環境・建設委員会速記録第四号

平成二十八年三月十六日(水曜日)
第九委員会室
午後一時開議
出席委員 十三名
委員長田中 朝子君
副委員長高椙 健一君
副委員長大島よしえ君
理事西崎 光子君
理事上野 和彦君
理事神林  茂君
菅野 弘一君
米倉 春奈君
田中  健君
吉倉 正美君
高橋かずみ君
林田  武君
こいそ 明君

欠席委員 なし

出席説明員
建設局局長佐野 克彦君
次長福田 良行君
道路監西倉 鉄也君
総務部長佐藤  敦君
用地部長杉崎智恵子君
道路管理部長今村 篤夫君
道路建設部長相場 淳司君
三環状道路整備推進部長川嶋 直樹君
公園緑地部長五十嵐政郎君
河川部長三浦  隆君
企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務伊佐 賢一君
総合調整担当部長前田  豊君
道路保全担当部長川合 康文君
道路計画担当部長東野  寛君
公園管理担当部長日浦 憲造君

本日の会議に付した事件
建設局関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 平成二十八年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為建設局所管分
付託議案の審査(質疑)
・第八十一号議案 東京都霊園条例の一部を改正する条例
・第八十二号議案 東京都葬儀所条例の一部を改正する条例
・第八十三号議案 東京都河川流水占用料等徴収条例の一部を改正する条例
・第百八号議案  都道の路線の認定及び廃止について
・第百九号議案  都道の路線の廃止について
・第百十号議案  平成二十八年度の連続立体交差事業の実施に伴う費用の関係特別区・市の負担について
・第百十二号議案 東京都立東京臨海広域防災公園の指定管理者の指定について

○田中(朝)委員長 ただいまから環境・建設委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、建設局関係の予算の調査及び付託議案の審査を行います。
 これより建設局関係に入ります。
 予算の調査及び付託議案の審査を行います。
 第一号議案、平成二十八年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為、建設局所管分、第八十一号議案から第八十三号議案まで、第百八号議案から第百十号議案まで及び第百十二号議案を一括して議題といたします。
 本案については、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際、要求いたしました資料はお手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○佐藤総務部長 去る二月十五日の当委員会におきまして要求のございました資料についてご説明を申し上げます。
 お手元の環境・建設委員会要求資料をごらんいただきたいと存じます。
 表紙をおめくりいただきますと、目次に六件の資料の件名が記載してございます。この順番に従いましてご説明申し上げます。
 一ページをお開き願います。建設局の事業別予算・決算額の推移でございます。
 この表は、骨格幹線道路など表頭に記載しました建設局の主な事業につきまして、平成十九年度から平成二十六年度までの予算額と決算額、平成二十七年度予算額及び平成二十八年度予算案の額をあらわしたものでございます。
 二ページをお開き願います。道路橋梁費における事業別財源内訳でございます。
 この表は、平成二十八年度予算案における道路橋梁費につきまして、それぞれ事業別に事業費及び国庫支出金などの財源内訳をあらわしたものでございます。
 三ページをお開き願います。直轄事業負担金の推移でございます。
 この表は、直轄事業負担金につきまして、平成十九年度から平成二十六年度までの決算額、平成二十七年度予算額、平成二十八年度予算案の額及び各年度の主な事業箇所をあらわしたものでございます。
 四ページをお開き願います。建設局に係る中小企業への工事発注実績でございます。
 この表は、建設局が発注した工事につきまして、平成十八年度から平成二十八年度までの発注件数、発注率及び金額をあらわしたものでございます。
 なお、平成二十七年度につきましては、十二月三十一日現在の数値でございます。
 五ページをお開き願います。首都高速道路関連街路整備の推移と今後の計画でございます。
 この表は、首都高速道路関連街路につきまして、平成二十年度から平成二十八年度までの路線数及び事業費をあらわしたものでございます。
 六ページをお開き願います。建設局発注工事における事業別入札不調件数及び発生率でございます。
 この表は、建設局が発注した工事につきまして、平成二十五年度から平成二十七年度までの入札不調件数及び発生率をそれぞれ事業別にあらわしたものでございます。
 なお、平成二十七年度につきましては、十二月三十一日現在の数値でございます。
 以上で要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○田中(朝)委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本案に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○神林委員 私の方から、オリンピック・パラリンピックに向けた平成二十八年度予算等につきまして、初めに三点ばかり質問をさせていただきます。
 第一としましては、東京は日本の首都として、政治経済、文化など多くの機能が集積し、我が国の発展を牽引してまいりました。今後も東京は二十一世紀にふさわしい、世界で一番の都市東京へと進化させ、日本の再生を確実なものとしていかなければなりません。
 一方、東京は、慢性的な交通渋滞や近年頻発する集中豪雨による都市型水害、地震発生時に大規模火災が想定される木造住宅密集地域の広域な分布、災害時の避難場所にもなるオープンスペースや緑の不足など、多くの課題が残されております。
 二〇二〇年東京大会の成功はもとより、これらの課題への取り組みを着実に推進するためには、平成二十八年度は重要な年となります。
 そこで、建設局における平成二十八年度予算計上の基本的考え方を伺います。

○佐藤総務部長 道路、河川、公園などの都市基盤は、日々の都市活動、都民生活を支える上で欠かすことのできない極めて重要な役割を担ってございます。
 建設局は、国際競争力と経済活力の強化、安心で暮らしやすい社会の実現、魅力ある都市づくりの観点から、東京都長期ビジョンに掲げた各種施策を推進しております。
 平成二十八年度予算は、二〇二〇年東京大会の成功を支え、その先に確かなレガシーを残すため、都市基盤施設の効果的、重点的な整備と適切な維持管理を通じて、良好な社会資本を次世代に継承していくことを基本に予算の計上を行いました。

○神林委員 ただいまご答弁いただいたように、都市基盤施設の整備や管理を全力で推進していくことをお願いしたいと思います。
 さて、二〇二〇年東京大会まで残すところあと四年となりました。この大会を一つの契機に、東京に残された課題を着実に解決していかなければなりません。
 そこで、都民の利便性の向上や安全・安心の確保の視点から、まずは二〇二〇年東京大会までの事業展開について局の見解を伺います。

○伊佐企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 都民生活の利便性の向上はもとより、二〇二〇年東京大会開催時の円滑で快適な移動を確保するためにも、東京の道路は重要な役割を担っております。
 そこで、大会開催後の将来を見据えながら、選手村と競技会場とを結ぶ大動脈となる環状第二号線など、道路ネットワークの形成を図るとともに、都道の無電柱化やバリアフリー化などを推進してまいります。
 また、都民の安全・安心を確保するため、木造住宅密集地域において延焼遮断帯や避難路等となる特定整備路線の整備、地震、津波などから東部低地帯を守る河川施設の耐震、耐水対策、震災時の避難場所や救出救助活動拠点となる都立公園の防災機能強化などを重点的に進めてまいります。

○神林委員 ただいま答弁をお聞かせいただきまして、これからの四年間、建設局がともかく緊急的に取り組まなければならない都市基盤整備をしっかりと推進していくということで確認をさせていただきました。
 また一方で、大会終了後はどうでしょうか。現時点での報道によりますと、公共事業、民間事業とも激変すると予想され、日本の景気や雇用にも大きな影響を与える引き金ともなり得ません。
 建設局では、二〇二〇年東京大会のその先を見据えて事業展開を図るとしておりますけれども、その点についての見解を伺います。

○伊佐企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 お話のとおり、二〇二〇年東京大会は一つの通過点であり、将来にわたる東京の持続的発展を実現するため、大会後も見据えて幹線道路ネットワークの整備や河川の豪雨対策、緑の拠点となる公園緑地の整備など、都市基盤整備を着実に推進してまいります。
 あわせて、橋梁やトンネルなどを計画的かつ効率的に維持管理するため、施設の点検、補修を的確に行うとともに、施設の損傷や劣化が進行する前に対策を行う予防保全型管理を推進することにより長寿命化を図ってまいります。
 今後とも、財源の確保に努めながら、世界一の都市東京の実現に向けた都市基盤の整備及び管理に全力で取り組んでまいります。

○神林委員 ただいまご答弁もいただきましたとおり、まず、二〇二〇年東京大会までに緊急的に取り組まなければならないことを着実に行うこと、そして、その後も世界一の都市東京の実現に向けて予防保全型管理を徹底して、計画的、効果的対策を継続して進めていくことが重要だということだと思います。
 もちろん、財源の裏づけも、しっかりとした見通しをしていただいて進みますよう、よろしくお願いいたします。
 それでは、次の質問に移らせていただきます。地下調節池や分水路の長寿命化について伺います。
 平成二十七年九月の関東・東北豪雨では、栃木、茨城県内を流れる鬼怒川で記録的な大雨による水害が発生し、改めて河川施設の重要性が認識されました。
 水害対策として、引き続き河川施設を鋭意整備していくとともに、既存の施設を健全な状態で維持し、機能を十分に発揮させていくことも重要でございます。
 特に地下調節池や分水路は、水害に対する効果の高い施設ですが、建設後、相当年数が経過し、健全性の低下が懸念されることから、都はこれらの施設に対する長寿命化に取り組んでいると聞いております。
 そこで、地下調節池と分水路における長寿命化の取り組み状況について伺います。

○三浦河川部長 都は、従来の対症療法的な維持管理から、施設の損傷が進行する前に対策を行い、補修費用の低減や平準化を図る予防保全型管理への転換を進めております。
 河川施設につきましては、使用を継続しながらつくりかえることが困難な地下調整池と分水路を対象といたしまして、この三月末に新たに予防保全計画を策定いたします。
 計画は、全十七の施設につきまして、百年後を見据え、蓄積された健全度調査の結果に基づき、統計学的手法を用いて劣化を予測し対策を施すという河川施設といたしましては、全国でも先進的な内容でございます。
 本計画に基づき、平成二十八年度は、妙正寺川の上高田調節池等におきまして、鉄筋の腐食を防ぐなどのさまざまな工法の検討を開始いたします。
 また、神田川のお茶の水分水路などにおきまして、海水による塩害や漏水の抑制対策に着手をいたします。
 今後とも、都民の安全を確保するため、地下調節池などの長寿命化を推進し、良質な都市基盤施設を次世代に継承してまいります。

○神林委員 計画的な対策により、施設の一層の長寿命化を推進してもらいたいとともに、機能が発揮されなかったでは済まされない取り組みでもございますので、対策漏れが生じないよう、万全の体制をもって進めていただきますこともあわせて要望させていただきます。
 続きまして、土砂災害警戒区域の指定状況について伺います。
 ところで、本年三月九日に世田谷区、北区、板橋区において、区部で初めて土砂災害警戒区域などの指定がされたと聞いております。
 昨年九月の関東・東北豪雨では、鬼怒川が決壊するだけでなく、各地で土砂災害が発生し、栃木県では一名の方が亡くなられたと聞いております。
 都は、これまで多摩・島しょ地域において、土砂災害防止法に基づく警戒区域などの指定を行ってきましたが、迅速な避難行動がとれるよう、都内全域においてソフト対策を早急に進めていくことが重要でございます。
 そこで、土砂災害警戒区域などの指定について取り組み状況を伺います。

○三浦河川部長 都内には、多摩・島しょ地域を中心に、土石流や崖崩れ、地すべりなど、土砂災害のおそれのある箇所が合わせて約一万五千カ所存在をしております。
 このたび、平成二十八年三月に二十三区で初めてとなります世田谷区、北区、板橋区の各一部地域のほか、八王子市などにおきまして、八百六十九カ所の土砂災害警戒区域等の指定を行いました。これによりまして、都内全体で九千六百十三カ所が指定済みとなり、対象箇所全体の六割が完了いたしました。区域指定の前提となります基礎調査につきましては、今年度末までに西多摩や南多摩地域を中心に約一万一千カ所が完了いたします。
 今後、二十九年度までに二十三区や北多摩・島しょ地域など、残る約四千カ所の基礎調査を行いまして、警戒区域等の指定を三十一年度までに完了させますとともに、ハザードマップを作成する区市町村への支援など、警戒避難体制の整備を促進してまいります。

○神林委員 もう皆さんもご存じのとおり、災害はいつ起きてもおかしくない状況でございます。一日も早く土砂災害警戒区域などの指定を着実に進めていくようお願いをいたします。
 今後とも、局地化、激甚化する集中豪雨による土砂災害から都民の命を守り、安全で安心な東京の実現に向け、土砂災害対策を推進していただきたいと考えております。
 続きまして、街路灯のLED化についてお伺いいたします。
 東日本大震災直後の深刻な電力不足を経験して以降、エネルギー施策の見直しなどが必要となっております。
 こうした中で、都は長期ビジョンでスマートエネルギー都市の創造を政策指針に掲げ、環境負荷の低減に取り組んでおります。
 道路照明の省エネ化は環境負荷低減に有効と考えますが、これまでの取り組みについて伺います。

○川合道路保全担当部長 都では、平成二十年度から道路照明約十五万灯のうち、水銀ランプ七万三千六百灯について、セラミックメタルハライドランプなどの省エネ照明への転換を進め、平成二十五年度までに完了いたしました。これにより、消費電力、CO2排出量とともに約四割削減となりました。
 また、さらなる省エネ化に向け、LED照明の採用を進めております。

○神林委員 今後一層の環境負荷の低減を図っていくためには、より省エネ効果の高いLED照明の導入を進めていくことが必要でございます。
 LED化の現状と今後の取り組みについてさらに伺います。

○川合道路保全担当部長 LED照明については、設置に際し障害が少ないトンネルにおいて、照明の改修等に合わせてLED照明を採用しております。
 平成二十六年度までに四カ所、平成二十七年度には三カ所のトンネルでLED化を完了し、平成二十八年度は十一カ所のトンネルや地下歩道で行う予定でございます。
 一方、既設街路灯にLED照明を導入するには、LED照明の特性等を考慮した詳細な検討を行う必要がございます。
 今後、現場状況を踏まえて、道路照明のLED化に向けた検討を進めてまいります。

○神林委員 ただいまご答弁をいただきましたけれども、LED照明は省エネ効果のみならず、一般的にいう暗いまちの中を明るくするためには、非常に効果的な機材でもございます。
 防災などさまざまな対策に効果が期待されますので、今後、多方面との連携を深めて施策を進めていくことを要望しておきます。
 最後には、少し月並みではございますけれども、年度末のこの時期でもありますので、あえて東京都内の路上工事対策について質問させていただきます。
 路上工事対策について、毎年、年度末になると路上工事が目につくようになると多くの方々から指摘を受けます。当然、必要な工事であることは承知しておりますが、交通渋滞の原因となるなど、都民生活への影響も大きなものがあります。
 都は、路上工事対策としてどのような取り組みを行っているのか伺います。

○今村道路管理部長 路上工事には、道路管理者が行う道路補修などの工事と電気、ガス、上下水道などの事業者が行う埋設工事などがございます。これらの工事が計画的に行われるよう、道路管理者と交通管理者、公益事業者で構成する東京都道路工事調整協議会におきまして、路上工事の実施時期や施工方法等を調整し、年間を通しての工事の平準化や年末年始及び年度末の工事抑制などに取り組んでおります。
 こうした取り組みにより、例えば平成二十六年度における三月の路上工事時間は、年間平均の七割程度とむしろ少なくなっております。

○神林委員 ただいまご答弁いただきましたとおりで、道路調整協議会が実施されているのは、私もかねてからよく知っておりますし、それから、単年度の予算でございますので、年度初めはどうしても事業計画の詳細を組んだり、あるいは設計をやったり、入札手続があったりということで、事業実施が後期にずれ込むというのも理解できないことではないんです。でも、まだまだ都民の目から見ますと、工事が年度後半に偏っているなという実感を得ているのは事実のようでございます。
 ですから、もう既に何度も何度もその辺の話は出ていることだとは思いますが、こういった実情を都民の皆さんにも理解してもらうとともに、交通渋滞が発生すると、経済的、社会的に大きな損失となりますので、道路の効用を最大限発揮できるよう、あえて、引き続き路上工事の抑制や平準化などの対策の強化に取り組んでもらうことを要望させていただきまして、私の質問を終わります。

○上野委員 私からは、初めに特定整備路線について質問をいたします。
 特定整備路線は、震災時に甚大な被害が想定される木造住宅密集整備地域におきまして、防災上極めて重要な都市計画道路でございます。
 私の地元江戸川区でも、千葉街道の補助第一四二号線、柴又街道の一四三号線、そして、一四四号線の三区間が特定整備路線に選定され、いずれも事業に着手しているところであります。
 このうち、千葉街道と柴又街道が交差する南小岩一帯というのは、非常に危険度の高い木密地域に位置してございます。したがいまして、延焼を遮断するという、遮断帯の形成を行うというのは極めて大事で、それを行っていく特定整備路線の整備は、周辺地域の防災性の向上に大きな効果が期待されているのでございます。
 そこで、まず初めに、特定整備路線補助第一四二号線、一四三号線における平成二十八年度の取り組みについてお尋ねいたします。

○東野道路計画担当部長 特定整備路線は、延焼を遮断し、避難路や緊急車両の通行路ともなるなど、地域の防災性向上に資する重要な都市基盤でございます。
 補助第一四二号線及び一四三号線は、平成二十六年度に事業認可を取得いたしました。平成二十八年度は、引き続き用地取得を進めますとともに、補助第一四三号線では、東小岩四丁目交差点付近の約七十メートルの区間におきまして、用地の取得状況を踏まえ、街路築造工事や電線共同溝設置工事などを予定しております。

○上野委員 柴又街道の補助第一四三号線は、平成二十四年十月に特定整備路線に選定され、その後、事業認可が取得された路線であります。
 この交差点付近は、特定整備路線に選定される以前から、第二次交差点すいすいプランの対象事業として、用地買収など交差点の改良が進められておりました。
 そうした状況もあると思いますけれども、新たに事業化した二十四区間の特定整備路線において初めての工事着手が実現するということで、大変喜ばしいと思っております。部分的とはいえ、道路の将来像が現場で形となってあらわれることにより、さらに地域の皆様の理解と協力につながるものと期待しております。
 引き続き、交差点付近以外の区間におきましても、早く工事に着手していただきたいところでございます。
 そのためには、関係権利者の生活再建に配慮しながら用地を取得しなければなりません。事業に協力いただく関係権利者の中には、特定整備路線の整備の必要性は理解しつつも、将来の移転や再建に不安を感じている方も多くおられることと思います。
 そこで、補助第一四二号線、一四三号線における用地取得の状況についてお尋ねします。

○杉崎用地部長 用地取得に当たりましては、関係権利者に対し、事業の必要性や補償の考え方についてお一人お一人に丁寧に説明するとともに、民間事業者を活用した相談窓口を設置し、生活再建をきめ細かく支援しているところでございます。
 お話の路線は、現道を拡幅する事業のため、現地での再建を希望する権利者からの相談が多く寄せられており、相談窓口では建てかえプランの提案や区の不燃化事業に関する助成制度などについてアドバイスを行っております。
 また、商店を営む方が多い地域のため、事業継続に必要な資金計画や税金に関するご相談などに対して、税理士やファイナンシャルプランナーなどの専門家を活用いたしまして、権利者のニーズに合った対応を行ってまいります。
 今後も引き続き、関係権利者のご理解とご協力をいただきながら、特定整備路線の整備につながる用地の取得に全力で取り組んでまいります。

○上野委員 今のご答弁を聞きましても、関係権利者お一人お一人の生活、また仕事などさまざまな状況に配慮しながら、丁寧に説明や相談など、大変なご苦労をしながら用地取得に尽力されていることに敬意を表したいと思います。
 これからも関係権利者の方々の不安を安心へと変えながら、事業推進に尽力されますようご期待申し上げます。
 さて、特定整備路線が延焼遮断帯としての効果があるかどうかというのは極めて重要なことでございます。東京都では、事前に延焼シミュレーションを実施して、きちんと検証しているということでございまして、これは、私は高く評価したいと思います。
 都の実施した延焼シミュレーションによりますと、補助第一四二号線、一四三号線において道路を越えた燃え広がりが、整備前には九カ所で確認されておりましたけれども、整備完了後にはその全てが焼けどまる結果となっているわけであります。これにより、延焼面積は両路線とも約三割減少する結果となっております。まさに、特定整備路線の整備により、都民の生命と財産を守る命の道としての効果が期待されるわけであります。
 特定整備路線は、日本の災害に対する概念をも変えたあの東日本大震災を踏まえまして、東京の防災対策を一段と加速するために、かねてから進めてきた木密地域の改善の取り組みを受けて計画され、整備が進められているものであります。
 首都直下地震が切迫している現在、その整備はまさに待ったなしであります。大震災から五年目のこのとき、新たに防災への決意を固めまして、特定整備路線の整備を着実に推進していただくようご期待申し上げ、次の質問に移ります。
 二〇二〇年東京大会に向けた道路の暑さ対策に質問します。
 真夏に開催される二〇二〇年東京大会を成功させるためには、万全の暑さ対策が必要であります。その中でも、マラソンなどの競技が実施される道路においては、選手が存分に力を発揮し、観客にとっても観戦しやすい環境を整えるために、道路の暑さ対策を進める必要があります。
 そこで、改めて都道の暑さ対策における現在の状況と今後の取り組みについてお尋ねします。

○川合道路保全担当部長 二〇二〇年東京大会開催時に、アスリートや観客が暑さをしのげるよう、道路の暑さを緩和する環境を整えることは重要でございます。
 都道では、センター・コア・エリアを中心とした重点エリアで、路面温度の上昇を抑制する遮熱性舗装や保水性舗装を路面補修工事にあわせて実施しております。
 都道における対象延長約百三十六キロメートルのうち、約九十四キロメートルを今年度末までに整備する予定です。
 今後は、残る四十二キロメートルを毎年約十キロメートル整備し、大会開催までに完了させます。

○上野委員 次に、区道や市道の暑さ対策について質問します。
 都道での暑さ対策は十分認識をさせていただきましたが、観客が競技会場へ向かうルートとなる区道や市道と連携した暑さ対策が重要だと思います。
 そこで、来年度の予算書にある区市環境対策型舗装整備補助の現在の状況と今後の取り組みについてお尋ねします。

○川合道路保全担当部長 平成二十七年度より創設した区市環境対策型舗装整備補助は、競技コース及び競技会場等の周辺における観客の主な動線となる区道や市道を対象とし、区市が実施する遮熱性舗装や保水性舗装の整備に対して、設計などの委託料については都が全額補助し、工事費については国と都で全額補助いたします。平成二十八年度は、江戸川区を含む四区へ補助を予定しております。
 引き続き、二〇二〇年東京大会に向け区市と連携を図り、道路の暑さ対策を推進してまいります。

○上野委員 次に、船堀橋のバリアフリー化について質問します。
 荒川をまたぐ長大橋の船堀橋は、江戸川区と江東区を結ぶ重要な橋梁であります。江東区側にはスロープが設置されていましたが、江戸川区側は、スロープを設置するためには用地買収しなきゃならないということで、長年急勾配の斜路つき階段となっておりました。
 平成十八年、忘れもしませんけれども、実は長大橋の船堀橋で一人の壮年の方が亡くなったという情報が入ってきた。びっくりして、どういうふうにして亡くなったんですかと聞いたならば、江戸川区側におりる斜路つき階段、斜路も狭いし、急勾配です。そこを前の学生さんが自転車に乗ったままおりていっているわけですね。それを見て、壮年の方も乗ったままおりていかれた。そうしたら、ブレーキが飛んじゃった。それで、そのまま欄干にぼおんとぶつかって亡くなられたという話を聞いたわけです。
 これはもう大変なことだと、何としてもバリアフリー化しなきゃならんぞということで、すぐ当時の保全課長に電話しましたら、当時の保全課長、偉いですよ。すぐ現場に行ったんです。現場に来て、状況を見て、いや、これはちょっと自転車多いですねと。じゃということで、直営で職員の方が朝から一日はかったんです。その結果、いや、驚きましたと。七千台近いですよと。これは、もう第二、第三の事故が起こりかねない、何としても、これはバリアフリー化しなきゃなりませんねと。当時の話です。
 翌年の平成十九年の第一回定例会の一般質問で、私は船堀橋のバリアフリー化について質問しました。当時の依田建設局長が、バリアフリーの基準に適合するよう改善していくという答弁をされた。そこから進んできたわけですね。
 これを受けて、都においては、平成二十五年に斜路つき階段を自転車の通行に対応するよう改良しました。さらに、バリアフリーの観点ということで、南側にはエレベーターも設置されたわけでございます。
 地元住民の方は非常に喜ばれましたけれども、南側だけで、北側のエレベーターがないねという話をよくいわれていまして、船堀橋というのは千五百メーターの橋梁です。千五百メーター、途中に横断箇所もないというところで、北側が実は近くにボートの競艇場があって、結構北側の方が、上りの方が自転車が多いんですね。そちらがエレベーターもないということで、何とかエレベーターをつけてもらいたいという要望がありました。
 そこで、北側のエレベーター設置に向けて、東京都は工事を進めていると、このように聞いておりますけれども、まず、平成二十七年度までの取り組み状況についてお尋ねします。

○川合道路保全担当部長 北側のエレベーターにつきましては、設置場所が橋と離れていたため、橋とエレベーターをつなぐ連絡通路橋を先行して設置することといたしました。
 連絡通路橋の下部工事につきましては、平成二十七年十月に完成いたしました。また、上部工事につきましては、現在工事を進めており、今年度内に完成させます。

○上野委員 北側のエレベーター設置工事が着々と進められておりますが、早期の供用開始が望まれております。
 先般、エレベーター本体工事が契約になったと聞いておりますが、今後の取り組みについてお尋ねします。

○川合道路保全担当部長 エレベーター本体工事につきましては、本年二月に契約し、現在、エレベーター設備の工場製作に向けた準備を進めております。
 今後は、平成二十八年度末までの供用開始を目指し、整備を進めてまいります。これにより、船堀橋のバリアフリー化が完成することとなります。

○上野委員 済みません。平成二十八年度末といわれたような気がしますけれども、確認したいと思うんですが、平成二十八年末じゃないんでしょうか。

○川合道路保全担当部長 失礼しました。訂正いたします。今後は、平成二十八年末までの供用開始を目指し、整備を進めてまいります。

○上野委員 船堀橋は、長大橋の中で都内では初めてエレベーターが設置されました。地元住民の方々も大変喜ばれております。そういった意味での取り組みにつきまして、私は高く評価したいと思います。北側エレベーターの早期供用開始の実現を心より期待しております。
 次に、旧江戸川のスーパー堤防整備事業について質問します。
 東京湾に注ぐ江戸川、荒川、多摩川の下流部に広がり、高潮の影響を受ける東部低地帯には、約三百万人の都民が生活されています。このうち約百五十万人は、東京湾の満潮面より低い土地に暮らされており、万一堤防が壊れますと、多くの都民の命と財産を奪うという甚大な被害が発生するおそれがあります。
 都は、東部低地帯の河川施設整備計画に基づき、コンクリート堤防や水門、排水機場の耐震補強工事を着実に進めているところであります。また、隅田川などでは堤防の耐震補強工事だけではなくて、スーパー堤防整備も行われています。
 コンクリートの直立堤防から盛り土により構成された幅の広いスーパー堤防等に整備したことで、水辺に空間が生まれるし、公園や災害時の避難場所ともなっているし、そして堤防としても強化されているわけでございます。
 平成二十八年度当初予算説明書の高潮防御施設の整備の事項の中のスーパー堤防等の整備、そこで旧江戸川の江戸川二丁目と江戸川四丁目の二つの地区の予算が計上されております。地元でも関心の高い地域であり、早急に整備を進めて、災害時の安全性と親水性を高めることが重要であります。
 そこで、まずスーパー堤防整備の目的と旧江戸川の計画についてお尋ねします。

○三浦河川部長 都のスーパー堤防は、既に高潮堤防の高さが確保されております隅田川など五河川におきまして、耐震性の向上や良好な景観の形成及び親水性の向上を目的といたしまして、民間開発や公園整備などのまちづくりと一体的に、奥行き最大六十メートル程度の幅で盛り土を行うものでございます。
 旧江戸川におきましては、最下流の南葛西五丁目地区一・〇キロメートルが完成しており、今後は江戸川二丁目地区、五百メートルと江戸川四丁目地区、四百メートル、合わせて九百メートルの整備を進めてまいります。
 両地区とも、江戸川区の公園整備事業が予定されていることから、堤防と公園とが一体的な整備となりますよう調整を図ってまいります。

○上野委員 区の新たな公園をスーパー堤防にあわせて盛り土の上に整備するということで、災害時の避難場所としての利用も期待できます。
 また、堤防と公園とを一体的に整備することは、親水性の向上に大きく寄与するものであり、早期の整備を期待いたします。
 そこで、旧江戸川におけるスーパー堤防整備の進め方と二十八年度の取り組みをお尋ねします。

○三浦河川部長 現在、四丁目地区には、江戸川区立今井交通公園がございまして、多くの区民の方々に親しまれておりますことから、公園の機能を継続しながら事業を実施いたします。
 そのため、二丁目地区にございます公園予定地の盛り土や堤防沿いの都道のかさ上げなどを行いまして、これらが完了した後、区が交通公園を二丁目地区に整備、移転いたしまして、その後、四丁目地区に着手をする予定でございます。
 平成二十八年度は、先行いたします二丁目地区におきまして、盛り土材の調達や搬入路の確保などの調整を図った上で、築堤工事を実施いたします。
 四丁目地区におきましては、区と盛り土範囲や断面形状について調整を行いながら、築堤工事に向けた調査、設計を行ってまいります。
 今後とも、水害に対する安全性を向上させますとともに、人々が憩い、潤える、良好な空間を創出するため、地域のまちづくりにあわせ、地元区や関係者等との連携を図りながら、都のスーパー堤防整備に取り組んでまいります。

○上野委員 交通公園も使い続けることができるということで、地元住民の皆様も大変喜ばれると思います。
 隅田川などスーパー堤防が多く整備された場所では、緑が多く、眺望の開けた良好な水辺空間が形成されています。引き続き、東京都のスーパー堤防の整備を推進していただきたいと思います。
 次に、舟運の活性化について質問します。
 治水事業を強力に推し進め、安全・安心な河川としていく一方で、潤いや安らぎを感じられる水辺空間を創出することも重要であります。
 東京には、スカイツリーや浜離宮など水辺に多くの観光資源があり、船を使って世界に誇るすばらしい都市景観を楽しむ、そうした一面も忘れてはなりません。
 隅田川などでは、水上バスが多くの外国人観光客に利用されるようになり、特にこれからの桜の時期には、水面が花見の観光船でいっぱいとなる光景も見られます。また、最近は自由に水上観光が楽しめる水上タクシーも誕生しております。
 このような舟運活性化の機運を行政が後押しし、舟運経路をさらに拡大していくべきと考えますが、都の舟運活性化に向けました平成二十八年度の取り組みについてお尋ねいたします。

○三浦河川部長 水の都東京の再生に向けまして、水上交通ネットワークの魅力を高め、船を気軽に利用できる環境を創出していくことが重要でございます。
 このため、定期航路の実現に向けまして、羽田から臨海部、都心を結ぶなどの航路における社会実験を関係局と連携して行うこととしております。
 また、両国を拠点とした舟運ルートの拡大を目指しまして、浅草やお台場を結んでいる水上バスの船着き場に加え、日本橋川や江東内部河川などを周遊する小型船舶も活用しやすい船着き場を増設するため、設計に着手をいたします。
 今後とも、舟運の活性化に向け積極的に取り組んでまいります。

○上野委員 次に、都立公園の防災機能強化について質問します。
 一週間ほど前の三月十一日、東日本大震災からはや五年が経過し、各地で追悼行事が行われました。改めて哀悼の意を表する次第でございます。
 私たちは、過去の災害を教訓に、災害が起こっても被害を最小限に抑える防災、減災の取り組み、強靱な都市東京を目指していかなければなりません。
 そこで、発災時の延焼火災から都民の命を守る避難場所や救援活動の拠点となる都立公園の防災機能強化の取り組みについて質問していきたいと思います。
 私の地元江戸川区には、四つの都立公園、防災公園があります。そのうちの葛西臨海公園と篠崎公園の二カ所は、発災時に自衛隊その他の広域支援、救助部隊などのベースキャンプとなる大規模救出救助活動拠点に位置づけられております。また、三つ目の大島小松川公園は、物資輸送等に資するヘリコプター緊急離着陸場候補地となっております。そして、四つ目の宇喜田公園、これは災害時の避難場所ということになっているわけであります。
 そこで、平成二十八年度当初予算案を見てみますと、都立公園の防災機能の強化、充実が計上されておりますが、まず、この事業の目的と内容についてお尋ねします。

○五十嵐公園緑地部長 都立公園の防災機能強化は、震災が発生し、停電となっても、都立公園が自立して避難場所や救援活動の拠点としての役割を果たすために行うものでございます。
 具体的には非常用発電、ソーラーパネル、蓄電池等で、多重に停電時のバックアップ電源を確保し、避難沿路及び臨時ヘリポートとなる広場周辺の公園灯や管理所等の施設を確実に機能させるとともに、避難者等に情報を提供するデジタルサイネージや放送設備等を整備して、避難者の安全・安心な避難と夜間の救援活動を支援いたします。

○上野委員 東日本大震災の際には、都内でも電力供給量が大幅にダウンし、計画停電が実施された時期もありました。
 夜間に発災して、避難場所の都立公園に向かう際、たとえ周辺が停電しても、公園に明かりがともっていれば、安全に安心して園内に避難ができます。都立公園の避難場所としての信頼性を高めるこうした取り組みは、ぜひ着実かつ迅速に進めていただきたいと思います。
 そこで、現在の取り組み状況と今後の進め方についてお尋ねします。

○五十嵐公園緑地部長 大規模救出救助活動拠点の候補地や二〇二〇年東京大会に関連する公園から、公園別に整備計画の策定を進めてきており、これをもとに平成二十八年度は葛西臨海公園など十四公園で設計に着手いたします。
 また、現在設計を進めている秋留台公園と城北中央公園では、二十八年度に整備工事に着手いたします。
 着実な整備により、東京都長期ビジョンで目標とする平成三十六年度までに六十一の防災公園全ての整備を完了し、都立公園の防災機能をより高めてまいります。

○上野委員 葛西臨海公園は、二〇二〇年東京大会のカヌースラローム会場に隣接し、今後ますます来園者が増加することが見込まれます。また、防災上の重要性も高い公園であります。
 しかし、冒頭に申し上げたとおり、江戸川区にはあと三つの防災公園があります。篠崎、大島小松川、そして宇喜田公園、これも着実に整備を進めていただくことを要望しておきます。
 次の質問に移りますが、篠崎公園のある江戸川区は、荒川や江戸川などの大きな河川の最も下流に位置しております。そして、土地の七割が海抜ゼロメートル地帯ということで、非常に水害に弱い、そういった脆弱な地盤であるわけです。
 篠崎公園は、防災公園でありながら、大規模水害が起きたときの被害想定では水没してしまうよ、また、防災公園の役割を果たせなくなりますよという話を以前もいたしました。
 このため、高台化を早期に実現することが必要ですと、今の部長が計画課長時代からずっといっていたのを私も今思い出しましたけれども、本定例会の予算特別委員会において、篠崎公園を早期に高台化することを求める我が党の質問に対しまして、来年度は試験的な盛り土などを実施するとの答弁がありました。
 そこで、改めて来年度の具体的な取り組みについてお尋ねします。

○五十嵐公園緑地部長 平成二十八年度は、篠崎公園の高台化に向け、柴又街道沿いの未開園地において、周辺環境への影響を把握し、施工方法を検証するため、試験的な盛り土を実施いたします。
 また、効率的に高台化を進めることができるよう、大規模公共事業等の建設発生土を利用して、高台を造成する国の防災高台整備事業の仕組みを活用することについても検討してまいります。
 さらに、江戸川の高規格堤防整備事業を施行する国と土地区画整理事業等を施行する江戸川区、篠崎公園を高台化する都の三者が相互に協力して事業を進めていくための基本協定を締結いたします。
 今後とも、国や都と緊密に連携を図りながら、高台化の早期実現に積極的に取り組んでまいります。

○上野委員 うれしい答弁ですね。予算特別委員会のときも、局長から積極的に取り組むというお言葉があって、また、公園緑地部長からも積極的にというお言葉が入りました。ぜひとも目に見える形でできるように、早目にできるように、よろしくお願いいたします。
 次に、文化財庭園について質問します。
 都は、江戸時代につくられた大名庭園など、国または都の文化財指定を受けた九つの庭園を有しております。
 このような文化財庭園は、国内外から訪れる多くの方々に、日本の伝統文化を伝えるおもてなし空間として今後ますます重要となっていくと思っております。
 とりわけ浜離宮恩賜庭園は、昨年二月の英国のケンブリッジ公爵殿下を初め多くの外国要人が訪れています。今後、二〇二〇年東京大会に向け、より一層多くの方々が訪れることが予想されます。
 そこでまず、二十八年度当初予算説明書にある世界をおもてなしする庭園の再生の内容についてお尋ねします。

○五十嵐公園緑地部長 都は、浜離宮恩賜庭園を初め、江戸から大正に策定された貴重な文化遺産である九つの都立庭園の保存管理を行っております。
 これまでこの貴重な文化遺産を次世代に継承するとともに、内外から訪れる多くの方々に日本の伝統文化に触れていただく場とするため、庭園の主要な構成要素である池の護岸の修復や戦災等で失われた建造物の復元を進めてまいりました。
 二十八年度は、浜離宮恩賜庭園の鷹の茶屋の復元、延遼館の設計や小石川後楽園の大泉水護岸の修復など、六庭園で整備を進めてまいります。
 また、清澄庭園の大正記念館等、集会施設やトイレなども、誰もが使いやすい施設として改修いたします。

○上野委員 来年度も世界をおもてなしする場として、文化財庭園の保存管理を進めていくということですが、私も以前見せていただきました浜離宮恩賜庭園では、昨年、燕の茶屋の復元が完了し、現在、四棟目となる茶屋の復元に向けて取り組んでいると聞いております。
 そこで、今後の鷹の茶屋の復元の予定についてお尋ねします。

○五十嵐公園緑地部長 浜離宮恩賜庭園では、戦災等で焼失した茶屋群の復元を進めており、中島の茶屋、松の茶屋に続き、昨年春には燕の茶屋の復元が完了いたしました。
 現在、将軍がタカ狩りに来た際の休息所として利用した鷹の茶屋の復元を進めております。
 平成二十八年度は、文化財保護法に規定する手続を経て、秋には工事に着手する予定であり、平成二十九年度の完成を目指しております。

○上野委員 写真でしか見ることのできなかった当時の庭園の姿がよみがえりつつあり、大変喜ばしいことであります。
 また、浜離宮恩賜庭園では、二〇二〇年東京大会に向けて、延遼館の復元が進められており、大いに期待しているところであります。
 そこで、最後に、近代日本最初の迎賓施設であった延遼館の復元に向けた来年度の取り組みについてお尋ねします。

○五十嵐公園緑地部長 今年度は、現地にて遺構調査を行い、当時の図面とほぼ同じ位置に多数の礎石が残っていることを確認いたしました。こうした遺構調査の結果と写真等の解析を踏まえて基本設計を行っております。
 来年度は、迎賓のほか、日本の伝統文化の学習、体験の場とするなど、一般の来園者が利用できるよう、利活用について議論を深め、実施設計を進めてまいります。

○上野委員 以前、浜離宮恩賜庭園におきまして、生活文化局と東京都歴史文化財団が主催する東京大茶会、これの催しに私も出席をいたしました。
 そこでは、多くの来賓の中に各国の大使館の方々が来ておられました。お話しする場があったんですけれども、感想を聞いたところ、ワンダフルといわれるわけですね。すばらしいと。どこがすばらしいですかと聞いたら、背景は汐留の近代建築物がある。そうした背景のところにこのような日本庭園があると。まさに日本人の伝統文化を大切にされているということがよくわかりますよと。さらに、そういった近代的な建物とこういった伝統文化の庭園を調和して、実に見事だと、すばらしいという、これは本当に印象に残った言葉でございました。
 これからも浜離宮恩賜庭園を初めとする都立庭園において、国内外から訪れる多くの方々に日本の伝統文化を発信するため、着実に復元などを進めていただくことを期待いたします。
 また、多くの方々にこのすばらしい庭園を訪れていただき、安全、快適に見ていただくためには、バリアフリーにもぜひ配慮してもらいたいなと思っております。たまたま行ったときの入り口部分がずっと砂利で全面敷き詰められていまして、そこで和服の女性の方が、どうしてもがたがたして倒れそうになったりとか、あるいは障害者の方の車椅子なんかも、別にあるようですけれども、行きづらいという、高齢者の方も非常に歩きづらそうにされていました。
 文化財であることから、なかなか難しいとは思いますけれども、そういったこともさまざまな工夫で取り組んでいただければと要望いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。

○大島委員 私は、最初に道路整備問題でお伺いをいたします。
 現在、都市計画道路第四次事業化計画における優先整備路線の選定案が出されています。こうした都市計画道路は現在未着手で、今後事業化に向けて事業認可などの手続が必要となってきます。
 来年度の街路整備予算の中で、優先整備路線案として出されている都市計画道路の工事費及び用地費は幾らかお尋ねいたします。

○相場道路建設部長 平成二十八年度当初予算案の街路整備費では、第四次事業化計画の優先整備路線案に選定されている箇所といたしまして、工事費は計上しておらず、用地費のみ六億七千万円を計上しております。
 なお、平成二十八年度に用地費の予算を計上している路線は、全て第三次事業化計画におきまして優先整備路線として選定されており、これまでに事業化に向けた準備を進めてきた路線でございます。

○大島委員 工事費は計上していないといいますけれども、まだ事業認可の見通しもない路線で、用地買収を進めていくための予算が六億七千万円ついているということです。
 優先整備路線に指定されて、不安とか動揺とかを感じているという方は、住民の声も聞かずに、道路事業を強行する強権的な都の姿勢というふうに感じてしまうんではないでしょうか。
 以前、私、この委員会で、補助第九二号線、荒川区の西日暮里四丁目地区の問題で陳情審査を行ったときに、パネルを示して、皆さん方に地元の全ての町会と、それから住民の七割が反対署名などで反対意見を表明しているということを述べさせていただきました。パネルに赤く反対者のものを塗りつぶして見せたんですけれども、本当に真っ赤という感じで、地元に本当に大きな反対の声があるんだなということだというふうに思いました。
 この補助第九二号線というのは未着手路線で、まだ事業決定もされておりませんけれども、来年度予算で街路整備費が計上されているということになるわけですが、その理由及び予算額をお伺いいたします。

○相場道路建設部長 補助第九二号線につきましては、これまで事業化に向けた取り組みを行ってきたところであり、平成二十八年度に事業化された場合の予算として、用地費二億円を計上いたしております。

○大島委員 この九二号線については、第三次事業化計画でも指定されて選定されている路線ですので、そこに用地費をつけているということで、先ほどの答弁と一致するわけですが、全体で六億七千万円のうち二億円ついているということですから、三分の一が九二号線を進める上での用地買収費だというふうに誰もが見えてしまうというふうに思うんですね。
 昨年の十二月には、荒川区議会で九二号線に関する陳情というのが趣旨採択されました。しかも、都市計画道路の第四次事業化計画では、九二号線の道路拡幅の計画区間から西日暮里-上野区間の廃止路線というのも路線案ですけれども、決定しているんですね。
 今後は、道灌山通りが終点となってしまうわけです。そうすると、このところが逆にボトルネックになってしまいまして、王子方面の方から車で来ますと、ここが新たな渋滞が発生するということで、地元の方たちも非常に懸念があるということで、このことで荒川区で開かれた予算委員会の中でこの問題も取り上げられてきています。
 そもそも九二号線が第三次の優先整備路線に指定されたときの理由というのが、渋滞ポイントの解消と走行性の向上と地域のまちづくり支援、この三つだったんですね。地域のまちづくりといいながら、町会がそろって反対している。その上に、渋滞ポイントの解消とか走行性の向上についても、先ほど述べましたように貢献するどころか、逆行することにもなりかねないという懸念が地元区からも表明されたわけです。
 この道路整備が渋滞を新たにつくることにならないのか、走行性を妨げないのかを検証して、その結果を公表して、地元区や地元の町会、住民の皆さんの判断をまず仰ぐべきであると強く要望するものです。
 ちなみに、第四次事業化計画では、補助九二号線を優先整備路線に指定する根拠が安全ということになっていまして、交通の要素というのはいつの間にか消えているんですね。こうしたことを見ても、優先整備路線として強引に道路を進める根拠もころっと変わってしまうくらい不確かなものであるということも、この際指摘しておくものです。
 私は、事務事業質疑の中でも都市計画道路の問題を取り上げまして、都市計画道路の整備を進める上で、建設局としてどんなことを重視しているのですかと問いました。都は、道路整備事業を進めるに当たっては、地元の理解と協力を得ることが重要と考えており、丁寧な地元対応に努めると、こう答弁しました。
 しかし、事業認可されない中で予算計上していくということは、丁寧な地元対応とはいえないんじゃないでしょうか。いかがですか。

○相場道路建設部長 補助第九二号線につきましては、地元の方々にさまざまな意見があることを承知しており、事業反対という意見がある一方、事業の促進要望や早期に用地をしてほしいという意見もございます。
 都は、事業着手に向けた地元住民説明会を今年度開催しており、平成二十八年度中に事業化した場合に必要となる予算を計上したものでございます。平成二十七年六月及び七月に事業及び測量説明会を行った後、荒川区では地元町会の要請があり、平成二十七年九月及び十二月に改めて説明会を行いました。
 さらに、説明会後にも個別のお問い合わせに対し、それぞれお答えしているところでございます。

○大島委員 地元で説明会を開いていただくということは非常にいいことだというふうに思うんですけれども、実はこの都が開いた地元の説明会の中でも、同席した荒川区の担当者から、強引に計画推進しないように都に働きかけていきますという答弁もされたと聞いているんですね。こうした声は都に届いているんですか。お聞きしたいと思います。

○相場道路建設部長 事業反対の声が上がる一方、事業の促進要望や用地の早期買い取りの要望もいただいております。
 昨年度、事業着手を前提に説明会を開催しており、平成二十八年度に事業認可を申請した場合を考慮いたしますと、予算要望を行うことは都として必要な手続だと考えております。

○大島委員 ということは、荒川区の方から、この説明会の中でこのことについては東京都の方に要望しますよと住民の皆さんにお話ししているわけですよね。その声は東京都に届いていないということなんですね。
 確かに反対の声だけじゃなくて、推進の声もありますよというのは、両方あるというのはわかりますけれども、荒川区の職員の方が説明会に立ち会って、住民の皆さんの質疑応答の中でこういう話をしているんですから、少なくとも東京都の方にその声が届いていると私は思っていたんですね。そういう点でいえば非常に残念だと思います。
 東京都は、私の事務事業質疑の答弁の中で、道路整備に当たりましては地元の理解と協力を得ることが重要だと、こういっているんです。それならば、地元住民の声に耳を傾けて、強引に計画を進めるという対応はすべきではありません。
 昨年三月に、防災のためといって、木密地域における特定整備路線二十八路線の全てが事業認可されまして、建設局では十八路線三十一カ所の事業化を進めています。
 来年度予算では、六百八十九億円余が計上され、今年度の一・六倍の予算となっています。しかし、特定整備路線の道路整備等で住民合意ができないために、測量や境界確定ができず、用地取得が進まないところもあります。
 最終補正予算の意見でも私は述べましたけれども、結局、予算はつけても、多額の執行残になってしまいます。しかも、国が事業認可の根拠といたしました七十年も前の都市計画決定は、決定時に現行の都市計画法にある公聴会などの住民意見を聞く機会もないままに決定されたものであり、今、四千二百六十二人もの住民が行政不服審査請求を国に上げているという状況です。
 住民の反対が多く、住民合意が進まない路線も数多くあります。
 例えば補助八一号線、これは豊島区巣鴨五丁目から北区の西が原三丁目の路線なんですけれども、ここでは、住民説明会の中で個々に道路が必要かという疑問や、暮らしはどうなるのかという意見が出され、道路に賛成という意見はなくて、民意を大事にしてほしいという意見があったと聞いています。
 住民との合意を得るために、具体的にどのような取り組みを行っているのかお伺いいたします。

○東野道路計画担当部長 補助第八一号線巣鴨地区を含めまして、特定整備路線の整備に当たりましては、事業認可申請以前から事業概要や測量の説明会を開催し、その後も個別の要望にきめ細かく対応するなど、事業の必要性や進め方を住民に説明しております。
 さらに、事業化後は、民間事業者を活用した相談窓口を開設いたしまして、関係権利者の生活再建に対してきめ細やかにサポートをしております。
 今後とも、関係権利者の生活再建に十分配慮し、理解と協力を得ながら、特定整備路線の整備を推進してまいります。

○大島委員 住民説明会といっても、ほとんどの場合、一回もしくは二回程度で、住民からの質問時間というのも十分にとられていなくて、質問が相次いでも、終了時刻を理由に打ち切られているとか、こういったこともあるわけです。
 しかも、以前我が党が指摘しましたけれども、品川区の補助二八号線は、都のシミュレーションでも延焼遮断効果は働かず突破され、道路の反対側に火が燃え広がる地点が何カ所もあったにもかかわらず、説明会においては延焼突破の事実は知らされず、時間がないから代表的なポイントだけを示したということを口実にして、延焼効果が働いた地点のシミュレーションだけが選ばれて紹介をされています。延焼を防げることがはっきりしましたなどと、事実と異なる説明も行われていました。住民の理解と納得が得られるような説明会にすべきです。
 相談窓口を開設して、個別の相談に乗るというのは、他の都市計画道路事業などではないと聞いておりますが、特定整備路線に限らず、道路建設事業を進める上で、住民との合意を得るための取り組みはどのように行っているのか、お伺いをいたします。

○相場道路建設部長 都は、道路整備の事業化に先立ち住民説明会を開催し、都市計画道路の概要や事業の進め方などについて説明を行っております。
 また、住民説明会では、道路整備のさまざまな効果や実際の整備事例などに関する、わかりやすい資料を作成して説明するとともに、質問にも丁寧に対応しており、事業への理解を深めていただけるよう努めております。さらに、説明会後にも個別の問い合わせに対しそれぞれお答えしております。
 今後とも、住民の理解と協力が得られるよう努め、真に必要な道路の整備を推進してまいります。

○大島委員 ぜひ丁寧に対応していただきたいと思います。
 優先整備路線や特定整備路線に指定をして、十年間で大体事業を完成させるという強引な整備方針を一方的に住民に押しつけるというやり方では、住民の理解と納得を得ることはできないということを重ねて述べておきたいと思います。ぜひ住民の声に耳を傾けて対応していただくことを強く求めておきます。
 次に、交通渋滞解消策についてお伺いをいたします。
 都は、東京の慢性的な道路渋滞解消を理由の一つとして、三環状道路や都市の骨格を形成する幹線道路ネットワークの整備、これを推進しています。
 地域住民の反対もある中、こうした道路建設を強引に推し進めるのではなく、交通渋滞を解消するために、既存の道路を活用し、渋滞を解消する対策を強化することが求められています。
 こうした渋滞解消策として、都は第三次交差点すいすいプランなどの交差点改良やハイパースムーズ作戦、車両停車帯、いわゆるバスベイの整備などに取り組んでいます。
 これまでの交差点すいすいプランによる交差点改良箇所数と整備効果についてお伺いをいたします。

○川合道路保全担当部長 交通渋滞を解消するためには、幹線道路などの整備により、道路ネットワークを形成するとともに、局所的な各種の渋滞対策事業を進めることが重要でございます。
 交差点すいすいプランは、片側一車線の道路において右折車線を設置し、右折待ち車両による渋滞を緩和することを目的とした局所的な渋滞対策でございます。
 本プランは、平成六年度から事業を進めており、これまでに百十カ所が完成または一部完成し、例えば八王子市内の秋川街道の交差点では、通過時間が最大十三分短縮されるなど大きな効果が出ております。

○大島委員 私も、第三次すいすいプランというのを拝見させていただきました。これですよね。ここの中には、整備効果があるという事例として、秋川街道、上川橋交差点で十三分十一秒、小金井街道の前原坂上交差点で十二分十六秒と示されておりますが、事業全体の効果については実は書かれていないんですね。
 交差点すいすいプランというのは、整備効果の高い事業であると私も認識しておりますが、これまで百十カ所も整備しているのに、整備効果が大きく出ているところは載せるけれども、効果のないところや少ないところについてはあえて記載していないのかなというふうに考えてしまうんですね。全体の効果についての検証がされていないのではないかと考えてしまいます。
 同じ渋滞解消策として、後から紹介もいたしますけれども、信号をより通しやすくするハイパースムーズ作戦、これは青少年治安対策本部と警視庁などによって取り組まれております。
 これがそうなんですけれども、そこでは事業期間が八年間なんですね。そのうち四年間過ぎたというところで、中間のまとめという冊子、これは二三ページにもなりますけれども、出しています。
 これを読みますと、路線ごとに実施する前と後での時間短縮効果、渋滞の長さの変化、こういったものがまとめられておりまして、全体でもピーク時の通過時間が一二・三%減ったことが明らかにされています。既に三百億円以上の資金を投入して進めてきたすいすいプランの事業なんですから、ぜひこのくらいは建設局としても行っていただきたいというふうに要望しているものです。
 第三次すいすいプラン、これの冒頭に、策定に当たってはという項があるんですけれども、そこには今後十カ年で整備する箇所を示すとともに、効果検証を実施し、着実な事業の推進に資すると書かれているんです。
 今後、この事業を進めていくに当たっては、整備効果を適切に把握し、都民にPRするように努めていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。

○川合道路保全担当部長 これまで整備効果の測定調査は、代表的な整備箇所において行っております。
 先ほどご意見の中でありましたけれども、八王子市内の交差点、それから小金井街道の交差点など、代表的な箇所において実施しているところでございます。
 今後とも、事業を進めるに当たっては、整備効果を適切に把握し、広く周知することで、都民の理解と協力を得られるよう努めてまいります。

○大島委員 ぜひよろしくお願いします。
 これまでのすいすいプランによる整備で計画された百六十二カ所のうち百十カ所で右折車線の整備などが行われ、二〇一五年度から十年間の第三次すいすいプランでは、継続で四十三カ所、新規箇所は三十三カ所、合計七十六カ所を整備対象とし、総事業費は約三百九十億円、来年度予算では五十七億円余が計上されています。
 二〇一二年度と一三年度の二年にわたる交通実態調査により、いまだ渋滞している交差点の通過時間や渋滞原因、こういったものを確認し、新規箇所の選定基準では、交差点を通過する時間が二分以上の交差点となっています。
 第三次交差点すいすいプランで、新規整備箇所が区部で少ないのはなぜでしょうか。

○川合道路保全担当部長 新規整備箇所につきましては、現況調査を実施し、交差点通過時間などの条件から三十三カ所を選定しており、そのうち区部が三カ所、多摩地域が三十カ所となっております。

○大島委員 今回整備対象となっていない区部の交差点でも、朝夕の渋滞解消を望む声も非常に高いんですね。ぜひ現況調査などを行って、渋滞解消に取り組んでいただきたいと思います。
 既に整備されている道路をうまく利用して、車の流れをスムーズにする渋滞対策事業としての先ほど紹介しましたハイパースムーズ作戦、これは二〇〇八年度から八年間の事業として、東京都と警視庁、東京国道事務所の連携で行われています。
 東京都が行っているハイパースムーズ作戦や車両停車帯、いわゆるバスベイ、この整備について取り組み状況をお伺いいたします。

○川合道路保全担当部長 ハイパースムーズ作戦につきましては、青少年治安対策本部を初め警視庁などの各局が連携して渋滞対策事業を行っており、建設局におきましては、右左折車線の設置、延伸などを行っております。
 バスベイの整備は、新たに用地取得が必要となることから、地元の理解と協力が得られる箇所について実施しており、平成二十八年度は一カ所を整備する予定でございます。
 また、都市計画道路の整備など、道路を新設、拡幅する際にも、積極的にバスベイの整備を行っており、首都東京の渋滞解消を図る上で大きな効果を上げております。

○大島委員 ハイパースムーズ作戦では、私の住む足立区でも、日光街道、環七通り、墨堤通りなどで路線区間を特定して対策を実施し、効果を上げています。私も車で行くと、ああ、こことまれるようになったなと感じるんですね。
 建設局が独自に行っているバスベイというのは、路線バス専用の停車帯がない場合に、その停留所にバスが停車するということで、交通渋滞が発生することを解消しようという取り組みですけれども、バスベイが整備されても、そこに乗用車が違法駐車したり、バスベイをつくることで歩道が狭くなるということもあるなど、なかなか困難な事業だというふうに思っています。
 今年度予算は一カ所で四千万円だったんですが、来年度予算は一カ所で一千三百万円と減額もされてしまいました。実際には、道路の新設、拡幅の際に整備していくということも必要ですが、道路新設によらずに渋滞解消につながる事業でありますので、しっかりと進めていただくことを要望し、質問を終わります。

○田中(健)委員 私からは、自転車走行空間の整備また横断歩道橋について、二点を質問したいと思います。
 東京都は、自転車で回遊できる東京を目指し、さまざまな取り組みを今行っているところであります。
 平成二十四年度に自転車走行空間整備推進計画を定めるとともに、平成二十六年度に策定しました東京都長期ビジョンにおいては、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会までに、都道などで二百六十四キロの自転車走行空間を確保することとしております。
 そこで、平成二十八年度の自転車走行空間の整備の取り組みについてまず伺います。

○川合道路保全担当部長 都は、推進計画に基づき整備を進めており、平成二十七年度末までに約百五十二キロメートルの自転車走行空間の完成を見込んでおります。
 平成二十八年度は、葛飾区の平和橋通りや小金井市の東八道路等において、自転車レーンなど約十八キロメートルを整備いたします。

○田中(健)委員 東京都は、これまで車道を活用した自転車レーン、また、既存の広い歩道で歩行者と自転車の通行部分を植樹等により分離する構造的な分離、また、カラー舗装、青い舗装をよく見かけますが、視覚的分離やスポーツやレクリエーション等に資する自転車歩行者専用道路の自転車歩行空間をこれまで整備してきたところであります。
 その中でも、やはり都内を自転車で安全に回遊できるようにするには、その中の車道を活用した自転車レーンの整備というのが欠かせないと考えております。誰もがそう思うことでありますが、なかなかこの計画の中でもいまだ整備の延長も少なく、その中では課題も多いということも聞いております。
 そこで、自転車レーンの整備における課題とその対応について伺います。

○川合道路保全担当部長 自転車レーンは、限られた車道幅員の中で、歩行者などと分離された自転車走行空間を確保できる有効な整備手法でございます。
 一方で、自転車レーン上に違法駐車車両がある場合は、自転車走行の障害となるなどの課題がございます。このため、警視庁と連携し、違法駐車車両の取り締まりを強化するなどの対応を行っております。

○田中(健)委員 確かに自転車レーンをつくっていただいていても、そこに駐停車しておりますと、結局、そこを通っていても、また車の横を通って大変に危ないという声も聞きますし、また特に朝の通勤時などかなり自転車が多いときは、自動車に乗って運転している方はわかると思うんですが、大変に危ないという思いをしたことがあるかと思います。
 自転車レーン、なかなか進まないというのは、そういうところに現状があるということもお聞きしましたので、警視庁と連携して、駐停車も許さないというような強化をぜひ進めていってほしいと思っております。
 その一方で、都は、国道、都道、区市の道路、区別なく自転車の推奨ルートを設定して、国や区市町村と自転車の走行空間のネットワーク化を図る取り組みを進めるとともに、財政的な補助により、区市の整備の支援もしております。
 そこで、自転車推奨ルートの考え方と平成二十八年度の区市への補助についてを伺います。

○川合道路保全担当部長 都は、昨年四月、国や区市等と連携して、二〇二〇年東京大会会場や主要な観光地の周辺七地区において約二百キロメートルの自転車推奨ルートを設定し、自転車利用の安全性や回遊性の向上に取り組んでおります。
 加えまして、区市道での整備を促進するため、今年度から財政面での支援を行っており、平成二十八年度は、大田区など七区市に対し約七千五百万円を補助いたします。

○田中(健)委員 七区市に対して補助を行うとの答弁がありましたが、その中で大田区を挙げていただきましたので、大田区において具体的にどのような自転車の推奨ルートが設定されたのか伺います。

○川合道路保全担当部長 大田区内では、二〇二〇年東京大会のホッケー競技予定会場であります大井ふ頭中央海浜公園の周辺において、第一京浜や環七通りのほか、大森海岸通りなどの区道、さらには隣接する品川区道などをネットワーク化し、自転車で安全に回遊できるよう推奨ルートとして設定しております。

○田中(健)委員 大井ふ頭の中央海浜公園の付近には、東京都の野鳥公園もありまして、その少し先には城南の海浜公園等もあります。また、大田市場もあり、さまざまな都の資源があります。それらの公園までの自転車の走行空間がネットワーク化されれば、より自転車の活用にもつながると考えます。
 特に、海浜部にある公園や、また、それらの施設は、アクセスが悪く、駅からも歩いていきづらいと。また、現在では、自転車で行こうとしても、第一京浜を含めどうしてもあちらの方にはトラックや物流の基地が多く、なかなか、今は安全に子供を連れていこうとか、また自転車で行こうというような状況にありません。
 ぜひとも今回、まず第一として、ホッケー競技場の大井ふ頭の中央海浜公園の周辺に整備を進めるということでありますので、ぜひ将来を見越してのネットワーク化を進めていただければと思っております。
 また、自転車の推奨ルートには、自転車のシェアリングのセッションの位置等からも選定をされているということでありまして、実際、七地区の中では自転車のシェアリングが始まっているところもあります。
 先日、都のまとめで千代田区、中央区、港区、江東区、四区のシェアサイクル事業で、二月の利用回数が前月期の二一%増と。六万五千七百二十回にも上がったという報告がありました。
 これは、さらに区を超えての自転車を返却できる相互の利用というのもさらに一割ふえまして、八千六百八十八回ということがわかりました。一カ月でこれだけの取り組みが進んでいるということでありますので、ぜひとも今後、自転車の推奨ルートの整備に当たっては、自転車のシェアリングとの相乗効果も期待できると考えますので、ぜひ連携を図ってほしいと思っております。
 今例に挙げてもらいました大田区は、まだ自転車シェアリングが始まっておりませんで、この整備のところだけではどうしても限界がありますし、広がりがありません。そこから品川区、さらには港区、そして中央区、江東区とずっと沿岸通りが自転車でつながるようなこれから整備を要望したいと思っております。
 引き続きまして、横断歩道橋についてお伺いをいたします。
 都内に設置されている横断歩道橋でありますが、都が管理する横断歩道橋は、高度経済成長期に自動車交通の円滑化と歩行者の安全を確保するために、歩車分離という考え方で緊急に設置がされまして、これまで一定の役割を果たしてきたとは思っております。
 そこで、現在都が管理をしている横断歩道橋の管理状況について伺います。

○川合道路保全担当部長 建設局が管理する横断歩道橋は、昭和四十年代に集中的に整備し、歩行者の安全確保と自動車交通の円滑化に寄与しております。
 現在、都では約六百橋の横断歩道橋を管理し、常時良好な状態に保つため、日常点検や五年に一度の定期点検などで管理状況を把握し、速やかに維持補修を実施しております。

○田中(健)委員 今、四十年代に多く整備されたということで、私も調べてみますと、三十年代から整備が進みまして、三十年代が二十三カ所、四十年代が五百四十カ所、五十年代が五十七カ所、六十年代が三十一カ所と、実に今ある横断歩道橋の九割が四十年代にできたということであります。
 そのときと今の東京の現状がやはり違うのは、いつ起こるかわからない、先ほど多くの先生が触れておりましたが、首都直下型地震であります。
 横断歩道橋というのは、主要の幹線道路や震災時の緊急の輸送道路となる路線に多く設置をされております。その中で、構造や現状をなかなか都民の方が知らないというのもありまして、一般的に地震があったときに、横断歩道橋が倒壊をして道を塞ぐんじゃないかといったような心配する声を聞くこともあります。
 そこで、横断歩道橋の地震時の安全性について問題がないのかというのをお伺いいたします。

○川合道路保全担当部長 横断歩道橋は、一般の橋と比較しても橋の重さが軽く、地震時の荷重よりも大きな風荷重で設計しているため、地震に対して強度的に余裕がございます。
 さらに、落橋防止装置を設置していることから、地震時において落下に至るような大きな被害はないと考えております。
 また、阪神・淡路大震災や東日本大震災におきましても、横断歩道橋が道路に落下するような大きな被害は発生しておりません。

○田中(健)委員 安全性を確認させていただきまして、なかなか私も自信を持っていなかったのが、今回の話を聞きまして、自信を持って都民の皆さんにも説明できることと思いますので、ありがとうございます。
 それで、最後になりますが、都が管理をする横断歩道橋というのは、設置後、先ほどありました五十年以上が経過をしておりまして、地域のニーズというのも変化してきていると思います。
 既存の歩道橋は、地元が要望して設置をしたものもある中で、逆に利用者が現在減少している歩道橋もありまして、平成二十六年一月には原宿の駅前にあった表参道の歩道橋を都としては撤去しております。
 そこで、現在までに歩道橋を撤去した実績と横断歩道橋の取り扱いについて、都の所見を伺います。

○川合道路保全担当部長 利用者が少ない、歩道橋と隣接して横断歩道が設置されている、通学路の指定がないなどの条件を満たした歩道橋につきましては、交通管理者との調整の上、地元の合意が得られたものを撤去いたします。
 これまで平成十年から現在に至るまで、八十六橋を撤去した実績がございます。
 今後も必要な横断歩道橋は健全に維持管理するとともに、撤去する場合には交通管理者や地元と調整し対応してまいります。

○田中(健)委員 階段というのは、段差が大きく、高齢者や障害のある方にとっては大きなバリアとなることもあって、現在の高齢化社会の進行においては、横断歩道橋の撤去というのはバリアフリーの観点からも時代の流れかとも思います。
 一方で、横断に長い時間を要する幅の広い道路も東京には多く、高齢者や小さな子供連れの人が安心して横断できる安全性の確保というのも一方では必要かと考えております。
 先ほど交通管理者、警視庁とも話し合いを進めながら、この取り扱いを進めているということでありますので、ぜひとも安全性の確保を第一にして、地域のニーズに合った管理運営、または撤去というのを進めてほしいということを要望しまして、質問を終わります。

○西崎委員 私からも、自転車走行空間整備について伺いたいと思います。
 自転車は、子供から高齢者まで幅広い年齢層に、日々の通勤通学や買い物など手軽に利用される交通手段です。
 また、地球温暖化等環境問題に対する意識が高まる中、環境への負荷が小さい交通手段として見直されました。
 さらに、健康にもよい乗り物であることから、週末になるとレクリエーションを兼ねて、自転車でサイクリングに出かける人たちも見かけます。しかし、そのときにいわれるのが、自転車のための道路整備が余りされていないということです。
 そこで、都における自転車走行空間の整備の考え方についてお聞かせください。

○川合道路保全担当部長 自転車は、都市内の有効な交通手段の一つであり、歩行者、自転車、自動車それぞれの安全・安心を確保しながら、自転車走行空間の整備を進めることが重要でございます。
 自転車走行空間の整備に当たっては、国のガイドラインなどに基づき、車道の活用を基本としつつ、自転車レーンや広い歩道内での構造的、視覚的分離など、道路構造や交通状況に応じた整備手法を選定しております。

○西崎委員 自転車走行空間が整備された道路は、これまでも私はいろんな自治体や海外でも見る機会がありましたけれども、数年前見ました台東区の浅草通りは、植栽により歩行者と自転車が分離されておりました。
 地下鉄の整備の関係上、ところどころ、部分的に整備されておりまして、自転車走行空間ができ上がっていなかったため、自転車利用の人にとっては大変通りづらそうでした。
 そこで、浅草通りの自転車走行空間の整備の進捗状況について伺います。

○川合道路保全担当部長 浅草通りのうち、上野から浅草までの延長約一・六キロメートルの区間につきましては、自転車走行空間整備推進計画に基づき、広い歩道内での植栽帯による構造的分離により整備を進めており、今年度末完成の予定でございます。

○西崎委員 今年度末といいましても、あと二週間ぐらいだと思うんですけれども、四月にぜひもう一度見に行ってみたいと思いますけれども、全部が整備されれば、自転車の走行空間も良好になると思います。
 ここの道路は、私も写真を撮ってきたんですけれども、絵文字の通行案内標識が設置されており、なおかつ道路の色彩も落ちついていて、とてもいい印象でした。このような整備がほかの道路でも進むといいのですが、まだまだごく限られた道路だけのようです。
 浅草通りは、広い歩道内での構造的分離ということですけれども、先ほどの答弁でもありました車道を活用した自転車レーンの整備の考え方について伺いたいと思います。

○川合道路保全担当部長 自転車レーンは、車道の左側に普通自転車専用通行帯の交通規制を実施し、車道標識等により、自転車走行空間を明確にするものでございます。幅員一・五メーター以上を確保することを原則としており、都道におきましては、渋谷区の旧玉川水道道路や葛飾区の平和橋通り等で整備を行っております。

○西崎委員 都が多様な整備手法を用いて自転車走行空間を整備していることはわかりました。
 しかし、先ほど田中委員が大田区ということでよかったと思うんですけれども、私の地元世田谷では、道路を新たに整備して、歩道も広々と確保したにもかかわらず、車道の左端を青く着色しただけで、その幅が自転車の走行位置を示して、自転車の幅にも足らないところがありまして、大変細くて、悪い例でテレビで紹介されたことがありました。
 今後、自転車走行空間のネットワーク化を図る際には、自転車利用者にとって安全でわかりやすく利用しやすい自転車走行空間となるよう、区市等と連携を図っていただくことを要望したいと思います。
 それから、自転車レーンの整備に当たっては、ぜひ都の職員の方にもそういった場所を自転車で走っていただきたいなというふうに思うんですけれども、イギリスだったか海外で大臣が自転車で通勤なさって、自転車道を走ってどこが問題かというのを、国土交通省の方も走って、有名な職員の方がいらっしゃるというお話ですので、ぜひ職員の方も走ってみて、問題を見つけていただきたいと思います。
 次に、公園の樹木について伺いたいと思います。
 阪神・淡路大震災のときに、神戸市の公園で樹木が延焼を防いだという話を以前も伺い、この委員会でもご紹介したと思います。
 樹木の中でも、タブノキやシイノキなどの常緑広葉樹は火災に強いといわれております。公園の樹木には、公園の景観を豊かにしたり、生物多様性を保全したり、さまざまな機能が期待されると思いますけれども、避難所に指定されている公園に災害に強い樹木を植えれば、防災機能を高める上で有効だと考えます。
 そこで、都立公園において植栽する樹木をどのように選んでいらっしゃるのかお聞かせください。

○五十嵐公園緑地部長 公園における樹木は、延焼遮断だけでなく、緑陰の確保や修景、観賞、大気浄化等の環境保全、生態系保全などの多様な機能を持っております。
 このため、都立公園に植栽する樹木は、既存植生の保全、利用を検討した上で、植栽の目的、機能並びに土壌や気候等の条件を総合的に考慮して選んでおります。
 例えば世田谷区内にございます避難場所に指定された砧公園のうち、環状八号線等に面した箇所は、騒音緩和等の環境保全を図るとともに、火災の延焼や輻射熱を遮断し、避難場所としての機能を向上させるため、クスノキやマテバシイなどの常緑広葉樹を中心に植栽し、その中に季節感を感じられる紅葉の美しい落葉広葉樹を混在させております。

○西崎委員 都立公園で、また身近な世田谷の砧公園でそういった防災機能の向上も考慮しながら、植栽を行っているということはわかりました。
 今後も火災に強い樹木を植えることで、防災公園の機能を高めていくことを要望しておきます。
 次に、街路樹について伺います。
 街路樹についても、延焼を遮断するなど、防災機能が期待されると思います。一方、大きな街路樹が倒れれば、避難者や緊急車両などが通行できなくなるおそれがあります。このため、大震災時に倒木することがないよう、災害に強い街路樹を目指す必要があります。
 そこで、街路樹の防災機能強化に向けた都の取り組みについて、その内容と実施状況について伺いたいと思います。

○五十嵐公園緑地部長 都は、平成二十四年度から街路樹の倒木により避難や救援活動等に支障を来すことのないよう、環状七号線など防災上重要な三十八路線を対象に、大径木再生大作戦として、集中的に樹勢回復や、それが難しい場合に植えかえを実施しております。
 具体的には、幹回り九十センチメートル以上の全ての大径木について、地下の根株部分に腐朽がないかも含め、樹木医が健全性を診断する街路樹防災診断を行い、その結果に基づいて植えかえなどの設計工事を行うものでございます。
 平成二十七年度は、世田谷区の区間を含む環状八号線約四・八キロメートルで設計を行うなど、十六路線で診断、設計、工事の事業を実施しております。
 平成二十八年度も新たに新大橋通りで診断に着手するなど、引き続き街路樹の防災機能強化に取り組んでまいります。

○西崎委員 防災上重要な路線について、倒木を防ぐ取り組みは重要であり、計画的に進めるよう要望いたします。
 東京のまちは、私、ほかの都市と比較して大変街路樹が多くてきれいだと思うんですけれども、地方都市に行きますと、高速道路からおりた一般道路はほとんど緑がなく、道路だけが整備されていて、殺伐とした感じがいたします。
 緑が豊かですと、まちの景観や印象も大きく変わってくるのではないでしょうか。街路樹は、防災機能だけではなく、都市の景観を向上させるとともに、木の陰をつくったり、騒音を軽減するなど、沿道の生活環境を保全するなど、都市において大切なものと考えます。
 こうしたさまざまな機能を街路樹が発揮するためには、倒木の防止だけではなく、健全に育成していくことが重要です。
 そこで、街路樹を健全に育成するため、どのように街路樹の管理を行っているのか伺います。

○五十嵐公園緑地部長 街路樹を健全に保ち、その機能を十分に発揮させるためには、適切な維持管理が必要でございます。
 そこで、樹形の骨格を形成し、姿形を整えるとともに、混み過ぎた枝を除去して、通風や採光を良好にすることにより、枝枯れや病気の発生、強風による枝の落下を防ぐために、樹種や樹木の生育状況に合わせた選定を行っております。
 また、不健全な街路樹を早期に発見し、樹木の破損や幹折れなどを防止するため、点検、調査を行い、樹勢の低下した樹木については、必要に応じて土壌改良による樹勢回復や伐採及び植えかえなどを行っております。
 都市における良好な景観の創出や環境の改善など、街路樹がその機能を十分に発揮できるよう、引き続き良好な維持管理に努めてまいります。

○西崎委員 街路樹の剪定や防災上重要な路線に限らず、樹木の健全性を信頼し、必要な対策をとっていることは今のお話でわかりました。
 街路樹は、水と緑のネットワークをつくっていく上でなくてはならないものです。街路樹が健全な状態を保つことができるよう、適切な管理をお願いいたしまして、私の質問を終わります。

○林田委員 初めに、市町村支援事業について伺います。
 多摩地域のさらなる発展を図るために、多摩南北道路等の幹線道路の整備を進めておりますが、一方で、地域のまちづくりを進める上で、効果のある都道を整備していくことも重要であります。
 新みちづくり・まちづくりパートナー事業は、都と市町村が連携協力し、地域に密接に関連した都道の整備を進めるもので、交通の円滑化はもとより、地域のまちづくりに大きく寄与するものと考えております。
 そこで、本事業の進捗状況についてまずお伺いいたします。

○相場道路建設部長 新みちづくり・まちづくりパートナー事業は、地域のまちづくりや公共施設への連絡など、地域にとって重要な役割を果たす都道のうち、地元市からの整備要望が強い事業化計画の優先整備路線以外の路線につきまして、平成二十一年度から二十七年度までを事業期間として、十一市十八路線で実施しております。
 これまでに七路線が完成しており、平成二十七年度末に完成予定の二路線を加え計九路線が完成いたします。
 残る事業中の九路線につきましては、平成二十七年度末で用地取得率が約九割となっております。

○林田委員 この事業は、地元市にとっても地域のまちづくりを支える上で重要な役割を果たしているため、昨年の本委員会で我が党の山田議員が、新たな計画としての事業継続について質問し、平成二十八年度以降の事業継続について検討するとの答弁をいただいております。
 先ほど用地取得率が約九割とのことでしたが、完成に向けては事業継続が必要となることから、平成二十八年度の予算編成に際しましては、我が党の復活要望を行い、その結果、予算案に盛り込まれたことは大変喜ばしいことだと思っております。
 そこで、今後の事業継続についてお伺いいたします。

○相場道路建設部長 事業中の残る九路線は、地域のまちづくりのためにも引き続き支援していくことが重要であります。そのため、平成二十八年度は現計画の事業期間を延伸することとし、関係市と連携の上、事業中路線の整備促進を図ってまいります。
 また、新たな路線についての要望もありますことから、地元市などの意向や事業効果、まちづくりとの整合等の調査を行ってまいります。
 これらの調査結果を踏まえ、事業中路線の継続も含め、新みちづくり・まちづくりパートナー事業の平成二十九年度からの事業計画策定に向けて検討してまいります。

○林田委員 この事業は、多摩地域のまちづくりを支援する上で大変重要であり、市長会からも事業中の路線を完成させることはもとより、新規路線採択を可能にした事業の継続を要望されております。
 このため、ぜひ平成二十九年度から新規路線も含めた次期事業計画を策定し、この事業を継続できるようにお願いいたします。
 次に、市町村土木補助事業の補助対象の拡充について伺います。
 市町村道は、国道や都道と一体となり、地域交通を支える重要な基盤施設であることは申し上げるまでもありません。
 都は、これまでも多摩・島しょ地域における、市町村道の新設や改良等の整備に対する補助を行うことで、地域の活力向上に大きく貢献していただいております。
 一方、台風や地震などの自然災害に備え、災害に強い地域を目指すには、道路整備だけではなく、既存の道路施設の老朽化対策も計画的に進める必要があります。
 市長会や町村会からも地域の防災性、安全性の向上のために、橋梁等の道路施設の老朽化対策を補助対象とするよう要望が出されております。
 私は、昨年十一月の環境・建設委員会で、市町村が計画的に老朽化対策を進めるためには、都が財政面から支援することが必要であり、補助対象となっていない橋梁やトンネル等の老朽化対策について、新設や改築とあわせ補助対象にすべきと求めました。
 これを受けまして、さきの予算特別委員会において、我が党の三宅正彦議員の質問に対して、建設局は新たに橋梁の長寿命化対策も市町村土木補助の対象に加えるとの答弁がありました。
 これは市町村への大きな助けになると思いますが、今回の補助の仕組みと補助対象についてお伺いいたします。

○相場道路建設部長 市町村が実施する老朽化対策は、国が策定を推進しております長寿命化修繕計画に基づき実施しており、橋梁につきましては、多くの市町村で計画を策定し、対策を行っております。
 そこで、交通の安全性を一層強化し、災害に強い道路ネットワークを構築するため、従来からの橋梁の新設及びかけかえの補助に加え、早期の対策を促すため、新たに老朽化対策である長寿命化につきましても補助対象といたします。
 補助の仕組みといたしましては、国庫補助の対象事業のうち、国費を除いた二分の一以内を都が補助することといたしました。これにより、市町村の財政的負担は全体事業費のおおむね四分の一となります。
 なお、橋梁以外の道路施設につきましては、修繕計画の策定に至っていない市町村が多く、今後は計画の策定を働きかけるとともに、技術的支援を行いながら、老朽化対策を推進してまいります。

○林田委員 橋梁の老朽化対策につきましては、国費と合わせて新たに都が補助することで、市町村の財政負担は大幅に軽減され、今後ますます必要とされる橋梁の老朽化対策の着実な推進に大きく役立つことが期待されます。
 ただし、国費と合わせての補助制度となることから、国費の確保にもしっかりと努めていただきたいと思います。
 また、多摩・島しょ地域の安全・安心な道路ネットワークの構築には、橋梁以外のトンネル等の道路施設についても着実に進めることが重要であります。
 まだトンネル等については、修繕計画が作成されていない市町村が多いとのことですので、市町村が計画を策定した場合には、トンネル等についてもぜひ補助対象として、都と市町村が一丸となって老朽化対策を推進されるよう、強く要望しておきます。
 次に、私の地元の話になりますけれども、西多摩地域の道路、橋梁の整備について伺います。
 まず、新五日市街道について伺っていきます。
 新五日市街道は、国道一六号の福生市内の武蔵野橋北交差点に接続しておりますが、国道一六号では、この武蔵野橋北交差点から昭島市内の小荷田交差点までの延長約一・七キロメートル区間で、四車線から六車線への拡幅工事が進められております。
 この工事は、平成二十八年度末の完成予定と聞いており、今後、新五日市街道の交通量も増加するものと予想されます。
 現在、新五日市街道のうち福生市内の区間は、現道が二車線であり、歩道が約一・五メートルと狭く、一部区間では片側にしか設置されておりません。
 夕方のピーク時には、国道一六号と武蔵野橋北交差点を先頭にして、最大で約九百メートルの渋滞が発生しているほか、歩行者や自転車が安心して通行できない状況にあります。
 また、慢性化しております渋滞を回避するため、周辺の生活道路が抜け道として使われており、安全・安心を求める地域住民から早期整備の声が寄せられております。こうした状況を抜本的に解消するためには、本区間の拡幅整備は不可欠であります。
 そこで、新五日市街道の福生区間における事業化に向けたこれまでの取り組みについてお伺いいたします。

○東野道路計画担当部長 新五日市街道は、多摩地域における東西方向の主要な幹線道路であり、人や物の流れの円滑化のみならず、災害時における物資輸送など、防災性の向上にも寄与する極めて重要な路線でございます。
 本路線のうち、福生市内の区間は国道一六号に接続するため、特に渋滞が激しく、良好な居住環境の確保による地域の安全・安心の観点からも早期整備が必要でございます。
 このため、道路幅員を二十八メートルとし、車道を四車線化するとともに、歩行者や自転車の安全で快適な通行空間を備えた道路とする都市計画変更に向けた地元説明会を平成二十六年十二月に都市整備局とともに開催いたしました。
 平成二十七年三月には、環境現況調査といたしまして、現在の騒音、振動や大気等に関する測定調査を開始し、本年二月に完了させました。

○林田委員 事業化に向けまして、都が着実に取り組んでいることがわかりました。地元では本当にありがたいと思っているところでございます。先ほど答弁がありました地元説明会では、住民から早期整備を求める声が多く出たと伺っており、一日も早く事業化されることが期待されます。
 そこで、今後の取り組みについてお伺いいたします。

○東野道路計画担当部長 今後につきましては、環境現況調査の結果に基づき、関係局と調整しながら、拡幅整備した場合の沿道環境の変化について予測、評価を行うとともに、対応策の検討を進め、平成二十八年度に環境アセスメントに関する地元説明会を開催する予定でございます。
 また、拡幅整備することによって、道路が横田基地の敷地にかかるほか、滑走路への進入灯などの米軍施設にも支障を来すことから、さらに設計を進め、米軍と調整を行ってまいります。
 引き続き、新五日市街道の早期事業化に向け、積極的に取り組んでまいります。

○林田委員 一年でも早く、一日でも早い早期実現化に向けてしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 また、現道の五日市街道には、横田基地への貨物線の踏切があり、運行は週に二、三回程度と極めて少ないにもかかわらず、踏切であるために自動車は全て一時停止するという渋滞の一因となっております。
 本来であれば、道路と鉄道の立体化が一番の解決策でありますが、列車が来ない場合には一時停止の必要はない、いわゆる踏切信号を設置することも有効な手段であると考えております。将来、拡幅の際には踏切信号についてもあわせて行っていただくよう強く要望いたします。
 次に、羽村大橋の整備について伺います。
 多摩川にかかる羽村大橋は、羽村市とあきる野市を結び、地域の連携を強化し、防災上も重要な橋梁でありますが、現在、下流橋のみの暫定併用となっており、歩道が片側のみで狭く、歩行者や自転車のすれ違いもままならない状況であります。
 私は、地元の強い要望を受けて、建設局に対し本橋の整備についてこれまでも何度も要望しており、昨年三月の当委員会では、私の質問に対し、今後の事業に着手するとの答弁をいただいております。
 本橋につながる福生三・四・一二号線は、羽村駅西口土地区画整理事業の区域内を通過することから、まちづくりと一体となって進めていく必要がありますが、この土地区画整理事業は、今年度、搬入路工事が行われることなど着実に進んでおります。
 そこで、羽村大橋の取り組み状況についてお伺いいたします。

○相場道路建設部長 平成二十七年度は、環境調査、希少動物の保全対策の検討及び羽村大橋と奥多摩街道との立体交差部の橋梁比較設計などを実施しております。
 また、土地区画整理事業者と調整し、本橋の整備に必要な道路用地を事業計画に位置づけるとともに、来週の二十四日から四日間にわたり、あきる野市及び羽村市におきまして事業説明会を開催し、事業に着手いたします。
 平成二十八年度は、引き続き環境調査や多摩川を渡る区間の橋梁比較設計などを行い、羽村市側におきまして工事用道路の整備に着手いたします。
 今後とも、関係機関との協議を進め、土地区画整理事業と調整を図りながら、早期の橋梁本体工事の着手に向け、積極的に取り組んでまいります。

○林田委員 私のこれまでの要望が実りまして、いよいよ地元説明会を開催する運びになったこと、心から感謝申し上げます。
 また、羽村大橋の工事に向けた準備が着実に進んでいることが確認できて、本当に心から感謝申し上げる次第でございます。
 引き続き、地元の理解を得るとともに、土地区画整理事業と連携しながら、着実に事業を進めていただくようお願いを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。

○田中(朝)委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後三時三分休憩

   午後三時二十分開議

○田中(朝)委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○吉倉委員 私から、道路建設事業並びに河川整備事業について何点か質問します。
 最初に、道路建設事業につきましては、都はこれまでも東京の最大の弱点である慢性的な交通渋滞を解消し、快適で利便性の高い都市を実現するために着実に道路建設を進めていることについて評価しております。
 特に都心の中枢の道路である環状四号線は、都市の骨格となる道路ネットワークを形成する上で重要な道路であります。この環状四号線は、外苑西通り、不忍通り、道灌山通り、明治通り、丸八通りといった名称で呼ばれており、現在、港区、文京区、荒川区、江東区などを通る幹線道路であります。
 そこで、この環状四号線の現在までの整備状況と、整備の必要性について伺います。

○相場道路建設部長 環状第四号線は、港区高輪三丁目から江東区新砂三丁目に至る全長約二十九キロメートルの路線でございます。
 そのうち、渋谷区千駄ヶ谷付近や江東区亀戸付近など、約十六キロメートルが完成し、文京区目白台付近など約三キロメートルが事業中で、残る約十キロメートルが未着手でございます。
 環状第四号線は、東京の道路ネットワークを形成する区部環状道路であり、その整備により、都心部における交通の円滑化、沿道の土地利用の促進、防災性の向上などが図られることから事業推進に取り組んでおります。

○吉倉委員 環状四号線の整備の必要性について答弁いただきました。私もそのとおりだと思っております。
 私の地元である新宿区では、河田町から富久町までの区間が環状四号線の事業中であり、さらに、早稲田通りから大久保通りまでの通称夏目坂通りといわれる区間については、平成二十七年十一月に事業概要及び測量説明会が実施され、現在測量が行われております。
 本区間の整備により沿道のまちづくりが大きく進むことが期待されておりますが、改めてこの整備効果について都の見解を伺います。

○相場道路建設部長 環状第四号線の夏目坂区間は、延長約七百メートルにつきまして、現道幅員約十一メートルを二十メートルに拡幅する事業でございます。
 本路線の整備におきまして、車線は現状と同じ二車線で、停車帯や自転車走行空間を確保し、さらに歩道も拡幅することにより、自動車交通を円滑化し、自転車や歩行者など地域の安全性を向上させます。
 また、延焼遮断帯や避難路としての機能が向上し、地域の防災性が高まります。
 さらに、電線類を地中化することにより、良好な都市景観の創出を図ってまいります。
 整備に当たりましては、歩道と車道の段差をなくすなど、バリアフリー化も図ってまいります。

○吉倉委員 答弁いただきましたが、本区間の整備を進めることにより、無電柱化が進み、地域の防災性の向上が図られる。また、バリアフリー化を進めることで都民生活の利便性が図られる。こうしたさまざまな効果が期待できる整備効果の高い事業だと考えております。
 そこで、今後のスケジュールについて伺います。

○相場道路建設部長 今年度末までに現況測量を完了し、平成二十八年度は用地測量を実施いたします。
 その後、事業認可を取得し、用地取得を進めるなど、事業を推進してまいります。

○吉倉委員 スケジュールはわかりましたが、今後の用地測量や用地取得に際して、住民の方々より先行きの生活不安や移転先の心配などを訴える声を聞いております。
 特に高齢者の移転先の確保や土地境界線の未確定、あるいは関係権利者からのさまざまな要望など、困難な課題があると思いますが、ぜひ住民の方々に対して丁寧な対応をお願いしたいというふうに思っております。
 改めて、今後の用地取得に向けた住民への対応について見解を伺います。

○相場道路建設部長 平成二十八年度に実施いたします用地測量では、地権者のお一人お一人に立ち会いをお願いする予定でございます。
 立ち会いの際には、土日を含め、個々の地権者のご都合に合わせた立ち会い日を設定するなど、きめ細やかに対応してまいります。また、事業の着手前でありましても、個々の事情に関する問い合わせにつきまして、可能な範囲で応じるなど、丁寧な地元対応を行ってまいります。
 このような取り組みを通し、今後とも住民の理解と協力を得ながら、環状第四号線、夏目坂の整備を推進してまいります。

○吉倉委員 ありがとうございます。答弁いただきましたが、引き続き、都の丁寧な地元対応をお願いしたいというふうに思っております。
 ところで、本区間の整備について、事実をねじ曲げて、いたずらに住民の方々の不安をあおる政党があります。一方的な仮説や決めつけでビラを作成して配布することは、公党としてまことに恥ずかしいことであり、厳に慎むべきであるというふうに考えております。
 今回の質疑を通して、整備の必要性を確認でき、都は住民の方々に丁寧に対応していくことがよくわかりました。地域の交通の安全性や防災性を向上させ、良好な景観の創出など、地域のまちづくりを推進、促進する本区間の整備は地元にとって極めて重要であり、早期の整備を強く要望しておきたいというふうに思います。
 次に、中小河川の豪雨対策について伺います。
 平成十七年九月の深夜、一時間当たり百十二ミリもの集中豪雨により、私の地元新宿区を流れる妙正寺川が氾濫しました。特に中野区との区境に近い北原橋の上流では、コンクリートでできた護岸が崩れ、付近の家屋が水につかるなど、大きな浸水被害が発生いたしました。私も現地で腰の上までずぶぬれになりながら、住民の方々の救援活動に取り組みました。
 都はこの集中豪雨の後、直ちに河川激甚災害対策特別緊急事業に着手をし、五年間という短期間で環七までの約四キロメートルの区間において河川改修事業を実施いたしました。この事業により、河川の安全性が飛躍的に向上するとともに、橋がかけかえられ、側道が整備され、快適な河川空間が生み出されたことを高く評価しております。
 平成十七年以降、妙正寺川で大規模な浸水被害は発生しておりませんが、市街地を流れる中小河川が氾濫すると、甚大な浸水被害が発生する危険性があります。こうした浸水被害から都民の安全を守るためには、都内の中小河川の整備を一日も早く進めることが極めて重要であります。
 そこでまず、区部を流れる中小河川の整備状況について伺います。

○三浦河川部長 都は、一時間に五十ミリの降雨に対処できるよう、区部を流れる神田川や石神井川など十四河川で護岸整備を行うこととしております。
 護岸の整備は、下流から順次上流に向けて進めていくことを基本としておりますが、用地取得などに長期間を要する区間におきましては、洪水の一部を貯留する調節池を整備し、調節池下流側の治水安全度を高めながら、上流の護岸整備を進めていくなど、効果的に整備を進めております。
 これらの取り組みによりまして、区部中小河川における時間五十ミリ降雨に対する護岸整備率は、平成二十七年度末で七四%、護岸整備率に調節池等の効果を含めました治水安全度達成率は八三%となる見込みでございます。

○吉倉委員 一時間に五十ミリの降雨に対応する整備の状況について、ご答弁いただきました。
 一方、近年では、地球温暖化などの影響ともいわれるように、一時間に五十ミリを超える集中豪雨が都内各地で頻発しております。こうした状況を踏まえ、都は、学識経験者などで構成される検討委員会を設置し、中小河川における今後の整備について検討を行っております。
 平成二十四年には、この委員会からの答申を踏まえ、目標整備水準をこれまでの五十ミリから引き上げるとともに、効果的な対策例として広域調節池の整備などが示されております。
 そこで改めて、新たな目標整備水準の達成に向けた整備の考え方について伺います。

○三浦河川部長 頻発する集中豪雨等に早期に対応するためには、河川整備を一層効率的、効果的に進めていく必要がございます。
 このため、平成二十四年に策定いたしました中小河川の整備方針では、時間五十ミリまでの対策は河道整備で、これを超える降雨には道路下や公園などの公共空間を活用した新たな調節池で対応することを基本としております。
 また、複数流域の調節池をトンネルで連結し、その容量を各流域間で相互に融通する広域調節池を整備することにより、時間百ミリの局地的かつ短時間の豪雨にも効果を発揮させてまいります。

○吉倉委員 新たな目標整備水準の達成に向けて、これまで進めてきた護岸整備の重要性や既存施設の活用など、新たな工夫がなされていることはよくわかりました。
 そこで、区部中小河川の平成二十八年度における取り組みについて伺います。

○三浦河川部長 区部中小河川における平成二十八年度の取り組みといたしまして、神田川や妙正寺川など、十二河川におきまして約〇・六キロメートルの護岸と、白子川地下調節池など四カ所の調節池の整備を実施いたします。
 加えて、レベルアップした目標整備水準に対応するため、神田川環状七号線地下調節池と白子川地下調節池を新たなトンネルで連結をする環状七号線地下広域調節池など、三カ所において整備を行ってまいります。
 今後とも、治水安全度の早期向上に向けて全力で河川整備に取り組んでまいります。

○吉倉委員 都の河川整備に取り組む意気込みがよくわかりました。
 今後とも、水害から都民の命と安全を守り、生活環境の一層の向上を図るために、河川整備事業の積極的な取り組みを要望して、質問を終わります。

○高橋委員 私からは、提出議案のうち、平成二十八年度当初予算案にあります連続立体交差事業についてお尋ねをいたします。
 連続立体交差事業は、踏切による交通渋滞の解消ばかりでなく、まちの一体感と地域の利便性を向上させる極めて効果の高い事業であります。
 私は、平成十四年度以来、議会や要請活動など、機会あるごとに西武新宿線の井荻駅から東伏見駅間の連続立体交差化について、その必要性を訴え、早期に実現されるよう都に強く要望してまいりました。
 先月の我が党の代表質問において、都はこの区間を社会資本総合整備計画に位置づけ、事業化に向けて一歩踏み出すと表明いたしました。このことは、上石神井駅周辺のまちづくりや、外環ノ2を後押ししてきたこれまでの取り組みが実ったものであり、地元の方々も大変喜んでおります。
 そこで、西武新宿線の井荻駅から東伏見駅間の取り組みについてお伺いをいたします。

○相場道路建設部長 西武新宿線井荻駅から東伏見駅間には、あかずの踏切が七カ所あり、都市計画道路が五カ所で交差するなど、鉄道立体化による踏切の解消が必要な区間であります。
 本区間と交差する外環ノ2や上石神井駅周辺地区のまちづくりにつきましては、先月、地元で説明会が開催されるなど、具体的に動き始めております。
 また、武蔵関駅におきましても、鉄道立体化を見据えたまちづくりが進められております。
 このことから、本区間を新規に着工を準備する区間として社会資本総合整備計画に位置づけることといたしました。
 今後、構造形式や施工方法の検討を進めるとともに、地元区市や鉄道事業者と連携し、事業化に向けて積極的に取り組んでまいります。

○高橋委員 西武新宿線の鉄道立体化に前向きに取り組むとの答弁をいただきました。事業化に向け、着実に歩みを進めていただけるよう大いに期待しております。
 さて、既に西武池袋線の練馬高野台駅から大泉学園駅間の高架化が完了しております。石神井公園駅付近では、踏切が解消されたことにより、南北の通行がしやすくなるとともに、高架下の新たな空間に商業施設や保育所などが開設されました。
 また、地域の消防団分団員の強い要望でありました消防団分団本部の施設も今後設置されることにもなりました。これらのような地域の利便性や安全性の高まりに地元の方々は大変喜んでおります。
 一方、石神井公園駅周辺であわせて行われている練馬区による補助一三二号線の整備では、用地取得が九割を超え、現在、下水道工事が行われております。
 さらに、補助二三二号線についても、南口駅前広場より東側の区間では同じく練馬区が事業を進めており、用地取得を終え、無電柱化の工事が進められています。駅前広場より西側の区間については、現在は事業が未着手でありますが、地域のまちづくりの話し合いが進められ、一部の地区では再開発準備組合が発足し、計画案の検討が行われております。
 このように、連続立体交差事業を契機として行われているこれらの事業についても、整備の促進が望まれております。
 さらにいえば、練馬区施行で行われている補助二三二号線の西側端部から外環ノ2までの区間は、東京における都市計画道路の整備方針、第四次事業化計画の案で、都施行による優先整備路線となっております。
 さきの当委員会で取り上げたとおり、外環ノ2の整備に当たっては、地元練馬区が策定したみどりの風吹くまちビジョンの趣旨を尊重し、例えば、外環ノ2と区道が接する箇所付近に緑を多く配置して緑の創出に努めるなど、区と連携しながら取り組むよう要望させていただきました。
 補助二三二号線と外環ノ2の接続は、都道と都道の接続であり、地域にとって大変重要な交差点になることは明白であります。この付近については、特に緑の創出に努めていただきますよう要望しておきます。
 このように西武池袋線の連続立体交差事業に合わせ、大きなまちづくりが着実に進んでおります。
 そこで、西武新宿線の井荻駅から東伏見駅間においても連続立体交差事業におくれることなく、地元区市も駅前広場を初めとした沿線のまちづくりに取り組むべきと考えますが、見解を伺います。

○相場道路建設部長 連続立体交差事業は、道路ネットワークの形成を促進するとともに、交通渋滞や地域分断を解消し、沿線のまちづくりにも資する極めて効果の高い事業であります。
 本事業とあわせ、駅前広場や関連する街路の整備など、地元区市のまちづくりを一体的に進めることで、道路と鉄道の交通結節機能が強化されるとともに、沿線地域の利便性、安全性が向上いたします。
 また、連続立体交差事業をより円滑に進めることができるなど、相乗的な効果が期待できます。
 今後、連続立体交差事業と一体的な沿線まちづくりの実現に向け、沿線区市と連携し、取り組んでまいります。

○高橋委員 連続立体交差事業と合わせてまちづくりに取り組むことが、連続立体交差事業の効果をより高めることがわかりました。
 西武新宿線の上石神井駅や武蔵関駅周辺においても、鉄道の立体化が引き金となって、まちづくりが大きく飛躍することが期待されます。西武新宿線の事業化に向けて、都としても全力で取り組まれることを強く要望いたします。
 さらに、西武池袋線の大泉学園駅から保谷駅間についても、地域の悲願である鉄道の立体化を改めて強く要望いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

○高椙委員 建設局の仕事の大きな柱でございます道路事業、その道路の維持管理について、関連して五つの質問をさせていただきます。
 まず最初に、横断歩道橋の撤去の考え方についてでございます。
 もとより道路は、都民の生活を支える身近な都市インフラであります。中でも横断歩道橋は、高度経済成長期に歩行者の安全対策を緊急に進めるために設置し、これまで一定の役割を果たしてまいりました。
 先ほど横断歩道橋に関する考え方について、委員会でやりとりもございましたが、確かに場所によっては利用者が減少している歩道橋がある一方で、例えば私の地元では、他に道路などを横断するすべがなく、将来にわたり、歩行者の安全確保のため、真に必要な歩道橋が存在いたしております。
 そこで、横断歩道橋の撤去に対する考え方について、改めて局の見解をお伺いします。

○川合道路保全担当部長 横断歩道橋につきましては、利用者が少ない、歩道橋と隣接して横断歩道が設置されている、通学路の指定がないなどの条件を満たす場合は、交通管理者と調整の上、地元の合意が得られたものを撤去しております。
 今後も、必要な歩道橋は健全に維持管理するとともに、撤去する場合には交通管理者や地元とよく調整し、対応してまいります。

○高椙委員 多摩は今やっと、南北道路を初めとして、交通インフラが整いつつあります。ネットワークが整いつつあります。
 そこにおいて、また国道、都道を交差する大きな交差点、また幅員の広い通学児童も通るような道路がございまして、そこでは今なお地元区から歩道橋の新たな改修だとか要望も出ております。そういった声もぜひとも今後とも聞いていただきたい。
 利用状況や周辺の環境などを把握して、本当に地元の意見をよく聞いて対応していただきたいと思っております。
 もう一つだけつけ加えますと、私がよく海外で経験したことなんでございますが、横断歩道の信号機がございます。それは、残りの時間を表示するような、遠くからでもよく見えるような大きな数字が減っていく、十、九、八、七、六というふうに残り時間がはっきりとわかるような横断歩道の信号があるんですね。
 今まさに高齢者もふえております。障害者の方も横断歩道を通るかもしれません。そうした横断歩道の信号についても、この際、また歩道橋と別に考えていただきたい、研究していただきたいとご要望をしておきます。
 次に、都道の歩道では、最近景観に配慮したインターロッキングブロック等のカラー舗装がよく見られますが、カラー舗装はどのような場所で実施しているのかお伺いしたいと思います。

○川合道路保全担当部長 都では、カラー舗装は駅周辺等、地域の顔としてまち並みの創造に歩道のカラー舗装が必要な道路、あるいは、景観や環境に配慮してまちづくりを行う必要のある地域の道路等で実施しております。

○高椙委員 カラー舗装では、壊れたところをアスファルトなどで補修している箇所があります。地元の住民からは、部分的に黒色となり、見ばえがよくないと聞いております。
 そこで、カラー舗装の補修についてどのように取り組んでいるのかお伺いしたいと思います。

○川合道路保全担当部長 インターロッキングブロック等のカラー舗装に破損等の異常が確認された際には、早期に安全な通行を確保する必要がございます。
 このため、すぐに材料の手配ができるアスファルトを用いて応急的に補修などを実施しております。その後、当該箇所の路面補修工事等に合わせて、同様のブロック等を用いて復旧しております。
 引き続き、誰もが安心して利用できる歩道舗装の保全に取り組んでまいります。

○高椙委員 通常の破損等による場合もございますでしょう。そして、まさに住宅建築等が近辺であった際に、下水道工事、それから水道工事が行われた後、インターロッキングブロックが部分的に取り壊されて、応急の補修というふうなこともあろうかと思うんです。
 その際には、私が思うには、その都度、またインターロッキングを直すというのは非常に経費がかかるので、それらを次の工事がいつなのかということを考えて、局の方も対応されているんだと思っております。
 ですが、住民として見れば、しっかりした素材を使って、しっかりともう一回きれいに直してほしいという要望も強く出ているわけでございます。そのことを考えますと、景観に配慮したカラー舗装も含め、歩道舗装の良好な保全に努めていただきたいと思います。よろしくお願いを申し上げます。
 こういった歩道等の保全とあわせて、道路をきれいに保つことというのはまちの魅力の向上につながると考えております。地域との連携についてお伺いしますが、道路管理における地域との連携について、次の質問に入らせてもらいます。
 まちの魅力を高めていくためには、行政が全てを担うのではなく、地域社会と共同して取り組んでいくことが重要であります。
 そこで、地域住民との協働による道路の管理について、どのような取り組みを行っているのかお伺いしたいと思います。

○今村道路管理部長 都は、道路利用のモラル向上と潤いのある公共空間の創出を目的として、地域住民などと連携し、道路の美化活動に取り組む東京ふれあいロード・プログラムを東京都道路整備保全公社の協力を得て、平成十五年度から実施しております。
 具体的には、学校や商店会、町内会、企業などの団体が都と協定を結び、ボランティアで歩道の清掃や植栽の手入れ、花壇づくりなどに取り組んでおります。
 現在、百四十八団体が参加しておりまして、道路に対する愛着を育むとともに、地域ニーズに即したきめ細やかな管理を行っております。

○高椙委員 道路は、あらゆる人にとって最も身近なインフラであることからも、地域住民みずから管理の一翼を担うことは非常に意義のある取り組みであります。
 加えて、学校や町内会といった団体が活動しております。教育の視点や地域交流の場としても有益であります。
 そこで、このような取り組みを今後さらに続けていくべきと考えますが、見解を伺います。

○今村道路管理部長 都はこれまで、参加団体の拡大を図るため、学校、商店会等に直接働きかけるとともに、都の窓口でのパンフレット配布、ホームページでの事業紹介などを通じて参加を募ってまいりました。
 また、希望する団体に対し、清掃用具や花の苗の購入費用の一部助成や団体名の入った表示板を設置し、活動をPRするなどの支援を行うとともに、顕著な功績のあった団体を表彰しております。
 今後とも、さまざまな機会を通じて、さらに多くの都民に参加していただけるよう努めてまいります。

○高椙委員 ぜひともこうした活動に地域の方々がより参加しやすくなるよう、積極的に支援していただくことを希望いたしておきます。
 私も、さきの一般質問で特別支援学校の生徒さんがそういった取り組みもしているというようなお話もさせてもらいました。これからも局の方も、こういう制度があるわけでございますから、これをより一層広めていただいて、地域の方々との連携を保っていただきたいと思っております。
 以上で質問を終わります。

○菅野委員 私からは、河川の洪水対策ということで、港区というと、河川といっても古川なんですけれども、改めて予算の審議に当たってお聞きしておきたいなと思いまして、ご質問させていただきます。
 昨年の九月に発生した関東・東北豪雨では、鬼怒川の堤防が決壊して甚大な被害が発生しました。線状降水帯という河川に沿って大きな雨雲が発生するといった現象が起きて、大変強い雨、豪雨がもたらしたことが大きな原因だということですが、近年都心とか都市部を中心に局地的な集中豪雨が頻発しておりまして、東京でもいつ、ゲリラ豪雨というか、そういうものが襲ってくるかわからない、そうした状況にあるといわれています。
 首都東京においては、人口や資産の集積、地下鉄や地下街など土地利用の高度化が進んだ結果、浸水に対するリスクが増大してきており、オリンピックやパラリンピックの開催に向けて、海外からのお客様なども安心してお迎えする対策としても、こうした治水対策はまさに重要であります。
 私の地元港区を流れる古川というのは、都心部を流れているんですが、非常に狭隘というか、幅もそれほど広くはないし、そういう中で蛇行しているというか、ちょうど港区の中はクランクのような状態で、蛇行しながら河川が通っていて、さらには、麻布十番のあたりからは、ほぼ東京湾の海水面と河川の水面が同じような感じになりますので、そういった影響も受けながら、過去においては平成十一年の八月に、これはまた、古川橋というのがちょっと麻布十番より上流にあるんですが、その古川橋周辺から大きく水があふれて、当時、結構低い道路のところでは、区道なんかでは本当に腰ぐらいまで雨水がたまって、歩いていた人がマンホールのふたがあいているのに気がつかないで、ちょっと落ちそうになって、本当は危なかったんですが、そういう状況までなったという非常に大変なことがありました。
 これはたまたま東京湾の満潮時と集中豪雨が重なったこともあったんですけれども、かなり至るところで上流部というか、全然河川と関係ない地域でも、古川があふれたことが原因で、上流部の下水管が全く流れない、逆流になってしまって水があふれるという、高台で洪水、床上浸水が起きたというような、そういった現象を引き起こしたのも私は記憶しております。その後、平成十六年十月に、これは台風の影響で、麻布十番駅のホーム内に水が冠水するというような、そういった大きな事故もございました。
 こうした古川の状況を改善し、より安全・安心なまちを築いていくために、東京都では平成二十年度より古川地下調節池の整備を行っています。
 そこでまず、改めてこの古川地下調節池の概要について伺いたいと思います。

○三浦河川部長 古川は水害の危険性が高いため、治水対策が急がれている河川でございます。
 しかしながら、ビルや首都高速道路の橋脚が護岸に接して建ち並び、河道の拡幅による河川整備が困難なことから、地下調節池により早期に対策を行うこととしております。
 古川地下調節池は、古川の地下約三十メートルに設置いたしますトンネル式の調節池でございます。トンネルは内径七・五メートル、延長三・三キロメートル、貯留量は十三万五千立方メートルとなっておりまして、小学校のプール約四百五十杯分に相当いたします。
 養老橋下流に洪水を取り入れるための取水施設、港区立一の橋公園内に貯留した水を河川へ戻すための排水施設を設置しております。

○菅野委員 沿川住民は、雨が降ると浸水被害をいつ受けるかもしれないというような不安をいつも抱えながら現在までは生活をしています。ただし、今いったような整備工事の状況が進んでいるというのが着々と皆さんのところにお伝えいただいているので、本当に一日も早く、供用開始というか、使えるようになることを心待ちにしているというふうに聞いていますし、感じています。
 そこで、現在までの整備状況、そして、平成二十八年度についてはどういった工事内容を実施していくのかを伺いたいと思います。

○三浦河川部長 古川地下調節池は、平成二十年度に都市計画決定を行うとともに、一の橋公園での立て坑工事に着手し、二十五年度には調節池本体トンネルと取水施設の土木施設工事が完了いたしました。
 現在、排水施設の土木工事や運用に必要な排水ポンプ等の設備工事及び取水施設管理棟などの建築工事を実施しておりまして、これらの施設が完了することにより、今年度末からの取水が可能となります。
 二十八年度は、換気設備、電気設備などの設備工事及び換気棟などの建築工事を行う予定でございます。複数の工事を並行して進め、二十八年度の施設完成を目指してまいります。

○菅野委員 こうした都心部での河川が直下での大規模な工事というのは、作業ヤードをとる場所もほとんどなくて、狭隘な敷地の中で大変困難が伴った工事だったと思われますが、これまで着実に整備を進めていただいて、工事も完了に向かっているということをお聞きしまして、特に今年度末からいよいよ取水ができる状況になっているということについては大いに評価をしていきたいと思います。
 来月には、地域住民を対象に見学会なども開いていただけるということも聞いています。あとは、一部の工事が今の説明でまだ残っているということですけれども、古川沿川の人たちにとっては今まで本当に心から願ってきた事業であります。特に入札不調というようなことも過去にございました。
 やはり今後も残りの工事についても、ぜひできるだけそういうことを十分考慮しながら、引き続き着実に整備を進めていただいて、水害から区民の生命、財産、都市機能を守る古川地下調節池の一刻も早い完成を切に要望して、質問とさせていただきます。

○こいそ委員 JR南武線連続立体交差事業の高架下利用についてからお聞きをさせていただきたいと思っております。
 高架下、いわゆる当該のJRの南武線だけじゃありませんけれども、とりわけここのところは、まず初めに、高架下の有効利用がさまざまな形でまちの活性化には当然つながっているわけでありまして、地元の方々もこの利用に大変期待をしているところであります。
 また私も、都がみずから利用できる空間の確保についても、これは必要ではないのかというようなことも質問させていただいた経緯がございます。
 そして昨年十一月の委員会では、稲城長沼駅から南多摩駅付近の第二期区間において、都は公共利用できる高架下空間を確保したとの答弁がございました。
 そこで、第二期区間の高架下利用の進捗の状況について伺いたいと思います。

○相場道路建設部長 都は、高架下にみずから利用できる空間を二カ所確保し、稲城長沼駅の東側では違法駐車対策としての公共駐車場を、また、南多摩駅の東側では公共駐車場に加え、多摩地域において初の取り組みとなる道路防災ステーションを来年度中に整備できるよう検討しております。
 また、稲城市は稲城長沼駅の東側で観光案内、特産物の販売及びイベントスペースとして活用できる観光発信施設を四月に開業する予定であります。
 さらに、JR東日本は南多摩駅の西側で商業施設の開業を今月末に予定しております。

○こいそ委員 このたび第二期の高架下利用の、特に東京都がしっかりとそこの利活用を図ろうということで、多摩地域において初めての取り組みとなる道路防災ステーションが整備されるということは、大変すばらしいことだと思います。
 高架下利用において、東京都が公共公益的な観点に立って、いつ起こるかわからない大地震に対して、地域防災力の向上に力を入れて取り組むことはいうまでもありませんけれども、重要だと私も思います。
 そこで、道路防災ステーションの内容について伺いたいと思います。

○川合道路保全担当部長 道路防災ステーションは、災害発生時の障害物除去作業等に備えて、陸橋等の高架下空間を活用し、ホイルローダーや砂、砕石等を配備しておく資機材置き場でございます。
 平常時は東京都道路整備保全公社が資機材を維持管理し、災害発生時には配備した資機材を活用して、都が障害物除去作業等を行うこととしております。
 JR南武線高架下に設置することにより、緊急輸送道路に指定されている川崎街道や府中街道などの通行機能を早期に回復することが期待できます。

○こいそ委員 災害の発生時において、幹線道路の機能を早期に回復させることは大変に重要であります。南武線沿線地域にとって必要な施設が設置されるよう、今後とも東京都が事業主体として、積極的に取り組みを強く要望させていただきたいと思います。
 また、このような公共公益的な施設の高架下への整備を一層促進していくためには、公共利用用地の公共利用枠のさらなる一五%からの拡大が必要不可欠であると思います。
 当然、南武線だけではありません。都内全ての連続立体交差事業にとって、この高架下利用は、極めてさまざまな利活用をできることで有利に施策が進められるところでありまして、とりわけ、なかなか創出用地が確保できない地域にとっても、これは多様化する都民ニーズに対応するためのいわゆる施設整備の確保用地として、これはやっぱり利活用をする必要性があるんじゃないかと思います。
 昨年十一月の委員会で、このことについての質問に対して、都として取り組んでいくとの答弁をいただきましたが、そこで、高架下利用における公共利用枠の一五%の拡大に向けた現在の取り組み状況について伺いたいと思います。

○相場道路建設部長 連続立体交差事業によって新たに創出される高架下は、貴重な都市空間であり、都市側の利用できる面積割合をふやし、公共利用することは大変重要な視点でございます。
 高架下の公共利用枠を費用負担を伴わずに拡大するためには、国土交通省の都市における道路と鉄道との連続立体交差化に関する要綱の改正が必要であります。
 このため、都は現在、都内で連続立体交差事業が実施された区市に対しまして、高架下の公共利用に関する意向調査を行っております。その結果などを踏まえ、都市側の利用枠をふやすことができるよう、都が中心となって国へ働きかけるなど、高架下空間の一層の有効活用に向けて取り組んでまいります。

○こいそ委員 本当に積極的に、私は前の質問以後、いろいろなお話も聞いておりますけれども、取り組みをさらに加速的に進めていただきたいと思います。
 特に国土交通省の要綱に、先ほど答弁にありましたように、改正が必要だということでありますけれども、これはやはり東京都がまさに、各自治体もやはり望んでいることだと思うんですね。
 それをやっぱり先頭に立っていただいて、これらの公共空間用地をしっかり確保して、一五%枠をもう少し取っ払っていくといいますか、拡大していくということは、非常に有意義だというふうに思います。
 そういう中で、高架下空間の利用拡大に、今後とも一層、強烈な東京都の持つパワー、突破力を持って、ぜひ実現をしていただきたいなというふうに重ねて要望させていただきたいと思います。
 続きまして、鶴川街道、すなわち多摩三・四・一号線についてであります。
 通常、鶴川街道といっておりますけれども、この鶴川街道沿いの中では、第三次道路整備計画で、もはや各整備をしていただいているわけであります。その中でどうしても、私、本会議でも、この委員会でも、いろいろな場でも取り上げさせていただいておりますが、稲城市百村地区はもう全くもってして、現道の都道であるわけでありますけれども、歩道が全くない、これは非常に危険だというのは、もういうまでもないですね。ここは一刻も早く、東京都のより明確な責任のもとで、このような歩車道分離を整備すべきだということ。
 これはもう受けとめていただいているわけでありますけれども、その中で、都民、地元からも強い要望が、重ね重ね地元市にも、東京都にも、私どもの方にも当然来ておりまして、私も何回か、数回説明会にも出ましたけれども、非常に強い思いがあるんだなということも感じております。
 そういうような中で、このいわゆる百村区間のこれまでの進捗状況について伺います。

○相場道路建設部長 本区間は、緊急輸送道路の機能強化や、安全で快適な道路空間の確保の観点から早期整備が必要でございます。
 高低差など地形的な条件から市道の取りつけなどの調整が必要であり、稲城市による沿道のまちづくりと一体となって進めることが不可欠であります。
 これまで都は、市へ技術的支援を行うとともに、市の取りつけ道路の考え方を踏まえつつ、現況測量をもとに道路の縦断線形などの検討を進め、成果を取りまとめております。
 さらに、市と協力し、地元に百村まちづくりニュースを配布するなど、事業の周知に努めております。

○こいそ委員 たびたびでありますけれども、いわゆる百村区間の取り組みを今ご答弁いただきましたけれども、早期の着工、早期の事業化がやはり強く強く、地元、都民、住民から求められているわけでありまして、より一層のこの区間の今後の取り組み、そしてやはり決意をぜひお願いしたいと思います。

○相場道路建設部長 現在、交差点形状などについての検討を進めており、交通管理者との協議を今月より開始いたします。
 平成二十八年度は、整備に向けた事業概要及び用地測量の説明会と、市道の取りつけについての説明会を市と合同で開催し、その後、速やかに用地測量に着手してまいります。
 引き続き、地元市と連携しながら、百村区間の早期事業化に向け、積極的に取り組んでまいります。

○こいそ委員 ぜひ一日も早い早期の事業着手を、またこの場で強く要望させていただきたいと思います。
 続きまして、道路整備、都市基盤の整備の中でも、やはりまだまだ未整備といいますか、しっかりとこの道路の構造上のものの対応をしていかなきゃなりませんので、何点か続きますけれども、読売ランド線であります。
 これは通称よみうりランドから、それからさらに神奈川県境、川崎市へとつながる道路でありますけれども、三・四・一号線、稲城市矢野口から、南多摩尾根幹線から、今申し上げた川崎街道へつながる路線であります。
 この路線につきましても、今現在大きな開発の中で、南山東部区画整理事業組合の施工区間では、一部の区域で工事が進められ、昨年四月には小学校も開校するなど、着々とまちづくりが進捗しているところであります。
 このため、いわゆる残る区画整理区域から京王相模原線までの未整備区間について、区画整理事業とあわせて道路整備を行うことが極めて急務であるということで、かねてからもこの早期整備を強くお願いをしてきた経緯があるわけであります。
 そこで、読売ランド線の未整備区間について、これまでの取り組みを伺いたいと思います。

○相場道路建設部長 本区間の西側では、委員のお話にありましたように、南山東部土地区画整理組合による区画整理事業が進められており、この事業に伴う下水道施設を本区間に埋設する必要が生じたため、稲城市より道路事業を受託し整備したいとの要望を受けました。
 このため、平成二十四年度に都は市へ事業を委託し、整備する方針を決定いたしました。これにより、平成二十五年度に設計、調査委託等の施行協定を締結し、市へ技術的支援を行いながら検討を進め、本年二月に国土交通省より事業認可を取得いたしました。

○こいそ委員 本区間が事業化をいよいよされたということ、関係の局、それから皆さんに大変感謝するわけでありますけれども、そこで、今後の取り組みについて伺いたいと思います。

○相場道路建設部長 平成二十八年度は、用地取得事務の施行協定を締結し、稲城市が用地取得を開始いたします。
 引き続き、関係機関との協議や、擁壁等構造物の検討など、都が事業主体として市や区画整理組合へ技術的支援を行いながら事業推進に取り組んでまいります。

○こいそ委員 まさにこの路線は都道であります。いうまでもありません。事業主体者はまさに都でありますが、まちづくりに合わせて道路整備が進むように、稲城市や区画整理組合にしっかり支援をする中で、事業推進に取り組んでいただきたいと思います。
 それとともに、工事の自主的な施行は稲城市に委託されるという話を聞いておりますから、その中で、東京都が今までも取り組んできたこと、実際、今しっかりと取り組んでいるわけでありますから、東京都としての取り組んでいく姿勢を周知することもあわせて要望させていただきたいと思います。
 それでは、続きまして、また何本か道路関係でありますけれども、坂浜平尾線というところであります。
 多摩三・四・一七号線、坂浜平尾線は、これはもうまさに私が東京都議会に出させていただいたときから、道路整備をしなきゃいけないという懸案道路でありまして、その中で、都市計画道路が当時でも三十年以上動かなかったというところであります。
 しかし、その中でも、所管はちょっと違いますけれども、都施行の区画整理で、さまざま面的な区画整理を初め、道路整備を行っていこうということだったんですが、東京都がもう完全に白紙状態に戻して、要は撤退しちゃったんですね。そういういろんな経緯、経過が実はあるんです。
 それからさらに、現道は、都道鶴川街道から、さらには神奈川県の新百合ヶ丘に続いていくわけでありますけれども、ここは本当に狭隘ですね。歩道らしい歩道があるようなないようなところです。高低差があることによって、これは今、若干様相は違ってまいりましたけれども、以前といいましょうか、私がその当時を振り返っても、バスが冬の季節には通行どめになっちゃうんですよ。非常に生活の面でも厳しい。いろいろな影響は受けたということ。
 私自身も地元を歩いてみて、いろんな話を聞いてみて、本当によくわからせてもらったところなんですけれども、ここはやっぱり整備しなきゃだめだということで、これも私は再三再四にわたって取り上げさせていただきました。
 その中で、この路線は、当初は組合方式で全線を整備するという方式でありましたけれども、その後に、南部分といいましょうか、着工が始まって、整備はもう進み始めてきておりますけれども、ここはいわゆる坂平区整という、新たな組合をつくって整備している。しかし一方では、都道の鶴川街道まで行く北側の方でありますけれども、これは街路事業でやっていくんだという一つのくくりをつけたわけですね。
 そういう経過の中で、これ、街路事業の方が圧倒的に早く完了するんじゃないかと期待感があったんで、一時期は、当時といういい方はおかしいかもしれませんけれども、私がいろいろとやりとりする中のことでありますけれども、当時の建設局の立場ある方も、街路で全部整備した方がいいんじゃないかと、こういう話も実はあったんですね。その後、いや、またもとに戻そうということもあって、区画整理と街路事業になっていった。
 ところが、街路事業が非常に進まない。いろいろな事情があることはわかります。用地買収だとか、さまざまなことでありましたけれども、こういう今までのいろんな経緯、経過がある中、皆さんのご努力によって、かなり実現方向に踏み出してきたということを聞いておりますので、いわゆる坂平線の進捗状況について伺いたいと思います。

○相場道路建設部長 坂浜平尾線は、お話がありましたように、上平尾地区及び小田良地区の二つの区画整理組合と、都により道路整備を進めておりますが、このうち、都施行区間では、現在三カ所で工事を実施しております。
 鶴川街道と接続する橋梁部では、三沢川の左岸側で橋台工事に支障となる排水管の切り回し工事や、鶴川街道から資材を運搬するための搬入路工事を行っており、引き続き橋台一基を構築いたします。
 京王相模原線との交差部では、鉄道事業者に委託して行っておりました高架下の擁壁工事が完了いたしました。鉄道交差部から小田良地区までの区間では、高低差処理に必要なのり面の掘削や擁壁工事を進めております。

○こいそ委員 いよいよ工事が本格化してきたことが今の答弁でわかりましたが、坂平線の整備に対する、これはもういうまでもありませんけれども、この都庁の方にも何回も地元の方から要請団といいますか、要請の方々が来ております。期待は大きいということですね。
 それから、早期開通のためには、工事をさらにさらに着実に、早期という言葉を使ってよろしいかどうか、早く進めていただきたいと思っているんですね。
 そこで、今後の取り組みについてお願いします。

○相場道路建設部長 平成二十八年度は、橋梁部では残る橋脚や右岸側の橋台工事を早期に発注いたします。
 また、上部工として桁製作架設工事を平成二十九年度までの債務負担で発注し、着手いたします。鉄道交差部では、道路本体の盛り土工を施行し、平成二十八年度内に鉄道事業者との協定工事を完了させます。鉄道交差部から小田良地区までの区間では、平成二十九年度までの工事として残る擁壁工事を発注し、着手いたします。近接し、ふくそうする工事を着実に進め、早期開設に向け、全力で取り組んでまいります。

○こいそ委員 区画整理事業でかなり進捗が、いわゆる区画整理側の方でありますけれども、整備されてきた。トンネルもかなり見えてきたというか、整備がされてきましたね。ということで、東京都、建設局の所管するところの街路事業に期待しておりますので、本当に早期の事業推進に、より一層取り組んでいただきたい、重ねて強く要望させていただきたいと思います。
 それからもう一点、道路関係でありますけれども、これは、私もこの委員会で取り上げをさせていただいてまいりました南多摩尾根幹線、多摩三・一・六号線であります。
 これまで、重要性についてご認識をいただいたわけでありますけれども、昨年十月に多摩市総合福祉センター前から大妻女子大までの交差点の間で、いち早く四車線で交通開放されました。
 交差点における渋滞は大きく緩和されました。慢性化している渋滞の緩和や、多摩ニュータウンの長期ビジョンにも明確に示された多摩ニュータウンの再生のためには、やはり全線にわたる四車線化での整備が不可欠であります。
 それとともに、東京南西部及び道路ネットワーク形成のしっかりとした一翼を担うわけでありまして、もういうまでもありませんが、本当にぎりぎりに近いぐらい、地下でありますけれども、リニア新幹線がもはや二〇二七年には開通すると。品川では起工式ももう終わったというような状況、さまざまな状況変化が大きく今起きている中で、いわゆる多摩三・一・六号線、尾根幹線、現在までの進捗状況をお願いしたいと思います。

○相場道路建設部長 南多摩尾根幹線全線にわたりまして基準点測量を終えるとともに、道路交通状況などを把握するための交通量調査を十一月に完了いたしました。
 また、高低差が大きく、設計上の課題がある区間などでは、先行的に縦横断測量を実施しております。
 さらに、環境アセスメントの手続が必要な多摩市鶴牧から稲城市百村までの区間では、大気、生物等の調査に着手し、当期観測を完了するなど、現況調査を着実に進めております。
 そのうち、トンネル構造となります多摩市連光寺、稲城市若葉台地区では、地形を把握するための航空測量を完了いたしました。
 さらに、地質調査及び地下水調査等に一月から着手し、希少種が生息する保全区域、保全地域に配慮したトンネルルートの検討を開始いたしました。

○こいそ委員 建設局が環境調査、測量、設計を着実に進めておられることは理解いたしました。
 そこで、今後の取り組みについて伺います。

○相場道路建設部長 平成二十八年度は、多摩市鶴牧から稲城市百村までの区間におきまして、これまで進めてきました環境アセスメントにおける現況調査を完了させます。
 その結果を踏まえ、実施可能な複数の道路計画案につきまして、整備に伴う沿道環境への影響を予測、評価し、環境保全対策を検討いたします。
 また、現在の都市計画どおり平面構造で整備を進める唐木田区間につきましては、測量や交通量調査の結果をもとに、早期の工事着手に向け、交差点形状などの検討を進め、交通管理者と協議を開始いたします。
 さらに、こうした取り組みを確実に進めていくため、南多摩東部建設事務所の組織を増強し、引き続き早期事業化に向けて全力で取り組んでまいります。

○こいそ委員 建設局は、事業化に向けてより具体的な検討を進めておられ、さらには、しっかりした取り組みをされていることがわかりました。南多摩尾根幹線全線の一日も早い事業化に向けて、さらなる取り組みをさらに加速していただきたいと思います。
 続きまして、都立公園についてであります。
 都立庭園や、都立動物園における海外からの来園者の対応について伺いたいと思います。
 二〇二〇オリンピック・パラリンピック東京大会を控えて、海外から多くの観光客が東京を訪れており、建設局が所管する都立庭園や都立動物園は人気の観光スポットになると聞いております。
 これらの海外からの観光客が庭園や動物園の魅力を堪能し、楽しんでいただくためには、園内の案内などが多言語に対応していくことが必要であるわけだと思います。
 昨年の訪日外国人旅行者総数は約二千万人といわれます。その半数以上が主に中国語を使用している中国、台湾、香港からの旅行者といわれております。これはいうまでもないと思いますけれども、中国語といっても、簡体字、そして繁体字の二種類があります。
 中国本土では簡体字が、台湾や香港、東南アジア関係の方でも繁体字が主に使われているといわれておりますし、中国でも年配の方々は簡体字に対してなかなか理解でき得ないといいましょうか、そういう方が少なくないようであります。この両方に対応することが必要ではないのかと。
 申し上げた簡体字、繁体字でありますけれども、多言語による案内も、このように訪れる方の身になった細やかな対応も重要になっているんではないかと思うんですね。
 そこで、都立庭園や都立動物園ではどのように多言語対応に取り組んでおられるのか、その状況について伺いたいと思います。

○日浦公園管理担当部長 都立庭園は、九庭園全てにおきまして、園内マップやウエブサイトは英語、中国語、韓国語、フランス語の四言語に対応しております。
 なお、中国語につきましては、簡体字及び繁体字の二種類に対応しております。
 都立動物園でございますが、四園全ての園内マップにおきまして、英語、中国語、韓国語、フランス語など八言語に対応し、ウエブサイトにつきましては、英語、中国語、韓国語、フランス語の四言語に対応しております。
 なお、中国語につきましては、簡体字のみの対応となってございます。

○こいそ委員 都立動物園の園内マップ、ウエブサイトは中国語の繁体字に対応してはいないようでありますが、ぜひ今申し上げた二つ、簡体字、繁体字を併記していただくということが必要じゃないかと思うんですね。検討していただきたいと思います。
 また、動物園においては、多言語対応といった海外からの来園者に対するサービスも大事でありますが、動物の魅力を伝える展示施設の整備も重要だと思います。東京の動物園は常に我々の期待を上回るような、さすが首都東京の動物園だと思わせてくれる魅力的な施設であってほしいと思います。
 とりわけ、私も多摩地域の地元の多摩動物園には大いに期待させていただいているところでございますが、多摩動物園における動物の魅力を伝える展示施設としては、まずライオンバスが挙げられるんではないかなと思います。
 このライオンバスは、一ヘクタールのエリアに十数頭のライオンの群れを間近に見ることができるわけです。一九六四年に世界に先駆けて多摩動物園が導入、実現しました。歴史ある、まさに人気の展示施設でありますが、導入から五十年が経過して、バスの発着場の改築のため、この三月末をもって、当分の間、運行休止と発表がされました。
 そこで、改築される発着場はどのような施設になるのか、また都民にやはり人気がありますし、いつごろ再開してくれるのかなと、こういうこともありますので、この時期について伺いたいと思います。

○五十嵐公園緑地部長 ライオンバスは多摩動物公園で最も人気のある展示で、多くの都民に体験していただくことが必要でございます。
 発着場は、老朽化とともに耐震性能が不足しているため、改築することといたしました。現在基本設計を進めており、バリアフリー化や乗車待機場を十分に確保するなど、誰もが快適に利用できる計画とするとともに、アフリカを連想させる外観とすることや、動物に対する知識が深められるよう、パネルの展示スペースを設けることなどを検討しております。
 来年度、実施設計に着手し、平成三十一年度の運行再開を目指して取り組んでまいります。

○こいそ委員 早期に運行を再開していただきたいと思います。
 次に、動物園の魅力をさらに高めるイベントの開催について伺います。
 私は、さきの本委員会の事務事業の質疑において、二〇二〇年東京大会において、五四カ国から成るアフリカに対する都民の理解を深める機会はないのかなということの中で、都立の動物園においてイベントの開催をすることも、やはり当を得ているというか、重要じゃないかという、このような所見を伺ったところなんですけれども、その際、多摩動物公園を中心に、都立四園においてアフリカの文化などを広く伝えるイベントを、本当に早かったですね、年度内に開催するとのことになったわけであります。
 そこで、先月二十六日、知事の定例記者会見において、このアフリカフェアin多摩動物園の開催が知事から発表され、具体的な話も出ました。このイベントの目的と実施概要について伺いたいと思います。

○日浦公園管理担当部長 アフリカフェアin多摩動物公園は、東京都建設局と公益財団法人東京動物園協会の主催によりまして、都民の皆様にアフリカを身近に感じていただくことなどを目的に、多摩動物公園において、三月二十六日、二十七日の二日間にわたって開催をいたします。
 このアフリカフェアは、約二十カ国のアフリカ大使館の参加、協力によりまして、アフリカ各国の野生動物や観光情報の紹介などを行うブースの設置や、野生動物のふるさと、アフリカの今とこれからをテーマにした記念シンポジウムの開催などを予定しております。
 また、このアフリカフェアに合わせまして、四つの都立動物園、水族園が連携したスタンプラリーも実施しているところでございます。

○こいそ委員 このアフリカフェアは、春休みの期間中の今月、三月二十六日の土曜日、二十七日の日曜日に開催するとのことであります。
 そこで、この二日間で多摩動物公園にはどのくらいの来園者を予想しているのか伺いたいと思います。

○日浦公園管理担当部長 過去の入園者数の実績から、春休み中の土日でもございます、天候に恵まれれば、二万人以上の来園を予想しております。

○こいそ委員 多くの方の来園が予想されていることがわかりました。このアフリカフェアは、三十八カ国の在京のアフリカ各国大使館のうち、約二十カ国の大使及び外交官、ご家族から、またはさまざまな国、東京にも多くのアフリカ人の方が今住まわれているということでありますから、それらの方々が参加する極めて意義あるフェアになっていくんだろうというふうに思っております。
 大使館の参加、協力により開催されるすばらしい国際交流の取り組みになりました。また、自然に恵まれた多摩動物公園で開催され、二〇二〇年東京大会を見据えてタイムリーなイベントであることはいうまでもありません。さっきの数字、二万人以上ということがありましたけれども、より多くの方にぜひ来園していただきたいなというふうにも思います。
 そのためには、アフリカフェアの内容を伝える広報、取り組みが大切かと思いますが、どうでしょうか。

○日浦公園管理担当部長 先月二十六日のプレス発表を皮切りに、「広報東京都」三月号やテレビ、ラジオ番組での紹介、沿線の駅や郵便局などでのポスターの掲出などの広報を行ってきております。
 今週末には新聞紙面への広告掲載、開催直前の二十三日には改めてアフリカフェアの詳細な内容を報道機関にお知らせするなど、当日、多摩動物公園に一人でも多くの方にご来園いただけるよう、引き続き積極的な広報展開に努めてまいります。

○こいそ委員 ぜひこのPRにしっかり取り組んでいただきたいと思います。開催まで十日余りであります。一人でも多くの方に多摩動物公園に足を運んでいただき、非常に意義あるアフリカフェアのPRにより努めていただきたいと思います。
 また、このアフリカフェアの主催は、建設局と都の監理団体である東京動物園協会でありますが、オリンピック・パラリンピック準備局、環境局、産業労働局、水道局、そして東京消防庁を初めとする、それぞれの各局が非常に積極的に参加を申し出ているようであります。PRブースの設置など、さまざまな形で開催に大いに協力を、もうしているとも聞いております。
 このアフリカフェアで建設局が、東京都庁ですか、東京都の多くの組織にまさに横串を差したと。いわゆる連携を促していったことにより実施されるという点も大変意義があるというふうに思います。これだけのことをやって、建設局はすばらしいんです。
 そこで最後に、このアフリカフェアin多摩動物公園に対する局長の思いをお伺いいたしたいと思います。

○佐野建設局長 在京アフリカ各国大使館の半数以上の参加、協力によりまして開催いたします、このアフリカフェアin多摩動物公園は、来園者の方々に動物園をより楽しんでいただけるイベントであると同時に、世界中の動物を飼育展示している動物園の特色を生かした国際交流の取り組みでもあります。
 このアフリカフェアの開催によりまして、都民の皆様にアフリカを身近に感じていただくとともに、二〇二〇年東京大会を控え、アフリカ各国とのさらなる友好を深めるきっかけになることを願っております。
 庁内各局とも連携いたしまして、このアフリカフェアをぜひ成功させるよう取り組んでまいりたいと思います。

○こいそ委員 ただいま局長から力強いご答弁がございました。庁内各局とも十分に連携をしていただきまして、ぜひこのアフリカフェアin多摩動物公園を成功させていただきたいと思います。
 終わります。

○田中(朝)委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○田中(朝)委員長 異議なしと認め、予算案及び付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で建設局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後四時四十分散会

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