環境・建設委員会速記録第十六号

平成二十九年十二月十一日(月曜日)
第九委員会室
午後一時開議
出席委員 十三名
委員長田の上いくこ君
副委員長佐野いくお君
副委員長河野ゆりえ君
理事栗林のり子君
理事関野たかなり君
理事三宅 正彦君
平  慶翔君
やながせ裕文君
田村 利光君
宮瀬 英治君
原田あきら君
保坂まさひろ君
小磯 善彦君

欠席委員 一名

出席説明員
環境局局長和賀井克夫君
総務部長笹沼 正一君
環境政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務小原  昌君
政策調整担当部長松本 明子君
地球環境エネルギー部長小川 謙司君
都市エネルギー推進担当部長村山  隆君
環境改善部長松永 竜太君
環境改善技術担当部長近藤  豊君
自然環境部長須藤  栄君
緑施策推進担当部長金子  亨君
資源循環推進部長谷上  裕君
調整担当部長スーパーエコタウン担当部長兼務風祭 英人君
建設局局長西倉 鉄也君
次長片山  謙君
道路監三浦  隆君
総務部長今村 篤夫君
用地部長関  雅広君
道路管理部長杉崎智恵子君
道路建設部長奥山 宏二君
三環状道路整備推進部長辻  保人君
公園緑地部長日浦 憲造君
河川部長東野  寛君
企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務花井 徹夫君
総合調整担当部長鹿田 哲也君
道路保全担当部長田中 慎一君
道路計画担当部長加藤 直宣君
公園計画担当部長細岡  晃君

本日の会議に付した事件
建設局関係
契約議案の調査
・第百九十五号議案 下高井戸調節池工事請負契約
・第百九十六号議案 綾瀬川護岸耐震補強工事(その二十八)請負契約
付託議案の審査(質疑)
・第百八十二号議案  東京都立公園条例の一部を改正する条例
・第二百二十一号議案 東京都立葛西臨海公園の指定管理者の指定について
環境局関係
付託議案の審査(質疑)
・第百八十一号議案 都民の健康と安全を確保する環境に関する条例の一部を改正する条例
・第二百十二号議案 東京都立小峰公園の指定管理者の指定について
・第二百十三号議案 東京都高尾ビジターセンターの指定管理者の指定について
・第二百十四号議案 東京都御岳ビジターセンターの指定管理者の指定について
・第二百十五号議案 東京都御岳インフォメーションセンターの指定管理者の指定について
・第二百十六号議案 東京都立大島公園海のふるさと村の指定管理者の指定について
・第二百十七号議案 東京都立奥多摩湖畔公園山のふるさと村の指定管理者の指定について
・第二百十八号議案 東京都立多幸湾公園の指定管理者の指定について
・第二百十九号議案 東京都檜原都民の森の指定管理者の指定について
・第二百二十号議案 東京都奥多摩都民の森の指定管理者の指定について

○田の上委員長 ただいまから環境・建設委員会を開会いたします。
 初めに、契約議案について申し上げます。
 契約議案は財政委員会に付託されておりますが、本委員会所管分について、議長から調査依頼がありました。
 本件については、調査結果を財政委員長に報告することになっております。
 公文の写しはお手元に配布してあります。
 朗読は省略いたします。

平成二十九年十二月八日
東京都議会議長 尾崎 大介
環境・建設委員長 田の上いくこ殿
   契約議案の調査について(依頼)
 左記の議案について調査し、財政委員長にご報告願います。
     記
1 調査議案
 第百九十五号議案 下高井戸調節池工事請負契約
 第百九十六号議案 綾瀬川護岸耐震補強工事(その二十八)請負契約
2 提出期限 平成二十九年十二月十二日(火)

○田の上委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、建設局及び環境局関係の付託議案の審査並びに建設局関係の契約議案の調査を行います。
 これより建設局関係に入ります。
 初めに、契約議案の調査を行います。
 第百九十五号議案及び第百九十六号議案を一括して議題といたします。
 本案については、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○今村総務部長 去る十一月二十九日の当委員会において、契約議案に関して要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
 お手元の資料1、環境・建設委員会要求資料(契約議案関係)の表紙をおめくりいただきますと、目次に二件の資料の件名が記載してございます。
 一ページをお開きください。下高井戸調節池工事請負契約における入札経過でございます。
 この資料は、本請負契約における件名、落札者、落札金額、開札日、入札経過をあらわしたものでございます。
 二ページをごらんください。綾瀬川護岸耐震補強工事(その二十八)請負契約における入札経過でございます。
 この資料も、本請負契約における件名、落札者、落札金額、開札日、入札経過をあらわしたものでございます。
 以上で要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○田の上委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本案に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○関野委員 それでは、建設関係、ちょっと質問させていただきます。
 その中で、綾瀬川護岸耐震工事について質問をいたします。
 綾瀬川の耐震工事は、工事の延長や期間も長いことから、地域住民に配慮しながら工事を進めていくべきだという視点から質問をさせていただきますが、以前も他の河川の案件について確認したところですが、今回の案件についても再度ちょっと確認をさせていただきます。
 まずは、これまで行ってきた綾瀬川の工事について、地域住民から寄せられた課題、または対応についてお伺いをいたします。

○東野河川部長 東部低地帯におきましては、最大級の地震が発生した場合においても、津波等による浸水を防止するため、耐震、耐水対策を実施しております。
 綾瀬川では、計画延長十一・二キロメートルのうち、二十八年度までに五・六キロメートルの区間におきまして、耐震補強工事に着手いたしました。
 これまでの工事では、地域住民から、高い護岸に遮られて、音ばかりが聞こえて工事の作業が見えないなどのご意見がございました。
 このため、作業の手順や現在の進捗状況などの情報を適宜更新し、掲示するなどいたしまして、ご理解をいただいてまいりました。

○関野委員 今の答弁の中でも音ばかり聞こえて工事の作業が見えないなど、いろいろとどういったことをやっているのかなという興味が地域住民の方にもあるのかなというふうには考えているんですが、今回の工事についてですけれども、そういった情報提供とか、そういったものなんですが、地域住民の方に理解を得るために、どのような取り組みを行っているのか、この点についてお伺いいたします。

○東野河川部長 工事に当たりましては、低騒音、低振動の建設機械を使用いたしますとともに、コンクリートの壊しなど、大きな音の出る現場作業を極力少なくするなどの工夫を行ってまいります。
 また、完成時のイメージをよりわかりやすくして掲示いたしますとともに、洪水ハザードマップなど、地域の防災情報をあわせて掲示してまいります。
 引き続き、地域住民のご理解をいただき、東部低地帯の耐震、耐水対策の完了に向け、事業を推進してまいります。

○関野委員 わかりました。完成時のイメージとか、そういった図がわかりやすく掲示してあると、どういった工事をやっているのかなというのがわかってくると思います。
 また、洪水ハザードマップなども掲示しているということですから、ある意味、それだけ必要な工事だなということも地域住民には理解されるのかなというふうにも考えております。
 耐震補強工事の必要性を理解させるというところでは、そういった掲示物が大切かなというふうには考えておりますが、今回の案件はその二十八ということですけれども、今後も継続して綾瀬川については耐震補強工事を行っていく予定と考えております。
 その二十九以降、こういった工事を行うに当たって、事前に住民の理解だったり、住民説明等は行うと思いますが、できるのであれば、その二十九だったり、その三十だったり、そういった今後行っていく場所に対しても、いつごろというのはなかなか難しいですけれども、今後、ここの部分も河川工事を行うんだよというような事前の看板など、そういったものを設置しておくことで地域住民の理解も深まると思いますので、その点を要望いたしまして、私の質疑を終わらせていただきます。

○栗林委員 それでは、私の方から、第百九十五号議案、下高井戸調節池工事について何点か確認をさせていただきたいと思います。
 下高井戸調節池を整備する神田川を含めた神田川流域では、平成十七年九月四日の集中豪雨において、約三千六百棟の浸水被害が発生したように、これまでたびたび水害が発生して、流域に住む住民を苦しめてきたと思います。
 この平成十七年の集中豪雨、本当に都内が大変なことになりました。私も、地元世田谷では、野川という川が氾濫しまして、夜中まで対応したということは本当に今でも忘れることができないことでありますが、このとき、一気にさまざまな河川整備等も進められたと記憶しております。
 そこでまず、この神田川におけるこれまでの河川整備について伺います。

○東野河川部長 神田川では、昭和四十年代より、時間五十ミリの降雨に対処する河道整備を開始いたしまして、現在、新宿区の新隆慶橋上流、中野区の柳橋付近、杉並区の宮前橋上流の三カ所で河道整備を実施しております。
 こうした河道整備を基本といたしまして、高田馬場分水路など、四つの分水路、神田川環状七号線地下調節池などを組み合わせ、早期の治水安全度向上に向け、取り組んでまいりました。
 これら、長期間かけて整備いたしました河川施設のストックが効果を発揮し、神田川における浸水被害は、従前に比べ減少いたしました。

○栗林委員 今ご説明いただきましたように、神田川において、長期間にわたり着実に整備を進めて効果が出ているということは理解できました。
 河川では、これまで護岸整備だけでなくて、調節池などを組み合わせて整備したということでございますが、この調節池の効果、このことについて伺います。

○東野河川部長 調節池は、下流に未整備区間がある場合でも、整備完了後、即座に効果を発揮できるものでございます。
 例えば、妙正寺川では河川沿いに家屋が建ち並び、早期の河道整備が困難な箇所の上流部に、上高田調節池など四つの調節池を整備いたしました。
 調節池整備前の昭和五十七年と整備後の平成十六年の同規模の降雨による下流の浸水被害を比較いたしますと、昭和五十七年には二百六十七棟の被害が発生いたしましたが、平成十六年では約六万立方メートルの洪水を貯留した結果、河川からの溢水はございませんでした。

○栗林委員 本当に大きな効果があったということを確認させていただきましたけれども、この調節池の効果というものが非常に大きいということは理解いたしました。
 一方、神田川沿いの住民の方からですが、やはり神田川、また、環状七号線の地下調節池で、これで十分ではないのかという、そういったお声も聞いております。
 調節池の整備に当たっては、その必要性について、地域住民の十分な理解が必要であると考えますが、そこで、この下高井戸調節池の必要性について伺います。

○東野河川部長 調節池は、下流の河道整備に先行して設置することによりまして、未整備区間の治水安全度を向上させるとともに、そこを起点にいたしまして、上流に向けての河道整備を可能にするなど、水害を効率的に軽減する役割を担うものでございます。
 神田川では、環状七号線地下調節池の効果を担保に、その上流部におきまして、時間五十ミリの降雨に対応した河道整備を実施しておりますが、神泉橋から下高井戸調節池下流の永福橋間が未整備となっておりまして、都の水防計画において、水防上注意を要する箇所に指定されております。
 下高井戸調節池は、こうした下流の未整備区間における治水安全度を向上させるとともに、護岸整備は完了しておりますが、下流の流下能力に合わせ、河床掘削がまだ完了していない永福橋上流部の整備を実施する起点となる適地に位置しており、時間五十ミリ整備の早期実現に向けまして、必要不可欠な施設でございます。

○栗林委員 水防上、注意を要する箇所、こういったところに指定をされているということで、今、部長からも必要不可欠な施設であるというお話がございました。
 その必要性は理解はいたしますが、そうしましたら、下高井戸調節池の概要というものは、どういうものになっているのか伺います。

○東野河川部長 下高井戸調節池は、杉並区の都市計画公園、下高井戸公園の東側のエリア、約七千三百平方メートルの敷地に設置いたします貯留量約三万立方メートル、二十五メートルプールにいたしまして、約百杯分に相当する地下式の調節池でございます。

○栗林委員 貯留量三万立方メートルという、二十五メートルプール百杯分という大変わかりやすく表現していただきましたけれども、それだけ大きな調節池ということでございますが、また、下流の未整備区間をしっかり守るんだということもわかりました。
 一方、近年は先ほど触れました平成十七年の集中豪雨、また、本年は九州北部を襲った線状降水帯による豪雨などによって、雨の降り方が変わって、どんどん変化して、激甚化する傾向にもございます。
 そこで、都は、平成二十四年に河川整備の目標整備水準をレベルアップして、区部で七十五ミリ、多摩部で六十五ミリの整備を行うこととして、昨年度からはそれに対応する施設の整備に着手していらっしゃいますけれども、中小河川の治水対策は、とにかく喫緊の課題でございます。早期に効果を発揮できるように、効率的な整備が求められていると思います。
 そこで、下高井戸調節池の効果ですね。これを整備したことによって、どういう効果が生まれるか、確認させていただきます。

○東野河川部長 下高井戸調節池下流の未整備区間は、整備に今後十五年から二十年程度要する見込みでございますが、用地取得の必要がない杉並区の公園予定地を活用した本調節池の整備によりまして、約六年という大幅に短い期間で同等の治水効果を発揮いたしますとともに、上流の河床掘削にも早期に着手することが可能となります。
 河道の整備を推進することに加え、調節池を適切な場所に設置することによりまして、神田川の治水安全度を効率的、効果的に向上させ、近年、激甚化する降雨にも効果を発揮させてまいります。

○栗林委員 神田川の治水安全度早期向上に向けて、下高井戸調節池が非常に効果があるということを今ご説明いただきました。工期も大分縮減がされるということでございますが、地域住民の皆様にとっては、工期も六年間という、縮減されたとはいっても、やはり長期間になります。
 どうか、この効果をしっかりご説明もしながら、また、地元の方たちのご意見も受けとめながら、安全第一に十分配慮して進めていただきたいことを要望いたしまして、質問を終わります。

○原田委員 議案第百九十五号についてお聞きしたいと思います。
 この公園、東電グランドがあった土地で、原発事故後に杉並区へ売却され、公園となった地域です。この公園は住宅街の中にありまして、驚くほど広大な敷地を有しています。
 ここに三万立米の調節池をつくるとすればどうなるかと。当然、近隣住民は不安に駆られることになるわけです。大量の工事車両が細い家の前を通るのではないか、地下十メートルの空間を造成するのは相当の騒音となるのではないか、東京都としては、こうした不安の声にしっかりと応えていただきたいと思います。
 現在、大型トラックなどの工事関係車両はどのような経路を考えているか。

○東野河川部長 この調節池は、時間五十ミリの降雨に対し、治水安全度の早期向上を図ることを目的としております。
 工事関係車両の通行経路は、道路の幅員や歩道の有無等を勘案いたしまして、永福通りから区立永福中央公園前の区道を通り、永福自転車集積所の敷地内を通行するルートといたしまして、準備工事に関する地元説明会において説明させていただいたところでございます。

○原田委員 工事車両は、やむを得ない軽車両以外は、この狭い区道を通ることなく、例えば神田川の直上に仮設桟橋を設置し、永福通りから直接搬入できるようにすべきではないかと、そういう声が住民から上がっていますが、どうでしょう。

○東野河川部長 説明会ではさまざまなご意見をいただいておりまして、工事期間中の施工方法などにつきましては、引き続き技術的な側面も含め、地元の理解を得られるよう丁寧に説明をしてまいります。

○原田委員 引き続き丁寧な説明といった場合には、率直にいいまして、同じ経路が発表されて終わってしまうと思うんですね。ただし、今この問題、かなり地域住民の間で大きな問題となっております。
 私が先ほど申し上げましたように、狭い区道に十トントラック、もしかしたら二十トントラックなんてものを通すのは、私は合理的ではないと思いますし、地域の声は相当大きくなっていくことは間違いないですし、しかもそのルートは杉並区の施設を数年間にわたって中断させる、そういう負の効果もあるわけですよね。
 ですので、もう一度申し上げますけれども、神田川の上に直接仮設桟橋を設置して、橋のところから直接川の中に入って、そして工事現場に向かえるようなルートをつくったらどうかと申し上げたんですけれども、検討ぐらいはしたらどうですか。

○東野河川部長 貴重なご意見をいただいたと思っております。
 本件につきましては、いろいろなご意見がある中で、今後、地元の皆さんのご理解が得られるように丁寧に対応してまいりたいと考えております。

○原田委員 地元のご意見を伺って丁寧に対応すると。どうですか、丁寧な対応というところまで一歩踏み込んでいただいたわけですから、私はちゃんと検討の課題にその案を上げていくということは重要だと思いますよ。
 もう一度お答えください。検討の課題に、一つに上げていただくわけにはいきませんか。

○東野河川部長 工事用の搬入路の件につきましては、近隣のさまざまな住民の方々のご意見等ございますので、あらゆる角度から検討する必要がございますが、本件ご提案につきましても、関係者があることなどから、丁寧に対応していくというところでご理解をいただきたいと思います。

○原田委員 結構です。ぜひ丁寧に対応、そして検討していただきたいと思います。
 騒音や振動は相当のものが予想されますが、いかがか。一定の幅を持って家屋調査はもちろん、騒音対策にもしっかりと力を入れ、何か問題が起きたり苦情があったときには迅速かつ適切に現場が対応することを求めますが、あわせてお答えください。

○東野河川部長 家屋調査につきましては、工事着手前に一定の範囲内で実施いたしますほか、工事中は騒音、振動、地盤変動などの調査を実施いたします。
 また、騒音対策につきましては、これまで行ってきた工事と同様、低騒音の機械を使用するなど、可能な限り配慮してまいります。
 さらに、工事に際して近隣住民の方々からご意見や苦情があった場合につきましても、工事の状況について説明いたしますとともに、迅速かつ適切に対応してまいります。

○原田委員 大事な答弁をいただいたと思います。
 本議案は、水害対策として重要な事業であり、おおむねの理解を広く区民から得ています。
 しかし、近隣住民の環境負荷はかねてより指摘されていたもので、地元では重大な懸案事項となっておりました。今回、住民の声に耳を傾け、計画の変更を含めた検討に入ることが表明されたことは重要だと思っています。
 よって、本議案には賛成としたいと思います。

○やながせ委員 契約の議案の内容については、さまざまな委員から出ておりますので、私は契約のあり方そのもの、入札の経過について何点か質問したいと思います。
 まず、この下高井戸調節池工事についてでありますが、これ、大成を初めとする共同企業体が入札で落としているわけでありますが、安い価格をつけた西松建設と飛鳥建設、この二つの企業が低入調査に該当して、その結果、失格ということになっているわけでありますけれども、この事由を聞きたいと思います。

○今村総務部長 お話のあった低入札価格調査制度と申しますのは、その対象案件において、調査基準価格を下回る入札者があった場合には、当該契約案件の内容に適合した履行がなされないおそれがあるか否かを判断するため、落札決定を保留し、調査を行い、落札者とするか否かを決定する制度でございます。

○やながせ委員 この工事成績が失格となった基準の概要等、二者が具体的にどうして失格となったのか、この点についてお伺いしたいと思います。

○今村総務部長 初めに、工事成績失格基準と申しますのは、低入札を行った業者が過去三年間に施工した工事のうち、成績が六十五点未満のものがあった場合に、その業者を落札者としないというものでございます。
 本件におきまして、工事成績失格基準により失格となったのは、お話のあった一者は西松建設株式会社で、環二地下トンネル(仮称)築造工事で成績が六十三点でございました。
 もう一者は飛島建設株式会社で、善福寺川調節池工事(その二)で成績が六十一点でございました。
 いずれも工事成績が六十五点未満であったため、今回失格になったと財務局から聞いております。

○やながせ委員 これ、最低制限価格を設けずに低入調査をすることになったと。低入だと作業量は非常に多いですから、これを簡素化しようということで、過去三年間に六十五点未満の工事をしたことがあれば、これを一律失格とするという制度となったわけでありますけれども、これ、財務局の方と話をしましたけれども、何で六十五点なのかというところが極めて曖昧であります。
 財務局の答弁の中で、全体工事の平均の点数というのが大体六十九点ぐらいというふうにお伺いをしています。
 ただ、これも局によってばらつきがありまして、一番高い局では七十一点程度と。一番低い局では六十七点強ということで、六十七点、ちょっと建設局がどうなのかというのはわからないんですけれども、平均点として六十五点未満であれば一律として失格とするということであれば、これはなかなか厳しい制度なんではないかなというふうに思うわけであります。
 この六十五点という点数のあり方、これは入札改革のときにかなりいろいろと議論されているわけでありますけれども、この失格基準について、建設局としてどのように認識をされているのかということを聞きたいと思います。

○花井企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 低入札価格制度は、公共事業の品質確保と、その中長期的な担い手の確保、ダンピングの防止のために重要でございます。
 工事成績失格基準は、その実効性を確保していくため、入札手続を行う財務局が低入札価格調査をより厳格化するために導入したものでございます。
 今回の改革は一年間の試行といたしまして実施し、今後、業界団体の声も聞きながら、よりよい制度として見直していくと聞いてございまして、建設局といたしましては、その取り組みを注視してまいります。

○やながせ委員 ありがとうございます。財務局が決めたことですので、ただ、建設局の皆さんが現場を担っていらっしゃるわけでありますから、六十一点とか六十三点とか、点数をつけたのも建設局だというふうに認識をしております。
 これ、六十点未満であれば指名停止になるという明確な基準が示されているわけですから、つまり六十点以上であれば、都としては合格としてきたということなんですね。ただ、その合格点をとっていても、六十一点、六十三点を過去三年間に一回でもとったことがあれば一律として落としてしまうという制度は、ちょっとどうなのかなということで考えていかなければいけない論点なんではないかというふうに考えております。
 私は、基本的に入札制度改革については賛成をしています。一者入札のあり方も変えていかなければいけないというふうに思っているんですが、ただ、修正できるところは修正していきたいというふうに考えておりますので、ぜひ当局から財務局にも、また再び意見を上げていただきたいなというふうに思うわけであります。
 もう一つの議案についてでありますけれども、綾瀬川の護岸工事についてですが、これ、四者が応札、入札に参加するという意向を示したわけでありますけれども、三者が辞退をしているということであります。
 結果的に、これ、一者入札ということになっているわけでありますけれども、これについて局の見解を伺いたいと思います。

○今村総務部長 都は、電子調達システムにより入札手続を行っておりまして、入札参加者は、他の入札者の存在を知り得ない仕組みとなっております。結果的に一者入札となっても、競争性は担保されているものと考えております。
 また、辞退については、一般的に施工条件が厳しく、採算のとれないおそれのある工事や、予定していた技術者を配置できないといった場合には入札を辞退することが考えられます。

○やながせ委員 これ、結果的に競争性は担保されているんだというご答弁がありましたけど、私は余りそう思わないんですね。
 これ、そもそもやっぱり参加する時点で一者であればそれは認めないと。だけれども、結果として応札したのが一者であれば、それはいいよということは、システム上、これはしようがないということはあるんですけれども、これが競争性が担保されているのかといわれれば、私は担保されていないというふうに考えます。
 では、これ、どう対処していくのかということなんですが、かなり難易度が高くて、まず、三者が何で辞退をしたのかといったことをしっかりと確認をしていただきたいというふうに思います。
 これ、辞退理由というのは何か確認をされているのかどうかお伺いしたいと思います。

○東野河川部長 契約が不調となった場合には、再起工時の参考とするために、辞退者にヒアリングを行う場合がございます。
 本案件につきましては、落札者が決定した案件でございますため、入札を辞退した三者に対する辞退理由のヒアリング等は行ってございません。

○やながせ委員 ぜひこれは辞退理由を確認していただきたいなというふうに思います。これ、りんかいさんを初めとするこの共同企業体が受注しているわけでありますけれども、対岸の工事も実はりんかいさんがやっているというふうにお伺いをしました。
 そういったことが辞退に何らかの影響を与えているのかどうなのか、そういったことがちょっと想定されるわけでありますけれども、今いわれているのは、都が適切な積算ができないんではないかという意見をよく聞くわけであります。積算能力が徐々に減退していっているということを聞くわけでありますけれども、三者辞退しているというのは、私はちょっと異様なことだというふうに考えます。
 ですので、当初の予定価格の設定そのものが正しかったのか。ただ、これは事後公表ですので、後にならないとわからないわけですけれども、そのオリエンをするときに、その仕様であったりとか工事の概要、工事のやり方等々、業者の皆さんに対する説明は妥当性の高いものだったのかどうか、こういったことを、ぜひ、この辞退理由を確認することによって、精度をどんどん上げていっていただきたいというふうに思います。
 入札改革はまだまだ途上ということでありますので、こういったことを含めて、しっかりと現場の声を財務局等々には上げていっていただきたいと。このことを申し上げまして、質問を終わります。

○佐野委員 それでは、私からは、議案の第百九十五号について幾つか質問をさせていただきたいと思います。
 まず、いうまでもないことでございますけれども、議会としては、この議案は約三十九億円の公費を使うということで、これが適正なのかどうかをチェックするというのが我々の任務ということになると思います。
 もちろん、これを結果として認めた場合も、執行過程において使われ方というんですかね、これについては決算にあらわれますので、決算委員会もございますし、監査委員も執行過程、そして結果をチェックするという仕組みにはなっているということでございますが、このような観点からも幾つか質問をさせていただきたいと思います。
 まず、本工事は、先ほど栗林理事からかなり詳しい質疑がなされまして、全国各地で豪雨による被害が発生しておりますし、東京も例外ではありません。
 都民の命と暮らしを守るためには、中小河川の洪水対策を着実に進めていくことが不可欠だということに、こういう背景であるなと思っています。
 そして、必要性と効果についても十分質疑が今されたところですけれども、改めて、まとめて本工事の目的、そして必要性とその整備効果について伺えればと思っています。

○東野河川部長 この調節池は、時間五十ミリの降雨に対しまして、治水安全度の早期向上を図ることを目的としております。
 この調節池の整備によりまして、永福橋から下流の未整備区間の治水安全度が向上いたしますとともに、既に護岸整備が完了している上流側につきましても、河床掘削が可能となるものでございます。
 早期に治水安全度を向上させるために、不可欠の施設であると考えてございます。

○佐野委員 目的、そして必要性については不可欠であると。もちろん、ひとたびこの河川が溢水すれば、家屋が浸水いたします。相当の被害が及ぶということで、これについては費用対効果というのは極めて高いということは一般の方でも十分理解をできますし、先ほどの栗林理事からの詳細な質問の効果については必要不可欠であると。
 私も技術屋をしておりましたので、流域の面積、そして流出係数、流速、そしてその時間雨量等で計算すれば、どこが危険かとか、こういうことがもちろん出てくるわけでございます。この上で必要不可欠であると。
 そして、この調節池をつくることによって、護岸の整備よりも早く整備が--非常に効果的だろうというふうに思います。
 ただ一つ、例えば、前に私が市議を務めていたときに、道路の整備のときに、一体これだけの公費を使うものに対して、地域への経済的効果はどうなのかというような質問が出たことがございます。
 経済効果ということで、なかなかはかりにくいかもしれませんが、もちろん三十九億円を投入することによる経済効果というのは大きなものがあると思います。ただ、このお金を、例えば材料費で外国のものを買ってしまったら外国にお金が行ってしまうだけです。
 それから、地域での業者ではなく、他県の業者さんにこの発注が行ってしまえば、もちろんそれだけ地域にお金が落ちないということになりますので、こういうところもぜひ住民の方に、この効果は経済的にもこういう効果があるということも私は説明が必要なんじゃないかというふうには気がしますが、これはちょっと研究課題にしていただければと思っています。
 次に、先ほども原田委員さん、そして栗林委員さんからもいろいろ今回の工事の内容について質問がありましたけれども、今回の工事の特徴とか、ここならではの工夫点、特に配慮した点等があればお聞きしたいと思います。

○東野河川部長 この調節池は、杉並区の都市計画、下高井戸公園の東側のエリア、約七千三百平方メートルの敷地に設置をいたします縦五十五メートル、横百十三メートル、深さ十メートル、貯留量三万立方メートルの地下式の調節池でございます。
 将来、多目的スポーツコートとして利用される部分の地下を有効に活用するものでございまして、地上部に設置する管理棟など、施設の配置に当たりましては、区の公園計画と十分に整合を図ったものでございます。
 周辺には、都立中央ろう学校を初め、学校が複数ございまして、通学路も多うございますことから、交通誘導員を適切に配置するなど、安全面に最大限の配慮をして施工してまいります。

○佐野委員 ありがとうございます。これまでも、こういう都内の調節池の工事も経験しているわけでございますので、これまでの経験を、あるいはノウハウを十分生かしていただいて、効果的、効率的かつ安全第一で、また住民に丁寧に説明しながら進めてほしいと思っています。
 最後に、入札の手続について質問をさせていただきたいと思いますが、先ほど、やながせ委員さんからの質問もございましたけれども、ちょっと観点を変えまして、今回の入札については、局としてはこの落札についてどう評価をしているでしょうか。

○東野河川部長 本件につきましては、十者が応札いたしまして、このうち二者が低入札調査の対象となり、失格となりました。さらに、一者が予定価格を上回る応札額でございました。残る七者のうち、最も応札額が低かった者を落札者としたものでございます。
 入札手続はルールにのっとって適切に行われ、落札者が決定したものと認識をしております。

○佐野委員 入札手続が適切に行われたということは理解いたしました。
 私も入札経過調書等で金額をいろいろ見てみたんですけれども、結果として予定価格よりも低かった。そして、低入札調査の対象となる調査基準価格をわずかに上回るような落札額、これ以上ない価格での落札ではないかと私は思っています。
 応札の状況を見れば、予定価格も適正な水準の積算だというふうに見ることができるということだと思います。
 これ、先ほども話がありましたが、現在、入札改革が行われて、試行が行われていますけれども、私は一つのよい例ではないかと思います。
 何かと入札改革、一部の事例を取り上げて批判等もありますけれども、こういう適正に価格が設定され、そして何者も応札があって、それぞれが価格帯、非常に近いところで応札があって、結果的に落札が九〇・七%ぐらいですか、こういう例もあることをしっかりと今後の入札改革に生かしていただければということを一言申し上げて、質問を終わります。

○河野委員 資料を出していただいてありがとうございました。
 私は、第百九十六号議案、綾瀬川護岸耐震補強工事請負契約について質問します。
 入札状況の資料では、四者のうち三者辞退で、結果は九八・五%の落札率、五百五十六・九メートルの護岸耐震補強工事の契約額は二十三億七千六百万となっています。
 やながせ委員が質問されましたが、三者辞退、この背景などについて、建設局としても把握されることが今後必要であると、そういう見解を持っておりますので、意見として最初に申し上げておきます。
 東日本大震災の後、二〇一二年に建設局が東部低地帯の河川施設整備計画を策定し、二〇二一年度までの十カ年間で水門、排水機場、防潮堤、護岸を、最大級の地震が発生した場合でも各施設が機能を保ち、津波などの浸水被害を防止する目的で耐震化を進めてこられました。
 東部低地帯の河川施設整備計画に基づいて、二〇一二年から取り組まれてきた綾瀬川護岸耐震化の進捗状況は、どのような到達になっているのかお示しをいただきたいと思います。

○東野河川部長 綾瀬川では、計画延長十一・二キロメートルのうち、平成二十八年度までに五・六キロメートルの区間におきまして耐震補強工事に着手をいたしました。
 二十九年度までに、本契約案件を含め、合わせて約六割を事業化することとなります。

○河野委員 綾瀬川の護岸耐震化は、初めに述べましたように、二〇二一年度が完了年度になっています。
 今年度までに約六割事業化着手ということでありますが、残る期間が四年余りとなった現在、計画に基づく完了の見通しはどうなんでしょうか。

○東野河川部長 現在、残る区間につきましても、順次、調査設計を行っているところでございます。
 引き続き、平成三十三年度までの事業完了に向け、計画的に整備を進めてまいります。

○河野委員 私が住んでいます江戸川区は、かつてはハス田などが多くあった田園地帯で、地盤は軟弱といわれています。
 東部低地帯の広い範囲が軟弱地盤で、葛飾区を東西に流れている中川の地盤などは、軟弱の特徴が顕著だと聞いています。
 綾瀬川は、位置的には埼玉県に近い北の方を流れておりますが、中川と比較して地盤の特性はどのような状況なのでしょうか。

○東野河川部長 綾瀬川の東京都区間は、中川と同様に沖積層と呼ばれる軟弱な地層から成っておりまして、液状化層も存在しております。
 設計に当たりましては、地質調査を実施いたしまして、地層ごとの土の性状や液状化層の厚さなど、地盤状況を把握しております。

○河野委員 もう一点お聞きしておきます。
 東部低地帯の河川施設整備計画は、防潮堤、水門の対策延長は合計八十六キロメートル、水門、排水機場などは合計で二十二施設の耐震化、浸水防止を定めております。
 綾瀬川を含むこの計画の施設の耐震、耐水対策の取り組みは、どういう到達になっているのかもお示しいただきたいと思います。

○東野河川部長 都は、平成二十四年の計画策定後、速やかに対策に着手し、二十八年度までに隅田川や旧江戸川などにおきまして、防潮堤延長の約五割となる二十・五キロメートル、水門、排水機場、二十二施設のうち、大島川水門など、約三割となる六施設におきまして、対策が完了いたしました。
 また、水門より内側の中川などの護岸につきましては、二十八年度までに三・八キロメートルが完了いたしました。
 引き続き、防潮堤や水門につきましては三十一年度、また、水門より内側の護岸につきましては三十三年度の完了に向けて、全力で取り組んでまいります。

○河野委員 建設局が取り組んでいる東部低地帯の河川施設整備計画は、重要な防災対策として期待されています。
 ご答弁にありました液状化層のことなどもありますから、完了目標の年度が残り四カ年余りになっておりますので、引き続くご努力をお願いし、議案に賛成であることを表明して、質問を終わります。

○田の上委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○田の上委員長 異議なしと認め、契約議案に対する質疑は終了いたしました。
 お諮りいたします。
 本案は、いずれも異議のない旨、財政委員長に報告したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○田の上委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
 以上で契約議案の調査を終わります。

○田の上委員長 次に、付託議案の審査を行います。
 第百八十二号議案及び第二百二十一号議案を一括して議題といたします。
 本案については、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○今村総務部長 去る十一月二十九日の当委員会において、付託議案に関して要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
 お手元の資料2、環境・建設委員会要求資料(付託議案関係)をごらんください。
 一ページをお開きください。都民一人当たりの都市公園面積の推移でございます。
 この資料は、平成二十年から平成二十九年までの都民一人当たりの都市公園面積を区部、多摩部別にあらわしたものでございます。
 以上で要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○田の上委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本案に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○保坂委員 私からは、第二百二十一号議案、都立葛西臨海公園の指定管理者の指定について、質問をさせていただきます。
 葛西臨海公園に隣接する下水道局用地に、東京二〇二〇大会での競技の一つでありますカヌースラローム会場が設置されるという今話題の公園ともなっておりますが、葛西臨海公園におきましては、葛西海浜公園に近い東側を中心に、希少な鳥類、昆虫類などがいて、都内でも珍しい自然が残っている公園でもあります。江戸川区が、開発時に住民と話し合いを重ねて東京都とつくった自然が豊かな公園とも聞いております。
 二〇一六年の東京オリンピック・パラリンピック大会招致のときから、計画にカヌースラローム会場が公園内に予定され、そして地元では自然の保護、このために別の場所に設置できないかという要望も出されて、都と協議を重ねてきた経過があるとも聞いております。
 今回の指定管理者は、以前より指定されている東京都公園協会でありますが、そういった地元要望や自然保護の観点を従来からの指定管理者が認識しているのか確認をします。

○日浦公園緑地部長 東京都公園協会は、平成十八年度から葛西臨海公園の指定管理者として当公園の管理運営を担っており、これまでも園内にある鳥類の生息地や希少な植物の保全、自然環境の普及啓発に取り組んでおります。
 今回の選定において提出された事業計画書でも、臨海部の貴重な自然の保全と普及を管理運営方針として掲げており、葛西臨海公園に残された貴重な自然に配慮した管理を行うとしております。

○保坂委員 地元江戸川区民や都民の皆様からも、都内で豊かな自然が残っている公園に対して高い評価があると認識しています。
 バードウオッチングなども定期的に行われており、希少種を大事にする地元の方の声も聞いており、もちろんオリンピック・パラリンピック大会の成功は大変重要ではありますが、ぜひ自然環境に十分配慮した公園管理を徹底していただきたいと要望し、次の質問に入らせていただきます。
 葛西臨海公園は、水族園や大型の観覧車を有し、土日を中心に家族連れでにぎわっている公園でもあります。また、マラソン大会や音楽祭などのイベントも行っている都民の利用が非常に多い公園と認識しています。
 東京二〇二〇大会の会場と隣接する公園内で、更新のための建設工事がもう始まっているということでございますが、利用者が多いと思われるこの公園で、当該工事、またはカヌースラローム会場の設置のための工事による影響を都及び指定管理者はどのように認識をされているのかお伺いします。

○日浦公園緑地部長 葛西臨海公園は、多くの方が訪れる公園であり、平成二十八年度には約三百七十五万人もの来園がございました。
 当公園の隣接地では、二〇二〇年東京大会のカヌースラローム競技会場の整備が行われております。また、園内におきましても、競技施設への接続部の整備や主要動線のバリアフリー化、建築物の改修などが行われております。
 これらの工事が行われる中、利用者に配慮した管理が必要でございまして、こうした状況を十分に認識しているとともに、施設管理や利用状況に精通している現在の管理者である東京都公園協会を指定管理者候補者として選定をいたしました。

○保坂委員 勝手はわかっているということで、再三ではございますが、十分な安全性の確保と同時に、最大限従来の利用ができる体制を整えていただきたいと要望して、最後の質問をさせていただきます。
 海浜公園の指定管理者の指定が経済・港湾委員会に付託されております。葛西臨海公園渚橋から南が葛西海浜公園となっており、港湾局の所管となっているためであります。
 利用者から見ると、両公園が縦割りで所管が違っているわけではございますが、委託事業者は同じなのかどうか、そして、例えば樹木の管理、清掃、救急体制など、所管が異なれば予算も異なる、そのことから両公園の維持管理コストに影響を及ぼすとも考えます。
 同じ指定管理者が管理するのであれば、どのようなメリットがあるのかもお伺いします。

○日浦公園緑地部長 お話のように、葛西臨海公園は建設局、葛西海浜公園は港湾局が所管しておりますが、両公園とも東京都公園協会が指定管理者となっております。
 東京都公園協会は、両公園の草刈りと園地清掃の契約を一括して発注し、維持管理作業の効率化を図っております。
 また、両公園でそれぞれの特性を生かしたイベントを同時期に開催することで、にぎわいを創出し、公園の魅力を向上させております。

○保坂委員 同じ事業者ということで、同事業者への発注におけるスケールメリット、特にコスト面での効果があるとも理解できますし、効率面から引き続き港湾局とも連携して、公園協会がより管理しやすい環境をつくっていただきたいと思います。
 そして、先ほどほかの事案でも各皆さん、委員からも要望があったと思いますが、工事に関しまして、利用者、もしくはその地域住民にわかりやすい情報提供、公園内に完成イメージ図を掲示したりとか、ホームページだと大分利用者が限られますので、ぜひ公園の利用者、そして住民に情報公開という形で、公園の中にイメージを設置するとか、こういうふうになります、こういう過程で工事は進んでいきますというような情報を積極的に公開をしていただきたいと要望して、質問を終わります。

○原田委員 まず、議案第二百二十一号、葛西臨海公園の指定管理者の指定についてお聞きします。
 そもそも公共性が非常に高く、また、震災時は避難や救援活動の拠点となる都立公園の管理に指定管理者という制度はなじまないのではないかという考えを持っています。
 中でも、この葛西臨海公園の事業は、他と比べて特殊な内容を持っているのではないかなと思っています。
 まず、葛西臨海公園は防災グループに属する都立公園とされています。
 そこでお伺いします。防災公園グループとは何か伺います。

○日浦公園緑地部長 防災グループの公園は、東京都地域防災計画において、発災時に自衛隊、消防、警察等の広域支援、救助部隊等が被災者の救出救助を行うための大規模救出救助活動拠点に指定されているもので、これらの公園を一つのグループとしたものでございます。

○原田委員 なかなか大変な任務を帯びた公園なわけですよね。ところが、この公園は大変な任務を帯びているだけでなく、大変な課題も持った公園でもあります。それは海のそばだという点です。
 お聞きしますが、この公園は広域避難場所となっていますが、大震災などがあった場合、高潮や津波の被害が予想される地域でもあると聞いています。その場合は、公園としては来園者や避難者に対してどのように対応するのか伺います。

○日浦公園緑地部長 地震による大きな揺れがあった際には、来園者に対して緊急放送などにより直ちに防潮堤の内側への移動を促すとともに、地震発生後に公園に避難されてくる方々には、第一駐車場や芝生広場などへの避難誘導などを行うこととしております。

○原田委員 それこそ江戸川区の最南端に位置し、東に旧江戸川、西に荒川、南に東京湾、三方が水に囲まれた場所であります。
 単なる公園とは異質の任務に当たることになると考えますが、その点、もうちょっと詳しくお答えください。

○日浦公園緑地部長 海に面した公園であることから、高潮や津波からの来園者等への安全確保が重要でございます。
 そのため、葛西臨海公園の震災時応急対応マニュアルで津波に対する対策を定めておりまして、現在、港湾局の方で進めております高潮の浸水想定区域図等の策定を踏まえまして、今後、高潮や津波等に特化した、限られた時間の中で避難する、避難誘導訓練を行う予定でございます。

○原田委員 タイムライン訓練というものですかね。公園協会は、防災上の対策をどのように計画しているのか伺いたいと思います。

○日浦公園緑地部長 先ほどの答弁をちょっと訂正させていただきたいと思いますけれども、現在、高潮の浸水想定区域図の策定を、港湾局が策定を進めていると表現させていただきましたけれども、港湾局と建設局でつくっているということで訂正させていただきたいと思います。
 それから、防災上の対策ということでございますが、防災公園グループを管理する公園協会では、発災時に備えた参集体制の確保や実践的な訓練等により、発災時に迅速な初動活動ができる体制を構築してまいりました。
 実践的な訓練といたしましては、地元区や自治会等と連携した避難訓練や、防災トイレや、かまどベンチ等の設営、稼働訓練の実施、迅速かつ的確なヘリポート確保のための関係機関との合同訓練をこれまでも実施してきておりまして、今回の事業計画におきましても、引き続き実施する計画となってございます。
 また、新たな取り組みといたしまして、公園内の水族園や大観覧車、ホテル等と連携した帰宅困難者の避難訓練ですとか、津波を想定した避難誘導訓練ですとかを計画するとともに、二〇二〇年東京大会に向けまして、防災ホームページや防災公園総合ハンドブック等の多言語化の実施を計画しております。

○原田委員 本当にいろんなことをやってくれているのはよくわかりました。
 東日本大震災の折は、津波が押し寄せる最後まで防災無線で訴え続けた女性職員の話がありました。緊急時には行政が体系的に整った活動を冷静に遂行していくことが求められます。このことを考えると、今いわれたような数々の任務というのは、本来はやはり行政が直接担うべき重たい仕事なのではないかなというふうに考えます。
 この指定管理には、先ほどもお話がありましたが、もう一つ特殊な任務が課されています。オリンピックの競技種目、カヌースラローム会場が隣接して整備される予定ですが、この公園の指定管理者としては、どのような連携が必要と考えられるのか。

○日浦公園緑地部長 現在、カヌースラローム競技会場が整備中で、園内でも競技施設への接続部の整備や園路、施設の改修工事が実施されておりまして、大会開催後までの着実な運営が必要でございます。
 このため、工事中は来園者の安全確保を図ってまいります。また、大会開催時には競技観覧者を初め、国内外から多くの来園者が見込まれるため、多言語によるガイドサービスや円滑な誘導が図れるよう連携を図ってまいります。

○原田委員 やはり聞けば聞くほど特殊な任務を課された公園だと思うんですよね。連携が重要とのことですが、そもそもこれほど重要な任務を抱える当該公園は、私は直営が望ましいと考えますが、どのように考えますか。

○日浦公園緑地部長 現在、都立公園等では、施設の管理について創意工夫ある企画や効率的な運営などにより、利用者の多様なニーズに応え、質の高いサービスの提供を図り、効果的、効率的な管理運営を目指していくために、指定管理者制度を導入しております。
 東京都公園協会は、平成十八年度から指定管理者として葛西臨海公園を管理しており、管理運営状況も良好でございます。
 また、二〇二〇年東京大会開催に向けた準備や大会開催時の運営など、適切な管理運営が期待され、引き続き東京都公園協会を指定管理者として、葛西臨海公園の管理運営を行ってまいります。

○原田委員 創意工夫をといいますけれども、防災、緊急時の避難、誘導、国際的なイベントの連携、私は、これは本当に委託していい仕事なのかということが問われると思います。
 本議案は、葛西臨海公園の指定管理者を公園協会に指定するもので、公園協会のこれまでの努力には敬意を払うものであります。
 しかしながら、防災グループに属する都立公園を都の監理団体とはいえ指定管理者に委託するということは、緊急時において万全の体制とはいえないと指摘するものです。また、そこまで課すべきではないとも指摘したいと思います。
 防災機能の確保、委託がえごとに途切れることのない地域との強い連携、国際的なイベントに支障を来さないような強い緊張感と必要に応じた人員配置ができるなどの利点を考えれば、防災グループの指定管理は行わず、行政は直接責任を負うことが求められると思います。
 よって、議案第二百二十一号には反対としたいと思います。
 次に、東京都立公園条例の一部改定について、議案第百八十二号についてお聞きします。
 本条例改定は、都市公園法の改定に基づいて行われるものです。この都市公園法改定といえば、何といってもパークPFIの導入が目玉となるわけですが、そのほかにも重要な改定のポイントがあります。
 まず、都市公園法の改定のポイントについて伺います。

○日浦公園緑地部長 平成二十九年六月に、社会情勢の変化や都市公園の再生、活性化を推進するため、都市公園法が改正されました。
 その内容は、飲食店、売店等の公園施設の設置または管理を行う者を、公募により決定する手続を規定した公募設置管理制度が創設されました。
 また、これまで国家戦略特別区域法の特例のみで設置が可能でありました保育所等が都市公園法の占用物件に追加されました。
 さらに、住民一人当たりの都市公園面積の算定方法の見直し、公園の活性化に関する協議会制度の創設などでございます。

○原田委員 国が発行した法改定のポイントを読みますと、これまでは行政が計画をつくり、それに基づいてカフェやレストランなどの飲食施設を民間に委託するなどしていましたが、新設された公募設置管理という制度を利用しますと、行政が公園とその公園の区域を指定すると、計画は手を挙げた事業者がつくり、自治体がその区域の公園整備とともに飲食施設などの整備費も出さなくてもよくなるといいます。
 なるほど、これなら行政も民間事業者ももうかって一石二鳥、公園利用者も公園がきれいになって一石三鳥というわけなんですけれども、行政はそんな話に簡単に乗っていいものなのか、ここが私のきょうの質問の肝であります。
 そこでお聞きします。
 昭和三十二年、今からちょうど六十年前、都市公園法が設立されました。まず、都市公園法の目的は何だったか。

○日浦公園緑地部長 都市公園法の目的でございますけれども、都市公園の設置及び管理に関する基準等を定めて都市公園の健全な発達を図り、公共の福祉の増進に資することでございます。

○原田委員 都市公園の健全な発達と答弁されましたが、公園が健全であるなんていうのは今では当たり前の話なんですが、わざわざこのように法律がつくられた背景には、公園というものが当時、不健全な発達を遂げていた実態があったからなわけですよね。
 そこでお聞きします。
 都市公園法以前の公園の実態について、どのような状況だったのか、都の知見があれば伺います。

○日浦公園緑地部長 公園は明治六年の太政官布達によりまして、初めて設置されたものでございます。この布達は、公園設置の法的根拠にすぎず、管理についての基準を示すものではございません。
 都市公園法制定以前の法令の中には、管理に関する規定は断片的に存在はするものの、公園行政を一定の目的のもとに、体系的に規定するものではございませんでした。
 さらに、戦後の混乱期において、公園の効用と何ら関係のない施設ですとか工作物などの物件が設けられ、公園を廃止し、他の用途に使用する例も多く見られました。
 こうした状況に対処するため、昭和三十一年に都市公園の設置及び管理に関する基準等を定めました都市公園法が制定されたものと認識しております。

○原田委員 詳しく答弁していただきました。公園というものは、西洋文化を取り入れてつくられた当時新しい概念だったわけですが、当時も実は民間事業者がその運営を担うことが多かったと聞きます。公園と民間事業者のかかわりは、むしろ今よりも深かったというべきです。
 そうした歴史を持ちながら、なぜ公園の民間運営は都市公園法の創設で否定されたのか、さきの答弁ではわかりにくい部分もあったかもしれません。
 具体的に、公園の中に何がつくられていたのか、その名残ともいえる条文が都市公園法の中に今でも記載されているんですが、それがどのような施設か、都はご存じでしたら追加でお答えください。

○日浦公園緑地部長 都内におきましては、終戦後、戦没者の引揚者用の簡易住宅ですとか、農地での利用が確認されております。

○原田委員 などといいましたけれども、今のような、戦後の混乱期、やむを得なく公園に住むというようなものばかりじゃないわけですね。
 都市公園法の名残といいましたけれども、今でも都市公園法の中に書いてあります。キャバレーや競馬場、住宅の建設など、民間に当初任せていた公園は、数十年たつ間にやりたい放題の状況が続いてきてしまったわけですね。
 民間に任せれば営利活動を中心にして管理運営が安く上がって行政も助かるし、公園利用者にとってもいい環境になる、そのような楽観的なものでないことは、歴史が証明しているわけです。もしも民間に任せるならば、かなりの法令による縛りや行政による管理監督が必要だということを物語っていると指摘します。
 さて、今回のパークPFIを待つまでもなく、全国各地で、公園の中で民間事業者の出店が相次いでいます。よく知られているのが、大阪は天王寺公園、略称てんしば。これは市の事業ですが、それまで下町感あふれる公園だったのを改修し、中心に七千平米の芝生広場、その周りをぐるっとカフェやレストラン、有料のフットサル場や有料ドッグラン、いわば有料の児童館までつくられました。下町感あふれる公園が、食と遊びの巨大モールに生まれ変わった。公園としての機能ががらっと変わってしまったわけですから、これは驚かれました。
 福岡市、天神の水上公園というところでは、何とそれまでの公園敷地面積の三〇%を超えるレストランがつくられました。
 まず、現行法、通常二%の公園内の建蔽率を市が二二%まで緩和、それでもレストラン計画に足りないので、川向こうにある公園を廃止して水上公園の一部としたことで、レストランの土地を公園全体の二二%以下に抑えることに成功したというわけです。
 賃料は本来なら平米単価四千五百円のところを、なぜか九百円で西鉄系会社に貸し出しました。このように、現行法でも民間事業者の利益と都市公園づくりが一体となった公園整備が行われているわけです。
 今回の法改定は、さらに行政の管理監督が弱まり、事業者の計画に基づいて緩和された建蔽率で公園が整備され、その後の公園での商売が許可されるという、都市公園法にとっての重大な岐路となります。
 そこでお聞きします。
 今、公園という空間が再び民間事業者の利益の的として注目されています。東京都は、このことの認識を持っていますね。

○日浦公園緑地部長 多様化するニーズに応えていくために、公園を活用し、その魅力を高めていくということが重要でございます。
 その手法として、民間のアイデアですとかノウハウを活用することが有効であると認識しております。他の自治体において、公園の再整備や魅力の向上、効率的、効果的に行うために、民間事業者を活用しているということは把握しております。
 都におきましても、これまで民間事業者を活用し、上野恩賜公園のカフェや駒沢オリンピック公園のレストランを導入しておりまして、公園の魅力アップや公園の活性化に寄与しております。

○原田委員 いろいろと民間委託のメリットをお話しいただいたわけですけれども、私の質問は、公園という空間が民間の営利の空間として注目されているということを認識していますかと聞いたわけです。それはそのとおりなんじゃありませんか。
 民間企業が営利を求めている、このことを、ある意味で危機管理意識として東京都が認識しているかいないかは重要なことなわけです。民間事業者が全て奉仕の心でとんとんでやってくれているわけではありませんよね。
 もう一度お聞きしますけど、公園が企業の営利の場として注目されているということ自体は認めますよね。

○日浦公園緑地部長 民間企業でございますから、当然営利を目的としているということはお話のとおりかと思いますけれども、そういった営利をどう公園に還元するか、そういうことが大事なのかなと思います。
 東京都においては、民間のカフェですとかレストランについては、そのもうけた分というか、収益の一部を公園の魅力アップですとか、公園の活性化に寄与しているということでございます。

○原田委員 そうなんですよね。そもそも国交省の都市公園法の改正のポイントで、パークPFIの特徴として、はっきりと民間事業者が事業の収益性を高めるためというふうに書いてあるわけですよね。
 反対派からすれば、それは公園という土地を企業のもうけ口として差し出している姿勢に見えるわけですけれども、推進派からすれば、それは公園を飲食施設等と一体的にセンスよく、しかも公費負担を軽減して整備できるメリットとして受けとめているわけですよね。やましいことを考えているのでなければ、公園という空間を営利の目的とすることは否定することじゃないと思うわけですよね。
 むしろ、民間事業者が営利を求めるのは当たり前で、東京都はその活力を利用しようとしているのであれば、都市公園としての機能は都として適切にマネジメントしていきますと、そういうふうに答えていけば私はいいと思うんですよ。
 民間事業者を公園に入れるという行為は、実は古くから行われてきました。それ自体は否定されるものではないと思っています。
 しかし、大きな資本が入ってくるとなると、小さな売店、コミュニティカフェや月に一回のフリーマーケットといった牧歌的な話ではなくなってくることもあります。そこを気をつけなければいけないわけです。戦前の都市公園法以前の状況に陥らせてはならないというところに、ちゃんと営利を入れるからにはマネジメント、リスクアセスメントをしていかなきゃいけないという話だと思うんです。
 都市公園法の改正についての国土交通省のポイント解説では、高まるとされた公園利用者のメリットは、老朽化し、質が低下した施設の更新が進むことで、公園の利便性、快適性、安全性が高まるという説明だけです。景観の確保とか広域的な都市公園のゾーニング、防災上の機能維持など、公園が本来持つ多様なニーズの実現の場、防災機能などがどう守られるのかについては、余り説明がないように感じます。
 そこでお聞きします。
 東京都は、都市公園法改定を受けて都市公園本来の機能は守られると考えているか。どのように担保されると考えているかお答えください。

○日浦公園緑地部長 都市公園法そのものが、都市公園の健全な発達を図るために都市公園の設置及び管理に関する基準を定めているということでございまして、この法律に基づいて公募設置管理制度というものが創設されたというわけですから、本来の機能は担保されているというふうに考えております。

○原田委員 あっさりと公園本来の機能は制度どおりに進めば担保されるんだといってくれたわけですけれども、これは、それだけではなかなか安心できる話じゃなくなってくると思うんですよね。
 例えば、都市公園法改定を先取りしたような先ほどの天王寺公園を見ると、本当に都市公園の機能は担保されているのか不安になる部分も出てきます。それは私だって井の頭公園に行ったときとかに、公園の中におしゃれなカフェがあったら子供と一緒に入って、わざわざ園から出なくても大丈夫かなとか、そういうことはありますよね。しかし、そんなかわいい話だけで済まなくなってくるんじゃないかという心配も出てくるわけです。
 気になったのは、この天王寺公園でいうと有料施設です。フットサル場でいうと、東京都の城北中央公園なら無料ですし、ずっと広いサッカー場でも都立公園条例で使用料、一時間三千六百円と定められていますが、この天王寺公園は一時間一万円です。土地から買ったら話にならないわけですが、公園を借りることで一万取ればペイできるんでしょう。ほかになかなか競技場を見つけられない競技者は使うかもしれません。ただ、それがもうかるんであれば、そもそも最初からフットサルを求めている人たちに対して、この公園に行政が安く使えるフットサル場をつくる構想はなかったかといいたくなるわけですよね。
 有料児童館はといえば、子供と大人で千五百円から。国の都市公園法運用指針では、都市公園の利用自由の原則、一般公衆の自由な利用に供されるべきという文言が各所で強調され、要するにお金持ちだけでなく、貧しい人も含めて、誰もが使える都市公園でなければならないですよといっています。このような公園がこれからどんどんふえるとすれば、この精神に合致していくのかどうか疑問になってくるじゃありませんか。
 だから、広域的なゾーニングとか、公園のあり方というのは大事なんです。提出された計画をその公園だけで見ていいねといって推し進めていくと、有料公園ばっかりになっていっちゃうかもしれない。
 パークPFIでは、事業者が公園を整備するかわりに公園内でお金をもうけていいという仕組みなわけですけれども、逆にいえば市民から高目のお金をとって広場や通路を整備するということになっているんじゃありませんか。都市公園として熟慮が必要です。
 駅前の広大な公園を使っての商業スペースの確保を行いましたから、実は近隣商業施設が悲鳴を上げる事態が、このてんしばの周りでは起こっています。
 当たり前のことですけれども、公園の土地を使った飲食店はもうかる要素が多分にありますが、その分、周りのお店は減収の憂き目に遭う危険性があるわけです。
 現に、昨年六月の産経新聞の報道では、天王寺駅前の商店街で約五十年続く青果店の店主、三十七歳は、「お客はこちらに流れてこないし、マイナスであってもプラスの影響は何もない。公園内に店が多くあるので、園内で自己完結している。ブランコや滑り台のあるような普通の公園だと気楽に入れていいのに…」とぼやいたとあります。
 都立公園で考えても、最寄り駅までの間には地域の商店街があったり、緑豊かな都立公園が近くにあることを意識した有機野菜や地元野菜を売り物にするナチュラル思考のレストランなどが建ち並んでいたりしますよね。こういう地域に根差した店舗の経営を圧迫することになるのは明白なわけです。
 このてんしば、店舗の中には、カフェといいながら雑貨や洋服を公然と売っているお店もありました。もはやショッピングまで公園内でということになればどうなるのか。公共の空間である公園という土地を使った企業による大型開発、地域への影響は深刻と捉えなければなりません。
 ちなみに、このカフェとかレストランは運用指針の中でもあり得ると書いてあるわけです。雑貨やアパレルは売っていいんでしょうか。これ、ちょっとお聞きしておきたいと思います。

○日浦公園緑地部長 天王寺公園では、雑貨などの物販を売っているということでございますけれども、メーンがいわゆるカフェということでございますので、それに付随したような物販というのは許されるものであると認識しております。

○原田委員 ちなみに今のは重大な答弁ですよ、部長。それをいったら、カフェという名前であれば、大多数がショッピングでも公園の中でやっていいということになったら、これ、都立公園の周りの商店街から、駅前の商店の皆さん、飛び上がって怒り出しますよ。本当にいいんですか、今の答弁。

○日浦公園緑地部長 今回、法律の改正の中で設けられます公募設置管理制度の活用に当たりましては、民間事業者が設置できる施設は都市公園法に基づく公園施設に限られております。この法律に基づきまして、適切に対応してまいります。

○原田委員 答弁が修正されてよかったです。適切に対応されなければならない。そして、適切といった場合に、カフェやレストランは公園の魅力を高めるためにあり得るけれども、ショッピングは絶対入っていないはずですよ。こういうことは、絶対にこの都立公園で行われてはならないんだということを改めて確認したいと思います。
 さらに、天王寺公園では、てんしばタイアップ看板という名称で、狭いエリアに七カ所で看板が設置されています。一カ所につき三十五万円から四十八万円もの年間広告料をとっています。
 例えば、都立公園条例施行規則では、標識の占用料は特別区で年間約八千五百円、広告塔を出すことが認められた民間事業者にとっては、ぬれ手でアワのぼろもうけになります。年間一万円未満の許可で数十万円持っていくことができる。これが度を超せば、都市の喧騒から離れ、休養に訪れるくつろいだ公園の空気、雰囲気は台なしになってしまいませんか。
 こうした商業看板の設置や屋外広告物法第三条によると、東京都が禁止することができるとありますが、実はできる規定です。東京都の姿勢が極めて重要になってくるわけです。
 この都市公園法の改定は、公園の管理運営自体を事業者に任せ、民間事業者にその公園の集客性と広大な空地を使ったうまみを与えるかわりに、行政は公園の管理運営費を大幅に削ることができるという打算から始まっているのが実態です。
 この流れの中で、都民は、むしろ公園の多様なあり方を奪われ、一つの価値観と有料施設を押しつけられ、時として近隣商業施設の荒廃など、大変な被害をこうむる危険性があることが、この例でも見てもわかると思います。(「わかんないよ」「極端過ぎる」と呼ぶ者あり)一時利用者がふえれば、いっとき利用者がふえれば、都市公園の機能として成功しているとはいえないと思うわけですね。
 もうけたい企業と運営管理費を安く上げたい行政、民間業者と行政のタッグは、これまでも信頼を失う結果を見せてきたのが実態であります。
 先ほど公明党の委員から極端だという話がありましたけれども、私はこっちのてんしばの方が極端な例だと思うんですよね。(発言する者あり)私もさっきいったように、公園を歩いていまして、子供と一緒に歩いていて、カフェなんかがこの公園にあったらいいな、そういうふうに思いますよ。けれども、このてんしばの状況を見ていると、そこにショッピングモールとして行った場合には、それは新しいかもしれませんけれども、そもそもそこにあった下町感あふれる空気感漂うその公園はどこに行ったのかと。これは改めて問われなければいけないと思うんです。
 もうけたい企業と運営管理費を安く上げたい行政、この民間業者と行政のタッグは、これまでも信頼を失う結果を見せてきたのが実態です。
 例えば、指定管理者制度、この制度も民間に任せて安く管理運営を済ませようという制度ですけれども、一方で民間活力で公園機能も向上するといってきました。しかし、行政が安く上げるためには、あるいは営利を上げるためには、公園に人が来ない方がいいという本末転倒が起こったことも問題となりました。
 総務省自治行政局長が、指定管理者制度発足から七年たった二〇一〇年に出した指定管理者制度の運用についてという、地方議員であれば皆さん知っていると思いますけれども、有名な通知があります。
 指定管理者制度は、公共サービスの水準の確保という要請を果たす最も適切なサービスの提供者を、議会の議決を経て指定するものであり、単なる価格競争による入札とは異なると指摘をされ、価格優先で選定してしまった結果、利用者の安全や公共サービス水準が低下した事例があったことを示しています。
 ちなみに、東京都は、そうした指摘が総務省から行われていることはご存じですよね。お聞きします。

○日浦公園緑地部長 東京都の都立公園におきましては、平成十八年度から制度を導入しておりまして、そのコスト等の効果も出ているところでございます。
 また、制度の運用に当たりましても、外部の専門家の選定委員会ですとか、また、履行段階におきましても、外部の先生の評価委員会等で運営状況の評価をしてサービス向上に取り組んでいるところでございます。

○原田委員 一生懸命頑張って外部評価も受けてサービス向上に取り組んでいたにもかかわらず、二〇一〇年、指定管理者制度の運用についてという通知で総務省から、余りにも価格競争にこだわった結果、行政と民間業者の間でサービスの低下が起きているよと指摘をされてしまったわけです。
 国交省のパークPFIのポイントを説明した資料では、緑豊かな空間を活用して、収益施設と合った広場などを一体的にデザイン、整備できることで、収益の向上にもつながる質の高い空間を創出することができることを挙げています。
 収益施設と一体でつくれば、収益向上につながるというわけですけれども、収益を上げることが優先され、ほかの利用者が使いづらくなったり、従来からの緑がなくなったりする危険があるのではないか。これはやはり改めて指摘をしなければいけないと思っています。
 さて、パークPFI事業のスキームは、東京都が、まずどの公園でパークPFIを行うのか方針を決め、これに事業者が応募する形をとります。
 そこで、東京都の広域的視点に基づく適切なマネジメントが必要となってくると考えるわけですが、いかがか。あわせて、指針の公表については具体的なスキームはでき上がっているのか伺います。

○日浦公園緑地部長 法におきましては、公募に当たりまして、施設の種類や場所などを公募設置等指針に定めるということとなっておりまして、都は、広い視野で条件設定を行います。
 事業者の選定に当たりましては、法では学識経験者にも意見を聞きながら評価の基準を定めるとされておりまして、都といたしましても適切にマネジメントをしていきたいと考えております。
 また、指針の公表につきましては、都市公園の質の向上に向けたPark-PFI活用ガイドラインがございまして、一応、公募設置等指針を公示するということになっておりまして、役所ですとか公園事務所へ備えつけ、あるいはホームページへの掲載、その他の方法により公示を行うというふうにされております。

○原田委員 適切にマネジメントしていくとの答弁でしたが、今の答弁だけでは、率直にいって、法に書かれていた内容をなぞったぐらいですよね。法は、基本的には、ここまでは法で決めるけれども、あとは地方自治体の、あるいは公園ごとの要請に基づいて、細かいところは決めていくべきといっているわけです。私はそこが聞きたいわけですよね。
 もうちょっと具体的に話していただきたいので、聞いていきたいと思います。
 そもそも都市公園法の改定について、国交省は、パークPFIは全国的に都市公園の整備が進んできているという理解でつくられています。量の整備から質の整備といってますけれども、都市公園の整備が行き届いていない東京都は、都市公園法の改定に対してどのようなスタンスで臨むのか。

○日浦公園緑地部長 都民の貴重なオープンスペースを確保するために、公園整備につきましては引き続き進めてまいります。
 また、公募設置管理制度等も活用しながら、都立公園の魅力向上にも取り組んでまいります。

○原田委員 もう一度いいますけど、東京都は、都市公園の量的な整備が全く進んでいない状態なんですよ。
 きょうもいただいた資料、ありがとうございました。これを見ても十平米なきゃいけない都民一人当たりの都市公園面積、推移を見ると、都内全域で十平米なきゃいけないのに四・二九、区部では五平米なきゃいけないのに二・九五、しかも、都全体も区部も昨年より落ちているじゃありませんか。どこが今の答弁の、都民の貴重なオープンスペースを確保して公園整備も進めていくし、パークPFI、これは公園の建蔽率の緩和とかですよね。こういうのを進めていくなんて話になっていくのかと。
 そんな中で、まだ量的に足りていない都立公園で建蔽率の緩和をして大きな建物を建てていく、とてもじゃありませんが、拙速に過ぎやしませんか。カフェやレストランを駒沢公園につくるのとはわけが違うわけですよね。このような状態で東京都が率先して公園の制度緩和を行う風潮がはびこれば、これは都内の都市公園の存続が危ぶまれます。
 渋谷区の宮下公園では、既にたがが外れたような大変な事態に陥っています。当該公園がナイキの肝いりでスポーツパークとして再整備されたことは多くの方が知っていますが、その後が重大な動きになっています。
 渋谷区が昨年、ナイキとの契約を和解のもと破棄、これ、和解といっても大変だったらしいですけど、区によると、二〇二〇年東京五輪パラリンピックの開催が決まったことで、公園と隣接する渋谷駐車場を一体的に整備する計画が浮上した、訪日外国人の増加に伴う宿泊施設の不足が指摘されており、三井不動産と共同で再開発を行い、ホテルや商業施設の入った立体都市公園として三十一年度中の開業を目指していると報道されています。
 三階建ての商業施設がつくられ、地下には駐車場、原宿方面には十七階建ての二百室のホテルがつくられ、そして肝心な一万平米に及んでいた宮下公園は地上十七メートルに追いやられます。これが公園ですか。
 渋谷駅周辺では、建築物の不燃化が進み、延焼拡大のおそれが少ないため、渋谷区のこの地域の人たちや駅周辺は地区内残留地区と定められています。宮下公園は、重要な防災空間として整備されなければなりませんでした。一万平米を超える敷地を有していたとしても、一体誰が不安定な三階建てのショッピングモールの屋上に避難しますか。大震災時は皆、地上を求めるものです。
 このような手法が容認されていけば、都心部の都市公園は新たな資本投下場所として存続が危ぶまれる事態じゃないでしょうか。このままでは、パークPFIも進めながら、都市公園の整備も進めるという話が机上の空論に近くなってきているんじゃありませんか。その点について、もう一度、都の決意を示していただきたいと思うんですよね。
 都立公園は、あくまでも住民の多様なニーズの実現が第一義的であって、その緑豊かな空間を単なる巨大な資本の投下先とは考えていない、このことをちゃんと明言できますか。

○日浦公園緑地部長 都市公園、都立公園ということで量的に進めていくといったところで、現在、精力的に開園面積をふやしているといった実態もございますので、そこは精力的に整備は進めております。
 一方、その公園の魅力を上げなきゃいけないというところで民間を入れると。民間活力の導入といったことに際しても、当然、都市公園の機能を失っては何にもならないと認識はしております。公園の利便性を図るということで、民間のノウハウ、それから民間の知恵、そういったものを活用していくといったところでございます。

○原田委員 民間の活力で都市公園の機能を失ってはならない、しっかりと答弁していただいたと思います。
 東京都がパークPFIを活用して事業者を公募する場合、応募者の計画をどのように判断するのかお答えください。

○日浦公園緑地部長 法律では、公園管理者は公募設置等指針に従いまして、施設の設置管理を希望する者から公募設置等計画の提出を求めることとしております。
 第一段階といたしまして、提出された計画について、公募設置等の指針に照らして適切であるということなどを審査いたしまして、その上で第二段階として、公募設置等指針に示した評価基準に従って評価を行って事業者を選定するという手続でございます。
 また、都市公園の質の向上に向けたPark-PFI活用ガイドラインにおきましては、この第二段階におきまして、公園管理者及び複数の学識経験者から成る評価、選定のための委員会を設置して、ヒアリング等を実施するとされております。

○原田委員 今、答弁にありました活用ガイドラインには、割と細かく手続の段階が示されていまして、先ほどの評価、選定と一緒くたにされていたかな、今、答弁。実際には、指針作成時、公募業者の計画を評価するとき、そして選定するとき、それぞれの手続の段階で公園管理者、つまり行政だけでなく第三者的な専門家の目を入れるべきだといってるんですね。国は、一応そこまで気をつけているわけです。第三者の目がないと、この制度は危ないよと。これに対して、ただし、どうするかは東京都の、地方自治体の判断だよということになっちゃっているんですね。
 いずれにおいても、法は委員会の設置をすることが望ましいとしていて、その構成員は決して公園管理者と専門家と絞っておらず、地元有権者や地元代表の参画の可能性を残した表現となっています。
 どうでしょうか。東京都は、都内都市公園の本来機能を守る上で、民間事業者や専門家の求めに応じて事業を進めるばかりでなく、指針作成時、評価の際、選定の際とさまざまな段階で住民の参画を呼びかけてみてはどうですか。

○日浦公園緑地部長 事業者の公募で、さまざまな段階で住民の意見をというご質問だったかと思いますけれども、公園利用者、それから都民の意見を取り入れるという方法につきましては、アンケートですとかパブコメですとか、さまざまな手法があるかと思います。
 今後、いろいろとこうした公園利用者等の意見をどう反映させていくかということは検討の課題だというふうに認識はしております。

○原田委員 住民参画については、検討の課題としていただいたことは一歩前進としたいと思います。
 ただ、本当は、この法律は地元自治体がすごく大事だから、その人たちに考えさせるような内容になっています。そういう部分が多くある。
 この条例改正をする段階で、私は、もっと住民の声を入れる開かれた公園づくりというものを提言しなきゃいけなかったんじゃないかなというふうに思っていますけれども、まず、今後の課題として、住民参画を明言したのは大事なことだと受けとめたいと思います。
 パークPFIの導入に当たり、法の改正に当たって新たに設置することができることとなった協議会を東京都は設置するのか。

○日浦公園緑地部長 都立公園では、これまでも法改正の以前から地域住民やボランティア団体で構成する会議体等を任意に組織いたしまして、公園の管理運営に取り組んでおります。そういった意味で、常に地元住民等の意見を反映させながら公園管理運営に当たっているといったところでございます。
 今回新しく制度化されました公募設置管理制度の活用に当たりましても、こうした会議体が、この法改正で設置できることとなった協議会として活用することも考えられますし、必要に応じて適切に判断してまいります。

○原田委員 協議会についても設置できる規定になっていまして、本当に曖昧な法律なんですけれども、一応東京都としては考えているという答弁だったかと受けとめたいと思います。
 上野「文化の杜」新構想についてお聞きをしたいと思います。
 文化庁から上野「文化の杜」新構想という報告書が作成されました。これは驚くべき内容を有しており、景観に配慮したホテル、大規模休憩スペース、カフェやレストラン等が入る地下モールなどなど、この間見てきたような公園の開発を総結集したような内容だったわけです。
 新構想推進会議のメンバーは、なるほど、それぞれの分野で重職につかれている方々が集まっています。発起人は文化庁長官と東京藝術大学学長でした。東京都の幹部職員も参加しています。そうそうたるメンバーです。
 しかし、どう見てもこの構想の報告書は、何か法や条例、計画に基づいてつくられたものではないことがわかります。
 そこでお聞きします。
 上野「文化の杜」新構想について、これはどういう位置づけの構想か。

○細岡公園計画担当部長 上野「文化の杜」新構想は、今後、上野地区において三千万人の集客を可能とするための必要なハード、ソフト両面にわたる整備方策について検討することを目的に設置された上野「文化の杜」新構想推進会議が平成二十七年に取りまとめた構想でございます。
 この推進会議は、文化庁長官や東京藝大学長が発起人となってございます。上野地区の文化施設や、国、都、地元区などの行政、民間企業で構成する組織と認識しています。

○原田委員 ここに示されたホテル、地下モールなどについて、東京都は、現在どのように考えていますか。

○細岡公園計画担当部長 委員のご質問にございましたように、上野「文化の杜」新構想においては、ホテルの整備について検討すべきである、また、地下モールの整備について検討を進めるべきであると記載がされておる、そのことを承知してございます。

○原田委員 どんなに重職につかれている方々が集まったといわれても、いわば任意の団体です。もちろん、この報告書に従わなければならないという法的な縛りはないはずです。具体的な案が現在東京都にはないという答弁だったと思いますけれども、答弁の中には新構想推進会議の実行委員会が中心になって検討されるという微妙な答弁も含まれていました。
 そこで、検討された内容が何か審議会の答申並みに重んじられるということなのかどうかお答えください。

○細岡公園計画担当部長 具体的な提案をまだ受けている段階ではございませんので、そういう状況でございます。

○原田委員 今、時間が来たので、もう五分ぐらいあるか。(「議案に関係あるの」と呼ぶ者あり)ええ、もちろんです。提案を受けたら、受け入れたり、即検討に入る準備があるという答弁なんですか。重大な答弁となりますので、慎重に答弁してください。

○細岡公園計画担当部長 現時点で具体的な提案をお受けしてございません。
 したがいまして、どのような判断、対応をするかということは申し上げられない状況にございます。

○原田委員 公園開発を行う「文化の杜」新構想が多くの人に共感を得ると思ったら、それは大きな間違いとなっていくと思います。
 例えば、奈良県では何が起きているか。有名な奈良公園に隣接した土地を奈良県が買い入れ、これを公園に編入し、そこに高級リゾートホテルを建ててしまおうという計画が進行中です。
 国指定の名勝であり、文化財保護法などに基づく歴史的風土特別保存地区に指定され、ムササビや野鳥のほかヤマトシジミなど希少種も生息する。文化的にも、自然環境的にも守られてきた土地に、宿泊施設が足りないからといってリゾートホテルを建ててしまうといいます。
 これには地域住民が声を上げ、風格ある都市公園の空間が営利の目的となることに反対運動が起こりました。県は、反対意見は承知しているが、極めて少数で多数の賛成意見があるなどと強弁し、高級ホテルを建設すれば環境保全できるかのようにいって、強行しようとしていますが、これには作家の椎名誠さん、夢枕獏さん、日本を代表する登山用品メーカーのモンベル社長の辰野さんらが呼びかけ人となって大反対運動に発展し、四万人近くから署名が集まっています。
 このような混乱は、上野公園でも起きかねません。不忍池の地下に駐車場をつくるなんて、地下空間ができるなんて話が持ち上がったときも、大変な批判を浴びて立ち消えしたという過去もありましたけれども、公園の環境を破壊する東京都と、開発から上野公園を守ろうとする住民の大変な対立の様子を、オリンピックを前にして、国際社会に披瀝することになってしまうのではないでしょうか。(「ならない」と発言する者あり)まあ、今、自民党の方から、上野を開発しても反対運動は起きないんだかのようなやじが飛びましたけれども、私はそうは思いません。(発言する者あり)過去には、民間に任せていた公園が大変な状況に陥ってきたことも指摘をしました。それを公共の力で立て直す決意を示したのが、都市公園法の創設理由だと私は指摘しました。そうした歴史に目を閉ざし、再び資本の利益の的となろうとしている公園のあり方に、何らリスクアセスメントの観点なく突き進む東京都の姿勢は異常であり、不思議にも感じます。
 国は、公園開発を推進はしているが、東京都は都立公園を乱開発から守る、そういう強い姿勢が求められているんだということを指摘し、この議案には反対の意見として、質問を終わります。

○宮瀬委員 では、私の方からパークPFIについて質問させていただきます。
 原田委員の質疑も聞かせていただいて、大変勉強にもなったわけでありますが、やはり長年、地元赤塚公園の変わらない姿をずっと見ていますと、私どもは民間のノウハウや知見を生かして、何十年も変わっていない公園というのは、私としては見直していっていただきたいなと。都ができないのであれば、他者の力をかりるというところは、やはりリスクのみならずチャンスと捉えて提案をさせていただきたいと思っております。
 ポイントは東京都がいかに管理できるかというところだと思いますので、ぜひ都の公園として哲学を持って取り組んでいただきたいと思います。
 冒頭から少し、ちょっと上品なことをいってしまって恐縮ですが、古来より日本には、三方よしということで、近江商人の考え方もありますが、売り手よし、買い手よし、世間よしといった形になればと思っております。
 そこで、平成二十九年の八月に国交省より都市公園の質の向上に向けたPark-PFI活用ガイドラインが出されまして、都においても新たに取り組まれていくことになっていると思います。改めて、私は、すばらしい取り組みだと思っておりますが、その中で早急に、しかし、かつ慎重に進めていっていただきたいと思います。
 先ほど質問も一部出ましたが、ちょっと確認ですけれども、このパークPFIを今後どのように進めていくのかが最大の関心時の一つであります。
 対象公園をどうやって決めていくのか、また、どのようなプロセスで選定していくのか、では、いつになったらパークPFIに基づいた公園ができていくのか、今後の実施される公園の数というものがどうなっているのか、まとめてお伺いします。

○日浦公園緑地部長 本年五月に公園審議会の答申を受けまして、民間活力の導入に当たって、民間のアイデア等を発揮できるポテンシャルのある公園での実施が必要であると示されております。
 具体的には、公園の立地、規模、周辺環境などを考慮いたしまして、有識者や民間事業者の意見を踏まえながら、対象公園を選定してまいります。
 現在、パークPFIの活用の可能性等、民間活力の導入に向けた検討を行っている最中でございまして、スケジュールですとか、幾つ実施するかという実施公園数という点につきましては、現時点では未定でございます。

○宮瀬委員 結論からいうと、実際、余り何も決まっていないというところでありますが、このパークガイドによりますと、全公園で七十一公園ございます。
 これ、駒沢の公園の例も大変すばらしいと思うんですけれども、後ほどお伝えしようと思いますが、ずっと横展開の話で検証、検証という話が続いておりまして、この七十一公園ある中で、一年に一公園やっていっても七十一年かかってしまうわけであります。それぞれ議員の先生も皆さん地元に公園があると思いますが、自分の地元の公園がいつなのか、どうなっていくのかというのは関心の一つでもあると思います。ぜひ押さえるところは押さえた上で、しっかりとスピード感を持って進めていただきたいと思います。
 都立公園におけるパークPFIは、都の施設内で行われる運営でございますので、責任が当然生じるものであります。より公的な責任が生じるものであります。
 文教委員会で過去、質疑をしたことがあるんですが、特別支援学校のスクールバスが、民間委託していたんですが、入学式の日に突然来なくなってしまったと。要は会社が潰れてしまって、特別支援学校の子供たちが本当に入学式に間に合わず、先生が急遽タクシー等を手配して何とかといったことで入学式を行ったということが実際にございました。
 やはり民間企業を使うというところのリスクは倒産でありましたり--また、国交省の出している中にも入場料等の上限をある程度考えないといけないといった指摘も出されております。そこは全て民間企業に任せるのではなくて、ある程度、東京都が管理をしていかなければ、スクールバスのようなことも起きかねないと思っております。
 そこでお伺いしますが、民間事業者による公園施設の適切な整備、管理運営をどのように担保していくのかお伺いいたします。

○日浦公園緑地部長 民間事業者の事業が確実に実施されるよう、学識経験者を含む審査会で経営の安定性などを審査し、質の高いサービスを安定的に供給することができる事業者を選定してまいります。
 また、事業者から施設の運営状況の報告を受けるなどして、適切に指導監督を行ってまいります。

○宮瀬委員 特別支援学校のスクールバスの問題も書面上ではしっかりと報告を受けていたわけでございます。
 今、ご答弁ですと、運営状況の報告を受けるなどしてということでありますが、東京都の方がみずから足を運んでいただいたり、公園協会等に任せ切りにせず、実際、抜き打ち検査までとはいいませんが、目を届けていただきたいと要望いたします。
 その中で、先ほど原田委員の方からも質問がございましたが、都民の声をどうやって酌んでいくのか。すなわち、企業が収益を上げるためだけではなく、三方よしの考え方からしますと、都民の方々が求めるパークPFIにどうやってなっていくかといったところが重要でございます。
 今回の事業のように、民間業者による公園施設の設置に当たりまして、施設の種類など、どのように都民の声を聞いていくのかお伺いします。

○日浦公園緑地部長 公園の管理運営に当たりましては、都民の意見を取り入れるということは重要でございます。
 そのために、その意見を酌み取る手法として、アンケートの実施ですとかパブコメの実施等、いろいろあろうかと思いますが、今後検討し、都民の意見を聞きながら適切に進めてまいります。

○宮瀬委員 どうしても、東京都が都民の声を聞くといいますと、パブコメ、アンケートという話があるんですが、さきの事務事業質疑でもやらせていただいているんですが、ぜひ公園をふだん活用していない人の声も聞かないと、やはり私はいけないと思います。
 すなわち今サービスを享受している都民の方々は、もちろん満足度が高いわけでありますけれども、そうではない、いかに公園の魅力を高めていくのかといったところでは、行かない、ふだん公園を活用していない方に、どのような施設があれば行ってみたいと思うのかというのをぜひ聞いていただきたいと思います。
 また、町会ですとか近隣商店街、住民の方も声を聞いていただくということは大事なんですが、ここのマーケティング調査の観点でも、民間企業のマーケティング調査能力、大変高い企業も多くございます。ぜひ公募の段階で、調査もうまく公募の中に入れ込むように、公募の仕方も工夫していただければと思います。
 次の質問になりますが、駒沢オリンピック公園のレストランのお話もよく出ております。
 この取り組みは、厳密にはパークPFIではないと聞いております。とはいえ、都民の皆様からしますと、防災のサービスがあるということで、民間による飲食店設置の取り組みを今後どのように展開していくのか、都の方に改めて聞きたいと思います。

○日浦公園緑地部長 駒沢オリンピック公園のレストランでございますが、民間事業者が店舗デザイン、建築から運営までを行い、公園の景観になじむデザインの店舗で、公園利用者のニーズに合わせたサービスが提供されており、多くの方にご利用いただいております。
 今後の展開に当たりましては、駒沢オリンピック公園のレストランの検証を踏まえ、民間のアイデアやノウハウを活用した飲食店の導入を図ってまいります。

○宮瀬委員 ご答弁ありがとうございます。ことし三月十五日にオープンしまして九カ月たって、いまだ答弁の内容は今の検証を踏まえてということで、検証に九カ月かかるというのはいかがなものかと私は思っておりますので、何が課題となっているかもわからない状況でありますので、ぜひ急いでいただきたいと思います。
 その駒沢オリンピックのレストランですが、災害発生時には地域住民等を支援する施設として、粉ミルク二百食、紙おむつ千枚といった備蓄があると。しかし、ここの施設は、避難所でもなく、都が定める一時滞在施設でも該当しないということで、あくまで一つのサービスであると聞いております。
 そこで、今回、私、ここまで現状を確認させていただいて、ここからの質疑は提案と、あと皆さんとの考え方が大きく違うので、議論していきたいんですけれども、パークPFIを防災にどうやったら活用できるのかといった点でございます。
 まず、基本的な確認をしたいと思いますが、都立公園に避難者のための水、食料、医療品、毛布等の備蓄物資はあるのか。また、帰宅困難者のための備蓄物資はあるのかお伺いいたします。

○日浦公園緑地部長 東京都地域防災計画では、避難者のための水、食料、医薬品の備蓄や配給は区市町村の役割ということにしておりまして、各区市町村では避難所となる小中学校などに備蓄しております。
 帰宅困難者のための備蓄につきましては、帰宅困難者を受け入れる一時滞在施設において備蓄をすることになっております。
 このため、公園管理者としては、備蓄は行っておりません。

○宮瀬委員 慎重にご答弁を聞いておりますと、公園管理者としては、備蓄を行っていないということでございます。これは、いろいろ皆様と議論していて衝撃を受けたのですが、都立公園、庭園を含めますと全ての公園で八十二、防災公園が五十二でございます。このパークガイドの数字でございます。
 調べますと、一時滞在施設がある都立公園は、資料をいただきまして七公園。ということは、実際には七十五の公園に備蓄がないと。また、防災公園の四十五に備蓄がないといったことが、実際の都立公園、避難場所に指定されている公園が五十二もありますが、何もないといったことでございます。
 その根拠が、区市町村が用意しているからだと。区市町村の避難所にあるからだということでございますが、私は一つ皆様に問いかけたいのは、もし深夜零時、発災して、いろんな方が避難場所であります都立公園に集まってまいります。その数、数百万人単位になる可能性もあります。
 発災直後は、避難所が開設されておりません。東京都の総務局であります防災部の方も、一時滞在施設の運営マニュアルにおいても、開設までおおむね六時間でございます。つまり何がいいたいかと思いますと、被災者、避難者の方をどんどん避難所に送っていくといったことがあるんですが、実際、避難所、一時滞在施設がない可能性があるわけであります。
 避難場所には、けが人ですとか妊婦さん、高齢者の方、もしくは病人の方もいると思います。災害現場から逃げてきているわけでありますから、その方々がここに避難しろということで都立公園に逃げてくるわけであります。
 例えば深夜零時、そのときに都立公園、避難所もまだできていない、一時滞在施設もできていないといったときに、毛布も一つ渡せないという状況に陥っているわけであります。
 食料もない、医薬品もない、そして毛布もない、そして避難所もまだ開設されていない、いつ開設されるかわからないといった状況の中で、都立公園は何も備蓄がないわけであります。
 容易に想定されるのは、都立公園である避難場所の公園に人が数千人集まって、けがをしているから助けてほしい、寒いから毛布が欲しいといった声が上がってくるわけでありますが、それに対して都は区市町村の方にいうだけで、その開設がどうか、合っているかも確認されている状況にない中で、備蓄がないということであります。
 これは大きな問題だと思っておりますが、地元自治体の避難所の開設までに時間がかかるわけであります。
 また、都民や帰宅困難者がさまざまな事情で都立公園にとどまる可能性も高いです。そういった水、食料、医療品、毛布等の提供を求められた場合に、都はどのように対応するのかお伺いいたします。

○日浦公園緑地部長 避難場所の運営者である区市町村に速やかに連絡をいたしまして、物資の配給を求めるとともに、近隣の避難所ですとか一時滞在施設に関する情報を収集し、避難者等に提供してまいります。

○宮瀬委員 答弁ですと、区市町村に配給を求めるといったことであります。災害時に車、インフラ、道路が破壊されている可能性が高くて、一応都の計画では三日間のうちに道路状況、インフラ、回復させろといった指示があるわけであります。
 避難者が集まって、けが人、病人が都立公園にあふれている中で、そのときになって区市町村に食料、毛布を送ってくださいといったことをお願いするというのは、私はやはり間違っているとはっきり申し上げます。
 なぜなら、いっとき滞在施設も開所までにおおむね六時間かかると都の公式見解で出ているわけであります。深夜零時に被災をして朝六時の六時間どうするのかといった大きな問題提起でございます。ぜひ現実的な防災公園のあり方を考えていただきたいと私は思います。
 一つ、不満ばかりいってもしようがありませんので、都営地下鉄のあり方について最後に申し上げますが、実は都営地下鉄、百六ぐらい駅がありますが、平成二十七年の委員会で、私、事務事業質疑させていただきました。
 実は、都営地下鉄の駅は東京都が定める避難場所でも一時滞在施設でも避難所にもなっておりません。しかし、答弁で最後、明らかになりましたが、災害時には、改札の手前のコンコースまで避難民を受け入れてくれると。食料、防寒用ブランケット等も五万人分、飲食料を用意しています。都の責任を負う駅が、規定がない中にもかかわらず、このような自主的な取り組みを始めているわけであります。
 というのは、まさに今申し上げました震災時に乗客がたくさんいます。そのときに、東京都、最初の対応は、区市町村の避難所に都営地下鉄の方から送り込むといった答弁でありました。しかし、避難所がないのに、乗客をどこに送り込むんですかといったことを質疑でしましたら、ではコンコースまで入れると。そして、食料も水もブランケットも駅は用意しているわけであります。
 都立公園は避難場所であります。避難場所に救援物資、医薬品等がないというのは本末転倒で、そのことを区市町村に頼るというのは、私は改善が必要だと思っております。全ての都立公園に、では、数万人、数十万人分の備蓄がいきなり用意できるとは思っておりません。
 しかし、パークPFIを設けまして、各施設に、せめて妊婦さんや高齢者、障害者の方、そういった社会的に弱者といわれる人たちのための物資、備蓄等は、パークPFIを活用して、ふだんの維持管理も含めて横展開していただくことを強く要望いたしまして、質問を終わります。

○田の上委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後三時二十四分休憩

   午後三時四十分開議

○田の上委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○やながせ委員 私の方からは、葛西臨海公園の指定管理について何点かお伺いしたいと思うんですけれども、その前に、先ほど来パークPFIについてさまざまな意見が出ておりますけれども、ある委員が、てんしばの話をされていました。
 てんしばのことを余りご理解されていないんだなと思いながら聞いておりましたけれども、これはやっぱり自治体によって公園にかけられるお金って限られているわけですね。特に大阪なんかは非常に厳しい財政状況だと。その中でどうやって公園を再整備していくのかといったことを考えたときに、民間の手をかりざるを得ないというのが本来のところなんだろうというふうに思います。
 このてんしばに関しては、そもそも平成二十四年度には百二十九万人の来園者でしたけれども、開園から半年でもう三百万人を超えるという来園者を記録しています。つまり、非常に多くの方が利用できる公園になったんですね。私はこれ、てんしばができる前も行ったことあるんですけど、極めてなかなか近寄りがたい公園だったなと。行ったことありますかね。(発言する者あり)ありますか。
 てんしばは、ブルーシートで覆われて、ある特定の方々がいらっしゃるような公園だったんですね。それを何とか大阪のブランド化のために再開発をしたいという中で、民間活力を使って整備をされたいい事例だというふうに私は考えていますので、パークPFIも運用次第なのかなというふうに思っておりますので、適切な運用がなされればいいのかなと、このことをまず申し上げてから、指定管理について話を向けていきたいんですけれども、葛西臨海公園の指定管理は、かつては公募していたわけであります。この公募から、なぜ今回特命になったのかと、この経緯についてお伺いしたいと思います。

○日浦公園緑地部長 葛西臨海公園につきましては、防災公園グループに属する施設ということで、都において本格的に指定管理者制度が導入されました平成十八年度から、指定管理者制度を導入しております。
 防災公園グループの指定管理者につきましては、平成十八年度は、お話のように公募で選定をいたしました。指定管理期間の更新期に当たります平成二十三年度は、特命により選定をいたしました。
 平成二十三年度の指定管理者の更新に向けて、都が制度検証を行う中で、政策連動性であったり、管理運営の特殊性が高い公の施設について、公的性格を持つ団体が担う必要があることですとか、質の高い行政サービスの安定的な供給の必要性などが明らかになりまして、制度運用の見直しが行われました。
 この見直しを受けまして、防災公園グループの施設につきましては、災害発生時に避難場所と防災の拠点という極めて重要な役割を担っているということから、都の重要な政策と密接な関連のある施設と位置づけまして、特命により、東京都公園協会を指定管理者として設定いたしました。

○やながせ委員 ありがとうございます。防災上重要な拠点だからということで特命とされているわけですけれども、であれば、これはなぜ東京都公園協会でなければならないのか、この点についてはいかがでしょうか。

○日浦公園緑地部長 東京都の監理団体ということで、公園協会を政策連動ということで指定管理者に選定しているんですけれども、その内容といたしましては、やっぱり非常時の参集体制ができているといったこととか、地元との連携という点ですぐれているといったところから、監理団体たる公園協会の方に特命をしたということでございます。

○やながせ委員 この選定理由ということで、いただいた資料では、選定委員会の議事要旨というものがあります。この中にも発災時の参集、指揮命令体制が構築されているんだと、また、地元自治体との連携がなされているんだと、こういうことが書かれているわけでありますけれども、これが東京都公園協会にしかできないことなのかということなんですけれども、これはわからないですよね。わからないと思うんです。
 だから私は、指定管理は公募が原則ですから、原則どおり公募をすると。しかし、この発災時の参集、指揮命令体制の構築等々に関しては点数を高くするとか、そういったやり方もあるんではないかなというふうに思うわけであります。
 この特命に関して、細かいところを知りたいなと思って、この選定委員会の議事要旨を見ても、それ以上の情報は出てこないわけで、議事録を見ようと思うわけでありますけれども、この選定委員会の議事録を非公開としている、この理由をお聞きしたいと思います。

○日浦公園緑地部長 選定委員会の議事内容につきましては、事業運営のノウハウを初め保護すべき情報が含まれているということから、全文ではなく、議事の要旨を公表することが適当であるというのが全庁の方針ということでございます。

○やながせ委員 これはどの局に対してもずっと申し上げてきたんですけれども、選定委員会の議事録が非公開となっているというのはおかしいと思いますし、また、この公開を常に求めているわけでありますけれども、求めていきたいというふうに思います。
 これは特に今回特命なんですね。特命なんですよ。だから、競争性があって、どちらの事業者にどちらの情報が、次回以降わかってはいけないとか、そういうことではないわけであります。
 特命で選定した理由を話し合った委員会の議事録ですから、これは特命というからには、その特命理由を十分に都民に説明する責任があるわけです。ですから、特に今回の件に関しては、議事録はしっかりと公開していくべきではないかなということを申し上げたいと思いますけれども、どういった指定管理者が運営をしてきたのかということに関しては、この都立公園等指定管理者評価委員会というのがありますので、こちらを見ればわかるような仕組みになっているわけであります。
 この議事録をよく読むんですけれども、この中で取り上げられていることとしては、やっぱりこれ、防災公園グループということで、防災公園としての機能ばかりが重視されていると。これはある意味わかるんです。非常に大切な機能ですから。
 しかし、その一方で、各公園が個々の公園としての特色であったりとか、そういったものをいまいち生かし切れていないんではないかと、こういった意見が委員の間から出されているわけでありますけれども、こういった意見に対してどう答えていくのかという点についてお伺いしたいと思います。

○日浦公園緑地部長 選定委員会での意見ということで、いろいろな特徴のある公園ということでございますけれども、葛西臨海公園につきましては、長らく海と深いつながりを持っていたという葛西地区の歴史を踏まえた海辺の自然との調和をとれた公園を目指すということをされておりますし、また、海辺の自然と調和した環境や施設が人々を引きつけて地域の振興や活性化をもたらすとともに、災害時には避難場所や防災拠点として機能する公園を目指すというふうにされているところでございます。

○やながせ委員 ありがとうございます。これ、防災公園グループということで、指定管理者が防災認識を高めていただくということは非常に重要なことなんですけれども、それと同時に、やっぱりふだんは、普通の方々が平時に使っている公園であります。ですから、公園としてしっかりとサービスが向上していく仕組みというものが必要で、それがこの指定管理制度ということだと思います。
 ですので、これ、一者で、特命でずっと指定管理をしていくということであれば、サービス向上をどうやっていくのかということが課題だというふうに考えられるわけですけれども、これにはどう対応していくのか、この点についてお伺いしたいと思います。

○日浦公園緑地部長 葛西臨海公園、防災として重要な役割を担っている公園ということではございます。一方で、やっぱり平時から園内の自然環境のほか、海辺の公園であるというところや園内の見どころを生かした取り組みをしておりまして、生物多様性の普及啓発を目的とした自然観察会ですとか、地元のハワイアンサークルの出演等、地域連携による活性化を図りますサマーフェスティバルや、スイセンの開花に合わせた水仙まつりといった公園の魅力を伝えるイベントを開催しておりまして、来園者へのサービス向上に努めているということでございます。

○やながせ委員 ありがとうございます。いろんな事業をされているということは、各年度の評価書を見てよくわかるわけでありますけれども、やっぱり指定管理というのは、ある程度の競争原理が働いて、その中で競い合っていくという取り組みなんだろうというふうに思います。
 その中でサービスが向上し、コストも削減できるということだと思いますので、ぜひ、今回特命ということで、これに対して異を唱えるものではありませんけれども、しかし、これからしっかりと--防災体制は民間でもできるというふうに私は考えています。
 例えば、拠点となる駅なんかは民間事業者がやっているわけですね。まさに民間事業者がやっているわけですよ。空港もこれからは民間がやっていこうということになっているわけです。民間では防災体制ができないということであっては困るわけで、そこらじゅうの西新宿のビル群も多数の方を、何かあったときには避難誘導をしなければいけないというわけですけれども、それは民間のビル会社が担っているわけです。
 これからはしっかりと民間を巻き込んで、どうやって防災機能を整えていくのかということが都の方向性だというふうに私は考えておりますので、しっかりと、この防災公園にしても、それは民間でできることはやっていくということだろうと思いますので、ぜひ次回のときには公募となるように尽力いただきたいと、このことを申し上げまして、質問を終わります。

○平委員 付託議案審査、第百八十二号議案、東京都立公園条例の一部を改正する条例から公募設置管理制度の創設について、二点、私の方から質疑を行わせていただきます。
 まず、先ほど原田委員の方から、都立公園が民間から利益の的となるのではないかという問いがございました。それに対して日浦公園緑地部長が、多様化するニーズに対応するために新たなニーズに応えていく必要があると考える趣旨の答えがなされましたが、私はすばらしい答弁だなというふうに思いました。
 条例の改正や新たな制度がなされるというのは、その時代に合わせるためであり、人々がさまざまな価値感、多様化する中において、時代の変化に応じた役割を担う持続可能な公園運営の仕組みづくりが必要不可欠であると私は考えております。
 まず一点目の質問でございますが、本年六月に改正された都市公園法において、公募設置管理制度、いわゆるパークPFIが創設なされましたが、この制度にはどのようなメリットがあるのかお伺いをいたします。

○日浦公園緑地部長 公募設置管理制度は、来園者にとっては飲食店の充実などによってよりよいサービスが受けられる、民間事業者にとりましても長期的視野で事業展開が可能となる、公園管理者にとりましては財政負担の軽減ですとか民間のアイデア、ノウハウにより質の高いサービスの提供が実現できると、それぞれにメリットがあると考えております。

○平委員 ありがとうございます。パークPFI制度を利用して、民間事業者が都立公園内に飲食店などを展開することによって来園者はサービスを受けられ、民間事業者は収益を得ることができる。公園管理者の都は、使用料を徴収することで財政負担の軽減につながる。公園へ来園する都民、民間事業者、公園管理者、いずれも大きなメリットがあるということが理解できました。
 この制度を効果的に使って都立公園に民間活力を導入していくことが必要であると思いますが、都のご見解を伺います。

○日浦公園緑地部長 本年五月の東京都公園審議会、都立公園の多面的な活用の推進方策についての答申におきましては、都立公園の多面的な活用を推進するに当たっては、都立公園の魅力や価値を高めるために、民間活力を可能な限り発揮させていくことが必要であると示されております。この答申が目指す公園の姿を実現するための手法の一つとして、公募設置管理制度を活用することは有効だと考えております。
 現在、民間事業者や学識経験者の意見を伺うなど、答申を踏まえたモデル事業の実施に向けて取り組んでおりまして、その手法として公募設置管理制度の活用についても検討してまいります。

○平委員 ありがとうございます。公募対象公園施設に限り、建蔽率を本則である二%から一二%に引き上げる特例規定を設けるということで、従来の緑がなくなる危険性があるということ、また、本来の公園の機能が損なわれるのではないかという心配の声も先ほど上がりました。
 公園の緑、公園の本来の機能を守りつつ、事業者や地元の要望をしっかりと聞いて、都立公園のポテンシャルを最大限に発揮させるために、パークPFI制度を有効活用していただくよう要望いたしまして、私の質疑を終わります。
 ありがとうございました。

○田の上委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○田の上委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で建設局関係を終わります。

○田の上委員長 これより環境局関係に入ります。
 付託議案の審査を行います。
 第百八十一号議案及び第二百十二号議案から第二百二十号議案までを一括して議題といたします。
 本案については、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○笹沼総務部長 去る十一月二十九日の当委員会で要求いただきました資料につきましてご説明申し上げます。
 お手元の環境・建設委員会資料をごらんください。
 表紙をおめくり願います。東京都立小峰公園外三施設の指定管理者公募に係る応募結果でございます。
 指定管理者を公募した四施設につきまして、応募者数、応募者名を記載してございます。
 以上、簡単ではございますが、説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○田の上委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本案に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○関野委員 それでは、質疑させていただきます。
 自然公園施設の指定管理制度について幾つか質問をさせていただきますが、前回の選定時に比べて、今回の指定管理選定を行う施設では少し仕様書も変わってきているのかなというふうに感じております。
 そこでまず、今回の選定に当たって、従前の指定管理者の仕様書を変更した背景及び、また仕様書を変更したポイントについてお伺いをいたします。

○金子緑施策推進担当部長 都は、ことし五月に、東京の自然公園ビジョンを策定、公表いたしました。ビジョンでは、多様性と連続性が織りなす自然環境を育む自然公園、人と自然との関係を取り持つ自然公園、そして、誰もが訪れ誰もがかかわれ誰からも理解される自然公園、この三つを東京の自然公園の目指す姿として掲げております。今回、この三つの目指す姿を実現するための取り組みの一環として、仕様書の改善を行ったところでございます。
 今回の選定に当たりましては、公募等の手続開始の前に、更新施設について従前の指定管理者仕様書の再検証による変更を行いまして、その内容をさらに新規公募施設の仕様書にも適用いたしました。
 その結果、人文資源に関するアナウンスの充実や利用者サービスの向上に向けた物販等の実施については今回選定を行う全施設の業務に、さらに、ボランティア組織の設置運営についてはビジターセンターの業務として、新たに記載したところでございます。

○関野委員 ありがとうございます。仕様書の変更と背景については了解しました。
 また、今回は指定管理という形になりましたので、業務が追加されたということは、管理者の必要経費というのも増加するのかなという部分で考えております。
 例えば、今回、高尾や御岳のビジターセンターの指定管理者の候補者、この人たちは当該施設の展示解説業務というのをこれまで受託してきたとういうふうに聞いておりますが、今回の追加業務だけではなく、空調設備や照明設備など、さまざまな設備類の管理も今後行わなければならないというふうに考えております。
 そうしたことが前提で、必要経費を候補者は十分に検討しているのかどうか、また、そういったものを確認する必要があると思っておりますが、特に新規に指定管理者制度を導入する施設の管理者選定に当たっては、どのように提案の経費面の動静を確認しているのか、この点についてお伺いをいたします。

○金子緑施策推進担当部長 今回、新たに管理者を選定する自然公園施設の管理運営経費につきましては、従前、都が施設管理を行っていたときの必要経費の実績等を基準額という形で公募要項に明示してございます。これには展示解説のみならず、設備の保守等の維持管理業務についても積み上げを行っております。
 選定に当たっては、提案された業務詳細内容に対し、必要な経費が支出計画に計上されているかを確認するとともに、基準額に対する効率性についても審査し、業務内容と経費について総合的に判断を実施しているところでございます。

○関野委員 ありがとうございます。ビジターセンターの機能強化を図って、あわせて経費面での提案についても確認しているということで理解はいたしましたが、先ほども話しましたが、今回新規に指定管理制度を導入する御岳や高尾のビジターセンターは、これまで委託により解説展示を行っていた事業者が候補となっております。
 指定管理の仕様書に、遵守すべき法令一覧というところに消防法や電気事業法など、さまざまな法令が掲げられておりますが、これらを守るには専門的知見が必要なのではないかなというふうに考えております。正直、解説展示を担ってきた事業者にこれらの業務が担えるのかどうかという部分のチェックが必要と考えております。
 そもそも管理に関する法令について、この候補者は遵守可能なのかどうか、どのように審査をしたのかお伺いいたします。

○金子緑施策推進担当部長 ご指摘の高尾ビジターセンターと御岳ビジターセンターの事業者については、法令遵守の体制に関する提案内容の確認とともに、他県等における類似の指定管理業務を受託している等の実績もあわせて審査し、適切に管理が行えると判断したものでございます。

○関野委員 他県等における類似の指定管理を受託しているということです。了解しました。
 では、実際に指定管理となったとき法令遵守されているかどうか、どのように確認をするのか、この点についてもお伺いします。

○金子緑施策推進担当部長 指定管理者による管理については、四半期に一度の履行確認を行っております。具体的には、設備の維持管理等について、いつ、何を行ったか詳細にその実績を記した書類の提出を求め、適切に行われているか現地を確認しております。
 例えば、ビジターセンターには消防設備が設置されておりますが、これについては消防法に記載された点検頻度等を全うしているかを確認しております。点検等について、指定管理者が外部事業者に委託を行っている場合には、その委託契約状況とその履行状況についても確認を行っております。

○関野委員 わかりました。四半期に一度ということで、仕様書の方に書いてあることと同じなのかなというふうには理解いたしました。新しい指定管理者ですから、こういった方々に関してはしっかりと履行管理を行ってほしいというふうに要望しておきます。
 ビジターセンターでは、自然環境に関する情報の発信をするとともに、登山道の管理作業、自然観察会など、ボランティアの運営も担うこととなっているというふうに聞いております。高尾や御岳、あるいは小峰公園等のビジターセンターで、それぞれのエリアの情報を総合的に提供し合って、イベントやボランティアの共同の企画なども実施すれば、よりよい企画ができるのではないかなというふうに思っております。
 そういう意味では、お互いのエリアの情報を訪れた利用者に提供すれば、東京の自然公園全体の利用が一層推進されるのではないかと思っております。
 ビジターセンターは、場所により異なる指定管理者が管理を行っているということですが、ビジターセンター間の連携について、指定管理者に取り組ませるべきと考えておりますが、見解をお伺いしたいなと思います。

○金子緑施策推進担当部長 東京の自然公園には、都が設置したビジターセンターが八カ所ございます。奥多摩や高尾、あるいは小笠原など、それぞれのビジターセンターが立地する自然公園の環境は大きく異なっております。こうした多様な環境に立地するビジターセンターが相互に情報を共有し、アナウンスすることは、訪れた人の東京の多様で豊かな自然に関する理解を深めることにつながり、より一層の利用促進に有効でございます。
 また、ご指摘のとおり、ボランティア運営等を共同で企画すると、企画内容もよりよいものになることが期待できます。
 そこで今回、特にボランティア運営等について、指定管理の公募仕様書に追加した中で、他のビジターセンターとの連携、情報交換も明記したところでございます。
 その結果、例えば高尾ビジターセンターの候補者からは、奥多摩ビジターセンターや八王子市立のビジターセンター、他県のビジターセンターとの情報交換等の提案がなされております。
 指定管理者への指導監督を行う中で、都としてもビジターセンター間の連携の強化に取り組んでまいります。

○関野委員 わかりました。ありがとうございます。例えば、指定管理者間での持ち回りでビジターセンター連絡会議みたいなものとか、そういう開催をするなどの工夫により、より一層の、ビジターセンターの展示やイベントの企画、あるいはボランティア活動拠点として充実が図られるのではないかなというふうに思っておりますので、その点についても一考していただければなというふうに思っております。
 では、自然公園では区域全てが都が所有する施設ではないのかなという部分で、民有地も含めて規制をかけることで自然を守るとともに、登山道などは民有地も含めたエリアに整備するという制度になっていると思います。
 そのような制度のもとで、例えば森林組合さんや土地所有者の理解を得ながら事業を進め、連携していくことが重要であると考えております。そうした森林組合や土地の所有者の理解があって成立している利用だということを、ある意味、ここに来られた利用者に伝えていくということも大切であり、必要でもあるのかなというふうに理解しております。この件について、どういった考えなのかお伺いいたします。

○金子緑施策推進担当部長 都内の自然公園は、把握しているだけでも約四割の土地が民有地でございます。このため、自然公園の管理に当たっては、土地の所有者の協力や理解を得ながら、規制や事業を進める必要がございます。
 そのため、東京の自然公園ビジョンでは、このことを明記するとともに、土地所有者等との連携を図ることとしております。
 例えば、先月、高尾地区に設置いたしました管理運営協議会では、薬王院や森林組合等、自然公園内の土地所有者の参加も呼びかけ、それぞれの取り組み等の紹介も行うとともに、イベント等情報についても共有し、連携することとしております。来年度からは、高尾ビジターセンターの指定管理者にも協議会に入ってもらう予定でございます。
 また、雲取山で実施した登山イベント等でも、土地所有者の存在やその協力等について参加者に説明しております。
 今後も、あらゆる機会を捉えまして、土地所有者と連携するとともに、土地所有者の協力について利用者に積極的に周知してまいります。

○関野委員 わかりました。ありがとうございます。ビジターセンターの管理者となる指定管理者にも、よく自然公園の制度だったり、東京の自然公園の特徴を熟知してもらって、土地所有者の方々、森林組合のような林業従事者などと連携が推進されるよう、指定管理の方にはしっかりと指導をしていただければなと思っております。
 もちろん、やはり東京都が全部持っているのであれば、これといってクレームは東京都が全部受ければいいんですけれども、東京都だけではなく、やっぱりほかの土地の所有者もおります。人が来るということは、こういう言い方もあれですが、ごみを落としていくこともありますので、ちょっとしたそういったことが土地所有者の方とのボタンのかけ違いになると、せっかくいい施設も使えなくなってきたり、いろいろな問題が起こってくると思いますので、そこの部分を指定管理者にしっかりとお伝えしていただければなと思うと同時に、東京の自然公園ビジョン、この実現に取り組んでもらうことも、しっかりと指定管理者と手を携えて、東京都として行っていってほしいなということを要望しまして、私の質問を終わりにさせていただきます。

○河野委員 質問します。第二百十二号から二百二十号議案は、環境局所管の都立小峰公園外八施設の指定管理者を指定するもので、私は順次質問をさせていただきます。
 都立小峰公園は、二〇〇八年度から東京都公園協会が指定管理者になって、管理運営に当たってきました。来年度からの指定になれば、十一年目に入ることになります。
 小峰公園は私も訪れたことがありますが、谷川が流れて、湿地帯もあり、変化に富んだ里山の自然に触れることができる公園ですが、およそ十年が経過した現在、指定管理者制度を導入して小峰公園の管理運営に当たってきた環境局としては、どのような評価をされておられますか。

○金子緑施策推進担当部長 小峰公園は、平成二十年度から指定管理者制度を導入し、毎年、前年度の管理状況については、外部委員の参加を得た評価委員会を経て評価をしております。
 その結果、平成二十年度から二十八年度までの九年間、良好な管理が実施されていると評価されております。特にここ四年間は連続して、管理が優良であり、特筆すべき実績、成果が認められたというS評価を獲得しており、極めて質の高い管理を実施しております。
 具体的には、例えばイベント開催について、内容や回数が拡充されていること、生物多様性の保全等について率先して取り組んでいることなどが高く評価されております。
 こうしたことから、小峰公園における指定管理者制度の導入は有効であったと評価しております。

○河野委員 今回、議案が出されております特命による指定管理者指定の五つの施設、二〇〇六年からということになっておりますが、間もなく制度が導入されて十二年を迎えます。それぞれに自然の多様性に富んだ特徴がある施設でありますが、自然公園施設全体についての環境局の現在においての評価、この点もお伺いをしておきたいと思います。お願いいたします。

○金子緑施策推進担当部長 自然公園エリアにおける環境局が所管する施設では、八つの施設に指定管理者制度を導入しております。どの施設も、先ほどご答弁した評価委員会を経て、毎年A以上の評価を獲得しております。
 具体的には、例えば海のふるさと村では、閑散期対策として、島内住民の利用を促進するなど、島内需要の掘り起こしの努力が進められており、今後、多様な利用に対する対応の拡充が期待できます。
 また、山のふるさと村では、地元の漁協と連携したヤマメのつかみ取りイベントの実施など、地域との連携に伴う施設の運営管理面での充実とともに、地域の活性化への貢献も期待できることが高い評価を得ております。
 ほかの施設におきましても、同様に指定管理者の創意工夫が高い評価を得ており、自然公園エリアの施設における指定管理者制度の導入は有効であったと認識しております。

○河野委員 いずれも、小峰公園においても、ほかの施設についても有効であったというご判断、それはお伺いをいたしました。
 それで、私、公募施設の選定委員会の評価を見てみました。配点五百点で、小峰公園は四百三点、高尾ビジターセンターが三百七十八点となっていました。御岳の今回指定を受ける予定になっている二つの施設は三百点台で、低い方と感じたので、さらに工夫が求められていると思っています。
 一方、特命指定の山のふるさと村、海のふるさと村について、利用者の感想をインターネットで検索してみたところ、それぞれ五点満点で三・七点、そして、四・五点の評価でした。山や海の自然の中の施設ですから、気象条件のことから考えても、管理運営の難しさがあると思いますが、指定管理者として、各自治体は運営の努力をしていること、それが伺うことができました。
 そこでお聞きしますが、東京都の各施設への指定管理料についてです。どのような状況でしょうか。二〇〇五年度におきましては、委託管理という方法でしたが、そのときの管理経費と二〇〇六年度、指定管理者がスタートしたその年度からの委託料について、お示しをいただきたいと思います。特命指定の海のふるさと村、山のふるさと村、多幸湾公園、この三つの施設についてお示しをいただきたいと思います。

○金子緑施策推進担当部長 お尋ねの三施設は、いずれも平成十八年度から制度を導入しております。
 山のふるさと村は、平成十七年度の管理経費が約一億四千二百万円、平成十八年度の指定管理者への委託料は約一億三千七百万円でございます。
 また、海のふるさと村は、平成十七年度の管理経費が約五千五百万円、平成十八年度の指定管理者への委託料が約四千九百万円でございます。
 多幸湾公園は、平成十七年度の管理経費が約三千二百万円、平成十八年度の指定管理者への委託料は約二千五百万円でございます。

○河野委員 答弁をいただいた特命三施設でも、都の財政支出は指定管理になって減額になっている、このことがわかりました。指定管理者になってから既に十年以上の時がたっていて、当然ですが、各施設は年々傷みが生じています。大規模な改修の場合は、東京都が工事費を負担するそうですが、その時々の施設の補修は、施設管理者の自治体負担とのことです。テントの貸し出しなど、利用料金で指定管理者の収入になるものもありますが、都からの指定管理料と利用者からの利用料金だけでは足りないので、自治体が持ち出しをせざるを得ない負担もあると聞いています。
 ある施設では、シロアリの被害で施設の手入れが必要になっていて、財源の捻出に苦労している、また別の施設では、観光地でもあり、観光政策として位置づけて指定管理者を継続してきたが、今後は指定管理料の切り下げには応じられないと考えているとのことでした。
 もともと指定管理者制度は、経済効率を優先させる考え方で導入されてきました。今、多摩の山間や島しょの自治体が指定管理者として、管理運営に加えて財政運営の面でも一生懸命に努力しているのが現状であり、東京都はそのことを認識していただきたいと私は率直に思います。
 指定管理者に指定されている多摩や島しょの自治体への財政的支援、これは必要だと思いますが、現状に照らしての環境局のお考えを伺います。

○金子緑施策推進担当部長 お尋ねの自治体が管理運営を行っております施設におきましては、山のふるさと村、海のふるさと村、多幸湾公園、いずれも指定管理者制度導入に当たって、導入前の管理経費を精査した必要な委託分に加え、宿泊施設等の利用料金収入が新たに指定管理者である自治体の収入となる仕組みとなっております。
 また、今回の選定に当たりましても、各自治体から意欲的な取り組みが提案されており、それぞれ無理をして引き受けているというご指摘は当たらないかと考えております。

○河野委員 各自治体は無理をして引き受けているのではないというご判断ということは、そうなのでしょうかと大変疑問です。
 東京都の環境局のお立場があるから具体的には申しませんが、地元からは、率直にいってかなり厳しい意見が聞こえてきています。島しょ部で考えると、台風などの気象条件で来訪者の数が減ってしまうこともあり、利用料金が入るから財政的に問題はないとの認識は、正確ではないということを申し上げておきます。
 指定管理者の各自治体の負担感は大きいのでありますから、十分な配慮が必要であることを改めて申し上げておきたいと思います。
 次に、御岳インフォメーションセンターについてお聞きします。
 これまで御岳インフォメーションセンターは、御岳ビジターセンターと一括で青梅市に管理委託となっていました。そして、インフォメーションセンターでは、主に青梅市のシルバー人材センターの役割が大きいものがありました。
 今後は、ビジターセンター、そしてインフォメーションセンターと別々の指定管理者になる方向ですが、御岳インフォメーションセンターでのシルバー人材センターの方々は、来訪者に親切に接してくれると総じて好評の声が聞こえます。その様子を見てきた地域の人たちから、青梅市観光協会が指定管理者になった場合、シルバー人材センターの方々の処遇はどうなるのかと心配の声が寄せられています。
 青梅市観光協会が指定管理者になっても、シルバー人材の人たちの仕事が守られるのかどうか、この点もお伺いをしておきたいと思いますので、お願いいたします。

○金子緑施策推進担当部長 自然公園の施設の管理に当たりましては、その土地の自然や文化等にかかわりを持ち、活躍している地域の人材や団体と連携することが有効でございます。
 こうしたことから、御岳インフォメーションセンターの指定管理者仕様書についても、地域の人材や団体と連携するよう明記しているところでございます。

○河野委員 これまで長い間にわたって地域の振興と、そして、観光地である御岳を訪れる人たちのために力を発揮してきたシルバー人材センターを初めとして、さまざまな力が発揮されますように、特にシルバー人材の方々の処遇については、しっかりと確保されるように改めて要望させていただきます。
 指定管理者については、選定委員会が審査を行っています。環境局の場合は、外部委員も入った五人での選定委員会が構成されておりますが、自然公園の施設を利用する立場の公募委員は入っていません。
 都民、利用者の声は、今、アンケートを行ったり、インターネットで感想や意見も寄せてもらったりと工夫されていると思いますが、利用者の意見をリアルに反映するためにも、また、評価に透明性や客観性を確保する上でも、選定委員会に公募委員が加わる、そのような仕組みづくりが好ましいのではないかと私は考えております。公募委員についてのお考えを伺っておきます。

○金子緑施策推進担当部長 選定委員会は、公正な選定を行うとともに専門的な審査を行うことが求められており、自然公園制度や国内外の事例に造詣の深い学識経験者や公認会計士などの有識者の参加を得ているものでございます。
 また、審査では、申請者が利用者ニーズの把握、多様な利用者への利用促進、環境学習、広報など、利用者の声を十分に把握した施設運営を行うことを提案しているかどうかを確認することで利用者の声を反映できる選定となっております。
 なお、仕様書の中で、指定管理者は施設の利用者に対する満足度調査等アンケートを実施することとしており、その点からも、利用者の声が施設管理に反映される仕組みとなっております。

○河野委員 公募委員は、都民参加を保障することでもありますし、都民のニーズをより具体的に把握した管理運営につながっていくと考えますので、これは検討課題としていただくように要望いたします。
 意見として述べさせていただきますが、自然公園の各施設は、都民と自然が触れ合う大切な場所です。自然環境が守られ、都民誰もが親しめる施設にしていく努力と、指定管理者の島しょや多摩の各自治体への支援を強めることを都に求めるものであります。
 もともと指定管理者制度は、公的施設に民間事業者が参入し収益を上げる、すなわち、民間活力の導入と経済効率優先の市場主義の考え方に基づいて導入された制度であります。
 今回の議案の九つの施設は、豊かな自然が残された自然公園内にある施設で、本来は、指定管理者制度になじまない施設と考えます。たとえ非効率であっても、都民にとっての貴重な自然環境の中にある財産は、公的に守り育てていく、このことがふさわしいと思っています。
 そして、都は、地域経済の振興や雇用への配慮が求められている、このことを認識していただくことを述べまして、質問を終わらせていただきます。

○やながせ委員 私からも環境局関係の指定管理者について、幾つか質問させていただきたいと思いますけれども、今回九件の指定管理ということでありますが、五件が特命ということであります。これは建設局のところで話をしたんですけれども、なぜ特命にするのか、この点についてお伺いしたいと思います。

○金子緑施策推進担当部長 指定管理者の選定については、全庁的な指針として、東京都指定管理者選定等に関する指針が定められております。この指針において、特命が可能と定められた、山間や島しょなどに設置され、地理的に事業者の参入の機会が限定される施設に該当する各施設におきまして、今回は、以下申し上げる四点の理由から、地元自治体への特命を決定したものでございます。
 一点目が、自然災害等の際、迅速かつ柔軟な対応に不可欠な地元関係機関との連携を効率的に行うことができること、二点目が、地域の資源及び人材を活用した体験サービス等の提供ができること、三点目が、安定した経営基盤による継続的な運用が可能であること、四点目が、過去三年間の指定期間における評価が評語Aに相当し、管理運営の状況が良好であったことでございます。
 なお、毎年行う評価時には、これら特命要件の継続状況について確認しているところでございます。

○やながせ委員 今、主に四点を述べられたわけでありますけれども、その四点を聞いても、それがなぜ特命が必要なのかということが私は理解できないわけでありますけれども、ちょっと同じことの繰り返しになるのであれですが、これは特命にしたいというのはよくわかりました。わかるんですけど、であれば、なぜこの事業者でなければできないのかといったことを合理的に都民に説明する必要があると思います。
 その点では、先ほどの建設局でも問題にしましたけど、これは各局にいっていますけれども、選定委員会の議事録、これが非公開であるということ。ですから、これ、いただいた資料を読んでも、なぜ当事者でなければいけないのかということは、やっぱりよくわからないわけでありまして、議事録を公開していただきたいと思いますけれども、見解を伺います。

○金子緑施策推進担当部長 指定管理者の選定に当たっては、選定結果の適正性や透明性を担保する観点から、具体的な選定基準や選定手順、選定理由等を公表しております。
 なお、選定委員会では、応募事業者の財務状況や職員の個人情報など非公開情報が含まれることから、委員会は非公開で運営することとしており、議事録についても当該候補者が選定されるに至った要旨を公開しているものでございます。

○やながせ委員 ありがとうございます。今回特に五件に関しては特命であるということで、しかもずっと同じところが特命でやっているわけです。ですから、特に競争があって、こちらに隠さなければいけない何か企業秘密が書かれているとか、そういうことではないと思います。もしそれが書かれていたとしても黒塗りにする等々できるわけでありますから、これは透明性の確保という点から、しっかりと公開をしていただきたいと、このことを求めていきたいというふうに思っております。
 なぜこれを私は申し上げるのかというと、これ、いただいた、指定管理者がどういう管理をしてきたのかということがわかるのが、この指定管理者評価委員会の議事録、こちらを読めば、指定管理者がどういった課題を抱えて、どういった取り組みをしてきたのかということが手に取るようにわかるわけであります。これを見て、私、ちょっと驚いたのが、最初に申し上げておくと、この委員会はかなり厳しく評価しているなと思います。かなり厳しいですね。
 例えば、海のふるさと村。大島の話で申しわけないんですけれども、海のふるさと村に関して、懐中電灯問題というのがありまして、利用者が懐中電灯を貸してくださいといったところ、懐中電灯を貸すことはできるけれども、中身の電池は抜いて貸すと。外身しか貸さないという問題がありまして、これは運営している指定管理者側としては、消耗品だからコストを少しでも下げようという中で、電池を抜いて貸すということをしているようでありますけれども、余りにもコスト削減にのめり過ぎていて、ちょっと利用者サービスの向上といった点からすると、なかなかこれ厳しいものではないかなと思います。
 こういったことがこの評価委員会の中で、この海のふるさと村の村長さんは、いやいや、これは電池は買ってくださいということなんですということを堂々と述べられているということで、この指定管理者の意識がどちらに向いているのかなということでいうと、かなり疑問であります。
 ただ、こういったことをいっていても、結局、これまでの評価としては、AなのかAプラスなのかSなのかということで、極めていい評価がつけられています。
 その評価がどうやって決まっているのかということ、これがこの委員会で評価をしているわけでありますけれども、見ると、最初は各委員が点数づけをして、Aの人、Aプラスの人、Bの人というのがいるのかもしれないですけど、最初に各委員が点数づけをして、それを持ち寄るということのようなんです。最後の決め方が、ちょっとこの委員の言葉は出しませんけれども、Bはちょっと厳しいと思います、そうですね、相対的なバランスも考えるとAでいいかと思いますのような評価をされているわけですね。最終的な評価はAなんですよ。これはちょっと指定管理者の管理状況を評価するに当たって、余りにもアバウトなんではないかと。
 Bはちょっと厳しいと思います、そうですね、相対的なバランスも考えるとAでいいかと思いますと、ちょっと二回読んでしまいましたけれども、私はこれを見て、ああ、こんな感じで決まっていくんだということで、ちょっと驚いた次第でありますけれども、こういった評価の仕方について、どのように認識されているのか、これをお伺いしたいと思います。

○金子緑施策推進担当部長 評価につきましては、今ご指摘のとおりの手順で行っておりますが、相対的な評価と申しましても、それぞれの専門家の方が客観的な立場で、なおかつこの場のプレゼンだけではなくて、実際に現地を見て、膨大な資料を見て、その上で責任を持って評価していただいているものだと判断しております。

○やながせ委員 決していいかげんな評価をしているということではないんですけど、最後のAかBか、AプラスなのかSなのかということを決める段階で、やっぱり悪いのはつけられないなという評価委員の感覚の中でこういったことが決定されているという、そのあり方を修正していくべきなんではないかというふうに思うんです。
 それで、私が申し上げたかったのは、この委員の皆さんは厳しく、厳密に評価をされているわけでありますけれども、その中で、例えば海のふるさと村なんかに関しては、長年見てきていらっしゃるわけでありますが、そういった中で、抜本的な改善をしなければ、もう難しいんではないかというような意見が出されています。
 また、山のふるさと村等々に関しても同じような意見が出されているわけでありますけれども、こういった評価委員の皆さんの意見はどう取り込んで運営に生かそうとしているのかといったことをお伺いしたいと思います。

○金子緑施策推進担当部長 評価委員会での評価は、Aなり、Sなり、出るわけでございますが、私どもといたしましても、こうした委員会の場で出る先生方からの要望、意見等は指定管理者に伝えておりまして、きちんとそういう考えがフィードバックされるように指導しております。

○やながせ委員 そうですね。ここに出てきた意見がしっかりとフィードバックをされるようにというふうに願っております。
 ただ、それを勘案しても、今回指定管理を受ける各施設の利用状況を見ると、かなり厳しい状況があるなというふうに思います。例えば、奥多摩の山のふるさと村であれば、平成二十一年度には約十四万人の方が利用していたのが、今は八万人程度ということで、宿泊者はほぼ横ばいなんですかね、というような状況もあります。
 また、奥多摩都民の森に関していうと、二十一年度には一万一千人の方が利用されていましたけれども、今は六千人近くということで、半減してきているということであります。
 それから、海のふるさと村に関していえば、これは昭和六十一年に開園されたということで、設置から三十年近くがかかっているということであります。その中で、先ほども委員からもありましたけれども、やっぱり各自治体がかなりもがき苦しみながら、何とか頑張っているという姿が見てとれるわけであります。もともとの目的が、かなり安い価格帯で、できるだけ多くの方にいろんなものを体験していただくということが目的で始まった事業だということはよくわかるんですけれども、ちょっと安かろう悪かろうでは利用者も減っていくばかりということでありまして、ここで、これを大規模改修するのか、それとも、やり方を全く変えてしまうのか、基礎自治体に移管をしてしまうのか等々、大きなターニングポイントに来ているんではないかなというふうに考えております。
 そういった大きな方向をぜひ考えていただきたいというふうに思うわけでありますけれども、これからその大きな方向性については、どういった手順で考えていくのか、その点についてお伺いしたいと思います。

○金子緑施策推進担当部長 先ほどご答弁いたしましたように、指定管理者制度の導入に当たりましては、必要な管理経費を十分に算定し、また、利用料金収入等が新たに自治体の収入となるような仕組みとなっております。
 現在、各自治体からも意欲的な取り組みが提案されておりますので、無理をして引き受けているという指摘は当たらないと考えておりますので、当面は現在の指定管理者を活用して、効率的な運営をしていきたいと考えております。

○やながせ委員 ありがとうございます。ぜひ、それぞれの施設ができるだけ多くの都民の方が喜んで利用されるように発展をしていただきたいというふうに思いますけれども、そのためには、各委員のメンバーの皆さんも、かなり厳しい意見が出ています。これは率直に受けとめる必要があると思います。ぜひ、これからの三年間ということで、この指定管理していくことに異を唱えるものではありませんけれども、この経過をしっかりと私は見ていきたいというふうに思いますが、これ三年後には大きな転換点となっていくんだろうと思いますので、ぜひそういった意味でご検討いただきたい、このことを申し上げまして、私の質問を終わります。

○田の上委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○田の上委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で環境局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後四時四十八分散会

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