環境・建設委員会速記録第九号

平成三十年九月十八日(火曜日)
第九委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長田の上いくこ君
副委員長佐野いくお君
副委員長河野ゆりえ君
理事栗林のり子君
理事関野たかなり君
理事三宅 正彦君
平  慶翔君
西郷あゆ美君
やながせ裕文君
田村 利光君
宮瀬 英治君
原田あきら君
保坂まさひろ君
小磯 善彦君

欠席委員 なし

出席説明員
環境局局長和賀井克夫君
次長吉村 憲彦君
総務部長谷上  裕君
環境政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務若林  憲君
政策調整担当部長松本 明子君
地球環境エネルギー部長小川 謙司君
都市エネルギー推進担当部長村山  隆君
環境改善部長筧   直君
環境改善技術担当部長近藤  豊君
自然環境部長須藤  栄君
緑施策推進担当部長金子  亨君
資源循環推進部長松永 竜太君
調整担当部長スーパーエコタウン担当部長兼務風祭 英人君
建設局東京都技監建設局長兼務西倉 鉄也君
次長片山  謙君
道路監三浦  隆君
総務部長今村 篤夫君
用地部長政策調整担当部長兼務関  雅広君
道路管理部長杉崎智恵子君
道路建設部長奥山 宏二君
三環状道路整備推進部長大庭 孝之君
公園緑地部長日浦 憲造君
河川部長村井 良輔君
企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務花井 徹夫君
総合調整担当部長鹿田 哲也君
道路保全担当部長加藤 直宣君
道路計画担当部長田中 慎一君
公園計画担当部長細川 卓巳君

本日の会議に付した事件
環境局関係
報告事項(説明)
・私債権の放棄について
・東京都環境影響評価制度の見直しについて答申(案)
・都における土壌汚染対策制度の見直しの方向性について
建設局関係
第三回定例会提出予定案件について(説明)
・城北中央公園調節池(一期)工事その二請負契約
・境川金森調節池工事その二請負契約
・中川護岸耐震補強工事(その四十五)請負契約
・綾瀬川護岸耐震補強工事(その二十九)請負契約
報告事項(説明)
・私債権の放棄について
陳情の審査
(1)三〇第二一号 祖師谷公園遊具移設工事の差止め及び見直しに関する陳情
(2)三〇第二七号 知事宛ての請願に対する誠実な対応を求めることに関する陳情
(3)三〇第二八号 祖師谷公園における幼児用遊具の更新工事再開に関する陳情
(4)三〇第三五号 東京外環道のトンネルの本格掘進までに必要かつ十分な情報を求めることに関する陳情

○田の上委員長 ただいまから環境・建設委員会を開会いたします。
 初めに、このたびの平成三十年七月豪雨及び平成三十年北海道胆振東部地震により被災された方々に心よりお見舞いを申し上げます。
 ここにお亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りし、黙祷をささげたいと思います。
 皆さん、ご起立をお願いいたします。
 黙祷。
   〔全員起立、黙祷〕

○田の上委員長 黙祷を終わります。ご着席ください。

○田の上委員長 次に、会期中の委員会日程について申し上げます。
 お手元配布の日程のとおり、理事会において申し合わせましたので、ご了承願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、建設局関係の第三回定例会に提出を予定されております案件の説明聴取、環境局及び建設局関係の報告事項の聴取並びに建設局関係の陳情の審査を行います。
 なお、提出予定案件及び報告事項につきましては、本日は説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は会期中の委員会で行いますので、ご了承願います。
 これより環境局関係に入ります。
 理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○谷上総務部長 東京都債権管理条例第十三条に基づき、環境局が平成二十九年度に実施した私債権の放棄についてご報告させていただきます。
 お手元の資料1、私債権の放棄についてをごらんください。
 平成二十九年度に放棄した私債権は、公害防止資金貸付金の一件、金額は百三十二万円でございます。
 当該債権は、東京都公害防止資金に係る貸付金で、昭和五十年度に貸し付けし、昭和五十七年度から債務の返済が滞っている債権でございます。
 これまで債務者及び連帯保証人に対しまして、徴収に向けて催告、交渉を行ってまいりました。しかし、当該債権は、平成七年度に消滅時効に係る時効期間が経過し、また、平成十二年六月に債務者の法人の破産手続が廃止されたため、実質的に回収不能でございます。
 また、連帯保証人が二名おりますが、そのうち一名は死亡し、その相続人も破産しており、実質的に回収不能でございます。その他の一名についても死亡し、その相続人の三名は、いずれも平成二十九年九月に時効を援用しております。
 このため、平成三十年三月に当該債権の放棄を実施したところでございます。
 以上、私債権の放棄につきましてご説明申し上げました。どうぞよろしくお願い申し上げます。

○松本政策調整担当部長 東京都環境影響評価制度の見直しについてご説明いたします。
 資料2は制度の見直しの概要、資料3が審議会答申案の本編となってございます。本日は、資料2に基づきましてご説明させていただきます。
 資料2の一ページをごらんください。まず、1、制度見直しの経緯、(1)、見直しの背景でございます。
 本制度は、事業者が大規模な開発事業などを実施する際に、その事業が環境に与える影響を予測、評価し、住民等の意見を聞くとともに、専門的な立場での審査を行うことなどにより、環境への影響をできる限り少なくするための手続の仕組みでございます。
 都は、国に先駆けて東京都環境影響評価条例を昭和五十五年に制定し、現在三十七年経過しておりますが、高度成長期以降に整備され、今後更新期を迎える施設の増加が見込まれるなど、本制度を取り巻く状況に変化が生じております。
 現行は、施設更新の規定がなく、新設等の規定を適用してまいりましたが、更新の要件を明確化するなど、より適切でわかりやすいものに見直そうとするものでございます。
 次に、(2)、審議会への諮問及び審議の経緯でございます。
 本制度の見直しは、昨年十二月に都から環境影響評価審議会に諮問したもので、本年六月下旬に同審議会から中間のまとめが報告され、その後三十日間パブリックコメントを実施し、その内容を踏まえて、八月の特別部会で答申案を審議いただいております。
 次に、2、審議会答申案の概要でございます。
 まず、(1)、施設更新時等の手続の明確化、〔1〕、施設の更新の定義等の明確化でございますが、現状と課題では、施設の更新について、新設以上の環境への影響を及ぼすおそれがあるなどの理由から対象になることを明確にする必要があるとしており、今後の方向性では、更新の定義を新たに定め、更新の規模要件は新設等と同規模で定めるとしております。
 二ページをごらんください。〔2〕、更新以外の対象事業の内容についての見直しでございますが、現状と課題では、鉄道等の改良は本線路の増設のほか、地下や高架移設等を対象とする一方、道路の改築は車線増のみで移設は含まれていないとしており、今後の方向性では、道路の地下や高架移設等を道路の改築の定義に含めるなどとしております。
 次に、(2)、事業内容等変更時の手続要件の明確化でございます。
 現状と課題では、変更届は軽微な変更の場合に不要としておりますが、その要件の具体的な定めがないとしており、今後の方向性では、変更届は適正な手続の実施に欠かせないものであり、具体的な要件を新たに設定するとしております。
 次に、(3)、事業者のより主体的な手続の実施でございます。
 現状と課題では、審議会への説明は全て都が対応しているが、事業者も説明責任を果たすべきとしており、今後の方向性では、審議会は、審議会での説明を事業者に求めることができる旨を新たに規定するとしております。
 次に、(4)、氏名等の公表に係る条例規定の見直しでございます。
 現状と課題では、他自治体では手続違反があれば勧告等を行い、是正されないときは氏名等を公表するのが一般的だが、都では勧告等の定めがないとしており、今後の方向性では、氏名等の公表前に勧告する旨を新たに規定するとしております。
 次に、(5)、環境影響評価図書の公表方法の見直しでございます。
 現状と課題では、図書の公表は紙媒体が中心で、ウエブサイトでの公表は概要のみであるとしており、今後の方向性は、ウエブサイトで全文を掲載するなど積極的に公表するとしております。
 次に、(6)、その他でございます。
 今回検討した事項以外の計画段階環境影響評価制度の見直し、自主的な環境影響評価制度の導入、対象事業の種類や要件の見直しは、本制度のさらなる改善に向けた重要な課題であり、本格的な検討を進めていく必要があるとしております。
 制度の見直しの概要は以上となります。詳細につきましては本編をごらんください。
 最後に、3、今後の予定でございます。
 審議会からの答申に基づき、詳細についてさらに検討を進め、今後、条例改正案を提出させていただく予定でございます。
 以上、簡単ではございますが、東京都環境影響評価制度の見直しについてをご報告させていただきました。どうぞよろしくお願いいたします。

○近藤環境改善技術担当部長 都における土壌汚染対策制度の見直しの方向性についてご説明いたします。
 資料4は制度の方向性の概要、資料5がこれまでの検討状況をまとめた本編となってございます。本日は、資料4に基づきましてご説明させていただきます。
 資料4の一ページをごらんください。まず、1、制度見直しの経緯、(1)、見直しの背景でございます。
 都は、都民の健康と安全を確保する環境に関する条例に基づく土壌汚染対策制度を国に先行して平成十三年に施行しておりますが、その後、土壌汚染対策法が施行され、法が数次にわたって改正されてきており、法との関係を改めて整理する必要が生じております。
 そのため、このたび平成二十九年五月に公布され、平成三十一年春に全面施行予定の土壌汚染対策法の改正を契機といたしまして、条例に基づく土壌汚染対策制度について、法との関係性や条例の運用上の課題等を整理するなどの見直しの検討を行っているものでございます。
 次に、(2)、これまでの検討経過でございます。
 本制度の見直しについては、昨年十一月に学識経験者及び業界団体代表で構成される土壌汚染対策検討委員会での検討を開始し、一部事務を移譲しております区及び市との協議も進めております。
 本年四月には、条例見直しの検討状況の取りまとめを行い、これについて四月から六月にかけて業界団体や区市等へのヒアリングを、また、六月から七月にかけてパブリックコメントを実施しております。
 これらを踏まえて、今回、現時点の見直しの方向性の取りまとめを行いました。
 次に、2、見直しの方向性の概要でございます。
 まず、(1)、条例の目的・規制対象については、条例独自の目的である地下水環境保全の考え方は引き続き保持した上で、法と同様の健康リスクの考え方を導入し、その判断基準を明確化いたします。
 次に、(2)、土壌汚染情報の公開については、土壌汚染情報に係る台帳を調製し、公開する規定を整備いたします。
 続いて、(3)、調査実施の契機でございます。
 まず、ア、工場等における調査については、廃止時の汚染状況調査の報告期限を法と整合させることといたします。また、汚染状況調査の猶予規定を明文化するとともに、工場等の操業中に自主的に実施した調査を条例上の手続として報告できるよう規定を整備いたします。
 次に、イ、土地改変時の調査については、規制の適用除外とする土地の改変行為として、通常の管理行為、軽易な行為等の改変行為を明確化いたします。また、改正法により新たに対象となる改変行為について、条例の対象に追加いたします。
 二ページをごらんください。次に、(4)、対策の要件等については、法と同様の健康リスクに基づく対策要件及び条例の目的である地下水環境保全のための対策要件をそれぞれ定めることといたします。
 次に、(5)、汚染地のリスク管理でございます。
 土壌汚染情報を記載した台帳を調製し、公開する規定を整備いたします。また、汚染土壌の拡散防止等を図るため、汚染が残置された土地の改変時の手続を設けることといたします。
 次に、(6)、法との重複の整理でございます。
 法の調査方法と整合をとることを基本としつつ、条例独自の地下水環境保全の観点から必要な調査の実施を求めてまいります。また、法と条例の両者が適用されるものについては、届け出者の負担軽減及び行政手続の効率化のため、可能な限りの合理化を図ることといたします。
 次に、(7)、その他といたしまして、調査義務等に違反したときの規定を強化いたします。
 見直しの方向性の概要は以上となります。詳細については本編をごらんください。
 最後に、3、今後の予定でございますが、この見直しの方向性に基づき、詳細についてさらに検討を進め、今後、条例改正案を提出させていただく予定でございます。
 以上、簡単ではございますが、都における土壌汚染対策の見直しの方向性についてをご報告させていただきました。どうぞよろしくお願いいたします。

○田の上委員長 報告は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。--なければ、資料要求はなしと確認させていただきます。
 以上で環境局関係を終わります。

○田の上委員長 これより建設局関係に入ります。
 初めに、先般の人事異動に伴い、幹部職員に交代がありましたので、東京都技監建設局長兼務より紹介があります。

○西倉東京都技監 去る七月一日付で異動のございました当局の幹部職員をご紹介いたします。
 三環状道路整備推進部長の大庭孝之でございます。
 どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者挨拶〕

○田の上委員長 紹介は終わりました。

○田の上委員長 次に、第三回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。

○西倉東京都技監 第三回定例会に提出を予定しております案件につきましてご説明申し上げます。
 お手元配布の環境・建設委員会資料(建設局所管分)をごらんいただきたいと存じます。
 今定例会でご審議いただきますのは、城北中央公園調節池(一期)工事その二など、契約案四件でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
 詳細につきましては、総務部長よりご説明いたします。

○今村総務部長 第三回定例会提出予定案件の内容につきましてご説明申し上げます。
 資料1をごらんください。契約案につきましてご説明申し上げます。
 表紙をおめくり願います。今回提出を予定している契約案四件の件名は、目次に記載のとおりでございます。
 一ページをお開きください。城北中央公園調節池(一期)工事その二でございます。
 本工事は、石神井川において洪水を貯留する施設である調節池を整備するものでございます。
 工事場所は板橋区小茂根五丁目地内から練馬区羽沢三丁目地内、契約の相手方は戸田建設株式会社、契約金額は二百二十三億千二百六十九万二千円、工期は平成三十六年八月三十日までとする工事請負契約を一般競争入札により締結しようとするものでございます。
 二ページをごらんください。本件工事の案内図でございます。丸で示しておりますのが施工箇所でございます。
 三ページをごらんください。構造物の形状は、平面図及び標準断面図のとおりでございます。
 四ページをごらんください。境川金森調節池工事その二でございます。
 本工事は、境川において洪水を貯留する施設である調節池を整備するものでございます。
 工事場所は町田市南町田一丁目地内から神奈川県相模原市南区上鶴間本町九丁目地内、契約の相手方は安藤ハザマ・東鉄・松尾建設共同企業体、契約金額は百八十六億千三百二十六万円、工期は平成三十六年五月三十一日までとする工事請負契約を一般競争入札により締結しようとするものでございます。
 五ページをごらんください。本件工事の案内図でございます。黒で着色しておりますのが施工箇所でございます。
 六ページをごらんください。構造物の形状は、平面図及び標準断面図のとおりでございます。
 七ページをごらんください。中川護岸耐震補強工事(その四十五)でございます。
 本工事は、最大級の地震が発生した場合においても浸水防止機能を保持するため、延長二百六十三・八メートルにおいて河川土工などを行い、護岸の補強を図るものでございます。
 工事場所は葛飾区高砂一丁目地内、契約の相手方は大豊・黒部建設共同企業体、契約金額は二十億四千四百四十四万円、工期は平成三十二年七月十四日までとする工事請負契約を一般競争入札により締結しようとするものでございます。
 八ページをごらんください。本件工事の案内図でございます。黒で着色しておりますのが施工箇所でございます。
 九ページをごらんください。構造物の形状は、平面図及び標準断面図のとおりでございます。
 一〇ページをごらんください。綾瀬川護岸耐震補強工事(その二十九)でございます。
 本工事は、最大級の地震が発生した場合においても浸水防止機能を保持するため、延長三百四十三・九メートルにおいて河川土工などを行い、護岸の補強を図るものでございます。
 工事場所は足立区六町一丁目地内から南花畑一丁目地内、契約の相手方は株式会社森本組、契約金額は十二億二千三百六十四万円、工期は平成三十二年五月二十日までとする工事請負契約を一般競争入札により締結しようとするものでございます。
 一一ページをごらんください。本件工事の案内図でございます。黒で着色しておりますのが施工箇所でございます。
 一二ページをごらんください。構造物の形状は、平面図及び標準断面図のとおりでございます。
 以上で平成三十年第三回定例会提出予定案件の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○田の上委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。

○河野委員 契約議案四件について、入札の経過がわかるものをお願いいたします。
 以上です。

○田の上委員長 ほかは大丈夫ですか。はい。ただいま河野副委員長から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○田の上委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出願います。

○田の上委員長 次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○今村総務部長 私債権の放棄についてご報告いたします。
 お手元の資料2、私債権の放棄についてをごらんください。
 東京都債権管理条例第十三条に基づき、建設局が平成二十九年度に実施した私債権の放棄についてご報告させていただきます。
 一ページをごらんください。建設局が放棄した私債権は、工事請負契約に係る契約違約金、金額は千十万円でございます。
 当該債権は、平成十四年度に発生し、債務の履行が滞っているものでございます。
 債務者に対して、催告、各種調査など徴収に向けて努力を重ねてまいりましたが、債務者が所在不明であり、時効期間が平成二十八年度に経過しております。その後の調査において、債務者である法人は解散し、代表清算人も死亡、新代表者も選任されていない状況であり、時効の援用の確認を得ることができないことから、平成三十年三月に債権を放棄したところでございます。
 以上、私債権の放棄につきましてご説明を終わらせていただきます。

○田の上委員長 報告は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○田の上委員長 なければ、資料要求はなしと確認させていただきます。

○田の上委員長 次に、陳情の審査を行います。
 初めに、陳情三〇第二一号、陳情三〇第二七号及び陳情三〇第二八号は、いずれも内容に関連がありますので、一括して議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○細川公園計画担当部長 お手元配布の資料3、陳情審査説明表の表紙をおめくりいただき、整理番号1、陳情三〇第二一号をごらんいただきたいと存じます。
 本件は、世田谷区の都立祖師谷公園遊具移設工事の差止め及び見直しに関する陳情で、世田谷区の祖師谷公園樹木の会代表加古明子さんから提出されたものでございます。
 本陳情の要旨は、都において、平成三十年四月三日に開始した都立祖師谷公園遊具移設工事の差しとめ及び見直しをしていただきたいというものでございます。
 現在の状況でございますが、祖師谷公園は、区部南西部に位置し、中央を流れる仙川沿いに親子連れでにぎわう遊具広場や原っぱが広がり、テニスなどのスポーツも楽しめる緑豊かな公園でございます。
 都立公園では、子供の心身の育成と多世代交流の場づくりとして、子供の体力向上に資する多機能な遊具や高齢者の健康増進のための健康器具の整備を進めております。
 本陳情の工事は、祖師谷公園内の遊戯広場にある老朽化した幼児用遊具を撤去し、その場所に健康器具を設置するとともに、隣接する花木広場に新たな幼児用遊具を設置するものでございます。
 これまで、工事の実施に当たっては、事前に近隣住民にはチラシを配布し、工事広報板を現地に設置したほか、ホームページで工事の状況を掲載するなど、丁寧に周知を図ってまいりました。
 現在は、さまざまな意見をいただき、幼児用遊具の設置を休止しておりますが、速やかに工事を再開し、誰もが安心して楽しむことのできる公園整備を進めてまいります。
 次に、一枚おめくりいただき、整理番号2、陳情三〇第二七号をごらんいただきたいと存じます。
 本件は、知事宛ての請願に対する誠実な対応を求めることに関する陳情で、先ほどと同様、世田谷区の祖師谷公園樹木の会代表加古明子さんから提出されたものでございます。
 本陳情の要旨は、都において、平成三十年四月二日に知事に提出した祖師谷公園遊具移設工事の差し止め及び見直し並びに同上工事計画関係の決議書の公開を求める請願書に対し、誠実に対応していただきたいというものでございます。
 現在の状況でございますが、先ほど陳情三〇第二一号でご説明申し上げた内容に加え、都は、本陳情者から四月二日に都知事宛ての祖師谷公園遊具移設工事の差し止め及び見直し並びに同上工事計画関係の決議書の公開を求める請願書を受理し、四月十三日に文書で回答しております。
 次に、整理番号3、陳情三〇第二八号をごらんいただきたいと存じます。
 本件は、祖師谷公園における幼児用遊具の更新工事再開に関する陳情で、世田谷区の祖師谷公園で遊ぶ子供の笑い声を守りたい保護者一同代表高橋由爾さんから提出されたものでございます。
 本陳情の要旨は二点ございまして、一点目は、休止されている幼児用遊具の更新工事を至急再開すること、二点目は、住民の反対によって、過去に遊具が設置されていた場所に年配者用健康器具が設置されたが、現在、新たな遊具設置予定地に対し、環境保護を理由とする工事中止の陳情が都議会に提出されていることに鑑みて、解決策として、遊具設置場所と健康器具設置場所を入れかえ、過去に遊具が設置されていた場所に更新遊具を設置することというものでございます。
 現在の状況でございますが、先ほど陳情三〇第二一号でご説明申し上げた内容に加え、幼児用遊具の設置場所については、子供が安全に遊ぶために必要なエリアの確保や樹木保護の観点などから、計画どおり花木広場といたします。
 説明は以上でございます。よろしくご審査のほどお願い申し上げます。

○田の上委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○佐野委員 それでは、幾つか質問させていただきたいと思います。
 初めに、本陳情でございますけれども、祖師谷公園遊具移設工事の差しとめ、見直しを求めるもの、また同内容の知事宛ての請願の誠実な回答を求めるもの、そして同工事の早期再開と遊具設置場所の変更を求めるものの三件と認識をしております。
 審査に当たっては、これら同種のものということで、一括して質疑をさせていただきたいと思いますが、まず、陳情にある遊具移設工事のこれまでの経緯や現在の状況について、ただいまご説明をいただきました内容の繰り返しになるかと思いますが、確認の意味で二点ほど伺いたいと思います。
 一点目は、この陳情にある祖師谷公園遊具移設工事の目的について、改めて伺いたいと思います。

○細川公園計画担当部長 都立公園では、地域の子供からお年寄りまで利用しており、子供の心身の育成と多世代交流の場づくりとして、子供が楽しく遊べる遊具や健康増進のための健康器具の整備を進めております。
 祖師谷公園は、区部南西部に位置し、中央を流れる仙川沿いに親子連れでにぎわう遊具広場や原っぱが広がり、多くの方がテニスなどスポーツも楽しめる緑豊かな公園であります。
 祖師谷公園における本工事についても、設置から二十五年を経過して老朽化していた遊具を撤去し、新たに幼児用遊具と健康器具を設置するものであります。

○佐野委員 目的について伺ったわけですけれども、今回のこの陳情の審査に当たっては必要だと思いましたので、私も先日、現地を見させていただきました。この祖師谷公園は、ほかの多くある都立公園同様に、幅広い世代の住民に親しまれて利用されている都市公園の一つだと認識をいたしております。
 ちょうど私が見に行ったときは、新たに設置された健康器具を使っている人も見かけました。また、新たな仕組みを活用して公園内にできた真新しい保育園もありまして、子供たちにとっても、園庭のような存在の公園なのかなと思っております。
 さらには、公園周辺は住宅地が密集しております。災害時の避難場所としても重要なオープンスペースとなっていると。これら多機能を有している緑と潤いのある都市公園として担っているのかなというふうに実感したわけでございます。
 それでは、次に、請願によれば、現在工事は中断されているということでございますけれども、この都立祖師谷公園の遊具広場と花木広場の遊具の状況、そして住民への工事の周知、どうなっているのか、改めてお伺いしたいと思います。

○細川公園計画担当部長 遊具広場にあった老朽化した遊具は撤去し、その場所に健康器具を設置し、既に多くの方に利用されております。
 一方、花木広場については、幼児用遊具の設置を休止しており、本広場周辺に幼児用遊具はない状況となっております。
 このたびの工事の実施に当たっては、事前に近隣住民にはチラシを配布し、工事広報板を現地に設置したほか、ホームページで工事の状況を掲載するなど、丁寧に周知を図ってまいりました。

○佐野委員 ありがとうございます。今回陳情で取り上げられた公園の工事について、これまでの経緯や目的、そして現状についてお伺いいたしました。
 この現状を理解した上で議会として審査し、判断をしなければならないと思っています。
 審査に当たりましては、我々都議会議員として行政の行うことをしっかりとチェックすること、そして都民の皆さんの要望や意見をしっかりと都政に反映させていくこと、これらが当たり前の仕事であるわけでございますけれども、たまたまでございますけれども、私は、公園の計画、設計、そして施工も経験がありますし、一級造園施工管理技士、そして技術士を持っております。都の現場も経験したことがございますし、そういうような、ある意味ではちょっと専門的な見地を加えて判断できればなと思っております。
 そこでですけれども、結論から申し上げますと、都のこれまでの対応については、大きな問題、特にはないと理解しておりますし、樹木につきましては、立ち入ることで弱っていくというものではないのではないかというふうに考えています。
 また、広場の目の前には保育所がありますし、多くのお子さんが利用を待ち望んでいるという状況もありますので、工事を早期に再開して、計画どおり整備を進めるべきであるのではないかというふうに思っています。
 以下、もう少し詳しく陳情にあります理由について、それぞれ述べていければなと思います。といいますのは、やはり議会として、陳情に対して丁寧な対応をさせていただければと思っております。
 一つ目の陳情の理由で、樹木への悪影響ということなんですけれども、先ほどいいましたように、都の見解も子供が立ち入ることで弱るものではないということは、私もこれは現場を見て、また、これまで長年、造園に携わってまいりました経験からいうことで、調査するまでもないのかなというふうに思います。かといって、調査すれば、この樹木と踏圧の関係がわかるというものでもないと思います。
 現場の公園を見ますと、仙川沿いに大きな桜並木があるんですけれども、この沿路が桜の根元まで全部アスファルトで覆われているわけでございます。こういう状況というのは、非常に通気性も悪くなりますし、あるいは水の浸透性も悪くなると。
 こういうような状況でもたくましく生きる植物もあれば、同じく公園の西の北側から入っていくと仙川の右岸なんですけれども、新しく植えられた桜があるんですけど、これら何本かが非常に生育がよくない。これは、多分この植える前にも桜なんかが植わっていたのかもしれませんけれども、桜を植えた後にまた桜を植えるとどうしても育ちがよくないとか、あるいは枯れてしまうという桜特有の忌地現象とか、さまざまな現象がございます。
 皆さんご存じのとおり、畑なんかも輪作を行う。唯一、輪作しなくて済むのがお米でございますよね。毎年それはつくれる。いわゆる植物にとっては、土壌条件とかさまざま条件で、そこが快適なのかどうか、これはまた植物の個性によっても違ってきます。
 北側にある遊具の周りには、大きく育ったケヤキがございます。これは、遊具広場の中にあるわけですよね。一方、同じケヤキでも、スポーツ広場の横にある舗装されたところに植わっているケヤキは余り生育がよくないと。こういうようなさまざまな状況があります。
 こういうわけで、公園の中にもいろんな木があって、成育の違いもありますので、これが一概に子供が立ち入るために枯れるというようなことではないと私は理解をしています。
 また、次に、都の条例違反ではないかというような指摘について答えさせていただきたいと思いますが、そもそもこの地域、都市計画法でいう都市計画区域、そして市街化区域であります。その中の都市計画公園という位置づけで、造園の樹木、園芸種ですよね、こういう樹木を植えているわけでございますし、この樹木に対して自然保護の条例を適用するということは、ちょっと私は無理があるのかなというふうにも思っています。
 ご指摘の冬桜、あるいはヤマボウシ、これらは造園樹木として造園業者が生産して植えているわけでございますので、先ほど申し上げましたように、土壌の条件とかさまざまな条件で、いろいろ生育についてはあると思います。
 特にヤマボウシなんかは、先日、箱根へ行ったんですけれども、六月あたりは非常にきれいに咲くんですね。我が家にもヤマボウシが一本あるんですが、もうことしはアブラムシがべっとりついて、あるいは街路で使っているのを見ると、うどんこ病にかかったり、やはり都心に向かない一面もある木なのかなと理解しておりますし、桜は先ほどいったように、さまざまな園芸種があって、それぞれの生育状況、私も現地の二本見させていただきましたけれども、そういう状況があるのかなと思います。
 今申し上げたように、人工的な公園内、そして都市公園として利用されているわけでございますので、私は子供たちの遊び場機能というものを今回優先をしても十分いいのかなというふうには思っています。したがいまして、条例の違反ではないのではないかというふうに思っています。
 次に、計画や施工の手続の瑕疵があるのではないか、あるいは計画立案の過失があるのではないかということでございますけれども、事前説明が一部不十分だというような理由だけで工事の差しとめを求めることは、私は無理があるのではないかというふうに思います。
 説明を受けて納得して、さらには整備を望んでいる住民の方々、子供たち、また保護者も多いと聞いております。この陳情により、工事を一時停止した都の措置というのは、むしろ丁寧過ぎる対応ではないかとも思われますし、これによるマイナスの影響も大きいのではないかと思っています。
 今回の工事を含めまして都の事業は、議会で認められた計画と予算の中で行われておりますし、一定の説明もされた中で行われるわけでございますので、現状を見る限り、この予算執行における過程に過失が認められないと私は判断をさせていただきたいと思います。
 次に、都知事に出されました請願書に対する不誠実さということでございますけれども、この委員会でもそうですけれども、全く基本的なことでございますけれども、知事に提出された請願書の回答は、回答者が誰であれ、東京都の回答として知事が責任を負っているというふうに理解しています。
 この議会での執行部の答弁も同様でございますし、請願書は都の規定に従って処理され、その内容について記載漏れや不誠実さの指摘というのは当たらないと理解をしています。
 最後になりますけれども、遊具設置場所と健康器具の設置場所を入れかえようというご提案ですけれども、そもそもこの遊具広場と健康器具施設の入れかえについては、工事が中断している状況を憂慮して、早期の再開を願ってのものだと理解をしています。
 その上で、工事反対の解決策だということでございますけれども、既に健康器具は整備され、利用されています。これを壊すことは、経済的、時間的な無駄。そして、現在の計画の方が配置的にも空間的にもすぐれていることは明らかではないか。このまま早期に工事を再開、整備すべきものと私は考えておりまして、このことが妥当だと。
 したがって、本陳情については、早期の工事再開を求める願意のみを採択すべきと考えて、意見とさせていただきたいと思います。
 以上です。

○栗林委員 それでは、私からも、二一号、二七号、二八号とまとめて質疑をさせていただきたいと思います。
 祖師谷公園は、私が住んでいるところからすぐそばで、大変生活とも密着をしている都立公園なものですから、思いもございまして、ちょっと個人的感情も途中入ってしまわないように質問させていただきたいと思います。
 世田谷区内には都立公園が四つございますが、中でも大変自然を大事にしている。もともとは一部が東京教育大学農場跡地だったところだけに、そういったところで大変樹木を大事にするという、そういう思いが根づいているところなのかなとは思います。
 東京都が出されています、建設局さんの方で出されています祖師谷公園マネジメントプランの中にも祖師谷公園は総合公園であると。蘆花公園とか砧公園と連携した緑豊かな大地を形成して、公園の中央部には仙川が流れて、河川と公園が一体となっている。また、水辺風景が楽しめる公園であると。樹林地や原っぱを中心とした整備が進むことにより、緑のオアシスとして地域に親しまれる公園となっている。
 また、あわせて東京都の地域防災計画、また世田谷区の地域防災計画により、防災上の重要な位置づけにもなっているというふうにも挙げられておりまして、また、ゾーン別基本計画ということで公園内が幾つかのゾーンに分かれて、多目的広場ゾーン、遊具広場ゾーン、休憩、散策ゾーン、スポーツゾーン、水辺、親水ゾーン等々、そういうエリアにきちっと区切られて、目的を持って整備をされているというところも非常にいいところではないかと思います。
 初めに、基本的なことでございますけれども、都市公園にはさまざまな機能があると思いますが、どんな機能があるのか確認をさせていただきます。

○細川公園計画担当部長 都市公園は、自然環境の保全や都市の防災性の向上、良好な景観の形成、安らぎやレクリエーションの場の提供、豊かな地域づくりに資する交流空間など、多様な機能を担っており、都市の重要なインフラでございます。

○栗林委員 先ほどもちょっと触れさせていただきましたけれども、やはりさまざまな機能がある中で、災害時ということにも大変その機能が重要となってまいります。
 この都立祖師谷公園には、災害時にも重要な機能があると思いますけれども、実際、災害発生時にはどのような利用が想定されていますか。

○細川公園計画担当部長 祖師谷公園は、災害時には近隣から多くの住民が住宅火災等の延焼を避け、避難する場所であります。
 また、園内にある少年運動場は、ヘリコプター緊急離着陸場として、近隣医療機関への患者の輸送等の機能を期待されております。

○栗林委員 災害時の利用ということで、この祖師谷公園の持つ役割というのは地域からも期待が集まっているところで、マンホールトイレも二カ所ありますね。あと、かまどベンチも一基あったり、また応急給水槽も整備されています。樹木とか緑を守ると同時に、いざというときには災害拠点としても役に立つ公園ということで、そこもしっかり位置づけていかなければならないと思います。
 また、日常的には子供の遊び場であり、また、高齢者の皆様にとっては健康増進の運動の活動拠点にもなっているところでございます。
 今回、陳情いただいた場所も、非常に古い遊具があったところにもかかわらず、早朝から多くの高齢者の方が子供用遊具の雲梯というんでしょうか、あれにぶら下がって筋トレをしたりとか、大変そういう活動が活発になってきているところでございました。
 朝は祖師谷公園内、高齢者の方の幾つかのグループがラジオ体操をするとか、また筋トレをしたりとか、自主的に介護予防、健康増進、そういう取り組みを早朝五時ぐらいからやっていらっしゃるグループもありますし、そういった大変活発なところで、一カ所子供用の遊具を使って筋トレとかなさっている方も大分人数もふえてきて、そこで、やはり公園の遊具というのは安全が第一でございます。
 祖師谷公園の中で、今回工事で撤去されるまで、子供から高齢者までが既存の同じ遊具を利用していたわけでございます。その点、その区別というのは、なかなかこれは子供用ですといっても、やはり高齢者の方も利用されてきたんでしょうし、そういうような同じ遊具を今まで利用してきたという経緯があると思います。
 そういう背景を見ても、これまで都は、どのように遊具を整備してきたのか伺います。

○細川公園計画担当部長 これまで都は、国の法令や指針に基づき、子供を利用対象とする遊具を設置してきております。
 また、遊具が安全に利用されるよう、定期的に点検を実施するとともに、改修の際には、遊具の下にクッション性のマットを設置するなど、安全性の向上に取り組んできております。
 さらに、こうした取り組みに加え、近年、利用者ニーズを踏まえ、主として大人を利用対象とする健康器具の設置も進めております。

○栗林委員 今まで既存の子供向け遊具が撤去されて、そこに大人用の健康器具が設置をされたわけでございますけれども、本当に多くの方たちが新しく設置された健康器具で、また筋トレや運動を再開されて、大変喜びの声が届いております。
 九十代の方もいらっしゃったり、八十代の方が大半ですけれども、中には、今まで歩行器を使って移動して一人では歩けなかった方が、そこで毎朝、筋トレ、運動をすることによって、今は歩行器なしで歩けるようになりましたと、この場所は本当になくてはならない、我々の健康を維持するためにも、介護予防の環境をつくっていくためにも大変重要だよということを皆様口々におっしゃっていらっしゃいまして、好評でございます。
 また、この都立祖師谷公園は、まだまだこれから計画されるということで、用地買収が進められていますが、その用地買収された計画地域には暫定的な公園、そこにも小規模な健康器具等々も設置されている等々、大変皆様が健康というものを公園の中で取り組むという意識も向上しているのではないかと思います。
 今回、陳情にもあるのですけれども、既存の遊具を撤去した場所に健康器具を設置していただきました。そして、花木広場に幼児用遊具を設置することにしていただきました。もう一度その経緯を確認させていただきます。

○細川公園計画担当部長 本工事は、幼児用遊具とともに、主に大人が利用対象となる健康器具を設置するものであります。
 その配置場所の選定に当たっては、既存の遊具があった場所には段差があり、幼児用遊具がおさまる広さを確保できないことから、健康器具を配置し、花木広場に幼児用遊具を配置することといたしました。

○栗林委員 今回、候補地となった花木広場の幼児用遊具の設置場所は、先ほど佐野副委員長もおっしゃっていただきましたけれども、まさに保育園の目の前。その保育園も特区で、東京都が都立公園内に保育園が設置できるという、祖師谷公園と蘆花公園を設置場所として提供いただいた本当にモデルのような、また、建物もごらんになったら、あそこで子育て--保育園に入れたいという親御さんたちが本当に殺到するぐらいすばらしい保育園でございます。
 せっかくこの都立公園の中にできた保育園なんですけれども、やっぱり思いっ切り原っぱを走り回ったり、遊具がなくて遊べないというのはちょっとかわいそうだといいますか、何とかそれは、せっかく都立公園内にできているわけですので、やはりこれは何としても設置をしていただきたいと地域の皆様からもそういうお声をいただいていたところでございます。
 その設置場所というところ、工事が中止しているので、今フェンスで囲まれています。私も毎日のように通りますけれども、よく見てみますと、やっぱり木があるのは真ん中には一本で、ちょっとそばにもう一本あるという感じで、その根に問題があるとかいう場合は、その木だけを囲むとか、そういう工夫をすれば、この遊具の設置というものは問題はないのではないかなと、いつも通って見ておりました。
 周辺の方からも、なぜ早く再開してくれないのかというお声もいただいておりまして、夏は大変暑かったので、公園を利用する方も少なかったんですけれども、やはりこれから秋に向かって、本当に外遊びする機会にもなってまいります。何とか早期の工事の開始を求めるその声を、ぜひ反映していただきたいと思います。
 また、今回陳情された団体の皆様も、やはり熱心に祖師谷公園の樹木を大切にしていくというボランティア活動をされている方々だと思います。そういうご意見も大事に受けとめなくてはならないとは思いますが、陳情の中にありましたけれども、幼児用遊具の設置予定場所の近くには樹木がありますね。今回の整備工事で、この樹木はどういうふうになさるのか、それを確認します。

○細川公園計画担当部長 幼児用遊具は、樹木に配慮し、樹木の移植等の必要のない場所に設置することとしております。
 現在、幼児用遊具の設置予定場所近くにある冬桜は、以前から幹の腐れが進行し、弱ってきていることから、経過を観察しており、引き続き適切に維持管理してまいります。

○栗林委員 今回遊具が設置される場合は、樹木は伐採することなく、ちゃんと残して維持管理をしていくという、今ご答弁をいただきました。
 樹木の会ということで、陳情を出されている皆様も本当に一生懸命、熱心にボランティア活動、樹木の大切さを子供たちに教えたりとか、環境問題にも取り組んだりもされていらっしゃる団体さんではないかと思います。
 世田谷区は、みどり三三という、私がきょうつけている小さいバッジもそうなんですけれども、みどり三三、みどり率を三〇%つくりましょうという大変緑を大事にする、樹木も大事にして緑の保全と創出に頑張っていくという、そういうまちづくりも進めているところでございますので、こうしたご意見をいただいた団体さんと、この遊具設置をめぐって賛成とか反対とか、分断をするようなことには決してしてはいけないと思っております。
 樹木とか緑は、人の心を結ぶ役割も持っているかと思いますので、こういうお声を受けとめながらも、やはり問題がないということがわかった以上は、子供たちが一日も早く思いっ切り遊べるような環境をつくる、このことをお願いいたしまして、質疑とさせていただきます。

○田の上委員長 発言がなければ、これより採決を行います。
 初めに、陳情三〇第二一号をお諮りいたします。
 本件は、不採択とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○田の上委員長 異議なしと認めます。よって、陳情三〇第二一号は不採択と決定いたしました。
 次に、陳情三〇第二七号をお諮りいたします。
 本件は、不採択とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○田の上委員長 異議なしと認めます。よって、陳情三〇第二七号は不採択と決定いたしました。
 次に、陳情三〇第二八号をお諮りいたします。
 本件中、第一項を採択とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○田の上委員長 異議なしと認めます。よって、陳情三〇第二八号中、第一項は採択と決定いたしました。

○田の上委員長 次に、陳情三〇第三五号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○大庭三環状道路整備推進部長 お手元の資料3、陳情審査説明表の整理番号4、陳情三〇第三五号をごらんください。
 本件は、東京外環道のトンネルの本格掘進までに必要かつ十分な情報を求めることに関する陳情で、杉並区の外環道検討委員会・杉並代表の古川英夫さんから提出されたものでございます。
 その趣旨でございますが、第一に、東京外環道のトンネルの本格的な掘進を開始する前に、トンネルの地表部及びその周辺に住む住民に対し、安全・安心にかかわる必要な情報を提供するよう国及び事業者に求めること、第二に、東京外環トンネル施工等検討委員会が平成三十年三月二十三日付で公表した東京外環(関越-東名)トンネル工事の安全・安心確保についての考え方まとめに関する審議内容、録音記録、議事録等を公表するよう国及び事業者に求めること、以上の二点を実現していただきたいというものでございます。
 この要旨に対する現在の状況でございますが、外環道は、都心から約十五キロメートルの圏域を環状に連絡いたします延長約八十五キロメートルの道路でありまして、首都圏の交通や物流の根幹をなし、渋滞解消による国際競争力の強化や防災性の向上、地域の安全性確保などに資する極めて重要な道路でございます。
 このうち、関越道から東名高速間の延長約十六キロメートルにつきましては、国及び高速道路会社により整備が進められており、各ジャンクションで工事が本格化しております。
 都といたしましては、これまでも安全を最優先に工事を実施するよう国などに求めているところでございます。
 本線トンネルの本格的な掘進に当たりましては、平成三十年三月二十三日に学識経験者等で構成されます東京外環トンネル施工等検討委員会が、東京外環(関越-東名)トンネル工事の安全・安心確保についての考え方まとめを整理し、公開しております。
 国など事業者は、この考え方まとめを踏まえ、施工状況等のモニタリングや情報提供の方法、緊急時の住民への連絡体制などを検討した上で、トンネル工事の安全・安心の取組みのパンフレットを作成し、公開しております。
 さらに、この内容につきましては、本年七月四日から八日までの五日間、外環沿線の七会場で開催されましたオープンハウスにおきまして、沿線住民へ説明しております。
 東京外環トンネル施工等検討委員会につきましては、この検討委員会の規約によりまして非公開とされております。また、本委員会の議事録につきましては、議事概要として取りまとめられ、公開されております。
 説明は以上でございます。よろしくご審査のほどお願いいたします。

○田の上委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○三宅委員 陳情三〇第三五号についてお伺いいたしたいと思います。
 今回の陳情は、現在事業中の関越-東名間に関することでありますが、そもそも外環は、首都圏の物流など経済を根本から支え、また災害時の緊急輸送や迂回機能確保にも資する重要な道路であると考えます。
 我が党といたしましても、外環の整備は、首都東京が国際都市として成長し続ける上で重要な政策であり、これまでも一日も早い開通を求めてまいりました。本年六月に一部都内を含む千葉区間が開通したことで、残るは西側の区間のみとなっております。
 先月二十八日には、我が会派で安倍総理に直接会いまして、外環の整備促進を要望してまいりました。
 そこでまず、外環の整備状況についてお伺いいたします。

○大庭三環状道路整備推進部長 外環の整備状況についてでございましたが、外環につきましては、本年六月に一部都内を含む千葉区間が開通し、首都高速中央環状線の交通量が東側で約一割減少するなど、大きな効果が発揮されております。
 外環の関越-東名間は、国及び高速道路会社が整備を進めております大深度地下を利用するトンネル構造でありますが、各高速道路と接続するジャンクション部などで用地買収または区分地上権の設定を進めており、本年五月末までに八七%の用地を取得しております。
 工事につきましては、昨年二月に東名ジャンクションからシールドマシンが発進いたしまして、また大泉ジャンクション側でもシールドマシンの組み立てが進められるなど、各ジャンクションで工事が本格化しております。

○三宅委員 今のご説明で着々と準備が進められていることがわかりましたが、今回の陳情は、そのトンネル工事が本格化するに当たり、工事の安全・安心確保を都が国に求めるべきとの趣旨であります。
 そこでまず、事業者である国などは、安全・安心確保に向け、どのように取り組んでいるのかお伺いいたします。

○大庭三環状道路整備推進部長 国などの事業者は、学識経験者等で構成する外環トンネル施工等検討委員会のトンネル工事の安全・安心確保についての考え方まとめを踏まえ、トンネル工事の安全・安心確保の取組みのパンフレットを作成し、公開しております。
 この取り組みパンフレットは、施工状況をモニタリングしながら工事を安全に進めることや、工事の進捗状況や工事箇所周辺の影響についてお知らせすること、万が一に備え緊急時の対応を準備することなど、トンネル工事が本格化するに当たっての安全・安心確保の取り組みについて取りまとめたものとなっております。
 また、国など事業者は、この安全・安心確保の取り組みについて、本年七月四日から八日の五日間、外環沿線の七会場で開催されたオープンハウスで沿線住民に説明しているところです。

○三宅委員 安全・安心確保の取り組みをしっかり取りまとめ、沿線住民にも説明している、このような答弁でございました。私は、これは十分な対応をとっていると思っております。
 次に、都は国などに対し、これまで安全・安心確保にかかわる情報を住民に提供するよう求めているのか伺います。

○大庭三環状道路整備推進部長 都といたしましては、トンネル工事の安全・安心確保に寄与する情報を住民にお知らせすることは重要であると認識しております。
 都は、国など事業者と都による外環事業連絡調整会議など機会を捉え、十分な安全対策の実施や住民への適切な情報提供など、安全・安心確保の取り組みを進めるよう国に求めているところです。

○三宅委員 都も、そのような取り組みを求めているということはわかりましたが、外環の事業者である国やNEXCO東日本、中日本には、引き続き安全に工事を進めてもらいたいと思います。
 冒頭にも申し上げましたが、外環は非常に重要な道路であり、早期に整備することが不可欠であります。
 そこで、外環の早期整備に向けた都の取り組みについてお伺いいたします。

○大庭三環状道路整備推進部長 外環は、首都圏の交通や物流の根幹をなし、渋滞解消による国際競争力の強化や防災性の向上、地域の安全性確保などに資する極めて重要な道路です。
 都は、外環の関越-東名間を早期に開通させること、また、事業の実施に当たっては、安全を最優先に工事を進めることを国に求めているところであります。
 今後とも、一日も早い開通を国に求めるとともに、受託している青梅街道インターチェンジの用地取得を推進するなど、積極的に支援していきたいと思っております。

○三宅委員 都は、その用地取得を推進するなど、外環の整備促進、早期整備に向け、積極的に国などを支援していくということです。
 物流の強化、また地域の安全性確保、さらには災害に備え、残る関越-東名間の早期開通はもちろんのこと、まだ計画が具体化していない東名-湾岸道路間についても、早期に計画を具体化するよう要望し、質問を終わります。

○栗林委員 それでは、私の方から、東京外環道のトンネルの本格掘進までに必要かつ十分な情報を求めることに関する陳情について質疑をさせていただきます。
 私も長年、喜多見の東名ジャンクションの建設まで、地域住民の方々とさまざまな取り組みをともにさせていただいたこともあり、直接関係する地域住民の方々の不安というものは、本当にどれほど大きなものかということは大変理解するところでございます。
 外環の本線トンネル工事は、国内最大の直径約十六メートルのシールドマシンで大深度地下を掘削する非常に高い技術を要する工事であり、専門家の意見を踏まえて工事を進めていると聞いております。
 また、昨年二月に東名ジャンクションから発進したシールドマシンは、事業地内の掘進を行っており、今後、事業地外--私もここはあんまり理解していなかったんですけれども、事業地内は事業用地というか、きちっと用地を取得したところですね。そこでの掘進はもう始まっていますけれども、本格掘進というのは事業地外なので、住宅が建っているところとかにこれから掘進が始まるということでございます。
 そこで、この本格的な掘進に当たり、やはり住民の方たちが一番不安に思うのはここからのことでございますので、外環トンネル施工等検討委員会というものが整理をしたトンネル工事の安全・安心確保についての考え方まとめということを発表されましたけれども、それはどのような内容か伺います。

○大庭三環状道路整備推進部長 外環のトンネル工事につきましては、学識経験者等で構成する外環トンネル施工等検討委員会で最新の知見及び過去の事例を反映させ、検討が重ねられてきたところであり、十分な安全対策が講じられてきているとされております。
 理事ご質問のトンネル工事の安全・安心確保についての考え方まとめは、施工時の対応にさらに万全を期すため、そして、今後トンネル工事が本格化するに当たって、安全・安心確保についての考え方を整理し、公開されたものとなっております。
 この考え方まとめでは、施工時の安全対策として施工状況等のモニタリングを行い、異常がないことを確認し、状況に合わせ施工を管理しつつ工事を実施することが重要であるとされております。
 また、トンネル工事を行うに際し、安全対策を十分に行うことで地表面の安全性が損なわれる事象は生じないが、大深度地下を活用した初の道路事業であるとともに、大規模なトンネル工事を市街化された地域で行うことから、適切な情報提供や緊急時の対応を準備するなど、安心確保について取り組むことが望ましいとされております。

○栗林委員 専門家の見解では、この安全対策を十分に行うことでトンネル工事は安全だが、大深度地下を使った初めての道路事業であることから、安心の確保についても取り組むことが望ましいという、今ご説明がありました。そこが大変重要ではないかと思います。
 国などの事業者は、このトンネル施工等検討委員会の考え方のまとめを踏まえて、このトンネル工事の安全・安心確保の取組みのパンフレットを作成したとのことですけれども、それはどのような内容か伺います。

○大庭三環状道路整備推進部長 トンネル工事の安全・安心確保の取組みパンフレットは、外環トンネル施工等検討委員会での意見を踏まえ、この七月に外環工事の事業者である国及び高速道路会社が取りまとめたものでございます。
 この取り組みパンフレットでは、まず、施工状況をモニタリングしながら安全に工事を進めるとされており、通常の施工体制管理は、三段階の管理段階によりシールドマシンにかかる圧力や掘削量など施工状況のモニタリングを行い、異常がないことを確認し、施工管理しつつ工事を実施することとされております。
 また、シールドマシンの位置など、工事の進捗状況や工事箇所周辺への影響について、ホームページなどでお知らせするとされております。
 さらに、万が一に備えての緊急時の対応を準備するとしており、トンネル内に掘削土以外の土砂等が大量流入するときを緊急時とした上で、事業者、工事関係者が二十四時間体制で現地情報を収集することや、緊急時には警察や消防、区市など関係機関と連携し、住民に速やかにお知らせするとされています。
 なお、国など事業者は、この取り組みパンフレットをホームページで公開するとともに、本年七月四日から八日の五日間、外環沿線の七会場で開催されたオープンハウスで沿線住民に説明しております。

○栗林委員 パンフレットでは、住民への情報提供の方法とか、万が一に備えての緊急時の対応など、安全・安心確保の取り組みについて、具体的にしっかりとまとめられたというご報告がありました。
 これがパンフレットだと思いますが、でもこれは紙なんですね、パンフレットは紙なんです。これを本当に生きたものにしていくのは、今オープンハウスのご説明がありましたけれども、担当していただいている、やはりそこにいらっしゃっている国の担当者、NEXCOの担当者等々の方たちが、どれだけここに書かれている安全対策、安心対策をやるかという、そこにかかっているのではないかと思いますので、より一層丁寧に沿線住民に対応を行っていただきたいと思います。
 本陳情の一つ目の願意は、安全・安心にかかわる情報を住民に提供するよう国に求めることとございます。
 都はこれまで、安全・安心にかかわる情報提供を国など事業者にどのように求めてきたのか確認させていただきます。

○大庭三環状道路整備推進部長 都といたしましては、トンネル工事の安全・安心確保に寄与する情報を住民にお知らせすることは重要であると認識しております。
 都は、国など事業者と都による外環事業連絡調整会議など機会を捉え、十分な安全対策の実施や住民への適切な情報提供など、安全・安心の確保の取り組みを進めるよう国に求めてきているところでございます。

○栗林委員 都としては、トンネル工事の安全・安心確保に寄与する情報を住民に知らせてきたということでございます。
 また、都は、国などの事業者と外環事業連絡調整会議など機会を捉えて、十分な安全対策の実施、また住民への適切な情報提供など、安全・安心の確保の取り組みを進めてきたということでございますが、さらにより積極的な、そういう情報提供を求めていっていただきたいと思います。
 また、本陳情の二つ目の願意は、外環トンネル施工等検討委員会の審議内容を公表するよう国に求めることとございます。
 規約で非公開となっているとの説明でございますが、非公開となっている理由について伺います。

○大庭三環状道路整備推進部長 学識経験者等で構成する外環トンネル施工等検討委員会は、トンネルの構造、施工技術等に関する技術的な検討を行うことを目的とし、国など事業者が設置しているものでございます。
 この委員会につきましては、率直な意見の交換が不当に行われるおそれがあることや、民間企業の知的財産にかかわるものも含まれることなどから、検討委員会の規約で非公開とされているものでございます。
 しかしながら、議事録につきましては議事概要として取りまとめられ、公開されており、今回のトンネル工事の安全・安心確保についての考え方まとめなど検討結果についても取りまとめられ、公開されているところでございます。

○栗林委員 委員会の議事については議事概要として公開をして、検討結果についても公開されているということでございました。
 やはり企業秘密だとか、さらに、この事業の安全性から外部に漏れてはちょっと困るような内容等々もあるかと思いますが、議事概要を細かく、できるだけ明らかに公表され、公開するということを引き続きしっかり求めていただきたいと思います。
 次に、トンネル工事の安全・安心確保の取り組みに関してでございますが、東名ジャンクション周辺の野川において気泡が発生して、工事ヤード内で地下水が流出する事象が起きていると聞いています。国など事業者の対応状況について伺います。

○大庭三環状道路整備推進部長 本年五月から東名ジャンクション周辺の野川で気泡が漏出し、また、六月に工事ヤード内で地下水が流出した事象でございます。現在は、事象そのものは確認されていないと聞いております。
 国など事業者は、発生メカニズムの推定や河川内の水質、気体の成分などの調査を行ってきており、その結果についてホームページで公開するなど、適宜情報提供をするとともに、本年七月四日から八日の五日間、外環沿線の七会場で開催されたオープンハウスでも沿線住民に説明しているところです。
 それによると、気泡漏出及び地下水流出は、シールド工事で用いる空気のごく一部が人工的な穴のすき間を通って上昇し、河川では気泡として漏出し、工事ヤード内ではその空気が地下水とともに流出したものであるとされています。
 また、地中から漏出した空気は、周辺環境に影響を与えるものではなく、有識者にも確認しているとされております。
 国など事業者からは、安心確保のために空気の漏出状況をモニタリングするとともに、工事ヤード内において、空気の漏出を抑制する方法を検証しているところであると聞いております。

○栗林委員 ただいま安心確保のためというご説明がございました。今、安心確保のためというお言葉がございましたけれども、やはりこういうちょっとした変化でも敏感になっています。不安になります。こういう情報提供、本当にしっかり、その状況を捉えながら、引き続いて対応していただきたいと思います。
 実は、地元の世田谷の区議会議員も対象に、二回に分けて現地調査、視察、説明会があったと聞いております。そこに参加した区議会議員からも話を聞きましたけれども、やはりかなり詳しく、いろんな質疑の中で、安全対策が今しっかりされようとしているということは理解ができたということを申しておりましたけれども、こういう対応が大変大事ではないかと思います。やっぱり近くにいる人たちにより早くこういったことを伝えていく。一層取り組んでいただきたいと思います。
 野川で発生している気泡については、周辺環境に影響を与えるものではないとのことですけれども、住民の安心確保のためにも、引き続き、国、また事業者には適切な情報提供を要望させていただきます。
 それでは、最後の質問をさせていただきます。
 外環は、交通渋滞の解消や、迅速かつ円滑な物流に資するとともに、災害時に救命、復旧活動を支える道路となるなど、非常に重要な事業であり、早期に整備する必要があります。一方で、工事の実施に当たっては、住民の意見をしっかり聞いて進めることが重要です。
 そこで、安全・安心確保に向けた都の今後の取り組みについて伺います。

○大庭三環状道路整備推進部長 外環は、首都圏の交通や物流の根幹をなし、渋滞解消による国際競争力の強化や防災性の向上、地域の安全性確保などに資する極めて重要な道路でございます。
 都としては、引き続き国など事業者に対し、十分な安全対策の実施や住民への適切な情報提供など、安全・安心の確保を図りながら、一日も早く開通するよう求めていく所存でございます。

○栗林委員 国など事業者は、専門家の意見を聞きながら、工事の安全・安心確保の取り組みを進めているということでございます。
 沿線住民にもしっかりと情報提供をしていただきたいと、さらに要望いたします。
 この外環道は、首都の大動脈であると同時に、やはり日本を結ぶ接続道路でもございます。そういう国を挙げての大きな事業を推進するに当たって、やはりそこの影響を大きく受ける住民の方たちに対しては、協力していただかなくてはならないと。そういった中で、丁寧過ぎるほど丁寧に、そして正確に情報をお知らせしていくということが一番大事ではないかと思います。
 私も東名ジャンクションのとき、あの周辺の方たちと一緒に行動しながら、前にもお話しさせていただきましたけれども、やはり人生を変えるような大きな選択をしていただき、そういう変化、そういった中でご協力いただく事業でございます。ですから、絶対に失敗は許されないという大事業ではないかと思います。
 不安があれば、不安をあおるのではなくて不安を安心に変えていく、その努力を切にお願いして、意見といたします。

○田の上委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後二時三十三分休憩

   午後二時五十分開議

○田の上委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。

○原田委員 陳情第三〇第三五号に関しての質疑を行わせていただきます。
 本陳情の趣旨は、一、住民の安全・安心にかかわる必要な情報を提供するよう国及び事業者に求めること、二、外環トンネル施工等検討委員会が三月二十三日付で公表した東京外環トンネル工事の安全・安心確保についての考え方まとめに関する審議内容を公表するよう国及び事業者に求めることというものです。
 こうした本陳情の趣旨に大きくかかわる事態が、現在、大深度地下シールドトンネル工事の現場で起きています。それは、地下水の地上への噴出、酸欠空気の漏出という事態です。先ほども他の委員から質疑がありましたが、初めてこの問題を議会で取り上げることになるという、そんな日となりました。
 酸欠空気や地下水の噴出が、原因不明、予測不能の状態で起きたことは極めて問題です。東京都は、都民の安全にかかわる重大事態として受けとめねばなりません。
 陳情の趣旨に沿って、大きくは、東京都が国との情報共有に努めているか、避難計画策定にどうかかわってきたのかについて詳細にお聞きしたいと思います。
 まずは、大前提として、都の姿勢を確認したいと思います。
 第二回定例議会、我が党都議団の代表質問に都技監は、安全を最優先に工事を進めていくものと答弁されています。
 改めて確認しますが、住民の安全にかかわる問題が生じたときは、工事の進捗状況よりも住民の安全を最優先に行動するということは約束できますね。

○大庭三環状道路整備推進部長 外環は、首都圏の交通や物流の根幹をなし、渋滞解消による国際競争力の強化や防災性の向上、地域の安全性確保などに資する極めて重要な道路でございます。
 都といたしましては、外環の関越-東名間を早期に開通させること、また、事業の実施に当たっては、安全を最優先に工事を進めることを国に求めているところであります。
 都としては、引き続き安全を最優先に工事を実施するよう国に求めていく所存です。

○原田委員 私は、工事の進捗状況よりも住民の安全を最優先にするつもりがあるかを聞きました。今の答弁は少し回りくどい答弁だったと思いますので、念押しで聞いておきたいと思います。
 確認しますが、住民の安全にかかわるような事態が起きた場合、工事の進捗状況に支障が出たとしても住民の安全を最優先にすると。当たり前のことなんですが、そうした姿勢は堅持されますね。

○大庭三環状道路整備推進部長 先ほど答弁させていただきましたとおり、都としては、引き続き安全を最優先に工事を実施するよう国に求めていく所存です。
 工事の安全確保につきましては、国など事業者が主体的に判断すべきものと考えてございます。

○原田委員 今の答弁にもありましたが、先ほども安全最優先という言葉、二度も出てきましたが、同時に、国に任せるという言葉も二度出てきたんですね。すごく気になる表現です。
 念のため聞きますが、東京都のいう安全最優先というのは、まさか国だけが責任を負うものだと、国に任せればいいと、東京都は外環計画における住民の安全についてはチェックすることも何もするつもりはないという、まさかそういった姿勢ではありませんよね。

○大庭三環状道路整備推進部長 都といたしましては、引き続き安全を最優先に工事を実施するよう国に求めてまいります。
 また、都といたしましては、そういった状況について、適時適切に情報を収集して把握したいと考えております。

○原田委員 昨年十一月九日の環境・建設委員会質疑におきまして、三環状道路整備推進部長はこういっています。都としましても、安全確保が最優先ということはもちろんそのとおりでございまして、さまざまな工事の状況については把握してまいりたい、そう答弁しています。
 西倉局長、現都技監も、トンネル施工等検討委員会の中で、住民の安全・安心確保のために、さまざまな項目についてデータをとりながら、安全・安心最優先で進めていくということになっておりまして、その中に東京都も委員として入ってございますと答弁されています。
 トンネル施工等検討委員会は第三者機関ではありませんので、そのまま納得するわけにはいきませんが、それでも都としては、そうした機関を通じて、単に国任せではなく、都の職員も安全・安心のために努力する姿勢なのだということで、答弁に変わりはないか、都技監、冒頭聞いておきたいと思いますが、どうですか。

○大庭三環状道路整備推進部長 私が外環の担当の部長でございますので、私の方から答弁させていただきたいと思います。
 東京都といたしましては、施工等検討委員会の委員でもございます。そういった状況について、適時適切に情報を収集して把握してまいりたいというふうに考えております。

○原田委員 国任せにすることなく、適時適切に東京都も情報収集して取り組むんだと、まずはそれを大前提として確認しまして、今起きている事象については、具体的にお聞きしていきたいと思っています。
 冒頭、少し詳細に現場の様子など私なりに指摘をしますが、何分難しい分野の話ですので、わかりやすく進めるためにも、他の委員や傍聴者にはご容赦いただきたいなと思っております。
 五月十四日、地下水が地上の旧観測井戸から噴出しました。次の日、五月十五日には、野川から大量の気泡が噴出しているのが発見されました。(パネルを示す)これがそのときの気泡の写真なんですが、本当は映像を出したかったんですけれども、これはなかなかわからないと思うんですけれども、映像で見ますとジャグジーです。もうお風呂のジャグジーみたいな状況でぼこぼこ出ていまして、この写真なんかは水面から十センチ以上、泡が飛び上がっています。カエルの泡が何か下からぷくぷく浮いてくるようなのとは、全くわけが違うんですね。ぼこぼこぼこぼこという、そういう噴出の仕方をしているんですね。
 地下のトンネル工事に由来する空気だとすると、それは酸欠空気かもしれない。それはトンネル工事にかかわる人間であれば、局長だってすぐにぴんとくるはずなんですね。
 一九六〇年代から一九七〇年代にかけて、地下トンネルにおける圧気工法という工法により、酸欠事故が頻発しました。掘削中の地盤の崩壊を防ぐため、圧力を坑内にかけて掘り進む工法なんですが、そのときに土中に押し込まれた空気自体、この空気自体は酸素を十分に有しています。しかしながら、この土中に押し込まれた空気が地上に上がる途中、鉄分を含んだ土が、その空気中の酸素と結合してしまって酸素だけが奪われていく。その空気だけが上に行って、酸欠空気ができ上がってしまうという現象が起きるんですね。
 この酸欠空気が地下室やトンネル、井戸などに吹き込むと事故の原因となります。事故のメカニズムや対処法もはっきりしているにもかかわらず、事故件数はどんどんとふえ、一九七一年には年間で百四十七件の事故という大変な状態に陥りました。当時は、マスコミも大々的に取り上げ社会問題となり、ウルトラマンシリーズウルトラマンエースには、酸欠怪獣ギタギタンガという怪獣まであらわれたほどでした。
 最大の被災者を出した一九七一年、当時の労働省は酸素欠乏症等防止規則をつくり、同年、当時の環境庁からは酸欠空気による住民の被害の防止についてとする通知が各都道府県知事、政令市市長宛てに通達され、酸欠の危険性のある環境にさらされた労働者や住民を守るように厳しく定めています。
 現在、事故件数は、地下水の環境や工法の改善などにより減少していますけれども、油断をすればいつでも牙をむくのが酸欠空気です。トンネル工事によるものではありませんけれども、実は昨年も五件の酸欠事故が発生し、五人が被災、そしてその全員、五人が死亡しています。一たび事故が起きれば重大な被害をもたらす。それが酸欠事故です。
 そこで、今回、野川で噴出した酸欠空気の危険性がどれぐらいのレベルだったかを確認したいと思います。
 私たちが暮らしている環境の通常の空気が大体二一%。この二一%を下回り、一八%を下回ると酸欠空気というふうに名づけられる。一六%までいった段階で頭痛や吐き気、集中力が極度に落ちます。一二%、目まい、筋力低下。八%、失神、昏倒、七から八分後に死亡。六%は瞬時に昏倒、呼吸停止、六分後には死亡。これは厚生労働省が出している基準ですね。
 肝心の野川で噴出した酸欠空気の濃度は何%だったか。何と検出結果は、最大で六・四%、最少で一・五%、瞬時に昏倒、死に至る重大な酸欠空気だったというわけです。
 そこでお聞きします。
 酸欠空気が発生していることを都はいつ確認したか、それは誰から誰に伝えられたものであったのかお答えください。

○大庭三環状道路整備推進部長 お尋ねの件でございますけれども、本年六月二十九日に気泡漏出に係る周辺環境への影響の調査結果の速報について連絡がありました。その中で、気泡の酸素濃度は低いものの、水中の既存酸素量は高いとの報告がありました。

○原田委員 今の六月二十九日という日付は、ちょっと驚くべき答弁だと思っています。
 事実確認ですが、五月十五日に確認された野川の気泡噴出。その後、国とNEXCOは、五月二十三日に六・四%という殺人空気とも呼ばれる酸欠空気であることを確認しています。その後、酸素濃度一・五%の驚くべき数値を記録したのが六月十八日、二十五日、二十六日。それなのに、五月二十三日で酸欠空気だとわかっているのに、東京都に連絡が来たのは六月二十九日だったと。五月二十三日の時点で、国は参考値としてでも東京都に伝えなかったことになると。
 先ほど調査結果の速報が届いたといっていましたけど、速報は本来だったら五月二十三日に届くはずじゃなかったんですか。なぜ一カ月以上も報告がおくれたのか都は確認しましたか。問題とは思いませんか。

○大庭三環状道路整備推進部長 本年六月二十九日に気泡漏出に関する周辺環境への影響の調査結果が速報で連絡があったものでございます。
 この中では、さまざまな水質調査結果などとあわせ、先ほど申し上げましたような気泡の酸素濃度は低いものの、水中の溶存酸素量が高いというお話をいただいたものでございます。

○原田委員 私の質問をよく聞いていただきたいんですが、なぜ一カ月以上も報告がおくれたのか。東京都に届けられた調査結果は速報ではないんですよ。なぜ速報が一カ月以上もおくれたのか、都は確認をしましたか。

○大庭三環状道路整備推進部長 しておりません。

○原田委員 いま一つ驚いたのは、住民周知の遅さです。住民が、正式にこの数値を知ったのは八月二十四日です。なぜこれだけの問題を国は三カ月以上住民に知らせなかったのか。東京都に届いたのが一カ月以上おくれたのも確認をしていなかったのですから、住民に周知がおくれたのも、恐らく東京都は確認していないでしょう。
 さらにもう一つ、東京都は、なぜ六月二十九日に驚くべき酸欠空気の速報値を知りながら、住民への周知を行わなかったのか。これも重大問題ですよ。はっきりとお答えください。

○大庭三環状道路整備推進部長 この外環事業につきましては、国等事業者が責任を持って進めている事業であるというふうに考えてございます。
 国など事業者は、気体自身の空気成分、空気の酸素濃度は低いということを確認しておりますけれども、漏出している空気量は大気に比して微量であり、周辺環境に影響がないことを確認していると聞いております。
 以上です。

○原田委員 大気にまざったから薄まったので大丈夫だと国がいっているので信用して、それを住民には知らせなかったんだという答弁でよろしいですね。そうじゃないというんだったら、後で否定をしてください。
 酸欠空気の噴出はもうおさまったと報告を受けているとのことだが、収束はいつであるという報告を受けていますか。

○大庭三環状道路整備推進部長 都といたしましては、事業の安全・安心にかかわる情報提供は、これまでも求めているところであります。そうした中で、国が一義的な責任を持ち、対応しているものと考えてございます。
 空気の漏出、気泡の漏出はどうなったのか、報告を受けているのかというご質問でございましたけれども、七月下旬以降は確認されていないというふうに聞いております。

○原田委員 六月二十八日、原因不明で地下水がヤード内から噴出した日と同じ日に、シールドマシンはとまっています。
 古いボーリング孔を通って、気泡シールドのごく一部から漏れ出たにしては、六月二十八日にもうシールドはとまっているのに、七月の下旬ぐらいまで気泡が確認されていたということですね。改めてちょっと聞いておきたいと思います。

○大庭三環状道路整備推進部長 先ほど申し上げましたように、七月下旬以降は気泡の漏出は確認されていないというふうに聞いています。これについては、日常的なやりとりの中で、七月下旬以降は確認されていないと聞いているものでございます。

○原田委員 つまり七月下旬までは確認されていたということですよね。今後の参考にさせてもらいたいと思います。
 酸欠空気が噴出していることは、野川から噴出した気泡を見ることで確認することができました。
 しかし、野川以外に酸欠空気が噴出している可能性はないのか。水の中だったらわかるわけですよ。水じゃないところで噴出するから酸欠空気は怖いんですけれども、調査を国はしたんでしょうか。していなければ、今からでもさせるべきだと考えますけれども、建設局の見解をお願いします。

○大庭三環状道路整備推進部長 建設局の見解ということですので、三環状道路整備推進部長の私から答えさせていただきます。
 安全・安心に事業を進めることは、一義的に国など事業者の責務であると思ってございます。
 都としては、工事箇所周辺への影響について住民にお知らせすることは重要であると認識しており、適切な情報提供など住民の安全・安心確保に向ける取り組みについて、引き続き国に求めていきたいというふうに思ってございます。

○原田委員 だから、一義的に安全・安心確保の責任は国だと、一義的に。それはわかるんですよ。
 だから、国や事業者が、酸欠空気の漏出が野川以外になかったのかどうか調べたんですかと、それを聞いたんですかと聞いたんです。もう一度お答えください。

○大庭三環状道路整備推進部長 お尋ねの今後そのような工事の中で……(原田委員「今回調査をしたのかと聞いたんです。国は調査をしたのか」と呼ぶ)もう一度いいます。安全・安心に事業を進めることは、何度も繰り返しになってしまいますが、一義的に国など事業者の責務であります。
 そういった観点から、事業者は、今後の工事に当たっても、適切に確認しながら工事をしていくと考えております。

○原田委員 今の答弁ではだめです。一義的に国の責任なのはわかりましたから、だったら、その一義的な責任を負っている国が、酸欠空気の噴出がほかのところでも出ていないかどうかチェックをしたのかを聞いているんです。

○大庭三環状道路整備推進部長 今後の工事に当たって、そうした空気の流出などについても、事業者は適切に確認しながら施工をしていくというふうに認識しているところでございます。
 そういった観点では、都から、そういった調査をするとかしないとか、そういったものではなく、国が適切に対応していくものと認識しております。

○原田委員 じゃ、少し変えたいい方にしますけど、つまり、今、国は調査をしていないということですか、それとも東京都として、そんな大事なことを確認していなかったという答弁なのか、どっちですか。

○大庭三環状道路整備推進部長 都としては、安全に工事を進めることが重要であるというふうに考えております。
 そういった観点から、適切な調査、情報提供を含め、安全・安心に向けた取り組みを引き続き機会を捉え、国等に求めてまいりたいというふうに考えてございます。

○原田委員 これまで部長は、さまざまな工事の状況については把握してまいりたいと。似たようなことは、トンネル施工等検討委員会を通じて情報も獲得していくんだということを当時の局長もおっしゃっているんですが、今の答弁からすると確認していませんね。
 実際は、近隣の地下室等を調査したという情報も聞くんですけれども、実際どのレベルでどれだけやったのかがわかっていないんです。まずはやったかどうかだけでも私は聞きたかったんですが、それも出てこなかったことに正直驚いています。ちょっと調査しておいてください。野川以外の酸欠空気の噴出について、国は、事業者は調査をしたのかどうか、ちゃんと確認しておいてください。それで教えてください。
 先ほども示したように、一九七一年、当時の労働省は、酸素欠乏症等防止規則をつくり、一九八二年には同規則基発四百七号において、圧気工法等による酸欠空気が発生する危険性のある場合は、ここ大事なんですけど、半径一キロメートルにわたって井戸や地下室等の調査を行うことを定めました。
 さらに同じ年、当時の環境庁からは、酸欠空気による住民の被害の防止について、労働者ばかりでなく、地域の住民の被害の防止についてとする通知が各都道府県知事、政令市長宛てに通達され、圧気工法により酸欠空気の生活環境への漏出のおそれがあった場合、区市町が事業者または施工者に対して酸素濃度測定をさせ、住民への周知徹底を指導し、事業者が不適切な施工により酸欠空気にかかわる被害の生ずるおそれがあると認められるときは、建設大臣、国交大臣に適切に措置をとるよう要請することを求めています。
 労働省規則、環境省の通達に則して、今回の事態に対し、どのような措置をとるべきと東京都は考えているのか。

○大庭三環状道路整備推進部長 先ほどのご質問は、酸素欠乏症等防止規則の件だと理解してございます。二十四条の中で、圧気工法に関する措置といったものが位置づけられております。
 外環の工事に際して、国など事業者は、各種法令、通達に従って工事を適切に進めていると考えてございます。
 なお、今回の工事に関しては、外環で採用されている工法は圧気工法に該当せず、ご指摘の規則、これが酸素欠乏症等防止規則第二十四条や環境省の通達の対象とはならないというふうに聞いているところでございます。

○原田委員 圧気工法等に当たらないといいましたけど、先ほど私が示した一九八二年の規則基発四百七号は、圧気工法と定めてなく、圧気工法等によると書いてあるんですね。それらによって酸欠空気が発生する危険性のある場合はとなっているんです。
 そもそも酸素濃度一・五%の酸欠空気が地上に出て、そうした場合、法にあるかないかとかそんなことを考える間もなく、東京都としては、住民の安全第一、最優先だと先ほどから語っているんですから、こうした酸欠防止規則の手続にのっとって、何がしかの動きをしなきゃいけなかったんじゃないんですか。
 そう思ったら、東京都は、国に酸欠の調査をしたのかも確認もしていないし、必要な情報もとろうともしていなかった。あげくの果てに、国が、酸欠防止規則には今回の工法は当たらないので、酸欠空気は確かに出ちゃっているけれども、必要な手続はしなくていいというのをそのままうのみにして帰ってくると。それでどうやって都民の安全・安心を守るのか私は非常に心配なんです。
 今回の酸素濃度の危険性を国やNEXCOはどのように認識しているのか、その認識に対する都の見解を伺おうと思いましたが、先ほどいったように、気体自体の空気成分は確かに物すごい酸欠なんだけれども、漏出している大気に比べて微量だと。だから周辺環境には影響がないんだということを確認しているということなんですけど、私は、それを東京都がいうのは、さっきいったようにちょっと驚くべき答弁だと思うんですよね。
 酸素欠乏症等防止規則を見ると、酸欠空気がたまった危険箇所は空気の入れかえを行うこととされているように、酸欠空気が大気にまじれば安全になるのはわかり切っていることなんです。それをもって、今回の酸欠空気の噴出は、すなわち安全と認識することは全くの見当違いなんですね。
 そこで確認したいんですけれども、吹き出した空気の酸素濃度が低いことは確認しているけれども、量が大気に比べて微量だから周辺の環境には影響がないんだということなんですが、噴き出した空気の酸素濃度自体は、大変危険な水準だということはお認めになるんですよね。

○大庭三環状道路整備推進部長 国などの事業者は、気体自体の空気成分の簡易測定において、その酸素濃度は低いということを確認しておりますが、漏出している空気量は大気に比して微量であり、周辺環境に影響がないといったことを有識者に確認しているというふうにされております。

○原田委員 大気に比べて微量だというのは閉塞されていない空間での話でして、シールドマシンから生まれて土の中でつくり出される酸欠空気は、閉塞されていない空間にしか絶対に行かないという保証がどこにあるんですか。
 酸素欠乏症等防止規則に書いてあるように、井戸やボーリング孔の跡などにそういうのがたまるんだと、だからそういうところを調査せよということが書いてありますよね。そういう危険性は、東京都としては全く感じていないということなんですか。

○大庭三環状道路整備推進部長 まず最初に、この工事につきましても、各種法令、通達に従って適切に工事を進めていると考えてございます。
 そうした中で、今回の空気、気泡につきましては、河川の気泡は、地下のシールド工事の掘削時に用いる空気のごく一部が途中の空気の通り道に集まり、箇所から漏出したものであるとされているところでございます。気体自体の空気成分は低いけれども、漏出している空気量は大気に比して微量であり、周辺環境に影響がないことを有識者に確認しておるところでございます。
 さらに、国など事業者は、気泡漏出箇所周辺の地下室等で酸素濃度を念のため測定しており、問題がないことを確認しております。

○原田委員 地下室等を念のため確認していると。念のためというより、酸欠空気が出たら必ず見なきゃいけないんでしょう。
 先ほど各種法令、規則を遵守しているといいましたけど、じゃ、何を遵守しているんですか。具体名を挙げてください。

○大庭三環状道路整備推進部長 さまざまな工事に関しての法律があると思います。例えば、労働安全衛生法などであると思います。

○原田委員 労働安全衛生法、それに基づいてつくられた酸欠に関しての規則が、先ほど示した酸素欠乏症等防止規則なんです。もう常識の範囲でしてね。危険な工事に関しては、酸欠空気を出してしまうおそれのある場所ではこれを守って多くのところが工事を進めるし、これを守らなかったところで大変な事故が毎年起きてしまっているんです。そういう事故にさせちゃいけないでしょうという話をしているわけですよね。
 事業者の見解は専門家に聞いてとのことですが、それは誰で何を専門とした人物か教えてください。

○大庭三環状道路整備推進部長 どのような専門家というご質問でございました。国からは、トンネル工学等の専門家というふうに聞いております。

○原田委員 それはトンネル施工等検討委員会の委員ですか。トンネル工学の専門家といっても、酸欠防止規則に詳しいわけではないですよね。詳しい人なんですか。

○大庭三環状道路整備推進部長 先ほど答弁させていただきましたとおり、今回のシールド工事で採用されている工法は、この酸素欠乏症等防止規則二十四条の対象とならないというふうなことだと聞いております。

○原田委員 だとすると、先ほどおっしゃった酸欠に関しては、何の法令に基づいて、どんな規則に基づいて対処しているというんですか。さっき衛生法としかいわなかったですけど、規則は何ですか。

○大庭三環状道路整備推進部長 繰り返しになりますけれども、酸素欠乏症等防止規則の二十四条の対象とはならないということでございます。
 一方で、今回の事象に関しましては、国など事業者は、そのメカニズムの推定や周辺環境に及ぼす影響などを調査し、その結果について有識者に確認をしているというふうに聞いております。

○原田委員 そうはいっても、こうやって厚生労働省も、なくそう酸素欠乏症、硫化水素中毒といって、本来はここにある、小っちゃいんですけど、致死率が高く非常に危険と赤い字で呼びかけていて、作業環境測定、換気、送気マスク等の呼吸用保護具の使用など、措置を適正に実施すれば発生を防ぐことができますといって、さまざまな安全対策をいろんなところでやっているんですよね。
 教育機関みたいなものもできていたり、資格もあるんですけれども、先ほどからなぜか、今回の工事は予防規則には当たらないんだと。でも、法令や規則にはのっとっているんだと。その名称は出てこないんだと。本当に酸欠対応しているんですか。
 実は、先ほどこのジャグジーのような泡がわあっと吹き出ている(パネルを示す)この酸素濃度一・五から六・四ですよ。予防規則には、噴出口に顔を近づけちゃいけないと。吸って昏倒ですからね。だから口を近づけちゃいけませんよといっているんですけど、これは小っちゃいんですけど、職員がそこの泡の上で、そのまま酸素マスクもつけないで調査をしているんですよね。大丈夫なのかなという話になっているんですけど、作業取扱主任者みたいなのが現場にいますか。

○大庭三環状道路整備推進部長 国の方において、また工事関係者において、そうした法令、規則を遵守し、工事を進めているものと認識してございます。

○原田委員 マスクをつけないで噴出口の調査をしていいんですか。

○大庭三環状道路整備推進部長 この外環の工事の事業者及び工事関係者が、法令に基づき適切に対応しているものと考えてございます。

○原田委員 つまり東京都は、これだけの酸欠空気が出ているにもかかわらず、現場がちゃんと対応したかどうかを確認していないということがわかりました。
 先ほど、地下室等を念のため確認しているなどの怪しい情報が出てきましたけれども、それをちゃんと確認してください。何件で、それから現場からどれだけ離れたのか。
 圧気工法というのは、本当に物すごい圧力をかけますから、半径一キロにわたって確認をするということになっていますけれども、今回、皆さんが示したメカニズムによると、そこから上がった圧縮空気が砂れき層に入って、砂れき層の中にわあっと広がって、野川の薄い部分にだけ出てきたんだといういい方をされていますから、私は平気で数百メートルとかその砂れき層を伝って行っちゃうお話なのかなと思って、そうじゃないというんだったらどうなんだろうなとか、すごく気になるわけですよね。
 国がどういう対応をしたのか、調査をしたのか早急に調べて、ここの場で答えられるようにしてください。
 酸素欠乏症等防止規則基発四百七号が指摘する半径一キロ圏内の調査という厳しい規定はどこから来るのかというと、実は、酸欠事故が頻発した時期、千メートルを超えた場所で死亡事故が何件も起きているんです。
 新宿駅ビルの揚水井戸を掘っていた作業員は、現場から千百メートル離れた圧気工法由来の酸欠空気を吸い込んで五名が被災、二人が死亡しました。池袋のビル建設では、何と酸欠空気が千二百メートル離れた圧気工法由来で発生、井戸を掘っていた二名が被災し、一人が亡くなりました。こうした、一キロ以上離れていても酸欠空気が届いてしまうという現象がすごく頻発していたんですよね。
 今回、絶対に地上には影響ないと、この工法は安全だと、問題ないといっていたはずなのに、酸欠空気が想定外に上に出てきてしまいました。どこまで調査すべきだと部長は考えていますか。

○大庭三環状道路整備推進部長 まず、今回の外環のシールド工事で採用されている工法は、圧気工法ではないというふうに聞いておるところでございます。
 その上で、国など事業者は、周辺環境の調査をしながら、影響がないことを確認しながら工事を適切に進めていくものと考えております。

○原田委員 圧気工法であろうがなかろうが、酸欠空気が地上に出てきてしまっているんです。その立場で部長には答えていただきたいと思うんですね。
 こうなってくると、トンネル施工等検討委員会の重みはますます重大になってきたといわざるを得ません。
 地中拡幅部工事などの技術的な難題を背負わされながら、住民の安全・安心の確保にまで目を光らせなければならないと。そんなことは不可能じゃないかと思うんですけれども、そんな重職に東京都代表として新たに着任されたのが三環状道路整備推進部長と。
 三環状道路整備推進部長は、今年度から国交省から派遣され新しく着任されたとのことなんですけれども、まず、都の職員として、外環計画を担当するに当たり、そしてトンネル施工等検討委員会に出席するに当たり、住民の安全を最優先とする都の姿勢についての認識と決意を語っていただきたいと思います。

○大庭三環状道路整備推進部長 外環は、首都圏の交通や物流の根幹をなし、渋滞解消による国際競争力の強化や防災性の向上、地域の安全性確保などに資する極めて重要な道路でございます。
 そうした中で、都の政策としては、これまでも外環の関越-東名を早期に開通させること、また、事業の実施に当たっては、安全を最優先に工事を進めることを国に求めてきたところでございます。
 都としては、引き続き安全を最優先に工事を実施するよう国に求めていくところでございますので、三環状道路、外環を担当いたします私、三環状道路整備推進部長といたしましても、外環の関越-東名を早期に開通させること、また、事業の実施に当たっては、安全を最優先に工事を進めることを国に求めていきたいというふうに思ってございます。

○原田委員 力強かったかどうかは置いておいて、安全最優先にというのを最後に語っていただいたと。
 去る五月二十三日、地下水と気泡噴出から一週間ほどで、これは迅速だったような気がします、第十六回トンネル施工等検討委員会が開催されました。
 当日は、どのような議題であったのか。そして今、決意を語られた三環状道路整備推進部長は、委員会において何を質疑したのか教えてください。

○大庭三環状道路整備推進部長 まず、五月二十三日に開催されました第十六回の検討委員会では、東名ジャンクション周辺の野川水面で観察された気泡についての報告があり、その原因として、シールド工事で用いる空気の一部が、わずかな地面のすき間を通じて地上に漏出しているものと考えられることを確認したとされております。
 また、七月三十一日に第十七回検討委員会が開催されましたが、こちらは、議題が東名ジャンクション周辺の野川の気泡漏出と地下水流出についてでございました。
 これらにつきましても、議事概要が公開されておるところでございます。

○原田委員 今の答弁では、部長が何をその場で発言したのか、必要な資料の収集を求めたのか、データの公表を求めたのかさっぱりわからないんですね。地下水の噴出や酸欠空気の噴出という事態を受けて、部長はどのような質疑をして帰ってきたのか。
 局長がこの間トンネル施工等検討委員会の中で、都の職員が、住民の安全・安心確保のために、さまざまな項目についてデータをとりながら、安全・安心最優先で進めていくと答弁しているんですけれども、もちろんさまざまなデータの収集や住民周知に対して意見を述べてきたのだろうと思いますが、その内容を聞かせてほしいんですね。

○大庭三環状道路整備推進部長 東名ジャンクション周辺の気泡漏出、地下水流出について検討委員会で扱われたのは、先ほど申し上げました五月二十三日の第十六回検討委員会と七月三十一日の第十七回検討委員会でございます。これでの議事概要につきましては、ホームページで公開されているとおりでございます。
 では、委員としてどうしたのかというご質問ですが、委員としての見解や認識は、外環トンネル施工等検討委員会の場であらわすべきものでございます。また、委員として知り得た情報は、規約により守秘義務を課せられていることもあり、この場では控えさせていただきたいと思います。

○原田委員 さまざまなモニタリングデータの収集、それから公表、そういうのが外環は本当にないんですね。そういうのを、そういう閉じられた場で、部長が都民にかわって聞いてくることになっているんです。
 ところが、今はそういうことも含めていえないんだみたいになって、ブラックボックスじゃないですか。それじゃあ、住民の側に立って何を質疑してきたのかさえ語れないのでは、本当に心もとないんですけれども、国とNEXCOの説明によると、野川の気泡は、古いボーリング跡がシールド孔まで延びており、それをシールドマシンが貫いたため、その跡を伝って砂れき層で圧縮空気を拡散させたというわけです。
 そのボーリング跡が、実はどこから出てきているのかがさっぱりわかりません。(パネルを示す)これですね。野川になぜ気泡ができたかというと、この五十メートルから六十メートルもあるんですか、ボーリング孔があって、そこをシールド孔が貫いちゃったと。だから、ここの気泡シールド工法の泡がここを伝って上まで行っちゃったと。なぜかここの砂れき層でそのボーリング孔は開放になっていて、砂れき層に充満して、野川に出ましたよということになっているんですね。
 さて、このボーリング孔はどこにあるんですか。

○大庭三環状道路整備推進部長 ご指摘のボーリング孔は、国が公表している気泡漏出及び地下水流出推定メカニズムの調査結果によりますと、五月十五日から発生した気泡が漏出した付近に、過去のボーリング調査孔が存在していることを確認したというふうにされております。

○原田委員 だから、そのメカニズムの物すごい大きな柱なんですよ。そこのボーリング孔跡はどこにあるんですか。ボーリング孔は確認しているんですか。というか、そんなもの本当にあるんですか。

○大庭三環状道路整備推進部長 ご指摘のボーリング孔がどこにあるのかというご質問に関しましては、先ほどと同じ答弁になってしまいますが……(原田委員「じゃあいいです」と呼ぶ)はい。どこに過去のボーリング調査孔が存在しているのかをどう示していくのかについては、国など事業者が判断するものと考えております。

○原田委員 部長、あなたは国の職員じゃないんですよ。今、東京都の職員なんです。東京都を代表して、都民を代表してトンネル施工等検討委員会に出ているんですね。
 今、このメカニズムが信頼されるかどうかのすごく大事な根拠が問われているわけです。あとの観測井戸とかは全部位置がわかるのに、ボーリング孔がどこにあるのか、なぜボーリング孔だけは示されないのか。これはトンネル施工等検討委員会で、そのデータ、位置とかを出せといえますね。

○大庭三環状道路整備推進部長 メカニズムの公表において、気泡が漏出した付近に、過去のボーリング調査孔が存在しているということは確認したとされております。
 また、その位置がどこにあるのかというのを表現するかどうかにつきましては、国など事業者が判断するものと考えてございます。

○原田委員 これは本当にボーリング孔跡を貫いてやったのか、もしかしたら、やっぱり大深度地下トンネルを掘っていく中で、重大な圧力をかけざるを得なくて、どうしても酸欠空気が出ざるを得ないような地下空間の環境になってしまっているのかというのを分ける、めちゃくちゃ大事な資料なんです。
 部長は、このボーリング孔がどこにあるかを確認すべきだと思うんですけれども、部長じゃ答弁になりません。都技監、確認させてください。

○大庭三環状道路整備推進部長 担当している部長である私から答弁をさせていただきたいと思います。
 この気泡が漏出した付近に、過去のボーリング調査孔が存在していることを確認したとされているものの、どう表現するかは、国など事業者が判断するものと考えると……(原田委員「確認するつもりがあるのかないのか答えてください」と呼ぶ)はい。そういう観点においては、工事の安全対策は事業者である国、高速道路会社の責務であると考えております。
 そうした中で、工事の状況や周辺環境への影響に関する情報提供は重要だと思っております。そういった中で、適切に国が対応していくのではないかと考えております。

○原田委員 都技監、これ重要な資料なんです。都技監はこれまで局長のときに、必要な情報は、安全・安心にかかわる情報は、しっかりとトンネル検討委員会で、都の職員がちゃんと情報収集してくるんだとおっしゃってきたでしょう。
 ところが、今、国から来た部長は、事実上、確認するつもりがないと答弁をしました。これをそのまま放置できるんですか。都技監、答えてください。

○大庭三環状道路整備推進部長 この気泡漏出及び地下水流出推定メカニズムの中において、五月十五日から発生した気泡漏出については、その付近に、過去のボーリング調査孔が存在していることを確認しましたとされています。そして、このメカニズムの中におきましては、どこに気泡漏出があったのかといったことが示されているところでございます。
 そういった意味で、適切に表現されているのではないかと思います。

○原田委員 はっきりと答えてもらいたいんですけれども、トンネル施工等検討委員会で確認するつもりはないということですか。
   〔大庭三環状道路整備推進部長発言を求む〕
〔原田委員「都技監、部長じゃ無理だよ。資料の提供ですよ。向こうが出している……」と呼ぶ〕

○田の上委員長 原田委員、発言は挙手をしてお願いいたします。(原田委員発言を求む)でも、指名しましたので部長が先に答弁されます。

○大庭三環状道路整備推進部長 気泡漏出及び地下水流出推定メカニズムの調査結果の中で、適切に国の方で判断して、表現されているのではないかというふうに考えておるところでございます。

○原田委員 重大な姿勢、答弁ですよね。さまざまな工事の状況については、トンネル施工等検討委員会を通じて把握をしてまいりたいといったにもかかわらず、国が出している今回の酸欠空気の噴出、地下水の噴出メカニズムについて、その重要なデータの一つ、ボーリング孔がどこにあるのか、それを示せない国、それに対して、示せと要求することもできない東京都、これは重大に都民の信頼を失うことになるんじゃありませんか。都技監、気泡の噴出、そして地下水の噴出がさらに重大な事態へと発展していっています。
 六月二十八日の地下水噴出は、古井戸かボーリング跡などの人工的な穴とされています。さっきのは五月十四日の噴出です。今度、六月二十八日というのが重大です。これは何の変哲もない地面から突然水が湧いてきたんです。これについては、人工的な穴が確認されたとされていますが、外環道沿線には、かつて掘られた井戸の跡が無数にあります。
 酸欠空気の取り扱いについて、先ほどの労働省令、酸素欠乏症等防止規則第二十四条基発四百七号によると、古井戸やボーリング孔跡などは、事前に調査しておかなければならないとされているんですね。
 国やNEXCOは調査をする姿勢を持っているのか。東京都は当然調査を求めるべきだと考えますが、いかがでしょうか。

○大庭三環状道路整備推進部長 繰り返しのお答えになってしまうかもしれませんけれども、今回、外環で採用されているシールド工法は、ご指摘の酸欠防止規則の二十四条の対象とはならないと聞いております。ということで、これに基づく調査は求められていないところでございます。
 しかしながら、事業者におかれましては、工事の安全・安心の確保のために必要な調査などはしていくものと考えてございます。

○原田委員 六月二十八日の地下水噴出がなぜ大事かといいますと、先ほどの五月十四日の地下水噴出は、ボーリング孔を通ってきたんだというふうにいっているんです。これは見つからないんですけど、このボーリング孔が。
 ただ、六月二十八日は深刻でして、噴き出した人工的な穴は、せいぜい十メートルないんじゃないかといわれている。要は、ここのシールド孔内には到達していない。本来だったら空気を通しにくい。これは国がつくっている資料ですから、国として、北多摩層、空気を通しにくい土丹層といっているにもかかわらず、そこでとまっている人工的な何らかの穴に、ここの酸欠空気が下から湧いてそこに入り込んでしまったという説明になっているんですね。
 そうすると、これ、どうするんだろうなと。気泡シールド工法で進めば、空気を通しにくい層まで含めて空気は上に上がってきてしまうと。それを認めることになっちゃうんですね。
 そこでお聞きするんですけれども、さっきのボーリング孔跡だとボーリング孔を通ってきたんだから、それは上まで来るよと。でも、本当はこのボーリング孔なんて本当にあるんですかと。土丹層をそのまま上がってきちゃったんじゃないんですかという心配も沸き起こってくるわけでしょう。だからボーリング孔跡はどこにあるんだと聞いているんです。
 もしかしたら、土丹層を酸欠空気がせり上がってきて地上に出てしまっているんじゃないのか。これはもう気泡シールド工法をやり続ける限り、外環沿線全てで発生する現象になる可能性があります。
 なので、お聞きするんですけれども、事業者による地下水噴出のメカニズムの説明によると、六月二十八日、土丹層を空気が通ってきたという認識で間違いないか。

○大庭三環状道路整備推進部長 国が公表している気泡漏出及び地下水流出推定メカニズムの調査結果では、地下のシールド工事の掘進時に用いる空気のごく一部が北多摩層まで到達している人工的な穴のすき間を通って上昇して、工事ヤード内では、土砂で閉塞されていた人工的な穴の下部に漏出した空気が集まり、圧力が上昇して地下水とともに地上に流出したものと考えられることを有識者に確認しているとされているところです。

○原田委員 今のは物すごくわかりにくいですけれども、要は、ここの土丹層まで到達している人工的な何らかの管に土丹層を通って酸欠空気が集まって、それが噴出したんだと。
 こんなばかでかいものが通っていて、こんな小っちゃな穴にごくごく一部の漏れ出た酸欠空気がわざわざ集まっていって、全部噴出したと考えにくいじゃないですか。この土丹層の中に、今、大量の圧力と酸欠空気が拡散しているんじゃないですか。
 ごく一部だというふうにおっしゃいましたが、だとすれば、その根拠を知りたいですよね。ごく一部とした根拠は本当にあるんでしょうか。

○大庭三環状道路整備推進部長 この外環で採用されている気泡シールド工事では、気泡の空気は、基本的には掘った土、掘削土とともにマシン内に取り込まれるものというふうに聞いております。
 どのように表現するかは国の判断ですけれども、気泡シールド工事では、気泡の空気は、基本的に掘削土とともにマシン内に取り込まれるというふうに聞いております。

○原田委員 ごく一部しか漏れ出なかったんだと。大多数は掘削土と一緒に取り込んだというのにもかかわらず、物すごいピンポイントで、その穴に目がけて酸欠空気が集まって飛び出したと。上の地上付近も土丹層といいますか、水を通しにくいしっかりした土ですから、それを吹き飛ばすほどの圧力がそこにかかったということなんですよね。ごくごく一部の空気が本当にそこに集まったんでしょう、その説明から行くと--考えにくい。
 さらに、六月二十八日にシールドはとまったはずなのに、先ほど聞いていると、七月下旬ぐらいまで気泡の確認があったと。ずっと出続けていると。この酸欠空気がどういうふうに発生しているのか、本当に部長は、トンネル施工等検討委員会で確認しなきゃいけませんよ。
 大体取り込んでいるんだというお話がありましたけど、気泡シールドというのは、シェービングクリーム状の泡を掘削土にこうやって押し当てて、土をジェル状にして中に取り込んで、それがすごく便利なんですよね。
 その気泡はほとんど回収したというんですけれども、まず、どれぐらいの総量を注入して、どれぐらい回収できているといえるのか。野川に噴出した量はどれぐらいだと見ているのか。そこら辺も計算したからごく一部だという表現が、こんな議会でも答弁できているんでしょうね。

○大庭三環状道路整備推進部長 国の方の工事でございます。国等の事業者が一義的に責務を持って進めていると思います。
 気泡の空気は、基本的には掘削土とともにマシン内へ取り込まれるものと聞いているところでございます。

○原田委員 さまざまな工事の状況については、トンネル施工等検討委員会で把握してまいりたいという答弁をいただいておりますので、改めて委員会で、このシールドマシンがなぜ酸欠空気をこれだけ出してしまったのかのメカニズムを知るのに大事な議論となっておりますので、都議会議員から、委員から資料の提供を求められましたので、部長は、しっかりとトンネル施工等検討委員会において、大体これまで準備掘進の中でどれだけの注入剤を出したのか。そして、どれだけを取り込んで、どれだけが上に流出したのか。それがあるからごく一部という表現をしているんですから、そのデータを出しなさいと確認してきてください。よろしいですね。

○大庭三環状道路整備推進部長 気泡シールドの工事では、気泡の空気は、基本的には掘削土とともにマシン内に取り込まれるものと聞いているところでございます。
 もっとも都としては、安全に工事を進めることが重要と考えておりますので、適切な情報提供を含め、安全・安心に向けた取り組みを引き続き機会を捉えて、国等に求めていきたいというふうに考えております。

○原田委員 今の答弁は重たいですから、委員長もぜひ証人になっていただいて、次回事務事業概要などの前に、今の答弁がちゃんと資料として提供されるように、委員長からも厳しく指摘をしておいていただきたいと思います。
 国など事業者は、安心確保のため空気の漏出状況をモニタリングするとともに、工事ヤード内において、空気の漏出を抑制しながら掘進する方法を検証しているというふうに聞いております。
 現在の工法で、酸欠空気の発生を抑える技術を示せないでいるのは重大事態だと思うんですけど、都の認識を示してください。

○大庭三環状道路整備推進部長 まず、地中から漏出した空気は、周辺環境に影響を与えるものではなく、有識者にも確認しているとされているところでございます。
 その上で、国など事業者は、発生メカニズムの推定、気体の成分調査結果を公表し、工事を安全に進めているところでありますけれども、安心確保のために空気の漏出状況をモニタリングするとともに、掘進時に使用する材料や圧力を調整するなど、空気の漏出を抑制しながら掘進する方法について、工事ヤード内において検証しているところであるというふうに聞いております。
 都としては、工事は安全に進んでおり、引き続き安全を最優先に工事を進めていくものと考えております。

○原田委員 今、酸欠空気が出ないようにいろいろ検証しているということなんですけれども、八月三十一日に何と準備掘進はスタートしているんです。
 つまり、今の答弁とあわせますと、掘進をしながら、酸欠空気をまき散らしながら、どうやったら酸欠空気が出ないようにできるかなと検証していると。これはもうほとんど住宅街と自然環境を実験台にした、とんでもないことだと思うんですけれども、そういうことですね。掘進をしながら検証しているということですね。

○大庭三環状道路整備推進部長 まず、地中から漏出した空気は、周辺環境に影響を与えるものではなく、有識者にも確認しているとされております。
 そうした上で、国など事業者は、工事ヤード内において、安心確保のために空気の漏出を抑制しながら掘進する方法について検証しているというふうに聞いておるところでございます。

○原田委員 あらかじめ予測して万全の体制で臨むという状態から、もはやかけ離れまして、想定外の事象が起きて、現場で酸欠空気をまき散らしながら、どうにかして酸欠空気の発生をとめるための検証を掘進しながら考えていると。恐るべき事態じゃありませんか。
 これも気になるんですけれども、地下四十メートルから六十メートルというすさまじい土圧と水圧だと思うんですが、五気圧くらいになるんですか、これに対抗する注入圧というのは、どれくらいで掘進してきたんでしょうか。掘進しながら、先ほど減圧をして検証するといっていましたけど、現在どのぐらい土圧を下げて工事をしているんですか。もともとはどのぐらいの気圧でやっているんでしょう。
 私は、結局大深度であれだけ大きなものを動かす限り、実は土圧はそれほど下げられないんじゃないかと心配になるんですけれども、どうなんでしょう。

○大庭三環状道路整備推進部長 現在は、推進時に使用する材料や圧力を調整するなどして、空気の漏出を抑制しながら推進する方法について検証しているというふうに聞いているところでございます。

○原田委員 こういうことは、事業者が掘進を始めるよというときに、まさに部長や課長が現場に聞いてきて、きょうこの場に立ってもらいたいわけですよ。
 気泡シールドの起泡剤の変更は、今しているんですか、していないんですか。

○大庭三環状道路整備推進部長 現在は、工事ヤード内において、推進時に使用する材料あるいは圧力を調整するなど、空気の漏出を抑制しながら掘進する方法について検証しているというふうに聞いているところでございます。

○原田委員 工法の変更は、現時点で考えていないということですか。

○大庭三環状道路整備推進部長 国など事業者は、工法自体を変更することではなく、推進時に使用する材料や圧力を調整することなどにより、空気の漏出を抑制しながら掘進する方法を検証しているところであるというふうに聞いております。

○原田委員 これは本当に住民の安全最優先の工事の進め方なんですか。住民の安全より工事を進めるのが最優先になっちゃっているんじゃないんですか。
 改めてお聞きしますけど、酸欠空気や地下水の地上への噴出は、想定内の事象なのか想定外の事象なのか、都の見解をはっきり示してください。

○大庭三環状道路整備推進部長 工法の採用あるいは工事の展開につきましては、国など事業者が責任を持って行い、安全を最優先に工事を進めていると考えております。

○原田委員 今起きている事態は想定内なのか想定外なのか、はっきり答えてください。

○大庭三環状道路整備推進部長 工事の展開につきましては、国など事業者が責任を持って行っておると認識しております。

○原田委員 都技監にもお聞きしたいですよね。安全最優先の工事の進め方といっておきながら、地上に地下水や酸欠空気が噴出する事象が起きてもシールドはとめない、そういう国やNEXCOのやり方に対して、都技監は安全最優先という立場からどのような見解をお持ちですか。答えてください。

○大庭三環状道路整備推進部長 基本的なスタンスについてお尋ねがありました。
 東名ジャンクション周辺の野川で気泡が漏出し、また工事ヤード内で地下水が流出した事象でございますけれども、国など事業者は、発生メカニズムの推定や河川内の水質、気体の成分などの調査を行ってきており、その結果について、ホームページでの公開、オープンハウスでの説明などをしているところでございます。
 国など事業者からは、安心確保のために空気の漏出情報をモニタリングするとともに、工事のヤード内において、空気の漏出を抑制する方法を検証しているところであるというふうに聞いております。
 そういった観点から、国等の事業者が安全・安心に工事を進めているところというふうに考えてございます。

○原田委員 ほかにもいろいろ聞きたいことはたくさんあったんですけれども、今後の議題としていかなければいけないなと思っています。
 事業者みずからが世界最大規模の難工事であるとし、住民の不安が高まっている外環計画にもかかわらず、他の事業ではあるはずのデータの公表がなく、他の事業ではつくられたことのある第三者機関もないと。
 そうした国の姿勢に対して、東京都もまともに情報の収集、都民への情報提供という住民の願いに応える立場に立てていないことが本当に大変残念です。
 住民の間に不安が一層高まるのは当然であり、陳情の訴える趣旨は至極当然のことであります。地上部へこれだけの影響を与えながら、安全にかかわる第三者機関の設置もなく、都もまるで他人ごとのような振る舞いと。そして、これまで経験したことのない難工事が重なると。事故が起きる危険性を高めていると指摘せねばなりません。
 ここに加えて、所管の委員会までもが安全・安心にかかわる情報の提供を呼びかけた陳情に背を向けるとなれば、都議会議員としての、委員会としての責任もいずれ問われることになるんだということを述べさせていただきまして、本陳情には採択を呼びかけて、質疑を終わりたいと思います。

○田の上委員長 発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○田の上委員長 起立少数と認めます。よって、陳情三〇第三五号は不採択と決定いたしました。
 以上で陳情の審査を終わります。
 以上で建設局関係を終わります。
 なお、本日審査いたしました陳情中、採択と決定いたしました分につきましては、執行機関に送付し、その処理の経過及び結果について報告を請求することにいたしますので、ご了承願います。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後四時二十二分散会

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