委員長 | 両角みのる君 |
副委員長 | 河野ゆうき君 |
副委員長 | 大島よしえ君 |
理事 | まつば多美子君 |
理事 | 清水 孝治君 |
理事 | 西崎 光子君 |
高倉 良生君 | |
舟坂ちかお君 | |
河野ゆりえ君 | |
近藤 充君 | |
今村 るか君 | |
小山くにひこ君 | |
高橋かずみ君 | |
こいそ 明君 |
欠席委員 なし
出席説明員環境局 | 局長 | 遠藤 雅彦君 |
総務部長 | 笹沼 正一君 | |
環境政策担当部長 | 小原 昌君 | |
政策調整担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 | 鈴木 研二君 | |
地球環境エネルギー部長 | 松下 明男君 | |
都市エネルギー推進担当部長 | 小川 謙司君 | |
環境改善部長 | 松永 竜太君 | |
環境改善技術担当部長 | 近藤 豊君 | |
自然環境部長 | 志村 昌孝君 | |
緑施策推進担当部長 | 須藤 栄君 | |
資源循環推進部長 | 谷上 裕君 | |
調整担当部長スーパーエコタウン担当部長兼務 | 風祭 英人君 |
本日の会議に付した事件
意見書について
環境局関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 平成二十九年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為 環境局所管分
付託議案の審査(質疑)
・第五十一号議案 東京都自然公園条例の一部を改正する条例
報告事項(質疑)
・「廃棄物等の埋立処分計画」の改定について
・第十二次鳥獣保護管理事業計画について
・第二種特定鳥獣管理計画(第五期東京都第二種シカ管理計画)について
○両角委員長 ただいまから環境・建設委員会を開会いたします。
初めに、意見書について申し上げます。
委員から、お手元配布のとおり、意見書二件を提出したい旨の申し出がありました。
お諮りいたします。
本件については、取り扱いを理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○両角委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
○両角委員長 次に、予算の調査について申し上げます。
平成二十九年度予算は予算特別委員会に付託されておりますが、本委員会所管分について議長から調査依頼がありました。
公文の写しはお手元に配布してあります。
朗読は省略いたします。
平成二十九年三月十六日
東京都議会議長 川井しげお
環境・建設委員長 両角みのる殿
予算特別委員会付託議案の調査について(依頼)
このことについて、三月十六日付けで予算特別委員長から調査依頼があったので、左記により貴委員会所管分について調査のうえ報告願います。
記
1 調査範囲 別紙1のとおり
2 報告様式 別紙2のとおり
3 提出期限 三月二十三日(木)午後五時
(別紙1)
環境・建設委員会
第一号議案 平成二十九年度東京都一般会計予算中
歳出
繰越明許費
債務負担行為
環境・建設委員会所管分
(別紙2省略)
○両角委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、環境局関係の予算の調査、付託議案の審査及び報告事項に対する質疑を行います。
これより環境局関係に入ります。
予算の調査、付託議案の審査及び報告事項に対する質疑を行います。
第一号議案、平成二十九年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為、環境局所管分、第五十一号議案及び報告事項、「廃棄物等の埋立処分計画」の改定について外二件を一括して議題といたします。
本案及び本件につきましては、いずれも既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○笹沼総務部長 去る二月十七日の当委員会でご要求いただきました資料につきましてご説明申し上げます。
お手元の環境・建設委員会資料をごらんください。
表紙をおめくり願います。目次のとおり資料は十件ございます。
まず、一ページをお開き願います。1、都内のエネルギー消費量の部門別推移でございます。
平成十六年度から二十六年度までの各年度における産業、家庭、業務及び運輸の各部門のエネルギー消費量を記載してございます。
表の上段には、京都議定書の基準年である平成二年度の数値及び都の省エネルギー目標の基準年である平成十二年度の数値を記載してございます。
二ページをお開き願います。2、再生可能エネルギーによる都内電力利用割合(過去三年分)でございます。
平成二十四年度から二十六年度までの各年度における再生可能エネルギー電力利用割合を記載してございます。
三ページをお開き願います。3、太陽光発電の普及状況(直近五年間)でございます。
平成二十三年度から二十七年度までの各年度における住宅用とその他の太陽光発電の設備容量を記載してございます。
四ページをお開き願います。4、平成二十九年度補助事業(再生可能エネルギー・省エネルギー関連)概要及び実績でございます。
(1)、オフィスビル等事業所の創エネ・エネルギーマネジメント促進補助事業、(2)、スマートマンション導入促進事業、(3)、中小事業所向け熱電エネルギーマネジメント支援事業など、四ページから六ページにかけまして、平成二十九年度における再エネ、省エネ関連の補助事業の概要及び実績を記載してございます。
七ページをお開き願います。5、二酸化窒素及び浮遊粒子状物質濃度の全国上位十局の推移でございます。
(1)、二酸化窒素につきまして、平成二十二年度から二十六年度までの各年度における全国の測定局の年平均値上位十局の推移を記載してございます。
八ページをお開き願います。(2)、浮遊粒子状物質につきまして、同様に記載してございます。
九ページをお開き願います。6、大気汚染及び騒音に係る環境基準の達成状況(平成二十七年度)でございます。
まず、(1)、大気汚染における二酸化窒素及び微小粒子状物質(PM二・五)の環境基準達成状況につきまして、それぞれ表の上段に自動車排出ガス測定局、下段に一般環境大気測定局の状況を記載してございます。
次に、(2)、騒音における道路交通騒音、航空機騒音及び新幹線騒音の環境基準達成状況を記載してございます。
一〇ページをお開き願います。7、都内自動車走行量の推移でございます。
平成十七年度から二十六年度までの各年度における旅客及び貨物の各部門の自動車走行量の推移を記載してございます。
一一ページをお開き願います。8、保全地域に係る公有化予算額、公有化面積及び管理費予算額の推移(過去十年間)でございます。
平成二十年度から二十九年度までの各年度における保全地域に係る公有化予算額、公有化面積及び管理費予算額の推移を記載してございます。
一二ページをお開き願います。9、保全地域の指定実績でございます。
平成十九年度からこれまでに指定した保全地域名、年度、指定内容及び指定面積を記載してございます。
一三ページをお開き願います。10、「廃棄物等の埋立処分計画」に対する実績(五年分)でございます。
平成二十四年度から二十八年度までの埋立処分計画量及び実績を種類別に記載してございます。
以上、簡単ではございますが、説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○両角委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより本案及び本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○清水委員 それでは、私から環境局関係で何点かお伺いしたいと思います。
豊洲市場の地下水再調査で、国の環境基準の最大百倍のベンゼンが検出され、注目される中、今月十九日に行われました専門家会議では、平田座長から改めて市場地上部は安全との見解が示されたわけでございます。こうなりますと、豊洲市場の移転の可否は、まさに小池知事の政治判断に委ねられるのかなと思っている次第であります。
私は、小池知事に一刻も早い決断を求めたい観点から、豊洲市場移転問題について、環境局に関する質問をさせていただきたいと思います。
小池知事は、予算特別委員会の我が党、崎山委員の質疑に対し、築地か豊洲かの二者択一について言明がされました。今後、どちらに市場機能を求めるべきか、まさに両市場の比較検討が重要となってきたわけであります。
以上を踏まえまして、何点か環境局に質問したいと思います。
まずは、懸案でございますアスベスト対策について伺いたいと思います。
十四日から始まりました予算特別委員会の我が党会派委員の質疑で、築地市場に大量のアスベストが使用されており、安全性の問題が指摘されたわけでございます。
小池知事もこのことにつきまして、築地市場において、さまざまな方法で対処してこられたと聞いていると、このような答弁があったわけであります。
そこで、確認のためにお伺いしたいと思うんですが、アスベストを使用する都有施設にこの築地市場は含まれているのかどうなのか、環境局にお伺いしたいと思います。
○松永環境改善部長 都有施設のアスベスト使用状況につきましては、施設を管理する各局が調査を行い、安全対策を進めてまいりました。
環境局では、アスベストが使用された都有施設の対応状況につきまして、各局から報告を取りまとめております。
築地市場におきましては、飛散性の高いアスベスト含有吹きつけ材の使用が二十三カ所で確認され、このうち十カ所については既に除去済みであります。残る十三カ所につきましては、吹きつけ材は劣化しておらず、安定した状態であり、年四回の大気中濃度測定で飛散していないことを確認していると中央卸売市場から報告を受けております。
○清水委員 ご答弁いただきましてありがとうございます。さまざまな対応をしているんだなというふうな確認をする中で、間違いなくこの築地市場にもアスベストが存在するということがただいまの答弁で明らかになったわけでございます。
このアスベスト対策に関する法令は、これは日を追うごとに厳しさを増しているわけでありますが、築地市場においては、どのような場面でどのような対応が求められてくるのかお伺いをしたいと思います。
○松永環境改善部長 築地市場におきましては、アスベスト含有吹きつけ材が使用された建築物の解体工事や改修工事を行う際には、大気汚染防止法に基づく届け出を中央区に、また、石綿障害予防規則に基づく届け出を中央労働基準監督署に行い、除去作業場所の密閉など、適切な飛散防止措置を講じた上で工事を行う必要がございます。
○清水委員 このアスベスト対策につきましては、しっかりとした対応が求められているという内容の答弁だったと思うわけでございます。
同じく予算特別委員会のやりとりの中で、知事答弁で、この築地においても、それに改修等も法律で定められております、適切にその対応をされたと、このように聞いているところでございますというふうな答弁をいただいておるわけでございますが、この法律によれば、改修等を行うときは、都道府県等に届け出をしなければならないと記されてあるわけでございます。
これまで築地市場に関して、こういった届け出の確認は、環境局としてされているのかどうかお伺いしたいと思います。
○松永環境改善部長 アスベストの除去工事等を行う際には、区や労働基準監督署に必要な届け出を行い、適切な飛散防止措置を講じた上で工事を行う必要がございます。
このため環境局では、中央卸売市場が築地市場で実施した除去工事の届け出については把握しておりません。
○清水委員 把握ができていないというふうなご答弁だったと思いますが、大変申しわけないんですが、アスベストの届け出、これは確かに工事の場所ですとか、あるいは規模等の違いによって届け出先が違うということでございますが、アスベストの対策につきましては、大変都民の皆さんの関心が高い。ましてや、今、都政の一番の課題となっているのがこの築地の対応じゃないんですか。
しっかりとそういった確認を環境局の方で積極的にやるべきだと思いますので、しっかりと今後やっていただきたいと思います。お願いをいたします。
アスベスト対策でございますけど、この一点だけでも、やはり築地現在地再整備の困難性が予見されるわけであります。予算特別委員会のやりとりの中でもこの飛散防止の対策をするには、大変大がかりな対策をしなければならない。したがって、一部業務を停止していただかなければならない。その業務停止を、じゃあどこがするのかということだけを想像するだけでも、その合意形成には大変な時間がかかってしまうということになるというふうなことはわかるわけでございます。ぜひとも十分な検討をしていただきたいと思います。
次に、地下水のモニタリング調査について伺いたいと存じます。
豊洲市場移転に際し、法令を上回る土壌の安全基準を求めていった、私はその経緯は大変よく理解ができるわけであります。
しかしながらなんですが、平成二十六年十月に完了しました土壌汚染対策工事の後、なぜ都がこの二年間の地下水モニタリング調査に踏み切ったのか、その合理的な根拠がいまだに私はよく理解ができないんですね。
そこでお伺いしたいと思うんですが、市場が実施している地下水モニタリング調査が土壌汚染対策法上、どのような位置づけとなっているのかお伺いしたいと思います。また、この二年間に及ぶ地下水モニタリングは、土壌汚染対策法上の法的には義務に当たるのかということもお答えいただきたいと思います。さらになんですが、環境局として、この調査をどのように評価をなさっているのか、三つまとめてお伺いしたいと思います。
○近藤環境改善技術担当部長 現在、豊洲市場で行われている地下水モニタリングは、法令上の義務ではなく、中央卸売市場が台帳の記載事項の変更を目的として実施しているものと認識してございます。
○清水委員 今、お答えがございました。まず、重要なところを押さえておかなければいけないのは、法的には義務ではないというところなんですね。その上で、台帳の記載事項の変更を目的として実施したんではないかというふうに確認をしているということでございます。
ここ結構、どういうふうな意味で、義務ではないモニタリングを対策工事後に都が行ってしまったのかともいえるんですが、そこが重要なポイントだと思うんで、その辺を少し詳しくご説明いただけますか。
○近藤環境改善技術担当部長 詳しく説明させていただきます。
まず、形質変更時要届け出区域というのに指定された場合において、土地の所有者等がみずからの意思に基づいて、区域指定の解除でありますとか、台帳の記載事項を変更する場合には、汚染土壌の除去等の措置の実施後に地下水モニタリングを実施し、二年間以上の地下水基準適合を確認する必要がございます。
○清水委員 ありがとうございます。本来だったら市場の方にお答えいただくような質問だったのかなと思いますが、ちょっと重要だったんで、済みません、環境局の方からお答えをいただきました。
要は、豊洲の土壌というのを、形質を変更するときに当たっては、届け出をしなければいけませんよというのが豊洲の敷地の現状だったかと思うわけでございますが、そして、このモニタリングを行うことによって、ある一定の基準をクリアすれば、そういった届け出をしなくても済むというふうなことでよろしいんでしょうか。そのためにあえてこういった二年間のモニタリングを実施したというふうな解釈でよろしいんでしょうか。ちょっとここは時間を使わせていただきまして、再度ご質問させていただきます。
○近藤環境改善技術担当部長 説明させていただきます。
形質変更時要届け出区域というのは、地下に汚染物質等があるということが確認されて、その上で形質変更、まず、いじくるときには、あらかじめ届けてからやってくださいという区域でございます。
この区域で今申し上げたように工事をする場合には、事前に届けをくださいという意味でございます。
一方、先ほど私が答弁いたしましたのは、その区域を外すとき、あるいは台帳に書いてある汚染物質の記載を変更するときには、このモニタリングをしてくださいということになってございます。
○清水委員 ありがとうございます。この前段にあります平成二十六年十月に土壌汚染対策法上の工事はもう既に完了しているということであります。したがって、それを上回る確かに対策にも聞こえるんですが、そのことが実はこの要届け出区域を外すためにやったというふうなことにしか私には聞こえてまいりません。
したがって、よく知事がおっしゃっている、法を上回る対策をするんだということが、単なる要届け出区域を解除するためにやってしまったというふうなように聞こえてならないのは私だけでしょうか。
いずれにしても、こういったところが今後、都民の皆様に明らかになっていくことが重要なのかなというふうに、私は今回の問題に対して思っている次第でございます。
続きまして、これは最後になるんですが、築地、豊洲両市場における大気の状態について伺いたいと思います。
築地市場と豊洲市場の安全性、そして衛生面について、開放型と閉鎖型の違いがあるんだというふうな指摘がありました。開放型、これは築地市場でございます。そして、閉鎖されているのが、そしてコールドチェーンというふうな温度管理がされているのが豊洲市場でございます。
知事も閉鎖型の優位性については、予算特別委員会の中で何度も答弁がなされたわけでございます。そして、現在、中央卸売市場で築地市場、豊洲市場、それぞれ自動車の排出ガスのうち、代表的な有害大気汚染物質であるベンゼンについて、測定を行っているそうでございます、中央卸売市場としてですね。
その結果によれば、平成二十八年八月の結果は、築地市場が〇・〇〇一七ミリグラム・パー・立方メートル、ゼロが三つの一七ミリグラム・パー・立方メートルでございまして、豊洲市場の方は〇・〇〇〇八ミリグラム・パー・立方メートル、ゼロが四つの八ミリグラム・パー・立方メートルでありました。
ちなみに、この環境基準はどこに置かれているかといいますと、〇・〇〇三ミリグラム・パー・立方メートル、ゼロが三つの三ミリグラム・パー・立方メートルであり、これを毎日、やはり地下水と同じように、七十年間、十五立方メートルの空気を吸い続けても健康に影響がないというのが基準だそうでございます。ちょっとゼロが多過ぎて、なかなか言葉だけでは理解が難しいのかなと思うわけでございますが。
そこでちょっとお伺いしたいんですが、環境局におきましても、各地で測定局というものを設けまして、定期的にベンゼン等の含有量を測定しているそうだと聞いておりますが、築地市場、豊洲市場ではどのような結果がこの測定では出ているんでしょうか。環境局の測定結果の内容についてお伺いしたいと思います。
○近藤環境改善技術担当部長 中央卸売市場が実施しております調査によりますと、昨年八月十四日から十五日にかけて築地市場内でベンゼン濃度を測定しております。
先ほど先生の方からミリグラム単位でのご説明がありましたけれども、ゼロが多いものですから、三桁ずらしまして、マイクログラムの方で説明させていただきます。その結果によりますと、一立方メートル当たり〇・九マイクログラムから一・七マイクログラムと、環境基準値、これも三桁ずれますので、三・〇マイクログラム以下となってございます。
一方、豊洲市場内でも、中央卸売市場が昨年の八月十五日から二十三日にかけて測定した結果、施設内数カ所で一立方メートル当たり〇・七マイクログラムから一・三マイクログラムとなってございます。
○清水委員 ありがとうございます。ここがやはり数字の難しいところだと思うんですよね。どうしても言葉で伝えなきゃいけない我々議会というのが、都民の皆様に量的な感覚が伝わるのかなというふうなところが、私はこの質問でいいたいところでございます。
当然、環境局でも測定をしていただいていまして、市場とはそれほど変わらないような傾向が出ているのかなというふうなことだと思います。
私も築地市場、特に場外が好きでございまして、やはり何度か足を運ぶことがございますが、築地市場の置かれている現状を見ますと、やはりこれは、まずは開放型であると同時に、晴海通りと補助三一号線という大変大きな道路に囲まれている現状を鑑みますれば、築地市場と豊洲市場の若干の差というのは、私は出てきてこれは当然なのかなと思うわけでありますが、ここは専門家にもう一度確認をしてみたいと思うんですが。
改めて、築地市場と豊洲市場の大気中ベンゼンの違いが出たことについて、環境局の見解をお示しいただければなと思う次第でございます
○近藤環境改善技術担当部長 築地市場と豊洲市場の間に位置します中央区晴海にある測定局でベンゼン濃度を測定しておりますが、平成二十七年度の平均値は、一立方メートル当たり一・二マイクログラムでございます。築地市場及び豊洲市場で測定した濃度は、晴海測定局の濃度と同程度といえると考えております。
○清水委員 晴海が近いということで、測定局がそのような同程度というふうなことだと思いますが、私、済みません、ちょっと聞き方が悪かったかもしれません。豊洲市場と築地市場、ここにやはり若干の差が出てきてしまいますね。それは、今置かれている環境の違いなのかなというふうに私は認識しているんですが、環境局としては、例えば市場が測定した差につきましては、どのように認識をされているのか、その見解を再度お伺いしたいと思います。
○近藤環境改善技術担当部長 築地市場は開放型であり、晴海通りと補助三一号線に囲まれているという現状を鑑みますと、外気の影響を受けてこのような値になっているというふうに考えております。
○清水委員 ありがとうございます。専門の環境局の担当の方からも、私と同じ認識のご答弁をいただいたわけでございます。これだけを見れば、豊洲の方が安全ではないかということがいえないわけでもございませんが、しかしながら、環境基準は、私はちょっとゼロが多い数字、単位を使わせていただきますけれども、もう一度申し上げますが、〇・〇〇三ミリグラム・パー・立方メートルというものでございまして、築地市場も豊洲市場もこの環境基準は満たしているわけでございます。
しかしながら、築地市場と豊洲市場の量を、数値を比較しますと、一般的には築地市場の大気中ベンゼンは、豊洲市場の倍といわれかねないというのが数字の恐ろしさでございまして、あるいは難しさであると思っているわけでございます。
そして、片や嗜好品であるたばこの煙なんですが、私は、吸わないというか、吸えないんですが、これを調べてみますと、実にベンゼン量は〇・二ミリグラム・パー・立方メートルでありまして、環境基準の約七十倍ものベンゼンが含まれているというふうな事実がございます。
愛煙家の方は楽しんでお吸いになっているかと思うんで、それ以上のことは申し上げませんが、冒頭、地下水再調査での最大値、百倍のベンゼン検出量について私は申し上げましたが、しかし、地下水を豊洲市場で使用することはないわけなんですね。たばこを吸うのとは違うわけであります。
これを整理しますと、こういったコンマゼロミリグラムの数値の比較ですとか程度を都民の皆様に誤解なく伝えるということが、本来は私たち都議会議員の役目でもありますし、行政の皆様の役目でもある。そして、それが都民の安心につながっていくわけでありますので、この辺は非常に重要なところだと私は思うわけでございます。
改めて私は確認をしたいと思うんですが、たばこですとか地下水、ともに環境基準を超える値なわけでございますが、直接的な健康被害の観点から、環境局はどのようにこの二つの数値を解釈しているのかご見解をお伺いしたいと思います。
○近藤環境改善技術担当部長 たばこの煙と大気とは、測定方法や人体への影響の与え方が異なるため、同列に論じることは難しいと考えております。
環境基準は、大気であれば、七十年間、毎日十五立方メートルの空気を吸い続けても健康に影響がないような基準、また、地下水であれば、同じく毎日二リットルずつその水を飲み続けても健康に影響がないような基準でございます。
豊洲市場においては、地下水を飲用や生鮮食品の洗浄用に利用するという予定はなく、土壌汚染対策法上、直接人の健康に影響を与えることはないと考えております。
○清水委員 ありがとうございます。まさにそういったことをしっかりとお伝えいただければなと思うわけなんです。
繰り返しになりますが、数字の難しさ、表現の難しさ、そして環境基準というものの都民の皆様に対する伝わり方がなかなか難しい。ここをどうやってクリアしていくか、これがまさにこれからの都政を左右するんじゃないかなと思っている次第でございます。
当初の豊洲市場開場予定であったのは、昨年の十一月七日でございます。以降、一日開場が先延ばしされるたびに、毎日七百万円ものランニングコストが浪費されるわけでありまして、プラスアルファ、市場関係者への当面五十億の補償額もどんどん膨らんでいくということがわかったわけでございます。
都民の皆様の安心を得るために、土壌汚染対策法上の義務でない地下水モニタリング調査を実施し、その結果、直接的な健康被害がないにもかかわらず、いわゆる基準値を何倍超えたのかということにこだわり、都民の不安を招く状態が続いている。よって、本来の目的であった卸売市場の機能更新ができずにいるというのが現状ではないでしょうか。
これ、まさに過ぎたるはなお及ばざるがごとしのことわざのとおりになってしまっているというのが、私は今の状況なのかなと思う次第でございます。
私は、本日の環境局とのやりとりを踏まえて、一刻も早い小池知事の英断を求めまして、質問を終えたいと思います。
ありがとうございました。
○まつば委員 私からは、さきの代表質問で私から取り上げさせていただきましたLED電球の交換事業と食品ロス削減について質問をいたしたいと思います。
初めに、LED電球の交換事業でございますけれども、二十九年度予算案で、家庭の省エネ対策としてLED電球を普及させるため、家電店に白熱電球二個を持参すると、LED電球一個に無償交換する事業が来年度予算に盛り込まれております。
これについて、しっかりと取り組みを進めていただきまして、都民の皆様の省エネ行動が広がるような取り組みを一層進めるべきであると、こういう質問をいたしました。小池知事からは、LED照明を広く浸透させる取り組みを手始めといたしまして、都民の省エネに対する意識革命を促して、東京から省エネムーブメントを起こしてまいりたいと、こういうような力強い決意をいただいたところでございます。
この事業につきまして、やはり具体的な内容についてきょうはお伺いをさせていただきたいと思います。少し細かい点になりますけれども、都民の皆様が非常に関心が高い事業でもございますので、確認をさせていただきたいと思います。
まず、この事業の対象となるのは、都民であるということはわかりますけれども、在勤者とか在学者、また法人という方々も含まれるのか、対象となるのかということをまずお伺いをいたします。
○松下地球環境エネルギー部長 都内在住者のみが対象でございます。
都外在住者の方は、都内在勤、在学でありましても対象外でございます。また、法人も対象外でございます。
○まつば委員 それでは、次に、電球の交換でありますけれども、白熱電球二個とLED電球一個との交換ということでありますけれども、例えば、少し多目に白熱電球を持参された場合はどういう対応をされるのか。また、電球型蛍光灯を持ってこられたり、切れた白熱電球などを持ってこられたりした場合は交換対象となるのかお伺いをいたします。
○松下地球環境エネルギー部長 白熱電球二個以上とLED電球一個を交換するもので、白熱電球をたくさん持参されましても、LED電球一個との交換になります。
また、逆に白熱電球一個だけの持参の場合は交換の対象とはなりません。
交換の機会は一人一回までといたしまして、同一人物が何度持ってきても、二回目以降は対象外となります。交換対象とはなりません。
もともと切れている白熱電球は交換対象といたしません。また、電球型蛍光灯も対象外でございます。
これは、使っている白熱電球をLED化することで、省エネを促進することが本事業の目的であるからでございます。
○まつば委員 非常に細かくご答弁をいただきました。
この電球交換を行う場所というのはどこになるのか、また、交換場所というのはどの程度の数あるのかということについてお伺いをいたします。
○松下地球環境エネルギー部長 電球の交換場所は、地域家電店の中から、都の省エネ研修を受講いたしまして認定を受けた東京省エネマイスター店とすることを考えております。
省エネマイスター店は、現在約二百店舗が都内各所にございます。
本年度は、研修の実施回数をふやしておりまして、また、来年度は早期に研修を実施するなど、マイスター店の増加を企図しておりまして、現在の三倍程度の数を想定しております。
○まつば委員 それでは、私も提案をいたしましたが、電球交換の際に省エネアドバイスを行っていくということでございますけれども、具体的にどのような方法で行っていくのかお伺いをいたします。
○松下地球環境エネルギー部長 本事業には、省エネアドバイスに精通した省エネマイスター店の協力を考えております。
省エネマイスター店において、都が作成したリーフレット等によって、省エネのコツをわかりやすく紹介するとともに、店内に展示している家電機器を用いて節電モードの設定を実演するなど、訪れた都民が自宅に帰って、自身ですぐにでも取り組める省エネ方法のアドバイスを行ってまいります。
これらを通じて、家庭の日常生活の中で省エネ習慣を培ってまいりたいと思っております。
○まつば委員 今、さまざまご答弁いただきましたけれども、やはり都民の方が東京省エネマイスター店、こちらに行かれたときに、スムーズに交換をしていただくことができるということや、省エネの意識というのをさらに持っていただくということが目的でもありますので、そこがしっかり行われるということが大事だと思うんですね。
どこにかえにいくのかわからないとか、行ったときに何か嫌な思いをされるというようなことがないような取り組みというのは重要だと思うんです。
そのためには、まず、今、細かいようでしたけれども、ご答弁いただいたようなことが都民の皆様に事前に知っていただくということが大事だと思うんですけれども、どういう方法で周知をされるお考えなのかお伺いをいたします。
○松下地球環境エネルギー部長 本事業を円滑に行うため、都民にさまざまな媒体や方法を通じて情報をお知らせしていくことが重要であると認識しております。
具体的には、「広報東京都」や都のホームページで事業概要を掲載することはもとより、専用のホームページを作成いたしまして、詳しい交換方法や参加協力店の一覧等の掲載のほか、電話やメールでの問い合わせ等に対するコールセンターの設置などを予定しております。
加えて、事業に協力していただく地域家電店等の店頭へ、のぼり旗やポスター、ステッカー等を掲示することなどによりまして、LEDの交換場所をわかりやすく表示いたします。
○まつば委員 今、さまざま、のぼり等やステッカー、ポスターというようなことで工夫をされることとか、またコールセンターの設置等のお話もございました。
今、東京都の「広報東京都」にも掲載ということでございましたけれども、やはり身近な区とか市の広報物というところもお願いをしながら、掲載をしていただくということも大事なのかなというふうに思いますので、ぜひ区報というようなことについても検討していただきまして、都民の皆様方に、よりこの事業をご理解いただいて、またスムーズに交換事業も行っていただき、さらに省エネのムーブメントが起きますようにご努力をお願いしたいというふうに思います。
続いて、食品ロス削減について質問をいたします。
食品ロス削減につきましては、公明党は、平成二十七年十二月に食品ロス削減推進プロジェクトチームを立ち上げまして、政府に対してもさまざま提言を繰り返し行ってまいりました。都におきましても、私もさまざま議会の中で提案もさせていただいてまいりました。
そういう中で、今回、実行プランに、二〇三〇年までに食品ロス半減という目標を掲げたことを私は高く評価をいたしております。
そういう中にありまして、今回、このことも代表質問で取り上げさせていただきましたけれども、特に東京都で食品ロス削減をしていくに当たって、防災備蓄食品について、これを更新時に食品ロスにしないという取り組みが重要であるということで、私、提案をさせていただきました。
それについて、このたび、賞味期限の迫った防災備蓄食品の約六十七万食、これについて、都民の皆様方に協力をしていただいて、それを、配布されたものを食べていただくという取り組みを行っていただいたということで、この取り組み自体を評価いたしたいと思います。
ただ、都民の皆様からちょっとお声があったんですが、具体的に東京都から配布をされたクラッカー等を食べたらば、非常に食べづらかったと。水がないととても食べられない状況だったというお話をいただきまして、区とか市とかで防災備蓄品として購入されているものを召し上がった方々からすると、都のものは非常に食べづらいというお声がございました。
結局、こういうことも、今まで大きな災害がなかったときに、そのことを感謝しながら、しっかり防災備蓄食品を食べていくということをしていかなければこういうことがわからなかったと。今まで、かなりの部分廃棄していたというふうにも伺っておりまして、そうした意味では、こういう取り組みを行うことによって、じゃあ、今度、防災備蓄食品を備蓄するには、どういうものを備蓄したらいいのかということを検討するいい機会となったのではないかなと思っております。
そうした意味では、これについては、環境局、そして福祉保健局、総務局と力を合わせていただきながら進めていただくことになるわけでありますけれども、環境局さんの方は、食品ロス削減という観点からになりますけれども、防災備蓄食品の更新ということについては、やはりそれを機会に防災意識も進むような、そういう取り組みをさらに考えていただければなと、このことを通して思っているわけでございます。
二十九年度予算案では、食品ロス削減の推進に一億五百万円が計上されておりますけれども、この取り組みについて改めて確認をさせていただきたいと思います。具体的にご答弁いただければと思います。
○谷上資源循環推進部長 食品ロスの削減につきましては、これまでもモデル事業などにより広報普及等に努めてまいりました。
しかしながら、さらに削減を進めていくため、食品ロス対策を社会のシステムに組み込んでいく必要があります。
そこで、来年度は、商慣習等によって発生する食品ロスの削減に向けて、加工、流通事業者等から成るステークホルダー会議を立ち上げ、新たな食品ロスの削減に向けた取り組みに関して意見交換を重ねてまいります。
また、これまで明確になっていなかった流通段階における食品の返品等の実態など、食品ロスにつながる商慣習等について調査を行っていきます。
さらには、先ほど理事からお話のありました防災備蓄品更新時期を迎え、廃棄される可能性がありますが、これにつきましては、不要となる食品の情報とそれを必要とするニーズとマッチングさせ、有効活用を図るための仕組みづくりに取り組んでまいります。
あわせて、先駆的な取り組みを行う企業と連携しながら、食品ロス削減に向けたキャンペーンを展開し、消費行動の見直しを促してまいります。
これらの取り組みを通じて、食品ロス削減東京方式の確立を目指してまいります。
○まつば委員 今、具体的な取り組みについて伺いました。ぜひ前へ進めていただくようにお願いをいたします。
今、実態調査をされるということでありますので、ぜひその調査を踏まえていただいて、二〇三〇年の食品ロス半減という目標なんですけれども、具体的な数値の目標を明確に掲げていただいて、取り組んでいただきたいということを要望いたしまして、質問を終わります。
○小山委員 それでは、私からも平成二十九年度予算について幾つかお伺いをさせていただきたいと思います。
平成二十九年度予算は、小池都知事が編成をされました初めての予算でありまして、新しい東京の実現に向けた改革を強力に推し進め、明るい未来への確かな道筋を紡ぐ予算としております。
また、本予算の中において、セーフシティー、ダイバーシティー、スマートシティーの三つのシティーの実現を図るとされております。
とりわけ、スマートシティー実現におけます環境局予算での新規や拡充される事業が多数示されておりまして、環境局の取り組みは極めて重要になってくると思います。
これまでも環境局は、キャップ・アンド・トレード制度を初め、先駆的な取り組みを数多く行ってこられましたが、ぜひこの本予算においても、東京が世界の環境課題解決の方策を示す環境先進都市として、実現が図られるように取り組みをお願いしたいと思っております。
その中で、きょうの委員会要求資料の中の都内のエネルギー消費量の部門別推移の内訳を見せていただきますと、やはり平成二年から平成二十六年の速報値まで示されている数値を見ていっても、家庭におけます省エネ対策というのは極めて重要だということがわかるわけであります。
そこで、先ほど、まつば理事の方からも質問がありましたが、私からも一点だけ、家庭の省エネ対策の中におけます白熱電球とLEDの交換事業、今回、新たな取り組みとして予算化をされているわけであります。
特に電球交換の窓口というのが、都民に対する一番、一義的に極めて重要な部分だと思っておりますが、この窓口としてどのような場所を想定しており、どのような取り組みを行っていくのか、お伺いをさせていただきたいと思います。
○松下地球環境エネルギー部長 本事業の実施に当たりまして、地域家電店の中から都の省エネ研修を受講し認定を受けた、そして省エネに精通した東京省エネマイスター店に協力していただくことを考えております。
LEDの交換に加えまして、省エネのアドバイスをしていただくと、そういうことで家庭での省エネを進めていきたいと思っております。
○小山委員 先ほどの質疑の中でもいろいろ明らかになっておりますので、私からは一点のみ、やはり今の東京省エネマイスター店ということで、地域の家電店を指定していくというわけでありますけれども、ぜひ地域の家電店を支援していただく、そういう側面もこの事業の中にはあろうと思います。加えて一番大事なのは、東京省エネマイスター店が都民の皆様に直接、家庭の省エネにつながる方法についてわかりやすく伝えていただけるような、そういった取り組みをぜひ求めておきたいというふうに思います。
そこで、家庭の省エネを順次進めていくということに合わせて、やはり今、東京においては、極めて集合住宅が多いという状況がございます。
来年度の新規事業の中で、LED照明普及状況等調査ということが新たにここに設けられておりますが、本調査の意義と内容についてお伺いをさせていただきます。
○松下地球環境エネルギー部長 マンション等の集合住宅におきましては、廊下や階段等の共用部の照明の点灯時間が長く、数量が多いことから、LED照明を導入した場合に、高い省エネ効果が期待できると思っております。
しかし、都内には三階建て以上のマンションが十三万棟ございますが、共用部の照明について実態を明らかにする調査はこれまで行われてきておりません。
このため、来年度は約一割程度の集合住宅についてのサンプル調査を想定いたしまして、共用部における照明の種類や利用状況、導入に当たっての問題点等を把握して、今後のLED照明の普及促進策を検討してまいります。
○小山委員 集合住宅への取り組みでありますけれども、都内の住宅事情を考えれば、極めて大事になってこようかと思っております。
今の事業の内容の中でお伺いしましたように、三階建て以上のマンションが十三万棟あって、そのうちの一割の集合住宅について、これからいろいろと取り組み、調査を行っていかれると。目標についても明らかにされておりますので、ぜひこの取り組みについては、力強い推進をお願いしたいというふうに思います。
特に、我々、共用部の照明というのは実際住んでいる者として、一体この共用部の照明がどの程度のものであって、どの程度の節電効果をもたらすような器具が設備されているのかということについては、確かに私どももそれほどこの部分についてよく承知しているというわけではありません。
照明共有部の照明部分についての取り組みを行われることが、今後の東京のそういった全体の省エネ対策につながるような取り組みとして、この調査を生かしていただくようにお願いをしておきたいと思います。
加えて、先ほどの資料の中に同じように四つの部門別の中でいえば、産業や運輸の部門については、平成二年と比べれば純減をいたしております。しかしながら、家庭や業務の部門別においては、なかなか数値が今横ばいの状況にあろうかというふうに思っております。
その中において、やはり都の業務にも資する都有施設の照明LED化について、今予算の中でも取り組まれるということになっておりますが、このことは都庁が率先して行う事業としても大変重要だと思っております。
そこで、東京都は二〇二〇年に向けた実行プランにおいても掲げられておりますが、この都庁舎を含め、都有施設において、使用時間の長い照明器具や、あるいは都民の実際、直接目に触れる機会の多い場所のLED化について、積極的に取り組むべきと考えておりますが、その対象施設数や事業効果についてお伺いをしておきたいと思います。
○松下地球環境エネルギー部長 実行プランの策定時の試算では、約二千施設で照明をLED化した場合、年間電力消費量で五千八百万キロワットアワー、CO2にして二万八千トンの削減効果を見込んだものでございます。
具体的な施設等につきましては、現在、各局と調整をしているところでございます。
○小山委員 ただいま事業の施設の場所などは各局と調整中ということでありますけれども、先ほど示していただいたように、二千施設をLED化した場合の削減見込みについてもお答えをいただきました。こういった試算をもとに、また、ぜひ目標としていただいて、取り組みをお願いしておきたいと思います。
何よりも、今回の平成二十九年度予算においては、LED化の取り組みというのが広く取り上げられておりますし、数多く報道されております。ぜひ環境局の皆様の一層の取り組みをお願いしておきたいと思います。
次に、水素社会実現に向けた取り組みについてお伺いをさせていただきます。
昨年の事務事業質疑でも、強く水素エネルギーの普及促進、そして、水素エネルギーの利活用ということについて求めてまいりました。それらにつながる事業が本予算の中で予算化されましたことを評価させていただきたいと思います。
そこで、平成二十九年度予算で、新規の予算として盛り込まれました水素ステーション設備費等導入補助事業についてお伺いをしたいと思います。
水素ステーション設備費等導入補助事業についてでありますが、来年度よりこれはバス対応水素ステーションへ拡大するということをご説明いただいておりますが、その意図、狙いについてお伺いをしておきたいと思います。
○小川都市エネルギー推進担当部長 先般、都営バスに燃料電池バスが二台導入されたところでございますけれども、都は、燃料電池バスを二〇二〇年までに百台以上導入することを目標としてございまして、今後、台数の増加が見込まれております。これに対応する水素ステーションが必要となってまいります。
燃料電池バスには、一度に大量の水素を充填するということから、既存のものと比べまして高い性能が求められ、整備費も高額となると考えてございます。
そのため、現在の補助制度を拡充いたしまして、負担を軽減することにより、整備を後押ししてまいります。
○小山委員 この水素ステーション設備費等導入補助事業についてでありますが、二〇二〇年までに燃料電池バス百台以上を導入する目標とされておりまして、まさしく東京オリンピック・パラリンピックの開催年までに、こういったバスが各社都内を走るということを目標とされているわけであります。
その中において、燃料電池バスの燃料を補給する、そういった設備への補助事業ということでありますので、今年度は、予算化の費用でありますけれども、既に都営バスに二台の燃料電池バスが導入されているということでありまして、ぜひこれは交通局などとも連携をする中で、東京都としてこういった燃料バスの導入促進とあわせて、やはり躯体の環境設備もしっかり図っていただき、最終的にはこれが民間にもつながっていくような取り組みをお願いしたいと思います。
加えて、今回の新規事業として一億八千万が計上されております業務、産業用の車両の水素利活用実証事業について、この事業はどのようなものなのか、そしてどのような狙いで行われるのか伺っておきたいと思います。
○小川都市エネルギー推進担当部長 本事業は、昨年秋に市販されました燃料電池フォークリフトを羽田空港におきまして先導的に導入する事業者を支援するとともに、稼働時間や作業内容と水素消費量の関係に関するデータ等を蓄積するために実施するものでございます。
具体的には、燃料電池フォークリフトを現在、普及しているエンジンタイプと同程度の負担で導入できるよう、都と国で価格差の二分の一、上限五百万円ずつを補助いたします。また、フォークリフトへ水素を充填する水素ステーションにつきましては、整備費の二分の一を補助いたします。
それから、狙いについてでございますけれども、フォークリフト等の産業用車両は、長時間稼働させる場合が多く、燃料電池のフォークリフトの普及が進めば、水素の需要が拡大いたしまして、将来の水素価格の低減にもつながることが期待されます。
この事業により蓄積されましたデータ等を、フォークリフトを多く使用する物流倉庫等の事業者へ提供することによりまして、燃料電池フォークリフトの普及につなげてまいりたいと考えております。
○小山委員 詳細にご答弁をいただきまして、ありがとうございます。まず、羽田空港の中において、燃料電池フォークリフトを導入される実証事業として、データ等を蓄積されて、今後に生かされるということでございます。
今は羽田空港においてのみの利活用ということでありますが、当然これは、都内の各施設において、また、公的施設の中においても利活用されていくということをひとつ目指されているのだというふうに思いますので、ぜひこの実証事業がその後につながるものとして取り組まれることを望んでおきたいと思います。
続きまして、同じくこの予算の中で新規に立てられました事業の中に、スマートエネルギーエリア形成推進事業というものがございます。このスマートエネルギーエリア形成推進事業について、来年度から新たに、業務、産業用燃料電池等に対し補助を行うとされております。
この件については、昨年の事務事業質疑の中でもいろいろとお伺いをさせていただきましたけれども、今回の事業の内容について確認をしておきたいと思います。
○小川都市エネルギー推進担当部長 先生お話しのスマートエネルギーエリア形成推進事業は、コージェネレーションシステムの導入や、電気や熱を融通するインフラ等の導入を支援するものでございます。
平成二十七年度に開始いたしました本事業では、これまで都市ガスを燃料とするコージェネレーションシステムを対象としてまいりました。
来年度より、家庭用燃料電池よりも発電量の大きい、業務、産業用燃料電池等に補助を拡大いたしまして、導入経費の三分の二を支援いたしていくことを考えているものでございます。
○小山委員 新たな取り組み、昨年の事務事業質疑の中でもいろいろとお伺いをさせていただき、求めさせていただきましたけれども、今回のこういう拡大、そして新たな支援ということを大いに評価をさせていただきたいと思います。
そこで、業務、産業用燃料電池等の水素の利活用設備を新たに補助対象とされた、その狙いについてもお伺いをしておきたいと思います。
○小川都市エネルギー推進担当部長 先ほどご答弁させていただきました発電量の大きい業務、産業用燃料電池は、エネルギー効率が高く、普及によりCO2削減の効果が期待されます。
また、現在、各メーカーで市販化に向けた開発が進められておりますが、発売当初は高価格となるということが見込まれますため、導入が進まない可能性がございます。
そこで、市場投入に合わせまして、都が導入する事業者を支援することにより、初期需要を後押しし、水素の利活用を促進してまいります。
○小山委員 これまで水素エネルギーの普及促進、そして、水素の利活用ということについて、新規事業を中心にお伺いをさせていただいておりました。やはり水素エネルギーの利活用というのは、私どもとしてはこれからの二〇二〇年東京大会における大変重要な、そして意義ある取り組みだというふうに思っております。
また、二〇二〇年大会のレガシーとしても、水素エネルギー、そして水素社会の実現というのは、私ども特に重きを置いて考えております。
そこで、改めてお伺いをしておきますが、東京二〇二〇年大会の大きな契機として、レガシーとしての水素エネルギーをより広げていくべきと考えますが、水素社会実現に向けた都の見解をお伺いしておきます。
○小川都市エネルギー推進担当部長 都は、水素ステーションの整備や燃料電池自動車の普及につきまして、二〇三〇年までの目標を定めますとともに、その達成に向けて各種の支援策を実施しております。
また、実際に水素エネルギーを利用する都民の皆様の理解を得るために、イベントの開催や水素情報館東京スイソミルの運営などに取り組んでいるところでございます。
こうした取り組みを進めますとともに、CO2フリー水素の先駆的な活用を含めまして、二〇二〇年大会とその先を見据えまして、水素社会の実現に向けて着実に取り組んでまいります。
○小山委員 二〇二〇年東京大会、オリンピック・パラリンピックの開催までにあと三年ということになりました。二〇二〇年東京大会のレガシーについては、今強く求めてまいりました水素社会、水素エネルギーということでありますが、もう一方、大きな課題が私は一つあろうかと思っております。それが、これまでも各委員会の中でも申し上げてまいりましたが、やはり暑さ対策、これが極めて重要になってくると思っております。
そこで、今回の二〇二〇年大会に向けた暑さ対策推進事業として、平成二十九年度予算に新たに、新規事業として計上されております。このことについては、私も注目をしておりますし、評価をいたしております。
そこで、初めに、本事業の実施内容についてお伺いをいたします。
○小川都市エネルギー推進担当部長 東京二〇二〇大会に向けた暑さ対策推進事業は、平成二十九年度予算案におきまして、一カ所当たり五千万円、二カ所の計一億円を計上させていただいております。
補助対象となる設備は、日よけや微細ミスト、歩道等の舗装の遮熱化などで、一定のエリア内に面的に対策を講じる区市や民間事業者に対し補助を行っていくものでございます。
なお、具体的な実施箇所や事業の詳細な進め方については、現在検討を進めているところでございます。
○小山委員 今、事業の実施内容についてはよくわかりました。具体的な実施箇所や実施方法は、今後検討されるということであります。ご答弁の中に面的な整備ということもありまして、これは本当に私は大事だというふうに思っております。
オリンピック・パラリンピックの特別委員会の中でも申し上げてまいりましたけれども、やはり局間連携をしていく中で、面的な取り組みというものにぜひ力を尽くしていただきたいと思います。
また、当然、会場については、施設管理者であるとか、あるいは組織委員会やオリンピック・パラリンピックの局が対応されることになってくると思いますけれども、それと連なる形での取り組みとなることをぜひ検討していただきたいと思います。
そこで、本検討に当たりまして、新たに昨年末に公表されました二〇二〇年に向けた実行プランの中でも、政策目標として二〇一九年度末までに六エリア程度を整備するということになっておりますが、やはり本事業の目指すところについてもあわせてお伺いをしておきたいと思います。
○小川都市エネルギー推進担当部長 本事業の目的でございますけれども、東京二〇二〇大会開催時に東京を訪れた方々に、真夏でも心地よく過ごせる環境を提供していくことを目指しまして、東京二〇二〇大会の競技会場周辺におきまして、現在も観光客などが多く訪れる注目度の高いエリア内の施設につきまして、面的に暑さ対策設備を導入いたし、クールエリアを創出していこうとするものでございます。
○小山委員 ただいまのご答弁にもありましたように、ぜひ、二〇二〇年東京大会の競技会場、そして競技会場の周辺、またそこに至るまでの動線も含めて、エリア内、そして面的な一体的な取り組みにつながるような事業として、本事業がつながることをぜひ求めておきたいと思います。
次に、同じく二〇二〇年の東京大会、オリンピック・パラリンピックは、特にこの十年間、オリンピックムーブメントとして、やはり持続可能な社会ということを強く希求してまいりました。
この持続可能な社会への取り組みということで、平成二十九年度予算の中においても、新たに幾つかの取り組みが示されているところでございます。これらの取り組みについて、私は評価をさせていただいておりますが、まず、新規として計上されております使用済み物品の3Rを支援する仕組みの検討についてお伺いをさせていただきたいと思います。
オリンピック・パラリンピック組織委員会によります使用済み物品の3Rを支援する仕組みを検討するとともに、大会後のレガシーとなるよう検討するとされておりますが、具体的にどのように、また何を狙いとして行っていくのかお伺いをいたします。
○谷上資源循環推進部長 二〇二〇年東京大会は、持続可能な資源利用に向けた取り組みを世界に広く発信する機会でもあることから、大会の運営において3Rを推進し、使用済み物品の有効利用を図っていくことが極めて重要であります。
そこで、大会で使用した物品を総合的に管理する仕組みの具体化を図り、組織委員会の取り組みをサポートしていきます。大会で使用された物品をレガシーとして大切に長く活用するとともに、大会後も3R推進の仕組みそのものを社会に定着させてまいります。
○小山委員 先般のリオデジャネイロにおけますオリンピック・パラリンピックでは、施設の整備に当たった機材の後の活用ということもいろいろと示されたところであります。
ぜひ東京大会における取り組みというのは、それをより発展させる形で、また、東京ならでは、日本の技術を駆使されたそういった3Rの推進というものにつながる、そういった取り組みをぜひご検討いただきたいというふうに思います。
そして、こうした取り組みは、今後の大会開催の中においても、極めて重要だというふうに思っております。
そこで、来年度予算では一千九百万円を計上されておりますが、具体的に何をされるのかお伺いをいたします。
○谷上資源循環推進部長 来年度予算案では、国内外で開催された競技大会やイベントなどにおける使用済み物品のリユースやリサイクルに関する取り組み状況について調査を行います。
その結果をもとに、使用済み物品についてリユースの希望とマッチングさせる仕組みの検討を進めてまいります。
○小山委員 ぜひこの取り組みがそういった大きな二〇二〇年大会のこれも一つのレガシーの取り組みとして、多くの方々にそういったものが享受されるような取り組みとして望んでおきたいと思います。
もう一点が、これは既に各委員、あるいは議会の中でも取り上げられておりますが、一点だけ確認の意味で質問させていただきたいと思いますが、使用済みの携帯電話等の小型家電を回収して、二〇二〇年大会のメダルにしていくという取り組みについてであります。
この取り組みは、本当に一つ大きなすばらしい取り組みとして評価をいたしておりますが、この取り組みが四月以降、組織委員会を含め本格的に開始をされると聞いております。
しかしながら、今、都内においてこの取り組みというのが一部に限られておろうかと思います。先般、報道の中で既に新たに九自治体ですか、手を挙げられているということでありますが、ぜひ、私ども多摩地域も含めて、都内の全域でこういった回収拠点が整備をされ、さらに区市町村もその取り組みに協力をしていただき、ムーブメントとして都民への広がりを大きくしていくということを求めたいというふうに思っておりますが、都の見解をお伺いしておきます。
○谷上資源循環推進部長 現在、都庁舎におきまして、二〇二〇年東京大会のメダル製作の材料にするための携帯電話等の小型家電回収を行っておりますが、さらに回収をするため、先般、特別区清掃リサイクル主管課長会で回収を呼びかけるなど、都庁舎以外における協力ボックスの設置を区市町村に依頼いたしました。
四月以降もより多くの都民の協力が得られるよう、都としても広報、周知を図り、組織委員会や区市町村と連携しながら、引き続き回収の推進に取り組んでまいります。
○小山委員 ぜひこういった取り組みがオリンピックムーブメントにつながるような取り組みとして、都として十全の取り組みをお願いしておきたいと思います。
きょう、さまざまお伺いをしてまいりました各取り組みについてでありますが、やはり環境局が他局と連携をして、あるいは他局と十分調整をして行っていくことによって、その施策効果を十全に果たすことができると私は考えておりますし、またそういう取り組みが極めて重要だというふうに思っております。
実行プランの中でも掲げられておりますスマートエネルギー都市を実現する、こういった取り組み、また、二〇二〇年の東京大会に向けた取り組みについても、やはり環境局が他の局と連携をしていく、こういったことが施策成果を上げる上で極めて大事だということを重ねて申し上げていく中で、ぜひこの質問の最後に、環境局長として、これら他の局との局間連携をどのように進め、この施策の推進を図られていくのかお伺いをしたいと思います。
○遠藤環境局長 スマートエネルギー都市の実現は、東京がいかにして地球温暖化対策に貢献をしていくのかということが問われている政策課題だというふうに考えております。ひとり環境局だけが取り組むことにより解決できる問題ではないと認識をしておるところです。
このため、当局はこれまでも、局横断組織としてスマートエネルギー都庁推進会議を設置し、各局における省エネルギー対策や再生可能エネルギーの導入促進などを図るほか、副知事を座長といたします推進会議のもとで、二〇二〇年東京大会に向けた暑さ対策について各局が連携して取り組むなどにより、総合的に施策を推進しているところでございます。
今後、引き続き関係各局との連携を強化しながら、実行プランの実現に向けて取り組んでまいります。
○大島委員 私からも環境局の予算関連で質問させていただきます。
一昨年の十二月、パリで開かれたCOP21、国連気候変動枠組条約第二十一回締約国会議では、先進国か途上国かを問わず、世界全体で産業革命後の平均気温の上昇を二度未満に抑えることを目標にした地球温暖化対策の新しい国際枠組み、パリ協定が採択され、二〇二〇年から開始されることになりました。
日本は、世界第五位の温室効果ガスの大量排出国でありながら、二〇三〇年度の削減目標は、二〇一三年度比二六%、これは九〇年比で一八%と極めて不十分なものです。
東京都は環境基本計画の中で、二〇〇〇年比で三〇%削減、これは九〇年比で二四%削減という国を上回る目標を掲げているといいますが、二〇一三年度の速報値では、都内の温室効果ガス排出量は二〇〇〇年度と比べて一三%増加しています。
温暖化の影響で、世界の気温は〇・七度上昇していますが、東京は都市化の影響を受け、三度上昇しているといわれています。国も都も削減目標を抜本的に上積みし、再生可能エネルギーの大量普及を柱に据え、省エネルギーの取り組みを推進していくことが求められていると思います。
小池知事は、ライフスタイルを含め、徹底した省エネ、節電型に改めることと、あらゆるエネルギー源を追求することの必要性を述べ、知事選公約で街灯や公共施設のLED化やLED導入促進施策の実施を掲げ、身近なところで都民一人一人に協力を求めました。
LED照明を初めとした省エネ機器の普及に取り組むことは非常に重要だと考えています。来年度の予算では、家庭におけるLED省エネムーブメント促進事業として、十八億円余が計上されています。
先ほど、まつば理事の方からLED交換の問題につきましては詳細な質問があり、答弁がありましたので、その部分をカットいたしまして、そしてちょっと質問の順番を変えてお聞きしたいというふうに思います。
今、LED電球との交換、白熱球を二個以上持っていくと一個と交換するということなんです。これが小売家電販売店で行うという点では、非常に経済波及効果も大きいと思います。単なる交換だけじゃなくて、それに合わせていろいろな省エネのアドバイスもしてもらえるということですから、そういう意味では非常に大きな経済波及効果も期待できると考えます。
そこで、一方、ちょっと心配なのが、無料交換に伴う不正というのもあるのではないかと。不正防止策というのは何か考えているのでしょうか。
○松下地球環境エネルギー部長 不正防止対策は重要だと考えております。
一方で、多くの都民の方にこの事業に参加してもらうためには、都民や地域家電店等にとって過度な負担とならない方法で実施する必要があると考えております。
そこで本事業では、受領証に氏名、住所を記載していただき、運転免許証等で本人の確認をするなどの対策を講じるほか、都の事業で交換したLED電球であることが判別できるような工夫を施すなどの方法で、不正防止対策を現在検討しているところでございます。
○大島委員 小売店の方に過度な負担とならないようにということとあわせて、トラブルがあってはいけないので、都民の皆さんにも内容について徹底した広報をしていただきたいというふうに思っています。
そこで、一個のLEDと交換するために二個以上の白熱球ですから、交換によって集まる白熱球というのは二百万個以上ということになるわけです。
実行プランでは、一般廃棄物リサイクル率というのを二〇二〇年度で二七%、二〇三〇年度は三七%に向上させるという計画が掲げてありますけれども、今回回収した白熱球の処分についてはどのように行うのか、リサイクルのルートに乗せられるのか、その点についてお聞きします。
○松下地球環境エネルギー部長 持ち込まれた白熱電球につきましては、金属部分など可能な限りリサイクルする方向でやっていきたいと思っております。
○大島委員 ぜひ環境局の事業ですから、リサイクルにも力を入れていただいて、できる限りお願いいたします。
そして、日本エネルギー経済研究所が二〇一一年に発表したレポートによりますと、日本全体の白熱球や蛍光灯などを全てLED照明に置きかえた場合、年間で九百二十二億キロワットを節約できると試算しています。これは、日本の総電力消費量の約九%に相当し、原子力発電所十三基に匹敵するといわれています。
今回のLED電球との交換というのは、非常に都民にとってわかりやすいやり方で省エネを進めることになると思いますし、インパクトある事業だと思っております。
そういう中で、実行プランの中でも二〇三〇年までの都内のエネルギー消費量を二〇〇〇年比で三八%削減するという目標を掲げています。二〇一四年度の速報値で一九%の減にとどまっているのが現状です。
百万個のLED電球と交換した場合の節電量及びCO2の削減量をお伺いいたします。
○松下地球環境エネルギー部長 百万個の白熱電球をLED電球に交換した場合、一年当たりの電力削減量は約九千万キロワットアワーでございます。CO2の削減量は約四万四千トンになります。
○大島委員 少しずつではあっても、こうした問題に前向きに取り組んでもらえるように、都民の皆さんにもアピールができるというふうに思います。
それで、こういったときに小売家電店で交換のときに、省エネアドバイス等を実施するということですが、今回のように多額の予算をかけて実施をするわけですが、事業の効果、これについて検証することが必要だと思いますけれども、そのような検討はされておりますか。
○松下地球環境エネルギー部長 今回の事業では、まず、二つ以上の白熱電球とLEDを交換するということで、一個都から交付するわけですけれども、もう一個はぜひとも買っていただきたいと思っているんですが、そういう効果もあると思っております。
また、省エネ家電等ご紹介するとか、あるいは、節電モードのご紹介、家庭でのすぐにでもできる節電、省エネと、そういうようなことをやっていただいて、効果を上げていきたいと思っております。
それを数量化してというのは、ちょっと今の段階では厳しいと思っております。
○大島委員 せっかくやる事業ですし、経済波及効果もそういう点でも非常に大きいものだと思うんですね。経済波及効果を環境局に検証しろなんていうことは、私、いいませんけれども、ただ、こうした事業に多額のお金をかけて、その費用対効果というのはやっぱりずっと見ていく必要があるというふうに私は思っていますので、ぜひ後追いもしていただきたいなというふうに思っております。
次に、国は、温室効果ガスの排出量削減にとって重要な要素と考えられている照明器具について、LEDと蛍光灯に白熱灯を加えて、照明という分野で一くくりにして、二〇一六年度から、省エネトップランナー方式の対象にするという方針を明らかにしました。
これにより、白熱灯の製造や販売が即禁止されるということではありませんけれども、最も省エネな照明器具とされるLEDへの買いかえが進む誘導策となることは間違いないと思います。
そこで、今度は中小テナントビルの省エネ促進事業というのも行われることになっておりますが、共用部のLED化への拡大を進めるということなんですが、その具体的な取り組みについてお伺いいたします。
○松下地球環境エネルギー部長 都では、テナントビルにおいてオーナーとテナントが省エネ対策を共同して進めるグリーンリースの普及を促進しておりまして、今年度からテナントビルの省エネ改修に対する支援を通じて、グリーンリースの優良事例を収集いたしまして、それをPRしていく、中小テナントビル省エネ促進事業を実施しております。
この事業は、現在、主にビルのテナント賃貸部分への支援が対象になっておりますが、来年度から、ビルの共用部分のLED化に取り組む場合に、助成の上限を増額するなどの事業を拡充してまいります。
○大島委員 グリーンリースを普及するということで、促進をしようということなんですね。確かにLED照明がこうしたテナントビルなどにも導入されれば、ビルのオーナーも維持管理のコストが削減できます。一方、テナントの方たちにとってみれば、光熱費の削減等の効果も享受できるということで、ウイン・ウインの関係でいいんじゃないかということで、それをさらに促進するためのビル共用部分のLEDへの補助ということですので、この部分も進んでいくのかなというふうに期待をいたしております。
次に、都のスマートエネルギー都庁行動計画、これでは都有建築物の新築とか改築、大規模改修、そのときに省エネ・再エネ東京仕様などを適用して、照明器具の新設、更新時は、LED化するということを原則としています。
都有施設におけるLED照明普及率の目標というのは、二〇二〇年度でおおむね一〇〇%ということですから、すばらしいと思うんですけれども、都有施設もいろいろありますから、どのような考えで取り組んでいくのか、一〇〇%にしていくのかということについてお尋ねをいたします。
○松下地球環境エネルギー部長 既存都有施設におきまして、使用時間の長い照明器具や都民の目に触れる機会の多い場所を対象にいたしまして、LED照明を導入してまいります。
新築、改築、あるいは大規模改修等が計画されている施設、また、都民サービスに改修工事等が直接影響を及ぼすような場所につきましては、新設ですとか施設の更新時に合わせてLED照明を導入することといたしております。
都みずから率先して省エネ、節電と温室効果ガスの排出削減に取り組むことで、都民、事業者に範を示してまいりたいと思っております。
○大島委員 都庁行動計画の中で、やっぱり二〇二〇年度までに一〇〇%というのは、本当に高く、意気込みがわかるという内容だというふうに思うんですね。
今、いろいろあったんですけれども、使用時間の長い照明器具を対象にということだと、使用時間の短いところは対象にならないということになるのかなと思うんですけれども、具体的にどんなところが除外されるのか教えていただけますか。
○松下地球環境エネルギー部長 例えば倉庫ですとか、会議室ですとか、逆にいうと事務室のようにふだんずっと電気がつけっ放しになっているようなところは、省エネ効果も大きいですし、そういう意味では今の、既存の蛍光灯からLEDにかえることで、すごく効果が上がると思っています。
倉庫ですとか、例えば水道のポンプ場みたいなところですとか、そういうふだん余り人が立ち入らずに、たまにしか電気を使わないようなところは、お金をかけて改修しても、それほど省エネ効果が高くありませんので、そういうのは除外していこうと、そういうふうなイメージを持っております。
○大島委員 わかりました。今、人感センサーとかそんなのもつけながら、結構短く使いたいときだけ使うというような器具も出ているということなので、全体として省エネ効果を上げていくという点で、引き続きいろいろな点で検討していただければなというように思っています。
東京都は、二〇三〇年までの都内のエネルギー消費量を二〇〇〇年比で三八%削減するという目標を掲げていますが、二〇一四年度の速報値で一九%の減にとどまっています。省エネを進めるために、LED化とともに、エコハウスの普及、これに向けた取り組みも重要だというふうに考えています。
来年度の予算では、既存住宅における高断熱窓導入促進事業を行うということで予算がついておりますが、事業内容及び省エネ効果についてお伺いをいたします。
○松下地球環境エネルギー部長 住宅におきまして、窓からの熱損失が大きいということがございます。既存住宅を対象に、窓の改修費用の一部に助成をする事業でございます。
樹脂製サッシや複層ガラスなどの断熱性能の高い窓に改修することで、従来のアルミサッシ等の一般的な窓と比べ、冷暖房に使用するエネルギーの約四%の削減効果が見込まれまして、冷暖房費の削減にもつながると思っております。
○大島委員 窓の遮熱の効果を上げるという点では、国の制度もあると思うんですが、東京都の今回の制度と国の制度の違いについて教えていただけますか。
○松下地球環境エネルギー部長 国の制度とも連動してやっていきたいという部分は当然ございます。
それで、国の制度につきましては、建物全体をというような制度になっております。都では、建物の一部でもということでやっていきたいという、そういう基準も設けてやっていきたいと思っております。
○大島委員 つまり、国は建物全体ということですから、家の窓全部とかということですよね。でも、東京都の場合は一部でもいいということだから、一部屋というか、その中でとりかえるというようなことがあれば補助もしますと。全部やるときには、東京都の補助と国の補助一緒にもらえますよという内容ですよね。やっぱりその中身もなかなかわかりにくいものがあるので、ぜひそういう点についても、PRをしていただきたいなというふうに思っています。
それでは、廃棄物等の埋立処分計画についてお聞きをいたします。
新海面処分場の延命化を図るために、一九九八年に廃棄物等の埋立処分計画を策定いたしまして、以後五年ごとに見直しを行ってきました。今回、二〇一七年度から二〇三一年度までの埋立処分計画を策定したわけです。
そこで、九八年以降の処分計画に対する処分量の実績は、おおむねどのように推移しているのかお伺いをいたします。
○谷上資源循環推進部長 平成十年に策定した一番初めの計画では、最初の四年間の埋立処分計画量千三百九十一万立米に対しまして、実績は千三百四十五万立米でございました。
平成二十四年度からの五年間につきましては、今回提出した資料にありますとおり、計画量九百五十九万立米に対しまして、実績は八百四十万立米であり、リサイクル再資源化の進展等により埋立処分量は減少してきております。
○大島委員 平成十年からの最初の四年間では、千三百四十五万立米というすごい量があったんだなと思うんですけれども、今回、この資料もいただきましたけれども、八百四十万立米ということで、三八%、四〇%ぐらいかな、少なくなっていると。やっぱりこれは、いろいろな意味で努力をしてきた結果じゃないかなというふうにあるんですね。
この改定計画によりますと、廃棄物系の中では、一般廃棄物の埋立処分計画量が既定計画に比べて二五%ふえているんですけれども、その理由は何なのかお伺いをいたします。
○谷上資源循環推進部長 一般廃棄物の内容は、主に東京二十三区清掃一部事務組合から出されます清掃工場の主灰でございますが、これを全量スラグ化して減容することを計画しておりました。
しかし、東日本大震災に伴う電力逼迫の対応やスラグのリサイクルの需要が伸びないことから、清掃一組では平成二十五年にスラグ化施設の休止計画を策定し、それ以降、スラグ化が縮小しております。
このため、一般廃棄物の埋立処分計画量は既定計画よりふえてございます。
○大島委員 スラグ化ができなくなったというようなことで、その分、焼却灰の量がふえちゃったのが一般廃棄物の中に入っているというようなお話だったんですけれども、聞くところによると、セメントの原料化のためにこの灰を使うというような事業にも取り組んでいるんだというようなことを聞いたんですが、その点はいかがでしょうか。
○谷上資源循環推進部長 現在、東京二十三区清掃一部事務組合では、焼却灰のセメント化を計画しておりまして、現在、試行的に行っているところでございます。
まだ十分な量まで行っておりませんが、東京都からも一組に対しましてはセメント化をするように要請しているところでございます。
○大島委員 実行プランでは、二〇三〇年度に都内の廃棄物の最終処分量を、二〇二〇年度に百七万トンとする、そして、二〇一二年度比で一四%削減をする、二〇三〇年度には九十三万トンで、二〇一二年度比で二五%削減する計画となっています。今回いただいた資料では--これまでの限りある埋立処分場の延命化にぜひ引き続き取り組んでいただきたいと思います。
持続可能な資源利用の推進のために、食品ロスの削減と使い捨て型ライフスタイルの象徴であるレジ袋の削減、これに取り組んできたと思います。
これまでもレジ袋対策はいろいろあったと思いますけれども、今回新規事業ということで、レジ袋対策で三千五百万円計上されています。新たな取り組みで大きく変わる点は何でしょうか。
○谷上資源循環推進部長 都では、これまでも九都県市と共同いたしまして、買い物におけるマイバッグの持参と不要なレジ袋を受け取らない取り組みにつきまして、域内の事業者と連携した普及に努めるなど、使い捨て型ライフスタイルの見直しに取り組んでまいりました。
来年度からは、これら広報普及の取り組みに加えまして、新たにスーパー、コンビニ等の販売事業者、消費者団体、区市町村などによる協議会を設置いたしまして、レジ袋の無償配布ゼロに向けました協議を進めることといたしました。
○大島委員 今後、スーパー、コンビニなどとの協議会を持っていくということで、新たなレジ袋対策が進んでいくのかなと思うんですが、東京都は二〇一四年、インターネット都政モニターアンケートで、東京のレジ袋の使用実態について調査を行っています。レジ袋をもらっていますかという問いに、いつももらっているという方は、区部では一二%、市町村では五%、マイバッグを持参して、もらわないという方は、区部では三六%、市町村では五三%と、意識的に大きく異なっていることが示されておりました。
これまでも取り組んできたとは思うんですけれども、マイバッグ持参の意識改革を進めていくことも大変必要だというふうに思っています。
環境局の自律改革に向けた取り組みの進捗状況というのが、実はホームページで公開されているんですね。自律って、自分を律するという方の自律なんですね。ああ、すごいなと思って、実はこれを見ました。
この中に、マイバッグ、マイボトル運動という取り組みをしていますというのが書いてあるんですけれども、その中で、環境局職員は全員マイバッグ、マイボトルを持参し、庁内の買い物時にはレジ袋を使用しないということを平成二十八年十月から実施する予定というふうになっているんですね。すごいなと思うんです。皆さん、マイバッグ、マイボトルを持っているんですよね。局長もお持ちですか。
○遠藤環境局長 マイバッグは幾つか持っております。マイボトルは、ペットボトルを余りもともと使わないものですから、持参してはおりませんけれども、極力持ち歩くようにはしております。
残念ながら、もともとがずぼらな性格なものですから、途中で持っていないこともあって、職員と出くわして、いいわけをしながらもらってきましたということもあるんですが、今後とも、マイバッグ、マイボトルキャンペーンにつきましては、局内で徹底していきたいというふうに思っております。
○大島委員 ありがとうございました。局長なんか、庁内のコンビニで買い物なんかはしないじゃないかなというふうには思うんですけれども、時々は持つのを忘れたとかいうのもあるかもしれませんけれども、でも、前向きにやっていこうという、局長を先頭に頑張っている姿というのは、他の職員の方たちの模範ともなるかと思いますので、厳しいことをいうようで申しわけありませんが、ぜひ頑張っていただきたいというふうに思います。
さらに、取り組み状況の中で、十月一日からメールの署名欄とか、会議資料表紙を活用して、局内に継続的に呼びかけを実施するというふうにあります。これは、環境局内だけじゃなくて、ぜひ都庁内全体に広げていっていただくことを要望して、質問を終わります。
○西崎委員 私からも、家庭部門の省エネ対策について伺いたいと思います。
温暖化対策には、家庭部門から出るCO2排出量の削減が重要です。原発に頼らないエネルギーを進めるためにも、省エネと再エネ利用を推進する必要があります。
新年度予算案には、行動科学を活用した家庭の省エネ施策の検討が盛り込まれていますが、この事業の狙いは何か伺います。
○松下地球環境エネルギー部長 行動科学とは、人間の社会的な行動を科学的に分析いたしまして、その法則性を明らかにすることで、社会行動を誘導したり、制御するための手法を見出す研究分野でございます。
欧米では、近隣世帯と自宅のエネルギー消費量を比較したホームエネルギーレポートを送付することで、競争心理によりまして、家庭のエネルギー消費を削減するなど、行動科学の研究成果が、実際に省エネ政策に反映されております。
都としましても、さまざまな省エネ行動を促す取り組みにおいて、行動科学の知見が有効活用できる方策について検討してまいります。
○西崎委員 行動科学というと、何か難しそうな気がするんですけれども、要は省エネに取り組むための動機づけに関する検討だと思いますが、具体的な省エネの仕方には、省エネアドバイザーの活用があります。
省エネアドバイザーの登録団体はなかなか広がらないようですけれども、その原因は何か見解を伺います。
○松下地球環境エネルギー部長 家庭の省エネアドバイザー制度は、家庭とのかかわりが深く、省エネに関するノウハウを持つ企業、団体を統括団体として認定し、家庭を訪問するなどして、無料の省エネ診断や省エネアドバイスを実施するものでございます。
平成二十二年三月から制度を開始いたしまして、平成二十三年度は七団体、二十七年度は十団体、今年度は十二団体と、着実に統括団体数は増加していると思っております。
今後も環境活動に意識が高い企業や団体に対して、省エネアドバイザー制度への参加を呼びかけ、都と連携を図りながら、家庭の省エネ、節電を促してまいります。
○西崎委員 地域には省エネの技術を紹介して啓発する市民団体が活動しておりますけれども、省エネアドバイザーの登録にはハードルが高く、財政基盤の弱い市民団体には難しい現状があります。このような地域の市民団体に活動してもらうことが有効だと考えます。活動費を補助するなど、登録できる要件を変えるよう要望しておきます。
次に、暑さ対策について伺います。
先ほど小山委員からもお話がありましたけれども、温暖化対策には温室効果ガスの排出抑制とともに、温暖化の影響に対する適応策も求められています。夏の暑さ対策もその一つです。二〇二〇年東京大会に向けた暑さ対策はいわれていますが、オリンピック・パラリンピックだけではなく、対策は必要だと思います。
東京を冷やすためには、緑をふやし、また、海や水辺からの風の道を確保するなど、コンクリートやアスファルトで覆われた都市のあり方を見直す必要があると思いますが、都市開発の方向性は一朝一夕に変わるものではなく、対症療法的な手法も必要です。
都がこれまで行ってきたクールスポット創出支援事業などの暑さ対策と今後の取り組みについて伺います。
○小川都市エネルギー推進担当部長 都は、平成二十七年度より、民間事業者や区市町村が暑熱対策設備を導入する際に、五百万円を上限といたしまして経費の二分の一を補助するクールスポット創出支援事業を実施しております。これまで区立公園や商業施設等での微細ミストや保水性舗装、壁面緑化等の導入に対して補助を行ってきております。
また、今年度は、上野恩賜公園におきまして、微細ミストや日よけ等の効果測定を行う実証事業を実施いたしました。
また、あわせて、都営バス停留所に微細ミストを導入し、その効果等を検証するための事業も開始しております。
来年度は、このクールスポット創出支援事業及び都営バス停留所への微細ミスト導入検証事業を引き続き実施いたしますとともに、お話の東京二〇二〇大会に向けました暑さ対策推進事業、これを開始いたしまして、東京の夏の暑さ対策を進めてまいります。
○西崎委員 私は、地元が世田谷なんですけれども、二子玉川の商業地域には、夏の暑い時間の午後二時になるとミストがまかれていて、こういった暑さ対策を早くからやっている状況なんですけれども、いろんな技術が開発されているので、ぜひオリンピック・パラリンピックだけではなく、この東京の暑さ対策に向けて、自治体と連携して進めていっていただきたいと思います。
次に、VOC対策について伺いたいと思います。
化学物質は、事業活動だけではなく、家庭の中でもさまざまなものが使用されております。生活者ネットワークは、有害化学物質の使用を減らすための取り組みをこれまでも求めてまいりました。
中でもVOC、揮発性有機化学物は、光化学スモッグを引き起こす光化学オキシダントやPM二・五を生成する原因物質となっており、一般家庭、オフィスからの排出量は全体の一六%を占めております。
家庭の日常生活で使う製品から排出されるVOCの削減について、これまでどのように取り組んできたのか伺います。
○近藤環境改善技術担当部長 都民の暮らしの中で使われているVOCを削減するため、都は水性塗料や可燃性ガスを使わないスプレーなどの低VOC製品を選べるよう、商品の見分け方をわかりやすく取りまとめたリーフレットの作成やホームページへの掲載などにより周知を図ってまいりました。
また、本年三月九日には、身近なVOC削減対策を直接都民に伝えるためにシンポジウムを開催し、関連する業界の環境配慮の取り組みや日常の買い物での商品選びなど、都民が取り組みやすいVOC削減対策を紹介し、百五十人以上の方にご参加いただいております。
○西崎委員 ことし初めてシンポジウムを開催したということですけれども、百五十名という大変多くの都民にVOC削減に有効な身近な対策を知ってもらう機会になったと思います。
このシンポジウムではいろいろな意見が出たと聞いておりますけれども、それを踏まえて今後の取り組みについて伺いたいと思います。
○近藤環境改善技術担当部長 都はこれまでも、リーフレットや「広報東京都」への掲載による普及啓発を行ってまいりましたが、今回のシンポジウムでは、環境問題に対する意識が高い人でも、VOCという言葉は知らないという意見や、都民への情報提供については、わかりやすい内容をよりシンプルに伝えることが重要との意見がございました。
今後は、こうした意見を踏まえ、リーフレットを改定するとともに、関連する業界と連携して、より幅広く普及啓発を図るなど、日常生活から排出されるVOCの削減に取り組んでまいります。
○西崎委員 新年度予算案には、民間事業者のVOC対策について新規事業が盛り込まれており、事業者の対策が進むと期待しますが、家庭などから出るVOCについて、市民自身が意識し取り組めるよう、わかりやすい情報提供をすることをお願いしておきます。
次に、自然公園について伺いたいと思います。
自然公園は、豊かな自然の保護と利用の両立を図る制度だと聞いております。都内にある自然公園は、多摩川の源流となる広大な水源林を従える二千メートル級の山や身近に登れる高尾山など、多くの市民に親しまれています。
しかし、利用者がふえたため、混雑を避けようと、登山道から脇にそれて、植え込みを踏み荒らしてしまったり、中には貴重な植物を持ち帰ってしまうという事例もあるとのことです。
豊かな自然環境を保護し、観光資源などとしての利用を両立させるためには、巡回によって状況把握や見守りをすることや、楽しみ方のマナーの普及啓発も必要です。こうした取り組みのために、東京には十年ほど前から東京都レンジャーが活動しています。
そこで、都レンジャーの現在の役割と配置状況について伺いたいと思います。
○須藤緑施策推進担当部長 都は、平成十六年度、都レンジャー制度の運用を開始し、自然公園の保護と利用の両立を図る観点から、登山者に対する指導や啓発、不法行為の監視、指導や安全指導、あるいは山火事の巡視などを行っております。
現在、多摩地域に十二名、小笠原地域に七名、合計十九名の都レンジャーを配置しております。
○西崎委員 多摩地域では、奥多摩に配置されている環境省のレンジャーはたった一人と聞いていますけれども、都レンジャーは十二人ということです。
最近、テレビで山番組が放映されたり、山ガールが話題になったり、さらに山の日施行で休日がふえるなど、身近な山の人気はますます高まり、登山者の増加が見込まれています。
巡回などにおいても、ボランティアの手をかりることは有意義ですし、最近はアクティブなシニア層もふえております。巡回等について、ボランティアの活用を図るべきと考えますが、見解を伺います。
○須藤緑施策推進担当部長 多摩地域では、巡回やサイン類の補修など、レンジャーの活動を手伝うボランティア団体としてサポートレンジャー制度を運用しており、現在、約百四十名の方に活動していただいております。
今後、こうしたボランティアなどについてもPRを強化するとともに、より参加しやすい環境を整え、巡回や普及啓発の体制を拡充してまいります。
○西崎委員 サポートレンジャーというボランティアが活躍しているということで、大変ありがたいと思いますけれども、参加する市民にとっても有意義な活動となっていることを期待しています。
最近は、自然環境保全や環境教育を得意とするNPOなども多くあり、地元自治体とも関係が深いと思います。
都は現在、自然公園ビジョンを策定中と聞いております。
そこで、ボランティア、NPO、地元自治体との連携を強化することをビジョンの中に盛り込むべきと考えますが、見解を伺います。
○須藤緑施策推進担当部長 自然公園ビジョンは、自然環境保全審議会において検討していただいておりますけれども、その中で、行政のみならず、地元自治体や都民、あるいはNPO、民間事業者等と連携することは有効であるとのご意見をいただいております。
これを受け、自然公園ビジョンの中間のまとめの中でも、多様な主体との連携について、今後の施策展開として位置づけられており、現在、パブリックコメントを行っているところでございます。
○西崎委員 最後に、3Rの推進について伺いたいと思いますが、先ほどほかの委員からも質問がされていて、若干重なる部分がありますけれども、確認の意味で二点質問したいと思います。
ごみの減量や省資源、資源循環利用の観点から、3Rの優先順位は重要です。知事は、二〇二〇年度までにレジ袋無償配布ゼロを掲げており、それを実現するため、二〇一七年度には協議会の開催を予定しております。
生活者ネットワークは、リデュースとリユースの2Rを進める活動をしている市民団体と連携して、容器包装リサイクル法見直しで、レジ袋有料化の義務づけを求めてきましたけれども、事業者の自主取り組みにとどまったままです。
有料化を進めるために、業界への働きかけや広域的な取り組みはどのように実施していくのか伺います。
○谷上資源循環推進部長 来年度から新たに、スーパー、コンビニ等の販売事業者、消費者団体、区市町村などによる協議会を設置しまして、レジ袋の無償配布ゼロに向けて協議を進めることといたしました。
また、都民にレジ袋削減に向けた理解と協力を得るための普及啓発にも取り組んでまいります。
○西崎委員 使い捨ての文化を変えようと、マイ箸やマイカップ、マイボトル、先ほど局長もお話しなさっていましたけれども、マイバッグなど広がっていると思います。
また、イベントでリユース食器を使うこともふえており、アースデーのように大規模な屋外イベントなどでも、リユース食器の使用が実現しています。自治体やNPOでリユース食器を貸し出しているところもあります。
また、リユースできないものについてはリサイクルする必要があります。そのために、材質の選定と分別の徹底が重要であり、ロンドン・オリンピック・パラリンピックの取り組みに学ぶ仕組みをつくる必要があると考えます。
都は、二〇二〇年東京大会におけるリユース、リサイクルについて、大会組織委員会に対してどう支援していくのか、また大会以降にどうレガシーを残していくのかについてお尋ねします。
○谷上資源循環推進部長 二〇二〇年東京大会は、持続可能な資源利用に向けた取り組みを世界に広く発信する機会でもあることから、大会の運営において3Rを推進し、リユース品の有効利用を図っていくことが重要です。
二〇二〇年東京大会組織委員会がまとめている持続可能性に配慮した運営計画では、リユースに関して工事現場における再使用資材の活用やリユース食器の導入等を可能な限り行うこととされております。
また、リサイクルに関しましても、施設建設におけるエコマテリアルの活用などの取り組みを推進するとされています。
都としては、二〇一二年ロンドン大会におけるリユースやリサイクルに関する取り組み状況について、来年度調査を行い、組織委員会が行う取り組みをサポートしてまいります。また、大会後もこうした取り組みを生かし、都民、事業者による3R推進の仕組みを社会に定着させてまいります。
○西崎委員 今後の取り組みについては、事業者や市民とも連携して進めていっていただくことを要望して、私の質問を終わります。
○両角委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
午後三時一分休憩
午後三時二十分開議
○両角委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○近藤委員 それでは、私からも来年度予算に絡みまして、環境局の皆さんにお尋ねをさせていただきたいと思います。環境局ということでございますので、東京都の自然環境、そして、私ども都民の住環境、生活環境というようなことで、大きなくくりの中でお尋ねをさせていただきたいと思います。
まずは先ほどもちょっと話がございましたけれども、長年、こいそ先生がご尽力されておりました都市鉱山、携帯電話等のこういったもののリサイクルにつきまして、オリンピックでこういったものを集めてメダルをつくったらどうだということも、私も去年の秋の事業質疑の中で一緒に提案をさせていただいたわけでございますけれども、それが新年度予算の中で反映をされて、東京オリンピックに向けてこの動きが始まったと、私は、大変大きく評価をしたいというふうに思います。関係各位のご努力、これからもどうぞよろしくお願いをしたいというふうに思います。
さて、きょうは中央卸売市場に絡みまして、環境という大くくりなところでお尋ねを幾つかさせていただきたいというふうに思います。お立場がお立場でございますし、縦割り行政の中でやむを得ないところがありますけれども、できるだけ皆さんの範囲でご理解いただいているところ、また承知をしているところについてお答えいただければありがたいなというふうに思います。
まず、築地市場の建物の環境ということでございますが、先ほども同僚議員からお話がございましたアスベストの問題、これにつきましては、一定のお尋ねをさせていただいて、答弁をいただいているわけでございますから、これにつきましては、私は割愛をしていきたいというふうに思います。
さて、細かいことでございますけれども、働く人間の衛生管理、生活環境という点でございますけれども、築地市場、従業員のトイレ、ロッカー等につきましても、働く現場の皆さんからいろんな声が上がっているというやに聞いております。
環境局で承知をしている公衆衛生上、トイレの問題であるとか、例えば福祉保健局が絡むようなO157に対する環境局からのアプローチ、お手伝い、細かいことでいえば、O157を予防するためのハンドソープの使用、こういったものについては、環境局と中央卸売市場、どんなあんばいになっているのかお尋ねをしたいと思います。
○笹沼総務部長 お尋ねの築地市場におけます従業員が使用するトイレ等は、当局が所管する施設ではございませんので、公衆衛生上の管理状況について把握はしてございません。
○近藤委員 お立場がお立場ですから、ご答弁はわかります。ただ、ご時世でございますので、私は全然知らないという状況ではなくて、やはり先ほど申し上げました、大きなくくりの都民生活の環境ということを知らなきゃいけない、それをつかさどる環境局としては、ある程度の情報は市場の方からもらっておく必要があるというふうに申し上げておきたいと思います。
次に、東京都は、石原政権下で一生懸命カラス対策に取り組んでこられました。先般も私どもの予算特別委員会の質問では、この写真を持ち出して、現状、ごみをあさるカラスの写真、お見せをいたしました。
今申し上げました石原政権下でのカラス問題について取り組んでこられましたメリット、築地にはどのようなものがあるかお尋ねをしたいと思います。
○須藤緑施策推進担当部長 都は、カラスによる生活被害や生態系への悪影響を減少させるため、平成十三年度にカラス対策を開始し、トラップによる捕獲やごみ対策、巣の撤去に取り組んでおります。
その結果、都内におけるカラスの生息数は、平成十三年の約三万六千羽から平成二十七年には約一万二千羽へ減少しており、一定の効果を上げていると考えております。
○近藤委員 築地と豊洲を比べた場合、例えば築地は開放的施設というふうにいわれていますし、豊洲は閉鎖型施設ということであります。
どのようにカラス対策としては今後違いがあるのか、また閉鎖型施設の場合、メリットは大きいものというふうに私は考えますが、環境局としてはどのようにお考えになっているのかをまず一つお尋ねをしたい。
次に、都内でも、きょうも報道がありましたけれども、野鳥のインフルエンザ感染が確認をされました。これは、環境局の担当でありますけれども、臨海部に接しております築地は開放施設でありますことから、たとえ人に感染しにくいA型インフルエンザだとしても、国内で感染事例はないものの、これは、私は注視していかなければならないんだというふうに思っています。今後の都の取り組み、これをお尋ねしたいと思います。
また、同様に、担当じゃないというふうにいわれるかもしれませんけれども、ネズミの対策、こういった問題についても、都の環境局としての取り組み、いかがなものかお尋ねをしたいと思います。
○須藤緑施策推進担当部長 ご質問にありました一点目のカラスの関係でございますけれども、建物の構造がカラスに与える影響でございますけれども、施設管理者ではございませんので、お答えにつきましては差し控えさせていただきたいと存じます。
二点目、野鳥のインフルエンザの関係でございますけれども、野鳥のインフルエンザ対策につきましては、環境省の指示により、都道府県でカモ類のふん便調査を行い、定期的に監視をしております。
また、野鳥のインフルエンザの発生状況により、環境省が対応レベルを設定するとともに、不審死亡野鳥が発生した場合は最高で三段階の検査を実施し、陽性反応が出た場合には野鳥監視重点区域を指定して、国、都、地元自治体と連携して対応強化を図ることとしております。
去る二月三日に足立区で発見された不審死亡野鳥から高病原性鳥インフルエンザウイルスが確認されたことを受けて、都では、中央卸売市場を含む関係十局による高病原性鳥インフルエンザ対策会議を開催し、野鳥の監視強化や関係者への速やかな情報提供を行っております。なお、対策会議で決定した対応として、中央卸売市場は、各市場内での野鳥監視強化を継続するとともに、市場業者への情報提供を行うこととなっております。
最後に、ネズミの関係でございますけれども、家ネズミ類三種、具体的にはドブネズミ、クマネズミ、ハツカネズミでございますけれども、これは私ども所管しております鳥獣保護法の第八十条の規定により、法の対象外となっておりますので、これらのネズミ対策は、当局では所管はしておりません。
○近藤委員 先ほどカラス対策についてもお話がありましたけれども、カラスがこれだけ減ったということは、私はそれなりに、例えば東京の繁華街のごみが散らかされない、イコールそれをネズミが食べないなんていう連鎖反応はあるんだと思います。
食物の生態系からすれば、カラスとネズミ、どちらが上かということにもなりますけれども、私は閉鎖型の豊洲の市場であれば、カラスの問題というのは大きくクリアをするんだというふうに思います。イコールそれがネズミが出にくくなる、イコール市場での公衆衛生がきちっと環境局の皆さんのお力によって守られるんだというふうに思っているんです。
ですから、そういう意味では、どちらの市場が環境局にとって、もしくは都民の公衆衛生にとってふさわしいのかというのは、もうちょっと議論をして深めていただければありがたいなというふうに思います。
先ほど野鳥の話がありました。これは、足立区の場合はカモだったというふうに私記憶をしていますけれども、カモは水辺の鳥でありますので、飛び上がって陸上にも上がります。カモメと同じであります。
この築地の市場の場合、カモメの存在はあるというふうに私は聞いておりますから、幸いなことに、たった一羽で今済んでいますからいいんですけれども、やはりそういう点でも閉鎖型の市場の方がいざというときの鳥インフルエンザの感染を防ぐという、水際対策をきちっととるということでも、私は有効なんだというふうに思っています。
その辺の認識をぜひ市場の皆さんと環境局の皆さん、福祉保健局の皆さんと議論を深めていって、対応策を練っていただければありがたいなというふうに思いますので、お願いをしておきます。
次に、土壌汚染について幾つかお尋ねをしたいと思います。
先日報道がありました一番新しい分析結果では、既に周知のとおりでございますけれども、確かに環境基準を大きく上回って数値が検出されておりますが、その原因についても、専門家からいろいろご説明がありました。ただ、幸いなことに地上部の建物に対する影響は安全であるという評価もありましたので、私はそれなりにこの結果を受けとめたいというふうに思っています。
築地は、豊洲の市場と同様に、地下の汚染の状況、これ把握の必要があるんだというふうに思っています。これは、私どもは予算特別委員会でも常々申してまいりました。
場内の路面、それから普通の建物の中の床面、こういったものの維持補修につきましては、私どもの同僚議員からも写真を示して、コンクリート、アスファルトのひび割れ、クラックについてお尋ねをしてまいりましたけれども、クラックから、ひび割れからの地下水の地上への浸出は確認をされておるのかおらないのか、もう一度お尋ねをしたいと思います。
○近藤環境改善技術担当部長 築地市場内の路面、床面等の維持補修の状況につきましては、詳細は把握しておりません。
しかしながら、土壌汚染対策法上は、立入禁止、シートで覆う、一定の厚さの盛り土、砕石、コンクリート、アスファルトで覆うなどのさまざまな措置による対策が定められており、路面状況のみをもって判断することはできないと考えております。
○近藤委員 私も正直いって、現場へ行って、雨の日に地下水が浸出、にじみ出てきている状況を把握しているわけではないんですけれども、私どもが不安に思うことは、都民の不安イコールだと思いますから、ぜひその点ではきちっと科学的な根拠に基づいて認識をされて、それを調査される、もしくは環境局が市場に調査を委ねるということをしっかりしていただいて、その路面状況の把握というものについては、しっかりとしていただきたいなというふうに私は思います。よろしくお願いしたいと思います。
それから、築地市場の清掃に使われるろ過海水というものがあります。これ、担当が違うといわれればまたそうなんですが、このろ過海水の水分としての分析調査、こういったものは定期的に行われているかどうか、把握しているかお尋ねをしたいと思います。
○近藤環境改善技術担当部長 ろ過海水の分析調査は、中央卸売市場が実施しております。
ろ過海水の調査結果については、土壌汚染対策法等では届け出制度はなく、当局において調査状況は把握しておりません。
○近藤委員 調査状況を把握されていないということですけれども、調査結果はあるということの認識でよろしいですよね。
○近藤環境改善技術担当部長 中央卸売市場のホームページ等で公表されていると聞いております。
○近藤委員 済みません、私もそれ認識しておりませんでしたので、それでは帰って確認をしたいというふうに思います。
これは海の水の話になりますから、下水道局も関係をしてくるんだというふうに思います。例えばこの水の分析の結果も、環境局は今おっしゃったように、市場の話だから知らないよ、ホームページで出ているんだよということでございましたけれども、ぜひそういう点でも、環境局は、先ほどから申し上げるように、東京全体の環境をつかさどるということからいけば、そういうことは承知をしていてほしいなというふうに思っていますので、お願いをしておきます。
次に、先般の証人喚問でもちょこっと話題になりましたし、週刊誌の報道にもありました「第五福竜丸」の通称原爆マグロでありますが、この事実関係について幾つか知っている範囲でお答えいただければというふうに思ってお尋ねをしたいと思います。
今から六十三年前の話でございますから、私が生まれる一年前の話で、私も正直いって、子供でございますので記憶にもないんですけれども、水爆実験で「第五福竜丸」が被曝したのが今申し上げました一九五四年、昭和の二十九年でありました。
いたずらに私は不安をあおるつもりはありません。ただ、もう既にマスコミ等によって報道はされておりますから、あえてちょっと確認をさせていただきたいというふうに思います。
当時を知り得るいろんな方からの証言やら、いろんな記事が出回っておりまして、持って帰ってきたマグロ三本、サメ二十八本が廃棄処分とされたそうであります。すぐさま築地場内の一角に埋められたというような報道になっています。
さて、先般も証人喚問でその話が出たわけでありますけれども、この事実関係はいかがなものかちょっとお尋ねをしたいと思います。
○近藤環境改善技術担当部長 昭和二十九年三月一日、ビキニ環礁で行われた水爆実験において被曝した「第五福竜丸」が積んでいたマグロを、その後、築地市場内に地中埋設したという情報がございますが、当方ではその真偽を確認しておりません。
○近藤委員 環境局では所管外ということになるんでしょう。把握をされていないということでありましたけれども、もう一度あえて申し上げますけど、東京都の生活環境をつかさどる環境局の皆さんでありますから、こんなお話があるんであるならば、私は、調査をしておいた方がよかったんではなかろうかなというふうに思います。
仮に、仮にですよ、報道にあるように、この築地市場に埋められているんであったならば、例えば半減期が早いヨウ素なんかは別ですけれども、ストロンチウムなんかにしたら三十年ですから、これがどのくらいの放射線濃度だったのかも今は知り得ることができないわけですね。
それがたったマグロ三本という情報ではありますけれども、記録が残されておりませんから、今後、どう判断をし、どのように対応していくのか私もわかりませんが、先ほど申し上げたように、いたずらに不安をあおるつもりはありませんけれども、ただ、有害物質がそういった地面の中に埋められているんだ、これは築地の地下に埋められているんだというような情報でありますから、であるならば、ぜひ、環境局なり、もしくは福祉保健局なり、市場がしっかりそれを調査する必要があるんだというふうに思います。
もう一度申し上げますけれども、東京都として、過去調査をしようとしたのでしょうか、また今後どのようにお考えになるのかお尋ねをしたいと思います。
○近藤環境改善技術担当部長 過去の調査についてはちょっと把握しておりませんが、今後につきましては、中央卸売市場において適切に処理されるものと認識しております。
○近藤委員 ぜひ適切なご判断のもとに調査を、私は、していなかったらすべきだというふうに思います。これだけ報道が先行して、場内の地中どこかに眠る原爆マグロなんていう言葉で報道がされるわけですから、ぜひ、大丈夫なら大丈夫だと。
例えば、私も放射線の専門家じゃありませんけれども、私どもが知り得る範囲、よくガイガーカウンターなんていうのがありますが、このガイガーカウンターで場内を全部、ビビビッと鳴るかどうか調べる。これは、環境局の皆さんとしては、何度も申し上げますけれども、東京都民の環境をつかさどる皆さんは、きちっとそれを指導すべきだと。市場なのか、都計なのか、担当がきちっといるんだと思いますから、まあ市場だとは思いますけれども、きちっとそれはやっぱりやらなきゃだめなんだというふうに思います。
やった上で、安全なら安全だと。これ、やっぱり今問題になっている安全は科学的根拠から来るんだよというふうにいわれているわけですから、科学的根拠をきちっと示した上で、都民の皆さんに安心をしていただく、こんなことをしなきゃいけないんだと思います。ぜひ局長、ご答弁はいいですから、よろしくお願いをしておきたいと思います。
次に、法律の条文についてちょっとお話をさせていただきたいと思いますけど、土壌汚染対策法、通称土対法ということでございますけど、これは環境省がつくった上位法でありますから、環境局の皆さんについては直接の所管であります。
先般の予算特別委員会でも関連の質問をさせていただきましたけれども、きょうはちょっと簡単にお話をさせていただきますが、今現在、築地市場の土壌を覆っているコンクリートの現状認識、小池知事は、築地の土が多少基準値を上回っていても、しっかりとアスファルトとコンクリートでふたをされているから大丈夫だよ、安全なんだよとお話がありました。
でも、私どもは、まだ最終確認はとれていませんけれども、ひび割れの存在も確認をしています。地下水の浸出も確認はしていますけれども、うわさをされています。
であるならば、築地のひび割れはあるんですけれども、現状、築地の市場全体のコンクリート、アスファルトの厚さというのはどのくらいになっているんでしょうか。教えてください。
○近藤環境改善技術担当部長 築地市場の地表は、一部コンクリートにひびが入っている箇所等がございますが、おおむね厚さ十センチメートル以上のコンクリート、または厚さ五センチメートル以上のアスファルトで覆われていると聞いております。
○近藤委員 土対法では、やっぱりシャットアウトしなきゃいけないといっているんですけど、これは建築基準法の話にまたなってくるんですけれども、当時のルールということですから、十センチでも五センチでもいいでしょう。
ただ、先ほど申し上げましたように、ひび割れが確認をされているわけですから、このひび割れが十センチのところのひび割れなのか、例えば百センチあるコンクリートの一番下までいってない上の部分のところだけひび割れしているんだったら、私は大したことないなと。ただ、五センチの部分とかがひび割れしたら、このコンクリートは割れているのと同じですから、地下水が上に浸出をしてきていないということは証明ができないんだと思うんですね。であるならば、先ほど申し上げたように、きちっと市場の皆さんに調査をさせるのが環境局の仕事だと思っています。
さて、豊洲は地下ピットがあること、わかりました。ただ、地下ピットがあるものの、建屋があります。その建屋の下、床のコンクリートの厚さというのは何センチなんでしょうか。私、ちょっと、建築に疎いもんですから、知っていたら教えてください。
○近藤環境改善技術担当部長 豊洲市場の地下ピットでございますが、まず下の部分は、厚さ五十センチメートル以上の砕石による盛り土がなされております。また、地下ピットの上の部分、いわゆる建物の下の部分では、厚さ三十五センチから五十五センチメートルのコンクリートとなっていると聞いております。
○近藤委員 そうすると、単純にいうと、古い古い築地は十センチぐらいが最高の厚さであって、最新の建築技術をもってつくった豊洲は五十センチの砕石、盛り土、さらに建物の床が三十五から五十五というと、私は地下からの汚染物質が上に上がってくるという点では、先日、専門家会議でも発表があった建物の上は安全だということが裏づけられるんだと思います。あえていわせていただければ、築地は不安だぞということがいえるんだと思います。
先ほども申し上げましたように、ひび割れがあれば、それが十センチ、もしくは五センチの築地のコンクリートだったとすれば、私は大変不安だというふうに思います。
この不安を払拭するには、科学的な根拠でお示しをいただかなければ、安全だというふうにはいえませんし、さらに安心ですよというふうにはいえないんだと。知事は、土壌汚染の疑いがあったとしても、築地はしっかりとコンクリートで覆われているから安全ですよとおっしゃいました。先ほどのお話からいけば、一番薄い五センチのところにひび割れがあったら、私はもうこれ安全だというふうに知事が胸張っていえる状況ではないんだというふうに思います。
市場の皆さんではありませんから、今申し上げたことをぜひ市場の皆さんにお伝えをいただければというふうに思います。部長、よろしいでしょうか。お伝えいただけますか。うなずいていただけば結構です。嫌だったら首を振ってください。いいですか。はい。
それで、法律の条文についてちょっと勉強させていただきたいと思います。
土対法の法律の目的でありますが、一つは、土壌汚染の状況を調査しなさいよということがうたわれています。使用が廃止された有害物質使用特定施設にかかわる工場または事業場の敷地であった土地の調査、簡単にいうと、ここはかつては米軍のクリーニング工場でありましたから、そのクリーニング工場が廃止された跡は汚染のおそれがある。だったら、専門家が調査をして、都知事に報告をしなきゃいけないよというふうに土対法で示されています。
さて、築地は、報告が上がっているんでしょうか。
○近藤環境改善技術担当部長 委員ご指摘のとおり、まず、土壌汚染対策法ですけれども、人の健康被害を防止することを目的としておりまして、人が有害物質を含む土壌汚染に直接触れること、それから周辺で汚染された地下水を飲用してしまうことを防止するために定められております。
そのため、有害物質を扱っている施設を廃止する場合、あるいは、今回の条例のように三千平米以上の土地で土地の改変が行われる場合には、土壌汚染調査を行う必要がございます。
築地の場合は、これからその調査が行われるという状況でございます。
○近藤委員 確かに米軍の工場の跡地に築地の市場をつくるときの法律ではなかったというふうには思います。土対法自体は平成十四年施行でありますから、確かに現行法からすれば、当時の法律が優先でもしようがないというふうに思います。ご答弁はそのとおりだとは思います。
さて、では次に、土壌汚染による健康被害が生ずるおそれがある土地の調査というのも、これは調査目的の一つであります。知事は、汚染のおそれのある土地があると認めるとき、土地の所有者に対し、この場合、今回は東京都ですけれども、専門家に調べさせて、その報告を命じなきゃいけない。
さて、築地は土対法に基づいてこれがされているのでしょうか。
○近藤環境改善技術担当部長 委員ご指摘のように、人の健康に直ちに影響を及ぼすような場合には、土壌汚染の状況調査を命じることがございますが、築地市場においては、現時点においてはそのような状況にないと認識しております。
○近藤委員 先ほどから申し上げるように、市場の皆さんじゃないから、やむを得ないといってはやむを得ないんだと思います。ただ、土壌汚染による健康被害が生ずるおそれというふうに土対法では示しています。ぜひ、それはやらなくていいんだよとかという話でなくて、市場の皆さんをきちっと指導するなり、環境局としてつかさどるということは必要なんだというふうにもう一回申し上げておきます。
最後の質問です。
指定区域の指定、台帳の調製をしなさいよというのも書かれています。土壌の汚染状態が基準に適合しない土地について、その区域を指定区域とし、指定、公示すること、公示ですよ、公示することを、台帳をつくりなさいというふうにいわれていますが、この指導は環境局として築地の市場に対してどうされているかお尋ねします。
○近藤環境改善技術担当部長 有害物質を使用している施設等を廃止した場合に、あるいは土地の改変を行う場合に調査が義務づけられておりまして、その調査の結果、有害物質が検出された場合には、その場所を要措置区域、あるいは形質変更時要届け出区域に指定することになります。
要措置区域というのは、人が汚染土壌に直接触れたり、周辺で地下水を飲用利用したりする場合には要措置区域、また、人が直接触れることがなく、周辺で地下水を飲用利用する予定がない場合には形質変更時要届け出区域に指定されることになります。
○近藤委員 もう時間ですから終わりますけれども、今お話のあったのは、確かに私が質問するのは、市場へ行って質問してこいよというふうにいわれるかもしれませんけれども、環境局の皆さんが、先ほど冒頭申し上げました、東京都の都民生活の住環境を守るという点では、今申し上げたところに疑念があるんであるならば、ぜひ、環境局がきちっと市場にこうしなさいよという指導をされるべきだ、そんな時期に来ているんだと思います。
今まではよかったですよ。でも、今これだけクローズアップされて話題になっている時代でありますから、ぜひこれは局長、市場の方によくお話をしていただいて……(「局長答弁もらった方がいいよ」と呼ぶ者あり)それでは、局長、恐縮ですけれども、お考えをちょっとお示しいただければと思います。それで私の質問を終わります。
○遠藤環境局長 今、環境局の役割につきまして厳しいご指摘をいただいたところであります。
基本的には、土壌汚染対策法ないし環境確保条例に定めた基準にのっとりまして、これまでの手続を行ってまいりました。
今後の取り扱い等につきましては現状を深く認識して、市場当局とも連携をとりながら検討してまいりたいというふうに思います。
○高倉委員 初めに、生態系に配慮した緑化を評価するツールについて質問いたします。
このテーマにつきましては、都議会公明党の私どもの斉藤やすひろ議員が本会議等で提案をしてきたものであります。
東京は、世界有数の経済規模を誇る大都市でありまして、世界中の生物資源を大量に消費する都市でもあります。東京に暮らす人々の生活や経済活動は、地球規模の生物多様性の恩恵を受けておりまして、生物多様性の保全に向けた実効性の高い取り組みを展開することは、大都市東京に課された使命であるともいえます。
これまで都は、生物多様性基本法の規定する地域戦略としまして、緑施策の新展開を策定し、緑の量を確保する従来の取り組みに加え、在来種の植栽を推進するなど、生物多様性にも配慮した質の高い緑の創出に取り組んできました。
中でも、他の自治体に先駆けた取り組みとしまして、民間事業者の協力を得て、具体的な開発案件のデータをもとに、生態系に配慮した緑化を評価するツールの開発を進めてきたと承知をしております。
そこで、都がこのツールを作成した意義とその特徴についてお伺いします。
○志村自然環境部長 生物多様性の保全に向けまして、民間事業者等による生態系に配慮して緑化を推進していくためには、生き物の生息空間としての緑地の価値を客観的に評価し、見える化することが大変重要だと考えております。
このため都は、生態系への影響や配慮の度合いを数値化し、定量的に評価できるツールを作成いたしまして、この三月に試行版として公表したところでございます。
この生態系評価ツールの特徴は、東京の地域特性に合致した種類を植栽しているかどうか、周辺緑地との連続性や生き物を呼び寄せる工夫などはどうなのかと、こういった項目につきまして、評価シートに入力することで、自動的に評価結果が算出される点にございます。
このツールを利用して、緑化計画のレベルについてシミュレーションを行うことにより、事業者みずからが緑化計画をより生態系に配慮した内容へとレベルアップを図るよう促してまいります。
○高倉委員 企業の事業活動は、水や食料を初めとしたさまざまな原材料を生み出す生態系サービスに支えられておりまして、生物多様性が損失をされてしまえば、中長期的にははかり知れない経済的な損失をこうむることになるわけであります。
しかしながら、現状、多くの企業では、生物多様性は自社の業務とは無縁であるというふうに思い込みまして、具体的な活動として、生物多様性の保全に取り組んでいるところは少ないというのが実情であると思います。
こうした中、実際に事業者に生態系に配慮した緑化に踏み出してもらうため、都がインセンティブを引き出していくツールを作成したことは、評価できるものであります。今後は、つくったことで満足するのではなく、より多くの事業者に使ってもらうための努力が必要だと思います。
そこで、生態系に配慮した緑化を広げていくため、公開した評価ツールの利用をどう広げていくのかについてお伺いしたいと思います。
○志村自然環境部長 今回公表いたしました生態系評価ツールの利用促進に向け、東京都は、わかりやすいパンフレット等を作成し条例に基づく緑化指導の機会を設けますとともに、来年度は設計者向けの講習会を開催し、こういったものを通じまして、評価ツールの周知を行ってまいります。
また、事業者が生態系に配慮した取り組みを実践していることをPRできるよう、この評価ツールを用いた質の高い緑化事例を東京都のホームページで広く発信をし、利用者のツール利用に対するインセンティブを高めてまいります。
加えて、東京都と同様に、共通の課題として都市緑化に取り組む他の大都市にも都の取り組みを情報提供するなど、生態系に配慮した緑化の取り組みが広がるよう、連携を図ってまいります。
今後とも、生き物と共生できる都市の実現に向けまして、都が先導してさまざまな主体の参画を得ながら、生態系に配慮した緑化の取り組みの輪を広げてまいります。
○高倉委員 今、さまざまな取り組みについての答弁をいただきましたけれども、より多くの開発案件で都の評価ツールが利用されるよう、事業者への周知を十分図ることをお願いしておきたいと思います。
生物多様性の重要性に対する国際的な関心は年々高まっておりまして、生態系に配慮した都市づくりが進むことは、東京の国際的なプレゼンスの向上にも資するものであると思います。今後とも、生物多様性の保全回復に視点を置いた持続可能な都市モデルを提示できるよう、さまざまな施策を展開していただきたいと思います。
続きまして、自然公園についてお伺いをしたいと思います。
東京には、最高峰の雲取山から、また、小笠原まで非常に多様で豊かな自然が広がっております。
私、たびたび質問の際に山に親しんできたということを申し上げているわけでありますが、この広大な区域で実施をされております自然公園事業にこのところずっと注目をしておりまして、快適なトイレ、あるいは山頂標識の整備、また、ことしは二〇一七年ということで、最高峰の雲取山が二千十七メートルであるということで、絶好のPRの機会であるということで、イベントの実施等の必要性について質問もしてきたところであります。
都は現在、今後の自然公園事業の推進のよりどころとしていく自然公園ビジョンを策定中でありまして、自然環境保全審議会の計画部会が先週からパブリックコメントを開始しているというふうにお聞きをしております。
自然公園に関するビジョンの策定は、全国でも初の取り組みというふうに聞いております。
そこで、まず、このビジョンを策定する目的についてお伺いしたいと思います。
○須藤緑施策推進担当部長 東京の自然公園では、近年、ハイキングやキャンプなど従来型の利用に加えて、トレイルランニングなども行われ、楽しみ方の幅が広がるとともに、外国人旅行者など利用者も多様化しております。
今後、こうした利用形態や利用者層の多様化は一層進むと考えられるため、こうした変化に合わせた環境整備や地域の観光資源との連携など、新しい時代にふさわしい自然公園の取り組みを進める必要がございます。
自然公園ビジョンは、自然公園が目指す姿を明示し、関係者で目標を共有することにより、豊かな自然を守りながら、国内外の多くの方々に自然公園のすばらしさを体感していただけることを目的として策定するものでございます。
○高倉委員 ただいまの答弁で、自然公園ビジョンについては、自然公園が目指す姿を明示し、関係者で目標を共有すると、こういうご答弁がありましたけれども、現時点でどういった目標像ということを考えていらっしゃるのかについてお伺いしたいと思います。
○須藤緑施策推進担当部長 ビジョンの目標像でございますけれども、東京の自然公園の特徴として、第一に、亜高山帯から亜熱帯までに位置することにより、自然が多様性や連続性を有していること、第二に、自然公園エリアでは豊かな自然を生かして農林水産業や食品加工業等の産業が盛んであるなど、人と自然との関係性が深いこと、第三に、都心部からのアクセスが比較的良好で訪れやすいことが挙げられます。
こうした特徴を踏まえて、自然公園ビジョンの中間のまとめでは、一つ目として、多様性と連続性が織りなす自然環境を育む自然公園、二つ目として、人と自然との関係を取り持つ自然公園、三つ目として、誰もが訪れ、誰もがかかわれ、誰からも理解される自然公園の三つを東京の自然公園が目指す姿としております。
○高倉委員 自然公園のビジョンでは、目標像として三つを掲げているということがわかりました。現在、パブリックコメント中ということでありますので、関係者で目標を共有して、一層魅力的な自然公園にしていただきたいと思います。
ところで、自然公園に内外の多くの人が訪れて楽しんでいただきたいわけでありますが、そのためにも、まず、自然公園の重要な資源であります自然を大切にしていくということが大前提になると思います。
自然環境を守るために、どういった取り組みを進めていくのか、このことについて見解をお伺いしたいと思います。
○須藤緑施策推進担当部長 自然公園は、自然の保護と利用のバランスが重要であり、利用促進とあわせて、自然環境の保全を図ることが重要でございます。
そのため、東京都レンジャーの巡回による監視強化を図るなどにより、自然環境の状況を的確に把握し、希少植物の盗掘防止などを図るとともに、鹿等の食害による自然環境被害を防止する対策を進めるなど、自然環境の保全や再生に積極的に関与してまいります。
また、都が土地を所有していない中で、良好な自然環境を維持するためには、土地所有者や地元自治体等、関係者の合意のもとで管理運営を行う必要があるため、地域でルールをつくり、自然環境の保全を進めてまいります。
こうした取り組みを通じて、自然公園の貴重な資源を的確に保全してまいります。
○高倉委員 必要な保全の取り組みを行った上で、自然公園を観光資源として活用していくということは、地域振興の面からも大変に重要であるというふうに思います。
そのためには、庁内はもちろんのこと、特に地元自治体の観光部門や観光協会等と密接に連携をしていくということが重要と思いますけれども、このことについて見解をお伺いしたいと思います。
○須藤緑施策推進担当部長 自然公園ビジョンの策定に当たりましては、多摩部及び島しょ部の自然公園が所在する自治体の環境部門だけではなく、観光部門とも綿密に意見交換をしながら検討を進めております。
自然公園ビジョン策定後の事業展開の段階でも、こうした地元自治体の関係部署とは定期的に情報交換をするなど連携しながら、自然公園施策を展開してまいります。
さらに、地元自治体だけではなく、地元の観光関連事業者等とも連携することにより、自然公園に関する効果的な情報発信などを行ってまいります。
○高倉委員 この質問の冒頭でも触れさせていただきましたけれども、東京の自然公園は、雲取山から小笠原まで非常に多様で魅力的、また、かつ個性的な自然が広がっております。
しかしながら、私の周囲でもまだそのすばらしい存在を知らないという人が多いわけであります。例えば、高尾山といえば大抵の方は知っているわけでありますけれども、東京の最高峰はどこですかと聞かれて、雲取山ですとすぐ答えられる人は意外と少なくて、その存在を知らないという人はかなり多いんではないかと思います。
伊豆諸島にもすばらしい山や透明度の高い美しい海といったものが多いわけでありますけれども、なかなか実際それを見たり、機会も少ないかもしれません。その存在を十分に理解をしているという人もそう多くはないんじゃないかと思うんですね。
もっと自然公園について知ってもらうという取り組みが、私は必要であるというふうに思います。単に景色がきれいであるとか、山を歩くのは楽しい、おもしろいといったことで終わらせるのではなくて、自然の存在価値や自然と文化の関係などを伝えていくということも大変に重要であるというふうに思います。
自然公園の中には幾つかビジターセンターもあるわけであります。私は、例えば東京駅のかいわいとか、あるいは銀座、あるいは羽田、新宿といった内外の人が東京を訪れるときに最初に立ち寄る場所である都心部におきまして、自然公園について積極的に発信をしていくことが必要であるというふうに考えます。
具体的に展示が行われていて、そこで楽しめるような、また東京の自然公園について十分に理解を深めていけるような、そうした拠点をまさに都心部に置いていく、こういったことはこれから非常に重要であるというふうに思っております。
こうした東京の自然公園の魅力を発信していくことについての見解をお伺いしたいと思います。
○須藤緑施策推進担当部長 多くの方々に自然公園のすばらしさや貴重な自然の価値などを知っていただき、訪れていただくためには、積極的に自然公園に関して情報発信をする必要があると考えております。
そのため、来年度にホームページを改修し、タイムリーで魅力的な情報を発信するとともに、外国人旅行者に向けて外国語表記もあわせて実施するほか、都心部で開かれる大型イベントに出展するなどにより、普及啓発に努めてまいります。
今後、都心部からの情報発信については、空港や主要駅、あるいは観光情報センター等における広報についても幅広く検討してまいります。
○高倉委員 今、答弁で都心部からの情報発信ということについて、幅広く検討していくというようなお話がありました。ぜひ新たな拠点を実現して、そしてそこから発信していただきたいというふうに強くお願いをしておきたいと思います。
二〇二〇年の東京大会に訪れた外国人が、競技の観戦や観光の合間に訪れることができるスポットで、東京の豊かな自然についてわかるようになれば、とてもいいのではないかというふうに思いまして、ぜひともしっかりと取り組みをお願いしたいと思います。
東京の自然の豊かさにつきましては、外国からの観光客と同じように、次世代を担う子供たちにもわかっていただきたいというふうに思います。そのためには、子供にもわかる自然公園を紹介するテキストがあればいいのではないかなと思います。
最近は、紙の媒体だけではなくて、タブレット等を使った事業も行われているといった事例もあります。紙の媒体の場合は、冊子とか本ということになりますけれども、これは厚い本ということはつくることは可能なんですけれども、やっぱり一定の限界があると思うんですね。デジタルデータといった場合は、これはいわば際限なくデータを盛り込むことができて、そして、必要な情報も簡単に検索することができると、そういうことでもあります。
平成二十九年度の予算では、先ほどの答弁でホームページの改修を行うというふうにお聞きをしましたけれども、その際、ぜひ子供向けのものをつくっていただきたいというふうに思いますけれども、見解をお伺いいたします。
○須藤緑施策推進担当部長 先ほどご答弁させていただきましたが、平成二十九年度には、自然公園に関するホームページを大幅に改修する予定でございます。
具体的には、自然公園内における認可や届け出など手続の説明が中心であった内容を大幅に見直し、自然公園の魅力や特徴、産業や文化など、自然公園内の人々の営みなどについてもわかりやすく伝えるよう改修する予定でございます。
これまで子供向けのページはありませんでしたけれども、これからの自然公園の担い手である子供たちに対しても情報発信することが重要であると考えております。
そのため、子供たちが興味を持ち、東京の自然について理解してもらえるような子供向けのページを新設してまいります。
○高倉委員 ぜひよろしくお願いをしたいと思います。
自然公園ビジョンについては、地元自治体の期待も高いというふうに聞いておりますし、私もそれができ上がるのを楽しみにしております。最終取りまとめに向けまして、関係者の英知を結集して取り組んでいただきたいと思います。
最後に、都市鉱山についてお伺いをしたいと思います。
今回の予算特別委員会におきまして、私ども都議会公明党は、都市鉱山ともいえる、いわゆる使用済みのIT機器などから回収をする金属で、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック大会のメダルをつくる取り組みに関連をして質問させていただきました。
恐らく多くの方が数年置きに携帯電話とか、あるいはスマートフォンを新しいものに更新をしていくというふうに思います。その結果として、東京は多くの住民の手元に使用済みの機器が集積をする、いわば世界でも有数の都市鉱山であるといわれてきたわけであります。
私は、平成二十年の第三回定例会の一般質問で、都市鉱山ともいえる東京において、使用済み機器から希少金属を回収する取り組みについて取り上げてきたところであります。この私の質問に対して当時の環境局長でありますが、大学校内や地下鉄駅など二十カ所に回収ボックスを設置し、使用済み携帯電話の回収実験を行う。この取り組みを通じ、都民にレアメタルの回収の重要性を訴え、リサイクルへの参加を広く呼びかけるとし、回収実験の成果を踏まえ、事業者団体や区市町村と連携をして、普及啓発や回収拠点の充実などに積極的に取り組むと、このように答弁をしたわけであります。
また、携帯電話以外の小型電子機器についても、携帯電話のリサイクルなどを参考にしながら、必要な実態の把握に努め、事業者団体や学識経験者などの意見を聞く場を設けると、大変前向きな、積極的な答弁をいただいたわけであります。
そこで、現在に至るまでの具体的な取り組みはどうだったのかについて答弁をいただきたいと思います。
○谷上資源循環推進部長 委員のお話にありましたとおり、都は平成二十年に関係団体と連携しまして、使用済み携帯電話の回収実験を行い、レアメタルの回収の重要性を訴えました。
その後、平成二十四年度から区市町村が取り組む使用済み小型家電の回収等を促進するための補助事業を展開しております。
さらに、平成二十五年四月に小型家電リサイクル法が施行され、現在までに、島しょ地域の一部を除いて、都内の全区市町村が何らかの形で小型家電の回収を行うまでに至っております。
○高倉委員 今、答弁の中で、回収促進の補助事業のお話などもあったわけであります。
それで、さまざまな取り組みが行われてきたんだろうなというふうに思いますが、できれば、現在までにどういった成果が上がっているのかといったようなことも明らかにしてほしいなというふうには思っております。
いずれにしても、小型家電のリサイクルということについては、いわば運動という面においては、回収といったことがある意味では地味な取り組みでありますので、運動にするとか、あるいは大きな機運を盛り上げていくといったことがなかなか難しい分野ではあると思いますけれども、もうひとつ積極的に進んでいるといったようなことがちょっと感じられないという部分が一面ではあるというふうに思っています。
二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックのメダル作製という具体的な目標に向けて、きょうも質問がありましたけれども、来月から回収を推進する運動が展開されるわけであります。
東京都は、それに先駆けまして、都庁舎において携帯電話などの回収について、知事が呼びかけたわけであります。
小型家電を回収するいわば権限がありますのは区市町村というわけでありますけれども、これと東京都の役割分担はどうなっているかについて答弁をいただきたいと思います。
○谷上資源循環推進部長 ご指摘のとおり、法律上、家庭から排出される使用済み小型家電の回収は区市町村が行うことになっております。そのため、今回の都庁舎における使用済み携帯電話等の回収は、新宿区の協力を得て実施しております。
都民の協力を得て、都庁舎で回収した使用済み携帯電話等は、新宿区の事業を委託している小型家電リサイクル法の認定事業者に引き渡し、金、銀、銅メダルの材料に資することになります。
都は、区市町村の使用済み小型家電の回収が円滑に行われるよう、広報、周知等の支援を行ってまいります。
○高倉委員 来月から始まっていくメダルをつくるための回収のプロジェクトでありますが、今、答弁がありましたが、区市町村の役割、また、都との役割分担というんでしょうかね、こういったことはともかくとして、東京都はいわば二〇二〇年のオリンピック・パラリンピックの開催都市なわけであります。
したがって、やはり都として、こうした非常に関心が高まっているプロジェクトについて、全国のモデルとなるような象徴的な取り組みをしていくといったことが私は必要ではないかというふうに思うんですね。
また、メダルづくりのプロジェクトで機運が恐らく盛り上がっていくというふうに思いますけれども、都市鉱山の活用を二〇二〇年の大会のレガシーとして、その後も残していくといったこともあわせて重要であるというふうに考えますけれども、こうした点についての見解を求めたいと思います。
○谷上資源循環推進部長 今回の都庁舎における回収では、約一万五千台もの携帯電話が約一カ月間で集まり、多くの都民の関心を集めております。
多くの都民の協力が得られた携帯電話の回収事業をきっかけに、都民に都市鉱山の有益性を周知して、小型家電リサイクルの取り組みを定着させてまいります。
今後とも、区市町村や事業者と連携しながら、二〇二〇年大会のレガシーとして、小型家電リサイクルなどの3R施策の推進に努め、持続可能な都市東京の実現を目指してまいります。
○高倉委員 先ほども申し上げましたけれども、こうしたリサイクルは、いってみれば地味な取り組みという面もあるわけでありますけれども、ぜひオリンピック・パラリンピックと合わせた形での取り組みになりますので、具体的に、東京ならではといいますか、開催都市の東京ならではの本当にこの運動を盛り上げるような工夫をしていただきたいと思うんですよ。
各区市町村に回収ボックスを置けばいいとかということだけではなくて、もちろん実際にはそういうものを置いて回収をしていくということにはなるんだと思いますけれども、単にそういうことだけではなくて、本当にみんなが、より多くの人が、じゃあ自分もこのメダルづくりに参加をしていこうというふうに思えるようなものを、ぜひこの東京から発信をしていただきたいというふうに思います。
最後に、もったいないという言葉についてお伺いしておきたいと思います。
知事ももったいないという言葉を環境施策の推進の中で使っているわけでありますけれども、こうした粘り強い運動を展開していくためには、誰もが身近に感じられるようなメッセージ、こういったものが必要であるというふうに思います。
環境局としまして、今後のさまざまな環境施策を展開する中で、もったいないという言葉、これはもうある意味で世界中で知られている日本語の一つでありますけれども、これをさらに広げていくべきであるというふうに思いますけれども、その点についての見解をお伺いしまして、質問を終わりたいと思います。
○遠藤環境局長 今お話がありましたもったいないという言葉は、資源ロスの削減、あるいはエネルギーの節約などを促す、極めて象徴的な日本語として認識をされております。
ご指摘のように、ノーベル平和賞を受賞した故ワンガリ・マータイ氏が世界に向けて紹介したことによって、極めて注目されているキーワードになったというふうに私も認識しております。
もったいないという言葉は、日常生活、あるいは社会経済活動の中で、さまざまなところで表象される言葉ではありますが、最も端的にあらわれるのは、やはり3Rの分野ではないかというふうに考えております。
今回の使用済み小型家電の回収などを通じまして、多くの都民にもったいないという資源を大切にする心を呼び起こしまして、都としても3Rの取り組みをさらに推進することによって、持続可能な資源利用が二〇二〇年以降もレガシーとして受け継がれるように努めてまいります。
○今村委員 それでは、私からも報告事項並びに新年度予算について伺ってまいりたいというふうに思います。
今回、第十二次鳥獣保護管理事業計画を五年ぶりに改定し、その中で八丈島の西側にある八丈小島を新たな鳥獣保護区に指定するとのことであります。八丈小島には、天然記念物のアカコッコ、カラスバト、イイジマムシクイなどの希少な鳥類が生息しており、今回の指定は保護の実効性が高まる取り組みと評価できるものであります。
八丈小島では、ほかにも準絶滅危惧種に指定をされているクロアシアホウドリの営巣が三年前より確認されております。世界最北端の繁殖地となることが期待されています。
さらに、伊豆諸島の御蔵島では、オオミズナギドリの世界最大の繁殖地があり、バードアイランドといわれる三宅島でも、アカコッコやイイジマムシクイなど希少な鳥が観察できる地域であります。そのほかにも、ハシボソミズナギドリ、オーストンウミツバメ、アカアシカツオドリなど、大変バードウオッチャーには魅力的な、多くのウミドリが観察できるわけであります。
一方で、伊豆諸島、八丈小島に限らず、都内では開発行為や外来種の増加などから、絶滅のおそれのある種が多く存在しており、私は、生物多様性の保全という観点から、希少鳥獣の保護は重要な課題であると考えます。
そこで、希少鳥獣の保護に対する都の基本的な考え方、そして主な対応についてお伺いをします。
○須藤緑施策推進担当部長 今回改定する鳥獣保護管理事業計画においては、環境省のレッドリストの絶滅危惧一類、または二類に該当する鳥獣で環境大臣が定めるもの及び都のレッドリストにおいて絶滅危惧一類に該当するものを保護の対象としております。
これら希少鳥獣に関し、都は、必要に応じて生息状況や生息環境の調査を行うとともに、自然保護条例に基づく開発許可に際しては、事業者に希少動植物への配慮を求めております。
例えば、開発地がオオタカなどの生息区域である場合には、飛翔ルート等の詳細な調査を実施の上、繁殖期における工事騒音の抑制など、希少な猛禽類の生息環境に配慮することを指導しております。
また、種の保存法に基づき、小笠原諸島の固有種であるアカガシラカラスバト等について、国が策定した事業計画による保護、増殖事業を実施してまいります。
○今村委員 小笠原の固有種に言及がありましたけれども、世界自然遺産の小笠原にはレッドデータブックに掲載をされている希少な鳥獣が多く生息をしております。天然記念物でありますアカガシラカラスバトの話もございました。こうした固有種も多く、これまでも国などと連携してその保護に取り組んでいるということであります。
これに関連をいたしまして、先月、特別天然記念物でありますアホウドリの繁殖に二年連続で成功したというニュースが報道をされておりました。
そこで、小笠原諸島におけますアホウドリの繁殖に関する都の取り組み状況についてお伺いいたします。
○須藤緑施策推進担当部長 アホウドリは、羽毛採取を目的とした乱獲から世界では伊豆諸島の鳥島と尖閣諸島にのみ生息する状況となっております。
そこで、環境省が中心となってアホウドリの保護、増殖事業を行うこととなり、その一環として、都は環境省と連携し、新たな繁殖地を小笠原諸島、聟島列島に形成する取り組みを進めております。
平成二十年から五年間、既存の繁殖地であった伊豆諸島、鳥島から聟島へ、環境省がひなを延べ約七十羽移送し巣立たせており、都は、聟島列島においてアホウドリの繁殖環境として、必要な植生回復やデコイの設置による誘因、あるいは飛来状況等のモニタリング調査を行ってまいりました。
その結果、聟島列島において、鳥島から移送した個体と尖閣諸島由来と思われる野生個体のつがいからこれまでに四羽のひなが誕生し、その巣立ちが確認されるなどの成果を得ております。
○今村委員 大変すばらしい取り組みを行っていただいておりますので、さらに定住がされますように期待をしていきたいというふうに思います。
今の答弁の中で、繁殖環境として必要な植生回復を行ったということであります。鳥獣を保護していくためには、営巣場所や餌場となる緑地や里地、里山を保全していくことも大変重要であります。
そこで、緑地保全策を推進するため、都は保全地域制度を運用しておりますが、これまでの運用状況について確認をさせてください。
○志村自然環境部長 東京における自然の保護と回復を図るため、都は、自然保護条例第十七条によりまして、樹林地や水辺地など、東京に残る貴重な自然地を保全地域として指定し、永続的に保全することとしてございます。
指定箇所につきましては、これまで都内で五十カ所、面積にしますと約七百五十八ヘクタールの自然地を保全地域として指定してございます。
○今村委員 貴重な自然地が確保される一方で、保全地域に指定されますと、地権者の開発行為が制限されることなどから、保全地域の公有化を進めているというふうに承知をしています。
そこで、現在までの公有地化の状況についても確認をさせてください。
○志村自然環境部長 今、委員お話がございましたとおり、保全地域に指定されますと、建築物等の新築、増改築、宅地の造成など、土地の形質変更などの開発行為が制限されることから、土地利用制限の代替措置として、自然保護条例第三十四条におきまして、都は、地権者からの申し出がある場合の土地の買い取り制度を設けております。
公有化の状況でございますが、平成二十七年度末現在、保全地域に指定した約七百五十八ヘクタールのうち約八四%、六百三十三ヘクタールを公有化してございます。
今後とも条例の趣旨を踏まえまして、財産の使用制限に対する代償措置としての公有化制度を適切に運用してまいりますとともに、生態系に配慮した適切な保全管理を実施し、多様な生き物が息づく自然を次世代に継承してまいります。
○今村委員 地権者の理解を得て、公有化をしていくということは、大変厳しい状況もあるわけでありますけれども、しっかりと取り組んでいただいていることを確認させていただきました。ぜひ今後も進めていっていただきたいというふうに思います。
町田市を初め都内の保全地域においても、トウキョウサンショウウオやトウキョウダルマガエル、またニホンアマガエルを初め、生態系の頂点に位置をするオオタカの猛禽類などが繁殖をしているわけであります。
東京を初め関東地域は、かつてはトキやコウノトリの分布地域であったことから、コウノトリ・トキの舞う関東自治体フォーラム、または国も入っておりますけれども、関東エコロジカル・ネットワークなどが活動をして、野生復帰の取り組みが進められております。
私は、こうしたところにも都が参画をすべきではないかというふうに以前から考えておりますけれども、都はこれらの団体に既に協力をしております。一層協力、協働して、生物多様性の保全、回復に向け、今後とも希少な鳥獣の保護に取り組むことを要望しておきたいというふうに思います。
次に、先ほど小山委員からも質疑がありましたけれども、家庭の省エネ対策について、住宅の部門に関して少しお聞かせをいただきたいというふうに思います。
先ほどの資料でも明らかになっていたとおり、二〇一四年の速報値を見ると、家庭部門は唯一、二〇〇〇年比でエネルギーの消費量が増加をしているわけであります。
この家庭部門のエネルギー消費を削減するためには、省エネや節電を進めるとともに、住宅そのものもエネルギー性能の向上が必要であります。
都は来年度、断熱性能の高い窓を普及させるための既存住宅を対象にした既存住宅における高断熱窓導入促進事業に二十五億円の予算を計上しております。
これらの狙い、そして効果については、先ほどもう既にご答弁がありましたので、このことについては省略をさせていただきまして、次の質問に移っていきたいというふうに思いますけれども、先ほどこうした断熱性の高い窓に改修をすることで、四%の省エネ効果が見込まれるということでありました。
この事業、既存住宅を対象としておりますけれども、実施に当たって、都民の利用しやすい制度とするとともに、こうした制度があること自体を多くの都民や、それから関係事業者に知っていただく必要があるというふうに考えます。
そこで、都はどのように取り組みを進めていくのか見解をお伺いします。
○松下地球環境エネルギー部長 住宅の断熱性向上につきましては、先ほども若干ありましたけれども、現在、国が建物全体を対象とした補助事業を実施しておりますが、本事業におきましては、寝室やリビングルームなど一部屋だけの窓の改修も補助の対象とする予定でございます。このような形で、都民の皆様に利用しやすくと考えております。
この周知でございますが、説明会やセミナー等を通じまして都民にPRするほか、サッシメーカーなどの業界団体を通じまして、工務店等にも周知することで、利用促進を図ってまいりたいと思っています。
○今村委員 一部屋だけの工事でも対象にするということで、より多くの都民にこの制度を使っていただいて、住宅の環境性能が向上することを期待いたします。
まさに、国は全部ということでありますけれども、今、東京でも空き家が問題になっていたり、今、高齢化に伴ってもともとの住宅においても、独居、または高齢のご夫婦だけで生活をしているということであります。
これまでも東京都が進めてきている耐震化、旧耐震基準の住宅の耐震化などにおいても、全部を工事するとなると、それなりの費用がかかるということでありますので、命を守るためにも、ふだんからいるリビング、または寝室、ここだけを耐震化していくということが、そういう意味では大変住民にとっても利用しやすく、また、経費もかからずに命を守る事業につながるわけであります。
そうしたことを考えるならば、都の今回の事業は、そうした高齢者だったり、広い住宅に住みつつ、もう既に利用していない部屋などがあるということから、効率的にこうした環境性能を上げていく取り組みにつながるということでありますので、大変期待をしているところでありますし、ぜひ、また経済波及効果も含めて、業界等の皆さんともしっかりと連携をしていただきたいというふうに要望をしておきたいと思います。
最後になりますけれども、都の来年度の新規事業として、東京都推奨のエコハウスの普及促進が掲げられております。その内容についてもここで確認をさせていただきたいと思います。
○松下地球環境エネルギー部長 本事業は、断熱性にすぐれ、省エネ、再エネ機器等を備えた環境性能の高い住宅の普及を図るものでございます。
具体的には、都が、創エネ、省エネ機器や住宅の断熱性向上に関する技術を紹介したパンフレットを作成いたしまして、実際の建物や設備機器が展示されている住宅展示場でこのパンフレットを活用すること、このパンフレットを持って実際の住宅とかそういう各種機器を目の当たりにしていただいて、見てもらってということをしていただきまして、住宅の環境性能に対する都民の理解を深め、エコハウスの普及を図ってまいりたいと思っております。
○今村委員 ぜひ、都民と、そしてまた、そうした事業者の皆さんと協力をしていただいて、都民、そしてまた、東京都全体がこうしたエコハウスの普及に取り組んでいけるよう、取り組みをしっかりと進めていただくよう要望して、質疑を終わります。
○河野(ゆり)委員 自然公園の管理、整備と鳥獣保護管理事業計画に関連して質問をいたします。
初めに、自然公園についてお聞きいたします。
新年度の予算事業別概要を見ますと、自然公園の管理及び整備に約二十億四千三百万が予算化されて、そのうち、新たな時代にふさわしい自然公園事業の推進ということで五千九百万円となっています。
新たな時代にふさわしいとしている自然公園事業における取り組み、事業内容、具体的にはどのようなものかご説明をお願いいたします。
○須藤緑施策推進担当部長 現在策定を進めております東京の自然公園ビジョンに基づく取り組みといたしまして、ホームページのリニューアル、自然公園に都民を呼び込むためのイベントの実施、あるいは自然公園計画の策定に必要な調査経費などを計上しているところでございます。
○河野(ゆり)委員 ご答弁にありましたように、都は現在、新しい自然公園ビジョンの策定に取り組まれております。東京都の自然環境保全審議会、ここも中間まとめを公表しまして、三月十六日から四月六日まで都民意見の募集も行われているところですが、今回、策定の作業が進められている東京の自然公園ビジョン、先ほどのご答弁で三つの目標ですか、そのようなものもご説明がありましたけれども、新しい自然公園ビジョンの特徴や計画期間、策定のスケジュールなどについてお答えをお願いいたします。
○須藤緑施策推進担当部長 自然公園ビジョンは、利用者層や利用形態の多様化等の自然公園を取り巻く状況を踏まえて、二〇二〇年東京大会とその後の三十年間を見据え、東京の自然公園の目指す姿を明示することを目的に策定するものでございます。
公表時期といたしましては、平成二十九年度の第一・四半期を予定しているところでございます。
○河野(ゆり)委員 パブリックコメントが終わって間もなく公表されるということで、大変私自身も楽しみにしております。
東京の自然公園は、先ほどからもお話がありましたように、都内の総面積の三六%を占める約八万ヘクタールの広大な範囲に及んでいます。奥多摩、高尾など、緑豊かな山々から伊豆七島、小笠原諸島の海洋まで、世界的に見てもその価値は極めて高いと評価される多様性を持っています。
私は、自然環境保護団体の方や研究者の方に東京の自然公園についての考えをお聞きいたしました。皆さんが一様に声をそろえておっしゃっていたのは、東京の貴重な自然について調査研究を深め、そして広く情報発信、啓発をする役割を持つ都立の自然史博物館をぜひ創設してほしいと、このことでありました。
かつて東京には、都立の高尾自然博物館がありましたが、石原都知事の時代に廃止されました。その後、久しいときがたっております。
新年度に予算化されたホームページのリニューアルなどでの情報発信、そして先ほど高倉委員も質問されましたけれども、自然公園のすばらしさを発信する拠点が都心部にということもおっしゃられていて、それはもちろん大切なことだと思います。
同時に、三十年間の計画期間で新しく自然公園ビジョンが策定されるこの時期に、専門性が高い学芸員も配置した都立の自然史博物館の開設を私たちは提言するものなのですが、いかがでしょうか。
○須藤緑施策推進担当部長 自然環境保全審議会やその計画部会では、自然に関する情報発信のためにさまざまなご意見が出されており、自然史博物館もその一つでございます。
いずれにいたしましても、現在策定しております自然公園ビジョンの中で、効果的、効率的な情報発信の方法について検討してまいります。
○河野(ゆり)委員 これから検討に入られるということなんですが、もう一つ例を挙げてお願いしておきたいと思います。
都内の自然の成り立ちや歴史、自然環境を広く知らせ、啓発していく博物館は、多様性豊かな自然公園を持つ東京にこそ必要ではないでしょうか。
現在、関東六県では全て県立の自然博物館を有しています。私は、お隣の千葉県立の博物館に行ったことがありますが、本当にさまざまな分野の標本が展示されまして、学芸員の説明も聞くことができました。時間がたつのを忘れるほどの刺激を受けました。
群馬県は、直営の自然史博物館で、学芸員系の職員九名を配置して、自然史報告書を出したり、動く恐竜の骨格展示など、創意的な取り組みがされています。
都内では、都立高尾自然博物館が廃止された後、現在は八王子市の高尾五九九ミュージアムがあります。指定管理者制度で運営されているとのことですが、ここは当初の目標を上回る年間五十万人の来訪者があるということで、高尾五九九ミュージアムの来館者の状況から見ても、自然について学んでいきたい、知りたいと思っている人たちがたくさんいらっしゃることがわかるのではないでしょうか。
調査研究、資料収集、情報発信、啓発、学習などの拠点となる都立博物館へのニーズは強くあります。研究者の皆さんや市民団体の方々が広く要望されている学芸員もきちんと配置された自然史博物館の開設に、今、東京都環境局、応えていくときが来ているのではないかと思いますが、再度、検討という方向は伺っておりますが、さらに踏み込んだご答弁、ありましたらお願いいたします。
○須藤緑施策推進担当部長 先ほどもご答弁申し上げましたけれども、現在、ビジョンの検討を行っております自然環境保全審議会やその計画部会の方でも、自然史博物館についてもさまざまなご意見をいただいているところではございます。
ただ、東京には国立の博物館等もございますので、そういう中で東京の自然公園としてどのようなものが必要であるのか、どのような形で効果的な情報発信ができるのかというのは、いずれにいたしましてもビジョンの策定の中で検討してまいりたいと考えております。
○河野(ゆり)委員 ぜひ深く検討していただきたいのと、今、部長のご答弁で上野の国立科学博物館、科博ですね、こういう施設もあるということが答弁でありました。
私が何人かの研究者の方にお聞きしたその中には、東京には自然博物館がなくて、日本の首都東京としてまことに恥ずかしいことと思っているとおっしゃっているんですね。上野に科学博物館があるけれども、国立で科学技術に重点を置いた博物館であって、自然史博物館ではない、せっかく自然公園ビジョンを東京都が策定するのだから、自然史博物館の建設をぜひビジョンに盛り込んでほしいと切望されておられました。このことをご紹介しておきますので、よろしくお願いいたします。
ところで、高尾山は、都の自然公園の中でも際立って訪れる人の数がふえております。年間三百万人を超えているともいわれています。交通が便利、そして自然がすばらしい、また、古い文化も知ることができる、こうした条件がそろっていることが高尾山の魅力となっているのだと思います。
来訪者、入山者がふえているその一方で、高尾山の自然を守る取り組みをしている市民団体からは、高尾山はオーバーユースといえる状態で、山が悲鳴を上げている感じだと現状を憂慮されています。
自然環境保全に活躍している都レンジャーの方々からは、平成二十五年度に高尾地区の委託事項報告書が提出されています。ここでは、オーバーユースが課題として取り上げられていますが、この報告書を受けてどのような対応をされたでしょうか。また、その結果、どのような状況の改善がされ、効果があったのかお聞きいたします。
○須藤緑施策推進担当部長 高尾地区におけるオーバーユースによる登山道の荒廃化に対しましては、繁忙期における一部の研究路の片道通行の徹底や砂利敷き、木製デッキなど、さまざまな工法による歩道整備事業を実施いたしました。
その結果、高尾山頂付近の登山道の荒廃化が改善するとともに、植生も回復しているところでございます。
○河野(ゆり)委員 高尾山を訪れる人が多いということは、自然公園に親しむ人が本当にたくさんいるという点で歓迎すべきことだと思います。
しかし、自然破壊につながってはならないし、山に入る人の安全も確保されなくてはなりません。現状はどうでしょうか。高尾山に行かれた方は、ほとんどの人が体験されていると思うんですけれども、気候のよい若葉のころになると、トイレもまともに入れないという状況も起きています。
環境局でも、高尾山のご利用のルールというのをホームページで発信しておられて、これプリントしてきたんですけれども、ここには本当にルールを守って高尾を訪れましょうということで、計画や準備を万全にすること、登山道を外れて歩かないこと、ペットにはリードをつけるなど、こうしたことが注意事項として書かれています。
しかし、残念ながら、ハイヒールなどのままで山に登る心構えが十分とはいえない人もいるなど、さらに具体的に啓発を強めていく必要があると考えます。
先日、八王子市の消防署の統計を見てみました。高尾、景信、陣馬の三山で入山者の山岳救助件数は、この三年間で年間百件近くあるとのことです。
ことしも一月からこの三月の半ばまでの二カ月半で、既に十六件の山岳救助が出動しています。そのうち高尾山の救助件数が、この三山の中で圧倒的に多いというのも消防署の方のお話でありました。けがや体調を崩す人が他の山に比べてかなり多い、これは改善する本当に重要な課題だと思います。
環境局が登山道の改修などで努力されていることは、今のご答弁でわかりましたけれども、さらに、オーバーユースの状況が続いている中で、引き続き対応されるように要望しておきます。
次の質問、都レンジャーのことを伺います。
都レンジャーは、高尾山以外にも檜原地区や奥多摩地区などについても委託事項報告書を提出しています。そこではどのような課題があり、そして、それに対して実施した対応と効果、これも高尾でも対応されているんですけれども、この二つの地区についてもどうであったかということをお答えいただきたいと思います。
○須藤緑施策推進担当部長 高尾地区以外のレンジャーの報告書についてのお尋ねでございますけれども、檜原地区の都レンジャーの調査報告書では、トレイルランニング大会開催による登山道の荒廃化が課題となっております。
これに対して都は、平成二十六年度に自然公園利用ルールを策定し、トレイルランニング大会前後に植生のモニタリングの義務づけを実施いたしました。
平成二十七年度からの本ルールの運用開始後は、トレイルランニング大会開催に伴う登山道の荒廃や一般登山客とのトラブルは見られていないところでございます。
○河野(ゆり)委員 私もかつては、そんなにエキスパートじゃないんですけれども、山歩きをしておりました。そして、山が荒れる一番の原因をつくっているのは人間ですと、国立公園の管理に当たっている行政職員の方から聞いたのが非常に衝撃でした。
今、高尾山でもオーバーユースの問題、本当に大変な事態になっておりますが、先ほどもご紹介があったように、ことしは二〇一七年、雲取山の標高と同じ年で、西暦何年というのと山の標高が一緒のときには、その山に登ろうということで、たくさんの人たちがブームといえるほど山を訪れるんですね。ですので、そういうことも想定しまして、環境局、山に訪れる人の立場に立った努力をされておりますが、安全に、そして自然の保護のために、さらに努力していただきたいということを訴えておきたいと思います。
先ほどから述べておりますように、東京の自然公園は広大な区域に広がっております。自然公園での都レンジャーの皆さんの活躍は、自然環境を守り、訪れる人の安全確保や啓発、学習活動などの大切な役割を発揮されております。
現在、先ほど十九名というお話がありましたが、小笠原に二名、多摩部に十七名と、計十九名の体制となっているとのことですが、都の自然公園は、広域であることやオーバーユースの状況も起きていることなどに鑑みて、増員を図ることが必要なのではないでしょうか。
また、先ほど示しました高尾地区、檜原地区、奥多摩地区について、委託事項報告書を作成して、自然環境の調査研究、分析などの役割を専門委員として取り組んできた都レンジャーは、現在は非常勤という身分になっています。
調査研究の役割はなくなっているというか、そういうことを課せられていないような状況なんですが、もとのように専門員としての処遇で力を発揮していただくことが、これからの自然公園の環境保全のためにも必要と私は考えておりますが、この点についてはいかがでしょうか。
○須藤緑施策推進担当部長 都レンジャーに対するお尋ねでございますけれども、現在の都レンジャーの位置づけは、平成二十六年七月に総務省から出されました通知を踏まえて、全庁的な非常勤の見直しを行う中で、その業務形態などから専門員にはなじまないため、一般職非常勤として整理をしたものでございます。
なお、都レンジャーの業務量が増加していることを踏まえまして、現在、都レンジャーは多摩地区十二名、小笠原地区で七名、合わせて十九名おりますけれども、来年度から、多摩地区で四名、小笠原地区で二名の増員をすることとしておりまして、既に公募、選考手続を進めているところでございます。
○河野(ゆり)委員 ありがとうございます。都レンジャーの増員は実施されるということですので、今後も必要な人員の配置に努力をお願いしておきたいと思います。
ご紹介だけしておきますが、専門員だったときの都レンジャーは、月二十日勤務で三十三万七千円の賃金でした。非常勤となってからは、月十六日勤務ということで二十一万六千円になりました。勤務日数四日少ないだけで十二万以上の大幅ダウンということになっております。
都レンジャーについては、総務省の方針もあるということでありますけれども、調査研究の役割もしっかりと担ってもらって、さらに専門性が高い働きをしてもらえるように、東京都独自の取り組みも検討されることをこの機会に求めておきたいと思います。
東京の自然公園は、二つの国立公園、一つの国定公園、そして三つの都立自然公園で構成されています。自然の宝庫といえる東京の自然を守り、自然破壊をもたらされないように良好に管理するには、国の支援も欠かせないと考えます。
国としての役割を果たしてもらう上で、東京都と国の連携はどのようにされているのでしょうか。国への都としての働きかけについてもお答えをいただきたいと思います。
○須藤緑施策推進担当部長 自然公園管理のための国からの支援についてのお尋ねでございますけれども、毎年度実施しております国への提案要求の中で、国に対して交付金や補助金の拡充を要望しているところでございます。
○河野(ゆり)委員 毎年度、交付金、補助金の拡充を要求しているというご答弁で、私は、今後も国が支援を強めていくということを東京都自身も望んでおられると理解いたします。国にも自然公園の管理運営について、その責務を果たしていただけるように、支援を強めてもらえるように、引き続きご努力をいただくように環境局にお願いをしておきます。
続きまして、報告事項の鳥獣保護管理事業計画について伺います。
鳥獣保護管理計画の改定で、アカコッコなど希少種が生息する八丈小島を都内で四十六カ所目の鳥獣保護区に指定するということは、私たちも希少鳥獣保護の本当に大きな力になると思いますので評価しているところです。そのことを最初に申し上げておきます。
報告事項として示されている第十二次鳥獣保護管理事業計画では、生息数が増加している鹿などを管理するべき鳥獣としています。かつて、奥多摩町の大丹波地区などで、鹿の食害によって一般の山林だけではなくて、水道局の水源涵養林まで被害が起きたことがありました。
あれから十年以上たっているわけですけれども、このたび、私は、大島委員と一緒に奥多摩町に行って実態をお聞きしてきました。奥多摩町では、今も鹿やイノシシがふえて、農作物などの被害が続いていました。
そこで、ふえ続けている鹿やイノシシの生息数についてお聞きいたします。都内の生息数、鹿、イノシシ、それぞれお示しいただけるでしょうか。
○須藤緑施策推進担当部長 鹿は、平成二十七年の調査では、奥多摩町を初め檜原村や青梅市など六市町村に約二千五百頭程度生息していると推定しております。
イノシシの生息数については調査をしておりませんけれども、有害鳥獣捕獲により平成二十七年度の実績では四百八十九頭を都内で捕獲しております。
近年、イノシシの有害鳥獣捕獲頭数が増加傾向にあることから、来年度、イノシシについて生息状況調査を実施し、その結果を踏まえた上で今後の対応を検討してまいります。
○河野(ゆり)委員 鹿の生息数も増加傾向にあると思いますし、イノシシも、お答えになった捕獲頭数から推測すると、相当生息数があると感じます。
今回、イノシシの生息数を正確に把握する調査に入っていただくということですので、ぜひご努力をお願いいたします。
おととし、二〇一五年に、改正鳥獣保護管理法が施行されました。法改正で、全国的にふえ続けている野生鹿などを適切に管理する新たな制度として、一つは、知事が一定の技能や知識がある捕獲事業者を認定する認定鳥獣捕獲等事業者制度、二つ目に、この認定事業者に国や都道府県が認定事業者に委託して捕獲を行う指定管理鳥獣捕獲等事業制度、この二つの制度が導入できることになりました。
あわせて、夜間の銃による狩猟や、網猟というんですか、それからわなですね、その狩猟免許取得年齢を十八歳に引き下げるということなど、これまでの禁止事項を適用条項から外すという規制緩和が行われることになりました。
夜間の銃猟などによって、誤射の事故が起きるなどが心配されていますし、鹿などが生息する山の状況を余り知らない可能性がある人が狩猟に入る認定捕獲等事業制度の導入は、いろいろな問題が発生すると懸念が表明されております。
法改正による新しい制度とその導入について、東京都は今どのような見解をお持ちか伺っておきます。
○須藤緑施策推進担当部長 狩猟者の高齢化などにより担い手が不足している中で、これまでの管理捕獲に加えて、今お話のありました指定管理鳥獣捕獲等事業を含めた新たな対策について、幅広く検討していく必要があると考えております。
指定管理鳥獣捕獲等事業など、新しく制度として入ってきた事業等につきましては、これを都で導入する場合に想定される問題点などにつきまして、猟友会や地元市町村とこれまでも意見交換を実施しておりますけれども、引き続き猟友会や市町村と十分に意見交換を行いながら検討していきたいと考えております。
○河野(ゆり)委員 私は、奥多摩だけではなくて、檜原などの関係者の方々の意見も聞いてまいりました。地元の地理に詳しくない民間事業者が狩猟免許をとって山に入ってきても、安全に捕獲の作業ができるかどうか疑問、むしろ不案内な山中で事故に遭ったりするおそれもあるし、さらに捕獲した動物をそのまま山の中に放置してしまうなどのことも想定されるということで、長い経験と蓄積を持つ猟友会が役割を果たす分野の仕事だと思うというようなご意見をお聞きしてきました。
答弁にありましたように、猟友会や地元自治体との意見交換を進めていかれるということですが、本当にここに重きを置いて、十分に猟友会の方々、当該自治体の方々の意見を聞いていただくことをお願いしておきたいと思います。
次の質問ですが、鳥獣保護管理事業計画では、鉛弾というんですか、鉛の弾で捕獲された動物の肉を猛禽類などが食べると、鉛中毒になる危険があることから、それを防ぐために、都としては鉛が暴露しない構造、素材の装弾を使用するように指導する、捕獲個体の搬出の徹底を指導すると書いてあります。
鉛弾は価格が安いというので、狩猟者は使用することが多いということをよく聞いておりますが、都はこれまで、鉛の弾の使用については、さまざまに努力されて指導してきたと思いますが、実効性はどうだったのでしょうか。これまでの取り組みなどとあわせてお答えいただければと思います。
○須藤緑施策推進担当部長 都では、狩猟免許を持っていらっしゃる方が、その免許を更新する際に講習会を受けていただきますけれども、その講習会において鉛中毒対策についても注意喚起をしているところでございます。
なお、鉛中毒の問題は、主に北海道において、猛禽類が鉛弾を飲み込むことで衰弱、死亡するなど問題になっているというふうに聞いてはおりますけれども、都においてはこれまで被害事例はございません。
○河野(ゆり)委員 都では被害がないということで大変よかったなと思います。
猛禽類や肉食野生獣が食べた場合、中毒になり、生態系のバランスが崩れていく、そういうことが心配されておりますし、実効性ある対策が必要だと思います。
猟友会の人の話では、狩猟にかかる例えばガソリン代など、あと銃弾のお金とかは、全部自費で賄うということで、そういう点では安い値段の鉛の弾を使う人が出ているのも理解できるというお話を聞いておりましたが、猟友会の方々は本当に貴重なボランティア活動というような形で、今、力を発揮されておりますので、猟友会の人たちにもそういう経費のかかるものについて、いろんな配慮が自治体としても必要じゃないかということをこの機会に述べておきます。
鹿やイノシシなどの野生獣がふえて、被害が深刻化して、都もこれまで、鳥獣保護管理計画で鹿の適正生息数は四百頭にするとして、捕獲管理に当たってきたわけですが、先ほどからお話ししておりますように、増加の傾向は続いております。
今問題なのは、鹿やイノシシの生態をよく知って、山の様子も熟知している猟友会の方々が高齢化していることです。今後、適正管理頭数に近づいていけるかどうか、猟友会の方々のこういう年齢構成なども一つの課題とするべき問題になっております。
私がお会いした猟友会の会員の方も、一緒に狩猟に出かけている仲間たちが、この先何年一緒に行動できるかといつも考えている、心配しているといっていました。捕獲の担い手の育成は、鳥獣保護管理事業計画を取り組んでいく上で避けられない課題だと考えているんですが、狩猟者の育成、確保について、東京都の取り組みについてご説明をお願いいたします。
○須藤緑施策推進担当部長 狩猟の担い手の確保に向けて、都民が狩猟免許試験を受験しやすい環境整備を図っております。
具体的には、今年度から狩猟免許試験の開催回数をそれまでの年二回から三回にふやすとともに、東京都公報、環境局ホームページ、ツイッターを活用して、試験日や申込状況等の周知を図っております。
こうした取り組みにより、平成二十八年度の受験者数は五百八十八人となり、二十七年度の四百七十人と比較して約二五%の増となっております。
○河野(ゆり)委員 狩猟者の皆さんの若返り、次世代育成ということでも、環境局が努力されて、一定の希望ある方向が見えているということがわかりましたので、ぜひまた、今後のご努力をお願いします。
捕獲した野生獣、鹿とかイノシシですね、その野生獣の肉を食材にするジビエ料理が今注目されています。ジビエってフランス語らしいんですけれども、野生獣を食材にするということは、日本でもシシ鍋などが古くからありまして、食文化となってきた歴史があります。
先日、奥多摩町の鹿の食肉処理加工施設を視察してきました。奥多摩特産のワサビなどを食べてしまう獣害をもたらしている鹿をただ捕獲するだけではなくて、まちおこしに生かす、鹿の命も重んじて食材にするということで、町として食肉処理加工施設を支援しておられました。
これから鳥獣保護管理事業計画で鹿やイノシシを適正頭数まで管理することになりますから、捕獲した個体を食材として供給することも、都は視野に入れて取り組んでいかなくてはならないのではないでしょうか。
現在は、供給ルートがない、供給量が少ない、価格が高い、衛生面での安全の問題など、さまざまな隘路が存在しています。一般の家庭の食材とするのは難しい問題が多くあるんですけれども、ジビエの普及について、都はどのようなお考えをお持ちで、取り組みをどのように進めていかれるのかお伺いをしておきます。
○須藤緑施策推進担当部長 鹿などのジビエ活用に関するお尋ねでございますけれども、現在、鹿につきましては、奥多摩町のみが町営の処理施設を設置して、ジビエ活用を行っておりますけれども、奥多摩町以外の市町村での取り組みは進んでいないところでございます。
この理由ですけれども、ジビエ活用には安定供給のための個体の確保、また、衛生面の対応など、さまざまな課題をクリアする必要がございます。例えば、都における直近の鹿の捕獲数は一年間当たり約四百頭前後で推移しておりますけれども、そのうちジビエに活用できるものはさらに少数で、安定的に個体を確保することが非常に困難となっております。
これに対して流通ルートに乗っております長野県で見てみますと、一年間で三万五千頭以上捕獲しているということで、桁が違うということでございます。
また、ジビエに関しては、品質維持のため、捕獲から二時間以内に処理施設に搬入する必要がございますけれども、施設の建設、運営に当たっては、立地やコストの問題がございます。
なお、イノシシについても、安定的な確保や処理施設の問題があり、困難であると認識しております。
○河野(ゆり)委員 私も今、質問の中で述べましたように、本当にたくさんの解決しなくてはならない課題があるのは承知しています。そして、鹿一頭からとれる食肉にできる部分というのは、二キロぐらいしかとれないということで、価格的にも高いし、量的にも大変問題があるということもあります。鹿とイノシシを食材にしていこうとすると、肉にしていくラインが違わなくてはならない、同じところでできないということとか、たくさんの課題があるのでなかなか難しいんですけれども、やはり殺してしまうだけではない何かの形で、私たちの生活の中に文化としても息づいてきたものでありますから、そういう観点から工夫が必要かなと思うので、提案をさせていただいておりますので、よろしくお願いいたします。
初めに、鹿の生息数についてお聞きいたしました。都内の六市町村で約二千五百頭ということでありました。
おととし、二〇一五年の第一回定例会の当委員会で、米倉春奈議員が鹿の生息数を質問しております。ちょうど二年前ですが、二千頭と局が答弁をされています。二年間で五百頭ふえたことになります。
計画をもってもふえ続けている、この事態を改善していくには、自然の生態系を正確に把握して取り組みを進める専門性の高い職員の配置、育成、これも大事な環境局としての課題ではないでしょうか。職員の育成や配置についての取り組みをご説明いただきたいのと、あわせまして、現在、都には専門性を持つ鳥獣担当職員は何人おられますか。配置されている部署ごとにお示しをいただきたいと思います。
○須藤緑施策推進担当部長 職員の配置状況等でございますけれども、恐縮でございます、部署ごとではないんですが、今年度は獣害対策の部署、自然環境部及び多摩環境事務所でございますけれども、両部合わせて獣害対策の部署に常勤職員である林業職や造園職などの技術職職員を十二名配置するとともに、非常勤職員である鳥獣保護管理員などを合計六十四人配置して、専門性を重視した人材育成、配置管理を行っているところでございます。
また、これらの職員は、必要に応じて大学、研究機関の学識経験者等の意見を聴取しながら、先ほども鹿の話が出ておりましたけれども、獣害対策に関する知識、技能の向上に取り組んでいるところでございます。
○河野(ゆり)委員 ありがとうございました。環境局の事業概要では、東京都の鳥獣保護管理員六十二名が任命を受けて、非常勤で職に当たっていると書かれてあります。常勤の方、非常勤の職員の方々、それぞれが努力されていると思いますが、鳥獣保護管理事業計画に掲げた目標、施策を効果的に進めるためにも、一層の職員体制の充実、向上を求めておきたいと思います。
最後に、鳥獣の保護管理について、国に対しても、都が必要と判断する要望を上げていくことは大事なんじゃないかと思っています。専門的な知見や経験を持つ人材の育成と配置の支援が大事です。加えて、獣害防止対策や個体数の管理のためにもお金がかかりますから、国の予算措置についても要望をしっかりと強めていただくことを求めまして、私の質問を終わります。
○両角委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
午後五時十五分休憩
午後五時三十分開議
○両角委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○こいそ委員 それでは、何問かお尋ねさせていただきたいと思いますが、その中で冒頭、先ほど近藤委員からお話がありました築地のさまざまな環境調査、土壌から、またはアスベスト、これらのことも含めて調査をやはり環境局ですべきではないのかと話がありました。
環二を整備する中で、過去の利用履歴が出ましたよね。この利用履歴の中で、先ほども出ておりますけれども、終戦後というか戦後、米軍のドライクリーニングの工場ができて、VOCが多量に放出されたんではないかということもありましたし、それとともに、それ以前のいわゆる戦中、戦前といいますか、こういうところでは旧造兵廠、ここが砲弾砲をつくっていたんですね、鉛。このあたりもかなり地下に鉛類が含めて浸透しているんではないか、こういう危惧もあるわけであって、その中で、環境確保条例百十七条、この中では三千平米以上ですか、建物の一部であっても、一定のまさに利用履歴という観点からもやっぱり調べなきゃならないんですね。それが無届けでやられたという事実があるわけです。
こういうことを含めて、環境確保条例百十七条にも若干抵触するんではないのかなと、このような観点から見て、やはり環境局として係る問題なり、いろいろなお話が出ているわけでありますから、ぜひしっかりと市場との連携をとりながらも、環境局としても、まさに環境確保条例、都民の健康と安全を確保する環境に関する条例という中でもありますし、目的の中でも、現在及び将来の都民が健康で安全かつ快適な生活を営む上で必要な環境を確保することを目的とすると明確にうたわれているわけであります。いわゆる健康と安全を確保すると、そのような環境をしっかりと確保すると、こういうことの中における条例でありますから、ぜひそのような趣旨に基づいても、調査をしっかりやっていただきたいなと、これは要望とさせていただきたいと思います。
それでは、まず、順次お伺いしていきたいと思いますけれども、環境分野における国際協力について伺いたいと思います。
東京都は、高度経済成長期から廃棄物問題や大気汚染対策に取り組み、克服をしてきた経験を有しております。こうした貴重な都の経験や技術は、今まさに問題に直面しているアジアの諸都市と共有していくことは大変意義深いものであると思います。
かねてからお話をさせていただいておりますけれども、環境課題、環境問題のいわゆる課題解決をする中での一つの大きな要因、要素は、私は人であるんではないかと以前から考えている一人でありますけれども、現に直面している環境課題、環境問題を解決して、持続可能な未来を切り開いていく、築いていくためには、課題解決に向けて行動できる人材づくりが必要だというふうに思います。
そこで、今後、都は、アジアだけじゃないと思いますけれども、特にアジアを初め、世界の各都市とどのような関係、協力をこれから進められていく、いわゆる計画なり考え方をお持ちか伺いたいと思います。
○鈴木政策調整担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 都はこれまで、アジアの大都市を対象といたしまして、廃棄物処理や大気質改善等に係る国際協力を実施しております。
廃棄物分野では、廃棄物処理の一連のプロセスに関する講義や都内リサイクル施設の視察などの研修プログラムを実施し、大気質改善分野では、大気監視やディーゼル車対策に関するワークショップ等を行っております。
研修事業への参加者や参加都市からは、東京で学んだことを多くの職員と共有しているといった声や、将来を担う現場の若手職員に都の取り組みや姿勢を見せることができて大変有意義であったなどの感想をいただいておりまして、都としても人材育成の重要性について認識を深めているところでございます。
今後も、引き続き環境分野の協力を通じて、世界の大都市としての責務を果たし、国際社会に貢献してまいります。
○こいそ委員 今、そのようなご答弁をいただきましたけれども、これから各都市とともに、東京はやはり世界のメガシティーであるし、国際都市だと思うんですね、そういう観点からも、各都市にやはり真に意味のある国際貢献も含めて、持続した交流事業をぜひ進めていただきたいなと思います。
さて、昨年三月、そしてまた、十一月の二回にわたって、都立多摩動物公園において、アフリカ各国の動物や文化を紹介するアフリカフェアが開催をされました。環境局もブースを出展されておりまして、エアロバイクを用いた水素発生体験や多摩の間伐材を利用した工作体験、まさに食品ロス削減のパネル展示など、都の取り組みをわかりやすく、親しみのある形で紹介をされておられました。
アフリカフェアは、アフリカに対する都民の理解を深めるとともに、また都民の皆さんとの触れ合い、理解をまた持っていただくという意味合いの中でも、そして今申し上げたアフリカフェアでありますから、在京アフリカ各国大使館の方々に、東京都の環境施策、政策を初めとする東京都の取り組みを知っていただくすばらしい機会になったんではないかと私は思いますし、そのようなお話もその後よく聞かせていただきます。
実は、本日もちょっと縁がありまして、西アフリカなんですけれども、ブルキナファソ共和国、この大使館でウビダ大使にお会いさせていただき、環境政策について意見交換といったらちょっと大げさになりますけれども、いろんなお話を聞かせていただき、させていただきました。
そんなことも含めて、こうした国際交流、いわゆるアフリカフェアでありましたけれども、国際交流の場を活用して、今後も世界をリードする大都市東京として、先進的な施策を積極的に発信していただきたいと思います。
そして、次の質問に移ります。次は、エネルギー政策について伺いたいと思います。
気象庁の発表によれば、二〇一六年は、世界と東京の年平均気温が過去最高を更新したとのことであります。地球温暖化の影響が疑われる集中豪雨や熱波などの異常気象も各地で頻発をしていました。
こうした中で、世界有数のエネルギーの大消費地であり、我が国の首都である東京が、国や世界をリードして、やはり世界共通、人類共通の大きな問題、課題、気候変動対策にまさに取り組む必要性があるわけでありまして、都は実行プランにおいて、二〇三〇年までに二〇〇〇年度比で温室効果ガス発生量を三〇%削減するという極めて意欲的な目標を設定されました。
今後、都市エネルギー政策についてどのように取り組んでいかれるのか見解を伺いたいと思います。
○松下地球環境エネルギー部長 東京二〇二〇大会やその先を見据え、低炭素でエネルギー利用効率が高く、災害にも強い都市を着実につくり上げていくことは重要でございます。
都はこれまで、省エネルギー対策を推進するとともに、都市開発の機会を捉えたエネルギーの面的利用を促進するためのコージェネレーションシステムの導入支援や、エネルギーの地産地消を促す太陽光発電、太陽熱など、都市化が高度に進んだ東京に適した都市型の再生可能エネルギーの普及に取り組んでまいりました。
加えて、燃料電池自動車や燃料電池バスへの助成等、次世代のエネルギーである水素の利用拡大を後押しする先進的な施策を展開しております。
エネルギーの大消費地である東京の責務として、世界をリードするスマートエネルギー都市の実現に向けて総力を挙げて取り組んでまいります。
○こいそ委員 ただいまご答弁にございました、スマートエネルギー都市の実現に向けてと。特に力を入れて取り組むべき、今のご答弁でよく伝わってまいりましたけれども、今後、やはりスマートエネルギー都市という中でも、水素エネルギーの活用は極めて有意であり、重要だというふうにも認識をしているところであります。
まさに本日、都営バスで燃料電池バスの路線運行が、この日に始まったということであります。誰もが乗ることができるバスで、燃料電池の車両が走り始めたことは、まさに水素社会の実現に向けて、また一つ大きく前進したものと考えます。
こうした流れをさらに進めていくためにも、都内の自動車の約二割を占めているといわれる、または、台数もかなり、二トン車から十トン車、十一トン車以上とかいろいろありますけれども、頻繁に人の目にとまるトラック等の業務用車両で、水素を活用していくことも必要ではないのかなというふうに思うんですね、導入がやはり重要ではないかと。
燃料電池のごみ収集車は、開発に当たって環境科学研究所が協力していると聞いているわけでありますけれども、これは山口県だったですかね、いわゆるごみ収集車が、燃料電池トラックごみ収集車が現実的にもう走っているということも聞いております。
このような中で、今後、燃料電池トラック等の普及にどのように取り組んでいかれるのか見解を伺いたいと思います。
○小川都市エネルギー推進担当部長 委員お話しのとおり、昨年の秋より山口県の周南市におきまして、既存のごみ収集車を改造いたしまして、バッテリーや燃料電池等を搭載した車両を用いた公道での実証走行が始まってございます。
この実証実験の実施者と、委員お話しのとおり、環境科学研究所では共同研究契約を締結してございまして、来年度ですけれども、環境科学研究所におきまして燃料電池の車両の燃費性能に関する試験等の実施を予定してございます。こうしたことを通しまして、開発の後押しをしていくこととしてございます。
また、このほか、国内外で燃料電池トラック等の業務用車両の開発の動きも出てきているというふうにも聞いてございます。
今後、こうした動きをしっかりと把握しつつ、メーカーに対しまして、市場投入を働きかけながら、燃料電池トラック等の普及に向けて取り組んでまいります。
○こいそ委員 燃料電池トラックが東京都内のそれぞれのまちを走れば、東京二〇二〇大会の目玉にもなってくるんではないかと、世界でも初めてではないかと私は思うんですね、そういう形で走行していけば。
早期の市場投入を東京都もしっかり働きかけをしていただきたい、これは要望でありますけれども、都民の皆さんの目に触れる機会が多いという点でいえば、これはまさに供給するステーションが必要であることはいうまでもありません。水素ステーションを着実にふやしていくことも、いうまでもありませんが、極めて重要であります。
こういう言い方をしちゃ申しわけないんですが、私は、都の本気度を示すためにも、これは都民の皆さんに向けての話でありますが、営業時間が限られて、営業終了後はその土地が空き地になって、何ら水素の供給の拠点的なステーションにはほとんど見えない。この周辺に住む方々へのPR等とか考えても、移動式よりやはり固定式の整備を進めるよう、今までもこの委員会でもいわゆるそのようなお話をさせていただきました。
改めて、水素ステーションの整備に向けた都の考え方、これをお示しいただきたいと思います。
○小川都市エネルギー推進担当部長 水素ステーションの整備の初期段階におきましては、移動式は固定式に比べまして小さな敷地でも整備できることや低コストで整備できる等の利点もあると認識してございました。
しかし、現在ですけれども、民間事業者の取り組みによりまして、圧縮機や蓄圧器、ディスペンサーを一体化したものも開発されるなど、機器の設置面積も少しずつ小さくて済むようになってきてございます。保安距離の短縮に必要な障壁設置など課題等はございますけれども、移動式との有意差は小さくなってきていると思っております。
ステーションの設置を検討している事業者に対しましては、固定式の整備を促してまいりたいと考えておるところでございます。
○こいそ委員 水素ステーションで使われている機器に関する技術の進展も目覚ましいものがあるといわれます。都もこうした事業者の動きを捉えて、固定式の水素ステーションを今後ふやしていっていただきたいなと思います。
その際には、現在は大手志向でかなり進んでおりますけれども、はっきりいって大手事業者による運営も大切だと思います。しかし、それだけではなくて、中小業者、とりわけ中小のガソリンスタンド事業者の参入等も進めていくこと、これが水素ステーションの裾野の拡大にもつながっていくんではないかと思うんですね。
ガソリンスタンド事業者にとって水素は、ガソリン等々とは全く違う次世代のエネルギーであります。このため、都は事業者のニーズをしっかりと捉えて、必要な情報を的確に提供していくことが不可欠だと思います。
都は、中小企業者の水素ステーションへの運営の参加等に向けて、どのような取り組みを行っていかれるのか、この見解を伺いたいと思います。
○小川都市エネルギー推進担当部長 都は、昨年十月、水素ステーションの運営に際して、設置が必要な高圧ガス保安監督者に求められております高圧ガス製造保安責任者の国家試験に向けました事前の勉強会を開催させていただきました。
また、年末には、中小ガソリンスタンド等事業者に向けまして、水素の性質や水素ステーションの仕組み、それから、運営方法等を学ぶことができる講習会を開催いたしました。
今後、こうした講習会等を実施するとともに、業界団体とも連携しながら、ガソリンスタンド事業者に対しまして、水素ステーションの技術開発の最新動向や資格試験に関する情報等の周知を図ってまいりたいと思います。
○こいそ委員 東京都が現在もリーダーシップを発揮されておられますけれども、さらにこのあたりも強く先導的役割を果たしていただき、大企業も中小企業者も一緒になって水素社会の実現に取り組んでいけるように、これは都のさらなるリーダーシップを発揮することも期待をさせていただくところです。
次に、資源循環施策について伺います。
天然資源に恵まれない我が国においては、資源をできるだけ長く、そして循環利用していくことが欠かせません。
私は、これまで本委員会で、循環型社会の実現に向けてさまざま問題を提起させていただきました。しかし、まだまだ多くの課題が残されているのも事実であります。例えば、先ほどお話がそれぞれの委員の方からも出ておりましたけれども、都市鉱山、金、銀、銅の回収に今注目が集まっています。これは近藤委員からもメダルという具体的な提案が出されたということも本委員会でされたわけでありますので、そのこともしっかり理解しておりますけれども、大変いい提案だったなというふうに思っています。
そして、このような中で、多くの都民の参加を集め、都市鉱山の意義がこういうところからもやはり進められていくことは、とてもすばらしいことだなと思います。意義を評価したいと思います。
しかし、都市鉱山に含まれるのは、当然でありますけれども、金、銀、銅だけではありません。白金やチタン、レアメタル、時にはタイタン、これはもう輸入できませんね。そして、ダイヤモンドもあるんじゃないですかね。さまざまなとても高価な、まさに都市鉱山だといわれるような非常に貴重な貴金属があるわけです。
この中で、市区町村の取り組みが進んできているとはいえ、まだまだ多くの小型家電が現実的には他の廃棄物と一緒に収集されて、鉄などは回収したということでありましょうけれども、しかし、実際は埋め立てられているのが現実だというふうに聞いております。これは非常に、まさに先ほどお話がありましたけれども、もったいないことです。
メダルにするという、これは大変すばらしいことだと思いますけれども、これを次の段階に向けての一つの起爆的要素として、多くの皆さんに関心を持っていただくという意味合いで、これを次にしっかりとした資源循環の意義としての大変重要な、まさにこの東京であればこそ埋もれている宝ですよ。この都市鉱山をしっかりと、まさに循環型社会形成、資源循環社会の象徴的な形の中で都市鉱山ということをしっかりと進めていっていただきたいと思います。
その中でもボックスを置くことはいいと思うんですよね。都庁にもボックスを置いて、関心を、参加を高めるということはいいことでありますし、そこに入れていただくということは大変いいことなんですけれども、しかし、やはりいろんな形の中で収集をしっかりと網羅していかなきゃいけないと思うんですね。
その中でも、やはり市区町村による小型家電の回収は極めて重要だと思います。申しわけありませんけれども、これまでのそれぞれの取り組みの強弱があるんではないのかなと。
今後、さらにこの取り組みを強めていく、二〇二〇に向けて取り組んでいくという中でも、市区町村の回収がさらに実効的効果を上げていけるように、進められるように、東京都の環境局がもっとしっかりと支援をしていかなきゃならないと思うんですよ。このあたりの見解を伺いたいと思います。
○谷上資源循環推進部長 都ではこれまで、区市町村が取り組む使用済み小型家電の回収等を促進するための補助事業を実施するとともに、今回、都市鉱山を活用して、東京二〇二〇大会メダルを製作する取り組みを展開しております。
天然資源に恵まれない我が国において、都市鉱山の活用など資源循環の仕組みをつくっていくことは極めて重要な課題であります。
今回の取り組みを一過性にすることなく、また、金、銀、銅のみならず、その他のレアメタルなど貴重な金属が埋蔵されている都市鉱山を活用する意義につきまして、周知を図る必要があると考えております。
都としても、東京二〇二〇大会の機運の高まりをきっかけに、市区町村や事業者と連携して、小型家電リサイクルの仕組みをレガシーとして定着させるよう、普及啓発やさまざまな支援などに努めてまいります。
○こいそ委員 次に、食品ロス、このことも先ほど各委員の方からも取り上げられましたが、これもやはり私は、市区町村のさまざまな取り組み、当然それだけじゃありませんけれども、それとともに広報の普及により一層やはり取り組む必要性があろうかなと思います。
一人一人が食の大切さに気づいているんでしょうけれども、やはり多量に購入する、または注文する、そして現実的には食べないで残す。それとともに、工場で過剰生産をして、それがやはりまだ食べられるまさに賞味期限内だが、そのようなものでも安易に捨てられる。それをまた変に悪用するところがありましたけれども、さまざまな状況、現象を考える中でも、やはり先ほどからお話がありましたけれども、もったいないという意識、これがやはり極めて、この意識は日本人にとって美徳でありますし、文化といってもいいと思うんですね、本来は。限りある資源を大切にする心を社会に根づかせていくことが極めて大切だというふうに思います。
古紙の持ち去り、これも根絶されていません。これは、まさに犯罪行為なんでありますけれども、それとともに、不法投棄なんていうのもやはり根絶されていないような事例が報告されております。このような違法行為を根絶することによっても、廃棄物の適正処理を確保していくことはもちろんですが、さらに資源の循環利用を適正に行っていくことが真の豊かさを実現するために欠かせないと思います。
もう、こういう観点からも、食品ロス問題もこれまた、今時代のライフスタイルというか、いろんなものにあるんだというふうにも思いますけれども、しかし、そうはいっても、循環型社会の実現に向けても、やはり先ほどから出ているもったいないということの本当の意味合いをやはり理解していただき、啓発をしていくということは大切ではないかと思いますが、このようなことを含めて、今後の取り組みについて伺いたいと思います。
○谷上資源循環推進部長 食品ロスの削減は、国連の持続可能な開発目標の一つにも掲げられている地球規模の課題であります。
都は、昨年三月に東京都資源循環・廃棄物処理計画を策定し、こうした地球規模の視点を踏まえ、持続可能な資源利用の実現を目標に掲げました。
具体的には、食品ロス対策や先ほど質問いただきました都市鉱山のさらなる活用を進めるなど、資源ロスの削減と持続可能な循環利用を推進してまいります。
また、違法な不要品回収行為や古紙の持ち去り行為の根絶に向けて、市区町村の取り組みを支援するなどして、適正な資源回収や廃棄物処理を目指してまいります。
これらの施策を進めていくに当たっては、都民、区市町村、事業者など、多様な主体との連携が不可欠であると十分認識しております。市区町村との共同検討会を初め、さまざまな意見交換の場において、現場の声を聞くよう努めてまいります。
○こいそ委員 よくよくこれは一つのキーワードじゃありませんけれども、環境課題、環境を考える中、今も出ておりますけれども、持続可能な循環型社会を形成する、実現するということですね。こういうような状況下の中で、私は例えば廃棄物を一つ見ても、これを循環型社会形成の中における廃棄物の処理の一貫した流れ、システム、ここの中では、やはり人がおられるわけですね。
せんだっても、私、学生と一緒に清掃工場で持ち込みごみだとか、それからペットボトルの処理するところ、梱包までするところ、それを一緒に現場に行ってやってきました。夏場なんかでは大変においが出たりなんかするんですけれども、その中で人が、やはり現場の方々が一生懸命働いておられるんですね。それだけじゃないですね、清掃工場もそう、それから、さまざまな収集運搬もそう。
いわゆる一番の循環型社会の資源循環を支えておられる現場の方々、いろんな思いを持たれていると思うんですね。そういう中で、日本の、東京の静脈産業を支える、私はやはり大きな役割をそれぞれの立場立場で果たされているというふうに思うわけであります。
しかし、こういう方々は、やりがいを、そしてまた、さまざまな思いを持ちつつ勤務をされていると思うんでありますけれども、私はその中でやはりいろんな思い--資源循環型社会がより一層これから進む中では、やっぱり人が大切。その人に対する意識の啓発であるとか、さまざまな技術的なものもそうだと思います。それから、知識だけではこれはないわけでありますけれども、さまざまな人材育成策というものもあってよろしいんではないかと思うんですね。それは、官民ともにやる必要性はあるんじゃないかというふうにも思うところなんです。
そういう意味合いで、リサイクル社会の実現、そして、ますます今後とも資源循環の社会形成の中で、どうしたって人が要るわけですよ。人がやるんですね。どうしても人がかかわっていかなきゃいけない。こういう意味合いの中で、ぜひ人材育成策という観点の中で力を入れていただきたいなと思うんですね。
それで、またもう一点。これは多摩地区でありますけれども、三多摩清掃事業協同組合という組織があります。この中でもいろいろと要望がなされておりますし、非常に熱心に講演というか、研修といいますか、やられておりますし、局からも行っていただいたことがあると思うんです。
つぶさにいろんな話を聞いた中でも幾つかありましたけれども、その中でも、要するに市町村による一般廃棄物の委託において競争原理が働く、これは一面は結構なことだと思うんですよ。しかし、非常に低価、安い価格、そして、受託者が短期間で、一年だとか、早いところであれば低価で入れてしまって三カ月も六カ月も持続できない、こういう事態も発生しているんですね。それは、都民、市民に向けて極めて混乱を生じる話でもあるんです。現実起きているんです。
そういう中で、ただただ安けりゃいいというもんじゃ当然ないんですけれども、しかし、多摩地域の市町村は財政状況が非常に厳しい自治体も少なくないんですね。そういう意味合いとともに、やはり東京都の、東京市からの歴史、伝統的な清掃局があり、この中でしっかり育った人材が、すばらしい人材が育っているわけでありますが、やっぱり区部と多摩地域は成り立ちが違うんですね。ですから、そういう意味合いの中でも、ぜひ区市町村とのそれぞれ局との、東京都との連携だとか、人的な、さまざまな話し合い、会議、そして時には研修等々を含めて、さらに交流を強めていただきたいなと思うんですね。
そして、その中で今申し上げた一般廃棄物の問題でありますけれども、雇用が確保できないというんですね、雇用が安定化しないというんですよ。これ、今申し上げた人材育成策にとって、一年で切られちゃう、こういうことで一定の--だって資機材が必要ですよね。そして、人材が必要なんですよね。さまざまな知識、技能も必要なんですよね。ところが、安ければいい、安ければいいという中で、ばさっと切られてしまうという現状、これは現実的に起きているんです。ですから、事業協同組合の皆さんの主張は、これは極めて私は真っ当だというふうに思うんですよ。それは真っ当なんだけれども、しかし、交渉をそれぞれしたとしてもなかなか、だから協同組合で交渉するということなんでしょう。
私は先ほどからいっている資源循環型社会、この中におけるしっかり下支えをしている分野でもあると思うんです、これ民としても、それぞれの現場の人たちにとっても。ですから、こういう人たちの雇用が安定化するように、そして、ある一定的な、やっぱり努力をしたら努力が報われるような、そういう評価が与えられるような、こういうことがあってしかるべきじゃないかと思うんですね。
ですから、これは、東京都環境局の方でも三多摩のことは知らないよということではないと私は思うんだ。ぜひこのあたりもしっかりと現状をもう少し把握していただいて、やはり対応すべきところはしっかり対応していっていただきたいなと思うんですね。このあたりについて聞かせていただきたいんですが、どうでしょうか。
○谷上資源循環推進部長 廃棄物の処理やリサイクルを適正に進めていくためには、その実務に携わる人材の能力向上が重要であり、都としても積極的に人材育成に取り組む必要があると考えております。
今年度は、処理業者に対する法律知識などの講習会を計六回開催しましたが、うち一回は既に基礎的な知識がある受講者を想定して、初めて中級レベルの講義内容を設定するなど工夫を凝らしました。
また、市町村に対して、本年二月、先月ですが、東京都多摩地域廃棄物行政連絡会の場で、関係法令や一般廃棄物処理計画の適正な策定及び運用の考え方についての通知の趣旨についてわかりやすく情報提供するなど、市町村職員のレベルアップに努めました。
今後も廃棄物処理を取り巻く状況や職員、従業員のレベルやニーズなどを的確に踏まえた上で、都も広域的な立場から、人材育成や雇用の安定など、持続可能なリサイクル廃棄物処理体制の実現に向けて、あらゆる機会を捉えてきめ細やかな支援を行うよう努めてまいります。
○こいそ委員 まさに持続可能な都市を次世代にしっかりと引き継いでいくためにも、やっぱりこの問題というのも対応すべきところだと思います。
静脈産業を支える人材育成、社会貢献の心を育み、やりがいを持たせること、これも大事だというふうに思いますし、官民連携して静脈産業の育成、人材育成にしっかりと取り組んでいただきますように強く要望させていただきたいと思います。
次に、自然環境の保全について質問させていただきたいと思います。
私は、この十年間、特に多摩丘陵でありますけれども、一部、環境局の管轄している今のあきる野市の小峰、あれは公園といえるかどうかわかりませんけれども、大変すばらしいところでありますけれども、それも含めて約十年間、学生とともに里山の保全活動をさせていただきました。
その中で、私が何点か感じることをこの場で、この委員会でもお話しさせていただきましたけれども、極めて、とりわけ環境局が行っているグリーンシップ・アクション、そしてグリーン・キャンパス・プログラム初め、私は非常に有意義な施策だというふうに思っております。
その中で、やはり自然との共生感の中で、特に鎌だとか、なたを余り持たない若い子たちが、初めは何をどうしていいか当然わからないわけでありますけれども、下草刈りの意味や、また萌芽更新の意味合いだとか、本当に連綿としてきた自然感、これは幾らいったってわからない。
しかし、実際上、体験、保全活動を行っていく上で気づきが出てきて、その中で必要性を感じていったり、自然感を何かこうわかってきたり、そしてまた、特に自然との触れ合いという中で、五感、これを感じるところは、本当に瞬時、瞬時でありますけれども、確認できるというのがわかるんですよね。
ですから、これは、私はそういう意味合いの中でも大変すばらしいというか、このような施策とともに、自然に親しんで、自然の中で保全活動を行っていくことの意義というもの、これは私は大変評価させていただいている一人であります。
実体験を通じて、多くの方々に保全活動のいわゆる楽しさとともに、体感してもらって、自然をやはり保全し守るという活動の輪を大きく広げていくことが大切であると思います。
都は、保全活動の担い手を確保するために、保全活動の体験事業を昨年度から実施をしています。多く幅広く都民の皆さんに、それぞれ年代も、各世代にわたって募集をされているということを聞いております。
さて、一年たって、これまでの実績、そしてまた、総括しながら今後の新しい年度に向かってどのようにされていくのか、この取り組みについて聞きたいと思います。
○志村自然環境部長 都は、ただいま委員からお話のありましたとおり、これまでも企業等の方を中心としたグリーンシップ・アクション、それから、大学の学生を中心としたグリーン・キャンパス・プログラムとともに、昨年度から保全地域におきまして、未経験の方が気軽に保全活動を体験できるプログラムを実施し、これまで延べ六百名を超える方々に参加をいただきました。
参加者の年齢構成は、三十代から四十代が約半数を占めておりまして、この理由は、間伐、下草刈りなどのほか、昆虫観察や竹細工など、子供も楽しめる内容としたことで、親子での参加が促進されたためと分析してございます。
一方で、他の参加者からは、間伐等の作業を本格的に体験したいとのご要望もいただいているところでございます。
このため、来年度からは親子で楽しめるメニューは引き続きさらに充実させること、これに加えまして、保全作業を中心としたメニューを追加するなど、参加者が体験したい作業内容を選択できるよう、プログラムの構成の見直しを行ってまいります。
また、保全活動の指導を行う地域保全団体の会員に対しましては、都が来年度開催する指導者育成講習会の受講を促すなど、指導者の質的向上も図りながら、体験プログラムの内容を一層充実してまいります。
それから、これまでも委員からご指摘いただいているとおり、自然環境分野におきましても、その基礎となるものは人と考えてございます。
このため、今申し上げました保全体験活動や講習会の開催においては、内容の充実を図ることはもちろんでございますけれども、自然を相手にすることの意義、意味、例えば時には予定調和的なことがないことが起こり得る、危険が生じ得るという可能性もあると。しかし、正しい知識を持って対応すれば、そういったものに十分対応できるんだと、こういったことを教えて、意識啓発を図りつつ、自然環境人材の育成に積極的に取り組んでまいります。
○こいそ委員 都内には、保全区域があるし、公園もありますし、自然公園もある、いろいろな状況がそれぞれ点在、展開しているわけでありますけれども、この中で保全団体の方々がそこで活動されています。
その中でも多くの方々に参加していただくということは、とてもすばらしいことだと思うんですけれども、その保全団体の中でもちょっと問題になっているのは、後継者、すなわち、高齢化の問題がやはり待ったなしというか、そういう状況が出てきているようなんですね。
それから、体験の内容の充実といいましょうか、メニューがいろいろあるわけでありますけれども、今のお話の多くの都民の方々、約六百人というお話でありましたけれども、もとより参加者を、そしてまた、各地域の保全活動にまた参加したいという初心者というか、余りなれていない方といいますか、そういう人たちに指導していただくリーダーの方々のいい面でのレベルアップが必要ではないかと思うんですね。より質の高い体験活動の機会を提供して、次世代の担い手をしっかりと確保していくこと、それは今だというふうに思うんですね。
また、担い手を確保するためには、参画する都民の裾野を広げる視点も重要であり、活動の内容をよりわかりやすく、そして興味を持たせていくというんですか、そういう発信も必要であろうと思います。
関心を引きつける広報に積極的にやはりこれを取り組むべきではないかと思いますが、今後の取り組みを伺いたいと思います。
○志村自然環境部長 都は昨年度から、ウエブサイト「里山へGO!」を開設いたしまして、森林緑地保全活動に関する情報を集約、発信するとともに、メンバーとして登録された方には、メールマガジンで定期的に活動内容等を提供するサービスを開始し、先月末までに約四百七十名の方々に会員登録をしていただいてございます。
体験プログラムの参加者の多くは、このウエブサイトから情報を得て参加申し込みを行っているところでございまして、都内の保全活動に関する情報発信ツールとして、一定の役割を果たしているものと考えているところでございます。
また、昨年十二月からは、「里山へGO!」のウエブサイトを広く周知するため、都営地下鉄におけるポスター広告、または、新宿駅西口地下に設置してございますデジタルサイネージ、これを活用した広報にも試行的に取り組んでいるところでございます。
今後、こうした試行結果を検証しながら、より効果的な広報手法を検討し、先ほどもご答弁申し上げましたけれども、自然体験活動プログラムや指導育成講習会などの実施とあわせて、保全活動に参画する都民の裾野の拡大を図ってまいりたいと思います。
○こいそ委員 これまで答弁をいただいた、特に保全活動の体験事業や、そして魅力を発信する広報は、いずれも都民が自然に親しむきっかけづくりとなるものだというふうに当然思います。
今後とも、やはり幅広い意味合いでも環境人材づくりをより進められ、東京の自然環境施策を一層推進していくことをお願い申し上げ、質問を終わります。
ありがとうございました。
○高橋委員 私は、これまで本会議や委員会の審議を通じて、環境問題についてさまざまな議論をさせていただいてまいりました。ディーゼル車排出ガス規制やキャップ・アンド・トレード制度の導入等、国に先駆けて都が率先行動を起こし、世界が注目する成果を上げてきた施策についても、さまざまな角度から議論を重ねさせてもらいました。
今や、環境分野の課題は、局所的なものから都県域を越える問題、国境を越える問題等、より広域で取り組むべきものへ大きく変貌してきております。
私は、次世代、次々世代へ良好な地球環境を残していくことが、現代を生きる我々の使命だと考えております。その上で、具体的な施策について質問をさせていただきます。
まず初めに、再生可能エネルギーの導入促進についてお尋ねいたします。
気候変動の脅威がますます増大する中、化石燃料由来のエネルギーの利用を減少させ、地震災害等による停電時でも電力供給が可能となることなどから太陽光や風力、バイオマスといった再生可能エネルギーの利用を拡大していくことは極めて重要であると思います。
日本各地で再生可能エネルギー発電設備の整備も進んでおりますが、ビルや住宅が密集している東京では、一部を除いてメガソーラーや風力発電の導入は難しい状況であります。東京で再生可能エネルギー発電を導入するには、建物の屋根などを活用した太陽光発電を拡大していくことが現実的だと思います。
そこで、太陽光発電の導入拡大に向けた都の取り組みと導入状況についてお伺いいたします。
○松下地球環境エネルギー部長 都は、国に先駆け、二〇〇九年に、太陽エネルギー利用機器導入促進事業を開始いたしました。二〇一二年には国がFIT、固定価格買い取り制度を創設しております。
また、都は、二〇一四年に、都民が太陽光発電設備の導入を検討する際の資料となるソーラー屋根台帳を作成し公表しております。
さらに、今年度から、FITによる売電を行わない地産地消型再生可能エネルギー導入拡大事業を開始いたしまして、太陽光発電を初めとする再エネ設備の設置に対し補助を実施し、その導入拡大を促進しております。
昨年度末現在の都内の太陽光発電設備容量の状況は、各種支援策等を開始する前の二〇〇八年に比べ約八・五倍の四十六万キロワットとなっております。このうち、住宅用は約七割を占めております。
○高橋委員 太陽光発電の導入拡大に向け、都が努力してきたことがわかりました。
しかしながら、周囲を見回してみると、日当たりがよいのに太陽光パネルが乗っていない屋根がまだまだたくさんあります。
都民や事業者に自分の建物に太陽光パネルを設置しようと思ってもらうには、パネルを設置することが当たり前という社会の雰囲気づくりが重要であります。
そこで、太陽光発電導入拡大に向けた機運醸成について、都の今後の取り組みについて伺います。
○松下地球環境エネルギー部長 都は来年度、都民に太陽光発電をより身近に感じてもらうことを目的として、多くの都民が利用するバス停にソーラーパネルと蓄電池を設置し、バス利用者等にスマートフォンへの充電等のサービス提供を行う事業者に対し、設備の設置補助を行ってまいります。
また、災害時の避難拠点となる公園や公民館、駅前広場等に自立型ソーラースタンドを設置し、防災情報の提供等を行う区市町村に対し、設備の設置補助をモデル事業として実施してまいります。
これらを通じまして、利便性や地域防災力の向上とともに、太陽光発電のメリットを実感してもらい、都民や事業者による太陽光発電の導入を促してまいります。
○高橋委員 私は、今ご答弁いただいたような、都民が太陽光発電を直接利用する機会をふやすことは、とかく太陽光発電は高価なもの、自分とは縁遠いものと感じている都民との距離感を縮める、よい方策だと思います。
今後とも、さまざまな取り組みを通じた再生可能エネルギーの導入拡大について要望しておきます。
次に、スマートエネルギーエリア形成推進事業についてお尋ねいたします。
二〇二〇年のオリンピック・パラリンピック開催を控え、都内では大規模な開発が進んでおります。こうして開発される地域には、多くの人や企業が集まり、そこで消費される電気や熱も膨大なものになります。
スマートエネルギーエリア形成推進事業は、コージェネレーションシステムの導入と電気や熱を複数の建物に送るインフラ整備を支援するもので、私は、まちづくりの中で、より効率的なエネルギー利用につなげていくことができるものではないかと考えております。
また、コージェネレーションシステムに供給される都市ガスは、耐震性にすぐれたガス管が使われておりまして、震災時の電源確保も可能となります。
こうした地域における低炭素化と防災性向上の両面に寄与する本事業について、都はこれまでどのように取り組んできたのかお伺いいたします。
○小川都市エネルギー推進担当部長 都は、地域におけるエネルギーの面的利用を促進するため、平成二十七年度から三十一年度までの五カ年の事業で、予算総額五十五億円のスマートエネルギーエリア形成推進事業を開始いたしました。
平成二十七年度は三件、約十四億円の申請を受け付けておりまして、いずれもエネルギーを面的に利用し、街区単位で低炭素化を進める取り組みとなってございます。
これらの地域では、平常時における最大電力需要の二割から三割程度の電力をコージェネレーションシステムで賄う計画となってございまして、震災時にも同程度の電力が継続して利用可能となる見込みでございます。
さらに、この支援事業では、発災時の一時滞在施設の確保を事業者に義務づけておりまして、地域の防災性向上に資するものとなってございます。
○高橋委員 この事業が環境面でも、事業継続性の面でも、大きな役割を果たしていることが改めてわかりました。
都は、本事業を平成三十一年度まで継続して進めていくとのことでありますが、来年度からは新たに燃料電池等も支援の対象にすると聞いております。燃料電池は、水素を燃料に発電し、その際に生じる温水も利用可能なエネルギー効率の高いコージェネレーションシステムの一つであります。
現在、エネファームの名称で知られております家庭用燃料電池の普及が進んでおりますが、より発電量の大きい事業所向けの燃料電池の開発に各メーカーが取り組んでおり、年内には発売されると聞いております。
こうした動きは、都が進める水素社会の実現にもつながるものであり、しっかりと支援していくことが重要であります。
そこで、都が実施する支援策の具体的な内容について伺います。
○小川都市エネルギー推進担当部長 都は、スマートエネルギーエリア形成推進事業におきまして、来年度から新たに、業務、産業用燃料電池等の導入を支援するため、約十一億円の予算を計上してございます。
燃料電池は、エネルギー効率が高く、普及によりCO2削減効果が期待できます。
一方で、市販化された当初は、高価格で、投資回収に長期間を要し、導入が進まない可能性がございます。
そこで、現在開発が進められている業務、産業用燃料電池の市場投入にあわせて都が支援することで初期需要を後押ししてまいります。
具体的には、電気と温水の需要が見込まれます、比較的規模の大きな飲食店や福祉施設等向けの三キロワット、五キロワット規模の燃料電池、それから工場等に向けまして二百五十キロワットクラスのものなどにつきまして、導入経費の三分の二を補助することとしてございます。
○高橋委員 近々市販化される業務、産業用燃料電池の発電量は、余り大きなものではないようですが、将来的にはさらに大規模なモデルも登場すると思われます。
さきにお尋ねした再エネの導入拡大も含め、事業者等への情報発信をしっかり実施するとともに、導入拡大を促しながら、低炭素の防災性も兼ね備えたスマートエネルギー都市の実現を目指してもらいたいと思います。
次に、レジ袋対策についてお尋ねいたします。
家庭から出されるごみの約半分は容器包装であるといわれております。通常、中身の商品の保護や運搬の利便のために用いられるものですが、中身を利用してしまったら不用になるものであります。
とりわけレジ袋は、買い物の際に一度使用されただけで廃棄される可能性の高いものなので、資源ロスの象徴であると思います。できるだけごみになるレジ袋を使わない取り組みとして、私の地元でもレジ袋の配布を一枚二円から三円、有料にしたスーパーマーケットもございます。
しかし、その一方で、コンビニエンスストアでは、従業員が確認することなく、レジ袋に商品を詰める光景が見られます。これまでマイバッグの持参運動など、さまざまな取り組みが行われてきたものの、レジ袋の配布がまだ続いているのは、多くの都民が資源循環に対して十分配慮せず、何気なくレジ袋を受け取ってしまうからではないでしょうか。
まず、レジ袋に対する都民の行動や意識について、都はどのように捉えているのかお伺いいたします。
○谷上資源循環推進部長 都では、平成二十六年度にインターネット都政モニター五百人を対象に、廃棄物と資源循環に関するアンケート調査を実施いたしました。
調査の中のレジ袋についての設問では、マイバッグを持参してレジ袋をもらわないという回答が約四割にとどまっています。
一方、レジ袋をいつももらっているとの回答が約一割あり、残りの五割は、常にではないもののレジ袋を受け取る機会があるとの回答になっています。
こうした結果から、レジ袋の辞退が都民の意識にまだ十分浸透している状況に至っていないと考えております。
○高橋委員 レジ袋問題に対する都民の意識がまだまだ十分ではないとのことですが、海外ではフランスなどレジ袋の配布そのものを禁止した国の事例もあると聞いております。
しかしながら、レジ袋の配布を条例で規制できるかといえば、営業権の問題など、法制度上の課題もあって、国レベルの検討が必要であります。
先ほど地元のスーパーの例を挙げましたが、こうしたレジ袋の有料化の動きが広がることで、配布枚数は着実に減っていくのではないかと思います。
そこで、これまでの成果を生かしつつ、広くレジ袋の削減につながる知恵を集め、効果的な削減方法を検討していく必要があると思いますが、都として来年度以降、どう取り組んでいくのか伺います。
○谷上資源循環推進部長 これまで都では、九都県市と共同して、買い物におけるマイバッグの持参と不要なレジ袋を受け取らない取り組みについて、域内の事業者と連携した普及に努めるなどをしてきました。
しかし、まだ多くの店頭においてレジ袋の配布がなされている実態があり、資源循環に対する意識が十分浸透していない実態があります。
来年度からは、スーパー、コンビニ等の販売事業者、消費者団体、区市町村などによる協議会を設置して、レジ袋削減に向けた具体的な取り組みについて協議を進めることとしました。
また、各団体の取り組みのヒアリングの実施や都民にレジ袋削減に向けた理解と協力を得るための普及啓発を展開していくことで、二〇二〇年までにレジ袋の無料配布ゼロに向けた取り組みを進めていきたいと思います。
○高橋委員 残念ながら、レジ袋の削減については、海外の方が先行している印象を受けます。
海外から多くの方が訪れる東京二〇二〇年大会に向けて、レジ袋の無料配布ゼロに向けてしっかり取り組み、使い捨て型のライフスタイルの見直しを大会のレガシーとして残していくことを要望しておきます。
最後に、廃棄物等の埋立処分計画についてお尋ねいたします。
今般、廃棄物等の埋立処分計画を五年ぶりに改定したとのことでありますが、新海面処分場や中央防波堤外側埋立処分場は、東京港内で確保できる最後の処分場であることから、できる限り長く使うことが求められております。
このため、受け入れる廃棄物等の種類や量を定め、計画的に使用することで処分場の延命化を図る埋立処分計画は重要だと考えております。
今回の改定は、これまでの計画と比較して、総埋立処分量が五%削減されているものの、一般廃棄物について見れば二五%増加しております。
そこで、一般廃棄物の量だけがぬきんでて増加している理由についてお伺いいたします。
○谷上資源循環推進部長 都の廃棄物埋立処分場では、二十三区部から発生する一般廃棄物は、中間処理を前提に減量、資源化を最大限図ったものを受け入れています。
区部の一般廃棄物の中間処理を行っている東京二十三区清掃一部事務組合では、これまで清掃工場の主灰の全量をスラグ化し、焼却灰の減量を図るとして、スラグ化施設を七施設整備してきました。
灰をスラグ化すると約半分の容量となりますが、東日本大震災に伴う電力逼迫への対応やスラグのリサイクルの需要が伸びないことから、清掃一組は平成二十五年にスラグ化施設の休止計画を策定し、同年以降、スラグの利用量に見合った二施設のみ稼働させるとして、スラグ化の体制を縮小しております。
これにより、焼却灰の埋立量がふえることから、一般廃棄物の埋立処分計画量は既定計画よりふえております。
○高橋委員 焼却灰のスラグ化には多くの電力が必要であり、震災後の対応としてはやむを得ない面があったとは思います。しかし、スラグ化が縮小した分、そのまま焼却灰の埋め立てがふえても仕方がないというわけにはいきません。
一般廃棄物の埋立処分量の削減に向けて、都は、区や清掃一組とどのような検討を行っているのか伺います。
○谷上資源循環推進部長 都では、昨年度から区市町村との検討会を立ち上げ、今後の資源循環施策と埋立処分量削減を検討しております。
この共同検討会において、水銀含有ごみの混入のおそれがあるため、現在焼却していない不燃ごみの処理残渣について、今後、焼却を可能にし、減容化する方策などを検討しております。
また、清掃一組は、焼却灰のスラグ化にかわる取り組みといたしまして、平成二十五年度から実証確認を行っていたセメント原料化を平成二十七年度から本格的に開始いたしました。
清掃一組は、毎年五千トンずつセメントへの利用量を増加させていくとしていますが、都は埋立処分量削減の観点から、セメント利用計画の前倒しを要請しております。
○高橋委員 清掃一組もいろいろと課題があると思いますが、埋立処分場の延命化は大変重要な課題であり、よく協議し進めていただきたいと思います。
そこで、今回の計画では、埋立処分場はあと何年使用できると想定しているのか伺います。
○谷上資源循環推進部長 中央防波堤外側埋立処分場と新海面処分場の残余埋立容量と今回の計画の埋立処分計画量から算出いたしますと、五十年以上は埋め立てが可能と考えております。
○高橋委員 現在の埋立処分場は五十年以上は使えるとのことでありますが、これ以上、区部において処分場の場所は考えられません。
平成二年には三百万トンもの廃棄物を埋め立てていたところを、平成九年に可燃ごみの全量焼却体制が整い、平成二十一年の廃プラのサーマルリサイクルを経て、今回の埋立処分計画では年間五十万トン程度の埋立量になりました。
埋立量は減らしてきたとのことでありますが、焼却灰のセメント原料化は緒についたばかりであり、いまだに焼却可能物が埋め立てられている現状もございます。これまで以上に、リサイクルやその他の方策によって埋立処分量を削減していくことは不可能ではないと思います。
都は、二十三区清掃一部事務組合、もちろん区民、都民も連携して、東京港内で最後の埋立処分場を一日でも長く使っていくため、これまで以上の廃棄物の資源化、減量化に取り組むよう強く要望して、私の質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。
○舟坂委員 まず初めに、キャップ・アンド・トレード制度についてお伺いをいたします。
平成二十二年度から開始した都のキャップ・アンド・トレード制度は、第一計画期間の整理期間が昨年九月末に終了しました。対象となる約千三百の大規模事業所の全てが削減義務を達成したと聞いております。
私は、昨年の事務事業質疑において、その成果や排出量取引の実態について確認するとともに、さらなるCO2削減を必要とする第二計画期間においても、全ての事業所の省エネへの取り組みが円滑に進むよう、都が必要な支援を行っていくことを要望させていただきました。
先般、第二計画期間の一年目の実績を取りまとめたと聞いております。その成果についてお伺いをいたします。
○松下地球環境エネルギー部長 都のキャップ・アンド・トレード制度は、平成二十七年度より第二計画期間に入っておりまして、削減義務率が第一計画期間の基準年度比八%または六%より高い一七%または一五%に設定されております。
その一年目の実績を取りまとめた結果、本制度対象となる大規模事業所の総CO2排出量は千二百二十七万トンとなり、基準年度と比べまして二六%の大幅な削減となりました。
前年度に比べまして、対象となる建物の総延べ床面積が四十万平米増加する中でも、CO2排出量は一%、十六万トンの削減となっております。これは、都庁第一、第二本庁舎、議会棟を合わせた都庁舎全体の年間CO2排出量の七倍に相当いたしまして、LED照明や高効率空調機器の導入など、事業者の皆様に積極的に取り組んでいただいた結果であると考えております。
○舟坂委員 第二期に入っても着実にCO2削減が継続しているということで、省エネに対する事業者の真摯な取り組みを非常に心強く思います。
また、事業所の床面積が拡大する、先ほどでは四十万平米が増加をしたと、その中でもCO2の排出量の削減に成功しているということは、非常に大きな成果だと評価もさせていだきます。
削減義務率が大きく引き上げられた第二計画期間においては、事業所みずからがより主体的に削減義務の達成に取り組む工夫が必要であると思います。
都は、第二計画期間から、新たな義務の履行手段として、都が認定するCO2排出係数が低い供給事業者から電気や熱を調達した場合に、CO2削減相当分としてカウントする、いわゆる低炭素電力、熱の選択の仕組みを導入しております。
この仕組みは、需要側が低炭素な電気や熱を選択することで、供給側のCO2削減、再生可能エネルギーの導入拡大を推し進めるものであり、環境に配慮したエネルギーの供給を進める上でも大いに活用されていくことが望まれると思います。
そこで、昨年度に事業所がこの仕組みを活用した実績と、義務履行にどの程度影響があったのかをお伺いいたします。
○松下地球環境エネルギー部長 第二計画期間初年度の平成二十七年度に、低炭素電力や低炭素熱の選択という仕組みを活用した事業所は、低炭素電力が十六事業所、低炭素熱が百三事業所でございます。
このうち、低炭素電力を活用した十六事業所では、CO2削減相当としてカウントされた量が当該事業所のCO2排出量に対して平均で約二%を占めておりまして、これは第二計画期間の削減義務率が一七%または一五%ということでございますので、このうちの二%ということで、これはCO2削減義務履行の有効な手段の一つとして活用されております。
○舟坂委員 第二期から新たに導入された仕組みではありますが、初年度から多くの事業所が活用し、義務履行の手段として有効であることがわかりました。
今後も、この仕組みのメリットや活用意義を含めた周知を十分に行い、さらなる利用拡大に努めていただきたいと思います。
第二計画期間が始まったばかりですが、平成三十一年度までの五年間で義務を達成するためには、計画的なCO2削減対策が必要であると思います。
第二計画期間の義務履行見込みと、全事業所による義務履行達成に向けた都の支援についてお伺いをいたします。
○松下地球環境エネルギー部長 本制度対象の全事業所が平成二十七年度の実績を維持すると仮定いたしますと、約八割の事業所がみずからの削減対策によりまして削減義務を達成し、残りの約二割の事業所は、排出量取引などを利用して義務を履行できる見込みであります。
対象事業所の省エネ対策のより一層の促進に向け、都は来年度、省エネ対策の進みにくい業種、業態への省エネ診断を拡充するとともに、この省エネ診断の結果を活用しまして、現場の実態に即した省エネノウハウを提供する業種別セミナーを開催するなど、きめ細かい支援を実施する予定でございます。
また、排出量取引を円滑に進めるためのセミナーや取引事業者間を結ぶマッチングイベントを充実させまして、第二計画期間の早い段階から必要な情報提供や支援を行ってまいります。
○舟坂委員 義務率が上がっても、多くの事業所がみずからの削減対策で義務を履行できるということのようです。
一方で、第一計画期間に義務を履行したものの、さらなる削減が求められる第二計画期間において、どのように省エネや排出取引量を進めていくか、悩んでいる事業所もあると聞いております。第二計画期間も全事業所が義務履行を達成できるよう、事業所の実態を十分把握した上で、引き続き都による丁寧な支援をお願いいたします。
次に、外来種対策についてお伺いをいたします。
先日の新聞で、国が外国産クワガタなど十四種を新たに特定外来生物に指定する方針を打ち出したという記事を目にいたしました。
近年、グローバル化の進展を背景とした国際物流の活発化による海外からの侵入リスクの高まりだけでなく、地球温暖化の影響などにより、熱帯性の生物が生息しやすくなっていることなどから、危険な外来生物が我が国に侵入し、定着することが懸念されております。
三年前に、都内でセアカゴケグモというオーストラリア原産の毒グモが発見された際には、報道でも取り上げられ、社会的な反響も大きかったと記憶しております。
そこで、こうした危険な外来生物の問題に対し、都はどのように取り組んでいるかお伺いをいたします。
○志村自然環境部長 都内におきましては、これまでセアカゴケグモ、ハイイロゴケグモ、アカカミアリ、カミツキガメ、この四種の危険外来生物侵入が確認されてございます。安全・安心な都民生活を確保する上で、危険外来生物対策は重要な課題となってございます。
このため都は、こうした外来生物の特徴や万一発見されたときの対応等を整理した外来生物対応マニュアルを作成いたしまして、市区町村の実務担当者で構成する連絡協議会において周知を図ったほか、環境省の専門官や民間団体の研究者を協議会に招き、レクチャーをいただきまして、最新でかつ正確な情報を共有するなど、市区町村の取り組みを技術面から支援してございます。
また、今年度からは、市区町村が実施する防除事業を地域環境力活性化事業の補助メニューに位置づけまして、外来生物の駆除費等の経費の二分の一を補助することとしてございます。
○舟坂委員 都民の安全を脅かす新たな課題に迅速に対応できるよう、実際に現場で対応する区市町村に対する技術的支援や財政的支援を実施していることはわかりました。
答弁の中で、自治体間での情報共有を図っているという話もありましたが、私は、危険な外来生物による被害を未然に防ぐためには、正確な情報を区市町村だけではなく、都民にもわかりやすく提供していくことが重要ではないかと考えます。
人的被害が懸念される外来生物に対し、都民への普及啓発にどのように取り組んでいくのかお伺いをいたします。
○志村自然環境部長 ご指摘のとおり、危険な外来生物の種類や特徴、人に及ぼす危害等につきまして、都民に正確な情報を提供することは、被害の未然防止の観点から極めて必要であると認識してございます。
このため都は、昨年十一月、都民への普及啓発を目的といたしまして、危険な外来生物に関するウエブサイトを開設してございます。
このサイトでは、危険な外来生物の特徴や生態、具体的な健康被害の例や対処方法、こういったものを写真やイラスト、動画を用いてわかりやすく説明するとともに、学校の教材としても活用できる小学生向け学習ページも設けまして、単に説明を読むだけではなく、質問について考えながら楽しく学べるような工夫をしてございます。
今後とも、新たな外来生物が追加された場合など、サイトにおいて最新の情報を提供するほか、来年度は危険な外来生物の特徴や注意点などを掲載したポスター、チラシを作成し、小学校や公園などに掲示するなど、都民向けの普及啓発に積極的に取り組んでまいります。
○舟坂委員 ただいま答弁をいただいた区市町村との連携や都民への普及啓発により、危険な外来生物から都民を守り、安心して生活できる都市の実現を目指していただきたいと思います。
次いで、野生鳥獣の問題についてお伺いをいたします。
多摩や島しょ部では、鹿などによる生態系への影響や農業被害が潜在化して問題となっていますが、最近、都市部においても野生鳥獣の問題が取り上げられることがふえているように思います。
中でも、外来種であるアライグマ、ハクビシンの目撃状況や被害がふえているということであり、私の地元の葛飾区でもハクビシンが相当数いるのではないかという話も出ております。
そこで、アライグマ、ハクビシンによりどのような被害が発生しているのかをお伺いいたします。
○須藤緑施策推進担当部長 アライグマ、ハクビシンによる被害としては、大きく三点挙げられます。
まず一点目は、生態系への影響でございます。アライグマ、ハクビシンは中型の哺乳類で、都市部における食物連鎖の上位にいるため、タヌキなどの在来種と競合し、そのすみかを奪ったり、東京都レッドリスト絶滅危惧一類のトウキョウサンショウウオなどを捕食したりいたします。
二点目は、生活環境に関する被害でございます。寺社仏閣などの歴史的建造物の損壊や、民家の屋根裏に侵入し人との距離が近くなることにより、人と動物共通の感染症を媒介するおそれがございます。
三点目は、農業被害でございます。平成二十七年度に、都内においてアライグマ、ハクビシンが野菜や果実などを食い荒らしたことによる農業被害額は、アライグマによるものが約百六十万円、ハクビシンによるものが約六百二十万円となっております。
○舟坂委員 さまざまな被害が生じていること、生息状況や被害状況に応じたきめ細かな防除を実施するには、地域レベルでの取り組みと連携が重要と考えます。
私の地元葛飾も、江戸川や中川、河川が六個ある。そして、まだまだ農家の家がたくさんあるもんですから、それだけにハクビシンが住みやすい要素にもなっているのかなとも思います。
そこで、アライグマ、ハクビシン対策において、区市町村とどのように連携して取り組んでいるのかをお伺いいたします。
○須藤緑施策推進担当部長 アライグマ、ハクビシン対策については、都は防除実施計画を策定し、これに基づき区市町村と連携して対策に取り組んでおります。
防除実施計画における都と区市町村の主な役割分担では、都が区市町村への財政的、技術的支援を行い、区市町村は捕獲の実施と地域住民への普及啓発を実施することとしております。
アライグマ、ハクビシンの防除は、局所的に対策を実施しても、他地域へ生息域が移動、拡大してしまう可能性があることから、広域的な対策が必要であるため、都は、区市町村に対して防除対策への参加を働きかけております。
この結果、対策に取り組む自治体数は、平成二十四年度の四自治体から徐々にふえ、平成二十九年度には二十四自治体にまで拡大する見込みでございます。
対策に取り組む自治体の広がりに伴い、アライグマ、ハクビシンの捕獲数は着実に増加していることから、引き続き区市町村と連携し、精力的に対策に取り組んでまいります。
○舟坂委員 最後に要望でございますが、東京の区市町村と連携をしていくということは大変にありがたい話なんですが、私が住んでいる葛飾は、江戸川を越えれば市川市があり松戸市があり、そして隣は埼玉県の方に入っていくということで、今おっしゃったように、動物は行政区間を越えて広い範囲で移動するわけですから、来年度も対策に取り組む区市町村をさらにふやすと同時に、近隣の県、市町村とも連携をとる、そのような体制もお願いをして、質問を終わります。
○河野(ゆう)委員 最後となりました。どうぞよろしくお願いいたします。
私からは、大きな項目二つございます。
一つ目の方は、業務、産業用車両の水素利活用実証事業についてでございます。
先ほど小山委員の方からご質問がありまして、用意していた一問、二問あるんですけど、一問目の方は先ほど大体同じような質問だったので割愛させていただきたいと思います。
その際に、燃料電池フォークリフトが環境面だけでなくて、運用面でも利点があり、都が支援していく導入事例をつくることで、普及に向けた足がかりになるのではないかというふうなことが期待されると思いました。
実施場所である羽田空港は、国内外から多くの方が訪れる場所であり、水素エネルギーの普及に向けて格好のPRの場になると思います。都が補助して事業を実施することから、PRについてもしっかりと行う必要があると思います。
しかしながら、フォークリフトはバックヤード等で利用されることが多いと思いますので、なかなか人目に触れる機会が少ない。そういうことを考えると、羽田空港において水素エネルギーが活用されることについて、工夫しながら情報発信をしていく必要があると思いますが、取り組みを伺いたいと思います。
○小川都市エネルギー推進担当部長 まず、燃料電池フォークリフトを導入しました事業者に対しまして、羽田空港内で水素エネルギーを使用していることが一目でわかるような表示、またはラッピングのようなものを行うよう求めてまいります。
また、ターミナルビル内で環境の取り組み等をPRしているデジタルサイネージ等を通しまして、情報の発信をしてまいります。
一方、空港にはターミナル間の連絡バスや手荷物等のコンテナを飛行機まで運ぶトーイングトラクターなど、人の目にとまりやすい車両もございます。このため、燃料電池バスの導入や燃料電池を搭載した新たな車種の開発を関連する事業者に働きかけるなど、さらなる水素エネルギーの活用を促してまいります。
こうした取り組みを進めながら、国内外から訪れた方々に東京の水素社会実現に向けた施策を発信してまいります。
○河野(ゆう)委員 二〇二〇年大会開催時には、日本のすぐれた環境先進技術を世界に発信するまたとない機会だと思います。羽田空港を利用する海外からの訪問客へしっかりとPRしていただくよう要望したいと思います。
続きまして、もう一個目の大きい項目としまして、家庭の省エネ対策ということで、先ほど、まつば理事、また大島副委員長からも同様の質問がありましたので、多少重複するところがありますが、質問させていただきたいと思います。
我が党は政策提言において、後世に誇れるクリーンで美しい東京をつくることを掲げ、家庭における省エネルギー対策として、LEDなどの高効率省エネ機器の導入を進めることを提案しています。
平成二十六年に実施されたクールネット東京のアンケート調査によると、LED電球を一つも導入していない家庭は、都内の約四割を占めているといわれております。
LED電球は、白熱電球と比べ消費電力が約六分の一、寿命は四十倍であり、省エネ効果が大きいです。
都の新年度予算案の新規事業として、家庭におけるLED省エネムーブメント促進事業が新規事業として提案されておりますが、この事業の意義と効果を伺います。
○松下地球環境エネルギー部長 LED電球は、白熱電球に比べまして省エネ効果がすぐれておりますが、いまだ十分に普及しているとはいえません。
このため、この交換事業を通じLEDのメリットを実感していただくことを契機といたしまして、LEDの普及拡大につなげてまいります。
この事業の効果でございますが、二百万個の白熱電球がLED電球にかわるということを想定いたしますと、年間一億八千万キロワットアワーを削減することができまして、これは都庁舎の電力消費量の約五年分に相当いたします。
さらに、この交換事業を電球交換の際に訪れた都民の方への省エネアドバイスとあわせて実施することで、家庭での省エネ行動の拡大へとつなげてまいります。
○河野(ゆう)委員 家庭の省エネは、LEDのような省エネ機器を普及させるのと同時に、都民一人一人がみずから省エネ行動をとるように意識の改革を促すことが大切であります。
地域家電店と連携をしたLED電球の交換事業は、地域の実情にも明るく、フェース・ツー・フェースでアドバイスができるなど、家庭の省エネ対策に有効であるとともに、地域の商店街の活性化にも寄与することが期待できると思います。
この事業により、多くの都民が集中して店舗に訪れることが想定されますが、地域家電店は、家電等の電気機器に関する知識に精通していると思いますが、都民に対する効率的、効果的な省エネアドバイスができるよう、都としても支援を講じる必要があると考えますが、対応をお聞かせください。
○松下地球環境エネルギー部長 本事業の実施に当たりまして、地域家電店の中から都の省エネ研修を受講し認定を受けた東京省エネマイスター店に協力していただくことを考えております。
省エネマイスター店は、家電にも省エネにも精通している家電店でございますが、多くの都民が集中しても効率的に省エネアドバイスができるよう、家庭で簡単にできる省エネのコツや節電効果等を紹介したリーフレットを作成いたしまして、全ての参加協力店に配置して、都民へのアドバイスに活用していただきます。
○河野(ゆう)委員 先ほど大島副委員長からも質問がありましたが、例えば白熱電球を安価に購入して、LED電球と交換をして、販売を図るというような、この手の事業は不正を試みようとする者が出てくる可能性があるかもしれませんので、都として不正防止策をどのように考えているのか伺いたいと思います。
○松下地球環境エネルギー部長 本事業の不正防止につきましては、LEDの普及、そして家庭の省エネを推進するという本来の目的を踏まえつつ対策を検討しております。
まず、一人で二個以上の白熱電球を持参しても、LED電球の交付は一個に限ることとし、一人に多くのLEDを交付しない、これも一つの抑止効果だと思っております。
また、電球を交換する際に、受領証に氏名、住所を記載していただき、運転免許証等で本人の確認をいたします。LED電球の箱には、都の事業で交換したものであることを、転売禁止とかそういうような形で明示しまして、オークション等に出品された場合には、すぐに判別できるような工夫を施します。
さらには、持ち込まれた白熱電球の適切な廃棄物処理、こちらも白熱電球がまた転売されちゃうとかそういうことがないように、そういうような部分での不正転売を防止する方法も検討してまいります。
○河野(ゆう)委員 一層の検討をぜひ図っていただきたいと思います。
個人認証システムとかそういった開発などをしてしまうと、多額な費用や時間を要するので、厳格な対策というのは、そこまでは必要あるかどうかは疑問ですが、都民の参加しやすさや地域家電店の負担、不正防止にかかわるコストなどを意識して、しっかりと対策をとっていただきたいと思います。
本事業によって、さらなる家庭の省エネが推進されることを期待いたしまして、質問を終わります。
以上です。
○両角委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本案及び本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○両角委員長 異議なしと認め、予算案、付託議案及び報告事項に対する質疑は終了いたしました。
以上で環境局関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後七時八分散会
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