環境・建設委員会速記録第一号

平成三十年二月二十日(火曜日)
第九委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長田の上いくこ君
副委員長佐野いくお君
副委員長河野ゆりえ君
理事栗林のり子君
理事関野たかなり君
理事三宅 正彦君
平  慶翔君
西郷あゆ美君
やながせ裕文君
田村 利光君
宮瀬 英治君
原田あきら君
保坂まさひろ君
小磯 善彦君

欠席委員 なし

出席説明員
環境局局長和賀井克夫君
総務部長笹沼 正一君
環境政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務小原  昌君
政策調整担当部長松本 明子君
地球環境エネルギー部長小川 謙司君
都市エネルギー推進担当部長村山  隆君
環境改善部長松永 竜太君
環境改善技術担当部長近藤  豊君
自然環境部長須藤  栄君
緑施策推進担当部長金子  亨君
資源循環推進部長谷上  裕君
調整担当部長スーパーエコタウン担当部長兼務風祭 英人君
建設局局長西倉 鉄也君
次長片山  謙君
道路監三浦  隆君
総務部長今村 篤夫君
用地部長関  雅広君
道路管理部長杉崎智恵子君
道路建設部長奥山 宏二君
三環状道路整備推進部長辻  保人君
公園緑地部長日浦 憲造君
河川部長東野  寛君
企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務花井 徹夫君
総合調整担当部長鹿田 哲也君
道路保全担当部長田中 慎一君
道路計画担当部長加藤 直宣君
公園計画担当部長細岡  晃君

本日の会議に付した事件
環境局関係
第一回定例会提出予定案件について(説明)
・平成三十年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為 環境局所管分
・平成二十九年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出 環境局所管分
・土壌汚染対策法関係手数料条例の一部を改正する条例
・高圧ガス保安法関係手数料条例の一部を改正する条例
・液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律関係手数料条例の一部を改正する条例
・東京都自然公園条例の一部を改正する条例
・東京都廃棄物条例の一部を改正する条例
・使用済自動車の再資源化等に関する法律関係手数料条例の一部を改正する条例
請願の審査
(1)二九第四九号の二 東京の全ての子供たちに行き届いた教育を進めることに関する請願
建設局関係
第一回定例会提出予定案件について(説明)
・平成三十年度東京都一般会計予算中、歳出、 繰越明許費、債務負担行為 建設局所管分
・平成二十九年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出 建設局所管分
・東京都霊園条例の一部を改正する条例
・東京都葬儀所条例の一部を改正する条例
・砂利採取法に基づき河川管理者が行う事務に係る手数料に関する条例の一部を改正する条例
・城北中央公園調節池(一期)工事請負契約
・境川金森調節池工事請負契約
・梅ヶ谷トンネル(仮称)整備工事(西-梅ヶ谷の二)請負契約
・綾瀬川護岸耐震補強工事(その二百五十三)請負契約
・呑川防潮堤耐震補強工事(その十七)その二請負契約
・仙台堀川護岸耐震補強工事(その三)請負契約
・平成三十年度の連続立体交差事業の実施に伴う費用の関係特別区・市の負担について
陳情の審査
(1)二九第一二八号 町田市金森六丁目の地下に設置する調節池に係る基本協定書の効力停止に関する陳情
(2)二九第一三三号 都立横網町公園内のトイレの改善に関する陳情

○田の上委員長 ただいまから環境・建設委員会を開会いたします。
 初めに、会期中の委員会日程について申し上げます。
 お手元配布の日程のとおり、理事会において申し合わせましたので、ご了承願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、環境局及び建設局関係の第一回定例会に提出を予定されております案件の説明聴取及び請願陳情の審査を行います。
 なお、提出予定案件につきましては、本日は説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は会期中の委員会で行いますので、ご了承願います。
 これより環境局関係に入ります。
 初めに、第一回定例会に提出を予定されております案件につきまして、理事者の説明を求めます。

○和賀井環境局長 平成三十年第一回定例会に提出を予定しております環境局関係の案件につきまして概要をご説明申し上げます。
 お手元の資料1、平成三十年第一回都議会定例会提出予定案件の概要をごらんください。
 今回提出を予定しております案件は、予算案二件及び条例案六件でございます。
 表紙をおめくりいただき、一ページをお開き願います。予算案の概要につきましてご説明申し上げます。
 まず、1、平成三十年度一般会計当初予算(環境局所管分)についてでございます。
 (1)、一般会計当初予算計上額でございます。
 歳出予算は三百三十六億三千二百万円を計上しております。歳入予算は百六十二億一千七百五十八万円を見込んでおりまして、差引一般財源充当額は百七十四億一千四百四十二万円となっております。
 歳出予算は、平成二十九年度と比較いたしまして、七十億五千万円の減、率にして一七・三%の減となっております。
 次に、(2)、平成三十年度予算案の基本的な考え方でございます。
 都は昨年度、都民ファーストでつくる「新しい東京」二〇二〇年に向けた実行プランを策定し、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会の成功とその先の東京の未来への道筋を明確化しました。
 この中の三つのシティーの一つ、スマートシティーとして、世界に開かれた環境先進都市東京を目指すことを掲げております。
 平成三十年度予算は、この実行プラン及び東京都環境基本計画、東京都資源循環・廃棄物処理計画を踏まえまして、スマートエネルギー都市の実現、3R、適正処理の促進と持続可能な資源利用の推進、自然豊かで多様な生き物と共生できる都市環境の継承、快適な大気環境、良質な土壌と水環境の確保などに資する各種施策を都民、事業者のご協力のもと、着実かつスピーディーに展開していくために必要な経費を計上しております。
 二ページをお開き願います。(3)、主要事業でございます。
 平成三十年度予算案では、環境局の事業体系を大きく五つの柱に区分してございます。
 以下、それぞれの柱ごとに主な事業を申し上げます。
 第一の柱は、スマートエネルギー都市の実現でございます。
 まず、省エネルギー対策、エネルギーマネジメント等の推進といたしまして、大規模事業所に対する温室効果ガス排出総量削減義務と排出量取引制度の運用、中小規模事業所における地球温暖化対策の推進、エコハウスの普及促進、LEDを活用した省エネ促進、次世代自動車等の普及促進、集合住宅における電気自動車、EV充電設備導入促進事業、都有施設におけるEV充電設備設置事業でございます。
 次に、再生可能エネルギーの導入拡大といたしまして、バス停留所ソーラーパネル等設置促進事業、駅舎へのソーラーパネル等設置促進事業、再エネ由来電気の活用促進事業、都有施設における再生可能エネルギー見える化調査でございます。
 次に、水素社会実現に向けた取り組みといたしまして、燃料電池自動車等導入促進事業、再生可能エネルギー由来水素利活用促進事業、既存ガソリンスタンドを活用した水素ステーション整備検討調査、スマートエネルギーエリア形成推進事業、東京二〇二〇大会開催時における燃料電池船運航に向けた取り組みでございます。
 次に、CO2を排出しない都市、ゼロエミッション東京に向けた調査といたしまして、ゼロエミッションビークル、ZEV普及に向けた調査、再エネ安定運用に向けた多摩・島しょでの検討、島しょ地域におけるEV普及ポテンシャル調査、まちづくりにおけるゼロエミッション実現に向けた地域モデル検討調査について実施してまいります。
 三ページをお開き願います。第二の柱は、3R、適正処理の促進と持続可能な資源利用の推進でございます。
 まず、持続可能な資源利用の推進といたしまして、食品ロス、食品廃棄物対策の推進、レジ袋対策でございます。
 次に、静脈ビジネスの発展及び廃棄物の適正処理の促進といたしまして、ポリ塩化ビフェニル、PCB廃棄物対策でございます。
 次に、災害廃棄物対策の強化といたしまして、東京都災害廃棄物処理計画に基づく災害廃棄物対策でございます。
 第三の柱は、自然豊かで多様な生き物と共生できる都市環境の継承でございます。
 まず、生物多様性の保全、緑の創出といたしまして、多摩の森林再生計画、水の浸透を高める枝打ち事業、保全地域における希少種等保全策の強化、外来生物対策事業、キョン等の駆除でございます。
 次に、生物多様性の保全を支える環境整備と裾野の拡大といたしまして、自然公園の管理及び整備、新たな時代にふさわしい自然公園事業の推進、世界自然遺産保全事業、都民の自然体験活動の促進でございます。
 第四の柱は、快適な大気環境、良質な土壌と水環境の確保でございます。
 まず、大気環境等のさらなる向上といたしまして、東京スカイツリー立体測定局の開設、揮発性有機化合物、VOC対策の推進、低公害、低燃費車の普及促進でございます。
 四ページをお開き願います。化学物質による環境リスクの低減といたしまして、中小事業者への土壌汚染対策技術支援制度でございます。
 次に、水環境、熱環境の向上といたしまして、ヒートアイランド対策暑熱対応でございます。
 第五の柱は、環境施策の横断的、総合的な取り組みでございます。
 国際連携、環境広報などといたしまして、環境における国際連携の推進、新たな環境施策を推進するための広報展開、区市町村との連携による地域環境力活性化事業でございます。
 以上、平成三十年度一般会計当初予算の概要につきましてご説明申し上げました。
 五ページをお開き願います。2、平成二十九年度一般会計補正予算についてでございます。
 (1)、一般会計補正予算計上額(環境局所管分)でございますが、歳入予算につきまして、四千七百万円を減額計上しております。歳出予算につきましては、四億六千三百三十六万三千円を減額計上しております。
 (2)、補正事項でございますが、歳入予算につきまして、都債充当分の調整に伴いまして、都債について四千七百万円の減額補正を行うものでございます。
 次に、歳出予算につきまして、執行状況等を踏まえまして、給与費について一億一千九百三十六万三千円の減額補正、事業費について三億四千四百万円の減額補正を行うものでございます。
 また、歳出予算の財源更正といたしまして、都債充当分の調整に伴いまして、歳出予算の財源四千七百万円について、都債から一般財源へと更正を行うものでございます。
 以上、平成二十九年度一般会計補正予算の概要についてご説明申し上げました。
 六ページをお開き願います。続きまして、条例案の概要につきましてご説明申し上げます。
 1、土壌汚染対策法関係手数料条例の一部を改正する条例についてでございます。土壌汚染対策法の一部を改正する法律の施行に伴い、汚染土壌処理業の譲渡及び譲受の承認等に関する手数料に係る規定を設けるものでございます。
 2、高圧ガス保安法関係手数料条例の一部を改正する条例についてでございます。地方公共団体の手数料の標準に関する政令の改正に伴い、容器の検査または再検査手数料の額を改定するものでございます。
 3、液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律関係手数料条例の一部を改正する条例についてでございます。地方公共団体の手数料の標準に関する政令の改正に伴い、液化石油ガス充填設備変更許可申請手数料の額を改定するものでございます。
 4、東京都自然公園条例の一部を改正する条例についてでございます。都市緑地法等の一部を改正する法律の施行による都市公園法の改正等を踏まえ、自然公園施設の占用料の種別を新設するほか、規定を整備するものでございます。
 5、東京都廃棄物条例の一部を改正する条例についてでございます。廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部を改正する法律の施行に伴い、二以上の事業者による産業廃棄物の処理に係る特例の認定等に関する手数料に係る規定を設けるものでございます。
 七ページをお開き願います。6、使用済自動車の再資源化等に関する法律関係手数料条例の一部を改正する条例についてでございます。地方公共団体の手数料の標準に関する政令の改正に伴い、破砕業変更許可申請手数料の額を改定するものでございます。
 以上、今定例会に提出を予定しております案件の概要についてご説明を申し上げました。
 詳細につきましては、引き続き総務部長からご説明を申し上げます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○笹沼総務部長 それでは、平成三十年第一回定例会提出予定案件の詳細につきましてご説明申し上げます。
 初めに、お手元の資料2をごらんください。平成三十年度一般会計当初予算事業別概要についてでございます。
 なお、金額につきましては、原則として百万円未満を四捨五入してご説明をさせていただきます。
 表紙から二枚おめくりいただいて、当初予算総括表でございます。
 次の一ページをお開き願います。まず、歳入予算でございます。
 使用料及び手数料から都債まで、合わせまして百六十二億一千八百万円を計上しており、前年度に比べ二十一億四千四百万円の増となってございます。
 二ページをお開き願います。歳出予算でございます。
 環境局合計で三百三十六億三千二百万円を計上しており、前年度に比べ七十億五千万円の減となってございます。
 一般財源充当額は百七十四億一千四百万円で、前年度に比べ九十一億九千四百万円の減となっております。
 三ページをごらんください。繰越明許費でございます。
 自然公園整備、小笠原公園整備及び海面処分場整備におきまして、年度内に支出が終わらない見込みのあるものにつきまして、合計で四億一千二百万円を計上してございます。
 四ページをお開き願います。債務負担行為でございます。
 新たに債務負担が発生するディーゼル車買いかえ促進融資利子及び信用保証料補助や第三排水処理場等空調設備更新工事による経費といたしまして、合計で十一億二千五百万円を計上してございます。
 五ページをごらんください。予算の性質別内訳をお示ししてございます。
 続きまして、当初予算事業別概要につきましてご説明させていただきます。七ページをお開きください。
 環境局の予算科目は、環境管理費、環境保全費、廃棄物費の三つの項から成ってございます。
 七ページは一つ目の項の環境管理費でございまして、歳出の欄にございますように三十九億一千三百万円を計上しております。
 八ページをお開き願います。一〇ページにかけまして、環境管理費の内訳となってございます。
 まず、八ページは一つ目の目の管理費でございます。
 環境管理事務に従事する職員の給料、諸手当及び管理事務等に要する経費といたしまして二十一億九千五百万円を計上してございます。
 右側の概要欄ですが、3、環境保全に関する広報、広聴は、二〇二〇年に向けた実行プランや環境基本計画で掲げた先進施策等を効果的に発信するなど、積極的な環境広報を展開するものでございます。
 九ページをごらんください。二つ目の目の環境政策費でございまして、環境政策に要する経費として九億八千六百万円を計上してございます。
 右側の概要欄ですが、1、環境保全施策の総合調整の(5)、環境における国際連携の推進は、気候変動対策や廃棄物処理などの環境行政分野におきまして、C40などの国際的な組織、枠組みへの参加、協力や途上国への技術支援などを行うものでございます。
 一〇ページをお開き願います。三つ目の目の環境科学費でございまして、環境に関する調査研究等に要する経費として七億三千二百万円を計上しております。
 右側の概要欄ですが、4、特別研究は、水素蓄電を活用したまちづくりに向けた調査などを行うものでございます。
 一一ページをごらんください。二つ目の項の環境保全費でございまして、百八十五億三千三百万円を計上しております。
 一二ページをお開き願います。一五ページにかけまして、環境保全費の内訳となっております。
 まず、一二ページは一つ目の目の管理費でございます。
 環境保全事業に従事する職員の給料、諸手当に要する経費として十九億四千七百万円を計上してございます。
 一三ページをごらんください。二つ目の目の地球環境エネルギー費でございまして、地球環境エネルギー対策に要する経費として六十億三千九百万円を計上しております。
 右側の概要欄ですが、1、地球温暖化対策の(2)、大規模事業所に対する削減義務と排出量取引制度の運用は、東京都キャップ・アンド・トレード制度の運用に加えまして、東京二〇二〇大会の開閉会式の四日間に都内のCO2排出を実質ゼロにする東京ゼロカーボンフォーデーズイン二〇二〇の準備や省エネ機運の醸成のための普及啓発などを行うものでございます。
 (5)、ヒートアイランド対策暑熱対応は、微細ミストの設置、花や緑の整備などを行う区市町村や事業者を支援し、夏の暑さを緩和するクールスポットを創出するものでございます。また、東京二〇二〇大会に向けた一層の暑さ対策の推進のため、まち中における面的な暑さ対策等も引き続き行ってまいります。
 2、エネルギーマネジメント等の推進でございますが、(1)、スマートエネルギー都市推進事業は、エネルギーの面的利用の促進を目的といたしまして、熱や電気の融通インフラ整備や水素の利活用設備などを整備するスマートエネルギーエリア形成推進事業や、まちづくりにおけるゼロエミッション実現に向けた地域モデル検討調査などを行うものでございます。
 (2)、エコハウスの普及促進は、既存の戸建て、マンションの断熱性能を向上させることを目的といたしまして、高断熱窓への改修に対する補助や高断熱で省エネルギー性能の高いエコハウスの普及促進を行うものでございます。
 (3)、LEDを活用した省エネ促進は、家庭部門の省エネルギー化を目的といたしまして、新たにマンション等の集合住宅の共用部における照明のLED化の普及啓発などを行うものでございます。
 3、水素エネルギーの活用促進でございます。
 (3)、再生可能エネルギー由来水素利活用促進事業は、太陽光などの再生可能エネルギーを利用して生成した、いわゆるCO2フリー水素の活用設備を設置する事業者に対しまして補助を行うものでございます。来年度は、新たに福島県で生成されたCO2フリー水素を都の庁有車などに充填して利用する事業も行ってまいります。
 (4)、業務、産業用車両の水素利活用実証事業等は、フォークリフトなどの業務、産業用車両における水素エネルギーの利活用を促進するための実証事業等を行うものでございます。来年度は、新たに東京二〇二〇大会の開催までに日本初の燃料電池船の商用運航に向けた取り組みを行う事業者に対する建造費の補助なども行ってまいります。
 4、再生可能エネルギー施策の推進でございます。
 (2)、駅舎へのソーラーパネル等設置促進事業は、駅舎へのソーラーパネル等を設置する鉄道事業者に対しまして、設置に係る費用を補助するものでございます。駅の利用者に対して、デジタルサイネージなどの広告媒体でソーラーパネルによる発電をPRすることを補助の条件とし、再生可能エネルギーの活用をさらに促進してまいります。
 (3)、再エネの安定運用に向けた多摩・島しょでの検討は、太陽光パネル等の普及拡大により、島の全ての電力を再生可能エネルギーで賄うための調査や検討のほか、水素を用いた蓄電の仕組みの導入など、水素エネルギーを島しょ地域の電力の安定化に活用していくための基礎調査や課題の整理などを行うものでございます。
 一四ページをお開き願います。三つ目の目の環境改善費でございまして、環境改善に要する経費として二十一億三百万円を計上しております。
 右側の概要欄ですが、3、有害化学物質対策の推進でございます。
 (1)、土壌、地下水汚染対策、中小事業者への土壌汚染対策技術支援制度は、専門的な技術者をアドバイザーとして派遣し、合理的な土壌汚染対策が進められるように調査や対策技術について支援するものでございます。
 5、自動車環境対策の推進でございます。
 自動車環境管理計画書制度の運営などを行う自動車使用及び利用の合理化の推進や、低公害、低燃費車、電気自動車(EV)などの次世代自動車等の普及に向け、補助事業等を行うものでございます。来年度は、新たに電動バイクへの補助事業を行いますとともに、島しょにおけるEVの活用を図るための潜在的な需要や課題を整理する島しょ地域におけるEV普及ポテンシャル調査や、走行中にCO2を排出しないゼロエミッションビークル(ZEV)の普及に向けた調査などを行ってまいります。
 また、集合住宅の管理組合等に対するEV充電設備導入費の補助事業や、都の率先行動として、環境局施設を初めとした都有施設におけるEV充電設備設置事業なども行ってまいります。
 6、発生源規制指導等でございます。
 (1)、大気環境監視及び改善指導、微小粒子状物質(PM二・五)対策の推進は、PM二・五に関する環境基準をより早期に達成するため、都内全域の環境濃度や発生源の状況を分析し、関連施策に生かしていくものでございます。また、大気汚染物質削減総合対策の推進などの事業も行ってまいります。
 一五ページをごらんください。四つ目の目の自然環境費でございまして、自然環境対策に要する経費として八十四億四千三百万円を計上しております。
 右側の概要欄ですが、1、自然の保護と回復に関する施策の推進でございます。
 (2)、緑のムーブメントの展開、花の都プロジェクトは、東京二〇二〇大会に向けまして、区市町村や都民、事業者と協力し、プランターや花の咲く木などにより、沿道等の緑化を推進するものでございます。
 (3)、鳥獣保護等の外来生物対策事業(キョン)は、東京都キョン防除実施計画に基づきまして、大島町における特定外来生物キョンの根絶に向け、捕獲の取り組みを一層拡大するものでございます。
 3、緑地保全策の推進でございます。
 (1)、保全地域の維持管理等の保全地域の安全・安心は、土砂災害警戒区域等に指定された保全地域の対策工事などを行うものでございます。
 (3)、保全地域における希少種等保全策の強化は、保全地域における希少種の保全や外来種への対策の強化のため、フェンス柵等の設置による閉鎖管理区域の設定や監視カメラの活用による盗掘、持ち去り対策等を行うものでございます。
 (4)、多摩の森林再生計画等は、多摩の杉、ヒノキの人工林で間伐や枝打ちを行い、森林の計画的な再生を進め、豪雨による表土の流出防止や雨水の浸透力、森林の涵養機能の向上を図るとともに、花粉の少ない森づくりを進めるものでございます。
 (6)、都民の自然体験活動の促進は、保全地域等におけるボランティア活動の促進を目的に、未経験者でも参加しやすい体験プログラムの提供や、保全活動情報等を発信するものでございます。
 4、自然公園の管理等でございます。
 (1)、自然公園の管理及び整備、新たな時代にふさわしい自然公園事業の推進は、自然公園の豊かな自然環境の保全を図りつつ、さらなる利用促進、地域振興を図ることを目的といたしまして、今年度策定した自然公園ビジョンに基づく事業の推進に向けた調査などを実施するものでございます。
 一六ページをお開き願います。三つ目の項の廃棄物費でございまして、百十一億八千六百万円を計上しております。
 一七ページをごらんください。一九ページにかけまして、廃棄物費の内訳となっております。
 まず、一七ページは一つ目の目の管理費でございます。
 廃棄物対策事業に従事する職員の給料、諸手当及び管理事務に要する経費として十二億四千万円を計上しております。
 一八ページをお開き願います。二つ目の目の廃棄物対策費でございまして、廃棄物対策に要する経費として五十一億五千七百万円を計上しております。
 右側の概要欄ですが、3、廃棄物の規制、指導等でございます。
 (5)、ポリ塩化ビフェニル(PCB)廃棄物対策は、PCB廃棄物の迅速な処理を図るため、中小事業者や個人事業主に対しまして、高濃度PCB廃棄物の収集、運搬費用の支援などを行うものでございます。
 (10)、資源循環の推進、食品ロス、食品廃棄物対策の推進は、世界的な課題となっております食品廃棄物問題、いわゆる食品ロスの削減を目指しまして、流通、小売や外食産業など、さまざまな業態における食品ロスに関する課題整理や一般家庭に向けた普及啓発等を行うものでございます。
 一九ページをごらんください。三つ目の目の施設整備費でございまして、海面処分場の建設整備等に要する経費として四十七億八千九百万円を計上しております。
 以上、平成三十年度一般会計当初予算事業別概要につきましてご説明申し上げました。
 続きまして、お手元の資料3をごらんください。平成二十九年度一般会計補正予算説明書でございます。
 表紙をおめくりいただきまして、一ページをお開き願います。1の歳入予算総括表(環境費)でございます。
 歳入予算を補正する科目は都債でございまして、環境局全体で四千七百万円を減額補正するものでございます。
 次に、歳入予算の補正の内訳についてご説明申し上げます。二ページをお開き願います。項は都債、目は環境債、節は地球環境エネルギー費、自然保護対策費及び廃棄物処理場等建設費でございます。
 内容につきましては、右側の説明欄にございますとおり、各事業費への都債充当分の調整に伴いまして、地球環境エネルギー費について二千五百万円を、自然保護対策費について五百万円を、廃棄物処分場等建設費について一千七百万円をそれぞれ減額補正するものでございます。
 三ページをごらんください。2の歳出予算総括表(環境費)でございます。
 歳出予算を補正する項は、五ページにかけて記載してございますとおり、環境管理費、環境保全費及び廃棄物費でございまして、環境局合計では四億六千三百三十六万三千円を減額補正するものでございます。
 次に、歳出予算の補正の内訳についてご説明申し上げます。六ページをお開き願います。項は環境管理費、目は管理費でございます。
 内容につきましては、右側の説明欄にございますとおり、給与費につきまして、執行状況を踏まえ、減額補正するものでございます。
 七ページをごらんください。項は環境保全費、目は管理費、地球環境エネルギー費及び自然環境費でございます。
 内容につきましては、右側の説明欄にございますとおり、管理費につきまして給与費の減額補正を、地球環境エネルギー費につきまして事業費の財源更正を、自然環境費につきまして市街地の未利用都有地の有効活用における在来植物の保全モデル事業費の減額補正及び財源更正をそれぞれ執行状況及び都債充当分の調整を踏まえ行うものでございます。
 八ページをお開き願います。項は廃棄物費、目は廃棄物対策費及び施設整備費でございます。
 内容につきましては、右側の説明欄にございますとおり、廃棄物対策費について排水処理場の運転事業費及び中央防波堤合同庁舎等建物維持管理事業費の減額補正を、施設整備費について事業費の財源更正をそれぞれ執行状況及び都債充当分の調整を踏まえ行うものでございます。
 以上、平成二十九年度一般会計補正予算につきましてご説明を申し上げました。
 続きまして、資料4をごらんください。土壌汚染対策法関係手数料条例の一部を改正する条例についてご説明申し上げます。
 表紙をおめくりいただいて、一ページをお開き願います。一、改正理由でございますが、土壌汚染対策法の一部を改正する法律の施行に伴い、汚染土壌処理業の譲渡及び譲受の承認等に関する手数料に係る規定を設ける必要があるためでございます。
 二の改正の内容でございますが、条例別表に規定する手数料に(一)、汚染土壌処理業譲渡等承認申請手数料十二万円、(二)、汚染土壌処理業に係る法人の合併等承認申請手数料十二万円及び(三)、汚染土壌処理業相続承認申請手数料十二万円を加えるものでございます。
 三、条例の施行日でございますが、平成三十年四月一日としております。
 二ページから三ページまでは本条例案、四ページから五ページまでは新旧対照表でございます。
 続きまして、資料5をごらんください。高圧ガス保安法関係手数料条例の一部を改正する条例についてご説明申し上げます。
 表紙をおめくりいただきまして、一ページをお開き願います。一、改正理由でございますが、地方公共団体の手数料の標準に関する政令の改正に伴い、容器の検査または再検査手数料の額を改定する必要があるためでございます。
 二、改正の内容でございますが、条例別表に規定する手数料の額を記載のとおりに改めるものでございます。
 二ページをお開き願います。三、条例の施行日でございますが、平成三十年四月一日としております。
 三ページは本条例案、四ページから五ページまでは新旧対照表でございます。
 続きまして、資料6をごらんください。液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律関係手数料条例の一部を改正する条例についてご説明申し上げます。
 表紙をおめくりいただきまして、一ページをお開き願います。一、改正理由でございますが、地方公共団体の手数料の標準に関する政令の改正に伴い、液化石油ガス充填設備変更許可申請手数料の額を改定する必要があるためでございます。
 二、改正の内容でございますが、条例別表に規定する手数料の額を記載のとおりに改めるものでございます。
 三、条例の施行日でございますが、平成三十年四月一日としております。
 二ページは本条例案、三ページは新旧対照表でございます。
 続きまして、資料7をごらんください。東京都自然公園条例の一部を改正する条例についてご説明申し上げます。
 表紙をおめくりいただきまして、一ページをお開き願います。一、改正理由でございますが、都市緑地法等の一部を改正する法律の施行による都市公園法の改正等を踏まえまして、自然公園施設の占用料の種別を新設するほか、規定を整備する必要があるためでございます。
 二、改正の内容でございますが、まず、(一)、自然公園施設の占用料の種別の新設でございます。保育所、その他の社会福祉施設を自然公園施設の占用物件等及び占用料の種別に追加するものでございます。
 次に、(二)、その他規定整備でございます。都市公園法を引用している箇所について規定を整備しております。
 三、条例の施行日でございますが、自然公園施設の占用料の種別の新設につきましては、平成三十一年一月一日、その他規定整備につきましては、公布の日からとしております。
 二ページから三ページまでは本条例案、四ページから五ページまでは新旧対照表でございます。
 続きまして、資料8をごらんください。東京都廃棄物条例の一部を改正する条例についてご説明申し上げます。
 表紙をおめくりいただきまして、一ページをお開き願います。一、改正理由でございますが、廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部を改正する法律の施行に伴いまして、二以上の事業者による産業廃棄物の処理に係る特例の認定等に関する手数料に係る規定を設ける必要があるためでございます。
 二、改正の内容でございますが、条例別表に規定する手数料に(一)、二以上の事業者による産業廃棄物の処理に係る特例認定申請手数料十四万七千円及び(二)、二以上の事業者による産業廃棄物の処理に係る特例の変更認定申請手数料十三万四千円を加えるものでございます。
 三、条例の施行日でございますが、平成三十年四月一日としております。
 二ページから三ページまでは本条例案、四ページから六ページまでは新旧対照表でございます。
 続きまして、資料9をごらんください。使用済自動車の再資源化等に関する法律関係手数料条例の一部を改正する条例についてご説明申し上げます。
 表紙をおめくりいただきまして、一ページをお開き願います。一、改正理由でございますが、地方公共団体の手数料の標準に関する政令の改正に伴い、破砕業変更許可申請手数料の額を改定する必要があるためでございます。
 二、改正の内容でございますが、条例別表に規定する手数料の額を記載のとおりに改めるものでございます。
 三、条例の施行日でございますが、平成三十年四月一日としております。
 二ページは本条例案、三ページは新旧対照表でございます。
 以上でご説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○田の上委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。

○河野委員 十点お願いします。
 一、都内のエネルギー消費量の部門別推移、過去十年分。
 二、再生エネルギーによる都内電力利用割合の推移、過去五年分。
 都内住宅の太陽光パネル設置状況、既存住宅と新築住宅とに分けて、過去五年。
 平成三十年度補助事業、省エネ、再エネ関連の概要とこれまでの実績。
 それから、二酸化窒素及び浮遊粒子状物質濃度の全国上位十局の推移。
 大気汚染及び騒音にかかわる環境基準の達成状況。
 都内自動車走行量の推移、これは貨物と旅客に分けてお願いします。過去十年です。
 保全地域にかかわる公有化予算額、公有化面積及び管理費予算額の推移、過去十年。
 保全地域の指定実績。
 それから、十番目に、廃棄物埋立処分計画に対する実績、過去五年です。
 以上、十点お願いします。

○田の上委員長 ほかにございませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○田の上委員長 ただいま河野副委員長から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○田の上委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出願います。

○田の上委員長 次に、請願の審査を行います。
 請願二九第四九号の二を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○松永環境改善部長 それでは、お手元の資料10、請願審査説明表の表紙をおめくりください。整理番号1、請願番号二九第四九号の二、東京の全ての子供たちに行き届いた教育を進めることに関する請願につきましてご説明申し上げます。
 請願者は、千代田区、ゆきとどいた教育をすすめる都民の会代表池上東湖さん外二万五千五百二十人でございます。
 請願の要旨でございます。
 都において、全ての子供たちに行き届いた教育を進めるために、都立公園等の放射線量を測定し、基準値を超える場合には除染などの安全対策を行うことを求めるものでございます。
 それでは、現在の状況につきましてご説明申し上げます。
 都内の空間線量は、関東地方の中でも高い水準になく、放射性物質汚染対処特別措置法に基づく汚染状況重点調査地域はないなど、面的な汚染はないものと考えております。
 また、局所的な汚染につきましては、国や都の調査により、都内では比較的空間線量が高いことが示されました区部東部三区の都有施設を対象といたしまして、文部科学省ガイドラインで放射性物質がたまりやすいとされているポイントを、都は平成二十三年十一月に測定いたしましたが、ガイドラインが示す局所的汚染箇所の除染の目安を上回る地点はなく、また、距離による減衰を確認しております。
 以上のことから、都有施設全般にわたる調査や経常的な調査は基本的に不要と考えておりまして、対応が必要なケースが生じた場合には、ガイドラインに従って適切に対処していくこととしております。
 なお、区部東部三区の都有施設の中で比較的空間線量が高かった地点につきましては、空間線量の時間的な減衰を確認するため調査を行っておりましたが、その減衰を確認できましたことから、平成二十五年十一月をもちまして調査を終了いたしました。
 説明は以上でございます。よろしくご審査のほどお願い申し上げます。

○田の上委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○河野委員 請願について意見を申し上げます。
 二〇一一年三月の福島第一原子力発電所の過酷事故から、間もなく七年になります。二月十六日、東京電力福島第一原発の構内が公開されました。一号機から三号機周辺の放射線量は依然として高い数値が計測されているとのことで、溶け落ちた核燃料、デブリを取り出す作業に向けて、わずかな空間の状況を調べるのに多大な労力と時間が費やされており、改めて事故の深刻さを実感します。
 福島第一原発の事故によって、東京も全域的に放射性物質の降下があったわけですが、とりわけ、区部東部三区、足立区、葛飾区、江戸川区は、三月二十一日、二十二日に降った雨で大量の放射性物質が降下しました。当時、金町浄水場の水が放射性ヨウ素に汚染されて、幼い子供たちの甲状腺がんなど、健康被害を起こす心配から、コンビニ、スーパー、自販機のペットボトル入りの水が売り切れて、衝撃的な事態となりました。
 都内全域では、子供たちの健康を守ろうと、都民の自主的な測定活動が広がりました。東京都は、二〇一二年二月から実施していた足立区、葛飾区、江戸川区の都立公園六カ所の放射線量の減衰調査を、文部科学省のガイドラインに照らして空間線量は減衰しているとの立場で、二〇一三年十一月でやめてしまっています。しかし、放射性物質のセシウム一三七は、半減期が三十年といわれていますから、地域住民の不安は消えていません。
 私が住んでいる江戸川区では、今も自主的な測定活動が行われていて、昨年十一月の測定では、都立篠崎公園とその周辺で、毎時〇・六四マイクロシーベルトとか、〇・四六マイクロシーベルトなどの数値が検出されています。これは、高さ地上五センチメートルの測定値ですが、子供たちは泥遊びをしますから、軽視できない値です。
 また、江戸川区では、子供の甲状腺がんの検診も住民団体によって取り組まれています。水道水のヨウ素汚染があった不安は払拭されていません。
 国際放射線防護委員会が勧告した一般の人を対象とした被曝量の基準は、年間一ミリシーベルトを上回らないことです。この数値を目安にして、足立区や葛飾区などは、毎時〇・二五マイクロシーベルトという厳しい基準で除染を行ってきました。その背景には、成長期にあって放射線の感受性が強い子供や孫の命と健康を守りたいという、都民の切実な願いがあります。
 東京都は、文部科学省のガイドラインをしゃくし定規にするのではなくて、子供たちや都民の健康を守る最大の努力をするべきだと考えます。
 したがいまして、請願については採択ということでお願いしたいと思います。

○田の上委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○田の上委員長 起立少数と認めます。よって、請願二九第四九号の二は不採択と決定いたしました。
 以上で請願の審査を終わります。
 以上で環境局関係を終わります。

○田の上委員長 これより建設局関係に入ります。
 初めに、第一回定例会に提出を予定されております案件につきまして、理事者の説明を求めます。

○西倉建設局長 平成三十年第一回定例会に提出を予定しております案件につきましてご説明申し上げます。
 予定案件は、予算案二件、条例案三件、契約案六件、事件案一件でございます。
 お手元の資料1、平成三十年度主要事業及び提出予定案件の概要をごらんいただきたいと思います。
 一ページをお開きください。平成三十年度主要事業の概要についてご説明いたします。
 道路、河川、公園などの都市基盤は、都市活動や都民生活を支える上で欠かすことのできない極めて重要なものであり、切迫する首都直下地震などから都民の生命と財産を守る大切な役割を担っております。
 建設局は、快適で利便性の高い都市、安全で美しいまちの実現を図るため、幹線道路を初め、人に優しい歩行空間、水害から都市を守る河川、ゆとりと潤いを創出し、災害時の活動拠点や避難場所となる公園など、都市基盤の整備を推進しております。
 二〇二〇年に向けた実行プランの達成、オリンピック・パラリンピックの開催とその先を見据え、都市基盤施設の効果的、重点的な整備と適切な維持管理を通じて都民の安全と安心を守るとともに、次世代に良好な社会資本を継承するための予算を編成いたしました。
 その結果、平成三十年度の予算案は、一般会計、土木費で五千九百六十五億円を計上いたしました。
 東京大会の成功と、東京ひいては日本の持続的成長に向けて、国際競争力と経済活力の強化、安心で暮らしやすい社会の実現、環境に配慮した魅力ある都市づくりなどの課題に取り組むとともに、防災対策のさらなる強化充実を図り、高度防災都市づくりを積極的に推進する必要がございます。
 今後とも、職員が一丸となって都市基盤整備のより一層の推進を図り、東京をさらに機能的で魅力的な都市へと進化させてまいります。
 それでは、順次、事業別にご説明申し上げます。
 最初に、道路事業でございます。
 震災時に特に甚大な被害が想定される木造住宅密集地域における特定整備路線につきましては、平成三十二年度までの全線整備を目指し、事業を推進してまいります。
 首都圏三環状道路のうち、東京外かく環状道路では、本線シールドマシンが発進するなど、工事が本格化しており、都は、安全を最優先に工事を進め、早期開通を図るよう、国など事業者に求めるとともに、受託している青梅街道インターチェンジの用地取得を推進するなど、積極的に支援してまいります。
 二ページをごらんください。区部放射環状方向の道路では、放射第三六号線や環状第二号線などにおきまして整備を進めるとともに、多摩南北方向の道路では、府中所沢鎌倉街道線などの整備を進めてまいります。
 鉄道の連続立体交差事業につきましては、京王京王線の笹塚駅から仙川駅間や西武新宿線の東村山駅付近のさらなる事業推進を図ってまいります。
 橋梁の整備では、等々力大橋や関戸橋などの新設、かけかえを進めてまいります。
 また、予防保全型管理によります長寿命化対策を推進するほか、定期健全度調査結果などに基づく橋梁の補修、補強を推進いたします。
 道路補修につきましては、遮熱性舗装や保水性舗装を推進するとともに、区市が施行する遮熱性舗装等に対しまして補助を行ってまいります。
 また、樹形を大きく仕立てる剪定を実施することで、木陰をより多く確保するなど、街路樹の質を高め、東京大会開催時にはアスリートや観客に優しい、美しい道路景観を創出してまいります。
 無電柱化事業では、センター・コア・エリア内の計画幅員で完成した都道におきまして、東京大会開催までに無電柱化の完了を目指すとともに、周辺区部や多摩地域の緊急輸送道路等におきましても、事業を推進してまいります。
 また、区市町村道の無電柱化につきましては、推進計画の策定や低コスト手法の導入に取り組む区市町村への補助など、財政的、技術的支援の強化を図ってまいります。
 さらに、平成二十九年九月に施行いたしました東京都無電柱化推進条例に基づく新たな計画の策定や、コスト縮減につながる技術開発等に取り組み、東京の無電柱化を強力に推進してまいります。
 自転車走行空間の整備では、地域の道路事情に応じた整備手法により事業を推進してまいります。
 道路のバリアフリー化では、競技会場や観光施設、駅と生活関連施設等を結ぶ都道におきまして、段差の解消や視覚障害者誘導用ブロックなどの設置を進めてまいります。
 また、競技会場周辺等の区市道におきましては、区市道バリアフリー化補助により財政支援を実施するなど、国道や都道、区市道等の連続的、面的なバリアフリー化を進めてまいります。
 また、多摩地域を重点とした歩道の整備を進めるとともに、交差点すいすいプランや、みちづくり・まちづくりパートナー事業を実施してまいります。
 次に、河川事業でございます。
 三ページをごらんください。都市型水害から都民生活を守るため、石神井川や空堀川など二十七河川で護岸の改修を着実に進めるとともに、近年多発している時間五十ミリを超える降雨に対応する環状七号線地下広域調節池や、谷沢川分水路などを含む十施設の整備を推進し、都市型水害の軽減に積極的に取り組んでまいります。
 東部低地帯におきましては、河川施設整備計画に基づき、綾瀬川など十五河川、今井水門など十六施設で耐震対策工事等を進め、このうち清澄排水機場など二施設の耐震、耐水工事を完了いたします。平成三十一年度までに、水門や排水機場等全二十二施設と高潮防潮堤約四十キロメートルの耐震、耐水対策を完了いたします。
 また、隅田川を中心とした、新たな水辺整備のあり方検討会の提言を踏まえ、テラスや照明施設などを整備するとともに、両国エリアにおきまして、防災船着き場の増設やスーパー堤防、背後の都有地、区有地に民間活力を導入したホテルやレストラン等の施設から成る両国リバーセンターの整備を進め、恒常的なにぎわい創出と水辺の魅力向上を図ってまいります。
 土砂災害から都民の生命と財産を守るため、砂防堰堤などの着実な整備に加え、ソフト対策を推進してまいります。平成三十一年度までに、都内約一万五千カ所の区域指定を完了いたします。
 次に、公園事業でございます。
 平成三十年度は、代々木公園などで用地取得を進め、大戸緑地や東伏見公園などで造成を行うとともに、小石川後楽園など七庭園におきまして、保存復元事業等を進めてまいります。
 また、震災時の救出救助活動拠点や避難場所となる都立公園の防災機能強化といたしまして、夜間照明の充実や非常用発電機の整備を実施してまいります。
 動物園では、希少動物の保護繁殖、来園者サービス向上を図るため、恩賜上野動物園におきまして、パンダふるさとゾーンの整備を、また多摩動物公園では、ライオンバス発着所の整備を進めてまいります。
 四ページをごらんください。霊園では、郊外霊園におきまして、集合墓地整備のための設計を実施するほか、青山霊園や谷中霊園、染井霊園におきまして再生事業を進めてまいります。
 次の、その他事業といたしまして、多摩・島しょ地域のまちづくりを推進するため、市町村が施行する道路整備や公園整備などの土木事業に対する補助を引き続き実施いたします。
 また、公共事業の施行に伴い移転を余儀なくされる関係権利者の方々に対しまして、生活再建資金の貸し付けや代替地のあっせんなどを行ってまいります。
 特に特定整備路線の整備に当たりましては、民間事業者のノウハウを活用した相談窓口や優遇金利による移転資金貸付など、関係権利者のニーズに応じまして、生活再建をきめ細かく支援してまいります。
 以上が平成三十年度主要事業の概要でございます。
 続きまして、平成二十九年度補正予算案の概要につきましてご説明いたします。
 平成二十九年度予算の執行状況の精査の結果、土木費合計で四百九十五億円の減額補正を行います。
 続きまして、条例案は、東京都霊園条例の一部を改正する条例外二件でございます。
 五ページをごらんください。契約案は、梅ヶ谷トンネル(仮称)整備工事(西-梅ヶ谷の二)外五件でございます。
 続きまして、事件案は、平成三十年度の連続立体交差事業の実施に伴う費用の関係特別区・市の負担について一件でございます。
 以上が平成三十年度主要事業及び提出予定案件の概要でございます。
 詳細につきましては、総務部長からご説明申し上げます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○今村総務部長 第一回定例会提出予定案件の内容につきましてご説明申し上げます。
 最初に、平成三十年度当初予算案でございます。
 お手元の資料2、平成三十年度当初予算説明書をごらんください。
 一ページをお開きください。平成三十年度建設局予算総括表でございます。
 1、歳入歳出予算の一段目の一般会計(土木費)の欄をごらんください。三十年度予算額は五千九百六十五億円で、前年度と比較いたしますと一%の増となっております。
 下段の左側の表、2、繰越明許費は、一般会計(土木費)の欄にございますように、二十一事業、四百五十三億六千五百万円を計上しております。
 下段の右側の表、3、債務負担行為につきましては、六十三件、千百三十八億五千八百万円を計上しております。
 なお、注書きにございますように、道路橋梁費及び公園霊園費には、ゼロ都債八件、八十七億六千五百万円を含んでおります。
 二ページをお開きください。一般会計(土木費)予算総括表でございます。
 上段の歳出予算五千九百六十五億円に対する特定財源は、下段の表、歳入の一行目にございますように三千七百十二億円で、前年度と比較いたしますと二二・六%の減となっております。これは、主に都債や繰入金の減少によるものでございます。
 次に、三ページをお開きください。ここからは歳出予算の内容につきまして、事項ごとにご説明いたします。
 1の道路の整備ですが、予算額は百七十二億三千百万円でございます。
 右側の概要欄の中ほど、事業内容をごらんください。
 1、都市の骨格を形成する幹線道路や、2、地域幹線道路の整備を進めてまいります。3、東京外かく環状道路の整備推進では、国から受託している用地取得に係る事務経費などを計上しております。さらに、多摩・島しょ地域に係る事業といたしまして、4、山間・島しょ地域の振興を図る道路の整備や、6、第三次みちづくり・まちづくりパートナー事業を進めてまいります。
 四ページをお開きください。2の街路の整備ですが、予算額は二千七十八億八千五百万円でございます。
 概要欄の事業内容をごらんください。
 1、都市の骨格を形成する幹線道路の整備では、放射第三六号線や小平三・二・八号線などを、2、地域幹線道路の整備では、補助第二三〇号線や八王子三・四・二八号線などを整備いたします。4、鉄道の連続立体交差事業の推進では、京王京王線など四路線五カ所で事業を進めてまいります。
 また、下段に再掲で記載しております木密地域における特定整備路線は、放射第二号線など十八路線三十一カ所で整備を推進いたします。
 五ページをお開きください。3の橋梁の整備ですが、予算額は二百四十九億二千万円でございます。
 概要欄の事業内容をごらんください。
 1、橋梁の整備は、橋梁の新設、かけかえを進めるもので、2、橋梁の長寿命化は、予防保全型管理を実施することにより橋梁の耐用年数を延ばすものでございます。3、橋梁補修は、定期健全度調査等に基づき橋梁を計画的に補修してまいります。
 六ページをお開きください。4の道路の保全ですが、予算額は三百四十億三千万円でございます。
 概要欄の事業内容をごらんください。
 1、路面補修では、遮熱性舗装など、沿道環境に配慮した路面補修を実施するほか、区市が施行する環境対策型舗装の整備に対して補助を実施してまいります。3、道路施設整備では、トンネルの予防保全型管理を推進するほか、道路照明のLED化を進めてまいります。4、道路緑化の推進では、オリンピック・パラリンピックの開催やその先を見据え、夏場の木陰確保や魅力ある都市景観を創出するため、競技コースや競技会場周辺を中心に、木陰確保や花壇整備に向けた設計等を進めてまいります。
 七ページをお開きください。5の交通安全の予算額は三百七十九億五千三百万円でございます。
 概要欄の事業内容をごらんください。
 1、歩道整備では、歩道の整備や都道のバリアフリー化を進めてまいります。また、区市道のバリアフリー化に対して補助を行います。2、交差点改良では、第三次交差点すいすいプランなどを進めてまいります。3、無電柱化の推進では、計画幅員で完成している都道の無電柱化を推進するとともに、面的な無電柱化を図るため、区市町村無電柱化補助を実施してまいります。4、自転車走行空間の整備では、地域の道路事情に応じた整備を進めるほか、区市が施行する自転車推奨ルートの整備に対して補助を実施し、整備を促進してまいります。5、道路附属物整備等では、英語表記対応を含む道路案内標識を設置するほか、行幸通り周辺の道路景観整備などを進めてまいります。
 八ページをお開きください。6の河川の改修ですが、予算額は三百七十七億千八百万円でございます。
 概要欄の事業内容をごらんください。
 1、中小河川の整備のうち、(1)、護岸の整備では、石神井川や空堀川など二十七河川で護岸整備を実施いたします。(2)、調節池等の整備では、時間五十ミリを超える降雨に対処する環状七号線地下広域調節池や谷沢川分水路などを含む十施設の整備を推進してまいります。
 九ページをお開きください。7の高潮防御施設の整備ですが、予算額は五百二十億千七百万円でございます。
 概要欄の事業内容をごらんください。
 1、高潮防御施設の整備や、2、江東内部河川の整備では、毛長川や石神井川、北十間川などで防潮堤や護岸の整備を実施してまいります。3、東部低地帯における耐震、耐水対策の推進では、綾瀬川などの堤防や今井水門などの施設で、さらなる対策の強化を進めてまいります。6、水辺の魅力を生かした東京の顔づくりでは、隅田川を中心に人々が集い、にぎわいが生まれる水辺空間の創出に向けた取り組みとして、照明施設の整備などを実施してまいります。
 一〇ページをお開きください。8の砂防海岸の整備ですが、予算額は八十三億三千五百万円でございます。
 概要欄の事業内容をごらんください。
 主に多摩・島しょ地域において、砂防や地すべり防止、海岸保全施設の整備、急傾斜地崩壊対策を進めてまいります。急傾斜地崩壊対策においては、土砂災害警戒区域等の指定を進めてまいります。
 一一ページをお開きください。9の都市公園の整備ですが、予算額は五百三十億四千六百万円でございます。
 概要欄の事業内容をごらんください。
 1、都立公園の整備のうち、(1)、個性豊かな都立公園の整備では、代々木公園や東伏見公園などで追加開園につながる用地取得や公園造成を、(3)、世界をおもてなしする庭園の再生として、小石川後楽園などで保存復元事業等を進めてまいります。2の都立公園の防災機能の強化充実では、防災公園の整備として、汐入公園などにおいて、夜間照明の充実や非常用発電機の整備を実施してまいります。
 一二ページをお開きください。上段の10、動物園の整備ですが、予算額は四十九億九千八百万円でございます。
 概要欄の事業内容をごらんください。
 1、恩賜上野動物園では、パンダふるさとゾーンの整備などを、2、多摩動物公園では、ライオンバス発着所の整備などを行い、3、葛西臨海水族園では、老朽化が進む水族園の再整備に向けた検討を進めてまいります。4、井の頭自然文化園では、正門周辺改修等の設計を実施してまいります。
 下段の11、霊園葬儀所の整備ですが、予算額は十三億二千七百万円でございます。
 概要欄の事業内容をごらんください。
 1、緑豊かな霊園の整備では、郊外霊園である多磨霊園におきまして、集合墓地整備のための基本設計を、2、区部霊園の再生では、青山霊園や谷中霊園、染井霊園において霊園の再生事業を進めてまいります。
 一三ページをお開きください。上段の12、生活再建対策ですが、予算額は二十五億七千百万円で、生活再建資金の貸し付けや代替地の購入を行ってまいります。特に、木密地域における特定整備路線の整備に当たりましては、引き続き、生活再建に向けた支援策を実施してまいります。
 下段の13、市町村土木補助ですが、予算額は五十六億千四百万円で、市町村が施行する道路整備、公園整備などの土木事業に対して補助を行ってまいります。
 一四ページをお開きください。14のその他投資的経費ですが、予算額は三百五十八億八千八百万円で、主なものは、道路、河川の国直轄事業負担金でございます。
 一五ページをお開きください。15の都市基盤施設の良好な維持管理ですが、予算額は四百八十四億六千八百万円でございます。
 概要欄の最上段をごらんください。
 道路、河川、公園などの都市基盤施設を良好な状態に保つ維持、修繕等に加え、安全性や景観の向上などに重点を置いた管理を実施してまいります。
 一六ページをお開きください。職員の給料、諸手当など経常経費を記載してございます。
 次に、用地会計につきましてご説明いたします。
 一七ページをお開き願います。事業用地先行取得でございます。
 この経費は、財務局から当局が執行委任を受け、道路、河川、公園事業において用地を取得するものでございます。予算額は五十億八千二百万円でございます。
 一八ページをお開きください。繰越明許費の詳細でございます。
 事業の性質上、年度内に支出が終わらないおそれのあるものにつきまして、翌年度に継続して実施するため、あらかじめ繰越明許費を計上しております。
 対象は、一般会計、土木費で、土木管理費など二十一事業、用地会計が三事業、予算額は合わせて四百五十七億千五百万円でございます。
 続きまして、債務負担行為についてご説明いたします。
 お手元の厚目の資料3、平成三十年度当初予算債務負担行為をごらんください。
 一ページをお開きください。債務負担行為は、工期が複数年にまたがり、分割契約が困難な工事などにつきまして、三十年度以降の工事費等を限度額を定め債務を予定するものでございます。
 一ページから一一ページには、事項ごとに、期間、限度額、対象事業、理由を記載してございます。
 なお、一二ページ以降は、工事箇所の図面でございます。
 以上で平成三十年度当初予算案の説明を終わらせていただきます。
 続きまして、平成二十九年度補正予算案につきましてご説明申し上げます。
 資料4、平成二十九年度補正予算説明書をごらんください。
 一ページをお開きください。1、歳入歳出予算の表の一段目、一般会計(土木費)の欄をごらんください。今回の補正予算は四百九十五億四千百万円の減額で、既定予算と合わせた補正後予算額は五千四百十三億四千二百万円となります。
 二ページをお開きください。平成二十九年度一般会計(土木費)予算総括表でございます。下段の表をごらんください。今回の歳出補正予算に対する特定財源でございますが、歳出予算額の補正に伴い、都債や国庫支出金などの財源更正を行うものでございます。
 三ページをお開きください。このページから最終の一〇ページまでは、補正予算を計上する各事項につきまして、補正予算の科目、金額、経費内訳などを記載してございます。
 三ページの表の下段、2、交通安全施設の右側説明欄をごらんください。交通安全施設の整備に要する用地費五十六億七百万円を計上しております。
 そのほかの事項につきましては、執行状況の精査による減額補正となっております。
 以上で平成二十九年度補正予算案の説明を終わらせていただきます。
 次に、資料5をごらんください。条例案につきましてご説明申し上げます。
 表紙をおめくり願います。今回提出を予定している条例案三件の件名は、目次に記載のとおりでございます。
 一ページをお開きください。整理番号1の東京都霊園条例の一部を改正する条例でございます。
 改正案の内容でございますが、一点目は、埋蔵施設等の使用料の上限額を改定するもの、二点目は、埋蔵施設等の管理料の上限額を改定するものでございます。
 次に、整理番号2の東京都葬儀所条例の一部を改正する条例でございます。
 改正案の内容でございますが、一点目は、瑞江葬儀所の火葬料等の上限額を改定するもの、二点目は、青山葬儀所の超過利用料金を設定するものでございます。
 次に、整理番号3の砂利採取法に基づき河川管理者が行う事務に係る手数料に関する条例の一部を改正する条例でございます。
 改正案の内容でございますが、砂利採取計画認可申請手数料及び砂利採取計画変更認可申請手数料の額を改定するものでございます。
 なお、二ページ以降に議案及び新旧対照表を添付してございます。後ほどごらんいただければと存じます。
 次に、資料6をごらんください。契約案につきましてご説明申し上げます。
 表紙をおめくり願います。今回提出を予定している契約案六件の件名は、目次に記載のとおりでございます。
 一ページをお開きください。梅ヶ谷トンネル(仮称)整備工事(西-梅ヶ谷の二)でございます。
 本工事は、日の出町大久野地内と青梅市梅郷一丁目地内を結ぶ延長千三百三十三メートルの山岳トンネルを、NATM工法により整備するものでございます。
 工事場所は西多摩郡日の出町大久野地内から青梅市梅郷一丁目地内、契約の相手方は鴻池組・奥多摩建設工業建設共同企業体、契約金額は三十六億三千九十六万円、工期は平成三十四年一月六日までとする工事請負契約を一般競争入札により締結しようとするものでございます。
 二ページをごらんください。本件工事の案内図でございます。黒で着色しておりますのが施工箇所でございます。
 三ページをごらんください。構造物の形状は、平面図及び標準断面図のとおりでございます。
 四ページをごらんください。城北中央公園調節池(一期)工事でございます。
 本工事は、石神井川において洪水を貯留する調節池を整備するものでございます。
 工事場所は板橋区小茂根五丁目地内から練馬区羽沢三丁目地内、契約の相手方は大林・鹿島・大本建設共同企業体、契約金額は二百十九億二千百八十四万円、工期は平成三十六年二月二十九日までとする工事請負契約を一般競争入札により締結しようとするものでございます。
 五ページをごらんください。本件工事の案内図でございます。中ほど右寄りに丸で囲っておりますのが施工箇所でございます。
 六ページをごらんください。構造物の形状は、平面図及び標準断面図のとおりでございます。
 七ページをごらんください。境川金森調節池工事でございます。
 本工事は、境川において洪水を貯留する調節池を整備するものでございます。
 工事場所は町田市南町田一丁目地内から相模原市南区上鶴間本町九丁目地内、契約の相手方は鹿島・大林建設共同企業体、契約金額は百六十二億三千百三十二万円、工期は平成三十六年二月二十八日までとする工事請負契約を一般競争入札により締結しようとするものでございます。
 八ページをごらんください。本件工事の案内図でございます。中ほどに黒で着色しておりますのが施工箇所でございます。
 九ページをごらんください。構造物の形状は、平面図及び標準断面図のとおりでございます。
 一〇ページをごらんください。綾瀬川護岸耐震補強工事(その二百五十三)でございます。
 本工事は、最大級の地震が発生した場合においても浸水防止機能を保持するため、延長四百六十二・七メートルにおいて地盤改良工などを行い、護岸の補強を図るものでございます。
 工事場所は足立区西綾瀬四丁目地内から同区弘道二丁目地内、契約の相手方は若築建設株式会社、契約金額は十八億八千八百九十二万円、工期は平成三十二年二月二十八日までとする工事請負契約を一般競争入札により締結しようとするものでございます。
 一一ページをごらんください。本件工事の案内図でございます。中ほど下寄りに丸で囲っておりますのが施工箇所でございます。
 一二ページをごらんください。構造物の形状は、平面図及び標準断面図のとおりでございます。
 一三ページをごらんください。呑川防潮堤耐震補強工事(その十七)その二でございます。
 本工事は、先ほどの綾瀬川の工事と同様、延長二百十二・一メートルにおいて地盤改良工などを行い、防潮堤の補強を図るものでございます。
 工事場所は大田区大森南二丁目地内から同区東糀谷五丁目地内、契約の相手方は若築建設株式会社、契約金額は十一億四千八百四万円、工期は平成三十二年二月十八日までとする工事請負契約を一般競争入札により締結しようとするものでございます。
 一四ページをごらんください。本件工事の案内図でございます。中ほど右寄りに丸で囲っておりますのが施工箇所でございます。
 一五ページをごらんください。構造物の形状は、平面図及び標準断面図のとおりでございます。
 一六ページをごらんください。仙台堀川護岸耐震補強工事(その三)でございます。
 本工事は、先ほどの二件の工事と同様、延長三百三十三・七メートルにおいて地盤改良工などを行い、護岸の補強を図るものでございます。
 工事場所は江東区冬木地内から同区平野三丁目地内、契約の相手方は東急建設株式会社、契約金額は十億七千九百七十八万四千円、工期は平成三十一年十月三十日までとする工事請負契約を一般競争入札により締結しようとするものでございます。
 一七ページをごらんください。本件工事の案内図でございます。中ほどに丸で囲っておりますのが施工箇所でございます。
 一八ページをごらんください。構造物の形状は、平面図及び標準断面図のとおりでございます。
 次に、資料7をごらんください。事件案につきましてご説明申し上げます。
 表紙をおめくり願います。今回提出を予定している事件案の件名は、目次に記載のとおりでございます。
 一ページをお開きください。平成三十年度の連続立体交差事業の実施に伴う費用の関係特別区・市の負担についてでございます。
 (3)の関係特別区・市の負担限度額をごらんください。
 平成三十年度の連続立体交差事業の実施に伴う費用の関係特別区、市の負担につきまして、各路線と箇所別に、世田谷区など七区市の負担限度額を地方財政法の規定に基づき定めるものでございます。
 二ページ以降に議案を添付してございますので、後ほどごらんいただければと存じます。
 以上で平成三十年第一回定例会提出予定案件の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○田の上委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。

○河野委員 七点お願いします。
 建設局の事業別予算額、決算額の推移、過去十年分。これが一点目です。
 二点目、道路橋梁費における事業別財源内訳。
 三点目、直轄事業負担金の推移、過去十年分。外かく環状道路については再掲でお願いします。
 四つ目、建設局にかかわる中小企業への工事発注実績、過去十年分。
 五、建設局発注工事における事業別入札不調件数及び発生率。
 六、特定整備路線の境界立ち会い率及び用地取得進捗状況。
 七、契約案について、一般競争入札の経過がわかる資料をお願いします。
 以上です。

○宮瀬委員 私から二点お願いいたします。
 避難場所としての都立公園における避難者想定数。
 二点目が、鉄道立体化など都主催の素案説明会において、過去、住民の声を反映した件数と概要一覧をお願いいたします。

○田の上委員長 ほかにはありませんか。--ただいま河野副委員長、宮瀬委員から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○田の上委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出願います。

○田の上委員長 次に、陳情の審査を行います。
 まず、陳情二九第一二八号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○東野河川部長 お手元配布の資料8、陳情審査説明表の整理番号1、陳情二九第一二八号をごらんください。
 本件は、町田市金森六丁目の地下に設置する調節池に係る基本協定書の効力停止に関する陳情で、町田市のホームタウン町田金森建築協定運営委員会の委員長高橋靖昌さん外四千五百二十三人の方から提出されたものでございます。
 その要旨でございますが、都において、町田市と神奈川県との境にある境川沿いの西田スポーツ広場で施工されようとしている境川金森調節池事業に関し、平成二十七年三月二十七日付で都が町田市と締結した町田市金森六丁目千四百六番一ほかの地下に設置する調節池に関する基本協定書の効力を停止していただきたいというものでございます。
 この要旨に対する現在の状況でございますが、境川は、神奈川県との都県境を流れる河川でございまして、県との管理協定に基づき、都は中流部に位置する町田市内の十キロメートルの区間を、また県は残る上流部及び下流部の計四十二キロメートルの区間を管理しております。
 都はこれまで、都管理区間で時間五十ミリ降雨に対応する護岸整備を進め、平成二十八年度末の整備率は九八%に達しておりますが、下流県区間の整備が時間を要しているため、所定の洪水流下能力が確保できておりません。このような状況におきまして、平成二十年八月には、集中豪雨によりJR町田駅付近で境川が溢水し、町田市内で四十六棟の浸水被害が発生いたしました。
 こうした水害も踏まえ、平成二十七年四月に一時間六十五ミリ降雨に対応する新たな調節池などを位置づけた境川水系河川整備計画をパブリックコメント等の法定手続を経て策定し、これらの調節池を先行整備することで都管理区間の治水安全度の早期向上を図ることといたしました。河川整備計画では、調節池を設置する範囲と必要な貯留量を定めており、河川法の求める記載内容を満たしております。
 境川金森調節池は、施設の位置や設置する構造物等について定めた基本協定を町田市と締結して市有地に整備するもので、調節池下流の安全性向上に加え、河床の掘削により上流の流下能力向上も図れるなど、町田駅上流部に整備する境川木曽東調節池の効果とあわせ、町田駅周辺部の治水安全度向上にも寄与いたします。
 事業実施に当たりましては、平成二十七年度から、周辺の住民を対象とする事業説明会を九回にわたり開催し、調節池の必要性と効果、工事における安全、環境対策等について説明を重ねてまいりました。
 その中で、工事車両の通行による安全や騒音、振動、井戸がれへの不安の声も寄せられたことから、工事に当たりましては、土砂搬出車両の通行を抑制するパイプコンベヤーの導入や遮水性の高い土どめ壁の設置など、周辺環境に最大限配慮した施工を行う予定でございます。
 水害から地域住民の命と暮らしを守るため、工事説明会や、仮称でございますが、工事連絡協議会などで引き続き丁寧な説明に努めながら本体工事に着手いたしまして、早期の取水開始に向け、着実に事業を進めてまいります。
 説明は以上でございます。よろしくご審査のほどお願い申し上げます。

○田の上委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○佐野委員 それでは、六点ほど質問をさせていただければと思います。ただいま理事者側から本件に対する現状の説明がなされましたので、中身については繰り返しになるところもあるかと思いますが、質問させていただければと思います。
 まず初めですけれども、本陳情において、願意と理由が幾つか述べられていますけれども、最後の部分で、境川系河川整備計画における調節池の記載が河川法の趣旨に反している、つまり、違法性があるのではないかという重大かつ基本的とも思えるような指摘がなされています。この事実関係につきまして、時系列に沿ってもう一度ご説明をいただいて、加えて、都の見解をお聞きできればと思います。

○東野河川部長 平成二十七年四月に策定いたしました境川水系河川整備計画の策定手続におきまして、二十六年九月のパブリックコメント及び二十七年二月の国への同意申請時は、町田市と基本協定を締結しておらず、境川金森調節池の場所が確定していなかったため、個別の場所は記載しておりません。
 河川整備計画は、おおむね二十年から三十年間の取り組みを示すものでございまして、数十年後の将来に整備する事業や所有者の合意を必要とする事業につきましては、個別の施工場所を明記できない場合がございます。
 こうした場合におきましても、計画立案過程において記載可能な範囲で極力具体的にお示ししておりまして、本整備計画におきましても、調節池の設置範囲と必要な貯留量を定めるなど、河川法の求める記載内容を満たしており、違法性はないと考えております。

○佐野委員 私もこの陳情の対象地、境川、そして周辺の状況を見てまいりました。私、個人的な話なんですが、技術士という建設部門の資格を持っていますので、少し専門的な目で周辺の地形、あるいは河道の状況、そして土地利用なども見させていただきましたけれども、陳情の願意と理由にもありますけれども、周辺に反対とも思えるのぼり旗等が見られ、また、調節池は要らないという声も上がっているような状況だと理解しています。
 一方では、東京都には水害対策を進めなければならない河川、あるいは箇所もほかにたくさん存在するのではないかと理解しています。資料提示は申請していませんけれども、ここに私、東京河川改修促進連盟の、これは多くの区市町村が加盟して連盟をつくっていて、ここの要望書もいただいているわけなんですけれども、これらを見ると、本当に急がれる、あるいは、まだまだやらなければならない改修、あるいは整備する箇所がたくさんあるということがわかります。
 ある意味、今回の整備するところでないところの、決算なんかもそうだと思うんですけれども、ほかの区市町村にしてみれば、整備が速く進むところはうらやましいような状況もあるんではないかと思うぐらいですけれども、そのような状況の中で、なぜこの境川の対策を優先するのか。その理由についてお伺いできればと思います。

○東野河川部長 都は近年、時間五十ミリを超える降雨が増加していることから、平成二十六年に東京都豪雨対策基本方針を改定いたしまして、甚大な被害が発生した境川と谷沢川、丸子川の二流域を対策強化流域に加え、新たな整備水準に対応した調節池等の整備に優先的に取り組んでおります。
 境川の洪水対策は喫緊の課題でございまして、早期の治水安全度向上に向け、調節池の整備を着実に進めてまいります。

○佐野委員 最初の質問では、違法性はないと考えているということ、次の質問では、この境川の対策の必要性についてご答弁をいただきましたけれども、続いて、本事業の有効性という観点で伺いたいと思いますが、昨年、台風二十一号等でも境川の水位はかなり上昇したと伺っています。過去の水害状況も踏まえますと、調節池の整備が周辺で暮らす皆様にどのような恩恵をもたらすと考えているのか。
 例えば、町田市のハザードマップ、これはホームページから印刷させていただきましたけれども、この周辺のエリア、かなりのエリアが二メーターを超えるような洪水被害が想定されているということでございます。これでは、住んでいる方は本当に心配でしょうし、また、ちょっと下世話な話ですけれども、財産価値というんですかね、住んでいるところの価値なんかも非常に影響するんじゃないかなというふうに私は心配しています。
 また、この事業に対しても大きな税を投入するわけでございますけれども、そういう観点からは、工事そのものが地域にもたらす経済波及効果とか、そういうことも最近では都民から、我々、非常に回答を求められているような状況もあると聞きます。
 そのあたりの経済効果までは無理かと思いますけれども、物理的に、この調節池の整備がもたらす治水能力の向上という観点について、改めて伺いたいと思います。

○東野河川部長 境川は、東京都と神奈川県の境を流れる二級河川でございまして、河口から約二十五・六キロメートルの区間を神奈川県、中流域の約十・五キロメートルを東京都、さらにその上流約十五・九キロメートルを神奈川県が管理しております。
 平成二十年にJR町田駅周辺で溢水被害が発生したほか、近年も台風により、平成二十八年、二十九年と二年連続で氾濫危険水位を超え、沿川に町田市より避難勧告が発令されており、治水対策が喫緊の課題となっております。
 東京都管理区間では、時間五十ミリ対応の護岸整備はほぼ完了しておりますが、下流の神奈川県管理区間の整備が進んでいないことから、時間三十ミリ程度の流下能力に抑えられている状況でございます。
 そのため、境川では将来、時間六十五ミリの降雨に対応する調節池を先行整備することで都管理区間の治水安全度の早期向上を図ることといたしました。境川金森調節池はその一つでございまして、整備によって下流の鶴瀬橋までの区間の治水安全度を向上させるとともに、調節池を担保に河床掘削を行うことで、上流の流下能力の向上も図ることが可能となります。
 これによりまして、二十八年八月に護岸上端近くまで水位が上昇した金森調節池を整備する西田スポーツ広場下流の鶴間小学校付近に加え、二十年に溢水被害が発生したJR町田駅周辺など、上流部につきましても治水安全度が向上いたします。

○佐野委員 なかなか、五十ミリではなく三十ミリだということで、ちょっと難しい数値なんですけれども、端的にいってしまえば、神奈川県の整備が進んでいないので、五十ミリで流れる河道をつくっているんだけれども、下が三十ミリしか流下できない、過去できていない、いわば、流したくても下流が細いので流れない状況。だから、その流れない分をためたり、あるいは上流側をもう少し深く掘って、あふれないようにしようという理解だというふうに思います。
 この対策に至るまでというか、これまで取り組んできた護岸整備や流域対策など、これはどの程度整備されているのか、その辺の進捗状況、あるいは今後の見通しについても伺えればと思います。

○東野河川部長 時間五十ミリに対応する護岸整備率は、平成二十八年度末現在で九八%となっております。
 流域対策は、これまでの公共施設整備や大規模開発の機会を捉え、境川流域全体で目標の九割を超える対策が既に実施されておりますが、市街化が進展した近年は、従前ほどの伸びは期待できない状況にございます。

○佐野委員 今のお答えでは、流域対策につきましては既に九割を超えるような対策が実施されているということですが、例えば、各家庭の浸透ますの設置の促進を補助する事業などがあるようですけれども、これらもなかなか進んでいないというのが現状のようでございます。
 一方で、ちょっと試算をしてみたんですけれども、各家庭で設置できるサイズの雨水の貯留タンク、あるいは浸透ます、これを今、事業で計画している規模の水をためるためには二万世帯以上の協力がなければできないというような試算になるわけなので、これではやっぱり現実的ではないというふうに感じています。
 しかし、そうはいっても、最近ではグリーン・インフラストラクチャーという、緑地とか公共用地等の活用という手法もあるようです。ここもある意味では、調節池もその一つになるのかなという気がしますけれども、ここまで流域が市街化で進展しているというか、余地がないようなところでは、なかなか対策も難しいようです。
 とはいえ、知事がおっしゃいますワイズスペンディングという観点から、治水能力のさらなる向上に向けては、代替案とか、あるいはさらなる強化策を常に検討しながら進めるべきではないかと考えておりますけれども、この点についてはいかがでしょうか。

○東野河川部長 時間六十五ミリの降雨への対応は、これまでの河道整備や流域対策の取り組みなどを生かした役割分担として、平成二十六年に改定いたしました東京都豪雨対策基本方針におきまして、多摩地域では時間五十ミリまでの降雨は護岸整備を基本に、それを超える降雨は流域対策で十ミリ、道路や公園等の公共空間を活用した新たな調節池で五ミリ分を担うことといたしました。
 境川の治水安全度の早期向上に向け、計画的に治水施設を設置し、その機能を生かしていくとともに、流域の保水、遊水機能を確保する流域対策につきましても、引き続き地元市や関係部局と連携いたしまして、取り組みを一層推進してまいります。

○佐野委員 それでは、最後に一点お聞きします。
 これまで私の質疑を通じて、境川の現状も踏まえますと、調節池の整備、また、これまで行ってきました流域対策の一層の推進が重要だというふうに思われますけれども、そもそも、下流を整備する神奈川県側の対策がおくれているということも問題ではないかと思っています。
 そこで、下流の神奈川県管理区間の整備について、都としてはどのようにお考えなのか、また今後、都としてどのように県に働きかけていくのかもあわせて見解をお伺いできればと思います。

○東野河川部長 下流の神奈川県管理区間の整備が完了いたしますと、都管理区間の河床掘削が可能となり、河道で時間五十ミリの能力を確保することができるため、下流県管理区間の整備促進は非常に重要でございます。
 神奈川県への働きかけに関しましては、これまで都県の調整会議の場などを活用いたしまして整備を要望してまいりましたが、平成二十九年三月には、都知事より神奈川県知事宛てに、県管理区間の整備を一層促進し、治水効果の早期発現に努めるよう、文書により要望をいたしました。
 引き続き、県に対し整備促進を強く求めてまいります。

○佐野委員 質問についてはこれで終わりたいと思いますが、一言、意見というか、質問については、まだほかの委員さんも、同僚委員が質問されると思いますので、本来ならばもう少し陳情理由のこととか、あるいは陳情者の思いにどう対応していくのかについてもお聞きできればと思っていたんです。こういうような--こういうようなといっては語弊がありますけれども、陳情の審査、私も市議会に十四年いさせていただいて、審査の経験がありますけれども、つい思うのが、ニンビー症候群という、さっきいったらほとんどの人が知らないんですけどね、ノット・イン・マイ・バックヤードということで、公共施設の必要性は理解するんだけれども、うちの裏にはつくらないでほしいというような、これは本当に住民の、陳情者もそうだと思いますけれども、我々の心理だと思うんですね。でも、我々、やはり都議会議員としては、大局的に、あるいは将来を見据えた判断も求められているのかなというふうな気がいたします。
 最後になりますけれども、この事業、非常に大規模で、長期にわたる工事となります。周辺にお住まいの方々や公園を利用されている方々のご理解が本当に必要だというふうに思いますので、この必要性を、やはり重要性等、しっかりと、そして丁寧に説明をしていただいて、工事による影響をなるべく軽減していく対策、利用されている方々の代替地対策なども十分に対応していただいて進めていただくようにお願いをして、質問を終わりたいと思います。

○小磯委員 境川金森調節池事業の陳情について質問をいたします。
 私、町田市の選出の都議会議員でございますので、この境川の調節池については、これまでいろいろとかかわってまいりました。また、今回の陳情の署名、四千数百名の方々の中には、私もよく存じ上げている方もこういった陳情に名を連ねて、署名をされているというふうに伺っております。そういうことで、本当に、今の副委員長の質疑にもありましたように、一つには、命と暮らしを守る境川をつくっていくということと、また、その工事に関して、いろいろと地元住民の皆さんのそういう思いにしっかりと応えていく、この両面が必要なんじゃないかな、こんなふうに思う次第でございます。
 平成二十年の八月に境川が溢水をいたしました。私も、本当にいろいろな現場を見させていただいて、やはり河川の洪水の怖さといいますか、恐怖というものをつくづく感じた次第でございます。
 これまで十数回にわたって、予算特別委員会であったり、本会議であったり、また、この環境・建設委員会等で質問を繰り返してまいりました。ひもといてみますと、平成二十二年の第四回定例会、平成二十二年ですからもう八年前でございますけれども、本会議の一般質問でこの境川を特定都市河川浸水被害対策法に定めるべきである、こういう質問もさせていただきましたし、また、都県境を流れるということで、神奈川県の管理区間、そして東京都の管理区間、そして下流に行ってまた神奈川県の管理区間という、本当に難しい河川の管理の中で、とにかく神奈川県に対して境川整備を強く働きかけていくべきだ、こんな質問も平成二十二年第四回定例会でさせていただいております。
 また、平成二十五年の三月の予算特別委員会では、ちょうど目標整備水準が五十ミリから六十五ミリに引き上げられたということで、その当時の村尾東京都技監建設局長が、いわゆるその六十五ミリに対応した、河道で五十ミリ、流域で十ミリ、調節池で五ミリの整備を進めていく等々の、そんな話もあったわけでございます。
 そんなことで、この境川に関しては私もいろいろな思いをしながら今日まで来ているわけでございます。
 昨年の十月に台風二十一号が来ました。そのときに、これ、ちょうどJR町田駅のところのいわゆる河川の状況でございます。夜中の三時ごろでございます。やっぱり夜中の三時、河川管理通路の、こういうものの下に写っているんですね。すなわち、河川がやっぱり溢水して、河川管理用通路まで水が来ている、そういう写真でございます。
 こういう写真とかこういう写真とか、これは夜中の三時でございます。こういう近所にいっぱい住民が住んでおられるわけでございまして、そういう河川が溢水する、洪水になるという怖さというのは、やはり沿川の方々には大変大きな課題なんだというふうに思っております。
 そういうことで、昨年の十月の台風でもこうなったということで、やはり境川の河川整備というのは大事な課題であるというふうに私は思っております。
 避難勧告が昨年の十月の台風で発令をされて、百名を超える市民が不安な朝を迎えたわけでございます。下流の、今お話ありましたように、神奈川県管理区間の整備が進んでいないことから、河道の能力が十分に発揮できない状況にある境川にとって、治水安全度の向上は喫緊の課題であって、着実に取り組んでいくべき課題でございます。
 そこでまず、境川における近年の水害発生及び氾濫の危険性のあった、そういう箇所についてお伺いしたいと思います。

○東野河川部長 具体的な箇所でございますが、平成二十年八月には、町田市図師で時間百ミリを超える豪雨を記録し、境川もJR町田駅周辺で溢水が発生いたしました。
 また、二十八年八月の台風九号では、二十年に溢水被害があった境橋で氾濫危険水位を超えたほか、JR町田駅上流の島橋付近や、境川金森調節池を整備いたします西田スポーツ広場の下流の鶴間小学校付近などで、護岸上端近くまで水位が上昇しております。
 二十九年十月の台風二十一号では、同じく境橋で氾濫危険水位を超え、島橋付近では、今お話がございましたが、管理用通路まで洪水が流れるなど、危険な状況にございました。
 このように危険な箇所は都管理区間に広く分布しておりまして、雨の降り方によってはどこで水位が上昇してもおかしくない状況にございます。

○小磯委員 昨年、そしてまた一昨年と二年連続で氾濫危険水位を超えて、避難勧告が出されたわけでございます。そういった意味では、大雨が降るたびに、私もそうでございますけれども、境川、大丈夫かな、こういうふうに市民の皆様は思っているわけでございます。
 下流の神奈川県域の整備が進んでいない、そして、時間五十ミリの能力が発揮できない、そういう状況でありますけれども、調節池の整備の効果に大きな期待もかかっているところでございます。
 本陳情では、最も洪水の危険がある町田駅周辺より上流の調節池整備を優先すべきであり、下流に位置する境川金森調節池の整備は税金の無駄遣いと主張をされておりますけれども、先ほど、境川金森調節池を整備すると、下流だけでなく上流の治水安全度も向上するという答弁がございました。これは、そういった陳情者の皆様の疑問にもお答えすることになると思いますけれども、金森調節池がどのような仕組みで効果を発現するのかお伺いしたいと思います。

○東野河川部長 河川は下流に行くに従い、下水道や周辺の水路などから洪水が流入いたしまして、流量がふえてまいります。
 下流に対しましては、都県管理境でございます鶴瀬橋上流までに流入する陸地からの雨水のうち、河道の能力を超える部分を取水いたしまして、あらかじめ水位を低下させることで、都県境までの間で浸水被害を軽減することができます。
 上流に対しましては、調節池で洪水を取水し、下流への負荷を低減することで、上流の河床を掘削することが可能となりまして、安全性を向上させる効果がございます。
 お話にございますとおり、金森調節池は下流だけでなく上流にも効果が及ぶものでございます。

○小磯委員 金森調節池がどのような働きで下流だけでなく上流にも効果を発揮し、近年、溢水したり、その危険性があった広い地域の安全性向上にも寄与するという説明でございました。
 一方、金森調節池は、貯留量十五万一千立方メートルという大変大規模な調節池でございます。こうした大規模施設の工事に対し、近隣住民の皆様がその内容や影響について不安を感じるのは無理もないことでございます。
 私も何回も地元の説明会に同席をさせていただきましたけれども、その皆様の不安というものは相当大きなものがあるというのは、私自身感じているところでございます。そういった意味で、近隣住民の理解を得るということは本当に大事な作業ではないかなと、こういうふうに思うわけでございますけれども、その住民の皆様の理解を得るためにどのような取り組みを行ってきたのかお伺いいたします。

○東野河川部長 調節池の整備箇所や主要な構造、施工方法の概要が決まった後、平成二十七年九月より町田市側で六回、相模原市側で三回、計九回にわたりまして地元で事業説明会を開催いたしまして、事業の必要性と効果、工事による影響と対策などについて説明をしてまいりました。
 また、説明会で用いた説明資料などをホームページ上で公開するとともに、地域へ回覧するなど、説明会参加者以外の周知にも努めてまいりました。さらに本年一月には、調節池に関する理解を深めていただくことを目的に、広く金森調節池の地元の方々を対象に、神田川環状七号線地下調節池の見学会を開催したところでございます。

○小磯委員 約二年間にわたってこの工事の説明をされてきたということでございますし、また、環七地下調節池の見学会を催すなど、いろいろと工夫を東京都がされているということは理解をしたところでございます。
 一方、この説明会でいろいろな、住民の皆様のご意見がございました。その中には、そうだな、そういうことをやっぱり都がすべきだな、こう感じることもいろいろとあったわけでございます。大規模工事に対する住民の皆様の不安の声に対して、どのような安全対策とか環境対策を行おうとしているのかお伺いいたします。

○東野河川部長 事業説明会で多くの方から不安の声がございました工事車両の通行につきまして、掘削土砂の搬出方法を、ダンプトラックによる地域内の市道を通る運搬から、パイプコンベヤーによる河川沿いルートでの輸送に変更することで、大幅な負担軽減を図ります。
 また、工事車両通行ルート沿道の要所要所への交通誘導員の配置や、朝の通勤通学時間帯を避けた工事車両の通行時間帯の設定、舗装を低騒音舗装に打ちかえることによる騒音、振動の低減を図ってまいります。
 さらに、工事現場周辺への対策といたしまして、環境に配慮した工法や建設機械の選定、現場周囲への防音壁の設置等を実施いたします。
 周辺の井戸がれ対策といたしましては、遮水性の高い土どめ壁の設置や工事前の井戸分布調査、工事中の地下水位観測などを行ってまいります。

○小磯委員 今、答弁にパイプコンベヤーの採用というのがございました。これは、当初はダンプでこの土砂を搬出するという予定だったものが、住民説明会で住民の皆様からこれについて大変大きな不安があるということで、東京都としてもいろいろと検討をしていただいて、こういうパイプコンベヤーという形になったということでございます。
 このパイプコンベヤーの採用によって、どの程度そういう住民の皆様の負担が軽減されるのかお伺いしたいと思います。

○東野河川部長 掘削土砂の搬出は、当初、ダンプトラックにより地域内の市道を通行して搬出する方法を考えておりましたが、河川沿いの管理用通路に設置するパイプコンベヤーにより輸送する方法に変更いたしました。
 これによりまして、一日最大約百台の通行を見込んでおりました土砂搬出用ダンプトラックの地域内の市道の通行は、パイプコンベヤー設置後は原則ゼロになり、全体の台数も約九割削減いたします。
 また、土砂搬出効率が向上いたしますことから、掘削作業期間が当初の約二年六カ月から六カ月程度短縮できるなど、工事車両通行ルート沿道の負担を大幅に軽減できるものでございまして、その効果についてこれまで説明会を通じて説明をさせていただきました。

○小磯委員 今ご説明ありましたように、パイプコンベヤーの導入によって、この土砂の搬出用のダンプトラックの削減に大きな効果があるということでございます。
 それ以外にも、本当に工事実施に当たっては細かいことでも工夫を大切にして、改善につなげていっていただいて、住民の皆様の不安の払拭に努力をしていただきたいというふうに思います。
 また、ここの西田スポーツ広場というところは、私も毎年、夏、地元町内会の皆さんの盆踊りのそういう場所になっていたり、また、野球とかサッカーとか、皆さんがこの西田スポーツ広場を利用されているわけでございます。
 そういった意味で、この調節池を整備することで工事期間中というのは広場が使えなくなるということで、このスポーツ広場をご利用の皆様からも大変いろいろなご意見を頂戴しているところでございます。
 都として、建設局として、この広場の利用についてどのように対策を行おうとしているのかお伺いいたします。

○東野河川部長 工事期間中の広場の代替機能につきましては、町田市とも協力いたしまして、学校開放や目的外使用の制度を活用し、利用者間の調整を図っていただきながら、近隣の小中学校を利用していただく予定でございます。
 また、調節池周辺の二十を超える企業や大学などのグラウンドの利用について、各グラウンド所有者と調整を重ねておりまして、現時点で町田市内の一つの大学の協力により、施設の未利用時に活用させていただくことが可能になっております。
 引き続き、利用できる箇所がふえるよう町田市と協力して取り組んでまいります。
 なお、工事では、調節池の上部を活用できる状態に復旧することとしております。

○小磯委員 町田市とも協力して小中とか、また大学等の利用とか、今お話がございました。私も近くをいろいろ、ぐるぐる回って調べたりもいたしました。
 本当に皆様、西田スポーツ広場を使っていらっしゃる方が、ああ、ここならいいというところはなかなかないのが今のところ、現状でございます。一つには、建設局だけで探したりとかそういうことじゃなくて、縦割りじゃなくて、例えば都立高校だったら都の教育庁とも連携をしっかりとるとか、また、公園だったら東京都の、同じ建設局ですけれども、公園緑地部と連携をとる。また、町田市の中でもしっかりと、そういう担当の部署だけじゃなくて、町田市の教育委員会ともしっかりと協議を重ねながら、本当に少しでも西田スポーツ広場をご利用の皆様が不自由を感じないような、そういう対策をしっかりととっていただくようにお願いをしたいというふうに思っております。
 また、境川の金森調節池のすぐ上流のところに鶴金橋上流遊水地というのがございます。実は私もそれを思っていたんですけれども、なかなかこれまでの台風だとかいろんな溢水しそうな、いわゆる河川の洪水、大雨について、この遊水地が機能していないという声があるようでございます。
 この遊水地がどのような役割を担っているかということと、また、今後この遊水地をどのように活用していくのか、これについてお伺いいたします。

○東野河川部長 鶴金橋上流の遊水地は、平成二十年に境川で溢水が発生したことなども踏まえ、緊急時に少しでも洪水をためることができるよう、旧川敷等を活用し、用地を創出して整備したものでございます。現在は、洪水を安全に流下できる水位である計画高水位を超えたときに洪水が流入するよう、堰の高さを定めております。
 整備後、当該区間におきまして、その高さ以上に水位が上昇したことがなかったため、取水の実績がございませんが、近年の境川の増水状況なども踏まえ、より洪水を効果的に取水するなど、有効な活用方法について早急に検討いたします。

○小磯委員 堰の高さを低くしてというか、遊水地がしっかりと洪水を受ける、取水する、そういう形に工事をしていくということだと思います。これについてもしっかりとやっていただいて--私も当時、平成二十年八月で溢水のいろんな事故があったときに、河道で五十ミリという整備計画しかなかったものですから、環七地下調節池のような調節池をつくったらどうだといっても、それは五十ミリの河道整備の中には入っていませんという建設局のずっと説明だったんですね。
 それが、ある日、六十五ミリになりました、その五ミリで地下調節池をつくることができるんですという建設局の説明があって、それまでは、ですから河道に近い小さな調節池でもいいから、それをどんどんどんどんふやしていくべきだ、そんな意見も、質問もした経緯がございます。そういった意味では、この遊水地もしっかりと活用できるようにしていただきたいというふうに思っているわけでございます。
 この境川の工事の状況でございますけれども、本当に整備そのものは、私は非常に重要であるというふうに思っております。ただ、この工事をしっかりと着実に進めるためには、住民の理解と協力がまた必要であります。工事実施に当たり住民の理解を深めていただくために、今後どのような取り組みを行っていくのかお伺いしたいと思います。

○東野河川部長 境川金森調節池につきましては、平成三十六年度の取水開始に向け、二十九年度中に本体工事に着手する予定でございます。
 工事に当たりましては、工事説明会において施工計画や、安全、環境対策の具体的取り組みを丁寧に説明することに加えまして、工事着手後も、仮称ではございますが、工事連絡協議会を設置いたしまして、工事の状況の説明や意見交換等を実施するなど、事業や工事に対する理解と協力を得られるよう、引き続き全力で取り組んでまいります。

○小磯委員 現場に着手する前だけでなく、工事中も継続して取り組んでいくことが重要でございます。周辺にお暮らしの住民の皆様のご負担を少しでも軽減することを心がけて、事業を進めていただきたいと思います。
 最後に、境川の洪水対策推進についての建設局長の見解をお伺いいたします。

○西倉建設局長 境川の東京都管理区間におきましては、平成二十年八月末の溢水被害に加えまして、二十八年、二十九年と台風により水位が上昇いたしまして、二年連続で町田市から避難勧告が発令されるなど、治水安全度の向上は喫緊の課題でございまして、金森調節池の整備は必要不可欠であるというふうに考えてございます。
 沿川に住む方々の命と暮らしを守るために、引き続き丁寧な説明に努めつつ、一日でも早い効果発現に向けまして着実に境川の整備を進めてまいります。

○小磯委員 質問は以上でございますけれども、本当に引き続き丁寧な説明に努めていただいて、住民の皆様のご理解を本当に少しでも少しでも得るような、そういう気持ちで建設局の皆様に当たってはこの事業に取り組んでいただきたいということを申し上げまして、私の質問を終わります。

○田村委員 私からも、境川金森調節池事業に関する陳情について何点かお伺いします。
 集中豪雨などによる水害から都民の生命と財産を守り、災害に強いまちづくりを実現するためには、護岸や調節池等、中小河川の整備を着実に進めることが重要であると都議会自民党は繰り返し訴えてきました。
 昭和四十年代より開始した時間五十ミリの降雨に対する整備では、かなりのストックが蓄積され、昨年十月の台風二十一号では大きな効果を発揮したと、昨年十一月の事務事業質疑で答弁がありました。
 一方で、本陳情の境川では、整備したストックが下流の整備状況などにより十分な効果を発揮できていないように見受けられます。
 そこでまず、下流の神奈川県管理区間を含め境川における現在の整備状況について伺います。

○東野河川部長 都管理区間約十・五キロメートルにつきましては、時間五十ミリの護岸整備を進め、平成二十八年度末現在の整備率は九八%となっております。
 一方で、下流、神奈川県管理区間は、鉄道交差部など改修が困難な箇所や、家屋等が連担する市街地における整備が必要でございまして、整備に時間を要しているため、東京都管理区間は河床掘削ができず、時間三十ミリ程度の流下能力に抑えられている状況でございます。
 下流、神奈川県管理区間は、整備が必要な延長が約二十キロメートルと長く、神奈川県によりますと、今後三十年程度の期間を要する予定と聞いております。

○田村委員 下流、神奈川県区間の状況もあり、せっかくのストックがその能力を十分に発揮できていない状況があることがわかりました。
 このような状況の中、何とか治水安全度を早期に向上させるための事業が境川金森調節池であり、境川木曽東調節池であります。
 本陳情は、町田市との間に締結した基本協定書の効力を停止していただきたいというものですが、基本協定書の内容はどのようなものか、そして、基本協定書の効力を停止するとどのような影響があるのか伺います。

○東野河川部長 町田市との間に平成二十七年に締結した基本協定書は、境川の水害を軽減するため、町田市の市有地の地下に設置する調節池及びこれに附帯する河川管理施設などにつきまして、位置や構造、土地の使用などの基本的事項を定めたものでございまして、これによりここに調節池を設置することについて合意をいたしました。
 この効力を停止いたしますと、市有地の利用ができなくなり、境川金森調節池の整備ができなくなります。

○田村委員 基本協定の効力が停止すると、調節池の整備ができなくなることがわかりました。
 冒頭に答弁がありましたが、境川の東京都管理区間の流下能力は時間三十ミリ程度に抑えられている状況であります。一昨年八月の台風九号及び昨年十月の台風二十一号と、二年連続で台風により多摩地域を中心に大雨が降りましたが、その両方で境川沿川地域に避難勧告が発令されたと聞きます。
 そこで、平成二十八年、二十九年の二年連続で避難勧告が発令された河川はほかにあるのか伺います。

○東野河川部長 東京都内の中小河川で二年連続で避難勧告が発令されたのは、境川のみでございます。

○田村委員 境川のみということで、境川が非常に水害の危険性が高い河川であることがわかりました。
 石神井川については、昨年十一月の事務事業質疑において、その整備事業について質問し、三カ所で護岸整備に取り組み、七十五ミリ対応の二つの調節池の整備を進めるなど、治水安全度向上に向け着実に取り組みが進んでいることを確認しました。
 一方、境川は、下流の神奈川県の整備が進まず、護岸整備が九八%と進んでいるにもかかわらず、所定の流下能力を確保できない状況であり、早期に効果を発揮する調節池の整備を期待している声も多いのではないでしょうか。
 そんな中、本陳情では、金森調節池は税金の無駄遣いと指摘しておられますが、こうした河川の状況に鑑み、調節池事業に期待する地元の声について伺います。

○東野河川部長 地元の町田市は、市民との意見交換の場である市政懇談会などで、多くの自治会、町内会から境川の早期整備と、防災、安全の要望を受けておりまして、市民の総意とも考えられるので調節池の整備に協力していくとしております。
 平成二十九年二月の都知事と市長との意見交換の場におきましても、町田市長から直接知事に調節池の整備推進に関する要望が出されました。
 また、二十九年十月の町田市市政懇談会におきまして、境川金森調節池の周辺の南地区町内会・自治会連合会が市に対し、境川の整備対策及び境川の洪水及び内水氾濫に危機感を持つ、金森、南町田、鶴間地区への対応はどうかといった項目について要望し、町田市は、都が金森調節池を整備する計画を進めており、今後も都へ早期整備を要望していく旨の回答をしております。

○田村委員 境川の状況を踏まえ、何とかしてほしいという地域住民の切実な思いが伝わってきました。
 一方で、公共事業に賛成したり期待したりする声はなかなか表面化しにくいものであります。
 そこで、都は、こうした境川の安全性向上、調節池の整備に期待する声にどのように応えようとしているのか伺います。

○東野河川部長 境川金森調節池は、下流の神奈川県管理区間の整備が時間を要する中、境川の治水安全度を早期に向上させる非常に重要な施設でございます。
 都はこれまで、調節池に関する理解を得るため、約二年にわたって九回、事業説明会を開催し、丁寧な説明に努めてまいりました。
 引き続き、地域住民の皆様に丁寧に説明してまいりますとともに、二年連続で避難勧告が出されている境川の現状に不安を持ち、調節池の整備に期待する声に応えるためにも、一日も早く治水安全度を高めていくことが極めて重要でございます。
 このため、都は、平成三十六年度の取水開始に向けまして着実に整備を進めてまいります。

○田村委員 下流の整備状況もあって所定の流下能力を確保できない中、早期に治水効果を発揮するのは調節池であります。都は、こうした調節池の整備に期待している方の思いに応え、着実に事業を推進し、一日も早い取水開始に向け取り組むことが重要であると考えます。
 一方、こうした大規模な事業に不安を抱く地域住民の声にもしっかりと耳を傾け、負担が軽減されるよう、ありとあらゆる手段を尽くして取り組んでいくことを要望して、質問を終わります。

○原田委員 私からも質問させていただきます。
 平成二十四年、中小河川における都の整備方針が、五十ミリ豪雨対応から多摩地域六十五ミリ、区部七十五ミリ対応へとレベルアップされたことにより、各地で調節池計画が策定されることになりました。
 水害対策として数万トンから十数万トンという雨水をピークカットする調節池は、最終的な水害対策としてその効果を一概に否定するものではありません。
 しかし、調節池の設置というのは、その環境負荷や巨額経費ゆえに、水害地域にお住まいの住民の要望、調節池が設置される地域住民との情報の共有や合意の形成が図られることが不可欠だと考えております。
 そこでお聞きしますが、近年、調節池設置に関して、杉並なんかでもありますけれども、東京都が住民とトラブルを引き起こす事例が散見されるようですが、こうした事態に対し、まず都としての認識を伺います。

○東野河川部長 都はこれまで、河道整備に調節池等を組み合わせ、水害に対する安全性を早期に向上できるよう努めてまいりました。
 調節池の計画に当たりましては、可能な限り道路や公園の地下空間など用地取得のない公共空間を活用し、住居の移転や生活再建などの負担を軽減いたしますとともに、整備効果の早期発現を図ってまいりました。
 これまで整備した調節池を含め、工事用車両の通行ルートの沿道への影響や工事の騒音などを懸念する声をいただくこともございましたが、丁寧に説明いたしまして、理解と協力を得ながら事業を進めてまいりました。
 引き続き、地域の実情に合わせ地域住民への丁寧な説明により理解を求めてまいりますとともに、工事による負担を可能な限り軽減するよう努めながら、着実に整備してまいります。

○原田委員 ただいま答弁の中にも、工事に対する懸念があるという認識はあるというお話がありました。
 調節池は、住宅地の中にある公園やグラウンドなどが用地とされることが多く、数年から十年という長期にわたる工事で住環境が脅かされることが最大の問題となります。また、巨額の費用を投じることへの疑問もなかなか大きいものがあります。
 一昨年六月に地元町田市議会では、共産党のほか自民党、公明党、市民クラブの賛成多数で、東京都と町田市の間で取り交わされた調節池に関する基本協定書を凍結するよう求める請願が議会で採択をされています。市は過日、この採択を受けても協定書の凍結はしないと表明しましたが、市議会がそうした結論を出したことは極めて重大です。都は、どのように受けとめていますか。

○東野河川部長 町田市議会での請願の採択後、町田市からは、請願が採択されたことは重いものがあると認識しているが、浸水被害の軽減について早急に対応すべき課題であると考えており、都が行う河川整備事業に協力するため、基本協定は凍結しない旨の方針について報告を受けますとともに、請願のもう一つの項目でございます、搬入出路沿道及び通学路となっている小学校、地域住民への丁寧な情報提供と説明会の開催について要請を受けました。
 東京都は、請願採択を受けた町田市の方針及び要請を尊重し、境川の浸水被害軽減に向けて調節池事業を推進いたしますとともに、地元の理解を得るため、引き続き地元説明会を開催するとともに、地域の小学校等への説明を実施するなど、丁寧な説明に努めてまいりました。

○原田委員 町田市の方針及び要請を尊重といいましたけれども、市政運営上、車の両輪とされる議会、むしろ最終議決機関としての議会が協定の凍結を求めている事態なんですよね。これは町田市の事業ではなくて、東京都の事業なんですね。他人ごとのように振る舞っている場合じゃないと思うんです。
 町田市議会として、自民党も公明党も含めて、地域住民の合意ができるまで基本協定を凍結するということの請願が採択されたことは大変重大な意味を持っていると思います。また、町田市長だって、おととしの十二月、私どもとしては、ある程度の合意を得てから現場に入るようにという東京都に対する態度でまいりたいと本会議で答弁しているわけです。
 それが、本会議のこうした答弁を覆すような市長の行為があり、その市長の方針と要請ばかりを東京都がうのみにするのはおかしな話じゃありませんか。最終議決機関たる町田市議会の声は聞かないのかと改めて聞いておきたいと思うんですけれども、どうでしょう。

○東野河川部長 都といたしましても、町田市の方針にあるとおり、町田市議会の請願の採択については重いものと感じておりますが、一方で、先ほど来申し上げておりますとおり、平成二十年の溢水被害、あるいは、ここ二年の連続した危険な状況等に鑑みて、一日も早く治水安全度を高めていくことが極めて重要と考えました。
 そのため、町田市の要請にあるとおり、十分に説明を尽くした上で事業に着手させていただきたいというふうに考えているところでございます。

○原田委員 現状では、計画に対する住民の理解はなかなか得られていないと考えますけれども、住民との合意形成に向けてどのような努力をしてきたのか、それによって住民合意は図られたとお考えなのか。先ほど来、答弁がありましたけれども、九回の説明会を開いたり、パイプコンベヤーに変更したりとか、そういうことで大体住民の理解は得られたという立場なんですか。

○東野河川部長 この間、九回の説明会で住民の皆様からいただいたご心配、ご質問、要望等につきましては、先ほど申し上げましたパイプコンベヤーを初め、あらゆる可能な限りのものを考えて、対策として実施することといたしているところでございます。そういったことをいたした上で、今回事業に着手させていただきたいというふうに考えているものでございます。

○原田委員 説明してきたとおっしゃいますけれども、地域住民からはどのような声が出されているかといえば、西田地区の周辺の六町内会、広場の管理委員会、近隣の保育園、神社の氏子会の連名で、昨年七月に、とにかく住民合意をするまで着工しないでくれと、説明会は今後もしっかり開いてくれという内容の要望が上がっていると聞いています。また、昨年十月には、町田南地区町内会・自治会連合会の方から、同じ内容で要望書が出ていると伺っております。
 ところが、東京都はこうした動きに対してどのような姿勢で臨んできたか。昨年十月八日の説明会で、突然、十月の下旬にはもう入札の公示をして、十二月には入札して仮契約をするんだと。そして、翌年の三月、来月ですね、この議会です。三月には都議会に上程をして、可決後、着工するというスケジュールを突然出してきたわけですよね。
 都は、よく丁寧な説明に努力するといいますけれども、地元複数町会挙げての運動、市議会の請願対策、それらを受けて、住民合意を得てから進めるとした本会議の市長答弁などなど、こうした民主主義を体現したような議論を全て踏みつけにするかのような行為が行われたんじゃありませんか。
 これには住民も怒りをあらわにしています。建設局はこうしたやり方が丁寧な説明と本当に考えているのか、もう一度お答えください。

○東野河川部長 平成二十七年の九月以来、九回の説明会を行い、この間、さまざまなご意見を頂戴してまいりました。工事による道路交通への影響が大きい、あるいは河川整備計画に金森調節池が記載されていない等々のご質問でございます。
 私どもは、複数回の説明会を開くことによって、その一つ一つに私どもの考え方、あるいは道路交通への影響に対する私どもの対応策を説明してまいりました。
 こうした二年間に及ぶ説明会の経過を経まして、今回、一定のご理解が得られたというふうに考えて、工事の着工に踏み切ったものでございます。

○原田委員 一定の理解といわれましたけれども、全くそういう状況じゃないと思いますよ。お聞きしますが、例えば都は、住民に対して西田スポーツ広場の代替地を提供するといってきましたが、進捗状況、先ほどの答弁でもありましたけれども、なかなか進んでいないという状況だったと思いますけど、改めてちょっと今どういう状況なのか、進捗状況をお聞かせください。

○東野河川部長 スポーツ広場の代替機能につきましては、町田市と協力いたしまして、町田市立の小中学校のグラウンドにつきまして利用者と調整を図っていただきながら、利用していただくことが一つ、もう一つは、二十を超える企業や大学等にお願いをいたしました結果、現在のところ、一つの大学から未利用時間帯の利用について可能であるとのご理解をいただいているという状況でございます。
 引き続き、利用できるところがふえるように町田市とともに取り組んでまいる所存でございます。

○原田委員 私は地元の議員にも聞いてきましたけれども、近隣の小中学校は現在でも目いっぱい利用されていて、これから新たに利用できる時間枠なんかないと。だから、もうスポーツ難民みたいになって、周りから迷惑がられながらやらなきゃいけないぐらい、そんな、もう目いっぱいだそうですよ。
 住民に約束した代替地は、二年間探して、二十カ所頼んだのだけれども、一カ所、しかも、それは未利用時間帯だと。このまま三月には着工するといわれても、住民は納得しないのが私は当然だと思うんですね。
 また、計画地に隣接する保育園は移転の要望を出しているようですけれども、こんな目の前でやられるぐらいなら移転したいと。確かに十年近くにわたって目の前で大規模な工事が行われ続ければ、子供たちの発育に支障を来さないか心配になるのは当然ですね。こうした声にはどう応えていますか。

○東野河川部長 隣接する私立保育園に関するご質問がございましたが、これまでに都と町田市に対し、隣接する私立保育園から移転候補地の確保について協力を要望された経緯がございまして、これを受けて都は、市とともに公有地の調査に協力をいたしましたが、適地を見出すことはできませんでした。
 また、この保育園から工事中の園庭の確保や防音壁設置時の園児の昼寝などへの配慮などの要望が出ておりまして、今後、施工計画作成の段階で保育園とも協議し、可能な限り要望に配慮して施工してまいります。

○原田委員 可能な限り配慮というのはしっかりと受けとめておきたいと思います。
 この問題でも、移転要望に応える代替地を見つけることはやっぱりできなかったという答弁でしたよね。
 あと、現地を歩いていて思ったんですけれども、五十ミリ対応の川幅を狭めるために、人工の土手みたいなのを川の中につくっていたりするんですね。そこに、今、猛烈な草木が生い茂っておりまして、太い木が何本ももう生えちゃっているんですよね。そこにいろんなごみがうわっとひっかかって、あれは明らかに水流を阻害していて、三十ミリどころか、もうちょっと流量を阻害していると私は思うんです。要は、あれだけ太い木があれだけ生えていましたから、森みたいになっていましたから、昨年の巨大な台風のときもあのままだったわけですよね。
 だから、本当に一つ一つ、そういうことには気配りがなかなかないまま--とにかく巨大貯水池だという姿勢に対しても不信感がわいているのかななんていうふうに思いました。
 グリーンインフラの整備を訴える団体もあるんですよね。浸透舗装、浸透ます、浸透トレンチ管の集中整備とか、そういう努力が行われてきたかといわれれば、それほど大規模な整備がこの地域で行われてこなかったわけですよね。
 こういういわゆる総合治水対策は建設局ではなくて都市整備になるので質問はしませんけれども、こうやって川をつくるって説明会に来て、じゃあほかの対策はやっていないのかといったら全然違う局で、お金を出すのは財務で、本当にこの水害の対処というのがばらばらになっていて、こういうのも本当に東京都に対して地元の住民から、グリーンインフラとか訴えている人たちなんかからすると、不信につながっちゃうのかなというふうに私なんかは思うんです。
 こうした一つ一つの細やかな配慮というものが行われてこない中、西田スポーツ広場周辺に十五万立米の調節池という重大な環境負荷がかかる、これは本当に住民の声が上がってくるのもわかる気がします。
 私、先日、計画地である境川沿いの西田スポーツ広場と上流の水害地域を歩いて視察してまいりました。計画地の周辺はすごいですね。反対運動ののぼり、掲示板までひしめいておりまして、川沿いを歩く多くの人に、私、声をかけてみたんですけれども、調節池に懐疑的な感想を述べておりました。
 興味深かったのは、水害地域にお住まいの方でも調節池建設にもろ手を挙げて賛成しにくい状況があると。これは反対運動があるからというわけではなくて、水害はなくしてもらいたいのだけれども、西田スポーツ広場を十年近くにわたって利用不能にする計画の工程表や予算規模の大きさに対して、何かほかの対策はないのかと悩んでいる様子でしたね。
 こうしたリアルな住民の声を東京都はちゃんと聞き取れているのかというのは、すごく私も心配になりました。
 以上のことから、本計画に対する地域住民の合意形成というのはやはり図られていないと指摘したいと思うんですけれども、改めていかがでしょうか。

○東野河川部長 先ほど来ご説明申し上げてまいりましたが、平成二十七年以来、九回の説明会を開きまして、いろいろなご疑問、わからない点につきましてはお答えをしながら進めてきたものでございます。
 パイプコンベヤーの採用等、大きく要望について前進するようなこともございましたので、一日も早く水害の恐怖から東京都民を守りたいとの思いから、今回着手ということにさせていただいております。ご理解をいただきたいと思います。

○原田委員 一旦立ちどまるという姿勢も見せることなく、あくまでも工事に突き進むという姿勢ですよね。丁寧な説明を口にするものの、実に一方的な政治手法だといわざるを得ないと私は思うんですよね。
 町田市議会の議事録を見させてもらいましたけれども、調節池に反対じゃないんだけれども一旦立ちどまれと。やっぱり合意形成が図られないまま突き進むのはまずいという議員さんもいらっしゃいました。
 最後に、本陳情に対する意見を述べます。
 本陳情は、境川金森調節池に関する都と町田市の基本協定書について効力の停止を求める陳情です。日本共産党東京都議団としては、基本的に調節池の設置は豪雨時の河川氾濫を防止する役割として否定する立場ではありません。
 しかし、調節池建設は周辺住環境への負荷、財政負担において相当のものがあります。東京都は、水害地域の住民要望を的確につかむとともに、調節池が計画される住民との合意形成が不可欠と考えます。
 陳情は、本計画が策定されるに当たって、住民との合意形成が不十分なまま基本協定が結ばれたと指摘します。地域住民は口をそろえてその問題を指摘していました。ここまで住民の理解が得られていない以上、当計画を強引に推し進めることは、この地域にとって重大な禍根を残すことは明らかであり、以上の理由から本陳情に趣旨採択を表明し、意見の開陳とします。

○やながせ委員 私からも、この陳情について何点かお伺いしたいと思っていたんですけれども、私の予定していた質問はほとんど他の委員とかぶっておりますので、ちょっと別の質問をしたいというふうに思います。
 この陳情書の理由の中で、下流で洪水の可能性を増大させるような事業は税金の無駄遣い以外の何物でもないということが書かれているわけでありますけれども、この下流で洪水の可能性を増大させるということが書かれているわけですが、これに対する認識を再度お聞きしておきたいというふうに思います。

○東野河川部長 金森調節池は、東京都管理区間の洪水被害の軽減を図る効果がある施設でございまして、下流の洪水を増大させるようなものではないと考えております。
 また、神奈川県管理区間につきましては、特に影響を及ぼすようなものではないというふうに考えております。

○やながせ委員 ありがとうございます。私、この陳情を見て、かつ局の説明を聞いて、それで現地にも行ってみたんですけど、現地の状況としては、各委員からお話がありましたとおりでありまして、非常に閑静な住宅街でありました。そこに広大な西田スポーツセンターがあったということで、ここに非常に大きな建物をつくるということですので、住民の皆さんが不安に思うのもよくわかるというふうに思います。ただ、事実関係がしっかり伝わっていないんじゃないかなというふうに思いました。
 私、ちょっと深夜にしか行けなかったので、深夜に行ったんですけれども、そこで歩いている方が一人いましたので、その方に聞いてみました。深夜だったんですけれども、かなり不審者だったんですけど、聞いたところ、調節池には反対だということでありました。その方にパイプコンベヤーの話を知っているのかということで、この話をして、一日百台というダンプが解消される、努力しているんですよということを申し上げたら、その話は知らないということでありました。
 ですから、都がやっている努力とか、洪水を増大させるんではないかというようなことであるとか、事実関係がしっかりと伝わっていないんではないかというふうに思うわけでありますけれども、これは丁寧な説明が必要だということでありますが、パンフレットの配布であるとか、ポスティングであるとか、そういったことはされているんでしょうか。そこにはパイプコンベヤーの話というのは書かれているのかどうなのか。特に通告していないですけれども、お願いします。

○東野河川部長 パイプコンベヤーの採用につきましては、九回の説明会のうち、三回以上で説明をしてきた経緯がございますけれども、説明会の場のみならず、説明会のチラシは千数百戸に対してお配りをしているのでございますけれども、チラシの中にパイプコンベヤーの概要につきまして、またこれを採用する効果等につきまして説明をした上でご案内をさせていただいたり、あるいは説明会の開催後には、東京都のホームページにおきまして、パイプコンベヤーの説明会におけるご質問等の経緯につきましても、ネット上でご報告をさせていただいているところでございます。

○やながせ委員 そういったパンフレットを配られているということなんですけど、その方は、調節池の予定地のすぐ近くにお住まいのような感じの方だったわけで、そういった方が認識されていないわけですね。ですから、多分そのパンフレットというのは、ほとんど捨てられますよ。僕たちはチラシをたくさん配っていますけど、ポスティングしていますけど、ほとんど効果ないですね。何回も何回も繰り返し丁寧にお伝えをするという努力をしなければ伝わりません。ですから、そういった努力をぜひしていただきたいなというふうに思います。そういう努力を積み重ねていけば、理解も深まっていくんではないかというふうに思います。
 そもそも、この事業に関してなんですけれども、各委員から、神奈川県が管理しているところができていないから能力を発揮できない、本来五十ミリの護岸整備ができているんだけれども、三十ミリ程度しか稼働できていないんだよということであります。これは神奈川県の管理部分がきちんと五十ミリの河道整備ということができていれば、その調節池は五十より上回る部分を担当するということだと思いますけれども、本来であれば調節池ではなくて、河道を五十ミリにできるように広げるということが本来の事業であるはずであります。
 先ほどの答弁の中で、知事が神奈川県に宛てて要望書を出したということがございました。これは、その要望書を出して何かこの工事がさらに進むといったような結果を生み出すことができているのかどうなのか、この点についてお伺いします。

○東野河川部長 昨年、知事から神奈川県知事宛ての要望書を出してから、日ごろから県との調整会議の場で要請はしてまいりましたけれども、改めて神奈川県の部長級の管理職を含む方々とともに上流から下流まで一緒に川を見ながら、これからの計画、今事業を行っているといったところまで見せていただいたところでございます。
 引き続き、神奈川県に対して早期整備の促進につきまして要望を重ねてまいりたいと考えております。

○やながせ委員 要望しているというのはわかるんですけど、じゃあ、神奈川県の工事が進むのかということなんですが、これは何で神奈川県の工事は進まないというふうに認識されているのかお聞きしたいと思います。

○東野河川部長 神奈川県の説明によりますと、今後、非常に密集した市街地ですとか、鉄道の交差部でなかなか施工が困難な場所がある、あるいは河道の整備につきまして、二十キロメートルにわたって整備をしていかなければならないということをあわせ考えて、神奈川県からは三十年程度の期間を要するという説明を受けております。

○やながせ委員 そうすると、この三十年という期間の間は五十ミリ、六十五ミリはいうに及ばず、五十ミリも達成できないということになるんでしょうか。

○東野河川部長 やや仮定の話になってしまいますが、今の神奈川県の説明によりますと、今後三十年程度を要するという説明でございます。
 私どもとしては、それを促進するような方法を神奈川県に検討していただくことも含めまして、神奈川県と一緒に考えられることを考えながら、少しでも促進を図っていきたいというふうに考えております。今申し上げられることは、そこまでではないかというふうに考えております。

○やながせ委員 なかなか難しい問題だなというふうに思うんですけど、私は納得いかないですよね。都の部分は九八%頑張ってやったよ、さらに調節池もつくるよということで、都管理部分に関してはかなり大きな負担を東京都は負っている。ただ、その上流と下流にある神奈川県の部分はほとんどできていないということで、都のやっている効果も十分に発揮できないということですから、これはかなり政治的な問題だなというふうに思うわけでありますけれども、都は、ほかに何かできることがないのかなというふうに思います。
 多分、都はこういった河川の事業はかなり卓越したやり方というか、技術であったりとか、そういうものを研究してきたというふうに思うわけですけれども、そういった技術協力とか、何かほかにできることってないんですか。それをちょっとお伺いしたいと思います。

○東野河川部長 先ほど、神奈川県の整備が進んでいないというふうなお話の中で、現在の状況についてちょっと申し上げますと、県の管理区間の河道の整備状況は、二十八年度末現在でおよそ二一%程度となっております。また、河口から上流約十一キロメートル付近の横浜市泉区におきましては、約百万立方メートルの洪水調節機能を持つ境川遊水地の整備が平成二十五年度に完了をしております。
 このように、まだ先の長い話という中ではございますけれども、神奈川県としては百万立方メートルの遊水地の整備など、こういった取り組みも進めてきているというところでございます。
 繰り返しになりますが、東京都といたしましては、神奈川県の取り組みを促進するように要望するとともに、効率的に進められる何かよい手だてがあれば、積極的に提案、あるいは神奈川県と検討をともにしてまいりたいと、その用意があるということを申し上げておきたいと思います。

○やながせ委員 わかりました。難しい問題だなということはわかったので、僕なりにまた考えてみたいなというふうに思うわけですけれども、ちょっと陳情とずれましたので--ですから、やっぱり丁寧な説明をしているということでありますけれども、伝わっていない部分はあるということは認めていただいて、伝える努力を最後までしっかりやっていただきたいなと、このことを要望して、質問を終わりたいと思います。

○田の上委員長 発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○田の上委員長 起立少数と認めます。よって、陳情二九第一二八号は不採択と決定いたしました。

○田の上委員長 次に、陳情二九第一三三号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○細岡公園計画担当部長 資料8、陳情審査説明表の整理番号2、陳情二九第一三三号をごらんいただきたいと存じます。
 本件は、都立横網町公園内のトイレの改善に関する陳情で、大田区の小室利幸さんから提出されたものでございます。
 その要旨は、都において、都立横網町公園内の公衆トイレを衛生的な洋式トイレに改善していただきたいというものでございます。
 次に、現在の状況をご説明いたします。
 都立公園では、国内外から多くの来園者が見込まれる二〇二〇年東京大会の競技会場等となる公園や動物園及び庭園で、計画的にトイレの洋式化を進めております。
 その他の都立公園におきましても、トイレの新築、改築等の機会を捉え、洋式化を行っております。
 都立横網町公園内には、都が管理するトイレ一カ所と墨田区が管理する二カ所の公衆トイレがございます。このうち、都が管理するトイレにつきましては、平成三十一年度の改築の際に洋式便器を設置していく予定であり、墨田区の公衆トイレへの洋式便器の設置につきましては、区に協力を求めております。
 なお、都が管理する復興記念館内にあるトイレには、既に手すりや温水洗浄便座つきの洋式便器を設置しております。
 説明は以上でございます。よろしくご審査のほどお願い申し上げます。

○田の上委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○保坂委員 私からは、今陳情につきまして質問を二点、そして意見表明をさせていただきます。
 陳情願意にもあります都立横網町公園内の公衆トイレを衛生的な洋式トイレに改善してほしいという思いは、私もこの公園の一利用者として、気持ちは理解できるところでございます。
 まず、先に事実認識として、都立横網町公園内にある屋外トイレは三カ所、都と地元墨田区がそれぞれトイレを管理している。そして、都の管理トイレは公園の一番奥、私立安田学園側の奥の方に一カ所、そして、残り二カ所が北、南門近くにあります墨田区管理の公衆トイレであります。加えて、説明にもありましたが、公園内にある復興記念館にも都が管理するトイレがあると、屋内外合わせて四つトイレがあります。
 そして、今回の陳情にもありました屋外の三つのトイレ、この便器は全て和式ということで、ここも大変老朽化が進んでおり、異臭が感じられます。この三つの中で、都が管理するトイレは比較的外観はきれいであります。しかし、そのトイレ内は全体的に老朽化が目立っており、かなり外観とのギャップがあるのも否めません。どれも築三十年以上が経過しているということも伺っております。
 そこで、まずお伺いしますが、通常のトイレの衛生管理について、トイレ内、特に便器周辺からの異臭が感じられますが、都も定期的に清掃はされていると思いますが、改めて清掃内容、その頻度についてお伺いします。

○細岡公園計画担当部長 横網町公園内の都が管理するトイレの清掃は、週六回の頻度で実施しております。
 また、それ以外にも一日三回以上行います巡回時には、トイレ内の各ブースを点検して状態を確認し、汚れていた場合にはその都度、公園管理者が速やかに清掃を実施し、清潔な状態の維持に努めているところでございます。

○保坂委員 しっかりと管理されていると今答弁をいただきましたが、確かに公園そのものの管理は、私は非常にきれいで行き届いていると思っております。子供と一緒に行く機会が多いんですが、子供も遊べる子供専用のスペースもありますので、ごみもないということで、私も本当に非常に好きな公園の一つであります。ただ、老朽化が進んでいるというのも否めない事実でございます。
 ここでまた聞きたいんですけれども、質問の二点目ですね。都は、東京二〇二〇大会に向けて増加する外国人旅行者に加えて、高齢者、障害者のトイレ使用の利便性を高めるために都内の和式トイレの洋式化を推進していると。横網町公園の都が管理するトイレも、三十一年度に誰でもトイレ設置と洋式便器へ改修整備されることが既に予定されております。加えて、現在改修中の復興記念館にあるトイレも既に洋式化され、温水洗浄便座も設置されている。
 そこでお伺いしますが、都が管理するトイレ、平成三十一年度に改修を予定されていると伺っておりますが、改めてその内容についてお伺いします。

○細岡公園計画担当部長 横網町公園内の都が管理するトイレは、改築に向けて今年度に基本設計を実施いたしました。
 その内容としては、便器の洋式化を進めるとともに、新たにオストメイトやベビーベッド、ベビーチェアを備えた誰でもトイレを設置する予定でございます。

○保坂委員 オストメイトも、機能も非常に多機能なトイレに改築整備の予定があると今お伺いしました。
 墨田区が管理している残りの二つのトイレ、都のまさに管理の対象外である、都立公園でありながら区が管理しているこの二つのトイレなんですけれども、ちなみに区が今後、いつごろトイレを洋式に変更するかはまだ決まっていないと区から伺っております。
 しかし、全てのトイレが都の管理ではないとはいえ、忘れてはならないのは、墨田区が管理する二つのトイレは、両方とも幹線の蔵前通り、清澄通り沿い、かつ公園の玄関口に設置されております。したがって、まさにこの二つの、区が管理するトイレの方が公園の顔にもなる存在であるわけであります。区のトイレの洋式化への変更は、ぜひ都の方から、区に対して強制力はないんですが、お願いをいただきたいと思います。
 特に先ほども、冒頭の予算のときに説明がありましたが、その裏にある両国に両国リバーセンター整備計画が予定されており、ますます多くの方がこのかいわいに訪れるということでもありますので、都立の横網町公園というのは、存在価値が非常に高くなってくるということでもありますので、区のトイレも整備していただければ、公園全体のイメージが一新されますので、ぜひここは強く私から要望をさせていただきたいと思います。
 以上のことから、今回の陳情については、都立の公園ではありますけれども、都と区で管理者が異なるということは都民の皆様からすれば非常にわかりにくいとは思うんですが、実際、都が管理するトイレは洋式変更する改修工事が既に予定をされているということですので、我が会派としましては、今陳情に関しましては不採択を表明すると同時に、さきに述べた二つの要望の実施も重ねてお願いを申し上げまして、質疑を終わらせていただきます。

○河野委員 私は、意見を述べさせていただきたいと思います。
 都立横網町公園は、JR総武線や都営地下鉄大江戸線の両国駅の近くにあって、関東大震災、東京大空襲で犠牲になった人たちの慰霊堂、東京都復興記念館などがあることから、多くの人が訪れています。都が管理するトイレは改修し、洋式化するとのことが今ご答弁でありましたけれども、ぜひ促進を要望したいと思います。
 また、園内にある墨田区管理のトイレも二カ所あるということですが、私が使用した感じでは、墨田区の方が老朽化していました。墨田区との協力も大切だと思っています。
 今後、バリアフリーの観点からも、都立公園全体で誰もが使いやすいトイレの設置に建設局が努めていただくことを要望し、陳情は趣旨採択をお願いして意見とさせていただきます。よろしくお願いします。

○田の上委員長 発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○田の上委員長 起立少数と認めます。よって、陳情二九第一三三号は不採択と決定いたしました。
 以上で陳情の審査を終わります。
 以上で建設局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後三時五十九分散会

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