環境・建設委員会速記録第四号

平成二十六年三月十八日(火曜日)
第九委員会室
   午後一時開議
 出席委員 十四名
委員長野上ゆきえ君
副委員長桜井 浩之君
副委員長河野ゆりえ君
理事小林 健二君
理事山内れい子君
理事相川  博君
米倉 春奈君
舟坂ちかお君
高椙 健一君
大西さとる君
小磯 善彦君
高橋かずみ君
林田  武君
こいそ 明君

 欠席委員 なし

 出席説明員
環境局局長長谷川 明君
次長石野 利幸君
環境政策部長吉村 憲彦君
環境政策担当部長須藤  栄君
都市地球環境部長山本  明君
環境都市づくり担当部長谷上  裕君
都市エネルギー部長松下 隆弘君
都市エネルギー推進担当部長久原 京子君
都市エネルギー技術担当部長石川 裕通君
環境改善部長木村 尊彦君
環境改善技術担当部長島田 光正君
自動車公害対策部長山内 和久君
自然環境部長笹沼 正一君
緑施策推進担当部長臼井 郁夫君
廃棄物対策部長齊藤 和弥君
調整担当部長スーパーエコタウン担当部長兼務山根 修一君

本日の会議に付した事件
 環境局関係
  予算の調査(質疑)
  ・第一号議案 平成二十六年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為 環境局所管分
  ・第百二十九号議案 平成二十六年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、歳出 環境局所管分
  付託議案の審査(質疑)
  ・第九十六号議案 都民の健康と安全を確保する環境に関する条例の一部を改正する条例
  ・第九十七号議案 鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律施行条例の一部を改正する条例
  ・第九十八号議案 東京都省エネルギーの推進及びエネルギーの安定的な供給の確保に関する条例の一部を改正する条例
  ・第九十九号議案 東京都地球温暖化対策推進基金条例を廃止する条例

○野上委員長 ただいまから環境・建設委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、環境局関係の予算の調査及び付託議案の審査を行います。
 これより環境局関係に入ります。
 予算の調査及び付託議案の審査を行います。
 第一号議案、平成二十六年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為、環境局所管分、第九十六号議案から第九十九号議案まで、及び第百二十九号議案、平成二十六年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、歳出、環境局所管分を一括して議題といたします。
 本案については、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○吉村環境政策部長 去る二月二十五日の当委員会でご要求いただきました資料につきましてご説明申し上げます。
 お手元の環境・建設委員会資料をごらんください。
 表紙をおめくり願います。目次のとおり、資料は七件でございます。
 まず、一ページをお開き願います。1、都内のエネルギー消費量の部門別推移でございます。
 平成十二年度から平成二十三年度までの各年度における産業、家庭、業務及び運輸の各部門のエネルギー消費量を記載しております。
 表の最上段には、京都議定書の基準年である平成二年度の数値を記載しております。
 二ページをお開き願います。2、太陽光発電促進事業での都の取り組みの経過、目標及び年度別実績でございます。
 東京都が取り組んでいる太陽光発電促進事業につきまして、その取り組みの経過、目標及び年度別実績を記載しております。
 三ページをお開き願います。3、二酸化窒素及び浮遊粒子状物質濃度の全国上位十局の推移でございます。
 (1)、二酸化窒素につきまして、過去五年間の各年度における全国の測定局の年平均値上位十局の推移を記載しております。
 四ページをお開き願います。(2)、浮遊粒子状物質につきまして、同様に記載しております。
 五ページをお開き願います。4、平成二十四年度における大気汚染及び騒音に係る環境基準の達成状況でございます。
 まず、(1)、大気汚染における二酸化窒素及び微小粒子状物質(PM二・五)の環境基準達成状況について、それぞれ、表の上段に自動車排出ガス測定局、下段に一般環境大気測定局の状況を記載しております。
 次に、(2)、騒音における道路交通騒音、航空機騒音及び新幹線騒音の環境基準達成状況を記載しております。
 六ページをお開き願います。5、過去十年間における保全地域に係る公有化予算額、公有化面積及び管理費予算額の推移でございます。
 平成十七年度から平成二十六年度までの各年度における保全地域に係る公有化予算額、公有化面積及び管理費予算額の推移を記載しております。
 七ページをお開き願います。6、保全地域の指定実績でございます。
 平成十八年度から平成二十五年度までの各年度における指定した保全地域名、年度、内容及び面積を記載しております。
 八ページをお開き願います。7、地球温暖化対策推進基金の充当実績でございます。
 平成二十年度から平成二十五年度までにおける基金充当事業名、所管局、年度及び実績額を記載しております。
 以上、簡単ではございますが、説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○野上委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本案に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○高橋委員 私から在宅医療廃棄物の適正処理についてお尋ねいたします。
 高齢化の進展と医療技術の進歩により、在宅医療廃棄物の排出量、種類ともに増加しております。そして、その適正処理はますます重要となっており、私は、糖尿病など病気を患っている方々が自己注射で使用した注射針が廃棄物として処理される過程で生じる針刺し事故を防止するため、東京都薬剤師会が行っている使用済み注射針の回収事業について、平成十六年三月の当委員会で初めて取り上げました。以来、現在まで、使用済み注射針を初めとした在宅医療廃棄物の適正処理の問題に継続して取り組んでまいりました。
 昨年十一月の当委員会では、私が要請し設置された在宅医療廃棄物の適正処理に関する検討会の取りまとめ結果についてお聞きしました。この取りまとめ結果の報告では、患者や介護者等にとって負担の少ない処理方法を関係者間で協議を行い、取り組みを進めていくとのことでありましたが、その後の都の取り組みについて伺います。

○齊藤廃棄物対策部長 ただいまご指摘がございました在宅医療廃棄物の適正処理に関する検討会の取りまとめでございますが、在宅医療廃棄物の適正処理を進めるためには、地域の実情に応じて、在宅医療にかかわる関係者を含めた地域医療を構築し、協働的な取り組みを進めていくことが有効であるとの方向性が示されております。
 このため、都は、二十三区清掃リサイクル主管課長会や多摩地域廃棄物行政連絡会等の場におきまして検討会の取りまとめ結果を説明するとともに、在宅医療や在宅医療廃棄物にかかわる関係者が一堂に会し、情報共有と連携を図る場として、今月、在宅医療廃棄物の適正処理に関する意見交換会を立ち上げたところでございます。
 この意見交換会には、東京都薬剤師会、二十三区や多摩地域の自治体はもとより、保健部局の在宅医療にかかわる関係者として東京都福祉保健局や訪問看護ステーション協議会のメンバーの方々にもご参加いただいております。

○高橋委員 私は、前回、患者や介護者の立場を考慮した、より安全で安定した在宅医療廃棄物の処理体制の構築が重要であることを指摘しました。そのためにも、患者や介護者と直接接する訪問看護師など、在宅看護の声は必要であると考えています。
 今回、そのような方々を含めた意見交換会が開催されたとのことでありますが、この意見交換会ではどのような議論がなされたのか、詳しくお伺いいたします。

○齊藤廃棄物対策部長 意見交換会でございますが、この意見交換会には、清掃事務所や事業者団体の事務局など事業に直接かかわる担当の方々にご出席をいただき、ごみ収集や在宅看護の現場の声を聞くことができました。
 出席された方々からは、薬剤師会の回収事業によりごみ収集時の針刺し事故は減っている、あるいは、ひとり暮らしの高齢者など在宅患者の状況もさまざまで、それらに配慮したわかりやすい廃棄方法の周知が必要だなどの声がありました。
 また、平成二十六年度診療報酬の改定の基本方針では在宅医療の充実が記されておりまして、今後、薬局で扱う在宅患者の方々への医薬品の種類もふえるなど、今後の取り組みに非常に有益な情報提供がございました。

○高橋委員 在宅医療にかかわる関係者が同じテーブルに着いて、具体的な、そして活発な意見交換がなされたことがわかりました。今後は、意見交換により共有された情報が各地域における在宅医療廃棄物の適正処理にどのように生かされていくのかが課題となります。
 各地域における在宅医療廃棄物の処理体制を整えていくには、一般廃棄物としての取り扱いである在宅医療廃棄物の処理責任のある区市町村を中心とした関係者間の連携が不可欠であります。都としても、広域的な立場から積極的な支援が必要であると考えますが、所見を伺います。

○齊藤廃棄物対策部長 地域における在宅医療廃棄物の適正処理を推進するためには、地域とのきめ細やかな取り組みが可能である区市町村を支援していくことが重要だというふうに考えております。
 今後も引き続き意見交換会を開催し、そうした場で各団体からいただいた意見は区市町村に情報提供してまいります。
 さらに、都は、区市町村の環境施策を支援するための区市町村との連携による地域環境力活性化事業を活用し、区市町村の在宅医療廃棄物の適正処理の取り組みについて必要な財政的支援を行ってまいります。

○高橋委員 在宅医療廃棄物の適正処理には、関係者が連携して患者や介護者の立場を考慮した処理体制を構築していくことが必要であり、今後も都の積極的な支援をお願いいたしまして、私の質問を終わります。

○小林委員 私の方からは、主に三つのテーマについてお伺いをさせていただきます。
 まず初めに、区市町村との連携による地域環境力活性化事業についてお伺いいたします。
 二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックを目指し、東京をいかにして環境都市としていくかが重要な課題であります。環境都市の構築に当たっては、都の広域的な取り組みはもちろんのこと、ミクロの視点からも区市町村の取り組みが大切になってくると思います。
 オリンピック・パラリンピックの立候補ファイルには、二〇二〇年東京大会における環境への取り組みは、アスリートや大会関係者のみならず、観客、テレビ視聴者、メディア、地域など世界中のあらゆる人々の参加を促す、地域を取り込んだ環境にかかわる活動、展示会などを実施、普及させると記されておりますが、地域に光を当て、地域を構成する区市町村と連携した取り組みを推進していくことが大切であるというふうに思います。
 また、地域の環境課題は多岐にわたっておりますので、地域の実情に即した対策の必要性というものも大事になってくると思います。
 都はこれまでも、区市町村に対する補助制度を通じて、地域の身近な環境課題について支援を行っているところですが、まず、これまでの区市町村への補助制度の主な実績についてお伺いいたします。

○須藤環境政策担当部長 環境局は、平成二十一年度に地球温暖化対策等推進のための区市町村補助制度を創設し、平成二十三年度までの三年間で、地球温暖化対策に関する先駆的な取り組みや、家庭や中小企業における省エネ機器の導入などのため、区部二十三、市町村部三十の合わせて五十三の自治体を支援してまいりました。
 また、平成二十四年度から二十五年度には、地域と連携した環境政策推進のための区市町村補助制度により、家庭や中小企業における省エネ対策、緑の保全、資源リサイクルの推進などについて、区部で二十二、市町村部で二十二の合計四十四自治体を支援してまいりました。
 重複して活用している自治体の数を整理いたしますと、この五年間で五十七の自治体が補助制度を活用したことになります。
 こうしたことから、これまでの補助制度により、地域の環境課題に対して先駆的に取り組む区市町村を発掘するとともに、他の自治体への普及促進を図るなど、地域に根差した環境課題への取り組みを着実に推進してきたと考えております。

○小林委員 平成二十六年度予算案では、区市町村と連携した東京の環境の向上のために、区市町村への財政支援として五十億円の予算措置がなされておりますが、これまでの補助制度を大きく拡充したものであり、その効果に期待したいところであります。
 そこで、今回予算措置を行った地域環境力活性化事業における区市町村補助制度の考え方についてお伺いいたします。

○須藤環境政策担当部長 二〇二〇年オリンピック・パラリンピックの開催に向けて都内全域で環境施策を着実に進めていくためには、地域の多様な主体と密接なつながりのある区市町村を支援していくことが重要でございます。
 これまでの区市町村への補助制度は、事業期間が二年間あるいは三年間であり、区市町村からは、事業期間が短く新たな事業の立ち上げが困難であるとか、安定した中長期的な補助制度が必要であるといったご意見がございました。
 そこで、平成二十六年度予算において、区市町村への補助制度を再構築し、十年間を期間として区市町村の取り組みを支援する新たな制度を創設することといたしました。
 この補助制度を活用し、区市町村が中長期的な視点で地域から環境課題にきめ細かく取り組めるよう後押しをしてまいります。

○小林委員 先ほどご答弁がありました平成二十一年度に創設した地球温暖化対策等推進のための区市町村補助制度や、平成二十四年度から今年度まで展開された地域と連携した環境政策推進のための区市町村補助制度の実績や効果、課題などを踏まえまして、より区市町村の実情に合った支援の内容が重要になってくると考えます。
 このたびの新たな補助制度は、具体的には地域のどのような取り組みについて支援を行っていくのか、確認をさせていただきます。

○須藤環境政策担当部長 新たな補助制度につきましては、区市町村の取り組み状況を踏まえ、都内全域に拡大していくことが望ましい取り組み、地域特性や地域資源を活用した取り組み、先駆的なモデルとしての取り組みについて、区市町村を支援していくこととしております。
 まず、都内全域に拡大していくことが望ましい取り組みとしては、家庭や中小規模事業所と連携した、地域ならではのきめ細かな省エネルギー対策や古紙持ち去り対策などを支援してまいります。
 次に、地域特性や地域資源を活用した取り組みとして、太陽エネルギーのさらなる普及拡大や小水力発電の導入に向けた調査などを支援してまいります。
 また、先駆的なモデルとしての取り組みについては、集合住宅の省エネルギー対策の推進や都内中小クレジットの活用促進などを支援してまいります。
 こうした取り組みを区市町村のニーズに応じて組み合わせることなどにより、地域の実情に応じた的確な支援策を講じてまいります。

○小林委員 創意工夫にあふれた地域ならではの取り組みを中長期的に支援していくことは、二〇二〇年に向けて大事な課題であると思いますので、区市町村のニーズをしっかり把握し、より使いやすい制度としていただきますようお願いをいたします。
 次に、再生可能エネルギーについてお伺いします。
 過日の都議会公明党の代表質問の際にも主張しましたが、東京都は、国全体の再生可能エネルギー普及の先導役を果たす役割があると考えております。省エネの推進や再生可能エネルギー比率二〇%達成について舛添知事の構想を問うたのに対し、知事は、電力、エネルギーを最も多く消費する都市としての責務を踏まえ、二〇%という数値目標を目指すというスタンスを明確にされました。
 そこで、二〇%の目標に向かって、いかに具体的に緻密に計画を立案していくかが重要になってまいりますが、まず、都内における再生可能エネルギーの電力に占める利用割合の現状と、その中身について確認をいたします。

○石川都市エネルギー技術担当部長 都内で利用される再生可能エネルギーの電力といたしましては、太陽光発電のように、都内の家庭で発電したものがそのままその家庭で使われるものと、風力発電や水力発電のように、都内だけでなく都外からも電力会社の送配電線ネットワークを通じて需要家に供給され使われているものとがございます。
 これらの都内利用分を合算したものを都内の消費電力量の合計で割り返すことによりまして、都内における再生可能エネルギーの電力に占める利用割合を導き出しております。
 この考え方に基づきまして、平成二十五年三月末のデータを集計し、都内における利用割合を計算しますと約六%となりますが、その大部分は、東京電力の都外にあります水力発電によるものが占めている現状でございます。
 今後、固定価格買い取り制度の活用により、都内だけでなく都外も含めた再生可能エネルギーの普及拡大を進めることが、都内における利用割合の向上にもつながるものと考えているところでございます。

○小林委員 今ご答弁にもございましたが、現状六%、その大部分を東京電力の水力発電が占めているとのことですが、これは買い取り制度の活用による本格的な普及がようやく始まったばかりということであり、今後これを二〇%に引き上げていくというのは並大抵ではないというふうに思います。
 知恵を絞り、英知を結集して、二〇%の目標に向けてスタートしていかなければなりませんが、この目標に向けての都の取り組みをお伺いいたします。

○石川都市エネルギー技術担当部長 都は、再生可能エネルギーの利用割合二〇%の目標を目指しまして、長期的展望にも立って、あらゆる手だてを講じてまいります。
 そのため、来年度、再生可能エネルギーの都内への導入拡大や都外における開発と利用拡大について、海外の先進事例などに関する調査も活用して、学識経験者、民間事業者、研究機関など幅広いメンバーからの助言もいただきながら具体策を取りまとめ、取り組みを強化してまいります。

○小林委員 再生可能エネルギー二〇%に向け、まずは、これまで大きな成果を上げてきた太陽光発電のさらなる普及拡大を着実に進めていくことも必要ではないかと考えます。
 都はこれまで、補助事業の活用などにより住宅用の太陽光発電の導入を拡大してきましたが、固定価格買い取り制度において、十キロワット以上のいわゆる非住宅で全量買い取りが適用されるようになったことから、太陽光の市場が住宅から非住宅にシフトしている面もあり、住宅用の普及が全国的に鈍ってきているというふうにも聞いております。
 このような状況を踏まえて、都は、今後の住宅用太陽光発電の普及拡大をどのように進めていくおつもりなのか、所見を伺います。

○石川都市エネルギー技術担当部長 今後の住宅用太陽光発電のさらなる普及拡大に向けましては、固定価格買い取り制度による経済的メリットや非常用電源としての活用可能性など、太陽光発電の意義をより一層幅広く浸透することで、その裾野を拡大する必要があると考えております。
 そのため、区市町村補助も活用し、地域特性に応じたきめ細かい取り組みを区市町村と展開するとともに、省エネアドバイザー事業との連携によりまして、家庭における省エネが太陽光発電の余剰売電収入の向上にもつながるという観点から、導入に向けた動機づけを図ってまいります。
 また、新築、リフォーム市場における太陽光発電の導入が伸びていることから、市場で大きなシェアを有しております地域工務店のポテンシャルに着目しまして、セミナー開催などにより太陽光発電の認知度を高め、導入促進につなげてまいります。

○小林委員 ある業界関係の方から、太陽光発電を設置した後のメンテナンス費用がばかにならないとの指摘もございまして、設置を思いとどまるケースもあるというお話も伺ったことがあります。今ご答弁にもありましたが、太陽光発電の意義や活用方法、設置に要するコストなどを丁寧に説明して、理解を深めて普及を図っていくことが必要であると思います。
 先ほども触れましたが、太陽光の市場は住宅から事務所ビルなどの非住宅にシフトしている面もあり、非住宅における導入の今後の伸びが期待されますが、都がこの流れをどのように後押しし、本格的な拡大につなげていくのか、見解をお伺いします。

○石川都市エネルギー技術担当部長 非住宅用の太陽光発電の市場は、特に都市部においてはこれからという段階にありまして、建物所有者の認知度はまだ低いのが現状でございます。
 そのため、太陽光発電のメリットを積極的に情報提供していくことが必要でして、例えば、建物所有者と取引のある金融機関との連携によりセミナーを開催することなどが有効と考えております。
 特に都は、太陽光発電の取得価格の二分の一を事業税から直接控除する中小企業向けの減税制度を有しておりまして、これと、固定価格買い取り制度における全量売電の相乗効果をアピールすることで、導入促進に向けた強力なインセンティブになると考えております。
 今後も引き続き、非住宅分野においても新たな普及策を展開しまして、太陽光発電全体の市場拡大に貢献してまいります。

○小林委員 さきの代表質問において舛添知事は、再生可能エネルギーについて、電力に占める利用割合を二〇%程度まで高めることを目指し、長期的展望にも立って、あらゆる手だてを講じていくと答弁されました。
 あらゆる手だてを講じるとは、施策を常に検証し、小手先のものではなく、大胆に、スピーディーに施策を展開していかなければならないと思います。高いハードルであるからこそ、やり遂げるとの強い覚悟を持って臨んでいただきたいと思いますし、私たち都議会公明党も、どんどん新しい提案をしていきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。
 最後に、事業系食品廃棄物対策、食品ロスの問題についてお伺いします。
 昨年十一月の当委員会での事務事業質疑の際にもこの問題を取り上げ、都の取り組みをお伺いしました。
 国においては、食品廃棄物の発生抑制を促進するため、平成二十四年度から暫定的に実施していた食品関連事業者に対する発生抑制の目標値の設定を、平成二十六年度から対象業種を拡大して本格実施するとしております。
 また、消費者も含めた食品ロス削減に向けた国民運動であるノー・フードロス・プロジェクトを展開し、フードバンク支援や食べ切り運動、消費者の意識啓発など、さまざまな取り組みを実施していくこととしています。
 昨年の質疑の際、都は今年度、都内の食品関連事業者における食品廃棄物の排出実態などを把握するため、事業系食品廃棄物の排出実態調査を実施しているとのご答弁がございました。
 そこで、この実態調査の内容についてお伺いいたします。

○齊藤廃棄物対策部長 今回実施した調査は、事業系食品廃棄物の発生抑制、リサイクル施策を検討するに当たりまして、都内の食品関連事業者における食品廃棄物の排出実態やリサイクル実態等を把握するために行ったものです。
 具体的に申しますと、都内四千事業所へのアンケート調査と二十一事業所へのヒアリング調査を行いまして、各事業所における食品廃棄物の発生量やリサイクル量のほか、フードバンク活用等の発生抑制の取り組みや、肥料化、飼料化等のリサイクルの取り組みなどの調査を行ったものでございます。
 アンケート結果をもとに拡大推計を行ったところ、都内の食品廃棄物の年間総発生量は約九十八万トンとなりまして、これは国全体の発生量の約二十分の一を占めるものと見込まれます。
 発生量を業種別に見ますと、製造業では約十三万トン、卸売業では約七万トン、小売業では約十五万トンでございますが、外食産業で申しますと約六十一万トンが見込まれることになります。

○小林委員 このたびの調査は、都として今後の事業系食品廃棄物対策を具体的に検討していく際の大事な資料になるかと思いますが、この排出実態調査を行った結果、明らかになった主な課題についてお伺いいたします。

○齊藤廃棄物対策部長 都におきましては、製造業からの食品廃棄物の発生量が全体の八割以上を占めるという全国的な傾向とは異なりまして、先ほども申しましたように、外食産業からの食品廃棄物の発生量が全体の六割以上を占めているということが実態調査により判明いたしました。
 また、今後さらなる取り組みの促進が求められている発生抑制につきまして、賞味期限の近い食品などをメーカーなどから引き取り福祉施設などへ無償提供するフードバンク事業が、食べ物を食べ物として有効利用でき効果的であるというふうに考えておりますが、同事業への協力企業はいまだ全体の五%にすぎず、活用しない理由を聞いたところ、存在を知らなかったという回答が五割以上を占めるなど、認知度がまだ高くないことも判明いたしました。

○小林委員 今ご答弁いただきました主な課題につきまして、今年度の排出実態調査で明らかになった課題を踏まえて、都は来年度、事業系食品廃棄物対策にどのように取り組んでいくのかお伺いいたします。

○齊藤廃棄物対策部長 都はこれまでも、食品ロスの削減に向けたシンポジウムの開催や、都内大型店舗における食品廃棄物削減キャンペーンの開催、新宿西口広場で開催されたイベントでの食品ロス削減に関する展示など、食品廃棄物削減に向けた普及啓発事業を中心とした取り組みを展開してまいりました。
 平成二十六年度は、排出実態調査の結果を踏まえまして、主に外食産業を中心とした対策を検討し、飲食店における食べ切りプロジェクトの実施に向けて九都県市と連携するなど、飲食店における食べ残しを減らす取り組みを実施いたします。
 また、フードバンク事業の認知度がいまだ低いという点につきましては、フードバンク事業のさらなる普及を図るため、食品関連事業者や流通事業者とのマッチングセミナーを開催するとともに、引き続きイベントなどの機会を捉えて普及啓発に努めるなど、その活動を後押ししてまいります。
 こうした取り組みに加えまして、さまざまな機会を捉えて国や区市町村とも連携し、食品廃棄の現状や賞味期限、消費期限の正しい理解の推進など普及啓発を行うことで、食べ残しをしない、買い過ぎをしない、賞味期限を意識し過ぎないといった都民の皆様のライフスタイルの転換も促すような食品廃棄物対策を進めてまいります。

○小林委員 私、この食品ロスの問題は大変に重要な課題であるというふうに思っております。事業系食品廃棄物対策においては、国とも連携して、都が先導的な使命を果たしていかなければならないと考えますが、都内から排出される事業系食品廃棄物の大半は一般廃棄物に当たるため、その処分を担う区市町村の役割もまた重要であり、基礎的自治体とも連携し、また、それらに対して支援をしていく必要もあるというふうに考えております。
 平成二十六年度予算では、事業系食品廃棄物対策事業費は三百万円計上されていますが、二十五年度は九百万円であり、六百万円減額されています。今後この問題に真正面から都として取り組んでいくためにも、予算の増額ということも検討していくべきではないかというふうに思っております。
 さらに、区市町村と連携を深め、その役割を重視していく意味においても、先ほど質疑をいたしました区市町村との連携による地域環境力活性化事業の補助制度のメニューに、事業系食品廃棄物対策を加えていくことも検討していただきたいというふうに思います。
 この問題に取り組んでいくに当たってのキーワードは、やはりもったいないという言葉ではないかと思います。ノーベル平和賞を受賞したケニアの環境副大臣のワンガリ・マータイ博士は、日本のもったいないという言葉には、自然を尊敬しよう、有効な資源を有効に活用しようという、とうとい心を感じるというふうに述べております。この日本の精神を根本に、食の大消費地である首都東京が日本の先駆的、模範的な食品廃棄物対策を進めていただきますよう要望いたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。

○米倉委員 私からはPM二・五について質問させていただきます。
 昨年、WHOは、PM二・五など大気汚染物質による発がんリスクを、五段階危険度のうち最高レベルに分類したと発表しました。環境省は今月十二日、初のPM二・五に関する専門委員会の会合を開き、今後、国内での対策を盛り込んだ中間報告をまとめるとしています。大気汚染被害をなくしていくことを考えたとき、今後いかにPM二・五を減らしていくか対策が求められています。
 そこで伺います。PM二・五の与える健康被害について、都としてどのように認識していますか。

○木村環境改善部長 PM二・五は、粒子の大きさが、髪の毛の太さの約三十分の一と非常に小さいものでございます。国の中央環境審議会報告によれば、PM二・五は肺の奥深くまで入りやすいことから、呼吸器に沈着するほか、自律神経機能に影響を及ぼすため、PM二・五の暴露は、呼吸器、循環器疾患や肺がんの原因の一つとなり得るとしております。
 国は、人の健康を保護する上で維持されることが望ましい基準といたしまして、PM二・五の環境基準を設定しております。その値は、年平均値で一立方メートル当たり十五マイクログラム以下、かつ一日平均値の九八パーセンタイル値が三十五マイクログラム以下、すなわち、年三百六十五日の測定結果があった場合に、高い方から並べて八日目の一日平均値が三十五マイクログラム以下であることとしております。

○米倉委員 平成二十四年度のPM二・五の都内環境基準達成状況について、一般局、自排局それぞれについて伺います。

○木村環境改善部長 都は、環境基準が設定される以前から、都内大気環境中のPM二・五濃度を測定しております。測定を始めた平成十三年度からの十年間で約五五%減少し、大幅に改善しております。
 平成二十四年度のPM二・五の環境基準の達成率は、一般環境大気測定局三十一局中二十局で達成率は六五%、自動車排出ガス測定局では二十四局中六局で達成率二五%となっております。

○米倉委員 これまでの取り組みにより改善していることは確かですが、達成率でいいますと、一般局が六五%、自動車排出ガス測定局では二五%にすぎません。
 また、去年、東京都が、一立方メートル当たりのその環境基準値に対して年平均がどうかということを八月八日付で公表しています。そこでは、一年間のトータルな濃度の基準である年平均濃度については環境基準に近づいているのですが、一年間の中でとりわけ高い値がどうなっているかをはかる日平均濃度については、一般局が四十六・二マイクログラム、自排局で四十七・六マイクログラムと、環境基準値三十五マイクログラムから考えますと遠いということについては見過ごせないと思っております。
 たとえ、今、五五%減らして、年間トータル平均値を見ますと下がっているといいましても、一日という比較的短い期間で見たときに、PM二・五の値が高まり、短時間に多くのPM二・五が体に取り込まれる健康被害はさまざまな形で研究報告がされております。PM二・五の濃度が上昇するごとに、例えば呼吸器系の疾患による死亡率が上がるですとか、ぜんそく患者の症状が出る、脳卒中、脳梗塞の発症リスクが上がることが国内外の調査で指摘されております。
 今、日本では、近年の一日平均のPM二・五の上昇に対し、七十マイクログラムを注意喚起の基準にしていますが、アメリカでは、三十五から七十マイクログラムについても、PM二・五に反応しやすい人については、長時間または激しい屋外での活動を減らすよう検討すべきという分類をしております。こうしたことを見ても、一日平均濃度が環境基準値三十五マイクログラムから離れている、こういうことについては今後検討をしていかなければならないと思っております。
 私は、東京公害患者と家族の会の方からお話を伺ってまいりました。葛飾区在住の女性は、長く入退院を繰り返していらっしゃいます。お話を伺おうとしましたが、この方はぜんそくが重症で、結局お話をすることができませんでした。
 ほかのある四十二歳の女性は、生後一年に満たないときにぜんそくを発症しました。それ以来、季節の変化、大気や気圧の変化、また体調を崩すと、その時々にぜんそくの発作が起こってしまいます。一度発作が起こると呼吸困難になり、たんが喉に詰まり、しんどくて動けなくなります。四時間置きに薬を吸入して、徐々に回復を待たなければなりません。このご家族は、大気汚染の状況をしっかり把握して、総合的な対策を行ってほしいとおっしゃいました。
 この公害患者の会の方々はまた、PM二・五についても要望を持っていらっしゃいます。環境基準値を早期に達成と東京都は今掲げていらっしゃいますが、早期に達成と一般的にいうだけではなく、いつまでに達成するのか期限を明らかにして、計画と具体策を持ってほしいということです。
 そこで伺います。PM二・五の発生源について、都はどのように認識し、それに対してどのような対策を検討し取り組んでいるか、お願いします。

○木村環境改善部長 PM二・五は、物の燃焼などによって大気中に排出されたときに既に粒子となっている一次粒子と、硫黄酸化物、窒素酸化物及び揮発性有機化合物、いわゆるVOCのようなガス状の物質が環境大気中で化学反応をすることによって粒子となった二次生成粒子とがあり、生成メカニズムは複雑でございます。
 発生源は、人為起源のものとしてボイラーや焼却炉などのばい煙発生施設、自動車、船舶、航空機などがあり、自然起源のものとしては土壌、海の塩、火山ガスなどがあり、多様でございます。
 都はこれまで、工場のばい煙対策、清掃工場の排出ガス対策、自動車の排ガス対策、VOC対策などに取り組んでまいりました。

○米倉委員 わかりました。
 今、環境基準を満たしている測定局が、先ほどのご答弁でもありましたように、一般局では六五%、自排局では二五%となっています。
 都として、今後どのような目標を持ち、いつまでに基準を達成するか伺います。

○木村環境改善部長 国の先ほどの環境基準は、長期評価を基本に評価するというふうになってございます。
 PM二・五の最新のデータであります今年度四月から一月までの平均濃度は、一般局平均で十五・五マイクログラムとなっており、環境基準値まであと一歩となっております。
 都は、先ほどの対策に加えまして、来年度は、PM二・五の主要な原因物質であるVOCの削減について、近隣県市と連携を強化し、VOCが揮発しやすい夏の排出抑制を事業者に促すとともに、新たに塗料製造業界や建設業界などと協働して、低VOC製品の利用拡大に向けたルールづくりなどの取り組みを開始いたします。
 このような対策を進め、環境基準を早期に達成するように努めてまいります。

○米倉委員 さまざまな取り組みを進めていること自体は大切ですが、環境基準達成について、早期に達成するとなっていて、いついつまでに達成するという期限を持った目標を持っていないわけですから、これを明確に持つことを強く求めるものです。
 PM二・五の発生源として、自動車と船舶の問題についてお伺いします。
 都が二〇一一年に、PM二・五がどこからどれだけ発生したかを明らかにした調査報告を出しました。その中では、都内からの発生源では、自動車が第一位で八百四十八トン、第二位は船舶で七百二十二トンと、第三位の建設機械等の三百九十二トンを大きく引き離し、重大な発生源となっているからです。
 自動車、船舶についての対策を伺います。

○木村環境改善部長 自動車につきましては、ポスト新長期規制等排出基準適合車や低公害、低燃費車への転換、電気自動車や燃料電池自動車等の普及に向けた取り組みを進めております。
 船舶につきましては、船舶による汚染の防止のための国際条約、いわゆるマルポール条約で、排ガス中の窒素酸化物や燃料中の硫黄分の規制が定められております。また、港湾管理者や民間事業者が実施いたします、ふ頭や船舶での大気汚染対策の支援を推進することを国に提案要求しております。
 都内で測定されるPM二・五の発生源は、自動車や船舶を含め、過半が都外からのものであり、また、発生場所が不明な二次有機粒子も二割ございます。PM二・五の発生源は多様であり、引き続き、さまざまな対策を進めてまいります。

○米倉委員 自動車からの排出については、今の答弁では自動車一台ずつの単体規制だけでしたが、自動車からのPM二・五を大きく減らしていくには、あわせて自動車交通総量の削減対策が必要です。モーダルシフトの推進、ロードプライシング、交通需要マネジメントなど対策を進めていただくことを求めます。
 次に、船舶についてです。
 先ほど紹介した東京都の調査報告では、二〇〇八年に七百二十二トンだった船舶からの排出が二〇一六年にどうなるかをシミュレーションしています。そこでは、現在進められている対策だけしか行わない場合、船舶から排出される量は、減るどころか八百一トンにふえると推測しているのです。しかも、都は現在、品川のふ頭の拡充を進め、船舶をさらに呼び込もうとしており、一層増加する危険性もあります。
 船舶を初めとする港湾の大気汚染防止の取り組みでは、海外の自治体に先駆的な取り組みがあります。アメリカのカリフォルニア州によるロサンゼルス港の大気浄化の取り組みです。カリフォルニア州は二〇〇六年に、五年後にディーゼルによる微粒子を半分に減らすという目標を立て、その目標を実現する行動計画をつくりました。ちなみに、この目標は、その後引き上がり、二〇一四年までに七二%以上、二〇二三年までに七七%、つまり八割近くを減らすという意欲的な目標となっています。
 船から出るディーゼル微粒子への具体的対策としては、港に出入りする船の速度をスピードダウンさせる、硫黄酸化物が〇・一%以下という非常に良質の燃料を使う、港に停泊している場合は船のエンジンによる電力ではなく陸上からの電力を使う、この三つを主な対策として取り組みました。
 その結果、二〇一一年には、ディーゼルの粒子は、計画前の二〇〇五年と比べ三百三十三トン、六九%も減らし、その結果、PM二・五も、三百四トン、六七%減らしています。PM二・五は計画によって三分の一になったのです。
 このカリフォルニア州の取り組みは、アメリカ政府とカナダ政府まで動かし、アメリカとカナダ全体の海岸に厳しい基準が義務づけられました。自治体による港や船舶に対する期限を明確にした目標と計画が国を動かしているんです。
 実は、この取り組みについて、東京港埠頭株式会社のメンバーがレポートを出しており、こんな考察を書いています。州や市が明確な目標を設定し、その一部である港湾の役割、目標も明確であること、きちんとした成果が上がっている理由は、何といっても強い行政のリーダーシップにあることがわかった。日本の港湾が何となく自助努力的に環境配慮に取り組もうとしているのとは大きく異なっている。つまり、自治体が明確な目標を持ち、強いリーダーシップを発揮することが大切だというのです。
 ぜひ、東京都としても、車のディーゼル規制で発揮したようなリーダーシップを船舶でも発揮すること、そのためにも明確な目標と計画を策定することを求めます。
 次に、都は、今年度をもって自動車公害対策部を廃止し、各課をほかの部へ移管するとしています。
 まず伺います。どのように自動車公害対策部の組織は変わるのか、今後、これまでの自動車公害対策がそれぞれの部署で行われるのかをお願いします。

○吉村環境政策部長 お尋ねの組織改正でございますが、平成十二年度に環境局設置とともに発足した自動車公害対策部でございますが、その後、ディーゼル車規制あるいは低公害車の普及等、いろいろ取り組んでまいりました。
 今回の組織改正でございますが、これは自動車公害対策と大気汚染対策とを一体的に進める体制を構築するなど、より効率的、効果的に推進するため、自動車公害対策部を発展的に解消するものでございます。
 具体的に申し上げますと、計画課や規制課が所管する自動車公害対策企画業務やディーゼル車規制業務は、先ほどもいろいろお話がございましたPM二・五対策などを所管しております総合的な大気汚染対策を所管いたします環境改善部に移管させていただきます。また、交通量対策課が所管いたします交通量対策業務については、環境都市づくりの観点から都市地球環境部に移管いたします。さらに、EV、PHVといった次世代自動車の普及促進事業や次世代エネルギーとして期待される水素を用いる燃料電池自動車関係業務は、エネルギー政策やエネルギーマネジメントの観点から都市エネルギー部に移管するものでございます。

○米倉委員 交通量対策課が担ってきた自動車交通総体の規制は都市地球環境部に移されますが、こちらの方は、課がなくなってしまい係になるなど、体制は大きく弱まってしまいます。
 今回、都が自動車公害対策部を廃止するということで、自動車公害患者の方々を初め、今後、都の自動車公害の規制が引き続き行われるのか心配の声が上がっています。
 都は、平成十九年、ぜんそく公害患者との裁判和解条項において、ロードプライシングの実施についての検討と交通需要マネジメントの充実を約束しています。この約束は、組織再編された後にも責任を持って取り組むのか伺います。

○山内自動車公害対策部長 今回の組織改正に伴いまして、自動車公害対策部の所管する事務は、今ご答弁いたしましたとおり、環境改善部を初めとする各組織に移管されます。お尋ねの事項につきましても、移管後の組織で引き続き取り組んでまいります。(発言する者あり)今お尋ねにありました事項でロードプライシングにつきましては、ロードプライシング自体は、もともと渋滞解消、大気汚染の解消ということで当初検討していたわけですが、ディーゼル車規制の実施によって大気環境が大幅に改善しております。
 一方で、ロードプライシングの実施に当たっては、課金のやり方ですとか、法的な根拠ですとか、あとは、東京の場合、迂回路の確保の問題、いろんな実施上に伴う問題がございますので、それについては引き続き検討してまいります。
 それから、TDM施策につきましても、各局連携で実施してきたところなんですが、地球温暖化対策などの視点も踏まえまして引き続き取り組んでまいります。

○米倉委員 TDMプランについては、都は平成十二年にプランを発表しています。今後は、これはどのような方針や目標で取り組むのか伺います。

○山内自動車公害対策部長 都は、TDM東京行動プランに基づき、交通渋滞を解消し、道路交通円滑化と大気汚染等の改善を図るため、関係各局が連携しましてさまざまな施策を推進しております。
 その結果、先ほどもちょっと触れさせていただきましたけど、浮遊粒子状物質や二酸化窒素などの環境基準は大幅に改善してまいりました。
 さらに、地球温暖化対策などの視点も加え、引き続き、関係各局、区市町村、事業者等と連携して交通需要マネジメントを総合的に推進してまいります。

○米倉委員 ぜんそく公害患者との裁判和解条項において都が約束したロードプライシングの検討や交通需要マネジメントの充実、つまり排ガスの総量規制は、自動車公害による健康被害を生み出さない東京をつくっていく上で非常に重要な取り組みです。
 最後に、自動車公害対策について、先ほど大きく改善したという話がありましたが、都は、この自動車公害対策について、終わったと考えるのか、それとも引き続き対策が必要な課題と考えるのか、認識を伺います。

○山内自動車公害対策部長 東京都は、平成十一年当時、SPM、浮遊粒子状物質や窒素酸化物が、非常に大気環境が厳しい状況にあったということで、その当時、ディーゼル車から排出されるPMが特に大気汚染の原因であるということでディーゼル車規制に取り組んでまいりました。
 その結果、平成十七年からは、SPMの環境基準は全局ほぼ達成している、それから、NO2、二酸化窒素の環境基準についても大幅に達成率が上がっているということで、ディーゼル車規制などの実施、それから低公害車などの普及等によりまして、大気汚染の状況はそれ以前と比べまして大幅に改善していると、まず認識しております。
 ただ一方で、今、PM二・五の問題等はご答弁したのですが、それにつきましては、二次生成粒子の問題とか複雑な要因が絡んでおりますので、引き続き、固定発生源対策とも連携を図りながら取り組んでまいりたいと思います。

○米倉委員 今のご答弁ですと、自動車公害対策について、はっきりと課題であるという認識が表明されなかったということでいいのでしょうか。引き続き対策が必要なものかどうか伺います。

○山内自動車公害対策部長 先ほどもご答弁しましたとおり、当初、平成十一年当時から東京都の大気汚染で非常に問題となっていたディーゼル車に起因するPM、それから、それ以外の二酸化窒素、NO2の問題につきましては、平成十七年以降、大幅に改善しております。
 一方で、PM二・五の問題につきましても、先ほど環境改善部長からもご答弁したかと思いますが、自動車も発生源の一つでありますので、今後、固定発生源対策と、それから自動車排出ガス対策を一体的に行い、効果的に対策を推進してまいります。

○米倉委員 自動車公害対策について、はっきりと課題であるという表明ではなかったと思います。
 自動車による健康被害に苦しむ多くの方々が、都として自動車公害対策をしっかり位置づけて取り組んでほしいと願っています。今回の組織改正では、自動車公害対策の後退につながるものと危惧せざるを得ません。自動車公害対策部の継続を求め、質問を終わります。

○大西委員 きのう、この場所で建設局の委員会質疑がございまして、その場で、自転車専用レーンの整備は積極的に行っていくと、そういう答弁もございましたので、まず自転車の施策についてお伺いをいたします。
 自転車は、排気ガスがなく騒音なども少ない環境によい手軽な移動手段であり、健康づくりなども期待できます。
 一方で、自転車利用を取り巻く環境は、放置自転車や交通事故など改善しなければならないたくさんの課題もございます。低環境負荷で持続可能な社会を実現するためには、環境負荷の少ない自転車の活用は不可欠であり、そうした利用環境との整合を図りつつ、その普及を図っていくことが重要であると考えます。
 自転車施策に関しては、自転車の課題解決等に向け、行政や民間事業者を含め、さまざまな主体が自転車道やレーンの設置、利用時の安全講習、駅前レンタサイクルなどを実施しています。中でも放置自転車対策は深刻な問題となっておりますが、自治体では駐輪場の増設には限界もあり、自転車レンタサイクルなどで自転車をシェアするということにより駐輪対策などに努める自治体もあります。
 そこで、都内の自治体のうち、今、レンタサイクルやシェアリング事業を展開している区市町村はどのぐらいあるかお伺いいたします。

○山内自動車公害対策部長 都では、都内の区市町村に対し、昨年末、自転車施策に関するアンケート調査を実施しております。
 レンタサイクル事業を実施している自治体は十三区市町村であり、そのうちシェアリング事業に関しては、過去に社会実験を実施した自治体と現在社会実験を実施している自治体を含め、五区市と把握しております。

○大西委員 自転車シェアリングというのは新たな自転車活用の手法であり、今、部長からもご答弁がございましたが、たった十三区市町村ということで、都内ではまだまだ取り組んでいる自治体が少ないというのが現状でございますが、社会実験などは、都内に限らず国内各都市でも取り組まれております。しかし、その実情というものをよく見れば、数カ月で終了してしまっているものや、数カ所のサイクルステーションで実施されているなど、やり方もさまざまであり、ほとんどの場合、残念ながら事業として長続きしていないというのが現状だと思います。
 一方、ヨーロッパを中心として、パリとかロンドンでもそうですが、諸外国では、自転車が都市交通体系の一部に、中心にしっかりと組み込まれて、市民の足として根づき、普及しているのもよく見られます。
 国内において、なかなか普及に至らない課題は一体何であると認識しているのかお伺いいたします。

○山内自動車公害対策部長 全国で実施されている社会実験は、その多くが国等からの補助金を主な財源とした運営形態であることや、実施エリアが狭くサイクルステーションの数も少ないことから、利用目的が限定されやすく利便性が低いこと、さらには有人対応による貸出手続の煩雑さなど、さまざまな要因がなかなか普及に至らない課題であると考えております。
 加えて、現時点では、自転車シェアリングは、多額な初期投資に比べ、利用促進の観点から低廉なサービス料金の設定も欠かせないため、事業採算性の確保が難しく、経営基盤が脆弱で事業継続性が低い側面も持っております。
 将来的には、事業採算性を確保し、持続可能な仕組みを構築していくことが重要と考えております。

○大西委員 自転車シェアリングは、地域の特性を踏まえ、地元の足として区市町村などの自治体が実施すべきだと思いますが、今いわれたように課題も多いと思います。
 課題が多い自転車シェアリングですが、先週、東京都が支援して比較的うまくいっているといわれている江東区をちょっと見てまいりました。パリと比べれば圧倒的にステーションの数は少ない、これが実際の感覚ですが、しかし一方では、目立つところにステーションも置いておりますし、私が見ていた間でも、何人もの利用者が借りていくのを私は直接見ました。
 そのときに、一人、たまたま愛知から来た人に聞いてみたら、便利そうだなということで使ってみたいというので、何かいろいろやっていた方もいました。
 また一方で、メンテナンスをしている方がおられたのでちょっとお話を聞いてみたら、認知度が上がれば上がるほど、この利用はどんどんふえているという状況も聞きました。
 あそこは、江東は比較的道路も横も広い、だからやりやすいというところもあると思うんですが、他の都市の取り組みと比べると、これは便利な乗り物として十分機能していると思います。
 都では、どのような考えに基づき、この自転車シェアリングの普及に取り組んでいるのか、お伺いをいたします。

○山内自動車公害対策部長 自転車シェアリングは、環境によい自転車を複数の利用者が共有するシステムであり、環境負荷低減効果が大きいばかりでなく、まちの回遊性向上や健康増進など多様な効果がございます。
 その普及に当たっては、地形や自転車需要の存在などが重要であることから、区市町村が地域の実情を踏まえ実施することが効果的と考えております。
 都では、自転車シェアリングの普及に向け、東京都自転車シェアリング連絡会を設置しており、江東区での実証実験を契機に、自転車シェアリングの効果的な手法について検討を開始してきております。
 自転車の持つ多面的な効果を最大限発揮できるよう、自転車シェアリングに関する知見等の情報提供を行うなど、区市町村が行う自転車シェアリング事業を支援していくことが重要と考えております。

○大西委員 自転車シェアリングには、今お話があったとおり克服すべき点もたくさんあるのは再認識するわけでございますが、一方で、自転車シェアリングは新しい仕組みであるため、区市町村では、環境によい仕組みとわかっていてもどういうふうに取り組んだらいいのか、どうやったら円滑に進むのかと、知識、経験がないのも事実です。また、国内では取り組み事例も少なく、情報を収集できない状況もあるのが実情だと思います。
 都内で自転車シェアリングを普及していくには、江東区のような優良事例を都が積極的に区市町村等に情報提供していく必要もあると思います。
 今年度の事業として、自転車シェアリングのガイドラインを作成するということにしておりますが、その目的と内容はどのようなものかお伺いをいたします。

○山内自動車公害対策部長 区市町村がその地域特性を踏まえて自転車シェアリングを効果的に実施できるよう、取り組みが順調に推移している江東区での実証実験から得られる知見等に基づき、事業実施に当たってのポイントなどをガイドラインとして取りまとめ、効果的な実施手法等を区市町村に提供するものでございます。
 内容として、事業継続性を確保するための事業運営の形態や手法、また、事業のかなめであるサイクルステーションに関する安全面に配慮した構造や設置位置、利用回数の高いサイクルステーションの配置などに関して、具体例などを挙げ、わかりやすく掲載することにしております。
 さらに、最新のICT技術を活用した貸し出しのシステムの運用状況などの情報も盛り込む予定でございます。

○大西委員 都は、ガイドラインの作成のほかに、自転車シェアリングの普及に向けて、今回、同時補正予算としてサイクルステーションに関する経費が五百万円計上されております。その予算内容について伺います。

○山内自動車公害対策部長 自転車シェアリングの運営に当たっては、先ほどもご答弁しましたとおり、自転車を駐輪させるサイクルステーションの位置が重要なポイントの一つでございます。利便性の観点から、自転車需要が高く出発地や目的地に近いことが望ましく、安全確保の面からは、歩行者との関係で道路幅員の確保等が重要でございます。
 都としまして、都心部などの地域を念頭に自転車シェアリングの実施に適した具体的な用地を調査選定した上で、調査から得られるサイクルステーションの設置が望ましい場所などに関する情報を、自転車シェアリングを計画している自治体等に積極的に情報提供し、自転車シェアリングの普及拡大を図ってまいります。

○大西委員 それに対しては五百万でいいのかなと、もっとたくさん出してもいいんじゃないかぐらいの気持ちはございますが、今後、この自転車シェアリングを普及させればさせるほど、走行する自転車も多くなり、環境負荷低減やまちの活性化などプラスの効果も大きくなりますが、都市の道路空間との調和のとれた交通手段として有効に機能するには、活用される自転車について、どこを走らせ、また、どのサイクルステーションにとめさせるかという課題も出てくると思います。
 自転車シェアリング普及に向けた取り組みは、江東区での実証実験がうまくいくことで、今後さまざまな自治体が興味を示し、取り組みを検討する可能性も大いにあると思います。ガイドラインの作成、普及、加えてサイクルステーションの場所に関する情報など、区市町村が自転車シェアリングを実施する上で必要な情報を積極的に提供して、都内での自転車シェアリングの普及を大きく高めていただきたいと思います。
 続きまして、先ほどPM二・五の話が出ておりましたが、大気汚染対策に係る国際協力の推進について伺います。
 現在、アジアの諸都市では、急速な経済成長を遂げる一方で、大気汚染などの環境問題が深刻化しており、例えば、ことし二月には、中国中東部を中心とした広い範囲でスモッグが広がったことが報道されました。この主な原因は、石炭暖房の排ガスの増大や気流の影響などが考えられますが、自動車排ガスの影響も大きいと思います。それは、北京市では自動車の保有台数が、わずか二年二カ月という間に、四百万台が五百万台へと百万台も増加している。二割以上、上がっているわけですね。その対応に苦慮していると伺っております。
 都は、その北京市と、自動車排ガス対策も含め、昨年十月、大気汚染のワークショップを東京で開催しましたが、その内容についてお伺いいたします。

○谷上環境都市づくり担当部長 昨年十月に開催した東京都・北京市大気保全ワークショップは、平成二十一年に北京市と締結した技術交流、技術協力にかかわる合意書に基づくもので、北京市環境保護局の副局長を初め、実務者六人を東京に招いて行いました。
 このワークショップでは、両都市のこれまでの大気汚染対策の取り組みや、東京都のVOC対策やディーゼル車規制の取り組みを紹介しました。
 また、東京における取り組みを具体的に見てもらうため、車両取り締まりのデモンストレーション現場や都内の大気測定局、及び東京都環境科学研究所で実施している自動車排ガス試験などの視察を実施しました。
 さらに、民間施設での取り組みを紹介するため、VOC対策を行っている製油所や自動車工場の視察も行いました。
 北京市側からは、ワークショップの成果として、都が大気汚染対策を事業者や都民及び他の自治体などと一体となって進めてきたことに大きく学んだなどのコメントがありました。

○大西委員 東京都が持つ政策ノウハウを提供する取り組みは、アジア諸都市の環境改善に資するものであり、都は、北京市だけでなく他の大都市にも提供し、さらに海外貢献を進めていくべきだと考えます。
 他の都市とはどのような交流を行ってきたのか、また、それを踏まえて今後どのように取り組んでいくのか伺います。

○谷上環境都市づくり担当部長 都は昨年、北京市以外にも、アジア大都市ネットワーク21の会員都市であるバンコクを対象に、現地及び東京で大気汚染に関するワークショップを開催しています。
 また、廃棄物分野においても、同じくアジア大都市ネットワーク21の会員都市であるヤンゴンを対象に、現地及び東京でワークショップを開催するなど、海外協力を進めています。
 さらに、ことし六月には、気候変動対策に取り組む大都市の国際的なネットワークであるC40と共同で東京ワークショップを開催し、日本のすぐれた建築物の省エネ技術を紹介する予定です。これに対しても、アジアの諸都市を招待するなど、気候変動分野における技術支援をより一層進めていく考えです。
 今後とも、都は、環境分野におけるリーダーシップを発揮し、各都市のニーズを踏まえつつ、アジア諸都市に対する国際協力を推進していきます。

○大西委員 ぜひリーダーシップをとって、どんどんきれいにしていっていただきたいと思いますが、一方で、他都市に対してそういう指導をするということは、当然、この東京都がもっともっときれいになっていかなければならない、そんな思いで、先ほどもちょっと出ましたが、ディーゼル車の取り締まりについて最後にお伺いいたします。
 このディーゼル車の取り締まりについては、私は昨年の事務事業でもお伺いをいたしましたが、このディーゼル規制が東京の大気環境の大幅な改善をしたということは、もう紛れもない事実だと思います。これは、石原慎太郎元知事のリーダーシップや、自動車公害対策部の懸命な皆さんの努力や、そして業界の方々、事業者の方々の協力もあってなされたことと思います。
 こうした中で、ディーゼル車の取り締まりに関しては、厳しい取り締まりのかいもあって、都内へ流入してくる悪質な違反車両については減少してきているようでありますが、今後もしっかり取り締まりを行っていくことがやはり重要だと思います。
 そこで、先ほどの質疑でもちょっとございましたが、今回の組織改正により、自動車公害対策部で行ってきたこのディーゼル車の取り締まりについては、今後、環境改善部で行っていくということですが、ディーゼル車の取り締まりをどのように行っていくか、お伺いをいたします。

○山内自動車公害対策部長 先ほど自動車の大気汚染対策についての認識に関するご質問もございましたが、ディーゼル車規制から十年を経過し、今、委員からもお話がありましたとおり、多くの事業者や関係団体の協力もありまして、平成十五年の規制開始前には一つの環境基準も満たしていなかった浮遊粒子状物質、SPMが全測定局で達成したのを初め、二酸化窒素につきましても大幅に改善するなど、東京の大気環境は大幅に改善しております。
 一方で、自動車がその一つの原因であるPM二・五などの課題もあり、自動車による大気汚染対策は他の固定発生源対策などと一体的に進めていくことが効果的な取り組みであることから、自動車公害対策部で行ってきた大気汚染対策については、固定発生源対策などを所管する環境改善部に移管し、ディーゼル車規制の取り締まりについても、環境改善部に新設される自動車環境課の方で実施する予定となっております。
 移管後も、多くのディーゼル車が走行する幹線道路や物流拠点で自動車Gメンによる車両検査を行うほか、首都高速に設置した固定カメラで都内への流入車両を撮影し、一般幹線道路についても移動カメラで撮影を行い、違反車両の把握に努め、悪質な違反車両に対しましては自動車Gメンによる粘り強い指導を行うなど、規制への適合状況を見ながら必要な取り締まりを行ってまいります。

○大西委員 現在実施しているディーゼル車の取り締まりは新たな所管部署で継続されるということでございますので、ぜひそこはお願いをしたいと思います。
 しかし、先ほどいったとおり、少なくなってきているようではありますが、遠方から流入してくる違反車両の対策については、都だけではなく、隣接する千葉や埼玉、神奈川とともに頭を悩ませている課題でもあります。
 こうしたことから、流入してくる違反車両に対しては、各県が個別に行っている取り締まりだけでなく、一都三県が連携して効果的な取り組みを行っていく必要もあると思いますが、都の見解をお伺いいたします。

○山内自動車公害対策部長 委員ご指摘のとおり、一都三県においては、それ以外の地域から流入してくる違反車両の取り締まりは、従来からの共通した課題でございます。都内へ繰り返し流入してくる違反車両を見ましても、一都三県以外の地域から流入する車両の大半を占め、そのうちの半数以上は、茨城県、群馬県、栃木県、山梨県の首都圏周辺の四県の車両が占めております。
 そうしたことから、改めて、周辺自治体の環境部局やトラック協会などの関係団体へ、ディーゼル車規制に対応していない車両が一都三県を走行する場合にはPM減少装置の装着などの対応が必要であるということを一都三県が連携して要請し、悪質な違反車両の一層の削減を図ってまいります。

○大西委員 遠方からの流入車については、一都三県で連携して、しっかり対応していっていただきたいと思います。
 自動車公害対策部のこれまでの取り締まりにより違反車両が着実に減少し、大気汚染が大幅に改善したことは私も評価しています。一方で、東京都の空気がきれいになったということで、ディーゼル車規制はもう終わったのじゃないかと思っている都民も多いのではないかと私は最近心配しています。
 従来、自動車Gメンなどによる取り締まりのほか、黒煙をもくもくもくもくと垂れ流しながら走る車両を見た際に都民が通報する制度があり、そうした車両の改善には役立ってきたと思います。
 私も実際、まだ都内の中で、たまにですが、黒い煙を吐きながら走っている車を見ることがあります。私が見るわけですから、当然、都民もたくさん見ていると思います。しかし、そうした車両を見かけても、都民が通報する制度があること自体を忘れてしまっていて、結果的にそれを放っておけば悪質な違反車両が見過ごされ、また指導に結びつかないということもあるのではないかと思います。
 こうしたことから、せっかくあるこの通報制度を違反車両の効果的な指導に役立てるべきだと思いますが、都の見解をお伺いいたします。

○山内自動車公害対策部長 都は、黒煙ストップ一一〇番という通報制度を平成十六年六月に設置しております。この制度は、都内で黒煙を出しながら走行するディーゼル車を見つけた場合に、車のナンバー、走行場所、走行時間、車種や会社名等の情報を電話やファクシミリで通報してもらう制度でございます。
 通報があった車両につきましては、車検証情報や装置の装着状況等の情報から規制への対応状況を確認し、違反車両に対しては自動車Gメン等による改善指導を実施しております。
 こうした通報制度は都民からの貴重な情報の窓口であることから、今回、組織改正がございますが、組織改正に伴う所管部署のお知らせなどとあわせて周知を図ってまいります。

○大西委員 ぜひ、その一一〇番、もっともっと周知していただきたいと思います。
 例えば、東京に入るところのインターチェンジとかサービスエリアとかで、こんな黒煙の車を見たらここに報告してくださいぐらいの、そういうシールをぺたぺた張るとか、我々のこの東京の空気は、東京に住む人間で守らなければならないということをぜひ肝に銘じていただき、先ほどから話も出ていますが、これからも厳しい指導をしていく、公害対策はこれからも進めていくということだと私は理解しましたので、頑張っていただきたいということをお伝えして、質問を終わります。

○山内委員 環境確保条例の改正についてからお伺いしていきます。
 アスベストが使われていた建築物の解体工事においては、アスベストの飛散防止対策を適正に実施することが重要です。都では、アスベストの飛散防止対策を実際に施工する事業者向けに、大気汚染防止法と環境確保条例の内容をわかりやすく解説したアスベスト飛散防止対策マニュアルなどを作成し、提供していると聞いております。
 しかし、このマニュアルに従って工事施工者がアスベストの飛散防止対策を適正に行っているかどうかを都、区、市の職員が的確に確認することが、解体現場周辺の住民の不安を払拭し、ひいては都民の健康を守ることにつながると考えます。
 そこで、アスベストの飛散防止対策が適正に施工されているのか、都と区、市の職員の立入検査の実績についてお伺いいたします。

○木村環境改善部長 大気汚染防止法及び環境確保条例に基づくアスベストが使われている建築物の解体工事等の届け出受理や立入指導は、二十三区では区が、多摩地域では、建築物の規模によって都と市で分担して実施しております。
 都内でのアスベストが使われている建築物の解体工事などは年間約千二百件あり、そのうち九割以上は現場への立入検査を実施しております。残りの一割については、配管の一部の保温材を袋で覆って密封状態のまま除去するなど飛散のおそれが少ないことから、工事施工者から写真などを提出させて確認しています。
 なお、立入検査などでは、プラスチックシートによる作業場の密閉状況や場内の風圧、それから集じん、排気装置の動作などを確認し、必要な指導を行い、作業に起因するアスベスト飛散の未然防止の徹底を図っております。

○山内委員 届け出がされた建築物の解体工事については、九割以上について立入検査が行われており、それ以外にも写真などで確認をしているということですね。
 今回の大気汚染防止法改正では、届け出がなくても立入検査ができるようになったけれども、都の場合はどのように対応しているのでしょうか、お伺いいたします。

○木村環境改善部長 環境確保条例では、従前から全ての解体工事現場に立入検査ができるよう規定されております。
 一方、大気汚染防止法ではこれまで、アスベストが使われている建築物の解体工事等の届け出があった現場にしか立入検査ができず、アスベスト除去工事か否か確認する規定がございませんでした。今回の法改正では、全ての解体工事現場に立入検査ができるように改正され、条例と同様になりました。
 従前から都は、都民からアスベストの無届け工事の疑いがあるとして通報があった場合などは、届け出のない解体工事現場にも条例に基づき立入検査を行い、アスベストの有無を確認した上で必要な指導を行ってきております。

○山内委員 今回の条例改正では、法改正に伴って解体工事の届け出義務者を工事施工者から発注者に変更し、発注者がアスベストの飛散防止に責任があることを明確にして、工事が適正に行われるようにしたと聞いております。
 解体工事において、契約上優位な立場にある発注者に必要な費用と工期を確保させるために発注者の責任を明確にすることは、適正な工事が実施される上で有効だと思います。
 一方、実際、アスベストの飛散防止対策を行うのは施工業者であり、かつアスベストの飛散防止対策に関する知見を有するのも、発注者よりも施工業者です。そのため、アスベストの飛散防止対策に関する施工業者の責任は依然として大きいと考えます。
 そこで、今回の改正で、施工業者の責任等については、都はどのように考えているのでしょうか。

○木村環境改善部長 条例では従前から、工事施工者に対して、アスベストの飛散防止対策を具体的に規定した作業上の遵守事項に従い工事を施工する責任があることが明記されており、違反した場合は、勧告、命令、罰則がございます。これに変更はございません。
 また条例では、大気汚染防止法で規定のなかった工事前のアスベストの有無の把握と、工事前、工事中、工事後の大気中のアスベスト測定を工事施工者に義務づけており、これも変更はございません。
 今回の条例改正に合わせて都の施行規則の見直しを行い、アスベストの大気濃度測定結果や作業内容の記録と保存を工事施工者に求めることといたしました。
 解体工事に伴うアスベストの飛散を確実に防止するため、工事施工者に対して、引き続き指導の徹底を図ってまいります。

○山内委員 さきの予算特別委員会で、私は建築物のアスベスト使用の把握について質問いたしました。自治体によっては、建物のアスベスト使用のデータをまとめた台帳を整備しているところがあります。建物の把握は都市整備局の所管ではありますが、このような部署とともに連携してアスベストの飛散防止に当たっていただくよう要望いたします。
 次に、フロン対策についてお伺いいたします。
 昨年度、都は、大規模な冷凍設備についてフロンの漏えい量の実態調査を実施いたしました。大規模な事業者に対しては漏えい対策の助言などをしているとのことですが、コンビニやレストランなどの冷凍冷蔵施設や空調機など中小事業者の漏えい対策も重要です。
 新年度予算にノンフロン導入のための助成金が盛り込まれておりますが、実際にノンフロンに切りかえる事業者への働きかけが重要です。しかし、全ての事業者がノンフロン化に転換できるわけではないので、フロン漏えい防止対策が必要です。
 国のサンプル調査では、別置き型のショーケースや中型冷凍冷蔵機器の漏えい割合が大きいとなっています。中小企業者が漏えい対策を実施するように技術支援が必要です。どのように助言をするのかお伺いいたします。

○木村環境改善部長 フロンを適正に管理するためには、ユーザーが漏えい防止の観点から設備の適切な維持管理の方法を知るとともに、機器廃棄時などにフロンの回収が確実に行われることが重要でございます。
 昨年度実施いたしました高圧ガス保安法対象施設におけるフロンの漏えい量実態調査では、漏えいが起きやすい箇所や主要な原因のほか、漏えい防止対策には、点検や部品の交換などに重点を置いた管理が有効かつ簡便な方策であることがわかりました。
 都は、この調査結果などをもとに、日常点検の方法や機器の保守、廃棄時における注意事項などについて簡単に解説したマニュアルを作成し、ユーザーに配布してまいります。
 また、この四月から、総合的なフロン対策を行う組織を高圧ガスの保安対策を所管する部署に設置し、大型冷凍空調機器の冷媒漏えい防止対策などで蓄積した知見やノウハウを活用した助言を行うなどして、中小事業者を含めたユーザーの適正管理を支援してまいります。

○山内委員 漏えい対策には日常的なメンテナンスが有効であり、技術支援をしていくということですけれども、対策の必要性がまだまだ認識されていないという事業者も多いという現状があります。
 事業者に対して漏えい対策が必要であることを周知していくことが必要ですが、周知の方法についてお伺いいたします。

○木村環境改善部長 業務用の冷凍冷蔵空調機器のユーザーに対するフロンの適正管理の向上や強化を目的に、昨年六月にフロン法が改正されました。この改正フロン法は平成二十七年四月に施行されることから、来年度、改正フロン法に関する事業者向けの説明会を実施いたします。
 また、ユーザーと直接のかかわりのあるフロン回収業者や機器の保守点検業者、あるいはチェーンストア協会などユーザーが加盟している団体を通じまして適正管理のマニュアルを周知するほか、これらの団体と連携した講習会を開催するなどにより、フロン漏えい対策の重要性と実効性ある取り組みについて普及啓発を図ってまいります。

○山内委員 大規模事業者にはキャップ・アンド・トレードなどの仕組みがあります。しかし、中小事業者には対策を進めるインセンティブがないことが課題であると考えます。事業者の漏えい抑制努力を評価する仕組みを検討していただきたいと思います。
 また、フロン回収破壊法改正に伴って、実態把握と対策が進むことを期待しております。
 次に、家庭用太陽光発電の普及についてお伺いしたいと思います。
 都はこれまで、太陽光発電施設設置に対して助成をし、普及を図ってまいりました。二〇一二年度までには発電施設単独の助成でありましたが、今年度からはエネルギーマネジメント機器とセットでの助成になっております。
 まず、この助成金変化の狙いと、初年度、これまでの成果についてお伺いいたします。

○松下都市エネルギー部長 太陽光発電につきましては、これまで都や国の支援制度等によりまして、この四年間で一キロワット当たりの設置コストは四割近く低減し、このコストの問題が大きく改善しております。
 さらに、固定価格買い取り制度が平成二十四年七月から導入され、より普及しやすい状況ともなっております。
 こうした状況を踏まえまして、都は平成二十五年度から家庭の創エネ・エネルギーマネジメント促進事業を開始しておりまして、この事業の中で、太陽光発電システムは、燃料電池や蓄電池など、いずれかの機器と同時に設置する場合に、これを補助の対象としているものでございます。
 一月中旬申請分までの交付決定件数は、燃料電池約千五百件、蓄電池約千二百件などとなっておりまして、燃料電池や蓄電池そのいずれかと同時に導入しました太陽光発電システムの件数は約四百七十件となっております。

○山内委員 エネルギーマネジメントの助成対象機器については、蓄電池システムの導入助成が、国の助成金とあわせて金額が大きいです。販売事業者は、どうしても助成金の多い機器の販売に力を入れるため、相対的に家庭用太陽光発電施設の売り込みが減り、普及への影響も出ているのではないかと心配しております。
 家庭用太陽光発電の普及という観点では新たな取り組みが必要だと考えておりますが、いかがでしょうか。

○石川都市エネルギー技術担当部長 今後の住宅用太陽光発電のさらなる普及に向けましては、固定価格買い取り制度による経済的メリットなどをより一層幅広く浸透することで、裾野を拡大する必要がございます。
 そのため、地域特性に応じましたきめ細かい取り組みを区市町村と展開するとともに、省エネ施策とも連携することで太陽光発電導入に向けた動機づけを図ってまいります。
 また、新築、リフォーム市場における太陽光発電の導入が伸びていることから、地域工務店を対象といたしましたセミナー開催などにより太陽光発電の認知度を高めまして導入促進につなげてまいります。

○山内委員 導入促進のために、啓発によって認知度を高めていくというお話だったと思いますけれども、それも大切なんですが、私はやはり太陽光発電施設の単体補助の復活も検討していただきたいと思っております。
 次に、太陽熱なんですが、太陽光発電だけではなく熱利用も重要です。環境局のホームページのトップにも、「熱は熱で」というバナーが載っていて、効率のよいことがPRをされております。
 太陽熱利用は、太陽光発電に比べて、比較的狭いスペースでも設置可能で、コストも半分程度というメリットがあり、給湯や暖房といった熱需要の多い家庭を中心にもっと普及されるべきと考えますが、太陽光発電の躍進の陰に隠れて導入が十分に進んでいません。
 このような状況を踏まえ、都は、二〇一一年度から独自の補助事業を実施しておりますが、現段階ではどのような成果が上がっているのかお伺いいたします。

○石川都市エネルギー技術担当部長 太陽熱利用について、都は、まず市場を構築することが必要との認識に立ちまして、住宅供給事業者の取り組みを促進するため、特に今後の普及に資する新たな技術を対象といたしまして、これを新築住宅に導入する経費の一部を補助する事業を実施中でございます。
 これまで、三十の物件、合計千五百五十五戸に上る補助申請を受け付けておりまして、そのうち十九件は既に竣工しております。
 補助の対象となる新たな技術は、これまで太陽熱の利用が困難でありました大規模マンションでも太陽熱利用が可能となるシステムや、戸建て住宅におけるデザイン性のすぐれた屋根一体型システムなど多岐にわたっておりまして、都の支援によって新たな太陽熱住宅の多様なモデルが実現しております。

○山内委員 都が家庭向けの太陽熱の市場構築を進めていることはわかりましたが、家庭以外でも、福祉施設などにおいては給湯などのために熱エネルギーが多く使われます。
 都は、このような観点にも立って、太陽熱普及の対象を家庭以外にも広げるべきと考えますが、見解をお伺いいたします。

○石川都市エネルギー技術担当部長 都はこれまで、住宅を対象とした補助事業によりまして太陽熱利用の拡大を進めてまいりましたが、今後は、従来の補助事業を拡充しまして、給湯用の熱需要の大きい福祉施設を対象に加える予定でございます。
 これによりまして、老人ホームやグループホームなど、より広範な施設における太陽熱利用を促進しまして、市場の拡大を図ってまいります。

○山内委員 ぜひ福祉施設の太陽熱利用を促進していただきたいと思っております。期待しております。
 次に、海岸漂着物についてお伺いいたします。
 二〇〇九年七月、海岸漂着物対策の推進を図ることを目的として海岸漂着物処理推進法が施行されました。この法律では、都道府県が対策の基本的な方向性と内容を定めた地域計画を作成すること、処理の責務は海岸の管理を行う海岸管理者にあること、並びに市町村は海岸管理者に協力することなどが規定されました。
 そこで、法律が施行されてからの都の取り組みについてお伺いいたします。

○齊藤廃棄物対策部長 海岸漂着物処理推進法では、必要がある場合に都道府県が地域計画を作成しまして、対策を重点的に推進する区域、対策の具体的な内容、対策にかかわる関係者の役割分担などを定め、海岸漂着物の円滑な処理等を図ることとしております。
 都の島しょ地域では、自然海岸が多く、漂着したごみの対応に苦慮していたことから、地域計画を作成することといたしました。
 小笠原諸島については、海岸漂着物に関する事前調査や、小笠原村、海岸管理者及び地域住民の皆様などに対する意見聴取を行い、平成二十五年七月に地域計画としての海岸漂着物対策推進計画を公表し、計画に基づく海岸漂着物の処理が始まりました。
 伊豆諸島については、現在、同様に計画を策定しているところでございます。

○山内委員 諸島海岸を対象にした計画が策定され、事業が開始されたとのことですが、小笠原諸島ではこれまでも、自然を大切にする地元の住民やNPOのボランティア活動によって、海岸ごみの回収が行われているとも聞いております。
 小笠原諸島での海岸漂着物対策は、これらの関係者の協力を得て進めることが必要と考えますが、計画策定後のこれまでの進捗状況と、住民やNPO等との連携についてお伺いいたします。

○齊藤廃棄物対策部長 計画では、重点的に対策を実施する海岸として四十海岸を設定しまして、都、海岸管理者、小笠原村及び住民の皆様などによる適切な役割分担と相互協力によりまして、海岸漂着物を円滑に処理していくこととしております。
 計画策定前の事前調査では、小笠原諸島の海岸漂着物の推計量は約二十七トンでございましたが、三月上旬までに島外へ搬出し処理された量は約十八トンとなっております。
 小笠原諸島では、住民や漁業者の皆様、またはダイビングなどのツアー船などによりまして、海岸漂着物の回収活動が活発に行われております。計画でも、このような主体的かつ自発的な回収活動を尊重していくことを対策方針としております。
 都は、小笠原村と協力し、実施場所の調整や普及啓発を実施するなど、今後も住民の皆様やNPOなどによる回収が継続的に実施されるよう支援してまいります。

○山内委員 小笠原諸島は世界自然遺産の登録地でありますし、希少な動植物の宝庫となっています。島には、ウミガメの産卵場所である海岸や、人が住んでいない兄島や弟島にある海岸もあります。
 そうした海岸での回収活動の実施に当たっては、環境へ十分に配慮する必要があると思いますが、都の見解をお伺いいたします。

○齊藤廃棄物対策部長 回収に当たりましては、ウミガメの産卵、ふ化の時期に配慮するとともに、産卵場所で回収活動を行う際には、産卵場所を過って踏み抜かないよう注意をいたします。
 また、人が住んでいない島で回収を行う場合には、上陸をする前に靴や装備類への付着物を取り除くなどの外来種侵入防止対策を講じ、外来種を島に拡散させないようにいたします。
 これらの点を、対策を実施する上での環境等への配慮事項として計画に明記するとともに、都は、小笠原村や地元のNPOなどと連携しまして、環境に配慮した海岸漂着物の回収が円滑に行われるよう、住民や観光客の皆様へ情報提供などを行ってまいります。

○山内委員 海岸漂着物の対策を推進することは、海岸の美観の維持だけではなく、貴重な生態系の保全にもつながります。
 小笠原諸島は希少な動植物の宝庫であり、小笠原にしかいない固有種がたくさんあり、さまざまな角度からの対策が重要です。特に発泡スチロールやビニールなどのプラスチックごみは、大きなものは回収されやすいですが、回収されずに放置されると細かくなり、魚類や海鳥などが餌と一緒に誤飲してしまうということがあります。魚の胃袋に、ごっそり海のごみが見つかったとも聞いております。回収方法や体制を確立していく必要があると思います。
 また、東日本大震災の際に流出した漂着ごみが海流等によって戻り、小笠原諸島周辺でも見つかり始めているとも聞いております。
 この計画は、おおむね三年で見直しを行うとしておりますが、基金については二年間だけとなっています。漂着物は毎年出てくるものであるので、実効性があり、かつ継続的な対応をしていくよう要望いたしまして、私の質問を終わります。

○こいそ(明)委員 それでは、何点か質問させていただきますが、まず初めにエネルギーの政策について伺いたいと思います。
 国は、家庭を含めた電力小売り事業への参入を二〇一六年に全面的に自由化する電気事業法の改正案を閣議決定し、今国会での成立を今、目指しています。今回の改正は昨年に続く第二弾であり、改革が着実に進んでいるというところでありますけども、しかし、エネルギー政策は、実は国の専管事項ではないと思います。電力大消費地であり、他県に電力を依存している首都東京こそが国のエネルギー政策をリードする、その気概を持って取り組むことが今重要ではないかというふうに思います。
 特に二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、エネルギー政策についても、低炭素で徹底した環境負荷の低減を図りながら総合的に取り組み、成果を上げて、環境と調和した未来都市東京の姿を世界に示していくことが必要だというふうにも思います。
 都市エネルギー政策を進める上で、どのようにこの政策を推進していくのか、都の見解を伺います。

○松下都市エネルギー部長 東京の都市エネルギー政策を進めるに当たりまして、お話にもありましたように、まず、東京オリンピック・パラリンピックにおいて東京を訪れた方々にエネルギー効率の高い都市の姿を示す、こういったことが重要であると考えております。
 こうした視点を持ちまして、天然ガスによる高効率なコージェネレーションシステムを活用した自立分散型電源や、あるいは屋根ぢからプロジェクトや太陽熱の推進など、東京にふさわしい都市型の再生可能エネルギーのさらなる普及拡大に取り組んでいるところでございます。
 今後とも、こうした取り組みを推進し、東京のエネルギー利用の効率を高めてまいります。

○こいそ(明)委員 ただいまの答弁で、天然ガスというお話がございました。
 そのような中で若干指摘をさせていただきますと、温暖化による影響が危機的な状況であると。IPCCの総会も予定をされておりますけども、その中で新聞各社も、この温暖化対策に対する特集記事がかなり目立ってきたようであります。
 化石燃料である天然ガスのみに依存をし過ぎることは当然好ましくないわけでありまして、また、輸入をし続けているわけでありますけども、貿易赤字の大きな要因ともなっているところでもあります。これは国富の流出につながってもいるわけでありますけども、さらに、やむを得ず調達するとしても、北米のシェールガス、革命が起きているといわれておりますけど、このシェールガスを輸入する期待が、機運が高まってきています。
 この中で、シェールガスに頼るだけではなくて、やはりそこには、日本のエネルギー政策、それから首都東京のエネルギーを考える中でリスク分散が極めて大切ではないかと思いますけども、そのような観点から、例えばパイプラインで輸入するなど、調達先の多角化が重要だというふうに思います。
 ちょっと今、クリミア半島でさまざまな状況が発生しておりますけど、日本の近隣であるロシア、シベリア、サハリン、これらも私は有望ではないかと思うんですね。
 加えて、天然ガス資源として、現在は実証中であり、コスト面などでのデメリットはありますが、我が国周辺海域に相当の量が存在しているといわれるメタンハイドレート、これは将来的には大きく期待をされていることでありますけども、この点もぜひ視野に入れて、エネルギー全体的に今後取り組んでいただきたいというふうに思います。
 また、舛添知事の公約にもありましたが、再生可能エネルギーの普及のさらなる拡大ということですね。そのための一歩としても、再生可能エネルギーに特化した官民連携のファンドを新たに創設するということでありますけども、このファンドの狙いというのは一体何なのかというところについてお願いします。

○松下都市エネルギー部長 官民連携再生可能エネルギーファンドでございますが、これは、再生可能エネルギーを普及拡大する一つのツールであると同時に、民間主導で民間資金を最大限に活用する新しいエネルギー分野の経済成長政策の側面も有しております。
 このファンドは、一般に広い敷地が必要とされ、高い土地価格などの理由によりまして投資が困難とされております都内、あるいは東京に直接電力を供給する東京電力管内、それから被災地を含む東北電力管内において再生可能エネルギーの投資実現を目指すものであります。
 その規模としましては、都は、東京電力管内及び東北電力管内を投資対象とする広域型のファンドに十億円、さらに都内投資促進型ファンドに二億円を出資いたしまして、民間資金を合わせたファンド規模は四十億円程度を想定してございます。
 また、このファンドの投資を通じて、被災地などの地域における未利用地の有効活用など地域振興にもつなげていくとともに、特に都内投資実現のため、都としても都市における太陽光発電の新たな促進手法等を調査し、ファンド投資を後押ししていくものでございます。

○こいそ(明)委員 都内では、土地の価格が高いですね。地価が高い。そしてまた、大規模な再生エネルギー導入がなかなか難しいという中、こうした新しい取り組みによって--六%とまだまだの再生可能エネルギーの普及でありますけど、今後とも、国も再生可能エネルギーの導入割合を引き上げていくということをいわれておりますが、これらのことも、東京都としてもぜひ取り組みを強めていただきたいなというふうに思います。
 一方、現場を持つ都が環境に配慮しつつエネルギー政策に主体的に取り組むことは、いうまでもありませんけども、極めて重要だというふうに思います。先般、私は、多摩地域の地域冷暖房施設を視察してまいりました。地域冷暖房の導入によって、複数の建物の熱需要を一つの設備で供給できるようになっており、個々の建物がそれぞれ設備を持つ必要がないということなんですね。このため、省エネ、低炭素、都市防災などのメリットが当然出てきているわけであります。これはまさに東京産エネルギーの一つであり、ぜひとも今後とも推進していただきたいなと、こういうことも思うところであります。
 このほか、清掃工場、それぞれ各地域に立地しておりますけれども、清掃工場に太陽光パネル、見ておりますと、屋根だとか、建物構造上、極めて私は優位性があるんじゃないかなという感じもするんですが、この太陽光パネルなどを設置して、またさらに、ごみ発電とあわせて工場の電力を賄うことや、水道施設に水力発電の導入を推進するなど、可能な限りエネルギーの有効活用を図るべきだということも思っております。
 特に清掃工場は、ごみ焼却により発生する熱エネルギーを有効活用するその姿といいますか、ありようを都民に示すことで、私は、総合的なエコプラザともなり得るのではないかと。ということは、工場内だけじゃなくて、この周辺の電力、熱供給も可能にでき得ないことはないというふうに思うんですね、今の技術からして。コストはかかるかもしれないけども。
 そういう意味合いの中で、さらには、小学生もそうですね、中学、高校、大学もそうかもしれない、その中で、体験的な、いわゆるエコ学習ができる、こういう場であってもいいんじゃないかなと思うんですね。
 都は、膨大なエネルギー消費を少しでも代替するためにも新しい都市型エネルギーの推進に努めていくべきと思いますけども、見解を伺いたいと思います。

○松下都市エネルギー部長 近年の新しい都市型エネルギーにつきましては、お話にもありましたように、下水熱あるいは河川水などを空調熱源として活用するなど、新しい民間の動きが多々ございます。
 都としましても、こうした未利用エネルギーのさらなる活用は必要であると認識しております。
 また、低炭素社会の切り札ともいわれる水素の活用や、あるいは環境負荷の低い新しいエネルギーの研究などにも取り組んでいく必要があると考えております。
 今後とも、こうした取り組みを通じて、環境負荷の低減に向けた東京産エネルギーの確保に取り組んでまいります。

○こいそ(明)委員 東京産エネルギーを、普及を含めて、さらにそのような取り組みをしていただきたいと思います。
 ただいまご答弁にありましたが、エネルギー供給元の多元化や低炭素などの観点から、水素が将来的には有望だというふうにいわれております。いよいよ水素社会の入り口点に到達してきたんじゃないかと。その中でも、とりわけ燃料電池自動車について伺いたいと思います。
 水素と空気中の酸素の化学反応で生じた電気で走行する燃料電池自動車は、まさにエコ、究極のエコカーといわれています。既に国内外の自動車メーカーが平成二十七年の本格的販売開始に向けてしのぎを削っているということも伝わってきておりますけども、価格も、一台当たり、一番我々が--燃料電池、バスじゃなくて、通常の乗用車クラスでも一億円は下らないよということをいわれたことを覚えておるのですけども、それがもう、今や一千万を切っていくと。さらには、ますますこのように価格が低廉化していくという話も聞いております。
 しかし、燃料電池自動車の普及のためには、自動車の販売をさらに拡大するだけではやはり不十分であって、水素供給のための供給インフラは極めて不可欠であるということですね。自動車業界、燃料業界などは、平成二十七年までに、四大都市圏を中心に商用水素ステーションを百カ所程度、先行整備するという目標を掲げております。現在までに完成した施設、計画中の施設は、全国でまだまだ二十数カ所だといわれておりますけども、しかも、この百カ所という燃料電池自動車の初期需要を創出するためのステーションでありますけども、この百カ所は、創出するための最小限の目標値だということですね。ステーション数の確保に向けては、既存のガソリンスタンドの中にも水素ステーションを設置していくことが必要ではないかということです。
 しかし、現時点では、水素ステーション運営の障害となるさまざまな法規制が存在しているわけであります。敷地面積を例に挙げれば、現行では水素ステーションをつくるには五百坪以上の面積が必要となり、土地が狭隘な都内では、中小のスタンドにこれだけの面積を確保するのは容易なことではないということだと思います。
 国も規制の緩和は検討しておりますけども、現在整備に着手しているのは大手ですね。いわゆる元売の関連するところの大手スタンドだけであり、経営基盤がそれだけ強いというか、安定しているという意味合いもありますけども、大手だけを対象とした現在の規制の緩和の流れでは裾野が広がっていかないんじゃないかと、こういうことだと思います。
 中小のスタンドの参加が、やはり普及、水素の新しい時代を着実に歩んでいくためにも、このステーション整備というのはしっかりと行っていかなきゃいけないと思います。
 当然、安全性の確保はおろそかにできませんけども、中小の事業者も数多く抱えている東京都こそが、国に対して、中小スタンドでもステーションの併設が可能となるような、真の意味での規制緩和を強く求めていくべきと考えますけども、所見をお願いします。

○山内自動車公害対策部長 燃料電池自動車は、大気環境対策、地球温暖化対策、エネルギー対策、さらに防災対策など多方面に貢献するものであり、積極的に普及を図るべきものと考えております。
 燃料電池自動車の普及に欠かせない水素ステーションの整備に当たって、中小の事業者が多い都内には特有の課題がございます。委員ご指摘の敷地面積を例にとれば、現行のガソリンスタンドで水素ステーションが併設が可能といわれている五百坪以上の面積を持つスタンドは、これは一つの資料ですが、日本エネルギー経済研究所の調査によれば、全国では一一・七%、都内に限れば四・三%しかなく、地方に比べ敷地の確保が困難な事情がございます。
 さらに、現行の建築基準法に定められたガソリンスタンドでの水素貯蔵量の上限値は、商業地域において自動車二十台分にすぎず、経営体力が乏しい中小のガソリンスタンドでは経営上の大きな課題ともなっております。
 都では、今年度から先行整備する水素ステーションについて、法整備や規制緩和の影響など、都内で整備する場合の課題等の調査を行っております。調査に際して行った燃料事業者へのヒアリング結果では、敷地面積や水素貯蔵量に関する規制について緩和を求める意見が多く寄せられております。
 今後、国に対して、安全性への配慮を欠くことなく、大都市固有の立地条件や、より多くの事業者の参入を図れることなどを踏まえた規制緩和を進めるよう要望してまいります。
 また、来年度、水素に関する新たな戦略会議を設置し、具体的な取り組みを実行してまいります。

○こいそ(明)委員 国に対して規制緩和を強く要望していくということは、ぜひ強くやっていただきたいと思いますけども、水素ステーションの普及については、業界や国だけということではないと思うんですね。首都東京が率先垂範し、なおかつ独自の対応を検討する必要性があるのではないかと。東京は、やはり日本の国、エネルギー政策をリードし続けてきたわけであって、さらに、このエネルギーについては、先ほど申し上げましたように、国の専管的事項ではなくなってきています。
 こういう中で、東京都のエネルギー政策をあらゆる多面的に、それこそ各般にわたっての取り組み方があると思いますけども、ぜひ独自対応も検討していただきたいと重ねてお願いします。
 オリンピックの開催も決まりました。環境先進都市を東京は標榜しているわけであって、これを実現するためにも、東京都がまさに先陣を切って積極的な対応を図るとともに、私は東京モデルを示すべきではないかというふうに思います。それによって全国にも水素ステーションのネットワークが広がっていく、燃料電池自動車の普及に貢献することになっていくわけであると思います。
 燃料電池自動車の普及に向けた東京都の新しい時代が、今まさにこういう形で幕あけが図ろうとされているわけであって、その中で東京都の力強い取り組みに大いに期待をしたいというふうに思っております。局長、何かありますかね。

○長谷川環境局長 エネルギー政策について、今現在、省エネと、再生エネルギーを初めとする分散型エネルギーの拡大ということを、エネルギーの大消費地としての責任のもとでしっかりと取り組むとともに、今、委員からお話もございました次世代のエネルギーについても、大都市としての役割を--これまで先駆的に環境問題に取り組んできた東京ならではの取り組み、それから、特に燃料電池自動車の普及に対する障害も、大都市ならではの普及の障害もございますので、そういった点に関する課題の解決も含めて積極的に取り組んでまいりたいと思います。

○こいそ(明)委員 ありがとうございました。
 それでは、やはりこれも環境政策上の大きな柱だと私は思うところの廃棄物対策について伺いたいというふうに思います。
 昨年九月に、先ほどから何回か触れておりますけども、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックの開催が決定したわけでありますけども、前回の一九六四年、昭和三十九年のオリンピックの際には、ポリ容器による定時収集の開始、清掃車による収集拡大などにより、東京は、ごみのない、きれいなまちに大きく変貌したと、内外からそのようなお話、評価がありました。
 その後、高度経済成長に伴って、ごみが極めて--消費は美徳だなどと浮かれながらも、大量生産、大量廃棄の時代が始まったわけでありますけども、東京都は、都民や事業者の協力のもとに、しっかりと時代要請を踏まえながら、問題点、その時代の事項に対して的確に対応して、美しい、きれいなまちということを保ってきた、努力をされてきたというふうに認識をしています。こうした取り組みは、まさに世界に誇るべきものだと。
 二〇二〇年に向けて世界一の環境先進都市東京を広く世界に示すためには、まさに今、これから、東京都の強いリーダーシップのもと、市区町村や民間処理事業者のさらなる、もう一段、もう二段の底上げを図り、適正処理、リサイクルの取り組みを強力に推進していくことが必要だというふうに思います。
 そうした中で、この四月から廃棄物対策部の名称を資源循環推進部に変更するということでありますが、今後の目指すべき方向性について伺いたいと思います。

○齊藤廃棄物対策部長 平成二十三年度に策定しました東京都廃棄物処理計画では、3R施策の促進、適正処理の促進及び静脈ビジネス発展の促進の三本の柱を主要施策として掲げております。
 この計画に基づきまして、都は、適正処理の確保、これは非常に重要な課題でございますけれども、それのみにとどまらず、資源の有効利用、資源循環の推進に向け、市区町村、事業者、庁内各局等のさまざまな主体と連携して、さまざまな施策を実施してまいりました。
 今後、こうした施策をさらに効果的に推進するために、新年度より資源循環推進部に名称を変更いたしまして、連携する多様な主体に対して資源循環型社会構築に向けた都の明確な意思を示し、その実現に向けた施策を強力に進めていきたいと考えております。

○こいそ(明)委員 二〇二〇年だけじゃありませんけども、やはり大きな目標は、二〇二〇年に向けて資源循環型社会構築を目指す東京都の姿勢はわかりました。
 また、今後に向けても、現実的に、適正処理、処分、リサイクルの促進は、より具体的な施策と、私はやはり、それに携わる市区町村や民間処理事業者などのマンパワーといいますか、人の知恵、力、技術、技能、あらゆるものがあると思いますけども、人材育成を強力に進めていくことも大切ではないかと思います。そこで、何点か伺いたいと思います。
 まず、都市鉱山の問題といいますか、都市鉱山関係について伺います。
 日本は、資源の極めて乏しい国だといわれておりますけども、近ごろはメタンハイドレートでありますとか、いろんな話が出てきておりますので、若干状況が違ってきたと思いますが、さりとて、巨大な消費地である東京には、大量の電子機器が実は集積されているということです。この中には、レアメタル、一時期、大変苦しめられたレアアース、レアメタルでありますけども、そして貴金属、価値の高い貴金属が、天然の鉱山より、何と密度が大変多く含まれているんだということであります。
 しかし、こうした電子機器のほとんどは、他の廃棄物と一緒に破砕されたり、鉄やアルミニウムなど一部の資源を回収しただけで、実は埋め立てをされてしまっているということ。
 私はかねてから、レアメタルを含む貴重なその資源が有効に活用されずに破棄されているという問題点を、この場でも指摘というか、話を出させていただいた経緯がありますけども、昨年四月にようやく小型家電リサイクル法が施行されて、一年が経過をいたしました。
 現在、回収を実施している市区町村は幾つあるのか、また、どのような方式で回収を行っているのか伺いたいと思います。

○齊藤廃棄物対策部長 都は、小型家電リサイクル法制定前から、使用済み小型電子機器の再資源化に取り組む市区町村に対しまして技術的な支援を行ってまいりました。
 また、平成二十四年度からは、新たに回収を行う市区町村に対しまして財政的な支援を行うことにより、回収を促進してまいりました。
 その結果、現在でございますが、都内では、二十一区、二十九市町村におきまして使用済み小型電子機器の回収が行われております。
 回収につきましてはさまざまな方法がありまして、複数の方法を併用している市区町村もございますが、粗大ごみや不燃ごみとして収集したものの中から取り出すピックアップ方式を行っている市区町村が二十七で最も多く、回収ボックスなどを設置して、そこに使用済み小型電子機器を持ち込んでもらう拠点回収を行っているところが二十六市区町村、分別回収は六市区町村が実施をしているところでございます。

○こいそ(明)委員 ただいまのご答弁の中でも、電子機器の回収に取り組む市区町村がふえているということがわかりましたけども、さりとて、本来は、廃棄される電子機器のほとんどを回収することができる分別の回収が望ましいわけですね。ところが、実際に実施されているのは、今ご答弁にありましたけども、六市区町村にとどまっているというお話がありました。
 また、最近回収を始めた多くの市区町村が行っている拠点回収は、都民が電子機器を回収ボックスに持ち込むのが前提でありますけども、そのルールのPRが十分とはいえないのではないかと思うんですね。
 そういう中で、市区町村の担当者は、電子機器に含まれるレアアース等、資源の価値、回収する意義を十分に理解がなされているのかどうなのかということも、もう一度検証する必要性もあるんじゃないかと思うんですね。
 また、電子機器に含まれるレアアース等の資源の量を調査して市区町村の担当者にもわかりやすく示す、都市鉱山の有用性、重要性を十分に理解してもらうことも、私は東京都の、特に環境局の広域行政体としての役割がまさにそこにあるんじゃないかと思うのでありますが、見解を伺います。

○齊藤廃棄物対策部長 使用済み小型電子機器の回収を進めるためには、都民の皆様などの理解と協力が不可欠であるため、回収を担う市区町村や都民の皆様に、使用済み小型電子機器の資源としての価値や回収の必要性を十分に理解してもらうことが重要だというふうに考えております。
 このため、都では、環境科学研究所において、平成二十一年度から使用済み小型電子機器に含まれるさまざまな金属の種類や量について調査し、その結果を、市区町村担当者や都民の皆様も参加する公開研究発表会やホームページなどを通じて公表してまいりました。
 都は、引き続き、このような調査を着実に進めるとともに、今後は、これまでの取り組みに加えまして、調査結果を市区町村の職員向けの研修会などの場においてもわかりやすく説明し、回収量の増加を図ってまいりたいというふうに考えております。

○こいそ(明)委員 使用済みの小型電子機器に含まれる貴金属の種類または量を示すことは大事なことだというふうに思います。市区町村に任せるだけでは、回収の成果が果たしてどうなのかなということも少しよぎるわけでありますけども、やはり東京都は、主体的な思いを持って長期的な回収目標、回収促進計画を示して、しっかりと回収の動機づけを行うとともに、継続的な研修によって職員の意識も高めるとともに、積極的に推進、まさに主体の役割を果たしていくべきだというふうに思います。見解を伺いたいと思います。

○齊藤廃棄物対策部長 使用済み小型電子機器の回収を促進するためには、委員からご指摘がございましたように、回収を担う市区町村の回収意欲を高めるとともに、回収に当たっての支援が重要だというふうに考えております。
 このため、都は、廃棄物処理計画の改定などの機会を捉えまして、使用済み小型電子機器の回収目標の設定を検討するとともに、市区町村の職員に対しまして、使用済み小型電子機器の資源としての価値のほか、認定事業者に対する情報や効率的な回収を実施している市区町村の実例を示しまして、回収意欲を高めてまいりたいというふうに考えております。
 また、新たに回収を始める市区町村に対する財政的支援を引き続き行うなど、積極的に回収の促進に取り組んでまいります。

○こいそ(明)委員 どうぞ引き続いて東京都が--やはり東京都が頑張るということは、日本全体のために資源がまさに有効的に、なおかつ、日本の一番厳しい状況下であった、資源に乏しいということが再利用化されるわけでありますから、意義は大変大きいというふうに思います。
 都市鉱山の重要性をアピールするとともに、技術的、今お話にあったように財政的な支援も--市区町村でありますけれども、とりわけ三多摩地域の市町村は極めて財政的に厳しい。脆弱です、財政基盤が。こんなことも現実でありますけれども、どうぞその取り組み意欲を大いに高めることによって、さらなる効果といいましょうか、これは大変大きな成果に結びつけていくわけでありますけれども、お願いをしたいというふうに思います。
 続きまして、同じく廃棄物政策についての中で、これは、私はかねてから適正処理--やはりまだ不法投棄もある。たまに文書で来ますよね、何々会社が何々、いろいろな名前が書いてあって取り消しになったとか、いろいろもらうときもありますけれども、適正な処理をさせるにはどうしたらいいかと。やはりこれは一定的な理解がそれぞれなければならないと思うんですね。
 確かに、安ければいいんだということは現実的な話かもしれないけれども、それでは適正な処理はできませんよね、これ。そういう中で、じゃ、それに対して、どこでどういう一定の指導が行えるかというと、やはり私は、東京であれば東京都環境局ではないかと思うんですね。
 その中でも、まず東京都の各部署、監理団体を含めて排出者責任を大いに認識してもらうとともに、それがための対応をしていただきたいと思うのですが、そのあたりどうでしょうか。

○齊藤廃棄物対策部長 都では、一昨年度から、各局及び監理団体の契約担当者向けの研修会を実施しまして、これまで約千八百人の方々が受講しております。研修会では排出者責任の周知を徹底するとともに、本年度からは、より適正な廃棄物処理委託契約を実施するために、モデル仕様書を活用した指導を行っております。
 これに加えまして、極端に安い金額での契約など、適正処理の実施が疑われるような場合には、私ども環境局に連絡するよう契約担当者に周知を図っております。
 実際の対応例では、見積内容、廃棄物処理業者の状況を確認し、適正処理が可能かチェックをしております。契約後には、排出者として必要な義務の履行状況を確認するには、現場において実際の契約内容をチェックすることが効果的であるため、各局及び監理団体への立入調査を実施し、契約書や契約価格並びにマニフェストによる処理状況の確認など、実際の現場に即した具体的な指導を行っております。
 今後も引き続き、廃棄物処理委託契約の内容や履行状況の確認、排出者責任に基づく管理に重点を置きながら積極的に働きかけを行ってまいります。

○こいそ(明)委員 これは、以前にもこの委員会でも取り上げさせていただきましたけれども、三多摩の清掃事業協同組合がありますが、これは主に一般廃棄物処理を担っている事業者の組合です。そこから東京都環境局に陳情が寄せられたと。その内容はどうであるかというと、単年度契約のところもあれば、さらには、非常に低廉な価格で新規事業者が落とす。そして、それが、途中、数カ月でまたできなくなってしまって、安く落とした金額で従前の二番目のところの事業者が継続するから、なかなか厳しいとか、いろんな問題がさまざまに起きていると。
 個別具体的な話をしなきゃいけないのは当然だけども、これは三多摩の話でありますけど、三多摩全体的な中で、固有業務の中で、それぞれが先ほどのさまざまな処分、処理行為を行っていく、委託関係もそうでありますけどね。こういうところが非常に不安定状況になってきていると。それは、すなわち雇用の面が厳しいんだということですね。それはそうですね、一年先に、もうその職場がなくなってしまったら、これは厳しいですよ、何としても。
 それから、極めて低廉な価格であっても、要するに、先ほどの話じゃないけれども、金額でだめになったところはもうだめだという現実がある、冷徹な。それも、何十年やっていても、それが現実に行われているという話を実は私も聞きました。この組合の皆さんがこちらに来られたときに。
 そういう現実がある中で、私はもう一段、それぞれの市町村によって若干のいろんな違いがあると思いますけど、状況は違うかもしれないけれども、三多摩共通的な資源循環型を含めた、この処理、処分を含めた、円滑に、なおかつ、これからも継続して安定的に、雇用もそうだし--雇用を安定的にしないと環境人材なんて育成できませんよね、はっきりいって。環境局は、いわゆる環境ビジネスだ、人材育成だというお話が幾つか柱であるけれども、現実はこうなんだということが、陳情の中で本当に切実な思いが出されたと思うんですね。
 そういう中で、例えば多摩地域廃棄物行政連絡会というのがありますね。これ、今、恐らく一回じゃないですか、東京都の環境局が出ているのは。二回だったかな。いずれにしても、区部の方は最低でも四回はやっていますよね。四回以上やっているかな。
 こういうさまざまな連絡会も通じながらぜひ--どういう話が来るかわからないけれども、例えば、東京都の環境局の方から安定的に、的確に行われるような、こういうことはやっぱり必要じゃないかと思いますが、どうでしょうか。

○齊藤廃棄物対策部長 都は、市区町村の契約担当主管課長会や、お話にございました廃棄物行政講習会、多摩地域廃棄物行政連絡会等におきまして適正な委託契約の締結について説明をするとともに、市区町村が排出者となる廃棄物処理契約が適正かどうかの確認や、例年と比べ極端に安い金額で契約した場合は、私ども東京都に情報提供をするよう強く働きかけております。
 さらに、市区町村の適正な廃棄物処理契約締結には人材の育成が重要でありますので、それを支援するため、本年二月に廃棄物処理施設の現場見学会を初めて実施いたしまして、多摩地域の担当者の方々が見学する機会の少ない中央防波堤埋立処分場やスーパーエコタウン施設の現場を視察してもらったところでございます。
 今後も、多摩地域の市町村に対する情報提供の機会を拡充するなど、廃棄物処理契約の適正化や優良な処理業者の活用について積極的に働きかけを行ってまいります。

○こいそ(明)委員 るる申し上げましたので、この程度にしますけど、東京都として人材育成、これは広い意味での話もありますけども、環境人材の育成について、しっかり取り組んでいただきたいと要望させていただきます。
 次に、里山の体験を通じた人材育成について伺いたいと思いますが、これまでも里山の体験を通じた人材育成について触れてきましたが、町田市の七国山緑地保全地域があります。これは大変良好な里山景観が存在しているところなのでありますけれども、その中で、希少種保全の重要性を訴え、小峰公園も--これは環境局所管管理の唯一ではないけれども、いわゆる公園ですよね。七国山の保全地域はそれじゃありませんけれども、各保全地域がある。それから、小峰公園という、大変すばらしい景観を持った里山公園がある。それらの里山に杉やヒノキ林、それから、今までアスファルト舗装等の改善を対応していただいたわけでありますけれども、里山には、このような生態系や景観の観点に加えて、さらに重要な役割がそこにあるというふうに考えます。
 昨年秋、小峰公園で大学生たちと一緒に、里山管理の本当に一端でありましたけれども、体験する機会がありました。収穫された稲を、千歯こきというんですかね、脱穀して、手作業でもみすりをして、玄米を最終的に収穫すると。こうした手間のかかる作業を通じて、食べ物やその生産者へのいわゆる感謝の気持ちというんですかね、こういうものがやっぱり芽生えてくる感じがいたしました。
 また、炊飯には、もみ殻を燃料に使うんですね。缶にもみ殻を入れて、非常にいいといいますか、本当に適した燃料になっておりましたけれども、もみ殻の燃えかすは、お礼肥として畑にまくわけですね。米づくりから発生する副産物を、このように燃料や肥料として使うのは、まさに循環ですね。里山は本当の意味で循環が息づいている。そこから恵みが得られる。その恵みが循環されていくということの構図が明確に体感をできるわけですね。
 そういう中で、このように、さっきもいいましたけれども、食のありがたさでありますとか循環型社会の大切さを五感で味わえる里山体験は、環境人材の育成、中でも今後の社会を担う若者の人間形成にとって極めて重要であると。
 そこで、環境局所管管理の小峰公園は、このような里山の役割をさらにきちんと果たす場としていくべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。

○臼井緑施策推進担当部長 里山は、千年以上にわたり日本の文化、経済を支えてきた永続的社会の縮図であり、循環型社会づくりに向けた多くのことを学び得る重要な空間であります。
 委員お話しの小峰公園は、都内に残された典型的な里山であり、貴重な生態系を有していますことから、管理運営に際しましては、昔懐かしい景観の維持や、希少種を初めとする動植物の保全に配慮するとともに、里山の恵みや副産物の循環を身をもって体験できるよう、稲作、畑作、炭焼きなどの多様な体験プログラムを織りまぜて実施してまいります。

○こいそ(明)委員 ぜひそのような取り組みに力を入れていただきたいなと思います。
 これは林田さんの地元でありますけれども、西多摩、あきる野にある小峰公園の里山としての価値を一層向上させていただきたいというふうにも思います。
 また、先日の体験では、小峰公園の周辺で栽培されている地野菜を食材に用いた郷土料理があるんですね。だんべぇ汁といわれておりましたけれども、地元にお住まいの方々の手料理をいただきました。田んぼの副産物である稲わらを編み、さらには、それをさらに編んでいくわけでありますけれども、それでコースターをつくる編み方をしていくんですけれども、そんなものを体験させていただきました。
 私は、この小峰公園のような里山の管理は、周辺住民のご協力や地域の文化を踏まえていくとともに、その取り組みをより多くの都民に知っていただきたいと思うんですね。まさに一見はしかずじゃありませんけれども、体験、体感していただく。その価値を、行っていただければ、さらにさらにその思いが共有できるのではないかなと私は思うんですね。
 また、小峰公園の魅力は、都内に住む人々に十分届けなきゃいけませんけれども、いまだにそんなに浸透していないと思うんですね。その中で、一つ、話でありますけれども、やっぱり公園というと、都立公園の建設局所管の公園をどうもイメージしちゃうんですね、人工的な。じゃなくて、こういう環境局の専管的な管理、環境局所管の管理は本当に少ないですよね。まさに里山の景観、そして、先ほどからの、さまざまな生態が息づいているという、本当にすばらしいと私は思うんですよ、ここ。
 そういう中で、都民の皆さんが多くここに親しみを持っていただいて、思いを、いろんなことを思っていただく。それにはやはり、小峰公園、小峰公園というと今申し上げたようなイメージになっちゃうので、でき得るならば親しみやすい愛称名というものを募集したらどうかと。
 要するに、小峰公園というのは正式名称であっても、愛称名があった方がもっと親しめるんじゃないかということで、これは要望でありますけれども、ぜひ親しみやすい愛称をつけるなどして、もっともっとこのよさをアピールしていただきたいなということであります。
 そこで、都は、小峰公園の管理に当たって、地域連携をどのように進めていくのか、また、多くの都民に利用してもらうよう、その取り組みをどのように発信されていくのか、お考えをお聞かせいただきたいと思います。

○臼井緑施策推進担当部長 小峰公園は、古来より地域の方々がカヤなどを採集する共有地として利用されてきた里山であり、また、尾根は桜の名所として、地域住民の手で植栽、育成され、今も憩いの場として親しまれております。
 このように、小峰公園は、地域の生活と密接なかかわりを持ってきた場所であるため、今後も指定管理者とともに、地域ぐるみでさくら山祭りや秋の収穫祭などを開催し、地域の方々に里山体験プログラムに協力していただくなど、地域固有の里山の歴史や文化を継承してまいります。
 また、多摩地域にとどまらず、二十三区の方など、より多くの都民に地域の歴史や文化を踏まえた貴重な里山体験をしてもらうため、専門紙などのメディアや交通機関と連携してPRに取り組むほか、ただいま委員からもご要望がありましたとおり、親しみやすい愛称の導入を進めるなど、小峰公園の魅力を広く発信し、認知度や注目度を高めていきたいと考えております。

○こいそ(明)委員 もうちょっとこれを続けますけれども、何回も出ております里地、里山、地域の歴史や文化と密接に関係していることから、地域との連携は非常に大切だと。いうまでもありませんね。何より、その地域の取り組みを広く都民に訴えることの重要性というものは当然あります。
 ぜひ、この小峰の里山、小峰公園の魅力をしっかり発信していただくとともに、先ほどからいっておりますけれども、本当に多くの都民の皆さんに里山体験をしていただくということを少し考えていただきたいなと思います。
 さまざまな子供たち、これはシニア世代もそうでありますけれども、特に学生たちは、里山を見たことのない子供たちも少なくないようですね。田起こしや田植えなどの農作業も経験したことがない。そうした場所がやはり必要であるというふうに思いますし、また、現在、特に学生が行っているグリーン・キャンパス・プログラムでは、これは私も一緒にやっているんですけれども、残念ながら、田んぼのない保全地域が中心的活動の場なんですね。
 そこで、原風景、原体験を感ずるこの里山、里山景観が維持され、しかも田んぼも兼ね備えた小峰公園をグリーン・キャンパス・プログラムの場の一つとして、積極的にその場を活用すべきと思うところもありますけれども、都の考えはどうでしょうか。

○笹沼自然環境部長 現在、四大学がグリーン・キャンパス・プログラムに参画しておりまして、四つの緑地保全地域におきまして、間伐や下草刈りなどの保全活動を実施しておりますが、田んぼでの作業を初めとする多様な里山体験は行えていない状況にございます。
 委員お話しのように、小峰公園は、田んぼと畑の両方が存在している上に管理者もおり、炭焼きや、わら細工などの多様な体験ができる利点がありますことから、今後は、本事業の実施場所として積極的に活用してまいりたいと考えております。

○こいそ(明)委員 どうぞ当該の公園で、グリーン・キャンパスだけじゃない、グリーンシップ・アクションだとか、いろいろな企業向けだとか、それぞれありますよね、そういうことも含めてこの場を活用することも意義あることではないかなというふうに思います。
 保全地域で環境人材の育成を進めるには、せめて--木を切りますからヘルメットをかぶらなきゃいけない。活動に使う道具は当然あるわけですね。いろいろ話を、私も実践的に見て思いますけれども、その置き場所がないんです。さらに、集まってそこで、何というのかな、集合する、それから最後の話をする、最初もそうですけれども、こういう場所がほとんどない状況ですね。
 ですから、今後、環境局として、やはり--私は他の局の公園へ行って、小磯善彦委員がお話しされた町田市の小山内裏公園、あそこは私も何回か行かせてもらいましたけれども、とてもすばらしい。何がすばらしいかというと、ビジターセンターの職員の説明と内容が非常に濃いんですよ。さらに、園庭を回ってみて、非常に行き届いているとともに、息づいているその生態だけじゃない、一人一人、人とのかかわりをしっかり重視している。それは首都大の学生もそうだ、教員もそうだ、それから近くの小中学生もそうですよ、非常に親しまれて環境教育の場にもなっているんだね、これ。
 ですから、そういう意味合いで、私はやはり、管理手法だとか、それはそれぞれ違うかもしれないけれども、しかし、人材育成という観点から考えたときに、もう少し保全区域の--保全のもう一つの要因というのは、今申し上げたところにもあるし、必要じゃないかと思えてならないところもあるんですね。ですから、これはいいです、要望ということでさせていただきたいと思いますけれども、ぜひそのあたりもご検討いただければというふうに思います。
 最後に、これもちょっとご当地ソングで申しわけないですけれども、私の地元、多摩市の連光寺周辺に残る谷戸の保全についてであります。
 ここは多摩ニュータウンに本当にほど近く、隣接であります。宅地開発が進められようとしていた場所でありますけれども、一昨年の夏、開発業者が自然環境調査を行ったところ、都内では唯一、国内的に見てもというか、本州ではまず見つかったことがないといわれている陸産貝類、極めて珍しい--それを私も実物を見させていただきましたけれども、小さいなんていうものじゃないぐらい小さい貝ですね。よく見つけたなと思うんだけれども、カタツムリの仲間といっても、カタツムリが圧倒的に巨大に思えちゃうんだけれども、仲間だそうでありますけれども、複数生息している場所だということが、そこで発見された、判明されました。
 特に、キバサナギガイということですね、種類は。何か難しいあれですけれども。環境省のレッドリストでも都内には存在していない。そうですよね、だって本州にも存在していないんでしょう。極めて珍しい陸産貝類が見つかりました。
 日本全体から見ても大変希少なものだということなのでありますけれども、そのような希少なものが、突如と思うぐらい、多摩にあるといわれまして、私も何回もいろいろ考えましたけれども、最初は本当に半信半疑といいますか、思いもありましたが、専門家がしっかりと認定したことでもありますし、私も本委員会でこの問題を取り上げる中で、当時の部長や局長からも、地権者の方と協議を重ね、保全に向けて最大限努力する旨の答弁もいただいております。
 この谷戸は、全国的にも珍しい陸産貝類の生息地であるとともに、夏には蛍が飛遊するという景観、風景を楽しむことができるところです。地域の方々の憩いの場となっているこうした緑地は、地域にとって大切な財産だと思うわけでありますけれども、それらを守り--地域だけじゃないですね、はっきりいって。物すごく広域的に見ても、非常に大切なところだと思います。それを守り、次世代に残していくためには、東京都の環境局の取り組みもそうでありますけれども、地元の多摩市が東京都と十分に連携して、思いを持って、その気持ちをしっかり持ちながら保全していくという、意思と責任を持っていることが大切ではないかと思うんですね。
 そこで、地元市とのかかわりも含めて、貴重な陸産貝類が発見された、この連光寺の谷戸の保全に向けた現在の取り組み状況について伺いたいと思います。

○笹沼自然環境部長 お話の多摩市連光寺周辺の谷戸は、国内でも極めて希少な陸産貝類の生息地でありますことから、これまで所有者である開発事業者などと保全に向けた協議を進めてきておりまして、理解が得られつつございます。
 引き続き、関係者間で、保全地域の指定など確実な保全措置に関する協議を進めますとともに、現段階で可能な事務的準備を進めてまいります。
 また、当該地を将来にわたって守り、適切に維持管理していくためには、委員お話しのとおり、地元市が地域住民とともに主体的かつ責任を持って取り組むことが不可欠でございまして、これまでも適切な役割分担に基づいた保全策の検討を進めてまいりましたが、今後とも、地元市と十分に連携し、しっかりと対応してまいります。

○こいそ(明)委員 地元市も一緒になって、これをしっかりと保全していくんだという気持ちに立って取り組みをしていく。この連光寺周辺の希少な谷戸の保全につながるというふうに思っています。しっかりと連携をとっていただいて取り組みをしていただくと。
 この谷戸は市境にあることから、隣の稲城市とも連携をしていただきたい。これを進める中でも、ぜひ連携しながら取り組んでいただくことを要望いたしまして、終わります。

○野上委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後三時四十八分休憩

   午後四時六分開議

○野上委員長 休憩前に続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○小磯(善)委員 先ほどのこいそ明委員と名前がダブっておりますが、質問もダブっておりましたので、少し割愛しながら質問をしたいと思います。
 まず、きょうの新聞等に、IPCCの報告をもとに環境省のプロジェクトチームがいろんな試算をしたと。そういう中で、このまま温室効果ガスを排出し続ければ、ふえ続けると、日本の平均気温は、今世紀末に最大で六・四度も上昇するということが出ております。また、熱中症死亡も最大で十三倍というふうに報道がされております。また、降雨量が最大で一六%ふえ、海面は最大六十三センチ上昇、砂浜が最大八五%失われるということで、温暖化対策、そしてまた、この被害低減への適応策の二つが大変大事であるということを、きょうの報道でも再度認識をしたわけでございます。
 そういった意味で、とりわけ温室効果ガスの排出量の多い大都市東京が、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックを目指して、この低減、削減に向けて取り組むことが、本当に地球規模で大事なことである、こんな認識をしている次第でございます。
 最初に、水素社会の実現に向けた取り組みについてお伺いいたします。
 地球温暖化などを背景に、将来的なエネルギーとして水素が注目されております。水素エネルギーは、燃料電池を初め燃料電池自動車・バス、水素発電など、新たな用途への活用が期待をされております。
 先ほど、燃料電池自動車については、こいそ明委員が質問をされましたので、私の方からはしませんけれども、この水素は、自然界には単独で存在しないが、供給源である水は地球上に無尽蔵に存在しており、利用の段階でCO2を一切排出しないということで、低炭素社会の形成に貢献をするわけでございます。
 既に家庭用燃料電池は開発が先行しているということでございまして、燃料電池等の製品は、日本の高い技術の集約であり、産業の裾野も広く、製品の普及による高い経済波及効果も期待できます。
 現在の家庭用燃料電池及び容量の大きい病院、ビルなどに利用する業務用の燃料電池の普及状況についてお伺いいたします。

○松下都市エネルギー部長 燃料電池でございますが、これは、都市ガスなどの改質により取り出しました水素と空気中の酸素を化学反応させまして、電気と熱を発生させるシステムでございます。
 家庭用燃料電池は、二〇〇九年の販売開始時には、およそ三百万円を超える価格でございましたが、現在は二百万円を切るところまで価格が低下している状況でございます。
 都では、今年度からスマートエネルギー都市推進事業を立ち上げ、家庭用燃料電池等への補助を開始しております。業界の調べでは、昨年度末の都内の累積普及台数が約八千台でありましたが、今年度、新たに五千台が導入されているところでございます。さらに、ことしの春には、マンション専有部への燃料電池の導入、こういったものが予定されるなど、補助制度は、初期需要の創出と価格のさらなる低下を促進するとともに、新製品の市場投入にも寄与していると考えております。
 一方、業務用燃料電池は、一般製品化はされているものの非常に高額でありまして、ほとんど普及していない状況でございます。しかしながら、耐久性や信頼性などの向上に向けて、各社で今現在、技術開発を行っている、こういう状況でございます。

○小磯(善)委員 家庭用燃料電池につきましては、そういう補助制度等があって急速に普及をしているということでございます。燃料電池は低炭素であり、地球環境問題に大きく貢献するとともに、また、経済波及効果も大変期待をされるわけでございまして、そういった意味では、業務用の燃料電池につきましても、ぜひ都の普及策が必要ではないかということを指摘しておきたいと思います。
 燃料電池の普及とあわせて、来年は、いよいよ水素社会の幕あけともなる燃料電池自動車が市場に投入をされます。この機を捉えて、二十六年度予算案に水素社会の実現に向けた調査検討事業を盛り込んでおりますが、都は、水素社会の実現に向けて、二十六年度はどのように進めていくのか、予算の事業の内容とあわせて伺います。

○松下都市エネルギー部長 二十六年度予算案におきましては、水素社会の実現に向けました実態調査と、それから戦略会議の設置に要する経費を計上しております。
 実態調査では、法規制や規制緩和の動向、先進事例等を調査検討する予定でございます。
 また、戦略会議の設置につきましては、自動車メーカー、エネルギー業界あるいは学識経験者等をメンバーとする会議といたしまして、水素利活用の可能性や課題などを検討してまいるものでございます。
 さらに、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックでの水素活用も検討しつつ、戦略会議で産学官の英知を結集しながら具体的な取り組みを実行していくとともに、二〇三〇年の水素社会の実現を目指してロードマップを作成する予定でございます。

○小磯(善)委員 オリンピック・パラリンピックでの活用も、ぜひとも実現をしていただきたいと思います。
 次世代エネルギーとして期待される水素エネルギーの利活用に向けて実効ある取り組みを進めていただくことを要望いたしまして、次の質問をさせていただきます。
 いわゆるマンション、集合住宅等へのMEMS、マンション・エネルギー・マネジメント・システムの導入についてお伺いをいたします。
 去年の第三回定例会の代表質問で、私が立ちましたけれども、MEMSについて質問をさせていただいて、今回の定例会の代表質問でも、このMEMSについて取り上げさせていただきました。
 住宅ストックの七割を占めるマンション等の集合住宅のスマート化というのは大変重要であります。集合住宅にMEMSを導入することで、無理のない節電と電気料金の削減が実現をいたします。
 来年度、二十六年度、都は我が党の要望に応えて、この集合住宅へのMEMS導入を推進するための補助制度を創設するということでございますが、その制度の概要についてお伺いいたします。

○松下都市エネルギー部長 まず、MEMSといいますのは、ITを活用しまして集合住宅全体の電力使用量を見える化いたしまして、空調、照明などを無理なく制御することができる、いわゆるエネルギーマネジメントシステムでございます。
 都は、事業期間を五年と設定いたしまして、集合住宅にMEMSを導入する際に、高圧で一括受電する設備や専有部、共用部の計測機器などの設備費あるいは工事費の二分の一を管理組合などに対しまして補助するものでございます。
 また、補助対象につきましては、新築の集合住宅では、一棟当たり百戸未満の中小規模のものとしております。さらに、既存の集合住宅では全ての規模のものを対象としております。
 エネルギー管理サービスを通じまして集合住宅の無理のない節電を促す事業者でございますMEMSアグリゲータの導入も条件としているところでございます。

○小磯(善)委員 この補助対象については、新築は中小集合住宅に限定しておりますが、既存は全ての規模ということで、新築と既存で補助対象規模が異なることについて、お伺いいたします。

○松下都市エネルギー部長 新築の集合住宅の場合には、MEMS導入費用を販売価格に上乗せするのが一般的でございます。このため、共用部の設備や戸数が非常に多くなりますとスケールメリットが働いてくる。一戸当たりの負担額というのは圧縮されます。こうしたことから、大規模集合住宅でのMEMS導入は進みつつあるという状況にございます。
 しかし、百戸未満の中小規模の集合住宅では、一戸当たりの負担額が高くなりまして、結果として販売価格が高額となることから、MEMS導入が進んでいないという状況がございます。このため、これを補助の対象としているというところでございます。
 一方、既存の集合住宅の場合は、高圧で一括受電する設備が新たに必要となりますので、集合住宅の規模にかかわらず導入費用が大きくなります。したがって、全ての規模を補助対象としているものでございます。

○小磯(善)委員 ということは、補助額には限度額がないということでよろしいわけですよね。
 また、高圧一括受電というお話がありましたが、具体的にこれを導入することによって、どのようなメリットが生じるのか伺います。

○松下都市エネルギー部長 一般的に集合住宅は、過去は、東京電力から家庭向けの契約形態でございます低圧契約で受電してございます。MEMS導入に伴いまして、マンション内の電気を高圧受電設備で一括受電いたしまして、これを各戸に供給することになります。集合住宅として電気料金単価の低い高圧電力を一括購入し、各戸に分配することで、同一の電力使用量でも、各戸が低圧で東京電力と契約するよりも電気料金の削減につながる、こういうメリットがございます。
 現状では、この高圧一括受電のコストメリットを生かしまして、集合住宅全体のエネルギーマネジメントが可能となっているという状況でございます。(小磯委員「限度額は」と呼ぶ)限度額につきましては、特に設けてございません。

○小磯(善)委員 高圧で一括受電することによって、住民の方々の電気料金の負担軽減につながることが明らかとなりました。
 MEMSを導入することによって、集合住宅にお住まいの方に対して過度に負担をかけることなく、具体的にどのように省エネ、節電を進めるのか、見解を求めます。

○松下都市エネルギー部長 MEMS導入によりまして、各専有部につきましては、電力使用料や電気料金を見える化することになります。この見える化による自発的な省エネによりましても、一般的に電気料金の削減につながるといわれてございます。また、共用部につきましては、外気温に応じて柔軟な空調温度の調整であるとか、あるいは利用状況に応じて照明の自動的制御など、こういったことがMEMSアグリゲータのエネルギー管理で可能となります。
 こうしたことにより、無理なく省エネ、節電が実現され、エネルギー利用の効率化を図ることができると考えております。

○小磯(善)委員 MEMS導入により無理なく省エネ、節電が実現できるとしても、導入コストが余りにも高ければ、幾ら補助制度を創設しても普及しません。
 都内の集合住宅の大部分を占める既存の集合住宅にMEMSを導入した場合、初期費用や電気料金の削減がどの程度まで、また、初期費用をどのくらいの期間で回収できるのかお伺いいたします。

○松下都市エネルギー部長 仮にということになりますが、百戸の既存の集合住宅にMEMSを導入したとしますと、集合住宅の形態によって差は生じるものでございますが、おおむね初期費用は約二千万円程度、この辺になると考えております。都の補助制度を活用した場合、おおむね電気料金の一五%削減につながりまして、約十年以内に初期費用の回収は可能であると試算されるものでございます。

○小磯(善)委員 しかし、どんなによい制度でも、この補助制度が活用されなければ意味がありません。どのように管理組合や住民などに周知徹底をしていくのか、都の見解を求めます。

○松下都市エネルギー部長 この制度につきまして、制度の内容や具体的な導入のメリットなど、この辺をホームページに掲載するとともに、パンフレットを作成いたしまして、管理組合を初めとしまして、MEMSサービスの提供主体であるアグリゲータあるいは管理会社、こういったところに説明会を開催していく予定でございます。また、都の各種イベントなどにおいても、エネルギーマネジメントの重要性などについて普及啓発を行ってまいります。

○小磯(善)委員 ぜひともこの補助制度を着実に執行していただいて集合住宅のエネルギーマネジメントの導入を推進して、エネルギーの利用の効率化を促進していただくことを要望いたします。
 最後に、官民連携再生可能エネルギーファンドについて質問いたします。
 これも、先ほど、こいそ明先生の方が質問をされました意義と方策は割愛いたしまして、今回の官民連携再生可能エネルギーファンドというのは、都と、それからまた被災地へのファンドということでございます。東北地方など被災地の支援にもつながる再生可能エネルギー発電事業の普及拡大という行政目的を実現できるよう、これからの制度設計を鋭意進めていただきたいと思います。
 このファンドという手法は、リターンを期待できる仕組みであり、あわせて再生可能エネルギーの普及拡大につながる行政手法でありますが、都民の税金である公金を支出することに変わりありません。専門家等による客観的な視点から、十分なチェックが必要ではないかと思います。
 そこで、今後どのような手続を経てファンドを立ち上げていくのか、お伺いいたします。

○松下都市エネルギー部長 官民連携再生可能エネルギーファンドの設立に当たりましては、投資家の募集、投資先発掘あるいは投資判断、こういったものを行いますファンド運営事業者を公募する予定でございます。
 公募により選定されるファンド運営事業者は、その有する広範なネットワークを活用すること等により、機関投資家などから出資を募り、またファンドを組成していくことになります。
 公募手続におきまして、お話のありましたような手続としまして、事業者からの企画提案書や企業情報等の各種審査書類につきまして、法律、会計あるいは投資業務等の専門家から構成されます東京都投資評価委員会における確認などを受けながら、その審査業務について適切に取り組んでまいります。
 さらに、ファンドの投資開始後におきましても、全く同様に、ファンド運営の状況について継続的に監視を行っていくものでございます。

○小磯(善)委員 ぜひとも慎重に手続を進めていただいて、私たちの思いを理解し、その実現に向けて取り組んでくれる、そうしたファンドを創設して、連携して事業を実施することで再生可能エネルギーの普及拡大に大きな効果を上げていただきたいと思います。
 再生可能エネルギーの促進、そしてまた省エネの促進、こうしたことで、冒頭申し上げました地球温暖化防止にしっかりと取り組んでいただきたい、こういうことを申し上げて、私の質問を終わります。

○河野委員 私も、幾つか重なるテーマはありますけれども、準備した状況に従いまして順次質問させていただきます。
 初めに、九十九号議案で、東京都地球温暖化対策推進基金条例の廃止に関連して伺います。
 二〇〇七年度から、都条例によって地球温暖化対策基金が設けられて、また、カーボンマイナス東京十年のプロジェクト、緑の東京十年プロジェクトもスタートしました。五百億円の地球温暖化対策基金が今年度まで取り組まれてきたわけですけれども、事業のために基金が充当され始めたのは、二〇〇八年度、平成二十年以降です。
 東京都は、今年度で基金を廃止する理由として、所期の目標を達成したためとしています。カーボンマイナス東京十年プロジェクト、緑の東京十年プロジェクトに照らして、この六年間の基金事業について、今、どのような評価をされているでしょうか。

○須藤環境政策担当部長 お話の基金は、地球温暖化対策を推進するために設置したものでございまして、その活用に当たりましては、新規性が高く積極的な施策展開の見込まれる事業などに集中的かつ重点的に投資を行っております。その結果、キャップ・アンド・トレード制度の円滑な運用に資する取り組みや区市町村への補助制度の創設など、新たな施策の定着、展開を図ってまいりました。
 これにより、都民、事業者を巻き込んだ多面的な施策が実施され、地球温暖化対策として効果的な取り組みが進んだものと認識をしております。

○河野委員 この基金の充当実績を委員会資料で出していただきました。八ページです。
 この一覧を見ますと、基金事業は環境局を中心に進められてきたという印象は持ちます。いろいろ数えてみますと、例えば生活文化局がかかわったのが二事業、福祉保健局と港湾局も同じく二事業です。建設局や下水道局は一事業、教育庁と産業労働局が三事業となっていて、環境局は十八の事業にかかわったことが、この資料を見るとわかります。
 温暖化防止対策に環境局が主体的に取り組んでいくというのは当然だと思うんですけれども、カーボンマイナスと緑の十年プロジェクト、この二つの都の方針、都の視点で見れば、全庁を挙げての事業展開がもっと目に見える形でできなかったのかなという思いがあります。
 都としては、そういう全庁的な取り組みという点では、どのような努力がなされてきたのでしょうか。

○須藤環境政策担当部長 この基金は、地球温暖化対策を推進するに当たりまして、全庁横断的な取り組みの一環として、積極的な施策展開が見込まれる事業に集中的かつ重点的な投資を行うものでありまして、今お話がありましたように、建設局や港湾局など関係八局が活用をしております。
 当基金を活用した事業以外にも、遮熱性舗装の推進や汚泥焼却における温室効果ガスの削減など、庁内の各局がさまざまな取り組みを行っております。
 このほかに、全庁的な取り組みといたしましては、都有施設の省エネルギー化や再生可能エネルギーの導入を図るなど、各局と連携を図りながら、地球温暖化対策に資する効果的な施策を庁内を挙げて取り組んできたところでございます。

○河野委員 地球温暖化対策推進基金事業が始まりますときに、私たちも、効果ある対策が講じられることを求めて、基金事業に賛成してきました。
 基金事業は今年度で終了ということになるわけですけれども、この六年間の取り組みを通して、これからも都として継続、強化していく必要があると判断されている事業や施策について、どういう計画やお考えをお持ちか、これもこの機会に伺っておきます。

○須藤環境政策担当部長 本基金の活用により、地球温暖化対策を推進する新たな施策などを定着、展開することができたと考えております。
 例えば、大規模事業所に対するキャップ・アンド・トレード制度の創設にあわせて中小規模事業所省エネ促進・クレジット創出プロジェクトを実施し、CO2削減量のクレジット化を図るなど、制度を円滑にスタートさせるための仕組みを整えましたけれども、こうした取り組みもあって、平成二十七年度から始まる第二計画期間に向けた制度の構築につながったものと考えております。
 また、区市町村補助制度は、家庭や中小規模事業所など、地域が主体となって省エネ対策などを進めることを目的としておりますけれども、多くの区市町村で活用されるなど、着実に取り組みが進んでおります。
 こうした成果を踏まえ、平成二十六年度から五十億円規模の基金を設置し、中長期的な取り組みを進めることといたしました。
 地球温暖化対策は重要な環境課題の一つと認識しており、基金によって根づかせた事業も含めて、効果的な取り組みを今後とも着実に展開してまいります。

○河野委員 私は、基金事業が終了するというこの時点に当たって、もう一度要望をしておきたいと思います。
 新年度の新規事業として、環境局は、中小規模事業所における環境性能評価の普及促進として、一四年度、一五年度、二カ年間の事業として四十億、それから、熱電エネルギーマネジメント支援事業、これも中小企業支援ですが、五カ年で三十億円、予算化されております。
 先日、都政新報が報じましたが、これ、切り抜きのコピーなんですけれども、中小ビルが省電力化に苦戦、そして、設備改修費の負担重くという見出しで記事が載りました。東京都の調査によるという記事なんですが、中小規模のビルが省電力化で伸び悩んでいることが明らかになったということです。こうした東京都自身の調査なども生かして、多面的な施策展開が望まれると思います。
 温暖化対策推進基金条例をつくるときに、我が党は、環境局の予算そのものをふやして、CO2の排出削減や、緑を守りふやすなどの多様な施策の拡充を求めました。今日の時点でも、この点は重要と考えますので、要望をしておきます。
 次に、ヒートアイランドと温暖化防止について質問します。
 環境局はかねてより、東京都が直面している二つの温暖化、一つはヒートアイランド現象ですね、二つ目に温室効果ガス排出による温暖化、東京が直面するこの二つの問題に対策を講じなくてはならないと強調してきました。
 地球全体で温暖化問題は深刻です。異常気象が相次ぎ、都内でもゲリラ豪雨の被害が毎年のように発生しています。昨年十月、伊豆大島を襲った、二十四時間降水量八百ミリの豪雨災害では、甚大な被害が発生しました。
 都が出している豪雨対策基本方針によりますと、時間五十ミリを超える降雨は、一九八〇年からの十年間で二十回発生していますけれども、二〇〇〇年からの十年間では五十三回と、二倍以上に増加という数字が出されています。特に、雷雨性の豪雨は三倍近くになっています。今、熱中症の被害も深刻さを増しています。
 そこで、お尋ねをいたします。環境局は、このような暑くなっている東京、ヒートの状況の東京、この二つの温暖化について、どういう認識をお持ちになっているでしょうか。

○谷上環境都市づくり担当部長 地球温暖化につきましては、いわゆるIPCCの評価報告書により、それを疑う余地はないものになっております。
 東京では、地球温暖化とヒートアイランド現象の進行により、過去百年間の間に平均気温が約三度上昇しています。
 このため、都はこれまでも、大規模事業所に対するキャップ・アンド・トレードや、新築建築物に対する建築物環境計画書制度など、さまざまな先進的な地球温暖化対策を実行してきています。
 また、ヒートアイランド対策につきましては、ヒートアイランド対策取組方針や、ヒートアイランド対策ガイドラインを策定するなど、行政及び民間事業者など幅広い主体による対策を推進してきています。

○河野委員 東京のまちの構造がヒートアイランド現象の原因の一つであると、気候変動を研究している第一人者の方も指摘しています。都心部や湾岸部に超高層ビル群が並び建っている東京の姿が東京湾の涼しい海風を遮って、都内中心部に熱がこもってしまう状況がつくり出される、そうした研究成果も発表されてきました。
 また、超高層ビルは、大量のCO2の排出源になっているという問題もあります。新しく建設されている超高層ビルは、単位面積当たりは省エネ仕様になっていてCO2の発生抑制がされている、これはよくお聞きする話なんですが、とはいえ、延べ床面積は中小ビルに比べれば非常に大きいですから、大量のCO2は排出されます。
 超高層ビルの林立がヒートアイランド現象の一因をつくっているといわれている中で、東京は、今、CO2の排出も含めて、この二つの温暖化についてどういう見解を持っているのか。今、対策を講じられていることもお話しになったけど、改めて伺うのと、こうした分野の研究や調査を都が率先して行っていくことが今必要なんじゃないかと強く思うのですけれども、どうでしょうか。

○谷上環境都市づくり担当部長 一点目の都市づくりの問題に関しましては、現在、新築の建築物に関しましては、建築物環境計画書制度、またエネルギー有効利用計画書制度などにより、環境への配慮を求めているところでございます。また、都市開発諸制度との連携を図りながら都市の省エネ化を進めております。
 これによりまして、先ほど、床面積が現状でも延びているという話がございましたが、建物のエネルギー消費原単位やCO2排出原単位は大幅に減少しております。その結果、総量でも、業務用部門につきましては低下傾向にございます。
 それから、研究部門の関係でございますけれど、都はこれまでも、ヒートアイランド対策及び地球温暖化に関する調査研究を行ってまいりました。例えば、今年度は、これらの最新の現状を観測、情報収集する調査を東京都環境科学研究所に委託して行っております。来年度も継続する予定でございます。
 今後とも、このような調査を適宜活用してヒートアイランド対策及び温暖化対策を進めてまいります。

○河野委員 私たちも、このヒートアイランドと温暖化の問題については、さまざまな研究者の方、そういう専門家の方といわれる人の意見も伺ってきました。
 ある方の一つの試算なんですけども、新丸の内ビル一つで二万六千トンを超えるCO2が排出される。そして、この量は、千代田区と中央区を合わせた分の面積に植林をしてCO2を吸収させても、まだ足りないほどの排出量である、そういうこともおっしゃっておられました。
 冒頭にお聞きいたしました温暖化対策推進基金事業では、都が重点を置く対策として、クールタウン、クールスポット、こうしたことが強調されました。学校の芝生化などもその一つとして取り組まれたと思いますが、クールタウンと呼べるような東京にしていくためには、都市東京の開発問題に目を向けることが今必要なのではないでしょうか。
 持続可能な都市、環境負荷が少ない都市、そういう東京をつくっていくための大切さがずっといわれてきたことなんですけれども、大切なのは、都市としての成長を管理、抑制する、このことに取り組んでいくことではないでしょうか。
 こうしたことは、環境局が中心になって取り組むべき大事な仕事、責任だと考えるのですけれども、いかがお考えでしょうか。

○谷上環境都市づくり担当部長 都は現在、二〇二〇年までにエネルギー消費量を二〇〇〇年比二〇%削減するという目標に基づき、省エネ、CO2削減対策を進めております。こうした取り組みの結果、二〇一一年度において、都内のエネルギー消費量は二〇〇〇年度比一五%削減となっております。
 先ほども答弁いたしましたが、都内の業務部門の床面積は延びておりますけれども、全体の業務部門のエネルギー消費量は低下傾向にございます。
 今後も、都市開発の機会を捉えまして、建築物の新築等の際に、エネルギー有効利用計画書制度や建築物環境計画書制度を活用し、また、都市開発諸制度等との連携も図りながら都市の低エネルギー化を進めてまいります。
 都市の活力の維持と環境への影響の緩和の両立は可能であると考えております。

○河野委員 委員会資料でCO2の排出量の推移も出していただいております。今、さまざまな努力をされて、CO2の排出は削減傾向にあるというご答弁もありました。しかし、全体として大きな視点で見ると、やはり東京のCO2の排出、部門別に見ますと、家庭と業務が増加傾向、少し下がっている年度もありますけれども、やはり増加しているというのは認識しなくてはいけないんじゃないかと、私なんかはこの表を見て思います。
 削減が進んできている、これは努力の成果が上がっているということで評価するべきことなんですけれども、二〇二〇年までに二〇〇〇年比でCO2排出を二五%削減する、こういう目標を東京都はかねてから持っているわけですから、それに比べれば目標への道のりはまだ遠いというふうに感じます。
 私は増加傾向というふうに--減ってはいるといっても、それほどの減少が見られない業務部門の発生抑制については、都市の成長管理について政策を持って東京都として取り組んでいくことが極めて重要であるということを改めて述べておくものであります。
 次の質問に移ります。
 舛添知事は、世界一の東京にすると東京都知事選挙で公約を掲げられました。環境問題でも世界一になっていく、これは都民多数が願っています。CO2排出を削減し、緑を守り拡大していくことなど、取り組むべき課題はたくさんあります。
 その一つとして、東京の環境、気候変動の状況について、東京都が責任を持って継続的に調査測定する、そして、そのデータを蓄積、分析して、まちづくりのあり方に生かすことなどが必要と考えるものです。
 かつて東京都は、都内百二十カ所余りでメトロスという測定の取り組みをされました。研究者と共同で行われました。メトロスの測定で、貴重なデータや分析がされたと私たちは記憶しています。気候変動は、継続して気温や大気の状況を測定し、データを集積していくのが基本といわれています。科学の基本でもあります。
 私は、環境局としてメトロスの復活に、ぜひこういう時期に努めていただきたいというふうに思うのですけれども、この点ではどんな見解をお持ちでしょうか。

○谷上環境都市づくり担当部長 東京都が平成十四年度から十七年度まで予算化して実施した、都区部を中心に多数の測定地点を有する気象観測システム、いわゆるメトロスは、気温や風などの気象予想を高密度で連続的に観測したものであり、そのデータを活用して都内の詳細な気温分布の特徴を明らかにしたことで当初の目的を達成したため、終了いたしました。
 なお、昨年度、東京都環境科学研究所が行った調査において、大気汚染常時監視局や気象庁アメダス等、既存のシステムで入手可能な気象観測データを用いて都内の気温分布状況を解析し、過去に実施したメトロスによるデータと比較しましたところ、過去の結果と類似した高温域の分布が認められることが明らかになっております。
 したがいまして、特段の観測システムを設けることはなくても、都内のヒートアイランドの資料を把握することが可能であることから、メトロスの復活は必要ないと考えております。
 なお、先ほど河野委員から都内のエネルギー消費量の業務部門がふえているというご発言がございましたが、きょうお配りしました資料を見ていただければわかると思いますが、平成十九年度より低下傾向にあることを申し添えておきます。

○河野委員 だから、私も低下傾向にあるということは一言申し上げたつもりでありますが、大きな立場で見れば、目に見える削減状況ではないということを申し上げたかったので、そのことはご認識をいただきたいと思います。
 今、メトロスはもう所期の目標を達成したということで部長の答弁がありましたけれども、私は、果たしてそうなのでしょうかと思うんですね。都市はやっぱり生き物だと思うんです。日々刻々、まちの様子は変わっています。
 私自身は、いろいろな方のお話を伺い、今、科学的にこの東京のまちの状況を分析していく上では、専門的研究者の協力もしっかりと得て、あらゆる角度からの継続した調査測定に努めていくことに東京都が行政として力を入れていただきたい、このことを強く思っているので、東京都も認識をしていただくように強く要望しておきたいと思います。
 続いて、官民連携ファンドについてお伺いをいたします。
 東京都は、二年前に、電力、エネルギー政策の一つとして、三十億円を投資して官民連携ファンドの事業を始めています。この事業のスタート時、三十億円の投資で二百億円の資金を調達し電力をつくり出すという計画でしたが、現時点での資金調達の状況、また、ファンドにより生み出される電力はどのように供給されていくのか、この点ご説明をいただきたいと思います。

○松下都市エネルギー部長 都の官民連携インフラファンドにつきましては、既に発表しているとおりでございますが、電力安定供給への貢献あるいは再生可能エネルギー投資の早期実証を目的といたしまして、そうした趣旨に賛同いただいた投資家から資金を調達することによって、今現在、二つのファンドで約三百億円が集まっているところでございます。
 ファンドの投資先である発電所から生み出される電力につきましては、東京電力管内ではそのネットワークを通じて供給されまして、遠隔地についても全国融通などを通じて首都圏の電力安定供給に貢献するものでございます。

○河野委員 官民連携ファンドはリスクが高い事業である、ハイリスクであるということは一般的にいわれております。
 都は、二年間やってきた三十億円の投資に対するこのリスク回避策は、先ほども若干ご説明はいただいたように思いますけれども、どのように進めてきたのか、改めて伺っておきます。

○松下都市エネルギー部長 インフラファンドでございますが、一般的には、リスク、ハイリスクといういわれ方は余りしておりませんで、実際に事業を直営で実施いたしますと一〇〇%のリスクを負うことになります。しかしながら、ファンド事業であれば分散投資が可能になりますので、それからレバレッジが効くということで、事業として見れば、リスクはむしろ低いというふうに考えられております。
 ただ、委員お話しのように、投資であるとか運用であるという世界で見ますと、預金金利などに比べてミドルリスクをとっているということはいえると思います。一般的な株式投資よりもさらに、分散投資でありますので、むしろリスクは高くなくて中間ぐらいにあると考えております。済みません、長くなりました。
 都の官民連携インフラファンドは、電力安定供給等に資する事業者の具体的な発電事業に対して投融資を行いますので、このため、社会経済情勢等による一定程度の事業リスクとか経営リスクを負うことは間違いないものでございます。これまでも明らかにしてきましたように、そのリスクを極力小さくするようさまざまな工夫を施しておりまして、本事業を進めてまいりました。
 具体的には、ファンドの状況を継続的に監視するため、東京都専門委員である公認会計士の助言をいただくとともに、法律、会計、投資業務等の専門家により構成される東京都投資評価委員会の検証や確認を受けているものでございます。このように、ファンドの運営状況の監視については万全を期しているものでございます。

○河野委員 私も、都議会の幾つかの委員会の、このファンドに関する議事録を見てみましたけれども、それぞれリスクが高いということを各会派の皆さんでおっしゃっている方もいるんですね。ですので、今の部長の答弁については、一〇〇%、ああ、そうですかというふうに、理解しましたというわけにはいきません。
 それで、運営状況の監視に万全を期していくとおっしゃったご答弁、これを十分に、しっかりとその見地に立って、これからもファンド事業について都の責任を果たしていただきたいということを申し添えておきます。
 官民連携ファンドの事業の状況について、一般都民は余り知る機会がないというのが現状じゃないかと思うんです。投資した状況について都民にわかりやすく公表するような努力についてはどんなことがされてきたのでしょうか。

○松下都市エネルギー部長 都はこれまで、平成二十四年十月、二十五年二月、そして同年八月に、これまでの投資実績といたしまして、十件の具体的な投資先や、あるいは二十七万キロワットの電源確保に貢献していることにつきまして、記者発表やホームページなどで公表したところでございます。
 官民連携インフラファンドにつきましては、民間の金融手法であるファンド投資という手法を選択しておりますので、その運用は、行政の手続ではなく民間の投資判断となります。このため、全ての情報を公表することは、他の投資家もございますので非常に難しい面がありますが、このインフラファンドにつきましては、具体的な発電所の投資でありますから、他の投資家の了解を得た上で、投資先の箇所や規模等、できる限りの公表を行っているところでございます。

○河野委員 東京都が三十億円投資してきて、これからも次のファンドが始まるわけなんですけども、やはり透明性を確保していくということは大事な課題だと思いますので、努力を求めておきます。
 次の新しいファンドのことについて伺います。
 東京都知事選挙で舛添知事は、再生可能エネルギーの比率を二〇%まで高めると公約されました。既に東京都は、二〇〇六年の東京都再生可能エネルギー戦略や、二〇〇八年の東京都環境基本計画で、二〇二〇年までに再生可能エネルギーの比率を二〇%にするという目標を掲げています。知事の公約実現と、東京都がこれまで示してきた目標がぴたっと一致したという点で注目されています。
 再生可能エネルギーの普及について、舛添知事は新しい官民連携ファンドをつくることを明らかにし、その投資に、新年度に十二億円を予算化するとしています。新しいファンドは、都内、東北地方ということで地域を指定し、生み出す電力は自然再生エネルギーによるものとされています。
 伺いたいことの第一は、都内、東北で新しいファンドが投資を行う場所はどうなるのか。第二に、ファンドは四十億円ぐらいの投資を募るということなんですけれども、このファンド運営に当たる事業者の可能性などについてはどのような見解というか、今、見通しをお持ちか伺っておきます。

○松下都市エネルギー部長 まず、ファンド投資の適地ということになると思いますが、今回のファンドで投資対象としておりますのは東北電力管内と東京電力管内でございまして、さらに都内には特別な工夫をするということにしておりますが、基本的に再生可能エネルギーのポテンシャルが高い適地は多数ございます。
 また、投資をできるかという意味での場所につきましても、これまで官民連携インフラファンドの組成に当たりまして、東京都投資評価委員会及び東京都専門委員の設置であるとか、あるいは民間企業約三十者からヒアリングを行うなど、ファンド運営体制の強化とノウハウの確立に努めてまいりました。
 特に、官と民の連携による相乗効果やメリットについては官民で共有してきたところでございます。
 したがいまして、ファンド投資にはさまざまな条件がありまして、これまでの知見を生かして、その条件をクリアできるような再生可能エネルギーや金融のノウハウを持つ事業者を選定してまいります。したがいまして、ご懸念には及ばないものと考えております。

○河野委員 この新ファンドについてもう一点伺っておきますが、投資は、お金を都が出すのは十二億円、全体で四十億円の規模ということです。これまでのファンドに比べて、先ほど三十億で三百億円ですか、ですから、それに比べると規模が少し小さいのかなという印象なんです。
 このファンドを立ち上げて、供給できる電力はどのくらい見込まれるものなのでしょうか。

○松下都市エネルギー部長 この官民連携再生可能エネルギーファンドの事業は、これから再生可能エネルギーの普及拡大を図っていくためのあくまでも第一歩でございます。現時点では、ファンドの規模につきましては四十億円程度を見込んでおります。
 そこからもたらされる電力供給につきましては、これは投資対象について、太陽光とか風力、いろいろ種類がありまして、その種類を固定しているわけではございません。また、実際に何に投資するか、今後どの程度の資金が集まるか、四十億円というのは見込みでございますので、どの程度の資金が集まるかわかりませんので、具体的な電力供給の見通しは今後変わってくると考えてございます。

○河野委員 お話を聞いていて、十二億円で始まる新しいファンドは、まさにこれからスタートで、詳細なことは、順次、はっきりするたびに都民に明らかにされていくのかなと。まだちょっと、何というんですかね、見通しという点では、私たちにも示していただけるものがないところからのスタートなのかなという印象を受けています。
 私たちは再生可能エネルギーが大きく普及拡大するということを願っているものですから、インフラファンド、官民連携ファンドのいろんなリスクの問題などはありますけれども、これが一定の再生可能エネルギーの普及拡大に貢献できるものになるように東京都も努力していただきたい、そのことを申し述べておきます。
 次の質問です。
 現在、東京都の自然再生エネルギーの割合は、昨年十一月の事務事業質疑で答えていただいていますが、あのときは三・一%とおっしゃっていました。先ほどのご答弁だと六%という数字で、二倍ぐらいにちょっと上がっちゃっているので、ああ、そうなのかという感じだったのですけれども、いずれにしても一桁台ですよね。目標の二〇%まで比率を高めていくのは、まさに容易なことではないと思います。
 東京都がこれまで明らかにしてきた取り組み方針は、まず消費エネルギーの量を減らして、その上に立って再生可能エネルギーの比率を二〇%にすると。だから、総体を減らして、減らしたものの二〇%という考え方かなというふうに私は受けとめているんですが、東京の消費電力量は、環境局が出されております事業概要で、猛暑の年で五千五百万キロワット、平年で五千三百万キロワットが東京の消費電力量となっています。
 このうち、環境局がおっしゃっている分母を減らす、省エネで総体を減らす、その点では、どこまでこの分母自体を小さくしていける見通しを持っておられるのでしょうか。

○山本都市地球環境部長 都は、二〇二〇年までにエネルギー消費量を二〇〇〇年比二〇%削減するという省エネ目標に基づき、産業、業務、家庭など部門ごとの特性に合わせた対策を推進し、目標の達成に向けて着実に取り組んでまいります。
 なお、業務部門につきましては、床面積は増加傾向にございますが、これまでの省エネ対策の取り組み成果もございまして、二〇〇七年度以降、エネルギー消費量は減少傾向に転じてきております。二〇一一年度のエネルギー消費量は、二〇〇〇年度比で一五%の削減というふうになっております。

○河野委員 もう一点伺っておきます。
 二〇%の比率を目標としている再生可能エネルギーの利用について、太陽光や風力や波力など、それぞれ種類ごとに目標を持って取り組んで、それを積み上げていく、二〇%にしていくということが必要なんじゃないかと私は算数の考え方で思うのですけれども、環境局はどういう方法でこの二〇%を達成させていくのか。
 いろんな種類の再生可能エネルギーがあるわけですけれども、どのような形で二〇%の比率へ達成させていくのか、そのこともお示しください。

○石川都市エネルギー技術担当部長 先ほども答弁いたしましたが、再生可能エネルギーにつきましては、固定価格買い取り制度の活用によりまして、都内だけでなく、都外も含め普及拡大を進めることが必要であると考えております。
 こうした全国的な普及拡大の取り組みが都内の利用割合の向上にもつながるものでありますので、都が単純にエネルギーの種別ごとに目標を設定すべきものではないと考えております。
 再生可能エネルギーの利用拡大には、あらゆる手だてを講じていく必要がありまして、そのため、都は、来年度、海外の先進事例等に関する調査も活用し、学識経験者、民間事業者、研究機関等、幅広いメンバーによる助言もいただきながら具体策を取りまとめ、取り組みを強化してまいります。

○河野委員 意見を述べておきますけれども、二〇二〇年までに再生可能エネルギーの比率を二〇%にすると目標を掲げたのが八年前の二〇〇六年。二〇二〇年までに残されているのは六年です。全庁を挙げての取り組みがなければ、舛添知事の公約、加えて、都が長年都民に約束してきた目標には到達はしません。
 二〇〇七年のカーボンマイナス東京十年プロジェクトには、はっきりと世界一の再生可能エネルギー利用都市の実現という言葉が書かれています。そして、その実現に向けて、東京都内に百万キロワットの太陽エネルギーを導入し、加えてバイオマス燃料の普及というようなことも記述されているわけです。
 三年前の福島第一原発の過酷事故以後、原発依存から脱却して再生可能エネルギーの普及拡大を求める世論は強まっています。二〇二〇年は、再生可能エネルギーやCO2の排出削減で、都が掲げた目標を達成する大事な節目の年になります。確実に都が掲げ知事が公約した目標が達成できるように、東京都の努力を求めておきたいと思います。
 最後に、条例改正について申し上げます。
 第九十七号議案、鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律施行条例の一部を改正する条例についての意見です。
 消費税及び地方消費税の引き上げに伴い、狩猟免許の更新の申請に対する審査手数料を二千八百円から二千九百円に引き上げるとの条例改正の中身になっています。
 安倍政権のもとで、この四月一日から消費税の税率が八%に引き上げられる予定になっています。八%への税率引き上げは、消費税を価格に転嫁できない中小零細業者や生活者に痛みを押しつけるものとして反対の声が強くあります。
 法律上、増税分は、自治体が徴収する使用料や手数料などに転嫁することが決められています。しかし、三月七日付の都政新報が報じたように、都内の二十三区では、四月から転嫁すると決めているのはたった一区だけで、多数の区は決めていないのです。都内の狩猟免許保有件数は約五千とのことですが、都民生活の実態が依然として明るい兆しが見えていない中で、負担増を招くこの条例改正には反対、この意見を表明させていただきます。
 以上で質問を終わります。

○高椙委員 フロン対策についてお尋ねをいたします。
 かねてより我が党自民党は、地球環境問題の重要性を認識し、都に対してさまざまな提案を行ってきたところであり、先日の本会議でも、気候変動対策の一環としてフロン対策について質問をさせてもらいました。
 ややもすればCO2の陰に隠れがちであったフロンについて、環境局がこの四月から、総合的なフロン対策を専門に行う組織を設置するなど、都が積極的に取り組もうとしていることに我が意を得た思いでございます。
 先ほど、フロンの漏えい対策についての質疑がありました。漏えい対策も非常に重要だと思っております。私は、根本的な対策としての機器のノンフロン化を目指すべきだとも考えております。そこで、きょうはノンフロンショーケースの補助制度を中心に質問させてもらいます。
 まず、ノンフロン化に関する国際動向や我が国の取り組みなどについてお伺いをさせていただきます。

○木村環境改善部長 EUでは、フロン機器冷媒を温室効果の低いガスに転換する議論が進んでおり、機器の類型別に、温室効果係数の上限値とその達成目標年度を定めることとしております。
 我が国では、現在、改正フロン法の来年四月の施行に向けた政省令の改正作業が行われております。その中で、EUと同様に、各種製品開発に関する温室効果係数の上限値と目標年度の検討が進んでおります。私も、現場を預かる自治体の立場から、この国の会議に参画しております。
 ノンフロン機器の普及状況ですが、家庭用冷蔵庫については、既にノンフロン製品への切りかえがほぼ終了し、自動販売機についても、同じくノンフロン化が進んでおります。しかし、大型の機器のノンフロン化には、可燃性や毒性に関する検証が必要であり、開発途上でございます。冷凍冷蔵ショーケースについては、近年、冷媒にノンフロンを使用した機器が市場に出始めております。

○高椙委員 国際的には、フロンの中でも温室効果の低いフロンへ切りかわっていくことがわかりました。安全性や経済性も考慮しなければなりませんが、行き着く先は、温室効果ガスであるフロンを使わないノンフロン化であり、それを進めていかなければならないと考えております。
 ショーケースのノンフロン機器が出始めているならば、都はそれを後押しして、ノンフロン機器の普及拡大に努めるべきだと思います。
 そこで、都が来年度から開始するというノンフロンショーケースの補助制度について、具体的な内容をお伺いいたします。

○木村環境改善部長 ノンフロン機器の導入を促進するため、都は、中小事業者がノンフロンのショーケースに更新する場合に、導入費用の三分の一を補助する制度を来年度から開始いたします。
 この補助制度により、中小事業者の初期投資が軽減されるとともに、省エネ効果の高い新製品に切りかえることで電気料金を抑えることができるため、中小事業者への導入が促進されます。
 この制度は、平成二十六年度から二十八年度の三カ年で行うもので、平成二十六年度は二億円の予算を計上しております。
 中小事業者にこの制度を積極的に活用してもらえるよう、ノンフロン機器のメーカーやショーケースを使用する事業者の団体等を通じて、制度の周知に努めてまいります。

○高椙委員 地球温暖化対策を先導してきた都には、フロン対策でも、より先進的な取り組みにチャレンジしてほしいと思います。
 ショーケースは、その多くがコンビニエンスストアやスーパーマーケットで使われているほか、精肉店、鮮魚店などの小規模な小売店でも使われていることから、買い物の際に消費者の目に触れる機会が多いと思います。消費者の目に触れることを生かして、これを広告塔として、広く都民にフロンを通じた地球温暖化問題に関心を持ってもらうことが可能になるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

○木村環境改善部長 貴重なご提案をいただき、ありがとうございます。
 今回の補助制度の対象となるノンフロン機器に、例えばメーカーやユーザーと連携して、この製品はフロンを使用していないことなどを表記することは、事業者の取り組みを都民にアピールするとともに、都民の意識啓発にもつながると考えております。
 今後、補助制度の運用とあわせて、都民や事業者の皆様が積極的にフロン対策に取り組んでいただけるよう工夫を凝らしてまいります。

○高椙委員 世界では、気候変動対策の面からもフロンの重要性が着目されております。CO2の削減と同様に、フロンの削減にも腰を据えて取り組んでほしいと思います。
 ところで、私の名札にもございますように、高椙の椙という字は、木へんにお日様の日を二つ重ねた字でございますが、杉並区の杉と同様に、樹木の杉を意味しております。私の椙の字は、盛んに伸びる木という意味で、我が国でつくられた国字でございます。CO2の吸収量をわかりやすくあらわすのに、よく杉何本分に相当などと使われていることから、私の名前を取り上げさせてもらいました。
 一般的なコンビニエンスストア一店舗では、ただいま質問したショーケースをノンフロンのものに切りかえると、一年間に杉で約二千本分の吸収量になるそうでございます。ぜひノンフロン化を進めてほしいと思います。
 次に、自然関係の質問をさせていただきます。外来種対策についてお伺いいたします。
 新宿からJR中央線下りに乗りますと、国分寺駅を過ぎたあたりから車窓に緑が目立ってきます。私の地元、国分寺市、国立市周辺には、玉川上水や多摩川沿いに、ウド、ブルーベリー、梨、米などを栽培する農家が広がっていて、その周囲に残る樹木、多摩川の崖線など緑が豊かに残されております。
 そのため、夜になるとタヌキやキツネも時々目撃されておりますが、最近住民の方から、タヌキやキツネくらいの大きさで見たことがないけものがいるとか、屋根裏でごそごそ物音がするので防除事業者に相談したら、アライグマかハクビシンではないかといわれたとのお話を耳にします。
 実際、私の自宅もハクビシンに二度侵入されました。天井裏でふんや尿をされた上、夜になると、天井板が破れるのではないかというぐらい大きな音を立てて走り回るのです。業者の方にお願いして捕獲してもらい、侵入できそうな穴を塞いでもらいました。それでも、わずかなすき間を通って、再び別のハクビシンに天井裏に侵入されてしまった苦い経験がございます。
 今のところ、国分寺市や国立市ではアライグマやハクビシンによる農作物の被害があるとは聞いておりませんが、都内の農業者団体から被害対策の拡充が要望されており、他の地域では既に農作物の被害が出ているようでございます。
 そこで、アライグマやハクビシンによる被害の状況と、これまでの取り組みについてお伺いいたします。

○臼井緑施策推進担当部長 アライグマやハクビシンは、本来、日本に生息していない外来生物でありまして、果樹など農作物の被害や、トウキョウサンショウウオの食害など生態系被害のほか、委員も被害に遭われたとのことですが、家屋に侵入して健康や衛生上の影響を及ぼすふん尿汚損、足音、鳴き声による騒音など生活環境への被害も発生させております。
 平成二十三年度に、これらの被害対策として、都が捕獲を許可し防除事業者が捕獲したのは、都内全域で、アライグマ百四十二頭、ハクビシン三百九十七頭となっております。
 外来種対策では、個体数が増加する前に、地域の自然環境に詳しい区市町村が速やかに対策を講じることが重要であり、都は平成二十四年度から、アライグマ等の捕獲に取り組む区市町村に対する経費面での補助を行ってまいりました。
 また、他県や防除事業者の取り組み等につきまして情報共有を図ります情報連絡会の開催や、アライグマ対策の意義あるいは捕獲方法等をわかりやすくまとめた担当者向けマニュアルの作成配布など、技術面での支援も実施しております。
 現在、葛飾区、杉並区、あきる野市など七区市がアライグマやハクビシンの捕獲に取り組んでいるところでございます。

○高椙委員 全く、夜中じゅう、天井裏を運動会をしているわけでございますから……。
 平成二十三年度の時点で、既に約百四十頭のアライグマ、約四百頭のハクビシンが都内で捕獲されているとのことであります。答弁にありましたように、アライグマ等の外来種対策を進めるため、個体数がふえる前に、地域の事情に詳しい区市町村が速やかに対策を講じることが大切でございます。
 しかし、私の地元、国立市、国分寺市を含め、取り組みを開始していない区市町村がまだ存在する理由として、対策の計画を立てるのに手間がかかる、あるいは具体的な捕獲方法がわからないといった声を聞きます。区市町村の担当者の多くは、野生鳥獣に対する知識や捕獲に関する技術がなく、二年から三年のサイクルで異動してしまいます。
 専門知識を有する都がもっと支援をすることで、都内全域に取り組みを広げていくべきと考えますが、ご所見をお伺いいたします。

○臼井緑施策推進担当部長 捕獲に取り組む上での課題につきまして、区市町村の担当職員から聞き取りを行いましたところ、委員ご指摘のとおり、捕獲等に関する実践的な知識や技術が不足していることや、経費の補助が二年間の時限になっていることなどの回答が多く寄せられました。
 そこで、都は、区市町村職員が個別に防除実施計画を策定する負担を軽減するため、外来鳥獣対策の専門家や環境省の助言を受けて、東京都全域におけるアライグマ捕獲の基本方針となります防除実施計画をこの十二月に策定いたしました。
 また、実践的な情報、技術を提供するため、既に取り組んでいる区市の捕獲現場に周辺区市町村の担当者が同行して、被害の実態や捕獲方法を体験してもらう現地検討会をこの十二月から開催しております。
 さらに、来年度からは、区市町村との連携による地域環境力活性化事業により補助期間を拡充できるよう準備を進めており、区市町村の支援とPRをより一層強化して、取り組みを都内全域に広げてまいります。

○高椙委員 区市町村の支援とPRをもっと強化して、取り組みを都内全域に広げていくとの答弁をいただきました。取り組みを始めた区市町村が、担当者が異動したことで取り組みをやめてしまうことがないようフォローしながら、周囲の区市町村にその取り組みを広げていくことを要望して、私の質問を終わらせていただきます。

○舟坂委員 私からは、大きく二点につきまして、手短にご質問をさせていただきます。
 まず一つ目は、水銀廃棄物対策についてお伺いをいたします。
 昨年十月、熊本県で開催された外交会議において、水銀に関する水俣条約が採択されました。この条約は、先進国と途上国が協力して、水銀の供給、使用、排出、廃棄などの各段階で総合的な対策を世界的に取り組むことにより、水銀の人為的な排出を削減し、地球的規模の水銀汚染の防止を目指すものであります。
 これは、発展途上国などで行われている小規模の金採掘や石炭の燃焼などに伴う水銀排出の削減を主眼としたものではありますが、我が国は水俣病の教訓を踏まえ、同様の健康被害や環境汚染が二度と繰り返されぬよう、水銀の排出削減に積極的に取り組むことが求められます。
 中でも、経済活動の中心であり、水銀血圧計や蛍光ランプなど水銀使用製品の大消費地でもある東京都は、先駆的な役割を果たすべきです。
 都は、水銀対策を推進すると同時に、事業者として、みずからの事業活動で使用する水銀の対策も率先して行うべきと考えますが、どのように取り組んでいるか、お伺いをいたします。

○齊藤廃棄物対策部長 都は、条約の採択に先駆けまして、学識経験者、関係者等で構成する水銀の処理等に関する検討会を設置しまして、平成二十四年二月に水銀対策について取り組みの方向をまとめ、水銀血圧計、蛍光ランプ、ボタン電池等を対象に、製造抑制、代替品への使用転換などによる水銀の使用量削減や、水銀の廃棄管理、回収の徹底を働きかけてまいりました。
 こうした働きかけによりまして、東京都医師会が平成二十四年から水銀血圧計などの自主回収に取り組むなど、事業者による水銀の排出削減の取り組みが着実に進んできております。
 また、都は、事業者として、環境に配慮した物品や役務の調達を定める東京都グリーン購入ガイドを改定しまして、LEDランプや水銀封入量の少ない蛍光ランプの購入、廃棄時の再資源化を条件とした蛍光ランプのリース、蛍光ランプ等の水銀使用製品を廃棄する場合の水銀流出防止など、水銀使用量の削減及び廃棄時の回収を全庁で徹底しております。
 さらに、職員の健康診断におきましても、水銀を使用しない血圧計を使用するよう全庁に働きかけるなど、都の事業活動に伴う水銀使用量の削減及び廃棄時の回収に幅広く取り組んでおります。

○舟坂委員 都は、率先して水銀対策に取り組んでいるとの答弁でしたが、引き続きしっかりと取り組んでもらいたいと思います。
 また、区市町村についても、都と同様の取り組みが求められると思いますが、どのように働きかけているかお伺いをいたします。

○齊藤廃棄物対策部長 都は、新たに蛍光ランプの分別収集を開始する区市町村に対しまして、平成二十四年度から財政支援を行っております。新たに五つの区が分別収集を開始し、現在、十二区と多摩地域の全ての市町村が分別収集を実施しております。来年度以降も蛍光ランプの分別収集の取り組みを支援し、拡大を図ってまいります。
 また、都の事業者としての率先した取り組みにつきましても、特別区清掃主管部長会や多摩地域廃棄物行政連絡会等の場におきまして区市町村に説明するとともに、同様の対策を講じるよう依頼を行っております。

○舟坂委員 都は、みずからはもちろんのこと、区市町村の取り組みも非常に重要だと思います。引き続き、区市町村に積極的に働きかけを行ってもらいたいと思います。
 一方で、民間の事業者からも多くの蛍光ランプが廃棄されています。しかし、中小の事業所から廃棄される場合、排出量が少ないため、蛍光ランプを分別し、水銀を回収できる処理業者に委託すると、処理コストが大幅に増加してしまいます。
 このため、中小企業の排出事業者の中には、回収に協力したくとも、やむを得ず、他のごみと一緒に排出せざるを得ないことも多く、結果として多くの蛍光ランプが破砕され埋立処分されてしまうと聞いております。
 都は、こうした中小の事業者でも参加しやすい仕組みを検討すべきと考えますが、見解をお伺いいたします。

○齊藤廃棄物対策部長 ただいまご指摘がございましたように、中小の事業所から蛍光ランプが少量廃棄される場合、他の廃棄物と分別して水銀を回収することでコストが増加するということから、残念ながら、破砕して埋立処分されてしまうケースが相当程度あるものと考えております。
 中小の事業所から廃棄される蛍光ランプの再資源化と水銀の回収を進めるためには、収集運搬や処理に係る費用を低減させることが有効だというふうに考えております。
 このため、都としましては、来年度、排出事業者、収集運搬業者、水銀を回収できる処分業者等の関係者と連携しまして、収集頻度や収集方法の工夫、車両の有効活用などにより効率的に蛍光ランプを収集し再資源化することで費用を低減し、水銀の回収を促進する方策を検討してまいりたいと考えております。

○舟坂委員 都の水銀対策についてお聞きをいたしました。昨年、水銀に関する水俣条約が採択されたことは一つの契機です。引き続き着実な取り組みをお願いして、次の質問に移ります。
 次は、ディーゼル車規制十年の総括と今後の取り組みについてお伺いをいたします。
 石原元都知事が就任した当時、深刻な問題となっていた東京都の大気汚染を改善するため、都は平成十五年十月からディーゼル車規制を開始し、短期間で劇的な大気環境の改善を実現することができたと理解しております。
 この取り組みが大きな成果を上げられたのは、私ども議会の全面的な協力のほか、国や都が法律や条例で規制を行い、事業者や関連業者の方々が仕方がないからそれに従うという、それまでの環境行政に多く見られる図式とは一線を画する画期的な取り組みであったからだと考えております。
 昨年十月に規制開始から十年が経過し、これまでの取り組みを振り返って総括することは、今後の環境行政がどうあるべきかを考える上で大事な示唆を与えてくれるものと思っております。
 そこでまず、改めてお伺いいたします。都は、ディーゼル車規制の取り組みと成果をどのように認識、総括しているのかお伺いいたします。

○山内自動車公害対策部長 石原元都知事が就任した平成十一年当時、都の大気環境は、工場や発電所などの固定発生源対策により二酸化硫黄や一酸化炭素の環境基準は達成しておりましたが、自動車を主な発生源とする浮遊粒子状物質や二酸化窒素による大気汚染は改善が進まない厳しい状況にありました。
 都は、国が対策を行っていたディーゼル車から排出される粒子状物質、PMが最大の原因であることをディーゼル車NO作戦のキャンペーンの中で問題提起し、ディーゼル車への対策が急務であることについて、都民、事業者、関連業界の方々などと相互に理解を深めてまいりました。
 そして、都議会からも大きなお力添えをいただき、平成十二年十二月に環境確保条例を制定し、平成十五年十月から、世界初のディーゼル車の新車以外の車、使用過程車も含めた走行規制を開始することになりました。
 この取り組みの過程で、石油連盟は、PM減少装置を機能させるために不可欠な低硫黄軽油を、都の要請に応じて当初予定から二十一カ月も前倒しして平成十五年四月から供給し、自動車メーカーや装置メーカーも、排出ガス性能のすぐれたディーゼル車やPM減少装置の開発と普及に取り組んでいただきました。
 また、都内に流入する車両の八割が、隣接する埼玉、神奈川、千葉の三県からの車両であることから、都の働きかけにより、隣接三県も都とほぼ同様の規制内容の条例を制定し、我が国の環境行政史上初めての地方自治体の広域連携による規制が実現しました。
 さらに、トラックやバスなどの都内の関連業界がいち早く協力を表明したため、事業者の方々の規制対応も着実に進んできました。
 その結果、東京の大気環境は、規制開始以降、平成十七年度には、SPMの環境基準が全局達成され、NO2も大幅に改善されております。これは、多くの関係者や都議会の理解と協力により大きな成果を達成した取り組みとして画期的なものであったと認識しております。

○舟坂委員 ディーゼル車規制が大きな成果を上げられたのは、石原元知事のリーダーシップや環境局を初めとする都の担当部局の懸命な努力、そして、我々都議会との連携があったのは確かだと認識しておりますが、それにも増して、今、答弁にあったように、事業者や関連業界の方々の大変な努力や協力があったことは、多くの人々も評価するところであると思います。
 私は、都のディーゼル車規制が、規制そのものを成功させただけではなく、規制の取り組みを通じて事業者や関連業界の方々の環境に対する意識が高まり、それ以降も、みずから環境に配慮した行動に取り組んでいる点でも画期的であり、大きな意義があったものと考えております。
 そこで、都は、ディーゼル車規制に協力した事業者や関連業界の方々のその後の環境に配慮した取り組みについてどのように認識しているか、お伺いをいたします。

○山内自動車公害対策部長 都のディーゼル車規制を一つの契機として、事業者や関連業界の方々は自主的な率先行動を進めてきております。
 具体的には、低硫黄軽油を早期供給した石油連盟は、業界の自主努力により、二年前倒しで平成十七年一月から、世界に先駆けて一層、硫黄分--硫黄分がほとんど含まれないサルファーフリーの軽油、ガソリンの全国供給を開始しております。
 また、排出ガスの少ないディーゼル車の開発を進めた自動車メーカーは、さらなる取り組みとして、世界で最も厳しい排出ガス規制に対応する車両の開発や、現在の環境対策の柱となるEV、電気自動車、PHV、プラグインハイブリッド自動車、燃料電池車などの開発、普及を進めております。
 さらに、厳しい経営環境の中で規制対応を図った運送事業者の方々は、例えば東京都トラック協会が立ち上げたグリーン・エコプロジェクトに参加し、エコドライブなどを通じてCO2の排出削減を図るなど、日々率先して環境配慮の取り組みに励んでおります。
 このようにディーゼル車規制は、事業者がみずからの社会的責務として環境配慮行動に取り組むことの大切さを認識し、自主的かつ率先的な行動を促したという点で、東京を、全国をリードする環境先進都市としていく大きな契機となったと認識しております。

○舟坂委員 都のディーゼル車規制の取り組みは、事業者や関連業界の方々の環境に対する意識を高めるだけではなく、環境問題の国際協力の分野でも重要な役割を果たすようになってきていると思います。
 中国やインド、そして東南アジアの国々では、活発な経済成長が進む一方で、急速なモータリゼーションの進展によって深刻な大気汚染に悩む都市が急増しております。
 東京都は、これらの国々の都市に対して、都のディーゼル車規制の経験やノウハウなどについて積極的に情報提供していくべきと考えるが、都のディーゼル車規制に関する国際協力の取り組み状況についてお伺いをいたします。

○山内自動車公害対策部長 昨年七月にはバンコク環境局職員六名、それから、先ほどもご答弁しましたけれども、十月に北京市環境保護局職員六名が来日しワークショップを開催するなど、都の大気汚染対策に関する経験、取り組み成果の報告、意見交換、現場視察などを行っております。
 ワークショップでは、都が石油連盟などの業界に対して具体的にどのような協力を求めていったのかということに関心が集まりました。例えば、ディーゼル車規制の実施に不可欠だった低硫黄軽油の供給に関して、石油連盟は当時、硫黄分の削減に巨額なコストがかかることに難色を示しておりましたが、都は、投資コストの回収期間を十年とすれば軽油価格の上昇分はわずかであり、低硫黄軽油の供給を先送りすべきでないことや、既にヨーロッパでは平成十七年から低硫黄軽油を供給する目標を決定しており、イギリスやドイツなどの多くの国で、目標を前倒しして実現するよう早期供給に向けて取り組んでいる状況などを示し、理解を得ました。
 こうした事実に基づく根拠を提示し、粘り強く協議を重ねていったことで業界自身の取り組みを引き出した経緯などを説明し、非常に参考になったという意見が寄せられました。
 さらに、自動車Gメンによる幹線道路や物流拠点での取り締まりのほか、首都高速道路上に設置した固定カメラなどを活用した効率的な取り締まりについても、違反車両の把握や指導等において着実な成果を上げてきたことに強い関心が示されました。
 ディーゼル車規制の取り組みは、短期間に東京の大気を劇的に改善させた貴重な実績であり、大気汚染対策に苦労している海外の諸都市にも積極的に情報発信していくことが重要と考えております。
 なお、三月二十日には、第一回大気汚染に関する日中韓三カ国政策対話、国同士の対話ですが、これが北京市にて開催され、各国の取り組みとあわせて、都のディーゼル車規制の取り組みについても説明することになっており、今後とも、具体的な成果を上げてきたノウハウについての情報提供等、国際協力に努めてまいります。

○舟坂委員 これまでの質疑で答弁があったように、都のディーゼル車規制の取り組みは、東京の大気環境の大幅な改善を達成したのみならず、事業者や関連業界の方々の自主的な環境配慮行動を促すことにより、東京を環境先進都市に進化させる大きな契機になるとともに、環境分野における国際協力にも大きく役立つものであるという点で高く評価をいたします。
 引き続き、PM二・五など残された課題についても、解決に向けて着実に取り組んでいくことをお願いいたします。
 さらには、エネルギーの大部分を化石燃料に依存している我が国の次世代エネルギーとして水素の利活用が注目されており、来年には水素を燃料とする燃料電池車の市場投入が予定されるなど、水素社会の実現に向けて、環境先進都市である東京には積極的な役割が期待されております。
 二〇二〇年のオリンピック・パラリンピックの東京開催も決まり、都は、世界一の環境都市東京の実現を目指して積極的に取り組んでいくことを期待しておりますが、今後の取り組みについて局長の決意をお伺いいたします。

○長谷川環境局長 本日は、自動車公害関係の組織改正に伴いまして、大西先生あるいは米倉先生からのご質問も含めて、いろいろとディーゼル車規制について振り返る機会を与えていただきまして、まことにありがとうございます。
 先ほど米倉委員の方から、自動車公害対策はもう必要がないという認識なのかというお話もありましたけれども、平成十二年に清掃の区移管とあわせて環境局が設置される中で、ディーゼル車規制を含めて自動車公害対策を抜本的に強化するために自動車公害対策部という組織をつくりましたけれども、それ以前から、大気環境対策の一環として自動車公害対策というのはやっております。当然、今回、より効果的、効率的な執行体制をつくっていく、それで、今の適合状況なんかも踏まえて組織を改正するわけですけれども、残された課題として、PM二・五でありますとか、そういう課題が実際にあるわけですから、これからも、固定発生源の対策ですとかVOCの対策なんかも含めて、あわせて自動車からの排出ガスの汚染対策についてもしっかりと取り組んでいくということでございます。
 今、部長から具体的な取り組み内容について多々ご答弁いたしましたとおり、ディーゼル車規制は、都議会の皆様の大変なお力添え、単に条例を通していただいたということだけでなくて、事業者の皆さん、都民、それから事業者団体の、ある意味、矢面にも立って、いろいろとご協力について労をとっていただいたというようなことも含めて、本当に大きなお力添えをいただいて、その上で、多くの都民、事業者、関係業界の方々のご理解とご協力のもとで、現実に目の前に立ちはだかる壁を乗り越えて東京の大気環境を実際に大きく改善させたということで、画期的な取り組みであったというふうに思います。
 平成十二年の四定で条例改正を可決いただきまして、その後、十五年の十月に施行するということで約二年半の準備期間があったわけですけれども、我々は、規制で取り締まればいいというのではなくて、十五年十月の規制の開始までに、いかに皆さんにご協力をいただいて規制適合していただくかということで、当然、職員みんな汗をかいて、事業者の皆さんですとか荷主の方々などのところに足を運んでいろいろと呼びかけました。そういう中で、事業者の皆さんが、自分たちの子供ですとか、あるいは将来の世代のために、大気環境をきれいにするために我々が頑張っていかなきゃいけないというふうな機運が非常に盛り上がる中で、規制を開始する前までに、大方の方々がそれに対して自主的に対応いただいたというのが私自身も非常に印象深く思っております。
 先ほども舟坂先生からのご質問にもありましたけれども、こういったことが、当然、その後のいろんな温暖化に対する備えですとか、それから大震災を経た後のエネルギーの問題ですとか、そういうことに対して都民や事業者の皆さんの自主的な取り組み、特定の工場ですとか、そういうところの排出をとめればいいというだけじゃなくて、それぞれの都民の皆さんあるいは事業者の皆さんが自主的にやっていかないと環境はよくならないんだということで具体的な行動への機運が生まれてきたということは非常に大きかったんじゃないかなというふうに思っております。
 また、手前みそではございますけれども、この規制をやる中で、課題を解決するために本質的にどういうふうに何をやらなきゃいけないかという意味では、先ほど部長から申しましたような低硫黄軽油の普及ですとか、あるいは具体的な規制の手法、例えばステッカーを使って識別するようなやり方ですとか、いろんな面で、問題解決のために深く掘り下げるといって多面的な対策を行うという意味で非常に貴重な経験をいたしまして、それは今の、例えば世界で初めての都市によるキャップ・アンド・トレードといったような先端的な取り組みにも結びついているというふうに思います。
 そういう点で、東京を、世界をリードするような環境先進都市に進化させるという意味で大きな契機にもなったと思います。
 その点を引き継ぎまして、今後とも引き続き、PM二・五などの大気環境について、固定発生源や自動車排出ガス対策を一体化して効果的に対策を推進するなど、東京が解決すべき課題への取り組みを強化してまいります。
 また、今まさに東京がたどってきた経験をアジアの諸都市が経験しているということもございますので、我々の経験あるいは政策ノウハウを生かせるのであれば、ぜひ積極的に協力してまいりたいなというふうに思っております。
 さらに、今、舟坂委員からお話のあった水素社会の実現といったような、まさに今、国を挙げて取り組むべき課題、こういったことにも、都としても関係者の英知を結集して、こういった次世代エネルギーの普及にも取り組んでまいりたいと思います。
 二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックは、こうした東京の取り組みを発信するという意味でも非常にいい機会だと捉えておりますので、今回、さまざまなご質問をいただきましたディーゼルの経験も踏まえまして、また、本日、まだ終わっていませんけれども、委員の皆様方からいただいておりますさまざまなご意見もしっかり心に刻みまして、世界一の環境都市の実現に向けて、職員一丸となって全力で取り組んでまいりたいと思いますので、引き続き都議会の皆様のご指導、ご鞭撻をよろしくお願いいたします。

○舟坂委員 取り組みの流れを踏まえ、前向きな答弁をありがとうございました。終わります。

○桜井委員 今の局長の答弁で、何か委員会が終わっちゃったような、閉まっちゃったような雰囲気があるわけですが、皆さん大変お疲れのところとは思いますが、最後でございますので、よろしくお願いをしたいと思います。
 私の方からは、大きく二点質問させていただきたいと思います。
 まず最初に、省エネルギー対策、気候変動対策についてお伺いします。
 これも先ほどからちょっとお話が出ていましたが、来週二十五日から、気候変動に関する政府間パネル、いわゆるIPCCの総会が横浜で開催されますが、昨今の台風や豪雨、猛暑など世界的な異常気象の頻発を目の当たりにするにつけまして、気候変動対策は本当に待ったなしというような状況であると思います。
 都はこれまで、都市型キャップ・アンド・トレード制度など先駆的な気候変動対策を推進するとともに、大震災以降も、緊急節電の取り組みや省エネ・エネルギーマネジメント推進方針を策定しましてCO2削減、省エネ対策を着実に講じてきており、加えて、エネルギー消費量を二〇〇〇年比二〇%削減するという、これも先ほどからお話が出ていましたが、目標を掲げたわけであります。
 省エネの取り組みを進めていくことがCO2の削減につながるわけでありますが、まず、改めて、都の省エネ目標の設定の考え方と、これまでの省エネ、CO2削減に向けた事業者の取り組み状況をお伺いいたします。

○山本都市地球環境部長 都は、二〇二〇年までに温室効果ガスを二〇〇〇年比二五%削減するという高い目標を掲げ、都民、事業者の協力を得ながらCO2削減に取り組んでまいりました。この結果、二〇一一年度には、これまでの取り組みが生かされまして大幅な節電が実現し、都内のエネルギー消費量は二〇〇〇年度比一五%削減となっております。
 一方、震災以降、火力発電所からの電力供給が増大したことで、CO2排出量は逆に増加し、都民、事業者の省エネ努力がわかりにくくなってしまっております。
 そこで、都民、事業者に省エネ成果をわかりやすく示すため、温室効果ガス削減目標のうち、需要側の削減水準に相当しますエネルギー消費量二〇%削減という目標を設定いたしました。
 この間の事業者の取り組み状況につきましては、震災直後はエレベーターの停止や高目の温度設定など負担の大きい取り組みも見られましたが、二〇一二年度以降はこうした取り組みが見直され、照明照度の低減や過剰な換気の停止など、執務環境に影響を与えない賢い省エネが定着してきております。
 また、LED照明への更新も大きく拡大するなど、快適性を維持向上させながらエネルギーを削減する取り組みが続いてございます。

○桜井委員 今の答弁にもありましたように、震災以降、事業者の努力によりまして着実に省エネの取り組みが進んでいるようでありますが、さきの本会議一般質問で私が取り上げさせていただきましたが、都内業務、産業部門のCO2排出の約六割は中小規模事業所が占めておりまして、中小規模事業所への対策は大変重要だと思います。
 その中で、都内に数多くある中小テナントビルは、省エネ改修をしても、ビルでエネルギーを直接使用しているテナントの光熱費削減にはなりますが、オーナーの利益とならないために、省エネ改修がなかなか進みにくい状況であるというふうに改めて申し上げます。
 これまで私は、CO2排出レベルを七段階で示すベンチマークを活用した中小テナントビル対策を提案するとともに、省エネ性能をわかりやすく示す仕組みを構築して、ビルオーナーがテナント入居者に省エネ性能をアピールできるようにすることを求めました。これを受けて都側からは、カーボンレポート制度と省エネ改修効果の見える化に取り組むという方向性が示されたところです。
 そこでまず、カーボンレポートについて伺います。
 先週の予算特別委員会で質疑がありましたが、カーボンレポートは、ベンチマークを活用してCO2排出実績を階段状で色分けし、わかりやすい書面であると思いますが、制度を構築しても利用されなければ意味がないわけであります。
 ビルオーナーを初めテナントや入居希望者にどれだけ活用されるかが大変重要であるわけですので、活用を促すには、例えば、ベンチマークの段階ごとに電気料金がわかるようにして周知を図っていくことが必要ではないかと思います。
 都は、普及に向けてどのように取り組みを進めていくのかお伺いをいたします。

○山本都市地球環境部長 カーボンレポート制度の普及につきましては、その作成方法や活用方法などを示したガイドラインを作成し、毎年度実施しております地球温暖化対策報告書の説明会などの場で事業者にわかりやすく周知を図ってまいります。
 また、このガイドラインでは、ベンチマークの段階ごとに電気使用量の目安を示してテナントビルへの入居希望者が電気料金の大小を推定できるようにして、カーボンレポートの活用を促してまいります。
 加えて、テナント事業者向けのセミナーで制度を紹介するとともに、ビルを探している顧客との接点のある不動産仲介事業者にも協力を呼びかけ、カーボンレポートの普及を図ってまいります。

○桜井委員 ぜひカーボンレポートの普及にしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 次に、省エネ改修を実施する際の改修効果を見える化する仕組みについて伺います。
 さきの予算特別委員会で、都は、中小テナントビルの省エネ改修効果を見える化するために、改修効果をシミュレーションできる省エネ改修評価ツールを構築していくということですが、具体的にどのように構築していくのかお伺いいたします。

○山本都市地球環境部長 都は、来年度から二カ年度で、中小テナントビルを所有する中小事業者等を対象に省エネ設備の更新費用の二分の一を助成してまいります。この助成は、改修後の実績データの提出を条件に、二百件程度のデータ収集を行うものであります。このデータを活用しまして、省エネ改修の効果を予測、評価する省エネ改修評価ツールを構築してまいります。
 具体的には、あらかじめ算定したエネルギー削減量などの省エネ効果を改修後の実績値と突合しまして計算式の修正を行うなどして、信頼性のあるツールとしてまいります。
 あわせまして、カーボンレポートの様式を活用しまして、改修前後のベンチマークのレベルアップをわかりやすく示す評価書も作成して、中小テナントビルの改修を促進してまいります。

○桜井委員 ここまでは省エネ目標の考え方と中小テナントビルの取り組みについて伺ってまいりましたが、都には、テナントビルに限らず中小規模事業所をしっかりと支援していただきながら、都内の省エネ、CO2削減に向けて引き続き取り組んでいただきたいと思います。
 なお、CO2削減で忘れてはいけないことがあります。それは、家庭や、先ほどもお話がありました事業者の省エネ、節電のご努力もあって、首都圏は現在、電力不足ではないものの、供給力の中には、東京電力の老朽化した火力発電所の稼働が含まれているという現実であります。
 老朽火力発電所は、発電効率が悪く、CO2排出量が多いことから、現状は地球温暖化の面で好ましい状況とはいえません。また、その燃料の高騰も相まって電気料金にも影響していることを、都民の皆様にぜひともしっかりご認識をいただきたいというふうに思っております。
 加えて、老朽ゆえに故障による運転停止のリスクがつきまとうことから、安定供給の面からもリプレースを進めることが重要であると考えます。
 東京電力では、平成二十六年一月に認定された新・総合特別事業計画の中で、他社との資本的提携を前提として燃料調達から発電までの事業を行う包括的アライアンスを最大限活用することにより、老朽火力のリプレースを速やかに、かつ確実に実施するとしておりますが、都においても、こうした老朽火力発電所のリプレースを促進するよう、しっかりと働きかけを行っていただきたい、これは要望させていただきたいと思います。
 次に、CO2削減を進める上では再生可能エネルギーの普及拡大も重要であります。
 都はこれまでも先進的な取り組みによって、太陽光発電を中心に大きな成果を上げましたが、現在、独自の新たな取り組みとして、都内の各建物が太陽光発電の導入に適しているかを表示するソーラー屋根台帳を開発し、本年度中に公開する予定と聞いております。
 そこでまず、このソーラー屋根台帳の概要及び特徴についてお伺いをいたします。

○石川都市エネルギー技術担当部長 多数の建物が立地しております都内におきまして太陽エネルギーの利用拡大を進めるためには、太陽光発電パネルなどが設置可能な屋根を活用することが重要となってまいります。
 しかしながら、仮に設置可能な屋根がありましても、建物が密集しているところなどでは、その屋根に日陰が生じることもあり、建物所有者の方が設置を検討する際の不安要因の一つにもなっております。
 現在開発中のソーラー屋根台帳は、隣接する建物の影響による日陰などを反映いたしまして導入ポテンシャルを把握することができる精度の高いものとしておりまして、このようなツールの開発は、全国でも初めての取り組みでございます。
 ソーラー屋根台帳は、インターネットのホームページ上に表示される地図の上に、太陽光発電の導入に適している建物が一目でわかるように色分けして表示いたしますとともに、画面上の屋根をクリックするだけで設置可能な発電容量や予測される発電電力量がわかるなど、利便性の高いものにしております。

○桜井委員 太陽光発電のさらなる普及拡大に資する画期的なツールができ上がっているように思います。
 全国でも初めての取り組みとのことですが、このソーラー屋根台帳によってどのような効果が期待されるか、また、どのように施策に活用していくのか所見をお伺いいたします。

○石川都市エネルギー技術担当部長 ソーラー屋根台帳は、この三月下旬に公開する予定でございます。これを公開することで、建物所有者が太陽光発電を設置することへの動機づけにつながりまして、さらに、太陽光発電の販売事業者のビジネスチャンスを広げる効果も期待できると考えております。
 また、ソーラー屋根台帳で算出される導入ポテンシャルを多角的に分析することによりまして、地域ごとの特性を把握することが可能になります。
 こうした分析をもとに、例えば工場や倉庫などの屋根における導入ポテンシャルが大きい地域では、固定価格買い取り制度を活用した太陽光発電導入のメリットなどをお伝えするセミナーを開催するなど、導入を促進していくことを想定しております。

○桜井委員 ソーラー屋根台帳の活用によりまして太陽光発電の普及がさらに進んで、気候変動対策に資することをご期待したいと思います。
 それでは、次の質問をさせていただきます。
 次は、自転車シェアリングの普及促進についてお伺いいたします。
 自転車は都内で約九百万台が普及しているともいわれており、その利用スタイルにも変化が見られ、通勤やスポーツサイクルなど幅広く利用者が増加しつつあるわけです。
 しかし、依然として都内では自動車に偏った都市内移動も多いため、環境負荷の少ない移動手段へとシフトさせていく必要性は高く、その受け皿の一つに、都市交通手段である自転車があると思います。
 これまで自転車利用に関する施策は、交通渋滞の解消や交通事故防止の視点などを中心に構築されてきました。今後、自転車利用をより一層促進していくためには、安全面に配慮するとともに、これらの視点に加え、一歩進んで、自転車を利用しやすいものに変えていく、利便性を向上させる、利用者側の視点に立った施策構築も必要と考えます。利用促進を図ることが、結果として交通渋滞の解消や環境負荷の低減につながるものと考えるわけであります。
 海外の諸都市では自転車シェアリングが普及しておりますが、自転車を借りたステーションに戻ることなく行動できるため、快適に移動することが可能であり、都内での交通手段の一つとして有望だと思います。
 自転車シェアリングの普及を図っていくべきと考えますが、見解をお伺いします。

○山内自動車公害対策部長 都内にはさまざまな交通手段があり、移動に伴う環境負荷を低減させるには、目的などに応じた適切な移動手段を選択し、過度に自動車に依存しない交通行動にシフトしていくことが重要でございます。
 委員ご指摘のとおり、自転車も、環境負荷の少ない都市交通手段として重要な位置を占めております。特にその自転車を活用した自転車シェアリングは、一台の自転車を複数の利用者で共同利用することから、環境負荷の低減に資するだけでなく、まちの回遊性の向上、健康増進などさまざまな効果が期待できます。
 一方、自転車は交通事故や放置自転車などの課題もあり、自転車シェアリングを効果的に施策展開していくためには、利用者の視点に立ち、自転車需要の存在や地形的な条件なども考慮しなければならないことから、地元区市などと連携して取り組みを進めていくことが重要と考えております。

○桜井委員 自転車シェアリングにつきましては、一昨年の第二回定例会において我が党の山崎議員からの指摘を受け、本会議での答弁にもありましたとおり、都は自転車シェアリングの普及に向け、現在、江東区で社会実験を支援しております。
 その中で、普及に向け、東京都自転車シェアリング連絡会を設置し取り組みを開始したとの答弁があったわけでありますが、そこでまず、改めて、この連絡会を設置した意義についてお伺いをいたします。

○山内自動車公害対策部長 この連絡会は、自転車シェアリングの普及に向け、その効果的な実施方法に関する知見等を収集し、問題解決に向けた方策や都内での自転車シェアリングの広域化について検討を行うものでございます。
 構成メンバーは、サイクルステーションの公道上の設置等に係る許認可権限を有する建設局、警視庁、歩行者への安全対策のノウハウを有する青少年・治安対策本部、さらには都市整備局、港湾局、産業労働局、福祉保健局も加えた庁内横断組織となっております。
 現在の具体的な取り組みは、江東区での自転車シェアリングに関する実証実験の円滑な実施に向け、利便性の高いサイクルステーションの設置場所や安全対策について、各局並びに江東区との間で調整するとともに、その実証実験の結果を共有することで都内での自転車シェアリングの普及を目指しております。

○桜井委員 江東区の実証実験は、これは一つの例ですが、豊洲駅に設置してあるサイクルステーションでは、毎朝、全ての自転車が貸し出され、新たに何台もの自転車が追加投入されており、逆に帰宅時間帯には、台場方面などのサイクルステーションでの貸し出しが多くなっているとのことです。
 また、休日には、商業施設のある地域を中心として休日独特の利用形態、特色も見られているというふうに聞いています。
 江東区の実証実験は、実験区域内ではしっかりと交通手段の一部となり、まちに溶け込み、都民の足として機能しているというふうに思います。
 こうした状況をつくり出すには、運営事業者や地元江東区、東京都などの関係者の工夫の積み重ねがあるものと思いますが、そこで、こうした利便性を向上させたこの実証実験の内容や特徴、並びに利用状況などについてお伺いをいたします。

○山内自動車公害対策部長 江東区での実験は一昨年の十一月より開始され、豊洲からお台場にわたる広範囲で、業務、観光、買い物など多様な自転車需要のある地域を対象に、現在、二十一のサイクルステーション、三百台の自転車が配置されております。
 サイクルステーションに関しては、自転車を発見しやすくというか自転車が目立つ場所で返却しやすい利便性の高い駅前の歩道等で、かつ歩行者への安全確保も配慮した設置とその構造になっております。
 利用方法に関しては、最新のICT技術により、スマートフォンや交通ICカード等、SuicaとかPASMOですね、そういったもので利用が可能で、無人登録機の設置により、初めての利用でも数分で登録完了となり利用することができます。
 その他、利用形態に応じた料金設定や夜間利用を可能とした二十四時間利用、親子で利用可能な電動アシストつき自転車も投入されており、利便性の向上が図られております。
 利用状況は、昨年末現在で二万人を突破しており、利用者へのアンケートでは、九〇%以上の利用者から満足している、九八%以上の利用者から本格導入時も利用したいと、高い評価を得ております。

○桜井委員 江東区の取り組みは、利用者目線に立った工夫が盛り込まれ、誰もが手軽に利用できるなど、他の社会実験と違う秀でた特色を有し、東京ならではの新たな自転車シェアリングの姿が生まれつつあるというふうに思います。
 私は、自転車シェアリング事業に関しましては、確かに利便性確保の視点も重要ですが、またコスト面にも注目しなければならない、そのように思います。
 最新技術を採用したシステムは、利便性を向上させる一方で、初期投資費用が多額になりがちです。江東区での事業採算面の状況はいかがでしょうか。

○山内自動車公害対策部長 江東区の実証実験は、自転車シェアリングの事業の継続性を念頭に、利用者からの利用料金収入を柱とした事業運営となっております。
 サイクルステーションの配置などで利便性を向上させた結果、他の社会実験と比べ、利用人数、利用回数などが大幅に伸びております。
 一方、利用人数とか利用回数は伸びているものの、利用を促進するために低廉な利用料金となっているため、今後の利用料金の収入動向を見定め、さらに事業採算性を検証する必要があることから、江東区では実証実験の期間を延長しております。

○桜井委員 わかりました。
 自転車シェアリングは、事業採算性を確保し、事業の持続性を成り立たせる仕組みを構築することが重要であるというふうに思います。そのため、利便性向上などの工夫を凝らした江東区での実証実験の知見等も生かして、都内での自転車シェアリングの普及を図っていくことが有効であるというふうに考えます。
 今後、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックに向けて環境先進都市東京の実現を図る上で、環境によい自転車シェアリングの普及拡大を図っていく必要があるというふうに考えます。そのためには、広域自治体として各自治体へ支援が不可欠です。
 本会議で各自治体の自転車シェアリングを支援するとの答弁がありましたが、どのような支援を行っていくのかお伺いいたします。

○山内自動車公害対策部長 自転車シェアリングに向けた支援でございますが、具体的には、ソフト施策への支援として、地域の実情に応じた地元自治体が効果的な事業計画を策定するための経費、ハード施策への支援として、サイクルステーションの設置や事業システムの構築に係る経費について、その費用の一部を実施主体である区市町村に対して補助を行ってまいります。
 こうした新たな補助制度の創設とともに、江東区での実証実験などで得られた知見などもあわせて提供することで、都内での自転車シェアリングの普及を図ってまいります。

○桜井委員 都が広域自治体として、自転車シェアリングの普及に向け、財政支援や情報提供などでしっかりと区市町村を支えていく考えにあることは、今の答弁で理解いたしました。
 自転車シェアリングは、地元住民の足として、地域の特性や地形などを掌握している区市町村が自転車施策の一環として取り組むことが有効であるというふうに思います。そして、その各自治体で取り組まれている自転車シェアリングが連携し、行政区域を越えて利用できる環境が整えば、自転車の利用はより一層促進されると思います。
 先ほどの答弁で、既に東京都は江東区と連携して普及に取り組んでいるとのことですが、都内の各自治体で、江東区以外でも来年度自転車シェアリングに取り組む予定のある自治体はあるのかお伺いをいたします。

○山内自動車公害対策部長 委員ご指摘のとおり、自転車は都民に身近な交通手段であることから、都内の自治体でさまざまな自転車施策が実施されております。
 自転車シェアリングに関しましては、港区と千代田区がそれぞれ来年度予算を計上し、自転車シェアリングの事業に取り組むことを公表しております。
 これらの地域は、現在、実証実験を実施している江東区とも近接しており、また二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックの競技会場予定地とも重なることから、都としては、これらの地域で、自転車シェアリングの広域化に向け連携を図っていくことが望ましいと考えております。

○桜井委員 江東区の隣の私の地元墨田区もまだ手を挙げていないというところでありますが、先ほど申し上げたオリンピック・パラリンピックの開催の観点から見れば、墨田区にぜひ話をしてみたいなというふうに私は思っておりますので、その節はよろしくお願いしたいと思います。
 ただいまの答弁で、東京オリンピック・パラリンピックに向け広域化を図っていくとのことですが、広域化を図っていくことは、それほど容易なことではないというふうに思います。
 効果的な自転車施策は地域特性などを考慮しなければならないため、各自治体が取り組んでいくべきものと考えますが、私が先ほどから主張しているように、利用者の観点から考えた場合に、各区において自転車シェアリングが実施されたとしても、そのシステムや自転車の構造などがばらばらでは、行政区域を越えた利用とはならず、広域化は実現されないというふうに思います。
 東京は、行政区域を越えて町並みが連なり形成されており、さらに、オリンピック・パラリンピック開催に向けて道路整備やまちづくりが急ピッチで進むことで、町並みや都市機能がさらに変貌していくことになるというふうに考えます。こうした状況下で、利用者にとって自治体の境を越えた便利で広域的な自転車シェアリングを実現させることは、環境負荷のさらなる低減につながり、有意義なものになるというふうに思います。
 都は、広域自治体として、自治体間の自転車シェアリングの広域連携についてどのように取り組んでいくのか、所見をお伺いいたします。

○山内自動車公害対策部長 自転車シェアリングが一自治体の中だけの利用にとどまるのではなく複数の区で実施され、相互に乗り入れることが可能となれば、利用者の活動範囲も広がり、より長距離の移動も可能となり、自動車からの転換なども期待でき、環境負荷の低減に大きな効果があると考えております。
 現在実施している江東区での実証実験でも、都は、これは港区とかなのですが、隣接区の間を調整し、一部の地域において区境を越えたサイクルステーションを設置し、自転車の往来が一部実現しております。
 都としては、さらに、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックを見据え広域的な展開を目指し、競技会場予定地の周辺区など自転車シェアリングに取り組む自治体との情報共有の場を設け、相互乗り入れ可能なシステムや自転車の構造などについて検討するなど、利用者が自治体の境を越えた利用が可能となるよう、自治体間の連携を促してまいります。

○桜井委員 今までお話しした中では、何かオリンピックをやるからシェアリングをやるよというような話に聞こえちゃうかもしれないんですけど、これは一つの形でありまして、やはりこれはオリンピック以外、東京全体の自治体の中でシェアリングを進めていこうという考え方だというふうに思いますので、また、観光を推進するためにも、自転車の活用というのは広域的な観点でも非常に重要だというふうに考えておりますので、オリンピックが主眼ということじゃなくて、東京全体にシェアリング、また観光施策、環境負荷も含めて、そういうものを強く推進していっていただくことを望む次第なんです。
 自転車施策に関しましても、各自治体の取り組みが広がりつつあるというふうに思います。広域化は難しい課題もありますが、先ほどもお願いしましたが、東京都としても、こうした流れを捉え、さらに加速させるために、ぜひ地元自治体の取り組みをしっかりと支援し、より一層の環境負荷の低減に向けて取り組んでいただくことを心からお願い申し上げて、私からの質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

○野上委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○野上委員長 異議なしと認め、予算案及び付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で環境局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後六時十五分散会

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