環境・建設委員会速記録第十六号

平成二十六年十二月十九日(金曜日)
第九委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長野上ゆきえ君
副委員長河野ゆりえ君
副委員長山田 忠昭君
理事山内れい子君
理事きたしろ勝彦君
理事小磯 善彦君
米倉 春奈君
河野ゆうき君
高椙 健一君
大西さとる君
高橋かずみ君
こいそ 明君
藤井  一君
林田  武君

欠席委員 なし

出席説明員
環境局局長長谷川 明君
次長和賀井克夫君
総務部長池田 俊明君
環境政策担当部長篠原 敏幸君
都市地球環境部長谷上  裕君
都市エネルギー部長櫻井 和博君
都市エネルギー技術担当部長石川 裕通君
環境改善部長木村 尊彦君
環境改善技術担当部長島田 光正君
自然環境部長緑施策推進担当部長兼務笹沼 正一君
資源循環推進部長齊藤 和弥君
調整担当部長スーパーエコタウン担当部長兼務山根 修一君
建設局東京都技監建設局長兼務横溝 良一君
次長鈴木 尚志君
道路監邊見 隆士君
総務部長佐藤  敦君
用地部長今村 篤夫君
道路管理部長星野 宏充君
道路建設部長相場 淳司君
三環状道路整備推進部長川嶋 直樹君
公園緑地部長五十嵐政郎君
河川部長中島 高志君
企画担当部長奥山 宏二君
総合調整担当部長梅田 弘美君
道路保全担当部長川合 康文君
道路計画担当部長横井 純夫君
公園管理担当部長桜井 政人君

本日の会議に付した事件
建設局関係
契約議案の調査
・第二百四十三号議案 新宿歩行者専用道第二号線Ⅲ期-一工区整備工事(二十六 三-主四青梅街道)その二請負契約
・第二百四十四号議案 石神井川取水施設工事(その一)請負契約
付託議案の審査(質疑)
・第百八十四号議案 平成二十六年度東京都一般会計補正予算(第四号)中、歳出、債務負担行為 建設局所管分
・第二百六十七号議案 土地の買入れについて
環境局関係
付託議案の審査(質疑)
・第百八十四号議案  平成二十六年度東京都一般会計補正予算(第四号)中、歳出 環境局所管分
・第二百三十五号議案 都民の健康と安全を確保する環境に関する条例の一部を改正する条例
・第二百三十六号議案 東京都廃棄物条例の一部を改正する条例
・第二百六十一号議案 東京都奥多摩ビジターセンターの指定管理者の指定について
・第二百六十二号議案 東京都立大島公園海のふるさと村の指定管理者の指定について
・第二百六十三号議案 東京都立奥多摩湖畔公園山のふるさと村の指定管理者の指定について
・第二百六十四号議案 東京都立多幸湾公園の指定管理者の指定について
・第二百六十五号議案 東京都檜原都民の森の指定管理者の指定について
・第二百六十六号議案 東京都奥多摩都民の森の指定管理者の指定について

○野上委員長 ただいまから環境・建設委員会を開会いたします。
 初めに、契約議案について申し上げます。
 契約議案は財政委員会に付託されておりますが、本委員会所管分について議長から調査依頼がありました。
 本件については、調査結果を財政委員長に報告することになっております。
 公文の写しはお手元に配布してあります。
 朗読は省略いたします。

平成二十六年十二月十八日
東京都議会議長 高島なおき
環境・建設委員長 野上ゆきえ殿
   契約議案の調査について(依頼)
 左記の議案について調査し、財政委員長にご報告願います。
     記
1 調査議案
 第二百四十三号議案 新宿歩行者専用道第二号線Ⅲ期-一工区整備工事(二十六 三-主四青梅街道)その二請負契約
 第二百四十四号議案 石神井川取水施設工事(その一)請負契約
2 提出期限 平成二十六年十二月十九日(金)

○野上委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、建設局及び環境局関係の付託議案の審査及び建設局関係の契約議案の調査を行います。
 これより建設局関係に入ります。
 初めに、契約議案の調査を行います。
 第二百四十三号議案及び第二百四十四号議案を一括して議題といたします。
 本案につきましては、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○佐藤総務部長 去る十一月二十七日の当委員会におきまして、契約案二件に関して要求のございました資料につきましてご説明を申し上げます。
 お手元の環境・建設委員会要求資料をごらんいただきたいと存じます。
 目次の次の一ページをお開き願います。新宿歩行者専用道第二号線Ⅲ期-一工区整備工事(二十六 三-主四青梅街道)その二請負契約における入札経過でございます。
 この資料は、新宿歩行者専用道第二号線Ⅲ期-一工区整備工事(二十六 三-主四青梅街道)その二請負契約につきまして、その落札者、落札金額、開札日、入札経過等をあらわしたものでございます。
 二ページをお開き願います。石神井川取水施設工事(その一)請負契約における入札経過でございまして、一ページと同様に、本請負契約につきまして、その落札者などをあらわしたものでございます。
 以上で要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○野上委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本案に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○高橋委員 第二百四十四号議案、契約案件、石神井川取水施設工事(その一)についてお尋ねいたします。
 東京の中小河川においては、近年、都市部を中心に局地的な集中豪雨が頻発しているとともに、首都東京においては、人口や資産の集積、地下鉄や地下街などの土地利用の高度化等により浸水リスクが増大しており、私がかねてから都議会の場において強く発言してきたように、治水対策の重要性はますます高まっております。
 私の地元である石神井川においても、これまでにたびたび浸水が発生し、多くの住民が被害を受けており、本年七月二十四日の集中豪雨では、幸いにも大きな浸水被害はありませんでしたが、練馬区の稲荷橋付近で石神井川の水位が避難判断水位に達し、氾濫警戒情報が発表されました。
 石神井川については、これまでも鋭意対策を進めているところでありますが、改めて石神井川の現在の整備状況についてお伺いいたします。

○中島河川部長 石神井川につきましては、下流から順次護岸整備を進めておりまして、練馬区石神井町五丁目付近の螢橋下流までの区間について整備が完了しております。
 また、上流部におきまして、西東京市の向台調節池など四調節池の整備が完了しており、これを加えた石神井川の時間五十ミリ降雨に対する治水安全度達成率は、平成二十五年度末現在、八八%となっております。
 今年度は、螢橋上流付近など四カ所、約三百メートルの区間で護岸整備を進め、年度末までに治水安全度達成率は一ポイント上昇し、八九%になる予定でございます。

○高橋委員 石神井川の整備については、おおむね九割の安全率を達成していることはわかりましたが、まだスピード感を持って整備を必要とする区間も残っております。さらなる取り組みをお願いいたします。
 また、平成二十二年七月には板橋区内で時間百十四ミリの降雨を記録し、これにより北区の溝田橋付近で発生した洪水で約八百五十世帯の浸水被害があり、これまでの整備目標を超える強い雨への対策についても早急に進めていく必要があります。
 こうしたことから、同年九月の第三回定例会環境・建設委員会質疑でも、治水対策の一つとして、白子川地下調節池への取水について都の考えを伺ったところであります。
 同年十一月には、都市整備局、建設局、下水道局の三局が、これまでの取り組みに加え、早急かつ重点的に取り組むべき施策として緊急豪雨対策を取りまとめ、今回の契約案件の石神井川取水施設は、その取り組みの一つとなっております。
 そこで、石神井川取水施設の効果について伺います。

○中島河川部長 白子川地下調節池は白子川の洪水を貯留する施設でございますが、平成二十二年七月の石神井川での浸水被害を受け、緊急の対策として、この施設を活用し石神井川の洪水も取り込むことといたしました。
 今回の契約対象案件である石神井川取水施設はそのための施設であり、現在建設中の貯留量約二十一万立方メートルの白子川地下調節池に石神井川からの洪水を流入させるための取水堰と導水路を建設するものでございます。
 取水施設の下流区間におきましては、既に時間五十ミリ降雨に対応した護岸の整備が完了しており、地下調節池に洪水を取り込むことにより、時間五十ミリ以上の局地的集中豪雨にも効果を発揮いたします。
 取水施設の工事完了後、引き続き運用に必要な排水ポンプなどの設備工事を実施し、白子川地下調節池の完成に合わせて二十八年度末の取水を目指してまいります。

○高橋委員 既に進めてきている白子川地下調節池に他流域である石神井川の洪水を取り込み、浸水被害を軽減させることは、施設を有効活用し、早期に対策できる極めてすぐれた取り組みであると考えます。
 このことは、私がかねてから主張している、神田川、善福寺川、妙正寺川の各流域から洪水を取水している環七地下調節池と白子川地下調節池を連結させて相互に活用し、広範囲な地域を水害から守ることが可能となる広域調節池の考え方とも合致するものであります。
 引き続き、平成二十八年度末の取水を目指し、石神井川取水施設並びに白子川地下調節池の工事を進めていただくようお願いしておきます。
 都議会自由民主党は、東京を世界で一番の都市にすべく、その実現に向け、十六日に知事に対して政策提言を行い、一昨日の代表質問においても、これを踏まえた質疑を行ったところであります。
 中でも、防災対策、とりわけ治水対策は最も重要な取り組みの一つであります。これまでの河川整備への取り組みを大いに評価するものでありますが、引き続き、豪雨に打ちかつ強靱な都市をつくり、都民が安心して暮らせる東京の実現を図っていただけるようお願いして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

○野上委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○野上委員長 異議なしと認め、契約議案に対する質疑は終了いたしました。
 お諮りいたします。
 本案は、いずれも異議のない旨、財政委員長に報告いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○野上委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
 以上で契約議案の調査を終わります。

○野上委員長 次に、付託議案の審査を行います。
 第百八十四号議案、平成二十六年度東京都一般会計補正予算(第四号)中、歳出、債務負担行為、建設局所管分及び第二百六十七号議案を一括して議題といたします。
 本案につきましては、いずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○小磯(善)委員 補正予算の土砂災害防止法に基づく基礎調査の前倒し、この件について質問をいたします。
 近年、台風、また豪雨による土砂災害が頻発をしております。ことしの八月には、局地的豪雨に見舞われた広島市近郊の市街地において大規模な土砂災害が発生して、多数のとうとい命が失われたわけでございます。
 広島市での災害の教訓を踏まえて、先日、秋の臨時国会で土砂災害防止法が改正され、都道府県知事に対して、土砂災害警戒区域等の指定に先立つ基礎調査の結果公表などが新たに義務づけをされたわけでございます。
 都内には土砂災害のおそれのある箇所が一万五千カ所と推定されており、法改正の趣旨を踏まえて、早急に土砂災害のおそれのある箇所を住民に示していくべきであります。
 そこで、まず、これまでの土砂災害警戒区域等の調査及び指定状況についてお伺いをいたします。

○中島河川部長 都は平成十五年度より、危険箇所の多い西多摩地域から土砂災害防止法に基づく基礎調査に着手し、住民説明会等を経て、平成十七年度から順次区域指定を進めてまいりました。
 基礎調査では、傾斜が三十度以上の急斜面などにおいて、現地での測量及び地質の確認や土質工学的観点に基づいた解析など、きめ細かな調査を行っております。
 その結果をもとに、国の土砂災害防止対策基本方針に基づき、公益社団法人砂防学会から指定範囲の妥当性などにつきまして専門的な精査を受けた上で指定範囲を決定しており、今年度末には約一万カ所の調査が終了いたします。
 また、区域指定につきましては、これまでに警戒区域六千九百九十三カ所、そのうち特別警戒区域として三千九百八十六カ所の指定とその公表を行っております。
 残る三千カ所のうち、約千二百カ所は今年度に、また約千八百カ所を来年度に指定する予定でございます。

○小磯(善)委員 この基礎調査の中で地質の確認というのが今あったんですけど、地質の確認をして、それが何かに反映されるんですか。聞きたいんだけど、答えられますか。

○中島河川部長 指定に当たりましては、土砂災害特別警戒区域の指定というのがございまして、それが指定されますと、建築規制ですとか、あるいは宅地開発に対する許可が発生いたします。それを判断する上で、どれくらいの土砂がその建築物に対してかかるかということを計算する必要がございますので、土質ですとか、あるいは土の量ですとか、そういったことを調査するというものでございます。

○小磯(善)委員 ありがとうございました。基礎調査の進捗状況並びに土砂災害警戒区域等の指定状況については理解いたしました。
 知事は、施政方針において基礎調査の前倒しを表明して、補正予算案の提案もなされておりますが、近年の集中豪雨などの状況を踏まえますと、基礎調査を早期に完了し、住民に周知することが重要と考えます。
 そこで、補正予算での対応も含めた今後の都の取り組みについてお伺いいたします。

○中島河川部長 今後、基礎調査に着手する約五千カ所につきましては、全国で土砂災害が頻発していることから、砂防学会とも調整を図った上で調査を加速させ、当初予定の五年を二年短縮し、平成二十九年度までの三年間で都内全域で完了させてまいります。
 このため、まずは約八百カ所について前倒しするため、今回の補正予算約四億円を措置し、基礎調査に着手してまいります。
 また、十一月の法改正を踏まえ、基礎調査を終えた地域から直ちにその結果を区市町村に通知するとともに、都のホームページなどで公表することにより危険な区域を周知し、ハザードマップの作成を促進するなど、警戒避難体制の早期整備を図ってまいります。

○小磯(善)委員 今回の法改正の中でもう一つあるのが、土砂災害警戒情報の市町村への通知及び一般への通知ということで、土砂災害警戒情報について新たに法律上に明記するということと、都道府県知事に対して、土砂災害警戒情報について関係市町村の長に通知する、また、一般に周知することを義務づけているということで、市町村がどういう判断をして避難勧告を出すかというのが、すごく大事になってくると思うんですよね。
 ほかの県のある市の担当の方なんかは、避難を呼びかけるなら危険な地域を絞る必要があるとか、実際の現場では雨量は多くなかったとか、こういう意見がいろいろあるんですね。そんなことで、この点については、また次の機会でお聞きしたいと思いますので、どうかよろしくお願いします。
 土砂災害から住民の命を守るために、住民が適切な避難行動をとることができるよう、今後も基礎調査や区域指定に全力で取り組んでいくことを強く要望して終わります。

○米倉委員 土砂災害の補正予算について伺います。
 大島町や広島市で土砂災害が起こるなど、ここ数年、豪雨による災害が頻発しています。
 大規模な土砂災害は、一たび巻き込まれると助かることが難しく、毎年のように犠牲者を生み出しています。国土交通省の統計でも、一九六七年から二〇一一年までの自然災害による死傷者の四一%が土砂災害によるものです。
 そうした中、土砂災害警戒区域の指定を速やかに行い、地域住民に周知していくことが求められています。ですから、都が補正予算で土砂災害警戒区域の指定をさらに促進して、二年前倒しした二〇一七年完成を目指すとしたことは重要だと思います。
 そこで、まず伺いますが、土砂災害の警戒区域指定はどのような手順を踏んで行われるのでしょうか。

○中島河川部長 指定に当たりましては、まず基礎調査として、急傾斜地などにおきまして現地での測量及び地質の確認などを行い、その結果をもとに、公益社団法人砂防学会から専門的な精査を受けた上で指定を行う範囲を設定いたします。その後、住民説明会を開催し、区市町村長に意見照会をした上で区域を指定しております。

○米倉委員 警戒区域の指定には、砂防学会のチェックを受けたり、住民や区市町村長に説明や意見を求めたりと、丁寧なプロセスが必要であることがわかりました。
 そこで伺いますが、警戒区域は都内に何件程度存在すると想定されているのでしょうか。また、これまでの警戒区域などの指定状況について伺います。

○中島河川部長 都内には、土砂災害のおそれのある箇所が約一万五千カ所あると想定しております。
 都はこれまでに、警戒区域六千九百九十三カ所、そのうち特別警戒区域として三千九百八十六カ所を指定しております。

○米倉委員 都内に一万五千カ所、土砂災害のおそれのある箇所があり、そのうち約七千カ所が警戒区域に指定されているということは、残り八千カ所の指定をこれから行うということになると思います。
 そこで伺いますが、今回の土砂災害基礎調査を二年前倒しして完了するために、都は、三カ年、約四億円の補正予算を提案しています。これにより、どの程度基礎調査が進むのか伺います。

○中島河川部長 今年度末までに約一万カ所の基礎調査が終了する予定となっております。
 今後、基礎調査に着手する約五千カ所につきましては、調査を加速させ、当初予定の五年を二年短縮し、平成二十九年度までの三年間で都内全域で完了させてまいります。
 そのうち、まずは約八百カ所につきまして前倒しするため、今回の補正予算約四億円を措置して基礎調査に着手するものでございます。

○米倉委員 基礎調査の加速は我が党も求めてきましたし、本当に重要だと思います。
 これまで、基礎調査を前倒しして進めるのは、基礎調査をチェックする砂防の専門家の人数に制約があるなどの理由で厳しいと伺ってきましたけれど、今回、都としてどのような努力を行って前倒しすることが可能になったのか、伺います。

○中島河川部長 都はこれまでも、警戒区域等の早期指定に向けて、予算の確保や、約半数の都道府県で精査を行っている砂防学会に対して業務の拡大を要請するなど、執行体制の充実を図りながら基礎調査の実施箇所をふやしてまいりました。
 全国で大規模な土砂災害が頻発する中、国も法改正に着手するなど土砂災害対策の推進に対する機運が高まってきたことから、都は、砂防学会に強く要請し、精査体制のさらなる拡大を図ることが可能となってきたため、今回、補正予算を提出し、基礎調査を前倒しすることとしたものでございます。

○米倉委員 砂防学会でチェックに当たる研究者の負担は大変なものだと思いますが、都が働きかけて研究者の方々のさらなる協力を得ることができたのは重要ですし、都と研究者の姿勢に敬意を表するものです。
 都の土砂災害警戒地域の指定が進めば、区市町村も、それに基づきハザードマップをつくり、住民に周知を進めていくことができます。警戒地域の指定を進めることとあわせ、ハザードマップづくりなどへの都の援助を求めて、次の質問に移らせていただきます。
 特定整備路線用地事務の効率化について伺います。
 これは、年度をまたいで物件調査委託を行えるようにするものです。物件調査とは、路線に係る建物などを買収するために行う調査のことです。
 そこで伺いますが、今回の補正予算ではどのような路線が対象となるのでしょうか。具体的な路線名も伺います。

○今村用地部長 今回の補正予算は、年度をまたいで切れ目なく補償金の算定作業などを進めることにより、早期に関係権利者お一人お一人と具体的なお話し合いができる環境を整えるためのものでございます。
 対象となる路線は、今後、本年度内に事業認可を取得する予定の八路線でございます。
 具体的には、補助第二八号線大井、補助第二九号線西大井、補助第七三号線池袋本町及び十条、補助第八二号線上池袋、補助第八一号線巣鴨、補助第八六号線赤羽西、補助第一四四号線平井、補助第一四二号線南小岩でございます。

○米倉委員 今、お答えの八路線ですが、うち七路線は、地域住民から計画中止を求める声が強く上がっているものです。
 今回の用地事務の効率化は、反対や中止を求める声をよそに事業認可を行い、認可がとれれば整備をより早く進めていくというものです。そもそも、事業認可の申請自体、行うべきではありません。
 住民の納得が得られていない七路線のうち三路線、補助二八号線、補助二九号線、補助一四四号線は、都議会に請願陳情が提出されました。残りの四路線、補助七三号線、補助八二号線、補助八一号線、補助八六号線は、都知事宛てに、署名とともに申し入れで事業の中止を求めています。
 私の地元豊島区池袋本町では、住宅地を十字に補助七三号線、八二号線を通し、静かな住宅地を四つに分断しようとしています。
 道路にかかる方は、四年前に家を建てかえて、鉄筋の三階建てを建て部屋を貸して収入にしている、ここから立ち退けば収入も絶たれてしまう、動くわけにはいかないといいました。
 ことし四月には、地域住民は、計画を白紙に戻すことを求め、都知事宛てに千九百筆もの署名を提出しています。署名の提出に参加した地域の方は、東京都は署名は受け取るが、はいというだけで住民の声は聞いてない、やり方が強引だと話しています。
 同じ豊島区の巣鴨では、補助八一号線の計画があります。去年、私もこの委員会で住民の声を取り上げましたけれど、この地域は、計画路線のそばを平行して既に幅員十メートルから十二メートル道路が走っており、東京都の延焼シミュレーションでは火も焼けどまることが明らかになっております。
 さらに、今この地域は、事業中止署名が、世帯の八割を集めた駒込七丁目を初め二千三百四十七筆も集まり、建設局の方はご存じだと思いますが、測量に協力しないという張り紙がかなりの住宅に張られています。
 地域の皆さんは、さらに道路が走ればまちが壊れてしまう、ここに道路は要らない、広域避難場所と防災公園だってすぐそばにある、戦後すぐからずっと住んできたここにいたいんだ、緑が多くて静かな住宅街を残してほしいと声を上げていらっしゃいます。この声を無視して事業認可をとることは許されません。
 北区志茂の補助八六号線も、東京都に計画の即時中止を求め、ことし五月、二千七百二十五筆の署名が提出され、まち中には、測量にはご協力しませんというステッカーがあちこちに張ってあります。
 ここで生まれ、親の代から事業を受け継いできたお宅からは、七十歳にもなって店をとられ、商売で稼いだお金で建てた自宅もとられ、途方に暮れるとおっしゃっています。
 北区赤羽西の補助八六号線も、二年前に家を新築した方から、建築確認申請をしたときには何もいわれなかった、住民をばかにした話だとおっしゃいました。この路線も都知事宛てに計画の見直しを求めていて、九千筆を超える署名が提出されています。
 今、私がご紹介したのは、今回、補正予算にかかわる八路線のうち、都議会では今まで取り上げられてこなかったですけれども、非常に強い反対のある四路線の住民の声です。
 述べたとおりですけれど、どの路線も多くの署名が集められ、計画の中止を求めています。また、住まいとなりわいを奪われ、今後の暮らしが立ち行かないという不安の声が上がっています。にもかかわらず、こうした声に全く向き合わず、東京都の一方的なスケジュール、今年度内に事業認可を取得して道路建設を強引に進めるということはあってはならないことだと思います。
 以前に品川の補助二九号線問題がテレビで取り上げられ、コメンテーターは、東京都の住民の声に向き合わず粛々と事業を進めるやり方に、日本じゃないみたいとコメントしました。第三者もそういわざるを得ないほどだと思います。
 ですから、この債務負担行為については取り下げを求めておきます。

○今村用地部長 首都直下地震の切迫性などを考えますと、木密地域の防災性の向上は待ったなしの課題でございます。このため、特定整備路線の一刻も早い整備に向けて、早期に事業用地を取得していかなければなりません。
 一方で、関係権利者の方々には、早期に補償金の提示を希望される方もいらっしゃいます。今回の補正予算は、関係権利者お一人お一人と具体的なお話し合いができる環境を早期に整えるためのものでございます。
 事業に反対される権利者の方々に対しましても、お一人お一人に丁寧に説明し、理解と協力をいただきながら事業を進めてまいります。

○米倉委員 でしたら、もう一つ伺いますけれど、首都直下地震にこれが役に立つというならば、どのように役に立つのでしょうか。
 建設局として、私がこれまで質問してきて提示されたものは延焼シミュレーションのみですけれど、これは焼けどまり効果を測定するだけのものだというふうに伺っています。

○横井道路計画担当部長 今お話がありました首都直下地震、その危惧はもちろんでございますが、それだけでなく、災害はいつ起こるかわかりません。その災害時に甚大な被害が予想される木造住宅密集地域の防災性の向上を図ることは大変重要でございます。
 このため、木密地域の整備地域において、延焼遮断や避難、救助、救援など大きな効果がある特定整備路線の整備に全力で取り組んでまいります。

○米倉委員 ですから、具体的に、池袋本町地域にある補助七三号線、八二号線が、どのように防災に役に立つのかと聞いているわけです。
 住民説明会では、地図を示して、この地域は危険度が五だというふうに真っ赤に示して説明されていらっしゃるんですよね。だから、地震対策として必要だと。では、道路を通したらどうなるのかという説明は、一度だって伺ったことがありません。
 今まで、例えば補助八一号線だって、地域のまちづくりの防災計画がありましたけれど、あれについても、八一号線は防災の計画として指定されていなかったにもかかわらず、これは防災のために要るんだというふうに持ち出してこられたわけで、今の説明では到底納得いきません。
 加えていいますと、そもそも、今、私がご紹介したとおりですけれど、署名が二千筆から九千筆集まっている中で、これは防災のためだといって、では、その後に住民の説明会をもう一回、地域の皆さんのために開くだとか、そういう努力はあったのですか。そういう努力もなく--私、以前も紹介しましたけれど、白鬚の防災団地をつくる際には、何度も都の職員の皆さんが現地に赴いて、住民の皆さんと話し合いをしてきたんです。都知事だって、建設局長だって、現地に行って話をしてきた。
 そういう努力があって、住民が納得した上での話だと思うんですけれど、こんなに反対の声が上がっている中で、事業認可を取得して粛々と事業を進めていくということ自体があってはならないことだと、私はそのことを申し上げているんです。(「答弁」と呼ぶ者あり)答弁は求めておりません。

○野上委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○野上委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で建設局関係を終わります。

○野上委員長 これより環境局関係に入ります。
 付託議案の審査を行います。
 第百八十四号議案、平成二十六年度東京都一般会計補正予算(第四号)中、歳出、環境局所管分、第二百三十五号議案、第二百三十六号議案及び第二百六十一号議案から第二百六十六号議案までを一括して議題といたします。
 本案につきましては、いずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○こいそ(明)委員 それでは、エネルギーの政策についてお尋ねしたいと思います。
 企業収益がふえて、都民の雇用や中小企業の賃金の増加を伴う経済の好循環をつくり出すアベノミクスを成功させるためにも、エネルギーの安定供給は不可欠です。
 エネルギー政策は日本の進路を左右する政策であり、本来、国が決めることでありますが、電力大消費地であり、他県に電力を依存している首都東京こそが国のエネルギー政策を大転換する気概を持って取り組むことが極めて重要だと思います。
 特に二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、エネルギー政策についても、徹底した環境負荷の低減を図りながら総合的に取り組み、低炭素な未来型の都市東京を世界に示していく必要性があります。
 こうした中で、新たなエネルギーとして注目されている水素エネルギーの普及拡大も重要であります。
 水素エネルギーは、産業の裾野が広い上、普及による経済波及効果も高くて、利用の段階でCO2を一切排出しないため、化石燃料にかわるクリーンエネルギーとして、エネルギー構造のダイナミックな変革やエネルギー安全保障のリスク分散が期待をされています。
 これまで日本は、世界的に見ても早くから水素エネルギーの活用に注目し、約三十年間、国家プロジェクトとして取り組んできたわけであります。今月、燃料電池車がいよいよ発売をされますが、一つの節目を迎え、実用化の段階に入り、いよいよ水素社会の幕があけます。
 しかし、普及に向けては、水素ステーションの整備促進や水素利活用への理解の促進など、取り組むべき多くの課題があります。こうした課題の取り組みいかんによっては、水素エネルギーの利活用が本格化しないおそれがあります。
 このような観点を踏まえて、水素社会の実現に向けてどのように取り組んでいくのか、都の見解を伺いたいと思います。

○櫻井都市エネルギー部長 水素社会の実現に向けて、これまで官民の英知を結集した戦略会議で議論を重ね、先月、中間のまとめを行いました。
 今般、燃料電池自動車の販売が開始され、水素社会の幕あけとなったわけでございますが、水素の本格的な利活用のためには、インフラ整備を初め多くの課題もございます。東京がエネルギーの大消費地として積極的に取り組むことで、水素社会の実現を先導していくことが重要と考えております。
 このため、戦略会議の中間まとめの中で、燃料電池車やバスの普及、水素ステーション整備に関する明確な数値目標、社会的受容性の向上等の具体的な戦略を示したところでございます。
 今後、これらを東京都長期ビジョンに反映させていくとともに、戦略目標の達成に向けて、官民一体となった取り組みを加速させてまいります。

○こいそ(明)委員 しかしながら、新エネルギーの普及の初期段階では、市場原理が十分機能しないため、東京都も財政支援など政策を総動員して普及に努めるべきだと思います。
 東京都は、燃料電池車が市場に投入される機を捉えて、都独自のインフラ整備や初期需要の創出に関する支援策を取りまとめて、水素関連で約四十億円の補正予算案として本定例会に提案しております。
 そこで、今般のこの補正予算案の概要について伺います。

○櫻井都市エネルギー部長 水素社会の実現に向けて直ちに取り組むべき課題に対し、時期を逸することなく必要な取り組みを加速させるため、このたび補正予算案を提出しております。具体的には、燃料電池車の購入や水素ステーションの整備等に対して補助を行おうというものでございます。
 まず、燃料電池車については、販売価格が七百万円程度ですけれども、国の二分の一である約百万円を都が補助することにより、四百万円ほどで購入できるようになります。
 また、五億円といわれている水素ステーションの整備については、ガソリンスタンドと同程度の一億円まで事業者の負担を軽減いたします。
 加えて、水素ステーションの経営は、燃料電池車の普及段階では大きなリスクを抱えるため、燃料電池車が普及するまでの間、運営費についても支援を行います。とりわけ中小企業に対しては、整備費全額を補助し、運営費も大企業より手厚くしてまいります。
 さらに、水素の地産地消を推進するため、都内事業所において再生可能エネルギーの電力による水素活用設備を設置する事業者に対する補助を行うとともに、防災力の向上の観点から外部給電機器の購入補助を行います。
 こうした都の積極的な姿勢を示すことで事業者の取り組みと新たな参入を促し、東京オリンピック・パラリンピックでの水素利活用に向けた環境を早期に整備してまいります。

○こいそ(明)委員 燃料電池車を普及させていくには、例えば、CNG車などの環境負荷の低い次世代自動車から買いかえる際には通常よりも優遇することも、ひとつ効果的ではないか。
 例えばCNG車を購入した事業者は、当初、高コストだったんですね。しかし、これは、国もそうでありますし、東京都もそうでありましたが、いわゆる市場の拡大ということの中で推進をしてきたわけですね。そういう中で、高コストにもかかわらずクリーンエネルギー車を使用し大気汚染の改善に取り組むなど、環境意識の高い事業者だというふうに認識をしているところでもあります。
 CNG車は十五年で法定点検となり、買いかえをすることになるわけであります。近い将来、燃料電池車でトラックなどが販売されるようになったときには、いずれそのようなことになると思いますけれども、このような事業者がCNGトラックから燃料電池トラックに買いかえる際に、新たに購入する場合に比べ補助率をかさ上げするなどの新しい取り組みの発想も必要ではないか、これによって普及に弾みがついていくんじゃないかなと思うのですが、どうでしょうか。
 また、燃料電池車の普及には水素ステーションの整備促進が不可欠であります。とりわけ、地価が高くて用地の確保が難しい東京都心部、東京においては、ガソリンスタンドに併設するなど既存のインフラを活用することが、いうまでもなく効果的だと思います。
 ただいまのご答弁のとおり、補正予算案を取りまとめたことは評価できるわけでありますけれども、しかし、今、申し上げたインフラの整備でありますけれども、ステーション整備の中でそれを実際に活用できるのが、大手元売、そして子会社、その系列子会社だけが占有的な、独占的なことになってしまうということは、これは市場拡大の面においても危惧するところだと思うんですね。
 また、水素ステーションの整備を今後推進するためにも、大手元売の主導とならないように、しっかりと対応していく必要性もあるんじゃないかと。
 さりとて、経営状況の厳しい中小のガソリンスタンドが--実際上はステーションが多いわけですね、激減はしていますけども。活用できなければ、せっかくの補助制度も、私は絵に描いた餅とならなければいいなというふうに思うところでありますし、水素社会の今後の安定的普及拡大が遠のいてしまうのではないかと思うんですね。
 この補正予算の中でも、四十億でありますが、ステーションについては十カ所。情報と準備とさまざまな要件が加わっていない中小企業は--ここで補正が通る、用意ドンで行くのは大手に決まっているんです。情報も、それなりの対応もできる。この流れがだあっと行った場合、大手は恐らく、予測でありますけども、車両台数がだんだんだんだんふえていくことを見越しながら整備展開をするんじゃないかともいわれているんですね。そうなったら二〇二〇年はどうなるか。年が明けたら五年後でしょう。そんなテンポでいったら普及するわけないんです、はっきりいってこんなことは。それが一点。
 今、申し上げたとおりでありますけども、経営状況や情報収集体制が余り十分ではない中小スタンドに対して、補助制度を活用できるように、また、その十分な配慮方が今後必要ではないかと、そこで改めて要望するわけでありますけども、水素ステーションの整備を促進する上で、都の見解を求めたいと思います。

○櫻井都市エネルギー部長 水素ステーションの整備促進に当たっては、都内に数多く存在する地域の中小ガソリンスタンドに配慮することが重要でございます。
 このため、補助制度の実施に当たり、手続の手引書などを作成し公表するとともに、丁寧に説明会を実施いたします。
 また、水素ステーションを整備、運営するに当たっては、高圧ガス保安法のノウハウや知識を初め、人材の育成が必要となることから、中小のガソリンスタンドに配慮したきめ細やかな相談体制の整備や人材育成等を検討してまいります。
 さらに、近年、技術開発が著しく進捗していることを踏まえ、既存のガソリンスタンドやCNGスタンドに設置可能な新たな技術や設備についても調査を行うことを検討してまいります。

○こいそ(明)委員 また、ステーションでありますけれども、ステーションを整備するに当たって、先ほどCNGの車両のことをいいましたけども、現在、CNGスタンドが存在して経営をしているわけですね、事業者がおられるわけですね。水素ステーションを設置する場合には、今の技術のさらなる革新的な改革が必要かもしれませんけど、既存のガソリンスタンドもそうなんだけども、CNGも、かなり厳しい規制が課されているわけですね、このあたりも。こういう中で、それぞれのステーション展開をする中でも、インフラ整備を進める中でも、このCNGスタンドに、場合によっては優先的、弾力的に対応していくことも必要ではないかというふうに思うんですね。
 さらに規制緩和も重要であり、現時点では、水素ステーションの設置や運営の障害となるさまざまな法規制が、がんじがらめにあるわけですね。現行法上、水素ステーションを整備するに当たり、五百坪以上の敷地面積が必要となるため--これは現実問題として厳しいですよ、はっきりいって。先ほどから何回も繰り返して申しわけありませんが、地域で重要な役割を果たしている中小のガソリンスタンドが、そもそも参入することは困難ではないか。
 水素ステーションの安全性の確保は当然おろそかにできないわけでありますけども、国に対して、水素充填機とか公道の保安距離、または面積要件の緩和ですよ。東京はやっぱり、これだけの面積要件を都心部に確保するというのは難しいですね、これははっきりいって。
 ですから、面積要件の緩和も強く求め、中小の参入障壁となっているさまざまな法体系の整備をしていかなければ、本当に東京の新しい時代に向けての、水素時代の幕あけがまさに目視できる、体感的にも感じ得る、これは難しいんじゃないですか、はっきりいって。もう時間がないですね、二〇二〇年まで。
 これは強く強く、面積緩和は当然そうでありますけども、この要件の緩和も強く目指していくべきではないかと思いますが、都の所見を伺います。

○櫻井都市エネルギー部長 燃料電池車の普及に向けて、利用者の利便性を考慮しながら水素ステーションを整備していくことが極めて重要でございます。しかしながら、水素ステーションの整備促進に当たっては、委員ご指摘のとおり、法規制などに伴う広大な敷地面積と高コストな整備費が課題となります。
 国は、規制改革実施計画などに基づき、規制改革を進めてはおります。市街地の水素貯蔵量の上限の緩和など一部実現したものもございますが、委員ご指摘の面積要件に係る公道との保安距離については、いまだ緩和が実現しておらず十分ではありません。
 今後、国に対して、中小事業者の実態に配慮しつつ、大都市固有の立地条件や、より多くの事業者の参入促進等につながる規制緩和をさらに求めてまいります。

○こいそ(明)委員 ここで四十億の補正が出たわけでありますけども、これはいわゆる意思として、東京都の新しいエネルギー施策の意思としては大変結構なことだと思いますよ。
 これに向けて、本当の意味で、世界で環境負荷が極めて低い、いわゆる環境水準が極めて高い、ハイクオリティーの大都市、世界のメガシティーの東京が、いよいよこういう形で発信力として本当にできるには、今、私が申し上げた何点かのところは、何としても首都東京として全国的にも世界的にも示すためにも、今、幾つかの直面する課題、障壁があるわけですから、これをあらゆるチャンネル、全力で解決していかないと、私は本当の--幕あけだ、幕あけだと言葉では何とだっていえるんだけど、実際の普及発展を見てもらわなきゃ、海外から来てくれる人も。それから、日本全体、国内的な中においても、トップランナーじゃないけど、先陣を切っていかなきゃならないわけでしょう。
 そういう思いの中で、意思と決意、それはわかるし、具体的なこういう四十億という数字も、ご努力の中で本当にわかるんですけど、より実効的効果と本当の意味の水素社会の到来実現ということの中で、さらなる取り組みをお願いしたいなと思いますね。
 環境先進都市を実現するために、東京都が先陣を切って積極的な対応を図り、モデルを示すことで、水素社会の実現に向けて、まさに国を先導していく。国は現場を持っていないんだから。やっぱり東京ですよ。東京が先導していくことが必要である。
 今後の都の力強い取り組みを大いに期待して--かなり要望しましたけど、本当は局長から答弁をもらいたかったんだけど、まあ、いいでしょう。よろしくお願いします。

○小磯(善)委員 それでは、水素社会の実現ということで、補正予算案について質問いたします。
 水素は、自動車や燃料電池を初め、火力発電などさまざまな用途に活用できるため、化石燃料にかわる次世代エネルギーとして期待をされております。特に、利用の段階ではCO2を排出しないんだけども、今度は水素を製造する段階でもCO2の排出がなければ究極のエコとなり、今定例会の我が党の代表質問でも取り上げてまいりましたが、こうしたCO2フリー水素の普及にぜひ努めていただきたいと考えます。
 都として、CO2フリー水素の普及に向けてどのように進めていくのか、見解を伺います。

○櫻井都市エネルギー部長 CO2フリー水素の活用を進めていくことで、水素は低炭素社会の切り札になり得るものと認識しております。
 先月取りまとめた水素戦略会議の中間のまとめでは、再生可能エネルギー由来水素の活用について取り上げ、東北等の再エネ余剰電力を活用した水素供給システムの検討なども盛り込んでいるところでございます。
 また、都としては、再生可能エネルギーの電力により水の電気分解をすることで水素を製造し、都内事業所で使用される車両や燃料電池に水素供給設備を設置する、このような事業者に対する補助経費をこのたびの補正予算案に計上いたしております。
 こうした取り組みを進め、将来に向けCO2フリー水素の活用を図り、環境負荷の低減を推進してまいります。

○小磯(善)委員 都内でも、この事業所向け再生可能エネルギー由来水素活用設備導入促進事業に、今回、四億円がついておりますけど、ぜひ、この補正予算だけでなく、また来年度予算もしっかりこれをお願いしたいなというふうに思います。
 再生可能エネルギーの電力を利用して、水の電気分解で水素を製造できる技術は存在しているものの、安定的に低コストで製造するにはさらなる普及が必要であります。こうした都の取り組みは、CO2フリー水素の活用を進めていく上での第一歩であり、評価できます。将来の普及に向けて着実に進めていただきたいと申し上げたい。
 また、水素エネルギーの普及に向けては、水素について都民の理解を深めていく、そういう取り組みも重要であります。とりわけ、都民に水素の特性や安全対策などを正確に情報提供し、認知度の向上を図ることが必要であります。
 そこで、水素の特性と安全対策について伺います。

○櫻井都市エネルギー部長 水素は、気体の中でも燃焼速度は速いものの拡散が速いため、密閉された空間で一定の濃度になるなど限定的な条件下でなければ着火しないという特性がございます。
 こうした特性を踏まえ、燃料電池車については、国の安全基準のもと、自動車メーカーにおいて、水素を漏らさないための強度、耐久性にすぐれた高圧タンク、万一の水素漏れを検知してとめるためのセンサーの適切な設置、漏れた水素をためないよう、水素が拡散しやすい車の構造などの対策がなされているところです。
 また、水素ステーションにつきましても、国の厳格な基準があり、さらに、法律上設置が義務づけられている有資格者による保安管理が行われております。
 水素を安全に扱う技術は確立されており、水素の特性を正しく理解し安全対策を行うことにより、化石燃料同様に安全な利用が可能です。

○小磯(善)委員 水素の特性、安全対策の技術が確立されているということは理解ができました。
 都として、今後どのようにして都民の理解を深めていくのか、都の見解を伺います。

○櫻井都市エネルギー部長 水素エネルギーの普及を進めるためには、都民の安全性に対する正しい理解を深めることが重要であり、特性や安全対策について正確かつ丁寧に情報提供していくことが必要です。
 戦略会議では、社会的受容性の専門家も委員としてこれまで議論に参加していただくとともに、十月に行いました第四回会議には外部の専門家を招聘し、水素エネルギー推進に向けた都民との対話のあり方について講演をいただき、議論を行いました。これらの点も中間のまとめに反映させております。
 今後も、シンポジウムの開催や専用ポータルサイトの開設、パンフレットの作成など、国や九都県市、民間事業者とも連携しながら普及啓発を行い、水素エネルギーの社会的受容性の向上に努めてまいります。

○小磯(善)委員 ただいまの答弁で、専用ポータルサイトを開設するとか、またパンフレットを作成するとか、大変大事な、また意欲的な取り組みの答弁がございました。ぜひよろしくお願いします。
 パンフレットをどこに置くか工夫していただいて、ここに置くと皆さんがとって、よく勉強できるという、そういう場所をしっかりと考えていただきたいなというふうに思っております。
 ご答弁いただいたとおり、都として普及啓発にも力を入れて進めていってもらいたいと思います。
 続いて、水素ステーションの整備について伺います。
 燃料電池車の普及に向けては、水素ステーションの整備が重要であります。先日、自動車メーカーが燃料電池車を世界で初めて販売するなど、いよいよ水素社会の幕あけであります。水素社会の幕あけを着実なものとするためにも、水素ステーションの整備を促進していただきたいと思います。
 そこで、今後、都はどのように水素ステーションを整備していくのか、見解を求めます。

○櫻井都市エネルギー部長 水素ステーションの整備に当たっては、利便性に配慮しながら進めていくことが重要です。
 戦略会議の中間のまとめでは、二〇二〇年までに、最寄りのステーションへの到達時間が十五分程度になるよう三十五カ所整備し、さらに、その五年後には到達時間が十分程度になるよう八十カ所にまでふやしていくという目標を掲げております。
 今回、これらを進めるための都独自の補助制度を補正予算案として提出しており、集中的な財源投入により、水素ステーションの普及を強力にバックアップしたいと考えております。
 さらに、都関連用地の活用や国への規制緩和の要求なども含め、官民一体となった取り組みを推進してまいります。

○小磯(善)委員 官民一体となった取り組みという、本当にこれは大事になってくると思いますので、どうかよろしくお願いしたいと思います。
 また、今度新しく販売された燃料電池車はミライという、未来が見える名前なので、ぜひ水素ステーションも未来が見えるような名前をつけていただければと思います。
 都の戦略会議の中間のまとめでは、都心部、オリンピック・パラリンピックの競技場が集積するエリア、選手や大会関係者の輸送ルート等に重点的に整備とありますが、これだと、町田はかすりもしないと思います。そんなことで、都内全域にも配慮した整備が必要だというふうに思います。特に、都心部に比べ比較的地価が安く、まとまった土地を確保しやすい多摩地域への整備も重要であると考えます。
 私の地元の国道二四六号と国道一六号が交差する周辺は、交通量も多く、東名高速道路のインターチェンジがあり、水素を充填する拠点としては効果的であります。このように地域特性を踏まえた整備を進めることも必要と考えます。
 また、電気自動車の急速充電器の整備を促進した際と同様に、高速道路のサービスエリア、パーキングエリアの設置が進むように国に働きかけることも重要であります。
 今後の都の取り組みに大いに期待して、私の質問を終わります。

○河野(ゆり)委員 百八十四号議案について質問します。
 平成二十六年度補正予算案で、都市エネルギー費として三十九億七千三百万円余が計上され、燃料電池自動車等導入促進、水素ステーション設備等導入促進、事業所向け再生可能エネルギー由来水素活用設備導入促進の事業を進めるために、環境公社に四十億円の基金を創設するということになっています。都は、今年度、水素戦略会議を設け、水素エネルギーの普及に向けて論議を重ねてきたわけですけれども、この補正予算案について何点かお伺いをいたします。
 まず、コスト問題です。
 水素エネルギーは技術開発途上にあります。都の戦略会議に参加してきたトヨタ自動車が水素の燃料電池車の販売を始め、続いてホンダも販売するということが話題になっています。トヨタのセダンタイプの乗用車は一台約七百万円。国と都の補助金が出ても、ユーザーの購入費用は約四百万円ということです。
 また、水素を供給するステーションの設置費用は、説明資料によりますと、ガソリンスタンドの設置費用に比較して約五倍です。
 都民からは、経済的負担、コストの高さを考えると、水素エネルギーはまだ遠い存在だという感想が少なからず出ています。
 技術開発が進んでいけば、もっと低廉になる可能性はあると考えますが、国の水素エネルギーの研究開発支援はどのようになっているのか、また、都は、コストの問題についてどのような認識をお持ちか、お伺いしておきます。

○櫻井都市エネルギー部長 燃料電池について申し上げますと、国は、一九八一年から現在に至るまで、燃料電池の開発実証に対する支援を継続的に行ってきたところでございます。
 コストの問題については、燃料電池車の開発初期には車両コストが一億円を超えていましたが、生産技術の革新を初めとする自動車メーカーの努力などにより、販売価格が七百万円程度になったものと認識しております。
 都としては、補助制度などを活用することで普及を促し、燃料電池車等の価格が低減するよう誘導するものでございます。

○河野(ゆり)委員 現在の段階で、水素エネルギーは生産段階で温室効果ガス、CO2を排出するという問題点があります。日本では、CO2フリーといえる水素エネルギーはほとんどないと聞いています。しかし、CO2を出さない、いわゆるCO2フリー水素の技術開発の努力はされています。
 今回の補正予算案で四億円計上されている再生可能エネルギー由来の水電解による水素の活用もその一つですし、化石燃料を改質、ガス化して、水素をつくるときに出るCO2を分離、回収して貯蔵することなどの方法も研究されております。
 都の戦略会議の議事録をホームページで見ますと、CO2フリーの水素を普及することについて、海外から大量に輸入してきた水素を川崎臨海部から供給する予定との発言も載っています。この発言で感じるのは、水素の供給もまた海外に依存するのでは、日本のエネルギー自給率は一向に引き上がらないのではないかという問題です。
 今、日本のエネルギー自給率は四%程度と、先進国と呼ばれる国の中でも最も低い割合です。エネルギー自給率向上とあわせて水素エネルギーの普及が考えられていくべきではないかと思うのです。海外依存ではなくて、国内でCO2フリーの水素を生産できるように技術開発などの支援に努める必要があると思います。
 CO2フリー水素の現状や開発、普及について、東京都としてどんな見通しを持って取り組んでいかれるのか、お聞かせいただきたいと思います。

○櫻井都市エネルギー部長 CO2フリー水素は、利用段階はもとより、製造段階などにおいてもCO2を排出しないというものですが、再生可能エネルギーの電力を利用し、水の電気分解により水素を製造する技術は存在しているものの、安定的に低コストで製造するにはさらなる普及が必要です。
 戦略会議の中間のまとめにおいても、再生可能エネルギー由来水素の活用について取り上げております。都としては、都内事業所において再生可能エネルギーの電力による水素活用設備を設置する事業者に対する補助経費を補正予算案に計上したところです。
 こうした取り組みを進め、将来に向けてCO2フリー水素の普及を後押ししようとするものでございます。

○河野(ゆり)委員 今申し上げましたように、エネルギー自給率との関係でも、ぜひそういう観点も持ってご努力いただきたいと思います。
 水素は安全性確保でも課題を抱えていると思います。水素ステーションには高圧ガス取り扱いの資格を持った人が配置されるということも、先ほどお話を聞きましたけれど、危険性を伴ったエネルギーでありますから、供給側、ユーザーの側ともに安全に使用できることが徹底されなくてはなりません。
 水素の利用に当たって、改めて安全性を確保するのが重要だと感じているところなんですけれども、都は、その安全性確保、供給する側、それから使う側の両方、私たち都民にとってどのような対策を講じていかれるのか、お答え願いたいと思います。

○櫻井都市エネルギー部長 水素は、燃焼速度は速いものの拡散が速いため、限定的な条件でなければ着火しないという特性がございます。こうした特性を踏まえ、供給する側、それから使う側双方にとってのことでもございますけれども、国の安全基準のもとでメーカーなどが安全対策を実施しております。
 燃料電池車については、強度にすぐれた高圧タンク、万一の水素漏れを検知してとめるためのセンサーの設置、水素が拡散しやすい車の構造など、そういう対策がされているところでございます。
 水素ステーションについても国の厳格な安全基準があり、さらに、法に基づき有資格者による保安管理がなされております。

○河野(ゆり)委員 私もいろんな文献も当たってみましたけど、やはり水素は、LNGなどに比べて沸点が相当低いとか気化しやすいとかということでは、先ほどもご答弁がありましたように、そういう水素としての特性も持っているエネルギー源になりますので、安全性については十分な取り組みをしていただきたいということを申し上げておきます。
 議案の補正予算案、燃料電池車の普及が中心ということで私たちは受けとめます。
 都の水素戦略会議の議事録には、家庭用燃料電池が改良されてきている中で、戸建て住宅や集合住宅へも対応していくというようなことも述べられております。水素の利活用というんですか、それに技術開発が進んだその将来には、住宅など都民の生活に関連した分野にも水素が活用されること、そういうことが視野に入っているのかという印象も受けるのです。
 温室効果ガスを出さないエネルギーとして、都は、将来の都民生活に生かしていくことについてどういうお考えをお持ちでしょうか。

○櫻井都市エネルギー部長 水素戦略会議の中間のまとめにおいて、燃料電池車やバスの普及、水素ステーション整備だけではなく、家庭用燃料電池や業務用、産業用燃料電池、安定的な燃料供給、社会的受容性の向上等に関する戦略目標を取りまとめたところでございます。
 また、家庭用燃料電池については、既に導入支援のための補助を実施しております。
 今後、目標の達成に向けて、官民一体となった取り組みを加速させてまいります。

○河野(ゆり)委員 水素エネルギーは、コストや安全性の面などで課題がまだ幾つも残されております。中でも、都民全体が水素エネルギーについて正確な認識を持つ、このことは重要な課題だと考えています。
 都は、都民への情報公開や意識啓発に努力されるとの考えを、先ほどのご答弁、そしてまた本会議の場でも明らかにされていますが、私は、水素エネルギーの問題に関して、都民の参画が大事だと思います。これまで都の水素戦略会議の参加は、ほとんどが大手の民間事業者や専門家の方です。生活者の視点を持って水素エネルギーの活用を考え行動する都民の参画は、これから欠かせない課題だと感じています。
 幅広い都民による水素エネルギーについての協議会などを設けて、都民の意見を施策に反映していくことが必要ではないでしょうか。この点についてのご見解をお聞かせください。

○櫻井都市エネルギー部長 水素エネルギーの普及を進めるためには、都民の安全性に対する正しい理解を深めることが重要です。
 戦略会議では、社会的受容性の専門家も委員としてこれまで議論に参加していただくとともに、第四回会議では、生活者の視点を持った外部の専門家を招聘し、水素エネルギー推進に向けた都民との対話のあり方について講演をいただき、議論を行ったところです。これらの点も中間のまとめに反映させております。
 今後、シンポジウムの開催や専用ポータルサイトの開設、パンフレットの作成など、関係機関と連携を図りながら都民の理解促進に努めてまいります。

○河野(ゆり)委員 全都民的というような立場で論議が進められることを、私は環境局に強く要望しておきます。
 水素は開発途上のエネルギーであります。専門家の中には、太陽光や風力などの今ある技術を生かしていくことが、クリーンで安全なエネルギー供給への近道という意見を述べる方もいます。実際に都内でも、再生可能エネルギー普及に向けて、地域特性を生かして小水力や太陽光発電の努力を続けている方々がたくさんいらっしゃいます。
 これから、水素とあわせて、多様なエネルギーの開発、普及に向けて都の支援を強めていくこと、そして、CO2排出を削減し、原発に依存せず、エネルギー自給率の向上に向けて、都民の参画を強めながら努力していただくことを求めまして、質問を終わります。

○大西委員 水素に関して質問が続いていますけど、ちょっとかぶるところもございますが、私からも少し水素エネルギーについて伺います。
 水素エネルギーの普及は、エネルギーの安全保障の確保や低炭素社会の構築を初め、産業育成の観点からも大変有望でございます。
 世界で初めて燃料電池車が市場に投入されるのを踏まえ、都は、水素ステーションの整備促進や燃料電池車の普及に向けた支援策を取りまとめ、総額四十億円の補正予算を編成した点は大変評価できると思います。
 まず、確認のために、都の補正予算の目的をお伺いいたします。

○櫻井都市エネルギー部長 今回の補正予算は、戦略会議の中間のまとめを実行するための第一歩として、都が思い切った支援策を講じることで初期需要の創出とインフラ整備を促進するとともに、都の積極的な姿勢を発信していくものです。
 また、事業者の取り組みと新たな参入を促し、東京オリンピック・パラリンピックでの水素利活用に向けた環境を早期に整備していくことを目的としております。

○大西委員 今、目的を説明いただきましたが、続いて、燃料電池車の補助制度の概要について改めてお伺いいたします。

○櫻井都市エネルギー部長 都の補助制度は、燃料電池車を購入した法人及び個人を対象に、国の補助金の二分の一を補助するものです。燃料電池車の販売価格は七百万円程度であることから、国の二分の一である約百万円を都が補助することにより、四百万円程度で購入できるようになります。

○大西委員 まだまだ全ての人に手が届きませんが、約四百万円で購入できるというのは、初期需要の創出の観点から大変意義があると思います。
 ただ、一方で、都の補助対象台数というのは八百台ということです。都内の自動車登録台数は、現在、約三百万台あります。これから比べてみると、ほんのわずかにしかならないわけです。八百台では、効果がまだまだ限定的ではないかとも考えます。
 都は、将来的にどの程度まで普及させることを考えているのか、都の見解を伺います。

○櫻井都市エネルギー部長 先日取りまとめた戦略会議の中間のまとめでは、ハイブリッド車の普及実績や市場動向を踏まえ、二〇二〇年までに六千台、二〇二五年までに十万台普及させる目標設定を行っております。
 こうした中、自動車メーカーの初年度販売台数等も考慮し、今回の補正予算案における補助対象を八百台としたものでございます。
 また、水素関連企業における燃料電池車の率先導入を初め、タクシーやレンタカー業界等への燃料電池車導入を働きかけることにより、目標達成に向けて取り組んでまいります。

○大西委員 十万台までいくと、やっと三十台に一台を見るという形になるわけですね。ぜひそれは頑張っていただきたいと思います。
 一方で、この水素は、先ほどからも出ていますが、利用の段階ではCO2を一切排出しませんが、現時点では、製造するときに多くのCO2の排出をしているとも聞いています。製造段階で大量のCO2を排出していては、低炭素社会の構築には貢献していないということにもなってしまいます。
 都はどのように認識をしているのか、お伺いいたします。

○櫻井都市エネルギー部長 平成二十三年三月の民間調査機関の調べでは、燃料の製造段階から車の走行段階までを通じた一キロメートル当たりのCO2排出量は、ガソリン車で百四十七グラム、ハイブリッド車で九十五グラムとなっております。現行のエネルギー事業者が行っている液化石油ガスを改質して製造した水素を活用し、燃料電池車で走行した場合は九十三グラムとなっております。化石燃料を改質して製造した水素を利用する方がCO2排出量は少ないというものでございます。
 なお、戦略会議の中間まとめにおいては、再生可能エネルギー由来水素の活用について取り上げ、将来の方向性を示しているところでございます。

○大西委員 次に、燃料電池車の普及に不可欠である水素ステーションの整備についてですが、この補正予算発表資料の中に定置式と移動式がありますが、定置式といえば普通のガソリンステーション、ガススタをイメージすることになりますが、移動式ステーションというのはどういうふうなものなのでしょうか。

○櫻井都市エネルギー部長 移動式水素ステーションとは、トレーラーなどに必要な設備を積載した水素ステーションでありまして、設備を必要最小限とすることで低コストでの運営が可能です。通常は七百平米程度必要となる面積も、移動式であれば、土地の形状にもよりますが、これよりも狭い面積で済むというものです。
 水素供給能力は、通常の水素ステーションに比べて小さいものの、水素ステーションの普及初期段階においては有効であるといえます。

○大西委員 これはまた運用がいろいろ難しいこともあり得るなとは思いますが、移動式は本格的な普及に向けた有効な方策でもあると思います。
 また、都は、この補正予算案には、この移動式も含めて十カ所の予算を計上していますが、都内全域を考えると、やはり件数が少ないのではないかと考えます。
 都として水素ステーション整備を今後どのように推進していくのか、改めてお伺いいたします。

○櫻井都市エネルギー部長 戦略会議の中間のまとめにおいて、水素ステーションの整備については、二〇二〇年は、最寄りの水素ステーションまでの到達時間が十五分程度になるように三十五カ所整備することとしており、十分実用に耐えられると考えております。その五年後には、十分程度で到達するよう八十カ所までふやしてまいります。
 こうした目標の達成に向けて、まずは十カ所を整備すべく補正予算案に計上しているものでございます。

○大西委員 私は足立区の真ん中ぐらいに住んでいますけど、端っこまで行くのに二十分近くかかるんですね。そうすると、区にも一つ以上要るようにもなるなとも考えるんですけど、そもそも燃料電池車は、一回の水素を充填する、入れると、どのぐらい走るのですか。また、燃料価格というのは大体どのぐらいなんですか。その辺を教えてください。

○櫻井都市エネルギー部長 先日発売された燃料電池車については、一回の充填での走行距離は、自動車メーカーによりますと約六百五十キロメートルとなっております。
 また、先月、水素供給事業者が公表した水素燃料価格は、ハイブリッド車の燃料代と同等となる、一ノルマル立米当たり百円でございます。

○大西委員 済みません、部長、今のノルマル、これは普通のガソリン一リッターと同じように換算していいのですか。

○櫻井都市エネルギー部長 私ども、リッター幾らという感覚になれておりますが、水素は気体でございまして、リッター換算というのができません。
 したがいまして、計量の単位としてはノルマル立米ということになっておりますが、これはハイブリッド車の燃料代と同等、また、メーカーの発表によるものでございますが、ガソリン車よりも割安というような発表がされているところでございます。

○大西委員 ありがとうございます。
 続いて、補正予算に計上されている事業所向け再生可能エネルギー由来水素活用設備導入促進事業についてですが、この事業の概要、目的をお伺いいたします。

○櫻井都市エネルギー部長 水素の地産地消を推進するため、都内事業所において再生可能エネルギーの電力による水素活用設備を設置する事業者に対し、補助を実施するものでございます。太陽光発電や水素製造装置、水素充填設備などを補助対象とする予定でおります。
 こうした取り組みを進め、将来のCO2フリー水素の普及を後押ししようというものでございます。

○大西委員 水素は利活用の段階でCO2を一切排出しないため、水素製造の段階でもCO2の排出がなければ、低炭素社会に大きく貢献すると思います。
 ぜひとも都としても、この事業をきっかけに進めていただくようお願いしたいですが、今回の補正予算四十億円は、金額としては確かに大きいですが、知事が本会議などで水素社会の実現に向けて国を先導していくと発言されていますが、大消費地として需要を創出していくという観点からは、来年度以降、増額して予算計上することも必要だと思います。都としてはどのように考えているのか、見解を伺います。

○櫻井都市エネルギー部長 水素戦略会議の中間のまとめでは、燃料電池車やバスの普及、水素ステーション整備、燃料電池安全性等の社会的受容性に関する数値目標や具体的な戦略を定めました。
 水素社会の実現に向けては、官民一体となって戦略目標の達成に向けて取り組むことが重要であり、都として、インフラ整備や初期需要の創出など必要な経費については、今後、集中的に財政措置ができるよう努めてまいります。

○大西委員 このプロジェクトは、多分、世界中が注目していると思います。そしてまた、日本人もみんなが応援していると思います。
 ぜひ、ロケットスタートというか、瞬発的にがっと盛り上げていく後押しというか、都の取り組みを期待いたしまして、質問を終わります。

○野上委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○野上委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で環境局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後二時二十八分散会

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