環境・建設委員会速記録第十三号

平成三十年十一月一日(木曜日)
第九委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長栗下 善行君
副委員長関野たかなり君
副委員長里吉 ゆみ君
理事上野 和彦君
理事米川大二郎君
理事三宅 正彦君
やながせ裕文君
田村 利光君
細田いさむ君
原田あきら君
西沢けいた君
平  慶翔君
入江のぶこ君
森村 隆行君

欠席委員 なし

出席説明員
環境局局長和賀井克夫君
次長吉村 憲彦君
総務部長谷上  裕君
環境政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務若林  憲君
政策調整担当部長松本 明子君
地球環境エネルギー部長小川 謙司君
都市エネルギー推進担当部長村山  隆君
環境改善部長筧   直君
環境改善技術担当部長近藤  豊君
自然環境部長須藤  栄君
緑施策推進担当部長金子  亨君
資源循環推進部長松永 竜太君
調整担当部長スーパーエコタウン担当部長兼務風祭 英人君

本日の会議に付した事件
環境局関係
事務事業について(質疑)

○栗下委員長 ただいまから環境・建設委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、環境局関係の事務事業に対する質疑を行います。
 これより環境局関係に入ります。
 事務事業に対する質疑を行います。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○谷上総務部長 去る十月十八日の当委員会で要求いただきました資料につきましてご説明申し上げます。
 お手元の環境・建設委員会資料をごらんください。
 表紙をおめくり願います。目次にありますとおり十四項目ございます。
 まず、一ページをお開き願います。1、都内の二酸化炭素排出量の部門別推移でございます。
 平成十八年度から二十八年度までの各年度における産業、家庭、業務、運輸及びその他の各部門の二酸化炭素排出量でございます。
 表の上段には、京都議定書の基準年である平成二年度の数値及び都の温室効果ガス削減目標の基準年である平成十二年度の数値を記載しております。
 二ページをお開き願います。2、東京の温室効果ガスの年間排出量の推移でございます。
 平成十八年度から二十八年度までの各年度における温室効果ガスの年間排出量でございます。
 表の上段には、京都議定書の基準年である平成二年度の数値及び都の温室効果ガス削減目標の基準年である平成十二年度の数値を記載しております。
 三ページをお開き願います。3、都内のエネルギー消費量の部門別推移でございます。
 平成十八年度から二十八年度までの各年度における産業、家庭、業務及び運輸の各部門のエネルギー消費量でございます。
 表の上段には、京都議定書の基準年である平成二年度の数値及び都の省エネルギー目標の基準年である平成十二年度の数値を記載しております。
 四ページをお開き願います。4、風力発電、地熱発電、水力発電、バイオマス発電、太陽光発電の普及状況(過去五年分)でございます。
 平成二十四年度から二十八年度までの各年度における発電方式ごとの設備容量を記載しております。
 五ページをお開き願います。5、再生可能エネルギーによる都内電力利用割合(過去五年分)でございます。
 平成二十四年度から二十八年度までの各年度における再生可能エネルギー電力利用割合等を記載しております。
 六ページをお開き願います。6、二酸化窒素及び浮遊粒子状物質濃度の全国上位十局の推移でございます。
 (1)、二酸化窒素濃度につきまして、平成二十四年度から二十八年度までの各年度における全国の測定局の年平均値上位十局を記載しております。
 七ページをお開き願います。浮遊粒子状物質濃度につきまして、同様に記載しております。
 八ページをお開き願います。7、平成二十九年度微小粒子状物質(PM二・五)濃度の測定結果でございます。
 微小粒子状物質(PM二・五)の濃度につきまして、(1)、一般環境大気測定局における測定局ごとの年平均値を記載しております。
 九ページをお開き願います。(2)、自動車排出ガス測定局につきまして、同様に記載しております。
 一〇ページをお開き願います。8、保全地域に係る指定面積、公有化面積、公有化予算額及び公有化決算額でございます。
 平成二十一年度から三十年度までの各年度における保全地域に係る指定面積、公有化面積、公有化予算額及び公有化決算額を記載しております。
 一一ページをお開き願います。9、保全地域における希少種の状況でございます。
 調査対象の保全地域におきまして確認された植物、鳥類等の希少種数及び主な希少種名を一五ページにかけて記載しております。
 一六ページをお開き願います。10、都内の一時間五十、七十五、百ミリ以上の豪雨の推移でございます。
 平成十一年から三十年までの各年における都内の一時間降水量が五十ミリ以上七十五ミリ未満、七十五ミリ以上百ミリ未満、百ミリ以上の豪雨の日数を記載しております。
 一七ページをお開き願います。11、過去十年の真夏日、熱帯夜の状況でございます。
 平成二十一年から三十年までの各年における都内の真夏日と熱帯夜の日数を記載しております。
 一八ページをお開き願います。12、緑被率、みどり率の推移でございます。
 区部及び多摩地域それぞれについて、(1)では平成三年及び七年の緑被率を、(2)では平成十五年、二十年及び二十五年のみどり率を記載しております。
 一九ページをお開き願います。13、都内自動車走行量の推移(過去十年分)でございます。
 平成十八年度から二十七年度までの各年度における旅客及び貨物の各部門の自動車走行量を記載しております。
 二〇ページをお開き願います。14、建設汚泥の発生量(過去五年分)でございます。
 平成二十三年度から二十七年度までの各年度における建設汚泥の発生量を記載しております。
 以上、簡単ではございますが、説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○栗下委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○入江委員 十月八日にノーベル経済学賞がアメリカ、エール大学のウィリアム・ノードハウス教授とアメリカ、ニューヨーク大学のポール・ローマー教授に授与されました。お二人は、気候変動やイノベーションを長期的なマクロ経済分析に組み込んだ功績で、世界経済が持続的に成長するための二十一世紀の条件を示したといわれています。
 ノードハウス教授は、環境経済学の先駆者で、この分野でノーベル賞受賞が出るのは、ノーベル経済学賞五十年の歴史の中で初めてです。一九七〇年代から気候変動と経済成長の関係を定量分析し、最適なソリューションとして、二酸化炭素排出量に応じて課税する脱炭素を提唱してきました。温室効果ガスの抑制には、排出量に高い価格をつけることで、国や企業に削減を迫る手法が有効という学説です。
 そこで、都の気候変動対策について伺います。
 ことしの夏は、日本だけではなく、世界各地で熱波や豪雨などの極端な気象現象が発生しました。世界気象機関は、このような異常気象の増加は地球温暖化の傾向と一致していると指摘しています。世界の温室効果ガスの約七割を排出している都市が気候変動対策に取り組むことは重要な責務です。
 エネルギーを大量に消費する東京都は、いわゆるキャップ・アンド・トレード制度など気候変動対策を積極的に行っています。最新の二〇一六年度のキャップ・アンド・トレード制度の実績では、基準排出量から平均で二六%減と着実な削減を達成しています。
 都は、二〇二〇年度から始まる第三計画期間の制度について、本年三月から専門家から成る検討会で議論を進めていると聞いています。
 これまでの検討会ではどのような議論が行われ、都としては今後どのように大規模事業所に対する気候変動対策を進めていくのか見解を伺います。

○小川地球環境エネルギー部長 本年三月から、専門家から成る検討会を七回開催いたしまして、これまでの省エネ対策の継続と再生可能エネルギーの利用拡大の重要性とともに、削減義務率等について検討しております。
 都といたしましては、第三計画期間が始まる二〇二〇年度を、二〇三〇年目標の達成とその先の脱炭素社会の実現を見据えた新たなステージと位置づけまして、省エネ対策のさらなる推進と再生可能エネルギーの利用拡大の両輪でCO2削減を推進する、大規模事業所対策の取り組みの進化を目指しております。
 第三期の削減義務率につきましては、事業所の省エネ余地なども分析いたしまして、二〇三〇年の目標排出量からバックキャスティングにより算定いたしました。第二期の一七%より一〇ポイント高い、平均で二七%として検討会に提示いたしたところでございます。
 今後の予定といたしまして、間もなくパブリックコメントを実施し、さらなる検討を行い、第三計画期間の制度構築を着実に進めてまいります。

○入江委員 今後の計画では、産業、業務部門において二〇三〇年までに二〇〇〇年に比べ、温室効果ガス二〇%削減、エネルギー消費量三〇%削減という大きな目標があります。
 事業所ごとの達成率にはそれぞれ差があると思いますので、削減が進んでいない事業所に対しては、省エネ診断などの支援を積極的に行って、削減の後押しをお願いしたいと思います。
 さて、世界では二〇二〇年以降の気候変動対策の新たな国際的枠組みであるパリ協定締結以来、脱炭素化の動きが加速し、現在、事業で使用するエネルギーを全て再生可能エネルギーで調達する、RE一〇〇、リニューアブルエネルギー一〇〇%に加盟する企業がふえてきています。
 金融界では、石炭火力など化石燃料を多く使用する事業から投資を引き上げるダイベストメントの動きが加速し、環境、社会、企業統治の観点を重視するESG投資が増加し、既に世界の投資の四分の一を占めているといわれています。
 このような状況を踏まえると、第三計画期間では、再生可能エネルギーの活用が重要になってくると考えます。
 都は、第三計画期間においては、どのように再生可能エネルギーの利用拡大を進めていくのか見解を伺います。

○小川地球環境エネルギー部長 都のキャップ・アンド・トレード制度では、事業者の省エネ努力を評価するため、電力などエネルギーのCO2排出係数を計画期間中固定して、CO2排出量を算定しております。
 第二計画期間から、対象事業所がCO2排出係数の低い電力を調達した場合に、固定係数との差を削減量として認定する低炭素電力選択の仕組みを導入しておりますが、省エネ対策を重視する観点から、その量を上限半分までということでいたしておりました。
 第三計画期間におきましては、これまで設定しておりましたこの上限枠を撤廃いたしまして、低炭素電力の調達分全量を削減量として算定し、あわせまして、再生可能エネルギーの割合の高い電力を調達した場合に、追加的に削減量を与える仕組みを新たに導入していくことで、需要側からの再生可能エネルギーの利用拡大を促進してまいりたいというふうに考えております。

○入江委員 ぜひ第三計画期間では、省エネルギー対策の継続に加えて、太陽光など再生可能エネルギーの利用拡大により、温室効果ガス削減が確実に進むようにしていただきたいです。
 さて、日本では、家庭用太陽光発電の買い取り期間が二〇一九年十一月から順次終了し、対象家庭では売電収入が大幅に減少するため、電気自動車、EVを家庭用蓄電池として活用するEVツーホームが拡大すると考えられています。
 昼間に太陽光発電の余剰電力をEVに充電し、夜間にその電気を利用することで、電気代節約、CO2フリーとなり、停電した場合も充電してある電気を使え、災害時の備えにもなるというメリットがあります。EV活用が再生エネルギーの普及の壁を打ち破る鍵になるともいわれています。
 こうしたEVツーホームの動向をどのように捉えているのか見解を伺います。

○小川地球環境エネルギー部長 電気自動車を蓄電池の一つと捉えまして、太陽光発電の余剰電力を充電し、その電力を家庭で活用することは、東京の低炭素の面からも、また防災力の向上の面からも有効と認識しております。
 民間企業では、太陽光発電システムや電気自動車、ビークル・ツー・ホームシステムを活用しながら、低炭素で電気がとまらない住宅やまちづくりに向けた取り組みが進んでおります。
 都は、家庭におけるエネルギー消費量の削減と非常時の自立性の向上を目的といたしまして、太陽光発電システムの同時設置または既に設置されていることを条件に、蓄電池やビークル・ツー・ホームシステムを導入した場合に費用の一部を助成する、家庭におけるエネルギー利用の高度化促進事業を実施しているところでございます。
 今後、こうした取り組みの周知を着実に行いまして、スマートシティーはもとより、セーフシティーの実現の観点からも、太陽光発電を初めとした再生可能エネルギーの普及を促進してまいります。

○入江委員 スマートシティーはもとより、セーフシティーの実現をこれからも推進していくと強いご決意を伺いました。
 そして次に、東京は、東京二〇二〇大会に関して、キャップ・アンド・トレード制度で事業者がCO2削減をした場合に発生するクレジットを活用した東京ゼロカーボンフォーデーズの取り組みをスタートさせました。
 また、組織委員会が実施する大会開催にかかわるカーボンオフセットの取り組みにも協力することを表明しています。
 大会のホストシティーとして、大会開催などで発生するCO2の排出量を限りなくゼロにする取り組みを、東京二〇二〇大会のレガシーとなるように世界にアピールすることは大変重要です。
 改めて、東京ゼロカーボンフォーデーズの取り組みの狙いを伺います。

○小川地球環境エネルギー部長 東京ゼロカーボンフォーデーズは、東京二〇二〇大会の開会日と閉会日の合計四日間、都内で排出されるCO2を、事業者のCO2削減の取り組みで生まれましたクレジットによりゼロにする取り組みであり、あわせて都民や事業者の皆様の省エネ機運の醸成を図ることを目的としております。
 大会開催二年前となる本年七月から、クレジットを保有する事業者に対しまして寄附の呼びかけを開始いたしましたが、都の関連する事業者や一部の民間事業者から問い合わせが寄せられているところでございます。
 ご協力いただいた事業者の皆様には、お名前、それからクレジットの寄附量を都のホームページで公表するとともに、お礼状などをお渡しする予定でございます。
 今後は、事業者の皆様に大会に関連するカーボンオフセットの取り組みにご協力していただくことが、大会に向けたムーブメントの一つとなっていきますように、講習会や取引セミナーなど、さまざまな機会を捉えましてPRしてまいります。

○入江委員 事業者が取り組んだこうしたCO2の削減の効果であるクレジットを、東京二〇二〇大会に関連したオフセットの取り組みに活用できるようにしていくことこそが大会のレガシーとなります。
 また、この機会に多くの都民に理解していただく、わかりやすい広報啓発が大切だと思います。
 このような取り組みを通じて、ぜひゼロエミッション東京の実現を目指し、着実に実行していただくことを強く要望いたします。
 今のは大きな話でございましたけれども、次は、都民一人一人にアクションを起こしていただきたい使い捨てプラスチック問題について伺います。
 この十月二十九日には、プラスチックごみによる海洋汚染の深刻化を受け、コカ・コーラやH&Mなど多国籍企業、そしてイギリス、フランスの政府機関など二百五十の企業や団体が、代替製品を使うなどの方法でプラスチックごみ削減を目指す共同宣言を発表しました。署名した企業のプラスチック生産量は、世界全体の二〇%を占めるとのことです。
 東京都では、さきの第三回定例会において、小池知事が隗より始めよとして、職員の皆様にレジ袋の辞退を求めるとともに、プラスチックストローの削減につながるアイデア募集や、都庁内の店舗での紙ストローの実証実験の取り組みを紹介されました。また、使い捨て型ライフスタイルの見直しを呼びかけるメッセージを広く発信していくと発言されました。
 そこで、レジ袋対策についてですが、これまで各事業体においては、マイバッグの持参運動などに取り組むとともに、大手スーパーでは、既にレジ袋の有料化や受け取りを辞退した際のポイント還元が実施され、レジ袋の配布枚数は減ってきているとのことです。しかし、コンビニなどの小規模な店舗では、いまだにレジ袋が当たり前のように提供されています。
 こうした中、日本では、中央環境審議会において、レジ袋の有料化を義務づける方向性が示されています。
 小池知事もこの動きを歓迎すると発言されていますが、引き続きレジ袋規制に向けた国の動きをしっかりと注視していっていただきたいと思います。
 さて、海外では、既に多くの都市でレジ袋の配布を規制しているとのことです。
 そこでまず、海外では具体的にどのような規制がなされているのか、その状況を伺います。

○松永資源循環推進部長 代表的な事例を紹介いたしますと、イギリス・イングランドでは、二〇一五年十月から、大手の販売事業者に対してレジ袋の配布に際し五ペンスの有料化を義務づけております。
 さらに、フランスでは、二〇一六年七月から、レジ袋の配布を有償か無償かを問わず禁止しております。
 また、台湾では、二〇〇二年から、スーパーやコンビニエンスストアなどでレジ袋の無償配布が禁止されており、本年一月からは、新たにドラッグストアや書店等にも範囲を広げております。

○入江委員 ご答弁にあったとおり、プラスチックを規制する動きが海外で広がりを見せております。
 さらに、欧州会議においても、ストローやマドラーなど、プラスチック製品の使用を禁止する法律が可決されたと聞いています。
 東京では、脱プラスチックの現象として、紙ストローの普及も一つのトレンドとなっています。
 私の地元港区のホテル、グランドハイアット東京では、世界中のハイアットグループが紙ストローの導入をしているということで、ことし九月から紙ストロー導入を実施しております。環境問題に意識が高いお客様が多く、非常に高い評価を得ているとのことです。
 そして、渋谷ロフトでは、紙ストローの売り場を拡大して、前年比で九・四倍の売り上げがあったと聞きました。
 パルプ関連の企業などがビジネスチャンスとして参入を加速しております。
 これからは、こうした環境への配慮に率先して取り組む事業者が消費者や市場、マーケットから選ばれる時代です。そして、都民がこの問題に、より関心を持つことで、事業者の取り組みがさらに促されると思います。
 今後、使い捨て型ライフスタイルの見直しに向けて、都民や事業者に対してどのような取り組みを行っていくのか伺います。

○松永資源循環推進部長 本年八月に、プラスチックの持続可能な利用に向けた施策のあり方について諮問した廃棄物審議会におきまして、現在、レジ袋を初めとして、必要性の低い使い捨てプラスチックの大幅削減を促す仕組みや、効果的な普及啓発方法などについてご審議いただいております。
 都といたしましては、審議会での議論と並行して、都民に使い捨て型ライフスタイルの見直しを訴えるキャンペーンを展開してまいります。先月二十日には、チームもったいない参加事業者などとも連携して、レジ袋、食品ロス削減に向けたもったいないキャンペーンを開催いたしました。
 また、今後はオフィスビルの協力も得ながら、ビル内のコンビニエンスストアでマイバッグ持参を呼びかけるモデル的取り組み等も検討しており、引き続き、使い捨て型ライフスタイルの見直しに向けまして、事業者や消費者に向けた働きかけを行ってまいります。

○入江委員 こうした動きは既に民間企業も率先して参加しておりますので、都としても、ぜひ使い捨て型ライフスタイルの見直しに向けて、都民一人一人に参加を呼びかける取り組みを効果的な方法で展開していくことを強く要望いたします。
 さて、プラスチック廃棄物はさまざまなものがあり、家庭から出されたごみだけではなく、産業廃棄物として処理されるものもあります。私は、このプラスチックの問題をもっと広い視点でわかりやすく取り上げていく必要があると感じています。
 東京都廃棄物審議会では、二十一世紀後半に目指すべき資源利用の姿として、ゼロウエースティングへの大胆な転換が必要であり、化石燃料由来のプラスチックは、ほぼゼロにする必要があるとしています。使い捨てプラスチックの問題を持続可能な社会の実現に向けて大きな視点から捉え、問題提起をしているところです。
 これまで都は、日本の廃棄物、リサイクル行政において、常に牽引してきた立場だったと思います。これからの資源循環行政においても、ぜひそうあってほしいと期待をしております。
 続きまして、都のヒートアイランド対策について伺います。
 この夏は、七月二十三日には埼玉県熊谷市で国内観測史上最高の四十一・一度を記録するなど、記録的な猛暑となりました。
 この暑さは日本だけではなく、北半球全体に及んでいるといわれます。ノルウェー北部の北極圏では、七月十七日に三十三・五度という最高気温を観測しました。スウェーデンでは、高温と乾燥した天候により山火事が頻発したとのことです。これは、偏西風が北寄りに蛇行したことにより、高気圧が発達しやすかったことによるものと研究者は指摘しています。
 さらに、東京などの大都市部の気温が周囲に比べて島状に高くなるヒートアイランド現象が進んでいることが、異常気象ともいえる猛暑に拍車をかけております。
 そこでまず、ヒートアイランド対策について都はどのように取り組んでいるのか現状を伺います。

○村山都市エネルギー推進担当部長 都では、庁内各局や区市町村が協力し、道路舗装の遮熱化、街路樹や公園の整備、建物の屋上や壁面の緑化等、幅広い取り組みを進めております。
 こうした取り組みに加え、微細ミスト等の設置によるクールスポットの創出に対する支援を行っており、平成二十九年度末現在で二十カ所を整備いたしました。
 さらに、平成二十九年度からは、東京二〇二〇大会の競技会場周辺で観光客等が多く集まる地域において、暑さ対策設備の整備費用を補助することでクールエリアの創出を図っており、昨年度は中央区と調布市で、今年度は千代田区と港区において整備を促進しております。

○入江委員 東京二〇二〇大会まで二年を切りましたが、酷暑が懸念され、熱中症のリスクが高いため、日本医師会と東京都医師会は、大会組織委員会にマラソンの開始時刻を午前七時から一時間半前倒しするべきだと要望書を出しました。競歩も、日よけの設置など暑さ対策の強化を求めています。
 都は、競歩のコースにおいて、暑さ対策の実証実験を行いましたが、この実験の概要と結果について伺います。
 あわせて、この夏に実施した暑さ対策技術などの展示についても概要を伺います。

○村山都市エネルギー推進担当部長 都は、八月二十七日に、競歩の路上競技コースである千代田区の内堀通りの歩道において散水試験を行いました。結果は、路面温度は三度以上低下し、暑さ指数は〇・二度低下しました。散水に加え、日陰をつくった場合についても測定いたしましたが、暑さ指数は一・九度低下いたしました。
 また、八月二十六日に、墨田区東向島の都道の遮熱性舗装区間で散水車による散水を行い、温度の測定を行いました。結果は、路面温度で二・九度、暑さ指数〇・二度の低下を観測しました。
 このほか、七月二十三日から二十五日にかけて東京ミッドタウン日比谷において、パラソルと微細ミストを組み合わせたものや、フラクタル日よけ等、五つの暑さ対策技術の展示を行い、会場を訪れた多くの都民等に涼しさを体感していただきました。

○入江委員 今回の環境局のこうした実験結果や展示なども通じて、ぜひ、選手、観客、スタッフ、ボランティア、そして東京の蒸し暑さになれていない国や地域から試合直前に来る多くの観光客のために、暑さ対策を行っていただきたいと思います。
 そして、これは東京都としての喫緊の課題だと思います。今後、都はどのように暑さ対策を進めていくのか伺います。

○若林環境政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 一つの災害であるとされたことしの猛暑を受け、体温調節が難しい子供や高齢者だけでなく、東京の高温多湿の気候になれていない外国人を含めた暑さ対策は重要な課題であります。
 このため、都は、東京二〇二〇大会に向けて、本年八月に副知事をトップとして暑さ対策の全庁的な検討チームを立ち上げました。
 今後は、今回行った実証実験で得られた知見も活用し、競技会場周辺の駅から会場入り口までのラストマイルなどにおける暑さ対策につきまして、関係各局と連携し、速やかに検討を進めてまいります。

○入江委員 暑さ対策の全庁的な検討チームができたということなので、期待をしているところでございますけれども、東京二〇二〇大会のときは、ことし以上の暑さに見舞われているかもしれません。
 暑さ対策について、環境局でも展示されたパラソルつき微細ミストの設置、道路の遮熱舗装、木陰をつくるための街路樹の計画的な剪定、あるいは大型冷風機つきテントの設置など、関係各局や大会組織委員会と連携しながら、しっかりと取り組みを前に進めていただくことを強く要望いたします。
 さて、最後の質問ですが、十月十八日に森記念財団都市戦略研究所が世界の都市総合力ランキング二〇一八を発表いたしました。東京は引き続き三位を維持しましたが、一位のロンドン、二位のニューヨークはスコアを伸ばし東京との差が広がる一方、四位のパリが追い上げる結果となっています。
 内容を見てみますと、今回、東京は、新たに指標となった環境への取り組みの評価が相対的に低いことから、環境分野で前年の十二位から二十九位にランクを落としております。この要因について伺います。

○若林環境政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 新たに指標とされました環境への取り組みは、二〇一七年の同ランキングで東京が一位を取得したISO14001の取得企業数から変更されたものでございます。
 森記念財団都市戦略研究所へのヒアリングによりますと、この指標は、環境に対する都市独自、もしくは国際的な取り組みへの参加を評価するため、国連気候変動枠組条約、UNFCCCのナスカというプラットホームに掲載されている各都市の国際協調と独自の目標、取り組み等の数をカウントしているとのことでした。
 UNFCCCによる集計方法は不明ですが、今回のランキング評価後に更新がされており、東京の数値は更新前の四から、更新後は十二と上昇しております。

○入江委員 民間の研究機関の研究発表でございますから、何をもって指標とするかによって評価は変わってくるということもあります。
 ただ、この結果は大変多くの方が取り上げているものでありますので、注視していただきたいと思いますし、私たちは、どの分野においてもナンバーワンの都市東京となるように努めていかなければいけないと思っております。
 東京が世界の都市間競争の中でプレゼンスを発揮し、日本全体の持続的成長を支える必要があると強く考えます。
 今後もさらなる環境施策の展開を図り、環境先進都市東京の実現を目指していただきたいと強く要望して、質問を終わります。ありがとうございました。

○三宅委員 初めに、電気自動車の普及について伺います。
 自動車業界は、今、百年に一度ともいわれる大変革の時代を迎えています。世界中の国やメーカーなどが、これまで主流だったガソリン車やディーゼル車から、電気とモーターで走る電気自動車などへ移行する動きが進みつつあります。
 電気自動車は、走行時にCO2や大気汚染物質を出さないことから、普及を進めることは大変重要だと思います。
 しかし、まだ販売されている車種が少なく、充電インフラも十分でないことから、本格的な普及にはもう少し時間がかかるものと思います。一足飛びに電気自動車が自動車の主流になるかのような報道も見受けられますが、冷静に現状を把握し、地に足のついた施策を進めていかなければ、大きな混乱を招くおそれがあります。
 そこでまず、電気自動車の普及に向けた都の取り組み状況について伺います。

○筧環境改善部長 都は、環境負荷の低減に向けまして、走行時にCO2や大気汚染物質を排出しない電気自動車を初めとしたゼロエミッションビークルの普及に取り組んでおります。
 都は、これまで実施してきた中小事業者を対象とする電気自動車等の導入補助に加えまして、今年度、都の率先行動として、庁有車へのゼロエミッションビークルの導入を進めております。
 また、集合住宅に充電設備を設置する際の補助を開始するとともに、都有施設への充電設備設置を進めております。
 加えて、ガソリン車やディーゼル車からゼロエミッションビークルへの移行の際の影響や、海外、関連業界の動向等についての調査、島しょ地域における電気自動車の普及ポテンシャルに係る調査を行っているところでございます。

○三宅委員 ただいま、ゼロエミッションビークルへの移行の際の影響を調査しているとの答弁がございました。
 ゼロエミッションビークルにつきましては、プラス面ばかりが取り上げられがちですが、さまざまな角度から、影響を捉えていく必要があります。例えばガソリンスタンドは、電気自動車の普及に伴って減少することが予想されます。その結果、給油が現在と比べて不便になったり、地域によってはガソリン価格が高騰したりといった事態が生じる可能性があります。
 こうした影響について、都はどのように考えているのか伺います。

○筧環境改善部長 ゼロエミッションビークルの普及は、自動車関連産業に大きな変化をもたらす可能性があります。影響を受ける産業もあることは認識しております。
 現在行っている調査では、メーカーやガソリンスタンド、整備会社等、自動車関連産業のZEB化の影響を定量的に把握するとともに、ヒアリングの実施により、関連の事業者や業界の生の声も把握することとしております。
 本調査で得た結果を踏まえまして、関係局と連携を図るとともに、関連業界の意見も聞きながらゼロエミッションビークルの普及に取り組んでまいります。

○三宅委員 ガソリンスタンドは、これまで自動車の燃料供給を支えてきた重要なライフラインです。
 加えて、ガソリンスタンド業界は、災害時の燃料備蓄を行うなど、都の施策にも積極的に協力しており、急速に減少すれば、都民生活に影響を与えることになります。
 事業者の声にもしっかりと耳を傾けていただくよう、改めて要望しておきます。
 次に、島しょ地域における電気自動車の普及促進について伺います。
 総務局では、昨年度から八丈島と新島で電気自動車の実証事業を実施しており、加えて、それぞれの島でアイランドモーターショーを開催しました。新島で行われた際には私も参加し、地元の方々とも意見交換をしてきましたが、期待と気がかりが半分といった印象を受けました。
 都は、ゼロエミッションアイランドの一環として、島しょ地域における電気自動車の普及を進めることとしていますが、今後どのように取り組むのか都の見解を伺います。

○筧環境改善部長 環境局は、今年度、地理的条件や自動車の利用状況など、各島の電気自動車の普及に向けたポテンシャルを把握する調査を実施しております。
 これまでの調査により、どの島においても、現在市販されている電気自動車の航続距離で利用上の大きな支障は生じないことが判明しております。
 一方、総務局は、昨年度は八丈島と新島で、今年度は八丈島で、電気自動車等を島民の皆さんに実際に使っていただく実証実験を行い、現在、利用者アンケートや走行データなどを取りまとめているところでございます。
 今後、これらの結果を踏まえるとともに、各自治体とも密接に意見交換を図りながら、島しょ地域における電気自動車の普及に取り組んでまいります。

○三宅委員 島しょ地域は面積も限られていることから、航続距離が短い電気自動車の導入には適している一方で、全ての車両が一気に電気自動車に切りかわるわけではなく、また工事用車両など当面電動化が見込めない車両もあります。
 こうした中で、先ほど指摘したように、ガソリンの需要が減ることによって、ただでさえ高いガソリン価格がさらに高騰したり、場合によってはガソリンスタンドがなくなって給油できなくなるといった事態が生じれば、島民の生活は大きな影響を受けます。
 各自治体や地元の事業者の意見などにもしっかりと耳を傾けて、決して拙速になることなく事業を進めていくよう要望しておきます。
 次に、島しょ地域の再生可能エネルギーの利用拡大について伺います。
 島しょ地域は、自然を生かした再生可能エネルギーの大きな可能性がある一方、電力系統が独立しているため、島ごとに再生可能エネルギーの厳しい接続制限が設けられており、導入を検討する事業者にとっては支障となっています。
 都はこれまで、接続可能量の拡大に向け、国への要望などを行ってきているとのことですが、十分に改善が図られているとはいいがたいと思います。
 電力会社にとっては、電気の安定供給にかかわることで、簡単なことではないと思いますが、都としてもさらなる対応を考えるべきではないでしょうか。
 都は、島しょ地域における電力系統への再生可能エネルギーの接続制限の課題に対し、どのように取り組んでいくのかお伺いいたします。

○村山都市エネルギー推進担当部長 島しょ地域では、ディーゼル発電が電力供給の大部分を賄うとともに、島内の再生可能エネルギー発電の変動を調整する役割も担っております。
 このため、調整が可能な範囲までしか再生可能エネルギーの導入ができない状況にあり、島ごとに接続量が制限されております。
 再生可能エネルギーを大規模に接続できるようにするためには、新たな変動調整技術が必要なことから、そのための取り組みを事業者と連携して進めることを検討してまいります。
 こうした取り組みを通じて、島しょ地域における再生可能エネルギーの接続制約の課題の軽減を目指してまいります。

○三宅委員 しっかりと各島の声を聞きながら進めていただきたいと思います。
 私は、ことしの三月の環境・建設委員会において、島しょ地域に再生可能エネルギーを導入する上で、周囲に広がる海域の利用も考えるべきと発言いたしました。
 特に、風が強く安定的な発電が見込める洋上風力発電は、国内の導入事例はまだ少ないものの、長崎県の五島列島では既に商用運転が行われており、東京の島しょ地域でも導入できる可能性が大いにあると思います。
 国は現在、洋上風力発電の導入促進に向けた法整備を進めており、成立すれば、国が関係者等の意見を聴取した上で、洋上風力発電の整備促進区域を指定し、公募で選定した事業者に最長で三十年の占用を認める仕組みが整備される予定となっています。
 今後、事業者の取り組みが進むことも期待されますが、島しょ地域への洋上風力発電の導入に対する都の見解を伺います。

○村山都市エネルギー推進担当部長 島しょ地域においては、洋上風力発電を含め、地域の特性に合わせた再生可能エネルギーの導入が重要と考えております。
 洋上風力発電の導入に向けては、法が成立し、新たな仕組みが整備されれば、長期の海域占用が難しいという課題が解消されることになります。
 しかしながら、海運、漁業等の海域利用者との調整や経済性の確保、電力系統への接続制約など、普及に向けての課題は少なくありません。
 都といたしましては、接続制約の軽減に向けた取り組みを進めるとともに、国や事業者の参入動向などを注視し、参入の動きがある場合には、地元自治体の意向にも配慮してまいります。
 こうした取り組みを通じて、多様な再生可能エネルギーの導入を促進してまいります。

○三宅委員 ぜひ導入の動きがあれば、都としても取り組みが進むよう後押しをお願いしたいと思います。
 洋上風力発電は、大規模に導入することで発電コストを下げることも期待できますし、将来的には、系統に供給できない余剰電力で製造したCO2フリーの水素を消費地に輸送し、有効利用することも考えられます。中長期的な視点からさまざまな検討をお願いしたいと思います。
 次に、自然公園について伺います。
 都は、平成二十九年に東京の自然公園ビジョンを策定しましたが、その中で位置づけられている目指す姿の実現に向けた取り組みの中でも、内外の多くの人が訪れやすい、安全・安心、快適な利用環境の確保は重要となります。
 これに関する具体的な事業につき、幾つか質問いたします。
 まず、島しょ地域に目を向けてみると、都はこれまで、さまざまな魅力発信を行ってきましたが、自然公園の利用施設も島の魅力発信に欠くことのできない重要な施設です。特に、自然を楽しみながら宿泊できる野営場は人気があり、外国人の利用も多くなっています。
 しかしながら、施設の老朽化が目立ったり、シロアリにより損傷の進んだ施設への対策なども必要ですし、さらに内外の観光客がふえる中で、これらの改修やWi-Fiや電源の整備などのさまざまな利用者に対応できる工夫も必要と考えます。
 そこでまず、島しょ地域の野営場施設における、外国人を含むさまざまな層が快適に利用できるような施設の改修整備について都の見解を伺います。

○金子緑施策推進担当部長 都は、自然公園の整備を進める中で、野営場等の老朽化した施設、設備の改修整備などに計画的に取り組んでおります。
 本年度は、神津島多幸湾ファミリーキャンプ場サービスセンターや新島羽伏浦公園の炊事舎のリニューアルなどを実施しております。
 また、三十一年度以降は、大島トウシキ野営場のトイレ改修などを順次行う予定でございます。
 施設の改修に当たっては、トイレの洋式化やカウンターつき手洗い、あるいは広々としたシャワーブースの設置など、利用者の快適性が向上する改修を行うとともに、条件の整う施設では、ご指摘のWi-Fi整備等についても対応を検討してまいります。

○三宅委員 さらに利用環境がよくなるよう常にニーズを把握して、しっかり取り組んでほしいと思います。
 さて、大島には多くの観光客が訪れる利用拠点として大島公園があります。公園内の宿泊施設である海のふるさと村は、指定管理者の努力により利用者数も伸びており、先日公表された昨年度事業の評価は初めてAプラスを獲得しました。
 指定管理者も頑張っていますので、彼らのモチベーションが高まるよう、引き続き十分連携をとってもらいたいと思います。
 一方で、同じ公園内でも、隣接する動物園や椿園などは、観光資源としてのポテンシャルが高いにもかかわらず、知名度等は頭打ちなのではないでしょうか。
 公園内の観光資源については、利用者増につながるよう、もっと多くの都民に知ってもらう必要があります。魅力を高めるには、大島公園としての一体感が必要と思いますが、従来の業務委託での管理は、委託契約業者が年度により変更になることもあり、大島公園としての一体感などを期待できません。
 海のふるさと村同様に、指定管理者制度の導入等を検討すべきと考えますが、都の見解を伺います。

○金子緑施策推進担当部長 現在、大島公園の管理は、指定管理者が行っている海のふるさと村、民間へ管理委託を行っている動物園、椿園など、管理形態がそれぞれの施設により異なっております。
 年度ごと、かつ清掃や設備管理など、分野別に契約を行う業務委託では、必要最低限の維持管理にとどまっており、集客等のノウハウ蓄積や施設活用の抜本的改善にはつながらない状況がございます。
 こうした状況を改善するには、事業者がその創意工夫を図りながら、一定期間にわたって施設の管理を行うことができる指定管理者制度の導入等、新たな管理体制を検討することが有効でございます。
 その際、動物園、椿園等の維持管理には、高度な専門性を有するスタッフの継続的な配置による希少な動植物種の飼育や栽培技術の継承などが重要であります。
 こうしたことも含め、より施設の活性化につながる効率的、効果的な管理体制について検討を進めてまいります。

○三宅委員 指定管理者になり得る実績を有する団体は複数あると思いますので、ぜひ検討をお願いしたいと思います。
 ところで、近年、自然災害が多発しており、災害発災時の備えはますます重要になってきています。
 民家の近くの傾斜地では、土砂災害警戒区域が指定され、安全対策を行っていくと聞いていますが、自然地に囲まれる大島公園においても多くの観光客が滞在するため、有事の備えが必要と考えます。
 そこで、大島公園の災害対策について見解を伺います。

○金子緑施策推進担当部長 大島公園の周辺は、平成二十七年度に土砂災害警戒区域に指定されたことから、都は大島公園の安全性に関する調査を行い、平成二十九年度には災害発生時の対応などについて検討いたしました。
 その結果、大島町と調整の上、放送設備の整備や避難路の指定、土砂流出防止などの対策を行うこととし、本年度から整備に着手をしております。
 今後、ハード整備に加え、速やかな避難が可能となるように、避難マニュアルなどソフト面の検討もあわせて十分な対応を行ってまいります。

○三宅委員 安全・安心、快適という点では、多摩地域の自然公園も対策する必要があります。
 今の季節は、紅葉を見に訪れる利用者がふえる時期です。それに伴い最近では、登山中の道迷いの事故のニュースをよく聞きますが、山の事故は近年増加傾向にあるのではないでしょうか。
 ことし話題にも上がった事故については、どのようなものがあり、原因は何なのか、まずお聞きいたします。

○金子緑施策推進担当部長 都が整備している登山道である自然公園の歩道については、道標などを設置して、わかりやすく案内するよう努めてまいりました。
 しかし、自然公園計画上、歩道としての位置づけがなく、管理の手が入っていない山道の中にはわかりづらい箇所もございます。
 こうした山道において、ことしの春先の事例では、三月に奥多摩三頭山においてSNSで知り合った外国人を含む団体が遭難したり、四月には倉戸山において六十代の男性が道に迷い滑落する事故がございました。
 原因としては、軽装などの準備不足や経験不足に加え、雪や落ち葉によりルートがわかりづらくなることなどが挙げられます。

○三宅委員 道迷いの実態がよくわかりました。
 基本的には自己責任でありますが、そもそも三頭山や倉戸山は登山者に人気で、よくその名前をお聞きします。利用者の多い人気のルートは、道標などを積極的につけるとともに、その際は外国人対応として英語表記も対応すべきであると考えますが、見解を伺います。

○金子緑施策推進担当部長 道迷い対応については、都が事業主体となっているルートについては十分に点検し、迷ったおおむねの位置が警察、消防等に伝えられるよう、道標にナンバープレートを表示したり、英語表記を行うなどの対策を進めております。
 また、事業主体が決まっていないルートの中で、近年、道迷いが多く発生した箇所については、誘導のためのロープや簡易表示を速やかに設置し応急対応するとともに、国や警察、消防等との情報共有に取り組んでおります。
 今後、特に道迷いや事故の多いルートについて抽出し、都が行うべき対応を検討してまいります。

○三宅委員 人命にもかかわる重要な取り組みですので、ぜひ積極的に検討してほしいと思います。
 二〇二〇年には、海外からも多くの人々が東京に集まり、注目度もますます高まります。多摩や島しょの自然のすばらしさを内外の多くの人に体感してもらえるように、自然公園の整備、管理の取り組みを推進することをご期待申し上げ、質問を終わります。

○細田委員 私から、まず、ヒートアイランド対策について伺います。
 さきの委員の質疑もございますので、なるべく重ならないように伺いたいと思います。
 ことしの夏は、まさに七月の中旬以降大変な暑さになりまして、東京では、七月一日から八月十四日の四十五日間で真夏日が三十八日間に達するなど、記録的な猛暑になりました。
 当時マスコミは、東京二〇二〇大会を控えて、東京のヒートアイランド対策が喫緊の課題であると報道をされていました。皆さんもよくご存じのとおりであります。
 ヒートアイランド対策として、まち中における緑化の推進は重要な取り組みの一つであります。ことしのような記録的な暑さの中、市街地で木陰や軒先を見つけますと、まさに緑の爽やかさ、潤いを実感できた、このように思います。
 さて、各区市町村等さまざまな施策を展開しています。壁面緑化、屋上緑化、また生け垣の緑化、こういうようなことを進めているところもあります。
 まずは、こうした区市町村のシティー・イン・ザ・グリーンの緑化に向けた取り組みをしっかりと把握していく、そして、それを支えていくことが重要でありますが、東京都は区市町村の緑化事業についてはどのように把握しているのでしょうか、お尋ねします。

○須藤自然環境部長 緑あふれ、潤いのある都市を実現するためには、都と区市町村が連携して緑化施策に取り組むことが重要であり、そのためには、区市町村の事業内容や実績を把握することが必要であると認識をしております。
 こうした観点から、都は、区市町村が行う緑化事業や、その実績などの調査を実施しており、例えば樹木の保存、屋上緑化や生け垣の設置等の支援に関する取り組み状況について報告を受けております。
 これらの調査結果は、都・区市町村自然環境行政概要として冊子に取りまとめて区市町村と情報を共有するとともに、都が緑施策を検討する際の基礎資料として活用しているところでございます。

○細田委員 東京都が定期的に区市町村独自の緑化事業の内容や実績を把握し、また概要をまとめている。大変にいいことであります。
 この市区町村の補助制度、多数ありますが、また、生け垣緑化というのもありまして、この取り組みはなかなか進んでいない、このように思います。
 きょうのご提出いただいた資料によりましても、水と緑をあわせたみどり率、横ばいというか、数値は余り変わりませんけれども、緑をふやしていくということを把握した上で、着実に進めなくちゃいけないんですが。
 ちょっと生け垣緑化というやつを取り上げたいんですけれども、六月に起こりました大阪北部地震でのブロック塀の倒壊の事故を機に、防災上の観点からブロック塀の撤去が検討されております。
 この機会を捉えて、生け垣を設置するという転換が進んでいけば、防災においても、またヒートアイランド対策においても、シティー・イン・ザ・グリーンという政策においても寄与していく、こういうことができるんじゃないのか。
 都に積極的に後押しをしていただきたいと、このように私は考えるんですが、区市町村のこのような取り組み、生け垣設置の補助に対する都の支援の考え方はどうなのかということについて伺います。

○須藤自然環境部長 都では、東京の広域的な環境課題の解決に資する取り組みや、地域特性や地域資源を活用した環境面の取り組みを行う区市町村に対して財政支援を行う、地域環境力活性化事業を実施しております。
 お尋ねの生け垣の設置に関しては、まち中のまとまった緑の創出に向け、区市町村が地域住民等と連携し、都民等の目に触れる生け垣などを二十五平米以上の規模で植栽する場合に財政支援を行っております。
 引き続き、地域に根差した区市町村の緑化の取り組みを支援し、多くの都民が自然の恵みを享受できるよう、都の緑化施策を一層推進してまいります。

○細田委員 なかなか進まない事業が多いと思います。区市町村の把握をされていますから、よく聞き取ってあげて、検討し、研究をして、このブロック塀の撤去の機会に合わせて、こういうような生け垣に転換するための設置が促進するよう、引き続き積極的に支援の拡充に取り組んでいただきたい、このように思います。
 さて、ヒートアイランド対策における緑化推進の次に、バスの停留所への微細ミストの導入の検証事業についてお尋ねします。
 都は、都バスの停留所に微細ミストを設置して、効果検証を行っております。私の地元の江東区にもあります東京ビッグサイトのバス停にもこのミストが設置されました。
 この夏、大変な猛暑でございましたけれども、設置されたミストにより、バスを待つ都民の方々に涼しさを提供できたのではないだろうか、このように考えますが、この事業の概要とミストの効果について、東京都はどのように考えているのか伺います。

○村山都市エネルギー推進担当部長 都は、バスを待つ利用者に向けた暑さ対策の一環として、西葛西駅前と東京ビッグサイトの都営バス停留所に設置した微細ミストを使いまして、平成二十九年度から気温変化の測定や利用者へのアンケート調査等の効果を検証する事業を行っております。
 ミストの稼働により、気温がおよそ一、二度低下する等の効果があり、バス停利用者を対象としたアンケート調査では、七、八割の方から涼しさを感じたとの回答を得ているところでございます。
 こうした結果等をもとに、バス停留所へのミストの設置を促していきます。

○細田委員 二〇二〇大会もございますし、ぜひ引き続きよろしくお願いします。
 道路舗装については、保水性舗装、打ち水効果があります。また、遮熱性舗装が中心になって進んでいると思いますが、着実なヒートアイランド対策の推進を要望いたしまして、次に、バス停へのソーラーパネルの設置補助についてお聞きいたします。
 都は、昨年度からバス停留所に太陽光パネル等を設置するバス事業者に対しての補助事業を行っています。
 また私の地元のことで恐縮ですが、江東区でもこの補助事業を活用して、新木場駅前の停留所に二カ所の太陽光パネルが設置できました。屋根の上に設置されましたこの太陽光パネル、これ直接見ることはできませんけど、このバス停の電気は屋根の上の太陽光パネルで発電しています、こういうような表示がありまして、皆様方が、バスの利用者がそれを知るという、そういうような周知を交通局が図っている、このように理解をしております。
 このように、まち中で太陽光発電を身近に感じていける手段は有効な取り組みだと考えているんですけれども、改めて、この事業の意義、どのような狙いでやったのか、またそれを進めているのか、また現在の申請の状況、このことについてお尋ねします。

○村山都市エネルギー推進担当部長 都は、都民等に再生可能エネルギーを身近に感じていただき、さらなる普及拡大につなげていくため、平成二十九年度から三十一年度までの三年間を申請期間として、バス停留所に太陽光パネルや蓄電池等を設置するバス事業者への補助事業を実施しているところでございます。
 事業初年度となる平成二十九年度は、新木場駅前や南千住駅前など合計十一カ所の停留所への設置について申請があり、助成金の交付決定を行いました。
 また、今年度は、現時点で十カ所への設置に対して交付決定を行い、今後、順次設置が行われる予定となっているところでございます。

○細田委員 現時点で、合わせて二十一カ所の停留所に太陽光パネルが設置されているということであります。
 今後、多くの停留所に太陽光パネルの設置が進めば、バスの利用者や付近を通行する都民の方々等に対して、身近なところで自然エネルギー、太陽光発電が使われていることをアピールすることもできますし、再生可能エネルギーの一層の普及啓発の効果が期待できるわけであります。
 今後、より多くの停留所へ設置を促進していただきたい。このために環境局ではどのように取り組んでいくのか所見を求めます。

○村山都市エネルギー推進担当部長 この事業は、当初停留所の屋根の上に太陽光パネルを設置する場合を補助対象としていたところでございますが、今年度からは、バス事業者からの要望を踏まえまして、より多くの設置につなげるため、新たにポール型の停留所についても支援対象としたところでございます。
 それに加えまして、今後、交付決定を行った案件が順次工事完了となることから、設置事例をホームページや事業説明会等で紹介し、バス事業者が設置検討に当たっての参考として活用できるようにしてまいります。
 こうした取り組みを通じて、より多くの停留所への太陽光パネルの設置を促し、都民等への普及啓発の機会をふやしてまいります。

○細田委員 都民や観光客の方々が東京のまち中で太陽光発電を目に触れる機会をふやしていけば、環境先進都市東京を広く発信していくことにもつながります。
 バス事業者による取り組み、東京都交通局の都営バスが中心でありますけれども、さらにそれが広がっていくよう、環境局におきましても効果的な支援をぜひお願いいたします。
 また、平成二十九年度に、太陽光パネルで発電した電気で、照明の点灯や携帯電話の充電が可能な自立ソーラースタンドの設置に対する補助事業も実施いたしました。
 我が党は、昨年の都議選の重点政策として、モバイル端末の充電スポットの設置を推進という項目を掲げさせていただいて、本事業についても、区市町村に情報提供を行うなど、設置を後押しさせていただきました。
 本事業の平成二十九年の実績と成果についてお尋ねします。

○村山都市エネルギー推進担当部長 自立型ソーラースタンド普及促進事業は、再生可能エネルギーに関する都民の理解を深め、その普及につなげることを目的に、平常時だけでなく災害時にも、太陽光パネルからの電気で携帯電話等の充電や照明点灯が可能なソーラースタンドを設置する区市町村への助成事業として、平成二十九年度に実施いたしました。
 区部、多摩・島しょ地域の十八区市町村から申請をいただき、都内各地の公園や駅前広場、庁舎前などに合計六十三基が設置されております。
 また、本事業をきっかけに、民間事業者が新たに製品化を行うなどの動きにもつながっているところでございます。

○細田委員 十八の区市町村、そして六十三基の設置が行われたというのは大きな成果だ、このようにいえると思います。
 九月の北海道胆振地震におきましては、携帯電話の充電待ちの行列が大きな問題として取り上げられました。停電時にも利用可能な充電スポットの重要性が改めて示されたところであります。
 本事業は、平成二十九年度に終了しておりますが、今後もこの太陽光パネルを活用した充電設備の普及が進みますよう、都としても対策をお願いしたいと思います。
 続きまして、LED省エネムーブメント促進事業についてお尋ねします。
 本事業について、東京都は本年の八月から都民が参加しやすいよう、新たな仕組みで事業を再スタートしております。一人でも多くの都民に事業に参加してもらうためには、仕組みの変更だけではなくて、例えば手続の面でできるだけ面倒にならないようにするなど、地道な改善も必要なんじゃないだろうかと考えます。
 都民からは、店での手続が面倒なんですという意見も聞こえてきますが、私も地元の家電店の方々の話を聞くと、みんな事業を知らないよ、これ七月のちょっと前の段階でしたけれども、これ終わっちゃったらどうするんですかというような、ちゃんと知事にいっておいてください、こんな声もいただきました。
 都はこうしたことに対して、どのような取り組みを進めているのか、この点について伺います。

○小川地球環境エネルギー部長 家電店や業界団体からのご意見も踏まえまして、本事業のPRのチラシの裏面を、都民がLED電球を受け取る際に提出する受領証といたしまして、チラシを見た都民の方が、裏面を使ってそのまま手続ができるようにいたしたところでございます。
 あわせまして、これまで本人受領か代理受領かによりまして分けておりました受領証の様式につきましても、一つに統一したところでございます。
 また、本事業の周知におきましては、区市町村のご協力を改めていただきまして、広報紙への掲載をしていただいたり、都民の目に直接触れます回覧板による周知につきましても、これまで未実施でした自治体にもご協力いただいて実施しているところでございます。
 加えまして、都内には賃貸住宅にお住まいの方も多数いらっしゃいますことから、新たな周知策といたしまして、チームもったいないに参加していただいている賃貸住宅管理業者と連携いたしまして、賃借人向けの広報冊子の紙面に事業の概要を掲載するなど、広く周知に努めているところでございます。

○細田委員 都民の特性や家電店からの意見などを踏まえて、都民の参加をふやすさまざまな取り組みをしている、このようなご答弁であると思います。
 今後も、事業の周知を着実に行っていただきたい、このように願います。
 照明のLED化は省エネ対策には有効でありまして、都は、LED省エネムーブメント促進事業のほかにも、今年度、集合住宅共用部における照明LED化促進事業に取り組むこととしています。
 本事業の概要について改めて説明を求めるとともに、今後の展開についての見解を伺います。

○小川地球環境エネルギー部長 本事業は、集合住宅共用部にあります照明のLED化において、主たる担い手となってございますマンション管理組合に対しましてパンフレットを作成して、啓発を行うものでございます。
 パンフレットの作成に当たりましては、効果的な内容としていくために、管理組合、それから業界団体など関係者にヒアリングを実施いたしまして、LED照明のメリットはもちろんのこと、費用回収期間、それから実際にLED化に取り組んだ集合住宅の事例を掲載することといたしております。
 今後、作成いたしましたパンフレットにつきましては、業界団体のご協力もいただきながら広く管理組合に配布いたしまして、共用部の照明のLED化につなげてまいります。

○細田委員 共用部の照明は点灯時間が長いですから、LED化による省エネの効果が大きくなるにもかかわらず、集合住宅共用部の照明のLED化については初期の費用がかかりますから、管理組合の合意形成が必要であるという理由によって、なかなか進まない、このように聞いております。
 都が、LED化促進のために管理組合向けのパンフレットを作成することは大変に意義がある、このように考えます。特に、集合住宅の事例を掲載する、ここの住宅では大規模であったり小さかったり、そういうところもありますけど、自分たちもできるんだなということがわかりますから、どうぞできるだけわかりやすいパンフレットにしていただいて、本事業を着実に進めていただきたいと、このように思います。
 そして、一般的に省エネのためにやっているわけですから--家庭の省エネハンドブック二〇一八、これ、家庭用にありますけど、大変にいいハンドブックだなと思って拝見させていただいております。
 どうぞこういうものもぜひ高齢者が見やすいような、また大活字版のパンフレット、あるいは簡易なチラシ、大事な部分を抜き出して、ああそうかと、省エネに取り組むことは大切なんだなという動機をわかるように普及していく、こういうことが重要でございますので、作成をぜひ検討していただきたい、このように要望させていただきます。
 さて、続きまして、PCBについて伺います。
 高濃度PCB廃棄問題についてお聞きします。
 ポリ塩化ビフェニル、英語の略語ではPCB、これは人工的に製造された化学物質でありまして、電気絶縁性が高いなどの性質があることから、主として、変圧器やコンデンサー、照明用安定器などの電気機器の絶縁油として使用されてきました。
 しかし、カネミ油症事件をきっかけに、PCBには毒性があることがわかりまして、昭和四十七年に製造が禁止されました。
 その後、三十年以上にわたって、民間事業者による処理施設の立地が試みられましたけれども、住民合意を得ることが難しく全て失敗したために、この間に使用を終えたPCBを使用した電気機器は、使用者が保管することを余儀なくされてきたという歴史、こういう状況がございます。
 平成十七年になって、ようやく国が一〇〇%出資する中間貯蔵・環境安全事業株式会社、いわゆるJESCOの東京事業所で、一都三県分の高濃度PCB廃棄物処理が開始されたわけであります。
 私は、平成二十八年から二十九年の間、またその五年前も、この東京事業所の環境安全委員会の委員として参加させていただきました。環境局も委員の方が参加されていて、JESCOの事業、またPCBの取り組みを着実に進めなくちゃいけないということは、東京都は中心としてよくよく認識されている、このように私は理解をしております。
 さて、東京JESCOでは、全てのPCB汚染物の処理ができずに、蛍光灯、水銀灯、安定器に含まれるPCBなどの一部は、JESCOの北海道事業所で処理を行っており、北海道事業所での処理計画の大きな割合を占めている、こういう実態があります。
 しかしながら、現在、高濃度PCB廃棄物の計画的処理完了期限まで四年余りと迫っており、多くの高濃度PCB廃棄物を保管している民間事業者の処理を促進するためには、東京都が模範となって、率先して処理を進めていくことが極めて重要な状況であります。
 本年第二回定例会で我が党は代表質問において、東京都の都有施設で、いまだ把握されていない高濃度PCB含有電気機器が存在する可能性があることから、掘り起こしのための全数調査を徹底して行うべきことを指摘させていただきました。
 中でも照明用安定器は、高圧で電気を受電している施設だけではなく、低圧で電気を受電する施設でも使われており、その数は変圧器やコンデンサーよりも数量が多くあります。このために、特に照明用安定器の掘り起こしの進捗状況が心配であります。
 そこでまず、都有施設における照明用安定器の掘り起こしの調査の取り組み状況はどのようになっているのかお尋ねいたします。

○風祭調整担当部長スーパーエコタウン担当部長兼務 環境局はこれまで、年度当初に庁内連絡会議を開催し、各局に対し、高濃度PCBを使用した照明用安定器も含め、高濃度PCB廃棄物の調査漏れがないよう周知徹底してきております。
 今年度は、さらに、八月に各局の担当者を集め、照明用安定器の全数調査の徹底を図るため、照明用安定器の詳細な調査方法について丁寧に説明いたしました。
 現在、各局の責任において、照明用安定器の掘り起こし調査に必要な準備を進めております。

○細田委員 それでは、次に、保管中の照明用安定器の分別についてお聞きします。
 PCBを使用した照明用安定器とPCBを使用していない照明用安定器を正確に分別、またPCB自体が含まれているコンデンサーを安定器から取り外すことにより処理重量、費用を削減することは、専門知識が必要であり、保管事業者が判断することが難しい、こういうのが実情であります。
 その上、数量が多いことから、意に反してPCBを使用していない照明用安定器まで届け出を行って保管をして、そして、その結果、多額の費用をかけて溶融処理をしている、こういう保管事業者が多くいる、このように聞いております。
 PCBを使用した照明用安定器の処分費用は非常に高額であります。高濃度PCBはJESCOでしか処理できない。一キロ当たりの処理費用は税別で二万八千円ほどかかります。
 これに対してPCB含有率が微量な機器に関しては、設定された民間の無害化処理施設で処理が可能であり、低濃度汚染物として一キロ当たり千円ほどで済みまして、PCBを使用していない不含有機器は、産業廃棄物として処理もされるので、コストはさらに安くなります。
 このコストの差は非常に大きく、三十倍近く焼却費用に差が出てきます。ですから、正確な分別をして、PCBを使用していない照明用安定器を取り除くことができれば、保管事業者の処分費用の低減を図ることができる可能性が大いにある、このように推定されております。
 これに加えて、JESCOの処分能力は、PCBが含まれていない機器の溶融まで計画されていないため、現在は処理がおくれにおくれており、炉が稼働する期限の二〇二四年、炉の稼働がもう終わっちゃうんですね、炉が閉まってしまう稼働期限の二〇二四年の三月末までにJESCOも最終処分を終わらせるために、保管事業者に正確な分別をしていただきたい、このように求めています。
 平成二十九年十二月には、JESCOより、安定器の登録様式の変更と、搬入荷姿の状況確認を行って処理の促進を図る通達が、保管事業者に徹底をされております。
 また、本年九月には、経済産業省、環境省、農水省などから、千百の団体に対して早期処理の促進の徹底の通知が出ており、さらなる分別による処理量の削減が急務である、このような状況になっております。
 経産省産業技術環境局環境管理推進室からは高濃度PCB安定器の早期処理の徹底にかかわる周知依頼が九月六日に出ている。また、農林水産省からも関係団体に出ている。環境省からも産業廃棄物処理事業振興財団にも出ている。日本証券業協会からも会員に出ている。日本獣医師会からも出ている。このように、非常に危機感を持って進んでいるというような実態があります。
 都は、このような保管事業者にとって必要かつ有益な情報を積極的に周知していかなくてはいけないのではないかと考えますが、都の所見を求めます。

○風祭調整担当部長スーパーエコタウン担当部長兼務 都は、照明用安定器の分別を徹底することで、処分費用を低減できる可能性があることや、照明用安定器の分別方法をわかりやすく説明したリーフレットを今後作成し、毎年の届け出の機会等を通じて周知いたします。
 また、照明用安定器を大量に保管し、みずから分別することが難しい事業者のために、照明用安定器の分別ノウハウを持った事業者情報もあわせて提供いたします。

○細田委員 最後に、PCB廃棄物の保有情報の公開時期の前倒しについてお尋ねします。
 ただいま話がありましたように、照明用安定器の分別のように専門のノウハウを持った民間業者を活用すれば、高濃度PCB含有照明用安定器の処理促進に有効であると私は考えます。
 そのためには、都庁内に蓄積されている高濃度PCB廃棄物の保管事業者の情報をできるだけ前倒しして公開し、専門のノウハウを持った民間事業者によるPCB廃棄処理の啓蒙活動を行いやすくしていく、このことが大変に重要であり、必要であります。
 さて、第二回定例会において、都は、この情報公開時期をできるだけ前倒しする、このように答弁いたしました。現在の取り組み状況についてお尋ねします。

○風祭調整担当部長スーパーエコタウン担当部長兼務 事業者から毎年提出される高濃度PCB廃棄物の保管状況等の届け出数は約六千五百と数が多いため、その記載内容に不備があった場合、その内容確認に時間を要しております。
 また、定められた期限よりおくれて届け出をされる事業者も少なからずおります。
 さらに、集計作業後に誤りがないことを確認してから公開していたため、これまでは保管状況等の公開が年度末になっておりました。
 今年度は、届け出の記載内容の誤りがないことを確認できた保管事業者の情報は、年明けを目途に順次公開することとし、そのための準備を進めております。

○細田委員 公開方法について、ほかの自治体の取り組みをちょっと例として申し上げたいんですが、大阪市では、六月三十日の届け出書に関しては二カ月後から公開していると聞いています。公開方法は単純にクリアファイルに入れている、写真撮影は禁止だけど、メモは許可だと。そういうように、今のご答弁よりは数カ月早い、四カ月ぐらいですかね、このように差があります。
 年度末の公開から年明けの公開へと確かに一歩前進だと、このように評価、理解はいたします。しかし、それでも今置かれている現状から見ると、六千五百という大変な数があるんですけれども、実態としては遅過ぎる、こういうのが現実であると思います。
 大切なことは、現時点で、最新情報を一日でも早く閲覧できるようにして処分を早めていく、進めていくということが今求められていることであります。
 月日がかかればかかるほど、JESCOは、燃やさなくてはならないものがたくさんあるのに、燃やさなくてもよいもののために、無駄なお金と時間を使って燃やすことになります。環境局もよくわかっている話です。
 また、多くの保管事業者も、払わなくてもよい、さっきいいました三十倍の差がある多額の費用をかけて処分することになります。
 ほとんどの民間保管事業者は、今年度どう処理するか、費用を捻出するかは、既に年度の当初、四月ごろから積算して、開始をしている、このように理解しています。
 都内にはまだまだ処理しなければいけないPCB廃棄物が多くあります。最大の保管届け出数がある東京都が率先垂範して情報公開に取り組むべきです。情報公開の即時性に臨んでいただきたい。
 高濃度PCB廃棄物の早期処理のために、どうぞさらなる取り組みをしていただきますよう、強く要望させていただきます。
 続きまして、水銀について伺います。
 水銀を含んだ廃棄物対策について伺います。
 私たちの身の回りで使用されている蛍光灯、体温計、血圧計、ボタン電池などには、水銀が含まれているものが多くあります。
 そして、使用済みになると廃棄物として出されることになります。水銀は有害物質であり、環境中へ排出がないよう確実な処理を行わなければなりません。
 水銀水俣条約は、メチル水銀が原因の水俣病被害を経験した日本が議論を主導して、二〇一三年に熊本市で開かれたUNEPの外交会議で採択されました。
 有害な化学物質は、バーゼル条約によって貿易が制限されてきましたが、水俣条約は、健康被害や環境汚染を防ぐために初めて水銀に特化して、製造から廃棄まで包括的に規制したものであります。
 水俣条約が昨年八月に発効し、一定量を超える水銀を含む家庭用蛍光灯などの製造、輸出入が二〇二〇年までに原則禁止されることになったわけであります。
 途上国の水銀使用量を減らすためにも、締結国のうち、先進国が資金や技術を提供している、このような取り組みをしているわけです。
 国は、条約の規制対象となる蛍光灯の製造も原則禁止にするなど、条約よりも厳しい対策を進め、途上国で排出される水銀のモニタリングなどの技術支援もしていますが、もとより我が国においては、一層しっかりとした管理が求められていることは当然であります。
 近年でも、都内で水銀を含んだ廃棄物が誤って可燃ごみに混入して、複数回、清掃工場が停止する、このようなことが起こっています。
 私は、条約締結前に、水と緑が大変にきれいで清廉な日本の環境首都の称号を取得しました水俣市、ここの環境リサイクルの取り組み等を視察してきましたが、児童生徒への環境教育も浸透している同市では、環境は、食、ごみ、水、このように定義して、市民を挙げて、ごみ分別回収をしています。実態は、三百地点で二十一の分別、そして回収とリサイクルを地域が共同してつくり上げる、こんなふうにやっている自治体もあるんです。すごいですよ。
 水銀血圧計は蛍光管の八千倍、水銀がある体温計は二百倍の水銀含有量といわれておりまして、水銀を使用した血圧計、体温計、そして蛍光管の回収と監視の強化は、大変に重要な行政の使命であります。
 区市町村では、水銀含有廃棄物の排出方法の啓発活動や搬入検査等に取り組んでおりますが、水銀使用製品の分別収集の拡大等の適正処理の取り組みは、都民に周知して確実に推し進めていく必要があります。
 そこで、都は、水銀含有廃棄物対策についてどのように取り組んでいるのかお尋ねいたします。

○松永資源循環推進部長 廃蛍光管等の水銀含有廃棄物については、分別回収等が進んできているものの、特別区で収集する不燃ごみの中に混入してしまう可能性があることから、破砕、選別後にそのまま都の管理型最終処分場に埋め立てております。
 都と特別区は、共同検討会での議論を踏まえ、適正処理及び埋立処分場の延命化を図るため、平成二十九年三月に、二〇一九年度末までに埋め立てを終了することで合意し、特別区では資源化に向けた取り組みを推進しております。
 都といたしましては、これまでも区市町村が水銀含有廃棄物の適正処理を推進するため、平成二十六年度から地域環境力活性化事業におきまして、水銀含有廃棄物対策を補助対象としてきたほか、リーフレットを作成、配布するなど、区市町村の取り組みを後押ししてまいりました。平成二十九年度の地域環境力活性化事業の補助実績は、五区三市に対して交付額が約一千九百万円となっております。
 今後とも、区市町村と連携しながら、水銀含有廃棄物の適正処理を着実に推進してまいります。

○細田委員 わかりました。着実に推進しているということで期待しておりますし、これからもその取り組みをしっかりと拝見させていただきます。
 さて、続きまして、プラスチックの廃棄問題について伺います。
 統計によりますと、国内で廃棄されているプラスチックの半数以上が事業系の廃棄物でありまして、これまで行われていた海外への輸出が困難になっている中で、確実なリサイクルを進めていく必要があります。
 東京都では、事業系プラスチックのリサイクルをさらに進めていくために、どのような課題があるのか、どのように認識しているのか、この点についてお尋ねいたします。

○松永資源循環推進部長 都内の事業所や工場などから発生する事業系の廃プラスチックにつきましては、容器包装リサイクル法のようなリサイクルを直接義務づける法令がございません。
 事業系の廃プラスチックは産業廃棄物であり、排出する事業者に適正な処理を行う責任がございますが、排出事業者がコスト重視のみで処理方法を選択しますと、分別や選別を徹底するすぐれたリサイクルにつながらない可能性がございます。
 また、都内に多いオフィスビルの廃棄物につきましては、例えば雑居ビルなどでは、廃棄物の集積場所が狭隘で、廃棄物の分別が困難であり、分別しても少量での収集を余儀なくされるなど、収集コストが増加する等の課題がございます。

○細田委員 ただいまご答弁のあった課題に対して、今後、特にオフィスビルに対して、具体的にはどのように取り組んでいくことが必要だと東京都は考えているのかお尋ねします。

○松永資源循環推進部長 排出事業者に対しましてすぐれたリサイクルを促していくためには、廃棄物処理にかかるコスト負担に対する理解を得るとともに、ビルオーナーとテナントの役割分担、従業員に対する普及啓発が必要と考えております。
 また、分別を徹底することで小口化する廃棄物につきましては、より効率的な収集運搬が実現できるよう、制度運用のあり方についての検討が必要であると考えております。
 都がこれまで実施してまいりましたモデル事業におきましても、都内オフィスビルで排出される廃棄物を計量し、各テナントに廃棄物の排出実態を明らかにしていく取り組みや、廃棄物運搬車両を複数事業者で連携して配車することで効率的な収集運搬を実現する取り組みなどを行ってまいりました。
 現在、本年八月に諮問いたしました廃棄物審議会におきまして、事業系のプラスチックのリサイクルのあり方についてもご審議いただいておりまして、これまでのモデル事業の成果等も踏まえながら、リサイクルを促進する仕組みづくりに取り組んでまいります。

○細田委員 ごみは出す人の責任ですが、回収、リサイクル、この仕組みづくりは、行政の力が必要であります。ぜひ、さらにお力を出していただいて、形にしていただくよう、引き続いてご尽力いただくことを求めまして、私の質問を終わります。

○里吉委員 まず、断熱窓ガラスのリフォーム助成について伺います。
 これまでも質疑ございましたように、二酸化炭素に代表される温室効果ガスの増加がもたらす地球温暖化は、地球規模での気候変動を引き起こし、人類、生物の生存基盤の存在を脅かしている、環境局の事業概要にこういうふうに書かれてありましたけれども、本当に深刻な事態が進んでいると。
 地球温暖化対策は喫緊の課題で、今、質疑もいろいろございましたけれども、さまざまな対策がとられております。そして、さらなる対策が求められております。
 いただいた資料によれば、都内の家庭から出される温室効果ガスの年間排出量は、平成二十八年度の速報値が一番最新のものになっておりますけれども、千六百八十万トンとされております。
 都内の人口はふえていると思いますので一概に比較はできませんけれども、このいただいた資料を見ますと、平成二十四年度をピークに減少傾向であるとは思います。
 都としても、家庭における省エネを促進するさまざまな対策を行っている、その効果も出ているのかなというふうにも思います。
 その中の一つに、今行っております断熱窓ガラスのリフォーム助成、正式には既存住宅における高断熱窓導入促進事業と書いてございますけれども、これがあります。昨年から三年間の事業として行われておりますが、この事業について、改めてどのような制度なのか、そして概要とこれまでの実績をお伺いいたします。

○小川地球環境エネルギー部長 本事業は、取り組みが進みにくい既存の戸建て、マンションの断熱性能の向上を図ることを目的にいたしまして、住宅の中でも特に熱損失の大きい窓につきまして、高断熱窓に改修する際の費用の一部を助成するものでございます。
 平成二十九年八月から事業を開始いたしまして、平成三十年九月時点における申請受け付け状況は一千五百五十二件、一万二千五百六十三戸となってございます。

○里吉委員 例えば、家全体の窓を全部変えるようなリフォームだと費用や時間もかかるため、省エネリフォームを促進するために、窓一枚からも補助の対象とするように制度が改善されてきました。
 これ、目標を伺いましたら、三年間で三万三千件ということですから、この数だけ目標に照らせば順調に見えるわけですけれども、対象としているのは、都内戸数の九割以上と思われる既存住宅、そしてマンションですから、そのうち、目標を三年間で三万三千戸というふうに設定した理由を教えていただきたいと思います。

○小川地球環境エネルギー部長 本事業は、国が実施いたしました調査に基づきまして、過去五年間に都内で省エネリフォームを実施した件数から三年間で三万三千戸の導入を目標とさせていただいております。

○里吉委員 国が実施した調査に基づいて、過去五年間に都内で省エネリフォームを実施した件数から、三年間で三万三千戸の導入を目標というお答えでした。
 今のお話ですと、過去に省エネリフォームを行った件数と同じ程度の件数を目標としているのかなということを、私ちょっと疑問に思ったんですね。この補助制度を活用することで、省エネリフォームに消極的だった方にも取り組んでいただく、省エネリフォームを拡大するということで補助制度をつくったのではないかというふうに思うわけです。
 ですから、今、目標三万三千ということで立てておりますから、まずは目標を達成していただくことが重要だと思いますけれども、そういう意味でいえば、さらに目標を引き上げて取り組んでいくべきではないかというふうに思います。
 その目標を達成することで、一つ一つのお宅で省エネが進むということで効果が出てくると思うんですが、これが東京全体でどのような効果をもたらすのかということについても、それぞれ皆さんにも理解していただく必要があると思うわけです。
 今立てている目標を達成することでの東京都全体にとっての効果はどのようなものなのかお伺いしたいと思います。

○小川地球環境エネルギー部長 本事業では、委員の方からもお話ありました一部屋だけでの改修でも助成の対象としております。
 仮に、一般的なマンションで一部屋だけを高断熱窓に改修した場合は、一戸当たり約四%の省エネ効果が得られると推計してございまして、三万三千戸の改修が一部屋だけで行われたとすると、CO2に換算いたしまして、年間三千三百トンの削減効果を見込んでいるところでございます。

○里吉委員 全てが窓一枚だけの対応だとすると、CO2に換算して、年間三千三百トンの削減効果だということです。
 ほかに、一階だけ全部やるとか家全体で省エネリフォームを行う場合もあるでしょうから、さらに効果があるかもしれませんけれども、この程度の効果だと。
 せっかく都内に多くの既存住宅があって、簡単に取り組めるような制度にしたわけですから、やはり、さらに目標を引き上げて取り組むということが必要ではないかということ、それから都民の皆さんにも関係業者の皆さんにも周知をしていただきたいというふうに思います。
 家庭の省エネ対策、それぞれのお宅にとって節電になるとか、いろいろ効果がありますけれども、そのことそのものと、全体の地球温暖化対策もつながっているんだということも含めて、ぜひ周知していただきたいというふうに要望して、次の質問に移ります。
 次は、ちょっと地元の問題になるんですけれども、大気汚染の監視体制について伺ってまいります。
 都では、大気汚染の常時監視のために、住宅地域に一般環境大気測定局、そして幹線道路など道路沿線には自動車排出ガス測定局を設置しております。
 まず、それぞれの設置の目的とどのように活用しているのか伺います。

○筧環境改善部長 都は、都内の大気汚染の状況を把握するため、大気汚染防止法に基づきまして、住宅地域等に設置しています一般環境大気測定局四十七局と、道路沿道に設置している自動車排出ガス測定局三十五局により、大気汚染状況の常時監視を行っております。
 それぞれの測定局における窒素酸化物やPM二・五、光化学オキシダント等の大気汚染物質の一時間ごとの測定値を都のホームページ上で公開するとともに、夏場の光化学スモッグ注意報の発令等の緊急時の対応等に活用しております。

○里吉委員 一般環境大気測定局四十七局、そして自動車排出ガス測定局三十五局、これを設置して、都内の大気汚染の状況を監視しているというお話です。
 ところが、世田谷区内の上馬自動車排ガス測定局について、平成二十八年十二月から、もう二年近く測定が休止しているということを、地元の大気汚染被害者の会の方から伺いました。
 なぜこのように長期にわたって測定が休止されているのか伺います。

○筧環境改善部長 玉川通り上馬自動車排ガス測定局につきましては、世田谷区から、平成二十八年当時設置していました区施設の移転を伝えられましたが、同施設の移転先は、国の測定局の設置基準には合致しておりませんでした。
 東京都は、世田谷区に対して代替施設の提供を依頼しましたが、適当な区施設がなく、都みずから移転先を探しているものの、現在も休止状態が続いているものでございます。

○里吉委員 私もよく知っている場所なんですけれども、本当に自動車の通りも多く、ここ二年間もここで測定がされていないということはちょっと驚きなんですよね。
 もちろん今ご答弁ありましたように、今、移転先を探しているということでしたけれども、測定所の多くは都有地ではないわけです。いろいろ調べましたら、それぞれの自治体さんに借りているところが多いと。世田谷区内であれば世田谷区の区有地を以前は借りていたということで、ほかの地域もそういう場所が多いということを確認いたしました。
 そうはいっても、場所を借りて設置しているわけですから、場所を変更しなければならないことはさまざまな事情で起こり得ると。
 この上馬の場合も、施設の老朽化で、もうこれは取り壊さなければならないということで、そのときに新しい場所が見つけられなかったということなわけですね。
 上馬の測定所の代替地を早急に探していただくことは当然のことなんですけれども、今回のようなことが次に起こらないようにするためにも、代替地が見つからないうちに今の測定局を休止するというやり方は、やはり改めるべきではないかというふうに私は思うんですけれども、この点についての見解を伺います。

○筧環境改善部長 玉川通り上馬自動車排ガス測定局は、設置場所であった区施設の老朽化による移転改築に伴い、移転を余儀なくされたものでございます。
 今後も引き続き、移転先の早期確保に向け努力してまいります。

○里吉委員 具体的なことはいろいろあって、多分お答えできないんだと思うんですけれども、地元の方にも聞きました。いろいろ、東京都として、環境局として努力していただいていることも私は聞いております。
 ですから、引き続き早急に探していただきたいと思うんですけれども、公害患者の方、世田谷区内にお住まいの方なんですけれども、測定所を早く再開してほしいとの思いから、自分でこの上馬の近くを歩いて探していらっしゃるわけです。
 ですから、ここについて対応をとっていただくのは当然のことで、今ご答弁で、引き続き早期確保について努力というふうにありましたけれども、私がきょうこの問題を取り上げましたのは、この問題だけでなく、これを教訓に、今後このようなことが起きないように、その対応についてこれからしっかりと検討していただきたいということで取り上げさせていただきました。
 ぜひ地味な活動ですけれども、とても大事な活動ですので、こういった測定局が、いろいろな事情で休止するというようなことがこれから起こらないように対策を検討していただくことを要望して、質問を終わります。

○栗下委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後二時四十七分休憩

   午後三時五分開議

○栗下委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○西沢委員 私から、先に質問のテーマは、騒音対策についてを最初にお伺いして、その後、エネルギーの問題について、その後、食品ロスについて伺って、最後に自転車シェアリングという順番で質問をさせていただきたいというふうに思います。
 最初に、騒音対策ですが、日々の日常生活に大きな影響を与える問題でありまして、この騒音問題の対策というのは非常に重要であるというように思っているところであります。保育園の近くの騒音問題とか、一時期いろいろ話題になりましたが、きょう取り上げたいのは、航空機の騒音対策について伺いたいというふうに思っています。
 東京は、東京国際空港、横田基地や厚木基地、調布飛行場や立川飛行場というところで、事業概要の一一二ページには航空機の騒音対策ということが書いてあるわけです。こういう形で飛行場が東京都内にある中で、航空機騒音の測定を行っており、測定結果に基づき、低減対策等を関係機関に要請していると、こういうふうに事業概要の方には書いてあるわけですね。
 これだけ読むと、測定だけして、はかっていいますよというようなことに聞こえるわけですが、例えば、測定をして基準を上回ったら処分みたいなことをやるとか、何か禁止するとか、条例的に違反しているとどうこうだみたいなことをやっているのかどうかとか、そういったところを伺いたいと思います。
 都は具体的にどのようなことを行っているのかお伺いをいたします。

○筧環境改善部長 航空機騒音に関しましては、航空機騒音に係る環境基準が設けられておりまして、都では、東京国際空港、横田飛行場、厚木飛行場、立川飛行場及び調布飛行場周辺に環境基準を当てはめる地域を指定しております。
 これらの地域における航空機騒音の実態を把握するために、一年を通じて測定する固定調査地点と二週間測定する分布調査地点で調査を行っております。
 都では、環境基準を超過した場合には飛行場の設置者等に対し、毎年度、航空機騒音の削減等の要請を実施しております。

○西沢委員 飛行場の設置者等に対して、毎年、削減等の要請を実施していると。うるさかったらうるさいよといっているということですよね。
 測定していうということを確認したわけでありますが、ここで、東京国際空港、羽田空港について伺いたいと思います。
 というのは、新しいルート案、ちょっと米軍の関係があってどうなるのかという議論がありますが、いわゆる新ルートについて、私の地元は中野区ですが、九百メートル上空を飛ぶということで騒音の被害が心配されているわけであります。
 住民説明会であったりとかさまざまなことで、ちゃんとやっていますよと、音の出ないような飛行機をやっていますよとか、いろいろと説明を受けるんですけれども、じゃあ、この騒音対策、環境局として羽田空港にはどのような対策をしているのかお伺いいたします。

○筧環境改善部長 東京国際空港周辺においても、毎年度、航空機騒音の実態を調査するために十二地点で測定を行っております。
 平成二十八年度の調査では、環境基準を当てはめる地域の全ての地点において、基準に適合していることを確認しております。

○西沢委員 はかっているわけですが、今のところ基準に全部適合している、問題ないよということですが、これもいってみれば、普通にはかっていて、もし超えたとしたら、うるさいよと要請をするということだというように思うんです。
 そうすると、この環境基準を満たしているという答弁なわけですが、そもそも、じゃあ何のためにはかっているのというようなこと、はかっているだけであれば、はっきりいって意味がないんじゃないかというようなこともいえなくもないわけで、はかってうるさかったと、基準を超えていますよと強い権限を持っていうのであったりとか、そういったことだったらわかるんですけれども、基準を超えて、関係機関と連携して、どういうことをするかという仕組みそのものがないということであれば、そもそも航空機騒音調査をすることの意義がどのようなものになるのかお伺いをいたします。

○筧環境改善部長 飛行場周辺の住民の健康を保護し、生活環境を保全するため望ましい基準として、航空機騒音に係る環境基準が設けられておりまして、都はその適合状況を把握するために、毎年度調査を実施しているところでございます。

○西沢委員 適合状況を把握するためにということです。住民の健康を保護するということはおっしゃいましたけれども、要するに、東京都が把握するために調査をしているということがわかりました。
 しっかりと騒音が心配ないというような形で理解をいただかなければ、やはり羽田空港の新ルートについて地域住民の皆様の理解を得るのはなかなか難しいんじゃないかというように思います。
 やっぱりこの騒音の問題というものが一番出てくるわけでありますけれども、この新ルートがもし始まったときに、現在は、例えば中野区だったり渋谷区、練馬区であったりとか、当該自治体へ飛んでいくというか、飛んで帰ってくるわけですけれども、この地点は今のところ測定地点にはなっていないわけであります。
 この新しいルートが始まった場合は、現在測定していないこういった地点でも測定をするんでしょうか、お伺いいたします。

○筧環境改善部長 東京都では、東京国際空港の周辺地域におきまして、毎年度十二地点で測定を行い、その結果を公表しております。
 今後、飛行ルートの変更などにより騒音の発生状況が大幅に変化した場合には、航空機騒音調査を実施するなどの対応を検討していくことになります。

○西沢委員 今の答弁は、騒音の発生状況が大幅に変化した場合、つまり、うるさくなったら考えますというようなことだと思うんですよね。これは逆で、うるさくなる前に測定をして、それでこれぐらいうるさくなるけれども、こういった対策をするから、首都空港の機能強化のためにご理解いただきたいとか、そういった順番にするべきなんじゃないのかなというように私は思います。
 少なくとも上空九百メートル、六百メートルを飛ぶわけですから、確実にうるさいですよ。確実にうるさくなるけれども、そうなったときに、なった後に考えますという答弁では、私は、ちょっとおかしいんじゃないのかなというふうに思いました。
 この新しい飛行ルートについては事前に測定をする。そして、テスト飛行だとかすると思うんですけれども、このルートが決まる前に、中野区や練馬区や渋谷区、そこだけじゃないかもしれませんけれども、そういった地点で測定をして、結果を先に公表すべきだと考えますが、見解をお伺いいたします。

○筧環境改善部長 先ほど答弁申し上げましたとおり、東京都では、東京国際空港の周辺地域で毎年度測定を行い、その結果を公表しております。
 今後、騒音の発生状況が大幅に変化した場合には、航空機騒音調査の実施などの対応を検討していくことになりますが、現在はその状況にないと認識しております。

○西沢委員 やらないというふうに聞こえるんですが、少なくとも、環境基準地域類型、指定区域というのが昭和五十八年四月に指定されています。この中に十二地点あるわけですけれども、これを拡大していくべきだというように思います。
 状況が変わった後に考えるということでありますが、変わる前にぜひ考えていただきたいということを、地域選出の議員として申し上げておきたい、要望させていただきたいというように思います。
 続いて、エネルギー問題についてお伺いをしていきたいというように思います。
 このエネルギー問題についてですが、国内の電源構成というものがあります。これを見ると、LNGや石炭、こういった火力発電が八三%を占めていて、太陽光発電、水力発電などの再生可能エネルギーが約一五%で、原子力発電が約二%、二〇一六年度のを見ると、こういうふうになることがわかるわけであります。
 これは国内の電源構成というものですが、大量消費地である東京都の電源構成というものがあるのか。これはなければつくるべきだと思うわけですが、都内の電源構成がどのようになっているのかお伺いをいたします。

○小川地球環境エネルギー部長 都内には、全国のさまざまな発電所で発電された電力が供給されており、各小売電気事業者が電力卸売市場や他社から調達する電力など、電源内訳が把握できないものがありますことから、都内供給量全体における電源構成については算定ができません。
 なお、都は、都内に電力を供給する小売電気事業者の報告に基づきまして、各社が都内に供給した電力量や再生可能エネルギーの利用量等については集計をいたしております。

○西沢委員 内訳はないということが今答弁でありましたが、再生可能エネルギーは後で触れますけど、つまり、再生可能エネルギーについては集計しているよということでしたが、火力がどれくらいで原子力どれくらい、東京都内で使っている電力というのが、どういったものを使っているのかというのはわかりませんよというような答弁でありました。
 一方で、国全体で見ると、原子力発電がほとんど稼働しなくても電力需要を賄えている現状があります。我が党としては、原子力発電に頼らない社会を目指していくべきというように考えていますが、東京都としてもそういった社会を目指していくということ。
 これは東京都からですね、国がやることだということではなく、大量消費地である東京都からやるべきだというように私は考えますが、見解をお伺いいたします。

○小川地球環境エネルギー部長 電源構成などのエネルギー政策のあり方につきましては、国レベルで議論、検討がなされるべきものでございます。
 都は、環境基本計画で定めます二〇三〇年における温室効果ガス削減目標に向けまして、省エネ、節電対策の徹底、それから再生可能エネルギー等の分散型エネルギーの拡大など、エネルギーの需給両面にわたる取り組みを進めているところでございます。

○西沢委員 東京都から原発に頼ることのない社会を目指していくべきだということではなく、国レベルでやるべきだと。その一方で、省エネや再生可能エネルギーをやっていますよというようなことであります。
 再生可能エネルギーと省エネのことで、目標についてちょっと確認をしたいと思いますが、きょうも、先ほど議論もありましたし、資料も出ていますけれども、私から確認だけ。特に省エネの目標や再生可能エネルギーの目標は、二〇三〇年に三八%であったり、二〇三〇年までに再生可能エネルギーの場合は三〇%となっていましたが、これは目標変更はない、変わらないということでよろしいんでしょうか、お伺いいたします。

○小川地球環境エネルギー部長 今、委員お話しのとおり、都は、環境基本計画におきまして、二〇三〇年までに東京のエネルギー消費量を二〇〇〇年比で三八%削減、また都内の再生可能エネルギーによる電力利用割合を二〇三〇年までに三〇%程度に高めることを目標としております。

○西沢委員 この目標に向けて進めているということでありますが、この進め方の細かい部分は議論があったんで、私からはさせていただきませんけれども、目標を定めているわけですよね。つまり、先ほど都内の電源構成はわかりません、算定できません、していませんということでありますけれども、再生可能エネルギーだけは集計しているということです。
 このそれぞれの目標、省エネの目標や再生可能エネルギーの目標を定めていることは、進捗が当然あるわけですから、当然、再生可能エネルギーについても把握をして集計している、先ほど答弁あったとおりです。それから、省エネについても目標があるわけですから、進捗があるということは算定しているわけですよね。
 この進捗状況はどのような方法で把握をされているんでしょうか、そして現時点での実績がどうなっているのか、あわせてお伺いいたします。

○小川地球環境エネルギー部長 まず、都内のエネルギー消費量のうち、電力、ガスにつきましては都内販売量等をもとに、またガソリン等は自動車の走行量などから算定いたしております。
 また、都内の再生可能エネルギーの電力利用量につきましては、固定価格買い取り制度等により全国に導入されました再生可能エネルギー電力量のうちの都内利用分、それから都内に設置されました太陽光発電等の自家消費量を合計して算定しております。
 この量を都内の電力消費量全体で割りますことで、都内の再生可能エネルギーによる電力利用割合を算定しているところでございます。
 二〇一六年度の実績といたしまして、エネルギー消費量は二〇〇〇年比で二一%削減、また再生可能エネルギーによる電力利用割合は一二・一%となっております。

○西沢委員 完全に一致する数字ではないけれども、積み上げて算定をしているというようなことだと思います。データに基づいて係数を掛けたりされているというようなことだと思いますが、これはこれでもちろん進めていただきたいというように思います。
 つまり、やる気になれば、都内の電源構成というようなものも算出できると。言葉を悪くいえば、一定のルールに基づいて、アバウトだけれども、今算定して、それについて目標を定めているわけだから、都内の電源構成比というものも、アバウトになっても、それは算定することはできるというようなことになるんだと思います。
 最近、首長によっては、自分のところには原発施設は要らないんだと、特に施設を持っている自治体の首長がそういった発言をされたり、政治的にそういった形で選挙を戦われている地域の方々がいらっしゃる中で、東京都において議論を進める中で、こうした電源構成をもとにしてやることは、私は重要だというふうに思います。
 東京は施設があるわけではありませんが大量消費地ということで、やっぱり東京の方針というか意思というものは大きなものになっていくというわけでありますから、議論の前提となるデータというものをしっかりと精査すべきだということを、改めて申し上げておきたいというように思います。
 この再生可能エネルギーと省エネについて、目標達成のためには、さらに積極的な取り組みが不可欠であるというように思いますが、省エネ対策については、先ほどちょっとありましたが、都内のエネルギー消費量全体の約半分を占める業務、産業部門における対策が重要というように思いますが、都ではどのような取り組みに力を入れていくのかお伺いいたします。

○小川地球環境エネルギー部長 都は、大規模事業所を対象といたしましたキャップ・アンド・トレード制度、それから中小規模事業所への地球温暖化対策報告書制度を運用いたしまして、省エネ対策を進めているところでございます。
 今般、さらなる省エネ対策を図るため、キャップ・アンド・トレード制度では、二〇二〇年度から第三計画期間が始まりますけれども、その際におけます義務率等の検討を進めているところでございます。
 また、地球温暖化対策報告書制度におきましては、優良な事業者の取り組みを評価する仕組みの検討を行っているところでございます。
 今後とも、こうした取り組みを進めまして、業務、産業部門の省エネ対策を促してまいります。

○西沢委員 省エネ対策について、いろいろと長く続けていただいているものもあれば、新たな課題というものもあります。引き続き積極的に進めていただきたいということをお願いしたいと思います。
 では、もう一つ、再生可能エネルギーの導入拡大、こちらの対策についてはいかがでしょうか、お伺いいたします。

○小川地球環境エネルギー部長 都内での太陽光発電などの再エネ設備の導入拡大のため、ソーラー屋根台帳を活用いたしました普及啓発、それから地産地消型の再エネ設備の導入支援などを進めております。
 また、今年度からは新たに、鉄道事業者に対して駅舎への太陽光パネル設置の支援を開始いたしたところでございます。
 また、電力の需要側からの再生可能エネルギーの供給拡大を促すため、キャップ・アンド・トレード制度におきまして、低炭素電力選択の仕組みを設けるなどの施策を展開しているところでございます。
 このように需給両面からの再生可能エネルギーの導入を促進してまいります。

○西沢委員 太陽光発電などの再生可能エネルギーの導入拡大を進めているということであります。
 この太陽光発電ですけれども、買い取り制度というものが二〇〇九年から始まったわけであります。二〇〇九年からの家庭用太陽光発電の固定の買い取りというのが来年で十年を迎えるわけです。それで、買い取り義務が終了する発電設備が順次出てくるというようなことがわかっています。
 俗にいう二〇一九年問題というように呼ばれていることでありますが、太陽光は、買い取り価格がご承知のように毎年どんどん下がっていっているわけだけれども、太陽光パネルの発電設備そのものがどんどん安くなっているから、収支が合うから家庭でも普及していたりとか、もしくは投資対象として太陽光パネル投資を活発にしてきたというようなことで、爆発的にこれが進んできたわけであります。
 だけれども、ここ十年、家庭でない場合は二十年になるわけですが、ここで一定の節目を迎えるわけであります。業者によっては、新電力とかによっては、買い取り価格を国の方で定めている金額よりも大幅に少ない額で買い取りますよというようなサブリース契約的なものに近い形だと思うんですけれども、それによって続けましょうという話なんかもある。
 一方で、要するに、簡単にいえば、もうお金にもならないから、売電価格が全然話にならないからやめてしまおうとか、もしくは、十年たっていますから、故障とかした場合、もういいやとか、修繕なんかを行う必要もないやとか、そういったことで太陽光発電の継続そのものに水を差してしまうような事態が懸念されるわけであります。
 これについて行政の役割が問われると思いますが、国はもちろんですが、東京都はどのように取り組んでいくのかお伺いをいたします。

○小川地球環境エネルギー部長 導入されました太陽光発電の利用の継続を図っていくためには、所有者に対しまして、発電した電力を自家消費で拡大して使っていただく、また委員お話しの装置につきましては、定期的にメンテナンスを行い、適切な設備の更新を行う、こうしたことを促していくことが重要だと考えております。
 このため、都は、都民等に対して自家消費をふやすなどの余剰電力の利用方法や、適切な維持管理の必要性等について周知を行ってきているところでございます。
 また、国に対しましても、官民一体となって広報、周知の徹底を図ることなどを提案要求させていただいております。
 今後もこうした取り組みを通じまして、都内の太陽光発電によります電力の利用の継続を図ってまいります。

○西沢委員 もちろん国が始めた、主導して進めた制度ですから、国がどういう制度でやっていくのかということは重要になりますが、家庭用であったり、地域につくられた太陽光パネル発電が老朽化していく問題になってくると、これは地域の課題になってきますから、基礎自治体であったり東京都の果たす役割というものが大きくなっていくと思います。
 こうした電力の利用の継続というものをしっかりと図っていただきたいということをお願いを申し上げて、次の質問に移りたいというように思います。
 続いて、食品ロスについて伺いたいと思いますが、昨年度でいうと、日本全体の食品ロスは六百四十六万トンと公表されているようですが、都内の食品ロスの発生量についてお伺いをいたします。

○松永資源循環推進部長 都が実施した調査では、事業者へのアンケートをもとに、食品の廃棄量全体から食品ロスの割合を設定し、業種別の売上高を乗じるなどして推計いたしました。
 その結果、都内全体の食品ロス発生量は約二十七万トンでございます。

○西沢委員 全部合わせると二十七万トンということです。これは、環境局さんのホームページに出ているやつですね。事業用が十六万トンと家庭用十一万トンを合わせた量がこれぐらいになるということだと思うんですね。
 ここ数年で食品ロスへの関心というのは格段に高まってきたと思います。毎回、この都議会でも、この委員会でもそうですし、本会議定例会でも触れられてきたところであります。
 改めてちょっと確認ですが、これまでどのような食品ロス削減対策を行ってきたのかお伺いをいたします。

○松永資源循環推進部長 食品ロス削減に向けましては、平成二十七年度から二十九年度まで実施したモデル事業におきまして、消費者を対象とした食品ロスに関する広報を展開するとともに、防災備蓄食品を広く都民や福祉団体等に配布するなど、有効活用を図ってまいりました。
 また、昨年九月、食品の製造、流通、販売にかかわる事業者や消費者団体等から成る食品ロス削減パートナーシップ会議を設置し、賞味期限の長い加工食品を中心に議論を重ねてまいりました。今年度からは、外食部会を設置し、外食における削減対策も議論を始めたところでございます。

○西沢委員 事業概要は一六七ページですが、外食産業というところがポイントだと思っていまして、事業概要は検討を進めていくというような表現だったんですが、今の答弁だと議論を始めましたと、部会を設置していよいよ始めましたよというようなことだと思います。今の答弁にあったように、これまで防災備蓄品で使ったりとか、啓発であったりとか、そういったことでやってきたところを、外食産業に焦点を当てていくというようなことは重要だと思います。
 そもそも都内の食品ロスにおける外食の割合はどれくらいあるんでしょうか、お伺いいたします。

○松永資源循環推進部長 都が実施した推計では、製造、卸、小売、外食の各事業活動全体における食品ロス発生量は約十六万トンでございまして、最も割合が多いのは外食からの約八万トンで、およそ半分を占めております。
 一方、同時期における国の推計では、事業活動全体のうち、製造からの発生割合が四割以上と最も多く、次いで外食三六%となっており、都内の発生状況は、飲食店の多い大都市の特色を反映したものとなってございます。

○西沢委員 都内の事業系の食品ロスのうち、約半分が外食からということです。
 全体の話もありましたが、全体の答弁が出なかったのは、恐らく統計的に単純に足すことができないというようなことだと思うので、あえて私から申し上げると、全体でいうと二十七万トン分の八万トンがこれに当たるということですから、全体の中でいって大体三〇%ぐらいになると。事業系の中での食品ロスの半分が外食、家庭も含めた全体の中で見ても三割と非常に多いということがわかるわけであります。
 日本全国に比較しても、これは、先ほどの六百四十六万トンが昨年ですが、このうちの外食が、環境局さんのホームページを見ると大体百十九万トンですから、大体六百四十分の百二十ぐらい、一八・幾つとか、二〇弱ぐらいになるということですから、改めて東京都の外食というものの割合が非常に高いというようなことがわかるわけであります。
 外食での食品ロス削減に向けて取り組まなければいけないわけでありますが、部会で多分いろいろ議論が始まっているところでありますが、よくいわれていますが、ドギーバッグだとか、持ち帰りを推奨しましょうとか、食品ロスを外食で削減するのは、やっぱり食べ残しをなくすということなんじゃないかなと。
 私がいうのもなんですけれども、私は食べ残していないからこうなっているんですよ。なので、食べ切る文化というものをつくるというようなことが重要なんじゃないのかなというように思います。
 残すというようなことがあると、それが食品ロスになる。中国なんかはよくいわれますけれども、残すのが礼儀だというようにいわれたりして、逆に食べ切ると少ないぞみたいな形になるというのがあります。だから持ち帰ったりするわけですが、その一方で、日本はそういった文化がないけれども、やっぱり食中毒の割合なんかは日本の方が非常に少ないわけですよね。
 ですので、日本の場合は、食べ切るということがつくっていただいた方に対しての敬意というような文化が潜在的にあるから、食べ切る文化をつくるということは潜在的に可能なんじゃないかなと私は思います。
 この前、この下の豚カツ屋さん、もういっちゃいますけど、とんかつ伊勢さんで、今、チームもったいないをやっていますよね。チームもったいないというシールを張っているんです。豚カツを食べたときに、大盛り無料なんですけれども、最初から小盛りにしておくとかいうことをちょっと提案したいなというふうに思うんですね。
 つまり、普通盛りがあって、少なくしたい人とか食べ切れないなとか、女性なんかでも多いと思いますけれども、そういった方は、最初から小盛りにしてくださいと。みんなで食事に行ったときに、一人だけ小盛りにしてくださいとちょっといいづらいから、だからそのまま残しちゃうというようなことなんかもあります。一人だけ大盛りにするというのもちょっといいづらいのかもしれないんですけれども、私なんか勝手に大盛りで出てくるときもあります。
 そういう文化ではなくて、最初から小盛りにするような文化。一時期、メガ盛りとかギガ盛りというのがはやったり、今でもそういった事業者もありますけれども、それは食べ残すということで、一つのエンターテインメント的なものもあると思いますが、そうではないものに関しては、食べ切る文化をつくるために、大盛りの美学から小盛りの文化にしていく必要なんかがあるんじゃないかなというふうに思います。
 いろいろいいましたけれども、こうした外食での食品ロス削減に向けた課題と取り組みについてお伺いをいたします。

○松永資源循環推進部長 農林水産省の調査によりますと、外食における食品ロスの大きな原因は、顧客による食べ残しと店舗での仕込み過ぎでございます。
 十月に開催しました外食部会においては、食べ切れなかった食品を持ち帰る際の課題等について議論がございました。
 また、顧客による食べ残し対策として、パートナーシップ会議メンバーの協力を得まして、十月に実施したキャンペーンにおきましては、宴会での食べ切り、飲み切りに割引を行うなどの取り組みを行っております。
 今後は、仕込み過ぎの課題についても議論してまいります。

○西沢委員 食べ残しがあるということは、店舗側からすると、もうないです、足りないですとか、特にビュッフェなんかだと、やはりそこに物がないと損した気分になりますから、そういったことで、ちょっと損してでも多くつくるというようなものがやっぱりあると思いますが、これについて今答弁があったように、宴会での食べ切り、飲み切りに割引など実施しているということ、こういったことは有効だと思います。
 進めていただきたいというように思うわけですが、この食品ロスの削減を進めるに当たっては、やはりしっかりとした目標というものがなければいけないんだと思います。
 SDGsの中で、食品廃棄物をなくしましょうという、半減しましょうという大きなものはあると思いますけれども、私は、先ほど答弁があったように、東京都で、例えばチームもったいないだったりとか、それから今いっていた宴会での食べ切りのキャンペーンだったりとか、そういったものを、何件であったりとか、どれくらい進めるであったりとか、そういった細かな目標も実は必要なんじゃないかなというふうに思います。
 しっかりとした目標を定めて取り組む必要があると考えますが、都の見解をお伺いいたします。

○松永資源循環推進部長 東京都は、二〇二〇年に向けた実行プランにおきまして、SDGsの二〇三〇年、食品廃棄物の半減に向けた食品ロス削減東京方式の策定を目標に掲げております。
 東京都は、東京方式の確立に向けまして、まず、食品ロス発生量の正確な把握を行うとともに、外食などの事業活動からだけでなく、家庭での削減も視野に入れた食品ロスの削減に取り組む行動プランを策定してまいります。
 また、チームもったいないの参加事業者とも連携しながら、消費者をも巻き込んで、積極的な広報普及活動を展開し、取り組みを一層進めてまいります。

○西沢委員 ぜひプランの中で細かい目標もつくっていただくようお願いをしたいというように思います。
 この食品ロスの削減は世界的な課題であると思います。改めて、東京都全庁挙げて取り組んでいただきたいということを申し上げて、次の質問に移りたいと思います。
 自転車シェアリングについて伺っていきたいと思います。
 これは都市の新たな移動手段として注目をされているところであります。自転車シェアリングに取り組む自治体もふえて、東京のまち中においてもサイクルポート、自転車をよく見かけるようになりました。
 自転車シェアリングについては一四一ページに書いてあるわけですが、基本的に基礎自治体の事業というイメージがあります。東京都環境局が事業を進めるということは、都の役割が何なのかということ、環境局は自転車シェアリングの推進に関してどのように取り組んでいるのかお伺いをいたします。

○筧環境改善部長 東京都は、環境に優しい交通手段である自転車の利用を促進するため、自転車シェアリングを推進しており、事業の実施主体である区市町村に対して設備の整備等への財政支援を行っております。
 また、自転車の貸し出し、返却を行うサイクルポートの拡充に向け、環境局が窓口となり、都道や公開空地上などにサイクルポートを設置したい区市町村と庁内関係局との連絡調整を行っております。
 さらに、自転車シェアリングの取り組み事例等をホームページで公開するとともに、自転車シェアリングを安全に利用していただくためのリーフレットを作成し、関係自治体等に配布するなど、自転車シェアリングのPR及び安全利用のための意識啓発を行っております。
 このほか、行政区域を越えた自転車シェアリングの広域相互利用を進める自治体の支援を行い、現在、都内九区にまで広域相互利用が拡大しております。

○西沢委員 財政支援であったり、それから東京都道を使った整備ということで、東京都がその役割を果たすというのは理解ができます。
 ですが、答弁ありましたが、さらに広域相互利用を進める自治体の支援を行うというところは非常に重要なんだというように思います。この区でしか使えないということではなくて、やっぱり自治体相互での乗り入れができるというのは非常に便利です。
 答弁もありましたが、都内九区で広がっている相互乗り入れでありますが、広域相互利用が拡大しているということでありますが、まだまだ東京都全域で見ると足りない部分もあるんだと思います。
 国立市ではメルチャリ、それから九区ではドコモさんだったり、台東区さんではソフトバンクさんとか、世田谷区さんではレンタサイクルとか、いろいろと業者さんが汗をかいていただいていたりとか、当然ビジネスとしてやっていくということでありますが、これ、将来的にどこを目指すのかということです。やはり目指すべきところは、東京都全域により広域的な展開を進めるべきなんだというように思います。
 ですので、その調整という役割は、やはり広域自治体である東京都が担わなければいけなくなるというように思うわけですが、改めて、さらに広域的な展開を進めるべきと考えますが、見解をお伺いいたします。

○筧環境改善部長 東京都は、自転車シェアリング利用者の利便性を高め、利用を促進していくため、行政区域を越えた自転車の広域相互利用をさらに進めていくことは重要であると考えております。
 一方で、各自治体はそれぞれの地理的条件や地域特性等を勘案し、自転車シェアリング事業の実施の可否を判断するとともに、運営事業者の選定や広域相互利用のエリアの検討を行っております。
 都は、こうした各自治体の状況や意向に配慮しつつ、今後も自転車シェアリングの広域的な展開をサポートしてまいります。

○西沢委員 自治体の事情というのはよくわかりました。広域相互利用をさらに進めていくことは重要であるという都の認識も今いただいたところでありますので、やはり広域相互利用エリアをふやしていくというようなことに取り組む必要があります。
 そのために、自治体の事情を今お伺いしたわけですが、利用者側の声というものがどういったところがあるのか。利用者の声に耳を傾けて、利便性を高めていくというのは非常に重要だというように思うわけでありますが、自転車シェアリング利用者の声を把握しているのか。把握しているとすれば、評価や不満に感じている点があるのか、またその声をどのように事業に反映しているのかお伺いいたします。

○筧環境改善部長 東京都は、自転車シェアリングの利用状況や利用者の満足度等を把握するため、平成二十八年十二月に、自転車シェアリング広域相互利用に関する利用者アンケートを実施いたしました。
 このアンケートによりますと、自転車シェアリング全体の満足度は、満足、やや満足を合わせ八六%と高い評価でありました一方で、不満な点として、自転車がポートにないことがある、自転車があっても充電不足などで使えないことがある、ポートの数が少ないなどが挙げられております。
 こうしたアンケート結果を関係自治体にも情報共有し、各自治体の事業の改善に役立てるとともに、自転車シェアリング利用者の利便性の向上に努めてまいります。

○西沢委員 今答弁がありましたが、満足している方はやっぱり結構多いんですよね。八六%、高い評価ですけれども、やっぱりポートが少ないとか、充電不足で使えないことがあると。これはまだ過渡期にあるからそういったことだと思うんです。
 将来的にはこの自転車シェアリングは結構広がっていくんじゃないかと思いますし、広げていかなければいけないというように思いますが、先ほどいったように、規格が結構変わってくる。A社のポートだとB社の自転車が入らないし充電もできないとか、もしくは決済もできないとか、そういったことにやっぱりなりますし、場所についてもこれは無限にあるわけではありません。先ほどあったように、東京都が都有地であったり都道であったり、そういったところを利用して、各自治体の所有の市有地であったり区有地だったり等利用しているわけですから、無限にあるわけではありませんから、効果的につくっていくためには、各業者間が相互に使えるようなシステムをやはり目指さなければいけないんじゃないかなというように思います。
 各業者ごとにばらばら、自治体によってばらばらということがやはり利便性を欠いてしまいます。まだまだ課題はありますけれども、例えばSuicaとかPASMOとか、最初使えなかったですよね。だけれども、今全国で使えます。
 それから、カセットこんろとかよく話しますけれども、昔、カセットこんろは会社によって違うんですよね。カセットこんろのガスボンベが違うわけですよね。イワタニのカセットこんろだとカチャッとつくけれども、そうじゃないとつかないとか、こういうのは阪神大震災のときに、これじゃ不便だということで、今はどの会社のメーカーのカセットこんろのボンベでも使えるように変わっています。利用者からすれば便利ですよね。
 それから、ちょっと話が違うかもしれませんが、水道の蛇口を下にやるととまる、上にやるとあくというのも阪神大震災のときに統一された規格になっていたりします。
 こういったときに、やはりそういったことがあると統一しましょうとか--乾電池も、これは戦中ぐらいに統一されていますけど、乾電池だって基準が合わなければすごく不便ですけれども、やっぱり行政がこれを統一していくという役割を果たすべきなんじゃないかなと思います。
 まだまだ過渡期でありますけれども、ビジネスモデルが構築して、さまざまな自転車シェアリング業者が参入しているというように聞いておりますから、ぜひ関係各局と連携を図りまして、利用者が使いやすいようなシステム構築に東京都も取り組んでいただきたいということを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。

○やながせ委員 私からは、高圧ガス施設の安全性について、また太陽光発電設備の廃棄について、それからLED省エネムーブメント促進事業についてという三つのことについて、順次確認をしていきたいというふうに思います。
 まず、高圧ガス施設の安全性についてでありますけれども、環境局では高圧ガス施設の保安対策を行っていると。危険物を扱う施設の安全性について、首都直下地震対策の観点から、何点か確認をしていきたいと思います。
 この質疑は、昨年の事務事業で宮瀬都議がされていたというふうに認識をしております。そこからちょっと視点をずらして話をしていきたいというふうに思います。
 二〇一一年の東日本大震災で、千葉県で高圧ガス施設が大爆発を起こしたという事故がございました。報告書もあるんですけれども、市原市の千葉製油所のLPGタンク、大きな球形のタンクですね。これはガスホルダーというようでありますけれども、これが倒壊してガスが漏れて、そこに火災から引火して大爆発を起こしたということであります。そこから連鎖的にほかのガスタンクが破損し、そこに引火して爆発の連鎖を生んだという大事故でありました。
 重軽傷者は六名。これは臨海のコンビナートで起こったことですから、特に近隣住民がいたわけではないというのが唯一の救いだったということでありますけれども、鎮火したのが三月二十一日ということでありますから、三月十一日の発災から十日間燃え続けたという大規模な事故だったということであります。テレビでもこれは大きく報道されましたので、私もよく記憶に残っております。
 この事故があったわけでありますけれども、東日本大震災によって都内の高圧ガス施設での事故は発生していないということは聞きました。
 そこでまず、都内にこのような高圧ガス施設がどれくらい存在しているのかという基本的な情報を確認しておきたいというふうに思います。

○筧環境改善部長 都が把握しております高圧ガス施設は、平成三十年三月末現在、許可が必要な規模の施設は、製造施設と貯蔵施設を合わせて九百十一カ所ございます。このほか、許可を受ける必要のない小規模な施設も設置されております。
 なお、千葉県で発生した事故のような高圧ガス保安法適用のコンビナート規模の高圧ガスタンクは東京都にはございません。

○やながせ委員 ありがとうございます。製造施設と貯蔵施設を合わせて九百十一カ所だよということであります。千葉のような、ああいった臨海にあるようなガスホルダー、大規模なものはないということでございました。
 そこで、九百十一カ所ということで、これはかなり都内に散在しておるというふうに見受けられますけれども、東日本大震災を踏まえて、東京都では、二〇一二年四月に首都直下地震の東京の被害想定を公表したところであります。
 仮定されている規模の首都直下地震が起こったとして、都内の高圧ガス施設で千葉県で発生したような事故が起こる可能性はないのか、これをお伺いしたいと思います。

○筧環境改善部長 現在、高圧ガス保安法で、一定規模以上の高圧ガス施設に耐震設計が義務化されておりますが、これらの施設について専門家による現地調査を行った結果、全て基準に適合していることを確認しております。
 また、同調査におきまして、耐震設計が義務化される前に設置された古い高圧ガス施設についても、同程度の耐震性能があることを確認しているところでございます。

○やながせ委員 高圧ガス保安法での耐震設計が義務化されていますから、この義務化されている設計どおりになっているんだよということを確認しておるということでございます。
 私はこれを問いたいわけでありますけれども、この高圧ガス保安法に定められている耐震設計のレベルがどれくらいのレベルで設計されているのかということであります。資料を見ると、この高圧ガス保安法では、レベル一の地震動とレベル二の地震動というふうに分けられているわけです。
 レベル一の地震動というのは、施設の供用期間中に一回以上発生する可能性が高い地震動ということのようであります。レベル二の地震動というのは、レベル一地震動より発生確率は低いですが、供用期間中に極めてまれに発生し得る最大級の地震動ということであります。
 レベル一とレベル二に分かれているよということでありますけれども、そこでお伺いしたいわけですが、都が想定している首都直下地震は、レベル一に相当するのかレベル二に相当するのか、これを教えていただきたいと思います。

○筧環境改善部長 高圧ガス保安法では、レベル一地震動を耐震設計構造物の供用期間中に発生する確率の高い地震動、レベル二地震動を同確率の低い地震動としており、首都直下地震のような大規模地震はレベル二に相当いたします。

○やながせ委員 首都直下地震はレベル二に相当するということであります。
 そこで、この資料を見ると、高圧ガス保安法のもとでは、大半の施設がレベル一地震動を想定した設計となっておるというふうに確認をしました。表もあるわけでありますけれども、約八割の施設はレベル一相当ということになっているんですね。高圧ガス保安法ではレベル一でいいよということになっているということであります。
 つまり、この高圧ガス保安法の基準を満たしている、これは確認をしているよということはよくわかりましたけれども、これはレベル一地震動に耐えられるということは確認しておるということだと私は理解をするわけであります。
 首都直下地震がレベル二であるということであれば、先ほど首都直下地震で大きな事故が起こることはないということの答弁でありますけれども、これはなぜそういうふうにいえるのか、その根拠を教えていただきたいと思います。

○筧環境改善部長 先ほど申し上げましたように、東京都は、実施しました調査結果及びその他の改善指導により高圧ガス施設の安全性を確認しているところでございます。
 また、国が実施した東日本大震災に関する調査報告書でも、設計を上回る地震動による高圧ガス施設の爆発火災事故は、さきの千葉県の事例を除いて発生していないとされております。

○やながせ委員 今のちょっと皆さんわかったかどうかはあれなんですけど、整理すると、この高圧ガスの施設というのはほとんどレベル一なんです。でも、首都直下地震というのはレベル二なんです。だから、東京都内の高圧ガス施設というのはほとんどレベル一の地震動に耐えられるように設計がされている。つまり、レベル二に耐えられるようには設計されていないんです。
 ただ、さっき部長がおっしゃったのは、東日本大震災のときには、このレベル一のものでもレベル二地震動に耐えたという実績があるから、だからレベル一でも大丈夫なんだという答弁だということでよろしいですか。そうですよね。
 でも、これが私はちょっと納得がいかなくて、首都直下地震はレベル二なんです。それで、たまたまレベル一でも軽微な破損で済んだということにすぎないというわけでございまして、本来はレベル二を目指すべきではないかというふうに思うわけでありますけれども、レベル二にすると多分いろんなコストが相当かかってくるといったようなさまざまな問題があるんでしょう。ですから、これは高圧ガス保安法、国でつくった法律のもとにおいては、レベル一でいいよということになっているということでございます。
 私は、首都直下地震というものを想定している都内においては、上乗せの条例をつくっていくということはないというふうに思いますけれども、これ、エリアによってということかもしれませんけれども、国に対して、こういった保安法の改正といったことをしていくというようなことが必要なんではないかと。
 そもそも私は、この高圧ガス保安法のたてつけがおかしいんじゃないかというふうに思うわけでありますけれども、そこは国の問題だというふうにいえると思いますが、だからといって、レベル二の地震動が来たときに本当に大事故が起こらないのかといったら、ちょっとそれは楽観視しているんじゃないかなというふうに私は感じるところであります。
 また、設置するときに耐震設計がなされていたとしても、その後の維持管理、メンテナンスが悪ければ、耐震性能にも当然影響が出てくるということでございます。この点をどのように確認しているのかお伺いしたいと思います。

○筧環境改善部長 都が実施いたしました専門家による調査では、設備の維持管理状況についてもあわせて調査を行っておりまして、ほとんどの施設が良好な状態でございました。
 また、腐食や劣化が見つかった施設については、都が直接事業者への立入検査を実施し、改善指導を行ったところでございます。

○やながせ委員 東京都はこの東日本大震災を受けて、非常に丁寧な確認作業をしていて、全ての施設に専門家を送ったと。腐食や劣化が見られたところに関しては、改善の勧告を出して、それがなされているかどうかということを東京都の職員が行ってチェックをしたというふうに聞いて、極めて丁寧なご対応をされているなというふうに思うわけであります。
 これ、昨年度の段階で私が確認したときには、改善が必要な施設というのは、腐食や劣化が見つかって、これは修正しなくちゃいけないというふうに都が考えた施設でありますけれども、二十九カ所のうち二十二カ所は改善済みというふうになっておりました。七カ所は残っていたわけでありますけれども、これについて完了しているのかどうか、この点を確認をとっておきたいと思います。

○筧環境改善部長 昨年十月末時点で、改善未実施の七施設につきましては、平成二十九年度中に全ての施設で補修等の措置が終わり、都は、立入検査や提出された報告書等により確認しております。

○やながせ委員 この改善は済んでおるよということであります。高圧ガス保安法で求めている耐震基準はしっかりと確認がとれているし、腐食や劣化も改善がなされているということのようであります。
 ただ、先ほど申し上げたとおり、レベル二地震動の対応とはなっていないと。あくまでもレベル一地震動の対応の設計になっているというところ、これは根本的な問題なんだろうというふうに思います。
 首都直下地震がどういった形で来るのかということはわかりませんけれども、その場所や地震動の動き方によっては、想定外の大事故に至る可能性もあるというふうに私は考えます。
 そこで、都でできることは何かなということなんですけれども、高圧ガス施設の近隣住民に、そこに高圧ガス施設があるんだよと、危険な施設があるんだよということを認知してもらうことが必要であるというふうに考えるわけであります。
 さまざまな確認をしていったら、これらの施設の情報というのは非開示であるということでございました。なぜかといったら、テロ防止の観点ということであります。東京都はこれを非公表としていると。じゃあ、情報公開条例に基づいて情報開示したら見せるんですかといった問いには、いや、それも非開示だというお答えでございました。
 国の方にも確認をしたわけでありますけれども、国もガイドラインを出していて、非開示にせよというようなことをいっているということであります。
 そこで、これらの施設の情報について、地域住民の安全性を高めていくために公表していくということについての局の考えを確認したいと思います。

○筧環境改善部長 国民保護法に関する国の情報公開ガイドラインでは、高圧ガス施設などの情報を公開することは、公にすることで当該施設が特定され、テロ等の人の生命、身体、財産への不法な侵害や、当該施設への不法な侵入、破壊を招くという理由で非公開とされておりまして、都も、住民等の安全を確保する必要があることから公表を行っていないところでございます。
 高圧ガス施設は、高圧ガス施設や立入禁止などの警戒標の掲示が義務づけられておりまして、周辺住民はこれにより確認することができます。
 また、東京都は、法に基づきまして、警視庁、東京消防庁、海上保安庁にこれらの施設情報を通報しておりまして、災害や事故が発生した場合には、この情報をもとに適切に対応することができると考えております。

○やながせ委員 国がガイドラインを示しているという中で、都がこれを公開していくことはできないということはよくわかるわけでありますけれども、私は、これを公開する利益と非公開にした利益をてんびんにかけたときには、公開する利益の方が大きいのかなというふうに感じるところであります。
 もしテロリストがテロを起こそうとしたならば、高圧ガス施設なんてこれはすぐわかりますよね。流通の経路をたどるであるとか、そういったところから、これは簡単にわかるんではないかと、そもそもそういうふうに思います。
 であるならば、そういった施設が近くにあるんだよということをしっかりと近隣住民にお伝えするということの方が重要なのではないかというふうに私は思うわけでありますけれども、公表できないというご回答でありました。
 唯一、地域住民が、その施設が危険な施設なんだよということを認識できるようにするために、建物に掲示する警戒標なるものがあるということでございました。
 この警戒標についてでありますけれども、これはサイズとか取りつける場所など取り決めがあるのかどうかお伺いしたいと思います。

○筧環境改善部長 高圧ガス施設の、高圧ガス施設や立入禁止といった警戒標につきましては、高圧ガス保安法の例示基準で、外部から見やすいところに掲げ、外部の者が明瞭に識別できる大きさで表示することを規定しております。

○やながせ委員 見やすければいいよという取り決めしかないということでありました。
 そこで、私は、この高圧ガス施設、一件でありますけれども、ここを視察してきたわけであります。写真等はありません。場所も非公表だということでありますので、皆さんに明示することはできないわけでありますけれども、一言でいえば、非常にわかりにくいということであります。火気厳禁とか立入禁止、高圧ガス施設とは書いてありましたよ、それは。札みたいなのをぽっぽっと張ってあるということでありますけれども、これを見て、この施設が震災時に何らかのトラブルを起こす可能性があるというところまで想起される方というのはなかなかいないんじゃないかなというふうに思います。
 私が、なぜ質問を考えたかといえば、私、地域の消防団活動をもう十二年やっているわけでありますけれども、地域の安全マップとか防災マップ、危険なものをプロットしていくと。この前、塀が倒れたよというようなことがあれば、塀が倒れそうなところはないかといったことを確認したりとか、またはコンテナを二つ積んでいるとか、あれは建築基準法違反なわけでありますけれども、そういったものはないか、そういったことを確認しております。地域に関してはですね。
 ただ、危険物をどこで取り扱っているかというのは、実は全然わからなくて、それは消防庁と消防団の連携の問題ということなのかもしれませんけれども、私たちはそのプロットを地域住民の皆さんにお示しすることができない、こういう状況にあるわけであります。
 ですので、大震災が起きるということを私たちは想定していると。その中で、こういった危険な施設がまちの中にあるわけですよね。ある一定の保安のための距離をとっているということは存知しておるわけでありますけれども、ただ、もっと地域住民にわかりやすく警戒標を取りつける必要があるのではないか。
 ですから、火気厳禁とか、立入禁止とか、高圧ガス施設とかというんではなくて、率直に、この施設は震災時に爆発すると書くとあれかもしれませんけれども、できるだけ遠くに避けるようにしていただきたいといったことをわかりやすく明示するようにしていただいた方がいいのかなというふうに、これは提案をしたいわけでありますけれども、この点について一応確認をしたいと思います。

○筧環境改善部長 東京都は、高圧ガス施設の許可届け出時や事業所への立入検査等の際に、警戒標の掲示についても確認、指導を行っております。
 今後も、高圧ガス施設の保安確保に向けて適切な対応に努めてまいります。

○やながせ委員 ありがとうございます。ぜひよろしくお願い申し上げたいというふうに思います。
 この高圧ガス施設については、東日本大震災後、東京都は、丁寧に施設の耐震性能の確認、また腐食や劣化がないかといったことをしっかりと一つ一つの施設に関して確認をしてきたということもよくわかりました。
 ただ、この高圧ガス保安法が求めている耐震レベルが低いということは問題だなというふうに思います。国の問題でありますから、国にも働きかけていきたいというふうに思いますけれども、その中で、近隣住民に危険な施設が近くにあるんだという認識を持ってもらう、こういった努力を尽くしていただきたいというふうに思うわけであります。
 次の質問に移りますけれども、太陽光発電設備の廃棄についてであります。
 きょうもさまざまな委員から太陽光発電についてお話がございました。これは都政の大きな課題なんだなということを改めて感じたところでありますけれども、東京都も、世界一の環境先進都市をつくるんだということをずっといってきたわけであります。
 東京都環境基本計画は二〇一六年につくったものですね。この基本計画の中でも施策の柱というのは、再生可能エネルギーの導入拡大ということになっている。都は具体的に何をしてきたかというと、補助制度を創設したし、また東京ソーラー屋根台帳を活用して情報発信などの事業を展開するようになって、この普及拡大を図ってきたというところであります。
 太陽光発電の導入量の目標といったものも、二〇三〇年までに百三十万キロワット導入していくんだよといった目標も掲げているわけであります。
 そこで、私の問題意識は--どんどんつくっているわけですよ。ただ、その出口があるのかと。その廃棄が適切になされるのかといったところが今問題になりつつあるというところでありますし、また、環境局関係のところでは、この質問はなかなかなかったかなというところから質疑をしていきたいというふうに思うわけであります。
 そこで、まず最初に、現状の太陽光発電施設の設置状況、それから今後廃棄される量をどのように見込んでいるのかということについてお伺いをしたいと思います。

○松永資源循環推進部長 国内全体における太陽電池モジュールの出荷量につきましては、事業者団体の資料によりますと、二〇〇二年度から二〇一六年度までの累計で、稼働していない設備も含め約四十ギガワットとなっております。
 参考までに、都内における設備の導入量は、一九九六年度から二〇一六年度までの累計で約〇・五ギガワットとなっております。
 また、将来廃棄される見込みの量につきましては、環境省の推計で、寿命を二十五年と仮定いたしますと、国内全体で二〇二〇年で約三千トン、二〇三〇年には約三万トン、さらに二〇四〇年に約八十万トンと急増する見込みとなっております。

○やながせ委員 太陽光発電も設備は伸びが極めて顕著であるということであります。特に、二〇〇九年、余剰電力買い取り制度が開始されたと。また、固定価格買い取り制度が開始された二〇一二年、ここで大きく伸びているということがわかるわけであります。
 それで、この廃棄の方なんですけれども、先ほどご答弁いただいたとおり、二〇二〇年で三千トンだったものが、十年後には三万トンになるということで十倍になるよということであります。ただ、これはどんどんうなぎ登りでありまして、二〇四〇年には八十万トンということで、二〇二〇年からすると二百五十倍ということで、急激にこの廃棄物が出てくるということであります。
 そこで、現段階ではまだ設備の多くは廃棄に至っていないわけでありますけれども、この発電設備の廃棄の現状についてどのようになっているのかを聞きたいと思います。

○松永資源循環推進部長 環境省が行ったアンケートやヒアリング調査によりますと、現状においては、メーカーが不用品等として廃棄する量が最も多く、主に金属スクラップとして再生されております。
 一方、建設業者が建物の解体に伴って処理するルートもございまして、その多くが他の廃棄物とともに産業廃棄物処理の流れの中で、破砕などの中間処理を経て最終処分が行われております。

○やながせ委員 ほとんどの太陽光発電の設備は、ほかの廃棄物とともに、普通に産廃処理をされているんだよということでございます。
 ちょっと話はそれるんですけれども、この発電機器の一部が、適正に廃棄されずに不法投棄されるものがあるということをほかの自治体の事例で聞きました。都内でこの不法投棄を把握しているのかどうか、これを一応確認しておきたいというふうに思います。

○松永資源循環推進部長 東京都では、警視庁からの派遣職員を含めた産廃Gメンを組織し、不法投棄など不適正処理の防止と早期発見、取り締まり等の強化に努めております。
 平成二十七年度からは、不適正処理を行う金属スクラップ業者等への立入指導を強化しておりますが、現時点で、都内で太陽光発電機器が不法投棄された事例は確認しておりません。

○やながせ委員 現状、不法投棄の事例は確認していないということでございました。
 これ、何が問題なのかと。この太陽光発電の設備が廃棄されることによる問題は何なのかということでありますけれども、これは有害物質が非常に多く含まれているといったところが問題だということなんですね。
 太陽光発電設備の素材構成として、太陽電池モジュールを保護するガラス、モジュールを乗せる台の鉄が重量ベースで多くを占めるものの、鉛、アンチモン、ヒ素などの有害性を有する物質がかなり多く含有されておるといったところでございます。ですので、今慌ててこれをどうにかしなければいけないということで、国の方も動きつつあるということであります。
 そこで、率直にお伺いしますけれども、現状、廃棄の際に有害物質が流出するおそれはないのかどうか、この点について確認をしておきたいと思います。

○松永資源循環推進部長 委員ご指摘のとおり、太陽光発電モジュールには、鉛、アンチモン、ヒ素などの有害性を有する物質も含まれております。
 環境省によりますと、建物の解体に伴って廃棄し、他の産業廃棄物とともに処理されるルートにおいても、現時点で問題等は顕在化していないとしておりますが、破砕処理や最終処分の方法によっては、有害物質が溶出する可能性も否定できないと考えております。

○やながせ委員 有害物質が溶出するリスクがあるというふうに東京都も認識しておると。この東京都の認識というのは国の認識でありまして、国が、今どのように処分がされているのかという実態調査、太陽光発電設備の廃棄処分等に関する実態調査を行って、ここから勧告をし、改善措置指導をしてきたというところであります。
 この実態調査を見ると、この有害物質に関しての情報は全く行き渡っていないなというところであります。この実態調査の中では、パネルの有害物質情報は排出事業者から産廃処理業者に十分提供されず、含有の有無が未確認のまま、遮水設備のない処分場に埋め立てられているといったことが多々書かれているわけです。
 また、損壊パネルは感電の危険があるということでありますけれども、損壊パネルによる感電や有害物質流出の危険性について、一部を除き、地方公共団体、事業者とも十分な認識がなく、地域住民への注意喚起も未実施であるといったことが、この太陽光発電設備の廃棄処分等に関する実態調査のレポートの中にこういった言葉が出てくるわけです。
 ですから、有害物質がかなり含まれているにもかかわらず、普通のごみとして出されている、簡単にいえば産廃処理されているということになっているわけで、これに関連している人たちが全くその認識がないよといったところ、ここに大きな問題があるんだろうというふうに思うわけであります。
 こういった有害物質が溶出するリスクがあるということでありますけれども、これに対して、東京都は、かなり早くから察知をして、対策をとろうとしているということでありますけれども、今後どう対処していくのかということをお伺いしたいと思います。一義的には、これは国の問題であるということがいえるわけでありますけれども、都独自に検討していることがあれば、お伺いしておきたいというふうに思います。

○松永資源循環推進部長 都では、今後大量廃棄が見込まれる使用済みの太陽光発電施設の3R及び適正処理が促進されるよう、本年八月に、太陽光発電設備のリサイクルに知見を有する専門家から成る検討会を設置いたしました。
 八月に開催した第一回会議では、有害物質についても埋立処分を行う場合には、浸出水処理を行う管理型処分場に限るべきとの意見が出されたほか、事業者団体からも、有害物質に関する情報公開の取り組みが報告されております。
 検討会では来年度中に取りまとめを行う予定でございますが、都といたしましては、それらの結果を踏まえて適切に対応してまいります。

○やながせ委員 管理型処分場に限るべきというのはもっともなことだなというふうに思うわけであります。ただ、まだこの検討が始まったばかりということでありまして、これは早急に取りまとめをしていただきたいと、そして対策をとっていただきたいということでございます。
 これ、ほかの自治体でなぜ問題になっているのかというと、大災害があるじゃないですか。台風が来たということで土砂災害がある、家が崩れるよといった中で、太陽光発電をしている地域はかなりあるんですね。この太陽光発電設備が極めて脆弱であるということです。何か物がぽんと飛んでくる、それで破損すると、エネルギー効率が落ちると取りかえるということなんです。普通にこれは産廃処理されていっているというのが今の現状ということであります。
 大規模災害が起こったら、太陽光パネルだから分けようなんていうことはとてもいっていられないわけでありまして、それを全部一緒くたになって処理されているというのが現状でありますけれども、ここには鉛が多く含有されているということですから、この処分方法に関しては早急な検討が必要だろうというふうに思うわけであります。
 また、この有害物質に対して確実な処理を行う一方で、すぐれたリサイクルの技術をさらに支援して、適正な処理ルートをつくるべきだというふうに考えるわけであります。
 例えば、現状では、廃棄された機器が産廃の中間処理施設に搬入された場合に、太陽電池モジュールがガラス製のカバーとともに破砕される可能性が高いわけであります。もう搬入されたらそれはばあんと破砕するというだけなんでありますけれども、カバーとモジュールをこういうふうに引き剥がす、分離するという技術があるようであります。
 今の段階ではかなりコストはかかるわけでありますけれども、こういった技術をしっかりと支援していくということによって、この有害物質の溶出を回避できるのではないかなというふうに思うわけであります。
 こういった技術の支援を今からしっかりとしていただきたいと思うわけでありますけれども、見解を伺います。

○松永資源循環推進部長 今後、太陽光発電設備の寿命が到来し、大量に破棄される可能性が高いため、今から確実なリサイクルルートづくりに向けて取り組んでいく必要がございます。
 都といたしましては、検討会におきまして、効果的なリサイクル手法や、他の廃棄物と混合させない収集運搬ルートづくりのほか、太陽電池モジュールのリユースの促進などについても検討を重ねていくこととしております。
 今後、新たな技術開発についての情報も含め、会議において関係業界からのヒアリングを行うとともに、必要なデータ収集を行っていくことによりまして、リユース及びリサイクルの促進に取り組んでまいります。

○やながせ委員 東京都は対応が早いと思います。東京都は普及促進を今ばんばんやっているわけですよね。ですから、その出口戦略もしっかりと考えなければいけないと思います。
 大規模災害が来れば、そのときにはこんなこといっていられないのかもしれませんけれども、大量のパネルが廃棄に出される。現状ではこれをなかなか管理することはできないという状況にあるということでございます。早急な対応をお願いしたいと思います。
 最後のテーマでありますけれども、LEDの省エネムーブメント促進事業についてお伺いしたいと思います。
 私、去年の事務事業質疑から、今年度の予算質疑から、この事業についてお伺いするのは三回目であります。私は、この事業についてはかなり怒っておるということをあらかじめ申しておきたいということでありますけれども、この促進事業について、LED電球の交換実績についてお伺いをしたいと思います。

○小川地球環境エネルギー部長 LED省エネムーブメント促進事業は、当初、平成二十九年七月十日から一年間の事業期間で実施したものでございます。この間の交換実績は三十六万六千六百七十三個でございます。
 その後、事業を実施する中でいただいたご意見も踏まえまして、都民がより参加しやすい新たな仕組みで、本年八月十五日から事業を実施しております。事業開始から二カ月の実績は十三万五千九十三個でございました。

○やながせ委員 これ、平成二十九年七月十日から一年間の事業期間ということで始まったということでありますけれども、その交換実績は三十六万六千六百七十三個ということでございます。
 この数だけ見ると、これは大した数ですよ。ただ、その目標というのは百万個ということであったわけであります。百万個の目標に対して実績は三十七万個だったということでありますけれども、この結果についてどう総括されているのか、これを聞きたいと思います。

○小川地球環境エネルギー部長 本事業は、LED電球への交換、それと同時に行います省エネアドバイスを通しまして、家庭における省エネ対策を進めるものというふうに考えてございます。
 これまで一千店近い家電店等のご協力をいただきまして、多くの都民の参加によりまして、ただいま申し上げました三十七万個、最初の一年ですけれども、LED電球への交換が行われました。CO2にいたしまして、年間約一・七万トンの削減につながっております。
 また、交換と同時に行われます省エネアドバイスは、約三十七万人の都民の方に直接行っていただいておるところでございまして、省エネ意識の醸成を図ることができたというふうに考えているところでございます。

○やながせ委員 この事業について、私は事あるごとにいってまいりましたけれども、この事業のコンテンツというか、効果そのものに関して何か疑いを挟むものではありませんし、むしろこれはいい事業だなということをずっとこの委員会でも申し続けてきたわけであります。
 ただ、私が一点問題にしてきたのは、百万個という目標の設定のあり方であります。
 あらかじめ申し上げておきますと、この百万個の目標設定のあり方の問題に、私は東京都の環境行政の問題が詰まっているというふうに考えるわけでありますから、この問題を三回にわたって質疑をしているということをあらかじめ申し上げておきますけれども、百万個の目標設定に対して三十七万個であったということの総括を私は聞かせていただきたいというふうに思うわけです。
 簡単にいうならば、これは成功だというふうに認識をされているのか、それとも失敗と捉えているのか、ぜひご答弁をいただけたらというふうに思います。

○小川地球環境エネルギー部長 ただいまご答弁申し上げましたけれども、これまで一千店近い家電店のご協力をいただき、約三十七万個のLED電球への交換が行われるとともに、三十七万人もの都民の方に直接の省エネアドバイスを行うことで、省エネ意識の醸成を図ることができたというふうに認識しているものでございます。

○やながせ委員 残念ながら答えになっていないというふうに思います。
 事業は終わったらそれはどうなのかと評価しなくちゃいけないんですよ。それが百万個に対して四割に終わったと。これはやっぱり問題があるんじゃないかということをこの一年間ずっといい続けてきたわけです。スタート時、百万個という目標設定をされた。その根拠を確認した。すると、二百八十万世帯の方がLEDの電球をお使いになっていないと。その三分の一だということであり、そこから百万個なんだよという説明でありました。
 これは残念ながら何のエビデンスもない希望的観測による、夢にまで見たような百万個ということですよね。エビデンスがない、根拠がない目標設定だということであります。ですから、スタート時に、やっぱりなかなかこれは全然難しいと。三カ月の段階で私は、これは目標を修正した方がいいということを申し上げました。
 何が問題かというと、やっぱりこれは十五億円というお金を積んでいるわけであります。ただ、今の状況からすると執行されたのは、六億円、七億円とかいうことですよね。つまり八億円が不用額になったということです。だったら、八億円別のことに使ってくれというふうに私はいいたいわけであります。
 ムーブメントを起こすんだよ、だからたくさんお金を積むんだよ、これはいいわけですよ。やっぱり積み上げて目標をしっかりと設定をする、ここにまず注力しなければいけない。ただ、その努力が見られないと。
 もし、この目標到達が難しいということであれば、これは途中で目標を修正すればいいというふうに私は思うんです。もしくは、現実的な目標を立てて、それでもっといきそうだということであれば、これは当然補正を組めばいいんですよ。そうしたら私、審議しますから。
 でも、そういったことではなくて、とりあえず高い金額を積んでおこうという、これはこの事業だけじゃないんです。これは前回の予算質疑でもいいました。その話はまた来年の予算質疑でもやりますけれども、多額の補助金をとりあえず積んでおくと。水素とか太陽光もそうです。多額の金額を積んでおけばいいと。執行率はもうさんざんじゃないですか。
 でも、それはわかりますよ。ある一定わかるところはあるんです。それは大きな目標を立てなければいけないから、その分だけ予算を積まなければいけないと。これはわかるんですけれども、私は、特にこういった個数ですね、百万個というような個数を安易に設定してしまう、この体質そのものにやっぱり問題があるのではないかということをずっと問い続けているわけであります。
 じゃあ、どうしたらいいのかということでありますけれども、この百万個が四割弱にとどまってしまったということに対する責任の所在、あんまりこの委員会で責任の所在ということは聞いたことがないんですけれども、責任の所在はどこにあるのか。これをはっきりさせていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。責任はどこにあるか、誰にあるのかということであります。

○小川地球環境エネルギー部長 先ほどもご答弁申し上げましたけれども、本事業につきましては、LED電球への交換と同時に、省エネアドバイスを通して、家庭における省エネ対策を進めるものでございます。
 繰り返しになりますけれども、一千店近い家電店のご協力のもと、三十七万個のLED電球が交換され、さらに、三十七万人もの都民に直接省エネアドバイスを行い、省エネ意識を醸成することができたと思っております。
 また、八月十五日からは、新たな仕組みで省エネムーブメントの拡大をさらに広げるために、一人でも多くの都民の方に本事業に参加いただけますよう、参加店の協力、それから地元とも連携した周知を行いつつ、予算の範囲内において新たな仕組みでの事業の展開を行っているところでございます。

○やながせ委員 私は責任の所在はどこにあるのかということをお伺いしたわけでありますけれども、なかなか答えられないということもよくわかるんですけれども、責任の所在が明らかでないということは、この目標達成なんて無理ですよ。責任ある人が目標達成しようといって努力をするわけですから、だから責任者というのは必要なんです。責任者がいないということは、目標達成できないということを露呈していることにすぎないというふうに私は申し上げておきたいというふうに思うわけであります。
 事業評価等、東京都も変わってきました。さまざまな事業をきっちりと評価していこうといった取り組みもなされているわけでありますけれども、ただ、この百万個で四割にとどまってしまったといったことをぜひ重く受けとめていただきたいというふうに思うんです。
 重く受けとめていただきたいというふうに思うわけでありますけれども、局長、何か答弁がございましたら。

○和賀井環境局長 百万個という当初の目標に達していないじゃないかというお話でございますけれども、今、委員の方から目標を修正しろというご意見がございました。
 我々としては、いわば目標を一部修正したということなんです、今回のものは。要は一年間で百万個いけというのを、その期限を延ばしたということでございます。
 いみじくも先生に、これは非常に効果のある事業だとおっしゃっていただきました。我々もそう思っています。先ほどご答弁したようにCO2の削減が進んだと。ですから、それをより多くの都民の方に参加していただくということで、八月から若干その制度を修正しまして、引き続きやっているということでございます。

○やながせ委員 事業期間は一年間なんですよ。一年間で百万個やるというのは東京都が示したことなんです。予算のときにも、この事業は効果が高いから延ばした方がいいんではないかということを私は申し上げました。
 それは全く別の話でありまして、百万個を一年間でやると、都はそういった設定をしたわけですよね。その目標を達成しなかったならば、やっぱりこれは誰かが責任をとらなければいけないというふうに思います。誰も責任をとらなければ、また同じことが繰り返されるのではないかというふうに思うんです。
 であれば、じゃあ、来年までにこの十五億円を使うんだよということは聞きましたよ、新しい目標として。これはよろしいんですよね。目標設定をされると、そういうことなんですよね。新しい目標設定は、この十五億円を今年度中に使うということが目標であるというふうに私は認識したわけでありますけれども、それでよろしいんですか。

○小川地球環境エネルギー部長 先ほどのご答弁の繰り返しになりますけれども、新たな仕組みでの事業を契機といたしまして、都民の省エネムーブメントをさらに広げてまいりたいと。一人でも多くの都民の方に本事業に参加いただけるよう、参加協力店、それから地元の自治体等とも連携しながら周知を着実に行いまして、予算の範囲内において新たな仕組みでの事業展開をしてまいります。

○やながせ委員 これはQ三に当たるものなんですけれども、本年八月からこれは新たな仕組みになったということですよね。新たな仕組みを立ち上げたよということであります。
 じゃあ、この八月から立ち上げた新しい事業だということであれば、この事業はどういった目標を持ってやっていくんですかということ、これをお伺いしているわけであります。Q三ですね。

○小川地球環境エネルギー部長 繰り返しになりますけれども、新たな仕組みでの事業を契機といたしまして、ムーブメント、それから都民の方に多数参加いただけるように、地元、それから協力店と連携いたしまして、予算の範囲内において新たな仕組みでの事業を展開してまいります。

○やながせ委員 予算の範囲内においてということにおいて、この十五億円の残額を年度内に終了させるんだよということですよね。それは十五億円を使い切るという見込みがあるということでよろしいですか。

○小川地球環境エネルギー部長 一人でも多くの都民の方に本事業に参加いただけますよう、参加協力店、それから地元と連携した周知を行いまして、予算の範囲内において新たな仕組みでの事業を展開していきたいと考えているところでございます。

○やながせ委員 質問と答弁になっていないわけでありますけれども、私が申し上げたいことは、しっかりエビデンスを積み上げた目標設定をしていただきたいと、これをずっと申し上げているつもりであります。
 ですから、新しい事業を立ち上げるのであれば、少なくともこの事業はこれぐらいのボリュームで行うことができるんですよということを説明していただかないことには、私たちも都民には説明できないということであります。
 ムーブメント事業を私はずっと三回にわたって取り上げているわけですけれども、ほかの事業もほとんどそうですよ。ほかの事業もたくさん取り上げましたし、また、きょうはこの辺にしますけれども、予算質疑でも、特に環境公社に出捐している補助金、助成金、またこれは総ざらいしますけれども、これが本当に有効に使われているのか。事業内容が有効だったとしても、この予算のつけ方が本当に適切なのかということは、しっかりとなぜこの金額なのか、なぜこの目標なのかということをエビデンスに基づいて説明をしていただかないと、適切な予算となっているというふうにはいえないのではないかなというふうに私は思うところであります。
 ですので、きょうは聞きませんでしたけれども、またこれは予算質疑で、環境公社の出捐金、これを総ざらいして一つ一つの事業について、その事業がしっかりとエビデンスに基づいた予算になっているのか、どれぐらいの執行状況になっているのかということを厳しくチェックしてまいりたいというふうに思いますので、ぜひ再度確認をしていただきたいというふうに思います。
 また、このLEDのムーブメント事業は、小池さんがピコ太郎と一緒に踊るというようなことまでやった事業なわけです。つまり小池都政の目玉事業というふうに我々は捉えました。それが百万個なのに四割しかいっていないというのは失政だと、小池失政というふうに捉えられてしまいますよ、これは。それでいいんですかということですよね。
 私たちは別に反小池ということではありません。ただ、ピコ太郎を使って、小池さんが踊ってまでプロモーションをしたと。でも四割しかいかなかったと。当初からこんな百万個いくわけないということもいわれていました。それはいわれたとおりいかなかったわけであります。
 これは大いに反省をしていただきたいと、このことを申し上げまして、質問を終わりたいと思います。

○森村委員 まず初めに、水素社会の実現に向けた取り組みについて伺います。
 改めて申し上げるまでもなく、水素は、燃料電池自動車を初めとするモビリティーの分野において、地球規模の温室効果ガスの排出削減と日本のエネルギー課題を同時に解決する手段の一つとして期待されてきました。
 しかし、水素ステーションの整備には巨額の資金が必要で、幹線沿いの広い土地が必要であること、燃料電池自動車の普及が進んでいないことから、投資した資金を回収するための事業計画が立てにくいことなどにより、充実した補助制度があるにもかかわらず、その整備は進まず、水素社会の実現にはいまだ多くの課題が横たわっています。
 こうした状況を打開すべく、ことし二月には、水素ステーションの整備を加速させるため、国の主導で、整備、運営を行うインフラ事業者、自動車会社、金融投資家等の民間事業者が連携して、日本水素ステーションネットワーク合同会社が設立されました。
 都民に身近な水素エネルギーである燃料電池自動車、特に、数多くの都民や観光客に、静かで振動が少なく、排気ガスの出ないことを広く知ってもらうことのできる燃料電池バスの普及のためには、バスにも対応できる水素ステーション整備が不可欠です。
 しかし、事業者から聞くところによりますと、水素ステーション整備のためには、都市計画法での用途地域が低層住居専用地域等でないことのほか、面積が千五百平方メートル、道路に面した間口が三十五メートルあるような広い用地がバスに対応するための適地であるため、都内において用地確保することが難しいとも聞きます。
 このため、かねてより都には、都有地を活用した水素ステーションの開設についての要望が寄せられてきました。こうした中、都は、ことし八月には江戸川区において、都有地として初めて下水道局の敷地の一部を活用して、バス対応ステーション事業者の公募をしました。
 都有地を活用し整備するためにどのように調整を行ってきたか、またいつ開業予定かお伺いいたします。

○村山都市エネルギー推進担当部長 都では、二〇二〇年までに都内で百台以上の燃料電池バス普及を目指しておりますが、都内にある十四カ所の水素ステーションのうち、現在バスに対応可能なものは、江東区有明に一カ所あるのみでございます。
 目標を達成するためには、バス対応ステーション整備が急務であることから、都有地を民間事業者に貸し付けることにより整備を促進するため、所管している下水道局等と昨年度から調整してまいりました。下水道局葛西水再生センターの敷地の一部を活用することとして、貸し付けに必要な面積等の調整を実施してまいりました。
 環境局により、八月に整備、運営する事業者を公募いたしまして、九月に事業者を決定したところでございます。事業者による整備工事を行い、二〇一九年度中にバス対応の水素ステーションが開設される予定でございます。

○森村委員 バス対応水素ステーション整備に向けまして、都有地を活用できたことについては評価いたしたいと思います。引き続き全庁横断的な協力をいただきながら、都有地を活用した水素ステーション設置の可能性を検討いただくことを望むものです。
 さて、世界初の水素燃料電池車として発売されたトヨタのミライが二〇二〇東京大会の前にフルモデルチェンジされるそうです。日本の最先端技術を世界にアピールする絶好の機会になるものと考えます。
 聞いたところによれば、新型ミライの販売台数の目標値は現在のミライの十倍を見込んでいるそうで、これによって、我が国の燃料電池車の普及に大きな弾みがつくものと期待されています。
 しかし、都内で現在開設されている数の水素ステーションでは、こうした新規の需要に応える水素燃料の供給ができず、このことがボトルネックになって燃料電池車の普及が阻害されることを何としても防がねばなりません。水素社会の実現に向けては、この数年が分水嶺となる非常に重要な時期であると認識をしております。
 事業者等から聞くところによりますと、バス対応だけでなく、活用できる都有地は余りないとはいいますが、都は、水素ステーションの整備目標を二〇二〇年までに三十五カ所としているのですから、十四カ所からさらにふやしていく必要があります。
 水素ステーションに対しては、法令等による規制があることも整備が進みづらくなっていることの原因の一つといいます。そこで、こうした規制緩和について、都はこれまでにどのように取り組んできて、今後どのように取り組むのかお伺いいたします。

○村山都市エネルギー推進担当部長 水素ステーションの整備に当たりましては、法令等による水素ステーションで水素充填するディスペンサーと、公道からの離隔距離規制等が課題になっております。
 都はこれまで、安全性の確保を前提に、国に規制緩和を要望しており、例えば公道とディスペンサーの距離規制について、障壁等の設置をすることにより緩和されたこと等、一部実現しているところでございます。
 また、ガソリンスタンドと水素ステーションを併設する際の距離規制につきましても、規制緩和要望を行っており、国において緩和に向けた検討が進められております。
 水素ステーションに毎年義務づけられている通常数週間かかる定期点検の内容変更により、事業者の営業休止期間を短縮することなどの規制緩和が実現されていない事項につきまして、今後とも引き続き国に対して要望してまいります。

○森村委員 公道との距離規制の短縮化は水素ステーションの面積にも直結し、整備費にも影響することであることから、規制緩和に向けて、さらにご尽力いただきたいと思います。
 また、都有地を管理する財務局や、ほかにも都市整備局、建設局等とも緊密に連携しながら、都として、可能な限り取り組みの幅を広げていただくことも繰り返し要望させていただくところです。
 都は、水素ステーションの整備を含め、水素社会実現に向けてさまざまな取り組みを進めていますが、二〇二〇年、そしてさらに先の水素社会のあるべき姿をどのようなものとして捉えて施策を行っているのか、改めて伺います。

○村山都市エネルギー推進担当部長 水素エネルギーは、利用段階で水だけしか排出せず、さまざまな資源から製造することができ、災害時に独立したエネルギー源となる等の多くの利点を有しているため、都は、その普及に向けた取り組みを行っているところでございます。
 都が想定している水素社会のあるべき姿は、水素エネルギーの供給インフラが整備され、燃料電池自動車等の普及が進み、多くの都民が水素エネルギーを利用する社会でございます。
 具体的には、都市の重要なエネルギー源の一つとして水素エネルギーが広く都民に認識されており、燃料電池自動車、バス、家庭用燃料電池が広く普及し、水素が日常生活で利用するエネルギーとして定着することでございます。
 また、CO2フリー水素など、持続可能なエネルギー源としての水素の普及が進み、脱炭素社会実現に向けたエネルギー構造変革に水素エネルギーが大きく寄与していることも目指しております。
 都は、二〇二〇年、二〇二五年、二〇三〇年の燃料電池自動車、水素ステーション等の目標数値を掲げており、こうした水素社会のあるべき姿の実現に向けて取り組んでまいります。

○森村委員 ぜひしっかりお願いしたいと思います。
 さきに申し上げましたとおり、水素社会の実現に向けて、この数年が大きな分水嶺になる重要な期間です。現在の状況を鑑みるに、民間の事業者の努力だけでは困難な目標を前にして、都がどのような取り組みを実行するのかが問われています。国や事業者など関係各方面と連携の上、これまで以上の取り組みを行っていただくことを要望しまして、次の質問に移ります。
 自然公園ビジョンのリーディングプロジェクト等に関連して質問を行います。
 まず、東京都には自然史博物館がなく、これは将来にわたる都民の利益にとって取り返しのつかない大きな損失につながりかねないものであるという問題意識から質疑を始めます。
 自然史博物館とは、ナチュラル・ヒストリー・ミュージアムで、自然の歴史についての情報を収集、保管、展示する施設で、気象学、地質学、動物学、植物学、鉱物学など、幅広い分野にわたる多くの標本や蔵書を備えた博物館です。
 上野にある国立科学博物館は、取扱領域が宇宙の成り立ちから我が国の自然まで幅広く、大変充実したものではありますが、ここはもちろん東京都の自然史について専門に取り扱うためにつくられた施設ではありません。
 我が国には、多くの道府県において、それぞれの地域における自然史にかかわる情報の収集、研究、保管、発信のために県立の自然史博物館が整備されており、研究者のみならず子供から大人まで広く一般に活用をされています。
 こうした情報の蓄積や研究によって、将来にわたり、我々が自然を守りつつ活用していくために必要な知識や成果が得られるものであり、研究者などにとって極めて貴重な情報資源となるばかりでなく、青少年の自然科学への好奇心を育み、将来の人材育成にも大きく寄与することができるものだと考えます。
 東京の自然は、伊豆・小笠原諸島から多摩部の二千メートル級の山岳地帯、ラムサール条約への登録で話題となっております葛西海浜公園に代表される干潟など、多様で豊かな自然に恵まれており、固有の動植物なども多数生息しています。
 この間、私が意見交換をさせていただいた有識者からも、都における必要性につきまして多くのご意見をいただいております。
 そこでまず、かつては東京都にも高尾山の麓に自然史博物館が過去あったと聞いておりますけれども、なくなってしまいました経緯をお伺いします。

○金子緑施策推進担当部長 東京都高尾自然科学博物館は、昭和四十一年に設置され、高尾山周辺は動植物の宝庫であること、アクセスがよく遠足等の絶好の立地条件に位置することから、資料の収集、保存、展示と、自然に対する理解と保護にかかわる教育を行う施設として運営され、訪れる多くの人々に親しまれてまいりました。
 しかし、平成十二年、都は、各事業の行政評価や区市町村との役割分担についての検討を行った結果、当該施設は地域性の強い小規模な博物館であり、都が所有し続ける意義が薄く、廃止が適当であるという結論に至りました。
 こうした経緯により、平成十六年三月末に閉館、土地や標本等財産を八王子市に移管したものでございます。

○森村委員 当時、高尾にあった自然史博物館は、地域性が強くて、都として所有し続ける意義が薄いという考え方から廃止されたということで、つまり、東京都の自然史に関する情報を蓄積した博物館だったというよりも、主に高尾地域、八王子地域の自然に光を当てた施設であったものと理解します。そのため、地元自治体に対して博物館の土地や財産の移管が行われた、そういうものだと受けとめております。
 現在、八王子市がその跡地に設置した高尾五九九ミュージアムは、明るくスタイリッシュな空間であり、高尾山を訪れる多くの人でにぎわっています。観光客の評判は上々です。私もこれまでに何度か訪問し、展示を楽しませていただいております。
 一方で、引き継がれた財産の一つである数多くの動植物の標本類は、光を当てられることなく市内の廃校に保管されたままで、その保管状態は決してよいものではないと聞いております。
 かつて都立の施設だったときに配置されていた都職員で学芸員だった方は、国内でも一目置かれる自然史の研究者であったそうです。東京の自然に対する高い見識を持った研究者たちが、強い思いと長い時間をかけて蓄積してきた資料の価値が正しく評価されないまま、劣化あるいは喪失してしまうことを危惧するものです。
 都内には、幅広い分野にわたる研究者が数多くおられ、さまざまな研究成果や資料などを残しています。それら成果や資料には、いずれ都民のために活用され得る貴重で有用なものが多数存在しているものであるという確信と、それらが時とともに散逸してしまうのを何とか防ぎたいという思いから、昨年の第四回定例会の一般質問の際、都における自然史博物館等、自然環境に関する情報を的確に収集し分析するとともに、積極的に発信していくような拠点の必要性について質問を行いました。
 その際に局長からは、拠点の必要性も含め、より多くの人々に東京の自然公園の魅力や価値を伝えていくための効果的な情報発信等のあり方について検討する旨のご答弁をいただきました。
 現時点で十分な結論が出ていないことは承知の上ですが、都民のニーズに関する調査なども踏まえて、可能な限り早いタイミングで前向きな方向性が示されることを強く期待しております。
 そこで、現在までの検討状況について伺います。

○金子緑施策推進担当部長 自然公園ビジョンでは、施策展開の方向性として、自然環境の状況を的確に把握し、情報の収集、分析を行うこと、また東京の豊かな自然の魅力や価値を多くの人に伝えることを目指しております。
 このため、平成三十年度は、都内の自然環境情報の現況を把握するため、専門家へのヒアリングや文献調査等により、情報の保有者、保管や分析の状況等を調査するとともに、情報の把握、収集、分析、保存及び活用の課題等について、近隣県の施設へのヒアリングなどを実施しております。
 今後、拠点の必要性も含め、自然環境情報の収集や分析等のあり方や、その具体化に向けた検討、調整を進めるとともに、利用者参加型による自然環境の見守りの仕組み、普及啓発手法についても検討を進めてまいります。

○森村委員 調査が実際に開始されていることをお聞きしまして、大変心強く思います。今現在、さまざまな大規模施設が臨海部を中心に次々に整備されています。これらはいずれも都民にとって重要性、緊急性の高いものであります。
 また、東京二〇二〇大会を契機としたレガシーへの議論を通じ、次世代に、そして未来の東京に残していくべき重要なものは何かということに都民の関心が集まっている今日、東京の自然にかかわる知の蓄積はどうあるべきか、そしてどのような形でそれらを次世代に継承していくべきなのかなどについて、有識者を交えた形で真正面からぜひ議論、検討いただきたいと考えます。
 また、他県を含めて、海外等の取り組みや事例も踏まえた形で、東京における次世代の自然史博物館のあり方を追求していただきたく存じます。
 そこで、今後の検討の進め方についての都の所見を伺います。

○金子緑施策推進担当部長 現在は、先進事例や都内各主体の保有、活用状況を調査し、把握すべき対象や課題等について、行政内部で整理を進めている段階でございます。
 今後、整理結果を踏まえ、自然環境情報の把握すべき範囲、収集や活用のあり方について、外部の有識者の意見を幅広く聴取しながら検討を進めてまいります。

○森村委員 冒頭にも申し上げましたが、本件に関しましては、私自身、研究者の方々や多くの都民から、その必要性と重要性に関するご意見を伺っております。ご答弁いただきました自然環境情報の把握や収集は、東京の貴重な自然環境を適切に保全し、将来にわたって活用していくための施策の基礎になるものであると同時に、今このことに対処しておかなければ、将来の都民、東京の未来にとって取り返しのつかない損失につながりかねないものです。引き続き、ぜひ積極的な検討を進めていただきたいと思います。
 さて、昨年の第四回定例会では、私はもう一つ、自然公園ビジョンの中でリーディングプロジェクトに掲げられた、地域との連携に向けた協議会の設置の必要性についても質問を行いまして、その取り組みを進めることについての前向きな答弁をいただきました。
 協議会といえば、今年度、高尾地区自然公園管理運営協議会が活発に活動していると聞いております。
 そこでまず、高尾地区自然公園管理運営協議会の概要についてお伺いします。

○金子緑施策推進担当部長 高尾地区自然公園管理運営協議会は、高尾地区の関係者が目指すべき方向性等を共有し、共同で取り組みを進めるため、高尾山薬王院、交通事業者、自然保護団体、国、地元自治体、警察、消防などの参加を得て、都が事務局となり、平成二十九年十一月に設置したものでございます。
 これまでに五回協議会を開催し、高尾山とその周辺の豊かな自然の保全や利用促進について活発な意見交換を行ったほか、都と構成メンバーの間で個別調整等を重ねてまいりました。
 これにより、本年八月には、高尾・陣場地区自然公園管理運営計画、高尾・陣場ビジョンを策定するとともに、明治の森高尾国定公園指定五十周年記念事業を展開するなど、さまざまな取り組みを進めております。

○森村委員 本年八月に策定された高尾・陣場ビジョンについては、私も確認させていただきましたが、国内外からの観光客の人気が高まる同地域の今後ますますの発展と、そうした中でも、将来にわたり同地域の自然環境が地域を取り巻くさまざまな人々の情報共有と連携によってしっかりと保全されていくであろうことを確信させられるようなものでした。
 九月下旬、新宿駅西口広場にて、同協議会によるイベントが開催されましたが、明治の森高尾国定公園指定五十周年記念事業では、他のプログラムなども数多く実施されているものと存じます。
 事業の実施状況と成果について伺います。

○金子緑施策推進担当部長 明治の森高尾国定公園指定五十周年記念事業は、本年八月十一日の山の日から十二月十日までを記念事業期間と位置づけ、都は、高尾地区自然公園管理運営協議会メンバーと連携し、さまざまな事業を展開しております。
 まず八月に、高尾山麓にある高尾五九九ミュージアムでキックオフイベントを実施し、その後、九月から十月にかけて新宿駅西口広場でイベントを行うとともに、都民ホールで指定五十周年を記念するシンポジウムを開催いたしました。あわせて、高尾山の豊かな自然の再生に向けて、ブッポウソウ復活プロジェクトを開始し、その一環でポスターコンクールを実施いたしました。
 これらのイベント等に合わせて約一万四千人の方々にご参加いただき、高尾山の魅力をPRすることができました。
 このほかにも、協議会構成メンバーである京王電鉄や八王子市などが個別に実施するイベント等についても、五十周年記念事業の統一表記を行い、五十周年であることを広く伝え、盛り上げを図りました。
 これらの事業により、高尾山の魅力やオーバーユースなどの課題について多くの人々の関心を高めるとともに、協議会メンバー同士の協力関係を強化することができました。

○森村委員 高尾山は、自然環境や文化、また観光産業においても、東京が誇るすばらしい資源であり、ぜひ今後も魅力の向上と発信に取り組んでいただきたいと思います。
 さて、私の地元青梅市のシンボルの一つ、御岳山も、豊かな自然環境や山上の御師集落、宿坊などのユニークな文化を有し、都の自然公園の中にある貴重な都民の財産です。ここ近年、国内外からの評価が高まってもおります。
 最近では、御岳山中の奥の院の入り口に、新しく立派なトイレが自然公園事業により整備され、大変うれしく思っております。実は、今週末にも都心からの友人を十名ほど御岳山に案内する予定でおりますが、女性や子連れの方々からも、コース上にこのトイレがあることを伝えると大変安心してもらえます。
 御岳山に限らないことなんですけれども、海外からも多くのお客様を迎える自然公園内の快適な受け入れ環境の整備と衛生環境の確保のためにも、浄化槽を備えた清潔なトイレの適切な配置と維持管理についても要望しておくものです。
 さて、今後、御岳山をより多くの方々に利活用していただくためにも、高尾山同様、地域との連携の強化など、さらなる取り組みが必要ではないかと考え、昨年の第四回定例会では、御岳エリアにおける地域連携の仕組みの設置を要望いたしましたが、取り組み状況をお伺いします。

○金子緑施策推進担当部長 御岳エリアについては、豊かな自然環境の保全や利用の促進について、目指すべき方向性等を共有し、共同で取り組みを進めるため、御岳山・日の出山地区自然公園管理運営協議会を設置いたしました。
 七月二十四日の第一回協議会開催に当たっては、武蔵御嶽神社、交通事業者、観光協会、自然保護団体、地元自治体など御岳山に加え、日の出山にかかわる幅広い関係者の方々の参加を得ました。
 今後は、年三回程度の頻度で開催する予定でありまして、次回は今月下旬の開催を見込んでおります。参加者からは、当面は東京二〇二〇大会等を見据え、御岳山、日の出山地区のインバウンド対応に取り組みたいとの声が多く、このことについて議論を深めていく予定でございます。

○森村委員 御岳山と日の出山は登山道がつながっておりまして、御岳山から日の出山経由で麓のつるつる温泉におりるコースも人気です。
 両地域は、所属する基礎自治体が異なるものの、訪れる登山客からは同じ山域と捉えられることも多く、両者の関係者を集め連携していくことは、今後の両地域の活性化のためにも有意義な取り組みになるものと期待しています。
 同地域は秩父多摩甲斐国立公園内に位置しておりますが、前身となる秩父多摩国立公園は昭和二十五年七月十日に設立されており、東京二〇二〇大会を迎える平成三十二年度に、国立公園に指定されてから七十周年を迎えます。
 御岳山・日の出山地区協議会でも、明治の森高尾国定公園指定五十周年記念事業のように、協議会メンバーの積極的な参加を得て、共同で実施する効果的なPR活動を行う必要があると考えますが、その見解を伺います。

○金子緑施策推進担当部長 高尾の五十周年記念事業では、協議会メンバーが有するノウハウやネットワーク等を活用して各種PR活動を展開し、成果を得ることができました。
 この実績を踏まえ、今後、御岳山、日の出山地区においても同様に、協議会メンバーと連携したPR活動の展開を検討してまいります。

○森村委員 ぜひよろしくお願いします。
 御岳山、日の出山地域における本取り組みはスタートしたばかりですが、大きな可能性を持っているものと考えます。同地域におけるビジターセンターが行っている取り組みなどにも注目しておりますが、私自身も含め、現代の都市生活者が潜在的なニーズとして求めているであろう多くの要素が既にそこにあるものと確信をしております。
 地域を取り巻くさまざまな主体が、こういった大切な要素に適切に光を当て、連携しながら効果的に発信していくことで得られる大きな成果に期待しております。ありがとうございます。

○栗下委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後五時十分休憩

   午後五時二十五分開議

○栗下委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○田村委員 私からは、まず、自然公園について伺います。
 ことしは台風が各地で猛威を振るい、その爪跡を残しました。特に都では、台風二十四号の影響が大きく、私の地元西多摩地域でもすさまじい風雨でした。西多摩地域に広がる秩父多摩甲斐国立公園は、観光資源としても重要な自然公園ですが、この台風により、多くの倒木があり、御岳山の岩石園も一時通行禁止であったと聞きます。修復が少しずつ進められていると思いますが、早期の復旧が期待されます。
 そこで、自然公園におけることしの台風、特に台風二十四号による被害と対応状況について伺います。

○金子緑施策推進担当部長 ことしの台風二十四号による多摩地域の自然公園における被害としては、登山道付近に多くの樹木の倒木、折れ枝があり、通行の支障となりました。また、増水により御岳山の岩石園が水没したほか、付近の歩道については一部斜面の崩壊がございました。
 いずれも速やかに対応を行い、通行の支障となる倒木、折れ枝箇所については、伐採等により通路を確保いたしました。また、御岳山の岩石園については、土砂のかき出しなどの応急処置を行い、現在、付近の崩壊箇所の復旧工事の準備をしております。

○田村委員 年度当初の想定事業とは異なる中、経費の工面なども苦労もあると思いますが、復旧に全力で取り組むことを望みます。
 ところで、速やかな対応はありがたいところですが、多くの登山道を抱える自然公園で全ての路線の被害の状況把握のための調査を迅速に行うには、相当の労力がかかると考えられます。
 そこで、被害の状況把握等を誰がどのように行っているのかを伺います。

○金子緑施策推進担当部長 被害の状況確認は都レンジャーによる巡視を中心に行っております。各地域の都レンジャー等が担当エリアについて計画的に各歩道や施設の状況を踏査し、安全に利用できるかなどを確認しております。
 また、倒木や折れ枝の除去、簡易柵や簡易看板による注意喚起なども可能な限り行っており、多くの登山道は都レンジャーのこれらの活動により通路の確保ができております。

○田村委員 都レンジャーが巡回し、安全な利用環境等を確保するために活動していることがわかりました。この都レンジャーの業務ですが、災害時のみならず、日常の巡視点検などについてもきめ細かく行っていると聞きます。
 そこで、都レンジャーについて、その制度と業務内容について改めて伺います。

○金子緑施策推進担当部長 都レンジャーは、正式には東京都自然保護指導員という都の一般職非常勤職員であり、現在、奥多摩、檜原、御岳、高尾の多摩地域に十六名と、父島、母島の小笠原地域に九名の合計二十五名の職員が配置されております。
 都レンジャーは、自然公園における利用マナーの普及啓発や指導、盗掘などの不正行為の監視指導、自然公園施設の歩道や園地の点検、応急補修等を主に担当しております。また、巡視業務のほか、イベント等における利用マナーや自然環境などの普及啓発、あるいはボランティアの指導等にも尽力しております。
 これらの業務を通じ、日ごろから地元の消防、警察等と密接な連絡を行うほか、民間の山荘事業者や猟友会などとも積極的に情報共有を図り、自然公園利用者への情報提供に大きく貢献しております。

○田村委員 都レンジャーの制度や、幅広く活躍している様子がわかりました。
 利用指導もするなど、今後はインバウンド対策なども必要だと思われます。都レンジャーの外国人への接遇時に必要なコミュニケーションスキルの向上をバックアップする必要があると考えますが、見解を伺います。

○金子緑施策推進担当部長 自然公園では、近年、外国人利用者の増加が見られるなど利用者層の多様化が進んでおります。
 このことから、現在取り組みを進めているトイレの洋式化等ハード対応に加え、今後は外国人利用者への案内や指導等、接遇に関する研修の実施やマニュアル作成などソフト面による展開も必要であると認識しております。
 都レンジャーについてもこうした研修の機会の提供等により、外国人対応について、そのスキルアップに努めてまいります。

○田村委員 登山道の維持管理や利用指導、あるいは盗掘防止など自然環境の保全と活躍する都レンジャーの働きは、まさに自然公園を支える柱だと感じます。
 都レンジャーについて、外国人対応に関するスキルアップ支援を実施したり、例えば都レンジャーのさまざまな活動をもっと広く宣伝するなど、ぜひ都レンジャーのさらなる活躍につながるような工夫を図りながら、都レンジャー制度の運用に努めてください。
 さて、台風の話に戻りますが、ことしの台風ではさまざまな場所が崩れたと聞きます。
 東京都最高峰の雲取山では、南側は鴨沢という山梨県側からのアプローチや、三峯、すなわち埼玉県側からのアプローチはしっかりしていますが、都側からのアプローチルートについては、奥多摩駅から続く石尾根という二十五キロメートルにもなる尾根以外は最近崩れてしまい通行どめになっているルートが多く、安全に親しめるルートが少ない状況であると聞いています。
 地元消防などに聞くと復旧等も困難なルートが多いようですが、都内最高峰として人気の雲取山への適切な距離のアプローチルートが必要です。登山道には、自然公園事業として整備されている以外にも、ベテラン登山者が利用する潜在的なアプローチルートが多くあると思われます。
 そこで、こうしたルートを登山道として位置づけ整備するべきと考えますが、見解を伺います。

○金子緑施策推進担当部長 首都圏から多くの登山者が訪れるこの国立公園において、都は、従来から利用者の安全、利便性確保の観点から、登山道やビジターセンター、あるいは宿泊拠点など、自然公園施設の整備や管理を行ってまいりました。
 近年は、外国人の増加に象徴される利用者層の多様化に伴い、道迷い事故も多く発生しているほか、気象災害に伴う通行どめなど、現地状況の変化も大きく、これらに配慮した登山ルートの見直しは必要と考えております。
 今後、自然環境への影響に十分な配慮を行いながら、利用者の安全確保を図るために、雲取山への新規アプローチルートの整備等、都が行うべき事業について、地元自治体や国と調整してまいります。

○田村委員 ぜひ利用しやすい登山道の確保に取り組んでください。
 また、尾根沿いには幾つか避難小屋やトイレなどの施設があり、登山者に利用されていると聞きます。登山者からは、避難小屋のトイレは古く、においなどの改善を求める声も届いています。
 事実であれば改善が必要なのではないかと思いますが、見解を伺います。

○金子緑施策推進担当部長 自然公園の避難小屋施設は、急な荒天時などに避難できる雨風がしのげる小屋でございます。都は、酉谷山避難小屋、三頭山避難小屋など六カ所の避難小屋を設置しており、設置に当たってはトイレも隣接して設置するなど、滞在時の利便性にも配慮しております。
 避難小屋の改修整備は計画的に実施しておりますが、近年、利用者層が拡大し、トイレに対する要望も高まってきたことから、隣接するトイレについても改善を図ることが必要となっております。
 本年度は、雲取山避難小屋のトイレ改修を行うこととしており、上下水道のない山岳トイレの汚水処理設備において効果的である土壌処理方式により臭気を改善してまいります。
 平成三十一年度は、酉谷山避難小屋と隣接するトイレの改修を予定しており、今後、他の避難小屋についても、トイレを含めた改修を順次進めてまいります。

○田村委員 自然公園に訪れる多くの登山者が安全・安心、快適に登山できるための取り組みは重要です。都レンジャー制度の効果的な運用や、さらなる施設改善により、今後ますます都民に愛される自然公園となるように期待をいたします。
 次に、海ごみ対策について伺います。
 この件に関しては、マイクロプラスチックを初めとする海洋プラスチック問題が最近話題となっています。都の環境局においても、使い捨てプラスチックについて廃棄物審議会に諮問するなど、こうした取り組みは大変重要であるので、しっかり議論をしていただく必要があると思います。
 一方で、海ごみ全体に目を向けると、海岸に漂着する海ごみは、発泡スチロール、ペットボトルなど生活から発生するごみ、漁具など事業から発生するごみなど、さまざまなごみがあり、そのまま放置されるようなことがあれば、景観のみならず、自然環境、水産資源、生活環境や観光等への影響が懸念されます。
 我が国の排他的経済水域の約三八%が伊豆諸島と小笠原諸島によって確保されている意味でも、都として豊かな海を守るべく、積極的に海ごみの問題に向き合い、その対策に取り組んでいくべきと考えます。
 そこでまず、これまで都は、海ごみの問題にどのような取り組みを行ってきたのか伺います。

○松永資源循環推進部長 海ごみ対策に関しまして、都では、平成二十一年の海岸漂着物処理推進法の制定を受けまして、海岸における良好な景観及び環境を保全するため、発生抑制対策として、ポスター、パンフレット等を作成し、現状や身近でできる取り組みの普及啓発を実施しております。
 また、海岸漂着物処理推進法では、必要がある場合に都道府県が地域計画を策定し、対策を重点的に推進する区域とその内容、それにかかわる関係者の役割分担を定め、海岸漂着物の円滑な回収、処理を図ることとしております。
 そこで、都では島しょ部における地域計画を、平成二十五年度に小笠原諸島、平成二十六年度に伊豆諸島について策定し、海岸管理者が地元自治体、NPO、NGOなどの協力を得ながら回収、処理事業を行っております。

○田村委員 都の取り組みについてはわかりました。
 私もことし四月に小笠原諸島父島、母島を視察しました。返還後五十年、小笠原の歩んできた道は決して平たんではありませんでしたが、返還後、多くの若者を受け入れ、それによってほかにはない多様性が育まれ、発展してきました。そして、若者を引きつけたのも受け入れたのも、南島を初め、世界遺産に登録されるほどの自然環境だったのだと思います。今後も、東京のみでなく、日本の、世界のために、小笠原の自然環境を守っていかなければなりません。
 そこで、今答弁のあった島しょ部における海岸漂着物の回収事業について、地域計画策定に当たっての考え方や回収方法、処理実績について伺います。

○松永資源循環推進部長 地域計画は、海水浴や景観等の状況、ウミガメの産卵などの自然条件、海岸漂着物の量や実績等を考慮するとともに、海岸調査や地元の意見を聞きながら、海岸漂着物対策推進計画として策定いたしました。
 伊豆諸島で四十七海岸、小笠原諸島で四十海岸を重点区域海岸として指定し、海岸管理者が回収、処理を町村、住民と協力しながら実施しております。回収実績は平成二十八年度、伊豆諸島で百四十七トン、小笠原諸島で十六トン、合計すると百六十三トンとなっております。
 引き続き、都は海岸管理者や地元自治体、NPO、NGOなどと連携しながら、海ごみ回収、処理を着実に推進してまいります。

○田村委員 繰り返しになりますが、伊豆諸島や小笠原諸島は豊かな自然環境と海岸景観を有しており、この美しい海岸を次世代に着実に引き継いでいかなければなりません。そのためには、関係主体がそれぞれの役割を果たし、海ごみ対策を推進し、よりよい海洋環境を維持保全していくことが重要です。
 都は、広域行政を行う立場から、海ごみ対策の推進に当たり、国、海岸管理者及び町村などの行政機関と情報共有や調整を行い、回収や処理等が円滑に行われるよう、引き続き支援することを要望いたします。
 次に、災害廃棄物対策について伺います。
 ことし七月に発生した西日本豪雨災害では、土砂に流された痛ましい被災地の光景がマスコミで多く報道されました。
 都は、一昨年の熊本地震において職員を派遣し、熊本県の災害廃棄物対策を支援しましたが、今回の災害でも、七月から特に深刻な土砂災害に見舞われた広島県に職員派遣を行いました。加えて、先月には市区町村の職員を被災地に派遣したと聞いていますが、その目的と取り組みについて伺います。

○松永資源循環推進部長 都はこれまで、大島土砂災害において廃棄物処理の実務を担うとともに、熊本地震において県の災害廃棄物処理実行計画の策定を支援いたしました。
 これらの経験を踏まえ、環境省からの要請により、西日本豪雨災害においても、七月から計画策定の支援などを目的に、延べ十一名の職員を派遣いたしました。
 また、先月には、実際の災害廃棄物の処理を行うのは区市町村であることから、広島県内の市や町が行う災害廃棄物処理を技術的に支援するため、都内区市町村にも呼びかけ、延べ十四名の区市町村職員を派遣いたしました。
 都は、区市町村職員の派遣に先立ちまして、事前に現地の最新状況を直接確認し、ヒアリングを行ったほか、広島県における災害廃棄物処理の現状や派遣先での実務に必要な事項に関する講習会を開催いたしました。また、派遣中におきましても、都の職員が広島県庁において区市町村職員の活動をサポートいたしました。

○田村委員 西日本豪雨災害の被災地に関する報道は、被災当初と比較して少なくなりましたが、まだまだ被災した市や町には廃棄物が残されていると聞きます。都と市区町村が支援の手を差し伸べ、現地での復興を後押ししたことは評価します。
 また、いざ東京で大規模災害が発生した場合、その処理を主体的に担わなければならない市区町村の職員が被災地の実情に生で接した経験は、今後の災害対策に大きく役立つと思います。
 その際、重要なのは、発災時に適正かつ迅速に災害廃棄物の処理を実施するため、平常時に定めておく災害廃棄物処理計画です。都は昨年度、計画を策定いたしましたが、都道府県計画と市区町村計画とどのように違うのか、また都内市区町村において、現在災害廃棄物処理計画の策定状況はどうなっているのか伺います。

○松永資源循環推進部長 都道府県の災害廃棄物処理計画は、広域自治体として、被災した区市町村を支援するため、平常時及び発災後に行うべき区市町村に対する技術的支援や民間事業者等との連携協力のあり方等を規定するものでございます。
 これに対しまして、区市町村が策定する災害廃棄物処理計画は、実際の災害廃棄物処理を担う主体として、平常時の連携体制や発災後の災害廃棄物処理の運用方針、処理体制などを規定するものでございます。現時点で災害廃棄物処理計画を策定している区市町村は八自治体でございます。

○田村委員 まだまだ市区町村における災害廃棄物処理計画の策定は進んでいないようです。
 今後、大規模災害に備えて、都として市区町村における計画策定をどのように支援していくのか伺います。

○松永資源循環推進部長 昨年策定した東京都災害廃棄物処理計画におきましては、発災後に都と区市町村の各担当者が共通の認識のもとでそれぞれの業務を遂行できるよう、平常時から業務ごとの連携体制を構築することとしております。
 今後、こうした具体的な連携体制の構築に向けましては、区市町村において実効性のある災害廃棄物処理計画の策定が必要でございます。
 都といたしましては、引き続き区市町村に対して、平常時から対応すべき災害廃棄物処理の課題に関する研修会を行うなど、区市町村の計画策定を支援してまいります。
 また、今回の広島県への区市町村の職員派遣によりまして、いざ発災した際に実務に携わる職員の対応力の向上につなげることができたと考えておりまして、さらに、今後実施予定の区市町村等との連携した合同訓練などを通じまして、一層の対応力向上を図ってまいります。

○田村委員 今後いつ来るかわからない東京湾北部地震や多摩直下地震に備えて、市区町村と都が連携して平常時から万全な準備をすることを要望し、私の質問を終わります。

○原田委員 廃プラスチック対策についてお聞きしたいと思います。
 現在、マイクロプラスチック問題が大きな話題となっています。五ミリ以下の微細なプラスチックをマイクロプラスチックといいますが、東京農工大学の高田秀重教授が二〇一五年に東京湾で採取したカタクチイワシからマイクロプラスチックを検出したことは衝撃的でした。
 最近では、日本を対象とした調査ではありませんが、世界各国の市販されていた食塩のうち九〇%の商品で検出され、あるいは人の便からマイクロプラスチックが検出されていることがわかりました。
 マイクロプラスチックが人体及び生態系にどのような影響を与えるかはまだ定かではありませんが、東京湾や大阪湾で採取されたマイクロプラスチックの中に、人体に悪影響を及ぼすといわれる難分解性有機汚染物質を含んでいたという例もあります。また、ナノ段階までに微細化し、海洋生物の消化管を通過したプラスチックがその細胞膜を通過した可能性も研究によって指摘されています。
 いずれにしても、これまで人類及び自然界が経験したことのない事態が地球上で進んでいることに、世界中の科学者が警鐘を鳴らしていることは当然のことといえます。
 海洋プラスチック汚染の解決の基本は、廃棄物管理の徹底とプラスチックの3R、すなわちリデュース、削減、リユース、再使用、リサイクル、再資源化の三つだとされています。しかし、最優先といえるのはリデュース、削減です。
 この間、東京都は、東京都廃棄物審議会プラスチック部会を発足させ、ことし九月二十日にその第一回を開催しましたが、その議題はプラスチックの持続可能な利用に向けた施策のあり方でした。十月二十四日にはプラスチック部会の第二回が開かれましたが、そこでは環境省のプラスチック資源循環戦略小委員会におけるプラスチック資源循環戦略素案についての報告がありました。この小委員会には、委員として松永竜太東京都環境局資源循環推進部長が出席しており、その際の部長意見がこの部会で報告されたわけです。
 その中では、焼却、固形燃料化などのサーマルリサイクル、熱回収は、プラスチック処分の最終手段と考えるべきだという意見を述べたということになっています。これは重要です。
 日本国内では発電焼却、固形燃料化などは、サーマルリサイクル、エネルギー回収としてリサイクルに分類されていますが、国際的にはリサイクルと認められていません。プラスチックを焼却すると化石燃料と同様に熱をエネルギーとして取り出すことができますが、同様にCO2を排出することになります。欧州では地球温暖化に影響を与えかねないプラスチックの焼却は問題視されています。
 また、プラスチックの原料となる石油の採掘可能な量には限りがあります。
 国際的な基準であるマテリアルリサイクル、つまりは製品を原料とした再利用をリサイクルの主流としていくことが海洋プラスチック憲章の理念に合致します。都が、熱回収は最終手段という認識に立っているとすれば大きな意義があると考えます。
 改めて確認しますが、この見解に間違いはありませんか。

○松永資源循環推進部長 プラスチック廃棄物の削減に向けましては、循環型社会形成推進基本法に基本原則として定められていますとおり、まず、必要性の低い使い捨てプラスチックを大幅に削減していくリデュースの取り組みが必要でございます。その上で、プラスチック製品や容器包装のリユースやリサイクルを推進していかなければならないと考えております。
 そのリサイクルの考え方といたしまして、先月十九日に開催された中央環境審議会プラスチック資源循環戦略小委員会におきまして、私が委員として熱回収に関して発言いたしましたのは、リサイクル方法として、材料リサイクル、ケミカルリサイクル、熱回収を組み合わせていくことは必要であるが、焼却発電は分別できなかった場合の最後の手段と位置づけるべきであるという趣旨でございます。

○原田委員 リサイクルを進める上で、容器包装プラスチックの回収は重要です。しかしながら、プラスチックの回収は、区市町村ごとに回収されている方法も数量もまちまちとなっています。
 今回、廃棄物審議会プラスチック部会に提出された極めて興味深い資料、人口一人当たりのプラスチック製容器包装収集量を見ると、非常に収集量の多い区市町村もあれば、ゼロに近い区市町村もあると。区部や多摩、住宅が多い地域、オフィスが多い地域など、それぞれ違いはありますが、効果的な回収方法やリサイクル方法等を全都的に示す必要性を感じる資料でした。
 都がガイドラインを作成するなど統一したやり方を示すことも有効だと思いますが、いかがでしょうか、現在の都の見解をお示しいただきたいと思います。また、区市町村が行っている回収の実態を把握することも必要と思いますが、いかがでしょうか。

○松永資源循環推進部長 持続可能な資源利用の実現に向けては、容器包装リサイクル法によるプラスチックのリサイクルを進めていく必要がございますが、区市町村によってその取り組み内容に差があることは課題であると認識しております。
 ただし、廃棄物処理法では、区市町村に一般廃棄物の処理責任があり、リサイクルの取り組みや分別収集の方法などを一般廃棄物処理計画に定めることとされております。また、容器包装リサイクル法におきましても、区市町村が分別収集に努めるよう規定されております。
 都といたしましては、区市町村の先進的事例を講習会で紹介しているほか、分別収集の実績について、分別の種類、回収量などの調査を行い、区市町村ごとに一覧にするなど年報として取りまとめ、情報提供を行っております。

○原田委員 私の地元である杉並区は、二十三区の中で回収量の多い自治体の一つですが、週に一回は容器包装プラスチックの回収やペットボトルの回収日があります。
 さらに、何が回収できるプラスチックなのか、どれが資源なのかを絵つきで示してくれるごみ収集カレンダーが地域ごとに作成され、数十にわたってそのカレンダーが、収集日が違う場所、地域ごとにつくられています。これが各地域ごとにつくられて配布されたりもするんですね。
 これ、ごみパックンというんですけれども、こうやってカレンダーになっていて、毎週どこでこの資源の回収だよと。さらに、こうやって何が資源ごみ回収で収集できるのか。それから、容器リサイクルのやつも、このプラスチックは収集できない、このプラスチックは収集できますよというのをすごく詳しく書いて、配布されているわけですね。
 このため、二十三区では、まさに個人一人当たりの年間容器包装プラスチック、ゼロキログラムというところもあれば、杉並区のように一人当たり七・九キログラムというところとか、膨大な差が生まれているという状況です。
 杉並区では、お買い物袋の概念も広く普及されており、なるべくレジ袋を受け取らないという意識形成も一定発展しています。もちろん、さらなる市民一人一人の努力が必要な段階ではありますけれども、他の区と比べて明らかに成果は上がっているとわかります。
 都としては、こうした努力している自治体の取り組みを評価して広く周知するなどの努力を引き続きさらに求めまして、意見を付して、私からの質疑を終わります。

○平委員 私からは、ゼロエミッションビークルの普及に向けた取り組みについてお伺いをいたします。
 電気自動車、EV、燃料電池自動車、FCV、プラグインハイブリッド車、PHVの総称でありますゼロエミッションビークルは、走行時に排ガスを出さず、普及すれば大気環境の改善に大きく貢献することが期待できます。
 このうちEVとPHVについては、普及に向けて充電器の整備が必要不可欠であります。都内の商業施設等に設置されている充電器は、昨日時点で急速充電器が二百七十八基、普通充電器が千八百七基となっております。
 一見すると十分な数があるようですが、地域や施設ごとのばらつきもあると伺っております。このため、都民の皆様が電気自動車で外出する際に、まだ不安な環境があるのではないかというふうに思いますが、都は、現在のこうした状況をどのように認識し、今後どのように充電設備の整備拡大を図っていくのか見解をお伺いいたします。

○筧環境改善部長 都内の商業施設等における充電器の数は、現時点の電気自動車等の普及台数から見るとおおむね十分な設置状況といえますが、今後、ゼロエミッションビークルの普及を拡大していくためには、より一層の設置を進めていく必要があると認識しております。
 今年度実施しておりますゼロエミッションビークル普及に向けた調査では、今後、電気自動車の普及に伴って必要となる充電器の数についても試算を行うこととしております。
 今後、調査結果や電気自動車の普及状況等も踏まえながら、商業施設における充電器の整備拡大に必要な施策について検討してまいります。

○平委員 ありがとうございます。商業施設において施策を検討するという前向きな答弁をいただきました。
 今年度、環境局には都有施設に充電設備十基を設置する予算が組まれておりますが、充電器十基の設置状況と設置完了時期についてお伺いをいたします。

○筧環境改善部長 現在、都庁舎、自然公園、都立公園等への設置に向けて所管部局と調整を行っているところでございます。

○平委員 ありがとうございます。
 もう一点の質問には答えていただいておりません。完了時期についてお伺いいたしております。

○筧環境改善部長 都有施設への充電器の設置に向けましては、できる限り速やかな設置に向けまして所管局と調整を行っているところでございます。

○平委員 完了時期が今ご答弁されていないんですけれども、ということは、今年度予算がついたということですが、来年の三月ごろまでが私の今年度という認識なんですけれども、来年の三月までには完了がなされないということでしょうか。答弁願います。

○筧環境改善部長 先ほどご答弁申し上げましたとおり、都有施設への充電器の設置につきましては、現在関係局と調整を行っているところでございます。
 都庁舎への充電器の設置につきましては、設置場所等の選定に時間を要したために、来年度の設置になる見込みとなっております。

○平委員 都庁舎の設置に関しては来年度ということは、ごめんなさい、都庁舎というのは、意見交換の中で一基というふうにお伺いしているんですけれども、そのほかの九基については大体の設置場所はもう決まっているということでしょうか。お願いします。

○筧環境改善部長 現在、都庁舎、自然公園、都立公園等の各施設の所管部局と調整を行っているところでございます。設置場所についてはまだ定まっておりません。

○平委員 ありがとうございます。設置場所はまだ決まっていないということでございます。
 昨年の事務事業質疑において、委員でおられた保坂議員がこの件に関して一生懸命取り組まれておりました。ちょっとその内容をご紹介いたしますが、都有施設への充電設備設置こそEV普及のためには必要不可欠である、都有施設にもEV用充電設備を設置する、東京都のゼロエミッションへの意気込みを感じることができるというふうにございます。
 これに対して、当時、松永環境改善部長は答弁の中で、電気自動車の普及促進には、充電設備などのインフラ整備が不可欠、電気自動車の普及を後押しするとともに、都庁舎や都立公園など、都有施設を訪れる電気自動車ユーザーの利便性向上を図りますというふうに答弁をなされております。
 都庁舎に関してなんですけれども、都庁舎に設置する場合どの辺に設置するということが、今お話の中でなされているのかお伺いをいたします。

○筧環境改善部長 都庁舎は人が大勢集まる公共施設でありまして、都庁舎への充電器設備設置に当たりましては、都民の利便性に配慮する必要がございますが、施工面やVIPへの対応などセキュリティー面でもさまざまな課題がございます。
 場所等につきましては、今後、関係局とともに、都民の利便性に配慮しながら検討していきたいと考えております。

○平委員 ありがとうございます。今、VIPというふうなお話がございました。
 セキュリティー面は確かに配慮しなければならないと思いますが、VIPというのはどういう方々を意識してご発言をなされておりますのかお伺いをいたします。

○筧環境改善部長 先ほど申し上げましたように、都庁舎は大変大勢の人が集まる公共施設でありまして、都民の利便性に配慮する必要がございますが、場所によってはVIP等の対応などセキュリティー面にさまざまな課題があると聞いておるところでございます。ここでいうVIPというのは、重要な方々という認識でございます。

○平委員 都庁舎に設置する場合、都庁のどの辺を想定しているのかという質問に対してお答えをいただいていないんですけれども、都庁には地下駐車場がございます。また、車寄せの部分もあるかと思いますが、設置するとなれば、これはどの局とお話をなされて、その局と設置する期間というのをいつに定めるかということを決定するのかお伺いをいたします。

○筧環境改善部長 都庁舎への充電器の設置は、所管局である財務局と調整をしているところでございます。
 現在、都庁舎への充電器の設置につきましては、設置場所の選定に時間を要したために、来年度の設置になる見込みでございます。

○平委員 各自治体の設置の仕方というのはさまざまだと思います。参考になる点も非常に多いと思いますが、とある自治体においては、庁舎の入り口付近に充電設備を設置することで、利便性はもちろんのこと、利用者でない方に対しても広くEV環境をPRできていると思います。
 野外設置を最優先とすべきと考えますが、見解をお伺いいたします。

○筧環境改善部長 都庁舎は大勢の方々が集まる公共施設でありまして、都庁舎への充電器設置に当たっては、都民の利便性に配慮する必要があると考えております。
 その一方で、先ほど申し上げましたように、施工面やVIP対応などのセキュリティーのさまざまな課題があることから、こうした課題を総合的に勘案して設置の場所を検討していきたいと考えております。

○平委員 ありがとうございます。先ほども申し上げましたように、昨年の事務事業質疑において、松永環境改善部長はこういったこともおっしゃっております。充電設備の整備を推進し、利便性を向上させる、可能な限り充電中の電気自動車が多くの都民の目に触れるよう、駐車場の入り口付近や来場者の動線に沿った場所など、整備効果の高い場所への設置に向け、設置管理者と調整を図ってまいりますということでございますが、昨年のこの事務事業質疑からきょうまでの間、どのような議論がなされたのかお伺いをさせていただきます。

○筧環境改善部長 都庁舎への充電器の設置につきましては、昨年十二月に所管である財務局と調整を始めたところでございます。
 その後、財務局との調整の中でさまざまな場所を検討してきたところでございますが、敷地の制約や安全面の課題、またはセキュリティー面の課題などにより設置場所が決まらずに、その結果として、現在、都庁の地下駐車場への設置に向けて調整をしているところでございます。

○平委員 今、地下駐車場ということでご答弁いただきましたが、間違いございませんでしょうか。お願いします。

○筧環境改善部長 現在、都庁舎の所管局である財務局と地下駐車場への設置に向け調整をしているところでございます。

○平委員 ありがとうございます。地下駐車場で調整をしているということでございますが、やはり都民の目に触れるというのは地上だというふうに思います。
 都民の税金で充電設備をつくるわけでありますし、都民がいつでも使えるような、二十四時間使えるような状況というのが必要だと思います。どうしても都庁の地下駐車場であった場合には時間に制約があると思うんです。ということは、使える方も限られてしまうので、誰もが使えるということにはなりません。
 ですから、ぜひとも、ここで意見、要望をいたしますが、地上ということをしっかり念頭に置いて、まだできておりませんので、いま一度、そういった調整をしていただければ大変ありがたいなというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。
 次の質問に入ります。
 先ほど、やながせ委員から大変厳しいご意見がございましたLED省エネムーブメント事業について伺います。
 先ほど局長の方から、本年八月から新たな仕組みで事業を再スタートしているというお話がございました。より都民が参加しやすい仕組みになっているということが必須だと思いますが、この事業について、八月十五日から始まった新たな事業、概要をお伺いしてよろしいでしょうか。

○小川地球環境エネルギー部長 事業を実施する中で、都民の方からは、白熱電球を二個以上持っていないでありますとか、まだ使える白熱電球を交換に出すのはもったいないというようなご意見をいただいておりました。また、ご協力いただいています家電店等からは、電球形蛍光灯、それから小型の電球も含めていただきたいというようなご意見もいただいたところでございます。
 こうした意見を踏まえまして、持参いただく電球につきましては、白熱電球または電球形蛍光灯一個といたしまして、これまで使用中の電球に限定していたものを、切れているものも対象といたしたところでございます。
 また、交付するLED電球につきましては、これまでのE26型のものに加えまして、小型のE17も対象といたしました。
 なお、持参いただく白熱電球等につきましては、確認済みのシールを貼付の上、返却するということで、これによりまして、参加協力店のご負担も軽減されたのではないかと思っているところでございます。
 こうした見直しによりまして、LED電球の交付の数につきましては、事業開始から最初の一カ月で七万七千六百三十七個、また次の一カ月で五万七千四百五十六個であり、順調なペースで交付が続いているというふうに認識しております。

○平委員 ありがとうございます。今のご答弁をいただいたことによって、見直しによって、より都民が参加しやすい仕組みになったということがよくわかりました。
 これをやっぱり前向きに進めるためにも、ぜひ知恵を出して、私の方からは提案をさせていただければというふうに思うんですが、LED照明にすることで、やっぱり環境へ配慮をすることができ、電気代が安くなるというメリットも生まれる。これを次世代を担う子供たちへ周知することによって、社会へさらに広がっていくというふうに私は考えております。
 省エネについては、二〇〇八年に東京都内の全六十二市区町村が共同で、みどり東京・温暖化防止プロジェクトと題して、環境に配慮した行動へつなげることを目的に、各小学校で省エネルギー授業が実施をされ、省エネへの心がけ、それが児童から家庭でも広がったというふうに伺っております。
 私にも子供がいるんですけれども、学校で見聞きして学んだ内容ということは、やっぱり家に帰ってきて話してくれるんですね。つい先日は、学校の音楽の授業にオーケストラの方々が来て演奏をしてくれたそうなんですが、その際に配布されたコンサートのパンフレットを仕事から帰ってきた私に見せて、パパも一緒に見てほしいということをいっていたんで来年行く予定なんですけれども、こうやって子どもが学校で見聞きしたことというのは、家庭で周知をされて、それが社会へ広がるんです。
 そこで、環境局が教育庁と連携を図り、LED省エネムーブメント事業を都立学校を通して子供たちへ周知する機会を設けてはいかがと考えますが、これ、局長からのご答弁をいただければと思います。

○和賀井環境局長 世界は今、地球温暖化に伴う豪雨ですとか、酷暑などの異常気象、それから資源の大量消費によります資源制約、廃棄物の問題など、深刻かつ将来世代にも影響を及ぼす環境の危機に直面していると認識しております。
 こうした環境問題につきまして、子供のころから一人一人が理解し、日常生活の中でみずから実践して取り組んでいくことが重要でございます。
 LED省エネムーブメント事業につきましては、今後、教育庁と連携し、都立学校約二百四十校にポスターやチラシを配布することによりまして、子供たちを通して家庭にも周知を実施いたします。
 また、公立、私立の小学校教職員を対象にしました環境教育研修会を実施しておりまして、食品ロスの削減や暮らしとエネルギーを考えるなどのテーマで、子供たちが体験して楽しく学ぶプログラムを提供しております。
 今後とも、学校教育等と連携し、東京の環境を引き継ぐ子供たちへの環境教育の充実に取り組み、持続可能な先進都市東京を築いてまいります。
   〔「最初からやればよかった」と呼ぶ者あり〕

○平委員 最初からやっていればよかったという手厳しい意見が出ましたが、こうやって百万個という個数を掲げた事業でございます。民間だったら、やっぱりその数字というのを掲げたら、そこを目標に、しっかり営業で皆さん頑張るんですね。必ず達成をする。達成をしなければ、やっぱりそこは見直しを図って改善をしていくということがあると思います。
 ぜひとも環境局にはこのプロジェクトに一生懸命取り組んでいただいて、百万に行かなくとも、一個でも多い数字を目指していただければというふうに思います。
 先ほどおっしゃっていただいたように、LED省エネムーブメント事業のチラシやポスターを都立学校約二百四十校に配布するとともに、環境局の専門知識をお持ちの方々が直接都立学校へ出向いて子供たちへ周知をなされることは、より一層普及につながるというふうに思いますので、これを要望して終わります。ありがとうございました。

○米川委員 私からは、廃棄物埋立処分場について伺わせていただきます。
 私は、十五年以上前になりますが、港湾局に勤務していた際、所属した課の中で、新海面処分場の整備が行われていたことや、その当時、東京港内の埋め立ての歴史も学んだことから、この廃棄物埋立処分場は大いに関心を持つ事業となっております。
 さて、廃棄物埋立処分場は、都民の生活を支える重要な都市インフラでございます。しかし、現在の処分場が使用できなくなった後、二十三区内に新たな廃棄物埋立処分場を確保することは極めて困難なことから、現在の処分場を可能な限り長期間使い続けることが必要と考えております。
 そこで、現在の処分場の延命化について、どのような取り組みを行い、今後どのくらい使用できるかについて伺います。

○松永資源循環推進部長 現在使用しております中央防波堤外側埋立処分場及び新海面処分場には、主に特別区から発生したごみの焼却灰や下水汚泥、上水スラッジ等を埋め立てており、延命化に向けて、特別区、東京二十三区清掃一部事務組合、下水道局、水道局に減量、資源化を求めております。
 その上で、都は、受け入れる廃棄物等の種類や量、受け入れ方針などを定めた廃棄物等の埋立処分計画を策定し、おおむね五年ごとに見直すことにより、計画的に埋め立てを行っております。平成二十九年二月に改定した現在の計画では、埋立処分量を前回の計画から五%削減したものとなっております。
 処分場の残余年数につきましては、埋立処分計画量から推計しますと五十年以上使用できる見込みでございます。

○米川委員 ありがとうございます。都が関係者に働きかけるとともに、埋立処分計画を策定し、処分場の延命化を図っていることがよくわかりました。
 今後五十年以上使用できるとのことですが、限りある廃棄物埋立処分場であることには変わりありません。一般廃棄物を収集運搬している特別区でごみの減量、資源化を行っておりますが、処分場の延命化のため、都と特別区とが廃棄物埋立処分場の現状についてしっかりと情報共有を図り、連携して取り組んでいく必要があります。
 そこで、現在、都と特別区とが一般廃棄物の埋立処分量を削減するため、どのように取り組んでいるのか伺います。

○松永資源循環推進部長 都は、区市町村との共同検討会を立ち上げ、その中で特別区とは埋立処分量の削減について意見交換を行っております。
 現在、不燃ごみを破砕、選別した残渣はそのまま埋立処分しておりますが、この検討会において、不燃ごみ残渣の焼却処理の方策について検討しております。
 今後も、共同検討会等を活用して埋立処分量の削減を推進してまいります。

○米川委員 東京の都市機能の維持発展のため、これからもさらなる廃棄物の発生抑制に取り組むことを求めます。
 続きまして、処分場の環境対策についても伺います。
 東京都の処分場は、護岸により、海と遮断された管理型最終処分場ですが、このため、降雨に伴い汚れた雨水が浸出水として発生しております。この浸出水が周辺環境に影響を及ぼさないための処理が大変重要と考えております。
 現在埋め立てられております新海面処分場Bブロックから、今後Eブロックまで沖合展開していくことで、増加する浸出水を確実に処理していくことが重要になります。
 そこで、今後の沖合展開に際してどのように対応していくのかを伺います。

○風祭調整担当部長スーパーエコタウン担当部長兼務 ご指摘のとおり、処分場から出る浸出水を確実に処理することは、周辺環境の安全のために非常に重要でございます。
 浸出水は、処分場内の二つの排水処理場で浄化してから下水道に放流しておりますが、下水道局との協定により、一日当たりの計画排水量が定められております。
 今後の沖合展開に伴って浸出水の増加が見込まれるため、この計画排水量を上回らないように、排水処理場への送水量を調整する必要がございます。
 そのため、沖合展開に伴って発生する浸出水は、処分場内に一時的に貯留する貯留池等を整備して対応できるように検討してまいります。

○米川委員 ありがとうございます。しっかりと対応されることがよくわかりました。
 最後に、処分場では、今、排水処理場で浄化してから下水道に放流しているとのことでしたが、中央防波堤内側埋立地にあります二つの排水処理場について伺います。
 一つは昭和五十四年十一月に稼働しており、もう一つが平成九年六月に稼働ということで、これらの排水処理場は稼働後かなりの年数が経過しております。老朽化が進んでいるのではないでしょうか。また、都内ではいつ震災などの災害が発生するかもわかりません。処分場において重要な排水処理場は、機能の低下を招くことなく施設の信頼性を維持し、災害のリスクに備える必要があると考えております。
 そこで、排水処理場において安定的に浸出水を処理していくため、どのように対応していくのか伺います。

○風祭調整担当部長スーパーエコタウン担当部長兼務 ただいま委員のお話にございましたように、現在使用しております排水処理場は、昭和五十年代から平成初期までに建設されており改修時期を迎えております。また、将来予測される首都直下地震等に対して、災害対応力を高める必要がございます。
 そのため、今後、施設の劣化の程度に応じた適切な改修工事を検討し、あわせて長寿命化や耐震化対策についても対応してまいります。
 こうした取り組みによりまして、処分場の機能を維持し、将来にわたって環境対策を着実に進めてまいります。

○米川委員 ありがとうございます。処分場では、埋め立て完了後も長期にわたり浸出水を処理していく必要があります。これ、環境局からいただいたパンフレットなんですが、この中にも、既に埋め立てが完了している若洲の十五号地や内側埋立地等の浸出水の処理が今も行われております。
 今後も安定的に処分場が運営できるよう、計画的に施設の整備等に取り組んでいくことを要望しまして、質問を終わります。

○関野委員 それでは、私からは、自転車シェアリングの関係で質問をさせていただきます。
 自転車シェアリングに関しては、先ほど他の委員からも質疑がありましたので、かぶらないような形で質疑をできればと考えております。
 先ほどの委員の質問の答弁の中で、満足度が八六%ということでありました。かつ、都内の九区でということですが、先ほども答弁の中でもありましたけれども、今後も、もっと区市町村を踏まえて広めていかなければいけないのではないかというようなお話があったんですが、ちょっと私の場合、違う角度からの質問になるんですけれども、ある意味、自転車というのは、車と違って環境に優しく、大変便利な交通手段であるのかなというふうには感じている一方で、交通ルールを無視した運転を行うと重大な交通事故を引き起こす、こういうこともあります。
 私、こちらにはいつも車で来ているんですけれども、都内の方で、最近、自転車の運転手の動きを見ていると、普通の自転車の方もそうですし、ちょうど赤い自転車の方もいたりというようなところで、やっぱり危険な運転をしていて、私ではなく、前の車だったりほかの車と接触をしそうな、そういった状況も見受けられます。
 そういう意味では、自転車シェアリングを実施している環境局として、安全利用に関してどのように取り組んでいるのか、この点についてお伺いをさせていただきます。

○筧環境改善部長 東京都は、環境に優しい交通手段である自転車の利用を促進するため、自転車シェアリングを推進しておりまして、事業の実施主体である区市町村に対して設備の整備等への財政支援を行うなど、その取り組みを広くサポートしております。
 自転車シェアリングの安全利用に関しましては、交通ルールや自転車利用上の注意事項などをまとめたリーフレットを、青少年・治安対策本部の協力のもと作成しております。
 また、近年、外国人観光客による自転車シェアリングの利用がふえていることを踏まえ、今年度は新たに英語版のリーフレットも作成し、関係自治体等に配布するなど、自転車シェアリングを安全かつ快適に利用していただくための意識啓発を行っております。

○関野委員 ありがとうございます。自転車シェアリングの安全利用に関して、都は意識啓発などを行っているということですが、事業の実施主体である区市または運営事業者は、利用者の安全利用を促すために、具体的にどういったことを行っているのか教えていただけますか。

○筧環境改善部長 自転車シェアリングを実施しています自治体や運営事業者は、利用者に向けて、ホームページやメールマガジン、自転車シェアリングアプリなどによって、交通事故の発生状況や自転車利用上の注意事項等を発信し、自転車の安全利用に関するルールやマナーの遵守を呼びかけております。
 また、有人の受け付けを行っている自治体では、貸出時に自転車の安全利用に関するリーフレットの配布や声かけを行うなど、注意喚起を行っております。
 さらに、広域相互利用を行っている区及び運営事業者は、警視庁、東京都も参加する月に一度の定例会において、利用者による事故の発生状況の情報共有や交通安全対策の検討を行っております。

○関野委員 自転車シェアリングの実施主体は区市であるというところですが、先ほど来、一番初めもお話ししましたが、都も事業の実施に係る費用を補助している立場であります。そういう意味では、安全対策については積極的に取り組んでいくべきであるのかなと私の中では思っているんですけれども、自転車シェアリング利用者の交通ルール、マナーの厳守に向けて、都は、区または市、またはそういった事業者などの取り組みを今後どのようにバックアップしていくのか、その点についてお伺いをさせていただきます。

○筧環境改善部長 自転車シェアリング利用者が年々増加する中で、今後、利用者の交通ルールの遵守を徹底し、安全で快適な自転車シェアリングを推進していくことは非常に重要であると考えております。
 都は、引き続き青少年・治安対策本部を初めとする庁内関係各局と密に連携を図り、ホームページやリーフレットなどを活用しながら、自転車シェアリングを安全かつ快適に利用していただくための意識啓発を行ってまいります。
 また、今後は、自転車シェアリングを行っている区市等と自転車の安全利用に関する情報共有を図る場を設けるなど、利用者の安全意識のさらなる醸成に向け取り組んでまいります。

○関野委員 るる質問させていただきまして、回答の中だと、やっぱりホームページ、リーフレット、そういったところだったり、有人の受け付けの場合は、貸出時に自転車の安全利用に関することをお話ししていたりリーフレットを渡しているというようなことなんですが、一番初めの答弁でもあったように、やはり外国人の観光客の利用がふえているというところを考えると、先ほど来答弁していただいているホームページまたはリーフレットは、英語版をこの前見させていただきましたけれども、またメールマガジンとか、そういった発信というだけでは、多分、短期間で日本にいる方には届かないんじゃないかなというふうに感じております。
 そういう意味では、よくバンジーとかやるときに、死んでも私は訴えませんとか、何かいろいろサインをしたりするようなものがあると思うんですけど、それと同じように、有人であればそういった書面を見てもらって、納得していただいたらサインをしてもらう。または、無人の場合でアイフォンとかなんとか、そういったものを使う場合においては、なるべく安全のルールというものを読んだということじゃないと貸し出せないような、そういったところまで、区市または事業者と協議をしていただきたいなというふうに思っております。
 多分、いろいろとヒアリングをしている中ではそういった発言が出てきておりませんので、今後どういった形で交通ルールを守っていただくかというのも含めて、そういった対応を検討していただきたいなというふうに思っております。
 これは私の要望となりますので、また時期が来ましたら、これの質問をさせていただきますので、どういった形で検討されてどうなったか、これについてはそのときにお答えをいただければと思っておりますので、よろしくお願いします。

○栗下委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○栗下委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
 以上で環境局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後六時三十三分散会

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