委員長 | 栗下 善行君 |
副委員長 | 関野たかなり君 |
副委員長 | 里吉 ゆみ君 |
理事 | 米川大二郎君 |
理事 | 上野 和彦君 |
理事 | 三宅 正彦君 |
田村 利光君 | |
細田いさむ君 | |
原田あきら君 | |
西沢けいた君 | |
平 慶翔君 | |
入江のぶこ君 | |
森村 隆行君 |
欠席委員 なし
出席説明員環境局 | 局長 | 吉村 憲彦君 |
次長 | 奥田 信之君 | |
総務部長 | 谷上 裕君 | |
環境政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 | 若林 憲君 | |
政策調整担当部長 | 和田 慎一君 | |
地球環境エネルギー部長 | 小川 謙司君 | |
次世代エネルギー推進担当部長 | 山田 利朗君 | |
環境改善部長 | 筧 直君 | |
環境改善技術担当部長 | 志村 公久君 | |
自然環境部長 | 近藤 豊君 | |
資源循環推進部長 | 宮澤 浩司君 | |
調整担当部長 | 風祭 英人君 | |
資源循環計画担当部長 | 金子 亨君 | |
建設局 | 局長 | 三浦 隆君 |
次長 | 今村 保雄君 | |
道路監 | 奥山 宏二君 | |
総務部長 | 杉崎智恵子君 | |
用地部長 | 山本 明君 | |
道路管理部長 | 前田 豊君 | |
道路建設部長 | 村井 良輔君 | |
三環状道路整備推進部長 | 大庭 孝之君 | |
公園緑地部長 | 古川 浩二君 | |
河川部長 | 小林 一浩君 | |
企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 | 村上 清徳君 | |
総合調整担当部長 | 植村 敦子君 | |
道路保全担当部長 | 花井 徹夫君 | |
道路計画担当部長 | 若林 茂樹君 | |
公園計画担当部長 | 細川 卓巳君 |
本日の会議に付した事件
建設局関係
付託議案の審査(質疑)
・第百二十六号議案 土地の買入れについて
・諮問第三号 地方自治法第二百三十八条の七の規定に基づく審査請求に関する諮問について
環境局関係
報告事項(質疑)
・ほう素及びふっ素の暫定排水基準の見直しについて
・東京都廃棄物審議会 プラスチックの持続可能な利用に向けた施策のあり方(中間答申)について
○栗下委員長 ただいまから環境・建設委員会を開会いたします。
初めに、傍聴人の数についてお諮りいたします。
本委員会室の定員は二十名でありますが、傍聴希望者が定員以上でありますので、さらに十名を追加したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○栗下委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
○栗下委員長 次に、委員の辞職について申し上げます。
去る六月十一日の本会議において、やながせ裕文委員が議員を辞職されました。
○栗下委員長 次に、議席について申し上げます。
議席については、ただいまご着席のとおりといたしますので、ご了承願います。
○栗下委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、建設局関係の付託議案の審査及び環境局関係の報告事項に対する質疑を行います。
これより建設局関係に入ります。
付託議案の審査を行います。
第百二十六号議案及び諮問第三号、地方自治法第二百三十八条の七の規定に基づく審査請求に関する諮問についてを一括して議題といたします。
本案及び本件については、いずれも既に説明を聴取しております。
これより質疑を行います。
発言を願います。
○米川委員 それでは、諮問第三号、地方自治法第二百三十八条の七の規定に基づく審査請求に関する諮問について伺ってまいります。
この審査請求の理由には、既存土地使用者に対し、長期にわたり本件土地を使用許可してきたとの記述がありますが、まず、どのような経緯で使用許可をされてきたのか、またこれまでの使用許可の目的、条件について伺います。
○古川公園緑地部長 多磨霊園の休憩所につきましては、大正十二年の霊園開設時に、墓地参拝者の接遇並びに生花、線香等の販売を行わせることを目的に、東京市が公募し、土地の使用許可を行いました。以後、使用許可の更新を重ね、現在の許可期間は平成三十年四月一日から平成三十三年三月三十一日までとなっております。
現在の許可条件につきましては、使用許可期間が満了したときまたは使用許可が取り消されたときは土地を自己負担で原状に回復して返還しなければならないことや、販売する物品の品目や価格を変更するときは都の承認を受けなければならないことなどとしております。
○米川委員 次に、ほかの霊園でも、本件以外にも同様の使用許可を行っていると思いますが、それぞれどのような目的、条件となっているのかを伺います。
○古川公園緑地部長 現在、土地使用許可を行っておりますのは、多磨霊園外四霊園において計十二カ所でございます。全ての土地使用者に同一の目的、条件で許可しております。
○米川委員 それでは、東京都の事情で使用許可を取り消した場合、東京都の費用負担は発生しないのか伺います。
○古川公園緑地部長 都が使用許可した土地を、公用または公共用に供するため必要とするときには、土地の使用許可の全部もしくは一部を取り消しまたは変更することがあることを許可書に定めております。
使用許可が取り消されたときは、使用者が直ちに土地を自己負担で原状に回復して都に返還しなければならないことを許可条件としていることから、都の費用負担は発生いたしません。
○米川委員 ありがとうございます。
最後に、今後、行政需要の変化を受けまして、東京都が使用許可を取り消すことも出てくると考えております。その際には許可を受けた方との間でトラブルにならないようにするためにも、より一層、使用許可の条件について丁寧な説明が必要と考えますが、建設局の考えを伺います。
○古川公園緑地部長 都はこれまで、土地使用許可の更新に当たり、その内容や条件について、許可を受けた方を個別に訪問し、丁寧な説明を行ってまいりました。
今後とも、さまざまな機会を捉えて、多様化する霊園に対するニーズを見きわめながら、きめ細かに対応してまいります。
○栗下委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本案及び本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○栗下委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
以上で建設局関係を終わります。
○栗下委員長 これより環境局関係に入ります。
報告事項、ほう素及びふっ素の暫定排水基準の見直しについて外一件に対する質疑を一括して行います。
本件については、いずれも既に説明を聴取しております。
これより質疑を行います。
発言を願います。
○入江委員 東京都廃棄物審議会の中間答申について伺います。
海洋プラスチック問題を発端として、世界的にプラスチック利用のあり方について議論が進んでいます。この三月には欧州会議が皿、カトラリー、ストロー、綿棒の芯の部分などといった使い捨てプラスチック製品の使用禁止に向けた指令を可決し、二〇二一年までに加盟国が法制化することが見込まれるなど、使い捨てプラスチックの削減に向けた動きが加速しています。
こうした中、日本政府も、今月末に開催されるG20首脳会議開催を前に、プラスチック資源循環戦略を策定し、この中ではレジ袋の有料化の義務化についても触れられています。
都においても、プラスチックの持続可能な利用に向けた施策のあり方についての中間答申が出されたところですが、都は国の戦略をどのように受けとめているのか、見解を伺います。
○宮澤資源循環推進部長 廃棄物審議会の中間答申では、長期的に目指すべきプラスチック資源利用のあり方とともに、今後五年間程度の間に都が推進すべき施策の方向性を示しており、国のプラスチック資源循環戦略で示された方向性と軌を一にするものでございます。
一方、この中間答申では、二〇五〇年CO2排出量実質ゼロに向けたプラスチックの持続可能な利用のあり方を示しており、この気候変動対策と連携した取り組みの視点は、国のプラスチック資源循環戦略にはない特徴となってございます。
また、国がレジ袋の有料化の義務化を示したことは妥当であり、ワンウエープラスチックの削減に向けた第一歩として、消費者のライフスタイルやサービス提供の方法を見直す契機となると認識しております。
今後、国において制度の具体的な検討が進んでいくと聞いておりまして、都においても、制度のあり方などについて廃棄物審議会で議論を進め、より実効性のある仕組みとなるよう国に働きかけてまいります。
○入江委員 国のプラスチック資源循環戦略で示された目標に各主体が取り組むことで、廃プラスチック対策が前進することが期待されますが、都としても明確な目標を示して、その実現に向けた取り組みを強化していく必要があります。
先月開催されたU20メイヤーズ・サミットにおいて小池都知事は、二〇五〇年にCO2排出実質ゼロに貢献するゼロエミッション東京の実現をするという意欲的な宣言を発表しました。
あわせて、廃プラスチック対策という資源循環分野を、気候変動対策に本格的に取り組み、社会全体を脱炭素化に転換するという考え方を示しました。これは国のプラスチック資源循環戦略にはない新たな展開であり、評価いたします。
その実現に向けた今後十年間の具体的な目標として、家庭や大規模オフィスビルから排出される廃プラスチックの焼却量を、二〇三〇年までに四〇%削減していくことを目指すことが示されました。
そこで、この削減目標設定の考え方とその達成に向けた方向性について伺います。
○宮澤資源循環推進部長 新たな目標は、国が掲げるマイルストーンとあわせて、都が具体的な目標値を示すことで、区市町村や都民、排出事業者等の具体的な取り組みを促していくことを目的とするものでございます。
目標設定の考え方は、まず、ワンウエープラスチックの利用を削減し、廃プラスチックの発生量を抑制した上で、容器包装プラスチックの分別の徹底などによりリサイクルを進め、焼却量を四〇%削減していくというものでございます。
目標の達成には、区市町村に対し、容器包装リサイクル法に基づく廃プラスチックの分別収集のさらなる推進を働きかけることや、大規模オフィスビルでの排出段階の分別徹底、収集運搬の効率化により、リユース、リサイクルの大幅な拡大を図ることが必要であると考えてございます。
○入江委員 ありがとうございます。
新たな目標設定の考え方と達成に向けた方向性についてはわかりました。
今後は、目標の達成に向けて、都民、事業者などと密接に連携を図りながら、具体的な施策に取り組むことを要望します。
また、区市町村における廃プラスチックの分別収集については、自治体にはそれぞれの事情があると思います。その実態をしっかりと把握し、個別の実情に応じた助言などを行うこともあわせて要望いたします。
国連で採択したSDGsの理念が浸透していく中で、都の意欲的な目標設定やU20における主要都市との共同声明は、今後のG20での議論の後押しともなって、廃プラスチック問題への取り組みをさらに加速させることが期待されます。
民間大手企業の動きは大変早いです。次々と先進的な取り組みが報道されています。
例えば、サントリーホールディングスは、プラスチックリサイクルの協栄産業と組んで、自社のペットボトル容器を一〇〇%再生するシステムを確立するとのことです。
セブン&アイ・ホールディングスと日本コカ・コーラは、一〇〇%リサイクル素材のペットボトルを使った緑茶飲料を共同企画販売し、商品化とリサイクルの仕組みを一体化して、消費者にわかりやすく示すとしています。
こうした環境ビジネスの潮流を、一部の大企業にとどまらず社会全体に広げて、プラスチックの3Rを実現するイノベーションをさらに育てていくことが求められます。
第一回定例会において、私は、プラスチックの持続可能な利用を進めていくための新たなビジネスモデルの構築について質問しましたが、先日、都は、事業の実施についてプレス発表を行いました。
そこで、改めて事業の目的や期待される効果について伺います。
○金子資源循環計画担当部長 このモデル事業は、企画提案方式で事業者を公募し、民間事業者が有する知見や技術力、発想力などを生かした先駆的な取り組みを都と事業者が共同で実施するものでございます。
例えば、代替素材などの活用によるワンウエープラスチックの削減や、小売業者と製造業者が連携する資源循環の新たな仕組みの構築などが効果として期待されます。
来年二月末までモデル事業を実施し効果検証と課題の整理を行い、事業の成果を新たなビジネスモデルとして広く発信し、廃プラスチックの発生抑制、再利用を促進してまいります。
○入江委員 プラスチック利用のあり方が世界的に大きく見直されていく現在の流れは、新たなビジネスチャンスでもあり、3Rのイノベーションを促す絶好の機会でもあります。都は、こうしたモデル事業を通じて、大企業のみならず、中小企業やスタートアップ企業の意欲をさらに引き出すことを要望いたします。
プラスチックは、その利便性の高さから、私たちの生活に深く密着したものとなっています。廃プラスチックの削減と再利用を進めていくためには、利用者である都民、事業者などの理解と協力を得て、ライフスタイルを変革させていかなくてはなりません。
都庁は、都内有数の大規模事業者であり、大量の廃棄物を排出しています。この都議会もですが、都庁みずからがプラスチック問題に率先して取り組み、都民、事業者に範を示すことは大変重要です。
小池都知事は、今月五日のゼロエミッション都庁推進会議で、都庁として取り組む新たなプラスチック対策について発表しました。
対策の具体的な内容について伺います。
○宮澤資源循環推進部長 新たに策定いたしました都庁プラスチック削減方針は、多くの資源を消費する都庁が先導的、主体的に取り組むべき具体的な内容を示したものでございます。
基本方針として、まず、ワンウエープラスチックを削減した上で、プラスチック利用が避けられない場合には、再生プラスチックやバイオマスプラスチックの利用を検討すること、廃プラスチックが発生した場合には、適切に分別して再生利用を推進することを定めてございます。
次に、具体的な取り組みとして、特に本庁舎において、会議でのペットボトルやプラスチック製ストローの使用を禁止するほか、イベントでの使い捨てプラスチックカップを削減すること、文房具やノベルティーグッズで再生プラスチックの利用を拡大することなどにより、ワンウエープラスチックの削減を推進することとしております。
また、職員による率先行動として、レジ袋やプラスチックストローの受け取りをみずから辞退することを徹底いたします。
こうした都庁の率先行動を着実に推進し、その取り組みの成果を発信することで、都民、事業者などの3R推進の取り組みにもつなげてまいりたいと考えております。
○入江委員 隗より始めよと小池都知事はおっしゃいましたが、プラスチック対策を推進し、都民、事業者などに協力を求めていく東京都だからこそ、みずから先進的な取り組みを進めることが求められます。私たち議員もなんですが、本当に取り組みを着実に進め、その進捗ぐあいも常に確認していただきたいと思います。
それから、一つ私が懸念しますのは、ノベルティーなどの製造業者というのは非常に零細企業が多く、いきなりプラスチック製品は受け入れないということになると、少し民業圧迫ではないかなという部分も考えられます。
中小企業が新たなビジネスモデルを形成していくに当たっては、非常に困難な点も多いと思いますので、環境局が所管ではないかもしれないんですけれども、そういった中小事業者への援助というか助けも必要ではないかと考えているところでございます。
行政、企業などが取り組むプラスチック対策について取り上げましたが、プラスチック対策を総合的に進めていくために、都の大きな役割は、とにかく消費者である都民の理解と協力を拡大させるということにあります。
とりわけ私は、子供たちへの啓発が重要だと考えます。廃プラスチック問題は、プラスチックによる海洋汚染をきっかけに注目されることになりましたが、こうした海ごみ問題について子供たちが学べる機会をつくり、ポイ捨てをしないなど、環境への責任のある行動がとれる持続可能な社会の担い手として育成することが大切だと考えます。
都はこれまで、海ごみ問題を紹介するショートムービー、ニューヨークの子供たちと東京の子供たちの映像をユーチューブで公開したり、普及啓発を進めてまいりましたけれども、次の社会を担う人材の育成に向け、子供たちへの普及啓発をさらに充実発展させるべきだと考えます。
今後の子供たちへの海ごみ問題の普及啓発に関する都の取り組みと、取り組みの方向性について伺います。
○宮澤資源循環推進部長 海ごみは、まち中の散乱ごみが河川等を通じて海に流入したものに由来することから、子供たちに海ごみが身近な問題であるとの気づきを与え、マイボトルの使用やポイ捨ての禁止など、具体的な行動につなげる普及啓発は重要でございます。
都は、海ごみの普及啓発資料として、学識経験者等と連携して、子供向けパンフレットや教員向けガイドブックを作成し、区市町村教育委員会の連絡会議の場を活用して、その利用方法等の周知を図っているところでございます。
今後とも、教育関係部署と連携しながら、子供に対する普及啓発を推進するとともに、各種イベントでの広報活動を展開し、子供たちを含めた都民一人一人が海ごみ問題に対する認識を深めていただけるよう働きかけてまいります。
○入江委員 将来を担う子供たちに、ぜひこの海ごみが身近な問題ということを知らせ、そして、お子様一人一人の自分たちの行動が、問題の解決にもつながっていくということを理解してもらうことは大変重要です。
今後とも、教育関連部署と連携しながら、こうした取り組みを進めていただくことを強く要望します。
都は本年十二月に、ゼロエミッション東京戦略を策定するとのことです。その前段階の一つとして、今回の中間答申は大きな意味があります。使い捨てプラスチックの削減によってCO2を削減することは、ゼロエミッション東京の実現に向けた取り組みの大きな柱の一つです。
さらにスピード感を持って、都民や企業の意識改革や具体的なアクションを引き出すことが大変重要だと考えます。
最後に、吉村局長の決意をお伺いします。
○吉村環境局長 プラスチックなど、資源の大量消費は、天然資源の枯渇や不適正処理による環境悪化、また海ごみなどによる生態系への問題を引き起こすだけでなく、製造、流通、廃棄の各段階で大量の二酸化炭素を排出いたします。
都はこれまで、キャップ・アンド・トレード制度に代表されるような先駆的な気候変動対策を展開してまいりましたが、今後は、こうした取り組みに加えまして、資源消費に伴い発生する二酸化炭素の削減にも、本格的に取り組んでいかなければならないというふうに考えてございます。
とりわけプラスチックについては、これまでのライフスタイルを抜本的に見直して、利用のあり方を持続可能なものへと転換していかなければならないというふうに考えてございます。
このためには、都民の皆様や事業者、区市町村、NGOなど、多様な主体にこの課題解決への共感を抱いていただき、協力が得られるよう、都としての取り組みを強化していく考えでございます。
具体的には、例えば区市町村とも連携しながらキャンペーンやシンポジウムを展開するなど、都民の皆様にプラスチックの問題を丁寧に伝えて、協力をお願いしてまいります。
また、企業に対しては、対策の必要性や取り組み事例をパンフレット等でわかりやすく示して協力を要請し、各個々の企業の具体的な行動を呼びかけてまいります。
今後、廃棄物審議会の最終答申の取りまとめや、ゼロエミッション東京戦略、東京都プラスチック削減プログラムの策定に向けまして、都民、事業者など、幅広い主体の参画を得まして、議論を進めるとともに、具体的な行動を促すムーブメントを創出し、プラスチック削減をスピード感を持って取り組み、ゼロエミッション東京の実現に向け、進んでまいります。
○入江委員 ご丁寧なご回答をいただきまして、ありがとうございました。今回のこの中間答申は、理念や方向性といったものが示されていますが、今、局長からお話にありました十二月に策定される東京都プラスチック削減プログラムでは、ぜひ二〇三〇年までに家庭や大規模オフィスビルから排出される廃プラスチックの焼却量を四〇%削減するという大きな目標を達成するための具体的なロードマップが示されることを強く要望しまして、私の質問を終わります。
ありがとうございました。
○細田委員 私からも、東京都廃棄物審議会の中間答申、プラスチックの持続可能な利用に向けた施策のあり方について伺います。
プラスチックは、私たちの生活にさまざまな便益をもたらして、世界生産量は年間四億トンにまで達しております。しかし、その原料のほとんどを石油資源に依存していることを踏まえますと、持続可能な社会の実現に向けて、プラスチックの利用のあり方を考え直す必要があります。
中間答申では、こうした状況を受けて、ワンウエープラスチックの削減、またプラスチック容器包装などのリサイクルを推進して、東京がアジア諸都市の先導役を果たすべきとの提言がなされております。
折しも本年度は、容器包装リサイクル法に基づいて、区市町村が分別収集計画を改定する時期に当たります。食品トレーや卵パックなど、プラスチック製容器包装は、私たちの日常生活の中でほぼ毎日、どこのご家庭でも利用されていますが、その反面、ごみとして廃棄量も相当量に上ってしまっています。
こうした容器包装の分別収集やリサイクルを進めて、国際的に危機意識が高まっている海ごみの低減や、最終処分場における埋立処分量の削減につなげていくことは、地球環境を守るために欠かすことのできない取り組みになっております。
一方、廃棄物審議会では、多摩地域と比較して、二十三区におけるプラスチック製容器包装のリサイクルは進んでいないという指摘があったと理解しています。
東京都以外の資源消費量が大変に多い東京において、都内の全体のプラスチック製容器包装のリサイクルをさらに一層進めていくためには、大都市東京が自分たちを含めて、世界全体のために必ず進んでいかなければならない、そういう方向であります。
そこで、まず伺います。
都内におけるプラスチック製容器包装の分物収集の現状についてどうなっているのかお尋ねいたします。
○宮澤資源循環推進部長 容器包装リサイクル法は、家庭などから排出される容器包装について、消費者が分別排出し、自治体が分別収集し、事業者がリサイクルするという役割分担のもと、廃棄物の排出抑制を図る制度でございます。
ペットボトルやガラス瓶などに加え、プラスチック製容器包装も対象としております。
都内における平成二十九年度のプラスチック製容器包装の分別収集実績を見ますと、人口一人当たりの分別収集量の平均は、特別区で二・七キログラム、多摩地域で八・三キログラムでございました。
このうち分別収集量が一キログラムに満たない自治体は、特別区内で十一区、多摩地域で七市町村でございますが、こうした自治体では回収対象を食品トレー等に限定するほか、収集方法を公共施設等における回収にとどめていることなどから、分別収集の促進に向けました一層の取り組みが必要であると認識しております。
○細田委員 今のご答弁で、一層の取り組みが必要だと、そのようなご答弁だと思います。それはそのとおりであります。
中間答申の中に、循環利用推進及び高度化について、分別収集を早期に全面実施するよう区市町村に働きかける、このことが答申されております。まさにSDGsのゴール十二、持続可能な消費及び生産に合致していくものであります。
今、多摩地域と比較して、二十三区ではまだまだプラスチック製容器包装の分別収集は進んでいない、こういう答弁でありましたけれども、二十三区は廃プラスチックを焼却して、その熱エネルギーを回収して利用するサーマルリサイクルに取り組んできた経緯もあります。
確かに廃プラスチックを直接埋め立てるよりも、焼却した方が埋め立ての処分量を減らすことはできますけれども、それでも焼却後に残る焼却灰は最終処分埋立場に埋められることになりますし、結局CO2をふやしていく、そういうことにもつながっていくわけであります。
私の地元の江東区は、平成二十一年三月から、プラスチック製容器包装の分別収集を開始しました。区民の協力のもと、積極的にごみ減量、それから再資源化に取り組んできました。
東京二十三区の最終処分場の寿命があと五十年余りといわれる中で、処分場を末永く使っていくためには、プラスチック製容器包装の分別収集を一層進めて、ごみの減量化や再資源化を進めていくことが必要であります。
都内の自治体において、プラスチック製容器包装の分別収集が進まない原因を都はどのように捉えていて、今後、どのように取り組んでいくつもりなのか、見解を求めます。
○宮澤資源循環推進部長 プラスチック製容器包装の分別収集において、都内の自治体間で取り組み実績に乖離があるため、中間答申では実績の低い自治体に分別収集の強化などを働きかけるべきとの提言を受けております。
このため、都は、分別収集実績の低い自治体を中心にヒアリング調査を行っており、その理由や分別収集の導入に向けた課題を整理しております。
これまでの調査から、こうした自治体では、廃プラスチック焼却熱を利活用するサーマルリサイクルなどで対応すると整理して以来、プラスチックの再資源化に向けた分別収集が進められていないことがわかっております。
また、分別収集の導入に向けた課題として、予算の確保や住民への分別方法の周知などを挙げられており、都としては、引き続き、分別収集の実態を個別に把握し、地域の実情に即した再生利用の取り組みを働きかけてまいります。
○細田委員 答弁は承知しました。部長、ぜひしっかりと取り組んでください、働きかけていただきたい、このように思います。
まさに、確かに清掃一組で区市町村がまた取り組んでいく話ではありますけれども、分別の導入、そして拠点回収、こういうことをしていくことが今大変に重要だと、このように理解します。
二十三区内と多摩地域の比較でありましたが、私もそれぞれ資料とか確認している状況でも、二十三区においても、単純に、それが山の手だとか下町だとかそういうことじゃなくて、ばらつきが非常に大きい、こんな状況があります。多摩地域においても、総体的に高いですが、やはりばらつきは多いという状況です。
今、答弁にありましたように、再資源に向けた分別収集が進められていなくて、ただ燃やしているだけ、こんな状況をそのまま放置していてはいけない、これを都がちゃんとしっかりと見て進めていく、このようなご答弁があったんだというふうに理解をさせていただきます。
江東区では、ちなみに一万二千五百カ所で毎年拠点回収をしています。ただ、方向として、今どうしても拠点回収から、中には個別の家まで来てくださいみたいな回収に移ってしまいそうな、そんな地域もあったりして、基本的には地域で支え合って、ごみの処理を、特に資源としての処理を進めていくという社会をどうやってつくっていくのか、その方向にいかに向けていくのか、都はどういうふうに指導していくのか、また、ヒアリングをしながら、きめ細やかに、その方向を、まさに今回の中間答申のような方向に向けていく、そういうような働きかけが大事なんだと思いますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。
ちなみに、三年前に私、水俣市という日本の環境首都の宣言をしている市のごみの収集を確認してまいりました。
人口的には三万人に満たない、そして山間地域が四分の三ありまして、四分の一が河口部の海があって、非常に水と緑がきれいな、山の上から一貫して河口までが自治体間で完結しているところなんですが、ここでは、二十六年前から、全市でごみの二十分別を実施していまして、市内に約三百のリサイクルステーションを設置していて、四十世帯に一カ所、管理は地区の住民が行って、責任者は地区推薦のリサイクル推進員と月の担当が行っている。
ここでは、ごみの高度分別によって、ゴミ端会議とか、ゴミュニケーション等のごみステーション交流があったり、ごみの分別を手伝いする中学生の環境教育になったり、最終埋立地の受け入れ寿命の延長の効果につながっている、こんなこともあります。
また、水俣市が環境マイスターという安心・安全なまちづくりを認定して、そういう人を育てていたり、水とごみと食べ物ということでの視点で環境を見ているところなんですが、CO2の削減は非常にわかりにくいので、これをどうやったら市民にもっと伝えられるのかということをこれからも取り組んでいきますという、最前線の基礎自治体の責任者がいっていたことが印象深かったわけであります。
もちろん都会の東京ですから、全てこのまま当てはまるような状況じゃない、突然マンションができちゃって、ステーションの場所も移ってしまう、どうしようなんてことも起こってきたりします。けれども、目指すところは、こういうような小さな単位でもまちが成り立って、資源を再資源化していこうという取り組みがなくちゃできないわけで、そういう方向に向けていこうという、そこまで寄り添おうというふうに最前線の自治体が思うような方向に都が主導して、都も同じ気持ちと方向性を持って進んでいく、これができるかどうかにこの成功はかかっているのじゃないか、このように私は思っているところであります。
どうぞ、SDGsのゴール十二の持続可能な消費及び生産、持続可能なつくる責任と使う責任において、廃棄による環境負荷をゼロにすることを目指すべき、この答申に進んでいっていただきたい、このように思います。
大事なことは、入江委員もおっしゃっておりましたが、3R、リデュースで減らす、リユース、繰り返して使う、リサイクル、再資源化する。これが大変に大事なわけでありますけれども、こういうような法的な裏づけがある厳密な定義でなくても、あと拒否をするリフューズ、修理をするリペア、こういうような意識もまさに浸透させていただいて、一緒に進めていっていただきたい、このように思う次第であります。
二十三区の最終処分場を含めた資源循環システムを安定的に維持して、効率化を進めていくことは、東京が継続的に発展していく上で大変重要な取り組みでございます。ぜひとも今後、審議会での議論をさらに掘り下げて、区市町村との連携を密にしながら、今までとは違う、待ったなしの覚悟で、実効性のある廃プラスチック対策を検討することを要望いたしまして、次の質問に移ります。
答申に示されている事業系の業務系、商業系廃プラスチックについてであります。
四月の中間答申では、未選別で未洗浄の廃プラスチックが有価物として輸出されている背景には、輸出されている国で劣悪な労働環境や環境汚染等のリスクがあると考えるべきである、有価で輸出することで、結果として国内における廃プラスチックの処理費が低廉になっている可能性があるとしております。
そして、五月に日本やノルウェーがイニシアチブをとって共同提案したもので、これらの汚れた廃プラの輸出を禁止するバーゼル条約が改正されて、二〇二一年からこれが施行される、そういうことになりました。
都は、都民や事業者に周知啓発を進めるとともに、廃プラスチックのリサイクルモデル、体制を早期につくっていく、また育てていく、こういうことをしなければならないと考えますが、いかがでしょうか。見解を求めます。
○金子資源循環計画担当部長 廃プラスチックの適正処理を進めるためには、都民、事業者への普及啓発を充実させるとともに、プラスチック利用における3Rの推進を図ることが重要でございます。
このため、都は、プラスチックの持続可能な利用に向けた新たなビジネスモデルを公募し、例えば代替素材などの活用によるワンウエープラスチックの削減や、小売業者と製造業者が連携する資源循環の新たな仕組みの構築などを促進してまいります。
こうした取り組みなどにより、都民や民間企業の意欲を引き出すことで3Rのイノベーションを促し、廃プラスチックの発生抑制、再利用を促進してまいります。
○細田委員 わかりました。ちなみに、ちょっとご紹介させていただきたいんですけれども、私の江東区という地域では、エコミラ江東というのがありまして、これは区内の九千カ所から使用済みの食品トレーを回収して、発泡スチロールを再資源化、ペレット化しているところなんですけれども、これはNPOと江東区が連動していまして、ここで障害者の方が大変多く働いていて、そして健常者と同等以上で、知的障害の方、十数名なんですけれども、頑張ってくださっていまして、何より一生懸命仕事してくれるという、管理を一緒にやっている方々から、そのように高い評価を得ているところがあります。
障害者の方のお母様が息子の扶養家族として健康保険に入ったとか、別のお母様が、お父様が亡くなったときに息子が、自分が一生懸命働いて面倒を見てあげるからという言葉が大変うれしいというような、障害者と連動してリサイクルを進めていて、そしてちゃんと再資源化している、こんな取り組みもあります。
最低賃金として月に十二万以上もらっているということで、障害者の方々も仕事をして給与を得て、税金を使う側から納める側になると、このようなことに誇りを持って、この仕事を進めているということで、全ていい循環に進んでいる、こんな施設もあります。
小池都知事が、知事になる前にこの施設を訪れて、そして視察されて激励された、こんなところもありますので、ちょっとご紹介をさせていただきまして、いい取り組みだと思いますので、都も積極的にこのような取り組みを進めていっていただきたい、自治体を後押ししていただきたいという思いで申し上げさせていただきます。
今後、事業系廃プラスチックの分別の徹底がさらに重要となってまいります。飲食店などから出る産廃は汚れがひどく、利用者の意識を徹底することが難しいとの声もありまして、排出事業者などに働きかけていく必要が出てまいります。
答申に、各事業者が自主的に店頭回収などに取り組むことができるよう、考え方を整理すべきであるという提案もあります。都の考え方について見解を求めます。
○宮澤資源循環推進部長 廃棄物審議会では、店頭回収する廃棄物が一般廃棄物か産業廃棄物のどちらに該当するかなど、廃棄物処理法上の取り扱いが不明確であり、その考え方について議論が進められているところでございます。
これまでの議論から、スーパーで販売された食品トレーなどを回収する場合、スーパーの販売事業の一環として捉え、廃棄物の収集運搬には該当しないとの意見が出されております。
今後とも、審議会における議論を通じて、こうした廃棄物処理法上の解釈と運用について整理を進めてまいります。
○細田委員 中間答申では、プラスチックの3R施策を推進するために、区市町村、民間事業者、NGOなどさまざまな関係者と連携を深めるべきだとの提言もありました。関係者が持つ知識、ノウハウなどを共有していただき、ともに解決に向けた行動を起こすことで、廃プラスチック問題など、広域化、複雑化する資源循環の分野の課題を解決に進めていくことができると思います。
そして次に、ちょっとこんな例があるんですが、一般質問で我が党のけいの議員が質問させていただきました都立大島海洋国際高校での今後の海洋教育についてなんですが、私も五月の中旬に、大島に上野理事とともに行ってまいりました。
大島海洋国際高校では、海洋における環境諸問題に関連した教育をこれまで実践してきています。
この間の質問の都の答弁では、都の教育委員会は現在、海洋ごみの状況を大学と連携して調査する取り組みへの支援など、新たな実習船「大島丸」の建造を進めております。持続可能な社会の実現に貢献する人材の育成を図るため、海洋教育の全国的なモデルとなり得る取り組みを推進していきます、このように教育長が答弁をされておりました。
ここで私、伺いたいんですけれども、まさにこういうような広域化、複雑化する資源循環の分野において、とりわけ大学との連携が重要ではないのか、このように考えます。都内に多くの大学があり、そこで集積された最新の知見や技術を東京都の政策に結びつけることができれば、新しい視点での環境問題の解決を図ることが期待できます。
そこで、資源循環の分野における大学連携の意義について、改めて都の見解を求めます。
○宮澤資源循環推進部長 都内には、さまざまな専門性を有する大学が集積しており、こうした大学との連携を図ることで、資源循環分野の課題解決に資する政策立案につなげることが期待されます。
また、大学は次世代を担う若者が集まる場所であることから、廃プラスチックや食品ロス等の問題を啓発する機会を設けることで、もったいないの意識を高め、一人一人の消費行動の転換を促すことが期待されます。
さらに、廃棄物の排出量が多い大学におきまして、都と大学が連携して廃棄物の減量化に取り組むことで、都内廃棄物の総量削減にもつながります。
このように大学との連携により、資源循環分野においてさまざまな施策効果を生み出すことが期待できると考えております。
○細田委員 大学との連携を通じて、資源循環の分野において多くの施策効果が期待できる、このような答弁でありました。
先月、小池知事は、都内の大学との定例懇談会の場において、使い捨てプラスチックの削減について大学側に協力を依頼したと聞いております。来年の東京二〇二〇大会を控えて、大学との連携を深めていくことは、先ほどご答弁のあった施策効果に加えて、大会期間中の3Rの取り組みに発展する、このことも期待いたします。
都は今後、大学と連携して、いかなる取り組みを行うつもりなのか、見解を求めます。
○宮澤資源循環推進部長 都は、先月の大学との定例懇談会において、プラスチックの排出削減に向けた協力を依頼したところでございます。
今後、五大学程度と連携して、使い捨てプラスチック削減キャンペーンを実施し、使い捨て型ライフスタイルの見直しに向けた普及啓発活動を実施してまいります。
具体的には、学生にマイバッグ、マイボトルの使用を呼びかけるほか、各種SNSを活用した広報活動、学園祭においてリユースカップを活用するなどの取り組みを想定しております。
こうした取り組みを通じて、大学における廃棄物の排出抑制を促すとともに、学生に廃プラスチック問題を啓発できるモデルケースを構築し、多くの大学で廃プラスチックなど廃棄物の削減に取り組むよう働きかけてまいります。
○細田委員 具体的な積極的なご答弁を評価いたします。ぜひよろしくお願いいたします。
都庁では、職員がレジ袋の受け取りを控える率先行動に取り組んでいますが、こうした取り組みを大学に広げることができれば、プラスチックの発生抑制に向けた機運を一層醸成していくことができると思います。
特に、答弁にあった大学祭におけるリユースカップの利用は、大学内だけでなく、学園祭に参加した地域住民の方々にもプラスチック削減をPRする絶好の機会になると思います。どうぞ、大学と連携したモデルケースを構築していただきたいと思います。
今回、区市町村におけるプラスチック製容器包装の分別収集と、そして今、廃プラスチック対策と、そして大学と連携した廃プラスチック対策について取り上げましたけれども、共通することは、さまざまなステークホルダーを巻き込まないと、その施策効果が十分に発揮することができないということであります。
例えば、容器包装の分別収集では、家庭から排出される最初の段階で、汚れたプラスチックを混入させてしまうと、せっかく分別収集しても、結局焼却処分されてしまうおそれがあります。中間答申にもそのことが示されております。
大学との連携において、学生一人一人がリサイクルの意識を高めていかないと、レジ袋やストローなど、使い捨てるといった消費行動を変えていくことは難しいことだと私は思います。
廃プラスチックのリサイクルを推し進めるためには、都民の皆様や事業者などと共感、協力が何よりも重要であります。そして、ステークホルダーと連携してリサイクルビジネスを育成し、発展させていくことで、リサイクルにおけるさらなる相乗効果も期待されていくわけであります。
私の地元の江東区でも、都内各地から収集された缶、瓶、ペットボトル、容器包装など、これらを中間処理施設で再選別してからリサイクルに回されますが、私も何度も見てまいりましたけれども、この選別工程の多くは大変な作業を伴って、人の手によって人海戦術でやっています。缶は、これが磁石でくっつくかどうかでもってアルミ缶と分けていたり、瓶も飛び散らないように色別に分別したりとか、さまざまな、こういう人海戦術が行われているわけであります。まさに廃棄物審議会において廃プラスチックの3Rの施策について審議が進められたと思いますけれども、さまざまな主体を巻き込んで、このような廃プラのリサイクルによって、ほかのリサイクルの施策効果も高めていく、こういう視点も大切にしていただくことを要望いたしまして、質問を終わります。
○田村委員 東京都廃棄物審議会の中間答申の内容に関連して、都が取り組むべきプラスチック対策について伺います。
中間答申では、プラスチックの持続可能な利用に向けて、廃プラスチックが国内外で不適正に処理されることを防止し、適正なリサイクルを進めることが緊急的な課題であると示されています。
一方、我が党の代表質問でも指摘したように、国内においては、産業廃棄物の廃プラスチックの主な輸出先だった中国が実施した輸入規制により、廃プラスチックの輸入量が減少したため、国内の廃棄物処理施設が逼迫する事態となりました。
その影響から、中間処理施設の受け入れ基準が強化される傾向にあり、今後、都から排出される産業廃棄物の廃プラスチックに関して、不適正処理の発生が懸念される状況となっています。
こうした廃プラスチックの状況に対し、都はこれまでどのように取り組んできたのか伺います。
○金子資源循環計画担当部長 二〇一七年以降の中国、アジア諸国での廃プラスチック輸入規制強化により、これまで安易に輸出されてきた分別の不十分な廃プラスチックが国内のリサイクル施設に流れたことで、処理費の上昇や在庫の増加などの状況が生じております。このことが国内の廃プラスチックの処理やリサイクルの市場に混乱をもたらす原因の一つとなっております。
こうした状況を受け、都では昨年度末、廃棄物処理業者等に対するヒアリングや関係業界団体等との意見交換を緊急実施し、実態把握に努めてまいりました。
ヒアリングでは、廃プラスチックの処理料金の値上げ傾向が続いているといった意見や、最終処分場の逼迫のため、廃プラスチックの受け入れを抑制しているといった意見など、多くの現場の声を聞くことができました。
こうした意見も取り入れながら、各種セミナー等において、排出事業者に対し、廃プラスチック市場の最新の動向や対応事例の情報発信に努めてまいりました。
○田村委員 これまでの取り組みについてはわかりました。
今年度に入ってからも、有害物質を含んだ廃棄物の国際的な移動を規制するバーゼル条約の規制対象に、新たに汚れた廃プラスチックが加わるなど、今後、廃プラスチックの滞留の常態化が懸念される状況にあります。
また、先月、マレーシアにおいて、諸外国から持ち込まれた分別が不十分な廃プラスチックを輸出国へ送り返すといった事案が発生しており、都としても現在の廃プラスチックの処理、リサイクル市場の正常化に向け、早急に対応していく必要があると考えます。
我が党の代表質問に対して局長から、緊急対策として情報発信を強化し、処理促進につなげるとともに、不適正処理防止に努めていくとの答弁がありました。
そこで、今年度都が実施するとしている廃プラスチックに関する緊急対策の具体的な取り組み内容について伺います。
○金子資源循環計画担当部長 今年度実施する緊急対策として、まずは、昨年度廃棄物処理業者等へ実施した実態把握調査を拡大し、より広範囲に、都外の処理業者等も含め、延べ六十社を対象にヒアリングを実施する予定でございます。
また、処理料金の上昇傾向も踏まえ、適正な対価の支払いを含めた適正処理推進の観点から、相談窓口の設置、ウエブサイトの作成、セミナーの開催等、排出事業者向けの情報発信をより一層強化してまいります。
さらに、関係業界団体との情報交換会を開催し、情報共有を図りつつ、市場の安定化のための方策等について意見交換を実施するなど、最新動向の把握等に努めてまいります。
加えて、九都県市や産廃スクラム34による自治体間連携などを通じた、不適正処理の防止に向けた指導を強化してまいります。
引き続き、関係業界団体や自治体等との連携を密にしながら、廃プラスチックのさらなる処理促進に努めてまいります。
○田村委員 引き続き、不適正処理を未然に防止し、適正なリサイクルの推進に向けて取り組んでいくことを期待いたします。
このように、資源循環の推進に向けて行政が積極的に取り組む重要性は理解いたしますが、一方で、廃プラスチックを排出する事業者側の責任についても改めて認識する必要があります。
排出事業者は、廃棄物処理法の規定により、その事業活動に伴って生じた廃棄物をみずからの責任において適正に処理するか、他人に委託する場合には、許可を受けた処理業者等に委託しなければならないとされており、その責任は極めて重いものとなっています。
そこで、都としてこうした排出事業者責任の徹底に向けて、どのように取り組んでいくのか伺います。
○金子資源循環計画担当部長 産業廃棄物を排出する事業者は、廃棄物処理法上、事業活動に伴って生じた廃棄物をみずからの責任において適正に処理する、いわゆる排出事業者責任が課されており、処理業者へ処理を委ねたとしても、その責任を免れることはできません。
都はこれまで、産業廃棄物の排出事業者や処理業者向けの各種セミナー、関係業界団体と連携した講習会を開催し、排出事業者責任の徹底について周知を行ってまいりました。
また、中間処理業者等への立入検査などの機会を通じて、中間処理等に係る契約内容を確認し、市場価格から明らかに逸脱した価格で契約が締結されている案件等を認めた場合には、当該処理の委託者である排出事業者への指導も行っております。
さらに、先月、排出事業者責任の徹底について、経済団体向けに周知を図るとともに、都のホームページでも掲載するなど、あらゆる機会を通じて、排出事業者責任の徹底に向けて取り組んでまいります。
○田村委員 行政の取り組みはもとより、排出事業者責任の徹底も図ることで、廃プラスチックの処理の円滑化を着実に進めていただきたいと思います。
排出事業者責任の徹底とあわせて、都内に数多く存在するオフィスビル等から排出される廃棄物への対策も重要です。都内のオフィスビル等においては、廃棄物の保管場所が限られ、十分な分別を行うことが難しいケースが多く見られます。
また、オフィスビル等では、排出事業者責任の原則のもと、各テナントが個別に廃棄物を排出することとなるため、効率的に収集を行うには、ビルオーナー等に協力を求めることが必要となります。
資源循環の推進に向けては、こうしたオフィスビル等における課題を整理し、分別、リサイクルの徹底を図ることも重要です。
そこで、中間答申でも指摘があるとおり、オフィスビル等における廃プラスチック類の処理状況を把握し、廃プラスチック類の分別、リサイクルを排出事業者に求めていくべきと考えますが、都の取り組みについて伺います。
○金子資源循環計画担当部長 全国で一年間に排出される廃プラスチック約九百万トンのうち、約七百万トンが事業活動に伴う産業廃棄物であり、多くのオフィスビル等が集積する都において、事業系の廃棄物のリサイクルは重要な課題でございます。
とりわけ、オフィスビル等において、法律上、少量の廃棄物しか排出しない個々の店舗にも排出事業者責任が課されており、産業廃棄物の処理委託の際に必要なマニフェストはテナントごとに交付しなければならないため、このことが収集運搬の効率化が進まない原因の一つとなっております。
そこで、都は、オフィスビル等においてビルオーナー等と連携し、排出事業者をオフィスビル単位で捉える運用や、排出された廃棄物を収集する車両がふくそうすることがないよう、処理業者間で連携して収集するなどの新たな回収モデル事業を試行いたします。
このような取り組みを通じて、オフィスビル等における廃棄物の適正な分別と効率的な収集運搬のあり方について検討してまいります。
○田村委員 プラスチックごみの問題が世界的にも顕在する中、今月末に大阪市で開催されるG20を前に、政府は先月、海洋プラスチックごみの削減に向けた行動計画や、プラスチックごみの減量やリサイクル等の推進を掲げたプラスチック資源循環戦略を策定し、廃プラスチック削減に向けた具体的な取り組みの方向性を示しました。
今後、最終答申に向けた議論がさらに加速されると思いますが、都としても関係団体や区市町村等とも連携を図りながら、プラスチックの持続可能な利用に向けて、さらに積極的に取り組んでいくことを期待いたします。
最後に、ホウ素及びフッ素の排出基準について申し上げます。
平成十三年に水質汚濁防止法に基づくホウ素及びフッ素の排水基準が導入されて以来、我が党は、日本の製造業をすぐれた技術で支える中小企業が環境保全と健全経営を両立できるよう、一貫してこの問題に取り組んできました。
暫定排水基準が適用される業種の一つに電気メッキ業があります。都内においては、電気メッキ業の多くは敷地が狭く、新たな排水処理施設の設置が難しいなど、直ちに一般排水基準に適合するには、依然として制約が多い状況です。
こうした状況に鑑み、我が党は昨年十二月、東京都知事に対して、ホウ素、フッ素の暫定排水基準の適用制限の再度の延長と、その基準については中小企業でも対応可能なものとするよう、都から国に働きかけをするなどを内容とする要望書を提出しました。
さらに、平成三十年第四回定例会においては、我が党が主導した意見書が全会一致で決議され、東京都議会として暫定排水基準の延長などについて、国会及び政府に要請しました。
このような経過を経て、今般、見直し内容が固まり、電気メッキ業の暫定排水基準値は維持される見込みと聞いています。
環境負荷の大きい原材料を使用しなければならないメッキ産業は、業界の最重要課題に環境との共生を掲げ、排水中のホウ素、フッ素の濃度低減に向けて、さまざまな努力を重ねています。
メッキ産業が将来にわたって環境保全と健全経営の両立を図っていくためには、安価で実用的な排水処理技術の開発と実用化が必要です。
都においては、引き続き、国に対して研究開発を強く要求するとともに、中小企業が置かれている厳しい現状を十分に踏まえ、関係各局が連携して、長期的な視点に立った適切な対応に努めることを要望します。
最後になりますが、今後、国で省令附則の改正が実施された場合には、都においても速やかに所要の手続を行って、区市町村とともに連携を図りながら、事業者の皆様に着実に周知を行うなど、不安の解消に努めていただくことを強く要望して、私の質問を終わります。
○里吉委員 私からも、プラスチックの持続可能な利用に向けた施策のあり方について中間答申について質疑を行っていきたいと思います。
重なっている部分も多いので、幾つか割愛しながら質問をしていきたいと思います。よろしくお願いします。
まず、知事は所信表明で、プラスチックについては、四月に廃棄物審議会より、その利用のあり方を大きく変革すべきとの中間答申をいただきました、今後、廃プラスチックの輸出入規制など、国際的な状況も踏まえた最終答申をもとに、都としてのプラスチック削減プログラムをまとめてまいりますというふうに訴えました。
この中間答申、それから、その先にある最終答申は非常に大事なものだと認識しております。
そこで、まず確認ですが、この検討事項として、必要性の低い使い捨てプラスチックの大幅削減を促す仕組みとありますが、気候変動対策、温室効果ガスゼロに向けて、地球規模で考えなければならないときに、そのことと廃プラスチックの問題はどのような関係にあると認識しているのか、改めて伺います。
○宮澤資源循環推進部長 資源の大量消費が気候変動や生物多様性の損失を地球規模で引き起こしております。パリ協定が掲げる今世紀後半に温室効果ガス排出量の実質ゼロを達成するには、使い捨て型の大量消費社会から持続可能な資源利用への転換が不可欠でございます。
こうしたことから、今後、化石燃料由来のプラスチックについても、その資源利用のあり方を持続可能なものへ見直していく必要があると認識してございます。
○里吉委員 CO2排出ゼロに向けても、温室効果ガスゼロに向けても重要な取り組みだということがわかりました。
そして、これまでいろんな方もおっしゃっていましたけれども、とにかくプラスチックは軽いし、腐らないし、形も自由に変えられる、密閉性も高い、本当にすぐれた特性がある素材です。ですから、私たちの生活の隅々で、いろんなところで広く使われています。つまり便利なわけです。
しかし、これは自然界に存在しないものですから、逆にいうと、完全に自然に戻すことができない、分解することができない。より細かく砕かれていっても消えることはないということで、その処理が今大問題になっているわけです。
ある書物を読んでいましたら、発泡スチロールの容器は分解するのに数千年かかるというふうにも書かれておりました。そうしたことから、海洋プラスチック汚染も深刻です。
中間答申では、プラスチックとのつき合い方を見直し、ライフスタイルを変革していくことが世界的な課題であるとしています。これは今後の方向として具体的にどのようなことを目指しているのか伺います。
○宮澤資源循環推進部長 循環型社会形成推進基本法に規定する基本原則を踏まえ、まず、必要性の低い使い捨てプラスチックを削減するリデュースを徹底する必要がございます。
その上で、プラスチック製品等のリユースやリサイクルを推進していくとともに、分別できなかった場合には熱回収を実施する必要がございます。
中間答申では、このような優先順位のもと、持続可能な資源利用に向けて取り組んでいくべきと示されております。
○里吉委員 まずはリデュース、発生抑制が大事だというお答えでした。特に、必要性の低い使い捨てプラスチックを削減することを徹底するというご答弁でした。
日本は一人当たりのワンウエー、使い捨ての容器包装廃棄量が世界で二番目に多いというふうにいわれております。このことからも、今、この使い捨てのプラスチックを削減していく、まず発生させない、ここに真剣に取り組まなければならないというふうに思います。
東京都として、この廃プラ削減のためにこれまでもいろいろ努力されてきたと思いますが、今このとき、今までの延長線上でない取り組みが求められていると思います。
改めて、今までの取り組みと今後の取り組み、当面の方向性についてどうやって削減していくのかと、発生抑制していくのかということについてお伺いします。
○宮澤資源循環推進部長 都はこれまで、廃プラスチック削減のために、例えばレジ袋削減に関して業界団体、消費者団体との意見交換や、オフィスビル内コンビニエンスストアにおけるレジ袋削減キャンペーンの実施、都庁舎内店舗における紙ストローの試行等を行ってまいりました。
また、今年度は、プラスチックの持続可能な利用を進めていくための各種モデル事業の実施等を予定してございます。
今後も、業界団体等との連携のもと、廃プラスチックの削減に向けた実効性のある取り組みを進めてまいります。
○里吉委員 スーパーなどではレジ袋の有料化も大分広がってまいりました。以前は、要らない方はお申し出くださいといういい方でしたけれども、今は、必要な方は申し出てください。つまり、レジ袋を使わないのが当たり前という流れに今進んできています。こうした流れをコンビニなども含め、ほかの小売業にももっとスピード感を持って進めていくことが求められていると思います。
日本のプラスチック資源循環戦略が五月末に示されましたけれども、リデュースの目標は、二〇三〇年までにワンウエープラスチック累積二五%排出抑制、そのための対策として、レジ袋の有料化義務化、無料で配ってはいけないということが重点戦略とされています。
一方、先ほどもお話がありましたけれども、欧州会議ではことし三月、食品やカトラリー類、スプーンやフォークなど、それからストロー、綿棒の芯の部分、こういった使い捨てプラスチック製品を二〇二一年までに禁止する、こういう規制案が可決しております。
中間答申にあるように、プラスチックとのつき合い方を見直し、ライフスタイルを変革していくことが世界的な課題であって、都として都民の意識を大きく変え、ライフスタイルを大きく変えていくような取り組みを求めたいと思います。
いよいよ来年、オリンピック・パラリンピックが行われますが、これが大きなチャンスだと思います。世界中から東京に人々が集まってくるこのときに、ワンウエープラスチックが極力使われないような取り組みが求められていると思います。
プラスチックごみゼロ宣言を昨年十二月にした京都の亀岡市ですが、そこでの議論を読んでおりましたら、こういう文書が出てきました。
海外からの観光客には、マイバッグを持っていない人も多いのではないか、つまり、プラスチックの普通の袋をちゃんとお土産用に用意しておかなければいけないんじゃないか、こういう質問が業界団体の方から出たと。
それに対して外国の方は、逆に、まだプラスチックを使っているのか、こういう指摘をする方が多いというふうに市側が答えている、そういう文書があったんですね。
それを見て、私もなるほどと、今それが世界の流れなんじゃないかなというふうに思いました。世界中でプラスチックごみを出さない取り組みが進んでいますから、そういう意味では、本当に東京からプラスチックごみを減らしていく絶好のチャンスと今の時期を捉えて、実効性ある取り組みをしていただきたいと思います。
ちなみに、亀岡市では、ことしの八月二十日からレジ袋の有料化を実施すると。五月二十九日には、市内の幾つかのスーパーなど事業所と、エコバッグの持参でレジ袋を大幅削減するための協定も結んでいます。
そして、市のホームページを見ますと、レジ袋削減のためのさまざまな取り組みが紹介されています。
その一つが、エコバッグシェアツリーというもので、これは亀岡の市役所の職員通用口に置いてあるんです。私も時々そういうことがあるんですけど、エコバッグをいつも持っているんですけど、前の日にお買い物して、家にエコバッグを置いてきてしまった。今お買い物へ行きたいけどエコバッグがない。そういうときに、通用口のところにエコバッグを幾つかかけておくそうです。職員の方がお昼休みにコンビニに買い物へ行くときは、それを持って買い物に行って、エコバッグを使って帰ってくる、こういう取り組みを工夫してやっているということです。
さまざまな取り組みがあると思いますけれども、そういった取り組みもぜひいろいろ知恵を使って取り組んでいただきたいと思います。
そして、発生源をもとから絶つためには、日本ではまだおくれているんですけれども、拡大生産者責任、つまり使用後の製品回収や再資源化の費用まで製品のコストに組み入れて、生産者の責任で負担させる、こういう考え方もまだまだおくれているので、こういうこともきちんと進められるように、東京からもぜひ声を上げていっていただきたいと思います。
次に、リサイクルについて伺います。
徹底して削減に努めた上で、次はリユース、リサイクルを推進していく、分別できなかったものは熱回収を実施というご説明でした。
プラスチック循環利用協会によりますと、二〇一七年の廃プラスチック排出量は九百三万トン。処理の状況を見ますと、一四%が国内で材料リサイクル、ケミカルリサイクル、五八%が国内で熱回収、一四%が輸出。この輸出先は中国、タイ、ベトナム、マレーシア、台湾など、アジア各国でした。
現在、中国を初め各国で輸入規制が始まっていると。輸出量は、二〇一六年の百五十三万トンから二〇一八年は百一万トンまで減少している。
減少分は国内で処理することになりますが、この対策について、今大変苦慮しているということで先ほど質疑がありましたので、質問は割愛しますけれども、輸出できる量はさらに減っていくことが予想されますので、国内で廃プラスチック類のリサイクル施設をふやしていくだとか、国内で資源循環体制をどうつくっていくのかということが求められていると思います。
中間答申では、国が資源循環戦略を示していますけれども、その先にあるものをきちんと見据える必要があるということも述べています。
SDGsのゴール十二が掲げる持続可能な消費及び生産、つくる責任、使う責任に先導的に取り組んで、ゼロウエースティングを目指すべきだというふうにしています。ここが長期的視点というところで述べられていますが、これはどういうものを目指すということなのか、具体的にお伺いしたいと思います。
○宮澤資源循環推進部長 ご指摘のゼロウエースティングでございますが、こちらは新規に資源を投入する量の最小化を図るとともに、リユースや輪の閉じた循環である、いわゆる水平リサイクルを徹底し、環境中への排出を実質ゼロとする考え方でございます。
中間答申では、ゼロウエースティングの実現により、資源採取による自然破壊や土地の荒廃等とともに、廃棄による環境負荷をゼロにすることを目指すべきとされております。
○里吉委員 資源採取による自然破壊もだめ、それから、廃棄で環境負荷を与えるのもだめ、両方ともそれをしないために、極力、今、プラスチックになっているものを再材料化して、そこからまたプラスチック製品をつくっていく、輪の閉じた循環ということが目指されているということですよね。
そうすると、日本でリサイクルといわれている中に熱回収があって、これは先ほども議論がありましたけれども、CO2排出も前提ですし、海外ではリサイクルとは認識されていない。
一般焼却はもちろん、日本のリサイクルの五八%の熱回収も減らしていくべきだというふうに思いますが、都の認識を伺います。
○宮澤資源循環推進部長 循環型社会形成推進基本法では、循環型社会の確立に向けた廃棄物の処理に関して、発生抑制、再使用、再生利用、熱回収、適正処分といった優先順位が示されております。
また、中間答申におきましても、まずはリデュースを徹底し、その上で分別、選別されたプラスチック資源の品質、性状等に応じて、リユース、材料リサイクル、ケミカルリサイクル、熱回収等を最適に組み合わせ、バランスを考慮しつつ推進していくべきとされております。
こうした基本的な考え方のもと、今後も廃プラスチックの発生抑制やリサイクルの拡大を進めることで、焼却量の削減に取り組んでまいります。
○里吉委員 今、焼却量の削減を実現していくということで、優先順位としても発生抑制、再使用、再生利用があって、次が熱回収だというご説明がありました。
ただ、残念なことに、今まだ材料リサイクル、ケミカルリサイクル一四%、五八%が熱回収、焼却しているということで、ここは本当にこれから取り組んでいく課題だと思うんですが、先ほど来、東京二十三区でまだ廃プラの熱回収をしているところが多いということがありましたけれども、私もこれをいろいろ調べてきたんですけれども、熱回収もリサイクルだという考え方がありまして、ここからなかなか脱却できない、そういう自治体が多いんですね、お話を聞いていると。
そういう意味では、ここに対してどうしていくのか、都の認識と今後の対応について、私からも伺いたいと思います。
○宮澤資源循環推進部長 特別区内の廃プラスチックリサイクルについては、平成二十年度に焼却熱を利活用するサーマルリサイクルが本格実施され、その後、一部の自治体では、可燃ごみとして廃プラスチックの収集を継続してございます。
こうした自治体では、再資源化する廃プラスチックの回収対象を食品トレー等に限定するほか、収集方法を公共施設等における回収にとどめており、分別収集に向けた一層の取り組みが必要であると認識しております。
現在、分別収集実績の低い自治体を中心にヒアリング調査を実施しておりまして、都としては、分別収集の実態を個別に把握し、課題を整理した上で、地域の実情に即した再生利用の取り組みを働きかけてまいります。
○里吉委員 ぜひ実情に即した再生利用の取り組みを働きかけていただきたいというふうに思います。
そして、プラスチック削減プログラムについては、最終答申を受けてまとめるものだというふうに伺っていますが、数値目標など具体的にどのようなものを考えているのか伺います。
○宮澤資源循環推進部長 先月開催されましたU20メイヤーズ・サミットにおきまして、知事は、二〇五〇年にCO2排出実質ゼロに貢献するゼロエミッション東京の目標を発表いたしました。
あわせて、家庭や大規模オフィスビルから排出される廃プラスチックの焼却量を二〇三〇年までに四〇%削減する新たな目標をお示しいたしました。
今後、こうした削減目標の達成に向けた取り組みに加え、廃プラスチックをめぐる国際的な状況、国の動向等も踏まえ、秋に取りまとめられる廃棄物審議会の最終答申をもとに、プラスチック削減プログラムを策定してまいります。
○里吉委員 新聞報道では、二〇一七年度に約七十万トンだった廃プラスチック焼却量を二〇三〇年度には四割削減して約四十万トンにすると。ストローやスプーンといった使い捨てプラスチックの排出を減らした上で、容器や包装の分別を徹底し、リサイクルをふやして焼却量を圧縮すると都が方針を示すことで、区市町村の取り組みを促すというふうに書かれておりました。
つまり、先ほど伺った自治体の熱回収も含めて、ここもリサイクル、ケミカルリサイクル、材料リサイクルの方に、熱回収ではないリサイクルの方に促していくことも含めて、焼却量を減らしていくということだというふうに思います。数値目標を掲げたことは大きな一歩だと思います。
今後、最終答申では、その四割削減をどう実現していくのか、具体的に使い捨てプラスチックをどうやって減らしていくのか、ケミカルリサイクルをどう進めていくのか、熱回収の割合を結果としてどうやって減らしていくのかを示していただきたいというふうに思います。
そのために、先ほども述べましたけれども、生産者責任を明確にして、プラスチック生産量そのものを減らすことや、また消費者の意識改革なども進めていくことが必要だというふうに思います。
最後に、先ほど紹介した京都の亀岡市では、平成二十四年、内陸部の自治体で初めてとなる海ごみサミットを開催したというふうに伺いました。それは、地元を流れる保津川のごみがきっかけでしたけれども、深刻化する海洋プラスチック汚染の問題全体を視野に入れて、取り組みをどんどん進化させていっています。
そして、十二月に採択した、かめおかプラスチックごみゼロ宣言では、最後に、二〇三〇年までに使い捨てプラスチックごみゼロのまちを目指します、そして、自然環境の保全と地域経済の活性化に一体的に取り組む、世界に誇れる環境先進都市を実現しますというふうに述べています。
私は、東京都が本当に環境先進都市といえるように、まずはこれから掲げられるであろうプラごみの四割削減を、できましたら二〇三〇年を待たずに一刻も早く実現していただきたい。そのために具体的な実効性ある施策を示していただきたいということを強く求めまして、質問を終わります。
○西沢委員 私からも、この東京都廃棄物審議会プラスチックの持続可能な利用に向けて施策のあり方についてお伺いをしていきたいと思います。
二〇一七年末に中国が環境への懸念から廃プラスチックの輸入を規制したことを始まりに、東南アジア諸国での輸入規制も強化された結果、我が国の廃プラスチックの輸出量は最大五十万トン減少したと推計をされております。
その結果、国内で処理される廃プラスチックが増加し、中間処理等が追いつかず、滞留が発生する事態が生じております。
また、ことし五月にはバーゼル条約締約国会議で、汚れたプラスチックごみが規制対象に追加されるなど、国際的にもプラスチック利用のあり方について議論が進んでおります。
こうした中、国は、G20首脳会議開催前に、プラスチックの3R推進等を基本原則としたプラスチック資源循環戦略を策定いたしました。この中では、ワンウエープラスチックの削減策の一つとして、レジ袋の有料化の義務化についても記載がございます。
きょうも先ほどから何度も何度も議論されていることで、かぶりますので、この辺ははしょりますけれども、環境大臣も先日の記者会見で、レジ袋の無償配布を禁止する法令を制定したいと発言をして、具体的に向けた動きが進みつつあります。
東京都のレジ袋削減に向けた意見交換会が設置されたわけですけれども、これは早くからレジ袋削減について取り組んできたわけで、今回のレジ袋有料化の義務化の方針の受けとめでございます。これは先ほど議論がありましたので、あえて聞きませんけれども、消費者のライフスタイルをやっぱり見直す契機になるということがある一方で、課題もありますよというような話がございました。
私からは、よりよい実効性のある仕組みとなるように、議論をぜひ進めていただきたいということだけ申し上げておきたいというように思います。
国のプラスチック資源循環戦略では、海洋プラスチック対策として、海で分解される生分解性プラスチックの開発、利用を進めることとされております。これも環境大臣の記者会見で、レジ袋の無償配布の中で生分解性プラスチックを例外扱いするかについて今後検討していくという発言があったわけでありますが、一方で、生分解性プラスチックはいまだ開発途上の段階であって、課題があるというふうにも聞いているわけであります。
そこで、都は、生分解性プラスチックに関する国の動きをどのように受けとめているのか、見解を伺います。
○宮澤資源循環推進部長 微生物の働きで自然に分解される生分解性プラスチックは、石油由来のプラスチックに比べて環境への影響が低減される可能性がありますが、海洋中での生分解について効果が確認されているものはまだ少ないと聞いております。
また、使用後にほかのプラスチックとまざった場合、リサイクルの支障になる可能性が指摘されております。
レジ袋などのワンウエープラスチックを削減し、廃プラスチックの発生量を抑制していく観点からも、その利用については技術開発動向を注視しながら、慎重に検討すべきものと考えております。
○西沢委員 確かにおっしゃるとおりで、まだ未知な部分がすごく多いということなんだろうというふうに思います。
ただ、この後、きょうも議論がありましたけれども、さまざま目標を掲げている中で、さまざまな方法を模索していくことは重要であり、ぜひ、東京都は一段レベルの高い場所から注視をしていただきたいということをお願いしておきたいというように思います。
国内で廃プラスチックが滞留している状況を踏まえて、環境省は自治体向けに、廃プラスチック類等にかかわる処理の円滑化等について通知を出しました。その内容は、排出事業者責任の徹底や不法投棄の監視強化といった従来からの取り組み内容を改めて示したものというふうに聞いています。まあ、見ましたけれども、今までいっていたことに加えて、市町村の清掃工場で産業廃棄物の廃プラスチックの受け入れを検討されたい、積極的に受け入れを検討しようという内容も含まれており、これは大きくメディアでも報じられたわけであります。
こうした中で、知事は先日のU20メイヤーズ・サミットにおいて、二〇五〇年にCO2排出実質ゼロに貢献するゼロエミッション東京を実現するという意欲的な宣言をしました。その実現に向けた今後十年間の具体的な目標として、先ほどから議論していますが、家庭や大規模オフィスビルから排出される廃プラスチックの焼却量を、二〇三〇年までに四〇%削減していくことを目指すということが示されたわけであります。
改めて私からもまたお伺いしますが、非常に重要だと思うんですが、この目標設定は、先ほど早めてでもやるべきだという話がございました。裏を返せば、これ、先ほどの議論の中では既に、区市町村に対して働きかけますよとか、オフィスビルについて働きかけますよということで、都が単独で目標を実現できるというものでは当然ないわけで、東京都ひとりで頑張ればこの目標いけますというものではありません。
だから、裏を返せば、どうなるかわからないし、この目標が本当に実現できるのか、逆にいうと難しいんじゃないのかというような声が出るのも当然だと思いますが、そういったことを踏まえて、この廃プラスチック焼却量の削減目標設定の考え方と、その達成に向けた方向性についてお伺いをいたします。
○宮澤資源循環推進部長 新たな目標は、プラスチックの持続可能な利用に向けて、都が具体的な目標値を示すことで、区市町村や都民、排出事業者等の具体的な取り組みを促していくことを目的としております。
目標設定の考え方は、まず、ワンウエープラスチックの利用を削減し、廃プラスチックの発生量を抑制した上で、容器包装プラスチックの分別の徹底などによりリサイクルを進め、焼却量を四〇%削減するという考え方でございます。
目標の達成には、委員ご指摘のとおり、区市町村に対し、容器包装リサイクル法に基づく廃プラスチックの分別収集のさらなる推進を働きかけることや、大規模オフィスビルでの排出段階での分別徹底、収集運搬の効率化により、リユース、リサイクルの大幅な拡大を図ることが必要であると考えております。
ご指摘のとおり、さまざまなステークホルダーのご協力をいただきませんと、この目標達成は難しいというふうに認識してございますので、東京都として大きな方向性をできる限り多くの方に共有いただけるよう、幅広く普及啓発に努めてまいりたいと考えております。
○西沢委員 定めた目標をクリアする努力、覚悟をぜひしていただきたいと改めてお願いをさせていただきたいというように思います。
次に、ワンウエープラスチックの利用を削減し、分別を徹底することでリサイクルを拡大する取り組みは、多くの資源を消費する都庁こそがみずから率先して行うべきものであります。
これも先ほど議論がありましたが、都は、新たに都庁プラスチック削減方針を策定しまして、都庁みずから物品調達等における取り組みとして、特に本庁舎において、会議でのペットボトルの使用禁止などを打ち出したわけでありますが、業務執行における取り組みに加え、職員一人一人の主体的な行動も求められるというわけであります。
私自身は、実態を把握した上で取り組んでいくべきだと思いますが、例えば都庁職員一人一人の意識調査であったり、恐らく各部局に工夫しているところ、うちの部局、うちのこの辺のテーブルではこういうことをやっているよとか、先ほど里吉副委員長の方からも、エコバッグを置いておくというアイデアなんかありました。こうしたことを共有することは重要だと思うんですね。
こうしたことを踏まえて、東京都は、都庁職員による率先行動に向けてどのように取り組んでいくのかお伺いをいたします。
○宮澤資源循環推進部長 都はこれまでも庁内放送等で、職員が売店等で購入する際にレジ袋等の受け取りを辞退するよう呼びかけてまいりましたが、今回の方針策定に伴い、みずから辞退する取り組みを、全職員に対しさらに徹底するとともに、各局を通じて政策連携団体等にも同様の取り組みを要請いたします。
また、廃プラスチックが発生した場合には、よりリサイクルを拡大できるよう、わかりやすい分別方法の掲示などにより、適正な分別を徹底してまいります。
各局においては、こうした取り組みを着実に推進するとともに、都庁舎におきましては、環境局が各フロアのリサイクルルームのレジ袋等の廃棄状況を確認してまいります。
○西沢委員 都庁みずからやることは大事ですね。出先機関もありますから、環境局にかかわらずたくさん、都税事務所は二十三区であればありますし、水道局や水再生センター、水道や下水道や教育庁だったりとかさまざまありますが、もちろんそれも含めてですよね。含めてやっていくということを、改めて連携をしていくということは重要であるというふうに思いますので、お願いしたいと思います。
もちろん都庁みずからですけれども、皆さんは上着を脱いで出席されているけれども、議会、みんな上着を着ているわけで、今改めて議会側もやっぱり考えなければいけないなというのはちょっと考えますし、環境・建設委員会において、議員は出席するときは上着を脱ぐとか、委員長、検討してもいいのかなという気はしないでもないですけれども。きょうはちょっと上着を脱がないで着たままやりますけれども、ちょっと話はそれますけれども、そういった意識改革というのは極めて重要だということを申し上げておきたいというように思います。
この意識改革でありますけれども、廃棄物審議会の中間答申では、当面、都が取り組むべきプラスチック対策の一つに、散乱防止、清掃活動を通じた海ごみの発生抑制が挙げられているわけであります。
海洋プラスチックの問題が発端となり、プラスチック利用のあり方が世界的な議論につながっていったことからも、多くの都民の方々が河川や海岸などのごみの清掃活動に携わることで、海ごみの発生抑制やプラスチックの持続可能な利用について考えるきっかけになると考えます。
立憲民主党の政策、今回の統一地方選挙の統一政策をつくった中では、スポGOMI、スポーツごみ拾いなど、新しい形のごみ拾いの普及などを通じてプラスチックなどの散乱防止に取り組み、意識啓発を進めるということをうたいました。
スポーツごみ拾い、皆さんはご存じだと思いますけれども、やっぱり意識を変えていくということを、都が、もしくは参加した都民の方々、小さいお子様から、啓発には一つの手段ではないのかと思います。今後とも、ぜひこういった活動を推進していくべきと考えるわけでありますが、東京都がこれまでに実施したスポーツごみ拾い大会の実績と今後の取り組みについてお伺いをいたします。
○宮澤資源循環推進部長 スポーツごみ拾いは、従来型のごみ拾いにスポーツのエッセンスを加え、今までの社会奉仕活動を競技へと変換させました日本発祥の新しいスポーツでございまして、区市町村やNPO、地域団体などによりまして開催されております。
環境局におきましては、環境学習の一環として実施しており、ことし三月には葛西海浜公園で開催し、百名ほどのご参加をいただきました。この日は海ごみ問題に関する講義もあわせて実施しております。
これまでの三年間で延べ二百八十名を超える方に参加をいただくなど、都民の関心も高まっております。
今後とも、こうした取り組みなどを通じまして、海ごみ問題やポイ捨て防止の意識啓発はもとより、プラスチックの持続可能な利用のあり方や、持続可能性に配慮したライフスタイルなどについて考えていただく機会を広げてまいります。
○西沢委員 都は今までやってきているわけでありますし、今、答弁の中では機会を拡大するというような答弁をいただきました。これをやることで全て解決するということでは当然ないと思いますが、すごくいいきっかけだと思いますから、ぜひ進めていただければというように思います。
最後に確認ですけれども、ワンウエープラスチックの削減についてのことでございますけれども、中間答申の中で、一〇ページにあるところをちょっと確認していきたいというように思います。先ほどからも議論になっているワンウエープラスチックでございますけれども、使い捨てプラスチックそのものが悪者と、使うことが悪だみたいな形にすぐになるということは、少し配慮しなければいけないというように思います。
この一〇ページの中間答申の中にあるのは、それらを必要とする高齢者や要介護者などの弱者に十分配慮することが重要であるというように書かれています。これは当然でありまして、もちろんエコを推進する立場で、そういうところを積極的にしようということがありますが、そもそも使い捨てのプラスチック、ワンウエープラスチックがなぜあるのかというと、やっぱり便利だからであって、それらを社会的弱者の方が利用するということで、そうした貢献をしていく部分もあろうかと思うんですね。
もちろん便利なだけで、たくさん使って環境に悪いことはやめるということは当然今までも議論してきたわけでありますが、社会的弱者には十分に配慮すべきであるというふうに、私もこの答申のとおりだと思います。
そうした中で考えれば、高齢者だけではなくて、例えば乳幼児、小さなお子様、具体的には保護者の方々にそうした配慮があってもいいんじゃないのかと思いますが、この中間報告の中にはそこが書かれておりません。子育て世代との明確な記載がないわけでありますが、これもあるべきだと思うんですが、念のために、この見解をお伺いしたいと思います。
○宮澤資源循環推進部長 中間答申では、ワンウエー製品の削減を進めるに当たり、それらを必要とする高齢者や要介護者などの弱者に十分配慮することが必要であるとされております。
子育て世代との明確な記載はございませんが、例えば、外出先で乳幼児が飲食する場合など、必要に応じて同様の配慮が必要であると認識しております。
○西沢委員 よかったです。この中間報告では、高齢者や要介護者などと書いてあるわけでありますが、この、などに、今の答弁だと子育て世代、例えば外出先で乳幼児が飲食する場合とかは配慮が必要であるという認識だとありましたが、こういった子育て世代も入るというような認識だということですよね、といった確認ができました。
もちろんワンウエープラスチックの削減は大事ですけれども、ワンウエープラスチックを必要とする方にとって、それを使うことをためらってしまう、それを使うことが悪みたいな形の風潮は避けるような配慮が必要であるということを申し上げて、質問を終わらせていただきます。
○平委員 ほう素及びふっ素の暫定排水基準の見直しについて質問を行います。
東京のメッキ産業は、経済活動の基盤となる日本の製造業を支える基幹産業であります。メッキ産業に携わる方々は、ホウ素やフッ素などの排水基準の達成に向けて、長年にわたり苦労を重ねておられます。
昨年十二月、ほう素、ふっ素等の排水基準への対応に関する意見書を都議会議長名で国へ提出いたしました。
まず、電気メッキの工程において、ホウ素及びフッ素はどのような用途で使われているのか、改めて確認をさせてください。
○近藤自然環境部長 ホウ素は、電気メッキのうちのニッケルメッキにおいて、メッキ液のpH調整剤として使われております。
フッ素は、フッ素が金属を溶かす性質を利用して、メッキの前処理として、メッキを施す金属の表面処理工程で使用されております。
○平委員 ありがとうございます。電気メッキの工程において、ホウ素、フッ素は必要な物質ということ。
それでは、ホウ素、フッ素の排水処理技術と課題についても確認をさせてください。
○近藤自然環境部長 ホウ素、フッ素の排水処理技術では、水酸化カルシウムなどの薬剤を使用した凝集沈殿法や吸着法などが知られております。
しかし、凝集沈殿法には、大量に汚泥が発生するなどの課題があり、また吸着法には、吸着剤を使い捨てにするとコストが膨大になる一方、吸着剤を洗浄して繰り返し使用する場合は洗浄後の廃液の処理が必要になるという課題がございます。
また、都内のメッキ事業者の多くは事業場が狭く、新たな排水処理施設を設置する場所がないという現状がございます。
○平委員 東京のメッキ業界は小規模企業が多く、厳しい経営環境が続いております。東京のメッキ業の多くが市街地に立地し、先ほど部長からの答弁にもございました、狭隘な敷地で事業を営んでいることから、排水処理施設の設置スペースが確保できないなど、排水処理には大変なご苦労をなされております。
ホウ素、フッ素については、平成十三年七月に一律の排水基準が設定されましたが、一部の業種の排水処理技術が開発途上にあることからも、暫定の排水基準が設定をされ、これまで暫定基準の適用期限が延長されてきました。
今回の見直しでは基準値は維持され、都内の事業者に影響はないとのことですが、メッキ業界の現状が変わらない中で、三年後に、もしも基準値が厳しくなるようでは、都内三百二の事業者は経営が成り立ちません。
そこで、都において、三年後の見直しに向けて国へ対する働きかけなど、どのように取り組んでいくのかお伺いをいたします。
○近藤自然環境部長 ホウ素、フッ素の排水基準が導入された際、中央環境審議会の答申において、新しい処理技術の開発、実用化に向けた技術的支援や普及の措置を国が行う必要があるとされております。
そこで、都はこれまでも、安価で実用的な排水処理技術の開発が十分でないことから、大都市に立地する中小企業が導入可能な排水処理技術について、国が主体となって早期に調査研究開発を推進し、その実用化、普及に努めるよう求めてまいりました。
暫定排水基準の見直しに向けては、国に対し研究開発及び実用化に向けた取り組みを推進するとともに、大都市における中小企業の排水実態等を踏まえ適切に対応するよう、関係各局と連携し要求してまいります。
○平委員 ありがとうございます。今回、暫定排水基準は維持されますが、都は、ホウ素、フッ素の排水処理技術の調査研究開発について国に強く要求を行っていただきますよう要望をいたしまして、私の質疑を終わります。
ありがとうございました。
○栗下委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○栗下委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
以上で環境局関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後二時四十四分散会
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