環境・建設委員会速記録第六号

平成二十六年六月六日(金曜日)
第九委員会室
午後一時一分開議
出席委員 十四名
委員長野上ゆきえ君
副委員長桜井 浩之君
副委員長河野ゆりえ君
理事小林 健二君
理事山内れい子君
理事相川  博君
米倉 春奈君
舟坂ちかお君
高椙 健一君
大西さとる君
小磯 善彦君
高橋かずみ君
林田  武君
こいそ 明君

欠席委員 なし

出席説明員
環境局局長長谷川 明君
次長石野 利幸君
総務部長吉村 憲彦君
環境政策担当部長篠原 敏幸君
都市地球環境部長谷上  裕君
都市エネルギー部長松下 隆弘君
都市エネルギー技術担当部長石川 裕通君
環境改善部長木村 尊彦君
環境改善技術担当部長島田 光正君
担当部長金子  亨君
自然環境部長緑施策推進担当部長兼務笹沼 正一君
資源循環推進部長齊藤 和弥君
調整担当部長スーパーエコタウン担当部長兼務山根 修一君
建設局局長横溝 良一君
次長前田 敏宣君
道路監邊見 隆士君
総務部長佐藤  敦君
用地部長今村 篤夫君
道路管理部長星野 宏充君
道路建設部長加藤 昌宏君
三環状道路整備推進部長川嶋 直樹君
公園緑地部長五十嵐政郎君
河川部長中島 高志君
企画担当部長相場 淳司君
総合調整担当部長梅田 弘美君
道路保全担当部長川合 康文君
道路計画担当部長横井 純夫君
公園管理担当部長桜井 政人君

本日の会議に付した事件
環境局関係
報告事項(説明・質疑)
・平成二十五年度予算の繰越しについて
陳情の審査
(1)二六第一九号
(2)二六第二〇号
福山通運株式会社建替工事現場の土壌汚染処理に関する陳情
建設局関係
報告事項(説明・質疑)
・平成二十五年度予算の繰越しについて
陳情の審査
(1)二五第一〇八号 危険な側溝の安全対策に関する陳情
(2)二六第一号   都による道路用地買収の損失補償金の全額支払に関する陳情
(3)二六第八号   補助第一四四号線の整備における延焼遮断帯の形成に関する陳情
(4)二六第一八号  亀島川船舶係留保管施設整備計画不認可に関する陳情
(5)二六第二一号  自転車の疾走を防止する柵の設置に関する陳情

○野上委員長 ただいまから環境・建設委員会を開会いたします。
 初めに、傍聴人の数についてお諮りいたします。
 本委員会室の定員は二十名ではありますが、傍聴希望者が定員以上でございますので、さらに二十名を追加したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○野上委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○野上委員長 初めに、本委員会の担当書記に交代がありましたので、紹介いたします。
 議事課担当書記の田辺怜君です。
 議案法制課担当書記の前澤愛さんです。
 よろしくお願いいたします。
   〔書記挨拶〕

○野上委員長 次に、会期中の委員会日程について申し上げます。
 お手元配布の日程のとおり、理事会において申し合わせましたので、ご了承願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、環境局及び建設局関係の報告事項の聴取及び陳情の審査を行います。
 なお、本日は、予算の繰り越しに関する報告につきましては、説明聴取の後、質疑を終了まで行います。ご了承願います。
 これより環境局関係に入ります。
 初めに、先般の組織改正及び人事異動により幹部職員に交代等がありましたので、環境局長から紹介があります。

○長谷川環境局長 去る四月一日付の人事異動により、新たに説明員となりました幹部職員及び職名の変更等がありました幹部職員をご紹介させていただきます。
 総務部長の吉村憲彦でございます。環境政策担当部長の篠原敏幸でございます。都市地球環境部長の谷上裕でございます。担当部長で特命担当の金子亨でございます。自然環境部長で緑施策推進担当部長兼務の笹沼正一でございます。資源循環推進部長の齊藤和弥でございます。
 それでは、どうぞよろしくお願いいたします。
   〔理事者挨拶〕

○野上委員長 紹介は終わりました。

○野上委員長 次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○吉村総務部長 平成二十五年度予算の繰り越しにつきましてご報告申し上げます。
 お手元の資料1、平成二十五年度一般会計予算繰越説明書をごらんください。
 表紙をめくって一ページをお開き願います。
 繰り越しは明許繰越で、繰越額は五千七百九十一万七千円でございます。
 繰越財源内訳は、国庫支出金六百七十二万九千円、繰越金五千百十八万八千円でございます。
 二ページをお開き願います。
 事業名は自然公園整備事業でございます。
 繰越明許費予算議決額は一億二百万円でございます。
 繰り越しの内容につきましては、資料右側の説明欄に記載しておりますように、首都圏自然歩道改修工事等につきまして、年度内に支出が終わらなかったため、五千七百九十一万七千円を翌年度に繰り越して支出するものでございます。
 以上、平成二十五年度予算の繰り越しにつきましてご報告申し上げました。どうぞよろしくお願い申し上げます。

○野上委員長 報告は終わりました。
 これより本件に対する質疑を行います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○野上委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○野上委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。

○野上委員長 次に、陳情の審査を行います。
 陳情二六第一九号及び陳情二六第二〇号は、内容が同一でありますので、一括して議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○島田環境改善技術担当部長 それでは、お手元の資料2、陳情審査説明表の表紙をおめくりください。
 整理番号1、陳情番号二六第一九号及び第二〇号、福山通運株式会社建替工事現場の土壌汚染処理に関する陳情につきましてご説明申し上げます。
 陳情者は、福山通運による環境破壊から住民を守る会共同代表白井正信さん外一名及び団地組合管理法人越中島三丁目ハイツ理事長渡辺拓也さんでございます。
 陳情の要旨でございます。
 1、仮称福山通運株式会社東京支店ターミナル棟建てかえ工事を一括して請け負う五洋建設株式会社に対し、土壌汚染対策工事により発生している異臭を拡散させないために、テントを張るなどして対策を講ずるよう指導すること、2、福山通運株式会社及び五洋建設株式会社に対し、異臭を完全に封じ込めて拡散させないようにするまでは工事を中断するように指導することの実現を求めるものでございます。
 それでは、現在の状況につきましてご説明申し上げます。
 1でございます。福山通運株式会社東京支店ターミナル棟建てかえ工事は、掘削等を行う面積が三千平方メートル以上であることから、土壌汚染対策法及び環境確保条例が適用されます。
 2でございます。対象地は、以前は木材の防腐処理を行う工場等が存在しており、土壌汚染状況調査の結果、ベンゼン、鉛、六価クロム、ヒ素及びフッ素が基準値を超過いたしました。このため、福山通運株式会社は、平成二十五年九月に汚染拡散防止計画書を都に提出しております。
 3でございます。平成二十五年九月に、福山通運株式会社から工事を請け負いました五洋建設株式会社がターミナル棟建てかえ工事及び土壌汚染対策工事を着工いたしましたところ、強い油臭が発生いたしました。
 4でございます。土壌汚染対策法及び環境確保条例に基づく土壌汚染対策指針は、工事中の悪臭の放出の防止を行うことも規定しております。
 5でございます。福山通運株式会社は、消臭剤の散布等の悪臭対策の実施を盛り込みました汚染拡散防止計画書を再度、都に提出し、こちらに基づき悪臭対策を実施いたしました。
 6でございます。都は、平成二十六年三月六日に立入検査を行いましたところ、悪臭の発生は抑え切れておりませんでした。このため、都は、福山通運株式会社及び五洋建設株式会社に対しまして悪臭防止の追加対策の実施を求めましたところ、仮置き土壌へのシートがけの徹底や、汚染土壌を封じ込めた箇所の表面をコンクリートで覆うなどの追加対策を行っております。
 7でございます。六月中に大規模な掘削工事は終了の予定でございます。今後も、くい打ち作業などの土壌搬出を伴う工事が予定されておりますことから、都は、立入検査を継続して行い、福山通運株式会社及び五洋建設株式会社に対しまして、状況に応じた適切な悪臭防止対策を実施するよう指導を続けてまいります。
 説明は以上でございます。よろしくご審査のほどお願いいたします。

○野上委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○桜井委員 ただいまご説明がありました福山通運株式会社トラックターミナルの建てかえ工事について、今回、悪臭被害に関する陳情が提出されたわけであります。
 福山通運株式会社及び五洋建設株式会社は、昨年八月から、それまで存在したトラックターミナル施設の上屋の解体工事に着手したことに続きまして、同年十一月からは新トラックターミナルの建築工事を開始しまして、旧施設の基礎部分の撤去など土壌の掘削工事を進めたわけであります。
 その結果、油臭などの悪臭が発生し、近隣住民の方々の生活環境に支障が生じていると陳情にあるわけでありますが、悪臭の原因やこれまでの対応等について、私の方からも何点か質問させていただきたいと思います。
 まず、陳情者は、この悪臭が、対象地に隣接する越中島三丁目ハイツや周辺道路、さらに道路を越えた地域まで広がっていると主張されておりますが、先ほどの説明で、対象地には、過去、木材の防腐処理を行う工場が存在したとのことでありましたが、油臭などの悪臭の原因はこの工場と関係があるのか、最初にお伺いをいたします。

○島田環境改善技術担当部長 昭和四十三年までの木材工場の操業時代に、木材防腐処理に使われていた化学物質や油が何らかの原因で地下に浸透して、これらの物質がしみ込んだ土壌や地下のコンクリートなどを掘削、仮置き、分別、搬出するときなどに強い油臭が発生したと推定しております。

○桜井委員 過去に存在した木材工場が原因である可能性が高いようでありますが、現に悪臭が発生し、拡散している限り、福山通運株式会社及び五洋建設株式会社が適切な対策を講じなければならないと考えます。
 悪臭拡散防止対策として、都はこれまでも、改善を求めて福山通運株式会社及び五洋建設株式会社に指導してきたということでありますが、その指導とは具体的にどのような内容なのか、お伺いをいたします。

○島田環境改善技術担当部長 福山通運株式会社及び五洋建設株式会社は、悪臭の拡散を防ぐため消臭剤の散布等を行ってきましたが、大きな改善は見られませんでした。
 都は、仮置きしている土壌や地下から掘り出したコンクリートなどへのシートがけ、地下水や雨水の水処理プラントへのシートがけとその脱臭装置の活性炭の適切な交換、汚染土壌を封じ込めた場所をコンクリートで覆うことなどの悪臭拡散防止対策を講じるよう指導してまいりました。
 福山通運株式会社及び五洋建設株式会社は、これらの対策を実施したほか、掘削時や仮置き中の土壌への活性炭散布を行っております。この結果、悪臭の拡散防止の効果はあらわれていると考えております。
 現在、都は、仮置き土壌やコンクリートなどを、可能な限り早く外部の処理施設に搬出するよう指導しております。

○桜井委員 福山通運株式会社及び五洋建設株式会社に対して悪臭拡散防止策の実施を指導してきたことは今の説明で理解いたしたところでありますけど、これから夏になるわけでありますので、住民の方々は、風通しのため窓をあける機会が多くなり、においが気になると。私もそのように思います。
 悪臭が発生するような工事の今後の見通しと悪臭対策についてお伺いをいたします。

○島田環境改善技術担当部長 悪臭の発生が懸念される大規模な掘削工事は、六月中に終了する予定でございます。その後は、くい打ち工事や、現在も残る建物の解体工事など、散発的、局所的に土壌掘削を伴う工事が予定されており、悪臭の発生のおそれは否定できません。
 このため、悪臭が拡散しないよう、くい打ち作業で掘削した土壌の改良作業におけるシートがけ等の密閉化や早期の搬出などを行うよう指導してまいります。
 また、このほかの掘削土壌につきましても、これまでと同様の対策を行うよう、引き続き指導してまいります。

○桜井委員 都はこれまで指導を続けてきており、事業者もこれに対応してきたこと、そして、悪臭の発生が懸念される大規模な掘削工事は六月中に終了する予定ということはわかりました。
 今後、住民の方々の日常生活に支障が生じないよう、都に適切な指導を強くお願い申し上げまして、私からの質問を終わります。

○小林委員 私からも、このたびの陳情について何点かお伺いをさせていただきます。
 このたびの陳情の願意は、土壌汚染対策工事により発生している異臭を拡散させないよう対策を講ずるよう指導すること、異臭を完全に封じ込めて拡散させないようにするまで工事を中断するよう指導することの二点でありますが、全体の建設工事の期間が三年以上と長期に及ぶことや、近隣の方々に不快感を与えてしまう感覚公害が発生したことから、近隣住民の方々のご理解をいただきながら工事を進めることが大切であると思います。
 この観点から、三点ほど確認をさせていただきます。
 まず、土壌汚染対策工事を行う場合の近隣住民の方々への周知について、法律や条例でどのように規定されているのか、お伺いいたします。

○島田環境改善技術担当部長 環境確保条例に基づく調査や対策等の方法を定めた東京都土壌汚染対策指針では、対象地の周囲の見やすい場所に土壌汚染対策工事に関する内容を事業者が掲示することを規定しております。その内容とは、汚染の状況、対策を行う区域、対策の方法、対策の開始及び終了の時期、工事中に実施する環境保全対策、対策の進捗状況、問い合わせ窓口でございます。

○小林委員 ただいまのご答弁で、東京都土壌汚染対策指針の中で、対象地の周囲の見やすい場所に工事に関する内容を事業者が掲示することを規定しているとのことでございましたが、対象地にもこのような看板が設置されているのでしょうか。また、設置されているにしても、看板という限られたスペース、また媒体だけでは、工事内容を十分周知することはできないのではないかというふうに思います。
 工事内容に関する看板の設置状況と、福山通運株式会社並びに五洋建設株式会社は、近隣住民の方々への周知と説明を看板以外の方法でも行っているのでしょうか、お伺いをいたします。

○島田環境改善技術担当部長 福山通運株式会社及び五洋建設株式会社は、対象地の周囲二カ所に先ほどご答弁した内容を示した看板を設置し、近隣住民の方々に工事の概要について周知しております。都は、立入検査の際に、この看板の記載内容について確認をしております。
 また、五洋建設株式会社は、ターミナル棟建てかえ工事に関する近隣住民の方々への説明会を定期的に開催し、土壌汚染対策工事や悪臭対策に関する説明を行っているほか、ビラの掲示や配布により周知、説明を行っていると聞いております。

○小林委員 工事現場において近隣の方々が不安を感じて、私もご相談をいただくことが多々ございますけれども、このような問題の解決のためには、事業者が近隣住民の方々に対して積極的に情報提供したり、丁寧に状況を説明し、不安を少しでも払拭していく誠意の積み重ねが大事であると思います。
 事業者による近隣住民の方々への適切な情報提供が行われるよう、都としてもさらに事業者に指導すべきと考えますが、見解を伺います。

○島田環境改善技術担当部長 これまで、福山通運株式会社及び五洋建設株式会社が実施しました土壌汚染に関する調査結果や現地で測定した悪臭の測定結果等を近隣住民の方々に対して積極的に公開することを指導してまいりました。
 また、近隣住民の方々から、事業者が測定した調査結果等は信頼できないとのご指摘もいただきましたが、これに対しましては、公的に認められた環境分析機関が測定した結果であることを説明してまいりました。
 今後も、福山通運株式会社及び五洋建設株式会社に対しまして、近隣住民の方々のご理解が得られるよう、さらに適切な情報提供や説明を行うことを指導してまいります。

○小林委員 適切な情報提供と説明、これは大変重要なことでありますので、福山通運株式会社及び五洋建設株式会社に対して、異臭の防止対策を確実に実施するとともに、近隣住民の方々に対し対策状況をしっかりご説明できるように、さらに指導をお願いいたしまして、質問を終わります。

○米倉委員 福山通運株式会社トラックターミナルの工事現場は、すぐ目の前が団地を初めとした住宅です。乳幼児もいますし、近くには学校も数多くあるところです。
 この土地は、日産農林工業社などが、一九二五年から六八年までの間、電柱や枕木の防腐加工を行っていました。初めは、木材の防腐薬剤としては、主にクレオソート油が使用されました。クレオソート油は正露丸のような強い刺激臭を発するもので、江東区議会では、においの原因は、油分であったりクレオソートだといわれていると指摘しています。
 この木材の防腐加工は、陳情者が住む越中島三丁目ハイツ寄りの福山通運の敷地半分ほどの面積で行われていたと推定されています。地歴からして、この土地では、掘削などを行えば悪臭が出る可能性がある土地でした。そして、実際に去年十一月から土壌掘削が開始されて以降の半年間、近隣住民は、ひどい悪臭によって健康被害や生活の不便を強いられています。
 東京都と江東区へも、住民の皆さん百名近くから被害申告書が提出されています。私も拝見しました。また、直接お話も伺いました。住民の方からは、腐ったどぶのような異臭で鼻の中が痛くなる、喉がいがいがする、洗濯物を外に干したら強いにおいがついてしまい、取り込んだ直後に吐いてしまった、子供が三人いるのに洗濯物が外に干せないのはつらい、工事が始まって以降、異臭が入ってくるから窓をあけることができない上、外気が入ってくるので、クーラーも換気扇も回せないなどの訴えがありました。こうした環境の中で、アレルギーやぜんそくを悪化させている方もいらっしゃいます。
 私も先日、現地を視察に行きましたが、風が強く、ふだんよりもにおいは弱いと伺いましたが、悪臭がありました。ふだんのさらに強い異臭に半年も耐えるのは本当に大変だと思いました。
 そこで伺います。東京都は、これ以上、臭気や健康被害に耐えることはできないという住民の声に応え、強力な対策を福山通運株式会社、五洋建設株式会社に求めるべきですが、いかがですか。

○島田環境改善技術担当部長 都は、福山通運株式会社及び五洋建設株式会社に対して、汚染拡散防止対策として、仮置きしている土壌や地下から掘り出したコンクリートなどへのシートがけ、地下水や雨水の水処理プラントへのシートがけとその脱臭装置の活性炭の適切な交換、汚染土壌を封じ込めた場所をコンクリートで覆うことなどを指導してまいりました。福山通運株式会社及び五洋建設株式会社は、これらの対策を実施したほか、掘削時や仮置き中の土壌への活性炭散布を行っております。
 今後、くい打ち工事や、現在も残る建物の解体工事など、散発的、局所的に土壌掘削を伴う工事が予定されており、悪臭の発生のおそれは否定できませんが、悪臭が拡散しないよう、くい打ち作業で掘削した土壌の改良作業におけるシートがけ等の密閉化や早期の搬出などを行うよう指導してまいります。

○米倉委員 事業者が行っているという芳香剤による悪臭対策がさらなる悪臭を生み出していると聞いています。芳香剤のにおいで気分が悪くなった、目まいがしているという声が幾つも出されております。都はどのような対策をしているのか、伺います。

○島田環境改善技術担当部長 芳香剤による消臭対策は、福山通運株式会社と五洋建設株式会社が自主的に実施したものでございます。
 都は、立入検査の際に、消臭剤に含まれる芳香成分によるにおいを確認しております。人によりましては、このにおいに対して不快を感じることもあろうかと思われます。都は、芳香剤を過剰に使用しないよう指導しております。

○米倉委員 悪臭を防止するために仮置き土壌にかけたシートが風で一部めくれていたり、シートのおもしが少ないために、風が中に入り、シートがはためいてしまっているところを現地に行って拝見しました。これでは、シートで悪臭を密閉することもできないだろうと思います。
 都は、これについてどのような対策をするか伺います。

○島田環境改善技術担当部長 都はこれまで、立入検査の際に状況を確認するとともに、福山通運株式会社と五洋建設に対しまして、シートをおもし等により地面にしっかり固定するよう指導しております。
 また、都は、悪臭のもとになるおそれがある敷地内の仮置き土壌やコンクリートなどを、可能な限り早く外部の処理施設に搬出するよう指導しております。

○米倉委員 東京都が三回、立ち入りの指導をしていることは住民の皆さんも感謝していると伺っています。同時に、さらなる対策が求められていると思います。
 環境省は、油汚染対策のガイドラインを二〇〇六年に発表しています。油汚染問題が発生した際、事業者はどのように対応するのかという考え方を示しています。そこには、人が感覚的に把握できる不快感や違和感を感じられなくなるようにすることと記しています。私は、この立場で事業者に臨むことが大切だと考えます。
 抜本的に悪臭を封じ込めるために、悪臭が発生し得る工事の際、住民の皆さんが求めているように、テントを建て現場を覆ってしまうことが有効です。江東区も業者にテントを張ることを過去に求めています。土壌環境センターの調査でも、土壌汚染対策工事において、汚染拡散防止のため、企業の四割がテントを使用したと回答しています。江東区内でテントを建てた企業の中には、十億円の費用をかけた企業もありました。周辺地域の住民に迷惑をかけないためには、それくらいするのが企業の社会的責任だと思います。
 今、工事は今週から二次掘削に入りました。二次掘削においても、においがきついと住民の皆さんから声が出されています。掘削は、一時中断する時期はありますが、二〇一六年の三月まで行われるとしています。業者も、悪臭はまだ続くと江東区に説明しています。
 本来は、こうした生活や健康の被害が起こっているならば、事業者である福山通運や五洋建設は被害軽減のためにさらなる対策を講じなければならないはずですが、住民の皆さんが抗議に行っても、頭がおかしいんじゃないかですとか、現場はにおっていないなどといったり、誠実に近隣住民に向き合う姿勢に欠けているところがあります。それだけに、都として強力な指導をすることが求められています。
 これから夏になります。このまま窓もあけられないような異臭があっては、クーラーも使えない、地獄だという声も出ています。抜本的な対策を行うまで工事は中断してほしいという住民の気持ちは当然です。悪臭のないこれまでの生活を取り戻したいという住民の立場で、福山通運株式会社と五洋建設株式会社に企業の責任を果たすよう都もさらに指導することを求めて、質問を終わります。

○野上委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、いずれも採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○野上委員長 起立少数と認めます。よって、陳情二六第一九号及び陳情二六第二〇号は、いずれも不採択と決定いたしました。
 以上で陳情の審査を終わります。
 以上で環境局関係を終わります。

○野上委員長 これより建設局関係に入ります。
 初めに、先般の人事異動により幹部職員に交代がありましたので、建設局長から紹介があります。

○横溝建設局長 去る四月一日付で異動のございました当局の幹部職員をご紹介いたします。
 道路管理部長の星野宏充でございます。三環状道路整備推進部長の川嶋直樹でございます。公園緑地部長の五十嵐政郎でございます。公園管理担当部長の桜井政人でございます。
 以上でございます。どうぞよろしくお願いをいたします。
   〔理事者挨拶〕

○野上委員長 紹介は終わりました。

○野上委員長 次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○佐藤総務部長 それでは、平成二十五年度予算の繰り越しにつきましてご報告を申し上げます。
 予算を翌年度に繰り越して使用する場合は、地方自治法施行令第百四十六条第二項及び第百五十条第三項の規定により、議会に報告することとされてございます。
 それでは、お手元の資料1、平成二十五年度繰越説明書の一ページをお開き願います。平成二十五年度繰越明許費総括表でございます。
 初めに、表の最上段、一般会計、土木費の行をごらんください。
 土木費のうち、今回、明許繰越を生じた事業の予算現額は三千二百九十九億三千百五十八万五千円、繰越明許費の予算議決額は三百五十六億四千二百万円で、二百七十二億九千二百五十八万三千円を翌年度へ繰り越しするものでございます。
 財源は、国庫支出金、繰入金及び繰越金でございます。
 次に、下から二段目、用地会計の行をごらん願います。
 この会計は財務局の所管でございますが、当局が執行委任を受けて執行したものでございます。
 翌年度繰越額は一億三千三百四十一万四千円で、財源は都債及び繰越金でございます。
 一般会計と用地会計を合わせた翌年度繰越額の合計は、二百七十四億二千五百九十九万七千円でございます。
 二ページをお開き願います。一般会計に係る明許繰越の事項についてご説明申し上げます。
 上段の番号1、土木補助は土木管理費でございます。
 繰越理由は、右側の説明欄に記載しておりますとおり、市町村が関係機関との調整や用地取得に伴う関係人との折衝などに日時を要したことによるものでございます。
 同じ二ページ下段の2、道路補修から五ページ下段の8、小笠原道路整備までは、道路橋梁費に係る繰越明許費の詳細を記載してございます。
 六ページをお開き願います。上段の9、河川防災から九ページ上段の15、河川災害復旧までは河川海岸費の詳細を、九ページ下段の16、公園整備から次の一〇ページ下段の18、霊園葬儀所整備までは公園霊園費の詳細をそれぞれ記載してございます。
 以上の事業のそれぞれの主な繰越理由は、地元住民や関係機関との調整、先行する工事の遅延や降雨による冠水の処理及び用地取得に伴う関係人との折衝に日時を要したことなどによるものでございます。
 一一ページをお開き願います。用地会計による公共用地先行取得でございます。
 繰越理由は、用地取得に伴う関係人との折衝に日時を要したことによるものでございます。
 一二ページをお開き願います。平成二十五年度事故繰越総括表でございます。
 予算の繰り越しは、繰越明許費の議決をいただいて行うのが原則でございますが、年度内に支出負担行為をし、避けがたい事故のため年度内に支出が終わらなかった経費につきましては、地方自治法第二百二十条第三項のただし書きの規定に基づき、事故繰越として翌年度に繰り越して使用することができることになっております。
 表の最上段、一般会計、土木費の行をごらん願います。
 翌年度繰越額は三十二億三千六百八十三万八千円で、財源は分担金及び負担金、国庫支出金及び繰越金でございます。
 一三ページをお開き願います。事故繰越の事項についてご説明申し上げます。
 上段の番号1、道路補修から一五ページ下段の6、橋梁整備までは道路橋梁費の詳細を、次の一六ページの7、中小河川整備と8、砂防海岸整備は河川海岸費の詳細を、最後の一七ページの9、公園整備は公園霊園費の詳細をそれぞれ記載してございます。
 以上の事業のそれぞれの主な繰越理由は、降雪による工事の一時中止、出水の発生に伴う対策工事や建設発生土の処分及び用地取得に伴う物件移転に日時を要したことなどによるものでございます。
 以上で、平成二十五年度予算の繰り越しにつきましてご報告を終わらせていただきます。よろしくお願いいたします。

○野上委員長 報告は終わりました。
 これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○野上委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○野上委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。

○野上委員長 次に、陳情の審査を行います。
 初めに、陳情二五第一〇八号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○星野道路管理部長 お手元配布の資料2、陳情審査説明表の整理番号1、陳情二五第一〇八号をごらんいただきたいと存じます。
 本件は、危険な側溝の安全対策に関する陳情で、杉並区の高橋秀俊さんから提出されたものでございます。
 その要旨でございますが、都において、杉並区和泉一丁目九番五号の北側に都が管理する深さ五十センチメートルの側溝が危険であるため、ふたをしていただきたいというものでございます。
 次に、現在の状況でございます。
 本陳情の側溝は、建設局所管の都有地である杉並区和泉一丁目三十番二に位置し、都道角筈和泉町線の北側に所在しております。側溝の深さは約五十センチメートル、幅は約四十五センチメートルとなっております。
 当該側溝については、定期的な清掃を行うとともに、現場状況の確認や区道と交差する箇所へ柵を設置するなど、安全確保に努めております。
 本要望に対する対応といたしましては、引き続き現地の状況を確認の上、必要に応じて子供にもわかりやすい注意喚起看板を設置するなど、安全対策を講じてまいります。
 説明は以上でございます。よろしくご審査のほどお願い申し上げます。

○野上委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○河野委員 陳情二五第一〇八号について意見を申し上げます。
 東京都は、これまでも柵の設置、そして、これから子供たちへの注意喚起板を設置するなど安全対策を講じる、そのことは明らかにされました。
 ここの側溝の長さはおよそ二百メートルあるということですから、夏を迎えた今、環境衛生上の問題も起こります。近隣住民の方々の意見に基づいて、さらに適切な対策を速やかに講じられるように求めて、私の意見といたします。
 以上です。

○野上委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、趣旨採択とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○野上委員長 異議なしと認めます。よって、陳情二五第一〇八号は趣旨採択と決定いたしました。

○野上委員長 次に、陳情二六第一号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○今村用地部長 整理番号2の陳情二六第一号をごらんください。
 本件は、都による道路用地買収の損失補償金の全額支払に関する陳情で、江東区の片庭勝巳さんから提出されたものでございます。
 陳情の要旨は、第一に、江東区東陽四丁目三番三号の東陽町セントラルタワー敷地について、都による用地買収の損失補償金として、用地引き渡し後の固定資産税、都市計画税相当分を支払うよう正すこと、第二に、前記の未払い金は、これまで都内全域で発生していると考えられるため、今後のオリンピック開催などに伴う用地買収においても同様のことが繰り返されることのないようにすることというものでございます。
 現在の状況でございますが、本件は、放射第三二号線、通称四ツ目通りの拡幅整備に伴い、当該マンション敷地約九百九十二平方メートルのうち、植栽等工作物が存する部分約百三十八平方メートルの事業用地を公益財団法人東京都道路整備保全公社に委託して取得したものでございます。
 土地、建物に対する固定資産税及び都市計画税は、その年の一月一日に所有者として固定資産課税台帳に登録されている者を納税義務者として課税されます。その後、年の途中で土地所有者がかわっても課税の変更は行われず、その年の納税義務者はかわることはございません。
 一方、都が事業用地を取得する際の公租公課の取り扱いにつきましては、土地売買契約書第九条、公租公課におきまして、所有権移転登記完了後であっても、甲、関係権利者を義務者として課されるものについては甲の負担とすると定め、公租公課の負担を明確にしております。
 本件土地の取得に当たりましても、契約内容を十分説明し、陳情者を含む全ての権利者八十六名からの委任状提出を受け、東陽町セントラルタワー管理組合理事長と東京都代理、公益財団法人東京都道路整備保全公社との間で、平成二十三年六月九日に上記条項を含む土地売買契約を締結し、その後、土地代金の支払いを完了しております。
 説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○野上委員長 説明は終わりました。
 本件についてご発言願います。

○米倉委員 陳情二六第一号について意見を申し上げます。
 この陳情の願意は、公共のために土地を提供しながら、その年度の固定資産税を所有者が支払うことに対し、何らかの補償や救済がされるべきではないかというところにあると考えます。
 公共もしくは公用のために土地を提供する場合、無償で譲渡されたり貸し付けられる固定資産については、既に都は、特別の事情があると知事が認める固定資産に対する減免の一つとして減免措置をとっています。有償であっても、土地所有者が公共もしくは公用のために土地を提供する場合に固定資産税を減免できる可能性がないかなど、土地所有者の固定資産税の負担軽減をするために、さまざまな専門家も交えて検討することが必要と考えます。
 以上のことから、陳情者の願意をそんたくし、趣旨採択としたいと考えます。

○野上委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○野上委員長 起立少数と認めます。よって、陳情二六第一号は不採択と決定いたしました。

○野上委員長 次に、陳情二六第八号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○横井道路計画担当部長 それでは、お手元の資料2、陳情審査説明表の整理番号3、陳情二六第八号をお開き願います。
 本件は、補助第一四四号線の整備における延焼遮断帯の形成に関する陳情で、江戸川区平井二丁目みちとまちづくりを考える会代表者深谷静雄さん外二百九十四人から提出されたものでございます。
 陳情の要旨は三点ございまして、一点目は、都市計画決定された昭和三十九年当時と現在は地権者が大分かわっているため、今回の事業計画決定に当たっては、都市計画法第二十一条を参照し、現在の地権者の三分の二の同意を得ること。
 二点目は、延焼遮断帯の形成は、車道でなく歩道を拡幅し、広場を兼ねるような住民の憩いの道にして、公園、防火施設なども備えること。
 三点目は、歩道の拡幅に当たっては、沿道の空き地、駐車場、売却を希望する敷地などの買い取りを基本とし、強制的な立ち退きは行わないことというものでございます。
 現在の状況でございますが、補助第一四四号線のうち、補助第一二〇号線から旧中川までの約五百メートルの区間につきましては、木造住宅密集地域であり、火災の延焼により被害を受ける危険性の高い地域でございます。このため、延焼遮断や沿道建物の不燃化促進などに効果が高く、避難経路や緊急車両の通行路ともなる本区間を特定整備路線に選定いたしました。
 都は、過去数度にわたり都市計画道路全路線の必要性の検証を行っており、首都直下地震の切迫性を踏まえますと、木密地域の改善に資する本区間の整備の重要性は増しております。
 なお、都市計画法第二十一条の二に、土地所有者などの同意を得るという要件が定められておりますが、これは土地所有者などが都市計画の決定及び変更を提案する場合の要件であり、都市計画道路の事業化に適用される条文ではございません。
 本区間につきましては、十五メートルの計画幅員に、停車帯のある二車線の車道九メートルとその両側に植樹帯のある無電柱化した歩道三メートルを設置し、車や人が安全かつ円滑に通行できる景観に配慮した道路として整備いたします。
 既に、地元説明会等におきまして、道路の整備形態など事業の概要を説明し、現在、用地測量を進めており、今年度中に事業化する予定でございます。
 事業の実施に当たりましては、用地の取得の進め方や補償内容などについて丁寧な説明を行い、関係権利者の理解と協力を得ながら必要な用地を取得してまいります。
 説明は以上でございます。よろしくご審査のほどお願い申し上げます。

○野上委員長 説明は終わりました。
 本件についてご発言願います。

○桜井委員 陳情二六第八号、補助第一四四号線の整備における延焼遮断帯の形成に関する陳情について、私の方からちょっと質問をさせていただきます。
 ことし三月、国は、首都直下地震により震度六弱以上の揺れに見舞われると想定される一都九県を緊急対策地域に指定するとともに、対策計画を策定しました。この中で、基盤整備がおくれている木造住宅密集地域の解消に取り組むべきとしておりますが、東京都は国に先駆け、木密地域不燃化十年プロジェクトを立ち上げ、木密地域の改善に今、全力で取り組んでいるところであります。
 私の地元墨田区の放射第三二号線では既に用地取得が進められておりますが、首都直下地震に備え、一刻も早く他の特定整備路線にも着手し、着実に地域の不燃化を進めるべきと考えます。
 そこで、特定整備路線の取り組み状況と今後の予定について、最初にお伺いいたします。

○横井道路計画担当部長 特定整備路線に選定した二十八区間のうち、昨年度は、補助第二九号線の大崎、豊町区間など六区間の事業認可を取得し、現在十二区間で事業に着手しております。
 その他の区間につきましても、既に事業説明会を開催し、設計、測量作業などを進め、今年度中に二十八区間全てで事業に着手してまいります。

○桜井委員 わかりました。
 首都直下地震が三十年以内に発生する確率は、前からも話がありますが、七〇%と推定されているわけであります。
 先ほど説明があった特定整備路線補助第一四四号の沿道地域についても、大地震により火災が発生すれば、大きな被害に見舞われる可能性があるわけです。
 そこで、補助第一四四号線の整備効果と今後の予定についてお伺いをいたします。

○横井道路計画担当部長 昨年九月に公表いたしました地震に関する地域危険度測定調査で、補助第一四四号線沿道の平井二丁目地域は、地震に対する倒壊危険度及び火災危険度がともに、最も高いランク五となっております。
 延焼シミュレーションによれば、本路線を整備することで、火災の延焼面積をほぼ半減させることができるとともに、避難、救命、救援にも資するなど、防災性の向上に大きな効果を発揮いたします。
 現在、事業化のための測量などを進めており、今年度中に事業に着手してまいります。

○桜井委員 ただいまの説明で、整備効果と今後の予定はわかったわけでありますが、一方で、長年この地域に住み続けてきた住民の方々は、延焼遮断を初め防災性の向上に資する特定整備路線の整備の必要性は理解されていると思いますが、事業に伴う移転や再建に不安を感じているということは、これはもう事実だというふうに考えます。
 そこで、関係権利者の生活再建をどのように支援していくのか、改めてお伺いいたします。

○今村用地部長 本路線の整備に当たりましては、関係権利者の生活再建に十分配慮し、理解と協力をいただきながら事業を進めていくことが重要でございます。
 このため、全ての関係権利者の意向を確認するとともに、民間の専門事業者を活用した相談窓口を設置いたします。あわせて、移転資金について優遇金利で貸し付けを行うほか、都営住宅のあっせんや代替地の提供など、関係権利者の意向を踏まえた生活再建の支援を行ってまいります。

○桜井委員 今後も生活再建に十分配慮して、地元に丁寧に説明を行っていただきながら、地域の防災性の向上に有効な特定整備路線の整備を推進していっていただきたいというふうにお願いを申し上げて、質問を終わります。

○河野委員 私も、補助第一四四号線の整備における延焼遮断帯の形成に関する陳情について質問いたします。
 昨年から東京都は、平井二丁目の都市計画道路一二〇号線を起点として旧中川までの約五百メートルを、都市計画道路補助一四四号線特定整備路線として幅員十五メートルに拡幅整備するとして、住民説明会を始めています。
 現道は、幅員五メートル余りの静かな住宅街を通っている、いわゆる生活道路です。一四四号線が都市計画決定されたのは一九四六年、その後、一九六四年、昭和三十九年でありますが、ここで都市計画変更が行われております。それから五十年たっているわけです。地元では当時のことを知る人も少なく、寝耳に水の話と驚きの声が上がっています。
 昨年十月十六日、特定整備路線補助一四四号線の事業について、東京都の第一回住民説明会が開催されました。突然の道路拡幅計画に、参加者から質問や意見が多く出されたとのことです。住んでいる地域に都市計画道路の路線設定があることを知らない人が多数なわけですから、疑問や意見が出るのは当然です。
 説明に当たった東京都第五建設事務所の担当者は、補助一四四号線は昭和三十九年に都市計画決定されている、都は事業の実行への意思決定をしている、強制収用の権限もあると述べたそうです。参加した地域住民はその言葉に大変衝撃を受け、厳しい批判の声も上がりました。建設局は、このことについてどういう認識をお持ちでしょうか。
 初めて開いた説明会で強制収用の権限もあるなどというのは強権的な態度にほかならない、私はそのように感じるのですが、地域住民の気持ちに寄り添う姿勢とはほど遠いのではないかと感じます。ご見解はいかがですか。

○横井道路計画担当部長 ご指摘の説明会は、補助一四四号線沿道の方々に、事業の目的や計画の概要、進め方などを理解していただくために開催したものでございます。
 今後とも、関係者の理解と協力を得られるよう、丁寧な説明や対応に努めながら事業を推進してまいります。

○河野委員 地元の江戸川区議会では、昨年十二月の本会議で質問がありまして、答弁に立った多田区長が、東京都の説明の中で非常に住民の皆さんを刺激するようないい方をするというのは、私たちにとっても非常に残念なことと答弁して、区民の一つの非常にかかわる事業ですから、略しますけれども、東京都に対しても不適切な発言はしないでほしいということは当然要求してもよいとして、さらに、東京都に十分申し入れをしなければいけないことだと考えておりますと、そういうふうに答えています。
 特定整備路線の事業が地域住民にとって、多田区長が述べているように、区民の一つの非常にかかわる事業という重大な問題だという認識が、事業者である東京都の考え方の基本に据えられているのでしょうか。道づくりやまちづくりの事業の大前提は、関係地域住民の納得、合意を最大に尊重することではないでしょうか。
 建設局の基本姿勢を改めて伺っておきます。お答えください。

○横井道路計画担当部長 都は、事業に先立ち地元説明会を開催し、その必要性や進め方を説明するとともに、幅広いご質問やご意見に答えてまいりました。加えて、平成二十六年一月には、個別相談会を三日間にわたり開催いたしました。さらに、いろいろなお問い合わせに対しても随時対応してきております。
 また、今後、用地取得、設計、工事の各段階において、必要に応じ、関係権利者や沿道住民、地元区などの意見を伺いながら事業を進めてまいります。

○河野委員 私が今申し上げたかったのは、住民の生活の場を東京都が事業を進めていく上では、やっぱりその地域の住民の皆さんの声をしっかりと捉えていくことが、まずスタートの時点で据えられていかなくてはいけないんじゃないかということで建設局の基本姿勢を伺いましたので、よろしくお願いいたします。
 次に、シミュレーションのことについて伺います。
 一四四号線の延焼シミュレーションは、沿道不燃化を行えば、焼けどまり効果は一〇〇%になるものの、沿道不燃化を行わない場合は、六メートルの風であっても、焼けどまりは十二カ所中四カ所、八カ所は延焼突破してしまう、こういう結果が出ております。
 五百メートルの全長全体が不燃化されれば防火帯になるのはわかります。しかし、一四四号線では、道路にかかる家が立ち退いたり、用地買収後の残地で不燃化建築に建てかえをしたりしても、直接道路にかかっていない沿道の住宅は数多くあるわけですから、これらの住宅は、強制力をもって不燃化をしてくださいと、こういう建てかえを求める仕組みはないわけです。
 この場合、不燃化されていないところを目指して火が来たときに延焼突破されてしまうのではないかということを、シミュレーションを詳細に見せていただきまして考えているところですけれども、この点はいかがでしょうか。

○横井道路計画担当部長 本区間の延焼シミュレーションにおきましては、本事業に伴い建てかえる建物は、準耐火または耐火建築物としておりますが、計画線にかかっていない建物は、現状の構造のままとして延焼遮断効果を確認しております。
 このシミュレーションでは、道路を越えて火が燃え広がらないという結果が得られております。

○河野委員 三種類のシミュレーションを見せていただきましたけど、やはり建物が、沿道に沿って不燃化されない家が残った場合には、そこは火はちゃんと伸びていくわけですよね。そういうことを考えれば、建設局のお考えは、建物状況を考慮するとか、そういうことはおっしゃっておりますが、つまり、沿道の家屋などが不燃化されれば道路を越えないという話であり、沿道の家屋が現況のままであれば、火は越えていく。
 (資料を示す)これは、私、きょうシミュレーションを持ってまいりましたけれど、十二カ所中とまるのは、焼けどまり四カ所というシミュレーションもあるわけで、繰り返しになりますけれども、沿道の建物を強制的に短期間で不燃化することができないのが事実なので、私自身としては、シミュレーションが一〇〇%正確なものであるとは受けとめていないので、申し上げておきます。
 次に質問を移ります。
 陳情者は、大震災のときに火が越えないまちづくりを進めるには多様なやり方があると陳情文で示しておられます。ここで、地震火災の防止策について幾つか伺います。
 二〇一一年の東京消防庁火災予防審議会答申に、木造住宅密集地域において緊急に実施すべき震災対策というのが地震発生から終息までフロー図で示されております。震災で出火した場合、まず火元の初期消火、次に消火器等による隣保初期消火、次に軽可搬消防ポンプ、これらで地域住民による延焼阻止、続けて消防団、消防署による延焼阻止、そして、建設局がおっしゃる延焼遮断帯、道路の拡幅によって火を防ぐという対策もあるということで、大事なのは初期消火ということが位置づけられております。
 昨年十二月に出ました中央防災会議の首都直下地震の被害想定と対策についての最終報告では、住宅耐震や感震ブレーカー設置など、あわせて初期消火と、こういう両方の対策を打っていけば、火災による死者を九五%減らすことができるとされています。
 その点で、建設局としても出火防止の対策や初期消火対策を重視していただくことが必要だと思うのですが、延焼防止帯に力を注いで、今、都が災害に強いまちづくりを進めておられますけれども、こういう多様な手法について力を注ぐこと、特に中央防災会議や東京消防庁がいっているような対策に力を注ぐことが重要だと考えますが、その点で建設局のお考えをお示ししていただきたいと思います。

○横井道路計画担当部長 平成二十三年の火災予防審議会の答申では、先生のご質問の中にありました木造密集地域における出火対策や初期消火は、まずは緊急に実施すべき対策として掲げられております。
 さらにそれ以降には、その出火対策や初期消火だけでなく、都市計画道路などを優先的に整備し、これにより消火活動困難区域の解消などを図っていかなければならないとしております。
 延焼遮断帯を形成し、木密地域の安全性を向上させる特定整備路線を積極的に整備してまいります。

○河野委員 繰り返しますけども、初期消火と、そういう住宅耐震とかいろんな手を打てば、九五%の人の命が火災から救われるということはあるわけなので、ここは十分にこれからも都政の中で位置づけていただきたいということを要望しておきます。
 東京消防庁の火災予防審議会答申にあるように、隣近所の助け合いが命を守る大きな力になる、これは、これまでの大震災の経験からも明らかであります。その点で問題なのは、道幅が広い都市計画道路によって地域が分断されていくということです。
 昨年十二月二十日と、ことし五月二十三日の東京新聞、きょうコピーを持ってまいりましたけれど、ここでは、道路の拡張で共助がしぼんでしまう、そして、防災道路、地域を分断する、幅二十メートルの道路で助け合いの力が弱まるという記事が出されています。テレビでも同じような報道がありました。平井の一四四号線地域でも、住民同士のこれまで築いてきたコミュニティが崩れてしまう、このことが心配されると、同様の意見が出されているんです。
 道路の拡幅によって地域が分断されて、大事な助け合いの力が十分に生かされないまちになってしまうのではないかということが大変懸念されているわけなんですけれども、建設局はいかがお考えでしょうか。

○横井道路計画担当部長 地域の防災性を高めるためには、自助、共助、公助がともに大切でございます。そのうち、公助である補助第一四四号線の整備は、災害時の延焼を遮断するなど、地域を災害から守るために必要不可欠な施設でございます。

○河野委員 私たちも、これまで防災対策では、とにかく自助、共助がまず先行し、公助も支えますよということでありますが、都市計画道路、この特定整備路線でいえば、とにかく公助はしっかり頑張るという東京都の考え方だと思うのですけども、東京消防庁とか中央防災会議がいっているような多くの人の命が救える対策があるということでは、道路一辺倒ではない、そういう都政運営が必要であるというふうに私は思いますので、そのことを申し上げておきます。
 それで、次の質問ですが、江戸川区が補助一四四号線地域の住民に行った最近のアンケートでは、八六%の人がこの地域に住み続けたいと答えています。高齢者が安心して住める環境づくり、そういうことを求めているのが六五%の回答となっています。今は、この一四四号線沿線は静かな住宅街でありますから、この生活環境を守って住み続けたい、その思いが強いことが住民の意思としてわかります。
 地域では、車が通る道になってしまえばまちは分断されるが、避難路や憩いの場を兼ねた歩道の拡幅なら安心だという声も聞かれております。広場や生活道路の整備は、焼けどまりや避難路、消防車両の確保にも有効だと私たちは考えます。地域の人たちも同じような思いを抱いています。
 この住民要望や提案に応えて多様な地域火災防止の対策を検討して、住民とともに力を携えてさまざまな手法を選択していくべき、そういうことが必要なんじゃないかと私は思うのですが、どうでしょうか。

○横井道路計画担当部長 補助第一四四号線が延焼遮断帯として機能を発揮するためには、連続して一定の幅員の用地を確保する必要がございます。あわせて、平井二丁目地域につきましては、不燃化特区制度を活用した面的な不燃化対策が実施されております。
 これらの施策に連携して取り組むことにより、当該地域の防災性の向上を図ってまいります。

○河野委員 すれ違いのご答弁もいっぱいで、どうしようという感じですが、地域の皆さんの率直な、切実な意見を聞いてまいりました。紹介したいと思います。
 六十代の女性。ひとり暮らしです、病気なので、家が片づかず引っ越しもできません、道路にするなら住む家をつくってほしい。
 七十代の女性。大変不安です、片づけも手につかず、体のぐあいが悪いです、高齢者は自分で家を探せません、共同住宅を東京都の土地につくってください。
 八十代の女性。不安で体重が減りました、残地を買い取ってほしい、三年前に家を改築しました、計画があるなら十年前にいってほしかった。
 それから、ことしちょうど六十歳になった女性です。昭和五十四年建築の家に住んでいます、新築や改装はできません、退職後、銀行はお金を貸しません、補助金ではどうすることもできません、何もできない人はどうすればいいのでしょうか、行政はそこに住んでいる人のことを考えてください、人間あってのまちづくりではありませんか、すごく怒っています。
 もっともっといっぱいあるんです。きょうは一部しか紹介できませんけれども、その他、たくさんの方が意見を述べています。多くの人が、不安の中で今、生活を送っているわけです。
 都は、地域住民のこのような大変な生活実態を把握しておられるのでしょうか。そして、不安を抱いている人たちの気持ちを理解されているのでしょうか。その点についてお答えをいただきたいと思います。

○今村用地部長 事業用地の取得に当たりましては、まず、全ての関係権利者の移転や再建に関する意向調査を実施いたします。その上で、相談窓口や用地折衝の中で、お一人お一人の考慮すべき事項や生活再建に関する要望などを詳細に把握してまいります。

○河野委員 これは、今お答えいただいたのは、今後努力していただくという方向だと思います。私は、皆さんが特定整備路線に指定する前段で、やはり地域の生活実情、地域の皆さんの意向について、いろんな形で、パブリックコメントも含めて意見を聞いた上で計画が立てられていくということが大事なんじゃないかと思いますので、その点は、努力はされるということはありますけれども、これまでどうだったのかということも改めて検討をしていただきたい、そのように思います。
 これから建設局は事業を進めていくわけですね。今、その意思を明らかにされましたけれども、本当に戸惑い、悩んでいる住民の生活支援について十分な対策を講じる準備はどうなっているでしょうか。
 アパートや借家に住んでいる所得が少ない人にあっせんできる都営住宅は、特定整備路線二十八路線全体で六十戸程度ということを聞いています。補助一四四号線の場合、住宅の立ち退きを余儀なくされる人は、地元江戸川区のお話ではありますが、おおよそ六十棟ぐらいといわれています。建設局の代替地の一覧も見ますと、江戸川区内に、平井から遠い地域であります江戸川一丁目と三丁目の二カ所しか建設局が持っている用地はないわけです。これではとても容易に移転先を定めることはできない、そういうふうに思いますし、都営住宅そのものも、全都で六十戸程度しか用意されていないわけですから大変なことです。住みなれた地域で生活し続けたいという住民の要望に、これでは応えられないというふうに私は率直に思います。
 都は、民間の業者に委託して、それぞれの特定整備路線のところに、直近の場所に地域の相談窓口をつくって丁寧に親切に対応していくというようなことを説明されておりますが、とても説得力を持つものではないと感じます。
 住民の生活支援を、不安ないようにどのように進めるのか、先ほど意向調査のお話もありましたけれど、現段階で建設局が考えておられる対策について、住民や私たちが納得のいく形でお示しをいただきたいと思います。

○今村用地部長 初めに、関係権利者の生活再建につきましては、民間専門事業者による相談窓口の設置、都営住宅のあっせんや代替地の提供、優遇金利による移転資金の貸し付けなど支援策を実施し、きめ細やかにサポートしてまいります。
 それから、お尋ねの移転先についてでございますが、関係権利者の方々は、土地、建物をお持ちの方あるいは借地にお住まいの方、賃貸住宅に住んでいらっしゃる方、それぞれお住まいの形態はさまざまでございます。このため、権利者お一人お一人の事情や要望に応じた生活再建の支援を行う必要がございます。
 例えば、都営住宅を希望される方には、一般の募集とは別に、お話にあったとおり移転先の枠を確保しております。入所資格を満たす方々の意向を踏まえてあっせんしてまいります。具体的には、住宅の場所あるいは広さ、エレベーターや駐車場の有無など、あっせんを希望される方の事情や要望を今後十分確認した上で対応してまいります。
 代替地につきましても、土地評価や建物調査等により補償金を算定し、用地折衝を行う中で、お一人お一人の移転先に関する具体的な要望、事情あるいは資金計画なども十分伺い、都が保有する代替地や今後取得する代替地を紹介してまいります。
 今後、移転先となる土地や建物につきましては、代替地や都営住宅だけではなくて、民間の相談窓口による物件の紹介などもあわせて確保し、関係権利者お一人お一人の生活再建のサポートに努めてまいります。

○河野委員 基本的には、一四四号線沿線地域の住民の皆さんの多くの方が、このまちに住み続けたいと思っておられるんですね。そこはしっかりと捉えていただきたいと思います。
 一四四号線関係地域の皆さんは、本当に大変な不安、心配の中で毎日を過ごしています。皆さんの不安は、この地域にとどまらず、東京都が今、都内各地でいろいろ事業を進めようとしている特定整備路線予定地全体の方々にも共通したものです。
 首都直下型地震に備えた防災対策は都政の重要課題である、これは私たちも十分に認識しています。その上で、災害に強い東京をつくる上で、地域住民の存在は大きな力となるわけです。東京都がそのことをしっかりと捉えて、住民の声を尊重した事業、取り組みをされるように最大の努力を尽くされるように、そのことを強く求めまして質問を終わりたいと思います。陳情は、趣旨採択をお願いしたいと思います。

○山内委員 補助第一四四号線の整備における延焼遮断帯の形成に関する陳情に対し、趣旨採択の立場から一言意見を申し上げます。
 江戸川区平井二丁目付近の補助一四四号線の拡幅は、二〇〇四年の第三次事業化計画の優先整備路線には入っておりません。二〇一三年四月の木密地域不燃化十年プロジェクトの地区にも入っておりません。
 ところが、昨年十月、不燃化特区の取り組みを新たに開始する地区に選定されたことから、突如、補助一四四号線が延焼遮断帯の特定整備路線として事業化されることになりました。
 住民説明会は、昨年十月に一回、七年後の二〇二〇年に完成を目指すという、非常にタイトなスケジュールが示されました。住民は六割が六十五歳以上、その後すぐに個別相談で移転先を決めよということでは、余りにもむごいのではないでしょうか。
 木密地域不燃化十年プロジェクトには、地域密着型の意見交換会をするとしております。しかし、たった一回の説明会は、地域密着型の意見交換会とはいえません。しかも、示された道路計画案は、依然として車優先に拡幅する計画です。
 都は、個別相談の前に、防災のまちづくりの観点から、この道路の必要性や、どのような道にするのかを含めて、住民参加で丁寧に進める必要があると考えます。
 現在、不燃化特区は三十八地区。ことし四月、都ではさらに募集をいたしました。不燃化特区の中には、この路線のように突然浮上する特定整備路線もあります。防災という生命や財産を守るためという目的を達成するには、なおのこと丁寧な説明と住民合意による安全・安心のまちづくりをするよう改めて申し上げて、趣旨採択の意見とさせていただきます。

○野上委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○野上委員長 起立少数と認めます。よって、陳情二六第八号は不採択と決定いたしました。

○野上委員長 次に、陳情二六第一八号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○中島河川部長 整理番号4、陳情二六第一八号をごらんください。
 本件は、亀島川船舶係留保管施設整備計画不認可に関する陳情で、中央区の大内政尚さん外九人から提出されたものでございます。
 その要旨でございますが、都において、亀島川船舶係留保管施設の周辺環境及び近隣住民の生活環境を保全するため、三点のことを実現していただきたいというものでございまして、一点目は、亀島川船舶係留保管施設として認定しないこと、二点目は、現在の放置船舶に対しては、東京都船舶の係留保管の適正化に関する条例に基づき、法的手段をとり、迅速な措置を講ずること、三点目は、既に認可している五隻のプレジャーボートの認可を撤回し、今後もプレジャーボートの不法係留を認可しないことというものでございます。
 この要旨に対する現在の状況でございますが、亀島川は、日本橋川と隅田川を結ぶ延長約一キロメートルの河川であり、現在、都が船舶係留保管施設を建設中でございます。
 亀島川では、不法係留船舶により周辺の生活環境が悪化し、従来から、管理者である中央区が船舶所有者に対する是正指導を行ってまいりました。
 加えて、東京都が進めております亀島川護岸の緑化整備工事にも支障が生じているため、都は、東京都船舶の係留保管の適正化に関する条例により策定いたしました東京都船舶の係留保管適正化計画に基づき、不法係留船舶の適正化を進めております。
 具体的には、不法係留船舶の受け入れ先となる船舶係留保管施設を亀島川に建設した上で是正指導を強化することといたしまして、平成二十六年一月から係留保管施設の整備を開始いたしました。
 整備に当たりましては、地元の理解を得るため、平成二十五年二月より、亀島川沿川の町会に対し、延べ八回の説明会を開催するとともに、施設隣接地の地権者等に対しまして個別説明を行ってまいりました。
 現在、都と中央区が連携して是正指導を行っており、一部の船舶につきましては既に自主移動しておりますが、係留保管施設の供用開始後は、船舶の自主移動や施設への誘導など是正指導をさらに強化するとともに、東京都船舶の係留保管の適正化に関する条例に基づき適正化区域を指定し、船舶の不法係留の解消を図ってまいります。
 また、亀島川の河川占用につきましては、管理者である中央区が河川法に基づき適正に許可を行っております。
 説明は以上です。よろしくご審査のほどお願い申し上げます。

○野上委員長 説明は終わりました。
 本件についてご発言願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○野上委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、不採択とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○野上委員長 異議なしと認めます。よって、陳情二六第一八号は不採択と決定いたしました。

○野上委員長 次に、陳情二六第二一号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○川合道路保全担当部長 整理番号5の陳情二六第二一号をごらんいただきたいと存じます。
 本件は、自転車疾走防止柵設置に関する陳情で、八王子市鹿島地区連絡協議会会長飯嶋建治さん外八人から提出されたものでございます。
 その要旨でございますが、自転車の疾走を防止する柵を設置していただきたいというもので、まず第一点目は、都道第一五六号の三本松陸橋交差点から多摩センター駅入り口交差点までの南方向に傾斜する東側の歩道に自転車の疾走を防止する柵を設置すること、二点目は、三本松陸橋交差点から北方向に傾斜する歩道についても同様の措置を講ずることというものでございます。
 次に、現在の状況でございます。
 まず、一点目でございますが、三本松陸橋交差点から南方向の多摩センター駅入り口交差点までの区間につきましては、両側に歩道があり、下り坂となっていることから、両側の歩道内を高速度で通行する自転車が見受けられます。
 西側の歩道につきましては、自転車を減速させるための柵などを設置するとともに、東側の歩道につきましては、自転車の減速を促す注意喚起看板を設置するなど安全確保に努めております。
 引き続き、東側の歩道につきまして、歩行者や自転車の通行状況等を踏まえ、交通管理者と調整しながら必要な安全対策を講じてまいります。
 次に、二点目でございますが、三本松陸橋交差点から北方向の松が谷駅周辺までの区間につきましても、緩やかな下り坂が続いていることから、引き続き、三本松陸橋交差点から南方向と同様に、歩行者や自転車の通行状況等を踏まえ、交通管理者と調整しながら必要な安全対策を講じてまいります。
 説明は以上でございます。よろしくご審査のほどお願い申し上げます。

○野上委員長 説明は終わりました。
 本件についてご発言願います。

○こいそ(明)委員 それでは、本陳情二六第二一号について、まずお聞きをしたいと思います。
 道路は都民が安全に利用できるよう管理をしていくことが、これはいうまでもなく重要であると思います。
 建設局は、日常的にもパトロールや道路の維持補修工事などに取り組んでいただいておりますけども、それにつきましては、私もよく、さまざまな道路、都道を見させていただいて感謝をしているところであります。
 私も、このように、日ごろから歩行したり車で通行させていただいておりますけども、それらの中で、やはりいろいろと気づくところがありますよね。当然、私だけじゃありませんけども。そのようなときには、建設事務所に改善のお願いもさせていただいているところでございます。
 それに対しては敏速に対応していただいておりますけども、本陳情区間は、私の地元に重なっているところなんですね。(「八王子のために済みません」と呼ぶ者あり)いや、八王子というか多摩センターだから……。ちょうど重なっていますので、近くに団地や大学、駅があるため、朝夕に歩行者や自転車利用が多いわけです。
 ところで、本陳情区間の道路の現況はどのようになっているのか、お聞かせいただきたい。

○川合道路保全担当部長 三本松陸橋交差点から南方向の約三百メーターにつきましては、道路勾配は約七%でございまして、三本松陸橋交差点から北方向の約三百メーターにつきましては、道路勾配は約六%でありまして、いずれも下り坂でございます。
 また、歩道の有効幅員は約二メーターであり、バス停部分では約一・五メーターでございます。

○こいそ(明)委員 このような本陳情の区間は、ただいまのご答弁にありましたように、勾配が結構ありますよね。そのような下り坂でありますけども、歩道が狭いということは、これはまた共通の認識ではないかと思います。
 このような道路状況であると、やはりついつい自転車のスピードが出てしまうという状況もあろうかと思うんですね。それゆえに、危険行為というんですかね、歩行者と接触してしまう可能性も出てくる。
 そこで、これまで本陳情区間の安全対策を具体的にどのように行ってきたのか伺いたいと思います。

○川合道路保全担当部長 三本松陸橋交差点から南方向につきましては、北方向よりも道路勾配が大きく、歩道内を高速度で通行する自転車が見受けられることから、先行して安全対策を講じております。
 具体的には、東側の歩道につきましては、自転車の減速を促す注意喚起看板を三カ所設置してございます。
 西側の歩道につきましては、途中で緩やかにカーブし、見通しがよくないこともございまして、自転車を減速させるための柵などを三カ所設置してございます。

○こいそ(明)委員 三本松陸橋交差点から南方向について、一部、安全対策を講じていただいているということはわかりました。
 しかし、陳情の内容にあるとおり、地元の方々はまだ、やはり日常的に不安を感じられている方々は多いようであります。さらに安全性を高める必要性があるかと考えるわけでありますけども、このため、本陳情区間における今後の対応を伺いたいと思います。

○川合道路保全担当部長 三本松陸橋交差点から南方向の東側の歩道と北方向の両側の歩道につきまして、引き続き、歩行者や自転車の通行状況等を踏まえ、交通管理者と調整し、ポストコーンの設置や注意喚起の路面表示など必要な安全対策を講じてまいります。

○こいそ(明)委員 この陳情区間について、建設局が安全対策を講じていくこと、しっかりやっていきますよというようなお話だったというふうに受けとめておりますけども、引き続き、都民が道路を安全に安心して利用できるように、必要な対策をしっかりとこれからもとっていただくことを強く要望いたしまして、終わります。

○大西委員 私も、この陳情について質問させていただきます。
 本陳情区間について、歩行者や自転車の通行状況等を踏まえ、交通管理者と調整しながら安全対策を講じると先ほどおっしゃっておりました。
 まず、この三本松陸橋交差点から南方向については、東側と西側の歩道に安全対策を実施しているということですが、対策内容が異なるのはなぜか、もう一度ちょっと確認させてください。

○川合道路保全担当部長 西側の歩道につきましては、途中で緩やかにカーブし、見通しがよくないこともございまして、自転車を減速させるための柵などを設置しております。
 一方、東側の歩道につきましては、自転車の減速を促す注意喚起看板を設置しております。

○大西委員 歩道の見通しから、対策内容が違うということですね。
 ところで、片方は注意喚起看板ということでございますが、この注意喚起看板は、一般的にどのような場合に設置しているのか伺います。

○川合道路保全担当部長 注意喚起看板は、利用者へ勾配や幅員など道路の状況を認識してもらうことで安全な利用を促す場合に設置しております。

○大西委員 注意喚起看板の定義というのは今おっしゃったとおりですけど、きょうの一番最初の建設局の陳情の中にも、子供が危なくないように注意喚起看板をつけると、そういう話もありましたが、私は、この注意喚起看板とか、先ほど部長もいわれましたが、路面表示はどれぐらい効果があるのかなと思います。
 例えば、渡るなというと、そこを越えて渡っている、また、犬のふんをするなという看板の下でふんをしている犬、また、自転車放置禁止ですよという前に自転車をとめていく人、皆さんも、こういう人を見られることはたくさんあると思います。
 これは残念ではありますけど、でも、一方で、道路上に膨らんだところ、車がスピードを出せないようにするところがありますね。あれはやっぱり、車はスピードをそこで緩めようとします。また、街路樹をジグザグにつけて、住宅地の中をこういうふうにジグザグに動くようなところもあります。こういうのは効果があると思います。もしこれらがなかったら、幾ら、ここはゆっくり走ってくださいと書いても、中には猛スピードで走っているやつも出てくるでしょう。
 今回のこの自転車走行については、私はある意味、強制的にスピードを落とさなければならない施策が必要じゃないかなとも思っているところでございます。書かないよりは書いた方がいいでしょうけど、この注意喚起看板の効果には、私は若干、残念ですけど、疑問があると思います。
 場所や状況によって物理的な対応、強制的にスピードを緩めさせるとか、できなくさせる、そういう必要もあるのではないかという意見を表明させていただいて、質問を終わります。

○野上委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、趣旨採択とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○野上委員長 異議なしと認めます。よって、陳情二六第二一号は趣旨採択と決定いたしました。
 以上で陳情の審査を終わります。
 以上で建設局関係を終わります。
 なお、本日審査いたしました陳情中、採択と決定いたしました分につきましては、執行機関に送付し、その処理の経過及び結果について報告を請求することにいたしますので、ご了承願います。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後二時三十九分散会

ページ先頭に戻る

ページ先頭に戻る