委員長 | 野上ゆきえ君 |
副委員長 | 桜井 浩之君 |
副委員長 | 河野ゆりえ君 |
理事 | 小林 健二君 |
理事 | 山内れい子君 |
理事 | 相川 博君 |
米倉 春奈君 | |
舟坂ちかお君 | |
高椙 健一君 | |
大西さとる君 | |
小磯 善彦君 | |
高橋かずみ君 | |
林田 武君 | |
こいそ 明君 |
欠席委員 なし
出席説明員環境局 | 局長 | 長谷川 明君 |
次長 | 石野 利幸君 | |
環境政策部長 | 吉村 憲彦君 | |
建設局 | 局長 | 横溝 良一君 |
次長 | 前田 敏宣君 | |
道路監 | 邊見 隆士君 | |
総務部長 | 佐藤 敦君 |
本日の会議に付した事件
予算の調査(意見開陳)
・第一号議案 平成二十六年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為 環境・建設委員会所管分
・第百二十九号議案 平成二十六年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、歳出 環境・建設委員会所管分
付託議案の審査(決定)
・第九十六号議案 都民の健康と安全を確保する環境に関する条例の一部を改正する条例
・第九十七号議案 鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律施行条例の一部を改正する条例
・第九十八号議案 東京都省エネルギーの推進及びエネルギーの安定的な供給の確保に関する条例の一部を改正する条例
・第九十九号議案 東京都地球温暖化対策推進基金条例を廃止する条例
・第百号議案 東京都道路占用料等徴収条例の一部を改正する条例
・第百一号議案 東京都河川流水占用料等徴収条例の一部を改正する条例
・第百二号議案 東京都霊園条例の一部を改正する条例
・第百三号議案 東京都葬儀所条例の一部を改正する条例
・第百二十一号議案 平成二十六年度の連続立体交差事業の実施に伴う費用の関係特別区・市の負担について
請願陳情の継続審査について
特定事件の継続調査について
○野上委員長 ただいまから環境・建設委員会を開会いたします。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、予算の調査、付託議案の審査並びに請願陳情及び特定事件の閉会中の継続審査及び調査の申し出の決定を行います。
初めに、予算の調査を行います。
第一号議案、平成二十六年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為、環境・建設委員会所管分及び第百二十九号議案、平成二十六年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、歳出、環境・建設委員会所管分を一括して議題といたします。
本案については、いずれも既に質疑を終了いたしております。
これより意見の開陳を行います。
順次発言を願います。
○舟坂委員 私は、東京都議会自由民主党を代表いたしまして、環境・建設委員会に付託された平成二十六年度東京都予算関係議案について意見の開陳を行います。
初めに、各局共通事項について申し上げます。
平成二十六年度予算案は、都民の安全・安心の確保に向けた取り組みや、都市の活力を向上させる取り組みに重点的に財源を投入しており、その結果、政策的経費である一般歳出が二・五%の増となるなど、オリンピック・パラリンピックに向けて東京の魅力を一層高めていくために必要な取り組みを推進するものとなっております。
また、緊急輸送道路の機能確保など都市基盤の高度防災化や、国際競争力の向上に資するインフラ整備など、投資効果の高い事業に積極的に財源を振り向けた投資的経費は、十年連続の増加となっております。
一方で、事業評価などを通じ、施策の効率性や実効性を向上させる自己改革の取り組みをさらに推進した上で、都債を計画的に活用し、基金の残高確保に努めるなど、財政基盤のより一層の強化を図っています。これは、必要な施策の充実と、それを支える財政基盤の堅持という二つの課題にしっかりと対応したものであり、評価するものであります。
景気の回復を受け、都税収入は三年連続で増加となりましたが、景気変動の影響をまともに受ける構造にある都財政の歴史を踏まえれば、決して楽観視できる状況にはありません。東京を世界で一番の都市にの実現に、引き続き堅実な財政運営に徹することを望みます。
最後に、現下の都民生活を取り巻く状況を適切に踏まえ、都民が施策の効果をできる限り早期に享受できるよう、各局とも迅速かつ着実な予算執行に努められるよう強く要望いたします。
次に、各局関係に移ります。
最初に、環境局関係について申し上げます。
一、スマートエネルギー都市を目指し、家庭やオフィスなどのあらゆる主体においてエネルギーマネジメントを推進し、東京におけるエネルギー利用の効率化、最適化を促進されたい。
一、中小の医療、福祉施設に対し、創エネ機器の導入等を支援する仕組みを構築し、エネルギーマネジメントを推進されたい。
一、新たに官民連携によるファンドを創設し、都内及び東北地方などにおいて再生可能エネルギーによる発電を普及拡大されたい。また、水素社会実現に向けたロードマップを示すため、産学官から成る戦略会議を設置し、率先して取り組まれたい。
一、大規模事業所に対する温室効果ガス排出総量削減義務と排出量取引制度などの着実な運用により、省エネルギーと気候変動対策に積極的に取り組まれたい。また、中小規模事業所の多くを占めるテナントビルを対象に、省エネ改修補助を通じて改修効果の見える化を図り、テナントが環境性能の高い低炭素ビルを選択できる仕組みを構築されたい。
一、緑施策の新展開をもとに、生物多様性などにも配慮した質の高い緑の確保を積極的に進められたい。また、在来植物による緑化や保全を行う区市町村や民間事業者を支援するとともに、未利用都有地の活用に際し、在来植物の保全のためのモデル事業等を実施されたい。
一、自動車に起因する環境負荷の低減や、快適な都市環境の形成に向けた施策を総合的に推進されたい。低公害、低燃費車、次世代自動車の導入を促進するため、中小事業者を支援するとともに、自転車シェアリングの広域的な展開に向けて自治体間の連携等を促進されたい。
一、PM二・五について、引き続き都民へのわかりやすい情報提供に努めるとともに、東京の実態に即した効果的な対策の構築に取り組まれたい。
一、フロンの対策を推進するため、ノンフロン冷凍冷蔵機器を導入する中小企業等に対し、機器設置費用に対する支援制度を構築されたい。また、中小事業者が合理的かつ適切な土壌汚染対策を円滑に進められるよう、技術的な支援を実施されたい。
一、廃棄物対策については、処理業界の育成や、PCB廃棄物などの有害廃棄物の適正処理を進めるため、適正管理の指導等を徹底されたい。また、微量PCB絶縁油処理の支援を図るとともに、希少金属を含む小型電気電子機器や事業系食品廃棄物のリサイクルを推進されたい。
一、都内における身近な緑の保全、家庭や中小企業における省エネ対策など、地域が抱える環境課題に対し、区市町村が継続的かつ着実に取り組めるよう支援を実施されたい。
一、大島町の早期復興を支援するため、東日本大震災で蓄積した経験を活用し、迅速かつ適切な災害廃棄物の受け入れ処理を進め、年内には処理を終了されたい。
次に、建設局関係について申し上げます。
一、慢性的な交通渋滞の大幅な緩和、都市型水害の早期解消、緑やオープンスペースの拡大など、災害に強く、快適で住みよい都市東京を目指し、切迫する首都直下型地震などから都民の生命と財産を守る役割を担う道路、河川、公園など、都市基盤のより一層の整備推進を図られたい。あわせて、これらの施設について、将来世代に良好な状態で引き継いでいくため、適切な維持管理や更新を実施し、世界一安心・安全な東京の実現に取り組まれたい。
一、首都東京の都市基盤整備は、広く全国にその便益が及び、かつ国際競争力と経済活力の強化など、東京が日本を牽引し続けるために不可欠なものであることから、真に必要な事業に対する財源を安定的に確保し、確実に都に配分するよう、国に強く働きかけられたい。
一、首都圏三環状道路について、首都高速中央環状線の平成二十六年度全線完成に向け、着実に品川線を整備するとともに、東京外かく環状道路の東京オリンピック・パラリンピックが開催される二〇二〇年早期完成に向け、国と連携して一層整備を推進されたい。
一、延焼遮断帯を形成するなど、防災上、整備効果の高い都市計画道路である木密地域の特定整備路線について、地権者や居住者への生活再建支援策の充実ときめ細かな対応を図り、平成三十二年度までの一〇〇%整備に向け、強力に推進されたい。
一、放射第五号線、環状第二号線、調布保谷線など都市の骨格を形成する幹線道路、地域幹線道路及び山間、島しょ地域の振興を図る道路の整備をそれぞれ推進するとともに、多摩川中流部橋梁等についても整備の促進を図られたい。
一、交通渋滞の緩和や地域分断の解消などを図るため、西武新宿線や京王線など、鉄道の連続立体交差事業を積極的に推進されたい。また、事業の実施に当たっては、地元区市と連携して、駅周辺のまちづくりと一体的、総合的に進められたい。
一、都市型水害を一日も早く解消するため、中小河川の護岸、調節池など、五十ミリ降雨に対応する整備をスピードアップすることはもとより、区市町村と連携したソフト対策も含めた総合的な治水対策を促進されたい。
一、近年、局地的かつ短時間の集中豪雨が増加していることから、治水の目標整備水準を引き上げた新たな整備方針に基づき、水害の早期軽減に向けた河川整備を推進するとともに、浸水の危険性の高い地域を中心に緊急豪雨対策を実施されたい。特に、降雨時において、流域間で相互活用が可能となる広域調節池の整備に早急に取り組まれたい。
一、高潮、地震などによる水害から東部低地帯を守るため、水門や堤防などの耐震、耐水対策について、具体的な実施箇所を提示した新たな整備計画に基づく整備を早急に実施すること、及びスーパー堤防やテラスの整備を促進するとともに、国に対しても高規格堤防の早期整備を求められたい。
一、都市防災機能を強化し、美しい都市景観を創出するため、区市町村道に対する支援を含め、道路の無電柱化事業を推進するとともに、緊急輸送路の確保や橋梁の耐震補強など、災害に強いまちづくりと防災体制の充実強化に万全を期されたい。
一、安全で快適な歩行空間を確保するため、歩道や自転車走行空間を積極的に整備するとともに、交通渋滞を早期に解消するため、交差点すいすいプランを推進されたい。
一、美しいまち東京を実現するために、都立公園の整備を促進するとともに、緑の拠点である公園を結ぶ街路樹の充実や水辺空間の緑化を積極的に推進し、緑のネットワークの形成を図られたい。
一、多摩地域のまちづくりを支援するため、新みちづくり・まちづくりパートナー事業を着実に推進するとともに、市町村土木補助事業の充実を図られたい。
以上で私の意見開陳を終わります。
○小林委員 都議会公明党を代表しまして、当委員会に付託された平成二十六年度予算関係議案について意見開陳を行います。
平成二十六年度の一般会計当初予算案は、引き続き堅調な企業収益や地方消費税率の引き上げなどによって増加した都税収入を活用し、政策的経費である一般歳出を前年度比二・五%増の四兆七千八十七億円と二年連続で増加させています。
その中身は、都民の安全・安心を守る取り組みや都市の活力を向上させる施策に財源を重点的に投入することとしており、東京の存在感を高める施策が盛り込まれた積極的な予算編成であることがうかがえます。
具体的には、公明党がこれまで提唱してきた社会資本の老朽化対策はもとより、日本の成長を牽引するインフラ整備などに重点的に取り組むこととし、投資的経費は十年連続で増加させております。とりわけ単独事業は、前年度に比べて一〇・七%の増となっています。
また、公明党が一貫して充実を求めてきた福祉と保健の分野については、予算額、構成比ともに過去最高としています。
一方、都財政は、景気変動の影響を受けやすい不安定な歳入構造にあることに加え、平成二十六年度税制改正では、法人住民税の一部が国税化されるなど、その先行きは予断を許す状況にはありません。
今後の税収動向に備え、財政基盤の強化を図ることは、将来にわたり安定的、持続的に行政サービスを提供していく上で必要な取り組みであります。
中長期的な視点に立って都債や基金の計画的な活用を図るとともに、事業評価などを通じ施策の無駄をなくし、効率性や実効性の向上に努めていかなければなりません。その際には、複式簿記・発生主義による新たな公会計制度も活用しながら、きめ細かく分析、検証を行うよう求めます。
今後とも、都民生活を守るという都政の役割をしっかりと果たすため、将来に向けて責任ある堅実な財政運営に努めることを強く望むものであります。
あわせて、予算の執行に当たっては、都民の期待に応えられるよう、より一層効率的に行うとともに、実効性の高い施策展開により、首都東京が日本経済の成長を牽引し、経済の好循環の波を全国に波及させていくことを要望いたします。
次に、各局別に申し上げます。
初めに、環境局関係について申し上げます。
一、省エネルギーと低炭素化の促進を図るため、家庭や事業所においてエネルギー利用の効率化、最適化を推進するための機器、設備の導入を支援し、エネルギーマネジメントの推進と多様な自立分散型のエネルギー源の確保に取り組むこと。
一、マンションなどの集合住宅について、MEMSを導入したスマート化に向けた支援制度を推進すること。
一、都内とともに東北地方などに投資することで、再生可能エネルギーの拡大と東北地方の経済活性化につながるよう、新たな官民連携ファンドを創設すること。再生可能エネルギーのさらなる普及を図るため、福祉施設など熱需要の大きい施設への太陽熱利用の拡大のための機器導入を支援するとともに、国内外の先進的な事例も参考に施策を展開すること。
一、大規模事業所に対する温室効果ガス排出総量削減義務と排出量取引制度などにより、省エネルギーと地球温暖化対策を着実に推進すること。
一、中小規模事業所におけるCO2削減を着実に実現するため、地球温暖化対策報告書制度など、省エネ対策を促す取り組みを引き続き推進すること。
一、事業所や家庭における賢い省エネルギー、節電の定着を図るための取り組みを推進すること。
一、自動車部門のCO2や大気汚染物質の改善を一層推進するため、中小零細事業者に対して、低公害、低燃費車の普及促進に向けた助成措置を引き続き実施すること。また、公共交通機関の利用促進や広域的に利用できる自転車のシェアリングの促進など、地域特性に応じた環境交通施策を推進すること。
一、中小零細事業者が円滑に土壌汚染対策を進められるよう、技術的な支援をすること。
一、東京に残された貴重な自然を保護し回復する施策を着実に進めるとともに、多摩の森林再生事業など、緑の再生に引き続き取り組むこと。
一、生物多様性を確保し、緑の持つ多面的な機能を十二分に発揮できるよう、緑の量だけではなく緑の質の確保に向けた取り組みを、緑施策の新展開により積極的に推進すること。
一、多くの固有種や希少種に恵まれた小笠原諸島の自然環境を保全する取り組みを着実に推進すること。
一、廃棄物対策については、処理業界の育成や、PCB廃棄物などの有害廃棄物の適正処理を徹底するための取り組みを引き続き実施すること。
一、レアメタルなどの金属資源と事業系食品廃棄物のリサイクル及び普及啓発に積極的に取り組むこと。
一、大島町の早期復興を支援するため、区市町村や民間処理事業者などと連携して、災害廃棄物の受け入れ処理を引き続き実施すること。
次に、建設局関係について申し上げます。
一、首都圏三環状道路について、地域住民の理解と協力を得て、平成二十六年度の完成に向け首都高速中央環状品川線を着実に整備するとともに、東京外かく環状道路の東京オリンピック・パラリンピックが開催される二〇二〇年早期完成に向け、国と連携して整備推進すること。また、防災上整備効果の高い木密地域における特定整備路線について、整備促進を図ること。
一、都市の骨格を形成する幹線道路、地域幹線道路及び山間、島しょ地域の振興を図る道路の整備を積極的に推進すること。特に、多摩地域における都市計画道路第三次事業化計画の優先整備路線で現在未着手の路線については着実に事業着手すること。
一、道路交通の円滑化と踏切事故の解消を図るため、道路と鉄道の連続立体交差事業を推進し、あかずの踏切の早期解消を図ること。
一、集中豪雨による溢水被害など都市型水害を早急に解消するため、中小河川の護岸や調節池などを重点的に整備すること。さらに、近年頻発する局地的集中豪雨にも対応できるよう、治水の目標整備水準を引き上げた新たな整備方針に基づき、水害の早期軽減に向けた河川整備を推進するとともに、浸水の危険性の高い地域において緊急の豪雨対策を実施すること。
一、高潮や地震時の水害から東部低地帯を守るため、護岸や防潮堤の整備など高潮防御施設や江東内部河川の整備を積極的に進めるとともに、新たな整備計画に基づく水門や堤防などの河川施設の耐震、耐水対策を早急に実施すること。
一、耐震性の強化による安全性向上や水辺のにぎわいの創出による美しい景観形成のため、隅田川などにおいてスーパー堤防やテラスの整備などを積極的に進めること。
一、緊急輸送道路上にある橋梁の耐震対策を計画的に進めるとともに、災害時の救援、救助活動拠点や避難場所となる都立公園の防災機能の強化、充実を図り、災害に強い都市をつくること。
一、道路の無電柱化や歩道の整備を積極的に推進し、美しい都市景観と安全で快適な歩行空間の創出を図ること。また、無電柱化を面的に広げるため、区市町村道に対する支援を行うこと。
一、歩道のバリアフリー化や点字ブロック設置など、高齢者や障害者に優しいまちづくりを進めること。
一、緑の拠点である都立公園の整備促進を図るとともに、緑のネットワークを形成する街路樹の倍増や河川護岸の緑化を推進し、緑豊かな成熟した都市の実現を図ること。なお、街路樹の倍増に当たっては、都民の街路樹への愛着が増すような取り組みを引き続き行うこと。
一、都立動物園において、来園者へのサービス向上を図るため、身近に動物と触れ合える展示の工夫など積極的に施設整備を行うこと。
以上をもちまして意見の開陳を終わります。
○米倉委員 日本共産党都議団を代表して、第一号議案と第百二十九号議案中、建設局と環境局関係の平成二十六年度一般会計予算案について意見を述べます。
平成二十六年度は、四月に消費税の八%税率引き上げ強行と、年金、医療、介護など社会保障の全面的な切り下げが暮らしを直撃するだけに、都政が都民生活の防波堤としての役割をこれまで以上に発揮することが求められます。
また、首都直下型地震の確率が三十年のうちに七〇%と予測され、加えて、異常気象のもとで豪雨、大雪の大災害が多発する中、環境保全と災害予防に対する都民の要望は、これまで以上に強まっています。
ところが、平成二十六年度の東京都予算案は、大型幹線道路建設を初め都市基盤整備などに偏り、災害対策は東部低地帯の河川堤防耐震化などに一定の強化が図られたものの、暮らしや福祉の充実は極めて不十分で、都民の願いとかけ離れたものとなっています。
建設局の予算では、本来、東京都が負担する必要がない外かく環状道路と外環ノ2の建設に百五十五億円も予算が計上され、住民の合意が形成されていない特定整備路線の事業費も百六十四億円に上っています。住民の納得、合意を得ないままの道路建設先にありきの都政といわざるを得ません。道路などの都市インフラ整備は、新設を最大限に抑制し、長寿命化、耐震化などの維持管理を重視するものに組み替えていくべきことを強調しておきます。
環境局の予算は、新しいエネルギー政策が示されたものの、東京都が示してきた再生可能エネルギーの比率を二〇二〇年までに二〇%にしていく目標には、まだほど遠い状態です。再生可能エネルギーの開発、普及に全力で取り組むとともに、福島第一原発の過酷事故から三年たった今日も都内に放射能汚染地域が存在することを認識し、除染や測定を行うなど、都民の要望に応えるべきです。
また、CO2総量抑制や自動車排ガス規制、大気汚染対策のための総合対策、及び緑地破壊の開発を防止し、大規模な緑地確保の予算を拡充することなどを提案します。
初めに、環境局です。
一、再生可能エネルギーの利用促進計画を策定し、二〇二〇年までに東京のエネルギー消費に占める再生可能エネルギーの割合を二〇%にという都の目標達成に向けて抜本的対策を講じること。燃料電池の普及拡大を進めること。また、バイオマスなど未利用エネルギーの開発を含め、大学や中小企業などとの共同開発、研究を推進すること。
一、太陽光発電の普及拡大のため、超低利融資制度を創設すること。
一、福島原発事故由来の放射能汚染による低線量被曝から都民の健康を守るため、都立施設の測定と対策をとること。
一、柏崎刈羽原発の再稼働をしないように東京電力へ求めること。
一、東京の温室効果ガス排出量について、二〇二〇年までに九〇年比で三〇%の削減目標を立てて取り組むこと。
一、中小規模事業所での省エネ対策への補助支援を拡充すること。
一、ヒートアイランド防止のために、メトロス測定など対策を進めること。
一、地球温暖化防止、再生可能エネルギー普及拡大のため、区市町村補助制度をさらに拡充すること。
一、緑の保全、拡大の取り組みを抜本的に強化し、みどり率を引き上げるため、開発を抑制すること。
一、市街地の緑地保全地域、里山保全地域の拡充に努め、公有化を促進すること。また、市町村の公有化事業を支援し充実させること。地下水の保全に努めること。
一、都心における緑の復活、河川など水面の拡大、護岸の緑化、風の道の確保などに努めること。
一、肺がん、呼吸器系、循環器系の疾患に深く関与するPM二・五及び光化学オキシダントの実態把握に努め、環境基準達成の期限を定め、緻密で総合的な対策を進めること。そのためにも、広域的、国際的な対策を強化すること。
一、自動車交通総量規制の目標を設定し、TDM、モーダルシフトなど総合対策を推進すること。
一、中小業者が低公害、低燃費車、電気自動車などに買いかえられるよう、さらに長期、低金利の融資制度に拡充すること。
一、さらなる大気環境改善のため、自動車排ガス測定局の的確な設置場所の再検討、増設を行うこと。
一、環境アセスメントは都市再生関連の特別扱いをやめ、特定地域における超高層建築物の対象を高さ百メートル以上、面積十ヘクタールに戻すことを含め、総合アセスメントとして見直すこと。また、計画段階アセスの対象を十ヘクタール以上とし、選択肢として、計画、事業を行わないことも含めること。対象とする事業主体を民間事業者にも拡大すること。環境アセスの評価項目にCO2排出量、PM二・五も加えること。事業段階アセスについて、旧条例に準ずること。
一、希少生物の実数を把握し、希少生物を保護し、生態系の育成環境を保全する対策を強化すること。
一、土壌汚染対策を抜本的に強化すること。特に重大な汚染のある豊洲新市場予定地については、食の安全を守る立場から厳しく監視、指導を行うこと。
一、地盤沈下や環境を守る立場から、温泉掘削については規制を抜本的に強化すること。
一、増便する羽田空港、横田基地などの周辺航空機騒音や飛行ルートなどの実態把握を強化すること。
一、環境科学研究所を直営に戻し、研究費を拡充し体制強化を図り、研究者の育成を図ること。
一、循環型社会の形成に向け、拡大生産者責任を明確にした廃棄物減量対策を促進すること。また、家電リサイクル、中小業者のリサイクル、再資源化を支援すること。
一、中小建設業者の取り扱う非飛散性アスベスト廃棄物の保管に関し、処理、処分に当たって都の支援を行うこと。
一、最終処分場の減量と延命を図るとともに、新海面処分場など大規模処分方式を根本的に見直すこと。
次に、建設局について申し上げます。
一、橋梁の耐震化を、緊急輸送道路等のみならず、それ以外の橋梁についても計画を明確にして進めること。
一、東部低地帯などの河川の水門、堤防などの耐震強化を促進すること。
一、環状道路整備の促進は、環境破壊をもたらし、巨額な都費を投入するものであり、都民参加で抜本的に見直すこと。特に外環本線及び外環ノ2の事業化を中止し、住民と話し合うこと。
一、環状二号線及び臨海副都心のためのアクセス道路、広域幹線道路建設は凍結し、抜本的に再検討すること。
一、玉川上水の史跡、豊かな環境保全のため、放射五号線の道路建設は見直すこと。
一、貴重な里山と緑地を有する東大農場を横断する都市計画道路の建設計画は見直すこと。
一、土砂災害防止法に基づく警戒区域の調査と指定を促進し、ハード、ソフト両面の対策を進めること。
一、雪害などに備え、関係業者との連携を強化し、道路除雪のための資機材の確保などを図ること。
一、特定整備路線の強引な推進は行わず、それぞれの地域の状況や住民の声に基づいて、撤回を含め見直しをすること。
一、自転車専用道路や自転車走行レーンの整備を推進すること。
一、多摩地域の生活関連道路の整備、特に歩道整備やバリアフリー化、自転車専用道路など、環境に優しく安全に配慮した道路の普及を促進すること。
一、交差点すいすいプラン第二次計画により、交通渋滞対策を強化すること。
一、道路補修サイクルを抜本的に引き上げること。
一、既存の都道及び区市の道路においても無電柱化を進めること。
一、都市計画公園の整備目標を大幅に引き上げ、整備拡充について、公的責任で積極的に行うこと。公有地、工場跡地、未利用地などを活用して、緑を保全、回復させる公園、防災公園を整備促進すること。
一、都市河川、内部河川の改修を初め、総合治水対策を強化し、ゲリラ豪雨被害を食いとめること。
一、低価格入札について、東京都が発注する工事や物品の品質や安全性を確保し、下請業者や労働者へのしわ寄せが起きないよう、契約のあり方を抜本的に見直すこと。
以上です。
○大西委員 私は、都議会民主党を代表して、当委員会に調査を依頼された平成二十六年度予算案に係る議案について意見の開陳を行います。
二十六年度予算案は、知事不在という事態の中で暫定案が編成されました。都議会民主党も要望したように、都民生活への支障を招かないという視点から編成に取り組まれた関係者のご努力を多としたいと思います。
また、暫定案の発表後、舛添新知事のもとで、約七十七億円の事業が追加されています。予算案は、大島の災害復旧、復興対策、二〇二〇年オリンピック・パラリンピックの準備、福祉の人材確保、創業サポートなどの予算が計上されており、総じて時宜にかなったものといえます。
今後、二十七年度予算を見据え、舛添知事の標榜する世界一の都市東京の実現に向けた事業展開が本格化するものと思いますが、私たち都議会民主党は、都市ランキングの指標にはあらわれないような、いじめや自殺、虐待などにもしっかりと光を当て、さらには、さまざまな価値観、考え方、言語の住民が暮らす大都市東京にふさわしい多様性のある施策を展開していただきたいと要望するものです。
また、予算編成に当たっては、事業評価などを通じて全ての施策を厳しく検証し、その効率性や実効性の向上に取り組んでいるとのことですが、今後とも、施策のあり方を不断に検証しながら、東京の特性を踏まえた費用対効果の高い施策の展開を要望するものです。
さらに、監理団体、報告団体も含めた外郭団体改革として、外部有識者による評価、検証を恒常的に行う仕組みの構築についても、引き続き強く求めておきます。
以上、私たちの総括的な意見を述べ、以下、各局にかかわる事項について申し上げます。
まず、環境局関係について申し上げます。
一、環境によい移動手段である自転車の活用を促進するため、自転車シェアリングのガイドラインの作成、普及、サイクルステーションの情報提供などに努めること。
一、大気汚染対策に係る国際協力を推進するため、アジア諸都市への海外貢献をさらに進めること。
一、都内へ繰り返し流入してくる悪質なディーゼル車規制違反車両については、一都三県との連携により、より効果的な取り組みを図ること。
一、引き続き、黒煙ストップ一一〇番の周知に努め、違反車両の効果的な指導に役立てること。
一、スマートマンション導入促進事業を新たに実施し、エネルギーの最適制御を行うMEMSの普及に取り組むこと。
一、家庭の創エネ・エネルギーマネジメント促進事業を実施するとともに、オフィスビル等の事業所の創エネ・エネルギーマネジメント促進補助制度や、中小ビルのエネルギー管理支援サービス普及促進事業を実施すること。また、分散型電源として活用可能な次世代自動車の普及促進に取り組むこと。
一、中小テナントビルのエネルギー管理支援サービス普及促進事業を引き続き実施するとともに、スマートエネルギー都市の実現に向けて、都市におけるエネルギー施策について調査検討すること。
一、太陽エネルギー利用拡大プロジェクト等の実施により、一層の太陽エネルギー利用拡大を推進すること。
一、地域と連携した環境政策推進のため、区市町村に対し補助するとともに、環境学習を推進すること。
一、企業の温暖化対策を推進するため、大規模事業所に対する温暖化ガス削減義務と排出量取引制度を適正に運用すること。
一、多摩地域のごみ処理について、広域行政の観点から市町村に対する支援を行うこと。
次に、建設局関係について申し上げます。
一、計画的に路面補修を実施するとともに、低騒音舗装など、沿道環境の改善や道路の安全性確保に取り組むこと。
一、東京の都市景観を向上させ、安心・安全なまちづくりを進めるために無電柱化を一層推進すること。
一、自転車走行空間の整備を着実に進めること。
一、渋滞解消を進めるため、信号制御などソフト面を中心としたハイパースムーズ作戦や、交差点改良などのハード面の対策をあわせて積極的に取り組むこと。
一、幹線道路ネットワークの整備を推進するために、三環状道路を初め、都市の骨格を形成する幹線道路や地域幹線道路の整備を進めること。
一、外かく環状道路の東名以南についても、早期事業化に取り組むこと。
一、都内中小河川の護岸整備や調節池、広域調節池の整備など、中小河川整備の早期完成、緊急豪雨対策に取り組むこと。
一、都立公園の整備を進めるとともに、防災や帰宅困難者の滞在など、災害時にも対応できる機能を充実強化すること。
一、市町村における公園整備などが進むよう、土木事業に対する補助を行うこと。また、都市公園の整備を一層進めるための取り組みを充実すること。
一、延焼遮断帯を形成する特定整備路線の整備においては、国と連携し、住民の理解を得ながら事業の早期推進に努めること。
一、鉄道の連続立体交差化事業を着実に推進すること。
一、街路樹の充実、育成など、道路の緑化を推進すること。また、遮熱性舗装や街路灯の省エネ照明への転換など、環境に優しい道路整備に取り組むこと。
以上で都議会民主党を代表しての意見開陳を終わります。
○山内委員 私は、都議会生活者ネットワークを代表し、本委員会に付託された平成二十六年度予算関係議案について意見の開陳を行います。
ことし二月に急遽実施された都知事選挙で舛添新知事を迎え、今回の予算は、当初予算と補正予算が同時に提出されるという変則的な編成となりました。
一般会計は、前年に比べ六・四%増の六兆六千六百六十七億円となり、都税収入は、企業収益の堅調を背景に九・一%増を見込んでいます。国の税制改正によって、法人事業税だけでなく、法人住民税の一部国税化が決められました。これまでの国と地方の税制のあり方を変えてしまう政府の一方的なやり方であり、今後の都税に対する影響の懸念材料となっています。
二〇二〇年オリンピック・パラリンピックの準備がいよいよ始まります。投資的経費が前年度に比べて六・〇%の増であり、特に単独事業が一〇・七%増と、インフラ整備に大きく予算がつけられています。老朽化したインフラを計画的に整備していくことは重要ですが、オリンピックを理由にした不要不急の公共事業が進むことのないように精査する必要があります。持続可能なまちの姿は、資源やエネルギーを浪費せず、今あるものをできるだけ大切に使っていく姿勢であり、それこそがレガシーではないでしょうか。
また、東日本大震災から三年たった今なお収束しない原発事故や、被災者、避難者への支援は怠ることはできません。
大手企業では正社員のベースアップが報道されていますが、非正規雇用を初め労働環境の問題は解決しておらず、困難を抱える子供や若者の状況も改善していません。超高齢社会を目前にして、誰もが地域で安心して生活できるように、仕事や住まいの確保、地域医療と福祉の連携、子育てしやすい環境、持続可能なエネルギー政策など、環境、福祉重視のまちづくりを進めることを要望いたします。
以下、各局別に申し上げます。
まず、環境局関係についてです。
一、再生可能エネルギーや未利用エネルギーの活用を図り、原子力発電に頼らないエネルギーシフトを進めること。
一、家庭の省エネ、節電の取り組みが広がるよう支援を継続すること。
一、太陽光発電施設設置の助成を復活させること。
一、地域資源を活用した市民共同発電所への支援を行うこと。
一、高齢者施設や病院など大量の給湯が必要な施設で太陽熱利用を進めるため、助成すること。
一、多発する大規模災害の一因となる気候変動やPM二・五などの汚染に備え、必要な調査、整備の検討を行うこと。
一、既存緑地、樹林を保全するため、都の保全地域指定を拡大すること。
一、地下水、湧水の保全や復活に向けた区市町村の取り組みを支援すること。
一、冷凍冷蔵機器などのノンフロン化を進めるとともに、中小事業者がフロン漏えい防止対策を進めるインセンティブがないため、抑制努力を評価する仕組みを検討すること。
一、廃棄物対策は、再利用(リサイクル)よりも、まず発生抑制(リデュース)、再使用(リユース)を推進し、都民への広報活動と事業者の誘導を進めるとともに、都庁内でも率先してリユースを導入すること。
一、海岸漂着物対策について、回収方法や処理等の体制を確立し、継続的に進めること。
次に、建設局関係についてです。
一、区市町村、関係部署等と連携して、自転車専用道路や自転車レーンなど連続した自転車走行空間の整備を進め、ネットワーク化を図ること。
一、豪雨災害の未然防止に向けて、河川や調節池の整備を着実に進めるとともに、公共施設や道路事業においても雨水浸透や雨水貯留施設整備を進めること。
一、河川を活用した小水力発電を進めるために、簡便な手続や占用料の減免などで支援すること。
一、公園の整備に当たっては、地元自治体や市民意見を十分に聞き、運営についても市民との協働を目指すこと。その一つとして、都立公園でのプレーパークをさらに推進すること。
一、都立公園における防災設備については、区市や市民が災害時に活用できるよう、地域自治体との協議を進めること。
一、墓地に対する多様なニーズに応えるため、都立霊園における樹林墓地、樹木墓地、合葬墓地などをふやしていくこと。
一、風致地区制度の趣旨を生かしたまちづくりを行うために、そこにかけられているさまざまな規制を安易に緩和しないこと。
以上をもって意見開陳を終わります。
○野上委員長 以上で予算に対する意見の開陳を終わります。
なお、ただいま開陳されました意見については、委員長において取りまとめの上、調査報告書として議長に提出いたします。ご了承願います。
以上で予算の調査を終わります。
○野上委員長 次に、付託議案の審査を行います。
第九十六号議案から第百三号議案まで、及び第百二十一号議案を一括して議題といたします。
本案については、いずれも既に質疑を終了いたしております。
これより採決を行います。
初めに、第九十七号議案、第百号議案、第百一号議案及び第百三号議案を一括して採決いたします。
本案は、起立により採決いたします。
本案は、原案のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
〔賛成者起立〕
○野上委員長 起立多数と認めます。よって、第九十七号議案、第百号議案、第百一号議案及び第百三号議案は、いずれも原案のとおり決定いたしました。
次に、第九十六号議案、第九十八号議案、第九十九号議案、第百二号議案及び第百二十一号議案を一括して採決いたします。
お諮りいたします。
本案は、いずれも原案のとおり決定することにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○野上委員長 異議なしと認めます。よって、第九十六号議案、第九十八号議案、第九十九号議案、第百二号議案及び第百二十一号議案は、いずれも原案のとおり決定いたしました。
以上で付託議案の審査を終わります。
○野上委員長 次に、請願陳情及び特定事件についてお諮りいたします。
本日まで決定を見ていない請願陳情並びにお手元配布の特定事件調査事項については、それぞれ閉会中の継続審査及び調査の申し出をいたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○野上委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
○野上委員長 次に、今後の委員会日程について申し上げます。
先ほどの理事会におきまして、お手元配布の日程のとおり申し合わせましたので、ご了承願います。
○野上委員長 この際、所管二局を代表いたしまして、横溝建設局長から発言を求められておりますので、これを許します。
○横溝建設局長 発言のお許しをいただき、両局を代表いたしまして、一言御礼のご挨拶を申し上げます。
本定例会に提案をいたしました議案につきまして、ただいまご決定をいただきました。野上委員長を初め委員の皆様には熱心なご審議を賜り、まことにありがとうございました。
委員会審議を通じまして皆様から頂戴いたしました貴重なご意見、ご指摘などにつきましては、今後の事業執行に反映させてまいりたいと存じます。
今後とも一層のご指導を賜りますようお願い申し上げまして、甚だ簡単ではございますが、御礼のご挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。
○野上委員長 発言は終わりました。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後一時五十一分散会
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