委員長 | 栗下 善行君 |
副委員長 | 関野たかなり君 |
副委員長 | 里吉 ゆみ君 |
理事 | 米川大二郎君 |
理事 | 上野 和彦君 |
理事 | 三宅 正彦君 |
田村 利光君 | |
細田いさむ君 | |
原田あきら君 | |
西沢けいた君 | |
平 慶翔君 | |
入江のぶこ君 | |
森村 隆行君 |
欠席委員 なし
出席説明員環境局 | 局長 | 吉村 憲彦君 |
次長 | 奥田 信之君 | |
総務部長 | 谷上 裕君 | |
環境政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 | 若林 憲君 | |
政策調整担当部長 | 和田 慎一君 | |
地球環境エネルギー部長 | 小川 謙司君 | |
次世代エネルギー推進担当部長 | 山田 利朗君 | |
環境改善部長 | 筧 直君 | |
環境改善技術担当部長 | 志村 公久君 | |
自然環境部長 | 近藤 豊君 | |
資源循環推進部長 | 宮澤 浩司君 | |
調整担当部長 | 風祭 英人君 | |
資源循環計画担当部長 | 金子 亨君 | |
建設局 | 局長 | 三浦 隆君 |
次長 | 今村 保雄君 | |
道路監 | 奥山 宏二君 | |
総務部長 | 杉崎智恵子君 | |
用地部長 | 山本 明君 | |
道路管理部長 | 前田 豊君 | |
道路建設部長 | 村井 良輔君 | |
三環状道路整備推進部長 | 大庭 孝之君 | |
公園緑地部長 | 古川 浩二君 | |
河川部長 | 小林 一浩君 | |
企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 | 村上 清徳君 | |
総合調整担当部長 | 植村 敦子君 | |
道路保全担当部長 | 花井 徹夫君 | |
道路計画担当部長 | 若林 茂樹君 | |
公園計画担当部長 | 細川 卓巳君 |
本日の会議に付した事件
環境局関係
第三回定例会提出予定案件について(説明)
・高圧ガス保安法関係手数料条例の一部を改正する条例
・液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律関係手数料条例の一部を改正する条例
・火薬類取締法関係手数料条例の一部を改正する条例
・電気工事士法関係手数料条例の一部を改正する条例
・地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した都民の健康と安全を確保する環境に関する条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例の報告及び承認について
報告事項(説明)
・私債権の放棄について
・カドミウムに係る暫定排水基準の見直しの状況について
建設局関係
第三回定例会提出予定案件について(説明)
・中川護岸耐震補強工事(その四十七)請負契約
陳情の審査
(1)一第三三号 西武鉄道新宿線(井荻駅から西武柳沢駅間)の連続立体交差事業に関する陳情
○栗下委員長 ただいまから環境・建設委員会を開会いたします。
初めに、会期中の委員会日程について申し上げます。
お手元配布の日程のとおり、理事会において申し合わせましたので、ご了承願います。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、環境局及び建設局関係の第三回定例会に提出を予定されております案件の説明聴取、環境局関係の報告事項の聴取並びに建設局関係の陳情の審査を行います。
なお、提出予定案件及び報告事項につきましては、本日は説明を聴取し、資料要求することにとどめ、質疑は会期中の委員会で行いますので、ご了承願います。
これより環境局関係に入ります。
初めに、第三回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。
○吉村環境局長 令和元年第三回定例会に提出を予定しております環境局関係の案件につきまして、概要をご説明申し上げます。
お手元の資料1、令和元年第三回都議会定例会提出予定案件の概要をごらんください。
今回提出を予定しております案件は、条例案四件及び専決処分の報告及び承認案一件でございます。
表紙をめくって一ページをお開き願います。
まず、条例案の概要につきましてご説明申し上げます。
本年十月に予定されております消費税及び地方消費税の税率の引き上げによる地方公共団体の手数料の標準に関する政令の一部を改正する政令の施行などに伴い、改正を要する条例が四件ございます。
1、高圧ガス保安法関係手数料条例の一部を改正する条例については、高圧ガス製造保安責任者試験手数料及び高圧ガス販売主任者試験手数料の額などを改めるものでございます。
2、液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律関係手数料条例の一部を改正する条例については、液化石油ガス設備士試験手数料の額などを改めるものでございます。
3、火薬類取締法関係手数料条例の一部を改正する条例については、火薬類保安責任者試験手数料の額を改定するものでございます。
4、電気工事士法関係手数料条例の一部を改正する条例については、電気工事士免状交付手数料、電気工事士免状再交付手数料及び電気工事士免状書きかえ手数料の額を改定するものでございます。
続きまして、専決処分の報告及び承認案の概要につきましてご説明申し上げます。
地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した都民の健康と安全を確保する環境に関する条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例の報告及び承認についてでございます。
二ページをお開き願います。排水基準を定める省令の一部を改正する省令の一部を改正する省令の施行と同時に、都民の健康と安全を確保する環境に関する条例の一部を改正する条例の一部を改正する必要が生じましたが、議会を招集する時間的余裕がないことが明らかであったため、地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づく知事の専決処分により所要の措置を講じ、本年六月二十七日に条例第十八号として公布し、同年七月一日付で施行いたしました。本件は、そのご報告及びご承認を求めるものでございます。
以上、今定例会に提出を予定しております案件の概要につきましてご説明申し上げました。
詳細につきましては、引き続き総務部長からご説明申し上げます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○谷上総務部長 それでは、令和元年第三回定例会提出予定案件の詳細につきましてご説明申し上げます。
初めに、お手元の資料2をごらんください。高圧ガス保安法関係手数料条例の一部を改正する条例についてご説明申し上げます。
表紙をめくって一ページをお開き願います。
一、改正理由でございますが、消費税及び地方消費税の税率の引き上げによる地方公共団体の手数料の標準に関する政令の一部を改正する政令の施行に伴い、手数料の額を改定するほか、規定を整備する必要があるためでございます。
二、改正の内容でございますが、別表に規定する手数料の額等を資料に記載のとおり改めるものでございます。
四ページ及び五ページは本条例、六ページから八ページまでは新旧対照表でございます。
続きまして、資料3をごらんください。液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律関係手数料条例の一部を改正する条例についてご説明申し上げます。
表紙をめくって一ページをお開き願います。
改正理由でございますが、消費税及び地方消費税の税率の引き上げによる地方公共団体の手数料の標準に関する政令の一部を改正する政令の施行に伴い、手数料の額を改定するほか、規定を整備する必要があるためでございます。
二、改正の内容でございますが、別表に規定する手数料の額等を資料に記載のとおり改めるものでございます。
三ページ及び四ページは本条例、五ページは新旧対照表でございます。
続きまして、資料4をごらんください。火薬類取締法関係手数料条例の一部を改正する条例についてご説明申し上げます。
表紙をめくって一ページをお開き願います。
一、改正理由でございますが、消費税及び地方消費税の税率の引き上げによる地方公共団体の手数料の標準に関する政令の一部を改正する政令の施行に伴い、手数料の額を改定する必要があるためでございます。
二、改正の内容でございますが、別表に規定する手数料の額を資料に記載のとおり改めるものでございます。
二ページは本条例、三ページは新旧対照表でございます。
続きまして、資料5をごらんください。電気工事士法関係手数料条例の一部を改正する条例についてご説明申し上げます。
表紙をめくって一ページをお開き願います。
一、改正理由でございますが、消費税及び地方消費税の税率の引き上げによる地方公共団体の手数料の標準に関する政令の一部を改正する政令の施行に伴い、手数料の額を改定する必要があるためでございます。
二、改正の内容でございますが、別表に規定する手数料の額を資料に記載のとおり改めるものでございます。
二ページは本条例、三ページは新旧対照表でございます。
続きまして、資料6をごらんください。専決処分をいたしました都民の健康と安全を確保する環境に関する条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例についてご説明申し上げます。
表紙をめくって一ページをお開き願います。
一、条例の概要につきまして、(一)、改正理由でございますが、排水基準を定める省令の一部を改正する省令の一部を改正する省令の施行と同時に、都民の健康と安全を確保する環境に関する条例の一部を改正する条例の一部を改める必要があるためでございます。
(二)、改正内容でございますが、まず、アにありますとおり、附則第二項に定めるホウ素及びその化合物、フッ素及びその化合物の暫定基準の適用期限を平成三十一年六月三十日から令和四年六月三十日に改めるものでございます。
次に、イ、附則別表に定めるホウ素及びその化合物の暫定基準を(ア)から(ウ)までに掲げる業種について、記載のとおり改めるものでございます。
なお、その他の暫定基準につきましては、引き続き同じ基準値としております。
二ページをお開き願います。次に、ウ、附則別表に定めるフッ素及びその化合物の暫定基準を(ア)に掲げる業種について、記載のとおり改めるものでございます。
なお、その他の暫定基準につきましては、引き続き同じ基準値としております。
(三)、本条例の施行日でございますが、令和元年六月二十七日に公布し、同年七月一日付で施行しております。
二、専決処分の理由でございますが、議会の議決すべき事件について特に緊急を要するため、議会を招集する時間的余裕がないことが明らかであったためでございます。
三、報告等の根拠でございますが、地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき、条例を専決処分したので、同条第三項の規定に基づき報告し、その承認をお願いするものでございます。
三ページから六ページまでは本条例の報告及び承認について、七ページから九ページまでは新旧対照表でございます。
以上でご説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○栗下委員長 説明は終わりました。
この際、資料要求のある方は発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○栗下委員長 なければ、資料要求はなしと確認させていただきます。
○栗下委員長 次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。
○谷上総務部長 東京都債権管理条例第十三条に基づき、環境局が平成三十年度に実施した私債権の放棄についてご報告させていただきます。
お手元の資料7、私債権の放棄についてをごらんください。
平成三十年度に放棄した私債権は、環境保全資金融資あっせん事業における補助金返還の一件、金額は四万二千三百二十五円でございます。
当該債権は、東京都環境保全資金融資あっせん事業に係る信用保証料補助金について、平成十六年度分及び平成十七年度分を交付したところ、平成十八年度に繰り上げ償還がなされ、都に対して信用保証料補助金の返還が必要となったもので、平成十九年度から債務の返済が滞っている状況でございます。
これまで債務者に対しまして、徴収に向けて督促を行ってまいりました。しかし、当該債権は、平成二十四年度に消滅時効に係る時効期間が経過し、また、債務者についても行方不明の状態で時効援用の確認を得ることができません。
時効完成後も徴収努力を行ってまいりましたが、その後も債務者の所在が確認できなかったため、平成三十一年三月に当該債権の放棄を実施したところでございます。
以上、私債権の放棄につきましてご説明申し上げました。どうぞよろしくお願いいたします。
○近藤自然環境部長 お手元の資料8をごらんください。カドミウムに係る暫定排水基準の見直しの状況についてご報告申し上げます。
1の背景でございます。水質汚濁防止法に基づく公共用水域への排水基準のうち、カドミウムについては、一リットル当たり〇・〇三ミリグラムの一般排水基準が設けられております。
ただし、一般排水基準を達成することが困難な一業種について暫定排水基準を適用しており、十一月三十日で適用期限を迎えます。
しかし、排水の排出実態や排水処理技術の開発動向等により、依然として一般排水基準を達成することが困難であるため、国は省令の附則の改正により、適用期限の延長を行う予定でございます。
2の国が検討している暫定排水基準の見直しの方向性でございます。七月十七日に開催された中央環境審議会水環境部会排水規制等専門委員会において、金属鉱業に適用している暫定排水基準の適用期限を令和三年十一月三十日まで二年間延長する案が示されております。
七月三十日から八月三十日にパブリックコメントを実施した後、九月に開催予定の中央環境審議会水環境部会で決定される見込みでございます。その後、省令附則の改正が行われ、十月に公布される予定となっております。
3の都の対応でございます。これまでどおり、省令附則の改正に合わせて環境確保条例の改正を行う予定でございます。
4の本見直しによる都内事業者への影響でございますが、金属鉱業の届け出事業者は都内にないため、都内事業者への影響はございません。
以上、簡単ではございますが、カドミウムに係る暫定排水基準の見直しの状況についてご報告申し上げました。よろしくお願い申し上げます。
○栗下委員長 報告は終わりました。
この際、資料要求のある方は発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○栗下委員長 なければ、資料要求はなしと確認させていただきます。
以上で環境局関係を終わります。
○栗下委員長 これより建設局関係に入ります。
初めに、第三回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。
○三浦建設局長 第三回定例会に提出を予定しております案件につきましてご説明を申し上げます。
お手元配布の環境・建設委員会資料(建設局所管分)をごらんいただきたいと存じます。
今定例会でご審議いただきますのは、中川護岸耐震補強工事(その四十七)契約案一件でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
詳細につきましては、総務部長よりご説明をいたします。
○杉崎総務部長 第三回定例会提出予定案件の内容につきましてご説明申し上げます。
資料1をごらんください。契約案につきましてご説明申し上げます。
表紙をおめくり願います。今回提出を予定している契約案一件の件名は、目次に記載のとおりでございます。
一ページをお開きください。中川護岸耐震補強工事(その四十七)でございます。
本工事は、最大級の地震が発生した場合においても浸水防止機能を保持するため、延長三百五・四メートルにおいて河川土工などを行い、護岸の補強を図るものでございます。
工事場所は葛飾区立石八丁目地内、契約の相手方は清水建設株式会社、契約金額は十七億四千二百八十三万二千三百円、工期は令和三年二月二十六日までとする工事請負契約を一般競争入札により締結しようとするものでございます。
二ページをごらんください。本件工事の案内図でございます。丸で示しておりますのが施工箇所でございます。
三ページをごらんください。構造物の形状は、平面図及び標準断面図のとおりでございます。
以上で令和元年第三回定例会提出予定案件の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○栗下委員長 説明は終わりました。
この際、資料要求のある方は発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○栗下委員長 なければ、資料要求はなしと確認させていただきます。
○栗下委員長 次に、陳情の審査を行います。
陳情一第三三号を議題といたします。
理事者の説明を求めます。
○村井道路建設部長 それでは、お手元の資料2、一ページにございます陳情審査説明表の整理番号1、陳情一第三三号をお開き願います。
本件は、西武鉄道新宿線井荻駅から西武柳沢駅間の連続立体交差事業に関する陳情で、西武新宿線(井荻駅-西武柳沢駅)沿線住民の会代表井上由美さん外二千五百七十八人から提出されたものでございます。
陳情の要旨は、西武鉄道新宿線井荻駅から西武柳沢駅間の連続立体交差事業を地下方式で実現していただきたいとのことでございます。
続きまして、現在の状況でございますが、本区間には、補助第二二九号線、千川通りなどと交差する二十カ所の踏切がございまして、そのうち十二カ所があかずの踏切であるため、慢性的な交通渋滞や地域の分断が生じております。
また、地元沿線自治体の杉並区、練馬区、西東京市からは、区市長、議長、地元の自治会などで構成される団体から連続立体交差事業の早期事業化の要望を受けますとともに、各区市では駅周辺におきまして駅前広場などのまちづくりに取り組んでおります。
こうした状況のもと、都では事業化に向けた検討を進め、平成二十九年四月、国から着工準備採択を受けまして、本年二月には都市計画素案説明会を開催し、都市計画の手続を開始いたしました。
本区間の鉄道の構造形式を検討したところ、周辺の地形などの地形的条件につきましては、高架方式、地下方式の両案とも施工可能ではありますが、地下方式では石神井川との離隔の確保や水道幹線などの回避により縦断線形が複雑となります。
計画的条件につきましては、両案とも十九カ所の踏切を除却できますが、地下方式では東伏見駅西側の市道と交差するアンダーパスの箇所が掘り割り区間となるため、通行ができなくなります。
事業的条件の事業費につきましては、高架方式では約一千七百十億円に対しまして、地下方式では二千四百七十億円と七百億円以上の差がございます。これらの三つの条件から総合的に判断いたしまして高架方式を選定し、都市計画素案にまとめているところでございます。
環境への影響につきましては、東京都環境影響評価条例に基づきまして、騒音や振動、日影などの環境に及ぼす影響の予測、評価を行い、環境保全のための必要な対策につきまして適切に対応してまいります。
引き続き、地域住民に丁寧な説明を行いますとともに、地元区市や鉄道事業者と連携いたしまして、本区間の連続立体交差事業の早期事業化に向けて取り組んでまいります。
説明は以上でございます。よろしくご審査のほどお願い申し上げます。
○栗下委員長 説明は終わりました。
本件について発言を願います。
○関野委員 それでは、陳情に関して幾つか質疑をさせていただきます。
スムーズで安全な道路交通を実現していくには、あかずの踏切といった課題を抜本的に解決する連続立体交差事業の推進が重要になってくると考えております。
今回の西武新宿線の井荻から西武柳沢駅間については、沿線自治体から連続立体交差事業の早期事業化の要望が出されているということですが、初めに、本区間に対する各区市からの要望について改めてお伺いをいたします。
○村井道路建設部長 本区間の沿線自治体からの要望につきましては、平成二十八年四月に杉並区の区長及び地元の西武新宿線沿線各駅まちづくり協議会会長から、平成三十年三月に練馬区の西武新宿線立体化促進協議会会長から、平成三十年七月には西東京市の市長及び市議会議長から、連続立体交差事業の早期事業化に関する要望を都は受けております。
○関野委員 ありがとうございます。答弁では、区長や議会、地元地域の関係者から要望があったとのことですが、今回の陳情者の地域である練馬区における西武新宿線立体化促進協議会はどのような会員で構成されているのか、この点についてお伺いをいたします。
○村井道路建設部長 練馬区の西武新宿線立体化促進協議会は、会長が区長、副会長が区議会議長などとなっておりまして、そのほか沿線地域の十四の町会や自治会を初め、商店会、小学校PTA、中学校PTAの会長などから構成されております。
○関野委員 ありがとうございます。団体の構成については理解いたしました。
では、今回の陳情者の理由として、練馬区長が区議会における所信表明の内容など、陳情者の方の内容としては幾つか理由も述べられておりますが、この西武新宿線立体化促進協議会からの具体的な要望内容についてお伺いをいたします。
○村井道路建設部長 要望内容は、西武新宿線井荻駅から東伏見駅付近の連続立体交差化の早期事業化に向けて積極的に取り組みを進めること、上井草駅、上石神井駅、武蔵関駅周辺地区において取り組んでいるまちづくりを早期に実現できるよう、支援や協力を行うことなどでございます。
○関野委員 今の答弁を踏まえると、促進協議会からは高架方式、地下方式にかかわらず、早期事業化の要望を受けているということがわかりました。
また、構造形式については、先ほど高架方式を選定した理由の説明がありましたが、では、事業費については、私は大きな要因であると考えておりますが、高架方式及び地下方式における事業費の内訳についてお伺いをいたします。
○村井道路建設部長 高架方式については、総事業費約一千七百十億円のうち、工事費が約一千三百三十億円、用地費が約三百八十億円でございます。
また、地下方式については、総事業費二千四百七十億円のうち、工事費が約二千二百億円、用地費が二百七十五億円でございます。
○関野委員 工事費は地下方式の方が高く、一方、用地費は高架方式の方が高くなっているということですが、もう少し詳しくお伺いをいたします。
高架方式と地下方式における工事費の用地費の差の理由についてお伺いをいたします。
○村井道路建設部長 工事費につきましては、高架橋を構築する高架方式に比べ、トンネルや駅舎などを地下に構築する費用がかさむため、地下方式が高くなっております。
用地費については、地下方式の場合、鉄道構造物による用地取得のみとなりますが、高架方式の場合は、鉄道構造物に加え、側道の用地取得が生じることから、費用としては高くなっております。
○関野委員 ありがとうございます。それぞれの構造形式における事業費の差を確認させていただきました。
では、各自治体、または鉄道会社、いろいろと負担が出てくると思いますが、事業費に対する負担割合についてお伺いをさせていただきます。
○村井道路建設部長 連続立体交差事業の事業費負担割合は、国土交通省が定める都市における道路と鉄道との連続立体交差化に関する要綱などに基づき、都市側と鉄道側の負担割合が決められております。
区部では、国が約四二%、都が約三〇%、区が約一三%、鉄道事業者が約一五%となっております。
多摩部では、国が約四五%、都が約三二%、市が約一三%、鉄道事業者が約一〇%となっております。
○関野委員 ありがとうございます。高架方式により、地下方式は七百億円以上の差があるということになりますと、今のお話でいえば、区、市は一三%ですから九十億円近く、鉄道事業者においては一五%ですから百億円程度の追加の予算が必要になることというふうに考えます。
仮に地下方式を選定する場合の大きな課題としては、この負担増について、各機関の理解を得る必要があると思います。現状、私も市議会というのを経験したところからすると、区、市への負担が九十億となると、区、市の財政状況からはなかなか難しいのかなというのが私の経験上、私自身で感じておりますが、ただ、いずれにせよ、今回、地権者及び周辺の住民の方からこういった陳情が上がっております。
連続立体交差事業を進めるに当たって、やはり住民に対して丁寧な対応が必要ではないかなというふうに感じておりますが、今後の住民対応の進め方についてお伺いをいたします。
○村井道路建設部長 これまで都市計画素案説明会を本年二月に延べ四日間にわたりまして開催し、鉄道の構造形式や施工方法などの計画内容を説明し、質疑応答を行っております。
今後、都市計画や環境影響評価の手続を進める中で意見を伺い、都の考え方を説明するとともに、個別の問い合わせに対しても丁寧に対応してまいります。
○関野委員 これまでの質疑により、地域の要望内容や事業費の差、住民への対応についてお伺いをさせていただきました。
連続立体交差事業は、踏切除去による渋滞の解消のみならず、踏切の事故がなくなるなど、地域にとっても安全性が向上する、極めて効果の高い事業であると考えております。
また、今後の予定として、住民説明会が行われた後に都市計画審議会が行われ、その後に都市計画決定するという流れになることから、本件については今後、住民への説明や対応についても丁寧に行っていただきたいということをここで要望するとともに、本件については継続審議を求め、私の質疑を終了させていただきます。
○田村委員 都内にはいまだ多くの踏切が残されており、慢性的な交通渋滞が発生するとともに、道路ネットワークを形成する上で大きな妨げとなっています。
このような問題を解決するために、数多くの踏切を同時に除却する連続立体交差事業を進めることは必要不可欠であり、これまで我が党においても事業を促進してまいりました。
さて、今回の西武新宿線の連続立体交差事業の陳情は、鉄道の構造形式に関して地下方式で実現してもらいたいというものでありますが、そこで何点か質問させていただきます。
まず、東京都がこれまで実施してきた連続立体交差事業について、高架方式と地下方式での実績についてお伺いします。
○村井道路建設部長 都では、事業中を含めましてこれまでに四十三カ所で事業を実施してきておりまして、三百九十五の踏切を除却いたしました。
これらの四十三事業のうち、高架方式が三十四事業、地下方式が九事業となっております。
○田村委員 鉄道の構造形式については、それぞれの地域の状況などを踏まえて適正に選定され、効率よく事業を進め、都内の踏切の除却を果たしてきたものと考えられます。
次に、鉄道立体化の構造形式はどのように決定するのか伺います。
○村井道路建設部長 本区間については、平成二十九年四月に国から連続立体交差事業の着工準備採択を受け、構造形式や施工方法などの検討を進め、平成三十年十二月に国と構造形式などに関する比較設計協議をまとめました。
これを受けまして、本年二月に都市計画素案説明会を開催し、鉄道の構造形式については、地形的、計画的、事業的の三つの条件から総合的に判断いたしまして、高架方式を選定したことを説明し、参加者から質問や意見を伺いました。
今後、都市計画案及び環境影響評価書案の説明会において、鉄道の構造形式や施工方法について説明を行い、その後、都市計画審議会を経て、鉄道の区域や構造形式について都市計画決定されます。
○田村委員 鉄道立体化の構造形式の決定プロセスについてはわかりました。
いずれにしても、連続立体交差事業は数多くの踏切を除却する重要な事業であり、着実に進めていくべきです。
しかし、検討すべき課題もあります。また、現段階では、都市計画手続中であることから、継続審査としてさらに議論を深めていくべきであることを申し上げ、私の発言を終わります。
○細田委員 私からも何点か質疑をさせていただきます。
都内には、いまだ約千五十カ所になる踏切が残されております。交通渋滞や事故の原因になるなど、経済活動や都民の暮らしの支障となるほか、地震など災害時には救急活動などの妨げになるおそれもあります。
これらを解消していくための都市基盤整備、まさに連続立体交差事業などでございますが、都民の声に応えて推進していくこと、とても重要なことだと考えております。この視点から伺わせていただきます。
井荻駅から西武柳沢駅間において、いわゆるあかずの踏切がありますけれども、地域からは長時間連続して踏切が閉まっていてあかない、渡れない、交通混雑の原因となっているとの声がありますけれども、あかずの踏切の定義、並びに本区間における状況はいかがでしょうか、都に説明を求めます。
○村井道路建設部長 いわゆるあかずの踏切は、朝夕の通勤時間帯などピーク一時間当たり遮断している時間が合計で四十分以上の踏切をいいます。
本区間には踏切が二十カ所あり、このうち千川通りにある上井草第二号踏切など十二カ所のあかずの踏切が存在いたします。
○細田委員 一時間当たり、連続ではないけれども二十分間は通行できて、四十分間以上は渡れないと、こういうようなボトルネックの踏切が十二カ所、全体の五分の三存在しているということで、歩行者ボトルネック踏切などの解消は、安全で快適なまちづくりに向けて喫緊の課題であります。
こうした課題を解決する連続立体交差事業の事業化に向けて、ことしの二月に都市計画素案の説明会を開催したということでありますけれども、都市計画素案説明会における都の説明の内容、それから参加者の方々から出された質問、ご意見についてお尋ねいたします。
○村井道路建設部長 本説明会には延べ約千六百人の参加者があり、パンフレットやスライドを用いて、鉄道の構造形式や施工方法などについて説明を行いました。
参加者からは、鉄道の構造形式を高架方式とした理由や騒音などの環境への影響、今後のスケジュールなどについて質問や意見を伺いました。
○細田委員 次に、鉄道の構造形式の選定に当たりまして、もしこれが地下方式になった場合、先ほど、冒頭のご説明でもありましたけれども、西東京市のアンダーパスの通行が不可能になり、地域が分断されてしまう、困るという声が地域の住民の利便性を損なうとの声が届いています。
もともとこの連続立体交差事業、一つの事業効果としてうたっているところには、市街地の一体化を図ることができて、総合的なまちづくりによる都市の再生、活性化に強いインパクトを与える、市街地の一体化を図ることができるということにもすごく大きな事業効果の目的、意義があり、地下方式の場合、西東京市内の東伏見駅と西武柳沢駅の中間にある西東京の市道二〇三五号線が現在、線路の下を通る一方通行のアンダーパスになっています。
地下方式にすると、地上に電車が出てくるところで道がなくなってしまって、地域に分断が生じてしまいます。アンダーパスが通行不可となるのでしょうか。どうなるのか東京都に見解を求めます。
○村井道路建設部長 鉄道が地上から地下へ移行する東伏見駅西側の区間は掘り割り構造となるため、通学路にも指定されている西東京市の市道が通行できなくなります。
○細田委員 できなくなるというご答弁でありますけれども、今回このような陳情の都民の方々からのご意見、ご要望もあります。
そういう中で、これは物理的にできないことなのか、再度確認をさせていただきます。
○村井道路建設部長 地下方式の場合、西東京市道のアンダーパスは鉄道の掘り割り構造に支障となるため、現位置における通行はできなくなります。
○細田委員 できないということで確認させていただきました。
さて、本区間の鉄道の構造形式については、都は高架方式を選定しましたが、先ほども四十三のうちの九の話がありましたけれども、同じ路線の中井駅から野方駅間については、現在地下方式で事業を実施しています。
西武新宿線の中井駅から野方駅における鉄道の構造形式について、都はいかなる理由で選定されたのでしょうか、説明を求めます。
○村井道路建設部長 連続立体交差事業の構造形式については、鉄道周辺の地形などの地形的条件、除却する踏切の数などの計画的条件、事業費や事業期間などの事業的条件、これらの三つの条件から総合的に判断して選定しております。
西武新宿線中井駅から野方駅間については、三つの条件で比較した結果、高架方式と地下方式、それぞれの評価がほぼ同等であったため、さらに都市計画として新たに定める面積を比較し、拡幅する面積が小さい地下方式を選定いたしました。
○細田委員 説明会においては、鉄道の構造形式以外にも騒音など環境への影響を心配する質問や意見もあったと聞いています。また、本陳情においても、日照や騒音などに対しての懸念が示されています。
井荻駅から西武柳沢駅間における環境への影響についてどのように対応していくつもりなのか、答弁を求めます。
○村井道路建設部長 本区間については、現在、東京都環境影響評価条例に基づき、環境に及ぼす影響の予測、評価を行っております。
今後、環境保全のための措置として、日影に対する側道や騒音に対する遮音壁の設置など必要な対策を講じ、適切に対応してまいります。
○細田委員 環境への適切な対応、ぜひ今のご答弁、実施になる場合にはしっかりとやっていただきたい、このように思います。
鉄道の構造形式の選定や環境への対応について確認させていただきましたが、東京都は引き続いて地域住民の方々のお声を伺って、その対応をしっかりと行いながら、本区間の踏切解消に向けて着実に事業を進めてもらうことを望みます。
本件は、今後、都市計画案の説明会など、都市計画手続等を通じて住民の方々がこれからもご意見を述べる機会も設けられています。先ほど関野副委員長もおっしゃっておりましたけれども、そういう状況があります。ここでさらに丁寧に、会が複数回にわたり開催されていくとともに、都民の方々が理解を深めて、早期によい方向に進んでいくことを望んでおります。
本議案は、今定例会が初回の審査でありまして、さきに他の政党の会派の方々からもご意見ございましたけれども、私も我が会派も継続して審査をしていくべきであるとの意見を表明させていただいて、質問を終わります。
○原田委員 私からも本陳情に対し質疑を行わせていただきます。
東京都はことし二月、西武新宿線の連続立体交差事業において都市計画素案を発表し、高架方式で工事を進めることを発表しました。
本陳情は、当事業の都市計画決定を前にして、本素案に対し高架方式を地下方式に改めることを求めるものであります。
西武新宿線の連続立体事業では、中野区の野方までは地下方式で行われるため、野方から先の沿線中野区民、杉並区民からは、かねてより地下化を求める声がありました。こうした声を東京都が認識していなかったはずはなく、どれほど計画に反映されたのか考えざるを得ません。
まず、基本的なことをお伺いしますが、連続立体交差事業の高架方式の選定に当たっては、東京都はどのようにかかわっているのか、西武鉄道との関係も含めて、策定過程について伺います。
○村井道路建設部長 連続立体交差事業の事業主体は東京都であります。鉄道の構造形式については、西武鉄道と締結した協定の中で、相互に協力しながら調査検討を進め、都が選定をいたしました。
○原田委員 都と西武が相互に協力し、東京都として決定したというように語りましたけれども、実態としては、西武鉄道がコンサルタントに委託、このコンサルが原案をつくり、都は後からそれを点検したり、承認したりする形でつくられていたのだと思われます。
東京都から積極的に住民要望を盛り込むよう伝えたり、あるいは東京都のまちづくりの将来像を提示するといったことが、これでは策定過程では難しいんじゃありませんか。
事業者が、連続立体となった場合の鉄道の線形を計画するまでなら理解できますが、その他の評価においては、事業者でなく、東京都が中心になる、あるいは第三者も含めて検討していかないと、事業者寄りの評価になりかねず、まちづくりの百年の計を逃すことになりかねません。
さて、今回の事業に当たって、高架方式と地下方式の比較検討を行っていますが、疑問点が幾つか浮かび上がってまいります。
まず、最も大きな疑問は、地下方式の工法が一つしか考慮されていない点です。それは、上下線のトンネルを一本ずつシールドマシンで掘る単線シールドという工法です。しかしながら、シールド工法には複線シールドといって、一つのシールドマシンで大きなトンネルを掘って、その中に上下線のレールを敷設する方法もあります。これなら直径も小さくなることで横幅も狭くなりますから、地上の用地買収が大幅に縮減される可能性が出てまいります。
西武新宿線の中井-野方間では単線シールドが計画されていますけれども、確かに横幅は十四メートルから十八メートルとされている、単線シールドだと。一方、複線シールドは十メートルから十二メートル程度で済むといわれます。
都と西武鉄道が工事の方法について比較検討を行った表を持ってきましたが、これによると、高架方式と地下方式では、鉄道の用地としての買収面積が、高架方式が六千三百平米であるのに対し、地下方式は一万一千六百平米、やはり単線シールドで掘った場合、用地の横幅が広くなる分だけ約二倍、買収面積が大きくなっています。
これが比較表です。これは見えないんで、こんなものだと思ってください。細かい文字ですけれども、これはコンサルが委託されて、東京都や西武が協議してつくったものです。これを見ると、さまざまな用地のお金が幾らとか出てくるんですけれども、さっきいったように、高架方式と地下方式では鉄道の用地としての買収面積が、高架方式が六千三百平米であるのに対し、地下方式は一万一千六百平米。単線シールドで掘っているため、用地の横幅が広くなる分だけ約二倍、買収面積が大きくなってしまう。
問題は費用です。買収面積は二倍の差があるだけなのに、費用は高架が九十億円に対して、地下は二百七十億円と三倍も高くなってしまう。
なぜそこまで高くなるのか事前に都に伺ったところ、地下方式では、用地が現在の鉄道の敷地から薄く、広くはみ出してしまうため、土地とともに上物の家屋なども削ってしまう。そのため、賠償費用が膨らんでしまうということでした。こうしたことを見ても、複線シールドにすれば土地も建物も削る部分がずっと少なくなり、費用も住民負担もぐっと圧縮される可能性が示唆されます。
そこでお尋ねします。当区間を高架方式で行う素案を作成するに当たり、地下方式について、単線シールド方式と複線シールド方式の事業比較は行ったのか伺います。
○村井道路建設部長 単線シールド工法は断面が小さく、合理的であるため、支障物との離隔の確保や縦断的に狭い空間を通過する場合に有利であります。
本区間では、石神井川や水道幹線などがあり、離隔の確保や限られた空間での施工が必要であります。このため、本区間のシールド工法は単線シールド工法で検討しております。
○原田委員 こうした工法上の難点があるかもしれないということをいっただけにすぎず、実際は複線シールドで地下化ができるのかどうかというのは検討していません。単線シールドしか検討していないんだという答弁に今のは間違いないわけです。
二千億円前後のお金をかける事業ですよ。調査費に多少のお金をかけてでも、単線か複線かぐらい検討していたっておかしい話じゃないんですよね。けれども、なぜか東京都は複線シールドの地下方式を検討しなかった。
陳情者から、横浜市が相模鉄道本線の鶴ヶ峰駅付近で複線シールドを用いて地下構造でやろうと計画していることを教えていただき、横浜市の担当者にもヒアリングしてまいりました。
横浜市が複線シールドを選択したのは、やはり現在ある鉄道の敷地内、その下にはみ出さないように敷地内におさめて、用地買収を少なくするためだとのことでした。
本陳情の西武新宿線の路線は、事業の延長距離が約五キロで、高架方式の総費用は千七百十億円、地下方式の総費用は二千四百七十億円と、約七百億円、高架方式の方が安くつきますが、相模本線の場合は、二キロ強の長さで、高架方式は五百九十億円、地下方式は七百四十億円と、約百五十億円ほどの差であり、複線シールドだからですね。西武新宿線では、線路だけでなく、車両基地の要素が入っていることを考慮しても、西武新宿線ほど大きな差がついておらず、複線シールドの効果があらわれているとの印象を受けました。シールド工法にもさまざまな新技術が確立されています。
そこでお聞きしますが、浅いトンネルでいえば、矩形シールドなど新技術も確立されてきており、矩形シールド、シールドというのは大体丸いんですけれども、端とかは丸くなるんですけれども、比較的四角い長方形のシールドというのが確立されているんですね。その場合は、トンネル断面の大幅な減少を実現することができます。このような工法の比較検討は行われたのか伺います。
○村井道路建設部長 本区間では、支障物を避けるために深い位置のトンネルとなることから、単線シールド工法を検討しております。
○原田委員 深い位置となることから単線だというんですけれども、どんなに延びても、大幅に深くなったとしても五メートルと。二十メートル、三十メートルとかずっと下でやるわけではないわけですね。そもそも、それも複線でやった場合どうなのかという検討をやっていないんです。単線でしか、一択でこの計画はつくられて、ずっと進んできているんですね。矩形シールドについても検討がされていないと。
今回の区間は、同じ西武新宿線の中井-野方間の事業と比較しても事業費が高くなっていますが、その要因の一つに、駅の開削範囲が深く広いことがあると聞いています。こういうことも矩形シールドなどの新工法であれば、開削の幅や深さを抑えることが可能なのではないのか、検討が必要になってくると私は思います。
つまり、さまざまなシールド工法の中から最適な工法の選択もなされていないではないか、そういう指摘なんです。シールド工法については、東京都はさまざまな知見と経験を有しているのですから、私も何度も質問してきましたけれども、西武鉄道に対し、もっと工法の提案などを行うべきだと思うんですね。
連立事業における高架案と地下案の比較検討には、高架案のデメリットや地下案のメリットが比較検討の項目として入れられていないことには、鉄道事業者の技術者からも疑問の声が上がり、改善に向けたさまざまな提案が行われています。高架案のデメリットが余りいわれていない、地下案のメリットがそれほど重視されていないというんですね。
二〇〇四年、運輸政策研究という雑誌に寄稿されました鉄道と道路の立体交差事業における事業評価の課題と改善方策と題された論文は、東急電鉄株式会社工事事務所課長補佐であり、運輸政策研究機構運輸政策研究所研究員である山本隆昭氏が記したものです。
山本氏は、連立事業の事業評価において、事業の評価項目として、環境や市街地の一体化等の定性的な効果の重要性が、国の費用便益、マニュアル内で指摘しつつも、いまだに十分に反映するに至っておらず、道路交通に関する効果に特化したシステムとなっている。その結果、環境面ですぐれながらも、一般的に事業費が高価な地下式に対して評価が十分なされず、結果として事業費が安価であるという理由で高架式が優先される傾向がある、こういうふうに指摘しています。地下案は、環境面とかまちづくりの面とかというのがちゃんと評価されていないんじゃないかというんですね。
さらに、もうちょっと勉強したんで、こんな事例もあったというのを紹介しますと、JR東日本の宮野義康氏は、鉄道と道路の連続立体交差事業による周辺市街地への影響についてという政策研究大学院大学の修士論文でこうおっしゃっています。
地下のメリットである環境改善効果が適切に評価されず、高架化と地下化の便益に差異が生じなくなることで、物理的な支障等の例外を除き、一般的に事業費の小さい高架化ばかりが選択されてしまっていると考えられると指摘し、JR東日本の中央線の連続立体交差事業で地下化を選択した場合、便益の増大分は約千二百億円程度という試算を示し、地下化による便益が地下化による費用の増大を上回るケースがあることも指摘しています。
そうした専門家からの指摘に一目置いた場合、注目されるのが、これも横浜市の相模鉄道での比較評価です。
まず、評価の内容ですが、騒音等について横浜市は、高架方式は騒音等は生じるが対策は可能である、地下方式は影響はほとんどないとして、地下が騒音については有利だとしたんですね。当たり前の話だと思います。
ところが、都の場合はどうなっているか。(パネルを示す)都の場合は、高架方式については振動、騒音は生じるが対応は可能である、地下方式は影響はほとんどない。開口部においては影響があるが対策は可能であるとしていて、ここからも本来は地下方式の方が優位にあると判断してもいいはずなのに、評価はどちらも一重丸。振動、対策は可能である、丸。地下方式の振動、丸。同じ評価になっちゃっているんです。
横浜市では高架と地下で明らかに差があるからと、地下の方が有利としているんですが、東京都は高架化、地下化、騒音、一緒の評価なんですね。地下部分は騒音がほとんどなくなるのは明らかなわけでしょう。横浜市の方が率直な評価だと多くの方が思われるんじゃありませんか。
評価の項目についてはどうでしょうか。横浜市には、景観、地元要望、まちづくりという評価項目があり、いずれも東京都の評価項目にはないものです。それぞれの評価ですが、景観については、効果は高架式の場合は特になしですけれども、地下化は地下化の要望があるとして有利にしている。
まちづくりについても、高架は構造物ができるため、まちづくりの自由度は低いと評価をして、地下化については地上に構造物がほとんどないため、まちづくりの自由度が高いとして、横浜市の場合は地下式に二重丸を打っています。三つの項目どれも、高架方式よりも地下方式の方がすぐれている、そうする判断です。
こうしたことから、横浜市は総合評価で、高架方式は一重の丸ですけれども、地下方式は二重丸だとして、地下方式を採用しました。
そこでお尋ねしたいと思いますけれども、横浜市のこのような姿勢に学び、都についても景観、地元要望、まちづくりのような項目を入れて評価を行うべきだと思いますが、どうでしょうか。
○村井道路建設部長 都といたしましては、連続立体交差事業の構造形式の選定に当たっては、鉄道周辺の地形などの地形的条件、除却する踏切の数などの計画的条件、事業費や事業期間などの事業的条件、これらの三つの条件から総合的に判断して選定しております。
○原田委員 要は、これまでこの三つの条件でやってきたから、今回もこれでやるんだという話ですよね。余りにも硬直的な姿勢じゃありませんか。
なお、相模鉄道の連続立体事業では、都市計画事業としては市が行うことなので、比較検討の調査も、こういう資料の作成も、それからこのマル、バツ、三角の判断も全部鉄道事業者に任せるのでなく、市が主体となって行っているとのことでした。
私が冒頭お聞きした、西武鉄道との協議というけれども、実際は西武鉄道がコンサルに委託をして、そこが資料をつくってくるのとは大違いなわけですよ。こういうことも東京都は学ばなきゃいけないんじゃないですか。
住民本位の連立事業というのを考えた際、立ち退き問題、借地問題がまちに深刻な影響を与えるものとして捉えられなければならないと考えています。
そこでお聞きしますが、住宅や商店の立ち退き、仮線方式に伴う借地による転出入など、住民への影響を最小限に抑えるべきだと考えますが、見解を伺います。
○村井道路建設部長 連続立体交差事業の用地については、鉄道の構造形式にかかわらず、地元への影響を極力抑えるため、現在の鉄道敷地内を最大限に活用しております。
○原田委員 住宅や商店の立ち退き、あるいは仮線方式による借地の影響は一応認識をしているということで、そこは重要だと思うんですけれども、ならお聞きしますが、立ち退き軒数の多寡を三つの条件の評価項目に入れていないのはなぜなのか、見解を伺います。
○村井道路建設部長 先ほどもご答弁申し上げましたが、連続立体交差事業の用地については、鉄道の構造形式にかかわらず、地元への影響を極力抑えるため、現在の鉄道敷地内を最大限に活用しております。
都は、連続立体交差事業の構造形式の選定に当たっては、鉄道周辺の地形などの地形的条件、除却する踏切の数など計画的条件、事業費や事業期間などの事業的条件、これらの三つの条件から総合的に判断して選定しております。
○原田委員 結局何も答えていないわけですよ。つまり、立ち退きや仮線方式による借地が地域に与える影響を認識しながらも、そうした地域への影響を評価項目に入れるつもりはないと。計画に影響を及ぼさない範囲で、でき得る限りの努力をするというレベルの話で、納得できません。
問題だといっているのに、なぜ評価項目に加えないのか、余りに不自然です。地下化だったらない影響が、高架化だったら立ち退きから借地から膨大にあるわけです。それが評価項目に入らないのはなぜですか。
さきに示しました相模鉄道では、高架の方が大幅に工期が長くなる比較表となっています。これについて横浜市の連立事業担当者にお聞きしてきましたが、高架の方が長期間となったのは、参考にした事例で、側道の用地買収にかなり時間がかかっており、その実績を横スライドしたことがある、そう答えました。当区間では、仮線方式によると借地も一定の規模となり、土地収用の手法も使えませんから、この用地交渉も相当長引いてもおかしくありません。
以上のように、西武新宿線の井荻―西武柳沢区間の連続立体交差事業については、高架方式と地下方式のどちらを採用するかについて、シールド工法の工夫によって経費や工期までも縮減することについても、それから環境やまちづくり、地元要望の影響を深く調査、分析するということについても、検討が尽くされていないというのが率直な現状ではないかと指摘します。検討によっては、地下方式の方が住民の悲願である踏切の除去も早く実現するかもしれない、そういう可能性もあります。
よって、地下方式のメリットについて、より広範に検討を加えるという立場から、本陳情の趣旨採択を日本共産党としては主張し、質疑を終わりたいと思います。
○栗下委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件は、継続審査とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○栗下委員長 異議なしと認めます。よって、陳情一第三三号は継続審査といたします。
以上で陳情の審査を終わります。
以上で建設局関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後二時十一分散会
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