環境・建設委員会速記録第六号

平成二十八年五月二十七日(金曜日)
第九委員会室
午後一時開議
出席委員 十三名
委員長田中 朝子君
副委員長高椙 健一君
副委員長大島よしえ君
理事西崎 光子君
理事上野 和彦君
理事神林  茂君
菅野 弘一君
米倉 春奈君
吉倉 正美君
高橋かずみ君
林田  武君
こいそ 明君
斉藤あつし君

欠席委員 なし

出席説明員
環境局局長遠藤 雅彦君
次長和賀井克夫君
総務部長池田 俊明君
環境政策担当部長篠原 敏幸君
政策調整担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務鈴木 研二君
地球環境エネルギー部長笹沼 正一君
都市エネルギー推進担当部長小川 謙司君
環境改善部長木村 尊彦君
環境改善技術担当部長近藤  豊君
自然環境部長志村 昌孝君
緑施策推進担当部長須藤  栄君
資源循環推進部長谷上  裕君
調整担当部長スーパーエコタウン担当部長兼務風祭 英人君
建設局局長佐野 克彦君
次長福田 良行君
道路監西倉 鉄也君
総務部長佐藤  敦君
用地部長杉崎智恵子君
道路管理部長今村 篤夫君
道路建設部長相場 淳司君
三環状道路整備推進部長辻  保人君
公園緑地部長五十嵐政郎君
河川部長三浦  隆君
企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務安部 文洋君
総合調整担当部長前田  豊君
道路保全担当部長伊佐 賢一君
道路計画担当部長東野  寛君
公園管理担当部長日浦 憲造君
公園活用担当部長松原 英憲君

本日の会議に付した事件
建設局関係
第二回定例会提出予定案件について(説明)
・都営住宅二十八CH-一〇一東(葛飾区東新小岩一丁目・建設局施設)工事請負契約
・今井水門耐震補強工事(その二)請負契約
報告事項(説明・質疑)
・平成二十七年度予算の繰越しについて
陳情の審査
(1)二八第三六号 目白通り(都道第八号千代田練馬田無線)の改修に関する陳情
環境局関係
報告事項
・平成二十七年度予算の繰越しについて(説明・質疑)
・東京都環境基本計画の策定について(説明)
・東京都資源循環・廃棄物処理計画の策定について(説明)
陳情の審査
(1)二八第一八号 脱走したキョンの食害による農作物被害の補償に関する陳情

○田中委員長 ただいまから環境・建設委員会を開会いたします。
 初めに、このたびの熊本地震により被災された方々に心からお見舞いを申し上げます。
 ここに、亡くなられた方々のご冥福をお祈りし、黙祷をささげたいと思います。
 皆さん、ご起立をお願いいたします。
 それでは、黙祷。
   〔全員起立、黙祷〕

○田中委員長 黙祷を終わります。ご着席ください。

○田中委員長 次に、委員の辞職及び所属変更について申し上げます。
 議長から、去る四月十一日付で、地方自治法第百二十六条ただし書きの規定により、田中健議員の辞職を許可した旨、また、去る五月十二日付で、斉藤あつし議員が文教委員会から本委員会へ所属変更になった旨通知がありましたので、ご報告をいたします。
 この際、新任の斉藤あつし委員をご紹介いたします。

○斉藤委員 都議会民進党の斉藤でございます。よろしくお願いします。

○田中委員長 紹介は終わりました。
 なお、議席はただいまご着席のとおりといたしますので、ご了承願います。

○田中委員長 次に、本委員会の担当書記に交代がありましたので、紹介いたします。
 議案法制課担当書記の宮本綾乃さんです。
 よろしくお願いします。
   〔書記挨拶〕

○田中委員長 次に、会期中の委員会日程について申し上げます。
 お手元配布の日程のとおり、理事会において申し合わせましたので、ご了承を願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、建設局関係の第二回定例会に提出を予定されております案件の説明聴取並びに建設局及び環境局関係の報告事項の聴取及び陳情の審査を行います。
 なお、本日は、予算の繰り越しに関する報告事項については、説明聴取の後、質疑をそれぞれ終了まで行い、提出予定案件及びその他の報告事項につきましては、説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は会期中の委員会で行いますので、ご了承願います。
 これより建設局関係に入ります。
 初めに、建設局長より熊本地震への対応について発言を求められておりますので、これを許します。

○佐野建設局長 先般発生いたしました熊本地震につきまして申し上げます。
 四月十四日及び十六日に、熊本県を中心として震度七の揺れが二度発生する大規模な地震がありました。家屋の倒壊や道路、河川の損壊、土砂崩れなど甚大な被害に見舞われ、多数の死傷者を生む事態となりました。
 犠牲者の方々に深く哀悼の意をあらわすとともに、被災者の方々には、心からお見舞いを申し上げます。
 建設局といたしましては、発災の翌週四月二十一日に四名の職員を現地に派遣し、いち早く被害状況を把握するとともに、今後の支援に向けた情報収集を行いました。
 その後、五月十日から熊本県の要請に基づき長期的な職員の派遣を開始し、現在、建設局の技術職員が道路、河川等の災害復旧業務を支援しているところでございます。
 被災地は、今なお余震が続き、予断を許さない状況でございますが、一刻も早い復旧と現地の方々の安全・安心の確保に向けて引き続き全力で支援してまいります。

○田中委員長 発言は終わりました。

○田中委員長 次に、先般の人事異動により幹部職員に交代がありましたので、建設局長から紹介があります。

○佐野建設局長 去る四月一日付で異動のございました当局の幹部職員をご紹介させていただきます。
 三環状道路整備推進部長の辻保人でございます。企画担当部長の安部文洋でございます。道路保全担当部長の伊佐賢一でございます。公園活用担当部長の松原英憲でございます。最後になりますが、当委員会との連絡を担当いたします総務課長の荒井芳則でございます。
 以上でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者挨拶〕

○田中委員長 紹介は終わりました。

○田中委員長 次に、第二回定例会に提出を予定されております案件について理事者の説明を求めます。

○佐野建設局長 第二回定例会に提出を予定しております案件につきましてご説明申し上げます。
 お手元配布の環境・建設委員会資料(建設局所管分)をごらんいただきたいと存じます。
 今定例会でご審議いただきますのは、今井水門耐震補強工事(その二)など契約案二件でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
 詳細につきましては、総務部長よりご説明いたします。

○佐藤総務部長 それでは、引き続きまして、第二回定例会提出予定案件の内容につきましてご説明申し上げます。
 資料1をごらんいただきたいと存じます。契約案につきましてご説明を申し上げます。
 表紙をおめくり願います。今回提出を予定しております契約案二件の件名は、目次に記載のとおりでございます。
 一ページをお開き願います。今井水門耐震補強工事(その二)でございます。
 本工事は、最大級の地震が発生した場合におきましても、水門の開閉機能を保持し、津波等による浸水を防止するため、躯体の補強や上屋の更新などを行うものでございます。
 工事場所は江戸川区江戸川四丁目地内、契約の相手方は大豊・黒部建設共同企業体、契約金額は十三億三千百二十万八千円、工期は平成三十一年三月十四日までとする工事請負契約を一般競争入札によりまして締結しようとするものでございます。
 二ページをお開き願います。本件の工事場所の案内図でございます。
 案内図の中ほど、黒く着色しております箇所が工事場所でございます。
 三ページをお開き願います。構造物の形状は、平面図及び標準断面図のとおりでございます。
 四ページをお開き願います。都営住宅二十八CH-一〇一東(葛飾区東新小岩一丁目・建設局施設)工事でございます。
 本工事は、第五建設事務所江東治水事務所合同庁舎の建設工事を施行するものでございます。
 工事場所は葛飾区東新小岩一丁目二百八十三番地一、契約の相手方は淺沼・鈴縫・小松建設共同企業体、契約金額は三十億九千五百四十九万六千円、工期は平成三十一年六月十一日までとする工事請負契約を一般競争入札によりまして締結しようとするものでございます。
 五ページをお開き願います。本件の工事場所の案内図及び配置図でございます。
 案内図の中ほどに着色しております箇所が工事場所でございます。また、配置図の網かけをしております箇所のうち、一階から四階までが建設局施設となってございます。
 六ページをお開き願います。構造物の形状は、一階平面図及び断面図のとおりでございます。
 以上で平成二十八年第二回定例会提出予定案件につきましての説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○田中委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○田中委員長 なければ、資料要求はなしと確認をさせていただきます。

○田中委員長 次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○佐藤総務部長 平成二十七年度建設局予算の年度繰り越しにつきましてご報告を申し上げます。
 この手続につきましては、地方自治法施行令第百四十六条第二項及び第百五十条第三項の規定により、議会に報告することとされております。
 お手元に配布してございます資料2、平成二十七年度繰越説明書の一ページをお開き願います。平成二十七年度繰越明許費総括表でございます。
 表の最上段、一般会計、土木費の行をごらん願います。
 土木費のうち、今回、明許繰越を生じた事業の予算現額は三千四百五億二千百七十六万二千円、繰越明許費の予算議決額は三百六十二億九千八百万円で、二百九十一億一千三百二十八万八千円を翌年度へ繰り越しするものでございます。
 財源は、分担金及び負担金、国庫支出金、繰入金並びに繰越金でございます。
 次に、下から二段目、用地会計の行をごらんください。
 この会計は財務局の所管でございますが、当局が執行委任を受けまして執行したものでございます。
 翌年度繰越額は一億三千二百九十万円で、財源は都債及び繰越金でございます。
 一般会計と用地会計を合わせました翌年度繰越額の合計は、二百九十二億四千六百十八万八千円でございます。
 二ページをお開き願います。一般会計に係る明許繰越の事項についてご説明を申し上げます。
 番号1番の土木補助及び2番の生活再建資金貸付は土木管理費でございます。
 繰越理由は、右側の説明欄にそれぞれ記載しておりますとおり、土木補助につきましては、市町村が関係機関との調整や用地取得に伴う関係人との折衝などに日時を要したこと、また、生活再建資金貸付につきましては、生活再建資金借り受け者が建物再建等に日時を要したことによるものでございます。
 三ページをお開き願います。3番の道路補修から五ページ下段の8番、橋梁整備までは道路橋梁費に係る繰越明許費の詳細を記載してございます。
 六ページをお開き願います。9番の河川防災から八ページ下段の14番、河川災害復旧までは河川海岸費の詳細を記載してございます。
 九ページをお開き願います。15番の公園整備から次の一〇ページの17番、霊園葬儀所整備までは公園霊園費の詳細を記載してございます。
 以上の事業のそれぞれの主な繰越理由は、地元住民や関係機関との調整、施工方法の再検討や先行工事の遅延及び用地取得に伴う関係人との折衝に日時を要したことなどによるものでございます。
 一一ページをお開き願います。用地会計による公共用地先行取得でございます。
 繰越理由は、用地取得に伴う関係人との折衝に日時を要したことによるものでございます。
 一二ページをお開き願います。平成二十七年度事故繰越総括表でございます。
 事故繰越は、年度内に支出負担行為をし、避けがたい事故のため年度内に支出が終わらなかった経費につきまして、地方自治法第二百二十条第三項ただし書きの規定に基づき、翌年度に繰り越して使用するものでございます。
 表の最上段、一般会計、土木費の行をごらん願います。
 翌年度繰越額は十六億二千九百四十四万五千円で、財源は国庫支出金及び繰越金でございます。
 一三ページをお開き願います。事故繰越の事項についてご説明を申し上げます。
 上段の番号1番、交通安全施設から次の一四ページ下段の4番、橋梁整備までは道路橋梁費の詳細を、次の一五ページ上段の5番、中小河川整備及び下段の6番、河川災害復旧は河川海岸費の詳細を、次の一六ページの7番、公園整備は公園霊園費の詳細をそれぞれ記載してございます。
 以上の事業のそれぞれの繰越理由は、施工方法の再検討や用地取得に伴う物件移転に日時を要したことによるものでございます。
 一七ページをお開き願います。用地会計による公共用地先行取得でございます。
 繰越理由は、用地取得に伴う物件移転に日時を要したことによるものでございます。
 以上で平成二十七年度予算の繰り越しにつきましてご報告を終わらせていただきます。よろしくお願いいたします。

○田中委員長 報告は終わりました。
 これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○田中委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○田中委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。

○田中委員長 次に、陳情の審査を行います。
 陳情二八第三六号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○伊佐道路保全担当部長 資料3、陳情審査説明表の整理番号1、陳情二八第三六号をごらんいただきたいと存じます。
 本件は、目白通り(都道第八号千代田練馬田無線)の改修に関する陳情で、練馬区の河野正樹さんから提出されたものでございます。
 陳情の要旨は二点ございまして、一点目は、目白通り、練馬区向山一丁目、二丁目付近に練馬一般区道一一-三四〇号線への出入り口をつくること、二点目は、一点目における区道の出入り口において、交差点の目白通り上り車線に右折レーンをつくることというものでございます。
 現在の状況でございますが、本件陳情の箇所は、放射第七号線の練馬区向山二丁目地先に位置しており、平成五年度から平成十七年度まで実施された西武池袋線練馬駅から練馬高野台駅間の連続立体交差事業により整備されました。
 本事業による西武池袋線の高架化に伴い、交差する放射第七号線において、跨線橋を撤去し平面道路へと改築するため、練馬区中村北一丁目二十二番地先から同区向山一丁目三番地先までの整備を行ったものでございます。
 事業の実施に当たりましては、地元説明会を開催し、事業概要や工事の内容などを地域の方々に説明するとともに、事業期間を通して個別の問い合わせなどにも対応いたしました。
 また、本件箇所の交差点形状を含めて、信号や横断歩道の位置など、整備区間全体の交通処理につきましては、道路交通の安全性や生活道路への通過交通の流入防止などを勘案し、交通管理者との協議を経て決定したものでございます。
 なお、当該箇所においては、横断歩道が設置され、歩行者及び自転車の通行は可能となっております。
 このように当該連続立体交差事業は、地域の方々のご理解とご協力をいただき、放射第七号線の整備も含めて平成十八年三月に完了しております。
 これらの経緯などから、本件箇所の道路構造を変更することは考えておりません。
 説明は以上でございます。よろしくご審査のほどお願い申し上げます。

○田中委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○大島委員 目白通りの改修に関する陳情について発言します。
 私は、この陳情の箇所の現地を見てまいりました。当日、ちょっと夕方だったんですけれども、かなり交通量の多いこの目白通りから区道に入るという場所については、ガードレールで塞がれておりました。
 確かに、向山団地方面から車で目白通りを横断して区道に入れれば、便利になる方もいるかと思います。しかし、この交差点は、横断歩道が設置され、当日も自転車や歩行者の通行がかなり多く見られました。
 区道は、目白通りの交通量とは比較にならないくらい車の通行も少なく、地域の方々にとっては安全な生活道路となっていることがよくわかりました。
 区道に目白通りへの出入り口を設け、目白通り上り車線に右折レーンをつくるということは、生活道路に自動車を呼び込むことになり、住民の交通安全が脅かされるのではないかと思いました。
 この陳情箇所について、地元説明会や交通管理者との協議を経て決定したものであることを考えますと、陳情者の願意には沿えないことを申し述べ、意見といたします。

○田中委員長 ほかに発言はございませんでしょうか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○田中委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、不採択とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○田中委員長 異議なしと認めます。よって、陳情二八第三六号は不採択と決定をいたしました。
 以上で陳情の審査を終わります。
 以上で建設局関係を終わります。

○田中委員長 これより環境局関係に入ります。
 初めに、先般の人事異動により幹部職員に交代がありましたので、環境局長から紹介があります。

○遠藤環境局長 去る四月一日付での人事異動により、新たに説明員となりました幹部職員をご紹介させていただきます。
 環境改善技術担当部長の近藤豊でございます。調整担当部長でスーパーエコタウン担当部長兼務の風祭英人でございます。また、当委員会との連絡を担当いたします総務課長の緑川武博でございます。
 どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者挨拶〕

○田中委員長 紹介は終わりました。

○田中委員長 次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。
 初めに、平成二十七年度予算の繰り越しについての報告を聴取いたします。

○池田総務部長 平成二十七年度予算の繰り越しにつきましてご報告申し上げます。
 お手元の資料1、平成二十七年度一般会計予算繰越説明書をごらんください。
 表紙をめくっていただきまして、一ページをお開き願います。
 繰り越しは明許繰越で、繰越額は一億五百八十六万円でございます。
 二ページをお開き願います。
 事業名は自然公園整備事業でございます。
 繰越明許費予算議決額は一億一千六百万円でございます。
 繰り越しの内容につきましては、資料右側の説明欄に記載しておりますように、山のふるさと村擁壁改修工事等につきまして、平成二十七年度内に支出が終わらなかったため、一億五百八十六万円を平成二十八年度に繰り越して支出するものでございます。
 以上、平成二十七年度予算の繰り越しにつきましてご報告申し上げました。どうぞよろしくお願い申し上げます。

○田中委員長 報告は終わりました。
 これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○田中委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○田中委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。

○田中委員長 次に、東京都環境基本計画の策定について外一件の報告を聴取いたします。

○篠原環境政策担当部長 去る三月三十日、新たな東京都環境基本計画を策定いたしましたので、ご報告いたします。
 この計画は、東京都環境審議会から、本年二月十九日にいただいた答申をもとに策定したものでございます。
 お手元の資料2が概要版、資料3が本編となってございます。本日は、資料2の概要版に基づきまして、ご説明させていただきます。
 資料2の目次の次、一ページをごらんください。
 東京都環境基本計画は、東京都長期ビジョンにおいて示した環境政策をさらに進化、発展させ、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会とその後を見据え、環境政策と経済成長を両立させた世界一の環境先進都市東京の将来像や、これを目指した政策展開を明らかにするため、策定したものでございます。
 政策の柱といたしまして、分野ごとに五つ掲げております。
 第一に、スマートエネルギー都市の実現、第二に、3R・適正処理の促進と「持続可能な資源利用」の推進、第三に、自然豊かで多様な生きものと共生できる都市環境の継承、第四に、快適な大気環境、良質な土壌と水循環の確保、第五に、環境施策の横断的・総合的な取組でございます。
 七ページをごらんください。ここからは、分野ごとに目標や施策の方向性をまとめております。
 まず、スマートエネルギー都市の実現の1、省エネルギー対策、エネルギーマネジメント等の推進でございます。
 目標としまして、二〇三〇年までに東京の温室効果ガスの排出量を二〇〇〇年比三〇%削減することなどを掲げ、主な施策の方向性としまして、産業業務部門、家庭部門など、部門ごとに進めるべき対策を述べております。
 九ページをごらんください。2、再生可能エネルギーの導入拡大でございます。
 目標として、都内の再生可能エネルギーによる電力利用割合を二〇三〇年までに三〇%程度に高めることなどを掲げ、施策の方向性として、東京の特性を踏まえた導入拡大を推進することや、多面的なアプローチによる広域での導入拡大について述べております。
 一一ページをごらんください。3、水素社会実現に向けた取り組みでございます。
 目標としまして、二〇三〇年までの都内の燃料電池自動車の普及台数や水素ステーションの整備箇所数などを掲げ、施策の方向性として、水素需要の創出、燃料電池自動車、バスの普及、CO2フリー水素の活用推進などについて述べております。
 一三ページをごらんください。3R・適正処理の促進と「持続可能な資源利用」の推進の1、持続可能な資源利用の推進でございます。
 目標としまして、二〇三〇年度における一般廃棄物のリサイクル率を三七%に向上させることなどを掲げ、施策の方向性として、資源ロスの削減の促進、エコマテリアルの利用の促進などについて述べております。
 一五ページをごらんください。2、静脈ビジネスの発展及び廃棄物の適正処理の促進でございます。
 目標として、環境負荷の少ないすぐれた取り組みや循環利用の高度化に取り組む処理業者が市場で正当に評価され、優位に立つことができる環境を醸成することなどを掲げ、施策の方向性として、静脈ビジネスの発展、廃棄物の適正処理とマナー向上などについて述べております。
 一七ページをごらんください。3、災害廃棄物対策の強化でございます。
 目標としまして、首都直下地震等の発災に備え、二〇二〇年までに、災害廃棄物を迅速かつ適正に処理する体制を構築することを掲げ、施策の方向性として、災害廃棄物処理に係る計画の策定、区市町村への支援などについて述べております。
 一九ページをごらんください。自然豊かで多様な生きものと共生できる都市環境の継承の1、生物多様性の保全、緑の創出でございます。
 目標として、生物多様性に配慮した緑化を推進し、生き物の生息空間を拡大することなどを掲げ、施策の方向性として、あらゆる都市空間における緑の創出、保全地域や既存の緑地等における緑の保全などについて述べております。
 二一ページをごらんください。2、生物多様性の保全を支える環境整備と裾野の拡大でございます。
 目標としまして、保全地域等での自然体験活動参加者数を二〇三〇年度に延べ五万人とすることなどを掲げ、施策の方向性として、多様な主体の参画による自然環境の保全、自然環境の保護と適正利用の推進などについて述べております。
 二三ページをごらんください。快適な大気環境、良質な土壌と水循環の確保の1、大気環境等のさらなる向上でございます。
 目標としまして、二〇二四年度までに、PM二・五の環境基準達成率を一〇〇%に向上させることなどを掲げ、施策の方向性として、PM二・五や光化学オキシダント対策の推進について述べております。
 2、化学物質による環境リスクの低減でございます。
 目標として、化学物質の環境への排出量をさらに低減することなどを掲げ、施策の方向性として、化学物質排出削減策の推進などについて述べております。
 二五ページをごらんください。3、水環境、熱環境の向上でございます。
 目標としまして、二〇二〇年度までに海域のCODの環境基準を一〇〇%達成し、河川のBODの環境基準一〇〇%達成を継続することなどを掲げ、施策の方向性として、東京の水循環の再生と水辺環境の向上、まち中での暑さ対策等の推進などについて述べております。
 二七ページをごらんください。環境施策の横断的・総合的な取組でございます。
 1、多様な主体との連携では、施策の方向性として、区市町村との連携の強化や国際環境協力の推進などについて述べております。
 2、持続可能な都市づくりに向けた環境配慮の促進では、施策の方向性として、次世代の人材育成や新たな環境施策を推進するための広報展開などについて述べております。
 3、実効性の高い環境行政の推進に向けた体制の充実では、施策の方向性として、都の環境行政を補完する東京都環境公社との連携強化などについて述べております。
 以上、簡単ではございますが、新たな東京都環境基本計画について報告させていただきました。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○谷上資源循環推進部長 去る三月三十日、新たな東京都資源循環・廃棄物処理計画を策定いたしましたので、ご報告いたします。
 この計画は、東京都廃棄物審議会から、本年一月二十七日にいただいた答申をもとに策定したものでございます。
 お手元の資料4が概要版、資料5が本編となってございます。本日は、資料4の概要版に基づきましてご説明させていただきます。
 A3判カラー一枚物の資料4をごらんください。
 東京都資源循環・廃棄物処理計画は、廃棄物の処理及び清掃に関する法律に基づき、都内の廃棄物の減量、その他の適正な処理に関する事項についての計画であるとともに、先ほど説明がありました東京都環境基本計画に基づく個別分野の計画にも位置づけられるものでございます。
 計画期間は、二〇一六年から二〇二〇年までの五年間ですが、その先を見据えて、二〇三〇年のビジョンをも示してございます。
 それでは、内容についてご説明いたします。
 第1章、資源利用及び廃棄物処理の現状と都が直面している課題でございます。
 世界の資源消費量の増加に伴い、温室効果ガスの排出や生物多様性の損失などの環境影響が増大していること、事業系廃棄物や建設廃棄物などの資源化に課題があること、今後想定される首都直下地震等への対応として、事前に処理体制を整備する必要があることなどを記載してございます。
 第2章、計画の基本的考え方でございます。
 二〇三〇年に向けて東京の資源循環、廃棄物処理が目指すべき姿として、(1)、ライフサイクル全体を視野に入れた持続可能な資源利用への転換と、(2)、良好な都市環境の次世代への継承の二つを掲げてございます。
 具体的には、持続可能な資源利用への転換につきましては、資源ロスの削減と循環的利用の推進により、資源利用が使い捨て型から循環型に転換することや、低炭素、自然共生、循環型の製品等の選択を通じ、ライフサイクル全体の環境負荷の低減などを目指してまいります。
 良好な都市環境の次世代への継承につきましては、最終処分場の延命化、超高齢化社会でも人々が参加しやすい廃棄物処理サービスの提供、迅速かつ適正な災害廃棄物の処理などを目指してまいります。
 資料4、右上の第3章、計画目標と指標でございます。
 この計画では、資源ロスの削減、持続可能な調達の普及、循環的利用の推進と最終処分量の削減、適正かつ効率的な処理の推進、災害廃棄物の処理体制の五つを計画目標として掲げてございます。
 このうち、目標3の循環的利用の推進と最終処分量の削減につきましては、一般廃棄物の再生利用率を二〇二〇年度に二七%、二〇三〇年度に三七%に向上させるなど、定量的な数値目標を掲げてございます。
 最後に、第4章、主要な施策でございます。
 第3章で示した五つの計画目標の達成を目指し、六つの施策を柱として掲げてございます。
 まず施策1は、資源ロスの削減でございます。
 食品ロス問題に取り組む企業やNGO、NPO等と連携し、家庭や店舗等における消費期限前の食材を効果的に消費する取り組みなど、資源ロスの削減を推進してまいります。
 施策2は、エコマテリアルの利用と持続可能な調達の普及の促進でございます。
 建設工事などで持続可能な木材や建設泥土改良土などのエコマテリアルの利用を促進するとともに、環境問題等に配慮して原材料や製品等を購入する持続可能な調達について、中小企業を含め広く都内の事業活動に普及してまいります。
 施策3は、廃棄物の循環的利用のさらなる促進(高度化、効率化)でございます。
 区市町村と連携して、オフィスビルや商業施設等から排出される事業系廃棄物の3Rのルールづくりに取り組むとともに、使用済み小型家電に代表される、いわゆる都市鉱山を活用するなど、廃棄物の循環的利用のさらなる促進を図ってまいります。
 施策4は、廃棄物の適正処理と排出者のマナー向上でございます。
 遺品整理、在宅医療廃棄物等、超高齢化、人口減少社会に対応したごみ処理システムについて検討するとともに、海ごみ対策、ごみの散乱防止、まちの美化に取り組んでまいります。
 施策5は、健全で信頼される静脈ビジネスの発展でございます。
 産業廃棄物の適正処理、資源化及び環境への負荷が少ない取り組みを行っている優良な処理業者が市場で優位に立てるよう、都独自の制度でございます第三者評価制度を普及してまいります。
 施策6は、災害廃棄物対策でございます。
 東日本大震災や伊豆大島土砂災害における災害廃棄物処理の経験を踏まえ、今年度、地震や津波等の自然災害で発生する災害廃棄物の処理方法等をまとめた東京都災害廃棄物処理計画を策定し、首都直下地震等に備えてまいります。
 以上、簡単ではございますが、新たな東京都資源循環・廃棄物処理計画について報告させていただきました。ご審議のほどよろしくお願いいたします。

○田中委員長 報告は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○田中委員長 なければ、資料要求はなしと確認させていただきます。

○田中委員長 次に、陳情の審査を行います。
 陳情二八第一八号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○須藤緑施策推進担当部長 それでは、お手元の資料6、陳情審査説明表の表紙をおめくりください。整理番号1、陳情番号二八第一八号、脱走したキョンの食害による農作物被害の補償に関する陳情についてご説明を申し上げます。
 陳情者は、大島町の和泉参郎さんでございます。
 陳情の要旨は、昭和四十五年に都立大島公園から脱走したキョンの捕獲、絶滅に対する見解の甘さが、現在の被害拡大を生んでおり、都は農作物の被害に対する補償をすべきであるというものでございます。
 現在の状況でございます。都立大島公園で飼育していたキョンが、昭和四十年代後半の台風で柵が壊れたことにより逸走し、野生化いたしましたが、平成十七年に外来生物法が制定され、キョンが特定外来生物に指定されたことを機に、都は、平成十八年度にキョンの生息調査を行い、平成十九年度から捕獲事業を開始しております。
 開始当初は、わなによる捕獲のみでございましたが、平成二十一年度から鉄砲を使った捕獲を始めたほか、平成二十四年度にはキョン防除対策検討委員会を設置し、学識経験者等の意見を聞きながら、捕獲方法の改善などを図ってまいりました。
 平成二十七年度からは、大島町が住宅の敷地や農地周辺に柵を設置する場合や、ハンターを育成する場合等には、財政支援をするなど、大島町とも連携し、捕獲を強化しております。
 こうした取り組みにより、捕獲を開始した平成十九年度は百頭弱だった捕獲数は、平成二十七年度には約千四百頭を捕獲するなど増加し、累計で約六千七百頭のキョンを捕獲してまいりました。
 これまでの取り組みから、キョンの根絶には、生息域を柵で分断した上で、柵の中を順次根絶する手法が有効であると判明したため、平成二十八年度から五年間を目途に、生息密度の高い地域を中心に、こうした対策を講じることとしております。平成二十八年度は、柵の設置、鉄砲や張り網を使った捕獲の強化に要する経費として、前年度の三倍に当たる約二億八千万円の予算を計上しております。
 説明は以上でございます。よろしくご審査のほどお願いを申し上げます。

○田中委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○米倉委員 脱走したキョンの食害による農作物被害の補償に関する陳情について意見を述べます。
 陳情者は、伊豆大島でキョンに農作物を食べられ、この二年間、収入はゼロ円となってしまい、新たに収入を得るにも時間がかかるとしています。
 被害は、この方にとどまっておりません。大島で農業を営むほかの方からお話を伺いましたが、キョンによる農作物被害は、初めのころは、陳情者のところのように、人家が近くにない森林に囲まれた地域だったけれども、被害はこの三年ほどで一気に広がり、今では島のどこでも被害に遭うようになったということでした。家の裏の畑や玄関先のアシタバ、野菜もキョンに食べられたという話も伺っております。
 そもそも大島でキョンが繁殖したのは、一九七〇年に都が管理する都立大島公園からキョンが脱走したことに始まります。
 環境局は、二〇〇五年にキョンが特定外来生物に指定されて以降、キョンの捕獲事業を行いました。特に今年度からは、五年間でキョンを根絶するために対策を強め、予算も昨年度と比べて三倍化していることは重要です。
 あわせて、深刻な農家の被害状況を見れば、他局と連携して損害を回復させるための支援策を生み出すために知恵を絞ることも求められているのではないでしょうか。
 よって、この陳情の趣旨採択を求めて意見とします。

○田中委員長 ほかに発言はございませんでしょうか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○田中委員長 発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○田中委員長 起立少数と認めます。よって、陳情二八第一八号は不採択と決定をいたしました。
 以上で陳情の審査を終わります。
 以上で環境局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後一時四十二分散会

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