委員長 | やながせ裕文君 |
副委員長 | 高椙 健一君 |
副委員長 | 大島よしえ君 |
理事 | 西崎 光子君 |
理事 | 上野 和彦君 |
理事 | 神林 茂君 |
菅野 弘一君 | |
米倉 春奈君 | |
田中 健君 | |
吉倉 正美君 | |
高橋かずみ君 | |
林田 武君 | |
こいそ 明君 |
欠席委員 なし
出席説明員建設局 | 局長 | 佐野 克彦君 |
次長 | 福田 良行君 | |
道路監 | 西倉 鉄也君 | |
総務部長 | 佐藤 敦君 | |
用地部長 | 杉崎智恵子君 | |
道路管理部長 | 今村 篤夫君 | |
道路建設部長 | 相場 淳司君 | |
三環状道路整備推進部長 | 川嶋 直樹君 | |
公園緑地部長 | 五十嵐政郎君 | |
河川部長 | 三浦 隆君 | |
企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 | 伊佐 賢一君 | |
総合調整担当部長 | 前田 豊君 | |
道路保全担当部長 | 川合 康文君 | |
道路計画担当部長 | 東野 寛君 | |
公園管理担当部長 | 日浦 憲造君 |
本日の会議に付した事件
建設局関係
事務事業について(質疑)
○やながせ委員長 ただいまから環境・建設委員会を開会いたします。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、建設局関係の事務事業に対する質疑を行います。
これより建設局関係に入ります。
初めに、先般の人事異動に伴い、建設局長から幹部職員の紹介があります。
○佐野建設局長 去る十月二十三日付の人事異動により、兼務発令のございました幹部職員をご紹介申し上げます。
企画担当部長でオリンピック・パラリンピック調整担当部長を兼務いたします伊佐賢一でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
〔理事者挨拶〕
○やながせ委員長 紹介は終わりました。
○やながせ委員長 事務事業に対する質疑を行います。
本件については、既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○佐藤総務部長 それでは、去る十月二十日の当委員会におきまして要求のございました資料につきましてご説明を申し上げます。
お手元の環境・建設委員会要求資料をごらんいただきたいと存じます。
表紙をおめくりいただきますと、目次に十件の資料の件名が記載してございます。この順番に従いましてご説明を申し上げます。
一ページをお開き願います。中小河川の整備状況の推移でございます。
この表は、中小河川の整備事業につきまして、平成十八年度から平成二十六年度までの整備延長と決算額、平成二十七年度の整備予定延長と当初予算額をあらわしたものでございます。
二ページをお開き願います。東部低地帯耐震・耐水対策の整備状況の推移でございます。
この表は、東部低地帯におけます耐震、耐水対策の事業につきまして、平成二十五年度から平成二十六年度までの決算額と完成規模及び平成二十七年度の当初予算額と完成予定規模をあらわしたものでございます。
三ページをお開き願います。都市公園の維持管理費、整備費及び用地取得状況の推移でございます。
この表は、都市公園における維持管理費と整備費及び整備費のうち用地取得費につきまして、平成十八年度から平成二十六年度までの決算額と用地取得済みの規模及び平成二十七年度の当初予算額と用地取得予定の規模をあらわしたものでございます。
四ページをお開き願います。道路補修費の予算・決算額の推移でございます。
この表は、道路補修費につきまして、平成十八年度から平成二十六年度までの予算額と決算額及び区部と多摩部別の決算額、平成二十七年度の当初予算額をあらわしたものでございます。
五ページをお開き願います。歩道整備状況の推移でございます。
この表は、区部、多摩部別の歩道の整備状況につきまして、平成十八年度から平成二十六年度までの整備延長と決算額、平成二十七年度の整備予定延長と当初予算額をあらわしたものでございます。
六ページをお開き願います。骨格幹線(主要路線)・地域幹線道路の整備費の推移でございます。
この表は、骨格幹線道路と地域幹線道路の整備費につきまして、平成二十三年度から平成二十六年度までの決算額、平成二十七年度の当初予算額をあらわしたものでございます。
七ページをお開き願います。特定整備路線の計画概要と進捗状況(建設局施行)でございます。
この表は、特定整備路線につきまして、整備計画の概要と進捗状況をあらわしたものでございます。
八ページをお開き願います。都市計画道路の整備方針における未着手路線(建設局施行)でございます。
この表は、都市計画道路の整備方針のうち、平成二十七年三月三十一日現在におきまして未着手となっている路線名、区間、延長をあらわしたものでございます。
一一ページをお開き願います。自転車走行空間の整備状況と整備費の推移でございます。
この表は、自転車走行空間の整備事業につきまして、平成二十三年度から平成二十六年度までの整備延長と決算額、平成二十七年度の整備予定延長と当初予算額をあらわしたものでございます。
一二ページをお開き願います。土砂災害警戒区域等の指定の推移でございます。
この表は、土砂災害警戒区域等の指定の状況につきまして、平成十七年度から平成二十六年度までの区域指定箇所数と所在区市町村をあらわしたものでございます。
以上で、要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○やながせ委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○高橋委員 最初に、事業概要の三一ページにある道路の建設についてお尋ねいたします。
東京の道路整備は、人と物の流れをスムーズにし、経済の活性化や国際競争力を高めるために必要不可欠であります。
また、災害時に延焼を遮断し、安全な避難路を確保するなどにより、都民に安全・安心を提供するためにも重要であります。
私はこれまでも、都議会議員として、機会あるごとに道路整備の重要性を訴えてきており、さきの各会計決算特別委員会第三分科会でも、開通した道路の事業効果について伺い、中央環状品川線や、調布保谷線で高い効果が得られたとの答弁をいただいたところであります。
そこで、まず、東京の道路整備の重要性について改めて都の認識をお伺いいたします。
○相場道路建設部長 道路は、円滑な交通の確保、都市間の連携強化など、社会経済活動を支えております。また、災害時におきましても、迅速な救助、救援や緊急物資輸送を可能とし、延焼遮断帯を形成するなど、都民の生命や財産を守るために必要でございます。
さらに、緑豊かで幅の広い歩道や自転車走行空間の確保、無電柱化などにより、安全で快適なまちづくりに寄与いたします。
このように、道路は重要な都市基盤であり、都は、引き続き道路整備を積極的に進めてまいります。
○高橋委員 二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会だけでなく、その先を見据え、引き続き東京の道路整備を推進することを強く要望しておきます。
次に、私の地元である練馬区内の道路に目を向けると、都市計画道路の整備率は約五一%と、東京都区部の整備率約六四%に比べ、非常に低い整備水準であります。
さらに、笹目通りを境とした練馬区の西部地域に目を向けると、私が試算したところ、約三二%と極めて低い状況にあります。
そこで、練馬区の西部地域における道路整備の取り組みなどについてお尋ねいたします。
まず、昨年の事務事業質疑でも質問いたしましたが、目白通りの延伸部となる放射第七号線についてでありますが、本路線が位置する練馬区の大泉学園町や西大泉は、日常の交通手段として路線バスなどの自動車への依存度が高いにもかかわらず、道路整備が非常におくれております。
本路線は、区部と多摩地域を結ぶ骨格幹線道路であり、ことし八月には、調布保谷線や西側に隣接する西東京三・三・一四号線が開通したところから、外環アクセスとして早期の整備が必要であります。
そこで、放射第七号線の進捗状況と今後の取り組みについてお伺いいたします。
○相場道路建設部長 放射第七号線は、目白通りと接続する北園交差点から西東京市境までの約二キロメートルの区間で事業中であり、既に約八九%の用地を取得し、都道練馬所沢線付近の約九百メートルと西東京市境付近の約三百五十メートルにおきまして、街路築造工事を実施しております。
今年度は、新たに北園交差点付近など約四百五十メートルの区間におきましても、電線共同溝などの街路築造工事を実施いたします。
これにより、約二キロメートル事業区間のうち、用地取得を完了していない区間を除きました約一・七キロメートル全てで工事を実施することになります。
今後とも、残る用地の取得に努め、早期開通を目指し、全力で整備を推進してまいります。
○高橋委員 放射第七号線のほぼ全区間にわたって整備が進められていることがわかりました。
本路線の事業中区間の整備により、新たな道路ネットワークが形成されることから、地域の利便性向上が図られます。このため、地元も大いに期待しており、早期開通に向け、積極的に整備を推進することを強く要望させていただきます。
次に、西武新宿線上石神井駅南側の立野橋交差点付近で事業中の補助第二二九号線についてお尋ねいたします。
私はこれまでも、事務事業質疑におきまして、本路線の早期の拡幅整備が必要と訴えてまいりました。道路の南側では、千川上水緑道と一体となった緑豊かな歩道が整備され、歩行者及び自転車が安全に通行できるようになりました。
残る北側については、現在、仮設の歩道が設置されておりますが、一日でも早く安全で快適な通行ができるよう整備を進めていただきたいと思います。
そこで、補助第二二九号線の進捗状況と今後の取り組みについてお伺いいたします。
○相場道路建設部長 補助第二二九号線は、立野橋交差点から青梅街道までの四百三十メートルの区間で事業中であり、既に約九九%の用地を取得しております。
昨年度から北側の約百二十メートルの区間で電線共同溝設置工事に着手しており、今年度は、残る約三百十メートルを含め、北側全ての区間で電線共同溝設置工事を進め、平成二十八年度からは歩道を整備する予定でございます。
引き続き、早期完成を目指し、全力で整備を推進してまいります。
○高橋委員 北側の工事が着実に進められることにより、完成に向けた地域の期待はますます高まってくると考えます。
引き続き、安全性の効果が大いに期待できる補助第二二九号線の一日も早い完成を目指し、事業を進めていくことを強く要望しておきます。
次に、補助第二三〇号線の整備についてお尋ねいたします。
練馬区北西部地域は、東京都区部において数少ない鉄道交通不便地域の一つであり、この地域の住民にとって、地下鉄大江戸線の延伸は長年の悲願であります。また、地下鉄大江戸線は、七月に都の広域交通ネットワーク計画において優先的に検討すべき路線として位置づけられ、早期延伸が必要とされています。
補助第二三〇号線は、光が丘から大泉学園通りまでの約四キロメートルの区間が地下鉄大江戸線の導入空間として予定されており、このうち約半分の光が丘から土支田通りまでの区間が開通し、道路ネットワークの形成が着実に進められているところであります。
そこで、残る事業中の土支田通りから大泉学園通りまでの区間について、進捗状況と今後の取り組みについてお伺いいたします。
○相場道路建設部長 補助第二三〇号線は、土支田通りから大泉学園通りまでの二・一キロメートルの区間で事業中であり、これまでに約四七%の用地を取得しております。
昨年度から土支田通り付近におきまして、排水管設置工事を実施するとともに、本年四月には事業用地を活用して、歩行者の安全を確保するための通路を整備いたしました。
今年度は、白子川にかかる万年橋付近におきまして、排水管設置工事を進め、平成二十八年度からは、土支田通り付近などにおきまして、電線共同溝設置工事や排水管設置工事を実施する予定でございます。
引き続き、地元の理解と協力を得ながら用地取得に努め、整備を推進してまいります。
○高橋委員 私は、地下鉄大江戸線の延伸に関しては、昭和六十三年に設立された大江戸線延伸促進期成同盟の活動にも積極的に参加しており、副知事を初め、関係局長に早期整備を要請してまいりました。
この実現のためにも、用地の取得に努め、補助第二三〇号線を早期に整備されるよう強く要望しておきます。
次に、事業概要の三六ページにある東京外かく環状道路についてお尋ねいたします。
外環は、東京から放射状に延びる高速道路を環状に連結し、首都圏の交通渋滞の緩和や環境改善、さらには災害時の緊急輸送、非常時の迂回機能確保等に資する必要不可欠な高速道路であります。
関越-東名間については、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会開催に当たり、都内の交通渋滞を緩和し、円滑な大会運営や、質の高い輸送サービスの提供に資するためにも、大会開催までに開通させるべきであります。
その実現のため、私はかねてから、トンネル工事を東名ジャンクション側だけではなく、大泉ジャンクション側からも行うべきと提案をし、強く主張してきたところ、トンネル工事が両側から進められることになり、整備促進につながりました。
また、都議会超党派による外環促進議員連盟は、平成十三年に結成して以来、整備促進を図り、一日も早い完成に向けて、要望活動などさまざまな取り組みを行ってまいりました。
昨年七月には、大深度地下により、浅い地下空間を使用するための区分地上権の権利設定が迅速かつ円滑に進むよう、税制改正について、議連として国土交通大臣に直接要望してまいりました。
これを受け、本年一月に税制改正大綱が閣議決定され、外環の区分地上権設定について、本年四月から、ひとしく五千万円特別控除が適用されることになりました。
今後、区分地上権の設定が円滑に進み、トンネル工事のさらなる促進につながるものと考えます。
さらに先般、八月、太田前国土交通大臣に、今月十六日には石井国土交通大臣に、関越-東名間の二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会までの開通などについて直接要望してまいりました。
そこで、まず、外環の工事を初めとした現在の進捗状況についてお伺いいたします。
○川嶋三環状道路整備推進部長 外環全体の進捗状況でございますが、まず、工事については、東名ジャンクションで平成二十四年から施工していた立て坑工事が本年九月に完了し、引き続きシールドトンネルを発進に向けた準備工事が進められております。
また、大泉ジャンクションでは、昨年七月から立て坑工事に着手し、さらに、両ジャンクションの中間に位置する中央ジャンクションでも、本線トンネルにつながるランプ部の工事に着手するなど、いよいよ事業が本格化してきております。
また、事業に必要な用地取得についても精力的に取り組んでおり、本年十月末時点では、買収部で八一%、大深度地下より浅い地下空間を使用するための区分地上権設定で一五%の進捗となっております。
○高橋委員 開通に向け着々と進んでいることがわかりました。今後、本格化する本線トンネルは、直径約十六メートル、延長約十六キロメートルを大深度で掘り進む大工事であります。
加えて、本線トンネルと地上からのランプトンネルがつながる分岐合流部では、深さ四十メートル以上の地中で結合させる世界で初めての、また、非常に難度の高い工事を行うとお聞きしております。
これらの工事の施工に当たっては、安全管理の徹底を図り、万が一にも事故を起こすことがなく、くれぐれも慎重に工事を進めるよう強く要望しておきます。
なお、先般、事業の推進を図るための会議として、都と事業者による東京外かく環状道路事業連絡調整会議が開催されたとお聞きしています。この連絡調整会議を通じ、事務レベルでも事業推進を確実なものとするよう強く要望しておきます。
次に、私の地元練馬区大泉地域は、現在、関越道と外環の端末となっており、周辺では連日の交通渋滞が生活道路への通過車両の混入による交通安全上の問題が生じております。
外環の整備や、このような交通渋滞の解消、快適で安全な生活道路の確保や良好なまちづくりの切り札として、地元の期待は非常に高いものであります。
そこで、大泉ジャンクション周辺地域の進捗についてお伺いいたします。
○川嶋三環状道路整備推進部長 都は、国から大泉ジャンクション周辺地域の用地取得事務を受託し、平成二十二年度から現地に外環大泉事務所を構え、密集市街地での経験とノウハウを生かし、用地取得を推進しております。
用地取得が必要な面積約五・〇ヘクタールのうち、本年十月末までに約四・四ヘクタールの用地を取得しており、八七%の進捗となっております。
また、区分地上権の設定についても、本年一月から折衝を開始し、十月末時点では一九%の進捗となっております。
今後とも、先ほど委員からの議連活動のご紹介にありました税制改正を追い風に精力的に取り組んでまいります。
このほか、国など事業者は、立て坑工事に加え、関越道と外環本線をつなぐ連結路や工事用道路の整備工事などを進めております。
○高橋委員 都も事業者も精力的に取り組んでいることがわかりました。
次に、外環の地上部街路、いわゆる外環ノ2についてお尋ねいたします。
外環の大泉ジャンクションと重複する地域では、都道の土支田通りと井草通りが外環本線の整備により分断され、その機能を失います。また、これらの都道は、一方通行で歩道がない狭隘な道路であり、歩行者、自動車の双方にとって危険な状況にあることを私はかねてから危惧しております。
さらに、この地域では、外環本線と外環ノ2の二つの都市計画線が錯綜し、多くの土地や建物が両方の計画線にまたがっているため、二つの計画線をまたがる用地を同時に買収し、関係権利者の円滑な生活再建を図らなければなりません。
私は、このような状況に対応するため、大泉ジャンクション地域における外環ノ2の早期整備が必要であると主張してまいりました。
既に東京都は事業に着手しましたが、現在の進捗と今後の取り組みについてお伺いいたします。
○川嶋三環状道路整備推進部長 外環ノ2のうち、目白通りから練馬区道三三号線までの約一キロメートルの区間については、委員ご指摘のとおり、外環本線の整備で分断される都道の機能確保と、関係権利者の円滑な生活再建を図るため、平成二十四年九月に事業着手し、用地取得を鋭意進めてまいりました。
今後とも、関係権利者のご理解とご協力をいただきながら、用地取得を全力で進めていくとともに、工事に向けた調査設計や関係機関との調整を進めてまいります。
整備に当たっては、往復二車線の車道とともに、安全で快適なゆとりある歩行者、自転車空間、緑豊かな植樹帯を設けるなど、地域の方々に親しみを持っていただける道路空間を創出してまいります。
○高橋委員 大泉ジャンクション地域の外環ノ2についても着実に取り組んでいることがわかりました。
大泉ジャンクションや外環ノ2の整備に当たっては、地元の理解と協力を得られるよう丁寧に対応するとともに、地域の方々が緑や潤いを感じながら、安心して生活できる空間を創出していくよう要望いたします。
さらに、先ほど申し上げましたが、練馬区西部地域の都市計画道路の整備率は、約三割と極めて低い状況にあります。この地域において、南北方向を結ぶ外環ノ2は、必要不可欠な都市計画道路であります。
私はかねてから、地域のための道路として、西武新宿線上石神井駅周辺を初め、練馬区内の外環ノ2の早期整備を訴えてまいりました。
その結果、上石神井駅周辺については、事業化に向けた動きが出始めたことは大いに評価するところであります。
一方、西武池袋線石神井公園駅付近の区間などについては、事業化への動きが見えてきておりません。
昨年、他の区市に先駆けて、いち早く都市計画変更したことが無意味にならないよう、また、事業化までに何年も時間をかけることのないよう、石神井公園駅付近の区間を初め、練馬区内の外環ノ2について早期整備に取り組むよう改めて要望しておきます。
また、整備に当たっては、地元練馬区が、本年三月に策定したみどりの風吹くまちビジョンの趣旨を尊重し、例えば、外環ノ2と区道が接する箇所付近に緑を多く配置して、緑の創出に努めるなど、区と連携しながら取り組むようあわせて要望しております。
次に、事業概要四二ページにある連続立体交差事業についてお尋ねいたします。
都内には、いまだ千を超える踏切が残されております。これらの踏切は、道路交通を阻害するとともに、市街地を分断し、都市の活力や魅力を損なっております。人と物の流れがスムーズな道路交通の実現や、沿線地域の発展のために、これらの課題を抜本的に解消する連続立体交差事業を推進することが重要であります。
私はこれまで、幾度となくこの推進について、都議会を初め、機会あるごとに訴えてまいりました。私の地元練馬区で進められている西武池袋線練馬高野台駅から大泉学園駅間の二期区間、約一・二キロメートルを高架化することで、平成二十三年四月に高架化した練馬高野台駅から石神井公園駅付近までの一期区間と合わせて、事業区間約二・四キロメートルの全線高架化が完了しました。
私も、この高架化により、交通の流れがスムーズになったとの実感を得ておりますが、改めて事業の効果についてお伺いいたします。
○相場道路建設部長 西武池袋線連続立体交差事業は、練馬高野台駅から大泉学園駅間の約二・四キロメートルを高架化することで、九カ所の踏切を除却し、交通渋滞や地域分断を解消するものであります。
二期区間の高架化により、交差する都道下石神井大泉線、いわゆる井草通りでは、最大二百二十メートルありました踏切による交通渋滞が解消されるとともに、地域の安全性が向上いたしました。
高架化後に行いましたアンケート調査でも、地元の方々から、踏切の待ち時間がなくなり通行しやすくなったとの意見のほか、救急車がすぐに来る安心感が高まったなどの意見をいただいております。
また、一期区間におけます石神井公園駅周辺の高架下空間では、商業施設や保育所、図書館の貸出窓口など、さまざまな地域ニーズに沿った利用がなされており、地元の方々から好評を得ております。
○高橋委員 この事業によって、非常に高い効果が得られ、地域の多くの方々がその効果を実感していることがわかりました。
ところで、沿線では、高架化後も工事が行われておりますが、今後の取り組みについてお伺いいたします。
○相場道路建設部長 二期区間では、本年九月に仮線路の撤去を終えて、鉄道工事が完了し、現在、高架橋北側で延長約一・二キロメートルの側道整備を進めております。
この整備により、石神井公園駅から大泉学園駅間の道路がつながり、駅へのアクセス性が向上するなど、地域内交通の円滑化とともに、高架橋による日影対策が図られ、沿線の良好な住環境が保全されます。
また、二期区間の高架下空間につきましては、地域のニーズを踏まえた利用が促進されるよう調整してまいります。
今後とも、地元練馬区及び鉄道事業者と連携し、平成二十八年度の事業完了に向けて着実に取り組んでまいります。
○高橋委員 側道整備が進むと、車の流れが変わることにより、通学路などの安全対策も必要になってまいります。
私は、地元町会などの意向を受け、平成二十四年と二十五年の環境・建設委員会において、通学路に指定されている区道三三号線の男女共同参画センター前に側道整備とあわせて信号機を設置することを強く要望してまいりました。
また、通勤や買い物などの利便性も向上することから、側道の完成を心待ちにしている住民がたくさんおります。
引き続き、安全に十分配慮して、早期に側道整備を進めていただくよう、私から重ねてお願いをさせていただきます。
次に、西武新宿線についてでありますが、連続立体交差化が進んでいる西武池袋線と比べて、西武新宿線は中井駅から野方駅間や東村山駅付近が事業中であるものの、都内の鉄道の中で、あかずの踏切が数多く残されている路線であります。
都が事業候補区間に位置づけている西武新宿線の井荻駅から東伏見駅間について、私は、連続立体交差化による抜本的な踏切対策が必要であると考え、機会あるごとに東京都に強く要望してまいりました。
また先週十一日には、練馬区長、地元町会長、商店街会長などで構成された西武新宿線立体化促進協議会が連続立体交差化の早期事業化などを求める要望書を都に提出いたしました。この要請活動に私も同席しておりましたが、改めて地元の皆様の期待を実感したところであります。
一方、西武新宿線と交差する練馬区間の外環ノ2については、幅員の縮小を機に、上石神井駅の駅前広場を取り入れた形で、昨年十一月に都市計画変更されました。今年度、都市整備局が測量の予算を計上するなど、事業化に向けた準備が着々と進められております。外環ノ2を後押ししてきた地元の踏切解消に対する期待は非常に大きくなっております。
しかし、まちの発展の起爆剤ともいえる西武新宿線の連続立体交差事業は、事業候補区間になってから、一向に事業化への動きが見えてこないのが現状であります。
そこで、この区間の検討状況についてお伺いいたします。
○相場道路建設部長 西武新宿線の井荻駅から東伏見駅間には、あかずの踏切が七カ所あり、外環ノ2を初めとした都市計画道路が五カ所で交差するなど、鉄道立体化による踏切解消が必要な区間であると認識しております。
このため、都は、事業範囲や構造形式などの調査を実施するとともに、上石神井駅の車両基地の取り扱いなど、課題の解決に向けた検討に取り組んでまいりました。
また、練馬区は、先月、西武新宿線の立体化や外環ノ2の整備を見据え、上石神井駅周辺のまちづくりを検討するワークショップを開催するなど、積極的にまちづくりを進めております。
今後とも、地元区市や鉄道事業者と連携し、沿線のまちづくりの動向を踏まえながら、前向きに取り組んでまいります。
○高橋委員 この区間の早期事業化に向けた取り組みを、都としても積極的に進めてもらうよう強く要望しておきます。
次に、事業概要の七〇ページにある無電柱化事業についてお尋ねいたします。
私は、ことしの七月に発刊された、我が党の衆議院議員小池百合子氏と東京大学大学院教授松原隆一郎氏の共同著作である「無電柱革命」を読みました。著者がなぜ無電柱化を望んでいるかの理由を要約すると、日本の桜の木と電柱の本数がほぼ同数の三千五百万本も立っており、桜は日本中を染め上げ、人々の心を和ませるが、電柱が日本の津々浦々に林立していることはほとんど意識されていない。しかし、電柱は、人々の安全な通行を妨げ、災害時には、倒壊により避難や救助の道路を塞いでしまう。何より景観への配慮に欠けていると記しています。
私は、この無電柱化事業について、都議会議員となった十数年前から注目してきましたが、改めてこの小池議員と松原氏の思いに全く同感であります。
都議会自民党としても、政策提言に東京から電柱をなくすと掲げ、国においても、無電柱化促進法案を議員立法として国会に提出する動きがあります。無電柱化推進に向けた動きが活発であります。
そこで、まず、これまでの都の無電柱化事業の取り組み状況についてお伺いいたします。
○川合道路保全担当部長 無電柱化は、災害時の道路閉塞の防止など、都市防災機能の強化や良好な都市景観の創出、安全で快適な歩行空間の確保を図る上で重要でございます。
都では、昭和六十一年度から平成二十五年度まで六期にわたって推進計画を策定し、無電柱化を進めてまいりました。平成二十六年十二月には、第七期となる無電柱化推進計画を策定し、事業を実施しております。
平成二十六年度末の計画幅員で完成した都道の地中化率は、区部で五四%、多摩地域で一六%となっており、都内全体では三七%となっております。
○高橋委員 これまで計画的に事業を進めてきたことがわかりました。
今後、都においては、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会開催を控え、安全・安心な歩行空間や美しいまち並みが求められております。
また、切迫する首都直下型地震への対策としても、無電柱化をより一層進めていただきたいと考えています。
そこで、都道における無電柱化の今後の取り組みについて伺います。
○川合道路保全担当部長 都は、第七期の無電柱化推進計画に基づき、センター・コア・エリア内はもとより、今後は、都市防災機能の視点も重視し、周辺区部や多摩地域の第一次緊急輸送道路、主要駅周辺を中心に事業を推進してまいります。
特に、災害時の避難や救急活動、物資輸送を担う第一次緊急輸送道路につきましては、その五〇%を平成三十六年度までに無電柱化してまいります。
○高橋委員 今後は、第一次緊急輸送道路を重点的に整備していくとのことでありましたが、私の地元である練馬区には、震災時に重要な機能を発揮する環状七号線があります。
そこで、環状七号線について、無電柱化の今後の取り組みと練馬区内における進捗状況について伺います。
○川合道路保全担当部長 環状七号線は、震災時に都心への一般車両の進入を規制する流入禁止区域の境界となっていることから、第一次緊急輸送道路の中でも特に重要な路線でございます。環状七号線全線について、平成三十六年度までに無電柱化を完成いたします。
練馬区内の環状七号線につきましては、杉並区との区境付近から都道目白通りとの交差点までの施設延長二・一キロメートルで整備を進めておりまして、平成二十六年度までに施設延長一・四キロメートルにつきまして、電線共同溝の本体が完成いたしました。
引き続き、平成二十七年度は、三百三十メーター区間について本体工事を実施してまいります。
○高橋委員 環状七号線についても着実に進めているとのことでありますので、引き続き事業を推進していただきたいと思います。
一方で、東京から電柱をなくすためには、都道のような幹線道路だけではなく、区市町村道などの生活道路においても無電柱化を進めていくことも重要だと考えます。
そこで、区市町村道における無電柱化の整備促進に向けた取り組みについて伺います。
○川合道路保全担当部長 面的な広がりを持った無電柱化を図っていくためには、区市町村道の事業を一層促進することが重要でございます。
都は、平成二十七年度から、新たに避難場所と緊急輸送道路を結ぶ道路など、防災に寄与する道路も補助対象に加え、財政支援を強化いたしました。
また、幅の狭い区市町村道の課題の一つであります地上機器の設置場所について、練馬区など複数の区とともに民地や公共空間、都道の活用などの方策を検討してまいりました。
今後は、地上機器設置の手法を示した手引などを新たに作成し、区市町村向けの研修に盛り込むなど、技術的な支援を拡充してまいります。
今後とも、都内全域での無電柱化に向けて、区市町村等との連携を強化して事業を推進してまいります。
○高橋委員 都道のみならず、区市町村道についてもぜひ進めていただきたいと思います。
都議会自民党の都市政策推進本部では、昨年、東京電力の無電柱化モデル施設の視察を行うなどして、その構造や技術について知見を広めてきました。
また、先ほど紹介した「無電柱革命」の中では、事業に要するコストが高いことがネックであるため、国において無電柱化の低コスト手法に関する検討を進めていると記されており、新たな技術の導入に向けても期待しているところであります。
今後、我が党としては、さらに検討を深めていき、東京から電柱をなくすため、力を注いでいきたいと考えております。
ぜひとも都においても、都民が電線のないことを実感できるよう、無電柱化の取り組みを推進していただくことを強く要望しておきます。
次に、事業概要の八一ページの中小河川の整備についてお尋ねいたします。
首都東京は、人口や資産の集積、地下鉄や地下街などの土地利用の高度化などにより、浸水リスクが増大しており、これらを水害から守るためには、治水機能を一層向上させ、安全性を高めていく必要があると考えます。
近年、都市部を中心に、局地的な集中豪雨が頻発しているとともに、ことし九月に発生した関東・東北豪雨では、線状降水帯というまれに見る雨の降り方により、甚大な被害が生じております。
私がかねてより、都議会の場において強く発言してきたように、治水対策の重要性はますます高まっております。
都は、中小河川の整備方針を策定し、目標とする整備水準をこれまでの時間五十ミリから、区部では時間最大七十五ミリに引き上げました。整備の進め方は、時間五十ミリまでの降雨は河道で流下させることを基本とし、それを超える降雨については、調節池により対応することとしており、双方をバランスよく整備していくことが重要であります。
私の地元練馬区を流れる石神井川や白子川においても、これまでにたびたび浸水が発生し、多くの住民が被害を受けており、安全性を早期に高めていく必要があります。
そこで、まず、石神井川の区部における護岸整備状況についてお伺いいたします。
○三浦河川部長 石神井川につきましては、下流から順次整備を進めておりまして、これまで練馬区石神井五丁目付近の螢橋下流までの約十七キロメートルの区間について整備が完了しております。
現在、螢橋から扇橋及び扇橋から本立寺橋までの二区間、合わせまして約二・五キロメートルにおきまして事業認可を取得しており、このうち、螢橋から上御成橋区間及び都営上石神井アパート付近など四カ所、〇・三キロメートルの護岸整備や、橋梁のかけかえを並行して実施をするなど、整備のスピードアップを図っております。
平成二十七年度末の区部におけます護岸整備率は、八七%の予定でございます。
○高橋委員 護岸の整備は、おおむね九割に達し、水害に対する安全性が高まってきました。
ただいま答弁のあった都営上石神井アパート付近の整備がいよいよ本格化してきております。
私はかねてより、この区間の早期整備に向け、都営団地の建てかえと河川整備を一体的に行うことを提案してまいりました。
具体的には、下流の南田中団地で実施されたのと同様に、住宅の建てかえによって生み出される空間を有効に生かし、護岸を緩傾斜として、地域の方々に潤いや安らぎをもたらすことができる自然豊かな親水空間とすることを提案しており、この実現に向けた取り組みが着実に進んでおります。
そこで、都営上石神井アパート付近における整備について伺います。
○三浦河川部長 当該区間の整備に当たりましては、都営住宅の建てかえにより生み出される川沿いの幅約四十メートル、延長約二百メートルの敷地を中心といたしました約五百メートルの区間につきまして、平成十九年度から地元の方々と川づくり懇談会や意見交換会を開催しております。
懇談会等の議論を踏まえ、二十六年度から護岸を緩やかな傾斜とし、川のすぐそばまで近づける緑地として整備をするとともに、河川沿いの遊歩道には桜を植栽するなど、人々が集い、自然と触れ合える緑豊かな水辺空間として整備を進めております。
二十七年度は、西豊城橋下流八十メートルの区間で護岸整備を行っております。
○高橋委員 都営上石神井アパート付近では、水害対策に加え、地元の意見を取り入れた水辺空間の整備など、さまざまな取り組みを行っていることがわかりました。
この区間から上流武蔵関駅付近までの区間は、平成十七年、二十六年の集中豪雨で大きな浸水被害が発生しており、早期に河川整備を進めていく必要があります。
一方、練馬区は、地域の方々とともにまちづくりを考える組織として、武蔵関駅前まちづくり推進会を設置し、西武新宿線の連続立体交差化とあわせた駅周辺のまちづくりに向けた機運が醸成されつつあります。
こうした取り組みと河川整備がしっかりと連携し、水害に対する安全性の向上と、水と緑のネットワークの形成など、この地域のまちづくりにも寄与する河川整備に取り組むことを要望いたします。
次に、私の地元を流れるもう一つの河川、白子川でも石神井川と同様に浸水被害が発生しております。
現在、整備が進んでいる白子川地下調節池は、平成十七年度に二度の水害が発生したことから、私が都議会の場において、整備の重要性を訴え続けてきた結果、都は、これに応え、平成十一年以降中断していた工事が十年ぶりにようやく再開されたものであり、早期完成が待ち望まれております。
そこで、白子川地下調節池の整備状況について伺います。
○三浦河川部長 白子川地下調節池は、平成二十一年度より事業を再開し、二十六年一月に延長三・二キロメートルのシールドトンネル工事が完了し、二十七年一月から暫定的な取水ができる状況といたしました。
現在、排水ポンプや受電施設などの工事を実施しており、二十八年度末から調節池の本格的な運用を目指します。
この調節池の運用が開始されますと、下流の安全度が向上するとともに、上流に向けてさらなる河道整備の促進が可能となるなど、これまで以上に早期に上流での水害を軽減させる効果がございます。
○高橋委員 白子川地下調節池の整備が着実に進められ、既に暫定取水ができる状況になっていることについて高く評価するとともに、施設の早期完成を期待しておきます。
白子川流域における治水安全度の早期向上については、白子川地下調節池の整備とともに、水害対策の基本となる護岸整備を進めていくことが重要と考えます。
そこで、白子川の整備状況について伺います。
○三浦河川部長 白子川は、埼玉県境を流れる延長十キロメートルの河川であり、都施行区間はこのうち、八・六キロメートルでございます。
都施行区間の板橋区内二・七キロメートルは既に整備が完了しております。
練馬区内につきましては、比丘尼橋下流調節池などの完成を受けまして、平成十四年度より調節池上流に向け整備が可能となったことから、これまでに東映橋など五橋のかけかえ及び護岸一・五キロメートルの整備が完了いたしました。
今年度は、大泉学園通りの学園橋の橋桁の設置及び上流にあります前田橋上下流の護岸整備を行っております。
○高橋委員 白子川の整備が着実に進んでいることがわかりました。
今後とも、水害対策の両輪として、護岸と調節池の整備を進め、早期に浸水被害の軽減をさせるとともに、地域の方々に潤いや安らぎをもたらすことができる自然豊かな親水空間の整備をお願いいたします。
一方、近年では、ゲリラ豪雨とも呼ばれる集中豪雨が都内の至るところで降っており、浸水被害を起こしています。
こうした雨は、局地的で短時間に集中して降るという特徴があることから、調節池を連結し、機能を融通することにより、広範囲な地域を水害から守ることが可能となることを私は都議会の場において繰り返し主張してきました。
特に、現在整備中の白子川地下調節池と既に完成している環七地下調節池を連結させ、白子川、石神井川、神田川の三流域を水害から守る広域調節池とすることを提案してきました。
先日行われた決算特別委員会における私の広域調節池の質問に対し、昨年度は主要構造などの基本設計を行ったと答弁がありました。
そこで、まず、新たなトンネルのルートなど、これまでの検討の成果について伺います。
○三浦河川部長 白子川、石神井川、神田川の三流域にまたがります環状七号線地下広域調節池のうち、環七地下調節池と白子川地下調節池を結ぶ今回の整備区間は、内径十二・五メートル、延長約五・五キロメートルのトンネル構造であり、貯留量は約六十八万立方メートルとなります。
トンネルのルートは、道路幅員が広く用地取得の必要がない都道環七通りと目白通りの地下約四十メートルに設定することとしました。
なお、トンネルが大きくカーブをする環七通りと目白通りの交差部の豊玉陸橋付近や、妙正寺川の発進立て坑及び石神井川の到達立て坑付近など、一部の区間では民有地の地下をトンネルが通過をいたします。
また、調節池内部の換気や堆積した土砂の搬出など、日常の維持管理のため、環七通り沿いの都有地を利用いたしまして、中間立て坑を設置することといたしました。
○高橋委員 広域調節池のルートの大半は、用地買収の必要のない環七通りや目白通りなどの道路下を通りますが、立て坑付近などの一部では、民有地の下を通過するとのことであります。
広域調節池の事業を円滑に進めるためには、こうした地権者の理解と協力が必要であることは当然でありますが、特に豊玉陸橋付近の地権者など、川から遠く離れた場所に住み、日ごろ水害の危険を感じていない方々には、水害の怖さや治水対策の必要性をしっかりと丁寧に説明していくことが重要であります。
そこで、この整備を進めるに当たり、住民理解を得るための取り組み状況について伺います。
○三浦河川部長 本事業に対しますご理解とご協力をいただくため、トンネルルートの沿道にお住まいの方々を対象に、ことし八月に事業説明会を計四回開催し、近年の雨の降り方や水害の発生状況、施設の必要性について説明し、質疑応答を行いました。
また、民有地の地下をトンネルが通過する区間につきましては、区分地上権を設定する予定でありますため、対象となる地権者の方々には、個別に直接お伺いをして事業内容を説明しております。
引き続きご協力をいただけるよう努めてまいります。
○高橋委員 引き続き地権者の理解と協力が得られるよう、丁寧な対応をお願いいたします。
鬼怒川を決壊させたような集中豪雨がいつどこで降るとも限りません。東京もこうした水害の危険性に直面していることからも、大きな効果を発揮する広域調節池の早期の整備が期待されます。
そこで、工事着手に向けた今後の進め方について伺います。
○三浦河川部長 環状七号線地下広域調節池につきましては、他の都市施設と円滑な事業調整を図るため、都市計画法に基づき事業を進めていくこととしており、先日、都市計画審議会における審議が行われました。
今後は、本年十二月に都市計画決定の告示を予定しておりまして、事業化に当たっては、今年度末に国土交通省から事業の認可を得て、平成二十八年度の工事着手、三十七年度の事業完了を目指してまいります。
今後とも、都民の安心と安全なまちづくりに向けまして、全力で治水対策を進めてまいります。
○高橋委員 都民が安心して暮らせる世界で一番の都市東京の実現を目指し、来年度からの工事着手と早期完成に向け、一層の取り組みをお願いしておきます。
次に、都立公園事業についてお尋ねいたします。
建設局が所管する都立の公園や文化財庭園、動物園などは多くの都民から癒やし、潤いの場として親しまれているほか、国内外からの観光客も多く訪れています。
二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催を控え、その魅力をさらにPRしていくことも重要なことから、まず、本委員会の事務事業説明における参考資料4、都立公園などを紹介している都立公園ガイドについてお聞きします。
このガイドは、建設局が二年ごとに発行しており、ことし九月に最新版である二〇一五-二〇一六版が発行されました。
都民情報ルームや一部の書店において販売もされており、前回発行の販売予定分は完売したと聞いています。
私も最新版に目を通しましたが、各公園の見どころや施設を図や写真により、わかりやすく紹介しており、園内に咲き誇る美しい花々や、広々とした芝生広場など、各公園の特徴や、その魅力が伝わってきました。
都立公園などの情報を発信していく上で、有効なツールであると思いますが、最新版の編集に当たっては、どのような点に工夫をしたのかお伺いいたします。
○日浦公園管理担当部長 都立公園ガイドは、都立の公園、文化財庭園、動物園、植物園、霊園などの園内施設や見どころを紹介する冊子でございます。
特徴といたしましては、図や写真を用いて全ページカラーで見やすく、また、持ち歩きにも便利なB5サイズとしております。
今回の発行に当たりましては、公園などの最新の姿を伝えるため、掲載されている写真を更新したほか、巻頭の施設紹介ページにドッグランを新たに掲載したり、園内の案内図にAEDの設置場所を追加するなど、内容の充実を図りました。
○高橋委員 編集に当たり、よりよいものとなるよう、見直しや工夫がされているとのことであります。
次回の都立公園ガイドの発行は、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催を三年後に控えた二〇一七年が予定されていますが、より一層、内容の充実を図り、都立公園などの魅力を多くの方々に伝える一冊としていただきたいと思います。
また、都立公園などの案内やPRには、ウエブサイトの活用も重要であります。都立公園などのウエブサイトは、指定管理者などが創意工夫を凝らし、その魅力を発信していますが、海外からの観光客が多く訪れる文化財庭園や動物園のウエブサイトは、英語、中国語、韓国語、さらにフランス語にも対応しているとのことであります。
東京の多彩な魅力とおもてなしの心をアピールし、海外からの観光客を多く呼び込むためには、今後、さらに海外に向け、広く情報発信していくことが必要でありますが、実際にその施設を訪れた方々が快適に楽しめる環境を整えることも重要であります。
そのためには、新しい情報通信技術を活用していくことが有効であると考えますが、そこで、文化財庭園や動物園におけるこの新しい技術を活用した取り組みについてお伺いいたします。
○日浦公園管理担当部長 文化財庭園や動物園は、都立公園の中でも、東京の文化や魅力を伝える観光拠点として重要でございます。
都は、平成十八年度から、全国に先駆けまして、浜離宮恩賜庭園と恩賜上野動物園におきまして、ICT技術を用いた専用の機械による多言語に対応したガイドサービスを提供してまいりました。
来年四月からは、さらに多くの方々に楽しんでいただけるよう、自分のスマートフォンで利用できるガイドサービスにリニューアルいたします。
これによりまして、イベントや花の見ごろなどの最新の情報や、見どころの詳しい説明を来日前から手軽に入手できるようになるとともに、ツイッターやフェイスブックなど、ソーシャルネットワークサービスと連動いたしまして、効果的に文化財庭園や動物園の魅力を発信することが可能となります。
○高橋委員 スマートフォンで利用できるガイドサービスにリニューアルすることは、大変時宜にかなった取り組みだと考えます。
二〇二〇年までに少なくとも全ての文化財庭園と動物園でガイドサービスが利用できるよう取り組むことを要望しておきます。
さらに、今後、海外からの観光客が多く訪れることが予想される都心部や、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会会場周辺の都立公園などにおける園内の案内サインなどの多言語表示にも、あわせて取り組んでいただくことをお願いしておきます。
次に、私の地元である石神井公園についてお聞きいたします。
まず、事業概要の一一二ページにある多様な生物が生息する都立公園づくりに関連してお聞きします。
石神井公園は、国の天然記念物に指定されたミツガシワやコウホネなどの希少な水生植物の群落がある三宝寺池とボート遊びが楽しめる石神井池という二つの池と、これを取り囲む樹林地から成る武蔵野の面影を残した自然豊かな公園であります。
昨年度、都が行った自然環境調査によれば、都内では珍しいチョウや絶滅危惧種であるキンランやギンランなど多様な生物が生息、生育していることがわかりました。
また、カワセミやアオゲラなどの野鳥を求めてバードウオッチングに訪れたり、市民団体による自然観察会が開催されるなど、多くの都民が自然と触れ合い、環境について学ぶ場となっています。
昨年の事務事業質疑では、こうした石神井公園において多様な生物が生息、生育できる環境を整備し、生物多様性を保全するための計画づくりを進めていると答弁がありました。
そこで、石神井公園における生物多様性保全に向けた計画の内容と今後の取り組みについて伺います。
○五十嵐公園緑地部長 湧水池と人々の営みがつくり出した多様な環境に多くの動植物が生息する石神井公園は、都市における生物多様性を保全する上で重要な公園でございます。
平成二十六年度に取りまとめました生物多様性保全管理計画では、減少しているアカマツやコナラ等の樹林地や草地などを回復することで、樹林から水辺まで連なる多様な環境を保全し、生物の多様性を増大させることといたしました。
また、観察会等、自然と触れ合う場として活用することや、今後、モニタリングを行う動植物の種類を決めております。
今年度は、策定した計画に基づき、公園の西側にある野鳥誘致林をエノキやムクノキの明るい樹林に回復させるため、支障となる樹木を伐採することや、石神井池で水鳥の隠れ家となる浮き島や湿地を創出するなどの整備を予定しております。
今後は、地域の方々と連携し、目標とする動植物のモニタリングと、その結果に基づく適切な管理を継続して行ってまいります。
○高橋委員 石神井公園において多様な生物が生息、生育できる環境の実現に一歩踏み出したことがわかりました。
しかし、生物多様性を保全していくためには、継続した取り組みが必要であります。地域住民の方々とも連携し、取り組んでいくことをお願いしておきます。
次に、石神井公園の野外ステージについてお聞きいたします。
石神井公園は、豊かな自然環境に加え、室町時代にこの地域を領有していた豊島泰経の居城である石神井城の城跡や、豊島一族の伝説を今に伝える殿塚、姫塚などの歴史資源も残されています。
石神井公園では、豊島泰経とその娘である照姫の伝説にちなんだ時代祭りである照姫まつりが毎年開催されており、石神井公園の野外ステージは、お祭りのメーン会場の一つとなっています。
しかし、野外ステージが来場者の受け入れに手狭であったことや、施設の老朽化が目立っていたことから、平成二十五年度の事務事業質疑において、野外ステージの再整備について提案を含めた質問を行い、都からは、多くの都民に親しまれる野外ステージの早期実現に向け、取り組んでいくとの答弁をいただきました。
そこで、平成二十六年度に実施した野外ステージの改修内容について伺います。
○五十嵐公園緑地部長 都立石神井公園の野外ステージは、照姫まつりを初めとして、地域のイベントの会場等として使用されておりますが、施設の老朽化が進行していたため、平成二十六年度に改修工事を実施いたしました。
具体的には、観覧スペースを大幅に拡張し、定員をこれまでの二・五倍の約千人としたほか、観覧席の舗装化や車椅子の観覧スペースを設けるなど、ユニバーサルデザインにも配慮した改修を行っております。
また、既存樹木を極力保全するとともに、新たな植栽を行い、周囲の自然環境との調和を図り、緑豊かな石神井公園にふさわしい施設といたしました。
○高橋委員 野外ステージが改修され、地域の方々が快適に使用できる施設となったことは大変喜ばしいことであります。
さらなる要望として、野外ステージの脇のトイレの改築があります。石神井公園は、東京都地域防災計画において避難場所に指定されており、大震災等の際には、多くの都民が避難してくることが想定されます。
今、お話がありましたユニバーサルデザインの防災トイレへの早期建てかえを要望するとともに、引き続き石神井公園の整備や改修を積極的に進めてくださるようお願いしておきます。
最後に、都立公園のスポーツ施設についてお尋ねいたします。
ラグビーのワールドカップで日本代表が大活躍したこともあり、都民、国民のスポーツに対する関心がますます高まっております。
私はかねてより、スポーツのすばらしさを訴え、さまざまな機会を捉えて、スポーツ振興に向けて活動してまいりました。
二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて、東京を誰もがスポーツを楽しみ、健康を実感できる都市にしていくことが求められております。
そのためには、都民が気軽に散策やスポーツなどを楽しめる都立公園の役割は大変大きいと考えます。都立公園には、既に三十四の公園に都建設局が所管するスポーツ施設があるとお聞きしております。
そこで、都立公園のスポーツ施設の最近の整備状況についてお伺いいたします。
○五十嵐公園緑地部長 都立公園のスポーツ施設は、都民が身近なレクリエーションとして、スポーツに親しむ有料の施設であり、野球場四十八面やテニスコート百五十一面、陸上競技場十一カ所のほか、サッカー場などの施設を設置しております。
平成二十六年度には、井の頭恩賜公園の西園の拡張に合わせて、新規に野球場を供用したほか、城北中央公園や篠崎公園において、老朽化した十二面のテニスコートの改修を行っております。
今年度は、大泉中央公園において、陸上競技場のトラックやフィールドの改修を行うとともに、代々木公園では、陸上競技場の三種公認を継続するための改修等を進めてまいります。
今後とも、都民が気軽にスポーツに親しめるよう、都立公園のスポーツ施設の整備に努めてまいります。
○高橋委員 都立公園のスポーツ施設について新規の開設や既存施設の改修をしっかり進めているとのことでした。
二〇一九年のラグビーワールドカップ、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて、スポーツに親しむ機運は高まってきております。
また、青少年の健全な育成や、高齢者の健康づくりなどにスポーツは大変有意義であります。
今後とも、スポーツ施設のさらなる整備を積極的に進めてくださるようお願いをさせていただきます。
これで私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○吉倉委員 最初に、私からも道路整備について質問いたします。
都は、現在、首都圏三環状道路の整備を推進しております。この三環状道路は、都心部に集中する交通を分散して渋滞を緩和し、経済を活性化するだけでなく、災害時には、日本の交通の東西分断を防止し、首都機能を維持する上でも極めて重要な道路であります。
このうち、首都高速中央環状線がことし三月に全線開通し、私の地元新宿からも、羽田、横浜方面の所要時間が大幅に短縮するなど、地元の方々から大変喜ばれております。
人の移動、物流、観光など、さまざまな面で効果があらわれていると思いますけれども、中央環状線の開通による整備効果を伺います。
○相場道路建設部長 本年三月に中央環状品川線が開通し、首都圏三環状道路で最初のリングが完成いたしました。
これにより、都心に集中する交通の分散が図られ、前年と比較して中央環状線内側の利用交通量は約五%減少、渋滞損失時間は約五割減少いたしました。
また、新宿から羽田空港までの混雑時における所要時間が約四十分から約十九分に減少するとともに、定時性が向上するなどの効果があらわれております。
さらに、中央道方面と羽田空港方面の貨物輸送におきまして、これまで一般道や都心環状線を利用していました交通の約八割が中央環状線に転換し、輸送時間が約三割短縮するなど、物流の効果が図られております。
中央環状線は、高速道路ネットワークを効率よく機能させ、人と物の円滑な流れを実現し、経済活動の効率化や観光の活性化に寄与するとともに、発災時におけます迂回路としての機能も発揮するなど、都市機能を格段に向上させました。
○吉倉委員 答弁をいただき、中央環状線の開通は非常に大きな効果があることがわかりました。
ロンドンやパリ、ベルリンといった海外の主要都市の環状道路の整備状況と比較して、著しくおくれていた東京の環状道路も大きく前へ進むことができたと感じております。
一方、高速道路だけではなく、一般道路の整備も重要であります。一般道路の整備は、平常時に渋滞を解消することはもとより、災害時には、人や物の移動を確保して防災、減災を図り、広い歩道の確保により、安全性を高めるなどの効果を生み出すことはよく知られております。
私の地元新宿区でも、山手通りが整備され、車道はこれまでの幅員二十二メートルから四十メートルに拡幅されました。
歩道も車道の両側に約九メートルの幅で整備され、広く歩きやすくなり、自転車走行空間も確保されるなど、安全性が高まりました。まち並みが一層美しくなり、まさに二十一世紀型道路だと感じております。
私は、これからの道路整備は、環七や環八のような二十世紀型道路はつくるべきではないと考えております。
かつて道路をつくれば公害がふえた時代がありました。しかし、今は、道路をつくれば緑がふえる、道路をつくれば環境がよくなると、そうした道路をつくるべきだと強く主張しておきたいというふうに思っております。
その意味からも、こうした山手通りを初めとする都の道路整備の取り組みを高く評価しております。
そこで、改めて東京の道路整備の効果について伺いたいと思います。
○相場道路建設部長 道路は、都民生活を支えるインフラであり、ネットワークを整備することにより、交通が円滑化いたします。
また、災害時の緊急車両の通行確保や延焼遮断帯の形成により、防災性が向上するとともに、通過交通を幹線道路に誘導し、生活道路に進入する交通を排除することで安全性が向上いたします。さらに、無電柱化や街路樹の植栽により、都市景観が向上いたします。
加えて、毎日の生活に欠かせない上下水道、電気、ガスなどライフラインの収容空間として重要な機能を担っております。
このように、道路整備の効果は多岐にわたっておりますが、東京の都市計画道路の整備率は約六割と、いまだ道半ばであり、都は、今後とも、積極的に道路整備を推進してまいります。
○吉倉委員 答弁をいただき、道路整備の効果は継続してあらわれる、いわゆるストック効果であると考えております。
今後も引き続き、将来世代にとって安心で魅力ある東京を実現するための道路整備の推進を強く求めておきたいというふうに思います。
次に、電線の地中化事業について伺います。
この事業は、都の無電柱化推進計画等に基づいて、都市防災機能の強化、安全で快適な歩行空間の確保、さらに、良好な都市景観の創出を目的として実施している大変重要な事業であります。
ロンドン、パリ、香港などの諸外国の都市が既に無電柱化を一〇〇%達成しているのに比べ、東京の地中化率は大きく立ちおくれていると指摘されてまいりました。
こうした中で、二〇二〇年のオリンピック・パラリンピック東京開催に向けて、センター・コア・エリア内の都道については、平成三十一年度までに無電柱化完了を目指して急ピッチで取り組んでいることを評価しております。
そこで、まず、センター・コア・エリア内の都道における無電柱化の整備状況について伺います。
○川合道路保全担当部長 無電柱化事業は、良好な都市景観の創出や、安全で快適な歩行空間の確保、都市防災機能の強化を図る上で重要でございます。
都は、新たに平成二十六年十二月に策定した第七期の無電柱化推進計画に基づき、事業に取り組んでおります。
平成二十六年度末の計画幅員で完成したセンター・コア・エリア内の都道における地中化率は約九〇%でございます。
○吉倉委員 我が国の政治経済、文化の中心的役割を担うセンター・コア・エリア内の都道について無電柱化を重点的に実施し、地中化率を約九〇%まで引き上げたとのことであります。都の取り組みを評価いたします。
引き続き、さらに都道の無電柱化を加速させていただきたいと、このように思っております。
一方、切迫する首都直下地震への対策として、緊急輸送道路については、最優先で無電柱化を進めるべきであると考えております。
都の新たな無電柱化推進計画の中でも、緊急輸送道路の無電柱化を重点的に進めていくとされており、今後の取り組みに大いに期待をしております。
私の地元の新宿区には、センター・コア・エリア内で、第一次緊急輸送道路に指定されている都道目白通りがあり、昨年の決算特別委員会では、この目白通りについては、着実に無電柱化を進めていくとの答弁をいただいております。
改めて、新宿区内の目白通りにおける事業の進捗状況について伺います。
○川合道路保全担当部長 現在、新宿区内の目白通りでは、下落合三丁目から山手通りまでの施設延長約一キロメートルで整備を進めており、これまでに電線共同溝の本体工事が完了したところでございます。
平成二十七年度は、沿道建物への引き込み管工事を実施いたします。
○吉倉委員 目白通りの無電柱化の取り組みについてはよくわかりました。
このように、センター・コア・エリアや緊急輸送道路における都道の無電柱化が進んでいる一方で、整備がおくれている区市町村道についても、無電柱化事業を着実に進めていく必要があります。面的な広がりのある整備をする上で、むしろ幹線道路ではない区市町村道の事業こそ大切だと考えております。
しかし、区市町村道の事業が余り進展していない理由は、例えば新宿区では、都道目白通りと接続する区道聖母坂通りで事業に取り組んでおりますけれども、新宿区だけで無電柱化を促進するには、財政的負担が大き過ぎると聞いております。すなわち、早急に促進すべき区市町村道での無電柱化については、財政面での都の支援が不可欠であります。
そこで、区市町村道の無電柱化事業に対する都の財政支援について伺います。
○川合道路保全担当部長 都内全域で無電柱化を図っていくためには、区市町村道の事業を一層促進することが重要でございます。
このため、都は、平成二十年度から、センター・コア・エリア内や主要駅周辺などの道路を対象に、区市町村の無電柱化事業に対する財政支援を行っております。
さらに、平成二十七年度からは、新たに防災に寄与する道路も対象に加え、国と都で事業費のおおむね四分の三を補助しております。
○吉倉委員 答弁いただきましたが、新たに防災に寄与する区市町村道も対象に、国と都で事業費の四分の三を補助するということであります。
一方で、無電柱化は、電線を集約する管路などを限られた地下空間に埋める事業であるため、計画や工事を行う際には、高い技術力が必要であります。
区市町村道において、無電柱化をさらに進めていくためには、財政支援だけではなく、都による技術的な支援も重要になると考えております。
そこで、区市町村の無電柱化事業に対する都の技術的な支援の取り組みについて伺います。
○川合道路保全担当部長 都は、平成二十年度から毎年、区市町村の職員に対し、無電柱化に関する研修会を実施しております。
研修会では、東京都電線共同溝マニュアルに基づく設計、施工にかかわる内容について、現場における事例も踏まえて、実践的な講義を行っております。
また、各区市町村の事業実施に当たり、法的手続や技術上の課題解決に関して、個別具体的に助言や指導を行うなどの支援をしております。
今後とも、区市町村に対する財政面及び技術的支援を行い、無電柱化のより一層の促進に積極的に取り組んでまいります。
○吉倉委員 実践的な研修会や指導助言など技術的な支援についても取り組んでいるということであります。
ぜひ今後とも、財政面や技術面での支援を継続していただき、区市町村の負担を軽減し、後押しする形で、無電柱化のより一層の推進に取り組んでいただくよう要望し、質問を終わります。
○大島委員 私は、まず最初に、河川の防災対策について伺います。
九月の関東・東北豪雨は、鬼怒川上流に大雨が降り、下流の堤防が決壊し、茨城県常総市の中心部が浸水しました。
私、せんだって、荒川の河川下流事務所に行ってまいりまして、荒川が決壊したときの状況などについていろいろお話を伺ってきました。
私は足立区に住んでいるものですから、この荒川がすぐそばにあるんですね。そこでいろいろな資料というか、CGなどでその様子が、決壊後の様子というのを見せていただいたんですけれども、見たら、私が使っている駅は北千住駅なんですが、北千住の駅前がわずか数時間で六メートルまで水が来るんですね。すぐそばに東京メトロ千代田線の入り口があるんですけれども、入り口からどんどん水が入っていくんだろうなと。もちろん私の家は水没してしまうと。全くもう人ごとではないという、そういう背筋が寒くなるような話を聞いてまいりました。
もちろん荒川は国が管理する河川ですから、東京都直接という話ではないんですけれども、都内にも神田川など多くの河川があります。
都が管理する中小河川では、洪水が起きないようにどのように河川整備が進められているのか、まずお聞きをいたします。また、具体的な事業の進捗状況についてもお示しいただきたいと思います。
○三浦河川部長 平成二十四年に策定をいたしました中小河川の整備方針では、時間五十ミリまでの対策を河道整備で、これを超える部分は調節池で対応することを基本として、護岸や調節池等の整備を進めております。
二十七年度は二十八河川で事業を実施し、このうち護岸につきましては、善福寺川などで一・九キロメートルを整備いたします。調節池につきましては、古川地下調節池など五カ所で工事を行っております。
これにより、二十七年度末における時間五十ミリ降雨に対する治水安全度達成率は七九%になる予定でございます。
○大島委員 きょういただいた資料の一ページを見ますと、治水安全度の達成率というのが書かれておりまして、この十年で五%上昇しているということで、着実に前進しているのかなと、進んでいるのかなというふうに思うんですが、なかなか大変な事業だというふうに思っています。
都が設置をいたしました中小河川における今後の整備のあり方検討会の提言では、目指すべき目標整備水準として、現在の時間五十ミリ降雨から、区部では時間七十五ミリ、多摩部では時間六十五ミリ降雨対応に引き上げることが望ましいとありました。
また、この整備手法の基本的な考え方の中では、ご答弁にもありましたけれども、調節池のほかにも透水性舗装とか浸透ますなどの流域対策による河川への雨水流出抑制効果を考慮すべきだとも書いてありました。こうした取り組みを含めて、ぜひ治水対策を強化していただきたいと思っています。
私の地元足立区は、四方を川に囲まれたまちです。今回のような豪雨による洪水の危険だけでなく、東日本大震災のような地震や津波、こういったときの堤防破壊も非常に心配になっています。
東部低地帯の河川施設整備計画が二〇一二年十二月に出されております。いただいた資料の二ページを見ますと、平成二十七年度では、堤防の延長が八・七キロメートル、それから整備率で一八%、水門は五カ所の、これは完成予定ということになっております。二十七年度ですからまだありますからね。
私は、私の地域に流れております綾瀬川、それから隅田川の堤防の耐震対策について、それぞれ具体的な進捗状況について伺いたいと思います。また、こうした対策は急がれておりますが、今後の取り組みについてお伺いをします。あわせて、綾瀬川の漏水対策はどのようになっているのかお聞きいたします。
○三浦河川部長 隅田川、綾瀬川の堤防の耐震対策につきましては、平成二十四年十二月に策定をいたしました整備計画に基づき、計画的に工事を進めているところでございます。
隅田川では、二十六年度までに計画延長二十六・五キロメートルの約三割、九・一キロメートルの工事に着手をしており、二十七年度は新たに千住汐入大橋上流左岸などで着手をし、六・六キロメートルを事業化してまいります。
また、綾瀬川では、二十六年度までに計画延長十一・二キロメートルの約三割、三・一キロメートルの工事に着手をしており、二十七年度は新たに新加平橋上流左岸などで着手をし、一・〇キロメートルを事業化してまいります。
また、綾瀬川の水のにじみ出しにつきましては、既に対策を行っており、今後、さらに耐震対策工事とあわせまして、目地やコンクリート表面の補修を行うこととしております。
引き続き整備計画に基づきまして、隅田川の防潮堤については三十一年度まで、綾瀬川の護岸につきましては三十三年度までの完了に向けまして整備を進めてまいります。
○大島委員 ありがとうございます。
綾瀬川の水のにじみ出しのところは、水が出てくるというか、そこをパテで張って補修していただいているんですよね。だから、遠目から見るとマスクメロンのような、ああいう感じがずっとしているんで、きれいにしていただけるというのは大変ありがたいと思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。
引き続いて、土砂対策についてお伺いいたします。
一昨年の大島や昨年の広島など、近年、土砂災害による大規模な被害が発生しています。都内には、約一万五千カ所もの土砂災害のおそれのある箇所が存在するといいますが、局所的豪雨が頻発する中で、土砂災害対策を早急に進めていくべきと考えます。
そこで、土砂災害対策への具体的な取り組み状況についてお伺いいたします。
○三浦河川部長 土砂災害から都民の生命を守るには、ハード、ソフトの両面から対策を推進することが重要でございます。
そのため、都は現在、ハード対策として、土石流や崖崩れの危険性が高い箇所や、過去に災害が発生した箇所において堰堤などを整備する砂防事業や、のり枠などを整備する急傾斜地崩壊対策事業を進めております。
今後とも、保全対象の状況や地元自治体等からの要望を踏まえ、対策を実施してまいります。
また、ソフト対策としましては、土砂災害防止法に基づく基礎調査や警戒区域等の指定を進めており、長期ビジョンに示しますとおり、基礎調査を平成二十九年度までに、警戒区域等の指定を三十一年度までに都内全域で完了させます。
○大島委員 土砂災害防止法による基礎調査が行われて、二〇一七年度までに都内全域で完了させるということや、土砂災害警戒区域等の指定を二〇一九年度までに完了させるという答弁がありました。
きょういただいたこの資料の中でも、着実に前進をしているというのが受け取れるんですが、それでは、この警戒区域等の指定の進捗状況及び九月に公表いたしました基礎調査結果の具体的な内容についてお伺いいたします。
○三浦河川部長 都はこれまで、警戒区域等の指定を西多摩地域から順次実施をし、二十七年六月までに都内全体で警戒区域八千七百四十四カ所、特別警戒区域六千三百八十二カ所を指定し、土砂災害のおそれのあるとされている約一万五千カ所のうち、おおむね六割が完了しております。
また、九月には、区域指定の前提となる基礎調査について、八王子市、町田市のほか、二十三区で初めてとなる世田谷区、北区、板橋区の三区二市で警戒区域の指定を予定する八百七十四カ所、特別警戒区域の指定を予定する七百四十九カ所の結果を公表しており、引き続き区域指定に向けた作業を進めてまいります。
○大島委員 全体で土砂災害のおそれのあるところのおおむね六割が完了しているということや、これまで三多摩地域などでやられてきたんですけれども、基礎調査では、初めて二十三区の中にも調査が入っているということなので、本当に心強いものがあります。
基礎調査を進めて一日も早い対策の強化を求めておきたいと思います。
次に、都立公園の防災機能の問題についてお伺いをいたします。
現在、都内には八十一の都立公園があるということですが、その四分の三に当たる六十一公園は、都や市町村の地域防災計画上、救出救助活動の拠点や避難場所など、防災上重要な役割がある公園を防災公園として整備を進めています。
これまで行ってきた整備と今後の施設整備についてお伺いいたします。
○五十嵐公園緑地部長 大規模救出救助活動拠点等、救出救助活動の拠点となる公園では、円滑な救援部隊の受け入れのため、入り口や園路の拡幅などを行い、避難場所となる公園では、速やかな避難誘導のための入り口表示灯のほか、炊き出しに使用できるかまどベンチ等の施設整備を行ってまいりました。
今後は、停電時でも公園管理所等、主要公園施設の機能を維持するため、非常用発電設備を設置するとともに、避難者等へ災害情報を提供するデジタルサイネージ等の施設整備を充実してまいります。
○大島委員 足立には舎人公園、東綾瀬公園、中川公園という都立の公園が三カ所あるんですが、これら全てが防災公園となっています。
公園によってそれぞれ配備されているというか、設置されているというのかな、防災施設の設置状況がいろいろ異なるんですね。かまどベンチがあったり、そのほかに給水設備があったりとかいろいろあるんですけれども、今後、防災施設整備の一つとして、非常用発電設備の設置を進めるということです。
現在、足立区の舎人公園では、災害によって停電になった場合でも、応急復旧活動に必要な電力を確保するとともに、隣接する北足立市場、それから足立トラックターミナルというのもあるんです。そして、日暮里・舎人ライナーというのも走っているんですが、災害時にこういったところにも必要な電力を供給するためということで、非常用発電設備の整備が進められています。
足立区には、先ほどいいましたように、舎人公園のほかにも避難場所に指定されている東綾瀬公園とか中川公園とかがあります。これらの公園でも、この非常用発電設備というのは導入されるんでしょうか。
○五十嵐公園緑地部長 都では、東京都長期ビジョンに示すとおり、平成三十六年度までに東綾瀬公園や中川公園を含む全ての防災公園に非常用発電設備を設置し、避難場所となる都立公園内への安全・安心な避難のための夜間照明、情報の提供、通信の確保等に活用いたします。
今後とも、こうした取り組みにより、安全・安心な都市東京の実現に向け、都立公園の防災機能の強化を図ってまいります。
○大島委員 ありがとうございます。
何せ電気が通じないというのは暗くなっちゃうし、本当に不安になると思うんですよね。平成三十六年度までに全ての防災公園にこうした非常用発電設備を設置していただけるということであれば、それはそれとして、安心の部分になってくるんではないかなというふうに思っています。
東日本大震災から四年八カ月たちますが、いまだに避難生活を余儀なくされている方たちがたくさんいます。一日も早い復旧、復興が求められています。
このとき起きました福島第一原発の事故によって、大量の放射性物質が大気中に放出され、これは福島県だけでなく、東日本の各地においても環境汚染が生じました。
福島原発事故以来、こうした放射能による環境汚染や内部被曝等について、都民の不安は大きく、市民レベルで放射能の量や放射線の線量の測定が行われ、ホットスポットといわれる場所も発見されています。
二〇一一年十一月には、都立中川公園で、地上一センチで七・〇六マイクロシーベルトという高い数値が認められ、建設局は、これは除染ではなく、囲いをした上で、時間的な減衰を継続的に調査をするという対応をとられました。
二〇一二年七月には、高い放射線量が確認された都立水元公園で、建設局は東京都で初めての除染を行いました。
本当にこういう点では、素早く対応していただけるということは大変うれしいことなんです。しかし、現在も市民レベルで測定活動などが行われています。まだまだ不安を抱えている方たちが多いわけですね。
六月二十五日には、都立中川公園B地区で、住民の皆さんからの通報に基づいて、建設局が清掃を行ったと聞いています。
私は、環境省の出した放射線物質による局所的汚染箇所への対処ガイドラインというものを読みますと、それに示された簡易な除染、つまり側溝の泥の除去とか落ち葉の回収、こういったものに準じた対応をしてくださったのではないかなと思っています。こうした市民の皆さんからの通報に対応していただいていること、都民も喜んでいると思います。
そこで伺いますが、都立水元公園での除染や、今回の中川公園での清掃によって生じた汚染土、これなどは現在どのような状況にあるのでしょうか、また、今後どのように処理していくのでしょうか、お聞きします。
○日浦公園管理担当部長 都立水元公園の園内の一部で、平成二十四年度、文部科学省の放射線測定に関するガイドラインに基づき、除染が必要とされる空間線量が高い地点が局所的に確認されたため、除染作業を行いました。
その際、除去した土は、環境省の除去土壌の保管に係るガイドラインに基づきまして、水元公園内の来園者が近づけない場所にフレキシブルバッグに入れ、シートと土のうをかぶせた状態で適切に保管しております。
現在、より一層の安全な保管のため、土の中にコンクリートの箱を設置し、その中に保管する作業を行っております。
また、都立中川公園において清掃した土についてでございますが、文部科学省のガイドラインに基づきますと、除染対象というわけではございませんが、現在、来園者が近づけない場所に保管しており、年度内に地中に埋設してまいります。
今後とも、適切な公園の維持管理に努めてまいります。
○大島委員 ありがとうございます。
ぜひ周りの方たちも心配しておりますので、やっていただきたいというふうに思っています。
幼い子供を持つ親にとってはよく利用する公園ですし、放射能の心配があるということは大変なんですね。ぜひ今後とも、適切な処理をお願いしたいと思います。
次に、都立の霊園事業についてお伺いをいたします。
都立の霊園の募集というのは、年一回行っているということですが、応募者が多いため、抽せんとなっています。
私のところにも、先日、このお墓の問題で相談の手紙が来ました。この方は、両親の遺骨を自宅に安置して七年になるということでしたけれども、経済的な事情もあり、民間施設に納骨する余裕もありません。これから老いていく身でもあり、両親の遺骨とともに、自分たちの最後のことも心配しています。都立霊園に毎年応募しているんですけれども、当選するのはなかなか難しい。身寄りなく孤独で亡くなっていかれる方も多い時代の中、引き取り手がない場合も、ご遺骨がどのようになってしまうのか、他人ごとでなく気がかりです。抽せんという形は平等に値するものですが、最後は合葬施設へ埋蔵するということも、無条件に資格枠があってもよいのではないかと思いますと書いてありました。本当に切実な問題だというふうに私も受けとめました。
東京都は、この高い墓地の需要に応えて、募集数をふやす取り組みをどのように行ってきたのか、また、今後どのように取り組んでいくのか伺います。
○日浦公園管理担当部長 都では、安定した墓所供給を図るために、従来からある一般墓地や芝生墓地の再貸付に加えまして、合葬式墓地、樹林墓地、樹木墓地、小型芝生墓地などさまざまなタイプの墓地を開設いたしました。
こうした取り組みによりまして、都立霊園の募集数を見ますと、平成十七年度一千四百六十四ということでございましたが、二十七年度には五千三百と三・六倍に増加しております。
引き続き、これらの手法を用いて墓所の安定した供給に努めてまいります。
○大島委員 樹林墓地とか合葬墓地というのは、遺骨がなくても生前で申し込みができるということで人気も高いというふうに聞いているんですね。
最近では、子供や親族に負担をかけたくない人とか、単身の高齢者の増加で、お墓の考え方が急速に変わり始めたと聞いています。お墓参りや管理の代行サービスを活用する人も珍しくなくなったというんですね。
今、区部には、青山霊園、雑司ヶ谷霊園、谷中霊園、染井霊園の四カ所の霊園があります。区部霊園では、再生事業が行われているということですが、その取り組みについてお伺いをいたします。
○五十嵐公園緑地部長 都は、平成十四年の東京都公園審議会の答申を受けまして、区部の都立霊園を都民共有の貴重な財産と捉え、霊園利用者だけでなく、広く都民が利用できるよう、霊園と公園が共存する空間として再生していくこととし、まず、リーディングプロジェクトとして青山霊園で再生事業に着手いたしました。
具体的には、墓所移転により散在する空き墓所を集約するとともに、散策時に休憩できる広場等の整備や、歩きやすく、景観に配慮した園路への改修などを実施しております。
これに続き、平成十七年には谷中霊園について、平成二十四年には染井霊園について、それぞれ公園審議会答申を受けて、再生事業に取り組んでおります。
今後とも、区部霊園の再生に着実に取り組んでまいります。
○大島委員 墓地を造成するということや、それから、墓参に来る方たちが憩えるような場所にしていくという取り組みも重要だというふうには思っています。
区部の霊園ではないんですけれども、郊外部に八柱霊園というのがあるんですね。松戸なので、うちの方から割と近いんです。ここはすごく広くて、面積はおよそ百五ヘクタール、東京ドーム約二十個分の面積に相当する広大な敷地を有しています。
起伏に富んだ地形で、霊園も小高い丘とその谷間につくられているために、お墓参りする人も高齢者が多くなった今、墓地まで歩くのが困難だということも聞きました。
これまで門前で営業していた貸し自転車屋さんがなくなって、かえって不便になってしまったという声も聞いているんですね。
こうした郊外の霊園では、墓参のためのレンタサイクルとか、循環バスを走らせてお墓の近くまで行けるようにするとか、そんなサービスも検討していただけたらなというふうに思っておりますので、要望をしておきたいと思います。
最後に、都市計画道路整備についてお伺いをいたします。
現在、都市計画道路の整備方針の第四次事業化計画というのが進められておりますが、その中で、今後十年間で優先的に整備すべき路線として、第四次優先整備路線選定の検討がされています。
これは都市整備局でやっているんですけれども、第三次優先整備路線を建設局が手がけているんですけれども、いただいた資料を見ますと、かなりの数、事業化未着手という路線があるということがわかります。この未着手路線というのは、どのくらいあるのでしょうか。
○東野道路計画担当部長 今回、資料要求において提出いたしましたとおり、建設局施行の第三次事業化計画の優先整備路線のうち、昨年度末時点で未着手の路線は、六十七路線でございます。
このうち、第一次事業化計画や第二次事業化計画で選定されたことのある路線は、三十七路線でございます。
○大島委員 区部においては一九八一年、一九九一年、二〇〇三年に、そして多摩地域においては一九八九年、一九九六年、二〇〇六年、これはいずれも十年間で優先的に整備する路線というのが選定されてきたわけですね。
今の答弁では、第一次事業化計画、そして第二次事業化計画で選定されていながら、第三次事業化計画でも未着手となった路線が今三十七路線でしたか、あるということなんですけれども、実際になかなか進まない路線については、何か問題があるんではないかなというふうに思うんですけれども、こうした路線の主な原因は何なのかお伺いをいたします。
○東野道路計画担当部長 第三次事業化計画は、平成二十七年度末までを計画期間としており、未着手路線につきましては、現在も事業化に向けた取り組みを進めているところでございます。
未着手の主な理由につきましては、個々の路線で異なりますが、都県境など関係者間の調整が引き続き必要な路線、鉄道交差に関する調整が必要な路線などが未着手となっております。
これらの路線につきましては、引き続き関係者との調整を行いながら課題解決を図るなど、事業化に向けて取り組んでまいります。
○大島委員 まだ二十七年度ありますので、その間に頑張ってやるんだというお話だったんでしょうけれども、確かになかなか進まないところはいろいろ問題もあるわけです。課題も多いから進まないというのはよくわかる話ですし、関係者と引き続き協議をしていくということは、これからも重要だというふうに思っています。
そうはいっても、もう三十年以上たってもまだ事業化できないというところについては、何らかの見直しも必要ではないかなというふうに思っているんです。
これは都市整備局の範疇だと思いますけれども、旧都市計画法の時代に決定された都市計画道路などもかなりあるんですね。これは優先整備路線に選定されていなくても、都市計画決定後、長期にわたって事業に着手されていない、こういう道路なんです。
都市計画道路の整備を進める上で、建設局としてはどんなことを重視しているのかお伺いをいたします。
○東野道路計画担当部長 都市計画道路は、東京の活力や安全・安心を支える重要な都市基盤であり、重点的に整備を進める必要がございます。
整備に当たりましては、地元の理解と協力を得ることが重要であり、関係権利者に対するきめ細やかな生活再建支援や、事業や工事などに関する丁寧な住民対応を重ねながら事業を行っております。
○大島委員 こうした道路整備に当たっては、地元の理解と協力を得るということはとても重要なことだと思うんですね。ましてや関係地権者の方、権利者の方、それから地域の住民の方ですよね。こういう方といろいろな課題はあるでしょうけれども、話し合いをしていくことや、その方たちの要望を聞いて進めていくという丁寧なやり方というのがやっぱり今求められているんじゃないかなというふうに思っています。
優先整備路線に指定されてしまいますと、建築許可の緩和基準、例えば木造三階建ての建築ができなくなるなど、住民生活に直接影響もあります。都市計画道路をめぐって、住民の反対運動などが起きている地域もあります。反対の理由はさまざまですが、住民の理解と協力が得られないという状況にあるわけです。
こうした住民の声にも耳を傾けて、これから対応していただくことを強く求めて質問を終わります。
○田中委員 私からは、まず、連続立体交差事業について伺いたいと思います。
東京における交通渋滞には多くの理由がありますが、その中でも踏切というのは、いうまでもなく円滑な道路交通を妨げる大きな要因であります。
東京都は、都内に残る千六十カ所の踏切の除去を進めるため、道路と鉄道の立体交差事業を推進してきています。
これまでも三百九十五カ所の踏切を除去し、今後、平成三十六年度までに累計四百四十三カ所の除去を目標としているということであります。
そんな中、私の地元大田区で行われている京浜急行本線・空港線の連続立体交差事業について伺いたいと思います。
本事業は、平成二十四年度に全線が高架化されて、全ての踏切は除去されております。第一京浜では、最大七百八十メートルあった踏切による渋滞が解消されたということも公表されております。
沿線の道路を通りますと、渋滞が大きく解消されたことは私も実感をしておりますし、皆さんも環八を通って羽田空港に行かれた方は、その便利さを大変実感していられるかと思います。
その後、今、三年が経過をしているということでありますが、沿線では、現在も工事が続いています。
そこで、事業のこれまでの実績と今後の計画について伺います。
○相場道路建設部長 京急蒲田駅付近の連続立体交差事業は、平成二十四年十月に全線高架化が完了し、二十八カ所全ての踏切を除却いたしました。
現在、京急本線の平和島駅及び六郷土手駅付近におきまして、仮設構造物を撤去しながら高架橋の仕上げ工事を行っております。
また、沿線の住環境の保全や駅へのアクセス性向上などのため、高架橋に沿って約三・九キロメートルの側道を整備しております。
このうち、約二・一キロメートルは平成二十六年度までに完成し、残る約一・八キロメートルも整備を進めており、平成二十八年度に完成予定であります。
今後とも、地元区及び鉄道事業者と連携し、事業完了に向けて取り組んでまいります。
○田中委員 この事業とともに、大田区としましても、京急蒲田の駅前の再開発や、また、沿線の糀谷の駅前の再開発が現在進んでおるところでありまして、大きくまちが今変わりつつあるということであります。渋滞解消とともに、地域の発展を強く私も実感しております。
今の答弁にありますように、まだ残る一・八メートルの側道の整備があるということでありますので、ぜひ地域の交通の円滑化に向けて、この側道の整備というのも大変に効果のあることだと思いますので、来年度の事業完了に向けて、着実にこの事業を進めていただくことを要望したいと思います。
二つ目は、河川事業について伺いたいと思います。
東部低地帯の河川では、高潮や地震による水害を防止するため、防潮堤や水門等の整備、また耐震、耐水対策が進められて、これまで一定の安全性を確保してまいりました。
しかしながら、東日本大震災があり、再度この施設の耐震性能の調査をした結果、首都直下型地震の大規模の地震が発生した場合には、堤防や水門等が損傷する可能性があると判明したため、現在、さらなる耐震や耐水対策が進められることかと思います。
それらの事業の中で、地元の大田区では、呑川と海老取川の防潮堤の耐震補強工事が現在進んでおります。
まず、この事業のそれぞれの補強工事の概要を伺います。
○三浦河川部長 呑川、海老取川の防潮堤につきましては、平成二十四年十二月に策定をいたしました整備計画に基づきまして、最大級の地震が発生した場合にも、津波等による浸水を防ぐための耐震対策を実施しております。
呑川では、計画延長五・五キロメートルの区間のうち、現在、旭橋下流など約〇・四キロメートルにおきまして、防潮堤基礎の地盤改良や防潮堤の壁を厚くするなどの工事を実施しております。
また、海老取川では、計画延長一・〇キロメートルの区間のうち、二十七年度から穴守橋下流左岸約〇・四キロメートルにおきまして、防潮堤基礎に鋼管ぐいを増設するなどの補強工事に着手をいたします。
引き続き整備計画に基づきまして、三十一年度までの完了に向けて整備を進めてまいります。
○田中委員 この二つの川のうち、呑川の件なんですが、この呑川には、船舶が不法に係留をしておりまして、河川管理や、また、事業推進の妨げになっているということも聞いております。これらの船舶の対応も、この防潮堤の事業の中において重要かと考えております。
この対応としては、暫定の係留施設などをつくるなどということも検討し、対応してくれているという話も聞きますが、どのようにして係留者との話し合いを進め、この事業を完成に持っていくのか伺いたいと思います。
○三浦河川部長 現在、呑川には百隻を超える不法係留船舶が存在をしております。そのため、暫定係留施設を整備し、大田区と連携して、不法係留船舶の所有者に対し、施設への移動を促してまいります。
これにより、不法係留が解消された場所から、順次、防潮堤耐震補強工事を行うことで事業を進めてまいります。
○田中委員 耐震工事の関係だけではなくて、呑川の不法係留の問題は、区としても大きな課題かと思いますので、ぜひとも地元区と連携をしながら、この対応をお願いしたいと思います。
呑川、海老取川は、大田区民にとって身近な川でありますし、海老取川は、災害等で羽田空港を迂回できなかった場合に、運河や東京湾内部に結ぶ緊急の輸送路でもあり、防災上も貴重な川であります。
この事業は三十一年度までということでありますが、早期の耐震の補強が望まれています。ぜひ地元住民や河川の利用者と連携をしながら、さらに親しみやすい河川空間をつくり上げていただきたいと思います。
続きまして、水辺の空間のにぎわい創出事業について伺います。
都は、新たな水辺整備のあり方検討会の提言や、長期ビジョンを踏まえながら、水辺の動線の強化や、また、浅草、両国、また築地とにぎわい誘導エリアを決めて、今、リーディングプロジェクトの展開を進めているところであるかと思います。
その中で、この水辺の事業の古参というか、大変古いものとして、水上バスが長らく東京都でも進められてきました。その水上バスの延長線上で、東京水辺ラインの取り組みとして、日本橋の発着所を起点とした川めぐり、橋めぐりという事業が進んでいるかと思います。
この事業についての実績について、まず伺います。
○三浦河川部長 中央区が管理をいたします日本橋船着き場では、平成二十三年度に利用が開始をされております。
東京都の監理団体であります公益財団法人東京都公園協会は、船着き場の利用が開始された初年度から、当該法人の公益事業として、浅草・日本橋めぐり、日本橋川・神田川めぐりの二つの航路で水上バスの運航を行っております。
二十四年度には、最も多い年間五百三十二便を運航いたしましたが、民間事業者の参入が進み、翌年度から船着き場利用回数の調整が行われたため、運航便数を減少させております。
二十六年度は、二十四年度より約二五%少ない、三百九十五便を運航いたしました。
○田中委員 にぎわい創出をしている中で、数だけ見るとちょっと減っているのは残念かと思うんですが、その要因としては、今、民間の事業者の参入が進んだという話がありましたが、民間の事業者がこの日本橋発着所をどのくらい使っているのかということを伺います。
○三浦河川部長 日本橋船着き場の管理者である中央区に確認いたしましたところ、東京都公園協会の水上バスを含めまして、民間事業者の参入状況の目安となる船着き場の利用回数につきましては、平成二十三年度は二千八百九十七回、二十四年度は四千五百六十九回、二十五年度は四千九百四十五回、二十六年度は六千九百九十八回と、四年間で約二・四倍となっております。
○田中委員 日本橋の発着所、私もできたときの二十三年度に視察をさせてもらいまして、そのとき川めぐりもさせてもらいました。そこから四年たって、水辺ラインとしては数がちょっと減ったということでありますが、今聞きますと、四年間で約二・四倍と。特にことしは二千件以上、二千回ほど伸びているということであります。
さらに、事業者ももう百社近くこの水辺を使って、また運河を使って事業が進められているということでありまして、この水辺を使った事業が大変積極的に展開されているということがわかります。
ぜひともこの事業、水辺のにぎわい創出事業の一環として、さらなる力を入れて取り組んでいただきたいと思っております。
そんな中、舟運の話に引き続き行きたいんですけれども、水上タクシーができたという報道があり、十一月五日には、知事も東京湾や芝浦地区運河を視察して話題となっておりました。
都は、二〇二〇年パラリンピック・オリンピックに向けて、この舟運の魅力発信に力を入れており、知事も視察に行ったように、みずからその取り組みを進めていこうということをいっております。
この舟運の活性化に向けて、各局いろいろな取り組みがされているかと思うんですが、建設局としては、どのような取り組みを進めているのか伺います。
○三浦河川部長 災害時の避難や緊急物資の輸送等に備え、都では国や区と連携をし、河川への防災船着き場の設置を進めており、これまでに六十一カ所が整備をされております。
舟運の活性化に向け、平成十八年度より、この防災船着き場の平常時利用を進めており、建設局が管理している十四カ所のうち、桜橋、越中島、明石町の三カ所の船着き場で一般開放を行い、屋形船を中心に年間約三千回の利用がございます。本年六月からは、両国におきましても一般開放を行っております。
現在、関係局と連携して行っております調査運航の結果等を踏まえ、船着き場のさらなる利用促進を図るなど、今後とも舟運の活性化を図ってまいります。
○田中委員 今いいました水上タクシーの営業なんですけれども、試験営業が三十日から始まるということでありまして、いわゆるタクシーでありますから、あらかじめ運航ルートが決まっておらず、いずれは目的地を自由に設定できるということも報道されておりました。
今いいましたように、建設局を初め、多くの防災船着き場を開放させてもらうことによりまして、さまざまな場所にタクシーとして乗り込むことができます。
今回の三十日の試験営業では、羽田空港と都心を結ぶといった交通手段が実験的に行われるということでありますが、これによってますます舟運の利用が活発になることかと思っております。
ぜひとも建設局、これは港湾局や都市整備局にも絡むことで、先ほどの答弁にも関係局と連携するということをいってもらいましたが、この取り組みにもかなり力を入れていただきたいと思っております。
最後に、駐車場事業について伺いたいと思います。
駐車場の事業につきましては、私たちの会派としましては、都営直営でやる問題、また、公社で管理運営することの意義や効率的な運営を求め、何度か質疑をさせてもらいました。
その中で、道路整備保全公社が駐車場運営を、また事業を行っているということでありますが、その中で公益に資する取り組みをこれまで、そして、これからも展開をしているということでありますが、この公益に資する取り組みというのは、どのようなものなのかということを伺いたいと思います。
○今村道路管理部長 東京都道路整備保全公社が実施しております駐車場事業における公益的取り組みといたしましては、三十分未満の駐車料金無料化、荷さばき可能駐車場の設置、電気自動車用充電設備の設置などを行っております。
○田中委員 今、代表的な三つの公益に資する取り組み、駐車場に対する取り組みをお話しいただきましたが、それらの概要、実績について、また、さらには今後の取り組みについてもあわせて伺いたいと思います。
○今村道路管理部長 都内の違法路上駐車の七割以上は、三十分未満の短時間駐車であるという調査結果がございます。
このため、公社は、平成十五年度から三十分未満の駐車料金無料化を実施いたしまして、現在、七十四の駐車場で実施しております。
また、路上での荷さばきによる渋滞の削減を図るため、百一の駐車場において荷さばき車両を受け入れております。
いずれの取り組みも違法駐車の多い地区などへの拡大を検討すると聞いております。
また、環境負荷の少ない電気自動車の普及に寄与するため、百ボルト用、二百ボルト用及び急速充電用の電気自動車用充電設備を三十四の駐車場に設置しております。今後は、充電設備の不足エリアなどへの設置を拡大すると聞いております。
こうした取り組みにより、公社が都政グループの一員として、十分役割を果たすよう引き続き指導してまいります。
○田中委員 違法駐車の取り締まりが変わった中で、タクシーや運送事業者からも、トイレに行くこともできないと。五分でもとめておくとすぐに切符を切られてしまうといった声もあり、大変大きな課題となっております。
また、荷さばきの件においても、荷さばき場がないということで、道路上での荷さばきが常態化をしてしまって交通渋滞を引き起こすと、それぞれ東京において大変大きな課題となっておる中、都が公社と連携をしながら三十分の短時間の無料駐車、また、荷さばきの駐車場をつくっていることは、私も取り組みとしては大変評価をするところでありますが、先ほどの声もありましたが、まだまだ知られていないところもあり、さらにはもっともっとふやしてもらいたいということもありますので、ぜひともこういった取り組み、先駆的な取り組みかと思いますので、さらなる拡大と、また、PRをお願いしたいと思います。
本来なら、これに追随して民間業者が三十分といわないまでも、十五分ぐらいでも無料の駐車を始めてもらい、そういったことが東京中に広がるのが望まれるのでありますが、民間業者は採算やコスト考えて、なかなかそういうことができませんので、ぜひ公社ができる取り組みとして、このような取り組みを進めることを期待いたしたいと思います。
同時に、公社では、防災面でも力を入れて今取り組みを進めているということであります。
その中で、道路防災ステーション事業という事業が今行われているということでありますが、この事業の概要についても伺います。
○川合道路保全担当部長 道路防災ステーションは、震災発生時に道路の障害物除去作業を円滑に行うため、東京都道路整備保全公社が管理する陸橋等の高架下にある駐車場の一部を活用した資機材置き場でございます。
道路防災ステーションには、ホイールローダーや砂、砕石等を配備しており、日常の管理は公社が行っております。
○田中委員 この道路防災ステーション、まだ始まったばかりの事業ということでありまして、また、私も余り知らない事業でありましたが、大変大切な事業かと思っております。
この事業の実績、また、今後の配置計画についても伺います。
○川合道路保全担当部長 昨年度までに中野区の大和陸橋、北区の神谷陸橋に、本年八月には江戸川区の松本連続陸橋に三カ所目となる道路防災ステーションを整備いたしました。
今後も、公社の協力を得ながら、道路防災ステーションの整備に取り組み、震災時に必要とされる資機材の確保に努めてまいります。
○田中委員 これは陸橋等の下の駐車場にも使えないような場所を有効利用しているかということでありますが、陸橋等の下、使えるのにもったいないなと思ったり、ここはあいているなといったようなところが散見されることもありまして、そういったところをこのような道路防災ステーションとして、さらに有効利用をしてもらうことは大変望ましいことでありますし、どうしてもこのような資機材は二十三区、特に中心部においては、場所がないので、海岸部や離れたところに置くということがしばしばあります。
ぜひこれを余り目立たなく、本来なら使わなければいい、このステーションなんでありますが、そうはいっていられず、いつ起こるかわからない震災に対して、道路の障害物、また、多くの災害に役立つ資機材が置かれているということでありますので、この道路防災ステーションにおきましても、公社と連携をして、さらなる充実を求めたいと思います。
以上で質問を終わります。
○やながせ委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
午後三時十一分休憩
午後三時二十五分開議
○やながせ委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○西崎委員 まず初めに、私からは、都立霊園について伺いたいと思います。
高齢化率二五%を超えた現代社会は、多くの方が亡くなっていく多死社会といわれており、一年間におよそ百三十万人の方が亡くなっています。超高齢社会を目前に、今後、墓所の需要はさらに高まると予想されます。
そもそもお墓というものは、先祖代々、親から子、子から孫へと受け継ぐものと考えられてきました。しかし、少子高齢化や核家族化が進展する中で、単身者や子供のいない夫婦のみの世帯もふえ、これに伴い、お墓の継承者がいない人もふえています。
こうした社会状況の変化に伴い、先祖代々のお墓より、夫婦単位、家族単位のお墓を希望するなど、都民の墓地に対する意識も変化してきています。
このような状況を踏まえまして、私は二年前の平成二十四年度各会計決算特別委員会の分科会の質疑で、多様化する都民ニーズに応え、都立霊園が行ってきた取り組みについて伺いました。
そこで、今回は、平成二十五年度以降に、都立霊園ではどのような新しい取り組みを行ってきたのか伺います。
○日浦公園管理担当部長 死後は安らかに自然に返りたいと考える都民の思いに応えるため、シンボルとなる樹木を中心に、直接土に触れる形で遺骨を一体ずつ個別に埋葬する樹木墓地を平成二十六年度に小平霊園に開設いたしました。
また、平面墓地に対する根強い需要に応えるため、従来の芝生墓地と比べて区画面積は小さいものの、同等の埋蔵能力を有する小型芝生墓地を、同じく平成二十六年度に小平霊園に開設いたしました。
○西崎委員 今のお話ですと、平成二十六年度に新しい取り組みとしまして、樹木墓地と小型芝生墓地を小平霊園に開設したとのことですけれども、樹木墓地は、直接土に触れる遺骨を一体ずつ埋葬する形式の墓地ということで、まさに自然に返りたいと考える都民の思いに応えたものだと思います。
また、小型芝生墓地は、芝生の平たん地に埋蔵施設があり、従来の芝生埋蔵施設より小さく設定されているとのこと、外国映画に出てくるようなスタイルのお墓だと思いますけれども、どちらも人気が高いようです。
そこで、二つの墓地の申し込み状況についての公募倍率はどのようになっているのか伺います。
○日浦公園管理担当部長 樹木墓地は、平成二十六年度に三百体の募集に対しまして五百二十体分の申し込みがあり、倍率は約一・七倍、平成二十七年度には三百体の募集に対しまして五百九十六体分の申し込みがございまして、倍率は約二・〇倍ということでございます。
小型芝生墓地についてですが、平成二十六年度に百区画の募集に対しまして四百十二件のお申し込みがございまして、倍率は約四・一倍、平成二十七年度には百区画の募集に対しまして五百一件のお申し込みがございまして、倍率は約五・〇倍ということでございます。
○西崎委員 平成二十六年度に導入しました樹木墓地、小型芝生墓地とともに、平成二十六年度から二十七年度にかけまして、公募倍率が伸びているとの今のお話でした。それぞれの新規に取り組んだものは都民ニーズに対応した取り組みだと思います。
しかしながら、近年、お墓に対する要望やニーズは多様なものがあります。例えば、生前のうちに、自分自身のための葬儀やお墓の準備をしたり、残された家族や友人に迷惑がかからないように身辺整理をしたり、財産の存続を円滑に進められるよう事前に決めておく。これらのこと全てを、エンディングノートをつくって、終わりの活動と書きまして終活を行う、このことが注目されております。
そのために、生前から申し込むことができるお墓に対する関心は高まっています。こうした生前申し込みに対する都民ニーズにどのように対応していくのか伺います。
○日浦公園管理担当部長 都立霊園では、生前申し込みが可能な墓地として、樹林墓地と合葬式墓地を整備しております。樹林墓地につきましては、平成二十四年度から小平霊園で開設しております。合葬式墓地につきましては、小平霊園、多磨霊園に続きまして、平成二十五年度に八柱霊園でも開設いたしました。
今後も、都民のお墓に対する多様なニーズに応えてまいります。
○西崎委員 都立霊園が、生前のうちに自分のお墓を確保したいという都民ニーズに対応して取り組んでいることはわかりました。
都立霊園へは毎年多くの都民が使用を申し込み、先ほどもお話がありましたが、高い倍率が続いています。そのため、都立霊園ではより多くの都民へ墓所を提供するために供給数を確保することや、都民のお墓に対する多種多様なニーズに対応するためにさまざまなタイプの墓所を整備することの二つの大きな期待が寄せられています。
引き続き、都立の八霊園全体で都民のお墓に対する期待に適切に応えていくよう要望します。
次に、都立公園の中で、浜離宮恩賜庭園について伺います。
浜離宮恩賜庭園は、江戸時代から残る日本を代表する大名庭園です。ここは平成二十六年度に復元されました燕の御茶屋など、往時の姿を保存、復元して、国内外から多くの旅行者をおもてなししています。
ことしの初め、二月だったでしょうか、イギリスのウィリアム王子をここでお迎えすることができました。また、年々日本を訪れる外国人の方もふえていて、昨日だったでしょうか、ことしはもう既に一千六百万人を超えているというふうに聞いています。これから二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会を見据えて、さらに今後、外国からの旅行者が増加するのではないかと思います。
そこで、浜離宮恩賜庭園で外国からのお客様をご案内する取り組みについてお聞かせください。
○日浦公園管理担当部長 浜離宮恩賜庭園は、金閣寺や銀閣寺などと並び、文化財保護法に基づく特別名勝、特別史跡の両方に指定をされております日本でも数少ない日本庭園の一つでございまして、外国からも多くのお客様が訪れる庭園でございます。
浜離宮恩賜庭園では、外国からのお客様をご案内するため、パンフレットを英語や中国語など五種類の言語で作成し、庭園や周辺の施設で配布しているほか、庭園の職員やボランティアによる英語の庭園ガイドを毎週月曜日と土曜日に無料で行っております。
今後とも、外国からのお客様をご案内するための取り組みを進めてまいります。
○西崎委員 英語や中国語のパンフレットだけではなくて、職員やボランティアによる英語庭園ガイドを定期的に実施しているとのことですけれども、それは外国人にとっても大変喜ばれるのではないかと思います。
私も外国を訪れたときに庭園などを見学しても、事前にガイドブックで調べていても戸惑うことが多いので、実際に案内してもらいながら説明してもらえるのは、より感動するものです。
浜離宮恩賜庭園は、私も数年前、見学しましたが、とても広く、全て回るのに時間がかかりました。そのときに一緒に回った方の中で高齢者の方もいたのですが、バリアフリーの取り組みも重要だと感じました。例えば、庭園の園路は段差があることから、足の不自由な方でも園路を気軽に楽しめるような工夫が必要です。
そこで、浜離宮恩賜庭園で、体に障害があっても庭園を楽しむことができるような取り組みについて伺います。
○日浦公園管理担当部長 貴重な文化遺産である都立庭園では、文化財としての芸術性や歴史的な価値を保全する観点から、園内施設の大きな変更に制約がある中で、身体障害者の方を含む誰もが安心して快適に庭園を楽しむことができるバリアフリーの取り組みを進めてまいりました。
例えば、浜離宮恩賜庭園における具体的な取り組みといたしましては、車椅子で通行可能なルートをホームページによりご案内しているほか、段差や砂利道などに対応した大きなタイヤのついた車椅子を含め、貸し出し用の車椅子を用意し、希望される方に提供する体制を整えております。
今後とも、誰もが安心して快適に楽しむことができる庭園づくりに努めてまいります。
○西崎委員 都立公園ガイドブックが先ほど高橋委員からもご紹介がありましたけれども、私も、このいただきました都立公園ガイドブックを見ていました。初めの方のページに、高齢者、障害者が利用できる施設の一覧が載っておりました。そこに車椅子の台数などが掲載されております。浜離宮恩賜庭園だけではなく、ほかの都立公園でも対応されていることがわかりますけれども、今後も、誰もが楽しめるようにする取り組みを進めていくことを要望しておきます。
最後に、土砂災害対策について伺います。
ことし九月の関東・東北豪雨では、鬼怒川が決壊して大水害となり、甚大な被害が出ましたけれども、このときに、各地で土砂災害も発生しました。都心部にも多数の斜面があり、一たびこのような豪雨が発生すれば、土砂災害の発生するおそれがあると考えられます。
都は、こうした土砂災害から都民の生命、身体を守るため、土砂災害防止法に基づく基礎調査を推進し、九月三十日に、私の地元であります世田谷区などを初め、多くの自治体の基礎調査結果を公表いたしました。
そこで、基礎調査結果の公表の目的について伺います。
○三浦河川部長 平成二十七年一月に施行されました改正土砂災害防止法によりまして、警戒区域等の指定に先立ち、区域指定の前提となる基礎調査結果の公表が義務づけられました。
その目的は、調査完了後、結果を速やかに公表することにより、住民が土砂災害の危険性を早期に認識し、豪雨の際に迅速な避難行動をとれるようにすることでございます。
今回、世田谷区、北区、板橋区で区部初となる結果の公表を行いましたほか、あわせて、八王子市、町田市におきましても結果の公表を行っております。
○西崎委員 昨年には広島市北部で土砂災害によって地域の方が亡くなられたというのが大変印象に残っているんですけれども、日ごろから地域の方に情報を提供して、土砂災害の危険性を早期に認識して、いざというときに迅速に避難がとれるような行動をとれるということがすごく重要で大事だと思います。
今回の結果の公表から土砂災害警戒区域など指定までの今後の進め方について伺います。
○三浦河川部長 基礎調査結果の公表と同時に、地元自治体へ結果の通知を行いました。その後、地元自治体と連携をし、十月以降、地域ごとに順次住民説明会を開催しており、説明会終了後、区市長に意見照会をした上で、土砂災害警戒区域等の指定を行います。
土砂災害警戒区域に指定をした場合、地元自治体にはハザードマップの作成など、警戒避難体制の整備が義務づけられます。さらに、警戒区域の中で特別警戒区域に指定した場合には、開発に伴う斜面の崩壊対策や、建物や工作物の強化が義務づけられることになります。このため住民説明会におきましては、これらの区域指定の目的や効果などにつきまして、きめ細やかに説明を行ってまいります。
今後とも、地元自治体と連携をして、警戒区域等の指定を推進し、土砂災害に対する都民の安全確保に取り組んでまいります。
○西崎委員 今回の調査結果には、区部で土砂災害特別警戒区域に指定予定のところもあります。本来であれば、危険な地域には家を建てないなど、土地利用のあり方も検討すべきではないかと思います。しかし、実際には既に市街化されている地域も多いので、住民の周知が大変重要になります。
さらに、区域指定の情報は不動産取引の際の重要事項説明書に入っていますけれども、知らなかったという話もよく聞きます。購入者が危険性をきちんと理解するよう伝える必要がありますので、事業者に対してもしっかりと説明するよう働きかけていただくことを要望しまして、私の質問を終わります。
○林田委員 西多摩山間地域の道路整備について質問をいたします。
昨年十二月、東京都長期ビジョンが策定されました。その中に、多摩・島しょ地域の特性を踏まえた防災対策の強化として、地域防災力を高める道路整備の促進ということで、西多摩山間地域における多摩川南岸道路、秋川南岸道路、そして梅ヶ谷トンネルの促進をしっかりと明示していただきました。このことについては、地元では大変感謝を申し上げ、早期実現の期待でいっぱいであります。
そこで、それぞれの事業の取り組みの状況について伺っていきたいと思います。
まず、多摩川南岸道路について伺います。
改めて申し上げるまでもございませんが、道路は、山間地域にとって、生活や産業の命綱であり、台風や集中豪雨により落石や土砂崩れ、特に昨年二月の豪雪では、例えば国道四一一号で五日間にわたり道路が通行どめになるなど、多くの集落が孤立いたしました。このため私は、西多摩山間地域の道路整備について、本会議の一般質問や当委員会で何度も取り上げてきたところでございます。
国道四一一号の代替路としての整備が進められている多摩川南岸道路では、ことし五月に奥多摩町の海沢地区と棚沢地区を結ぶ城山工区が開通いたしました。この開通により、多摩川南岸道路全体の約七割が完成し、多摩川の両岸に道路が整備され、地域の防災性や利便性が飛躍的に向上いたしました。私もその開通式に出席し、ようやくここまで来たと地元の皆さんと喜びを分かち合いました。多摩川南岸道路全線の早期完成に向け、引き続き、手綱を緩めることなく取り組むことが重要と考えます。
そこで、多摩川南岸道路の残る区間の取り組み状況について伺います。
○相場道路建設部長 多摩川南岸道路の残る区間の丹三郎工区は、急峻な地形であります奥多摩町棚沢から丹三郎までをトンネルや橋梁で結ぶ延長約一・九キロメートルの区間で、完成いたしますと、既に開通しました約五・一キロメートルと合わせ、全線七キロメートルでダブルルートが確保されます。本区間では、これまでルート検討のための概略設計などを実施しており、ことし七月には事業説明会を開催いたしました。
引き続き、トンネルや橋梁など構造物の検討に必要な現況測量や自然環境調査を進めることとしており、今後とも、丹三郎工区の早期事業化に向け取り組んでまいります。
○林田委員 多摩川南岸道路の全線開通を地元も待ち望んでおります。ぜひ早期完成に向けて取り組んでいただくよう改めてお願い申し上げます。
次に、秋川南岸道路について伺います。
秋川南岸道路も多摩川南岸道路と同様に、重ねて早期整備を要請してまいりました。特に檜原村では、あきる野市からつながる幹線道路が秋川に沿って走る檜原街道一路線のみであるために、いつ起こるかわからない集中豪雨や土砂災害によって通行不能になることが懸念されます。
このために、檜原街道の防災性を高め、観光シーズンの渋滞解消にも必要な秋川南岸道路の早期整備が重要であり、昨年度は第一工区の一部区間が事業化され、早期完成に向け取り組んでいただいているところであります。
そこで、秋川の南岸道路の第一工区について取り組み状況を伺いたいと思います。
○相場道路建設部長 秋川南岸道路の第一工区は、あきる野市戸倉と檜原村本宿を結ぶ延長約四・三キロメートルの区間であります。このうち、あきる野市荷田子地区の延長約〇・四キロメートルにつきましては、現在、用地取得を推進しており、今後、工事着手に向け、道路詳細設計を実施いたします。
また、檜原村とあきる野市にまたがる延長約一・二キロメートルの下元郷地区では、現在、線形決定に向けた関係機関との協議や自然環境調査を実施しており、今後は、事業説明会を年度内に開催するなど、早期事業化に向けて取り組んでまいります。
○林田委員 ありがとうございます。地元の悲願であります秋川南岸道路の促進整備についても、改めて強く要請させていただきたいと思います。
次に、西多摩山間地域において、もう一つ重要な梅ヶ谷トンネルについて伺います。
日の出町を縦断する都道一八四号線は、日常生活や地域の産業、観光を支える重要な道路となっております。しかし、この道路は行きどまりの一本道であり、一たび道路が寸断されると、集落が陸の孤島となってしまいます。また、並行する都道二五一号線では、平成二十三年、二十六年と、土砂崩れによる通行どめで地域に大きな影響を与えました。
これまで地元では、都道一八四号線と都道二五一号線を結ぶトンネル、梅ヶ谷トンネルの実現に向けて、平成二年から長い間要望活動を続けております。私も都議会議員になって以来強く働きかけてまいりました。そして、ことしの第一回定例会では、我が党の代表質問の中に入れてもらい、平成二十七年度に事業着手するとの答弁をいただいたところであります。
そこで、梅ヶ谷トンネルの取り組み状況について改めて伺います。
○相場道路建設部長 梅ヶ谷トンネルでは、これまでトンネルの予備設計や用地測量を実施しており、年明けから用地折衝を開始し、事業に着手いたします。
今後は、工事着手に向け、用地取得を推進するとともに、トンネル詳細設計を進めることとしており、地元の理解と協力を得ながら、命の道となる都道の整備に全力で取り組んでまいります。
○林田委員 ただいま、多摩川南岸道路、秋川南岸道路、そして梅ヶ谷トンネルが着実に進んでいることをご答弁いただきましたけれども、大変大きな事業でありますけれども、ぜひ促進の方をよろしくお願いいたします。地域の生活を支え、豊かな自然を生かした観光振興を促進するためにも、西多摩山間地域の安全・安心の道路整備をさらに促進していただくよう改めてお願いいたします。
次に、市町村土木補助事業について伺います。
高度経済成長期に集中的に整備された橋梁やトンネル等の道路施設は老朽化が急激に進んでおり、国、都道府県、市町村は、それぞれ管理する道路施設の本格的な対策を着実に進めていくことが求められております。
国は、東日本大震災や笹子トンネル天井板落下事故を契機に、平成二十五年に防災・安全交付金を創設し、道路施設の総点検を行うことといたしました。あわせて、橋梁等の長寿命化修理計画の策定を地方自治体に促しております。
そのような中、多くの市町村において計画を策定しているところでありますが、既に策定している市町村からは、財政面等の理由から老朽化対策が計画どおりに進んでいないと聞いております。
都はこれまで、多摩・島しょ地域の活力を高めるために、都道や国道に比べ整備がおくれている市町村道の新設や改良等に対して補助を行ってまいりましたが、老朽化対策については補助事業の対象外となっております。道路の新設、改良とともに、市長会、町村会から要望の強い橋梁やトンネル等既存の道路施設の計画的な老朽化対策を進めることは、多摩・島しょ地域の防災性、安全性の向上に不可欠であると考えます。
そこで、道路施設の老朽化対策を市町村土木補助事業の対象にすべきであると思いますが、見解を伺います。
○相場道路建設部長 市町村道は、都道や国道と一体となって道路ネットワークを形成し、地域交通を支えるとともに、災害時における避難、救援など防災性の向上にも寄与する重要な都市基盤でございます。
都は、市町村道の新設や改良に対しまして、財政的支援と技術的支援を行い、多摩・島しょ地域の道路整備とまちづくりを推進してまいりました。
一方、橋梁等の老朽化につきましては、対策が進んでいない市町村が多く、このおくれが不測の事態を招き、交通の遮断など、地域に大きな影響を及ぼすことも想定されます。
そのため、市町村とともに老朽化対策を早急に進めていく必要があり、要望が強い橋梁等の老朽化対策への支援につきまして、これまでの技術的支援に加え、市町村土木補助の対象とするよう検討を進めてまいります。
○林田委員 我が党は、多摩・島しょの振興を重要な施策として掲げております。このためにも、地域の安全・安心を支える身近な施設である市町村道の整備を都が支援していくことが大事であります。ぜひ老朽化の補助についても積極的な検討をお願いいたします。
ただいま答弁いただいたことをますます強力に進めていただくことをお願い申し上げまして、質問とさせていただきます。ありがとうございました。
○上野委員 私からは、まず初めに、橋梁の整備事業について質問していきたいと思います。
いうまでもなく橋梁は、地域の防災性、また安全性の向上のために重要な都市基盤施設でございます。特に、私の住む江戸川区、先ほど大島副委員長が足立区は四方が川に囲まれている、江戸川区は川と海に囲まれているということでございまして、その中でやっぱり橋梁というのは地域間の連携、また日常の暮らし、そして災害時の避難路ということで、極めて必要不可欠な施設となっているわけでございます。
首都直下地震が切迫している中、大地震が発生したときにも、橋梁は住民の避難や救命活動、さらには復旧活動、そのためには、橋梁の機能というのは確保していなければならないということでございまして、絶対に落橋してはならないわけでございます。そのためには、一刻も早く橋の機能を確保する橋梁の耐震化を完了する必要があると思います。
そこで、まず、橋梁の耐震化について、現在の進捗状況をお尋ねいたします。
○川合道路保全担当部長 震災時における都民の安全な避難や緊急輸送を確保し、救命、復旧活動を迅速に行うためには、橋梁の耐震性向上が重要でございます。
都では、震度七を記録した阪神・淡路大震災や東日本大震災級の地震にも耐えられるよう、都道において緊急輸送道路等の橋梁四百一橋を対象として、橋脚の補強や落橋防止装置の設置など、必要な耐震化に重点的に取り組んでおります。現在までに対象となる全ての橋梁で完了もしくは工事に着手しております。
○上野委員 橋梁の耐震化が順調に進んでいるということでございますが、思えばあの阪神大震災というのは、発生したのが平成七年ということでありまして、ちょうど平成七年の四月に、私も都の職員時代、道路橋梁課に着任いたしまして、大変なときに入ってまいりました。とにかく皆さんも記憶にあると思いますけれども、橋が落ち、そしてまたピルツ橋の連続の倒壊といった非常にショッキングな映像も流れていたわけでございます。
そうした中で、とにかく橋の機能を確保する、落橋させない、そしてまた、橋脚が壊れないというふうなことで、道路橋示方書の改訂ということで大変な苦労をした思い出がありまして、ここにもそのとき一緒に苦労した仲間が一番後ろの方に今いらっしゃいますけれども、紅林橋梁構造専門課長、この方と、本当に苦労されて--紅林さんは、恐らく東京都の職員の中では橋梁では彼が一番じゃないですかね、もういろんな知識もありますし、生き字引のような状況の中で、彼みたいな専門家がやっぱり必要ですよ、技術屋としては。そういう後に続く方をぜひ育ててもらいたいと、このように思うわけでございます。あれからちょうど二十年がたってここまで来たということで、本当にうれしく思う次第でございまして、これまで本当に苦労された建設局の皆さんに心から高く評価したいという言葉と感謝したいという言葉とありますので、しっかりと今後とも頑張ってもらいたいと思います。
次に、耐震化と並びまして、かけかえピークの平準化やコスト縮減というものを図るだけではなくて、CO2削減に大きく寄与するという橋梁の長寿命化にも建設局は取り組んでいるところでございます。
そこで、橋梁の長寿命化の取り組み状況を、私は江戸川区なもんですから、地元江戸川区において、どういうふうに今されているかお伺いいたします。
○川合道路保全担当部長 都では、高齢化する橋梁の対策として、著名橋や幹線道路の橋梁などを対象に、平成二十一年度から長寿命化事業を進めております。この事業は、将来の損傷状況を予測し、最新技術などを活用した適切な対策を実施することで、対策後百年以上の耐久性や安全性などを確保するものでございます。これにより、更新ピークを抑制し、予算の突出を解消するとともに、工事を分散することで交通渋滞が軽減され、円滑な交通ネットワークを継続的に確保できます。
江戸川区内の対象橋梁は十五橋ございまして、そのうち九橋について設計を進めております。
今後とも、長寿命化事業を推進することで、都民の安全と安心を確保し、高度防災都市を実現してまいります。
○上野委員 ぜひ橋梁の長寿命化事業を推進していただきたいと思います。
次に、橋梁の新設に向けた整備事業について質問していきたいと思います。
一般に交通渋滞の解消や防災性、また利便性の向上を図るには、橋梁と橋梁の間隔というのは非常に大事でありまして、理想とされるのは二キロ以下と、このようにいわれているわけでございます。では、都内の主要河川の平均の橋梁間隔というのはどのくらいなのかということでありますけれども、多摩川が一・九キロメートルぐらいだと、それでまた隅田川が〇・九キロメートルぐらい、また荒川が一・八キロメートルぐらいということで、非常に理想に近い形で今橋がかかっている。
その中で江戸川はどうなのかというと、二・七キロなんですね。また、その江戸川区内における江戸川、旧江戸川の平均橋梁間隔というのはどのくらいになっているかというのは今いえますかね--ちょっとすぐいえないということですね。
私の調べたところによりますと、約三・五キロですよ。平均三・五キロなんです。ほかのところと比較してもかなり広くなっている。今まで全然それがなかなか前進されていないわけです。一生懸命やっていらっしゃると思うんですけれども、だから慢性的な交通渋滞が発生するし、それから災害時のときに心配なわけですね。
特に千葉街道、蔵前橋通りの先で江戸川から千葉に行くという橋がある、市川橋。その市川橋からずっと下の今井橋、新大橋通りですよ。もう下まで行って八キロです。この延々八キロ区間に人が渡れる橋がないんですよ。あるのは自動車専用の橋なんですよ。
だから三・一一のあの地震のときに、多くの人が都心から千葉に帰っていこうとした京葉道路なんかすごかった。ところが、その江戸川の手前でみんなとまってしまった。橋を渡ろうと思ったならば、それは自動車専用の橋だということで。それで、上と下に流れている次の橋に行くまで一時間以上かかるような距離ですよ。これが今の実態なんです。
こういった帰宅困難者、いざというときに橋が極めて大事だと、このような教訓を踏まえまして、平常時のみならず災害時においても人や物の流れを確保し、地域の安全・安心を支える都県境の道路整備というのは非常に重要になってくるということであります。
まずそこで、都県境を結ぶ道路橋梁整備について、都の基本的な認識をお尋ねします。
○相場道路建設部長 都県境を結ぶ道路や橋梁は、災害時の避難や救助、救援、緊急物資輸送等を行うために必要不可欠な都市基盤でございます。また、都県間を移動する交通を分散させる道路ネットワークを形成する上でも、その整備は非常に重要でございます。
都は、昨年策定いたしました東京都長期ビジョンにおきまして、都県境を越えた道路ネットワークを形成し、都市間連携の強化や広域的な防災性を向上させることとしており、その実現に向けて重点的に取り組んでまいります。
○上野委員 先ほど話しましたように江戸川には橋梁が少ないという今の状況。市川橋から今井橋までの延々八キロ区間に、実は二つの新たな橋梁をかける計画があるんです。一つは第三次事業化計画路線となっている。そしてまたもう一つは非常に大事なんですけれども、第三次事業化計画路線に入っていない。まずその第三次事業化計画の優先整備路線になっている補助第一四三号線、柴又街道の沿線になっていますが、そこの橋梁部についてお尋ねしていきたいと思います。
本路線については用地買収等も江戸川区に委託して、地元がやると本当に用地買収というのは早く進むんですね。それによって旧江戸川までの道路というのはもうできちゃった。昨年二月に交通開放されたわけでございます。地元住民からは、道路ができたんだと、あとは千葉につなぐ橋梁を待つだけだと。しかし、用地買収も協力したんだけれども、一向に橋の工事がないじゃないかと、何とか早くつくってくださいという要望があるわけでございます。
そこで、補助第一四三号線の橋梁部の取り組みについてお伺いします。
○相場道路建設部長 補助第一四三号線は、葛飾区金町二丁目から千葉県境の江戸川区東篠崎二丁目に至る都市計画道路であり、都市間連携の強化や防災性の向上に資する重要な地域幹線道路でございます。都県境の橋梁部の整備に当たりましては、事業手法や整備時期など千葉県との調整課題があり、県と設置いたしました道路橋梁整備調整会議におきまして協議を行っております。
引き続き、橋梁部の事業化に向けまして千葉県との協議を重ねながら、課題解決に取り組んでまいります。
○上野委員 この路線は地元の皆様からも、今の状況で車が生活の道路の中へ入っているわけですね。したがって、この橋ができればみんなそっちの方に行くから、地域の安全・安心につながるということで、ぜひとも急いでもらいたいという強い要望がありますので、よろしくお願いしたいと思います。
そしてもう一つ、先ほどいいました第三次事業化計画に入らなかった橋梁があります。しかし、私は、これが最も急がなきゃならない橋だというふうに思っているんです。これは補助二八六号線。ずっと前から、都議会議員になってからずっといつもいっているんです。
ここは、あの防災公園になっている篠崎公園、そしてまた、その江戸川の対面にあります市川市の大洲防災公園という防災公園同士がすぐそばにある、それを結ぶ橋なんです。もう皆さんプロですからわかりますように、防災拠点を結ぶそういった橋というのは極めて重要。連携というのが大事になってくるわけです。これは命の橋ともいわれているわけでございまして、この橋を早くつくっていってもらいたい、こういう思いでございます。
住民の生命を災害から守るという観点からも、このような都県境の橋梁は現在検討を進めている第四次事業化計画の優先整備路線にぜひとも位置づけるべきであると思います。そしてまた、東京都と千葉県を結ぶ都県境の橋ですから、東京都が主体的な立場になって実施すべきだ、このように考えております。この二点を強く要望しておきます。
次に、京成押上線の連続立体交差事業の質問に移りたいと思います。
京成押上線は三区間の連立事業があるわけでありますが、一つは、押上駅から八広駅間、二つ目は、四ツ木駅から青砥駅間、そして三つ目が、京成高砂駅から私の地元である江戸川駅間の三つの区間ということで計画があるわけですけれども、まず一つ目の押上駅から八広駅間については、ことし八月、高架化が完了しました。明治通りなどの六カ所の踏切がなくなって、もうしょっちゅう私はその道路を使うんですけれども、本当に快適になった。いつもあそこは渋滞だった。今はスムーズに流れるということでございます。
そういった意味では、本当に京成曳舟駅周辺は、この連立事業を契機としまして、再開発事業、まちづくりの関係も進んでおりますし、また、まちが一体化されたということで、ネットワークとあと防災性というのが非常に高まったということでございまして、まさに連続立体交差事業の効果というものを身近に実感させていただいているところでございまして、こうした都の取り組みについて、私は本当に高く評価しているところでございます。
そして、二つ目の隣の区間、京成押上線の四ツ木駅から青砥駅間の連続立体交差事業は、平成十四年度に事業着手して、それ以来十三年が経過しているという状況でございます。これも、平成十四年事業着手というのも、実はちょうど私はそこの関連事業課に前の年の平成十三年の四月に着任したんですね。そして、担当が京成と小田急という意味で、この京成線というのは本当にいろんな思い出のある線路でございます。
当時、葛飾区の方では、これは今都市整備局の佐藤理事が課長で担当でいらっしゃいまして、一緒にやってきたわけですけれども、その前任者が、これ記憶違いですか、佐野局長がそこにいらっしゃった、前任者なんですよ。だから、本当に事業化に向けてすごく苦労されたと思いますので、しゃべられないですけれども、思いはあると思うんです。後で聞いた方がいいのかな。
とにかくそういった、私にとっても工事説明会とか非常に思い出に残るところでございまして、かなりもう進んでいるのかなと思っていたら、余り進んでいなかったということでございます。なぜかと。その後、京成立石駅の北側の用地取得に時間がかかっているということで聞いております。既に用地取得に協力いただいた地元の方々の気持ちを無駄にしないためにも、これは早期に工事を進める必要があるわけでございます。
そこで、本事業の現在の取り組み状況についてお尋ねします。
○相場道路建設部長 京成押上線四ツ木駅から青砥駅間の連続立体交差事業は、約二・二キロメートルの区間を高架化することで、平和橋通りなど十一カ所の踏切を除却し、交通渋滞や地域分断を解消するものでございます。
これまでに約九割の用地を取得しており、残る用地の取得につきましては、事業の一層の進捗を図るため、土地収用法の活用も含め、早期に進めてまいります。また、年内に工事説明会を開催し、仮線路を設置するための準備工事に着手いたします。
今後とも、地元区や鉄道事業者と連携し、地域の方々の理解と協力を得ながら本事業を積極的に推進してまいります。
○上野委員 いよいよ年度内に工事着手にこぎつけるということで、その努力を評価したいと思います。地元の方々は一日も早く踏切がなくなるとともに、鉄道による地域分断が解消されることを望んでいらっしゃいます。早期完成に向けまして本事業を積極的に進めていかれますよう要望いたします。
それで、次はいよいよ京成高砂駅から江戸川駅間の鉄道立体化に取り組むべきであると思っております。立石の方が片づいたらこちらにという、これまでもそういった説明を受けておりましたんで、立石、葛飾の部分が見えてきました。その立石立体化が見えてきている中で、いよいよ高砂駅から江戸川駅間。これは私の地元江戸川区と非常に関係するところでございますので、ここに力を入れていってもらいたい。
この区間は平成二十年に連続立体交差事業の事業候補区間として位置づけられておりますが、地元から鉄道立体化の見通しについて問われても答えられない状況にあるわけです。このため、本区間の事業方針を定め、速やかに都市計画手続を進めていくべきであると考えているわけでございます。
立石の方が済んで、今度こちらの高砂の方ということで、私が今一番強くいっていたのは、早く都市計画決定をやるべきでしょうと、こういう話をしていたんですけれども、これは京成の押上線のときにも非常に苦労したのが、連立事業で立体化するためにどうしても仮線をつくらなきゃいけなくなってくると。仮線用地、あるいは環境側道というものをつくっていくときに、ここにマンションとかが建っていると大変な苦労をするわけですね。
実際にそういうところがあって、もう何度も話をして、莫大な費用がかかる。今回の高砂駅から江戸川駅間、都市計画決定がなかなかされないもんだから、マンションがもう既にそこに建っているわけですよ。新しく建ったんです。もしそこを担当された職員はここだけでもまず大変ですよ、そのマンションを壊さなきゃいけないから。建ったのは最近ですよ。まだ建つ可能性があるわけです。だから、都市計画決定を早くやらなきゃだめよと。
確かに区とそれから京成、そちらの方のいろんな都合があるかもわからないけれども、その事業、かなりの負担が東京都にあるわけですから、全部東京都の負担にかかってくるわけですよ。だから、今早くそのあたりのところも話をして、都市計画決定をとにかくとって、そんなマンションがいきなり建つようなことがないようにしておかないと、後で大変なんだ、そのことを強く強くいっているわけでございます。
いっていくと話が長くなるんで、まず、京成高砂駅から江戸川駅間の鉄道立体化に向けた今後の取り組みについてお尋ねいたします。
○相場道路建設部長 京成本線の京成高砂駅から江戸川駅間は、補助第二八二号線など都市計画道路と三カ所で交差し、踏切十カ所のうち二カ所があかずの踏切であるなど、鉄道立体化による踏切解消が必要な区間であると認識しております。
都は、平成二十年に連続立体交差事業の事業候補区間に位置づけ、事業範囲や構造形式などの検討を進めてまいりました。本区間の鉄道立体化には、京成高砂駅付近にあります約四・三ヘクタールの車両基地の取り扱いが課題となっております。現在、地元区が中心となり、地域のまちづくりの中で、車両基地を移転し、機能を確保する案を検討しております。
今後とも、地元区や鉄道事業者と連携し、本区間の鉄道立体化の課題の解決に向けて積極的に取り組んでまいります。
○上野委員 取り組み状況についてはわかりましたけれども、大変だった車両基地の移転候補地内にある都営高砂四丁目アパートの建てかえは進んで、今は更地化された。広大な跡地が生み出されているわけです。それが今そのままの状態でいるわけです。
先ほどの答弁では、今課題となっているのは何だということで話がありました。約四・三ヘクタールの車両基地の取り扱いが課題だと、このようにいわれて、現在、地元、要するに葛飾区が中心となって、地域のまちづくりの中で、車両基地を移転し、機能を確保する案を検討していると、こういうことでありますけれども、やはり東京都がしっかり中に入って、解決に向けて先導していく、これがやっぱり大事だと思います。
今いらっしゃいますけれども、担当課長はもう本当にプロパーですよ。関連事業課で一緒に当時取り組んできた方々が今もいらっしゃる。そうしたプロパーの方は物すごい知恵を持っています。だから、それをもっと発揮して、その中に入っていって、知恵を出して、不可能を可能にするような「プロジェクトX」みたいな、それを立ち上げて、ぜひこれを進めてもらいたい、このことを強く思うわけでございます。
先ほどの広大な跡地をそのままにしておいては税金の無駄遣いと批判されかねませんので、この機を逃すことなく、車両基地の移転問題を解決し、京成高砂駅から江戸川駅間の鉄道立体化を早期に都市計画決定し、事業化に向けて、都がイニシアチブを持って積極的に取り組んでいくよう強く要望して、次の課題に移りたいと思います。
次は、低地河川における耐震対策の推進について質問いたします。
隅田川、荒川、江戸川に囲まれ、地盤の高さが東京湾の海面よりも低い、いわゆるゼロメートル地帯が広範囲を占める東部低地帯。ここには約三百万人の人々が河川の堤防や水門等に守られて生活しているわけでございます。この方々の命と財産を地震や津波による水害から守るためには、水門や堤防などの安全性を向上させることが重要であります。さらに、この地域には二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックの競技会場も多く計画されていることから、対策を急がなければなりません。
都では、平成二十四年十二月に策定しました整備計画に基づきまして、現在、隅田川や大島川水門などで耐震、耐水対策事業を進めていらっしゃいますけれども、切迫する首都直下地震などの巨大地震に対して、一刻も早い備えが求められているわけであります。中でも津波や高潮の影響を直接防ぐ防潮堤、そしてまた水門の対策は非常に緊急性が高くなっているわけでございます。
これまでも何度も主張してきたところでございますけれども、改めて、東部低地帯における河川施設のうち、防潮堤や水門などの耐震、耐水対策の現在の取り組み状況についてお尋ねいたします。
○三浦河川部長 平成二十四年度に策定をいたしました整備計画に基づきまして、東部低地帯を高潮などから直接守る防潮堤約四十キロメートルと、水門、排水機場等二十二施設につきまして優先して整備を進め、最大級の地震が発生した場合にも津波等による浸水を防ぐよう、耐震対策を実施しております。
あわせまして、水門や排水機場の電気、機械設備につきましても、万が一浸水が発生した場合でも機能を保持するため、計画の高潮高さより高い位置へ機器等を移設することや、開口部を水密化するなど耐水対策に取り組んでおります。
計画策定後直ちに事業を開始し、二十七年度は隅田川など五河川の防潮堤八・〇キロメートルと、上平井水門等三施設の対策に新たに着手をし、年度末には防潮堤は延長の約五割、十九・四キロメートル、水門等では全体の約六割に当たります十三施設を事業化いたします。
全ての防潮堤や水門等におきまして、三十一年度完了に向けて耐震、耐水対策に取り組んでまいります。
○上野委員 東部低地帯を守るために速やかな対応をしてきたということでございますが、私の地元江戸川区も、中川や旧江戸川など、直接高潮や津波を受ける外郭堤防に囲まれておりまして、最大級の地震が発生した場合には津波被害の可能性も指摘されているわけでございます。過去にも洪水や高潮などによりまして甚大な被害を受けてきた歴史があります。私はこれまで、東部低地帯の堤防や水門の耐震、耐水対策を急ぐよう繰り返し主張してまいりました。
そこで、江戸川区内における水門など施設や、中川、旧江戸川における耐震、耐水対策の進捗状況をお尋ねいたします。
○三浦河川部長 江戸川区内では、今井水門、木下川排水機場など五施設の耐震、耐水対策と、中川で延長〇・六キロメートル、旧江戸川で二・五キロメートルの防潮堤の耐震補強が必要であり、平成三十一年度までの完了を目指し、整備を進めております。
二十七年度は、今井水門の門扉の交換や木下川排水機場のポンプ設備の改修に新たに着手をいたしました。また、新川東樋門など残る三施設につきましては、詳細設計を実施しております。
防潮堤では、新たに中川の総武線下流〇・四キロメートルと旧江戸川の今井橋上流右岸〇・二キロメートルで耐震補強対策に着手をいたしました。これによりまして、中川では江戸川区内の全区間で、旧江戸川では約四割の区間で事業化をしたこととなります。
東部低地帯に住む多くの都民の命と暮らしを守るため、今後とも耐震、耐水対策を着実に進めてまいります。
○上野委員 地盤の低い地域を高潮や津波などから直接守ってくれる防潮堤や水門などの施設の耐震及び耐水化を優先して進め、これらの工事が順調に行われているとのことですが、一方、水門内側にあり、高潮や津波の影響を直接受けない堤防は護岸と呼んでいると。今井水門の内側にある新中川の護岸は整備計画に位置づけられております。二十七年度は詳細設計を実施しているということでございますが、二十八年度以降の速やかな工事着手を要望しておきます。
また、東部低地帯を地震や津波から守るために一刻も早い耐震、耐水対策の完了を期待いたします。
そして、要望しておきたいんですけれども、皆さんもご存じだと思いますけれども、群馬大学の片田教授、またそのほかの学識者の方がいわれているのは、特に江東デルタ地帯はそうなんですけれども、大地震で防潮堤、また護岸が無傷ということはない、不可能だ。やっぱり何らかの損傷をする。また、当然液状化が必ずその地域は起こります。そうすると護岸も沈下するわけですね。
そうしたいわゆる大地震があって、その後に、今は首都直下台風といわれるぐらいすごい、日本のすぐ直下のところで台風が発生してきて、そこで短時間のうちに台風がスーパー台風みたいに巨大化する。今までは九州とかそちらの方から上がってくる間に勢力が落ちてくるけれども、太平洋ですぐ近くで生まれて育って大きくなって、そのまま直で高気圧の配置によっては関東を襲ってくる可能性がある。紀伊半島とかも入ってくるかもわからない。そうすると、かなりの被害を受ける可能性があると。
もしも首都直下地震が起きて、かなり損傷した護岸で、下がっている、壊れている、何とか直そうと思っても、ハードというのはすぐ直らない。そこに運悪くスーパー台風が入ってきた、いわゆる複合災害が起きる可能性があるんですよと。それに対して東京都も国も何ら対応していない。私も同様にそれを非常に懸念しているわけでございまして、この複合災害に対してどうするかということが非常に大事になってきますので、また建設局におきましても、このあたりについての検討をぜひしていただきたい、このように要望しておきます。
続いて、改正水防法への対応について質問します。
ハード対策により安全性を向上させることは重要であります。着実に推進すべきであります。しかし一方で、予期せぬ自然災害をハード対策だけで防ぐことは困難であるわけでございます。このため我が党は、避難などのソフト対策の重要性を訴えてきたところであります。
本年、水防法が改正されました。想定し得る最大規模の洪水や内水、高潮に対して浸水想定区域図を作成し公表するなど、減災への取り組みが強化されるわけでございます。これらの対策には、河川のみならず下水道や海岸、地下街等の担当部局に加え、避難対策部局が連携して取り組む必要があると第三定例会などでも強く主張してきたところであります。
そこで、この改正水防法にかかわる検討会の取り組み状況についてお尋ねします。
○三浦河川部長 平成二十七年七月の水防法の改正によりまして、これまでの想定を超える規模の降雨や高潮による大規模水害に対しまして、必要なソフト対策を講じることが義務づけられました。具体的には、現行の洪水に係る浸水想定区域については最大規模の降雨を前提とした区域に拡充をし、加えて、内水及び高潮につきましても浸水想定区域を新たに設けるなど、災害時の避難に資する取り組みを強化することとなりました。
このため都は、水防法の改正に係る検討会を十月に設置いたしました。検討会は、河川、下水道、海岸、大規模地下街、避難をそれぞれ担当する建設、下水道、港湾、都市整備、総務の各部局から成る委員で構成をされております。検討会のもとに幹事会、作業部会を設置し、関係する局が持つ課題を抽出し、役割分担や作業内容等の詳細な検討を開始いたしました。
今後とも、関係部局と連携を図りながら、水防法改正に基づきますソフト対策の拡充に取り組んでまいります。
○上野委員 検討会を素早く立ち上げられて、また各局が連携して取り組んでいると、こういうお話がございました。私はその素早い取り組みを高く評価したいと思います。
今後とも、都民の命を守るため、水防法改正に対応した取り組みを期待いたします。
次に、都立公園について質問してまいりたいと思います。
葛西臨海公園は、豊かな自然の中に観覧車や水族園などがあります。平成元年の開園以来多くの人々に利用されている公園でもあるわけです。開園から三十年近くが経過しまして、一部施設が老朽化するなど対策が必要な箇所も見受けられます。
私は、平成二十六年の第三回定例会の一般質問においても、都民を初め観光客をおもてなしする場にふさわしい魅力ある公園に再生すべきであるということを主張してまいりました。
二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会では、カヌースラローム競技場が公園の隣の下水道局用地のところで配置されるということが決定いたしました。オリンピック開催時には国内外から多くの方が訪れることが期待される葛西臨海公園の再整備というのは極めて重要と考えているところでございます。
そこで、現在の再整備に向けました取り組みと今後の予定をお尋ねいたします。
○五十嵐公園緑地部長 葛西臨海公園は、海辺の自然と調和のとれた公園として平成元年の開園以降、豊かな自然に身近に触れ合うことができる都民の貴重なレクリエーションの拠点となっております。公園には老朽化した施設も見られることから、施設の改修、再整備を計画的に進めるため、今年度基本設計に着手したところでございます。
具体的には、カヌースラローム競技会場への経路上や競技会場に近いエリアにおきまして、海外から訪れた方にもわかりやすい案内サインへの更新、車椅子や高齢者の方にも利用しやすい園路の舗装や勾配への改修などを平成三十一年度末までに行うこととしております。
今後とも、老朽化した施設の再整備を進め、公園の魅力をさらに高めるよう取り組んでまいります。
○上野委員 再整備によりまして海外の方も魅了するような公園となるよう期待しておりますので、よろしくお願いいたします。
ただ、ちょっと心配していることもありますので、これ、質問というより要望にとどめておきますけれども、都内の都立公園全般のことなんですけれども、私もよく行きますけれども、とにかく今、公園緑地部の皆さん方も努力してバリアフリーや、わかりやすいサイン計画とか、そういった整備を進めていらっしゃいますね。多くの来園者も本当に楽しい思いでそこにいるけれども、必ずトイレへ行くんですよ。トイレへ行ったときに、かなりのところが大体汚いですね。そして、日曜日になると人が多いわけですけれども、ちょっと並んでいて、それで、おっ、あいているなと思って行ったら和式なんです。多くの方が和式はもう敬遠されているわけですよ。しかし、そのままある。
これは、せっかく海外の方も来られて、おもてなししようと、すばらしい公園で楽しい思いをしていたけれども、いざトイレに行ったら臭い、そして和式だった。これだけでもうイメージが残っちゃうんですよ。そういうことなの。においと大変な状況というのは、せっかくいい思いで皆さんおもてなしをやっているにもかかわらず、トイレで全部台なしになっちゃう。ここがやっぱり大事なところだと思いますよ。しっかりとこの辺についても、トイレおもてなし改修計画とか、何かそういうものをつくって、ぜひともこれはやっぱり取り組んでもらいたい、このことを強く要望しておきます。
次に、葛西臨海公園の中にある葛西臨海水族園について質問します。
葛西臨海水族園は、世界で初めて外洋性のクロマグロの遊泳展示を実現するなど、日本を代表する水族園の一つであります。しかし、葛西臨海公園と同様に、開園から三十年近くが経過して、設備の老朽化もかなり進んでいる状況であります。また、車椅子で利用するには不便であるなど、バリアフリー対応も十分とはいえない状況にあるのではないかと、このように思っております。
東京オリンピック・パラリンピック競技大会時には、国内外から多くの方を迎えることになりますので、私は、リニューアルした水族園でのおもてなしを望んでおりましたが、競技会場等の整備と工事がふくそうしてしまうということなどから、大会後に改築するということになっていると聞いておりますけれども、これ自体はやむを得ない判断だと考えております。大会後は速やかに工事に着手できるよう準備を進めることが必要でございます。
今年度、都は、基本計画を作成するための委託を発注しましたが、リニューアルに当たっては、都民が世界に誇れる水族園となるよう取り組むべきと考えますけれども、所見を求めます。
○日浦公園管理担当部長 東京都長期ビジョンで示しました二〇二三年度に改築するという目標に向けまして、今年度から基本計画の検討を進めております。
検討に当たりましては、誰もが楽しめる水族館としていくとともに、展示の変更に柔軟に対応できることや、飼育生物を繁殖させるための設備を確保すること、施設の長寿命化や省エネルギーなどを考慮することとしております。また、官民パートナーシップ方式の可能性についても検討することとしております。
○上野委員 クロマグロが泳ぐドーナツ型の大型水槽はオープン当時、世界でも有数の規模のもので大変話題となりました。かなりニュースにも大きく取り上げられたわけでございまして、ここがやっぱり最初の出発だったですね。それが今日本全体でも大型水槽で見るといった水族園がふえてきたわけです。原点なんですね。葛西臨海水族園はすごいことなんです。変えたわけですからね。そういった水族園でもございますので、ぜひともリニューアルした水族園では、まさに、例えば海の中にいるような感覚で魚を観察できる、そうした新感覚の展示もぜひ実現してほしいと思います。
また、これまで蓄積してきた飼育技術も世界に誇ることができるものであります。継承していく必要があります。官民連携の可能性も検討するということでありましたが、役割分担については慎重に検討を進めてもらいたいことを要望いたしまして、次に移りたいと思います。
次に、篠崎公園の整備について質問いたします。
江戸川区は、荒川や江戸川などの大きな河川の最も下流に位置しているわけでありまして、その上、先ほども話した七割が海抜ゼロメートル地帯という低地帯であります。
篠崎公園は防災公園であります。地震または水害などの災害のときに避難場所となると、活動拠点になる、そうした公園でありますけれども、例えば大規模水害が起きたと、あるいは台風等で高潮が襲ってきた、こうしたときに、被害想定を見ますと、この篠崎公園は防災公園でみんなが避難する公園なんですけれども、今のままだと水没するんです。防災公園の役割を果たせないにもかかわらず防災公園になっている。災害のときはそこに逃げてくださいというけれども、水害のときは逃げられないんですよ。水没しちゃう。こんな公園というのは防災公園の役割を果たせないんじゃないですかということで、水害時でも住民が避難できるように篠崎公園を高台化してくださいよということをずっといってきたわけですね。何度もいってきた。
東京都の公園審議会が、いつでしたか、平成二十四年の二月でしたか、答申。ちょうど当時は環境・建設委員会の委員長だったもんですから、審議員になれたんですね。入ったときにちょうどこの篠崎公園が課題になったわけです。まあ何というかタイミングが非常に合って、そのときに防災の専門の先生が隣にいらっしゃいまして、篠崎防災公園はやっぱり高台化すべきですよということで、当時の村尾局長もこれについて前向きな話をされていらっしゃいました。それでやりとりしながら、では、答申の結果として、ここはAPプラス六・一メーターという高台まで持っていきましょうという絵柄までできて、今もホームページにも載っているわけでございまして、それを東京都も高台化するということをそこで方針が決定したわけですね。
そこで、まず、篠崎公園を高台化することについて、改めて都の見解をお尋ねします。
○五十嵐公園緑地部長 篠崎公園は、計画面積約八十六・五ヘクタールの広域公園で、これまで約三十・三ヘクタールを開園してございます。野球場等が整備され、多くの都民の方々が利用しております。
東京都地域防災計画では、避難場所や大規模救出救助活動拠点等に指定される防災上も重要な公園でございます。平成二十四年に策定いたしました整備計画では、レクリエーションの拠点として整備するとともに、水害時にも対応できるよう、広場の高台化と避難動線の確保を図り、防災機能を高めることとしております。
今後とも、この計画に基づき篠崎公園の整備を進めてまいります。
○上野委員 今の答弁にもありましたように、水害時にも対応できるよう広場の高台化と避難動線の確保を図り、防災機能を高めるということでございまして、今の答弁は非常に極めて重要な答弁なんですね。
江戸川区は現在、どこに避難するか、避難計画というのがあるわけです。現在は、江戸川区民の二十万人の方々は、高台がないもんですから、あの市川橋を渡って千葉の国府台まで二十万人が逃げるというんですよ。これは不可能なんです。どう考えても短時間のうちに橋を二十万人も渡れますか。だからこの篠崎公園の高台化は必要だということで今回高台化された。それも二十万人の方がそこに避難できるようにしていこうと。
問題は、避難したとしても水が上がっていった。そこだけが高台だと陸の孤島みたいになってしまうわけです。先ほど話したように、篠崎の防災公園と、それから大洲防災公園を結ぶ橋がある。そしてまた、篠崎のここの地域はスーパー堤防の計画があって高くなるんです。その高さに合わせて篠崎公園も高くしていける。そうすると、二十万人の方々は陸の孤島ではなくなる。いわゆる先ほどいった避難動線。もしもそういったことで水がどんどん上がったときには、その篠崎公園の高台からスーパー堤防の高台、実はこれは大事なんです。水を防ぐだけじゃなくて、避難路としても大事なんです、高台として。そして、スーパー堤防を渡って、その二八六号線の橋梁、防災橋、命の橋を渡って大洲防災公園にも逃げることができるという防災拠点同士をそれによって結ぶことができる避難動線の確保ができるわけでございまして、今の答弁であったようにしっかりと進めてもらいたいと思います。
災害はいつ起こるかわかりません。早期に高台化を実現することが求められるわけでございます。そのためにはまず公園の事業化、用地取得を迅速に進めていくことが必要なんですね。きょうは用地部長もいらっしゃいますけれども、篠崎公園は最初に開園してから五十年近くが経過しているんですけれども、まだ全面開園まではほど遠い状況にあるわけでございます。
私は、平成二十五年第三回定例会の一般質問でも--これまでの事業の進め方については、完成するまでに時間がかかるんですね。用地買収が先行しなきゃいけないわけですけれども、今のペースで用地買収していったら半世紀以上かかるわけですよ。五十年以上、下手すると百年近くなっていくんじゃないかという、そのぐらいのペースで今進んでいる。
首都直下地震というのは三十年の間に七割来る可能性があるといわれていて、もう既に地震が起きてしまうかもわからない。また、スーパー台風みたいなものが来るから、水害に先に遭うかもわからない。とにかく急がなきゃならないんです。そういったことでの事業のスピードアップを図るために、とにかく用地部長にも努力していただいて、少しでも人員がふえるように我々も努力していきたいと思いますけれども、これにはやはり限界があるわけですよ。そういった意味で、このスピードアップを図るために、地元区に用地取得を委託すると、こういったことを平成二十五年第三回定例会の一般質問でも提案いたしたわけでございます。
そこで、現在の篠崎公園の事業の進め方についてお尋ねいたします。
○五十嵐公園緑地部長 都は、先行して高台を図る区域や、これと連続する区域について優先して事業認可を取得するとともに、丁寧な説明ときめ細かな対応に努めることで事業の円滑な推進を図ってまいりました。
用地取得に当たりましては、江戸川区が施行する補助二八八号線の道路事業に隣接する部分について、区に用地取得事務を委託いたしました。こうした取り組みにより、高台化の早期実現に向け、事業のスピードアップを図っております。
今後とも、国や地元区と協議を進めながら、積極的に取り組んでまいります。
○上野委員 そういったいろんな取り組みをして区に委託するなどスピードアップを図ったといった答弁をお聞きしまして、そのことについては評価いたします。
また、篠崎公園はまだまだ広い土地が計画されているわけですから、ぜひとも区の委託とかいろいろ工夫を凝らしまして、早期に篠崎公園の高台化が実現できるように取り組んでいただくことを強く要望しておきます。
これまで、橋梁の耐震化や東部低地帯の耐震、耐水対策、また避難のための都県境橋梁整備や避難場所となる都立公園の整備など災害に対する備え、さらには佐野局長も葛飾区の課長時代に取り組んだという連立事業のことについてもお話をして、建設局が担う役割を中心にお尋ねしてきたわけでございますけれども、首都直下地震や近年のスーパー台風による高潮などのこうした災害時に建設局が果たす役割というのは大変大きいと考えております。
そこで、最後になりますけれども、防災対策など都民の安全・安心に向けて、道路、河川、公園等々、こうした都市基盤整備に向けて、ぜひとも建設局長の決意をお聞きいたしまして、私の質問を終わります。
○佐野建設局長 切迫する首都直下地震などの自然災害から都民の命と暮らしを守り、首都機能を維持するために、道路、河川、公園などの都市基盤が担う役割は極めて重要でございます。
こうした認識のもと、救助活動や物資輸送を支える道路ネットワークの形成、最大級の地震が発生した際にも機能を保持する堤防や水門等の耐震、耐水対策、避難場所や救出活動の拠点となる防災公園の整備、インフラの予防保全型管理など、都市基盤の整備と適切な維持管理を着実に推進してまいります。
今後とも、都市基盤のさらなる充実を図り、災害に負けない、安全・安心な東京を実現してまいります。
○米倉委員 道路の管理について伺います。
昨年、財務局は、年次財務報告書の中で、今後、都財政にとって社会保障の関連費と社会資本ストックの維持更新は避けられない財政需要だと公表しました。報告書には、インフラ資産を含む有形固定資産については、第三者の将来推計によると、老朽化率が近年一貫して上昇する中、今後の社会資本ストックの維持更新経費の増加額の二十年間の累計は約二・三兆円にも上ると指摘しています。
そこで、我が党の曽根都議会議員がことしの決算委員会にて、建設局について、平成十七年からの十年間に、道路や駐車場、河川、公園、橋梁などの維持管理費の決算額について、投資的経費にカウントされるものも含めてどのように推移したのかを質問したところ、平成十七年に一千四十七億円だったものが十年後に一千五百八十億円になっているというのが都の答弁でした。建設局の管理する施設の維持管理の経費は約一・五倍に膨れ上がっているということになります。
そこで、この内訳として、建設局の投資的経費を含む道路補修の決算額は、決算年度までの十年で幾らから幾らに推移したかを伺います。舗装面積については、同じ年に何ヘクタールから何ヘクタールに変化しているかも伺います。
○今村道路管理部長 道路補修費の平成二十六年度決算額は約二百十六億円でございます。平成十七年度の決算額は約百五十九億円でございまして、この十年間で約五十七億円増加しております。
また、舗装面積は、平成二十六年度は約百三十一ヘクタール、平成十七年度は約百十三ヘクタールでございまして、約十八ヘクタール増加しております。
○米倉委員 道路補修費がこの十年で百五十九億円から二百十六億円になったということは、約一・四倍に増加しているということになります。建設費用の高騰などもその要因ではあると思いますが、この十年間で見ても決算額はじわじわとふえており、舗装面積についても、十年前との比較でふえているということでした。
財務局の指摘もあるように、建設局が管理する道路についても、今後さらに補修費が増加することが予想されますが、今後、建設局の道路について、補修など維持管理が必要となる規模や予算について、どのように見通しているのかを伺います。
○今村道路管理部長 今後の見通しというお尋ねでございますが、道路の維持管理経費につきましては、管理する道路の延長や面積などの規模、維持管理の内容などに基づき、毎年度必要な予算を計上しております。
○米倉委員 毎年必要な予算を計上するということは当然のことだと思いますけれども、実際に道路の維持管理費は増加傾向にあるわけです。今後の見通しは建設局としては持っていらっしゃらないということでいいのでしょうか。
○今村道路管理部長 見通しも立たないのかとおっしゃいますけれども、私どもは、二十四時間三百六十五日道路を管理しておりまして、十年、二十年先に予算がどうなっているかということを考えるよりも、今ある道路をどうやって良好な状態で保つかということが職責だと思っておりますので、見通しも立たずに道路の管理をやっているといったご指摘はちょっと当たらないんじゃないかと思います。
○米倉委員 私は、きょういただいた資料にも書いてありますけれども、実際にこの維持補修についての決算額が増加傾向にあると、今後について建設局としてどのように展望していらっしゃるのかと認識を伺ったわけでありますが、それについてはお答えがありませんでした。
都はこれまで、例えば橋梁については、中長期的な管理計画を策定し、計画的に耐久性や耐震性を向上する長寿命化事業や耐震補強事業を行っていらっしゃいます。トンネルについても、今年度予防保全計画を策定するとしています。
財務局の報告では、あらゆる社会資本ストックについて、事業のあり方を踏まえた整備の必要性を検証し、長寿命化などにより、中長期的に経費の平準化や縮減を図ることが必要と指摘しています。
今後、道路管理を初め、建設局が管理する施設についても中長期的な視野での維持管理計画が必要だと思います。維持管理費が増加すること、また人口減少社会が到来すると指摘される中、新規の道路整備については、都民生活に真に必要とされるものかどうか、これまで以上に厳しく見きわめていくべきだとも考えております。
次に、道路管理にかかわって、都道における自動車騒音の取り組みについて伺います。
自動車騒音の環境基準達成率は、この間上昇していますが、いまだ夜間では、道路沿道では八九%、道路近接空間では八二%にとどまっています。環境基準では、人の健康を保護し、及び生活環境を保全する上で維持することが望ましい基準とされており、都道など幹線交通を担う道路の場合は、これに近接する空間については特例によって昼間七十デシベル以下、夜間六十五デシベル以下とされています。
建設局として、これまでの道路の騒音対策の取り組みについて伺います。また、環境局とはどのような連携があるかも伺います。
○川合道路保全担当部長 建設局は、環境局が公表しております道路交通騒音振動調査報告書の騒音測定結果を参考に、必要な箇所で低騒音舗装を整備してきております。
○米倉委員 環境局が公表する騒音測定結果を参考に、低騒音舗装を整備してきたとのことですが、低騒音舗装については、通常の低騒音舗装と二層式低騒音舗装があります。
それぞれどのような路線で整備しているのか、また、二層式低騒音舗装の実績も伺います。
○川合道路保全担当部長 低騒音舗装は、沿道の用途が住居や商業で人口が集中しており、夜間に環境基準を超過している箇所で整備しております。
二層式低騒音舗装は、東京都内における道路沿道環境改善基本方針により、環状七号線、環状八号線、笹目通りなどの優先的対策道路区間において整備しております。平成二十六年度までに二層式低騒音舗装を約六十三キロメートル整備いたしました。
○米倉委員 低騒音舗装は住宅地や商業地の人口密集地で夜間に環境基準値を超過したところで行うとのことですが、これは路面の劣化などとは関係なく、騒音対策として独自にどんどん進められているということでしょうか。それとも、路面の劣化補修などの機会にあわせて低騒音舗装を順次行っていくということでしょうか。
○川合道路保全担当部長 低騒音舗装の整備につきましては、沿道の状況を鑑みながら、また、騒音の改善の達成状況を見ながら、その都度必要な箇所について整備を進めております。
○米倉委員 今のご答弁ですと、路面の劣化補修の機会ではなくとも行うことがあるということでよろしいでしょうか。
○川合道路保全担当部長 今申し上げましたように、必要な箇所ということで、それにはやはり路面の傷んだ箇所とか、そういったところも勘案しながら、全体的に様子を見ながら整備を進めているという状況でございます。
○米倉委員 はっきりとお答えがいただけませんでした。
環境基準値というものは、昼間は会話やテレビなどの視聴に障害が出ないようにと、また、夜間については睡眠が妨害されないようにと定められた基準です。
夜間に達成されない苦しみは本当に深刻です。都道でも、団地の三階に住んでいて、窓をあけるとよく風が入るけれども、騒音がひどくてあけられないですとか、祖母が騒音で不眠症になったなどの声が出されております。それだけに、道路の補修を待たずに、必要な箇所とおっしゃいましたが、住民の声だとかも受けて率先して行う、そういう姿勢を建設局に求めたいと思います。
二層式低騒音舗装は、二〇〇五年三月に道路工事設計基準において基準化し、まだ十年となっております。優先的対策道路区間に行い、昨年度まで六十三キロ整備したというご答弁でしたが、頑張っておられるとは思いますが、都道の優先的対策道路区間の延長距離は百十三キロとなっていますから、ようやく半分超えたところです。一層の努力を期待いたします。
この二層式低騒音舗装ですが、低騒音舗装よりさらに効果が確かめられているものになっています。既に優先的対策道路区間の指定を行ってから二十年の月日がたっています。都知事のいう世界一住みよい都市東京の実現に向けて、環境局と協議をし、優先的対策道路区間の指定をさらにふやすこと、あるいは、建設局としても、環境基準を超過するなどの地点については独自に二層式低騒音舗装を進めることなど、検討していただきたいと思います。
環境基準未達成の道路は都内に広く残されております。最新の自動車騒音調査でも、近接空間の達成状況は、先ほど申し上げましたが、昼間九二%、夜間八二%と低くなっていると都も認めている状況です。
特に、区部の夜間の道路近接空間で基準を達成していない住居等は二〇%あるとこの報告にも書いてありますから、五軒に一軒は環境基準を達成していない中で夜十時から朝六時までの時間を過ごしているということになります。夜間の環境基準は睡眠を妨げないことを目標に定めているものですから、大変重大な事態だと思います。
そこでお尋ねしますが、環境基準未達成部分について早期の改善が求められると思いますが、建設局としてどのように進めようとしていますか。
○川合道路保全担当部長 引き続き、対策が必要な箇所で低騒音舗装や二層式低騒音舗装を整備してまいります。
○米倉委員 対策が必要な箇所での対策を継続していくのは当然だと思います。私は、早期の改善のためにどのような対策を進めるべきかお尋ねしたのですが、早期にということでの明確なご回答がありませんでした。
改めてお聞きしますが、どのようにして早期に達成していくのか伺います。
○川合道路保全担当部長 繰り返しになりますが、引き続き、対策が必要な箇所で低騒音舗装や二層式低騒音舗装を実施してまいります。
○米倉委員 そもそもこの環境基準には達成期間があります。既設の道路に面する地域では、通常は環境基準の施行後十年以内をめどに、達成が著しく困難な地域でも十年を超える期間で可及的速やかに達成されるよう努めることを求めているのです。現行の道路沿道の環境基準が定められたのは二〇〇〇年ですから、既に十年を超え、十五年を経過しているわけですから、関係各局が強い決意で達成を目指すこと、そしてそのためにも期限と方策を明確にして取り組むことを強く求めるものです。
以前にも指摘をさせていただきましたが、日本の環境基準自体が住民の健康を守るには非常に緩い基準なのです。北海道大学の松井利仁教授は、世界保健機関の欧州地域事務局がつくった計算方法に基づき、日本の幹線道路に近接する空間の健康損失を算定したところ、たとえ環境基準をぎりぎり達成していたとしても、がんや脳疾患にかかる率が二倍にふえるのと同じくらいの健康損失が生じる。心筋梗塞などの心臓血管系の損失でも百万人当たり約千人がかかり、毎年百人が死亡するような暴露量になっている。生涯死亡リスクに換算すると、百人に一人程度の住民が道路交通騒音に起因する心疾患で死亡していることになり、幹線道路に近接した空間の騒音についての環境基準は、環境省が定める障害リスクの基準の千倍近いリスクに定められていると指摘しています。
こうした研究なども踏まえ、ぜひ建設局として騒音被害低減に取り組んでいただくことを要望します。
次に、都道におけるバリアフリー対策、特に東京都障害者福祉会館へのルートの対策について伺います。
ことし六月に、視覚障害者の団体の皆様から、東京都障害者福祉会館に最寄りの駅である田町駅から向かう途中に危険な箇所が幾つもあると相談を受けました。ご一緒に現地を視察しましたが、駅から会館までわずか四百メートル、歩いて五分程度の距離にもかかわらず、視覚障害者の立場から見たときに危険な場所が幾つもあり、非常に私自身驚きました。
例えば横断歩道前に注意喚起の点字ブロックがなかったり、もとは点字ブロックがあった歩道が修正された後に点字ブロックが再設置されないままになっていたり、老朽化した歩道がざらざらになる一方で点字ブロックは摩耗してしまったり、点字ブロックと歩道の違いが視覚障害者に区別できなくなっている箇所がありました。
建設局の皆さんには、この現地視察に立ち会っていただき、その後、団体の皆さんと国道、都道、区の施設管理者それぞれに要請を受けていただきました。都道については点字ブロックを追加で敷くなど、幾つかの要望はすぐに実現をしていただきました。ありがとうございました。
この出された要望の中で、特に危険な地点である障害者福祉会館に向かう途中にある第一京浜国道と都道日比谷通りの重なる交差点部分、都道についてはこの近接した部分になりますが、ここの都の取り組みを伺います。
この地点になりますが、点字ブロックの敷設の仕方が視覚障害者にとってはわかりにくくなっております。点字ブロックから外れて交差点の中に気づいたら入り込んでしまった、命にかかわる危険な目に遭った方が何人もいらっしゃいます。また、会館に向かおうとしながら、会館とは違う方向に、点字ブロックに乗っていながらも誘導されてしまう利用者が数多くいらっしゃいます。
障害者福祉会館は、障害者、ボランティア及び家族など、障害者福祉の増進を目的とする関係者を対象とした会議室などが利用できる、そういう都内ここしかないといっていいくらいの拠点施設となっています。年間利用者は約十九万人にも上ります。そのうち多くの方が田町駅からのルートを使うだけに、この地点の安全化は喫緊の課題です。
この箇所は国道との交差点であるため、国や区と連携して取り組んでいく必要があると考えますが、都としてこの交差点付近の改善のためにどう取り組んできたのかを伺います。
○川合道路保全担当部長 視覚障害者誘導用ブロック、いわゆる点字ブロックは、視覚障害者に正確な歩行位置と歩行方向を案内するためのものであり、安全な歩行を確保するため重要な施設でございます。
委員ご指摘の第一京浜国道と都道日比谷通りの交差点付近でございますが、本年六月に、視覚障害者団体から点字ブロックの改善要望があったことから、関係する国や区と現地立ち会いを実施するなど調整を図り、現在、都道区域内の改善に向けた検討を進めております。
○米倉委員 第一京浜を見ると、産業道路につながる道路となっています。産業道路とは主に貨物輸送の交通に使われる道路の通称でして、この道路は例えば羽田空港や川崎の工業地帯に延びている道路になっています。ですので、トラックが多くなることは容易に考えられます。
私たちはこの間三回、交差点付近の現地調査をしていますが、毎回福祉会館に向かう視覚障害者の方に出会います。視察中にも実際に、点字ブロックに沿って歩いているのに違う方向に誘導されるという方がいらっしゃいました。こういうことが起きないような改善が求められていると思います。
都としても可能な限り当事者の要求に沿った形で改善していただきたいと思います。そのためには、交差点付近の点字ブロックの改善に当たっては、必要な段階で当事者の意見を酌み取る機会を設けることが必要と考えますが、いかがですか。
○川合道路保全担当部長 点字ブロックの設置に当たりましては、視覚障害者等の意見を取り入れて作成された視覚障害者誘導用ブロック設置指針・同解説に基づき整備しております。
交差点付近など複雑な経路を安全に誘導する必要がある箇所につきましては、必要に応じて視覚障害者団体を通じ、事前に視覚障害者と現地立ち会いを行うなど、当事者の意見を十分に反映し、点字ブロックを設置しております。
○米倉委員 交差点付近など複雑な経路を安全に誘導する必要がある箇所については、必要に応じて当事者の意見を十分に反映しているというお答えでした。この交差点付近についても、既に検討に入る前に視覚障害者と現地調査をしていただいています。そのことは大変重要だと思います。
その上で、検討が進んで一定のプランができた段階でも、ふぐあいが生じないように、改めて視覚障害者の方や団体に聞き取りや協議を行っていただくことを要望しまして、私の質問を終わらせていただきます。
○菅野委員 まず、私は、私の地元港区の台場に隣接する潮風公園の魅力向上について伺いたいと思います。
潮風公園は、台場公園やお台場海浜公園などと一体となって、海辺を散策できるプロムナードとなっています。また近年、臨海部ではランニング大会も多く開催されるなど、都心で気軽にスポーツを楽しめる公園としても人気が高いと聞いています。
そこで、この潮風公園では現在どのような整備や活性化に向けた取り組みが行われているのかお伺いしたいと思います。
○五十嵐公園緑地部長 潮風公園は、臨海副都心では最大規模の公園であり、隣接するお台場海浜公園とともに東京湾の美しい景観を眺めることができる公園でございます。公園には子供たちに人気のある船を模した大型の遊具や、大きなイベントが開催できる太陽の広場などがあり、開放的な雰囲気の中で多くの方々に親しんでいただいております。
近年では、ランニング教室の開催や、ナイトランやチャリティーマラソンなどにより、多様な世代の方々が日常的にスポーツと触れ合うことができる場となっております。
また、東京湾の景観をさらに楽しんでいただくため、海辺にウッドデッキを整備し、憩いの場とするなど、公園の魅力をさらに高める取り組みを進めております。
○菅野委員 潮風公園は、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会において、ビーチバレーボールの競技会場となることが正式に決定しています。オリンピック開催時には、隣接のお台場海浜公園で開催されるトライアスロン競技を初め、周辺の湾岸エリアでも多くの競技が開催されるほか、新客船ターミナルの整備などで国内外から多くの方が訪れることになります。
このため、この公園施設の再整備が必要と考えますが、その辺の取り組みについての状況と今後の予定をお伺いしたいと思います。
○五十嵐公園緑地部長 潮風公園は、開園から四十年以上が経過し、一部施設に老朽化などが見られます。そのため、二〇二〇年に向けて、昨年度公園施設の老朽化状況の調査を行い、今年度は施設改修の基本設計に着手いたしました。
また、一部腐食等が進行している護岸につきましては、昨年度地質調査と基本設計を行い、今年度は改修工事に着手いたします。
今後、園路のバリアフリー化、サインの多言語化など公園施設の改修を進め、国内外の方々をおもてなしする場にふさわしい公園としてリニューアルしてまいります。
○菅野委員 この臨海副都心を中心とした湾岸エリアを訪れる多くの方々に喜びと感動を与える潮風公園のさらなる魅力向上を大いに期待しまして、次の質問に移ります。
次に、計画道路の整備について質問したいと思います。
本年三月、首都圏三環状道路の一つである首都高速中央環状線の品川線が開通しました。千葉、木更津方面や横浜方面へのアクセス性の向上、新宿から羽田空港までの所要時間が半減するなど、移動の時間短縮効果が実感できるなど、東名高速、中央道、関越道や東北道、また高速湾岸線など、都心を中心に各方面へ延びる放射状の高速道路が首都高中央環状線に結ばれ、大きな波及効果が期待、実感されています。私も事務所の最寄りの五反田の入り口から都庁までの所要時間が大幅に短縮されたことを今本当に感じています。
一方、都市計画道路に目を向けますと、その整備率は約六二%にとどまっており、依然道半ばといわざるを得ません。区部の放射環状道路、多摩の南北主要道路など、東京の都市の骨格となる道路ネットワークにはつながっていない区間、いわゆるミッシングリンクが残されており、都内各地で慢性的な交通渋滞が発生しています。ミッシングリンクは人や物の流れを阻害する要因となっており、その解消が急務であります。
区部における環状道路のうち、現在、環状二号線の整備が進んでおり、平成二十六年三月には、外堀通りから第一京浜までの延長一・四キロの区間が開通しました。引き続き、第一京浜から補助第三一五号線までを整備することで、臨海部と都心部を結ぶ交通、物流ネットワークの強化、周辺道路の渋滞緩和や防災機能の強化が図られることが期待されています。
一方、私の地元港区では、同じ環状方向の道路である環状第四号線があります。
そこで、まず、環状四号線の現在の整備状況についてお伺いしたいと思います。
○東野道路計画担当部長 環状第四号線は、港区高輪三丁目から江東区新砂三丁目に至る延長約二十八・八キロメートルの都市計画道路であり、骨格幹線道路ネットワークを形成し、都心に集中する交通を分散するなど重要な役割を担っております。
現在の整備状況は、完成または現道がある区間が約二十四・六キロメートル、新宿区富久町や河田町、文京区目白台など約二・八キロメートルの区間で事業中となっております。また、港区内の目黒通りから桜田通りを経て第一京浜に至る約一・四キロメートルの区間が唯一、現道がなく未整備となっております。
○菅野委員 今のご答弁にもありましたとおり、環状第四号線は、私の事務所のすぐ近くの目黒通りから第一京浜までの区間が未整備のままとなっております。
ところで、現在、品川駅、田町駅周辺地区は、本格的に国際化が進む羽田空港と近接し、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催や、二〇二七年のリニア中央新幹線の開業を見据えて、さらなる拠点性の強化が期待されております。また、近年、品川駅港南口側のまちづくりが急速に進み、人口増加が著しい地域となったことにより、防災上からも緊急車両や大型車両が通行できるJR線路を横断する新たな幹線道路の整備が求められています。
こうした中で、東京都は平成二十六年九月、品川駅周辺のまちづくりの指針となる品川駅・田町駅周辺まちづくりガイドライン二〇一四を策定し、周辺地域の将来像として、これからの日本の成長を牽引する国際交流拠点・品川を掲げています。ガイドラインでは、JR車両基地跡地の開発など、品川まちづくりを支える重要な都市基盤施設として環状第四号線を延伸する方針が示されていますが、改めてその意義についてお伺いしたいと思います。
○東野道路計画担当部長 環状第四号線は、広域的な道路ネットワークを形成するとともに、品川駅周辺のまちづくりに伴い発生する交通を円滑に処理する役割を担っております。また、品川駅周辺地区は鉄道で東西に分断されており、鉄道を横断できる新八ツ山橋と札の辻橋の間隔は約二キロメートルと、東西方向の連絡が不足している状況にございます。
そこで、環状第四号線を第一京浜から、さらに鉄道をまたぎ約〇・七キロメートル延伸して旧海岸通りまで接続することで、交通利便性の向上を図ることといたしました。
○菅野委員 大変よくわかりました。
では、この質問の最後に、未整備区間及び延伸部における現在の進捗状況と今後の取り組みについてのお考えをお伺いしたいと思います。
○東野道路計画担当部長 本年八月から九月にかけて、目黒通りから旧海岸通りまでの延伸部を含む約二・一キロメートルの区間を対象に、都市整備局や関係区とともに、環境アセスメントにおける現況調査に関する地元説明会を開催いたしました。三回の開催で延べ八百名を超える参加者があり、早期整備や環境への配慮を求める意見などをいただきました。今月下旬には現況調査に着手できる予定であり、現地において大気や騒音、振動の測定を開始いたします。
引き続き、都市整備局や関係区と連携いたしながら都市計画や環境アセスメントの手続を着実に進めてまいります。
○菅野委員 今のご答弁にもいただきましたが、改めて本日は、環状第四号線が広域的、地域的な観点から重要な役割を担うことを確認させていただきました。特に品川駅周辺のまちづくりに伴う役割には大きなものがあり、早期の開通に期待する声が多く上がっている。先ほどいろんな住民からの声が上がっているということがありました。
しかし、その中にもありましたが、一方で、私の住んでいる近くの白金台地区は、計画線が閑静で整った住居専用地域を横断することから、できる限り環境への影響が少ない道路設計を望む声が出ています。今後、計画を進める上では、そうした地域の声もしっかりと反映させることを望むものであります。
最後になりますが、環状第四号線延伸早期事業化に向けて、都市計画や環境アセスメント手続に全力で取り組むことを求めまして、私の質問とさせていただきます。終わります。
○こいそ委員 それでは、続いて自民党でありますけれども、やらせていただきたいと思います。
多摩川の中流域にかかる関戸橋の今後の整備について伺いたいと思います。
関戸橋は、古くから多摩地域の交通を支えて、防災上も重要な役割を担ってきております。架設後八十年近くが経過したわけでありますけれども、早期の老朽化対策並びに渋滞解消のために、かけかえの必要性を訴え続けてきたわけでありますが、極めて地元の関心も高いところであります。
三月の当委員会では、私の質問に対しまして、平成二十七年度には仮橋工事に着手するとの答弁がありました。今後、事業を円滑に進めていくためには、地域に対する情報発信及び積極的に事業PRを実施することが重要だと思います。
また、この関戸橋は、私の地元多摩市と府中市の玄関口であり、高欄や照明など、地域に親しまれるデザインとなるように要望してきております。九月には、私も同席させていただきましたけれども、地元関戸自治会の役員へこのデザインを提示していただいた際にも地元からさまざまな意見が出されました。
そこで、この関戸橋かけかえ事業の進捗状況、そして今後の取り組みについて伺いたいと思います。
○相場道路建設部長 関戸橋は、工事の期間中も交通機能を確保するため、現在の橋の上流側に仮橋を設置することとしております。このうち、府中市側の延長約八十五メートルの区間の仮橋工事を本年十月に契約し、工事説明会を年内に開催後、年明けから現場に着手いたします。
本事業は長期に及ぶことから、進捗状況などを地域へお知らせする広報紙を定期的に発行し、事業PRに努めてまいります。
また、高欄や照明、歩道舗装などのデザインにつきましては、地域のシンボルとなるよう、引き続き検討してまいります。
今後、仮橋工事を着実に進め、橋梁本体工事の早期着手に向け事業を鋭意推進してまいります。
○こいそ委員 このいわゆる関戸橋のかけかえが、これは仮橋でありますけれども、仮橋も四車線で立派な橋ですよね。これがいよいよ本格的に工事に着手するということでありますが、大変喜ばしいことであります。
引き続き、これは大変な事業でありますから、どうぞ積極的な事業PRの実施や、また要望がありますデザインについても、ぜひシンボリックなものとなるように検討を進め、早期完成に向けて取り組んでいただきたいと要望させていただきたいと思います。
続きまして、新大栗橋交差点の関係について、この安全対策について伺いたいと思います。
新大栗橋交差点は、先ほどの関戸橋から多摩ニュータウンの永山方向に向かういわゆる都道鎌倉街道と、聖蹟桜ヶ丘方面から稲城、川崎方面に向かう川崎街道が交差し、日々約五万台の自動車が行き交う、多摩地域でも交通の要衝となっている交差点であります。
ところが、この交差点で大変残念なことが起こりました。ことし三月に、八歳の女の子がこの横断歩道を、お母さんとまた妹さんかな、渡っているときに、横断中にトラックに巻き込まれて死亡するという大変痛ましい交通事故が発生してしまいました。
この交差点は、近隣には多摩第一小学校、多摩中学校とか桜ヶ丘記念病院があります。子供や高齢者など歩行者、自転車も多くの方々が通行していることから、円滑な自動車交通とともに、地域の方々の交通安全を図っていくことが極めて重要であるということであります。
このような不幸な事故が実は昨年の八月にも同じ路線で、都道上でありましたけれども、これも横断歩道でありました。今私が話しているのは交差点なんですけれども、もう少し川崎街道沿いでありましたけれども、昨年の八月にやはり死亡事故が発生してしまっております。
このような事故が二度と起きないように、地元の各団体、とりわけ私どもは自治会といっておりますけれども、自治会長とともに二万余名の署名を持って、都に安全対策の実施を要望し、幾つかの対策を実際進めていただいたんですね。要望させていただきながら取り組んでいただきました。
そこで、まず、改めてこれまでの取り組み状況を伺いたいと思います。
○川合道路保全担当部長 新大栗橋交差点は、多摩地域の幹線道路が交差する主要な交差点でありまして、交通の円滑化と安全を確保していくことが重要でございます。
都は、今回の死亡事故発生後の本年五月に、地元から安全対策の要望を受けまして、まず、短期間に対応できる対策として、六月に注意喚起看板を設置いたしました。あわせて、警視庁や地元多摩市等と連携して交通安全対策を進め、先月二十五日より歩車分離型信号の運用が開始されました。
○こいそ委員 地元の期待といいますか、いわゆる交差点構造のそもそもの改良をお願いということなんですが、もう一点は、歩車分離型信号の導入ということを要望させていただいたところなんですね。
関係機関との密接な、緊密な連携のもと、まさに迅速に取り組んでいただいたと。これは警視庁の方も所轄でありますけれども、南東建、建設局がやはり判断をしてくれた。これは大きな、歩車分離信号ですね。都内でもやはりこれだけの交通量のいわゆる交差点で歩車分離信号はなかなか難しいようですね。でも、それをやっていただいたということで大変感謝をしております。
十月二十五日、私もそのとき行きましたけれども、大変ありがたかったなと思います。左折する自動車と横断歩行者の完全分離が図られ、交差点の安全性が非常に高まったと本当に強く感じました。
一方で、川崎街道の稲城側では、第一車線が左折専用となり、直進車線が二車線から一車線に減少してしまったために車列が延びてしまっており、時間帯によっては渋滞が発生をしております。先ほど申し上げましたとおり、この交差点は多摩地域の交通の要衝であり、交通安全はもちろんのこと、円滑な交通にも十分に配慮していく必要性があると思います。
そこで、交通の円滑化に向けた今後の取り組みをお願いしたいと思います。
○川合道路保全担当部長 委員お話しのとおり、新大栗橋交差点の稲城側の川崎街道において、信号の改良後、時間帯により渋滞が発生しております。
そこで都は、直進車線を二車線に増設し、交通渋滞を抑止するための交差点改良を行うこととし、現在、早期の事業実施に向け、測量と詳細設計に着手したところでございます。
引き続き、関係機関と連携して、新大栗橋交差点の安全の確保と円滑化に取り組んでまいります。
○こいそ委員 既に設計を始められているという答弁をいただきました。心強く思うところでありますけれども、引き続いて取り組みを進めていただき、一日も早い交差点改良の実施を強くまた要望とお願いをさせていただきたいと思います。
それでは、次に、JR南武線の連続立体交差事業の特に高架下の利用について伺いたいと思います。
私は平成九年初当選から十八年たちましたけれども、本事業の推進や早期高架化の実現、大変長い期間、皆さんが大変な思いと取り組みをさまざましていただいたことによって、平成二十五年十二月に、ついに第二期区間の稲城長沼駅から南多摩駅付近が高架化されました。地元のまさに悲願でありましたこの全線高架化が実現化したというところであります。
これにより第一期、二期区間の十五カ所全ての踏切がなくなりました。踏切遮断による大変な渋滞が解消したわけでありますけれども、大変大きな効果が得られてきております。全線高架化が実現し、地元が次にさまざまに注目をしておりますのが、いわゆる鉄道の高架下の利用なんですね。地元の方からもこの高架下空間に集会所だとか駐車場であるとか、または私は公益的な使い道はもっとできないのかなと。先ほど道路防災ステーションなんていう話もありましたけれども、やはりいろいろな期待があるわけですね。
そして、そこで、この高架下利用の取り組み状況について伺いたいと思います。
○相場道路建設部長 これまで都は、稲城市及びJR東日本とともに、高架下利用検討会を設置し、高架下の有効利用の実現に向け検討を進めてまいりました。本年七月には、地元要望や多様なニーズを踏まえた高架下利用計画を都が主体となり策定いたしました。
この中で、既に駐輪場や店舗などの高架下利用が進んでおります第一期区間では、今回新たな地元要望を反映し、集会場の設置スペースを確保いたしました。第二期区間では、地元市の観光情報をPRする施設や駐輪場など、鉄道事業者による店舗や駐車場などとともに、都が公共利用できる空間を確保いたしました。
○こいそ委員 このいわゆる第二期区間では、都が主体的に利用できる空間が確保されたということであります。第一期区間では公益的に使いたい、これはまさに実際私もこの委員会で取り上げさせていただきましたけれども、警察の機関もそうですね。消防機関もそうです。それから、さらにさらに、さまざまな集会的なものもそうなんだけれども、ところが、一切それはできなかった。よって第二期区間でぜひ公益的な使い方ができる、それも東京都のやはり一定の管理、そして判断で使用ができるという空間をぜひ確保していただきたいということでお願いをしたわけで、要望させていただいてきました。
その中で、一期区間は実際上は今申し上げたとおりなんですけれども、この一期と第二期区間の高架下利用面積、とりわけ二期区間の高架下の利用面積について、都が利用できる面積は、それぞれどの程度の割合になっているのか教えていただきたい。
○相場道路建設部長 連続立体交差事業の高架下利用につきましては、国が定めました要綱におきまして、鉄道事業者と都市側の利用割合は、鉄道事業者が八五%、都市側が一五%となっております。
本事業におけます第一期区間の高架下利用面積は約九千七百平方メートルであり、このうち都市側の利用は約千四百平方メートルであります。都市側利用のうち、都がみずから利用する面積はございません。
第二期区間の高架下利用面積は約三万二千平方メートルであり、このうち都市側の利用は約四千八百平方メートルであります。都市側利用のうち、都がみずから利用する面積は約四百平方メートルで、都市側利用の約一割、第二期区間の高架下利用面積の約一・二%であります。
○こいそ委員 今具体的に八五と一五%が地元というか都も入ったと。二期区間については東京都の方も今お話しのとおり確保できたということでありますけれども、しかし、少なくとも、高架下面積の利用割合、現在のルールでは、今ご答弁があったように八五%が鉄道者側、都や市が一五%にとどまっているというお話ですよね。いわゆる公共利用できる空間が今のお話のとおりなんですけれども、やはり私は、率直にいわせていただいて、八五%、一五%という数字もそうなんだけれども、しかし、なぜそうなんだと率直に思うんです。
これは国で決めているんだよと。やはり旧運輸省と当時は建設省との間での話し合いがそうなったと。いわゆるこの一定の割合。しかし、それ以前は一〇%、そして、さらにはその後一五%になりましたね。これは私は南武線だけの話でいっているんじゃない。これが東京都全体の話としても、やはり少なくともここでは一定のルールとして八五対一五だ。
しかし、私はこれから、先ほどのさまざまな高架下利用という中で、地域もそうだ。ありますよ。それから、今まさに待機児童解消を初めとし、それからグループホームだとかいろいろ、いわゆる福祉施設関係ですね。用地がなかなか確保できない。ありますよ。そういうときに、この高架下利用ができないか否か、先ほど保育所という話もありましたけれども、大変結構な話だと思うんだけれども、そういうような空間に東京都の、管理としては建設局になるかもしれませんけれども、裁量権を持って使用できると、当然地元だって貸し出すことができると、こういう使い方をもっともっと私は促進すべきじゃないかと思うんですよ。そのあたりはどうでしょうかね。
○相場道路建設部長 連続立体交差事業は、多数の踏切を同時に除却することで道路ネットワークの形成を促進し、交通渋滞や地域分断を解消するとともに、地域の活性化に資する極めて効果の高い事業であります。
本事業により新たに創出される高架下は貴重な都市空間であり、まちづくりの観点から有効に活用することが重要でございます。委員ご指摘のとおり、都市側の利用できる面積割合をふやし、生み出された空間を活用し、公共公益的に利用することは大変重要な視点でございます。
都は今後、事業化する路線におきまして、都市側の利用割合をふやすことができるよう国へ要望するなど、高架下空間の一層の有効活用に向けて取り組んでまいります。
○こいそ委員 ぜひそうしていただきたいということなんですけれどもね。少なくとも、やはり今日的なさまざまな状況もそうだけれども、はっきりいって大変ありがたいんです、大渋滞を解消できる。それから、例えば東西か南北か、これまで分断されていたものがやはり解消されるという大変結構なことだと思う。しかし、さらには、駅舎もそうだ、それから今いった高架下も、新しいまちが形成されるような、やっぱりそういう期待も我々としてあるわけですね。
そういう中において、これは全国的に思っているんじゃないのかな。八五%というのは、はっきりいって国が一方的に決めた話なんだ。ですから、特に東京都もこれから連続立体交差化事業をどんどん進める中で、地方だってそういうところは当然あるでしょう。そういう中で、ぜひこのあたりは東京都として当然いうべきだし、はっきりいって東京都がいわなかったらいえないです。ですから、そのあたり、今の一〇%、一五%になりました。しかし、これから幾らがいいんだといういい方ではなくて、やはりもう少し、もう何%か、何十%か割合を確保できるように、ぜひこれからも交渉を強めていただきたいなと強く強く要望させていただきたいというふうに思います。
それでは、続きまして、次に、これは私の地元で稲城市内の坂浜平尾線という道路であります。ご案内のように多摩三・四・一七号線、坂浜平尾線は、南多摩地域道路ネットワークの一翼を形成する重要な路線で、私もこの委員会において早期整備を一貫して要請してまいりました。
この路線は、東京都と二つの区画整理組合により施行されております。区画整理事業の区間では、上平尾地区に続き小田良地区においても今年度から道路本体の工事に着手をするなど、両地区とも順調に事業が進展をしております。都のいわゆる施行区間についても、今年三月の当委員会で、用地取得が進んでいることや今年度から道路本体の工事に着手するとのご答弁がございました。
今申し上げたように、本路線は区画整理で生み出すいわゆる道路整備、それから、いよいよ期待しているのはプロ集団、街路事業のまさにプロ集団ですよね。これがやはりいよいよ始まるという期待感が非常にある。
そこで、坂浜平尾線の進捗状況と今後の取り組みについてお願いします。
○相場道路建設部長 道路整備に必要な用地につきましては、本年十月に全ての取得が完了いたしました。工事につきましては、高低差処理の擁壁工事を十月に契約し、現在、樹木の伐採や斜面の掘削などを行っており、鶴川街道側の橋梁部では、下部工事を十一月に契約いたしました。
また、京王相模原線との交差部につきましては、鉄道事業者と六月に施行協定を締結し、現在、土どめなどの工事を進めているところでございます。
今後は、工程管理や安全管理に万全を期して、近接し、ふくそうする工事を着実に進めるとともに、残る橋脚や桁製作架設等の工事を計画的に発注するなど、早期開通に向け全力で取り組んでまいります。
○こいそ委員 今年度には全ての用地の取得が完了し、本格的な工事に入ったということが理解できました。坂浜平尾線の整備に対する地元の期待がこれも大きいんですね。やはり何といってもインフラ整備がまだできていないんですよ。おくれているんですよ。ですから、その中でも基幹的なこの道路整備や、あと何点かやらせていただきますけれども、切実な大きな要望点があるわけであります。
当然地元の期待も大きく、どうぞ一日も早い開通を目指して事業推進に取り組んでいただきたいと、これは要望とお願いであります。
続きまして、同じく道路整備でありますけれども、多摩三・四・一五線ですね。未着手となっている、これ、稲城市の百村というところにありまして、この区間が当初区画整理方式でということでありましたが、それが白紙に戻りまして、これは街路事業でぜひということになってまいりました。
現道の線形が非常に悪いということもあるんですが、現状では歩道がありません。極めて危険です。例えば、信号機は設置できましたけれども、その渡った先、当然歩道を渡りますね。その先は壁なんですね。若干の空間はできたけれども。さらに逃げ場がないんですね。こういうようなことが、この区間ではほとんど白線を引いてあるけれども、白線もぎりぎり。非常に逃げ場がない、怖い。こういうことが地元から寄せられているところでもあるんですね。
ですから、これはやはり都道として、東京都道としては、やはり歩車道が分離されて安全に歩行者が通行できるということが基本じゃないかと思うんですよね。車両を円滑に通行させることも大きなことでありますけれども、そういう観点からも、この区間でありますけれども、早期の事業化を進めていただくと答弁がありましたんで、稲城市、地元市とも連携をしてぜひ進めていただきたい。
これまでの進捗状況について教えていただきたいと思います。
○相場道路建設部長 本路線は、緊急輸送道路の機能強化や安全で快適な道路空間を確保する観点から、早期整備が必要であるとともに、周辺のまちづくりと一体となって進める必要があることから、本年三月より、都と稲城市による合同の検討会を設置して検討を重ねてまいりました。
この中で都は、まちづくり検討の一環として市が行った測量調査や道路高さの検討など、道路設計の基礎となる取り組みに対して技術的な支援を行ってまいりました。
また、六月には、市が実施いたしましたまちづくりの説明会に、多摩三・四・一五号線の事業主体として参加し、都の考えを地元に示してまいりました。
○こいそ委員 地元市との連携は不可欠だと思います。しかし、何回かの地元説明会で、私も一回目の説明会に出ましたけれども、大変な人が集まった。期待がすごい、要望がすごいといいますか、反対に市側の方が突き上げられていましたけれども、そういうような地元の非常な期待感という中で、確かに私、申し上げたように、やはり歩道がないというのはつらいですよ、これ、はっきりいって。ですから、ぜひ今後はこれらのことを大いに前進させるような取り組み方もしていただきたい。
これにつきましては、今ご答弁をいただいたところだと思いますが、ぜひ答弁を。
○相場道路建設部長 検討会で取りまとめました成果をもとに、さらに鶴川街道の整備に向けた検討を進めるため、本年十月より道路の予備設計に着手いたしました。現在、道路と地先との高低差処理等を含め、具体的な道路構造の検討を進めており、今年度内を目途に成果を取りまとめてまいります。
引き続き、地元市と連携しながら、早期事業化に向け取り組んでまいります。
○こいそ委員 ぜひ早期事業化をさらに進めていただきたいとお願いいたします。
それでは、続きまして、この委員会でもやはり道路整備については何回となく質問させていただいておりますけれども、その後のことも踏まえて、ちょっとお話と質問をさせていただきたいと思います。南多摩尾根幹線整備に向けた取り組みについてであります。
これまで繰り返し、この委員会で南多摩尾根幹線の重要性について取り上げてまいりました。本年二月に整備方針が発表され、平面構造での四車線化など道路構造の基本的な考えが示されたというわけであります。その後、五回の説明会を地元で開催してもらいました。そして、オープンハウスという新しいというんでしょうか、この試みも実施していただいて、地元へ丁重な説明をしていただきました。まさに事業化に向けて大きな一歩が踏み出されたんだなと、これ、はっきりいって実際地元は大歓迎です。
そういう中で、現在までの進捗状況についてお願いします。
○相場道路建設部長 多摩市鶴牧から稲城市百村までの区間では、環境アセスメントの現況調査の一環としまして道路中央部の土砂を一部撤去し、土質状況の確認を本年八月に完了いたしました。
また、トンネル構造となる区間では、希少種が生息する保全地域への影響を検討するため、八月に学識経験者らによる検討委員会を設置し、具体的な調査方法を確認いたしました。
多摩市総合福祉センター前及び大妻女子大前におきまして、右折車線等を設置する交差点改良工事が十月に完了し、あわせて、暫定二車線でありました両交差点間に位置する唐木田大橋の区間を四車線化いたしました。
○こいそ委員 ご答弁いただきましたとおりに、唐木田の区間は四車線化していただきました。非常に早い取り組みでスピーディーに最速でやっていただきました。
また、今後、四車線化の実現に向けて、建設局は精力的に、今申し上げたとおりで、よく理解できたわけでありますけれども、そこで、今後の取り組みについてお願いします。
○相場道路建設部長 多摩市鶴牧から稲城市百村までの区間では、昨年度より実施しております猛禽類の現地調査に加え、十月から四車線化に向けた道路線形などの比較設計に着手いたしました。年明けから大気や騒音、振動、生物生態系の現地調査に着手するなど、環境アセスメントの現況調査を進めてまいります。
トンネル構造となります区間では、保全地域に配慮したトンネルルートの検討に向けて、地質調査や地下水調査を早期に開始するよう、契約手続を進めております。
さらに、現在の都市計画が平面構造であり、都市計画変更の必要がない唐木田区間では、測量や道路予備設計を進め、早期の工事着手に向けて引き続き全力で取り組んでまいります。
○こいそ委員 建設局が具体的な検討及び具体的な形での整備にいよいよ着手していただいたことに感謝します。南多摩尾根幹線全線の早期事業化に向けて、取り組みをぜひとも加速していただきますように、要望とお願いをさせていただきたいと思います。
それでは、続きまして、今度は道路の整備じゃなくて、道路照明についてお願いしたいと思います。
都心部と比べて多摩地域、とりわけ私の地元なんですけれども、その件についてちょっとお話しさせていただきたいんですが、道路照明は自動車交通の安全や歩行者の通行に当然欠かせないものであります。地域の安全にもかかわる重要な施設だというふうに思います。
まず、道路照明をどのような基準で設置されているのか確認をさせていただきたいと思います。
○川合道路保全担当部長 道路照明は、夜間において、道路交通の安全、円滑を図ることを目的として設置しております。路面における必要な明るさは、設計基準に基づき、道路の規格や沿道の明るさなど、現場状況を考慮し、決定しております。
また、道路照明の間隔につきましては、必要な明るさを満たすように、車道幅員や照明の高さなどを勘案し、設置しております。
○こいそ委員 基本的な設置の考え方はそうだというふうに思います。しかし、歩行者や、または車両のドライバーでありますけれども、さまざまな視点によって、明るさの感じ方は当然違うと思うんですね。しかし、これは千差万別というか、いろんな人が、いや、明るいんだよ、暗いんだよと、そういう話じゃなくて、また、場所によっては実際上明るさが不足しているんではないかと。まさに聞いて、見て、当然感ずるところがあるんですよね。そのような場所においてどのような対応をされているのか聞きたいと思います。
○川合道路保全担当部長 道路が暗いと感じるのは、沿道の建物の状況や街路樹による影響などが原因として考えられます。そのような場合には、照度測定を行った上で、その区間に最適な解決策を検討し、対策を行っております。
○こいそ委員 これは道路管理上もいろんな要望が寄せられていると思うんですね。例えば、照明の施設器具というのかな、ありますよね。どう見てもこの間隔が少し離れているところだとか、当然ありますよね。これは道路設計の工事を進める中か、設計段階からそうなっているのかなという感じもするんだけれども、しかし、はっきりいってそこが暗い。これは一概にはいえないとしても、これは私だけの判断ではないし、多くの人の話でもなるほどなと、見に行ったらそのとおりだった。
それとか、例えば、これも私の地元の、さっきの都道鎌倉街道なんですけれども、これから、先ほどの関戸橋というところから新大栗橋付近、極めてここのところは照度が暗いですね。地元からも相当声が上がってきているやに私も聞いているんですが、実際、これは暗いですね。
例えば、歩道を通行するときも非常に怖い。女性や子供さんや高齢者の方はですね。そういうことも現実的にあるわけであって、ですから、基本的な設置基準だとか管理的なことというのは当然あるんでしょうけれども、しかし、やっぱり弾力的に、なおかつしっかりと、ある程度の、例えばパトロールをやっていますよね。パトロールカーというのかな。そういうところも五時で終わりというわけじゃないでしょう、あれは今委託が回しているから。たまにはそういうところを見てもらったりとか、適宜やはり、確かに街路樹の枝が伸びているところもありますよ。それから、いろんな要因、要素があると思う。ですから、ぜひこういうところにも目配りというかな、やっぱりそういうところにもきめ細かい対応ができる局であってほしいなということを思うんですね。
今申し上げた当該地区について、どのように対応していくのか伺いたいと思います。
○川合道路保全担当部長 ご指摘の区間につきましては、現地調査を行い、道路や周辺の状況を確認するとともに、規定の明るさを満たしているか照度測定いたします。その上で、より明るいランプへの交換、より光が広がる照明器具への交換、または照明の追加設置などについて比較検討を行いまして、最適な対策を実施してまいります。
引き続き、道路照明を適切に管理することにより、夜間における道路交通の安全・安心の確保に取り組んでまいります。
○こいそ委員 ぜひこれらのことも踏まえて、今後適切な対応をとっていただければというふうに思います。
次に、最後でありますけれども、都立動物園について何点か伺います。
二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会を成功させたい。当然ですけれども、みんなの思いであります。東京都は、まさにさまざまな国との交流をさらに進めていく必要性があるんではないかということであります。
とりわけ都立動物園では、世界各地の野生生物、動物がその生息地の情報とあわせて展示されています。多くの都民も当然訪れる場所でもあります。
こうした都立動物園を都市外交の場として活用できないかと、そういう視点で、都民レベルでの国際交流も期待でき、いろんなやり方によっては友好を担っていくんではないかと思うんですね。
最近の例では、モンゴル国から多摩動物公園に寄贈されたモウコノウマ。これは非常に希少なんですね。このモウコノウマに待望の子供が生まれました。当然、駐日モンゴル大使以下公使でありますとか、皆さんがこの式典にも臨席していただき、来園者とともに命名式が行われました。動物園ならではの動物を通じたまさに国際交流のよい例ではないかと。多くの来園者もやはりその式典に自然に集まって参加をしてもらったということもあります。
そこで、都立動物園における国際交流の取り組みの状況について伺いたいと思います。
○日浦公園管理担当部長 都立動物園、水族園では、野生生物の交換、繁殖等によりまして、世界各地の動物園、水族館と交流しております。
これまでも、企画展やシンポジウム、講演会などを開催いたしまして、生息地の自然環境や動物が置かれている状況を、各国の文化や歴史などとあわせて紹介しております。各国から地域や動物ゆかりの関係者を招いて講演していただいたり、大使館関係者にイベントにお越しいただいたりもしております。
今後も、野生生物の展示、交換等を通じた国際交流を進めてまいります。
○こいそ委員 都立動物園において国際交流が進められているということは今の答弁でわかりましたけれども、今後は、特に資源も豊かで急成長しているアフリカ諸国との交流も大切になってくるんじゃないかなと思うんですね。
アフリカには歴史的にもヨーロッパとのつながりが大変深いわけでありますが、日本との関係は少ないように思いますし、また、東京にあります外交団、各大使館が今三十九だったかな。アフリカ大陸には五十四の国家が誕生しています。そういう中において、彼らの一、二大使からの話では、メッセージがなかなか届かない、我々アフリカの事情というものがなかなか理解されていないんじゃないか、ヨーロッパ経由の情報ではないのかと、欧米からの情報ではないのかと、こういうことをよく聞くんですね。
そういうような中で、直接的な交流をもっともっと深めていく必要性もあるんじゃないかと、相互理解の中で。そのためには、アフリカに生息する野生動物が多く飼育されている都立動物園を、そのような国際交流という観点からも、アフリカとの交流という観点からも活用してはどうかなと。
そこで、都立動物園におけるアフリカとの交流の取り組みについて伺いたいと思います。
○日浦公園管理担当部長 都立動物園では、多摩動物公園のアフリカ園など、アフリカのさまざまな動物を展示しまして、動物を通じて各国と交流をしております。
例えば、アフリカの島国で、独特な動物が多いマダガスカル共和国とは、現地動物園と友好関係を結び、マダガスカルを代表するアイアイ等の展示、繁殖や飼育技術、職員の相互訪問などの交流を行っております。
ウガンダ共和国とは、大きなくちばしを持ち、動かない鳥として有名なハシビロコウの企画展を開催するとともに救援基金を設置し、現地の環境保護に役立てております。
今後も引き続き、アフリカ各国との交流に取り組んでまいります。
○こいそ委員 アフリカ各国との交流が行われているということもわかりました。しかし、動物の交換、いわゆる動物園職員の交流にとどまらない取り組みも必要ではないかと思います。
二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催に向けて、東京都の動物園において、多様な動物が生息する、きょうはアフリカということをいっていますけれども、アフリカには本来限りませんけれども、とりわけアフリカをもっと広く紹介すべきではないのかなと思います。
そこで、アフリカに対する都民の理解を深めるためには、都立動物園においてイベントなどをこの際開催する取り組みがそのためにも有効と考えるところでありますけれども、所見を伺いたいと思います。
○日浦公園管理担当部長 アフリカ地域には独特の野生動物が数多く生息しており、都立動物園ではアフリカに生息するさまざまな動物を展示しております。
これまでも都立動物園ではイベントや講演会などを通して、動物やその生息環境等、アフリカの国々について都民に紹介する取り組みを行ってまいりましたが、日本ではアフリカ地域の情報について学ぶ機会は限られております。
そこで、東京オリンピック・パラリンピックを見据えて、多摩動物公園を中心に都立動物園四園において、独特で多様な動物とともにアフリカの文化等を広く伝えるイベントを年度内にも開催してまいりたいと思っております。
○こいそ委員 ご答弁いただきましてありがとうございます。新しい取り組みを始めることがここで表明をされたわけでありますが、大いに期待をさせていただきたいと思います。
それでは、ここまでにします。
○高椙委員 本日もさまざまな都内各地、各所の問題等も質疑をした中で、都市計画道路の問題もございました。未着手路線のお話、優先整備路線のお話、その中でも都市計画道路の整備率という点に関しては、区部、多摩、それぞれの地域で倍率も違うんでしょうけれども、あえて国分寺市の整備率はどうかというのは申し上げませんけれども、国分寺市都市計画道路三・二・八号線の整備の一点についてお伺いしたいと思います。
魅力にあふれ、活力に満ち、安全・安心が確保された多摩を実現するためには、地域の内外を結び、多摩を支える道路ネットワークの整備が必要でございます。とりわけ南北道路は、多摩地域における多様な都市機能と快適な都市生活を支える上で必要不可欠な骨格幹線道路であります。
既に、八王子村山線、府中清瀬線が全線開通し、本年八月には調布保谷線も全線開通いたしました。これによって、甲州街道との交差点から埼玉県境までの車による所要時間が約七十分から約四十分になり、三十分短縮されるなど、高い事業効果が発現しているところでございます。
私の地元では、南北道路の一つであります府中所沢線の国分寺三・二・八号線が全線にわたり整備中でございます。本路線に並行する府中街道は、多摩地域でも有数の渋滞が生じており、渋滞を避けた車両が生活道路に入り込み、歩行者の安全を脅かしていることから、本路線の早期完成に向けて積極的に整備を推進すべきものと考えております。
そこで、改めて国分寺三・二・八号線の整備の必要性についてお伺いいたしたいと思います。
○相場道路建設部長 国分寺三・二・八号線は、神奈川県から埼玉県に至る広域的な道路交通ネットワークを形成する府中所沢鎌倉街道線の一部であり、多喜窪通りを起点とし、国分寺三・四・六号線との交差を経て五日市街道に至る延長約二・五キロメートルの都市計画道路でございます。
本路線は、府中街道を初めとする周辺道路の交通の円滑化や都市間連携はもとより、災害拠点病院であります都立多摩総合医療センターへのアクセスの向上など、地域の防災力を高める上でも重要な骨格幹線道路であります。
また、整備に当たりましては、四車線の車道部十六メートルの両側に、歩道や植樹帯、自転車走行空間などで構成されます十メートルの環境施設帯を設け、沿道環境に配慮するとともに、安全で快適な都市空間を創出いたします。
○高椙委員 ご答弁にありましたとおり、国分寺三・二・八号線は地域の核をなすものであり、周辺道路の交通の円滑化のみならず、都市問題、都市間連携や地域の防災力の向上など、都民生活を支える上で特に重要であり、整備の必要性が高いことが改めてわかりました。現場は既に用地取得が進んでおり、地元の皆さんから一日も早い開通が望まれております。
そこで、国分寺三・二・八号線の現在の進捗状況と今後の取り組みについてお伺いしたいと思います。
○相場道路建設部長 国分寺三・二・八号線のうち、南側の多喜窪通りから国分寺三・四・六号線までの約一・一キロメートルの区間では、用地取得がおおむね完了しており、工事につきましては、JR中央線をまたぐ橋梁の桁架設が完了しております。引き続き、電線共同溝設置工事などの街路築造工事を進め、平成二十八年度の交通開放を目指してまいります。
北側の国分寺三・四・六号線から五日市街道までの約一・四キロメートルの区間につきましては、これまで約八三%の用地を取得しており、引き続き、残る用地の取得に努めていくとともに、西武国分寺線との交差部のトンネル工事などを進めてまいります。
今後とも、地元の皆様のご理解とご協力を得ながら、国分寺三・二・八号線の全線開通に向けて積極的に整備を推進してまいります。
○高椙委員 国分寺三・二・八号線のうち南側の区間については、来年度の開通に向けて着実に工事が進められていることがわかりました。
工事期間中は住民の方もそれぞれ、仮設の道路等があって、非常に全線開通するまでは苦労があるわけでございます。そして、例えば、地元の方にお聞きすれば、家もつくりかえたいけれども、まだ待っているんだとか、テナントを誘致したいから待っているんだとかいうのもございます。ましてや、国分寺市の行政の方は、沿道まちづくりの関係だとか、長期ビジョンの策定の関係で、非常にこの進捗状況を見守っております。
ですから、北側区間についても、残る用地の取得を進めて整備を推進し、国分寺三・二・八号線の早期全線開通に向け、全力で取り組んでいただくことを強く要望し、なおかつ、建設局、そして北建のご努力に感謝しながら、要望で終わらせてもらいます。よろしくお願いします。
○神林委員 十二番目の発言者になりましたので、私の方からは、特定整備路線について一つだけ伺わせていただきます。
さて、かつて私も質問したように、特定整備路線につきましては、木密地域不燃化十年プロジェクトが公表された平成二十四年一月以降、何度も都議会の場で取り上げられてまいりました。当環境・建設委員会でも調べさせていただきましたら、請願陳情審査六件、事務事業質疑三回、都市整備委員会でも建設局長や大島副委員長はよくご存じだと思いますけれども、多くの議論を重ね、既に都議会としても議決ということで、推進すべきと明確に定められているところでございます。
また、一部区間では工事にも着手しており、本事業は計画事業化の段階から、具体的な事業進捗の段階へと移っております。
建設局には、その総力を注ぎ込み、責任を持って、一日も早く完成してもらいたいという思いを持って、数点質問をし、この件について締めくくらせていただきたいと、こういうふうに思っている次第でございます。
自然災害にどのように立ち向かうかを都民に示し、具体的に取り組むことは、都に課せられた重大な責務であり、我が党はかねてから減災都市東京の実現を目指し、万全の対策を講じることを提言してまいりました。
建設局はさまざまな防災関連事業を進めていますが、特に首都直下地震の発生は、三十年で七〇%の確率であるといわれており、その際に甚大な被害が想定されている木造住宅密集地域の改善は当然喫緊の課題でございます。都内区部全体に視野を広げれば、山手線の外側を中心に広く危険な木密地域が存在しており、一たび震災が発生すれば、多くの都民の命が危険にさらされるということになります。
そこで、まず初めに、改めまして特定整備路線の効果と直近の進捗状況について伺います。
○東野道路計画担当部長 特定整備路線は、災害時に甚大な被害が想定される木造住宅密集地域において、延焼を遮断し、市街地火災の燃え広がりを防ぐとともに、避難路や緊急車両の通行路となり、救助救援活動にも資するものでございます。このように特定整備路線は地域の防災性向上に大きな効果を発揮いたします。
平成二十四年度の選定以来、事業や測量についての説明会や予備設計などを実施し、昨年度までに全二十八区間、約二十五キロメートルの事業に着手いたしました。現在、用地取得を進めており、二区間で工事に着手しております。
○神林委員 特定整備路線の事業が着実に進んでいるということをその答弁で感じさせていただいておりますけれども、さらなる推進をよろしくお願いしたいと思います。
ただいま、特定整備路線は延焼を遮断する効果があるというご答弁があったわけでございますが、木密地域において大規模な市街地火災は最も恐ろしい被害のあらわれの一つでもございます。
そこで、特定整備路線のさらに具体的な延焼遮断効果について、また伺わせていただきます。
○東野道路計画担当部長 阪神・淡路大震災における神戸市長田区の事例を国土交通省が調査いたしましたところ、老朽化した木造住宅の割合が高く、狭小な敷地が多い住宅地においても、幅員十二メートル以上の道路を越えた延焼はございませんでした。
また、特定整備路線においては、東京消防庁の手法を用いて、最も厳しい条件である道路に対して直角の風向きで、都の被害想定に用いている風速八メートルの風を想定し、延焼シミュレーションを実施いたしました。その結果、特定整備路線の整備により、延焼面積が約四四%減じられる結果となりました。
○神林委員 今ご答弁いただいたように、過去の震災事例からも、幅広い道路が延焼を食いとめる効果を有することは明らかでございますし、さらに、シミュレーションの結果もそれを裏づけていると判断させていただいております。
さて、特定整備路線の整備については、平成二十五年の予算特別委員会において、私からも住民の要望に応える相談体制づくりについて質問をさせていただいております。その際、東京都技監から、用地取得に伴い必要となる移転先の確保や再建プランの作成などの役割を担う相談窓口を設置していくとの答弁をいただいております。
そこで、関係権利者の生活再建の取り組みについて、現在の実施状況につきまして伺います。
○杉崎用地部長 木密地域の防災性の向上は待ったなしの課題であり、関係権利者のご理解、ご協力をいただきながら、早期に事業用地を取得していかなければなりません。このため、関係権利者に対し、都の職員が用地取得の進め方や補償内容について、お一人お一人に丁寧に説明するとともに、民間事業者を活用した相談窓口を十八カ所設置し、移転や再建に関するさまざまな相談に都の職員と連携して取り組むことで、生活再建のサポートを充実させております。
相談窓口では、専門家のノウハウや民間のネットワークを活用し、移転先情報の提供や残地での建てかえプランの提案、税務、法務の相談会開催など、関係権利者の多様なニーズに的確に対応しております。また、お年寄りなど窓口に足を運ぶことが困難な方々に対してはご自宅を訪問し、意向を伺いながら再建計画を検討するなどの手厚いサポートも行っているところでございます。
今後も引き続き、都の職員と相談窓口とが連携し、関係権利者の方々の生活再建をきめ細やかに支援してまいります。
○神林委員 今ご答弁いただいたとおり、これからこの実施率をさらに上げていく部分については、この辺が大きなポイントになると思いますから、ぜひ関係者の生活再建を配慮して、きめ細かな支援が進められることをよろしくお願いいたします。
さて、最後に、大災害が今いつ起きてもおかしくないというのは、どなたもはっきり確認されていると思います。きょうかもしれませんし、あすかもしれません。もし事業がおくれて大災害が起きたとき、火災の延焼を食いとめることができずに、消防車や救急車も通れないことで多くのとうとい人命が失われたり、多くの負傷者が出たら、一体この責任は誰がとるんですかと、そういう自覚と責任感を持って、一日も早く事業を進めてほしいということを強く要望させていただきたいと思います。また、反対する人には逆にこのことをぜひ問いかけてほしいと私は思っております。
そこで最後に、建設局長に特定整備路線の整備に対する決意をお伺いして、私の質問を終わります。--話を聞いてからがありますから。
○佐野建設局長 特定整備路線は、木密地域において延焼を遮断するとともに、避難路や緊急車両の通行路ともなり、まさに都民の命を守る重要な都市計画道路でございます。
建設局は、三環状道路の一つである中央環状品川線や身近な地域幹線道路など、これまでも多くの道路事業において、地盤や地形などさまざまな現場条件に的確に対応し、地域の皆様のご理解、ご協力をいただきながら完成させてまいりました。こうして形成してきたインフラストックは、確かな事業効果を発揮し、利用者や地域の皆様の生活を支えております。
特定整備路線におきましても、これまで現場で蓄積してきた経験と知識を最大限に活用するとともに、関係権利者の生活再建にも配慮しながら、世界一安全な都市東京の実現に不可欠な本事業の平成三十二年度の完成に向け全力で取り組んでまいります。
○神林委員 局長とは都市整備の時代からずっと一緒にやってまいりましたんで、今力強い答弁をいただきました。
最後に、都が平成二十四年四月に公表した東京湾北部地震の被害想定によりますと、都内は最大震度七の揺れに見舞われ、火災などにより約九千七百人の死者と約十四万七千六百人の負傷者が発生するとされております。
特定整備路線は、これらの被害を軽減し、多くの都民の命を災害から守る、防災上極めて重要な都市インフラでございます。その整備が早期に実現できるよう、引き続き、関係権利者の生活再建に配慮しながら、積極的に推進していただくことをお願い申し上げ、私の質問を終わります。
○やながせ委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○やながせ委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
以上で建設局関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後六時二十三分散会
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