委員長 | 栗下 善行君 |
副委員長 | 関野たかなり君 |
副委員長 | 里吉 ゆみ君 |
理事 | 米川大二郎君 |
理事 | 上野 和彦君 |
理事 | 三宅 正彦君 |
田村 利光君 | |
細田いさむ君 | |
原田あきら君 | |
やながせ裕文君 | |
西沢けいた君 | |
平 慶翔君 | |
入江のぶこ君 | |
森村 隆行君 |
欠席委員 なし
出席説明員環境局 | 局長 | 和賀井克夫君 |
次長 | 吉村 憲彦君 | |
総務部長 | 谷上 裕君 | |
環境政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 | 若林 憲君 | |
政策調整担当部長 | 松本 明子君 | |
地球環境エネルギー部長 | 小川 謙司君 | |
都市エネルギー推進担当部長 | 村山 隆君 | |
環境改善部長 | 筧 直君 | |
環境改善技術担当部長 | 近藤 豊君 | |
自然環境部長 | 須藤 栄君 | |
緑施策推進担当部長 | 金子 亨君 | |
資源循環推進部長 | 松永 竜太君 | |
調整担当部長スーパーエコタウン担当部長兼務 | 風祭 英人君 |
本日の会議に付した事件
意見書について
環境局関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 平成三十一年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為 環境局所管分
付託議案の審査(質疑)
・第六十四号議案 都民の健康と安全を確保する環境に関する条例の一部を改正する条例
・第六十五号議案 東京都自然公園条例の一部を改正する条例
報告事項(質疑)
・プラスチックの持続可能な利用に向けた施策のあり方について(中間まとめ)
・都における気候変動対策に係る主な制度の見直しについて(パブリックコメントの結果等を踏まえた最終案)
○栗下委員長 ただいまから環境・建設委員会を開会いたします。
初めに、意見書について申し上げます。
委員から、お手元配布のとおり、意見書一件を提出したい旨の申し出がありました。
お諮りいたします。
本件については、取り扱いを理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○栗下委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
○栗下委員長 次に、予算の調査について申し上げます。
平成三十一年度予算は予算特別委員会に付託されておりますが、本委員会所管分について議長から調査依頼がありました。
公文の写しはお手元に配布してあります。
朗読は省略いたします。
平成三十一年三月十四日
東京都議会議長 尾崎 大介
環境・建設委員長 栗下 善行殿
予算特別委員会付託議案の調査について(依頼)
このことについて、三月十四日付けで予算特別委員長から調査依頼があったので、左記により貴委員会所管分について調査のうえ報告願います。
記
1 調査範囲 別紙1のとおり
2 報告様式 別紙2のとおり
3 提出期限 三月二十日(水)午後五時
(別紙1)
環境・建設委員会
第一号議案 平成三十一年度東京都一般会計予算中
歳出
繰越明許費
債務負担行為 環境・建設委員会所管分
(別紙2省略)
○栗下委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、環境局関係の予算の調査、付託議案の審査及び報告事項に対する質疑を行います。
これより環境局関係に入ります。
予算の調査、付託議案の審査及び報告事項に対する質疑を行います。
第一号議案、平成三十一年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為、環境局所管分、第六十四号議案、第六十五号議案及び報告事項、プラスチックの持続可能な利用に向けた施策のあり方について(中間まとめ)外一件を一括して議題といたします。
本案及び本件につきましては、いずれも既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○谷上総務部長 去る二月十五日の当委員会で要求いただきました資料につきましてご説明申し上げます。
お手元の環境・建設委員会資料をごらんください。
表紙をおめくり願います。目次のとおり資料は十件ございます。
まず、一ページをお開き願います。1、都内のエネルギー消費量の部門別推移でございます。
平成十八年度から二十八年度までの各年度における産業、家庭、業務及び運輸の各部門のエネルギー消費量を記載しております。
表の上段には、京都議定書の基準年である平成二年度の数値及び都の省エネルギー目標の基準年である平成十二年度の数値を記載しております。
二ページをお開き願います。2、再生可能エネルギーによる都内電力利用割合(過去三年分)でございます。
平成二十六年度から二十八年度までの各年度における再生可能エネルギー都内電力利用割合を記載しております。
三ページをお開き願います。3、太陽光発電の普及状況(直近五年間)でございます。
平成二十五年度から二十九年度までの各年度における住宅用とその他の太陽光発電の設備容量を記載しております。
四ページをお開き願います。4、平成三十一年度補助事業(再生可能エネルギー・省エネルギー関連)概要及び実績でございます。
六ページにかけまして、(1)、スマートエネルギーエリア形成推進事業から(11)、区市町村との連携による地域環境力活性化事業まで、平成三十一年度における再エネ、省エネ関連の補助事業の概要及び実績を記載しております。
七ページをお開き願います。5、二酸化窒素及び浮遊粒子状物質濃度の全国上位十局の推移でございます。
(1)、二酸化窒素につきまして、平成二十四年度から二十八年度までの各年度における全国の測定局の年平均値上位十局を記載しております。
八ページをお開き願います。(2)、浮遊粒子状物質につきまして、同様に記載しております。
九ページをお開き願います。6、大気汚染及び騒音に係る環境基準の達成状況(平成二十九年度)でございます。
まず、(1)、大気汚染における二酸化窒素及び微小粒子状物質(PM二・五)の環境基準達成状況について、それぞれ表の上段に自動車排出ガス測定局、下段に一般環境大気測定局の状況を記載しております。
次に、(2)、騒音における道路交通騒音、航空機騒音及び新幹線騒音の環境基準達成状況を記載しております。
一〇ページをお開き願います。7、都内自動車走行量の推移でございます。
平成十九年度から二十八年度までの各年度における旅客及び貨物の各部門の自動車走行量を記載しております。
一一ページをお開き願います。8、保全地域に係る公有化予算額、公有化面積及び管理費予算額の推移(過去十年間)でございます。
平成二十二年度から三十一年度までの各年度における保全地域に係る公有化予算額、公有化面積及び管理費予算額を記載しております。
一二ページをお開き願います。9、保全地域の指定実績でございます。
平成二十年度からこれまでに指定した保全地域名、年度、指定内容及び指定面積を記載しております。
一三ページをお開き願います。10、廃棄物等の埋立実績(五年分)でございます。
平成二十五年度から二十九年度までの各年度における廃棄物等の埋立実績を種類別に記載しております。
以上、簡単ではございますが、説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○栗下委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより本案及び本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○入江委員 平成三十一年度の環境局の歳出予算は、前年度比八十億六千三百万円、率にして二四・〇%の増額で、都の環境施策に対する意気込みが感じられます。
中でも、ゼロエミッションビークルの普及促進に関する予算は、前年度比四十四億二百万円の増額と、ひときわ大きな伸びを見せています。
スマートエネルギー都市実現のために、走行時にCO2を出さないゼロエミッションビークル、ZEVの普及に向けたさらなる取り組みは重要です。そのためには都民への普及啓発とともに、ガソリン車との価格差の解消と充電インフラの整備推進が求められます。
さて、ゼロエミッションビークルについては、都はかねてより、補助の実施により普及を後押ししてきていますが、まず初めに、これまでの制度の概要と補助実績を伺います。
○筧環境改善部長 都は、平成二十一年度から電気自動車やプラグインハイブリッド車を導入する中小事業者、個人事業者に限定して、国補助額の二分の一を補助してきており、平成三十年度は一台当たり、EV二十万円、PHV十万円を上限に補助しております。
また、平成二十七年度から、燃料電池自動車を導入する個人及び事業者に対しまして、同じく国補助の二分の一を補助しており、補助上限額は約百万円でございます。
制度開始から平成三十年十二月末までの補助実績は、EVが千二百四十三台、PHVが八百二十七台、FCVが四百七十九台でございます。
○入江委員 二十七年度からやっていらっしゃるんですけれども、それほど補助実績はふえてはいないということがわかりました。
しかし、この平成三十一年度から、都は補助対象者を中小事業などのみならず、大企業と個人に拡大し、補助上限額も引き上げることとしています。
そこで、今回制度を拡充する電気自動車、EV、プラグインハイブリッド車、PHV、電動バイクについて、新たな補助制度の詳細と、その制度を使った上での想定台数を伺います。
○筧環境改善部長 都は、EVやPHVの導入に対する補助制度につきまして、これまで中小事業者等に限定されていた対象者を、来年度から大企業や個人にも拡大いたします。
補助上限額は、中小事業者等はこれまでのEV二十万円、PHV十万円から、EV二十五万円、PHV二十万円に増額し、新たに対象とする大企業へも同額を補助いたします。
また、個人に対しては新たにEV、PHVともに三十万円を上限に補助いたします。
平成三十一年度は、EV二千台、PHV四千台に対して補助できるよう、約十八億円を予算計上しております。
また、電動バイクに対する補助制度につきましては、これまで補助対象者を事業者に限定していましたが、平成三十一年度からは対象を個人にも拡大いたします。
補助事業は今年度、平成三十四年度までの五年間、四百台分の補助額として予算計上した三千二百万円を原資に実施いたします。
○入江委員 新たに個人の方も補助対象になったということは大変大きな前進です。個人の方にとっては従来のガソリン車と比べて、追加の負担を生じることなくゼロエミッションビークルを購入できるようになっているかどうかが大きな関心事で、その点が普及に向けた鍵になると思います。
そこで、今回の都の制度の拡充により、国と都の補助なども合わせると、ガソリン車並みの価格で購入することができるのか、またできる場合、都民への周知をどのように行っていくのか、あわせて伺います。
○筧環境改善部長 来年度の補助上限額の拡大により、国と都の補助、自動車税や自動車取得税等の減免、ガソリン代と電気代の価格差による燃料低減効果などを含めたライフサイクルコストで見た場合に、ガソリン車と同程度の負担でEVやPHVを購入することが可能になると試算しております。
こうした点を消費者に対して丁寧に説明するよう、自動車ディーラーに対して働きかけるほか、都においてもわかりやすいチラシを作成するなどにより、都民の皆様へ周知をしっかりと行ってまいります。
○入江委員 わかりやすいチラシの作成、大変大事だと思います。さらに、自動車ディーラーの店頭に、個人の方がディーラーに興味があって行くわけですけれども、都の補助や減税があるということを伝えるステッカーなどを掲示することも有効だと思います。こうした販促ツールの作成も検討するように要望いたします。
今回大きく増額された補助制度の予算については、環境公社に一旦予算を全て渡し、執行していくことになると聞いています。どんなによい施策でも利用されなければ意味がありません。
新しく対象になった都民の皆様に都の制度を利用できることを知ってもらい、なるべく多く活用していただくためにも、可能な限り早期に募集を開始し、周知を図りながら補助実績の向上を目指していくべきだと考えますが、見解を伺います。
○筧環境改善部長 本事業を多くの都民の皆様に活用していただくためにも、早期に募集を始めるとともに、PRを継続していくことが重要です。
このため、現在四月上旬の受け付け開始に向けて、事業実施に必要な制度構築やさまざまな調整を進めております。
募集に当たっては、自動車ディーラー等を対象とした説明会を開催するほか、メーカーや自動車ディーラー各社等に対して制度周知への協力を働きかけることで、着実な運用を目指してまいります。
○入江委員 四月上旬から受け付け開始ということですから、もう間もなくです。都民の皆さんに実際に電気自動車、EVなどを購入してもらうには、こうした補助制度の情報がきちんと届くことが重要です。しっかりと周知を図ってください。
また、制度の拡充によって車両価格が大変リーズナブルになり、皆さんの購入意欲が高まったタイミングを逃さずに、長期間お待たせすることなく、確実に車が購入できるように、メーカーなどに働きかけていただきたいと思います。
電気自動車、EVなどの普及に向けたもう一つの大きな課題は、充電インフラです。充電インフラの場所が余りないといったユーザーが不安にならないように、整備を促進していくことが大変重要だと考えます。取り組みを伺います。
○筧環境改善部長 都は今年度から、集合住宅における充電設備導入促進事業を開始し、国補助とあわせて利用することで、実質負担ゼロで集合住宅にEV用充電器を設置できるようにしております。
また、都立公園など都有施設への急速充電器の設置も進めております。
加えて、平成三十一年度からは、充電設備設置補助の対象施設を事務所や工場、商業施設、宿泊施設等にも拡大し、充電インフラの整備を促進してまいります。
○入江委員 確かに私の地元港区は、かなりこういった充電施設、設備がある商業施設はふえております。ただ、東京都全体で見ますと、いろいろとばらつきがあるかと思いますので、都有地を含め、まずそうしたインフラ整備もきちんとされるようにお願いしたいと思います。
さて、個人の皆さんへゼロエミッションビークルを普及させていくに当たっては、興味や関心を高めていくことが大変重要です。まず、とにかく一度、ZEVを体験してもらうということが必要ではないでしょうか。
例えば、近年非常に利用が拡大していますカーシェアリング、こうしたことにおいてもZEVの導入を図り、実際に買い物やレジャーなどで利用してもらうことは大変効果的だと考えます。
都は三十一年度、レンタカー、カーシェアリングにおけるZEV導入促進事業を新たに実施すると聞いていますが、事業概要と規模について伺います。
○筧環境改善部長 平成三十一年度から二カ年、東京都とレンタカー、カーシェアリング事業者が共同事業を実施し、都民にZEVの利用機会を創出いたします。
公募で選ばれた事業者に対して、都が運営費の一部を負担することで、事業者はZEVのレンタカー、カーシェアリングサービスを都民に手ごろな価格で提供いたします。
また、車両には共通ロゴのラッピングを行うことで、まちなかを走るZEVのPRを図っていくとともに、利用者に対するアンケートの実施等を行うことで、今後のZEVの普及策に生かしてまいります。
なお、事業の規模は、EV、FCV合わせて百台程度を想定しております。
○入江委員 車両の共通ロゴのラッピングをされるということ、大変よいと思います。ぜひすてきなデザインでセンスよく、東京都ということもちょっとわかるようにアピールしていただきたいと思います。
さて、二〇一四年から、化石燃料を使用しない電気自動車のフォーミュラカーによるレースであるフォーミュラE選手権が始まり、今、五年目のシーズンに入っています。今期は先日、香港で開催されましたが、今後はローマ、パリ、ベルリン、ニューヨークなどで開催されます。日本の日産自動車が参戦したことも話題です。
ゼロエミッションビークルが普及することでCO2排出量が削減され、気候変動対策となり、持続可能な地球を実現するということを都民、国民の皆さんに広く理解してもらうために、こうした電気自動車のF1といわれるフォーミュラEなどの大規模イベントを実施することは大変インパクトがあり、効果的だと考えます。
都は来年度、ZEV普及のための大規模イベントの調査検討を行うとしていますが、今後、どのような検討をしていくのか伺います。
○筧環境改善部長 ゼロエミッションビークルの普及に向けては、多くの都民の皆様にZEV普及の重要性を理解していただくとともに、関心を持っていただくことが重要でございます。
都は来年度、フォーミュラEのような集客力のある大規模イベントによる普及啓発について調査検討を行います。具体的には、フォーミュラEの招致やモーターショーを初めとした既存イベントへの出展、都による新たなイベントの開催などについて、課題や費用対効果等を調査し、今後のゼロエミッションビークル普及に向けた効果的なPR方法のあり方を幅広く検討いたします。
○入江委員 都の目標、二〇三〇年時点の乗用車新車販売に占めるゼロエミッションビークルの割合を五割まで高めるという大変大きな目標です。この目標を達成するためには、メーカーなどへ量産体制構築や販売促進を働きかけるほか、都としても多彩な施策を積極的に展開していくことが必要だと考えます。都の見解を伺います。
○筧環境改善部長 昨年五月、自動車メーカーの業界団体である一般社団法人日本自動車工業会に対しまして、車種拡大やさらなる技術開発、販売促進など、ゼロエミッションビークルの普及に向けた働きかけを知事から直接行ったところでございます。
現在、国内の主要自動車メーカーは、二〇二〇年代前半のゼロエミッションビークルの車種拡大、量産体制構築等を目指して開発を進めております。
都は、こうした動きをしっかりと捉え、メーカー等とのさらなる連携体制を構築するとともに、補助制度や普及啓発を初めとする政策面での後押しを多面的に展開し、目標の達成を目指してまいります。
○入江委員 持続可能な地球のために、ガソリン車からゼロエミッションビークルへ、こうした時代とともに産業構造が大きく変わるときは、やはり行政のバックアップが大変重要です。
今後、ゼロエミッションビークルを普及させていくためには、都民へのわかりやすい普及啓発、ガソリン車との価格差解消、インフラ整備がさらに求められます。都にはこれらの課題解決に総合的に取り組んでいただくことを強く要望いたします。
次の質問に移ります。
環境局のこれまでの実績をもとに施策が期待される東京二〇二〇大会の暑さ対策について伺います。
東京は地球温暖化の影響に加え、都市化の進展によるヒートアイランド現象の影響もあり、夏の暑さは年々厳しくなっています。
こうした課題に対処するため、これまでも環境局は都市のヒートアイランド対策に取り組んできましたが、その内容と得られた知見について伺います。
○村山都市エネルギー推進担当部長 都は、区市町村等と連携し、道路舗装の遮熱化、街路樹や公園の整備、建物の屋上や壁面の緑化等、長年にわたり幅広くヒートアイランド対策に取り組んでおります。
環境局では、微細ミスト設備等の設置によるクールスポットの創出を行う自治体や事業者に対して、設備の整備費用のうち二分の一を補助する等により、これまでに合計二十九カ所のクールスポットの整備を行いました。
また、東京二〇二〇大会の競技会場周辺で観光客等が多く集まる地域を有する区市を指定し、先ほどのクールスポット創出支援事業よりも微細ミスト等の整備費用の補助率をかさ上げし、最大で全額補助することで重点的に整備するクールエリア事業も実施しております。
昨年度は中央区と調布市、今年度は千代田区と港区の合わせて四エリアの整備を促進いたしました。
さらに、民間事業者と連携した暑さ対策の実証実験を東京ミッドタウン日比谷等で実施し、ミスト等による散水とパラソル等の日よけを組み合わせた際の効果等を測定し、結果を公表しております。
○入江委員 これまでも大変取り組んでいただいていたことはわかりました。特に昨年の夏は災害級の暑さといわれ、東京二〇二〇大会の開会式というのは来年の七月二十四日なんですけれども、昨年の七月二十四日の気象庁のデータを調べますと、最高気温は三十五・三度。ちょっと雨が降ったんで低かったんです。前日の二十三日というのは三十九・〇度ございました。
こうした厳しい暑さに対応し、熱中症発生などのリスクを減らすために、昨年八月に副知事をトップとする全庁的な暑さ対策検討チームが設置され、環境局、建設局などが暑さ対策のための予算を要求しています。
環境局では、新たに暑さ対策費用として三十一年度予算に一億六千万円を計上し、これに加え、債務負担として二十億円が計上されていますが、その内容について伺います。
○若林環境政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 平成三十一年度予算に計上した一・六億円につきましては、テストイベントにおいて暑さ対策を試行するための費用、二〇二〇大会における暑さ対策に関して調査検討するための費用のほか、東京都環境公社に設置した暑さ対策緊急対応センターを運営するための費用となっております。
このうち、テストイベントにおける暑さ対策の試行、二〇二〇大会における暑さ対策の調査検討につきましては、今年度から速やかに着手する必要があったため、昨年十二月の補正予算において債務負担を計上いたしました。
また、債務負担の二十億円につきましては、東京二〇二〇大会本番の暑さ対策の発注を平成三十一年中に行うことから計上したものでございます。
○入江委員 東京二〇二〇大会では、会場内の暑さ対策は組織委員会が行いますが、会場までのラストマイルやマラソン、競歩などの路上競技の沿道や、都が実施するライブサイトでの暑さ対策は都が担うことになります。
この全ては環境局が実施するという認識でよいのでしょうか。オリ・パラ局や建設局との重複はないのか伺います。
○若林環境政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 庁内各局の役割分担につきましては、先ほどお話のありました暑さ対策検討チームの中で、環境局が東京二〇二〇大会における観客に向けた都市の暑さ対策を実施することとし、一括して行っております。
なお、東京二〇二〇大会だけでなく、恒久的に設置される都道の遮熱性舗装や、都立公園におけるミストの整備などについては、建設局など、その事業を所管する局が行うこととしております。
○入江委員 今回の暑さ対策の予算は、この夏に行われるテストイベントにおいて、暑さ対策を試行するための費用も含まれているとのことです。
この試行に対して、実施主体と具体的な内容について伺います。
○若林環境政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 暑さ対策の試行は、この夏に行われますビーチバレー、ボート、トライアスロン、ホッケー、マラソンの以上五つのテストイベントにおいて行います。この対策につきましては、環境公社に設置した暑さ対策緊急対応センターが中心となって、各競技団体等とも連携しながら進めてまいります。
対策の内容といたしましては、仮設のテントやミストの設置等のハード対策のほか、うちわ、帽子、かち割り氷の配布等のソフト対策も予定しております。
このテストイベントにおいて試行した結果を検証し、東京二〇二〇大会における暑さ対策が効果的なものとなるよう、具体的な実施方法等について検討してまいります。
○入江委員 今、ご答弁の中でテストイベントにおける結果を検証して大会本番での実施方法などを検討するということですが、具体的にどのように検証し、いつまでに大会本番の暑さ対策の内容を定めていくのか伺います。
○若林環境政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 テストイベントにおける試行の際に温度や暑さ指数を測定し、あわせて観客等へのアンケート等を行い、対策の効果について検証いたします。
この検証結果とともに職員が現地調査等を行った結果も踏まえまして、秋ごろを目途に、熱中症の危険性が高いエリアなどの重点的に対策を実施する箇所や対策の内容、必要経費等について取りまとめを行い、今回計上した債務負担額の範囲内で、東京二〇二〇大会本番の暑さ対策の発注に反映させてまいります。
○入江委員 かねてより申し上げておりますけれども、東京二〇二〇大会経費については、できる限りの適正な縮減、費用コントロールは重要だと訴えております。
テストイベントをした上で本番の策定をし、今、債務負担として二十億計上している中での実際の予算要求を三十二年度にしていくということですので、その辺はどうか効果的である上に、無駄がないようにお願いしたいと思います。
大会本番では、暑さ対策にあわせて、熱中症などになる方が出た場合の速やかな対処方法も重要です。この熱中症への対応については、オリ・パラ局がラストマイルやライブサイトの救護体制について検討を進めています。
環境局は、暑さ対策という担務ではありますけれども、多分オリ・パラ局が統括プロデューサーとなって、詳細な運営マニュアルを作成してくるようになると思うんですけれども、十分に各担務のすり合わせをしていただきたいと思います。
暑さ対策について全庁的な検討チームを立ち上げたように、東京二〇二〇大会が人々から成功したと評価されるためには、環境局やオリ・パラ局を初め、関係各所が組織委員会ともしっかりと連携していくこと、そして施策の重複や無駄をなくし、合理的に取り組んでいくことが重要です。
暑さ対策についていえば、長年にわたり都市のヒートアイランド対策に取り組んできた環境局が中心となって、その知見を生かしながら、きめ細かく、最大限の効果を発揮する本番計画を策定していただきたいと思います。
東京二〇二〇大会に向けて、関係各所とともに連携して暑さ対策に取り組んでいく環境局の決意について、暑さ対策検討チームのリーダーである環境局次長にお伺いします。
○吉村次長 昨年八月に、長谷川副知事をトップといたします検討チームが設置されまして、そのチームリーダーとしてオリ・パラ準備局などの関係各局や組織委員会などとの何度にもわたる議論を経まして、ただいま部長がご答弁いたしました暑さ対策のフレームを固めてまいりました。
昨年夏の、一つの災害とも称されるような暑さに、来年の大会本番が見舞われた場合であっても、都民や世界各国から集まるお客様の健康と安全を、何としても守らなければならないというふうに考えてございます。
また、加えて、かつてないほどの規模で多くのメディアが集まり、メディアは競技結果にとどまらず、東京の真の姿を全世界に発信し続ける中にあって、こうした暑さ対策の取り組みが、大会開催都市東京としての姿勢と能力を試される場面であるとも認識しております。
今後、大会本番に向けて、テストイベントでしっかり検証いたしまして、委員ご指摘のとおり、コストベネフィットにも十分留意し、仮設テントやうちわといった緩和対策だけでなく、福祉保健局や消防庁などとも連携し、医療救護や情報発信等も含めた総合的な暑さ対策の検討と準備を、スピード感を持って進めてまいります。
さらには、一連の取り組みで得られた知見とノウハウを今後の都市における暑さ対策に生かしていくなど、レガシーとしても都民に還元できるよう取り組んでまいります。
○入江委員 丁寧なご答弁、大変ありがとうございました。私もオリ・パラ推進対策特別委員をずっとやっておりまして、オリ・パラ局の方は、暑さ対策については環境局さんにともかくお任せしたというようなふうにいって……。笑っていらっしゃいますけれども。
とにかくオール東京で、全庁を挙げて、絶対にこれは成功させなければいけない。そして、十分な暑さ対策を施して、本当に、例えば重篤な方が出るとかそういったことは避けなければいけない。なので、どうぞしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
とにかく大会までは残り五百日を切りました。ことしの夏に行われるテストイベント大会の機会を十分に活用して、効果的に大会本番で対策が行われるよう検証し、関係各局や大会組織委員会と連携して対策を前に進めていただくとともに、この東京二〇二〇大会で得られた暑さ対策の知見を大会のレガシーとして大会後の暑さ対策にもしっかりと活用していただくように要望して、質問を終わります。
ありがとうございました。
○上野委員 私からは、来年度当初予算のうち、清流復活事業について何点か確認したいと思います。
現在、環境局では、下水道の再生水を活用して、玉川上水を初め、城南河川などの水環境の改善に大きく貢献されているところでございます。
かつて東京は、高度経済成長による都内への人口や産業の集中によりまして、水需要の急速な増加が生じました。水道施設の更新を余儀なくされたわけでございます。
淀橋浄水場の廃止に伴い、失った玉川上水の水流をよみがえらせ、また地表がアスファルトやコンクリートで覆われることで減少した河川への水流をもよみがえらせようという計画の中で開始した清流復活事業であると思いまして、まさに当時としては画期的な事業であったと、このように記憶しております。これはもう本当にすばらしいアイデアであり、現在も全国での水環境の改善を検討する自治体などで注目されている事業であるわけであります。清流復活事業は、こうした都会の水の再生を図る都の取り組みの一つであるわけです。
そこで、まず、改めてこの事業の内容やスキーム、実施に至った経緯などを詳しく説明していただきたいと思います。
○須藤自然環境部長 多摩地域における清流復活事業は、下水道局多摩川上流水再生センターの下水処理水の一部を、砂ろ過及びオゾン滅菌により高度処理し、玉川上水の小平監視所まで導水して、野火止用水、玉川上水及び千川上水にそれぞれ放流するものでございます。
本事業は、昭和五十六年度から平成二年度に、総額約七十四億円をかけて整備が行われ、導水管は水道局、高度処理施設は下水道局が整備し、事業に係る費用は当時の環境保全局が一般会計として両局に支出をしております。
また、清流復活事業の実施に当たっては、下水の本来の放流先である多摩川に影響を及ぼさないよう、事業開始当時に建設省と都市計画局、環境保全局、建設局との間で覚書を締結し、高度処理水の送水量の上限を取り決めております。
事業の経緯といたしましては、東村山浄水場の稼働と淀橋浄水場の廃止に伴い、玉川上水から野火止用水への分水が段階的に停止したことで、昭和四十八年、慣行水利権を有する埼玉県側から都に対して清流を復活するよう要請があったことに端を発しております。
こうした動きを踏まえ、水の流れが途絶えた野火止用水、玉川上水に水の流れを復活させるため、昭和四十九年から庁内関係七局によるプロジェクトチームで検討を行い、昭和五十五年の首脳部会議の決定を経て、昭和五十六年二月の東京都総合実施計画に送水の実施が盛り込まれたものでございます。
○上野委員 詳しい説明をしていただきまして、その経緯というものもよくわかったわけでございますけれども、この事業を支える下水道施設などの年間の維持管理に要する費用というのはどの程度かかっているのかお知らせください。
○須藤自然環境部長 多摩川地域の清流復活事業の維持管理経費でございますが、具体的には、多摩川上流水再生センターの砂ろ過施設及びオゾン処理施設で下水を高度処理するための経費や、センターから放流先の野火止用水、玉川上水まで導水するための経費でございますが、これらについては一般会計の環境局が負担をしております。
平成三十一年度予算では、多摩地域の清流復活事業に係る維持管理経費として約一億八千万円を計上しております。
○上野委員 事業を支えるそうした下水道施設などの維持に、来年度一億八千万程度計上しているというご説明でありました。現在の下水道施設を活用した事業では、機械設備が耐用年数を過ぎると大規模な更新が必要となるわけであります。
玉川上水などに通水を開始してから既にもう数十年が経過しております。この間にも施設の更新があった可能性は高いわけですが、これまでに施設の大規模な更新や修繕が必要となったことがあるのでしょうか。また、その場合にはどの程度の費用負担が必要だったのでしょうか。さらに、今後の見通しを含めましてお答えいただきたいと思います。
○須藤自然環境部長 清流復活事業の関連施設は、昭和五十九年に通水を開始して老朽化が進行していたため、平成二十年度から二十四年度にかけて大規模な更新を実施いたしました。
経費につきましては、導水設備とオゾン処理施設の更新に約十一億円かかっており、国庫補助金を除いた約六億円を一般会計の環境局が負担しております。
今後も事業の安定的な継続のため、下水道局と協議を行いながら、計画的に対応してまいります。
○上野委員 都市環境の維持のためには、ある程度の費用の負担というのは当然必要だと思います。ただ、事業内容をさらに今後とも見直しし、より望ましい水環境を整備する努力も必要であると思います。
例えば、現在の玉川上水には下水道の再生水を活用して清流復活事業を継続しているということでございますが、この再生水を河川水に変えることができれば、玉川上水の水環境はさらに向上するんではないかと。何より再生水の導水に係る年間の電気代や機械施設を維持するための大規模更新費が実質的には不要になってくるわけであります。
そこでお尋ねしますが、清流復活事業を計画した時点で、下水道の再生水ではなく、多摩川の水の活用を検討されなかったのでしょうか。また、現在、多摩川の水の活用はされておりませんが、どのような課題で実現できなかったのか見解を求めます。
○須藤自然環境部長 清流復活に活用する水につきましては、プロジェクトチームによる検討の初期の段階から、下水の二次処理水、三次処理水を導入することについて、技術的な検討が行われておりました。多摩川の水の活用の検討につきましては資料が残っていないため、詳細については不明でございます。
また、現在、多摩川において、清流復活の水に活用するための水利権というものがないため、河川水への変更については新たな水利権が必要でございます。
○上野委員 また、関連して確認いたしますけれども、清流復活事業は、多摩川上流水再生センターの再生水を活用して、玉川上水だけでなく、野火止用水や千川上水にも導水されています。
千川上水については、いまだに都が管理することとなっております。
一方、野火止用水は、法定外公共物として地元の市が機能管理を担当するなど、管理形態が異なることから、関係自治体との調整も苦労されたことと思います。
そこで、野火止用水への通水に当たって、地元の市や埼玉県側の自治体とどのような取り決めを行って通水を実現させたのか、費用負担に関する考え方もあわせてお尋ねいたします。
○須藤自然環境部長 冒頭、繰り返しとなって恐縮でございますが、野火止用水の清流復活事業は、東村山浄水場の稼働と淀橋浄水場の廃止に伴い、玉川上水から野火止用水への分水が段階的に停止したことで、慣行水利権を有する埼玉県側から都に対して清流復活の要請があったことに端を発しております。
埼玉県側からの強い要請のほか、都内流域六市による野火止用水保全対策協議会や、埼玉県新座市の平林禅寺の自然と文化を守る会等の地域団体からも要望、陳情が相次いでございました。
これらの動きを踏まえ、下水処理水の導水による清流復活について、昭和五十五年九月に東京都と埼玉県で合意し、また通水計画の具体化に向け、昭和五十七年二月に取り交わした覚書において、通水後の用水路の維持管理は埼玉県側も含む関係者が行うこととするなどの取り決めをして、通水を実現させたものでございます。
なお、都と埼玉県の費用負担の考え方については、環境局には明確な資料がないことから、不明でございます。
○上野委員 今のご答弁にもありましたように、この清流復活事業の実現に当たりましては、都環境局は、下水道の再生水を活用するアイデアを考えただけではなくて、さまざまな課題、こういったものを克服してこの事業にこぎつけてこられたということがよくわかったわけであります。私は、そのご努力、ご尽力というものを高く評価したいと思っているところでございます。
ところで、一昨年の七月二十一日だったと思いますけれども、小池都知事が石井国交大臣と同日に発表いたしました記者会見で、首都高速の地下化によって国際金融都市にふさわしい品格のある都市景観の形成、それから、歴史、文化、さらには水辺を生かした日本橋の顔をつくっていく、こういった記者会見がありました。皆様も覚えていらっしゃると思いますけれども。
この日本橋を江戸文化の象徴として復活させて国際金融都市の顔をつくる、こういったことを明言されたわけでございますけれども、私が注目するのは、日本橋の顔という日本橋、この日本橋の下を流れる川なんですね。日本橋川の存在です。
ここの川というのは、いわゆる三つの街区といわれる兜町、日本橋、大手町、これが非常に驚くほど川でつなぐと近いんですね。地上よりも近い。時間も早くなっていく。大手町も日銀も日本橋川でつながっておりますし、日本橋川を下っていって隅田川を渡っていくと、MICEの拠点となっていきます臨海副都心にもつながっていくということで、陸を走るよりも船で行った方が近いという非常に便利なところになっていく。
まさに水辺を利用した国際金融都市として、水の都東京が誕生するということでございますが、日本橋の上にかかっている首都高がいつ撤去されるのかということになると、オリンピックの終わった後に首都高の地下化の工事が始まるということで、これが約十年ぐらいかかるんじゃないかといわれているわけですね。そうすると、二〇三〇年代には首都高の撤去が始まってくるということで、日本橋そのものが青空のもとにぱっとあらわれてくるのは二〇三〇年代ということで、あと十年ちょっとしかありません。
この二〇三〇年代、日本橋がざっとあらわれたときに、そこにきれいな日本橋川が流れていたら本当にうれしい限りなんですが、皆様もご存じのとおり、今、この日本橋川は、夏場にはアオコが流れています。非常に臭い、においます。私も船で渡ったりしましたけれども、本当に臭いんですね。こうした状況。
何で日本橋川にアオコが流れているんだろうと。これ、原因が実は外堀にあるんですね。外堀の方から発生したアオコが神田川に入って、すぐ日本橋川へ流れてきていると。この意味では、まず、きれいな日本橋川にするためには、外堀が何としてもきれいにならなきゃいけないんです。このアオコ対策というのが非常に大事になってくるということでありまして、私たちは、昨年のちょうど予算特別委員会締めくくりのときに初めて、この外堀の浄化の話を、玉川上水を使った形でできないかという提案をしたわけでございます。
外堀のアオコなどの原因というのは、従来あった玉川上水からの河川水の補給がなくなりました。先ほどの話もありましたように変わってきた。そして、下水の吐き出し口から大雨が降るたびに、汚水が入っていきます。どす黒い水がだあっと外堀に入ってくる映像を見させてもらいましたけれども、それが大きな水質の悪化の原因といわれていました。
下水道局は、そうした中で、何とかこのはけ口からほとんど出ないようにしていこうということを努力していて、今回の予算特別委員会でも、高倉委員の方から話がありましたように、下水道局は必死に今取り組んでおります。二〇二〇年のオリンピックまでには流域の抱えている約六割のはけ口から、ほとんど出ないようにさせる。そして、二〇二三年度末には、下水からほとんどはけ口から出なくなるというんです。
ここが大事なんです。二〇二三年度末、あと五年ですよ。予特でもいいましたけれども、内堀の場合、ここもやはり下水のはけ口があって出ていて、汚れているということで環境省は下水道局のはけ口をとめろという話で、下水道局は平成二十七年度末には全て出ないようにしました。
そうすると、内堀はたまり水みたいになってしまいます、これは大変なことであるということで、環境省は平成の初めから循環機能をやろうと、水循環の計画を立てたんです。
そして、いろいろ工夫した。地下水からとれないかとか、あるいは湧水からとれないかとか。当時の地下水という湧水ですね。この湧水というのはちょっとアンモニア等が入っていて使えないなと。では、下水の再生水を使えないか。下水の再生水は余りにも富栄養化で、かえってアオコが出ますよと。水の流れがあればアオコは出ないんです。毎秒〇・五トンぐらいの流れがあれば、アオコは発生しないといわれているわけですけれども、たまっていると出てしまうと。
そこで、環境省はいろいろ考えて、やはり循環システムをつくろうということで、平成二十五年度には循環システムをつくったんです。水をどこで補給するかというと、先ほどいったように水源がなかなかとれないもんだから、その近くのある企業との協定を結んで、雨水を地下に貯留してもらって、水が足りないときはそこから補給するというふうなシステムを国はつくったんです。
ところが、外堀はなぜかどこも考えていなかった。去年の今ごろですけれども、各局に聞いても、何ですかそれはと。あるところなんかは、外堀は国じゃないですかということをいわれてびっくりしました。あの外堀というのは、底地は確かに国土交通省ですけれども、財産管理というのは東京都なの。うちの東京都の財務局の台帳にしっかり載っている。
そして、機能管理という水面管理は千代田区と中央区と新宿区、この三つの区でしっかり維持管理をしているわけです。それぞれ管理区分というものが明確に分かれているものですから。では、外堀浄化は一体誰がやるんですか、東京都、国じゃないですかという人もいたし、区じゃないですかという人もいたし、誰もやろうとしていなかった。
本当にあと五年ですよ。五年で供給水がなくなったらたまり水になるんです。今でもアオコが出て夏場は臭いのに、たまり水になったら、これは間違いなく環境問題になりますよ。
東京都の財産管理であったら、環境問題になったときにどこが対応するんですか。やはりその意識というものをしっかり持って、やはり我が事のように取り組んでいかないと大変なことになるよということで、私たちは、水質改善待ったなしの状況だよと。これはもう一つの局では無理ですから、しっかり全庁的にやらなきゃいけない、何とかそれをまとめられるのは都市整備局じゃないですかということで、重い腰を都市整備局は上げて、今、しっかりと、早急にそういった水質改善検討会を都は立ち上げて、関係局で一緒に打ち合わせ、検討をされているわけですね。部長、そうですよね。ここは大事なところなんです。これを受けて昨年、都は関係局による検討会を立ち上げ、具体的な方策の検討を進めているところでありますということであります。
我が会派でも、その対策の一つとして、玉川上水を活用して河川水を外堀に導水することを提言しておるわけであります。外堀は、野火止用水や千川上水と同じく法定外公共物として位置づけがあるために、具体的な方策の実施に当たって、誰が事業を行うかなどの課題が生じていると、先ほど話したとおりなんです。
そこでお尋ねいたしますが、野火止用水や千川上水は法定外公共物として、既に地元の区市が維持管理を行っており、同じ法定外公共物である外堀にも清流復活事業を導入することは可能ではないか、このように考えておりますけれども、都の見解を求めます。
○須藤自然環境部長 野火止用水等の清流復活事業は、埼玉県側の水利権なども含めたさまざまな歴史的経緯を踏まえ、全庁的な検討を経て開始されたものと認識をしております。
他の地域への清流復活事業の導入は、水再生センターの施設能力、下水処理水が本来放流されるべき河川の流量への影響、新たな施設や導水管の整備に係る経費など、さまざまな課題がございます。
外堀の水質改善対策は大変大きな課題であるため、今、委員からもご指摘がありました、都市整備局が中心となって立ち上げられた庁内検討会において、関係各局と連携して検討してまいります。
○上野委員 検討会での議論次第ということでありますけれども、私は、今、環境局局長が和賀井局長というのは本当にうれしいんですね。すばらしい方が今、局長でいらっしゃる。あの三・一一のときにも放射能の関係でも大変お世話になりまして、本当にそういった意味では環境改善に取り組んでいらっしゃる、いわば環境のスペシャリストだと、このように私は思っているわけでございます。
平成十一年に東京都水循環マスタープランというのが策定されました。これは平成二十七年までの目標ということで掲げられてきたわけですけれども、平成二十七年には、国からも通達があったと思うんですけれども、本来改正をしなきゃならない。期待していたんですけれども、これを都は改正しなかったんですよ。非常に残念でならないんですけれども、改正しない。そのかわりどうしたかというと、都市づくりのグランドデザインというものを発表した。水循環の内容がほんの一部になったんですよ。
その意味では、この水循環の取り組みというのが後退してしまうのではないかということを非常に危惧して、まことに残念でならなかったわけでございますけれども、今の東京都は、東京長期ビジョンの方で都市戦略に掲げている、水と緑に囲まれ、環境と調和した都市の実現の中に、将来像として、水循環が本来あるべき健全な姿に再生されることにより、水の都である東京の魅力が一層高まっていると記されてあります。
この十年後の、魅力ある東京の姿を実現するための推進役が環境局であり、そのリーダーが和賀井局長である、私はこのように思う次第でございます。
そこで、その推進役として、積極的に取り組まれることを期待いたします局長の所見を求めまして、私の質問を終わります。
○和賀井環境局長 ただいま、上野理事から大変重い宿題を頂戴いたしました。
そもそも私が思いますに、治水、いわゆる水をいかにおさめて、いかに生かしていくかというのが、まさに政治、あるいは行政の源といいますか、これを解決するために政治なり行政が生まれたんだろうというふうに思っております。
先ほど先生からもお話がありました、江戸時代も、水の都といわれた江戸が、舟運を初めとした水をうまく利用して、これだけの発展を遂げてきたと。日本に水の都といわれるのは幾つかあるような気がしますけれども、大阪もそういわれているような気がしますが、やはり水があるということが、我々の都市の発展に非常に重要な要素なんだということはもう間違いないというふうに思っております。
また、たしか平成二十六年度だと思うんですけれども、国の方で、議員立法で水循環基本法というのが公布されております。その中では、水というのは公水だと。公水って工業用水ではなくて、公の水だというもとで、いかにそれを保全して、そしてうまく利用して、それでまた涵養するかということをみんなで考えていきましょうという法律ができました。
先ほど部長からも答弁ありましたけれども、都の中でも、水循環というのをどうしていくかというのは、全庁的に考えなきゃいけないことだというふうに思っております。環境局も当然その中の大事な一局だというふうに自負はしておりますので、水循環基本法の趣旨にのっとりまして、今後、関係局と、先ほどの検討会が昨年立ち上がりましたので、その中できちんと意見を主張していきたいというふうに思っております。
○三宅委員 私からは、建築物環境計画書制度の改正についてお伺いしたいと思います。
建築物は、一度建てられれば数十年にわたり使用されることから、建てる際に設計段階から着実に環境配慮を進めていくことが必要であると思います。
都は、建築物を建てる際に、建築主に建築物環境計画書を作成させる制度を実施しております。この建築物環境計画書について、都は、二〇二〇年度に制度改正をするとのことでありますが、それに向け、本定例会で条例改正を提案しております。
まず、この制度の概要と今回の条例改正案についてお伺いいたします。
○村山都市エネルギー推進担当部長 建築物環境計画書制度は、延べ床面積五千平方メートルを超える建築物を新築、増築する建築主に対し、建築する建物の省エネや断熱性能、緑化や再生可能エネルギー等の環境配慮の取り組みについて記載した建築物環境計画書の作成と都への提出を義務づけるものでございます。
今回、都は、計画書の提出を求める新築建築物の対象を拡大するとともに、再生可能エネルギー設備導入の検討に加え、再生可能エネルギーが多く含まれる電力の利用検討も建築主に義務づける改正を行います。
○三宅委員 制度の概要はわかりました。今回の改正で都は、計画書の作成と提出の対象となる建築物の範囲を拡大させるとのことですが、具体的な内容とその理由についてお伺いいたします。
○村山都市エネルギー推進担当部長 建築物の環境配慮、特に省エネを促すため、国は建築物省エネ法を制定しております。現行の建築物省エネ法では、延べ床面積が二千平方メートル以上の新築非住宅建築物等について、省エネ基準への適合を義務づけております。
また、最近、都の計画書制度においても提出を義務づけている延べ床面積五千平方メートル超の建築物が減少傾向にございます。
こうしたことから、今回、建築物環境計画書の作成と都への提出義務の対象となる建築物を、延べ床面積五千平方メートル超から二千平方メートル以上に範囲を拡大することとし、より多くの建築主に対し環境配慮を促してまいります。
○三宅委員 計画書の作成と提出の対象となる建築物がふえるとのことですが、建築物の環境配慮を進めることは大事だと思います。今回の改正で今まで提出対象となる建築物が何件あり、それがどの程度ふえる見込みなのか伺います。
○村山都市エネルギー推進担当部長 現行制度で建築物環境計画書の作成と提出を義務づけている延べ床面積五千平方メートル超の新築建築物等は、二〇一一年から二〇一五年の平均で年間およそ三百三十件でございます。
今回の改正により、延べ床面積を二千平方メートル以上に引き下げた場合、計画書の作成と都への提出を義務づける建築物は年間九百件程度となる見込みでございます。
○三宅委員 対象となる建築物は約三倍にふえる見込みとのご答弁がございました。これ、ちなみに二千平米以上、五千平米以上、具体的にどういった建物が例示として挙げられますか。
○村山都市エネルギー推進担当部長 五千平米以上といいますと、かなり大規模なテナントビル等になります。二千平米になりますと、中規模ビルも対象になってくるという理解でよろしいかと思います。
○三宅委員 わかりました。そうしたら、建築物は一度建てると長期間使用されます。建築物の環境配慮を行うことは重要でありますが、一方で、実際に負担がふえる事業者の理解を得ることも大切になってきます。
今回の改正を検討するに当たりまして、事業者の意見をどのように聞いてきたのか、また計画書の作成に当たって負担軽減を図っているのかお伺いいたします。
○村山都市エネルギー推進担当部長 建築物環境計画書制度の改正に向け、都は、大手不動産会社等を会員とする不動産協会、中小オフィスビルオーナーも加盟する東京ビルヂング協会等の業界団体や、東京都建築士事務所協会、東京都建築士会と意見交換を実施してまいりました。
また、昨年十一月から十二月にかけて実施したパブリックコメントには、業界団体等から意見が寄せられました。この中には、書類を作成する際の事務負担軽減を要望するものもございました。
寄せられた意見を参考に、提出書類の簡素化等、事業者の負担軽減について引き続き検討を進めてまいります。
○三宅委員 ぜひその事業者の意見をしっかりお聞きしていただきたいと思います。そして、制度改正の詳細検討を進めていただきたいと思います。
今回の改正で、再生可能エネルギーが多く含まれる電力の利用検討についても義務づけるとの答弁が先ほどございました。その目的をお伺いいたします。
○村山都市エネルギー推進担当部長 今回の改正で、従来から建築主に義務づけておりました再生エネルギー設備導入検討に加え、再生可能エネルギーが多く含まれる電力の利用検討も義務づけることといたしました。
日照条件等により太陽光パネルの設置が難しい場合等において、建築主に再生可能エネルギーが多く含まれる電力の利用を促すことで、都内の再生エネルギー電力の利用拡大を推進してまいります。
○三宅委員 都内にはいろいろ日照条件、また屋上の形状から太陽光パネル等の設置が難しい建築物も多くあると思います。再生可能エネルギーが多く含まれる電力の利用は、特段の設備整備が不要となることから、利用が広がることを期待しております。
こうした環境配慮を行う事業者がしっかりと評価される制度となるよう、事業者の意見もよく聞きながら制度改正につなげていくことを要望いたしまして、質問を終わります。
ありがとうございました。
○里吉委員 私からは、地球温暖化対策の一つとして、都全体での都有施設でのエネルギー問題について伺っていきたいと思います。
昨年は異常気象が世界各国で頻発しました。地球温暖化がこうした異常気象に関係しているとされて、温暖化が進めば、こうした異常気象が増加するということも明らかにされました。平均気温の上昇が工業化以前から一・五度ないし二度を超えると、温暖化は後戻りできない状態に陥る可能性が高いといわれ、こうした地球温暖化に対する危機感から、二〇一五年のCOP21で歴史的なパリ協定が合意されました。
いろいろと書かれていますけれども、このパリ協定で合意された温室効果ガス排出の実質ゼロを実現するということが大変大事なわけですけれども、そのためには徹底的に省エネを進めるとともに、エネルギー源を化石燃料から再生可能エネルギーに転換することしかないというふうにいわれております。
今回、都庁舎版RE一〇〇、都庁舎で使う電気を再生可能エネルギー一〇〇%に切りかえるということが提案されて、これは大変すばらしいというふうに思います。ただ、同時に、こうした取り組みをさらに広げていくことが求められていると。そういう意味では、今環境局が都有施設全体のエネルギー問題で、ぜひともイニシアチブを発揮していただきたいというふうに思っております。
都有施設全体の取り組みについては、二〇一五年度策定のスマートエネルギー都庁行動計画を読ませていただきました。温室効果ガス削減目標に加えて、エネルギー消費量削減目標と再生可能エネルギー導入目標を新たに設定しております。この行動計画策定の目的、それぞれの目標と進捗状況について、まず伺います。
○小川地球環境エネルギー部長 都は、温室効果ガスの削減等を率先して推進するために、五年ごとに知事部局等の行動計画を定めているところでございます。
二〇一五年度に策定いたしました現行の計画におきましては、二〇一九年度の目標として、温室効果ガス排出量を二〇〇〇年度比で二五%削減すること、またエネルギー消費量を同じく二五%削減すること、太陽光発電を新たに四千二百キロワット導入することを定めております。
二〇一六年度におけます温室効果ガス排出量は、二〇〇〇年度比で約二〇%削減、エネルギー消費量は同じく約二〇%削減、太陽光発電導入量は約二千六百キロワットとなってございます。
○里吉委員 目標に向けて取り組みが進められているというご報告だと思うんですが、このスマートエネルギー都庁行動計画の進捗状況を把握するために、全庁横断的なスマートエネルギー都庁推進会議というものが設定されて、いろいろ議論されて、この取り組みを進めていらっしゃるということを伺っております。
ここでの議論はどのようなものなのかお伺いしたいと思います。
○小川地球環境エネルギー部長 スマートエネルギー都庁推進会議におきましては、前年度、昨年度の各局におけます温室効果ガス排出量、それから行動計画の進捗状況を確認いたしますとともに、運用対策の徹底、それからLED照明など設備更新の推進、電気のグリーン購入の取り組み強化、こういうことを行動計画の達成に向け、具体的な取り組みを進めるための検討などを行ってきてございます。
○里吉委員 計画を立てて、それをきちんと進めるためにいろいろ議論もされているということなんですけれども、それで、新しくつくるときや改修するときには、東京都独自の省エネ・再エネ東京仕様というものがあって、これを活用して、建物の形状や、配置の工夫や、外壁や屋根の高断熱化などさまざまな省エネ対策を行っているということも勉強させていただきました。
太陽光発電の設置もここで進められているというふうに伺っておりますが、これらの計画に基づいて、都有施設では、順次、太陽光発電が設置されてきたと伺っていますが、これまでどれぐらいついて、今後どれぐらい設置が可能なのか、わかるところで教えていただきたいと思います。
○小川地球環境エネルギー部長 二〇一五年以降に都庁行動計画の対象としている庁舎、事務所、それから都立学校などに新たに、先ほど申し上げました約二千六百キロワットの太陽光発電を導入しているところでございます。
また、施設改修の計画に基づきまして、今後、二〇一九年度までには東京ビッグサイト、それから公文書館、それから庁舎、学校等に約一千六百キロワットの導入を見込んでいるところでございます。
○里吉委員 これで四千二百キロワットの目標は達成できるということだと思うんですけれども、これ、後でわかったら教えていただきたいんですけれども、結局、新築、改築計画を財務局の方で出していますよね。それで、それに合わせてどれぐらい太陽光パネルが設置できるかということで目標を立てていると思うんですが、順次これ進めていって、あとどれぐらい設置できる可能性があるのかというのは、私、大変気になるところなんです。
それから、都営住宅とか都有施設、ほかの知事部局以外のところでも、例えば都営住宅、それから上下水道、交通局、さまざまなところで太陽光発電を始めていると思うんですけれども、その実績がわかれば教えていただきたいと思います。
○小川地球環境エネルギー部長 先ほどご答弁させていただきました都庁行動計画を対象としていない浄水場、それから水再生センター、こうした公営企業局の施設、それから都営住宅を含みます都有施設全体の太陽光発電の導入量は約二万二千キロワットというふうになってございます。
○里吉委員 ここの数字もなかなか大きいということで、この計画には入っていないということですけれども、環境局ではどれくらい太陽光導入がされているかというのはつかんでいらっしゃるということがわかりました。
これは二〇一五年度からの計画で、このスマートエネルギー都庁行動計画は、二〇二〇年度には次の五年間の計画を策定すると思うんですけれども、そのときには、今パリ協定でいわれている脱炭素社会に向けて積極的な取り組みが求められていると思うんです。
そこで、今まで以上に太陽光発電等の設置を進める必要があると思います。環境局として財務局や関係部局とも協議して、都営住宅などを含めて、可能な場所に最大限の設置をスピード感を持って取り組む必要があると思いますが、所見を伺います。
○小川地球環境エネルギー部長 都有施設の新築、改築等の際には、原則としまして太陽光発電設備を設置することなどが、先ほど副委員長もお話しされました省エネ・再エネ東京仕様というものに定められておるところでございます。
これに基づきまして、今後とも各局と連携いたしまして、再生可能エネルギーの導入を拡大してまいりたいと考えているところでございます。
○里吉委員 ぜひさまざまな場所で再生可能エネルギーを、太陽光発電パネル設置などが一番具体的でわかりやすいと思うんですが、東京都としても再生可能エネルギーをつくっていく努力もしていただきたいと思いますし、同時に、都庁舎版RE一〇〇が示されましたけれども、再生可能エネルギーの導入拡大も全庁的に、都庁だけじゃなくて、全都有施設で進めていく必要があると思います。
そこで、都庁行動計画を読ませていただきましたが、CO2排出係数に着目した電気のグリーン購入も今、東京都全体で取り組んでいるということでございます。
その中で、特に努力目標なんですけれども、再エネ利用率二〇%以上の電気を購入するように、こういう基準を求めておりますけれども、現状はどこまで進んでいるのか伺います。
○小川地球環境エネルギー部長 副委員長お話しの電気のグリーン購入の水準二というものでございますけれども、再生可能エネルギー比率が二〇%以上の電力を購入している施設は現在、約百施設となってございます。
○里吉委員 東京都の持っている施設というのは大きいのから小さいのまでさまざまあって、施設数だけではわからないものもあると思うんですけれども、大体施設数でいうと、まだ全体の一割程度だというふうにお話を伺いました。
まだこれから、今始まったばかりの取り組みだと思うんですね。この再生可能エネルギー比率二〇%以上の電力購入を東京全体で取り組んでいく。大変大事な取り組みだと思うんですが、都有施設全体でこれを実現していく方向で努力されていると思うんですが、そのための課題についてわかっていることがあれば、伺いたいと思います。
○小川地球環境エネルギー部長 電気のグリーン購入に基づく電力の購入に当たりましては、施設の規模や電力の使用状況といった条件に応じた電力の供給事業者の確保が必要となってまいります。
これまでも施設の規模、それから電力の使用状況に応じまして、再生可能エネルギー比率が二〇%以上の電力購入が進められますよう、各局等々技術的な助言を行ってきております。
引き続き、契約状況等を踏まえながら、再生可能エネルギー比率が二〇%以上の電力の購入を進めてまいります。
○里吉委員 そうなんですね。電気をグリーン購入しようと思ったときに、再生可能エネルギーを販売している事業所がどれくらいあるかということが、一つは大変大事になってくる、それ以外にもいろいろあると思いますけれども。
東京都がつくっている、「ご存じですか?私たちが使う電気の環境性」ということで、ここに今百六十事業所載っていますが、それぞれの事業所がどういう電気を販売しているかというのが書いてあるわけですね。これを見ますと、私が数えたところでは、再生可能エネルギー比率一〇〇%というところはまだ七事業所でした。それから、二〇%以上というところで数えても三十七事業所、約四分の一弱が二〇%以上という、グリーン購入したいと思ってもそれぐらいしかもう事業所がないということなんですよね。ここをふやすような誘導策が必要だと思います。脱炭素に向けた取り組みをどう進めていくのか、都としての役割が求められているというふうに思います。
脱炭素社会に向けた世界の流れからすると、石炭火力発電からの脱却が求められているわけです。東京都は、発電している方の事業所については、東京都エネルギー環境計画書制度というのを使って、都内へ電気を供給する事業者のCO2削減の取り組みを促す、そういう取り組みを行っているというふうに伺っております。
この制度は具体的にどのようなものなのか、それから、この制度でどのような効果が上がっているのか、あわせて伺います。
○小川地球環境エネルギー部長 都は、エネルギー環境計画書制度によりまして都内に電力を供給する電気事業者に対し、より低炭素の電源や再生可能エネルギーの確保等に向けた計画、それから、その進捗状況の報告の提出を義務づけ、これらを都のホームページで公表しております。
これによりまして、電気事業者によるCO2排出係数の低減や再生可能エネルギーの供給拡大等を促進することを目的としております。
制度対象となる都内に供給される電力のCO2排出係数は、二〇一六年度の〇・四七八キログラムCO2パーキロワットアワーから、二〇一七年度には〇・四七一キログラムCO2パーキロワットアワーに低減しております。
○里吉委員 少し減っているということで、今ご答弁ありましたけれども、これ、広く公開しているということなんですけれども、私も環境局のホームページで、電話で教えていただきながら探して見つけましたけれども、大変わかりにくいところにあるんですよね。
さっきいった環境局がつくったこちらの電気事業者の一覧表もそうなんですけれども、どこがクリーンな電気を売っているのかということもそうですし、電気事業者がどのような努力をしているのかということも、なかなか探すのは難しいと思います。
そういう意味では、もっと多くの都民の目に触れるように工夫していただきたいなと。広く都民が監視、監視というと変ですけれども、都民が関心を持って、東京都に電気を送るところがクリーンなエネルギーをつくる努力をしているのかどうかというのがわかるようにしていただきたいなと思います。それは要望にとどめておきます。
それから、この取り組みで、今ご説明があったように多少CO2排出係数が減ったということなんですけれども、今求められているのは、温室効果ガスを実質ゼロにする、その目標に向かっていかに取り組んでいくかということだと思うんですね。エネルギー源を化石燃料から再生可能エネルギーに転換することが求められているわけです。
世界の流れを見ますと、脱炭素に向けたグローバル連合、これは石炭火力発電所の段階的廃止を目指すという動きが広がっています。二〇一八年は八十の国、自治体、企業に広がっているわけです。都としても、都内へ電気を供給する事業者について、すぐにではないにしても、石炭火力発電所の段階的廃止を目指すような、そういう目標を持たせるような取り組みが今求められているんじゃないかというふうに思います。
日本では、パリ協定目標達成のためには二〇三〇年までには石炭火力から排出量ゼロにして、これを全部なくしていく必要があるというふうにもいわれているわけです。ぜひ、ここに向けて東京都として取り組んでいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○小川地球環境エネルギー部長 電源構成などのエネルギー政策のあり方につきましては、国レベルで議論、検討がなされるべきものであります。
なお、エネルギー環境計画書制度は、都内に電力を供給する電気事業者にCO2排出係数の低減、それから再生可能エネルギーの供給拡大等、こうした計画や実績を提出させ、これを公表することにより、電気事業者自身による取り組みを促すものでございます。
引き続き、当制度を適切に運用してまいります。
○里吉委員 公表することといっても、さっきいったようになかなか見えにくいんで、それは改善していただきたいと思います。
それから、これ、未提出だったり未公表の場合は事業者に勧告して、違反者は違反者として公表するという制度はあるんですよね。ただそれだけなわけです。これで本当に進むのかなと。多少は進むと思うんですけれども、このスピード感でいいのかなということを率直に思うわけです。
それで、電源構成などのエネルギー政策のあり方は国レベルで議論といいますけれども、本当にそれでいいのかと。日本の大企業もRE一〇〇に参加するなど、独自の取り組みが進んでいます。私、これ改めて読ませていただいたんですけれども、東京都環境基本計画には世界一の環境先進都市を実現するというふうに書いてあるんですね。北欧一国に相当するエネルギーを消費する大都市東京には、国や世界を先導する取り組みを推進し多様化する環境課題に道筋をつけていく責任があるとまで書いてあるわけです。しかし、現実はどうか。世界の流れに大きく立ちおくれてしまっているという現状じゃないかと思うんですね。
先ほどの再生可能エネルギーでも、例えばEUは二〇三〇年に総発電量の四五%、再生可能エネルギーで賄うと。アメリカもニューヨーク州は、二〇三〇年に総発電量の五〇%、再生可能エネルギーで賄う、こういうことを掲げているわけです。
せっかく東京都として電気事業者によるCO2排出係数の低減や再生可能エネルギーの供給拡大等を推進することを目的として、こういう計画書をつくってもらって、報告してもらう、提出してもらうことを義務づけているわけですから、せめてCO2排出量の数値目標を決めるとか、係数の目標を決めて取り組むとか、そういう具体的に東京都として取り組むことができるんじゃないかと、ぜひ工夫して取り組んでいただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○小川地球環境エネルギー部長 エネルギー環境計画書制度は、繰り返しの答弁になりますけれども、都内に電力を供給する電気事業者にCO2排出係数等の実績、それから計画を出させ、これを公表することにより、電気事業者自身による取り組みを促しているものでございます。
また、キャップ・アンド・トレード制度では、当計画書での実績をもとに認定した電気事業者から電力を調達した場合に、CO2削減量として認める低炭素電力の選択の仕組みというのを設けております。
今般は、低炭素電力の認定基準をこれまでのCO2排出係数〇・四〇〇CO2パーキロワットアワーから〇・三七〇CO2パーキロワットアワーに見直す予定でございまして、こうした需要側からの取り組みを引き続き進めてまいります。
○里吉委員 今、キャップ・アンド・トレード制度の改善の話もありましたけれども、前の制度よりも再生可能エネルギーを使う方に誘導する策になっているということは、私も理解しているつもりです。ただ、今申し上げているのは、都庁のRE一〇〇、都庁版ということで、都庁の中で使う電気は全部再生可能エネルギー一〇〇%にしようという動きがあるわけですから、それを捉えて、改めて今つくっている計画、新しくつくる計画は見直すべきときに来ているのではないかなというふうに思うわけです。
パリ協定を受けて脱炭素社会に向けた世界の動きは、具体的には脱石炭火力発電、それからダイベストメント、投資撤退、化石燃料への投資から撤退するという動きが世界中の金融、そして保険会社で進んでいますよね。ガソリン車、ディーゼル車の販売禁止、そして再生可能エネルギーの普及と、本当にすごい勢いで進んでいるわけです。
しかし、日本はいまだに石炭火力発電を原子力発電とあわせてベースロード電源として位置づけている。二〇三〇年の石炭火力の比率は二六%。パリ協定があったにもかかわらず、原発事故の前、二四%だった、それよりもふえてしまっているわけですね。
そして、二〇三〇年に向けて石炭火力発電所をふやそうとしている。世界から見たら本当に特異な国になってしまっているわけです。
電源構成などエネルギー政策のあり方そのものを見直すように国に求めることも必要だと思いますし、今の国の枠の中にとどまっていては、とても世界一の環境先進都市とはいえないわけです。ですから、ぜひ都としてできるところから取り組んでいただきたいと。環境先進都市というなら、まず、スマートエネルギー都庁行動計画をせっかく持っているわけですから、ここをしっかり見直す。そして、脱炭素社会に向けてこの計画書を使って目標を決めて取り組むなど、再生可能エネルギーの比率を高めていく。国に先駆けてそうした取り組みをしていただくことを強く求めて、次の質問に移ります。
次はぐっと身近な話になって、プラスチックの容器包装リサイクル法によるリサイクルの徹底についてです。
私、世田谷区に住んでいますけれども、なかなか二十三区で進んでいないということがこの中間まとめにも書かれておりました。プラスチックの持続可能な利用に向けた施策のあり方についてまとめてありますけれども、一つ一つとても大事な問題だと思うんですが、きょうは、その中でも特に容器包装リサイクル法等によるリサイクルの徹底について伺いたいと思います。
改めてその必要性と進んでいない自治体の課題について、都としてどのようにつかんでいるか伺います。
○松永資源循環推進部長 区市町村の収集ごみに占める割合の大きい容器包装廃棄物を貴重な資源として有効活用していくことは極めて重要でございます。
容器包装リサイクル法は、拡大生産者責任の考え方に基づきまして、製造や販売に容器包装を利用する事業者等がリサイクル費用を負担する仕組みでありまして、区市町村が法に定められた分別収集の責務を果たすことがその前提となっております。
ペットボトルにつきましてはリサイクルが進んでいるものの、それ以外のプラスチック製容器包装については、とりわけ区部を中心に分別収集を行っていない区市町村が多く、その理由としましては、財政上の制約や、選別保管場所の確保が困難といった声を聞いております。
○里吉委員 財政上の制約や、選別保管場所の確保が困難ということが、これは前からいわれていることなんですけれども、あわせて最近、廃プラの輸出が難しくなったというのをニュースで見て、やっぱり分別してもどうせ燃やしちゃうんじゃないのという声がまちの中で聞かれるんです。
都内の分別収集されたプラスチック製容器包装廃棄物はどのようにリサイクルされているのか、改めて確認しておきたいと思います。
○松永資源循環推進部長 区市町村により分別収集されたプラスチック製容器包装につきましては、法に基づき、製造事業者等の委託を受けた指定法人がリサイクルを行う事業者を入札で選定し、区市町村が分別収集した容器包装を引き取るのが一般的なルートでございます。
リサイクル事業者は、国が指定した方法でございます材料リサイクルまたはケミカルリサイクルによって、国内で再商品化しなければならないとされておりまして、単純焼却処理は認められておりません。
○里吉委員 そうなんですよね。燃料として使っているというリサイクルもあるので、結局燃やしちゃっているんじゃないかというふうに誤解されてしまっていると思うんですけれども、今、分別回収していないところは、一般に燃えるごみと一緒にこの容器包装プラスチックも入れてしまって普通に燃やしていますけれども、この法律では単純焼却処理は認められていないということなんですよね。
そうすると、ここにも、プラスチックの持続可能な利用に向けた施策のあり方の中に、そのことについてきちんと推進していかなければいけないというふうに書かれておりますけれども、改めて、都として各自治体に分別収集を進めるための施策、支援、どのように考えているのか伺います。
○松永資源循環推進部長 家庭から排出される容器包装廃棄物は、一般廃棄物でございまして区市町村に処理責任がございます。多摩地域におきましてはみずからの判断で有料化するなどして、発生抑制及び分別収集の促進に努めているところもございます。
東京都は、法に基づく技術的援助として、区市町村職員を対象とした廃棄物行政講習会等におきまして先進的な取り組み事例を紹介するなど、区市町村における取り組みを後押ししております。
また、今後の資源循環施策に関する区市町村と都との共同検討会を設置し、区市町村と連携して3Rの推進に取り組んでおります。
なお、島しょ町村に対しましては、分別収集を促進するための補助制度を設けております。
○里吉委員 区市町村と都との共同検討会というのも設置して、いろいろと情報交換に努めていらっしゃるということ。それから、島しょ町村には補助制度もあるということで取り組まれていることがわかりました。
二十三区はなかなか進んでいないところが多いんですけれども、二十三区では有料化しなくても分別収集を進めているところもあるので、これについては引き続きその必要性ですとか意義について、担当者の方と議論しながら進めていっていただきたいと思います。
そして、私もいつも思うのは、本当にプラスチック製容器包装はふえ続けているわけですよね。どうしても使ってしまうということではリサイクルにも限界があると思うわけです。やっぱり発生抑制を、本当に今思い切って進めることが必要なときに来ていると思いますが、都としてここについての見解、取り組みがあれば伺いたいと思います。
○松永資源循環推進部長 循環型社会形成推進基本法では、リサイクルに先立ち、まずは発生抑制に取り組まなければならないとされております。その発生抑制の取り組みといたしまして、使い捨てプラスチックの象徴ともいえるレジ袋につきまして、東京都は、これまでも関係事業者団体と意見交換を重ね、減量効果の高い有料化の導入を国に求めてまいりました。
今般、国におけるプラスチック資源循環戦略の検討におきまして、有料化を義務づける方向性が示されましたが、東京都は、廃棄物審議会の中間まとめにありますとおり、今後有料化が実効性ある仕組みとなるよう、義務化の対象範囲や価格設定等のあり方について、国に働きかけてまいります。
また、法が定める使用量等の定期報告制度につきまして、対象を小売業以外に拡大することや、公表制度の導入等を国に求めていくなど、引き続きプラスチック製容器包装の発生抑制に先導的に取り組んでまいります。
○里吉委員 東京都が行う大規模なイベントなどでの容器の使用についてですとか、いろいろさまざま、オリンピック・パラリンピックに向けても努力がされていると思いますけれども、本当に私たちの生活スタイルを変えていくことも含めて、そしてやっぱり発生源である企業に対して、きちんと責任を果たしてもらうということが必要だなというふうに思います。
すぐに解決できないことかもしれませんけれども、この問題は本当に、もう緊急な課題となってきていると思いますので、引き続き、環境局、そしてごみの循環のところで、二十三区、多摩、そして東京都が一体となって取り組んでいただくことを求めまして、私の質問を終わります。
○西沢委員 私から、最初に航空機の騒音についてお伺いいたしたいと思います。
航空機の騒音は、多くの都民に影響を与える問題でございまして、羽田空港の新しいルートについて新航路が計画されておりまして、昨年の十一月の事務事業質疑においてもこのことを取り上げました。
そして、昨年取り上げたときには、騒音についての測定を既に今東京都はやっているわけですけれども、これを新ルートに合わせて、事前に調査をして公表すべきだというようなことをご質問いたしましたが、新たに調査する状況にはないという答弁でありました。
改めて、この問題は関心がどんどん高まってきているわけでありますので、都民に大きな影響を与える問題であるため、改めて東京都の見解をお伺いいたします。
○筧環境改善部長 都では毎年度、東京国際空港の周辺地域において測定を行いまして、その結果を公表しており、平成二十九年度の調査でも、環境基準を当てはめる地域の全ての地点において基準に適合していることを確認しております。
航空機騒音の測定は、国が定めた航空機騒音測定・評価マニュアルに基づき実施しておりまして、実際に運用されている航空機の騒音エネルギーを測定し、時間帯別に補正した上で一日の総エネルギー量を算出し、一定期間累積したものが基準に適合しているか評価しております。
今後、飛行ルートの変更などにより騒音の発生状況が大幅に変化した場合に、航空機騒音調査を実施するなどの対応を検討していくことになります。
○西沢委員 そうですね。国が定めた基準のとおりやっていますよということで、今はそれに基づいてちゃんとやって問題ありませんよと。ルートが変更になったら、そのときにあわせてやりますよという、これは当たり前のことだと思うんですよね。当然だと思うんです。
それでも、理解を得るために努力をすべきだから、東京都でやれることをやろうということで、事前にやるべきなんじゃないのかというのが私の指摘なんですね。
毎回、この問題は何か、国土交通省がやることだから、国がやることだから、検討するからだということで、東京都としてはこうだというような答弁はいつももらえないことが多くて、それは環境局さんに限らずなんですけれども。国がやること、決めること、国土交通省でやっているから、国会で議論されるからではなく、住民目線に立って、自治体として東京都がこうやるべきだという、やれることの一つにやっぱり騒音の対策というものがある。東京都がやれることの一つとして、国の基準に基づいて騒音の調査をやるのはいいけれども、東京都独自でやれることがあるんじゃないのかということで指摘をさせていただいたわけです。なので、今やらないということでありますので、これ以上は聞きませんが、航空機の騒音対策の推進ということで予算書を見ると、来年度、五千百三十三万四千円が計上されているということ。これは何なのかということを一応確認しておきたいと思います。
これはどのような事業に使われる予算なのか、本事業において新規の事項があれば、その内容についてお伺いしたいと思います。
○筧環境改善部長 都では、航空機騒音対策を推進するため、毎年度、東京国際空港、横田飛行場、厚木飛行場、立川飛行場及び調布飛行場周辺におきまして騒音の調査を行っており、そのための予算を計上しております。
平成三十一年度予算においては、新たに江東区にある測定地点と都庁舎の間のデータ通信のためのLAN回線を他の測定地点と同様の光回線に変更する工事費など、三百三十五万六千円を計上しております。
○西沢委員 LAN回線を変えるよということで、普通のことなんで、新たに何かを、騒音対策をやりますというようなことじゃないということを確認させていただきました。
改めて、この騒音対策はしっかりと東京都がやるべきだということを申し上げておきたいというように思います。
続いて、食品ロスの問題について聞いていきたいと思います。
二〇一五年の国連総会においては、全会一致で採択されたSDGs、持続可能な世界を実現するための十七のゴールを掲げ、その実現に向けて、貧困や飢餓の撲滅に代表されるように、地球上の誰ひとりとして取り残されないことを理念としているわけであります。
今、SDGsはグローバル企業の経営の中枢に浸透するとともに、ESG投資の進展など、その理念を無視しては企業の経営が成り立たない状況になりつつあります。こうした環境分野におけるこれまでにない機運の高まりは、事業者や消費者の意識改革につなげる好機であります。
このSDGsで具体的な数値目標が掲げられている一つが、目標十二の食品廃棄物対策であります。二〇三〇年までに一人当たりの食品廃棄を半減させると明確に示されております。
東京都は、世界有数の大都市としての責務を果たすため、二〇二〇年に向けた実行プランにおいて、二〇三〇年に食品ロス半減を目指すことを定め、その実現に向けた二〇二〇年には食品ロス削減東京方式を確立し、対策を推進していくこととしているわけであります。
食品ロスについては昨年の事務事業でも聞かせていただきました。このときに有識者などの会議なんかも引き合いに出していただいたわけでありますが、まだまだ網羅的な取り組みということではなかったんじゃないかなと思います。
そうした中で、私は、来年の予算の中でさらに踏み込んだ取り組みが必要だというように考えますが、改めて食品ロス削減東京方式に向けて、どのような考え方で取り組んでいるのかをお伺いいたします。
○松永資源循環推進部長 SDGsに掲げられた食品ロスの半減を達成するためには、消費者と事業者とが互いに理解を深め、共通の問題意識を持って連携して課題に向き合い、一人一人が具体的な行動として実践していくことが欠かせません。
食品ロス削減東京方式とは、こうした食にかかわる各主体のパートナーシップによって食品ロス削減という課題を解決するための一連の取り組みでございます。
その食品ロス削減東京都方式の確立に向けまして、東京都は一昨年の九月に、食品の製造、流通、販売にかかわる事業者や消費者団体等から成る東京都食品ロス削減パートナーシップ会議を設置し、議論を重ねてきております。
○西沢委員 これも昨年の事務事業でも聞いたわけですが、今も答弁がありました食品ロス削減パートナーシップ会議ですが、議論が進んできたということです。三月四日です、十日ちょっと前ですね。このパートナーシップ会議が行われたというように聞いております。
これまで加工食品に対する検討に加えて、外食についても議論してきているということでありますが、改めて、これまで具体的にどのような議論を進めてきたのかについて確認したいと思います。
○松永資源循環推進部長 食品ロスは、家庭において廃棄されるもののほか、製造、流通、販売過程における商品の売れ残りや、外食での食べ残しなどによって発生しております。
そこで都は、パートナーシップ会議におきまして、まず、製造、流通、販売過程の対策といたしまして、賞味期限の長い加工食品に着目して議論を進め、小売店への納品期限を設ける商慣習や頻繁な新製品の発売などが流通過程で食品ロスが発生する要因の一つとなっていることから、その対策を検討してまいりました。
会議では、消費者に食品ロスが発生する背景に関して必ずしも正確な情報が伝わっていないこと。消費者の食品の鮮度に対する過度な意識によって事業者の商慣習が形成されてきたこと。こうした現状から、消費者が正しい知識を持つこと及び食品ロスをできるだけ出さない流通の仕組みに変えていくことが必要との考え方も示されております。
さらに、昨年十月には外食部会を設置し、飲食店で発生する食品ロスにつきまして各業態の特性も考慮しながら、厨房での過剰在庫による発生要因と、客席における食べ残しによる発生要因について、また、例えばメニューに写真などで分量を可視化したり、小盛りメニューを設定するなどの対策について議論してまいりました。
○西沢委員 消費者が正しい知識を持つことということです。確かにスーパーとかへ行くと、後ろからとりますよね。とりますよねといっちゃっていいのかわからないですけれども、とる人もいますよね。そういうようなことですが、とるような人がいるということです。済みません、議事録的にちょっと後であれしてもらえればと思いますけれども、さまざまなことがありますが、損得ではなくて、やっぱり消費者の方々にもそういったことを、正しい知識を身につけることなどが議論されてきたというご答弁。ほかにもいろいろあるようでありますが、少なからず進んでいるということであります。
東京都食品ロス削減パートナーシップ会議での議論、まあ、ちょっと直球で、どのように取りまとめていく考えなのかお伺いをいたします。
○松永資源循環推進部長 都は今後、パートナーシップ会議での議論をより深く掘り下げていくため食品ロスの発生要因につきまして、例えば、クリスマスケーキや恵方巻きといった季節商品の廃棄実態などの調査を進めるとともに、ICTの活用など、すぐれた食品ロス対策の事例収集等を行ってまいります。
さらに、会議におきましては、過度に鮮度を求めない消費行動の実践や、消費者に配慮することによって生じた商慣習の見直し策などについて議論を深めてまいります。
そうした議論も踏まえ、食品ロス対策の目指すべき方向性とともに、各主体がそれぞれ取り組むべき具体的な行動を取りまとめてまいります。
○西沢委員 食品ロス削減に向けての消費者と事業者のそれぞれがなすべきことを、わかりやすくまとめていくことは重要だと考えます。東京がこういったことを、まさに東京方式を出すことで、全国的に波及することは大きな影響を与えることになるんだと思います。
日本で一年間に発生している食品ロスは六百四十六万トン、世界で飢餓に苦しむ人たちを国連が支援している食料の量をはるかに上回るわけであります。
シンク・グローバリー、アクト・ローカリーという言葉があるが、これは消費者一人一人が多くの食品ロスが無駄に発生していることを直視して、ライフスタイルの見直しの必要に気づくことが必要であるということ。まさに消費者の意識、正しい知識ということにつながるんじゃないのかなというふうに思います。
その結果、事業者の意識や商慣習は変わっていくはずであります。これがコストの削減につながって、結局ウイン・ウインの関係を構築できるということであります。
さっきちょっと私がいったことをいいわけするわけじゃないですけれども、比較的、消費者にとっての損得で考えると賞味期限が長い方が新鮮だし、得だろうという感覚になって、牛乳でも長い方をとりがちになるというのは、そういう行動が正しいとか正しくないではなく、そういうことになる。そこに付加価値として、それが損得ではなく、いってみれば、近いものをとるということ自体が何につながっていくのかということを消費者の方々が考えられるきっかけに、東京都がなっていくことが重要なんじゃないかなというように思うわけであります。
ただ、行政がやることについて、そうしましょうとか、目の前のものからとりましょうと、何となく私も今いいましたけれども、例えばいわれたりすると、何でだよというような気になる消費者、つまり消費者目線に立つということがすごく大事で、上から目線じゃなくて消費者目線に立てば、そうした取り組みをすることでウイン・ウインになるんですよというような取り組みにしていただきたいなということを申し上げます。
そういったことを申し上げた上で、今後、消費者への働きかけが大事になるわけですが、どのようにしていく考えなのかお伺いいたします。
○松永資源循環推進部長 食品ロスの削減に向けては、より多くの人々がこの問題に向き合い、ライフスタイルの見直しに取り組むきっかけとなる広報が欠かせないと考えております。
そこで都は、来年度、パートナーシップ会議やチームもったいない参加事業者など、多くの団体の協力を得ながら、十月の世界食料デー月間に、都内各地の大規模小売店等でキャンペーンイベントなどを実施し、購買行動の見直しなどを呼びかけてまいります。
また、イベント会場の外食店舗などにおきまして、頼み過ぎないこと、食べ残さないことを訴えながら、小盛りメニューの提供や、食べ切った場合のインセンティブの付与などを試行してまいります。
さらに、区市町村の主催行事や食をテーマにするイベントとも連携するとともに、多くの人に訴求できるSNSも活用して、一人一人に求められる具体的行動をわかりやすく示しながら、食の大切さを社会全体に浸透させてまいります。
○西沢委員 食品ロスの対策は、消費者と事業者の相互理解や立場を超えた連携を広めて、食べ物を無駄にすることのない新たなライフスタイルの形成を目指すものであります。各主体の相互理解による施策の推進は、SDGsが掲げるさまざまな目標の達成にもつながる取り組みであります。
東京都はSDGsの達成に向け、世界各都市を先導する気概を持って、この食品ロス対策をしっかり進めていただきたいと思います。
続いて、東京ゼロエミ住宅導入促進についてお伺いをしていきたいと思います。
来年度予算で新規事業であります東京ゼロエミ住宅導入促進事業について、何点か伺います。
要求資料の五ページにもありましたけれども、この東京ゼロエミ住宅導入促進事業、来年度から予定で三年間、総額十七億ですね。ちょっと単位が、これ千円の単位が抜けているんじゃないですかね。五ページのところ、多分抜けています。このままだと補助総額百七十万円になっちゃいますよね。
いずれにしても、来年度、事業を始めることになりますゼロエミ住宅導入促進事業についてですけれども、国が普及を行っているゼロエネルギーハウス、ZEH、都内の普及率を見ると一%未満と低い状況にあります。背景には、東京は地価が高くて低い土地に住宅が密集しているという地域特性があって、こうした特性を踏まえた省エネ住宅を普及させていく必要があります。
このため、東京都は一月に、東京の地域特性を踏まえた省エネ住宅である東京ゼロエミ住宅の基準について公表いたしました。
都内に家を買うというのはすごく大変なことで、環境に配慮した住宅を建てましょうというのは確かにかなり大変なことでありますから、東京がやることについて、それは意義のあることだと思います。この東京ゼロエミ住宅で仕様を定めている、ここに特徴があると聞いているわけでありますが、この意義について、まず最初にお伺いいたします。
○村山都市エネルギー推進担当部長 家庭部門の省エネを進めていくためには、断熱性能を高めるなど、住宅の省エネ化の促進が重要であります。東京は、地価や住宅の建設費が高く、狭小地に住宅が立て込んでいることから、太陽光パネルの設置が難しい場所も少なくありません。
こうした地域特性を踏まえ、国の定める省エネ基準よりも三割程度省エネとなる都独自の省エネ住宅、東京ゼロエミ住宅の基準を策定いたしました。
この東京ゼロエミ住宅は、国のZEHで必要とされる省エネ性能に関する計算を不要といたしまして、カタログ等から一定の性能を有する建材や設備を選ぶことで省エネ住宅を建築できるよう、東京ゼロエミ住宅の基準を仕様で定めているところに特色があります。
省エネ性能の計算になれていない中小工務店にも省エネ住宅の建築が促されていくことに期待し、東京ゼロエミ住宅の普及を通じて、新築住宅の一層の省エネを促進してまいります。
○西沢委員 今、中小工務店も使えるようにというような答弁があったわけですが、この基準、仕様というものが、つまり使えば三〇%省エネになるということを確認したわけでありますが、仕様を見ると、例えば窓については省エネ建材等級四つ星と定めているところがあります。一応確認したいのは、例えばこの仕様を使えば補助が出ますよということですが、実はそれは特定のメーカーしか使うことができないとか、特定の技術を持っている業者しか扱うことができない、そうなると、ここに競争性が生まれなくなってしまうと思うんですが、こうしたことがないのか。こうした建材、設備は工務店が入手しやすいものなのか、特定の企業が独占的に供給しているものを指定していないかお伺いをいたします。
○村山都市エネルギー推進担当部長 東京ゼロエミ住宅の仕様を定めるため、専門家会議を開催し、検討してまいりました。また、この会議には、工務店や建材メーカー等の建築実務家の方々にも参加いただいております。
この会議では、省エネ性能の高い建材や設備について、入手の容易さや普及の度合いについても検討してまいりました。ご質問のような特定の一社しか供給していない製品は含まれておらず、さまざまなメーカーで製造されているものを指定しております。
○西沢委員 一社独占ということはないということを確認しました。省エネ性能の高い建材や設備の価格低下が促進されることはよいことだというように思います。
この仕様の策定を契機に、省エネ性能の高い住宅を普及させるため、東京ゼロエミ住宅導入促進事業を来年度予算案に計上しているわけでありますが、一戸当たり七十万円出るというようなことでありますが、心配なのは、補助が出ると思って建てたけれども、後になって補助が出ませんでしたということがないようにしないといけないと。
比較的、行政の計画の中で一か八かみたいな形で申請するということは、非常に使い勝手が悪い補助制度になるといわれますが、そこで、この補助金の申請の大まかな流れについてお伺いをいたします。
○小川地球環境エネルギー部長 本補助事業では、工事着工前の建築確認申請に基づく確認済み証の交付後、東京ゼロエミ住宅の事前確認を受けたことを証する書類とともに速やかに申請書の提出を求め、交付決定を行います。
また、工事完了後は、完了検査申請に基づく検査済み証の交付後、東京ゼロエミ住宅の認証を受けたことを証する書類とともに速やかに工事完了の報告をいただき、補助金の支払いを行う予定としてございます。
○西沢委員 検査済み証の交付後にやるというのは普通のやり方だと思います。ぜひ、こうしたことを事業者の方や直接都民の方にしっかりと周知していただくことが重要でありますので、よろしくお願いしたいというように思います。
最後に、太陽光パネルについてお伺いします。
今回、初期費用ゼロで住宅用太陽光発電の設置促進を図る取り組みを開始するということですが、そもそもこれはなぜやるのかという大きなことをちょっと確認したい。その目的をお伺いいたします。
○小川地球環境エネルギー部長 都内におきまして、再生可能エネルギーの導入を進めていくためには、住宅への太陽光発電設備の設置拡大は重要でございます。
一方、国の調査によりますと、導入の際に一時的に生じる初期費用の負担のために設置が見送られる場合も少なからずあるということがわかっております。
このため、例えば都民が初期費用の負担なしで住宅に太陽光発電設備を設置する事業者とリース契約を結びまして、売電収入等で利用料金を支払っていく仕組みなどに対して都が補助を行うことで都民の負担を軽減し、普及を図ることにより、太陽光発電の導入を促進するものでございます。
○西沢委員 この設置規模の想定は年間千三百件ということですけれども、今、目標の話もございましたけれども、都がやる意義というのはよくわかりますし、進めてもらうことは非常に重要だと思いますが、導入目標について、どれくらいこれが、規模感がちょっとよくわからないんですね。これをやればどれくらい貢献するのか。
東京都の再エネの目標も非常に高い目標を掲げているわけですが、では、これをやることによってどれくらい貢献できるのかということがちょっとわかりづらいので、改めてこの太陽光発電の設置規模が千三百件、これによる太陽光発電の導入目標にどのように貢献すると考えているのかお伺いをしたいと思います。
○小川地球環境エネルギー部長 本事業によりまして、新たに年間約七千キロワット、二カ年の事業期間で約一万四千キロワットの太陽光発電の設置を見込んでございます。
加えまして、今後こうした初期費用ゼロでのビジネス商法の拡大によりまして、これまで設置が見送られていた都内の住宅における太陽光発電の導入が進むことで、目標達成につながっていくものと考えております。
○西沢委員 ぜひこの目標達成に向けて取り組んでいただきたいということを申し上げて、質問を終わらせていただきます。
○やながせ委員 私から、簡潔に環境公社への出捐金。
環境行政は補助金行政であるということでありますけれども、この環境行政の補助金行政の問題点として、いろんな事業を考えるわけですけれども、目標設定が甘い。お金をたくさん積んだ、でも、執行率が悪い、お金を余らせる、この繰り返しをしているという、私はそこに大きな問題があるんではないかということを毎年度指摘させていただきました。その執行率を毎年しっかりチェックしますから、それを意識してやっていただきたいということを毎年申し上げてきたわけであります。
ことしの執行率についても、ゼロ%のもの等々あるなというふうに見ているわけですけれども、きょう、そこを突くということはやめて、きょうに関しては二点。私が申し上げてきたことの中で、ちょっと進展があったのかなと思われる点についてお伺いをしたいというふうに思うんですけれども、環境公社にこれまでの出捐総額として、六百八十億円に及ぶ金額が出捐されてまいりました。
それを三十年度の当初残高でいうと、五百六十億円もの残高が残っているということであります。これを見れば執行率がどれくらい低いのかということもよくわかるわけですけれども、五百億円ですよ、大量のお金が残っているということであります。毎年度、毎年度、たくさんの出捐額を積む。でも、消化し切れなくて、この環境公社には莫大な金額が残っているわけです。
それに対して私は、これは包括外部監査でも指摘があったわけですけれども、それだけ莫大な金額を単純に現ナマで持っているというのはどうなんだと。これをもうちょっと、元本は保全するということでありながらも、少しは運用できるんじゃないのという指摘をさせていただいたわけですけれども、この出捐金の管理方法について、何らかの検討を加えたのかどうなのか。Qの五についてお伺いしたいと思います。
○若林環境政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 東京都環境公社は、都からの出捐金を受け入れて基金を造成し、善管注意義務を負っております。このため、元本の保全を最優先に管理を行ってきたところでございます。
一方で、昨年度、公社におけます包括外部監査、また昨年の当委員会での質疑を受けまして、基金の運用方法について検討してまいりました。
その検討の結果、元本の保全を前提として、より有利な運用法を検討することを方針とし、具体的な運用先として、元本保全の観点から、国債及び政府保証債を対象とすることといたしました。
この方針に基づきまして、今年度、債権市場の動向を注視しておりましたけれども、いずれの運用先もマイナス金利の状況で推移しておりまして、運用収入は見込めなかったものでございます。
今後、引き続き運用対象の金融状況等を注視しまして、運用益が見込めるような状況になった段階で、具体的な運用を実施してまいります。
○やながせ委員 ありがとうございました。この指摘を受けて、莫大な眠っている資金をちょっとは動かそうというふうに検討されたと。ただ、マイナス金利だったということから、運用益が生じる見込みはないということで、まだ保全されたままであるということですけれども、これは引き続き検証していくということでよろしいのかどうか、確認だけさせてください。
○若林環境政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 今後、引き続きまして、運用対象の金利状況などを注視しまして、運用益が見込めるような状況になった段階で、具体的な運用について実施をしてまいりたいと考えております。
○やながせ委員 ありがとうございました。
一歩前進されたのかなというふうに思います。莫大な金額だというふうに思います。各自治体も資金繰りにかなり困っている中でも、やっぱり何とか少しでも利益を生み出せないかということで、ありとあらゆる工夫をされているわけであります。五百億円ですからね。これは非常に莫大な金額というふうに思います。
金利が多少でもつけば、それは大きな利益となって返ってくるということでありますので、ぜひこれは引き続き検討いただきたいし、また何か進展があれば、ご報告をいただきたいということを申し上げておきたいというふうに思います。
Q七に移りたいと思うんですけれども、そもそもやっぱりこの金額の出し方に問題があるんではないかという指摘もさせていただきました。
例えば、新しい事業をつくります。大きな目標を立てて、最初に五十億円投入します、今年度は三億円使いました、四十七億円残っていますよね。その次の年、三億円使いました、四十四億円残っています。それだったら、毎年五億円ずつ出していけばいいんじゃないのと。五億円出して三億円使いました、ことしも五億円出して三億円使いましたということであれば、それだけのお金を環境公社へ出捐することなくほかの事業にお金を使うことができたわけであります。
こういった、最初にぼんというふうにお金を出すわけではなくて、単年度で区切って細かく出していった方がいいんではないか、こういったことをこれまで申し上げてきたわけでありますけれども、この運用方法について、何かことし変更点があったのかどうか、この点についてお伺いしたいと思います。Q七です。
○谷上総務部長 毎年度出捐ではなく複数年度にわたる出捐を行う理由といたしましては、あらかじめ財産を確実に担保した上で事業を実施することで、中長期的に安定して事業を運営できること、それから、会計年度主義では対応できない、年度を越えて実施する事業の取り組みを支援することが可能となる、こういうメリットがある場合がありまして、一括出捐している場合がございます。
また、こうした都の姿勢を示すことで、民間事業者の計画的な取り組みを促すこともできます。
今後とも、毎年度出捐とするか、一括出捐とするかにつきましては、事業の目的、内容に応じて適切な出捐を行ってまいります。
なお、平成三十一年度環境局新規事業に係る出捐につきましては、全て単年度の出捐を予定してございます。
○やながせ委員 ありがとうございました。複数年度の出捐というものも必要なんだということですよね。年度を越えて実施する事業者の取り組みを支援することが可能となる。単年度、会計年度主義では対応できないというものもあるんだよということ。
また、中長期的に安定して事業を運営できるといったメリットもあるので、複数年度にわたる出捐も必要である。ただし、平成三十一年度の新規事業に係る出捐については、全て単年度でやったよというご回答であったなというふうに思います。
これもわかるんですけれども、できる限り単年度にするという方向で考えていただきたいというふうに思うんですけれども、そういうふうに考えて単年度になったということなんでしょうか。
どうしてもやっぱり長期的に出さなくちゃいけないものというのもあると思います。あるとは思うんですけれども、これは可能な限り、単年度でやっていくという考え方の方が望ましいというふうに私は思うわけですけれども、単年度か複数年度か、どちらの方が望ましいとお考えなのか。いいですか、済みません。
○谷上総務部長 今、委員が述べていただきました意見とか、あとは財政状況とかを踏まえまして、総合的に判断したものでございます。
○やながせ委員 ありがとうございます。
そのとおりだなというふうにも思うんですけれども、単年度の方がやっぱりしっかりとその結果がわかりやすいと思うんです。単年度だと、ことしは、では、この事業を百やるんだといったけれども、残ったのが三十だったとすると、七十できたねということが明らかになります。ちゃんと計画を立てなければ単年度というのはできないんですよ。
だから、複数年度というのは、ばくっと大きな目標を決めて、ばくっと金を積んじゃえばいいということですから、非常に大ざっぱなやり方というふうに私からは見えます。それは税金の使い方としてどうなのかというふうに思うんですね。
そういうことでいうと、これは余り深く突っ込みませんけれども、一つ確認したいのが、特に通告もしていませんからよく聞いていただきたいんですけれども、今年度の新規事業がございますよね。新規事業は全部単年度なんですよ。単年度なんですけれども、新規事業のそれぞれの補助金をどれくらい使えば合格ラインというふうに考えているのか。
これはなかなか難しい質問なんですけれども、先ほど、これ全部一〇〇%使うんだというのは当然ですよ。でも、一〇〇%なんか使えるわけありません。それで毎年ゼロ%の執行率のものが続出しているわけですよ。それはないだろうということを申し上げているわけであります。このそれぞれの事業、新規事業について、どれくらいを合格ラインというふうに定めているのか、なかなか難しい質問なんですけれども、どれか事業を絞った方がいいですか。
○谷上総務部長 事業の制度設計につきましては、年度におけるどの事業とも、どれぐらいの申し込みとか、件数があるかにつきましては、ある程度予想を立ててやっておりますので、できるだけ一〇〇%に近いようにしていきたいというふうに考えております。
○やながせ委員 例えば、さっきの家庭のゼロエミッションは四十五億ですよ。それで住宅用、さっき西沢委員がいっていた太陽光発電の初期費用ゼロ促進事業は七億円であります。ある程度たくさん積んでおかなければいけないというのは、各委員とも共通認識ができているというふうに思うんです。でも、実際にどれくらいの需要があるというふうに考えているかというのは、また別の問題なのかなというふうに思うんです。
だから、ここに積んでいる金というのは、実際の需要プラスアルファというものが含まれているものだというふうに思うんですね。
では、実際の需要というのはどれくらいと見込んでいて、この金額をつくったんですかというその根拠を、やっぱりしっかりと示していただきたいというふうに思うんですよ。それがあって、それをまた私、来年も環境・建設委員会に多分いますよ。そのときに、あのときああいいましたよねということを申し上げて、それがなぜできなかったのかと、なぜあのときいった金額が間違っていたのかということを毎年検証していく、このことによって、僣越ながら環境局のスキルが上がっていくのかなというふうに思いますし、我々も税金のワイズスペンディングを推進することができるのかなというふうに思いますので、ぜひその根拠を出していただきたいというふうに思います。
きょうは通告をしておりませんので求めませんけれども、またぜひその資料をお持ちいただければというふうに思います。また来年もしっかりとこの補助金の使い方について質疑をするということを申し上げて、終わりたいと思います。
○栗下委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
午後三時十五分休憩
午後三時三十一分開議
○栗下委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
この際、和賀井局長から発言の申し出がありますので、これを許します。
○和賀井環境局長 済みません、貴重な質疑の時間を頂戴し、申しわけございません。
本日、冒頭にご説明をいたしました委員会要求資料の五ページでございますが、大きな4番、平成三十一年度補助事業の(8)、東京ゼロエミ住宅導入促進事業の項目でございますが、大変失礼いたしました。この補助総額の単位のところが抜けておりまして、これ、千円の単位でございます。ですから、十七億一千三百八十万円ということでございます。
大変失礼いたしました。おわびして訂正をさせていただきますとともに、こうしたことが二度と起きないように、職員一同、心を引き締めてやってまいります。大変失礼いたしました。
○栗下委員長 発言は終わりました。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○森村委員 家庭の省エネ対策についてお伺いします。
都は、二〇〇〇年比で二〇三〇年までに都内エネルギー消費量を三八%削減するという目標を掲げており、この達成に向けて私が注目をしているのが、一般のご家庭での省エネです。
そもそも省エネの推進と再エネの導入の両輪を回すことが、エネルギー政策においては重要ですが、まずは省エネでエネルギー消費量そのものを減らしておく必要があります。
省エネ化に関していえば、都は、産業、業務、家庭、運輸部門のそれぞれで省エネ目標を設定し、さまざまな施策を実行していますが、中でも家庭部門については、二〇〇〇年比で二〇三〇年までに三〇%の削減という目標に対して、二〇一六年度実績で二〇〇〇年比〇・七%増と、部門別では唯一の増加となっているなど、課題があります。
他の部門では進捗があるにもかかわらず、一般のご家庭での対策が進みにくい。これについては、別途意見を述べますが、まず、家庭での省エネに資する取り組みとしては、照明、空調、そして断熱性能が重要であるといわれています。
そこで、家庭部門における現状分析とともに、家庭部門においてこれまでにとられてきた施策について、取り組みを伺います。
○小川地球環境エネルギー部長 家庭部門における二〇一六年度のエネルギー消費量は、都内全体に対して約三割を占めております。エネルギー消費量の内訳を見ますと、照明、冷蔵庫、エアコン、給湯器で半分以上となっており、単身世帯の増加に伴って都内の世帯数がふえていることからも、これらの機器の保有台数が増加傾向にあります。
このほか、パソコンや温水洗浄便座、衣類乾燥機などの普及によりまして、保有家電が多品目化しているということもあり、家庭部門のエネルギー消費が減少しにくくなっているものと認識しております。
都の家庭部門対策は、省エネ・節電行動の推進、高効率な設備等の導入、住宅の省エネ性能の向上の三つの観点から施策を講じており、家庭における省エネノウハウを解説した省エネハンドブックを作成、配布しているほか、照明のLED化の推進、それから既存住宅におけます高断熱窓へのリフォームに対する補助事業などを展開しております。
○森村委員 家庭部門のエネルギー消費状況や、都の家庭部門対策が三つの観点で実施されていることがわかりました。このうち家電に関する施策については、我が会派からも、予算特別委員会で滝田都議がその問題意識も含めて質疑しておりますので、本日、私は、住宅そのものの省エネ化を進める観点から、東京ゼロエミ住宅導入促進事業についてお伺いしたいと思います。
先ほども話題に上っておりますけれども、改めて本事業の概要と補助対象の想定規模、そして期待される省エネ効果をお伺いいたします。
○小川地球環境エネルギー部長 東京ゼロエミ住宅導入促進事業は、東京の地域特性を踏まえて、省エネ性能の高い住宅を普及させるため、都が定めます東京ゼロエミ住宅仕様を満たす新築住宅の建築主に対し、戸建て住宅で一戸当たり七十万円、二千平方メートル未満の集合住宅で一戸当たり三十万円の補助を行うもので、事業期間は来年度からの三カ年でございます。
初年度の予算規模は事務費を含めて十八億円であり、戸建て住宅で一千五百戸、集合住宅で一千百七十戸の助成を見込んでいるところでございます。
東京ゼロエミ住宅は、国の定める省エネ基準よりも三割程度、省エネとなってございます。
○森村委員 東京ゼロエミ住宅の普及に向けまして、補助金事業の実施に加え、導入の効果を広く伝え、都民にアピールしていくことが重要です。こうした観点から、今後の取り組みを伺います。
○小川地球環境エネルギー部長 東京ゼロエミ住宅を含めまして、家庭の省エネ化に向けましては、都はもちろんのこと、国等が行う施策とともに、都民、事業者等のみずからの取り組みが相まって進んでいくものと認識しているところでございます。
都としては、本年一月の東京ゼロエミ住宅仕様の策定以降、工務店の関連団体に本仕様の説明を行っております。
また、光熱費低減や快適性向上といった東京ゼロエミ住宅のメリットを伝えるパンフレットを作成いたしまして、都内二十九カ所の住宅展示場などにおいて普及啓発キャンペーンを実施しているところでもございます。
来年度は、引き続き住宅展示場等でのキャンペーンを実施するとともに、住宅関連の業界団体等とも連携しながら、本補助事業の周知とあわせて、東京ゼロエミ住宅の普及を進め、家庭の省エネ化につなげてまいります。
○森村委員 二十九もの住宅展示場で連携した取り組みをということで、新しく家を建てる人が集まる場所でございますので、有効な取り組みになるよう期待しております。ぜひ、ゼロエミ住宅という言葉が都民に浸透するように、取り組みを進めていただけるようお願いします。
さて、家庭部門については、一人一人の都民の問題意識や価値観、また経済事情にもよるところが大きく、これをすれば有効だという決め手となる一手を打つのが難しいという点があるんじゃないでしょうか。
普通に進めても達成することが難しいような目標を立てるときに重要なことは、絶対に達成するとまずかたく決意をしまして、戦略や問題意識を関係者に共有すること、その上で進捗状況の見える化をすることだというふうに、これは私の持論なんですけど、考えております。
私が持っております問題意識は、家庭部門において目標に向かう上で、必要な進捗や状況の見える化ができていないのではないかということになります。今、自分の家の電気代やガス代が幾らぐらいかかっているのか。意識の高い方はともかく、一般的な生活者に見えているのは、実際のところ、このくらいではないでしょうか。そして、自分の家の断熱性は高いのか低いのか、例えば都が目標としている指標に対して貢献できているのか、そうでないのか。あるいは、ほかの一般家庭に比べて自分の家庭は省エネできているのかどうか。あるいは、省エネすると、これから電気代をどのくらい安くすることができるのか。こうした話が一般の都民にとってはぼんやりしていて、はっきりと認識できていないのではないか、そう考えております。
いうまでもなく家庭部門においては、都民一人一人が主役になります。自分の家庭のエネルギー状況に関しての、要はマネジメントできる体制をとらなければ、行動を促すことはなかなか難しいのではないでしょうか。
現段階でこれは質問ではなく要望にとどめておきますが、例えば、一戸一戸の省エネや再エネに関する状況を見える化し、都民一人一人が自身の状況についてマネジメントするために必要な情報を手軽に得られるような仕組みについて、民間の知恵や、今現存するテクノロジーを活用しながら、ぜひご検討いただけるようにお願いしておきたいと思います。
次に、廃プラについて伺います。
海洋プラスチックやマイクロプラスチック問題が世界的に注目を集めています。都議会でもこれまで何度も質疑が行われてきましたが、海洋汚染の約八割を占めているといわれる海洋プラスチック問題は、生態系に大きな影響を与え、また特に化石燃料由来のプラスチックの大量生産、大量消費は、地球規模の気候変動を起こす原因の一つにも数えられています。
昨年八月に、東京都廃棄物審議会に諮問されたプラスチックの持続可能な利用に向けた施策のあり方について、本年一月に中間まとめが行われ、先日の委員会で報告がありました。まず、この中間まとめが掲げた長期的な方向性について確認いたします。
○松永資源循環推進部長 廃棄物審議会の中間まとめでは、海洋プラスチック問題の解決だけでなく、パリ協定に掲げられているCO2排出実質ゼロに向けて、プラスチックの持続可能な利用に向けた取り組みを進めていかなければならないとしております。
具体的には、今世紀半ばに目指すべきゴールとして、化石燃料由来のプラスチックの生産や使用後の燃焼に伴うCO2について、他の資源と同様に実質ゼロにすることが必要とされております。
そのような長期的な視点を踏まえました上で、当面、都が取り組むべき対策といたしまして、ワンウエープラスチックの削減やリサイクルの徹底、海ごみ発生抑制などの施策が掲げられております。
○森村委員 この中間まとめに掲載された資料によりますと、国内の廃プラスチックの処理の内訳で、五七・四%が国内で熱回収、いわゆるサーマルリサイクルをされておりまして、一五・四%が輸出、国内での材料、ケミカルリサイクルは一一・七%にとどまっている状況です。
サーマルリサイクルは、廃プラの処理についての主要な方向性の一つであることは確かであり、また現状なくてはならない施策である一方で、CO2排出の要因の一つに数えられており、また国際的にはリサイクルとは認められていないというような状況にもあります。
サーマルリサイクル依存の体質を改めていくためにも、まずは使用量の削減、そして材料リサイクル率やケミカルリサイクル率の向上を目指す必要があると考えます。
そこで、今後、廃プラスチックのリサイクル率の向上に向けた都の取り組みと見解についてお伺いします。
○松永資源循環推進部長 国内の廃プラスチックの半数以上が熱回収となっている現状を踏まえ、中間まとめでは、循環的利用の推進に当たっては、リデュースを徹底した上で、リユース、材料リサイクル、ケミカルリサイクル、熱回収等を最適に組み合わせて、バランスを考慮すべきとしております。そして、その優先順位は、循環型社会形成推進基本法の基本原則として定められたリユース、リサイクル、熱回収という順序を基本として、熱回収については、エネルギーの利用効率の高いものを優先すべきであるとしております。
その上で、都が当面取り組むべき対策としまして、区市町村によるプラスチック容器包装の分別収集の全面実施を働きかけることや、業務系ビル等の処理状況を把握し、排出事業者に分別、リサイクルを求めていくべきとしております。
都といたしましては、こうした審議会の議論を踏まえまして、プラスチックの3Rの推進に取り組んでまいります。
○森村委員 よろしくお願いします。
廃プラの主要な輸出先であった中国が二〇一七年の夏から輸入禁止に踏み切ったことによりまして、大きな変化が起きています。その後、輸出はタイやベトナムなどアジア諸国に向かいましたが、これらの国々でも次々に規制が強化されています。
海外への輸出は、輸出先でのトレーサビリティーもおぼつかないような状況でありまして、倫理的にも課題が指摘されているところであります。
こうした状況を受け、廃プラの海外輸出ができなくなった事業者は困難に直面していますが、この問題に対する都の施策を伺います。
○松永資源循環推進部長 国内から輸出されている廃プラスチックの大半が事業系の廃プラスチックでございまして、多くが未選別、未洗浄のものと考えられます。アジアの多くの地域における輸入規制の強化に伴いまして、これまで安易に輸出されてきた分別の不十分な廃プラスチックが国内のリサイクル施設に一気に向かったことで、処理費の上昇や在庫の増加などの状況が生じております。
現時点で廃プラスチックの大規模不法投棄には至ってはいないものの、適正なリサイクルを進めていくため、東京都では来年度、緊急対策として関係事業者団体等と情報共有を図りながら、受け入れ可能なリサイクルルートなどリサイクル市場の動向を把握の上、逐次その情報を提供するとともに相談体制を構築してまいります。
○森村委員 緊急対策に取り組むということですが、ぜひ、急激な事業環境の変化に対応する事業者に寄り添った相談体制をお願いしておきたいと思います。
一方で、抜本的な解決のためには、国内で確実なリサイクルを行う必要があります。そのためには、排出事業者が分別を徹底し、質の高いプラスチックを収集しなければなりません。
先日の都民ファーストの会、伊藤都議の予算特別委員会での代表質問で提案がありましたとおり、効果的な施策を早急に検討する必要がありますが、現段階において、排出事業者に対して都はどう働きかけを行うのか伺います。
○松永資源循環推進部長 これまで、廃プラスチックの処理費用は、アジアの諸地域に未選別・未洗浄の状態で輸出できたことによりまして、低廉になっていた可能性がございます。
安易に輸出に依存するのではなく、国内において質の高いリサイクルを実現していくためには、排出事業者が適正なリサイクル費用を負担するとともに、さらなる分別排出に努めることが必要でございます。
排出段階での分別を徹底することで、品質のよいプラスチックを回収できれば、セメント工場での利用や製鉄所での高炉還元剤などにも有効利用が可能となります。
そこで、都といたしましては、排出事業者に対してセミナーの場等を活用しまして、処理費用の現状など、リサイクルの実情を紹介し、そのための適正なコスト負担を働きかけてまいります。
さらに、区市町村の実施する事業者指導とも連携いたしまして、事業系廃棄物のさらなる分別の徹底とリサイクル推進を呼びかけてまいります。
○森村委員 最後に、廃プラスチックの輸出に関連しまして、アジアの各地域からは多くのプラスチックが廃棄されて海に流出をしております。
陸上から海洋に流出するプラスチックごみ発生量に関する二〇一〇年の推計では、日本からの流出が年間六万トンとされているのに対し、流出一位の中国では三百三十五万トン、そして二位のインドネシアでは百二十九万トン、三位のフィリピンでは七十五万トンとされていまして、上位三国の合計で、実は我が国からの流出量の百年分に相当するような状況があるというふうに推計されています。
実は、私も二十年来にわたりまして、フィリピンのマニラ近郊を毎年訪れているんですけれども、いつも訪れているまちに隣接する川がございまして、その川の水面は常にごみに埋め尽くされているような状況が続いています。二十年間ずっとです。
まず、私たちは、都内における課題解決を着実に進めていく必要がありますけれども、それと同時に、こうしたアジアの各地域に対して、都としては海ごみの発生源対策を積極的に支援していくべきと考えますが、見解をお伺いいたします。
○松永資源循環推進部長 都は、平成十四年度から、アジア各都市の実務担当者を招いた研修事業を行っておりまして、今年度は、プラスチック問題を主要テーマとして、各都市の取り組む施策につきまして意見交換を行い、情報共有を図りました。
また、ヤンゴン市に職員を派遣いたしまして、現地のプラスチックリサイクルの現状につきまして調査し、意見交換を行っております。
さらに、昨年五月に東京で開催した国際会議、きれいな空と都市東京フォーラムにおきまして、廃棄物に関するセッションの中におきまして、アジアの諸都市を含めて、廃プラスチック対策の促進に関する議論が交わされました。
引き続き、こうした国際交流を積極的に進め、アジアの各地域におけるプラスチックごみの発生抑制に貢献してまいります。
○森村委員 ぜひお願いしたいと思います。
最後に、これは意見ですけれども、海洋プラスチックに関しては、現在、有効な回収の手段がないものと聞いております。早急にごみを発生させない、流出させない、これはもちろんなんですけれども、例えば海に流れ出る前に、地域住民やボランティアの方々などが河川敷等で実施しておりますごみ拾いの活動への支援の強化をすることで、都民の意識啓発にもつながるものと思いますし、ぜひ、地元の自治体等と連携の上、積極的な取り組みをお願いしたいと思います。
以上です。
○細田委員 私からは、大綱五点にわたって質問させていただきます。
まず、家庭のゼロエミッション行動推進事業、私からもこの点について伺います。
都内のエネルギー消費量は、二〇〇〇年比で見ますと、先ほども話がありましたが、二〇一六年度は家庭部門だけ増加しています。二〇三〇年で二〇〇〇年比三〇%程度の削減という家庭部門の省エネ目標の達成に向けまして、さらにもう一歩踏み込んだ対策を講じることが必要な状況であります。
これまで我が党は、都民が省エネ性能の高い製品への買いかえを選択しやすくなるように、かつて国が行った家電エコポイントの付与などのインセンティブ策の実施を都に提案してまいりました。
これに対し都は、平成三十年第四回定例会において、ポイントを付与するなど、都民が買いかえによるメリットを享受できる仕組みの構築は有効であり、具体的なスキームの検討を進めていくと答弁をされました。これを受けて、平成三十一年度予算案において、家庭のゼロエミッション行動推進事業を盛り込んでいる点を高く評価いたします。
まず、事業の具体的な取り組み内容についてお尋ねします。
○小川地球環境エネルギー部長 家庭の省エネ行動を促す上で、省エネ性能の高い家電等への買いかえに対する支援策を講じることは効果的であると認識しております。
本事業では、エアコン等の買いかえを行った都民に対しまして、商品券などに交換できる東京ゼロエミポイントを付与するとともに、省エネアドバイスを実施して、省エネ意識のさらなる向上を図ってまいります。
また、買いかえによるCO2削減効果は、東京二〇二〇大会のカーボンオフセットに活用していくほか、消費の活性化対策の観点から、事業開始を本年十月としていきます。
こうした取り組みにより、都内エネルギー消費量の約三割を占める家庭部門の省エネ対策をより一層推進してまいります。
○細田委員 ただいまの答弁によりますと、本事業の対象品目、省エネ性能の高い家電、このようにあります。先ほどいろんな家電が今ふえている実態にある、このような質疑もありましたけれども、都がいっています、今の答弁にあります省エネ性能が高いとは、具体的にはどのような条件となるのか、それが商品券や今の省エネアドバイスの実施というものにどのようにつながっていくのか、高いというのは具体的にはどのような条件なのかということについてお尋ねします。
○小川地球環境エネルギー部長 エアコン及び冷蔵庫につきましては、国が定める省エネ基準の達成率に応じて、省エネ性能を五段階で表示する統一省エネラベルの星の数を条件とすることといたしまして、具体的には、エアコンは星四つ以上の機器を、冷蔵庫は星五つの機器を選択していただくことが条件となります。
また、給湯器につきましては、電気ヒートポンプ給湯器や潜熱回収型ガス給湯器などの高効率給湯器を選択いただくことが条件となります。
○細田委員 都の省エネラベリング制度は、家電製品の省エネ性能を相対的に評価して、五段階の星印をつけていまして、これは目に見えてわかりやすい、このように思います。
また、その省エネラベルは、ランニングコストを含めました一年間の電気代から、使用時のコストをわかるように工夫していますから、そういう点ではよいメルクマールだと思います。
CO2削減効果がしっかりと発揮できるように、かなり具体的に整えていることはうかがえますけれども、都民がポイントを申請する際この手続はどうなっているのか、これが煩雑であればそれにブレーキをかけてしまう、こういうような過去の事例もあります。流れの概要について答弁を求めます。
○小川地球環境エネルギー部長 都民は、対象となる省エネ家電等への買いかえを行った後、今後公募によりまして選定する運営事務局に対して、申請を行っていただくものと考えております。
申請に際しましては、家電等を購入したことを証するレシート、それから、買いかえでございますので、それを証する家電リサイクル券などの書類を提出いただくことになります。なお、提出書類は必要最小限といたしまして、手続をできる限り簡素化いたします。
都民による申請後、内容に問題がなければ後日、運営事務局からポイント交換品を送付するという流れでございます。
○細田委員 省エネ意識のさらなる向上を図る観点から、本事業の実施に際して省エネのアドバイスを行うとのことですけれども、この具体的な内容というのはどうなのか、この点についての答弁を求めます。
○小川地球環境エネルギー部長 都民へのポイント交換品を送付するタイミングなど、本事業を実施する中での都民との接点の機会を捉えまして、省エネアドバイスを実施いたします。
例えば、エアコンは電源の頻繁なオン、オフが省エネにならないなど、本事業を通じて省エネ家電への買いかえを行った都民に対しまして、さらに、省エネに資する家電の使い方を伝えるリーフレットを作成し、ポイント交換品とあわせて送付するなど検討していきます。
そのほかにも、機会を捉えた省エネアドバイスを検討し、都民の省エネ意識のさらなる向上につなげてまいります。
○細田委員 ただいま、少し細かい点を幾つか確認をさせていただきましたけれども、多くの都民に本事業にご参加いただくために、この鍵はこうした事業の条件に関する事項を含めて、区市町村を初めさまざまな方々に協力をいただきながら、しっかりとこの事業の周知を行っていくことが肝要であります。また、手続は可能な限り簡素化をしていく、これが重要であると考えます。
冷蔵庫やエアコンの最需要期の夏ではありませんが、四月から始まって半年、事業の開始の十月というのはあっという間にやってきます。先ほど公募による運営事務局を選定するとの答弁もございましたが、新年度にスタートダッシュで開始をしても、事業者も決めていく、このような必要がありますし、仕組みや手続も万全に構築しなくてはなりません。申し上げるまでもなく、万一、不正や間違いが起きたら大変なことになってしまいます。どうぞしっかりと取り組んでいただきたい、このように思います。
本事業に多くの都民にご参加いただいて、そして、答弁にもありました、省エネに資する家電の使い方を伝えるリーフレット等もよくごらんいただくように取り組みを進めていただいて、どうぞ、引き続き着実に進めていっていただきたいと思います。この点を要望しておきます。
続きまして、二点目、地域の多様な主体と連携した中小省エネの支援事業についてお尋ねいたします。
平成三十一年度予算の新規事業として計上されています、地域の多様な主体と連携した中小規模事業所省エネ支援事業についてであります。この事業は中小企業の省エネをさらに促進していくために、地域の金融機関と省エネのコンサルティング事業者との連携を促しながら、中小企業が空調や生産設備等の省エネの運用改善などに、省エネコンサルを無料で受けられるモデル事業として新たに実施していく、このように理解をしております。
地域の金融機関では、日ごろから中小企業の経営状況を把握していて、融資や経営改善に向けたサポートを行っているわけでありますけれども、中小企業と省エネというテーマについてはなじみが薄いように思われます。
今後、本事業を進めるに当たっては、信金や信組、また地銀など、地域の金融機関に省エネのコンサルを活用することの有用性、この省エネの対策における効果と、これに関する理解をまず深めてもらうことが大切であり、中小企業に彼らが積極的に働きかけていただくことが重要である、このように思います。この点を踏まえまして、都の取り組みの所見を求めます。
○小川地球環境エネルギー部長 都は、本事業の実施に当たりまして、地域金融機関の行員向けセミナーなどを通して、省エネの専門家を利用し運用改善等に取り組むことで、中小事業者みずからが行った省エネ対策に比べて、高い省エネ効果が得られること、それから省エネ対策によりコスト削減が進むメリットがあることなどを、理解を深めていただきたいと考えております。
また、こうした意義を中小企業にわかりやすく説明できる、パンフレットや省エネコンサルティング事業者の得意分野、取り組み実績等を記載したPRシートなどを作成いたしまして金融機関に提供することで、中小企業に対して、省エネコンサルの実施を提案する際に活用していただこうと考えております。
加えまして、信用金庫や信用組合などを会員とする団体等の協力も得まして、金融機関に対して本事業への参加を広く呼びかけながら、中小企業への働きかけを促してまいります。
○細田委員 わかりました。よろしくお願いします。
次年度、二十件を目指すということで、規模は二千五百万円の予算となっておりますが、新規の事業なんで、どうぞ関係局とも連携していただいて、実効性を発揮するよう、そしてより多くの金融機関に取り組んでもらえるよう働きかけてもらいたいと要望しておきます。
続きまして、本事業の実効性の確保についてお尋ねします。
本事業では、中小企業の省エネコンサルを実施した事業者に補助金を交付する仕組みです。中小企業にとっては、自己資金の持ち出しや書類の申請、作成などの手間がなくて利便性は高い、このように思います。
ですが一方、省エネコンサルの内容が中小企業の現場においてきちんと実施されて、その効果があらわれなければ、このことは意味をなさないわけであります。ですから、コンサルを受けた中小企業において、この省エネコンサルの内容が確実に実行されるような仕組みが必要であると考えますが、都はいかに考えているのか、都の見解をお尋ねします。
○小川地球環境エネルギー部長 本事業では、省エネコンサルを実施する事業者が、省エネの運用改善と対策等の実施について中小企業との連携のもと、補助金の申請を行っていただくことを予定しております。
また、省エネコンサル事業者には、中小企業のエネルギーの利用状況をあらかじめ計測し運用改善等の適切な方策を提案した上で、中小企業と一緒に運用改善に取り組んでいただき、一定水準以上のエネルギー使用量の削減実績を上げていただくこと等を交付条件としていく予定でございます。こうした取り組みによりまして、省エネ対策の実効性を確保してまいります。
○細田委員 省エネコンサル事業者が行う省エネの提案が、今おっしゃったように確実に実行されるよう助成金の交付条件を検討、検証しつつ、どうぞ積極的に進めていただくことを要望しておきます。
続きまして、水素事業についてお尋ねします。
都内のCO2排出量の二割弱は運輸部門から排出されていまして、このうち自動車が八割を占めます。このため、先ほども議論が出ておりますけれども、EV、PHV、FCVなどのゼロエミッションビークル、ZEVの普及による自動車の低炭素化を進めることが重要であります。
中でも燃料電池自動車は航続距離が六百から七百キロメートルと長くて、燃料である水素の充填時間も短いなど、ガソリン車並みの利便性があるといわれていまして、また燃料電池自動車は、水素社会の実現に向けて、水素エネルギーを都民に身近なものとして感じることができるものとしても、その普及が期待されているわけであります。
一方、走行中に水素切れとなって、ステーションまでレッカー移動されてくる車もあると聞きます。水素ステーションのさらなる整備は不可欠であります。私の知人も、すぐに補給できないと心配だからと、常に満杯にしておくように、近くにステーションがあればいつも補給をしています。
確認で伺いますが、既に都内の区部、多摩部に整備されているステーションの数と現在の整備の進捗状況についてはいかなる状況なのでしょうか。お尋ねいたします。
○村山都市エネルギー推進担当部長 都内においては、現在十四カ所の水素ステーションが整備されており、区部十三カ所、多摩の市部に一カ所で開所しております。
今後は、江東区豊洲、江戸川区臨海町にステーションが建設されることとなっており、さらに中央区晴海の選手村地区でも事業が進められております。また、羽田空港周辺や品川区においてもステーション整備が計画されております。今後とも補助制度を活用しながら、水素ステーション整備促進に向けた取り組みを進めてまいります。
○細田委員 水素ステーションの整備促進に向けた取り組みを進めていく、今力強いご答弁がありました。どうぞよろしくお願いいたします。
新種の施策でありますから初めは多くないという、それはそういうものでありまして、着実に進んでいる、こういう答弁だったと思います。
現在も計画中のものも含めて、水素ステーションは区部、特に臨海部に集中しています。私は江東区の選出でありますから、今いわれた十四カ所の中の江東区には、豊洲、新砂、潮見、有明と、四十平方キロメートルの中に四カ所ありますけれども、例えば西の方を見ますと、杉並区の先には八王子市の高倉町になってしまいますし、世田谷区の先もそのようになっています。都庁より北側は多くない、こんな状況もありますので、どうぞ臨海部以外や多摩部にも計画的に整備することをぜひ誘導していっていただきまして、次の質問に移らせていただきます。
東京都は、本年一月に都内で初めて、福島県産のCO2フリー水素を燃料電池自動車に充填し、PR走行を実施いたしました。これは、国立研究開発法人産業技術総合研究所福島再生可能エネルギー研究所における太陽光発電の電力であり、水分を分解して製造した水素であります。
震災復興の意味からも、福島県産CO2フリー水素の活用は非常に意義があり、価値がありますが、そこで、どのようにPR走行を行ったのか、この点を伺います。
○村山都市エネルギー推進担当部長 本年一月に実施した事業では、福島県産CO2フリー水素を充填した五台の燃料電池自動車で、一週間程度かけて、都内五十三区市町村の観光スポットや名所、公園などを訪れるPR走行を実施いたしました。
PR走行では、走行中の車両を直接目にする都民だけでなく、より多くの方々に関心を持っていただけるよう、東京駅などの有名スポットでの走行の様子をリアルタイムでSNS等に発信し、福島県産CO2フリー水素をPRいたしました。
○細田委員 今、本事業のPR方法についてわかりました。一方、PR走行の車両に張られていました福島県産CO2フリー水素を使用中というステッカーがあるんですが、ささいなことかもしれませんが、余り目立たないように思いました。どうぞ、まだいろいろチャンスはありますし、まさにこういう画期的なものでありますから、今後の取り組みにつきましては、引き続いて都民にわかりやすいPRを継続して行っていただくようお願いいたします。
次に、福島県の浪江町に、国主導でCO2フリー水素を製造する事業が着工されています。一日で百五十世帯の一カ月分の電力を供給できる、こういうような生産規模を持っている、このように理解しています。この概要及び進捗状況についてはどうなのかお尋ねいたします。
○村山都市エネルギー推進担当部長 現在、国立研究開発法人であるNEDOの実証事業として、福島県浪江町で一万キロワット級の水素製造装置を備えた水素エネルギーシステムを構築するプロジェクトが進められております。
このプロジェクトが本格運用を開始されると、再生可能エネルギーから水素を製造することで、CO2排出量を削減させた上で、車に換算しますと、一日に五百六十台の燃料電池自動車に、世帯数であれば、ご指摘ございましたように百五十世帯の電力を発電するに足る水素を製造できる規模となります。
昨年八月から工事が進められているところでございまして、本年十月のシステム試験、試運転開始、二〇二〇年七月には実証運用開始を目指しているというふうに国からは聞いているところでございます。
国に対しましては、この福島県産CO2フリー水素を東京二〇二〇大会における選手村で活用することなども要望しているところでございまして、今後も国等とも連携しながら、その活用に向けた取り組みを進めてまいります。
○細田委員 東京オリ・パラ大会開催時において、こうした被災地からの未来のエネルギーとして、福島県産CO2フリー水素の活用をオールジャパンでしっかりと連携して取り組んでいただきたいと思います。
二〇二〇年へつなげていくためにも、来年度も引き続いて福島県産CO2フリー水素の活用を積極的に行うべきと考えますが、都の見解を求めます。
○村山都市エネルギー推進担当部長 来年度は、企業、団体等と連携し多くの都民が集まる観光地等で、水素エネルギーを活用したライトアップやプロジェクションマッピング等を実施する予定でございます。この取り組みにおきまして、水素エネルギー利用を見える化するとともに、福島の復興と低炭素な水素をPRしていくため福島県産CO2フリー水素を活用することを目指してまいります。
○細田委員 福島県産CO2フリー水素が都内で電力供給等も含んで活用されることは、福島県の震災から復興した姿を示すためには、本当に大変に意味があります。どうぞ継続して取り組みを進めてください。
続きまして、ゼロエミッションビークルの普及に向けた取り組みについてお尋ねします。
冒頭、先ほど、入江委員から詳細な質疑がございましたので、私からは簡略にまとめて伺いたいと思います。
都は来年度、EVやPHVの補助制度について補助対象者を、これまでの中小事業者等から大企業や個人に拡大するとともに補助上限額も引き上げています。このための予算を今年度と比べて大幅に増額されている。
平成二十一年度から実施してきたこの制度について、補助対象者や補助上限額を拡大するこの効果と課題について、都の見解を求めます。
○筧環境改善部長 都内の運輸部門のCO2排出量のうち約八割は自動車に起因しており、EVやPHVなど、走行時にCO2を排出しないゼロエミッションビークルの普及は重要でございます。
都は二〇三〇年までに、乗用車新車販売に占めるゼロエミッションビークルの割合を五割まで高めるとの新たな目標を掲げ、さまざまな施策を推進しておりますが、ゼロエミッションビークルの車両価格が割高なことが普及に向けた課題となっております。
そのため、購入費に対する補助の上限額を引き上げることで、自動車税等の減免、燃料低減効果などを含めたライフサイクルコストをガソリン車並みに抑制するとともに、これまでの中小事業者等に加え、個人や大企業にも対象を拡大することで、広くゼロエミッションビークルの購入につなげ、普及拡大を図ってまいります。
○細田委員 次に、都が目指すゼロエミッションアイランドの実現に向けて、島しょ地域では、ゼロエミッションビークルの普及を図ることは大変に大きなポイントの一つである、このように理解しています。
この島しょ地域については、島の中の距離は限られており日々の走行距離はさほど長くならず、EVの課題の一つである航続距離の短さがマイナスにはなりにくい、このような状況だと思います。
けれども、一方で塩害等の影響もあって、新車を購入しない人が多いであろうという状況から、都の補助制度を活用した普及は余り進まないのではという可能性もあるのではないかと懸念いたします。
こうした中、都は来年度、島しょ地域でEV等のモニター事業を実施することとしていますが、この事業の目的、内容についてお尋ねいたします。
○筧環境改善部長 都は来年度、大島町におきまして、EV等の認知度を高めるとともに、利用を促進することを目的といたしまして、島しょ地域におけるEV、電動バイクモニター事業を実施いたします。
具体的には観光業やサービス業など、公募する事業者に都が用意する電気自動車と電動バイクを三カ月間利用してもらいます。貸し出す車にはEVや電動バイクが走行していることがわかるラッピングをするなど、島民や観光客にもEV等が走行していることをアピールいたします。
○細田委員 島しょ地域は、区部などに比べますとEV等の普及が余り進んでおらず、本事業は島民の方にEVを知っていただくよい機会になる、このように思います。この成果を検証していただいて、今後どのように島しょ地域でのEV等の普及策の検討に活用していくのか、都の見解を求めます。
○筧環境改善部長 本事業では、まずは島民の皆様にEV等の走行性能等を体感してもらうことに加え、日々の走行距離や充電頻度等の走行データ収集を行いまして、また利用後にはアンケート調査を実施いたします。
得られたデータやアンケート結果などから、島しょ地域において電気自動車等を導入するメリットや課題、島民の皆様のEVに対する認識等を把握し、将来の普及に向けた足がかりとしてまいります。
○細田委員 将来の普及に向けたその一つのきっかけの出発点となっていただくことを期待しています。
大綱、最後なんですが、防災備蓄食品の有効活用についてお尋ねします。
我が党はこれまで、食品ロスの削減を重要なテーマとして、本会議や委員会などで何度も取り上げさせていただきました。その対策の一つとして、防災備蓄食品を更新する際に食品ロスにすることなく有効活用していく、この必要性を訴えてまいりました。
都は、平成二十八年、また二十九年と二カ年にわたって、持続可能な資源利用に向けたモデル事業の中でこの問題に取り組んできましたが、まずその成果を確認させていただきます。
○松永資源循環推進部長 都は、先進的な取り組みを行う企業等と連携したモデル事業の中で、事業所等で保管されている防災備蓄食品を買いかえる際に、不要となる食品を有効活用する取り組みを実施いたしました。
昨年度は、都が保有していた賞味期限の近い防災備蓄食品について、モデル事業を活用して約六十五万食を社会福祉団体などに寄贈したほか、約四十五万食を直接都民に食品ロスの削減を呼びかけながら配布いたしました。
その結果、モデル事業を実施した二年間で約百八十万食の有効活用を図ることができております。
○細田委員 二年間で百八十万食もの有効活用が図られた、このことを評価いたします。
さて、今年度と来年度はこれほど期限切れの食品は出ないと承知していますが、備蓄食品の期限は五年間というものが多いので、今後の期限切れに備えて、今のうちから十分な対応を検討しておくべきと考えます。
そこで、モデル事業の成果とともに、フードバンクなどの取り組みも踏まえながら、来年度以降いかに取り組んでいくのか答弁を求めます。
○松永資源循環推進部長 二年間にわたって実施いたしましたモデル事業の結果、効率的に防災備蓄食品を有効活用するためには、食品の種類や買いかえ時期等に応じた在庫の管理や、寄贈を希望する団体とのマッチング、その間の輸送等を一体的に運用する仕組みが必要であることが明らかとなりました。
来年度は、これまで培ったノウハウを活用して、区市町村が備蓄している食品についても有効活用が図られるよう、必要な情報提供を行うとともに、都と区市町村の連携による地域環境力活性化事業の補助対象に未利用食品の寄附や配布等に係る事業を加え、区市町村を通じて民間団体の取り組みを支援してまいります。
あわせて、こうした未利用食品の有効活用の取り組みがさらに広がるよう、食品の発生側と提供を受ける側をネットでつなぐなど、具体的なマッチング方法について検討してまいります。
○細田委員 区市町村に対する必要な情報提供を、そして未利用食品の寄附や配布などにかかわる民間団体支援の連携を、また食品の発生側と提供を受ける側のマッチングなど、しっかりとこの事業を進めていただくことを要望いたしまして、質問を終わります。
○田村委員 私からは、まず、家庭の省エネ対策について伺います。
本年六月に我が国で初めて開催されるG20サミットでは、気候、エネルギーも主要なテーマの一つになると思いますが、こうした中、大都市をリードする東京として、気候変動対策に力を入れていくことは極めて重要であります。
都内エネルギー消費量は、二〇一六年度の実績で二〇〇〇年比二一%の減となっており、分野別に見ると、業務、産業部門で一六%の減、運輸部門で四三%の減となっています。
一方、家庭部門については〇・七%増と唯一の増加となっており、二〇三〇年に二〇〇〇年比で三〇%程度削減という家庭部門の省エネ目標達成に向けては、対策の強化が必要不可欠であります。
そこで、都は、家庭部門の省エネ対策として、平成三十一年度予算案の中で家庭のゼロエミッション行動推進事業に四十五億円を計上していますが、本事業の概要と効果を伺います。
○小川地球環境エネルギー部長 家庭のゼロエミッション行動推進事業は、家庭の省エネ行動を促すため、省エネ性能の高いエアコンや冷蔵庫、給湯器への買いかえに対し、一万から二万一〇〇〇ポイントを付与するものであり、事業期間は二年でございます。
初年度の買いかえ想定規模は約二十五万台を見込んでおりまして、これによるCO2削減効果は年間五万八千トンです。
買いかえによるCO2削減効果は、東京二〇二〇大会のカーボンオフセットに活用してまいりますとともに、事業実施に当たっては省エネ行動をさらに促すため、例えば冷蔵庫の設定温度など買いかえた家電について、より省エネに資する使い方を伝えるなどの省エネアドバイスをあわせて行ってまいります。
○田村委員 制度の概要と効果は理解しました。初年度で二十五万台もの買いかえを想定しているなど、想定規模がかなり大きいようにも見えます。昨年まで実施していたLED交換事業では、百万個の目標を高らかに掲げて華々しく開始したものの、交換実績が当初の予定の一年間で三十七万個にとどまっており、結果として目標設定に問題があったといわざるを得ません。
今回の事業において、想定した規模が適正なのかが問われますが、規模の算定根拠を伺います。
○小川地球環境エネルギー部長 算定に当たりましては、業界統計や世帯数からエアコン、冷蔵庫及び高効率給湯器の都内年間出荷台数をそれぞれ百二万三千台、四十八万二千台、十七万台と推計いたしました。
エアコン及び冷蔵庫につきましては、推計した都内年間出荷台数に、二〇〇九年度から二〇一〇年度にわたりまして国で実施された家電エコポイント制度においてポイントを申請された方で、かつ、買いかえであった方の割合を掛けるなどして、想定規模をそれぞれ十三万九千台、八万四千台といたしました。
また、給湯器につきましては、先ほどの高効率給湯器の都内年間出荷台数から新規設置分を差し引くなどして、想定規模を三万四千台といたしました。
○田村委員 本事業は四十五億円もの大きな予算を投じるものであるため、しっかりと都民に利用していただき、家庭の省エネの推進につなげていくことが極めて重要であります。
LED事業では、広告宣伝費に三千四百万円もの費用を費やし、知事がタレントと一緒に踊るという派手なPRを行った割に、効果には疑問が残ります。
そこで、今回はどのように周知を行っていくのか伺います。
○小川地球環境エネルギー部長 事業の周知に当たりましては、都みずからの広報に加えまして、多様な主体と連携し、さまざまな場面や手段を活用して実施していくことが有効であると認識しております。
そのため、実際の家電等の買いかえが行われる販売店を初めといたしまして、チームもったいないの参加事業者や区市町村などと積極的に連携し、さまざまな広報媒体等を活用しながら取り組んでまいります。
その際、単に事業の仕組みを説明するだけではなく、電気料金の低減といった省エネ家電への買いかえによるメリットをわかりやすく伝えるなどして、本事業への参加をより促すような工夫を加えてまいります。
こうした取り組みにより本事業を着実に実施し、家庭部門のCO2削減につなげてまいります。
○田村委員 本事業の周知に当たっては、住民に身近な区市町村と連携するなど、地域に根差した丁寧な取り組みを進めていただくよう要望します。
家庭の省エネ対策ではPRより中身が大切だと思います。貴重な都税を費やして事業を執行する以上、事業の効果検証をしっかりと行うことが必要です。本事業がより省エネ性能の高い機器の購入につながったのかどうかを検証する必要があると考えますが、見解を伺います。
○小川地球環境エネルギー部長 事業の効果検証を行うことは重要と考えております。本事業を実施するに当たりましては、アンケートを実施するなど、本事業が都民の省エネ行動につながったかどうかなどの効果検証をすることを検討してまいります。
○田村委員 先ほども申し上げましたが、都は、本事業と同じく、家庭の省エネ事業であるLED事業を実施しましたが、惨たんたる結果で終わりました。
LED事業は、途中、制度を見直したこともあり、特にしっかりと検証し、新しい事業にその反省を生かすべきだと思います。
また、長野県では、二〇〇九年から十三年度まで信州エコポイント制度を実施しましたが、アンケートで利用者の八六%が、購入したら結果的にエコポイントが付与されたと答え、さらに、残りの約一四%は、もともと省エネ意識が高く、エコポイントがなくても省エネ設備機器を購入していたと推測され、つまり、エコポイントは省エネ設備機器購入の動機にはならないと判断され、廃止されました。
ポイント制度が利用されることだけに力を注ぐのではなく、それが省エネ機器導入の動機になるよう制度を運用し、その検証もきちんと実施することを要望いたします。
ちなみに、長野県で信州エコポイント制度が廃止された後、導入された家庭の省エネサポート制度事業は、一軒一軒のお宅を訪問し省エネのアドバイスをするというものですが、既に実施されていた東京都の事業を参考にしたものであることもつけ加えておきます。
次に、レンタカー、カーシェアリングにおけるZEV導入促進事業について伺います。
近年、レンタカーやカーシェアリングが非常に身近になり、まちじゅうでカーシェアリング車両などを目にする機会もふえたと感じます。
ZEVの普及に向けては、レンタカーやカーシェアリングにおいてZEVの導入を進めていくことが重要であると考えますが、事業者にとっては、ZEVの導入コストや少ない充電設備の数が大きな課題となっています。
都は来年度、事業者と連携し、レンタカー、カーシェアリングにおけるZEVの導入を進める事業を展開するとしていますが、本事業において、都は事業者に対してどのような支援を行っていくのか伺います。
○筧環境改善部長 本事業において、都は、事業者がコンパクトカー並みの手ごろな価格でEVやFCVのレンタカー、カーシェアリングサービスを利用者に提供できるよう、利用料金の一部やFCVの水素充填作業に要する経費などを負担することを想定しております。
車両の導入に当たりましては、EVやFCVの導入補助の制度を活用していただくことで初期費用の低減を図ってまいります。また、都が来年度から予定している商業施設や時間貸し駐車場等への充電設備設置補助制度を活用していただくことにより、充電設備の導入コストも低減することができます。
○田村委員 ZEVの導入コストの低減等について、都がさまざまな支援を用意していることはわかりました。
一方で、レンタカーやカーシェアリング事業者にとっては、幾ら安くZEVを導入しても、利用率が低い状況であれば、事業の運営は困難となります。
そこで、都民へのPRなどを積極的に行うべきと考えますが、見解を伺います。
○筧環境改善部長 ZEVの普及を進めていくためには、一人でも多くの利用者に本事業を通じてZEVを体験していただくことが重要であり、そのためには、しっかりとした周知を図り、利用を促していく必要がございます。
本事業の実施に当たっては、事業者からの効果的な広報やキャンペーン等について提案を募り、通常であれば利用料金が割高なZEVのレンタカー、カーシェアリングを手ごろな価格で利用できるチャンスであることを都民に広く知っていただくことで、利用率の向上を図ってまいります。
○田村委員 また、事業者の公募に当たり、手を挙げやすくする工夫も必要ではないでしょうか。この点について、都の見解を伺います。
○筧環境改善部長 本事業の実施に当たっては、レンタカー及びカーシェアリング事業者の意見をよく聞き、協力を得やすい事業内容としていくことが重要と認識しております。
そのため、現在、レンタカー、カーシェアリング事業におけるZEV導入を円滑に進めるための事業者ヒアリングを行っておりまして、そうした現場の声を反映し、事業者の協力が得られるような事業スキームの構築を図ってまいります。
○田村委員 本事業が成果を上げるためには、事業者から充実した提案をしてもらうことと、多くの都民の皆さんに知ってもらうことが不可欠です。その点はぜひ、エンドユーザー、つまり都民の皆さんと日ごろから深く接している事業者の皆さんの意見を、きちんと聞いていただきたいと思います。
また、細田委員の質問にもありましたけれども、EVに比べFCVは燃料充填設備が著しく少ないため、普及が進んでいません。同じZEVですが、EVに偏らないバランスのとれた導入支援を希望いたします。
そして、本事業は、都民の皆さんにZEVを手ごろな価格で利用していただくことが一番の目的ですが、事業が終了し都からの支援がなくなった後も、レンタカーやカーシェアリングにおいて引き続きZEVの導入が進んでいくよう、事業者と連携して運営上の課題の解決を図るなどし未来につながる事業にしていただきたいと思います。
以上で私の質問を終わります。
○原田委員 それでは、まず、都民の健康と安全を確保する環境に関する条例の一部を改正する条例、いわゆる環境確保条例の一部を改正する条例について一点お聞きします。
建築物環境計画書の提出義務事業者の対象を広げること、マンション環境性能表示について対象を拡大すること、省エネルギー性能評価書について名称と内容の改善を行うこと等について異論はありません。
ただ一点、日本工業規格、いわゆるJIS規格を日本産業規格に改める内容が含まれており、この点は気になります。新旧対照表を見ましても、日本工業規格に定める方法によって測定したが、日本産業規格に定める方法によって測定したと、内容に踏み込むような改定になっているようにも見えます。
先般、不正競争防止法等の一部を改正する法律が成立し、工業標準化法が改正されました。これに伴い、環境確保条例の改正案が提案されています。
そもそも、この工業標準化法改正のポイントの一つとして、JIS制定手続について専門知識等を有する民間機関を認定し、その機関が作成したJIS案について、審議会の審議を経ずに制定するスキームを追加するという事項があります。これは、従前の主務大臣への申し出を経た後、審議会で審査を行うという手続を飛ばしてJISを制定するというものであり、非常に問題があります。
今回の環境確保条例の改正と、このJIS制定手続の簡略化がどう関係するのか、都の見解を伺います。
○筧環境改善部長 工業標準化法が一部改正され、標準化の対象にデータ、サービスなどが追加されることに伴い、日本工業規格の名称が日本産業規格に変更になります。
今回の条例改正は、この名称変更に伴いまして、環境確保条例別表に記載している日本工業規格という表記を日本産業規格に置きかえるものでありまして、JIS制定手続の変更とは関係ございません。
○原田委員 結構です。
それでは、CO2排出削減目標とキャップ・アンド・トレードについて伺います。
キャップ・アンド・トレード制度の改定を含む都の新たな地球温暖化防止対策の枠組みについて。
環境局がまとめた都における最終エネルギー消費及び温室効果ガス排出量総合調査の最新版を見ました。東京都の温室ガス排出量は六千六百万トンであり、ギリシャやオーストリアなど一国分の排出量にも相当するということですから、東京の排出削減の責任は非常に大きなものがあります。
地球温暖化防止のために温暖化ガスの排出抑制、その対策は待ったなしです。首都東京の環境をつかさどる局として、不退転の決意と、みずからの取り組みのこれまでの評価を伺います。
○小川地球環境エネルギー部長 東京は、エネルギーの大消費地としまして、エネルギーを効率的に利用していく責務がございます。このため、都は、大規模事業所に対するCO2排出総量の削減義務と排出量取引制度、いわゆるキャップ・アンド・トレード制度や、中小規模事業所における地球温暖化対策報告書制度など、国や世界の都市を牽引する先駆的な対策を推進してまいりました。
都においては、二〇三〇年の温室効果ガス削減目標の達成と、その先の脱炭素社会を見据えまして、今般、キャップ・アンド・トレード制度など、気候変動対策に係る制度の見直しを行う予定でございます。
省エネの継続と再生可能エネルギーの利用拡大を推進してまいります。
○原田委員 東京都は、エネルギーの大消費地として、エネルギーを効率的に利用していく責務があり、エネルギー消費量削減政策に取り組んできたということでした。
世界を見れば、緊張感を持った温暖化防止の取り組みが進められています。二〇一五年、国連気候変動枠組条約第二十一回締約国会議、COP21が開催され、工業化が訪れる一八五〇年ごろよりも前の気候と比べて、気温上昇を今世紀末に二度を大きく下回るようにし、できれば一・五度に抑える努力をするという新たな協定、パリ協定が採択されました。
現在、既に世界の気温は一度上がり、対策がなければ、今世紀末には五・四度も上がるとされています。百八十五カ国がこれまでに出した対策を実行したとしても、約三度上昇するといわれていますから、今世紀末までの上昇を二度以下に抑えるというのは大変なことなわけです。
日本政府は、二〇三〇年までに二〇一三年比で二六%という目標を示しました。これは国際的な基準である一九九〇年比に直すと、EUが四〇%以上削減する目標に対して、日本はわずか一八%の削減目標にすぎないとする指摘もあります。
ここでお聞きします。現在、国の温暖化ガス削減目標は、二〇三〇年までに二〇一三年比で二六%削減となっていますが、一方、東京都の目標値は、二〇三〇年までに二〇〇〇年比で三〇%削減となっています。基準年がずれているんで、本当にわかりにくいんですけれども、都の目標値は国の目標値と比べ、どのように設定されたものか。
○小川地球環境エネルギー部長 都は、温室効果ガスを二〇五〇年までに二〇一〇年比で四〇から七〇%を上回る削減を目指すことが必要という長期的な目標水準を踏まえつつ、都民、事業者の取り組みを促す通過点として、二〇三〇年までに二〇〇〇年比で三〇%削減という目標値を設定したものでございます。
○原田委員 国の目標はもちろん、都の目標であっても、国際的な排出削減目標からすると、ヨーロッパほどの削減目標と比べ見劣りするというのが正直なところなんです。より将来に向けて野心的にCO2削減の努力が払われねばならないこと、あるいは、それは国際社会の対応からすれば実現可能なんだということは確認しておきたいと思うんですね。
東京都のキャップ・アンド・トレード制度は、これまで大規模事業所に義務が課されてきました。さまざまな事業所がある中で、ちょっと聞いておきたいんですけれども、何で大規模事業所にあえて削減義務を課したんでしょうか。
○小川地球環境エネルギー部長 都内のCO2排出量を見ますと、事業活動に伴いますCO2排出量として、産業、業務部門の排出量が約四割を占めてございます。都は二〇〇二年度から、大規模事業所に対して自主的なCO2削減の取り組みを促す地球温暖化対策計画書制度を開始いたしまして、積極的に取り組む事業所を評価、公表する仕組みを導入するなど、制度の強化を図ってまいりました。
気候変動の危機を回避するためには、さらなるCO2の削減を進める必要がございまして、大規模事業所には大量排出者として率先して削減に取り組んでいただくものといたしまして、二〇〇八年度に条例を改正し、二〇一〇年度から大規模事業所に対する温室効果ガス排出総量削減の義務化をしたものでございます。
○原田委員 東京都の動きというのは確かに先進的でした。京都議定書が終わってもなかなか政府が動かなくて、国連の人からも厳しい指摘、国際社会からの厳しい指摘を受けて、政権交代もあったりして、やっとこのキャップ・アンド・トレードというものに関心がぐっと動いて、東京都はその先駆を走ったと、これは評価されることだと思っています。今の答弁からすると、やっぱり大規模事業所というのが非常に大きな排出量を、枠を持っていると。
大規模事業所にキャップ・アンド・トレードを導入することを提言した二〇〇八年、東京都環境審議会の答申には、都内の排出実態を詳しく見ると、都内事業所数の一%にも満たない大規模なCO2排出事業所からのCO2排出量が、都内の、全体ですよ、業務、産業部門の排出量の約四割を占めており、一つの事業者当たりの平均排出量は一般家庭の実に三千三百世帯分の規模に相当するという記述があります。わずか一%の事業所がそれだけの大量のCO2排出量を占めているのですから、その責任は特に大きいのは当然だと思うんですね。
この当時は、大規模な事業所の占める割合は約四割ということでしたけれども、ちょっとお聞きしておきたいんですけれども、最新の割合は、どうなっているか。
○小川地球環境エネルギー部長 平成二十八年度の実績が手元にございますけれども、大規模事業所の占める割合は三九%、約四割というところでございます。
○原田委員 この審議会の答申で使っている数字は二〇〇五年の数字なんですが、約四割といっていたんですけれども、詳しく見ると四四%と書いてあると。四割と四四%って割と大きな違いがあるような気もするんですけれども、現在でも一%にも満たないであろう大規模事業所が現在においてもやっぱりまだまだ三九%を占めていると。当時四四%の排出割合だったのが三九%まで落ちたというのはいえるのかもしれないんですけれども、依然として重大な規模を担ってしまっているわけですね。
特別に多いCO2を排出しているんですから、その責任は非常に重大ということは引き続きいえると思うんですね。第二期の削減義務率は、基準排出量から一七%削減というものでしたが、二〇二〇年からの第三期、今度のは二七%に、一〇%上げることになります。
大規模事業所は、一般的に省エネ機器や再エネの購買力があって、COP21が各国に求める削減量からすれば、本来的にはさらなる削減率を求めてもいいものと考えるわけですけれども、都の見解を伺っておきます。
○小川地球環境エネルギー部長 第三計画期間の削減義務率の設定に当たりましては、都の二〇三〇年目標の達成に向けて、大規模事業所の目標排出量からバックキャスティングで算定しております。
専門家から成る検討会において対象事業所から意見を伺うとともに、毎年提出される点検票をもとに今後の省エネ余地を算定するなど、丁寧に検討を進めてまいりまして、第三期の削減義務率を二七%、四期は見通しとして三五%として最終案で提示いたしております。
○原田委員 バックキャスティングして算定と、もう目標を絶対ゆるがせにしないと、そこから算出して今ここまでやらせるんだと、そういう決意はいいと思うんですけれども、そもそもの求めるものというのがもうちょっと高くてもいいんじゃないかという質問をしたつもりなんですよね。答弁にもありましたけれども、より省エネや再エネの購入に、こうした大規模事業所の力が入ることを私は期待するものであります。
大規模事業所という点では、都市再生特別地区などの名称で、都心での大規模なオフィスビル開発が相次いでいます。
例えば、一昨年の都市計画審議会に出された野村不動産と東芝が手がける芝浦一丁目地区の計画は、もともと一棟あった超高層ビルを壊して、高さ二百三十五メートルの超高層ビルを二棟建てようという計画になっている。このためCO2の排出量は一万五千トンから三万五千トンへと一気に二万トンふえ、二・三倍に増加してしまう。
先ほど挙げた二〇〇八年の環境審議会の答申では、一万トンで大体三百三十世帯に相当する計算になっていますから、一気にこの計画だけで六百六十世帯分もの住宅がさらに増加と、CO2を排出することになっていくと。
こんなビル開発がなぜできるのかというと、土地に対してどれだけの広さのビルが建てられるかを決める容積率が、現状四〇〇%から、都市再生に貢献するんだということで、ボーナスとして七二〇%が与えられて、実に一一二〇%と三倍近くに緩和されているからなんです。四〇〇%から一一二〇%。
ちなみに、見えないでしょうけれど、パネルにして見せればよかったかもしれませんけれども、ベイエリアにすごい巨大な建物が二本。その後ろにもいっぱいビルは建っているんですけれども、それが全部覆い隠されるようなビルが二本建つわけです。
しかも、驚いたことに、この都市再生に貢献するというボーナスの理由、環境負荷の低減の文字が入っているわけです。莫大なCO2排出量の増加が環境負荷の低減、莫大なCO2排出量を引き起こすこの新たな開発が、このビルは環境負荷の低減を行うんだと。だからボーナスを与えていいんだということになるわけです。
誰がどう考えてもおかしいじゃないかと思うんでしょうけれども、これは、新しいビルを建てて、最新鋭の省エネ機器を入れたんで、形上は削減義務率を果たすと、環境負荷を低減した機能を入れたんだということで、そういうことになっちゃうわけですね。でも、排出量自体はふえるんです。
都市再生特別地区などにおける容積率の大幅アップ等で、たとえ高効率の排出抑制対策をとったとしても、建てかえ前後にCO2がふえてしまう、こうした事態をどう歯どめをかけていくのか、環境局としてお答えいただきたいと思います。
○小川地球環境エネルギー部長 都市の機能更新を行うことは、CO2排出量の削減など、環境負荷のより少ない都市づくりを目指すことと対立するものではなく、ともに重要でございます。
新改築されるオフィスビル等の建築物は、今後数十年にわたって存続するものであり、その環境性能の程度が長期的に都市の環境負荷を規定してまいります。
こうした観点から、都はこれまで、建築物環境計画書制度やキャップ・アンド・トレード制度により、建築物からのCO2削減に取り組んできております。キャップ・アンド・トレード制度におきましては、対象事業所の総延べ床面積が増加する中でも、総排出量の削減が継続しております。
今後は、二〇三〇年目標の達成とその先の脱炭素社会の実現を見据え、各制度の強化を図ってまいります。
○原田委員 何となくもっともそうな答弁に聞こえるわけなんですけれども、新しいビルができたからといって、その分、すぐに古いビルがなくなるわけじゃありません。ふえていっているのが現状と。都市の機能更新を行うことはCO2削減と対立するものじゃないというんですけれども、まさにこの場所で見る限り、どう考えても対立してしまっていると。
やっぱり抜本的に、事業所がのべつ幕なしにふえていくことによって、どんなに環境性能に配慮したとしても、省エネを頑張ったとしても、総量はふえていってしまうというこのことについては、やっぱり国際的な排出量削減の枠組みからして、どこかで歯どめをかけていかないと、一国の排出量に匹敵するといわれている東京都としては、やっぱり責任を果たすことになっていかないと。
やっぱりこの議論を始めていかなきゃいけないんだということを--、現場の職員の皆さんが、現在の大規模事業所と渡り合って、こういうキャップ・アンド・トレードとかいろんな制度をつくって努力をしていることは、私も評価をするところなんです。ですから、やはり都議会議員としては、こういう議会の場で、もっと進んでいかなきゃいけないと、抜本的な排出抑制が大規模事業所に対してかかっていかなきゃいけないということをいっておかなければいけないなというふうに思うわけですね。
実際、先ほど挙げた都の調査報告書を見ても、東京都の事務所ビルは、エネルギー消費量で、京都議定書が基準年として置いている一九九〇年の約百ペタジュールから二〇一五年度の百四十八ペタジュールへと一・五倍に大幅に増加しています。その分だけCO2排出量も大幅にふえているわけです。
さらに、都市再生特区などの大規模開発で容積率の大幅アップを都から認めてもらって、ビルを巨大化、超高層化できるのは、資本力のある大手ディベロッパーばかりです。大手ディベロッパーは、テナント収入で大もうけできて、資金を確実に回収できるでしょうが、その分、新しいのが建てば建つほど、中小のビルのオーナーはテナントがいなくなって潰れてもしようがないというふうになってはならないと思うんですね。
中小ビルも現在あるビルの省エネ化を進めたり、ふさわしい建てかえができるように都として支援をしていかなければ、企業支援のあり方としても偏ってしまうと指摘せざるを得ません。
環境局は、大手ディベロッパーに偏った開発をコントロールするために、東京都の都市づくり部門と協議して、対策を立てる必要がいよいよ出てきているんだということを指摘しておきたいと思います。
それから、大規模事業所の取り組みの公表のあり方です。
そもそもキャップ・アンド・トレード制度は、大規模事業所に削減計画書を出してもらい、それを東京都ばかりでなく都民が監視して、進んでいない大規模事業所は社会的にも厳しい評価が下されることになる。この制度の仕組みからも評価が下されると。こうやって削減を促進する、そういう仕組みになっているわけですよね。そうした企業の社会的責任がチェックされるような社会的監視がなければ、大規模事業所はみずからの事業所での削減を怠り、安易にクレジットの買い取りに走ってしまいかねません。
ところが、個々の事業所、個々の超高層ビルが今どれぐらいCO2を出しているのか、どれくらい減らしてきたのか調べようと思って環境局のホームページを見てみました。すると、実にわかりづらいんです。まず、大規模事業所における対策のページを開き、その下にずうっとスクロールして、制度実績の公表の制度実績各種をクリックすると、そこでようやく事業所ごとの削減実績、地球温暖化対策計画書等というのがあらわれると。
余りにややこしいので、これ、何度か見ようと思うんですけれども、毎回忘れてしまって、調べようとするたびにいろんなページを開いては閉じ、開いては閉じして、さんざん苦労してたどり着くんです。何で個々の大規模事業所の削減実績はこちらと大きなバナーをつけて探せるようにしないんでしょうか。もうこれは都民に知らせたくないのではと勘ぐられたって仕方がないぐらい本当に大変なんです。
それこそ環境問題に考えのある人が海外からオリンピックだと思ってやってきて、そこのホテルにしようか、そこのホテルにしようかといったときに、そこの環境基準は、排出量はどうなっているんだというのが見れるようにはなっているんです。ところが、そこにたどり着くのに物すごい大変な労力が得られると。
何と驚くべきことに、しかも、これを見られるのは、ここにホームページに赤字で書いてあるんですけれども、平日で九時から十八時まで、土日祝日が見られないんです。ホームページですよ。これで平日働いている人、関心があっても、会社で調べることができるかどうかわかりませんが、どういうことなんだろうかと。今どきなぜホームページで、九時から十八時と制限する必要があるのかと、不思議過ぎるんですよね。
むしろ制限かけられるのが、そっちの方が難しいんじゃないかと思うんですけど、事業所の削減のページに簡単にアクセスできるように、また二十四時間見られるように、この質問を機会に改善していただきたいと思うんですけど、いかがでしょう。
○小川地球環境エネルギー部長 本ホームページは、義務対象となっている大規模事業所、またテナント、各種手続をお知らせしていくことが第一の目途としてございまして、制度開始当初、計画書の公開を前面に出しておりましたけれども、義務制度の定着に伴い、現行の制度に移行しているものでございます。
基本的には、義務対象者の皆様が利用するページでは、窓口営業時間中にしかログインできない仕様としてございます。これは、義務対象となる事業者さんの負担軽減に向けて、電子申請にて提出を可能としたこと並びに、その際に事故等が発生しないように、審査内容を審査、バックアップする時間を確保するために講じているものでございます。
今後も義務対象となる事業者の皆様の利便性、負担の軽減に応じたシステムづくりとデータの適正な管理運営をしていきたいというふうに考えているところでございます。
○原田委員 いろいろと難しいことをおっしゃったんでしょうけれども、今の時代にホームページで、いや、皆さんの方でまとめて、そのまま記録したのを出していくと、更新したやつを出していけばいいだけの話であって、すごくそう複雑にする理由が全くわからないと。もうちょっと、こうやって削減義務の実態が都民の監視のもとにさらされるように、わかりやすく見れる、二十四時間見れるという状況をつくっていただきたいというふうに、突然ですけれども、お願いをしましたが、改善に向けて頑張りたいという答弁があったような気がしたんで、次に行きます。
次に、中小規模事業所を対象とした地球温暖化報告書制度についてお尋ねします。
この制度、義務提出と任意提出で対象事業所の性格が大きく変わります。義務提出の対象事業者は、個々の店舗、事業所は小さくても、合わせれば相当量のCO2を排出するコンビニやレストラン、居酒屋、ドラッグストアなどのチェーン店であり、事業者としては大企業が相当数含まれると思われます。
都のホームページを拝見すると、二〇一五年から二〇一七年の二年間だけでも、この地球温暖化報告書制度の義務対象者、実はCO2排出量、約五百八十万トンから五百九十六万トンへと増加してしまっています。
二〇一五年の大規模事業所の総排出量、千二百二十五万トンですから、五百九十六万トンの中小事業所、中小といえども、大規模事業所の排出量千二百二十五万トンに対して約六百万トンですから、大変な排出量なんですね。
大規模事業所の排出量は、都内の全産業、業務部門のCO2排出量の約四割と先ほども示しましたけれども、つまり、排出量の都内の全産業、業務部門の約二割をこの地球温暖化対策報告書制度の義務対象者は占めてしまっているわけです。相当な量と。
個々の店舗、事業所で見ればCO2はわずかとはいえ、同じ時期には減っているようですから、どんどん店舗、事業所がふえることにより、総量としてCO2がふえてしまうことに、省エネとかの削減努力が追いついていけていないということがこの状況からわかると。
都内で大規模なチェーン店を展開しているような義務事業者のCO2削減を東京都はどのように進めていこうと思っているか、お答えください。
○小川地球環境エネルギー部長 二〇一六年度実績で見ますと、約半数の事業者がCO2排出量の総量の削減が進んでいる一方で、約半数の事業者は削減が進んでいないという状況にあります。
都は、中小規模事業所を対象とした地球温暖化対策報告書制度に係る義務提出事業者を対象に、会社単位でのCO2削減実績等について着目し、すぐれた企業を評価、公表する仕組みの導入を予定しております。
評価に当たりましては、会社単位でCO2排出総量の削減率等について、直近五カ年の平均で一・三%以上削減した企業、これを例えば五年間連続でやりますと五%以上の削減が進みますけれども、こうしたすぐれた企業を評価、公表する仕組みの導入を通しまして、取り組みが進んでいなかった企業の取り組み意欲も喚起しながら、さらなるCO2削減につなげてまいります。
○原田委員 大いに努力を強めていただきたいと思うんですね。すぐれた企業を評価、公表する仕組みを導入していくと、こういうやり方で事業所のやる気を喚起していく、あるいは都民の関心を広げていくということかもしれないんですけれども、やっぱりここに来て、待ったなしといわれているCO2削減、この取り組みにおいては、厳しく指導する、ある意味で都民の監視にさらしていくということも、今後やっぱり必要になっていくんだということは、議員の立場から行政に対してはいっておかなきゃいけないことなんだろうなと。こういう機運がもうちょっと高まっていかないと、やっぱりすぐれた企業を評価していくというようなレベルでとまってしまうんだと思うんですね。
コンビニの業者の中にも、実は省エネをすごく頑張っている企業と、余り頑張っていない企業があるんだそうですね。けれども、どちらも事業所がふえていっているために、どんどんとCO2の排出量はふえていってしまっていると。
今のところ行政としては、すぐれた企業、省エネに頑張っている企業を評価するという立場しか持てないわけですけれども、せめぎ合いの中で、コンビニのすぐ隣にコンビニが建つような、あれ、見ていても本当に我々は驚くわけですよね。そういう社会というか企業の活動のあり方に対しては、やっぱり我々議員ももっと厳しく指摘をしていかなきゃいけないと。そういう大事な場所なんだということを私はこの場でも呼びかけたいと思うんですね。
この際ですけれども、オーナー企業のしかるべき責任者ともやっぱり都が直接相談し、対策強化を進めていくことが欠かせないと私は思っています。ぜひそうしたことも考慮して、この部門でも大幅なCO2削減を行うことを求めるものです。
いいたいことはたくさん出てきますよね。コンビニの前に自動販売機を置くのとか、コンビニの中で買えるのに何でコンビニの外に自動販売機を置かなきゃいけないのかとか。あれも何か宣伝効果とか華やかさとかあるんですかね。こういうことをやっていたら、本当にCO2を減らすことなんかできるはずがないじゃないかって。だから、東京都ができることというのはいっぱいあると思うんですよね。
義務提出部門の報告が都のホームページに掲載されているんですが、これも大変わかりにくいものになっています。前年比でCO2総量がどれくらい削減されたかは書いてありますが、二〇一〇年の制度開始以来、CO2の排出量がどのように推移してきたかが書いていないので、制度の成果がわからないんですね、キャップ・アンド・トレードにしても、地球温暖化報告書制度についても。
二年前の報告にはそれが書いてあったのに、なぜなくしてしまったんでしょうか。これも都合が悪いものを隠していないかと疑問が生まれてきてしまいかねないわけですね。ぜひ、制度開始以来の推移も含め、わかりやすい成果報告となるよう求めておくものです。
任意提出とされる中小事業者についてどうでしょうか。都のホームページを見ると、直近三年間の提出事業者数は連続で減ってしまっているようです。自主努力とされている中小事業者にどう排出削減に取り組んでもらうかが大事と考えますが、東京都の認識を伺います。
○小川地球環境エネルギー部長 都内業務、産業部門のCO2排出量の約六割を占める中小規模事業所の省エネ対策でございますけれども、こちらも極めて重要と認識しております。
都はこれまで、中小規模事業所がみずからCO2排出量を簡単に把握し、具体的な省エネ対策に取り組むことを促すことができる地球温暖化対策報告書制度を推進してきたところでございます。
あわせまして、無料の省エネ診断など、幅広く中小事業者の省エネ対策を支援しているところでございます。
○原田委員 膨大な数の中小事業者、事務所に働きかけること自体が、まず大変だと思いますけど、ぜひ頑張ってもらいたいと思うんですね。
現在、地球温暖化報告書制度を自主的に提出している中小事業者は、全事業者六十六万件といわれる中、約三万所と。そうした報告書提出事業所に適切な働きかけが必要と思います。
省エネ診断が行われていますけれども、その数は年間三百所ほどと聞きます。例えば、報告書を提出している事業者を全て回るのに百年ほどかかると。省エネ診断士の育成と増配置が、もうちょっと増配置が必要と考えるんですけど、いかがでしょう。
○小川地球環境エネルギー部長 都はこれまで、省エネ対策を実施しようとする事業所に対しまして、無料の省エネ診断や省エネコンサルティング事業者の紹介などの取り組みを実施してまいりました。
あわせて、業界団体の協力を得ながら、業種別の省エネテキストを三十業種作成いたしまして、会員向けの省エネ研修会等の開催を通して、中小事業者の省エネ取り組みを促してきております。
また、地球温暖化対策報告書により得られたデータを活用して、中小事業者がCO2排出レベルをみずから評価できるようにするための指標であります低炭素のベンチマークを作成して提供しているところでございます。
こうした取り組みを通して、中小事業者の自主的なCO2削減を促進してまいります。
○原田委員 ご努力に敬意を表します。ただ、現状では、繰り返しになりますけれども、提出事業所を回るだけでも相当な年月がかかってしまうと。大事な事業だと思いますので、ぜひ人もふさわしく育てて配置することを改めて求めておきたいと思います。
あとは、やっぱりこういうアウトリーチでこういうことやっていますよと、環境をやると省エネになりますよといってやった事業所とか、公表していくとか、そういう過程の中で、もうちょっと都民全体にこういう活動をしているというのを知らせるのも大事かもしれないですね。
今の答弁もそうですけれども、業界の中で頑張ろうねといっているだけで、やっぱり頑張っている人たちをもうちょっと都民に知らせて、都民がまちを歩いていて、頑張っていない中小業者、コンビニだとかファミレスだとか、そういうのを見たときに、頑張っていないところでは応援できないなとか思うような、そういう機運みたいなのが広がっていくようなことも大事なんだろうなというふうに思いました。
その点では、きょうの委員会は、各種、そういう発言がすごく目立って、大事な委員会だなというふうに考えたところです。
地球環境、約十万年という自然のサイクルの中で、大体単位が十万年ですよ。寒冷期と温暖な時期を繰り返してきました。ところが今、いわゆる産業革命以降、百年、二百年という急激なスパンで、一度、二度という気温の上昇が、そういう変化にさらされて、生物はこの急激な環境変化に適応が追いつかず、これから私たちは大変な規模の種の絶滅を目の当たりにするといわれているわけです。人間だって、疫病の拡大の中でそれに対応するような体の変化なんてもう無理ですから、これは大変危機的な状況にさらされているんだというふうにいわれているわけですよね。
冒頭に述べましたけれども、一国規模のCO2を排出する東京都が、その規模にふさわしく、さらなる対策を強化されることを希望して、私の質問を終わります。
○平委員 私の方からは、大きく二つのテーマに分かれて質疑を行いたいと思います。
まず、水素について伺います。
先ほど細田委員の方からも水素について質問がございましたので、端的に質疑を行います。
まず、環境局、平成三十一年度水素社会実現に向けた主な取り組みとして、燃料電池バス導入促進事業に三十三億、またバス対応水素ステーション整備促進に力を入れております。平成三十年度末、水素ステーションの整備は十四カ所にとどまっておりますが、二〇二〇年までに三十五カ所という目標を掲げており、懸命に取り組んでいることかと思います。
水素ステーション、燃料電池自動車普及のために重要なインフラでございますが、整備促進に向けて課題をどのように認識して、どのように取り組んでいるのかお伺いをいたします。
○村山都市エネルギー推進担当部長 燃料電池自動車や水素ステーションの普及促進を図っている現在では、まだ事業者が水素販売によって水素ステーションの整備費や運営費を賄い切れる状況にはなっておりません。
そのため、都は国と協調して、整備費に対する補助と運営費に対する補助制度を実施しており、水素ステーション整備の一層の拡大に向けて、これまでは補助対象としていなかった障壁設置等に対しても、来年度は整備費補助を一部拡充いたします。
また、都内においては、地価が高いこともあり、整備する土地の確保が課題となっているため、都独自の取り組みとして、土地賃借料の三分の一を支援して事業者の取り組みを後押しするとともに、都有地を貸し付けること等によってもステーションの整備促進を図っております。
○平委員 水素ステーションに向けて都有地を貸し付ける等によって、ステーションの整備を促進しているというご答弁がございました。まさにそのとおりだと思います。水素ステーションは必要だと思います。ですので、促進が必要という中で、水素自動車については、購入してから手放す方々も大変多いというふうに伺っております。なので、中古車が結構出回っているということを車の事業者さんからも伺っております。
私の子供の習い事が一緒のパパ友なんですけれども、先週、ミライで出かけることがありまして、その方は七歳の子供がミライが好きで、あの形が大好きでお父さんも買われたということだったんですね。
ただ、近くは板橋区の舟渡なんですけれども、そのステーションについては、水曜日と金曜日、十時から十二時までなんですね。要は週に二回しか運営していない。しかも十時から十二時という二時間しか運営をしていないので、すごく困っているというような話を聞きましたし、さらには、そこが使えるときに事前に電話をしないといけないというんですね。
何で時間も決まっているし、曜日も公表されているのに、電話する必要があるのかと伺ったら、故障が多いということで伺っております。なので、実際には三回に一回ぐらいしか使えていないんだと。三回本当は行きたいところ、一回ぐらいしか使えていないと。これは故障が多いためだというふうにいっておりました。
そういった現状を都は認識していると思いますので、事業者さんと手を取り合って、その辺のところも丁寧にご対応していただきたいというふうに思います。
また、水素ステーションをつくるには、最低五百平米、バスが使えるところについては千平米を必要だというふうに伺っております。しかし、先ほどのご答弁にあったように、水素販売で水素ステーションの整備費や運営費を賄い切れない、そんな中で、民間の事業者さんが土地を有するのは大変困難だというふうに思います。
そこで、都は、土地賃借料の三分の一を支援し、事業者に都有地を貸し付けるということをしていると伺いましたが、ステーションの整備のために都有地を活用することは、そのとおり重要だと思います。
具体的にどのような取り組みをしているのかお伺いいたします。
○村山都市エネルギー推進担当部長 都はこれまで、都有地で水素ステーション整備に活用できそうな敷地について、各局に対する調査や情報収集を行ってまいりました。
これを踏まえ、今年度には、江戸川区臨海町にある下水道局葛西水再生センターの敷地の一部を活用し、平成三十年八月から九月にかけて事業者を公募、決定いたしました。これは、初めて都有地を活用して民間事業者に貸し付けたものでございます。
今後とも、活用可能な都有地についての情報をとりながら、ステーションの整備拡大につなげてまいります。
○平委員 都有地を民間事業者に貸し付けた実績があるということが確認できました。
公園や都のさまざまな施設には、広い駐車場があります。都立公園の駐車場への水素ステーションの整備については、法令によって、通常の一般客を対象としたものは設置できず、ステーションが公園利用者の便益を高める施設との位置づけが必要、また公園以外の都有施設では、公用や公共用に保有している財産であり、その駐車場も施設利用者の便益のために設置をしていると伺っております。
整備のためには広い土地を必要とする水素ステーション。この事業者に駐車場等、都有地を貸し付けることを考えるべきであるというふうに思いますが、都の見解を伺います。
○村山都市エネルギー推進担当部長 水素ステーションの整備促進に向けては、改めて、駐車場敷地も含めて、活用可能な都有地について各局からの情報収集を行い、適地については個別に調整することにより、都有地貸付によるステーション拡大に努めてまいりたいと考えております。
○平委員 今淡々と答えていただきましたが、都有地貸付によるシステム、そういった貸し付けによるステーション拡大に努めるということでございます。本当に大切なことですから、これは一生懸命取り組んでいただきたいというふうに思います。
地価の高い東京においては、新たな水素ステーション用地を確保する以外の対策も考えるべきと思われます。それに向けての取り組みを伺います。
○村山都市エネルギー推進担当部長 水素ステーションの整備には、新設に加え、既存ガソリンスタンドへの水素充填設備の併設も有効な方策と考えております。
今年度は、こうした併設に向けて、レイアウトや工事費等の設置検討調査を行っているところでございまして、来年度は、それをガソリンスタンド事業者に示すことで、今後、事業者が具体的に設計、工事等を検討して、水素ステーション事業に参入することの後押しをしてまいります。
○平委員 ありがとうございます。都内のガソリンスタンドは今、八百あるというふうに伺っております。ガソリンスタンドの土地というのは既存の土地があります。
しかし、都内二十三区においては、水素ステーションがつくれるほどの広い土地はなかなかないかと思いますが、青梅や多摩地域の方はガソリンスタンドも広いのではないかというふうに思います。ぜひ、こういったガソリンスタンド事業者が水素ステーションも導入したいというふうなお話がありましたら、丁寧にご対応いただきたいと思います。
しかし、水素ではなかなか売り上げが期待できないというところもあると思うので、そういったところも丁寧にヒアリングを行いながら、ご対応いただきたいと強く要望を求めます。
水素社会を実現するためには、子供たちへの啓発が重要とも考えます。東京都環境公社が運営する水素情報館東京スイソミルでは、より多くの子供たちが来場するために、どのような取り組みを行っているのか、また東京スイソミルの来場者数もあわせてお伺いをいたします。
○村山都市エネルギー推進担当部長 水素情報館東京スイソミルは、水素の意義や水素社会の将来像等を子供から高齢者まで楽しく学べる施設であり、東京都環境公社が運営しております。
東京スイソミルの来場者数については、平成二十八年度は九千八十四人、平成二十九年度は一万四千六百九十四人、今年度は二月末時点までで一万七千三百六十九人でございます。
東京スイソミルでは、多くの子供たちに来場していただくため、毎月、楽しみながら学習できる実験教室やイベントを実施しているほか、ホームページやSNSで積極的にPRを行っております。
今後も、東京都環境公社では、夏休みをターゲットにしたイベントを企画するなど、東京スイソミルで多くの子供たちが水素を学ぶことができるよう取り組んでいくこととしております。
○平委員 スイソミルについては私もお伺いをさせていただいたことがあります。すごく楽しくて、子供はなおさら楽しめる施設なのではないかなというふうに思っております。
先ほど申し上げた子供の習い事のパパ友なんですけれども、このスイソミルに隣接する水素ステーションは利用したことがあるんですが、ただ、スイソミルは知らなかったということだったんですね、その裏の方にあるんですけれども。ぜひ、スイソミルのPRもちょっと力を入れていただいて、これは要望にとどめますが、教育庁などと連携を図って、学校施設にパンフレットだとかを配布するということも講じられてはいかがかというふうに思っています。
水素は日本の高い技術力を活用できる未来のあるエネルギーというふうに考えております。行政が本当に頑張らなければ、水素社会の実現というのはなかなかできないというふうに思います。
先ほど上野理事の方から、環境局で環境局長が和賀井さんになって大変うれしいという感動的なお言葉がありました。小池知事も和賀井局長には大変期待をしているのではないかというふうに思いますが、水素社会実現に向けて、環境局の意気込みを局長にお伺いいたします。
○和賀井環境局長 過分なお言葉を頂戴しまして、ありがとうございます。
水素は、化石燃料だけではなくて、水やバイオマスなどさまざまな物質からつくることができるということで、資源小国であります日本にとっては、エネルギー問題の解決に非常に有効な手段だというふうに考えております。とりわけ再生可能エネルギー由来の水素を製造するという技術はありますけれども、それがさらに実用化されればCO2削減にも大きく貢献できるというふうに考えています。
一方で、水素エネルギーは燃料電池自動車ですとかバス、それから家庭用、業務用の燃料電池など、さまざまな分野で活用され始めてはおりますけれども、お話のように、コスト面ですとか、あるいは都民の認知度などの課題があるのも事実でございます。
このため、東京都は、水素ステーション整備補助の拡充などによりまして民間企業を積極的に後押しするとともに、多くの都民が集まります観光地などで、水素でつくった電気を活用してライトアップをするなど、民間企業と連携して、水素エネルギーのPRに努めているところでございます。
また、つい先日、三月十二日でございますけれども、国の方でも水素・燃料電池戦略ロードマップを発表いたしまして、二〇二五年、二〇三〇年などに向けまして、FCV車の価格を下げるなど、水素利用のコスト削減等具体的なアクションプランを提示しているところでございます。
こうした国の動きも注視しながら、来年に迫りました東京二〇二〇大会は水素社会を内外にアピールする絶好の機会だというふうに考えておりまして、国等とさらなる連携を図りながら、水素エネルギーの利活用を加速させてまいります。
○平委員 ありがとうございます。国の動きも注視、国等とのさらなる連携を図りながら、水素エネルギーの利活用を加速というふうに力強いご答弁をいただきました。
まさに水素エネルギーの利活用というのは国策だというふうに思います。東京の未来、日本の未来を見据えて、世界から注目される環境都市にしていただきたいと心から願いまして、次の質問に移らせていただきます。
ゼロエミッションビークルの普及に向けたインフラ整備について伺います。
環境局は来年度、ゼロエミッションビークルの普及促進に向けて、五十五億九千七百万円を計上しております。大変意欲的な姿勢がうかがえますが、ゼロエミッションビークルの普及にはインフラ整備が重要であることから、昨年十一月の事務事業質疑において私は、充電器の整備拡大を図ることの重要性を指摘させていただきました。
先ほど入江委員からの質問にもありました、新たに商業施設等も補助事業の対象に加えていくというふうなことでございます。今後の整備が進むことに期待を申し上げます。
都は今年度、都立公園等都有施設への充電器設置を進めていますが、現在の進捗状況を筧部長にお伺いいたします。
○筧環境改善部長 都は現在、都有施設への充電器設置を進めております。今年度、立川合同庁舎、檜原都民の森のほか、城北中央公園など都立公園五カ所の駐車場に急速充電器を各一基設置することとしておりまして、これらの施設では三月中に設置工事を完了する予定でございます。
なお、都庁舎など三カ所につきましては、平成三十一年度の設置に向けて調整等を進めております。
○平委員 檜原都民の森のほか、城北中央公園など、設置をされるということでございます。こういった公園に、電気自動車に乗っておられる方々、今まで都立公園と縁のなかった方々も、都立公園に充電器が設置されたということで、新たなニーズが設けられることと思いますので、ぜひとも、都が設置するんだということを丁寧にPRしていただきたいというふうに思います。
都庁舎への充電器設置が来年度になるというふうなご答弁がございました。都庁舎は公園など充電器を野外に設置する施設と異なって、既存の大規模な建物内に設置することなどから、設計や工事等に要する期間を含め、十分な検討が必要なことは理解できますが、今年度予算でありながら来年度の設置になるのは、検討がおくれたためではないかというふうに心配をしておりますが、都の見解をお伺いいたします。
○筧環境改善部長 委員ご指摘のとおり、都庁舎への充電器設置に当たりましては、設置主体や管理方法、料金徴収の有無などの与条件の整理を早期に行った上で、電源の確認や工事を行う時期など、設備面の検討を進めるべきであったと認識しております。
○平委員 都庁舎における充電器については、昨年十一月の事務事業質疑において筧部長の方から、地下駐車場の地下に設置するというふうに伺いました。
これまで本委員会において、我が会派の保坂委員、また他の委員から、都民の皆様へのPR効果や利用時間に制約がないことなどから、地上部への設置を要望する声が上がっておりました。
最終的に地下駐車場への設置になったということですが、この間における検討経過をお伺いいたします。
○筧環境改善部長 これまで委員の方々から、都庁舎の充電器は地上部へ設置するようご要望をいただいておりました。
都庁舎に隣接する都庁天然ガススタンドや大型駐車場なども含め、設置の可能性を検討してまいりましたが、安全面の確保や運用上の課題等があり、残念ながら地上部への設置はかなわず、第一本庁舎地下駐車場へ設置することとなったものでございます。
○平委員 さまざまな状況の中で地上部への設置ができないこと、また来年度の設置になることは理解をいたしました。これ以上おくれることのないよう、来年度は確実に設置をしていただきたいというふうに思います。
実は私、この充電器についてはどうして少しこだわりがあるかということを、個人的なお話をしたいんですけれども、三年前にリーフをしばらく乗っていました。七カ月ほど保有をしていたんですが、これはセカンドカーとして持っていた。しかし、いとこに上げてしまったんですね。
その理由というのは、やっぱり充電が大変だった。充電するのに三十分かかるんですね。三十分待つ。商業施設とかだったら、その間、買い物したりだとか、あとは、日産自動車だったらちょっと子供と遊び場スペースで遊んだりということができたんですけれども、やっぱり近くにないというところが一つ大きな要因でございました。
都内の設置状況、毎年ふえてはおりますが、こういったところを丁寧に、やはり普及のためにも充電器設置、重要性を持ってしっかり取り組んでいただきたいというふうに思っております。
それで、現時点での設置時期の見通しについてお伺いをいたします。
○筧環境改善部長 都庁舎への充電器の設置についてでございますが、都庁舎を訪れる都民などへの利便性の向上のためにも、都庁舎への充電器設置を早期に進めることが重要と認識しております。
与条件の整理に時間を要したことや、既存建築物への設置による制約もあり、平成三十年度中の設置はできませんでしたが、充電器と電源の接続に当たりまして、庁舎の電源を停止する必要があることから、法定点検のための庁舎停電のタイミングを捉えて、本年秋に設置する予定でございます。
今後とも関係局と連携を図りながら、着実に整備を進めてまいります。
○平委員 ありがとうございます。これについては今年度のことでありますので、もしまたおくれるということがあったら、また決算特別委員会の方でも取り上げていこうというふうにも思っておりますので、しっかりと取り組んでいただきたいというふうに思います。
小池知事は、二〇三〇年に乗用車新車販売に占めるZEVの割合を五割まで高めるという目標を掲げるなど、環境施策に対して大変力を入れております。
やっぱり知事の今までの背景、環境大臣を経験しておられた、そして、殿方のネクタイを取っ払うというフレーズとともにクールビズを考案して、きっと、この中にいるほぼ皆さんが夏にはネクタイを取っ払うのではないかというふうに思いますが、そうした実績があるということで、やっぱり知事は環境施策について力を入れたいという力強い思いを持っております。
そこは環境局の皆さんも同じだというふうに思っておりますので、環境施策について、さまざまな施策を実現するチャンスと捉えて、局一丸となって、意欲的に取り組んでいただきたいということを心よりお願いするとともに、頑張っていただきたい、エールを送って、私の質疑を終わります。
ありがとうございました。
○米川委員 私からは、自然公園について質問していきたいと思います。
私は、今からもう二十五年以上前になるんですが、約二年間、伊豆諸島の三宅島で勤務した経験もあるため、またその後、仕事やプライベートで何度も東京の島々を訪問し、そのたびに自然環境のすばらしさとともに厳しさにも触れました。その上で、この自然を大切にしながらも、多くの都民の方に利用されることを願っております。
さて、都は現在、東京宝島として、東京の島々が誇る魅力のブランド化に向けた施策を展開しております。このようなことは島への関心を高めることにもつながっており、自然の魅力を伝える好機と考えております。
一方、魅力となる自然環境を大切にしていくためには、保護と利用のバランスが重要です。平成二十九年に都が策定した東京の自然公園ビジョンの中でも、人と自然との関係を取り持つ自然公園を目指す姿の一つとしており、これを実現する具体的な事業の一つとしてエコツーリズムの推進を掲げています。
そこで、まず、都が行うエコツーリズムの現状について伺います。
○金子緑施策推進担当部長 都は、将来にわたり継承すべき貴重な自然がある地域において、その保護と適正な利用を図る仕組みとして、平成十四年七月に東京都版エコツーリズムを導入いたしました。
東京都版エコツーリズムは、地元自治体と合意のもと、保護すべき地域を自然環境保全促進地域として指定し、地域内を利用する際の利用経路や時期、人数などについて制限のルールを定めるとともに、都が要請した東京都自然ガイドの同行を義務づけるものでございます。
平成十五年度から小笠原諸島南島及び母島石門、平成十六年度から御蔵島においてこの仕組みを運用しており、平成二十九年度の年間利用者数は、小笠原諸島で約一万二千人、御蔵島で約一万七千人に上っております。
○米川委員 ありがとうございます。東京都版エコツーリズムの概要について理解いたしました。この取り組みは地元との調整が重要と考えます。引き続き、小笠原村や御蔵島村などと十分に連携をとりながら、継続してもらいたいものです。
一方で、この取り組みのさらなる拡充も視野に入れるべきと考えております。
そこで、来年度予算には伊豆諸島の自然保護と観光、エコツーリズムが計上され、三宅島で新規導入すると聞いておりますが、今後の事業展開について伺います。
○金子緑施策推進担当部長 平成二十七年に三宅島の雄山の噴火警戒レベルが下がったことを受け、都は、噴火で壊滅的な被害を受けていた登山道の再整備を行うとともに、新たに雄山周辺に東京都版エコツーリズムの導入を検討しております。
導入に当たっては、雄山の立ち入りの際に利用者の安全管理を十分に行うとともに、回復しつつある植物と火山景観を保全していく必要がございます。こうした観点から、都は今年度、雄山周辺の自然環境を調査し、利用のルール案などについて検討を行いました。
具体的なルール案として、安全対策の観点から、ヘルメット等の装備品の内容や避難行動の仕方など、これまでの東京都版エコツーリズムにはなかった災害発生時に備えた項目を設定するとともに、雄山の植生保全の観点から、登山道を利用できる時期や一日当たりの利用人数などを限定することとしております。
今後、これらの検討結果をもとに三宅村と十分に協議し、東京都版エコツーリズムの導入を目指してまいります。
○米川委員 東京都版エコツーリズムの箇所がふえるとのことですが、積極的に検討して、実現してほしいものでございます。
また、今の答弁の中にヘルメットなどの装備品の話もありました。現在、三宅島は火山観測体制も強化されているとは思いますが、昭和五十八年十月三日の火山噴火の際には、雄山山腹の村営テニスコート、村営牧場、レストハウスには結構多くの方がそこにいまして、命からがら逃げたという記録が東京都総務局の防災対策部ですか、また、当時の部の記録にも残っております。とても大切なことと考えております。
さて、この雄山周辺から三宅島内の全体に目を向けてみますと、偶然かもしれませんが、私が訪問した際に、海岸にごみが残されている状況が見受けられまして、島全体としての課題と感じました。
例えば、島の南西側にあります富賀浜の園地は、夕日の景色がとてもきれいなところでありまして、またシュノーケルやダイビング等で訪れる方も多い場所に、東京都はトイレ、海へ入るまでの階段や通路などを整備しております。しかし、それらの施設の周辺には、たくさんのごみ、ペットボトルなどがありました。
そこで、都は、島内の要所に質の高いトイレなどのある園地を整備しておりますが、これらの清掃などの維持管理はどのように行っているのか伺います。
○金子緑施策推進担当部長 都は、三宅島において、富賀浜園地など八カ所の園地を整備しており、これらについては巡視や清掃などの日常管理を年間通して行っております。
この中でも特に使用頻度の高い、例えば大久保浜や錆が浜の園地では、夏の繁忙期にバーベキューの炊事施設や野外卓などの清掃を月十五から十八回、トイレ清掃を月十二から十三回行うなどしております。
今後も適当な維持管理に努めてまいります。
○米川委員 ありがとうございます。
このような対応としては、例えばペットボトルなどのごみを拾うボランティアの活躍も可能性があるように思っております。せっかくすばらしいものをつくっておりますので、そのような方々に協力を仰ぐなどして、施設については引き続き快適な状態を維持し、管理していくよう求めます。
一方で、三宅島の島内には、昭和五十八年、平成十二年の噴火の際に被災し朽ち果てた建物やスポーツ施設などの残骸が、また旧村営牧場があった場所には、古い、昭和五十八年以前ですか、雄山の地図が記載された大きな看板が取り残されたままとなっているなど、景観にそぐわないような状態が多く見られます。
これは私も結構長年課題として考えてきたことでありまして、これらは自然公園の園地内ではないため、都の事業で行うことは難しいと認識しておりますが、自然公園全体の保護と利用の面から撤去すべきであり、地元の村への指導なども必要と考えますが、見解を伺います。
○金子緑施策推進担当部長 国立公園である三宅島の自然環境の保護と利用は、環境省及び三宅村との連携の上で進める必要があり、景観の問題もその一つでございます。
現在、環境省が進める伊豆諸島の魅力創造事業の一環として、国、都、地元自治体等の関係者による意見交換の場が各島に設置され、地域の魅力の掘り起こしや課題の共有が行われております。
三宅島に残されている老朽化した村の施設等の状況についても、このような場で十分に情報共有を行ってまいります。
○米川委員 ぜひ、地元の村とも十分に調整し、すばらしい景観を維持するよう求めます。
また、三宅島の施設整備について、ちょっと細かいことになってしまうんですが、園地のトイレに温水洗浄便座、ウォシュレットが設置されております。この設置した場所が海べりなど、台風などの際に塩害にさらされるような厳しい環境と私は思っております。あればとても便利なんですが、シンプルな構造にすることも必要と考えております。
ぜひ、維持管理とのバランスも十分に考えて、今後の事業を行っていただくことをあわせて要望いたします。
最後に、二〇二〇年には海外からの多くの人々が東京に集まり、島しょへの観光客の増加も望まれます。島しょ部の自然を保全しながら、そのすばらしさを内外の多くの人に体感してもらえるよう、自然公園事業について力強く推進していくことを求め、質問を終わります。
○栗下委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本案及び本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○栗下委員長 異議なしと認め、予算案、付託議案及び報告事項に対する質疑は終了いたしました。
以上で環境局関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後五時五十一分散会
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