環境・建設委員会速記録第十四号

令和元年十月二十九日(火曜日)
第九委員会室
午後一時開議
出席委員 十三名
委員長細谷しょうこ君
副委員長米川大二郎君
副委員長里吉 ゆみ君
理事舟坂ちかお君
理事小磯 善彦君
理事滝田やすひこ君
藤井とものり君
保坂まさひろ君
原田あきら君
神林  茂君
もり  愛君
桐山ひとみ君
高倉 良生君

欠席委員 なし

出席説明員
建設局局長三浦  隆君
次長今村 保雄君
道路監奥山 宏二君
総務部長杉崎智恵子君
用地部長山本  明君
道路管理部長前田  豊君
道路建設部長村井 良輔君
三環状道路整備推進部長大庭 孝之君
公園緑地部長古川 浩二君
河川部長小林 一浩君
企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務村上 清徳君
総合調整担当部長植村 敦子君
道路保全担当部長花井 徹夫君
道路計画担当部長若林 茂樹君
公園計画担当部長細川 卓巳君

本日の会議に付した事件
理事の辞任
建設局関係
報告事項(説明・質疑)
・令和元年台風第十九号に伴う被害状況と建設局の対応等について
事務事業について(質疑)

○細谷委員長 ただいまから環境・建設委員会を開会いたします。
 初めに、このたびの台風第十九号により被災された方々に心よりお見舞いを申し上げます。
 ここにお亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りし、黙禱をささげたいと思います。
 皆さん、ご起立願います。
 黙禱。
   〔全員起立、黙禱〕

○細谷委員長 黙禱を終わります。ご着席ください。

○細谷委員長 次に、高倉良生理事から、理事を辞任したい旨の申し出がありました。
 お諮りいたします。
 本件は、申し出のとおり辞任を許可することにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○細谷委員長 異議なしと認めます。よって、申し出のとおり、高倉良生理事の辞任は許可されました。

○細谷委員長 次に、ただいまの高倉良生理事の辞任に伴い、理事一名が欠員となりましたので、これより理事の互選を行います。
 互選の方法はいかがいたしましょうか。

○滝田委員 委員長の指名推選の方法によることとし、直ちに指名していただきたいと思います。

○細谷委員長 ただいまの動議に異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○細谷委員長 異議なしと認めます。よって、理事には小磯善彦委員をご指名いたします。これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○細谷委員長 異議なしと認めます。よって、理事には小磯善彦委員が当選されました。

○細谷委員長 次に、議席について申し上げます。
 議席については、ただいまご着席のとおりといたしますので、ご了承願います。

○細谷委員長 次に、今後の委員会日程について申し上げます。
 お手元配布の日程のとおり、理事会において申し合わせしましたので、ご了承願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、建設局関係の事務事業に対する質疑及び報告事項の聴取を行います。
 これより建設局関係に入ります。
 理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○杉崎総務部長 令和元年台風第十九号に伴う被害状況と建設局の対応等につきましてご報告を申し上げます。
 お手元に配布しております資料に沿ってご説明を申し上げます。
 表紙をおめくりください。まず、1の台風第十九号による被害状況等についてでございます。
 (1)、気象庁による警報発表状況でございますが、十月十二日午前四時十四分に東京地方に大雨警報が発表され、同日午後には多摩西部、南部で大雨特別警報が、夜には二十三区西部で大雨特別警報及び高潮警報が発表されました。その後、同日深夜に東京地方の全ての大雨特別警報が解除され、さらに翌日の十三日午前八時十九分までに全ての大雨警報が解除されました。
 次に、(2)、道路の被害状況でございます。
 都道では計三十一カ所で通行どめを行いましたが、既に二十一カ所につきましては交通開放をしております。河川増水による道路崩落などがあった十カ所の道路につきましては、現在も復旧対応を行っております。
 主な道路の被害箇所といたしまして、一般都道二〇四号、日原街道外二路線において河川増水による道路崩落が発生いたしました。また、日野橋においては、河川増水により河床が洗掘されたことによる橋脚の沈下が発生いたしました。
 続いて、(3)、河川の被害状況でございます。
 まず、溢水、護岸崩壊箇所についてでございます。南浅川外六河川におきまして溢水が発生し、また、秋川外三河川におきまして十カ所の護岸が崩壊いたしました。さらに、その他の河川におきましても、護岸等の一部損壊が多数発生してございます。
 二ページをお開きください。多摩部におきまして土砂流出が一カ所、崖崩れが一カ所発生したほか、島しょ部におきまして海岸の護岸破損等が三カ所で発生いたしました。
 (4)、公園等の被害状況でございます。
 公園、霊園、動物園等八十四施設におきまして、倒木や斜面崩落などの被害が発生いたしました。
 主な被害箇所といたしまして、陵南公園で河川の増水による園路の崩落、長沼公園外三公園で斜面の崩落などが発生しております。
 次に、2の建設局の対応等についてでございます。
 (1)、建設局の態勢でございますが、建設局では、まず十月十二日午前四時十四分、三浦建設局長を本部長とする水防本部を設置し、市区町村との連絡態勢を強化し、延べ五百九人の職員により水防活動を実施いたしました。十月十四日午前十時に水防本部は廃止いたしましたが、翌日十五日には、建設局本庁に災害復旧本部を、被害の大きい地域を所管する建設事務所に現地災害復旧本部を設置し、現在復旧に当たっております。
 (2)、建設局の対応でございます。連絡態勢、警戒配備態勢中の対応についてご説明いたします。三ページをごらんください。
 まず、道路関係でございます。道路施設等の点検など、事前の安全点検を実施の上、被害の情報収集や通行どめなどの現場での応急対応を随時実施し、安全の確保に努めました。
 続いて河川関係でございますが、事前に水門等の操作確認や各工事現場の巡視、点検などを実施したほか、台風接近時には二十八調節池のうち二十一カ所で洪水を取水するとともに、潮位上昇に伴って八カ所の水門を閉鎖し、機能を発揮いたしました。
 公園関係についてですが、樹木の点検や看板等の仮設物の確認などを実施したほか、有料施設につきましては閉園の日時を決定し、事前に広報を行って利用者への周知に努めました。その後、警報の発表に合わせて警戒配備態勢を確保し、現場の応急対応等を実施いたしました。
 続いて、主な被害箇所等における現在の状況と今後の対応についてでございます。
 まず道路関係ですが、一般都道二〇四号、日原街道につきましては、仮設歩行者通路の設置が完了し、主要地方道三三号、檜原街道につきましては、仮設道路の設置が完了しております。今後、本復旧に向けまして測量などに着手をしてまいります。
 日の出町の一般都道一八四号につきましては、盛り土の工事を施行しておりまして、十一月中には一車線での車両通行が可能となる見込みとなっております。
 四ページをお開きください。日野橋につきまして、現在、全面通行どめの対応を行っております。今後、河川の水位が低下し、現場の安全が確認できましたら、詳細な調査を実施いたします。
 次に、河川関係についてでございます。
 護岸が崩落した秋川外三河川の八カ所におきまして、応急復旧に着手しております。土砂流出が発生しました青梅市沢井地区につきましては、土砂の撤去が完了いたしました。崖崩れが発生しました多摩市連光寺地区及び海岸の護岸破損箇所等が発生した島しょ部につきましては、立入禁止措置により安全を確保の上、現場状況の調査等を行っております。
 次に、公園関係のうち陵南公園外二公園及び多摩動物園におきましては、応急処置が完了しております。本復旧につきましては、園内ほかの施設の改修等とあわせまして対応してまいります。また、八王子霊園におきましては、土砂の流出等、被害のあった三カ所のうち二カ所で応急処置を施し、現在残りの一カ所の応急処置を実施しております。
 建設局といたしましては、引き続き関係各局や地元自治体とより一層の連携を図りながら、災害復旧等に全力を挙げて対応してまいります。
 説明は以上でございます。よろしくお願い申し上げます。

○細谷委員長 報告は終わりました。
 本件に対する質疑は、事務事業に対する質疑とあわせて行いますので、ご了承願います。
 次に、事務事業に対する質疑を行います。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○杉崎総務部長 去る十月八日の当委員会におきまして要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
 お手元の環境・建設委員会要求資料をごらんください。
 表紙をおめくりいただきますと、目次に十二件の資料の件名が記載してございます。
 一ページをお開きください。中小河川の整備状況の推移でございます。
 この表は、中小河川の整備につきまして、平成二十二年度から平成三十年度までの整備延長と決算額、令和元年度の整備予定延長と当初予算額をあらわしたものでございます。
 二ページをごらんください。
 この表は、中小河川の整備につきまして、平成三十年度における河川ごとの整備延長と決算額をあらわしたものでございます。
 三ページをごらんください。東部低地帯耐震・耐水対策の整備状況の推移でございます。
 この表は、東部低地帯における耐震、耐水対策につきまして、平成二十七年度から平成三十年度までの決算額と完成規模及び令和元年度の当初予算額と完成予定規模をあらわしたものでございます。
 四ページをごらんください。都市公園の維持管理費、整備費及び用地取得状況の推移でございます。
 この表は、都市公園における維持管理費と整備費及び整備費のうち用地取得費につきまして、平成二十二年度から平成三十年度までの決算額と用地取得の規模及び令和元年度の当初予算と用地取得予定の規模をあらわしたものでございます。
 五ページをごらんください。
 五ページから九ページまでの表は、都市公園における平成二十六年度から平成三十年度までの公園ごとの用地取得費に係る取得規模と決算額をあらわしたものでございます。
 一〇ページをごらんください。道路補修費の予算・決算額の推移でございます。
 この表は、道路補修費につきまして、平成二十二年度から平成三十年度までの予算額と決算額及び区部と多摩部別の決算額、令和元年度の当初予算額をあらわしたものでございます。
 一一ページをごらんください。歩道の整備状況の推移でございます。
 この表は、歩道の整備につきまして、平成二十二年度から平成三十年度までの整備延長と決算額、令和元年度の整備予定延長と当初予算額を区部、多摩別にあらわしたものでございます。
 一二ページをごらんください。骨格幹線道路(主要路線)・地域幹線道路の整備費の推移でございます。
 この表は、骨格幹線道路と地域幹線道路の整備費につきまして、平成二十七年度から平成三十年度までの決算額、令和元年度の当初予算額をあらわしたものでございます。
 一三ページをごらんください。特定整備路線の計画概要と進捗状況(建設局施行)でございます。
 この表は、特定整備路線につきまして、整備計画の概要と進捗状況及び用地取得率をあらわしたものでございます。
 一四ページをごらんください。都市計画道路の整備方針における未着手路線(建設局施行)でございます。
 一四ページから一九ページまでの表は、平成二十八年三月に策定されました東京における都市計画道路の整備方針(第四次事業化計画)のうち、平成三十一年三月三十一日現在におきまして未着手となっている路線名、区間、延長をあらわしたものでございます。
 二〇ページをごらんください。自転車走行空間の整備状況と整備費の推移についてでございます。
 この表は、自転車走行空間の整備につきまして、平成二十四年度から平成三十年度までの整備延長と決算額、令和元年度の整備予定延長と当初予算額をあらわしたものでございます。
 二一ページをごらんください。都道における無電柱化の進捗状況でございます。
 この表は、都道における無電柱化につきまして、平成二十六年度末から平成三十年度末までの整備対象延長、整備済み延長、地中化率を区部、多摩別にあらわしたものでございます。区部につきましては、センター・コア・エリアの内訳も記載してございます。
 二二ページをごらんください。代替地として建設局が所管している土地一覧でございます。
 二二ページから二七ページまでの表は、平成三十一年三月三十一日現在におきまして、建設局が所管している代替地の所在及び地積をあらわしたものでございます。
 二八ページをごらんください。都道にかかっている横断歩道橋の数とエレベーターが設置されている横断歩道橋の数(増減)でございます。
 この表は、都道における建設局所管の横断歩道橋につきまして、平成十二年度から令和元年度までの設置箇所数、前年度との増減をあらわしたものでございます。エレベーターつき歩道橋の箇所数と増減も内訳として記載してございます。
 以上で要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○細谷委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより事務事業及び報告事項に対する質疑を一括して行います。
 発言を願います。

○滝田委員 今回から環境・建設委員会の委員となりましたので、一年間よろしくお願いいたします。私の大学時代の専攻は都市計画、まちづくりでありましたので、これまで二年間、担当してきました都市整備委員会の事業、そしてこの建設局の事業は、まさに専門に近い領域でございまして、皆様とさまざま議論させていただきまして、世界の都市間競争に打ち勝つ魅力的な都市を築く一助とさせていただきたいと思います。
 都市整備委員会でも申し上げてきましたけれども、これまでの都市化の流れの中で、いわば犠牲にされてきた水辺、緑、空といったものを都市に取り戻す、人の手に取り戻す転換点に来ていると考えています。交通を適切に安全にさばくことや、治水など防災対策をますます高めていくことは、首都東京のインフラとして大変重要でございます。
 一方で、東京の未来、二〇四〇年代を見据えて取り組むべきことは、これらに加えまして、東京の新たな活力と魅力を高めるために、水辺や緑や空を人の近くに取り戻し、享受できる、そうした環境を両立させることであると考えています。
 次世代の都市空間、都市インフラの形成、それを現場で実現していくのが建設局の皆様だと思います。具体的には、例えば水辺を生かす河川空間であったり、舟運の利用、あるいは緑を生かす公園や緑の多面的な活用、空を生かす無電柱化や首都高速道路の地下化など、取り組みの加速を都市整備局や関係各局と連携して取り組むことを期待いたします。
 こうした観点に基づきまして、また、直近の台風十九号を踏まえました防災対策の観点を加えまして、順に伺いたいと思います。分量が多いので、やや早口で進めてまいりますけれども、ご容赦をいただきたいというふうに思います。
 まず、無電柱化をテーマに質問いたします。
 小池都知事就任後、二〇一七年には都道における電柱新設を禁じるなど、都道府県初の東京都無電柱化推進条例を制定しまして、その後も無電柱化推進計画の改定や、基礎自治体の事業への支援拡大に取り組んでいること、評価をしております。時間のかかる取り組みではありますけれども、先般の台風十五号におきましては、島しょや千葉県での電柱倒壊などの被害もありまして、対策のより一層の加速が求められます。
 都の無電柱化推進計画によりますと、平成二十九年度末の都道の無電柱化率は区部で五八%、多摩では一八%というふうになっておりまして、平成二十五年度末と比べますと、区部五一%、多摩一五%でございましたので、着実には進捗しているというふうに理解しております。
 一方で、市民の実感として、無電柱化が十分に進んでいるのかというふうに考えますと、まだ認識され切れてはいないのかなというふうに思います。それは大部分の道路、約九割を占めます区市町村道での無電柱化率がまだまだ非常に低いということによるものです。
 災害時には電柱の倒壊によって避難経路がふさがれる、救援物資や復旧のための車両通行に支障が出るといったことに加えまして、先般の台風十五号のように長期の停電が起こることも想定されまして、区市町村道での無電柱化を進めることは首都東京の防災力向上に大いに重要だと思います。
 昨年、建設局がまとめました見える化改革の報告書によりますと、阪神・淡路大震災、少し前の事例ではありますが、幅員八メートルから十メートル以上の道路におきましては、震災後も車道通行ができていたといった調査結果も掲載されています。
 逆にいうと、幅員が十分ではないけれども、重要な道路というものが区市町村道にたくさんありまして、いざというときに、そうした道路こそ通れなくなる可能性が高いということです。そういう意味でも、区市町村道における無電柱化は災害時の通行を確保する効果が大きいといえるのではないでしょうか。
 まず、区市町村道で無電柱化を推進する上での主要な課題としまして、区市町村の財政負担が大きいことがありますが、都としてどのような支援を行ってきたか伺います。

○花井道路保全担当部長 都内全域で無電柱化を推進するためには、都道のみならず、区市町村道の無電柱化を一層促進することが重要でございます。このため都は、平成二十年度から区市町村の無電柱化事業に対しまして財政支援を開始し、現在、東京二〇二〇大会競技会場周辺、防災に寄与する路線等を対象に財政支援を行っております。
 これに加えまして、平成二十九年度より、道幅の狭い道路に低コスト手法を導入する事業等に対しまして、事業費を全額補助する無電柱化チャレンジ支援事業を開始し、今年度は三十八区市、約九億円の財政支援を予定しております。
 また、チャレンジ支援事業を活用し無電柱化推進計画を策定もしくは作成に着手した区市は、平成三十年度まで二十六区市でございます。

○滝田委員 都の支援の拡充、特に平成二十九年度から始まりました無電柱化チャレンジ支援事業については、区市町村の整備費負担をなくしたことで、先ほどご説明がありましたけれども、新規の取り組みが生まれて、また無電柱化計画の策定が進むなど、区市町村の取り組み姿勢が変わってきたことは評価されるものと思います。
 さて、平成二十九年度に制定をしました都の無電柱化推進条例では、都道における電柱の新設を禁じることができているというふうに理解をしております。無電柱化を着実に前進させる上で、まず新設を禁じるということは非常に有効であります。
 一方で、例えば新たな宅地開発であったり、区画整理事業などにおいては、この条例で規制することができずに、電柱が新設されてしまう可能性もあるというふうに課題を認識しております。また、区市町村道においても電柱は新設ができる状況にあると理解をしておりますが、その点にどのように取り組むのか伺います。

○前田道路管理部長 都は管理道路全線について、道路法第三十七条に基づき、電柱の新設を禁止しております。一方、区市町村道におきましては、同法に基づく電柱の新設禁止が進んでいない状況にございます。
 無電柱化を進めていく上では、電柱をふやさない取り組みも重要でございます。このため、個別の意見交換などを行い、区市町村に対して電柱の新設禁止の実施に向けた検討を促してまいります。

○滝田委員 区市町村においても、電柱の新設を禁じていく取り組み、今、答弁にありましたけれども、ぜひとも進めていただきたいというふうに思います。
 都市整備局の所管となってきますので、質問等はいたしませんけれども、宅地開発であったり、区画整理事業などにおいても電柱の新設を制限できるように、新たな仕組みを設けていくべきであります。都市整備局とも連携をしまして、早期の制度設計を要望したいと思います。
 加えまして、施策の進捗管理という意味では、区市町村道での無電柱化について、状況の把握をどのようにしていくのかといったことについても課題がございます。こちらについても検討を求めたいというふうに思います。
 無電柱化を前進させていく上でのハードルとしましては、大きく三点あるというふうに理解をしています。一つは工期の長さ、もう一つは費用の高さ、三つ目が物理的な埋設スペースの三点でございます。一方で、今、有識者や民間事業者へのヒアリングによりますと、ここ数年で技術的な改良であったり、あるいは規制の一部緩和などがありまして、工期の短縮、費用の低減、省スペース化といったものが進んでいるというふうに聞いています。
 特に京都の先斗町における無電柱化の事例、これは狭い路地のような道路でも無電柱化が可能であるということを示したものであります。狭い区市町村道ではスペースがなくて無電柱化ができないといったような、これまでの見方を変えるものであります。
 道幅の狭い区市町村道の無電柱化を進める上で、こうした改善を取り入れていく必要がありますが、都は区市町村へどのように技術支援を行っていくのか伺います。

○花井道路保全担当部長 区市町村に対する技術支援につきましては、これまでの区市町村職員向けの講習会や実物大モデルを活用した実践的な研修に加えまして、区市町村が設定する技術検討会に都の職員が直接参加するなど、技術支援を積極的に行っております。
 さらに、平成二十九年度に情報連絡会を立ち上げまして、区市町村の取り組み事例や無電柱化に関する最新の技術動向、既存のマンホールや管路を活用して電線管理者等に事業の一部を委託する方法など、無電柱化の整備手法のノウハウにつきまして情報共有を図っております。
 例えば、豊島区の巣鴨地蔵通りにおけます新たな管路材や電線等の埋設深さを浅くする手法等の導入によります本体工事費の約一割削減や、これら新技術の採用や、本体管路部と引き込み管を同時に施工することなどによります工期約九カ月の縮減事例の共有化を図りました。今後とも、区市町村への技術支援に努めてまいります。

○滝田委員 そうした新しい技術については、ぜひとも関係者間で情報共有しながら進めていただきたいと思います。
 無電柱化推進計画の改定によりまして、現在、都において無電柱化を重点的に取り組むとしておりますのは、環状七号線の内側及び第一次緊急輸送道路、区市町村の庁舎や災害拠点病院などへ接続する道路などとなっています。
 環状七号線の外側、多摩地域におきましても、例えば人口の集中する駅周辺の中心市街地などにおいて電柱の倒壊などが起これば、都市機能の中核が麻痺することとなります。こうしたエリアにおきましても整備を加速すべきというふうに考えます。
 駅周辺の中心市街地を初め人が集中する場所において、防災面も鑑みて、区市町村道の無電柱化をさらに加速する仕組みをつくるべきと考えますが、見解を伺います。

○花井道路保全担当部長 これまで利用者の多い主要駅及び観光地周辺等におきまして、国と都で事業費の四分の三の財政支援を行うなど、区市町村と連携し、面的な無電柱化を促進してまいりました。
 これに加えまして、今年度からは、近年頻発する自然災害への備えといたしまして、区市町村への財政支援のうち、防災に寄与する路線につきまして、補助率を四分の三から四分の四に引き上げ、防災緊急パッケージといたしまして区市町村に対する財政支援の強化を図ったところでございます。今年度は四十二区市、約十二億円の財政支援を予定しております。
 駅周辺の中心市街地などでも一層活用ができますよう、財政支援の内容や活用方法などにつきまして、連絡会議等で周知を図り、区市町村の理解を深めますことで主体的な取り組みを促し、都内全域での無電柱化を推進してまいります。

○滝田委員 区市町村や地域の関係者が中心市街地などで無電柱化を実施したいと意欲的に動けるように、財政的支援を一層受けられやすくしていただくように答弁ありましたけれども、運用をお願いいたします。中心市街地が変わりますと、都民の意識も変わります。都市全体の無電柱化の取り組みも加速してくるというふうに考えているところでございます。
 さて、無電柱化に関しまして、最後に占用料について伺いたいと思います。
 都道において電柱の占用料は幾らに設定をされているのか、その設定の算出根拠とあわせて伺いたいと思います。加えて、占用料の変更にはどのような手続が必要であるか伺います。

○前田道路管理部長 都道における電柱の占用料でございますけれども、都道上に最も多い種類のもので、年額で一本当たり、特別区で六千八百円、市で二千二百八十円、町村で四百二十円でございます。
 道路占用料は、道路を使用することに応じた対価を徴収するものでございまして、固定資産税評価額をもとに算出しております。道路占用料は、道路占用料等徴収条例において定められておりまして、その変更には条例改正が必要でございます。

○滝田委員 もともと迅速に電力供給網を構築するということで、電柱の設置は許可されるものとして制度が設計されてきたというふうに理解をしています。ですので、道路の使用部分に対しての対価を払えば使用できるというふうになっているのかというふうに思います。
 一方で、近年の論点としましては、災害時に電柱が倒壊することで緊急車両が通れない、あるいは避難経路が塞がれるといった懸念があること、あるいは平時においても景観を損なうことであったり、歩行者の通路を阻害するといったことが課題にあるという話でございます。電柱が設置されることによるマイナス面、つまりは外部不経済が議論されているところでございます。
 確認の質問となりますけれども、先ほど伺いました電柱の占用料の設定においては、外部不経済は加味されていないということでよいか伺いたいと思います。

○前田道路管理部長 先ほども申し上げましたように、道路占用料は、道路の使用対価として徴収しているものでございます。このため、占用料の算定に当たりましては、外部不経済の要素は加味されておりません。

○滝田委員 ご答弁ありがとうございます。
 防災上の観点など弊害が議論されている中でございますので、都条例で定めている占用料につきましても外部不経済を考慮するべきではないかということを問題提起いたしますので、検討を要望したいと思います。
 次に、河川について伺います。
 ゲリラ豪雨や勢力の強い台風の上陸など、これまでの想定を上回るような短期間での激しい降雨、近年頻発しております。先日の台風十九号におきましては、狩野川台風クラスといわれるほどで、私の地元八王子市では総雨量四百二十七ミリ、観測史上最多となる降水量をもたらすほどの強烈な雨台風でございました。これを大きな河川氾濫とはならずに、ぎりぎりのところで食いとめたという点は、これまで長年の都の治水の取り組みが効果を発揮したものでありますので、大きく評価されるべきものと思います。
 一方で、少し環境が違えば、多摩川や浅川の本流、支流、あるいは低地帯において大きな氾濫などになった可能性がありまして、関係部局や各基礎自治体と連携して、今回の台風を踏まえた弱点の洗い出し、優先順位や費用対効果を検証しながら対策を強化するように強く要望いたします。
 また、実際に被害を受けた個々の河川や地域における緊急対策の要望につきましては、都民ファーストの会東京都議団としまして、先週、知事宛てに要望書を提出しておりますので、改めてご確認、対応をよろしくお願い申し上げます。
 そのような中で、都は調節池の整備の加速を打ち出し、取り組んできておりますが、区部時間七十五ミリ、多摩六十五ミリの目標水準達成時のアウトカムとしての治水効果について伺います。あわせて、その達成に向け、現在事業中の八施設の総事業費について伺います。

○小林河川部長 目標整備水準を達成した場合につきましては、都内中小河川流域に戦後最大の被害をもたらした狩野川台風に加え、時間百ミリの局地的短時間の豪雨にも効果を発揮し、溢水を防止することが可能となります。さらに、近年、中小河川流域に浸水被害をもたらしました百十三の降雨のうち、九八%に当たる百十一の降雨において河川から溢水はしないなど、大きな効果を発揮することを確認いたしました。
 この目標整備水準達成のためには、九つの対策強化流域で、護岸に加え、総貯留量約五百六十万立方メートルの調節池等の整備が必要になります。そのうち、合わせて約百十万立方メートルを貯留する七調節池と谷沢川分水路の計八施設で現在工事を実施しており、その総事業費は、現時点で約千八百億円程度となる見込みでございます。

○滝田委員 ご説明の内容からしますと、計画達成には現在事業中のものの五倍の容量が必要ということで、単純計算にはなりますけれども、一兆円規模の事業ということかと理解をいたします。大半の浸水被害を未然に防げるということではありましたけれども、費用も膨大であります。費用や効果についてわかりやすく都民に示していくことでの理解の醸成が必要かと思います。
 また、目標としているアウトカムの達成に対して、調節池以外の取り組みも含めて適切な取り組みとなっているのか、数年ごとに総合的に検証して、ワイズスペンディングを心がけていただきたいというふうに思います。
 本年七月に国土交通省がグリーンインフラ推進戦略を発表いたしました。グリーンインフラは、土壌や緑などの自然環境が有する多様な機能に着眼したものであります。生物の生息であったり景観形成などのいわゆる緑が持つ機能に加えまして、例えば雨水の浸透であったり水質浄化、気温上昇の抑制など、これまでハードのインフラによって果たしてきた機能を融合させた考え方、コンセプトになるものがこのグリーンインフラです。
 多様な視点がありますけれども、治水に関連する部分でいいますと、河川においてはコンクリートで固めるということだけではなくて、樹木や水辺の生態に配慮した整備を行うこと、一方で、河川や下水への雨水の流入ということに関しましては、土壌の雨水貯留機能を道路、公園、河川護岸、民地などの各空間で浸透の機能を付加していくことで取り戻すということが考えられます。
 都におきましても、こうしたグリーンインフラの概念を総合的に取り組んでいくべきと考えますけれども、昨年、第一回定例会での我が会派の代表質問に対しまして、グリーンインフラとしての機能を持つ河川整備を検討するとの答弁がありましたので、現在の状況と今後の取り組みについて伺いたいと思います。

○小林河川部長 河川は都市に残された貴重な水辺空間であり、親水性や生態系にも配慮した川づくりを進めるためには、治水機能を確保しつつ、自然の多様な機能を生かすグリーンインフラを活用することが重要でございます。
 今年度は、空堀川では旧河川敷を活用した緑地の創出や透水性舗装による緑道を整備しております。また石神井川では、緑豊かな緩傾斜護岸の整備を進めております。
 今後とも、自然環境を有する多様な機能を活用した河川施設など、グリーンインフラとしての機能を持つ河川整備に取り組んでまいります。

○滝田委員 今後の河川整備におきまして、グリーンインフラの観点を一層具現化して、河川の多様な機能の実現に取り組んでいただきたいと思います。
 また、質問等はいたしませんけれども、近年のゲリラ豪雨のような時間当たり雨量の激しい降雨におきまして、雨水がどっと河川や下水に流れ込むということで浸水につながる場面がございます。土壌などの雨水貯留機能についても考慮した総合的な治水の取り組みを関係部局と連携して進めていただきたいと思います。
 さて、私の地元八王子市の浅川と南浅川の合流部について伺いたいと思います。
 本年の第一回定例会において請願が採択されまして、その後、堤防部の整備が前向きに検討されていることを評価いたします。同合流部の周辺は、今回の台風におきましても早い段階で氾濫危険水域に達しまして、非常に危険な状況でありました。都の取り組みの進捗に市民や地元市も期待を寄せるところです。
 浅川、南浅川の合流部につきまして、来年度予算において検討に必要な予算を確保し、取り組みを進めていただきたいというふうに思いますが、現在の進捗状況と来年度に向けた今後の取り組みについて伺います。

○小林河川部長 浅川の事業化に向けまして、下流を管理する国土交通省京浜河川事務所と、流下能力に加えまして、堤防線形やすりつけ方法等についての調整を開始しております。また、市が施行する新規橋梁に関する計画協議や堤防の現況測量を行っております。
 今後は、国や市との協議をさらに進めるとともに、堤防沿いの桜の影響も考慮した堤防線形や構造等を検討してまいります。浅川、南浅川の安全性向上に向け、着実に取り組んでまいります。

○滝田委員 ぜひともしっかりと進めていただきたいと思います。堤防沿いの桜につきましても、長年市民に親しまれておりまして、その点について配慮の上で検討を進めていくと発言がありました。また、同地は八王子市役所のすぐ近くでありまして、住宅地でもあります。ぜひとも堤防整備に合わせて親水性の高い空間、人々が川や水辺に親しめる空間を地元と協議の上で整備していただくように改めて要望をいたします。
 これまでの河川整備において、親水性の高い空間を整備した事例についてどのような取り組みが行われてきたのか、参考となる取り組みについて伺います。

○小林河川部長 河川整備に当たりましては、治水対策に万全を期した上で、可能な限り人々が憩い親しめる、魅力ある水辺空間の創出を図っていくことが重要でございます。
 例えば多摩を流れる鶴見川や野川などでは、人々が水辺に近づける緩い傾斜の護岸や階段傾斜の護岸を整備しております。こうした場所は、地元地域のお祭りやイベント、生物、水質調査などの環境学習、また河川の清掃活動の拠点などとして活用されております。

○滝田委員 そうした事例の情報につきましても、関係者と共有の上で進めていただきたいというふうに思います。よろしくお願いいたします。
 さて、今回の台風では、浅川の上流部及び南浅川の上流部でも氾濫が起こりまして、高尾駅周辺の市街地などでも浸水の被害を受けました。一部護岸の破損などもありまして、私が現地を確認したところでも、公園の歩道であったり、商店の敷地の一部であったり、河川で削り取られてしまった場所がございました。南浅川上流の案内川の高尾山口駅周辺は、もともと整備計画もあったところであり、早期の対応を求めたいと思います。
 浅川及び南浅川の上流部について、今回の台風十九号による被害状況や、氾濫の危険があった場所を早期に調査分析し、対策を打つべきでありますが、見解を伺います。

○小林河川部長 浅川では八王子市上恩方町の板当橋、南浅川では八王子市廿里町の白山橋付近で溢水が確認されたことに加えまして、両河川とも護岸の一部損壊などの被害が多数確認されております。高尾山口駅前を流れる案内川でも護岸が数カ所損壊しております。
 被災箇所については、速やかに現地の調査を実施し、施設の被害のあった箇所では現在、順次、応急復旧作業を進めております。今後、護岸等の構造や各河川の流下能力などを踏まえ、適切に対処してまいります。

○滝田委員 私の地元八王子だけではなくて、奥多摩であったり青梅であったりということで被害が多数出ておりますので、早期の着実な対応をよろしくお願いしたいというふうに思います。
 建設局では、水防災総合情報システムにおきまして、雨量、水位、河川映像をインターネットのサイトで提供をしております。今回の台風において、避難の判断などで河川の状況把握、特に映像情報が非常に重要であったということを私自身も当事者として痛感をいたしました。建設局の管理河川においてこうした情報提供をしているということは評価いたしますけれども、課題もあると認識しています。
 まず、国管理の河川は国土交通省が別途情報提供しておりまして、サイト上の相互連携ということではなくて、これは基礎自治体側の問題でもありますけれども、基礎自治体も総合的な情報提供をできていないということが課題だというふうに思います。
 加えて、建設局のシステムにおきましては、八王子市内を初め、府中以西の多摩川水系においては一台もカメラが設置されておりません。多摩川の上流部支流は都の管理でありまして、今回も実際に氾濫しましたし、氾濫の危険がある河川も多数ありました。
 避難等に当たっては、近隣住民などが危険を冒して撮影したネット上の情報が頼りになってしまうという状況もございまして、情報の信憑性であったり、あるいは、そもそも危険であるということで、都の映像情報を充実させていくべきというふうに考えます。
 水防災総合情報システムで公開している都管理河川の監視カメラはどのような考え方で設置しているのか伺います。

○小林河川部長 都は近年、甚大な浸水被害が発生している河川等を水防法に基づき、洪水予報河川または水位周知河川に指定し、洪水のおそれがある際に氾濫危険情報を発表しております。この洪水予報河川などの水位が氾濫危険情報発表基準の水位に到達しているか否か等を映像で確認する箇所に監視カメラを設置しております。
 河川の水位状況を視覚的に伝えることは、都民が避難行動の判断等に活用する上でも有効であることから、ホームページで公開をしております。

○滝田委員 これまでは、危険性の高いとする河川について監視カメラを設置しているということだというふうに理解をします。先ほど指摘しましたけれども、今回の台風においては、市民が避難を判断する際などで河川の状況把握、特に映像情報は非常に重要、有効であるということがわかりました。都の管理上の目的だけではなくて、市民の使える情報として監視カメラの充実が必要というふうに考えます。
 ついては、河川の監視カメラにつきまして、今後の設置拡大について伺います。

○小林河川部長 都は、昨年度の防災事業の緊急総点検を受けまして、水位情報等の収集、監視機能を強化するとともに、住民が河川の状況を確認し、避難等の判断ができる情報提供の充実を図るため、今年度より都内全域の河川を対象に、水位計や監視カメラの設置箇所の拡大についての検討を開始しております。
 先日の台風第十九号で被害を受けた秋川や南浅川なども含めまして、近年の被害実績なども踏まえて検討してまいります。

○滝田委員 これ、カメラについては重要な件ですので、ぜひとも検討を進めていただきまして、必要な予算につきましても、来年度に向けて検討いただきたいというふうに思います。昨年の防災事業の緊急総点検を受けて検討を開始しているということではございましたけれども、繰り返しになりますが、来年度予算につきましても視野に入れて、早急に設置拡大の取り組みを要請いたします。
 河川整備や治水から少し離れまして、河川空間の活用、占用利用について質問をいたします。
 急速な都市化や治水を優先した取り組みということで、これまで日本の主要都市は河川や水辺に背を向けて都市整備がなされてきたのではないかということがよく指摘をされます。これからの都市づくりにおきましては、河川や水辺の持つ魅力を都市生活の中に取り入れる、河川や水辺に顔を向けた都市づくりを目指していくべきであります。今般計画を策定しております長期ビジョンにおきましても、治水と河川や水辺に顔を向けた都市づくり、この両立を掲げていくべきではないかと考えます。
 河川空間の活用については全国で事例が蓄積されてきておりまして、東京でも、区部においては、かわてらすやオープンカフェが隅田川に設置されるなど、地元区とともに水辺の魅力を高める取り組みが進んでいます。今後のさらなる広がりを期待いたすところでございます。
 多摩地域の河川においても、河川空間を多面的に利活用する取り組みが進むように地元市と連携をするべきというふうに考えますが、見解を伺いたいと思います。

○小林河川部長 今のご質問でございますけれども、自然豊かな多摩河川の清流や水辺空間を生かして、これまでも野川での田植えや黒目川での川遊びなど、地元市や地域住民等による水辺のにぎわい創出につながる取り組みが行われております。
 一方、平成二十三年には規制緩和として、地元の発意や地域の合意形成など、一定のルールのもと、河川のにぎわいに資する施設等について民間事業者による河川敷地の占用が可能となりました。多摩におけるにぎわいの取り組みがさらに促進するよう、規制緩和を活用した占用事例やスキームを地域合意の主体となる地元市に紹介するなど、一層の連携を図ってまいります。

○滝田委員 答弁で地元市との連携というところで意気込みを伺いましたので、ぜひ多摩地域の河川につきましても、地元市や地域を促して、魅力的な河川の利活用が一層進むように取り組みの深化をお願いいたします。
 次に、道路に関して伺ってまいります。
 今回の台風十九号によりまして、西多摩地域や八王子市、青梅市の西部地域で多数の都道が通行どめとなり、土砂の流入や崩落により道路が寸断されて孤立してしまうというエリアもございました。
 土砂災害対策を今後着実に進めていただきたいということはもちろん要望いたしますけれども、土砂の流入などを全て防ぎ切るということも難しく、被害に遭った場合においても早期に復旧する体制ということが、住民が安心できる生活を迅速に取り戻す観点で重要であります。
 ついては、豪雨による土砂流入や雪害などの際にも、都道を早期に復旧する体制をどのように構築しているか伺います。

○花井道路保全担当部長 建設局では、大雨や降雪などに関する注意報、警報が発表された際に、本庁及び建設事務所が東京都水防計画、雪害対策計画書に基づきまして、連絡態勢、警戒配備態勢を立ち上げ、都道におけます非常事態に備えております。
 また、雪害時の対応といたしましては、降雪時におけます円滑な道路交通を確保するため、毎年地元協力業者の稼働可能な資機材や労力の把握を行いますとともに、作業箇所等をあらかじめ定めまして、迅速かつ適切な除雪活動を実施する体制を整えております。
 災害が発生した場合には、速やかに現場確認を行いまして、生活への影響などを最小限に抑えるため、応急対策を早期に実施いたしますとともに、工法や範囲などを確定し、本格的な復旧工事を実施いたします。
 今後とも、自然災害に対しまして、都道の復旧に機動的な対応をし、都民の安全・安心を確保してまいります。

○滝田委員 地元の市長からも、災害時であったり、降雪時などの建設事務所の体制、人員については一層の強化が必要ではないかという形で指摘を受けておりまして、管理延長であったりとか、さまざまな要因があって一概にはいえないと思いますけれども、ほかの道路に比べて都道の復旧が遅いのではないかということをいわれないように、緊急時の十分な人員体制と関係機関等との柔軟な連携体制については、地元市との認識も確認の上で充実することを要望いたします。
 また今回、日野市と立川市を結ぶ都道におきまして、日野橋の橋脚が陥没しまして、通行が不能となっております。日野橋は大正十五年に架設された歴史ある橋でありまして、多摩川の中下流部では三番目に古く、昭和三十九年に大規模改修工事、平成十八年に耐震補強工事を行ってきたところでございます。近隣自治体からは近年、毎年かけかえを要望してきておりまして、平成二十六年度にも都として調査予算を執行したという経緯がございます。そのため、今回の被害におきましては、市民からのじくじたる声というものがありまして、地元日野市や立川市選出の我が会派の都議から聞いているところでございます。
 先般の災害翌日には、都民ファーストの会東京都議団としまして、小池都知事に緊急対策の要望をいたしましたけれども、その中でも日野橋については甚大な被害として明記をいたしまして、道路橋脚の復旧などに全力で取り組むよう要請をしたところでございます。
 日野橋については、地元市民の生活や広域的な交通にも多大な影響があることから、早期の復旧を目指して技術的な調査をすぐに開始すること、並行して、抜本的な老朽化対策として橋のかけかえも早期具体化するべきというふうに考えますが、今後の対応につきまして見解を伺います。

○花井道路保全担当部長 ただいまのご質問の日野橋についてでございます。台風第十九号の影響によりまして、橋桁を支えます橋脚が沈下しました。路面に大きな段差が生じましたため、十月十三日午前四時五十分に通行どめを実施いたしました。橋脚を支える河床が水の勢いで洗掘されましたため、橋脚の沈下が生じたものと想定されます。
 この復旧に向けまして、河川管理者と調整の上、水位が低下した後、現場での安全確認を行いまして、河床の洗掘範囲、橋梁の変形等の技術的な調査を速やかに実施する予定でございます。
 また、本橋のかけかえにつきましては、平成二十六年度から調査等を開始しておりまして、引き続き、早期かけかえに向けまして、関係機関との協議や調査設計等を進めてまいります。

○滝田委員 復旧であったりとか、あるいはかけかえの検討に当たり、地元自治体の意向をしっかりと把握しながら連携をしていくように重ねてお願いを申し上げます。
 さて、台風の関連から観点を変えまして、引き続き幾つか道路に関連して質問いたします。
 先ほど河川空間の活用について質問いたしましたけれども、道路空間の活用ということについても、より柔軟な取り組みができるようにしていくべきと考えます。これまでの道路空間の活用について、成果と今後の取り組み方針について伺います。

○前田道路管理部長 東京の魅力を一層高めていくため、公共空間としての道路を生かし、まちの活性化を図っていくことは重要でございます。都では、これまで都市再生特別措置法や国家戦略特別区域法に基づく道路の特例占用制度を活用し、環状二号線新虎通り、丸の内地区の行幸通り、新宿副都心四号街路でオープンカフェやイベントなどに対し占用許可を行い、まちのにぎわいづくりを支援してまいりました。
 今後も引き続き、地元自治体や関係各部署と連携いたしまして、にぎわいの場としての道路空間の活用に積極的に取り組んでまいります。

○滝田委員 道路交通であったりとか安全といった観点は非常に重要でございますので、それと両立をしていくということが大事だというふうに思いますが、一方で海外都市を見ますと、オープンカフェであったりイベント、さまざまな使い方というのは珍しくありません。
 空間としてどこでも実現できるわけではありませんけれども、そもそもの考え方として、道路、道というものが車のものなのか、人のためのものなのかというところが考え方に来るかと思います。一番初めに水辺、緑、空を人の手に取り戻すということを申し上げましたけれども、道もまた人の手に取り戻すという考え方でいかなければならないのではないかということを申し上げます。
 本日は一言紹介にとどめますけれども、例えばバルセロナでは、街区ごとの交通を整理しまして、一部の道路を車の通らない広場化するスーパーブロックという取り組みが行われております。海外のこうした競合する都市におきましては、道路を人々に開く工夫をさらに進めていこうということに取り組んでおりますので、両立は非常に難しいとは思いますけれども、積極的に取り組んでいただきたいと思います。
 今年度、大学研究者の事業提案制度から、インフラ運営の透明化に向けたICT、AIを活用した市民協働システムといったものが採択されております。建設局におきまして検討を進めていると聞いております。ICTによるインフラ不良の市民通報システムというものは、米国などでも実用化されているものでありまして、行政の効率化と市民サービスの向上の両面から期待をするところです。担当の皆様におかれましては初めての取り組みですので、ご苦労されると思いますけれども、戦略政策情報推進本部とも連携をして、ぜひよい仕組みをつくっていただきたいと思います。
 市民からしますと、道路の管理者が誰なのか、国なのか、自治体なのか、都なのかということであったり、あるいは舗装も、信号も、街路樹も、マンホールも、所管がどこなのかといったことについては区別がつきません。逆に縦割り、横割りということではなく、市民に対してしっかりとそうしたものが受けとめられるシステムというものが必要だろうというふうに思います。
 インフラ運営の透明化に向けたICT、AIを活用した市民協働システムにおきまして、基礎自治体や他局との連携した運用ができることが非常に重要でありますけれども、現在の道路情報に関する連絡体制及び市民協働システムの取り組み方針を伺います。

○花井道路保全担当部長 道路に関します都民からの通報や連絡に対しましては、都道のみならず、国道や区市町村道などにつきましてもワンストップで対応できるよう、道の相談室を設置し、適切な道路管理を行っております。
 これらの取り組みに加えまして、スマートフォンアプリを用いた市民協働システムを導入することによりまして、容易に通報や連絡が可能となり、広く都民からの情報提供を得られますとともに、都民と協働したきめ細やかな道路管理にもつながるものと考えております。
 今年度は、試行といたしまして、一定エリアにおいてシステムを運用し、地元自治体とともに課題を抽出した上で戦略政策情報推進本部と連携いたしまして、システム機能の向上を図ってまいります。

○滝田委員 各局であったり、あるいは基礎自治体との連携について、都民視点で使いやすい仕組みづくりをつくり上げていけるよう、運用も含めた調整をお願いいたします。私としては、このシステムづくりについては応援しておりますので、しっかりと進めていただきたいというふうに思います。
 次に、道路に関しての最後に遮熱性舗装について伺います。
 暑さ対策、ヒートアイランド対策の必要性がいわれておりますけれども、遮熱性舗装であったり保水性舗装、それ以外にも街路樹による陰影の創出、屋上緑化等の緑の創出、水面の創出など、選択肢があります。歩道の歩行者にとっての気温低下効果であったり、ヒートアイランドの要因となる蓄熱を減らす効果など、整備コストとの対比で検証していく必要があると考えます。
 ついては、遮熱性舗装について、現在の整備の進捗状況と直近の平成三十年度の決算額、一般的な舗装との価格差と効果について伺います。また、遮熱性舗装の採用から一定期間経過しておりますので、新たな技術なども研究されているというふうに思われますが、それらへの対応について見解を伺います。

○花井道路保全担当部長 都は、ヒートアイランド対策の一環といたしまして、平成二十年度から、センター・コア・エリアを中心とした重点エリアで遮熱性舗装などの整備を路面補修工事にあわせて実施しております。二〇二〇年までに本舗装を累計で約百三十六キロメートル整備する見込みでございまして、平成三十年度までに約百二十九キロメートルの整備が完了いたしました。また、平成三十年度の決算額は四十四億円で、十三キロメートルの整備を進めました。
 なお、この整備費用は、一般的に都が採用しております低騒音舗装のみを行う場合のおおむね一・三倍でございます。効果につきましては、遮熱性舗装は路面温度の上昇を最大八度抑制するなどの効果がございます。
 新技術の活用につきましては、研究開発の動向を注視いたしまして、関係機関等と調整の上、検討してまいります。

○滝田委員 遮熱性舗装という、前から導入してはおりますけれども、新しい技術ということで、これまで一定の規模感を持って導入が進捗してきたということでございます。これまでの整備実績をもとに、費用対効果の検証であったり、技術改良によるコスト削減をするなど、事業のブラッシュアップをすべき時期にも来ているのかなというふうに考えます。
 八王子市内におきましても、甲州街道で遮熱性舗装が一部導入されたということで、八王子まつりの際の踊り手さん、あるいは山車の引き手にとって快適になったというふうに実際いわれております。また、二〇二〇大会のマラソンコースとしても効果を期待するものであります。
 一方で、ふだん都道では車道を歩くわけではありませんので、暑さ対策という意味では、例えば小学生の通学路など、そうした道においての整備の方が導入効果というのは高いのではないかということも考えられますし、さまざまな導入の優先順位についても検証していただきたいなというふうに考えております。
 最後に、公園関係について伺います。
 これまで一般質問であったり予算特別委員会などにおきまして、公園の多面的活用、民間活用について提案をし、質疑をしてまいりました。改めて、公園大改革について、今後の取り組み方針と、長期ビジョン策定に当たってどのような課題認識をしているのか伺いたいと思います。

○古川公園緑地部長 都立公園大改革は、都立公園をより親しみ、楽しみを感じる公園に生まれ変わらせるための取り組みであります。改革を進めるに当たり、新たな発想でこれまでにない魅力を引き出すこと、公園を主役とした地域と都民との連携など、設定した視点をもとに、引き続き取り組んでまいります。
 また、長期ビジョン策定において、東京の都市としての魅力を一層高めるため、都立公園の整備拡充や魅力向上などの課題を踏まえた計画となることが重要であると認識しております。
 今後とも、都民、来園者、旅行者等のさまざまなニーズに応えるため、都立公園の改革を進めてまいります。

○滝田委員 しっかりと進めていただきまして、各公園での具体化に取り組んでいただきたいというふうに思います。
 ニューヨークの長期計画におきましては、二〇三〇年までに全ての市民が住宅から徒歩十分以内で公園や広場に行けるようにするという目標を掲げています。
 また先日、私、私費ですけれども、シンガポールに視察に行ってまいりました。シンガポールで都市開発を担当している行政庁の方でも、ことしマスタープランの改定を行っておりまして、そのドラフトにおきましても、同じく九割以上の市民が公園から徒歩十分圏内に住むということを今後十五年間で目指していくというふうにしております。
 世界の都市間競争ということにおきましては、公園や緑の量的な確保、質的な向上に加えまして、徒歩圏でのアクセシビリティーもターゲットに目標設定をしているところでございます。建設局の範疇だけではなくなりますので、今回の委員会の質問とはいたしませんけれども、都においても、これまでの公園や緑の量に加えまして、徒歩圏で公園や緑にアクセスできるということにつきましても、長期的な目標に入れて取り組むべきというふうに考えますので、関係各局との検討をお願い申し上げたいと思います。
 本年より始まりました国際競争力プロジェクトによる海外事例調査には大きな期待をしております。通常業務が非常に忙しいという中で海外出張に行くのは、最初は負担が大きいかもしれませんけれども、東京都が対峙している海外の強豪都市、これらがどのような取り組みをしているのかということを見てくることは、長期的には必ずプラスになるものというふうに思います。私自身も前職は総合商社に勤めておりましたので、どれだけ忙しくても海外の現場に足を運ぶということは大切にしたいということで、先日も海外に行ってきたわけでございます。
 建設局において、国際競争力プロジェクトによる海外派遣の取り組みを伺いますとともに、調査内容をどのように局内各部署や関係する他局に共有し、生かしていくのか伺いたいと思います。

○村上企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 建設局では、国際競争力強化プロジェクトを活用して、これまでに海外四都市へ二十四名の職員を派遣し、多様な公園管理運営手法など、先進事例の調査を実施しております。
 職員が目にした事例や得られた知見は、参加していない職員にも職場報告や局報等を通じて情報共有するとともに、関係する各局や区市町村職員には研修などで情報提供してまいります。プロジェクトを通じまして、職員がより広い視野からの課題解決力を身につけることによりまして、新規事業の企画立案や既存事業の改善に生かしてまいります。

○滝田委員 続けて質問しますけれども、公園関連につきましても、ニューヨークを視察したというふうに聞いておりますが、どのような知見が調査で得られたか、またどのように活用するのか伺いたいと思います。

○古川公園緑地部長 ニューヨーク市では、セントラルパークやブライアントパークなど、著名な公園のにぎわい状況などを視察するとともに、市職員や公園管理者などへのヒアリングを実施いたしました。
 多様なイベントの企画や公園内施設の工夫などにより、にぎわいを生み出す方策、レストランなどの収益を公園の維持管理に活用する仕組みなど、公園運営の参考となる知見を得ました。また、公園管理を取り巻く歴史的背景や、公園が多くの市民や民間企業の協力や寄附により支えられている状況などについても学んでまいりました。
 今後、これらの知見を踏まえ、国内外の公園管理における事例研究を進めながら、民間活用方策などの検討に生かしてまいります。

○滝田委員 ぜひとも海外の事例も参考にして、東京の公園が世界から逆に視察をされるというように取り組みを深めていただきたいと思います。
 時間が迫っておりますので、最後の質問の方に行きたいと思いますけれども、先日、一般質問でも取り上げをさせていただきましたけれども、世界を見渡しますと、今、シェアリングの電動キックボードというものが普及をしているという状況にございます。なじみがないかもしれませんけれども、子供たちが遊んでいるキックボードの電動で動くものということで、シェアリングにしているものが多いんですけれども、まち中にポートがあって、それを携帯のアプリで鍵をあけたり、決済をしたりということで、すぐ簡単に借りられるといったものになります。今やシェアサイクルではなくて、シェアリングの電動キックボードというものが各まちにあるというような状況でございます。
 私も海外に行って乗ってみましたけれども、ランニングと同程度の時速十キロから十五キロぐらいで走る限りは特段危ないということではなくて、移動手段としても、その速度で走ったとしても、地下鉄駅三、四駅分ぐらいは移動できるというものでありました。
 さきの一般質問では、戦略政策情報推進本部長より、試乗体験等の実証実験を通じ、利用拡大に向けた機運醸成を図る段階、今後、都立公園等の公道以外のスペースで、安全性に十分配慮しながら試乗体験会等が実施できるように検討してまいるという答弁がございました。
 モビリティーとしての実験でありますので、歩行者や、その他のモビリティーと共存した環境で一キロ程度走行できる空間の確保が望ましいというふうに考えますが、今後、事業者が都立公園で電動キックボードの実証実験を要望した際に、どのような手続が必要になるか伺います。

○古川公園緑地部長 都立公園は指定された場所以外での車等の乗り入れを禁止しているため、電動キックボードなどを公園内で試乗体験するためには、イベントとしての一定の園地を占用することが必要となります。
 イベントの占用を許可する基準を設けており、イベントを実施できる広場があること、公共性が高く、国や地方公共団体の主催、共催または後援のもとに行われること、他の公園利用者や周辺の居住者に配慮した内容であることなどが条件となります。
 なお、申請につきましては、イベントが行われる月の十三カ月前から先着順で受け付けをしており、申請が競合する場合には抽せんにより使用者を決定しております。

○高倉委員 このたびの台風十九号の災害でお亡くなりになりました方々のご冥福をお祈り申し上げますとともに、被災された方々に心よりお見舞いを申し上げます。
 今回の台風十九号に当たりましては、十二日から十三日にかけて東京を通過したということでありましたけれども、十三日の午前中までの私たち都議会公明党としての現場の要望、さまざまな情報をもとにして、十三日の午後、早々に小池都知事に復旧や復興に対する要望を申し上げたところでございます。
 そしてさらに、十六日には日の出町の都道、あるいは平井川の災害の現場、そして奥多摩町のやはり都道の崩壊の現場、あるいは断水の状況の調査、そしてその後、あきる野市の秋川の災害の状況、こうしたところもつぶさに調査をしてきたわけでございます。
 さらに、十八日には檜原村に参りまして、檜原村でも都道が大きな被害を受けておりました現場、そしてさらに、日野橋の被害についても調査をしてきたところでございまして、こうしたさまざまな私どもが調査をした内容については、局の方にも既に要請をしていることもありますし、また、今後さらにさまざまな要望も重ねていくことがあろうかと思いますけれども、ぜひその対応はよろしくお願いを申し上げたいと思います。
 今回の台風の災害につきましては、本当に建設局の皆様が三浦局長を先頭にして、きょうご出席の皆様、そして局の職員の皆様、そしてそれぞれの地域の建設事務所の皆様が本当に不眠不休で復旧に当たられてきた。その活動、活躍については、私も都民の一人といたしまして心から感謝を申し上げるものでございまして、本当にありがとうございます。
 私、日の出に行ったときに三浦局長にもお会いをいたしまして、本当に現場のこういう大変なところまで局長みずからが足を運んで自分の目で調査をされている、こうした現場にも遭遇をしたわけでございます。
 この台風十九号につきまして、それぞれの現場を調査してきたことを踏まえて、これから質疑をしていきたいというふうに思いますけれども、最後に局長にも今後の対応等も含めてご所見もお伺いしたいと思いますので、よろしくお願いをしたいと思います。
 まず、河川についてでございます。
 河川の被害の全貌については、きょう、委員会の冒頭で既にご報告がありましたので、このことについてはお聞きをいたしませんけれども、先ほど私どもが十六日に調査をしたあきる野市、秋川が大変な状況であったわけでございます。川沿いの住宅が土台をえぐられて大きく傾いているような現場、それから、護岸が崩壊しているような現場、こういうことを見てきたわけでございますけれども、まず、秋川の被害状況と復旧の見通しについてお伺いをしたいと思います。

○小林河川部長 秋川におきましては、山田大橋下流左岸や秋留橋下流右岸など五カ所で護岸崩壊が発生いたしました。この護岸崩壊に伴い、周辺住民の生活に影響を及ぼしている山田大橋下流左岸などにおきまして、大型土のう積みなどの応急復旧工事を実施しております。
 引き続き、護岸崩壊箇所の本格的な復旧を速やかに実施してまいります。

○高倉委員 今、護岸崩壊というご説明があったわけでございますけれども、その中の一つでありますが、非常に堤防が、もう百数十メートルにわたって崩れてしまっている、私どもはこうした現場に足を運んだわけであります。当然そこから秋川の水が住宅の方に流れまして、住宅は大変な水害、浸水の被害を受けたわけでありまして、その住民の方々とも意見交換をいたしましたけれども、大変厳しいお言葉もいただいたわけでございます。これは当然のお話だというふうに思います。
 今、崩壊というお話がありました。例えばテレビ報道なんかを見ていて、よく堤防の決壊という言葉が使われて、ずうっと東京都内では決壊がなかったというようなことになっていましたけれども、私が見た感じでも、それから地域の方々も、あれはもう決壊ではないのかと、こういうようなお話もあるわけでありまして、それぐらいすごい崩壊であったわけであります。この場所に関して浸水をした原因は一体何なのか、この件について答弁をいただきたいと思います。

○小林河川部長 台風第十九号では、秋川の流下能力を上回る洪水により水位が上昇し、崩壊箇所の上流の山田大橋下流左岸付近の堤防を越えて溢水したものでございます。下流の約百五十メートル区間の堤防崩壊は、この溢水した水が堤防背面を侵食したことなどが要因となったと推測しております。

○高倉委員 いずれにしても、堤防がこの地域では全くなくなってしまっているわけでありまして、既に応急的な対応はされているというふうに承知をしておりますけれども、ぜひ復旧に向けてしっかりと取り組みをお願いしたいと思っております。
 秋川をずっと見ますと、当然河川ですから、真っすぐ流れているところもあれば、湾曲をして流れているというようなところもあるわけであります。当然ながら、増水をしたときに、やはり川の流れの形状からして、どうしてもここは弱い部分であるというようなところはチェックが可能なわけであります。今回もこうした堤防の崩壊の場所のみならず、ここは当然ながら、増水をしたときに弱い場所であろうというようなところは改めてチェックをしていく必要があるというふうに思います。
 そうした意味で、今回の水害を受けて、秋川に限らないと思いますけれども、この秋川についての全体のチェックが必要ではないかというふうに思いますけれども、答弁を求めたいと思います。

○小林河川部長 秋川では、被災直後から緊急点検を開始し、被害規模が大きい護岸崩壊箇所から応急復旧工事を実施しております。秋川における護岸や河道等の点検結果及び区間ごとの特性を踏まえ、適切に対処してまいります。

○高倉委員 次に、この河川の中で多摩川に関連する水害についてお伺いをしたいと思います。
 多摩川を管理しているのは国ということでありますけれども、そこに流れ込む川でありますとか、まあ、きょう、所管は違いますけれども、下水道とか、こうしたことは東京都が管理をされているわけでございます。今回、世田谷区や大田区、あるいは少しその上流になりますけれども、狛江市でありますとか調布市において、この多摩川に関連するような形での大変大きな浸水の被害が発生をしているわけでございます。
 いろんなことがいわれているわけですけれども、多摩川に注ぐ河川の溢水であるというような状況も見てとれるわけですけれども、こうしたエリアの被害の状況についてのまず認識をお伺いしたいと思います。

○小林河川部長 多摩川下流部に流れ込む都管理河川におきましては、谷沢川が多摩川との合流点付近から溢水し、世田谷区の一部の地域で浸水被害が発生したことを確認しております。

○高倉委員 私も台風が過ぎ去った十三日、その日に、よく報道もされておりましたけれども、二子玉川駅の周辺に参りまして、さまざまな状況を見てきたわけでございます。その後も私どもの同僚の議員とともに、特に多摩川と、そこに流れ込む河川等の間に水門があるわけであります。この水門は、管理は主に地元の区市などが行っているわけでありまして、さまざまな時間帯に水門を閉めたというようなことがある一方、水門の中には、閉めようと思ったけれども、もう既に多摩川の水が増水をして近寄ることができなかった、こういうようなところもあるわけであります。
 そうした中で、住民の方々からしてみれば、例えば水門を閉める時間がどうだったのかとか、水門を閉めてしまったがために、多摩川から逆流する水ではなくて、そもそも住宅地を流れている中小の河川から水が出て、それが一気にあふれてしまったのではないかとか、さまざまなことが、住民の方々が疑念を抱いている、こうした状況があるわけであります。
 いずれにしても、この地域においては、さまざまな地形的な特質もあるんじゃないかなとも思いますけれども、今後同じような災害にまた襲われる可能性というのがあるわけでありまして、この原因の究明ということをしっかりと行っていくということがまず必要である。これは当然、今後、対策を講じていくためにも、原因究明というのは避けて通れない話でありまして、これをどう対処していくお考えなのかお伺いしたいと思います。

○小林河川部長 谷沢川には、多摩川の水位が上昇した際に大規模な浸水被害を防ぐため、多摩川との合流点に国が玉川排水樋管を設置しております。今回の台風第十九号による谷沢川の溢水は、多摩川の水位の上昇による影響と、樋管の操作管理者である世田谷区が操作要領に基づきゲートを閉鎖したことで、谷沢川を流下する洪水が湛水したことによるものと考えております。
 今後、今回の多摩川と谷沢川の水位と溢水との関係などについて検証してまいります。

○高倉委員 これは本当にしっかりと究明、解明していただかなきゃならないことであると思います。いいかげんにしてはならないということでありまして、ぜひこれはしっかりと原因究明を図っていただいて、これはまた適切な時期にご報告をいただかなければならない、そうしたことであるというふうに思いますので、この点はぜひ全力を挙げた取り組みをお願いしたいと思っております。
 先ほどもちょっと申し上げましたけれども、この多摩川の増水、そしてまた住宅街を流れる河川、さらには、そことの間にある水門の問題、それぞれ管理をしているところが別々であったり、当然水門のあけ閉めもまた違うところが担当していたりということで、幾つもこの地域の、いってみれば同じ台風の大雨による中で、幾つも幾つも管理が分かれていて、またその担当する対応も分かれている、こういう状況があるんですね。
 本来、これは管理上、分かれていても仕方がないとは思いますけれども、例えば今回のような大型の台風のときには、きちっとそこが連携をして適切な対応をしていくということは大変重要なことではないかというふうに思うんですね。本来は、当然ながらここに関係をしている国とか都とか、それから地元の区や市ということになると思いますけれども、そこの担当する皆様が何度も何度も協議をし、話し合いをし、そして災害の中にあっての対応といったことをしっかりと考えておかなきゃならない、そういう話であるんだというふうに思うんですね。
 したがって、今回のことも踏まえて、今後そうした関係をするところがきちっと対応を協議していく、そうした場をつくって、常日ごろからしっかりと実際の発生時にどうしていくかということを協議していく、その手順を決めていく、こういったことは十分必要ではないかというふうに思いますけれども、ご所見をお伺いしたいと思います。

○小林河川部長 多摩川と谷沢川との合流点に設置された玉川排水樋管は、施設管理者が国、操作管理者が世田谷区でございます。谷沢川の管理者である都は、水防災総合情報システムにて、谷沢川の水位情報を一般に公開し、広く都民に情報提供しております。
 今後は、国や世田谷区などと連携し、情報共有を一層強化する取り組みが実施できるよう検討してまいります。

○高倉委員 私ども、現地に参りましたときに、例えばマンションの一階、そして地下の駐車場が水没をしているというような方々からもいろんなご要望、そしてご意見も伺ったところであって、私どもも今回のこの地域も含めた水害の原因については調査を進めたいというふうに思っております。
 今答弁で、情報共有を一層強化する取り組みが実施できるよう検討していくということでありますけれども、先ほど私、申し上げましたように、関係するところがしっかりと一堂に集まるなどして、十分な今後の対応というものを協議していただきたいというふうに思いますので、ぜひこれはよろしくお願いをしたいと思います。
 次に、監視カメラ、それから水位計の質問をする予定でありましたけれども、先ほど滝田理事のご質問のときにもありましたので、質問はいたしませんけれども、いずれにしても、住民にとって川の状況がどうなっているのか、これは例えば水位計の情報ですとか、あるいはライブカメラの情報といったものが大変重要になってくるわけでありまして、今回の水害を踏まえて、実際どういう体制が万全であるのか、このことも踏まえて、こうした水位計や、あるいは監視カメラ、ライブカメラの増設については適切な取り組みを早期にお願いしたいと思いますので、よろしくお願いします。
 あわせて、災害になりますと、そういう情報には多数の住民がアクセスをするんですね。したがって、その結果として、ネットの集中により、なかなか情報のやりとりが非常に遅くなる、難しくなる、こういうこともあるわけでありまして、常日ごろ点検して、テストしてみたりするときは、当然たくさんの人がアクセスしていないんで、ああ、大丈夫かなと思うんですけれども、災害のときには想定しないような数がそこに集中をするわけでありまして、こういう対応もあわせて行っていく必要があると思いますので、よろしくお願いをしたいと思います。
 それから、私どもが調査をしてきた日の出町の平井川という川があるわけであります。後ほど道路のことは別途お聞きをいたしますけれども、この平井川の氾濫によって都道も大きな影響を受け、そして川沿いにある一般の住宅の土台も大きくえぐられてしまったようなおうちもあるわけであります。
 現地を調査しましたときにお聞きをしたのは、再三にわたって、この平井川の河床、いわゆる川の中にある木を取り除くべきであるということを実は要望してきたんですと。そういう川の中にある木というものは、すぐに大きくなってしまってというようなことをおっしゃっておりました。
 その際、流れに影響するということではないのでというような理由で、なかなか対応がなされなかったというようなお話も聞いているわけであります。今回、都道が崩壊をして、その先の住民の方々が孤立をしてしまった、そのところよりも少し下流のところも調べてまいりましたけれども、何をされていたかというと、大きな木を切っていました、川の中で運び出すために。
 つまり、そこは川の中にあった大きな木が倒れた場所なんですよ。倒れたところで、恐らく、倒れたところというか、大木によって流れがきっと変わっていたんだと思うんですね。その大木のそばにあるおうちのところがえぐられているんですよ。川の形はぐうっとそこから曲がっていったところです。通常は曲がっている外側が影響を強く受けるんですけれども、家の土台が削られていたのは内側なんですよ。
 したがって、そこは恐らくその川の中に生えている大木によって増水した川の流れが変わって、そしてその流れによって削られたのではないか、こういうようなことも推測できるわけであります。
 こうした倒木による被害といったことを考えれば、日常的にこういう川の中にある、河床にある樹木、適切な対処をしておく必要があるというふうに思っておりますけれども、今後の取り組みについてお考えをお伺いしたいと思います。

○小林河川部長 都では、河道内の点検を定期的に実施しておりまして、治水面の機能を確保する必要がある場合に河道内樹木等を撤去しており、今後も地元の要請なども踏まえまして、必要に応じて実施してまいります。

○高倉委員 先ほど申し上げたように、全く地元から要望もなかったというような状況であれば別でありますけれども、地元を歩いて、いろいろお聞きをした中では、要望していたというようなことをおっしゃっておりました。これは我が党の地元の町会議員のお話でありますので、ぜひこれはしっかりお願いをしたいというふうに思います。
 それから、この平井川についてなんですけれども、先ほど報告にもありましたように、都道一八四号線が百メートルぐらいにわたって、その先の地域が孤立をしてしまっているわけでありますが、ここの場所以外にも、川岸が削られているというんでしょうか、穴があいているとか、こういうお話を現地でずっとお聞きをしてきました。
 したがって今回、復旧は本当にしっかりと着手していただいておりますけれども、川全体のチェックといったことが必要であるというふうに思いますけれども、ご所見をお伺いしたいと思います。

○小林河川部長 平井川におきましては、被災直後から緊急点検を開始し、護岸崩壊が発生した箇所において応急復旧工事を実施しております。
 また、平井川における護岸や河道等の点検結果及び区間ごとの特性を踏まえ、適切に対処してまいります。

○高倉委員 今回の台風の大雨で--私、住んでいるのは中野区というところであります。周辺に大きな多摩川のような川があるわけではありませんけれども、神田川とか妙正寺川という、妙正寺川というのは今から十四年ほど前に集中豪雨によって大変な浸水被害が発生をした川であります。このそばには、川の溢水を防ぐために、環七地下に非常に長い間をかけて整備された地下調節池というのがあって、非常にこれは効果を発揮しているわけであります。
 先ほど多摩川のお話もしましたけれども、例えば多摩川が本当に増水している、堤防よりも外側でも川によって水がふえている、その際に、まさに水門の役目が事実上果たせないというんでしょうか、こういうこともあるわけでありまして、私は、もちろんちゃんとした用地があるかどうか、そういうことができるかどうかということを調べなきゃなりませんけれども、住宅地の中には、抜本的な対策として、水の貯留施設といったものもしっかりつくっていく、こういった検討も必要であるというふうに思っておりますけれども、今申し上げた環七の地下調節池は今回非常に効果を発揮いたしました。
 確認をしましたら、十二日の午後三時過ぎには、もう既に取水を始めて、ずうっと夜中、水を入れていたということでありました。このことによって、かなり水位はぎりぎりのところに行ったところもあったんですけれども、全く川があふれることがなかったわけであります。この大きな効果があったというふうに思いますけれども、その運用と具体的な効果についてお聞きをしたいと思います。

○小林河川部長 環七地下調節池は現在、神田川、善福寺川、妙正寺川の取水施設及び下流に設けた基準点の水位が一定以上に上昇した場合に洪水を取水しております。
 今回の台風第十九号では、総容量の九割程度を貯留するなど、下流の水位低下に大きな効果を発揮いたしました。

○高倉委員 こういう貯留する施設が住宅地等の水害には大変大きな効果を発揮しているという本当にすばらしい実例であるというふうに思いまして、ぜひこうしたことをほかの地域にも広げていくようなことも検討していただきたいと思いますが、毎回なんですけれども、私の地元を流れる神田川とか妙正寺川があるわけですが、大雨が降るときに住民の方々からたくさん問い合わせが来るんですけれども、この問い合わせは、環七の地下に水が入っていますかという問い合わせなんですよ。これはとても多いです。これが来ます。何時ごろ入りましたかとか、こういう問い合わせがとても多いです。
 これはなかなか難しいところで、この地下調節池があることによって、水が入ったということになると、すごく容量が大きい調節池ですので、皆さんある意味では安心してしまうというところもあって、安心が避難のおくれにつながるという心配もあるわけでありますけれども、そういう問い合わせが非常に多いということを踏まえて、ライブカメラの情報ですとか、それから川の水位計の情報とかというのも適切に行われているわけですけれども、今後、こうした住民の方々が求める情報提供のあり方についても、どういう形がいいのかということは、先ほど申し上げたようにちょっと難しい面もあるんですけれども、よく考えていただければと思っています。
 この環七の地下調節池のさらに北側、練馬区の方では、白子川等の河川がありまして、こちらの方も同じような水害の危険性といいますか、そういったことに直面をしているわけでありまして、この対策として今、地下調節池がそこで建設が進められて完成をしているわけであります。
 これはその後、今既に環七の地下にある調節池と、それから練馬の方にある今回完成した調節池がさらにつながって、広域の調節池としてとても大きな容量になるということであります。その効果と今後の取り組みといったことについてご答弁をいただきたいと思います。

○小林河川部長 環七地下広域調節池が完成いたしますと、神田川、石神井川、白子川の三流域にまたがり、計五河川の時間最大七十五ミリのレベルアップに対応した洪水を貯留するとともに、調節池の容量を各流域間で相互に融通することにより、時間百ミリの局地的かつ短時間の豪雨にも効果を発揮いたします。
 今年度内にトンネル本体の掘進を開始し、約五・四キロメートル先の白子川地下調節池に向け掘り進めるとともに、順次、建築や設備などの関連工事を実施いたします。令和七年度末の完了を目指し、引き続き工事を着実に推進してまいります。

○高倉委員 令和七年度末の完了を目指すというお話がありましたけれども、これが本当に完成しますと、今の環七の地下の調節池に比べて三倍ぐらいのそうした能力を有することになると。そして今、答弁にもありましたけれども、時間百ミリの局地的な豪雨にも対応するというお話でありました。
 十四年前の妙正寺川等で大きな水害があったときは、上流の杉並の方で時間百ミリを超える大雨が降ったわけであります。そうした雨にも対応をすることができるような地下の貯留施設ということになると思います。ぜひ着実に推進をしていただきたいというふうに思います。
 次いで、都道の被害についてお伺いをしたいと思います。
 先ほどの被害の報告にもありましたけれども、例えば日の出町においては平井川という、先ほど川のところで申し上げましたけれども、この川沿いを走る都道一八四号線という都道ですけれども、ここで百メートルぐらいにわたって崩壊が起きたわけであります。十三日の午後すぐに小池知事に私どもが台風災害に対する対応の申し入れをした際には、私どもの地元の町会議員の方々からも、このことに対する対応について強い要望がありました。
 本当に道路全体が崩壊をしておりまして、私たちが行ったときには、そのすぐそばの民地というんですか、普通のおうちの庭なんかを通って歩く、こういうような状況でありましたけれども、そこの全面復旧を待っていたんでは、いわゆる孤立している地区がありまして、ずうっとその間、長い間、住民の方々は孤立をしてしまう。何とか応急的なものでもいいから、片側一車線ずつの道路だったわけですけれども、その片側だけでもいいから復旧を早期に行って、とにかくそこだけでも車を通れるようにしてほしいと、こういうとっても強い要請がありました。町長さんにお会いしたときも、このことは強くおっしゃっておりました。
 局長さんにもこのことはお伝えをさせていただいたわけでありますけれども、早速ということで、建設局さんの方で盛り土をして、まず片側だけでも通行させようということで取り組んでいるということについて、本当に感謝を申し上げたいと思っておりますけれども、まずこのことの取り組みの状況についてお伺いしたいと思います。

○花井道路保全担当部長 日の出町の一般都道一八四号線、大久野地区では、平井川の増水によりまして護岸が洗掘されましたために大規模な道路崩落が発生しております。
 現在、仮設道路の整備に向けまして、洗掘された箇所に大型土のうを設置しますとともに盛り土を行ってございまして、十一月中には一車線での車両通行が可能となる見込みでございます。

○高倉委員 本当に地元のこうした要望に的確に対処していただいているということで、建設局の皆様のご対応には心から改めてまた感謝を申し上げたいというふうに思っております。
 それから、奥多摩の日原地区につながる都道についても先ほどご報告でもありました。二十一日には人が通行できるような道が確保されているわけであります。もちろんまだ車が通れるような状況ではありません。非常に急斜面な山のところにある道でありまして、川までも随分高さがある。こういうところであって、全面復旧はなかなか困難を極めるところではあるというふうに思いますけれども、今後の復旧に向けた取り組みについてお伺いをしたいと思います。

○花井道路保全担当部長 一般都道二〇四号線、日原街道は、急峻な地形を通ることから本格的な復旧には時間を要しまして、迂回ルートの確保も困難でございます。このため、地元住民用の仮設歩行者用通路を設置いたしました。
 現在、本復旧に向けまして、測量、地質調査、設計を進めますとともに、生活物資や工事用資機材を運搬いたします索道設置の検討を行っているところでございます。

○高倉委員 奥多摩の方々からはさまざまな要望をいただいているわけでありますけれども、今申し上げたように、奥多摩というまちそのものが山間地でありまして、そこを通る道路も、山の非常に急な斜面の中を縫うようにして道があると、こういう道が多いわけであります。今回、崩壊をした場所も、これは川の流れによって大きくえぐられた、下に本当に大きな空洞ができているような状況があるわけであります。
 奥多摩の皆さんからは、ここの場所の復旧に対する要請は当然のこととして、そのほかの道についても、道路の下の見えない部分の空洞等についてしっかりとまた調べる必要があるのではないかという要望をいただいているわけであります。
 建設局では、こういう道路の下の空洞をチェックするような機械というのを持っていらっしゃるのかどうかということと、今後の空洞の調査についての取り組みについてお考えをお伺いしたいと思います。

○花井道路保全担当部長 都では、直接目視できない路面下の空洞を発見するために、大型埋設物がある路線等を対象に、地中レーダーによります路面下空洞調査委託を毎年実施しております。今回、道路が崩落し、道路の下に空洞が確認された箇所などにおきましては、舗装を撤去しました上で空洞の広がりを調査し、必要な対策を講じることといたしております。
 さらに、今年度、全ての道路斜面を対象といたしました定期点検を実施し、その中で道路下斜面につきましては、土砂の流出がないかなどを把握いたします。

○高倉委員 しっかりとお願いをしたいというふうに思います。
 それから、檜原村の現場も見てまいりました。檜原村の都道は主要地方道三三号線、檜原街道でありますけれども、本宿というところで道が崩壊をしておりました。これも同じように、やっぱり山の急な斜面のところにあるんですけれども、道のすぐ上に石材工場でしたでしょうか、こういうのがあって、そこの石材の材料みたいなものもだあっと下に流れていったわけでありますが、石材工場の敷地がうまいぐあいに回るような道をすぐにつくれるような状況になったことから、片側車線であったと思いますけれども、道が復旧することが早期に可能になりまして、私たちが参りましたこの十八日の日からバスも通行できるようになったということでありまして、本当に早急な対応をしていただいたのではないかというふうに思います。
 この場所の全面復旧の今後の見通しについてお伺いをしたいと思います。

○花井道路保全担当部長 委員お話しのとおり、主要地方道三三号、檜原街道本宿地区では、道路が崩落し通行できなくなりました。このため、檜原村役場協力のもと、隣接する民有地を利用した仮設道路を設置したところでございます。
 現在、本復旧に向けまして測量、地質調査、設計を進めておりますが、工事が大規模となり、長期間にわたることが想定されますことから、さらなる被害拡大を防止するために、のり面養生を実施しているところでございます。

○高倉委員 この道路が寸断をされました本宿というところでありますけれども、道路がまさに山の斜面を縫うように、折れ曲がりながらずっと行っているわけであります。そこの一カ所が大きく崩れているわけでありまして、従来から、折れ曲がっているところを通らないで済むように、いってみればショートカットをするような形での道の整備を進めてきているわけであります。仮称というふうに聞いておりますが、本宿橋整備事業、こういったことであります。
 これができますと、こういう山の斜面を縫うようにして、そこの区間でありますけれども、そこを通らずに済むようになる。橋が四つぐらいかけられるというところですけれども、これもぜひ早期にお願いしたいという話をお聞きしてまいりました。この進捗、取り組み状況についてお伺いしたいと思います。

○村井道路建設部長 本宿橋整備事業は、檜原村の本宿地区において、檜原街道の連続する急カーブを解消するため、新たに四つの橋梁を整備するものであります。本整備によりまして、道路の線形が改良され、このたびの被害箇所を含めた急峻な斜面を回避することから、安全な通行が可能となります。
 現在、本整備事業のうち、最も北に位置するアーチ形式の本宿四号橋の上部工事を進めておりまして、今後とも着実に整備を推進してまいります。

○高倉委員 この道路の整備が進みますと、危険な箇所がより減ってくるというようなことでありますので、しっかりとお願いをしたいと思います。
 檜原村を訪れた際に、村長さんとか副村長の方と意見交換をさせていただいたわけでありますが、檜原村の役場の中に、普通の一般の住民の方々が訪れるカウンターのところにドローンが置かれておりました。檜原村ではこのドローンを使っていますというようなお話だったんですね。
 本宿の現場に行ったときに都の職員の方から見せていただいた現場の写真は、檜原村のドローンで撮影した上空からの写真があったんですよ。もちろん上空からですから、とてもわかりやすいものでありました。もちろんほかの写真がわかりづらいというわけではないんですが、よりわかりやすい状況でした、上空から見てですね。
 こういうドローンは、もちろんいろんなことに使われるわけでありますけれども、私もかつてこの環境・建設委員会でお話をしたことがありましたけれども、例えば橋梁だとか、あるいは山の急な斜面だとか、なかなか人がすぐにすっと行けないようなところもドローンを使えば、例えば点検とか、あるいは補修が必要な場所がすぐ見つかるんではないかとか、そういうところにも使うべきであるというふうに申し上げたことがあるんですけれども、このドローンは、こうした災害のときに直ちに被害状況を把握するのには大変有効なものであります。
 したがって、私は、各建設事務所にこうしたドローンを配置する、もちろん大変ですけれども、これを動かせる職員の育成もするといったようなことができれば理想でありますけれども、こうした取り組みが必要ではないかと思いますけれども、この件についての見解をお伺いしたいと思います。

○村上企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 地形が急峻な山間部など人の立ち入りが困難な箇所のインフラにつきましては、通常時の施設点検において迅速性、安全性の観点からドローンによる撮影が有効であります。現在、一部の山岳道路斜面において民間委託を活用した点検を予定しております。
 今後、各建設事務所へのドローンの配置につきましては、飛行の規制や操作技術の内容等を考慮いたしまして、検討してまいります。

○高倉委員 今回の台風十九号の災害につきましては、先ほど申し上げましたように、本当に建設局の皆様が奮闘して、その復旧に非常に迅速に取り組んでいる、こういうお姿を本当に私も実際に拝見をいたしましたし、そうしたことを地元の方々は感じているんだろうというふうに思います。
 そうした中で、現場の建設事務所の方々は、さらに大変な状況にあるというふうに思います。人手がやはり足りないぐらいの状況になっている。それぐらいの今回の広い範囲にわたる災害であったというふうに思うんですね。
 したがって、こういう災害のときには臨機応変に建設事務所の体制、特に職員の配置も含めた体制の強化といったことが必要であるというふうに思っておりますけれども、このことについての見解をお伺いしたいと思います。

○杉崎総務部長 建設局では、本庁に災害復旧本部を、被害の大きい地域を所管する建設事務所に現地災害復旧本部を設置し、復旧に当たっております。現在、本庁から建設事務所に職員を派遣し、事務所職員とともに工事の施工に着手するなど、応急復旧対策を進めているところでございます。
 今後、本格的な復旧に向けまして、さらに職員を増強して必要な体制を整えるなど、局を挙げて災害からの復旧に取り組んでまいります。

○高倉委員 今、ずうっとこの台風十九号の被害への対応を中心にお聞きをしてまいりました。まだまだ復旧が必要な場所も多いわけであります。
 まだまだ本当に取り組みが必要であるというふうに思いますけれども、そうした復旧への取り組み、また今後さまざまな課題への対応といったことも必要になってくると思います。今ずっと私、質疑をしてきて、建設局長もお聞きになっていたと思いますけれども、そうした復旧への取り組みや今後の対応についてご所見をお伺いしたいと思います。

○三浦建設局長 今回の台風十九号では、記録的な豪雨により、都内でもさまざまな被害が発生をいたしました。それぞれの現場におきまして速やかに応急復旧に取り組んでおりますとともに、引き続き、本格復旧に向けまして、現地での測量調査を進め、速やかな実施に向け取り組んでまいります。
 また、委員からもご指摘いただきましたように、今回の被害箇所につきまして、原因等を含め検証を進めることもあわせまして、今後とも安全・安心のまちづくりに取り組んでまいります。

○高倉委員 次に、事務事業に関連して幾つかお伺いしたいと思いますけれども、まず最初に、防災船着き場の整備でございます。
 建設局は、防災船着場整備計画、これは平成二十八年の一月に改定版が出ておりますけれども、こういう計画を策定しているわけでありますが、防災船着き場の目的、現在の整備状況についてお伺いしたいと思います。

○小林河川部長 防災船着き場は、災害時に船舶により被災者の避難や物資の緊急輸送などを行うための施設でございます。都や区、国などにより、全体で九十四カ所を設置することとしており、平成三十年度末までに七十四カ所が整備されております。

○高倉委員 この整備計画でありますけれども、恐らく建設局が単独で策定をされたものではないというふうに思います。他の局等とも連携をしてといいますか、一緒になってつくられた計画であるというふうに思いますけれども、どういう形でこれを策定されたのかお伺いしたいと思います。

○小林河川部長 防災船着場整備計画につきましては、総務局や港湾局及び関係区などで構成される検討会を踏まえて、建設局が策定及び改定を行っております。

○高倉委員 今、都庁の中では総務局、それから港湾局も入って策定をしたというお話でありました。
 次の質問として、特にこの防災船着き場の目的の一つとして、傷病者の搬送というようなことがあるというふうに思っています。傷病者の優先度とか、あるいは搬送する船はどうなるのか、ちょっと私も今これに大きな関心を持っているところでありますが、建設局さんはハードの面での船着き場を整備していく、こういう役割を担っていらっしゃるというふうに思っておりますけれども、この質問の最後に、傷病者の搬送、そしてその搬送する船はどういう船を使われるのかお伺いをいたします。

○小林河川部長 防災船着場整備計画では、道路、鉄道等の陸上交通網と河川の結節点や災害拠点病院、広域輸送基地などを効果的に結ぶよう防災船着き場を配置しております。この計画に基づきまして、災害拠点病院である聖路加国際病院や都立墨東病院に近接した河川などで整備をしてきております。
 傷病者の搬送につきましては、搬送主体がその運用方法や使用する船舶などを判断すると考えております。

○高倉委員 次に、鉄道の連続立体交差事業についてお伺いしたいと思います。
 これは私の地元のことでありますけれども、西武鉄道の西武新宿線というのがありまして、現在、中井-野方間でもって鉄道の地下化、連続立体交差化の事業が進められているわけであります。
 当初予定をしていた来年度末までの完了が難しいというふうにいわれておりますけれども、事業の進捗状況と課題について、まずお伺いしたいと思います。

○村井道路建設部長 事業の進捗状況についてでありますが、用地はこれまでに約九割を取得しております。工事は駅部を中心に進めておりまして、地下構造物を構築するための仮設土どめ工や、線路を借り受けするための工事桁の架設などを実施しております。
 課題といたしましては、残る一割の用地取得であります。引き続き関係権利者の理解と協力が得られるよう、丁寧な説明に努めるとともに、土地収用制度を活用しながら、早期の解決を図ってまいります。

○高倉委員 今、課題のお話がありましたけれども、地元では事業の完了が一体いつになるのかということで心配をする声も上がっているわけでありまして、事業の見通しについてご答弁いただければと思います。

○村井道路建設部長 本事業の認可は令和二年度末までが事業期間となっておりますが、残る用地取得や工事を考慮いたしますと、事業期間内に完了することは厳しい状況であります。今後、事業に必要となる期間を精査した上で、国など関係機関と調整を図り、見直しを行ってまいります。
 引き続き、地元住民の理解と協力を得ながら積極的に取り組んでまいります。

○高倉委員 この西武新宿線の連続立体交差化については、中井-野方間が今取り組まれているわけですが、さらに野方駅よりも西側が次の大きな課題になっているわけであります。毎年毎年、地元では関係者が集まって期成同盟の会合を開いて、さまざまな困難も乗り越えていきながら今日に至っているわけであります。
 この野方駅から特に西側の井荻駅の間の連続立体交差化の事業化に向けた取り組み状況についてお伺いしたいと思います。

○村井道路建設部長 本区間については、国から連続立体交差事業の着工準備採択を受け、地質調査を実施しておりまして、現在、鉄道施設の設計などを進めております。
 また、本事業の効果を高めるために重要なまちづくりについては、地元区において今月、鷺ノ宮駅及び都立家政駅のまちづくり整備方針の素案について地元に提示いたしまして意見交換を行うなど、検討を進めております。
 今後とも地元区や鉄道事業者と連携し、事業化に向けて取り組んでまいります。

○高倉委員 この野方駅よりも西側の区間については、もう一つ大きな課題がありまして、中井駅から野方駅に来る、野方駅のすぐそばに環七の地下のアンダーパスというのがあるんですね。それが大きく影響しているというふうに思いますけれども、野方駅の西側にすぐに踏切があるんですね。野方一号踏切といわれているところです。これを解消できるのかどうかというのが地元としてはとても大きな関心事であります。
 中井-野方間については、もう踏切は全て解消されるということになっています。野方駅から西側の区間も、従来ある踏切が全部解消されるべき、してほしいと、こういう願いがあるわけでありますが、この野方駅のすぐ西側の一号踏切というのが解消できるかどうかというのがとても大きな課題であるわけでありますけれども、この踏切についての考え方についてお伺いしたいと思います。

○村井道路建設部長 都は、平成二十七年度に実施した連続立体交差事業の調査において、西武新宿線と環状七号線が立体交差しているため、野方駅の構造を変更せずに、駅直近の本踏切は残存することで検討しております。
 一方、中野区においては、野方駅周辺のまちづくりを考える上で本踏切の解消は重要な課題であるため、現在、区が主体となりまして、本踏切の除却に向け、可能な方策を検討しております。
 引き続き鉄道事業者と連携しながら、中野区の検討内容について意見交換を行ってまいります。

○高倉委員 まさにこれは除却をするというのが大変重要な話でありまして、せっかくこの長い区間を、あかずの踏切を解消するための取り組みですから、一つ残ってしまうというのはどうなんでしょうかというお話があります。ぜひここのところは私もしっかり取り組んでいきたいというふうに思っておりますので、またよろしくお願いをしたいと思います。
 最後に、道路照明のLED化についてお伺いをしたいと思います。
 このLED化は、道路照明の省エネ化を図っていくという上でも大変に重要であるというふうに思っております。以前この委員会でもって、約十六万灯の道路照明というものが設置されているというふうに聞いているわけでありますけれども、現在の都道の道路照明の管理規模についてお伺いをしたいと思います。

○花井道路保全担当部長 建設局では、現在都道の道路照明といたしまして、約十七万灯を管理しております。道路照明には街路灯、トンネルや地下歩道の照明など、さまざまな種類がございます。

○高倉委員 今、答弁がありました道路照明ですけれども、消費電力が少ないLED照明に転換をできれば、より大きな省エネ効果というのが当然得られるわけであります。
 都道における道路照明のLED化の計画と、その達成状況について答弁をいただきたいと思います。

○花井道路保全担当部長 LED照明は、これまで採用してきた省エネ型ランプと比べまして消費電力が少なく、環境負荷の低減が見込まれることに加えまして、耐用年数が長いことから、順次、道路照明のLED化を実施しております。
 また、平成二十八年に公表された都の二〇二〇年に向けた実行プランでは、平成二十九年度から令和二年度までに約二千四百基の街路灯のLED化を目標として計画的な取り組みを推進いたしまして、平成三十年度末現在、約千二百基の街路灯のLED化を達成しております。

○高倉委員 数字を聞く限り、まだまだこれからの取り組みだという感じがするわけでありますけれども、今後の都道における道路照明のLED化をより一層加速させていくための取り組みについてお伺いしたいと思います。

○花井道路保全担当部長 これまで道路の新設、拡幅や道路照明の更新に合わせましてLED化を推進してまいりました。近年の技術革新によりまして、街路灯用のLEDランプが開発されたため、街路灯の更新に加えまして、通常の維持管理におけるランプ交換時にもLED化が可能となりました。
 このことから、平成三十一年一月に策定した三つのシティーの実現に向けた政策の強化におきまして、令和二年度までに達成する目標を約二千四百基から約一万二千百基にいたしました。
 今後とも目標の達成に向けまして、技術開発の動向に注視しながら、着実にLED化を推進してまいります。

○高倉委員 かなり大きな目標を掲げて取り組んでいくということだと思います。
 そして、このLED化の推進に当たっては、いろんな方式もあるのではないかなというふうに思っています。例えばリース方式といったような方式もあるわけでありますが、私は、このリース方式は、維持管理でありますとか、あるいは災害時の迅速な対応といったようなことを考たときには、いろんな問題があるのではないかと思いますけれども、リース方式についての都の見解をお伺いしたいと思います。

○花井道路保全担当部長 技術革新により、ランプのみの交換によるLEDが可能となりましたことから、灯具交換となりますリース方式に比べまして、トータルコストの低減が図られるため、現段階ではリース方式によるLED化は考えておりません。

○高倉委員 最後の質問になりますけれども、東日本の大震災のときには、都道においても電力不足の影響で街路灯が間引きで点灯したというんでしょうか、こういう状況がありました。私、早稲田通り沿いに住んでいますので、ずうっと全部ついていなくて、ところどころついているみたいな状況があったわけであります。
 今後、街路灯の機能を考えたときに、防災面での取り組みということも重要であるというふうに思いますけれども、防災の視点において、この街路灯、どういうメリットがあるのかお伺いしまして、質問を終わりたいと思います。

○花井道路保全担当部長 道路照明は、夜間において、あるいは明るさの急変する場所において、道路状況、交通状況を的確に把握するための良好な視覚環境を確保し、道路交通の安全、円滑を図ることを目的としております。
 LED化を推進することにより消費電力が縮減され、災害時の限られた電力供給におきましても夜間の明るさを確保することが期待できます。

○細谷委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後三時十六分休憩

   午後三時三十一分開議

○細谷委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○神林委員 今回は建設局事業全体に対する質疑ですので、個別の事業はまた別の機会にさせていただき、先日発生したばかりの台風十五号、十九号などの防災上の課題や要望を中心に、局事業全体について今後の計画、進捗状況、課題などについて伺います。
 まず、台風十五号、十九号によって首都圏と東北地方を中心に甚大な被害が発生いたしました。亡くなられた皆様には心からお悔やみを申し上げ、被災された皆様にはお見舞いを申し上げます。そして何よりも、一日も早く復旧作業を進めることこそが必要でございます。加えて、その後の大雨警報までが発令される集中豪雨が発生し、二次被害のおそれもさまざまな形で出てきているようでございます。
 初めに、現時点での都内における建設局関係の主な被災状況と、台風による主な復旧対策については先ほどご報告がありましたので、重複をする回答は必要ありませんが、その後の集中豪雨による二次災害については、日本の各地でさらに深刻さを深めていると報道されております。
 そこで、都内における台風による復旧対策に加えて、その後の集中豪雨によってどのような二次災害が起きたのか。また、その被害状況、対策について、特に被害が大きかった島しょ地域や三多摩地域の周囲から孤立された地域などについて改めて確認させていただきますので、ご答弁をお願いいたします。

○杉崎総務部長 まず台風十五号の被害でございますが、特に大島で甚大な被害を受けましたが、建設局関係では、倒木による電線の切断や電柱の倒壊による停電などが発生いたしました。
 また、台風十九号でございますが、現在も河川増水による道路崩壊等により十カ所で通行どめ、河川等につきましては、平井川外三河川において十カ所の護岸が崩壊してございます。
 現在、車両の通行や歩行者の往来が困難となりました地域におきましては、早急な対応が必要なことから直ちに応急復旧に着手をいたしまして、一般都道二〇四号につきましては既に仮設歩行者通路の設置が完了しており、また、今後は本格復旧に向けて測量などに着手をしてまいります。
 また、河川につきましては、護岸が崩壊した平井川などで応急復旧に着手しているほか、土砂流出や崖崩れが発生した場所では土砂の撤去や立入禁止措置を講じ、安全を確保するなど対応を図ってございます。
 なお、その後の二次被害につきましては、例えば、被災箇所をブルーシートで覆い、雨による崩落斜面の洗掘防止措置を行うなど対応しており、新たな被害は発生してございません。
 引き続き関係各局や地元自治体とより一層の連携を図りながら、災害復旧等に全力を挙げて対応してまいります。

○神林委員 ご丁寧な説明ありがとうございます。肝心なのは、復旧作業のおくれは被災された方々にとって生活の全てを崩壊させてしまいます。加えて、そのおくれは今回のような集中豪雨によって壊滅的被害へと拡大してまいります。いつもいうように自然は待ってくれませんから、したがって一日も早い復旧作業をお願いしておきます。
 次に、ただいま答弁いただきましたとおり、東京都では懸命な復旧作業に当たっていただいており、まだまだ多摩地域や島しょの地域が心配ではありますが、心から感謝申し上げます。
 今回の台風に加えて、その後の集中豪雨もあって二次被害のおそれも高まってきております。もちろん東京都の復旧作業が最優先ですが、東北地方や千葉県を中心とした、特に小規模の被災された自治体では、二次被害も加わって一向に復旧活動がはかどっていないのでのはないでしょうか。
 幸いにして東京都には優秀な人材や機材がそろっております。わずかでも余力があるならば、他県への災害援助活動も積極的に取り組むべきだと考えております。他県への災害援助活動への考え方と、現時点での対応について伺います。

○杉崎総務部長 建設局では、他県で発生した災害に対し、これまで培ってきたノウハウと人材を活用して、被災地の災害復旧業務を長期に支援してきております。
 平成二十三年の東日本大震災では、全国知事会の要請を受け、平成三十年度までに岩手県、宮城県、福島県に延べ百十名の職員を派遣いたしました。令和元年度におきましても、東北の三県のほか、西日本豪雨で被災した愛媛県、北海道胆振東部地震で被災した北海道の合わせて五道県に十名の職員を派遣しております。
 今回の台風十九号では、都内に被害が発生していることから、現在被災した道路や河川等の復旧に局を挙げて取り組んでいるところでございます。他県への支援につきましては、今後、全国知事会からの要請を踏まえて対応してまいります。

○神林委員 これは私自身も今回強く感じたことなんですけれども、我々都民も目前に迫っている首都直下型地震に目を奪われていて、今回のような百年に一度といわれる台風被害には近年見舞われていないためか、確かに油断していた感がございました。
 また、関東、東北など広域に及ぶ台風災害での行政側の対応も、実体験に基づく準備や想定、現場での指導体制、復旧作業などに幾多の課題が露呈されました。
 さらに、報道の中でも多くの専門家から、気候温暖化の影響により、従来の台風ルートであった沖縄、九州、四国地方ルートから東京や関東地方を直撃するルートが今後ますますふえてくることが予測されております。当初百年に一度クラスの災害ともいわれておりましたが、今後毎年のように起こり得ると想定して、抜本的な対策を早急に検討し、実施していく必要があります。
 もちろん各区市町村ごとに災害内容に大きな差があるため、それぞれの市区町村ごとの実情、現場に応じた対応もあわせて重要となります。まず抜本的な改正をするのかしないのか、基本的な方針を含めて見解を伺います。

○村上企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 今回の台風では、都内においても記録的な豪雨により甚大な被害が発生いたしまして、その内容は委員ご指摘のとおり、地域によって異なっております。
 建設局といたしましては、今回の被災状況とその対応を踏まえまして、関係各局や地元自治体と連携しながら、地域の実情に合ったインフラ整備を推進していくことが重要であると考えてございます。

○神林委員 これより台風災害につきまして順次質問いたしてまいりますけれども、一連の質問をしてまいります中で所管外の課題もありますが、大変重要なことでもありますので、あえて指摘だけは申し上げさせていただき、ぜひこの点につきましてご理解を賜りたいと思います。回答はできるだけ範囲内のことでも結構でございます。
 まず第一点目ですが、非常に気になったのは、国の災害救助法の適用を初めとした国からの支援内容や体制がどの程度であったのか、また被災された方々の生活再建への見通しがどの程度進んでいるかについて伺いたいところでございますが、これも所管外なので、引き続き指摘だけにさせていただきます。
 また、私が地元自治体の現場で伺った話ですが、建物や敷地の損壊があったものの、災害救助法での適用基準のハードルが高いため、適用対象から除外され、やむなく東京都、我が地元区で取り組んでいる災害時のリフォーム助成を活用しましたが、十分ではありませんということでございました。もう少し災害救助法の適用基準を下げたり、リフォーム助成に支援の加算などがあってもいいではないかなということを強く感じさせていただきました。
 以上二点、国からの支援内容と被災現場からの要望について伺いたいと思いましたが、所管外ということで指摘のみにさせていただきます。後日、個人的で構いませんので、この件に対してはまたお知らせをいただきたいと思っております。
 それから、非常に今回、従来に比べて大きかったのは、今回の台風では大量に流出した土砂や瓦れきがあるわけでございまして、これの処理、処分等につきましても、今度は環境委員会がございますので、そこで聞かせていただきますが、これも台風の一連に関する問題としては非常に大きな課題だというふうにも捉えております。
 ちなみにこれは環境局で報告を受けましたが、十月二十五日時点で既に千八百七十八トンにも上っているそうでございまして、今後数値も大きく増加する可能性があるとのことでございます。
 次の質問に移りたいと思います。台風十五号と台風十九号で大きな被害の要因となったのは、主に電線、電柱の倒壊による建物の倒壊や道路の遮断、地域全体を覆う大規模停電と河川の堤防損壊や溢水による大規模な浸水被害の拡大であります。多くの死傷者が出たほか、都民生活に大きな悲しみと痛手を与えてしまい、しかもその復旧には多くの月日と莫大な資金と労力が費やされることになります。
 そこでまず、電柱、電線の倒壊について伺います。
 今回の台風で、都内において電柱や電線の倒壊に起因する被害状況と、その被害によって都民生活にどのような影響が出たのかをお聞きいたします。またあわせて、今回の台風十五号と十九号で被害が発生した主たる原因と、それを未然に防ぐための応急処置がございましたら、お伺いいたします。

○花井道路保全担当部長 島しょ部も含めた都内の被害状況等につきましては、電柱、電線を管理いたします東京電力からは、台風第十五号では約二万六千軒の停電被害が発生したと伺っております。
 その主な原因は、観測記録を超える強風により倒木や飛来物が電柱、電線へ接触し、電柱の倒壊や電線が切断したことによるものであると伺っております。この停電に伴いまして、島しょ部で断水が発生するなど、都民生活に甚大な被害をもたらしたものでございます。
 また、台風第十九号では約三万四千軒の停電被害が発生し、その原因は土砂崩れや冠水等によるものであると東京電力から伺っております。
 こうした被害を未然に防ぐ対策といたしましては、台風の進路等を想定し、電柱、電線にかかる樹木の枝を払う作業やパトロールの増強とともに、電力各社の協力体制を整えていくことと伺っております。

○神林委員 今ご報告にありましたとおり、我々も感じておりましたけれども、幸いなことに東京都内は台風十九号では大きな被害はありませんでした。ただ、台風十五号のときに、我々は報道でしか知り得ませんけれども、千葉県南部を中心に壊滅的な被害が引き起こされたということで、いまだ完全な復旧には至っていないということだと思っております。
 そこで、一般的に電柱や電線は瞬間風速四十メートルまでは耐えられるといわれておりますが、今回の台風のように、それ以上の風速には倒壊のおそれが十分出てまいります。これからも進む地球の温暖化の観点からも、また今回の実際に発生した台風被害の経験値からも、今後こうした電柱、電線の倒壊は十分考えられることであり、改めて災害の観点からも無電柱化を促進する必要が高まったと考えます。
 そこでまず一点目、お伺いいたしますが、今回の台風などで浸水被害が発生したときに、既に無電柱化されていた場合、当然電柱の倒壊被害はなくなると思いますが、地下に埋設された電線などは一体どのような被害が想定されるのか。殊に大規模停電のおそれなどについてお聞きいたします。

○花井道路保全担当部長 ご質問の浸水被害が発生したときにつきまして、電力施設の管理につきましては東京電力が行うことになっておりまして、災害時においては必要に応じて復旧体制を整え、迅速に対応すると東京電力から伺っております。
 今回の台風第十五号及び台風第十九号によります浸水箇所におきまして、地下に埋設された電線への被害はなかったと伺っております。また、無電柱化を行った箇所が自然災害により被災した場合には、被災状況に応じまして通電状況を確認、点検いたしますとともに、ケーブルの交換、仮管路の設置など、現場状況に応じた適切な方法を選択し、復旧を目指すと伺っております。
 今後とも無電柱化した施設につきまして、東京電力などの電線管理者と連携し、適切な維持管理に努めてまいります。

○神林委員 今ご報告を受けていまして、もちろん電柱、電線の倒壊はありませんよね。ただし、我々が心配だったのは、埋設されたものまでそこで何か危害を受けちゃいますと、大規模の停電につながってしまいますので、そういうおそれについて一応確認したんですが、既に無電柱化をされていたものについては大きな被害も何もなかったということのご報告をいただいたわけでございます。
 いずれにいたしましても、無電柱化は災害に対して非常に有効的手段であるといえますので、災害の観点から、東京都として無電柱化をこれまでどのように取り組みを進めてきたのか、また今後の対策の緊急性、必要性をどのように捉えているのか伺います。

○花井道路保全担当部長 無電柱化は、都市防災機能の強化や安全で快適な歩行者空間の確保、良好な都市景観の創出を図る上で重要でございます。都では、昭和六十一年度から現在まで、七期にわたる無電柱化推進計画を策定し、おおむね首都高速中央環状線の内側であるセンター・コア・エリア内や第一次緊急輸送道路を中心に事業を進めてまいりました。
 さらなる無電柱化の推進に向けまして、平成三十年三月に条例に基づきます東京都無電柱化計画を策定し、今後十年間の方針や目標を定めました。また、本年三月に整備計画でございます東京都無電柱化推進計画を改定し、令和二年度までに無電柱化を進める道路や区市町村が行う無電柱化の取り組みなどを示しました。
 都は現在、この整備計画に基づきまして事業を実施しており、計画幅員で完成した都道における平成三十年度末までの整備延長は都内全体で九百五十四キロメートル、地中化率は約四一%でございます。近年頻発する自然災害の被害を受けまして、無電柱化をさらに加速していきたいと考えているところでございます。

○神林委員 今のご答弁でやる気を感じるんですが、ただ、莫大な労力だとか時間だとか、そういうものがかかりますんで、ともかく基本はスピードアップしていただくことだと思います。電線、電柱は私たちの生活になくてはならないものですが、今回の台風のような災害での被害を初め、歩行空間やまちの景観を遮る大きな要因ともなっております。
 今ご報告いただいたとおり、東京都でも平成三十年三月に条例に基づく東京都無電柱化計画を策定し、今後十年間の方針や目標を定めたところであり、その意気込みが十分感じられるところでございますが、都民感情からいえば、いつ起きてもおかしくない災害の視点からも、先ほどはセンター・コア・エリアというお話が出ましたけれども、もう少しスピード化を図り、対象範囲も広げられないのかなということを強く感じております。
 もちろん危険箇所や重点地域を先行すべきですし、財源や労力も莫大にかかることは十分承知しておりますが、概要にも示されているように、さらなる推進に対する考え方について、そして最新の低コスト手法への技術開発や、国や区市町村との連携、取り組み状況をお知らせください。

○花井道路保全担当部長 東京の無電柱化を強力に進めるためには、技術開発を一層推進し、コスト縮減を図ることは重要でございまして、都では十年後の整備コスト三分の一カットを目指しまして、コスト縮減に取り組んでおります。
 都は、平成二十九年一月にコスト縮減に向けた技術検討会を設置し、東京電力やNTTなどと連携して多様な整備手法、低コスト手法の開発に向けた検討を進めております。この検討会におきまして、これまで新たな管路材の採用や電線等の埋設深さを浅くする手法などについて検討し、平成三十年四月にはその検討結果を技術基準でございます東京都電線共同溝整備マニュアルに盛り込んだところでございます。
 また、連絡会議や市区町村が設置する検討会におきまして、こうした都が進める技術検討の成果を提供するなど、技術支援を積極的に行っております。
 引き続き、都は電線管理者と連携して、地上機器や特殊部のコンパクト化、低コスト化等の技術開発に取り組んでまいります。

○神林委員 答弁にありましたとおり、センター・コア・エリアというのが随分気になるんですが、基本的には、やはり範囲というのは必要性の高いところだと思うんですよ。だから、そういうところにこだわらず、必要の高いところにはどんどんどんどん対応していただけるように、ぜひまた検討いただきたいと思っております。
 引き続きまして、浸水の関係につきましてお話をしてまいります。
 まず、今回の台風十九号では、特に中小河川を含む河川の氾濫による甚大な浸水被害が発生いたしました。報道されているところによると、十月二十七日現在で全国で七十一河川で堤防が損壊し、二百八十一河川で溢水が発生したと聞いております。
 まず、その後の集中豪雨も含めて、東京都における河川氾濫による堤防の損壊や溢水件数など、現状の被害の状況について、冒頭報告も若干受けましたが、改めて今回、台風におけるどのような特徴があるのかということなどについてお伺いをいたします。

○小林河川部長 都の管理河川につきましては、秋川や南浅川など七河川で溢水をいたしました。また、秋川など四河川十カ所において護岸が崩壊し、その他、護岸の一部損壊が多数発生いたしました。

○神林委員 今回の台風による溢水発生箇所は、河川の急傾斜地や、河川の合流点や、蛇行しているところ、また堤防が低いところなどの特定の箇所でございます。また、浸水地域はその周辺の低地地域など、極めて限定された箇所と考えられます。
 こうした点は日常の点検などで事前に予測されていたのではないかと考えますが、区市町村と連携し、ハザードマップなどにより周知していくことが重要なのではないかと考えておりますが、見解を伺います。

○小林河川部長 都は過去の溢水実績などを踏まえまして、川幅が狭くなっている箇所や合流点など、増水時に注意を要する箇所を選定し、東京都水防計画に定め、区市町村などとその情報を共有するとともに、洪水時には厳重な監視及び警戒を行っております。
 今回の台風のように多摩西部などで総雨量六百ミリを観測するなど、河川の計画を大きく上回る豪雨に対しましては、ハザードマップなどにより事前に浸水エリアを示し、早目の避難行動に結びつけることが重要でございます。
 都は現在、関係する区市町村を構成員に含む都市型水害対策連絡会におきまして、連携を図りながら浸水予想区域図の改定を進めており、引き続きこれに基づく区市町村による洪水ハザードマップの作成を支援してまいります。

○神林委員 堤防の損壊や溢水については、事前の総点検で十分危険箇所を把握できるはずでございます。実際の損壊や溢水した箇所はもちろんのこと、危険箇所を再点検し、重点的に堤防のかさ上げや、しゅんせつなどの補強対策を一日でも早く実施すべきでございます。この質問に対しては、見解とともに決意のほどを伺いたいと思います。

○小林河川部長 今回の台風により護岸崩壊が発生した箇所におきましては、大型土のう積みなどの応急復旧工事を実施しております。
 現在、被災した河川から護岸などの点検を始めており、護岸や河道などの点検結果及び区間ごとの特性を踏まえ、適切に対処してまいります。

○神林委員 浸水被害については、堤防損壊や溢水箇所付近の低地地域に限定されております。従来からの住民の防災訓練や事前避難誘導が徹底されていたのかが大切でございます。
 特に高齢者や障害者など、生活弱者に対する避難場所の確定について、独力で避難可能なのか、避難できる体制や仕組みができているのか、また近隣に安全で高い場所が確保、設定されていたのか、低地地域内に重点的に遊水池や監視カメラ、排水ポンプ車などが配備されていたのか、これらの所管外ともいえる課題かもしれませんけれども、浸水被害にとって大切なことであります。
 とりわけ、今回の台風十九号における浸水被害を鑑みると、関係機関やそれぞれの区市町村との一定の連携対策が図られ、効果的な排水活動を行うことが重要であると考えますが、見解を伺います。

○小林河川部長 建設局では、区部及び多摩の建設事務所に計十台の排水ポンプ車を配備しており、本格的な出水期前に区部、多摩に分かれ、それぞれ地元消防署と連携して、排水ポンプ車の操作訓練を実施しております。また、東京消防庁と区が主催し、地元消防団や町会、自治会などが参加する合同総合水防訓練に毎年参加し、排水ポンプ車による排水訓練を実施しております。
 建設局は、水防管理団体である区市町村からの求めに応じ、排水ポンプ車を出動させ、排水活動を行うこととしており、先日の台風第十九号では、区の要請に基づき、谷沢川で排水活動を実施いたしました。
 引き続き区市町村など関係機関と連携し、浸水被害対策へ備えてまいります。

○神林委員 ちょっとこれから現場のお話を一、二させていただきますが、台風当日、現場の状況をお話ししますと、各市町村では、違いはさまざまあったかと思いますが、私の住むまちでは、まず携帯電話を持ったほとんどの方々は携帯の緊急速報で避難勧告や指示の告知を受け、それぞれの指定された避難所に駆けつけました。
 指定された避難所には駆けつけた方々でいっぱいになり、はるか遠距離からも駆けつけた避難者もございました。また、従来、首都圏直下型地震に備えた避難所と間違えて駆けつけたために、その避難所は誰もいないわけでございますから、説明もされずに門前払いされ、憤慨して地元区の出張所などには多くの苦情の電話が殺到したとのことでございます。要は、多くの住民の皆さんには、浸水対策における避難所の場所を初めとする知識や情報が明確に伝わっていなかったため、現場での大混乱を引き起こしたということでございます。
 こうした現場をつぶさに見てまいりましたので、当面どのような緊急対策を進めておけばよいと考えているのか、早急に各局で情報共有をしてくださるようにここでお願いをしておきたいと思います。もしお答えできれば、早急に情報共有をしていただけるのかどうかだけでもお答えいただきたいと思います。

○小林河川部長 建設局といたしましては、住民の避難行動に資するハザードマップのもととなる浸水予想区域図を作成し、区市町村にそのデータを提供しております。また、洪水予報河川等に指定した河川については、氾濫危険情報を発表し、あわせて水位が上昇した際には、氾濫危険情報発表基準の水位に到達しているか否かを映像で確認するための監視カメラの画像を一般に公開しております。
 このように住民の避難行動につながる情報を発信し、関係区市町村や関係各局と連携を強化してまいります。

○神林委員 ちょっと答弁が違ったと思うんですが、要は、そういう関係各局で情報交換をこれからすぐしてもらえるかどうかということだけですので、ぜひその辺はご理解いただきたいと思います。所管外のことですから、これ以上は追及いたしませんけれども。
 それで一番大変だったのは、さらに困ったことには、先日の台風で実際に現場の避難所に集まった方々の顔ぶれを見ますと、ほとんど自分で判断し、活動できる方々ばかりが集合しており、より危険性の高い本当に避難してほしい高齢者や障害者などの災害時要援護者の方々は自宅にほとんど残っていたという結果でありました。
 その理由はなぜかと聞きますと、高齢者の大半は、携帯などによる緊急避難勧告などの情報が得られなかったこと、どういう意味だか全く理解ができなかったこと、風雨が少し強くなると避難するのがおっくうであったこと、避難所まで安全に歩いていくことが困難であったこと、ペットがかわいそうで自宅に残るなどの理由でございました。現場ではこうした現象が発生しておりました。
 以上のように浸水対策に対する対応が徹底されておらず、混乱していることを痛切に感じました。特に関係各局に報告し、生活弱者への対策を十分検討、実施していただきますようお願いしておきます。
 この点については、とても建設局では回答いただくのは無理でしょうから、あえて私の方から先に基本的な対策について申し上げますと、災害時要援護者の避難誘導や介護補助については、先ほどもちょっとお話がございましたとおり、地方自治体の関係職員だけではとても足りませんので、進んでいる地方自治体では既に実施されているところもあるでしょうが、常日ごろより地元の町会、自治会、消防団、民生委員など、地域の多くの皆さんのご協力をいただいて、地域の中でプライバシー保護の名簿を作成して、関係者同士が連携をとり合って、避難活動や介護補助に進める方向が最も現実的だと申し上げておきますので、これにつきましても実際の避難所についての検討会が開催されるときに議論の参考にしていただければ幸いでございます。
 次に、浸水被害からまず命を守るためには、安全で高い場所に早目に避難することが肝要でございます。そのためには、願わくば低地や浸水危険区域内でおよそ百メートル以内の程度の範囲内で、安全で高い場所を緊急避難場所として行政側が指定確保し、あらかじめ地域住民側と協定などで入所許可や手順、条例を取り決めておくことが基本だと考えております。
 また、避難に当たっては、早目の避難行動を起こすために必要な情報を入手することが重要であると考えます。
 そこで、住民に対してどのような河川に関する防災情報を周知しているのか伺います。

○小林河川部長 都はこれまで、住民の避難行動に資するハザードマップのもととなる浸水予想区域図を作成し、関係する区市町村にそのデータを提供しております。また、都は水防法に基づき、洪水予報河川等に指定した河川については、洪水のおそれがあると認められたときに氾濫危険情報を発表しております。
 あわせて、洪水予報河川等において水位を監視しているカメラの画像を一般に公開しており、その設置箇所の拡大について検討をしているところでございます。
 引き続き、住民の避難行動につながる情報を発信してまいります。

○神林委員 次に、報道によりますと、地下調節池の整備済みの河川では大規模な被害が発生しなかったとの報告がされております。神田川や目黒川などの流域に整備した地下調節池二十一カ所が台風十九号の通過時に計百十万立方メートルの水をためていたため、未整備の六河川で氾濫が発生したにもかかわらず、氾濫を未然に食いとめることができたとのことでございます。
 私たちのまちでも中小河川や急傾斜地の周辺低地において浸水被害が多発しており、下水道管を時間五十ミリから七十五ミリ以上対応に入れかえることや、新たな調節池整備に期待する声が高まっております。
 激甚化する豪雨を踏まえ、できるだけ早期に調節池を事業化し、また下水道局と連携を図って浸水対策を進めてほしいと考えますが、新たな調節池の整備効果などについてお伺いをいたします。

○小林河川部長 現在新たな調節池の事業化に向け検討を行っている呑川など八河川は、河川の安全性向上に加え、流域の内水被害の軽減も視野に入れ選定をしております。
 区部時間七十五ミリ、多摩時間六十五ミリの降雨に対応するため、今後、神田川など九つの対策強化流域において、総貯留量約五百六十万立方メートルの調節池が必要でございます。この調節池の整備により、河川からの溢水の危険性が軽減するとともに、河道で受け入れることができる洪水の量が増加することから、下水道整備により内水被害の軽減にも寄与いたします。
 浸水被害の軽減に向け、新たな調節池の事業化に取り組んでまいります。

○神林委員 これも所管外になりますので、余りくどくどは申しませんが、私が今回最も疑問に感じたのは、ダムの大きな役割として排水量の調節機能がございます。台風は到達するのに時間もかかり、通過するルートや雨量などもおおよそ事前に予測がつきます。にもかかわらず、今回の台風では、事前の想定に基づいてあらかじめ放流しておくべきところが、貯水量がいよいよ増加してきた台風通過時直前になってから限界水位を超えたので、ダムの放流をようやく開始したとの報道がされました。どのような理由でこのような処置がとられたのか理解できません。
 そこで、今回はとりあえず建設局のことでございますので、ダムの運用にかかわる建設局の役割について伺います。

○小林河川部長 大雨警報等が発表され、水防態勢のときにはダムの管理者から放流通報を受けると、東京都水防計画で定められた関係機関へ放流通報の伝達を行っております。

○神林委員 これは地元自治体から圧倒的に寄せられた声でございますので、それについてもご報告させていただきますと、今回の台風のような甚大な被害が発生する場合には、被災現場と各緊急支援組織が直接応答できる連絡態勢が必要であり、それによって要請内容が的確かつ迅速に伝達できることが重要であります。
 そこで、国、都、各区市町村との情報連絡態勢について伺います。

○小林河川部長 東京都は水防法に基づきまして、水防協議会で東京都水防計画を審議し、策定しております。水防計画には、東京都と国土交通省や水防管理団体である区市町村との間での気象警報や氾濫危険情報などの伝達系統図などを定めております。
 この水防計画につきましては、各建設事務所が水防連絡会を開催し、国や地元自治体、警視庁や東京消防庁などに周知することで、関係機関が連携して迅速かつ確実な情報の伝達体制を共有しております。

○神林委員 私はこれ、冷静に考えますと、確かに地元の地方自治体からの本当に切なる願いなんだと思うんですが、全体のバランスを考えたとき、そこだけ集中的にやるとかということになりますと、若干異論も出るところなのかなということでございますので、これは被災現場からの悲痛の叫びでもありますので、議論の対象としていただくよう、あえて問題提起をさせていただきます。
 次に、台風に関する質問の最後として、建設局は、この台風による被害から得た貴重な教訓と今後の見直すべき対策についてどのように考えているのか、局長、恐縮でございますが見解をお願いいたします。

○三浦建設局長 記録的な豪雨に見舞われた今般の台風十九号におきましては、これまで整備を進めてきた河川護岸や調節池が効果を発揮いたしました。一方、災害から都民の生命と財産を守るには、こうしたインフラの整備に加えまして、浸水予想区域図や氾濫危険情報等の住民の避難行動につながる情報を的確に発信をしていくことも必要でございます。
 建設局としましては、これまでの災害対策を検証するとともに、国の動向等も踏まえながら、関係各局や地元自治体と連携をし、ハード、ソフト両面で必要な対策を講じてまいります。

○神林委員 これは建設局だけに限ったわけではなくて、常日ごろからそういうことなんですが、今までの台風の被害の一連の質問を私、してまいりましたけれども、やっぱりどうしてもひっかかる部分があるんですね。それは、私は、建設局は常日ごろから局長を中心に一丸となってお仕事に邁進されていることは高く評価しております。しかしながら、私は今回の台風にかかわる一連の現場での課題、ただその一点のみを質問いたしました。もちろん全体像を掌握するのは総合防災部で質問すべきことだと、これも理解しておりますが、所管外であっても、一つの課題の中で切っても切れない数多くの課題がつながっております。
 しかも今回の発言した内容は、このたびの台風被害を検証する上で、いずれも欠かせない大切な事柄でございます。台風被害というたった一つの関連する課題に対して、そのほとんどが当局では答えられませんばかりで、少しでも所管を外れた事柄には余りに無頓着で、一切関係がないので踏み込めないかのように受け取れて、大変残念な気持ちを抱きました。
 今回の台風は、現場の住民にとってはそれが全てであり、関連する全ての課題が一つの出来事としてつながっております。被災現場の住民と行政当局との大きな隔たりを感じてしまいます。たった一つの台風災害という一連の事象は、お互いが連携し合ってこそ初めて円滑に機能して解決するものと考えます。
 もちろん先ほども申しましたとおり、建設局だけのことではございませんが、この際、もう少し縦割り行政を廃して、現場の住民や関係当局間がお互いにさらなる連携を深めて、一つの対応策に検討していただくことをここに要望しておきます。
 次に、局事業全体についての計画、進捗状況、課題の確認などについて一つずつ伺ってまいります。
 まず、高度防災都市づくりを進めるため、昨年度実施した防災事業の緊急総点検の結果の概要と主な総点検に基づく今後のスケジュールや対策方針について伺います。

○村上企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 防災事業の緊急総点検の結果、建設局事業では、調節池の加速的な整備による水害対策の強化、災害発生時における停電対策のための無電柱化の推進などを図ることといたしました。
 調節池の加速的な整備につきましては、現在、七カ所で工事を実施しており、石神井川など八河川で新たな事業化に向けた検討を進めております。
 無電柱化の推進につきましては、環状七号線内側エリアや、災害時に復旧拠点となる施設等を結ぶ路線の無電柱化などを着実に進めてまいります。

○神林委員 現状の東京都では、災害はいつ起きてもおかしくありません。しかしながら、建設局事業を着実に実施していくためには、余りにも多くの年月や莫大な労力、多額の経費が必要となります。当然、まず明確な優先順位のもとで短期間に効果的に進めていくことが重要であります。
 まず、明確な優先順位をどのように定めているのか伺います。

○村上企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 事業の推進に当たりましては、二〇二〇年に向けた実行プランや事業ごとに策定しております実施計画等におきまして、重要性や緊急性等を踏まえ、優先的に取り組むべき路線や箇所等を定めております。

○神林委員 ちょっと余りにも客観的で、どういう優先順位かと具体的に聞きたかったんですが、いろいろな例があるから今回はそれでおさめさせていただきます。
 もう一つ心配なのは、実をいうと、建設局事業は当然、長期的な国内の経済、あるいは景気状況に左右されております。今後の景気、不景気など、時代の変遷に伴ってどのような対応を考えているのか、計画の平準化の考えも視野に入れて見解を伺います。

○村上企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 建設局では、都民生活を支える都市インフラの整備や、その維持更新など、さまざまな事業を行っております。これらの事業を着実に進めていくためには、新規事業の優先順位づけとあわせまして、既存施設の長寿命化や予防保全型管理を進め、計画年度の平準化などにも配慮する必要がございます。
 今後とも安定的な財源確保に努め、都市インフラの整備と管理を計画的かつ着実に推進してまいります。

○神林委員 今もちょっと説明にありましたけれども、多数の経費を削減していくためには施策の長寿命化を図るなど、前倒しで予防保全型管理を徹底すべきですが、同時に、時代の進化に伴って、従来に比べて経費や工期、規模などが短縮できる新たな技術開発、工法の開発などを常日ごろから積極的に取り入れていく努力が必要でございます。
 民間に負うところも多いとは思いますが、東京都の新たな技術の導入に対する取り組みについて伺います。

○村上企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 建設局では、民間で開発されたすぐれた新材料及び新工法等の中から、コスト縮減や工期短縮などの効果が期待できる新技術を評価、選定しております。
 平成三十年度は十七件の新技術を選定し、局のデータベースに登録するとともに、東京都ホームページにも約二百五十件公表するなど、一般にも広く周知しております。
 今後も、民間で開発された新技術を局事業に積極的に活用してまいります。

○神林委員 要は、東京都が積極的にやるかどうかということなんですよね。期間が大変長い中で、やはりそれは莫大な労力だとか、そういう経費がかかってくるわけですから、東京都も民間のことだということでお任せするんじゃなくて、ぜひ積極的にそういう導入に対する支援だとか、あるいはさまざまな技術の導入を進んでいっていただきたいと思いますので、お願いをいたします。
 次に、開催まで一年を切った東京オリンピック・パラリンピックの会場整備もほぼ完了したとのことでございますが、広く都市基盤の整備対象も含めて、建設局所管の事業が大会を成功に導いた後、どのようなレガシーとして残るのか伺います。

○村上企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 都は、東京二〇二〇大会後のレガシーとして、主な駅周辺の駅と公共施設を結ぶ道路におきまして、安全で快適な歩行空間を確保するため、段差の解消や勾配の改善といったバリアフリー化を進めております。
 また、競技会場や練習会場等となる都立公園におきましても、外国人を含む全ての来園者が円滑に移動でき、快適に過ごせるよう、各会場までのアクセス経路のバリアフリー化や多言語対応の案内サインの整備を進めております。
 引き続き、東京二〇二〇大会とその先の東京を見据えまして、これらの事業を推進してまいります。

○神林委員 ここであえていわせていただいたのは、オリンピックが終わったらそれで終わりじゃないということなんですね。オリンピック後がこれからずっと日本の社会を築いていくわけですから、いかにそれをレガシーとして残していくかということは非常に大切なことだと思っております。
 次に、二〇二〇大会を機に都道や都立公園についてバリアフリー化などを進め、誰もが使いやすい施設になっていくこととのことでございますが、地域特性などに一層きめ細やかに対応していく上で、私はこうした公の施設も住民の財産であることを強く意識していただくことが重要だと考えております。
 このため私は、こうした施設の植栽や緑の維持管理について専門技術を必要としない、水をあげるなどの通常の維持管理をもっともっと大幅に住民との協働により進めていくべきではないかと考えております。いい機会でもありますので、ぜひその辺の見解について伺います。

○細川公園計画担当部長 現在、都立公園や庭園、動物園等では、地域住民など二百三十二団体が花壇づくりや雑木林の下草刈りなどの活動を行っております。また、都道におきましても、百六十団体が植栽の手入れなどを行っております。
 こうした地域住民が維持管理に携わることは施設に対する愛着を高め、利用モラルを向上するなど、さまざまな効果があることから、今後も積極的に推進してまいります。

○神林委員 本当に先ほどいったとおりいい機会でございますので、こういうところから出発点として、しっかりそういうものを根づかせていただきたいと思います。
 質問の最後に、防災上、特定整備路線の整備は現在でも全二十八区間、延長二十五キロが事業中であり、工事着手されている箇所もあるとのことでございます。木密地域不燃化十年プロジェクトが平成二十四年一月に策定され、整備目標の二〇二〇年度まであと一年余りに迫ってきており、用地取得などで期間が延長されることが予測されますが、最重要課題である木密地域の改善に向けて新たな事業期間を明確にし、一日も早く整備を進めていくべきと考えますが、見解を伺います。
 以上で質問を終わります。

○若林道路計画担当部長 特定整備路線については、十月一日時点で、都市整備局施行区間も含め用地取得率は約五割、十区間で工事に着手しております。街路築造工事に着手し、完了の目途が立っている路線もありますが、二〇二〇年度の全線整備完了は厳しい状況にあります。
 特定整備路線は二〇一六年の防災都市づくり推進計画において位置づけられており、今後、推進計画の改定の中で検討してまいります。

○里吉委員 私からも、まず台風十九号による被害対策について質問させていただきます。
 まず初めに、今回の台風被害により被災された方々へお見舞いを申し上げます。そして、お亡くなりになられた方々へお悔やみ申し上げます。また、道路の復旧や護岸復旧のため日夜奮闘されている建設局の皆様に冒頭、敬意を表したいと思います。
 私たち日本共産党都議団としても現地調査を繰り返し行って、数度にわたる申し入れを行ってまいりました。今回は重なる部分はなるたけ割愛もしつつ、建設局関係で何点かについて質問していきたいと思います。
 まず、寸断された都道の問題です。
 この都道については、通行どめとなっている十カ所について、現在の状況と復旧の見通しについてただいま説明がございましたので、この質疑は割愛したいと思います。
 いろいろ私たちもお話を聞いてきたんですけれども、例えば檜原街道は仮設道路が設置されて、また一般都道一八四号線についても十一月中に車両通行のめどが見えてきたという話も聞いておりまして、私ども、お話を聞きに行ったところでも、住民の皆様から、これ、本当に早く進めてほしいということを伺ってまいりました。
 先ほどもお話ありましたけれども、車道ができていない日原街道、なかなかこれは困難な状況だというふうに伺っていますが、現在の課題について一点お伺いしておきます。

○花井道路保全担当部長 一般都道二〇四号線、日原街道などは急峻で狭隘な地形のため、迂回ルートを整備することが困難でございます。

○里吉委員 仮設の通路が二十日に完成して、二十一日から利用ができるようになったと。物資の輸送ができるようになって、さらに今週はドローンで物資の輸送が実施されたということで報道もされておりました。
 しかしながら、車道整備のめどが立たないというのは本当に大変な状況で、地元からは崩落現場の上流と下流に行き来するバスなど、小っちゃなバスでもいいので、これを運行してほしいと求める声が上がっていると聞いております。建設局としては、都道の崩落による住民の苦難を軽減するために、関係各局、関係団体と連携して住民の足の確保に努めていただけるように求めておきたいと思います。
 次に、河川の氾濫等による被害からの復旧の状況及び今後の対策についてお尋ねをしたいと思います。
 私の地元世田谷区でも調査中の段階ですけれども、大変な被害がありまして、先週金曜日現在でも罹災証明が出されただけで床上浸水が三百八十四件、床下浸水が三十八件と発生しております。私も現地をくまなく歩いたんですけれども、場所によっては、もう私の背を超えるところまで水が来たというお宅もありましたし、多摩川の方を心配して見ていたら、実は後ろから水が来たということで、予期しないところから水が来て、本当に怖い思いをしたという方もいました。
 また、避難所があふれてしまったんですね。決められていた避難所、地元の小学校がいっぱいになって、中学校もあけて、そこの中学校も避難所になったんですけれども、大変な人で、途中で帰ってきてしまったという方もいるぐらいなんですね。十二時過ぎには勧告が解除はされていたんですけれども、大変な混乱になっておりました。
 この多摩川の氾濫だけでなく、台風十九号に伴って河川の溢水は七カ所で発生をいたしましたけれども、この原因究明が非常に重要だと考えます。原因究明の現状について、現在の状況をお伺いしたいと思います

○小林河川部長 あきる野市の秋川など七河川で溢水が発生をいたしました。溢水直後から現地調査を実施し、検証中でございます。

○里吉委員 先ほど多摩川の氾濫のことについて高倉委員からも質疑がありましたけれども、現地へ行きますと、いろんな話がされているんですね。
 多摩川の氾濫についても原因を究明してほしいという声もありますし、その多摩川からの水が流れてこないために水門を閉めて、水門を閉めたら今度は中側が内水氾濫したんじゃないかという声もあって、水門を閉めたタイミングがよかったのかどうか。それから、そのことについて地域住民に説明がちゃんとされたのかどうか。それから、水門を閉めてポンプで水を排水するということがやられるそうなんですけれども、このことについても排水の機能が十分だったのかどうか。
 地域を歩くと、報道もされていますけれども、本当に皆さん、いろいろなことを自分で見ていて、実は閉めた時間が遅かったんじゃないか、早かったんじゃないかとか、いろいろと皆さんいわれているんですね。
 先ほどもありましたけれども、多摩川の氾濫についても、それから溢水の状況についても、その原因は局横断で分析していただきたい、総合治水対策の立場で検証していただきたいと思います。住民への周知のタイミングや方法などについても、これは建設局だけの話ではないと思いますけれども、検証していただきたいと、課題を明らかにしていただきたいということを強く要望しておきたいと思います。
 そして、次の川ですけれども、都の管理の河川の秋川の増水によって、あきる野市、小平市、護岸のさらに上部、民有地の擁壁が崩落したと。この話も先ほどありましたけれども、この地続きの造成地が二メートルほど沈下した、家屋崩壊を引き起こした。この崩落の原因について伺いたいのと、あわせて、このように護岸のさらに上部にある民地の擁壁等が崩落した場合は、その責任はどこにあるのか。この二点についてお伺いします。(「小平といったけれども小松平」と呼ぶ者あり)小松平、済みません。

○小林河川部長 あきる野市小松平の民地の擁壁等の崩壊原因について伺うということだと思いますけれども、これの被災原因につきましては現在検証中でございます。
 また、擁壁等の責任ということもあったと思いますけれども、被災原因とともに、いずれにいたしましても検証中でございます。

○里吉委員 これはまだ検証中ということなんですけれども、各地で護岸が流出しています。この検証はぜひ都として責任を持って行っていただきたいと思います。
 同時に、護岸の復旧も都が責任を持って行っていただきたいということで要求するものですが、都の見解を伺います。

○小林河川部長 先ほど申しました護岸の崩壊の原因につきましては、被災直後から現地調査を実施し、検証中でございます。現在、土のう積みなどの応急復旧実施後、護岸の本復旧を実施してまいります。

○里吉委員 護岸の本復旧も実施するということでしたので、ぜひ頑張っていただきたいというふうに思います。
 次に、平井川の護岸の強度の弱いところが崩落したというお話で、ここでも私たち、お話を伺ってきたんですけれども、このことについては先ほど質疑がございましたので、割愛したいと思います。
 それから次に、東京都が平成二十五年に策定した秋川流域河川整備計画で、河道内に堆積した土砂については、地域の要望等を踏まえつつ必要に応じてしゅんせつ等を適切に実施するとしているわけです。これまでも質疑がありましたけれども、簡単にいえば、川にたまった土砂をかき出す作業で、減った流量を元に戻す作業ですね。
 これも地域の住民の皆さんからいろいろお話を聞いてきたわけですけれども、土砂が堆積していたよ、河床が上がっているのでしゅんせつしてほしいという声は繰り返し上がっていたよと、それにもかかわらず、なかなか行われてこなかったという指摘をされました。
 平成三十年度の河川しゅんせつの箇所数と予算、決算についてお伺いしたいと思います。また、この河川しゅんせつの都民や自治体からの要望について、都はどのように把握し、対応する仕組みとなっているのか。二点あわせて伺います。

○小林河川部長 平成三十年度の河川環境整備における河川しゅんせつの費用は、隅田川など四河川で実施しておりまして、予算は六億三千万円、決算は四億一千万円でございます。その他、秋川など多摩河川におきましては、維持管理の一環でしゅんせつを実施しております。
 秋川につきましては、沿川の町内会及び自治会から、あきる野市長を通じまして、都に樹木伐採や河床整正などの要望書が今年度も提出されており、現地を確認し、治水面の機能を確保する必要があった箇所について適切に対策を実施いたしました。

○里吉委員 東部低地帯の河川などについては、河川しゅんせつの予算を組んで実施していたと。多摩川の河川については維持管理の一環としてしゅんせつを実施しているというご答弁、秋川などについては維持管理の一環でやられていたということでした。予算は六億円規模で、決算四億円ということでした。予算を組んで、きちんともっと進めていただきたいなというふうに思います。
 多摩河川については、今回の件も受けまして、河床の土砂しゅんせつについて事業を強化する必要があると思いますが、都の認識を改めて伺います。

○小林河川部長 多摩河川のしゅんせつにつきましては、先ほど申しましたように、沿川の町内会及び自治会からの要請というんでしょうか、都に対して樹木伐採や河床整正の要望書も踏まえまして、我々、現地を確認し、治水面の機能を確保する必要があった箇所について適切に対応していくということでございます。
 なお、今年度、秋川につきましても、牛沼地区に、この六月でございますけれども、河道内での樹木の撤去及び河床整正を実施したところでございます。

○里吉委員 地元の声を聞いて、六月にそれはやっていただいたけれども、こういった被害が起きてしまったということでよろしいんでしょうか。ということであれば、せっかく要望に応えてやっていただいたけれども、今回どうしてこういうことになったのかということについても今、全て検証中というお答えでしたので、町内会の方、地域住民の方からすれば、建設局の方はきちんとやってくれたのかということについても問われてしまうわけですので、皆さん、六月にやられたということであれば、そのことも含めて改めて検証をしていただきたいと思います。
 次に、台風や集中豪雨によって浸水した地域の内水排除を速やかに行うための移動式排水ポンプについて伺います。
 これは世田谷区でも床下浸水、床上浸水が多数発生したので、マンションなどの排水や個人のお宅の排水などにも他区からも応援をいただきまして、次の日は晴れでしたので、またその翌日は月曜日は雨でしたけれども、多数のポンプ車が多摩川地域を走り回って活躍しておりました。
 建設局も谷沢川のところに出していただいたというお話なんですけれども、今、建設局が保有する排水用ポンプ車はどれぐらいの台数があるのか、また能力についてもあわせてお伺いします。

○小林河川部長 区部及び多摩の建設事務所に計十台の排水ポンプ車を保有しております。一台当たり二基のポンプが配備されており、ポンプ一基の排水能力は一分当たり五立方メートルでございます。

○里吉委員 多分、一つの建設事務所に一台ぐらいという台数だと思うんですね。今回のような台風、水害被害はまたこれからも起きるのではないかといわれるもとで、台数はぜひふやすこと、増強することを検討していただきたいということを強く要望しておきます。
 台風十九号では、都民への迅速で正確な情報提供の大切さが浮き彫りになりました。この情報提供の問題についても伺います。
 浸水想定区域を示すハザードマップについては、建設局のホームページから、ハザードマップを公表している自治体及びそのリンクと、ハザードマップのもととなっている図が掲載されているのはこれは大変重要なことだと思います。しかし、そのリンクの張られた区市町村のサーバーの容量不足などからハザードマップが開けなかったという問題も起こっております。
 一方、国のハザードマップポータルサイトは、重ねるハザードマップとして、国とともに自治体のハザードマップを重ねたものを閲覧し、全国、都内各地の浸水想定区域を一つの地図から探すことができるような仕組みになっていて、大変便利なものとなっています。
 しかし、現状では神奈川県や栃木、山梨といった首都圏の県が、県の管理河川の洪水、浸水想定区域、想定最大規模の情報を提供しているということのようなんですけれども、東京都は入っていないようなんですね。なぜこれが入っていないのか。都としても情報提供し、重ねるハザードマップで閲覧できるようにすべきだと思いますが、見解を伺います。

○小林河川部長 都では、都独自の取り組みといたしまして、河川からの氾濫水と下水道の浸水範囲を重ね合わせて表示した浸水予想区域図を作成しております。一方、国の重ねるハザードマップでは、河川からの氾濫水による浸水範囲のみを表示する浸水想定区域図を表示の対象としておりました。
 このたび国が対応できるようになったことから、既に都は浸水予想区域図のデータを国に提供しており、現在、国が重ねるハザードマップ上で表示できるよう更新作業を進めております。

○里吉委員 都では、河川からの氾濫だけじゃなくて、下水道の浸水の範囲も、いわゆる内水氾濫、下水道から逆流するというのは都内ではよくありますけれども、そういう可能性がある区域の予想もやっているということで、国との違いがあるということがわかりました。
 また、その調整も行っていたということで、その上で既にデータを国に提供したということで、もうすぐそういうハザードマップが、更新されたものが見れるということで大変期待をしたいと思います。
 最後に、河川監視カメラと水位計の拡充を求める質問もしようと思ったんですけれども、数名の方からありましたので、私からは要望のみにさせていただきます。
 今回の台風十九号を踏まえて、本当に監視カメラと水位計の増設を図っていただきたいという声をいろんなところで聞いてまいりました。地元の世田谷だけでなく、多摩地域の方でもたくさん伺ってまいりました。地球温暖化に伴う状況で、台風が本当に大きくなっていく。そして、今回のような台風もまた起こり得るということが専門家の中でもいわれております。今の環境では、今回のような台風は珍しいレベルの台風ではなくなるのではないか、同じようなレベルの台風がいつやってきてもおかしくないと指摘をされています。
 今回の台風十五号、十九号の復旧とともに、今後の対策についても、今日にふさわしい規模での対策、これはカメラや水位計だけでなく全体ですけれども、ぜひ検討していただきたいということを申し上げておきたいと思います。
 それでは、もう一つのテーマの質問に移りたいと思います。
 次は、横断歩道橋のあり方について伺っていきたいと思います。
 本日資料をご用意いただきまして、ありがとうございます。一番最後のページ、12というところに横断歩道橋の資料もつけていただきました。
 資料にもいただいたように、現在、都道にかかっている横断歩道橋は五百八十五、この二十年余りの間に九十二の横断歩道橋が減っているということがわかります。時代の流れとともに、この横断歩道橋のあり方を考えるときに来ているのではないかと思います。
 そこでまず伺いますが、かつて交通事故から住民を守るために交通量の多い大型道路を中心に横断歩道橋が設置されてきましたけれども、改めてどのような背景で道路に横断歩道橋を設置してきたのか伺います。

○花井道路保全担当部長 都が管理する横断歩道橋は、交通安全対策上の緊急措置といたしまして、昭和四十年代に集中的に整備され、これまで歩行者の安全確保と自動車交通の円滑化に寄与してきたものでございます。

○里吉委員 交通安全上の緊急措置だったんですね。何十年もずうっとこの緊急措置が続いているということだと思います。階段を上っておりて渡らないと道路を渡れない横断歩道橋というのは、高齢者や車椅子など障害者の方にとっても、本当に苦労するものだと思います。ベビーカーを押すお母さんなどからも、横断歩道橋が大変だわという声はたくさん聞きます。
 都が横断歩道橋を例えば撤去するというふうに決める場合は、利用者が少ないことなどの条件がありますが、実際には、バリアフリーの観点から横断歩道橋を撤去して横断歩道にしてほしいだとか、そういう声は通行人が多いところで聞かれるわけですよね。ですから、横断歩道橋の撤去のあり方も再検討する必要があるんじゃないかという声も私の地元などでは出されているんですが、このことについて都の見解を伺います。

○花井道路保全担当部長 都では、横断歩道橋の近傍に横断歩道を設置しており、利用者が少ない、通学路の指定がないなどの条件を満たした横断歩道橋につきまして、交通管理者との調整の上、地元合意が得られたものを撤去しております。
 今後とも横断歩道橋を撤去する場合には、地域の実情を踏まえまして、交通管理者や地元とよく調整をし、対応してまいります。

○里吉委員 実際には通学路であったり、やっぱり横断歩道橋が通っているということは危ない道路だと、下を歩くと交通事故に遭う危険があるから横断歩道橋があるわけで、なかなか撤去するというのは、きちんとそれが本当に大丈夫なのかどうかということで、交通管理者や地元との話し合いが必要だということだと思うんですね。
 そうしますと、今度は、ではバリアフリーの観点から、横断歩道橋の撤去じゃなくてエレベーターを設置してほしいという声が上がってくるわけです。都道にかかっている横断歩道橋についてエレベーターが設置されているもの、この資料で見ますと十三あるということがわかりますが、この十三橋、エレベーターが設置されている横断歩道橋ですね、具体的にはどのような理由で設置することとなったのか伺います。

○花井道路保全担当部長 既設横断歩道橋のうち、高齢者や障害者などの利用が多く、エレベーターの設置を優先的に実施する必要が特に高い歩道橋を対象に、歩道における空間が確保できるなど、構造基準を満たせる箇所におきまして、交通管理者や地元とよく調整をした上でエレベーターを設置した事例がございます。
 また、道路の新設や拡幅工事にあわせて横断歩道橋を整備した際にエレベーターを設置した事例がございます。

○里吉委員 今のご説明で、ある一定の条件がそろえばエレベーターの設置もあり得るというご説明だったと思いますが、現在五百八十五あるうちの十三ですから、そうはいっても全体の二%なんですね。これ、優先的に設置する必要が特に高いですとか、構造基準を満たせる箇所ですとか、地元とよく調整してということで、例えばエレベーターの設置について議論しても、これがそういう条件に合わないとなると、今度はまた、じゃあ、どうするんだと、横断歩道橋のエレベーター設置の問題ができないとなると、やっぱり撤去するしかないのか、どうすればいいのかという話になってくるわけです。
 先ほどもいいましたように、横断歩道橋を撤去するしかバリアフリー化の手だてがないのかなとなっても、さっきいったような理由でなかなか調整が進まない。そうすると、バリアフリー化されないままの横断歩道橋が残ってしまうわけですね。ここにも陳情が時々出ます。次の委員会にも出ますけれども、横断歩道橋のバリアフリー化を進めてほしいという声がいろんなところから上がってくると思うんです。
 それで、建設局として、警視庁などの関係機関とともに、横断歩道橋のバリアフリー化のあり方をやはり今、検討するべきときではないかと思うわけですが、都の見解を伺います。

○花井道路保全担当部長 都では、既設横断歩道橋のうち、高齢者や障害者などの利用が多く、エレベーターの設置を優先的に実施する必要が特に高い歩道橋を対象に、歩道における空間が確保できるなど、構造基準を満たせる箇所におきまして、交通管理者や地元とよく調整をした上で対策を実施しております。
 今後とも、バリアフリー化の必要性が特に高い横断歩道橋につきましては、バリアフリー対策に取り組んでまいります。

○里吉委員 繰り返し、必要性が特に高い横断歩道橋についてはというご説明があったんですけれども、この必要性が特に高い横断歩道橋というのがどういったものなのか。例えば利用頻度なのか、それとも別の渡るところとの距離なのかということについて基準が特に示されていないんですね。
 それから、歩道における空間が確保できる、構造基準が満たせるという話もありましたけれども、じゃあ、例えばエレベーター設置するための土地をどこが用意するのかということについても特段決まっているわけではないし、示されているわけではないですね。
 どうしてこういった質問をしているかといいますと、全都的にもこれ、いろんなところで問題になっていると思うんですけれども、私の地元の世田谷区の千歳台交差点というところでは、横断歩道橋のバリアフリー化を求める声が本当に強くて、区議会を挙げて各会派が毎回区議会で質問するという状況になっているんです。それで警視庁さんとか建設局さんなどもいろいろご努力いただいて、調整も行っていただいたり、現地に来ていただいたりしていて、私、本当にそういう点ではご努力いただいているということについて感謝しているわけなんですけれども、なかなかどうしたらいいかという結論が出てこないわけなんです。
 それで、例えばバリアフリー化といったときに、エレベーターの設置という選択肢もあり得るんじゃないかと思うわけです。そのときに、例えばどこが土地を用意するのか、整備費はどこが負担するのか、維持管理はどこが責任をとるのかなど、そういったことについてもガイドラインを示す、そういう検討をするべきではないかと思うわけですが、改めて見解を伺います。

○花井道路保全担当部長 横断歩道橋のバリアフリー化につきましては、これまでも地元住民の意見や要望を踏まえまして、地元自治体や交通管理者等と連携し、維持管理の方法等も含めまして、現場状況に応じて検討してきております。
 今後とも、バリアフリー化の必要性が特に高い横断歩道橋につきましては、バリアフリー対策に取り組んでまいります。

○里吉委員 先ほど、世田谷区で各会派みんなこの問題を求めているんだというお話をしましたけれども、都議会の議事録を見ても、この事務事業ですとか、代表質問、一般質問、いろんな場で、それこそ各会派、全会派だと思うんですけれども、この問題を取り上げておりまして、特に来年はパラリンピックが開かれるということもあって、やはりこの階段を上りおりしないと大きな道路を渡れないという、横断歩道橋はこのままでいいのかという問題については今考えるべきときではないかというふうに思います。
 一つ一つ大変状況が違いますし、それですぐに全部進むというわけではないというふうには思いますけれども、建設局が管理する都道についている横断歩道橋については、建設局が管理をしているわけですので、ぜひ先頭に立ってこの問題、解決のために頑張っていただきたいということを要望いたしまして、私の質問を終わります。

○藤井委員 私からは、まず質問項目一、環状七号線地下広域調節池の整備についてお伺いをしたいと思います。
 今回の台風十九号では、神田川・環状七号線地下調節池や、白子川地下調節池など、都内の調節池が大変な効果を発揮したわけであります。今まさに事業中であります私の地元練馬区で、新目白通りを通過する形で整備予定であります環状七号線地下広域調節池においては、時間七十五ミリの降雨にレベルアップをした目標水準に対応したものでありますが、これ、完成すればさらに大きな効果を発揮するものだと思います。
 一方、調節池のような長期にわたる大規模な事業は多額な経費を要する現状がございますので、事業の内容や効果についてもあわせてしっかりと見きわめていく必要があるのかなと思います。
 そこで、まずお伺いをいたしますが、環七地下広域調節池の事業内容と効果について簡単にご説明をいただきたいと思います。

○小林河川部長 環状七号線地下広域調節池は、既に完成している神田川・環状七号線地下調節池と白子川地下調節池を新たなトンネルで連結する総貯留量約百四十三万立方メートルの調節池でございます。このうち現在実施している新たなトンネル区間は、延長五・四キロメートル、貯留量約六十八万立方メートルで、総事業費は約八百五十億円でございます。令和七年度末の完了を目指し、整備を進めております。
 本調節池が完成すると、神田川、石神井川、白子川の三流域にまたがり、計五河川のレベルアップに対応した洪水を貯留するとともに、調節池の容量を各流域間で相互に融通することにより、時間百ミリの局地的かつ短時間の豪雨にも効果を発揮いたします。

○藤井委員 本当にまさに大事業ということでございます。今回の台風で効果を発揮した環七地下調節池と白子川の地下調節池を地下で連結し、流域をまたいで相互に融通をするということで、非常に効果を発揮するということで再認識させていただきました。
 工事が長期に及ぶ現状もございますので、ぜひ地元にも丁寧に配慮していただきたいと思いますし、その一方で着実に整備を進めて、一日も早く効果を発揮していただきたいと思います。
 そこでお伺いいたしたいと思いますが、この環七地下広域調節池整備の工事の進捗状況について、どのような状況になっているかお伺いをしたいと思います。

○小林河川部長 環七地下広域調節池は現在、土砂搬出の基地となる中間立て坑の躯体構築を進めるとともに、トンネル掘進に向け、シールドマシンの現地組み立てを行っております。工事に当たっては、工事用車両の搬出入ルートを見直すなど、地元に配慮しつつ整備を進めております。
 また、インフォメーションセンターを設置するとともに、地元を対象とした現場見学会を開催するなど、工事内容を積極的にPRしております。

○藤井委員 事業の完了は令和七年度末ということでございますが、今の答弁ではまさに始めた段階ということでございますので、目標年度に間に合わせるようにしっかり取り組んでいただきたいと思うわけでございます。
 地下調節池は、水害からまちを守るという意味におきましては極めて重要な施設でありますけれども、一方では、都民から見ますと、道路や公園の地下にあるということで、なかなかその存在だったり、あるいは効果だったりというものを認識しづらいというような現状があろうかと思います。現在ある地下調節池について、どのような形で今、都民の皆様に対して周知されているのか、ご説明されているのかについてお伺いをしたいと思います。

○小林河川部長 都におきましては、調節池の機能や効果をわかりやすく示すパンフレットやPR動画をホームページに掲載するなど、広く都民に周知しております。
 また、環七地下調節池などでは、毎年七月の河川愛護月間に施設見学会を行うとともに、小学校の総合学習や、地元町内会を含むさまざまな団体への施設案内を随時実施しております。

○藤井委員 私の地元でも、いろんな地元の子供たちだとか住民の方々が見学会に参加しているという話を伺っていますので、引き続き丁寧な説明に努めていただきたいと思いますし、ぜひ調節池そのものの存在だったり効果、そういったものもぜひ積極的に広く都民の皆様方に周知していただきたいなということを改めて要望させていただきたいと思います。
 次に、西武新宿線の立体交差についてお伺いをしてまいりたいと思います。
 西武新宿線の井荻駅から西武柳沢駅間についてお伺いをしたいと思います。私の地元練馬区におきましては、西武池袋線においては連続立体交差ということで多くの踏切を解消してきたわけでありますけれども、一方、西武新宿線については、いまだ数多くの踏切が残されている現状がございます。
 これらの踏切は朝夕のラッシュ時間に長時間閉まっておりまして、利用者も大変不便を強いられているわけでございます。早朝の時間ですともう十五分以上待たされたりだとか、そういった現状も私の地元ではあるわけでございますので、一日も早い踏切の解消が当然ながら望まれているということでございます。
 まず、井荻駅から西武柳沢駅間の現状と、そして鉄道立体化の取り組み状況について簡単にご説明をいただきたいと思います。

○村井道路建設部長 本事業予定区間には二十カ所の踏切がありまして、そのうち十二カ所があかずの踏切であるため、慢性的な交通渋滞や地域分断が生じておりまして、沿線自治体である練馬区などから連続立体交差化の早期事業化の要望を受けております。
 このため、平成二十九年四月、国から着工準備採択を受けまして、ことし二月には鉄道を高架とする都市計画素案の地元説明会を開催し、都市計画などの手続を進めております。

○藤井委員 ただいまの答弁にございましたように、ことし二月に地元でも説明会が開催をされまして、事業化に向けて一層前進したというふうに理解をしているわけでございます。この踏切解消に対する地元の区民の皆様方の期待が一層高まっているという状況であろうかと思います。
 一方で、鉄道が高架化されることに対して、地元の沿線住民の方から不安の声をいただいているということも事実としてございます。
 そこで、鉄道立体化を進めていくに当たりまして、地元の住民の皆様方に対する都の対応について、どのような形で行っているのかお伺いをしたいと思います。

○村井道路建設部長 都は、練馬区が開催いたしますオープンハウスにおいて、高架方式による事業範囲や施工方法など、展示パネルやパンフレットを用いて説明を行ってきております。
 引き続き、練馬区と連携し、連続立体交差化計画や駅周辺のまちづくりなどについて地元住民に丁寧に対応してまいります。

○藤井委員 ぜひ丁寧に、引き続き説明をしていただきたいと思います。踏切の解消というのは、あくまでも大目標ということでございます。地元の皆様方からさまざまなお声があることも事実でございますけれども、踏切を解消していくということは大目標でございますので、その点、しっかり取り組んでいただきたいと思います。
 最後の三番目の質問項目として、放射第三五号、三六号線の整備についてお伺いしたいと思います。
 この道路整備につきましては、交通渋滞の解消、そして災害時における避難路の確保、車両の通行等、これまさに必要不可欠なものであろうかと思います。特に私の地元の練馬区におきましては、骨格幹線である放射第三五号線、放射第三六号線の整備が重要であると認識をしております。
 この放射第三五号線及び第三六号線におきましては、環七通りから補助第二三七号線までの区間と、それに続く二三七号線から川越街道までの区間の二つの区間で現在事業中であるわけでございます。この二つの区間が整備をされますと、池袋からこの都県境と新大宮バイパスのところが結ばれるわけでございまして、山手通り、環七通り、環八通りと接続をする新たな道路ネットワークが形成されるわけでございまして、渋滞緩和、交通の円滑化ということで大きな整備効果があるというふうに思っているわけでございます。
 そこでまずお伺いをしたいと思いますが、この放射第三五号線、三六号線のうち、環七通りから補助第二三七号線の区間についてお伺いをしたいと思いますけれども、これ、現地に参りますと、かなり道路用地というのは、あいてきているような状況があるように映るわけでございますけれども、この用地取得の状況についてどうなっているのか、まずお伺いしたいと思います。

○山本用地部長 放射第三五号線及び放射第三六号線は、区部北西部の骨格を形成する重要な幹線道路でございます。環七通りから補助第二三七号線までの延長約二キロメートルの区間における用地取得については、補償内容などについて丁寧に説明しながら進めておりまして、平成三十年度末までに七一%を取得しております。
 引き続き関係権利者の理解と協力を得ながら、残る用地の取得に努めてまいります。

○藤井委員 七一%ということで、逆にいえば二九%をまだ取得できていないということで、これ実は私、近所の道路予定地なんですけれども、これは昭和の時代に決定をされて、なかなか進まないというようなことで、特にこの沿線に住まわれている方は不安に思われている方もいらっしゃるかと思います。その不安を解消していくということを都としてもしっかり取り組んでいただきたいと思いますし、応じていただけるという方に対しては、ぜひ生活再建という意味で積極的に都として頑張っていただきたいなというふうに思うわけでございます。
 次に、この放射三五、三六号線のうちのもう一つの区間である二三七号線から環状八号線、そして川越街道までの区間についてお伺いをしたいと思いますけれども、こちらについては、もうかなり工事が進んでいるように感じるわけでございますけれども、こちらの区間の工事の実情について、そして今後の予定についてお伺いをしたいと思います。

○村井道路建設部長 本区間については、現在、環八通りとの立体交差部のトンネル工事などを進めておりますが、早期の事業効果発現を図るため、環八通りから川越街道までの約一・一キロメートルの平面部において先行し、本年八月に歩道を開放いたしました。
 今後、トンネル内の設備工事などを実施する予定でありまして、引き続き地元の理解と協力を得ながら整備を推進してまいります。

○藤井委員 放射三五、三六と環八が交差している、これ地元の駅で平和台という駅なんですけれども、こちらは慢性的に交通渋滞をしているような状況でございますので、ぜひ早期の開通を目指して取り組んでいただきたいというふうに思います。
 それとともに、地元ではやはり生活道路というような側面もありますので、不安をお感じになられている方もいらっしゃると思いますので、一方では丁寧な説明に努めていただきたいということを要望いたしまして、私からの質問を終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。

○もり委員 地球温暖化により、近年、自然災害が激甚化し、都民の命と暮らしを守る災害に強いまちづくりは、都民が都政に求める要望の中で最も高く、優先度の高い施策です。さきの台風十五号による島しょ部の被害の爪跡も残るまま、台風十九号においては、上陸時には戦後最大の四十六万棟を超える浸水被害をもたらした狩野川台風にも匹敵するともいわれ、都内でも河川の氾濫や甚大な被害をもたらしました。
 これまで東京都として水害対策、津波、高潮対策と治水事業に取り組んできた中で、中小河川においては、調整池の整備が進んでいたことが都心部において甚大な被害を防ぐことに大きく貢献したと考えます。今回の台風十九号を受けて、これまで都が行ってきた取り組みの成果と今後の課題についてお伺いをいたします。

○小林河川部長 昭和四十年代より、時間最大五十ミリの降雨に対応する護岸や調節池の整備を実施し、現在、治水安全度達成率は八〇%となっております。今回の台風第十九号では、過去最多となる二十一の調節池で洪水を取水するなど、これまで整備してきた河川施設が効果を発揮いたしました。
 今後もこうした激甚化する豪雨に対応していくため、河道に加え、レベルアップした区部時間最大七十五ミリ、多摩六十五ミリの目標整備水準達成に向けた調節池などの整備を着実に推進していくことが重要でございます。

○もり委員 ありがとうございます。区部時間七十五ミリ、多摩六十五ミリの達成に向けて着実に取り組んでいくとの答弁をいただきました。
 都は、中小河川の洪水対策の推進として、平成二十六年に東京都豪雨対策基本方針を改定し、優先的に整備を実施する対策強化流域として九流域を位置づけ、地元呑川もそこに含まれております。
 そこで、時間七十五ミリ達成に向けた呑川の現在の取り組み状況についてお伺いをいたします。

○小林河川部長 時間最大七十五ミリの降雨に対応する対応は、時間五十ミリまでの降雨は護岸整備を基本に、それを超える降雨には新たな調節池等で対処いたします。呑川の護岸整備は昭和六十一年に完了しており、護岸整備率は一〇〇%でございます。
 時間七十五ミリの降雨に対応した調節池は、平成二十九年に改定した呑川流域河川整備計画に位置づけ、現在その事業化に向けた検討を実施しております。呑川の豪雨に対する安全性向上に向け、着実に取り組んでまいります。

○もり委員 ありがとうございます。現在計画中ということで、ぜひ着実に進めていただきたいと思います。
 台風十九号は都内にも大きな爪跡を残しました。地元大田区においても、多摩川の氾濫が危惧され、丸子川周辺の内水氾濫により約六百世帯が浸水被害を受けました。私も先日、地元のボランティアの皆様とともに泥かきのお手伝いをさせていただきましたが、浸水被害のすさまじさを実感いたしました。
 多摩川からの逆流を防ぐために二カ所の水門が設置をされております。排水作業が区職員の手動であり、氾濫の危機が迫る警戒レベル五が発令された状況においては人命が最優先であり、人力で排水作業に当たらねばならない状況は改善されるべきだと考えます。
 先ほど他の委員のご答弁の中にも、世田谷の谷沢川が溢水をしたということで、大田区の田園調布五丁目のあたりは、本当に上流からあふれるように流れてきたという声も聞いていますので、そういった排水ポンプの整備が地元では聞かれますが、このポンプだけで本当に足りるのかという危惧もございます。ぜひ局を超えて、東京都としても再発防止に取り組んでいただきたいと強く要望させていただきます。
 かつては暴れ川として洪水に悩まされていた川ですが、今では東京都の清流復活事業においてや高度処理水により、上流においてはカワセミの姿も見られ、呑川は都市の憩いの川となっております。しかし、一たび豪雨が降ると、越流水により川が汚濁し、東京湾の水質問題も課題となっております。越流水対策においては、東京都としてもしっかり基礎自治体と連携しながら取り組んでいただきたいと要望いたします。
 次に、河川のにぎわいづくりについてお伺いをいたします。
 これまで治水事業においては、まず何よりも水害から都市を守るための直立護岸が進められてまいりました。このため、水害に対する安全性は高まったものの、水辺を身近に感じられなくなってしまったのではないかという思いもございます。
 一方、かつては高速道路であった韓国の清渓川が、親水性を持たせることによって多くの草花や虫が生息し、都市に潤いを持たせる生物多様性が戻ってきた事例もあります。今後、水辺のにぎわいづくりを推進するためには、都民が親しむことのできる水辺の環境整備を進めることが重要であると考えます。
 東京都は、豊かな水辺を有する水の都です。親水性を高めた整備により、多くの方々に利用してもらうことで、にぎわいが創出されると考えます。都民が水辺に親しむことができる護岸整備に取り組んでいただきたいと考えます。
 隅田川では、水辺のにぎわいとして、さまざまな取り組みが進んでいると伺っております。隅田川における水辺環境の整備と水辺の利活用について、取り組み状況をお伺いいたします。

○小林河川部長 都では、隅田川におきまして、緑豊かなスーパー堤防や水辺を散策できるテラスの整備を進め、人々が集い、親しめる河川空間の創出に努めてまいりました。これに加え、河川敷地の特例占用制度を活用し、民間事業者によるオープンカフェや、水辺で飲食を楽しめるかわてらすが設置されております。さらに月島川の合流部などにおきまして、歩行者の利便性や回遊性を向上させるため、テラスの連続化を進めております。
 今後も親水性の向上を図るとともに、民間の活力を引き出しながら、水辺のにぎわいを創出してまいります。

○もり委員 海外ではウオーターフロントという考え方で、水辺まで一体的な活用により豊かな水辺の整備が進められておりますが、国内においては、水辺の土地を所有していても、護岸、河川と所管が異なり、一体的な利活用がこれまでなされてこなかったように感じます。ぜひ水辺の利活用に向けて、可能な場所においては規制緩和により民間とも連携をしながら、水の都東京として、美しい景観と水辺の活用を推進していただきたいと考えます。
 私の地元大田区内を流れる呑川や海老取川などにおいても、親水空間の整備とともに、民間と連携しながら、水辺を生かしたにぎわいづくりを図っていただきたいと要望いたします。
 舟運事業の活性化に向けて、東京都では二〇一六年度から取り組みが進められ、ことし八月には朝の交通手段としての舟運活用の可能性について実証実験が行われました。この事業については局が異なるため、質問はいたしませんが、ぜひ東京二〇二〇大会とその先も見据えて、羽田国際空港を利用する国内外の方が東京の水辺のすばらしさを実感しながら、都内を船でも周遊していただけるような事業としてエリアを拡大していただきたいと考えます。
 また、舟運事業の振興に向けては、事業者の方からも都内臨海部におけるマリーナを必要とする声も聞かれます。かつて河川や前堀で問題となっていた不法係留船も整理をされ、現在は暫定係留場となっております。ぜひ東京都の舟運事業の活性化に向けて、正規に居留施設の整備を行っていただきたいと要望し、次の質問に移ります。
 水と緑のネットワークについて伺います。
 緑豊かな都市空間の形成とヒートアイランド対策として、東京都の街路樹整備の拡充について伺います。
 事務事業に先立ち、台風十九号における都道の街路樹の被害状況についてお伺いをいたします。

○細川公園計画担当部長 都道では約五十本の街路樹が倒木したほか、約百本が大きく傾くなどの被害を受けております。

○もり委員 街路樹の健全な育成を管理するために、樹木医の利活用状況はどのようになっておりますでしょうか。

○細川公園計画担当部長 樹勢低下による倒木を未然に防ぐため、樹木医による街路樹診断を計画的に実施しております。診断の結果、倒木のおそれがあると判断された樹木は速やかに撤去を行い、その後、新たな樹木を植栽しております。
 また、撤去の必要がないと判断された樹木につきましては、その状態に応じて経過観察や土壌改良等、樹勢回復のための措置を行っております。

○もり委員 都市に緑の景観と木陰を創出する街路樹は、とても重要な役割を担っております。阪神大震災においては、火災による延焼を食いとめ、建物倒壊から人命を救ったことも伝えられており、都市の貴重な緑として守り育まれるべきであると考えます。
 また、ヒートアイランド対策として、真夏の道路の表面温度は五十度にも及びますが、木陰であれば三十度程度と、その差は二十度にもなります。樹冠を広げ、より木陰面積をふやすような街路樹の育成が求められます。
 東京都では、二〇二〇大会に向けて、日差しを遮る木陰を確保するため、都道で街路樹の樹冠拡大を進めておりますが、現在の取り組み状況をお伺いいたします。

○細川公園計画担当部長 マラソンコースや会場周辺の都道のうち、樹冠拡大が必要な三十一カ所について、平成二十九年度から樹形を大きく仕立てる計画的な剪定を実施しております。
 街路樹の樹冠を拡大する上では、枝の落下や病害虫発生の予防、信号や標識の視認性の確保などのため、きめ細やかな剪定手法が求められております。そこで、目標樹形と剪定手法を具体的に示した維持管理計画書を作成するとともに、街路樹剪定士指導員による見本剪定の実施などにより、着実に樹冠拡大を進めております。
 引き続き、二〇二〇大会において木陰が確保できるよう、街路樹の樹冠拡大に取り組んでまいります。

○もり委員 ありがとうございます。東京二〇二〇大会に向けて順調に拡大していることを確認させていただきました。
 街路樹の整備については、国道、都道、区市町村道とそれぞれ道路管理者が異なり、街路樹整備についても差が見られます。公示価格に重きを置き、樹木、造園の専門家ではなく、道路整備と一体的に伐採されたような、枝を大きく落とされた樹木は、まちに寒々しい印象を与えます。樹木、造園の専門的な観点から、美しく樹冠が形成されるような街路樹の育成、整備が求められ、管理者の枠を超えた街路樹のネットワークの整備が求められると感じます。
 暑さ対策や緑の創出は、東京二〇二〇大会で終わるものではありません。緑豊かな東京都を築く観点から、樹冠拡大の取り組みを東京二〇二〇大会のレガシーとして継続していくべきだと考えます。都の見解をお伺いいたします。

○細川公園計画担当部長 暑さ対策として日差しを遮る木陰をより多く確保できるよう、街路樹の樹冠を大きく仕立てることは有効であります。一方、きめ細やかな剪定手法が求められることに加え、日陰や落ち葉に対する沿道住民の理解を得ることなどの課題もございます。
 今後、これまでの取り組みについて検証を行い、環境改善などの機能が十分発揮できるよう、街路樹の適切な管理に取り組んでまいります。

○もり委員 ありがとうございます。
 海外の街路樹では、可能な限り枝を伸び伸びと広げた街路樹を多く目にします。地元大田区の田園調布では、民地側の枝は短く剪定されているものの、道路側はできる限り枝を伸ばし、センターラインを越えて街路樹のトンネルのような美しく茂った街路樹が形成されており、夏も涼しい、美しい緑の景観を創出しております。
 街路樹の清掃等は、沿道住民の理解と協力が欠かせません。東京都の樹冠拡大計画では、樹高は、木の高さは十二メートル以下に抑えられているとのことですが、現在ある木をさらに伸ばし、樹冠を拡大することは、根系も発達して、災害時にも強い支持力を増すことにつながります。樹高を高くし、樹冠をできる限り広げる街路樹整備を行っていただくことを要望し、引き続き樹冠整備の取り組みが一層進むことを願っております。
 次に、都立公園における生物多様性の保全の取り組みについてお伺いをいたします。
 都立公園には大小さまざまな約百カ所の池があり、野鳥やトンボなど多様な生き物が観察できる場所であり、生物多様性保全の上で重要な役割を果たしております。
 吉祥寺にある井の頭恩賜公園では、三回にわたるかい掘りで透明度が改善し、光が差し込むようになったことから、最近は見られなくなっていたイノカシラフラスコモなど、水草が池底に復活し、本年六月にはその透き通る池底に緑色の水草が見えて、モネの庭のようだとツイッターでも話題になるなど、大変大きな反響が寄せられておりました。
 都立公園におけるこれまでのかい掘り事業の成果についてお伺いをいたします。

○細川公園計画担当部長 平成三十年度は、林試の森公園、野川公園など八公園、十カ所の池でかい掘りを実施しております。かい掘りを実施した池では、外来の魚を捕獲することで、モツゴやエビ類など在来の魚がふえ、その池本来の生態系を取り戻しつつあります。
 また、こうした活動には延べ百名のボランティアが参加し、ともに活動することで意識の醸成が図られ、生物多様性の保全に関する普及啓発となってございます。

○もり委員 都立公園は地域の重要な資源であり、都立公園における水辺の再生と、それに伴う生物多様性の保全の取り組みを一層推進していただきたいと考えます。
 そこで、かい掘りについて、今後どのように取り組んでいくのかをお伺いいたします。

○細川公園計画担当部長 令和元年度は、猿江恩賜公園、武蔵野の森公園など八公園、十三カ所の池でかい掘りを行ってまいります。今後は、かい掘りを推進することで池本来の生態系が回復し、公園の魅力が向上するよう全力で取り組んでまいります。

○もり委員 ぜひ学校教育とも連携しながら、多くの子供たちが身近に生物多様性を学び、地域の自然環境に目を向ける場として、都立公園における生物多様性の保全が一層進むことを願い、次の質問に移ります。
 道路のバリアフリーについてお伺いをいたします。
 バリアフリーのまちづくりに向けた地域の取り組み強化等を盛り込んだ高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律の一部を改正する法律が平成三十年五月に公布され、障害者差別解消条例を施行した東京都としても、まちづくりにおいて合理的配慮が隅々まで行き届いているか、障害は障害者の身体的特徴にあるのではなく、いかに社会参加のハードルとなっているバリアを取り除くことができるか、誰もが社会参加しやすいインフラの整備が重要です。
 そこで、都道におけるバリアフリー化の整備内容と、その取り組みについてお伺いをいたします。

○花井道路保全担当部長 都はこれまで、駅や官公庁、福祉施設などを結ぶ都道約三百二十七キロメートルを選定し、歩道の段差解消や勾配改善、視覚障害者誘導用ブロックの設置など、道路のバリアフリー化を進めてまいりました。
 現在は、平成二十八年三月に策定いたしました東京都道路バリアフリー推進計画に基づきまして、東京二〇二〇大会競技会場や観光施設周辺等の都道約九十キロメートルと、駅や官公庁、福祉施設などを結ぶ道路に文化施設やスポーツ施設等の周辺も加えました都道約九十キロメートル、合計百八十キロメートルにつきまして道路のバリアフリー化を進めているところでございます。

○もり委員 ありがとうございます。都道のバリアフリー化については、第二回定例会でも質疑があり、東京都からは、歩道の段差解消や歩道のセミフラット化を進めていくことの答弁がありました。
 ことし三月にまとめられた東京都福祉のまちづくり推進計画でのアンケートでは、日常よく出かけるところに着くまでにバリアを感じると回答した方の七二・二%が道路にバリアを感じるとの回答があり、道路のバリア解消は大きな課題です。
 車道と歩道の分離、自転車レーンの設置による歩道の安全性の確保も求められます。視覚障害者誘導用ブロックは、視覚障害者の命綱ともいわれます。視覚障害者誘導用ブロックの整備については、視覚障害者の移動等円滑化を推進する視点から大変重要であると考えます。
 また、車椅子利用者の方からは、歩道の段差や勾配が大きいと通行できないとの課題もあり、これらの課題に取り組むため、道路のバリアフリー化をより一層進めることが必要であると考えます。
 そこで、都道のバリアフリー化の進捗状況と、今年度の整備の予定についてお伺いをいたします。

○花井道路保全担当部長 東京都道路バリアフリー推進計画で定めました約百八十キロメートルのうち、平成三十年度末までに約八十キロメートルが完成いたしました。
 今年度は、外苑東通りや多摩堤通りなど約四十八キロメートルの整備を予定しております。

○もり委員 また、ユニバーサルデザインタクシー車両専用の乗り場の設置と横乗り車両の乗降を容易にする歩道の整備について要望が上がっております。ぜひあわせて整備を進めていただきたいと要望いたします。
 誰もが安全で円滑に移動し、安心して過ごすことができる魅力ある都市を実現する上で、首都東京の貴重なオープンスペースである都立公園において、バリアフリー化を進める意義は大きいと考えます。
 あわせて、現在、都立公園では、東京二〇二〇大会を控え、競技会場やライブサイト会場となる公園等において優先的にバリアフリー化の整備に取り組んでいると伺っております。
 そこで、都立公園におけるトイレのバリアフリー化の取り組み状況についてお伺いをいたします。

○細川公園計画担当部長 国内外から多くの人々が訪れる東京二〇二〇大会の競技会場となる公園や庭園など二十二公園において、便器を洋式に改修するとともに、誰でもトイレを設置するなど、トイレのバリアフリー化に取り組んでおります。
 平成三十年度は、駒沢オリンピック公園外九公園で整備を行っており、令和元年度は井の頭恩賜公園外十五公園で取り組む予定であります。
 今後は、こうした取り組みを積極的に進め、誰もが快適に過ごすことができる公園としてまいります。

○もり委員 ありがとうございます。都立公園のトイレのバリアフリー化を一層推進していただきたいと考えます。
 身体障害者の方は、外出時にどこに利用可能なトイレがあるかを事前に調べてから外出をすると伺いました。そのため、トイレ内にはベビーベッドより大型の大人が使用できるユニバーサルシート、すなわち大型ベッドの設置を望む声も多くあります。近年、障害者の高齢化とともに介護する家族も高齢化をしており、ベビーベッドでは介護が困難です。設置が可能な場所においては、ユニバーサルシートの設置を望む声がございます。今後は、都立公園でも誰でもトイレの設置とともに、ユニバーサルシートの設置に関して前向きな議論と取り組みを要望いたします。
 東京二〇二〇パラリンピック開催都市として、ユニバーサルデザインのまちづくり、道路におけるバリアフリー化が求められます。ぜひ当事者の皆様の視点に立った整備のより一層の推進を要望し、質問を終わります。ありがとうございます。

○小磯委員 私も今回の台風十九号の被災箇所であります檜原村、そして日野橋、また世田谷の二子玉川の現地に行ってまいりました。私からは、土砂災害対策について、まずお伺いをいたします。
 やはり台風十九号によって、町田市では相原町でレッドゾーンに指定をされました民地で崖崩れがございましたし、また、鎌倉街道という都道ののり面が崩落するなどの土砂災害がございました。平成三十年の七月の豪雨では、西日本を中心に広域にわたって多数の土砂災害が発生いたしました。その数は、年平均発生件数の三倍を超える三千四百五十九件の災害が発生したわけでございます。近年、土砂災害は頻発、激甚化する傾向にありまして、いつ起こるかわからない土砂災害へ備えるには、その対策を一層推進していかなければなりません。
 東京都は昨年、防災事業の緊急総点検を行いまして、土砂災害のおそれのある箇所を明らかにする土砂災害警戒区域の指定について前倒しをして、本年九月末までに都内全域でそれを完了させたわけでございます。この土砂災害警戒区域の中には、地域住民の避難先である避難所、また災害時に迅速な避難行動が困難な要配慮者利用施設、こういったところも存在するわけであります。
 私は平成二十九年の事務事業質疑におきまして、二十八年三月末までに区域指定が完了した約九千カ所のそうした指定された地域の中に避難所、また二十四時間滞在型要配慮者利用施設がどの程度含まれているのかを質問いたしました。その結果、何と避難所が約百八十施設、二十四時間滞在型要配慮者利用施設が約四十施設存在するということが初めて明らかになったわけでございます。
 その後も都議会公明党の代表質問で取り上げるなど、引き続いて今日まで取り組んできております。区域指定についてはその後も対象の自治体がふえ、指定数も増加しているわけでございます。
 そこで、現時点で判明している土砂災害警戒区域等の中に含まれる避難所、そして二十四時間滞在型要配慮者利用施設の数は幾つなのかお伺いをしたいと思います。

○小林河川部長 区部、多摩の約一万カ所の区域指定が完了した時点で確認したところ、避難所については、土砂災害警戒区域内に約百九十施設、このうち特別警戒区域内に約八十施設が存在しております。
 二十四時間滞在型要配慮者利用施設については、土砂災害警戒区域内に約五十施設、このうち特別警戒区域内に約二十施設が存在することが判明しております。

○小磯委員 この土砂災害の警戒区域については指定がどんどんまた進んでおりまして、一万五千カ所ぐらいになっていますので、当然、要配慮者施設とか避難所がもっとふえているんだと思いますけれども、とにかくレッドゾーン、イエローゾーンにそれぞれ多くのそういう避難所、また要配慮者利用施設があるんだということでございます。
 災害を未然に防止するためにも、土砂災害防止法というのは早く避難していただくというのが趣旨の法律ではありますけれども、私がずっと訴えてきたのは、そうした避難所だとか二十四時間要配慮者施設については、しっかりやっぱりハード対策も東京都はやるべきであるということで訴えてまいりまして、現在に至っているわけでございます。
 土石流をとめる砂防堰堤等を整備する砂防事業の実施箇所については、避難所の有無など重要度を考慮した優先度フローに基づき、ランク分けを行っております。これも東京都の建設局の方といろいろと協議をしながら優先順位をつけて、そこをハード対策をすべきと訴えて、こういう優先度フローという手法、ランクづけになったわけでございます。そのうち、既に治山事業などにおいて対策している箇所もあると聞いております。
 そこで、優先度フローのランクAに分類される箇所が何カ所あり、そのうち建設局として事業優先度の高い箇所は何カ所あるのか、また現在の取り組み状況についてお伺いいたします。

○小林河川部長 区部、多摩の土砂災害警戒区域のうち、現時点で判明しているランクAに該当するものは六十七カ所でございます。また、建設局が行う砂防事業における優先度の高い箇所は、治山事業や土砂災害のおそれがあるときには避難所として使用しない箇所等を除くと三十五カ所ございます。
 このうち奥多摩町小丹波地区など六カ所につきましては、既に砂防基本計画の作成が完了し、順次工事に向けた設計を進めております。今年度は青梅市小曾木地区など八カ所で新たに砂防基本計画を作成してまいります。

○小磯委員 建設局が行う砂防事業における優先度が高い箇所は三十五カ所、そしてそのうち六カ所が既に設計を進めていると。今年度はあと八カ所で新たに基本計画を作成していくということで、着実に進めていることがわかったわけでございます。
 都内での土砂災害警戒区域は大半が急傾斜地の崩壊、いわゆる崖崩れのおそれのある箇所として指定をされております。土砂災害というのは、この資料を見ますと、土石流、地すべり、崖崩れ--崖崩れというのが急傾斜地の崩壊ということで、この急傾斜地の崩壊というのが多くの土砂災害警戒区域であるということでございます。
 崖崩れ対策については、土地所有者によることが基本でありますが、都内全域の区域指定が完了した後は、危険な箇所を少しでも減らしていくような取り組みが重要であります。
 私も相談を受けました。レッドゾーンに指定をされているその斜面の土地所有者から、何とかこのレッドゾーンを外したいんだと。私の家自体を本当に安全な家にしたいんだと。どうすればいいのだというふうに相談をされて、それは南多摩東部建設事務所の方に相談をすればしっかり相談に乗ってくれて、そしてまたこういう計画で対策すればレッドゾーンは消えますかという、その確認もできますよと。そして工事をして、確認ができるということでございますけれども、そういう土地所有者は何とか対策をして、レッド、またイエローを解除したいという方が多くいらっしゃるわけでございますので、そういう方への相談事業が大事でありますし、また、そういう方への専門家のアドバイスというのが大事でございます。
 そこで、今後は崖崩れ対策を推進して、区域解除に向けた取り組みが重要であると思いますが、見解をお伺いいたします。

○小林河川部長 都は土砂災害のおそれのある自然斜面におきまして、所有者等による対策が困難な場合、区市町村の要望を受け、急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律に基づき、急傾斜地崩壊対策事業を実施しております。今年度は、八王子市高尾町など十カ所で対策工事を実施してまいります。
 また、今年度新たに警戒区域に指定される住民などに対しまして個別相談会を開催し、区域指定の考え方や斜面対策事例の紹介など、区域指定の解除に向けた助言を行ってまいりました。
 今後とも、都民の安全・安心の確保に向け、ソフト、ハード両面から土砂災害対策を着実に推進してまいります。

○小磯委員 土砂災害警戒区域等に指定された範囲の住民や土地所有者は、毎年のように発生する土砂災害に対して不安な気持ちになっております。今後、都は住民等の不安を払うためにも、東京都広報やホームページ等にて、より個別相談や区域解除にかかわる指導、助言が受けられる旨を広く周知していくべきであります。
 ですから、住民がどこに電話すればいいのか、どこに行って相談すればいいのか、これを本当にわかりやすく広報していただきたいと思います。こうした取り組みが積極的に行われることで土砂災害のおそれのある箇所が減少し、都民が安心して生活できるようにしていただきたいと思います。
 台風十九号による豪雨の影響で、私の地元である町田市の鎌倉街道ののり面が崩落して約二日間、通行どめとなりました。建設局の迅速な復旧の対応に感謝をいたしておりますが、今後もこのような自然災害が発生するおそれがございます。
 そこで、事前に都道ののり面等を調査し、安全対策を講ずるべきと考えますが、いかがでしょうか。

○花井道路保全担当部長 都では、全ての道路斜面や擁壁等の道路施設につきまして、日常的な巡回点検に加え、五年に一度定期点検を行い、必要な対策を実施しております。
 お話の鎌倉街道の崩落箇所は、民間により造成、管理されている斜面でございまして、道路管理者である都が行う定期点検の対象にはなっておりません。日常的な巡回点検におきまして、民間所有ののり面等の危険箇所を発見した場合には、速やかに所有者に連絡し、適切な対応を求めているところでございます。
 今回の被災を踏まえまして、今年度、全ての道路斜面を対象とした定期点検を実施いたします。あわせまして、大雨等の際に行います異常時点検などによりまして、斜面の状況を的確に把握し、道路の防災性向上を図ってまいります。

○小磯委員 そこで、もう一つ伺いたいんですけれども、答弁の中で、民間により造成、管理されているのり面は定期点検の対象外だと答弁されて、その後に、今年度全ての道路斜面を対象とした定期点検を実施するとおっしゃっていますけれども、この全ての道路斜面というのは民間ののり面も入っているのか、民間はやっぱり対象外なのか、そこのところをちょっと。

○花井道路保全担当部長 今ご質問いただきました全ての道路斜面と申しますのは、都が管理いたします道路斜面や擁壁等の道路施設についての点検でございます。

○小磯委員 ただ、先ほどの答弁の中にも民間所有ののり面の危険な箇所を発見した場合には適切な対応を所有者に要求しているとおっしゃっているわけですから、あえてここで全ての道路斜面というのは東京都の管理するのり面だけなんだと、民間は違うんだという、そういうんじゃなくて、今回の鎌倉街道ののり面、東京都ののり面が一メートルか二メートルか、その上がまた民間ののり面だったりして、東京都ののり面が崩れたから上ののり面が崩れたと民間の方はいっているし、東京都は、いやそうじゃないんだと。上の方の民間ののり面の方から水が流れてきて、それで民間の方ののり面が崩れて、東京都ののり面も崩れたんだとか、そういうどっちの責任だみたいなところもあるんで、東京都道の管理をするのが東京都ですから、そののり面が都であっても、民間であっても、しっかり点検をして、民間だったら、やっぱりしっかり適切な対応を要求していくという姿勢をぜひお願いをしたいというふうに思います。
 これはいわゆる河川部の方のお仕事ですし、土砂災害防止法というのは、建築物に損壊が生じ、住民に著しい危害が生じるおそれがある区域を土砂災害特別警戒区域に指定していますけれども、私はこれ、東京都道も、そこは人が通りますし、また車も通りますので、本当にそういった面で土砂災害防止法の特別警戒区域も、警戒区域も、それは民間ののり面であろうが、公共ののり面であろうが、全部指定するわけですから、そういった意味では道路ということも、やっぱり人命を尊重するという意味から、しっかりとその辺をやっていただければなというふうに思いますので、どうかよろしくお願いいたします。
 続いて、境川の調節池の整備でございます。
 近年、豪雨が激甚化して、毎年のように全国各地で水害が発生をしております。台風十九号では猛烈な雨が広範囲に降り、各地で甚大な被害が発生をしております。町田市と、それから神奈川県相模原市の境を流れるのが境川でございますけれども、境川においても、今回の台風で一時氾濫危険水位を超えて、住民の皆様は不安な一日を過ごされたわけでございます。境川は平成二十年に溢水しており、治水安全度の向上は喫緊の課題であります。
 そこで、境川の調節池整備における現在の取り組み状況についてお伺いいたします。

○小林河川部長 境川におきましては、境川金森調節池及び境川木曽東調節池の整備を進めております。
 金森調節池では、現在防音壁を設置しており、今後、掘削時に土どめとなる地中連続壁工事や、土砂搬出時に地域内の市道を通行するダンプトラックを削減するためのパイプコンベヤーの設置に着手してまいります。工事に当たりましては、地域住民の代表者から成る工事連絡協議会を開催し、丁寧に工事内容などに関する情報提供を行いながら進めております。
 また、木曽東調節池におきましては、仮囲いや支障物撤去等の準備工事が完了し、現在、本年八月に仮契約解除となった本体工事の再発注に向け準備を進めております。

○小磯委員 境川における調節池整備は非常に重要であると認識しております。ぜひ着実に進めていただきたいと思います。
 境川の河川整備計画では、全体で調節池が七十六万トン、金森調節池がそのうちの十五万トン、木曽東調節池がそのうちの五万トンということで、あと五十六万トンの調節池の整備が必要とされております。
 そこで、境川における今後の調節池整備に向けた取り組みについてお伺いいたします。

○小林河川部長 昨年七月の西日本を中心とした豪雨等を踏まえて実施した防災事業の緊急総点検を受け、今年度より、境川においても新たな調節池の事業化に向けた検討を実施しております。
 具体的には、調節池の候補地となる場所や構造形式の検討を行っております。境川の安全性の早期向上に向け、事業中の調節池の着実な整備に加え、新たな調節池の整備への取り組みを加速させてまいります。

○小磯委員 調節池の候補地となる場所や構造形式の検討を実施中、また新たな調節池の整備への取り組みを加速ということで、地元としては大変ありがたいというふうに思っております。今後とも地元の声をしっかりと聞いて丁寧な対応をいただくとともに、境川の洪水対策を推進して、少しでも早く安全性の向上をよろしくお願い申し上げます。
 続いて、町田市内の道路事業についてお伺いいたします。
 平成三十一年三月、町田市は、モノレールの延伸を見据え、町田三・三・三六号線の市民病院付近から芹ヶ谷公園付近までの二キロメートルの先行取得を開始いたしました。
 そこで、その路線につながる、都が現在事業中の町田三・三・三六号線、旭町区間についてお伺いをいたします。この町田三・三・三六号線、旭町区間を早期に整備すべきと考えますが、現在の状況と今後の取り組みについてお伺いいたします。

○村井道路建設部長 町田三・三・三六号線の本区間は、町田街道のバイパスとして交通の円滑化や防災性の向上に資する重要な路線であります。事業用地については、平成三十年度末までに九九%を取得いたしました。
 工事については、陸橋の橋脚工事などが完了し、現在、陸橋東側の橋台工事や電線共同溝工事などを進めております。今後、陸橋の桁製作、架設工事などを行うとともに、残る用地の早期取得に努めます。
 引き続き、地元の理解と協力を得ながら整備を推進してまいります。

○小磯委員 ぜひ早期整備をお願いしたいと思います。
 私の地元である町田市の都計道について伺いますけれども、大前提として、南多摩東部建設事務所の方々は大変よく頑張っていただいております。その上での質問ということで、よろしくお願いします。
 町田三・三・三六号線も含めて、町田市内における都施行の都市計画道路整備事業、十八路線ございますけれども、そのうち平成三十年度末現在で用地取得率が五年間ほとんど変わらない路線が七路線ございます。このような路線の用地取得を進捗させるためには、どのような取り組みが必要なのかお伺いいたします。

○山本用地部長 お話のような長期間にわたり用地取得が進まない路線は、相続未了により権利者が未確定であるものや、移転先確保が難航しているものなど、さまざまな課題がございます。一方、こうした路線であっても、所有者不明土地の処理など、取得に向けた取り組みを進めているところもございます。
 このようなさまざまな課題を解決するために、弁護士等の専門家のノウハウの活用や、現場の実情に精通している地元市との連携強化を図るとともに、関係権利者お一人お一人にきめ細やかな対応を積み重ねるなど、用地取得に向けた取り組みを積極的に進めてまいります。

○小磯委員 都議会議員をやっておりますと、やはりあそこの用地買収はなかなか進まないなとか、そこを通ると思いますし、また市民の皆様からもそうした声を受けることがございます。そんなことで、この用地取得については頑張っていただきたいと思うんですけれども、各建設事務所の用地取得の班の数、一班二人で用地取得、用地買収をされているわけですけれども、その班の数を見ますと、多摩地域の事務所の班の数が区部に比べてかなり少なくなっております。
 もちろん特定整備路線があるのも理由の一つでございますけれども、三多摩格差の中で、平成三十年三月末現在の都市計画道路の完成率は、区部で六五・六%、多摩で六一・四%になっており、こうした格差が解消されるよう、用地部隊についても関係機関との協力はもちろん、多摩地域の用地取得の体制の強化をしていただきたいというふうに思っております。滝田理事もうなずいておられます。そのための取り組みについてお伺いしたい思います。

○山本用地部長 多摩地域の都市計画道路事業を推進するために、用地の確保が不可欠であり、限られた人員の中で必要な用地を効率的に取得していくことが重要であります。そのため、事業効果の早期発現が可能な箇所への集中的な取り組みを行い、中でも局重要事業で緊急性が高い事案については、本庁のマンパワーも活用してまいります。
 また、多数の権利者への対応が必要なマンション用地については、東京都道路整備保全公社のノウハウを活用するなど、各事務所の用地取得を支援してまいります。
 さらに、早期に契約をいただけるよう、代替地や都営住宅のあっせんについても積極的に取り組むとともに、職員の能力向上のための経験年数に応じたカリキュラムによる研修の充実も図ってまいります。

○小磯委員 ぜひよろしくお願いいたします。二十三区の体制は継続し、維持して、多摩の用地部隊の強化をよろしくお願いしたいと思います。
 それから、地元中小企業の育成という観点から質問させてもらいます。
 中小企業は地域社会の活力や雇用の創出、また災害時の機動的な復旧活動などを担っており、まさに地域の安全・安心のまちづくりの担い手であります。やはり鎌倉街道の土砂崩れについても、地元の企業の方が一生懸命、修復、復旧作業をされておりました。そんなことで、やはり安全・安心のまちづくりのためには、地元の中小企業の育成というのは大変大事だというふうに思っております。こうした中小企業が安心して活躍できる環境の整備のため、地元中小企業の受注機会の確保が重要でございます。
 初めに、例えば私の地元である南多摩東部建設事務所の工事発注のうち、地元中小企業がどれぐらい受注しているのかお伺いをしたいと思います。

○杉崎総務部長 建設局では南多摩東部建設事務所が町田市、多摩市、稲城市を所管しておりまして、平成三十年度に発注した工事案件の約六割につきまして、所管する三市に所在する企業者と契約をしているところでございます。

○小磯委員 今の数字が多いのか少ないのかという点では、多いところはやっぱり八割近くいっているところもありますし、そういったことで、ぜひとも、また、地元、南多摩東部建設事務所におきます地元企業への受注機会の確保ということで、しっかりお願いをしたいと思います。
 今後、地元中小企業の受注機会の確保のために、どのような取り組みを行っていくのかお伺いしたいと思います。

○杉崎総務部長 工事の発注に当たりましては、分離分割発注の推進を図るとともに、東京都工事請負指名競争入札参加者指名基準に基づきまして、発注等級ごとの適切な指名及び地元中小企業者の優先的な指名に努め、受注機会の確保を図っているところでございます。
 引き続き、こうした取り組みを着実に行うことで、地元中小企業者の受注機会の確保を図り、健全な育成に寄与してまいります。

○小磯委員 それともう一つは、入札が不調になった場合の再発注をするわけでございますが、その再発注したときに発注がおくれた分、工期もしっかりおくれた分を加味した工期にすべきであると思います。
 一部そういった団体の皆様から、発注がおくれているのに工期は変わらないとか、そういう声もございましたので、その点について所見をお伺いいたします。

○村上企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 工事発注における工期は、建設局積算基準により、工事の内容や現場の状況等を考慮し、適正に設定することとしております。
 工事が不調となった後に再発注する際は、発注時期がおくれたことを考慮いたしまして、例えば発注規模の縮小等により必要な工期を確保いたします。完了時期が年度を超える場合には、債務負担行為等により、翌年度にわたる工期を設定するなど、適正な工期確保に努めております。
 このような取り組みにより、受注業者に負担がかからぬよう、働き方改革に対応した工事の発注に努めてまいります。

○小磯委員 今の答弁にありましたように、公共工事を受ける企業の皆様も働き方改革というのが大変大きなテーマになっております。そういった意味では、東京都建設局による発注におけるそうした配慮というのが大変大事になってくるんだというふうに思っております。
 今回の台風十九号の復旧工事でも、いろいろな復旧工事を見ておりましても、本当に中小企業の皆さんが一生懸命取り組んでおられます。そうした地元中小企業の育成のためにも、またそうした方々の声もしっかり聞いて、今後進めていただきたいというふうに思います。
 以上で私の質問を終わります。

○細谷委員長 この際、議事の都合により、おおむね三十分間休憩いたします。
   午後六時十二分休憩

   午後六時四十五分開議

○細谷委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。

○舟坂委員 都市計画道路は交通の円滑化のみならず、防災性の向上、地域の観光振興など多様な効果を発揮する重要な都市基盤であります。
 そこで、葛飾区内で地元から早期整備の強い要望がある三路線の都市計画道路についてお伺いをいたします。
 補助一三八号線と補助二七七号線の二路線は、防災性や安全性の向上に資することから、本年六月、地元区長や町会長から建設局長宛てに早期整備の要望が出されました。
 まず、補助第一三八号線についてお伺いをいたします。
 本路線のうち、中川にかかる橋を新たに整備することにより、中川に隔てられた避難場所である葛飾区の東京理科大学一帯地区と足立区の中川公園一帯地区がつながり、地域の防災性が大きく向上をいたします。また、東京理科大学ができたことで車の交通量がふえており、飯塚橋が混乱しております。飯塚橋の慢性的な混雑緩和のためにも、本路線の整備が必要であります。地元からは、勾配の緩い橋の設置も望まれております。
 そこで、事業化に向けた取り組みについてお伺いをいたします。

○村井道路建設部長 補助第一三八号線の中川を渡る新設の橋梁を含む環状第七号線から補助第二六一号線までの延長約九百十メートルの区間は、第四次事業化計画の優先整備路線に位置づけられております。現在、橋梁構造や縦断勾配の検討を進めるとともに、河川管理者である国との協議を行っております。
 引き続き、地元区と十分連携を図りながら早期事業化に取り組んでまいります。

○舟坂委員 地元の要望である勾配の緩い橋について検討を進めていることがわかりました。ぜひとも地元区である葛飾区、足立区と連携して、早期の事業化に向けて取り組んでいただくよう要望をいたします。ぜひスピード感を持って取り組んでいただきたいと思います。
 次に、補助第二七七号線についてお伺いをいたします。
 本路線は、埼玉県境まで南北に通る路線であり、近隣市の工場からのトラックなど、大型車の交通量が大変に多い道路でもあります。本路線の事業化には、区道との接続や交通処理など、さまざまな検討が必要で時間がかかることは理解しております。
 現道は歩道の広さが十分でなく、歩行者が安全で快適に通行できる環境が整っておりません。また、既に都市計画決定がされている埼玉県境の橋の架橋は、交通の円滑化のみならず防災性の向上など、多様な効果を発揮するため重要であります。そのため、地元からは早期の拡幅整備が望まれております。
 そこで、事業化に向けた取り組み状況についてお伺いをいたします。

○村井道路建設部長 補助第二七七号線の岩槻橋第二交差点から水元小学校付近までの延長約七百八十メートルの区間については、昨年十二月に事業概要及び測量説明会を開催いたしました。現在、用地測量に向けて準備を進めておりまして、来年度の事業化を目指しております。
 また、埼玉県側の道路との接続については、東京都・埼玉県道路橋梁調整会議において本路線を新たに検討対象に加えておりまして、引き続き埼玉県と情報の共有を図るなど、継続的に調整してまいります。

○舟坂委員 埼玉県と東京都が初めて本年、東京都・埼玉県道路橋梁調整会議で話題にしていただいた、東京都から提案をしていただいたということは伺っております。やっと動き始めたのかな、ただ、八潮の皆さんは大変に大きな希望を持っておりますが、私のちょっと聞いている限りでは、埼玉県はなかなか動きが鈍いというふうなことも聞いておりますので、東京都の方から、一層また、声をかけていただければと思います。
 地元説明会が開催されるなど、事業化に向けて着実に取り組みが進められているとこちらも確信をしております。ぜひとも地元区と連携して、早期の実業化に向けて取り組んでいただくよう要望をいたします。
 次に、補助第一四三号線についてお伺いをいたします。
 本路線は、柴又地域周辺の交通を円滑化し、無電柱化等による景観の配慮など、観光振興にも寄与する路線であります。また、本路線の柴又区間は、都内有数の観光地である柴又地域を通り、帝釈天の参道とも交差している区間であり、近年、外国人観光客も多く訪れる都内でも有数の観光スポットとなっているため、にぎわいの創出の観点からも、早期の拡幅整備を訴えてまいりました。
 柴又街道は、歩道の広さが十分でなく、今後も増加が見込まれる観光客も含めて、歩行者が安全で快適に散策できる環境が整っているとはいえません。そのため、地元からも早期の拡幅整備が望まれております。
 そこで、事業化に向けた取り組み状況をお伺いいたします。

○村井道路建設部長 補助第一四三号線の柴又帝釈天前交差点から柴又小学校までの延長約五百八十メートルの区間については、昨年二月に事業概要及び測量説明会を開催いたしました。現在、道路予備設計を実施しておりまして、年内の事業着手を目指しております。
 今後とも地元区と連携し、地域の皆様の理解と協力を得ながら、着実に事業に取り組んでまいります。

○舟坂委員 地元の私としても、測量のスピード感を非常に感じておりますし、五建さんがかなりのスピード感を持って取り組んでいただいているということは実感しておりますが、何といっても距離も長い、それから葛飾区の場合は、寅さん、そしてこち亀、キャプテン翼と、観光で何とか地域を盛り上げようというのがあるものですから、その出発点はやっぱり寅さん、柴又なものですから、事業化に向けて着実に取り組みが進められるようにまたお願いを申し上げます。
 最後に、大場川についてお伺いをいたします。
 東日本の広い範囲で記録的な大雨をもたらした台風十九号では、浸水面積や住宅の浸水被害が平成最悪の水害ともいわれた昨年の西日本豪雨を上回っていると報じられるほど甚大な被害が生じました。特に長野県の千曲川など、大きな川での被害の様子が報道され、氾濫の重大さを目の当たりにしました。
 地元の方々は、身近な川についても非常に気にしております。特に葛飾区は、江戸川、中川、荒川など六つの河川が走っているものですから、その中でも地元の葛飾区と埼玉県八潮市の境を流れる大場川は、埼玉県側ではあるものの、近年浸水被害が発生しております。
 そこで、大場川での整備状況についてお伺いをいたします。

○小林河川部長 大場川は延長十六・八キロメートルのうち、下流二・四キロメートルの左岸を東京都が管理しており、その他の区間は埼玉県が管理しております。
 大場川は、東京都管理区間の利根川水系、中川・綾瀬川圏域河川整備計画におきまして、高潮、耐震対策を進めていくことが位置づけられており、今後、事業を実施していくこととしております。

○舟坂委員 大場川の整備を着実に進めていくことをお願いいたします。
 一方、大場川は、河川本来の蛇行や植生が残っており、生物の生息地や野鳥の休息する場所として貴重な役割を果たしております。河川整備を進めるに当たって、現況の有効な河川環境を極力保全していくべきとも考えます。
 そこで、大場川における河川環境の保全と整備についてお伺いをいたします。

○小林河川部長 大場川では、中州にヨシ等を主体とした河川敷本来の貴重な植生が繁茂しており、葛飾区によって自然保護区域に指定されております。
 このため、事業の実施に際しましては、水郷の原風景をとどめ、水と緑と生き物の豊かな自然環境と、そこに繁茂している植生を保全してまいります。さらに、人々が水辺に親しみ、自然と触れ合える河川として親水機能を高めてまいります。

○舟坂委員 貴重な自然空間を保全し、環境に配慮した整備も大切であります。その対応もお願いをいたします。
 そして、治水対策と環境整備のための施策を展開していくに当たっては、関係自治体との連携が重要と考えます。
 そこで、大場川における関係自治体との連携についてお伺いをいたします。

○小林河川部長 現在、葛飾区とは河川整備計画の改定時に区から提出された治水安全度の向上や都区の連携による親水空間の整備等を求める意見に基づき、堤防強化と親水性向上について検討を進めているところでございます。
 今後、右岸を管理する埼玉県とも河川整備計画や環境保全について情報を共有しながら事業を実施していくこととしております。

○舟坂委員 二年前の十月に、東京も大変な雨が降りました。そのときに地元の消防団から電話がありまして、大場川が二カ所切れたよというふうな電話が入りまして、ありゃ、これは大変なことになったななんて思いました。そのときは大場川が二カ所切れたよという電話だったものですから、私はてっきり葛飾が切れたのかと思いましたら、二カ所とも埼玉県側でした。
 それで、その後、地元の葛飾区の区役所ともいろいろ話をしましたら、大場川は、東京都側はかなり頑強につくってもらっているというふうなことを葛飾区の土木関係も認識をしておりました。しかしながら、埼玉との県境でもあります。そう考えていきますと、葛飾区や県と連携して、大場川の整備を一層進めていただきたい、そのようなお願いも申し上げまして、質問を終わります。

○原田委員 それでは、私の事務事業概要質疑の最初に、都立横網町公園で行われている関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式典をめぐる問題についてお聞きします。
 一九二三年、関東大震災発生直後から、朝鮮人が井戸に毒を入れた、朝鮮人が暴動を起こしたといった流言飛語が飛び交い、軍や警察、自警団により、多数の朝鮮人や中国人が虐殺されるという事件が発生しました。
 自警団は、朝鮮人をつかまえると苛烈な暴行、あるいは手にした竹やりや日本刀などで殺害しました。圧倒的な多数による暴力に、逃げ場もなく惨殺される恐怖はいかばかりであったことでしょうか。本当に胸が詰まります。
 国も、内閣府中央防災会議の災害教訓の継承に関する専門調査会は、二〇〇八年の報告書、一九二三関東大震災第二編にて、この朝鮮人虐殺事件について詳しく検証しています。そこでは、自然災害がこれほどの規模で人為的な殺傷行為を誘発した例は、日本の災害史上ほかに確認できず、大規模災害時に発生した最悪の事態として、今後の防災活動においても念頭に置く必要があると、今日にも生かされるべき課題として警告を発しています。
 また、事件発生の原因として、当時日本が朝鮮を支配し、その植民地支配に対する抵抗運動に直面して恐怖感を抱いていたことがあり、無理解と民族的な差別意識もあったと考えられると指摘しています。
 さらには、歴史研究、あるいは民族の共存共生のためには、これらの要因について個別的な検討を深め、また反省することが必要であるとし、殺傷事件の検証は、この種の事件の再発防止を意図した活動として、防災上も評価すべきであろうと、この内閣府中央防災会議の報告書は書いているわけです。この事件を検証し、継承すること、そして反省することは、民族の共存共生のためにも、さらには防災のためにも必要であり、評価すべきだというこの姿勢は非常に重要だと思います。
 都もそうした観点から、朝鮮人犠牲者追悼式典に歴代都知事の名のもと追悼文を送付してきました。ところが、一昨年八月に、小池都知事が突如、追悼文送付中止を決めて以来、ことしも含めて三年連続して都知事による追悼文を送付していません。二〇一六年まで都建設局が追悼文を送付してきたその趣旨、意義を述べてください。

○古川公園緑地部長 関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式典実行委員会の追悼文送付依頼に応え、関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式典において、関東大震災で犠牲となられた在日朝鮮人の方々への哀悼の意を表したものでございます。

○原田委員 二〇一六年の追悼の辞で都は、極度の混乱の中、多くの在日朝鮮人の方々がいわれのない被害を受け犠牲になられたという事件は、我が国の歴史の中でもまれに見るまことに痛ましい出来事でした、私たちはこのような不幸な出来事を二度と繰り返すことなく、誰もが安全な社会生活を営めるよう、世代を超えて語り継いでいかなければなりません、今後とも世界平和の実現に努めるとともに、さまざまな災害の脅威から東京を守り、誰もが安心して暮らすことのできる東京を創造するため全力を尽くしてまいりますと決意をうたっています。
 多くの在日朝鮮人の方がいわれのない被害を受け犠牲になられた、日本の歴史の中でもまれに見る痛ましい出来事という認識。二度と繰り返さず、誰もが安全な社会生活を営めるよう語り継いでいかなければならないという決意は、行政の姿勢として、やはり東京都としても非常に重要だったと考えています。にもかかわらず、翌年から追悼の辞を送らなくなってしまったわけですね。
 二〇一七年、都建設局としても追悼文送付を中止する理由を述べていますが、それはいかなる内容でしょうか。

○古川公園緑地部長 都立横網町公園では、さまざまな追悼行事がとり行われております。都といたしましては、毎年九月と三月にとり行われる大法要において、都知事が関東大震災で犠牲となられた全ての方々への哀悼の意を表しております。そのため、個々の行事への追悼の辞の送付は差し控えることといたしました。

○原田委員 皆さんが送付していた文章にあるわけですよ。このような不幸な出来事を二度と繰り返すことがないよう、世代を超えて語り継いでいかなければならないと。今の答弁は、真っ向からそれに反する趣旨だと思うんですね。
 地震という自然災害に起因する犠牲者と虐殺による犠牲者では、死の性格は全く違います。このことをはっきり踏まえて、認識と決意を発信していかなければならないことは、先ほど読み上げた二〇一六年の都の追悼文の中にこそ鮮明に打ち出されていると私は思います。
 この出来事は、いわれのない被害によって多くの在日朝鮮人の方が犠牲になった、日本の歴史の中でもまれに見る痛ましい出来事、二度と繰り返さず、誰もが安全な社会生活を営めるよう、世代を超えて語り継いでいかなければならないというものであります。
 これをあえて中断させることは、まさに民族差別を背景とした朝鮮人に対する虐殺加害の歴史を風化、忘却させることにつながり、今後の排外主義や歴史修正主義を助長させることになりかねません。
 都の姿勢への都民の厳しい批判は決して弱まることはありません。ことしの朝鮮人犠牲者追悼式典には、二〇一七年の五百人を上回る七百人の方々が参列されました。日本共産党都議団は、知事のメッセージ送付の再開を改めて強く要望するものです。
 一方、追悼文送付中止や慰霊碑の撤去を都に求めてきた団体が、真実の関東大震災石原町犠牲者慰霊祭と称する集会を、追悼文中止の年から朝鮮人犠牲者追悼式典の会場近くで、公園使用許可を得て開くようになりました。ことし、当該集会の警備に当たった職員及び警備員は何人か、また配置した理由は何だったのかお答えください。

○古川公園緑地部長 当該集会の警備のためには、職員及び警備員を配置しておりません。
 なお、当日横網町公園にて行われた複数の集会の主催者への対応等のために配置した職員は八名、園内の案内、誘導、植栽や施設の保全等のために配置した警備員は二十三名であります。

○原田委員 当該集会が始まるまでは、横網町公園においては大法要に対しての職員配置はあったものの、他の式典や集会に対しては職員や警備員の配置がされていなかったのですから、計三十一名もの職員、警備が配置されたというのは極めて異常なことです。多数の職員や警備員が配置されたもとでも、当該集会への参加者が朝鮮人犠牲者追悼式典の場に進入し、警察官に促されて退去するなどの事態が繰り返されています。
 それだけでなく、集会は大音量で音を流す、朝鮮人追悼式典会場にスピーカーを向けるなどの行為が行われました。大音量を発生させるスピーカーを向けるなど、他の集会の運営に支障を来すような集会の運営に対し、都立公園条例第十六条及び第十三条に基づき、都としてはどのように是正指導しているのかお答えください。

○古川公園緑地部長 今年度開催の集会につきましては、マイクの音量やスピーカーの向き等について是正指導を行っております。今後とも公園の管理に支障があれば適切に対応してまいります。

○原田委員 マイクを向ける行為などについて是正指導を行った、これは大事なことですね。今そのことも答弁されました。公園管理上、支障となる行為があれば適切に対応するという答弁は重要です。
 当日は、マイクの音量を下げる指導が行われましたが、一旦音量が下げられたものの、再び大音量で発言する参加者がいたため、再び指導が行われたと聞いています。適切な対応をしっかりとられるよう求めるものです。
 同集会では登壇者から、朝鮮人が震災に乗じて略奪、暴行、強姦などを頻発させ、軍隊の武器庫などを襲撃して日本人が虐殺されたのが真相です、犯人は不逞朝鮮人、朝鮮人コリアンだったのですと、震災直後のデマを事実のように喧伝して、不逞朝鮮人という単語を使い、朝鮮人の名誉をおとしめています。
 さらにつけ加えて報告すべきは、アドルフ・ヒトラー生誕百二十五周年記念パーティーなどという集会を主催してきた人物が登壇しており、こういっています。ドイツでは、六百万人のユダヤ人が虐殺されたと、ありもしないことですけれども、これをいっただけで刑務所に送られますとのスピーチを行いました。このような同集会の発言を都は認識していますか。お答えください。

○古川公園緑地部長 他の公園利用者に支障を及ぼすなど、公園の管理に支障があれば適切に対応してまいります。

○原田委員 全く答えていません。私が聞いたのは、同集会で、震災当時のデマが再現され、あたかもそれが真実のように語られていたことについての建設局の見解を聞いたんではないんです。私がそのように指摘するスピーチがあったかどうか確認しているかと聞いたまでです。確認しているかどうかでお答えください。

○古川公園緑地部長 発言の概要等につきましては、インターネット上の動画で把握をしております。ただ、先ほども申し上げましたとおり、他の公園利用者等に支障を及ぼすなど、公園の管理に支障があれば適切に対応していくということです。

○原田委員 結構です。その動画は、この団体みずからがインターネット上に流していると。これを確認していただいたのは大事なことですね。この映像、動画を、発言を確認した上で、一体建設局がどういう姿勢をとるのかと。指導、是正を行っていくのかというのは、これは国際社会から非常に注目を浴びる重要な岐路に立つと今後思います。
 東京都が民族差別を放置し、ホロコースト否定論に目をつむったなどと国際社会から受けとめられていいのかどうか、事は重大であるということをしっかりと認識せねばなりません。
 東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例、いわゆる東京都人権条例の第十一条に規定する公の施設の利用制限に関する基準を見ますと、利用制限の要件という項目で、以下二つの要件を両方満たした場合に、利用制限を行うことができるものとするとされています。一、ヘイトスピーチが行われる蓋然性が高いこと、二、ヘイトスピーチが行われることに起因して発生する紛争等により、施設の安全な管理に支障が生じる事態が予測されることとあります。
 三十一名もの職員、警備員が配置され、お互いの集会に行き来しないように注意を呼びかける。極めて警戒しているんですね、東京都はこの団体に対して。
 さて、この二つの基準については注意書きで、この要件への該当性について、施設管理者が判断するに当たっては、これがヘイトスピーチなのかどうかについて判断するに当たっては、施設利用の様態等を総合的に勘案し、必要な場合には条例第十四条第一項の規定に基づき設置する審査会の調査審議を経ることにより、公平性、中立性を確保するものとあります。
 そこでお聞きしますが、一般論として、建設局はこの手続を遵守されるのか伺います。

○古川公園緑地部長 都市公園法、都立公園条例等、法令に基づきまして、適切に公園を管理してまいります。

○原田委員 私は、東京都人権条例に基づく手続もしっかりと履行されるのかと聞いたんです。法令に基づいて適切に公園を管理との答弁でしたが、東京都人権条例もそれらの法令の中に含まれるのかお答えください。

○古川公園緑地部長 今回の集会のための占用について定めております都市公園法や都立公園条例等、各種その他法令に基づきまして、適切に公園を管理していくということでございます。

○原田委員 ですから、その法令の中に東京都人権条例は入っているのかと聞いたんですが、これも答えられないとなると、いよいよ建設局は東京都人権条例に対する軽視があるのではないかと指摘せざるを得なくなりますよ。
 ただし、ヘイトスピーカーらが大量の電話を事業所にかけまくるとか、いわゆる電突という行為が社会問題となるなど、ヘイトスピーチというのはやっぱり毅然とした態度をとることがすごく難しい問題であるというのは私も感じます。しかしながら、過去の史実に向き合い、差別にさらされる人々を守る責務が私は建設局にも少なからずあるのだということをぜひ受けとめていただきたいと思うんですね。
 いわゆるヘイトスピーチ解消法第二条は、差別的意識を助長し、または誘発する目的で公然とその名誉に危害を加える旨を告知することをヘイトスピーチと規定しています。このたびの、そよ風団体の慰霊祭で行われた、朝鮮人が震災に乗じて略奪、暴行、強姦などを頻発させ、軍隊の武器庫など襲撃したなどという発言は、当時の朝鮮人に犯罪者の汚名を着せ、不逞朝鮮人と表現するなど、同条に規定した本邦外出身者を地域社会から排除することを先導する不当な差別的言動にそのまま当てはまると私は考えます。
 しかしながら、人権条例第十一条に関する基準によると、ヘイトスピーチの該当性の判断については、個別具体の言動の背景、前後の文脈、趣旨等の諸事情を考慮する必要があるとされています。これら発言があったことは、いずれも建設局は認識をしているということを先ほど確認しました。せめて審査会にこのような発言があった事実のみで構いません、報告すべきではありませんか。お答えください。

○古川公園緑地部長 今年度開催の集会につきましては、マイクの音量やスピーカーの向き等について適切に是正指導を行っております。今後とも公園の管理に支障があれば適切に対応してまいります。

○原田委員 適切に対応するという中に、審査会にこうした発言があった旨の情報提供をすることも含めるべきだと私は改めて指摘をします。繰り返しますが、デマによって多数の在日朝鮮人の方が犠牲となられたその日に、あえてそのデマを正当化する発言は差別を助長し、安全を脅かすことになります。改めて適切な対応を求めるものです。
 東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例では、その前文で、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会の開催を契機として、いかなる種類の差別も許されないというオリンピック憲章にうたわれる理念が広く都民に浸透した都市を実現しなければならない、東京都はこのような認識のもと、誰もが認め合う共生社会を実現し、多様性を尊重する都市をつくり上げるとともに、さまざまな人権に関する不当な差別を許さないことを改めてここに明らかにする、そして、人権が尊重された都市であることを世界に向けて発信していくことを決意し、この条例を制定するとうたっていますが、来年の追悼式典、まさに二〇二〇オリンピック・パラリンピック大会の開催期間中にその日を迎えるわけです。
 東京都人権条例に書かれた人権に関する不当な差別を許さず、人権が尊重された都市であることを世界に向けて発信するという姿勢にふさわしい一日とするためにも、局として公園管理に万全の体制で臨み、適切な措置がとられることを求めるものですが、いかがですか。

○古川公園緑地部長 繰り返しになり恐縮でございますけれども、都市公園法や都立公園条例等、法令にしっかりと基づきまして、適切に公園を管理してまいります。

○原田委員 震災のような大災害時に、民族への差別、偏見が流言飛語として拡散されることは、決して過去の問題ではありません。近年の自然災害においても、特定の民族を挙げて差別や偏見をあおるインターネット投稿が相次ぎました。
 歴史の事実と教訓を語り継ぎ、それを妨害したり差別や偏見を助長する勢力に対しては毅然として対応し、人権が尊重された都市をつくっていくために、都政にかかわる者が協力を強化していくことを呼びかけて、この項の質問を終わります。
 次に、道路の整備についてお聞きします。
 本日、各党から質問や要望等が出されましたが、豪雨対策のための河川整備、土砂災害対策強化など、かつてない規模の自然災害に対する財政投入、首都直下地震に対しては、住宅耐震や仮設住宅の確保への相応の財政投入、これらが必要であることも都が明らかにしています。福祉の面では、認可保育園の質、量ともに抜本的な整備や、高齢者のための介護施設の整備も必要です。
 さて、このようなときに、これまでのような社会インフラ増強を、そのまま続けていってよいのか問われ始めています。道路の新規整備という点では、大阪府、京都府、福岡県などの大都市部において、これまでの道路計画の大規模な見直しが行われ、道路整備予算も大幅に削減が行われています。我が党の本会議質問に対し小池都知事は、道路計画について見直すべきものは大胆に見直すと繰り返し言明してきました。
 しかし、これは都市整備局の事業になるわけですけれども、さきに発表された都市計画道路についての見直しの指針は、対象のわずか二%程度の見直しにとどまり、大胆という言葉からはほど遠いものになっています。
 計画を受けて、道路整備を進める建設局はどうでしょうか。道路整備を全都的に進めていくには、東京都の道路について、正しい現状と課題の認識に基づかなければなりません。そういう観点から、毎年発行している建設局事業概要の道路の建設の現状と課題について、その記述を検証してみました。ここでは四段落に分けて道路整備の必要性を語っています。
 まず第一段落目、新しい事業概要では、東京都の道路の総延長が全国の道路延長の二%しかないんだと。これを首都東京の集中度をあらわす諸指標とそれぞれ比較すると、人口が全国の一一%、事業所数が約一二%以上などとなっており、極めて少ない数値となっていることがわかるとしています。これは何をいっているかといいますと、要は、人口は一一%で集中しているのに、道路は全国の二%しかないと建設局は問題視をしているんです。
 それでは、人口比や事業所数の集中度に対して、どれくらいの道路延長が適切だと考えているのか聞かせてください。

○村井道路建設部長 事業概要でお示ししております東京の集中度指標は、人口や事業所数など、統計資料をもとに集計した東京の集中度をあらわしたものであります。集積している人や物の流れを円滑化し、都市活動を支えるには、東京の交通渋滞を解消する幹線道路ネットワークの形成が必要不可欠であります。

○原田委員 人口や事業所数は統計調査を用いたものだ、それは当然なんです。道路延長の割合を人口や事業所数の割合とわざわざ比較して、極めて少ないことを強調するので、じゃあ、人口や事業所数から見ればどれくらいの道路が必要と建設局は考えているのかと聞いたんですが、回答は全くありませんでした。
 もう一度お聞きしますけど、人口や事業所数に対して、都としてどのくらいの道路が必要だと考えているのかお答えください。

○村井道路建設部長 先ほどもご答弁さしあげましたけれども、東京の都市活動を支えるには、東京の交通渋滞を解消するため、まずは幹線道路ネットワークの形成が必要不可欠であると考えております。

○原田委員 本当に全く答えていないんですよね。結局、考えがないんですよ、実際は。この文章の後で、これらの指標は東京の道路が量、質ともに十分でないことを示している、こうも建設局はいっているんですね。人口や事業者に比して道路の延長は足りないから、東京の道路の量が不十分だと。これじゃあ、道路の必要性を都民に植えつけるための単なる印象操作といわれても、私は仕方がないと思うんですよね。私、この論は極めて荒唐無稽といわざるを得ないといいたいと思います。
 同じ事業概要には東京都の道路率というのが書かれていまして、東京都の面積に占める道路の割合が、区部で一六・五%、多摩地域の市部では九・三%となっています。この事業概要での人口統計を用いると、区部の人口は九百六十二万三千人、全国に占める割合は七・六%。一方、区部の道路総延長は約一万二千キロですから、全国に占める割合はわずか一%です。
 これを人口、同じ割合まで持っていこうとすると、区部の道路面積は七倍くらいになるわけですから、道路面積は一一五%。区部は住宅もオフィスビルも公園も何もない、全て道路になってしまうと、こういう論理なんです。わかりますか。人口や事業所数と道路を同じ割合にしようとしたら、東京の二十三区は全部道路になっちゃうんですよ。
 そんなことをしっかりと計算もしないでなんですか。人口や事業所数と比較するのがいかにむちゃなことをいっているのか、少し冷静に考えればすぐにわかる話なんですが、この道路と人口、事業所の比較が連綿と続いてきたわけです。建設局が、道路整備の現状と課題の認識はこのでたらめなデータから構築されてきたというのが実態なわけですね。
 東京都の異常さは、先ほども紹介した大都市部の府県などと比べても一目瞭然です。大阪府の全国の人口に占める割合は約七%、事業所数は八%。しかし、道路総延長は一万九千キロで、全国に占める割合はわずかに一・四%です。都建設局のように道路の長さと人口、事業所の集中度を比較すれば、東京都と同様に大阪は極めて少ない道路率になっていく、道路が極めて少ないという結論になっていくんです。
 しかし、大阪府は道路の見直し計画で、これからは人口増加、拡大型社会から人口減少、成熟型社会になり、都市計画道路の量的拡充の必要性は低下していくものと考えるとしています。そして、都市計画決定した道路の総延長は約二千キロですが、今後の減少期は、必要な長さは千四百五十キロぐらいだとの試算を行い、計画の検証を繰り返し、三百四十七路線、四百五十キロの都市計画道路を何と廃止しています。東京都と全く逆なんですよ。こういう姿勢こそ冷静な課題分析なんではないですか。
 第二段落を見ますが、今度は道路の質について建設局は書いています。事業概要では、道路の質が東京都は低いということでいっていると。国道、都道、区市町村道合計で、改良率というのがあるんですが、それは九一%としている。この改良率はまずどういうものか教えてください。

○村井道路建設部長 改良率とは、道路構造令の規格に適合する最小の道路幅員などを満たしている道路面積の割合であります。

○原田委員 道路構造令の規格に適合しているんだと、建設局が九一%以上もう適合していると。ここでは道路はしっかりしているというわけですね。
 さらに、建設局が発行しています東京都道路現況調査平成三十年度版を見ますと、規格改良済みとは、一般の交通に耐えるために備えなければならない構造を完備したものであるというふうに、より詳しく書いてあるわけですね。だから、一般の交通に耐えるための構造を完備した道路が九割を超えているんだと、半ば自慢をしているわけですね。
 ところが、事業概要は、しかしと続けまして、自動車が満足にすれ違えない車道幅員五・五メートル未満の道路延長は約七割にも及んでいる。そういって、先ほどもいったように、この指標は東京の道路が質でも十分ではないこと示すんだといい張るわけです。片方で一般の交通に耐えるための構造を九割完備しているんだと自慢しておいて、一方では五・五メートル未満の道路が七割くらいあるから不十分だというと。
 何でこんな矛盾に陥るのかと。それは、建築基準法や道路構造令で、道路が最低四メートルあればいい、そうすれば火災のときも消防車は入れて、まちの安全を確保できる、そういうふうにいっているからではないですか。そうやって東京の住宅地を中心に法令にのっとって、幅四メートルで道路を整備してきたわけです。これで満足をしてきているまちがどんどんと生まれてきていると。しかし、建設局は、それではだめだと否定し、住宅地の四メートルの生活道路を軒並み五・五メートルに拡幅すべきだといっているのであれば、これはもう都民は大パニックですよ。
 お聞きしますが、車道幅員五・五メートル未満の道路のうち、都はどれぐらいが五・五メートル以上まで拡幅すべきだと考えているのかお答えください。

○村井道路建設部長 五・五メートル未満の道路は自動車のすれ違いが容易ではなく、交通の円滑化、防災性や地域の安全性の向上などの課題を抱えており、量、質とも十分でないことを示しております。これらの課題に適切に対応するため、幹線道路ネットワークの整備を進めてまいります。

○原田委員 結局、七割が五・五メートルに達していない道路だと。我々の住宅地で五・五メートル全部軒並みにやったら大変なことですよ。そういうことを不十分だと強調しながら、じゃあ、これをどのくらい改善すべきなのかと聞いても、今その答えは一切出てこないわけですよ。
 そして、住宅地の生活道路が不十分といっているかと思いきや、今の答弁でもありましたけど、全く役割の異なる幹線道路をつくるんだと、論理が全く飛躍するわけです。
 次に、第三段落、今度は国際比較しています。既成市街地とされている区部の道路率一六・五%は、既に道路率が二〇%を超えているニューヨーク、パリなどの欧州諸国の主要都市と比較すると低率だ、そう書いています。
 まずお尋ねしますが、既に道路率が二〇%を超えているニューヨーク、パリなどの欧米諸国の主要都市と比較すると低率だといっていますが、その出典は何も記載がありません。出典及びニューヨークやパリの道路率というのは一体いつの資料なのかお答えください。

○村井道路建設部長 ニューヨークやパリの道路率は、国が監修している一九九九年版の道路ポケットブックに記載されたものを引用したものであります。

○原田委員 今、一つちょっと答弁漏れがあるんですけど、九九年のポケットブックに書いてあったというのはわかりましたけど、そのポケットブックには、ニューヨークやパリの道路率、いつの調査だと書いてありますか。

○村井道路建設部長 調査時点については記載がございません。

○原田委員 つまり、二十年前のポケットブック、資料をそのまま使っている上に、その時点でもニューヨークやパリについていつ調べたのかもわからないデータなんです。余りにもお粗末な話ですよ。その数字を行政の事業を説明する文書に掲載していていいんでしょうか。そんな資料をもとに、区部の道路率は一六・五%だ、一方、ニューヨークやパリは二〇%を超えているというんですが、この道路率は果たして同じ基準として見ていいのかも問われます。
 といいますのも、先ほどおっしゃっていたように、区部は既成市街地であるとおっしゃって、要は、公園も川も農地も全部ひっくるめた全面積を既成市街地扱いして、その中に道路が占める割合は一六・五%だというふうにいっているんです。公園も農地も川も全部分母に入れている。しかし、ニューヨークやパリはどうかと。私も道路ハンドブックを拝見しましたが、既成市街地面積に占める道路の割合とされているんですけれども、じゃあ、このパリとニューヨークの既成市街地の基準、定義、全く書いていないんですね。
 そこでお尋ねしますが、区部と比較しているニューヨークやパリの既成市街地の定義は同じである、こう断言できますか。

○村井道路建設部長 既成市街地とは、首都圏整備法第二条によると、東京都及びこれと連接する枢要な都市を含む区域のうち、産業及び人口の過度の集中を防止し、かつ、都市の機能の維持及び増進を図る必要がある市街地の区域とされております。
 具体的には同法施行令により定められておりまして、東京都の特別区の存する区域及び武蔵野市の区域と三鷹市、横浜市、川崎市及び川口市の区域の一部となっております。
 ニューヨークやパリについては、既成市街地の定義についてはポケットブック等には記載がございません。

○原田委員 ニューヨークやパリの既成市街地の概念は、何と定義が記載されていないということだったわけですね。
 東京都は既成市街地の定義について、国土交通省から確認した上でこの数字を使ってきたんですか。

○村井道路建設部長 現在、ポケットブックの記載内容については直接確認をしておりますが、まだお答えはもらっておりません。記載については、今回確認したかどうかについては不明でございます。

○原田委員 率直な答弁でした。要するに、既成市街地の定義について東京都はわからないままこの数字を使ってきたと。驚くべきことです。これでは正確な比較ができるはずがないじゃありませんか。
 実は、かつてこの道路ポケットブックに書かれた既成市街地について、日本共産党の東京都委員会の政策部という部署があるんですけれども、そのメンバーが、今から十年以上も前のことですけれども、国土交通省の担当者に問い合わせをしたことがありました。そのときは、ポケットブックに書かれたニューヨークやパリの数字は、もともと昭和五十三年、すなわち一九七八年の数字なんで、出典は今はもうわかりませんと、そういうふうに答えたというんですね。何と引っ張ってきたのは今から四十年前の数字だったんですよ。
 その上で、この既成市街地とは何ですか、これも質問しました。すると、道路ポケットブックで使ったのは、DIDと呼ばれる概念で、一平方キロメートル当たり四千人以上が隣接している地域だといわれたと、こういうことです。知っていましたか。
 つまり、東京都区部の一六・五%という数字は、川も公園も、こういうものを全部ひっくるめて総面積を分母にして道路面積を割って出していると。ちなみに、区部で水面だけで五%あります。公園は六・五%面積を有しています。こういうのも全部分母に入れて道路を割っていると。
 ところが、もう一方のニューヨークやパリは、DID、純粋な市街地を取り出して分母にしているわけです。これでは数字が大きくなるのは当たり前で、正しい比較ができるはずがないんです。
 東京都は既成市街地の定義も確認しないまま、古くて怪しいデータをもとに国際比較をして、都民に向かって、それこそ私たち議員にも公式文書で、東京は国際的に立ちおくれているんだといってきたわけです。これも行政の姿勢として重大な問題ではありませんか。
 では、道路率について、頼りになる国際的な大都市比較の資料はないものだろうかと調べてみましたが、何と東京都環境局が環境白書二〇〇六で、東京、ニューヨーク、ロンドン、パリの比較をやっていました。
 これを見ると、興味深いのは、まず東京とニューヨーク、ロンドン、パリとは、行政面積がそもそも大きく違うわけです。東京都の総面積はパリ市の二十倍以上あり、森林や島も含みますから、これを単純比較してもおかしくなります。ですから、東京都は都心四区、ニューヨークはマンハッタン区、ロンドンは都心四区、それとパリ市を比較して道路面積を調べてみたと。
 その結論はこうです。マンハッタン区だけは突出して三〇%近くぐらい道路率があるわけです。二九%、三割近くあるわけですけど、東京都とロンドンの道路率は二二%から二三%、ほぼ等しくて、パリについても区分の違いを考えれば、つまり、パリの場合は道路交通施設率で二五・八%となっていますから、交通施設の分を除くとほぼ同水準と考えられるんだと。これは私がいっているんじゃなくて環境局がいっているんですね。
 少なくとも、この環境局の資料は、四都市とも総面積で道路面積を割り返すというように分母をそろえています。その上、面積も大体同じものにそろえるという点で、より精密な比較となっています。分母の基準が不明の建設局が出した道路率比較とどちらが的確な比較をしているかは明白ではないでしょうか。
 そして、このような環境局の調査を前に建設局は、欧米諸国の主要都市と比較すると東京区部の道路率は低率だと今でもいい切れるんでしょうか。そもそも建設局は環境局のこの報告を知らなかったんじゃないのかというふうに疑問というか、そういう指摘をせざるを得ない状況に陥っています。
 最後、第四段落の質問もさせてください。交通渋滞の問題です。ここでは、これまでいってきたことをまとめて、事業概要が、このような道路現況のため、東京の自動車交通の状況は、国道を含めた幹線道路に自動車が集中し、朝夕のピーク時にはその大部分で渋滞が生じているんだと。この具体的な根拠を示してください。

○村井道路建設部長 都内の幹線道路では、朝夕のピーク時には大部分で渋滞が生じております。例えば、首都圏渋滞ボトルネック対策協議会から平成二十五年一月に公表された資料によりますと、国道、都道、区市町村道を対象とした都内の主要渋滞箇所は四百三十三カ所となっております。

○原田委員 四百三十三カ所と聞けば随分多い印象ですが、これは線ではなく点の部分、交差点部分などが約三百カ所含まれた数字です。区間でいえば東京都内の道路のおよそ百区間にすぎません。
 大部分で渋滞が生じているというなら、都内の道路の大部分について渋滞状況がわかるようなデータを使うべきなんですね。その点で最も詳細なのは、警視庁が二十四時間三百六十五日、都内の路上に設置した車両感知器によって集約したデータに基づく東京の交通渋滞だと思います。
 これを見ると、一日のうち、朝夕のピーク時を含めて、一番ひどいときでも、二十三区の一般道で渋滞しているのはたった五・四%、多摩地域の一般道でも四・六%です。残りの九五%は、一番ひどいときでも渋滞していないというデータになっているんです。これでも朝夕のピーク時に大部分で渋滞しているといえるんでしょうか。
 私、地図も見てみたんですよ。平成二十八年の地図が最新なんですけれども、平日朝七時台、環状七号線、八号線は確かに渋滞が発生していますが、山手通りの内側では渋滞はほとんどない。赤い字がなくて真っ青なんですね。平日の夕方七時台、これも混む時間帯ですけれども、どうかというと、山手通りや明治通りに渋滞のマークが少しふえるんですけれども、それ以外はやっぱりほとんど渋滞が発生していないというのがこの地図を見ると一目瞭然なんです。
 事業概要の道路の建設の現状と課題について、一段落から四段落まで段落ごとに見てまいりました。以上見たとおり、どの記述も関連性が東京都自身語れないものを、無理やり結びつけている。数字の根拠が不明のものも確認もせず、出典も示さずに使っていると。記述と実態に大きな乖離があるなど、問題だらけであることが明瞭になったと思います。
 建設局はこのような問題だらけの認識を土台にして、毎年、巨額の予算を新規の幹線道路整備に計上しているとすると、事業への都民の信頼性も大いに揺らいでしまうのではないですか。
 先ほど警視庁の東京の道路渋滞を紹介しましたが、警視庁が新しいシステムを運用開始した平成七年以降の二十年間で、ピーク時からの渋滞の時間は、一般道では六〇%も減っています。一方、都内では地域の実情を考慮に入れず、地域や商店街を削り取ったり分断し、まちやコミュニティを壊す道路建設に地域から大きな疑問や反対の声が沸き起こっています。そういうことを踏まえた新規の道路整備の見直しが必要な時期になってきているんじゃないでしょうか。
 私、議会図書館で、東京の道路は低率だとか、まだまだ質、量ともに不十分だというこのような記述を一体いつごろから事業概要でやっているのか調べてまいりました。すると、残念ながら、議会図書館が所蔵しているのは平成元年以降からでしたが、しかしながら、さかのぼって調べることができたこの三十年以上前の事業概要から、私がこれまで述べてきた内容はほとんど変わっていないということが判明しました。
 平成元年から道路延長は二%で、人口や会社数と比べて極めて少ない、改良率は高くても、五・五メートル未満の道路が多くて質が低い、道路率は欧米諸国の主要都市と比べて低い、朝夕のピーク時には、その大部分で渋滞が生じている、そういう記述を行っていることが判明したわけです。もう三十年以上もまともな検証をしないまま、同じ記述を続けてきたわけですよ。
 こういうやり方が本当に許されていいのか、以上を踏まえて、事業概要の道路の建設部分の記述については、私は抜本的な見直し、改善が求められると思いますが、いかがですか、部長。

○村井道路建設部長 事業概要の記載内容については、わかりづらい点もあるようなので、検討してまいります。しかしながら、都市計画道路は、交通物流機能の向上により、経済活動や日々の生活を支え、災害時には救急救援活動を担う重要な都市基盤であり、着実に整備していくことが必要であります。
 今後とも、幹線道路ネットワークの整備を着実に進めてまいります。

○原田委員 わかりづらいといいましたけれども、全く根拠のないデータを使って必要だ、必要だと叫んできたわけですよ。それで、今出てきたのは日々の生活を支えるんだ、防災だと、また新たな必要性を訴えて、ころころと必要性の根拠が変わっていくと。これでどうやって都民は信頼すればいいんですか。抜本的な検討を求めたいと思います。
 ただし、表現については、検討すると。事業概要については変更する検討を加えているということですので、その点は率直に受けとめたいと思います。
 その上で、道路について、新規建設については真に必要な道路を精査し、維持補修に重点を置くとともに、生み出した予算を防災や都民の暮らしに活用することを求めたいと思います。防災や公園という点では、建設局の皆さんの大いなる出番のときだと思うんですよね。ご活躍を期待して、この項の質問を終わります。
 外かく環状道路について質問させていただきます。
 外環道計画では、昨年の夏以来、工事による酸欠空気の地上への噴出が大変な問題となっています。ぜひ今の質問も受けて、本当に東京都が進めている道路計画というのがしっかりなされているのかどうかというのを局全体でもうちょっと考えないといけない、そのことを呼びかけたいと思う質問にしたいと思うんですね。
 外環道計画は、大深度法により地下四十メートルより深いところで進められる工事です。通常利用されない空間だからと、地権者の了承もとらずに、補償も事前には行わず、具体的な損失が生まれたとしたら、一年以内なら補償を請求することができますよという全く一方的なやり方で進められている計画です。そういうやり方の無理、矛盾が今、噴き出しているのではないかと思うんですね。
 昨年五月の東名側から掘り進めているシールド工事で、東名インターチェンジ付近で地下水及び酸欠空気が噴き出し、一カ月近くにもわたって継続した問題では、通常の大気であれば二〇%ほどの酸素濃度が、この東名付近で噴き出した酸欠空気、一・五%から六・四%と、吸った瞬間に昏倒し、死に至るレベルだったことがわかりました。おさらいですね。
 国は、酸欠空気の噴出量は微量で、大気に混じれば影響はないといいながら、事業者であるNEXCOとともに、関係自治体に知らせないうちに近隣地下室の調査をしていました。酸欠空気の調査結果については、国会議員による再三にわたる指摘で、三カ月後になってようやく全調査を明らかにしました。発表された結果からは、発生から雨の日を除いた三十日間の全調査日で酸欠空気が計測されていたことがわかりました。このような重大な情報は早急に自治体や住民に報告されるべきものです。
 住民の不信と不安が高まる中、ことし八月、今度は東名とは反対側の大泉ジャンクションの側から掘り進めているシールド工事で酸欠空気が発生しました。それだけに、外環道計画に税金を投入する事業推進者であるとともに、都民の命と財産を守る国への監視者として、都の責任はまさに高まってきています。
 まず確認しますが、都建設局はこれまで、必要な情報は集め、住民に必要な情報は公開していくとしてきました。その姿勢に変わりはありませんか。

○大庭三環状道路整備推進部長 外環は、首都圏の交通や物流の根幹をなし、渋滞解消による国際協力の強化、防災性の向上、地域の安全性の確保などに資する極めて重要な道路でございます。外環事業は、国及び高速道路会社により事業が進められているものでございます。工事の安全確保については、国など事業者が主体的に判断すべきものと考えております。
 都といたしましては、引き続き、安全を最優先に工事を実施するよう国に求めてまいります。また、都としては、そういった状況について適時適切に情報収集して把握したいと考えております。

○原田委員 適時適切に情報を収集し、把握したいとの答弁、確認しました。その大前提に立って質問を進めていきたいと思います。
 今回、八月十九日に白子川で漏気が発見されて以降、NEXCO東日本など現場事業者が国土交通省に報告したのは三日たっています。この三日間、NEXCO東日本は何をしていたのかお答えください。

○大庭三環状道路整備推進部長 国など事業者からは、当該トンネル工事は東日本高速道路株式会社が担当しており、トンネル工事との関連性などを含め、状況の確認を行っていたと聞いております。
 なお、事業者間の連絡体制については適切に構築していると聞いております。

○原田委員 とってもおかしな話なんですよね。まず、酸欠空気が発生したというか、漏気があるとの連絡を国に入れて、その後に事業との関連を確かめればよい話です。なるべく問題を伏せておこうとしているのではないかと思われても仕方ないんじゃないでしょうかね。
 住民への漏気の公表は、発生から何と二週間後、九月五日にホームページで行われました。さらにその一カ月後の十月七日、明らかにされた漏気調査結果によると、初めて住民に知らされた九月五日というのは、漏気が確認されなくなった日と同日だということもわかりました。地元自治体である練馬区には、八月二十八日には報告しているんですけれども、なぜホームページでの公表は練馬区よりも一週間ほどおくれた九月五日になったんでしょうか。
 済みません、続けて答弁してください。事業者が練馬区への報告をなぜこのタイミングで行ったのかも続けてお願いします。

○大庭三環状道路整備推進部長 まず、安全・安心に事業を進めることは、一義的には国等事業者の責務でございます。国など事業者は、大泉ジャンクション周辺の白子川における漏気について、委員ご指摘のとおり九月五日に事業者のホームページで公表しております。国など事業者からは、必要な調査、確認が取りまとまったものから順次、公表していると聞いてございます。
 また、事業者は、自治体への報告をこのタイミングでというのは、八月二十八日のことだと思いますが、なぜこのタイミングになったのかというご質問でございました。国など事業者からは、トンネル工事との関連性などを含め、状況の確認を行っていたと聞いてございます。

○原田委員 今の答弁を聞いていても、外環道計画というのは常に、何か起きてもすぐには周りに知らせようとしないと。取りまとまったら報告するといいますが、前回は、去年は野川での気泡の噴出が確認されてから、三カ月たってから深刻な低濃度の酸欠空気が連日噴出していたということが明らかにされました。
 そして、今回の住民への公表は、まさに漏気が見られなくなった九月五日に公表されているわけですから、住民に現場を見せたくないと考えているのではないかと受けとめられても仕方がありません。
 東京都としては、練馬区への報告と同時に東京都に対して報告しなかったのはなぜなのか、都としてその理由をどのように受けとめているのか伺います。

○大庭三環状道路整備推進部長 国から都には八月二十八日に一報がございました。練馬区についても八月二十八日に一報したと聞いております。

○原田委員 驚きましたよ。東京都には住民への公表の一週間ほど前に、実は報告が行われていたんですね、練馬区と一緒に。なぜ都として住民や杉並、世田谷など関係自治体に知らせなかったんですか。

○大庭三環状道路整備推進部長 八月二十八日に、国から都に一報がございました。その際、大泉ジャンクション周辺の白子川において微小な漏気が確認され、現在、事象について調査しているところであり、トンネル工事との関連性など含め、状況の確認を行っているところなどの説明を受けております。
 外環事業は、国など事業者が責任を持って進めている事業でございます。住民への周知等につきましては、国など事業者が主体的に判断すべきものと考えてございます。

○原田委員 東京都は、関連基礎自治体の代表としてトンネル施工等検討委員会にただ一人部長が出席する、そういう権利といいますか、そういう重要な位置に立っているわけですよ。国から報告を受けて、そうしたら関連自治体に報告しなきゃ、これは誰が知るんですか。
 国やNEXCOなど事業者は、発生から一カ月以上たった九月二十五日の段階で酸素濃度等の調査結果を明らかにしましたが、それも八月二十九日のたった一日分で、東京都がほかの調査日を聞いても国は答えませんでした。私は何度も国に確認しろといって、課長が国に調査結果を聞いたんですよ。けれども、出してくれないというんですよ。
 その後、十月七日、我が党国会議員の質問によって、調査回数や調査結果がわかりましたが、漏気発見から二十日間にわたって、実はほぼ毎日、酸欠空気かどうか調査していたことがわかりました。東京都も、それまでどのような結果だったのか知らされていませんでした。幾ら安全対策は事業者の責任といいながらも、必要な情報の提供がなされていないのではないかと。建設局の見解をお聞かせください。

○大庭三環状道路整備推進部長 繰り返しになりますが、外環事業は、国及び高速道路会社により事業が進められているものでございます。周辺環境については、国など事業者が主体的に判断すべきものと考えております。国など事業者からは、必要な調査、確認が取りまとまったものから順次、公表していると聞いてございます。
 国など事業者は九月二十五日、気体の成分調査の調査結果を公表しております。そこでは、漏気箇所周辺の気体の成分調査の測定値は基準値を満足している。さらに、参考として簡易測定を実施し、気体自体の空気成分の酸素濃度が七・三から二〇・九%、水面直上では二〇・六から二〇・九%であり、漏気している空気量は大気に比して微量であり、希釈されるため、周辺環境に影響がないと九月二十五日の時点で公表しております。
 国など事業者からは、ご指摘の事項はあくまで簡易測定の結果であり、参考として実施をしたものと聞いております。

○原田委員 東京都がおっしゃっているのは、国の発表の内容をただ繰り返しただけですね。私が尋ねたのは国の発表の内容ではなく、国の発表の仕方なんですよね。東京都が八月二十九日以外に調査した日があったのですかと聞いても国は答えないと。こんなことでは、冒頭の答弁で都は、都としては安全を最優先に工事を実施するよう国に求めていく、適時適切に情報を収集して把握したいと考えているといっていましたけれども、情報は適時適切に収集できない。これでは安全を最優先に工事を実施しているかも確認できないじゃありませんか。都の答弁の前提が完全に崩れているわけですよ。
 漏気している空気量は大気に比して微量であり、希釈されるため、周辺環境に影響ないというのは、開放空間に酸欠空気が出た場合であって、私が何度も指摘しているように、酸欠空気が牙をむくのは閉塞空間ですから、そこに噴出した場合に危険になるわけですね。
 改めてお聞きしますけれども、酸欠空気が開放空間でなく、半閉塞空間にたまった場合、酸素欠乏症となる危険性を都は認識しているんですか。

○大庭三環状道路整備推進部長 先ほど来、発言させていただいておりますけれども、国など事業者は、気体の成分調査の結果を公表しており、漏気箇所周辺の気体成分の調査値は基準値を満足していると。それで、さらに参考として簡易測定を実施し、気体自体の成分の酸素濃度も簡易測定をし、漏気している空気量は大気に比して微量であり、希釈されるため、周辺環境に影響はないというふうに公表しているところでございます。

○原田委員 さて、白子川の漏気発見がホームページに公表された九月五日、住民は早速現地に視察に行きましたが、それまでなかったはずのフェンスが橋の欄干に並べられ、白子川をのぞくことができないようにされていました。
 そこでお聞きしますが、このフェンスは、いつ、誰が、どのような目的で設置したんですか。

○大庭三環状道路整備推進部長 国など事業者からは、事業者が工事の現場管理上、資機材の盗難防止として設置したと聞いております。

○原田委員 私はいつ設置したのかもお聞きしましたが、国はフェンスの設置日をいつといってきたんですか。

○大庭三環状道路整備推進部長 工事現場の管理につきましては、国など事業者が主体的に判断すべきと考えております。国など事業者からは、八月二十一日に設置したと聞いておりますが、当該箇所はトンネル掘進に当たって資機材を保管しているため、盗難防止としてこれを設置したと聞いております。

○原田委員 そうですよね。八月二十一日にこのフェンスは設置されたんです。資機材の盗難防止だといって。この二日前に初めて現場の職員が、漏気が出ている、八月十九日に漏気しているということを発見したんです。その二日後に、なぜか突然、今までだって人が入れないように立入禁止になっていた歩道から何から全部欄干に目隠しをして、中が見れないようなフェンスがずらっと、漏気発生の二日後から並べられたと。
 これについては杉並区議会でも問題となっておりまして、それまでも川沿いの歩道は立入禁止になっていましたが、目隠しのようなものはありませんでした。そういう報告があります。
 フェンス設置前の写真を見ると、写真があるんですね。資機材が置かれていた様子がありませんでした。漏気発見前には盗難防止としてのフェンスはない、資機材もない。おかしいじゃありませんか。漏気発生箇所を都民の目から隠しているのではないかと、そういう疑問と批判が住民から寄せられています。事業者は適切に対応を全くしていないわけですよ。
 今後、北向きのシールドマシンがいよいよこの白子川を通過することになりますが、このような状況では住民や行政が監視できないと。いつでも監視できるようにしておかなければ、再び漏気事故が発生しても、住民や自治体に知らせるのはずっとおくれるということが繰り返されかねません。準備掘進は昼間とし、フェンスを外し、住民や関係自治体職員が白子川周辺を確認することができるように求めるべきと考えますが、いかがかお答えください。

○大庭三環状道路整備推進部長 国など事業者からは、事業者が工事現場の管理上、資機材の盗難防止として設置したものと聞いてございます。工事施工や現場管理につきましては、国など事業者が主体的に判断すべきものと考えてございます。

○原田委員 目隠しのようなフェンスを漏気二日後に置いて、漏気が終わった九月五日になって初めてホームページで漏気があったということを公表すると。とんでもない事業者じゃないですか。
 今回の白子川での漏気噴出、しかもその漏気が酸欠空気だとわかった今、これまで事業者が説明してきた酸欠空気発生メカニズムに重大な疑問を投げかけていると思います。東名ジャンクション付近、野川での酸欠空気の発生メカニズムは、水分の少ない土丹層に気泡シールド工法で使われる起泡剤の水分が奪われ、起泡剤が破泡、破れて空気が飛び出してしまうというものでした。
 一方、砂れき層には水分が含まれているなどの理由で、起泡剤が破泡しにくいと事業者は強弁してきました。そのため、東名側の土丹層がある区間では使わない、土丹層の区間では、今使うのを中止している気泡シールド工法を大泉側では採用して工事を進めています。
 ところが、今回、砂れき層といわれた大泉ジャンクション付近で酸欠空気が発生してしまったわけです。一体、起泡剤はなぜ破泡したんでしょうか。

○大庭三環状道路整備推進部長 大泉側の本線シールド工事につきましては、国など事業者から、掘進時に使用する添加剤や圧力を調整しながら、漏気を抑制する掘進方法について確認し、モニタリングをしながら工事を進めていると聞いております。
 今回の事象は、この確認掘進を進め、モニタリングをしている中で微小な空気が確認されたものであり、地下のシールド工事の掘進時に用いる気泡からの空気のごく一部が過去の護岸構築時の土どめ工跡等を通じ、白子川護岸の水抜き孔や目地より河川に漏出したものと考えられると聞いております。
 なお、漏気している空気量は大気に比して微量であり、希釈されるため、周辺環境に影響がないことを有識者に確認していると聞いております。

○原田委員 今、何というか語るに落ちるじゃないんですけれども、つまり、気泡シールドを採用しつつ、添加剤や圧力を調整していたにもかかわらず、漏気を抑制する掘進方法をやっていたにもかかわらず、漏気が発生してしまったと。細心の注意を払っていたのに、今回の漏気は起きてしまったという見過ごせない大問題なわけですね。
 漏気を発生させた地層の詳しい状況を示していただきたいと事前にいったところ、砂れき層が主体の江戸川層であるという答弁をいただきました。やはり江戸川層という砂れき層が中心の地層だったわけですよ。水分を含んでいるため起泡剤が破泡しにくく、空気が地中に放り込まれにくいとされていたにもかかわらず、今回漏気が起きてしまったと。しかもそれは酸欠空気だったと。本当はこのシールド工法、打つ手なしの状態になっちゃっているんじゃないんですか、漏気を抑制するという点では。
 さて、今回の事象で驚くべきは、検出された漏気十八日分のうち、実に十日分が酸欠空気だったことです。事業者はこれまで、東名ジャンクション周辺の地層である土丹層は空気から酸素を吸収してしまう性質があり、酸欠空気になりやすいと、酸欠空気発生メカニズムとして公表してきました。
 ところが今回、酸欠空気になりにくいとしてきた砂れき層で酸欠空気が発生してしまったと。シールドはまだまだ大深度に達しておらず、白子川からそこまで離れているわけでもなく、地下の酸化しやすい物質にそこまで触れたわけではありません。これまでの酸欠空気発生メカニズムからすると、説明のつかない事態なんじゃないでしょうか。
 漏気した気体成分の調査では、その多くで酸素欠乏が見られましたが、中には、九月二日、七・三%という、吸引すればすぐに体が動かなくなる濃度の酸欠空気も検出されました。
 ちなみに、最近、日本酒をつくっているサイロで、もろみのところに何か物を落としちゃって入ったところ、酸欠空気で亡くなってしまった方がいらっしゃるんですけれども、そのときの酸素濃度は一一%から一三%だったと。七・三%の酸欠空気というのはどれだけ危険な酸欠空気かってわかると思うんですけれども、酸欠空気の発生するメカニズムについて、事業者はどのような見解を持っているのかお聞かせください。

○大庭三環状道路整備推進部長 まず、今回の事象につきまして、国など事業者からは、地下のシールド工事の掘進時に用いる空気のごく一部が過去の護岸構築時の土どめ工跡等を通じ、白子川護岸の水抜き孔や目地より河川に漏出したものと考えられると聞いております。
 また、工事で用いる空気は通常の空気であり、地中での酸化還元反応により酸素が消費され、地中を通過した空気の酸素濃度が低くなっているものと推察されると聞いております。
 なお、漏気箇所周辺の成分調査を行っており、気体の成分調査の測定値は基準値を満足しているとされております。
 参考として簡易測定を実施し、気体自体の空気成分が、先ほどご指摘ありました七・三%から二〇・九%、水面直上では二〇・六から二〇・九%でありますが、漏気している空気量は大気に比して微量であり、希釈されるため、周辺環境に影響はないことを有識者に確認していると国など事業者からは聞いております。

○原田委員 野川での酸欠空気発生メカニズムは、さっきもいいましたけど、土丹層という酸化還元反応をしやすい地層で起きたとのことでしたが、酸化還元しにくいといってきた砂れき層でこのような酸化還元反応が起きてしまったと。もはや酸欠空気はどこでも発生し得るということじゃありませんか。
 白子川のような水面があれば、空気の発生は目視で確認できます。しかし、それ以外の地域では、酸欠空気が発生しても確認は容易ではないということがすごく問題なんですね。だから酸欠空気は怖いんですよ。
 事業者は我が党の質問に対して十月七日に回答しまして、その中で、周辺の地表面からの漏気の発生は確認されていないとしました。どういう客観的な根拠をもとにこのようにいっているのだろうかと。周辺地表面での調査や周辺地下室の調査を行ったのかお伺いします。

○大庭三環状道路整備推進部長 先ほど委員から、砂れき層では酸化還元反応がしにくいといっていたとおっしゃっておりますが、我々はそれは承知しておりません。
 なお、周辺の地表面から漏気の発生は確認されていないとしているが、その根拠は何かということでございますが、この事業は国など事業者がやっているものでございます。国など事業者からは、掘進時に地表面を監視しているが、漏気の発生は確認されていないというふうに聞いております。

○原田委員 なるほど、砂れき層でも、じゃあ、酸化還元反応が起きて酸欠空気になり得るということですね。新たな認識として勉強したいと思います。
 そうなってくると、本当にシールド工法で空気が飛び出し次第、これはどこでも酸欠空気は飛び出していくということになるんですけれども、今、すごい答弁だなと思って聞いております。
 さらにおもしろいなと思ったのは、地表面で酸欠空気は発生していないということを確認しているというんで、その根拠は何かと聞いたら、掘進時に国など事業者が地表面を監視しているんだと、そうしたら出ていないことを確認したんだと。何ですか、掘進している間、じいっと地表面を見て、噴出しているかどうか見ているということですか。
 それよりも驚くのは、無色透明なんですよ。一体、出ているかどうか目視で確認できるんですか。このような答弁を東京都は平気で持ち帰ってきていいんですか。監視で酸欠空気の噴出がわかるのですかと聞き返さねばならないでしょう。
 十月七日、我が党に公表された調査結果によると、八月十九日から九月五日まで継続して漏気が発見されています。この漏気について、事業者は微量との判断を下しています。微量と判断する根拠は何か、基準はあるのか伺います。

○大庭三環状道路整備推進部長 国など事業者からは、外環で採用されている気泡シールド工事では、泥土に起泡剤を混入し掘り進めるため、基本的には空気は掘削土とともにシールドマシン内へ取り込まれるというふうに聞いております。
 また、国など事業者からは、今回の事象について、シールド工事の掘進時に用いる空気のごく一部が地中から河川に漏出しているものと考えると聞いております。どのように表現するかについては、国など事業者が判断すべきものと考えております。

○原田委員 この微量の根拠は割と聞いてきたんですけれども、ずっとはぐらかされてきたんですが、漏気の量は微量とする根拠というのがとうとう答弁されたのかなと思って聞いていたんですけれども、つまり、これまで微量と表現してきたのは、何か量をはかったとか、そこに基準があって相当量だ、微量だといっているのではなく、気泡シールド工事で使われる空気は、掘削土とともにマシン内へ取り込まれるはずだから微量と考えているのだと。これは根拠といえないでしょう。
 そして、こんなものが根拠とされたら、どれだけの量の空気が漏出しようと、全て気泡シールドでは多くの空気は取り込まれるのだからそれ以外に漏れ出る空気は微量だという形で処理されてしまうじゃありませんか。これが微量とする根拠だとして、東京都がそのまま持ち帰って我々の委員会で公表するなんていうのは、本当に恥ずかしいことですよ。どうやって都民の安全を守るんですか。
 事業者は起泡剤の漏出は見られなかったとしていますが、だとすれば漏気は起泡剤由来の気体ではなく、地中内の気体が押し出されたとは考えられないかお答えください。

○大庭三環状道路整備推進部長 国など事業者からは、地下のシールド工事の掘進時に用いる気泡からの空気のごく一部が、過去の護岸構築時の土どめ工跡等を通じ、白子川護岸の水抜き孔や目地より河川に漏出したものと考えられるというふうに聞いております。

○原田委員 漏出した空気を調べますと、起泡剤、シェービングクリームのようなものは全然出ていないと。不思議なんですよね。だとしたら、気泡だけ出てきたという場合は、地中内の空気がむしろシールドの圧力で押し出されて出てきちゃったんじゃないのかと、こういう専門家もいらっしゃいます。その場合は、このメカニズムがもしも正しければ、シールドマシンというのはどこでも酸欠空気を噴出させる危険性があるということにつながってしまうんですね。
 今回、八月十九日に最初に漏気を発見した際の南向きシールドマシンの位置は、実に白子川まで二十メートル離れていた。それで漏気が発生し、なおかつその漏気が起泡剤の空気だったとすると、起泡剤から発生した空気はシールドマシンからさまざまな方向に前進していって、そしていろんなところで穴を通じて外に出ていったということになっちゃうんですね。そういう動きをするんだと。そうした理解で間違いがないのか、どのように起泡剤由来の空気は前や横に、シールドマシンから離れて飛んでいくのか教えていただきたいと思うんですけれども。

○大庭三環状道路整備推進部長 国など事業者からは、地下のシールド工事の掘進に用いる気泡からの空気のごく一部が過去の護岸構築時の土留め工跡等を通じ、白子川の水抜き穴や目地により河川に漏出したものと考えられるというふうに聞いております。

○原田委員 全く答えられていないと。この間やっぱり酸欠空気のメカニズムについて聞くと、全く答えられないという事態が続いています。今、白子川での漏気問題は、そのメカニズムが非常に注目されています。酸欠空気の地上への噴出はとめられないのではないかと不安が広がっているわけです。ですので、詳しく聞いているわけですね。
 シールドマシンは八月十八日まで、実は夏休みで稼働していませんでした。次の日の八月十九日、稼働してその日に漏気が見られたわけです。発見時間は何時だったのか、私は国に聞いてもらいたいといったんですけれども、国は発見時間を示してくれませんでした。おかしいですよね。
 東京都が何時に発見したんですかと。稼働して、シールドマシンが動き出して何時間後だったか知りたいじゃないですか。東京都は聞いたんだけど、それは教えられないと。一体どういう事業者ですか。
 このような漏気が発生しないように、起泡剤の改良や圧力を調整するなどしてきたといいますけど、まさに手を尽くしたが漏気が発生してしまったということなのか、改めてお答えください。

○大庭三環状道路整備推進部長 安全・安心に事業を進めることは、一義的に国など事業者の責務でございます。大泉側の本線シールド工事については、国など事業者から、掘進時に使用する添加剤や圧力を調整しながら漏気を抑制する掘進方法について確認し、モニタリングをしながら工事を進めていると聞いています。
 今回の事象は、この確認掘進を進め、モニタリングをしている中で微少な漏気が確認されたものであり、地下のシールド工事の掘進時に用いる空気のごく一部が、過去の護岸構築時の土どめ工跡等を通じ、白子川護岸の水抜き穴や目地より河川に漏出したものと考えられることを聞いております。
 なお、国等事業者からは、漏気している空気量は大気に比して微量であり、希釈されるため、周辺環境に影響はないことを有識者に確認していると聞いております。引き続き、安心確保のために漏気に関する周辺環境モニタリングをしながら、気泡を用いた掘進を進めると聞いております。
 都としては引き続き、安全を最優先に工事を進めていくものと考えております。

○原田委員 すごく長くてわかりにくい答弁でしたけれども、非常にわかりやすい答弁でしたね。野川では酸欠空気が噴出し、現象を抑えるために起泡剤を使わないシールド工法に変更したと。しかし、大泉ジャンクション発の工事は気泡シールドに戻したわけです。その際、起泡剤の改良や圧力の調整を図って漏気を抑えようと努力したんですけれども、でも、出ちゃったと、大問題なんですよ、そういう答弁でした。
 地盤変動調査結果について、都建設局、住民の安全・安心に資する情報として、事業者に対して公開を求めていくとこれまで答弁してきましたが、その後、事業者に情報提供を求めたのかどうか。求めたとすれば、いつ求めたのかお答えいただきたいと思うんです。事業者は地盤変動調査結果についてどのように答えているのかお答えください。

○大庭三環状道路整備推進部長 地表面高さの調査に関する質問になりました。国など事業者からは、地表面高さのモニタリング結果については、トンネル施工等検討委員会に報告し、安全に工事が行われていることについて公表していくと聞いております。
 なお、東名側の本線シールドは現在事業地外を掘進中でありますが、地表面に異常はないと聞いております。
 都としては、地表面高さなど、工事箇所周辺への影響について住民にお知らせすることは重要であると認識しております。適切な情報提供など、住民の安全・安心確保に向けた取り組みについて、国に日ごろからいろいろな場を通じて求めてきたところであり、今後とも引き続き求めてまいります。

○原田委員 今の答弁からはまさに、東京都は地表面高さのモニタリング結果を住民に知らせるよう国に求めているんだけど、国は、地表面高さのモニタリング情報は非公開のトンネル施工等検討委員会に報告するのだと、意見が正直対立しているんですよね。
 一つ答弁漏れがあるわけですけど、いつ国に部長は求めたのかということなんです。トンネル施工等検討委員会で地盤面の高さについてちゃんと部長は公表を求めたんですか。発言記録とかちゃんとあるんですか。それについては改めて答弁していただきたいのと、続けて、住民が事前の地盤変動の調査結果を開示請求したところ、平成二十九年までは開示されたんですけれども、なぜか平成三十年は黒塗りとなって出てきました。地盤変動の調査結果について、せめて地盤に大きな変動がなかったかどうか確認して、ここにおいて公表していただきたいと思います。

○大庭三環状道路整備推進部長 三点のご質問がございました。
 一つ目は、いつ求めたのかということですが、先ほどの答弁でお答えしましたとおり、国に日ごろからいろいろな場を通じて求めてきたところでございまして、今後とも引き続き国に求めてまいります。
 トンネル施工等検討委員会でいったのかという話がございました。これは前回この委員会でもお話をさせていただきましたが、トンネル施工等検討委員会の事務局は国など事業者でございます。委員会の運営等については、都としてお答えする立場ではございません。議論された内容は、議事概要としてホームページで公開されておるところでございます。
 三つ目のご質問でございます。住民の方が開示請求をした資料についてのご質問でございました。国に対する住民の開示請求につきましては、東京都として知り得る立場ではございません。
 なお、国など事業者からは、東名側の本線シールドは現在、事業地外を掘進中でございますが、地表面に異常はないというふうに聞いてございます。

○原田委員 一々こういう非公開の部分のものを部長が見て、こうやって委員会で知らされなきゃいけないと。そうじゃなくて、常に地盤面の高さなんていうのは、どのシールドマシンの工事でも、どこの事業でも公表しているんですよ。外環だけなんですよ、公表しないのは。異常なことなんですからね。これはトンネル施工等検討委員会でもうちょっとちゃんと公表しろといわなきゃいけませんよ。
 東名側の工事では、この間、工事に伴う新たな振動や音への苦情が出ているそうですが、都は把握しているんでしょうか。

○大庭三環状道路整備推進部長 東名側の工事の振動のご質問でございました。本年七月に公表されているシールド工事振動調査結果では、本年一月から四月にかけて、本線シールド工事の掘進に伴い、振動に関する問い合わせがあり、これを受けて、シールド機が通過する地上部等において振動調査を実施した結果、掘進中の地上部の振動レベルは掘進停止中と比較して変動が見られるものの、日常生活等に適用する規制基準よりも小さい数値であったことを有識者に確認したとされております。
 また、安心を確保するため、引き続き情報収集に努め、モニタリングを行うとともに、細心の注意を払い、安全に工事を進めていくとされております。
 国など事業者からは、振動調査結果がホームページに掲載された七月以降、問い合わせは数件あったと聞いております。また、個別具体の案件については適切に対応していると聞いてございます。

○原田委員 振動が、少しは変動があったみたいな話がありましたけど、本当に振動って、騒音にしても大変なことなんですよ。今、シールドマシン工事をやっているわけですけれども、でき上がってから外環を二十トントラックとかが資材満載でわあっと何台も通ったというときは、もしかしたら、何の補償もないその上の住宅街の人に響いてくる可能性だってあるという話なんですよ。物すごい心配しているんですよ。それで全く補償がないんじゃないかと。
 しかも、振動調査結果ですけれども、規模が本当に小さ過ぎるんですよね。本来だったらシールドマシンが来る何日も前からずうっと振動を二十四時間はかっていって、通り過ぎるときもずうっと二十四時間はかっていて、通り過ぎるまでしばらくはかっていないと、振動がいつ来ているのかわからないじゃないですか。大体何時に動いているのかだって公表していないわけですよ。そういう状況では、やっぱり二十四時間ちゃんと監視をしてもらいたいと。
 ちなみに、深夜、夜中になって、目が覚めるほどすごい振動があったという住民の方が何人もいらっしゃるわけです。ちゃんと調べろといってください。
 最後になりますけれども、白子川の漏気現象について、事業者としては想定外の事象と考えているのか、想定内の事象と考えているのかどうか確認してきていただきました。何といっていたか。

○大庭三環状道路整備推進部長 国など事業者からは、大泉ジャンクション工事ヤード内において、漏気を抑制する掘進方法について確認した上で工事を進めており、モニタリングしている中で微小な漏気が確認されたものと聞いております。
 地下のシールド工事の掘進時に用いる空気のごく一部が、過去の護岸構築時の土どめ工跡等を通じ、白子川護岸の水抜き穴や目地より河川に漏出したものと考えられると聞いております。国など事業者からは、添加剤に気泡を用いた掘進は、空気の通り道等により漏気の可能性はあり得るものと考えると聞いてございます。
 また、漏気に対する環境測定結果を踏まえると、漏気が発生したとしても周辺環境に影響はないと考えられると聞いております。

○原田委員 初の答弁なんですかね。添加剤に気泡を用いた掘進は、漏気の可能性はあり得るんだと考えていると。これまで大深度地下の工事というのは地上に影響を与えないんだといってきたんですけれども、とりあえずこの漏気については、起泡剤を使った掘進においては、空気の通り道さえあれば漏気の可能性はあるんだと答えたと。重大な答弁ですよ。気泡シールドは地上への影響があることを認めた答弁であり、これまで重ねてきた質疑に対する、ある意味正直な答弁として私は受けとめたいと思います。
 自分たちで掲げていたメカニズムが定かでなく次々と覆される、酸欠空気をとめられない、振動や騒音が地上に届いてしまっている、住宅地下の大深度、大断面のシールドマシンを安全・安心な工事に事業者は制御できていません。それを隠ぺいするかのような情報提供のおくれ、あるいは情報提供の拒否、このような事業者に都民の暮らしの地下空間を土足で歩かせてはならないと思います。
 気泡シールドはもはや、地上への影響を回避できていないのではないのか。都は、都民の立場に立って、即刻現在の外環道計画、シールドマシン工法をストップするよう求めるべきと指摘して、この項の質問を終わり、最後の質問を行わせていただきます。
 土砂災害対策について。東京都は相次ぐ豪雨、土砂災害を受けて、これまで一万カ所といわれた土砂災害警戒区域の指定を大幅に更新、その後の作業が継続中です。
 土砂災害対策は大きく三つに分けられ、一つに砂防事業、これは土石流対策のこと、一つに急傾斜地崩壊対策事業、崖崩れ対策、そして地すべり対策事業の三つに分けられます。
 そこでお聞きします。都内全域約一万五千カ所の土砂災害警戒区域について、土石流や急傾斜地の崩壊、地すべり対策など、土砂災害の現象別の割合を示してください。

○小林河川部長 土砂災害警戒区域の現象別の割合でございますけれども、土石流が全体の一二・八%、急傾斜地の崩壊が八七%、地すべりが〇・二%でございます。

○原田委員 ありがとうございます。初めて出てきた数字なんじゃないかと思いますけれども、警戒区域の九割近くが実は急傾斜地崩壊危険区域だということがわかりました。これは重要な数字で、私の質疑の基礎となるデータであります。
 これまで、土砂災害警戒区域内に存在する避難所や要配慮者利用施設、特養ホームや病院といった施設などですよね、その有無などを区市町村に照会し、警戒区域ごとに砂防事業の優先度をAからDランクに分類してきています。
 このたび都内全域の区域指定が完了しましたが、この全容が明らかになっていくのはいつごろになるのか教えてください。

○小林河川部長 都内全域の土砂災害警戒区域の指定が九月末に完了いたしました。今後、各区市町村へ避難所等の施設の有無等について調査してまいります。調査につきましては、速やかに行ってまいります。

○原田委員 土石流対策のAからDランクづけ、先ほど小磯議員からも質問がありましたけれども、これはいつぐらいにできるのかと聞いたら、速やかにだというんですけど、二、三年かかるという話じゃないんですよね。恐らくはこの一年で結果は出てくるんじゃないかなと私の主観では思いますけれども、担当職員の皆さんの鋭意努力に期待申し上げます。
 さて、先ほどの私の質問にもあったように、避難所や要配慮者利用施設が存在する警戒区域を調べランクづけを行うのは、実は土石流が心配されるところだけなんです。一番多い九割を占める警戒区域の急傾斜地崩壊対策危険区域、ここでは避難所や要配慮者利用施設の調査やランクづけなどが行われない。
 そこで、差し当たって、現在把握している砂防事業の優先度にかかわるAからDランクの数字、それぞれどれだけの箇所があるのかということをお聞きしようとしたところ、先ほど小磯議員も質問をるるされておられましたけれども、私も事前に入手した情報によると、平成二十九年三月までに区域指定が完了した土砂災害警戒区域のうち、区部、多摩合わせて千五百二十四カ所が土石流に該当すると、一万カ所中千五百二十四カ所だと。
 その内訳は、先ほど答弁でありましたけれども、Aランクが六十七カ所、Bランク二十六カ所、Cランク百五カ所、Dランク千三百二十六カ所。緊急Aランクは六十七カ所ほどなんですよね。砂防ダムの建設などは一カ所につき三億から五億ほどの経費で実施が可能でありまして、私はこれは東京都の財政力からすれば対応が非現実的な数字ではないんだなというふうに思いました。
 その点で、急傾斜地崩壊対策事業でも、Aランクというのはどれだけあるのかと気になるところなんですが、崖の下の要配慮者施設とか避難所とか、そのデータが実はまだしっかりとつくられていないと。一万五千カ所の新たな災害警戒区域指定が更新されたわけですけれども、土砂災害警戒区域のうち現象が急傾斜地の崩壊に該当するものは約八割を占めるといわれる中で、ランクづけが土石流の警戒区域に絞られてしまっています。
 なぜ急傾斜地の崩壊に該当する警戒区域について、ランクづけ調査が行われないのか。それと、急傾斜地の崩壊が危惧される警戒区域の直下にある要配慮利用施設について、その種類や数がつかめていない状況、つかめていないと聞いていますが、早急に調査すべきではないか。あるいはその検討を求めますが、いかがですか。

○小林河川部長 砂防事業は、土石流等の土砂災害から下流部の人家、公共施設等を守るため、砂防法に基づき、国または都道府県が実施しております。ランクづけ調査につきましては、砂防事業の優先度をつけるために実施しておるところでございます。
 急傾斜地崩壊対策事業は、区市町村からの要望に基づき、急傾斜地崩壊による災害の防止に関する法律により都道府県が実施しているため、都としてランクづけ調査は行っておりません。
 なお、土砂災害警戒区域等の指定状況につきまして、要配慮者利用施設等を把握しております当該の区市町村への情報提供をしているところでございます。
 繰り返しになりますけれども、急傾斜地崩壊対策事業は、区市町村からの要望を受けた箇所につきまして、急傾斜地崩壊による災害の防止に関する法律に基づき実施してまいります。

○原田委員 砂防事業は国の法律で、都がやる義務が生じるんでランクづけして取り組むけれども、急斜面対策はその義務はなくて、区市町村からの要望に任せているから、なかなかランクづけしていけないんだと。
 命を守る公共事業として、私はもっと東京都は積極的に進めるべきだというふうに思っているんです。東京都こそ急斜面対策に私は多摩山間部地域とかで力を入れていくべきじゃないかと思うんですね。
 皆さんの警戒区域指定を基礎自治体に伝えると、自治体はそこに要配慮施設などがあるかどうかというのを調べるわけですよね。あるいは自治体に調べていただいて、それを東京都が一覧にすると。東京都が自治体とも一緒になって取り組むべき災害対策警戒区域というのはどれだけあるのかというのを箇所数だけでなくて、その内容、どれだけ危険な警戒区域なのか、そして金額は幾らぐらいの規模になっていくのかというのを私は把握していく必要があると思うんで、やっていただきたいと思っています。
 砂防事業や急傾斜地崩壊対策事業などの砂防関係事業について、今年度の事業予算額と、工事予定箇所数をそれぞれ示してください。

○小林河川部長 土砂災害対策事業の執行額は、三事業合わせて今年度約六十億円ほどでございます。(発言する者あり)失礼いたしました。今年度の砂防事業の予算額は約五十億円でございまして、工事箇所数は十五カ所、急傾斜地崩壊対策事業の予算額は約二十四億円でございまして、工事箇所数は十カ所でございます。地すべり対策事業はございません。
 以上でございます。

○原田委員 土砂災害対策事業の執行額、三事業合わせて毎年六十億円ほどであって、東京都の財政力及び警戒区域の規模からして、率直にいって私は少ないと感じるんですね。予算額及び執行額を抜本的にふやす必要があると私は考えます。
 急傾斜地崩壊対策事業については、東京都がイニシアチブをとって市町村とも協議し、積極的に事業推進に力を入れるべきということも指摘をしたいと思います。どうでしょう。

○小林河川部長 今のご質問ですけれども、土砂災害対策におけるハード対策につきましては、地元住民の合意が得られた箇所や区市町村から要望を受けた箇所などから順次、砂防事業や急傾斜地崩壊対策事業を実施しているところでございます。

○原田委員 このたびの建設局調査により、都内土砂災害警戒区域の総量が見えてまいりました。ご努力に感謝申し上げます。今後は、土石流危険区域のランクづけといった、予算や担当職員の数に縛られたような限定的な把握から、急斜面崩壊の把握、ランクづけに一歩踏み出していって、都内警戒区域の全貌を把握されることを要求するものです。
 根拠の不明な都市計画道路等の整備、住宅街と自然環境、そして財政を破壊する外環道計画に莫大な税金をかけるのではなくて、本日も質疑が集中しました台風被害への都独自の支援の構築や、自然災害から都民の命と暮らしを守る公共事業にこそ、抜本的な都政の光を当てるべきではないか。そのことを訴え申し上げまして、事務事業質疑を終わります。

○細谷委員長 この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。
   午後八時五十九分休憩

   午後九時十九分開議

○細谷委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○保坂委員 私からは、建設局の幾つかの事業について多岐にわたって質問させていただきたいと思います。
 まず初めに、これは質問ではないんですが、今回、土砂災害警戒区域指定が九月末に発表されて、その後、台風が来たという、すごい、タイミングが非常に近かったと。それが不幸中の幸いというか、私も実はその地域の対象のそばに住んでおりまして、事前に地域住民、地権者への説明、自治体への説明ということをやっていただきましたので、住民の皆さんも非常に心の準備というものができて、それで、その結果、自主避難所というのも初めてこの地元台東区で設置されたということで、そこにも多くの方が避難されたという非常にいい傾向だったんです。
 一つ、要望というのは、やはり擁壁の側が、私の台東区の場合は、新たに追加された指定エリアが東京大学の壁だったんですね。東京大学の壁は文京区、道路は台東区が管理するという、住民は台東区にいるということで、それは東京大学の壁ではあるんですけれども、住所が文京区ということで、文京区の方も、今回、いろいろと土砂災害警戒区域指定というのが数カ所入ったわけでございますけれども、自治体間でのやりとりというのも必要ですし、その間に東京都がいるという中で、やはりそういう微妙なエリアですよね。
 区境のエリアをもうちょっと細かく見ていただきまして、なかなか区と区の連携というのもそんなに頻繁にやっていないものですから、こういう機会を通して、やはり災害に対しての意識というのが、また一つ高まったということもあり、課題も見つかったので、そういった行政間のやりとりに対して、また引き続き丁寧に対応していただく。
 そのことによって、地元住民がより安心して避難等、警戒することができるということだと思いますので、私も今回の台風十九号、身を挺して感じさせていただきました。対応していただきました所管の皆様、ありがとうございました。
 では、質問に入らせていただきます。
 最初に、東京都自転車走行空間整備推進計画について伺います。
 自転車は、子供から高齢者まで、日々の通勤通学や買い物など、手軽に利用される交通手段であり、加えて、シェアサイクルの普及も拡大しており、今では単なる通勤通学だけではなくて、観光としてのニーズも非常に高まっています。
 自転車利用者のマナーの向上はもとより、歩行者、自転車、自動車がともに安全で安心して通行できる道路の利用環境整備が今、喫緊の課題となっています。
 都は、平成二十四年に策定しました東京都自転車走行空間整備推進計画などに基づいて、自転車走行空間の整備を進めております。
 そこでまず、本計画などに基づく自転車走行空間の整備について、東京二〇二〇大会までの整備目標及び現在の都の取り組み状況について伺います。

○花井道路保全担当部長 都は、東京都自転車走行空間整備推進計画等に基づきまして、自転車交通量が多く事故の危険性がある区間等を優先整備区間と定め、自転車レーンや広い歩道内での構造的、視覚的分離など、地域の道路事情に応じた整備手法により整備を進めております。
 東京二〇二〇大会開催までに、都道において合計二百三十二キロメートルを整備することとしておりまして、平成三十年度末までに二百八キロメートルが完成しております。

○保坂委員 地域の道路事情に応じて、そういった手法によって整備を進めることの必要性は認識をしています。
 一方で、歩行者の安全性という面で捉えた場合、若干見方は変わってきます。特に自転車、歩行者道の視覚的分離による整備では、歩行者と自転車の双方にとって非常に認識しづらい歩道も存在します。結果、歩行者と自転車が交錯するなど、接触リスクは回避できません。
 私の地元である台東区浅草の繁華街にある国際通りは都道であり、まさにその一例であります。このような歩道では、歩行者と自転車の接触の危険性が絶えないため、既に整備されています自転車走行空間が正しく利用されているかどうかを調査し、改善すべきところは改善してほしい、改善が必要であると昨年の第一回定例会の本委員会で指摘をさせていただきました。
 都は、整備済みの自転車走行空間の実態把握に向けた調査を実施し、さらなる安全対策が必要な場合には、適切な対策を検討すると答弁されました。
 そこで、国際通りにおける走行実態の調査結果とその後の対策について伺います。

○花井道路保全担当部長 都は、平成三十年度に、台東区の国際通り等の七路線におきまして、自転車の通行位置や通行人へのアンケート調査を実施いたしました。
 このうち、視覚的分離で整備いたしました国際通りにおけます自転車の通行位置調査では、利用者の約六割が通行位置を遵守して走行いたしておりました。一方、通行人へのアンケート調査では、約二割が、自転車走行空間の整備後におきまして、自転車の通行位置がわかりづらいと回答いたしております。
 こうした調査結果を踏まえまして、今年度、歩行者と自転車の通行位置をより明確にするため、既設の路面標示を大きくいたしますとともに、新たに表示箇所を追加整備いたしました。
 あわせまして、歩道におけます駐輪対策の強化を台東区に要請するなど、区と連携した取り組みも実施しているところでございます。

○保坂委員 国際通りは浅草の繁華街を通るため、歩行者や自転車の交通量が非常に多く、また駐輪車両も多いため、歩行者と自転車がふくそうし、接触の危険性が懸念されています。今後も自転車の通行実態を確認して、追加の対策が必要な場合には、ぜひ実施していただきたいと要望します。
 続いて、自転車推奨ルートについて伺います。
 自転車が都内を安全に回遊するためには、国道、都道、区市道などの自転車走行空間を連続させ、ネットワーク化を図っていくことが必要です。このため、東京二〇二〇大会開催時に多くの来訪者が観光地のにぎわいなどを楽しめるよう、都が国や区市と連携し、設定した自転車推奨ルートの整備を進めていくことは大変重要であります。
 また、区市道の整備を確実に進めるために、区市に対して都が補助制度を用意し、技術面、財政面などを支援してきたことは評価します。
 そこで、現在の自転車推奨ルートの取り組み状況について伺います。

○花井道路保全担当部長 都は、東京二〇二〇大会の競技会場や主要観光地周辺におきまして、国道、都道、区市道等の自転車走行空間を連続させました自転車推奨ルート約二百キロメートルを設定いたしまして、大会開催までの完成を目指し、国や区市等と連携し整備を進めております。
 平成三十年度は、国道、都道、区市道等を合わせまして三十九キロメートルを整備し、平成三十年度末までに百十二キロメートルが完成しております。

○保坂委員 さまざまなこちらも道路事情もあり、整備が難しい箇所もあると思いますが、東京二〇二〇大会時にはスムーズな自転車移動が実現できるよう、引き続き対応をお願いします。
 一方、国道や都道、区市町村道のそれぞれの道路管理者が進める自転車走行空間の整備に加え、警視庁も自転車ナビマークなどの整備を実施しています。警視庁の調査結果では、自転車ナビマークなどの整備前と後で、自転車関与人身事故は約一〇%減少、歩道を走行する自転車も約六三%から五八%に減少、加えて車道を逆走する自転車も約四割減少したと発表しています。
 こうした状況を踏まえ、都や区市町村などの道路管理者と警視庁が相互に連携して整備を進めていく必要があると考えますが、都の見解を伺います。

○花井道路保全担当部長 都は、国道、区市町村道等の各道路管理者と警視庁による調整会議におきまして、都内の自転車走行空間の整備箇所や整備効果等の情報共有を図るなど、連携して整備を推進しております。
 今後とも、誰もが安全で安心して利用できる自転車走行空間の整備に積極的に取り組んでまいります。

○保坂委員 東京都、区市町村、警視庁、それぞれが整備を行っている時点で非常にわかりにくく、さらに東京二〇二〇大会に向けてかなりの整備が進むため、全体の整備状況を把握するためにも、今後、一元化した地図の作成などユーザー目線の対応をぜひお願いしたいと思います。
 また、自転車ドライバーと歩行者、常に両方の目線に立った整備を進めていただくこともあわせて要望して、次のテーマに入ります。
 次に、都立公園における受動喫煙対策について伺います。
 まず、昨年の第一回定例都議会の環境・建設委員会において、私は、恩賜上野動物園での全面禁煙について質問しましたが、その後、同年七月に、ほかの動物園、水族園が全て全面禁煙となったことは高く評価をしております。子供の利用の多い動物園、水族園が子供を受動喫煙から守る環境となったことは、保護者や来園者からも理解をいただいていると認識しております。
 一方、都立公園に対しても、これまで日比谷公園、横網町公園、上野公園を例に、受動喫煙対策についてさまざまな場面で質問し、対応を求めてきました。
 まず、都立公園の受動喫煙対策の今の状況について伺います。

○古川公園緑地部長 都立公園では、喫煙に関するルールを定め、歩きながらの喫煙、妊娠中の女性や子供の周囲での喫煙をしないよう呼びかけ、マナー向上に取り組んでおります。
 さらに、本年七月には、舎人公園や駒沢オリンピック公園など、特に多くの子供たちでにぎわう九カ所のじゃぶじゃぶ池の周辺にのぼりを設置し、受動喫煙防止を呼びかけました。

○保坂委員 本年第二回定例都議会の一般質問では、私は、受動喫煙対策を進める上で、受動喫煙防止の効果のある喫煙所の整備が重要であることに言及しました。現在、区市町村では、受動喫煙を防止できる公衆喫煙所として、コンテナ型喫煙所を整備することを計画している自治体もあり、足立区は、都の補助金によって都立東綾瀬公園内に設置することを都と協議していると聞いています。
 そこで、都立公園におけるこのような喫煙環境の整備について伺います。

○古川公園緑地部長 都が都立公園内に吸い殻入れを設置する場合は、その場所を案内板等で周知しております。また、主要な園路沿いや子供が使用する遊具の周辺にある吸い殻入れを撤去し、平成三十年四月一日の子どもを受動喫煙から守る条例の施行時に、百二十七カ所あった吸い殻入れを七十九カ所に減少させたところでございます。
 一方、都立公園内に地元自治体みずからが喫煙所を設置する場合には、これまでも公園の利用状況に応じて設置が可能な場所に認めてまいりました。また、コンテナ型の喫煙所が建築物に該当する場合には、関係法令の基準や整備可能な場所などの条件を満たすことが必要となります。
 今後とも、地元自治体と連携を図りながら受動喫煙対策に取り組んでまいります。

○保坂委員 今、回答いただきましたように、公園内の喫煙所全体で約四割削減されたことは評価をいたします。少なくなった喫煙所の場所が簡単に今度は認識できるよう、しっかりと案内表示をする対策をお願いいたします。加えて、それぞれの区市町村との連携、情報共有も行っていただくことも、あわせて要望いたします。
 続いて、日比谷公園の野外音楽堂について伺います。
 都は、夜間の時間帯を生かした観光資源となる取り組みを支援し、ナイトライフを楽しめる環境の提供を推進しております。もちろん我が会派も推進をしております。
 日比谷公園の野外音楽堂は、音楽の殿堂として歴史もあり、三千名を収容できるコンサートホールとしてナイトライフ効果は非常に高いと考えます。ところが、現状は、周辺企業や公官庁へ配慮し、コンサートの利用は土日祝日のみで、平日は開催できていません。
 そこで、せめて一部でも平日夜にコンサートができるような野音のさらなる活用を図るべきと考えますが、見解を伺います。

○古川公園緑地部長 日比谷公園大音楽堂、いわゆる野音は、文化の発信拠点として幅広い音楽ジャンルのコンサートが開催されるなど、多くの人々に親しまれております。
 現在、コンサートの開催は、音量や振動など周辺施設に及ぼす影響に配慮し、四月から十月の土日祝日のみとなっております。
 今後、近隣の理解も得ながら、増加が見込まれる観光客等もより楽しめるよう、平日夜のコンサート開催を含めて野音の利用拡大を検討してまいります。

○保坂委員 今後、野外音楽堂のさらなる活用を図る上で、平日夜の利用のほかに、コンサートを開催できる現在の四月から十月までの期間をさらに拡大することも有効であると考えますので、あわせて検討いただくことを強く要望して、次のテーマに入ります。
 次に、都立公園における民間事業者の活用について質問をいたします。
 都立公園は、都民に安らぎ、レクリエーションの場を提供する、そして、都市に季節感などの潤いや風格を与えるだけでなく、都市環境の改善や防災空間の確保など、安心・安全な都民生活の実現において大きな役割を担っている重要な施設であることはいうまでもありません。
 私の地元台東区にも、明治六年に日本で初めて公園に指定された上野恩賜公園があります。上野公園は、皆さんご存じのとおり、毎日都民の憩いの場として親しまれているほか、動物園、博物館、美術館と多くの文化施設が集積していることから、最近では多くの外国人観光客も訪れています。
 年間を通じて多くのイベントが行われている竹の台広場、通称噴水広場がありますが、その脇に民間事業者のカフェとレストランが営業しております。朝から多くの方がくつろいでいる姿も目にしますが、このように都立公園の中にカフェやレストランなどがあると公園の利用勝手もよくなる代表的な例であると思います。
 そこで、このような既存の都立公園における現在の民間飲食店の状況について伺います。

○古川公園緑地部長 都立公園内において民間事業者がカフェやレストランなどの飲食事業を実施している事例といたしましては、平成二十四年四月にオープンした上野恩賜公園の二店舗、平成二十九年三月にオープンした駒沢オリンピック公園の一店舗などがございます。
 なお、平成三十年度に木場公園において事業者の公募を行い事業者を決定したほか、本年九月には、赤塚公園において事業者の公募を開始しております。

○保坂委員 着実に都立公園に飲食店の設置が進んでいることがわかりました。
 飲食店ができますと公園利用者の利便性が高まりますし、これまで公園に訪れなかった人も新たに足を向けてもらえるかもしれません。飲食などを提供することによる利便性の向上以外に、どのようなメリットがあるのでしょうか。民間事業者を導入することによって、都立公園にもたらす効果や具体的な取り組みの内容について伺います。

○古川公園緑地部長 都立公園内に設置されております飲食店等の収益の一部は、新たなイベント実施によるにぎわいの創出や防災グッズ等の配布などに活用しており、都立公園の魅力向上に寄与しております。
 また、木場公園におきましては、事業者みずからが地域の企業と連携したイベントを行うなど、新たなにぎわいを創出する取り組みを進めていく予定でございます。

○保坂委員 その木場公園では、平成三十年度に多面的活用プロジェクトの事業者が決まったとのことですが、現在の事業の進捗状況について詳しくお伺いします。

○古川公園緑地部長 木場公園多面的活用プロジェクトにつきましては、平成三十年八月に公募要項を発表し、二次にわたる審査の結果、本年二月に事業者が決定いたしました。
 その後、都と事業者の間でプロジェクトを進める上での基本的な事項を整理した基本協定を締結し、店舗設置等に係る関係機関との調整など、来年度夏の開業に向けて準備を進めてまいります。

○保坂委員 木場公園においても着実に事業を進めていただきたいと思います。
 また、さきの九月には板橋区の都立赤塚公園においても事業者の公募が開始されたと伺っております。
 そこで、赤塚公園多面的活用プロジェクトの内容について詳しく伺います。

○古川公園緑地部長 赤塚公園多面的活用プロジェクトは、民間事業者が公園の一部にカフェや売店などの新たな収益施設を設置することで来園者の利便性を高めるとともに、収益の一部を活用して公園の魅力を創出する取り組みを実施する事業であります。また、公園及び周辺地域の特性を踏まえた取り組みを行うことで、まちの魅力向上にもつなげてまいります。
 本年九月に公募要項を発表しましたが、十二月には応募を締め切り、年度内に事業者を決定していく予定であります。

○保坂委員 木場公園、赤塚公園では、民間事業者がそのアイデアやノウハウを活用して公園に新たなにぎわいを創出していくとのことですが、今後は、ほかのどのような公園で民間事業者の活用が進められていくのでしょうか。我が会派も求めています今後の都立公園における民間事業者のさらなる導入について伺います。

○古川公園緑地部長 平成三十年度と今年度の二年度にわたりまして、庭園等を除く計六十三公園を対象にマーケットサウンディング調査を実施し、公園への参入意欲や公園活用のアイデア等について広く民間事業者から意見を聴取いたしました。
 この調査結果を参考にしながら、現地の利用状況や関係法令などの制度上の課題などを詳細に確認し、今後事業を進めていく公園の選定や事業スキームを検討してまいります。

○保坂委員 民間事業者も事業の採算性が悪い事業には手を出さないでしょうし、都立公園も既にさまざまな利用がされていたり、もちろん貴重な緑やオープンスペースとなっているので、単に全ての都立公園で民間の施設が入ることができるとは思えません。
 しかし、都立公園における民間事業者の活用が進むことで、これまでになかった楽しさが生まれ、より一層都立公園の魅力が高まる可能性が十分あるという事業だと感じています。課題をクリアして、引き続き着実に事業を進めてもらうことを要望して、次のテーマに入ります。
 次に、これは私の地元であるまた上野公園、今度は恩賜上野動物園に関連して、現在整備中で二〇二〇年春に完成を予定しています新しいパンダ舎についてと、六十年と長きにわたって親しまれてきましたモノレールの今後について伺います。
 恩賜上野動物園は、昭和四十七年、パンダが初めて来日して以来、日本におけるパンダのふるさととして歩んできた歴史があります。
 私は平成三十年三月の同委員会で質問しましたが、現在、西園に新しくパンダのふるさとゾーンと呼ばれる、敷地面積約六千八百平方メートル、総工費約二十二億円の、中国四川省の自然環境をイメージしたエリアを整備中と伺っています。完成予定は二〇二〇年春と聞いており、上野動物園の新たな顔となると期待をしております。
 シャンシャンの中国返還期限が来年十二月末に決まり、二〇二〇年東京大会時は、上野動物園で元気いっぱいに動くシャンシャンの姿を見られることを心待ちにしているお客様も多いと思います。
 まず、パンダ舎の建設工事について、ほかの施設工事事例では入札が不調になり、完成が予定よりおくれているケースもあると聞いていますが、改めて工事の状況について伺います。

○細川公園計画担当部長 パンダ舎の建築工事につきましては、一度契約不調となったものの、令和二年春の完成に向けて、建築工事と関連する電気、給排水、空調設備等の工事に取り組んでおります。

○保坂委員 実際、私も、ほぼ毎日ですが、現地に行っていそっぷ橋から工事状況を目視していますが、ふるさとゾーンの敷地自体が非常に広過ぎて、目視だけでは非常にわかりづらい。多分、見ている皆さんもそうだと思いますが、今、回答いただきましたことは地元にとって非常に有益な情報であり、共有をしていきたいと思います。
 そこで、西園にパンダ舎が完成した後についてですが、パンダ移転後には、東園にある現在のパンダ舎はどうしていくのかを伺います。

○細川公園計画担当部長 パンダの移転が完了し、施設の役割が終わった後に、その跡地は上野動物園のさらなる魅力向上につながる場としてまいります。

○保坂委員 都心の中の狭いスペースにつくっていますので、非常に限りある動物園スペースを有効に活用していただきたい、無駄にすることなく使用用途の検討を進めていただくことを要望します。
 その東園から山下の西園にパンダが移動することで、園内だけでなく周辺の人の流れが大きく変化することが予想されますが、来園者の安全確保について伺います。

○細川公園計画担当部長 西園にパンダを移す際には、ホームページで周知し、案内板を設置するなど、来園者に混乱が生じないよう、安全で円滑な誘導に努めてまいります。

○保坂委員 二〇二〇年は国内外からさらに多くのお客様が来られることが見込まれます。ですので、安全第一に努めてもらうことを強く要望します。
 また、現在のモノレール車両の引退として、本年十月中はさまざまなイベントが実施されており、話題性も高まっています。通常よりも人出が多いとも聞いています。
 本年十月末日、まさにもう目前と迫っておりますが、モノレールの運行休止後、東園と西園を結ぶ連結バス、まさにCNGバスの運行が新たに開始される予定です。運行初日となる十一月一日は今週の金曜日で、すぐに週末を迎えるので、混乱しないようにしっかりとした事前準備が必要であります。
 そこで、本年十一月一日のCNGバスの走行開始に向けて、テスト走行など、どのような計画で運行初日を迎えるのか伺います。

○細川公園計画担当部長 バスの運行開始前からバスの出入り口や乗降箇所を確認し、走行ルートをテスト走行するなど事前の現地確認を行い、安全運行に取り組んでまいります。

○保坂委員 恩賜上野動物園のモノレールは、ご存じのとおり、年間百万人以上が乗車しており、動物園の一つの象徴であることは疑いの余地はありません。モノレールの今後については、アンケート調査を十一月に実施し都民の意見を聞くとしていますが、そのやり方について幾つか伺います。
 まず、対面方式のアンケート調査の中で、上野動物園以外に日比谷公園と代々木公園を選定した理由を伺います。同じようなジャンルの施設、例えば多摩動物公園、葛西臨海水族園など、そういったところも入れてもよかったのではないでしょうか、伺います。

○細川公園計画担当部長 対面方式のアンケート調査は、恩賜上野動物園で千名、日比谷公園と代々木公園を合わせて千名を対象に本年十一月に実施する予定であります。
 さまざまな都民の意見を聞くため、多くの人々が訪れる動物園以外の場所も調査対象としてございます。

○保坂委員 さまざまな都民の意見を聞くということは、非常に私も同感します。
 また、新たな五代目のモノレールの車両製造が、メーカーの事情もあり、困難ということも発表されていますが、いまだに五代目のモノレールを望む声は、地元はもちろん、多くの声なき声があることは理解いただきたいと思います。
 こうした意見を考慮し、アンケートの内容には、上空にあるレール上を走行する小型のモノレールを一つの選択肢として検討すべきと考えますが、見解を伺います。

○細川公園計画担当部長 現在の片腕懸垂式モノレールに関しましては、新たな車両を製造することは困難であると聞いております。
 今後は、いただいたさまざまな意見を踏まえ、小型モノレールなど代替案について検討を行ってまいります。

○保坂委員 今、新たな小型モノレールについても検討いただけることがわかりました。
 最後に、今後について代替案をどのように検討していくのか伺います。

○細川公園計画担当部長 代替案につきましては、輸送能力、走行音の大きさ、動物への影響、コストなどさまざまな観点から検討を行い、基本的な方針を取りまとめてまいります。

○保坂委員 広い角度から検討されていくということは非常に重要ですので、それゆえに慎重に進めていただくことを要望して、次のテーマに入ります。
 続いて、低地河川の整備、かわてらすについて質問をいたします。
 都は、平成二十五年度より、隅田川を中心に、水辺のさらなる魅力向上と地域活性化のため、水辺で飲食などが楽しめるかわてらすの社会実験を開始し、民間事業者による水辺の利活用を推進してきました。このかわてらすは、民間事業者が河川敷地を利用して、河川の管理者から特例占用の許可を受けて、飲食店として設置、営業するものであります。
 そこで、かわてらすのこれまでの設置状況について伺います。

○小林河川部長 都では、河川占用の規制緩和により、水辺で飲食ができるかわてらすを誘導してまいりました。これまで日本橋川では一店舗、隅田川で三店舗が設置され、本年三月には大横川で新たに一店舗が設置されております。
 引き続き民間事業者と調整しながら、かわてらすの設置を促進してまいります。

○保坂委員 私の地元台東区の浅草駒形地区でも数軒のかわてらすが存在し、私も利用しますが、どのお店も活気があり、もっとお店がふえれば、京都でよく見られる川床のように、点ではなく面として川辺がより活性化されると期待しております。
 さて、そのかわてらすは、単なる店舗展開だけでなく、川辺一帯を利用したマルシェイベントなども好評を得ていると聞いています。
 そこで、店舗と川辺一帯を活用することで、多くの方が気軽に参加できるようなイベントをかわてらすで積極的に実施してもらうことも必要と考えますが、取り組み状況について伺います。

○小林河川部長 かわてらすでは、許可を受けた民間事業者が、地域貢献の一環といたしまして、地域の方々が参加できる餅つき大会や観劇イベントなどを開催しております。
 また、都が情報共有や交流する機会を設け、民間事業者と地域の団体を結びつけたことにより、本年五月と十月には、かわてらすを活用したマルシェが開催され、数千人規模の集客がございました。
 今後、交流の機会を拡大することで、民間等が行っている個別の取り組みをつなげ、新たなイベントの開催等を促進してまいります。

○保坂委員 さまざまな取り組みを行うことにより、水辺の魅力がさらに向上することを期待しています。
 かわてらすはどの店舗も夜の営業にも力を入れており、水辺のナイトライフに貢献をしております。夜間の静寂な隅田川は東京の魅力でもあり、観光の視点からも多くの方に知っていただきたいと思います。
 しかし、かわてらす店舗についての情報は、各店舗が独自で発信しているにとどまっているように思われます。
 そこで、例えば産労局が展開する東京の観光公式サイト、GO TOKYOなど、かわてらすのページを掲載してもらうことや、地元区の観光協会と連携するなど、かわてらすの魅力をより積極的に発信していくことは非常に効果があると考えますが、取り組みについて伺います。

○小林河川部長 都は、ホームページやパンフレットにより、かわてらすの取り組みを紹介しております。
 また加えて、平成二十九年度に情報発信する仕組みとして、隅田川サポーター制度を創設しております。このサポーターには、現在、隅田川に関心がある企業など二十六団体が登録しており、各団体によりSNSを活用した、かわてらすを初めとする隅田川の魅力の発信が行われております。
 今後さまざまな機会を捉え、関係局や観光協会などとも連携し、かわてらすを積極的にPRしてまいります。

○保坂委員 そのほか、現在、隅田川沿いでは、両国で整備中のスーパー堤防の整備、船着き場増設や、隣接する都区有地を活用した水辺のにぎわい創出、防災性向上に資する複合拠点施設整備である両国リバーセンタープロジェクトに大きな期待が寄せられています。
 さらに、現在、民間の東武鉄道が中心となり浅草と東京スカイツリーを結ぶエリアの回遊性向上に取り組んでおり、中でも隅田川を渡る鉄道橋梁に新設する歩道橋は、二〇二〇年春に完成を予定しています。この隅田川を渡る新たな歩道橋は、既存の鉄道橋梁に転化する手法で、東京都が墨田区と台東区から申請を受けて、都市地域再生など利用区域の指定をし、歩道橋として整備されます。
 また、隅田川にかかる十橋のライトアップ事業も順次検討が始まっており、東京二〇二〇大会に向けて整備が進んでいますので、新たな観光資源として水辺のにぎわいがさらに向上されることが期待されています。
 最後に、水辺のにぎわい創出に向けて、これらの事業と緊密に連携することが重要であると考えますが、見解を伺います。

○小林河川部長 隅田川では、川沿いの観光拠点等があります浅草や両国など四つの地域をにぎわい誘導エリアに位置づけ、水辺とまちの結びつきを強化し、地域全体のにぎわいを高める取り組みを行うこととしております。
 現在、お話のありました浅草エリアや両国エリアでは、都や地元区、民間事業者等で構成される水辺活用協議会において、地域と連携した魅力あるイベントの開催や、浅草両国エリアを結びつける舟運ルート拡大等を検討しております。
 今後も、地元区や地域、民間事業者と連携しながら、人々が集い親しめる魅力的な水辺空間を創出してまいります。

○保坂委員 各事業が連携することで、より大きな相乗効果が生まれると思われます。ぜひ関係機関とより積極的に連携して取り組んでいただくことを強く要望して、最後のテーマに移ります。
 最後に、建設局による発注工事における働き方改革について伺います。
 建設局は、将来にわたり社会資本を安定的に整備、維持管理していくために、建設業界の若手技術者を確保、育成していくとともに、建設現場において土日を休日とする完全週休二日制の実現に向けた段階的な施策展開を行ってきました。
 そこで、これまでの週休二日制確保工事の取り組み状況について伺います。

○村上企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 建設局では、平成二十七年度に五件の工事を週休二日制確保モデル工事に適用し、その後、適用件数を順次拡大してまいりました。
 平成三十年度からは、原則全ての土木工事を対象に週休二日制確保試行工事として取り組んでおります。その結果、三十年度は六百件を超える工事について契約をしたところであります。
 今後の本格実施を目指し、試行工事の達成状況や課題の検証等に取り組んでおります。

○保坂委員 本格実施に向けての力強い答弁を今いただきました。その週休二日制実施により、現場では人件費を含め機材の長期確保などの経費も負担となりますが、そのあたりの支援対応も必要となってきます。
 受注業者の週休二日制確保を支援するさらなる取り組みが必要だと考えますが、見解を伺います。

○村上企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 受注業者が週休二日制の取り組みを実施した場合には、必要経費を計上するとともに、工事成績で加点するなど、インセンティブを付与しております。
 必要経費につきましては、週休二日の達成状況に応じまして、平成三十年度からは、現場事務所の土地の賃借料などの共通仮設費や、現場技術者の給与などを含む現場管理費につきまして補正しております。
 平成三十一年度からは、これらに加えまして、労務費や機械賃料につきましても発注段階から補正を適用しております。
 このような取り組みを通じまして、受注業者が週休二日制に取り組みやすい環境整備に努めてまいります。

○保坂委員 今年度の労務費や機材賃料も発注段階から補正適用しているなど、受注業者が週休二日制をとりやすい環境が着実に進んでいることが今確認できました。
 一方、最後になりますが、建築工事などでは、先ほども質問ありましたが、入札が不調により完成が予定よりもおくれてしまうケースがあると聞いていますが、それによる工期の短縮なども懸念されます。
 そこで、不調などの発生で工期の短縮などが懸念されますが、工期の設定状況や工事の不調対策について伺います。

○村上企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 工事発注における工期につきましては、建設局積算基準により工事の内容や現場の状況等を考慮しまして適正に設定することとしております。
 不調となった工事の発注時期を変更する場合には、例えば、発注規模の縮小等によりまして必要な工期を確保いたします。
 完了時期が年度を超える場合には、債務負担行為等により翌年度にわたる工期を設定するなど、適正な工期確保に努めております。
 適正な工期の確保に加えまして、施工時期の平準化等の取り組みを通じ、工事の不調を防止するとともに、受注業者の働き方改革がより一層推進するよう取り組んでまいります。

○保坂委員 引き続き、入札不調リスクを意識しながらも、現場の安全を第一とした工事発注を改めてお願い申し上げまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。

○米川委員 私からは、まず初めに、中川におけます河川工事の事故について伺います。
 先日の台風十九号の接近時、地元の葛飾区を含む江東五区が荒川流域での広域避難を検討していたとの報道がありました。また、この台風接近時には、震度三の地震も発生したことから、一日も早く中川の耐震補強対策が完成してほしいと切実に思ったものです。
 その上で、工事を行うには何よりも安全が大事であると考え、ことしの三月に送電線接触による停電事故もあったことから、九月の第三回定例会環境・建設委員会において、中川右岸の中川護岸耐震補強工事(その四十七)の安全対策について質疑を行わせていただきました。
 しかし、今回台風が接近している十月九日、中川左岸の中川護岸耐震補強工事(その四十五)で地盤改良機が転倒、環状七号線の青砥橋を塞ぐ事故が発生しました。近所の方の話では、物すごい音がしたとのことです。
 私もちょうど自宅にいまして、上空を多くのヘリコプターが飛んでいて、これは何か起こったのかというようなことを感じたものです。すぐに当日、また翌日も現場に行きまして状況を確認していましたが、なぜこのような事故が起こったのか、本当に驚いております。
 そこでまず、本件事故の原因について伺います。

○小林河川部長 中川護岸耐震補強工事(その四十五)では、事故当日、作業台船上の地盤改良機により、河床の地盤改良を実施しておりました。その際、地盤改良機がバランスを崩し、改良機の柱である高さ約四十メートルのリーダーが、環七通りの青砥橋に転倒して車道を塞ぎ、車両通行どめとなるとともに、バイクの運転手一名が負傷いたしました。原因につきましては現在調査中でございます。

○米川委員 重大な事故が発生したことを非常に重く受けとめる必要がありますが、都は本件現場におきまして、受注者にどのような指導をしてきたのかを伺います。

○小林河川部長 都は、三月の停電事故を受け、本現場を重点指導対象として位置づけ、工事安全に向けた取り組みを強化いたしました。受注者に対し、近接構造物に対する離隔の確保を含む再発防止策をまとめさせるとともに、作業員全員への安全教育やKY活動の強化など、工事事故防止対策の周知徹底を指導し、確認してまいりました。
 また、都といたしましても、通常の監督体制に加え、現場立ち会いの頻度をふやすとともに、緊急点検や抜き打ちによる工事安全パトロールを実施するなど、類似事故の未然防止に取り組んでまいりました。

○米川委員 都が再発防止に向けて指導を強化していたことはわかりました。
 次に、事故を起こした業者についてですが、本件工事では既に一度近接する東電の送電線にクレーンを接触させ停電事故を起こしており、同じ工事に二度も事故を起こしたことになります。
 そこで、受注業者について契約解消などの措置は行われるのかについて伺います。

○杉崎総務部長 契約約款では、工事事故で契約を解除する規定はなく、契約解除となるのは、受注者が工事を履行できないことが明らかな場合など、契約約款で定められている項目に該当する場合でございます。
 一般的には、重大な工事事故を起こした受注者に対しては、今後、指名停止や工事成績評定における減点等の措置がなされることとなります。

○米川委員 次に、本件事故で都が管理する青砥橋も損傷を受けているものと考えます。橋梁本体への影響はどのようになっているのか伺います。

○花井道路保全担当部長 青砥橋は、環七通りが中川を渡る片側二車線の橋梁でございます。地盤改良機の柱であるリーダーが転倒したこのたびの事故によりまして、防護柵や道路照明等が破損し、リーダーにより車道が塞がれ通行どめとなったものでございます。
 リーダーの撤去後、車両の通行への影響を把握するため、橋梁本体の調査を実施いたしましたところ、橋梁構造上、通行に支障を来す損傷がないことを確認いたしました。そのため、順次、防護柵などの応急対策を講じながら、事故翌日午前八時には片側一車線ずつ交通開放し、午後六時には全面交通開放いたしております。

○米川委員 この件ですが、最後に、事故を受けての今後の対応について伺います。

○小林河川部長 現在、警察や労働基準監督署が事故原因を調査中であり、工事は中止しております。引き続き事故原因の特定に努めるとともに、受注者から事故再発防止策の提出を求め確認するなど、さらなる現場の安全管理徹底を指導してまいります。
 今後とも工事の安全に万全を期しながら、東部低地帯の耐震、耐水対策を着実に進めてまいります。

○米川委員 東部低地帯における堤防は、この地域に住む都民の生命線です。台風接近時に首都直下地震も起きるかもしれません。本件事故の反省を踏まえまして、さらなる安全対策を講じた上、堤防の耐震対策をしっかりと着実に進めていただくよう求めます。
 次に、島しょ部におけます無電柱化について伺います。
 近年、台風による強風、竜巻で電柱が倒れる災害が頻発に発生しております。特に台風の通り道であります島しょ部では、区部などの地震による倒壊ではなく、強風による倒壊が発生しやすく、特にことし九月の台風十五号では、大島や新島などで多数の電柱が倒壊しております。
 そこでまず、都はこれまで区部や多摩地域で無電柱化を進めてきましたが、島しょ部ではどのように取り組むのかについて伺います。

○花井道路保全担当部長 無電柱化は、災害時に電柱倒壊による道路閉塞を防ぐなど、都市防災機能の強化、安全で快適な歩行者空間の確保、良好な都市景観の創出を図る上で重要でございます。
 台風十五号の被害を受けまして、改めて島しょ部を含めた無電柱化の取り組みの重要性が認識されたところでございます。
 都では、平成三十年三月に、条例に基づきまして今後十年間の方針や目標を定めました東京都無電柱化計画を策定し、この計画におきまして島しょ部を整備対象に位置づけてございます。

○米川委員 この九月の台風十五号による被災状況については、私自身、直接大島と新島へ伺い現地の状況を見てきましたが、特に新島では、北側の若郷地区と本村地区を南北に結ぶ都道の電柱の倒壊により停電が発生しました。
 また、新島の水は地下水を利用しているということで、この停電でポンプが使えず、断水も何日間かしたということです。さらには、車両の通行ができなくなるなど、日常生活に多大な影響を受けました。島しょ部では、今回のように台風の影響を大きく受けることからも、無電柱化を積極的に進めていく必要があると考えております。
 そこで、現在、島しょ部での取り組み状況はどのようになっているのか伺います。

○花井道路保全担当部長 本年三月に改定した整備計画でございます東京都無電柱化推進計画では、島しょ部は電力需要や通信需要が都市部と比べて低いこと、気象、地質状況など地域特有の課題を有していることなどの状況を考慮いたしまして、地域特性に応じた整備手法を検討し、モデル路線での整備を進めることとしております。
 今年度は、大島におきまして道路状況や電力、通信需要の調査及び整備手法の確立に向けた検討や、八丈島におきまして無電柱化の設計を行っております。
 引き続き、島しょ部の無電柱化の取り組みを進め、都内全域での無電柱化を積極的に推進してまいります。

○米川委員 島しょ部においても積極的に取り組むことを求めまして、次の質問に移ります。
 次に、河川の適正利用ということで伺いたいと思います。
 私の住む葛飾区及び東部低地帯、川に囲まれた地域であることから、川に親しむレジャーとして、水辺での釣りも盛んに行われております。
 そこで、まず確認のため、河川の適正利用の視点から、都が管理する河川での釣りは原則できるのかについて伺います。

○小林河川部長 河川は、他人の使用を妨げない範囲で一般公衆の自由な使用に供される公共用物でございます。
 河川での釣りにつきましては、漁業法による禁漁区での釣りなど他の法令等で禁止されていなければ、河川管理者として特に規制はしておりません。
 なお、都が管理する河川におきまして、投げ釣り等により周囲に危険が及ぶおそれがある場合には、注意喚起を促す看板を設置しております。

○米川委員 水辺は釣りだけではなくて、さまざまな方が利用される場所のため、利用者がお互いに気持ちよく利用するためにも、マナー違反などのトラブルをなくす必要があります。
 このため水辺には、今もお話ありましたが、建設局の注意喚起の看板が設置されておりますが、管轄する事務所ごとに記載内容が異なっていたり、また記載内容がわかりにくいとの声もあります。
 例えば、第一建設事務所の看板には、周囲に人や船がいるときは投げ釣りは禁止といったことが書いてあります。また、第六建設事務所の設置の看板では、釣り針が危ないので投げ釣りはおやめくださいというようなことがありまして、釣り、本当にやっていいのかどうかというようなことまで悩まれると。特に、一生懸命マナーを守ってやりたいという方の方がいろいろと悩んでしまうというような事情があります。
 そこで、なぜさまざまな看板が設置される状況となっているのか伺います。

○小林河川部長 河川での迷惑、危険行為によるトラブルを抑制するため、注意喚起を促す看板を設置しております。看板は、河川の周辺環境や利用状況により迷惑、危険行為が異なるため、その設置場所に応じてデザインや内容を工夫しております。

○米川委員 それぞれの場所での利用状況や迷惑、危険行為をもとに看板が設置されていることがわかりました。
 できれば具体的に詳しく説明していただけるとよいのですけれども、当然、既存の看板には掲載できる情報量に限りがあります。看板だけではさまざまな解釈ができてしまうという問題も生じております。
 そこで、例えば、利用ルールの詳しい説明が掲載されたサイトのアドレスをQRコード化し、既設の看板に追加で張りつけることで、看板設置の目的などを簡単に確認、知ることができるのではないかと考えております。そのようなことをすることで、解釈の違いをめぐりますトラブルや、自分勝手なマナー違反を減らすことにもつながると考えております。
 そこで、誰もがわかりやすく必要な情報を入手できるよう検討すべきと考えますが、見解を伺います。

○小林河川部長 河川の利用マナーをわかりやすく伝えることは、河川を誰もが快適に利用する上で重要でございます。
 河川の適正利用に向け、ホームページの内容のさらなる充実やQRコードの活用など、誰もが容易に利用マナーを確認できる方法を検討してまいります。

○米川委員 ありがとうございます。多くの方が気持ちよく安心して利用できるよう、取り組んでいただくよう求めます。
 次に、特定整備路線の整備について伺います。
 都は、首都直下地震の切迫性等を踏まえ策定された不燃化十年プロジェクトの方針に基づき、防災上効果の高い都市計画道路として特定整備路線を選定し、二〇二〇年度までの完成を目標に整備を進めています。
 さきの第三回定例会一般質問で、私の特定整備路線の整備の促進についての質問に対しまして、効果的な用地取得の進め方の検討を行うなどの局長答弁がありました。
 今後、用地取得を加速するためには、都市計画事業の区域内の権利者に対する生活再建支援の充実とともに、既に取得した用地での事業のPRや、地域団体などと防災啓発イベントなどを実施することで、路線周辺の権利者の方々も含めまして、事業の重要性を理解していただくことも必要ではと考えております。
 そこで、特定整備路線の用地取得を加速し、早期完成するため、今後の取り組みについて伺います。

○山本用地部長 関係権利者の理解を得て早期に用地取得を進めるためには、関係権利者への丁寧な説明と、生活再建のきめ細やかな支援が重要でございます。
 生活再建支援につきましては、今年度から、移転先としてニーズの高い単身世帯向け都営住宅のあっせん枠を、住宅政策本部と連携して三十戸から六十戸に拡大し、さらに、弁護士などの専門家相談のメニューに土地家屋調査士を追加するなど、権利者の要望に応える支援を実施しております。
 加えて、事業残地を活用した移転先の確保や、関係部署と連携した民間住宅の紹介などの支援も行っております。また、お話のように、関係権利者以外にも事業を理解していただくことが重要であり、地元区と連携した事業PRなどにより、事業促進を図ってまいります。
 こうした取り組みによりまして、特定整備路線の早期完成に向けて迅速な用地取得を積極的に進めてまいります。

○米川委員 地元区と連携しての事業PRの話がありました。ぜひ多くの方に事業の重要性を理解していただき、事業の早期完成に向け取り組んでいただくよう要望します。
 最後に、地元葛飾の道路の話を質問させていただきます。
 葛飾区の補助第一〇九号線について伺います。
 本路線の堀切菖蒲園駅付近における都道は歩道が狭く、歩行者と自転車が混在するなど、すれ違いが容易ではなく、地元から拡幅整備が要望されております。また、現在の都道に沿って位置し、葛飾区が管理する水路敷の上には、連担して不法占拠の建物があり、夏場には異臭が発生するなどの問題があるため、区は地元から解決を求められておりますが、水路敷上の建物所有者と使用者との間の複雑な権利関係などの課題があります。
 そこで、補助第一〇九号線の堀切菖蒲園駅付近における取り組み状況について伺います。

○村井道路建設部長 補助第一〇九号線の未整備区間のうち、堀切五丁目交差点から南側の約百メートルの区間につきましては、都市計画線と区が管理いたします水路敷が一部重複しております。
 現在、区では、本年三月に策定した葛飾区後期実施計画に基づき、水路敷の適正管理も含めた歩行環境改善に向けて検討を進めております。
 都といたしましても、区の検討状況を踏まえ、整備形態などについて区と連携しながら調整を行ってまいります。

○米川委員 ぜひとも地元区と連携して検討を進め、道路利用、歩行者の安全の向上に積極的に取り組んでいただくよう要望し、質問を終わります。

○桐山委員 それでは、本日の質疑の一番最後ということで、最後までおつき合いいただきますよう、よろしくお願いいたします。
 私からも、このたび、台風十九号におきましてお亡くなりになられました方々にお悔やみを申し上げますとともに、今なお被災されている方々に心よりお見舞いを申し上げたいと思います。
 また、冒頭に、今回の台風十九号に伴う被害状況と建設局の対応等についてご報告があったところですけれども、建設局が一丸となって、これまで被害地域の復旧活動に尽力を尽くしていただいているということに対しまして、敬意と感謝を申し上げたいと思います。
 引き続き、地元の要望に対しましても迅速な対応をしていただきますように、よろしくお願いいたします。
 さて、今回の台風十九号というものが、もうかなり皆様の質疑の中で課題、あるいは要望などが出てきたところです。今回、最大規模の台風が関東に直撃をするということで、連日、マスコミ報道などにも、備えるべきこと、また自主避難など、今までにない中で報道がなされていて、それぞれが台風に対して備えをしてきたのかなというふうに思います。
 そして、それに伴って今回、東京都においては、各委員からも出ておりましたが、治水対策ということで、護岸整備ですとか、調節池の整備の効果というものも発揮したということは非常に評価すべき点であるということも重ねて申し上げておきたいと思います。
 今後もこういった被害が出てくる状況が、もういつ災害が起こってもおかしくないという現状でございますので、引き続き大雨によります洪水や浸水から都民の生命や財産を守るために、より一層ハード面の整備、また今回の災害に対する点検、あるいは効果検証というものをぜひ進めていただきたいと要望をしておきたいというふうに思います。
 では、私から質問させていただきますが、まず最初に、ハザードマップのもとになります浸水予想区域図についてお伺いをしていきたいというふうに思います。
 ハザードマップのもとになります浸水予想区域図というものは、自主避難を促していくための判断材料の一つということで、法の中でも、各区市町村の首長がしっかりとそれを定め、もとにしてハザードマップ、避難所の位置ですとか、そういった浸水箇所も含めて掲示をしたものを、市民、都民の皆さんに、いわゆる全戸配布をしながら周知に努めることとされているものの一つでございまして、これらについては、記憶に新しい昨年の七月の西日本豪雨のときに、実際に浸水した範囲とハザードマップの浸水範囲がほぼ一致して、ハザードマップの有効性というものが確認をされてきました。ことしも大型台風が日本に接近するたびに、メディアは視聴者に対してこのハザードマップの確認をするようにというふうに呼びかけておりました。
 私の地元の西東京においては、ことしの四月なんですが、改めてこの浸水ハザードマップが全戸配布をされております。その前にもあったんですけれども、改めて配布をしています。それぞれの市民のハザードマップへの関心も高まっているところです。
 現在、東京都においては、区市町村が作成するハザードマップのもとになる浸水予想区域図の改定を進めています。この浸水予想区域図、里吉委員からも出ておりましたが、下水道の方と連携をとられているということで、非常によりメッシュで、より細やかな浸水状況がわかるというような予想区域図ということで改定を進められております。
 それに伴いまして、西東京市においても今後、ハザードマップをまた改定をしなければならないという必要性があるというふうに認識もしています。
 そこで、浸水予想区域図の改定の現在の進捗状況についてお伺いをします。

○小林河川部長 都はこれまで、都内を十四区域に分け、平成十二年の東海豪雨を想定した浸水予想区域図を公表しております。平成二十七年の水防法改正を受け、想定し得る最大規模の降雨を用いた区域図への改定を進めており、三十年度までに神田川流域など四区域を公表いたしました。
 今年度は、西東京市が改定する浸水ハザードマップのもととなります石神井川及び白子川流域など二区域を公表しており、引き続き、黒目川、落合川、柳瀬川、空堀川及び奈良橋川流域など四区域の公表を予定しております。
 防災事業の緊急総点検を踏まえまして、令和二年度までの全十四区域公表を目指し、改定を進めてまいります。

○桐山委員 ありがとうございます。これまで都内を十四区域に分けられておりまして、今までは平成十二年の東海豪雨を想定した浸水区域図ということで、水防法の改正を受けて今、鋭意努力をしながら、流域の改定を進めていらっしゃるということです。
 これまで、今もご答弁があったように、改定をされたところ、まだ改定をされていないところということで、ばらつきがあるのはやむを得ないことかなというふうに思っておりますが、今回、流域の浸水予想区域図がもう既に改定をされて、新しい、いわゆる今まで平成十二年の東海豪雨を想定した浸水予想区域図よりも、さらに浸水範囲が広がっているというような区域図になっているかと思います。
 それを受けて区市町村がハザードマップを作成されて、全市民、区民に配布をするという現状の中で、今回、早急に改定をされているところと、まだ流域が重なっているところは都のホームページを利用しながら、リンクを張られて公表されているとか、さまざまだと思うんですが、冒頭に河川の被害状況をお伺いした際に、浅川流域ですとか秋川、平井川流域ですとか、そういったところの今回護岸崩壊箇所ですとか、溢水箇所がかなり出ているということでした。
 そこは改定がまだなされていないという現状の中で、いってしまえば、以前のハザードマップに基づいて、それらの住民の方々は今回初めて、先ほども出ておりました自主避難所を設置されている自治体がかなり多かったと思うんですけれども、そういった想定し得る豪雨の浸水予想区域の部分で、きちっと避難が的確にされていたのかどうかというところも、今後ぜひ検証をしていただきたいというふうに思っておりますので、相当急いで改定を進めていらっしゃることは十分承知をしているんですけれども、古いハザードマップと、新しくできている流域のところと、やっぱりまだ差があるのは仕方がないんですが、地域住民の命と安全、財産を守るために、全力をぜひ尽くしていただきたいことを要望させていただきたいと思います。
 また、情報ということで、滝田委員からも、高倉委員からもありましたけれども、やっぱり水位計ですとかライブカメラの増設など、こういった想定区域図とあわせて、そちらの方も大変重要ですので、ぜひそちらの方の増設などもご検討いただきますように、私からも要望させていただきたいというふうに思います。
 以上で浸水予想区域図については終わります。
 次に、多摩地域の都市計画道路のネットワークの形成についてお伺いいたします。
 都市計画道路は、地域の生活道路の安全性を守るために、渋滞の解消、あるいは防災性の向上、区市町村道で対応できない円滑な交通を確保するなど、地域のまちづくりにおいても重要な役割を担っているということを申し上げておきたいと思います。
 多摩地域の潜在力を引き出し、その活力を一層高めていくためには、地域の生活や産業を支える道路ネットワークを拡充、強化し、人、物、流れをスムーズにすることが不可欠でございます。区部と多摩地域の都市計画道路の完成率を比べますと、区部は六五・六%であるのに対し、多摩地域は六一・四%と整備がおくれています。
 今後も計画的、重点的に整備を進めていくことが何よりも重要かと思いますが、そこで、多摩地域の都市計画道路のネットワークの形成に向けた取り組みについてお伺いいたします。

○村井道路建設部長 これまで都は、調布保谷線など多摩南北主要五路線や、東八道路など多摩東西主要四路線を初めとする骨格幹線道路の整備を重点的に進めてきております。また、生活道路への通過交通の流入抑制など、地域の安全性向上に資する地域幹線道路の整備を推進しております。
 引き続き、多摩地域の都市計画道路ネットワークの形成に取り組んでまいります。

○桐山委員 ありがとうございます。調布保谷線の三鷹市内、武蔵野市内の一部暫定二車線、この区間というものは私もよく利用させていただくんですが、長年、二車線だったなというふうに思っているんですが、本年九月に四車線で交通開放されて、私も四車線になってから車で走行してみましたけれども、非常に快適でして、整備効果を実感することができました。
 また、久我山の方に流れる放射五号ですかね、そこもたまたま車で走行したんですけど、この道は何だと思いながら、本当に快適で、ナビに全然映らなかったんですよ。どこに出るんだと思ったら、東八につながって、おお、これが放射五号かというのを後で知って、非常にそちらの方も快適に通行ができたという感想を持たせていただいています。
 放射五号もそうですが、調布保谷線の開通もそうですが、やはりこういった道路を完全に開通させるまでには、本当に長い年月を要したというふうに聞いております。道路というものは、もちろん計画道路線上には生活をされている地権者がいるという大前提の中で、一朝一夕には整備が進むものではないというふうに思います。これは、やはり地道に、丁寧に対応して、協力を得ることで整備が進んで、道路として大きな効果が発揮できるのではないかなというふうに思いますので、今後も整備を着実に進めるためにも、ぜひ都市計画道路の整備を推進することを要望しておきたいというふうに思います。
 次に、都市計画道路における都県間のネットワークの形成についてお伺いいたします。
 調布保谷線、またちょっと調布保谷線なんですが、地元です。西武池袋線以北を含めまして、先ほども申し上げましたが、全線で開通をしておりますが、こちらは埼玉県側の都市計画道路がまだ未整備であるために、接続先が埼玉県境を東西に走る二車線の練馬所沢線のみでございます。
 交差部分で渋滞も発生をしている現状の中で、近い将来、お隣、練馬、これは北園からうちの西東京に入ってくる放射七号線というものが整備がされてまいりますと、西東京の三・二・六号線とのネットワークが組まれてまいります。そうすると、関越自動車道の大泉インターチェンジを利用する車の交通量が増加することが想定されておりまして、さらなる道路混雑に伴う周辺住宅の住環境の悪化というものも懸念されております。
 この都県間のネットワークを形成するための道路というものは、私は大変重要であるというふうに思っておりますし、第四次事業化計画の中でも、こちらの方もうたっているかと思います。
 そこで、調布保谷線と埼玉県内の都市計画道路との接続についての都の取り組みをお伺いいたします。

○村井道路建設部長 埼玉県境につきましては、東京都・埼玉県道路橋梁調整会議において、調布保谷線と接続いたします保谷朝霞線を含めた個別路線の情報を共有するとともに、事業化に向けた課題やスケジュールなどの調整を行っております。
 保谷朝霞線については、埼玉県が都県境から産業道路までの約一・七キロメートルの区間で、本年九月に都市計画変更素案説明会を開催しておりまして、今年度内を目途に都市計画変更を行うと聞いております。
 今後とも埼玉県と連携しながら、都県境の道路ネットワークの形成に積極的に取り組んでまいります。

○桐山委員 ありがとうございます。今のご答弁にありましたように、ああ、やっとつながるのかというふうな印象を持っております。埼玉県が九月八日、九日に、今もご答弁にありましたように、都市計画変更素案の説明会が開催されました。私もみずから出席をしてまいって、その状況を確認してきました。
 調布保谷線から埼玉県の産業道路まで優先的に進めていくというような変更でございまして、これは私、市議会議員が長かったんですが、市議会時代から申し上げているんですが、やはり道路はつながらないと意味がないということで、東京都で完結してもらったら困るので、ぜひこういった都県境を越えた道路のネットワークというものを引き続きしっかりと他県と協議を重ねていっていただきたいなというふうに思いますので、引き続きよろしくお願い申し上げます。
 次に、また地元で申しわけありませんが、西東京市内の都市計画道路の取り組み状況についてお伺いします。
 西武池袋線ひばりヶ丘駅北口におきましては、長年の懸案として北口のまちづくりを進めてまいりました。西東京三・四・一三号線と道路ネットワークが形成される西東京施行の西東京三・四・二一号線は、西武池袋線ひばりヶ丘駅北口駅前広場の整備を含めまして、本年三月に開通し、地域のまちづくりが大きく進もうとしております。
 また、隣接する埼玉県新座市においても、これにつながる都市計画道路について地元説明会が開催されるなど、事業化への熟度も高まっています。
 この道路に隣接する西東京三・四・一三号線を都が整備することで、西武池袋線ひばりヶ丘駅北口の利便性がさらに強化され、多くの市民が待ち望んでおります。この西東京三・四・一三号線の取り組み状況についてお伺いいたします。

○村井道路建設部長 西東京三・四・一三号線のうち、第四次事業化計画の優先整備路線に位置づけられております延長約百九十メートルの区間につきましては、現在、道路構造等の検討のため道路予備設計を実施しておりまして、年内の事業着手を目指しております。
 今後とも地元市と連携しながら、本路線の整備に着実に取り組んでまいります。

○桐山委員 ありがとうございます。年内の事業着手を目指しているということで、前向きな答弁をいただいております。
 これもお隣の新座市、これもまた県を超えるんですけれども、こういったところでしっかりと協議を進めていって、地元市と連携しながら進めていっていただくよう要望しておきます。
 以上でこちらの都市計画道路については終わりたいと思います。
 次に、踏切対策についてお伺いいたします。
 地元西東京では、西武池袋線と西武新宿線、東西の線路として五駅、うちの中にはあります。そして、おのおのの駅では、踏切対策が急務な課題として挙がっている現状でございます。
 その中でも現在、計画的に進められてきているのが西武新宿線です。さきに高倉委員の方から、そして藤井委員の方からも質疑がありましたが、西武新宿線にはまだ多くの踏切が残されておりまして、渋滞や踏切事故をなくすためにも、一日も早く踏切を解消する必要がございます。
 こうした中で、西武新宿線井荻駅から西武柳沢駅間につきましては、本年二月、地元説明会には多くの住民が出席するなど、関心の高さがうかがえました。これも私も出席をしてまいりました。また、地元西東京においても、一日も早くこの踏切を解消してもらいたいという声も聞いているところです。
 さきの第一回定例会においても、一般質問の中でも質問させていただきましたが、本区間における踏切を解消するためには、鉄道立体化をすることが重要だと考えております。
 そこで、西武新宿線の井荻駅から西武柳沢駅間の鉄道立体化について、説明会以降の取り組み状況についてお伺いいたします。

○村井道路建設部長 都では、本年二月の都市計画素案説明会以降、都市計画案や環境影響評価書案の作成に取り組むとともに、地元区市と連携して情報発信を行っております。
 具体的には、オープンハウスや個別訪問を通じて駅周辺のまちづくりや連続立体交差化計画について説明を行っております。
 引き続き、地元区市や鉄道事業者と連携して地元住民に丁寧に説明を行い、早期事業化に向けて取り組んでまいります。

○桐山委員 この区間の鉄道立体化事業については、さきの第三回定例会の中でも陳情が出されていて、継続審査となっている案件でもあるとは思います。
 今後も丁寧な説明と対応をお願いするところなんですけれども、地元としては大変機運も上がっておりまして、今もご答弁にあったように、市の職員が個別訪問しながら、東伏見駅の鉄道立体化にあわせた周辺のまちづくりについてどうあるべきかですとか、この駅周辺のまちづくり構想を策定したことにより、期待も高まっているところでございますので、一日も早い整備の声も上がっておりますので、事業がおくれないように要望しておきたいと思います。
 次に、都立東伏見公園の整備状況についてお伺いいたします。
 都立東伏見公園は、西東京市東部に位置する新しい都立公園です。公園の近くには早稲田大学のキャンパスや、古く縄文時代から人々の活動の拠点として集落があるとされ、国の史跡として認定をされた下野谷遺跡、特別緑地保全地区に指定されている東伏見稲荷神社の森や、石神井川が隣接するなど、水と緑に恵まれた立地条件にあります。
 都立東伏見公園は平成十三年に整備計画が作成をされまして、道路、河川、公園が一体となった水と緑の都市空間が創出されることとなりました。今後、南側には石神井川が流れる恵まれた環境を生かした整備を進めていくことで、さまざまなレクリエーションが楽しめ、災害時にはさまざまな活動の拠点としての役割を果たす公園となってまいります。
 東伏見駅周辺のまちづくり構想においても、石神井川に育まれた里、縄文から未来に続く東伏見として、水と緑のネットワークとして柳沢駅周辺においても隣接する東伏見公園に対する地域の期待も高まっております。
 まず、現在の整備状況についてお伺いいたします。

○細川公園計画担当部長 東伏見公園につきましては、本年九月に約一・一ヘクタール拡張し、開園面積約五ヘクタールとなっております。
 新たに開園した区域には、幼児用遊具のほか、ストレッチや腹筋を行うベンチなど十二種類の健康器具を整備し、幼児から大人まで幅広い年齢層の方々にご利用いただいております。

○桐山委員 東伏見公園の整備が進んできているなということはわかりました。
 本年九月にこの幼児用の遊具や健康器具の遊具の整備が完了しまして、私も週に数回、この公園でランニングなどしているので、実際見ておりますし、実際に使用しているので、よく理解をさせていただいています。
 長年の工事からやっと開放されて、土日は特に親子連れでにぎわっているという状況も見ておりますので、今後さらなるイベントなど実施されることも期待をされておりますということをお伝えしておきたいと思います。
 次に、都立東伏見公園の計画地内の中には多くの市道、いわゆる市の道路が実はございます。整備の進捗に合わせて、この市道の廃止と整備が必要になると思います。こうした市道の廃止手続等に関する今後の予定についてお伺いいたします。

○細川公園計画担当部長 事業認可区域内にある道路につきましては、これまでも接道する住宅等がなくなった後は、地元区市に道路の廃止と敷地の無償貸付等を依頼しております。
 東伏見公園におきましても西東京市に同様の依頼をしており、引き続き、市道の取り扱いについて協議を進めてまいります。

○桐山委員 市道というものが都立公園の中に入っているわけですけれども、市道というものは市の財産でもありまして、今後この廃止手続については議会の議決というものが必要になってきます。
 この廃止の手続が進んでいけば、議会でも相当な、これに対して都とどんな協議をしてきたのかというような話題になるということで、ぜひ今後とも、市道の廃止の協議に当たっては、公園周辺のまちづくりを進める市や地域ニーズも踏まえまして、整備計画の見直しも視野に入れながら取り組み、また協議を進めていただきたいと強く要望をしておきたいというふうに思います。
 次に、都立東伏見公園には大規模遊具や幼児用の遊具、広場など、先ほども答弁があったように、整備が進んでまいりました。そのことから、東伏見公園でのトイレの設置を要望する住民の声が多く寄せられております。
 東伏見公園でのトイレ整備の必要性に関する都の認識についてお伺いいたします。

○細川公園計画担当部長 東伏見公園には、トイレは一棟しかなかったことから、遊具広場の近くに新たにトイレを整備する予定でありました。
 本年一月、西東京市の建築審査会に諮り、本トイレの設置について許可されましたが、同年四月に近隣住民から審査請求が提起されております。
 引き続き、地元市と連携を図り、地域住民の理解を得ながらトイレの整備に取り組んでまいります。

○桐山委員 トイレの整備は進めていっていただきたいというふうに私からもお願いをしたいと思います。
 利用者の要望として高く、公園がまだ整備をされる箇所があるんですけれども、遊具も設置されて一部開園をした中で、もう一カ所、設置をしていただかないと、本当に子供たちがトイレに間に合わないということで、下手したら、その辺でやっちゃうという話も聞いているので、ぜひそういった要望に応えられるようにしていただきたいというふうに思います。
 一方で、今お話にあったように、いわゆる公園に面している住民の方々が、突然、我々の家の前に、入り口がこっち向いてトイレが設置されるということを聞いてしまったんだと、それはないだろうということで、反発の声が起こっているということで、昨日二十五日も審査請求に伴う口頭審査というものも開かれたところです。
 まだまだ納得が得られないという近隣の怒りもある中で、場所の変更案も視野に入れて、ぜひご検討いただきたいということを私からも要望しておきたいというふうに思います。
 公園については以上です。
 最後です。それに隣接をいたしております石神井川の東伏見地区の整備内容についてと、時間がありませんので、この東伏見公園内、石神井川の整備状況、内容と整備状況あわせてお伺いをしたいと思います。

○小林河川部長 溜渕橋下流の武蔵関公園から東伏見公園に至る区間におきましては、護岸整備にあわせて、管理用通路を川沿いの緑豊かな遊歩道として整備し、水と緑のネットワークの形成を図っております。
 東伏見公園内におきましては、水辺に近づきやすい緩傾斜護岸を整備するなど、河川と公園で一体的な整備を行い、良好な水辺空間の創出を図ってまいります。
 また、整備状況でございますけれども、平成二十五年三月に坂下橋から柳沢橋までの三百メートルの区間で事業認可を取得し、事業に着手いたしました。現在、用地取得を進めており、事業用地がまとまって確保できた箇所から護岸の整備を実施しております。
 水害から都民の命と暮らしを守るとともに、地域住民に潤いと安らぎを与える貴重な空間を創出するため、公園などとも連携し、着実に河川整備を進めてまいります。

○桐山委員 ちょっと最後、済みません、駆け足になってしまいましたが、石神井川の護岸整備ということで、東伏見公園の計画地内を流れるということで、公園の整備と連携を図りながら現在事業を進めていっていただいております。
 水と緑に親しめて、歩きたくなるような空間が創出されることを望んでおりますので、まだ地権者の方々もいらっしゃいますので、ぜひこちらも地元に対して丁寧な対応をお願いしていきたいと思います。
 また引き続き、都市計画道路、あるいは地元の東伏見公園など進行管理を進めてまいりますので、またたびたび質問するかと思いますが、よろしくお願いいたします。
 以上で質問を終わります。

○細谷委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○細谷委員長 異議なしと認め、事務事業及び報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で建設局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後十時五十七分散会

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