環境・建設委員会速記録第七号

平成三十年六月二十二日(金曜日)
第九委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長田の上いくこ君
副委員長佐野いくお君
副委員長河野ゆりえ君
理事栗林のり子君
理事関野たかなり君
理事三宅 正彦君
平  慶翔君
西郷あゆ美君
やながせ裕文君
田村 利光君
宮瀬 英治君
原田あきら君
保坂まさひろ君
小磯 善彦君

欠席委員 なし

出席説明員
環境局局長和賀井克夫君
次長吉村 憲彦君
総務部長谷上  裕君
環境政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務若林  憲君
政策調整担当部長松本 明子君
地球環境エネルギー部長小川 謙司君
都市エネルギー推進担当部長村山  隆君
環境改善部長筧   直君
環境改善技術担当部長近藤  豊君
自然環境部長須藤  栄君
緑施策推進担当部長金子  亨君
資源循環推進部長松永 竜太君
調整担当部長スーパーエコタウン担当部長兼務風祭 英人君
建設局東京都技監建設局長兼務西倉 鉄也君
次長片山  謙君
道路監三浦  隆君
総務部長今村 篤夫君
用地部長政策調整担当部長兼務関  雅広君
道路管理部長杉崎智恵子君
道路建設部長奥山 宏二君
三環状道路整備推進部長辻  保人君
公園緑地部長日浦 憲造君
河川部長村井 良輔君
企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務花井 徹夫君
総合調整担当部長鹿田 哲也君
道路保全担当部長加藤 直宣君
道路計画担当部長田中 慎一君
公園計画担当部長細川 卓巳君

本日の会議に付した事件
意見書について
環境局関係
付託議案の審査(質疑)
・地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した都民の健康と安全を確保する環境に関する条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例の報告及び承認について
建設局関係
契約議案の調査
・第百四十四号議案 新宿歩行者専用道第二号線Ⅲ期-一工区整備工事(三十 三-主四青梅街道)請負契約
・第百四十五号議案 街路築造工事(三十 二-補二十六三宿)請負契約
・第百四十六号議案 和田堀公園調節池工事その二請負契約
・ 第百四十七号議案 野川大沢調節池工事(その二)請負契約

○田の上委員長 ただいまから環境・建設委員会を開会いたします。
 初めに、意見書について申し上げます。
 委員から、お手元配布のとおり、意見書一件を提出したい旨の申し出がありました。
 お諮りいたします。
 本件については、取り扱いを理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○田の上委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○田の上委員長 次に、契約議案について申し上げます。
 契約議案は財政委員会に付託されておりますが、本委員会所管分について、議長から調査依頼がありました。
 本件については、調査結果を財政委員長に報告することになっております。
 公文の写しはお手元に配布してあります。
 朗読は省略いたします。

平成三十年六月二十日
東京都議会議長 尾崎 大介
環境・建設委員長 田の上いくこ殿
   契約議案の調査について(依頼)
 左記の議案について調査し、財政委員長にご報告願います。
     記
1 調査議案
 第百四十四号議案 新宿歩行者専用道第二号線Ⅲ期-一工区整備工事(三十 三-主四青梅街道)請負契約
 第百四十五号議案 街路築造工事(三十 二-補二十六三宿)請負契約
 第百四十六号議案 和田堀公園調節池工事その二請負契約
 第百四十七号議案 野川大沢調節池工事(その二)請負契約
2 提出期限 平成三十年六月二十二日(金)

○田の上委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、環境局関係の付託議案の審査並びに建設局関係の契約議案の調査を行います。
 これより環境局関係に入ります。
 付託議案の審査を行います。
 地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した都民の健康と安全を確保する環境に関する条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例の報告及び承認についてを議題といたします。
 本件については、既に説明を聴取しております。
 これより質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○田の上委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○田の上委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で環境局関係を終わります。

○田の上委員長 これより建設局関係に入ります。
 契約議案の調査を行います。
 第百四十四号議案から第百四十七号議案までを一括して議題といたします。
 本案については、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○今村総務部長 去る六月八日の当委員会において、契約議案に関して要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
 お手元の環境・建設委員会要求資料の表紙をおめくりいただきますと、目次に四件の資料の件名が記載してございます。
 一ページをお開き願います。新宿歩行者専用道第二号線Ⅲ期-一工区整備工事(三十 三-主四青梅街道)請負契約における入札経過でございます。
 この資料は、本請負契約における件名、落札者、落札金額、開札日、入札経過をあらわしたものでございます。
 二ページをお開きください。街路築造工事(三十 二-補二十六三宿)請負契約における入札経過でございます。
 この資料も、本請負契約における件名、落札者、落札金額、開札日、入札経過をあらわしたものでございます。
 三ページをごらんください。和田堀公園調節池工事その二請負契約における入札経過でございます。
 この資料も、本請負契約における件名、落札者、落札金額、開札日、入札経過をあらわしたものでございます。
 四ページをごらんください。野川大沢調節池工事(その二)請負契約における入札経過でございます。
 この資料も、本請負契約における件名、落札者、落札金額、開札日、入札経過をあらわしたものでございます。
 以上で要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○田の上委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本案に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○西郷委員 それでは、私から質問いたします。
 新宿歩行者専用道第二号線Ⅲ期一工区整備工事に関してお伺いをいたします。
 新宿駅周辺の移動を考えた際に、新宿駅東口側は、新宿駅から新宿三丁目駅までの区間にわたって地下道が整備されており、ベビーカーや車椅子利用者も安心して通行ができる状況です。
 一方で、新宿駅西口側は、新宿駅から地下鉄丸ノ内線西新宿駅まで地下道がつながっておらず、ベビーカーを押しながら地下の段差がある歩道や横断歩道橋を渡らなければならない状況です。
 そこでまず、今回の工事を含めた新宿駅西口側の地下歩行者専用道を整備する目的についてお伺いをいたします。

○加藤道路保全担当部長 新宿歩行者専用道は、新宿副都心の開発の進展に伴いまして増加する歩行者交通に対応することを目的として整備しているものでございます。
 これによりまして、JRなどの新宿駅や大江戸線都庁前駅、丸ノ内線西新宿駅などの各駅と周辺施設のアクセス性の向上、安全・安心で快適な歩行空間の創出が図られるものでございます。

○西郷委員 ありがとうございます。アクセス性の向上や快適な歩行者空間を、ベビーカーを押す方や車椅子を利用する方が安全で安心して利用するためには、地下歩行者専用道におけるバリアフリー化が大切です。こうした観点から見ると、エレベーターはバリアフリー化に有効な施設であると考えます。
 しかし、丸ノ内線の西新宿駅から地下歩行者道を新宿警察署方面に向かって歩いていくと、その先にあるエレベーターは突き当たりの壁に近い位置に設置されており、さらに、西新宿駅から見て裏側に出口があります。このエレベーターは、階段への動線も妨げる位置にあり、エレベーター利用者及び階段利用者の双方にとってわかりにくい位置に設置されております。
 そこで、どのような理由からこの位置にエレベーターを整備したのかを伺います。

○加藤道路保全担当部長 新宿歩行者専用道は、道路下の地下鉄丸ノ内線や電力管、水道管などを避けた位置に整備をされてございます。
 その出入り口のエレベーターや階段につきましては、地上の歩行者の通行を妨げない場所に設置してございます。
 なお、現在設置されているエレベーターの向きにつきましては、今後整備される新宿駅方面の歩行者専用道路に接続した際の歩行者動線を配慮して、出入り口部が新宿駅側となるよう配置しているものでございます。

○西郷委員 地下歩行者専用道の整備がまだ途中の段階では、こうした状況はやむを得ないことであると理解しましたが、今回工事する区間においては、エレベーターをどこに設置するのかをお伺いいたします。

○加藤道路保全担当部長 今回整備する区間では、歩行者動線を考慮し、新都心歩道橋下交差点の北側の歩道部に出入り口を設け、エレベーターを設置する計画としてございます。

○西郷委員 それでは、今回工事する区間について、これまでの進捗状況と今後の見通しについてお伺いをいたします。

○加藤道路保全担当部長 今回整備する区間は、平成二十六年度に着工し、これまで掘削工事などを進めてきました。今回工事では、歩行者専用道の躯体の整備などを実施することとしており、平成三十三年四月までの工期でございます。
 その後、エレベーターやエスカレーター、照明などの電気機械設備の工事を実施する予定となってございます。

○西郷委員 それぞれにご答弁ありがとうございます。今回の工事は、新宿駅の手前までですが、やはりあの地下歩行者専用道が新宿駅までつながるということで、ベビーカーを押す方や車椅子の利用者の方にとって、最大の効果を発揮するものと感じております。
 今回の工事の区間だけではなく、バリアフリー化に十分配慮して、全体の整備が早期に完成することを要望して、質問を終わります。

○栗林委員 それでは、私の方からは、百四十五号議案、街路築造工事補助二六、三宿の請負契約に関連して伺わせていただきます。
 私の地元世田谷の三宿に特定整備路線ということで、今回、この請負契約の議案が出たところでございます。
 今週の月曜日には大阪府で震度六弱の地震が発生するということで、本当に首都直下地震の発生が危惧される中、震災時に特に甚大な被害が想定される木造住宅密集地域の防災性向上は喫緊の課題でございます。
 特にこの三宿地域にも木密地域が多くございまして、やはりその住民の皆様からも期待の声、一刻も早く整備を進めてほしい、こういうお声を受けてきたところでございます。
 都は、平成二十四年一月に木密地域不燃化十年プロジェクトを策定し、不燃化特区の取り組みと特定整備路線の整備を進めてきていただいています。
 補助第二六号線、この三宿区間は特定整備路線に選定をされて整備が今まで進められてきたところでございます。この工事が着工に至るまでの用地の取得、また用地を提供する側も、また交渉に当たられる職員の方たちも、両方が大変ご苦労を重ねられてここまで至ることができたんだなという、そのご苦労の上に整備されるのが特定整備路線ということを考えますと、苦労の中から生まれた効果というものは、やはり皆さん、期待が大きいところではないかと思います。
 改めて、特定整備路線である補助第二六号線、この三宿区間の防災上の効果について確認をさせていただきます。

○田中道路計画担当部長 特定整備路線である補助第二六号線三宿区間は、震災時に特に甚大な被害が想定される木造住宅密集地域において、都民の生命と財産を守る重要な都市計画道路であり、大規模な市街地火災に対して延焼を遮断するなど、極めて高い防災効果を発揮するものでございます。
 加えて、避難路や緊急車両等の通行路となり、避難、救援活動の円滑化に寄与し、地域の防災性向上に大きな役割を果たすものでございます。

○栗林委員 本当に効果が期待されるところでございます。
 そうしましたら、具体的な延焼遮断効果、こういったところはどうあらわれていくのか、具体的な効果について伺います。

○田中道路計画担当部長 都では、特定整備路線のあり、なしによる焼けどまり効果を確認するために、東京消防庁の手法等を用いて、風向、風速、建物の状況などの条件を仮定して延焼シミュレーションを実施しております。
 その結果、補助第二六号線三宿区間の整備により、延焼面積が約六八%減少する結果となっております。

○栗林委員 六八%、本当に大きな効果が生まれるということが裏づけられたと思います。
 三宿・太子堂地区には、南に玉川通り、二四六、また北に淡島通り、そして西に茶沢通りというふうに、補助第二六号線三宿区間だけがまだ未完成ということで、ご苦労していただいた結果、やっとこの用地取得がほぼ完了したというところでございます。
 これは、関係権利者の皆様には、本当にこの交渉は大変だったと思います。一件一件丁寧に相手の方の要望も伺いながら進めてきた成果ではないかと思います。
 補助第二六号線三宿区間が整備されると、防災上の効果はもとより、電柱地中化、無電柱化とか、また良好な都市景観も生まれるわけでございます。
 住民の皆様からも、一刻も早く工事をしてほしいというお声が日増しに高まっておりまして、そういったところで着実に工事を進めていただきたいと思いますが、あわせて新しい道路ができるとともに、通過車両だとか、信号の設置だとか、そういう歩行者の安全性とか、そういったこともあわせて要望もいただいているところでございます。
 まち並みもきれいになり、安全性が高まっていくということは、地域の価値も上がっていくことに通じます。ぜひこの辺を丁寧にご対応いただきまして、本工事を着実に実施して、早期完成を要望させていただき、質問を終わります。

○宮瀬委員 どうぞよろしくお願いいたします。私からは、豪雨対策についてお伺いします。
 私も都議会議員になりまして五年目、六年目という段階でありますが、今まで数々の調整池及び水害に備えた豪雨対策の議案を見てまいりました。
 その中で、都度都度、今回の和田堀調節池、野川大沢調節池の議案も出ているんですけれども、今回の議案をどうしていくのかということもさることながら、木を見て森を見ずという言葉もあるように、全体がどうなっているのか、その中で、今回の議案がどういう位置づけになっているのかといったことを議論していきたいなと思っております。一つ一つの調節池は大変すばらしいものですし、皆さんプロフェッショナルでありますので、しっかりした工事ができると私も思っております。
 さまざまな住民ですとか利害関係の調整で時間もかかる事業でありますが、では、全体の中でのポジションを改めて確認していきたいと思います。
 一つ目でありますが、全体で区部の時間七十五ミリ、多摩の時間六十五ミリの雨量に対応するための和田堀公園調節池及び野川大沢調節池だと思っております。
 では、今回の議案は六十五ミリ対応、七十五ミリ対応のものでありますが、これは今までの中で何カ所目になるのでしょうか。それぞれお伺いいたします。
 また、昭和四十四年から、時間五十ミリ対応で今までずっと対応してきたと思います。今回七十五、六十五ミリ対応となったわけでありますが、五十ミリ対応はどこに行っちゃったのかなと思っておりまして、五十ミリ対応はもう既に完了したんでしょうか。まだ終わっていなければ、その延長を教えていただければと思います。

○村井河川部長 本体工事に着手いたしますのは、区部では工事中の環状第七号線地下広域調節池に続きまして、和田堀公園調節池が二カ所目に当たります。多摩では野川大沢調節池が初めてでございます。
 都内の中小河川の時間五十ミリの降雨に対する治水安全度達成率は、平成二十九年度末時点で八〇%でございます。残りの延長は六十五キロメートルでございます。

○宮瀬委員 七十五ミリ対応、六十五ミリ対応の施設としては二カ所目、多摩では初めてということでございます。五十ミリ対応は八掛けの達成率ということでありますが、となりますと、今回の和田堀調節池と野川大沢調節池の貯留量と工事期間、基本的なことだと思いますので、まずお伺いします。

○村井河川部長 和田堀公園調節池の貯留量は、一万七千五百立方メートルでございまして、事業完了は平成三十二年度の予定でございます。
 野川大沢調節池の貯留量は、既存の九万立方メートルを十五万八千立方メートルへ容量を拡大するものでございまして、事業完了は平成三十三年度の予定でございます。

○宮瀬委員 おおむね二、三年で完了するというところだと思います。十五万立方メートルと約一万七千立方メートルでありますので、合わせて大体の分量が十七万、十八万立方メートルということでございます。
 その数字が出たところで、私、問題提起したいんですけれども、中小河川における今後の整備のあり方検討会というものは、平成二十四年十一月に最終報告書が出ております。これ、熟読させていただきまして、この中で目標数値として、今後、区部では七十五ミリ対応、多摩部では六十五ミリ対応を目指すと書いてあるわけであります。その中には期限が明確に書いておりまして、この二四ページ、長期見通し、おおむね三十年後に六十五ミリ対応、七十五ミリ対応、その根拠も目的も明確に書かれております。
 といった中で、今回の二つの議案が、その全体の中で計画にどれぐらいの影響度を持っているのかということを確認したいと思います。
 つまり、この新たな目標整備水準に対しまして、先ほど数字も出ましたけれども、準備工事を含めて、現在工事に着手している調整池の箇所数と実際の貯水量はどうなっているのかお伺いします。
 また、着手済みも含めまして、現在計画されている調節池の総量と、それがあと何年で完成するのか伺いたいと思います。
 つまり、全体で六十五ミリ対応、七十五ミリ対応がどれぐらいの量が必要で、あとどれぐらい残っているのかということでございます。ご答弁お願いします。

○村井河川部長 現在、準備工事を含めまして工事に着手しております調節池は六カ所で、貯留量の合計は約百十万立方メートルでございます。
 また、現在、河川整備計画に位置づけられております新たな目標整備水準に対応した調節池の総貯留量は約四百七十万立方メートルでございます。
 整備は河川整備計画に基づき実施しておりまして、事業期間ではございませんが、河川整備計画の計画対象期間は、計画策定からおおむね三十年間としております。

○宮瀬委員 今の答弁をわかりやすくいいますと、全体であと四百七十万立方メートルやらなければいけない、既に着手しているのが百十万立方メートル、期間はおおむね三十年間ということであります。
 この三十年というのがポイントでありまして、国土交通省が平成九年の河川法改正に伴って、河川整備方針、河川整備計画ということで、各都道府県宛てに二十年から三十年後の河川整備の目標を明確にするということを受けて、先ほどのあり方検討委員会の報告書に落ち、それが具体化されて今回の計画になったと思います。
 となったときに、先ほど質問したように、大体一工事二年から三年かかるわけであります。七十五ミリ対応、六十五ミリ対応というのは、おおむね三十年間という期限が設定されておりまして、今まで、あと残り三百六十万立方メートルの貯留量をカバーしなきゃいけないということで、これが本当に達成できるのかというところであります。実際にこの達成というのはカバーできるのか、これが今回の質疑の最大のポイントであります。
 といいますのも、じゃあどうして和田堀池なんですかと。私の地元は板橋区ですけれども、じゃあ板橋区はいつ行われるんですかと。中小河川ですね。
 そういった全体のお尻が決まっている中で、まず、全体の目標数値、行くんですかと。具体的にいろいろ事情もあると思います。災害が起きたり、地元住民の合意が必要だったり、金額もなかなかわかりづらいところもありますが、そこを教えていただきたいなと思います。
 つまり、質問になりますが、七十五ミリ対応、六十五ミリ対応を完了するまでにどれぐらいの事業費が必要なのか、おおむね三十年間という期限、目標数値がある中で、目標達成のために事業をどう計画しているのかお伺いします。

○村井河川部長 調節池の設置場所や構造などが決まっていないため、全体事業費は未定でございます。
 整備に当たりましては、計画が具体化してまいりました段階で、二〇二〇年に向けた実行プランなど都の実施計画に位置づけまして、計画的に事業を進めております。

○宮瀬委員 二〇二〇年に向けた実行プランの中で計画をうたっていますよというご答弁でありましたが、私、実行プランの方を確認してまいりました。
 二〇二〇年実行プラン、七四ページに書いてあります七十五ミリ対策の施設整備四区画、目標年次二〇一九年度という表現がありまして、ほかのところを見ても二〇二〇年までという数字しかないわけであります。
 つまり、国がおおむね三十年で計画をつくってくださいと。専門家のあり方会議も三十年という期限があって、実際に長期計画どうですかと聞きますと、こっちに書いてありますよということですが、これは二〇二〇年までしかないわけであります。となりますと、長期計画というのはどこにあるんでしょうか。

○村井河川部長 実際に長期計画というのはございませんが、河川整備計画の中で、おおむね三十年間で計画している河川は、現在、八流域ということで規定しております。
 その中で、事業が具体化してきた段階で実施計画におろして事業を進めているということでございます。

○宮瀬委員 さらっとご答弁されていましたけれども、国、あり方検討会で目標数値が決まっているわけであります。
 六十五ミリ対応、七十五ミリ対応で、容量も先ほどご答弁ありましたように、四百七十万立方メートル、これをカバーしなきゃいけないとなっている中で、長期計画がないといったことであります。
 あり方検討会のものから二年、三年たっていますので、これから二十八年間、おおむね三十年間、どうやって六十五ミリ対応、七十五ミリ対応を実現していくのかというロードマップが、仮説も含めて見えないわけであります。
 それでいいんでしょうかという話でありまして、ここで一つ角度を変えて聞いてみたいんですが、じゃあ、どれぐらいのインパクトがある話なのかということで、実際、時間五十ミリ対応を今までずっとやってきたと思います。その期間とかかった金額、これは実績でありますので、教えていただければと思います。

○村井河川部長 五十ミリに対応する事業費そのものがございませんが、都の計画に位置づけた後の昭和四十四年から平成二十八年度までの中小河川整備費の決算の総額は約一兆六千億円でございます。

○宮瀬委員 五十ミリ対応に一兆六千億円かけているわけであります。今回は逆算していきますと、約五十年の月日をかけて五十ミリ対応で一・六兆円です。しかし、事業計画は今のところない、見当たらないという、昔の話でありますけれども、ということで、冒頭にも確認しましたが、五十ミリ対応の達成率八割、八〇%なわけであります。つまり五十年で完成度八割で一・六兆円の巨大事業であるわけであります。今回の六十五ミリ対応、七十五ミリ対応もまさに巨大な金額が動く公共事業だと思っておりまして、その中で二〇二〇年以降の長期計画、どういう調節池をどう優先づけてやっていくのか、どういう形で、どれぐらいの分量で、ペースでやっていくのかというのがこの答弁を聞いても全くわからないわけであります。
 都民を代表していいますが、過去一・六兆円かかった事業があって、これから三十年という期限があって、目標数値がある中でどう達成していくのか、数千億、時には兆単位のお金がどう計画されていくのかわからないというのは、私は問題であると思いますが、率直に所見をお伺いします。

○村井河川部長 調節池の整備に当たりましては、過去の浸水被害の発生状況や河川の整備状況、降雨時の水位上昇実績などを総合的に判断して今後事業化してまいります。

○宮瀬委員 ちょっとご答弁になっていないと、私は今、率直に聞いて思います。
 つまり、中長期計画がないといったときに、着実に整備していますというご答弁は、一般の都民の方が聞いたときに、えっ、そこは課題なんじゃないですかとご指摘させていただいているんですけれども、もう一度お伺いしてもいいですか。

○村井河川部長 整備に当たりましては、計画が具体化してまいりました段階で、二〇二〇年に向けた実行プランなど都の実施計画に位置づけまして、計画的に事業を進めてまいります。

○宮瀬委員 お伺いしていくと、都度都度やっていきますといったように、ごめんなさい、生意気なんですが、聞こえてしまうわけであります。一万円、二万円の話じゃなくて、過去一・六兆円かかっている巨大事業で、期限も明確化されてやっていかなきゃいけないもので、都度都度というのは、私はいかがなものかと心から思っております。
 神田川流域河川整備計画という計画を見たときに、この中で専門家の方がそれまで議論をしていて、綿密なシミュレーションのもとに何ミリ対応がいいのか、六十五ミリ対応がいいのか、七十五ミリ対応がいいのか綿密に議論をされている形跡が見てとれました。
 改めて目標設定を確認したいんですけれども、区部七十五ミリ対応、多摩部六十五ミリ対応、期限はおおむね三十年ということでよろしいでしょうか。

○村井河川部長 河川整備計画においてお示ししておりますおおむね三十年という期間は、計画対象期間でございまして、整備完了時期をお示ししているものではございません。

○宮瀬委員 国の方の答申で、二十年から三十年後の河川計画の目標を明確にするとはっきり書かれていて、それを受けて検討会議でおおむね三十年間のうちにやってくださいということがいわれていて、六十五ミリ対応、七十五ミリ対応の根拠も、整備効果から見た検討、整備期間から見た検討、費用対効果から見た検討、超過洪水時の減災効果から見た検討の上、現在の五十ミリから七十五ミリ、多摩部は六十五ミリに引き上げることとして、期限を三十年と区切っているんですが、今のお話ですと、事業計画を組むのが三十年ということでしょうか。
 私は、この文書を見たときに、この計画をつくった三十年後には六十五ミリ対応、七十五ミリ対応の工事が進んで、工事は終わっていないかもしれないけれども、工事はもう始まっている状態を指すのかなという認識ですが、もしくは、国の答申からの流れを見たら工事が終わっている状態を指すと思っていたんですが、私の認識が違うんでしょうか。

○村井河川部長 河川整備計画でお示ししておりますおおむね三十年間に整備する内容というのは、今後の河川整備をどのように計画して整備していくかということを示している内容でございます。ですから、多摩においては六十五ミリ、区部においては七十五ミリの方針でやっていくと。
 それでまた、整備の断面だけじゃなくて、環境に配慮した河川づくりをしていくとか、そういう方針をお示ししているものであって、この三十年間というのは、先ほどもご答弁差し上げましたが、整備を完了させる時期を示しているものではございません。

○宮瀬委員 ちょっと大変わかりづらいんですが、要は三十年後には六十五ミリ対応、七十五ミリ対応の整備は完了していないと。ただ、今の答弁は、完了する工事も、めども見えていないということなんですか。お願いします。

○村井河川部長 三十年後に全てが完了しているかどうかということではなくて、当然ながら今回発注する工事などは、計画からいきますと二、三年後にできてくるというものもございます。
 しかし、全てがまだ、調節池についていえば、規模も、場所も決まっていないものもございます。ですから、計画される区間において、その池がいつできるかということは今はお答えできないということでございます。

○宮瀬委員 そのことは十分よくわかっております。冒頭申し上げたとおり、住民の方の反対運動もひょっとしたらあるかもしれませんし、買収が進まないかもしれないと。
 ただ、皆さんがつくったその計画の中に、おおむね三十年でやっていきますといったことが書いてあって、今、部長が答弁された内容というのは、正直読み取れる内容ではありませんでした。
 何がいいたいかと。このテーマは行き別れに近いと思いますので申し上げますと、専門家の方々や国が、今の雨量から見て六十五ミリ、七十五ミリにしていかなきゃいけないということで、危機感を持ってこうしてほしいということを訴えているのに、都の方の計画は、実際六十五ミリ対応、七十五ミリ対応が三十年後にどうなっているのか、私は今のご答弁でよくわかりませんでした。
 少なくとも巨大な金額です。五十ミリ対応で一・六兆円お金を使ってきたわけであります。そういった状況の中で、もう一度、今の体制でいいのかといったことを問うていきたいと思います。
 過去の昭和四十四年の東京都中期計画、今、あったようだというご答弁でありましたし、今後の計画も実際にどうなっていくのか、私は今の答弁ではわかりませんでした。
 皆さん、都民の税金であります一・六兆円かかってきた事業に対して、ぜひ戦略を持って、仮説を持って、三十年後、本当に残り三百六十万立方メートルをこういう計画で今のところ整備していく方針なんだと。ただし、いろいろ状況があってこうなるかもしれないと。今回の議案で出ている和田堀ともう一つの野川の件で、このペースの整備状況で本当に間に合うのかといった全体像もわからないわけであります。
 この件ではもう質疑しませんので、ぜひそこはよろしくお願いしますが、何年かたったらまたやりますので、ぜひそのときはご答弁をよろしくお願いします。
 では、今回、杉並区ですとか、そういった地域での整備になりますが、恐らく全体での計画が見えてこないといった中で、例えば私の地元板橋区ですと、石神井川ですとか、白子川流域、新河岸川、各都議の先生がいますが、自分のところはいつどうなるのかなというところは、地元住民の人も含めてわからないわけであります。
 工事箇所を選定する際の決め方や優先順位というものを確認しておきます。よろしくお願いします。

○村井河川部長 調節池の整備に当たりましては、過去の浸水被害の被害発生状況や河川の整備状況、降雨時の水位上昇実績などを総合的に判断して事業化しております。

○宮瀬委員 実際、被害が発生した地域、水位の上昇実績等、総合的に判断していくということであります。ぜひ、ここは他局の事業部局の皆さんと連携してほしいというのが今回の質疑で私がいいたいことの二点目であります。
 実は、洪水の被害というものは我々の予想をどんどん上回っておりまして、洪水被害が発生しないという年は全国にございません。
 その中で、私はさきの一般質問でも問わせていただいたんですが、災害時に病院の機能をどう維持していくのかというのが大きな課題だと思っております。今回の大阪府での地震でも、一部病院の機能が停止して、転搬送を余儀なくされた病院もあるやに聞いております。
 もちろん病院の電力というのは、災害拠点病院、連携病院が自分たちでまず確保していかなければならないと思っています。しかし、福祉保健局に聞いてまいりましたが、非常用発電設備が地下に設置されている災害拠点病院数は八十二のうち四十五です。国が発表した荒川水系だけの浸水想定区域図でも、うち八つの災害拠点病院がその区域図に入っているわけであります。災害拠点連携病院も同様であります。
 そんな中で、私もいろいろ現場を見させてもらいましたが、どうしても物理的に地下から上に上げるのが難しいという病院があります。それは非常用発電設備が重くて、二階に上げたら底が抜けちゃうとか、さまざま民間の病院にお願いして災害拠点病院になっていただいている手前もあって、なかなか福祉保健局も苦慮されているのが実態であります。
 そういった中で、病院自体の自助の取り組みも大事なんですが、そもそも水がそこに来なければ病院の機能は維持されるわけであります。
 学校の避難等と違って、病院から逃げ出すといったことがなかなか避難的には難しい、最優先事項の課題でありますので、ぜひ災害拠点病院、災害拠点連携病院、そして洪水予想区域図、また、どうしても自助では非常用発電設備が浸水から免れる手だてがないといった病院もありますので、病院名はあえてここではいいませんけれども、ぜひそういったことを福祉保健局の皆さんと連携して、六十五ミリ対応、七十五ミリ対応の場所の選定に生かしていただきたいと思うわけであります。
 最後の質問になりますが、調節池の事業化箇所を検討するに当たりまして、他局との連携をさらに強化していくべきだと思いますが、所見を聞きまして、質問を終わります。

○村井河川部長 事業化の検討に当たりましては、引き続き下水道局などと連携いたしまして、内水被害の軽減効果なども考慮してまいります。

○やながせ委員 私からも、新宿の歩行者の専用道二号線Ⅲ期の一工区についてお伺いしたいと思います。
 バリアフリーについてお伺いしようと思ったんですけれども、先ほど西郷委員からありましたので、これはしません。
 ただ、やっぱりバリアフリーをぜひしっかりと考えていただきたいというふうに思います。中でも、今回つけていただいているんですけれども、エレベーターの設置ということをしっかりやっていただきたいと思います。
 車椅子対応のエスカレーターというのもあるんですけれども、これは車椅子をお使いの方に聞くと、なかなかこれが難しいなということでございました。やっぱり人を呼ばなければいけないということでございますので、一人で車椅子を動かしていらっしゃる方にはちょっと気が重いというお話がございました。
 次の区間、第Ⅲ期区間の二工区でも、もうエレベーターの設置とこういうことが決まっているようでありますので、ぜひこれはしっかりとやっていただきたいということを要望しておきたいというふうに思います。
 それで、今回は浸水対策についてお伺いしたいと思います。
 集中豪雨によって、地下街、また地下通路が浸水するといったことが間々ありますけれども、この区間についての浸水対策について、まずお伺いしたいと思います。

○加藤道路保全担当部長 歩行者専用道第二号線では、流入した雨水等は排水槽に集め、ポンプで下水道に排水してございます。
 これまで、集中豪雨等でも歩行者専用道内に大量の雨水が流れ込んだことはございませんが、緊急時には、水を吸収して膨らむ軽量な土のうや防水板により雨水の流入を防ぐこととしてございます。

○やながせ委員 ありがとうございます。排水槽があるんだよということで、流入した雨水に関しては、そちらでしっかりと受けて、そしてポンプで排水をするということでございました。
 念のために、この排水槽の容量について、これをどのように決めたのかということを確認しておきたいと思います。

○加藤道路保全担当部長 今回の工事区間に設置する排水槽の容量につきましては、湧き水、地上出入り口部からの雨水の吹き込み及び清掃用排水の量と、排水ポンプの能力を勘案いたしまして、四・五立方メートルとしてございます。

○やながせ委員 ありがとうございます。四・五立方メートルということで、ポンプでどれくらいのタイミングで排水するのかということにもよるかと思いますけれども、ほかの設備と比べても適切な量ではないかというふうに考えておりますが、流入しない仕組みというのが必要でありまして、そのためにはこの地下通路に入る入り口のところで止水板をするというような、地下鉄の入り口なんかでも全く同じことを考えているわけでありますけれども、この止水板、防水板によって雨水流入を防ぐということをされるということであります。
 一応確認をしておきたいんですけれども、今回の工事区間の当該地域の防水板に関しては、作業開始から大体何分ぐらいで設置できるのかといったことを確認しておきたいと思います。

○加藤道路保全担当部長 歩行者専用道路への出入り口部に防水板を運搬いたしまして、設置するのに要する時間は三十分程度でございます。

○やながせ委員 三十分程度ということでございました。
 それで、これ、私が見たところ、新宿の地下道というのはかなり広範にわたっておりまして、都が管理している地下道だけで約一・七キロに及ぶということでございました。
 これをどう管理しているのかと聞いたところ、都庁の近くの第一生命ビルの近くに管理センターがあって、これ、道路保全公社がやられているということなんですけれども、ここに常駐の方が六名いらっしゃって、モニターで監視をしているよということでございました。
 一・七キロといっても、青梅街道、もちろん新宿駅から都庁にそのままストレートに来る中央通り、それから甲州街道といったところまで非常に幅広い地下道を管理しているわけでありまして、六名の方で三十分で一・七キロ、どのようにやっていくのかということはしっかりと検証していただきたいというふうに思います。
 マニュアルもあるということでございましたけれども、本当に三十分でできるのかどうかといったことをしっかりと再検証していただきたいというふうに要望しておきたいと思います。
 最後に、今回の専用道、この付近は非常に上の通りに人が多いところでございまして、効果の高い工事ではないかなというふうに考えているわけでありますけれども、この効果をより一層高めるためには、やっぱり新宿駅としっかりとつなげると。今回の工事区間から新宿駅にしっかりとアクセスできるようにするということが大事だと思いますけれども、新宿駅といつ開通する予定なのか、この見通しについてお伺いしておきたいと思います。

○加藤道路保全担当部長 新宿歩行者専用道第二号線につきましては、今回ご提案させていただきます工事区間である新宿警察署付近から新都心歩道橋付近までの区間の整備完了後に引き続いて、小田急ハルクまでの区間を早期に整備し、新宿駅西口への接続に向けて取り組んでまいります。

○やながせ委員 早期に取り組んでいただきたいということではありますけれども、ぜひ、やっぱり見通しをちゃんと示していただきたいなというふうに思います。
 先ほど宮瀬さんからもありましたけれども、やっぱりちょっと場当たり的なことなんではないかというふうに思われるような事業というのは、余りよろしくないと思います。
 これ、新宿駅からのアクセスを確保するという一つの大きな事業だと思いますので、その最終地点である新宿駅と、大体これぐらいをめどにつくるんだよといったことは、しっかりと都民にわかるようにお示しいただきたいと。このことを要望しておきまして、質問を終わります。

○保坂委員 私からは、和田堀公園調節池工事の請負契約について何点か質問をさせていただきます。
 善福寺川では、平成十七年の百ミリを超える豪雨による浸水被害を教訓にして、これまで時間最大降雨五十ミリを超える治水対策をして、今度は七十五ミリに対応するためにつくられる調節池の一つが、この下流域にある和田堀公園調節池であります。
 既に水害軽減を図るため、和田堀第二、第三、第六調節池と整備がされており、今回はこの公園計画に合わせて、第二、第三調節池を統合、拡張する工事となっていると伺っています。
 近年、周辺地域の降雨状況も五十ミリを超えるケースが格段に増加をしていることから、今回の新たな調節池整備によって、治水安全度がさらに向上して、周辺地域の安全・安心がさらに高まることが大いに期待をされているところであります。
 実際、私も何度か和田堀公園の今回の工事計画地や既存の調節池を見て回らせていただきました。雨というよりかは平常時なんですけれども、野球場、テニス練習場として、それぞれの調節池はそういった機能も有しており、全ての調節池が利用されているという状況でした。
 利用者の何人かにもお尋ねをしましたところ、ふだんから皆さん、非常にその施設を有意義に使わせていただいているという評価もいただいていますし、これが調整池だったのという知らない方もいて、それぐらい調節池の利用頻度というのは、そんなに実際にはない、本当に緊急災害用ということでございますので、そういったことでも、あって安心だという周辺地域の方の理解をおおむね得られているのかなという感想でございます。
 ちょっとそこで質問させていただきたいんですけど、まず、今回の和田堀公園調節池工事の概要についてを伺います。

○村井河川部長 本工事は、時間七十五ミリの降雨に対しまして、善福寺川の治水安全度の早期向上を図るため、貯留量一万七千五百立方メートルの掘り込み式の調節池を都立和田堀公園内に設置するものでございます。
 具体的には、現況、地盤面を約六メートル掘り下げまして調節池本体といたしますとともに、越流堤やその上下流の護岸などの整備を行います。

○保坂委員 概要については理解しました。
 そこで、住民の理解についてなんですけれども、この事業についての周辺住民向け説明会が昨年二月に実施されたと伺っていますが、地元住民からは主にどのような意見や要望があって、それらに対して建設局はどう対応されたのか教えてください。

○村井河川部長 事業説明会では、本調節池の必要性や効果、工事の進め方や搬出入路、スケジュールにつきまして丁寧に説明いたしました。
 説明会の出席者からは、工事車両の搬出入に関しまして、通学時間帯が心配であるなどのご意見がございました。これらに対しまして、工事車両の搬出入の時間帯について配慮するなど回答いたしました。
 今後も地元住民からの意見や要望には適切に対応いたします。

○保坂委員 今のところ、おおむね住民の皆さんの理解は得られているという報告をいただきましたが、ここからはちょっと質問と要望も兼ねてなんですけれども、伺わせていただきたいと思います。
 情報開示についてなんですけれども、周辺住民や公園利用者への情報公開として、現在、工事計画エリアに工事についての情報掲示がされておりますが、これは決してわかりやすいとはいえないと思います。
 特に、平常時の和田堀公園調節池は、皆さん、スポーツ広場として使っていただいていて、今回の工事によって新たにできるものが初めて親水広場になることは非常にインパクトがあると思います。
 そういった意味では、現在掲示中の完成イメージ図では、大分サイズが小さ過ぎるのかなと思います。要は、どうなるのかというのが皆さん気になるところだと思います。
 利用者や近隣住民に対して、もっとわかりやすく周知していく必要があるのではないでしょうか。見解を伺います。

○村井河川部長 現在は、準備工事に伴う広報板を設置しておりますが、本工事に際しましては、事業の内容や将来の親水広場の完成イメージにつきまして、大型看板を設置するなど、地域住民や公園利用者へわかりやすく周知を図ってまいります。
 なお、工事の作業内容や予定などにつきましても情報提供を行ってまいります。

○保坂委員 わかりやすく説明していただけるということでありますけれども、いうまでもないんですが、治水工事、和田堀公園の中でもバーベキュー広場からずっと工事が続いておりまして、先ほども宮瀬先生がおっしゃった工事がいつまでなんだというのは--当然事業者側というか、東京都の方は用地買収もあり大変だというのは私も理解しています。ただ、なかなかそのことが住民の方の理解を得られず、利用されている方にとってみれば、あの工事は、いつまであの白い壁が建っているんだというような意見も非常に多かったので、そこら辺は今いった情報開示、何の工事をしているのかというところを極力わかりやすい表示をしていただきたいと要望させていただきます。
 最後に、平常時の利用形態について、実はこの工事は、河川部さんが掘って、平常時、どういう形でその施設をつくるのかというのは公園緑地部さんの工事だというのは伺っております。なので、質問する先が変わってしまいますが、お許しください。
 今回の和田堀公園の調節池の改修予定地というのは、野球場二面を有する第六調節池に続いて二番目の規模となるということです。
 平成十七年の和田堀公園修正整備計画でもありますとおり、平常時の調節池は主に親水広場として整備されるとのことですが、現在はテニス場として利用されていることもあって、その他の調節池も主にスポーツを目的に利用されている中で、今度は新たに親水エリアとして整備されるということなんですけれども、具体的にどのように都民が利用できるようになるのかお伺いします。

○細川公園計画担当部長 和田堀公園は、善福寺川沿いの自然豊かな緑の拠点として、散策、自然観察やスポーツ等で多くの都民に親しまれるとともに、発災時の避難場所や大規模救出救助活動拠点に指定されるなど、防災上重要な公園でもあります。
 和田堀公園の整備計画においては、調節池を整備する区域を親水広場を中心とした水のエリアに位置づけております。
 具体的には、来園者が水辺を身近に感じながら散策を楽しんだり休憩ができるよう、調節池と一体となった潤いある親水空間の創出を目指してまいります。

○保坂委員 今後も引き続き、周辺住民や利用者のご理解をいただきながら丁寧な対応をしていただきまして、緊急時の調節池としての機能はもちろん、平常時にも憩いの場として、今おっしゃられた親しみの持たれる施設になることを切に要望しまして、私の質問を終わらせていただきます。

○佐野委員 それでは、私からは、議案の百四十七号、野川大沢調節池の工事(その二)請負契約について質問を三点ほどさせていただきたいと思います。
 この契約、約十億円の工事でございます。いうまでもなく議会としては、この工事の必要性と契約の適正についてはしっかりとチェックしていくという責務があると思っています。
 また、この野川流域というのが、私が住んでいます小平市の一部も含まれるということもありますので現地を見てまいりましたけれども、質問をさせていただきたいと思います。
 まず、改めてこの調節池の目的、必要性、それと整備効果について確認の意味を込めて伺いたいと思います。

○村井河川部長 本工事は、時間六十五ミリの降雨に対しまして、野川の治水安全度の早期向上を図るため、野川大沢調節池の既存貯留量九万立方メートルを約一・八倍となる十五万八千立方メートルへ容量を拡大するものでございます。
 これによりまして、豪雨時の取水量が増加することで、下流の治水安全度が向上いたします。

○佐野委員 都民の暮らしの安全のためにこの調節池は必要だということで、記憶に新しいところでは、昨年の十月の台風二十一号ですけれども、八王子では例の美山通りの土砂崩れが起こったということで、都内では二十八カ所、調節池があるようですが、現在の野川の大沢調節池を含む十四カ所で取水して、溢水被害はなかったと聞いています。
 これまで整備してきた治水施設のストックの大きな効果がこれで発揮されたのかなと、改めて調節池の重要性を認識したところでございますけれども、私ども都民ファーストの会としても、セーフシティー実現の中で公約を幾つか挙げていますが、三百十六に調節池の設置で災害対策を強化というのを掲げておりますので、今後も着実な整備をお願いしたいと思っています。
 次に、この工事の内容なんですけれども、前回の下高井戸の調節池等、地下に大きな構造物をつくるような調節池もございますが、今回の大沢調節池の特徴、あるいは工事における特徴というものがありましたら、ちょっとお伺いしたいと思っています。

○村井河川部長 本工事は、野川大沢調節池の貯留量を拡大するため、既設の調節池の底部を三・一メートル掘削するものでございまして、供用中の調節池の貯留機能を確保しながら施工いたします。
 また、測量から施工管理、納品に至る全ての過程におきまして、三次元データを活用し、機械による掘削を自動制御化するなど、建設現場の生産性向上を図ることを目的といたしましたICT活用工事の対象となっております。

○佐野委員 ご答弁では、ICTの活用工事ということでなかなか興味深いなと。こういうものを活用して、今後も工事の安全性、あるいは効率性を高める工夫をしていただければと思っています。
 現地を見て、今、説明では三メーター掘削するということで、単純に素人考えでは三メーター掘ればいいのかなということで見てきたんですが、もう既に、その一工事で周りに約二十五メーターの擁壁をつくっていくと。当然、掘れば地下水がたまって、そこがぐちゃぐちゃになって運動場にもならないというようなこともあるんでしょう。それによって地下水を遮断するというような工事が今行われたということを伺っています。
 また、たまたま知り合いが近所にいるものですから、いろいろ話を聞いてきました。この工事が始まる前は、やはり騒音の問題や地下水の問題、いろいろ心配があったけれども、説明も十分していただいたということで、工事としては看板等もわかりやすく設置されているなというふうに理解いたしました。
 最後に、この契約についても伺っていきたいと思います。
 インターネットで見る入札情報サービスの入札経過調書というのがございまして、これを見ると、落札率も低くて、七者の競争性も担保されているかなということで、入札の経過から今回の工事の落札について、どう評価されているのかお伺いいたします。

○村井河川部長 本契約案件につきましては、技術実績評価型総合評価方式により入札が行われました。
 入札には七者が参加し、うち二者につきましては予定価格超過により評価せず、残る五者のうち技術点と価格点の合計値が最も高い者が落札をいたしました。
 入札手続は適正に行われ、落札者を決定したものと認識しております。

○佐野委員 ご答弁のとおり、適正な入札だったのかな、また積算も七者応札して、それぞれ落札率九三%ぐらいですか、非常にいい入札が行われたのかなと。
 また、応札の業者を見ると、問題になっている共同企業体とか、中小企業も参入できるとか、幾つか入札制度改革も反映されたのかどうかはよくわかりませんけれども、私の見るところでは、そういう入札だったのかなというふうに思います。
 最後に、ちょっと要望というか意見を幾つか述べさせていただければと思っています。
 先ほど宮瀬委員の方から、木を見て森を見ずというような言葉がありましたけれども、もう一つは、やっぱり木をしっかりと見ていくということも必要なのかなというふうに思いました。
 私は、この野川流域の河川整備計画をじっくりと見させていただいて、やはり九の中小河川の流域、私も土木を勉強したので、土木をやっていれば河川ごとにそれぞれ特徴があって、流域というのがあって、その流域の中に降る雨がどう流れていくのか、その中にはきちっとした計算式があって、流出係数があり、それから傾斜があり、そうすると河川断面が出て、どういうような河川で整備しなきゃいけないかと。
 そもそも先ほど答弁がありました昭和四十四年から五十ミリでという五十ミリの根拠はということなんですよね。私が勉強したとき、百年確率だったと思うんですけれども、百年に一度、五十ミリ以上降ったら、あふれてもしようがないということなんですね。
 これは、税の投入でそれ以上をつくればいいんですよ。百ミリ対応でも二百ミリ対応でもつくればいいんだけれども、それは税の無駄でしょうと。かといって、もっと少ないと、頻繁に洪水が起こっちゃまずいということで、誰が決めたんだか知らないけど、百年確率で、五十ミリが百年に一度ですから、九十九年、洪水が起こらなくても百年目に五十ミリ以上降っちゃってあふれるということがあっても、税金でつくる以上、それは仕方がないねというようなこと。
 ところが、現代は確率がどんどん上がっちゃっていて、下水道もそうなんですけれども、五十ミリはしようがないですよねと。それを七十五ミリと決めるというのも相当の議論があったと思うんですよ。というのは、税の投入の問題ですから、それを何ミリにするかというところがあるんで、野川についてはきちっとそれを踏まえて、二十九年七月に河川整備計画というのを策定しているんだなというふうに思います。
 この中にもきちっと図が載っていまして、どこのエリアは何ミリ流せるというようなところと、調節池をどこへ、どうつくって、どう確保していけば--でも、これはあくまでも多摩部六十五ミリ、都心部七十五ミリで、これがこの間の二十一号の台風なんかですと、二十四時間で和歌山は八百ミリ、九百ミリ近い雨が降っちゃうわけですよね。あふれるのは当たり前と。
 でも、そこはなるべく何とか税の最小限の投入で最大限の効果を発揮しようというようなものだと私は思うので、なかなか森全体をいつまでに、じゃあ、三十年だったら三十年に計画をきちっとつくり上げようよ、整備しようよということは、皆さんの立場に立つとなかなか難しいだろうな、それを都民の方に説明するのもなかなか苦労があるのかなというふうにはお察しいたします。
 その中で、野川流域については、整備計画の中で六十五ミリ対応にして、洪水をためる調節池を整備していくんだという方針が出ていまして、それから、流域から河川へ流出を抑制するために雨水貯留浸透施設の設置等を推進し、総合的な治水対策を図りましょうというような書き方にもなっています。
 そこはしっかりと浸透施設等の整備もあわせて、調節池も必要ですけれども、そういう対策もしっかりと取り組んでいただきたいというのが一点目でございます。
 それから二点目は、この野川流域の河川計画しか私はまだ読んでいないんですが、流域連絡会というのを平成十二年につくっています。流域連絡会は、これまでに新しい概念のグリーンインフラの検討等を行っております。そういう検討を今後も住民、行政、河川管理者の連携による河川管理の実践に向けてのさまざまな取り組み、これも引き続き実践していっていただきたいというのが二点目。
 三点目は、先ほど下水道の話も出ましたけれども、この流域は下水道一〇〇%なんですね。しかし、内水氾濫があります。当然、五十ミリでつくっていった下水、これも六十五ミリ対応とか七十五ミリ対応にしていくんですが、そこからあふれたものを河川へ流したいという要望なりが出てくる。そういうところで、内水氾濫対策として河川整備の進捗に合わせた河川への放流量の拡大について、各市町村の下水管理者等と連携して進めていってほしいということも要望させていただきます。
 それから四点目は、整備後は三鷹市がスポーツ施設として、平成三十三年までの整備ですから、この工事が終わって、また、河川との越流のところの整備もあって、三十四年度から三鷹市が整備をしていきます。
 通常ですと、原状復帰で返すというところですけれども、三鷹市が整備をしていくと。プラスアルファで何か整備をするんだと思いますが、その整備もきちっと連携して、例えば仮囲いをそのまま使うとか、あるいは費用の分担の関係もあると思うんです。そういうところは密接に地元の三鷹市さんと調整しながら、周辺住民のご意見等も聞きながら進めていっていただきたいというのは要望させていただきたいと思います。
 最後に、住民の方から聞きました。今、工事している方々、非常に丁寧にやっていただいていると。そして、冬に雪が降ったときも、雪かきとかもしていただいたとかいう話もあります。今回、業者が変わりますよね。変わっても、引き続き住民対応をしっかりとしていただければということを要望させていただいて、質問を終わりたいと思います。

○田の上委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○田の上委員長 異議なしと認め、契約議案に対する質疑は終了いたしました。
 この際、本案に対して意見のある方は発言を願います。

○河野委員 第百四十五号議案、街路築造工事請負契約について意見を述べます。
 都市計画道路補助二六号線の世田谷区三宿二丁目から淡島通りまでの区間は、二〇〇六年七月に都市計画道路第三次優先整備路線として事業説明会が開かれ、その後、二〇〇七年に住民から二千二百四十六名の署名をつけて建設中止に関する請願が出されました。
 当時、都は、補助二六号線の整備は、車両の円滑な通行を第一の建設理由に挙げ、あわせて延焼防止帯の防災道路との説明をしていました。しかし、地域住民は、現道がなく静かな住宅地に幅員二十メートルの道路が建設されたら、生活環境は全く変わってしまうとの懸念を強くし、建設中止を求めたのです。その後、都は、この区間を二〇一二年から特定整備路線としました。
 私は、二〇〇七年のとき、そして今月と現地に行きました。道路予定地は高低差が多い複雑な地形です。この地にある十三階建ての二百数十戸のマンションや戸建て住宅に接して補助二六号線が建設された場合、長年、近隣住民が懸念している生活環境への負荷は免れないと実感しました。
 地域を分断する幅二十メートルの大型道路は、車を呼び込み、騒音や大気汚染などをもたらします。また、お花見などの憩いの場所であり、クールスポットにもなっている北沢川緑道も分断されます。
 さらに、補助二六号線が接続する淡島通りの交差点は、信号待ちの車両が坂道発進することになり、盛り土工事の部分につくる幅六メートル、高さ三メートルのボックスカルバートの横断路は、交通事故や防犯上の不安があります。
 現在、地権者からの用地買収は進んでいても、地域分断の環状六・五とも呼ばれている補助二六号線三宿-淡島通り間の道路建設は近隣住民の合意が得られておらず、環境悪化などの問題点が多いことから、反対であることを表明いたします。
 以上です。

○田の上委員長 発言は終わりました。
 お諮りいたします。
 第百四十五号議案につきましては、ただいまの意見を含め、委員長において取りまとめの上、また、第百四十四号議案、第百四十六号議案及び第百四十七号議案につきましては、いずれも異議のない旨、財政委員長に報告いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○田の上委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
 以上で契約議案の調査を終わります。
 以上で建設局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後二時二十四分散会

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