環境・建設委員会速記録第八号

平成二十六年九月十一日(木曜日)
第九委員会室
午後一時一分開議
出席委員 十四名
委員長野上ゆきえ君
副委員長桜井 浩之君
副委員長河野ゆりえ君
理事小林 健二君
理事山内れい子君
理事相川  博君
米倉 春奈君
舟坂ちかお君
高椙 健一君
大西さとる君
小磯 善彦君
高橋かずみ君
林田  武君
こいそ 明君

欠席委員 なし

出席説明員
環境局局長長谷川 明君
次長和賀井克夫君
総務部長池田 俊明君
環境政策担当部長篠原 敏幸君
都市地球環境部長谷上  裕君
都市エネルギー部長櫻井 和博君
都市エネルギー技術担当部長石川 裕通君
環境改善部長木村 尊彦君
環境改善技術担当部長島田 光正君
自然環境部長緑施策推進担当部長兼務笹沼 正一君
資源循環推進部長齊藤 和弥君
調整担当部長スーパーエコタウン担当部長兼務山根 修一君
建設局東京都技監建設局長兼務横溝 良一君
次長鈴木 尚志君
道路監邊見 隆士君
総務部長佐藤  敦君
用地部長今村 篤夫君
道路管理部長星野 宏充君
道路建設部長相場 淳司君
三環状道路整備推進部長川嶋 直樹君
公園緑地部長五十嵐政郎君
河川部長中島 高志君
企画担当部長奥山 宏二君
総合調整担当部長梅田 弘美君
道路保全担当部長川合 康文君
道路計画担当部長横井 純夫君
公園管理担当部長桜井 政人君

本日の会議に付した事件
請願の取り下げについて
環境局関係
報告事項(説明)
・私債権の放棄について
陳情の審査
(1)二六第二二号 資源化可能な紙類の焼却をやめることに関する陳情
建設局関係
第三回定例会提出予定案件について(説明)
・都道における道路標識の寸法に関する条例の一部を改正する条例
・首都高速道路株式会社が行う高速道路事業の変更に対する同意について
請願陳情の審査
(1)二六第八号の一  池上通り拡幅(補助第二八号線)はやめ、商店街支援、住宅耐震化等を実施することに関する請願
(2)二六第二九号   放射第五号線の岩崎橋付近の一部トンネル化に関する陳情
(3)二六第三〇号の一 補助第二八・二九号線及び放射第二号線の事業計画を白紙に戻すことに関する陳情
補助第二八・二九号線及び放射第二号線の事業計画を白紙に戻すことに関する陳情
(4)二六第三二号の一
(5)二六第三三号の一
(6)二六第三四号の一
(7)二六第三五号の一
(8)二六第三六号の一

○野上委員長 ただいまから環境・建設委員会を開会いたします。
 初めに、請願の取り下げについて申し上げます。
 お手元配布のとおり、二六第一〇号、「都民の健康と安全を確保する環境に関する条例」の改正に関する請願につきましては、議長から取り下げを許可した旨通知がありました。ご了承願います。

○野上委員長 次に、会期中の委員会日程について申し上げます。
 お手元配布の日程のとおり、理事会において申し合わせましたので、ご了承願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、建設局関係の第三回定例会に提出を予定されております案件の説明聴取、環境局関係の報告事項の聴取並びに環境局及び建設局関係の請願陳情の審査を行います。
 なお、提出予定案件及び報告事項につきましては、本日は説明を聴取し、資料要求を行うことにとどめ、質疑は会期中の委員会で行いますので、ご了承願います。
 これより環境局関係に入ります。
 初めに、先般の人事異動に伴い、幹部職員に交代がありましたので、環境局長から紹介があります。

○長谷川環境局長 去る七月十六日付で異動となりました幹部職員をご紹介させていただきます。
 次長の和賀井克夫でございます。総務部長の池田俊明でございます。都市エネルギー部長の櫻井和博でございます。
 どうぞよろしくお願いいたします。
   〔理事者挨拶〕

○野上委員長 紹介は終わりました。

○野上委員長 次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○池田総務部長 東京都債権管理条例第十三条に基づき、環境局が平成二十五年度に実施した私債権の放棄についてご報告をさせていただきます。
 お手元の資料、私債権の放棄についてをごらんください。
 平成二十五年度に放棄した私債権は、公害防止資金貸付金の二件、金額は計百十四万五千五百円でございます。
 当該債権は、東京都公害防止資金に係る貸付金で、昭和四十九年度に貸し付けし、それぞれ昭和五十五年度から債務の返済が滞っている債権でございます。
 これまで、債務者及び連帯保証人等に対し催告、交渉を行うなど、徴収に向けて鋭意努力を重ねてまいりました。
 しかしながら、当該二件の債権は、消滅時効に係る時効期間がそれぞれ昭和六十二年に経過しており、債務者については、一件は借り受け人が所在不明でございます。もう一件は、借り受け人である法人が解散をしております。また、連帯保証人についても、それぞれ死亡または行方不明でございまして、このたび、それぞれの相続人から時効の援用を受け、平成二十六年三月に放棄を実施したところでございます。
 以上、私債権の放棄につきましてご説明申し上げました。どうぞよろしくお願い申し上げます。

○野上委員長 報告は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○野上委員長 なければ、資料要求はなしと確認させていただきます。

○野上委員長 次に、陳情の審査を行います。
 陳情二六第二二号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○齊藤資源循環推進部長 それでは、お手元の資料2、陳情審査説明表の表紙をおめくりください。
 整理番号1、陳情番号二六第二二号、資源化可能な紙類の焼却をやめることに関する陳情につきましてご説明を申し上げます。
 陳情者は、豊島・健康と環境を守る連絡会会長、藤井宏樹さんでございます。
 陳情の要旨でございます。
 一、資源化可能な紙類の焼却をやめるなど、東京都廃棄物条例の目的にかなった廃棄物の発生の抑制に努めるとともに、その再利用と資源化の徹底を図るため、収集事業を担う二十三区を始め市町村が実施する再利用等に関する施策を支援すること、二、都民に対し、廃棄物の発生を抑制し、再利用を図り、より一層の廃棄物の減量に努めるよう啓蒙することの実現を求めるものでございます。
 それでは、現在の状況につきましてご説明申し上げます。
 1でございます。一般廃棄物の収集運搬、処分に関する業務は、廃棄物処理法第六条の二により市町村の事務となっております。
 2でございます。区市町村においては、紙類を初めとした資源ごみについて、週一回等での分別回収を実施しており、区域内の住民等に対しても資源化対策への協力を依頼しております。また、事業系ごみの減量及び適正な処理を確保するために、大規模建築物に対する排出指導等を実施しています。
 3でございます。都は広域自治体として、日ごろより市町村が進める廃棄物の発生抑制、再利用及び資源化対策に関する技術的支援を実施しており、また、古紙持ち去り問題に関する区市町村との情報交換会等による技術的支援や、区市町村との連携による地域環境力活性化事業による財政支援を行っています。
 4でございます。また、都ホームページや刊行物を通じて、廃棄物の発生抑制とリサイクルの必要性に関する周知を行うことなどで、区市町村が実施する廃棄物削減や再資源化対策を支援しています。
 説明は以上でございます。よろしくご審査のほどお願い申し上げます。

○野上委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○大西委員 東京都廃棄物条例というのは、廃棄物の発生を抑制し、再利用を促進するとともに、廃棄物の適正な処理が行われるように必要な措置を講ずることによって、生活環境の保全及び公衆衛生の向上並びに資源が循環して利用される都市の形成を図り、もって都民の健康で快適な生活を確保することを目的とするとあります。
 こうした廃棄物の再利用と資源化の徹底等を図るため、収集事業を担う二十三区を初め市町村が実施する再利用等に関する施策について、都はどのような支援を実施しているのか伺います。

○齊藤資源循環推進部長 都は既に、区市町村が進める紙類の資源化に向けた取り組みを支援するため、廃棄物の資源化等に向けて、区市町村職員に対する講習会を継続的に実施しており、また、古紙持ち去り問題に関する区市との情報交換会を定期的に開催するなど、技術的、財政的支援を行っております。

○大西委員 次に、廃棄物の発生抑制や再利用、より一層の廃棄物の減量に努めることを都民に普及啓蒙することも重要と考えますが、都はどのような取り組みを行っているのかお伺いいたします。

○齊藤資源循環推進部長 都は、東京都環境局のホームページや、「東京の環境」といった定期刊行物を通じまして、これまでも都民の皆様や事業者の方々に対し、廃棄物の発生抑制や再利用、廃棄物の減量等に関する普及啓発を行っており、こうした取り組みは今後も継続して実施してまいります。

○大西委員 今のご答弁があったとおり、都はこの陳情に関して、この課題に対してはきちんとやっておられるというわけです。
 ただ、内容から見て、これは至極当たり前のことを主張されているわけですから、これからも頑張っていくというのは、当然、当たり前のことだと私は考えます。
 よって、私は趣旨採択することが妥当だと考えることを表明して、質問を終わります。

○野上委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○野上委員長 起立少数と認めます。よって、陳情二六第二二号は不採択と決定いたしました。
 陳情の審査を終わります。
 以上で環境局関係を終わります。

○野上委員長 これより建設局関係に入ります。
 初めに、先般の人事異動に伴い、東京都技監に横溝良一君が就任いたしました。また、幹部職員の交代がありましたので、横溝東京都技監建設局長兼務より挨拶並びに幹部職員の紹介があります。

○横溝東京都技監 東京都技監を拝命いたしました横溝でございます。建設局長を兼務いたします。
 都技監といたしまして、都政運営を支える技術職員の育成、技術の継承などの各局に共通する課題に対し、庁内の連携を一層強化するとともに、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックの成功、さらには世界一の都市東京の実現に向けて、スピード感を持って取り組みを進めてまいります。
 なお、八月下旬より、デング熱の発生を受けて、都では国や区と連携しながら、都立公園において蚊の駆除や利用者への注意喚起、池の水抜き対策、代々木公園の閉鎖など、さまざまな対策を講じております。今後とも、国や関係自治体と十分連携しながら必要な対策を講じてまいります。
 引き続き、野上委員長を初め委員の皆様方には、局事業にお力添えをいただきながら、私ども職員一同、力を合わせて適切かつ円滑な執行に努めてまいりますので、何とぞご指導、ご鞭撻のほどよろしくお願いを申し上げます。
 それでは、去る七月十六日付で異動のございました当局の幹部職員を紹介させていただきます。
 次長の鈴木尚志でございます。道路建設部長の相場淳司でございます。企画担当部長の奥山宏二でございます。
 以上でございます。どうぞよろしくお願いをいたします。
   〔理事者挨拶〕

○野上委員長 挨拶並びに紹介は終わりました。

○野上委員長 次に、第三回定例会に提出を予定されております案件について理事者の説明を求めます。

○横溝東京都技監 第三回定例会に提出を予定しております案件につきましてご説明を申し上げます。
 お手元配布の環境・建設委員会資料(建設局所管分)をごらんいただきたいと存じます。
 今定例会でご審議いただきますのは、都道における道路標識の寸法に関する条例の一部を改正する条例の条例案一件、首都高速道路株式会社が行う高速道路事業の変更に対する同意についての事件案一件でございます。
 よろしくご審議のほどお願いを申し上げます。
 詳細につきましては、総務部長よりご説明を申し上げます。

○佐藤総務部長 引き続きまして、第三回定例会提出予定案件の内容につきましてご説明申し上げます。
 資料1をごらんいただきたいと存じます。条例案につきましてご説明を申し上げます。
 表紙をおめくり願います。今回提出を予定している条例案の件名は、目次に記載しているとおりでございます。
 一ページをお開き願います。条例案の概要をまとめたものでございます。
 都道における道路標識の寸法に関する条例の一部を改正する条例でございますが、道路標識、区画線及び道路標示に関する命令の一部改正に伴い、規定を整備するものでございます。
 改正案の内容でございますが、一点目は、道の駅に関する案内標識の追加に伴い、変更が生じた既存標識の名称及び標識番号について、命令の規定に整合させるもの、二点目は、例示している案内標識の併用表示をローマ字から英語に変更し、命令の規定に整合させるものでございます。
 なお、二ページ以降に議案及び新旧対照表を添付してございます。後ほどごらんいただきたいと存じます。
 次に、資料2をごらんいただきたいと存じます。事件案につきましてご説明申し上げます。
 表紙をおめくり願います。今回提出を予定しております事件案は、首都高速道路株式会社が行う高速道路事業の変更に対する同意についてでございます。
 一ページをお開き願います。事件案につきましては、本概要にてご説明申し上げます。
 今回の変更同意申請の主な内容は、2の変更同意申請の主な内容にございますように、都道首都高速三号線、池尻、三軒茶屋出入り口付近の付加車線増設など事業計画の変更、特定更新等工事の費用を確保するため、平成六十二年九月三十日までの徴収期間を平成七十七年九月三十日まで十五年延長する料金の徴収期間を変更するものでございます。
 変更に対する同意に係る議案の提出は、道路整備特別措置法第三条第七項により準用する同条第四項の規定に基づくものでございます。
 二ページ以降に議案を添付してございます。後ほどごらんいただきたいと存じます。
 以上で、平成二十六年第三回定例会提出予定案件についての説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○野上委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○野上委員長 なければ、資料要求はなしと確認させていただきます。

○野上委員長 次に、請願陳情の審査を行います。
 請願二六第八号の一、陳情二六第三〇号の一、陳情二六第三二号の一、陳情二六第三三号の一、陳情二六第三四号の一、陳情二六第三五号の一及び陳情二六第三六号の一については、内容に関連がありますので、一括して議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○横井道路計画担当部長 お手元に配布してございます資料3、請願・陳情審査説明表をごらんいただきたいと存じます。
 補助第二八号線、二九号線及び放射第二号線に関する請願及び陳情につきまして、一括してご説明申し上げます。
 表紙をおめくりいただいて、整理番号1、請願二六第八号の一をごらんください。
 本件は、池上通り拡幅(補助第二八号線)はやめ、商店街支援、住宅耐震化等を実施することに関する請願で、池上通り(補助二八号線)拡幅に納得できない・暮らしと営業を守る会代表、多田康弘さん外四百六十九人から提出されたものでございます。
 請願の要旨は二点ございまして、一点目は、七十億円もの税金を使う補助第二八号線計画、特定整備路線を中止すること、二点目は、都と品川区による説明会を再度丁寧に開催することというものでございます。
 現在の状況でございますが、補助第二八号線のうち、大井三ツ又交差点から滝王子通りまでの約五百二十メートルの区間につきましては、木造住宅密集地域であり、火災の延焼により被害を受ける危険性の高い地域でございます。
 このため、沿道建物の不燃化促進に効果が高く、震災時には延焼を遮断するとともに、避難経路や緊急車両の通行路ともなる本区間を特定整備路線に選定いたしました。
 延焼シミュレーションによりますと、本区間を整備することで延焼面積を約三五%減らすことができます。
 なお、整備に当たりましては、停車帯のある二車線の車道、植樹帯のある無電柱化した広い歩道及び自転車走行空間を設置し、車や人、自転車の安全かつ円滑な通行を確保いたします。
 昨年開催いたしました地元説明会では、特定整備路線の防災上の必要性や道路の整備形態など事業の概要を説明いたしました。また、説明会後も商店街や住民などのさまざまな要望や意見に個別に対応して、現在測量作業を進めており、今年度中に事業化いたします。事業費につきましては、事業認可申請までに算定いたします。
 引き続き、住民などに対する丁寧な説明や対応に努めるとともに、理解と協力を得ながら事業を推進してまいります。
 整理番号2につきましては、後ほどご説明いたします。
 続きまして、整理番号3、陳情二六第三〇号の一をお開き願います。
 本件は、補助第二八・二九号線及び放射第二号線の事業計画を白紙に戻すことに関する陳情で、「道路問題しながわ連絡会」代表、原田泰雄さんから提出されたものでございます。
 陳情の要旨は四点ございまして、一点目は、補助第二九号線の二区間の国土交通省への事業認可申請を撤回すること、二点目は、補助第二八、二九号線及び放射第二号線の事業認可申請を行わないこと、三点目は、三路線、補助第二八、二九号線及び放射第二号線の特定整備路線の事業計画そのものを廃止すること、四点目は、一方的な説明と事業目的の説明をごまかしたことに沿線住民は納得していないため、沿線住民への説明会を再度やり直すことというものでございます。
 現在の状況でございますが、補助第二八号線、補助第二九号線及び放射第二号線の沿道は、木造住宅密集地域であり、火災の延焼により被害を受ける危険性が高い地域でございます。
 このため、沿道建物の不燃化促進に効果が高く、震災時には延焼を遮断するとともに、避難経路や緊急車両の通行路ともなるこれら三区間を特定整備路線に選定いたしました。
 整備に当たりましては、停車帯のある二車線の車道、植樹帯のある無電柱化した広い歩道及び自転車走行空間を設置し、車や人、自転車の安全かつ円滑な通行を確保いたします。
 昨年開催いたしました地元説明会では、特定整備路線の防災上の必要性や道路の整備形態など事業の概要を説明いたしました。説明会後も、住民などのさまざまな要望や意見に個別にきめ細やかに対応してまいりました。また、既に事業化いたしました補助第二九号線の二区間では、民間の専門事業者を活用した相談窓口を設置し、関係権利者の生活再建に向けた支援を行っております。
 引き続き、これらの区間について事業を推進するとともに、補助第二九号線の残る区間や補助第二八号線、放射第二号線についても、今年度中に事業化いたします。
 今後とも、住民などに対する丁寧な説明や対応に努めるとともに、理解と協力を得ながら事業を推進してまいります。
 続きまして、整理番号4、陳情二六第三二号の一から第三六号の一をお開き願います。
 本件は、補助第二八・二九号線及び放射第二号線の事業計画を白紙に戻すことに関する陳情で、「住民の暮らしと安全・環境を守る会」副会長、石井良一さん外四団体から提出されたものでございます。
 陳情の要旨、現在の状況につきましては、ただいまご説明いたしました陳情二六第三〇号の一と同じ内容になりますので、説明は省略させていただきます。
 説明は以上でございます。よろしくご審査のほどお願い申し上げます。

○野上委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○桜井委員 毎回、当委員会においては、特定整備路線についての請願並びに陳情が上がってきていると思うんですけど、そのたびに私も理事者の皆様と再度検証をさせていただいているわけでありますが、なぜ特定整備路線、要するに特定に整備しなければいけない路線が定められたのかという、そういう意義といいますか目的をしっかり、やはり都民の皆様に理解をしていただかなければ、毎回こういう請願並びに陳情が出てくるのではないかなというふうに思っているところであります。
 今回もこういう請願並びに陳情が出てまいりましたので、さらに理解を深めるためにも改めて、指定されている補助二八、二九号線の部分も含めて、もう一度しっかり議論を深めていきたいというふうに思っておりますので、それについてご質問させていただきます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。
 毎回申し上げておりますが、今、東京都は、発生が危惧される首都直下地震に備えて防災対策に取り組んでいるわけでありますけど、災害の被害を最小限に抑えるためには、自助、共助、公助の取り組みを進めていくことが重要、必要であるということを毎回申し述べさせていただいています。
 木造住宅密集地域を抱える私の地元墨田区でも、九月二十八日に、これから墨田区総合防災訓練を行いまして、災害発生時の対応を実践的に訓練するなど、都民の防災意識を高める取り組みを実施する予定であります。
 東京都は、木密地域の改善に取り組むべく、木密地域不燃化十年プロジェクトを立ち上げて、ただいま全力で引き続き取り組んでいるところでありますが、墨田区の特定整備路線、放射第三二号線では既に事業を実施させていただいておりまして、今、全力で取り組んでいただいているところであると思います。
 東京の弱点であります木密地域の不燃化をさらにこれから全力で進めるためにも、一刻も早く全ての特定整備路線に着手すべきだと、私はそのように考えているところであります。
 そこで、今回、請願や陳情のある路線の事業認可申請内容を含めて、特定整備路線全体の取り組み状況と今後の予定について、最初にお伺いをいたします。

○横井道路計画担当部長 特定整備路線に選定いたしました二十八区間につきましては、補助第二九号線の大崎区間、豊町区間を初めとし、現在十二区間で事業に着手しております。
 また、補助第二九号線の戸越区間と西大井区間につきましては、それぞれの事業費や都市計画線にかかる建物棟数が、戸越区間で約百二十四億一千万円、約百五十棟、西大井区間では約五十五億八千万円、約八十棟という内容で事業認可申請を行っております。
 これに加えまして、補助第一三六号線、補助第一四三号線の全四カ所を現在申請中であり、今月中に事業認可を取得する予定でございます。
 その他の区間につきましても、測量、設計などを進め、今年度中に二十八区間全てで事業に着手してまいります。

○桜井委員 現在、十二区間で事業に着手しているというお話をいただきました。
 今回陳情のあった事業中の補助第二九号線の二区間について、事業区域内の建物棟数と現在の状況をお伺いいたします。

○今村用地部長 事業中の二区間につきましては、約百七十棟の建物がございます。大崎区間では三月、豊町区間では六月に用地説明会を開催いたしまして、その後、それぞれ三日間にわたって個別説明会を行いました。また、七月には相談窓口を開設し、関係権利者の方々の生活再建に関する相談などに対応しております。
 現在、関係権利者の土地の境界を確定する作業や、土地の評価、補償金を算定するための建物、工作物の調査などを行っております。これらの作業が終わり次第、早期に買い取りを希望される権利者の方から、順次、個別にお話し合いをさせていただく予定でございます。

○桜井委員 今、答弁もいろいろありましたけれども、やはり特定整備路線は、道路を拡幅していく中で、当然ながら地権者の方にご協力をいただかなければできない事業だということ、それに関係している皆さんは当然全て承知のことだと思うんですけど、そういう中、地権者の皆様にご協力をいただくということは、やはり誠意を持って行政側の方も、場合によっては議会の方も、地権者の方にしっかり対応していくということが本当に重要じゃないかなというふうに思います。
 そういう中で、やっぱり迷惑をこうむるのは地権者の方でありますから、低姿勢でというと、ちょっといい方は変なんですが、やはり地権者の方の立場に立って、今後しっかり話し合いをするということが本当に大事だということを毎回申し上げさせていただいているところであります。
 先ほどもちょっとご答弁がありましたとおり、今後、補償金の算定後、用地折衝に入っていくというお話でありますが、用地取得に当たっては、先ほども申し上げたとおり、関係権利者の生活再建に十分配慮していくことが重要であるというふうに再度申し上げさせていただきたいと思います。
 この事業中区間では相談窓口も設置したという説明もあったわけでありますが、関係権利者に対する相談窓口の対応状況についてお伺いをいたしたいと思います。

○今村用地部長 大崎、豊町区間では、七月四日に民間の専門事業者による相談窓口を開設いたしました。相談窓口には不動産、建築、設計などの専門家を配置し、さまざまな相談に対応しております。
 これまで、近隣の不動産に関する問い合わせや、残地での建てかえに関することなど三十件を超える相談が寄せられております。また、今後、相続に関して具体的に相談したいといった要望もございました。
 ご相談いただいた権利者の方々に対しましては、その後も電話や戸別訪問を行うなど、きめ細やかな対応を行っております。
 引き続き、相談窓口の活用などによりまして関係権利者の生活再建に向けたサポートを行いながら、事業用地の早期取得に取り組んでまいります。

○桜井委員 くどくなって申しわけありませんが、やはり関係権利者の生活再建について本当に十分配慮していただいて、地元の理解、そして協力を得られるよう、鋭意、地域の防災性の向上に有効な特定整備路線の整備を着実に推進していただきたいということを私の方からもお願いを申し上げて、これで質問を終わらせていただきます。

○河野委員 質問いたします。
 出されているのは、二八号線にかかわる請願と、それから、陳情は二八、二九、放射二号と三路線にかかわりますので、入りまじらないように、最初に二八号の請願の方からお話を伺っていきたいと思います。
 品川区の特定整備路線補助二八号の池上通りは、現況の幅員は十五メートルから十六メートルぐらいある道路です。これを特定整備路線として二十メートルに拡幅するというのが東京都の計画になっています。
 この拡幅によって影響が出る建物の棟数はどれくらいあるのか、それから、事業費などについてもお示しいただけるものがあったらお願いしたいと思います。お願いします。

○横井道路計画担当部長 補助第二八号線に関しましては、現在、測量作業が終わっていないため、都市計画線にかかっている建物棟数につきましては確定しておりません。
 また、同様に、事業費につきましても、現在、測量作業を進めているため、まだ事業費は算定しておりません。

○河野委員 二八号線ですね、JRの大井町駅近くの大井三ツ又交差点から大井警察がある滝王子通りまで約五百二十メートル区間を拡幅するということなんですが、今、棟数とか、いろいろな事業費は確定していないというお話でしたけれども、この事業のスケジュールについてはどんなふうに東京都は見通しを立てておられるのでしょうか。

○横井道路計画担当部長 先ほども申し上げましたように、現在、事業認可取得に向けまして測量作業を進めております。この測量作業など準備が整い次第、事業認可申請を行い、今年度中に事業に着手する予定でございます。

○河野委員 事業のスケジュールを伺うと、絶えず今年度中という答弁なんですけれども、影響棟数もわかりません、事業費もわかりません、スケジュールも今年度中しかいわない。これでは、道路拡幅によって影響する住民にとっては、本当に私たちに寄り添った事業なのかということでは、いろんな意見が上がるのが当然だと思います。
 私は、きょう、東京都がこの補助二八号線について行いました延焼遮断ということについてのシミュレーションについて伺います。
 第一に、道路を二十メートルに拡幅すれば、大震災で火災が起きた際に燃えどまる、いわゆる延焼防止帯の役割を道路が果たすとされていますが、実際の効果はどうなのかということで、きょうはパネルをお示ししたいと思ってお持ちいたしました。
 ごらんになれるでしょうか。風速八メートルの場合に、道路拡幅と道路の沿道整備の後でも火はとまらない、延焼を突破する箇所が存在いたします。具体的にいいますと、これが補助二八号線の線ですから、この青い線ですね。皆さん、お見えになりますか。ここのあたりが延焼突破ですね。これは、出火点がR001ということで、ここの緑のところが出火点になります。
 上の図は、道路整備、拡幅と不燃化などの整備をする前の図面です。焼け落ち棟数三百九十七棟、延焼中棟数、これは六時間経過した後の延焼が九十九棟残るというものなんです。この赤いところが延焼がずっと六時間続いていますよと。
 下におりてみますと、これが道路整備をしたという、建設局が特定整備路線にしましたよという後のシミュレーションです。焼け落ち棟数は三百八十五棟、延焼中棟数は九十二棟です。これがR1という、ここの出火点です。
 裏も同じように、これはR2という地点なんですが、発火点がこちらですね。ここに二八号線が走っています。遠くからは見えづらいと思うんですが、ここが道路で、燃え広がるという線がここに入っているんです。これも焼け落ち棟数が整備前は四百五十棟、延焼中棟数、六時間たったときにも燃えていますよというのが九十八棟。それが、整備後も焼け落ち棟数は三百九十七。比べてみますとほとんど変わらない。それから、延焼中の棟数も九十六。九十八から九十六ということで、六時間たっても、これだけの数がここのところには火が広がるというシミュレーションを東京都自身がされているんです。
 このシミュレーションについて、事業者としては、この結果が出ているのをどうお考えになっておられるのか。それから、このシミュレーションについて、住民の皆さんにきちんと、こういうことが東京都の予測ではあるんですよということをお示しになってきたのか。この二点についてお答えいただきたいと思います。

○横井道路計画担当部長 延焼シミュレーションにつきましては、東京消防庁の効果測定の手法を用いて一定の条件で行っております。今回のシミュレーションの想定では、道路の両側に燃えやすい建物が残り、燃え広がっている箇所がございますが、道路は延焼遮断に有効であり、延焼面積を減らすことを確認しております。
 延焼シミュレーションの結果につきましては、建設事務所におきまして住民に示しております。

○河野委員 拡幅と整備後に延焼突破するところがあるのをきちんと住民説明会で説明されているのかどうかということが、私はお聞きしたい問題だったんですね。建設事務所でじゃないんです。建設事務所というところじゃなくて、住民説明会をやられているわけですから、どうなのかということでは、私は、これは建設局のホームページから引きました。
 十月二十八日に、補助二八号線の住民説明会、事業概要及び測量説明会が行われております。この中で質問が出されているんですね。二八号線ということで私たちは降って湧いたような話なんだけど、事業実施がどうして必要なのかということで、東京都は、当該路線の延焼シミュレーション結果では、道路を現道の十五メートルから二十メートルに拡幅することにより延焼を防げることがはっきりしましたというお答えをホームページに載せているし、皆さんにお示ししているわけですよね。でも、実際は、私が今お示ししたように、延焼突破、整備した後も火が道路を越えていくところが残っていくわけですね。
 このことについて正確な情報を住民に提供する責任は、当然、東京都はお持ちなんじゃないかと思うんですが、さっきのお答えでは納得いきませんので、もう一度お願いします。

○横井道路計画担当部長 本区間の延長五百二十メートルにつきましては、今回、十地点から出火した場合の延焼シミュレーションを行っております。また、その条件につきましても、一定の想定のもとで行っているシミュレーションでございます。
 実施をいたしました地元説明会では、限られた時間の中で道路の延焼遮断効果を説明するため、その代表地点として区間のほぼ中央付近のシミュレーション結果をお示しし、説明したものでございます。

○河野委員 延焼シミュレーション、いろんな場合を想定して風速何メートルとかとやっていますけれども、東京都の建設局の今の資料なんですけれども、首都直下型地震による東京の被害想定ということで東京都防災会議が想定した、私が示しました風速八メートルの場合の東京都の出した被害想定がここに出ているわけですね。
 だから、いろんな場合のものはあるけれども、本当により厳しい条件のもとで住民を救うためには、命を守る路線といっているわけですから、きちんとした科学的な根拠に基づき、最も厳しい条件の中でも皆さんが救われますよということで説明がされているのならいいんですけれども、実際は延焼を突破する地域が出現しているのに、これをいっていないということは一体どういうことなのでしょうか。

○横井道路計画担当部長 先ほども申し上げましたが、今回の延焼シミュレーションにつきましては、東京消防庁の効果測定の手法を用い適切に予測をしているものでございます。
 また、その条件につきましては一定の想定をして算出しているものでありますから、総体としてのご説明を差し上げることで住民の皆さんのご理解を得ていきたいというふうに考えており、先ほど申し上げましたように、個別の中身のことにつきましては改めて、事務所におきまして延焼シミュレーションの結果をお示ししておりますので、それによって、またご質問をいただければと思います。

○河野委員 私はやはり、住民全体にそういうことをきちんと正確に説明されていない説明会の持ち方について大変疑問を持ちますし、このことを地域住民の皆さんが知った場合にどういう声が上がるかということについても、建設局は十分に心にとどめるべきだと思っております。
 もう一つお聞きします。延焼時間との関係です。道路の拡幅によって延焼面積は大幅に減らすとしていますけれども、シミュレーションでは、出火後六時間の時点でも火は燃え続ける。さっきも示しましたけれど、約百軒の家が燃えているわけですね。これも重要な問題です。
 長い時間が経過しても火はおさまらない、燃え広がるという事態、このことについて、建設局は事業者としてどのようなご判断をお持ちなのでしょうか。

○横井道路計画担当部長 道路の延焼遮断効果につきましては阪神・淡路大震災でも確認されており、国もその資料を公表しております。また、補助第二八号線の沿道地域は、品川区まちづくりマスタープランにおきまして防災まちづくりの対象地域となっており、本区間の整備を初めとする防災の取り組みを進めることで、沿道地域の防災性を高めることができます。

○河野委員 初めにいったのですけれども、道路を拡幅、沿道不燃化など整備を行ったときに出ているシミュレーションの結果なんですよね。整備したまちでも燃え続ける場所があるわけです。
 今のご答弁では、何かお答えをはぐらかされているようで、私はきちんとした東京都の姿勢を感じることができませんが、これで一体、防災の役割を果たせると本当に明言することができるのでしょうか。お答えください。

○横井道路計画担当部長 今回の延焼シミュレーションによりますと、補助第二八号線の幅員を十五メーターから二十メーターに拡幅することによりまして、延焼面積を約三五%減らすことができます。延焼防止には建物の不燃化も有効であり、本区間を整備することで沿道建物の不燃化が促進されます。
 また、この整備により歩道を拡幅し、あわせて無電柱化をすることで、震災時には避難や救援活動を円滑に行うことができます。

○河野委員 時間の関係でどんどん聞きますが、私は先日、池上商店街に行ってきました。道路の幅員は約十五メートルから十六メートル確保されて、歩道もあります。道路の両側の建物は、鉄筋コンクリートの構造など耐火建築物がかなり多くありました。
 特定整備路線の中で、他の路線では幅員十五メートルで計画されているところがあります。池上通りは既に十五メートルの幅員があるのに、なぜこれ以上の拡幅が必要なのでしょうか。
 両側の建物の状況を見ても、延焼遮断を名目に道路を広げる必要はない道路、このような感じがしたんですけれども、私がお会いした地域の方々も同じような意見をお持ちでした。
 池上通りの拡幅が必要だと判断する、その都のご見解をお聞きしたいと思います。

○横井道路計画担当部長 繰り返しの答弁になって恐縮ですが、現在の池上通り、補助二八号線の幅員は十五メートルでございますが、これを都市計画に合わせて二十メーターに拡幅することによりまして、震災時の延焼面積を約三五%減らすことができます。
 また、この事業にあわせて沿道の建物の不燃化が促進され、そのことによって、この地域の防災性の向上が図られます。

○河野委員 同じようなご答弁を繰り返されているわけなんですけれども、私たちは、今、部長がお答えになったものとは違う考えも持っています。延焼防止効果を高める、その問題ですけれども、ほかにもいろいろな方法があるんじゃないでしょうか。
 例えば、池上通りに面しているマンションなど、今、存在している不燃化建造物を生かしながら、それ以外の燃えやすい建物を調査して、耐火、耐震性を持つ建物になるように建てかえ支援などを行う方法もあります。そうすれば、沿道のお店や家は宅地を削られたり立ち退きをしたりしないで済みます。
 先ほど、事業費についてまだ算定できていないということでしたけれども、補助二九号線では、二八号と同じくらいの道路の延長約五百メートルで八十億円を超える事業費が見込まれています。そうした多額の税金も減らせるのではないか、そのように考えますけれども、いかがですか。

○横井道路計画担当部長 木造住宅密集地域の防災性を向上させるためには、沿道建物の不燃化はもちろんですが、道路や公園などのオープンスペースの確保など、さまざまな対策を総合的に取り組んでいくことが重要でございます。このためには、補助第二八号線のような道路整備を行っていくことも重要な施策であると考えております。

○河野委員 私たちはこれまでも特定整備路線というものについて、延焼防止帯ということでは、役割が果たすところは、住民の皆さんも納得すればそれはそれで一つの方法なんでしょうけれども、それ以外にも、感震ブレーカーの設置助成を初め、防災、火を防ぐ、そういう問題では幾つもの提案をしてきましたので、この特定整備路線にずっと特化している建設局のあり方については非常に疑問を持っているところです。
 特定整備路線によってまちが変わってしまう、このような声も強まっています。これは、私が聞いた地域の人たちの率直な声ですので、ご紹介します。道路の幅員が二十メートルに広がれば、まちの一体感がなくなってしまう、近所づき合いをしてきた人たちとの助け合い、支え合いが弱まって本当に心配、立ち退きになる人は知らない土地に移ることになるから、なおさら、これまでの人とのつき合いから遠ざかってしまうなどなどの声です。
 テレビでも、新聞でも、特定整備路線はまち壊しにつながると報道され、つい先日の日曜日も、テレビ朝日でそういう報道がありました。
 まちのコミュニティが壊れてしまうと批判や不安が強い、このことについては、東京都は、そういう生活者の立場に立ってお考えになった場合、どういう認識をお持ちなのでしょうか。

○横井道路計画担当部長 地域の防災性を高めるためには、自助、共助、公助の取り組みがともに必要不可欠でございます。公助である本区間の整備によりまして、地域の住民が安心して暮らせる安全なまちを実現することができます。

○河野委員 公助の方法は、本当にいろいろさまざまあります。防災空間のための土地を東京都が手当てするとか、さっきの感震ブレーカーも耐震住宅の助成もそうです。公助が特定整備路線に特化されていっているような今のあり方については、多くの人たちが疑問を持っています。
 次の質問です。
 池上通りの沿道関係者は、この事業について果たして理解しているといえるのでしょうか。私は直接、池上商店街一軒一軒お訪ねしてまいりました。それぞれの方の理解がまちまちでした。ある方は、うちの方は当分来ないよ、何年も先のことだよというふうなご意見。それから、次のお店では、四メートルぐらいの幅で土地がとられるらしい、店の部分が全部道路になってしまう、測量の人が来たけれども、何も説明してもらっていない。別のお店では、関東大震災の前の九十年以上前から三代にわたってお店を営んできた、借家で、地主さんは区外に住んでいるから、この地で生活、営業している私たちには何も説明がない、時期がいつになるのか、営業補償や移転の補償はどうなるのか全くわからない、不安で仕方がないとおっしゃっています。
 それから、もう一人紹介しますけれども、隣の貸し店舗にいた人が、道路の拡幅の話を聞いて、もうお店はやめてしまった方がいいということで、早々とお店を閉めてしまってどこかへ行ってしまったというんですね。こんなことが続いてしまえば商店街が寂れてしまう、こうした声が聞かれました。
 東京都は、このようなお店を営んで苦労されている人たちの不安や生活の痛みをおわかりになっているのでしょうか。
 請願者は、都と品川区に対して、もう一度丁寧な説明会を開いてほしいと求めています。地域の人が不安を表明して事業への理解もばらばら、こういう状態なのですから、東京都は、要望に応えて住民説明会、先ほど測量と概要説明会を一回やりましたということはありましたけれども、さらに要望があれば説明会を開催するのが当然ではないかと考えますが、いかがですか。

○横井道路計画担当部長 開催いたしました地元説明会では、特定整備路線の防災上の必要性や道路の整備形態などについて説明を行っております。その後も、住民や商店街などからの質問や意見に個別に丁寧に対応してきております。
 さらに、事業化後には、民間事業者を活用した相談窓口を開設し、関係権利者の生活再建に対して、きめ細やかにサポートしてまいります。

○河野委員 私は、個別にやっていただくのも結構だと思います。それから、ここの場合は第二建設事務所ですか、要望があれば、きちんと会場を設けてやっていくとか、そういうことが必要なんじゃないかと思うんですね。
 私は江戸川区に住んでおりますけれども、昨年、特定整備路線補助一四四号線の事業説明会が行われました。実は、ここに欠席せざるを得なかった方が、自分のまちにかかわる問題で大事な説明が聞けなかったんだからということで第五建設事務所にお願いをしましたら、会場を設けて、そういう皆さんのためにもう一回説明会を開きましょうということで開催していただいております。そういう点では、住民の要望に応じて説明会を開いた例を東京都はお持ちなわけですよね。
 請願文では、補助二八号線について、時間が来たからと打ち切ったままで、その後の説明は何もないという趣旨のことが書かれております。これでは住民を尊重した事業とはいえない、そのように私は感じますから、住民の要望がこのように議会に請願として出されてきているわけですから、重ねて、説明会の開催について皆さんの声に応える努力をぜひお願いしたいと思いますが、いかがですか。

○横井道路計画担当部長 いわゆる地元説明会では、事業の必要性や概要、その進め方など、事業に関する一般的な説明を行ってまいりました。その後は、これらの内容を踏まえて、住民や関係権利者など、個々の事情や状況などに応じたさまざまな事柄に対して適宜、また相談窓口などを活用して、個別の対応によって、より具体的にきめ細やかに説明を行ってまいります。
 また、説明会は時間で打ち切ったというお話がありますが、説明会については、会場の都合上、時間を決めさせてもらっております。説明会終了後にも担当者がそこに残りまして、個別のご意見やご質問に対応していると思います。今後ともよろしくお願いします。

○河野委員 私は、これだけの大事業に東京都が取り組むわけですから、説明が一時間、皆さんのご意見が三十分、たった一時間半の説明会をたった一回だけやっているという、このやり方については、やはり意見が上がって当然だと思います。皆さんの前できちんと意見を述べたいという方がたくさんいる場合には、保障するのが民主主義の原則ではないでしょうか。そのことを私は--東京都は、本当にそういう意味では、説明会について、さっき平井の例がありましたけれど、柔軟に対応しているところもありますが、今の建設局の横井部長のお話では、極めて硬直的な姿勢であるということを申し上げざるを得ない、このように指摘しておきます。
 次に、陳情の方に質問を移らせていただきます。
 初めに、補助二九号線、放射二号線について、現在の事業がどのような状況にあるのかお答えいただきたいと思うんです。
 先ほどの桜井議員へのご答弁で、二九号線の認可済み二区間の事業費や移転棟数などについてはお話がありましたが、今、認可が既にやられているところ、新たに認可申請したところがありますけれども、二九号線全体でどのような状況になるのか、これらの区間の立ち退きの総合の棟数や事業費の見込みについてお答えをいただきたいと思います。それをまずお伺いしておきます。

○横井道路計画担当部長 補助二九号線の状況につきましては先ほども答弁をいたしましたが、補助第二九号線のうち、事業化した二区間では約百七十棟の建物が都市計画線にかかっております。
 また、現在、事業認可を申請している戸越区間の事業費は百二十四億一千万円、建物は約百五十棟でございます。西大井区間は、それぞれ五十五億八千万円、約八十棟でございます。

○河野委員 総合を、今わかっているだけで合計金額はどれくらいに上るんですかというのも伺ったんですが、ちょっとそれはお答えにならなかったですね。
 私は今ここで計算してみたんですけれども、これまで国に認可をとった区間、また新しく申請した区間、先ほど数字が明らかになりましたが、事業費は、この区間だけで合計三百五十一億四千万円になります。影響棟数は四百棟になることがわかりました。
 それに加えて、この補助二九号線、まだ認可を申請していない区間、戸越公園駅付近の約五百五十メートルは都市整備局が街路事業で拡幅するということも伺っておりますし、その点のお金を考えると莫大な事業費が投入されることになります。放射二号線を加えれば、さらにもっと金額は膨らむんですけれども、一体幾らになるのか、これは全く今の時点では都民、住民に示されません。認可申請をしないと、全体の事業費や影響する建築物の数は出せないというのですから、都民、住民は、事業の内容がわからないまま、決まったことだからということで協力を求められるわけです。
 そこでお伺いします。
 二九号線は延長三・五キロの長い路線です。二十メートルに拡幅される道路が、にぎわいある戸越銀座商店街を分断する形になります。それだけでなくて、補助二九号線に沿った宮前商店街、戸越公園通り商店街など三つの商店街が、道路の拡幅によって店舗の縮小あるいは移転ということで、商店街そのものの存続が危ぶまれています。商店街は、高齢者が世間話を楽しみに集まってきたりする、まさに地域コミュニティの中心といえるところです。
 ことし五月、東京新聞で、防災道路、地域を分断の見出しで、二九号線のことが大きく取り上げられました。五月二十二日には周辺住民が事業認可の取り消しを国土交通省に審査請求したという報道でありました。住民が審査請求を要求しなければならないほど問題をはらんでいる、そういう路線であるということを私は感じるんですけれども、東京都は、この問題、商店の問題も含めて、住民の生活のいろんな変化、どんな見解をお持ちでしょうか。

○横井道路計画担当部長 ご質問いただきました点のうち、まず、補助第二九号線が交差する戸越銀座商店街についてでございますが、現在も既に、そのほぼ中央に幅員二十五メートルの第二京浜国道が交差をしておりますが、その両側の商店街は非常ににぎわっている状況になっております。
 また、住民の皆さんに対するこの事業でございますが、先ほども答弁させていただきましたように、本区間、本路線を整備することによりまして、地域の住民の皆さんが安心して暮らせる安全なまちを実現していきたいというふうに考えております。

○河野委員 ニコクといわれていますけど、その国道というのは随分昔からあるわけですよね。そこに新たにまた違うものが、ばあんと商店街をぶち抜く形で幅員二十メートルの道路が入ってくるということでは、今までと違うまちの構造になるわけです。
 私は一つ例を挙げますけれども、江戸川区に平井というまちがあります。JR平井駅から京葉道路まで長い商店街が続いておりました。この商店街は栄えておりました。しかし、東京都が施行者になりました一二〇号線という大きな道路によりまして、この商店街が二つに分断されてしまったんですね。駅から離れた商店街は客足が激減し、駅に近いところも、お店はありますけれども、いろいろな、何というんですか、百均のお店とかそういうものがどんどんふえて、本当に商店街が変わっている。そして、分断された駅から遠い京葉道路の方の商店街はお客さんがいなくなって、死に絶えつつある商店街と自分たちで呼んでいるという状況がつくられているんです。
 活気ある商店街を守れるかどうか、そういう点では、私は、自分が住んでいる平井の商店街の状況を見ても、特定整備路線、戸越銀座商店街が本当に衰退しないなんていう保証は誰もできない問題だということを感じておりますし、地域経済を崩壊するようなやり方は正しくないということを指摘しておきます。
 二九号線の拡幅事業、生活や交通問題にも影響が及びます。JR西大井駅の南側では、JR横須賀線の上に東海道新幹線が走っています。その間に二十メートルに幅員が広がった補助二九号線が通るという三層構造の複雑な形状になります。現在の交差している道路は一般の生活道路ですから、二十メートルにこの道路が拡幅されれば大型車の通行もふえることが予想されますし、住宅街の道路騒音、交通事故などの心配も起こっております。工事の際のJRの運行の安全とか、横須賀線の上にかける二九号線の橋の構造の安全など、いろいろな不安が地域住民の中にあるわけです。問題が多くあるということです。
 結局、建設局は、こういうところに大型の道路を通す、このことはどんな判断でされたのか、特定整備路線をなぜここに指定したのか、この点はお聞きしておきたいと思います。

○横井道路計画担当部長 補助第二九号線のJR横須賀線及び東海道線との交差部についてでございますが、補助二九号線は、昭和二十一年に都市計画決定された都市計画に基づき、特定整備路線として補助二九号線を整備してまいります。JR横須賀線及び東海道新幹線との交差部につきましては、適切な構造及び工法を採用し、地域の方々が利用しやすい道路を整備してまいります。

○河野委員 質問はこれで最後にします。
 ずっと答弁を聞いていましたら、無電柱化だの、自転車道路だの、安全は確保だの、いろいろ大丈夫、大丈夫というお話がずっと続いておりますが、地域住民は決してそう思いませんし、私は現地に足を運んでみて、本当に心配だらけの道路建設だということを実感しております。
 陳情文の中で、私はぜひもう一度、都のお考えを伺いたいんですが、それは住民の説明会の問題です。五つの団体から出された陳情文書には、概略、次のように書かれています。住民説明会で、都と区は防災のための命の道路と説明した、ところが、国に提出した都の二九号線の認可申請書では、交通の円滑化が図られるとともに安全で快適な歩行空間が確保される、その次に、地域の防災力ということで特定整備路線問題、防災力が高まりますよということが出てくる。
 陳情文には、まさに防災はつけ足しという言葉も書かれてありますけれども、この説明会の持ち方についても、先ほど部長がご答弁はされましたけれども、指摘があります。短い時間で、ほとんどの会場で住民が手を挙げて発言を求めているのに打ち切られている。こうしたことはどうなんでしょうか。東京都として、これで責任を持った住民への態度といえるのか。
 一回の説明会だけで国の認可を受けて、その後はどんどん事業が進められるというのは、まさに住民不在としかいいようがありません。要望されている説明会を開く、これは事業者として当然の責任ではないでしょうか。
 陳情で強く要望されている住民要望に応える説明会、先ほど個別に、個別にというお話が繰り返されましたけれども、住民の皆さんが要望すれば会場を設け、建設事務所や、あるいは建設局の皆さんが直接足を運んで地域の率直な声を聞くということが住民の心に寄り添った事業ではないでしょうか。説明会について、もう一度、具体的にお答えください。

○横井道路計画担当部長 まず、特定整備路線の事業認可申請に当たってのご質問ですが、特定整備路線は、震災時の延焼遮断や避難、救援などに資する重要な整備事業でございますが、開催いたしました地元説明会におきまして配布したパンフレットにも記載しておりますが、東京都内の都市計画道路は、全て交通の円滑化、防災性の向上、安全で快適な生活を支えるなどの機能を有しております。したがいまして、これらの理由に基づき認可申請を行ったものでございます。
 また、会場でのご質問につきましては、先ほども述べましたように、会場をお借りしている都合もあり、時間が決まっております。そのために、全体の説明会としては、閉会した後、そこに残って個別に対応させていただいております。
 さらに、そのような一般的な説明を行う地元説明会だけではなく、先ほども申し上げましたが、やはり住民の皆さん、あるいは関係権利者の皆さん、個々の事情や状況が多分に違っております。そのようなさまざまな事柄に適切に、また丁寧に対応するためには、個別に対応してまいることが大事だと思っております。

○河野委員 私は意見を申し上げます。
 説明会については、必要があってやっているというのと、必要だというのと、いろいろ声も聞こえてきていますけれど、本当に丁寧に説明することが必要です。みんなから、住民からやってくださいといえば応える、そういう柔軟性も持っていただきたいし、個別がいいという方には、個別できちんと建設局が公の責任で説明をすると。
 民間事業者の問題はきょうは取り上げませんでしたけれども、地域の皆さんからは、民間事業者の相談窓口についても私たちに幾つかの改善の要望も寄せられているので、このことについては、また追って別の委員会で取り上げたいと思いますが、民間に任せて住民の生活のいろいろな悩みを全て解決できるとは思いませんので、そういう点では説明のあり方について検討していただきたいし、この二つの請願、陳情、二種類ありますけれども、この趣旨に沿って建設局が努力していただくように求めます。
 きょうは、放射二号線については質問いたしませんでした。この路線も多くの問題があります。その一つに星薬科大学のことがあります。ことしの二月二十六日、我が党の笠井亮衆議院議員が衆議院予算委員会分科会で質問しております。星薬科大学敷地内を幅員二十メートルの放射二号線が貫通する計画についての質問です。
 文部科学省は、大学構内に幅員二十メートルの道路が貫通する事例は承知していない--長くなるので省略いたしますけれども、大学の教育を行うにふさわしい環境を持つことが求められ、大学設置基準を満たした上で、道路建設についても、当該大学がその教育理念等を踏まえて決定すべきことと答えています。道路をつくるのが先にありきの考え方ではないということが示されております。
 また、この委員会で、内閣府の防災担当大臣は、耐火、耐震のまちづくりは合わせわざで取り組むべきと答えています。火が出た場合の出火防止、初期消火、木造住宅密集地域の耐火、耐震対策など、ハードとソフトを合わせた取り組みが大事との答弁です。
 特定整備路線は、今、質問しましても、防災の効果あるいは地域のコミュニティの問題、税金投入の関係、生活環境、さらに重大なのは、初めに指摘しました、シミュレーションをしているのに正確にその事実を住民に伝えていない、こういう問題があります。商店街振興のこともそうです。そして、何よりも大切な住民の納得と合意の尊重などの角度から見ても、問題があり過ぎる東京都の事業です。
 私は、請願二六第八号の一及び陳情二六第三二から三六号の趣旨採択を求めて、質問を終わります。
   〔横井道路計画担当部長発言を求む〕

○横井道路計画担当部長 今、副委員長のご発言の中で、放射二号線につきまして、道路が学校を分断している例はないというお話がありましたが、都内でも、学校の敷地内に道路を整備した事例として、小平都市計画道路三・三・三号線や西東京都市計画道路三・四・九号線などがございます。
 放射二号線の星薬科大学につきましては、今後、既定の都市計画に従って事業を進めていく中で、学校の運営に支障を来さない方策について大学側と話し合いを進めてまいりたいと思います。

○河野委員 一言申し上げます。
 私が調べた資料では、文部科学省はそのように答弁、そういう事例は承知していないということを述べておられますので、その点は私どもも改めて調査いたしますけれども、事例がないという文部科学省の認識があるということは、東京都も把握しておいていただきたいと思います。
 以上です。

○山内委員 請願二六第八号の一、池上通り拡幅(補助第二八号線)はやめ、商店街支援、住宅耐震化等を実施することに関する請願、そして、陳情二六第三〇号の一、補助第二八・二九号線及び放射第二号線の事業計画を白紙に戻すことに関する陳情、陳情二六第三二号から第三六号の一、補助第二八・二九号線及び放射第二号線の事業計画を白紙に戻すことに関する陳情に趣旨採択の立場から意見を申し述べます。
 防災、減災の重要性は誰もが認めるところです。しかし、特定整備路線について、さまざまな地域から、納得できないと請願陳情が相次いで市民から提出されています。今回も、全く道路がない地域に新たにつくる、しかも、都が計画的に進めようとしている第三次事業化計画優先整備路線にも関係なく突然指定された道路もあり、二〇二〇年度までの整備を目指すとしています。これでは、市民が驚愕し、特定整備路線の事業計画の廃止や事業認可申請の撤回等を求めるのも当然だと思います。
 道路計画は、地図上では簡単に線が描けますが、実際に現場に行ってみますと、住宅街であったり、幼稚園があったり、公園があったりいたします。東京都は、事業に先立って地元説明会を開催しているとおっしゃいますけれども、初めに道路ありきの事業の目的や計画の概要や進め方を説明して、皆さん、道路をつくりますからよろしくという住民説明会では納得できないと思います。
 国へ事業認可を申請する前に、十分に市民との対話を繰り返し、合意形成を図ることを要望いたしまして、私の意見といたします。

○野上委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 まず、請願二六第八号の一を起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○野上委員長 起立少数と認めます。よって、請願二六第八号の一は不採択と決定いたしました。
 次に、陳情二六第三〇号の一を起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○野上委員長 起立少数と認めます。よって、陳情二六第三〇号の一は不採択と決定いたしました。
 次に、陳情二六第三二号の一、陳情二六第三三号の一、陳情二六第三四号の一、陳情二六第三五号の一及び陳情二六第三六号の一を一括して起立により採決いたします。
 本件は、いずれも趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○野上委員長 起立少数と認めます。よって、陳情二六第三二号の一、陳情二六第三三号の一、陳情二六第三四号の一、陳情二六第三五号の一及び陳情二六第三六号の一については、いずれも不採択と決定いたしました。

○野上委員長 次に、陳情二六第二九号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○相場道路建設部長 それでは引き続き、お手元の資料3、整理番号2、陳情二六第二九号をお開き願います。
 本件は、放射第五号線の岩崎橋付近の一部トンネル化に関する陳情で、菊池清司さんから提出されたものでございます。
 陳情の要旨は、都において放射第五号線の岩崎橋付近を一部トンネル化していただきたいというものでございます。
 現在の状況でございますが、放射第五号線は、千代田区半蔵門を起点とし、三鷹市内の東八道路に接続する延長十五・一キロメートルの路線であり、現在、唯一未整備区間となっている延長約一・三キロメートルの久我山区間で事業中でございます。
 本区間は、平成十六年五月に、平面構造のまま幅員を五十メートルから六十メートルに都市計画変更いたしました。その際に、地元杉並区から、住民の参加、協働による協議会を設けるべきとの要望がございまして、都は、放射第五号線事業推進のための検討協議会を設置いたしました。
 本協議会におきましては、平面構造ではなく、岩通通りと立体交差させる一部トンネル案を基本的な道路構造としつつ、トンネルの史跡への影響や坑口周辺の環境、沿道アクセスなどの留意事項に配慮して事業を実施するよう報告書を取りまとめました。
 これを受け、都は、沿道関係者へ一部トンネル案の意向確認や留意事項の検証を行いました。その結果、沿道へのアクセスの確保や防災性、経済性等の理由から平面で整備することといたしました。
 このことにつきまして、都の広報誌や区報を配布するとともに、説明会を開催し、地元へ周知いたしました。また、平面構造を前提に、地元と約一年間にわたり、環境施設帯の形態について検討、調整を行い、車両と歩行者を分離した安全な歩行空間を確保していくことといたしました。
 現在、九割を超える用地を取得し、既に排水管設置等の街路築造工事を進めております。
 引き続き、地元の理解と協力を得ながら、早期完成を目指し着実に整備してまいります。
 説明は以上でございます。よろしくご審査のほどお願い申し上げます。

○野上委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○高橋委員 私から、陳情二六第二九号、放射第五号線の岩崎橋付近の一部トンネル化に関する陳情についてお尋ねをいたします。
 東京の都市計画道路は、交通渋滞の解消はもとより、災害時には安全な住民の避難や緊急車両の通行を支え、地域のまちづくりを推進していく上で重要な都市基盤であります。
 都市計画道路の完成率は約六二%であり、中でも区部と多摩を結ぶ東西方向の幹線道路はいまだつながっていない区間があり、防災上の観点からも重要な課題であります。
 私の地元である練馬区の放射第七号線は、区部と多摩を結ぶ重要な道路ネットワークを形成する地域にとって必要不可欠な路線であり、整備が急がれております。今回陳情のあった放射第五号線も新たな東西道路であり、早期整備が必要であると考えております。
 ただいまの説明で、放射第五号線の経緯は理解できました。今回の陳情書によると、岩崎橋付近の歩行者の安全を確保してほしいとのことであります。道路整備に当たっては、車の通行だけではなく、歩行者の交通安全対策に十分配慮することが必要であります。
 そこで、岩崎橋付近の歩行者の交通安全対策についてお伺いいたします。

○相場道路建設部長 本区間の整備に当たりましては、車両と歩行者を分離して安全な歩行空間の確保に努めております。岩崎橋付近は、信号機の設置や、玉川上水の両側に設ける新たな緑地内に歩行者が待機できる十分な滞留スペースを確保するとともに、防護柵を設置して歩行者の安全対策を実施してまいります。
 また、岩崎橋につきましては、現在、歩道は片側にしか設置されておりませんが、橋の両側に新たに十分な幅員の歩道を確保するかけかえ工事を杉並区が計画しております。

○高橋委員 道路空間を有効に活用しながら、平面構造における歩行者の交通安全について対策を講じていることがわかりました。
 平面での整備については、都の広報誌や区報を配布するとともに説明会を開催するなど、地元に対する周知も行われており、また、平面構造を前提に、地元と約一年間にわたり、環境施設帯の形態について検討、調整が行われてきたとのことであります。用地取得が九割を超えていることや、既に工事も行われていることから、できる限り早く整備を進めるべきであると考えます。
 そこで、放射第五号線整備の今後の取り組みについて伺います。

○相場道路建設部長 本区間の整備は、既に平面構造を前提といたしました排水管設置等の街路築造工事を進めております。また、国の史跡であります玉川上水にかかる牟礼橋につきましても、文化庁との協議が調い、今年度より工事に着手してまいります。
 今後とも、地元の皆様の理解と協力を得ながら、放射第五号線の早期完成を目指して整備を着実に進めてまいります。

○高橋委員 冒頭でも述べたとおり、区部と多摩を結ぶ放射第五号線は大変重要な道路と思います。今回陳情されている歩行者の安全対策に配慮しながら、早期開通に向け積極的に取り組むことをお願いして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

○河野委員 私は、この陳情に意見を申し上げます。
 放射五号線の未整備区間、久我山地区周辺一・三キロの整備については、これまでも、史跡に指定されている玉川上水の水辺と、キンランなど希少種も自生している豊かな緑と生活環境を守るべきという考えを明らかにしてきました。
 陳情は、都立久我山青光特別支援学校や大学などがあることを考慮し、人に優しい整備を求めています。生活環境の安心を求める地域住民の要望に沿った努力をされるよう要望し、陳情の趣旨採択を求めます。

○山内委員 放射第五号線の岩崎橋付近の一部トンネル化に関する陳情について質問をいたします。
 まず、放射第五号線に関しては、住民参加で協議会が設置され、時間をかけて審議されてきたと聞いております。
 協議会の設置、参加者、協議の内容など、改めてお伺いいたします。

○相場道路建設部長 放射第五号線事業推進のための検討協議会は、放射第五号線の都市計画変更を行った際に、地元杉並区から出されました要望に基づき設置いたしました。
 本協議会は、区と調整の上、地元住民や学識経験者、学校関係者等を委員とする三十二名で発足いたしました。
 本協議会では、事業を円滑に推進するとともに、玉川上水及び沿道の環境に配慮した道づくりを目的に、道路、周辺まちづくり、緑地の三つの専門部会を設け検討を行いました。

○山内委員 ご説明ありがとうございます。
 その協議会をしている一方で、都は、国への事業認可の申請を行ったと聞いておりますけれども、それはいつでしょうか。

○相場道路建設部長 平成十七年十月に、放射第五号線の用地買収促進に関する陳情書が、沿道地権者百二十五名から都と区へ提出されました。沿道地権者の生活再建等に伴う用地買収の要望に応えることも重要であると考え、平成十七年十一月に事業認可を申請し、同年十二月に事業認可を取得しております。

○山内委員 東京都もかかわってきた協議会で、一部トンネル案が最もすぐれているという結論が出されました。検討結果の報告も都が発行しております。
 東京都は決定内容に責任があると私は考えておりますが、それにもかかわらず、一部トンネル化にできなかった都の責任についての見解をお伺いいたします。

○相場道路建設部長 協議会の報告では、一部トンネル案を基本的な道路構造としつつ、この案の採用の前提といたしまして、トンネルなどの構築による玉川上水への影響、沿道アクセスへの影響等に留意することが提言されました。
 都は、提言に従いまして、沿道関係者へ一部トンネル案の意向確認や留意事項の検証を行ってまいりました。その結果、一部トンネル案では放射五号線に直接アクセスできないなどの理由から、沿道関係者の大方の理解と協力を得ることは困難であり、平面で整備することといたしました。

○山内委員 協議会は、二〇〇四年十一月から二〇〇七年三月まで十二回開催されました。それとともに、各専門部会において、道路部会を二十回、周辺まちづくり部会を十九回、緑地部会を十四回と、二年以上時間をかけて、市民参加、協働によって検討してきたんだと思います。
 市民と--東京都は住民と呼んでいますけれども、杉並区と東京都、一緒になって、私は、この東京都が協議会に加わるということは非常に必要なことであり、とても評価しているところでございますが、市民、そして自治体、東京都が一緒に協議してきたことは、並々ならぬ熱意と努力だと評価をしております。自分たちの住むまちのことは自分たちで決めたいという、まさに市民自治にほかならないと思っております。
 しかし、市民参加でまさに協議している最中に事業認可申請をするというのは、この協議会自体をないがしろにするものではないかと私は憤りを覚えております。
 これまで東京都は、この協議会は都市計画決定の範囲内での検討だとか、一部トンネル化は道路構造の変更だから、事業認可を受けても、変更の申請をすれば変えられると説明しておりますが、こうした行政用語というべき言葉や手続で市民を混乱させるようなことはしてはいけないと私は思っております。
 行政も加わって協議した結果には、責任を持って応えなくてはならないんです。その結果を実現するために、行政はさまざまな知恵や能力や技術を使って応えていくべきだと考えております。その努力を怠ると、行政に対する不信につながってしまいかねません。
 本陳情は趣旨採択といたしまして、これからそういった協議会への積極的なかかわり方や、あるいは責任を持っていただくということを肝に銘じていただきたいとお願いをいたしまして、私からの質問といたします。

○相場道路建設部長 案の説明に当たりましては、検討協議会で図面や模型を用いて詳細にご説明を申し上げ、その後、沿道関係者の皆様に評価を伺っておりますが、一部トンネル案は、その結果で四割の方の理解がなお得られなかったということでございます。
 再検討に当たりましては、防災性、経済性等につきましても客観的に評価いたしまして、災害時においても冠水のおそれが少なく、緊急車両の通行が可能で、経済性にもすぐれるなどの理由から、協議の経緯や皆様の意見を総合して、放射第五号線の岩崎橋付近を平面で整備することと決定したものでございます。
 引き続き、個別説明や「放5ニュース」を活用するなど誠意を持って対応し、地元の皆様の理解と協力を得ながら本路線の整備を進めてまいります。

○山内委員 協議会の重要性というのは、集団で多くの方々からの意見を聞くことだと思うんです。そのときに、東京都がしっかり入っていたときにきちんと説明をすること、そして、個別に一人一人、沿道の方々に説明をしたというふうにも伺っておりますが、一対一の個というのと、また協議会でいろいろな方々の意見を聞くということと全く違うんだと思うんです。
 私は、今回、市民参加で協議会を開いたということを非常に評価していると申し述べさせていただきましたけれども、そこと個別では、やっぱり食い違うところがありますので、ぜひともその辺は丁寧に、理解を得られるようにしていただきたいと考えております。

○野上委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○野上委員長 起立少数と認めます。よって、陳情二六第二九号は不採択と決定いたしました。
 請願陳情の審査を終わります。
 以上で建設局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後二時四十一分散会

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