環境・建設委員会速記録第十四号

平成三十年十一月二十二日(木曜日)
第九委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長栗下 善行君
副委員長関野たかなり君
副委員長里吉 ゆみ君
理事上野 和彦君
理事米川大二郎君
理事三宅 正彦君
やながせ裕文君
田村 利光君
細田いさむ君
原田あきら君
西沢けいた君
平  慶翔君
入江のぶこ君
森村 隆行君

欠席委員 なし

出席説明員
建設局東京都技監建設局長兼務西倉 鉄也君
次長片山  謙君
道路監三浦  隆君
総務部長今村 篤夫君
用地部長政策調整担当部長兼務関  雅広君
道路管理部長杉崎智恵子君
道路建設部長奥山 宏二君
三環状道路整備推進部長大庭 孝之君
公園緑地部長日浦 憲造君
河川部長村井 良輔君
企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務花井 徹夫君
総合調整担当部長鹿田 哲也君
道路保全担当部長加藤 直宣君
道路計画担当部長田中 慎一君
公園計画担当部長細川 卓巳君

本日の会議に付した事件
建設局関係
事務事業について(質疑)

○栗下委員長 ただいまから環境・建設委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、建設局関係の事務事業に対する質疑を行います。
 これより建設局関係に入ります。
 事務事業に対する質疑を行います。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○今村総務部長 去る十月十八日の当委員会において要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
 お手元の環境・建設委員会要求資料をごらんください。
 表紙をおめくりいただきますと、目次に十件の資料の件名が記載してございます。
 一ページをお開きください。中小河川の整備状況の推移でございます。
 この表は、中小河川の整備につきまして、平成二十一年度から平成二十九年度までの整備延長と決算額、平成三十年度の整備予定延長と当初予算額をあらわしたものでございます。
 二ページをごらんください。
 この表は、中小河川の整備につきまして、平成二十九年度における河川ごとの整備延長と決算額をあらわしたものでございます。
 三ページをごらんください。東部低地帯耐震・耐水対策の整備状況の推移でございます。
 この表は、東部低地帯における耐震、耐水対策につきまして、平成二十六年度から平成二十九年度までの決算額と完成規模及び平成三十年度の当初予算額と完成予定規模をあらわしたものでございます。
 四ページをごらんください。都市公園の維持管理費、整備費及び用地取得状況の推移でございます。
 この表は、都市公園における維持管理費と整備費及び整備費のうち用地取得費につきまして、平成二十一年度から平成二十九年度までの決算額と用地取得の規模及び平成三十年度の当初予算額と用地取得予定の規模をあらわしたものでございます。
 五ページをごらんください。
 五ページから九ページまでの表は、都市公園における平成二十五年度から平成二十九年度までの公園ごとの用地取得費に係る取得規模と決算額をあらわしたものでございます。
 一〇ページをごらんください。道路補修費の予算・決算額の推移でございます。
 この表は、道路補修費につきまして、平成二十一年度から平成二十九年度までの予算額と決算額及び区部と多摩部別の決算額、平成三十年度の当初予算額をあらわしたものでございます。
 一一ページをごらんください。歩道の整備状況の推移でございます。
 この表は、歩道の整備につきまして、平成二十一年度から平成二十九年度までの整備延長と決算額、平成三十年度の整備予定延長と当初予算額を区部、多摩部別にあらわしたものでございます。
 一二ページをごらんください。骨格幹線(主要路線)・地域幹線道路の整備費の推移でございます。
 この表は、骨格幹線道路と地域幹線道路の整備費につきまして、平成二十六年度から平成二十九年度までの決算額、平成三十年度の当初予算額をあらわしたものでございます。
 一三ページをごらんください。特定整備路線の計画概要と進捗状況(建設局施行)でございます。
 この表は、特定整備路線につきまして、整備計画の概要と進捗状況及び用地取得率をあらわしたものでございます。
 一四ページをごらんください。都市計画道路の整備方針における未着手路線(建設局施行)でございます。
 一四ページから一九ページまでの表は、平成二十八年三月に策定されました東京における都市計画道路の整備方針(第四次事業化計画)のうち、平成三十年三月三十一日現在、未着手となっている路線名、区間、延長をあらわしたものでございます。
 二〇ページをごらんください。自転車走行空間の整備状況と整備費の推移でございます。
 この表は、自転車走行空間の整備につきまして、平成二十四年度から平成二十九年度までの整備延長と決算額、平成三十年度の整備予定延長と当初予算額をあらわしたものでございます。
 二一ページをごらんください。都道における無電柱化の進捗状況でございます。
 この表は、都道における無電柱化につきまして、平成二十五年度末から平成二十九年度末までの整備対象延長、整備済み延長、地中化率を区部、多摩部別にあらわしたものでございます。区部につきましては、センター・コア・エリアの内訳も記載してございます。
 以上で要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○栗下委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○平委員 本年十月に行われました環境・建設委員会において質疑をさせていただきました城北中央公園調節池についてお伺いをいたします。
 城北中央公園調節池工事は、当初、施工業者との仮契約解除となり、再発注の結果、先月ようやく契約に至りました。
 都内では、毎年のように豪雨による浸水被害が発生しており、地元を流れる石神井川の治水安全度を早期に向上するためにも、今後、城北中央公園調節池の整備をしっかりと着実に進めていただきたいと思っております。
 そこで、城北中央公園調節池工事の現在の状況についてお伺いをいたします。

○村井河川部長 城北中央公園調節池工事は、本年十月五日に契約となりまして、十二月七日に工事説明会を開催する予定でございます。
 説明会の開催に当たりましては、地元区や地元町会長と調整の上、工事箇所周辺の住民へ説明会開催チラシを各戸配布いたしますとともに、町会の回覧板や掲示板も活用いたしまして、参加いただけるよう周知を図っております。
 工事説明会では、工事の施工方法や安全対策、環境対策などにつきまして、丁寧に説明いたします。

○平委員 大規模で長期にわたる工事となるため、地元には不安という声も多々見受けられます。皆様のご理解、ご協力を得られるように、丁寧にご対応いただきますようにお願いを申し上げます。
 石神井川の河川整備計画では、城北中央公園調節池のほかに、環状七号線地下広域調節池など五つの区間で調節池の整備が必要であるとされております。新たな目標整備水準である区部七十五ミリ、多摩六十五ミリの整備は、豪雨対策基本方針に位置づけられた九つの対策強化流域で進められており、石神井川のように各流域で現在着手している調節池に加えて、今後、多数の調節池を整備していく必要があるとのことですが、最近の豪雨の傾向を踏まえると、こうした調節池の整備をスピードアップして取り組んでいくべきと考えます。
 そこで、今後、調節池の整備をどのように進めていくのかお伺いをいたします。

○村井河川部長 今後は、城北中央公園調節池など、事業中の調節池の着実な整備に加えまして、防災事業の緊急総点検を踏まえ、新たな調節池の検討を前倒しして実施いたします。
 具体的には、過去の浸水被害や河川の整備状況などを踏まえ、石神井川や野川などにおきまして、早期の事業化に向けた検討を実施してまいります。
 整備に当たりましては、道路や公園などの公共空間も活用いたしまして、効率的、効果的に進めてまいります。

○平委員 ありがとうございます。新たな調節池の検討を前倒しして実施するということでございますが、早期に効果が発揮できるように取り組んでいただきたいと思います。
 次に、城北中央公園における官民連携の取り組みについてお伺いをいたします。
 私はこれまで、都立公園における官民連携の取り組みについて質問をしてまいりました。都は、本年八月に、都立木場公園において飲食店の事業者公募について発表を行いました。
 木場公園の取り組みについては、平成三十年第一回定例会において、民間飲食店の導入を進める公園として木場公園を選定した経緯について質問をさせていただきました。西倉建設局長の方から、公園の立地や交通アクセス、来園者数などから事業採算性が見込める公園を抽出して、学識経験者や民間事業者の意見を聞いて決定したとのことでありました。
 都はその後、マーケットサウンディング調査を実施していますが、その結果と今後の取り組みについてお伺いをいたします。

○日浦公園緑地部長 ことしの七月から八月にかけまして、区部北部及び多摩部の都立公園を対象にマーケットサウンディング調査を実施いたしまして、公園ごとに、参入意欲や公園活用のアイデア、参画しやすい事業条件等につきまして、広く民間事業者から意見を聴取いたしました。
 その結果、二十六の民間事業者から二百四十一の提案がございました。対話型個別ヒアリングにおきましては、さらに公園を選定する視点ですとか、事業実施における課題についてご意見を伺いました。
 今後、この調査結果も参考にしながら、公園の選定や事業スキームを検討するなど、官民連携の取り組みを進めてまいります。

○平委員 実際に事業を行うということとなると、民間事業者の意見を聞くことは有効なことであり、ほかの公園についても意見を聞き、今後の展開に生かしていただきたいというふうに思います。
 事業を続けていくためには、事業者側だけでなくて、公園利用者の視点も不可欠であると思います。マーケットサウンディング調査においては、民間事業者の参入意欲を確認したとのことですが、にぎわいを創出して地域の住民に親しまれる公園を目指していくためには、地域住民の意見も聞いていく必要がございます。
 第一回定例会において、私、一般質問で、地元である城北中央公園について、多面的な活用に当たり、住民ニーズを把握する仕組みを検討すると伺いました。
 これ、その後どのように取り組んでいるのかお伺いをいたします。

○日浦公園緑地部長 本年十月、城北中央公園連絡会の場を活用いたしまして、上野恩賜公園ですとか駒沢オリンピック公園のレストラン導入事例など、都立公園におけるこれまでの官民連携の取り組みにつきまして説明を行った上で、城北中央公園において何か民間のノウハウを生かして導入したい施設があるかということを伺いました。
 その結果、カフェですとかバーベキュー場、ランニングステーションなどの民間事業者が運営する施設があるとよいとの意見をいただいております。

○平委員 ありがとうございました。ぜひとも地域住民の声を聞いていただいて、さまざまなニーズを踏まえて事業を進めていっていただきたいというふうに思います。
 城北中央公園ですが、これまで以上ににぎわいを創出していただきたいというふうに考えております。民間事業者を活用して、誰もが親しめるようなカフェを設置してはいかがかと、ちょっと具体的に申し上げますが、お答えをいただけますでしょうか。

○日浦公園緑地部長 本年度実施いたしましたマーケットサウンディング調査におきまして、城北中央公園についても複数の事業者がさまざまな提案をお持ちであるということが確認できました。
 飲食店設置に当たりましては、緑とオープンスペースといった公園の本来機能の確保や既存の公園利用との調整、都市計画法上の用途制限などさまざまな課題がございます。
 城北中央公園への飲食店導入につきましては、具体的な課題を洗い出すために現地調査を実施するなど検討を進めてまいります。

○平委員 都立公園でにぎわいが創出をされ、新たな魅力や価値が高まることはうれしいことであります。公園内にはいろいろな制限があり、すぐにカフェの設置ができるわけではないということでございましたが、課題を洗い出して実現可能性を検討していただき、次のにぎわい創出につなげていただきたいと思いますので、城北中央公園の民間導入について、引き続きしっかりと取り組んでいただきますように強く要望をいたしまして、次の質問に移ります。
 都立潮風公園の名称変更についてお伺いをいたします。
 臨海副都心の西側に位置をする都立潮風公園は、東京二〇二〇大会ではビーチバレーボールの競技会場となります。住所は品川区東八潮ではありますが、東京湾を挟んで飛び地のような形で位置をして、港区台場と江東区青海に隣接をしていて品川区としての認知は低い状況であります。そのため、地元品川区からは、以前から公園の名前に品川という地名を入れてほしいという声が上がっております。
 品川区議会からは、オリンピックや品川等の名を施すなど品川区内の競技場としての位置づけを明確にしたいという要望が、オリンピック・パラリンピック準備局宛てに提出をされたそうであります。
 そこで、都立公園の名称変更、この潮風公園の名称変更が可能であるかどうかについてお伺いをいたします。

○日浦公園緑地部長 都立公園の名称変更につきましては、東京都立公園条例に基づく手続が必要でございます。
 潮風公園は、昭和四十九年の開園時には、当分の間の名称といたしまして十三号地公園としておりましたが、その後、品川区を初め、隣接する港区、江東区に意見照会を行った上で、平成五年、東京都立公園条例に基づきまして名称変更を行いました。
 制度的に名称変更は可能ではございますが、都立公園は広域的な公園であり、潮風公園の名称は長いことなれ親しまれているというところから、公園名の変更には多くの方の理解が必要であると認識しております。

○平委員 ありがとうございます。名称変更自体は可能であるということ、多くの理解も必要ということでございました。
 今後、建設局宛てに要望がなされた場合は、品川区の意見も踏まえながら、前向きに検討、協議いただきますようにお願いをいたしまして、次の質問に移りたいと思います。
 シャンシャンの返還についてお伺いをします。
 中国野生動物保護協会と日本国東京都とのジャイアントパンダ保護研究実施の協定書によれば、シャンシャンの所有権は中国側にあり、二年で中国に返す約束となっております。
 しかし、上野動物園のジャイアントパンダ、シャンシャンの人気は、いうまでもなく絶大であります。経済効果も二百六十億、二百七十億、三百億円に達するのではないかといわれるほどでございます。こういった中、小さな子供はジャイアントパンダのぬいぐるみを見ると、パンダではなくシャンシャンというほどの人気をシャンシャンは博しています。
 中国との協定書を見れば、日中当事者の協議の余地もあるというふうに思われることから、私は、平成三十年、ことしの第一回定例会の一般質問において、一日でも長く都民が上野動物園でシャンシャンの成長を見守ることができるよう、機会を捉えて交渉していただきたいということを要望いたしました。
 リーリー、シンシンは、初めて中国から借り受けたジャイアントパンダであり、繁殖した子供を中国に返還するのもシャンシャンが初めてであります。
 和歌山県にある民間の施設であるアドベンチャーワールドでは、最も長く日本にいましたパンダの子供たち、六歳と十カ月で中国に返還をしているんですね。返還交渉に当たっては、こうした民間施設での例を参考にするほか、都民の願いを届けることが有効だと思います。
 そこで、返還交渉にはどのように取り組んでいくのかお伺いをいたします。

○日浦公園緑地部長 シャンシャンの返還につきましては、現在、協議を開始する時期ですとか、協議の際に提案する返還時期などを検討しております。
 その協議に当たりましては、中国と共同実施しているジャイアントパンダの繁殖研究を通じて、中国における野生動物保護事業のさらなる発展や野生生物保護への都民の理解を図るという協定の趣旨を踏まえて進めてまいります。
 都民のシャンシャンに対する思いにつきましては、この協議の中で中国側に届けるよう努めてまいります。

○平委員 ありがとうございます。アドベンチャーワールドで日本に最も長くいた海浜、陽浜は、六歳十カ月で中国に返還をしております。シャンシャンが長く上野動物園にいることができるように協議を進めていただきたいというふうに思います。
 このリーリー、シャンシャンが生まれる五年前に生後六日目で我が子を亡くした経験をしているんですね。なので、シャンシャンというのは都民の宝ではあるんですけど、それ以前にリーリーの宝であるんです。なので、私個人としては、リーリーがいとしの我が子、シャンシャンをかわいがる姿が一番の見どころなのではないかなというふうにも思っています。
 しかし、ちょっと寂しい話は、今度、ジャイアントパンダ、シャンシャンのひとり立ちに向けた取り組みが進んでいるということでございます。
 シャンシャンがひとり立ちをすることで、母親であるシンシンの次の繁殖に向けた動きが出てくるというふうに思います。シャンシャンに妹や弟ができたとなると、また都民は大いに喜び、歓喜に沸くというふうに思います。
 今後の取り組みについてお伺いをいたします。

○日浦公園緑地部長 一般に、雌のジャイアントパンダですが、子育てを終えると繁殖シーズンに新たな発情を迎えることが多く、雌の妊娠の可能性が高まるのは二月から五月ころの繁殖期のうち数日間だけでございます。
 今後、行動分析やホルモン測定などにより交配適期を見きわめつつ、発情の兆候が見られた場合には、速やかに交配等に向けた環境整備を進めるなど、シンシンとリーリーの交配の成功と新たな子の誕生に向け、しっかりと取り組んでまいります。

○平委員 私、先ほどからリーリーというふうにいっていましたが、リーリーはお父さんでございました。申しわけございません。お母さんはシンシンですね。よろしくお願いいたします。失礼いたしました。
 シャンシャン誕生、成育が安定をして、六カ月目には一般公開と、建設局の担当部署の皆さん、本当に大変な思いをされて、これまで取り組んでこられたというふうに思います。私は担当部署の皆さんに喝采を送りたいというふうに思っています。
 シャンシャン誕生後の大きな成功に自信を持って、次のステージに着実に取り組んでいただきたいというふうに思いますので、ぜひともこの上野動物園、パンダの発展について頑張っていただきますようにお願いを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。

○上野委員 初めに、道路管理事業について質問をしたいと思います。
 井荻駅前に設置されました井荻地下歩道、これは西武新宿線を歩行者が安全に南北横断できるようにということで、たしか平成十一年、一九九九年にエスカレーターつきということで、画期的です。
 東京都も、本当にそういった意味ではバリアフリーに一生懸命挑戦された。設置されて、区が管理するということで、地元の方も喜ばれていたわけでございますけれども、我が党のまつば都議会議員が平成十七年に初当選してから地元を回っていますと、車椅子の方とか乳母車、こうした方々が渡れないというんです。エスカレーターでは危なくて渡れない。そこで、エレベーターをぜひ設置してもらいたいと、こういったことを委員会とか、あるいは本会議で質問をして、皆さんにお願いをしてきたわけでございます。
 そうしたら二〇一三年、平成二十五年なんですけれども、六月には、当時の局長であります村尾局長に、こうした高齢化、そしてまた、先ほどのような車椅子の方が、やっぱりどうしても大変だと、危険ですということで、直接会ってエレベーターの要望をして、そして、二〇一六年、平成二十八年に横断時のバリアフリー化を図るために、北側と南側とにそれぞれエレベーターが設置されたと。このときも多くの地域住民の方が利用されて、本当に喜ばれたという話でございました。
 ところが、ことし八月二十七日に集中豪雨がありました。この井荻地下歩道のところは、地形的にはちょっと下がっているんでしょうね。水が集まってくると。こういうふうな地形であったということで、この八月二十七日の集中豪雨によって機器内が浸水して、エレベーターが故障してしまった。動かなくなった。そうした状況に不便を感じている地域住民の声を受けまして、我が党のまつば都議は、いち早く、所管である第三建設事務所に誠意を持って早急に復旧するべきであると、このように要望をいたしました。
 そこで、この井荻地下歩道エレベーターの復旧の見通しについてお尋ねします。

○加藤道路保全担当部長 井荻地下歩道の北側のエレベーターは、理事おっしゃいましたように、平成三十年八月二十七日の集中豪雨によりまして機器内が浸水したために、現在故障により停止しているところでございます。
 調査の結果、大規模な修繕が必要であることが判明したため、エレベーターの所有者である都は、その管理者である杉並区と調整した上で、今年中の復旧を目指し、修繕工事を今実施しているところでございます。

○上野委員 また来年の夏、そうした集中豪雨が起こるかもわからない。今の異常気象の中では、本当に地球温暖化の影響で、いつどこで集中豪雨が起きてもおかしくないという、こういう状況ですから、何としても来年の夏には皆さんが安心してこのエレベーターを使えるようにしなきゃならない。
 そのためには、このエレベーターの浸水対策というのは極めて重要になってまいります。
 そうした意味での雨水に対するこのエレベーターの今後の対策についてお尋ねいたします。

○加藤道路保全担当部長 今回の故障は、周辺道路からエレベーター施設に雨水が流入したことが原因でございます。そのため、地上部におきましては、周辺の地形状況等を考慮し、エレベーターの修繕に合わせて路面排水対策を実施いたします。
 さらに、地下部におきましては、浸水被害を受けないように機器の位置を高くするなどの対策や、エレベーター施設への浸水を防ぐ対策などを検討し、可能な対策から速やかに実施してまいります。

○上野委員 可能な対策からということですけれども、ぜひ浸水しないような対策を改善してもらいたいということを強く期待いたしまして、私は次の質問に移ります。
 次は、隅田川にかかる橋梁のライトアップ、このことについて質問します。
 隅田川を中心とした水辺空間は、浅草、両国などを初めとした、いわゆる都内有数の観光スポットでありまして、毎年多くの観光客が訪れているところであります。
 中でも、この隅田川クルーズは人気です。多くの観光客が隅田川の橋めぐりを楽しまれている、こういった状況がございます。特に私も本当に感動したのは夜間ですね。夜間においては、永代橋や吾妻橋などが実施している橋梁のライトアップ、ここがランドマーク性をさらに高める演出として、都民や観光客に長く親しまれてきております。
 大分たちまして、老朽化もしているところであります。そうした中で、いよいよ東京二〇二〇大会が近くなってきたと。ますます国内外の観光客もふえてくると。こうした中で、この魅力をもっとさらにアップしようということで、東京のライトアップ事業というものをこの隅田川橋についても取り組んでいらっしゃいます。
 そこで、現在、都が実施している隅田川にかかる橋梁のライトアップの具体的な事業内容及び現在の取り組み状況についてお尋ねします。

○加藤道路保全担当部長 都では、水辺のにぎわい向上や新たな観光資源を創出するため、隅田川にかかる白鬚橋から築地大橋までの都が管理する十二橋のうち、既に整備済みの二橋を除く十橋で、リニューアルも含め橋梁のライトアップに取り組んでございます。
 ライトアップのデザインは、学識経験者等による検討委員会で審議し、アーチ橋など橋そのものの形や色の美しさを生かしたデザインとしてございます。また、LED照明を採用することで環境にも配慮してございます。
 東京二〇二〇大会に向け、現在、清洲橋など八橋のライトアップ工事に着手しており、残る二橋につきましても、今年度中に着手する予定でございます。

○上野委員 橋梁のライトアップ事業を展開することは、新たな観光の拠点としての東京の魅力創出に寄与していくことになると思います。
 隅田川にかかる橋梁は、それぞれ構造形式や塗装の色も異なっております。多種多様の美しさを誇っております。また、勝鬨橋、永代橋、そして清洲橋、この三橋が国の重要文化財に指定されております。先人の技術が生んだ歴史的に価値のある橋梁群であります。
 このため、このライトアップ事業を進めるに当たり、これらの歴史的な価値を損なわないような配慮が必要であるということでございます。その配慮には、かなり技術的なこともあると思いますので、その努力されている内容につきましても、どういう内容でやっていらっしゃるのか、このことについてお尋ねします。

○加藤道路保全担当部長 今回のライトアップ事業では、照明器具を最小化するなど、橋梁の景観を損なわないよう最大限の配慮をしてございます。
 また、ライトアップ用の灯具や配管の設置に当たりましては、橋梁本体を傷つけないよう、穴あけや溶接は極力避け、取りつけ金具を工夫するなど、重要文化財など歴史ある橋梁の保全に努めてございます。
 今後とも、橋梁のライトアップ事業を着実に進め、隅田川を軸とした水辺のにぎわいの創出に取り組んでまいります。

○上野委員 今、淡々とご答弁されましたけれども、実はこれは大変なことなんですね。実際に作業をやるときには相当な注意が必要になるし、時間もかかっていくと。こういう状況の中で苦労をされているということでございます。
 この隅田川橋梁群は、先代から引き継いだ貴重な財産、そしてまた都民生活や社会活動を支える重要な社会資本でもあるわけです。このライトアップを契機に、さらに橋梁の魅力を発信して、にぎわい創出に寄与することで、末永く都民や国内外の観光客を引きつける都市を目指していただくよう期待しております。
 特に建設局は橋梁の専門家がいます。ちょっと心配なんですけれども、橋梁の課が一つなくなるとか、実はもう本当に日本でも有数の技術屋さんが結構おりました。今も担当、本間課長もそうですし、そしてまた紅林さんという非常に構造専門のプロがおりますね。私も本を読ませてもらいました。この「東京の橋一〇〇選+一〇〇」、ご本人が自分で書いて出版されている。ぜひこれを読んでいただければ、また橋の魅力というものを感じられるんじゃないかと思います。
 特に隅田川のことについても、最初にもうやっぱり載せているやつは思いがあるんです。隅田川にかかる橋の多くは百年ほど前の関東大震災の復興で架橋された。そうした中で、特にそういった世界的にも誇れるようなデザインでつくられたからこそ、現代になっても全然見劣りしない。皆がその姿を見て感動しているわけですね。心が癒やされる。
 こうしたすばらしい事業も建設局はされているということでございますので、しっかり我々も応援していきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 次に、安全・安心の道路空間を確保する観点から、歩車道境界の縁石の段差について質問したいと思います。
 現在、東京都では、歩道と車道の段差を二センチとしております。この段差は、視覚障害者が歩道と車道の境目を認識する上で必要な段差であるとしています。
 一方で、車椅子使用者やベビーカーに乳幼児を乗せた方にとっては、この段差によって車道から歩道に上がれないなどの苦情が来ている。私も車を運転していて、目の前で、車椅子の方が歩道に上がれないんですよ、こうやって一生懸命。おりていって一緒に手伝ったという、こうした経験もあるように、車椅子の方にとっては、その段差というのが本当に厳しいんですね。
 また、幅の広い車道ほど勾配がぐっと低くなって、歩道に上がるのに大変なんです、下がってきて上がるんですから。平たんなところの二センチをぽっと上がるのとは違うんですね。そのあたりの構造的なものもありました。
 そうした中で、地元の江戸川区では、障害者団体や高齢者とフィールドワークを行い検証した結果、歩道と車道の段差をすりつける構造のブロックを採用しています。都道においても同様な構造を採用すべきと考えますけれども、都の認識と今後の取り組みについてお尋ねします。

○加藤道路保全担当部長 歩行者の通行動線上における歩道と車道との段差は、東京都福祉のまちづくり条例による施設整備マニュアルにおいて、車椅子利用者の利便と視覚障害者の安全な通行との双方を考慮し、二センチメートルを標準にすると定められています。
 また、区市町村が、さまざまな道路利用者の意見を踏まえて定めた構造の縁石につきましては、これを採用することができるとされております。
 江戸川区では、歩道と車道との段差をすりつける、ゼロにする構造の縁石を採用していることから、都では、江戸川区内の都道におきまして、歩車道境界部を含む工事を実施する際は、江戸川区と同様の構造で整備することとしており、今後とも積極的に取り組んでまいります。

○上野委員 前向きに取り組んでいくというご答弁がありました。
 ただ、今あるところ、これについては、やるとはいわれていなかったんですね。今あるところというのは、実際に使われているところ。何かを新しく改修するとか、そういうときにやりましょうという感じでしょうか。もう一回ちょっと答弁をお願いできますか。

○加藤道路保全担当部長 この意味は、私ども道路管理部につきましては、道路を良好に保つために路面補修工事などなど、あるいは今回は無電柱化事業での工事とか、既存の道路についての工事をやる際に、既存の部分についても、江戸川区で採用しているような同様の構造に変えていきたいということでございます。

○上野委員 要は、工事をする際ということなんですね。今、そのほかにも結構ありまして、今でも苦情が来て、江戸川なんかは第五建設事務所ですから、すぐにお電話を入れたら飛んできて、すりつけをやっていただけますけれども、それはたまたま私のところに来たからいいんだけれども、ほかのところでも、実際にこの間も私が歩いていたら、自転車は今も車道を走っているんですね。ところが、どうしても車がとまっていて歩道に上がらなきゃならない。そうしたところで歩道に上がろうとしたら、段差があるところで斜めに入っちゃうと倒れるんですね。あれは直で入らないと危ないんです。
 そういったものを目の前で見て、これが江戸川区型のすりつけだったらすっと上がれたと。恐らくその方も江戸川区のすりつけの思いでさっと行かれたんでしょうけれども、完全にハンドルをぼんととられて倒れた。車道側に倒れられたら危ない。たまたま車が来ていなかったからいいんですけれども、そうしたところがまだいっぱいあるんですよ。
 そういったところも少しずつ、徐々に直していくとか、ぜひそういう計画も、これは要望とさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、バリアフリー化の関連ということで、橋梁のバリアフリー化というのは、実は、私が都議会議員になった平成十七年の翌年でしたけれども、平成十八年に--船堀橋という長大橋があります。都内でも恐らく一、二位を争うような長さの長大橋で、江東区からはバリアフリーでそのまますっと自転車も来られるんですけれども、江戸川区のところでおりるときには斜路つき階段になっていた。私の前任の前島都議会議員のときにも、これを何とかできないかという話でいったけれども、これは物理的に不可能ですという答弁で、それで、いわゆる用地買収とか、そういうのをやらないとできないところだという、こういったお話があったんですね、実は。
 平成十八年の、これは秋でしたか、電話が一本入りました。この船堀橋で、あの斜路つき階段の斜路は七十センチぐらいですかね、そこを自転車に乗ったまま、若い人たちはそのまますっと行くものだから、一緒になっておりてきた壮年の方がいらっしゃって、ブレーキが飛んでいって、それで欄干にぶつかって亡くなられたと、こういった話が飛んできたんです。これはもう危険だということで、建設局の方に、すぐにこれはバリアフリー化すべきだということを訴えました。
 当時の保全課長は偉いですね、すぐ飛んできて、実際に都の職員が直営で、どのぐらい自転車が走っているかとはかってくれたんです、一日。そうすると、いや、驚きですよ。六千台、七千台近く走っている。これだと第二、第三の事故が起こる可能性があります。本格的なバリアフリーを検討してまいりますということで取り組んでいったんです。
 私もちょっと橋梁をかじっておりましたから、一緒になって当時の第五建設事務所の課長と取り組んでいって、こうすればできるんじゃないの、こうすればできるんじゃないのと、不可能だといわれたのが可能になるという方向まで行ったんです。
 結局、用地買収をしなくてもできるということで、十年たちましたけれども、エレベーターもついて、スロープもできたというバリアフリーが実現した。
 そうした状況の中で何回か質問しました。平成十九年の第一回定例会でも、こうした橋がまだあるんじゃないですか、そういったところをバリアフリー化すべきでしょうという話もしましたし、平成二十三年の第一回定例会でも、当時は村尾局長でしたけれども、村尾局長も、優先度を勘案した上での既設橋梁のバリアフリー化に取り組んでまいりますという、こういう話を--両方とも、平成十九年から、そういった取り組んでいくという話をされて、もう十年以上たつわけですね。
 本当はお聞きしたいんですけれども、これも要望にとどめますが、しっかりと、そうしたまだまだ既存のバリアフリー化されていない橋梁はございますので、そういう橋梁についても、ぜひともバリアフリー化、予算のかかることですから計画を立てて取り組んでいただければと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 次に、洪水対策について質問したいと思います。
 西日本を中心に襲った平成三十年七月豪雨では、実際に浸水した区域とハザードマップの浸水域がほぼ一致しました。ハザードマップの有効性というのはそこで確認されたわけです。
 しかし、多くの住民の方は、わかっていたのかもしれませんけれども、実際には逃げるという行動にはならなかったという、これが新たな課題ということで指摘されて、そういった意味でのマイタイムラインとか、こういった状況がこれからは必要だなと、ソフト対策が重要になってくるねという話を今進めているところでございます。
 大雨が降った際に住民の迅速な避難行動につながるよう、区市町村と連携して、平時から住民の水災害への意識を向上させる必要があるということでございます。
 現在、都は、区市町村が作成するハザードマップのもととなる浸水予想区域図の改定を進めていると聞いておりますが、改定の取り組み状況についてお尋ねします。

○村井河川部長 都はこれまで、都内を十四区域に分け、平成十二年の東海豪雨を想定いたしました浸水予想区域図を公表しております。二十七年の水防法改正を受けまして、想定し得る最大規模の降雨を用いて区域図の改定を進めております。
 本年三月に神田川流域、六月に境川流域、十月に鶴見川流域の浸水予想区域図を公表いたしました。
 今後は、防災事業の緊急総点検を踏まえまして、三十二年度までの全区域の公表を目指してまいります。

○上野委員 ぜひ三十二年度までの全区域の公表を期待しておりますので、よろしくお願いいたします。浸水予想区域図改定を早期に進めて洪水から人命を守る、このソフト対策というのが極めて重要でございます。
 次に、耐震、耐水対策について質問をしたいと思います。
 耐震、耐水対策は、今はもう本当に進めていらっしゃいますけれども、これは東日本大震災がやはり一つのきっかけになりました。私は平成十七年に当選してから、平成十八年とか、こういった耐震対策というものをもうちょっときちんとやるべきだと。護岸それから防潮堤もそうですけれども、当時は、耐震対策はできていますと、こういうふうなことをいわれていたんです。耐震対策はできていたんです。どのレベルかというのが問題だった。
 関東大震災級の耐震対策の護岸、防潮堤を、一生懸命、何十年とかけてつくってきたわけですけれども、平成七年に阪神・淡路大震災が起こりました。これに対して本当にもつかどうかというところに対しての耐震性については、誰もいっていなかった。阪神大震災が起きたんだから、全然ガルが違いますからね。これにしっかりと耐えられるかどうかというのは検証すべきでしょうということを本会議でも委員会でもいったんですけれども、なかなか費用もかかるということだったんでしょう、いい答弁がなかったんです。
 平成二十三年の東日本大震災を受けてから、想定外を想定するというような、想定外といっちゃいけないという状況になって、これはもう財務局もいろいろと予算もつけていくという環境もできたのもありましたけれども、そこから一斉に調査に入ったわけですね。
 この調査に入った中で、皆様にはちょっと厳しいことをいってしまいましたけれども、そうした中で、東部低地帯の河川において堤防や水門の耐震対策、しっかりと今取り組んでいらっしゃって、オリンピック前までには完成させるぞという勢いで、一部まだ延びるところもありますけれども、やっていらっしゃいます。
 そこで、現在実施している東部低地帯の耐震、耐水対策の取り組み状況についてお尋ねします。

○村井河川部長 東部低地帯の耐震対策につきましては、今年度末で、旧江戸川などの防潮堤、護岸を合わせた計画延長全八十六キロメートルの六割、新中川の今井水門など、水門など施設の全二十二施設を事業化することになります。
 引き続き、平成三十三年度までの耐震、耐水対策の完了を目指してまいります。

○上野委員 引き続き、耐震対策の完了に向けて整備を進めていただきたいと思います。
 次に、高潮対策について質問します。
 都は、三月に、想定し得る最大規模の高潮による浸水想定区域図を公表いたしました。この浸水想定区域図によりますと、浸水が最大で十メートル程度となることや、広範囲にわたって一週間以上継続するなど、浸水被害が深刻なものであることがわかりました。
 水防法が改正されて、高潮による災害の発生を特に警戒すべき水位のことで、水防活動や避難勧告等の目安となる水位、これが高潮特別警戒水位ですけれども、ここに達した場合、都道府県知事は高潮氾濫危険情報を水防管理者、関係市町村長などに通知及び周知することになったわけであります。
 そこで、高潮特別警戒水位設定の取り組み状況についてお尋ねします。

○村井河川部長 都は、地元区が発表いたします避難勧告などの目安となります高潮特別警戒水位の設定に向けまして、本年九月に学識経験者を含む高潮特別警戒水位検討委員会を設置いたしました。
 本委員会では、高潮浸水想定区域図の作成過程で得られました地域ごとの水位変化の想定や、水位を周知する区間の設定など、水位の設定に向けた検討を進めております。
 今後も、避難計画を担う地元区と連携いたしまして、高潮特別警戒水位の設定に向け取り組んでまいります。

○上野委員 住民の皆様の避難行動の目安となる、この高潮特別警戒水位の早期設定に向けまして、検討を進めていただきたいと思います。
 さて、九月の台風二十一号では、大阪湾などで過去の最高潮位を超える高潮が発生しました。関西空港が大規模に浸水し、断水や停電等、ライフラインへの大きな被害を出したわけでございます。
 このような状況は、東京でいつ発生してもおかしくないという前提に立った上で、高潮による大規模水害時の排水対策の検討をすべきと第二回定例会で質問したところでございます。
 そこで、高潮による大規模水害時の排水対策の検討について、現在の進捗状況をお尋ねします。

○村井河川部長 都は、本年三月に公表いたしました想定し得る最大規模の高潮による浸水想定区域図を踏まえまして、都の関係局と国を構成員といたします大規模水害時の排水対策検討連絡会を八月に設置いたしました。本連絡会では、想定される浸水の範囲や深さなどの諸条件につきまして整理を行います。
 今後とも、関係局や国と連携を図りまして、大規模水害時の排水対策について検討してまいります。

○上野委員 ぜひ国とも連携して排水対策の計画を早期に策定して、大規模水害時の排水対策を進めていただくよう強く要望しておきます。
 次に、河川のにぎわいについて質問します。
 河川は、都市における貴重なオープンスペースであります。隅田川においては、スーパー堤防やテラス整備により、人々が水辺に集い、親しめる河川空間が創出されてきています。
 これらに加えまして、平成二十五年には、規制緩和によりまして、都内で初めて民間事業者によるオープンカフェが浅草の隅田川沿いに設置されました。
 そこで、この隅田川などにおける水辺のにぎわいづくりの取り組み状況をお尋ねします。

○村井河川部長 水辺のさらなる魅力向上と地域の活性化を目的といたしまして、水辺の景観を楽しみながら飲食ができる、かわてらすが隅田川において三店舗、日本橋川において一店舗が設置されております。
 また、夜の水辺に人々が集い、散策できるよう、隅田川のテラスへの夜間照明の設置にも取り組んでおります。平成二十九年度末で、白鬚橋下流左岸など二・四キロメートルを完成いたしました。
 さらに、隅田川と月島川の合流部などテラスがつながっていない箇所におきまして、歩行者の利便性や回遊性を向上させるため、テラスの連続化の工事を進めております。

○上野委員 建設局の事業概要などを見ると、隅田川では、川沿いの観光拠点などがある浅草や両国など、四つの地域をにぎわい誘導エリアに位置づけ、水辺とまちの結びつきを強化し、地域全体のにぎわいを高める取り組みを行うこととしています。
 そこで、にぎわい誘導エリアにおける具体的な取り組み内容についてお尋ねします。

○村井河川部長 両国エリアでは、都と区の保有する公有地におきまして、民間活力の導入によるホテルやレストランを有する複合施設を建設いたしますとともに、施設と一体的なスーパー堤防や多様な水上ルートにも活用できる防災船着き場の整備によりまして、河川のにぎわい拠点となります両国リバーセンター事業を進めております。
 浅草エリアでは、隅田川と東京スカイツリーを結ぶ動線上にございます北十間川におきまして、区や鉄道事業者と連携いたしまして、まちと水辺が一体となったにぎわい空間の創出に向けて護岸整備などを進めております。

○上野委員 じゃあ、河川関係については一応これで終わらせてもらいまして、道路整備の質問に移りたいと思います。
 まず初めに、千葉県境における橋梁整備についてお尋ねします。
 本年八月、江東五区広域避難推進協議会より、大規模水害広域避難計画が公表されました。本計画では、浸水想定区域内における居住人口の九割以上が床上浸水の被害を受け、浸水が継続する期間も最大で二週間以上に及ぶことから、広域的な避難が重要であることが示されたわけでございます。
 広域避難を実現するためには、江東五区は河川に囲まれていることから、橋を渡る必要がありますけれども、千葉方面への避難について、現状では橋の数が少ないことに注意することとされているわけであります。
 特に、千葉県境の江戸川については、もうずっと、私も当選したときからずっと、平成十八年からいっていますけれども、江戸川には市川橋から今井橋までの延々八キロ区間の中に人が渡れる橋が一橋もないというんです。こんなところ都内どこにもないですね。都心から千葉の方に行くのに橋はあるんですよ。だけれども、人が渡れない高速道路です。
 そこに、実は二本、その八キロの中には計画はあるんです。もう一つ、それ以外の下の方では放射一六もある。江戸川の橋をもっと早くつくらなきゃなりませんね、橋と橋の間隔は一・五から二の間ぐらいで。それで交通渋滞が解消する、災害時においても避難できる。こうした意味では、橋が足りないというのは、今まで何をしていたんだろうという自分の反省も含めながら思いました。
 だから、東日本大震災のときには大変でした。みんなその橋を渡ろうと思って京葉道路に来たんです。ところが、江戸川の篠崎のところでみんなとまって、人がたまってしまった。橋があるのに何で渡らせないんだと。これは車専用の橋ですからだめですと断られて、そこから上に四キロ、下に四キロ皆さん歩いていったんです。中には、もう疲れ切って、中学、高校の校長先生が、あのときは大変でしたといわれたけれども、そこでとまっている。
 そういった意味では、ぜひとも橋をつくっていただきたい、このことを願いまして、現在のこの三つの橋、補助第一四三号線、補助第二八六号線、放射第一六号線について、それぞれ取り組み状況をお尋ねします。

○奥山道路建設部長 約三百万人の都民が生活する東部低地帯では、洪水等の災害時のリダンダンシーを確保し、避難や緊急物資輸送等を確実に行うため、新たな三つの橋梁整備が不可欠でございます。
 このうち、用地取得が比較的少ない補助第一四三号線につきましては、早期事業化に向け、河川管理者との協議や橋梁構造の検討を進めてまいります。
 防災拠点の篠崎公園と千葉県の大洲防災公園とを結ぶ補助第二八六号線につきましては、河川管理者との協議を進めており、国のスーパー堤防計画と整合した道路構造等の検討を進めてまいります。
 放射第一六号線につきましては、千葉県側の車線数等について千葉県と調整を行ってまいります。
 今後とも、共同事業者となる千葉県との協議を進めるとともに、地元区とも連携しながら、千葉県境の橋梁整備に全力で取り組んでまいります。

○上野委員 次に、江戸川区内の特定整備路線の整備について質問します。
 ことしは六月に大阪北部地震、九月には北海道胆振東部地震が発生しました。首都直下地震の発生が危惧される中、震災時に特に甚大な被害が想定される木造住宅密集地域の防災性向上は喫緊の課題であります。
 都は、平成二十四年一月に木密地域不燃化十年プロジェクトを立ち上げ、特定整備路線の整備を進めているところであります。特定整備路線は、市街地の延焼遮断や避難路、緊急車両の通行路ともなる防災上極めて重要な都市計画道路であります。
 私の地元の江戸川区でも、補助第一四二号線、補助第一四三号線、補助第一四四号線が特定整備路線に選定されまして、現在事業中でございます。
 この特定整備路線の整備効果の一つである延焼遮断帯は、何よりも用地取得が進み、空間を確保していくことが重要であります。
 そこで、その三区間における現在の用地取得の状況についてお尋ねします。

○関用地部長政策調整担当部長兼務 特定整備路線は、震災時に特に甚大な被害が想定されます木造住宅密集地域におきまして、都民の生命と財産を守る極めて重要な都市計画道路でございます。
 江戸川区内の三区間における用地取得率は、平成三十年十月一日時点で補助第一四二号線で四一%、補助第一四三号線で四三%、補助第一四四号線で七八%であります。
 引き続き、関係権利者お一人お一人の理解と協力を得ながら、用地取得を推進してまいります。

○上野委員 特定整備路線、全て平成二十六年度に事業化しているわけですけれども、わずか四年半足らずで用地取得がここまで進んでいるということに対しては評価したいと思います。
 特に補助第一四四号線は、用地取得率が約八割まで進んでいると。現地の状況を見ても確実に延焼遮断効果があることはわかります。引き続き用地取得の推進に努めていただきたいと思います。
 用地取得が進んできたことで、次は工事に着手することになりますけれども、この三区間における今後の工事の予定についてお尋ねします。

○田中道路計画担当部長 現在、各区間における用地取得状況を踏まえまして、工事着手に向けた準備を進めているところでございます。今年度中に全三区間において、電線共同溝設置工事や排水管設置工事に着手する予定でございます。
 今後とも、地元の理解と協力を得ながら着実に整備を進め、地域の防災性向上を図ってまいります。

○上野委員 次に、京成押上線の四ツ木駅から青砥駅間の連続立体交差事業について質問します。
 京成押上線は、平成二十七年に押上駅から八広駅間で高架化が完了し、明治通りなど六カ所の踏切がなくなりました。その隣の区間である四ツ木駅から青砥駅間の連続立体交差事業につきましては、平成十四年度の事業着手前から私自身も携わっておりましたけれども、強い関心を持って事業の進捗を見守っているところであります。
 事業が進捗して、踏切が除却されるのを待ち望んでいる地元の方々からは、早期の事業完了が求められていますので、まずは、本事業の現在の状況と今後の取り組みについてお尋ねします。

○奥山道路建設部長 京成押上線四ツ木駅から青砥駅間の連続立体交差事業のうち、用地につきましては、京成立石駅付近に残っている用地を本年九月末に契約したことで、本事業区間全ての用地を取得いたしました。
 また、工事につきましては、既に施工可能な区間から仮線工事に着手しており、今後、用地が更地化された後には、京成立石駅付近を含め、全線にわたって工事を進めてまいります。
 今後とも、地元区や鉄道事業者と連携し、地域の方々の理解と協力を得ながら、本事業を着実に推進してまいります。

○上野委員 次は、私の地元である江戸川区にとっても大変重要な京成高砂駅から江戸川駅間の鉄道立体化の早期実現に向けまして、取り組みを加速していっていただけたら、このように思っています。
 以前からこの区間の鉄道立体化の重要性について訴えてきましたけれども、鉄道立体化の実現を強く望んでいる地元のためにも、早期事業化に向けまして、都は頑張っていただきたい。
 そこで、初めに、京成高砂駅から江戸川駅間の鉄道立体化に向けた検討状況についてお尋ねします。

○奥山道路建設部長 京成本線の京成高砂駅から江戸川駅間には、あかずの踏切二カ所を含む十カ所の踏切があり、鉄道立体化による踏切解消が必要でございます。
 都は現在、連続立体交差事業の具体化に向け、事業範囲や構造形式などの検討を進めるとともに、課題となっております京成高砂駅付近にある車両基地を都営高砂団地の建てかえで創出された用地に移転する案について検討をしております。

○上野委員 まちの活性化に向けまして、地元では、この連続立体交差事業の実現を強く望んでおります。
 そこで、京成小岩駅周辺まちづくりの取り組み状況についてお尋ねします。

○奥山道路建設部長 連続立体交差事業の効果を高めるためには、本事業とあわせて、鉄道と交差する道路の整備や、地元区による駅前広場などのまちづくりに取り組むことが重要でございます。
 京成小岩駅周辺につきましては、現在、江戸川区において補助第二六四号線の事業を進めるとともに、駅前広場の整備など、まちの将来像となる駅周辺地区まちづくり基本構想を今年度内に策定することを目指しております。
 今後とも、地元区や鉄道事業者と連携しながら、鉄道立体化に向けて積極的に取り組んでまいります。

○上野委員 次に、ちょっと防災の立場からも話を進めていきたいと思いますが、篠崎公園の整備についてでございます。
 私は、平成二十五年三定の一般質問を初めとしまして、篠崎公園の高台化ということを早期に実現する必要性というものを何度も指摘してまいりました。
 そこで、現在の篠崎公園高台化の状況と、今後の取り組みについてお尋ねします。

○細川公園計画担当部長 篠崎公園のうち、江戸川に接する区域については、国によるスーパー堤防整備事業や区による土地区画整理事業等と一体的に公園を高台化するため、平成二十八年四月に三者で基本協定を締結し、現在、国が地質調査に基づく盛り土後の解析を実施しております。
 また、公園の計画区域内にある道路に設置された電気、ガス、水道等企業者との切り回しについて協議しながら、区域を分けて段階的に高台化を進めることを検討しております。
 引き続き、国や区等と連携し、篠崎公園の高台化を推進してまいります。

○上野委員 次に移ります。
 東京二〇二〇大会時には、ライブサイトの候補地であります公園の一つでもある上野恩賜公園について質問します。
 上野恩賜公園のトイレにつきましては、平成二十九年十一月の当委員会の中で、栗林委員からも意見がありましたが、本当に汚いといわれるし、臭いと、こういう苦情が来ているわけです。
 国内外から多くの方が訪れる公園でもあります。さまざまなイベントや美術館などを見て感動しても、汚い、臭いトイレで、嫌な上野公園の印象が残ってしまうというのを本当に危惧しております。どんなに立派に公園が整備されても、トイレが汚いことで、その公園のイメージが台なしになってしまう、こういうことを避けなければなりません。
 平成二十九年度各会計決算特別委員会第三分科会におきまして、上野恩賜公園のトイレについて、我が党の小林委員が質問したところ、トイレの清掃を改善するとの答弁がありました。
 しかし、トイレの清掃を改善するだけじゃなく、しっかりと改修を進めていくべきと考えますが、都の見解を求めます。

○細川公園計画担当部長 上野恩賜公園はこれまで、上野恩賜公園再生基本計画に沿って、噴水広場や動物園前広場の改修などに取り組んできております。現在は、JR上野駅の公園口改札の移設工事に合わせて、駅前の広場整備に取り組んでございます。
 公園内のトイレにつきましては、汚れにいち早く対応できるよう、園内巡回時の点検と清掃の徹底を図っていくほか、さらに快適にトイレを利用いただけるよう、改修の検討を進めてまいります。

○上野委員 トイレの改修を進めていくというご答弁がございました。
 利用者の多い上野恩賜公園のトイレの改善につきましては、来園者の目に触れることも多く、企業の参入意欲も期待されるのではないかと思います。
 そういった意味では、現在、渋谷区の区立公衆便所のネーミングライツ事業というのが、これは日本トイレ大賞を受賞しましたけれども、これが非常に好評でございます。
 そうした意味では、ぜひともこのネーミングライツなどの民間資金の導入を検討してはいかがかと思いますけれども、意見を求めます。

○細川公園計画担当部長 民間資金の導入については、事業者として採算性という課題がございます。
 今後、上野公園のトイレの改善については、他自治体の公衆便所におけるネーミングライツ導入の事例を調査研究するとともに、民間事業者から市場性について伺うなど、民間資金の導入について検討してまいります。

○上野委員 ぜひ検討していただきたいと思います。
 私の地元である葛西臨海公園でのバリアフリー化の取り組みについて、次に質問します。
 葛西臨海公園は、隣接する下水道局用地が東京二〇二〇大会時にオリンピックのカヌースラローム会場になることから、公園には国内外から多くの方が訪れることが予想されます。
 また、ことしの十月には、隣接する葛西海浜公園が都内初のラムサール条約湿地に登録されました。今後ますます外国からの来園者がふえると考えられます。
 そこで、東京二〇二〇大会に向けて、さまざまなバリアをなくすための整備について、現在の進捗をお尋ねします。

○細川公園計画担当部長 葛西臨海公園では、訪れる国内外の方々を迎えるため、JR葛西臨海公園駅前からクリスタルビューに向かうメーンアプローチの勾配改修工事を平成二十九年度から実施しており、片側の整備が完了しております。
 トイレについては、洋式化対象トイレ十一棟のうち六棟の改修が完了しております。平成三十年度は、新たに三棟の改修に着手してございます。また、誰でもトイレが設置されていないトイレについては、直近に誰でもトイレを新たに四カ所整備中でございます。
 また、園内サインについては、日本語と英語の併記を基本とし、総合案内板については、中国語、韓国語を加えた四カ国表記の多言語化改修を行う予定であります。二カ国語、四カ国語、合わせて平成二十九年度には十基の設置が完了し、平成三十年度には四十二基を設置予定でございます。

○上野委員 葛西臨海公園における駐車場の拡充が今非常に課題になっております。昨年九月には第二駐車場が閉鎖されました。駐車台数が減ってしまいました。
 これからは多くの来園者が見込まれるわけですので、駐車場不足で来園者が困ることがないよう、公園管理者として今後どのように取り組んでいくのかお尋ねします。

○細川公園計画担当部長 ゴールデンウイーク等、特に混雑する時期には迅速な誘導が行えるよう、通常よりも誘導員をふやしております。また、公共交通機関の利用を促すため、混雑予測を作成しております。ホームページへの掲載や周辺施設等での掲示を行っているほか、ツイッターにより混雑状況を発信しております。
 さらに、公園駐車場への流入車両を抑制するため、環状七号線にある駐車場の混雑状況を示す案内表示板を改修してございます。
 今後、園地の効率的な活用により、新たに駐車スペースを生み出すなど、来園者サービスの向上に努めてまいります。

○上野委員 ぜひとも駐車場スペースの確保をしていただきたい。今度は意見、要望になりますけれども、一回立ち消えになった立体駐車場あるいは地下駐車場とか、そういった整備もぜひ今後検討していただきたいと、このことを要望しておきます。
 次に、葛西臨海公園内における葛西臨海水族園について質問したいと思います。
 先月、外部有識者による葛西臨海水族園のあり方検討会報告書というのが取りまとめられました。日本を代表する存在として、今後とも取り組みを展開すべきことが提言されたわけでございます。
 この報告書を受けまして、都は、基本構想素案を作成し、改築の検討を進めていくとしておりますけれども、改築の方針についてお尋ねいたします。

○細川公園計画担当部長 外部有識者による検討会報告書において、今後は、海と人をつなぎ、海を守る水族園を目指すべきとされ、展示水槽や展示空間の刷新を図る必要性が提言されております。
 現在、パブリックコメントを実施している基本構想案は、提言に基づいて作成したもので、施設の老朽化やアクセシビリティー、飼育生物の移動等を考慮し、現在の水族園地内に新たな水族館を建築する改築を基本に検討することとしております。
 改築の規模や手法については、ライフサイクルコスト及び官民連携方法等とあわせて検討する予定であります。

○上野委員 改築を基本に検討していくという答弁でございました。
 改築の検討には、葛西臨海水族園の職員が長年にわたり培ったノウハウを生かすべきだと、このように私は考えております。
 平成二十八年の八月に、山形の加茂水族館の世界一のクラゲ展示、この取り組みを視察してまいりました。平成五、六年ごろ入館者数が激減しまして倒産寸前になった。それをサンゴ水槽で偶然クラゲが発生していることを見て調べたところ、サカサクラゲであるということがわかったわけです。
 当時の館長が村上龍男さん、その方にも会ってきましたけれども、お金がないものだから自宅を担保にして二百万円出して、自分のお金ですよ、それで奥泉さんという現在の館長をパラオに向かわせて、そしてクラゲの研究をさせたんです。その結果、クラゲには雄、雌がいることがわかりました。そこで、精子と卵子をとって、繁殖に成功したわけです。
 この技術によりまして、加茂水族館でさまざまなクラゲの繁殖に成功し、平成九年から始めたクラゲ展示が発展しまして、今では世界一多種のクラゲ展示の水族館として有名になったということでございました。
 一度、九万人まで激減した入館者数が、平成二十八年七月に百五十万人を超えているということで、その翌月に私たちは行ったんですけれども、本当に大勢の方が見ていらっしゃいました。
 現地で村上前館長に、この成功の秘訣は何ですかということを尋ねたんです。そしたら、何よりもこれですよと、現場で働く職員が生き生きと仕事のできる制度にすること、そこに現場から知恵、よい提案が生まれてくると、こういったお話があったんです。非常に貴重な話だなと思いました。
 この改築の計画などをまとめるに当たりましては、現場で働く職員の声をどのように反映していくのかお尋ねします。

○細川公園計画担当部長 葛西臨海水族園は、世界で初めてクロマグロの群泳展示に成功したほか、国内水族館最多の繁殖賞の受賞、さまざまな生物を熟知した職員による教育プログラムを実施するなど、高度な技術力と豊富な知識、経験を有しております。
 こうしたノウハウを新たな水族園の改築検討に生かすことは重要であり、葛西臨海水族園の職員が参画する会議を設けるなど、これまでの実績に裏づけられた意見を聞き、計画等に反映させてまいります。

○上野委員 葛西臨海水族園には、もう一つ魅力があります。移動水族館車です。
 これは二〇一一年に美ら海水族館の視察をさせていただきました。その際に、この移動水族館車が沖縄にあったんですね。周りが海で、魚は見放題のところで何で必要なんですかと。沖縄の人は海に余り潜らないんですといわれてびっくりしました。移動水族館車が島まで行くんです。そして、初めて、おお、こんな魚が海にいるのかと、非常に人気があるんですと、こういった話を聞いて驚いたことがあったわけでございます。
 ぜひこれを東京でも導入してもらいたいということで、当時の公園緑地部長にもお話ししたら、ぜひやりたいですねということで頑張ってくれたんです。先日亡くなられたと聞いて本当にショックでしたけれども、一緒になって移動水族館車に取り組んできたわけでございます。
 水族園のすばらしさを広くPRできるわけです。いい車です、二台ですからね。直接手でもさわれる、そういったものも持っていく。美ら海水族館も同じようでした。目の見えない方が、やはり手でさわることによってわかるんだ。だから、そういったことも取り組んでいらっしゃる。
 それで、まちじゅう走っていくわけですよ、行くところまでね。そうすると目立つんです。だから、私は、静かに走るんじゃなくて、葛西水族園の車ですとかなんとかアピールしながら、ぜひ動いてもらいたいですね。PR代が減りますよ。広報代はこの移動水族館車が賄う。実は美ら海水族館もそのことをいわれたんです。移動水族館車によって広報代を削減しましたという話がありました。そういった意味での削減効果は出ますから、ぜひともそういった移動水族園を使っていただきたい。
 本当に人気がございます。大変な状況だということも伺っております。
 そこで、これまでの実績について改めてお尋ねいたします。

○細川公園計画担当部長 移動水族館事業については、訪問先の下見や魚への影響を考慮し、月五回から六回程度実施しております。平成二十九年度は六十四カ所、一万七千八百五十二名の方に生き物や自然の魅力を実感していただいております。
 また、盲学校の生徒に諸感覚を刺激する体験を提供するため、生き物の体の一部を合成樹脂に置きかえ保存するプラスティネーション技術で標本を作成し、プログラムに活用するなど、訪問先に合わせた取り組みを展開しております。
 こうした取り組みにより、訪問先の学校や施設からは、参加した子供たちなどにふだんと異なる表情や動き、積極性などが見られたなどの喜びの声をいただいております。

○上野委員 移動水族館事業は、来園することが難しい方々にも生き物のすばらしさを知ってもらうことができます。環境教育として重要な取り組みでもあります。
 同時に、この移動水族館車をもっと活用することで、より多くの都民に葛西臨海水族園を知ってもらう機会を提供していくことが可能となるはずであります。
 今後も、この移動水族館車をさまざまな場面で活用していただくよう期待いたしまして、私の質問を終わります。

○田村委員 私からは、中小河川、圏央道、多摩地域の都市計画道路ネットワークについて質問いたします。
 まず、中小河川の整備について伺います。
 本年も西日本を中心に大きな被害が発生した平成三十年七月豪雨など、全国各地で豪雨による浸水被害が発生しました。
 都内においても、八月には世田谷区内で時間百ミリを超える降雨を観測するなど、いつ東京で豪雨災害が発生してもおかしくない状況ともいえます。
 こうした状況から、夏以降、私の地元においても、東京の水害対策の状況について尋ねられることも多くなったことから、中小河川の整備状況及び今後の取り組みについて確認していきます。
 昨年の事務事業質疑においては、昨年十月に東京を直撃した台風二十一号における調節池の効果について質問し、調節池など、これまでの時間五十ミリの降雨に対する対策として整備した施設が大きな効果を発揮し、浸水被害を未然に防止したとの答弁がありました。
 こうした五十ミリ整備は、昭和四十年代から進められているようですが、そこでまず、五十ミリ対策の進捗状況について伺います。

○村井河川部長 都はこれまで、時間五十ミリの降雨に対処できるよう、四十六河川、三百二十四キロメートルを対象に、護岸や調節池の整備など、中小河川の治水対策に取り組んでまいりました。
 平成二十九年度末の護岸整備延長は約二百十七キロメートル、護岸整備率は約六七%でございまして、これに調節池などの効果を加えた治水安全度達成率は八〇%となっております。

○田村委員 五十ミリ対策は八割まで進んできたとの確認をいたしました。
 西多摩地区でも、瑞穂町などを流れる残堀川が平成四年に氾濫し、百棟を超える家屋が浸水するなど、たびたび被害が発生していました。河川の整備後は、そうした被害はなくなりました。
 しかし、都内では近年、ゲリラ豪雨がたびたび発生しています。こうした傾向も踏まえ、都は、中小河川の目標整備水準をレベルアップした整備を進めているとのことですが、ここで改めて目標整備水準を引き上げた時期と経緯、どのように実現をしていくのか伺います。

○村井河川部長 都は、時間五十ミリを超える降雨が頻発する傾向にあることから、平成二十四年度に中小河川の整備方針を定めまして、新たな目標整備水準を時間五十ミリから、区部、多摩の降雨特性を踏まえまして、安全性の指標である年超過確率二十分の一で等しくなる、区部では時間最大七十五ミリ、多摩では六十五ミリに引き上げました。
 新たな目標整備水準に対応した整備は、時間五十ミリまでの降雨は護岸整備を基本に、それを超える降雨には新たな調節池などで対処してまいります。

○田村委員 これまで整備を進めてきた五十ミリ対応の護岸を生かし、五十ミリを超える分、すなわちレベルアップした分は新たな調節池などで対処していくとのことであり、効率的に河川整備を進めていく方針が確認できました。
 既に調節池などの整備に着手しているとのことですが、そこで、新たな目標整備水準に対応した調節池などの進捗状況について伺います。

○村井河川部長 新たな目標整備水準に対応した調節池のうち、現在、境川金森調節池など六カ所で工事に着手しておりまして、環状七号線地下広域調節池では中間立て坑整備やシールドマシン製作、野川大沢調節池では貯留量を拡大するための掘削工事を行っております。
 また、谷沢川では道路の下に設置するトンネルにより、洪水の一部を流下させる分水路の整備に向けまして、現在、シールドマシンの発進立て坑用地におきまして準備工事を実施しております。

○田村委員 調節池と分水路、合わせて七カ所の整備に着手していることがわかりました。工事に当たっては、安全対策、環境対策を徹底し、着実に整備を進めていくことを要望します。
 一方、冒頭述べた平成三十年七月豪雨だけでなく、昨年の九州北部の豪雨、平成二十七年の鬼怒川の氾濫など、毎年のように豪雨による被害が発生しており、豪雨対策は待ったなしの状況です。新たな目標整備水準の達成に向けて、今後、調節池を早期に整備していく必要があります。
 そこで、今後、新たな目標整備水準に対応した調節池の整備をどのように進めていくのか伺います。

○村井河川部長 今後は、護岸や事業中の調節池の着実な整備に加えまして、防災事業の緊急総点検を踏まえ、石神井川や野川などにおきまして、新たな調節池の事業化に向けた検討を前倒しして実施してまいります。
 また、洪水の流域間相互融通が可能な環状七号線地下広域調節池の延伸なども検討してまいります。

○田村委員 調節池の整備は長期間を要しますが、早期に効果が発現されるよう、各河川の特性も踏まえて十分に検討し、着実に進めていくことを要望します。
 一方、多摩地域では、こうした治水機能の向上に加え、地域の特性を生かした取り組みも重要です。
 私の地元を流れる平井川は、自然が豊かで多様な生き物が生息しており、それらを踏まえた整備が求められています。
 そこで、平井川の整備状況について伺います。

○村井河川部長 平井川は、多摩川合流点から約十一・五キロメートルの区間で護岸の整備を進めておりまして、平成二十九年度末の護岸整備率は三九%でございます。三十年度は、圏央道付近の日の出橋下流の三カ所におきまして、約九十メートルの護岸などを整備いたします。
 整備に当たりましては、自然石を使用した護岸や魚が遡上しやすい落差工などを採用いたしまして、河川環境や生物の生息環境に配慮してまいります。
 引き続き、治水機能を向上させながら地域の特性を生かして平井川の整備を進めてまいります。

○田村委員 中小河川の整備に当たっては、都民の命と暮らしを守る治水機能の確保を図っていくことが重要ですが、平常時には都民が憩い、潤いを感じられような空間となるよう、引き続き環境や景観等にも配慮していただきたいと思います。
 新たな調節池の整備など中小河川の整備を早期に進めていくためには、都民の理解と協力が不可欠です。整備の目的や効果などを都民に丁寧に説明しながら、着実に整備を進めていくことを要望いたします。
 次に、圏央道について伺います。
 中央環状線、外環道、圏央道から成る首都圏三環状道路は、渋滞解消や災害時の首都機能の維持など、多岐にわたる効果が期待されています。そのうち圏央道は、都心から四十キロから六十キロの圏域を環状に連絡する延長約三百キロの道路です。
 圏央道は、私が住む西多摩地域の発展に大きく寄与している道路です。都内では平成二十六年に全線開通し、これにより、日の出インターチェンジ周辺では企業立地や大型店舗の進出に伴う雇用機会の創出により、日の出町の就業者数は約一・八倍となり、人口も減少傾向から増加傾向に変化しました。
 私の地元では、このような効果が発現されています。しかし、まだ圏央道全体としては未完成と聞いています。
 そこでまず、圏央道の整備状況について伺います。

○大庭三環状道路整備推進部長 圏央道は、交通渋滞の解消や環境改善を図るとともに、災害時に日本の東西交通の分断を防ぐなど、首都圏の骨格を形成する首都圏三環状道路として極めて重要な道路でございます。
 東京都区間は、平成八年に青梅インターチェンジから鶴ヶ島ジャンクション間が初めに開通し、二十六年の相模原愛川インターチェンジから高尾山インターチェンジ間の開通により、委員ご指摘のとおり、全線二十四・六キロが開通してございます。
 なお、二十八年には八王子西インターチェンジがフルインター化されています。
 圏央道全体といたしましては、他県でも順次整備が進められてきており、二十九年二月には茨城県区間の全線開通により、東名高速から東関東道までの六つの高速道路が結ばれるなど、これまでに約九割が整備されております。
 なお、未開通区間として残っているのは、神奈川県の一部と千葉県の一部のみとなってございます。

○田村委員 圏央道の整備が着々と進められていることがわかりました。
 先ほど、私の地元でもさまざまな整備効果があるという話をいたしました。
 そこで、圏央道全体の整備効果について伺います。

○大庭三環状道路整備推進部長 圏央道では、整備の進展とともに、都心を経由していた通過交通が転換され、都心の渋滞が緩和されるだけでなく、放射方向の高速道路を結び、首都圏各地を結ぶ時間を大幅に短縮しております。
 例えば、茨城県区間の開通により、中央道と常磐道の間では、都心を経由していた交通が約七割から約三割に減少しております。
 また、物流においても、配送時間の短縮や定時性の確保により生産性が向上しており、圏央道沿線では、物流拠点や工場、大規模小売店舗等の立地が進み、年間の沿線市町村の工場立地面積は二十年前と比べ約六倍となっております。
 このほかにも環境改善や災害時の代替路など、多くの役割が期待されております。

○田村委員 私も群馬方面や静岡方面に出かけますが、圏央道を利用する前と比べ、移動時間に歴然たる差が見られ、時間を有効に利用することができるようになりました。
 三環状道路の整備効果を確実に発揮するためにも、早期に圏央道を完成させる必要があります。
 そこで、圏央道の今後の予定について伺います。

○大庭三環状道路整備推進部長 未開通区間につきましては、国及び高速道路会社により整備が進められており、順調な用地取得等がなされた場合、神奈川県区間は平成三十二年度、千葉県区間は三十六年度の開通予定とされております。
 また、東北道より東側は暫定二車線区間となっておりますが、東北道から東関道間では三十六年までの四車線化に向け整備が進められております。
 圏央道の整備促進に向けて、関係八都県市及び沿線の八十一の市町村による圏央道建設促進会議総会を毎年開催しており、都としても引き続き、早期の全線完成を国に求めてまいります。

○田村委員 三環状道路は、首都圏に集中する放射状の高速道路を相互に連結し、交通の分散などを図ることにより、首都圏のみならず、広く国全体にその整備効果が及ぶ重要な幹線道路であります。
 中央環状線が全線開通したものの、三環状道路の機能を十分に発揮していくためにも、残る区間の早期整備が重要であり、圏央道の着実な整備を要望しておきます。
 さらに、外環道についても、本年六月に千葉県区間が開通し、都内の通過交通が減少するなど大きな効果が発揮されています。現在事業中の関越-東名間の早期開通はもちろんのこと、まだ計画が具体化していない東名 湾岸道路間についても早期に計画を具体化するよう要望しておきます。
 次に、多摩地域の都市計画道路ネットワークの整備に向けた取り組みについて伺います。
 多摩地域は、都市化の進展により、業務商業施設の集積が随所に見られるなど大きな変貌を遂げています。また、多くの大学や高度な基盤技術を有する中小企業なども蓄積し、東京の活力を力強く支えています。
 多摩地域の振興のためには、都市計画道路の整備が不可欠です。都は、南北主要五路線並びに東西主要四路線を初め、都市計画道路を整備してきましたが、完成率はようやく六割を超えたところであり、多摩地域の整備が区部に比べおくれています。
 そこで、多摩地域の都市計画道路ネットワークの整備に向けた取り組みについて伺います。

○奥山道路建設部長 多摩地域のさらなる発展を図るためには、交通、物流機能の強化、災害時の迅速な救急救援活動を担う都市計画道路の整備が重要でございます。
 多摩南北主要五路線につきましては、既に調布保谷線など三路線が開通しており、府中所沢鎌倉街道線では引き続き用地取得を進めるとともに、西武国分寺線交差部等で工事を行ってまいります。また、唯一、未着手区間の残る立川東大和線では泉体育館駅付近から都道一四五号線までの区間につきまして、都市計画変更や環境影響評価の手続を進めてまいります。
 多摩東西主要四路線につきましては、東八道路ではJR南武線との立体交差工事、新青梅街道や新奥多摩街道では用地取得を進めてまいります。新五日市街道の福生市区間では用地測量を進めており、今年度内に事業に着手いたします。
 今後とも、地元の市や町と連携し、多摩地域の幹線道路ネットワークの整備に着実に取り組んでまいります。

○田村委員 多摩地域の都市計画道路についてはよくわかりました。
 次に、西多摩山間地域の道路整備について伺います。
 私の地元である西多摩には、西側に山間地域が広がっており、この地域には集落へ至る道路が一本しかなく、道路の寸断により孤立化が懸念される集落が存在しています。
 ことしは日本各地で大きな自然災害が頻発しており、平成三十年七月豪雨や北海道胆振東部地震では、道路が寸断して多くの集落が孤立いたしました。
 西多摩山間地域においては、多摩川南岸道路や秋川南岸道路の整備によりダブルルート化を進めていますが、それ以外にも狭隘箇所や急カーブが残る道路もあり、防災力の強化に資する道路整備が急務です。
 そこで、本地域の道路整備の取り組み状況について伺います。

○奥山道路建設部長 西多摩山間地域の道路は、日常の生活を支えるとともに、災害時には集落の孤立化を防止する重要な社会基盤でございます。
 奥多摩町の日原鍾乳洞線では、狭隘箇所の解消などを図るため、自然景観にも配慮しながら道路拡幅事業を実施してまいります。
 また、檜原村の檜原街道の本宿地区では、連続する急カーブを解消するため、線形改良を実施しており、今年度には本宿四号橋の上部工の工事に着手いたします。
 今後とも、地域の暮らしを支え、命の道ともなる西多摩山間地域の道路整備を全力で推進してまいります。

○田村委員 地元は安全な道路を待ち望んでいます。着実に事業を進めていただくことを強く要望し、私の質問を終わります。

○栗下委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後二時四十二分休憩

   午後二時五十九分開議

○栗下委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○里吉委員 私からは、外環道トンネル工事における安全対策、避難計画について質問をいたします。
 外環道トンネル工事で採用されていますシールド工法は、これまでも数々の事故やトラブルを起こしてきました。修練された技術とともに、しっかりとした監視体制がなければ重大な事故を起こしかねない技術です。
 また、最近でも、福岡市の大陥没事故や首都高横浜環状北線の馬場入り口工事での地盤沈下など、こうした事故が起こるたびに外環道の工事の沿線住民の皆さんは、事業者みずからが世界最大級の難工事といっている外環道のトンネル工事は、本当に大丈夫なのかと不安になるのは当然のことだと思います。
 外環道のトンネル工事は、我が国で初めての大深度地下領域を全面的に活用した道路事業、しかも市街化された地域の地下に大断面のトンネルを構築するという工事です。だからこそ、沿線住民の皆さんは、事故が発生する前の異常な事態が起き始めた時点での住民への周知、避難計画の策定を求めてきました。
 それだけでなく、この一年半もの間、国や事業者に対して話し合いの場を求めたり、進捗状況などについて情報を出すようにと申し入れたり、さまざまな取り組みを行ってまいりました。
 しかし、そうした住民と何ら意見交換をすることなく出されてきたのが、七月に国とNEXCOが発表した、トンネル工事の安全・安心確保の取組みです。ここには、万が一に備えて緊急時の対応を準備しますと書かれてありますが、これは住民が求めてきたいわゆる避難計画というには余りにも不十分です。
 改めて確認いたしますが、国は、このトンネル工事の安全・安心確保の取組みを避難計画だといっているのでしょうか、伺います。

○大庭三環状道路整備推進部長 まず、外環の関越から東名間は、国及び高速道路会社により事業が進められているものでございます。
 よって、安全・安心に事業を進めることは、一義的に国など事業者の責務であるというふうに認識しております。
 国など事業者は、学識経験者で構成する外環トンネル施工等検討委員会のトンネル工事の安全・安心確保についての考え方まとめを踏まえ、委員ご指摘のトンネル工事の安全・安心確保の取組みのパンフレットを作成し、公開しているところでございます。
 この取り組みパンフレットは、施工状況をモニタリングしながら工事を安全に進めることや、工事の進捗状況や工事箇所周辺の影響についてお知らせすること、万が一に備えて緊急時の対応を準備することなど、トンネル工事が本格化するに当たっての安全・安心確保について取りまとめたものとなっております。
 国など事業者は、安全対策を十分に実施することで、地表面の安全性が損なわれる事象は生じないとしておりますが、工事に際しての安心確保の取り組みとして、万が一に備え、この取り組みパンフレットにある緊急時の対応を準備しているものと認識しております。

○里吉委員 万が一に備えての緊急時の対応というお答えなんですが、一点申し上げておきますけれども、どの工事をやっている業者の方も絶対に事故は起こさない、そういう覚悟で工事を行うのは当たり前のことです。だからといって避難計画をつくらない、そんなことはいいわけになりません。ですから、私はこれが避難計画といえるのかということをお伺いしたんです。
 国が一義的に安全対策を行うわけですから、そうであるならば、国がきちんと安全対策を行っているのか、避難計画をつくっているのか、それを都民の立場に立ってきちんと見きわめる。そして、不十分であれば、きちんと国、事業者に対して物をいっていくのが東京都のとるべき態度だと思うんです。
 そして、この緊急時における対応も、私はこれで本当に緊急時に対応できるのか大いに疑問なんです。一つずつ確認していきたいと思いますが、まず一点確認しておきます。
 東京都は、国のこの対策は避難計画として十分だと思っているのか確認します。都の認識を伺います。

○大庭三環状道路整備推進部長 先ほどのトンネル工事の安全・安心確保の取組みについては避難計画なのかというご質問だったと思いますが、国など事業者は、この工事に関しての安心の取り組みとして、この取り組みパンフレットにある緊急時の対応を準備しているというふうに認識しているところでございます。

○里吉委員 国がこれをやっているから、これで大丈夫だというお答えだと思うんですが、住民の方はこれを見てさらに不安になっているというのが現状なんです。
 この中の五ページを、きょうパネルにしてまいりましたので、これ見えない方は、トンネル工事の安全・安心確保の取組みの五ページを後で見ていただきたいんですが、ここには工事の三段階の管理段階による施工管理というふうにあります。ここに通常の施工体制管理と、そこに第一管理、第二管理段階、第三段管理段階というふうに書いているんですね。
 例えば、一次管理段階では、進捗状況に関するトンネル坑内の各計量値、圧力や掘削量などが安全な状態で安定している段階とあります。これは安全な状態なんですね。
 その次に二次管理段階、三次段階といくんですけれども、ここに管理基準の数値、管理基準値が示されていません。どれくらいの数値が出たら第一から第二に行くのか、一次管理段階から二次管理段階になるのかわかりません。
 住民の安全・安心を最優先にするという都の立場に立てば、東京都は、この中にきちんと管理基準値の公表を求めるべきだと思いますが、いかがでしょうか。

○大庭三環状道路整備推進部長 取り組みのパンフレットにおいて、工事の安全対策として施工状況のモニタリングを行うこととし、通常の施工体制管理は、三段階の管理段階により掘進に関するトンネル坑内の各計測値のモニタリングを行い、異常がないことを確認し、施工管理しつつ工事を実施するとされております。
 施工状況等のモニタリングについては、工事の品質を確保するための施工管理上必要なデータであり、通常の施工体制で管理していくものと聞いております。
 管理基準値は、事業者と工事関係者が適切に管理するものであり、施工管理上必要となる専門的な技術データと聞いており、広く一般に公開する性格のものではないと考えております。

○里吉委員 管理基準値は、広く一般に公開する性格のものではないというお答えでした。
 しかし、トンネルの予定地の上に住んでいる住民の方からすれば、自分の家の下でどのような工事が行われているのか大変気になるわけです。そこで、さまざまな数値を出している、はかっているその数値を知りたいというのは当然の思いだと思います。
 また、管理基準値を超過したときというのが、第二管理段階なのか三次管理段階なのか、ここを見てもわからないんですね。安全性を示す数値もわからない。専門的な技術データだとしても、それを知りたいという方には公開するべきだというふうに思います。
 そして、通常、管理基準を超過した場合はさまざまな対応をとるというふうになっているんですが、ここでは、管理基準値を超過した場合、その扱いはどのように定められているのか。
 基準値超過の事実については、どのように発注者である国や高速道路会社、さらには東京都や地元の自治体に連絡される仕組みになっているのか、報告義務はあるのか、基準値を超過した場合に掘削中止などの方策をとるのかどうか、そのことが定められているのかどうか、あわせてお伺いします。

○大庭三環状道路整備推進部長 通常の施工管理では、事業者、工事関係者が、三段階の管理段階により掘進状況に関するトンネル坑内の各計測値のモニタリングを行い、異常がないことを確認し、施工管理しつつ工事を実施するとされております。
 施工状況等のモニタリングにつきましては、先ほど申しましたが、工事の品質を確保するための施工管理上必要なデータであり、通常の施工体制で管理しているものと聞いております。
 緊急時の点でございますけれども、国など事業者は、トンネル内に掘削土以外の土砂が大量流入するときを緊急時として、万が一に備えて緊急時の対応を準備するとしております。
 これによると、事業者、工事関係者は、二十四時間体制で現地情報を収集し、万が一の際には地上にお住まいの皆様や関係機関にできるだけ速やかにお知らせ、対応するとされております。

○里吉委員 今の答弁ですと、結局、トンネル内に掘削土以外の土砂が大量流入するという、いわゆる緊急時、トンネル内に掘削土以外の土砂が大量流入するとき以外は、地元自治体や近隣住民に連絡する仕組みもないし、報告義務もない、掘削中止などの方策もないということでよろしいですか。確認いたします。

○大庭三環状道路整備推進部長 施工段階のモニタリングにつきましては、通常の施工体制で管理していくものと聞いております。
 事業者、工事関係者が、三段階の管理段階により掘進状況に関する各計測値のモニタリングを行って、施工管理しつつ工事を実施することとしております。
 先ほど申し上げましたように、トンネル内に掘削土砂以外の土砂が大量流入するときを緊急時として、万が一に備え緊急時の対応を準備することとしているというふうに国と事業者からは聞いておるところでございます。

○里吉委員 これ、もう一回見ていただきたいんですけれども、(パネルを示す)通常の施工体制管理で、これ通常なんですね。
 二次管理段階は、トンネル坑内での計測値が安全な状態であるものの計測値に変動が見られるため、シールドマシン等の抑制により計測値の安定化を図ると。
 三次管理段階は、その変動が継続する、だから安全確認を行うと書いてありますが、これ全部、通常の施工体制管理と書かれています。
 次にあらわれてくるのは緊急時の対応なんです。すると、ここは通常で問題ないと。この表を見ると、いきなりここに行っちゃうわけですよね。これ本当に危険だと思うんです。
 福岡市の大陥没事故は、第一次管理基準を超えた時点で地元自治体へ報告義務がありました。しかし、二次管理、三次管理を超えた段階まで放置してしまい、気づいたときには大量の土砂があふれてしまったと。
 時間を見ていただきたいんですけど、四時五十分に異常だということがわかって、一次で報告していれば別なんですよ、でも報告がなかったから四時五十分に水が出たということがわかって、五時五分に車両等の進入禁止措置を開始して、十五分には大体それが終わったと。陥没が始まったのは五時二十分なんです。三十分しかないんですね。
 こういう事態にならないように、本来であれば、福岡は第一次管理基準値を超えた時点で地元自治体へ報告するということになっていた。でも、それを怠っていたということが問題だというふうになっているわけです。
 ですから、そういうことを考えると、外環の場合も、そもそも自治体や施工主への報告義務もないと。だから現場は、住民からも施工主からも誰からのチェックもなく管理体制を任されるということになってしまうんですけれども、これで本当にいいと思っていらっしゃるんでしょうか、お答えください。

○大庭三環状道路整備推進部長 取り組みパンフレットにおきましては、通常の施工体制管理では、三段階の管理段階により施工情報に関するトンネル坑内の計測値のモニタリングを行い、異常がないことを確認し、施工管理しつつ工事を実施することとされておるところでございます。
 それで、国など事業者は、先ほど申しましたが、トンネル内で掘削土以外の土砂が大量流入するときを緊急時として、万が一に備え緊急時の対応を準備するということとしております。
 最初に申し上げましたように、この事業は、国及び高速道路会社により事業が進められているものでございます。事業者、工事関係者が適切に対応するものと考えてございます。

○里吉委員 何度もいわなくても、国と事業者が第一義的に責任をとるのはわかりました。
 けれども、私が伺ったのは、一次管理段階、二次管理段階、三次管理段階というのは通常の施工体制管理で、モニタリングもしているし、数値も出しているけれども、これについては住民には発表もしないし、変動が起きても、それが継続しても、特にどこにも報告しないと。自治体に報告するのは緊急事態になってからなんですよね。近隣住民に発表するのも。それで間に合うのかということについて、実際に起きた福岡の事例も示しながら、今お伺いしたんです。
 都民の安心・安全を守るという立場からのご答弁は残念ながらいただけなかったというふうに思いますが、話を前に進めます。
 緊急事態の対応です。
 じゃあ、いざ本当に緊急事態になった、取り組みでは大量の土砂がシールド坑内に流入してきたことを緊急事態としています。
 これでは、そこから自治体や住民への報告ということでは、逃げおくれる人たちが発生するのではないかと私は考えるんですが、東京都はそのようには捉えないのか、都の見解を伺います。

○大庭三環状道路整備推進部長 取り組みパンフレットにおきましては、安全対策を十分に実施することで地表面の安全性が損なわれる事象は生じないと考えられるが、工事に際しての安心確保の取り組みとして、万が一に備えた緊急時の対応を準備することとされております。
 国など事業者は、トンネル内に掘削土以外の土砂等が大量流入するときを緊急時としており、このことはトンネル施工等検討委員会のトンネル工事の安全・安心確保についての考え方まとめにおいても、万が一に備えての緊急時の対応を準備するに当たっては、トンネル内の掘削土以外の土砂が大量流入する事象発生時を緊急時とすることなどが妥当であるとされているところでございます。
 事業者、工事関係者は、二十四時間体制で現地情報を収集し、万が一の際には地上にお住まいの皆様や関係機関にできるだけ速やかにお知らせ、対応するなど、適切に対応していくと考えております。

○里吉委員 今、いろいろお答えいただきましたけれども、後でこれについてもやりますけれども、考え方のまとめ、東京外環トンネル施工等検討委員会でどういうことが議論されたのか、住民には、中身は概要、要点しか公開されていませんので、どうしてこういう結論になったのかも私は大変不思議なんです。本当にこれでいいのかどうか、知っていたら後でお答えいただきたいんですけれども。
 それで、今お話ありましたけれども、万が一に備えて二十四時間、車が走っているというお答えでした。
 避難誘導についてはどのようなやり方を想定しているのか、もう少し具体的にお答えいただきたいと思います。

○大庭三環状道路整備推進部長 工事に際しての安全確保の取り組みとして、万が一に備えた緊急時の対応を準備することとされております。
 これによりますと、事業者、工事関係者は、まず二十四時間体制で警戒車両巡回や工事情報受付ダイヤルなどにより、現地情報を収集することとされています。万が一の際には、地上にお住まいの皆様や関係機関にさまざまな方法により、できるだけ速やかにお知らせ、対応するとされております。
 具体的には、警察署、消防署、区役所、市役所に連絡するとともに、地域住民には警戒車両の拡声器や戸別訪問、メールなどによりお知らせし、安全な場所へ避難誘導支援するとされております。

○里吉委員 万が一の場合、できるだけ速やかにお知らせすると。確かに、緊急事態ですから速やかにお知らせしていただかないと大変危険だと思うんですね。
 一体どれくらいの時間で知らせることができれば対応できると想定しているのでしょうか。土砂の大量流入から陥没までどれくらい時間がかかるか。
 想定されるケースはいろいろあると思います。しかし、どういったケースが考えられるのか、そういったシミュレーションをしているのか。また、夜間だったり、悪天候ですごい大雨だったり、台風だったり、いろんなことが想定されます。
 事故が起きたとき、どういう天候かということも含めて、そういったシミュレーションはされているようには到底思えないんですけれども、どこかで検討しているのか、これからする予定なのか、あわせて伺いたいと思います。これ大事なことですから、東京都の立場としてお答えください。

○大庭三環状道路整備推進部長 外環では、その取り組みパンフレットの中でも、万が一に対して緊急時の対応を準備することとされております。
 国からは、緊急時から地表面に影響が発現するまでの時間は地質条件等により異なるが、可能な限り早期に兆候を把握することが重要であると認識していると聞いております。
 国など事業者は、施工状況のモニタリングを行うとともに、二十四時間体制で現地情報を収集し、万が一の際には関係機関と連携し、住民に速やかにお知らせ、対応すると聞いております。

○里吉委員 今お話にもありましたけれども、東京都からもメンバーを出している、さっきもお話がありました東京外環トンネル施工等検討委員会で、今回の対策のもとになっている考え方がまとめられております。
 ここを私も読みましたけれども、そこでは、緊急時に地表面に影響が発現する時間は地質条件により異なる、そういうふうに書いてあるわけです。つまり、わからないわけですよ、どういう状況が起こるか。さまざまなケースが想定されるわけですから。
 わからない状況で、とにかく早急に車を出して、皆さんを避難誘導しますといっていますけれども、これで本当に緊急時、つまり土砂がトンネルに大量に流れ込んできた、そういう状態で、高齢者も含め逃げ切れるとどうしていえるのか。
 時間がかかるからもう余りやりませんけれども、(パネルを示す)この事態、最初に見つかってから三十分ですよ。この場合は駅前でしたよね。道路でした。下に陥没したわけですけれども、ここにもし家が建っているという状況だったらどうなるんでしょうか。
 あり得ないというふうにいわないでいただきたいんです。あり得ないかもしれないけど、万が一起こったときのために、さまざまな安全対策をとるのが避難計画じゃありませんか。そういうことを考えて、東京都は、国に対して都民の命と安全を守る立場できちんと物申していただきたいんです。
 それじゃ、次に進みます。まとめて聞きますけれども、この九ページのところには、緊急事態、万が一のときに、地域住民は近くの安全な場所まで移動後、公園や広場などに避難とありますけれども、どこに避難するか場所は指定されているんでしょうか。必要となる場合は、事業者、工事関係者等が確保する施設に移動するとありますけれども、具体的にはどのような場所を想定しているのでしょうか。国や事業者がこれから検討するのか、東京都が行うのか、誰が決めるのか、お答えいただきたいと思います。

○大庭三環状道路整備推進部長 まず、取り組みパンフレットでは、ご指摘のとおり、緊急時には、地域住民は近くの安全な場所までの移動後、公園や広場などに避難し、必要となる場合は、事業者、工事関係者等が確保する施設に移動するとされておるところでございます。
 国など事業者は、この取り組みパンフレットに基づき適切に対応していくものと考えております。
 なお、住民が避難する場所については、オープンスペースなどの把握、確認をしているところと聞いております。

○里吉委員 国がオープンスペースを今検討しているという答えでしたけれども、私、本当に残念なんですけれども、ここに書いてあることは、部長さんにわざわざ今お答えいただかなくても百も承知なんですよ。
 これを読んで地域住民の方が不安だと。こんな状態で、世界最大級の難工事といわれているシールドマシンで自分のうちの下にトンネルを通すという工事をやられるのは大変不安だといっているから、国はもう少し具体的に何かしているんですか--今、オープンスペースについては一応探していると。当たり前ですけれども、それだけは出てきましたけれども、それ以外、具体的な話が出てこないわけです。
 それで、じゃあ、ちょっとお伺いしますけれども、例えば、安全な場所へは誰かがどこからか来て誘導してくれるんでしょうか、それとも住民があらかじめ決められた場所に勝手に移動するんでしょうか。高齢者の方など災害時要援護者への対応はどうするんでしょうか。ちょっと考えただけでも心配なことがたくさんあるわけです。
 こうしたことへの対応については国や事業者は考えているんでしょうか、それとも東京都が考えているんでしょうか、お伺いします。

○大庭三環状道路整備推進部長 まず、外環道の関越-東名間は、国及び高速道路会社により事業が進められているところでございます。
 よって、安全・安心に事業を進めること、この安全・安心の取り組み、また万が一に備えた緊急時の対応を含め、それをしっかり実行することは、一義的に国など事業者の責務であると認識してございます。
 先ほど、緊急時にはどのように誘導していくのかという話でございますけれども、この取り組みパンフレットの中にも、警戒車両等により速やかに現地へ拡声器、戸別訪問等によりお知らせ、皆様が避難できるよう誘導支援というふうに記述されているところでございます。
 そういった中で、国など事業者は、この取り組みパンフレットに基づき万が一に備えての緊急時の対応を準備するということとされておりますので、適切に対応していくものと考えてございます。

○里吉委員 国がやるといっているので信用してくださいと。東京都は国がやることを信用していますので、住民の皆さん、信用してくださいというふうにしか私は聞こえないんですね。
 それで、本格掘進が始まったらシールドマシンは二十四時間動き続けるわけですよね。いつ事故が起きるかわからない。住民の皆さんは本当に毎日不安な日々を送っているわけです。
 だから、私も含めて、本来こんな道路は要らないと思っていますよ。だけれども、つくるのであれば、最低限地上に住んでいる皆さんに、大深度地下は地上面には何にも関係ないといって勝手に人のうちの地下を掘る工事をやるに当たって、今もう酸欠気泡が出てきて、影響が出てきちゃっているわけですから、少なくとも本格掘進を始める前に、住民が納得できるような避難計画をつくってくれというのが住民の声じゃないですか。
 このパンフレットを見て余計心配になっているから、ここには書いていないけれども、もう少しまともな計画があるのであれば伺っておきたいと思って聞いたわけです。
 それが全く出てきていないということで、これでは私、とても住民の皆さんは納得できないというふうに思いますが、あわせて、今も日々いろんなことが起きているので、この問題についても伺っていきたいと思います。
 結局、これを読むと、緊急時以外の対応はいろいろお知らせだけなんですよね。進捗状況をお知らせします、環境工事箇所周辺の影響についてお知らせしますというふうにあるんですけれども、このお知らせについても大変不十分だということで、ちょっと確認しておきたいと思います。
 緊急時以外にも、今、既に地下水が出てきたとか、いろいろありました。酸欠気泡もありました。こういうことについては、住民にきちんと知らせていくべきだと思うんです。ホームページには大体掲載されているんですけれども、それだけでは大変不十分だというふうに思います。
 地域住民の皆様へのさまざまな事象が起きたときの報告について、どういうふうに対応するのか伺います。

○大庭三環状道路整備推進部長 委員からは、緊急時以外、例えば、地下水流出など今回発生いたしましたときに、住民に知らせるべきではないか、ホームページに掲載するだけでは不十分ではないかといったようなご指摘だったと思います。
 六月に工事ヤード内で地下水が流出した事象については、国など事業者からは緊急時には当てはまらないと認識していると聞いていますが、今回の事象については、国など事業者は、発生メカニズムの推定や河川内の水質、気体の成分などの調査結果をホームページで公開するとともに、本年七月のオープンハウスでも沿線住民に説明しているというふうに聞いております。

○里吉委員 今回の酸欠気泡が出たということについては、たまたま、ちょうどオープンハウスも予定されていまして、そこで説明を受けました。
 住民の皆さんが詳しい説明を再三求めていたということで、私もその場で説明を聞きましたけれども、ここは予定されていたオープンハウスですから、酸欠気泡の説明をやっていることも、オープンハウスに来て初めて知ったという方もいましたし、それから、工事の進捗状況を知りたくて来た方もいて、会場は大変な混雑、大混乱でありました。
 オープンハウスでの説明が聞けたのはよかったんですけれども、これだけでは私は本当に不十分だったと思うんです。これだけの重大なことが起きたわけですから、別途改めて説明会を開くべきだと思います。
 それから、ホームページでの情報公開というのは、自分からアクセスしないと情報を得られないんです。
 最初、野川からぽこぽこぽこぽこ酸欠空気が出てきたときに近隣で大騒ぎになったんですけれども、そのときには、みんなホームページのことを知らなくて、近所の方にホームページに出ているよといわれて見たら載っていて初めてわかったという方も何人もいらっしゃいます。
 改めてお伺いしますけれども、今も実は震動があったとか、いろんなことが地域では起きているんですけれども、これから地下水流出だとか何らかの異変が起きた場合には、近隣にチラシをまくとか説明会を開くとか、ホームページに載せましたということだけではなくて、さまざまな方法を使って地域の住民の皆さんに説明をするべきだと思いますが、これは行っていただけるというふうに理解してよろしいんでしょうか、伺います。

○大庭三環状道路整備推進部長 まず、都としては、工事箇所周辺への影響について、住民にお知らせすることは重要であると認識しております。適切な情報提供など、住民の安全・安心確保に向けた取り組みについて、引き続き国に求めていきます。
 そうした中で、国の方では、事業者のホームページで、シールドマシンの位置など工事の施工状況や工事箇所周辺の影響などをお知らせするとともに、トンネル地上部の周辺にお住まいの皆様には、工事の進捗に合わせ、シールドマシンの通過前に、各お住まいにお知らせチラシを配布するというふうに聞いております。
 また、工事の状況や周辺環境への影響に関する質問や相談などへの対応は、事業者として、こうしたホームページやチラシなどとともに、住民に対しても相談窓口を開設しているというふうに聞いておりまして、外環事業に関する疑問やご相談の窓口を明示されているところでございます。

○里吉委員 いろいろ今いっていただきましたけれども、近隣住民の皆さんが説明会を求めているのは、国や事業者の皆さんから外環の説明を聞くのもそうなんですけれども、その場に行くと、うちの近所はこうだったよとか、私のうちではこういうことがあったとか、全体で何が起きているかわかるんですよ。ですから、住民を一堂に集めての説明会というのは住民のためにもなるんだけれども、皆さんのためにもなると思うんです。
 重大事故に発展させないために、何が起きているのかきちんと住んでいる皆さんから話を聞く、そして情報交換する、そしてどうしてこういうことが起きたのか、そのメカニズムについてはわかったところまで速やかに報告する、こういうことを約束していただきたいと思います。
 私も毎日、外環道のホームページを見ているんですけれども、これ、もう一度確認しますけれども、いろんなこと知らせています。何のために知らせているのか、目的は何か伺いたいと思います。

○大庭三環状道路整備推進部長 ホームページ上で工事の進捗状況を知らせているけれども、何のためかというご質問でございました。
 国など事業者は、周辺住民等への情報提供のため、工事の進捗状況や工事箇所周辺への影響、シールドマシンの位置などについて、ホームページや広報紙などで広くお知らせしているところであるというふうに聞いております。

○里吉委員 おっしゃったとおり、周辺住民等への情報提供のため、それが一番だと思うんです。
 それで、近隣住民の方からは、実はもっと詳細にシールドマシンの動きを教えてほしいということや、ホームページの画面では上書きされてしまうので、どれくらいの期間でシールドマシンがどれくらい動いたのかがわからないと。なので、毎日プリントアウトすれば別ですけれども、それを上書きしないで、一日に何メートルぐらい進んだのかとか、そういうことがわかるようにしてほしいだとか、それから、さまざまな事象が写真で載っていたりするんですけれども、日付が入っていなかったりするんです。いつこの状況が起きたのかがわからないということもありまして、そういったところについても、近隣住民に知らせるためというのであれば、もう少しきめ細かに情報提供していただきたい。
 それから、実際に私も聞いていますけれども、自分の家の下をシールドマシンが通るときには、心配だから一週間ぐらい私はホテルに行きますと今からいっている方もいるんですよ。その方が自分でホームページを確認できる方かどうかわからないじゃないですか。
 直前に、もうすぐこの下を通りますとチラシでまかれても、それからじゃ遅いということもありますから、チラシもまくし、シールドマシンの状況は、遠くに住んでいるお子さんだとか、違う方が見てもわかるように、何らかの手だてをとっていただきたいというふうに要望しておきます。
 それから、最後に、今後の計画について一つ伺っておきます。
 本格掘進の予定について、どういう状況なのか聞いているでしょうか。
 それから、今とまっている最大の原因は酸欠空気が発生したことだと思うんですが、今この対策をとりながら準備掘進をしているというふうに伺っていますが、原因がわからないうちに準備掘進を始めたのは、私はけしからぬことだと思っているんですが、この原因と対策、新しい工法について既にわかっているのか。わかっていたら説明をすることが必要だと思います。
 避難計画についても、るる議論してまいりましたけれども、こんな避難計画ではとても住民は本格掘進を迎えられません。やめていただきたいと思います。
 少なくとも、まずはこういった避難計画、もう少しまともなものを用意して、それから今起きている事象の対策についても住民の皆さんにわかるように説明会を開いていただきたいと思うんです。オープンハウスではなくて、体育館などできちんと行っていただきたいと思うんです。
 都として、こういったことを国や事業主に要請していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○大庭三環状道路整備推進部長 現在の状況について及び今後の予定、あるいは情報提供についてのご質問であったかと思います。
 現在は、国など事業者は、発生メカニズムの推定、気体の成分調査結果を公表し、工事を安全に進めているとされておりますが、安心確保のため、空気の漏出状況をモニタリングするとともに、ご指摘のとおり、工事ヤード内において推進時に使用する材料や圧力を調整するなどの空気漏出を抑制しながら掘進する方法について検証しているところであるというふうに聞いております。
 現在、国など事業者からは、検証作業を進めている段階であるというふうに聞いております。
 また、都といたしましては、これまでも適切な情報提供など、住民の安全・安心に向けた取り組みについて国に求めたところであります。
 今般の検証結果、あるいは今後のシールド工事の進め方についても丁寧に説明していくことは重要であるというふうに考えてございます。

○里吉委員 住民の皆さんは、東京都にお願いしているだけじゃなくて、直接国に対しても、NEXCOに対しても、繰り返し説明会をやってほしいといっているんですよ。国土交通省にも外環の事務所を通じて申し入れを行っています。でも、それが行われない。
 そして、出てきた避難計画がこういう計画で余計不安をあおっているといいますか、いざというとき、これで本当に逃げられるのか余計不安になってしまっているわけです。
 繰り返しになりますけれども、大深度地下にシールドマシンでトンネルを掘るという外環道のトンネル工事は、地上に生活する住民がいながら、最初は地表には何ら影響ないとされてきました。
 でも、今回、酸欠空気でも明らかになったように、既にトンネル計画地の地上に暮らす住民にとっては影響が出ている。これからも影響が出る可能性があるということが改めて明らかになったわけです。
 外環道は、トンネル工事として世界最大級の難工事といわれておりますし、今のような避難計画では到底、万が一のときに住民の安全を守ることはできません。
 都として何よりも都民の安全を最優先にするという立場に立つのであれば、国と事業者に対して、今のような緊急時対応では不十分だと、住民の声をきちんと聞いて、住民が納得する避難計画をつくるように求めるべきです。
 そもそもこういう工事で、まともな避難計画もつくらないような国が外環道の工事を進める、そういうことは許されないというふうに思います。こうした工事は断念すべきだと私は思います。
 以上で質問を終わります。

○西沢委員 私からは、まず最初に、都立霊園の事業についてお伺いをしていきたいというように思います。
 この都立霊園は、私は、まず最初に、何で東京都がやっているのかというそもそもなところからお伺いしたいと思います。
 事業概要は一一九ページの冒頭に、東京都は、昭和十八年、都制施行に当たり、東京市の霊園事業を引き継ぎ現在に至っていると、しょっぱなにそう書いてあるわけですが、現状では、東京都内には三千カ所以上の、民設も含めて、公設も含めて、納骨堂などや墓地があるという中において、東京都はそれをその中でやっている。
 さらに、全国的に見れば、これは市町村の事務として市町村が担うということが一般的になっているというように私は認識しているわけでありますが、では、東京都が霊園事業を行っているというのはなぜなのか、その経緯をお伺いしたいと思います。

○日浦公園緑地部長 都立霊園は、明治七年、東京府が、青山、それから立山、現在青山霊園の飛び地になっておりますけれども、あと雑司ヶ谷、染井、亀戸、谷中の六カ所に宗教や宗派を問わず、市民一般のための墓地として、共葬墓地を開設したことが起源でございます。
 その後、明治二十二年の市町村制施行に伴い東京市が、昭和十八年の都制施行に伴い東京都が引き継ぎ現在に至っております。

○西沢委員 もう百四十年を超える歴史があるというようなことであります。よくいえば、こういった歴史をしっかりと重ねているというふうにいえると思いますが、悪くいえば、ずっとそのまま昔からやっているというようなこともいえると思うんです。
 そうした中で、やはり都民のニーズにしっかりと応えていくということが重要だというように思います。
 先ほどいったように、最近は本当に民間の施設というものがたくさんあるわけですけれども、さまざまなタイプのものがあるという中で、自治体である、公の東京都がやるということであれば、やはり東京都の役割というものが求められている。
 じゃあ、その東京都の都立霊園に対して都民は何を求めているのかと。さまざまアンケートはあると思いますけれども、まず、東京都として、都民は都立霊園に対して何を期待していると把握されているのかお伺いをいたします。

○日浦公園緑地部長 平成二十七年度に実施いたしました都政モニターアンケートで、都立霊園に求める役割についてお聞きしましたところ、長期にわたる安定した墓所の管理が三二%、低廉な価格が二九%、さまざまなニーズに対応した多様な墓所の提供が二一%、墓所の安定した供給が一六%となっております。

○西沢委員 今、答弁がありました都政モニターアンケートも公開されているものですけれども、これが期待されていると認識しているということです。
 安いものというのは当然だと思うんですよね。安いからということだと思うんですが、今、答弁があった中で、もう一つは安定した墓所の管理というのも当然だと思います。都立霊園にお願いすれば、長期間安全だろうという安心感もあると思いますから、これは当然、果たしていかなければいけない役割だと思います。最後に、さまざまなニーズに対応した多様な墓所の提供が二一%というところ、ここにしっかり応えていかなければいけないんじゃないかなというように思います。
 過去に、昭和三十年代に、東京都は都立霊園、一回募集を停止したことがあります。都心のいいところにそういう墓地があるのはいかがなものなのかみたいな議論があったやに聞いていまして、そうした中で違う使い道を模索した時期があったわけですが、しかし、今さまざまなニーズに対応してほしいという、そういったことから、都立霊園に求められているものがさらに高まってきているということで受け付けを再開して、今に至っているわけであります。
 では、今後、このニーズにどう対応していくのかということを改めてちょっとお伺いをしたいと思います。今のニーズを踏まえて、今後、都立霊園ではどのように墓所の供給に取り組んでいくのかお伺いをいたします。

○日浦公園緑地部長 個別に区画を有する墓所を求める都民に対しましては、先生のお話にございましたように、無縁墳墓の整理ですとか返還墓所を再整備し、一般埋蔵施設等を供給してまいります。
 また、核家族化の進展ですとか少子化に対応して、お墓の承継が不要な墓所を望まれる方へは合葬埋蔵施設を、死後は自然に返りたいというニーズに対しましては樹林墓地、樹木墓地を供給してまいります。
 今後も、都民のニーズに応えられますよう、墓所供給に取り組んでまいります。

○西沢委員 最近さまざまなニーズがありますけれども、答弁もあったように、今、都立の方でやっている樹木墓地とかがあります。ごらんになられた先生方もいらっしゃると思いますけれども、もちろんそういったやり方をしっかり対応していくということも重要だと思いますが、トレンド的なものに対応していくというのも重要なんですが、やはりこれから東京都が抱えていく少子化であったり、それから、今、答弁があったように核家族化で地縁、血縁、どうしても近隣含めて、関係、コミュニケーションが希薄になっている現状の中では、無縁墳墓の整理、それから合葬埋蔵施設というようなことのニーズが非常に高まってくるんじゃないかと思いますし、都の役割として、こうした対応が求められていくと思います。
 ぜひしっかり、こうした都の役割を担っていただきたいということを申し上げて、要望させていただきたいというように思います。
 今、この無縁墳墓の話なんかもありましたが、地縁、血縁が希薄になってきて、都心の中でさまざまな課題があるわけですが、こうしたことからもつながっていくホームレスの対策についてをお伺いしていきたいと思います。
 事業概要の六ページには、この路上生活者対策について書かれているわけでありますが、私は、オリンピックだからとか、外国人が来るから路上生活者を何とかしろみたいな議論というのは、非常によくないというように思います。
 しっかり腰を据えて取り組むべき課題であって、どこの誰とはいいませんけれども、かつて政治家の中でも、あんなものを見せられるかというようなことを口走った方もいらっしゃいます。ですので、この路上生活者への対策というのは、しっかりと進めていかなければいけないというように思います。
 かといって、この中で建設局の方に私がお伺いするのは、やはり東京都の施設をどういうふうに使っていくのか。東京都の施設--建設局は、道路であったり、公園であったり、河川であったりあるわけですけれども、当然、路上生活者の方々が、どうしてもということでそこにいらっしゃるというのは、今でも目にするところであります。
 かといって、出ていくなということで、ずっとそこにいることを放置するのか、それがいいのかといわれれば確かにそうでもない。だからといって強制的に何かするのか、いや、そうでもない。そういったことだと、そもそも建設局としてどういう基本的なスタンスで臨んでいくのか。
 建設局として、施設内にいる路上生活者、ホームレスの問題に対して基本的にどんなスタンスなのか、これをお伺いしたいと思います。

○鹿田総合調整担当部長 都民共有の財産であります道路、公園、河川の安全かつ快適な利用を確保することは、公共施設の管理者としての責務でございます。
 施設利用の適正化に向けて、ホームレスの方々の人権に配慮しながら福祉部門とも連携して対策を実施しております。

○西沢委員 都民の財産であるものですから、快適な利用の確保という答弁でありました。
 当然だと思いますけれども、快適な利用の確保のために人権をないがしろにしてはいけないということです。これも今、答弁にあったホームレスの人権に配慮しながら福祉部門と連携していくということです。これは極めて重要だということを申し上げておきたいというように思います。
 快適な利用の確保とそういう状況にいらっしゃる方というのを比較して、さっきもいったように、オリンピックだからとか、そういった理由で、快適な利用の確保なんだからということで虐げるようなこと、風潮も含めてあってはならないということを改めて申し上げておきたいというように思います。
 事業概要には、現在、四百三名路上生活者がいるというように書かれているわけでありますが、いつだったですかね、青島都政のときだったか、動く歩道のあたりとかたくさん--ああいった時期と比較すれば、それは減っているということがよくわかるんですが、五年前と比較した路上生活者の推移、その数字をちょっと確認しておきたいと思います。

○鹿田総合調整担当部長 平成二十五年一月と平成三十年一月とを比較しますと、平成二十五年の合計六百二十六人に対しまして平成三十年は四百三人と約三六%減少しています。
 これを施設別に見ますと、道路が二百二十四人に対しまして二百八人で約七%の減、公園が二百九十人に対しまして百三十九人で約五二%の減、河川が百十二人に対しまして五十六人で五〇%の減となっております。

○西沢委員 着実に路上生活者の数が減っているということがわかりました。
 路上生活者の方は居場所が固定されていないわけですから、いろいろ移動していると思うんですね。
 人数というのはどういうふうに把握しているのかというところ、この方法、路上生活者の把握をどのように行っているのかを確認したいと思います。

○鹿田総合調整担当部長 毎年、夏季と冬季の二回を基本といたしまして、道路、公園、河川などで、日中に職員が目視によりまして数を調べる調査を実施しております。

○西沢委員 この環境・建設委員会でも、さまざま今までも議論があったと思いますけれども、年二回だけ、しかも日中だけやっているということなんですよね。これで本当にこの数字でいいのかというのはちょっと不安だと思います。
 もちろん、これは報道にもありますけれども、昼間と夜間では路上生活者の数に乖離があると。昼の数と夜の数も違うと。夜になると人けがあったりなかったりとかありますから、夜になると、やっぱりそういった方々がいらっしゃるというようなこともあります。その逆も、場所によってもそういうことがあると思うんです。
 しっかりと対応するのであれば、夜間のホームレス対策というのも非常に重要なんじゃないかというように思いますが、見解をお伺いいたします。

○鹿田総合調整担当部長 夜間に滞留しやすい公共施設におきましては、重点的に夜間巡回を実施しております。
 具体的に申しますと、道路では代々木公園の周辺です。公園では代々木、上野、戸山の各公園。それから、河川では隅田川の千住汐入大橋付近から勝鬨橋付近までの間で重点的な夜間巡回を実施しております。

○西沢委員 夜間も巡回をされているという答弁ですが、もちろん公共施設であれば、巡回はしっかりとするものだと思います。私がいっているのは、日中というか、さっきの生活者の数の把握の方法について、巡回をしたときに数えているわけじゃなくて、数を数えるときはまた別にやっているわけですよね。なので、数を数えるときの対応はまたしっかりとしていただきたいということ。
 夜の対策は、巡回をしているという答弁がありましたが、夜巡回しても、これ、先ほどの話も同じです。福祉部門との連携というものが非常に重要になるというわけです。福祉部門であったりとか、夜やっているところ、やっていないところ、さまざまありますから、もちろん建設局さんが夜もしっかりやっていますということは非常に重要なことだと思うんですけれども、この連携というもの、施設管理者、各管理者がばらばらにやっていても効果が発揮されないというように思うわけであります。
 福祉、民間であったり、警察であったり、区であったり、市であったりとあると思うんですが、この公共施設の管理者間の連携、どのように取り組んでいるのかお伺いをいたします。

○鹿田総合調整担当部長 例えば、滞留者の多い代々木公園及びその周辺の道路では、公園管理者と道路管理者が地元警察署と連携いたしまして、大規模な清掃を実施しております。
 また、引き続き必要に応じまして、国や区の管理者とも連携して、ホームレス対策を講じてまいります。

○西沢委員 しっかりと連携していただきたいということを申し上げておきたいというように思います。
 都道においてなんですけれども、具体的に、この都議会議事堂を出てすぐ、三角ビルのところを右側に渡って新宿西口に行く道のところとか、たまに車とかタクシーで通って、やっぱりいろいろ段ボールだったりとか、物がすごく詰まっていたりとか、路上生活者の方を見かけることがあります。今でもそういった状況にあると思うんです。
 具体的にここはどんな対策をされているんでしょうか。

○杉崎道路管理部長 都は、道路管理者といたしまして、道路の適正な利用を確保するため、建設事務所が実施する日々の道路監察パトロール等の際に、道路に起居することがないよう、継続してホームレスの方々に指導、警告を行っております。
 また、歩道の大規模な清掃を実施いたしまして、是正指導とともに、テントの固定化の防止やごみの撤去など環境改善に努めているところでございます。

○西沢委員 今、大規模な清掃の話ですけれども、道路監察パトロールや歩道の大規模な清掃の頻度はどうなっているのかお伺いしたいと思います。

○杉崎道路管理部長 日々の道路監察パトロールにつきましては、都道全線において、各路線ごとに週一回を標準として、定期的に巡回をしております。
 また、歩道の大規模な清掃は、例えば、お話の都庁周辺の都道におきましては、平成二十九年度は四回、本年度はこれまでに三回実施をしております。

○西沢委員 これら今までの質疑を総合すると、数の把握というのは年二回という話でしたけれども、もちろん夜も見ていますよ、それから週一回ないし巡回もしていますよと。道路に至っては、これも週一回はちゃんと巡回もしているし、平成二十九年は四回、ことしは既に三回、大規模な清掃もやっていますよというような話だった。そのときには福祉部門との連携であったり、区市との連携もしていくというようなことだと思うんですよね。
 そうすると、要するに、道路から別の道路に移動させるだけでは抜本的な解決には当然つながらないというようなことであります。福祉部門との連携というものがやはり大事。数は減ってきていると、今まで答弁の中で、これまでこういった対応もしているということであれば、みずから望んでそういった生活を好んでしているという方もいらっしゃいますし、福祉の力をかりたくないであったりだとか、施設にも行きたくないよ、相談もしたくないよというような方々が、いってみれば固定して定着をされているという方も当然いらっしゃるというようなことだと思います。
 改めて、こういった道路管理者と福祉との連携について、具体的な取り組みがあればお伺いをしたいというように思います。

○杉崎道路管理部長 道路監察パトロールの際には、ホームレスの方々に自立支援事業を所管する区の窓口を紹介するとともに、大規模な清掃の際などは、区の福祉担当職員が同行し自立支援を促すなど、福祉と連携した取り組みを継続的に行っております。
 今後とも、ホームレスの方々の自立に向けた福祉施策と一層の連携を図りながら、道路の適正な管理に努めてまいります。

○西沢委員 これ以上になると福祉保健局とか、そういった別のところになると思いますが、少なくとも建設局は、ぜひ、公共施設の安全かつ快適な利用確保のために努力をしていただきたいということを申し上げたいというように思います。
 続いて、地元の連続立体交差事業について何点か確認をさせていただきたいというように思います。
 地元中野区では、西武新宿線の連続立体事業、あかずの踏切対策をしているところであります。現在事業中の中井駅から野方駅間では、新井薬師前駅、それから沼袋駅の仮改札ができてきているということでありますが、駅を中心に工事の進捗が目に見えるようになってきているところであります。
 地元の住民の方々の悲願である踏切の解消、それから地域が踏切によって分断されているというような状況の解消を切に願っているところであります。
 ただ、この連続立体交差事業というのは地下化なので、上の方は見れば変わってきているなとか、工事やっているなとかいうのはわかるわけでありますが、地下はこれからやっていくんだと思いますけれども、なかなかどういうふうに進んでいくのかというのはよくわからないと。地下になるんでしょうというのは結構知っている方が多いんですけれども、地下をどうやって掘っているの、どこまでやっているのということで、なかなか進捗をよくわかっていないという方もいらっしゃいます。
 そういったことを踏まえて、現在の進捗状況をお伺いしたいと思います。

○奥山道路建設部長 西武新宿線中井駅から野方駅間の連続立体交差事業の進捗状況としましては、用地につきましては、現在、約八割を取得しております。
 また、工事につきましては、現在、駅部を中心に進めておりまして、地下化工事に支障となる駅施設を移設しながら、仮設土どめ工や掘削工などを実施しております。

○西沢委員 進捗をお伺いしました。
 ぜひ進めていただきたいと思いますが、先ほどもいいましたように、この連続立体交差事業は地下式ということです。
 特に沼袋駅周辺では、地盤沈下を心配している方もいらっしゃいます。地名のとおり沼袋という名前は、沼という名前のとおり、地盤が余りよくないなんていう話を地元の方で特に心配されている方がいます。私のところにもさまざまな相談をいただくこともありますが、沼袋駅周辺の地盤沈下が発生しないように、特にどのように工事を進めていくのかお伺いをしたいと思います。

○奥山道路建設部長 沼袋駅では、既設の線路を仮受けしながら、地上から掘削する開削工法により工事を行っております。
 一般的に、開削工事による地盤変形は、土どめ壁の変形や掘削時の湧水による地下水位の低下等により発生すると考えられます。
 そのため、開削工事に当たりましては、入念な施工管理を行いながら、剛性が高く、止水性が確保できる土どめ壁を不透水層まで施工するなど、地盤変形が生じないよう安全に工事を進めてまいります。

○西沢委員 しっかりと安全管理を徹底して工事を進めていただきたいということをお願いしたいと思います。
 次に、この連続立体交差事業とあわせて、駅周辺まちづくりについてであります。
 駅が変わりますから、踏切がなくなりますから、この連続立体交差事業とあわせて、中野区が駅周辺でまちづくりの取り組みを進めるということであります。
 地域住民の皆様方と中野区と東京都、それから西武鉄道が入るわけでありますが、基本的に地域の方に聞いても、これは区とやっていて、中野区の方でこうだからみたいな話なんかもありますし、東京都に聞くと、当然、これはもう地元ですから、基礎自治体の方でやってもらうという話になりますよね。基礎自治体に聞くと、いや、これはもう地域の住民の方々がやりますのでという形で、たらい回しとはいわないですけれども、たらい回し的なことが何回かあります。
 そうした中で、中野区と東京都、それから地域の方がしっかりとした取り組みを、ぜひ東京都にサポートしていただきたいと思いますが、この駅周辺のまちづくりの取り組みの状況についてお伺いをいたします。

○奥山道路建設部長 中野区では、連続立体交差事業とあわせ、平成二十七年から補助第二二〇号線の整備に、平成二十九年から新井薬師前駅と沼袋駅の交通広場整備にそれぞれ着手し、現在、用地取得を進めております。
 引き続き、中野区が進めるまちづくりと連携しながら、連続立体交差事業の推進に積極的に取り組んでまいります。

○西沢委員 ぜひご協力いただきますようお願い申し上げます。
 中井から野方駅までの事業を今お話をさせていただいたわけですが、最後に、さらにそこから西側、野方以西といいますけれども、西側の井荻駅間についてであります。
 地元の悲願の杉並区の方に行くところでもありますが、西武新宿線の踏切渋滞解消促進期成同盟という形で、まさに四十年以上前から決起大会などを行ってきて、鉄道の立体化を望んできたわけであります。
 これ、野方までで終わっちゃうのかというような心配をする声もありますが、野方より西側の方の連続立体交差事業の取り組み状況はどうなっているのかお伺いいたします。

○奥山道路建設部長 西武新宿線の野方駅から井荻駅間には、あかずの踏切が十四カ所あり、連続立体交差事業による踏切解消が必要であることから、都は、平成二十八年三月、本区間を社会資本総合整備計画に位置づけました。
 連続立体交差事業の効果を高めるためには、本事業とあわせて、地元区による駅前広場などのまちづくりに取り組むことが重要であり、現在、駅周辺のまちづくりについて検討を進めております。
 今後とも、鉄道立体化について構造形式や施工方法等の検討を進め、地元区や鉄道事業者と連携しながら、事業化に向けて取り組んでまいります。

○西沢委員 社会資本総合整備計画に位置づけられました。位置づけられたはいいけれども、事業化がまだ進んでいないということであります。
 計画にはなったけれども、結局、絵に描いた餅だったということではなく、ぜひ事業化に向けてしっかりと取り組んでいただきたいということを申し上げて、質問を終わらせていただきます。

○やながせ委員 私からは、まずパンダについて、それから文化財庭園、そして暑さ対策、それから特別就労対策事業という順で話をしていきたいと思いますけれども、重複しているところもありますので、そこは大きくはしょって、端的に質問をしていきたいというふうに思っています。
 上野公園のトイレ、さっき上野さんから話がありましたけど、汚いですね、やっぱり。私、三カ所見たんですけど、多分ごみ捨て場が近くにないからなのか、トイレにごみが捨てられているという状況がございました。
 これ、なかなか難しい問題だと思うんですけれども、やっぱり巡回頻度をふやしていただくということしかないのかなというふうに思いますので、ぜひご検討いただきたいというふうに思います。
 パンダの話なんですけれども、平さんから、るるお話ございました。これ、しっかりと交渉していただきたいというふうに思います。
 二〇二〇年に協定を改定するということでございますので、これから交渉していくということだと思いますけれども、私がお願いをしたいのは、やっぱり日本で生まれたパンダは日本籍にするという交渉をしていただきたいというふうに考えますけれども、端的にお伺いしたいと思います。

○日浦公園緑地部長 繁殖した子も含め、ジャイアントパンダの所有権を中国が保有したまま貸与するということが中国の方針でございます。パンダの保護に取り組む各国とも同様の仕組みでございます。
 この仕組みは、ジャイアントパンダの継続した繁殖、そして、これに伴う飼育繁殖技術の蓄積によりまして、種の保存をも図ることを目的としたものでございます。

○やながせ委員 おっしゃっているとおりだと思うんですけど、やっぱり何かいわないと始まらないというところで、多分、交渉する前から交渉しようという意思が感じられないというふうに思うんですね。もちろん中国が譲るかどうか、多分譲らないと思いますけど、でも、こちらから要請をしていかなければ何も始まらないし、動かないのかなというふうに思いますので、最初から諦めるのではなくて、この改定に向けては、しっかりと交渉していただきたいというふうに思います。
 この協定書によると、二条の一項で、繁殖した子は、満二十四カ月齢時に返還をするということで、その返還時期については協議をするということになっているわけであります。
 これは速やかに協議を開始していただいて、その結果がわかったら、ぜひ都民の皆さんに早く告知をしていただきたいというふうに思いますけれども、この点をお伺いしたいと思います。

○日浦公園緑地部長 シャンシャンの返還の協議の開始時期等につきましては、現在検討しているところでございます。
 また、結果が出たら早期に告知というお話でございましたけれども、適宜適切に対応してまいります。

○やながせ委員 何でこの話をするのかというと、先々週ですか、その前の週か、シャンシャンを見に行ってきたんですが、これはすごい人気ですね。私が行ったときに百五十分待ちということでありました。私も帰ろうかなというふうに思いましたけど、並びました。結果としては二時間後ぐらいにシャンシャンを見ることができた。ただ、私が見るころには、列はもっと延びていて百八十分待ちということでありました。
 その間に何が起こったかというと、私の前に並んでいた方は五人家族で、小さなお子さん三人連れで、お父さんとお母さんで来ていた。お父さんは腰が悪いんですよ。だから、俺は腰が痛いんだと、並んでいられないということで、大体一時間後ぐらいからもめ始めて、お母さんがちょっとそれにキレて、あんたぶつぶつうるさいといって、お父さんは逆ギレして、子供は何か悲しそうになっていると。結果として、お父さんが帰ってしまった。もう俺、帰るよといって、あんたなんか帰りなさいみたいなことで帰ってしまったわけですね。子供はしょんぼりしているというような状況がありました。
 じゃ、私の隣に並んでいた方はどういう方かというと、七十代くらいのおばあちゃんです。ずっとすごい姿勢よく立って、一歩ずつ前に前に行かれていました。でも、七十代の方ですから、かなり大変だったんだろうなと。これは日本人の美徳といえば美徳なのかもしれませんけれども、ご高齢の方に二時間も待たせてしまった。
 それで、私の後ろに並んでいたのは若い夫婦の方で、もっと小さなお子さん、幼稚園に入るか入らないかぐらいのお子さんがいて、子供が立ってもいられないし、遊んでもいられないということで寝てしまって、お母さんがずっとだっこしていたということでありました。
 そういう状況で二時間進んでいって、シャンシャンを見られたのは二分程度という状況があったということです。
 待ち時間の資料をいただいて見てみると、六月には最大二百四十分ということで、四時間にも及ぶ待ち時間、平均百三十分ということがあったようであります。また、十一月になってからシャンシャンのひとり立ちということが告知されて、またふえ始めているということもあるようですけれども、私はこれを見て、やっぱりこれだけ待たせるのはどうなのかというふうに思ったわけであります。
 かつては抽せん制度だったんです。その後に整理券方式になったと。そこから先着順になったということでありますけれども、この先着順に変更した理由をお伺いしたいというふうに思います。

○日浦公園緑地部長 一般公開をしたのが、昨年、二九年の十二月十九日でございますけれども、先生が先ほどおっしゃられたように、まずは最初、時間も短いということからインターネット等による事前抽せん方式、それから、観覧時間の延長ということで、より多くの方に見ていただきたいということで整理券方式ということですが、本年の六月五日から、今度は整理券から先着順に変更したと。
 その理由ということなんですが、二月から整理券方式を実施しましたけれども、四月の末の時点で、整理券を受け取っても観覧をしないという方の割合が二割から三割ということで、この使われていない観覧の枠を有効活用して、より多くの方に観覧いただきたいということで先着順といたしました。
 また、整理券方式では、開園前からかなり列をなしまして、数千人規模の待機列が形成され、整理券を取得するために長時間の待ち時間が生じたほか、繁忙期には整理券の配布が一時間程度で終了してしまうといった事態の中で、朝早く来園できない方にも配慮する必要があったということが理由でございます。

○やながせ委員 整理券方式にも一長一短があるなというところはよくわかりました。ただ、これは工夫の余地が非常にあるのかなというふうに思います。
 先ほど申し上げましたけれども、シャンシャンが帰ってしまうよということになれば、やっぱり、皆さん最後に見ておきたいということで、なぜ早く告知をしてほしいかといったら、できるだけ最後に見たいという機会を平たん化していかないと、最後にうわっと人が集まって、この前のTDLのように十一時間待ちというようなことになってしまうということがあったら、これは大変申しわけないことなので、できるだけ早く告知をしていただきたいということもそうですし、また、日ごろ先着順で並ぶということについては、ぜひこれは検討いただきたいというふうに思います。
 ロンドン動物園は、ファストトラック方式を採用しています。ファストパスですね。並ぶ方もいれば、先着順の方で先に行けるよということもしている併用型。フロリダのアニマルキングダムも同じようにファストパス方式を採用しておるということであります。
 また、その整理券の配り方なんかも、最新のさまざまなテクノロジーを、テクノロジーというほどのものではないですけれども、ITを利用していただければ、整理券の配布方法ということももっとコストを安くすることができるのではないかというふうに思いますので、私は、先着順に並ばせるということではなくて、抽せんもしくは整理券方式ということに変更をお願いしたいと要望は申しておきますけれども、ぜひ検討いただきたいというふうに思います。
 これに関しては、疾病、負傷等により長時間列に並ぶことが難しい方への対応として、七月十四日から、観覧待ち時間が六十分以上の場合には、待ち時間を列に並ばず別の場所でお待ちいただく対応ということをされています。これは配慮されているんだなというふうに思いますけれども、ただ、これを利用される方というのはなかなかいらっしゃらないんですね。
 ですから、私の隣に立っていらっしゃった方も何もいわずに、ずっと黙々と立っていらっしゃいました。また、もうちょっとお年を召されているのかなという方も何もいいませんよ。
 やっぱり自分から別のところで待機させてくれというのはなかなかいいづらいという国民性を考えたときに、列を進行させる係員の方がいらっしゃいましたから、場合によっては、こういった方から積極的に声をかけるとか、そういった対応をお願いしたいなというふうに思います。
 ぜひ、いろんなやり方があるので、これは研究していただきたいということをお願い申し上げたいと思います。
 もう一つ提案としては、シャンシャンの観覧方法なんですけれども、より多くの人が見られるように--今、入ると一列なんですね。前列と後列、二列あるじゃないですか。去年、環境・建設委員会の皆さんは行かれましたので、行かれた方もいらっしゃると思うんですけど、二列あるんですよ。でも、一列しか使っていないんです。
 これが改善されると、後列も使うと、観覧者数は大きくふえて待ち時間も減らすことができるのではないかというふうに思いますけれども、観覧者数をふやすための工夫について検討しているのかどうか、この点について伺いたいと思います。

○日浦公園緑地部長 先ほど、七月十四日から、疾病等の方に対しては別の場所でということでございますけれども、実績としては、十月で二百七十四件で、一千人の対応を行ったということですが、まだまだちょっと対応が不十分なところもございますので、これに関しましては、おっしゃられるように、積極的な声かけ等で対応していきたいなと思います。
 それからまた、今、委員ご指摘の一列での誘導ということでございますけれども、これも非常に混雑したときに二列を試行してみた結果、どうしてもやっぱり前で写真を撮りたいということで、結果としてはやっぱり時間が長くなると、そういうようなことでしたので、また一列に戻して、一列での観覧を継続していくということでございます。

○やながせ委員 ありがとうございます。
 そこで、私は、この質疑をするよということで、多くの方からご意見をいただいておりますので、ちょっとそれだけ紹介をさせていただきたいというふうに思います。
 何件かあります。
 現状では、長い時間我慢できる大人ばかりが見られて、小さいお子さんや遠足の子供たちは見られない、これはどうかと。
 それから、パンダの前まで来ると細く一列になって、ゆっくり進みながら観覧しなければならず、例えるならば、砂時計がちょろちょろと下に落ちていくような感じで、どばっといるお客さんを先っぽだけちょろちょろ流すようにしているため、異常な待ち時間となっておると。あの並ばせ方こそが混雑の原因で、そこを改善しなければいけないのではないでしょうか。
 一列での観覧のため進みがとても悪く、一人でも立ちどまって列をとめてしまうと、たちまち列が延びてしまいます。また、来園者のストレスは相当なもので、毎日のように来園者トラブルが起きています。かなりヘビーユーザーの方だと思うんですけどね。
 真夏は四十度近い気温の中で、毎日のように熱中症でダウンする方を見てきました。もちろん動物園は日よけや冷風機を設置するなど対策はしてくれましたが、残念ながら焼け石に水でした。
 今でも、細い一列の観覧よりは二十から三十人程度の入れかえ制にすべきではないでしょうか。ブロックでの入れかえ制の復活を今でもたくさんのお客さんが園に要望を出しているのですが、改善される気配はありません。
 また、パンダ舎は前列と後列で見られるスペースがあり、シャンシャン以前は、ゆっくり見たい人は後ろの列、時間が短くても近くから見たい人は前の列というやり方でした。そのため、パンダ舎に行くと観覧スペースはたくさん余裕があるのに、何で細く一列でしか見られないのか、スペースをいっぱい使えばお客さんの待ち時間は半減するのにという意見が出ています。
 こういったさまざまなご意見が寄せられていますので、ぜひ検討いただきたいというふうに思います。
 パンダ舎は建てかえを考えておるというふうに聞きました。昭和六十二年に完成してからもう三十年以上が経過して、老朽化しておるということで、今のパンダ舎が多くの観覧者を想定していない施設であるという点が課題ではないかなというふうに私は考えています。
 現在、西園で新しいパンダ舎の整備を進めようとしているというふうに聞いておりますけれども、このような長い行列が生じないようにどのような工夫をされているのか、この点についての見解を伺いたいと思います。

○日浦公園緑地部長 長い待機列の対策ということでございましたけれども、こちらの園、それから局、部、いろいろとさまざまなご意見は頂戴しております。
 そういった中で、可能な限り並んでいる方の負荷の軽減を図るということで、ことしは本当に暑い夏でしたけれども、夏の暑さ対策として、テントを張ったりですとか、ミストを出したりだとか、さまざまに工夫を凝らしながら、並ばれている方の負担の軽減ということに努めさせていただいているところでございます。
 ゴールデンウイーク、また集中されるようなときには、できる限り待たせないような、より多くの方が観覧できる工夫というのを、対策を検討してまいりたいと思っております。
 それから、今度新しく、不忍池の方の西園に新たに整備するパンダ舎につきましては、より多くの方々に同時にパンダを見ていただけるよう、パンダの展示エリアを広くするとともに、観覧通路の距離も長くとるという予定でございます。

○やながせ委員 ありがとうございます。新しいパースを見ておりますけれども、できるだけ多くの人が、多くの場所から見られるような形にすれば、これは緩和されるのかなというふうに思いますので、ぜひご検討いただきたいと思います。
 また、今おっしゃっていただいたように、土日だけなのか、またシャンシャンが帰っちゃうといったときだけなのかわかりませんけれども、そのときだけは抽せんにするとか、そういったことをご検討いただきたいということを申し上げておきたいと思います。
 本来、上野動物園は楽しい場所であるはずなんですけれども、残念ながら三時間待つと不幸になってしまうということでありまして、これは私たちの望むところではありませんから、ぜひ積極的な検討をお願い申し上げたいというふうに思います。
 続いて、文化財庭園の話に移りたいというふうに思います。
 私、去年は上野動物園を事務事業質疑でやらせていただきましたけれども、この文化財庭園の入園者数、これはすごいですね。私、ちょっと去年気づかなかったんですけれども、入園者数の伸びというのは、恐るべき伸びを示しておるということで、改めてちょっと紹介しますと、平成二十五年には文化財庭園九園で二百四十万人であったというところが、平成二十九年の実績として三百四十万人ということで、五年で百万人増という恐るべき伸びを示しているなというふうに感じるところであります。
 その原因として、インバウンドということで、外国から来られた方の来園者がこれに大きく寄与しているのかなというふうには思ったんですけれども、これもデータを出していただきましたが、この四年間で二十万人の伸びということなんですね--五年で百万人伸びていると。ちょっとデータの関係で四年間なんですけれども、四年間で二十万ということですから、これは外国人以外の方もかなり多く訪れているんだなというふうに私は感じるわけであります。
 五年の増加傾向、この推移について、都としてどのように分析をされているのか、この点についてお伺いしておきたいと思います。

○日浦公園緑地部長 都立庭園の来園者数は、国内外から東京を訪れる旅行者の増加により、都立庭園全体で増加しております。
 平成二十九年度におけます全都立庭園の来園者数の合計は約三百三十六万人と、平成二十五年度から約一・四倍でございます。特に、五年間で六義園、小石川後楽園などは大きく増加しておりまして、その要因は桜花期などが考えられます。
 なお、平成二十九年度におきます全都立庭園の外国人来園者数の合計というのは、先生ご指摘のように四十二万人でございまして、二十六年度の二十万人に比べると二・一倍になったということでございます。

○やながせ委員 ありがとうございます。今おっしゃったのは、各園がどれだけふえたのかとこういうことをおっしゃっていて、理由としては、東京を訪れる旅行者がふえたと。また、外国人の方がふえたということをおっしゃったということだと思います。
 ちょっと別の観点から聞きますけれども、文化財庭園では、入園者数を増加させるためにどのような努力をしてきたのか、この点についてお伺いしたいと思います。

○日浦公園緑地部長 近隣駅やホテルなどにポスターを掲出するとともに、SNSを活用いたしまして積極的に情報発信するなど、PRに取り組んでおります。
 また、都立庭園の文化財としての価値を適切に保存しつつ、紅葉めぐり、スタンプラリーなど季節に応じたイベントの実施や、雪つりなどの伝統技能見学会を開催するなど、それぞれの都立庭園の魅力を生かした取り組みを行っております。

○やながせ委員 ポスターを掲出したよと、SNSをやったよということだというふうに思いますけれども、ちょっとこれ若干意地悪な質問かもしれないんですけど、じゃ、それだけいろんなメニューがあったという中で、どれが効果的だったのか、そういった分析はされているのかということをお伺いしたいというふうに思います。

○日浦公園緑地部長 端的に申し上げますと、本当に複合的な我々の、我々というか、努力、いろいろさまざまな取り組みによって伸びたということなので、その中で、何がどう貢献してこの数字、大きな伸びになったかというような、お示しできるような調査なり分析というものはございません。

○やながせ委員 ちょっと意地が悪かったかもしれないんですけど、ぜひ検証していただきたいというふうに思うんですね。
 ポスターがいいのかSNSがいいのか、何がいいのかということは、これからどうやってPR活動をさらに発展させていくのかということにつなげていく上で、当然その効果検証をしなければ、次のプランを立てられないわけです。
 さきの都がこの五年の増加傾向をどう分析しているのかということでありますけれども、おっしゃったのは二つだけであって、たくさん東京に人が来ているからなんだ、外国人がふえたからなんだということだけであります。これはちょっと残念ながら分析とはなかなかいえないのかなというふうに思います。
 ですから、私がお願いしたいのは、少なくとも来園している方のプロフィールをしっかりと検証するということが必要だというふうに考えます。簡単にいえば、男性なのか女性なのか、高齢者なのか若い方なのか、またそれは都民なのか都外の方なのか、それは埼玉県民なのか神奈川県民なのか、遠くからが多いのか、あと時間帯ですよね。
 こういったことをしっかりと分析していただいて、調査をしていかなければ、これは今、自然増ということで伸びているのかもしれませんけれども、せっかくの機会ですから、できるだけ多くの方に見ていただきたいという思いがあるのであれば、そういった分析の上にさまざまな活動が成り立つのかなというふうに思いますので、これはぜひ検証していただきたいというふうに思います。
 文化財庭園の入園者、年々増加傾向ということでありますけれども、これちょっと一回聞きたかったんですけど、適正な入園者数というものがあるのかどうか、これをお聞きしたいと思うんです。
 例えば文化財保護の観点から、庭園ですから、これがすごい数の人が来ると破損してしまうと、老朽化というか傷んでしまうといった観点から、適正な入園者数というものがあるのかどうか、これをお伺いしたいというふうに思います。

○日浦公園緑地部長 先ほどの委員のご指摘の中で、自然増でふえている、観光客もふえているからふえているということで、我々としては、その辺の入園者の属性に関する分析はしていないということなんですけれども、やはりイベントを打つにしても、イベントをやって参加者にいろいろな意見を聞き、そういうのを次のイベントに生かすだとか、そういう努力はしているという中の結果だというふうに我々は思っております。
 もちろん、PRなんかでふえた部分がどのぐらい寄与しているかというような分析なんかは、詳細にはしていないところはありますけど、本当に不十分だということは認めますけれども、都立庭園として価値を適切に保存するという中で、我々も努力し、それが受け入れられている、それがまた広がっている、その結果、入園者数はふえている、こういうように我々は思っております。
 先ほどの適正な入園者数というところですけれども、庭園の一部において、花の見ごろの時期にはそこに集中して混雑な状態が見られるというようなことは生じていますが、適正な入園者数というものは算出しておりません。
 来園者が、おのおのの文化財が持つ魅力を十分に鑑賞できるというように庭園の状態を維持していくことが重要であるというふうには思っております。

○やながせ委員 ありがとうございます。
 そうすると、一つだけ提案したいのは、少なくとも認知経路だけでも把握されたらいいのかなというふうに思います。それがポスターを見て来たんですか、それともSNSを見て来たんですかということです。これは最低限のことだというふうに私は思いますけれども、少なくともどういった認知で来られたのかということ、これをしっかりと把握をされた方がよろしいだろうということ、これは提案しておきたいというふうに思います。
 適正な入園者数はないということでありました。
 基本的なスタンスをお伺いしたいんですけれども、都としては、できるだけ多くの人にこの文化財庭園を見ていただきたいというスタンスであるということで間違いないんでしょうか。

○日浦公園緑地部長 都立庭園の文化財としての価値を次世代へ継承していくということが重要なことだと思っております。
 個々の文化財庭園が持つ価値の保全を図りつつ、多くの方に見ていただきたいと考えております。

○やながせ委員 ありがとうございます。
 その上で、来園者数の目標の設定についてお伺いをしたいというふうに思いますけれども、来園者数の目標というものをどのように設定しているのかをお伺いしたいと思います。

○日浦公園緑地部長 来園者数というものにつきましては、経営目標として設定した来園者数というのがございまして、その設定に当たりましては、直近三カ年の平均に対して、その団体としての経営努力ですとか来園者動向などを加味して設定をしたということでございます。
 ちなみに、二十九年度、公園協会の経営目標として掲げた来園者数でございますけれども、過去の実績をもとに経営努力ということで、十万人加えて三百二十五万人を目標に設定したということでございます。

○やながせ委員 この平成二十九年度の経営目標としては三百二十五万人というのを目標値として掲げておるということはわかりましたけれども、これ毎年、この目標数値というのは設定をしているのかどうなのかということ、これを聞いておきたいというふうに思います。

○日浦公園緑地部長 経営目標の目標値としての来園者数ということにつきましては毎年の設定ではございません。
 二十七年度、二十八年度につきましては、浜離宮の来園者数を経営目標としては設定してまいりました。

○やながせ委員 ありがとうございます。毎年、入園者数の目標というのは設定されていないということであります。二十七、二十八に関しては、浜離宮に関してはチャレンジ目標ということで七十五万人、八十万人というのは設定されたけれども、その二年間に関しては、ほかの庭園、八庭園とトータルの目標というものはなかったということであります。
 ぜひこれは毎年目標を設定していただきたいというふうに思います。
 これ、去年、上野動物園の目標設定について議論させていただいておりまして、実は上野動物園も二十七年度には目標設定したことがあると。けれども、二十八年とか二十六年とかは目標設定していないと。二十五年までの間も、実は来園者数の目標を設定したこともないということで、なぜ目標数値をつくってこなかったのかということに対して、日浦部長は、天候に影響されるからなんだというような、ごにょごにょとしたやりとりがあって、最終的に日浦部長が、上野動物園の入園者数などは具体的に目標を定め、達成に取り組んでいくと、目標をしっかりとこれからつくっていくんだという答弁を昨年いただいたところであります。
 それの文化財庭園バージョンというふうに考えていただければいいわけでありますけれども、文化財庭園についても毎年目標数値を設定することが大事であるというふうに思いますけれども、見解を伺いたいというふうに思います。

○日浦公園緑地部長 団体みずから経営に関する目標として具体的な数値を掲げると。それが入園者数というものを見える化する形で、その目標に向かって努力し、それで達成を検証していくというような、経営改善を図る上では重要な取り組みであると思います。
 これまでもそういうことで浜離宮恩賜庭園での経営目標としての入園者数というものは設定されてきたということでございますけれども、監理団体個々の経営的な指標を何に求めるかということはさまざまあるかと思いますけれども、入園者数というものは大変大きな意味を持つものと思いますので、今後検討していきたいと思っております。

○やながせ委員 ありがとうございます。これは監理団体の経営評価というものに何を設定するのかということとは、私は別の話だろうというふうに思っています。ですから、監理団体の経営評価に当たって五項目をつくっているわけですけれども、これが毎年変わっていくというのは、私はあり得るというふうに思います。
 少なくとも各園で毎年入園者数の目標をつくっていないというのは、これはおかしなことだというふうに思いますので、ぜひ上野動物園と同様にこれをつくっていただきたいというふうに思います。
 目標があって初めて、じゃ、何が足りなかったのか、もっと工夫しようよ、顧客満足度を上げるためにはどうしたらいいのかということを考える契機になるということだと思います。これがなければ、やっぱり革新も何も生まれないということだと思いますので、ぜひこれは検討していただきたいというふうにお願い申し上げたいと思います。
 目標数値の設定の仕方に関しては、ちなみに二十五年度と二十六年度は、庭園の入園者を一月から十二月ということで設定されていた。ところが、二十九年度に関しては、四月から三月という年度区切りでやっていたということであります。
 これは、三月と四月の年度またぎで桜の開花シーズンがおくれることによって大きく変動してしまうというようなことがあるようですので、二十九年度の年度ごとの入園者数の目標数値の設定ではなくて、一月から十二月という目標数値の設定の方が望ましいのではないかなというふうに思いますので、ぜひそうしていただきたいということ、これを申し上げておきたいというふうに思います。
 これだけ来園者がふえておるということでございますので、夜間経済の活性化、これ毎回、私、質問させていただいているわけでありますけれども、ぜひそういった観点からも、文化財庭園における開園時間の延長を要望したいというふうに思いますけれども、見解を伺います。

○日浦公園緑地部長 これまでも、桜花期やゴールデンウイークなどの繁忙期には、全都立庭園におきまして開園時間を一時間延長しております。また、六義園や旧古河庭園などにおきましては、桜やバラなど、季節に応じてライトアップを行いまして、開園時間を四時間延長しております。
 開園時間の延長につきましては、文化財庭園の価値の保全に配慮しつつ、外国人来園者の動向なども踏まえまして検討してまいります。

○やながせ委員 ありがとうございます。都も何もやっていないということではなくて、そういったイベントがあるとき、桜の見ごろのときであったりとか、そういったときに関してはやっておるよということでありました。
 ただ、全国のほかの庭園を見てみると、やっぱりかなり工夫をされていて、夏の間は六時まで、四月から九月末までは九時から六時と、また十月から三月にかけては五時までと、これは広島の縮景園というかなりメジャーな庭園でありますけれども、ほかにも六時までやっているというところは、私の見た範囲では多々ございました。
 ですから、ちょっとずつではありますけれども、それが来園者増にも確実につながると思いますし、夜間経済の活性化といったことにも寄与するということは、私は確信をしておりますので、ぜひこの点についてはご検討いただきたいというふうに思います。
 これはいつも申し上げていることなんですけれども、小池知事は、二〇二〇年度には都内総生産百二十兆円という野心的な目標を掲げているわけであります。これどうするんだということについては、残念ながらなかなか出てこないわけでありますけれども、二〇一四年には九十五兆円ということで、百二十兆円ってかなり大きな目標なんですね。
 私たちがずっと提案してきたのは、これはインバウンドだろうと、当然そうなんですけれども。かつ猪瀬さんが注力していた夜間経済、都市の二十四時間化ということ、夜に人を動かすということが消費につながっていくということから、この夜間経済の活性化というのは非常に都政にとっても大きな観点なんだろうなというふうに思います。
 これはどこかがやればいいということではなくて、やっぱり全庁挙げて取り組んでいく課題というふうに考えておりますので、そういった観点から、建設局におかれましても、上野動物園については、去年かなりいろんな議論をさせていただきました。上野動物園、上野公園を含め、文化財庭園というのは極めて重要なコンテンツであるというふうに思いますので、ぜひ検討をお願いしたいというふうに思います。
 続いて、遮熱性舗装、暑さ対策についてに移りたいというふうに思いますけれども、この暑さ対策について、遮熱性舗装を都は行っておるということでありますけれども、この整備効果についてお伺いしたいと思います。

○加藤道路保全担当部長 遮熱性舗装は、太陽光を反射する塗料を路面に塗布することで舗装への蓄熱を防ぎ、路面温度の上昇を最大で八度C程度抑制するものでございます。

○やながせ委員 これは端的に確認しておきたいだけですので聞きますけど、今のお話のとおり、遮熱性舗装すると路面温度の上昇を最大八度も抑制することができるんだということで、何だか効果がありそうだなというふうに思うわけでありますけれども、ぜひお聞かせいただきたいのは、東京大会までに都道百三十六キロをやるという目標を掲げています。
 これは、遮熱と保水ということで整備するんだという目標を掲げているわけでありますけれども、これが都の暑さ対策の中でどれだけの位置づけを担うのかということです。どれだけヒートアイランド対策に寄与するのか。もっと平たくいうと、これがどれだけ都民が涼しくなったなというふうに感じることにつながっていくのかという位置づけについてお伺いをしたいというふうに思います。

○加藤道路保全担当部長 道路の舗装など地表面の被覆の人工化というものがヒートアイランド現象の原因の一つというふうに考えていることでございますので、そういったことで、道路面温度の上昇を抑制する機能を有する遮熱性舗装の整備等を行うことで、ヒートアイランド対策の一環として貢献しているものだというふうに考えてございます。

○やながせ委員 それはわかるんですけど、ただ、それがどれくらいのインパクトがあるのかということなんですね。なかなか出すのは難しいというのはわかるんですけど、だから、私は、暑さ対策という事業はなかなか評価が難しいなというふうに思っているんです。
 もちろん、学校の教室にエアコンをつけようとか、体育館にエアコンをつけようとか、そういった限られたところをちゃんと涼しくするというのは効果が目に見えてあらわれるわけでありますけれども、じゃ、この百三十六キロの都道を遮熱性にすることによって、都民の実感として、ヒートアイランド対策トータルの中でどれだけ本当に影響を与えることができるのかということは、なかなかわからないということであります。
 とすると、やれることは何でもやろうという精神論だけで突き進んでいくと、どれだけお金があっても足りないんですね。じゃあ、もっと涼しくするためにスプリンクラーをつけて、夏場はずっと水を出しっ放しにしようよというアイデアもあるかもしれません。でも、それはちょっとコストかかり過ぎだよねと。でも、その費用対効果がどれだけあるのかというその物差しがなかなか難しいなというふうに思っています。
 この遮熱性の場合には、普通の道路舗装に比べて一・四倍のコストがかかるということであります。この事業を二〇二〇年以降も継続していくのかどうかということはまだわかりませんけれども、私は、ぱっと見これは、直感的には暑さ対策の中でも効果の高い事業なのではないかなというふうに思いますけれども、ただ、エビデンスが何もないというのであっては、やっぱりそれは都民に対して説明をすることができないというふうに思うんです。
 ですから、建設局におかれましては、遮熱、保水の舗装が暑さ対策の中でどれだけ影響するのか。なかなか出しにくいところではありますけれども、さまざまな検証が私はできるというふうに思います。外部有識者にそれを依頼して、そこまではやっていないということを聞きました。
 ですので、この事業の妥当性、正当性といったことをしっかりと都民に説明する上でも、そういった検証をしていただきたいと、これは要望しておきたいというふうに思います。
 最後に、特別就労対策事業についてお伺いします。
 先日、AbemaTVほかのマスコミで取り上げられましたけれども、特別就労対策事業を建設局は行っておるということであります。これはどのような事業なのか、まず概要をお伺いしたいと思います。

○加藤道路保全担当部長 特別就労対策事業は、日雇い求人が減少する時期に山谷地区等の日雇い労働者の就労機会を確保するために、昭和四十七年から実施してきております。除草、清掃等の公共事業を発注いたしまして、受託会社が日雇い労働者を作業員として雇用する事業でございます。
 建設局では、事業主体である産業労働局から執行委任を受け、都道で防護柵等の清掃、都立公園で除草及び清掃を実施しているものでございます。

○やながせ委員 山谷対策の一環として、日雇い求人が減少する時期に都道の清掃を行ってもらっているということであります。
 じゃ、どういうふうにマスコミに取り上げられたのかということ、この点について説明を求めたいと思います。

○加藤道路保全担当部長 特別就労対策事業におけます道路清掃では、受託業者が、一日当たり就労者二十人を雇用して、防護柵等の清掃を八時から十三時三十分までの五・五時間実施する契約となってございます。
 放映された受託業者につきましては、仕様書に定められた作業時間、五・五時間を遵守していなかったということが判明したものでございまして、契約を解除いたしました。

○やながせ委員 この件は、AbemaTVから私のところに最初電話がかかってきまして、大変なことになっていますよということで、それでコメントをいただけませんかということで、その番組に私は出なかったわけでありますけれども、とんでもないことでした。
 今の話だと、ちょっとなかなかわからないかもしれませんけれども、簡単にいうと、山谷の日雇いの皆さんに対して、一日当たり九千三円を支給する事業なわけですけれども、山谷地区でトラックというかバスに乗っていただいて現場に行くわけでありますけれども、現場に行って集合写真を撮ると。簡単にいえば、ほとんど何もせずに帰ってくる。それで九千円を支給していたということです。
 そういう認識で正しいですか。大丈夫ですか。違っていれば。

○加藤道路保全担当部長 今、委員おっしゃいましたように、当該の事業者につきましては、五・五時間事業をやるところを、現場に来てから大体一時間ぐらいやって帰っていたということが判明してございます。

○やながせ委員 その風景が隠し撮りされていて、内部リークがあったということでありますけれども、一時間も何もしていないですよね、私がディレクターから聞いた話によると。集合写真を撮って、それは都に対して提出する報告書用の写真を撮ったと。たばこを吹かして公園のあたりでうろうろしていると。あとはバスの中で休んでいると。都道の清掃をするはずなのに、都道の清掃をしているような形だけ何かちょっとやって、そこを写真に撮って、それで終わっていたということであります。
 これは大々的に、その後にテレビ朝日やフジテレビ等々で大きく流れたわけでありますけれども、この件について、建設局はどのような調査を行って、受託業者に対してどのような調査をさせたのか、この点についてお伺いしたいと思います。

○加藤道路保全担当部長 受託業者に対しましては、作業日ごとに契約内容の履行状況を一覧表で整理し、報告をさせたものでございます。
 その結果、作業を行った全ての日で作業時間を遵守していないことを確認したものでございます。

○やながせ委員 ですから、この三十年度の前期に関しては調査をしてもらって、全ての日で決まった時間の作業をしていなかったということを確認されたということですよね。
 とするならば、実はこの業者は、二十七年度の後期から三十年度の前期まで長期間にわたって同じ業者がこれをやってきたわけであります。三十年度の前期でこういった詐欺的な行為をしていたということが明らかになったということであります。
 とするならば、それ以前、三十年の前期以前も、二十七年度の後期からこの業者はやっているわけですから、それについても調査をして、場合によっては契約金を返還させるといったことも必要だというふうに思いますけれども、都の見解を伺いたいと思います。

○加藤道路保全担当部長 二十九年度以前の契約につきましては、書類や写真を改めて確認したところ、不備が確認できなかったため、契約金を返還させることは考えてございません。

○やながせ委員 それは書類は整いますよ。三十年の前期だって写真は撮っているんですから、みんなで集合写真。見せかけだけのですよ。だから、書類を整えることはできるし、写真を写すこともできるんです。でも事業はやっていないということはできるわけでありますね。
 今回はたまたま内部リークがあったから、盗撮がされて、その様子が明らかになったと。たまたま明らかになったということですから、それ以前も同様なことをやっていたと。これ山谷ではかなり有名だった話じゃないですか。
 ですから、それ以前も同様な行為が行われていたという前提に立つのが当然のことだというふうに思いますけれども、それ以前のことについては、その業者には調査をさせたのかどうなのかお伺いしたいと思います。

○加藤道路保全担当部長 二十九年度以前の契約につきましては、書類や写真を改めて確認したところ、不備は確認できておりませんので、その業者に対して特に調査をしてございません。

○やながせ委員 水かけ論になるので適当なところでやめますけれども、それは納得いかないですよね。だって、今回だって書類の整備をすることはできるわけですよ。それ以前の書類もあるからといって、調査すらさせないというのはおかしなことだと思います。
 それで、この放映があって、都の事業の無駄遣いということでこれは放映されたわけであります。これだけ放映されたにもかかわらず、今年度の契約金だけ返せばいいよということで、この業者は指名停止にするとか、そういったペナルティーを受けることもなく、また入札に参加することもできるんですよね。何かありますか--ないですね。はい、わかりました。これは納得がいかないと。
 ぜひこの二十九年度以前の部分に関しても、少なくとも業者の内部調査、これだけは求めるべきだということもいっておきたいというふうに思います。多分、聞かれていらっしゃる皆さんがそういうふうに思われるのではないかなというふうに思います。
 今後、同じようなことが起こらないための対策、これをどういうふうにしていくのかということについて確認をしておきたいと思います。

○加藤道路保全担当部長 今後につきましては、監督体制を見直すなど受託業者への指導を徹底強化していきたいというふうに考えてございます。
 具体的には、職員による抜き打ち点検を適宜実施し、作業状況を確認したいと考えてございます。また、受託業者に対しましては、前日に、翌日の作業予定箇所を報告させるとともに、作業の開始時、終了時の日々の連絡を徹底させると。さらに、受託業者より作業内容を確認できる写真を適宜報告させることによって確認していきたいというふうに思ってございます。

○やながせ委員 ぜひお願いしたいというふうに思います。やっぱりこういったときに都としてしっかりと毅然とした態度をとるということが必要だろうというふうに思います。
 建設局は非常に多くの工事案件を抱えているわけで、支出もかなり巨額に上るということであります。それが、約束された事業が適正に履行されていないということがずっと続いてきたということですよね。それに対して、これぐらいのペナルティーで済むということであれば、これはやった者勝ちというふうに思われても仕方ないというふうに思います。ぜひ厳正な対処をしていただきたいというふうに思います。
 ただ、私はこの事業そのものが、これは東京都がやるべきものなのかどうかといったことに疑問を持っているところであります。
 AbemaTVに出られていた自民党の前都議の台東の方、和泉さんもおっしゃっていましたけど、やっぱりこれは区でやった方がより効率的にできるのではないかといった意見を述べられていまして、私もそのとおりだなというふうに思いました。
 歴史的な経緯から、この山谷対策を都がやってきたということはよくわかるんですけれども、そろそろこの事業のあり方について検討するべきときが来ているんだろうというふうに思います。
 そこで、仮に産業労働局、これは産業労働局マターの仕事なわけでありますけれども、産業労働局がこの特別就労対策事業の道路清掃を終了した場合、同様の道路清掃を新たな事業として建設局として行うことになるのか、これを聞いておきたいと思います。

○加藤道路保全担当部長 本事業は、日雇い労働者の就労機会を確保することが主たる目的でございます。
 高齢者等の軽作業により、道路環境の美化向上にも一定の効果があると捉えてはおりますが、産業労働局がこの事業を終了した場合には、建設局として同様の事業を実施することは考えてございません。

○やながせ委員 私は重要な答弁だなというふうに思います。建設局としては、産業労働局の雇用機会の確保ということにおいては意義があるかもしれないけれども、道路清掃事業という点からすれば、これは不必要な事業であるというふうに部長としてはおっしゃったのかなと私は解釈をしております。
 これは、こういった委員会の場でなかなかいえないことなのかもしれませんけれども、ぜひ内部においては、そういったことの検討をしっかりとしていただきたいというふうに思います。
 こういったことをちゃんと調節するのが、ある意味、政治の役割ということでもあると思いますので、私もこの問題については解決に向けて積極的に取り組んでいきたいということを申し上げておきたいと思います。
 以上で質問を終わります。

○関野委員 それでは、質疑を行わせていただきます。
 四点質疑を考えております。まず一点目が歩道、二点目が先ほどもあったように路上生活者の対応、そして自転車走行空間、最後に昨年もやりました新青梅街道の整備についてをさせていただきます。
 まずは歩道の整備についてです。
 都内では高齢者人口が年々増加し、急激な高齢化が進んでおります。都内だけではなく、日本全体もそうです。また、高齢者と同時に障害者、こういった人を含めた全ての人が安全で円滑に移動できる環境の確保というのが必要と考えての質問です。
 誰もが安全で安心して通行できる歩道の整備というのが必要と考えておりますが、歩道整備を進める意義について、まずはお伺いをさせてください。

○加藤道路保全担当部長 歩道は、歩行者の安全確保はもとより、街路樹などによる良好な都市景観の形成、ライフラインの収容空間の確保など、多様な機能を有しており、とりわけ歩行者の安全を確保する上で、その整備を推進することは重要であると考えております。

○関野委員 次に、都道の中にも依然として歩道が狭く、車椅子のすれ違いが困難な歩道があるというふうに認識しております。
 私の地元にもあるんですけれども、ある意味こういった車椅子の利用者などに配慮した道路整備が必要であると考えておりますが、歩道を整備するに当たっての基本的な考え方、この点についてお伺いします。

○加藤道路保全担当部長 歩道の整備に当たりましては、自動車や歩行者の交通量、学校、病院などの公共施設の立地状況などを総合的に勘案して整備箇所の選定を行い、車椅子がすれ違うことのできる幅員二メートル以上のバリアフリーに対応した歩道整備を計画的に進めております。

○関野委員 計画的に進めているということですけれども、状況によってはなかなか難しい部分があるのかなというふうには考えているんですが、現在、道路を整備するに当たって、車椅子がすれ違うことができる幅員というのは、たしか二メートル以上という形でした。
 歩道を整備するということですが、現状で幅員が二メートルに満たない道があると先ほども述べさせていただきましたが、この歩道の幅員について、基準というか、そういったところについての考え方、この点についてもお伺いをさせていただきます。

○加藤道路保全担当部長 現在の歩道の有効幅員は、平成五年の道路構造令等の改定以降、車椅子一台の占有幅を一メートルとして、車椅子同士のすれ違いが可能となるよう二メートル以上とされてございます。
 改定前の道路構造令等におきましては、歩行者一人の占有幅を〇・七五メートルとして、歩行者のすれ違いが可能になるよう一・五メートル以上とされてございました。

○関野委員 ありがとうございます。今、いろいろ基準だったり考え方をお伺いさせていただいたんですけれども、私も市議のときにいろいろとお話をしている中では、やはり実際に道路をつくり、歩道をつくりというタイミングで、そこまでの幅員がとれないとか、そういったお話も伺っているところです。
 東京都においても同じように、道路をつくる、歩道をつくるというのは、区市町村と変わらないような形でつくっておりますので、そういう意味ではわかったんですけれども、二メートル以上とされているところの中に、植樹帯等が歩道の中にあるところがあるのは皆さんもご存じだと思うんですが、それも含めての二メートルというような形で歩道整備がされている場所があるところもあります。
 そうなると、結局、植樹帯、あれは私の目測ですと五十センチと考えたときに、二メートル必要なところ、二メートルのところから五十センチで一・五メートルと。一・五メートルになると。先ほど、歩道を歩く方、健常者の場合は〇・七ということですけど、たしか私が見ていた資料によると、一メートル必要だというような形で書いてありました。すれ違うには二メートルですから、二メートルの歩道はあるんだけれども、植樹帯があることによってすれ違うことができない状況にあるということもあります。
 こうしたことから、現状の幅員の中で道路の改良のタイミングというのもありますし、歩道の有効幅員を広げるような工夫、こういったものも東京都としてはいろいろと考えていただいているのかなというふうには思うんですが、二〇二〇等もありますので、誰もが歩きやすい歩道に改良していく検討をぜひ今後進めていただき、来年の予算等にも反映させていただければなというふうにも思っております。
 引き続き、都民の安全・安心に資する道路整備にしっかりと努めていただくよう、これについてはいろいろお話をしても、なかなか土地ありきの話ですので要望としておきますので、そういった考えで事業を進めていただければなというふうに思っております。
 次に、路上生活者、ホームレス対策についてです。
 先ほど西沢委員からも質疑がありましたが、思ったより、いや、びっくりするほど重複しているなというところもありました。ある意味、重複しているのでやめようかなというのもあったんですけれども、せっかくつくりましたので、簡潔に質疑を行っていきたいというふうに思っております。
 事業概要を見ると、平成十六年から十九年までは、ホームレス地域生活支援事業と連携してホームレス対策に取り組んできたというふうに書いてあります。ホームレス地域生活支援事業が開始された十六年と現在の建設局所管施設における路上生活者の数について、まずはこれについてお伺いをいたします。

○鹿田総合調整担当部長 建設局が所管する道路、公園、河川、各施設の合計の路上生活者数は、平成十六年度は二千六百二十二人ですが、平成三十年一月時点では四百三人と約八五%減少しています。

○関野委員 事業概要にも数字がありましたので、それをちょっと追いかけていったところ、実施された十六年度から見ていると人数が大分減っている状況です。今、答弁にもあったように、二千六百二十二人から現在では四百三人ということですけれども、近年は、以前のようにはやはり減っていない状況が確認できております。
 また、道路上に関してはふえているというふうな傾向もありますけれども、施設管理者としての役割、または具体的なこれに対する取り組みについてお伺いをいたします。

○鹿田総合調整担当部長 福祉施設との連携を図りつつ、施設の適正な利用の確保に努めることが施設管理者の役割となります。
 具体的な取り組みといたしましては、各施設の巡回や大規模な清掃の実施などがございます。

○関野委員 施設管理者として巡回や大規模な清掃などによる対策をとっているということですが、しかし、先ほど述べたように、近年の状況を見ると、引き続きホームレス対策は必要であるのではないかというふうに考えております。
 これらの対応手法について、改めてもう一度お伺いをいたします。

○鹿田総合調整担当部長 ホームレスの方一人一人の状況把握を通じまして、きめ細かい対応を行うことが重要であると思います。
 このため、引き続き、巡回時には個別に声をかけコミュニケーションをとり、一人一人の健康状態を初めとした状況把握をする中で、自主的な退去も促してまいります。
 また、自立や生活保護への移行の意思がある方に対しましては、巡回時に福祉部門の職員と同行いたしまして相談しやすい環境を整えるなど、今後とも福祉施策と連携した対応を進めてまいります。

○関野委員 ありがとうございます。先ほどの西沢委員のときも同じように、基本的には福祉部門と連携というところになるのかなというふうに考えております。
 そういう意味では、生活保護や就職という考えで行っていくということは理解はしましたが、人によっては、やはり自由な生活を送るため生活保護には移行したくないと、私はここでいいんだというような方もいたりするという話を伺ったことがあります。
 ある意味、そういった方にも諦めずに、丁寧にしっかりと、いつもいわせていただくボタンのかけ違いのないような形で、丁寧に今後対応していってほしいということを要望し、次の質問に移らせていただきます。
 次は、自転車走行空間の整備についてです。
 いろんなところでこの自転車走行空間の整備についてはお話をさせていただいているんですけれども、私も警察の方と実際に話をしたりということはしていますが、こういった公の場で警視庁の方に質疑をする立場に今はないですので、自転車走行空間、そういったものを管理しているところ、きょうは建設局に対して質問という形になりますが、ご了承ください。
 自転車が交通ルールを無視して運転を行うことで重大な交通事故を引き起こす可能性があります。もちろん、自転車と車、そして自転車と歩行者というようないろいろな交通事故が起きております。
 東京都は、東京都自転車走行空間整備推進計画というものを作成しておりますが、自転車の推進ルートを想定しているというふうにそこにも書いてあるんですけど、自転車走行空間の整備について、現在の都の取り組み状況、この点について、まずはお伺いをさせていただきます。

○加藤道路保全担当部長 都は、東京都自転車走行空間整備推進計画等に基づき、自転車交通量が多く事故の危険性がある箇所や自転車乗り入れ台数が多い駅周辺などにおいて、自転車走行空間の整備を進めてございます。
 また、東京二〇二〇大会会場や主要な観光地の周辺七地区におきまして、国道、都道、区市道の自転車走行空間を連続させた自転車推奨ルートの整備を進め、自転車利用の安全性や回遊性の向上に取り組んでおります。

○関野委員 ありがとうございます。東京都自転車走行空間整備推進計画に基づき、自転車交通量が多く事故の危険性がある箇所などにおいて、自転車走行空間を整備というような、今、答弁がありましたけれども、自転車走行空間の整備に当たって、どのような検討が行われて安全対策を実施しているのか、この点についてお伺いをいたします。

○加藤道路保全担当部長 自転車走行空間の整備に当たりましては、歩行者、自転車、自動車の交通量、駐停車車両や沿道の状況、道路幅員などの道路の状況を把握するための調査を実施してございます。
 これらの調査結果に基づきまして、交通管理者と協議を重ね、地域の道路事情に応じた整備手法を選定し、整備に取り組むとともに、必要に応じまして、注意喚起の看板や路面標示を設置するなど、安全対策を講じてございます。

○関野委員 自転車利用に関するルールやマナーの周知については、警視庁や青少年・治安対策本部が主体となって実施もしているところであります。
 建設局も関係機関と連携し、都民、区民等への周知が必要だというふうには考えておりますが、建設局として、関係機関と連携して、ルールやマナーの周知についてはどのような取り組みを行っているのか、この点についてお伺いをいたします。

○加藤道路保全担当部長 都はこれまで、国と連携し、自転車走行空間の整備に関する会議を通じまして、区市等に対しまして、自転車利用に関するルールやマナーについての情報提供を行ってございます。
 また、本年八月に約二万人が来場した道路について楽しく学べる、夢のみち二〇一八イベントにおきまして、警視庁が作成した自転車利用に関するルールやマナーを大人と子供それぞれにわかりやすく解説したリーフレットを配布するなど、自転車の正しい乗り方の啓発にも取り組んでございます。

○関野委員 ありがとうございます。イベント等で警視庁と連携しているのはわかりました。
 この夢のみち二〇一八ですか、リーフレットを受け取った方など、多分こういった方ってルールやマナーを気にしている方なのかなというふうに感じております。守ろうとする方が多いんで、ある意味では、そういう方ではない、本当にルールやマナーを守ってほしい方、こういった方には実際どれだけのリーフレットが配布されたのかなというところが考えるところではあります。
 例えば、建設局の方から警視庁の方にお願いをして連携をして、警察としての自転車の検問というんですかね、こういったものだったり、または学校等でルールやマナーの教室というのは、今は小中学校でもやっておりますけれども、高校だったり大学だったり、そういったところでやるとか、そういったことも今後は検討していった方がいいのではないかなというふうに考えております。
 ちょっと話は変わりますけど、最近は環境、環境ということで、プラスチックも使わない方がいいんじゃないかなんていう話になっていますが、私が市議会のときがちょうどごみが有料化されるときで、分別という流れがありました。
 その中で、行政として市民に対してごみの分別方法を教えていったんですけれども、やはりすぐには認知してもらえない、またはそれを実施していただけない、ここの部分でどういうやり方が必要かなと思ったときに、小学校の子供さんたちに学校の中で分別のルールを教えました。
 それによって、家庭に持ち帰って、親が分別をしていないと子供が、お母さんそれは違うよ、お父さんそれは違うよというような形で分別を教えて、親は、やはり大人にいわれると怒るんですけど、子供にいわれると納得するのか、ちゃんとそれを聞いて、分別を覚えるようになったというような経緯があります。
 そういう意味では、やはり本来一番見てほしい方というのは子供を持っている親だったり、大学生だったり、高校生だったりというところがやはりマナーが悪いかなというふうにも考えておりますので、そういった形で、子供から親を教育するだったり、または先ほどいった検問じゃないですけれども、ルールやマナーを破ったらしっかりと罰則がつくんだということをしっかりと周知をさせる、こういったことが必要だと思いますので、今以上にこういったことを実施していただくよう要望をして、これに対しては終わります。
 次に、新青梅街道の整備についてであります。
 新青梅街道は、多摩北部地域の道路ネットワークを形成するとともに、モノレールの導入区間となる重要な道路です。そのため、新青梅街道の東大和市上北台から瑞穂町の箱根ヶ崎立体付近までの区間の拡張事業を積極的に進めていただきたいというふうに、一年前にもこの場でお話をさせていただきました。
 そこでまず、この区間の現在の用地取得状況についてお伺いをいたします。

○関用地部長政策調整担当部長兼務 副委員長お話しのとおり、新青梅街道は、多摩地域の東西を結ぶ重要な骨格幹線道路でございます。
 そのため、用地取得に当たりましては、関係権利者に事業の必要性や補償の考え方について丁寧に説明しながら進めております。
 お尋ねの本区間の用地取得率でございますが、平成三十年九月末時点で約二割でございます。

○関野委員 実際、私も地元に住んでおりますので、徐々に用地取得が進んでいるのかなというふうには感じてはおりますが、事業開始から間もない区間もあります。そういう意味では、まだまだこれからなのかなというふうにも感じているところです。
 建設事務所の人員も限られているとは正直私も思うんですけれども、関係の権利者の意向ですね、やはりタイミングというのもありますので、十分に酌み取りながら、いろいろ創意工夫を凝らしながら用地取得を進めてもらいたいなというふうにも考えております。
 そこで、現在、関係する権利者の要望を踏まえ、どのように用地取得、こういったものを進めているのか、この点についてお伺いをいたします。

○関用地部長政策調整担当部長兼務 現在、用地説明会時のアンケートなどにより把握いたしました権利者の意向をもとに、まず、早期に移転を希望する方から順次積極的に用地取得を実施しております。また、移転や再建に時間を要する郊外型店舗などの大型案件につきましては、早期に対応することで計画的な用地取得を図っております。さらに、道路整備保全公社を活用することで執行体制を強化しております。
 このように、関係権利者お一人お一人の意向を踏まえ、工夫しながら効率的に用地取得を進めております。

○関野委員 ありがとうございます。先ほども述べたように、限られた人員の中で道路整備保全公社を活用しているということですから、ある意味、北北建の人員だけではなく、プラスアルファの人員もいるのかなということがわかりました。
 用地取得を進めるんですけど、早期整備を実現するということが正直必要なのではないかなというふうに思っております。なぜなら、ある意味、予定よりは大分おくれているからというところなのであります。
 さらに今後、用地取得を促進するためにどのような取り組みを行っていくのか、この点についてお伺いをいたします。

○関用地部長政策調整担当部長兼務 用地取得を推進するためには地元市等との協力が欠かせません。このため、地元市から職員の派遣を受け、協力して用地取得を実施しております。
 また、納税猶予農地の代替農地の確保等について、市と密接に情報交換を行っております。
 さらに、定期的な連絡会を開催するなど、引き続き地元市等と連携しながら用地取得を推進してまいります。

○関野委員 ありがとうございます。
 先ほど質疑の前にも、この質疑については昨年も事務事業で取り上げさせていただいた質疑でございます。そのときには、今年度中に沿線全ての地権者に再度声をかけてほしいというような形で要望したんですけれども、今伺った限りの答弁では、思ったより進んでいない状況なのかなというふうに思いました。
 しかし、見ていると、全く進んでいないという形ではなく、場所によっては、ここ最近すごく動きが出てきているなというところも感じております。
 ただ、全員にいっていないというところの弊害なのかわかりませんが、先日、どなたなのかちょっとわからないですけど、関係者と思われる市民の方から手紙をいただき、用地説明会以降何のアクションもないんだというようなことをいわれました。
 また、実際にそこに書いてあったことを少し読みますと、土地を売ってもよいと建設事務所に連絡を入れたというようなお話ですが、建設事務所の方が忙しくて行けないと、順番待ちだというような回答だったという対応もあったというふうに聞いております。
 この点については、しっかり丁寧な対応を建築事務所の方に指導していただければなというふうに思っております。
 また、先ほどの答弁でも、用地説明の際に早期移転を希望したからとありましたので、お手紙をいただいた方がそのときに希望していたのかどうかというのは正直わからないところだなというふうには思っておりますが、沿線の地権者の方には、そのとき希望していないが事情が変わったというようなこともあります。
 そういう意味では、そういったいきなり来た方、または先ほどの答弁だと、早期に移転を希望する方から順次積極的に用地取得を実施というようなこともありますが、そのときに、希望していなかった人からも連絡があった場合は、まずはなるべくお話をして、その上で購入できるなら購入していくという形をとっていただければなというふうにも思っております。
 また、昨年同様、どのぐらい進むのかなと思いながら、一年はたっておりませんが、見ておりましたが、そういった意味では進んでいないので、しつこいようですけれども、同じ質疑を今回もさせていただいたというような次第でございます。
 ことしに入って、やはり大分いろいろと東京都でも動きがありましたので、この地域の方々の早期実現を望む声が大きくなってきております。そういう意味では、ここに関係している首長さんもご挨拶に伺ったと思いますが、なるべく声が大きいとき、こういったときに動いていただく方が、やはりスムーズに動くのではないかなというふうに思っております。
 そういう意味では、人員が足りないというところで、全てのところに顔を出すのはなかなか難しいのかなというふうには考えておりますけれども、手紙や広報など、間接的に行うことなどもできると思います。そういう意味では、全ての地権者と連絡をとることは、手紙や広報であれば、連絡というかお知らせをするということは可能であります。
 先ほども最後の答弁の方にもありましたように、工夫しながら効率的に用地取得を推進するというようにいっておりましたので、早急な対応を、強く強くと去年はいいましたが、今回はまた三回いわせていただいて、強く強く強く要望して、私の質疑を終わらせていただきます。ありがとうございます。

○栗下委員長 この際、議事の都合により、おおむね三十分間休憩いたします。
   午後五時四十四分休憩

   午後六時十五分開議

○栗下委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○細田委員 よろしくお願いします。
 私からは、重なったところはなるべく省いて伺いたいと思います。(「よし」と呼ぶ者あり)激励ありがとうございます。
 第七の道路緑化、街路樹の充実のところから街路樹の維持管理、このことについて、まず先にお尋ねしたいと思います。
 街路樹の診断についてです。都道の街路樹についてお聞きします。
 東京二〇二〇大会を目の前にして、街路樹を充実させて、そして樹形の大きさも工夫をして、歩道の木陰を多くつくり出していくことが求められておりまして、東京都はまさにそれを着実に推進している、このように聞いております。
 植栽されている街路樹等の緑の役割を生かしていくためには、植物の特徴を捉えて適切に育成していくこと、そして道路の状況に合わせて安全な管理を配慮すること、たまに散見されます、空きますだとかこういうものを生まないように生かしていくこと、剪定もしっかりとその樹種に合わせて、植生に合わせてやっていき、また刈り込み、雑草、それからどういうものかよくわからない実生、こういうものも着実にとっていって、そして除去して清掃していく。こういうことが街路樹緑化の大変に大事な要因である、このように思っています。
 そしてまた、特に健康で元気な樹木をしっかりと育てていく、これが大事であります。
 街路樹は、絵画館前にありますイチョウ並木に代表されるもの、これはちなみに日本一位の喜ばれている街路樹ですけど、寿命は数百年もつそうですが、表参道のケヤキ、これも第三位の人気の樹種で、これは百五十年ぐらい寿命がある。
 その他、桜もありますけれども、都市景観を向上させる役割に加えて、運転手さんや車のドライバーの視線を誘導して交通の安全を確保するなど、さまざまな役割がありますが、一方で、この街路樹が倒れれば、車両等の通行が妨げられる、それだけではなくて、本当に命にかかわる危険があるわけであります。
 昨今、そのような事態をよく耳にします。皆様方も危惧されていることだと思います。四十年、五十年しかたっていないにもかかわらず、どうして突然上から二十キロもの物が落っこちてきてしまうんだろう、こんなことが起こったりしております。
 こうした街路樹の倒木を防ぐためには、樹木を健全に育成するとともに、今申し上げたように、樹木の健康状態を明らかにする街路樹の診断が欠かせないことになります。
 そこでお尋ねしますが、都道において、街路樹の診断を東京都はどのように行ってきたのでしょうか。その取り組みの状況について答弁を求めます。

○細川公園計画担当部長 平成七年、表参道のケヤキの倒木をきっかけに、都は、幹の傷や腐りの程度などを調査する街路樹診断を開始しております。
 平成十年度には、職員向けに診断手法をわかりやすくまとめた街路樹診断マニュアルを作成し、その後も、診断結果の検証に基づくマニュアル改定を重ねてまいりました。
 平成二十五年度には、根腐れによる倒木を防ぐため、地下の腐朽ぐあいを調査する根株診断を新たに診断マニュアルに位置づけております。
 現在、街路樹診断を計画的に行うとともに、防災上重要な路線において根株診断を集中的に実施しております。
 引き続き、きめ細やかな街路樹の維持管理を行ってまいります。

○細田委員 引き続き、きめ細やかな街路樹の診断を実施していくと、そういうことです。また、平成七年ですから、二十三年前に、まさに調査開始して、二十年前にはマニュアルをつくって、そして二十五年度に改定している、このように着実に進めているんだ、このようなご答弁だと理解をいたします。
 東京都が街路樹診断に対して取り組まれていることは今のご発言でわかりますが、街路樹、難しいですよね。ますに入っていますから、道路や、また排水溝などに囲まれて、自由に根を伸ばすことができなくて十分に栄養がほかの樹木よりもとれない、こんな環境の中で、栄養を吸い上げることができないという中で、一生懸命頑張って茂ってくれている。
 街路樹の倒木を防ぐんですけど、危険と判断されたときに樹木をやむなく伐採する、こういうことが当然大事になってくるわけであります。都民、住民への説明責任を果たしていく上では、これがちゃんと維持できるのか。これってちゃんと中が空洞になっているよね、朽ちているよねだとか、そういうことを、精度が高く、しっかりと確認していかなくちゃいけない、こういう状況があると思います。
 そういう診断機械なんかも幅広く採用して、また街路樹診断の信頼性をさらに高めていくことが大変に重要である、このように思っております。
 ちなみに、平成二十六年度に改定された街路樹診断マニュアルの中にも、こういうようなさまざまな診断機器を使うんですよというのはあります。それぞれ正確さ、それからスピード、またいろんなところで使われている実績、特徴がばらばら、また新しいものだとかあるようです。
 けれども、まさに今いった視点でもって、安全が何で保たれるのか、どういうふうにしたらより都民に説明責任を果たしていけて安全なのか、こういうことがとっても大事であります。
 そしてまた、わかりやすいこと。これってどうして危ないといわれているんでしょうかということがきっちりとわかっていく。例えば、その診断結果というものをインターネットで公開して、これはやっぱり危なかったんだねだとか、こういうものは気をつけなくちゃいけないんだよねというようなことを、より一般の都民にもわかりやすくしていく、こういうことが今とっても大事な時期に来ているんだと思います。
 それなので、この診断マニュアルというものをぜひ不断に見直していただいて、街路樹の適正な維持管理に努めていただいて、東京都のシティー・イン・ザ・グリーンの緑豊かなまちづくりを推し進めていただくことを強く要望させていただきます。
 次に、関連して、街路樹の診断には樹木の専門家である樹木医、この方が大事なんですね。皆さんよく言葉は聞いたことがあると思うんですけど、実際に樹木医さんってどういう方なのかということをちょっと申し上げたいんですが、ある本によりますと樹木医は資格ですと、ちゃんとした資格なんだと。何の資格ですかというと、財団法人日本緑化センターが行う認定試験に合格しないと樹木医とは名乗ってはいけませんと。受験資格もあって、七年間実務経験をやって、やっと受験することができる、こういう資格だそうです。
 また、ちなみに大学で必要科目を履修すると短期間で受験できる樹木医補--会計士補とかありますけど、補うです。この補になれる学科もあるそうであります。
 この筆記試験は、樹木のお手入れのことだけでなく、広く科学や環境に対する知識も含まれていて、また小論文まで出るのでなかなか難問のようで、難関ゆえに、この業界では、いわば憧れの資格であるというものであって、合格後は、二週間も学生が泊まるような合宿所で朝から晩まで講義と試験の実施を繰り返して、最後に面接を経て、やっと認定になると。
 そういうような、社会に非常に広く認知されていて、このような緑にかかわる業務の中で確実に力を発揮して、隅々までいっているねということが広くは認知されていないかもしれませんけれども、今いったような、これから東京都が進んでいく上においては、こういう方々に、より力を発揮していただかなくてはいけないと、こんな状況に今あるんだろうと、私はこのように思っております。
 そこで伺うんですが、この樹木医、これ今二千九百人ぐらい日本にいらっしゃるようですけれども、都は、樹木医をどのように認識しているのでしょうか。また、東京都の街路樹診断、東京都の今いった緑をふやしていく、街路樹をふやしていくということに関して、樹木医はいかにかかわっているのでしょうか。この見解をお尋ねします。

○細川公園計画担当部長 街路樹診断マニュアルにおいて、街路樹診断は樹木医が実施することと定めております。
 樹木の診断や樹勢回復、地域の緑の普及啓発などを進めていく上で、樹木医の役割は重要と認識してございます。

○細田委員 わかりました。樹木医は必要で、東京都の政策にとっても大変重要である、こういうことを答弁で確認させていただきました。
 最後に、ちょっとこの件に関して一言要望させていただきたいんですけれども、平成二十九年度から、都は倒木の危険のある街路樹診断業務、こういうものの請負条件というのを、今まで樹木医の資格を有する者というのが、二十九年の三月以前はそういうふうな条件があったようなんですが、今はそれが外れていて、造園業登録をしていない個人や法人の樹木医は仕事をすることができなくなったというようなことです。
 ただ、今いったように、仕事ということと必要ということは違うから、今、多分都は、その中で、必要なことをきっちりとこの枠組みの中でやっていただいているんだろうと思うし、そう進んでいるんだろうというふうに思いますが、ただ、私が今のこの状況を見ると、こういう方々が活躍するのに対しては、一歩後退しているんじゃないのかなと危惧を抱いております。
 ゆえに、ぜひ診断マニュアルをさまざまな、より精度が高くて都民に説明がしやすい、こういうようなものをつくり上げていくときに、どんなふうに活躍していっていただけたら今の中で一番いいんだろうかということを、またこれからぜひ建設局、東京都に考えていただいて前に進んでいただきたい、このことを要望いたしまして、次の質問に移らせていただきます。
 次に、内部河川についてでございます。
 都は、水辺の回遊性を進めて、護岸の耐震化など安全・安心を高めつつ、基礎自治体とも連携して親水性も高めて、水辺のにぎわいづくりに努めています。これは東京二〇二〇大会を間近にして、都民にも観光客にも期待される貴重な観光の資源でもあります。
 先ほども上野委員がおっしゃっていましたが、東部低地帯の中でも特に地盤が低い私の地元江東区でも、地ビールを飲んで、そして、かわてらすが隅田川側に向いて、気持ちよい風の中で臨むオープンカフェとか、また防災船着き場を活用した舟運、そして東京スカイツリーから発車する水陸両用バスによる荒川ロックゲート付近の川の駅での着水や臨海部におけるさらなる川の駅の整備、こんなもので水辺の魅力がさらに進展していることを大いに喜んでいる次第であります。
 さて、この貴重な水辺、内部河川は、江東区内では縦横に約三十キロに及びます。外郭堤防に安全に守られたゆえに、江戸時代には、千葉方面から塩を運んだ塩の道、小名木川などの江東内部河川、そして小さなパナマ運河ともいえる構造であります扇橋閘門、そして水門、排水機場などの数々の施設がありますが、地域住民に親しまれているこの水辺空間の創出のみならず、首都直下地震の発生、まさに地震が心配される中で安全性の向上をさせていくことは、さらなる重要な課題であります。
 そこで伺いますが、江東内部河川の東側の北十間川、横十間川及び扇橋閘門、そして小名木川排水機場で現在進めている整備状況についてどうなっているのか。また西側の大横川、平久川、仙台堀川、小名木川の状況についてはいかがでしょうか。
 また、二級河川であります深川の越中島川の護岸の整備の状況についてはいかがでしょうか。おのおのの答弁を求めます。

○村井河川部長 江東内部河川では、護岸や水門、排水機場などの耐震、耐水対策や親水空間の創出などのため、低水路整備や修景工事を実施しております。
 このうち耐震、耐水対策につきましては、護岸の計画延長約十七・三キロメートルのうち、平成三十年度末までで、小名木川で約一・四キロメートル、大横川で約一・三キロメートル、平久川で約〇・四キロメートル、仙台堀川で約一・八キロメートル、竪川で約二キロメートル、北十間川で約〇・九キロメートルの整備に着手しておりまして、これにより計画延長の約五割を事業化することとなります。
 また、越中島川につきましては、係留船舶の移動先の検討を行っておりまして、今後、工事に着手してまいります。
 水門、排水機場などにつきましては、扇橋閘門は、三十一年度八月の運航再開に向け工事中でございます。小名木川排水機場は、今年度末に完成する予定でございます。
 低水路整備は、横十間川におきまして、三十年度末までに計画延長五キロメートルのうち約三・二キロメートルを事業化することになります。
 修景工事は、横十間川で約〇・七キロメートル、北十間川で計画延長約一キロメートルのうち約〇・四キロメートルを事業化してまいります。

○細田委員 詳細にありがとうございます。
 まず、小名木川の排水機場ですけれども、同内部河川のもう一方の排水機場のパートナーといいますか、木下川排水機場、江戸川区にあるところに今年度から工事が移っているようですから、完全ではないけれども、ほぼ終わっていると理解してよろしいですねと、このように確認だけしておきます。
 次に、越中島川ですが、江東区や江東区議会からは、都による水質向上への尽力、取り組みをこれまで求めてきています。平成二十年度から現在まで江東区がしゅんせつを続け、水質浄化に取り組みを進めてきてはいますが、ぜひとも手を差し伸べていただいて、協力していただいて、しゅんせつの実地をお願いいたします。要望です。
 また、都立猿江恩賜公園や江東公会堂の東側にあります、南北にわたっている横十間川は、今のご答弁だと、計画の三分の二ほどがもう整備されるとのことですが、江東区が設置していた木製の散策道は、昨年度と本年度で撤去の工事が進行中です。
 それなので、今おっしゃった化粧仕上げの修景工事と低水路舗装や植栽は計画の四〇%になるということで、間もなく都民も散策ができるようになるんだと、このように期待をしておるところでありますが、それでは、具体的には今後どうなるのか。江東内部河川における事業の今後の取り組みについてお尋ねをいたします。

○村井河川部長 江東内部河川におきましては、想定し得る最大級の地震に対しましても堤防や水門などの機能が確保されますよう、耐震、耐水対策を早期に完了させることが重要でございます。
 引き続き、平成三十三年度までの耐震対策の完了を目指しますとともに、低水路整備や修景工事も着実に進めてまいります。

○細田委員 三十三年度までということで、当初の二十四年から十年間という、この計画を達成するんだという答弁でありました。
 不調とかいろんなことがあって大変な時代をくぐってきていると思いますが、どうぞこの越中島川も、平成三十三年度まで、東京二〇二〇大会が終わったその翌年までに終えると伺いましたので期待をしております。
 ぜひ着実な早期完成、計画予定どおりの完成に向けて取り組みを要望させていただきます。
 次に、これもちょっと上野議員が詳細にいっていましたけれども、一つ、急勾配の橋梁についてお尋ねいたします。
 先ほどの、重要文化財である永代橋、清洲橋、こういうライトアップのすばらしい橋もありますが、実は江東内部河川にかかる橋梁、非常に急勾配の橋が多くあります。この地区では、周辺の地盤が低いために橋梁が急勾配になっています。
 私の地元の小名木川などにかかる進開橋、丸八橋、番所橋、竪川大橋、豊住橋、この五橋の勾配が特にきつくて改善してほしいという声が多くあります。
 そこで、これら五橋の急勾配の改善に向けた取り組みについてお伺いいたします。

○加藤道路保全担当部長 都ではこれまで、江東内部河川にかかる砂町橋などについて、急勾配の改善に向けた取り組みを実施してきました。
 また、お話の五橋のうち豊住橋につきましては、地元区や交通管理者などとの協議、調整を図りながら、工事着手に向けて現在設計を進めているところでございます。
 他の四橋におきましては、急勾配を改善するためには、桁下高の制約や橋の下を通る区道の通行への影響など、解決すべき困難な課題が多く、関係者との調整などに時間を要している状況でございます。

○細田委員 わかりました。なかなか難しいというふうなご答弁だったと思います。
 この中でちょっと特筆しますと、特に丸八橋というのは、昭和四十七年に架設されまして、昭和六十三年に二メートルほどの歩道を両側に設置しています。雪が降るとあたかもスキーのジャンプ台みたいになりまして、砂町地区という人口が十二万人ぐらい、また大島地区、ここもやっぱり十五万人ぐらいいる、この地区を結ぶ重要な幹線道路でありながら、歩道が狭い、また橋梁の勾配が八%と急なために、歩行者や自転車で橋を利用する区民はすごく少なくなっています。
 また、超高齢社会にもなっておりますので、ここをみんな渡らないで、ずっと迂回して、平らな橋を渡っていく。こんな状況に、特に高齢者はなっているということが見受けられます。
 かけかえ時に勾配を検討するというようなことをいわれておりますが、もう架設から四十六年で、まだ計画はないと思います。それなので、ぜひ今後、できる工夫と知恵を持っていただいて、例えばそこに人道橋を下に設置、これを区がつくる場合には、それに対しての助成を検討するだとか、また、これは橋の下には建築限界も、また航路高もあるじゃないですか。けれども、そこは専門家の都の建設局の方がたくさんいらっしゃいますから、高さを少しでも緩和する取り組み、工夫、これは検討し続けてほしいと願います。
 例えば、橋桁の数を多くふやしていく、そうすると実際には桁高を下げるという方法もあるんだという、江戸川橋というところは、それでもって若干だけれども、橋が下がったという、こういう実績もありますから、こうなったときにはよりバリアフリーに近づくんじゃないのと。
 また、先ほどの船堀橋の話もありました。こうしたならば、じゃ、ここにもエレベーターをつけられますよねと。つけてくれるとありがたいですけれども、そういうような検討をこれからも続けていただいて、ぜひバリアフリーの安全で安心な下町の太鼓橋の橋梁対策も続けていただくよう要望いたしまして、質問を終わります。

○三宅委員 私からは、島しょ地域の都道整備と砂防海岸事業についてお伺いいたします。
 東京の島々では、島内における人の移動や物資の輸送は全て道路を使用しており、道路は住民の生活や産業活動を支え、地域振興に寄与する社会基盤となっています。
 ことしの初めには、大島の一周道路のうち、泉津地区と間伏地区で新たな道路が開通し、交通の利便性が格段に上がりました。しかしながら、島しょ地域の都道には、歩道がない場所や車のすれ違いができない箇所がまだまだ数多く残っております。
 また、今、自転車を使うような観光客がふえる中で、危険な場所も、危険な場面もふえてきていると思っております。
 今後も、島しょ地域の生活、産業、さらには観光振興にも寄与する道路の整備が必要です。
 そこで、島しょ地域において現在事業中である道路整備の取り組み状況について、まず伺います。

○奥山道路建設部長 島しょ地域の都道は、島民の日常生活や産業活動を支える上で極めて重要な基盤施設であります。
 現在、神津島村鉄砲場、三宅村伊ヶ谷など八路線十四カ所で道路拡幅やバイパス道路の整備を実施しております。このうち、八丈島では、大里地区で観光資源である玉石垣を保存しながら道路を拡幅する事業に今年度着手いたしました。
 また、小笠原母島では、猪熊谷地区で自然改変を最小限に抑えた道路拡幅を進めており、今年度事業中の約百三十メートルの区間が完成いたします。

○三宅委員 進捗状況はよくわかりました。早期の完成を目指して進めていただくようお願い申し上げます。
 島しょ地域では、日常はもとより、災害時にも安全に使える都道の整備が島民の願いでございます。東日本大震災以降は、特に津波に対する備えが喫緊の課題となっており、防災力の強化に資する道路整備の必要性が再認識されました。
 このため、日常の生活においては誰もが安心して通行でき、さらに、津波発生時には迅速な避難を実現する道路の整備が必要となります。
 そこで、島しょ地域において、これらの整備効果を発揮させるための道路整備について、今後の取り組みをお伺いいたします。

○奥山道路建設部長 島しょ地域では、安全な交通機能を確保するための道路整備が必要不可欠であります。
 小笠原父島では、行文線の未開通区間につきまして、本年四月に各分野の専門家による委員会を設置しており、今後、工事による環境への影響などにつきまして検討を深めてまいります。
 また、青ヶ島では、三宝港と集落を結ぶ青ヶ島循環線につきまして、港付近にありますつづら折り区間の急カーブや急勾配の坂が課題となっているため、これらを解消するための工事の着手に向け、具体的な検討を開始いたします。
 今後とも、島しょ地域の安全・安心を確保する道路整備に積極的に取り組んでまいります。

○三宅委員 島しょ地域では、港や海岸からの避難路の確保は生命線となっております。今お話にありました青ヶ島ですが、循環線は今工事していただいておりますが、なかなか急斜面で大変な難工事となっております。現在、港からカルデラ内に入る青宝トンネル、五百メーターぐらいあるトンネルですが、ここは車が一台ぐらいしか今通れない状況です。ぜひこのトンネルも、今後改善をお願いしたいと、それだけ申し伝えておきます。
 次に、砂防海岸事業についてお伺いします。
 ことしも多くの台風などにより降雨や波浪の影響を受けました。幸いにも人的被害を出すような災害は発生しませんでしたが、島しょ地域は火山諸島のため急峻な地形を有し、渓流の出口の貴重な平地に人家等が集中しているため、土石流の影響を受けやすい状況にあります。また、外洋に位置し、台風や冬季の季節風などによる厳しい波浪により、海岸線が侵食されやすい特徴もあります。
 大島では、平成二十五年に発生した大規模な土石流災害から五年が経過し、砂防堰堤や流路工などのハード対策の整備が着実に進められています。
 土砂災害は一たび発生すると、とうとい命や財産が奪われる恐ろしい災害であり、土砂災害の対策が急務となっております。
 そこで、島しょにおける砂防事業の取り組み状況について、初めに伺います。

○村井河川部長 都は、土石流などにより土砂災害の発生した箇所や人家などの保全施設がある箇所で、砂防堰堤や流路などを整備する砂防事業を進めております。
 平成三十年度は、大島の大金沢で砂防堰堤を、三宅島の筑穴ヶ沢や小笠原父島の北袋沢で流路工などの整備を実施いたします。
 今後とも、島しょ地域の住民の命と暮らしを守るために、砂防事業を着実に進めてまいります。

○三宅委員 砂防事業に全力で取り組んでいただきたいと思います。
 島しょ地域における海岸線は、地域の生活や産業経済を支える道路が近くにあり、災害時の避難や救援活動の生命線ともなっています。これらの公共施設や人家の安全性を確保するため、海岸の侵食対策などの取り組みが重要です。
 そこで、島しょにおける海岸を侵食から守る取り組みについて伺います。

○村井河川部長 台風や季節風など波浪による海岸侵食から守る必要がある道路などの公共施設や人家などの保全対象がある場合は、海岸保全区域を指定いたしまして、護岸などの海岸保全施設を整備しております。
 平成三十年度は、三宅村の横まま海岸で護岸整備を、新島村の和田浜海岸で砂浜を保全し、海岸を侵食から守る人工リーフを整備しております。

○三宅委員 新島の海岸は、昨年の台風二十二号により羽伏浦海岸の緩傾斜護岸で損傷を受けました。また、ことし七月の台風十二号により和田浜海岸ののり面が侵食されたため、速やかな復旧が必要であります。
 そこで、損傷した新島の海岸の復旧状況について伺います。

○村井河川部長 昨年度、被害を受けました羽伏浦海岸につきましては、既に本復旧に向けた設計を進めておりまして、平成三十一年度から工事に着手する予定でございます。
 また、今年度、被害を受けました和田浜海岸につきましては、現在調査を進めておりまして、三十一年度から本復旧に向けた検討を行います。

○三宅委員 今ご答弁ありました特に和田浜海岸、これはもう村道が落ちそうになっておりますので、ぜひ早急に進めていただきたいと思います。
 島しょの海岸保全施設は絶えず波浪などの影響を受け、施設の劣化が著しいといえます。こうした施設の機能を継続させるためには、適切な維持管理が重要であります。
 そこで、海岸保全施設の今後の維持管理の取り組みについてお伺いいたします。

○村井河川部長 海岸保全施設は、定期的な点検などを実施いたしまして、損傷があった場合には適切に修繕などの対応を図ってまいりました。
 これまでの壊れてから直す対症療法的な管理から、施設の損傷が進行する前に対策を行い、補修費用の低減や平準化を図ります予防保全型管理を導入するため、本年七月に予防保全計画を策定いたしました。
 本年度から、新島の若郷海岸、八丈島の汐間海岸におきまして対策内容の検討に着手しております。
 今後は、予防保全型管理を着実に進めますとともに、応急対策も含めました適切な維持管理に努めてまいります。

○三宅委員 効率的な維持管理を進めてもらいたいと思います。
 新島村の羽伏浦海岸は、白い砂浜が長く続いており、観光客にはすばらしいロケーションとなっております。夏には多くの観光客が来島し、サーフィンや海水浴も楽しんでいます。
 しかしながら、場所によっては砂浜が侵食されて痩せてしまったところもあります。白い砂浜やサーフィンを観光の目玉にしている新島村では、砂浜の回復は悲願であり、対策を検討していただくことをお願いしまして、質問を終わります。

○原田委員 それでは、私から、一、土砂災害について、二、シールド工法酸欠空気発生問題について質疑します。
 まずは土砂災害対策について。
 日本はこの間、毎年のように集中豪雨や台風、地震災害に見舞われ、甚大な被害を出し続けています。中には、災害のせいばかりにもしていられない、対策のおくれから来る被災もあると指摘せざるを得ません。
 中でも、被災者がふえ続けているのが土砂災害です。相次ぐ災害発生を受け、この間、都は、土砂災害警戒区域を指定し、拡大してきました。平成二十八年三月までに指定が完了した区部、多摩部の土砂災害警戒区域は約九千カ所でした。
 そうした警戒区域内にある避難所が百八十施設、二十四時間滞在型の要配慮者利用施設が四十施設、計二百二十施設とされています。
 そこでお聞きしますが、警戒区域内に避難所や二十四時間滞在型の要配慮者利用施設が存在するかどうかを、これまでどのように調査してきているのか伺います。

○村井河川部長 調査につきましては、砂防事業の優先度をつけるため、平成二十八年度に各市町村に所在地を照会し、確認いたしました。

○原田委員 都が、何と電話等で直接聞き取っていっていたと。しかし、それでは警戒区域内の要配慮者利用施設や避難所の数を正確に把握するというわけにはいかないわけですよね。何といっても数が多過ぎます。
 要配慮者利用施設というのは、二十四時間滞在型以外にも、たくさん種類があるわけです。小中学校、幼稚園、保育園、病院、助産院、各種障害者施設、児童相談所等々、まだあります。
 今後の把握については、統一した報告書のフォーマットをつくって、自治体からの情報を受け取るような調査が必要じゃないかと私なんかは思うんですね。
 都の土砂災害対策事業は、タイムラインの作成などソフト施策とともに、砂防ダムや急傾斜地崩壊対策、のり枠といったりします地すべり対策などハードの施策も行われています。
 その全体計画を見ますと、砂防事業は、三百七十七基が計画され、現在二百三十九基ができていると。崖対策は、急傾斜地崩壊対策ですね、九十五カ所の計画に対し五十二カ所が行われていると。地すべり対策は、十七カ所に対し十二カ所の対策がとられています。
 そこで、砂防事業ですけれども、その全体事業はいつ策定されたのか、砂防事業三百七十七基はどのような基準で選ばれたのか、お答えください。

○村井河川部長 砂防事業は、過去に土石流災害が発生するなど土石流の危険性が高い渓流におきまして、地元の合意形成がなされたところから実施してまいりました。

○原田委員 今回予算化されている調査結果などを踏まえて、多摩部、八王子市とか幾つかの基本計画が着手されることになるわけですけれども、既に検討に着手した砂防事業により保全される施設数というのは幾つになるのか、お答えください。

○村井河川部長 十五施設でございます。

○原田委員 今回の調査結果を踏まえ、新たに砂防事業の目標と対象を明確にした計画を策定するべきだと考えますが、いかがでしょう。

○村井河川部長 平成二十九年度から避難所や二十四時間滞在型の要配慮者利用施設の有無を考慮いたしまして、優先度をつけて地元との合意形成を図りながら、計画的に実施しております。

○原田委員 ただいま私の質問で、今回の調査結果といいましたけれども、今、来年に向けて新たな災害警戒区域の拡大を行っているわけですよね。その調査結果のことをお聞きしました。
 土砂災害警戒区域指定を受けて、各自治体の警戒区域内の避難所や要配慮者利用施設の調査結果が出そろうのはいつごろと考えていますか。

○村井河川部長 都内全域で土砂災害警戒区域の指定が完了するのは平成三十一年度前半を予定しておりまして、それ以降となります。

○原田委員 都の土砂災害対策事業は、ハード計画の多くが砂防事業、砂防ダムに集中しています。その規模は、砂防ダムが三百七十七基に対して、急傾斜地崩壊対策事業、つまりは崖の補強工事九十五カ所と、崖対策の方が砂防ダムよりも計画が小規模なんです。
 けれども、実は急傾斜地崩壊の危険性がある災害区域の方が、この砂防ダムが主としている土石流警戒区域よりも格段に多いんですね。平成二十八年度の警戒区域九千カ所でいうと、九割がこの急傾斜地崩壊危険区域、一割が土石流の警戒区域です。
 じゃ、なぜ対策事業は砂防ダムよりも崖地対策の方が少ないのか。これはひとえに、大体、急傾斜地、崖が民間の所有地であることが多いからと聞いています。民有地に税金はかけにくいというのが崖対策が進まない理由と聞くと、所管としてはいかんともしがたい状況なのだろうなということは理解できなくもありません。
 しかし、世論を見ますと、今、相当動いてきているんじゃないだろうかなと。相次ぐ崖崩壊による痛ましい被害を見るにつけ、行政が何とかして崖対策に力を入れてほしいと。特に、崖下に介護施設や病院、学校、保育園などがあるという環境は、多摩山間地域では当たり前の風景でありまして、何とかして対策を施してあげたいというのは世論の一致を見ている気が私はするんですね。
 この間の決算を見ると、七十億の予算で執行額は五十億ほどですか--ですね、大体。その一方で道路には数千億円とつぎ込んでいるのを見ると、私は土砂災害対策というのはもっとできることがあるんじゃないのかなと、そういうふうに思うわけです。
 来年前半までに、一万五千カ所に及ぶといわれる土砂災害警戒区域の指定が行われると。今まで九千カ所でしたけど、一万五千まで伸びるんじゃないかと。そうしたら、その区域内の避難所や二十四時間滞在型要配慮者利用施設の全貌がいよいよ明らかになってくると思うんです。
 その際、都による砂防事業や急傾斜地崩壊対策事業により対策がとられている施策と、とられていない施策を私は把握すべきだと思うんですが、いかがでしょう。

○村井河川部長 調査につきましては、砂防事業の優先度をつけるため、都内全域の指定完了後に、平成二十八年度と同様の調査を実施する予定でございます。

○原田委員 都は、避難を呼びかけるのみならず、要配慮者利用施設等のある警戒区域については、民地の急傾斜地対策工も含めハード対策を強化すべきと考えますが、いかがでしょう。

○村井河川部長 砂防事業は、避難所や二十四時間滞在型の要配慮者利用施設の有無を考慮いたしまして、優先度をつけて地元の合意形成を図りながら計画的に実施してまいります。
 急傾斜地崩壊対策事業は、区市町村の要望を受け、急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律に基づき実施してまいります。

○原田委員 先ほど私、一万五千カ所の災害警戒区域の中に、どれだけ要配慮施設というのがあるのかを見定めた方がいいと。その中でも、災害対策工が、のり枠や砂防ダム、あるいは地すべり対策、何らかの対策が施されている要配慮者施設がどれだけあるのか、全く対策工がとられていない災害警戒区域の要配慮者施設がどれだけあるのか、これをちゃんと調べた方がいいと私は思うんです。
 今の時点でわかっている二百二十カ所の災害警戒区域内の要配慮者施設が、一体どれだけ対策工が施されているかどうかという全貌が明らかになっていないわけです。
 意見となりますけれども、要配慮者利用施設は、その種類がたくさんあります。なので、災害警戒区域内にある、それら要配慮者利用施設の詳細データを自治体と協力して作成し、必要な対策量の全貌をつかむ必要があると指摘しておきます。
 また、一万五千カ所の土砂災害警戒区域の約九割は急傾斜地と思われますので、急傾斜地のハード対策をさらに進めてほしいということを要望して、この項の質問を終わります。
 それでは、外環計画、シールド工法における酸欠空気噴出問題について質疑をさせていただきたいと思います。
 九月十八日の環境・建設委員会において、この問題についての初めての質疑をさせていただきました。その当時はまだ東京都としての把握状況、国や事業者からの情報が少ない中での質疑でありまして、現状が明らかになる部分もあれば、全く前に進まない質疑も繰り返されました。
 事は大深度法の是非、住民の命と財産にかかわる重大事態ですので、引き続き取り上げさせていただきます。
 他の工法と比べて事故が少ないとか、自治体においては事故が起きないかのように、まるで安全神話が繰り広げられてきたシールド工法ですが、この間の質疑で大分イメージが変わってまいりました。中でも二〇一二年、岡山県倉敷市の水島製油所の海底シールドトンネルの崩落で五名が死亡した事故で、シールド安全神話は崩壊したといわれてもいます。
 この事故ですけれども、シールドが出発時点から進行方向にずれを生じたと。シールドは蛇行した後、最後はセグメントの崩壊と海底崩落を引き起こしました。五名全員亡くなりました。
 しかし、進行方向のずれといっても、直径何メートルとか、外環でいえば十六メーターですけれども、その巨大なシールドにあっても、シールドにおけるずれというのはミリ単位です。この水島製油所の海底トンネルのシールドは、最大のずれでも三十センチしかずれていませんでした。それでもこのような事故が起きてしまったと。
 シールドは一度動き出したらとまりません。正確にいうと、とめることはできますが、とめると相当の工期のおくれを生じさせてしまうのでとめにくいわけです。猛烈な水圧と土圧によってシールドの姿勢に変化を来し、その調整で相当な時間と経費を浪費してしまうからです。
 問題が起きているなとわかっていても、時間と経費を考えて工事を突き進んでしまう。シールド工法の隠れた危険性です。
 数ミリ単位の掘削進路調節、猛烈な土圧、水圧、周辺水位等のモニタリング、シールド内に流入する掘削土の把握などなど、確かな掘削技術と施工管理が必要であり、何か問題があったら関係機関に連絡し、想定を超えたリスクがあらわれた場合には工事をとめる。そういった確かな施工のルールが必要なんです。
 ことし四月、NEXCO東日本の廣瀨社長は、少なくとも二〇二〇年までの完成は不可能と記者会見で述べました。その際、理由は、工事の難しさに尽きると説明しました。改めて大深度地下における外環計画というものがどれほどの難工事であるかを知らされたわけです。
 そこでお聞きしますが、東京都は、シールド工法においても事故は起こり得るし、中でも外環は世界最大級の難工事であるという認識がありますか。また、慎重かつ万全の施工管理体制が必要であり、それを国や事業者に都として求めていくかどうかを改めて確認します。

○大庭三環状道路整備推進部長 シールド工法は、一般には、岩盤との密着性が高く、地下水への影響が少ない工法であり、市街地のトンネル工事では広く一般に使われております。
 また、外環は、我が国で初めて大深度地下領域を全面的に活用した道路事業であり、また市街化された地域の地下に大断面のトンネルを構築する工事であるということを認識しております。
 一方で、外環は、首都圏の交通や物流の根幹をなし、渋滞解消による国際競争力の強化や防災性の向上、地域の安全性確保などに資する極めて重要な道路であります。
 都は、外環の関越から東名間を早期に開通させること、また事業実施に当たっては、安全を最優先に工事を進めることを国に求めているところであります。都としては、引き続き安全を最優先に工事を実施するよう国に求めてまいります。

○原田委員 安全最優先という言葉は二回続きました。しっかりとした施工管理体制があっても、それを管理できなければ意味がありません。外環はこの施工管理体制というものが、先ほど里吉委員の質疑でぐずぐずだということがわかってきたわけですけれども、水島製油所の海底崩落事故ですけれども、それに続いて社会に衝撃を与えた、先ほども出ていました福岡市のトンネル工事の大崩落事故も同様の原因がありました。
 先ほど里吉委員が示したように、第一次管理値から自治体への報告義務があるという適切な施工管理体制がありながら、二次、三次管理値を超えても工事を続け、土砂や大量の地下水が坑内に噴出して初めて現場職員が異常に気づき、地上に退避すると。職員が地上にたどり着いてから通行を封鎖してたった五分で道路にひびが入り、それから十五分ほどであの大崩落が始まりました。(パネルを示す)これですね。
 水島製油所や福岡市の大崩落事故には、住民の命と財産を守るために工事をとめるという力が働きませんでした。
 振り返って、外環計画には、先ほど里吉委員が指摘したように、適切な管理体制もとられていません。しかも、工事を住民にかわって監視する第三者機関も存在しません。あるのはトンネル施工等検討委員会という専門家らによる検討組織で、その規約第二条、目的にはこう書いてあります。トンネル構造、施工技術等に関する技術的な検討を行うことを目的とする。つまり、技術的な検討が主目的で、工事を監視するとか、住民の安全を守るとか、そういう機能は規約上は明記されていないわけです。
 こうした現状を受けて、第三者機関の設置を求める当都議団に対し、西倉都技監、当時建設局長は、住民の安全・安心確保のために、さまざまな項目についてデータをとりながら、安全・安心最優先で進めていくということになっておりまして、そのトンネル施工等検討委員会の中に東京都も委員として入ってございますと答弁されているわけです。
 今、西倉都技監のかつてのこの答弁が非常に重視されています。というのも、東名ジャンクションのシールド工法準備掘進の最中に、野川から酸欠空気が噴出、歩道から地下水が噴出するなどの一連の異変が起きているからです。
 ところが、国は、これらの異変を認識しつつ、東京都への報告を発生から一カ月後に行い、速報値と偽りました。住民には五月の異変発生から何と三カ月以上たった八月二十四日に公表するというありさまです。そうした異変の発生メカニズムについても、不明朗な公表に終始し、まともに情報提供する姿勢を国も事業者もとっていません。
 そうした状況の改善を求める、九月十八日、当都議団の質疑において、大庭三環状道路整備推進部長は、都といたしましては、引き続き安全を最優先に工事を実施するよう国に求めてまいります。また、都といたしましては、そういった状況について、適時適切に情報を収集して把握したいと考えておりますと答弁しました。これは重要な答弁です。
 今でもこの姿勢に変化はないかお答えください。

○大庭三環状道路整備推進部長 九月の環境・建設委員会で答弁させていただいたとおりでありますけれども、外環事業は、国及び高速道路会社により事業が進められているものでございます。工事の安全確保につきましては、国など事業者が主体的に判断すべきものと考えております。
 都といたしましては、引き続き安全を最優先に工事を実施するよう国に求めてまいります。また、都としては、そういった状況について、適時適切に情報を収集して把握してまいりたいと考えております。

○栗下委員長 これは原田委員に申し上げますが、里吉副委員長からの質問と重複がないようにお願いいたします。

○原田委員 酸欠空気の発生のメカニズムについて聞いておりますので、先ほど里吉委員の質問というのは避難計画についてですから、全く違いますので、その点は、委員長、ご判断いただきたいと思います。
 不明朗な異変発生メカニズムや日々のシールドマシンの状況について、適時適切に情報を収集、把握するということを確認しました。よろしいですね。
 何といっても、局長いわく、このトンネル施工等検討委員会こそが、都として情報を入手し、意見などを付していく場とのことですから、非常に重要になってきているわけです。
 そこで、トンネル施工等検討委員会については、その組織の存在意義について少し詳しく確かめておかなければなりません。外環におけるトンネル施工等検討委員会は、設立趣旨として、東京外かく環状道路事業に関し、トンネルの構造、施工技術等について確認、検討することを目的として、学識経験者、関係機関により本委員会を設置するものとされています。
 都からも委員が選出されていますが、どういう資格で委員となっているのか。

○大庭三環状道路整備推進部長 トンネル技術に関する有識者として、学識経験者等から委員を選定したと国からは聞いております。
 なお、関係機関の立場として東京都からも委員が選出されており、私が委員となっております。

○原田委員 関係機関、つまりは工事が行われる自治体ということで参加していると。しかも、世田谷区も杉並区も、あるいは関連市長なども参加していませんから、まさに東京都は関連自治体代表として参加をされているわけです。ですから、重みは増します。
 ところが、その代表者として都から出席している三環状道路整備推進部長は、何と国交省の派遣職員なわけですね。住民目線で、目となり耳となり、口となって検討委員会で質疑を行えるんだという強い決意が語れるかどうか伺いたいと思います。

○大庭三環状道路整備推進部長 お答えします。派遣職員の意味がよくわかりませんが、私は、今現在、東京都の職員でございます。

○原田委員 関係機関という資格で参加しているという場合には、外環のトンネル等施工に対し、都はどのような関係を持っているのか。
   〔「もっと大事な話がいっぱいあるぞ」と呼ぶ者あり〕

○大庭三環状道路整備推進部長 東京都は、先ほど申しましたように、この外環は非常に重要な道路であると考えておりまして、外環の関越-東名間を早期に完成させること、また安全を最優先に工事を進めることを求めているというのが都の政策でございます。
 そういったことから、外環道の関越から東名間の整備促進は都の重要な施策の一つであり、委員として参加することは、その施策に合致しているものと考えてございます。

○原田委員 ただいま他の委員から、もっと大事な質問があるぞと、私の質問に対してやじがありましたけれども、私は住民の安全と安心にかかわる重大な質疑だと思っておりますので、そうした不穏なやじは慎まれた方がいいと思います。
 それでは続けます。(「難癖だ」と呼ぶ者あり)委員長、今のは……。

○栗下委員長 続けてください。

○原田委員 委員は、トンネルの構造、施工技術、その他必要な事項について検討する資格を有するのかどうかお答えください。

○大庭三環状道路整備推進部長 トンネル施工等検討委員会は、学識経験者等で構成されております。工事を進めるに当たり、さまざまな観点から技術的な検討を行っておるものでございます。

○原田委員 トンネル施工等委員会において決定はどのように行われるのか、採決をしたり、委員の了承をとったりはするのか、お答えください。

○大庭三環状道路整備推進部長 トンネル施工等検討委員会の事務局は国など事業者であります。委員会の運営について、都としてお答えする立場にはございません。

○原田委員 私の質問は、検討委員会をああしろ、こうしろといっているものではありません。現状を聞いているんです。委員会の決定はどのように行われるんですか。

○大庭三環状道路整備推進部長 繰り返しのご質問でございましたので、繰り返しの答弁になってしまいますが、このトンネル施工等検討委員会の事務局は国など事業者であり、委員会の運営については、都としてお答えする立場にございません。

○原田委員 トンネル施工等検討委員会で議題が上がって、それについてどのように決定をしたり、審議をしているのかを聞いたんです。部長が出ているんですよ。
 どのようにトンネル施工等検討委員会の決定は行われるんですか。委員の採決があるのかとか、そういうことを聞いたわけです。なぜ答えられないんですか。

○大庭三環状道路整備推進部長 私は、トンネル施工等検討委員会の委員でございます。しかしながら、委員としての見解や認識は、外環トンネル施工等検討委員会の場で表すべきものであり、また、委員として知り得た情報は、規約により守秘義務が課されていることもあり、この場では控えさせていただきたいと思います。

○原田委員 そのトンネル施工等検討委員会で委員がどのような役割を果たすのか、それについても守秘義務だなんて、そんな話が通るはずないじゃないですか。ちゃんと答弁を改めて、後で持ってきてください。
 つまり、トンネル施工等検討委員会における東京都の参加というのは、いわば自治体代表という立場であり、先ほどの答弁の中でも、トンネル施工に対して重大な影響力を持つこともわかりました。部長はそうした極めて重要な参加者なんです。
 だからこそ、以前の西倉建設局長の答弁があるわけですね。事あるごとに、外環工事は一義的な責任は国にあるとする答弁、これは余りにも無責任だということです。まさにその一義的な責任を負っている一人なんだという自覚を持っていただかなければならないという話なんです。
 先ほども指摘したように、酸欠空気の噴出は、本格掘進を控え、緊張感と怒りの渦巻く外環沿線住民の暮らしを脅かす事態となっています。
 一九六〇年代から七〇年代にかけて、地下トンネルにおける圧気工法という工法により酸欠事故が頻発しました。本来、酸素を十分に有した空気が鉄などを含んだ土壌を通過するとき、鉄が酸素と結びつき、その空気中から酸素を奪ってしまう。猛烈な圧力で工事現場から、地中から地上に押し上げられた圧縮空気が酸欠化しながら地下の配管や井戸、地下室に充満し、それを吸った人が酸素欠乏症に陥ります。
 この酸欠空気がどれほど怖いものなのかと改めて紹介しますと、私たちが暮らしている環境の通常の空気の酸素濃度が大体二一%と。この二一%を下回り、一八%を下回ると酸欠空気というふうに名づけられ、一六%までいった段階で頭痛や吐き気、集中力が極度に落ちます。一二%でめまい、筋力低下、八%で失神、昏倒、七、八分後には死亡します。六%は吸った瞬時に昏倒、呼吸停止、六分後には死亡。これは厚生労働省が出している基準です。
 そして、今回の野川で検出された酸欠気泡濃度、何と高くて六%ほど、実に酸素濃度一・五%という、吸い込んだ人は瞬時に昏倒、すぐに死亡するという殺人空気ともいわれた濃度が何度も検出されたんです。
 この酸欠空気の発生を東京都に報告したのが一カ月後だったんです。住民へは三カ月にわたって報告しなかった。驚くべきことじゃありませんか。
 九月十八日の環境・建設委員会において部長は、安全・安心に事業を進めることは第一義的に国が責任を負うと、九月十八日に部長はそう語りました。
 幾度も責任回避の答弁をしておきながら、その一義的責任を負う国が、野川周辺への調査を行ったかどうかさえ、あのとき国に確認していませんでした。
 その際、私は委員会後に国に確認するよう指摘しましたが、その後の聞き取りの結果を教えてください。

○大庭三環状道路整備推進部長 九月のこの環境・建設委員会の中でも触れたものでございますけれども、国など事業者は、気泡漏出箇所周辺の地下室等で酸素濃度を念のため測定しており、問題がないことを確認しております。
 さらに、その後も同様の確認をいたしまして、国など事業者は、気泡漏出箇所周辺の地下室等で酸素濃度を念のため測定しており、周辺環境に影響がないことを確認しているというふうに聞き取ってございます。

○栗下委員長 原田委員に再度申し上げますが、本日の理事会で極力重複をなくすということをいいました。
 これから新しいところに入ると聞いておりますけれども、今の説明のところもできるだけ省略をお願いいたします。

○原田委員 委員長、了解しました。
 ただいま、これは新しい答弁なんですけれども、地下室等で酸素濃度を念のため測定したということを確認してきたんだということでした。
 前回は、知らなかった、確認していなかったといったわけですけど、その箇所数や範囲、調査方法、もちろん聞いたと思いますが、教えてください。(大庭三環状道路整備推進部長「済みません、聞き取れません」と呼ぶ)
 酸素濃度を念のため測定したということですけれども(「立っていわなきゃだめだろう」と呼ぶ者あり)いやいや、聞こえなかったということです。
 部長から聞こえなかったということで、もう一度質問します。
 気泡漏出箇所周辺の地下室等で酸素濃度を念のため測定しており、問題がないこと確認しているという答弁でしたが、その箇所数や範囲、調査方法はもちろん聞いたと思いますけど、どのようなものでしたか。

○大庭三環状道路整備推進部長 今回のシールド工事に伴う地下室等の調査は、気泡漏出箇所周辺の地下室等で酸素濃度を念のため測定したものであり、問題ないことを確認しているものと聞いています。
 また、具体的な調査内容につきましては、個人情報を含む内容であり、答えることができないというふうに聞いております。

○原田委員 私が聞いたのは、調査件数とその範囲、どんな調査方法だったのかなんですよ。これが何のプライバシーと関係があるんですか。
 姉川ポンプ場というところの建設工事では、ニューマチックケーソン工法の施工において最も警戒すべき事項の一つが、函内作業室に過剰な圧縮空気を送ることで発生する刃口からの漏気、エアブロー、空気が漏れるということであると。漏気は、周辺井戸への漏出や地盤の乱れ、沈下、既設構造物や隣接工事への影響などを引き起こす恐れがあるとし、圧気部分の周辺一キロ以内のある全戸を対象に井戸分布調査六百六十九カ所、測定可能な井戸九十四カ所の酸素濃度測定を実施するとしています。
 ニューマチックケーソン工法による姉川ポンプ場建設工事では、酸素欠乏症等防止規則に基づいた調査の件数や範囲を明らかにしているんですね、件数も範囲も。
 外環では、なぜプライバシーを理由に公表しないのか。

○大庭三環状道路整備推進部長 安全・安心に事業を進めることは、先ほどから申し上げておりますように、一義的には国など事業者の責務でございます。
 今回のシールド工事に伴う地下室等の調査は、気泡漏出箇所周辺の地下室等で酸素濃度を念のため測定をしており、問題ないことを確認しているものと聞いております。
 具体的な調査内容については、個人情報を含む内容であり、答えることができないと国からは聞いております。

○原田委員 だから、他の酸欠対応した工事では、件数も範囲もしっかりと数字で明示しているんですよ。
 外環で酸欠調査した件数、範囲、調査方法を国が明示をしないのは、抗議すべきだと思いますけど、いかがですか。

○大庭三環状道路整備推進部長 この事業につきましては、国など事業者の責務でございます。
 都といたしましては、国の方の判断で行われているものと思いますし、都としては適切に行えるものと考えております。

○原田委員 酸欠空気について、いつどのような報告があったのかを問われた大庭部長は答弁で、本年六月二十九日に気泡漏出にかかわる周辺環境への影響の調査結果の速報について連絡がありました。その中で、気泡の酸素濃度は低いものの、水中の既存酸素量は高いとの報告があったとしています。
 さらには、漏出している空気量は大気に比して微量であり、周辺環境に影響がないことを確認していると聞いておりますとまで答弁しました。
 トンネル施工等検討委員会の専門家が、この酸欠空気は周辺環境に影響はないと判断したとのことですが、その判断内容はいかなるものだったのでしょうか。水質調査以外に何かデータに基づいているんでしょうか。

○大庭三環状道路整備推進部長 どのようなデータに基づいているのかというご質問でございました。
 河川内の水質調査、気体の成分調査、地下水の水位調査、地下水の水質調査などの資料により、地中から漏出した空気は周辺環境に影響を与えるものではないと考えられると確認したと国からは聞いております。

○原田委員 おかしいと思うんですよね。今、都は、水質調査、気体の成分調査、地下水の水位と水質調査から周辺環境に影響がないと考えられると確認したといいましたが、これはNEXCO東日本の外環工事事務所の発表とも違うんですよね。事業者の発表は、あくまでも気体の成分は危険なものだけれども、大気に薄まるので周辺に影響はないといったんです。
 水質調査や気体調査の結果から安全だと認識していると答弁がありましたけど、これ誤りじゃありませんか。訂正した方がいい答弁だと思うんですけど、どうでしょう。

○大庭三環状道路整備推進部長 国からは、河川内の水質調査、気体の成分調査、地下水の水位調査、地下水の水質調査などの資料により、地中から漏出した空気は周辺環境に影響を与えるものではないと考えられると確認したと聞いております。

○原田委員 今まで国は、確かに危ない酸欠空気だけど、地上に出たら大気で薄まるから影響がないといういい方をしていたんですが、水質調査などから安全だと考えるというふうに答弁を変えたとすれば、とっても珍答弁といいますか、不思議な答弁となると思うので、今後ちょっと分析したいと思います。
 気泡そのものは酸素濃度が低いと国も事業者も認めています。その濃度の低さは、私が先ほど指摘したとおりです。ただし、国交省は、漏出している空気量は大気に比して微量であり、周辺空気に影響がないことを有識者に確認していますとこれまではしていたわけです。
 つまり、気泡は危険だが、周辺の空気にまじれば影響がないという。逆にいえば、これは周辺の空気にまじらないようなところ、すなわち地下室や井戸やトンネル、配管など閉塞した空間では、安全性を保証することにはならないということになるんです。
 そこでお聞きします。
 酸欠空気が影響を与えるのは、主に閉鎖空間に漏出したときであり、地下室や配管、トンネルなどへの影響があるかどうかが問われているんじゃありませんか。

○大庭三環状道路整備推進部長 先ほどの答弁で、当初、周辺環境に影響がないと判断した際の、どのようなデータに基づいているのかということの答弁をさせていただいていたものでございます。
 国からは、気泡の酸素濃度は低いものの水中の既存酸素濃度は高い、漏出している空気は大気に比して微量であり周辺環境に影響がないことを確認していると聞いております。この答弁は、九月の委員会でしたとおりでございます。先ほどの質問に対して、追加をさせていただきます。
 一方で、もう一つの、今ご質問いただきました、酸欠空気が影響を与えるのは閉鎖空間、そういったところへの影響が問われるのではないかという質問だったと思います。
 本年八月に公表されている気体の成分調査結果では、気体自体の空気成分の簡易測定において、その酸素濃度は低いことを確認しているが、漏出している空気量は大気に比して微量であり、周辺環境に影響がないことを有識者に確認しているというふうにされております。
 また、気泡漏出箇所周辺の地下室等で酸素濃度を念のため確認しており、問題がないことを確認しているとされているところでございます。

○原田委員 回りくどいいい方をしていたんですけど、その答弁のとおりなんです。気泡漏出が問題になるのは、大気中の濃度とかじゃなくて、地下室の濃度が問われるわけです。だから、国も念のため地下室を調査したんですよね、酸欠空気は危ないから。
 地下室を調べたら酸欠空気はなかったので安全と主張するんだったら、百歩譲って議論になるんですけど、先ほどのように、水質調査、気体の成分調査、地下水の水位調査、地下水の水質調査等で、地中から漏出した空気は周辺環境に影響を与えるものではないとは到底いえないわけで、そこを指摘したわけです。
 今の答弁ですけれども、つまり、地下室で酸素濃度を確認したと、そうしたら問題ないことを確認したということなんですけれども、いつやったのか、どこの地下室かも、どのあたりなのかもわからない。
 ある時点の地下室が安全だったから、近隣全て、今後の沿線上の全ての地下室は安全だというつもりではまさかないですよね。

○大庭三環状道路整備推進部長 八月に公表されている気体の成分調査結果では、気体自身の空気成分の簡易測定において、その酸素濃度は低いことを確認しているが、漏出している空気量は大気に比して微量であり、周辺環境に影響がないことを有識者に確認していると。また、気泡漏出箇所周辺の地下室等で酸素濃度を含め念のため確認しており、問題がないことを確認していると国はしております。
 今後については、国が判断していくものと思います。

○原田委員 つまりこれは、そのとき、その場所だけは安全だったというにすぎない調査なんですね。その瞬間、この間、気泡が出たんで地域の地下室を調べました。安全だったので、全部、全地域安全です。それから、これから先も安全ですと到底いうわけにはいかないと。だから、酸欠規則なんかは、半径一キロにわたって継続的な調査を求めているわけですよね。
 同じ国交省の事業でも、港ですね、富山県の富山新港で行った工事は全く違います。きょうは、その論文のうちの一つに掲載された図を持ってきましたけれども、橋梁の基礎として立て坑を掘るときに、エアブロー--空気が漏れる、漏気ですね、発生するんだと。それが土中を通っていくと酸欠ガスとして噴出する。この図です。ニューマチックケーソンという圧気工法によって漏気が起こって、必ずこうやって土中を通って酸欠化して外に出てしまうと。そういうことを自分たちで図示しています。
 これについて酸欠ガスが発生する危険性があることから、付近住宅内等に滞留した酸欠ガスによる被害発生を抑制するため、住宅地で酸欠ガスが滞留する可能性があるから、その発生を抑止するため、事前にエアブロー対策、漏気対策を実施し、安全の確保を図る必要があるものと判断した、そういっています。ここに住宅の絵も描いてある。
 このニューマチックケーソンの圧気工法によって出た空気が住宅地にも行って被害を及ぼす可能性があるから、そこに対しては事前に調査をしたり、対策を施そうと富山新港のニューマチックケーソン圧気工法では、みずからそのように宣言をしているわけです。酸欠ガスが民家での暮らしを脅かす可能性がある以上、住民の安全の側に立って対策をとる、これがあるべき姿であると強く主張するものであります。
 酸欠空気が初確認され、その後も深刻な低酸素濃度の数値が幾つも出続けていたにもかかわらず、東京都への報告が一カ月もたったことを都はどう受けとめているのか。国には、なぜ一カ月もおくれたのか確認したのかと聞かれた部長は、明白に、確認していませんと答弁しました。その後、国交省には確認しましたか。

○大庭三環状道路整備推進部長 前回のこの環境・建設委員会の際にも答弁したんですけれども、六月二十九日に気泡漏出に係る周辺環境の影響の調査結果の速報について連絡がございました。その中で、気泡の酸素濃度は低いものの、水中の溶存酸素量は高いと報告があったということを答弁させていただいたところであります。
 その後、国に確認しましたところ、必要な調査、確認が取りまとまったものから順次公表しているというふうに聞いているところでございます。

○原田委員 確認をしてきたのは今までと違う動きでございまして、今後もそうした姿勢を維持していただきたいなと、そういうふうに思います。
 しかし、まとまったものから順次公表と聞いているといいますが、それで帰ってきてもらっちゃ困るんですよね。十月四日の国交省の聞き取り後に示された資料には、実に、五月十八日の野川の気泡発見のその日から調査が行われていた。六月二十九日の東京都への速報までの四十二日間に、何と三十一日間も調査をしていたことが明らかになりました。雨の日を除いて、五月十八日に野川で気泡が発見されてから東京都に速報を出すまで毎日調査していたんです。
 このことだけでも驚くべきことですが、三十一日分の調査中、三十一日全ての調査日の酸素濃度が六%以下、吸えば瞬時に昏倒、数分で死亡レベルの酸欠空気が測定されていたんです。
 NEXCO東日本のプレスリリースでは、住民に知らされた八月二十四日の段階でも、酸素濃度については簡易測定の結果だといっています。ところが、東京都に伝えるまでに、もう四十二日間中三十一日も調査していた。簡易どころじゃない超詳細な調査を行っていたんです。
 まとめる時間がかかったから一カ月おくれたんだと国交省の肩を部長は持ちますけれども、とんでもないです。酸欠空気が測定されていた状態で一カ月以上調査をすれば、すぐにでも住民に知らせなければならなかったんじゃありませんか。
 都は、速報値とやらが都に知らされるまでに、これほどの調査が行われていたことを知っていたんですか。

○大庭三環状道路整備推進部長 国の気体成分調査結果では、気体自体の空気成分の簡易測定において、その酸素量は低いことを確認しているが、漏出している空気量は大気に比して微量であり、周辺環境に影響がないことを有識者に確認しているということでございます。
 国に確認したところ、必要な調査、そして確認が取りまとまったものから順次公表しているというふうに聞いているところでございます。

○原田委員 つまり、これだけの詳細な調査が行われていたことを国から東京都は知らされていなかったということですね。
 この事業者は本当に問題でして、当初、我が党の宮本徹衆議院議員の出した文書質問主意書に対し、東京都への速報が行われた一カ月後、七月二十四日の内閣総理大臣安倍晋三の名前で出された答弁書にも、お尋ねの気泡の酸素濃度の数値については現在調査中であると書いて送ってよこしました。
 実際は、既に一カ月以上の調査の上、速報値を東京都にもう渡していたんです。酸欠空気は国民、都民の命と健康にかかわる重大な問題です。そのデータがわかっているにもかかわらず、国会にも明らかにしようとしない、東京都にも明らかにしようとしない、重大な問題じゃありませんか。
 酸欠空気は国民の命と健康にかかわる重大問題です。そのデータがわかっているにもかかわらず、住民にも自治体にも明らかにしようとしない不誠実な事業者が、外環の工事を継続することは許されないと思いますが、どう思いますか。

○大庭三環状道路整備推進部長 本年の六月二十九日に、気泡漏出に関する周辺環境への影響の調査結果の速報について連絡がありました。その中で、気泡酸素濃度は低いものの、水中の溶存酸素量は高いとの報告がありました。
 また、八月二十四日には気体の成分調査の結果について連絡を受け、その後、ホームページで公表されております。国は、必要な調査、確認が取りまとまったものから順次公表していると聞いております。
 以上です。

○原田委員 酸欠による労働現場の事故を防止するため、労働安全衛生法に基づき酸素欠乏症等防止規則が定められています。環境省が所管する、住民を守るために定められたのが、酸欠空気による住民の被害の防止についてとする通知であります。
 国交省は、この間、酸欠空気の発生、噴出にもかかわらず、こうした規則や通知が主に圧気工法による発生を想定して規定されているなどとして、まともに対応していません。しかし、現に酸欠空気は地上に噴出しているわけです。しかも、これから掘り進められる計画線上の地上には住宅街が広がっており、地下室もあるし、無数の井戸もあるわけです。
 そこで、先月、十月四日、日本共産党国会議員団及び日本共産党都議団、そして住民の皆さんとで、厚労省、環境省、国交省の三省にまとめて聞き取りを行ってまいりました。
 そこで、酸欠空気が発生しているときに、環境省としてはどのような対処をするのかと問うたところ、現在、外環で使用されている気泡シールド工法を酸素欠乏症等防止規則二十四条に示された圧気工法には当たらないと聞いているとしながらも、酸欠空気による住民の被害の防止を図る必要があると考えるとの回答がありました。
 部長も九月十八日の委員会で、圧気工法には当たらないため酸欠則の適用を受けないとする国の姿勢を容認する答弁を行う一方で、しかしながら、事業者におかれましては、工事の安全・安心の確保のために必要な調査などはしていくものと考えてございますとも答えています。
 圧気工法であろうがなかろうが、危険な酸欠空気がこれだけ発生していたのですから、周辺の井戸や配管、地下室等の調査、周辺工事現場などへの周知など、酸欠対応するのが当然ではありませんか。お答えください。

○大庭三環状道路整備推進部長 安全・安心に事業を進めることは、一義的には国など事業者の責務でございます。
 前回から答弁させていただいておりますように、外環で採用されているシールド工法は、酸欠防止規則第二十四条の対象とはならないというふうに聞いておるところでございます。
 なお、国など事業者は、発生メカニズムの推定、気体の成分調査結果を公表し、地中から漏出した空気は周辺環境に影響を与えるものではないと考えられるとしているが……(原田委員「まだいっている」と呼ぶ)

○栗下委員長 静粛にお願いします。

○大庭三環状道路整備推進部長 気泡漏出箇所周辺の地下室等で酸素濃度を念のため確認しており、問題がないということを確認しているとされています。

○原田委員 あのですね、先ほど指摘しましたが、地下室の酸欠調査をしたといいますけど、ある日のある時点で、一体いつどこでどんな調査をしたかもわからない。たったその調査で、全ての地域がもう安全だと、今後も安全だとはいえないでしょう。
 一たび酸欠空気が発生したら、井戸や地下室等の調査を今後も継続してするのが当然ではありませんかと聞いたんです。ところが、先ほどの答弁だったわけです。住民の命を最優先にと都はおっしゃいましたが、やっていることは、結局、工事の進行最優先じゃありませんか。
 国交省への聞き取りで、なぜ周辺の地下室の調査をしたのか、地下室は危険が及ぶ可能性があるので調査したのか、そう聞いてみました。これに対し国交省は、出ている空気の量はごくごく微量なので大気にまざれば問題ないが、地下室は大気が出ていくわけにはいかないので調べたと。住民の安全・安心のため、念のため調べたと答えています。地下室等はやはり国としても危険性があると認識しているんじゃありませんか。
 東京都としては、自治体代表、住民代表としてトンネル施工等検討委員会に出席している部長は、法に規定があろうがなかろうが、国だって恐れて地下室の調査もしたこの酸欠空気の噴出に対して、今後も酸欠対応で調査をすべきだと迫るべきじゃありませんか。

○大庭三環状道路整備推進部長 国など事業者は、発生メカニズムの推定、気体の成分調査結果を公表し、地中から漏出した空気は周辺環境に影響を与えるものではないと考えるとしているが、気泡漏出箇所周辺の地下室等で酸素濃度を念のため確認しており、問題がないことを確認しているとされているところであります。

○原田委員 立て坑を掘る際によく使用されるニューマチックケーソン工法は圧気工法ですが、この際、酸素欠乏症等防止規則は適用されないのか。また、外環東名ジャンクションでは対応がとられたかどうかお答えください。

○大庭三環状道路整備推進部長 東名ジャンクション本線シールド立て坑工事では、ニューマチックケーソンによる圧気工法を実施しており、関係法令等を遵守し、適切に工事を進め、平成二十七年九月までに完成したというふうに聞いております。
 これは圧気工法ですから、酸素欠乏症等防止規則に基づく地下室の調査や井戸の調査をしており、調査の結果、工事による周辺環境への影響は確認されていないというふうに聞いております。

○原田委員 つまり、立て坑を掘ったニューマチックケーソンは酸欠防止規則に定められた圧気工法だから、ちゃんと酸欠対応をやっているんです。
 ところが、今回シールドを準備掘進していたら、酸欠空気が出てきてしまった。ただし、これは圧気工法じゃないからやる必要はないと。こんな事業者の姿勢を認めるわけにいかないんじゃないですか。部長じゃ話にならないじゃないですか。局長、責任ある答弁をすべきだと思いますよ。
   〔発言する者あり〕

○栗下委員長 原田委員、同じ質問の繰り返しになっておりますので、だから、ちょっと切り口を変えて進めていただきたいんですね--答えますか。同じ答えになるでしょう。(大庭三環状道路整備推進部長「はい、なります」と呼ぶ)

○原田委員 ところが、立て坑の近隣にお住まいの方が地下室の調査などなかったといっているんですね。このニューマチックケーソンの圧気工法のときにです。どういうことなんでしょうか。
 本当に半径一キロにわたって行ったんでしょうか。事前に井戸やボーリング孔を調べたのか、国や事業者に確認する必要があると思いますけど、確認してもらえますね。

○大庭三環状道路整備推進部長 東名ジャンクション本線シールド立て坑工事は、国及び高速道路会社が事業を進めているものであります。
 この工事では、ニューマチックケーソンによる圧気工法を実施しており、関連法令等を遵守し、適切に工事を進め、その際には、酸素欠乏症等防止規則に基づく地下室の調査や井戸の調査を実施しており、調査の結果、工事による周辺環境への影響は確認されていないというふうに国からは聞いております。

○栗下委員長 原田委員、申し上げますけれども、国に関しての質問が多数見受けられますので、都としてしっかりと答えられる範囲の質問に配慮いただくようにお願いします。

○原田委員 これは、第一義的には国の事業だと部長がよく答弁をするわけですね。ですから、国がしっかりと調査なりするのかどうかというのをこの議会で明らかにするのは、住民代表の我々の仕事じゃありませんか。それが国でやれという話をしたら、私は議会の権威たるものが、都議会の意味というものが失われていくと思います。
 委員長、進めさせていただきます。
 改めてお聞きしますけれども、近隣にお住まいの方が地下室の調査などなかったといっていますが、国や事業者に確認していただきたいと思います。どうですか。

○大庭三環状道路整備推進部長 繰り返しの答弁になってしまいます。東名ジャンクションの本線シールド立て坑工事は、国及び高速道路会社が実施しているものでございます。事業者からは適切に法令等に基づき工事を進めたと聞いております。
 以上です。

○原田委員 部長は自治体代表、住民代表でトンネル施工等検討委員会に出ているんですから、こういう都議会で上げられた重要な要望についてはちゃんと受けとめて、トンネル施工等検討委員会に出ていかなければ困ります。
 野川から気泡が噴出した事象に対して、国は、かつてのボーリング孔跡がシールドの進路とぶつかり、そこから気泡シールドの気泡が上に上がり、水や空気を通しやすい砂れき層で広がったとしてきました。しかし、前回の質疑では、一向にそのボーリング孔の跡が示されませんでした。
 そこでお聞きします。
 野川から酸欠気泡が噴出したメカニズムとして、国交省はボーリング孔を通して噴出したと説明しましたが、これまで、そのボーリング孔がどこにあるのか示されてきませんでしたが、その後、調べてきましたか。

○大庭三環状道路整備推進部長 気泡が漏出した付近に過去のボーリング調査孔が存在していることを確認しているとされていたところでございます。そして、このボーリング調査孔は、遊歩道の地下水流出付近にあるというふうに聞いております。

○原田委員 都は、そのボーリング孔跡を確認すべきと指摘したいと思います。
 本当にその穴を通って酸欠空気はつくられたのか、それとも本来空気を通さないといわれてきた土丹層を空気が通って酸欠空気になったのか。いずれにしても、大深度法の根拠を揺るがす事態なんですけれども、後者の場合、土丹層を空気がのべつ幕なしに通ってきてしまった場合は、特にこれからのシールド工事の沿線のどこでも酸欠空気が住宅街に噴出するかもしれない大問題となります。
 早急にこのボーリング孔を現実に確認する必要があります。いかがですか。

○大庭三環状道路整備推進部長 安全・安心に事業を進めることは、この外環の事業においては、一義的に国など事業者の責務であります。
 気泡が漏出した付近に過去のボーリング調査孔が存在しているということを確認していると国、事業者はいっています。このボーリング調査孔は、遊歩道の地下水流出付近にあると聞いております。
 外環は、国等の事業であり、私ども都が、職員を配置して個別の箇所を確認するなど行うということはできないと考えております。

○原田委員 六月二十八日における未確認構造物からの地下水噴出も、いまだにそのメカニズムがはっきりしません。国及びNEXCOは、五・五メートルまで現地を掘り下げ、そこよりも地下に直径十二センチの人工的な穴があいていることを確認し、画像もこちらの場合は公開しています。
 ちなみに、先ほどのボーリング孔跡は掘ってもいないし、画像の公開ももちろんありません。確認したという答弁は間違いです。(「何だ、それ」と呼ぶ者あり)にもかかわらず、従来、空気を通しにくい--何だ、それという発言が出たので……

○栗下委員長 静粛にお願いします。質問を続けてください。

○原田委員 わかりますかね。先ほどのボーリング孔については、確認は実はされていないんです。ただ、この六月二十八日の何らかの人工的な穴は掘って確認をしました。
 従来、空気を通しにくいとしてきた土丹層を空気が通ってきてしまった可能性が高く、この人工的な穴が、五・五メートルの土丹層のところからどこまで下に延びているかは重要なんです。
 東京都として、国にこの五・五メートルの穴を掘って、もうそこの穴が見えているんです。画像もあるんです。なぜ、その先が何メートルまで延びているのか調べないのかと確認すべきじゃありませんか。

○大庭三環状道路整備推進部長 六月二十八日に発生した地下水流出箇所において流出孔が確認され、地盤を掘削し流出孔の状態を確認したところ、直径十二センチの人工的と思われる穴が約五・五メートルの深さ以上で存在しているということを確認したと聞いておりますし、これにつきましては、八月以降、ホームページでも気泡漏出及び地下水流出推定メカニズムとして公表されているところでございます。

○原田委員 私の質問に答えていないわけですね。国に確認すべきじゃありませんかと聞いたわけです。
 人工的な穴に向けて、気泡シールド工法由来の酸欠空気が地下から何十メートルも上がって集まってきたとすれば、先ほども指摘したように、空気を通しにくいはずの土丹層が空気を通したことになります。
 そのことについて問うと、国交省は、十月四日の聞き取りで、一般的には土丹層は空気を通しにくい層なのだが、全く通さないということはないとの理解と驚きの回答を行いました。
 今回、土丹層が空気を通すことがわかったとすれば、この先のシールド工法上の土丹層について、全線で調査が必要になってくるんじゃありませんか。都の見解を求めます。

○栗下委員長 都として回答できますか。

○大庭三環状道路整備推進部長 この事業は、国など事業者が一義的に責務を持ってやっている事業でございます。
 国など事業者は、発生メカニズムの推定、気体の成分調査結果を公表し、工事を安全に進めているが、安心の確保のため、空気の漏出状況をモニタリングするとともに、工事ヤード内において推進時に使用する材料……(「掘進時」と呼ぶ者あり)掘進時、指摘ありがとうございます。掘進時に使用する材料や圧力を調整するなど、空気の漏出を抑制しながら推進する方法について検証しているところであると聞いております。
 なお、土丹層についての調査は、国など事業者が判断するものと考えております。

○栗下委員長 原田委員、先ほどと同趣旨になりますけれども、都として回答でき得るものについてご配慮いただければと思います。先ほどからなかなか質疑が進んでいっておりませんので。

○原田委員 進んでいるんですね。逆にいえば、都として確認が必要な事態だと私はいっているんです。国はメカニズムもいまだわからないのに実験掘進を始めました。こんなときこそ、都が都民の立場に立って真相を努めなければならないわけです。
 冒頭部分で指摘しましたけど、先ほどから何度もいっていますけれども、関連自治体の代表として部長はトンネル施工等検討委員会に出ているんですから、その重要性をちゃんと自覚して--こうした土丹層に空気が入ったのか入っていないのかなんて重大なメカニズムなんですよ。それをまだ国は明らかにしていないんです。なぜそんなことが起きてしまっているのかわからないまま準備掘進を始めているんです。この問題点を、この都議会のこの委員会で追及できなかったら、我々の存在意義が問われるじゃありませんか。
 つまり、シールドの安全性については、このトンネル施工等検討委員会がやっているわけでしょう。そのメンバーの中に、地方自治体代表として東京都建設局が参加しているわけです。そこでトンネルの構造も施工技術も、その他重要な必要な事項ということで、万が一のときの避難対策などまで話し合っていると。
 委員はこうした議題について検討する資格があり、最終的には了承したり採決をとったりして、委員の了解による決定事項が外環の工事に決定的な影響をもたらすわけです。
 東京都は、部長はその一員でありながら、国や事業者が判断するといういいわけ、これ通用するはずがありません。むしろ国も事業者も、施工等検討委員会に尋ねて事を決めているんです。技術や安全については、こっちの方が国や事業者よりも権限があるくらいなんです。
 国は、地表面に漏気した酸欠空気の量は、気泡シールド工法によって使われた起泡剤に含まれる空気のごく一部と表現してきましたが、その数値的根拠について調べておくように指摘をしましたが、その際、部長も、都としては、安全に工事を進めることが重要と考えておりますので、適切な情報提供を含め、安全・安心に向けた取り組みを引き続き機会を捉えて、国に求めていきたいと重要な答弁をしました。
 その後、この漏れ出たのはごく一部なんだとする国の見解、根拠について調べてきましたか。お答えください。

○大庭三環状道路整備推進部長 外環で採用されている気泡シールド工事では、泥土に起泡剤を混入し掘り進めるため、基本的には空気は掘削土とともにマシン内へ取り込まれると聞いております。
 今回の気泡発生については、掘削部から漏れたわずかな空気が地中を通じて地上に漏出したものであると聞いておるところでございます。

○原田委員 私が聞いたのは、そのデータの存在があるのかというのを、聞いてきたのかと聞いたんです。改めて確認します。

○大庭三環状道路整備推進部長 改めて確認させていただきましたところ、外環で採用されている気泡シールド工事では、泥土に起泡剤を混入し掘り進めるため、基本的には空気は掘削土ととともにマシン内に取り込まれると。
 また、今回の気泡発生については、掘削部から漏れたわずかな空気が地中を通じて地上に漏出したものであるというふうに国からは確認をしているところでございます。

○原田委員 ごく一部の空気が漏れたという割には、五月十八日の野川の酸欠空気発生から東京都への速報値まで一カ月以上、四十二日間の間に、三十一日間酸欠空気が大量に出続けると。出方も、ジャグジーみたいな出方ですね、ぽこぽこじゃありません。これについて本当に一部なのかと。
 やっぱりシールドというのは、さっきいったように、ミリ単位の施工管理とかをしてきますから、出した泡がどれだけ回収されるのかというのをちゃんと見ているんですね。そのデータを調べてきてほしいといったにもかかわらず、今の答弁は、調べてきていなかったということがわかりました。
 前回の質疑ではっきりしなかったことの中でも大きいのが、酸欠空気の噴出や地下水の噴出は、想定内の事象なのか想定外の事象だったのかという問いに対する答弁です。前回はこう答弁しました。工事の展開は、国が責任を持って行っておることを認識している。
 意味不明の答弁なわけですけれども、今回改めて、酸欠空気の噴出や地下水の噴出は、想定内の事象なのか想定外の事象だったのかについて、国は何といっているか確認をしてきましたね。お答えください。

○大庭三環状道路整備推進部長 外環につきましては、国など事業者が責任を持って行い、安全を最優先に工事を進めていると考えております。
 今回の箇所での気泡発生や地下水の流出については、あらかじめ確実に把握していなかったというふうに聞いております。

○原田委員 あらかじめ確実に把握していなかったと聞いているという極めてわかりづらい答弁だったんですけれども、こうした国の姿勢というのは、我々の聞き取りの中でも、国交省は一端を語っていました。今回の事象が、外環工事の今回の箇所で酸欠空気が発生することに関しては想定していなかったと語りました。
 東京都としても想定外の事象だったと認めますか。

○大庭三環状道路整備推進部長 この工事は、国など事業者が責任を持ってやっているものでございます。
 国からは、今回の箇所での気泡発生や地下水の流出については、あらかじめ確実に把握していなかったというふうに聞いているところでございます。

○原田委員 地上には影響を及ぼさないとした大深度法において、想定外の地上への影響が出たということだと思います。あらかじめ確実に把握していなかったという表現でしたけど、これまで地上への影響を否定してきたのは国や事業者、東京都もです。
 いよいよ東京都は、国や事業者に対して、これは一体どういうことなのかと説明を求めなきゃいけない事態なんじゃありませんか。それについて部長の見解をお聞かせください。

○大庭三環状道路整備推進部長 外環事業は、国及び高速道路会社により事業が進められているものでございます。工事の安全確保については、国など事業者が主体的に判断すべきものと考えております。
 都としては、引き続き安全を最優先に工事を実施するよう国に求めてまいります。

○原田委員 酸欠空気を地上に発生させたシールドマシンについて、九月十八日の段階で部長は、現在は、推進時に使用する材料や圧力を調整するなどして、空気の漏出を抑制しながら推進する方法について検証しているというふうに聞いていると答弁なさいました。しかし、一体どうやって圧力を下げているのかがわかりませんでした。
 具体的に圧力の下げ方、そして何気圧から何気圧に下げていったのか、お答えください。

○大庭三環状道路整備推進部長 事業者が採用しているシールド工法は、掘削位置の土や地下水の圧力に対応する圧力により、掘削部を保持しながら掘進する泥土圧シールド工法と聞いております。
 国など事業者は、シールドマシン前面にかかる水圧や土圧とのバランスを泥土で調整するために、シールドマシンを前方へ押しつけるジャッキの力などを、通常の施工管理の中で監視しながら調整していると聞いているところでございます。

○原田委員 続けて二問お聞きします。
 酸欠空気発生を受けた実験掘進によってシールドは進んでいるのか、進んでいるとすれば何メートルか。また、実験掘進は二十四時間稼働しているのか、それとも断続的なのか、お答えください。

○大庭三環状道路整備推進部長 八月三十日以降の掘進距離は約二百五十メートルと聞いております。また、昼間のみの施工となっていると聞いております。

○原田委員 二百五十メートルといえば、そろそろ事業地を出るか出ないかのところまで差しかかっているということなんでしょうか。
 あと、大体日に直すと四メートルぐらい。当初というか、通常は二十メートル、多いときでは三十メートルぐらい一日に進むといわれているのが四メートルちょっとと。これは圧力を下げたというのは、ジャッキの話をされましたけど、要はスピードを落として圧力が下がったということでしょうか。スピードを上げたら、もとの圧力に戻って酸欠空気が地上に噴出するということになりやしないのかどうか。
 そこら辺については難しい話になりますので、これは調べて、後で私に回答いただければと思います。
 このような状況にある国交省に対して、酸欠空気が出ても一切の被害がないと断言できるのか。できないのであれば、沿道の十六キロメートルにわたって、きちんとした調査をしてほしいが、いかがかと国交省に対して聞いてみたんですね。
 そうしたら、気泡を抑制する方法を検証しているところなので、それを待ってほしいというのが今いえること。まずは、そこをしっかりやることが第一で、気泡が出ないように抑えることが第一で、要望は、つまり十六キロ先までちゃんと井戸や地下室とか調査をすると。その要望については、その次の段階だと思っていると国交省は回答しました。
 気泡を抑制する方法を検証することが第一、そう答えている以上、このような状態で本格掘進など到底認められない状況だと考えますが、都も同じ立場に立っていただけるでしょうか。

○大庭三環状道路整備推進部長 安全・安心に事業を進めることは、一義的に国などの事業者の責務です。国など事業者は、工事ヤード内において掘進時に使用する材料あるいは圧力を調整するなど、空気の漏出を抑制しながら掘進する方法について検討しているというふうに聞いているところでございます。
 事業地外での本格的な掘進に当たっては、この検証結果を踏まえ進められるものと考えております。
 都としては、引き続き安全を最優先に工事を進めていくものと考えてございます。

○原田委員 最後の質問になりますけれども、そもそも気泡シールド工法を圧気工法ではないとする考え方についても議論をしなくてなりません。
 そもそも圧気工法でもないのに、土丹層を越えて地上の土まで吹き飛ばすほどの空気圧を、どうやってその圧縮空気は得ているのか。
 昭和六十二年度公益財団法人土木学会技術開発賞を受賞した藤原紀夫氏による気泡シールド工法の開発という論考の結びには、気泡シールド工法は、見方を変えると、圧気式、ブラインド式、機械掘り式、泥水式、泥土圧式シールドの利点を兼ね備えたシールド工法ということができると、圧気式の性格を帯びていることを指摘しています。
 東京都としても、より住民の安全性を確保するためにも、気泡シールド工法の圧気工法としての性格を国や事業者に指摘し、酸素欠乏症等防止規則が定める対応を求めていくべきではないかと考えますが、いかがか。

○大庭三環状道路整備推進部長 国など事業者からは、外環で採用されている工法は、圧気工法に該当しないと聞いておるところでございます。
 また、酸素欠乏症等防止規則については、所管する厚生労働省が判断するものと事業者から聞いているところでございます。

○原田委員 ただし、環境省は我々の聞き取りに対して、厚生労働省労基署からの指摘があろうがなかろうが、酸欠空気が地上に噴出しているというのであれば、それに対して対応を図るのが、当時の環境庁が出した通知に倣った行動だというふうに答えていますから、その点はしっかりと対応していただきたいと思うんです。
 これだけの重大事故を起こしながら、住民の納得もなしに本格掘進を行うなど全くあってはならないことです。大量の空気を発生させる気泡シールド工法では、酸欠空気の発生は防げないんじゃないでしょうか。
 そもそもあってはならないような事故を引き起こしかねない気泡シールド工法による大深度地下外環道整備はきっぱりと断念することを求め、私の質問を終わります。

○栗下委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後八時三十分休憩

   午後八時四十四分開議

○栗下委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○入江委員 お願いいたします。
 建設局の重要な施策である無電柱化事業について伺います。
 先日行われた各会計決算特別委員会第三分科会において、無電柱化の取り組み状況などについて質問させていただきました。首都高中央環状線内側のセンター・コア・エリア内において、都道の約九六%の整備を終えたとの答弁がありました。引き続き、二〇二〇年に向けた実行プランに基づき、セーフシティー、ダイバーシティー、スマートシティーを実現するために、確実に事業を進めていただきたいと考えております。
 さて、このセンター・コア・エリア内の無電柱化の取り組みとして、私の地元である港区内でも、六本木地区の外苑東通りや港南地区の海岸通りなどで無電柱化事業が実施されています。
 このうちの六本木地区ですけれども、六本木交差点を中心とした外苑東通りは、外国や国内からの観光客が特に多く、多くの方がSNSなどで世界中に発信をしております。無電柱化がきっちりと確実に完成することによって、より安全・安心で、そして景観の美しい東京を国内外に発信することができると考えます。
 また、快適な歩行空間を創出することで歩行者の回遊性が高まり、これも東京都の施策でございますナイトタイムエコノミーに資することもあると考えております。
 このため、この外苑東通りにおいて未整備の部分の無電柱化を早期に実施していただきたいです。
 そこでまず、六本木地区における外苑東通りの無電柱化事業の進捗状況を伺います。

○加藤道路保全担当部長 港区六本木地区の外苑東通りでは、六本木交差点から東側約二百七十メートルの区間で無電柱化事業を行っており、平成三十一年度末までの事業完了を目指してございます。
 そのうち南側工区では現在、引き込み連系管工事を行ってございます。また、北側工区につきましては、平成二十九年度に電線共同溝の整備が完了し、今年度、歩道の仕上げ工事に着手する予定で工事を発注したところ入札不調となりまして、現在、再発注に向けて準備を進めているところでございます。

○入江委員 今ご答弁にありました北側工区の歩道の仕上げ工事について、入札不調になったことは大変残念に思います。公共工事の契約に際し、工事内容によっては入札不調になる場合があると聞いています。
 確かに、六本木地区の外苑東通りは昼も夜も大変車や人の交通量が多く、安全面を考えれば、工事が難しいことなど大変な現場であると認識をしております。この入札不調に至った原因を調査し、設計の見直しなどが必要と考えます。
 そして、さらに多くの方が訪れる東京二〇二〇大会までには工事の完了を確実にしていただきたいです。都の取り組みを伺います。

○加藤道路保全担当部長 都は、入札不調を受け、速やかに入札参加者へのヒアリングを実施いたしました。
 その結果、昼夜を問わず自動車及び歩行者の交通量が多く、施工範囲の制約や安全の確保など、施工が難しいとの意見がございました。
 こうしたヒアリング結果をもとに、現在、工事契約に向けて発注内容の見直しなどを鋭意進めているところでございます。
 引き続き、東京二〇二〇大会までの事業完了に向けて着実に取り組んでまいります。

○入江委員 今、東京二〇二〇大会までに工事を完了するとのご答弁をいただきました。引き続き適正な再発注への努力を期待いたします。
 東京二〇二〇大会の施設の建設や、特に港区などの増加する大規模再開発などで、建設業界は慢性的な人手不足になっています。業者が入札しやすい良好な環境づくりを進めていただくことを要望いたします。
 また、この六本木地区の外苑東通りは、無電柱化と同時に、歩道を車道側に広げる予定で、その際には商店街街路灯の移設が必要となります。地元の六本木商店街振興会からは、最新の多機能型スマート街路灯の新設を希望する声なども上がっています。
 こうした無電柱化事業を進めるに当たっては、まちのにぎわいを支える地元商店街振興会との協議などもしていただいて、しっかりと連携して、安全で美しく、そして先進的な街路の完成を要望いたします。
 続いて、横断歩道橋の管理と撤去についてお伺いします。こちらも港区において、いろいろとご要望が多かったので質問させていただきます。
 都が管理する横断歩道橋は、高度経済成長期に自動車交通の円滑化と歩行者の安全を確保するために設置されました。お子さんが多い時代でしたので、通学時には大変役立ちました。
 しかし、これらの横断歩道橋は建設から約五十年が経過し、老朽化が懸念されています。私の地元港区においても老朽化を心配する声が多いです。
 そこで、都は、横断歩道橋をどのように管理しているのか伺います。

○加藤道路保全担当部長 現在、都では約六百橋の横断歩道橋を管理しておりまして、常時良好な状態に保つために、日常点検や五年に一度の定期点検などにより、損傷や塗装の劣化等を早期に発見し、速やかに維持補修を実施しているところでございます。

○入江委員 補修、維持はきちんとしていただいているというご回答でしたが、時代の変化とともに、横断歩道橋を取り巻く環境も変化いたしました。お子様よりも高齢の方が多くなり、長い階段を上りおりする横断歩道橋を利用できない場合があります。また、車椅子使用など障害のある方も利用できません。
 私の地元港区でも、利用者が少ないという理由や景観性の向上、バリアフリーの観点から、横断歩道橋を撤去して、道路上に横断歩道を設置してほしいという声が多く寄せられています。
 そこで、横断歩道橋の撤去に関する都の見解を伺います。

○加藤道路保全担当部長 都では、横断歩道橋の近傍に横断歩道が設置されており、利用者が少ない、通学路の指定がないなど、役割を終えた横断歩道橋につきましては、交通管理者との調整の上、地元の合意が得られたものを撤去してございます。
 都といたしましては、今後とも、横断歩道橋を健全に維持管理していくとともに、撤去、更新する場合には、地域の状況を踏まえ、交通管理者や地元とよく調整し、都市景観やバリアフリーにも配慮した対応をしていきたいと思います。

○入江委員 バリアフリーにも対応したようにしていただくという、新しいご回答をいただくことができました。
 東京二〇二〇大会では、パラリンピックの成功が大きな目標の一つです。それを契機に、利用者目線に立ったきめ細やかな道路のバリアフリー化を進め、障害のある方も高齢の方も快適に移動できるまちづくりを実現しなくてはなりません。
 さらに、その先に来る超高齢化社会に向けて、関係各所と積極的に調整を進め、横断歩道橋の撤去を初めとしたバリアフリー化を進めていただくことを強く要望いたします。
 続いて、都立公園における受動喫煙対策について伺います。
 都内に八十二ある都立公園は緑豊かな空間であり、都民の憩い、自然との触れ合いやレクリエーションなどの場として大変多くの方が訪れますし、長く滞在されます。
 こうした公園における喫煙について、本年第一回定例会で都民ファーストの会の代表質問に対し、都立公園では、子どもを受動喫煙から守る条例を踏まえ、喫煙に対するルールの徹底や喫煙マナーの向上に努め、誰もが快適に過ごせる公園づくりを進めると答弁されています。
 そこで、都立公園における現在の喫煙の状況について伺います。

○日浦公園緑地部長 公園は、健康増進法による受動喫煙防止の対象施設ではございませんが、都立公園では、吸い殻入れの設置場所を案内板等で周知するとともに、歩行喫煙の禁止、妊娠中の女性や子供の周囲では喫煙しないなどの呼びかけを行い、喫煙マナーの向上に努めております。
 また、子供が多く来園する恩賜上野動物園や葛西臨海水族園など、都立動物園、水族園四園におきましては、全園禁煙としております。

○入江委員 この子どもを受動喫煙から守る条例は、本年四月から施行されました。私どもの同僚議員も何度か伺いましたけれども、都立公園では、この条例の施行をすることによって、実際に灰皿の数というのは減少しているのか伺います。
 また、今後、二〇二〇年四月に全面施行される東京都受動喫煙防止条例に向けて、どのように取り組んでいくのか伺います。

○日浦公園緑地部長 子どもを受動喫煙から守る条例の趣旨をわかりやすく説明したポスターを園内の掲示板ですとか吸い殻入れの設置場所等に掲示するなど、条例施行の周知に努めております。
 あわせて、主要な園路や子供が使用する遊具の周辺にある吸い殻入れを撤去または集約し、平成三十年四月一日時点の百二十七カ所から、半年で百一カ所に減少させております。
 今後とも、さらに喫煙ルールの徹底を図るとともに、公園の利用状況に応じて吸い殻入れの撤去を行ってまいります。

○入江委員 吸い殻入れの撤去や集約が着実に進んでいることがわかりました。
 しかし、さらに見直しをしていただく。一つの条例が出たときには一気に見直し、公園内を見るかもしれませんけれども、また再度改めてチェックをしていただいて、まだ都立公園で百一カ所ある吸い殻入れですけれども、引き続きしっかりと撤去あるいは集約などを進めていただきたいと改めて要望いたします。
 ご存じのとおり、平成二十八年の国立がん研究センターがん対策情報センターの資料によると、受動喫煙による年間死亡者数は約一万五千人です。都民の健康を守り、健康ファーストの東京を実現するために、多くの方が集う都立公園においても受動喫煙防止対策に取り組んでいただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。
 続いて、建設現場の働き方改革と女性活躍推進について伺います。
 建設局は、約六千億もの予算規模を有し、その中で道路、河川、公園の整備を行っております。工事を受注する民間企業がそれらの現場を担っています。
 さらに、これらの民間企業は、地域の担い手として、災害時の緊急車両の通行のために土砂などを取り除き道路を開通することや、冬場の除雪活動などにおいて迅速に対応していただいています。
 建設局は発注者として、こうした受注業者に対して、現場労働者の安全管理、健康管理、工事の進行管理などの監督責任を負っています。
 先ほども申し上げましたが、東京二〇二〇大会や大規模再開発や新駅建設などを控え、工事件数が増加する一方で、建設業界全体では、現場で働く方の高齢化と人手不足が大きな問題です。
 建設業界を支える人材の確保、育成は、公共工事の品質確保のために大変重要であり、例えば女性の人材をふやすことや、良好な現場環境とするための改善策が必要だと考えます。
 小池都知事は、六月の女性が輝くTOKYO懇話会建設業編で、建設や土木の現場で働く女性たちと対談されました。これは生活文化局がやっている懇話会です。そこで知事は、建設業はまだまだ女性が少ないところではあるが、それだけ伸びしろが大きいといってもいいのかもしれないと発言されています。
 こういった点からも、働き方改革あるいは女性活躍推進の視点から、担い手を確保するための建設局の取り組みについて伺います。特に、週休二日制の導入や女性技術者の参入、ICT技術の活用など、現場環境の改善を促す対策について伺います。

○花井企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 建設局では、平成二十七年度より、週休二日制確保モデル工事を試行しておりまして、平成三十年度からは、原則全ての土木工事を対象に週休二日制確保試行工事を行っております。
 また、平成二十九年七月から、女性活躍モデル工事を試行いたしまして、快適トイレや女性専用の更衣室等の設置を義務づけております。
 さらに、平成二十八年度からは、生産性向上を目的といたしまして、半自動的に盛り土や舗装を施工することができますICT技術の活用にも取り組んでいるところでございます。

○入江委員 さまざまな取り組みをしていただいていることがわかりました。
 しかし、こうした取り組みを受注業者である民間企業が積極的に、かつ具体的に進めていくにはインセンティブが必要だと考えます。
 発注者として、受注業者の働き方改革や女性活躍推進を支援する取り組みについて伺います。

○花井企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 先ほどご答弁申し上げました取り組みを実施いたしました場合には、必要経費を計上いたしますとともに、工事成績で加点するなどインセンティブを付与してございます。
 引き続き、建設局では、国の動向等も踏まえつつ、受注者の働き方改革がより一層推進いたしますよう取り組んでまいります。

○入江委員 この建設現場の週休二日制を実現した場合というのは、日給、月給の現場で働く方、現場労働者の方の総収入を減らさない取り組みですとか、今後さらにふえるといわれております外国人労働者の労務管理など、受注業者の民間企業には知恵を絞っていただく点がたくさんございます。
 発注者である建設局は、受注業者の実態をしっかりと把握しつつ、これまで以上に建設現場における働き方改革や女性活躍推進を進めていただくことを強く要望いたします。
 質問を終わります。

○森村委員 初めに、都市計画道路の整備についてお聞きします。
 都市計画道路の整備については、地域住民の関心は高く、私のところにもその進捗を早めてほしい旨の声が日々届いております。
 道路整備は単年度で大きく進むものではなく、長い時間がかかるのが一般的で、中でも用地取得のプロセスについては難易度が高く、長い期間を要することもあります。地域住民や地権者の方々の理解を丁寧に取りつけ、任意取得を原則とする都の方針を引き続き堅持いただきたいと思いますが、そうするにはどうしても時間がかかってしまうわけです。
 道路建設の早期の実現を求める地域住民の皆様に時間がかかる旨を説明させていただいても、肌感覚的に理解が追いつきにくく、かといって、土地所有者との個別具体的な交渉内容等、時間がかかる理由をつまびらかにするわけにもいかず、対応に苦慮することもあると思います。
 そこで、用地取得にかかわる困難さについての理解を助けるためにも、時間がかかるケースについての典型的、一般的な事例を伺います。

○関用地部長政策調整担当部長兼務 用地取得を円滑に進めるためには、関係権利者の理解と協力が必要であります。
 しかし、用地取得に当たりましては、住宅や店舗が密集しており借地借家や相続問題など権利関係がふくそうしていること、権利者多数のマンションの増加、単身高齢者の移転先確保、相続税納税猶予用地の取得など、東京特有の課題が山積しておりまして、用地取得に時間を要している事例がございます。

○森村委員 次に、多摩地域における都市計画道路の整備進捗についてお伺いします。
 かつては開きがあった区部と多摩部での進捗ですが、現在は、区部で六五%の進捗に対して、多摩地域では六一%を超え、格差が縮まってきています。このことについては率直に評価すると同時に、引き続き多摩地域における積極的な整備推進を行っていただき、できれば早期に区部並みの進捗に達していただきたいと考えます。
 多摩地域の道路ネットワークは脆弱で、特に南北方向の移動には時間がかかり、一度都心を経由しての移動が強いられるなど都心の渋滞発生要因ともなってきたものとお聞きしております。
 多摩地域における都市計画道路の進捗状況、主な路線の今後の取り組み、主な整備効果について伺います。

○奥山道路建設部長 多摩地域の都市計画道路は、平成二十九年三月末時点で、計画延長千四百三十一キロメートルのうち、八百七十三キロメートルが完成しております。第四次事業化計画では、都施行の優先整備路線として六十四路線、八十二キロメートルが位置づけられており、現在事業中の路線に加えまして、これらの路線についても順次事業化を進めております。
 委員ご指摘の南北方向の道路につきましては、多摩南北主要五路線のうち、既に三路線が開通しておりまして、平成二十七年八月に全線開通しました調布保谷線では甲州街道から埼玉県境までの所要時間が約七十分から約四十分に短縮されました。府中所沢鎌倉街道線では引き続き用地取得や工事を行っていくとともに、唯一、未着手区間の残る立川東大和線では泉体育館駅付近から都道一四五号線までの区間につきまして、都市計画変更等の手続を進めてまいります。
 これらの路線の整備によりまして、府中所沢鎌倉街道線では府中街道を初めとする周辺道路の混雑緩和等の効果が期待されます。また、立川東大和線では慢性的に渋滞している立川通りや立川駅周辺道路の交通の円滑化等の効果が期待されます。
 今後とも、多摩地域の発展に資する都市計画道路の整備に着実に取り組んでまいります。

○森村委員 丁寧なご答弁ありがとうございます。
 繰り返しになりますが、多摩部における進捗が引き続き進んでいくことを期待するとともに、こうした成果を出すために、粘り強く仕事をしている都職員には敬意を表します。
 一方で、現在取得できていない用地には、それなりの理由があることが多く、これまでの延長線上での体制で、現場で業務に当たる職員の負担や限界もあるのではないかと考えます。
 例えば、他県では用地取得にかかわる事務の一部を民間に委託するなどの事例もあると聞いております。都民の期待に応え、スピード感を持った事業推進をなし得る施策について検討の必要性があるのではないかと考えますが、都の所見を伺います。

○関用地部長政策調整担当部長兼務 用地取得を円滑に進めるためには、公共性、公平性に基づき、関係権利者との信頼関係が重要でありまして、他の大都市と同様に、基本的には都の職員が用地取得を担っております。
 しかし、迅速で効率的な事務執行を図る必要があり、補償金の積算や移転先の情報提供など一部の事務につきましては、民間事業者の専門性を活用しております。
 また、骨格幹線道路や特定整備路線の用地取得並びにマンション敷地の取得を道路整備保全公社に委託するとともに、地域のまちづくりに密接に関連する都道の用地取得を市に委託するなど、他団体とも連携しながら事業推進を図っております。

○森村委員 高い専門性と経験を有した都職員による用地取得事務の執行に加えて、民間事業者や東京都道路整備保全公社からの人的協力を得ながら、用地取得にかかわる事務を推進していることがわかりましたが、今後も引き続き、より力強い推進を実現し得る施策があれば、積極的に活用していただくことを要望しておきます。
 最後に、私の地元青梅では、長年の粘り強い折衝が実を結びまして、青梅三・四・四号線、千ヶ瀬バイパスの開通にめどが立ちつつあるものと聞いております。住民に成りかわりまして御礼申し上げます。
 一方で、青梅三・四・一号線、吉野街道において道路の拡幅事業が行われておりますが、時間がかかっており、早期完成に向けた地域住民の声が高まっています。特に、青梅第二小学校の近くで通学路となる歩道が大変狭く、児童の危険性について問う声が多数上がっております。
 このような歩道が狭いところでの抜本的な安全対策としては、一日も早い歩道の拡幅が望ましいわけですが、用地取得に時間を要する場合においては、当面の安全対策が必要であると考えます。
 そこで、歩道の整備を進めるとともに、こうした児童の通学路の当面の安全対策について都の見解を伺います。

○加藤道路保全担当部長 都は、自転車や歩行者の交通量、学校、病院など公共施設の立地状況や沿道状況等を総合的に勘案して、道路拡幅による歩道の整備を計画的に進めてございます。
 また、通学路におきましては、児童の安全を確保するため、防護柵の設置による歩車道の分離やカラー舗装による歩行部分の明示などにも取り組んでございます。
 さらに、交通管理者や学校関係者とも連携し、児童が安全で安心して利用できる通学路を含めた歩行空間を確保してまいります。

○森村委員 可能な限り速やかな事業執行を行っていただきたいと思いますが、その間の安全対策については、万が一にでも事故が起きることがないよう、とり得る安全策を引き続きしっかりと展開していただくことを要望して、次の質問に移ります。
 土砂災害対策について伺います。
 近年の自然災害は、発生頻度や規模などが激甚化の一途をたどっております。気候変動による台風の大型化や進路の不規則化は研究者からも報告されております。
 都は、土砂災害対策の一環として、現在、都内一万三千二百十三カ所において土砂災害警戒区域、一万百三十一カ所を土砂災害特別警戒区域に指定するとともに、区市町村に対して土砂災害ハザードマップの作成を支援しています。
 大事なことは、これらがどのように活用されるか、そのことに尽きます。実際の避難は、最終的に住民一人一人の判断で行われるのです。注意報、警報、特別警報の違いや避難勧告、避難指示の重大さについて十分知らない住民もいます。
 ちなみに、特別警報は、気象庁によって二〇一三年八月に定められ、これまでに経験したことのないような数十年に一度の重大な危険が差し迫った状況にあることを警告するものですが、その意味についての認知度がいまだ五割程度にとどまるという調査結果もあります。
 さきの平成三十年七月、西日本豪雨災害の際に、避難指示や大雨特別警報等の情報に対してどのように実際に対応したのかアンケート調査の結果が公表されていますが、大雨のピーク時間帯だったのは七月六日の夜で、この時間帯には広島市内全域で避難指示、勧告が発令されておりましたが、実際に避難行動をとった人の割合は、何とたった三%程度だったということです。
 直接的に住民に避難を呼びかけるのは区市町村の役割でありますが、最終的に住民の判断に任せる避難に対しては、先ほど申し上げたような状況があることを踏まえ、何らかの施策を講じる必要があると考えます。
 そこで、住民や実際に地元で住民と接しながら災害時の対応に当たる自治体職員の防災意識の向上に向けた取り組みを都も積極的に行うべきと考えますが、見解を伺います。

○村井河川部長 都は、地元区市町村と連携しながら、地域住民向けの出前講座を開催いたしまして、気象情報の活用方法や避難の重要性などを説明しております。平成二十九年度は青梅市で、三十年度はあきる野市や日の出町で出前講座を実施いたしました。
 また、区市町村の防災担当者向けに技術講習会を開催いたしまして、土砂災害からの避難をテーマにした大学教授による講演や、他の自治体でのハザードマップ活用事例などを紹介しております。二十八年度から技術講習会を開催しておりまして、三十年度も実施する予定でございます。
 今後とも、地域の防災意識向上を図るための取り組みを推進してまいります。

○森村委員 私の地元青梅市が属しております西多摩地域は、土砂災害警戒区域、土砂災害特別警戒区域の指定も多く、特に土石流災害のおそれのある渓流も多数抱えております。
 実は、今週、きのうまでですけれども、青梅市議の環境建設委員会のメンバーが視察で広島県内の被災地を訪れておりまして、そのメンバーの一人の市議によれば、地域に住む高齢者から、子供のころから同地域で土石流災害があったなど聞いたこともなく、したがって、避難する必要性を感じられなかったと、こういう話を聞いたということでした。
 確かに、何十年もその土地に住み続け、その前の代や、そのまた前の代からも土砂災害の話を聞いたことがない人たちにとって、きょう、この日の雨で被災するイメージがどうしても湧かず、移動の面倒を伴い、避難所におけるプライバシーの欠如などの煩わしさが発生する避難行動を避ける方向に心理が働いても不思議ではありません。しかし、土石流は起こるのです。
 都が行う出前講座の中には、実際に被害があった方々の声を伝えるコンテンツがあるとお聞きしていますが、まず、地球規模での気候変動の結果、自然災害が激甚化しており、過去の経験が全く通用しないこと、そして、住民自身の過去の経験を踏まえた心理的な働きが安全を阻害する一番大きな要因になり得ることをしっかりと伝えていただきたいと要望しておきます。
 さて、防災意識の向上に向けたソフト対策とともに、都は、ハード対策として、砂防堰堤の整備や急傾斜地の崩壊対策工事などを進めています。しかしながら、全ての土砂災害のおそれのある箇所の対策を行うのは非常に多くの予算と時間が必要です。
 そこで、ハード対策を計画的に進めるべきと考えますが、今後どのように進めていくのか伺います。

○村井河川部長 砂防事業につきましては、避難所や二十四時間滞在型の要配慮者利用施設の有無などの重要度や、災害発生の危険度を考慮いたしまして、優先度をつけて計画的に実施してまいります。平成三十年度は、新たに奥多摩町の白丸地区など五カ所で基本計画の策定に着手いたしました。
 急傾斜地崩壊対策事業につきましては、区市町村の要望を受けまして、急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律に基づき実施しておりまして、三十年度は、青梅市の河辺町一丁目地区など十三カ所で整備を進めております。
 引き続き、住民の避難につながるソフト対策に加えまして、砂防事業などのハード対策を着実に実施してまいります。

○森村委員 ご答弁いただきましたとおり、ソフト、ハード対策を引き続き推進していくことを強く要望いたします。
 最後になりますが、例えば警戒区域等の指定にかかわる調査を通じて把握した地形、地質などの情報を用いて、最新のテクノロジーで斜面の崩壊についての予兆を収集し、予知、予測ができないかと考えます。国の防災科学技術研究所の土砂災害予測支援システムなど各種システムもあると聞いております。
 近年は、災害のビッグデータの利用や、それらを分析するAIの開発にも期待が寄せられています。まだ実証実験や研究段階の取り組みではあるかと思いますが、ぜひこうした最新技術の導入についても視野に入れた今後の展開について、都でも検討いただけるよう要望し、質問を終わらせていただきます。

○米川委員 私は初めに、道路の適切な管理について伺います。
 都道を車で走っていますと、歩道のガードパイプにお店の宣伝用やお祭りなどののぼり旗がくくりつけられていたり、広告用の看板が置いてあったりします。また、土曜、日曜には不動産の広告看板や三角コーンなどが道路に置いてあることもあります。
 歩行者にとって迷惑であるばかりでなく、風ではためいたとき通行に支障を来したり、台風などの際には強風に吹き飛ばされたり、倒れたりと非常に危険と考えております。
 そこでまず、都道に無許可で設置されているのぼり旗や置き看板など、道路の不適正使用について、どのような体制で発見し、どのような指導を行っているのか、またその実施状況についてもあわせて伺います。

○杉崎道路管理部長 都は、各建設事務所におきまして、道路を路線ごとに定期的に巡回する道路監察パトロールを実施し、のぼり旗や置き看板などの道路の不適正使用の早期発見に努めるとともに、発見した際には、速やかに撤去するよう指導、警告を行っております。
 また、都民からの通報や要望があった際には、その都度、現場の確認や是正指導を行っており、その出動回数は、定期的な巡回と合わせまして年間約五千回となっております。

○米川委員 道路管理者が道路の不適正使用を現場で指導、警告を行い、是正に努めていることがわかりました。
 ただし、このような不適正使用をなくしていくためには、地元区市町村などとの連携が不可欠だと考えております。
 そこで、区市町村等との連携した取り組みがあれば伺います。

○杉崎道路管理部長 都は、道路管理者として、所轄の警察署や区市町村等と連携し、道路の不適正使用に対する合同のパトロールを適宜実施しております。
 また、区市町が実施する違反屋外広告物の共同除却事業に参加するなど、さまざまな機会を捉えて関係機関と連携し、都道の不適正使用の早期発見と是正に努めております。

○米川委員 道路管理者が道路の不適正使用に対して、区市町村等と連携しながら対応していることもわかりました。
 こういったのぼり旗や置き看板は、さまざまな業種、業態が設置しております。これらの業界団体にアプローチするなど連携していくことで、より効果的な対応が可能ではないかと考えております。
 道路管理者は、道路を安全に安心して利用できるよう、引き続き道路の不適正使用の是正に努めてもらいたいと考えております。
 また、道路については、都民や道路利用者からさまざまな要望や相談が寄せられていると思いますが、これらに対して、都はどのように対応しているのか伺います。

○杉崎道路管理部長 都では、都道のみならず、国道や区道など道路に関するさまざまな要望や相談にワンストップで対応できるよう、道の相談室を設置しております。寄せられた要望等につきましては、国や区市町村など各道路管理者と連携して速やかに対応することで、道路の適切な維持管理に努めております。

○米川委員 都民の貴重な意見を十分に生かすとともに、引き続き区市町村等との連携をし、適切な道路管理に取り組んでいただきたいと要望して、次の質問に移ります。
 これまで、上野委員、それと細田委員からも質問がありました東部低地帯の水害対策、私の地元の葛飾区を含みます東部低地帯は、荒川、中川、江戸川など多くの河川に囲まれ、地盤の高さが満潮面より低い地域も多いことから、常に高潮などによる水害が懸念されている地域であります。
 現在、建設局では、東部低地帯で護岸の整備や排水機場の耐水対策等を行っておりますが、これはどのような計画に基づいて行っているのでしょうか、またその整備状況についてもあわせて伺います。

○村井河川部長 都は、東日本大震災を受けまして、平成二十四年度に東部低地帯の河川施設整備計画を策定いたしました。堤防や水門などの耐震、耐水対策を実施しております。今年度末で中川などの防潮堤、護岸を合わせた計画延長全八十六キロメートルの六割、上平井水門など全二十二の水門など施設を事業化することとなります。
 引き続き、地震、津波に対する安全性の向上に向けまして、三十三年度までの耐震、耐水対策の完了を目指してまいります。

○米川委員 また、都立公園では、避難者の安全確保や救出救助部隊の活動支援のため、防災公園を整備しております。
 改めて、この防災公園の役割と、防災公園が水害時にどのような役割を果たすのかについて伺います。

○細川公園計画担当部長 防災公園は、災害時に自衛隊などの広域支援部隊が救出救助等を行うための大規模救出救助活動拠点や、傷病者の医療機関への搬送や物資輸送等に資するためのヘリコプターの離着陸場、また延焼火災等から避難者を守るための避難場所としての役割を担っております。
 水害時には、大規模救出救助活動拠点やヘリコプター活動拠点となっている防災公園は、東京都地域防災計画風水害編において被災が予想される場所を除いて、救出活動や物資輸送等のために必要に応じて使用されることとされております。

○米川委員 計画に基づきましてハードの整備が行われ、排水機場の耐水対策も行われていることや、災害に対応できるよう防災公園が整備されていることがよくわかりました。
 これを踏まえまして、東部低地帯の水害についてですが、本年八月、江東五区大規模水害ハザードマップが発表されております。この水害の前提となる降雨量は、荒川流域の三日間総雨量六百三十二ミリ、利根川流域の三日間総雨量四百九十一ミリは、近年の異常気象や地球温暖化を考えますと、江東五区大規模水害はいつあってもおかしくない状況ではないかと考えております。
 江東五区広域避難推進協議会が公表しました二百五十万人の避難計画では、犠牲者ゼロのため、江東五区の外へ自主的に早目の広域避難を行うとなっておりますが、現段階では公的に避難先が確保できていないため、住民が日ごろから避難場所を検討するとしております。
 また、要配慮者である高齢者、障害者、乳幼児、その他特に配慮を要する方を含む全ての方が自主的に避難先を確保することはハードルが高いことから、逃げおくれた方々の緊急避難や救助救出、物資輸送、復旧の拠点が必要と考えております。
 また、逃げるというソフト対策を支えるハードの整備をしていくことが大変重要と考えております。
 そこで、最後に、江東五区大規模水害の想定を受けまして、建設局長に、建設局のトップとしてどのように考えているのかを伺います。

○西倉東京都技監 江東五区を含む、いわゆる東部低地帯を大規模水害から守るためには、河川におけるハード、ソフト両面での対策に加えまして、救援救助活動や物資の輸送を支える道路ネットワークの形成や、救出活動等の拠点となる防災公園等の整備は極めて重要だと認識しております。
 これらの事業を全力で推進し、都市基盤のさらなる充実を図ることにより、災害に強い安全・安心な東京を実現してまいります。

○米川委員 今、建設局長から、災害に強い安心・安全な東京を実現していくと力強い答弁がありました。
 私も以前、東京都の港湾局で公共事業に携わっておりましたが、公共事業や工事というものは批判を浴びやすいものと考えております。
 しかし、例えば、ことし外環道の埼玉、東京、千葉部分が開通しております。とても利便性が高まったということで、葛飾区を含む周辺の地域の方々はとても喜んでおります。
 今行っておりますこの東部低地帯での水害対策、必ず住民の命を守ることにつながってまいります。これからも安全・安心を心がけながら、着実に事業を行っていくことを求め、質問を終わります。

○栗下委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○栗下委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
 以上で建設局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後九時三十一分散会

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