故は、平成二十六年度と二十九年度に一回ずつ発生しております。
 一方、今年度は、十月末時点で既に十頭捕獲され、人身事故も二件となっており、例年になく捕獲の必要に迫られている状況にございます。

○高倉委員 今、答弁でいただきましたけれども、この十年の中ではことしは非常に多い。今、十月末時点での十頭というお話がありましたけれども、これは、済みません、その後の推移もしっかり把握していただきたいというふうに思います。もう少しふえているんではないかと私は思っております。
 私は、そもそも熊と人間の生活エリアが重なってきているのではないかというふうに考えております。最近は、過疎化や高齢化が進む中で、管理の行き届かない森や草地が集落のすぐそばで見られまして、その結果、熊が人家の周辺に出没しやすくなっているのではないかというふうに思います。
 今後、これ以上、殺処分が進まないように、地元自治体と連携をしながら対策を講じるとともに、生息数についてもしっかりと把握をし、次期鳥獣保護管理事業計画に反映すべきと考えますけれども、見解を求めます。

○近藤自然環境部長 ツキノワグマの地域個体群の維持のためには、有害鳥獣としての捕獲、殺処分を必要最低限にとどめる必要があり、そのためには、ツキノワグマの出没の抑制等の対策を実施することが有効でございます。
 このため、今年度、特に出没や殺処分が多い地域において、集落周辺の刈り払いによるバッファーゾーンの創出や電気柵の設置、見回りの強化といったツキノワグマが集落に出没しにくい環境づくりを、地元自治体と連携しながら実施しております。
 今後、生息数が把握できるよう調査方法の見直しを行い、第十三次鳥獣保護管理事業計画に反映できる科学的データの収集に努めてまいります。

○高倉委員 今、具体的な取り組みを説明していただきました。絶滅危惧が心配される東京のツキノワグマに対する取り組みにつきましては、私は多角的な取り組みといったことが必要であるというふうに思います。
 具体的には、一つは、人に対する被害防除対策であります。ことしは奥多摩町での熊の目的や被害が相次いでおりますけれども、原因は、熊の食料となる山の実りが凶作であるということも考えられまして、その結果として、熊が山から里へおりてくると、こういったことが想定されるわけであります。
 熊を引き寄せてしまう誘引物、例えば生ごみでありますとか、米ぬかでありますとか、あるいはペットフードのようなもの、こうしたものを民家の近くから除去していくこと。
 それから、先ほど答弁にもありましたけれども、電気柵ということについては、支援も含めて積極的に設置に取り組んでいくこと。
 それから、住民の方々にもこの除去対策についての周知をしっかりとしていくことが重要であると思います。そのために勉強会といったようなことも催していくことも必要ではないかと思います。
 もう一点は、絶滅防止の観点から、子連れの雌熊については、原則として捕殺をしないこと。これも必要ではないかと思います。
 もう一点は、ツキノワグマの違法捕獲が発生をしないように、捕獲許可権者である都の監視体制の強化や自治体への指導の徹底と、こういったことも重要であると思います。
 それから、先ほど山林の保全といったことについて質問をいたしましたけれども、自然の動物の食料の宝庫ともいえる自然林の創出や、あるいはその保全、こうしたことに対する積極的な取り組みが必要ではないかと思います。
 また、所管局は別になりますけれども、最近始まりました森林環境税とか森林環境譲与税の活用方策についても検討が必要であるというふうに思います。
 さらには、これは他府県でも行われていることでありますけれども、ツキノワグマの放獣、こういったことについても、ぜひ事例をよく研究していただいて、そして対応を検討していただければというふうに思っております。
 こうしたことについて、きょうは要望させていただきますけれども、ぜひ次期鳥獣保護管理事業計画策定に向けて、積極的な調査を進めるように要望しまして、質問を終わりたいと思います。

○細谷委員長 この際、議事の都合により、おおむね三十分間休憩いたします。
   午後五時四十九分休憩

   午後六時十九分開議

○細谷委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○原田委員 それでは、環境局事務事業質疑に当たりまして、私からはまず、仮称八王子スポーツパーク計画による自然環境保全問題について質問をさせていただきます。
 八王子市川町に、十五万平米の自然豊かな谷戸があります。谷戸とは、谷に戸口の戸と書き、丘陵地が侵食されて形成された谷状の地形を指します。小川が流れ、豊かな生態系が育まれるなど、比較的都心に近い場所でも、自然を身近に感じることのできる環境が残されています。
 しかし、これまでもこうした谷戸には大量の建設残土が持ち込まれ、環境破壊を引き起こし、時として大雨の際に崩落するなどの事故が起きています。行き場のない建設残土をビジネスとして無責任に受け入れ、ずさんな工事で埋め立てることが問題となってまいりました。
 当該計画も、大量の建設残土を埋め立て、できた土地にサッカー場を中心とした複合スポーツ施設を建設するとされる計画で、最初の住民説明会が行われたのは二〇一二年でした。実は、それ以前にはトラックターミナル建設が予定されていましたが、頓挫。その後に浮上したのが当該計画です。取ってつけたような計画変更に地域住民は不信感を募らせています。
 事務事業概要、東京の緑の現状において環境局は、丘陵地についてこう指摘しています。丘陵地の緑は、丘陵地公園などを核に連担し、森林や自然公園につながっているが、一方で、人口が密集した市街地に近接し、住宅開発や商業開発の最前線に位置しており、その保全が求められていると。
 そこでお聞きします。
 谷戸や雑木林は都心に近い貴重な自然環境ですが、事務事業概要が示すように、住宅開発や、商業開発の最前線に位置するため、保全の必要性が求められています。こうした緑地の保全について都の見解を求めます。

○近藤自然環境部長 丘陵地の緑は、丘陵地公園などを核に連担し、森林や自然公園などにつながっております。このため、自然の連続性を確保するよう残された自然地の保全、失われた自然の回復、再生、自然地の適正な管理、利用への誘導などを進めていく必要がございます。

○原田委員 残された自然地の保全、失われた自然の回復、再生が必要などなど答弁されました。
 環境保全と生物多様性の維持は、現在、国際的な問題であり、二〇一〇年、愛知県名古屋市で開催された第十回生物多様性条約締約国会議において、愛知目標が掲げられました。国際社会で二〇二〇年までに、来年ですね、実効性のある緊急行動を起こすことを求め、人類が自然と共生する世界を二〇五〇年までに実現することを目指しています。
 こうした国際的な機運が高まるもと、東京都は、平成二十四年に、緑施策の新展開―生物多様性の保全に向けた基本戦略を取りまとめました。そこでは、緑の量を確保する取り組みに加え、生物多様性の保全など、緑の質の確保にも重点を置いた取り組みを進めると宣言。さらには、緑施策の今後の展開と題して、諸外国の例を引いて、開発規制の強化をする必要があるとみずから指摘しています。
 その文章は振るっています。諸外国では、環境アセスメントの一環として、開発行為が生態系に与える影響を定量的に評価する手法(生態系評価手法)を用い、開発そのものの回避や、開発による緑の減少に対する代償措置を開発事業者に義務づける仕組みが存在している、こう紹介すると。
 さらに、今後、このような海外の先進的な取り組み事例の研究等を通じ、東京にふさわしい生態系評価手法を作成するとともに、将来的には、開発による緑の減少をより一層抑制し、開発が生態系に与える影響を緩和する新たな開発規制のあり方を検討していく、こう明確に記載しています。
 そこでお聞きしますが、緑施策の新展開、緑施策の今後の展開に示された海外の先進的な取り組み事例の研究は行われたんでしょうか。
 続けてお聞きしますが、東京にふさわしい生態系評価手法を作成するとともに、開発による緑の減少をより一層抑制し、開発行為が生態系に与える影響を緩和する新たな開発規制のあり方の検討というものは行われたのかお答えください。

○近藤自然環境部長 まず、海外の先進的な取り組み事例の研究でございますが、都では、平成二十三年度に、オーストラリア、アメリカなど、世界で活用されている主な生態系評価手法について調査を実施し、それぞれの手法の概要、メリット、デメリットなどについて整理いたしました。
 続きまして、その後の検討でございます。都は、市街地の緑化に際して、緑の質を定量的に評価する生態系評価手法の検討を進め、平成二十九年三月に、事業者が策定した緑化計画をみずから評価できる生態系に配慮した緑化評価ツールを作成し、公表しております。
   〔原田委員「緑施策の新展開は」と呼ぶ〕

○細谷委員長 委員長を通してください。

○近藤自然環境部長 失礼いたしました。緑施策の新展開では、開発による緑の減少をより一層抑制し、開発行為が生態系に与える影響を緩和する新たな開発規制のあり方について、将来的に検討していくとしております。

○原田委員 東京都は、平成二十三年度、オーストラリア、アメリカ等、世界で活用されている主な生態系評価手法について調査を実施していたと。この調査を行ってきたことは大事なんですが、これを行ったのは平成二十三年で、このアグレッシブな緑施策の新展開を発表したのは平成二十四年ですから、その後の調査というのは行われていないわけなんですよね。
 さらに、今後の取り組みというのの答弁をかみ砕きますと、東京都は、市街地の緑については検討し、対策を行ったと。ただし、よくよく聞いてみますと、これは大きなビルを建てる際などの緑化事業で、どんな植物をどう植えると生物多様性に寄与するよと教えてくれるツールなんであると。
 悪いことではないと思うんですけれども、そうなってくると、丘陵地や山間部の対策はどうなったんですかと、市街地の緑ばっかりではなくて。緑施策の新展開が示した生態系を守る新たな開発規制とは、私はこれは全く違うものだと思うんですよね。
 この新たな開発規制については、将来検討しようと思っているという答弁でした。この姿勢では、残された自然を守り、生物多様性を確保する喫緊の課題に対応できないと私は思うんですね。スピードを速めて、開発から生態系、自然環境を守る新たな開発規制について検討を求めたいと思います。
 スポーツパークの予定地である川町は大沢川の源流地帯で、清流によって非常に貴重な生態系が育まれている。その一つが蛍の存在です。
 東京ゲンジボタル研究所代表の古河義仁氏は、当該計画地には、ゲンジボタルとヘイケボタルが生息し、その二種が同時に光って飛ぶという珍しい現象を確認したことを東京都自然環境保全審議会への意見書において指摘しています。
 この二種は、生態の違いから、同じ地域にすむことはあっても、同時に飛ぶという現象が余りなくて、東京で写真に撮られた場所はここだけである、この谷戸の特殊な環境によるものではないかと同氏は推測しています。
 蛍の生育にはタニシやカワニナ等の豊富な餌と安定した川の流れと水質が重要ですが、豊かに広がる周辺の雑木林がそれを可能にしています。同氏は、スポーツパーク建設に伴い、蛍が絶滅するのは明らかだと厳しく計画を批判しています。
 ここでお聞きしますけれども、東京のレッドブックでは、ヘイケボタルはどのように位置づけられているかお聞かせください。

○近藤自然環境部長 今ご指摘いただきましたレッドリストというのは、東京における野生動植物の置かれた状況についての情報提供と、その適切な保護施策実施のための基礎資料でございます。
 本土部につきましては、東京区部、北多摩、南多摩、西多摩の四つの区分にし、地域ごとに評価しております。この地域、南多摩地域においては、ヘイケボタルは準絶滅危惧に指定されております。

○原田委員 ヘイケボタルは準絶滅危惧種に位置づけられているということです。私、四十四年間、生まれてこの方杉並で過ごしてまいりまして、ホタルが光って舞うという現象は、率直にいって余り見たことがないというか、見たことがありません。
 ゲンジボタルとて都会に住む者にとってはとても貴重な存在なんですよね。それが八王子といった近場で見られるというのは、私も驚きでした。その環境が失われることを私はとても問題と感じています。
 この谷戸は蛍だけでありません。そのほかにも事業区内の大径木は十二種百八本を確認。注目種とされている植物、鳥類、爬虫類、昆虫、魚類、底生動物は六十九種を確認。その他周辺区域には千七百種を超える動植物が生息していることが報告されています。こうした自然環境が背景となって、食物連鎖の頂点に立つ猛禽類、オオタカの生息が周辺で確認をされています。
 スポーツパーク計画は、まさにこの谷戸に膨大な量の建設残土を投入するわけです。埋め立てそのものが問題だと思いますが、埋め立てがしっかり行われなければ、さまざまな深刻な被害を引き起こします。そのためにも、東京における自然の保護と回復に関する条例、いわゆる自然保護条例を持ち、開発に許可を与える東京都環境局は、事業計画について厳しく審査することが求められています。
 しかし、そのためにも、現状の開発許可について拡充強化することが必要になっていると私は考えるんですね。というのも、残土の埋め立てという点では、一昨年、同じ八王子市内の上川町戸沢峠の残土処分場で、台風二十一号の降雨により盛り土が崩落。一万立方メートルの土砂が都道六一号線を塞ぎ、五十七日間にわたって通行どめとなったという大変な事件が発生しました。
 この残土処分場に対して、二〇〇五年に盛り土造成行為を許可したのが環境局です。しかし、二〇〇八年、許可して三年後には、事業者は所在不明となり、工事が中断、盛り土はしっ放し、一昨年の事故につながりました。さらに、現地に二万立米もの残土が積まれておりまして、崩落の危険があることから、東京都は、つかまらなくなった事業者のかわりに、何と四億円程度の費用をかけて撤去していると聞いています。大変重大な問題なわけです。八王子市内には、許可されながらも工事が終了していないこうした処分場が九カ所あり、そのうち六カ所が中断している工事です。
 ここから反省と教訓、対策をくみ出すことが求められています。環境局は、一昨年の戸沢峠の谷戸の埋立土砂崩落事故を受けて、どのような認識を持ち、対策をとっていくおつもりですか。

○近藤自然環境部長 自然保護条例の開発許可制度では、残土処分場を設置する際、都市計画法等が適用されず、条例のみの適用となる場合がございます。その場合に、土砂災害未然防止等に十分対応できないことが課題であると認識しております。
 既に開発許可の基準を土砂災害未然防止等の観点で見直すため、十月、自然環境保全審議会へ諮問し、検討を開始したところでございます。

○原田委員 開発許可制度には土砂災害未然防止に十分に対応できない部分がある、そのため、開発許可の基準の見直しを始めたんだと、自然環境保全審議会へ諮問、検討を開始したという大事な答弁がありました。
 昨日、深夜遅くに資料をいただきましたが、開発許可を自然の保護と回復のみならず、災害の未然防止という角度からも強化するため、自然保護条例の施行規則における許可基準を見直そうという資料を昨夜になって手渡されました。
 改めてお伺いしますが、この見直しは、戸沢峠の土砂崩落事故を一つのきっかけにしているということでよろしいですか。

○近藤自然環境部長 この諮問につきましては、きっかけとなったのは、今ご指摘のありました美山の残土の崩落がきっかけとなっております。

○原田委員 この見直しというのの資料は昨夜もらったものです。細かくて見えないとは思いますけれども、切り土、盛り土、一メートルを超える行為。擁壁や堰堤、排水施設、雨水浸透施設。これが現行法では、適正な設置、被害が生じるおそれがないという漠然とした規則だったんですけれども、今度の規則の改正の案としては、構造計算、実験により、転倒、基礎の滑り等がないことを確認、擁壁裏の排水をよくするための措置など、事業者の盛り土について、切り土について、堰堤など設備の設置について、かなり細かく、厳しく指摘をする改正となっています。
 これは極めて重要なんですよね。私もこの質問をやっていて、一体なぜいろんなやりとりがほぼほぼ終わった後にこれが出てきたのかというふうにいいたくなったんですけれども、部長。
 さらに、極めて重大な改正があります。これまでは見ることができなかった事業者の、申請者の資力、財力ですね、それから信用、工事施工者の能力、これがあるかも、これから自然保護条例の枠にはめて、自然保護条例の中で見ていくんだと。これは歓迎すべき重要な改正になるわけです。もっと何で早く渡さなかったんだとずっと愚痴をいっていてもしようがないんで、先に進みますけれども、歓迎すべき改正ですから。
 改めてですけれども、戸沢峠の事故、残土処分場をつくる際に、都市計画法等が適用されず、自然保護条例のみの適用となる場合に、土砂災害を未然防止できなかった事例の典型ですから、今度の諮問は、この事故を受けてのことだということがわかりますし、今、部長からもそうだと答弁がありました。
 そこでお尋ねしますけれども、自然環境保全審議会計画部会に出された改正案では、地盤改良、切り土、盛り土、擁壁、排水施設、雨水浸透の基準の強化、これらは開発の技術的な部分にかかわる基準の強化なんですけれども、今回これにとどまらず、新たに申請者の資力と信用、工事施工者の能力ということも加えようという提案が行われています。
 申請者の資力と信用、工事施工者の能力という二つを加えた背景と狙いについて、改めてお答えください。

○近藤自然環境部長 先ほどご指摘いただきましたように、都市計画法等にはそういった記述がございました。今回、都市計画法令等を参考に、現行の規定を見直しているものでございます。

○原田委員 ここにこうやって加えられたのを改めてもう一回聞きたいんですけれども、環境保全であるとか、切り土、盛り土工事であるとか、そういうのをやる際に、結局、途中で逃げられちゃっていたわけですよね、この間、事業者とかに。事業者がいなくなったりしていたと。
 そういう際に、結局、この事業者が継続的に環境保全であるとか、あるいは切り土、盛り土工をしっかりした工事を行って、工事が終わった後も環境を破壊しない、事故を起こさない、そういうことができる能力を持っている事業者なのかというのを事前に知るために、事業者の、申請者の資力と信用、施工能力というのを今回の改正に入れたということでいいんですよね。

○近藤自然環境部長 今ご指摘いただいた点につきまして、諮問の中で今後審議していただくものの例示としてお示ししたということでございます。

○原田委員 もう少しちょっと後でお話を聞きたいと思います。
 やっぱりこういうものをまとめて諮問したというのは、申請者の資力と信用、工事施工者の能力が土砂災害の未然防止、すなわち工事を安定的に完了させるため、ひいては戸沢峠の件のように、工事を完了させないまま事業者が逃げ出してしまうことを防ぐことにつながっていくからにほかならないのではないのかということを聞いたんですけど、こう聞けばちゃんと出るのかしら。改めてちょっと聞かせてください。

○近藤自然環境部長 先ほどお話ししたように、今後の審議していただく中身の例としてお示ししたものでございます。

○原田委員 否定はなさらなかったということだけは確認したいと思います。
 一昨年十一月の環境・建設委員会で、我が党の河野ゆりえ委員が、戸沢峠の崩落事故を受けて、安全性を担保するためには、より厳しい許可基準が必要だと指摘したところ、都は、工事途中で事業者が現場を放棄するといった不適切な行為を防ぐための対策についても検討してまいります、こう答弁しました。非常に重要な答弁だと思うんですね。
 工事途中で事業者が現場を放棄するということを防ぐための検討は一体どうなっているのかと。また、申請者の資力と信用、工事施工者の能力という二つを加えたことは、工事途中で事業者が現場を放棄するのを防止することにかかわるのかと聞いたわけなんですけれども、今の答弁が繰り返されるということなので、改めてちょっとやりとりを今後もしていきたいと思っています。
 私は、申請者の資力や信用、工事施工者の能力という観点を開発許可の基準に盛り込もうとしている以上、八王子スポーツパークの案件についても、自然環境保全審議会の規制部会において、ぜひこのような観点から徹底した審議と検討を求めるものです。
 さらには、申請者の資力や信用、能力という点では、土砂災害に関連する工事にかかわる部分だけでなく、工事完了後も引き続き自然を保護していくための資力や信用、能力について、規制基準を強化する、また、許可の際には徹底的に審査することが今切実に求められていると思うんですね。
 というのも、スポーツパークの計画では、工事の費用という点でも、工事後の自然を維持、保護していくという点でも、事業の運営管理費用という点でも、当該計画がかけられている東京都自然環境保全審議会の規制部会において、これで大丈夫なのかという意見が委員の大多数から出されている状況だからなんです。
 以下は八王子スポーツパークについての規制部会の生々しいやりとりなんですけれども、ちょっと時間をかけますが、工事費用という点では、建設費が七億七千万円かかるにもかかわらず、残土の受け入れで入ってくる収入はここには充てられないため、八王子市から残土のお金でこの後の建設に回すなんていうのはあっちゃいけないよと指摘をされているため、残土の受け入れで入ってくる収入はここには充てられないため、自己資金でスポーツパーク建設について賄うとしているわけです。
 ところが、委員から、一般常識に考えて理解しがたい部分があるとまでいわれています。さらには、スポーツパーク開業後は、最大で年間一千百万円の赤字が出る計画で、それを事業者がサポートする、つまり補填するという慈善事業のような形式をとっていることにも委員から、そういう赤字前提の事業は成立しないように思うといわれているわけです。
 この問題が自然の保護と回復という点からなぜ大事かというと、この赤字が払えなければ、自然環境保全に係る費用というものも結局担保されない、環境保全がきちんとされないということにつながっているからなんです。委員の方は大変心配されています。
 さらには、自然環境保全費用についても、二年目以降は年間百万円となっているんですけれども、部会長から、自分が教鞭をとっているキャンパスの植栽でも年間三千万円かけているのに、スポーツパークの場合、十五ヘクタールの敷地の半分以上が緑地なのに、たった百万円、これで十分なのかと指摘をされています。
 また、ほかの委員からも、単なるスポーツ施設ののり面をつくればよいだけではなく、生態空間を管理するための維持管理費が必要になっているのに、この金額で足りるんですかと。
 さらには、FIFA、国際サッカー連盟のスペックでのサッカー場にするといっている割には、維持管理費が非常に少な過ぎる、需要予測が余りにも甘い、お客さんがいっぱい来るんだというんですけれども、率直にいって非難ごうごうという感じです。
 ですから、部会長は、我々全体として、この維持管理費、本当に大丈夫なのかというのはある。恐らく皆さん懸念されていると思う。収入の方もオーバーぎみ、つまり甘く見ている感じだし、管理の方も、支出の方も少なぎみと出てしまっていると指摘し、持続的に環境を管理していただくために、それをしっかりさせることが必要だ、そういっているわけです。
 私は、スポーツパークの案件は、こうした重大な問題が発生しており、規制部会の皆さんには、問題のある計画には許可をおろさないように引き続き頑張っていただきたいと。その際には、基準の改正の方向性も踏まえた、今回の見直しの方向性も踏まえた観点も入れて、しっかりと審議していただきたいなと思っています。
 あわせて、こうした事態が現に都内の開発案件で生じていることを考えますと、開発許可の基準については、工事における施工者の資力や能力を加えるだけでなく、工事完了後の自然保全の資力や能力についてもぜひ加えていただくよう強く要望するものです。
 事務局である東京都も、この規制部会の中でこう語っています。今回の案件は非常に大規模だから、通常は工事が終わってから一年後にどうなっているか確かめれば終わるところを、その後の維持管理も重要だということから、部会に資料を出すよう求めたといっています。また、維持管理費が適切かどうかについても、東京都に事例がないか検討したいといっています。
 ですから、こういう要素、大規模な開発が継続的に維持管理できるのか、そのための費用が適切に計上されているのか、これがしっかりと審査できる仕組みをつくり上げていただきたいと重ねて申し上げます。
 さて、自然保護条例にかかわっては、我が党都議団は、二〇一六年の環境・建設委員会におきまして、保全緑地の公有化について、その重要性を指摘し、施策の拡充を求めてまいりました。公有地化に当たっては、土地所有者の意向というのがまず大事ですので、予算をつけたところで公有地化の実績がふえるものでもないと思いますが、保全地域の指定をふやしていくことこそ、公有地化を進める基礎となります。
 今回、大変貴重な自然環境が確認された大沢川源流地域など、この谷戸など、新たな保全地域の指定に専門家の指摘や地権者の了解のもと、指定地域をふやしていっていただきたいと考えますが、いかがかお答えください。

○近藤自然環境部長 都は、自然保護条例に基づき、都内に残された貴重な自然地の保護と回復を図るため、保全地域の指定をしております。保全地域として指定されると、建物、その他工作物の建築等が制限されるため、指定に当たっては、あらかじめ土地所有者の同意を得ることが必要でございます。
 また、関係区市町村の長及び東京都自然環境保全審議会の意見を聞くことも必要であります。
 さらに、保全地域に指定された土地の所有者から土地の買い入れの申し出があった場合、自然保護条例に基づき、都は当該土地を買い入れることとなるため、予算の確保も必要となってまいります。

○原田委員 事業概要にも、都内に残された貴重な自然地の保護と回復を図るためとうたっているんですから、保全地域の拡大に向けて環境局が積極的に行動し、ひいては保全地域の公有化が進んでいかれるよう求めます。
 このたび、自然保護条例の重要かつ前向きな見直しが自然環境保全審議会に諮問されていることが昨夜わかりました。いち早く改定に進んでいただくよう求めるものですが、緑施策の新展開が目指すような開発による環境破壊を抑制する、あるいは開発そのものを回避する新たな開発規制は待ったなしの段階であり、愛知目標のスタート地点である二〇二〇年、来年ですね、この年をどのような体制で東京都が臨むのか、環境局の手腕にかかっているといって過言ではありません。
 環境行政の発展、時として開発抑制に本腰を入れた他局への説得など、局長を初め職員の皆さんのご努力に大いなる期待を申し上げて、この項の質問を終わります。
 それでは、次に、阿佐ヶ谷北東地区計画における希少猛禽類、ツミの保護及び保存樹林の保全についてお聞きします。
 JR阿佐ケ谷駅前に一ヘクタールを超える敷地を有し、まとまりのある樹林帯を誇るのが、通称ケヤキ屋敷です。JRの高架からは生い茂った木々の先端部が見えると思います。
 この樹林は、杉並区が、区民が選ぶ後世に残したい杉並の屋敷林として評価し、緑地保全方針に基づいて保全地区に指定し、さらに、杉並区が指定する貴重木が二本も含まれる樹林を保存樹林に指定してきました。また、数百年に及ぶといわれる昔から、お屋敷と樹林をたたえた歴史と景観が、ちょうど今から百年前の一八一九年、大正八年に東京都の旧跡にも指定されました。まさに杉並が全都に誇る屋敷林であります。
 都心のJR駅前に一ヘクタールを超える屋敷林が存在することは、その価値を日々高めるものとなってきています。その維持には並々ならぬ地権者のご努力があったであろうことを思うと、私も区民の一人として感謝申し上げるものであります。
 ところが、このケヤキ屋敷を含む周辺四ヘクタールの地区計画素案が発表され、杉並区民の大きな話題となっています。しかも提出者が、この地域を保全地区に指定し、保存樹林として環境保護を訴えてきた杉並区自身であるということに驚きとともに怒りの声が区民から湧き上がっているわけです。
 計画素案に基づけば、当該計画地に現存する百二十七本もの大径木は、計画で保存予定約四十本へと激減。現在七割もの緑被率であるケヤキ屋敷を中心とした地域は、緑化率二五%と同様に激減。開発計画による深刻な環境破壊にほかなりません。
 東京都は、自然保護条例に基づく開発の手引において、開発許可申請に当たっては、既存樹木等の保護検討を課しています。これは大事なんですね。これは、要件を満たす既存樹木等が生育する場合は、中略、行為地にそのまま残すこと、または行為地内で移植を検討し、既存樹木等保護検討書を許可申請書に添付する必要、こう定める高いレベルでの保護を求めています。大変重要な規定なんです。
 そこでお聞きします。
 開発の手引に示された既存樹木等の保護検討の手続を必要とされる要件を満たす既存樹木等に当該計画地の樹林は該当するか、都の見解を示してください。

○近藤自然環境部長 現時点で許可申請がされていないため、当該地域の開発計画の詳細な内容は把握しておりません。

○原田委員 まだ杉並区から申請が来ていないんでわからないんだというんですけれども、一般論であれば答えられるわけですよね。都市の美観風致を維持するための樹木の保存に関する法律に準じて、区が条例をその他規定で保存樹林等に指定している樹木等であれば、既存樹木等の保護検討の対象になりますよね、部長。

○近藤自然環境部長 区市町村が条例、要綱その他で規定する保存樹木または保護樹林、その他これらに類するものの指定基準を満たすものである場合には、自然保護条例における既存樹木等の保護検討が必要となります。

○原田委員 そうなれば、要件を満たす既存樹木等にこの阿佐ヶ谷のケヤキ屋敷の樹林帯は該当しますので、行為地にそのまま残すこと、または行為地内での移植を検討し、既存樹木等保護検討書を許可申請書に添付する必要が求められていくということになります。
 少しだけ気になる基準についてお聞きしますけれども、既存樹林等の残地または移植が困難な場合は、既存樹林等保護検討書に困難である理由を記載する必要があるとありますが、その理由がどのようなものであっても、記載されさえすれば許されちゃうなんていうことにはならないでしょうね。

○近藤自然環境部長 既存樹木等の保護検討に当たっては、開発許可の申請者は、既存樹木等の残置または行為地での移植を行うことが困難である場合には、既存樹木等保護検討書に困難である理由を記載する必要がございます。
 一般的に都では、開発許可の申請者に対し、専門家の意見を踏まえた合理的な理由の記載を求めております。

○原田委員 この計画では、先ほどもいったように、大幅な樹木の伐採等が計画をされています。七〇%、七割以上の緑被率が二五%の緑化率というところにまで下げられてしまうと。
 これがやむを得ないんだということをこの事業者が、杉並区ですけれども、計画を出してきた場合に、ただし、何でもかんでも東京都はそれを受け入れるわけではなくて、書いたらそのまま受け入れるわけではなくて、専門家の意見を踏まえた合理的な理由が必要になるんだと、これは非常に重要だと思います。
 さらに、例えば希少な猛禽類がいた場合は、猛禽類にとってのその樹木の意義も専門家の意見が必要になると私は考えます。この点でのしっかりとした指導を環境局からはお願い申し上げたいと思います。
 さて、阿佐ヶ谷北東地区計画の計画地内で、希少猛禽類のツミが発見され、話題となっています。既に事業者は東京都に相談し、環境局に相談し、調査を三度実施し、いずれもツミの生息を確認。ツミの営巣木も特定されています。
 まず、ツミという猛禽類の希少性について、環境省が示すカテゴリーに基づいて、都のレッドリストではどのように位置づけているのかお答えください。

○近藤自然環境部長 猛禽類のツミは、都のレッドリストでは、当該計画地が含まれる区部地域において絶滅危惧ⅠA類に指定されております。絶滅危惧ⅠA類は、ごく近い将来における野生での絶滅の危険性が極めて高いものでございます。
 なお、全国的な生息状況で評価する環境省のレッドリストでは、絶滅のおそれのある種には指定されておりません。

○原田委員 全国的な森の奥深いところに行けばいるかもしれないけれども、このような都心で、都会で、東京都の山間部でもそうなんですけれども、絶滅危惧種とされているという極めて珍しい猛禽類なわけですね。
 東京都では、先ほど答弁がありましたように、ごく近い将来における野生での絶滅の危険性が極めて高い。極めて重い位置づけを独自にしてまいりました。
 一つがいのツミがひなを育てるのに、合計三百五十四羽の小鳥が必要になるのだそうです。逆にいえば、それだけの小鳥がこの地域に生息しているから、その個体数を育む自然環境がその地域に備わっているから、ツミが暮らすことができたということなんですよね。
 二〇一〇年、愛知目標によって生物多様性の機運が高まる中、二〇一二年、環境省が示した猛禽類保護の進め方という文書では、これは重要でございまして、東京都は開発の手引でも、この猛禽類保護の進め方を対応の基礎と位置づけています。
 この中で、我が国に生息する猛禽類は、その多くが生態系において食物連鎖の頂点に位置する肉食動物であるため、もともと固体数が少ないが、これに加えて、近年の環境改変や環境汚染等により減少しつつある種が多い、そのため多くの猛禽類がレッドリストに掲載されていると指摘しています。
 そして、食物連鎖の頂点に位置する猛禽類の持続的な生息を可能にするためには、多様な食物資源が安定的に供給される豊かな生物多様性が確保される必要があることから、猛禽類の個体や個体群に加えて、猛禽類その一匹を大事にするだけではなくて、それらの生息環境が一体となった体系的な保護管理対策を早急に確立する必要があると、こう指摘するんですね。非常に大事な文章だと思います。
 そこでお聞きします。
 希少猛禽類が生息、育成している地域が開発されるとき、今回の件です、開発の手引における事業計画では、どのような範囲を保全対象とし、原則どのような制限がかかるのかお示しください。

○近藤自然環境部長 開発許可の手引では、開発行為地が希少猛禽類の生息地またはその周辺である場合や、そのおそれがある場合、原則として国が策定した猛禽類保護の進め方等により、希少猛禽類の生息に関する調査及び解析を行うことを求めております。
 オオタカ以外の希少猛禽類については、猛禽類保護の進め方にあるとおり、猛禽類の専門家の意見を聞いて、営巣中心域及びその周辺の区域の判断を行うよう指導しております。
 生息状況の調査を踏まえ、保全策を検討した上で、営巣中心区域においては、土地の造成や樹木の伐採を原則として行わないよう配慮した事業計画の策定などを求めております。

○原田委員 お答えいただいたように、営巣中心域とされる区域内での土地の造成や樹木の伐採は原則として行わないこと、こうはっきりうたっているわけですね。大変重要な規定なわけです。
 手引では、なおと断りをつけた上で、調査に基づく営巣中心域が設定されない場合は、営巣木から半径三百五十メートルを営巣中心域とみなすという記述もあります。この規定を用いるならば、このケヤキ屋敷の樹木のほとんどが伐採されてはならないような範囲に入ることになります。
 都会の建物の間に残った樹林帯に生息する猛禽類にとっては、どのような措置を講じたとしても、広大な森林の中の猛禽類の営巣区域と違って、都会の中の、その樹林の伐採というのは重大な影響を及ぼすことが明らかなわけですよ。
 都会において極めて貴重なこの生態系を守るため、こうした地域での森林の開発は、私は避ける必要があると考えますけれども、都の認識を伺います。

○近藤自然環境部長 調査の結果、猛禽類の生息に重大な影響がないことが明らかなときは、土地の造成や樹木の伐採を行う場合もございます。

○原田委員 都会の建物の間に残った樹林帯に生息する猛禽類にとっては、本当にその樹林帯というのが物すごい大事な場所になってくるわけですよね。こうした地域での森林の開発は、私は避ける必要があるんじゃないかとお聞きしたわけです。
 開発の手引で紹介している猛禽類保護の進め方改訂版では、営巣中心域について、こう書いています。この区域においては、住宅、工場、鉄塔等の建造物、道路の建設、森林の開発は避ける必要があると。原則的には避ける必要があるんだとはっきり書いてあるわけですね。
 ですから、環境局としても、のべつ幕なしにどうぞどうぞではなくて、基本的にはこういう都心部の開発行為、猛禽類がいるような営巣中心域については、開発は避けるべきだという姿勢はあるんでしょうねと聞いたんですけれども、もう一度お答えください。

○近藤自然環境部長 繰り返しになりますが、調査の結果、猛禽類の生息に重大な影響がないことが明らかなときは、土地の造成や樹木の伐採を行う場合もございます。(原田委員「避けるべきだとはどうですかと聞いたんですけれども、避ける必要があるのではないですかという答弁に答えていません」と呼ぶ)その場合も今の答弁と同じでございます。

○原田委員 皆さんが開発の手引というもので、これに準じて猛禽類の保護については対応しなさいといっている、国が示した猛禽類保護の進め方に、基本的に避けるべきだと、こういう地域での、猛禽類が営巣中心域をなしている地域での伐採は、あるいは住宅の建設などは避けるべきだといっているんですけれども、この観点は東京都も一緒ですよねと聞いているんです。それは答えられますよね。

○近藤自然環境部長 一般論としてではありますが、開発を行う場合には、適切な保全措置として、回避や低減、あるいは代償措置を講ずることが必要でございます。

○原田委員 わかりました。自然保護条例は、残された自然を守るとともに、失われた自然を回復させることをうたっています。まさにこの地域は、昔はツミだってオオタカだって杉並にはいたんですよ。それがどんどんといなくなって失われていた、そこにツミが戻ってきてくれた。失われた自然が回復している貴重な地域なんです。しかも、これがJRの駅前ですよ。
 ところが、阿佐ヶ谷北東地区計画素案は、営巣中心域での大量の樹木伐採、工事による騒音、景観の改変などが前提となる計画です。およそ開発と自然保護の両立などできるはずがない内容となっている。失われた自然が回復しているものを根こそぎ奪っていくような計画です。
 都として、やはりこの問題をはっきりと事業者に示すべきだと思うんです。私は撤回を迫るよう求めますけれども、せめて伐採もあり得るなんて今みたいな姿勢ではなくて、避けるべきだというぐらいの勢いがなくて、どうやって愛知目標を達成することができるんですか。
 自然保護条例の強化方針が本日初めて当委員会で示されたことは重要です。残された自然環境を守り、失われた自然を回復させる本気の取り組みと受けとめます。
 しかし、愛知目標が定めた生物多様性の急激な損壊に対抗する強力な体制がつくられているとは現時点ではいえません。環境局みずからが定めた緑施策の新展開が目指す、開発から自然環境と生物多様性を守る新たな開発規制など、これは待ったなしの課題に、局長を初め職員の皆さんが努力されますよう心から期待して、質問を終わります。

○もり委員 東京都環境局の事務事業について質問させていただきます。
 近年、大型台風や自然災害が多発、激甚化しており、気候変動、地球温暖化による影響が深刻さを増しております。
 三・一一以降、二〇二二年までに原発ゼロを掲げるドイツでは、再生可能エネルギーは、二〇〇〇年に六%であったものが二〇一八年には再生可能エネルギーが四〇%と、過去最大となっています。
 日本全体の約一割の電力を消費するエネルギーの大消費地である東京都が再生可能エネルギーによる地産地消を進めることは大きな意義があります。都の地産地消型再生可能エネルギー導入拡大事業について、せっかくよい制度があるのに十分に活用されていないことは大変もったいないと、昨年の一般質問において、第三者所有モデルでの設置を要望させていただきました。
 FIT制度によらない自家消費型の再生可能エネルギーの普及拡大は、災害対策の観点からもとても有効だと考えます。昨年九月より、第三者所有モデルでの設置も補助対象となり、今年度から補助上限の引き上げも行われました。現在の事業の実績と取り組み状況をお伺いいたします。

○小川地球環境エネルギー部長 委員お話しのとおり、事業者の負担軽減や取り組み意欲向上の観点から、補助対象や補助率の見直しを行ってまいりました。これにより、見直し前の二年間の補助申請件数は合計十五件、申請額は約六千万円でございましたが、昨年度は一年間で十八件、約一・一億円となりました。
 今年度は、補助申請及び申請に向けた事前相談について、現時点で二十四件受け付けており、申請見込み額は約五億円でございます。

○もり委員 ありがとうございます。大変実績が伸びているという状況を確認させていただきました。
 本事業は、二〇一六年から二〇一九年度の四カ年事業の最終年となっております。東京の再生可能エネルギーによる地産地消の推進に向けて、事業のさらなる継続が求められると考えます。東京ソーラー屋根台帳による発電効率の見える化事業との連携も期待され、この事業の継続を要望し、次の質問に移ります。
 東京都では、再生可能エネルギーの利用拡大を目的として、太陽光や風力などの自然からの電力の購入を希望する家庭等を募る再生可能エネルギーグループ購入促進モデル事業を開始いたします。マンション、集合住宅等、自宅への太陽光発電はさまざまな理由でハードルがある場合でも、家庭から自然由来の電気の利用を促す国内初の事業として期待をされます。
 東京都は、再生可能エネルギーの利用割合を二〇三〇年に三〇%とする目標を掲げております。ぜひ東京都としてロードマップを描き、目標達成に向けて具体的な取り組みが求められます。
 そこで、この取り組みが、二〇三〇年目標の達成に向けた後押しとなることを期待するものですが、取り組みの意義や特徴についてお伺いをいたします。

○小川地球環境エネルギー部長 再生可能エネルギーグループ購入促進モデル事業は、太陽光や風力発電などを三〇%以上含む再エネ電気を利用したいと考える家庭や個人事業者を募り、多くの参加を得て、購買力を高め、お得な電気代で再エネ電気の利用を促していこうとするものでございます。
 この取り組みの特徴は、一つ目に、先ほど述べましたように、多くの参加者が集まることで、よりお得に再エネ電気が利用できること。二つ目に、電力会社が提案する最も安い電力メニューが運営事業者から提示されることで、都民等はどの再エネ電気がよいか、みずから調べ選ぶ必要がないこと。三つ目に、再エネ電気を利用することで、地球環境に貢献できることでございます。
 この事業を契機として、都民など、需要側から再エネ電気の利用の裾野を広げながら、再エネ電力の供給拡大にもつなげてまいります。

○もり委員 利用者が多いほどお得になるということで、ぜひ多くの都民の方に利用していただきたいと考えます。
 また、先ほど局長の、他の委員のご答弁にもあったように、世界の気候変動はかつて経験したことのないレベルまでリスクが増大し、待ったなしの状況があります。相次ぐ台風被害や森林火災等、既に人命や生き物の生存を脅かす危機的な状況があります。
 パリ協定のもとで先進国の多くが二〇三〇年までに石炭火力発電所の廃止を掲げ、本年三月には、環境省も石炭火力発電の新設に関する環境アセスメントの厳格化の新方針を打ち出しました。国際的にもCO2排出量の多い石炭火力発電への逆風が強まる中、日本においては石炭火力発電所の新規増設が進んでおり、撤回された計画もありますが、二〇一六年以降、少なくても二十八基の計画が進行中か既に稼働を始めており、世界と逆行するような現状は見直されるべきであると考えます。
 今回、都がこの事業をスタートすることで、多くの都民の再生可能エネルギー利用の意識を高めることで、電力会社に対しても、発電における再生可能エネルギー割合のさらなる転換を促す好機となることを強く期待しております。
 CO2削減は喫緊の課題です。
 そこで、東京都におけるCO2削減の取り組みについてお伺いをいたします。
 東京都は、二〇三〇年までに二〇〇〇年度比三〇%削減を目標に掲げておりますが、二〇一七年度で二〇〇〇年度比四・二%増加している現状があり、部門別には、運輸部門で四四%と大きく減少している一方で、産業部門で九・三%の増加、家庭部門では三三%増加と大きく増加をしております。家庭部門のCO2削減に向けた都としての意識の啓発と、自治体における具体策への働きかけも求められます。
 そこで、家庭部門の住宅のCO2削減についてお伺いをいたします。
 ゼロエミッション住宅の推進に対しては、新築住宅に対して助成事業が開始をされました。住宅そのものの省エネ化を進める事業として期待をされます。
 申請受け付けが十月より始まりましたが、第一回の申し込み状況はどのようになっているかお伺いをいたします。

○小川地球環境エネルギー部長 新築省エネ住宅導入への補助事業でございます東京ゼロエミ住宅導入促進事業におきましては、今年度は全四回の募集期間を設け、各回予算枠の範囲内で助成金交付申請を行うことができる者を決定することとしております。
 第一回目の募集は十月一日から七日まで行い、四億三千八百八十万円の予算枠に対し、八百四十三件で合計約八億四千六百万円の応募がございました。書類不備等のあった案件を除いて抽せんを行った結果、四百三十一件を助成金交付申請を行うことができる者として決定いたしたところでございます。

○もり委員 予算額の約二倍もの申請があったということで、大変都民の関心の高さがうかがえます。加えて、今既にある既存住宅への省エネ化の推進に向けた取り組みも重要であると考えます。現在の取り組み状況をお伺いいたします。

○小川地球環境エネルギー部長 住宅の内外で熱の出入りが大きい箇所は窓などの開口部であり、夏の冷房時には約七割が開口部を通じて熱の出入りが発生しているとされております。
 そのため、都内の既存住宅において、内窓の取りつけなど、高断熱窓への改修を行う場合に、経費の一部を補助する事業を平成二十九年度から実施しております。事業期間は三年であり、この間の補助想定規模三万三千戸に対し、令和元年十月末までの合計申請件数は二万一千五百八十九件となっております。
 今後も、都民や関連する事業者などへの周知を図りながら、着実な事業運営を実施してまいります。

○もり委員 ありがとうございます。大変いい制度だと考えますので、より多くの都民に利用していただけるように、推進をよろしくお願いいたします。
 都としてのSDGsの推進についてお伺いをいたします。
 二〇一五年九月の国連総会で採択された持続可能な開発目標、いわゆるSDGsでは、貧困を撲滅し、持続可能な世界を実現するために、十七のゴールが設定をされました。食品ロスについては目標十二、持続可能な消費と生産パターンを確保するにおいて、二〇三〇年までに小売、消費レベルにおける世界全体の一人当たりの食品の廃棄を半減させ、収穫後損失などの生産、サプライチェーンにおける食料の損失を減少させると示されており、食品ロスの削減は世界的な課題となっております。
 こうした状況の中、東京都では、二〇三〇年度までに食品ロスを半減する目標を掲げ、食品ロス削減東京方式の策定に向け、現在、東京都食品ロス削減パートナーシップ会議において検討が行われております。流通、小売、メーカー、家庭と、それぞれの段階において、食品ロスを生み出さない仕組みづくりが求められます。
 都は、会議での議論を踏まえ、食品ロスを生み出さない手法等について事業者等から意見を聴取するなど、現状把握等に努めながら、着実に取り組みを進めてきたと思いますが、食品ロスの削減に向けた都のこれまでの取り組み状況についてお伺いをいたします。

○宮澤資源循環推進部長 都は、食品ロスの削減に向けて、事業者や消費者等から成る東京都食品ロス削減パートナーシップ会議において、賞味期限の長い加工食品や、外食産業における食品ロスの削減策等について議論を重ねてまいりました。
 また、事業者と連携して、スマートフォンのアプリの活用による賞味期限等が間近の商品の購入促進を図るエコバイや、気象情報等を用いた食品の需要予測等の実証事業を実施してまいりました。
 さらに、より多くの人々が食品ロスの削減に向き合うきっかけとするため、これまで都内各地でキャンペーンを開催しており、今年度も十月下旬から十一月下旬にかけまして、都内六カ所のショッピングモールでイベントを開催し、食品ロスの削減に向けた都民や事業者の皆様の積極的な行動を呼びかけました。

○もり委員 ありがとうございます。AIを活用したり、スマートフォンのアプリですとか、大変期待をされると感じました。
 食品ロスを削減する上では、まずは発生抑制に努めることが重要ですが、それでも一定数の食品ロスが発生をしてしまいます。こうした食べられずに廃棄される未利用食品に関して、市場局や事業者等とも連携をしながら、規格外野菜の学校給食や都庁食堂、未利用品のフードバンクへの寄附など、食品ロスを防ぎ、有効活用を促すよう、必要とされる機関とのマッチングを促す施策が求められます。
 都においても、賞味期限の近づいた防災備蓄食品のロスを防ぐなど、未利用食品の削減を徹底するべきだと考えます。防災備蓄食品の有効活用に向けたこれまでの都の取り組みについてお伺いをいたします。

○宮澤資源循環推進部長 都は、防災備蓄食品の有効活用に向けて、平成二十八、二十九の二カ年度にわたって、買いかえの必要のある賞味期限間近の防災備蓄食品を有効活用するモデル事業を実施いたしました。
 具体的には、社会福祉団体への寄贈や、イベント等において食品ロスの削減を呼びかけながら、直接都民へ配布することなどによりまして、防災備蓄食品の有効活用を図りました。
 今後、都及び区市町村が保有する防災備蓄食品の在庫状況等を把握し、必要な団体との間で有効活用を図る仕組みの構築を目指すなど、さらなる食品ロスの削減に向けて取り組んでまいります。

○もり委員 ありがとうございます。ぜひそういった防災備蓄食品の有効活用を徹底していただき、引き続き、食品ロスの削減に向けて積極的に取り組んでいただくことを期待して、次の質問に移ります。
 緑豊かな環境都市東京の実現に向けた都の取り組みについてお伺いをいたします。
 都は、緑の総量を減らさない目標を掲げていますが、東京都全体のみどり率は五二・五%ですが、区部のみのみどり率は二四・二%と、平成二十五年の調査から減少をしています。区部では、相続等により農地や屋敷林などの地域の緑が年々姿を消しております。
 建築確認等、開発に一定量の緑を守るルールはありますが、実際には、歴史ある地域の森が大型マンション開発により姿を消すことの歯どめにはなっておりません。都市の緑を守り、ふやしていくためには、多くの都民が緑への親しみや大切さを実感し、行動に移していく、都民参加型の緑化の推進が重要であると考えます。
 環境局は、自然環境保護の機運醸成を目的とした花と緑の東京募金を実施していますが、その意義や実績と今後の取り組みについてお伺いをいたします。

○近藤自然環境部長 都では、都民や民間事業者の協力を得ながら、花と緑あふれる都市東京を実現するため、平成二十八年度から、花と緑の東京募金を行っており、現在までに約四千四百万円の募金をお寄せいただいております。
 寄せられた募金は、都民とかかわりの深い次の四つの緑化推進事業に充当しております。東京を花と緑で彩り、まちを訪れる人をおもてなしする花と緑のおもてなし、子供たちが芝生に触れることを通じて、自然環境学習にも活用できる校庭の芝生化、保全地域での自然体験活動や保全活動で利用する用具を購入し、都民が自然に触れ、守る取り組みを推進する緑をまもる人材育成、そして、多摩地域の杉、ヒノキ林を花粉の少ない杉等に植えかえ、花粉症の原因となる花粉を抑制する花粉の少ない森づくりでございます。
 今後とも、花と緑の東京募金を通じて、東京の自然を守り、育て、親しむ機運の醸成を図ってまいります。

○もり委員 ありがとうございます。これまでに四千四百万円の募金が集まり、都民の皆さんにとっての緑化に活用していただいていることがわかりました。一方で、東京都においては、本来都民に使われるべき税がふるさと納税によって都外へ流出している現状もあります。そういった受け皿としても、都民に政策メニューを示して、基金や募金につなげていただくような取り組みは必要だと考えております。
 また、都として、自治体における住民参加型の緑地を保全するためのトラストや緑化ファンド等、失われていく民有地の緑、都市の緑を保全するための支援策を講じることを要望し、次の質問に移ります。
 ユニバーサルデザインタクシーについてお伺いをいたします。
 今、都内で見かける機会が急速にふえてきたユニバーサルデザインタクシーは、環境性能が高く、CO2排出は旧来のタクシーに比べ、二分の一とのことです。また、車椅子のまま乗車できる、環境にも人にも優しい移動手段といわれています。
 しかし、昨年ごろから、このタクシーに乗車しようとした車椅子の方が乗車拒否に遭ったとの報道を目にするようになりました。環境局では、このUDタクシーに対する補助事業を行っておりますが、局として、この問題の改善にどのように取り組んでいくかお伺いをいたします。

○筧環境改善部長 都は、車椅子利用者に対する乗車拒否問題を受けて、今年度の補助申請受け付けより、タクシー乗務員が車椅子の方の乗車に適切に対応できるよう、ユニバーサルドライバー研修の受講等、実車を用いた研修の実施を義務づけております。
 また、先般行われた各種団体からの東京都予算に対する知事ヒアリングの場におきまして、知事から直接、タクシー事業者の業界団体に対して、車椅子の方に対する乗車拒否が発生しないよう要請しております。
 今後、改めて業界団体に、乗務員の意識向上や車椅子利用者の乗降円滑化のための訓練充実などを要望するとともに、業界とも連携して乗車拒否がなくなるよう取り組んでまいります。

○もり委員 この問題に対して、タクシードライバーの方にも声を聞いてきたんですけれども、導入当初はスロープの設置に二十分ほどの時間を要したということですが、現在はスロープも改良され、五分に短縮されるようにまで改善をされたとも伺いました。
 また、知事からも直接改善が求められたということで、引き続き、こうした乗車拒否の問題が起こらないように、局としても働きかけを行っていただきたいと要望をいたします。
 次に、海ごみ問題について質問させていただきます。
 日本は海に囲まれた海洋国家であり、海からさまざまな恵みを受けてまいりました。しかし、近年、世界の海で海ごみが問題となっております。
 自然界に放出されたプラスチックは、割れて破片となり、ナノ粒子になっても分解されることがなく、何世紀にもわたって環境を汚染し続けるともいわれております。沿岸の海鳥や海洋生物が誤食し命を落とすなど、深刻な影響を与えております。
 本年六月のG20大阪サミットにおいて、二〇五〇年までに海洋プラスチックによる新たな汚染をゼロにする大阪ブルー・オーシャン・ビジョンが国際的に合意されるなど、海ごみに関する取り組みが世界全体で進められようとしております。
 こうした中、東京都環境局では、都民への普及啓発の一環として、海ごみを減らすために私たちにできることという子供たち向けの冊子をつくっていただいております。私も拝見させていただきましたが、子供たちの環境意識を高めるとてもよい資料であると感じました。
 ぜひ、学校教育とも連携しながら、教育現場においても環境学習の教材として活用していただきたいと考えますが、ご見解をお願いいたします。

○宮澤資源循環推進部長 海ごみは、まちじゅうの散乱ごみが河川等を通じて海に流入したものに由来することから、子供たちに海ごみが身近な問題であるとの気づきを与え、ポイ捨ての禁止など、具体的な行動につながる普及啓発は重要でございます。
 都は今年度、教育庁の協力を得ながら、海ごみ問題に関する子供向けパンフレットを作成するとともに、教育現場での活用に向け、区市教育委員会の連絡会議の場で、その利用方法等の周知を図ってまいりました。
 また、今月十五日には、教育庁が主催し、公立小中学校の教員が参加した環境教育フォーラムに環境局が出展し、子供向けパンフレットの周知を初め、海ごみ問題の動画紹介などを行い、教育現場での活用を働きかけたところでございます。
 今後とも、教育関連部署との連携を深めまして、海ごみに関する環境教育を進めてまいります。

○もり委員 ぜひ、子供たちへの環境教育というのは大変重要だと考えますので、教育部局とも連携をしていただきながら、海ごみ拾いのアクションの実施なども連携をして進めていただきたいと考えます。よろしくお願いいたします。
 最後に、土壌汚染対策制度についてお伺いをいたします。
 土壌汚染に関する都民の関心は高いと感じており、特に土壌汚染情報の公開制度の充実については、知事と我が党が情報公開を政策の一丁目一番地としている中で、重要な政策であると考えます。
 土壌汚染対策法に基づき確認された土壌汚染情報については、本年五月に運用を開始した区域指定台帳の公開システムにより、ホームページで情報公開が行われているとのことですが、その公開システムの運用状況についてお伺いをいたします。

○志村環境改善技術担当部長 土壌汚染対策法に基づく要措置区域等の土壌汚染情報公開システムは、本年五月十五日より運用を開始いたしまして、これまでに区域の指定や解除がなされた土地に関する約千件の台帳について、ホームページでの検索、閲覧が可能となっております。
 土壌汚染情報公開システムのこれまでの利用実績は、本年十月末までの合計で延べ四千二百人、月平均にいたしますと約七百七十人の方々にシステムをご利用いただいており、台帳の閲覧件数は合計で三万五千件、月平均で約六千四百件となっております。

○もり委員 五月から運用を開始して既に三万五千件を超えているということで、大変多くの方に利用いただいていると感じました。
 本年四月に施行された改正環境確保条例では、条例の台帳の公開についても規定を整備したとのことでしたが、都におけるこれまでの公開の状況と今後の展開についてお伺いをいたします。

○志村環境改善技術担当部長 環境確保条例に基づく土壌汚染情報につきましては、改正条例が施行された本年四月以降に都に調査結果が報告され、汚染ありと評価された案件について、台帳の作成を行っておりまして、本年十月末時点で約二十件の台帳を窓口での閲覧に供しております。
 今後は、環境確保条例に基づく台帳につきましても、土壌汚染対策法の台帳と同様にホームページ上での検索、閲覧が可能となるよう検討を進めているところでございます。

○もり委員 多くの実績があり、都民サービスが向上したことは大いに評価いたします。引き続き、条例改正の趣旨を踏まえ、積極的な情報公開を進めるよう要望し、質問を終えます。ありがとうございます。

○滝田委員 大分皆さんお疲れだと思うんですけど、あと二人ですので、おつき合いいただければというふうに思います。
 事務事業質疑ですので、最初に、具体的な質問に入る前に、私の考え方を少し述べさせていただきたいなというふうに思います。
 東京の長期的な目指す姿ということが、長期ビジョンの議論もありますので、いろいろ議論になっておりますけれども、環境分野においてということを考えると、私としては三つ方向性があるかなというふうに思っておりまして、一つは、やはりきょうもたくさん議論が出ておりますけれども、ゼロエミッション都市をどうやって実現するかというふうに思います。五月のU20メイヤーズ・サミットにおきまして、二〇五〇年に東京のCO2排出量ゼロと、ちょっと少し言葉はあれかもしれませんけれども、目指すということを知事が示したということは画期的な一歩ということでもあります。
 気候変動に対してどうやって取り組んでいくのかということにつきまして、この大きな目標を掲げましたので、施策の強化、具体化ということを進めていかなければいけないというふうに思います。
 二つ目ですけれども、少しこれも私なりの言葉になってしまいますが、成長戦略として環境政策をやっていくということの必要性があるというふうに考えておりまして、特にエネルギー分野に関しては、太陽光を中心にしまして再生可能エネルギーの発電コストというのは近年大きく下がっているというふうに認識をしておりまして、火力などのほかの発電コストに比べましても、再生可能エネルギーの方が経済的に合理性があるという段階というのも現実的になってきたのかなというふうに思っております。
 より一層、普及であったりとかコストダウンを追求して、再生可能エネルギーの方がコスト的にも優位であるという状況をいかにつくり出していくのかということが本当に現実的に求められてきているというふうに考えております。
 三つ目ですけれども、世界の都市間競争という文脈におきまして、競争力のある魅力的な都市環境をどうやって形成していくのかということも重要であるというふうに考えております。
 今月二〇一九年版が出たということではあるんですけれども、二〇一八年の森記念財団の世界の都市競争力ランキングによりますと、東京の順位といいますのは、環境分野は実は二十九位だったんですね。分野別では唯一トップテンに入っていないというのが環境分野でありまして、二〇一九年は二十三位に上がったということなんですが、世界の主要都市というものは、それぞれ人々を引きつける都市環境の形成に力を入れておりまして、そうした意味での競争力のある都市環境、これは持続可能性というだけではなくて、水であったり、緑であったり、大気であったりということの形成について考えていかなければいけないということを長期的な考え方に当たっては、環境局と関係各局において検討すべきではないかということを、まず私の考えとして最初に述べさせていただきたいと思います。
 こうした観点から、本日は、それぞれのテーマにつきまして質問していきたいというふうに考えております。
 まず、先ほどもお話ししましたけれども、本年五月に東京で開催されましたU20メイヤーズ・サミットにおきまして、二〇五〇年にCO2実質ゼロに貢献するゼロエミッション東京を実現すると、小池都知事が非常に高い目標を示されました。この野心的な目標に対しまして、持続的な社会を構築していく上で、東京が日本だけではなくて世界を牽引していくという強い決意であるというふうに受けとめております。
 この大目標について実現性を高め、具体化をしていくことこそが重要であるということはいうまでもありません。分野別に施策、政策目標を体系化して、あるいは二〇三〇年、中間目標を設定するなど、達成段階を整理するということが必要であるというふうに考えます。
 つきましては、二〇五〇年のゼロエミッション東京を目指す上で、今後どのように取り組んでいくのか、方針を伺いたいと思います。

○若林環境政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 都は、ゼロエミッション東京の実現に向けまして、省エネルギー、再生可能エネルギーの活用により、CO2排出量の最小化を目指すとともに、自動車環境対策や資源循環など、あらゆる分野の取り組みを気候変動対策に位置づけ、社会全体の脱炭素化に向けた取り組みを進めております。
 また、今ご指摘のとおり、二〇五〇年に向けましては、二〇三〇年というのは重要なステップでございます。二〇三〇年に向けた新たな目標を設定し、具体的な対策を推進してまいります。
 具体的に申しますと、早急に取り組むべき課題として、まず、プラスチック対策に関しましては、容器包装プラスチック等のリサイクルを拡大し、二〇三〇年までに家庭や大規模オフィスビルから排出されるプラスチック廃棄物の焼却量を四割削減する目標を設定いたしました。
 また、ゼロエミッションビークル、ZEVにつきましては、二〇三〇年に都内新車販売台数の五割をZEV化することを目標に掲げ、必要な充電インフラにつきましても、二〇三〇年までに都内に急速充電器数を一千基にすることを目指してまいります。
 こうした具体的な目標設定と、そしてそれを実現させるための具体的な施策を、年末にゼロエミッション東京戦略として取りまとめてまいります。

○滝田委員 年内にゼロエミッション東京戦略として取りまとめをしていくということでございますので、期待をするとともに注目をしていきたいというふうに思います。
 これは二〇三〇年の中間目標とはいっても、かなり長期でありますので、その中身、あるいは、さらに短期的にどうやって取り組んでいくのかということについても、今後さまざまな場面で質疑などの機会もあるというふうに思います。これにつきましては、局の皆様、あるいはこの議会の中でブラッシュアップをしていければというふうに考えておりますので、よろしくお願いいたします。
 先ほどの答弁の中にも資源循環分野について答弁がありましたけれども、プラスチック廃棄物の焼却の削減などにも目標設定をして取り組まれるということでございました。
 本日、桐山都議、あるいは里吉副委員長の方でも、一般廃棄物の焼却をどうやって減らしていくのかということについて、かなり詳しく質問がありました。廃棄物そのものの削減、再利用の取り組みというのはぜひとも強化をして進めていくように私からも要望しておきたいというふうに思いますが、一方で、廃棄物を減らしていくにしましても、相当量の焼却というのが発生し続けるだろうというふうに思われますので、焼却灰等の一般廃棄物の最終処分量の方をどう削減するのかという観点について、次に質問していきたいというふうに思います。
 平成二十九年度の都内の一般廃棄物の最終処分量を改めて見てみますと、多摩地域が千四百三十六トンであるのに対しまして、二十三区は三十三万八千トンということであります。多摩と区部の人口比は約二倍というふうにいわれていますけれども、一般廃棄物の最終処分量で見ると、二百三十六倍の処分量ということで、とんでもなく差があるというふうになっております。
 このことについては、先ほども桐山都議もかなりいっておりましたけれども、ある種の多摩と区部の格差が生じているということになります。
 多摩地域については、埋立処分地に限りがあるということで、平成十八年より焼却灰のエコセメント化施設を稼働しまして、最終処分量を大きく減らしてきたというふうに理解をしております。
 一方で、二十三区の最終処分場は、中央防波堤外側埋立処分場と新海面処分場がございますけれども、ごみの最終処分だけではなくて、土砂の埋め立て等にも使用しているということであります。
 この貴重な処分場をできる限り長く使用していくということは重要でありますし、先ほど一番最初に質問しましたけれども、何よりもゼロエミッション東京、持続可能な循環型の都市を構築していくということでありますので、一般廃棄物の最終処分を埋め立てに頼るということではなくて、再資源化していくということが必要ではないかというふうに思います。
 ゼロエミッション東京の実現に向けまして、二十三区においても抜本的に最終処分量を減らすということを都及び一部事務組合の方で連携して検討すべきではないかということを問題提起いたします。
 ついては、まず、多摩地域の一般廃棄物の最終処分について、エコセメント化に至った経緯と事業概要について伺いたいと思います。

○風祭調整担当部長 多摩の二十五市一町で構成される東京たま広域資源循環組合は、昭和五十九年から谷戸沢廃棄物広域処分場において、可燃ごみの焼却灰や破砕した不燃ごみ等の埋め立てを行ってまいりましたが、平成十年に埋め立てを終了し、同年から二ツ塚廃棄物広域処分場で埋め立てを行っております。
 この処分場に続く最終処分場の確保は極めて困難であることから、同組合は、焼却灰の資源化が可能なエコセメント化施設を平成十八年から本格稼働させました。このエコセメント化施設は、二ツ塚廃棄物広域処分場に設置されまして、焼却灰を日平均で約三百トン処理できる能力を有しておりまして、組合の構成団体のごみ焼却施設から排出される焼却灰を受け入れております。

○滝田委員 実は、私も含めまして、都民ファーストの会の東京都議団、多摩地域選出議員で、昨年にエコセメント化の施設を見学させていただきました。非常に巨大な施設でありまして、処分場全体が五十九ヘクタールあるうちの約四・六ヘクタールを使ってエコセメント化の施設があるということでありますが、稼働当初から比べますと、先ほど質疑もありましたけれども、ごみの排出自体を減らしているということで、持ち込み量は減っているんですけれども、今、年間八万トン程度を処理しているということのようです。
 施設稼働に当たりましては、地域の皆様に本当に多大なご協力をいただいているというふうに聞いておりますし、現状はほとんど埋め立てが発生せず、新たな用地確保の心配というのはかなり減ったという状況であるという理解をしています。
 次に、二十三区の一般廃棄物の最終処分については、これまで取り組んでいる処分量の削減努力と現在進めている資源化の計画について伺いたいというふうに思います。

○風祭調整担当部長 二十三区で発生する一般廃棄物の焼却灰は、東京二十三区清掃一部事務組合において溶融処理を進めてまいりましたが、東日本大震災に伴う電力需給の逼迫やCO2の排出削減の観点から、平成二十五年度から一般的な土木建築資材である普通ポルトランドセメントの原料として資源化する実証事業を開始いたしました。
 平成二十七年度からは、民間のセメント工場でのセメント化を本格実施し、焼却灰の資源化量を年々ふやしていく計画と聞いております。

○滝田委員 ありがとうございます。処分量全体が三十四万トンというふうに私としては数字を認識しておりまして、別の一部事務組合の資料を見させていただきますと、四万トン程度の資源化を行っていくというように理解をしておりますので、規模感としてはそれぐらいの規模感であるということで、取り組みは前進しているということは大いに評価するべきだというふうに思いますけれども、まだまだ道半ばかなというような状況かと理解をしております。
 また、二十三区におきましては、エコセメント化施設のように自前の施設ではなくて、民間のセメント事業者において原料化をしているというふうに聞いておりまして、これも直近年度の予算によると、約十九億円の事業費が計上されているというような費用的な規模感だという理解をしています。
 一般廃棄物の事務というのは基礎自治体に移管をされていて、一方で、広域的な対応も必要ということで、都の方でも基礎自治体と連携をして取り組んでいく必要があるというふうに考えますし、また、昨今の資源循環をどうやって実現していくかという観点におきましても、都だけがいっていても現場が動かないとどうしようもないということで、一層の連携というのが必要なのかなというふうに思います。
 つきましては、多摩地域及び二十三区の一般廃棄物の最終処分において、これまで都として行ってきた支援内容について伺いたいと思います。

○風祭調整担当部長 多摩のエコセメント化施設については、都から技術職員を派遣する人的支援を行うとともに、その整備に当たりましては、廃棄物処理施設整備費都補助金交付要綱に基づき、補助金を交付する財政支援を実施いたしました。
 同様に、都はこれまで、東京二十三区清掃一部事務組合にも、清掃事業や施設運営に関し、経験豊かな都職員を派遣するなどの人的支援を実施しております。
 また、都が事務局を務める区市町村と都の共同検討会におきまして、二十三区における埋立処分量の削減について検討を重ね、これまで埋め立てられていた不燃ごみに含まれる分別が徹底できない可燃分につきましても、令和二年度から焼却処理することといたしました。

○滝田委員 共同検討会のような取り組みというのは非常に重要だというふうに思いますので、今後もさまざまな形で取り組んでいければというふうに思いますけれども、私の理解としては、これも公表資料ですので、そこからとってきていますけれども、多摩のエコセメント化施設に関しては、そもそも二百七十二億円の事業費がかかっているというふうに理解をしておりまして、大体その三分の一ぐらいを都と国の財政支援を行ったというふうに聞いております。
 運営費については、基本的には自前で自治体の分担金で行っているということですので、直近の予算によりますと、エコセメント化の事業費には約六十一億円がかかっているということで、そもそもの整備にかかっているお金、あるいは毎年かかっている運営費、事業費ということも非常に大きな金額ではありますけれども、最初に申し上げましたとおり、埋立量を相当減らして再資源化ができているという取り組みであります。
 そこで、二十三区の一般廃棄物の最終処分において、多摩地域におけるエコセメント化のように、ほぼ全量資源化する事業を導入していくということはできるのか、何が課題となるのかということにつきまして、見解を伺いたいと思います。

○風祭調整担当部長 エコセメント化施設を整備し、焼却灰を全量資源化することを想定した場合には、施設用地の確保ですとか施設建設費及び維持管理のコスト、販売ルートの確保など、さまざまな課題が考えられます。
 一方で、民間のセメント工場に委託する場合につきましては、受け入れ施設のさらなる確保や輸送コストなどの課題が考えられます。
 いずれの場合におきましても、地方自治体ですとか、地元住民の理解が必要になります。

○滝田委員 ありがとうございます。さまざまな課題、特に地域への配慮というのが必要な取り組みではありますけれども、長い目で見て、今回、ゼロエミッション東京ということも掲げますし、改めてこの問題提起をさせていただきました。
 多摩地域ではごみ袋も有料ということで、市民の負担感がある中で、市民のごみ排出の削減努力ということを区部よりも相当やっているというのが実際問題ありますし、最終処分につきましても資源化をしていると。これは回り回って市民の負担になっているわけでありますけれども、さまざまな観点で多摩地域の格差を何とかしてくれという話があるんですけれども、逆にこの件につきましては、多摩の方が進んでいるんじゃないのかということも改めて申し上げまして、ごみの排出、最終処分を埋め立てに頼るということではなくて、区部におきましても循環型の仕組みが形成できるように、都と一部事務組合と連携をして、方策を検討していただきたいということを要望いたします。
 次に、少し観点が変わりますけれども、マイクロプラスチックについて伺いたいというふうに思います。
 海洋中のマイクロプラスチックについては、近年、関心が高まっていますけれども、原因物質であるとか、あるいは流出経路の特定、もしくはマイクロプラスチックによって具体的にどういった悪影響が起こるのかということについては、判明していないことも多いという認識をしておりまして、まずは調査、情報収集が必要というふうに考えています。
 ついては、マイクロプラスチックの原因物質や流出経路について解明していく上で、河川などにおいて継続的な調査をするべきというふうに考えますけれども、見解を伺います。

○宮澤資源循環推進部長 昨年六月に、海岸漂着物処理推進法の一部が改正され、事業者に対し、マイクロプラスチックの使用の抑制を促す努力規定が追加されるなど、その発生抑制対策が求められております。
 しかし、マイクロプラスチックについては、その発生源や分布などに未解明な部分が多いことから、その対策の実施に向け、科学的知見の収集が必要でございます。
 このため、都は、今年度中に、東京湾に流入する主要河川の多摩川、荒川において、河川ごみやマイクロプラスチックのモニタリング手法を確立するための実地検証を行います。
 今後、検証結果をもとに、モニタリング手法を確立するとともに、東京湾に流入する河川ごみやマイクロプラスチックの実態解明に向けた継続的な調査のあり方について検討してまいります。

○滝田委員 検証を開始して実態解明に向けた今後の検討をしていくということで答弁がございましたが、ぜひ継続して成果を出していただきたいというふうに思います。
 また、昨年十月にも、私、決算特別委員会で、こちらは下水道局ですけれども、調査であったり情報収集するべきではないかという観点で質疑をいたしました。関係局であったりとか、あるいは国や他県などとも連携をして進めていく必要もあるというふうに思いますので、この点についてもお願いをいたします。
 次に、ことし三月の予算特別委員会でも質疑をいたしましたけれども、再生可能エネルギーについて伺いたいと思います。
 最初に述べましたが、世界的には、太陽光を中心に再生可能エネルギーの発電コストというのが大きく下がってきているというふうに理解をしておりまして、火力あるいは原子力に比べて、既に同等の経済性、コストに至ったとする国際機関による研究も出てきております。
 再生可能エネルギーは、これまでの外部不経済に対応する環境政策というものから、経済合理性のある成長戦略に生まれ変わる段階に来ているのではないでしょうか。
 日本においても再生可能エネルギーの発電コストは近年下がってきておりますが、再生可能エネルギー、特に太陽光による発電コストについて、火力や原子力に比べて現状をどのように捉えているのか、都の見解を伺いたいと思います。

○小川地球環境エネルギー部長 国の調達価格等算定委員会の資料によりますと、住宅用太陽光発電の発電コストは、二〇一七年度はキロワットアワー当たり約十五円となっております。五年前の約二十五円から着実な低減傾向が見られますが、火力等のコスト水準十円台前半と比較すると、さらなる低減が望まれます。
 また、住宅用発電設備の設置コストは、キロワット当たり約三十四万円でございます。平均的な設置規模では百万円以上の初期投資が必要となるという課題もあることから、支援策を講じているところでございます。
 なお、太陽光発電の導入拡大に向けましては、コスト面に加えて、太陽光発電特有の負荷変動や系統の空き容量不足等への対応も必要でございます。

○滝田委員 ちょっと聞こえにくかったところがあるんですけれども、国の資料によりますと、太陽光の方は、ここ数年大きくコストダウンしてきていて、キロワットアワー当たり十五円程度になっていて、火力等は十円台前半ということでありますので、相当程度、もともと二十五円とか五年前ぐらいまではあったということですので、相当縮小しているということの認識のご答弁があったかと思います。
 普及促進とあわせまして、コスト水準を火力並みに早期に到達できるよう促していくという視点で取り組んでいただきたいなというふうに思いまして、そうした状況下にもうすぐなるんじゃないかという期待がある中で、再生可能エネルギー比率を三〇%にするという目標を掲げておりますけれども、都の長期ビジョンにおきましても、こうした環境が変わってくるということも加味して、東京の成長戦略として再生可能エネルギーを位置づけていくというようなことも考えていただきたいなというふうに要望いたします。
 また、これまでの実行プランに記載されている施策と目標を見ますと、再生可能エネルギー比率を三〇%にするという大きな目標があることに対して、個別施策の目標設定というのがちょっと体系的な形では落とし込まれていないんじゃないのかなというふうに思うところもありまして、この点については質問とはいたしませんけれども、次期実行プランの策定等でも、ちょっと体系化をして整理をしていただけると、より実現性が高まっていくのではないかということで指摘をしておきたいと思います。
 一方で、今、国の制度も変化を迎えつつありまして、FIT、固定価格買い取り制度における買い取り価格というのは年々低下をしておりますし、最初に、二〇〇九年以前にスタートしたものにつきましては、十年間の買い取り期間が今月から順次満了していくということになります。
 国の方では、二〇二〇年度末を目途に制度の抜本的な見直しということも想定されるという状況でありますので、こうした環境が変わろうとしている中で、再生可能エネルギーの普及が足踏みするということがないように、都の施策によって推進を後押しするべきであるというふうに考えます。
 こうした状況を踏まえまして、都はどのような対策をとろうとしているのか伺いたいと思います。

○小川地球環境エネルギー部長 家庭の太陽光発電設備は、地域の重要な再エネ電力であり、既に導入されたものは長期にわたって活用されることが望まれます。
 このため、固定価格買い取り制度による買い取り期間が終了する、いわゆる卒FIT、太陽光発電についても、買い取りの満了を契機に発電がとめられることのないよう、都のイニシアチブで活用する具体的な取り組みを検討してまいります。
 また、固定価格買い取り制度によらず、太陽光発電を活用していくため、自家消費を行える蓄電池の導入推進についても検討してまいります。

○滝田委員 きょうは質問では伺わないんですけれども、都の率先行動として、都営施設であったり、都庁グループによる再生可能エネルギー由来の電力調達ということは、かねてから我が会派として要望しておりますので、よろしくお願いしたいなというふうに思います。
 蓄電池についても話がありました。今後の一つの柱にしていこうというところもあるのかというふうに思いますが、太陽光発電を行う家庭における蓄電池の導入を推進するとのことですけれども、その意義を伺いたいと思います。

○小川地球環境エネルギー部長 太陽光発電設備を有する家庭に蓄電池を導入し、自家消費を促していくことは、電力系統の負荷を低減し、再生可能エネルギーの導入をふやしていく観点から重要でございます。
 また、先般の台風十五号や十九号に伴う停電被害によって、自立的な電源確保の重要性が改めて認識されたところであり、蓄電池の導入は防災力の向上の観点からも重要でございます。
 今後もスマートエネルギー都市の実現に向けて、家庭における蓄電池の導入推進を検討してまいります。

○滝田委員 日本全国の状況ということでいきますと、電力系統の逼迫ということがかなり話題となってきておりますけれども、東京を含む東電管内はまだ少し余裕があるのかなというふうに思います。いずれにしましても、行く行く電力系統の問題が出てきますので、早くから家庭内での自家消費等を促進しまして、蓄電池の普及、あるいはコスト削減ということを促していただきたいなというふうに思います。
 特に、FITの買い取り期間が終了する家庭におきましては、自家消費をふやすことによりまして、売買の価格差を考えますとメリットがあるというふうに思いますので、今後、その普及の支援をしていくという中におきましても、適正な支援のバランスということを考えていただきたいというふうに思いますし、あるいは、自家消費そのものが、卒FITということを考えますと、導入のメリットがあるはずですので、家庭にそうしたメリットというものをしっかりと周知をしていくということも、支援とあわせて必要な取り組みなのかなというふうに思います。
 一方で、これから新規で太陽光発電を導入する家庭ということについては、蓄電池の導入というのもメリットがあるかもしれませんけれども、直接的なインセンティブとはなりませんので、太陽光発電をまだ導入していない家庭に対して、どのように普及を図っていくのか伺いたいと思います。

○小川地球環境エネルギー部長 太陽光発電導入の際に一時的に生じる初期費用が負担となり、設置が進まないケースがあることから、都は、ことし八月から、リースなど、都民の初期費用の負担なしで太陽光発電設備を設置する事業者に対し、一キロワット当たり十万円の補助を行っております。
 また、都独自の東京ゼロエミ住宅仕様を満たす省エネ住宅の導入を促進する補助事業を本年十月から開始しており、追加で太陽光発電設備を導入する場合に、一キロワット当たり十万円の補助を行っております。
 こうした取り組みによりまして、都民の負担を軽減し、家庭における太陽光発電の普及を図ってまいります。

○滝田委員 今のお話ですと、リースでの普及が許可されるということにかなり力点が置かれているのかなというふうに思いますけれども、これは初期投資をかけられないという家庭にも有効かというふうに思います。もう一つメリットがあるのかなというのは、事業者側がリースでやれますよということで売り込みの形がとれるかというふうに思いますので、普及促進という意味でも、そういうリースのビジネスを使って、太陽光発電を導入するメリットがありますよということを伝えていく効果もあるのかなというふうに思います。
 一方で、事業者側が長期で安定的に経営して、リースを継続できるのかという意味で、信用性とか、あるいは事業者側のファイナンスはどうなるのかというところも少し気になるところではありまして、安心して家庭の方でリースの事業者さんと契約ができるという体制を整えることも必要ではないのかなというふうに思いますので、このことについても課題の提起をしておきたいというふうに思います。
 次に、都市の緑化について伺いたいというふうに思います。
 出だしのところで、都市間競争の観点でも、都市の魅力づくり、魅力的な都市環境の形成というのが重要だということをお話ししましたけれども、その中でも緑、緑化というのは、生活への潤い、あるいは安らぎを与えるということもありますし、日陰をつくるということもありますので、暑さ対策であったり、ヒートアイランド対策、ヒートアイランド現象の緩和などの面でも機能があるというふうに思います。
 そうした重要性ということも改めて長期計画などでもうたっていただきたいなというふうに思いますが、都市の緑化については各局にまたがっておりますので、環境局だけで取り組めるものではないという理解をしております。
 一方で、環境局においては、指標となるみどり率というものを扱っておりますので、全体の緑がどうなっているのかということを見ていくという意味で、環境局が持っている役割というのは重要だと思います。
 そこでまず、みどり率の定義とこれまでの推移についてどのようになっているのか伺いたいと思います。

○近藤自然環境部長 みどり率とは、緑が地表を覆う部分のほか、公園区域のうち緑のない部分や、農用地、水面を加えた面積が地域全体に占める割合のことで、地図データや航空写真などを用いて、五年ごとに調査しております。
 平成三十年度のみどり率は、都全域で五二・五%となっており、平成二十五年度から〇・五ポイント減少しました。
 用途別では、公園、緑地は全体で〇・一ポイントの増加、農用地は〇・三ポイントの減少、樹林、原野、草地は〇・三ポイントの減少となっております。

○滝田委員 ちょっと確認なんですけれども、みどり率は航空写真などから算出しているということですので、壁面緑化等の立体的な緑、あるいは緑の重なっている部分というのは基本的に含まれないという理解ですけれども、よろしいでしょうか。

○近藤自然環境部長 理事ご指摘のとおり、みどり率には壁面緑化や高木と低木の重なっている部分などは含まれておりません。

○滝田委員 大都市である東京においては、地上部というのは限られておりますので、そこだけではなくて、建築物の屋上、壁面、あるいは建築物内といったところも活用して都市の緑化を実現していくということが重要だというふうに思いますので、みどり率では捕捉されないかもしれませんけれども、考えていかなければいけないというふうに思います。
 そこで、建築物の緑化の推進についてはどのように取り組んでいるのか伺いたいと思います。

○近藤自然環境部長 都では、自然保護条例に基づき、一千平米以上の民間敷地、一定規模以上の敷地で開発や建築等を行う際に、地上部や接道部に緑を確保する緑化計画書の提出を義務づけ、敷地内における緑化を推進してまいりました。
 また、ヒートアイランド現象の緩和など、都市環境の改善に向け、平成十三年度からは、建築物の屋上や壁面、ベランダなどについても緑化を義務づけております。
 その結果、例えば屋上等の緑化では、平成十三年度から平成三十年度までに、日比谷公園のおよそ十四個分に相当する約二百二十七万平方メートルの緑を創出いたしました。

○滝田委員 建築物の緑化によりまして、日比谷公園の十四個分の緑の創出ということは大きな成果だというふうに思います。
 一方で、ちょっと、きょう数字では聞いていませんけれども、先ほどのみどり率で考えますと公園の緑というのは全体の四%程度ということですので、市街地に占める割合ということでいうと、建築物というのは非常に大きな割合があると思いますので、都市の緑化ということを考えたときに、建築物の緑化というのは大きな可能性があるものというふうにも私としては捉えております。
 また、海外の例を紹介しますけれども、シンガポールでは屋上緑化、壁面緑化に加えまして、中間階そのものを緑化してテラスにするというような屋内の緑化を実現した緑化建築というものも導入されておりまして、行政側もその整備を補助しているというような仕組みと聞いております。シンガポールなど先行する海外都市においての制度や効果というものも調査をし、検討すべきではないかということを申し述べたいと思います。
 ちょっと時間が限られておりまして、一問飛ばしたいなというふうに思うんですけれども、重要なこととしましては、立体的な緑、あるいは緑が重層化しているということが望ましいと思いますので、そうした上空からだけでは捉えられない緑ということにつきましても、しっかりとふえていけるように推進していくべきだということを述べたいというふうに思います。
 次の質問に移りたいというふうに思います。
 ヒートアイランド対策ということ、あるいは暑さ対策の必要性ということがいわれますけれども、もういきなり質問に移りますが、気温上昇の要因となっているヒートアイランド現象の緩和ということは重要な課題でありますけれども、都のヒートアイランド対策について取り組みを伺いたいと思います。

○小川地球環境エネルギー部長 東京では、地表面のコンクリート化や、緑化減少等の地表面被覆の人工化や、建物等からの人工排熱の発生により、高温化が進行しています。
 このため、都は、地球温暖化対策にも資する建物等の省エネルギー化などを促進するとともに、ヒートアイランド現象を緩和する遮熱性、保水性舗装の整備、街路樹や公園の整備、建物の屋上の緑化等を推進しています。
 加えて、環境局では、微細ミスト等を設置する自治体や事業者に対して費用を補助することにより、まち中の暑さ対策を推進しています。
 今後とも、関係各局等と連携し、ヒートアイランド対策に取り組んでまいります。

○滝田委員 環境局だけではなくて、各局で遮熱性舗装であったり、保水性舗装、街路樹の陰影の創出であったりとか屋上緑化等の緑の創出、水面の創出など、さまざま選択肢があるというふうに思います。
 こうしたヒートアイランド対策におきまして、全体としてどういう目標を定めていくのかということについては、少し明確ではないのかなというふうに思っておりまして、各施策で何をどこまで実現させるのかということ、あるいは費用対効果がどうなっているのかということについては、もう少し検証が必要なのかなというふうに思っております。これまでさまざま取り組んできておりますけれども、このヒートアイランド対策全体のあり方ということについても、検証、検討する時期に来ているのではないかなということで、問題提起をしたいというふうに思います。
 最後の質問に移りたいと思いますが、先ほど神林委員からも質問がありましたけれども、ヒアリ対策ということで、これはしっかりしていただきたいなというふうに思っておりますので、質問はかぶりますけれども、改めて質問させていただきます。
 先日、東京港でヒアリ、女王アリが五十匹以上発見されたということでありまして、ヒアリが定着するんではないかということで非常に危惧をされております。海外では毎年数千億円規模の被害が出ているというような話もありまして、この定着阻止ということが緊急かつ重大な課題であることはいうまでもないと思います。国や港湾局とも連携をしまして、必要な予算措置も含めて徹底的に取り組んでいただきたいというふうに思います。
 ヒアリの定着阻止に向けて、今後の対策や、国や関係局との役割分担について伺いたいと思います。

○近藤自然環境部長 本年十月に青海ふ頭で発見されたヒアリについて、環境省は、繁殖可能な女王アリが飛び立ち、ほかの場所に広がった可能性が高く、速やかに徹底した周辺調査及び防除を行わなければ、定着が危惧されるとの見解を示し、現在、青海ふ頭での緊急駆除や周辺での緊急調査を実施しております。
 今後の対策については、駆除や調査の結果をもとに、専門家と相談して検討すると環境省から聞いております。
 都は、都民への注意喚起や区市町村への支援などを行う環境局と港湾管理者である港湾局がそれぞれの立場から環境省と緊密に連携し、ヒアリの定着防止に向けて万全の対応を講じております。

○米川委員 私からは、水素社会の実現について伺います。
 まず初めに、東京スイソミルについてですが、水素社会の実現に向けては、その水素とは何か、どのようにして身近な生活に活用できるのかを理解してもらわなければなりません。そのための体験型の施設である東京スイソミルの役割は重要と考えております。
 そこで改めまして、東京スイソミルの設置の目的と、これまでの利用状況について伺います。

○山田次世代エネルギー推進担当部長 水素情報館東京スイソミルは、東京都環境公社が都民の皆様に、目に見えない水素の意義や水素社会の将来像等への理解を深めていただくことを目的として、平成二十八年七月に設置し、運営をしております。
 東京スイソミルの来館者数は、平成二十八年度は約九千人、平成二十九年度は約一万四千人、平成三十年度は約一万九千人、今年度は七カ月間で約一万四千人でございます。開設以来、合計約五万七千人にご来館いただいております。

○米川委員 毎年、来館者数が増加していることもわかりました。私自身、ことしスイソミルへ行く機会がありまして、これまで余り水素ってどうなのかというような思いがあったんですが、実際に体験することや、活用されている事例を見ることで、その必要性や重要性を理解したところです。そこで、一人でも多くの方、そして東京中の方に来館していただきたいのですが、何分この東京スイソミル、立地場所が必ずしもよいとはいえません。
 そこで、来館者の居住地や団体利用はどのようになっているのでしょうか。また、来館者をふやすための取り組み、工夫されていることがあれば伺います。

○山田次世代エネルギー推進担当部長 東京スイソミルの来館者については多くが江東区民であり、また、全体の二割弱が団体利用でございます。環境公社では、来館者をふやすため、毎月、楽しく学べる科学実験教室を開催しているほか、週末ごとに多様なイベントを実施しております。
 また、都は、環境公社と連携し、ことしの夏休みに集客力のある民間施設と東京スイソミルの二館による謎解きイベントを実施し、集客力の向上を図りました。
 このほか、都民が多く集まるイベントにおいて、東京スイソミルのキャラクターの活用や案内チラシの配布などによりPRを行ってございます。

○米川委員 東京スイソミルは環境公社の自主事業として実施されています。例えばこの環境公社は中央防波堤埋立処分場などについて、環境局からの見学業務受託者となっております。
 埋立処分場は、東京スイソミル以上に立地条件が悪いのですが、年間、この事業概要の一九九ページにも書いてあるんですが、五万七千人以上の方が見学に訪れております。これまで東京スイソミルができてからの来館者数と同じぐらいの方が毎年訪れているということです。このような事例もあることから、取り組みをぜひまねてみることも必要ではないかと考えております。
 そこで、今後、来館者をふやすため、施設への誘客を強化していくことが必要と考えますが、見解を伺います。

○山田次世代エネルギー推進担当部長 埋立処分場は、小学生が社会科見学で多く訪れており、今後、東京スイソミルにおいても社会科見学の受け入れをふやしていくため、埋立処分場の受け入れノウハウを活用するとともに、小学校教員向け環境教育研修会等でもPRをしてまいります。
 また、東京スイソミルは夏休みに埋立処分場とコラボ見学会を実施しており、今後も連携して集客力の向上を図ってまいります。加えて、これまで実施してきた区市町村が開催する環境イベント等への出展や、都内小学校への出前授業を東京スイソミルの近隣区以外でも積極的に実施し、認知度を高めるとともに、水素エネルギーへの理解を深めていくこととしております。
 都においても、東京スイソミルでの都主催の事業者向け研修会を引き続き実施するほか、都内外、国外からの視察受け入れの機会をふやすなど、水素社会の実現に向けて、あらゆる世代や主体に対するPRの拠点となるよう活用してまいります。

○米川委員 ありがとうございます。水素社会の実現には、水素の意義や将来性などを都民の方々にどう広めていくかが重要です。都と環境公社でしっかり連携して取り組んでいただきたいと思います。
 また一方、水素の普及には、都民の方々に日々の生活で実際に水素を活用していただくことも重要であり、燃料電池自動車やバスは都民に身近な水素の活用方法の一つです。東京スイソミルでも燃料電池自動車が施設の正面に置かれまして、来館者が実物を見れるようになっておりました。また、燃料電池バスをイベント時のシャトルバスとして活用したとも聞いております。
 そこで、都は、燃料電池自動車やバスの普及を目指し、補助の実施等により普及を後押ししておりますが、これまでの導入状況を伺います。

○山田次世代エネルギー推進担当部長 都は、燃料電池自動車の普及を図るため、国補助額の二分の一をさらに上乗せして補助を行っており、平成三十年度末時点での都内登録台数は七百十三台となっております。
 また、燃料電池バスの導入促進に向け、都は、国の補助に上乗せし、通常のディーゼルバスと同等の価格でご導入いただけるよう、支援を実施しております。
 これまでに率先導入を図る都営バスにおいて十五台、民間の路線バスで一台が運用されております。
 加えて、平成三十年度中に交付決定済みの都営バス十五台や、今年度交付決定を行った民間の七台について、現在導入の準備が進められているほか、さらなる交付決定に向けて、事前相談等を行っております。

○米川委員 導入は進んでおるんですが、例えばEV、電気自動車などと比べますと、まち中で見る機会がまだ少ないと感じております。さらなる普及に向けて急務となってくるのが、水素の供給インフラでもあります水素ステーションの整備です。
 そこで、現在、水素ステーションは都内十四カ所あり、そのほかにも整備中のところがあると聞いておりますが、現在の進捗と整備促進のためにどのような取り組みを行っているのか伺います。

○山田次世代エネルギー推進担当部長 水素ステーションの整備促進に向けては、事業用地の確保が必要でございます。都は、下水道局の葛西水再生センターの敷地の一部を活用して整備を行う事業者を公募、決定し、今年度中の開業を目指して現在整備が進められております。
 このほか、水素ステーションの整備に係る補助制度の充実を図るとともに、民間事業者の遊休地やまちづくりの中での整備も働きかけを行っております。
 これらの取り組みにより、現在、都内では合計七カ所で新設の水素ステーションが整備中となっております。
 今後も補助制度等を活用しながら、水素ステーションの整備促進に向けた取り組みを進めてまいります。

○米川委員 整備中の七カ所の水素ステーションが予定どおり整備されれば、供給能力は十四カ所から二十一カ所と大きく増強されます。早期の開業に向けてしっかりと進捗管理を行っていただくとともに、これに続きます二十二カ所目、二十三カ所目と整備が進むよう取り組むことを求めます。
 これまで、都民への理解促進に向けた東京スイソミルの活用、身近な水素利用としての燃料電池自動車、バスの普及、水素ステーションの整備促進に向けた取り組みについて質問してまいりました。水素社会は一足飛びに実現するものではなく、今後も地道で継続的な取り組みが必要です。どうしたら普及が進むのか、工夫を重ねながら事業を進めていただきたいと思います。
 そこで、最後に改めまして、水素社会の実現に向けた環境局の意気込みを局長に伺います。

○吉村環境局長 気候変動による影響は深刻さを増しておりまして、地球温暖化に立ち向かい、都民の生命と財産を守るため、東京都は、先ほど来ご答弁申し上げておりますが、ゼロエミッション東京の実現を目指すことを宣言しております。
 このゼロエミッション東京の実現に向けましては、これまで進めてまいりました省エネルギー、あるいは再生可能エネルギーのさらなる普及、こういったことにとどまらず、あわせて水素エネルギーの活用が不可欠であるというふうに考えてございます。
 水素は利用段階でCO2を排出しないというような特性に加えまして、エネルギーを長期間かつ大量に蓄えることができます。この特性を使えば、将来、大量の再生可能エネルギーを導入する際に課題となります変動の問題を調整電源として使うことも可能でございますし、また、今現状、日本は、我が国は大量のエネルギーを海外に依存しているわけですけれども、海外でつくられたCO2フリーのエネルギーを水素によって輸入することも可能になります。このため、ゼロエミッション東京の実現のために水素社会の実現は不可欠というのが我々の基本的な認識であります。
 こうした水素社会を実現するため、CO2フリー水素の活用に向けた取り組み、あるいはFCVや燃料電池バスの導入など、初期需要の創出への支援、また、官民連携による機運醸成、それから、先ほど来ご質疑のありましたスイソミルなどによる普及啓発、こういった多様な施策を強力に推進していくことが必要であると考えてございます。
 都は、ゼロエミッション東京の実現に水素エネルギーで大きく貢献する未来に向けて、これまでの歩みをとどめることなく、国や民間企業、関係団体とのさらなる連携を図りながら、我が国の最先端技術も生かし、水素エネルギーの普及を加速させてまいります。

○米川委員 ありがとうございます。局長から力強く決意を伺うことができました。
 今後も、ゼロエミッションに貢献する水素社会の実現に向け、精力的に取り組まれることを要望し、質問を終わります。

○細谷委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○細谷委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
 以上で環境局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後八時三十分散会

ページ先頭に戻る

ページ先頭に戻る