委員長 | 田の上いくこ君 |
副委員長 | 佐野いくお君 |
副委員長 | 河野ゆりえ君 |
理事 | 栗林のり子君 |
理事 | 関野たかなり君 |
理事 | 三宅 正彦君 |
平 慶翔君 | |
西郷あゆ美君 | |
やながせ裕文君 | |
田村 利光君 | |
宮瀬 英治君 | |
原田あきら君 | |
保坂まさひろ君 | |
小磯 善彦君 |
欠席委員 なし
出席説明員環境局 | 局長 | 和賀井克夫君 |
総務部長 | 笹沼 正一君 | |
環境政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 | 小原 昌君 | |
政策調整担当部長 | 松本 明子君 | |
地球環境エネルギー部長 | 小川 謙司君 | |
都市エネルギー推進担当部長 | 村山 隆君 | |
環境改善部長 | 松永 竜太君 | |
環境改善技術担当部長 | 近藤 豊君 | |
自然環境部長 | 須藤 栄君 | |
緑施策推進担当部長 | 金子 亨君 | |
資源循環推進部長 | 谷上 裕君 | |
調整担当部長スーパーエコタウン担当部長兼務 | 風祭 英人君 |
本日の会議に付した事件
環境局関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 平成三十年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為 環境局所管分
付託議案の審査(質疑)
・第六十三号議案 土壌汚染対策法関係手数料条例の一部を改正する条例
・第六十四号議案 高圧ガス保安法関係手数料条例の一部を改正する条例
・第六十五号議案 液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律関係手数料条例の一部を改正する条例
・第六十六号議案 東京都自然公園条例の一部を改正する条例
・第六十七号議案 東京都廃棄物条例の一部を改正する条例
・第六十八号議案 使用済自動車の再資源化等に関する法律関係手数料条例の一部を改正する条例
○田の上委員長 ただいまから環境・建設委員会を開会いたします。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、環境局関係の予算の調査及び付託議案の審査を行います。
これより環境局関係に入ります。
予算の調査及び付託議案の審査を行います。
第一号議案、平成三十年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為、環境局所管分及び第六十三号議案から第六十八号議案までを一括して議題といたします。
本案につきましては、いずれも既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○笹沼総務部長 去る二月二十日の当委員会で要求いただきました資料につきましてご説明申し上げます。
お手元の環境・建設委員会資料をごらんください。
表紙をおめくり願います。目次のとおり資料は十件ございます。
まず、一ページをお開き願います。1、都内のエネルギー消費量の部門別推移でございます。
平成十七年度から二十七年度までの各年度における産業、家庭、業務及び運輸の各部門のエネルギー消費量を記載してございます。
表の上段には、京都議定書の基準年である平成二年度の数値及び都の省エネルギー目標の基準年である平成十二年度の数値を記載してございます。
二ページをお開き願います。2、再生可能エネルギーによる都内電力利用割合(過去三年分)でございます。
平成二十五年度から二十七年度までの各年度における再生可能エネルギー電力利用割合を記載してございます。
三ページをお開き願います。3、太陽光発電の普及状況(直近五年間)でございます。
平成二十四年度から二十八年度までの各年度における住宅用とその他の太陽光発電の設備容量を記載してございます。
四ページをお開き願います。4、平成三十年度補助事業(再生可能エネルギー・省エネルギー関連)概要及び実績でございます。
六ページにかけまして、(1)、スマートEマンション導入促進事業から(11)、区市町村との連携による地域環境力活性化事業まで、平成三十年度における再エネ、省エネ関連の補助事業の概要及び実績を記載してございます。
七ページをお開き願います。5、二酸化窒素及び浮遊粒子状物質濃度の全国上位十局の推移でございます。
(1)、二酸化窒素につきまして、平成二十三年度から二十七年度までの各年度における全国の測定局の年平均値上位十局を記載してございます。
八ページをお開き願います。(2)、浮遊粒子状物質につきまして、同様に記載してございます。
九ページをお開き願います。6、大気汚染及び騒音に係る環境基準の達成状況(平成二十八年度)でございます。
まず、(1)、大気汚染における二酸化窒素及び微小粒子状物質(PM二・五)の環境基準達成状況につきまして、それぞれ表の上段に自動車排出ガス測定局、下段に一般環境大気測定局の状況を記載してございます。
次に、(2)、騒音におけます道路交通騒音、航空機騒音及び新幹線騒音の環境基準達成状況を記載してございます。
一〇ページをお開き願います。7、都内自動車走行量の推移でございます。
平成十八年度から二十七年度までの各年度における旅客及び貨物の各部門の自動車走行量を記載してございます。
一一ページをお開き願います。8、保全地域に係る公有化予算額、公有化面積及び管理費予算額の推移(過去十年間)でございます。
平成二十一年度から三十年度までの各年度における保全地域に係る公有化予算額、公有化面積及び管理費予算額を記載してございます。
一二ページをお開き願います。9、保全地域の指定実績でございます。
平成十九年度からこれまでに指定いたしました保全地域名、年度、指定内容及び指定面積を記載してございます。
一三ページをお開き願います。10、廃棄物等の埋立実績(五年分)でございます。
平成二十四年度から二十八年度までの各年度における廃棄物等の埋立実績を種類別に記載してございます。
以上、簡単ではございますが、説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○田の上委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより本案に対する質疑を行います。
発言を願います。
○関野委員 それでは、三十年度、環境局の予算に対する質疑を行います。
質疑をするに当たって、二十九年度の環境局の見える化改革について伺おうと思いますが、二十九年度の見える化改革について、どのような取り組みを行ったのか、この点についてお伺いをいたします。
○小原環境政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 当局では、主要事業につきまして、適正な予算、人員、サービス水準になっているか、また、ほかにより有効な政策がないかといった観点から、事業の分析、評価を行い、その実態と課題の見える化を図り、事業の自律的かつ総合的な見直しにつなげていく視点で見える化改革を進めてまいりました。
今年度は、当局で所管する事業を都民の視点で見て、一定の完結性のある四つの事業ユニットに分割いたしまして、まず第一弾として、地球環境エネルギー部が所管いたします省エネルギー、温暖化対策ユニットにつきまして、施策の見直しなどを行ったところでございまして、今後、順次、他の事業ユニットにつきましても見直しを進めてまいります。
○関野委員 一一一ページにわたる報告書が出ておりますが、省エネルギー、温暖化対策ユニットについて、どのような観点から分析を行ったのか、この点について改めてお伺いしたいと思います。
○小川地球環境エネルギー部長 都はこれまで、大規模事業所を対象といたしますキャップ・アンド・トレード制度の導入など、先進的な気候変動対策を実施してまいりました。
こうした中、今回の見える化改革におきましては、産業、業務部門のうち、大きな成果が出ております大規模事業所を除いた中小規模事業所、エネルギー消費量の削減幅が小さい家庭部門及び一層の取り組みが必要な再生可能エネルギー対策を中心に、点検、評価を実施いたしたところでございます。
○関野委員 今回のこの分析を通じて、どのような課題が明らかになったか実際しっかりと書かれてはおりますが、今後のこういったものの課題解決に向けて、どういった取り組みを行うのか、この点についてお伺いさせていただきます。
○小川地球環境エネルギー部長 中小規模事業所の対策につきましては、補助制度や研修などの利用が一部の事業所にとどまっているということから、今後は、施策の認知度を向上させるため、金融機関等、多様な主体との連携強化をしてまいります。
また、家庭部門対策につきましては、都民への省エネ対策の周知や家電製品への買いかえ時期の長期化という課題がございます。今後は、増加が見込まれる単身世帯など、世帯別の省エネ意欲を喚起する取り組みを進めてまいります。
さらに、再生可能エネルギー対策につきましてですけれども、東京全体の再エネ目標を牽引するため、都内での再エネの導入拡大とともに、都みずからが率先して再エネの利用を推進してまいります。
このような取り組みを通じて、温室効果ガス削減等の目標の達成を目指してまいります。
○関野委員 見える化改革で明らかになった課題については、できるだけ早期に改善することが望まれると思いますが、全ての改善策に予算が必要になるわけではないと思っております。
そういう意味では、今回の分析の結果を来年度、三十年度の予算にどのように反映させたのか、この点についてお伺いします。
○小川地球環境エネルギー部長 今回の見える化改革での検討のうち、都庁の率先行動といたしまして、都有施設で再エネのショーケース化を図るための調査経費を三十年度予算に計上しております。
具体的には、来年度、路上などにも設置可能な舗装型の太陽光パネルや、振動でエネルギーを生む床発電など、新たな再エネ技術について、最新の技術開発動向やPR効果の高い場所の選定に向けた調査を実施いたします。
今後、このような再エネの見える化を図ることで認知度を高め、普及拡大につなげてまいります。
○関野委員 報告書の中でも、先ほどの答弁の中でも、家庭部門について、やはりなかなか普及されていないというようなことがしっかりと認識をされていると思います。
今回、見える化改革は、外部の専門家の知見も生かしながら事業を総点検したものかなと、価値のあるものではないかなというふうに考えております。
そういう意味では、課題の解決に向けて、今後しっかりと取り組んでいただきたい、こういったことを要望して、私の質問を終わります。
○栗林委員 それでは、何点か伺わせていただきます。
初めに、食品ロスの削減について伺います。
昨年の事務事業質疑でも取り上げさせていただきましたが、食品ロスの問題について、これは大変重要な課題であるために、予算を審議するこの場でも、もう一度確認をさせていただき、何点か質問したいと思います。
この問題については、これまで各家庭で残ってしまった食品を持ち寄っておいしいお料理に仕上げていくサルベージパーティーとか、また、持ち寄った食品を社会福祉団体などに寄附をするフードドライブといった取り組みが都内でもなされて、この問題に対する都民の関心は着実に高まってきていると思います。
都が平成二十七年度から行ってきた事業者と共同実施するモデル事業においても、都民への普及啓発や、賞味期限の近づいた防災備蓄食品を有効活用していく事業を展開してきました。
さらに、ことしに入って、賞味期限、消費期限間近の商品を購入した場合に、スマートフォンのアプリを活用してポイントを付与する実証実験、エコバイが行われて、都議会公明党もこの様子を視察させていただいたところでございます。
参加店舗がまだ一店舗ということではございますけれども、今後もこうしたスマートフォンアプリという新しい技術を活用した仕組みをさらに充実、展開させて、食品ロスの削減につなげていくという、その可能性をここで感じました。
そこでまず、このエコバイについて、これまでのところ、どのような成果が得られたかについて教えていただきます。
○谷上資源循環推進部長 エコバイは、昨年六月に公募した持続可能な資源利用に向けたモデル事業に携帯電話事業者より提案がありまして、実施したものでございます。
具体的には、消費者が賞味期限や消費期限が近づいた対象食品を購入して、レシートと商品に印刷された賞味期限等の写真をスマートフォンアプリを用いて送信すると、希望小売価格の二〇%相当のポイントが還元される仕組みとなっております。また、アプリには、購入した商品の賞味期限が近づくとその食材を利用したレシピが提供され、有効活用を促す機能がついております。
一店舗のみでの実証実験でありましたが、本年一月中旬から二月末までの期間中、約四百三十人の参加があり、アプリを用いたアンケートもあわせて実施いたしました。
廃棄物の削減効果につきましては、事業者の試算で、従来廃棄していた食品の約三割を削減できたとの報告を受けております。
○栗林委員 今、大変大きな効果が出ているというご報告がございました。こういったことを若い方は大変スマートフォンを使いなれている、生活の中の一部として取り込んでいる方たちにとっては、特に賢いお買い物もあわせてできるのではないかと思いますので、より多くの店舗展開ができるようにお願いしたいと思います。
それでは、スマートフォンのアプリを用いて利用者のアンケートを実施したというところでございますが、どのような意見が寄せられていて、そして、その意見をこれからどう踏まえ、施策に生かしていくのか伺います。
○谷上資源循環推進部長 利用者に対して行ったアンケートでは、ポイントの還元率が高くてよかった、余った食材で工夫して料理をつくろうと思ったといった好意的な意見が寄せられております。また一方で、購入してからポイント還元までのスマートフォンの操作が複雑といった課題の意見も寄せられております。
実証実験では、店舗における廃棄物の削減だけでなく、食品ロスの問題に対する利用者の意識の変化が着実にあらわれてきたのではと感じております。
今後、実験の成果をさらに検証し、公表していくことで、こうしたスマートフォンなどの情報通信機器を活用した食品ロスを削減していくシステムの普及を促進してまいります。
○栗林委員 今、操作が少し複雑でというお話がございましたが、せっかく使おうと思っても、その先になかなか進んでいかないと、やはり離れてしまうことも考えられますので、しっかりその点も改善していただきながら、より一層、この仕組みが広がるようにお願いいたしたいと思います。
そこで、エコバイによって、店舗における食品ロスの削減だけではなくて、消費者の意識を変えていくことにもつながっていくとすれば、さらに大きな効果が期待できるのではないかと思います。
昨年九月に設置された食品ロス削減パートナーシップ会議、ここでは、食品の製造から流通、販売までにかかわる事業者だけではなくて、消費者の団体も加わって、活発な意見交換がなされていると聞いています。食品の製造、流通、販売の過程におけるこれまでの商慣習を、都が事業者に働きかけながら見直していく取り組みに期待をするところでございますが、ここに消費者団体が加わっているというのも大事なポイントではないかと思います。
製造、流通、販売段階での食品ロスという問題を都民にもっと知らせ、一人一人が主体的な行動を起こしていくことによって、食品ロス問題の解決は、さらに一層、一歩前進していくと思いますが、都の見解を伺います。
○谷上資源循環推進部長 食品ロスを削減していくためには、事業者の取り組みだけではなく、消費者にも現状を周知し、具体的な行動を求めていくことが重要であると考えております。
そこで、あした二十一日、春分の日、祝日でございますが、食品ロス削減パートナーシップ会議の委員の協力も得て、広く都民に対して食品ロスの削減に向けた具体的な行動について周知するイベント、食品ロスもったいないフェスタを開催いたします。
来年度は、店舗などにおいて、賞味期限の正しい理解の普及、食材をうまく保存して食べ切る方法の紹介など、都民生活に直結した内容を伝えていくキャンペーンを予定しております。
食品ロスの現状を都民にわかりやすく伝えていくことを通じて、食品を無駄にしないライフスタイルへの転換を呼びかけてまいります。
○栗林委員 明日、東京国際フォーラムでイベントを開催されるというふうに聞いておりまして、私たちも会派で伺わせていただこうと思っております。また、事前に、どんどんこういうイベントの周知も宣伝をさせていただいて、明日、大いに効果のあるフェスタを開催できるように祈っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
食品ロスの最後の質問でございますけれども、モデル事業では、都が保有する防災備蓄食品の賞味期限が切れる前に有効活用するという取り組みもありました。この取り組みについても大変話題になりまして、食品ロスの問題を都民が身近な問題として捉えるようになる大きなきっかけになったと思います。
この防災備蓄食品の有効活用について、今後はどのように取り組んでいくのか伺います。
○谷上資源循環推進部長 防災備蓄食品の寄贈に関しましては、昨年度及び今年度に実施した都のモデル事業等により、社会福祉団体などに寄贈したほか、直接都民に食品ロスの削減を呼びかけながら配布するなどして、約百八十万食の有効活用を図っております。
その中で、寄贈を受ける側の状況に応じて効率的にマッチングを行う仕組みを実現するには、情報を管理するシステムづくりが必要であることを改めて認識いたしました。
そのため、現在、社会福祉団体など寄贈を受ける側の意見を聞きながら、課題の洗い出しなどの調査を行っております。
今後、この調査をもとに、現場の実態に即しまして、具体的なマッチングシステムの構築に向けて検討してまいります。
○栗林委員 ぜひ、取り組みをさらに強化していただくことをお願いいたします。やはり元祖もったいないは、この国でございますので、二〇二〇年目指しまして、さらに、目で見て本当に実感できる食品ロス対策、進めていただきたいと思います。
次に、都内における野生動物について伺います。
私ども都議会公明党の会派の中には、動物との共生社会推進プロジェクトチームというPTをつくって、取り組みをいろいろ、さまざまな施策提案もさせていただいております。特に猫とか犬とか中心ではございましたけれども、やはり自然の中に生息する動物の保護も大変重要だと考えております。
動物の中には絶滅が危惧されている種があって、例えばツキノワグマは絶滅危惧種であり、この東京の森の中にも生息しています。
そこで、現在都内の森林に生息しているツキノワグマの頭数の推移など把握しているのか伺います。
○金子緑施策推進担当部長 都内におけるツキノワグマの生息状況について、これまでも調査を実施し、生息地域や行動範囲の確認をしておりますが、正確な頭数は把握できておりません。そのため、本年度から本格的に調査を実施し、頭数の把握に努めているところでございます。
具体的には、当該市町村学識経験者などから目撃及び痕跡情報の聞き取り調査を行うとともに、現地においてセンサーカメラによる調査を実施しております。
生息頭数の推定には複数年度の調査結果を総合的に勘案する必要があり、本年度以降、継続して調査を行ってまいります。
○栗林委員 今年度から調査を実施されて、これから継続して調査をするということでございますので、取り組みをお願いしたいと思います。
また、都内の森林に生息しているツキノワグマの保護のために、都として取り組んでいる具体策について伺います。
○金子緑施策推進担当部長 ツキノワグマは繁殖力が低く、生息数が激減すると回復が非常に困難なことから、東京都レッドリストにおいては絶滅危惧の評価をしております。また、都では、平成二十年四月一日からツキノワグマの狩猟捕獲等を禁止し、保護に取り組んでいるところでございます。
○栗林委員 そういった保護に取り組んでいただいているところではございますけれども、やはり人に危害を加えるおそれがあるツキノワグマの個体については、どうしても駆除せざるを得ないという場もあると思います。
そこで、具体的に捕獲に至るまでどのような対策をしているか、また、実際の捕獲数の推移もあわせて伺います。
○金子緑施策推進担当部長 ツキノワグマの出没情報があった場合は、市町村等により出没箇所周辺に注意看板を設置し喚起をいたします。特に、人里近くでの出没の場合は、近隣住民へ放送により周知するとともに、市町村と地域猟友会による爆竹や空砲など音での威嚇による追い払いを行います。以上の対応をしても、なお出没が続く場合には、人身被害を防ぐため、有害鳥獣捕獲における許可の範囲内で捕獲をしております。
ツキノワグマの最近五年間の捕獲実績は、平成二十五年度はゼロ、平成二十六年度は一頭、平成二十七年度は五頭、平成二十八年度は四頭、本年度はこれまでに一頭でございます。
○栗林委員 東京都の二〇二〇年に向けての三つのシティーの実現に向けた政策の強化の実行プランの中でも、緑の創出と保全が掲げられて、東京の緑をこれ以上減らさないための具体的な方策を示す、東京が新たに進める緑の取り組みを取りまとめ、引き続き効果的な緑の保全、創出を推進するとございました。また、樹林地などの民有地の活用などにも取り組むとされています。
今回はツキノワグマを取り上げましたけれども、日本の自然の森には、小さなバクテリアから熊、猿、イノシシなどの大型野生動物に至るまで、いろいろな生き物たちが暮らしています。このような生き物たちがつくる保水力豊かな水源の森を残すことがやはり重要ではないかと思います。
広大な森が荒廃して、餌場を失って、おなかをすかせて、仕方がなく餌を探して森から人里へ出てきて、でも、人に危害を与えてはということで有害獣として射殺されてしまうこともあるという、やはり熊はちゃんと奥山で餌も得られて暮らせる、それは広大で保水力豊かな水源の森を残すということが最も重要ではないかと思います。
昔から、熊は森づくりの名人、熊は森の番人とたたえられてきました。生態系の頂点である熊が生息できない森は荒廃してまいります。水が湧き出て、自然豊かな奥山をそこに住む全ての生き物とともに残していくことが重要と考えます。
生物多様性の面からも、都として、こうした取り組みを一層推進していただくことを要望いたしまして、質問を終わります。
○三宅委員 東京都は、平成三十年度の取り組みとして、ゼロエミッションアイランドの実現に向け予算の計上をしています。そこで、島しょ地域の再生可能エネルギーの導入について伺いたいと思います。
島しょ地域では豊かな自然環境を生かして、八丈島の地熱発電や、新島での太陽光発電や風力発電を活用したNEDOの実証事業などの取り組みが進められています。都は、将来的に島の電力を再生可能エネルギーだけで賄うことを目指すとしていますが、島の実情を考えますと、実現は容易なことではないと思います。
各島には東京電力による電力系統への接続制限があり、再生可能エネルギーを導入したくても難しい状況にあると思います。また、地形や気候が島ごとに異なっているほか、自然公園の指定地域も多く、再生可能エネルギーの設置場所にも制約があります。各島の実情をよく把握した上で、中身のある具体的な取り組みを進めていかなければ実現は難しいと思います。
都は来年度、島の電力を再生可能エネルギーで一〇〇%賄うために必要な再生可能エネルギー設備の容量等を調査するとのことですが、どのように進めていくのかお伺いいたします。
○村山都市エネルギー推進担当部長 ご指摘のとおり、島しょ地域は、人口や気候、地形などが島ごとに異なっておりまして、島の電力を再生可能エネルギーで一〇〇%賄うための検討を進めていく上では、これらの実情を踏まえた取り組みが不可欠となります。
このため、来年度実施する調査では、島ごとに、過去の天気や日照時間等をもとに、再生可能エネルギーによる発電量の予測と電力需要量の実績をもとに、時間ごと、日ごと、月ごとの需要量の予測を行い、各島に必要な再生可能エネルギー設備や蓄電池の容量を詳細に把握してまいります。
来年度は、電力需要が少ない小規模離島などを中心に調査を進め、今後の施策検討につなげてまいります。
○三宅委員 実情を把握するため、まず調査をするとのことでしたが、各島の声もよく聞きながら、現実的な施策を進めてほしいと思います。
また、再生可能エネルギーを導入する上で、今後は島内だけでなく、周囲に広がる海域の利用も考えるべきであると思います。
長崎県での浮体式洋上風力発電や潮流発電、鹿児島県での海流発電など、国内各地でさまざまな海洋エネルギーの実用化に向けた取り組みが行われ、神津島でもNEDOによる波力発電の実証事業が行われました。
また、国では、洋上風力発電の一般海域占用ルールの整備を進めようとしています。海洋エネルギーは、今後、東京の島しょ地域でも活用できる可能性が非常に高いと思います。国や民間の開発動向を見ながら、海洋エネルギーの活用もぜひ検討していただきたいと思います。
また、自分は昨年の予算特別委員会でもいわせていただきましたが、島は本当に海洋を使ったポテンシャルが高いと思います。島だけで消費するんじゃなくて、それを将来、内地に送電網で送って、こちらのエネルギーも島で発電した電気で賄えるような、そういう大きな計画を持っていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたしたいと思います。
次に、電気自動車の普及促進について伺います。
都は来年度、電気自動車の普及促進に六億円の予算を計上しています。CO2を排出しない環境先進都市を目指し、電気自動車の普及を進めることは大事なことだと考えます。
しかしながら、最近の新聞報道では、これまでのガソリン車がなくなり、一足飛びに電気自動車へ切りかわるかのような記事も見受けられます。確かに世界の流れが電気自動車へ進んでいることは否定しませんが、冷静に現状を見ていく必要があると思います。
今年度から総務局が八丈島で電気自動車の実証事業を実施していますが、将来、島しょ地域で電気自動車が普及すれば、自動車整備に携わる人材の育成や、ガソリンスタンドの経営などの課題が出てくると思います。
都では、ゼロエミッションアイランドを目指し、島しょ地域において電気自動車の普及を図るとしています。そのため、来年度は、島しょ地域における電気自動車普及ポテンシャル調査を実施するとのことですが、この調査はどのような目的で、どのような観点から実施する予定なのか伺います。
○松永環境改善部長 島しょ地域における電気自動車普及ポテンシャル調査は、島しょ地域における自動車の使用実態等を明らかにするとともに、電気自動車導入に向けた課題を把握するため、全島を対象に実施いたします。
調査内容は、自動車の使用目的、走行量、道路状況など各島の現状や、電気自動車への転換に伴います地域産業への影響などを想定しております。また、再生可能エネルギー導入に向けた検討とあわせまして、電気自動車導入に向けた電力需要量なども調査いたします。
これらの調査で得られた各島の特徴を踏まえ、地元自治体等と緊密な連携を図りながら、ゼロエミッションアイランドの実現に向けた電気自動車の普及を進めてまいります。
○三宅委員 ガソリンスタンドとか、また自動車整備工場は、島にとって島民の日常生活を支える重要なインフラでございます。都が単独で電気自動車の普及を進めるのではなくて、影響の出る業界や地元自治体などへしっかりと説明をしながら進めていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
次に、大島におけるキョン対策について伺います。
この問題に関しまして、私は都に対して、積極的な対策を講じるように継続して要望しております。昨年十一月の環境・建設委員会の事務事業質疑におきましても質問して、今年度後半は、アクセスの困難な場所に当該ハンターを導入し、捕獲を強化するという答弁をいただきました。
そこで、まず初めに、その後のキョンの捕獲の現状について伺います。
○金子緑施策推進担当部長 都は、キョンの生息数を低減させるため、平成二十九年度の年間捕獲目標を三千五百頭と定め、捕獲に取り組んでいます。
具体的には、ハンターの出猟日数や捕獲のための巡回頻度をふやすなど、これまでにない捕獲圧力をかけているところでございます。また、今年度後半からは、これまで立ち入りが難しかった場所にも捕獲範囲を広げ、ハンターを集中的に投入し、捕獲を行っております。
この結果、今年度は二月末時点で三千三百三十七頭を捕獲いたしました。これは昨年度の同時期の実績の七割増であり、年度末には目標の三千五百頭を達成する見込みでございます。
○三宅委員 年間捕獲目標は達成すると聞いて安心しましたが、ぜひそれ以上頑張っていただきたいと思います。
また、大島では最近、地域によってはキョンを以前ほど見かけなくなったという話も聞いております。大島に生息していなかった特定外来生物であるキョンは、最終的には根絶しなければなりません。一日でも早く根絶を実現するには、捕獲の強化が必要と考えます。
そこで、都は、来年度予算においてキョン対策費を大幅にふやしたと聞いておりますが、どのような対策を講じていくのかお伺いいたします。
○金子緑施策推進担当部長 キョンは非常に繁殖力の高い動物なので、これを根絶するには早期に多くの頭数を減らすことが重要でございます。そこで、来年度予算案においては、これまで捕獲の実績の高い鉄砲と張り網を用いた捕獲の強化などに、今年度の六割増となる六億三千六百万円を計上しております。
具体的には、来年度はハンターを増強し、出猟日数を今年度の二倍にふやすとともに、キョンの生息密度が高い地域において鉄砲等による捕獲を集中的に行ってまいります。また、鉄砲に次いで捕獲実績の高い張り網の設置範囲を広げ、捕獲を増強いたします。
こうした取り組みにより、キョンの根絶に向けて、さらなる捕獲に着実に取り組んでまいります。
○三宅委員 今後も、住民や観光客の安全にも配慮しながら捕獲を進め、島にとってかけがえのない自然環境や農業を守ることを強く要望いたしまして、次の質問に移ります。
自然公園について伺います。
私は、東京の自然公園ビジョンの実現に向けては、計画策定で安堵せず、施策を具体的に進めていくべきだと考え、事務事業質疑で幾つか質問いたしました。そこで、本日は、平成三十年度の予算案に関連し、特に小笠原諸島における外来種対策について、事務事業質疑後の進捗について伺います。
東京都は、在来植生の回復や、アホウドリなどの海鳥の繁殖地形成などにも取り組んでいますが、その一環で、特にノヤギ対策については、世界自然遺産リスト登録前から成果を上げており、聟島や媒島、弟島などの島々において、その根絶を果たしています。
しかし、父島についてはノヤギが相当数残っており、在来植物の踏み荒らしなどが懸念される状況にあります。私も昨年二回ほど父島に行きましたが、やはりその都度ヤギの群れに遭遇することがありました。
都は、根絶の姿勢を明確にし、根絶に向けた取り組みを促進すべきであると思います。
そこで、父島におけるノヤギ対策の今後の方針についてお伺いいたします。
○金子緑施策推進担当部長 小笠原諸島は世界遺産登録から七年目を迎え、都はこれまで、国や村と連携し、その貴重な自然環境の保全に取り組んでまいりました。
特にノヤギ根絶に関しては、平成九年度から取り組みを開始し、これまで聟島列島や父島列島等ノヤギが生息していた七つの島のうち六つの島において根絶し、残るは父島のみとなっております。
一方、ノヤギの捕獲は外来植物の繁茂につながりかねないという懸念が、小笠原の保全事業に対し指導や助言を行う科学委員会や地域の関係団体等から指摘されたところでございます。
このため、父島においては、平成二十七年度から暫定的にノヤギの捕獲を抑制し、その結果、ノヤギ頭数はおおむね横ばいとなっており、根絶の達成が難しい状況になっております。
そこで、今後は、外来植物等のモニタリングを徹底し、関係行政機関と連携して外来植物を伐採する取り組み等を並行して進めることで、科学委員会や地域の関係団体の理解獲得を図り、ノヤギの根絶を目指してまいります。
あわせて、現在改定作業中の世界自然遺産小笠原諸島管理計画に、父島のノヤギを根絶する方針を明記してまいります。
○三宅委員 繰り返しになりますが、ノヤギの根絶は、これまで都が大きな成果を上げてきた事業であります。その根絶に向けて果敢に取り組んでいってもらいたいと思います。
次に、ネズミについて伺います。
既にノヤギ根絶を果たした聟島列島の媒島については、外来ネズミに関して、事務事業質疑の際に、ノヤギ根絶の効果を発揮させ、早期に植生回復を図るためにも、外来ネズミの根絶について調査、対策を進めていくと答弁をいただきました。
ネズミは高い繁殖力を有する動物ですから、対策は待ったなしの状況にあります。事務事業質疑後の取り組みの状況について伺います。
○金子緑施策推進担当部長 媒島のネズミについては、兄島でネズミ駆除に有効であった手法である殺鼠剤の空中からの散布を予定しており、現在、小笠原村の住民の方々や漁業者、あるいは関係事業者等に対し説明会を重ね、丁寧に準備を進めているところでございます。おおむね地元の理解を得ることができたため、受託者が決定次第、駆除を行う予定でございます。
今後も、父島のノヤギや媒島の外来ネズミの根絶に向け、モニタリングや住民等関係者との随時の情報共有等を行い、地域の関係団体と科学委員会の理解や助言を得ながら取り組んでまいります。
○三宅委員 ことしは返還五十周年の節目であり、小笠原はますます注目を浴びていくことになります。世界に誇る貴重な自然環境をしっかりと次世代に継承するためにも、地元や関係者の理解を十分に得ながら取り組みを進めることを期待いたしまして、質問を終わります。
○原田委員 私からは、環境アセスの見直しについて質問したいと思います。
昨年十一月七日の環境・建設委員会において、私は、豊洲新市場の事業が環境影響評価条例、いわゆる環境アセス条例が六十二条に定める計画変更の事前届が行われていなかった問題を取り上げました。環境局は、事業者たる東京都及び市場当局が六十二条に違反していたことを認めました。
私は同時に、手続の違反者は氏名、住所、違反事実の公表をすることを都知事に定めた九十一条に、都知事が違反していたことを追及しました。しかし、環境局政策調整担当部長は、市場当局の条例違反は認めながらも、知事の条例違反というか、環境局の条例違反の判断を認めなかったわけです。人の条例違反は認めても、自分たちの条例違反は認めない、そういう答弁になっていたと思うんですね。
しかし、その直後の第四回定例議会において、小池都知事は、環境アセス条例の見直しをいい出しました。その所信表明で、都市づくりにおける適正な環境配慮は、子や孫の世代に良好な都市環境を引き継ぐためには欠かせませんとし、環境影響評価制度を、大規模な開発事業等について周辺環境への影響を抑える手続と指摘しました。
さらに、適切でわかりやすい運用を行うため、制度の見直しについて環境影響評価審議会に諮問すると宣言をされたわけです。具体的には、環境影響評価審議会において、事業者が提出した評価書の説明をこれまでは環境局が行っていたのを、事業者自身に説明させるとする見直しであります。これは一定、大事な表明でした。
そこでお聞きしておきたいと思うんですけれども、第四回定例議会において、都知事が表明した都市づくりにおける適正な環境配慮、これが大規模な開発事業等について、周辺環境への影響を抑えることになるという認識は、もちろん環境局も共有していますね。
○松本政策調整担当部長 環境影響評価制度でございますが、これは大規模な開発事業などを実施する際に、あらかじめその事業が環境に与える影響を予測、評価しまして、その内容について住民や関係自治体などの意見を聞くとともに、専門的立場からその内容を審査することなどにより、事業実施による環境への影響をできるだけ少なくするための一連の手続の仕組みでございます。
○原田委員 そうですね。事業者自身が、私の事業はこれだけの影響を与えるかもしれないから、こういう対策を施しますとみずから提案をして、それを、住民にも、自治体にも、専門家にも見てもらって、評価をしてもらう極めて大事な手続となってくるわけです。これが適正に運用されるかどうかは、極めて重要なことになってくる。
都市づくりにおける適正な環境配慮を、都知事も第四回定例議会の所信表明の中で訴えたわけです。そして、この第一回定例議会では、小池都知事もいよいよ、豊洲新市場の事業計画において盛り土が行われなかったことを事前届けしていなかったのは条例違反であると認めました。
しかし、小池都知事も九十一条違反は認めませんでした。そのときの答弁はこうです。条例の法的な性格に鑑みまして、条例九十一条を適用する必要性は乏しいと判断したと。法的な性格に鑑みてといいますが、これが何を意味するのか、大事です。
これは、昨年十一月七日の環境・建設委員会でも、松本部長はこのように答弁しています。九十一条の条文は、事業者の氏名等の公表により、手続の確実な遂行を担保しようとする趣旨だという解釈であります。
ここで、改めて九十一条を読んでみたいと思うんですね。アセス条例九十一条には、知事は、事業者が次の各号のいずれかに該当する場合は、当該事業者に対し、その者が意見を述べ、証拠を提示する機会を与え、その意見に正当な理由がないと認めるときは、当該事業者の氏名及び住所並びにその事実を公表しなければならないとして、その第一項で、どういう違反行為の場合はこれが適用されるかというと、この条例に定める手続の全部または一部を行わなかったときとしているんですね。どこにも事業者の手続の確実な遂行を担保しようとする趣旨なんていうのは読み取れないわけです。この手続の一部または全部を履行しなかった事業者は、すべからく、これは九十一条に基づいてペナルティーを与えなきゃいけないと、そうなっているんですね。
九十一条は、違反者にはペナルティーを与えよと書いてある。それを逆さまにして、松本部長は、九十一条は手続の確実な遂行を担保する趣旨だから、変更届をすぐに出そうとした事業者にはペナルティーを与える必要性が乏しいといってのけたわけですね。
私は、第四回定例議会の文書質問で、一体、九十一条のどこに手続の確実な遂行を担保しようとする趣旨を読み取ることができるのか根拠を伺いました。すると、さきの委員会の答弁は変化しまして、九十一条の条文という言葉はなくなり、条例の趣旨という言葉に変わりました。つまり、条例全体から読み取れる趣旨だと変わったわけです。さすがに、九十一条自体に確実な手続を確保する趣旨は読み取れないと判断したことは賢明でしたが、文書質問のやりとりで私が、違反をした事業者でも、手続が速やかに進むのならペナルティーを与えないでいいという趣旨をどうやったら読み取れるのかと聞くと、やりとりをした課長は、どこに書いてあるわけではなく、条例全体のニュアンスだといい放ちました。
ここからが前回からの続きの質問になります。手続の確実な遂行を担保しようとする趣旨は条例のどこに書いてありますか。
○松本政策調整担当部長 東京都環境影響評価条例は、条例第一条にございますとおり、環境影響評価及び事後調査の手続に関し必要な事項を定めた条例でございます。
また、条例三条では、知事は、本条例に定める手続が適正かつ円滑に行われるよう努めなければならない旨、規定しております。
○原田委員 すごく不思議な答弁だったと思うんですね。本条例は、環境影響評価及び事後の手続に関する必要な事項を規定という一条の条文のどこに事業者の手続の確実な遂行を担保しようとするという趣旨が入っているのか。入っていませんよね。
もう一つ挙げたのは、第三条、知事の責務ですかね、これは。知事は、手続が適正かつ円滑に行われるよう努めなければならない旨を規定しているわけですね。知事は、手続が適正かつ円滑に行われるよう努めなければならないという規定には、円滑だけじゃだめだと、適正でなければいけないと書いてあるわけです。事業者が条例違反を働いたとしても、手続の確実な遂行を担保しようとする趣旨が、一体どこに読み取れるのか、お答えください。
○松本政策調整担当部長 委員がお話しの案件につきましては、繰り返しになって大変恐縮でございますが、豊洲新市場の建物下に盛り土が行われなかったことでございますが、東京都は一昨年九月公表いたしまして、公表後、直ちに当局が確認したところ、中央卸売市場は変更届を提出したいとの意向を速やかに示したということから、条例九十一条を適用する必要性は乏しいと判断したものでございます。
○原田委員 部長、よく私の質問を聞いてもらいたいと思うんですけれども、知事は、手続が適正かつ円滑に行われるよう努めなければならないという、部長が示した答弁なんです。ここに、どこに手続の確実な遂行を担保するという内容が含まれているのかと聞いたんです。
○松本政策調整担当部長 適正かつ円滑に行われるよう努めなければならないということは、すなわち手続の確実な運用を担保しなければならないと私どもは解釈してございます。
○原田委員 もう一回聞いてみたいと思いますよね。今のは、手続の確実な遂行というのは多分、円滑というところに求めているんだと思いますけれども、この条例は適正でなければならないといっているんですね。事前の変更届を出さなかった、しかも、事がばれてから提出をした、こういう事業者を適正と呼べるのかどうかということが問われることになるんですね。
部長は、手続の確実な遂行を担保しようとする趣旨を適正かつという部分に当てはめた場合に、これは不適正な場合には、この手続の確実な遂行は担保しちゃいけないということになるんじゃないんですか。適正という部分は、この三条の部分はどこに消えちゃうんですか。
○松本政策調整担当部長 条例第三条に申します本条例に定める手続が適正かつ円滑に行われるよう努めなければならないと申しますのは、適正かつ円滑は、条例にのっとって適切に行われるという趣旨と解釈しております。
○原田委員 そうですよね、条例にのっとって適切に手続が行われなきゃいけない。その点でいうと、今回東京都は、盛り土をやるといっていたのにやらないことにしたというのを、ばれるまで黙っていたわけですよね。これ、適正なんですか。
○松本政策調整担当部長 条例九十一条についてお話をされておりますけれども(原田委員「いや、適正なのかと聞いたんです」と呼ぶ)条例九十一条を例としてご説明申し上げますと、例えば、条例九十一条と類似の規定としまして、刑事訴訟法第二百三十九条第二項がございます。こちらは官公吏の告発義務、告発しなければならないという文言がある規定でございます。ただ、そこにも行政の裁量というものが認められるとする学説が一般的でございまして、義務的な規定であっても行政の裁量というのは認められております。
これと同様に、条例九十一条の適用についても、私どもは一定の裁量が認められると考えております。そしてその根拠は、先ほど来申し上げておりますとおり、中央卸売市場当局に変更届の提出について確認したところ、速やかに提出したいとの意向が当初から示されていたという事実でございます。
○原田委員 新答弁がやってきたわけですけれども、私の質問には答えていないわけですよね。ただし、この事業者は、皆さんが認めたように六十二条違反行為を行っていたわけです。知事の責務というのは、適正に運用することを求めているわけですね、この条例の。
一般質問の答弁で、知事、こういっています。この条例は、対象事業の環境影響評価を適切に行うことを担保するために手続を定めた条例でございますと。知事は、環境影響評価を適切に行うことを担保する条例なんだといっているんですね。これ、部長の、手続の確実な遂行を担保しようとする条例の趣旨という答弁とは趣旨が違ってくると思うんですけれども、どう思いますか。
○松本政策調整担当部長 今、委員ご指摘いただいた適切にという話と、あと確実な遂行を担保という話でございますが、私どもは同一のものと考えております。
○原田委員 環境影響評価を適切に行うということを担保、これはこの言葉どおりに見れば、九十一条をしっかりと適用するということが、環境影響評価の適切な運用になると思うんですね。
しかし、部長が答弁されている手続の確実な遂行を担保しようとする趣旨といっちゃったら、何が何でも、事後であっても提出をしたら、とにかく事業が前に進むように、それがこの条例の趣旨なんだというふうに聞こえてしまって、全く趣旨が違うと私は思うんですね。
ちなみに、この知事の答弁でも、それから部長のこれまでの答弁でも、不思議なんですけれども、九十一条を適用する必要性が乏しいという表現が幾つも出てくるんですね。これ、一体どういうことなんですかね。必要性がないのではなくて、乏しいというからには、じゃあ、九十一条の適用の可能性はあったということですか。
○松本政策調整担当部長 条例第九十一条を適用する必要性の行政判断につきましてでございますが、公表した場合の不利益と、公表しなかった場合の不利益との比較考量の結果によって行っているものでございます。必要性のあるなしを単純明快に判断できるものではないため、必要性は乏しいという表現にいたしました。
○原田委員 ちょっとわかりづらかったんですけど、公表の影響の比較考量と。どういう考量をしたんですか。
○松本政策調整担当部長 公表した場合の不利益と、公表しなかった場合の不利益、そういったものを全て勘案して、条例九十一条というものを適用するしないの判断が必要と考えて行っております。
○原田委員 では、公表した場合の不利益って何ですか。六十二条の違反行為を働いた東京都の事業者に対して九十一条を適用すると、どんな不利益があるという議論があったのか、ちょっと具体的に教えてください。
○松本政策調整担当部長 何度も申し上げておりますが、この九十一条を適用するということに関しましては、中央卸売市場は、この事案が発覚した当初から変更届を出しますと表明をしております。私どももそれを受けとめております。そういった状況の中で、こういった公表というところまで、するのかしないのかということを勘案したということでございます。
○原田委員 予想外の答弁で時間を使っているんですけれども、部長自身がおっしゃったことなんで、もうちょっと詳しく教えてもらいたいんですけど、公表した場合の不利益って、一体誰にとっての不利益を勘案したということなんですか。この違反行為を行った市場業者の不利益を鑑みて、九十一条はやめてやろうと思ったということですね。
○松本政策調整担当部長 不利益という言葉は一般的な言葉でございますが、この件に照らしていえば、既に市場当局が変更届を出しますと当初からいっていた、そういったことを考え合わせるとどうかということでございます。
○原田委員 私の質問聞いていましたか。誰にとって不利益なんですかと聞いたんです。
○松本政策調整担当部長 公表した場合の不利益、公表しなかった場合の不利益のお尋ねでございますが、アセス制度にとってのという意味でございます。
○原田委員 六十二条違反を行った事業者の氏名、住所、事実の公表を行うことがアセス制度にとってどんな不利益があるのか。アセス制度というのは、一番最初に部長が答弁されたように、この手続を担保することによって、大型開発から住民の環境を守っていく、そういうことにあるわけですよね。
むしろ、こういう違反事業者にペナルティーを与えることは、住環境を守る目的であるはずのこのアセス条例にとってすごく大事なことなんじゃないですか。それがアセスにとって何が不利益なのか教えてください。
○松本政策調整担当部長 委員がおっしゃるとおり、環境影響評価制度というのは、大規模な開発事業の実施の際に、環境影響を評価しまして、そして事業実施による環境への影響をできるだけ少なくするという最後の目的のために行う制度でございます。
そのためにどのように運用していくかということを、手続をとるかということを環境影響評価条例に定めてございます。その条例にのっとった手続を各事業者が適正かつ円滑に運用できるように、東京都は後押しを、環境局は後押しをしているわけでございますが、その観点の中から、これは、アセス制度をきちんと最後の究極の目標まで持っていくために、市場当局にとっても、あるいは全てのあらゆる事業者にとっても適切であろうという考えのもとでの判断でございます。
○原田委員 極めて踏み込んだ答弁が出てきたなと思っています。
ちなみに、これも改めて確認してきておきたいと思うんですけど、九十一条に定めた、その者が意見を述べ、証拠を提示する機会を与えという部分、つまり、違反事業者からの聞き取り、弁解の場を与える措置も条例に定めてあるんですけど、それもしませんでしたよね。
○松本政策調整担当部長 条例九十一条は、事業者が手続の全部または一部を行わなかった場合におきまして氏名等の公表を行うことを前提としまして、その事業者が意見を述べる機会というのを与えるというものでございます。
今回のケース、市場のケースで申しますと、都は、建物下に盛り土が行われなかったことを公表しまして、その後、直ちに当局が確認を行い、中央卸売市場から変更届を提出したいとの意向が速やかに示されたものでございます。そのため、条例第九十一条を適用する必要がないと判断したものでございます。
○原田委員 先ほど、豊洲計画を進めることが、全ての計画にまつわる人々や環境にとって大事なことなんだとすごい答弁が来たんですけど、納得はしませんけど重大な答弁が来たんですが、それだけ大仰にいっておきながら、九十一条に定めた事業者が何で違反したのかというのを聞き取ってもいない。
それから、向こうから、いや、実はこういうことなんですという弁解の場も持っていないのに、さっきいったように、どんな違反をした事業者であっても、この計画は進めてやった方が全ての人たちのためになるんだみたいな、そんな判断を下したということですか。
○松本政策調整担当部長 私の答弁は、今、豊洲市場の関係についてご答弁申し上げておりまして、全てのという趣旨では全くございません。
○原田委員 わかりました。もう一度聞きます。この違反事業者からの聞き取りもせず、何でこんな違反を起こしたのか聞かなかった。向こうからの弁解の場も、聞く場も持たなかった。それでいて、なぜこの事業は進めた方がいいと考えたんですか。
○松本政策調整担当部長 先ほども申しましたとおり、九十一条の意見の陳述のところまでは適用する必要がないというふうに判断をしたわけでございますが、先ほど来申し上げましたとおり、盛り土の件が公表になった後、環境局としては市場当局に直ちに聞き取りを行っております。
その際、それは都が公表した数日後のことでございましたが、変更届を出さなかった理由をただしたところ、変更届の提出の意向が示されたということでございます。
○原田委員 いいですか、この事業者は違反事業者なんですよ。それなのに、何も聞かずに九十一条適用の必要性なしと、速やかに手続が進めばそれでいいと判断したということですか。明確にお答えください。
○松本政策調整担当部長 繰り返しになりますけれども、中央卸売市場は、都が盛り土の件について公表した数日後に、当局の聞き取りに対し、変更届を提出するという意向を示しました。
なお、その際に、変更の必要性を認識していたかどうか、単なる失念だったのか、何らかの考えがあったのか、幾つかの可能性が考えられるがわからないという説明を受けております。
○原田委員 だから、そういうのを、いろんな報告書とかを見たんだと思いますけど、環境局自身が事業者本人から聞いていない、当局からという状況なんですよね。
何で聞かなかったのかなと不思議なんですけれども、そこでお聞きしますけど、六十二条は計画変更の事前届け出を定めていますが、事後であっても変更届を出しさえすれば、どんな場合でも、環境局は九十一条を適用しなくてもいいという考えなんですか。
○松本政策調整担当部長 今、委員から、どんな場合でもというふうに条件をお示しになりましたけれども、これはあくまでも、一般的には個々の案件の状況を勘案して判断いたします。
○原田委員 一般的には個々の案件の状況を勘案して判断するけれども、九十一条に定めた事実の公表はおろか、聞き取りさえも行かない段階で、個々の案件の状況を勘案して、これほど重大な手続違反を行った事業者に九十一条を適用しなかったと。
ちなみに、ほかの自治体では、勧告を行った後公表という規定の自治体が幾つかあるんですね。だから、東京都より緩いということです。例えば横浜市。勧告というのがあって、横浜市の環境影響評価条例第六十四条で、まず勧告というのが定められているんです。これでいうことを聞かなかった場合に、第六十五条、公表と、大体こういう二段階論を持っているんですね。
東京都はあえて、これは積極的なアセスとして、違反事業者は勧告とかもなく、東京都は割と頑張っていて、即、事業者の氏名、住所、違反事実の公表という九十一条があるんですね。それを先ほどは、あたかも法の定めに応じて、別にそれを守らなくたって、裁量権があるんだみたいなことをいったんですけど、私はそういう姿勢は本当に不適切だなと、みずからが持っている環境アセスに対して、本当に不誠実だなというふうに思うんですね。
こうしたアセス条例の自治体がほかにあるにもかかわらず、東京都があえて九十一条で違反業者はばっさり公表という厳しい条例にしてあるのにもかかわらず、情状酌量は東京都環境アセス条例の規定ではできないはずなんです。改めて、ちょっとここで、九十一条、これほど厳しい条例にもかかわらず、個々の案件に勘案してという答弁がありましたけれども、なぜこの事業者の場合は勘案して、しかも聞き取りも行わないで事業推進と決めたんですか。
○松本政策調整担当部長 先ほど来、何も意見を聞かずにというようなお話がございましたが、繰り返しになりますが、この盛り土の件が公表されて数日後に聞き取り調査を行っております。単に、九十一条に基づく意見の陳述というのではないということだけで、中央卸売市場とは環境局は直接話をしております。
なお、九十一条の適用についてというお話をいただきましたけれども、それ以外はどうしているのかというお話がありましたが、これも先ほど来お示ししております条例第三条に、知事の基本的責務という条文がございます。知事は、良好な環境を保全し、もって都民の健康で快適な生活を確保するため、この条例に定める手続が適正かつ円滑に行われるよう努めなければならない。それに基づいて、各種の審査、指導を行っております。
○原田委員 各種の審査、指導を行っているといいますけれども、今の経過を見ると、本当にしているのかなと心配になりますよね。
ところで、一般的には個々の案件の状況を勘案して判断との答弁がありました。東京都及び中央卸売市場当局は、共産党都議団が地下空間の調査に踏み込むまで黙っていたわけですよね。議会で何度も、地下は盛り土でふたをされているので有害物質は上がってこないと答弁していたわけです。議会までも欺いていた事業者なんですよね。
環境アセスというのは、事業者みずからがその技術と誠実さにかけて、開発による影響を予測し、対応を考え、実施するという仕組みですよね。その手続中には、住民からも意見を受け付ける場を設けているため、実際、住民から盛り土に関する意見が寄せられて、事業者もその質問に答える場面が幾度もありました。
盛り土がないのに、幾度も住民や議会を欺いてきて、良心の呵責に耐えかねて、みずから変更届を出したのではないんですよね。共産党の調査でばれてから変更を出したわけですよ。
小池都知事は一般質問の中で、これまでの経緯からして、九十一条を適用する必要性は乏しいと判断したと答弁したんですが、これまでの経緯をいったら、間違いなく許されざる、不適切かつ不誠実な事業者なんじゃありませんか。
実際、昨年八月二十八日の環境影響評価審議会において、審議会の柳会長から、変更届がなされずに、評価書の内容と異なる工事が実施されたことにより、環境影響評価という制度の信頼性が損なわれる事態が発生したと指摘し、審議会を代表して強く遺憾の意を表したいと発言がありました。昨年八月の審議会です。
この件に関して、当該事業者は、誠実かつ適切な手続に努めたといえますか。それについて、ずばり答えてください。
○松本政策調整担当部長 委員がご指摘の審議会の会長のご発言を含めまして、それは確実に市場当局にお伝えしております。
○原田委員 もう一丁、聞いておきましょう。この事業者は、誠実かつ適切な手続に努めたといえますか。
○松本政策調整担当部長 会長のご指摘を確実に伝えております。
○原田委員 この事業者、つまり東京都ですが、豊洲新市場建設工事以外でも、環境アセスの手続として問題があるのではないかという行為を行っています。先日、三月十六日の環境・建設委員会での建設局予算質疑に関連して、私が取り上げました中央環状品川線南品川換気所でのトラブルについてです。
中央環状品川線については、都は、平成二十五年度第十一回アセス審議会総会に、都アセス条例九十条に基づく事業計画の変更として、開通時期を平成二十六年から平成二十七年へと延長することを報告しました。
その変更理由については、シールドトンネル掘削後の五反田出入り口工事及び南品川換気所工事において出水が発生したため、薬剤注入等の出水対策を行ったが、それらの対策に時間を要したことから開通予定時期を延長すると書かれています。
しかし、建設局から内部で使っていた資料をいただきましたが、これにははっきりと工期延長の理由はこう書いてあります。委員長、掲げますけれども大丈夫ですか。--シールドセグメントへの負荷応力を低減し、避難路の掘削を安全かつ確実に進めるための対策工の検討、実施に必要な期間として工事を一時中止したと表記していたんですね。実際たくさんの時間を費やしたのは、シールド本線トンネルに圧力が高まり、このまま上昇すればトンネル自体に大きな影響を与える可能性が生まれた。その原因を特定すること及び原因として判明した地山の圧力に対抗するためのトンネルが崩壊しないようにする巨大支柱の設置、シールドの内側からの補強、避難路の工事を一時撤退するために掘り進めた避難路の補強などでした。
南品川換気所工事において出水が発生したためという報告でしたが、南品川換気所では、工期をおくらせるような出水は確認されていません。明らかに事実と異なります。
当時は、シールド工法安全神話が崩れかけ、それでも外かく環状道路はシールド工法だから安心といっていた矢先でした。しかも、議会では、我が党都議団が、この品川線の難工事を指摘していた中でのことです。
この問題が発覚していたかいなかったかは、その後の都政においても大きい影響があったはずです。事実と異なる報告を行ったことは、アセスの適切な手続をゆがめる行為です。
この件に関する建設局の手続を、アセス局たる環境局はどう考えるか、見解を求めます。
○松本政策調整担当部長 この件の事業者からの報告内容でございますが、事業者によるプレス発表と同様の内容でございます。
当局としては、変更内容及びその理由について報告を求めており、変更理由として出水対策に時間を要したという事実に基づく報告として受理しており、問題ないと考えてございます。
○原田委員 まるで建設局と話し合ってきたかのような答弁だったわけですけれども、このような報告で、当時どのような議論がこの審議会で行われたか。
小島審議会会長は、一番最後の件についてちょっとわからないところがあるのですが、一八ページ、都市高速道路中央環状品川線で出水が発生したためというのが、これは掘削完了後に出水が発生したためというのが、これはどういうことでしょうかと。そういう質問に対して、上田アセスメント担当課長は、書き方が悪かったかもしれないですけれども、トンネルの掘削工事は既にシールドが完成していまして、その後、地上につながる斜路というか避難路というか、出口を別につくっているときに出水したということだ。
小島会長はさらに進めるわけですね。もう一つ、最後の再評価の結果というところで、開通予定時期の変更でありということで、出水が発生したことに対する影響というのは、これはなかったと見てよろしいのですか、出水をとめるための工期が長引いたということですね、グラウト工事をするとかで。薬液注入のことですね。そうしたら上田アセスメント担当課長は、そうです。出水事故の対策だと。その分、工事期間を費やしたということでございますのでと。
まさに、出水というのをテーマにこの審議会では話し合われてしまって、工期延長はどういう理由なのかという議論があっても、出水の話になってしまったと。
環境局のアセスメント担当課長は換気所工事について、避難路というか、出口を別につくっているときに出水したといっているわけですよね。また、審議委員から、大量の出水ではないのか、改めて環境影響評価をする必要はないということか尋ねられた際に、どの程度が大量といえるかというところもあるのですけれども、やはり工期を延長せざるを得なかった、要は止水にある程度時間を要したというところですと説明しています。
環境局は、出水対策という報告で問題ないとおっしゃいましたが、出水したとか、止水工事に時間を要したというのは、これまで話をしてきたように、事実と異なる可能性が高く、アセス審議会の中で、審議委員に対して不正確な説明をした可能性があるのではないですか。
○田の上委員長 済みません、ちょっと速記をとめていただけますか。
〔速記中止〕
○田の上委員長 速記を始めてください。
○松本政策調整担当部長 委員ご指摘のとおり、そのような意見が当時の審議会で出ております。それに対しまして、当局は、完了後の報告書の段階で報告させるようにしますと回答しております。
その後、事業者から、地下水位や地盤について著しい変化は生じなかったということが報告されており、審議会でもそのように改めて報告をして、特に異論は出ておりません。
○原田委員 部長、アセスというものについて、ちゃんと理解した上での答弁ですか。今の話は、このアセス審議会で話し合われていた工期の延長について、その理由はというのを議論していたんです。
今、部長がおっしゃったのは、環境に影響があったかどうかを建設局は報告をしたのみであって、工期の延長については何にも語っていないんですよ。不十分じゃありませんか。
○松本政策調整担当部長 今回の事業者からの報告内容というのが、事業者によるプレス発表と同様の内容でございました。
当局としては、その変更内容、理由について報告を求め、変更理由として、出水対策に時間を要したという事実に基づく報告と受理しております。
○原田委員 今後の、アセスに対する事業者からの報告とかを監視していく上でとても重大な問題なんですよ。もう一度いいます。この資料には、工期の延長は、応力上昇に対する対策に期間を要したと。これ、建設局の内部の資料です。自分たちの中ではそういっているんです。
しかし、環境局が所管するアセス審議会には、出水対策、しかも、そのデータも、出水の量もまだ見つかっていないわけです。そんな状況で専門家たちに出水対策として報告をしてしまっているんですよ。もうちょっと丁寧な説明は必要だったとか、そういう感想もない。もう一度お答えください。
○松本政策調整担当部長 繰り返しになりますけれども、あくまでも事業者からの報告内容に基づきまして審議会に報告をしてございます。変更内容、その理由について、事業者からの報告内容は、まさしく事業者によるプレス発表と同様の内容でございました。その形で受理しております。
なお、審議会で、追加で出た審議会の委員からのご質問に対しては、環境局としては、事後の調査報告でそれを求めて、やはり環境影響に問題はなかったというような報告をいただき、また、それをさらに審議会に報告してございます。
○原田委員 だから、今、本当に繰り返しの答弁をされたんですけど、この審議会で問われたのは、工期の理由を審議していたんです、皆さんはね。事後報告には工期の延長の理由は結局いわれていないんです。環境に影響があったかどうか--なかったですで終わっているんですね。
改めて、こうした、先ほどの答弁でいうと、建設局からいわれたので仕方ないじゃないかと、環境局としては、建設局がこういう報告を出してきたんだから仕方ないじゃないかという答弁に聞こえたわけですけれども(発言する者あり)じゃあ、そうするとどうなんですか。そういうふうに聞こえたんですけれども、もう一度答弁ください。
○松本政策調整担当部長 改めまして、環境影響評価制度とは、大規模な開発事業などを実施する際に、あらかじめ事業者がその責任と負担において、その事業が環境に与える影響を予測、評価して、その内容について多方面からの意見を聞くとともに、専門的立場から審査をするということを経て、事業実施による環境への影響をできるだけ少なくするための一連の手続の仕組みでございます。
今までもこれからも、環境局としましては、この制度が適正かつ円滑な運用になるように努めてまいります。
○田の上委員長 原田委員、発言は挙手をして、指名されてからお願いいたします。
○原田委員 はい。まさに、今の答弁の中に、事業者の報告は専門的な審査を経てと。その専門的な審査をする専門家たちに対して、事実と相当異なる報告をしていたということに関して何の疑問も湧かないのかと、建設局にもう一度確認する必要があるんじゃないかということを、この問題については最後の質問にしておきたいと思いますけど、どうですか。
○松本政策調整担当部長 この件に関しまして、工期の変更及びその理由として事業者が報告してきたものというのはプレス発表と同様の内容でありまして、これを環境局、あと審議会はそれを受理したものでございます。
○原田委員 改めて、環境局のアセスに対する姿勢というのが、私は、浮き彫りになっていると思うんですよね。
豊洲新市場建設事業は汚染物質を外に出さないし、外からも入れないための遮水壁を設けることになっています。
私が、このアセスの問題でちょっと調べている間に気になったことが出てきたのでお聞きしたいと思うんですけれども、本当にこれはお聞きしたいというレベルなんですけれども、二〇一一年七月の豊洲新市場建設事業の環境影響評価書を見ますと、準備工事として設置する遮水壁については、工事の完了後も現地に残し、周辺地域の地下水を遮断するとしています。
去年八月の小池都知事による変更届にも、例えば二三ページ、今後の地下水管理による地下水の水質への影響でも、本事業の計画地は準備工事として街区周辺に遮水壁を設置しており、計画外の地下水の移動は遮断されているとしています。これ、環境アセスの変更届です。
二〇一一年の環境影響評価書も、昨年八月の変更届も、いずれも遮水壁により周辺地域の地下水を遮断する、地下水の移動は遮断されているといい切っているわけですね。
しかし、今回取り寄せた遮水壁の図面を確認してみたんですけど、これは、本当にぜひ環境局から市場の方に確認をしてもらえたらと思うんですが(「パネル出すっていった……」と呼ぶ者あり)委員長、失礼しました。(「いっていない」「理事会で聞いていない」と呼ぶ者あり)失礼しました。ちょっとよろしいでしょうか、委員長。
○田の上委員長 委員長判断ではないので。
〔「それは理事会でやんなきゃ」「理事会で承認されているのかと思った」と呼び、その他発言する者あり〕
○原田委員 失礼しました。それではパネルなしで。
今後の地下水管理による地下水への水質の影響というページにも、本事業の計画地は、準備工事として街区周辺に遮水壁を設置しており、計画外の地下水の移動は遮断されているとか書いてあったといいました。
実は、この私が見た図面では、本来ならAP六・五メートル、地表面部分まで延びていなければならないはずの遮水壁が、五街区も、六街区も、七街区も、いずれも護岸側が四・〇メートルで切られていることになっています。地表面まで二・五メートルぐらい、遮水壁のない土の部分がそのまま広がってしまっていると。
もし実際の工事でも、護岸側の遮水壁がAP四・〇メートルでとどまり、地表面まで遮水壁が延びていなければ地下水は遮断されず、遮水壁の上部を地下水が行き来する可能性が生まれるのではないかという、そうした疑問が出てまいります。
緑地も含まれるわけで、それはすごく浸透性があって、この二・五メートルも土の部分で遮水壁もなかったら、これはもう完全に水が行き来してしまう。事は地下水の環境影響にかかわる、本当だとすればなかなか大きな問題なんですね。
環境アセスにももちろんかかわってくるかと思いますが、事業局である中央市場に環境局として確認していただけますか。
○松本政策調整担当部長 今のお話だけですと事実を確認できませんので、お答えできません。
○原田委員 皆さんが持っていらっしゃる環境影響評価書には、遮水壁で完全に地下水は遮断されていると書いてありまして、それとちょっと状況が違う。影響評価書自身には、ちゃんと遮水壁がAP六・五のところまで延びている図が示されています。なので、少し私は確認をしていただければなと。それから、私も情報を提供していきたいなと思っていますので、ぜひ注視をしていただきたいと思います。
今回、アセス条例の見直しが行われることは重要なんですけれども、現在あるアセス手続を環境局自身が誠実に履行する、生かしていく姿勢がなければ、東京都のアセス条例によって、大型開発から住民生活、環境を守ることはできないんだということを改めて指摘をして、私のきょうの質疑を終わりにします。
○田の上委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
午後二時四十分休憩
午後二時五十五分開議
○田の上委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○宮瀬委員 どうぞよろしくお願いいたします。私からは、まず、食品ロスについてお伺いいたします。
先ほど栗林委員の方が取り上げられていらっしゃいまして、テーマ自体は重複するんですけれども、私自身は違う観点から違う質問をしたいと思います。
取り上げる観点は、子供の貧困というテーマでございます。環境局の皆さんに、どうして子供の貧困を切り口にといいますと、都議会の中でも子供の貧困のテーマというのは本会議等でもよく取り上げておられまして、まさに全庁的な取り組みが必要であると思っております。
この首都東京において、六人に一人、子供の貧困が出てきてしまっているということは、私は本当に信じられない思いでありますし、全庁を挙げて取り組んでいくべき課題だと思っております。
まず、そういった状況の中で、農林水産省の推計値によると、家庭や店舗から出ている食品ロスは国内年間約六百二十一万トンと、一日一人当たりに換算するとお茶わん約一杯分約百三十四グラムのご飯の量に相当すると。ここに今、何人かあれですが、毎日お茶わん一杯の食品を捨てているといったことでございます。
こういった状況の中で、捨ててしまっているご飯と、ご飯の足りない人たち、とりわけ貧困に苦しむ子供や家庭に届けていくのは、本当に大変重要なことだと思っております。
そこで、昨年度、環境局、福祉保健局との連携で、防災備蓄食品を破棄する一歩手前の段階で有効活用する取り組みが始まっていることを大変評価させていただくものでございます。議事録全て確認をいたしまして、この取り組みに一歩一歩取り組んでこられた会派の皆様にも敬意を表しますし、理事者の皆様にも心から敬意を表したいと思っております。
そこで、供出された都の災害用備蓄食品、クラッカーですとかアルファ化米などがありますが、全体でどれぐらいで、どこに届いたのか。例えば、子供食堂に届いたんでしょうか。また、その分量がわかればお伺いいたします。
○谷上資源循環推進部長 都では、持続可能な資源利用に向けたモデル事業などにより、これまで、賞味期限の近づいた防災備蓄食品を広く配布するなどした有効活用を進めてまいりました。
モデル事業を開始した平成二十八年度には、賞味期限を迎えた約六十七万食を社会福祉団体等に寄贈したほか、都民や自治会などの団体に直接配布しております。また、平成二十九年度は、約六十五万食を社会福祉団体等に寄贈したほか、約四十五万食を都民に直接配布するなどして有効活用を図っております。
子供食堂には、量は把握しておりませんが、モデル事業等を通じて、二十八、二十九年度とも配布はしております。
○宮瀬委員 ありがとうございます。第一段階、第二段階だと思いますので、まずは届ける、やることが重要だと思っています。
その中で、貧困で苦しむ子供たちにどれぐらいの分量が届いたのかといったことは、これからの話であるといったことは理解させていただいております。
私、二十年近くNGOを主宰しておりまして、イラクですとか、アフガニスタンですとか、そういう紛争地の方に行き、食料支援ですとか医療支援、いろいろとやってまいりました。
その中で一番重要なこと、生意気なんですけれども、本当に困っている人がどこにいるかを最初に見つけ出すという一点でございました。つまり、必要なものをいかに本当に必要な人たちに届けるかといったことが重要でありますが、その人たちがどこにいるのかといったことを見つけ出すのが重要です。
しかし、そういった方は、当然、激戦地、弾丸が飛び交うようなところにいますので、なかなかアプローチができないと。逆にそういう人ほど物資を必要としているといったことが、私が見た現実でございました。
戦場ではありませんが、今回、予算特別委員会の質疑を聞いておりましたら、残念ながらうちの会派の委員ではないんですが、ほかの委員の方の質疑の中で、都の子供食堂は大体どれぐらいあるのかということで、答弁で二百九十二、子供食堂が都内にあるといった数字が出てまいりました。その中に何人の子供がいるかというのは、まだこれからだと思いますけれども、つまり、支援が必要な人たちの対象の母数が何となく見えてきたわけであります。
そういった状況の中で、福祉保健局は、新たに子供食堂への直接支援を今後開始していくということでありますので、その前提条件として連絡会を設けるということであります。つまり、連絡会、協議会を設けるということは、今後、子供食堂に対して、何らかのアプローチができるルートができたといっても過言ではありません。
そこで質問になりますが、そういった、他局と連携をしまして、都の災害用備蓄物資を二百九十二ある子供食堂にできるだけ多く届けるような取り組みを進めるべきと考えますけれども、ちょっとダイレクトな質問で恐縮ですが、お答えください。
○谷上資源循環推進部長 二カ年にわたってモデル事業による防災備蓄食品の配布を行いましたが、この中で、寄贈を受ける側の状況に応じて効率的にマッチングを行う仕組みを実現するには、情報を管理するシステムづくりが必要であることを改めて認識いたしました。
現在、寄贈を受ける社会福祉団体等の意見を聞きながら、課題の洗い出しなどの調査を行っておりまして、今後、その結果をもとに具体的なマッチングシステムの構築に向けた検討を行い、福祉保健局など関係局と連携して、子供食堂を含みます食品を必要とする施設で有効活用できるように努めてまいります。
○宮瀬委員 私も地元で子供食堂の立ち上げにかかわりまして、私もパネルの申請をしていませんのでパネルはお見せできませんが、それは見ると本当に粗末な食べ物であります。目玉焼きがあって、ちょっと野菜があってとか、そこは毎日やる子供食堂ということで、そういった情熱を持った方がやっているんですけれども、そこにぜひご飯を一品入れてあげたいわけであります。アルファ化米でも構いません。そのお金がやっぱりないわけであります。
なので、二百九十二という数字を出しましたけれども、ぜひそういった子供食堂に、ご飯を一膳、一品ふやしていただいて、福祉保健局で月二万円補助が出ますので、それでおかずと。つまり、ぜひ子供たちのために、今ご答弁ありましたマッチングの形も早急に進めていただければと思います。
関係局と連携をしてということで、防災備蓄食品の有効活用を図っていくとのことでありますが、やはり学校現場においての有効性というのも大変重要だと思っております。
子供のころから、子供は素直でありますので、食品ロスの重大さですとか、食べ残しをしないといったことを小さいころから知っていれば、例えば、おうちに子供が帰って、お母さん、残しちゃいけないんだよということも子供はいうでしょうし、そういった教育、学校機関との連携というのは大事だと思っております。
これまでのモデル事業では、学校現場での有効活用に、教育機関とどのような連携を実際に図ってきたのか。
また、モデル事業は今年度で終了と聞いておりますけれども、来年度以降も教育機関とさらに連携を進めていただき、食品ロスの普及啓発に努めた方がいいと思いますが、所見をお伺いします。
○谷上資源循環推進部長 今年度のモデル事業では、賞味期限の近づいた防災備蓄食品を都内の小中学校に配布し、防災備蓄の必要性や食べ物への感謝の気持ちを育む教育に活用する取り組みを行っております。
今後とも、学校教育の場において食品ロス削減の取り組みを進めていくため、区市町村や教育庁など関係局と連携して取り組んでまいります。
○宮瀬委員 ぜひよろしくお願いいたします。いろいろ連携はあると思うんですが、子供食堂の課題として今挙げられているのが、支援が必要な子供たちにどう支援をしていくのか。つまり、先ほど申し上げたNGOの例でもいいましたけれども、本当に子供食堂が必要な子供がどこにいるのかというのは、実はなかなか発見ができないと。
その関係で、常に接しているのが学校でありまして、食品ロスの取り組みをしながら、うまく子供食堂につなげるような取り組みができればいいかなと思っております。そこは明らかに所管を超えますので質問とはしませんが、ぜひ皆様でも何かできることがあればアシストしていただきたいと思います。
次に、連携強化という意味では、食品ロスをすることなく、子供食堂などに寄贈したり、積極的に取り組む企業ですとか事業者を行政としてしっかり支援すべきと考えております。いろいろ調べましたら、多くの自治体で、食材を使い切る工夫や食べ残しをしない工夫を実施している店舗を食べ残しゼロ推進店舗などとして認定しているそうであります。
都には、今のところそういった認定事業はありませんが、こうした企業や事業者の認定や表彰を都は新たに創設すべきと考えますが、所見をお伺いします。
○谷上資源循環推進部長 現在のところ、事業者に対する認定や表彰を行う予定はございませんが、食品ロスの削減に向けて積極的に取り組む事業者、このような事業者と連携するなどして、来年度、消費者に対する広報キャンペーンを展開していく予定でございます。
また、商品の需要予測などの情報共有に取り組む事業者、このような事業者とも連携し、食品ロスの削減に向けた新たな仕組みづくりに取り組んでいく予定でございます。
○宮瀬委員 今のところはというところでございました。現在のところというご答弁が冒頭にございました。現在のところと入れていただいたので、今後の可能性もぜひ検討していただきたいなと思っております。
実は、民間企業で営業をやっていたときに、例えばCSRの活動というのが購入意欲に大変大きな影響を与えています。どうですか、皆さん、スーパーに行って、Aという商品があって、Bという商品があって、どっちを買おうかなとしたときに、もし東京都のお墨つきのAという商品には、フードロスに取り組んでいる認定マークみたいなものがついていたときに、品質にほぼ変わりがなければ、こっちの商品を少し高くても買おうかなという方も多分いらっしゃるんではないかなと思っております。
実際に企業のマーケティングでも、私もやっていましたけれども、その商品を買うことによって社会が少しでもよくなればといった、本当の意味での賢い商品選択をされる方も今ふえておりますので、ぜひ新たなマークですとか認定制度をつくっていただきたいなと思っております。
次に、食品ロス最後の質問になりますが、先ほど、フードドライブという栗林委員のお話もありましたが、いろんな自治体で、家庭で余っている食べ物を学校や職場などに持ち寄って、それらをまとめて地域の福祉団体や施設、フードバンクに寄附する活動が行われているということで、名古屋市、大きな自治体でありますが、やっているということであります。
実際に、平成二十九年から三十年の期間において、六百キログラムの食品が集まっているということでありますが、最初、東京都でもやればいいかなと思ったんですが、広域自治体でありますので、都主催のフードドライブはなかなかそぐわないと思いました。
そこで、ネットの活用はどうなのかなと思っております。過去の質疑の議事録を拝見いたしますと、都の防災備蓄食品を活用したポータルサイトの提言というのはございました。私からは、そこに一歩加えて、都の防災備蓄食品のみならず、さまざまなロスされる食品を子供食堂や貧困家庭などに要望があれば直接お届けすることも可能だと思っております。
つまり、今までの都の災害備蓄だけではなくて、もうちょっと門戸を開いた形でのマッチングを行うポータルサイトがあればいいなと思っております。所見をお伺いいたします。
○谷上資源循環推進部長 食品を無駄にすることなく有効活用していくためには、不要となる食品の情報と、それを必要とするニーズとをマッチングさせていく必要がございます。
防災備蓄食品につきましては、先ほど答弁いたしましたが、効率的にマッチングを行うために情報管理するシステムが必要であることを改めて認識いたしまして、現在、課題の洗い出しなどの調査を行っております。今後、その結果をもとに具体的な防災備蓄食品のマッチングシステムの構築に向けて検討してまいります。
また、パートナーシップ会議におきましても、防災備蓄食品以外の余剰食品につきまして、寄贈などによる有効活用の仕組みづくりに向けた議論を重ねているところであります。
今後、こうした議論を踏まえまして、具体策の検討を行ってまいります。
○宮瀬委員 すばらしいご答弁、本当にありがとうございます。都の備蓄だけではなくて、それ以外も含めて検討していただけるということでございます。ぜひ、今回冒頭に申し上げました子供食堂ですとか、その食堂に行けないようなご家庭も多分あると思います。そういった貧困に苦しむご家族、ご家庭、そして子供たちがこのサイトで--また、そういったものを預けたいという方々の善意をつなげていただけるようなサイトになることを切に願っております。
次に、家庭の省エネアドバイザー制度についてお伺いいたします。
ちょっと厳しい質疑をさせていただければと思いますが、環境局の方では、今まで環境基本計画において、平成四十二年度までに平成十二年度比三八%の都のエネルギー消費量削減を目標としているということでございます。
実際に、さきの委員会で他の委員から資料要求がありました一ページ目を拝見いたしますと、要は、大きな目標があるんですが、実際に家庭部門がほとんど減っていないといった状況がわかるわけであります。平成二十七年度において約二・五%のみの削減であります。
こういった状況の中で、東京都は、省エネアドバイザー制度をやってきたと思うんですけれども、本事業の目標数値と重要評価指標でありますKPIについてお伺いします。
○小川地球環境エネルギー部長 家庭の省エネアドバイザー制度でございますけれども、家庭とのかかわりが深く、省エネに関するノウハウを持つ企業、団体を都が認定いたしまして、そのスタッフの方に研修を受講していただき登録をいたします。その上で、企業等の社会貢献活動の一つとして派遣していただいているものでございます。
このため、派遣の件数の目標については、都といたしましては特段設定しておりませんけれども、積極的な活動をお願いしているところでございます。
○宮瀬委員 件数、目標数値がないというご答弁でございました。これは、私は結構びっくりしておりまして、知事は昨年、全ての事業に終期を設ける、今年度も、エビデンスベース、つまり客観的指標で事業評価を行うということを方針で掲げていまして、この家庭の省エネアドバイザーに目標がないと。こちらも税金を投入して事業を行っているわけでありまして、目標数値がないというのは、ちょっとどういうことでしょうか。
○小川地球環境エネルギー部長 先ほど申し上げましたとおり、繰り返しになりますけれども、東京都が、省エネに関するノウハウを持つ企業、団体を認定いたしまして、そのスタッフの方に研修を受けていただいた上で、企業等の社会貢献活動の一つとして派遣をしていただいているものでございます。
○宮瀬委員 実際、都の予算規模は一千八百万ということで少額ではあります。全体から見れば少額かもしれませんが、費用がかかっているわけであります。
これ以上聞いても同じ答弁が続くと思いますので控えますが、どうして家庭のエネルギーが減らないかというところの一因は、ひょっとしたらこういうところにあるんではないのかなと思っております。
そういった状況の中で、では、結果や実績についてはどうなんでしょうか。
○小川地球環境エネルギー部長 平成二十八年度の実績は、家庭を訪問しての省エネ診断が八十八件、イベント等を通じての一対多数の省エネアドバイスが百七十三件、四千三百八名でございました。
平成二十二年三月の事業開始から平成二十八年度までの累計で、省エネ診断で約一千四百件、イベント等での一対多数の省エネアドバイスは約八万五千件に対して実施いたしているところでございます。
また、東日本大震災後から、パンフレット等の配布によります簡易な省エネアドバイスというのも実施しておりまして、これは平成二十八年の途中までですけれども、約七十四万人に対して実施しているところでございます。
○宮瀬委員 つまり、今数字が出たということは、本来であれば、いわゆるKPIは参加人数であったり、イベント開催数であるのではないでしょうか。
実際に数字が出ていて、予算規模が大体わかっていると思うんですけれども、となりますと、平成二十八年の一対一の省エネアドバイスの予算と参加人数、一人当たりかかった予算はお幾らでしょうか。また、同様に平成二十八年、一対多数の省エネアドバイスの予算と参加人数、一人当たりの予算はいかがでしょうか。それぞれお伺いします。
○小川地球環境エネルギー部長 予算は、一対一もしくは一対多数の別なく省エネアドバイスに係る経費を合わせて計上してございまして、平成二十八年度の家庭の省エネアドバイザーに係る予算は、省エネアドバイザーの研修等に要する費用約一千八百万円、家庭を訪問しての省エネ診断は、先ほどご答弁いたしましたとおり八十八件、イベント等を通じての省エネアドバイスは四千三百八名に対して実施しており、予算額を省エネアドバイス等を実施いたしました人数で割った一人当たりの予算額は約四千円となります。
○宮瀬委員 予算に対する実績が約一千六百十五万四千円、参加人数が四千三百九十六名でございますので、私の計算でも一人当たり三千六百七十五円であります。ご答弁がありました一人当たりに四千円かけているということに対して、どうお考えでしょうか。
○小川地球環境エネルギー部長 ただいまの実績につきましては、単年度で見た実績でございます。一度実施したアドバイスが後年度まで継続されたり、または一人の方がご家族などに働きかけることなど波及効果もございまして、単年度の実績だけの効果に加えて、多面的な評価が必要かと考えております。
○宮瀬委員 この数字が高いか低いかという議論は、人によって意見が分かれるかもしれませんけれども、だからこそ目標設定の段階で正しい目標設定をして、それに基づいてやっていくと。その指標がなければ、この数字が本当に適切なものか、金額が適切なのか判断ができないわけであります。
そういったことを指摘させていただきながら、では、こういった取り組みを通じて、全体でどの程度、家庭部門のCO2の排出量が削減されたんでしょうか、お伺いします。
○小川地球環境エネルギー部長 本事業のみでのCO2の削減効果の把握というのは、なかなか難しい面がございます。
なお、省エネ診断では、例えば節水シャワーヘッド等の取り組みを提案してございまして、実施されれば、一軒当たり年間約百キログラムのCO2削減効果が期待されるところでございます。
○宮瀬委員 把握が難しいということでありながら、シャワーヘッドのお話をされて、一軒当たり百キログラムという数字が出ていることは、少し矛盾するのではないかなと思っております。
やはり、家庭部門の、いわゆるエネルギー量を減らしていくということは、いろんな事業を行って、その事業の積み上げで全体の三割削減をしていくということであります。
つまり、今の省エネアドバイザー制度だと、全体での目標に対しての貢献度合いがどれぐらいかわからないわけであります。ぜひここは、今、部長の方から一軒当たり百キログラムというシャワーヘッドの具体的なお話も出ましたので、今後は胸を張って、こういうエネルギー量を削減できたと、仮説、推測、推定でも構いませんので、ぜひ出していただきたいと思います。
いずれにせよ、費用対効果が低過ぎるというのを私は思っておりますが、現状についての所見と、あと改善すべきと思いますが、お伺いいたします。
○小川地球環境エネルギー部長 先ほどのシャワーヘッドの例でもお示しをしましたけれども、複数年の継続した取り組みになれば、効果は二倍、三倍となることが想定されます。単年度当たりの経費の一人当たりの効果はもちろんですけれども、後年度までの波及効果などを勘案したさまざまな着眼点で効果を考えていかなければいけないというふうに思っております。
家庭の省エネ対策につきましては、委員ご指摘のとおり、さまざまな要因がございます。単身、高齢、住まい方など、さまざまな状況、必要に応じて取り組みが必要だと考えております。
こうした点も踏まえまして、今後、本制度も含めましてさまざまな検討を進めてまいります。
○宮瀬委員 低過ぎるんではないかということに対しまして、一定の効果があらわれているというご答弁がありました。その一定の効果がどれぐらいあらわれているのかというところが大切でございます。今後、課題等を検討していくということもございましたので、ぜひお願いをしたいと思います。
今回のその取り組みで、大体対象が約五千人と。一千三百万人の都民に対してですと、少ないのではないか。これは、先ほど出ました平成二十九年度包括外部監査報告書でも大変指摘をされているところでございます。
平成二十六年度から平成二十八年度までにおいては、累積で約五万人、都内約一千三百万人に対して少ないのではないでしょうか、お伺いいたします。
○小川地球環境エネルギー部長 先ほどのご答弁の繰り返しも一部含まれますけれども、平成二十二年の三月からの事業開始からの累計ですと、省エネ診断が約一千四百件、省エネアドバイスが約八万五千件という実施の状況になってございます。
また、簡易なパンフレット等の配布によります省エネアドバイスは累計七十四万人という対策を実施してきているところでございます。
○宮瀬委員 ぜひ見直しを進めていただきたいと思います。
一方で、やっぱりどうしても都内の家庭からの申込件数が伸びていないといったことが課題として考えられております。ずっと質疑で、できていないんじゃないか、できていないんじゃないかと不平不満、指摘というか、いわせていただきましたが、私なりに代案といいますか、自分の経験からではありますがお伝えしたいと思います。
さきにいった民間企業で、エコという切り口が、大変消費者に刺さる切り口でございました。家電ですとか、洗剤ですとか、いろいろ二十六テーマについて、どういう観点で商品を買いますかといったときに、どの商品も大体価格が一位でありました。エコが大体八位とか九位ぐらいでございます。決してエコが低いわけではありません。
つまり、一円でも安く、よりいいものを買いたいと思って、主婦の皆さんは毎日非常に賢い買い物をしようとされていて、その中で価格を一番として、いろいろ商品を比べているわけであります。
その中で、私、主婦誌を担当していたんですけれども、エコという切り口を持ちながら、価格がこれだけお得になりますよと。食洗機を担当していたんですけれども、例えば食洗機を売る際に、エコでもありますけれども、食洗機を使うことでこれぐらい月々の電気代が安くなりますということが大きな訴求ポイントでありました。
何がいいたいのかといいますと、例えば、そういったエコに関心が高いお母さんだけではなく、価格に関心の高いお母さんに、きっちりとその面から省エネの大切さをお伝えしていく取り組みが必要だと考えます。
実際、商品をどこで買うかといいますと、そのときのデータを見ましたら、小売店で六九%、いろんなお母さんが商品を買っているわけです。つまり、ほとんど多くのお母さんが店頭で買っておりまして、例えば、スーパーのチラシにそういった今回のイベントを送るとか、この省エネアドバイザーの冊子も、こういったかたいものではなくて、省エネのこういう取り組みをすると幾らお得なんですよという切り口でチラシをまくとか、そういった取り組みを切り口を変えて展開していくと、マーケティング上もそうですし、私の実感からも商品は売れる、しかもエネルギーが削減されていくということでございます。
このように、普及啓発や広報の戦略を抜本的に見直していくことが家庭からの申込件数が伸びていく要因になっていくのではないでしょうか、所見をお伺いいたします。
○小川地球環境エネルギー部長 本制度につきましては、認定団体の皆様とも今後も引き続き連携を図ってまいりたいと思っております。
また、今、委員お話しのとおり、例えば単身世帯別ですとか、世代別の省エネ意識を喚起する取り組みというのが重要だと思っております。こうした観点から、家庭の省エネを進める取り組みを進めてまいりたいと考えております。
○宮瀬委員 ぜひよろしくお願いします。
最後に、このテーマの質問ですが、今、全体として省エネアドバイザー制度についてやってきましたが、家庭部門全体としてどうエネルギー消費量を削減していくのか、削減して目標数値を達成していくのかお伺いいたします。
○小川地球環境エネルギー部長 先ほど来答弁させていただいております本省エネアドバイザー制度、それから省エネの工夫を提案するパンフレットの配布など、区市町村との連携などをしながら、これまでも都民の省エネの取り組みを促してきたところでございます。
また、省エネ性能の高い家電製品への買いかえということで、省エネラベリング制度などを活用した啓発活動なども進めてまいりました。あわせて現在、住宅の断熱性能などの向上の取り組みも行っているところでございます。
今後、家庭部門対策の課題を改めて検討を進めながら、さまざまな企業や団体と連携いたしまして、普及啓発の取り組み、それから省エネ機器の買いかえ促進など、CO2削減の進みにくい家庭部門の省エネ対策を進めてまいります。
○宮瀬委員 ぜひよろしくお願いいたします。
では、次に、新国際展開についてお伺いしたいと思います。
環境分野における国際展開というと、なかなか余りなじみがないといったところでしょうか。実際に、先ほどNGOの話もしましたが、アジアでは経済がどんどん発展していきますけれども、いわゆる廃棄物の処理の問題ですとか、空気、大気の問題等があり、急成長しているということで問題が山積であります。
こういった取り組みは、東京都が過去経験をしてきたときに克服したノウハウですとか知見が東京都にはあると思っております。こういった東京が持っている環境に関するノウハウ、技術、知見を、いわゆるアジアでどう展開していくのかという大きなテーマでございます。
イギリスのエコノミスト誌によると、日本の世界に占めるGDPのシェアは、二〇一〇年比で約三分の一になってしまうと。逆に二〇五〇年には、アジアは全体の約四八・一%、世界の富をアジアが占める時代が二〇五〇年には来るといったところであります。
このままどんどん市場が減っていく東京及び日本の中で、アジアとどうつき合って、相互に成長していくかは、未来を見据えた大きな大きなテーマだと思っております。
そこで、環境局の方にお伺いしたいんですけれども、東京都では、下水道局、水道局等が各アジアで展開をしていますが、環境局の国際連携の推進で来年度予算案一・八億余りを計上しておりますが、どのような事業に、どの程度の額を計上しているのかお伺いします。
また、環境局の国際事業は、研修生の受け入れや専門家、行政職員の派遣が中心のようだと思っておりますが、具体的な規模についてお伺いします。
○松本政策調整担当部長 まず、一問目の来年度予算額約一億八千万円の内訳についてでございます。
キャップ・アンド・トレード制度に関する国際的な情報連携に約一千八百万円、C40など国際のネットワークへの参加に約一億円、アジア都市への大気汚染技術協力など国際環境協力の推進に約二千万円、廃棄物行政担当職員への研修等に約四千万円、以上、四分野の事業に予算計上してございます。
二つ目のお尋ねでございますが、平成三十年度の規模としましては、例年並みで考えております。
まず、アジア地域を初めとする世界の各都市からの視察団や研修生の受け入れにつきましては百五十件、二千三百名程度を想定しております。また、国際機関や海外都市等からの要請等に応じました都職員や専門家等の派遣は二十件、三十名程度を見込んでおります。
○宮瀬委員 四点述べていただきましたが、一・八億の予算をかけて、ほぼ会議体が中心であったり、あとは、実際は向こうに行くための交通費だったりということでございます。なので、環境局の皆さんにいうのは大変失礼かもしれませんが、今のこういう会議ベースのところから、アジアに打って出ていくようなもう一歩先、二歩先の取り組みができないかなと思っております。
都の中でも、既に水道局では平成二十八年度は企業と連携をしたミャンマーのヤンゴンでの無収水対策事業、下水道局では平成二十六年には日系企業の参入機会を創出したマレーシアの水環境の改善に寄与する事業を、他局では行っているわけであります。ぜひ環境局の皆さんも、アジアで困っている方、大変、環境面でおりますので、打って出ていってほしいなと思っております。
今回の質疑といいますか、実はこのテーマ、私、大変関心が高くて、いろんな自治体の海外事例を見てまいりました。ここに少しパンフレットがありますが、例えば、北九州市の国際展開、兵庫県の国際展開、神戸市の国際展開、あとはジェトロ、あとは経産省、あとはクレア、さまざまな団体に行き、実際にクレアの現地の事務所も見てきましたが、東京都は国際展開が大変おくれていると思っております。その中で、とりわけ環境局は、これから一番伸びしろがあるところだと思っております。
ほかの広域自治体はどうなんですかというところもあると思いますが、広島県では、県内企業によるベトナムのメコンデルタ地域のビジネス展開を行っていく、かつ環境の向上も目的として協力協定も結んで、メコン川がどんどんきれいになっていくような取り組みを企業と連携をしています。北九州の例もありましたけれども、同様でございます。
そこで、ちょっと長くなりましたが、東京も国際環境協力を展開するに当たっては、東京の中小企業の発展にも寄与するような日本の高い民間技術を生かした海外事業、会議ですとか人材交流ではなくて、海外事業を展開すべきと考えますが、所見をお伺いいたします。
○松本政策調整担当部長 委員ご指摘のとおり、日本の高い技術力を生かした国際環境協力を進めることは極めて重要でございます。
都はこれまでも、民間事業者と連携しながら、専門技術者の派遣による大気汚染物質の排出削減策ですとか廃棄物処理、リサイクル技術のノウハウの提供などを行ってまいりました。
今後も引き続き、世界の大都市としての責務を果たし、大都市共通の環境課題の解決に向けて、海外諸都市と一層連携してまいります。
○宮瀬委員 ありがとうございます。なかなかダイレクトなお答えというのは、この期間でできないのは重々承知しております。
日本には、日本の商人の伝統ではありませんが、その考え方の一つとしまして、近江商人というのがおりまして、三方よしと。売ってよし、買ってよし、世間よしという考えであります。アジアに出ていって、東京の中小企業、環境面に強い中小企業も潤って、現地の人も助かって、東京も環境局のブランドが上がっていくといった取り組みが、ぜひ今後進んでいければいいなと思っております。
なかなかこういった分野というのは壮大な話になってしまうと思いますが、ぜひ現地の行政自治体とより緊密に連携をとっていただいて、ぜひ事業をアジアで展開をしていただきたいと思っております。
最後の質問のテーマになります。
今回、外部監査報告書の中で、環境公社との事業目標の共有というのが触れられておりました。この中で、公社と環境局との関係というのはどうなっているのかということでございます。
実際に、環境局は政策目標といたしまして、保全地域等の自然体験活動参加人数を約三万三千人と目標数値に挙げております。しかし、指摘されていたのは、この目標参加人数の三分の二は環境公社への委託事業に含まれているものの、この内訳が環境局と環境公社との間で共有されていないといった指摘でございました。理由を教えていただけますでしょうか。
○須藤自然環境部長 都は、間伐や下草刈りなどの体験を通じて、都民が自然に親しめる機会を提供するため、二〇二〇年に向けた実行プランの中で、保全地域等の自然体験活動参加者数を平成二十七年度からの十年間で延べ三万三千人とする政策目標を掲げております。
この目標の達成に向け、都は、これまで実施してきた大学生や企業社員向けの自然体験事業に加え、未経験者向けの新規事業を東京都環境公社に委託することとし、環境公社は、平成二十七年七月から新規の体験プログラムを開始いたしました。
この際、政策目標人数のうち委託事業が占める目標人数は、担当職員間では共有されており、現場では事業を円滑に実施できておりました。しかしながら、都と環境公社事業部の管理者間で目標数値に関する連絡調整がなされていなかったため、包括外部監査人から、組織間での目標共有の不備について指摘を受けたものと認識をしております。
○宮瀬委員 現場ではちゃんとやっていたということでありますが、となりますと、やっぱり人に依存すると、異動したときに人がかわればその目標もうやむやになってしまったり、組織としての連携ができないわけであります。
こういった指摘を踏まえまして、自然環境部としてどのような改善策を行っていくのでしょうか。
○須藤自然環境部長 都の政策目標を達成するためには、その一翼を担う環境公社と政策目標を組織全体で共有し、共通認識のもと事業を実施することが重要であり、早急に改善を行う必要があると認識をしております。
政策目標人数の内訳については、既に都と環境公社事業部の管理者間で共有したところであり、来年度からは、毎年、年度当初に都と環境公社で管理者と担当職員を交えた定例会議を開催し、目標人数のほか、年間事業計画や協力団体との調整状況などを確認するなどして、事業を円滑に実施してまいります。
また、この定例会議では、参加者のアンケート結果や広報媒体ごとの集客効果など、自然体験の裾野の広がりを把握できる数値情報を共有し、事業手法を適宜改善しながら、政策目標の達成に向けた取り組みを進めてまいります。
今後とも、環境公社との連携を密にして、自然体験事業を推進し、都民が自然に親しめる機会を提供してまいります。
○宮瀬委員 組織としてちゃんとやっていくといったご答弁でございます。ぜひ、もう指摘されないようにと思っております。
今回、外部監査に指摘されていたところではございますが、私自身は、じゃ、ほかはどうなんだろうというところで確認したいと思います。こういった保全地域における自然体験活動事業のように、環境局が環境公社に委託している事業はどの程度あるんでしょうか、お伺いします。
○小原環境政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 平成三十年度は、保全地域での自然体験活動事業を初め、廃棄物の埋立処分や家庭におけるエネルギー利用の高度化促進事業など、都から環境公社に四十事業の委託を行う予定でございます。
○宮瀬委員 今回、一つ共有されていなかったということでございますが、では、残り三十九事業はどうなんでしょうか。環境局と公社の間で政策目標を十分に共有しているのかお伺いします。
○小原環境政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 残り三十九事業につきましては、環境局と環境公社との間で政策目標を十分に共有しておるところでございます。
東京都環境公社は、都の環境政策を全般的に支援、補完する機能を有しておりまして、環境局とともに政策実現を目指す団体でございます。都と環境公社が政策目標を共有し、共通認識を持った上で事業実施を図ることが極めて重要であると認識しております。
今回の包括外部監査の指摘を踏まえまして、改めて都の各部署と環境公社の各執行部署とで管理者と担当職員も交えて密接に連携し、政策目標の共有を図ってまいります。
こうした取り組みによりまして、環境局と環境公社が一体となり、円滑な事業実施、執行に努め、効率的に都民サービスを提供できる体制を構築してまいります。
○宮瀬委員 私の手元に、公社と、あと環境局との四十の委託事業の一覧と政策目標がどうシェアされているのかという一覧表を拝見させていただいているんですが、四十のうち九の事業が政策目標関連という欄でブランクになっていると。
例えば、環境学習の推進という事業を局が公社に委託しておりますが、実際に環境学習の推進、何を目標としているのか書かれていないわけであります。
これ以上は質疑を控えますが、先ほど質疑の中でKPI、省エネアドバイザーの話もさせていただきましたが、このように一つ一つ丁寧に目標数値をシェアしていただき、パートナーである公社の皆さんとやっていただけるよう要望いたしまして、質問を終わります。
○やながせ委員 まず、家庭におけるLED省エネムーブメント事業について、それから環境公社への出捐金について聞きたいと思います。
一時間の通告なんですけど、できるだけ手短にやっていきたいというふうに思っておりますので、協力をよろしくお願いします。
まず、家庭におけるLED省エネムーブメント事業でありますけれども、前回の事務事業質疑でも聞きました。また、各会派からも注目を集めている事業ということでありますが、これまでの月ごとの交換実績について、まずお伺いしたいと思います。
○小川地球環境エネルギー部長 月ごとになっていない部分もございますけれども、集計をしています数字を申し上げさせていただきます。
八月十三日までに六万五千九百五十三個、それから九月二十四日までに累計で申し上げますけれども、十万二千六百二十四個、十一月十二日までに累計で十四万六千二十二個、一月七日までに累計で十八万二千六百十一個、以降、月ごとになってございます。二月十一日までに累計十九万八千六百三個、三月十一日までに累計で二十一万一千四百九十三個でございます。
○やながせ委員 ありがとうございました。今の数字を集計していくと、最初、七月から始まった事業でありますけれども、八月十三日までに六万五千個ということで、まずここでがんと伸びているわけですね。その後、八月から九月にかけては約三・五万個、これ一カ月ちょっとありますけれども、三・五万個、九月から十一月にかけては、これも一カ月ちょっとありますけれども、四・四万個、それで、十一月から一月にかけて三・七万個、ちょっと多少日数のずれはあるんですけれども、それからは月ごとに集計をしていて、一月から二月まで一・六万個、二月から三月まで一・三万個というような状況になっているということでございます。
昨年の十一月の事務事業質疑におきまして、都は、年末の大掃除があるんだと、これが需要を喚起できるタイミングであるということで、このタイミングで広報を展開すると、ここでがつんと伸ばすんだよということをおっしゃっていました。
具体的にどのような広報、どれくらいの経費で行われたのか、また、その効果はどうであったのか、この点についてお伺いしたいと思います。
○小川地球環境エネルギー部長 年末年始に実施いたしました広報ですけれども、子供向け環境情報紙への記事掲載が十二月号で二十四万部、郵便局でのチラシの配架が郵便局八カ所で一千六百枚、町内会による回覧板や掲示板での周知が三十カ所、一万三千枚、ファミリーレストランでのテーブルステッカーでのPRということで百五十店舗、七千五百枚ほどでございます。
これに係る経費でございますけれども、約百万円でございまして、LEDの交換個数につきましては、年末年始をちょっと挟みますけれども、十一月十二日から一月七日までで三万七千個でございました。
○やながせ委員 年末年始の広報をしたということでありますけれども、これは効果があったというふうにお考えなのかどうか、どうでしょうか。
○小川地球環境エネルギー部長 一般的には、こうした事業につきましては、開始後からだんだん数字が少なくなっていくということが想定されますけれども、本事業では、十一月の初旬から十二月初めまでの二カ月間、その前の二カ月を見ても、さほど大きく減少していないということをもって、広報の効果があらわれているというふうに考えております。
○やながせ委員 ありがとうございます。これ、効果は限定的なのかなというふうに思っています。ただ、今やった事業、いろんなチラシを配ったりとか、掲示板、回覧板をやったんだよという話でございまして、これだけのメニューを百万円でやられたというのは、なかなか費用対効果というか、費用でできることをかなりやられたのかなということで、かなり努力されたんだなという跡は見られると思うんですけれども、百万円をここで投下したということなんですが、需要期であるということであれば、百万円という額は非常に極めて少ない額だというふうに思うわけです。
これ、十五億円の事業で五億円の事務費があるんですよね。タレントの契約料等々も含めて、その中の三千万円ぐらいが広告費であるということでありますけれども、何でこのタイミングで百万円という、ちょろっとした出し方をしたのかということ、これは答弁できますか。もうお金がないのか、百万円以上出せなかったのか、どうでしょうか。
○小川地球環境エネルギー部長 ただいまご答弁申し上げましたけれども、子供向け環境情報紙など記事の掲載ということで二十四万部、特にお子様をお持ちの親御様に情報が届くようになど、いろんな工夫をした中での百万円の支出ということでございます。
○やながせ委員 そうですね。百万円の中では物すごいよくやられたなという評価ではあるんですけれども、やっぱりこれ、需要期であるということであれば、ここでちゃんとしっかりと広報のてこ入れをするべきだったんではないかというふうに思います。
ですから、百万円しかなかったのか、それとも百万円しか出さないよということを決めたのかというのは、ちょっと今の答弁では定かではありませんけれども、需要期にしっかりとしたお金を投下しないと、やっぱり効果は出ないと思います。
私、もともと広告会社にいたものですから、やっぱりここが需要期なんだということであれば、そこに集中して投下をするというやり方をしていただきたかったなというふうに考えるものであります。
なかなか伸びが少ないと。だんだん減っていっているわけでありますけれども、そんな中、三月三日から家電量販店がLEDの交換に参加をするということで、もう始まっていると思うんですけれども、まず、ヤマダ電機が三月三日から七月九日まで、このLEDの交換に参加をするということを表明されました。それを実施されているということであります。
そこでお伺いしますけれども、これはヤマダ電機以外の家電量販店に関しての参加の予定というのがあるのかどうか、いかがでしょうか。
○小川地球環境エネルギー部長 家電量販店の参加が新聞等で報じられた後ですけれども、複数の家電量販店から問い合わせはございました。今後、他の家電量販店から新たに参加したいという申し出があれば、先方と調整の上で公表してまいりたいと考えております。
○やながせ委員 ぜひこれ、ヤマダ電機にとどまることなく、ほかの量販店ともしっかりとタイアップしていただきたいというふうに思うんです。それはやっぱり、かなり大きな効果を生むのではないかというふうに私は思います。
これ、ちなみにヤマダ電機とタイアップすることによって、どれくらい交換できるというふうにお考えか。特に通告はありませんけど、何かありますでしょうか。
○小川地球環境エネルギー部長 家電量販店さんが参加されたことによる効果については、特に今の段階では推計はしておりませんけれども、一つは、新聞広告の折り込みなどで、これまで事業を知らなかった方にも事業の告知がなされるということは期待してございます。
○やながせ委員 この事業は百万個を目指すんだよということで始まりました。かなり批判の的にもなっています。それは小池知事が悪いんじゃないかとか、そういったこともいわれているわけでありまして、環境局としてはしっかりと臨まなければいけない事業だというふうに私は認識しています。
ですから、これはやっぱり真剣に取り組む必要があると思うんですね。真剣だとは思うんですけれども、そういった意味では、ヤマダ電機が参加をして、どれくらいの個数が見込めるのかというのは、それはなかなか難しい算出ではありますけれども、じゃあ、ふだんヤマダ電機でどれぐらいのLED電球が売れているのかといったところから、当然、やっぱりある程度の数字をはじき出していただきたいというふうに思います。
百万個が今なかなか難しい中で、量販店が参入してきたというのは、大きな一助だというふうに考えますので、ぜひこの効果をしっかりと検証して、これを検証しなければ、ほかの手だてを何かやろうということにつながっていかないと思うんですね。
量販店で百万個全部クリアするよということであれば、ほかの手は打つ必要ないと思います。ただ、量販店でも、やっぱりちょっと届かないなということであれば、それは何がしか追加の広報をするのかという手を打たなければいけないというふうに思いますので、ぜひこれはしっかりとその効果を--始まっているということですから、もう始まってどれくらいでしょうか。十日、二週間ぐらいたつということでありますから、そこにもしっかりと敏感に反応して、どれくらい交換されているのかということを不断に検証して、これからの対策に取り組んでいただきたいということ、これを要望しておきたいというふうに思います。
そういった意味では、これは七月までの事業ということで、目標の百万個には到達せず、今二十一万個ということであります。このままの伸びでいくと、大体三十万個ぐらいということなのかなと思います。それに対して、量販店のインパクトがどれぐらい加わるのかということでありますけれども、この現状に対して、都はどのように捉えているのか、その基本認識をお伺いしたいと思います。
○小川地球環境エネルギー部長 今、委員お話しのとおり、本事業につきましては、このLED電球を交換する際に省エネアドバイスなどを行いまして、省エネの対策を進めていくというのが究極の目的ではございます。
ただ、百万個という目標がございますので、そちらに向けて、今後もしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
○やながせ委員 こういった話をするのにも理由があるわけでありますけれども、ちょっとその前に、この事業期間なんですけれども、ことしの七月までということでありますけれども、これ、延長の可能性というのはいかがなのかと。私は延長した方がいいというふうに考えているわけでありますけれども、なかなか今いえないよということはあると思うんですけれども、一応答弁を求めたいと思います。
○小川地球環境エネルギー部長 本事業につきましては、電球交換の開始から一年間の事業としておりまして、七月ということで考えているところでございます。
○やながせ委員 これ、なかなか難しい判断だというふうに思うんです。私は延長した方がいいというふうに考えておりますけれども、何だかんだ、やっぱり決断を早目にしていただきたいなというふうに思います。
今は、もう事業終わるんだよということだと思うんですけれども、これは環境公社の方に環境局から出捐金が出されているということであります。もし取り組むのであれば、その出捐金の取り扱いをどうしていくのかということが大きな課題となってきますので、期間を延ばすということがあるのであれば、ぜひ早目の決断をしていただきたい、このことは先に申し上げておきたいというふうに思います。
それで、今、出捐金の話をしましたけれども、これ、環境局から十五億円の出捐金が環境公社に出ているわけであります。この内容というのは、LED電球一個千五百円ということで百万個の目標である。だから十五億円なんですね。これがもし三十万個に終わってしまった場合には、これが四億五千万円しか使わないよということになりまして、十億円残ってしまうということです。この十億円、残った基金はどうなっていくのか、この点についてお伺いしたいと思います。
○小川地球環境エネルギー部長 補助金の交付手続が完了し、事業が終了した翌年度に公社からの返還を受けることとしてございます。
○やながせ委員 その残った金額は、翌年度に公社から返還を受けるんだよということでありました。
この事業についてなんですけれども、私は、極めて効果が高い事業だというふうに考えています。もう事務事業でやりましたので余りいいませんけれども、かなり省エネには効果があるんじゃないかということであります。
ただ、その目標の設定がやっぱりおかしかったんではないかというのを前回の質疑でもさせていただきました。これ、二百八十万世帯という一つの数字があります。これは、都内でLED電球をまだ一つも使用していないという世帯が二百八十万世帯あるんではないかと推計があるわけですね。それのざっくり三分の一ということで百万個ということを決めたという、決めをつくったわけです。
ただ、その決めがひとり歩きしていってしまって、実際にはなかなか到達が難しいという中で、これが失敗の事業なんではないかとか、また、十五億円出したものの十億円が返ってくると。巨額の不用額、巨額ですよ、十億円というのは。不用額を出してしまうということに至ってしまうということからすると、今、宮瀬委員もおっしゃっていましたけれども、この目標設定のあり方をしっかりと緻密な計算をして、積み上げ型の目標設定をしていただきたいということ、これを再度申し上げておきたいというふうに思います。
ただ、この事業から派生していくわけでありますけれども、実はこの家庭におけるLED省エネムーブメント事業は、かなり優秀な事業だということがわかりました。それは、東京都がやっているほかの、特に環境公社に出捐している事業というものを、これを契機に調べてみたわけであります。
ちょっと皆さんにはこの資料をお渡ししていないんですけれども、理事者の皆さんはお手元にあると思います。環境公社への出捐金の状況ということでありまして、東京都から環境公社の二十三の事業に、今、事業のためのお金ということで出捐金が出されているということであります。二十三の事業ですね。
そこで、まずお伺いしたいんですけれども、これまでの出捐金で都に返還されたもの、先ほどのLEDの話であれば、目標に到達しなかったということで来年度にはその金額が戻ってくるわけでありますけれども、それと同様に、これまでの出捐金で、都に返還されたものの実績というものがあるのかどうか、これについてお伺いしたいと思います。
○小原環境政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 これまで東京都環境公社から返還を受けた出捐金は二つの事業がございます。
一つ目は、次世代自動車等の普及促進事業でございまして、国の公害健康被害予防基金からの繰入金が財源に充当される関係から毎年度出捐し、年度末に返還を受ける仕組みとなっております。返還額は、平成二十六年度から二十八年度までの合計で約八千四百万円でございました。
二つ目は、地中熱利用の普及促進事業でございまして、平成二十七年度に募集を行い、平成二十八年度に補助金交付、平成二十九年度に基金の返還という予定でございましたが、申請がございませんでしたことから、平成二十八年度に一億円の返還を受けているものでございます。
○やながせ委員 環境公社に出した出捐金で都に返還されたものの実績とは何か、実績はあるのかという問いに対して、二つの事業があるんだよということでありました。
次世代自動車等の普及促進というのは、国との連動の中で行われているものだということでありますけれども、二つ目の地中熱の利用の普及促進というのは一億円の事業で、都が国の事業に上乗せして事業として始めたわけですね。ところが、残念ながら応募がゼロであったということから、一億円積んだけれども、一億円返ってきたよという例であります。
これを私は非常に重く受けとめたいというふうに思うわけでありますけれども、先ほどのLEDの話であれば、十五億円のうちの五億円を使って十億円戻ってくると。これは一億円の事業で一億円が使われずに東京都に戻ってくるというものでありますけれども、これに対して、都はどういう認識を持っているのかということを聞きたいと思います。
○村山都市エネルギー推進担当部長 平成二十七年度に実施しました地中熱利用促進事業は、都内で地中熱を利用した空調設備や給湯設備などを導入する民間事業者に対して、経費の六分の一を補助する事業でございました。
本事業では、事前に国の再生可能エネルギー熱利用加速化支援対策補助金の交付を受けていることを補助の条件とし、国の補助金と合わせて経費の二分の一を補助することを想定していましたが、国の補助金において本事業の対象案件の交付決定実績がなかったため、申請につながらなかったものでございます。
こうした国の補助金とのリンクということが、かなり補助事業の推進の阻害要因になっているというような認識も持ったものでございますので、本事業につきましては二十七年度で終了いたしまして、平成二十八年度からは、国の補助金の交付決定を条件としない新たな地産地消型再生可能エネルギー導入拡大事業の対象といたしました。
この事業の対象として、地中熱利用設備に対する補助を現在も実施しているところでございまして、これまでに一件の申請受け付けを行っているところでございます。
○やながせ委員 この地中熱利用の普及促進というのは、国とのリンクがあったということで、なかなか募集につながってこなかったんだと、だからゼロだったんだということであります。かなり難易度の高い補助金だったということはよくわかるわけでありますけれども、ただ、都として、そんなことは最初からわかっていたんじゃないのかということは、やっぱりいっておきたいというふうに思うんですね。
国とのリンクでの補助金というのは多数あるわけでありまして、かつ、この地中熱ということがなかなか難しいのかなというふうに思うわけでありますけれども、やっぱり東京都として、この一億円が必要なんだということで予算要求をして、それをゲットして、これにはさまざまな告知費用もかかっていれば、皆さんの企画立案をする費用、マンパワーの費用、さまざまな周辺コストというのはかかっているわけです。それが全く使われずに返還されてきたということは、これはゆゆしき事態であるというふうに指摘をさせていただきたいというふうに思うわけであります。
それで、この実績ゼロということの事業で、返還されたものがあるんだよということでありますけれども、じゃ、ほかの事業は大丈夫なのかということで、この環境公社への出捐金の状況という表に至るわけでありますけれども、ちょっとほかの委員の皆さんにお配りしていないのであれなんですけれども、ちょっとわかりづらいかもしれないんですが、聞いていただければというふうに思うんですが、東京都から環境公社への出捐金がなされているのが二十三事業あるという話をしました。
それを計算してみますと、二十三事業のうちの新規事業、二十九年度に出捐したものというのが六事業あるということであります。二十三事業のうちの六事業を除いて、これまでに事業がされてきた十七事業の出捐の残高状況というのを確認したわけでありますけれども、この十七事業のうちの七つの事業でほぼゼロ%という実態がわかったわけであります。
二つの事業は〇・七%、〇・五%の執行率ということでありますけれども、十七事業のうちの七つの事業がほぼゼロ%という執行状況になっているということで、これは、なおゆゆしき事態だなというふうに私は感じたわけであります。
私、十何年前に区議会議員になったときに、最初に、予算は執行率を見ろということをいわれまして執行率ばっかり見るようになったわけでありますけれども、やっぱりゼロ%というのは、まだ年度の途中であると、事業期間の途中であるという事業もあるわけであります。ちょっとゆゆしき事態だというふうに私は認識をするわけでありますけれども、全体の認識について答弁はできますでしょうか。
○小原環境政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 お手元にお届けいたしました事業一覧の中にございます執行状況でございますけれども、交付決定といいまして、補助金の仕組みといたしましては、補助対象事業について補助対象事業をやりたいという申請が来て、その対象をやってくださいということで、やっていいですよということで補助金の対象としまして、補助交付決定をいたします。その交付決定をした後に、実際に事業が行われた後、終わりましたという報告があって、それに対して実際に支払いが行われるという仕組みになっておりまして、お手元の資料は交付決定をしたというところまでのものが含まれておりませんで、実際に支出のところまでいったものだけで資料ができておるという特徴がございます。
そうしますと、事業の途中で事業期間が少しかかるものについては、実際に動いてはいるものの、交付済みというところでいえば、実績にまだ出ていないというものがあるという状況でございます。
○やながせ委員 答弁ありがとうございます。なかなか難しい答弁だったかなというふうに思うんですけれども、ただ、今の答弁は、事業には交付までのタイムラグがあるんだよという、簡潔にいうとそういう話だったというふうに思います。
ただ、やっぱりそれだけじゃないんですね。例えば、ほかの委員の皆さんはわからなくて申しわけないんですけれども、十六番、既存住宅における再エネ・省エネ促進事業、これは二十九年には事業期間が終わっているというもので、二十七年度に一億円の出捐がなされているわけであります。
二十九年当初残高は九千九百三十万円ということで、返還予定は平成三十年ということになっています。この事業は終わっているわけですね。執行率は〇・七パーセントですよ。これは執行率〇・七%で返ってくるんですよね。手元にあります十六番の事業です。大丈夫ですかね、わかりますか。--これは執行率〇・七%で来年返還されるわけですよね。そういう事業ですよね。だから、これはタイムラグがあるという事業ではないですよね、どうでしょうか。
済みません、個別の事業のことはなかなかお答えできないのかなというふうに思いましたので、であれば、五番の事業に行きたいと思います。例えば、家庭の創エネ・エネルギーマネジメント促進事業ということで、これももう事業が終わったものでありますけれども、これは極めて優秀な事業で執行率六〇%というものでありますが、これは来年返還予定ということになっております。これは約三十億程度が来年返還されるという事業だと思いますけれども、その認識は正しいわけですね。
○小原環境政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 複数年度の事業を環境公社の方でやっていただくという設定で出捐しているものにつきまして、事業年度が終了したものにつきましては、事業終了の年で締めまして、翌年返還されるという仕組みになっております。
○小川地球環境エネルギー部長 ただいま委員のお話がございました家庭の創エネ・エネルギーマネジメント促進事業につきまして、概略だけご説明いたします。
本事業につきましては、平成二十五年度から二十七年度までの三カ年を募集期間といたしまして、家庭のエネルギーマネジメントによるエネルギーの効率化、防災力の向上など、HEMS等の導入を条件にいたしまして、ガスコージェネレーションシステムですとか蓄電池、こうしたものを設置するときに必要な経費の一部を助成するものということでございました。
委員お話しのとおり、出捐額が約六十七億円、二十八年度末の残高が二十九億円ということでございます。交付決定件数、交付決定の累計はそれぞれ一万五千余件、三十八億四千万円でございます。
○やながせ委員 今申し上げた事業は一番優秀な事業でありまして、執行率は六〇%程度というものであります。
先ほどゼロ%近いものが七事業だということを申し上げましたけれども、この七事業で出捐金額が百九十五億円に及ぶわけですね。百九十五億円にも及ぶ金額が環境公社に事業として出捐されて、それがゼロ%の執行率であるということなわけです。もちろん年度途中だという事業もあります。あるんですけれども、また、二〇%を超える執行率を持つものが十七事業のうち三事業のみなんですね。ほとんどは五%とか、三%とか、七%、一〇%、一三%、一六%、一七%ということで五年たっても一七%、こういった事業が非常に多いわけであります。
それで、私は、やっぱりこれは、先ほど目標設定の話をしました。やっぱり目標に問題があるのではないかというふうに考えるわけであります。先ほどのLEDの省エネであれば、百万個というのをえいやで決めた。えいやで決めたら、それに予算をつけなくちゃいけないですね。でも、えいやで決めたものだから、それはエビデンスがないですから、だから執行率は当然悪くなってくると。こういう決め方をほかの事業でもしているんではないかという疑念が湧いてくるわけであります。
これ、一つ一つの事業についてやっていくと時間がないんですけれども、私、この任期の四年間、多分、環境・建設委員会かなというふうに思っておりますので、委員会の異動はないと思うんで、そういった意味では、四年間これはしっかりとやり続けたいということは宣言しておきたい。毎回事務事業質疑のときに執行率何%になったんだということを必ず問うと、これは宣言しておきたいなというふうに思うわけであります。これは、実は笑い事ではなくて、やっぱりそれだけ大きなお金がこの環境公社に眠っているということであります。
それが都の別の事業に使っていたならば、助かる命もたくさんあるといっても過言ではないというぐらいのものなんではないかというふうに思うわけであります。幾つか聞きたいんですけど、例えば、三番、中小規模事業所のクラウド利用による省エネ支援事業ということで、事業の内容はいいです。事業の内容はいいので、この目標が毎年どうなっているのか、その目標に対して実績がどうなっているのか、これもゼロ%の事業でありますけれども、こんな点について聞きたいというふうに思います。
○小川地球環境エネルギー部長 本事業につきましては、中小規模事業所がデータセンターへのクラウドサービスへ移行するために必要な経費の一部を助成するというものでございまして、出捐の総額が六億七千五百万円、二十八年度末の残高も同じく六億七千五百万円でございます。
最終的な交付決定件数と交付決定額は、それぞれ四件で二千三百万円、工事完了後に支払いを予定しているところでございます。
○やながせ委員 つまり、これは事業期間が来年まで、平成三十年までの事業期間ということになっているわけでありますけれども、これは六億七千五百万円をきちんと執行するという根拠は何かあるんでしょうか、どうでしょうか。
○小川地球環境エネルギー部長 本事業につきましては、平成二十七年度から二十八年度までの二カ年間の期間として募集いたしております。
○やながせ委員 この事業はもう募集が終わってしまったということですね。だから一〇〇%で、ゼロ%で返還されると、これはそういう事業だということでよろしいですかね。
であれば、なぜそうなったのかということ、また、それに対してどういう認識を持っているのかということを聞きたいと思います。
○小川地球環境エネルギー部長 交付決定をしております四件がございますので、額的には二千三百万円ですけれども、工事完了後に支払いを予定してございます。
なお、執行率が低かった理由といたしましては、こちらも国庫補助が当初、平成二十六年から平成二十八年を予定しておりまして、これが二十六年のみで終了してございます。補助率につきまして、国補助への上乗せとして三分の二もしくは二分の一となるような都の補助率を設定したところでございますけれども、結果といたしまして、都の単独で三分の一または六分の一となったところでございます。
○やながせ委員 これ、六億七千五百万円のうち二千三百万円は使う予定だということですかね。それで戻ってくるよということですよね。もう決定がなされているものは四件あるので、二千三百万円は使って戻ってくるということであります。
この事業に対する認識を聞きたいというふうに思います。評価ですね、どのように評価しているのか。
○小川地球環境エネルギー部長 本事業につきましては、先ほど申し上げましたとおり、中小規模事業所の運用されている情報システムをエネルギー効率を高めるということで、データセンターのクラウドへ移行していただこうということで考えた事業でございます。
結果といたしまして、国補助等がなくなったために、事業者の金銭的なインセンティブが減ってしまったものと認識してございます。
○やながせ委員 国のインセンティブがなくなったからなんだということでありました。それは一つの理由だというふうには思うんですけれども、ただ、この全般的な傾向を見ると、やっぱりこれは、執行率が極めて低いことになっているという現状は覆らないというわけであります。
そうすると、国のそのさまざまなインセンティブがなくなったからなんだ、国の状況が変わったからなんだといって執行ができなくなるというのは、これは東京都の手腕が問われてしまうのかなというふうに思うわけであります。
もう一つ聞きたいんですけれども、一番の区市町村との連携による地域環境力活性化事業は二十六年度に五十億の出捐をしている事業でありますけれども、これは今、二九年度当初残高で四十二億円という一六%の執行率となっているものですけれども、これは毎年どれくらいの出捐、どれくらいの事業を行うと、つまり、環境公社からその事業者に支出があるということを決めて五十億ということにしたのか。毎年の支出の目標といったことについて聞きたいというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
○小原環境政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 地域環境力活性化事業でございますが、五十億円という予算は総額で設定されているもので、十年間の枠になっておりまして、目安といたしまして年間五億円掛ける十年間ということで運用しておるものでございます。
○やながせ委員 十年間で五十億ということで、もうこれ四年がたっているわけですよね。四年たっているということだけれども、執行率は一六%だよということであります。五十億円の根拠というのは、五億円掛ける十年ということであります。
その五億円掛ける十年ということなんですけれども、毎年の金額を見ると、二十六年度には二億円、二十七年度には一・五億円、二十八年度には三・四億円という状況でありますけれども、これはこれから上向いていくんでしょうか。また、上向いていかせるために何か手を打っているんでしょうか、どうでしょうか。
○小原環境政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 本事業でございますが、区市町村向けの補助事業でございまして、補助対象となる事業メニューを都から提示いたしまして、区市町村が必要となる経費の二分の一を都から補助するという仕組みのものでございます。
これまでの交付実績は、おっしゃられたとおりでございますけれども、交付決定ベースではあるんですが、平成二十九年度の予定額といたしましては、実は六・一億円ということで、過去の実績でまだ使い残しの部分をちょっと食い込むぐらいの実績が上がっているところでございます。
これにつきましてですが、事業開始当初は区市町村のニーズと我々の方との認識というものをすり合わせていくという時間が少しございました。その区市町村のニーズを踏まえた補助メニューの見直しを行いまして、また、区市町村に対する丁寧な説明なども繰り返すことで、交付実績は年々着実に増加しているところでございます。
今後も、本事業の着実な実施を通じまして、区市町村の環境課題解決を後押ししてまいります。
○やながせ委員 ありがとうございました。これはかなりご努力いただいて、その区市への丁寧な説明等々、この執行率が低いという状況から、やっぱり何かしらの手を打たなくちゃいけないという中で、さまざまなことをやられてきて、上向いてきたということのご説明であったと思います。
ぜひほかの事業もしっかりと執行できるようにしていただきたい、当たり前のことなんですけれども、これを申し上げておきたいと思います。やっぱりどこかで見直しをするということも必要なんではないかなと思います。
やり始めたのはいいけれども、やっぱり全然だめだというものが、十年とか長期間にわたって何十億というお金を出捐金として持ち続けるということは、これはちょっと公金の扱いという意味で非常によろしくないものだというふうに私は考えます。
だから、私が今この時点で申し上げたいことは二つのことで、一つには、当初の目標設定をしっかりとしないとこんな執行率が低い状況になってしまうということ、これが一点。もう一点は、この事業は全然募集がないということで、途中でもちろんてこ入れはするんでしょうけれども、やっぱりどこかのタイミングで軌道修正を図るということも必要なんではないか、この二点をぜひ考えていただきたいということを申し上げておきたいと思います。
これ、包括外部監査にも出ていたわけでありますけれども、私が何でこういう話をするのかというと、東京都から環境公社への出捐金というのが物すごい金額でふえているんですね。二十五年度には九十九億円だったと。それが二十六年度には、累計残高二百十億円になっているわけです。百億円ふえているわけですね。倍増しているわけです。二十七年度には三百十億円。百億円ふえました。二十八年度には四百四十億円、二十九年度当初残高は五百六十億円ということで、物すごい勢いで毎年百億円ずつ積んでいるわけですね。つまり、それだけ環境系の事業をどんどん新規で立ち上げてやっているわけです。それを環境公社に投げて、そこから出捐をしていくと。出捐をして各事業者にお金を配っていくというやり方をしているわけであります。
ですから、これだけの巨額な金額になりつつあるという中で、目標設定がやっぱり確かでなければ、このお金はどんどんだぶついていってしまうという状況になるわけですから、まず、この目標設定をしっかりとやっていただきたいということと同時に、この出捐金は環境公社においてどのように管理されているのかということ、この点について聞いていきたいというふうに思います。
○小原環境政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 公社における出捐金につきましては、元本の完全なる保全の観点から、決済性預金として金融機関に預け入れているところでございます。
○やながせ委員 これ、二十九年度当初残高では五百六十億円あるというものですけれども、これは決済性預金というものになっているんだということでありました。
これは包括外部監査でも指摘があったとおりでありまして、やっぱりこの運用をしっかり考えなければいけないだろうというふうに思います。元本を保全するというのは当然のことでありますけれども、東京都のほかの公金管理に関しては、会計管理局が公金管理ポリシーというのをつくっておりまして、もちろん元本を保全するということはあるんですけれども、その上で利益率を高めた運用をしていくというのが大きな方針です。
そういった意味では、ほかの東京都の基金等は、会計管理局において普通預金というパターンもありますけれども、少なくとも譲渡性預金。長期に運用ができるものは国債にしていく、地方債にする、さまざまな債権にするといったことが考えられるわけであります。
そういったことが、包括外部監査の中では他金融商品の運用方法について検討がなされていないということでありますけれども、この状況についてご存じでしたら教えていただきたいというふうに思います。
○小原環境政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 現在、元本の完全なる保全の観点から決済性預金としておるところでございますが、本年度の包括外部監査におきまして、元本の保全を前提として、より有利な運用方法を検討するよう意見をいただいたところでございます。
今後、速やかに都及び公社で検討いたしまして、適切に対処してまいります。
○やながせ委員 ありがとうございました。ぜひ考えていただきたいと思います。
少なくともこれは譲渡性預金にはすることができると思います。今、普通預金の金利が大体〇・〇〇一%ぐらいですかね。譲渡性預金は、多分〇・〇〇九%ぐらいで運用ができるということのようであります。ですので、これが五百億円ということになれば、これは〇・〇〇九%といっても、やっぱりばかにならない金額を生み出すことができるということであります。
決済性預金と譲渡性預金の違いというのは、決済性預金というのは頻繁に出入りするお財布みたいなもので、すぐに出し入れができるようになっているがゆえに利息がつかないものです。ですから、そのかわり元本は完全に保全されるわけですね。譲渡性預金というのは、利息がつくわけです。しかし、そのかわりに、銀行に預けていればペイオフの対象になってしまって、ペイオフのときには一千万円までしか保全されないということで、五百億円預けていても一千万しか一つの銀行で保全されないんですね。これはおかしなことだなと。個人でもそうですけれども、東京都の公金であっても、名寄せされた上に一千万までしか保全されないということですから、これはおかしなことだなというふうに思っておりますけれども、システムがそうなっている以上しようがない。
ただ、都としては、リスクを分散させながらさまざまな格付会社を複数社とって、リスクを分散させながらも、公金を譲渡性預金以上の運用の仕方をしているということでありますから、これは環境公社においてもできるはずであります。ぜひ検討いただきたいというふうに思います。
それで、例えば、先ほどの五十億円を最初に積んで五億円ずつ十年間支出していくという話でありますけれども、これ、五十億円を最初に積む必要があるのかということの疑問がそもそもあるわけです。毎年少しずつ出していくとタイムラグが生じるという問題もあるようなんですけれども、なぜ最初に五十億積む必要があるのか、この点についてお伺いしたいと思います。
○小原環境政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 本事業でございますが、区市町村の立場に立ってみますと、毎年毎年の予算計上でございますといつまでこの事業が続くのかがわからないということで、計画的な事業執行が難しいという声が以前からございました。
そういった声を踏まえまして、十年間という枠の中で計画的に今までやったことのない先進的なものにチャレンジしてくださいということで立ち上げた事業でございまして、その関係で十年間は予算枠が確保されていますということで計上したものでございます。
○やながせ委員 非常にわかりやすい答弁だったと思います。よくわかりました。であればなおさら、やっぱりこれは環境公社で五十億円の使い道というのはしっかりと考えていただくように努力をいただきたいというふうに思います。
毎年五億円使うという予定であれば、それ以外の四十五億円というのは、これは譲渡性預金に当然できるということになるわけですから、これはしっかりと検討いただきたいというふうに思います。
それで、都は、環境公社に多額の出捐金を出していて、環境公社はこれを適切に使っていくということが必要だということを申し上げてきました。この出捐金のマネジメントをやっぱりしっかりとしていくべきだということであります。簡単にこれだけ聞きたいと思います。
○笹沼総務部長 今し方も答弁ございましたけれども、複数年実施予定の事業に係る出捐金につきましては、あらかじめ財源を確実に担保した上で事業を実施することにより、都財政の状況に左右されず、中長期的に安定して事業を運営することができるということ。それから、会計年度主義では対応できない年度を超えて実施する事業者の取り組みを支援することが可能となるというようなメリットがございます。
一方、事業者側から見れば、民間事業者が安心して計画的な取り組みを促すことができるというメリットがございますので、そういったことを勘案して、適切にこの複数年事業にわたる出捐金というのは行っていきたいと思っています。
その間のマネジメントでございますが、出捐金につきましては、本年度の外部監査で意見を受けておりますけれども、これも先ほどご答弁したとおり、今後、速やかに都と公社でしっかりと公社の出捐先の運用方法について早急に検討して、それを実施してまいりたいというものでございます。
○やながせ委員 ありがとうございました。私の問題意識は、今、小池都政になって、舛添都政も猪瀬都政もそうなんですけれども、やっぱりこれは、歳出に傾いているんではないかということを感じています。膨張予算でどんどん新規事業をつくっていくといって、どんどん予算を膨らませていくという傾向にあるんではないかなと思います。石原行革で、かなり徹底したコストカットをやったと。その反動もあって、今人数もふやしていますし、オリンピックもあるからといったことも含めて、さまざまな予算、新規事業もどんどんふえています。
ただ、特に環境局関係で新規事業をふやすということで、環境のためにお金を使うんだといって、これは反対するのはなかなか難しいわけでありますけれども、やっぱり一つ一つの事業はしっかりと都民の利益に資するような事業になっていく、それはきちんとした執行がなされていくということが一つの証左になってくるというふうに思いますので、ぜひその点を考えていただきたいというふうに思います。
これは建設局でも毎回必ずいっているわけでありますけれども、都は長期的な財政計画がないということが、私は大きな問題だというふうに思っています。やっぱりちょっと場当たり的な都政運営をしている。足りなければ都債を発行すると。都債の発行ポリシーもほとんどないわけですね。上限も決まっていないですし。ですから、調整弁として都債を使っていくというようなことが繰り返されているわけでありまして、この巨額な十四兆円という、公営企業も合わせると十四兆円という莫大な金額を扱っている東京都は、しっかりと予算の管理を適切に運営していくんだという思いを極めて強く持っていただかないと、これからさまざまな需要が高まっていく、社会保障費が上がっていく、インフラは老朽化していくといったことに対応できないのではないか、このような問題意識を持っております。
環境局におかれましては、四年間いるかどうかわかりませんけれども、私はこれからもしっかりとこの出捐金の状況、事業の執行状況を徹底して見ていくよということを申し上げまして、質問を終わります。
○保坂委員 私からは、さまざまな新規の事業が来年度も予定されておりますが、その新規事業を中心に質問をさせていただきたいと思います。
最初に、スマートエネルギー都市実現に向けての電気自動車、EV普及促進について質問をします。
なお、これより電気自動車をEVと表現させていただきますことをお含みおきください。
まず、集合住宅における充電設備導入促進事業について二つお伺いします。
本事業は、都民の約六割が集合住宅に居住しているという現状でのEV普及を考えますと、東京が全国に先駆けて実施する価値のある施策であると考えております。
さらに、EV購入者の大半が戸建て住宅の消費者ということから、ますます集合住宅でのEV普及は大きなテーマであることが認識できるところであります。
そこで、この事業は、国の補助制度と合わせると充電設備費は無償となるとのことですが、集合住宅では車に乗らない人もいますので、充電設備の設置に向けて住民の合意をとることは容易ではないと思われますが、都は、この事業をどのように進めていくのかをお伺いします。
○松永環境改善部長 来年度の集合住宅における充電設備導入促進事業では、国の補助制度と都の上乗せ補助により、充電設備の購入費用や工事費などの初期費用の負担を軽減してまいります。加えて、充電設備の導入に合わせて、太陽光パネル及び蓄電池の導入も支援することで集合住宅の住民全体にメリットのある事業としてまいります。
また、マンション管理士等の専門家を派遣して、住民間の合意形成や導入に向けたアドバイス等の支援を行ってまいります。
事業をスタートする際には、マンション管理会社や管理組合等を対象とした説明会を開催するなど、しっかり周知を図ってまいります。
○保坂委員 EVの充電設備とセットで、今、太陽光発電設置費用の助成があるということで、蓄電設備も含まれており、居住者全員が恩恵を受けることができるメリットであることもしっかりとPRをしていただきたいところであります。
また、集合住宅内で一人でも多くのEV利用者をふやすことも重要であるという考えから、次の質問に入りたいと思います。
民間のカーシェアリング事業者との連携でEV利用環境を促進することは、彼らからノウハウを共有しながら充電設備を設置することで、集合住宅に住むガソリン車の所有者だけでなく、車を持たない居住者に対してもEVの利用機会を促進する効果が期待できると考えますが、その見解を伺います。
○松永環境改善部長 カーシェアリングは、登録した会員で特定の自動車を共同使用する仕組みでありまして、車を所有しなくても全ての居住者が利用できるため、集合住宅にはなじみやすいサービスでございます。
このため、集合住宅への充電設備導入促進事業では、空き駐車場を活用したカーシェアリング事業者も補助対象とすることで、車を所有しない居住者にも電気自動車を利用する機会を創出し、その普及につなげてまいります。
○保坂委員 事業の案内をする際なんですけれども、今回新規となる集合住宅でのLED照明化事業など、ほかの省エネ助成事業も同時にPRしていただくと、利用者側にとって一度に比較検討しやすいと思いますので、ぜひその点も同時案内していただくことを要望させていただきます。
続いて、都有施設における充電設備設置事業について二点お伺いします。
昨年の事務事業質疑でも、都有施設への充電設備設置こそEV普及のためには必要不可欠であると主張させていただき、早速、来年度に予算化していただいたことに感謝をいたしております。
同事業は、いよいよ都有施設にもEV用充電設備を設置することになり、東京都のゼロエミッションへの意気込みを感じることができる内容と評価しています。この事業をきっかけに、都内のEV環境がさらに拡大していくためにも、EV普及と充電設備の促進は一体不可分という考えから質問します。
まずは、都が都有施設に充電設備を設置する目的とあわせて、都庁舎への充電設備を設置することの確認をさせてください。
○松永環境改善部長 電気自動車の普及促進には、充電設備などのインフラ整備が不可欠でございます。そこで、都は来年度、率先して都有施設に充電設備を十基設置いたしまして電気自動車の普及を後押しするとともに、都庁舎や都立公園など、都有施設を訪れる電気自動車ユーザーの利便性向上を図ります。
都庁舎への設置に当たりましては、視認性の高い場所への整備は敷地の制約や安全面での課題がございますことから、施設管理者と協議しながら総合的に設置場所を選定してまいります。
○保坂委員 非常に積極的な発言、ありがとうございます。まさにポイントは、EV環境を都民に対して普及啓発し、利用者に利用しやすい環境をつくることではないでしょうか。それにはまず、都庁舎にこそ充電設備を設置することは必要最低限であります。
都内区市町村自治体や郊外のショッピングセンター駐車場、高速道路サービスエリアでも既に充電設備が設置されており、見かける機会が多いんですが、総じてギャラリーの注目度は高いといえます。
ここで、パネルを参考資料として共有させてください。ほかの自治体として設置している例であります。(「申請していますよね」と呼ぶ者あり)申請はもちろんしています。一週間前からしていますので。
これは、どこの自治体とはいいませんが、既に東京都内で設置されている急速充電器の屋外編ということで屋外に設置されている例でございます。既にEV急速充電設備を設置している各自治体の設置の仕方はさまざまです。参考になる点も非常に多いと思います。
総じていえば、主なニーズは、利用者の立場は利便性、自治体の立場はEV利用環境の普及が挙げられると思います。この写真のように、ある自治体は庁舎の入り口付近に充電設備を設置することで、利便性はもちろん、利用者でない方に対しても広くEV環境をPRできているよい例だと、よく考えられた例だと私は思っておりますので、共有させていただきました。
都の充電設備設置についても、こういった自治体の事例を十分参考にして屋外設置を最優先とすべきと考えますが、見解をお伺いします。
○松永環境改善部長 電気自動車の普及を進めるためには、充電設備の整備を推進し、利便性を向上させるとともに、都民に、身近な選択肢として実感していただくことが重要でございます。
都有施設における充電設備の整備に当たりましては、可能な限り充電中の電気自動車が多くの都民の目に触れるよう、駐車場の入り口付近や来場者の動線に沿った場所など、整備効果の高い場所への設置に向け、施設管理者と調整を図ってまいります。
○保坂委員 必要性というのは共有できたのかなと今答弁をいただいて思います。
もう一つの例を共有させていただきます。パネルツーを提示させていただきます。これも自治体の例です。地下編ということで設置されています。
私も一EVの利用者として、さまざまな都内の民間施設、地方自治体の施設の例を見てきました。やはりこの写真のように単に地下駐車場に設置することは、利便性の低下、広く都民にPRする効果が非常に薄まってしまうということは明白であり、避けるべきだと私は主張させていただきます。
なぜならば、地下に設置すれば、来庁者はもちろん、都庁前を歩く人にもPRはできません。EV利用者も駐車料金の負担が発生し、施設開設時間が終われば利用できないなどの負の側面が余りにも大きいからです。
設置ロケーションについても、都内は土日祝日も利用者がいることを考えると、都庁を初め都心部の都有地に設置することの意味は大変大きいものです。そういった意味でも、EV普及啓発のためにも、自治体でも対応している屋外設置、できれば二十四時間稼働を強く提案、要望をさせていただきます。
看板すらないんですね。どこに置いてあるのかもわからないという、あえていいませんけれども、これは都心部の区です。ここは辛うじて看板はあるんですけれども、大体が前進に駐車して、奥に突き当たりでコンセントを差すような形になっていますので、一回入っちゃうと普通の車と同様で、PRするには、普及するには非常に効果が薄いということがいえると思います。ぜひ参考にしてください。
続いて、EV庁有車の導入についてお伺いします。
ゼロエミッション東京を目指す東京都が、EV庁有車を新規に三十七台導入することは、都民にとっても東京都の決意を示す象徴的な事業の一つとなるといえると思います。成功の鍵は、職員の環境に対する意識改革ができるかどうかであり、職員みずからがEVを宣伝する側に立っていることをしっかりと認識していただくことが重要であります。
都も、かつてEVを導入していた経験があり、当時は実用面で大変苦労したと聞き及んでおりますが、今回、庁有車にEVを三十七台導入するに当たり、環境局職員を初め全庁の職員の意識改革のきっかけとすべきと強く考えますが、都はどのように活用していく考えなのかを伺います。
○松永環境改善部長 都は来年度、更新期の到来した庁有車について率先して電気自動車を導入することといたしました。
これまで環境局では、全庁で、自動車を運転する職員を対象としてエコドライブについて周知を図ってまいりましたが、今後は、電気自動車を導入する背景や、その魅力もあわせて説明し、職員の環境意識をさらに高めるよう努めてまいります。
○保坂委員 ぜひ職員の改革マインドを進めていただきたいと思います。
ここで、先月視察しました八丈島で総務局が現地ホテルに貸し出しているEVの写真画像二枚を共有させていただきます。パネルスリー、フォーを用意しました。
都民に対して、その車がEVであることを認識してもらうために、この写真のようにステッカーなどが車体に設置されている例をよく見るんですけれども、タクシーとかもあります。
来年度から都が導入するEV庁有車においても、今年度、総務局が新島と八丈島に既に導入しているように、外から見て、この写真のようにステッカーもしくはラッピングなど、何らかの対策が必要だと考えるんですけれども、見解をお伺いします。
○松永環境改善部長 環境局では、来年度導入する四台の電気自動車の車体にステッカー等を貼付し、電気自動車を使用していることをアピールし、普及促進を図ってまいります。
また、ほかの局に対しても、電気自動車と一目でわかるような工夫をするよう働きかけてまいります。
○保坂委員 これも積極的に答弁いただきましてありがとうございます。実際に車をオーダーするのは環境局さんじゃなくて、各局が独自に、皆さん、車をオーダーするということですので、ぜひステッカーの普及の方を宣伝していただきたいと思います。
充電設備同様、まさに導入することが目的ではなく、導入してからどう活用していくのかがテーマとなりますので、ぜひ職員はEVを積極的に使用していただいて、スマートシティーを目指しているということを都民に共感していただけるよう、ともに取り組んでいただきたいと要望して、次の質問に入ります。
続いて、ゼロエミッションアイランド、ZEIの実現に向けた取り組みについて一つだけ質問をさせていただき、意見表明をさせていただきます。
ことし一月に発表した「三つのシティ」の実現に向けた政策の強化-二〇二〇年に向けた実行プランの中で、島しょ地域の魅力創出で、ゼロエミッションアイランドの実現に向けて、島内で使用する全ての電力を再生可能エネルギーで賄うための基礎調査や、再生可能エネルギー電力による水素蓄電を電力供給調整に活用していくための調査を実施し、今後の施策に反映させていくとしております。
この取り組みは、ゼロエミッション東京に向けた具体的な施策展開の検討として挙げられている三つの取り組み、ZEV、ZEI、そしてZEBの中の一つと認識しております。
そこで、都がこのゼロエミッションアイランド、ZEIを目指す狙いを一つお聞きします。
○村山都市エネルギー推進担当部長 島しょ地域は、島ごとに独立した環境にあり、豊かな自然を生かした再生可能エネルギーの導入ポテンシャルが大きいことから、CO2を排出しないゼロエミッション東京を目指す上では、島しょ地域から取り組みを進めていくことが有効です。
また、地産地消の再生可能エネルギーを大幅にふやすことができれば、災害時の自立性の向上などのメリットもございます。
このため、まず、島しょ地域においてゼロエミッションアイランドを目指した取り組みを進めていくことといたしました。
○保坂委員 島しょ地域でゼロエミッションアイランドが実現すれば、地域の魅力創出にもつながっていくものと私は認識しています。つまりは、島しょ地域の環境保全と産業振興というバランスの上に、島しょの魅力ある自然と豊かな暮らしを両立させていくための取り組みではないかと考えているからです。
今いただいた部長の答弁の中で、CO2削減に向けて地産地消の再生エネルギーを大幅にふやすことができれば、島しょの災害時の自立性の向上というメリットもあるとおっしゃられたことも、防災の観点からすればそのとおりだと思います。
ZEIを目指す取り組みの一環として、既に本年度より総務局が、来年度予算にも引き続き計上されております島しょ地域における電気自動車普及モデル事業を実施しております。この事業は、島しょ地域における電気自動車導入メリットの明確化や、効果的な使い方の検証などを目的に、実証実験として新島と八丈島をモデルとする事業で、来年度はさらに拡大していくと伺っております。
環境局では、来年度、島しょ地域における電気自動車普及ポテンシャル調査を行い、蓄電池としても活用できるEVの普及に向けた自動車の使用環境など、調査を実施するとしており、八丈島と新島については、既にEVを実験的に導入している総務局と連携した調査をしていただきたいと思います。
先月、視察に伺いました八丈島では、まちづくりの指針となる八丈町基本構想の中で、クリーンアイランドを目指すまちを掲げ、再生可能エネルギーの活用に取り組んでおります。特に八丈の地熱発電は関東初の地熱発電所で、認可出力は三千三百キロワット、一本の蒸気井から蒸気を取り出して発電を行っております。私も実際に拝見させていただきました。
同発電所の運転により、発電時に発生するCO2を約四割削減することが可能である。八丈島で必要とされる最低電力需要も自然エネルギーのみで賄える。施設能力だけ見れば、ほぼ可能となっています。
今回、これまで運営してきた東京電力が施設の老朽化に伴い事業継続を断念することから、八丈町は昨年、専門家や地元関係者による審査を経て、新たな民間事業者を公募、決定し、これまで以上の発電能力を持つ地熱発電設備を整備する、二〇二二年度に運転を開始することが決まりました。
地熱を持つ島として、島民の環境に対するマインド、地熱を産業振興につなげたいという思いもかなり強いものがありました。
都としても、東京で唯一の再エネ、地熱発電という強みを最大限生かし、この民間の力を最大限に利用して、島の環境保全、振興、発展を後押ししていくことがゼロエミッションアイランドを実現する一つの近道ではないかと考えています。
八丈島に限らず、地域の強みを生かした取り組みを進めるという意味でも、今回の初期調査は非常に大きな役割を果たしますので、ぜひ関係各局とも調査結果を共有していただき、ZEI実現に向かって、島しょとともに取り組んでいかれることを強く要望します。
続きまして、水素社会に向けた取り組みの推進、燃料電池自動車の導入促進事業について質問します。
以下、燃料電池自動車はFCVと表現をさせていただきますことをご了承ください。
今回、FCV、燃料電池自動車などの導入促進事業として、予算約七億七千五百万円が計上されており、新たにタクシー事業者などのFCVまで補助対象を拡大されました。都は本年度より、ジャパンタクシー事業として、東京二〇二〇大会に向けてタクシー事業者に対してLPGHV、LPガスですね、LPGHVタクシー一万台の導入補助を実施しており、今では、ちまたでも容易に目視できるような環境になっていることも私は実感しています。
そこで今回、FCタクシーを導入するに当たり、FCVメーカーによっては、四人乗りだったり、収納スペースがLPGHVより狭かったり、バリアフリー対応も含め、実用面からFCタクシーの普及は容易ではないと考えますが、改めて都のFCタクシー導入の狙いを伺います。
○村山都市エネルギー推進担当部長 FCVタクシーの導入についてでございますが、燃料電池タクシーは、走行時に水しか排出しないなどのすぐれた環境性能を有しております。現在市販されている燃料電池自動車は、三分間の充填で七百キロメートル程度を走行できるなど、ガソリン車と同等の利便性を有しております。
燃料電池タクシーが普及すれば、都民の皆様に水素エネルギーを実際に活用する場面を体験していただくことで水素社会に対する理解の促進になるとともに、燃料電池自動車に乗車する機会にもなるなど、さまざまな意義があると考えております。
○保坂委員 まさに利便性という面で、EVもそうなんですけれども、FCVも実用面、特にバリアフリーの観点からは、まだハイブリッドやPHV、プラグインハイブリッドに追いついていない部分も多いですので、今答弁いただきましたように、環境面を前面にPRしていくのであれば、車内でも利用者がFCVを実感できるような、環境面によりクローズアップした戦略的活用手段を提案するなど、既にFCVを導入しているタクシー会社や民間自動車メーカーと連携して事業を進めていただくことを要望いたします。
続きまして、今度はFCバスといいますが、燃料電池バスの導入について質問をいたします。
燃料電池バスは、環境配慮型の次世代交通バスとして東京二〇二〇大会でも利用され、世界中に我が国の環境技術の高さをアピールしていく目玉事業の一つであります。いよいよ昨年度より開始した都営のFCバス、東京駅とビッグサイト間は両駅とも、ビッグサイトも東京駅も、いずれも多くの人が集まるエリアでの展開となりましたが、この一年を経過しての利用者や見かけた方の反応、また、実際の運用面での状況などについてお聞かせください。
○村山都市エネルギー推進担当部長 燃料電池バスは、普及が進むことにより、都民の皆様に水素エネルギーを実際に活用する場面を体験していただくことで理解促進の機会にもなります。
都内では、昨年三月から東京駅丸の内南口と東京ビッグサイトを結ぶ路線での運行が始まり、現在はおおむね一日八往復しておりますが、バス事業者からは、車内の振動がないことや静かであること、発進時のスムーズさなど、乗車された方からは好評と聞いております。また、走行時に道路から写真を撮る方もいらっしゃるなど、関心も高いと聞いております。
○保坂委員 ありがとうございます。私も何度か利用させていただきましたが、本当にこれがバスかと思うぐらい静かな走行で、乗るたびに次世代のFCバスというのはすごいなというのを実感する次第であります。
都民だけでなく、世界中から訪れる多くの人たちにアピールすることは重要であるからこそ、来年度はどの路線に新たなFCバスが走るのか注目をしたいところであります。人や車の多い繁華街などを走る路線に導入すれば、都民へのPR効果が高いと考えることから、来年度に新規に導入される二十五台も、ぜひとも繁華街を走る路線に導入していただきたいところでありますが、これは交通局ということで、これ以上は聞きません。
また、車両管理は交通局でありますので、それも踏まえて、環境局の立場としてFCバスの有益性をしっかり都民へ普及啓発していくことは重要と考えておりますので、外観からはなかなか伝わりにくい既存のFCバスをよりわかりやすいラッピングにするなど、何らかの工夫、対策を検討いただきたいと要望して、次の質問に入ります。
続いて、水素ステーション設置の導入促進事業についてお伺いします。
水素ステーション設置は、以前も質問させていただきましたが、法規制もあり、コストやスペースといった課題があり、なかなか普及が広がらない現状であります。
先日、そんな中、大手民間事業者十一社が、水素ステーションの事業自立と整備拡大を推し進めるため合同会社を設立いたしました。同社は、二〇二一年までに全国に水素ステーション八十カ所の整備を目標とし、運営面では合同会社がインフラ事業者に委託をして、ステーションの整備情報や運用情報を収集して、コストダウンやサービス向上を図るとしています。
そんな中、都心部においては、やはりステーションに適した十分な土地が見つからない課題は変わりません。都としては、ステーション整備拡大に向けて都有地を積極的に提供するなど、こうしたやる気のある民間企業体と一緒に連携していくことは大変重要であると考えますが、都の見解を伺います。
○村山都市エネルギー推進担当部長 水素ステーションの整備拡大に向けて、都は国等と協調して、整備費や運営費に係る補助制度を実施しております。
また、都内では、用地の確保が課題であることから、都独自の制度といたしまして、土地賃借料の二分の一を支援し、民間事業者の取り組みを後押ししております。
今後とも、都有地の活用も含め、水素ステーションの整備に向けた取り組みを進めてまいります。
○保坂委員 今後、FCVの普及に加え、FCバスも積極的にふやしていくということから、ステーション整備拡大に向けて、より積極的な取り組みが必要であります。
都バス車庫を含めた都有地の積極的な活用に加え、今回のFCV補助事業はタクシー事業者まで拡大しますので、タクシー専用ガススタンドの活用なども検討材料に入れていただき、民間活力を生かした水素ステーションの整備拡大に向けて、さらに取り組んでいただきたいと要望して、次の質問に入ります。
最後にします。最後に、照明のLED化の推進について質問します。二点であります。
まず、家庭におけるLED省エネムーブメントの促進事業について伺います。
昨年七月よりスタートした白熱電球二個をLED電球一個に無料交換するという同事業は、LED照明の普及により家庭の省エネを促進するだけでなく、電球交換時の省エネアドバイスを通じて都民の省エネ意識の向上を図る、そして、都民が手軽に省エネに取り組むことなどのきっかけとして、非常に大きな取り組みであると考えております。
先ほども話がありましたが、年間百万個という目標でスタートし、開始直後の一カ月は有名タレントと知事のタイアップ効果もあり、六万六千個を記録して話題となりました。その後は、毎月約二万個ペースで推移している状況であります。
まず、そこで、これまでの交換個数が目標の二割程度にとどまっている中での都の現状の認識を伺います。
○小川地球環境エネルギー部長 委員お話しのとおり、本事業につきましては、LED電球への交換を進めながら、家庭の省エネを進めていくというものでございます。
事業開始から、去る三月十一日までの間に約二十一万個のLEDに交換されたということで、これは約一千九百万キロワット時の省エネ効果がございました。これは、都内の一般家庭六千世帯分の一年間の電力消費量に相当いたしまして、CO2に換算いたしますと約九千三百トンの削減につながっておるものでございます。
これまで多くの都民の方がLED電球への交換を進めていただいたことで、ご家庭におかれましても簡単にできる省エネの取り組みにつながっているものと認識してございます。
今後とも、LED電球の交換を進めながら、都民の省エネ意識の一層の向上を図ってまいりたいと考えているところでございます。
○保坂委員 都民からは、近所に交換できる店をふやしてほしい、休日で交換できる店をふやしてほしいといったような要望が数多く寄せられたと聞いております。こういった声に応えて、この三月から家電量販店でも交換が可能になったことで、LED電球の普及が加速していくことを期待しております。
LED照明の普及を契機として、都民の意識改革を促すという事業目的に照らして、家電量販店が参加していただいた影響力は非常に大きいと考えます。また、これも話はしてありますが、実際のチラシですね。某家電量販店のチラシで、これがきのう折り込みで、三月に入ってもう既に二回目の折り込みが入っています。この無料交換事業をこういったように告知していただいたりと、これは家電量販店の費用でやっていただいているので費用対効果もそれなりに高いと思います。特にまた、引っ越しシーズンというのも始まります。
家電量販店のビジネスは、顧客に非常に敏感であり、切りかわりも早いのが特徴であることから、逐一、家電量販店とコンタクトを取り合いながら顧客の声などを確認し、課題があれば早急に対応していくことが必要と考えます。
そこで、本事業は、昨年七月から一年間の事業でありますが、事業終了予定のことしの七月に向けて、今度は駆け込み需要の喚起をすることなどは非常に効果があると考えます。今後、さらに周知を徹底するためのPRをどのように展開していく予定か、ラストスパートについて見解をお伺いします。
○小川地球環境エネルギー部長 都は現在、ワイドコラボ協定を締結しております企業や団体等の協力を得まして、ポスターの掲示やチラシの配布など、顧客への情報提供などを行っていただいているところでございます。こうした取り組みを通じながら、都民へのさらなる周知を図ってまいりたいと考えております。
また、区市町村等とも連携いたしまして、広報紙への掲載やイベントなどでの周知もあわせて行っていく予定としてございます。
いずれにいたしましても、省エネ効果の高いLED電球の普及につなげてまいりたいと考えております。
さらに、これまで取り組みがなかった企業や団体等、こうしたところとの連携も含めまして、工夫を凝らして周知に努めてまいりたいと考えているところでございます。
○保坂委員 ぜひラストスパートの盛り上げに期待をしております。仮に百万個の達成が厳しいとしても、これまで都内の各自治体、民間企業、団体に協力をいただき、一丸となって省エネを啓発してこられた意義は非常に大きいと考えますので、自信を持って、最後まで諦めず事業を進めていただきたいと思います。
なお、このチラシはかなり大きいチラシで、一番上に掲載されているんですけれども、枠はこの一つなんですね。なので、まだまだちょっと弱いかなと思うんですが、これは費用が発生していないということで、法人の考えでやられているということなんですけれども、お店に行っていただいた方もいると思うんですけれども、ポスターを張っている店、張っていない店とか、A4のチラシがただぺらっと張られているだけとか、まだこれからだと思うんです。とはいえ、気づいたことは、量販店も非常に積極的だとは聞いてはいるんですけれども、なかなか目に見えて積極性というか、そういうのは見えにくい部分もありますので、ぜひ環境局さんの方からでも、もう一度実際に販売店に行ってみたりとかして、店員さんとか店長さんのやる気を促すとか、そういったことでお互いの信頼関係を築きながら事業を進めていただきたいと思います。
最後に、集合住宅共用部における照明のLED化促進事業について伺います。
集合住宅の共用部で使用されている電力はほぼ終日使われていることから、今回省エネ対策として、共用部の照明のLED化を啓発していくことになった約一千百万円の事業であります。
都内の住宅の約六割を占める集合住宅では、フロント、廊下などの共用部のLED化が進んでおらず、特に二〇一二年以前の建物では、約四割にとどまっていると聞いています。集合住宅の共用部では、ほぼ終日電気が使われていることが多いため、省エネ対策が必要であります。
そこで、平成三十年度予算案に計上されている集合住宅共用部における照明LED化促進事業について、この事業の詳細を伺います。
○小川地球環境エネルギー部長 集合住宅におきまして、廊下や階段等の共用部の点灯時間が長く、数量も多いというところから、LED照明を導入することで高い省エネ効果が期待されます。
本事業は、LEDの経済効果や居住者の合意形成の方法などの導入事例を紹介するほか、リースなどによります資金調達の方法などを取りまとめたパンフレットを作成いたしまして、マンション管理組合に情報提供を行ってまいるものでございます。
管理組合に対しましては、マンションの管理会社を通して、管理組合の役員等に直接送付するということで、情報を確実に届けたいと考えているところでございます。あわせまして、管理会社にもパンフレットを活用していただき、LED照明の導入を提案してもらうことも期待しておるところでございます。
○保坂委員 この事業も案内する際は、同時に、先ほども申しました、来年度、同じく新規事業となる、例えば、EV用の充電設備の設置や発電設備設置助成、また、LEDの電球交換事業などについても、個人の一宅、家庭における省エネムーブメント、こういった既存の事業についても並行して案内していただき、居住者に普及啓発することを強く要望して、私の質問を終わらせていただきます。
○田の上委員長 この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。
午後五時二十三分休憩
午後五時四十五分開議
○田の上委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○小磯委員 まず初めに、ゼロエミッションアイランドについて質問をいたします。
我が党は、先日の予算特別委員会で、このゼロエミッションアイランドの実現について、その取り組みを質問したわけでございます。
このゼロエミッションアイランド、そしてゼロエミッション東京を目指すということで、やはりそれは温室効果ガスの削減、地球温暖化対策ということであります。
そういう中で、平成二十七年のCOP21、ここで採択をされたパリ協定というのがありまして、これが平成二十八年十一月から発効されているわけでありますけれども、産業革命からの平均気温の上昇を一・五度Cに抑える努力を追求することが明記されて、このため、今世紀後半には温室効果ガスの排出を実質的にゼロとする、そういう目標を掲げているわけであります。
そういう中で、やはり環境先進都市東京、そしてまたエネルギーの大消費地である東京としては、このゼロエミッションへ向けて不断の努力をしていくということは当然のことでありますし、また、それを我々都議会も、そしてまた都民もしっかりと応援をしていかなきゃいけない、そういう自覚を持たなければいけない、こんなことになるんだろうというふうに思います。
そういう中で、このゼロエミッションアイランドについては、その質問の中で、課題としまして、島しょ地域は電力系統が島ごとに独立をして需要規模が小さいために、需給バランスの確保が難しいという答弁があったわけでございますけれども、具体的にこの課題についてお話をいただきたいと思います。
○村山都市エネルギー推進担当部長 電力を安定的に供給するためには、需要量に合わせて供給量を調整していく必要があり、この需給バランスが崩れた場合、停電等のふぐあいが生ずることとなります。
島しょ地域では、小規模なディーゼル発電設備が再生可能エネルギーの導入による発電量の変動を調整する役割も担っております。このため、現状では、ディーゼル発電による調整が可能な範囲までしか再生可能エネルギーの導入ができない状況にございます。
今後、再生可能エネルギーの電力をふやしていくためには、蓄電池等を活用して、ディーゼル発電による調整範囲を超える変動を吸収し、調整していくことが必要となります。
また、島の電力を再生可能エネルギーで一〇〇%賄うためには、これに加えて、さらなる安定運用技術の確立が必要となります。
○小磯委員 今の答弁にありましたように、蓄電池等を活用して、ディーゼル発電による調整範囲を超える変動を吸収して、調整していく必要があるということで、新しい技術を確立していかなければ、再生可能エネルギーを大幅にふやしていくことは難しいということでございますが、今後、ゼロエミッションアイランドを目指していくためには、将来的にディーゼル発電を再生可能エネルギーに置きかえていくことが必要になってくるということでございます。
各島の電力を再生可能エネルギーのみで賄おうとする場合、多くの島で導入が見込まれる太陽光発電、また風力発電等については、天候の影響によって、雨とか、また曇りの日、また風のない日というのが随分長くなれば、十分発電できないという心配が出てくるわけでございます。
また、こうした天候が長く続けば、蓄電池があっても、やがてバッテリーがなくなるということで、電気が不足するということも起こり得るのではないかということで、再生可能エネルギーによる発電が十分に行われない状況への対応が重要であります。都の取り組みをお伺いいたします。
○村山都市エネルギー推進担当部長 太陽光発電などの再生可能エネルギーは、気象条件等によって発電量が大きく変動するという課題があり、導入拡大を進める上では各島の電力の安定供給を確保するための対策が不可欠となります。
こうした課題を踏まえて、天候不順等により一定期間再生可能エネルギーによる発電ができない場合でも電気の安定供給を継続する技術として、蓄電池と比べて電気を長期間かつ大量に蓄えることが可能な水素蓄電の活用が考えられます。
具体的には、太陽光発電を導入する場合、天候のよい時期に余剰電力を水の電気分解により水素として蓄え、天候不順が続く時期に蓄えた水素を燃料電池に供給して発電することにより、安定して電力を供給することができる可能性がございます。
こうした水素による蓄電技術を活用し、再生可能エネルギーの長期的な変動にも対応することによって、電力の安定供給が維持できる方策を検討してまいります。
○小磯委員 蓄電池は、先ほど申し上げましたように、携帯電話のバッテリーのように、だんだんだんだんなくなってくるというところがあるんですけれども、水素は長期的に蓄電ができるということでございます。余剰電力を水素に変えてためておき、電力の不足時に利用するというのは有効な取り組みであります。再生可能エネルギーがふえても、電気の安定供給に問題が生じることのないようにという観点からも、ぜひ十分に検討をしていただきたいと思います。
CO2を排出しないゼロエミッションアイランドを目指すことは、東京が環境先進都市となるための第一歩として、これは大変スケールの大きいモデル事業であるし、また、地元にとって大変メリットのある話であると思いますので、先ほど三宅理事からもありましたように、地元の自治体、また企業との連携をしっかりとっていただいて、着実な取り組みをお願いしたい、このように思います。
次に、水素をつくるときにCO2を出さないCO2フリー水素が、どれだけ進捗しているかということについて質問をさせていただきます。
このゼロエミッションアイランドでは、再生可能エネルギーの電力を蓄える技術として、水素を活用するということでございました。また、これに加えて、太陽光だけじゃなくてバイオマスをやるべきだという人もいまして、バイオマスによって水を分解して、CO2フリー水素をつくるべきだという方もおられます。そういうCO2フリー水素を燃料電池自動車等の燃料として活用することも重要であります。
都内でCO2フリー水素を導入する方策は幾つか考えられますが、当面は、敷地内に設置した太陽光パネル等の再生可能エネルギーの電力で水素を製造して活用する、いわゆる地産地消、もう一つは、福島など東北などの遠隔地の再エネの余剰電力で水素を製造して都内へ輸送する方法が中心になると思います。
そこで、まず初めに、地産地消のCO2フリー水素の普及に向けた現在の状況と、今後の取り組みについて伺います。
○村山都市エネルギー推進担当部長 地産地消のCO2フリー水素の活用に関する動向といたしましては、再生可能エネルギーと水素による蓄電を活用して、電力を安定的に供給できるCO2フリーの自立型水素エネルギー供給システムが一昨年度から市場投入されております。
また、再生可能エネルギーで製造した水素をその場で燃料電池自動車に満充填できる水素ステーションについても、来年度の市場投入に向けた開発が進められております。
再生可能エネルギー設備や、水を電気分解する水素製造装置の導入コストの高さが課題であることから、都は、設備費等の二分の一を支援する再エネ由来水素活用設備導入促進事業により、民間事業者の取り組みを後押ししております。
今後、こうした民間事業者の開発動向も踏まえながら、地産地消のCO2フリー水素の都内での普及を目指してまいります。
○小磯委員 いわゆる地産地消のCO2フリー水素というのは、今の答弁の取り組みでございました。福島県と東京都が連携をしております。これは、この環境・建設委員会で数年前に福島県の再生可能エネルギー研究所の視察に行きましたね。そのときに、こうした福島県並びに再生可能エネルギー研究所と東京都がしっかり連携をすることは大事だよということで、そういう提案のもと、こういう協定書が、基本協定が結ばれております。
この基本協定が結ばれたのは、平成二十八年の五月十七日、東京都、福島県、国立研究開発法人産業技術総合研究所及び公益財団法人東京都環境公社との間で実施するCO2フリー水素及び再生可能エネルギーの研究開発等に係る連携・協力に関する基本協定書というのを締結しております。
この目的としては、福島県の産業の復興、福島県及び東京都の持続的発展、さらに、我が国産業の一層の飛躍及び発展に資するため、相互の連携を強化して、互いに協力をすると。この四者がCO2フリー水素の活用及びそれを通じた福島県内の再生可能エネルギー導入の推進を目指してやっていくと。
どういうことをやっていくかというと、共同研究開発、技術協力及び人事交流、また、それぞれが実施する事業などへの相互協力、また、そういう広報啓発活動などをしっかり連携していこうということで、平成三十三年三月三十一日までこの協定の有効期間があるということでございます。
これも本当に我が党として、環境局にこうした連携をすることで、福島県の復興、東日本大震災の復興の後押しということで提案させていただいて、東京都もこれに応えて、こういった連携をしていただいているわけでございます。
先日の予算特別委員会総括質疑で我が党の質問に対して、来年度、福島県産CO2フリー水素を都内で燃料電池自動車へ充填したり、イベントの電力として活用するという答弁がございました。
そこで、本取り組みにおける水素は、どのように製造し、また、どの程度の規模で実施するのか伺います。
○村山都市エネルギー推進担当部長 本事業で使用するCO2フリー水素は、お話のございました福島県等との四者による連携協定のメンバーである産業技術総合研究所の福島再生可能エネルギー研究所内の太陽光発電による電力で、水を分解して製造したものを活用いたします。
燃料電池自動車への充填は、都内の移動式ステーションにおいて、十台程度の車両への供給を予定しております。
イベントでの水素活用について、今年度は、簡易型の小規模な燃料電池により、テレビの電力として活用いたしましたが、来年度は、燃料電池と水素を貯蔵する水素吸蔵合金を搭載した車両を使用し、テレビや携帯電話の充電設備等、複数の機器への電力供給を予定しております。
○小磯委員 この移動式水素ステーションというのは、大変大事な取り組みだと思うんですね。やっぱり水素ステーションというのがまだ都内にそれほど普及していないものですから、燃料電池車を実際所有している人は、とにかく水素がなくならないように、いつも目盛りを見ていて、それでステーションに行って充填しているというんですね。そういう中で、もし水素がなくなったら、もうお手上げだというんですね。
そういうことで、そういうときに移動式水素ステーションがぴゅっと電話で来てもらえれば大変助かるんじゃないかなというふうに思っておりますので、よろしくお願いします。
来年度は、まだ規模はそれほど大きくはないわけでございますけれども、福島県産のCO2フリー水素が都内で活用されることに大変な意義があると思いますので、ぜひ継続して取り組みを進めていただくようお願いいたします。
そして今後、規模を拡大して東京二〇二〇大会の開催時に、福島県産CO2フリー水素が選手村のエネルギー源であったり、また、燃料電池自動車等の燃料として活用されれば、世界に対して我が国の環境先進技術をPRするだけでなく、福島県の震災から復興した姿を示すことになると考えます。
福島県におけるCO2フリー水素製造をめぐる状況並びに東京二〇二〇大会開催時の活用について、都の見解を伺います。
○村山都市エネルギー推進担当部長 現在、福島県浪江町において、国の主導で、メガソーラーの電力を活用して一日当たり燃料電池自動車五百六十台に満充填できる程度のCO2フリー水素の製造が可能な、大規模な工場の建設が進められております。
この水素製造工場が大会前に稼働すれば、東京二〇二〇大会開催時における選手村や車両での活用に大きく近づきます。
今後、国や民間事業者、庁内関係局との連携を密接に図りながら、東京二〇二〇大会開催時における福島県産CO2フリー水素の都内での活用を目指してまいります。
○小磯委員 二〇二〇大会開催時の福島県産CO2フリー水素の活用等に向けて、オールジャパンでしっかりと連携して、また、これは福島県産のCO2フリー水素を使っているんだよということもアピールしていただいて、取り組んでいただきたいというふうに思います。
次に、都有施設への電気自動車充電設備の設置が予算に盛り込まれております。電気自動車の充電設備を十基設置するということでございます。自然公園とか、都立公園とか、都有施設に設置するということでございますけれども、それだけじゃなく、都有施設の中には文化施設とか、また出先の事務所とか、いろいろございますので、そういったところに進めていただきたいというふうに思います。
充電設備といっても、充電器には三十分程度で充電できる急速充電器と、七時間から八時間で充電できる普通充電器の二種類があるということでございますけれども、都庁本庁舎などの駐車場には、来庁者が利用できるよう、短時間で充電できる急速充電設備を設置してもらいたいと、このように考えますが、都の取り組みを伺います。
○松永環境改善部長 都庁舎には、日々多くの都民や事業者が来庁されます。都庁舎等に設置する充電設備については、来庁者が用事を済ませる間に充電できる急速充電設備の設置がふさわしいと考えております。
今後、設置場所の選定など、施設管理者と協議を進め、早期の設置を目指してまいります。
○小磯委員 都庁舎に充電設備が設置されますと、これは本当に都民へのアピールになりますので、ぜひ早期の設置をお願いしたいというふうに思います。
それで、最後に、電動バイクの普及ということで質問させていただきます。
都では、電気自動車の普及促進とともに、来年度から電動バイクに対する補助事業を開始するということでございますが、まだまだ電動バイクは高価だと聞いております。
補助制度の概要を伺うとともに、この補助制度を活用し、電動バイクの普及を図るべきであります。都の取り組みについて伺います。
○松永環境改善部長 都はこれまでも、電気自動車などの次世代自動車に対する導入補助を行ってまいりました。二〇一八年中に国内メーカーが初の業務用にも使える電動バイクを発売する予定でございまして、来年度からは補助対象を電動バイクにも拡大いたします。
補助に当たりましては、国が実施している補助制度に上乗せし、同じクラスのガソリンバイクとの価格差をなくすようにいたします。
補助の対象は、事業活動において日常的にバイクを利用している個人事業者や中小企業者といたします。
都といたしましては、五年間で四百台の導入を目指し、新聞配達店や飲食業の宅配サービスでの活用が想定されますことから、これらの業界団体等と連携して普及を図ってまいります。
○小磯委員 先ほども議論がございましたけれども、こうした電気自動車、また電動バイクも、いわゆる電気で走っているんだよということをしっかりとアピールするような、そういうデザインをつくっていただいて、アピールしながら取り組んでいただきたいというふうに思いますし、また、五年間で四百台の導入を目指すということでございますので、着実にこれを実現していただきたいということを申し上げて、質問を終わります。
○河野委員 私は、土壌汚染対策に関連した問題と、国の鳥獣保護区について、それから八王子市の川町のスポーツパーク建設計画、この三つの問題で質問をいたします。
初めに、土壌汚染法の改正について関連して質問します。
昨年五月、国会で、土壌汚染対策法が改正されました。改正された法律の一部として、東京都の土壌汚染対策法関係手数料条例の一部改正の条例案が今議会に出されております。
今回、国において行われた法改正の概要について、まずご説明をお願いいたします。
○近藤環境改善技術担当部長 今回の土壌汚染対策法改正は、土壌汚染に関する適切なリスク管理を推進すること等を目的としておりまして、平成三十年四月と平成三十一年春の二段階に分けて施行されることになっております。
第一段階の施行では、汚染土壌処理業に係る規定の整備及び土地の形質変更の届け出、調査手続の迅速化等が行われます。
第二段階の施行では、土壌汚染状況調査の実施対象となる土地の拡大及び都道府県知事が汚染の除去等の措置内容の計画提出を命じることとする等の規定が追加されることになります。
○河野委員 ことし四月施行になるものと、それから改正された法律が公布されて二年以内の来年春施行になるものと二期に分かれている、そういうご答弁だと思います。
その背景や改正された項目等について、東京都はどのような取り組みをされるのでしょうか、具体的にご説明をいただきたいと思います。
○近藤環境改善技術担当部長 本年四月の第一段階の施行において、汚染土壌処理業の譲り渡し及び譲り受け、汚染土壌処理業にかかわる法人の合併及び分割、汚染土壌処理業の相続にかかわる手続を定める規定が追加されます。
汚染土壌処理業の許可事務は、都道府県知事の事務となっており、都では、汚染土壌処理業の許可申請等に当たって必要となる手数料を土壌汚染対策法関係手数料条例で定めております。そのため、今回の改正により追加された譲渡等の申請に必要な手数料を新たに定める必要があり、土壌汚染対策法関係手数料条例の改正を行うものでございます。
なお、第二段階の施行に伴い必須となる条例改正はございません。
○河野委員 東京都は、昨年の十一月から土壌汚染対策検討会議を開いていると聞いています。法改正を受けて、第二期施行の項目などについて、東京都の条例との関係ではどのような検討をしているのか。ただいまの答弁では、必須となる条例改正はないとのことではありましたが、お聞きしておきたいと思います。
国の土壌汚染対策法は、国民の健康の保護を目的に、二〇〇二年、平成十四年に制定されています。一方、東京都は、二〇〇〇年、平成十二年に、それまでの東京都公害防止条例を全面的に改正して、都民の健康と安全を確保する環境に関する条例、環境確保条例、これを制定して、土壌汚染対策も環境確保条例に位置づけて取り組んでいると思っています。国は国民の健康の保護、そして、都は都民の健康と安全を確保、それぞれ法、条例に目的していることは重要だと思います。
今回の法改正は、形質変更時の事前届け出を汚染が自然由来の場合は年一回でよいとされるとか、あるいは、国などが行う汚染土壌処理の特例として汚染土壌を公共事業に再利用できるなど、産業界の要請もあって、規制緩和されたといわれています。
そうした状況のもとで、東京都がこれまでどおり都民の健康と安全を確保する、この立場を堅持して、来年春に向けての準備に努めていただきたい、このことと同時に、広く都民の意見を求めていく、そのような努力をしていただくことを求めるものですが、いかがでしょうか。
○近藤環境改善技術担当部長 都は、環境確保条例に基づく土壌汚染対策制度を国に先行して平成十三年に施行しましたが、その後、土壌汚染対策法が施行され、数次にわたり改正されてきており、法との関係を改めて整理する必要が生じております。
このため、土壌汚染対策法の改正を契機に、都の土壌汚染対策制度を見直すこととし、昨年十一月から学識経験者等による検討委員会において、専門的見地から検討を進めております。
今後、健康リスクの捉え方等について、法と整合を図りつつ、地下水汚染の拡大を防ぐ対策を導入することなどについて検討委員会で議論を進めるとともに、広く都民の意見を聞きながら、条例改正に向け取り組んでまいります。
○河野委員 東京都は、土壌汚染の問題では豊洲新市場で大変な事態を発生させて、まさに痛い教訓を持っています。環境確保条例の理念である都民の健康と安全を確保する、その環境の実現に、これからも努力していただくことをこの機会に要望しておきます。
次に、葛西海浜公園沖の自然保護についてお伺いをいたします。
東京都自然環境保全審議会に、江戸川区の葛西沖が国指定の鳥獣保護区に指定される報告がされております。これまでは、葛西沖の海域は東京都の鳥獣保護区でした。国指定の鳥獣保護区になることについて質問をしたいと思います。
初めに、都が指定している鳥獣保護区の現状、保護のための取り組み、それから、葛西海浜公園沖の鳥獣保護区について伺いたいと思いますので、ご説明をお願いいたします。
○金子緑施策推進担当部長 都では、鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律、いわゆる鳥獣保護管理法第二十八条の規定に基づきまして、鳥獣の保護を図るため、多様な鳥獣が生息している区域など三十九カ所、四万八千九百三十ヘクタールを都の鳥獣保護区に指定しております。
鳥獣保護区では、鳥獣の保護を図るため、鳥獣保護管理員による巡回を実施し、鳥獣及び生息地の監視、違法捕獲等の取り締まりなど、適正な管理に努めております。
また、鳥獣保護区のうち、特に良好な生息環境を保全するため、八カ所、二千八百八十七ヘクタールを特別保護地区に指定しております。
このうち、お尋ねの葛西海浜公園沖に広がる干潟を含む東京港鳥獣保護区は、集団で渡来する渡り鳥等の保護のため、都が昭和六十二年に鳥獣保護区として指定したものでございます。この干潟には、毎年二万羽を超えるスズガモ等のカモ類やカンムリカイツブリなど多くの渡り鳥が渡来し、採餌や休憩の場、ねぐら等に利用する越冬地として重要な湿地になっております。
○河野委員 今のご答弁で、鳥獣保護区と特別鳥獣保護区があるとのことですが、それぞれの違い、位置づけはどのようなものなのでしょうか、これもお聞きしたいと思います。
○金子緑施策推進担当部長 鳥獣保護区は、狩猟を禁止し、鳥獣の安定した生存を確保することを目的に指定しているものでございます。
一方、特別保護地区は、鳥獣保護区のうち、鳥獣の保護及び鳥獣の生息環境を保全するため、区域内の工作物の新築等が許可制になるなど、特に鳥獣の生息に配慮された区域となっております。
○河野委員 一口に鳥獣保護といっても、いろいろな仕組み、取り組みがされていることがご答弁でわかりました。
今回、東京都自然環境保全審議会に報告がされたように、葛西沖が国指定の保護区になる、その場合にはどのような変化があるのでしょうか。そして、東京都の役割はどのように変わっていくのか、このことについてご説明ください。
○金子緑施策推進担当部長 国の鳥獣保護区に指定されますと、鳥獣保護管理法第三十三条の規定に基づきまして、重複する都の鳥獣保護区は自動的に解除されます。
葛西海浜公園沖に広がる干潟が国の鳥獣保護区に指定された後も、都は必要に応じ、鳥獣保護管理員による巡回を実施するなど、国と連携して鳥獣保護区の保全に努めてまいります。
○河野委員 国指定の保護区になるということで、国とあわせて、東京都がこれまでどおり鳥獣保護管理員の巡回実施などをしていただいて、鳥獣の保護に努めるという点では、より手厚くなる、そういう国指定かなというふうに思っています。
葛西沖の海域に関して、最後に、水質の問題でお聞きしておきます。
下水道局の葛西水再生センターの処理水が荒川から東京湾に流れ込んでおります。この葛西水再生センターは、葛西臨海公園のすぐ北側にある施設なんですね。そして、雨が降ったときは、その上に加えて、墨田区や江東区からの下水道の汚水が、この地域が合流式下水道のために旧中川に入ります。この水が木下川排水機場から荒川に放流されて、東京湾、葛西沖に流れ込んできます。
環境局は、荒川河口から葛西沖にかけての海域の水質調査は行っているのでしょうか。
それともう一点お聞きしたいのは、あの東日本大震災、三・一一の後の福島第一原発の事故で、放射性物質が飛散してきて、東京湾に注ぎ込み、旧江戸川や荒川河口に滞留することもあり得るといわれてきました。
海域の底質中の放射性物質の測定は、どのように行われているのでしょうか。東京都民、また江戸川区民にとっては、葛西沖の水質に大変強い関心を持たれている方が大勢いらっしゃいますので、お伺いをしておきます。
○須藤自然環境部長 都は、水質汚濁防止法の規定に基づき、毎年度、都内の公共用水域の水質調査を実施しております。
葛西にほど近い荒川河口付近の環境基準点を含む海域については、重金属や農薬など、人の健康の保護に関する環境基準の項目などについて、基準を達成しているところでございます。一方、汚濁の代表的指標であるCOD、化学的酸素要求量に関しては、当該海域において、環境基準が未達成となってございます。
また、海域の底質中の放射性物質に関しては、水質汚濁防止法に基づき、国が常時監視を行うこととされており、荒川、旧江戸川河口沖の地点において、継続的に調査がなされているところでございます。
○河野委員 放射性物質については国が行っていると。特に大きく報道されていることはないので、心配するレベルに上がっていないのかなというふうに、今のご答弁で受けとめております。
CODについては、環境基準が達成されていないとのことです。この問題は、東京都だけでは改善できない課題だと思いますが、ご努力はこれからも引き続きお願いしておきたいと思います。
東京都は、湿地帯の保全を目的としたラムサール条約に葛西沖の干潟を登録申請すると積極的な意向を示されています。ラムサール条約に登録された場合、現在、都民が行われている海域利用はどのようになるのか、このことも都民、区民から強い関心が寄せられています。
葛西の人工なぎさについて申し上げますと、日本のなぎさ百選に選ばれています。西なぎさは人々が海の自然を楽しみ、東なぎさは年に何回かの清掃作業以外は人の立ち入りは禁止になっておりますが、市民の協力で保護されています。
葛西沖の海域は、多くの都民の憩いの場所であり、野鳥たちの楽園ともいわれております。特に地元江戸川区民は、葛西の海を子供たちの心と体の成長の場としても大切に思い、べか舟乗りや海遊びなどに多数のボランティアの方々が参加しております。
江戸川区民、また広く都民の意見や要望を把握していただきまして、自然保護と水質の保全、さらに、鳥獣保護と人々の利用が両立できますように、ラムサール条約に関しては港湾局の所管だということでありますが、港湾局とも連携して、努力していただくことを求めておきたいと思います。
最後に、三つ目の八王子市川町、仮称八王子スポーツパークの建設についてお伺いをいたします。
二〇一七年の第四回定例会で我が党の清水ひで子議員が、八王子市川町に建設が予定されているスポーツパークについて文書質問をしています。第一回定例会で答弁書が出ましたが、答弁の中で目立つのは、現時点では認可申請がされていないため内容は把握していない、このような答弁が幾つもあることです。
ことし一月、八王子市の川町スポーツパーク計画について、東京都は、小池知事の名前で自然環境保全審議会に諮問をしています。これによって、仮称でありますが、川町の八王子スポーツパーク、この施設の建設計画は新たな段階に入りました。だから、今議会におきまして、環境局のお考えを伺っておきたいと思います。
スポーツパーク計画については、川町周辺の団地管理組合、自治会、環境団体などが共同で、六年近くにわたり計画を取りやめてほしいと粘り強く運動されております。地元の人々にとっては、都知事から審議会に諮問されたことは大変な不安材料になっています。
そこで伺います。
仮称八王子スポーツパーク建設計画は、川町の住宅地と川筋の上方の地域に、樹木などを切って、建設残土を埋め立てて、スポーツグラウンドをつくると聞いています。初めに、この計画の全体像についてご説明をいただきたいと思います。
埋立予定の場所、地形、埋立面積、造成するグラウンドの種類や数、搬入予定の建設残土量、土砂搬入や廃棄物となる樹木などを搬出するのに要する車両通行予測量などについて、環境局が把握されておられることをお示しいただきたいと思います。
○須藤自然環境部長 仮称八王子スポーツパーク建設事業の許可申請書によりますと、事業地であるスギ、ヒノキ、植林を中心とした樹林地は約十五万六千平方メートルで、このうち残留緑地や植栽緑地など五五%は緑地として保全され、残りの四五%は施設整備等に利用される計画となっております。
土地の形質変更については、まず、切り土と盛り土により、谷戸地形を平たん地に造成した上で、運動施設等を整備することとなっております。盛り土に使用される土砂量は約五十万八千立方メートルでございますが、これは事業区域内における切り土で発生した土砂約七万七千立方メートルを含むため、外部から搬入して盛り土に利用される土砂量は、差し引き約四十三万立方メートルとなります。
この際、外部から土砂を搬入する車両の通行量については、事業者からは一日当たり約百二十五台のトラックが通行すると聞いております。
土地の造成後は、平たん地にサッカー場二面、野球場一面、テニスコート三面、アーチェリー場、クラブハウス、駐車場などの整備が計画されております。
○河野委員 建設残土の搬入だけで、車の通行量は一日百二十五台と答弁いただきました。これ、行ってくるだけじゃなくて帰らなくちゃいけませんから、往復で二百五十台車は走るわけですよね。その他の工事用車両なども入ってくるはずだと思います。
木を切って、建設残土で埋め立てて、十五・六ヘクタールの広さの約四五%の土地を使って、物すごいグラウンドづくりが計画されている。緑の損失となる、これは自然環境に大きく影響する開発だと感じます。
この開発計画を審議会に諮問するに当たって、環境局は、当然、事業者と計画等について、自然保護条例に基づいて検討をされてきたと思います。その内容は、どのようなものだったでしょうか。
また、八王子市は中核市となって、開発などに関する権限は他の市よりも強いものを持つようになっているようですが、昨年十一月の私が行いました事務事業質疑の質問の際、環境局は、東京都と八王子市は、建設残土の埋め立てについて情報共有を行う定例会議を開催していると答弁されています。八王子市と都環境局の協議などについてもお示しをいただきたいと思います。
○須藤自然環境部長 自然保護条例に基づく開発許可制度は、自然の保護と回復を図る観点から、事業者に一定の緑地面積の確保や既存樹木等の保護の検討、動植物の生息または生育についての適正な配慮などを求めており、事業者が許可を受けるためには、これらの許可基準を満たす必要がございます。
このため、事業者から許可申請に向けた相談があった平成二十九年二月以降、都は、許可基準の適合に必要な措置を説明するとともに、事業者が実施する自然環境調査の内容や実施時期、既存樹木の保護の考え方、希少動植物の保全策などに関する具体的な助言指導を行ってまいりました。
また、都と八王子市の関係についてでございますが、都は自然保護条例に基づく開発許可事務、八王子市は都市計画法に基づく開発許可事務を担当しております。都と市の定例会議では、土砂埋め立ての現場に関する情報共有を行っておりますが、本開発案件については、まだ工事が始まっていないこともあり、現在は許可事務の進捗状況などについて、本庁間で情報共有を行っているところでございます。
○河野委員 許可申請が事業者からあったのがちょうど一年前ですね。平成二十九年二月以降、ずっとお話し合いをされてきたと。今のご答弁だと、工事が始まらないと都と市は意見を常時交換するようになっていないとおっしゃっていますが、私はどうもこの辺が納得がいかないんです。これだけ大きな開発計画なのですから、八王子市との協議が十分行えるように、これから検討を深めていただくことを求めておきたいと思います。
次の質問ですが、ことし一月の都知事から審議会への諮問の後、仮称八王子スポーツパーク建設計画の手続はどのように進んでいるのでしょうか、これについてもご説明をお願いいたします。
○須藤自然環境部長 仮称八王子スポーツパーク建設事業については、事業者から平成二十九年十二月十二日に、自然保護条例に基づく開発許可の申請がなされております。
この開発計画は、事業区域面積が三ヘクタール以上であるため、自然保護条例第四十七条第三項の規定に基づき、あらかじめ自然環境保全審議会の意見を聞く必要があるため、平成三十年一月十二日に審議会に諮問を行ったところでございます。
今後、開発許可に関することを分掌する審議会の規制部会において、本開発計画について詳細な審議が行われる予定でございます。
○河野委員 審議会に諮問されて、これから規制部会で各委員の方が、専門家の方がいらっしゃるようですけれども、規制部会でこのことについて調査したり、審議したりしていくということなんですが、私は、環境局にぜひお願いしておきたいのは、規制部会の委員の方々のしていただくこととして当然だと思うんですけど、現地調査は行われると思うんですが、その際、地域住民の意見聴取などについてもご努力をしていただけるように、ぜひ規制部会の先生方にお願いをしていただきたいと思っております。
自然保護条例に基づいて、建設残土の埋め立てを許可する基準はどのようになっているのでしょうか。
昨年問題になった八王子市上川町戸沢峠付近の土砂崩落は、建設残土の埋め立てが極めてずさんに行われてきたことが原因でした。施工業者の経営体質が大規模な土砂崩落を引き起こしたのです。
開発計画を自然環境保全審議会に諮問するに当たって、工事をとり行う業者の業績のチェックとか、技術力の検討など、どのようになさっていらっしゃいましたか。
○須藤自然環境部長 自然保護条例に基づく開発許可制度は、自然の保護と回復を図るとの観点から、一定の緑地面積の確保や既存樹木等の保護の検討、動植物の生息または生育への配慮などを許可基準に定めており、工事施工者の工事実績や技術力などについては審査事項としておりません。
なお、今回申請のあった開発事業では、都の開発許可のほか、都市計画法第二十九条に基づく開発許可が必要とされており、盛り土の安定性などの技術的な審査は、都市計画法を所管する八王子市において適正に実施されるものと認識しております。
○河野委員 先ほどの答弁で、まだ八王子市と都の定例会議が開かれていない、このことが述べられました。そして今、業者の業績や技術力は審査事項になっていない。こういうことを考えると、これで本当に工事が安全で、品質のよいものができるのかというのが大きな疑問として残りますので、そのことは申し上げておきたいと思います。
次の質問です。
この建設残土埋立事業によりまして、八王子スポーツパーク建設計画は、幾つもの問題をはらんでいることが、現地調査もしてみましたので、私の今までの感じているところであります。
順次お聞きいたします。
第一に、樹林帯に建設残土を搬入する問題です。
私は、八王子市川町周辺を訪れましたけれども、スポーツパーク建設予定地は、林の中の土地でありました。グラウンド造成によって大量の樹木を伐採することになりますが、樹林帯はどのような状態になりますか、緑の問題についてお答えください。
○須藤自然環境部長 今回申請のあった事業は、土砂などで埋立工事を行った上で運動施設等整備する計画であることから、自然保護条例における開発行為の種別は、土砂等による土地の埋め立て及び盛り土造成に該当し、事業区域の五〇%以上を緑地として確保するとともに、事業区域の三〇%以上を残留緑地として確保するとの緑地基準が適用されることとなっております。
今回申請のあった開発事業では、緑地は約五五%が確保され、残留緑地は約四九%が確保される計画となっております。
○河野委員 林ですね。樹木の伐採と建設残土の埋め立てで更地をつくってグラウンドにするのですから、今、一団の固まりとなっている緑、樹木が本当に極端に減るのは明らかではないでしょうか。新植栽とか草地の緑とかいっても、長年にわたって生育してきた緑とでは、量も質も全く違うと思うんです。緑が大量に喪失されることは否定できない、そのように率直に思います。
二つ目に、埋立予定地は大沢川の源流であることで、水の問題について伺います。
樹林帯からの水が細い沢となって、谷戸地形の下流部には水生植物や動物が生息する貴重な湿地帯が形成されています。この湿地帯の上部地域が建設残土で埋め立てられると、水源が閉ざされて谷戸の湿地帯は消滅してしまうおそれがあります。そうすれば、環境局がレッドデータブックに掲載している貴重な動植物、希少種を守ることができなくなってしまうのではないでしょうか。
水源と湿地帯保全について環境局のお考えをお伺いいたします。
○須藤自然環境部長 事業者が提出した自然環境保全計画書によりますと、事業区域内には、都のレッドリストなどに掲載された希少種の生息等が確認されており、とりわけ谷戸の下流部に位置する湿地帯は、蛍類やカエル類などが生息するなど、希少動植物の重要な生息、生育場所であると認識しております。
このため、保全計画書では、事業区域内に二カ所ある水のしみ出し地点を現況のまま保全するとともに、水道(みずみち)を新たに整備し、下流部の湿地帯を保全することとなっております。
今後、審議会の規制部会において、こうした動植物の保全策などについて、自然環境に関する各分野の専門的な視点から審議を行うとともに、規制部会委員からの指摘や助言を踏まえ、事業者に適切な措置を講じるよう求めてまいります。
○河野委員 計画地は、貴重な自然環境が守られてきた地域であります。希少種のことは余りこういう公の場で名前を挙げない方がいいといわれているんですが、この際、少しだけ紹介させていただきますと、サンコウチョウとかオオタカなどの鳥類とかが飛来して、何種類もの爬虫類や両生類、そして、ご答弁にありました蛍を初めとした昆虫、植物も珍しいシダ類とかタマノカンアオイなど、そういう珍しい植物も希少種が数え切れなく存在する。そうしたところでありますから、私は、この開発については、こうした希少種が存在することで、できるだけ開発を避けることが望ましいと思っているんです。
レッドデータブックで保護が必要とされている動植物が、この場所で命をつないできております。開発が希少種の命を絶やすことになってしまう、このことは本当にきちんと受けとめていく必要があるというふうに率直に申し上げておきます。
第三は、工事の安全性の問題です。それから工事の後の安全性の問題もあります。
先ほども述べましたが、八王子市では、建設残土の埋立地で昨年十月、台風による大雨によって土砂の大崩落が起こり、都道が二カ月近く通行不能になり、住民生活に大きな支障が出ました。犠牲者が出なかったのが幸いでしたが、人災ともいわれた土砂の大崩落でありました。
川町の建設残土の埋め立ては、あのような災害をもたらす危険をはらんでいるのではないでしょうか。現地を見て一番に感じたのは、急勾配の樹林帯だということです。この場所に、答弁でありましたように、盛り土、切り土を合わせて約五十万立方メートルで埋め立ててしまう、こうした計画が進められようとしているわけですが、これだけ大量の建設残土を入れた場合に、その高さはどのくらいのものになるんでしょうか。
また、この場所は、建設局が土砂災害特別警戒区域に指定をしているところがあって、急傾斜の地形であります。こうした場所に大量の建設残土を搬入すべきではないと地域住民が思うのは当然ではないでしょうか。
工事作業途中でもし大雨が降ったとしたら、そのときは崩落を防げるのでしょうか。また、工事後を考えても、どのような方法によってグラウンド造成の安全性が担保されるのでしょうか。疑問はたくさんありますけれども、こうした問題についてお答えをいただきたいと思います。
○須藤自然環境部長 今回申請がありました事業計画では、盛り土によるのり面の高さは約三十六メートルとなっております。こうした盛り土の造成工法や、その安定性などについては、八王子市が都市計画法に基づき、適正に審査、指導するものと認識をしております。
また、許可処分後、工事現場の安全確保や工事終了後の施設の安全管理は、施工者である事業者が責任を持って担保すべきものと考えております。
なお、都は、事業者に対し、自然保護条例に基づき許可された開発計画どおりに工事を実施するよう指導していくこととあります。
また、土砂災害特別警戒区域を含む土地における開発の是非については、都市計画を所管する八王子市の判断となるものと認識をしております。
○河野委員 のり面の高さが三十六メートルということは、ビルとして考えれば、十階建て以上の土砂が急斜面のところに積み上げられることになるわけで、大変な開発だというふうに改めて思います。
昨年の八王子市戸沢峠の土砂崩落の質疑のときに、自然環境部長は、条例に基づく開発許可において、必要に応じて土木専門機関に助言を求め、適切な指導につなげる取り組みを始めております。そして、今後は、土木の専門機関との連携を一層強化し、安全にかかわる審査を厳格に行うとともに、問題のある事業者に対する監視の頻度、手法などについて見直しを図ってまいりますとお答えになっておられます。
この答弁に基づく改善の取り組み、今、環境局ではどのように進められておりますか。
○須藤自然環境部長 今回申請のあった開発事業では、都市計画法第二十九条に基づく開発許可が必要とされており、盛り土の安定性などの技術的な審査は、都市計画法を所管する八王子市において適正に実施されるものと認識をしております。
しかし、戸沢峠の残土埋立現場において土砂崩落事故が発生したことを受け、仮称八王子スポーツパーク建設事業の審議に当たりましては、自然保護条例に基づく盛り土の安定性などの審査体制を強化するため、地盤工学の学識経験者を自然環境保全審議会の臨時委員として委嘱し、規制部会における審議にご参加いただく予定でございます。
○河野委員 局として努力されている、そういう地盤工学の専門家の方が規制部会に入られるというような努力はわかりました。
けれども、埋立工事に当たる新開工業株式会社は、建設予定地の地権者でもありますが、水道管の埋設工事などが主たる事業で、建設残土の埋め立ての専門性はほとんど持たないといわれています。グラウンドの経営能力も不透明な上に、グラウンドをつくっても立地条件が悪いから採算性も疑問だと指摘されているんです。こうした問題も、局としてはきちんと規制部会の議題にのせていただきたいと要望しておきたいと思います。
地域住民にとっては、生活環境の悪化も大きな不安になっています。川町から建設予定地に入る道路は幅員が狭いのを私も確認してきました。答弁のように、残土搬入のトラックが一日百二十五台も入ると、住民の生活環境はどうなるのでしょうか。粉じん、車の騒音、交通事故の不安が募っています。今は静穏な生活環境が一変してしまう、そのことを皆さんはおっしゃっています。
ここに住居を定めたのは、陣馬高原の近くの緑豊かな土地だからと、だから、ここに住むようになったんですということをおっしゃっているんですが、この計画に絶対に納得がいかないとおっしゃる地域の皆さんの思いはよくわかります。だからこそ、自治会、団地組合、管理組合を挙げて反対しているのだと思うんですが、環境局は、この切実な地域の皆さんの悩みをどのように受けとめておられますか。
○松永環境改善部長 騒音及び振動につきましては、騒音規制法及び振動規制法に基づき市町が測定を行い、行政限度を超過し、道路周辺の生活環境が著しく損なわれると認められるときに、所要の措置を講ずることとされております。
ほこり等の粉じんについては、住民から生活環境に関する相談を直接受ける地元市が対応するものと認識しております。
○河野委員 開発許可は東京都環境局が出す、そして工事の安全や生活環境悪化の対応は八王子市であると。本当にこれでいいのかどうか大きな疑問です。
建設計画に反対しているのは住民だけではありません。八王子市議会は党派を超えて撤回、見直しを求めております。一番地元を知っている住民と議会の声を受けとめることが大事だと考えるのですが、この点でのお考えをお示しいただきたいと思います。
○須藤自然環境部長 自然環境保全審議会では、専門的な視点から審議を行うとともに、開発行為が行われる八王子市に意見照会を行い、その意見も参考にしながら審議を行う予定でございます。
○河野委員 質問させていただいて、最後に意見を申し上げます。
約六年にわたる長い間、地域住民の皆さんは、建設残土埋立計画を撤回してほしいと願って住民運動を続けています。
建設残土の搬入とグラウンド造成の施工に関している事業者は、新開工業株式会社を含めて三社ですが、その一つのNPO法人東京スポーツビジョン21は、事務所を持たず、八王子サッカー協会の事務所と同じ場所で電話番号も同じという法人です。
先ほども述べましたように、新開工業株式会社が工事に当たることになっておりますが、専門にしているのは水道管などの埋設工事で、大規模な土砂の埋め立ては経験がない、それに等しいという業績の会社であります。スポーツグラウンド経営のノウハウも持ち合わせていないと地元住民は告発しています。
交通の便が悪い山奥にスポーツグラウンドをつくっても、どれだけの利用者があるのか、このことも指摘されています。この事業の目的は、スポーツ施設建設ではなくて、建設残土埋立事業にほかならないとの住民の判断は間違っていないのではないでしょうか。
スポーツ施設建設の名目で、貴重な自然環境を壊してしまう建設残土埋立事業は、撤回するべきだと私は思います。都知事が審議会に諮問したことを再考していただくことを求めまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○西郷委員 私からは、まず初めに、木質バイオマスについて、再生可能エネルギーの利用をふやしていくためには、地域の資源を生かして、地域のエネルギーとして利用する地産地消の取り組みを進めていくことも必要であると思います。
都内には、多摩地域などに森林が広がっており、森林の育成過程で生じる間伐材などを木質バイオマスの発電や熱利用の燃料として利用をふやしていくことで、こうした地産地消のエネルギー利用をふやしていくことができるのではないでしょうか。
また、地域で発生する間伐材の活用が進めば、森の保全や再生を手助けすることにもつながりますが、そこでまず、都内における木質バイオマスのエネルギー利用の状況について伺います。
○村山都市エネルギー推進担当部長 昨年度実施した都内における再生可能エネルギー導入量等調査によりますと、都内の事業所では、平成二十七年度末現在、木質バイオマスボイラーやストーブといった熱利用設備が温泉施設や公共施設など七施設に導入されております。また、木質バイオマス発電設備が温泉施設一施設に導入されております。これらの設備は、いずれも地域で発生する間伐材や、製材時の端材などを有効利用した燃料を使用しております。
そのほか、家庭等においても、自治体等の補助金を活用するなどして、まきストーブ等の利用が行われております。
○西郷委員 多くはないものの、地域の間伐材を利用したエネルギー利用が行われていることがわかりました。地域の資源を有効利用してエネルギーの地産地消が進めば、CO2削減につながり、都としても、こうした取り組みを支援していくべきだと思います。
地域で発生した木質バイオマスのエネルギー利用を拡大していくための都の取り組みについて伺います。
○村山都市エネルギー推進担当部長 都内で木質バイオマスのエネルギー利用を進めるためには、地域の特性や課題を踏まえた取り組みを支援することが重要となります。
このため、都は、地域において木質バイオマスボイラーの導入や、まきストーブの設置補助、普及啓発事業などにより、間伐材等の木質バイオマスのエネルギー利用を進める区市町村への補助事業を行っております。
また、平成二十八年度から、民間事業者を対象に自家消費型のバイオマス発電設備や、熱利用設備の導入に対する補助事業を実施しております。
今後も、こうした取り組みを通じて、木質バイオマスによる地産地消のエネルギー利用を促進してまいります。
○西郷委員 木質バイオマスのエネルギー利用に当たっては、自然との共存を図りながら、地域の資源を有効利用していくことが重要であると考えます。
今後も、地元の自治体や民間事業者によるこうした取り組みを支援していただけたらと思います。
次に、電動バイクについて伺います。
都は、予算で電動バイクの導入補助事業を計上していますが、まず、昨年の全国での二輪車の販売実績と、その中で電動バイクがどの程度販売されたのか伺います。
○松永環境改善部長 業界誌の推計によりますと、二〇一七年の二輪車の国内販売台数は約三十六万五千台でございます。そのうち電動バイクは約二百台でございます。
○西郷委員 電動バイクの普及はまだまだのようですが、来年度からスタートする電動バイクの導入補助事業はどのような目的で、また、どのようなスキームで実施するのか、具体的に伺います。
○松永環境改善部長 電動バイクは、排気音や排ガスがなく、静かでクリーンに走行できる環境に優しい車両でありまして、その普及によって、ゼロエミッション東京の実現を図っていくことを目的としております。
現在、国においては、同じクラスのガソリンバイクとの価格差の四分の一を補助しており、都は、残りの四分の三の部分について上乗せ補助を実施し、ガソリンバイクと同程度の価格で購入できるよう支援してまいります。五年間で四百台の補助を想定しており、対象は、個人事業者や中小企業者でございます。
○西郷委員 では次に、電動バイクの普及には時間がかかると思いますが、都は、その普及をどのように進めていくのか伺います。
○松永環境改善部長 電動バイクの普及には、航続距離や充電時間を初め、都民や事業者の認知度向上などの課題がございます。
今後は、二輪車の業界団体などと連携して、モーターサイクルショー等のイベントで電動バイクを展示するなど、都民や事業者に対して電動バイクを身近に感じてもらう機会をふやしてまいります。
また、二〇一八年中に初の業務用にも使える電動バイクが販売される予定でございまして、使用が想定される事業者や二輪車の販売店に対して、補助制度の周知を図ってまいります。
○西郷委員 それぞれに答弁ありがとうございます。
最後に、意見を述べさせていただきますが、現在は電動バイクを見かけることは少ないと思いますが、静かでクリーンに走る電動バイクは、都市の乗り物としては魅力が高いと思います。しっかりと普及に努め、電動バイクが当たり前となる環境整備を進めていただきたいと思います。
また、台湾では、二〇三〇年度をめどに、二輪車の電気自動車への全面移行を先行して実現し、さらに自動車にも対象を広げる方針だと報道がありました。台湾では、バッテリー交換型の電動スクーターシェアリングサービスが普及しており、石垣島でも同様のサービスが開始をされました。
このようにうまくいっているのは、台湾や石垣島のように、地域性とそのサービスがマッチしているということもありますが、東京都もこのようなサービスを参考にすべきだと考えます。
あともう一点は、東京都が共催するマラソン大会などにおいて、警視庁所属の白バイが選手の先導を行うと承知していますが、この白バイをEVバイクに置きかえることで、都民に対するPR効果が期待できると思います。マラソン大会先導の白バイをEVバイクに置きかえるように、メーカーに開発を促していただきたく思います。
質問を終わります。
○佐野委員 自然環境担当、生き物係の私でございますが、最後の質問をさせていただきたいと思います。十分ほど、おつき合いのほどお願いしたいと思います。
私からは、三十年度一般会計予算の主要事業の中の区分では、自然豊かで多様な生き物と共生できる都市環境の継承という項目で、まず、保全地域制度について伺いたいと思いますが、予算案の中では、保全地域の維持管理費として約八千万円ほど、保全地域の公有化経費として約十四億円が計上されています。
都が保全地域制度を活用して、自然環境の保全に力を入れているということが読み取れるのではないかと思いますが、また、今回の資料請求の一一ページ、一二ページの実績を見ても、着実に実施されているのかなと理解できます。
この保全地域制度ですけれども、自然の保護と回復を図るため、東京都が里山や樹林地など貴重な自然地を保全地域として指定して、都民の貴重な財産として次世代に引き継ぐ取り組みであると理解しています。
しかし、多摩地域、特に開発の圧力が依然として高い地域、こうした地域に都の独自の制度を活用して、貴重な自然を守る取り組みというのは大変意義深いものがあると感じております。
そこで、都は、この保全地域制度を活用して、これまで以上に緑を守る取り組みを推進すべきと考えますが、最近の成果と今後の取り組みについて、まず伺いたいと思います。
○須藤自然環境部長 都はこれまで、自然の保護と回復を図るため、山地や丘陵地の緑地など五十カ所、面積にして約七百五十八ヘクタールを保全地域に指定しており、開発行為から貴重な自然を守ってまいりました。
今年度の取り組みとしては、日野市内の東豊田緑地保全地域に隣接する雑木林が開発事業者に売却される可能性があったため、日野市からその保全について相談を受け、保全地域に雑木林を加えることを検討してきたところでございます。
都の調査結果から、この雑木林は、キンランなど希少植物の生育場所となっているほか、東豊田緑地保全地域内の湧水量に大きな影響を与えるなど、重要な自然地であることが判明いたしました。
このため、今月開催された自然環境保全審議会に付議したところ、雑木林を加えることは適当との答申を得たため、保全地域の区域を拡張することといたしました。
今後とも、市区町村との連携のもと、地域のニーズを把握しながら保全地域制度を適切に運用し、貴重な自然環境の保全に積極的に取り組んでまいります。
○佐野委員 ありがとうございます。今、日野市内の事例のご紹介もありましたけれども、まさに開発、危ういところを市の方と協力しながら、これにはやはり情報をきちっと得ていくとか、あるいは現地を見てそこが本当に必要なのかどうか。今、湧水地の関連もあるとか、あるいは貴重な植物があるとか、そういう話がございましたので、こういう地元との情報が非常に重要でございますし、いただいた保全地域の図面がありますけれども、かなり広範囲にわたっていますので、こういうことをぜひ、時を逃がさず対応していただくように今後ともお願いしたいと思います。
次に、予算書を見ますと、保全地域の安心安全事業というのがございます。予算額は五億二千五百万ほど、前年比で三億二千七百万円ほどの増額となっています。
この事業は、保全地域にある急傾斜地のうちの土砂災害特別警戒区域に指定された区域の安全対策を講じる事業と聞いています。地域とともに保全地域を守っていくというためには、こうした急傾斜地のある地域において、近隣住民の安全、そして利用者の安全・安心、この対策もしっかりと行っていく必要があると考えています。
そこで、都がこの保全地域内で実施する土砂災害対策の工事内容や、今後の取り組みについて伺いたいと思います。
○須藤自然環境部長 貴重な自然地を保全地域として持続的に守る上で、保全地域における安心・安全の確保は必要不可欠な取り組みであると認識をしております。
このため、都は、平成二十七年度から、保全地域など十三地域において、都有地内で土砂災害特別警戒区域に指定された急傾斜地に対して、測量や地質調査などを行い、その安全対策の手法を検討してまいりました。
今年度は、保全地域二カ所で斜面安定化工事に着手しており、工事に当たっては、斜面に打ち込んだ複数のくいをワイヤーで連結し、斜面全体を安定化する工法を採用するなど、自然の景観に配慮しつつ、樹木を伐採せずに施工するよう努めているところでございます。
来年度も引き続き、対策工事を着実に進め、近隣住民の安全を確保するとともに、保全地域を訪れた方々が安心して保全活動や自然散策ができるよう、保全地域等における安心・安全対策を一層推進してまいります。
○佐野委員 工事内容を伺いますと、景観に配慮したり、樹木を伐採しないというような環境局ならではの工事を行っているのかなと思います。ぜひその効果についても検証しながら、さらに保全地域の自然保護と安全・安心の対策をお願いして、次の質問に移りたいと思います。
次に、自然公園事業について伺いたいと思います。
昨年五月に、新たな時代にふさわしい自然公園事業の推進の必要性から、東京の自然公園ビジョンを策定されました。これでございますね。今後は、このビジョンに基づきまして、今後の施策展開に示された三つの姿の具体化、そして各自然公園の目指す姿の具体化、リーディングプロジェクトの推進など、それぞれ事業化していくことが求められているように思います。
そこで、三十年度予算案には、新たな時代にふさわしい自然公園事業の推進ということで約五千四百八十万円が計上されて、新規事業として自然公園ビジョンに基づく基礎調査等とありますけれども、具体的にどのような調査を実施するのかお伺いしたいと思います。
○金子緑施策推進担当部長 東京の自然公園ビジョンに掲げた三つの目指す姿の実現に向け、平成三十年度予算案には、事業推進に必要な基礎的な調査費等を計上しております。
具体的には、まず、目指す姿Ⅰ、多様性と連続性が織りなす自然環境を育む自然公園や、目指す姿Ⅲ、誰もが訪れ、誰もがかかわれ、誰からも理解される自然公園の実現に向け、自然環境の情報把握や受発信等に関し、その拠点の必要性も含め、あり方についての基礎的調査等を行います。また、目指す姿Ⅱ、人と自然との関係を取り持つ自然公園の実現に向け、三宅島におけるエコツーリズム推進のための調査などを行います。
あわせて、ことし、指定から満五十年を迎えた高尾国定公園に関する記念事業を実施することなどにより、より多くの人々に東京の自然の豊かさを伝え、その保護と利用を推進してまいります。
○佐野委員 今ご答弁いただきました基礎的調査を行うことは、そのまた次の年度、さらには具体的な対応につながっていくのかなと、その土台づくりを行う重要なことだと私も思っています。
この自然公園ビジョン、表紙に都知事の挨拶がございます。東京には、都内最高峰である雲取山周辺の亜高山帯から世界自然遺産である小笠原の亜熱帯まで多様で豊かな自然が広がっています等々書いてありまして、私も、これは非常に野心的といいますか、挑戦的なビジョンになっていると思います。と申しますのは、ここに使っている資料の出典を見ても、さまざまな部門から、労働局、港湾局、水道局、総務局、そして、村あるいは市の観光協会、そういうところでつながっているわけですね。
ですから、知事がおっしゃいますように、宝箱のようなこの東京、その豊かさをつなげていく、全国で初めてとなる自然公園に関する総合ビジョンだということでございます。
今回のことしの予算案の中での基礎調査も非常に大事かなと思っておりますし、このビジョンの実現に向けてはさまざまな困難もあると私は思います。観光、それぞれの部署との連携、あるいは文化も取り入れる、区市町村との連携、こういうことも踏まえて、しっかりと実行計画まで移し、工程も見据えて取り組んでいただければなということを希望しまして、質問を終わりたいと思います。
○田の上委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田の上委員長 異議なしと認め、予算案及び付託議案に対する質疑は終了いたしました。
以上で環境局関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後七時九分散会
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